夜になっても蒸し暑い・・・・
さて、この辺りならあるはずだけど・・・・
あったわね・・・・んっ、ここならいいわ
(夜半過ぎ、ネオンが彩る表通りを避け、裏通りにある廃ビルに入っていく)
(退魔の仕事、ではなく時折術の訓練をする為に人気のない場所を探していたのだ)
(丁度、放棄されて数カ月といったところで造りもしっかりしていて防音も効いていた)
さて、軽い術から始めればと思ったけれど・・・・・
(廃ビルは元雑居ビルでスポーツジムがあったフロアに入るとガランとした空間が広がっている)
(その中央まで足を運び、符を数枚取り出したところで気配を感じて振り返ると)
浮浪者、には見えないし、後を付ける気配を感じなかったのは・・・・?
・・・・人間に見えるけど、そういう気配はないみたいね
一体、何の用?
足音は立てなかったつもりだったんだがな。
(とんとん。鞘に収まった刀を肩に乗せて叩く)
(気配はそれなりに隠していたつもりだったが、反魂の匂いまでは
隠しきれなかった。ここは素直に彼女の勘の鋭さを誉めたたえる場面だろう)
第一に、俺の素性はどうでもいい。
第二に、あんたが、高峰美咲だって事も調べがついている。
第三に、ここが重要なんだが、あんたを痛めつけて来いと頼まれている。
補足として、殺すつもりはないから観念してくれると俺としても助かる。
(廃棄されたビルの広い空間で、高峰美咲と対峙する。依頼があったのは三日前。
その間、遠巻きに観察しつつ尾行をして、隙の出来るタイミングを窺っていたのだが
そのチャンスが眼前に転がってきた。生前から愛用している刀を鞘から少しだけ引き抜く)
抵抗するのは勝手だけどな。
(刀を上段に振りかぶり、そのまま抜き放つ。すっぽ抜けた鉄の鞘が弾丸のように直進する。
この飛び道具を牽制として足元に投げ付けてすっと間合いを詰める)
>>109 退魔師が気配を知るのに足音だけを頼りにしているとでも?
・・・・刀使い、妖魔にしては珍しい
(もはや相手が人間ではない事は明白であり、自分の身の上を隠さず言い放つと)
(相手の持つ得物を見て、出方を窺いながら)
・・・・私だと知って付けてたの?
痛めつけるのが目的の妖魔に殺すつもりはないと言われて、そのまま信じると思う?
(腰を少し落として、片手でベルトの内側にある手裏剣を持ち、さらに片手を背面にやって)
(背に一本隠す様に差した小太刀の柄を握るといきなり振り上げる動作と共に鞘が突っ込んでくる)
く・・・・・っ!!
来たれ烈風!!!
(飛び下がると同時に手にした手裏剣を正面に投げつけ一拍の間を稼ぐと持っていた符を投げつける)
(符は霊力の籠った風圧の塊となって妖魔と思われる男に直進する)
信じるかどうかは任せる。
そこまで強要するつもりもないな。
(一気に警戒心を高め、こちらの素性を悟るや一瞬にして戦闘態勢を整える。
高峰美咲はよい退魔師だと、心の中で偽りなく称賛する。それでも仕事は仕事だ。
そして何よりも、仕事は楽しむに限る。だから楽しみで仕方ない)
いい反応だ。
(牽制の鉄鞘は下がって避けられた。同時放たれた手裏剣は刀身の峰で弾き飛ばす。
呪言と共に風の力解放した符が追撃の一撃として放たれる。喰らえば只では済まされない)
重ね刃・氷切。
(上段に構え直した刀身に冷気を纏わせて、袈裟斬と一緒に開放する。
冷気を纏った日本刀が風の塊を捉えてその力と拮抗する。
二つの力が拒絶し合って、反動で弾ける。その余波を貰って頬が二筋切り裂かれた)
やるな。
だがこれからだ。
(今度は地摺りに構えると同時に駆け出す。
その挙動をフェイントとして、地面に落ちた鞘を蹴り飛ばす。
それもまた目晦まし。今度は下段から切り上げて、切っ先から発生した雹を飛ばす)
>>111 ・・・・・やるっ!!!
(投げた手裏剣は牽制だったが、術は本気で撃った)
(相手から向かって来ている事もあり返し手は限られているはずだ)
(しかし振り下ろした刃に力が籠っていたのか相殺されてしまう)
それなら・・・・吹き飛ばせ!轟風!!
(新たな術を用意するが、間合いを詰めてくるのを見て小太刀を抜き、構えると)
(その刹那、飛んできた鉄鞘に術をぶつけて弾き飛ばす)
(術の間に間合いが詰まると下段からの斬撃に小太刀を合わせ同時に術を発して)
雷命刃!!!くぅぅ・・・・・っ!!!!
