舞台はとある学園、人ならぬ『力』を得た少年少女たちの物語である。
彼らはその力の存在に惑い悩みつつも、同じような『力』を持つものたちと、時には敵として、
時には味方として対峙しながら 力を合わせて様々な奇怪な事件に挑み、その闇を暴いていく。
【ルール】
・煽り、荒らしは華麗にスルー。
・民間人やその他能力を持たないキャラハンの参加も可能です。
・スレの性質上、強姦や特殊プレイも可ですが、きちんと相手の了承を得ましょう。
・いくら戦闘モノだからとはいえ、険悪な展開はやめましょう。(相手の了承なく妖魔を殺害など)
・最強設定は勘弁してくださいお願いします。
・能力は使い魔、サーヴァント、念、核金、魔術、法術、変身など基本的になんでもありです。(強力すぎなければ)
・名無しさんは一般生徒、怪物で襲ったりなどがいいかもしれません。
・本校は幼等部から大学部まで有しており、留学生との交流も盛んです。
テンプレ
【名前】(読みも)
【年齢】
【性別】
【身長】
【3サイズ】
【容貌】
【能力】
【希望】
【NG】
【弱点】
【備考】
前スレ【異能】黄昏の学園8【異端】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/erochara2/1224247195/ 避難所【異能】黄昏の学園避難所21【異端】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5556/1227354400/
【名前】春日桜子(かすがさくらこ)
【年齢】16歳
【クラス】2年C組
【身長】155p
【体重】58s
【サイズ】B98W68H86、 ブラは75G
【眼鏡】樹脂製黒縁に青色が混じったもの。レンズは分厚いプラスチックレンズ。
何も無い所で転ぶドジッ娘だから金属フレームやガラスレンズでは壊れやすいから頑丈さで選んだ。
【容姿】肌の色は薄く白い興奮すると血の色で桜色になる。
制服をキチンと着るタイプ。
【髪型】腰まで有るストレートの細い黒髪。太陽の光の下だと茶色く輝く。
【性格】なんでも適当に流す
【タイプ】オナニーばかりしてる淫乱。愛撫は受け入れるが処女なので本番はためらう。
【服装】目立たない地味な色を好む。下着は青系統のみ。
【NG】レイプ、痛いSM
【希望】ラブイチャ。キスは多めに
【備考】処女なのに何故か母乳が出るから毎朝毎晩搾乳して痛むのを防いでる
スレ立て乙
【名前】紅裂 拓兎(べにさき たくと)
【年齢】十七歳
【性別】 男
【身長】 178p 80kg
【容貌】 半端な長さの赤茶色の髪・右耳にリングピアス(10mm)
半分齧られた林檎の意匠が刻まれたベルトのバックル
気分次第でサングラスやゴーグルなど
【能力】
・珪素の支配・・・珪素を生成して支配する能力。能力の用途は多岐に渡る。
・再生能力・・・ある程度の傷を負っても再生を開始する。祝福法儀済みの武器など
ある種の概念的武装に対しては若干回復が阻害される。
・体術・・・投げ、関節、寝技を主体とする。打撃は相手を崩す為に使用する。
【希望】戦闘・探索・交流・和姦 ・強姦
【NG】 猟奇・排泄
【弱点】バックルの破壊・・・・修復するまで能力が使えなくなる
聖句や真言に耳を背ける。聖なる土地では魔力の供給が阻害される。
【備考】
周囲からは変人として認定されている奇人。悪魔王サタンの契約者のひとりで、闘争狂。
生まれつき珪素を操る能力を持っており、それを魔力の供給によって強化している。
我を通しつつ人生を楽しむことをモットーとしている。しょうもない事に拘るが言動は大雑把の極み。
所属する《虚影会》の活動目的は人間社会に 破壊と混乱と悪徳を撒き散らすことである。
街角の画廊が集会場所。学校に通っているのは半ば趣味。 然るべき場所で然るべき相手と戦い、
その果てに死ぬのが、彼自身の最大の目的である。
プロフ投下落ち
【名前】綿貫 流(わたぬき ながれ)
【性別】男
【年齢】17
【身長】176cm
【容貌】ぼさぼさにのばした黒髪にはっきりとした顔立ち
なぜか学ランがお気に入り、夏服はあまり好きではないらしい。
【能力】
・受け流し
右手(左手)で攻撃を受けて、その威力をそのまま左足(右足)から放出する。
受け流すことができるのは打撃斬撃刺突、炎や雷、果ては魔術の類まで何でも。
ただし、体勢が乱れたり放出をし損なったりするとその威力が身体の内部でそのまま炸裂する。
ふつうに食らうよりも、よっぽど痛い目を見る羽目になってしまう。
基本的には受け流しを生かした徒手空拳での戦闘が主。
相手の攻撃を受けると同時に蹴りをたたき込むことで、蹴りの威力に相手の攻撃の威力を加えたカウンターなんてこともできたりする。
【希望】戦闘、雑談、愛のあるロール等々、なんでもござれ
【NG】やっぱりウホでアッーなものはご勘弁願いたいんだな、これが
【弱点】接近戦以外は全く持って対応不能。一応防御はできるんだけど。
大質量による攻撃、衝撃自体は受け流せても、質量まではそうはいかない。
手以外の部分への攻撃
【備考】
性格は根っからのケンカ好き。
ケンカするのは楽しいし、この街ではケンカの相手に不自由しない。
そんな噂を聞きつけて、この街の高校に進学を決めたのだった。
言われたから投下してみる。
とりあえず今日はそれだけだ。うん。
【名前】媛名 葵(ひめな あおい)
【年齢】18歳
【性別】 女
【身長】170cm
【3サイズ】細めのスラッとした体型で、胸がちいさめ。
【容貌】腰下までのストレートな黒髪。黙っていれば淑やかそうにも見える。
【能力】『 剣糸(けんし/ソードストリング)』
日本刀と糸などの様々な暗器を得物にすることから、組織内で“剣糸”の名をもつ。
異能はないが、その運動能力・動体視力・反応速度は常人を大きく上回る。
※ 日本刀は≪弐式(にしき)≫という名の霊剣で、暗器は糸とダガーを基本とする
【希望】雑談、戦闘、エロール などご相談いただければ
【NG】スカトロ、妊娠
【弱点】精神干渉、魔術的攻撃、現代文の授業(小論文も苦手)
両手が使えないような状況、純粋な力比べ・体力勝負にはあまり強くない
【備考】≪深凪(みなぎ)≫という非合法組織に所属している、異形狩り。
幼い頃に組織に拾われてからずっと、組織に従うだけの猟狗として生きてきたが、
日常の中で他人に触れたことで、自身の在り方を見つけて「猟狗」を辞めるに至った。
現在も組織に身を置き続けているが、それは従うだけの猟狗でなく意思を伴った個人として。
仕事は、目下 「異形(妖魔や暴走した異能を含む)」を狩ること。
“内容次第”では、仕事の一環として、外部からの異形関係の依頼を受け付けることも。
外見や丁寧な口調とは裏腹に、真顔で冗談や人を喰ったような発言もしばしば。
NGワードは控えめな胸に関すること。 左の小指が、ほとんど動かない。
【
>>1 遅ればせながらですが。屋形さん、スレ立て有難うございました。】
【プロフィールを大きく改訂させていただいき、投下落ちになります(一礼)】
【名前】屋形 静香(やなり しずか)
【年齢】16
【性別】女
【身長】151
【3サイズ】81・56・81
【容貌】膝裏まで伸びた長い黒髪・前髪も長く、顔の上半分を覆い隠す・病的に白い肌
【能力】長い髪を自在に操る・同時に髪の伸縮も可能
【希望】雑談・強姦じみたエロール・戦闘は得意じゃありません
【NG】スカ系・切断系
【弱点】髪だけに鋭利な刃物と火に非常に弱い・虫と日光は個人的に苦手
【備考】いつも図書室の隅っこで本を読んでいる
異能者たちのゴタゴタにはあまり関わりたがらない
口下手・感情表現が苦手・要は根暗
【プロフィールだけ貼って落ちます。】
くふふ。そういうあんたはいかにもって感じだが。
文芸部って会誌も出してるんだろ、文化祭とかに。
あんたがどんな物書くのか、ちょっと興味あるかもな。
(考えてもみれば、かなり妙な組み合わせだ)
(永遠を求める女と、世界に終焉を齎す組織に所属する男)
(本来なら、それこそ永劫に交わることのない迂遠な存在のはずだ)
(それでも、こうして対面して言葉を交わしているのだから、奇妙な縁である)
時宮の方だな。珍しく外に出て買い物してきたのに、ちょっと驚いた。
駅前の――名前忘れたけど、結構評判の店の奴だから美味いぞ。
ボスもこの店のタルトはお気に入りだ。つーか、買い物くらい自分で行けっての。
聞いてくれよ、いっつも俺が買い出し行くんだぜ?
(ここぞとばかりに同僚に対する愚痴を漏らす。思えばこんな事を誰かに話すのも)
(初めての気がする。そこまで親しく付き合った人間は、契約者になってからは皆無だ)
(差しだされた紅茶を見て、色が出るまで辛抱する。シュークリームを手に取って千切って)
(皮にクリームを塗りつけて食す。甘くておいしかった。流石は評判の店)
河豚も蟹もあるぞ。冬は連続で鍋の日もあったな、去年のことだったが・・・・・
くふ、くはは。俺も時々騙されてるんじゃないかって思うけどな。
けど、悪だろうがなんだろうが飯を食わないと立ち行かないって事さ。
(けらけらと笑う。確かに、悪の組織というイメージではない)
(至極アットホームな、暖かい集まりという気すらしている)
(だが、現実として彼らは人を無造作に殺し、この街に混乱と恐怖を齎している)
鮫の口の化け物と殺し合い。仕留めそこなってた。
あんたも、夜歩きする時は用心しな。
――それもそうか。ふむ・・・・「永遠に生きて何をする」か。
からくり人形を使う不死者が漫画で、そんな台詞があったよな。
あんたは、永遠を手に入れた後、どうするんだい?
ふ、ふ、ふ。うまく埋没しているだろう?
好きなものに合うように、人間は姿を変えるものらしい。
そうだとするとキミも、似合いの姿だよ。
世界を滅ぼそうという者に、紅蓮の色は相応しい。
んー、まあ、確かに会誌は出しているがね……。
(席に戻る前に、書棚から一冊、薄い冊子を取り出し、テーブルの上に放った)
(私の書いた、ちょっとしたミステリ作品がおさめられている)
あげるから、気が向いたら読むがいいさ。素人臭すぎて、笑えるかもしれないがね……。
(言いながら、紅裂くんの対面に座る。自分の分のイチゴタルト、さっそくゲット)
ああ、じゃあ、またお礼を言わないとね。
ん、見た目だけで、相当イイやつだってのは充分わかるよ。
これはこれは……うん、うん……。
(きれいなイチゴ。ほのかに香る甘さ。もう、陶酔したいぐらい)
(紅裂くんはいろいろと、組織での自分のあり方について不満を漏らしているが、アドバイスはひとつだ)
まあ、なんだ……がんばれ。超ガンバレ。
その仕事量は、ふふ、こんないいものを食べさせてもらえる食事代と、いい店を教えてもらえる情報量だと
思っておくんだね。実際、「知る」ことには価値があるよ?
(満面の笑顔で、箱についていたプラスチックフォークを、タルトに突き刺す)
(三角形のタルトの先端を切り落とし、口に運ぶ……)
( う ま い ぞ ー ! )
ああ、もう……ほわほわと、頭のまわりにお花が咲くようだ……。
(至福の表情で、甘酸っぱいイチゴを、クリームとサクサクのタルト生地と一緒に口に入れ続ける)
(今日、今日サボらずに部室に来ていて、本当によかった!)
……豪華だなキミのところは! そんな鍋、私じゃ一冬に一回やるかやらないかだぞ!
んん、まあ、待遇のいい会社は、だいたいの場合いい会社さ。
頑張って勤めたまえ。……あと、牡蠣鍋もオススメしておきたまえ。
(悪要素が本当にない辺り、我々は本当に悪ではないのかもしれない)
(少なくとも、今はそう錯覚していてもいいはずだ。罪も罰も、死んでから気にしたのでいい)
(私には一生訪れない、死のあとで)
ふむ? 鮫口ね……その表現だけでも凶悪そうだな。
何が嫌かってね、それの凶悪そうな感じより、「無限」には関係なさそうな能力ってトコだ。
もし出会ったら、無駄な戦いになりそうだな……やだなあ……気をつけるよ。ありがとう。
――あの漫画じゃ、ずいぶんしゃれた答えを返していたね。
私の答えは簡単だ。その瞬間瞬間で、したいことをする。人間、そんなもんじゃないかね?
大きな願いを叶えたら、それっきり願いが尽きるなんてことはないんだから。
本当に悪い奴ほど隠れるのが上手い。
仮面と擬態を使いこなせない犯罪者は、直ぐに捕まる、か。
そうか?くふふ、ありがとう。褒められたの初めてだ。
ミステリ――犀川先生とか、その辺のしか読んだことねぇな。
ちなみに最初にまともに読んだ小説は「ブルーマン・神を食った男」だったな。
(会誌を引き寄せて、ペラリと流し読みする。なるほど、小難しい文字が)
(ぎっちりと詰まっている。これは、後でじっくり読むことにしよう)
一週間分の食材を買うのって結構難儀なんだが・・・・・・
おばちゃん連中に紛れてカート押すのもなんつーか・・・・・・
そんなに美味しいか。そうか。また持ってくるとしよう。
(どうにも、愚痴は聞き流されたらしい。イチゴのタルトの方に夢中になっている)
(甘い物に飢えているのか、美味しい物に飢えているのか定かではないが)
(こんなに美味しそうな顔をされたら、また持ってこようという気も起るものだ)
会社っていうか、サークルみたいな感じかね。給料が出るわけでもねぇし。
とは言え、魔力使わせてもらってるから、似たようなもんか。
牡蠣か。広島の牡蠣とか・・・・・いいね。フライも好きだが、鍋もいい。
――この世界は不条理だからな。会いたくない相手に限って出会うことの方が多い。
どうにも、そういう具合にできてるみたいでな。
個人的には「うしおととら」の方が好きだったが。
(ラスト周辺はアドレナリンが全開で、そしてラストは泣けた)
(「腹いっぱいだ」そんな終焉を迎えられれば、それでいいと、自分も思う)
刹那的な快楽を延々と永遠に続けるのか?
ふむ・・・・・なんだろうな・・・・・・生き甲斐とか、そういうのはないか。或いはその時の目的とか。
永遠を手に入れました。さあ次はどうする?人類は滅んだ。地球も滅んだ。太陽も燃え尽きた。
銀河の全てがブラックホールの飲み込まれました。それでも死なない。思考が永遠に続くから永遠。
――まーあ、本当に永遠があるなら、その肉体も必要なくなるんだろうけどな・・・・・
(こんなものは言葉遊びだ。思考遊戯だ。この場に限って言えば)
(だが、彼女はそんなものを本当に求めていて、それに至る理論を得たと言う)
そういうことだ。ことに、私のように組織に属さない存在はね?
それに、夜の世界も、昼の世界も、それぞれに楽しみがある。
前に言っただろう? 私は欲張りなんだ。
どっちの楽しみも楽しむために、昼夜どっちの私もおろそかにしないのさ。
森博嗣読んだのかい? あれはいいよねー。とてもいいよねー。
他にも京極夏彦とか島田荘司とか有栖川有栖とか綾辻行人とか二階堂黎人とか(ry
……と、いけないいけない。ついつい暴走してしまう。知識を共有している人がいるというのは嬉しくてね?
ことに、ミステリを読者は、案外人口が少ないから……。
ブルーマン……菊池秀行だったか? 未読だが……最初にってことは、読みやすかった?
ふ、ふ、ふ、そんなことも、たまにはしておきたまえ。
キミがやるにはアンバランスかもしれないが、そういう日常の光景も、心温まるものがあるよ。
自分が滅ぼすものがどういう姿をしていたのか? 記憶しておくのも、悪くなかろう。
(もりもりとイチゴタルトを食べながら、さらさらと愚痴に答えていく)
(人の話を聞くのは嫌いではない、むしろ好きな方だ)
(だが、今はイチゴタルトの方が優先だ)
(甘いの大好きなんだ……美味しいものはとても好きなんだ……)
(また持ってきてくれると聞けば、そりゃもう、最高の笑顔を見せるしかないだろう)
(こういう時以外に、いつそんな表情をする?)
世界破壊サークルか。ふ、ふ、ある意味、世界で一番スケールの大きな趣味の会だな?
魔力なんて、キミね、フグやカニに比べたら!
牡蠣はいいぞー。大きくてプリンとしたのをね、ほど良く熱が通ったところでツルンと頂くの!
噛み切ると断面がグロいので、一口でイクのが通だそうだよ?
……ふむ……それは、あるかもしれないな。
キミが運命を信じるタチかどうかは知らないが、引力というものは確かにある。
出会うに相応しい者たちが、出会うべくして出会うんだ。
都合の悪い相手もそうだが、出会う必要のある相手にも、それは当てはまる。
(最後のイチゴが、口の中へ消える)
(しゃむ、しゃむ、と、甘酸っぱい汁を出すそれを噛み潰し)
んー、うしおととらは未読なんだよなぁ。
「からくり」と今やってる「月光条例」しか知らないが、少なくともあの作者は天才だと思う。
刹那的な快楽と、長期的な快楽をね。快楽だって、一種類じゃない。
生きがい? そんなものはないさ。私はただ、こうしてただ存在することをやめたくないだけだ。
明日楽しめる何かがあるなら、それを味わいたいし、十年後に楽しめる何かがあるなら、それを待つ。
先に何があるかは知らない。
しかし、私が死んだあとに訪れるそれが、想像もつかないような楽しいことだったら?
それを味わわずに死ぬのは、フン、寂しくて空しくてたまらないよ!
――そうだな、永遠に行き続ける途中で、おそらく肉体も必要なくなるだろう。
技術的に、その方が適切だから。うん、きっとそうなるな。
(これは、言葉遊びではない)
(具体的な計画が頭の中にある。SF小説のプロットではない)
(そうなるという「予定」なのだ)
俺は、最近夜のお勤めが忙しくてね。
昼間が眠くてしゃーねえんだよ。本も結構積んでるし。
――悪い、その中だと京極くらいしか・・・・・・・
「女郎蜘蛛の理」は傑作だったな。
(つらつらと並べたてられる名前に、ひとつしか心当たりがない)
(読書量では向こうの方に軍配があがったようだ)
そう、その菊池さんだ。まあ、そこそこはな。中学の頃、読書に嵌った
切っ掛けでもあるし。魔界医師や魔界都市ブルースも結構集めてたよ。
知らない方が、壊すのは簡単なんだろうけどな。
くふ、俺は別段この世界が憎くて壊すわけでもねえし。
愛してるわけでもないが、生きてるのは好きだ。こうやって美味い物食うのも。
(それでも壊す。破滅を迎える。終焉を迎える。命の終焉)
(神の計画。魔王の命令。そして契約者の特権)
なんか、前に牡蠣食って食中毒がってニュースなかったか?
漁業組合が大ダメージ喰らってたけどよ。いや、俺も牡蠣嫌いじゃないから。
そこまで熱く語らなくてもいずれ御馳走するから。
(牡蠣の食べ方について熱く語られて、ちょい引いた)
(どうにも、この手の雑談というのは慣れていない。変人と言われ周囲に忌避されている)
(だけあって、この手の気さくな会話というのは、慣れていない。ペースが掴めない)
第六部だな。くふ、異能者が跳梁跋扈するこの街は、特異点だ。
その中で、出会うべき相手と出会う。出会わない相手とは、出会わない。
ならば、俺とあんたも、出会うべくして出会った、という事になるか。
その説を信じるならばな。
(ズズッと紅茶を啜る。血の味がした。紅茶を飲むと、どうして血の味がするのか)
(吸血鬼でもあるまいに。苦笑を噛み殺して、紅茶を飲み干す)
「からくり」も読んだが、「月光」の方はまだだな。
単行本で一気読みしようかと。デスノートも漫画喫茶で読んだし。
――なるほど、羨ましい話だ。どうにも、娯楽が少なくてね、俺は。
できるだけ色々なことに触れてみようと思ってるんだが。
本当に楽しいって思えることは、滅多にない。人生損してるよなぁ・・・・・
(嘆息する。彼女は、本当にこの世界を楽しんでいるのだと、そう思う)
(灼熱の瞬間にしか、楽しみを感じられない自分よりは、まっとうな感性なのだろう)
(ただ、それが何処までも何処までも、それこそ永遠に続けたいと思っているだけで)
(そんな楽しい世界を、果たして壊すのか?自分が壊すのだ。自分達で、壊すのだ)
肉の快楽を捨てるか。そうしなくてはならない。
食欲も性欲も睡眠も必要なくなるな、そうしたら・・・・・・
(むしろ、そっちの方が自然なのだ。霞を食って生きているという仙人のように)
(解脱して、肉体を捨てた聖人のように。肉体という殻は永遠を求める上では、不要なのだ)
性欲・・・・・・くふ、くふふ・・・・・
俺は不能だからいいけど、セックスの快感まで捨てていいのか?
ああ、でも、絡新婦を読んでいるだけ大したものだ。
たいていの人は、あのぶ厚さで挫折するからね……ウチの弟(小学生)にも読ませようとしたが、無理だった。
ま、おつとめも程々に。キミの仕事は、私以上に先が長そうだから、ね?
ふむふむ。いわゆる伝奇ものなのかな、あの作者は。
その方向が好きなら、西尾維新とか、上遠野浩平とかもいけそうだな。
何か琴線に触れそうな本があったら、ここを訪ねてくるといい。あれば、貸すよ?
まあね。ちょっとした手間と、ちょっとした難易度アップと思いたまえ。
神のゲームなら、こまが自分で難易度調節しても悪くはあるまいよ。
そして、壊して死ぬ前に、いい思いをさんざっぱらしておくのも、報酬だと思うんだ。
おいしいものを食って、きれいな景色を見て、面白い本を読みたまえ。
命じられたからやるのではなく、自分の行動にいちいち、自分にとっての意味を持ちたまえ。
魂を持って生まれてきたのなら、そうするにこしたことはないぞ? ん。
(生憎、誰かに従ったことはない隙屋量子だ)
(彼にとっての至上が、主への奉仕であるとわかってはいても、その暇を縫って好き勝手することを勧めたい)
(生きた証は、常に自分の意思によるのだから)
牡蠣はね、牡蠣はね? 牡蠣ご飯にするともうたまらないの!
牡蠣をね、お米と一緒に炊き込んだら、ダシが出まくってそれはもう! 冷めても美味しい!
……おっと、私としたことが。ついつい……。
悪いね、熱くなってしまった。貝好きなんだよ私。回転寿司でも、シメに頼むのツブ貝だし。
ふ、ふ、キミと私など、まさにその引力の導きだと思っているよ?
キミと出会えたことは、非常にいい結果を生んでいる。
命を助けてもらったし、無限へのヒントをもらえたし、美味しいものも食べられたし。
何より、友達ができた。異能持ちということを隠さなくてもいい、友達が。
(紅茶をすする彼を、ニコニコと見つめる)
(いい時間だ。一般人相手じゃないのに、くつろいで話せる)
(同類の存在は、心地いい。彼が、自分の組織をホームのようにとらえているのと、同じ感覚かもしれない)
「月光」、もう二巻出てるよ。なかなか面白い。
これからどうなるのか、うん、実に気になるね。
…………ち、ち、ち。そんなことだから、世界を滅ぼしたくなっちゃうんだよ。
もうちょっと楽しんでからにすればどうだい。いつかは壊してもいいが。
漫画雑誌だって、読んで読んで飽きてから古紙回収に出すだろう。
そう。最終的には、食事も睡眠もいらなくなる。性欲も言うまでもなく。
死なない以上、子孫を残す必要はないからね?
(さらりと言って、紅茶を一口)
(セックスの快感……という言葉を聞けば、軽く「ぶっ」と噴く)
……キミはデリカシーがないが、あえてお答えしよう。
捨てないのさ、それもね。
人間が肉体を捨てる、というのがどういうことか? 肉体の感覚を、持っていけるということさ。
たとえば、コンピュータに人格をダウンロードして、その中で生きることを想像してみたまえ。
既存の快楽は、すべて電気的に合成できる。脳の信号として……。
セックスの快楽も、完全に再現できるはずだ。それ以上の快楽も……依存性、副作用無しにね。
そしておそらく、まさに今、『リンクス』が、その状態に達しているはずだ。
まーあ、本当の読書好きじゃねえと無理だぁな、アレは。
くふ。そう長くもないけど、ぼちぼちやるさ。
菊池さんと夢枕さんは、伝奇の部類か。
もっとも完結してないのが多数だが、夢枕の方は。
おっと、戯言とブギーは大抵読んでるぞ。
ブギーも最新のまでは揃えてるし。読む時間がないのが難点だがな。
――自分自身の意思と決定、そして意味か。ふむぅ・・・・・・
俺は然るべき相手と、然るべき場所で戦うのが望みだ。
これは会の方針とは関係ない、俺自身の望み。
もし、その然るべき相手との戦いに勝利したのなら・・・・・・
「嫉妬の女王が白雪姫に勝つ話」「悪の組織がヒーローを倒す話」に
なっちまうわけだが・・・・・・・まーあ、そんなエンディングもいいだろう。
(戦いの果てにある死を求めるのと同じ程度の強烈さで、悪が善に勝つ結末を望んでいる)
(どちらに転ぶしろ、結果は自分と対面するヒーロー役の戦士次第か)
(そしてそれは会の方針とは関係のない、彼自身の願いとも言える)
友達か・・・・・本当の友達か。悪くない。
俺には同僚はいても、本当の友達はいないから。
くふ、俺はクラスでも浮いてるからな。仕方ないんだけど。
(友達。その言葉を紡ぐたびに、新鮮な気分になれるのはどういうわけか)
(契約者たちは、同じ志を持って集まっているが、友達とは言えない)
(それぞれに目的や願いがあり、その為の手段として《虚影会》なのだ)
(だからこそ、こんな他愛のない話をできる相手は、本当に得難い存在だ)
(――人間が肉体を捨てた状態について話す隙屋量子。電気的信号)
(ダウンロード。感覚の移植。とてつもなくサイバーな話であるが)
――「魍魎の箱」だったか。他にも似たような話を聞いたことはあるが。
あっちは脳味噌だけ取り出して、電気的信号で刺激を再現するとかしないとか。
外界から完全に隔離された状態で、ずっとそれが続くと退屈さを解消できずに。
そのまま発狂したくてもできないって結末だったかな、アレは。
その問題点を解消する方法は――既に構築してるんだろうな。
あんたなら、その手の話には詳しそうだし。
(ふと、窓の外を見ると、とっぷりと日が暮れていた)
(黄昏時から夜の世界へ。全てが黒く暗く、偽りの光だけが頼りの世界へ)
(椅子から腰をあげて、軽く背伸びをする。そろそろ仕事の時間だ)
長居をしちまったな。そろそろ行くとするわ。
(一瞬――感覚的には長々と彼女を見つめる。おかっぱの地味な外見をした)
(その内側に途方もない遠大な野望を宿した少女を。もし、自分が何の目的を)
(持たない、単なる異能者であったならば、彼女に平伏し、忠誠を誓っていただろう)
(――そんな、あり得ない夢想。あり得なかった夢想)
(けれど――だけど――紅裂拓兎は君主に対する騎士の様に跪いた)
――隙屋量子。俺はあんたを尊敬する。俺たちの目的が交わることはないが、
だからこそ、あんたがあんたの目的を遂げる事を願っている。
(それだけ言って立ち上がり、扉を開けてその場を去る)
(そして再び紅い契約者は戦いの炎の中に身を投じる)
(それだけが自分の望みを叶える方法だから)
(それだけが、自分の孤独を癒すと、そう信じているから)
【俺はこれで〆るよ】
【こんな時間までありがとうな】
夢枕獏か。あれも、興味はあるんだが。
すごく濃そうなの書いてそうだ……。男くさい話とか、期待できるといいんだが。
ふ、ふ、ふ、そうか、戯言とブギーはお好きか。
どちらも、キミのような奇矯なお人には合いそうだな。
戦いが好きなんだね。スリルか……力比べが好きなのか。
敵を倒すのが好きなのか。どの要素がキミにとっての一番なのかは、あえて聞くまいよ。
ただ、それだけは譲らずにいたまえ。
こだわりは人の心の行く末を示す指針だ。その先に、キミの精神のあるべき姿がある。
くく、いいじゃないか、物語がひっくり返ろうが?
それはキミの物語なんだ。王道なんかに、左右されるいわれはないぞ?
(彼の望む方向性は、まず人類の望みとは合い入れないはずだ)
(だが、進むだけの価値はある。友人に、友人の望むよう生きて欲しいと願うのは、友人としての義務だ)
そうさ、友達だ。
目的は交わらなくても、進むべき先が違っても、私たちにはつながりがある。
赤く濁った、心でつながっているのさ。そのリンクには……時も距離も、ない。
(彼の言葉を聞いて、彼も私と同じなのだろうか、と少し思う)
(おそらくは、違うのだろう。彼は、大勢の仲間の中に混ざれずにいるのであって)
(私は、大勢の仲間の中でひとりなのだ)
――もちろん、人格のダウンロードは、未来的な例え話だ。
それでいて、将来に予定されている通過点でもある。
少なくともあと数十年は、私は肉体を捨てられないだろう。
そして、私の言う無限は、肉体の有無とは関係ないところにあるのであって……。
ん、魍魎も、それに近いことをしようとした結果だったな。
これを聞いている人がいなくてよかったね? 未読の人には、これはネタバレだから。
そうさ。今は、もうちょっと複雑に考える人がいるんだ。
うまくやる。精神の無限にも、きっと対処する……。
む、そうだな……そろそろ、頃合か。
(とっぷりと夕闇。街灯はつき、星はきらめき始めている)
(もうすぐ、この夜は狩り場になる。獲物にならないうちに、今日は帰ろう)
ありがと、紅裂くん。ケーキ美味しかった……よ……?
(足元に跪く少年。その光景に、目をぱちくりさせる、私)
いや……待て、何を言う。
それは、言う通りだが……そ、尊敬するとか言われると……やだ、恥ずかしい……よ……?
(褒められることに慣れていない)
(自分ひとりで仕事をやって、その価値は自分がわかっていればいいというタイプの私だ)
(だから、突然の彼の言葉には、どぎまぎするしか仕方がなかった)
(部屋を出て行く彼。残された私は、複雑な気持ちで、自分の頬をかいた)
……私も、祈ろう。キミの望みが、かなうことを。
……それが、誰にとって、どういう意味であろうとも……ふふ、好きなようにやってしまえ!
(閉じられたドアに、愉快げに声を投げかけると、自分も帰り支度をして、外に出て行った)
(一人での帰り道だが、私はひとりではない)
【こちらも、これでシメだー】
【毎回長くなっちゃってすまないね! お付き合いありがとう! おやすみーノシ】
【見届けた。興が乗って仕方ないのでお互い様かと】
【ではよい夢をノシ】
【ん、おやすみ】
【そして、ついでに……】
【名前】隙屋 量子(すきや・りょうこ)
【年齢】17(高等部2年)
【性別】女
【身長】161センチ
【3サイズ】78、55、80
【容貌】黒髪のおかっぱ、眼も黒。夜型なので、いつも眠そう。肌が白いのが自慢。
夜間外出時には、黒いレインコートを着用。装備は刃渡り20センチの刺身包丁。
【能力】名前は『クオンタム』。
連続で最大一分間、幽霊のように、非実体化することができる。
発動中は何者の攻撃もすり抜けて受けつけないが、こちらからも何にも触れることはできない。
一度使用すると、使用時間の倍の時間を置かなくては再始動できない。
(一分使用なら待ち時間は二分、三十秒使用なら一分、一秒使用なら二秒、といった具合)
非実体化中は、身につけているものも非実体化するが、手放せば実体化するようだ。
【希望】雑談、戦闘、エロール
【NG】スカ系、後遺症が出たり見た目に残るような暴力、妊娠など。
【弱点】日光に弱い。非実体化中にこれを浴びると、頭痛とめまいを合わせたような苦痛に襲われる。
月明かりや蛍光灯は平気。苦痛の原因になる波長の光が含まれていないためであろう。
よって、能力を使用できるのは夜間に限定される。
ただし、大きな炎の発する光や、ある種の電磁波兵器でも同じようにダメージを受けるようだ。
また、精神系の魔術攻撃や、魔を払うような術にも影響を受ける。
【備考】普段は、物静かで読書が好きな普通の少女。
一年前、他人の異能を目覚めさせることのできる能力者「ザ・リンクス」と遭遇し、異能に目覚めた。
それによって自分が特別な人間だと思い込み、他人の命を虫けらのように扱うようになった。
具体的には、夜な夜な強盗、殺人を繰り返しており、能力を使って証拠を隠滅し続けている。
「ザ・リンクス」を探し出して殺害し、唯一の「特別な人間」になりたいと思っていた。
が、最近、超常の世界に生きる人々と相次いで遭遇。そのことで、やや考えに変化が現れた模様。
自分と同じような、人を超えた力を持つ人々を仲間に引き入れようとしている。
当面の目標は「無限に生きる方法」を見つけ、それを実行すること。
【新スレなので、プロフ投下しておくよー】
【プロフ投下・・・・微妙にグレードアップだ】
【かなり正確になったと思う!】
【名前】紫 一久(むらさき かずひさ)
【年齢】16(高等部二年)
【性別】男
【身長】172
【容貌】
無駄のない体つきに、やや大人びた顔。昼間は笑顔、夜間は無表情が七割を占める
右手は無骨な義手で、隠すために常に黒い革手袋をしている
【能力】
・身体能力
生身でも、訓練を受けた大人と互角以上に渡り合える程度の身体能力
ただし、若干足が遅い
・特殊な得物
・ミニオン
ワイヤーつきの弾丸を発射する拳銃。装填数四
・ポゼッション
ワイヤーつきの弾丸を発射する長銃
かなりの精度を誇り、専用のバレルを装備すれば狙撃も可能
・グルネル
右の義手。ワイヤーつきで10mほど飛ぶ(操作不可)
飛んでいる間も指は普段通りに動かせるが、制御を失うと爆発する
・ショックボルト(能力)
(ワイヤーや鉄パイプといった武器づたいにでも)手から触れている対象に電流を流しこむ
対象が生物なら身体の制御に不自由が生じるし、対象が機械なら故障する
使用には痛みを伴い、痛みは対象の大きさに比例する(象くらいの相手になると痛みで気絶)
・他にも状況によってナイフや鉄パイプ、捕縛用に普通のワイヤーなど
【希望】基本的に何でも
【NG】グロ、ホモ、大きな後遺症(切断くらいならおっけー)
【弱点】
防御は一般的な回避のみ
饒舌・自信家すぎる
一度雑念が入ると止まらない
【備考】
異形を捕獲すべく訓練を施された、とある地下組織の構成員。また、異能者のスカウトも行っている(成功率低し)
もともとは孤児だったのだが、身体能力の素養と異能の片鱗を見出されて教育を受けた
ただ、結局異能としては開花せず、ある異能を模倣した電撃能力を、人工的に与えられる
昼間は学生として情報収集を行い、夜になると異形の捕獲に赴く
基本的に異能に対しては友好的だが、捕獲任務を妨げたり、敵意を向けられたりすると、相手を異形と同じように見なし、攻撃ないしは捕縛する
また、本意でない戦闘において女性相手に勝利すると、何とも微妙な"戦勝の儀式"を行うという・・・・
昼間は明るい性格だが、あくまでそれは情報収集のための仮面であり、夜の戦いの最中に現れる残酷・傲慢な性格が本性
仮面と本性を巧みに使い分けているため、日常に身を置いている内に迷いが生じ・・・という事もない
現在、上司の嫌がらせで常時空腹状態
【名前】天羽 都(あもう みやこ)
【年齢】13歳(中二)
【性別】女
【身長】148cm(寝た状態)
【3サイズ】B75(60C)/W52/H76、けっこう着痩せする方
【容貌】
栗色のさらさらショートに赤いヘアバンド
色白で目や鼻など顔立ちが全般的に丸い
制服に長めのエプロン、サイハイソックス
ttp://www.100gazou.com/sinzou/bbs.cgi?check_img=420&type=jpg 【能力】
・異能に分類される様々な力の増幅/抑制
都に直接触れている対象の【能力】が増幅したり抑制されたりする。
効果はランダムで強く発揮することもあれば何も起きないこともある。
例:魔法の制御が正確になる、機械の動作が不調になる
・生物が持つ一般的な力の増幅/抑制
都の手料理を食べた者は、異能に限らない様々な力が増減する。
胃に残っている間だけ作用し、効果は都の感情や意志に左右される。
一般的な範疇内であり、生物的限界を越えるようなことはない。
例:マラソンで自己ベストを出す、試験で暗算を間違える
※発動と効果はロール相手の方に一任です。
【希望】日常、怪異との遭遇 ※エロールと戦闘は要相談
【NG】猟奇凌辱、強姦、SM、グロ
【弱点】両足不随で車椅子生活、戦闘能力なし
【備考】
十年前、学園教師である両親と共にどこかから旧校舎の屋上へ転落、
下敷きとなった両親のお陰で命は取り留めたものの後遺症で両足不随となる。
引き取り手がなかったため、学生寮の寮母に引き取られて学園へ通うこととなる。
明朗活発、世話好きで少し頑固、まっすぐ真当な性格。
料理部所属で、寮母仕込みの料理は学内でも評判になっている。
十年前のことは覚えておらず、怪事件なのを知って調べてはじめた。
最近能力を自覚したが、詳細は分からず制御もできない。
【プロフ投下のみ】
>>1 スレ立てありがとう
【名前】迫水 直(さこみず ただし)
【年齢】19/3年生(2回目)
【性別】♂
【身長】185cm/75kg
引き締まった体躯。一見細身だがしっかり筋肉がついている
【容貌】短く刈り込んだ黒髪、わずかにタレ目、日に焼けた肌
【能力】妖魔寄生体
寄生体が宿主を守る為の妖力により様々な能力を持つ
・増幅された新陳代謝による異常な回復力
・常人の数倍に達する筋力と瞬発力、持久力
・皮膚・骨格・筋肉が変質して西洋甲胄に似た姿(220cm/150kg)に変身、更に能力が増幅される
・上記の能力で消費するエネルギーは膨大で、しかもその全てを食事で補わなければならず食事量は桁外れ
【希望】雑談・戦闘etc…
【NG】切断や殺害などのグロ、過度の暴力、衆道
【弱点】
・戦闘技術皆無
・直情径行
・能力の暴走
【備考】
・大切な人を守るため、人が傷つく事を少しでも減らすため、
己の中に巣食う魔物の力を肯定し、戦い続けていくことを決心する
・高等部所属の元野球部のエース
・3年時に寄生体感染の為、自我を失ない、不登校で留年
・現在復学して2回目の3年生
【とりあえずプロフの投下だけ】
【名前】島田 六花(しまだ りっか)
【年齢】1歳/外見年齢15〜6歳
【性別】女
【身長】157センチ
【3サイズ】87/59/85
【容貌】軽く跳ねた腰までの髪と、ぼんやりしながら感情の出やすい童顔気味の顔は全体的に色素が薄い。
左腕に銀の腕輪を填めており、また常に学園指定のジャージ姿(拾い物)。
【能力】鉱物や植物を変化させ操ることができる。
(木の枝を木刀並みの強度にする、石を鏃のように尖らせて飛ばす、など)
対象物に直接手を触れない場合の有効範囲は約2メートル。
多少の身体の損傷も魔力が足りれば治癒可能。
また、腕力は並の人の範疇を超える強さ。
主な武器は貰いものの古びたシャベル。
【希望】NG以外で、流れに支障がないものならなんでも
【NG】 こちらが回復できないほどの戦闘、妊娠(身体的に不可)
【弱点】上記の能力は自分の存在を維持する魔力を消費するため、使い過ぎると身体が崩壊する。
それは生き血や肉を摂取しなければすぐには補えない。
戦闘に関しては大した技術もなく、基本は力押し。
本質的に人間に従属するものであるため、人間を相手にすると強く出られない。
【備考】学園や裏山に住み着き、妖魔退治や人助けに精を出す少女。
学園の正式な生徒ではなく、正体はヒトと見紛うほど精巧に造られたゴーレム。
創造主の工房が襲撃されたところを一人逃がされ、たまたま辿り着いた学園で妖魔や異能者の
存在に気付き、身を隠すがてらそのまま居ついた。
度を過ぎた世間知らずで、しばしばズレた言動をとる。思考は幼く、良くも悪くも無邪気。
人間に尽くすことを至上とし、妖魔を人間に対する害悪と見做して可能な限り駆逐しようと考えている。
創造主から貰った腕輪は清浄な力から身を守るためのもの。
ちなみに、「島田」という姓はジャージ(あくまで拾い物)の胸に入っていたもの。
【プチ改訂を加えて、投下です】
【この度ようやく1歳になりました。では】
【名前】伊織津綺子(いおり つきこ)
【年齢】17
【性別】女
【身長】167センチ
【3サイズ】85−57−83
【容貌】ショートカット、目もとは涼しげに、きりりとした雰囲気
【能力】電気を起こし、放つことができる。
稲妻を起こして攻撃するほかに、微弱な電流で治療行為なども可能。
【希望】バトル 日常ロール エロールは要相談※
【NG】スカ、グロ、死亡、後遺症の残る怪我 相談なしのエロール
【弱点】放出する電力量に比例して、体力の消耗がある。
自然現象の雷と同じぐらいの電力放出で、10分程度気絶することも。
【備考】高等部2年。陸上部のエース。ハイジャンプの中学記録を持っている。
クールに見えるが、恥ずかしがりなだけ。育ちはいいが謙虚で努力家。
厳しくしつけられたので、少し頭が固いところもある。
妖魔に殺された兄の死に責任を感じている部分があり、その原因を突き止めたいと思っている。
*現在の状況
・妖魔による暴行経験あり
・迫水直と恋愛中
・天羽都の能力によってハイジャンプの学生新記録を出した
※ロールの状況により、ご希望に添えないことがあります
【相手、良いかな?】
【最近したばかりだし、状況あまり変わってないだろうから微妙かもだけど】
【プロフは
>>17だ】
>>23 【こんにちは、セクハラな(違)紫先輩】
【昼の顔か夜の顔か、どちらで会うかだと思うですが】
【せ、セクハラは夜だけだよう。まさに狼】
【夜の顔は・・・会える? 昼なら、普通にこちらからでもそちらからでも接触できるとは思うけど】
【旧校舎然り、調理部然り・・・】
>>25 【夜間外出は基本しないですし、病院の帰りが遅くなって、とかかな】
【中等部の調理部まで馳走になりにくるというのは先輩的にはどうなんでしょう?】
【旧校舎は定期的に献花しに行くので出会いやすいかも】
【どれにします?】
【尊厳≦食事】
【冗談はともかく、それのどれかだったら旧校舎が一番無難か・・・】
【多分夜に都見掛けても、襲われたりしてない限りスルーだろうし・・・騎士プレイは微妙に気が引ける】
【良ければ、書き出し頼んで良いかな?】
>>27 【食べないと生きていけないですものね】
【それでは、少々お待ちください】
(都が学校に出られるようになってから数日のこと)
(その日は両親の月命日であり、墓が遠いので代わりに旧校舎へ献花しにいくのを習慣としていた)
お父さん、お母さん……私、小さい時も、こうだったのかな。
(旧校舎の脇に彼岸花の花束を置き、手を合わせる)
(都の両親が異能だったのかは不明だが、都の力が十年前もあったなら、事故に関係している可能性は捨て切れなかった)
【よろしくお願いします】
きゅうこうしゃ〜
きゅうこうしゃ〜
英語っで、言ったら、ワン、デイ、スクーr・・・
・・・・・ん?
都・・・?
(調子外れの歌を歌いながら、紫は旧校舎を目指していた)
(理由は単純・・・・旧校舎という響きに怪しい物を感じたから・・・である)
(・・・ぶっちゃけ、少しでも食生活を豊かにするために・・・藁をも追っている所だった)
・・・・ふむ
(手袋の手で、無い顎髭をさすり)
・・・まいっか
都ー?
そんな所で何してるんだ? 秘密の特訓?
(能天気に声をかけながら、近付く)
【よろしくだ】
>>30 (物思いにふけっていた都には、幸いにもふざけた感じの歌は聞こえなかった)
(が、名前を呼ばれればさすがに気が付き、そちらを振り向く)
……ええと、紫、先輩、でしたよね。
違います、こんなところで何の特訓をするんですか。
私はあいにくと格闘技もスポーツもしないんです。
(正確にはできない、だが)
花を……花を捧げていたんです。
(車椅子を動かすと、校舎脇に彼岸花の花束が見える)
いや、あやとりとか、英語とか・・・
・・・・ん
(花束を見た途端、気まずそうな表情をし)
あー・・・悪い、そういう事か
(さすがに、捧げられた花束を見て何も悟れないほど、紫は無頓着ではなかった)
・・・・えっと
俺、邪魔者? 消えようか?
さすがに空気を読まざるを得ないというか・・・
(都の、その後の状況を知りたかったが・・・)
(ただでさえ、彼女の自分に対する心象は悪いのだ)
(慎重になるに越した事はない)
>>32 それ、外で特訓することじゃないですよ。
(あきれたけど、ちょっと面白いかも、と思いつつ)
いいえ、ここは学園の敷地内で、いちゃいけない場所でもないし。
(学校に出てきたらがくんと寒くなっていて)
(藍色の暖かそうな膝掛けをかけ直す)
それに一人だと暗くなっちゃうだけだから。
先輩はここへどんな用事です?
食べられる植物もあると思うですが、おすすめできませんよ。
(見た目は同じだけど、中身は怪しいかもだし)
いやまあ、良い駄目以前に・・・・ま、いいか
(ふう、と一つ息をつく)
俺? 俺は・・・いや、てかそんな目で見られてるのかよ俺・・・・
(自分が旧校舎に来た理由を誤魔化しつつ、大袈裟に肩を落とし)
大丈夫、最近は調理部室の天使軍にすっかり餌付けさせられてるから
この前なんか化学部に貸し出されたんだぜ。生きた心地がしなかったわ
(都の隣に並び)
・・・・・これは、誰に?
俺の調べた限りじゃ、ここ数年、生徒が旧校舎で死んだ、なんて事はなかったんだけど
>>34 だって、まるで欠食児童みたいだったし。
(食事に困った子供なんてテレビでしか見たことないかが)
そうですか、それは良かったですね。
でも、化学部?
中等部にはないから分からないけど、料理もしてるのかな?
ここ数年のことじゃないし、生徒でもないから。
(目を細め、物憂げに花束を見つめ)
十年前に死んだ、私の両親です。
二人とも高等部の教師でした。
(上を向いて、旧校舎の屋上を指さす)
屋上の、あの辺りだけど、あそこは一人じゃいけないし、危険だから。
いや、臨床実験?
何か食わされて・・・あれ、記憶がはっきりしねえ
(頭を掻き)
まあ、何にせよお前のお陰で随分助かってる
ありがとうな
・・・両親がか、成程
・・・・・まあ、親御さんも安心してるんじゃないか
娘がちゃんと育って
(死後の世界なんて信じてないがな、という毒は胸中に抑える)
(都が指差した方向を見やり)
屋上? 行かな・・・行けないのか?
人の助けがあれば、階段くらいは昇れる気がするんだが
>>36 ……まぁ、学校内で行き倒れにはならなさそうで良かったです。
(こんど危ないことはしないでくださいと言わなくっちゃ)
そうかな、そうだといいんだけど。
先輩は、そう思ってくださるんですね。
(恥じることはしてないけど、自信は、うーん)
旧校舎はエレベータがないし、廊下も階段も荒れて危険だから。
誰かに背負ってもらうとか、そうすれば上がれるけど、毎回頼むわけにもいかないし。
(空は、もう冬が近い秋の空)
(初めて上がったのは夏の日のこと)
(あの時、初めて迫水先輩に出会って)
…………。
(何かを懐かしむ顔をして、都は屋上を見ながら押し黙る)
そりゃお前、初対面で非道い事を言った奴に飯を提供してくれる女神だからなあ
女にこれ以上の慈悲を求めるというのは酷だぜ
(これは、本音からの言葉だ)
(食糧不足という極めて重大な問題を解決した彼女にケチをつけるなんて事はできない)
・・・・ふむ
(旧校舎の高さを目測する)
(一息で昇れる程ではないが・・・・不可能でもない)
(人造の建造物なら、昇れない物なんて存在しないのだ)
・・・なあ、都
もし良ければ、連れ――
(て行こうか、と言った瞬間、紫は見た)
(少女の、遠い何かを思い出す・・・大人びた表情)
(少なくとも、両親を思い出す表情ではなく・・・)
・・・・えっと
(思わず押し黙り、恐る恐る尋ねる)
・・・都さん?
何か、他にもここに?
>>38 め、女神って、そんな、おおげさです。
言われる私も恥ずかしいけど、先輩は恥ずかしくないんですか?
(ないから言えるんだろうな、とは思いつつ)
(言い慣れてるからじゃなくて、素でそうなのかな、と)
……あ、はい?
(ふと、我に返って)
えっと、ちょっとした夏休みのことを思い出しちゃって。
だから、もう秋が終わって、冬になっちゃうんだなぁ、と。
(寂しそうにほほ笑む)
別に俺は恥ずかしくないだろ。言ってるだけだし
(おもむろに携帯電話を取り出し)
・・・・ほら、登録名も女神。お前の番号
(見せつける)
ちなみに他のは"インド大統領"とか"這い寄る混沌""二丁目の地蔵"とかそんなんばっかだけどな
なんか凄い気がするだろ、俺の交友関係
(得意気に携帯電話を振り回し、しまう)
いや、それはまあ・・・夏が終われば秋が来て冬になるわなあ
春に芽生え夏に萌え秋に実り冬に散る、素晴らしきかな日本四季
って、そんな話じゃなくて
(置いといて、のジェスチャー)
・・・・もし良ければ、連れて行こうか、屋上?
背負うとかする事はできないけど、触らずに連れて行けるぜ
・・・かなりエキサイティングになるがな
(ニヤリ、と口元を怪しく歪める)
>>40 えええっ、恥ずかしいですよぉ。
(言いながら取り出された携帯をのぞき込み)
……他の人に見せる時は、これが私だと言わないでくださいね。
(はぁぁ、と呆れたようにため息)
すごいのは先輩のネーミングセンスだと思います。
えっ、屋上に?
(ドキッと胸が高鳴る)
(思い出と、両親のことと、それがぐるぐる回って)
エキサイティングって、どうやって?
危険なことをするんですか?
(触れずに連れて行くなんて、まったく想像も付かず、首をかしげて)
・・・・いやいや、大丈夫。携帯は他人には見せないから
(真面目な顔をして首をふる)
(携帯は秘密の宝庫だ。それを他人に見せるなど・・・考えるだにおぞましい)
(ちなみに"二丁目の地蔵"は最寄りの武器商だったりする(口が固くてスキンヘッドの仏長面))
ん・・・そうだな
危険に見えるが、安全だ
俺を信じてくれるなら・・・と言っても信じにくいか
(苦笑を浮かべる)
お前は何もしなくて良い。五分ほど、じっとしてくれれば・・
あ、あとこの事誰にも話さないって約束してくれるなら、な
ま、早い話が・・・・異能の応用だよ
(言って、手袋を外し、義手を露わにする)
>>42 話しちゃだめって、どこまでですか?
先輩のこと、私の信頼できる人に、もう相談したりしてるのですが。
私を屋上に連れて行く方法だけなら、これからのことですから話さないでいられますけど。
(このことは別れる時に言っているが、念のため)
あと、花束を持っていても大丈夫です?
危険に見えて安全って、いかにも荒っぽいことに思えるし。
(屋上に行けるのは心引かれることだが、本当に安全なのか心配で)
んー・・・・・そうだな
(暫く考えて)
・・・俺に屋上まで連れていってもらった、くらいなら大丈夫か?
あと、かなりショッキングな映像をお届けする事になるから、目つぶるなり、目隠しなりしてくれるとありがたい
花束は大丈夫・・・別に、スピード感溢れるデンジャーでもないし
俺の言うことを守ってくれれば、危険は何もない
だからこそ、俺が信用できるか、っつー話になる訳だが
(言いつつ、車椅子を押して旧校舎の裏・・・間違っても人に見られない場所を目指す)
>>44 それなら、誰かに連れていってもらったのは初めてじゃないから、変には思われないと思う。
目隠し目隠し……あ、あれなら。
(カバンから取り出した白い布は三角巾)
(5cmほどのふとさに折り畳めば目隠しになるだろう)
乗ったことはないけれど、ジェットコースターにあまり興味はないし。
(校舎脇に置いた花束を手にとって)
先輩に自信があるなら、私は大丈夫です。
(そう言ってにっこり微笑む)
(都の微笑に薄く笑みを返し)
その信用に感謝しよう
(都に目隠しをする)
少し待ってろ・・・・下準備だ
(言うと、右の義手を射出、校舎の壁をしっかりと掴み、巻き上げ・・・体を上に運ぶ)
・・・風がないのが幸いだったな
(その繰り返しで屋上にたどり着き、フェンスの一部を車椅子が通れる程度に切り取る)
(切り取った金網をフェンスの横骨に巻き付けて即席の滑車とし)
(常備しているワイヤーを四本に分け、引っ掛ける)
(そのワイヤーを持って、登るのと同じ要領で下に下り・・・)
・・・・もう少し、待っててくれ
(四本のワイヤーを都の車椅子に、間違っても裏返ったりしないよう、丁寧にくくりつける)
(後は上から引き上げれば、即席のゴンドラだ。
以前にも何度か似たような物を作った経験はあり、自信はあった)
ここからが本番だ。身じろぎ一つするなよ
・・・大丈夫、物の三分で終わる
(都の耳元で真面目な声色で言い、素早く校舎を上りきる)
・・・・・ワイヤーアクションを、まさかこんな日常で使う事になるたーな
(小さく呟き)
行くぞ!
(都に叫びかけ、ゆっくりと引き上げ始めた)
>>46 おねがいします。
(ペコリと都は頭を下げた)
…………。
(三角巾で目隠しをされ、視界をふさがれる)
(わずかだが、何かが飛んだような音がした)
(離れたところで何かしているようだが、よく聞こえない)
(しばらくして、今度は車椅子に何かをしているようで)
はい、先輩も焦らずに。
(都も紫に答える)
分かりました、私の方は、大丈夫です。
(車椅子の肘掛けをぎゅっとつかむ、すると)
……ぁっ
(車椅子が少し揺れる)
(地震とは違う揺れで、今までにない感じで)
(車椅子ごと、持ち上げられてる?)
(冷や汗が背中を流れ落ちる)
(何も見えない分、かえって怖いように思えた)
(降りる時は、シートベルトになるようなもので、結んだ方が良いかも)
(車椅子が持ち上がった瞬間、都が僅かに身じろぎした)
(そうなって当然だ・・・だから自分にできる事はとっとと終わらせる事だ――と、思った所で)
(ふと、本性が呟く)
・・・全く、何をやってるんだか
こんなの、気絶させてから運べばすぐだろうに
・・・・いや、そもそもこんな事をする事の方が不可解だぜ、俺
天羽 都にそこまで親切してやる必要があるのか?
(暫く、押し黙って都を引き上げる)
(二分ほど引き上げた所で、都が屋上の高さまでたどりつき・・・・)
・・・・・黙ってろよ
(冷たく、小さく呟いて)
(都の車椅子を引き寄せ、屋上に着地させ)
(フェンスの穴を通らせ、元来の屋上に着いた時・・・)
(目隠しをとってやる)
お疲れ様・・・なかなかにエキサイティングだったろ?
白状すると無機物しか運んだ事なかったんだが、いや、都がおとなしい娘で助かった
(少し意地悪い笑みを浮かべて)
という訳で、ようこそ
>>48 (ガチャと固く安定したところについた感じがして、目隠しが外される)
(ゆっくりと目を開けると、荒れた屋上が見えた)
……ふぅぅ、はい、見えない分、かえってドキドキでした。
って、私、実験台ですか?
もぉ……まぁ、いいですけど。
(一息ついて、周囲を見回し、少し車椅子を進める)
……また、来ました、お父さん、お母さん。
(彼岸花の花束を床に置いて)
色々あったけど、私は元気です。
(手を合わせて、しばらく黙祷する)
ねぇ、紫先輩。
ここに……。
(屋上の床を指さし)
あそこから……。
(今度は空を示して)
大人二人と、小さな子供が、落ちたんです。
何が起きたと、どうやって落ちたんだと、思いますか?
(物静かに、でも思い詰めた顔で、紫に問う)
まあまあ、結果ジャスティス
(半笑いで受け流し)
見える方が怖いと思ったんだが・・・帰りは目隠しなしで行くか
(数歩下がった所で都の行動を見守っていたが)
(都の問を聞き、目を細め)
・・・・空から屋上に、落下?
それは・・・君と、君の両親の事か
(空から屋上に落下)
(常識で考えれば有り得ない事だが・・・生憎、この学校では常識は無力だ)
(少し考え・・・ある可能性に思い当たり、逆に尋ねた)
・・・・都
それを知りたいのは、好奇心か?
>>50 んー、滅多にない機会だし、先輩が良ければ。
(自分のことかという問いに、静かにうなずく)
好奇心じゃないです。
私は、知らないといけない、そう思うから。
知らないでいるなんて、そんなこと、できない。
(動かない両足を膝掛けの上から撫でながら)
高等部に伝わる学園の七不思議に、旧校舎をさまよう教師夫婦の幽霊、があるんです。
屋上から落ちたんじゃなく、屋上に落ちたと知った時。
両親の幽霊が、噂になってると知った時。
私は、何があったのか、知らないといけない、そう、思った。
(紫を見る瞳には、頑なな色が浮かんでいる)
・・・・・ふ
(小さく、息をつき)
なるほど、知らなければいけない、か・・・
使命感、義務感か?
まあ、そういう感情は認められなくもない
言っておくが、俺は世界の全てを知ってる訳じゃない
だけど、人並以上に知識はあるし、知り合いもいる
その中に、俺の上司で、重力を制御する人がいるんだが・・・・
(ここで一旦言葉を切り、都の瞳を睨むように見つめて)
(目をそらし、息を大きく吐く)
(駄目だな、憶測で喋れる相手じゃない)
・・・・・ま、俺はいきなりその事実を知っただけだし
そんな奴に聞かれても困る訳だが・・・
(誤魔化すように笑って)
まず、君の両親について調べたらどうだ?
親戚ばかりじゃない、当時の同僚、病院・・・諸々
・・・・こんな怪異で、土地柄なら、絶対に何か出てくるだろう
あと、そうだな・・・
・・・・・直接、会ってみるとか
>>52 …………重力。
(リンゴが木から地面に落ちる力、重力)
(重力が弱い月では高くジャンプできると聞いたことがある)
(その重力が制御できるなら、どうなるのか、と注力したところで)
って、ええっ?
(思わせ振りに話始めておいて、と思ったが口にせず)
調べては、います。
あまり思わしくはないですけど。
両親は生まれも学校もこっちの人じゃないから、なかなか難しくて。
(二人とも係累がなく、それゆえに都も施設に預けられそうになって)
…………え、会うって、直接?
(最初は、何を言っているのか分からなかった)
それって、両親の幽霊にって、こと?
(会えるなら会いたいと思っていたが)
【ええと、どこまでやりますか?】
【もしするなら、約束して日を改めてと思うのですが】
学園の七不思議だろう? つまり、見たことがある人間がいる、っつー訳だ
誰か信頼できる奴を誘って、行ってみたらどうだ・・・ま、肝試しには季節外れだが
・・・・・後は、そうだな
名前さえ教えてくれれば、こっちでも何かしら調べられる・・・・かもしれない
【そうだな・・・手早く〆られなくもなさそうだが、折角だし丁寧に話すか?】
【こちらはどちらでも構わない。都に任せる】
>>54 それは、確かに、そうですけど。
でも、この中を探検するって、簡単に言いますが、大変ですよ?
ここへ上がるより面倒だろうし。
(階段も都を抱えて上がらないといけない)
(迫水直には頼めず、北峯彩香では力的に難しく、瀬尾司もそこまでしてくれるかどうか)
両親の名前なら、父は天羽剛(つよし)、母は天羽末利(まつり)です。
父は古典で、母は日本史の担当だったそうです。
あまり、よく分からないんです、両親のこと。
事故以前の記憶は、まだ三歳だったこともあって、まったく覚えてなくて。
……くちゅん。
(かわいらしいくしゃみをして、体を震わせる)
(少し気温が下がってきたようだ)
【ごめんなさい、お風呂とかあって、ここでいったん締められれば】
【そういう訳なら、一旦中断するか・・・まあ、あと数レスで終わりそうでもあるが】
【予定は後で避難所に書き込んでおいてくれ。多分、そちらに合わせられるから】
【行ってらっしゃいだ】
>>56 【ごめんなさい】
【とりあえず10時から1時間くらいならできるけど、それで終わるなら】
【それじゃ、お風呂に行ってきます】
【よし、終わらすか。多分可能だ】
【十時頃、避難所で待ってる】
【スレをお返しする】
【遅れて御免・・・再開します】
大変ですよ、と言われてもな・・・何とか適任はいないのか?
極論、異能じゃなくとも・・・は、無理か
(経緯を聞く限り、何かしらの超常現象との関わりは避けられないはず)
(異能でなければ対応しきれないかもしれない)
・・・・そして、異能なら異能でも問題あり、か。どうしたもんか
あれ以来どう? 都の能力、制御する練習とかやってみてるか?
ん、名前は分かった
・・・使えるコネは薄いけどな、手は尽そう
(何となく望み薄だろうな、とは思いつつ)
(都の信頼は少しでも得たい)
>>59 一人は無理でも、数人の人に手伝ってもらえば……うーん。
それはそれで、難しいかも。
(知己の能力者は一癖二癖もあって、都の頼みで仲良くなってくれるかどうか)
たとえば先輩を他の人に紹介しても、仲良しになってくれるか、私は自信ないですし。
練習はしてないです。
あの後、三日も寝込んじゃってて、それどころじゃなかったです。
きっかけがあれば、とも言われたけど、何がきっかけになるか分からないですし。
座禅とか滝に打たれたりとかなんでしょうか。
他の怪異を知ってる人にも、何か分かったら教えてもらうようお願いしてますし。
そんな、すぐに分かるものじゃないと思ってます。
この学園にいる間に分かればいいなぁ、と。
(そして、はぁぁと息を手にふいて)
と、私、病み上がりなので、そろそろ降りませんか?
また体調を崩すと、みんなに心配されちゃうので。
・・・・・そういえば俺も、まだお前以外に、普通に話せる異能はいないな・・・
個人的には紹介してほしいけどな、都の異能の知り合い
(そう、都の知り合いと接触するのも、彼女と接する目的の一つだ)
ってかあれか? 俺なら大丈夫かな。一応都に触らないで運べるし・・・・
・・・・風邪ひいてたのか。そういえばさっきくしゃみしてたし・・・・・言ってくれよ
(上着を脱いで、都の肩にかけ)
分かった、一先ずはここ、降りるか。都の両親も見てるし
能力の訓練も・・・・ま、下りてからにするか
(先程と同じ要領でワイヤーを車椅子にくくりつけ)
・・・・じゃ、目隠しはしないからな
動くなよ?
(慎重に下ろしていく)
【どうしよう、何か話す事はまだありそうだけど、今回は〆るか?】
>>61 紹介するのは、了承を得てからじゃないと。
ケンカになったら嫌ですし。
強いて言えば、あの人なら大丈夫かなぁ?
(思い浮かべたのはオカ研の部長、もう知り合いとは知らずで)
校舎内の階段を吊り上げるのは無理じゃないですか?
具体的にどうしてるのか、見てないので想像ですけど。
あ、すみません、もう治ったつもりだったので。
(ぺこりと頭を下げ、上着の袖に腕を通す)
(ん、男の人の服って、やっぱり大きいな)
はい、大丈夫です。
(袖をまくって、ぎゅっと肘掛けをつかむ)
あ……わぁ……すごい!
映画のワイヤーアクションって、こんな感じなのかな?
(普通ならありえない光景に、怖がらず興奮すらしている様子)
【そうですね、一気に事を進めるより、少しずつがいいかな、と】
【なので次へのネタを交えつつ〆の方向で】
ケンカ・・・
・・・・そんなに喧嘩早いのか、皆
(確かに、異能は大抵において高慢だが・・・・と、自分の事を棚に上げ)
んん・・・ま、もし俺だけでも良いっつーなら・・・・何か考えよう
・・・・・肝の据わった娘さんだ
(苦笑しつつ都を下ろしてやると、上司からメールが入り)
・・・・・
・・・仕事か
(ワイヤーを手早く回収し、壁に何度か捕まりながら校舎を飛び下りて)
(都の車椅子のワイヤーを外しつつ)
済まん、ちょっと用事ができた
他の話は、また今度・・・で良いか?
【じゃあ、こちらは次で〆ます】
【慌ただしくて御免、また機会があればよろしく】
>>63 ケンカで済めばいいけれど、どちらか命を落とすようなことがあったら、後悔してもしきれないから。
(異能者同士がであったらどうなるか、楽観的にはなれず)
そうですね、私も考えてみます。
……っと、到着♪
(ちょっとした遊園地の乗り物気分で下まで降りた都)
(慌ただしい様子の紫をみて、急いで借りた上着を脱ぐ)
はい、何かあったらメールします。
今日は本当にありがとうございました。
(深く頭を下げる、また屋上に上がれるとは思ってもいなかったから)
これも、温かかったです。
(紫の上着を差し出して)
・・・・・
お、お前の知り合い、恐ぇーな・・・・・
ん・・・別に気にするな
良い運動になった
(上着を受け取り、袖を通さずに羽織って)
んじゃな、都
体に気をつけて
(お世辞にも速いとは言えない足で、都の視界から消え去る)
(時折、思う。天羽 都と接する仮面の自分は、実に楽しそうだと)
(勿論、結果として都と親しい仲になり、得る物を得られれば良いのだが・・・)
・・・・大丈夫かよ、俺?
(呟きは、北風に流れて消えた)
【では、これで】
【時間超えてごめんな、お休みなさい】
>>65 それじゃ、また今度。
(さっていく紫に手を振る都)
(異能とは関係なく一般人ではない雰囲気を時折見せる紫)
(出会ったからには縁であり、貴重なものだと都は思う)
お父さん、お母さん、また来月くるから、ね。
(不気味な雰囲気を醸し出す旧校舎を眩しそうに見上げて)
(都も帰途についたのだった)
【ありがとうございました】
【そのうちお友達紹介できれば、です】
【では、おやすみなさいませ】
【待機します。】
【名前】五百磐・舞・エスダート(イニワ・マイ・エスダート)
【年齢】16(高等部1年)
【性別】女
【身長】160cm
【3サイズ】83/58/84
【容貌】普段は野暮ったい黒縁の眼鏡をかけ、長い髪を三つ編みに結った地味な文学系少女。
しかしそれは世を忍ぶ仮の姿。外国人の母の血を色濃く受け継いだ波打つ亜麻色の髪と
紺碧の瞳を持つ年齢に似合わない妖艶な容姿が本来の姿。
【能力】魔女術。俗に黒魔術と呼ばれる類のもの。
箒に乗って飛行したり、下等な魔物を使役したり、四元素を操って敵を攻撃したり。
【希望】雑談・バトル・エロールは異性相手なら攻め受け両方、同性相手は受けのみ。
【NG】スカやグロ。死亡、妊娠など後に大きな影響を与えるもの。
【弱点】効果の大きい魔術を使うには、長い呪文詠唱などそれなりの下準備が必要で時間がかかる。
身体能力はごく普通の女子高生。魔術がなければてんで弱い。
性行為に関して、男が相手なら精気を吸い取り自分の力に変える事が可能だが
同性が相手だと同一属性(陰・月)の為それが出来ず、防戦一方。
【備考】北欧の魔女と日本人のサラリーマンの間に生まれたハーフ。
「舞」という名は隠し名である本名の当て字で、本当の字は魔女の習性として明かさない。
普段は魔術のかかった黒眼鏡で、瞳と髪の色彩と魔女の妖性を隠している。
大人しく温和な性格を装っているが本質は傲慢で皮肉屋でプライドが高く゛力゛を得るに貪欲。
学園一帯に感じる不可思議な「力場」を解明して、あわよくば自分の手中に納めようと
夜な夜な学園や街を飛び回っている。
>>67 【まだいらっしゃいまいしたら、ぜひお相手を】
【プロフィールを落としていただけたら重畳です】
>>68 【こんばんわ。】
【プロフィールは
>>6に。】
【どういった感じがいいですか?】
>>69 【お初にお目にかかります】
【プロフィールを拝読したところ、夜のごたごたには関わらない方のご様子】
【ならば学園での日常ロールが妥当でしょうか】
【ごく普通に図書室で邂逅する・・・もしくは】
【私、学園内でちょっとした゛悪だくみ゛をもくろんでおります】
【それに関係したロールなどもいかがでしょうか?】
>>70 【自分から積極的に関わろうとしないだけで、巻き込まれたりなどという形で可能ですよ。】
【悪巧みという響きに少々惹かれます。】
【もちろん日常でも構いませんけど。】
>>71 【では具体性を持たせて以下の3つのシチュエーションを提示させていただきましょう】
【@放課後の図書室で会話】
【A最近、学校内の一部に広がりはじめた】
【こっくりさん、キューピッドさんのようなオカルト占いに関わる何か】
【B夜、私が使役していた妖魔が暴走、そちらに襲いかかる巻き込まれ型】
【どれがやりやすそうですか?】
>>72 【そうですね…では、初めてということもあるので、@でお手柔らかにお願いします。】
>>73 【わかりました。では初めてということもありますし】
【先に図書室にいたそちらに、私が話しかける・・・と、いう出だしではじめましょう】
【プロフィールには記載されていませんでしたが】
【学年は一年と二年と、どちらになりますか?】
【それによって声をかける理由も異なってくるので】
【同じ一年ならば同クラスといことにすると、会話もやりやすいかと思うのですが】
>>74 【あ、一年でお願いします。】
【それでは、よろしくお願いします。】
>>75 【それでは、同学年の同クラス、ということで】
【では導入を書きますので、暫しお待ちください】
(耳の下で二つに結んだ長い三つ編みは、この国ではごくありふれた黒)
(年に似合わない豊かな肢体、その魔性の蠱惑も)
(校則で規定されている通りの制服の中に包みかくして、今の魔女は)
(どのクラスにも一人二人はいそうな、少しばかり真面目な女生徒にしか見えない)
(野暮ったい黒縁眼鏡にかけられた魔術が、そう見せている)
(放課後の図書室に、図書委員のクラスメイトから体よく押し付けられた)
(書類の束をもって訪れた、その姿に夜の彼女を想像できるものは、一切ない)
屋形さん?まだ帰らないんですか?
(孤立するでもなく、目立つでもなく)
(どこにでもいそうな、学生の中に埋没する一生徒を演じるならば)
(それなりにクラスメイトとの゛付き合い゛も、こなさなければならないわけで)
(人気のない図書室の中に、ぽつんと目に入った同じクラスの女生徒に声をかけるのも)
(゛日常゛に紛れ込むための演技のひとつにすぎなかった)
【それでは、どうぞよしなに・・・】
>>77 (その日も図書室の片隅で、テーブルに積み上げた本を消費していく。)
(長い黒髪が全体の印象を占めるその姿は、隅の暗がりに同化しそうで。)
…え、あ…。
(不意に声をかけられて顔をあげれば、どこかで見た女性とが立っていた。)
(かけられた言葉に外を見てみると日は落ちかけて薄暗くなり始め。)
ご、ごめんなさい…。
(慌てた様子で、積み上げた本を鞄に締まっていく。)
え…と…。
(目の前に立ち、こちらを見つめてくる女性とは誰だったか。)
(思考をめぐらせると、教室で見た気がする。)
(確か名前は…。)
い、五百磐さん…?
(余りクラスの面々と交流がないためか、自信なさげに言葉を漏らす。)
ご、ごめんなさい…すぐ…帰ります、から…。
(何にでもなく、誰にでもなく、すぐに謝るのはクセのようなもので。)
>>78 別に謝らなくても・・・。咎めたわけでもありませんし、私は図書委員でもありません。
・・・図書委員に、書類を押しつけられはしましたが、届けた時点で仕事は終わりです。
(黒縁眼鏡の分厚い伊達レンズに遮られた目で、図書室のカウンターの上に)
(無造作に積んだ゛だけ゛の紙の束を示す)
図書委員の××さんは、今日は彼との楽しいデート・・・だそうですよ。
おかげで運悪くも、たまたま目の前にいた私が面倒なことを押しつけられた、というわけです。
(肩をすくめて、聞かれてもいない事柄を話すのは)
(どう見ても会話の得意そうでない相手との、会話の糸口をさがすため)
(地味で控えめ、そういう意味では彼女と自分は同じ種類の生徒に入るだろうが)
(控え目なのも過ぎれば、逆に目立つ要素になる)
(屋形静香は、その好見本であった。何事も程ほどにが一番)
(ある意味では、魔女が゛日常゛に溶け込むための見本のひとつでもあり)
(より地味で大人しい彼女がいてくれるからこそ)
(とっさに名前が出てこない程度に、魔女は目論み通りにクラスで埋没していられる)
(そういう意味で、魔女は彼女に゛感謝゛していた)
ですから、そんなに急いで帰り支度しなくとも構いませんよ。
とはいっても、最近ここいらは何かと物騒です。
暗くなる前に帰るのは、賢明な判断かもしれませんが。
(そして、゛夜゛の混沌に巻き込まれて゛消えて゛もらったりしては困る)
(親切めかして語る言葉の裏には、そんな打算があったりもする)
>>79 あ、そ、そう…ですか…。
(視線を追ってカウンターの上に積まれたそれを見て。)
デートで…ですか…それは、えっと…災難、ですね…。
あ、その…仕事が…。
(長い髪に隠された顔を伏せ、落ち着かないようにそわそわとしながら会話を続ける。)
(本人は知る由もないが、確かにクラスの一部ではその外見と性格ゆえに多少なりとも知られてはいた。)
(もちろん、あまり好意的な意味ではなかったけれど。)
え、あ、その…五百磐さんは…帰るん、ですか…?
(気づけば図書室の中には二人だけで、普段気にしないとはいえ気づいてしまうとどこか寂しさを覚える。)
え…と…物騒…ですか…?
(鞄を抱き、長い前髪の下からクラスメイトの女生徒を見つめる。)
(典型的な「地味な生徒」で、とても異能や異形と関わりがあるようには見えない。)
(が、あまりにも型にはまったそれに若干の胡散臭さを感じる。)
(しかし臆病な性格ゆえにそんなことは口に出せるわけもなく、結局は怯えた様子を見せるにとどまる。)
>>80 ええ、本当に災難です。
こと恋愛事が絡んだときの女の結束というのは恐ろしいものです。
「彼とのデート」は、ありとあらゆる命令を可能にする、究極の切り札のようなものです。
・・・迂闊に断ると、クラス中の女子に総当たりで「薄情者!」呼ばわりですよ?
(愚痴めかして、恋愛やお洒落を楽しむ゛一般的な女子高生゛の中でも゛明゛のグループに)
(属するクラスメイト達への愚痴めいた゛本音゛の一部を明かすのは)
(屋形静香が、クラスの中で゛明゛に位置するグループの少女達とは対極にある)
(いわば゛陰゛に属する存在だと知っているから)
(ここで彼女に、この゛本音゛をもらしたとしても)
(それが愚痴の対象に伝わることはないと確信しているから)
(そして、一部とはいえ゛本音゛を明かしてみることで)
(屋形静香との会話から一歩、踏みこんでみようという試みである)
そうですね。仕事も終えましたし長居する理由はありません。
帰ろうかと思っていましたが・・・。
同じクラスなのに屋形さんとは、あまり話しをする機会もありませんでし、せっかくですから
このチャンスにもう少し、話しをしてみたい気もします。
(嘘ではない。ただしそれは友好を図りたい、という理由よりは)
(屋形静香という少女に、何かしら゛引っ掛かる゛ものを感じるから、というのが大きい)
ええ。聞いていませんか?
連続強盗殺人に行方不明・・・どういう手段でやったのか分からないような殺人事件など、
枚挙に暇がありません。
最近は本当にどうしてしまったんでしょうね?日本は平和な国の筈でしたが。
(その゛夜゛に関わる者であるとはおくびにも出さずに、世間話の一つとして語る)
(彼女に対して感じた゛引っ掛かり゛が、この街の゛夜゛に関するものなのか・・・)
(この話題に対する反応で、何かしらつかめるかもしれない、と考えた)
(黒い髪はこの国では一般的なものとはいえ、ここまで闇を体現したかのような)
(混じりけのない、純粋な゛黒゛も珍しい、と整った容貌を隠して)
(彼女を陰気に見せてしまっている目元を隠す前髪と、その奥)
(何かしらの疑念のようなものを宿した瞳に、そんな)
(なんてことのない感慨を同時に抱きながら)
>>81 そ、そうなんですか…。
それは…怖いです…。
(いわゆる明のグループには、少なからず恐怖心があるのか、そんなことを呟く。)
(きっと自身も、頼まれたら断れないだろうと、重いため息を吐き。)
…恋愛事…。
(本の中でしか経験したことのないそれに思考をめぐらせるが、どうせ自身には関係のないこととすぐ打ち切る。)
え…わ、私と…ですか…?
その…た、楽しくない…ですよ?きっと…。
(予想しなかった申し出に慌て、普段以上に口ごもり。)
(その頬は俄かに朱にそまり、滅多にないコミュニケーションに戸惑っている様子。)
き、聞いたことあります…。
でも…私ニュースとか見ないし…新聞だって…。
(やはり世間には疎いようで、同年代の女の子の話題に上がるようなアイドルなども知らないだろう。)
そんなに…いっぱい起きてるんですか…?
猛獣とか…じゃ、ないんでしょうか…。
(異形なら、獣に近い痕跡は残るだろう。)
(異能にしても常人では不可能なこともやってのける。)
(そんなことを思いつつ答えを返し。)
(怯えた様子は決して嘘ではないが、夜の事件の大体はそれなりに見当はつく。)
(誰が、やどんなはさておきにしろ、そういった連中は存在するのだから。)
>>82 こう・・・目を吊り上げて、甲高い声で口々に責め立ててくれるでしょうからね。
本当に恐ろしいです。
(眼鏡の蔓の横から指を入れ、目をこれ見よがしに吊り上げてみせて)
(おどけたように話すが、声には実感がこもっている)
(混沌の゛夜゛を生きる魔女ですら、時には本気で気圧されることもある)
(あの狂気じみたエネルギーは、いったいどこから出てくるものやら)
楽しくない、なんてそんなことはありませんよ。
こんな愚痴はクラスでは話せませんからね。
滅多な人にもらしたりしたら、それこそ恐ろしいことになりそうです。
屋形さんは、口が固そうなので安心してこんな愚痴もこぼせますが。
(口が固い、というよりは゛話す相手がいない゛というのが本当のところだろうか)
(申し出に戸惑って頬を染めてはにかむ様子は、初々しくも可愛らしく)
(どうやら魔女の中にも、まだ残っていたらしい゛罪悪感゛を刺激して、その胸をチクリと刺した)
・・・教室では隅の方で誰とも話さずにいるし、気が付いたらいなくなってしまっているしで
わかりませんでしたけど、屋形さんって゛可愛い゛方ですね。
(素直に感情を出して、控え目に喜ぶ様子を見せる姿を゛可愛い゛と思ったのは本音だ)
(自分と同じように腹に何かを隠して立ち回る)
(゛可愛くない゛相手の方が゛やりやすい゛のではあるが)
猛獣に喰い殺されたような死体が見付ることもあるらしいですね。
でも、どの動物園や大型の獣を飼う飼い主をあたっても
該当するような動物が逃亡したわけではないらしいですよ。
そして、そんな大型の動物を目撃した目撃者も出てこない、・・・不可解ですよね。
まるで゛見えない猛獣゛がいるようだと、誰かが言っていましたか。
(怯える様子に嘘は見られないが、むしろ同じクラスのクラスメイトの話題に対して見せた)
(恐怖心の方が大きく見えるのは・・・気のせいだろうか)
他にも大勢の人達がガラスの閉じ込められて死んでいるのがみつかったとか。
普通じゃ考えられないような事件ばかり。
怖いですよね?
>>83 …。
(あまり顔も覚えてないクラスメイト達に囲まれて責め立てられる。)
(そんな様を想像してすくみ上がる。)
あ…そ、そうですね…。
誰にも…言いませんから…。
(話す相手がいないだけ、とは言えずに、当たり障りのない返事しか出来ないのは。)
(生来積み重ねてきた、他人の顔色を窺う性格からか。)
(何かを言おうとしても喉がつまり、結局黙り込んでしまう。)
か、可愛い…ですか…?
…そんな風に言われたの…初めてです…多分。
私、人と話すの苦手で…その…いつもここで本読んでるばっかりで…。
だ、だから…いつも、大体…ここにいるんです…。
(まっかになった頬を冷やすように、両手を当てる。)
見えない猛獣…ですか…。
(あぁ、やはりそれはあれなのだと、小さく嘆息して胸の内で納得する。)
ガラスに…閉じ込められて…?
(すぐには想像できなかったのか、少し考えて。)
…はい、怖いです…。
そんな事件…出会いたくないですね…。
警察には…解決できそうもないですし…。
(ポツリと呟きを落とす。)
>>84 そうしてくださると、助かります。
私もそんな目には遭いたくありませんから。
(すくみあがる静香に同調して、両手で肩を抱えて大袈裟に身震いして見せる)
(静香のように本気で怖がっている訳ではないが、そんな事態には陥りたくないのは本音だ)
そうでしたか。お昼休みなど、気が付いたらいないなと思っていたのですが・・・。
ここに来ていたんですね。
ご存知ないかもしれませんが、私は外国暮らしが長くて・・・。
(五百磐・舞・エスダートが、北欧人と日本人のハーフであることは)
(別に隠し事でもないので、大体のクラスメイトには周知のことだが)
(普段あまりクラスメイトと会話していない静香は事情に疎そうだと、改めて説明して)
会話には不自由ないのですが、漢字の読み書きや難しい言い回しなどが苦手で、
本を読むのがあまり得意ではないのです。
だから、沢山本を読める人は尊敬に値します。
(静香がテーブルに積み上げていた本に目をやり)
(これだけの量を1日で読破したのなら、本当に大したものだと思う)
出会ってしまったら私達のような゛普通の女子高生゛には、どうしようもありませんからね。
(゛普通の女子高生゛ではない魔女が、白々とそんな台詞を言ってのける)
(すくなくても今、屋形静香のクラスメイトである五百磐・舞・エスダートは)
(゛普通の女子高生゛で、なければならない)
警察の方々には頑張っていただきたいものですね。
でないとそのうち゛税金泥棒゛などと罵り声があがりかねません。
(屋形静香は゛警察゛すなわち゛普通の人間の犯罪者を取り締まる団体゛には)
(異形、異能がおこした不可解な事件は解決できないと認識している)
(一つ、手掛かりが得られた)
(屋形静香は゛夜゛の世界に関わりがある)
(どんな形で、程度の大小は知れずとも・・・今日の収穫としては、これで充分だろう)
話し込んでいる間に、すっかり暗くなってきましたね。
(もう日が落ちるのも早い。図書室の窓から見る空は、すっかり日も暮れて)
(夜の・・・異形と異能が踊る時間へと移っていた)
怖い事件に遭いたくありませんし、私達ももう帰るとしましょう。
屋形さん、お家はどちらの方角ですか?良かったら一緒に帰りましょう。
(テーブルの上の本に、片付けるのを手伝おうと手を伸ばしながら誘う)
【そろそろ〆でよろしいですか?】
>>85 それは…はい、もちろんです…。
揉め事とか…諍いとか…無い方が、いいですから…。
(本心からそう答えて。)
あ…そうなんですか…?
(なるほど、そういえばなんだか日本人離れした文字列が名前に入っていたかもしれないと思い出し。)
外国ですか…。
(ぼんやりと外国のイメージに思いをはせる。)
(真っ先に出てくるのは、探偵小説にでてくるような霧のロンドン。)
(本の中の世界しか出てこないことに少し落ち込んで考えるのを止める。)
そんな…尊敬なんて…。
昔から…本を読むのだけは好きだったし…。
ずっと読んでても飽きないし…。
(恥ずかしそうに、あるいは照れたように両手の指を絡ませて。)
そ、そうですね…。
どうしようもないし…逃げられたら、いいけど…。
なんか、かわいそうですね…。
おまわりさんだって…が、がんばってるのに…。
(日は暮れ、室内を照らすのは電灯だけとなり。)
あ…ほ、本当…。
早く帰らないと…。
(未だテーブルに積まれた本を片付けようと、少し慌てて。)
え…あ…い、いいんです、か…?
(またも戸惑ったように頬を染め、勝手ではあるが、内心では友達が出来たと喜んで。)
あ、ありがとうございます…。
(手伝ってもらい、本棚へ戻すものは戻し、もって帰るものは鞄にしまい。)
(帰り支度を済ませて。)
お、お待たせしました…。
【そうですね、もうこんな時間ですし。】
【今日はありがとうございました。】
>>86 外国とは、日本以外の国を指す言葉ですから大雑把でしたでしょうか?
あちらに居た時は、ここ日本こそが゛外の国゛なわけで・・・。
実はいまだに、こんなふうに細かい日本語に違和感を覚えます。
だから素直に読書を楽しめないのですよ。
本を読む時には横に辞書が必須です。
(照れているのか、恥かしがっているのか、あるいはその両方か)
(両手の指を絡ませて、もじもじしている少女。相手の言葉を疑いもせずに)
(率直に受け入れる素直さに、口下手で感情表現が乏しいのでわかりづらかった)
(屋形静香の心根の素直さと美しさを感じ取り、眩しいものを見るように目をすがめる)
・・・本当に尊敬に値しますよ。そして羨望にも。
(表で交す会話に乗せて、表に出さない意も込めて)
(打算と疑念、駆け引きをもって人と相対するのが身に染み付いている魔女には)
(もう、自身が失って遠いその純粋さは、確かに羨ましかった)
(今の己のあり方に、疑問や不安があるわけではなくとも―――)
警察の方がどんなに頑張っても・・・。
人は往々にして゛結果゛しか見ないものですから。
(異形がおこす怪異に関しては、通常の警察官は何もできないであろう)
(それを罵倒するのは、いささか残酷かもしれないが役立たずなのは、確固とした現実である)
怖い目に遭わないように、なるべく早く帰りたいですからね。
一人でやるよるも二人で片付けた方が早いでしょう。ですからお手伝いしますよ。
(返却する本を元の棚に戻すのを手伝って、静香が帰り支度を済ませるまで待ち)
途中、教室に寄ってもいいですか?私の鞄はまだ置いたままなので。
(図書室の電気を消して廊下を二人並んで歩きながら)
(ふと、今の自分達を誰かが見たら仲の良い友達同士だと思うだろうか、と思った)
(横を歩く少女を、ちらりと盗み見る)
(混沌の゛夜゛を往く魔女には゛友゛も゛情゛も無用のもの)
(ただ、それでも――――)
(いくらか゛夜゛の世界にも関わりのあるらしい屋形静香と)
(゛夜゛に出会わないでいられればいいと、そう思った)
(゛夜゛から離れた、この昼の゛友達ごっこ゛を続けていられたらいいと)
(本当の友達など望むべくもない魔女は)
(だから゛なりたい゛と思うことすら思いの淵に沈めながらも――)
【ではこれで〆にさせていただきます】
【おつきあいに感謝しつつ、私はこれにてお暇いたします】
【またいずれにお会いできましたら、どうぞよしなに・・・】
>>87 は、はい…もちろんです。
(照明を消す前に、誰かいる気配がないのだけを確認して。)
(途中すれ違う教師に挨拶などしながら。)
(教室へ向かって歩を進めていく。)
(肩を並べて歩きながら、ぽつりぽつりとではあるが会話を楽しみつつ。)
(最初の頃に感じた胡散臭さなど、もう忘れてしまっていた。)
【お疲れ様です。】
【今日はありがとうございました。】
【また、機会が合えばお願いします。】
【おやすみなさい。】
待機解除。
俺、参・上
いい加減この口上も使い古した感もある。
とはいえ、使い勝手がいいのも事実。さてさて困ったものだぞ、と。
で、待機だ。
時間があるのも考え物だ。
ん、それじゃあ今日は帰るか。
【またやっちまった・・・】
【全半角くらい見逃せと(ry】
【待機を解除する!】
【待機する。プロフは
>>19に】
【規制中でも避難所から呼び掛けてもらえれば移動するよ】
連続もいいところですけど、よろしかったらお相手お願いできますか?
他の方がよろしければ、どうぞご遠慮なく…。
こんばんは
連続は気にしないことにしよう
津綺子がよければ、俺としては喜んでお相手させて貰うよ
ありがとうございます。
今日はどんなご気分でしょうか?
バトルでしたら共闘でも。
雑談のネタも2つほどあると言えばありますし。
あとは言わずもがなw
そうだね…気分としては「言わずもがな」な部分が4割くらいw
そちらの考えた雑談のネタに色気を含ませることはできるかな?
もちろん、無理強いはしないけど…
ネタの一つは天羽さん関連で、その日の夜、というシチュで。
もうひとつは雨宮先輩関連で、本格的にやきもち焼いてみようかな、と。
でも雨宮先輩、今お休み中ですから、あまり彼女の設定には突っ込まない方がいいかも知れません。
どちらも「言わずもがな」な展開もアリかと思います。
雨宮先輩のネタは、本人のいないところで突っ込むべきではないかと思う
ので、前者でお願いしよう
「言わずもがな」はそちらの気分で混ぜてくれれば
書き出しはどうする?
こちらから提案しましたから、こちらから書き出しましょうか。
あの「長すぎる一日」の夕方、ということで。
うい、了解
では、書き出しをよろしく頼む
ゆっくりでいいからね
では少々お時間くださいね。
(部活は中止になってしまったが、そのまま帰宅するのはどうしても気が重くて学内をロードワークしていた)
(広いキャンパスは、落雷騒ぎのあったグラウンドを避けても十分に走るコースが取れる)
(中学部から高等部へ抜ける小道を通り、高等部の専門教科棟の脇を抜けるところで見慣れた人影を認めた)
直さん…!
(彼を見かけると、いつも感じる動悸が今日はさらに激しい)
(落雷を起こしてしまったのが自分だと、あるいはわかっているかもしれない)
それに…
(天羽都のことが、どうしても心の中に重くわだかまっていた)
(さらに、水晶を作り出す異能者・紅裂拓兎…)
天羽さんに直さんのことを話したって、ちゃんと言っておかないと…。
(その天羽都の約束の相手が、迫水直だとは夢にも思わない)
(まして二人の間に何があったか、は、その時は知りえようもないことだった)
【直さんが天羽さんと話している間、私は紅裂くんと話してましたので】
【今夜もどうぞよろしくお願いします】
はぁ……
(夕闇の迫る空を見上げ、大きく溜め息を漏らす)
(つい先程、後輩から告白され、それを断った)
(その場を去る時に見た小さな少女の背中を思い出すと、心の深いところがズキリと痛む)
(それでも…)
津綺子に話しておかないと…
(都に告白されたこと。都の異能について。頭の中で言葉がグルグルと渦巻き)
はぁ……
(全てを吐き出して忘れてしまおうか…などと埒もない事を考えながら、再び溜め息を漏らしたところで)
……?
(聞き覚えのある声に名前を呼ばれ首を巡らすと、小道の向こうにパートナーの姿を認めた)
津綺子……!
(名前を呼びながら手を振り答える)
(自然と表情がいつもの笑顔に。少し無理をしているけど)
【では、こちらはこんな感じで】
(直の笑顔はいつも心の中にまっすぐ飛びこんでくる)
(そばに駆け寄る間は、その笑顔に向かって真っすぐかけていった)
直さん、今日はもう、すぐに帰れますか?
あのね、お話ししたいことがたくさんあって……
(勢いこんでいきなりしゃべりだし、そこで急に直の表情にある陰りに気づく)
…直さん…?
(ロードワークで上がっていた心拍数を下げるべく、呼吸を整え、軽く手足を伸ばす)
(クイックリカバーはトレーニングの賜物。とはいえ、まだ頬には上気した色が残って)
あの……何かあったんですか?
(直の目を真っすぐに覗きこむ。いつも彼がこちらの心を包み込んでくれる時、そうするように)
今の直さん、なんだか気持のエネルギーが落ちてるみたい。
何があったか、教えてくれますか?
…今は言えないことなら……せめてどうしたらお力になれるか、教えてください。
(直の手にそっと手を重ねて)
私も、直さんの支えになりたいんです。
頼りにならないとお思いかもしれないけど…私にとって、誰よりも大切なひとだから。
あ?あぁ、うん…
(勢いよく喋り出した津綺子に押されて、出てくる言葉は相槌だけ)
(その言葉の勢いが急によわくなって…)
(怪訝そうな表情の津綺子が目をのぞきこんでくる)
(上気した頬とわずかに汗の浮いた額。真っ直ぐにこちらの目を捕らえる黒い瞳)
(心がしっかりと包み込まれて、溶けるようにわだかまりが消えていく)
ん、少し…落ち込んでる。色々…色々、あり過ぎて…
(大きなはずの自分のてが、相手の手の平に包まれて)
(ほぅ…、と安堵ともいえるような溜め息が口から漏れる)
ありがとう…
(言葉に詰まり、一言呟くだけで精一杯)
私も今日一日で、本当にいろんなことがありました。
(直の手を握って、少し冗談めかして言ってみる)
(いつもこちらを励ましてくれる優しい青年は、今はまるで自分を責めて縮こまっているように見えた)
直さん、順番に、少しづつ、私に話して?
話したくないからって、心に抱え込んでいたら、そこに暗い所ができてしまう。
心に闇が生まれたら、どんなことになるか…直さんが一番良くご存じでしょう?
(説得したり、人の心を和ませるような話し方をするのは苦手だった)
(今もなんて言っていいかわからず、でもどうしても、直の心が閉じて行ってしまうのは見ていても辛く)
(一生懸命、話を促そうとする)
私も今日はこのまま帰ります。
一緒に帰りましょう。ね?
それで、えーと…
(何を言えば、彼の気持ちが引き立つだろうかと、しばし考えて)
肉まん買って帰りましょう!
……なにか変なこと言いました? 私……。
そう…お互い大変な一日だったみたいだね
(津綺子の言葉にわずかばかり心からの微笑みをこぼして)
うん、大丈夫…俺には津綺子がいてくれるからね…
闇に捕らわれても、君がいつも助けてくれる
(懸命にこちらの事を気遣う津綺子の言葉が、固まりかけた心を優しくほぐしていってくれる)
今すぐは無理だけと、君にはきちんと話さないといけないし…
だから、少しだけ心を整理する時間をくれないかな?
(君にも関係あることだから…と告げる)
ん、一緒に帰ろ?
(微笑みかけようとしたところに津綺子の言葉を聞き)
……っ!くっ…!く、くく…
(こちらの心を持ち上げようと必死に考えた結論だろうが、よりにもよって「肉まん」)
(爆笑神経を刺激され、必死に笑いをこらえる。結果として津綺子の意図は成功したのだ)
いや、なんでもない。そうだね肉まん買って帰ろう
寒いし、少しお腹も減ったし…
(会ってからはじての、純粋な笑顔を津綺子に向ける)
直さん…?
(直が笑いをこらえているのは明白で、そんなに変なことを言っただろうかと心配になってしまう)
(問い返そうとしても、必死で笑いをこらえながら誤魔化されてしまい)
(結局決まりの悪い思いをしながら着替えて、直の部屋に向かう)
(途中、本当に肉まんを買った)
(かえってから温めて食べようと、ふかす前の肉まんを山ほど買う)
「これはサービス!」
(と、店員がショーケースから温めてある肉まんを二つ出してくれた)
ありがとうございます……
持って帰るまでに冷めちゃいますね…
(温かい肉まんが入った紙袋を直に掲げてみせて「食べる?」と言外に問いかけながら)
(行儀が悪いと思いながらも、肉まんを頬張りながら歩き出した)
(商店街を抜けてしまうと、それほど人気のない住宅街で)
私の方から、聞いてもらいたかったお話してもいいですか?
今日、水晶を作る異能者に会ったんです。
魔王によって異能を与えられた、って言ってました。
…悪いことをするために、って。
(ケイ素を操る異能・紅裂拓兎。彼にはどうしても心を許せないところがあった)
その前にあった落雷事故……たぶん、お察しかとおもいますけど、
あれ、私なんです…。
(さすがにちょっと声が沈んだ)
その直前に、天羽さんと話していて。
彼女の手をとった瞬間、ものすごい勢いで電力がチャージされてたの。
(その日の顛末を語りながら、直の部屋に着いた)
(ふかす前ね肉まんは紙袋の中)
(サービスで貰った暖かい肉まんは二人の胃に納まって)
(津綺子の一日を聞きながら帰路を歩く)
水晶…津綺子、分かってると思うけど、そいつにはあまり近付かない方がいいよ
(水晶は電撃に強い。つまり戦ったとしても津綺子の能力はほぼ無効)
(そんな事を話していると、話題は落雷事件に及ぶ)
あれは津綺子が…どうして…
(そんなことを?と聞く前に答えが返ってくる)
天羽、都…能力の増幅…だからか…
(その事件後に会った都の様子を思い浮かべて、一人納得した様子で頷く)
(家の鍵を開け、津綺子を招き入れながら)
今日、人に会う約束があるって言ったよね?