あああ・・・・っ!!!!
(雷撃を帯びた刃は受けると同時に攻撃を仕掛ける代物だったが)
(礫となった雹を防ぐ事が出来ず、一瞬の霊力の均衡の後に吹き飛ばされてしまい)
(転がって立ち上がるとブラウスの肩口が破れ、雹の直撃を受けたのか血が流れて)
・・・・強いわね、あなた
それにこの氷結術、凄いわ
名前、聞いてもいいかしら?
(符の数を増やしながら、深く腰を落とすと一撃を狙う構えを取る)
(術と鉄鞘と小太刀と術が一瞬にして交錯する。
互いの攻撃を潰し合い、有利な状況を作ろうと流れを掴みあう)
(鉄鞘は小太刀に弾かれて、雷撃の刃は雹の弾丸に潰された)
そっちこそ、実に多芸多才だな。
いやはや、世の中は広い。できれば生きてる間に会いたかったよ。
(ぴっと指先で頬を拭い、血を弾く。地に落ちた血がじゅっと蒸発する。
ダメージとしては、肩口に雹の礫を食らった美咲の方が上だろうか。
しかし、油断はできない。恐らく術の引き出しは向こうの方が上なのだろうから)
――光元玲次。
元はあんたとご同業で、今はしがない請負人さ。
(半身になり、前傾姿勢で刀を肩に担ぎつつ、刀に先ほどの倍以上の力を注ぎ込む。
美咲の符術に対抗する為には、それしかない。術を強引にでも相殺した上で接近し
峰の一撃を叩きこみ、戦闘能力を奪う。仮にそれで死んだとしても、その時はその時だ)
・・・我は求め・・・訴える・・・・・・慈悲深き深雪の聖母・・・・・・
・・・新たなる氷雪の契・・・今ここに・・・・・・包まれて眠れ・・・
――――重ね刃・絶雹の太刀!
(呪願言による力の一時的な増強。キィィィンと大気の温度が低下する。
ふっと吐息を吐き様に刀を振り下ろす。放たれるの吹き荒ぶ氷雪の暴風。
冷たい暴風が大気をかき乱して、フロアーの窓ガラスを全て吹き飛ばす)
>>113 それはありがとう、色々出来ないと危険な世界だから
・・・・?生きてる、うち・・・・?
光元怜次・・・・覚えたわ
そういう事・・・・・でも、感傷には浸れそうもないわね
(生きているうち、という言葉とこれまでの術から元退魔師が反魂したのだろうと推測する)
(だが、今目の前の男、光元怜次から湧き上がる鬼気に強大な一撃が来る事を感じて)
(用意した符の力を全て開放すべく霊力を集中させていく)
あまり、使いたくはないけれど・・・・・
・・・・天地を貫く、大神の一撃よ・・・・すべてを砕く、雷の鎚よ・・・・・
(手にした符が光を発して燃え尽きる度に周囲に雷光を纏った光球が現れる)
(周囲にバチバチと火花を散らすそれは一枚符が消える毎に数を増やしていく)
彼の地より来たりて・・・・・我が意志の元・・・・ぅ・・・・・く・・・・・・
我が敵は汝が敵・・・・・我が敵は神の敵・・・・はぁ・・・・穿ち、砕き・・・・・
黄昏の滅びを与えよ・・・・・来たれ・・・・・!!!!!
(術はほぼ完成したのか手にした符は一枚が残るのみとなって)
(霊力を相当消耗して、額には汗が見えている)
(制御の困難な大技を仕掛けるというのは時間を取りたくない意志の表れでもあった)
(だが、術のトリガーワードを発する前に怜次の一撃が発動する)
(完成しきっていない術を技の相殺とあわよくばダメージを狙って強制発動させる)
くぅ・・・・雷神の鎚!!!!
(閃光と共に雷撃の塊が炸裂して氷雪の暴風とぶつかり合う)
(通電する武器全てを一瞬宙に浮かす程の威力は完成しない故にすぐに霊力が霧散してにあっけなく消える)
(爆裂したかの様な暴風を何とか相殺したが、強制発動の反動を受けてほとんど棒立ちになっていた)
(閃光と衝撃と暴風と冷気が入れ乱れ、全てを飲み込んで弾けてゆく。
渾身に近い大技同士がぶつかりあって、その反動はあちこちに深い爪痕を穿っている。
刀を振り下ろしたままの玲次は、その光景を朦朧とした眼差しで暫くそれを眺めていたが)
こふっ、こふっ・・・かふっ!