…天羽都に会っていたんだ
(買った肉まんは冷蔵庫に)
(いつものクッションを津綺子に渡しながら、ベッドの縁にもたれて床に座る)
彼女の持っている異能の件もあるし、それに「大事な話がある」て言われたから…
(ゆっくりと一日に起こった顛末を語る)
(紅裂拓兎に近づかない方がいい、という直の言葉にうなずいて)
この頃、人が水晶の像になったって噂を時々聞くでしょう?
都市伝説の類かと思っていたんですけど、もしかして、本当に……
(心配してくれる直に、申し訳ない気持ちと、ほっとするような安心する気持ちを抱きながら)
(心なしか少し二人の間の距離を詰めて、直の部屋へ向かう)
(いつものお気に入りのクッションを受け取って、それを抱えて直の横に座を占め)
(横向きにベッドにもたれかかるようにして直の方をむいて)
天羽さんが誰かに会う約束って…直さんだったんですか?!
(直と天羽都がいつかの昼休みに親しく語らっていた様子が思いだされる)
やっぱり…天羽さんは直さんのことを……
(人が水晶の像に…ここ最近流れている噂話--都市伝説)
(大概の噂の真相は「夜を往く者」達の、犯行)
多分…そいつの仕業だろうね…
(苦い表情を浮かべ、津綺子の言葉を引き継ぐ)
(夕暮れの教室で津綺子がこぼした涙を思い出しながら)
(そばに座る津綺子へ顔を向けて、頷く)
…告白、された
告白…
(直の言葉をオウム返しにして、今日の天羽都の様子を思い出す)
(異能を有しながらそれに気づかなかったのは、人に作用する力だからだ)
(異能があれば、誰でも自分の身辺にあり得ないことが起こることに気づく)
(彼女にはそれがなかった)
(なぜなら、彼女の能力を発揮された対象は人であり、その人の能力がわずかの間上昇するだけで)
(それが起こること自体は超常現象でもなんでもないからだ)
(自分が出した新記録のように)
(直の目をじっと見つめ返し、この青年を失いたくない、と改めて強く念じながら)
(あのような異能者が近くにいても、心を動かさない青少年がいるだろうかと不安になる)
(天羽都がそばにいれば、直はほとんど無敵だと言えるのではないか)
(彼女の能力がマイナスに働くこともあることは、まだ津綺子は知らない)
直さんは…なん…て……
(自分の声がかすれそうになって、初めて泣きそうなことに気づいた)
そう、告白…
(もう一度かんで含めるように繰り返して津綺子をみつめる)
(今にも泣きそうな、切れ長の目を潤ませる津綺子の瞳を見つめながら)
…俺には好きな人がいるからって、だからゴメンって
(右手で顎を摘んで仰向かせると、左手の指で目尻に溜まった涙をそっと拭う)
でも…俺に「助けて」って言ってた。俺は、俺を頼ってきた女の子を傷つけてしまった…
(津綺子に見せていた顔が暗く沈む
(涙をぬぐわれる仕草が、涙の堰を切る最後の一滴になった)
(頬をぬぐう直の指に、さらにはらはらと涙をこぼしながら)
わたしのせい…ですね……。
天羽さんの力で新記録なんか出して、異能があるからそのことに気づいて
私が直さんのそばにいたから…天羽さんの思いは受け入れられなくて……
私でなければ、天羽さんの力には気づかなかったし
天羽さんは自分が人と違うことを知らずに済んだ。
私がいなければ…直さんは…天羽さんと……
(ひくっ、としゃくりあげながら、直の手に自分の手を重ね、頬ずりして)
人を愛することで、誰かを傷つけることもあるんですね。
直さんだって、天羽さんを傷つけたことで傷ついてる。
でも…だからって…私、自分の気持ちを…もう……
【今夜はここまでで凍結をお願いしてもいいでしょうか…】
【凍結了解】
【こちらの空いてる日は、直近だと金曜の22時、あとは土日になるね】
【では28日金曜日22時に避難所でお待ちしてます】
【土日も今のところ大丈夫です】
【例によって体力不足でもうしわけなく】
【今日はレスの量も時間も一定しなくてすみません】
【大事なシチュなので丁寧にやっていこうとおもいます】
【では金曜の22時、避難所に】
【もしお互いに都合が変われば避難所に連絡、という感じで】
【実はこちらも降参寸前。凍結をお願いしようと思ってた】
【こちらこそうまく引っ張れない上に遅くて申し訳なく】
【ん、その通りだね。津綺子のペースでレスを書いてくれていいよ】
【じゃあ、お先に失礼するね】
【今夜はありがとう。お疲れ様】
【おやすみなさい】
【お疲れ様でした。おやすみなさい】
【待機するか・・・】
【プロフィールは多分
>>17だ。今日は避難所もばっちり凝視】
【名前】榊原 玲(さかきばらあきら)
【年齢】18歳
【性別】♀
【身長】175cm
【3サイズ】
【容貌】普段は黒髪三つ編みに眼鏡の、一昔前の委員長ルック。
異変や異能と対峙するときは髪を解いて黒いライディングスーツとゴーグルを着け
一目では自分とは解らないような格好をしている。
【能力】衝撃を吸収、放出する能力
【希望】
【NG】妊娠、ハードスカ、切断
【弱点】打撃攻撃に絶対の耐性を持つが、
斬撃や物理的でない異能に対しては完全に無防備。
また、身体能力は高い(後述)が異能の力によるものではないので
衝撃を吸収、放出する能力で誤魔化せる範囲外では、
超常的な動きをすることができない。
【備考】バイクに乗り、夜の街を駆ける謎のヒーロー
に、助けられ彼に異能を押し付けられた二代目ヒーロー。
異能を与えられてからも暫くは先代から修行を受け
高い身体能力と空手をベースにしたシュート系格闘技を身に付ける。
現在は先代は失踪しているが、
先代への微かな感謝と自身の正義の為、異変や異能と戦い続けている。
学園では真面目で大人しい優等生を演じているが
本来は乱暴でがさつな、男のような性格。
>>123 【プロフィール投下+お相手立候補します】
【よろしくお願いできますか?】
【おっと、危うく撤退する所だったぜ。あんがとー】
【お互いに昼夜で顔が違うねえ】
【昼の絡みは少し分からんから、夜戦で良いかな?】
【反応遅れてすいません。そうですね】
【プロフィールを拝見した所、目的はほぼ同じなので共闘ということで】
【何か場所の指定などはありますか?】
トリ変更します
【ぬ、共闘で良い? こちらは異形の捕獲が目的だから、
異形にトドメ刺そうとすればそちらの邪魔するし、倒した後連れ帰るよ?】
【そゆのが気に入らなければ、俺が異形持ち帰ってる所で遭遇したい】
【勿論、共闘ならそれで良いぜ。場所は・・・夜の河川敷、とかどうよ】
【異形さえなんとか出来れば割とどうでもいいので】
【グレーな人にはケンカは売りません】
【貴方達が悪だという確信はまだないので、とりあえずは戦闘は無しの方向でお願いしたいです】
【では、河川敷で共闘で異形はどちらがやりますか?】
【分かった。それなら俺も助かる】
【異形はこちらがやって良いか? ちょっと思いついた事がある】
【もし良ければ、こちらから書き出す】
【了解しました。それではよろしくお願いしますね】
(その夜、河川敷は戦場だった)
(昼間はグラウンドとして使われているのだろう、良く均された土の地面に立つ影は二体)
(一つは人間。全身を黒で――手足は勿論、顔すら仮面で覆い隠した男性の影)
(一つは異形。全長は2m程、二足で直立し、六つの長腕を掲げた、阿修羅を思い起こさせる、異形)
(月光の下の戦場で――)
(人間・・・紫 一久は仮面の下で舌打ちをした)
・・・・骨格と筋繊維が無神経化してんのか、あるいは呪術的な作用かは知らんが・・・・
・・・銃弾を弾くとか反則だと俺は思うな
(弾丸を撃ち尽した小銃を懐に収め、代わりに構えたのは、補強された鉄パイプ)
(全長は150cmとやや短目・・・・先日交戦した少女の猿真似だ)
・・・・銃弾が効かない相手に打撃が通用するか?
答えは・・・・・・
・・・・試せば分かるさ
(鉄パイプを構え、息の詰まる相対)
殴られるのが痛かったら、手抜いて撤退・・・オーケイ、俺?
(異形は全身を発達した骨格に覆われており、再生能力も併せ持っている)
【こんな感じで】
【異形に関して分かりにくい所あれば、質問どうぞ】
【よろしくお願いします】
(深夜の静寂も風情も台無しにして、黒いCB400が爆音を奏で)
(いいかげんな『正義の味方』は悪と相対すべく駆ける)
こんばんは。
(既に異形と戦っていた仮面の男をゴーグル越しに一瞥すると)
(バイクから降りて、そのまま真っ直ぐに異形へと向かっていく)
さて、これは効くかな?
(衝撃放出による高速移動からの右ハイキックが異形を狙う)
(強固な外骨格を異形は纏っている。だが、玲の打撃は通常のそれとは威力が異なる)
五発分で……どうだ!
(あらかじめ蓄積しておいた衝撃を、インパクトの瞬間に発する事で威力を跳ね上げる)
(果たして、効果は……)
(通常の数倍の力が込められた玲の蹴撃は、一回りも二回りも大きな異形を、一撃で吹き飛ばした)
(しかし、異形は怯む様子もなく・・・・)
(全身にヒビを入れ、そのヒビから赤黒い筋組織を覗かせ、低い低い痛みの声を上げて、
六足となって玲に素早く接近、とびかかり、雨のような打撃を浴びせようとする)
あ? お前・・・っ!?
(絶望的な状況に颯爽と現れた女は、一撃で異形を吹き飛ばした)
・・・な、何を・・・・
(あまりに唐突な、異様な光景に、思わず呟くが)
(重要な事はそんな事ではなく・・・)
・・・・っ
(鉄パイプを手に、駆け出す)
おい、女・・・!
お前の素性はどうでも良い! ・・・・・協力しろよそいつの捕獲に!
礼はするから、多分な!!
(言いつつ、紫は胸中で自分の言葉に苦笑していた)
(この状況は、とても協力とは言えないな、と)
っし!
(手応えはあった。もしかしたら一撃で――)
ということはないか。
(タンタンとステップを踏んでバランスを取り、襲いくる異形を見た)
(玲にとって打撃は脅威たりえない)
(しかし、それは信じるに値しない防御性能であることを玲自信がよく知っている)
協力、ね。
(仮面を被っているということは、相手もプロだ。ならば問題はない)
(衝撃を放出してバックステップし、一旦異形から離脱する)
じゃあよろしく。
(小さな笑みを向けて、申し出を承ける)
(玲に避けられ、着地する異形)
(二本の足と四本の拳が、めいめいに地面をえぐる)
(その後、ゆらりと立ち上がると、痛烈な打撃を与えてきた玲に狙いを定めたのか
大きさの割には俊敏な動きで玲に接近、四つの拳を走らせる)
悪いな・・・お前、異能だな?
外殻さえ破壊してくれればこっちでどうにでもできる。頼むぞ!
(女に叫びながら、小銃"ミニオン"、長銃"ポゼッション"に弾丸をこめる)
(当初は殆ど撤退する心算だっただけに、この機会は逃したくなかった)
(どうやら女は、打撃力に優れている様子。ならば、とにかく彼女に殻を破らせ、自分が捕獲するのが正道だろう)
・・・・あ、ちなみに殺すなよ!
もしお前が殺したら礼はやらんからな!
("ポゼッション"を背中に挿し、鉄パイプを構え)
(せめてもの牽制に、異形に距離を詰める)
了解、と。
(男に軽く相槌を打って、異形の前に立つ)
生け捕りにするの?まあ、あんまり悪いことに使わないなら好きにどうぞ。
自己責任でねー。
(向かって来る異形は速い。それにタフだ)
(だが、攻撃は打撃だ。打撃のみ、という確信はないが、次の攻撃もきっと打撃だ)
(玲の異能の正体さえ看破されなければ――)
決めるね。
(連打される拳に怯む事無く、異形の正面、中心へ)
(放たれた拳を顔や身体でで「受け」ながら攻撃のモーションに入る)
はっ!
(異形の中心を捕らえる正拳突き。同時に先程の倍以上の衝撃を放出した)
【すいませんが落ちさせて頂きます】
【お相手ありがとうございました。至らない所が多く申し訳ありません】
【あう・・・・こちらこそ、ごめんなさい】
【通信が不調でした】
【短いながら、お付き合いありがとうございます】
【解凍です。スレをお借りします】
>>118 (こぼれて流れ落ちる涙が指先を濡していく)
(津綺子の言葉は罪を負う者の告白のようで)
………
(言葉の切れ目で首を振り、声を出さずひとつひとつ否定する)
(恋人が自らの言葉で傷ついていく様子に、かける言葉すら見つからず)
(ただ首を振ることだけしかできない、そんな自分がもどかしくて)
(手の平にすり寄ってくる濡れた頬をスルリと撫で、そのまま胸に抱き寄せる)
(そうすることで、恋人の傷を自分にうつそうとするかのように)
(津綺子の身体を強く抱き締める)
【今夜もよろしく】
(自分の心の傷を吐きだすたびに、それを仕草だけで優しく否定されて)
(やがて抱き寄せられ、強く抱きしめられる)
ただしさん…私は偽善者なんでしょうか?
天羽さんの力になりたいって言いながら、あなたを譲ってあげられない
あなたに辛い思いをさせているのに、身を引くこともできない
人を傷つけたくないって、口先ばかりで、自分は…こうして…
受け止めてくれる人をつかんで離そうとしない…
(今更のように、真賀樹漸の指弾が胸を衝く)
(偽善だ、と)
【こちらこそ、よろしくお願いします】
津綺子、聞いて…
俺を諦めるだけが、都ちゃんの力になることじゃない
君が俺の側を離れていくのは、何よりも辛い
人を傷つけたくないって思いが口先だけじゃないのは、俺がよく知っている
こうして君を受け止めるのは…俺が君を--津綺子を好きだから…
(津綺子な心に刺さった棘に気付くことはないが)
(精一杯の言葉で恋人の思いを否定する)
(言葉を伝えながら、胸に抱いた頭をできる限り優しく撫でていく)
(頭上に落ちる低く優しい声に荒れた心をなだめられ)
(その声に混じる苦悶の響きを痛ましい思いで聞く)
…ごめんなさい…私の方が聞かせてくださいって言ったのに……
(直の悩みを聞かされてこちらが泣いていたのでは、直は安心して心を開くことができなくなってしまう)
(そんなことに、ようやく気付いた)
(くすん、と鼻をすすりながら、自分で涙をぬぐって)
直さん、二人で一緒にたくさんの妖魔を退治してきたように
一緒に力を合わせて天羽さんを助けてあげることもできますよね?
天羽さんが私たちを必要とするかどうかわからないけど、
天羽さんは私たちにとって大切な仲間になるはず…
少なくとも、絶対に人を傷つけさせることは避けなくては。
(少女たちを監禁し、自分を暴行したあの同級生を思い出す)
(直の強さが、その腕の強さを通して伝わってくる)
(優しく撫でてくれるその手を通して、素直な思いがよみがえってきた)
(津綺子の声に張りが戻ってきたのを感じると、心の深いところから暖かなものが沸き上がるのを自覚する)
そうだね…今すぐ受け入れて貰うのは無理かも知れないけど…できる限り彼女の力になってあげよう
あの子も、人を傷つけたって思ってる。人を傷つけることを恐れている
だから…彼女の仲間になってあげないとね
俺達なら、きっとできる
(いたわる手つきから愛する手つきに)
(心境の変化を反映して、髪を梳かしながら撫でる動きか変化する)
(髪をすべっていく直の手つきが、次第に頭蓋の丸みを愛撫するように熱を帯びていく)
(そう気づいたとき、胸の奥で固く縮こまっていた心臓が、とくん、と鼓動を始めた)
(直の胸の上で握りしめた拳に、直の心音が力強く伝わってくる)
…。
(ごくごくかすかに溜息を洩らす)
(たった今まで、自分の立ち位置に思い悩んで泣いていたばかりなのに)
(もう抱きしめられるパートナーの胸に「男」を感じている)
直さん、私を選んでくれてありがとう……大好き。
俺の方こそ…
津綺子、俺を選んでくれてありがとう……大好きだよ
(ほんの少しの言葉を交わすだけで、パートナーへの愛しさがこみあげてくる)
(ついさっきまで、津綺子とは別の女の子に告白され、傷つけてしまったことに悩んでいたのに)
(こうして抱き締めることで、津綺子に「女」を感じてしまっている)
………
(わずかに頭を振り、思いを改める。今はただ一心に津綺子を…そうしなければ津綺子にも都にも失礼だから)
(髪を撫でていた手が、うなじから首の腱に向けて滑るように移動する)
(肩を抱いていた反対の手は探るように背骨をなぞり、腰のくびれに到達して、その魅惑的なラインを辿っていく)
う……
(首筋をなぞる指先がくすぐったい)
(きゅ、と肩をすくめて直の胸の上で拳を握りしめる)
(もう片方の手が背骨を滑り降りていくのと同時に、うずくような感覚も胸の中からお腹へ降りて行って)
(ウエストをなぞる掌に、お腹の奥が熱く疼く)
(泣きはらした顔を見られたくなくて、直の首筋に額を押し付けて顔を伏せ)
(唇を噛んで吐息を飲み込む)
(直が「そんなつもり」ではないかもしれないのに、敏感に反応する自分がはしたなく思えて)
(熱い腕の中で、じっと身を固くして)
(津綺子が息を殺して胸に顔を埋めてしまう)
(わずかに漏れる吐息が胸板をくすぐり、そこから熱が生まれ下半身におりていく)
(拒絶の言葉も態度も感じられない。だが「そんなつもり」はないが言い出せないだけかも知れない)
(熱い吐息を、つむじに吹きかけながら、様子を伺うようにゆっくりと、愛撫に「色」を帯びさせる)
(浮かび上がった首の筋を指で挟んで、鎖骨から耳元まで上下になぞり)
(腰のラインを辿っていた指が更に下降して、豊かな球体の曲線を確認するように滑る)
あ……
(直の手がお尻の丸みに沿って滑って行く)
(思わず顔を上げて声を漏らしてしまった)
(自分が感じていたことを、もう気づかれてしまったのかと、耳元まで赤面して)
(そっと直の表情を伺う)
ただし…さん…?
(直の表情を覆っていた暗い悩みの影はなく、こちらを慈しむような優しい色を浮かべていて)
(ドキドキしながら、握りしめていた手を開き、直の心臓の上に重ねる)
(熱い胸筋の感触と、その奥の拍動の力強さ)
(それが、わずかに強く早くなっていくのまで感じられる)
(少し伸びあがるようにして、その男らしい線を描く顎のあたりに口づける)
(指先が津綺子のお尻をなぞると、甘い吐息が恋人の口から飛び出してくる)
(問い掛けてくる声に視線を落すと、すぐ近くに潤んだ瞳を見つけて)
………?
(目だけで「なに?」と問い返し、口元に微笑みを浮かべ)
(顎の先端に柔らかな暖かい感触を感じると、津綺子の身体を撫で回す指先がピクリと震える)
津綺子…
(顔の角度を変え、自分の唇を津綺子の唇に重ねていく)
(上下から移動した指先は上着の裾をまくり、直接恋人の肌に触れ)
(背骨や肩甲骨を確かめながら、その柔らかな肉体の感触を充分に楽しむ)
(視線が合うと、いつでも心臓が跳ね上がる)
(柔らかい微笑みに迎えられれば、なおさら胸の中に沁み入るように)
(直への思いをこめて顎の線を唇でたどって)
(直の顎に触れた唇は、そのまま直の唇に重なって吸い上げられる)
(熱い指先が制服のブラウスの中に入ってくると、背中に触れられてぞくりと身を震わせ)
ん、んん……っ!
(くすぐったさに身をよじりつつ、言葉は直に奪われたまま、すがりつくように直の制服のシャツをつかんで)
(ようやく解放された唇に、熱を帯びた呻きをこぼす)
もう……くすぐったいです……!
(甘え声で直の手をかわそうと体を反転させる)
(直の胸に背を押し付け、膝にお尻を触れ合わせて、大きく息をついた)
はあ……
(もう白いセーターを押し上げるように、双丘が張りを増す)
おっと…
(背中を撫で回していた手を躱し、しなやかに身を翻した津綺子の身体を受け止める)(背後から腕をまわして、お腹の辺りを緩やかに締め付けて)
……津綺子…いいかな?
(後ろから顔を寄せ、耳元に熱い息をかけながら今更に問う)
(津綺子の腰に、既に充血しはじめている器官を押しつけて)
(お腹の前で組んでいた手をセーターを持ち上げる膨らみの裾野へとジワリと移動させる)
(背中から包み込まれるように抱きすくめられて、耳元に熱い問いかけをされれば)
(なすすべもなく、ただうなずいて、後は崩れるように直に身を任せる)
(直の熱い手が伸びてくれば、二つのふくらみが動悸とともに期待に張りつめる)
(腰に感じる直の欲望に、自分も煽られるように体を疼かせて)
(正坐が崩れた膝から、スカートが乱れて白い膝上が覗くのも直さず)
(もうその中ではショーツの中で花弁がほころび始めている)
(熱い吐息を吐いて背後からの熱に応える)
ん…
(頷くだけの、しかし確かな了承を得て)
(少し屈むようにして唇を首筋に這わせる)
(啄みつつ、舌で腱をなぞり、顎のラインから耳へとのぼり)
(小さく揺れる耳たぶをそっと口に含み、舌先で転がす)
(双丘を下から持ち上げて手の平で包み込み、胸に円を描くように揺さぶる)
(セーター越しにも弾力が分かるほどに張り詰めた乳肉。除々に指先に力を込めて、その膨らみの形を歪める)
津綺子…分かる?津綺子が欲しくて、もうこんなに…
(腰をわずかに捻り、硬く充血した膨らみをグリグリと押しつけて)
(その形や熱を想像させる)
耳は……あ……
(ショートカットの髪をかきのけ、隠されてもいない弱点を唇でまさぐられる)
(舌が首筋を味わっていくのにあわせて、身を震わせて)
う…んっ……
(耳たぶを捕らえられ、うつ向いてそこから送り込まれる快感に耐える)
(大きな手が乳房を包み込んで弄ぶ)
(その指先を押し返す弾力にもまして、頂点が自己主張するように立ちあがってくる)
あぁ、あ……んっ……
(吐息混じりに快感を告げる声を上げ、あわてて唇を噛む)
(こらえるほどに、快感は内圧を高めて膨張する)
あ、直さんの……すごい…
(腰に押し付けられる熱い勃起)
(服越しに押し付けられるだけで、もうその形も色もまざまざと脳裏に描かれる)
(その複雑な形状が、内部に収まった時の苦しいほどきつさや、その中で動く感触を生々しく思い描き)
(ショーツの中へ、熱い分泌液を滴らせて)
(それを膝をすり合わせてこらえる)
(直の膝に置いた手が、直のふとももを無意識に撫でている)
(背中を直にあずけ、喉をそらせて呼吸を貪る)
津綺子、我慢しないで…もっと声を聞かせて…
(耳たぶを開放して囁きかけると、細く息を吹きかけてから舌を伸ばし、耳のヒダをなぞっていく)
(両手をさげて、セーターをまくりながら持ち上げると)
(そのまま指先は澱みなく動き、ブラウスのボタンを上から2つ3つ外す)
(右手はブラウスの上から津綺子の左側の乳房、左手はブラウスの下へ侵入して右乳房を捕らえ)
(張りを増す弾力を思う存分に味わい、指先が別々に乳肉に食い込み、弄ぶ)
ね、俺の「これ」はなんていうのかな?分かるよね…
(更に腰を持ち上げると「これ」を押しつけて、素直な感想を漏らす津綺子に甘い声で堕落を促す)
ん、は…あ……んん……
(直は優しく労わるような声色で、巧みに劣情を煽りたてる)
(自制と自律に固く閉じられた肉体を、いともたやすくほどいて開いてしまう)
あ、胸、やぁ……ん……っ
(抵抗するそぶりも、水を含んで崩れる角砂糖のように甘ったるくとろけて)
(直の熱い掌で、揉みしだかれ、弄ばれて、乳房が悦びに弾む)
(はしたないほどくっきりと尖ってしまう乳首)
そんなこと、言わせようとするなんて……
(うずく尻肉に焼けつくような勃起を押し付けて、その物の名を口にすることを促される)
(首を振って抵抗すると、胸の中でどんどん大きくなっていく何か)
(欲望が四肢の自由を奪い、体は難なく直の支配にゆだねられて)
(いまや淫らな反応は隠しようもなく)
(手探りで背後に指を伸ばし、直自身をまさぐる)
(服の上からその形状を確かめ、それが自分の中をえぐる様を思い描く)
もっと乱れて…いやらしい津綺子を俺に見せて…
(理性を削り取るように甘く、蕩けるような熱意をもって言葉を紡ぐ)
(ブラウスの前をはだけ、下着に覆われた双丘を外気に晒す)
(布の下で熟している蕾を手の平で察知すると、指先に力を込めて押しつぶすようにその部分をなぶり)
津綺子の乳首、大きくなってるね…
(津綺子自身にもわかっているだろう、言わずもがなのことをわざわざ告げる)
言えないと、津綺子の欲しいことしてあげないよ?
(抗議する恋人の耳元で、追い詰めるように)
(今の行為のその先にある、絶対の悦楽への道程を塞ごうとする)
(津綺子の手の平に委ねたその器官は、充分に硬直してズボンを突き上げ)
(張り出した先端や、反り返る幹の形状まで全てを熱と共に伝える)
い、いやらしく…なんか…わたし……
(直の要求の熱さは、直接肌に触れられるほどに感じられ)
(今日はその腕の中でどこまで乱されるのだろうかと、怖れ半分、期待半分に胸が震える)
(その頂点を直の指が探り当てた)
んくっ……
だって、直さんが…そんなこと、する、から……
(直の指先で色づかされてきた果実は、悦んで素直に固く熟し)
(その主の恥じらいを裏切って直の愛撫に応える)
(膨らみの中へ押し込められるように嬲られれば、抵抗して固く立ち上がり、その指先を転がる)
いや、そんな意地悪言わないで……もう、私こんなに……
(十分堕落していると主張しながら、直の要求にずるずると応じていく)
(後ろ向きのまま手探りでベルトのバックルやズボンの前立てを外すのは難しく)
(焦れてますます直の術中にはまる)
ね、お願い、もういいでしょう?
直さんの……これ、見たい……見せて……
俺が何をしてるから?
(わざとらしく問い掛けながら、ますます硬くなっていく頂点を爪を使って引っ掻くように)
(一方の手で膨らみを覆う布を上にずらす)
ダメ、ちゃんと言えないならこのまま…
(恋人の身体を支配してもてあそぶ嗜虐的な悦びに、剛直は益々滾る)
(しなやかな指先が撫でる感触にズボンの下では樹液をこぼしているが)
(それを悟らせず、恋人の焦れた指先がベルトを探るに任せる)
あ…や、だめ……
(胸を覆っていた最後の布地をずり上げられ、どれほど感じていたかを直の視線にさらされる)
(下着で上から、ブラウスで両側から押さえつけられ、ボリュームを絞りあげられた白い乳房に)
(乳輪から充血して膨らみ、固くしこって立ちあがっている乳首が淫らがましい)
(その突起を引っ掻くようにされると、指先で弾かれるようにぴん!と立ち上がり)
(鋭い快感がお腹にまで響く)
お願い、何でもしてあげるから、もう……
(直の腕の中で再び身をよじり、向きを変えようとするけれど)
(押さえを失った乳房が大きく揺れながらまろび出て、その豊かさと柔らかさを主張する)
(硬く充血した頂点の芯を指で摘み、盛り上がった乳輪ごとしごいて)
まだ胸だけなのに…もう我慢できないんだね
(身体を捩ろうとする津綺子の動きを、むき出しになった乳房を捕らえて制限する)
ほんとに何でもしてくれるのかな?
(切なげな、苦し紛れの取引に、ならばと要求を出す)
もっとおねだりしてみせて…
(後ろから押し上げるようにして、津綺子を前のめりに倒す)
テーブルに手をついて、お尻をこっちに向けるように…
あ…!んっ、そんなに…しちゃ、だめ……ぇ……
(直の指先にとらえられた乳首が乱暴なほどしごかれ、膝が震えるほどの快感が)
(そのまま抱きすくめられ、乳房をわしづかみにされて体の回転を止められる)
いや……いやぁ……お願い……
(本気で振りほどこうとする体を、たやすく抱き抱えたまま、前へ押し倒された)
きゃっ……
(とっさにテーブルにてをつく)
(そのまま後ろからのしかかられ、獣のように腰を高く上げる姿勢になった)
あ、こんな……直さんっ…!?
(肩越しに恋人を振り向けば、耳元に吐息を吐きかけ欲望にまなざしを曇らせた直の顔を間近に見る)
こんな恰好で、おねだりなんて……
(高く上げたお尻から制服のスカートがめくれ上がり、白いショーツの船底が、ぴったりと張り付いているのが見える)
(中心からは吸いきれないほどの蜜があふれ出し)
(ふっくらとした翳りの間から、肉芽が膨らんでいるのまで、濡れて透けるショーツを通してはっきりと見えている)
お、お願い…早く……この、中へ……
(自分でヒップの片方をつかみ、引きあけるように中心をみせつけて)
(まくれ上がったスカートから覗く花園)
(ピッタリと張り付いたショーツに内部の複雑な形まではっきりと浮かびあがる)
津綺子の、全部見えちゃってるよ…
(自ら、その潤みきった部分を割り広げて要求する姿を)
(後ろからゆっくりと眺めながら、見せつけるようにベルトを外し、ズボンを床に落す)
(下着を下ろすと押さえを失って震えるように飛び出す)
ここに何がほしいのかな…言ってみて…
(自分自身の根元を押さえると、開かれ蜜を垂らす果実にこすりつける)
(腰を前後に揺すり、ヒダや肉真珠をサオとカリですりつぶすように)
直さん、そんなに見ないで、早く……
(焦れて小刻みにヒップをゆすりながら、あられもなく行為を要求する)
(その目にみせつけるように、直はバックルをがちゃつかせ、服を脱ぎ落す)
あ……直さんの……すごい……
(若幹が飛び出す瞬間、先端から樹液が飛び散り、津綺子の頬にもかかる)
(姿勢を変えて奉仕することは許されることすらなく、熱い軸が中心に押し当てられた)
あぁ、あぁあっ……ああん、あうん……
(直自身の剛直で敏感な部分をこすりあげられ、肉色の真珠が快感に膨らんで転がる)
【ごめんなさい、今夜はここまでで凍結よろしいでしょうか…】
【うい、凍結了解】
【いつもながら長々とお付き合いして貰ってありがとう】
【次は…今日だね。また22時頃でいいかな?】
【もし連夜の夜更かしがキツいようなら、日曜でもいいけど?】
【あまり長くお相手を拘束するのも申し訳ないんですが…】
【日曜日でよろしいでしょうか?】
【大丈夫そうなら、今日の夜も来ますが、こちらはその時次第という感じで】
【日曜日でしたらお時間は何時頃になりますでしょうか】
【申し訳ありません、本当に限界みたいなんで】
【お先に失礼します…】
【いつもこんなでごめんなさい!】
【詳しい日時はまた避難所の方にでもご連絡ください】
【おやすみなさい…】
っと、ゴメン。ちょっと落ちてた…
じゃあ、日曜に避難所で。詳しい時間は避難所に落としておくよ
お疲れ様、おやすみノシ
スレをお返しします
【名前】瀬尾 司(せのお つかさ)
【年齢】18歳/高等部3年生
【性別】男性
【身長】180cm
【容貌】栗色の癖毛にややタレ気味の瞳。インドア派にありがちな色白。
【能力】錬金術士。使い魔の作成と使役。
魔術的な力を秘めた道具の製作。
初歩的な攻撃魔術も使うが使い魔に攻撃させたほうがマシ。
研究の成果なのか肉体の再生能力はそこそこ高い。
黒のローブ:戦闘用の黒いローブ。
自前の強化を施していて魔術、物理攻撃を多少は緩和してくれる。
戦闘時に実体化して身に纏う。
【希望】雑談、戦闘、エロール
【NG】同性愛、スカ
【弱点】肉体的にはたいしたことない人です。
【備考】錬金術師の家系に生まれた青年。
日夜怪しげな研究に没頭していて、頭の中はそればっかり。
学園生活では物腰の静かな優男風。錬金術が絡まないことになら人並みの常識人。
ちょっとした占いなどで、そういうのが好きな生徒には好評なオカ研の部長。
【まずはプロフ投下だけで失礼します】
ちょっと名無しが様子見で立候補してみてもいい?
あんま自信ないから、
もしかしたら打ち合わせで辞退するかも知んないけど・・・
【立候補感謝します】
【ではまず、そちらの希望を言ってみてください】
【できるだけそちらの希望に沿うようにしますので】
希望っつか、こっちは名無しだしさ
できれば紅鮭の戦闘とか付き合えたらなーと思ったんだが
力量的にはちょっと名無しが力不足かな・・・ともおもって;;
とりあえず、そっちの戦闘の希望とかあったら聞かせてほしいなー・・・と
お、丁度いいタイミングというべきか。
退魔師やハンターと戦う話しを考えていた。
流れとしては、「水晶事件(人間が水晶に閉じ込められる事件)の犯人が
見つかった」という情報を俺が意図的に「情報屋」を通じて流させる。
で、賞金が掛けられた俺を狙ってその場所に来る退魔師たちを、俺が迎撃する
って話をいつかやりたいと考えてたんだけど。
で、そちらとしてはどうだろう?退魔師とか、やってみる気ある?妖魔がいいならそれでも。
つまりは紅鮭を追い詰めようとする退魔師orハンターってことで大丈夫?
う〜ん、妖魔がいいってわけじゃないんだが・・・・・・
すまん!やっぱり俺にはまだ荷が重そうだorz
もしも今後精進してまた機会があったら相手してやってください
わざわざ声かけてすまんかった。名無しはこれで落ちるなー;;
ぐ、そうか。
何か無理があったならすまない。
名無し相手というのは初めてなので勝手が・・・・orz
いや、構わない。
自信がついたらまた声を掛けてくれ。
待機解除っと。
さて、微妙に出遅れた感もあるが。
まあ、気にすることはあるまい。待機させてもらうぜ。
リターンズ!
やらないか?拳的な意味で。
うほっ、いい男。
……まあ、乗ってみた。
さすがにそっちの方面でやり合うのは勘弁だが、拳とあれば文句はないぜ。
さて、となるとどういう状況でやろうかね、なにかそっちにネタはあるかい?
BLは見るだけなら嫌いじゃ・・・・・
とまあそんな不毛なことはさておき。
放課後、複数人に喧嘩売られた俺は適当にそれを
叩きのめして、その現場を見たそっちが挑むとか。
或いはその逆でもいいんじゃねーかな。
BLとガチムチは別物なんだぜ。
……いや、俺も詳しくは知らないが。
ああ、それも悪くはないな。
よし、それじゃああんたが何処ぞの連中をたたきのめしたところに
折良く俺が通りかかった。そういうことでいこう。
書き出し、任せてもいいかね?
801とBLも別モノなんだぜ。
――俺も語れるほど詳しくはねーけどな。
うい、じゃあちょっと書き出すんで待っててくれ。
(放課後。黄昏時。冷たい風が、寒い夜の訪れを報せている)
(旧校舎。朽ち果て、鬱蒼とした雰囲気を漂わせる場所)
(しかし、そこにあるのは終わった場所特有の寂寥感ではなく)
(深奥で蠢くナニモノかの胎動を孕んだ不吉な空気である)
(その建物の前で、ひとつの戦いが行われていた)
(否、少なくとも、紅裂拓兎としてはこの程度の喧嘩、軽い運動に過ぎないが)
(それでも、手に特殊警棒やらブラックジャック片手に襲いかかってくる男たちに)
(とっては、この赤茶髪の男は叩きのめし、踏み潰さねばならぬ存在だった)
なんだなんだ?そのやっつけ仕事ぶりはよ?
くふふ、折角この前は関節外すだけで済ませてやったっつーのによ。
で、リベンジマッチ挑んで来たかと思えば、前と全然変わってねぇでやんの。
(――結果は、一人が六人の武器持ちを倒すという、漫画でしかあり得ない結末)
(けれど、この赤茶髪の男にとっては、当然と言うのも生温い必然とも言うべき結果)
(武器を避け、その手を掴んで小手返し。倒れたそいつの首筋を蹴り抜く)
(腕を掴んで引きつけ腹に膝蹴り。倒れたそいつの頭を靴底で踏み潰す)
(打撃は使わず、攻撃を回避後、何処か掴んで引きつけての攻撃を主体として、獲物を仕留めた)
(最後の逃走したひとりには、背後からクラッチしてパワーボムを喰らわせた)
―――つまんねえな・・・・・・
……派手にやったもんだなぁ、おい。
(屋上、いったいいつからそこにいたのか)
(何にせよ、彼はケンカの匂いのする場所に現れる)
(だから、今日もこの場所に彼はいた)
一暴れ終えたところに、もう一発……ってのはちょっと、卑怯な気もするね。
だが、あの様子じゃあたいして苦労した様子もないし。
………よし、行くかっ!
(屋上の縁に座って眼下を眺めていたけれど、不意に立ち上がり)
(跳んだ。重力に身を預けて、体を丸めて落ちていく)
(肉体的には彼も普通の人間、まともに墜落しては洒落にならない)
よ……ぉぉぉっとぉ!!
(迫る地面に向けて手をつきだした。落下の衝撃さえも受け流して、足下に地面に受け流して)
(地面に深々と足跡を残して、着地した)
や、こんばんわ。
(ファーストインプレッションというのはなかなか重要だ。たとえこれからケンカをするとしても)
(だからきわめて愛想よく、にこやかに笑みながら手を挙げてみせた)
(ルールのある格闘技の試合と違い、喧嘩に必要なのは勢いだ)
(奇襲・不意打ちの禁じられていないノールールの戦いは、突き詰めるなら)
(最初の勢いに任せれば勝利を収められる。ただ、その勢いを冷静に受け止め)
(捌ける術に長けた者からすれば、勢いだけの相手は自ら罠に飛び込む猪に等しい)
――――――?―――ふぉ!?
(そんな事をつらつらと考えていると、不意に頭上から気配が降ってきた)
(思わず奇声をあげる。その男は、何の脈絡もなく降りてきた。多分屋上から)
(否、待て。屋上から落下して無事で済む人間など何人も――いや、いるか、割りと)
(確か、四階から飛び降りで無事で済む体術の持ち主が、いや、そんな事はどうでもよく)
なんだなんだ?落下型ヒロインならぬ落下型ヒーローか?
カッコイイ登場シーン研究会の一員か?
(紅裂拓兎。二年C組所属。魔王の契約者。珪素使いの異能者。《虚影会》に所属する悪人)
(クラスメイトからは、奇抜な言動と容姿から、変人と呼ばれ倦厭されている男である)
んで、なんか用か?
(深々と残った足跡を見、落ちてきた男の顔を見て、簡潔に問うた)
いや、階段を降りるのが面倒だったんだ。
何せ4階だからな、そこに着く前にあんた、帰っちゃいそうだったからな。
(うめき声一つあげずにぶっ倒れている哀れな男たちに、少しだけ同情しながら)
(踏んづけなくてよかったな、なんて小さく安堵もしたりして)
って、よく考えたら俺まだ上履きのまんまじゃねーかっ!?
ああ、外靴は玄関だし……。ちょっと待ってろ、なんていうのもいくら何でもしまらないしな。
まあ、この際靴はいいや。
(なにやら自己完結したようで、びしりと指を突きつけて)
ようようようよう、なんだかおもしろそうなケンカをしてたじゃないか。
ついでというのもあれなもんだが、俺とも一つつきあっちゃあくれないか?
(ぱしり、と一つ手のひらで拳を打って)
とは言う物の、あんたはもうすでに一戦やらかしてる。
やっぱりこーゆーのはできる限り正々堂々とやるべきだと思うんだ。
あんたが今、万全じゃないってぇなら俺はこの場はさっさと引っ込むが、どうするね?
(方や対する男は綿貫流、三度の飯よりケンカ好き、森羅万象あらゆる事象を受け流す)
(……と、言うのはちょっと言い過ぎかもしれないが、それでも奇人であることも)
(それなりに有名であることも確かではあった)
あっそう・・・・・・
ふうん・・・・・そういう事か、なるほどね・・・・
(ツウッ・・・・ともその双眸を細める。蛇の眼、だった)
(至極明快な答えだった。問題はそれを思いついて実行しよう)
(というお馬鹿な人間が何人も存在しないという、ただそれだけの事)
(要するに、それを可能とする技術乃至能力がある、と見当をつけた)
へぇ・・・・・俺に喧嘩売る馬鹿がコイツら以外にもまだ居たとはよ。
くふふ、お前の様な馬鹿が、まだ存在したとは。
いやいや、存外に捨てたものでも、ない。
(この呻いている男たちとの因縁は、もう覚えていない)
(多分、眼付きが気に入らないとか、態度が気に食わないとか、そんな瑣末なこと)
(一度、適当に叩きのめした記憶だけはある。二回目は、関節を外すだけで勘弁してやった)
(そして三度目の今日は、人数増やして武器持参。結果は見ての通りだ)
(こんなことは何度もあり、不良グループだの喧嘩自慢だのとは、軒並みやりあった)
俺は一向に構わんがな。お前の喧嘩相手は、お前が怪我してたら治るまで待ってくれる
良識人ばかりか?なーんーとーも、牧歌的な話だぁな。くふ、くふふふふ。
(にやにやと笑いながら、傲然と言い放つ。戦士は、いつも五体満足で戦えるとは限らない)
(喧嘩でも同様のことだ。五体満足の状態を襲われたくないなら、家に籠っているのが正解なのだ)
やり合う前にぐだぐだ吹いてもしゃあねぇだろ、な?
ディベートしてんじゃねえんだから。
能書きはいいから掛かってこい。早く、早く、早く!
(とんとんと爪先を鳴らし、くいくいと手招きをする。何よりも、戦いと強い敵を求めるが故に)
【×五体満足の状態】
【○怪我をしている状態】
【変換よろしく】
はっはっは、相手見なきゃあケンカの一つも売れないタマに見えるかよ、この俺が。
そして、見ず知らずの人間にいきなり馬鹿呼ばわりされるほど頭は鈍くもない。
そーゆーあんたも、あんまり余裕綽々してると、思わぬところで足をすくわれるぜ。
(言葉の端々に、得体の知れない危うさが見え隠れして)
(思わず、小さく背筋が震えた。そして実感した)
……こりゃあ、久々にとんでもないのにあたったかもな。
(その思いをそのまま口にすると、頬を一筋汗が伝った)
いいや、待ってくれるやつなんざぁいやしない。だが、俺は待つ。
ほかの奴らにはほかの奴らなりのやり方があるように、俺には俺なりの流儀がある。
……ま、今回は杞憂だったみたいだけどな。
(恐れもなく、迷いもなく。ただ高ぶる思いと戦いへの期待を、唇の端の笑みに乗せ)
いいや、こういうのも必要なのさ。何も言わずに殴り合うのも悪くはないが、ちょっと色気にかけるだろう?
まあ、そっちがそーゆー風に言うんだったら、俺も容赦なく行かせてもらうけどな。
じゃ……いくぜっ!
(一歩、相手に向けて足を踏み出して。二歩目でその身に速度を乗せて)
(三歩、地面を踏んで跳び。不用心にも突撃し、そして放つは必殺の……)
綿貫、キィーックっ!!
(相変わらず叫んでしまうあたりは、どうにもならないものである)
(短いやり取りを経て、対峙に至る。その短いやり取りと、大仰な動作から)
(わかった事はひとつ。コイツは本物だ。本物の、馬鹿だ)
(それも真性だ。漬ける薬のない類の、近年稀に見るバカ野郎だ)
―――くふっ。
(一歩、二歩、三歩。単調で、テレフォンな動作。跳躍しての蹴り)
(なるほど、人は空を飛ばないという固定観念を凌駕するこの不意打ちは)
(空手の試合でもかなり有効な攻撃となりえる。問題は読まれた時だが)
(ゆらりと、最小限の動きでその蹴りを避けて、その身体ごと受け止める)
(意図の読まれた攻撃の末路は悲惨なものだ。クラッチして、高く持ち上げる)
(別段これらは、特別な能力や魔力は使っていない。純粋な身体能力と技術だ)
地獄!見て!来いやぁぁぁぁ!
(その場で回転して、遠心力をつけて遠くへ放り投げる)
(人間の身体が宙を飛ぶという、実に現実離れした光景)
(落下予測地点には――運悪くまだ呻いている男がいた)
ぬおっ!?
(さすがにこんな攻撃に、そう易々と当たってくれるやつは珍しい)
(しかし、かわされたと思った次の瞬間にはがっしりと身体を捕まれ、そのまま放り投げられていた)
っだぁぁぁっ!?
(そのまま派手に宙を舞う、後はそのまま地面にもしくは、哀れな男の真上に落ちる)
(そう、彼がただの馬鹿で向こう見ずな学生であったなら、おそらくそうなったであろう)
ったく……綿貫流を、なめるんじゃねぇっ!!
(流れていく地面に向けて、右の掌を突き出した)
(地面にふれた掌は、不思議なことにそのまま張り付いて)
(放り投げた力も、手のひらが地面を擦過する衝撃さえも、そのすべてを受け止めていた)
っだらっしゃぁぁぁっ!!
(当然受け止めた物は放出しなければならない、無理矢理身体を曲げて、校舎の壁を蹴った)
(そして、その反動で体制を整えて、再び彼は立ち上がった)
(彼自身にも、愚かな男にも傷一つ残すことなく)
(……と、言うのは少し言い過ぎだったようだ)
無理な体勢だったからな……少し、流し損ねたか。
(身体に走る鈍い痛み、受け損なえばさらなる痛苦をもたらす。この能力はそんな側面も秘めていた)
しかし、ああもあっさりかわされるとはな。これじゃあうかつに手が出せない。
……と、普通のやつなら思うだろう。だが、俺は違うっ!
行くぜ行くぜ行くぜぇっ!
(そして再び、さらなる勢いを乗せて突撃)
(その勢いを乗せたまま、鋭く拳を突き出した)
・・・・・ほほう。
(悲惨な未来予想は、しかし現実と重なることはなかった)
(右手を地面に張りつけて、勢いを殺している。卓抜した体術だった)
(そして校舎を足で蹴りつけて、その反動で体勢を立て直し、立ち上がる)
(何処か、インチキがあった気がする。それが何処がなのかは、まだ確信が掴めない)
やるじゃねえか。
くふふ、直接叩きつければよかったかな。
(当然、そうするという選択肢もあったのだ。幾つかある選択肢を掌で転がして)
(無作為に選ぶ。叩きつけるという選択を選ばなかったのは、単なる遊び心だ)
(最悪、クッションになればと見当をつけて投げたのだが、別段必要なかったようだ)
――学習しろってば。
(それでも尚、めげることなく突撃して来る男に、呆れと好意の入り混じったため息を漏らす)
(たった一人、何者にも頼ることなく突き進む者。そういう人間は嫌いではなかったから)
(愚直なまでな拳を避ける気も起らず、かと言って何もしないわけにもいかず)
シャッ!
(鋭い吐息と共に、左拳をカウンター気味に突き出す)
(果たして綿貫流の拳は拓兎横っ面を捉え、その硬い感触を伝えた)
ははっ、そりゃあいいや。もしそうなら俺もそれなりにお返ししてやれたのにな。
(直接叩きつけてくれれば、それこそそのまま受け止めて、直接叩きつけることもできたろう)
(もちろん、失敗すれば相当悲惨なことになるのは確実ではあったが)
次はそうしてみりゃあいい。
がっ……ははっ、まだ、まだだっ!。
(突き出された拳は確実に、彼の顔面をとらえていた)
(しかし、倒れない。わずかに目の中に星が散った気もするが、そんなことも気にせずに)
(そしてこちらが放った拳も、しっかり相手の横っ面を捉え、その直後)
(その拳がひらめいて、紅裂の服の端をつかんでいた)
こいつはケンカ。格好つけた戦い方だけじゃあないってことよっ!
(そのままつかんで引き寄せて、それと同時に右の拳を鳩尾めがけて叩き込んだ)
(お互いの拳が突き刺さって、しかしまだ倒れない)
(それは意地か。だとすれば誰に対する?)
(己か、他人か。知ったことでは、ない)
(シンプルな殴り合いに、その手の思想は不純物)
くはっ!
(服の端を引き寄せられ、鳩尾に拳が突き刺さる。こいつは、相当効く)
(脳天から爪先まで衝撃が走り抜ける。下手をすれば、一撃で勝負がつく)
(だが、それも常識の範疇の話だ。ここにいるのは、その手の常識が通用しない)
(男が一人――否、二人か。ギチリと、拓兎が笑う。禍禍しく、飢えたように)
(脳内麻薬が痛みを麻痺させる。そして、至高の陶酔の境地へと誘う)
なら、コイツもありってことだよな?答えは聞いてない!
(突き刺さった拳を両手で掴み、ぐいっと下に向けて体勢を崩そうとする)
(同時、両足が跳ね上がる。片方の足が顔を――顎を狙う)
(反対の足が、首の後ろに絡みつく。まるで凶悪な獣の顎のように両足が襲う)
(腕に身体ごと巻きついて、体重を掛ける様に後ろへ倒れる)
(打撃と関節の入り混じった、高度な複合技術である。喧嘩で使用する技術ではない)
(渾身の一撃も、決着をつけるには至らず)
(しかしそれもまた面白い。こいつは本当に強い、それを改めて実感すると)
(叩き込んだ拳に、両手が絡み付いてきた)
ああ、ありだな。だが……相手が悪かったなぁっ!!
(体勢を崩そうと拳を押さえた両手、その両手が加えた力は、その拳に)
(ひいては彼の身体に、何一つ影響を与えていなかった)
(すべては拳を通じて足の先から、その力は受け流されていた)
(おそらく紅裂の手には、力を加えれば加えるだけ吸い込まれていく。そんな奇妙な感触が帰ってきただろう)
(万全の体勢で迎え撃てれば、その後迫る足への対応も遅れはしない)
今度はあんたが……地獄を見てきやがれっ!!
(身体を沈めて迫る足をかわし、そのまま紅裂の身体を自分の身体の上に乗せるようにして)
(つかんだ服ごと放り投げるように、ほぼ垂直にたたき落とした)
(確実に捕らえたはずの腕から違和感がした。まるで力が全て受け流されて)
(いるかのような、まるで捉えどころのない軟体を掴んだ様な、そんな心許なさ)
(相手の体勢は崩れず、獣の顎は紙一重にて避けられた)
(ふわりと、今度は自分が浮き上がる番だった)
(この体勢から放たれる投げ技。自分もよく知っているあの投げだ)
(――と、考える間もあらばこそ、垂直に落下する)
(地面に激突する二秒前、一秒前――)
(反射的に突き立てた両腕が、頭部への直撃だけは護る)
(当然、そんな受け方をすれば腕がイカレてしまう)
(事実、ジィーンと突き抜ける衝撃が腕の感覚を麻痺させる)
(それでも両腕を撓め、身体を跳ねあげて、着地する)
くふ・・・・・くはは・・・・・
なるほど、大したインチキだ。
(理屈はわからないが、腕への負荷を受け流したのは何の体術でもなく)
(何らかの能力であると推測した。或いは、腕だけではなく身体の方かも知れないが)
(現時点では、腕に何らかのイカサマが仕込まれているのだろうと考えるのが自然だ)
どうした?チャンスだぞ、掛かってこいよ。
(だらりと麻痺した両腕を下げて、相手の攻撃を誘う。如何にも、何かを狙っているかのような)
(体勢だが、相手の気性からするに避けて通るという選択肢を選ぶ確率は低いだろうと推測する)
(校舎裏、そこはむき出しの土の地面であった)
(たぶん、コンクリートで固められていたとしても、投げるのを躊躇いはしなかっただろうけど)
(さてはて、それでもよくこれを食らってなお立ち上がってきた物だ)
(よくもまあ、凌いでみせたものだ)
……インチキ?そんな言い方は心外だぜ。
(言葉とは裏腹に、悟る。見抜かれた)
(何処までかはわからないが、今までの通りには行かないだろう)
使える物使って、何が悪いって話だ。まあ、種明かしをしてやるほど親切じゃあないがな。
見え見えだろ、まったくよ。
(今のところこちらが優勢。それでも、この男の底は未だ知れない)
(対するこちらは、すでに見切られている感もある)
(ならばどうする。こちらに流れが向いてるうちに、決着をつけてしまうに限る)
(そして再び一歩二歩三歩、跳躍)
(再び放つその蹴りは、少しばかり先ほどとは違っていた)
両方綿貫、キィィーック!!
(両方の足による時間差攻撃。たとえ片方を紙一重でよけたとして、たとえ片方の足が砕かれたとして)
(もう片方の足が敵をうち砕く、全く着地のことなどお構いなしの必殺技だった)
まーあ、そりゃそうだわな。
所詮は喧嘩。勝てばそれでいいんだよ。
(子供の喧嘩の領域を超えた攻防をしながらも、まだ電撃だの)
(魔術だの日本刀だの非実体化だのを繰り出さない内は、喧嘩だ)
(プロレスの投げや関節技は、下手すれば怪我では済まないが・・・・・)
くふふ・・・・・
(さあ、どうするのか。この状況を、どうしてくれようか)
(幾つもの対処法が浮かんで消える。この瞬間は楽しい)
(喧嘩だろうと殺し合いだろうと、この楽しさだけは変化しない)
(だから、拓兎は今幸せだった。そして、幸せとは常に一瞬で終わるものだ)
・・・・・・・チッ。無粋な。
(携帯電話の着信音が響く。この曲はシューベルトの「魔王」。《虚影会》関連の)
(連絡は、この着メロを設定している。つまり、もう遊んでいる暇はなくなったという事だ)
――遊びは、終わりだっ!
(再び放たれる相手の飛翔蹴りに対して、拓兎は倒立するような体勢をで迎え撃つ)
(足を撓めて、その反動で蹴りあげる。相手の足の裏目掛けて。某格闘漫画にて)
(哲学する柔術家が使用した技。「蛙捻り」。頭上にから降ってくる攻撃に対しての反撃技)
(拓兎の足は、狙い違わず綿貫の足裏を蹴り抜いて、弾いた)
その上、楽しけりゃあ何も言うことはない。
そういう意味では、悪くないぜ。このケンカはな。
(しかし彼にとっては、ケンカ以外の戦いなどあり得ない)
(あってはいけない。その点少なくとも今は、純粋にケンカを楽しめていた)
(多少度が過ぎるような気もするが、それはひとまずおいておくとして、だ)
何っ!?どわぁっ……ちゃぁっ!?
(放った後のことなどまるで気にしていないこの技。それをこうまであっさり返されて)
(体勢を整えることもできず、地に手をついてもその衝撃を放つべき壁もない)
(結局、無惨に地面に叩きつけられ、そのまま転がることとなり)
く……ぬ、ぉぉ。
ったく、何処までも余裕面しやがって。おまけにその手もフェイクか。
いきなりそんな曲芸しやがってよ。
(したたかに打ち付けた身体が鈍く痛む、痛みに息を荒げながらも立ち上がり)
俺とのケンカは遊びかよ。ずいぶん舐められてるよな、まったく。
(正直気にくわない。何処までも余裕面して。見返してやりたい)
(そんな気持ちを表して、ぎらりと鋭い笑みを浮かべて)
じゃあ何か、これからは本気で相手してくれるとでも?
だとしたら面白いなぁ。来てみろよっ!!
(両手をつきだし低く構えて身構えた)
(やる気は十分、しかし、空回りしない保証はなかった)
くふふ、そうでもない。腕は、まーだ痺れてんのよなぁ。
だーかーら、お前の勢いを利用させてもらった。
猪突猛進キャラには、この手の誘いがよく利くもんだぁね。
(派手に弾かれ地面に転がり倒れた綿貫とは対照的に、しれっとした態度で立ち上がる)
(しかし、言った通りまだ腕は痺れていて、指先の感覚が判然としない状態だった)
(故に、この状態で切れる手札を切ったまでのこと。彼にしてみればそれだけの事だ)
ムキになるなよ。頭に血ィ昇らせてもいいが、頭の芯は冷たく保て。
喧嘩だろうがなんだろうが、クールさを欠いたら自滅するだけだ。
(血に飢えた闘争狂が、自分のことを棚に上げてそんなことを言う)
(ギラギラとした笑みを浮かべる相手に対し、こちらはニヤニヤと笑う)
(ああ、こういう馬鹿との喧嘩は久しぶりだった。だから存分に楽しみたかった)
そうしてやりたいのは山々だが、時間切れだ。
生憎、そっち程暇な身の上じゃないもんで。お仕事の時間だ。
(だが、紅裂拓兎には、喧嘩より優先するべき事がある。契約者としての活動だ)
(一度、とことんまでキレた状態ならともあれ、今はまだ自分を見失っていない)
俺は紅裂拓兎。二年のC組だ。いずれ顔出しな。
その暇なら、続きの相手してやるからよ。
(だから、拓兎は仕事を優先する。踵を返して、さっとその場を去る)
(――ちなみに、彼に喧嘩を売って呻いていた連中は、その場を立ち去るタイミングを逃して)
(高校生の喧嘩の領域を超えた攻防を、否応なしに見学することになった。そして彼ら六人が)
(今後紅裂拓兎や綿貫流に関わることは、決してなかったという。それだけの話だった・・・・・・)
【うーい、俺の方はこれで〆だ】
【相手してくれてありがとな】
結局、いーようにあしらわれてたってわけか。
掌の上で踊ってたって訳か。……いや、まあいいぜ。
(どうやら向こうは、これ以上続けるつもりはないらしい)
(そんな相手に無理矢理突っかかっていっても、面白くはなりはすまい)
(だから、彼は拳を納めた)
クールな奴しか勝てない世の中なんて、つまんねーだろ。
勢いで、これでもかってくらいの怒濤の勢いで押し切る。そーゆー奴がいたっていいだろ。
突っ込むことの何が悪い!
(鼻息も荒く、声を張り上げ叫ぶ)
(もちろん、クールになれない奴に勝利がないのは事実だろう)
(だが彼が、そんな常識すらぶちこわすほどの勢いを持ち得ないとは、今は誰にも言い切れないのだ)
おーおー、いっちまえいっちまえ。
そんで、また次にあったときには覚えとけ。
今度こそその余裕面、俺の必殺技でぶっ壊してやるからな。
(拳を突き上げ、高く強くそう宣言する)
(しかし今日一日で、一気に二つも必殺技が破られたのだ)
(新たな技の開発は急務だろう。そんなことまで考えていたのだった)
(そして倒れ伏す男たちには一顧だにせず、ダッシュでその場を去っていった)
【おう、ありがとな。また次があったらつきあってくれよっ】
【名前】 郡 太一朗 (こおり たいちろう)
【年齢】 16歳
【性別】 男
【身長】 168センチ
【容貌】 はねっけのある癖の強い髪型。少々垂れ目。
髪・瞳とも黒。中肉中背。青と黒のチェック柄のバンダナを額に巻いている。
【能力】 無呼吸の瞬き −ゼロ・ブレス−
集中力を高めて、感覚を鋭敏に研ぎ澄ませる。
そのことにより、相手の攻撃を見極めたり、(他者から見れば)高速の連撃を与える。
発動している間は過度の集中のため、無呼吸になる。制限時間は3〜5秒ほど。
【希望】 基本的には何でも。
【NG】 ウホッ
【弱点】 能力発動時は無呼吸になるため、酸素濃度の低い場所では制限時間が縮まったり、
あるいは、能力自体が発動できなかったりする。
また、能力発動後は酸素を取り込むため、隙が大きくなる。
【備考】 高等部所属。家族構成は父・母・姉の四人暮らし。部活動は無所属、委員会は見た目に寄らず図書委員。
性格はテンプレ的な正義漢。ただし、単純で女にはペースを崩されやすい。
特に武術には興味がないのだが、ある日【能力】を得たと同時に、独学なりに学ぶことにした。
今のところ、得物は家の倉庫から見つけた特製のサバイバルナイフ。
特製と言っても、やたらと頑丈なだけ。で、破魔能力もなければ、殺傷能力もそれなりにしかない。
数学が大の苦手。
【預かり品】 刀
取りあえずプロフ投下してなかったんで、投下。
そして、スレ使わせてもらうぜ?
失礼して、使わせていただきます。(一礼)
…と。あとは書き出し、ですけれど、
もしも、宜しかったらお願いしてしまっても大丈夫でしょうか?
(――変わらない日々を送りつづけていた。
そう、変わったとすればあの人の姿が自分の日常から消えたこと)
(寂しさを感じているわけではない。なぜなら、約束したから。また会うと。)
……とは言ってもなぁ?
やれやれ……やっぱり、ちょっと心配になってくるって。
あの時、無理やりにでも引き止めておけばよかったか……?
(いや、そうしたところで、彼女はどちらにしろ決意しただろう。
それは彼女の意思を無視することになる)
いざとなったら……そうするのもありかもな。
(そっとズボンのポケットに手を伸ばす。そこにはナイフが忍ばれていた)
……今後、あの人の『組織』について、情報を集めていくことにするか?
(不幸中の幸いというべきか、裏の世界に通じる知り合いは、これまでの出会いのなかで
出来ていた。いざとなれば、彼らから情報を得て行動するのもありだろう)
どちらにしろ、もう少し様子を見ないとなぁ……。
(早朝の校舎。登校してくる生徒はまだほとんどおらず、人の気配はせず静かだった。
眩い朝日の光が校舎から差し込んで、照らし出す)
そういや、あの人と会ったのもこんな朝だっけか…。
【それじゃ、こんな感じでよろしくっ】
(早朝の校舎。清冽な朝の空気は、いつぞやの記憶を思い起こさせる)
(あの時はそうだ、確か、職員室を、探していたのではないだろうか。
それは、まだこの指先が≪当主≫の為だけに糸を弄っていた頃の記憶だけれど)
(あの日と同じくらい冷たい空気を震わせて、足音が一つ校舎に響いた)
(窓から差し込む眩い朝日は、あの日よりも少しだけ伸びた黒髪に反射する。
だが、残りの容貌はなんら変わること無い。
肢体もあり、声も違わず。何より、ちゃんとそこに“在った”)
――…あの日も、こんな感じで少し寒いくらいでしたでしょうか。
(差し込んでくる朝日から逃げるように、少しだけ手をかざして、
眩しそうに目を細めながら、まるで何事もなかったように、問いかける)
(制服に身を包んだ彼女は、まるで昨日も一昨日も、そこに在ったように、
目を細めたまま、目の前の青年を見やったのだ)
【それでは、改めて宜しくお願い致します。(一礼)】
>>209 ――……先輩っ!?
(目を見開く。出てきた言葉はその二文字だった。
行方を眩ませていた彼女が、唐突に目の前に現れたのだ。
何を言えばいいのか、言葉に困りながら一歩、二歩と近づく)
………質問させてもらうぜ?
『あんた、何者だ?』
(いつかのように、質問する。だが、その答えは既に分かっていた。
自然と表情には笑みがこぼれており)
>>210 (相手の目を見開いた表情、そうしてその声を聞けば小首を傾げる。
近づいてくる相手をただ無言でみつめたまま、小さく笑って)
『――媛名 葵、です。
この指先の一片までも、違わずに誰でもない“わたし”です』
(黒髪をいつもの仕草で耳にかけながら、質問に答える)
(まぶしい朝の光から逃げるように、一歩だけこちらからも距離を詰めて
少し戸惑ったような表情をしたのは、こちらもなにを言えばいいのか分からないから、か)
……職業は、依然として『異形狩り』ではありますけれど。
そうして、異形狩りとしては貴方にひとつ質問をさせて頂きたいです。
(冷たい空気を吸いこんで、吐き出した)
(目元を緩めたままなのは次に自分が返す問いが、滑稽だと知っているから)
『貴方は、いったい“何”、ですか?』
(どれだけ口調が事務的であっても、声音に帯びる響きだけは隠せなくて)
>>211 ――そいつは、『十全』だ。
(いつもの彼女の口癖で答えて、ニッと笑みを浮かべる)
じゃあ、答えさせてもらうぜ。媛名葵。
俺は―――
『俺は、郡太一朗だ。それ以上でもそれ以下でも、
…ましてやそれ以外の何者でもない』
(堂々とした態度で、自信たっぷりに答える。揺るがない信念。
それこそが、自分自身の変わらない『答え』だ)
………。
…そういうことで、久しぶり。先輩。
(ふっと口元を緩めて、ようやくその言葉を吐き出すことができた。
…久しぶりに会う彼女の姿に、なかなか言葉が出てこなかったが)
(揺るがない真っ直ぐな答えは、心の奥に染みわたって溶けていく。
離れていた月日はひと月に満つか、満たないかであっただろうに、
ずっと聞きたかった声を聞くのは、まるで一年ぶりにも思えるから不思議だった)
……ええ。それはまことに、十全です。
(確かに、確かにその表情を綻ばせて答えを受ける。
彼女が喜色を前面に押し出して笑うことなど、以前からすれば稀かもしれない)
………はい。ご無沙汰、しておりました。
こういうときって、何て申し上げればいいのでしょう、本当に。
(いつもと同じ、思案するように小首をかしげても、
どこか気恥ずかしそうなのは、まだ“こちら側”に慣れないから)
―――ただいま、とか?
何でしたら、感動の再会ということで、抱きついてくださっても。
(唯一、まともな再会の言葉の後に続いたのは、相変わらずとんでもない言葉。
ちょっとだけ両手をひろげてみせたりして、
まるで自分が口にした「ただいま」という言葉を、ごまかすように)
>>213 ……相変わらずだな、先輩。
でも、無事でよかった。本当に……。
本当に冷や冷やしてたんだぜ?
姿どころか連絡すら、取れねーしさ……。
(はぁ、と軽くため息をついてかぶりを振る)
…ま、何にせよ良かった。
その顔からして、成果はあったみたいだな?
(笑顔を浮かべながら、彼女のいつも通りの仕草に軽く肩を竦ませて)
……ご心配、おかけいたしました。
(目元を緩ませて、礼をひとつ)
携帯、壊れてしまって。昨夜帰ってきたもので――…
でも、ちゃんと帰って参りました。お約束は、守りましたよ?
(かぶりを振る相手に対して、ひとつ距離をつめると目を閉じて)
………“我々”、深凪は。
(次に開いた瞳に宿った色は、今までの緩やかな色とは多少異なる)
前令を撤回。少なくとも、異能者全てを異形と定めることは無しとなりました。
――……何が異形かは、“狩り人自身”が決める。
貴方だって、貴方の周りの大切な方々だって、
たとえもしも、異形にころんだと“私”が判断したら、狩らせていただきます。
(それは媛名葵として生きることを決めた彼女がした、選択。
鎖を放たれてもなお、今度は自らの意思で異形を狩ると決めたのだ)
(冷ややかな声音。それは異形狩りとしての冷たさをもって――それから)
……以上が、お仕事として私が貴方に伝えるべきこと、です。
(肩をすくめて、次に瞳に宿らせた色には緩やかさを残した)
――…まあ、貴方は『郡 太一朗』だって信じてるから、そこの心配はしておりません。
だから、次は、仕事じゃなくって個人としてお伝えしたいこと。
……背中、押してくださって、ありがとうございました。
………なるほどな。
それじゃこれから先、また先輩と対立することがあるかもしれねえな?
(にやりと笑う。全然そのようには思っていない様子で、ましてや肩を竦ませて)
ま、形としては今までとあまり変わらないわけだ。
先輩は先輩が判断した『異形』を狩り取る。
うん、その点については何も文句はねえよ。さっきも言ったけど、
対立するようなことがあれば、俺は全力でそれを阻むだろうしな。
(オーケーと笑いながら、サムズアップして)
…別に礼を言われるようなことは何もしてないし、言ってないさ。
俺は『先輩』が『先輩』であったら、それで満足、オールオッケーだぜ?
……ま、その様子じゃふっきれたようだな?
そうですね。言っても聞かないようなら、怪我の一つは致し方なく。
(すっと細めた目。けれど、堪えきれなかったか小さく肩を震わせて)
……ええ。 阻んでいただいて、構いません。
私が間違わないとも知れないし、貴方と私の正しいもまた違うでしょう。
だから、そのときはぶつかってきて。納得したら譲ります、出来なかったら譲りません。
(“結局は、元鞘です”と小首かしげてつられたように笑いながら)
私が言いたいのだから、言わせてください。
……貴方が、ああやって言ってくれたから、ちゃんと帰ってこようって
“何をされても”、“何があっても”、ちゃんと“媛名葵でいよう”って、思えたのですから。
(自分の左の手を、右の手で握りこみながら、少し怒ったような表情を“つくって”)
……ええ、色々とふっきれました。
わたし、自分に許せるだけ――…こちら側に、身を置いていたいから。
幸いにして、傍にいてもいいと仰ってくださった奇異な方もいらっしゃいます。
>>217 へへっ、俺は先輩が無事に戻ってきてくれた。
…それだけで十二分さ。
(ただ、そこにいるだけで。というには、少々大げさかもしれない。
けれども、彼女がそこにいる毎日は、きっと飽きないだろうなと笑って)
でも、それを言うなら、礼を言うのはこっちの方だって。
そもそも先輩と出会っていなきゃ、今の俺はなかったしな。
異形のこともあまり深く知らずにいただろうし、下手をしたら、
途中で命を落としていることもあっただろうしな。
……だから、これでも、先輩には感謝してるんだぜ?
そして……そうだな、先輩がいるからこそ、楽しい日っていうのもあるんだ。
(少なくとも、彼女がいなかったこの時間は、少々退屈でむなしさを感じることもあった)
――…どうしてこう、貴方っていう人は、そういうことをサラっと…。
……何か、本当に後輩さんは成長なさいましたよね。色々と。
(すぐに二の句が出てこなかったのは、
らしくもなく、凄まじいほどの気恥かしさが込み上げてきたから)
(どうにか表情に出さず留めるも、「有難うございます」と返すのが精いっぱいで)
別を言えば、私は貴方を夜に引き込んだのです。
……それを踏まえてでも、まだお礼を言って下さるなら、私は受け取りますけれど。
(そう。彼の言葉を言いかえれば、自分はより深みに彼を引きこんだのだ。
否、たとえ自分がそうしなくて彼は自らの信念のままに進んだだろうけれど)
……まったくと、本当に貴方は奇異なお方です。
そういう嬉しいこと言われてしまうと、忠犬みたく付き従ってしまいますよ?
(わずか目をそらして軽口を叩いたのは、言われた言葉がいささか気恥かしかったからか)
ねえ、後輩さん。
御存じでしょうけれど、夜は――…危険、です。
(ひとつ溜息を吐き出して、距離をつめて)
貴方は、そんなところに飛び込む必要なんて、ありません。
(頬を両手で包もうとするように手を伸ばして、止まった。
触れていいか、触れてはならないか、それを問うかのように目を見つめて)
――そう申し上げても、貴方は夜を往きますか?
わたしが、危ないからできるだけ夜を避けてほしいと請ったら、夜を避けて下さいますか?
……いや、俺が夜に足を踏み出したのは、俺自身の意思だ。
俺の知らないところで、誰かが死ぬ。
…それが嫌なんだよ。命を命だと思わないやつ等が許せねえんだ。
それが、たとえ綺麗ごとだとしても。
せめて、この手で掬えるものは掬っておきたいんだ。
――そう、自己満足なんだよ。
たとえ、危険だとしても、俺はそれでも踏み込む。
たとえ、先輩が止めても。――危険は承知のうえだ。
それよりも許せないものがある。俺を怒らせる理由がそこにある。
……それなら、月明かりの差さない夜闇だって走ってみせるさ。
(すっと息を吸って、真正面から彼女の瞳を捕らえて)
……そうですね。貴方は、すべて貴方の思うままに進むから。
(しばらく黙ったのちに、相変わらずにひんやりとしたその手が相手の頬に触れた)
ごめんなさい。私の知っている貴方なら、
そう答えるだろうって思ってたのに、お聞き致しました。
(どこぞ寂しげに、言葉を吐き出す)
(それでも、自分の行く道を見守ってくれた相手が選んだことだ。
それに止めたって、止まるわけもない。自分に、どうせこの人は止められない)
(――なら、せめて。自分ができるのは、その行く先の露払い)
……なら、もう一度、私を利用するおつもりはありませんか?
貴方の自己満足を満たすのに、「媛名 葵」を、使っていただけないかと問うております。
(彼の黒い瞳を見つめ返して、そろりとその頬に触れていた手を放す)
どれだけ、利用価値があるかは知れません。
それでも、無いよりはマシ…くらいには、なりませんか?
>>221 …それに、先輩が危険な道を走っているのに、
それを知っているのに、のほほんとはできないからな。
心配してくれるのはありがたいけど、今度は俺が心配しなくちゃならねえだろ?
…また姿を消されても困るからな?
もちろん、そのつもりだったけど?
(にやりと口の端をつりあげる。……いつか結んだお互い利用しあう同盟だが、
いつしか、その関係が心地よくもあった。言わずもがな、それは媛名葵でなければならない)
媛名葵を十二分に利用させてもらうぜ。遠慮なくな。
その代わり、代価はこの身体だ。俺も先輩に利用されるぜ?
それが、俺が先輩にできることだからな。
>>222 ……そう、ですね。私、自分のこと、考えてなかった。
(「心配しなくちゃならない」との言葉にひどくきょとんとしてから、目を細める)
……ちゃんと、自分に許せる限りは、こちらにおりますから。
貴方は安心して、貴方の往く先だけ、見ていらっしゃって下さい。
……あら。申し出る前に、利用して弄ぶつもりだったとは良い度胸です。
(ひとつふたつ目を瞬かせてから、つられたように笑う)
(結局は、利用してほしいなどといいながら自分だってこの関係を望んでいるのだ)
ええ。 またしばらく、私も貴方の事を利用させてもらいます。
まあ、私は「傍にいる」のに適当な理由が欲しいだけではありますけれど…なんて。
(本気か冗談か、目を細めたのはいつもの仕草で)
……あ、そうだ。携帯、壊れてしまっていたのでした。
アドレスと番号、今のうちに教えてくださいませんか?
一年生の教室に伺っても構いませんけど、三年が行くと何かと面倒…でしょう?
(携帯を開いて、ちらりと時刻を確認する)
(早朝に来たはずが、時間はいくらか過ぎて――そろそろ登校する生徒の数も増すころだ)
>>223 …ま、先輩が自分から此処から離れていくときには、
俺も追いかけてやるからよ。それこそ、地球の果てでもな。
……お互い様だろ?
色んな意味でさ。何だかんだ言って、先輩と一緒にいるのは
退屈しないし、何より楽しいからな。
(笑みを深くしながら、そっと廊下の窓から見える外の光景を眺める。
ぼつぼつと登校して来る生徒が増えてきた)
……ああ、そう言えばそう言ってたな。
了解。……ん、それじゃこれで。
(生徒手帳のメモ欄にメールアドレスと番号を書き込んで、それを破り手渡す。
どうせ、生徒手帳なんて身分証明の時以外には使わないものだ。)
面倒なことはないと思うけどなぁ。……ま、それじゃちゃんと登録しておいてくれよ?
……………も、う。 好きになさってください。
(口元に手をやって、気恥かしげにあちこちに視線彷徨わせ――…溜息をつく)
この頃、立場が微妙に逆転している気がして、ひどく不満です。
はい。お互い様、です。
私も、うん……貴方のそばにいるのが、好きです。楽しいです。
(嬉しそうに、日常を楽しいと口にすることができるのは、今の彼女だから)
(大胆に破り渡された紙を少しだけ驚いたように見て、
何か言おうとして、止めた――「いいのに」だなんて今更で、返すべきは礼だから)
ありがとうございます。……あーと、ええ。
使い方、ちゃんとどうにかなれることができましたら。
……こう、新機器って微妙に扱いにくくない、です、か?
(その紙と携帯を、なくさぬように一緒にしまいながら、ふ、と息をついて)
さて、私も今日まで無断欠席の身で色々することもありますし。
(手をのばして、いつぞやのように太一郎の頭をくしゃっと撫でて)
……あまり近くにいると、凄くじゃれたくなってしまいます。
校内で何かしら噂になってしまったら、後輩さんお困りになりますでしょう?
(真顔でそんな風に言葉を吐き出す。
たとえ、猟狗でなくなっても、こういう癖は変わっていないらしい)
へ………?
…あ、いや、別にそういう意味じゃなくてだな…!?
(勝手に姿を消させはしない、という意味で言ったつもりなのだが、
確かにそのような言葉に聞き取れるなぁ、とぼんやりと思いながら)
ま…これからもよろしくな、先輩。
夜のこととなると、改めて先輩の力を借りなくちゃいけないのは事実だしな。
どこまで、俺が先輩の力になれるかは分からないけれど、
手伝えるところまで、手伝わせてくれよ。
…だーかーらー、先輩の場合、冗談かどうか判断しづらいんだって!
ああもう……ま、確かにそろそろ生徒や教師も来る頃だしな。
――それじゃあ、また夜にでも会おうぜ?
(携帯を開き、時間を確認する。そろそろ教室に生徒たちが入りはじめる時間だ)
……わかっております。
貴方がそういう意味で、仰られていないことくらい。
(呆れと鈍感さに対する諦めと、何やら色々と入り交えて軽く見咎める)
そういう意味にもとれそうだってことさえ、
お分かりにならないままに仰ってるのが、余計に気恥かしいのです。
――…まったくと。鈍感で天然ですか、貴方は。
……ああ。今度からこうやって貴方をからかえばいいのかもしれません。
(小首をかしげて、肩をすくめた。照れたという事実が、なんだか妙に癪だったから)
ええ。不束者ではありますけれど、どうぞよろしくお願い致します。
私だって、いつ使えぬようになるか分かりません。お互い様。
(黒髪をゆらして、一礼してから、目を細める)
貴方が、『郡太一朗』であればそれだけで私には十全ですもの。
(零れおちた黒髪を耳にかけて、どれだけ怒られるだろうと少し溜息を吐いた)
仕方ありません。自分でもどっちかよく分かりませんから。
――ええ、夜にでも。授業中、あまり居眠りなどされませんように。
(ひらり、と片手だけ振って、見送ろうと)
(自分が許せる限り――…この場所にいられることに、
背中を押してくれた目の前の彼に、しっかりと感謝をむけて)
【と、こちらはこれで〆…で大丈夫でしょうか?】
【長くのお付き合い本当にありがとうございました。
ともかく、これでしっかりとこちら側に転がれて、重畳な次第です】
【改めて、感謝を。いつも、楽しませていただいてありがとうございます(一礼)】
>>227 ……え、俺何か変なこと言った?
(自覚はないようで、混乱した様子で首をかしげて)
さて、どうかな。どちらにしろ、どのような理由であれ、
…当分の間は変わることはないさ。
今までどおりってやつかな。……俺にしても十全だぜ?
先輩がいる毎日ってのはそうそう退屈しそうにないしなっ。
(にっと笑顔を浮かべながら、ぽんと軽く肩を叩いて)
ああ…またそう言うだろ!?
また混乱しちまうじゃねーか…まったくもう。
(いつも通りの調子の彼女に苦笑を浮かべながら)
……あはは、見抜かれてたか。
こんな早くに学校来ちまったからなぁ…流石に途中で寝ちまうかも。
それじゃ、またな。葵さん。
(最後に彼女の名前を呼んで、自分の教室へと向けて歩き始めた)
【お疲れ様! こちらもこれで締めってことで!
…こちらこそありがとうなー。朝から付き合ってくれてさ。楽しかったぜ?
それじゃ、またいつか機会があればよろしく頼むな? ありがとうっ!】
【こちらこそ。我儘、付き合ってくださってありがとうございました。
ふふ、お疲れ様です。また、機会がありましたら十全とっ、ですね。
それでは、こちらも失礼いたします(一礼)】
【ひ、久々の待機、なのですっ(ぺこり)】
【プロフは
>>20、なのです】
【もし避難所で呼んでくださるなら、すぐに飛んでいきますのでっ】
と、ごめんなさい。接続が悪かったよう。
はい、よろしくおねがいします(ぺこり)
>>232 こんにちは、じゃなくて、こんばんは、でした。
プロフは
>>18です、念のため。
どうしましょう?
普通に出会うか、普通じゃない出会いにするか、ですが。
ちょっと回線が重めなので、レスが遅くなるかも。
そうですね…どちらかというと、普通がいいでしょうか。
お困りのところをお助けするのでも、なんでも。
>>234 そうですね、ちょっと困ってるとこを助けて貰う、とか。
犬に襲われてるぐらいで。
では、書き出しを用意しますね。
了解です。
では、改めてよろしくおねがいします(ぺこり)
ぐるぅぅぅっ、わんっ、わんわんっ!
(ふと魔が差して、寄り道で裏山の方を回ったのが災いした)
(赤い紅葉や黄色い銀杏が綺麗な道を数匹の犬がふさいでいる)
(どれも様子がおかしく、凶暴に吠え、今にも襲いかかってきそうで)
うぅっ、これじゃ駄目だよね。
肉も買っておけば良かった。
(手に持っているのは焼き芋用のサツマイモ)
聞こえるかな?
この辺、近くに家がないんだけど。
(都は防犯ベルの紐を引いた)
ピイイイイイイイイッ!!!
【よろしくお願いします】
(陽が傾き、晩秋の空気が本格的に冷たさを増してきた頃)
(六花はふらりと、居所としている学園の裏山を散策していた)
んー、んんんー♪
(来たばかりの頃は濃い緑に繁っていた木々も、既に鮮やかな赤や黄に彩りを変え)
(散った葉は一歩進むごとに、かさりと音を立てた)
…………ん?
(ふと、鼻歌が止まる)
(犬の吠え立てる声が、聞こえる)
(近い。そして、複数)
(異形の気配はない。首を傾げて、様子を見に行こうとした、その時)
――――ッ!?
(耳慣れない警報音が、一帯に響き渡った)
(一瞬怯んだものの、事態を確認するために六花は駆け出した)
――なにっ!?
(音の出所に辿り着くと、そこには数匹の野犬と、車椅子の少女が視界に入った)
>>238 わんっ、わんっ、ぐるるるぅぅっ、わんっ!
(腹を空かしてるのか、それとも危険な病気なのか)
(口から唾液を垂らしながら犬達は都を包囲する輪をせばめて)
やっぱり、誰もこないか……届く、かな。
(エプロンのポケットに手を入れる)
(防犯用スタンガンが入ってるが、すばしっこい犬に当てるのは難しそうだ)
あっ!?
(そこへ枯れ葉の上を駆ける音が聞こえた)
(人がいるとは思ってなかった山の方を見ると、そこにはジャージ姿の少女がいて)
来ちゃだめ!危ない!
(女の子では犬に対抗できそうにない、都はそう思った)
あぶなっ……!!
(今にも少女に飛びかからんという様子の野犬たち)
(逃げようにも、車椅子の上に、ああも囲まれてしまっては動けまい)
……って、なにも、ないしっ。
(空の手を悔しげに見ると、斜面を駆け降りざまに適当な枝を「へし折り」)
危ないのは、そっち、です……!
(いつもの口上を口の中で呟き魔力を流し込んで、枝を「強化」すると)
あっち……いけっ!
(引き付けるように声を張り上げ、うちの1匹に叩き込んだ)
(1匹でも伸してしまえば、逃げ帰るに違いない。そう考えて)
>>240 キャウンッ!
(六花の打ち付けた枝で一匹吹き飛ばされる)
ワンッ!!
(逃げ帰る、六花の予想は外れた)
危ないッ!
(都の警告は遅く、一匹の犬が六花の足に噛みついた)
(さらに残りの犬も六花に飛びかかる)
ダメッ!
(とっさに都は車椅子を前に出した)
(犬に体当たりするつもりだったが微妙に間に合わず、その犬も六花に噛みつこうとする)
キャン!
(でも車椅子が犬の尻尾を偶然にも踏みつけ、噛みつくまでには至らなかった)
……いッ!?
(予想外の衝撃に下を見ると、別の1匹が左のふくらはぎに噛みついていた)
(そしてそのまま、尻餅をついてしまう)
……もう、買ったばっかり、なのにっ!
こら、破れちゃう!
(気にするのは自分の身より、先日購入したジャージのこと)
(野犬の頭を枝で叩いて払い退けようとするが)
――――ぇ?
(「危ない」という少女の悲鳴に似た声に顔を上げると)
(残りの野犬が六花に迫ってきていた)
ひぇっ……!?
(反射的に腕を払うと、1匹の横っ面に裏拳がヒットし)
(すぐ傍の1匹を巻き込んで、情けない声を上げながら吹っ飛んでいく)
わっ……!
(さらに襲いくる、もう1匹)
(しかし、少女が車椅子を当ててくれたお陰で)
もうっ!
(寸前で、回避することができた)
>>242 ごめんね!
(勢いでそのまま犬の足を車椅子で踏み抜ける)
キャゥゥゥンッ!
(嫌な音がして、車椅子から脱した犬が転げながら離れた)
もう、どうしたらっ。
(駆けつけた少女は、尻餅をついたりして運動は苦手な様子で)
(その割りには犬を殴りつけていたりして、何か心得でもあるのだろうか)
大丈夫?
(動ける犬はもう半分位に減っていたが、どうにかする決め手が無く)
(都は蹴散らすように車椅子をグルグルと少女の回りに走らせた)
【走って逃げるとか?】
く……だから、痛いってば!
(身を返したくらいでは、足に喰らいついた牙は離れず)
……そっちが、いけないのですよっ。
(やりすぎかもしれないとは思ったが、仕方ない)
(六花は野犬に捕らわれたままの左足を振り上げると)
ふッ!
(そのまま、地面に叩きつけた)
(ぎゃん、と呻いて野犬が離れ、ようやく痛みから解放される)
はい、だいじょうぶ……です。
(六花を守るように車椅子を走らせながら、気遣わしげな声をかけてくる少女)
(これでは、どちらが助けに来たのか分かったものではない)
ん、破れてない。
(ジャージには唾液と歯形がついただけなのを確認すると)
(軽い痛みを堪えて六花は立ち上がる)
しつこい、のです……
(無事な野犬たちは、まだ諦めてはいないらしい)
(唸り声を上げながら、凶悪な顔で増えた獲物を窺っている)
きり、ないし……あの、えと。
(呼び方が分からないというのは困りものだ。ともかく)
ちょっと、あなたを乱暴に扱っても、いいでしょうか?
(少女を見て、問いかけた)
【野犬は一応ただの犬、なのですよね】
【では、逃走を】
>>244 きゃっ、あ、駄目、持ってっちゃっ!
(都の膝掛けに犬が噛みつく)
(車椅子を走らせているので、そのまま犬に引っ張られて奪われてしまった)
もぉ、お気に入りだったのにぃ。
(嘆いていても車椅子は止めない、止められない)
つっ!
(別の犬の牙が足を擦り、ソックスが破けて赤く滲んだ)
あ、はい!
……え?
(とっさに答えてしまったものの、乱暴、に引っかかった)
【妖気にあてられて、ちょっとおかしくなった感じです】
あっ……!
(少女の小さな叫びにそちらを見やると、その人並み以上に細い足から、血が滲んでいた)
(膝掛けを奪われ、怪我をしながらも構わず、車椅子を進ませる少女)
(自分だけなら戦って退けもしようが、今は彼女を助けきることが優先)
だ、だいじょうぶです。逃げるだけ、ですから。
(一応の了解は得られた。ならば、一刻も早いほうがいい)
(枝を捨て、彼女の小さな身体を車椅子から抱え上げ、右肩に)
(そして、慣れない手つきながらも車椅子を畳むと、左手に)
ちょっと、揺れますけれど……行きますよっ!
【じゃあ、こんな流れで】
>>246 逃げる……ええっ、ちょ、ちょっと!
(毎年手術で入院していた身、抱きかかえられることも多々ある)
(でも肩に担がれたのは初めてで、しかも、ごく普通の少女になのにビックリして)
ひゃっ、んんっ。
(耳元を風が切る音がして、舌を噛まないように口を閉じ、両腕で少女にしがみつく)
(大丈夫、かな?)
(心配なのは犬ではなく、自分の力と彼女のこと)
(ああ見えてレスリングでもやっているようには思えず)
(そうなると異能の力の可能性もあり)
(なら、都の力が働く可能性が頭をよぎった)
【逃げ出せた描写はお任せします】
(地面を蹴って、駆け出す)
(野犬どもの隙間を縫うように、ここからいち早く離れるために)
(喚き声も、追い縋る犬も、構わず)
ご、ごめんなさい……!
(ヒトというのは、こんなに軽いものだろうか)
(そもそも、創造主以外のヒトにこのように触れたのは、初めてかもしれない)
(肩の上にしがみつく少女に声をかけながら、そんなことを思う)
(しかし、肩には小柄で軽いとはいえ、ヒトひとり)
(手には、車椅子)
(バランスの悪いことこの上ない)
(うっかり転んでしまわないようにするので精一杯だった)
(――そして)
……は。ここまできたら、だいじょうぶ、でしょうか。
(数分ののち、人気のある通りも近い道に辿り着いて)
(車椅子を下ろし、広げると、そっと、少女をそこに座らせる)
ほんとうに、ごめんなさい。びっくり、しましたよね。
(そして、緊急時とはいえ手荒なことをしてしまった彼女に、謝罪した)
【すみません、また回線が重くなってました】
【今回は「発動せず」で】
>>248 (すごい、目が回りそう……)
(飛ぶように走っている、都はそう感じた)
(いつもと違う、少し高い視線、風景がたなびいて後ろに流れていく)
(車椅子で飛ばすことは滅多になく、後ろ向きでも、都は走っているのを体感した)
あ……はい、大丈夫、です。
(少し身体はこわばっていたが、運ばれていることで怪我とかはなく)
いいえ、謝ることなんてないです!
助けてくれたんですから、本当にありがとうございました。
(深々と頭を下げてお辞儀する)
(特に変わったことはなく、彼女は異能ではなく、見掛けと違って運動が得意なのだろう)
私は天羽都、中等部の二年です。
そのジャージ、同じ学園の方ですよね?
(ストールを少しほどいて制服の校章をみせる)
【了解です】
……なら、良かったのです……って、だめ、ですっ。
足に怪我、してるじゃないですかっ。
(痛々しく血を滲ませる、少女の足)
(深い傷ではないだろうが、六花にとってはそういう問題ではない)
あぅ……なにか、消毒とかできるもの、持ってますか?
(そう、おろおろと問いかける)
……あ、あゎ……どう、いたしましてっ。
(深々と頭を下げられて顔を赤くし、いつものように両手をぱたぱたと顔の前で振って)
(きゅうっと、縮こまってしまうのだった)
と……あもう、さん。
(名乗る少女に、頷く。ストールに隠れて気付かなかったが、見覚えのある制服だ)
わたしは、と、島田、六花と……あ、ぅ、そんな、感じでっ。
(まさかいきなり、「いいえ」などと答える訳にもいくまい)
(なにせ彼女は、普通のヒトなのだから)
【あ…と。今日は、いつもの指定ジャージでは、なかったのです】
【分かりやすく書いておけば、良かったですね】
【私服ジャージでも、場所が場所だけに生徒と思ってもおかしくないですし】
>>250 あ、そういえば……すごかったから、忘れちゃってました。
(傷の様子にもかかわらず、何でもないようにニッコリと笑う)
(動かない足は、まったくではないが、ほとんど感覚がない)
消毒薬と絆創膏なら持ってます。
(鞄から脱脂綿と消毒薬、大きな絆創膏を取り出す)
(こんな身体なので、念の為と持たされている物で)
ん……っ。
(改めて傷口を見て、顔を強ばらせる)
(ふくらはぎ辺りが破けていて、靴下を脱ぐか破かないと治療できそうにない)
(それは素肌を晒すことで、初めて会った人に傷だらけの足を見せるのは躊躇われた)
しまだ、りっか、さん……立つ、花、ですか?
(先輩なのだろうか、そんな感じが、どんな感じだか分からなかったが)
そうだ、りっかさんも噛まれていましたよね?
大丈夫ですか?
【ごめんなさい、裏山からだったのでジャージかなぁ、と】
ん、でしたら早く、消毒しないと。
(傷を見て初めて、表情を強ばらせる彼女)
(車椅子に乗っているということは、足が悪いということ)
(あまり、触れられたくはないのだろうか)
どう、しますか?良ければわたしが、しますけれど……
(戸惑ったものの、遠慮がちに申し出る)
えと、六つの花と、書くのです。
(「六」という字を「りく」と読ませる言葉は、そうない)
(気にしたことはなかったが、もしかしたら変わった名前なのだろうかと少し思い)
ん、わたしは……
(問われてようやく、思い出したようにジャージの裾を引っ張り上げる)
(歯形はくっきりと残っていたし、犬歯の箇所は少し皮膚が裂けて僅かに血が出ていたが)
(どうということはない。すぐに直せるし、病気がうつることもないのだ)
だいじょうぶですよ、このくらい。
(相手のことは思いきり心配したにも関わらず、いつもの調子で、返してしまう)
>>252 ええと……。
(どうしよう、でも、だけど)
(断るのは悪い、だけど、できれば見られたくない)
(でも、良さそうな人だし、変に思われることはないだろう)
お願いします。
でも、あまり足を見られたくないので、もう少し人気のない場所で。
(ぺこりと、頭を下げて)
六つの花と書いて、六花。
シンプルだけど、意味がこもってそうで、すてきな名前ですね。
(百合のような花が6つ、花模様になっているのが、頭に思い浮かんだ)
でも、犬って、病気とかあるじゃないですか。
さっきの犬も様子がおかしかったし、病気にこれが効くか分からないけど。
(鞄から、小さいサイズの絆創膏も取り出して差し出した)
【時間は大丈夫でしょうか?】
だ、だめなら、いいのです。
ご自分でやっても、他のかたに、してもらっても……え?
(再び、小さく頭を下げる彼女)
(信用して、貰えたのだろうか)
(それならば、嬉しい)
はい、おまかせですっ。
(笑って頷くと、少女が納得のいく場所まで、車椅子を押してゆく)
たしか、雪の結晶のこと、「六花」っていうんですって。
(もとは「6号」だったことからついた名前だけれど)
(初めて雪を見た日、創造主から教えて貰ったもうひとつの由来)
(そして、六花の大切なひとたちが呼んでくれる、大切な名前だ)
そ、そうですねっ……そしたら、大変かも。
(反論されて初めて、失言に気付く)
(断るのは逆に、怪しさを増してしまうだろう)
じゃあ、お言葉に甘えて……
(再び頷いて、少女の手から絆創膏を受け取った)
【わたしのほうは、まだだいじょうぶですよ】
>>254 雪の結晶をそう呼ぶなんて、初めて聞きました。
あれって花みたいだし、六角形だし、綺麗な名前。
(自分の名前の由来はよく分からない)
(義母には演歌歌手からといわれたが、どこまで本当かは怪しくて)
(都が選んだ場所は公園の身障者用トイレだった)
ここなら、私と六花さんしかいないから。
あ、六花さん、でいいですよね?
(綺麗な名前だから、そう呼びたかった)
(エプロンとスカートをまくり、太ももまであるソックスに指をかけ)
ええと、色々あるので、ビックリしないでくださいね。
(片手で足を持ち上げてソックスを下ろす)
(膝に近くなるにつれ、引き攣った傷跡や手術痕が増えていく)
(細い子供のような足は傷だらけで、膝下はまともな部分はほとんど無くて)
これも、もう駄目ね。
(ソックスを足首まで下ろす、傷の辺りは完全に破けていた)
【私の方は、レスが遅めになってるし、たぶん2時くらいまで】
ふふ、ありがとうございます。
なんだか、恥ずかしいのです。
(白く儚い、雪の華)
(けれど、六花は溶けて消えることなく、ここにこうして立っている)
(少女に誘導された先は、公園のトイレ)
(車椅子でも利用できるよう、広めに造られてあった)
はい、いいですよ。……では、わたしは、みやこさん、と。
(答えて、微笑む。ひとの名前を呼ぶのは、むず痒い)
は……はい。
(サイハイソックスに指をかけながら、願うように告げる彼女)
(六花はしっかりと頷いて、肯定の意を返す)
(しかしやはり、何も感じない訳にはいかなかった)
(紺色の布地の下の皮膚は、無数の、大小様々な傷痕や手術痕に覆われていて)
…………。
(やはり、息を飲まずにはいられなかった)
(六花は、魔力さえ足りれば傷痕など残ることはない)
(それはヒトにはあり得ぬことなのだと、胸がちくりと痛む)
……じゃあ、消毒、しますね。
痛いと、思いますけれど。すこし、我慢してくださいね。
(都から消毒液のボトルとティッシュを数枚受け取ると、傷口にそっと吹き付けた)
(血液と混じり合って流れた消毒液がティッシュに染み込み、白地を薄赤く染める)
【了解です】
【〆に向かいますか?それとも一時凍結?】
>>256 …………。
(やはり、驚いている)
(寮と病院以外で誰かに見せることはほとんど無い)
(それでも見て平然としているのは病院関係者くらいで、驚かれるのは慣れている)
(それ以上に気になるのは、醜いと、思っているのか、と)
はい、お願いします。
(わずかに消毒液がしみる)
(でも、しみるだけで、手術後に麻酔が切れた後に比べれば大したことはなかった)
そう言えば、あんなとこで何をしてたんですか?