(咳込んで吐血した。刀を落として片膝をつく。大量の力を消費した反動は、
死人となった今では生前よりも激しい。消耗した力は、それはそのまま現世に留まる
為の仮初めの生命力であるのだから。失った分は何処かで補充しなければならないが)
へ、へへ・・・先に仕事済ませないとな。
(刀と鞘を拾ってからコートのポケットからカメラを取り出して、虚脱した美咲に近寄る。
大技を繰り出した反動でまもとに動けない状態なのだろう。まずはそこで一枚撮影。
戦闘中に魅せた彼女の研ぎ澄まされた美しさは、そこにはない)
>>115 (膨大な霊力を消耗した事は身体に起きている現象で理解出来る)
(術の強制発動と防ぎきれなかった術のダメージがあるのだろう)
ぜぇ、ぜぇ・・・・・はぁ・・・・っ、あ・・・・・
う・・・・・く・・・・・・
(身体は虚脱して動けそうになく、怜次の動きは目で追えるがそれ以上の事が出来ない)
吐血・・・・・戻った者は力が完全になくなれば、消える運命・・・・・
・・・・・・あ、う・・・・・く・・・・駄目、動けない・・・・・
(吐血したのを見て、力の流れは自分に向かっていたのに何故と考え)
(蘇ったなら、その元になるのは力そのものであり、その消耗の結果だと思い至る)
こんな、写真欲しがるなんて、悪趣味・・・・・
う・・・・ふぅ・・・・・く・・・・・ぅ・・・・・・
(術の反動というにはやや艶めかしい呻きを上げて写真を撮られる事に嫌悪を示して)
別に、俺が欲しがってるわけじゃない。
あんたあっちこっちで頑張ってるから、恨み買ってるんだろ。
(苦悶の表情を浮かべつつ、拒絶の意思を示す美咲に接写する。
二枚、三枚、四枚・・・これくらいあれば依頼人も納得するだろうか)
悪いな、これでミッションコンプリートだ。
(口元に残った血を袖で拭い、距離を離す。
まだ動けないからと言って、不用意に近寄れば窮鼠の一撃を打たれる可能性もある。
本当なら精気を啜って力を補充したかったのだが、他を当たることにしよう)
じゃあな。風邪引くなよ。
二度と会いたくないもんだ。
あと逆恨みも止せよ。俺は仕事しただけなんだからさ。
(ふらっとよろめいて、重い身体を引きずってその場を立ち去ろうとする)
【そろそろ〆かな。これくらいで良しにした方が無難だと思うんで】
>>117 く・・・・確かに、あなたは依頼をこなしただけね
恨みは心当たりがあるような、無いような・・・・・
(嫌がる表情を撮られ、悔しそうに呻きながら)
・・・・そう、みたいね
この暑いのに風邪なんか・・・・
く・・・・ぁ・・・・ちょっと、待ちなさい・・・・
あなた、精気を吸わないと持たないんじゃないの?
誰かを襲うつもりなら・・・・
(漸く動ける様になった身体を柱にもたれ掛らせて)
【そうね、戦いはそうだけど】
【精気ってどうやって吸うのか聞いておかないとね】
なんだよ?こっちは火の車なんだがな。
・・・ああ、安心しろ。一々殺すのも効率が悪い。
ちょびっと吸うだけだから。
(美咲の言いたい事を察して、その方法は使わないと言っておく)
(身体のあちこちが麻痺してきた。脳からの命令が上手く伝わっていない。
命という名の電力が切れれば、動かない玩具と同程度の価値しかない。
それを補充するには、やはり他者の命から拝借するしかない)
これでも元人間なもんでな。
無用な殺生は嫌いなんだ。ただの偽善だけどよ。
(だが、その都度に殺すのは効率的ではない。だから報酬を得て風俗街へと赴く。
吸うのは生存に必要な、健康な人間からすれば微々たる量に過ぎない。
これも効率よく長生きするために必要な知恵だった)
じゃあな。
頼むから追いかけてくるなよ。
【一番簡単なのは性交中に吸うという手段】
【で、俺の方はこれで〆で。またロールしてくれたらうれしい】
【初ロールで慣れない部分もあったけど、ありがとうな】
>>119 ・・・・良いとは言えないけど負けた私が言えた義理じゃないわね
見逃すというのもおかしな話だけど、私は口を挟まないわ
(すでにガタが来ているような動きに少しだけ眉をひそめると)
そのお陰で私も助かった様なものね・・・・
ええ、そんな元気はないけれどね・・・・
(歩み去ろうとする怜次を見送りながら)
(自身に湧き上がる過去の傷跡からくる衝動を抑えながら)
・・・・くぅ・・・・帰る元気もなさそう・・・・・
やりたくないけど、今日はここで・・・・
(ずるずると音を立てる様に崩れ落ちると柱にもたれたまま休む事にした)
【なるほど、わかりました】
【ええ、またロールしましょう】
【こちらこそありがとうございます、お疲れ様】