もしかして、銀杏拾いとか?
(黙っているのは間が持たず、話題を探して、気になったことを聞く)
(都もあそこで銀杏を拾ってみたいが、臭いと誰も付き合ってくれないので、諦めていて)
【もう少しお話ししたいです、なので凍結で】
【たぶん水曜の夜9時頃が大丈夫、次は土曜日になっちゃうけど】
【ではここで、止めておきましょうか】
【水曜なら、こちらもだいじょうぶです】
【土曜はたしか、空いてなくて】
【では水曜に、できるだけ早く来ますね】
【はい、ほんとうに長い時間ありがとうございました】
【おやすみなさいませ(ぺこり)】
【名前】御法川醍醐(みのりかわ だいご)
【年齢】 18 高等部三年
【性別】 男
【身長】 178センチ 75キロ
【3サイズ】 いらなくない?
【容貌】 短髪を軽く茶髪にしているほかは、一見品行方正。
【能力】召喚士。最近学園を騒がしている魔物の何割かは実はこいつのせいw
【希望】日常ロール、戦闘、エロール
【NG】後遺症が残るような怪我、死亡、スカ系プレイ
【弱点】呼び出す能力は超一流だが従わせる能力がイマイチ。
召喚には呪文と印が必要な為、口や手を封じられると召喚できなくなる。
敵が女だと、よほどひどい目に合わない限り反撃しない。
【備考】生徒会長。ケンカっ早いが親分肌で人望はある。
すべての女性は皆美しいと本気で思っているので、
生徒だろうが教師だろうが女に対しては挨拶代わりにくどき文句。
口が上手いので相手を言いくるめるのは得意だが、
軽いという評判も広まっているのでナンパの成功率が高いとは言えない。
現在は親元を離れて召喚士の師匠宅に下宿中。
師匠は人間国宝級の邦楽家。ちなみに同居している他の弟子は全員女性。
さて、しばらく待機してみるか。
御用とお急ぎでない方は、いっちょ声かけてみてくんな。
今日はこの辺で引き揚げるぜ。
またな。
ちょっと待機してみようかな。
プロフは>3を。遠慮なく声を。
・・・まだ、いるか?
プロフは
>>17だ。もし良ければ
うーい、いるよー。
さてさて、どうするかね。
そっちのやりたいシチュをやってみたいかと。
うむ
一応パッと考えられたのは、やっぱり前話してた通り、人間結晶化の調査中に遭遇して・・・だな
もちろん時間は夜、場所は・・・・特に思いつかない
お前の戦闘が終了した所にひょっこり顔出すのと、俺が結晶を調べてる時にお前が来るのとなら
どっちが好都合だ?
うーい、ではそれで行くか。始まりは前者が都合がいかね。
戦いになるのかそれ以外になるのかは――
まーあ、流れに身を任せるという事で・・・・・
じゃ、ちょっと書き出すから待っていてくれ。
ああ。どうなるかは流れ次第だな
書き出し、頼んだ
勇気を見せつけても 強がっても ♪
(冷たい夜の中、彼は歌う。独り、紅裂拓兎は歌う)
(逃げる。女は逃げる。必死に逃げる。転びながら、必死に)
(掌から生まれた粒子は風に乗って舞い、女に絡みつく)
(ピシリと、固まる。ピシリと、硬直する)
一人じゃ生きられない♪
(女の瑞々しい身体が、透明に何かに覆われて停止する)
(それは珪素で作られた檻。或いは、水晶で作られた柩)
くふふ、等身大フィギィア、六体目完成。
(赤茶色の髪と紅いロングコートを纏った男が笑う。淀み腐り歪みきった、そんな笑い)
(何を思ったのか、夜中だというのに偏光グラスで眼を覆っている。そんな気分だったらしい)
(契約者である紅裂拓兎は、今日も今日とて何の罪悪感を抱くことすらせず)
(まるで片手間の暇潰しの如き感覚で、人間を水晶像に変えて、殺していた)
(今夜だけで、六体の――否、六人の男女を像にしている)
(繁華街と住宅地の隙間にある小さな公園は、静謐な死体置場となっていた)
―――
(全身を黒色に包み、悪趣味な山羊の仮面をかぶった男)
(彼は、夜闇の公園の茂みにて、息を潜めていた)
(事の発端はつい先程、異形がある男性を襲っていた所から始まる)
(すんなりと異形を捕獲し、その男性を落ち着かせてこの公園に置いておき・・・)
(異形を引き渡した後、戻って来たらただならぬ気配を感じ、隠れていたらこの惨状)
(元より被害者への同情はなかったが・・・しかし、興味があった)
・・・人間の結晶現象
まさか、こんな気の触れた奴の所業だとはな
あっけない
(前々からこの町で語られていた怪異の、真相。それを知れた)
(それだけでも十分だと、そして怪異の犯人を危険だと判断し、音もなく立ち去る・・・・)
(はずだったのだが)
(すぐ背後、犬型の異形がいた)
・・・っ!
(反射的にナイフで払い、電流によって一撃で戦闘不能に追い込むも)
(ナイフを払って茂みを揺すった音、異形のあげた悲鳴は)
(紫 一久の存在を語るに、十分すぎる声だった)
ふーい、今夜はこれくらいかね。
(口から白い吐息を漏らし、一仕事終えた開放感に浸る)
(軽い疲労感はある。達成感や充実感は皆無。好き好んでこんな無意味な屠殺を)
(しているわけではないのだ。これはあくまで餌。この街の暗部に潜む退魔師や異形狩り)
(を誘き出し、こちらの用意したステージで踊ってもらう為の。これはその為に必要な準備)
(紅裂拓兎としては不満もあったが、これも役目と割り切り痕跡の残る殺人をしていた)
―――――♪―――――♪
(鼻歌を歌いながら、その場を去ろうとした。さっさ帰って冷えた身体を温めたい)
(――だが、それはもう少し後のことになりそうだった。先刻から、誰かに見られている気が)
(したのだが、どうにも気の所為ではなかった様だ。茂みの奥から、生き物の断末魔が聞こえた)
(野犬、ではない。野良猫、でもない。もう少し大型の獣。その断末魔を上げさせた奴は、誰だ?)
うしろの正面どーなた?
(珪素で短剣を生成しても茂みに向けて投げつける。投げる。投げる)
(都合三本の短剣が、時間差で茂みを貫いてそこに隠れた誰かを威ぶり出そうとする)
っ・・・・く!
(やはり気付かれた)
(一本目の刃は身をよじってかわし、二本目は右義手の拳で叩き落とし、三本目は左手のナイフで弾く)
(身体は無傷だが、右腕に若干の痺れを受け、左のナイフを失った)
(ナイフが宙を舞い、音を立てて地面を滑る)
・・・・っち
(どうする? 自慢ではないが、自分は足が遅い)
(一度気付かれれば、無事に逃げられるとは思えない)
(しかし、眼前の男に果たして言葉は通じるか・・・・・?)
・・・・・ふん
待て、こちらに敵意はない!
(叫び、左手に肉厚のアーミーナイフ、右手に飛来した短剣を持つ)
(・・・確認。どうやら、電流は通らないらしい)
・・・・お前がやっている事は見た
何が目的だ
くふふふ・・・・あんた、悪趣味な恰好だぁね。
ハロウィンはとっくに過ぎてるぞ?仮装が趣味なのかい?
(いつもの笑いを浮かべ、自分の事を棚に上げてそう言った)
(茂みから出てきたのは、山羊の仮面を被った男。しかも、闇に溶け込む黒装束である)
(怪しさ全開である。補導されること間違いなし。片手に持ったナイフがそれに拍車を掛ける)
んー?おいおい。おいおいおい。わからないのか?わからないんだよな?
見ててわからないからって、率直に訊くのもどうか思うんだーがね。
あんたの言ってることは、登山家になんで山登るのかって聞くくらい馬鹿な事だぞ?
(目的を問われて、しれっと肩を竦める。馬鹿馬鹿しい、とその態度が語っている)
(人間を水晶に閉じ込める。これが、人殺し以外の何だというのだ、と)
悪人が悪人である所以は、悪いことをするからだ。
だから悪いことをした。それだけだ。
(悪人だから悪いことをしたと言い、結局はその行動の目的については答えていない)
(つまり、最初から答える気はない。聞いたお前が愚か者なのだ、と遠回しに告げている)
じゃあ逆に質問。そんな悪人と対面したあんたは何だ?
正義の味方か?ハンターか?仕事人か?悪人と対峙したあんたは、これからどうするんだ?
(ニヤニヤとしたいつもの笑いを浮かべ、問いかける。お前は何者で、どうするつもりなのか、と)
・・・・・
(格好の悪趣味さについては否定できないので、肩をすくめるだけで返し)
・・・なるほど
(己が悪人故に悪を働くと語る男。ひどく錯誤した考え)
(理由なく悪を働く人間を俗に狂人と呼ぶのだが、眼前の男がそうとは考え難かった)
(一応、言葉は通じるようだが・・・まともな対話はできるのだろうか)
・・・・俺が何か、か
少なくとも俺は、正義の味方でもハンターでも仕事人でもある訳だが・・・お前に用はない
(人間、誰しも自分が定めた正義にしたがっている物である)
何故なら、俺の正義にお前が反する訳でもなければ、お前を狩りや仕事の対象にするつもりはないからだ
(結晶を生み出す能力に興味はあったが・・・・スカウトをする気にはなれなかった)
・・・で、ここまで吐いた俺を、お前はどうする
己が悪であるための踏み台にでもするか?
(一歩後退し、それにより戦闘準備の姿勢に入る)
(勝つにしろ逃げるにしろ、まずは相手の手の内の把握が必要であり)
(把握するためには――戦うしかないのだから)
ふっふっふ。戦士ではあっても正義の味方ではない。
仕事人であることが第一義。不要な戦いは避ける。
くふふ、なーるほど、それがそっちのスタンスか。
(異能を持つ人殺しを前にして、「俺の正義に反しない限り」と言う彼は少なくとも)
(わかりやすい正義感は持っていないようだ。あくまでも仕事として、戦い余計な)
(リスクは背負わない、典型的な走狗。それは、とても効率的な考えだった)
つまらねえな・・・・・
(それ故、面白くない彼が求めているモノとは違う)
べーつーに?生憎と俺もあんたに用事はねぇよ。
寒いからさっさと帰って飯食って寝たいくらいだ。
(臨戦態勢に突入する山羊仮面に、首を横に振って答える)
俺が本当に用事あるのは強い奴か、鬱陶しいくらいの正義漢なんでね。
走狗に用事はない。ああ、使い潰されるだけの走狗に好き好んで関わるもんか。
(つまらなそうな、嫌いな食べ物を出された子供の様な顔をする)
まーあ、そっちから突っかかって来るなら話は別だけど。
で、やるのかやらねえのかどうする?折角だから選ばせてやろう。
(片手を翳し、魔力を集約する。掌から生み出された粒子が、彼の身体の前で変化する)
(それは数十枚の剃刀の刃。鋭く薄い刃が宙に浮かび、支配者の号令を待ちわびている)
【えーと・・・・・大丈夫かな?】
ふん・・・
まるで他にも俺のような奴を知っているかのような物言いだな?
(実際、少なからずそういう存在・・・組織の末端が、周囲に潜伏しているだろう事は感じていた)
(そういう臭いは、消えない物だ)
・・・・・っふ
(今なら逃げられる、相手は自分に興味を持っていない)
(宙に浮遊する剃刀を目に、危険管理の中枢が声を上げる)
(――しかし)
・・・・使い潰される、走狗
(この一節が、ひどく癪に触った)
(本心からの言葉か挑発か、どちらにしても安い言葉だが、)
(そう考えると、今度はこんな言葉に揺さぶられている自分に苛立つ)
(俺は使い潰されはしない)
(戦闘態勢を解き、真っ直ぐに男に向き合い、ナイフを腰にぶらさげ)
(左手をポケットにつっこみ、携帯電話を操作)
・・・・・そうだな
正直な所、お前の相手をする必要はないし、とっとと帰って寝て明日に備えたい所だが・・・
(操作完了。三分後、この公園にはパトカーが殺到する)
(囮にして逃げるには十分だろう。実質三分の時間制限だ)
――今夜はひどく寒いからな
(言うなり、右手に提げていた短剣を左手に投げわたし)
(右手を射出、木の幹を掴んで巻き上げ、宙を飛ぶように木の上へ)
(その過程で、男の腹をめがけて短剣を投げる)
(木の上に姿を消した直後、左手に銃を取り二発の弾丸を放つ。一発は男の足元、一発は男の左肩口)
(そしてすぐさま奥の木に飛び移り、隣の木に飛び移り・・・男を横目に捉える)
(その過程で、ワイヤーの一端を一つ一つの木の幹に刺しておく)
【済まん】
【長い間操作してると勝手に通信切って時間がかかるんだ】
(キリキリと刺すような殺意が相手から放射される)
(走狗という言葉が琴線に触れたのか。知ったことではないが)
(右手に持ったナイフを左手にスイッチ。右手から何かが迸る)
ああん?なんだそりゃ?
(射出されたワイヤーを木の幹に絡め、宙を舞う山羊仮面)
(右手に何を仕込んでいたのやら。ともあれ、完全に虚を突かれた形となる)
(その過程で投げられたナイフは待機している水晶の剃刀が相殺。どちらも地に落ちる)
(その間に山羊仮面は木の上に乗って、ひょいひょいと移動している。姿を見失った)
っ!?こんな街中で銃かよ。
ったく、モラルもマナーもあったもんじゃねえな。品性に欠ける。
(地面が跳ねる。反射的に硬直してしまう。相手は複数の武器を所有しているタイプだった)
(左肩を狙った銃弾も、剃刀の刃が盾となって防ぐ。この剃刀は放たれるまでは盾ともなる)
(山羊仮面が姿を現す。ひょいひょいと木を跳び移っている。一体何を仕込んだのやら気になるが)
まーあ、関係ねえか。
――舞え、霞刃。
(鋭い剃刀の刃が号令の元、山羊仮面に殺到する。一撃は軽いが、数が多い)
(まるで花弁の様に飛び散るそれを、果たして山羊男はどうやって凌ぐのか?)
【うい、了解】
【悪いけど、ここで凍結させてくれないか?】
【明日も明後日も多分、空いてるとは思うけど】
【了解した】
【明日か明後日か・・・どちらも確実に、十時くらいには顔を出せるだろうと思うけど、俺は】
【十時か、了解。まーあ、一応避難所の方で待っておく】
【予定が確定したら避難所に伝言くれ】
【では、今日はこれで。お相手感謝ノシ】
【んむ、分かった。こちらこそ相手ありがとう】
【スレをお返しする】
【ロールの続きに使うぜ。紫のレス待ち】
【では、今宵もよろしく】
っ・・・・
(横目で捉えた男が何か呟くと、宙に浮く光――刃が動いた)
(飛来する、飛来する、無数の剃刀)
ち・・・っ、こっちもやられたか
(次手の伏線であったワイヤーも次々と切り裂き、一直線に刃が迫る)
(紫は木から飛び降り、幹に身を隠す・・・随所に焼けつく粘りを感じたが、無視だ)
・・・・っく
(右肩、右腕、右脇腹・・・両腿に少々切傷。服は新調しないと
支障、微。行けるな俺)
(木の幹に身を隠し、コートの端端を切り裂かれながらも刃をやり過ごす)
(相手は、こちらの短剣も銃弾も、防いだ・・・・驚きながら、だ)
(つまり、相手はほぼ無意識に攻撃を防げる)
(しかし、衣服が大きく損傷している様子はなかった)
(つまり、あの剃刀が、無意識に男を守った・・・と考えるのが、妥当か)
(・・・良くできたお子さんだ)
(ともあれ、今、相手は無防備な状態にある)
(しかし、やや逃げすぎたか・・・・銃で反撃するにしても、距離が不安だ)
(・・・・ならば)
・・・っ
(傷に自分の爪を突き立て、同時に強くイメージする)
("死"を。野垂れ死ぬ自分のイメージを浮かべる)
っく・・・・う
(強力なイメージは鼓動を早め、呼吸を乱す)
はぁ、は、ぁ・・・
(それはまるで、深手を追った者の呼吸)
(強いイメージを浮かべながらも、僅かな冷静さをして弾丸を装填)
(ワイヤーを引く、愛用の弾丸を、次撃に用意する)
(さあ、慢心しろ。そして来い)
―――やるじゃねえか。
(舞い散る花弁の様なその攻撃は、しかし凶悪な殺傷力を秘めている)
(その凶刃の乱舞に身を晒しながらも、山羊仮面は木の幹に身を隠した)
(動いているなら、損傷については考えなくてもいい。どれだけの傷を負うたとて)
(最後の一瞬まで足掻き喉笛に食らいつく事ができれば、少なくとも負けはない)
さっさとくたばれ。俺ぁ今からすき屋に牛丼食べに行くんだ。
・・・・・・・・ん?・・・・・・・あれ?
(何だろう、この小さな小さな違和感は。まあ、気にすることでもない、か?)
(腹が減っているのは確かだが、言っている事ほどふざけてはいない)
かくれんぼは終わりだ。さっさと出て来い。
(わざわざ木を登って、相手の銃撃を食らう必要はない)
(手の魔力を集約し、強く強くイメージする。己の支配する世界を)
(掌を地面に付けて、そして開放する。開封されるのは己の世界)
――偽・凍結地獄(コキュートス・レプリカ)
(瞬く間に、地面が水晶で覆われる。白く透明な世界が広がる)
(公園にある器物も、植物も、木も、何もかもが珪素に覆われる。全てが停止する)
(珪素使いである彼が行使する魔術でも、最大規模の攻撃魔術。水晶で覆われた世界)
―――俺の世界へようこそ。そしてさようなら。
(紫一久の隠れている木も、水晶で覆いつくされる。紫本人は無事だが、水晶の覆われている部分は)
(紅裂拓兎の支配領域である。魔力の大半以上を使う大魔術だが、一度この偽りの凍結地獄が展開されれば)
(この領域において他者は搾取される民となる。ここは、暴君の圧政が敷かれる珪素の支配者の国である)
――串刺しだ。
(号令の下、地面から槍が飛び出す。五本の水晶の槍が射出され、紫一久を襲う)
【こちらこそ】
【うわ、悪い。木から飛び降りたんだよな、そっち・・・・・】
【『わざわざ木を登って』の部分は脳内削除よろしく】
・・・・ぬ
(何かがほとばしる感覚、次に感じたのは、ひびわれる音)
(周囲を見れば、地面が、樹木が――全てが白く結晶化してゆく)
・・・ち
半端ないな、おい?
(何にせよ、相手が接近しないなら待機は無意味だ)
(地を蹴り、別の木の幹に飛び移る、まさにその瞬間・・・)
・・・ッ!?
(先程まで足元だった場所から、槍がせり上がる。二秒遅ければ死んでいた)
(息を呑み、しかし考えるまでもなく再び地を蹴る)
(影から影を飛び渡る)
(移動に精一杯で、相手を認める事すらおぼつかない状況・・・・)
(残された攻撃の機会は、パトカーの到着のみに思えた)
出て来いってば。言っただろ、ここは俺の世界だと。
(槍は避けられた。そう感じた彼は、ゆっくりと進む。つるつるの地面を我が庭の如く)
(この領域にある限り、感知からは逃げられない。どれだけ早く駆けようとも同じ事)
勇者は本当に死ぬまで何度でも死ぬ。臆病者は一度しか死なない。
さあ、走狗よ。お前は一度しか死なない臆病者か。
このまま逃げ続けるか。それとも、俺を倒して勇者となるか。
(もしも、この状況から形勢を逆転できる者がいるとしたなら、それは不屈の精神力と)
(鋼鉄の勇気を持った勇者だけだろう。何故なら、猛威を振るう悪魔を倒すのは勇者の役目)
(彼が、紅裂拓兎が求めているのは、そんな敵だ。そんな敵と殺し合うことだ)
くふふ・・・・・まーあ、誰もが勇者の資質を持っているわけではない。
凡骨は凡骨らしく埋もれているのが似合い。それが関の山。
(嘲笑しながら、歩く。歩く。歩く。滑るように歩く)
なあ、おい。お前はなんで戦う?撃っていいのは撃たれる覚悟のある者だけ。
凡夫でも天才でも、それは覆す事の出来ない闘争の規律。
お前は撃った。なら殺される覚悟はしてるんだよな?おーい、聞こえてるか?
(彼は、無造作に歩く。その姿はまるで王者の様で、そして隙だらけだった)
・・・・っち
(こちらを挑発する、男の言動に歯噛みする)
(言葉一つを吟味する事はなかったが、それらは紫をひどく煽った)
(しかし、紫にとって良い事もあった)
(幾度に渡って投げ掛けられた言葉によって、相手の居場所を的確に見計っていたのだ)
(賭ける事に決めた)
(まず仮面を地に落とし、滑らせる)
(錯乱の心算だが・・・・まあ、利けば得、程度の物だ)
(外気に顔を晒し、空気を感じ、脳が冴える)
(次、影に飛び移りつつ、右手を射出、木の枝を掴み、それを巻き上げ浮上)
(相手に何事かと悟られる前に木の幹を蹴り、飛翔)
(右手を離し、空中を舞い――一瞬ながら暴君の支配を逃れ)
――!
(左手に持っていた銃で男の腹部をポイント、引金を引く)
(負傷していたのもあり、正確に撃つ事は叶わなかったが、脇腹には当たるコース)
(更に、弾丸の的中を感じ次第、全力で電流を流す)
(携帯を操作してから二分半、残す所は三十秒ほどだった)
(これだけ挑発されて何もしない者には、もう関心がない)
(これだけ隙を見せている敵に何もしない者は、戦士失格だ)
(故に――その瞬間、紅裂拓兎は確信した)
まだ諦めてないってか?
(こちらの足元に向けて滑ってきた山羊の仮面)
(無論、これは囮なのだろう。ならば、注意を向けるべきは前方ではなく)
―――――?―――――!!
(刹那、感知領域から敵の気配が消えた)
(同時、迸る殺意の線。反射的にそちらに腕を翳す)
(突き刺さった弾丸と、そこから延びたワイヤー。そして注ぎ込まれる電流)
ガアァァゥァァァァァァァ!!
(注ぎ込まれる電流が、体内を駆け巡る。血液が沸騰する。脳髄から出されていた命令が)
(大量の電撃の前に掻き消され、全てキャンセルされる。出せるのは、苦痛の絶叫だけ)
(視界が明滅し、膝から崩れ落ちる。バリンと、白い世界が解けてゆく。暴君の支配力が消えたのだ)
ぐふっ・・・・・うぅぅ・・・・・・
ぐ・・・・・がっ・・・・・・ぐふぅっ・・・・・
(ブスブスと身体中から煙を上げて、両膝を屈したままの姿勢で痙攣する)
・・・・っく!
(紫は、流した電流に比例して痛みを受ける)
(負傷した身体に受けた痛みのため集中を途切らせ、着地を損ね、足を捻った)
――っ
――く、っ
は、あ・・・!
(肩で息をしながら、男に向き合う)
(焦げた肉の臭い)
・・・あっけないな
人も、真実も
(右手を手首に収め、呟いた)
(使い潰されるだけの走狗、という彼の言葉は、否定できたのだろうか)
(そんな事を考え、捻った右足をかばいつつ立ち上がる)
(右手を使って仮面を回収、装着し直し)
(パトカーが到着するまでに身を隠すため、背を向けて歩き始める)
・・・・俺は使い潰されない
俺は、俺の正義に従う
(ぶつぶつと呟きながら、再び右手を使い、ゆっくりと木の上に身を隠そうとする)
―――くふ、くふふ・・・・・
少なくとも、臆病ではなかった、という事か・・・・・
とは言え、勇者と呼ぶには、些か、な・・・・・・
(その背中に向けて呟き、不敵な笑みを浮かべる)
(臆病者でもなければ無能ではない。少なくとも優れた戦士ではあったわけだ)
(あの悪趣味な仮面と格好からすれば、どう考えても勇者と呼ぶのは無理だが)
百人いれば、百通りの正義・・・・・・
くふ、くふふ・・・・・がふっ・・・・・ごふっ・・・・・
傑作だ、ああ、とてもとても・・・・・傑作だ・・・・・くふ・・・・
(ごぼごほと咳込みながら、笑う。正義とはそんなものだ。正義は、主観でしかない)
(主観でしかないそれを、他人に知らしめる為には、少なくとも負けてはならない)
(なら、少なくとも自分の正義を貫けた、という事だ。少なくともこの場に限る話だが)
ああ、頭が、ガンガンする・・・・・
電流を、流されたのは久しぶりだ・・・・・・・
(沸騰する脳細胞。痙攣する身体。電撃の味だった)
(遠くからサイレンが聞こえる。国家権力の赤。うるさい。うるさい)
(思考力は何とか回復した。身体はまだ意志に従わない部分もある)
(強引にそれを捻じ伏せて、立ち上がる。面倒なので、警官はここで始末しよう)
(水晶の剣を生成して、彼は警官がその場を訪れるのを待った)
(――数分後、警察官を始末した彼は、その足ですき屋へ向かい牛丼を食べた)
【うーい、こっちはこれで〆だ】
【二日間ありがとな】
――一時間後
紫 一久の部屋
・・・・ちつつ
(捻った右足に処置をする・・・・塗り、貼り、冷やし)
(あの後、紫は木の上から全てを見ていた)
(即死・・・とまでは行かずとも、致命傷を与えた筈の男が、剣を手に舞う姿を)
・・・・あの馬鹿げた攻撃能力だけじゃなく、再生能力もセット、か・・・
人間か? いや、異形・・・なのか?
(今まで会った中でも、抜群の強者だった)
(思い返すに、自分が勝てたのは地の利と相手の慢心があったからに過ぎない)
・・・・次はない、だろうな
(ぽつり呟き、上に提出するレポートの製作に入る)
(くすんだ赤い男、結晶化の犯人、半狂人・・・と箇条書きし、最後に一つ)
(魔人)
・・・・・近く、捕獲命令が来るだろうから・・・今の内から言っておこう
("魔人"の所にボールペンを突き立て)
――貴様を異形と断定する
次は獲物だ
【ん、こちらもこれで〆。お付きあいありがとう】
【また機会があったら・・・お手柔らかに】
【スレをお返しする】
失礼して、しばらく待機させてください。
プロフィールは
>>5にありますので、参考にしていただければ幸いです。
ふらふら覗いてみたならば……と、おあつらえ向きに相手が居る。
ちょうど俺も暇だったんだ、よけりゃあ少し付き合ってくれよ?
あら、こんばんは。もちろん、私で宜しければ喜んで。(一礼)
シチュ…ですけれど、ぱっと思いついたのが、
夜か夕方に狩り場で会って雑談でも手合わせでもといったような物騒方面か、
フツーに学校で出会ってみる日常方面か……と、ありきたりで申し訳なく、です。
もし何かしら案などありましたら、お聞かせ願えますか?
そいつはありがたい。何せ今までの相手は野郎ばっかりだったからなぁ。
少しは、潤いってもんがあったっていいわけだ。
ふむ、俺としてはどっちも捨てがたい。だから敢えてもう少し具体的に状況をあげてみるとしよう。
たとえば夜、俺がとうとう正真正銘の化け物と出くわした。
なんとか挑むもいかんせん力不足、こりゃあ参ったといったところに颯爽と、あんたが現れた。
これが一つ。
そしてたとえば放課後。所謂ナンパな奴らにつかまったあんた。
無視して帰ろうにも、なかなか奴らはしつこかった。
軽く懲らしめてやろうか、とでも思ったそのとき、俺がケンカを売りに来た。
どっちがいいかはそっちに任せよう。さ、どーするね?
……う、素敵な二択をつきつけてこられるのはズルイですよ?
私は欲張りなので、どっちかなんて選べまs(咳払い)…ということで、運任せ。
このレスの秒数が奇数なら前者、偶数なら後者――でも大丈夫ですか?
ふふ、私で潤いが提供できるかどうかとても不安なところですが、
この方式で問題なければ、書き出しは
前者でしたら貴方にお願いして、後者だったら私…が妥当でしょうか。
なるほど、それはグッドな選択だ。
というわけで、書き出しはそっちに任せよう。
俺は、それを楽しみに待とう!
(一月近くの無断欠席――その代償、なるものははやり巡ってきた)
(放課後、生徒たちは帰宅済みか部活に勤しんで半ば…といった時間帯。
大量に現代文の課題を出され、それをようやくやり終えた彼女の虫の居所はあまりよくなかった)
……申し訳ありません。そこ、通していただけませんか。
(思わず声ひくく凄みそうになるのをこらえ、小首をかしげてみせる)
(数人の男子生徒らが、何の因果かはしらないが道を塞いでいるのだ)
(――選ぶならもう少しマトモな獲物を選べ、と。
虫の居所の悪い彼女は本気でそう思ったが、それを顔に出せるはずもない)
すみません。失礼させていただきます。
(「ひとりの女生徒」として異形も絡まぬのに、
この学校内でごたごたを起こすわけにもいかない――暴力沙汰など、以ての外)
(一礼して、その男子生徒たちの合間をぬい、そこを強引に突破しようとするが、
それを彼らが許すはずもなく、一人の男子生徒が阻むように彼女の手をつかんだ)
――…っ、急いで、いるのですけれど。
(堪えろと、心の中で三回くらい唱えた。
ついでに現代文の鬱憤は、夜に狩りで晴らせば良いことだと、五回くらい唱えた)
【と、遅くなってしまいましたがこのような感じで…大丈夫でしょうか?】
【それでは、改めて宜しくお願い致します。(一礼)】
ふーぅ。この時期、さすがに冷えるねぇ。
っつーか、さすがに学ラン一枚じゃ寒すぎるってのな。
(吐き出す息は随分と白く、放課後、もうすっかり暗くなってしまった空に吐き出されていった)
(体を動かすことの一つでもあれば、少しはマシにもなるのだろうが)
(今のところはそういう荒事のあてもない。こんな日は、さっさと家に帰るに限る)
(そんなわけで、少し足早に帰路を辿る彼であったが、そんな彼の耳に届いた声)
………。
(それはなにやら男と女。それも男は複数だ。気になった)
(面白そうだと、声の出所を探していた。それは校舎の隅。下校する生徒からも)
(部活に励む生徒達からも、ちょうど目にはつかないような場所)
(聞こえてくる声は、立ち去ろうとする女、それを押しとどめる男。悪ふざけも過ぎた、そんな声)
少しは場所を考えりゃあいいのにな。こんなところにいるから、俺みたいなのに出くわすんだ。
(そしてこいつは自分から、厄介ごとへと身を投げた)
ちょーっと待ったぁ
(そして彼らの背後から、声をかけると振り返る)
(予想通りのご面相、軽薄そうな男が二人、そして随分ガタイがいいのが一人)
「何だお前、邪魔すん……に、ぎゃっ!?」
(当然だろうが不機嫌そうに、こっちに向かって歩いてきた男が一人)
(踏みしめたばかりのそいつのつま先を踏みつけて、頬に一発拳を入れて)
ケンカ、売りに来たぜ。
(と、笑ってこいつは言いやがった)
(「誰にだって虫の居所が悪いときはある。だから、
そういう時に我慢できないのは人間として仕方のないことかもしれない」…だ、とか)
(状況が変化したのは、彼女の思考が苛立ちに侵され始めた丁度そのときの話だった)
………?
(男たちの背後、声をかけてきた青年が一人。
――どこかで見た気がする。知り合いではないが、何かしら有名な人物だ)
(誰だっただろうかと思案して彼女が小さく唸ったのと、
青年に足を踏みつけられた男が、頬に一発拳をうけて悲鳴をあげたのはほぼ同時)
(これでおさまってくれれば良かったのだが、
彼らはどうにも「ケンカ、売りに来たぜ」と言われ、
あさつまえ仲間の一人を殴られて、黙っているような性質でもないらしかった)
………ああ、そういえば。
(あまりの唐突な出来事に、飛んでいた意識が戻ったか、
一人は葵の手をつかんだまま怒号をあげ、残りが流の喧嘩を「買った」らしい)
――…喧嘩で、有名な方でしたでしょうか。
(考え込んでいたそぶりの彼女が、ようやく思い出したように一声零したのと、
一人の男の拳が、流にむかってその拳をつき出したのは、またほぼ同時の出来事だった)
(突き出された拳を軽く右手で受け、そして払う)
(あっさり受け流されて、よろけたところを押さえつけ、そのまま顔面に膝が飛んだ)
(鼻っ柱を折られてまた一人、男が地面に転がった)
張り合いねーなぁ。ま、こんなアホらしいことやってる奴らじゃこんなもんか。
で、どーするよ。後はあんただけだけど。
(腰に手を当て、最後に残った男を睨む。その男は彼の顔と、そして地面に転がる二人を交互に見て)
「おまっ……わ、綿貫っ!?冗談じゃない、お前の相手なんてしてらんねぇよっ!」
(逃げ出した。一目散に、仲間にすら一顧だにせず)
顔が売れてるってーのも良し悪しだ。こーゆーつまらない連中を寄せ付けないのはいいけどな。
……って、あ。そっか、今回は俺の方からケンカ売ったんだっけな。いっけね。
しかし、あんたも随分と災難だ。
見栄えがいいってのは、得することばかりじゃないってことかね。
(そこでようやく、つかまっていた女に興味が向いた。見た目は悪くない)
(むしろ随分といいほうだ。こーゆー連中がちょっかいをかけたくなるのも分かる)
(それは、流れるような一幕だった)
(喧嘩慣れ――で、片付かないこともない。
けれど、その鮮やかな捌きを頭から「喧嘩慣れ」ゆえのものとするには、
彼女はいささか疑り深すぎたし、この学校にうずまく多くを知り過ぎていた)
………わた、ぬき。
(わき目もふらず、一目散に逃げ出した男。
その逃げ足の速さを示すかのように、女の黒髪がふわりと揺れる)
(思い出した――綿貫、だ。 わたぬき、ながれ)
(面と向かって会ったことはないが、「三度の飯より喧嘩が好き」だとか、
「森羅万象あらゆる事象を受け流す」――は聞いたような、聞いていないような。
ともかく、そのような噂がこの耳に入ってくるくらいには有名な人間のはずだ)
はい、本当に災難でした。
(「後一歩で、手が出そうでした」だなんて本音、口が裂けても言えない)
まあ、悪い面と良い面と両面もっている、というところでしょうか…と。
(小首をかしげ、改めて流の顔を拝見する。
ぼさぼさと伸ばされた黒髪。はっきりとした顔立ち――十分に、印象的だ)
助けて下さって、ありがとうございまし、た…?
(慎ましやかに一礼したあと、語尾を疑問形にしながらも彼女は礼を述べた)
しかし、もう少しは楽しくなると思ったんだがな。
どうにも、あてが外れた。
(暴れるつもりで来たのだが、結局少し相手をしただけで終わってしまった)
(正直言って物足りない、だが、今足元で蹲っている連中にこれ以上相手をさせるのは酷だ)
(彼らとて、ちょっと悪戯が過ぎただけなのだろうし。それより何より、弱いもの苛めは好きじゃない)
ん?……ああ、あんたも俺のこと知ってるクチ?
意外と有名なのかね。これだけケンカばっかりしてちゃ無理もないか。
(苗字を呼ばれて振り返る、それとなく察するところはあったらしく)
(さてどうしようか、と考える。見たところ特に何かをされた様子もない)
(あんな奴らに絡まれていたにしては、随分と落ち着いている)
(なかなか芯も強い。そういうタイプは嫌いじゃない。なんてことはさておいて)
次からは気をつけたほうがいいな。つっても、どう気をつけるんだって話か。
大体そんなもんなんだろうな。
(なんだか見られているようだ、別にそれくらいで緊張するでもないが)
(ただ見られているというのも何だ、というわけで、こちらからも見返してみると)
(やっぱり見栄えは悪くない。少しばかり背が高すぎる気もするが、バランス的にはちょうどいいくらいだ)
(少々胸が控えめなのが玉に瑕……などと、口に出したら大変なことを考えていたりした)
礼を言われる筋合いは……あるのかねぇ?この場合。
俺は単にケンカがしたかっただけ、なんだけど……どうにもあてが外れてね。
ま、無事で何よりってところだ。
(そうして自分を納得させた、今のところはそれで十分、こくこくと頷いて)
ええ、まあ。失礼ながら、多少は。
随分と、その――…元気のいい方だとはお聞きしておりましたが、
どうにも噂は違わぬようですね。これで、物足りない、とは。
(彼の足元の人間を眺めてから、少しおかしそうに笑う。
あれだけ綺麗な一発をもらったのだ…起きて、刃向うこともあるまい)
あ、はい。ご心配していただいてありがとうございます。
気をつけようとは思うのですが……そうですね、売られる分にはどうにも。
(自分にとっての最大の弱点について、相手が考えていることなど露知らず)
(勝手なことに「綿貫流」という人間観察を続けながら、分かったことがもう一つ。
どうにも、真っ直ぐな性格に思えた。十全だ、そういうのは嫌いじゃない)
貴方こそ、怪我などなされていませんかと――お尋ねするのも無粋ですね。
……あれだけ鮮やかな一連でしたもの。
格闘技でも、やられておられるのですか?
まあ、いいのではないですか。
過程はどうであれ、結果としてこちらは助かったわけです。
……というわけで。口頭の御礼だけですけれど、受け取って下さい。
(“もしくは、物的なものでお礼に欲しいものありますか?”、だとか。
本気か冗談か――真顔でそのように尋ねかけるのは、彼女の悪いくせの一つ)
(自分の足元にあったカバンをひろってから、漆黒の瞳を再び流にむけた)
しかし、珍しいのな。
そんな評判の悪いケンカバカを前にして、まったく物怖じしないなんてさ。
ははっ、俺としてはありがたいことこの上ないけどな。
何せ、ケンカとなれば男も女も関係ないのがこの俺だ。
おかげさまでいろんな方面から評判はよくなくてさ。気にしちゃいないけど。
(しゃがんで、地面に転がっている男の頭を軽くつついた)
(しかしどうにも目覚める様子はない、しかたがないな、と再び立ち上がって)
毎回毎回こんな感じで助けが入るわけでもない。
まあ、こんな連中に毎度毎度絡まれるわけもないとは思うけど。
(と、小さく肩を竦めて見せた)
怪我、ね。それくらいさせてくれるような相手がいればいいんだけど。
いいや、俺のは我流。ケンカするのにそんな真っ当な格闘技なんていらんのさ。
(冗談半分に拳を軽く突き出して)
もちろん、ただの我流でここまでやってるわけじゃあないけどね。
(最大の武器である受け流し。なぜできるのかなんて知らないが、できるのならば利用しない手もない)
(そして、それを磨かない手もない。そんなわけで)
(その技は、現在のところその技が、彼にとっての切り札となっていた)
(派手に叫ぶ必殺技は、ある意味それを隠すカモフラージュとも言えなくは……)
(いや、やっぱりただの趣味だろう)
そうそう、そんな結果が一番大事なわけだ。
俺はちょっと消化不良だが、それなりに暴れられたし。
あんたは運よく助かった。……っと、随分面白いこと言うんだな。あんた。
(随分と面白い女だ。こんなときにでも冗談を飛ばす余裕があるらしい)
(思わず眉を吊り上げて、向けられた瞳を見返した)
(随分と深く黒い瞳。わずかばかりに考えてから)
じゃあ、そうだな。お礼にあんたをもらおうか。
と言っても勘違いするなぁ。こいつらみたいにあんたをどうこうする気はない。
まずはこれだけ言っておく!
(言ってから随分なことを言っていると気づいた、だからまずは一つ弁解して)
俺はあんたに興味が沸いた。だから……まあ、あれだ。
そう、お近づきになろう。そーゆーことだね。うん。
(と、そんな事を口走った)
顔に出ないだけで実は内心怖がりまくり、かもしれません。
……なんて。まあ、貴方は私に対して敵意をお持ちでないご様子ですから。
高校生ですもの、少しくらい元気すぎるくらいで十全です。
(彼女にかかれば「高校生の喧嘩」は「元気すぎるがゆえ」に変換される)
そうですね。ここまで露骨な絡まれ方をされたのは、稀やもしれません。
(地面に転がる男たちを見て、寒そう…だとか思いながら、首をかしげて)
あら、強い方をお探しとは。
伊達に喧嘩好きを名乗られてはおられないようで。
(突き出された拳をじっと見てから、すっと目を細める)
……我流だけじゃない、と仰られるには何か凄い特殊技能、でも?
例えば、普通の人にはないような特殊能力――だとか。なんて、冗談です。
(細められた黒い瞳に、一瞬だけちろりとのぞいたのはどんな色だったか。
流から目はそらさぬままに、そんなふうに嘯いてみせた)
…………えっと。
(だが、次の言葉にきょとーん、としたように黒い瞳が開かれた)
(物的なものと言って、まさかそう返されるとは想定していなかった。
彼女の想像した物的なお礼といえば…肉まんとか、冬場に欲しいもの。
まあ、それはただ彼女が個人的に食べたかっただけなのだろうけれど)
こういう場合には、私には心に決めたひと、がとか、申し上げたら……
(そんなこと言われたことがない、と小首をかしげた途端に、告げれられた弁解。
事の次第を理解して、目を瞬かせてから、ふっと小さく笑みをこぼした)
――…奇異な方。
私でよければ、どうぞ近づいてやって下さい。
(なんとなく、誰かに似てるかも知れない…と)
(そんな風に思いながら流をみて、ひらひらと片手を振ってそれを受け入れた)
そうだとしたら、あんた役者の才能あるわ。
生憎と、俺がケンカを売るのは暴れたりない奴か強い奴。
あんたは……まあ、強いかどうかはさておいて。暴れたいようには思えないし。
(底の知れないところも垣間見える、そんな目前の相手に向けて)
(その真実はどうあれ、今のところはケンカを売るような相手とは思えなかったわけでもあるし)
おうよ、なにせこの学校、この街には強い奴が多い。
なんでかしらないが、俺としてはこの上なくいい環境だ。
(拳を納めて、にやりと笑い)
おーおー、良くぞ聞いてくれました。俺にはな、必殺技ってのがあるんだ。
どんな相手も一撃で……というには、ちょっと足りないけどな。
(そんな風に聞かれてみても、とりあえずごまかすくらいは頭が回る)
(というよりも、必殺技もあるにはあるし、叫んでしまうお約束もある)
(そして、実際そんなことも噂になってもいたりした)
……まあ、驚くわな。こんなこと言われたら。
だがね、これは俺の偽らざる気持ちだ。なんかあんたは引っかかる。
陳腐な言葉に聞こえるが、なんだか気になるんだ。あんたのことさ。
(そして実際、気に入ってもいた)
(まずお友達から……なんて、しょうもない陳腐な文句を言い換えただけなのだ)
(実際、彼の言うことは)
まともな奴なら、こんなことはしてないさ。
ん、よろしく頼む。……っと、そういえばさ、名前聞いてなかったよな。
俺の紹介は、まあ噂の通りに任せるとしてさ。
(ほんのわずかに安堵して、嬉しそうに笑っていた)
(辺りはすっかり暗闇の中、教室から漏れる明かりと)
(校庭を照らす明かりがわずかに差し込むばかりだった)
あら。それなら進路を役者方面にしておくべきでした。
(頬に手を当てて思案顔をした彼女は、異形狩り以外の職など取らぬだろうけれど)
そうですか。なら、喧嘩に巻き込まれさえしなければ重畳です。
……お強い皆さんは、せいぜい貴方に目をつけられないといいですけれど。
(にやりとした笑いに、目元を緩めて返す)
――…必殺技、ですか。
まあ、いずれ偶然と拝見できるかもしれません。楽しみにとっておきます。
(彼が述べているのは真実だろうけれど、きっとそれは核心ではない)
(まあ、もしも彼も「自分の仕事の領域」ならば、
いずれは否が応にも出会うだろう――…白か黒か、見極めるのはそれからだ)
ひっかかる、だなんて。
私はただの「健全な高校生その一」程度でしかないつもりなのですけれど。
(それが「異」を見極める勘ゆえの認識だとしたら面白い、けれど。
だとしたら少しばかり罪悪感もある。たぶん、彼はこちらを疑っていないから)
……まあ、そうですね。
知り合う人間を選ぶにあたっての趣味の悪さなど、口出しすることでもありません。
(くらいくらい、夜の闇。それを窓越しに見つめながら小首をかしげて)
媛名です。高等部三年、媛名 葵。
先輩だとか後輩だとか特に気にする性質でもないので、お好きにお呼び下さい。
(簡潔な自己紹介のもとで一礼をしてから、零れおちた黒髪を耳にかける)
それでは、私はこれで失礼を。
喧嘩もいいですけれど――…このところ、ひどく物騒ですから。
お気をつけてください。随分と、この頃の夜は“冷たくて暗い”。
(吐息と共に吐き出した言葉は何を示唆しようとしていたのだろうか)
(彼女は片手をひらりと振ってから、彼に背を向けた)
【私の方は、ここらあたりで〆…で大丈夫でしょうか?】
それは困る。
それだと、俺はあんたにあえなかった。
(そんな思いも露知らず、ばっさりそいつを打ち切って)
保障はできないな。なにせこれだけ暴れまわってるんだ。
俺自体、妙な連中に狙われていないわけもない。付き合うつもりなら、その辺は考えてくれってね。
俺は、さっさと会ってみたいけどな。本当に強い奴らと。
(彼はあまり夜は出歩かない。だからこそ、まさしく人間じゃないような化け物を相手にすることはなかったのだけど)
(いつかそうなるのかもしれない、だが、今のところそれを知る術もない)
見せてやるさ、いつか機会があればね。
それこそ、ものすごい奴を、だ。
(しかしつい先日、自慢の必殺技は破られたばかり)
(次なる必殺技の開発が、目下の課題となっているのであった)
いやなに、その動じないところとか、芯の強そうなところとか。
単に……そうだな、まあ。あれだ。気に入ったからかね。うん。
だからよろしくやろうと言ってるんだ、あまり人に好かれるような人間じゃあないんでね。
その分、大事にするからな。へへっ。
(果たしてそれは照れ隠し?さては知らぬが小さく笑って鼻の頭を指でこすって)
媛名、葵。ね。よし覚えた。それじゃあ……うん、まあよろしく頼むわ。
(応じて深く、こちらも頭を下げた)
物騒、ね。むしろ望むところって感じ。
ああ、あんたも風邪なんかひかないようにな。それじゃ。
(ひらひらと手を振って見送った、相変わらず風は冷たい)
……しかし、まあ。確かに物騒だわな。最近。
(ただ事ではないこの町の様子。何かしら感じ入るものはあったのだろう)
(そしてやがて彼も、その場を後にした)
【おう、こっちもこれで〆。お疲れさん、また付き合ってくれ】
【はい、見届けさせていただきました。】
【こちらこそ、お付き合いくださってありがとうございました。
また機会がありましたら、是非とも。それでは、おやすみなさいませ(一礼)】
【ロール解凍に使わせていただきます】
(これだけの傷を身に受けて、彼女はどれだけ辛い思いをしてきたのだろう)
(六花には想像もつかない)
(けれど、それを乗り越えて。彼女は。都は)
(こうして、明るくて気丈な女の子として、ここにいる)
(痛みが彼女を強くしたのか、彼女の強さが痛みに克っているのか)
(どちらにせよ――なんて、強い)
……と、あとは。
(余分な液を拭き取ると、今度は大きめの絆創膏を受け取り)
(指が傷に当たらないよう気を付けながら、そっと貼り付ける)
これでよし、です。
……靴下、破れてしまいましたね。もったいない……
(自分のことのように、しゅん、と肩を落とす)
(何より、もっと上手くやれていたら、こんな怪我はさせなかったかもしれないのに)
(己の不甲斐なさが、悔しい)
……え、え?
(急に話を振られて、きょとんとして)
あ、え……と。お散歩、なのです。
(嘘は吐いていない。答えて、うんと頷く)
銀杏……は、あ、たくさん落ちてるとこ、ありますものね。
(とはいえ、その臭いは気分の良いものではないし)
(料理もしない、もとい、できない六花にとっては縁遠いものではあったが)
と……みやこさんは、お荷物はだいじょうぶ、でしたか?
(話題を逸らすことに罪悪感を感じながらも、問い返す)
【では、よろしくおねがいします(ぺこり)】
>>314 ありがとうございます。
(念のため、明日は病院へ行った方が良いかも)
(鈍い分、本当にひどくても分からないから)
でも制服と比べれば安いし、これで済んだから良かったです。
あ、でも膝掛け持ってかれちゃったな。
何にしろ、どちらも買いなおせばいいものだから。
(気にしないでください、とにっこり笑う)
六花さんがいなかったら、もっと大怪我してただろうから。
本当にありがとうございます。
(深々と頭を下げて)
お散歩ですか、少し寒いけれど、森の中は気持ち良さそうですね。
(車椅子の身ではなかなか行けないから、そう想像する)
やっぱり、銀杏拾い、やってみたいなぁ。
(臭いが染み付いたら寮に入れてもらえないかもだが)
あ、荷物は、たぶん大丈夫だと思う。
(がさごそと、買い物袋を取り出して確認する)
ひとつ、ふたつ、みっつ……うん、落としてないです。
(買い物袋の中身は焼き芋用の大きなサツマイモ)
六花さん、ひとつどうですか?
公園で焼いたら怒られるかも、だけど。
【今日もよろしくおねがいします】
そう、ですか?でも……ん。
(にっこり笑う都に、六花もひとまず安心する)
(靴下はどうにもならないけれど、膝掛けのほうは、どこかに落ちているかもしれない)
(後で探してみようと思った)
あ、あぅ、こちらこそ……どういたしまして、ですっ。
(深く頭を下げられて、こちらも慌ててぺこり、とお辞儀する)
(とにかく、彼女にも自分にも、大事がなくて良かった)
はい、紅葉もきれいですし。空気もいいですから。
(そして、森の発する生命の力。それは六花にとって何よりの栄養)
ん、お料理なさるのですか?ふふ、わたし、ぜんぜんできないから。
わたしで良ければ、お手伝いしますよ?臭くなってしまうかも、しれませんけれど。
(その様子だと、きっと自分で作るのだろう)
(それに、一人では大変かもしれないし)
……わ、大きなお芋っ。
(袋から取り出されたものに、目を丸くして)
え、そんなっ、せっかくみやこさんが買ったの、ですのに。
…って、ここで焼くの、ですか?
(驚いて、目をぱちくりとさせる)
>>316 はい、私、料理部なんです。
自慢ですけど、けっこう腕はいいんです。
(やぶけた靴下を元に戻し、三角巾で破れ目のあたりを縛りながら)
なんなら、料理部に入りませんか?
初心者も大歓迎ですから。
(そういえば、中等部か高等部か聞いてないな、と思い出した)
(言えない理由は分からないが、そのうち教えてくれるだろう)
大丈夫、たくさん買ってあるし。
大きいから、ひとつを二人で半分っこなら。
(普通の少女ならひとつを食べ切るのは難しいだろう)
やっぱり、ここじゃ駄目ですよね。
さっきの裏山の方か、学校か、土手か、あとは女子寮の庭だけど。
どこかいい場所、ないですか?
(元々女子寮で食べようと思っていたもの)
(ただ寮だと騒がしいから、来てくれないかも)
(なら六花さんのお勧めの場所がいい)
へぇ、それはすごいのですっ。
(食べる訳でもないのに、その言葉に目を輝かせる)
(料理ができるひとは、心から尊敬に値するのだ)
え、でも、でもっ。ほんとうに、だめだめですからっ。
そのお言葉だけで、もう。
(本心、部活動、というものに憧れはあるけれど)
(自分は生徒ではないのだ。入れる訳がない)
はゎ、そ、それなら……
(先日食べた焼き芋の魅力が、深く染み付いている六花は)
(都の言葉に、既にかなり傾いていた)
ん、たぶんそうだと、思います。
たしか、看板に書いてあった、ような。
(意外にもこちらに問われて、軽く驚いて)
えと……裏山のほうは、まだあの犬がいたら、危ないですし。
学校……は、あ、裏庭のほうで、焚火してるのは、見たことありますけれど。
お芋焼いたりしても、いいのかな……?
(こういう時に、地理に疎いのが困る)
(またいろいろと、教えて貰わなければ)
たぶん土手のほうなら、だいじょうぶじゃないかと、思うのです。
そこまで、行きますか?
(あまり適切な答えではなかった気もしたが、仕方ない)
(しゃがんで都に目線を合わせ、尋ねる)
【すみません、遅くなりました】
そうですか?
料理部は、上手いからやるのじゃなくて、好きだからやるんです。
もし、その気になったら料理実習室の扉、叩いてください。
待ってますから。
(六花が駄目な本当の理由は知らない)
(興味はあるのだと思う、だから家の事情とか、あるのだろう)
(部活は、無理矢理じゃなくて、やりたいと思ってやるものだから、無理には勧誘しない)
学校もたまに落ち葉を焼いてるけど、あれは用務員さんがやってるのだろうし、
たぶん後夜祭とかじゃないと生徒は駄目、かも。
(こうゆうのは、好き勝手にしたら、大変なことになっちゃうから)
うん、それじゃ、土手でしましょ、焼き芋。
(目線を合わせてくれた六花に、にっこり笑いかける)
最近は雨も降ってないし、桜並木もあるから、枯れ葉はいっぱいあると思う。
あ、ありがとうございます。
入るのは、難しいかもしれない、ですけれど。
……良かったら、また今度。遊びにいかせて、ください。
お手伝いでもなんでも、しますから。
(都も、こちらに気を遣ってくれている)
(それを感じ、微笑んでそれだけ返す)
ですよね、うん。
……ようむいんさん、が、やってたんだ……
(ならば、そちらを勧めなくて良かった)
(また常識外れなことをしてしまうところだったし)
(それで都を面倒に巻き込んでしまっては、元も子もない)
(せっかく誘ってくれたのだ。楽しく過ごしたい)
はい。じゃあ、そっちに行きましょうか。
(都の笑顔に、同じように返して)
(立ち上がると、車椅子の後ろに回る)
だったら、お掃除も兼ねて、ですね。
れっつごー、なのです。
(小さくガッツポーズを作ると、車椅子を押す)
>>320 お手伝いも大歓迎ですよ。
食べにくるだけの男子も居るし、気軽に来てください。
(それで生きながらえている人もいるみたいだけど)
(自分たちだけで食べるより、食べてくれる人がいる方がやりがいもある)
行きましょう、土手で焼き芋が待ってます。
(グッと土手の方で腕を伸ばす、押して貰ってる身であるけれど)
(土手まで来ると、雲一つ無い初冬の空は高く澄んでいて)
(河川敷では少年達がサッカーをしている)
到着、うん、風もほとんど無くて、大丈夫そう。
(珍しく冬の木枯らしもなくて)
六花さん、あそこ、ほら、ダンボール箱が捨ててあります。
あれ、燃やすのにいいんじゃないかな。
(都の指さした方に、何かが詰められたダンボール箱が捨てられていた)
はい、ぜひ。
た、食べに行くだけなんて、なんて贅沢なっ。
働かざるもの食うべからず、ですし。なにもなしにおいしい思いしようだなんて、
甘いのです。あまあまなのです。
そんなひとには、無理にでもお手伝いさせちゃえばいいのです。
(しかし、わざわざ食べにいくほどとは、きっと腕もいいのだろう)
(今からもう楽しみになる)
はいっ。暗くなる前にっ。
(都が指す先に焦点を合わせて、腕に力を込めた)
……おー、ここならきっと、いい感じ。
お天気もいいですし、絶好の焼き芋日和、ですね。
(まもなく、子どもたちの歓声が谺する、土手に辿り着いた)
(思ったより風も弱く、落ち葉もたくさん)
あ、そこ。
(誰かが以前火を起こしたのだろう、草のないスペースを見つけて)
ほんとです。なにか入ってますけど、ばっちりで……
(手を叩くと、段ボールのほうに駆け寄っていく)
>>322 寒む過ぎなくて、焼き芋でちょうど温かくなるです。
(六花に押して貰って、土手へおりる)
(空いたスペースには焼き跡があって、薪の定位置なのかもしれない)
雑誌とか燃える物ならいいんだけど。
中身を確認しましょ、万が一にも、お金が入ってるかもだし。
(不正なお金が捨てられてた、みたいなニュースは聞いたことがある)
(そんなことはまずないだろうけど、やはり中身は気になるもの)
(都も側に来て開きかけた箱の蓋を広げた)
…………っ!
(都は顔を赤くして、ぱっと箱から手を離した)
なっ……ええと……。
(困ったように六花の顔を見る)
(はたして、箱の中に見えたのは、女性の裸)
(いわゆる、エッチな本だった)
そうですね。もしかしたら中に猫さんが、かもしれませんし。
(頭の中に、テレビで見た「拾ってください」な構図を思い浮かべて)
(さらに子猫が哀れな声で「にゃー」と鳴き始めたものだから)
(それは大変だ、とばかりに歩を速める)
(そして、同じく近づいてきた都が箱を開けるのを見守る)
………………ッ!?
(視界に飛び込んできたのは、肌色。ただひたすらの、肌色)
(それが頭の中で像を結ぶのには、しばらく時間を要した)
な、な。なななんでこんなものがっ。
(いくら六花でも、「そういうもの」の存在は知っている)
(もちろん、こんな間近で目にしたことはなかったが)
……こ、ここ、こんなものっ。
燃や、燃やしてしまいましょうっ!
(頭の中は真っ白で、目はぐるぐる)
(蓋を閉めると、そんなことを口走って)
>>324 ええ、こんないかがわしいの。
それに、あの子達が見つけたら大変だし。
(河川敷でサッカーをする少年達を見る)
(こんなのは、まだまだまだまだまだ早い早い早すぎる)
ほんと、誰が捨てたの、こんなもの。
これで焼くのは、ちょっとバッチイ気がするけれど。
(大きなサツマイモを、中を見ないようにして箱に入れ)
(マッチを取り出して火を付けた)
さ、燃えちゃいなさい!
(紙だからすぐに燃え広がり)
あ、これだけじゃ……あそこにある木の枝とかも入れないと。
(たぶん、誰かのたき火の残りか、燃え残った木の枝が側にあった)
ですよねっ。もぅ、もぅ……
(火照った頬に手を当てて、先ほど目にしたものを記憶から追い払おうと)
(頭をぶんぶんと振ってみたものの、無駄らしい)
……っ、え?
(六花が自分のことでいっぱいいっぱいになっている間に)
(お芋を直で箱に放り込んで、箱ごと火をつけた都)
ほぇー……
(その大胆さに、思わず呆然とする)
(たちまち火は全体に回り、煙を上げ始めた)
そ、そうですね。枝とか、葉っぱとか。
(都の言葉に我に返ると、せっせと拾い集めては火にくべる)
>>326 これと、これも燃えるかな。
(熱心に木の枝や、捨てられた雑誌―いかがわしくないもの―を集めては火にくべる)
(見てしまったものを忘れようとしてだが、意識してしまうと難しくて)
(裏物の露骨な写真は、かなりきつかった)
これぐらいあれば、大丈夫かな。
(色々とくべたので、結構盛大に燃えている)
(これが燃え尽きるくらいには、きっと美味しく焼けているだろう)
はぁぁ……ええと、変なモノ、見ちゃいましたね。
(忘れようとしてるのに、思わず口にしてしまって頭を抱える)
やっぱり、こうゆうの、興味あるのかな、男子って。
(せっかく知り合った人とお話しするのに、と思ったが)
(どうも避けられなさそうだから、とっととスッキリさせようと)
(ぽいぽいと、乾いた紙類や木の枝をくべていくと、火は更に大きくなって)
(焼き芋ひとつには十分すぎるほどになる)
…………。
(ふと顔を上げると、自分以上に熱心に雑誌などを拾い集めている都の顔)
(やはり女の子には過激すぎるものだったのだ、と思う)
はい、楽しみですねー。
(火の粉が来ないように、風上に車椅子を移動させて、ふたり並んで焚火を眺める)
(お芋は大きかったから、中までほくほくに火が通るまでにはしばらくかかるだろうけれど)
(これだけ良く燃えていれば、問題ないだろう)
……ほんとうに。しかも、こんなとこに、捨てたりして。
(盛大な溜め息を吐いて頭を抱える都に、思わず苦笑する)
ああいう本自体、男のひとが、読むものですからね。
やっぱり、そうなんじゃないでしょうか。
(六花自身、ヒトの欲望を叶えるために造られたものだから)
(そういう欲を理解できない訳ではないけれど)
(やはり、それに触れるのは少し怖いかもしれないと思う)
>>328 やっぱり、そうゆうもの、なんですね。
(紙が先に燃えるから、あの雑誌はもう燃えていて、今は木の枝とかが燃えていて)
……先輩も、見ていたのかな、こうゆうの。
(いやらしい格好をした女性が尻を突き出すようにしていた)
(都には、とうていできないような格好だった)
捨てるってことは、いらなくなったってこと、ですよね。
(いらなくなる理由、引っ越しとか、そうゆうことができる、恋人ができた、とか)
(先輩は、好きな人、恋人がいて、誰か分からないけど、高三だし、もしかしたら……)
うぅぅぅ〜っ。
(よくない考えを振り払おうと、頭をふる)
こんなんじゃ、美味しいものも、美味しくなくなっちゃう。
……せんぱい?
(都の呟きが耳に届くが、はっきり聞き取れず)
(聞き返そうとするが、何故か都は思い詰めたような表情で)
う……
(これは触れないべきかもしれない、と、思い直す)
……まぁ、あぁいうのと、本物の女の子を一緒にはしないと、思います、し。
(実際は分からないけれど、そう思いたい)
(だって、「あのひと」はとてもまっすぐに、自分を見てくれていたし)
……って、なんで……もぅ。
(浮かんだ笑顔に、また頭は「ぐちゃっ」となる)
……飽きた、とか。古くなった、とか……かも、しれませんけれど……みやこさん?
(何の気なしに呟いて、突然の唸り声にきょとんとする)
(本格的に、考えたくないことに足を突っ込んでしまったのかもしれない)
……ほら、やなものはぜんぶ、燃えちゃいましたからっ。
最後の最後に、おいしい焼き芋のための役に立ちましたしっ。
(困った挙句、見当外れの励ましを送る)
>>330 ……あ、六花、さん。
(かたっ、と木の枝の燃えかすがくずれ、炭になった紙が煙とともに空へ上がっていく)
そう、ですね。
燃えて、綺麗になくなっちゃって、あとに残るのは美味しい焼き芋。
(いつか、忘れられるのかな、消えるのかな、この思いは)
(痛くて、苦しくて、切なくて、でも、甘くて、大切な、私の思い)
そろそろ、焼けたかな。
(火の弱まった焚き火の中に、いい色合いに焼けたサツマイモが見える)
えっと、焚き火を崩せるものは……。
(手頃な枝は、みなくべてしまたので)
そうですよっ。それで、焼き芋食べたら元気になりますって!
(彼女が何に悩んでいるのかは、六花には分からないけれど)
(少しでも、自分が元気付けられたらいい)
……って、やーっ、灰がーッ!
(どうにも格好がつかないけれど)
(風向きが変わって六花ひとりが灰に襲われ、悲鳴を上げながらも、笑う)
わ、良く焼けてますねっ。
(燃えかすの隙間から覗く、良く焼けたサツマイモの皮)
ん、ちょっと待っててくださいね。
(てとてとと都から離れて枝か何か探すが、細く短いものしかない)
……もぅ、しかたないのです。
(それを拾うと、都から見えないように魔力を流し込んで30センチほどに伸ばして)
(元の場所に駆け戻る)
見つけましたよー。……と、んしょっ。
(黒いかすを払い退けて、お芋に先をぷすりと刺し、持ち上げる)
ん、いい感じですっ。
(漂う甘い香りに、顔が綻ぶ)
>>332 あっ、あわわっ、六花さん、大丈夫ですか?
(笑いながら灰から逃げる六花の姿に、都も笑顔になって)
まってください、灰を払いますから。
(車椅子を進め、六花に手を伸ばしてパタパタと付着した灰を落とす)
あ、はい、お願いします。
(こんな時は、任せるしかない)
(その間、飛び火しないよう焚き火に注意を向ける)
それじゃ、ここに乗せてください。
半分こにしますから。
(ハンカチを出して、さらにエプロンの裾を持ち上げる)
(とても美味しい香りが鼻をくすぐる)
きっと、とても美味しいですよ。
あ、ありがとうございます。
あぅ……髪の毛が……
(服は、都がはたいてくれてだいぶ落ちたからいいものの)
(長い髪にも、点々と白や灰色が見え隠れしている)
(いちいち取っていては切りがないし、そにらははもう諦めるしかない)
はい。まだ熱いですから、気を付けてくださいね。
今度は火傷したら、大変ですから。
(湯気を立てるお芋を、ハンカチの上に置く)
もちろん、なのです。焼きたてですし。
(こんなにいい香りがしているのだ)
(おいしくない訳がない)
(そして都が半分に割るのを、子どものような顔で今か今かと待つ)
>>334 髪の毛は、食べ終わったら綺麗にしましょう。
最後に火を消さないとだし、また灰をかぶっちゃうかもだから。
(とりあえず、火の粉で髪が焦げたりしてないのを確認してから)
このエプロンは厚めなので、大丈夫です。
(ハンカチとエプロンで焼き芋を受け止める)
(もう一枚ハンカチを取り出し、エプロンの上で半分に割った)
わぁ、美味しそう!
(黒く焼けた皮から、綺麗な黄金色が顔を出す)
(ほくほくと湯気が立ち、さらに甘い香りが充満する)
はい、六花さん、どうぞ。
(大きい方をハンカチにくるんで六花に差し出して)
いただきます。
ふぅー、ふぅー、ふぅー、はむっ、んっ、ふぁ、ふぁ、はむ、はむ、んぐっ……ん、美味しい!
(焼きたての芋はとても熱くて、口の中を火傷しそうで)
(甘いかたまりは口の中で崩れ、その味に舌が蕩けそうで)
んふふふふ〜。
(本格的に料理するのも楽しいけど、こうゆうのも何か幸せって、感じでいいな、と思う)
はい……意外に大変かも、焼き芋。
(予想外の伏兵の存在に肩をすくめるも、やはり焼き芋のほうが楽しみで、気を取り直して)
わ、すごい、ほこほこですっ。
(顔を出した中身は、とても色濃くしっとりとして)
(割る前とは比べ物にならない甘い香りが立ち込める)
え、こっちで、いいのですか?
(差し出された半分は、明らかに大きなほうで)
(ご馳走になる側なのにいいのかと心配になるけれど)
ん、ありがとうございますっ。
(都の笑顔に、遠慮なくそちらを受け取ることにする)
いただきます。……ふ、ふーっ。
(息を吹きかけて、一口齧る)
は、はふ、ん……すごい、おいしいですねっ。
(ほかほかの、強い甘味の焼き芋は)
(焼きたてだけあって、蕩けそうなくらいだった)
……んく、ほんとに、おいし……
(前に食べた、売り物にも劣らないくらいで)
(身体の芯まで温まる)
>>336 いいですよ、私は作る方専門で、そんなに食べられないから。
(いちおう成長期ではあるが、胃袋はあまり大きくない)
ほんと、美味しいっ。
やっぱり、寒い外で食べてるからかな。
焼きたてだし、熱くて、ホカホカで、ほんと、舌も頬も蕩けそう。
(美味しくてたまらないと、幸せな顔で焼き芋をほおばって)
「あ、焚き火だ」
「焼き芋食べてる」
「うまそ−」
「いいなぁ〜」
(ざわざわと、遊び疲れて帰ろうとした少年達が、焼き芋を食べている二人を目敏く見つけた)
(サッカーでお腹を空かせた子供達は、歩きながらもじーっと見つめている)
……う〜、仕方がないな。
六花さん、枯れ木集め、手伝って貰えます?
(本当は寮のみんなのために買った、残りのサツマイモを取り出す)
僕たち、このお姉さんのゆうことを聞いて、枯れ木を集めてね。
そうしたら、これを焼いてあげるから。
(お腹を空かせた人には弱い、かも)
「やったーっ!」
「ありがと!」
(喜んだ子供達の歓声が河川敷に沸き上がった)
【そろそろ時間ですよね】
【子供達に作ってあげるとこで〆にしましょうか】
ですね。焼いただけ、なのに。こんなにおいしいなんて、思わなかったのです。
(それは、心からの驚きで)
(「料理は何を食べるかより、誰と食べるか」という言葉をふと思い出す)
(その「何か」が本当においしければ、最高のシチュエーションだ)
(嬉しくて、都に続いてまた一口頬張る)
……わ、たくさん、来たっ!?
(いつの間にかふたりはたくさんの子どもたちに取り囲まれていて)
(その、あまりに羨ましげな表情に)
(ふたりだけ、文字通りおいしい思いをしているのが申し訳なく思えるくらいだった)
は、はいっ。みんなで、のほうがきっと、おいしいし、楽しいですっ。
(都に子どもたちを託されて、緊張に固まるも、首を振って)
さっきたくさん使っちゃったから、探すの大変ですよっ。
み、みんな、がんばりましょうねっ!
(嬉々として枯れ枝や落ち葉をかき集める子どもたち)
(みんな嬉しそうで、楽しそう)
おいしく焼いてくださいね、みやこおねぇさん。
(その立役者の小さな彼女に、六花は改めて、尊敬の意を覚えた)
【こちらはこれで〆させていただきます】
【見届けますので、ごゆっくり】
>>338 ほんと、焼いただけ、なのに、こんなに。
(何から何までこれなら、料理の立場がなくなっちゃうけど)
(これはシンプルだから、素朴な美味しい味なんだ)
「はーい!」
(六花の指示で子供達が枯れ枝や枯れ葉を集める)
その枝は、そこに積み重ねて、その間にこのお芋を入れて。
(都は都で集めた枯れ枝を上手く焼けるように組み上げて)
火を付けるから、ちょっと下がっててね。
そこ、危ないから近づかない!
言うこと聞かないと、君にはあげないよ?
「ええっ、ごめんなさい! だから食べさせてよぉ」
(子供達と、六花と、都の笑い声が広い空に響く)
(焼き芋ができる頃には、そらは茜色になっているだろう)
(何かと物騒なこの街だが、今この時、この場所は、幸せで平和だった)
【はい、これで〆です】
【一度凍結を延期しちゃってごめんなさいでした】
【念願の六花さんとロールできて楽しかったです】
【それじゃ、また今度ノシ】
【見届けました〜】
【念願だなんて、おそれ多い…!】
【こちらこそ、ありがとうございました(ぺこり)】
【また機会があれば、ぜひ】
【では、スレをお返しします(ぺこり)】
こんばんは。お相手をお願いできるかな
プロフは探してくれ。確か
>>19だったような…?
さて、スイートハーツとの念願のロールだぁね。端的に言うとネタは殺し合うか、
話し合うかのどっちかしかないのが難点。こっちの名前は知ってるんだから、
色々話してみるのも一興か。どっちがいい?
そうだな…日常のように普通に話すのは面白くない
一触即発、殺伐と交流してみようか
状況は夜、場所は適当に
そちらが一仕事終えた後を俺が発見って感じでどうだろう?
こちらは君の目的とかを中心に聞いてみたいな、と
流れ次第で殺し愛も視野に入れて
うーむ、流れは了解した。
では書き出すので、暫し待たれよ。
む、よろしく頼む
慌てず騒がずごゆっくりと、だ
(この星の上でどれだけの人間が―――そんなことを、考えていた)
(冷たい部屋で。冷たい場所で。人と魔物の屍が朽ち果てる場所で)
(魔王と契約した限りなく魔に近い人間、即ち゛魔人゛が人と魔物の屍を)
(見下ろしながら、考え事をしている。緩い無表情のままに)
(個人の苦悩も葛藤も消えない苦痛も、大いなるシステムの前では意味がない)
(けれど、その個人の小さな意志が集う時、大きな壁を打ち砕く鉄鎚となる)
けど、それを正しく扱うには、まだこの世界の人間は幼すぎる、か。
(ここに倒れるのは退魔師。人類の枠をはみ出していない戦闘技能者)
(ここに朽ち果てるのは魔物。競争の果てに覇権を人類に渡したモノの末裔)
(どちらも、まだ至らず。どちらも、まだ足りない。それらを超えた存在が誕生するには)
一世紀じゃ足りない。二世紀でも足りない。けれど、もう時間はない。
祀りの準備は始まっている。俺たちの出番はもう直ぐ。
(歌う様に、唄う様に、赤い男が紅い服を纏って、とある廃墟の一室で呟く)
それに抗えないならそれでいい。孵らない卵のように砕け散るだけならそれでもいい。
また、最初からやり直すだけ、だな。
(此処にいるのは魔人。人も魔も等しく喰らう、世界の破滅を願うモノ)
(このところ、以前に増して奇妙な事件が多発している)
(最近よく耳にするのは「水晶に閉じ込められた人間」の都市伝説)
(それはデタラメなどではない。実際に犯人であろう者の名を迫水直は知っている)
(紅裂拓兎--水晶を操る異能者。自らを悪人と呼んで憚らない男--)
(その人物が今、目の前に立っている)
(--赤い--印象はその一言)
(赤い青年の無表情の中に限りない悪意の闇を見出だして)
(いつも相手にしている妖魔とは根本から違う事を悟る)
(目の前の人物は本能ではなく、はっきりとした意思を持って行動--殺人--するのだ)
君が、紅裂…拓兎、か?
(敵意を隠す努力もせず、阿鼻叫喚と化した一室に踏み込む)
(足下に散らばる水晶の欠片がジャリッと音を立てた)
(朽ち果てた廃墟に、再び乱入者。それは清冽な意志を宿した眼と)
(膨大な力を内包する肉体を持っていた。年頃は、多分自分に近い)
(一瞬、学校のことを思い出す。この場においては無意味な回想)
・・・・・・?おんやぁ?俺の名前を知ってる?
あんた、誰だ?おじちゃんの知り合いにあんたはいないはずなんだけど。
(ニヤリと、いつも浮かべているような笑みを浮かべる。別段、楽しいわけではない)
(別段、愉しいわけでもない。この場において他に適当な表情を知らないだけだ)
(故に、その敵意の籠った眼差しを向けられても、紅裂拓兎は緩く笑っただけだった)
(笑っただけで、本質的にはそれは仮面であり、その根本は限りない虚無である)
で、こんな時間にこんな場所に、一体何用だぁね?
見ての通り、もう終わったぞ。ここの戦いは。
(構えることもなく、悠然古びたソファに腰かける。その鷹揚な態度は支配者のそれだ)
(血を垂れ流す人と魔の屍の上に君臨する、明確な悪意と白い虚無を宿した珪素の支配者だ)
(こちらの問いと敵意をはぐらかすように魔人が、笑う)
(その笑顔は酷く虚ろで、裏にある悪意を容易に透かして見せつける)
細かい事は気にするな。
俺が、たまたま君の名前を知っていた、ただそれだけの事だ
(ジャリジャリ、と足下で水晶を軋ませながら、ゆっくりと歩を進める)
たった今用事が変わったところだ
(拓兎の座るソファの正面、やはり古びたテーブルを挟んだ向かいのソファ--これも古びている--)
(そこに腰を落とし、目の前を睨付ける。その態度は支配者にまつろわぬ、反逆の徒)
ここで何をしていた…と問うのは愚問だな
(見回さなくても、視界の端々には人と妖魔の屍体が移る)
質問を変えよう。何故、こんなことをする?
(今にも飛び掛かりそうになる気持ちを抑え、赤い魔人に再度問いかける)
いやぁ、そこは拘らんと。
個人情報を悪用されたら不味いわけじゃん?
くふふ・・・・まーあ、あんたは詐欺師には見えないけどな。
(「そこは拘る」と言っている癖に、本当は拘っていない)
(破滅を望むものが、細かい事に拘るわけもない)
(ただ、譲れないものに関しては徹底して譲らないのだが)
ふぅん?
(テーブルを間に挟み、対面する一人と一人)
(血と屍の匂いにしかしない一室に、差しこむのは朧な月明かりだけ)
なんで、と言われてもだね。登山家にどうして山を登るのか、と聞いても
そこに山があるからだ、としか答えが返ってこないと思うんだけどね、俺。
(その闇より暗い、病んだように濁った黒い瞳が、青年を見据える)
(眼前の青年が「その気」を抑え込んでいるのを知り、笑みの質が変わる)
(その喰らいつくすような歪んだ笑みが、魔人の渇望を如実に顕している)
俺は悪人だからな。だから悪いことをする。その為の力。その為の、戦い。
くふふ・・・・・錯誤と言わば言え。所詮善悪など一枚のカードの裏表に過ぎん。
(自らの歪みを知り、錯誤を知り、倒錯を知り、それを押し通すが故の悪人だと語る)
(そしてその悪もまた、ひとつの表現、ひとつの形に過ぎないと、悪人は笑う)
お相手さん、避難所にて緊急連絡です
【報告受け承った、感謝するノシ】
このスレでは初待機ですねぇ…。
プロフは
>>172 時間帯的に微妙ではありますが少し待機します。
前日の事もあり、少し不安がある…しかも連日
そんな俺でよければお相手をお願いしたいが?
まあ、そう仰せにならずに
や ら な い か
こほん――事前に話してたネタもあることですしね。
歓迎いたしますよ。
ありがとう
では、改めてお願いする
さて、ネタは決まっている。状況は当然、夜だね
場所は…旧校舎もしくは郊外の廃墟(廃工場?)が妥当だと思うけど、どうだろう?
ええ、夜でしょうね。
事前に話した通り、貴方が暴走して自我が危うくなるまで追い詰めてから放置して帰るつもりなので…
となると、旧校舎ではあまりに学園と近過ぎて後々危険ですから廃工場でしょうかね?
おぉう、俺のことを心配してくれるとは……!…違うか
では、その方向で
場所を決めてそこで相対しているところから
それでよければ書き出すが?
天羽さんが旧校舎に踏み込んで暴走したままの貴方と鉢合わせ…なんて、悲惨ですからねぇ…ふふ
では、それでお願いします。お待ちしてますよ。
(ここは夜になれば魑魅魍魎が跳梁跋扈する魔の領域)
(--街の郊外にある廃工場--)
(人の立ち入ることのないこの建物は、妖魔共の絶好の棲家となっている)
(だが、この夜、四方を壁に囲まれ、埃と錆に塗れた区画に存在するのは男が二人)
(どちらも日本人としては平均よりも背が高く…)
で、俺は何をすればいいんだ?
(一方の青年がもう一方の相手に言葉をかける)
(割れた窓から差し込む月明りに照らされた姿は、今の季節に似つかわしくないTシャツにジーンズ)
(少し不貞腐れたような不機嫌さを隠しもせず、相手の顔を見ることなく)
早く終わるなら、終わらせて欲しいんだが…
(やはり不機嫌そうに足下の小石を蹴り飛ばす)
【ではこんな感じで】
【暫くの間、よろしく頼む】
――体内に妖魔が寄生し、身体能力の大幅な強化を…と。
(迫水の問いを聞いているのか、いないのか…黒いローブを身に纏った瀬尾は手にした資料ファイルを読み返し、コツコツと迫水の前を行き来し…)
(…と。歩みを止めて迫水の方を振り向く)
……ふむ、本来なら解剖させろと言いたいですが
――死んでしまったら貴方には意味がありませんものねぇ?
(迫水を救うためのワクチンを渡すのが交換条件。ならば解剖させろでは、まったく取り引きが成立しないわけだ)
(ハタから聞くには笑えない冗談を言って、月明りに照らされた顔が酷薄に笑む)
僕の使い魔と戦って貰えれば…と。
ああ…ちなみに貴方、もしかして代謝の関係で老化もしないんですか?
(問いながらも空気に漂う妖気が徐々にだが確実に濃くなり始める)
(その使い魔が現われるまで、間も無くであろう)
…やはりそんなところか…
(聞いてはみたものの、予想の範囲から外れる事のない回答に溜め息を漏らす)
(その成分の9割は予想の範囲内だったことへの諦め。残りの1割は予想の範囲内だったことへの安堵)
まぁ、変な要求をされるよりは百倍もマシだ
(解剖なる台詞は聞き流す)(この男ならやりかねない。心の中でそう言って、もう一度小石を蹴り飛ばす)
(カランカランと意外と大きな音を響かせながら、小石が暗がりに消えて)
…さぁね、老化を気にするほど歳を取ってる訳でもなし
老化が始まるほと老けてもいないからな
(残響に耳を傾け、それが消えかけた頃)
(ぐっと背伸びをして、軽くストレッチ)
(迫る妖気に警戒しながら司に左肩を向け、半身に構える)
このワクチン…これでも大切なものでしてね。
僕とあと何人かの青春の記憶というやつなんですよ。
(クスクスと笑いながら懐から取り出したのは深紅の液体で満たされた小瓶)
(それを軽く見せつけるように揺らして)
…もし老化しないとわかったら…その時は周囲の視線から逃れないとなりませんね。難儀なことでしょうねぇ。
――…最後に覚悟の程をお伺いしましょう。
僕が知る限り、妖魔に寄生されて長くその人格を保った人間はいません。
まだ君の人生は長い…あと半世紀以上は生きますかね?
その間に、君が怒りや悲しみや疲労や老衰で…精神が不安定になり…その人格が食われるかも知れない。
多いに有り得る話しです。
…そして貴方の近しい人に犠牲を出すかも知れない…とは考えませんでしたか?
(淡々と、迫水の…冷たく救いの無い未来の推測を…最悪の推測をして)
(そこで言葉を止めてワクチンを彼に投げ渡す)
…そうならぬ内に僕に身体を提供してはみませんか?
苦痛も無く、誰にも迷惑をかけず…安楽の中で人生の幕を下ろせますよ?
ご遺族に引き渡せるくらいには遺体の原型もとどめますし…ね。
(顔に笑みを貼り付けたまま安楽死を選ばぬかと誘いをかける。酷く悪趣味な冗談に聞こえるが至って本気で)
(故にこそタチが悪い。二人を囲む闇に大小、無数の光りが輝く…低い苦悶の呻きに似た声)
(迫水の答え次第で飛び掛かれる…既に包囲は築かれつつあった)
……………
(無言のままに司の言葉を受け入れる)
(司に言われるまでもなく、最悪の事態--己の完全な妖魔化--を考えない日はなかった)
昔は、な…それこそ自殺なんて選択を選びかけたこともあったさ
(だから淡々と、完全に制御された感情で目の前の錬金術師に答えられる)
だが今は違う。この身体は、この命は、俺のもので…俺だけのモノではない
だから、今はただ、明日を生きるため、今日を生きる
明日も、そうする
……先の保証など何もないけどな…
(投げ渡された小瓶を右手で受け取り、蓋をあける)
(中の液体と司とを半々に見ながら)
お前さんに手間はかけさせないよ
もし俺がそうなった場合…俺を殺す人は、もう決まっている
(心の中に一人の女性を思い描き、一瞬目を閉じて瞑黙)
(瓶の中身を一気にあおり、飲み下して…)
――…エゴですねぇ。貴方が妖魔化した時に真っ先に遭遇するのが、貴方を介錯すべき人物ではなく
何の戦闘力も準備も無いただの一般人達だとしたら?
そう。屍の山が出来上がる…。最悪のタイミングで起こるからこそ“最悪の事態”なんですよ?
ふふ、別に非難はしません。そういう考え方自体は嫌いではないので。
(そして背を向けてゆっくりと迫水から遠ざかる。覚悟の程を聞いたからにはこれ以上、交わす言葉は無い)
(…瀬尾の姿が闇の中に溶け込み、一瞬の静寂が訪れる。そして…)
……せいぜい頑張ってください。
『ウゥ…ヴォオ…ッアァァァッ!』
『…ガッ…グル、シャアァアァ…!』
(闇から姿を現したのは3体の異形。うち2体は人間に近しい姿…1体は大型の犬に似て)
(ただ、どれも死臭を撒き散らし所々についた傷口は腐れ骨が見えて)
(裂けた腹から内臓を引き摺りながら…所謂ゾンビ)
(濁った瞳が迫水を捉えると腐った血と唾液を撒き散らし、思いの他に速い動きで飛び掛かり爪牙を振るう)
そうだ、俺はワガママなのさ
他人に迷惑がかかるかも知れないと分かっていながら…それでも生きていたいと望むエゴイストだ
(司の言葉を否定しない、できない)
(それでも尚、生きていることを望む人のためにも…死を選ぶ事はない)
そして…ひとつ分かったことがある
(飛び掛かってくる異形の醜悪な姿と、撒き散らされる腐臭に眉をしかめて)
お前さんの趣味は…最悪だっ!
(消える司に向けて最後の言葉を叫ぶ)
(同時に手の中の瓶を握り潰し、破片となったそれを一番先頭の魔物--犬型--に投げ付ける)
(大小の欠片はそれぞれが弾丸となり、魔の頭部をハチの巣に変えて)
(その一体には目もくれず、向かって右側の人型に向き直り)
(振り下ろしてくる爪を躱すとガラ空きになった頭部に拳を突き出す)
(残った一体からは完全に意識が離れる)
(そこはいつも、ある女性がいるべきポジションで…無意識の内に警戒の死角になってしまっていた)
(立て続けに肉が炸裂する重く湿った音。腐敗した体液と脳漿と肉片が飛び散り、ビチャビチャと迫水の服と床とを汚して)
(…死角をついた一体が爪を彼の体へ目掛けて振り抜く)
(決して特別な強化を施した訳では無いが、既に死んでいる故に苦痛も恐怖もない)
(そして繰り出される攻撃は反動で自らの体が崩壊することも厭わない。生物の本能的な制御のタガが外れたもので。当たれば腕一本と引き換えに鉄骨ぐらいならヘシ曲げる威力)
『グ…エェ…ヴアァァ…』
『……オォオ…アァァ…』
(工場を支える天井の梁から数m程の、蛇のような魔物の屍が迫水の頭上目掛けて落ち…もちろんそれも動いて牙を剥く)
(更に闇から五体、六体、人形に犬形…どうにも妖魔の屍も利用してるらしく姿は一定では無いが)
(…唯一の共通点は…目の前の生気溢れる血肉を貪ること)
(我先にと獲物…迫水を食らわんと飛び掛かる。その攻撃はいずれも直線的で無防備で…しかし破壊力だけはある)
(迫水が並の肉体の持ち主ならば一瞬で挽き肉になるであろうが)
(そうでは無いと知っているからこそ、瀬尾はこの悪趣味な使い魔を差し向けて)
しまっ…痛っ!
(異形の唸りに声をあげて身を翻すが、わずかに間に合わず)
(躱しかけた左肩を爪が凪いで、肩の皮膚と肉をわずかに抉られる)
…このっ
(身体を回転させる動きを利用して、そのまま足を蹴りあげ大雑把な回し蹴り)
(不慣れなその蹴りは、それでも異形の腹部を捕らえる)
って…上からかよっ!
(不安定な体勢では動くことができず、そのまま身体に巻き付かれ、締め付けられ)
(かろうじてその牙だけは首根を押さえて守り)
くっ…このぉ腐れ蛇…
(プレス機のような締め付けに全身の骨が軋みをあげるが)
(力任せに握った首をへし折り長い身体を振りほどく)
(身体中に飛び散った血と腐汁の臭いが嗅覚を刺激する)(床に撒き散らした肉と体液が視覚を犯す)
……ご丁寧にたくさん用意してきたものだな…
(肩の傷は既に完治して、跡はシャツについた血痕のみ)おぉぉぉっ!
(完全に囲まれる前に敢えて異形の群れに向けて駆け出す)
(ポケットから小さな鋼球--一般にはベアリングと呼ばれる--をポケットから取り出して再び投躑)
(目の前の数体が頭や胸に穴を穿たれて倒れると)
(その隙間に走り込み、勢いのままに拳を突き出して、一際大きな異形の腹部にめり込ませる)
(新たな血と肉が床や壁を塗装して、そこに一筆が加わる度に現実感が失われる)
ふふ、なにせ材料はそこらにたくさんありますので造るのが容易なんですよ?
――この街で無念の死を遂げた者達の亡骸ですから、ね。
(生ある者への妄執に満ちた怨嗟の呻き。その中で瀬尾の声だけが)
(不釣り合いにどこか楽しげでさえある響きを持って聞こえる)
まだまだたくさん居ますので…ご遠慮なく最後までお楽しみください。
(腹部に拳を打たれて内臓をぶち撒けた異形は、しかしすぐには動きを止めず迫水の頭上から体格に見合う大きさの拳を振り下ろす)
(…更に、その巻き添えになるのも厭わずに…いや、そんなことなど最初から意識にないのだろう…新たな動く屍が迫水に四方から飛び掛かる)
(屍者の群れはこの街の闇が生み出した歪みそのもの。その闇が迫水を飲み込み引き摺り入れんと、爪を牙を怨嗟を幾重にも叩き付ける)
(傷を負い、既に治癒が追いつかなっている)
(染み付いた血液が自分のものか、屠った異形のものか判別できず)
(余すところなく血と肉に塗れた身体でまた一体の異形の頭部を砕く)
(回りの光景--血肉に彩られた地獄絵図に似た--に司の言葉がオーバーラップする)
(予想される「最悪の事態」がもたらす光景…理性が軋み、悲鳴をあげる)
(内なる妖魔の歓喜の雄叫びに脳髄が沸騰するほどに熱く熱く熱く疼く)
く、くく…はははは…
(苦痛と疲労に満ちた表情が、笑顔と狂気に変化する)
(口からこぼれる押さえた含み笑いはやがて哄笑に)
(胸に突き立てられた爪を手首を掴んで引き抜くと、そのまま肩から引き千切る)
(その腕を別の異形にたたき付け、床に伏せた異形を踏み付けて)
くくく…はは…あはははは…
(拘束から逃れようともがく姿を楽しむように、ゆっくりと体重をかけて、砕く)
(触手で胴体を締め付ける異形を引き寄せ、頭部を掴み、捩じり、首筋に噛み付き、食い千切る)
(吹き出す冷たい血を顔に浴び、恍惚の笑みがこぼれて)
(見開いた瞳に青白い炎が宿る)
――ふむ、そろそろですか?
……覚悟はある…と。そう仰せでしたよねぇ。
(闇の向こう。迫水の変化を見て薄く笑う。最初からこれこそが目的)
(単に力自慢が暴れるのを見てもさして研究の足しにはならないが、人間に寄生する妖魔が宿主を蝕み現われる瞬間とその正体を見られるならば話しは違う)
『ゴォアァァ…ッ!!』
『ギャ…グゥオ…アゥウ…』
(迫水に挑みかかり、傷の一つか二つを与えるかどうかのうちに肉塊と化して飛び散る屍)
(腐肉と血と臓物のシャワーを迫水に叩き付けて、彼の理性にも確実に傷をつけ蝕んでゆく)
(…その中には最近、犠牲になったのだろう。生きた人間と変わらぬ姿のゾンビ)
(瀬尾や迫水が通う学園の制服を纏った女生徒であった者の姿まである)
(迫水に組み付き、噛みつき、爪で肉を削ぎそして果てる。その度に屍の山が高さを増してゆく)
(最後の理性が女生徒を認識する)
(握られた拳がその虚ろな顔にめり込んで…)
(それが戦いの最後の記憶となった)
おおぉオオオォ雄雄雄ぉぉぉぉっ!
(大きく開かれた口から獣の雄叫びが迸る)
(物理的な圧力を伴う妖気を放ち、異形の妖気を覆す)
(爪に引き裂かれた皮膚が繋がり、牙に抉られた肉が盛り上がる)
(張り付いた血糊が細かく飛び散り、周囲に黒い霧を作りだし)
(皮膚と筋肉と骨格を変質させて迫水直の中に住み着く妖魔が姿を表す)
【あと1、2往復で締めかと】
【何か他にやりたいことがあれば、それに乗るけど?】
…ほう…なるほど…大したものですねぇ。
――これ程の存在を体内に押し止どめるなど…無謀としか言えませんが。
(雄叫びが空気を揺らして、噴き出す妖気は離れた場所に立つ自分の肌にすら纏わりつくように禍々しくて)
(その黒き偉容に感嘆の声を漏らして目を細める)
(もちろん意思無き動く屍達は怯むでも無く、一層に濃くなった妖気の発信源に尚も喰らいつき…地獄の宴は彼の狂気を以ていよいよ盛り上がる)
――…ふむ。実にフェアな取り引きでした。
僕は君に約束通りワクチンを渡した。
そして提示した通りに使い魔の相手をさせた。
…君の選択から予想される最悪の事態の可能性も示しましたし、その際の覚悟も伺いました。
ちゃんと…僕なりに回避する手段も提案しました。
――よもや異論はありますまいね?
(――それから数十分。屍山血河と言うに相応しい様相を呈する工場の一角)
(その中でまだ尚、襲い来る…さすがにそろそろ数に限界の見え始めた…ゾンビ達と闘う迫水にクツクツと笑う)
さて、今の君は…正直、この場で僕が倒すには手に余りますので。
君の骸の解剖は…そうですね…介錯してくれる方がいるならば、その方が君を倒した後にでもチャンスがあれば…
……ふふ…それでは“よい夜を”
(迫水が言っていたその何者かの正体は知らないが彼がそういうからには、それだけの力がある)
(そう察してこの場で迫水と自ら渡り合う愚を避ける。もちろんゾンビ達など、もはや彼に敵うべくも無いだろう)
(彼がこの後、自我を取り戻しても自分は別段、損はしない。約束は履行したので非難される覚えもない)
(彼がこのまま夜を彷徨う妖魔に成り果てるならば、その時のことは彼も覚悟済みらしいのでこれまたこちらが気にする必要もない)
(もはや彼の耳に届かぬ別れの挨拶を残して、帰還の術式を発動させ阿鼻叫喚の地獄から離脱する)
(…主がいなくなればそれ以上に新手の使い魔は現れぬ。やがては迫水が打ち倒すであろうが…)
【では、予定のネタは消化したのでこちらはこんなとこで〆としますね】
Gaaa…Haaa…
(装甲に覆われた口元から蒸気のような息を吐き出して)
(一歩を踏み出す毎に足下のコンクリートに罅がはしる)
(異形の爪が胸板を掻く。異形の牙が腕に突き立てられる)
(両手にそれぞれの異形の頭部を鷲掴みにして、胸の前で打ち合わせて砕く)
(頭上から飛び掛かってきた異形には指先を揃えた貫手を突きあげる)
(ブランと腕に垂れ下がった異形の胴体を眼前に掲げ)
(空いた片腕で自らの口元の装甲を引き剥がし、異形の血肉を貪り食らう)
(司の別れに耳を傾けることなどあり得ず、あとは主のいない使い魔との血の饗宴が続くのみ)
(波のように押し寄せる屍体を打ち砕き、引き裂き。屍山血河に新たな風景を添えていき、やがて異形の群れが途絶える
(最後の一体を踏みつぶし、阿鼻叫喚の中にただ一人で立ち尽くす異形の男)
(澄んだ音を立てて装甲が砕け砂と化し、膝をつき、倒れる)
(殺戮衝動を満足させた妖魔は次なる欲求に従って眠りにつく)
(限界を越えた精神もまた休息を求め、自分の作った血と肉の池に身を沈めた…)
【あとは何を書いても蛇足になりそうなので】
【こちらもこれで締めにしよう】
【お相手ありがとう。お疲れ様ノシ】
【はい。見届けさせて頂きました】
【ひたすら雑魚をけしかけるというのは初めてだったので、どうなるか不安でしたが】
【迫水くんのお陰でどうにかやり遂げられました。楽しませて頂きましたよ】
【お相手ありがとうございましたノシ】
>>377 【もしよければ新規参加と同時にお相手を〜】
【名前】十七夜木 一葉(かなき ひとは)
【性別】♀
【年齢】17才
【身長】165cm 87 58 84
【容貌】明るい茶色の瞳と硬質な黒髪のショートカット
肌は白く、少し細目。
【能力】異能者・非異能者の識別及び被弾のダメージからの相手の攻撃能力分析
自分の分身を作り制御する能力。
【希望】戦闘 エロール 雑談
【NG】過度のグロ
【弱点】水、氷、電撃系の攻撃 精神撹乱系能力
【備考】
妖魔・異能者に対抗するために作り出された人工の異能者。苗字は試作第17番号から。
普通の学生を装っている裏で常に双子の妹と称した分身(双葉)に学園の調査をさせている。
努力家な一葉と明るく活発な双葉と使い分けているが時々混じる。本来の性格は一葉。
行動目的は学園の異能者、周囲に出現する妖魔の調査と組織試作の武器や自身の性能の実験。
常に2〜3体の分身を出していて、身体の状態や周囲の情報など常に何処かへ送信している。
本体と分身は感覚が完全に同期し、かつ別々の行動を取らせることが出来るが不完全な能力で、
増やせば増やすほどダメージが倍増してしまう欠点があり、多く作るリスクが大きい。
分身の同調率を下げることで本体に返るダメージも減るがその分の性能は下がる。
何体でも作る事が出来るが、自由意志で消す時は本体との物理的接触が必要。
バグがあり、時々勝手に消滅する
弱点が多くしかもそれに致命的に弱いなどあり、あくまで調査員として派遣されている。
こんばんは。紫くんがいなくなっちゃったみたいなので、お相手お願いできますか?
プロフは次に出します。
【名前】伊織津綺子(いおり つきこ)
【年齢】17
【性別】女
【身長】167センチ
【3サイズ】85−57−83
【容貌】ショートカット、目もとは涼しげに、きりりとした雰囲気
【能力】電気を起こし、放つことができる。
稲妻を起こして攻撃するほかに、微弱な電流で治療行為なども可能。
【希望】バトル 日常ロール エロールは要相談※
【NG】スカ、グロ、死亡、後遺症の残る怪我 相談なしのエロール
【弱点】放出する電力量に比例して、体力の消耗がある。
自然現象の雷と同じぐらいの電力放出で、10分程度気絶することも。
【備考】高等部2年。陸上部のエース。ハイジャンプの中学記録を持っている。
クールに見えるが、恥ずかしがりなだけ。育ちはいいが謙虚で努力家。
厳しくしつけられたので、少し頭が固いところもある。
妖魔に殺された兄の死に責任を感じている部分があり、その原因を突き止めたいと思っている。
*現在の状況
・妖魔による暴行経験あり
・迫水直と恋愛中
・天羽都の能力によってハイジャンプの学生新記録を出した
※ロールの状況により、ご希望に添えないことがあります
【あ、よろしくお願いします…】
【23時半頃までで…】
リミット了解です。
何かご希望のシチュはありますか?
特には。
初めだし日常系がいいかもです
日常ロールで同じ学年、というと、私はそちらが双子だということは知っていてもいいですか。
全く能力に触れずに世間話、というのはかえって難しい気がするので
そちらのバックグラウンドに触れるような状況で、出会う、というのがいいと思うのですが。
やはり夜の出会いになりますが。
いかがでしょう?
知っててOKです
能力はこちらから意識的に聞きにいきますね。
夜で大丈夫です。
場所は学校か、それともそのあたりの荒野かがいいでしょうか?
もし書き出しお願いできれば、合わせていきますので場所もお任せします。
ノーアイデアならこちらが書きだしますが、どうしますか?
それじゃ、書き出してみます。
少しおまちください
よろしくお願いします。
――報告は以上です。
近日、戦闘を交えての情報収集、了解致しました。
それでは引き続き夜の異常値の観測を続けます。
(携帯電話を切って白い息を吐き出す。)
(身震いをした。)
(出している分身は2体。つまり三倍ほど「寒さ」を感じる。)
現在位置確認。双葉は校内読書中もう一体は荒野、妖魔狩監視中。
夜になると雰囲気変わるのが数字でも分かる
……と。
(レポートを声に出しながらさらさらと書いていく)
(突如、分身のうちの一体が異能者を見つける)
あっ。
(思わず各場所で全員が声を上げていた。)
今から帰ります。大丈夫、まだ人通りのある時間だから。
(その夜、一人で出歩いていたのは退魔のためではない)
(母親へ携帯で連絡しながら、帰路を急ぐ)
……?
(ぞくり、と何かの気配がした)
出た……?
(高校入学以来、日に日に研ぎ澄まされる妖魔への感応)
(母親へ断りもなく通話を打ち切り、一番ちかい空地へ走る)
(はたして数羽のカラスが、人間だったと思しき肉塊に群がっていた)
(カラスは……犬ほどもある大きさ。その目は赤い光を放っている)
こんなところで……っ!
(両手に充電し、カラスの群れにエネルギーを叩きつける)
(車体がクラッシュするような破砕音とともに、青白い光が一瞬、空地を満たした)
【妖魔カラスはどうにでもご自由につかってください】
異能者発見。
――情報収集開始。
(屋上の自分)
(教室に残って読書をしている双葉)
(ゆっくりと目を閉じて発見した分身に意識を注ぐ)
(より鮮明により詳細に情報を入手する必要がある)
きゃあっ!
(故意にカラスの注意を引き、悲鳴を上げる)
(気付かれるまで、一般人と思わせておいた方がいい)
助けて、誰か!
(消滅を免れたカラスから追われて”力”の発生源の方へ走る)
(閃光と同時に、消滅を免れて飛び立つ数羽)
くっ……!
逃がさないわ!
(パートナーを呼ぶより、連続して電撃を叩きつけた方が早い)
(素早く充電して四方に飛び去った数羽を追ううちに、悲鳴を聞きつける)
まずいわ、人が……
(悲鳴の方へこちらから走りながら、やってくる人影を認知する)
(そっちへ急降下していくカラス)
あなた、伏せて!
(カラスに向かって稲妻を飛ばす)
(闇に溶けいるように消えてゆく翼を持った妖魔)
(カラスはその人影を「追っていたわけではない」)
(悲鳴が上がった後に人影に「向かっていった」ことに、その時気づくべきだった)
(一葉と同じ顔をした分身が頭を伏せている頃)
(屋上で静かにペンを走らせる)
電撃系能力確認
数体の鳥型妖魔を一瞬で消滅
攻撃力高
戦闘の相性最悪…・と。
(一先ずペンを置き、分身に会話をさせる。)
(一葉として名乗らせても問題はないだろう)
あ、ありがとう…。
あの今のは一体・・・?
(万が一に備えて出しかけていた対妖魔用のナイフを袖にしまう)
(オロオロとした様子で繕いながら伊織に近づいていく)
こないで!
(近づいて来ようとする人影を制し、飛び立とうとする最後の一羽に電力を叩きつけて)
(そのままガクリと膝をつく)
…はぁ……はぁ……はあぁ……
(大したエネルギーではなくても、連発すると消耗は激しい)
(息をつきながら周囲の様子を伺う)
もう……これで、全部……?
(誰に問うともなくつぶやき、消し炭と化した最初の遺体に軽く黙とうして、よろよろと立ちあがる)
あなた…もう大丈夫だから……早く帰った方がいい……
(人影の方を向いて話しかけた)
(近くへきて、その人影がどうやら見たことのある少女らしいと気づく)
もしかして、あなた、同じ学校の人…?
(屋上で夜空を見ながらぶつぶつと呟いている)
威力確認。攻撃力高。消耗は早め。
能力データ確認。動画と共に送信…。
今なら倒せる?
戦闘は不許可。会話に留めないと。
(同時刻、教室の双葉が警備員に追い出される。)
(そろそろ自分も帰宅の準備をせねばならない。)
(相手も自分に気付いている、分身に自分を名乗らせることにした)
ああ、伊織さん!?
今のは一体……?
(相手のを認識し、メモを付け足す)
データ照合
伊織津綺子、と。
有名人だし、こちらが知っててもおかしくないはず。
…ふう。
この人と戦えって言われたらどうしよう…
ああ、やっぱり。
(こちらの名前を知っているのは陸上関係者でなければ学校の生徒だ)
(こちらが相手を見知っているのは、珍しい名前と双子が両方同じ学校に在籍しているという、珍しい属性のためだ)
たしか、かなき、さん、だったかしら。
(双子のどちらなのかは、見わけがつかなかった)
家、近いの?
よかったら送っていきましょうか。
(自分の方こそ、帰宅に付き添いが要りそうな様子であったが)
(自分が異能をふるったことを、相手がどう思っているか確認しておく必要があった)
最近、いろいろ危ない話があるから……。
(カラスに襲われて動転していたのだと言いくるめることができるならよし)
(そうでないなら、どこまでシラを切りとおせるか)
(あるいは、口止めしなくてはならないかもしれない。嘘は苦手だ)
うん。十七夜に木って書くの。珍しい苗字でしょ?
伊織さんに覚えて貰えてるなんて私感激しちゃうなあ。
陸上部のスーパースター、だものね。
(退屈しはじめた本人が屋上で愚痴る)
はいはい、社交辞令社交辞令
(意味もなく咳払いをして伊織に答える)
うん、あっちの方。
また怖いのが出たら…。
(おそるおそるなふりをして上目遣いする)
さっきみたいに追い払ってくれる?
別にスーパースターだなんてことないけど。
(本音だが、それが厭味な謙遜に聞こえるだろうということも自覚しており)
(そんな物の言い方しかできない自分の不器用さが疎ましくなる)
(だが、さっきみたいに、と言われて思わず目つきが鋭くなった)
さっきの、なんだったのかしらね?
あのカラスみたいな鳥、私がおいはらったんじゃないわ。
…不思議よね。なんであんなことが起こるのかしら。
(声は平静を装いつつ、眼光鋭く十七夜木を伺う)
(あれがこちらのやったことだと思っているのに、なぜかこちらを怖がる様子はない)
(まさか異能者かと、心の中でつぶやきながら)
この街で起こる不思議なこと、私たちもついに見ちゃったってことなのかな。
またまた。
本当にみんな期待してるんだから。
次の大会も楽しみだね。
(鋭い目つき、警戒されたのだろうかと緊張する)
(まさか襲いはしないだろうがもっと一般人らしく振舞う必要を感じる)
え、そうなの?
何か手をカラスに向けてたから…てっきり。
――本当のテレビにでてくるスーパーヒーローかなにかかなって思っちゃった。
あはは、どうかしてるよね。
(双葉と合流し、手を繋ぐような仕草彼女を消す)
(誰にも見られていないのを確認してため息をつく)
ふう、振舞い方失敗したかな…。
今度から注意しないと。
私は双葉、双葉双葉…
(自分に言い聞かせながら道を急ぐ)
あ、お姉ちゃん!
迎えに来たよ!
…あ、今晩は、伊織・・・さん?
すっごい、サイン欲しい!
(内心自分自身に話しかけるという白々しさを感じつつ一人二役を演じる)
(伊織の様子を伺うタイミングがどうしても被ってしまうがそこは双子ということでなんとかなるだろう。)
カラスを避けようとして、手を出しただけだから
(平静を装う顔が引きつる。こんな下手な嘘が通用するのは夜だからだろう)
(まさかその嘘が最初から通じていないとは思っていない)
あまり人に言いふらさない方がいいよね、きっと。
変だと思われたり、またみんなが不安になるような噂が流れるのも困るし。
(軽く口止めする方向へ話題を持っていこうとする)
あ、あれが……ごきょうだい?
(向こうからやってきたもう一人の十七夜木に気づく。それが姉なのか妹なのかは判別できない)
本当にそっくりなのね。
(当り前なことをわざわざ口にしてしまうほど、二人は全くの生き写しそのものだった)
サイン? そ、そんなこと言われたの初めて
私のサインなんて持ってても仕方ないから……
(急にミーハーな反応があって、一気に動転した)
(下級生が「お友達になってください」と言いに来たりすることはあっても、サインをねだられたことはない)
(本当に赤面して必死に辞退した)
(それで十七夜木「姉妹」の不自然な点が、みなすっかり脳裏から消えてしまう)
(人のいい津綺子らしい「失態」と言えば失態であった)
【お時間ですね】
【こちらはここで締めますね】
【そちらのレスはどうするかお任せします】
あー、そうか…。
じゃあ秘密にしたほうがいいのかな。
(意識を分散させてかなり曖昧に答える)
うん、よく言われる。
一卵性双生児だから。
(双生児よりも遥かに近いのだが)
(流石にそこまで感知されないと踏んで大胆に自分と自分の会話を進める)
ごめんね、双葉。
そう、こちらが伊織さん。
一緒に帰ってきたの。
それじゃ伊織さん、私はこれで。
(一礼して「一葉」が双葉の手を引いて双葉の来た方へ歩き出す)
えー、残念!
私が双葉だからね、今度あったときはお願いしますねー!
(背を向けて思いっきり白々し顔を「一葉」がしている)
(伊織が見えなくなると手を結んだ姉妹の一人が闇に消える)
……なんとか誤魔化せたかしら。
伊織さん、ね。
あれに対抗出来る能力者なんてウチにいる?
ともかく纏めて報告ね。
【こちらもこれで。ありがとうございました!】
【見届けました】
【なかなか複雑な状況で楽しませていただきました】
【これからよろしくお願いします】
【お疲れ様でした。おやすみなさい】
妙な時間に寝ると、妙な時間に目が覚める。
本気で参った。もう一度眠くなるまで時間を潰そうにも、なかなかすることがない。
っつーわけで、相手探しに来てみたわ。
ま、望み薄だけどな。
ん、よし、寝るわ。
じゃー、またな。
よし、今度こそ、だ。
っつーわけで待機。さてどーなるかね。
こんばんは。思いきりノープランですが、お相手お願いできますでしょうか。
うぉっ、見逃してたぜっ!
まだ見ててくれるってなら、俺はいくらだって相手するぜ。
よかった。そろそろどうしようかと思い始めたところでした。
拳と拳、というわけにはいかないけれども、バトルもいいですし
他のシチュでも。
そうだな、普通に学校で偶然出くわして、というのもわるくはないし。
たとえば、俺がとうとう本物の化け物と出くわした。
さすがに生身じゃ分が悪い。そこにあんたが駆けつけて……というのでもいい。
もちろん、普通にケンカをしてもいいが……夜だときっかけが難しい。
そして、昼間っからんなことする趣味はないだろう?
あなたとケンカをするとしたら、正当防衛シチュにならざるを得ないですね…
二番目の共闘シチュで行きましょうか。
そのバリエーションで、あなたが普通の生徒たちをちぎっては投げしているところへ
行き合わせるというのも考えました。
これだと「やめなさい!」という介入のしかたになるかな。
魔物相手の共闘、多勢に無勢のケンカに介入、どちらにしましょうか。
それこそ普通のケンカだと、あんたは本気を出せない気がする。
さすがに一般人相手に電撃叩き込むわけにも行かないだろうしね。
というわけで、俺は魔物相手をやってみたいと思う。
俺もそろそろ、そーゆー手合いを相手どってみたいところでもある。
でしたらこちらが後入りする形になりますから
書きだしていただけますか。
合わせていきますので。
あいよ了解、少しまっててくれ。
(最近、頓に夜中は物騒だ)
(そんな話しはあちこちで聞いていた。実際、それほど夜中に出歩く趣味もない)
(そして用事もなかなかなかった。だから今までであわずに済んだ。今までは)
……何だよ、ありゃあ。
(塀に背を預け、荒く息を吐きながらへたり込む)
(彼は追われていた。何に?人ではない何かに)
(そして逃げ続けて、走り続けてここまでやってきた)
(しかし、それはまだ彼を追ってきていた)
相手選んでケンカする趣味もねーが、あんなの相手にケンカする趣味もない……ってぇっ!?
(突如、背後の塀から突き出た二本の牙。それは月光を受けて銀色にきらめいて)
(その牙は彼の体を挟んで突き出し、そのまま彼を両断しようと交差した)
っざけん……なぁっ!
(両手をかざして受け止める。足元のコンクリートにざっくりと切れ目が走り)
(しかし、受け止めたはずの牙は即座に形を変えて、無数の針となって降り注ぐ)
(とっさに前転、かわしたすぐその後を、無数の銀の雨が通り過ぎていく)
(さらに、背後の塀が砕けて飛散して。現れたものは……)
逃がしちゃくれないってことか。……参ったな。
(見た目だけを上げるのならば、それは非常に巨大な水銀の塊)
(ゆらゆらと揺らめきながら、その体から突き出た牙が再び体内へと戻っていく)
(彼は知る由もなかった)
(それは、とある研究機関から逃げ出した生物兵器)
(所謂スライムと呼ばれる異形の性質に、霊銀の体を与えた物)
(それが正しく用いられたなら意思を持つ鎧として、遍く攻撃から身を守り、そして自動で反撃を行う)
(そんな、理想的な兵器となるはずだった。しかし現実はなんとも無常)
(ようやく完成した試作機が暴走、研究員を殺害し逃亡。そして今尚、この街に潜んでいるのであった)
(捕獲、もしくは破壊を命じられた、多くの組織の手をかいくぐって)
(まあ、実際問題として彼にとってはそんな裏事情、全くもって知るところではなく)
(そして、彼の命が風前の灯であることもまた事実なのであった)
直さん、どこ…?!
(津綺子はその夜、パートナーを探し歩いていた)
(そのころ、当の迫水直は瀬尾司の姦計に嵌り、妖力を暴走させていたとは知る由もない)
(ただ、退魔を重ねるうちに磨いた感覚を頼りに夜の街を疾駆する)
(突然、聞こえてきた破砕音)
あれは…まさか、直さんが……?
(音のする方向へ足を向け、ひた走る)
(近づくにつれ、全身に感じる魔の存在)
あ……?
(いたのは探し求めるパートナーではなかった)
(同じぐらいの年格好と思われる少年、そして……銀色の不定形な異形)
あなた、逃げて!
(少年に声をかけながら両手に充電する)
(見てしまった以上、一人でも退魔を行うよりほかにない)
まずは…小手調べからよ!
(相手に電撃が通じるかどうか、まずはスタンガンレベルの電撃を放った)
(本能的に危機を感じて、その場を横っ飛びに飛び退いた)
(直後その空間を、銀のドリルが打ち砕いていった)
……いくらドリルが男の浪漫だからって、んなもんで殺されてたまるかっての!
(息も整わないうちに、まだ少し痛む肺、そして体に鞭打って走り出す)
(しかしその一歩目は、足に絡みついた銀の触手によって遮られ)
なっ……どわぁっ!?
(足をとられてそのまま倒れ、絶体絶命そんな時)
(声が聞こえて光が走る。その雷光は違わず異形を打ち抜いて)
(打ち抜いて……そう、そのまま銀の体を駆け巡り)
(伸ばした触手が捕まえた、彼にもしっかり電撃を浴びせていた)
(しかし、それでもダメージ自体はあるようで、異形の体が不気味にうごめき)
(苦悶のような、奇妙な悲鳴を上げだした)
なんだかわからんが……今のうち、っと。
(絡んだ触手も緩んでいたから、しびれる体を引きずって、なんとかその場を抜け出した)
しまった!
(電撃を放った瞬間、少年が足を取られて倒れるのが見えた)
(果たして彼は異形ごと電撃を食らい、しばらく動きが鈍る)
大丈夫?
(急いで駆け寄り、少年を助け起こそうと手を出して)
(銀色のスライムは耳障りな悲鳴を上げてグネグネと悶絶している)
電気はダメージになるのね…問題は、どのぐらい効くかってこと…
(そればかりは考えても仕方がない)
あなた、ここは私に任せて早く逃げて。
私は大丈夫だから。
(ダメージから脱しつつあるように見える少年に声をかける)
(両手には青白い火花を放ちながら)
(今夜はあまりにも驚くことが多すぎる)
(自由自在に形をを変える銀の化け物、そして電撃を放つ女)
(そしてなにより、そんなところにある日いきなり放り込まれた自分に一番驚いた)
思ったよりは大丈夫、かね。
(未だ痺れは少し、動く分には支障はなさそうだ)
………。
(目の前の女は、彼に逃げろと言った)
(確かに彼女には戦う力があるようだし、彼にはこんな化け物にケンカを売る趣味はない)
(だが、しかし。逃げろといわれた。それだけが気にかかった)
(不意に、青白く火花を散らす彼女の手に、自らの手を重ねて立ち上がり)
逃げよう、と思ったけど……気が変わった。
事情はさっぱり飲み込めないし、あんたのことも、あの化け物のこともさっぱりわからん。
だが、やられっぱなしは気に入らない。逃げろといわれて逃げるのも気に入らないからな。
(仁王立ち、腕組みしながら異形を睨む)
(電撃のダメージから立ち直り、今まさに更なる攻撃を仕掛けようとするその姿)
(向かって指差し、高らかに)
そのケンカぁ、買ってやるよっ!
(その言葉と同時に、同時に4つ、刃が突き出し二人に迫る)
(そのうち一本を軽く右手で受け止めて。それと同時に左脚が飛ぶ)
(迫っていたもう一本の刃を、斬撃を乗せた蹴撃が切り裂いた)
大丈夫なら、今のうちに…
(動けるらしい少年を背後にかばいながら、異形の動きから目を離さずにいた)
(その少年が、不意にこちらの手を取った)
な…っ
あなた、ダメよ!逃げないと死ぬわ!
(普通ならそうだ。そして異能を持った自分は、普通の人を逃がして踏みとどまる義務がある)
(そう考えていたところが、少年の方は騎士道精神?闘争心?に目覚めてしまったようだ)
買ってやるって、ねえ、あなた、それはダメ……!
(制止しようとした津綺子の目に、銀色の刃が伸びるのが見え)
(それを避けつつ、少年が何をしたのか一部始終が映る)
(難なく刃を受け止め、ほとんど同時に繰り出された蹴りの鋭さ)
(津綺子があるいはよけきれなかったかも知れないもう一つの刃を、その蹴りが切りさいた)
(刃の形を失って飛び散る銀色の飛沫)
い、今の……
(偶然か、それとも…彼も異能の持ち主なのか)
(銀色のスライムは突然、ばしゃっ、とバケツをひっくり返したように派手に飛び散って流れ出し)
(次の瞬間には波打ってこちらの体に飛びかかる!)
させないっ!
(両手から放つ電撃。オゾン臭とともにスライムが奇怪な声を上げて後退する)
(後退と見せて、他の部分が長く鋭い槍となって二人に向かってきた)
しっかしまあ……世の中ってのは広いもんだな。
俺は知らなかったよ、この世に電撃撃てる人間がいる、なんてさ。
(電撃によって退けられる異形、そしてその耳障りな声に顔をしかめながらも)
(どこか感心したように呟いた)
今はこっちを片付けるのが先決として……。
後で、ちゃんと紹介してくれよ。あんたが何者なのか。
(変幻自在の動きは確かに厄介だ。しかし、攻撃自体は実際単調なものだった)
(驚き慌てて、平静を失っていたさっきまでならいざ知らず)
(無造作に突き出されただけの槍など、今の彼には通用しない)
だから、さっさとぶっ倒れろよ、お前。
(身をかがめて迫る槍をやりすごす。そしてそのまま駆け出して)
お……っりゃぁぁぁっ!!
(新たに生み出された槍を両手で受け止めそのまま掴む。同時に跳躍し)
両方……綿貫、キィィィック!!
(両足での蹴り、そして槍の刺突が続けて二発。異形の体に食い込んだ)
(その威力たるや、その体をあっさりと貫通し、銀の飛沫をあたりに撒き散らしながら)
(向かいの塀へと、その体を叩きつけるほどだった)
へへ、決まった決まったぁ。
(塀に叩き付けられ、ずるりと地面に落ちる様。そんな様子に満足げに頷いた)
(しかしその背後では、切り取られて地面に落ちた異形の体の一部が再び槍をなし)
(彼の背を貫かんと迫っていた)
私の方は必死で隠していたんだもの、誰にも知られないようにね!
(少年の感心したような場違いなつぶやきに律儀に答える)
(少年の方は銀色のスライムに足から突っ込み、その体を突き抜けて向こう側へ消えた)
自己紹介、ぜひお願いしたいわ
(両手に青白く火花が散る)
お互い、生きて帰れたならね!
(フル充電したエネルギーを、化け物に向かって放った)
(叫び声を上げて悶絶する異形)
(同時に立ちあがった「異形の一部」……それは槍となって少年の背に飛び放たれた)
うしろ……!
(叫びながら中途半端な充電しかしていない手をかざして放電した)
(スライムは立ち止ってぶるぶる震えている)
だが、俺はもう知っちまった。
知ったからには黙っちゃいない。そんな面白そうなの放っとかないぜ?
(一方的な展開。蹴撃斬撃、そして電撃。その一つ一つが異形を追い詰めていく)
心配すんな、負けないさ。俺たちなら、ね。
(後ろ、と聞こえて振り向けば、迫る槍。貫かれれば致命傷は必須)
(しかし、彼はそれを軽く片手で受け止めて。そのまま地面に叩きつけ踏みにじる)
……しかし、随分タフな奴だな。
効いてないわけでもなさそうだが、あんまり弱ってるようにも見えないな。
(再び異形が這い上がり、そしてまた蠢きだす)
(そして知ることになる。この異形が真に恐ろしい理由)
(こいつは学ぶのだ、戦いの中から、それこそ恐ろしいほどの早さで)
(不意に、異形の体から何かが飛び出した)
(言うなればそれは銀色のつぼみ。そしてゆっくりと開いていくと)
花……?
(そこから現れたのは無数の棘。それはあたかも散弾が如く飛来した)
これは……まずいってぇ!
(遠距離からの、それも複数同時攻撃。さすがにたまったものではないと)
(慌てて塀の影へと避難した。散弾は塀に食い込み、次々に穴を穿っていった)
(こちらの叫びを聞いて俊敏に振り向いた少年は、飛来する凶器を難なくつかむ)
…次第に動きが良くなっていく……あなた、何もの?
確かに…タフ…ね……。
(再び立ち上がる異形に辟易し、電撃の連発に軽い疲労を感じながら少年に答える)
(そして同時に花開く蕾、そこから飛び散る無数の棘)
……!……
(なぎ払うように稲妻を叩きつけたが、焼き切った蕾は半分にも満たない数)
(直後、リカバリーできないところへ棘を浴びる)
あああああっ!
(避けたものの避けきれず、背中に棘が掠る。服の背中が裂け、赤い筋となった擦過傷が)
く……うぅっ……
どうやって……倒す……こいつ……?
大丈夫か、あんたっ!……って、俺も大丈夫、じゃあねえか。
(塀すらも貫いて、散弾は彼の体を打ち抜いてった)
(威力は減算されていたとはいえ、肩口を抉られ赤々と血が流れ始めていた)
(そして一切ためらうことなく、目の前の敵を屠ろうとする異形)
(三叉に分かれた刃が、彼女を刺し殺さんと撃ち出された)
さ、せるかぁぁぁっ!!
(こんなときまでご苦労なことにいくつも刃を飛ばしてきた)
(両腕が使えるのならともかく、今のままでは一気に三つは受け切れない)
(ならばどうする。ならば……)
こう、するっ!!
(彼女の元へと駆け出して、飛び掛り突き飛ばす。自分自身もそのまま飛んで、辛くも射線を逃れ)
電撃でもだめ、蹴りでもだめなら……。
(にやりと笑って立ち上がる。傷は深いがそれでもまだ立てる)
一緒に叩き込んでみる、ってのはどーよ?
う…うう…
(うめきながら、可能な限り早く背後を振り向く)
(異形はこちらに止めを刺すべく、三叉の刃を振り上げる)
…間に合わない…!
(三つに刺し貫かれるのを覚悟した瞬間、脇腹に激しい痛みと同時に、体が突き飛ばされた)
うぁぁっ!
(打撲の痛みに体を折ってせき込んだが、止めは免れる)
う、げほっ……げほん……あ、ありがとう…!
同時に攻撃するといったって、あなたが一部でもあいつにコンタクトしていたら感電するわ!
それに…今の私には、全力でもあと一回か二回ぐらいしか…
(背中に布きれを垂れ下げて、ふらふらと立ち上がりながら少年の言葉に反論する)
はっは、手荒なのは容赦してくれよ。
死ぬよりかは、幾分かマシだろう?
(よくよく考えれば、これもなかなかに面白いケンカだ)
(ただ、気を抜くと死んでしまうというのが難点なだけで)
(彼にとってはあくまでケンカはケンカ、命の取り合いとなるなんてことはありえなくて)
(ただ一つそれだけは、勘弁願いたいところではあったのだけど)
問題ない、あんたはただ俺の手を狙ってくれればいい。そして一発撃てりゃあいい。
俺の手めがけて、ありったけの力で電撃叩き込んでくれればいい。
……無駄話してる暇もない。頼んだぜ。
(あっさりと、とてもあっさりと彼は、自分の命を預けて走る)
(恐れ知らずというか無謀というか。実際のところは、大分傷は深く)
(そう遠くないうちに、まともに動くこともできないようになるだろう)
(それが分かっていたからこそ、突撃した)
(撃ち出された刃は、ありったけの力を込めた跳躍で飛び越して)
今だぁぁっ!綿貫、イナズマキィィィィック!!!
(打ち出される電撃に期待して。こんな技を叫んでしまう辺り……余裕があるのかないのかわからない)
あなた……楽しんでるの……?
(その時ようやく気付いた)
(少年は…この命のやり取りを楽しんでいる。被弾の苦痛もふくめて!)
あなたに電撃……
(反論しようとしたが、暇もないと言われれば納得する)
(なんだかわからないが、彼は、相手の力を利用できるようなのだ)
手を私に見えるように上げておいてね!
(こちらへ繰り出される銀の刃をかわし、少年が跳躍する)
(雄たけびを合図に、全身のエネルギーを彼の手に向けて)
いけええええっっ!!
(どおん、と雷鳴が響き、閃光が辺りを洗う)
(轟音と閃光に目がくらみ、その場に倒れ込んだ)
(光が収束していき、少年の蹴りのシルエットをようやく肉眼でとらえる)
はぁ……やった……の……?
(肘をついて体を持ち上げようとするのが精いっぱい)
【次あたりで締められますか?】
(蹴りを放ったその瞬間、激しい雷光が腕を撃つ)
(その手を通して、体を駆け巡る雷撃。かつてないほどの威力をもって)
(そしてそれは、異形の体を打ち抜いた足先から放出される)
(外からではなく、中から異形を灼いた)
(目がくらむほどの光が辺りを支配して。粉々に砕かれた異形の体の一つ一つに)
(雷が喰らいつき、打ち砕いていく。……だが、しかし)
(その中でただ一つ、眼球を模した球体が排水溝へと滑り落ちていった)
(恐らく、それは核なのだろう)
……痛み分け。見たいな感じだろうな。
(ため息一つついてから、その場に座り込んだ)
まあ、あれだけやりゃあしばらく出てこれないだろ。
いやぁ〜……いいケンカだった。悪くない。
(そのまま大の字に横になって)
……で、だ。とりあえずあんたの名前から聞いておこうかな?
俺は、綿貫流だ。
(自己紹介が始まった)
(しかしまあ、怪我をした彼らがこれからどうなるのか。先行き不明な現在であった)
(狙い過たず電撃は少年の手へ)
(電流は……彼の体からスライムへと「叩きこまれる」)
どうして、あんなことが…!
(少年は自らは感電することなく、自分が受けた電力をすべて放出していた)
(津綺子は正視できないほどの閃光に顔をそむけながらも、少年から目を放せない)
(その視界の先で、焼きつくされなかった球状のものが落ちるのが見えた)
何か落ちたわ!
(すぐに体を起こそうとしても、もう自分の体が言うことをきかなかった)
(潰すことのできなかった球が排水溝へ落ちていくのを、なすすべもなくみているばかり)
あ、あれを……やっておかないと……
痛み分けで済めばいいけど…あんなのがどこかで復活したら、
こんどはやっつけられるかどうか……
(背中がひりひり痛み、全身打ちのめされたようにだるい)
(少年の方も精魂尽き果てたのか、その場に大の字になった)
綿貫さん、ね。私は伊織津綺子。
あなたのやっていたこと…あれは何なの?
(見たことのない能力に興を覚えて尋ねたりなどし始める)
(なんとか自力で歩けるほどに回復したならば、速やかにこの場を立ち去らねば面倒なことになるが)
(今はまだ、しばしの休息を貪るばかりだった)
【それではこちらはここで締めさせていただきます】
さてね、何でこんなことができるのかは俺にもわからん。
ただ、わかっていることは……。受け流せるんだ。俺は。
右手から左足、左手から右足に。ありとあらゆるものをね。
打撃斬撃、熱に冷気。どうやら電撃もいけたらしい。
(戦いの高揚が収まっていくと、それと反比例して痛みが増してくる)
(いつまでもここで寝ているわけにも行かないけれど、どうにも動く気力が出ない)
大丈夫、何とかならぁ。
あいつがまた襲ってくるってんなら、そのときまでにもっと強くなって置けばいい。
そしてこんどこそ、あいつを止めてやるさ。
(こんな面白いケンカは久々だったから。またできるのなら言う事はない)
(ただ、備えなければならないことは多いのだろうけど)
まあ、ひとまずはよろしくってことで。
……しかし参った。どーやって家まで帰るかねぇ。
(考えていてもどうしようもなかったので、やっぱり自分の足で歩くしかないわけで)
(結局、それからしばらくしてようやく、彼は自分の家へとたどり着いたのだとか)
【ん、それじゃあお疲れさん。また縁があればな】
【お疲れ様でした】
【久々のバトルで、なぞるレスばかりですみません!】
【暴れられて楽しかったです】
【お相手ありがとうございました。おやすみなさい】
【迫水先輩をお待ちしつつ、レスを投下します】
(道場の床の上で女剣士が大柄な剣士に対峙している)
(二人の少年だけが隅でかしこまってその様子を見ている)
(男は相手を追い詰め、女剣士は後退を余儀なくされる)
「いやあーっ!」
(男が気合いとともに竹刀を振り上げた瞬間、変化が起こった)
っ……!
(何を思ったか女剣士は男の内懐へ入り込み、顎の下から突きを入れようとする)
(その瞬間、男の気配が変わり、見学していた少年たちが思わず腰を浮かせた)
「させぬっ!」
(男は女剣士の胴を蹴りつけ、女剣士がだぁんっ!と道場の床を震わせて仰向けに倒れる)
(その側頭部に向かって、男は片手で振り上げた竹刀を叩きつけようとした)
「やめい!」
(道場の入口から別の男の声が響く)
(男は振り下ろした竹刀を鍛えられた腕でぴたりと寸止めにした)
(声の主が道場に入ってくる。白髪の老人ながら、身のこなしには隙がない)
(少年たちが老人に向かって平伏した)
(剣士も素早くその場にかしこまり、面を取って平伏する)
(女剣士…伊織津綺子も急いで起き上がり、面を取った)
(老人はこの道場の主、伊織嘉衛門である)
「何と言うザマじゃ、弾正(だんじょう)よ。小娘の挑発に乗って、野良犬の本性をさらけ出すとは!」
(大柄な剣士…嘉衛門の次男にして道場の師範代である伊織弾正が一層深く頭を下げた)
「よいか、津綺子は本家の一人娘じゃ。剣の試合であばらを折ろうと何の咎めもせぬが、
野良犬のケンカで髪の毛一筋でも損なったとあっては、お前は破門じゃぞ!」
(嘉衛門は弾正を叱責したのち、津綺子に向きなおった)
「津綺子……伊織の娘が竹刀を取って、こともあろうに無頼の真似か」
(津綺子は平伏したまま、ぴくりと身を震わせる)
「あのようなものは剣の技ではないわ。場末のケンカ作法なぞを身につけおって」
(祖父はその前に膝をついて津綺子の顔を覗き込んだ)
「…お前にそのような真似をさせているのは、どこのどいつじゃ」
……その方は、少なくとも無頼ではございません。
わたくしは、心よりその方を尊敬申し上げております。
(津綺子は平伏したまま言いきった)
(叔父も、二人の少年…弾正の息子であり津綺子の従兄弟に当たる少年たちも、そんな津綺子の様子を固唾を呑んで見守っている)
(不意に嘉衛門は立ち上がり、津綺子を見下ろして言い放った)
「そやつを連れて来るがよい。伊織家の娘にふさわしい器かどうか、見定めてくれるわ」
なるほど…ん、事情は分かった
いや、津綺子がそんなに謝る必要はないよ。いつかはお伺いしないといけなかったんだからね
それじゃ、明日…
(土曜の晩、パートナーからの電話。なんでも「お祖父さんに会って欲しい」とか)
(話には何度か聞いているその厳格な人物に、どうやら品定めされるらしい)
(携帯の向こう側で申し訳なさそうな声の津綺子に了承の意を伝えて、会話を終える)
ふぅ…
(切ったばかりの携帯を見つめ、さすがに緊張するのを感じて思わず溜め息を漏らす)
(そして次の日…)
(まだ夜の間に冷えた空気が暖まらない、むしろ熱を奪われ、身を切るほどに冷たい朝)
(休日にも関わらず学生服に身を包み、待ち合わせの場所で立つ)
(口から白い息を吐き出しながら。携帯で時間を確認する)
(約束の時間まで後少し…)
【うむ、拾えなかった】
【しかも色々と確定させてるのが申し訳なく】
直さん!
(時間より前に、もう直は待ち合わせ場所に来ていた)
(急いで駆け寄り、抱きつきたくなるのはどうにかこらえて)
おはようございます。今日は来てくださってありがとう。
本当に……こんなことになって、ごめんなさい。
(昨夜さんざん電話で謝り、また顔を合わせて謝罪してしまった)
(それほど、これから起こるであろうことは気が重い)
変な話なんですけど、今日、私の両親はそれぞれ仕事で……
直さんに会っていただくのは、祖父と叔父なんです。
叔父は若いころ、一度家を出て行方不明になっていたことがあって、
その間に、どうやら相当手荒なこともしていたらしいんです。
だから、今日、手合わせをするといっても、尋常な試合じゃない可能性も……
(ふと立ち止まり、直を見上げる)
私の家族のために、あなたを傷つけるようなことだけは、絶対にさせないから。
だから、無理をしないで。
(そこはもう、道場の前だった)
【このぐらいの確定はなんとでも】
【長々とやってますので、この先も全部拾わずに適当に蹴ってください…】
(駆け寄ってくる津綺子を軽く手を振って迎える)
おはよう
(昨夜に引き続き申し訳なさそうな声のパートナーに、自然と表情が引き締まる)
(これから起こることが容易に想像される)
そのお二人は…津綺子の師範と師範代、だったよね
(津綺子の後に続いて歩きながら、簡単に受け答えする)
(恋人の家族に会う。普通に緊張するシチュエーションだが)
(それ以上に緊張を強いられる事態に言葉が少なくなる)
(ふと立ち止まり、振り返る恋人の顔を軽く見下ろして)
津綺子、これは君だけの問題だけじゃない
俺も絶対に、いつかは乗り越えないといけない事だから
…俺の事、認めて貰わなくちゃ、ね
(緊張で少しぎこちないが、それでも微笑んでみせる)
(二人の息子と父親が見守る前で、胴衣と袴のみを身につけ、じっと瞑目していると)
(姪の津綺子が、件の男を伴ってやってきた)
(目を開けてゆっくりと立ち上がる)
君が迫水君か。朝から呼び立てして済まない。
私は津綺子の叔父の伊織弾正だ。
姪から君と交際しているという話を聞いた。
(武具がかけてある壁の方へ歩きながら話を続ける)
長く剣の指導を続けていると、剣筋の荒れる弟子が出てくることがある。
たいていは自分の力におごり、試合と暴力の区別が付かなくなる連中だ。
弟子なら破門にできるが、それが姪とあっては縁をきるわけにもいかん。
(壁に掛けてある得物の中から、適当な木刀を二本、選びとる)
(津綺子と息子たちの顔色が変わった)
私も若い頃には無茶をやった。
だが伊織の娘が切った張ったの命のやり取りをしているのを看過することはできんのだ。
(迫水に木刀を差し出す)
取りたまえ。君が場末のゴロツキでないことを、私に証明してみせてほしい。
「叔父様!」
(津綺子が気色ばんで食ってかかってきた)
「なぜ木刀なのです!迫水先輩は剣の心得がある方ではないと申し上げたはずです!
胴も面も付けずに心得のない方と木刀で打ち合うなど、リンチも同然ではありませんか!」
控えろ。防具をつけるかどうかは迫水君が決める。
(弾正は静かに言い返す)
(道場の板張りの床に正座して、目の前の男性二人に頭を下げる)
(続けて脇の同い年くらいの男性二人にも会釈)
はい、お話の通り、津綺子さんと交際させて頂いてます。
迫水直と言います。はじめまして。
(頭を上げ、自己紹介。弾正だけではなく、回りにいる全員に向けて)
(壁に向かう弾正を目で追いながら、黙って話を聞く)
(自分に対して話かけている、と言うより事情を説明するような口調に口を挟む隙はない)
(男の手が木刀--同じ壁には竹刀も据えてある--を取り上げ、差し出してくる)
私には剣の心得がありません。ですから万が一の時にはどちらかが怪我をするでしょう
恐らくそれは私でしょうが…それをご承知で「剣を取れ」とおっしゃるのですか?
(口では言いながらも、ゆっくりと立ち上がり、差し出された木刀の柄を握る)
(非難の声をあげる津綺子にチラリと目を向けて、一瞬だけ視線を絡める)
(全ては承知の上、と言葉を介さずに伝え、軽く頷くと)
防具はいりません
(視線を弾正に戻し、その目線を真正面から受け止める)
(津綺子と迫水の視線が、ほんの一瞬ぶつかり合う)
(その一瞬の間に、互いに伝わり合う意思のなんと濃いことか)
君は姪をいい加減な気持ちで扱っているわけではなさそうだ。
ならば聞く。
なぜ愛する者を危険な目に合わせる?!
津綺子は君が守らねばならん者ではないのか!?
津綺子自身に、命がけの闘いを強いるのはなぜだ!
(背中にその津綺子の視線が突き刺さる)
(弾正の言葉に抗議したいのだろうが、すでに得物を取って対峙する者たちに)
(口を挟むような不見識な行動は、さすがにしなかった)
(迫水の構えは型になっていないが、まったく無駄も隙もない)
(…実戦で鍛えられた、野生の構えとも言うべき姿勢だった)
こちらからいくぞ。
(次の瞬間には、青眼から木刀を振り上げつつ、迫水の真正面へ踏み込んで行った)
確かに、彼女は俺が命を賭けて守るべき者です
ですが、彼女が自ら望むのであれば、それを止める権利は俺にはありません
俺にできることは、彼女と共にいて、少しでも彼女の力になること
闘いの中、彼女の盾になること
(見よう見まね。相対する弾正を真似て、木刀を青眼に構える)
(弾正の問いに、言葉を選ぶ事なく、心のままに答えを返す)
(言葉を紡ぎながら、全身の力を抜き、それでいていつでも動けるように体勢を整える)
(夜の戦いの中、誰に教わるでもなく学んだ、自然の構え)
……っ!
(間合いを外すように半歩退きながら、予想される剣の軌跡--斬り下げ--に交叉するように木刀を頭上に構える)
(まだ動きを目で追えるのは、弾正が本気でないからだろう)
(迫水は素早く半身を開いてこちらの力を受け流しつつ)
(振り下ろした木刀を頭上で跳ね返した)
(スポーツ剣道ならそれほど警戒しない頭部への攻撃に抜かりなく備えていたということだ)
(野戦では頭や心臓は真っ先に守らなくてはならない部分)
(迫水の木刀を力で押し返しながら問う)
津綺子の楯だと……津綺子が自ら望んでそのような私闘をすると言うか……!
(まさか二人が夜の領域で退魔をおこなっているなどとは夢にも思わない)
(だが、自分が最初に考えていた、不良同士の抗争などというものとは明らかに違うことであるらしい)
…お前たちは、何をしているのだ…
(突き放すようにして、自分が反動で迫水から飛びすさる)
(嘉衛門の視線が鋭くなったのを肌で感じる)
(間髪を入れずに低い姿勢から迫水の足を狙って太刀を繰り出す!)
(狙い通り、頭上で木刀が交叉する)
(ギシッと音を立てて噛み合う剣の向こう、弾正の問いに)
彼女だって、できるなら闘いたくはないでしょう
ですが……っ!
(突き放され、突然加重がなくなって)
(たたらを踏むように一歩二歩、後ろに下がる)
くっ…!
(体勢が崩れたところに下段が繰り出されてくる)
(その攻撃に闘いで磨かれた神経が、反射的に身体を動かす)
はぁぁっ!
(狙われたのとは反対の足が跳ね上がり)
(サッカーのシュートのような蹴りが弾正の剣と交錯する)
なにっ…?!
(足払いに繰り出した木刀を、反対の足で蹴りあげられる)
(まともに当たっていれば、脛か足の甲を砕いていたかも知れないほど勢いに乗っていた武器を)
貴様……
(今度は体勢を崩したのはこちらだった)
(だが素早く向き直るまで、迫水は仕掛けてこない)
(彼にとって、こちらは何が何でも仕止めなくてはならない敵ではないからだ)
(迫水の本性はこんなものではないと、弾正の本能が告げている)
悪いことは言わん、すぐにここから立ち去れ。
そして二度と、津綺子に付きまとうな。
怪我をしてからでは遅いぞ!
(警告するが早いが、胴をなぎ払うように木刀をふるった)
………っ!
(脛骨があげる悲鳴を不自然なほどはっきりと聞きながら)
(それでも口から漏れそうになる声を押し殺せるのは)
(痛みに慣れた異能者の成せる業)
(体勢を崩す弾正に追撃しないのは、折れた足では踏み込むことが不可能だから)
(また、彼が倒すべき敵ではないから)
……くっ!
(三度目の剣撃。前二回より鋭さをました攻撃を)
(大きく飛び退いて躱すが、シャツの胸を木刀の先端が斬り裂く)
(間合いが開いたところで、もう一度木刀を構え直し)
(その切っ先の更に先に立つ弾正に言葉をかける)
そのお言葉だけは受け入れる訳にはいきません
例え怪我をしても、彼女の側に立たせて貰います
(迫水の足が木刀を蹴りあげた瞬間、鈍い音がして津綺子が思わず腰を浮かせる)
(だが、迫水は声も漏らさず、足を引く)
(なぎ払った剣先は相手の胸もとをわずかにかすっただけに止まり)
(迫水は難なく間合いを開いてこちらに剣を向けた)
(どうしても津綺子のそばにいると、何の迷いもなく告げる声色に濁りはなく)
(これほどあくどい使い手であることとのギャップが、弾正には納得できない)
(津綺子は手に汗を握ってじりじりと二人を見守る)
(所詮、道場の中での戦いしか知らない者には、夜の修羅場を生き抜いた者の度量は測れない)
(だが、叔父が万一、夜の側面の一端でも見知っていたならば……)
(直の内部にいるものを、表へ引きずり出してしまうかもしれない)
(そうなったら、直を止められるのは自分しかいないのだ)
それほどまでに……
(何としても、迫水の本性を暴きだして津綺子の目を覚まさせてやろうと決意する)
お前たちはいったい、何をしているのだ?
その技は何だ!
何と戦えば、そのような戦法が身につくのだ!
(もう一度、胴をめがけて突きを繰り出す)
(攻撃毎に鋭さを増す剣先。その激しさは既に怪我ですむギリギリのレベル)
(だがしかし、それこそ自身の慣れた夜の領域に近付いていて)
(自然と身体がそれに備えるように熱を帯びて、疼き出す)
(身体を沈めて、繰り出された剣を、肩口で受け止める)
(骨の悲鳴を聞きながら、反対の手に握った木刀で止まった剣先を打ち払う)
(体勢を整えて、切っ先を受けた肩の具合を確かめるように腕を振る)
………人ならざる者達と…
そう言えば貴方に納得して頂けるでしょうか?
(檄する弾正とは反対に、静かに、自らが身を置く世界について告白する)
【遅くなりました】
【告白してしまいましたが、この流れでいいのでしょうか?】
【もし都合が悪ければ、蹴って下さい】
(こちらの攻撃が激しくなるにつれ、目の前の青年は異様な気を放つ)
っ…!
(鎖骨を折って試合終了かと思いきや、肩口でこちらの打ち込みを受け止め)
(そののちに刃を払いのけて、その腕を振ってみせる)
(不意に嘉衛門が口を開いた)
「人ならざるは、お前だろう」
(活人画のように動きを止めた両者の間に、嘉衛門は何の警戒もしない様子で割って入った)
「お前の体は人のものであって人ではない。先ほど弾正に折られた足はどうなった」
(父親が語るのを聞いて、初めて弾正は自分が迫水に与えたダメージを思い出し)
(迫水が今たたき折った鎖骨でさえ、それほどダメージを感じている様子がないことにようやく気付く)
「お前自身が最も危険な鬼神の類であろうよ。それで、津綺子を守ると申すか」
(老人は、今や自分もまた鬼神のごとき殺気を放って迫水を問い詰める)
「どうしても、津綺子が欲しくばわしらを残らず屠って行けと言ったら、どうする?」
【この流れに乗りました】
【こちらは相当好き勝手にしてますので、もしやりにくいようでしたら】
【お申し出なり、蹴るなり、どうぞなさってくださいー】
(枯れた、それでいてはっきりと存在を主張する声が横から投げ掛けられる)
(間に割り込んだ老剣士に対し、木刀を引いて一礼する)………
(嘉衛門の問いに、言葉ではなく、床を踏み鳴らすことで答え)
鬼に対することは鬼にしかできません
それに彼女は守られているだけではありません。
俺は彼女を守ると同時に、彼女に守られています
(自らの人ならざる力を肯定したものの、目の前の老人の放つ殺気に背中が汗で濡れるのを感じつつ)
……貴方はそのような事をおっしゃるお人とは思えません
(微かに苦笑いを嘉衛門に向ける)
(直が鬼に対することは鬼にしかできない、と言い放った瞬間、床を蹴って立ちあがっていた)
お祖父さま!
それ以上その方を愚弄なさらないで!
(直に駆け寄り、今まで見たこともないほどの殺気を放つ祖父との間に割って入る)
これ以上、この方を試すようなことをなさるなら、私の血を見てからになさってください。
直さんがあなた方を屠ることなんて造作もないわ。
でも、お祖父さまであろうと叔父様であろうと、この方を愚弄するために私を手にかけるというのなら
私が命がけでお手向かいいたします。
私も…命を賭ける戦いには馴れました。
(祖父と孫娘は、そのまま互いを焼きつくすかのようににらみ合う)
(やがて弾正が口を開いた)
「お父さん、もういいでしょう。津綺子がどんな世界に足を踏み入れたにしろ
われわれが手だしできるようなことではない。あなたにもわかったはずです」
(そのまま、一同は津綺子と直を残して道場を後にする)
直さん……ごめんなさい
(直の胴に腕を巻きつけ、その胸に顔を埋めて、津綺子は泣いた)
【よろしければ、そちらの締めをいただいて、こちらはその次で締めようと思います】
(耐え切れなくなった津綺子が走り出て、二人の間に--恋人を守るように立ち塞がる)
津綺子…
(激しく、熱く、肉親と対峙して火花を散らし)
(自らの血をもってしてまで守ろうとする背中に声をかけ)
(その激情に震える肩に手をおく)
(その様子を見て取ったのか弾正が身引き、それに倣うように一同が道場を去っていった)
いいんだ、津綺子が謝ることはないよ…だから、泣かないで…
卑下するつもりはないけれど、お祖父さんの言う通り、俺は間違いなく「人」ではない
でも、津綺子が側にいてくれるなら…津綺子が認めてくれるなら
俺は君と共に、人として生きていきたい
津綺子…ずっと俺の側にいてくれる?
(自分の為に泣いてくれる、胸を濡らす津綺子の涙の熱さを感じながら)
(嗚咽する恋人の頭を撫で、ゆっくりと語りかける)
【それではこちらはこんな感じで締めるね】
【見届けるまではいるから、ゆっくりと焦らないでレスを作ってね】
あなたは人間よ…あんな……お祖父様や叔父様なんかより
ずっとずっと人間らしい…
(直の胸に顔を埋め、その肉体の奥に潜む存在すら)
(今は血を分けた肉親よりもはるかに愛おしく大切に思えて)
私が本当に人間らしい気持を持ち続けているために
直さん、あなたが必要なんです。
あなたは誰よりも人間らしい気持を持ってる。
ずっとずっと、あなたのそばにいます。
いさせてください。
(直の手に髪をなぶらせ、じっとその心音に聞き入る)
(初冬の冷気は道場に忍び込み二人を包む)
(それでも、互いの温かさを感じていられるなら、寒さも冷たさも感じない)
(ただ直の傍を去りがたく、じっとその胸に体を預けていた)
【こちらもここで締めとさせていただきます】
【本当に好き勝手にやらせていただいてありがとうございました!】
【今までにもまして、今日のロールはお疲れ様でした】
【避難所へごあいさつして、こちらは失礼します】
【見届けたよ。二役お疲れ様】
【いやいや、こちらめ充分に楽しませて貰ったから】
【改めてありがとう。またお願いするね】
【スレをお返しします】
【みなさんなにかと忙しい時期ですが、時間ができたので待機、なのです】
【プロフは
>>20に】
【静かだな・・・やはり皆年末フィーバーだろうか】
【待機だ。プロフは
>>17】
>>455 紫・・・・
島田ちゃんの書き込みみてない?
【み゛ょん・・・・!】
【て、撤退、撤たァーい!】
【落ちるだ】
みなさん落ち着いてー!
…さて、いかがいたしましょうか。
……や、うーん。
>>458 どうするかね。
紫相手がやりやすいなら、譲るけど。
俺は届いた本を読むという楽しみもあるし。
ん、こちらとしてはそういう基準で選ぶつもりはないのですけれど…
やはり、先にお声かけいただいた紅裂さんに、お願いしたいかと。
とはいえ、まったくのノープラン。
何処ぞの誰かと戦った後、死にかかってる俺をゴーレム
の本能で助けるとか。ネタとしてはその程度だぁね。
そっちの行動範囲が問題と言えば言えるけど。
何処か、適当な場所はないもんかね。
わたしは学園と裏山を中心に街を徘徊…はしてますけれど、土地勘はまだあまりない感じで。
担いで帰って、わたしの棲家初公開、というのもありかも、とか。
えーっと、じゃあ裏山の方でのたうち回ってるところを
助けてもらって、お宅訪問と行こうか。
書き出しはこっちからでいいかな?
了解ですー。
では、お待ちしておりますので、よろしくおねがいします(ぺこり)
(気合と共に叩きつけられる木刀は、破邪の霊光を帯びていた。その霊光は魔王の加護を)
(突き破って、芯まで響く。浄化の一撃の前に邪悪なる力はひれ伏すしかない。それが規律)
(だが、それが勝敗まで決めるかどうかは別問題だ。魔力が身体中の経絡を駆け巡る。加速)
(倍速。燃焼。圧縮。練る。圧縮。練る。そして解放。練りあげられた魔力が一点に集約する)
ハァァァ!
(魔力を純粋な破壊力として変換し、打撃力とする。至近距離から放たれた我流気功掌は)
(相手の腹部を貫通し、吹き飛ばし、その身体を巨木に縫いつけた。そこへ間髪入れず突き刺さる)
(水晶の槍。剣。短剣。そして花びらの様に吹き付ける剃刀の刃。浄化の剣を振るう青年は無残に)
(切り刻まれ、躯と化した。邪な力が浄化の力に打ち勝つ。それがひとつの結末。有り得る結末)
――――ふっ・・・・・はっ・・・・・うう・・・・・・
ヤベ・・・・・これは・・・・・キツイ・・・・・・
(けれど、その浄化の力は、確かに契約者を追い詰めていた。敵の死体を確認する余裕すらなく)
(よろめき、ふらつき、そして転ぶようにして山を下る。肋骨が三本折れて、再生の力も発動せず)
(額や頬から血を流し―――いつしか降ってきた小雨に打たれ、紅裂拓兎は衰弱してゆく)
(砕かれた携帯電話では救助も呼べない。ならば、どうにかして人のいる場所まで)
くそっ・・・・・もう・・・・・駄目か・・・・・
(××学園の敷地内まであと少し。その地点で力尽き、倒れ伏す)
(赤茶色の髪と紅いコートを纏った青年が、死体のように大地に身を投げる)
【お待たせしましたっと】
……っと。この辺は……
(夜。××学園の裏山を、雑木林を掻き分けつつ何かを探す人外少女がひとり)
んもぅ。ここにもない……と。
あの色だったし、もっと明るい時間に探しとけば良かったなぁ。
(目的の品は、藍色の膝掛け)
(数日前、中等部の車椅子の少女――天羽都が野犬に襲われたのを助けた際に)
(奪われてしまった彼女の品)
…………あ。
(ぽつり、と伸ばした手に、冷たい感触)
雨、降ってきちゃった……
……でも、どろどろになっちゃったら嫌だし。もうすこし、探そう。
(うん、とひとり頷いて、また違う場所へと足を向ける)
こっちは……っ、あ!
(もう山の麓というところで、暗い緑や赤の中に不自然な色合いを見つけて)
あっ、あった、あった!
(顔に満面の笑みを浮かべて、そちらへ駆けてゆく)
(低木に引っかかっていたそれは、間違いなくあの日彼女が持っていたもの)
ん、良かった……!
(少し汚れ、湿ってはいたものの、綺麗にすれば使えるだろう)
(六花は安堵の溜め息を吐いた)
(――その時)
――――ん?
(湿った風に乗って、魔力の匂いが流れてきた)
(そして、血の匂いも)
な、に。これ……!
(尋常ではない。六花は表情を引き締めて、その源へと駆ける)
…………ッ!
(そこで、六花が見たものは)
(雨に打たれ地に伏した、赤)
(赤い――ヒトの、姿)
……だ、だいじょうぶ、ですかッ!
(この魔力――ただのヒトにはあり得ぬそれの存在も忘れ)
(六花はそのヒトの傍へ膝をついた)
【こちらもお待たせを。よろしくおねがいします(ぺこり)】?
(小雨が身体を濡らす。少しずつ、体温が奪われる。闘争の狂熱が醒めてゆく)
(このまま死ぬか?混濁する意識の中で自問する。この程度では死ねないという回答)
(このまま放置されておけば、或いは死ねるかも知れないが、それは――)
(ぴしゃ、ぴしゃ。音。足音。音からして軽い。誰かが近づいてくる)
くふっ・・・・くふふふ・・・・・はははっ・・・・・
(ぶるぶると身体が蠕動して、低い笑い声を上げる)
(それは、渇望していたそれが決して得られぬと悟った者が零す、虚ろな狂笑)
(死にたい。死ねない。ならば生きる。壊れたまま狂ったまま、終わるまで生きる)
―――ああ・・・・・なんとかな・・・・・・・
(掛けられた声に億劫そうに答え、ごろりと寝返りを打つ)
(見えたのは幼い顔立ち。何処となく希薄な表情。古びたジャージ)
(胸の文字――多分「島田」?それが名前か)
(混濁する意識の中、どうにかそれを認識する)
キミ、かぁいいねえ・・・・・・いいセンスしてる・・・・・・
(その小さな身体が発する気配は、人間に近いが恐らく人間ではない)
(何処となく、造られたモノ特有の作為的な気配が感じられる)
キミ、悪いんだが・・・・・
(そこのまで言って、言葉に詰まる。自分の望みがわからない)
(死にたい自分。生きたい自分。そのバランスが、ぐらぐらと大きく揺れているからだ)
……な、なに、笑って……
(地に伏したまま、渇いて、虚ろで――壊れた哄笑を上げる、その――男)
(それでも、笑えるほどには、「生きて」いるのだ)
なんとか、って……ひどい怪我、して……!
(冷えてはいるが、生きてヒトの温度。ぐったりとうつ伏せた彼を、両手で仰向かせる)
(その男は、恐らく外見だけなら六花とも変わらない年頃の、青年)
(赤い髪に、赤い服。その奇抜な様相より六花の目をひいたのは、彼の負った傷)
(見えている部分だけでも痛ましいというのに、服の下には動けなくなるほどの負傷を抱えているのだろう)
……か、わいい、とか……それどころじゃ、ないでしょう!?
ちゃんと、病院、とか……でも、ああッ。
(あまりに唐突な彼の言葉に、六花は呆然とするも、そんな場合ではないと頭を振る)
(病院なんて縁のないもの、どこにあるかなど知るはずもない)
(「119番」くらいは聞いたことがあるが、それを行う手段もない)
当たり前なのですっ、このまま放っておく、なんてしませんからっ。
……そ、そうだ、「ほけんしつ」……なら、お薬とか、ある、かも。
(途切れた言葉の続きを勝手に補完して、すぐ傍の学園の方へと視線を向ける)
(彼の正体より、自分の素性より。最優先すべきは、今彼を救うこと)
病院は――困る・・・・・・薬も必要ない・・・・・・
(慌てふためく少女の腕を力無く掴む。傷は破邪の力が除去されれば再生できる)
(骨折も同様に、暫く安静にしていれば常人離れした速度でくっつく事だろう)
(問題は、魔王の加護が復活するまで常人程度の肉体に戻っているという点だ)
ちょっと――何処かで雨宿りを・・・・・
(今度は寒さで体温が低下した影響で震える。生を望む自分と死を望む自分)
(そのバランスが、僅かだが、生の方へと傾いた。ある人の事を思い出したから)
(紅裂拓兎は人類の敵である。悪魔王の下僕であり、倒されるべき邪悪である)
(そんな存在に救いなどあるはずもない。そんな事は望んではいけない)
(それでも、生きられるうちは生きたい。まだ、話したい人と話したい事があるから)
世界が終る、までは・・・・・くく・・・・・くふふっ・・・・・
(笑う。今度は僅かだが、生への渇望が感じられる声で)
(世界が終われば自分も死ぬ。或いは、破滅の意思に抗う誰かに倒される)
(どちらにしろ、彼に未来というものはない。ならば、いつ死んでも――と時折思う)
(それでも、生きたい理由が少しでもあるのなら、図々しく生きていようと)
そ……う、なの、ですか?
(疑問に思うが、それ以上は踏み込まない。六花と同じように、彼にも事情があるのだ)
(それに、病院も薬も要らぬのは六花も同じこと)
(この混沌の坩堝。そんな異能の持ち主がいたところで、今さら驚くことはない)
(六花は腕を掴んだ手に自分の手を重ね、頷く)
はい、せめて濡れなくて、横になれるところ、連れていきますからっ。
(自分より頭ひとつ近く背が高く、体格も段違いの彼を、天羽都のように肩に担いでいくのは無理だろう)
(ならば、と。細腕でもって彼を抱え起こすと、そちらに背を向けて)
……なにを、言ってるのですか?
おんぶ、していきますから。乗って、ください……早く。
(この状況ではまったくおかしくないながらも恐らく彼の予想だにしなかっただろう、提案を告げた)
(――当然ながら、六花は知るよしもなかった)
(まさか、彼が魔王に身も心も売り払った「世界の敵」であることを)
(そして、このまま彼を「見殺し」に――或いは抹殺することこそ、六花の知る「優しい世界」の利益になることを)
おんぶって・・・・・
いや、いいけど、さ・・・・・・・
(細腕で抱え起こされて、「背中に乗れ」と言われ戸惑う)
(無理だろう。常識で考えるなら。しかし、相手にその常識が適用できるか)
(どうかまではわからない。なら、乗れと言われたのなら拒む理由もない)
・・・・・すまないねえ・・・・おっかさん・・・・
(いつもの様な、冗談じみた台詞を吐いて、少女の背中に圧し掛かる)
(触れあった部分から感じる、人間に似ていて異なる感触)
(やはりそういうことか、と何処かで納得する)
くふふ・・・・おじちゃんはね。紅裂拓兎っていうんだよ。職業は高校生。
いや、高校生は職業じゃねえけどさ。えーっと、悪い人ってことでどうか。
それで、キミは島田、何ちゃんって言うの?
(いつもの様な気さくな口調で語り、問い掛け、気分を紛らわせる)
(魔王の加護――それは再生能力と魔力耐性である)
(ぶっちゃけると、拓兎は身体能力の強化はしていない)
(つまり、再生能力等を除けば、肉体的には常人とは変わらない)
(不摂生をしていれば病気になるし、身体を冷やせば風邪もひく)
(そして再生能力や魔力耐性のない今こそが、この悪人を殺す最大の機会であった)
文句言ってる場合じゃないのですっ。風邪、ひきますよ?
さあ、さあっ。
(有無を言わせる気は皆無)
(自分でも、ここまで押しが強くなっているのが不思議なくらいではあったけれど)
(それだけ彼は重傷なのだ。使命感が、六花を奮い立たせていた)
お、おっか……ん、ちゃんと、掴まってくださいね?
痛いかもしれませんけれど、我慢、してください。
(冗談を言っている場合ではないのに、どこまでズレたひと、なのか)
(世間とは十分にズレた六花でさえ、そう感じる。彼は間違いなく、「変なひと」であると)
ん……じゃ、いきます、からっ。
(背中に重みと、濡れた感触。けれど、不快には思わない)
(同時に、触れた部分から異質な魔力が伝わってくる。彼本来のものとは、違うような)
……と、わたしは。六花……島田六花と、いうのです。六つの花で、りっか。
悪いひと……って、いうと。泥棒さんとか、するのですか?
(きっと痛いだろうに、ふざけた口調で話し続ける、紅裂拓兎と名乗った彼)
(ヒトをほぼ無条件に信頼してしまう六花は、まさか彼がつい数刻前に、六花が守るべきヒトを殺してきたところだなど)
(まったく想像もしなかった)
(ただ、助けなければと。それだけ純粋に願って、雨の中、学園の中へと侵入していった)
うーい。我慢するとも。
(――とは言うものの、痛いものは痛い)
むぐぅっ・・・・アバラが・・・・・肋骨が・・・・・神の肋骨から人は・・・・・
くふ・・・・人など・・・・・土塵に過ぎない・・・・神の吐息・・・・
肝心なのは、ぐほっ、そこに吹き込まれる神の吐息なんだNE・・・・・
(ゆっさゆっさと揺れる。その度に折れた肋骨が悲鳴を上げる)
(それを誤魔化すように、思いついたことを口走る。背負ってくれている)
(少女がどう思うかなど考慮していない。だからこその変人であり奇人である)
そうかー、島田六花ちゃんかぁ。
なかなか、詩的で素敵で情緒的な名前だぁね。
(少なくとも、偽名として名乗っている「紅裂拓兎」よりは、数段よい名前だろう)
くふふ、恐喝と窃盗は昔よくやってたね。お金が腹減って無くて死にそうだったから。
今は、してないけどね。お金あるから。くふふ、世の中金、金、金ってさ。世知辛いよね。
(昔、契約者になる前のこと。姉を殺して家を飛び出て、半年ほど各地を放浪した)
(当然金を持たない彼は、恐喝や窃盗を繰り返すしか事でしか命を繋ぐ術はなかった)
(珪素を生成する異能など、生きる上ではまるで役には立たなかった)
むう、流石に放課後。誰もいねえや・・・・・
警備員とか事務員のおっさんに会ったら、一撃で仕留めるんだぞ。
(静寂の横たわる校舎の中、聞こえるのは雨の音と自分たちの話し声だけ)
……ですから、静かになさってるほうがきっと、楽ですのに。
(こんなに大きな「荷物」を背負っては、歩きにくいことこの上ない)
と、ごめ、ごめんなさい。
(一歩踏むだけで、揺れてしまう。それにこの暗さ。足元もよろしくない)
(申し訳なく思いながらも、止まることなく、歩き続ける)
(辛いのは、早く済ませてしまったほうがいいだろうから)
詩的……ですか?良く、分からないのです。
(そういえば、この間も名前を誉めて貰ったところだ)
(フルネームは、自分としては慣れないうちは微妙な語呂の悪さを感じていたこともあったけれど)
……と、とりあえず、ありがとうございます、と……わっ。
(前を向いたまま頭を下げようとして、手が滑るところだった)
……それは。悪いこと、なのです。
…………けど。そうしないと死んでしまう、なら……うぅん。
(今の六花には、お金なら、ある)
(しかも、ヒトにとっての最低限の要求である食事すら必要としないのだから)
(けれど、ヒトはそうではない。食べなければ、死ぬ)
(ならば、六花に彼を非難する言葉など、持てるだろうか)
(――否。否、だ。六花は、六花ですら、恵まれているのだ)
ん。わたしが見つかったことなんて、いちどもないですから。安心して、ください。
(できるだけ静かに階段を上がり、着いたのは使われていないらしい資料室)
(一部の生徒や教師の間で、たまに「開かずの部屋」になると噂される部屋であった)
こんなかぁいい子に苦労させてるのに・・・・・
じっと黙ってるのも、男としてどうかと、ぐほっ・・・・・
(ああ、痛い、痛くて痛くて仕方ない。戦っている最中ならどんな痛みも)
(快感として受け取る身体も、こんな場合に限って正常に機能している)
・・・・・綺麗事だけじゃ生きていけない。
そして、脱落者を救済するシステムのないこの社会。
けれど、脱落者には、それに対してクレームをつける権利すら、ない。
どうにも、上手くいかないねえ・・・・・
(もっともらしい事を言うが、別段社会の在りように不満を抱いているわけではない)
(そんな理由で世界を滅ぼそうとしているわけではない。他の契約者の理由は知らないが)
(少なくとも紅裂拓兎には、この闘争狂には、それは理由にはならない)
ほぅ・・・・・ダンボールでも使って隠れるのかい?
何故かダンボール被ってると見つからないゲームが。
いや、俺はそれやったことないんだけどさ。
――んぁ?ここって「開かずの部屋」じゃね?
時々内部から鍵が掛かってるとか。もしかして・・・・・島田ちゃんが?
(原因はキミなのかと、言外に問う。非難する口調ではない)
まーあ、いいや。ちょっとお邪魔させてもらおうかね。
(元より自分の悪事にも他人の悪事にも、異様なまでに寛容な男である)
……みんなでしあわせに、なんて。過ぎた願い、なのですか?
(あまりに真っ直ぐすぎる思いが、僅かに揺らぐ)
……でも、それでも……わたしは。
(――六花は。その思いを、曲げたりしない。捨てたりしない)
(それが六花を六花たらしめるものだから、だ)
?……段ボール?……なんのことか、分かりません、けれど。
ゲームとか、あんまりしませんでしたし。
(創造主に無理やり付き合わされたことは何度かあったけれど、不器用な六花はてんで弱くて)
(良く涙目になっていたことを思い出す――「涙目」?)
(違和感を覚えたところで、ちょうど居所とする部屋の前に着き、彼の声に思考が途切れる)
ここに泊まってるときは、だれも入れないように、してて。荷物も、置いてますから。
(こちらも深くは語らない。もう十分、手遅れかもしれないが)
はい、どうぞ。
(「手を触れることなく」施錠されたドアを開けると、暗闇の中へと足を踏み入れる)
はいー、降ろしますよー。
ちゃんとお掃除は、してますから。
(水滴の滴る自分よりずっと大きな身体を、そっと床に降ろす)
今、拭くもの出しますから。
(同じく施錠された戸棚を開けてビニール袋に入ったタオルを数枚取り出し、彼の顔をそっと拭った)
最大多数の最大幸福。ただの言葉だぁね、それは・・・・
ただ、助け合いの精神は必要さ。
それがないと文明が成立しないってだけのことだけど。
(この世界は楽園ではない。地獄でもない。全ては人の作り上げたシステムだ)
(神や魔王はそれに干渉しない。ただ鑑賞しているだけだ)
(人間たちが自分たちで形成したシステムの中で、どう生きていくのかを)
俺もあんまり・・・・・・
ボスに付き合わされて時々するくらいかな。
(正直、格闘ゲームもシューティングゲームもアクションゲームも苦手である)
(RPGなど、時間と根気を必要とするゲームは、直ぐに飽きてしまう)
くふぅ・・・・・すまないね・・・
(微かな魔力の流れを感じるが、まだそこまでは踏み込まない)
(室内に案内されて、どうにか腰を落ち着ける。雨に打たれているよりは格段にマシだった)
(小さな少女に手拭いで顔を拭かれて、少しくすぐったい気分になった)
(水分を吸って少し濡れた紅いコートを床に脱ぎ棄てる)
ああ、こんなに誰かに親切にされたのは、久し振りだぁね。
死んだ姉ちゃんが、その一週間前に風邪ひいた俺の看病してくれた時以来かも。
(同様に濡れた服の上から、折れた肋骨をそっと触れる。あの木刀に一撃は重く)
(そして鋭かった。打撲の分も合わせて考えると、相当なダメージを受けた計算になる)
(紛れもなく強敵だった。この学園に、あのような強者が隠れているとは。やはり侮れない)
―――ちぇっ。
(舌打ちする。どうせなら、あの少年の首を防腐加工して持ってくればよかった)
(そんな余裕は微塵もなかったから、今更悔やんでも仕方のないことであったが)
(体調が戻るまで、あの青年の死体が残っていればいいのだが、多分今日明日中には)
(鳥や獣の餌となるだろう。あの山には動物が沢山いるのだ。そして妖魔も同様に)
キミは――人ではないな。キョンシーやゾンビーとも思えない。
蛭子・・・・・サーヴァント・・・・ホムンクルス・・・・・ゴーレム・・・・・
(頭を切り替えて思いつく単語を列挙してゆく。少なくとも邪悪な存在には見えないが)
血も、いっぱい出て……ちゃんと洗ったほうが、いいかもしれませんね。
(軽く拭っただけでも、白かったタオルは血と泥で汚れてしまった)
(更に何枚か取り替えて、大まかに水分を取る)
久しぶり……って。
(彼の言葉は、遠い昔の記憶を辿っているかのようで。僅か1年余りの記憶しか持たぬ六花には想像もつかない領域)
……わたしにも、姉様が、いて。……そう、ですか……お亡くなり、に……
(死んでしまったら、もう二度と会えない)
(きっと、大切な記憶なのだ。事情も知らぬ六花は、胸を痛めるだけ)
……なにかいるものは、ありますか?お水とか。あったかいもの、でも。
(話題を切り替えるように、顔をしかめて傷の具合を確認している彼に問う)
(彼の腹づもりなど、疑わない)
…………あ。
(やはり、見抜かれていたか。あれだけの魔力を持つ者なら、同じく魔力の塊である六花の異質など火を見るより明らかだろう)
(しかも、その本性まで、辿り着いた)
……はい。わたしは、ヒトではありません。
ゴーレム。カタチなき、土人形です。
(無駄な申し開きはしない。部屋の隅に置かれた懐中電灯を灯して、完結に答えた)
そんなに拭かなくても平気だってば。
手拭いが勿体ないし。血ってなかなか落ちないんだよねー。
(不毛なまでに戦い続ける彼にとって、血で汚れた着物は見慣れている)
(そしてそれを落とすのにどれだけ苦労するのかも)
ああ、俺が中学二年の時にな。
本当に、どうしてあんなことになったんだろうな・・・・・・
(今思い出しても不思議でならない。どうして自分は姉を犯したのか)
(どうして、殺したのだろうか。母親の代わりでもあった姉を殺す理由など・・・・・)
(否、本当は、わかっている。単に、当時の自分がとった行動が納得できないだけだ)
ふぅん・・・・島田ちゃんにもね・・・・・あー、何か飲み物でも。
(薦められたので、遠慮なく厚意を受け取っておく。再生するにも材料が必要であり)
(肉が必要なら肉を食い、血が必要なら血を啜る。ともかく食べて、エネルギーにする必要がある)
ゴーレムか。ふぅん、泥や土、石や死体で作るのが一般的と聞いたけど。
なるほどね。そっかそっか。わかったよ、ありがとう。聞きたいのはそれだけだ。
(その答えに満足して、それ以上の詮索はしない。元より、細かいことには拘らない性質だ)
(素性を話した返礼として、こちらも力の一端を見せる。僅かに回復した魔力で珪素を生成する)
俺は、こんな感じで。どうぞよろしく。
(懐中電灯に照らされた粒子が掌に集い、ひとつの形を形成する)
(四枚の葉っぱを持つ草――水晶で出来たクローバーだ。それを彼女に差し出す)
それでも、汚れてるのは、嫌でしょう?
(何故遠慮されるのか分からないという風情で、六花は首を傾げる)
(人から厚意を受けることには過剰な遠慮を感じる癖に、他人のために労力を裂くことは厭わない)
(寧ろ、それに喜びを感じる――それが六花の本質であった)
………………。
(その理由を、六花は知らない)
(けれど、彼の空虚な悲しみだけは、伝わってくる)
(六花が何を言ったとしても、それは彼にとって何の意味も為さないだろう)
(故に。ただ、黙する。それだけが、六花にできること)
……わたしも、今は、会えませんけれど。
はい、あったかいのと冷たいのと、どちらがいいですか?
(再び戸棚の中をごそごそとやって、小銭を数枚ポケットへ)
(ひとのために使うなら、きっと本望だろう)
……それだけで、いいのですか?
(色々と追及されるかとさえ予想していたのに、拍子抜けしてしまう)
(「あのひと」にそれを知られるのを恐れていることがおかしいことなのかとさえ、感じてしまうくらいに)
…………え?……わ、きれい。
(彼の手の中に集まっていく光の粒子。それが凝集し形作ったのは、無色透明の四葉のクローバー)
ガラス……うぅん、水晶、でしょうか。
……え、もらっても、良いの、ですか?
(きょとん、と目を瞬かせ、差し出されたそれを受け取る)
(小さな結晶は、淡い光の中できらりと輝いた)
……じゃ、買ってきます、から。動いちゃだめ、ですよ?
(儚げな贈り物を、壊さないように大切に一度戸棚にしまうと、飲み物を買うために廊下へ出た)
・・・・・変わった子だね、キミは。
(感想はそれだけ。他人の厚意には慣れていないけれど)
(それを無碍に断るのも、面倒だった。ならば、好きにさせておこう)
「今は」、か。なら「いずれ」会えるだろうよ。
(それは言葉遊びでしかないが、無理だと思えばずっと無理なのだ)
(願う事。全てはそれから始まる。例えそれがどんな類のことであれ)
えっと・・・・・ココアが売ってたと思うけど、自販機で。
それ以上、何が必要なんだぁね?
言葉が交わせる。情が通っている。ならオールグリーンだZE。
(当然このゴーレムの悩みや葛藤など、この闘争狂には与り知らぬ事だ)
(必要な事ができるなら、それ以上悩む事も考える必要もないと、簡単に割りきっただけだ)
うーい、ゆっくり行ってきてね。
(贈り物はそれなりに好評だったらしい。軽やかにおつかいへ行く彼女を見送って)
(こちらはこちらで必要な作業に集中する。魔力をバックルから引き出して、慎重に制御する)
くっ・・・・・うっ・・・・・・ぐぅぅぅぅ・・・・・・
(体熱が上昇する。破邪の思念と魔王の力が相克している。除去しているのだ)
(一気にやると逆に身体に負担がかかって、結果的に回復が遅れるのだが仕方ない)
がぐぅ・・・・・るるぅぅ・・・・・・・・くぅっ・・・・・・・
(声を噛み殺す。除念に成功すれば、あとは再生能力に任せればいい。多少時間が経った為)
(傷痕は残るが、今更ひとつふたつ刻まれた傷が増えたところで大した問題ではない)
――うぅ・・・・・・・
(島田六花が戻る頃には、紅裂拓兎は失神していた)
(それでも、どうにか除念は成功し、再生能力は復活していた)
【そろそろ〆に向いましょうかね?】
……そうみたい、なのです。なにが変、なのでしょうか。
(ともかく、六花の行為は受け入れて貰えたらしい)
(ならば、存分に行動するまで)
はいっ、ぜったい帰ってくるって、言いましたから。
(誰よりも絶対の存在である創造主がそう言ったのだ。その言葉に、偽りなどあるはずがない)
(だから、六花は信じる。信じて、待っている)
ん、ココアですね?了解、なのです。きっと、あったまりますよ。
(にっこりと、笑顔を返す。やはり、ひとのために何かができることは、嬉しい)
……言葉と、気持ち……
(言葉を噛み締めるように、胸に手を当てる)
(それだけで、完全に十分なのかどうかは分からなかったけれど。それでも、ほんの少し、恐怖は薄れたような気がした)
……ありがとう、ございます。
(小さく、礼を返す。何故感謝されているのかはきっと、彼には分からないだろうけれど)
きらきらして、きれい……
(壊さないように、指先で水晶を転がす。これが、彼の「異能」)
大切に、しますね。ありがとうございました。
(ぺこりと頭を下げて、再び感謝の意を示す)
(彼の異能は、少なくとも今の六花にとっては、「きれいなもの」だった)
(階下の自販機でココアの缶を2つ買って戻ると、彼は完全に意識を失っていた)
……ん、怪我、治って……
(そういえば、魔力の循環具合が変わっている。これで治癒能力を高めたか)
……どう、しましょうか。お布団とかあれば、良かったのです。
(起こすのも忍びない。ドアに内側から施錠すると、缶を抱えたまま部屋の隅にしゃがみ込んだ)
【了解です】
(ガンガンと、頭が鳴る。グルグルと、記憶が巡る)
(或いは、それは美しい悪夢)
(みゃーと黒い仔猫啼く季節に見つけたキミはアンモナイトの囁きに)
(惑わされそれでも約束のあの丘で待っている。黒い箱舟を)
(その獣剛炉の中で燃え滾る聖人の遺骸をすり潰して煎じて飲んで)
(呪文を唱えて貴方のハートを引き寄せたい)
・・・・・・ほろれちゅちゅぱれろ?
(うわ言の様に呟いて、眼を開ける。頭が痛かった)
(それでなくとも、寝起きというのは機嫌がよくないというのに)
(今日のそれは24時間耐久でハードSF小説を読んだ後で国家試験を眼前に)
(した時の様な、半端ではない感覚。この星の重力にすら逆らう気力が湧かない)
うぐぅ・・・・・島田ちゃーん・・・・・今何時?
(床にへばりつきながら問いかける)
(彼が目覚めるまでに、実に一時間が経過していた)
そろそろ、帰らないと・・・・・いや、待ってる人いないんだけど・・・・・・
悪いね、迷惑、掛けて、うん、本当に・・・・・・
(ふらふらと、覚束ない足取りで立ち上がり、コートを纏う)
(それでも、傷は直ったのだ。骨折は三日、四日も安静にしていれば治るだろう)
(それは、泡のように浮かんで消える、記憶の断片)
(誰かの、言い争う声)
(六花の頭を撫でながら、自らの出自を語る、創造主)
(妹たちの、「六花ちゃん」と呼ぶ、声)
(それは、泡のように浮かんで消える、記憶の断片)
…………ん。
(床に座ったまま、六花もうつらうつらとしていた)
(が、彼の寝言とも呪文ともつかぬ奇妙な文字列によって意識が現実へと引き戻される)
(ふるふると首を振って、頭を覚醒させる。この辺りは、何らヒトと変わらない)
……えと……3時、44分?
(未だぽーっとした頭で答えるも、このひとの出入りのほとんどない部屋の時計は止まって久しく)
(正確な時間など分からないことを完全に失念していた)
……ら、もう起きても、だいじょうぶなの、ですか?
もうすこし休んでいかれても、構いませんのに。
(力なく立ち上がった彼を、案じながら目で追う。どうも危なっかしい)
(目に見える傷は塞がってはいるが、それでも万全ではないのだろう。それに、疲労もある)
(けれど、帰ると言ったら帰るのだろう。仕方ない)
……と。雨ももう、止んでるみたい、です。
(窓の外に目をやって、ひとまず安心する。また濡れては困るだろうから)
あ……と。これ。もう、冷めてしまいましたけれど。
(言いながら、先ほど渡しそびれたコーヒーを差し出す)
【お待たせしました。わたしは次で〆、で】
【ほぁー、コーヒーじゃなくてココアでした…脳内変換をおねがいしますorz】
大丈夫じゃないけど、下手に甘やかすと未練が、未練が・・・・・・
ふぅぅぅぅぅ!よっしゃあ!
(自分にしかわからない事を呟いて、気合いを入れる様にゴンと壁に額をぶつける)
ふんぐるいあふむてぐむ・・・・・・ふぉ・・・・・?
(眼前に火花が散る。流星が駆け抜ける深夜の幻影を見てしまったが気にしない)
(額から流れる血も、僅かな紅い筋だけ残して消えてゆく)
うむ?お、悪いね。ありがとう。
(すっかりと冷えたそれを受取って、プルタブを開けて口をつける)
(勢いよく喉を動かして、大胆に嚥下する。身体が栄養を求めていた)
ふぅ、ごちそうさま。今日は助かったよ、本当に。このお礼は後日、必ず。
(少女の小さな手を取って、上下に振って握手をする)
じゃあ、またね、島田ちゃん。
(満面の笑みを浮かべながら、紅い契約者は部屋を出る)
(後日、「開かずの部屋」の前に紙袋に入った象牙色のセーターと手袋が)
(「その節はお世話になりました。これはお礼デス」のメモと共に置かれていた)
(彼なりに懸命にお礼の品を考えて、季節も考慮して、これに行き当たったらしい)
(そしてその日の夜も、「人間が水晶像になる?」という怪現象が起きたのだが)
(島田六花の耳にその話が届くのは、もう少し未来の話となるのであった・・・・・・)
【うーい、これで〆です。長時間ありがとうございました】
【お疲れ様でした】
だいじょうぶ、じゃないなら……ふぁっ!?
(自らに喝を入れるような大声と、それに続く奇行にぎょっとして、思わずびくりと肩を震わせる)
ほら、血が、また……
(慌ててタオルを差し出すも、割れたはずの額に傷はない。ここまでのものかと感心する)
あ、でも。あのクローバーだけで、十分すぎるくらい、ですのに……わ、わ。
(強引に握手され、その手を振られたものだから身体ごと持っていかれてしまいそうで)
(それに耐えるだけで六花は精一杯だった)
はい、紅裂さん。また、です。
お気をつけて。おだいじに、ですよ?
(ひとのいない廊下の先に消えていく「世界の敵」の背中に、深々とお辞儀をひとつ)
……紅裂さん。変なひと、でした。
(部屋の隅、目立たぬところにマグネットでぶら下げられたそれ――ドリームキャッチャーを指でつつき、ひとり呟く)
(ひととの出会いは、いいものだ)
(感慨に耽りながら、冷たくなったココアの缶に口をつけるのだった)
【はい、こちらこそありがとうございました(ぺこり)】
【レスの遅さには、ほんとうに申し訳なく…!】
【では、おつかれさまでした。おやすみなさいませ(もう一度、ぺこり)】
【睡眠時間、不足なし。ごはんおいしかった、携帯もきっと大丈夫】
【直前更新、機影なし!】
【という訳でいざ待機、プロフは
>>17だ】
【今晩は。】
【早速ですがお相手よろしいでしょうか】
>>491 【こんばんはだ。来たな】
【避難所で言ってたマークって、結局どうする?】
【一葉の都合の良いように・・・ないならないで、普通にできるし】
【そうですね】
【分身倒して、気絶してるのを抱えて首筋辺りのものに気づく】
【…にすると少々時間かかり過ぎますか?】
【いや、それで良いぜ。もう交戦中だと設定して・・・そうだな、交戦理由はどうする?】
【異形を倒した俺を見て君が襲ってくる・・・ものか?】
【少なくともこちらは、異形捕縛を邪魔されない限り能動的には動かないし】
【逆に、異形にやられた君を助ける(というか割って入る)事もできるけど】
【私から仕掛けるならばあなたを異能者と認識すればそれで交戦理由になります】
【助ける方がお好みであればそちらでもいいですよ】
【じゃあ君から襲ってくる感じで行こう。騎士プレイはどーにも】
【場所は夜の雑木林で良いかな? 良いならこちらから書き出すけど】
【ある意味残念ということにしておきましょうか】
【了解です、よろしくお願いします】
【待たせた。では、よろしく】
・・・・チッ
(拳銃をガンマンよろしく回転させ、ベルトに挟む)
残弾ゼロ・・・か。良い感じにてこずったな
(悪趣味な山羊の仮面を被った黒装束の男は、疲労を滲ませた声を漏らした)
(仮面の男――紫 一久の足下には、人間ほどに巨大化したニホンザルが、意識を失い転がっていた)
(外見は大きくなっただけだが、意識がある内は実に厄介な相手だった)
(銃弾を受け止め、すばしっこく動き回り、一撃で木をへし折り・・・)
(幸い、知能が発達していなかったのと、表皮に変化がなかったのとで、何とか気絶させたが・・・)
・・・・・・全く、手間をかけさせる
(気絶した猿を軽く蹴り)
(しゃがみこんで、せっせとワイヤーで縛り始める)
(紫と猿との交戦のせいで周囲の木は倒れ、もしくは折れ、
場所によっては電流で焦げたりと、かなり荒れ果てている)
(更に、紫は手首を射出して三次元に走り回り、銃弾が当たった相手を痺れさせていた)
(紫が普通でない事は、遠目にも分かりきった事であった――もし見る者がいれば、だが)
(仮面の男と猿との激闘を遠くから見守る影が一つ)
(息と気配を殺し、だが闇夜から正確に戦う様を眼球に焼き付けていた)
(月がもう少し明るければその影が実は少女の物で、戦う者達は存在に気づいていただろう)
(所持している手帳には双葉の名が刻まれている)
(同刻、全く同じ顔の少女が夜の学校の屋上で忙しくメモを取り、独り言を呟いていた)
…異能者確認
電気系少なくとも中位以上
相性悪し
状況確認
戦闘許可有 双葉同調率50% 所持武器 対妖魔用暗視銃 残弾豊富
対異能者用レーザーナイフ…
…ふう。勝てないだろうけど…命令だ者ね。
仕掛けよう
『仕掛けよう』
(異口同音。)
(屋上の少女と林の少女の唇から全くの同時に同じ言葉が漏れ――)
(銃弾が仮面の男を襲った)
・・・・・
(黙々と、倒した猿をワイヤーで縛る)
(今施しているのは、微弱な電流のみで声帯と四肢を痺れさせる事ができる縛り方)
(一度目が覚めたら意識を奪うまでには到らないだろうが、捕獲ならこれで十分だ)
(ただ、かなりの精密さが必要とされるのだが)
・・・・っと
(束縛を完成させ、集中を解く)
よし、これでオーケ・・・っ!?
(その気配に気付かなかった原因は、集中ではなく、安堵だ)
(戦いに勝った、自分の苦境を破れるかもしれない・・・という安堵が、紫から警戒心を奪った)
(紫が側の木に立てかけておいた鉄棒――初等部から拝借――を手にとったその瞬間)
ッ!
(左肩に衝撃が走る)
(銃弾だ)
(勢いのまま、弾道から隠れるように幹の陰に隠れる)
ちっ・・・! 待っていたのか!
(左肩を庇いつつ、自分を撃った敵意の銃弾の発生元を闇越しに睨み、毒づく)
(生憎と弾は切らしている・・・ならば逃走か、肉弾戦のみかだが)
(銃を持っている相手に背を向けるのは、危険すぎる)
(それに・・・・)
・・・・気に入らん
気に入らんな
誰だか何だか知らんが・・・気に入らんな・・・!
(闘志を固めた紫は石ころを二つキープ、
更に仮面を外し、コートと鉄棒とワイヤーを組み合わせ、即席の人形を作る)
(石ころの一つを攻撃者から向かって右に投げて音を立て、
同時に人形を左に投げ、自信は石ころを手に右側に飛び出し、幹から幹を渡り、攻撃者を目指す)
一発の直撃確認
支障なしでこちらに急接近中。
…やっぱり精度が悪い。
70%ぐらいにしとけばよかったかな。
(屋上で嘆いている間にも全弾撃ち尽す勢いで乱射している)
(仮面が砕け、猿の血と肉が飛散し、樹木に穴が穿たれる)
『――来る』
(双葉が呟き、銃を片手に切り替えナイフを取り出す)
(仄かに光るそれは妖魔の皮膚を切裂き、屠るために作られた特別製だ)
(だが闇夜では相手に場所を教えているようなものだ)
闇夜の戦闘も考えてよね、この武器作った人は…。
性能調査のための戦闘とはいえ。
(ほとんどぼやきの独り言をいう間にも距離は詰まっていく)
っ・・・く
対人銃の威力じゃねーな、おい・・・!
(幹から幹へ、影から影へ跳びながら、確実に攻撃者との距離を詰める)
(その間、残しておいた石ころと左手中指をワイヤーで結び付け、
刃の薄いタクティカルナイフを抜き、こちらは右手
さらに銃弾を受けた左肩に軽く電流を流し、感覚を奪う)
(動きは鈍るが、痛みに気を乱されるよりずっとマシだ)
・・・ふ
(銃撃が止み、光るナイフを人影が取り出した)
(僅かに漏れ聞こえた呟きやシルエットからして、攻撃者は女か、とややテンションを上げつつ)
(勝利への確信に、その口許を歪める)
・・・・残念だが
(幹から幹に渡る隙間に光に向かってナイフを投げる・・・これの命中は些事だ)
銃撃を緩めたお前の負けだ――!
(幹の影――近付ける限界の影に飛び込みつつ、痺れた腕を大きく振り、
遠心力で石ころを攻撃者に向けて投げ、手応えを感じ次第、電流を流す)
(強さは、身体の制御を奪われる程度)
自分に能力の行使?
回復能力でなければ痛覚麻痺か
電撃を自分に打つ事での活性化?
双葉は…これ詰みましたね。
…双葉死亡の場合私はどうなる…。
死亡の50%?半死?
(のんきに呟いて隣の荷物のカバーをあける)
(対妖魔用、超長距離狙撃銃―らしいのだが)
何を想定してこんなもの作ったのかしら。
(暗視スコープを付けて遥か彼方の自分自身の辺りに照準を合わせる)
『まだっ!』
(相手の左側に回りこんでナイフを振るう)
(放たれた石が手ごたえもないほどあっさりと切断され――)
『がっ!?』
(次の瞬間には膝を付き、行動の自由を奪われていた)
(同時に屋上の一葉にもダメージと体の痺れが現れる)
…これ狙撃無理じゃ…。
殺気だけだしておけば気づいてくれるかしら。
(揺れるスコープを覗き込みながら照準を合わせる)
・・・・ほう
(路傍の石を切り裂いたナイフには驚いたがしかしそれも、電流は防げなかった)
っくっくっく・・・・
(嗜虐的な笑いを漏らしつつ、攻撃者を見下ろす)
ったく、良い武器持ってるな・・・あ?
(銃を遠くへ蹴飛ばし、更にナイフを拾って、攻撃者の女――胸でけえ――の額につきつけ
小刻みに微弱な電流・・・四肢を思うように動かせない程度の電流を流し続ける)
・・・・・名前、それと所属と、目的もだ
まさかソロの活動家とは言わせ・・・・ん?
(女の身体を観察し、気付いた)
・・・・これは
(ナイフを額から頬、首筋と、あくまで傷付けないよう、なぞるように滑らせ)
(それに気付く)
・・・・・・
(女の頭を掴み、木にもたれさそるように立ち上がらせ)
・・・・お前、<十三天梯>か?
(言葉の端に僅かな驚きを滲ませ、尋ねた)
【すいません、再起動してました】
【今から書きますのでお時間を少し下さい】
【ああ、慌てないで良い】
…照準、合わない。
(悲しげに呟く声。未だに余裕がある)
(己を客観的に見てしまう能力で身についた落ち着き故の余裕)
それは、対妖魔用最新兵器ですもの、一応。
いい武器に決まってるでしょう。
(返答の声は遠く、届かない)
(震える手で懸命に狙撃銃を操作するが困難を極めた)
『…』
(メモのためもあり独り言の多い本体に比べて終始無言無表情の双葉)
(武器もなく、打開策もない。狙撃を待ち離脱するしかなかった)
十三……天梯…?
(はて、と屋上から制服姿で銃を構えながら首を傾げる)
(どこかで聴いた様な、とても身近なような)
…うちの元締め的なやつだったかしら。
問い合わせないと。
(無表情だった双葉の表情にも同様の疑問と思案が表れる。)
『…あなたは、十三天梯と何か関係があるの?』
・・・・・あ、な、た、は?
(苛立ちと怒りとを露わにし、一葉の頭を掴む手から、電流を叩き込む)
(最初に浴びせたのと同じ、全身の制御の一切を奪う物だ)
図に乗るな女・・・? 互いの立場くらい理解しろよ?
俺が質問者、お前は回答者、加えて俺はお前の身体を握ってる
腕の一本でも失くさないと気付かないか?
(女を睨みつけながら言葉を吐き出し続けたが)
(ふと目を伏せ、溜め息をつく)
・・・・お前、<十三天梯>の異能育成・・・という名の異能工場の奴だろ
俺もそこの出身。知らないか? 人工覚醒の成功体第一号・・・・紫 "一"久
まあ、随分昔の話だし、もう二世代前の技術だからな俺は・・・無理もないか
(そこまで言うと、どさりと女の体を地面に落とし)
・・・・落ち着いて話がしたい。場所を変えよう
それと、スナイパーも下がらせろ
(スコープ越しに一葉をぎり、とにらみつける)
『…がっ!?』
(双葉は苦悶の表情を浮かべ両手両足がだらりと下がる)
(睨むでもなく、ただ無表情に紫を見返す)
(同士討ちと知って同時に舌打ちする)
…短気な。
電流の強さ逆算…メモの意味ありませんね
…せっかく照準合ったのに、"一"の人って。
(電流のせいで涙目のまま銃を下ろす)
『…では校舎の屋上へ』
・・・・っ、だから、名前と所属と目的とバストサイズを吐けと・・・!
(再び怒りを露わにし、頭を鷲掴みにするが)
・・・・ったく
(女の顔を見て小さく舌打ち)
(先の交戦で散乱した銃なりなんなりを拾い集め、女を肩に担ぎ)
・・・揺れるのは許せよ
(手首の射出を活用し、学校へ急ぐ)
(――十五分後)
(校舎の壁を難なく登り、フェンスをひらりと飛び越え、コンクリートの床に降り立つ)
(双葉を降ろしながら一葉を見て、さして驚いた様子もなく)
・・・・驚いたな
どんな能力だ、これは?
・・・あと、いい加減質問に答えろ
『…ではあちらで。了解。』
(無言、無表情のまま短く答える)
(肩に担がれている間も微動だにしない。)
『……』
(双葉が一葉の手に触れると双葉が消滅する。)
…今晩は。
どういう能力、と言われましても。
――たとえばこんな?
(自動小銃を構えた同じ顔が10数人一瞬にして現れる)
(が、すぐにお互いに手をふれ、また一人に戻る)
まあ、今のは冗談ですが。
私は十七夜一葉。
――貴方の言うところの十七番目です。
この地区の異能者や妖魔の調査及び彼らへの攻撃彼らの攻撃による
試作武器の性能調査を行っています。
…初めて組織の名を知りました。これでよろしい?
ああ、バストサイズは87ですが。
(思い出したように付け加える)
…今上にあなたのことを問い合わせています。
・・・っ!
(一挙に取り囲まれ、さすがに怯むが)
・・・・冗談って
半端ないな最近のは
(緊張を解き、肩の力を抜く)
十七か・・・ほとんど最新かよ。いよいよ俺もスクラップかね
(肩をすくめて受け流し)
武器性能の調査か・・・確かに良さげだったな。俺も欲しい
名前を知らないのは・・・無理ないか。俺も十年以上異能やってるが、名前知ったのつい最近だしな
おう、ナイスOPPAI
(一連のコメントを全て無感情に流し)
・・・・・ったく
お仲間がいるなら教えてくれれば良い物を・・・
経済制裁はともかく、情報まで締められるのは辛すぎるんだが
(鼻の頭を掻きながら、ぶつぶつと呟く)
(別に本気でそう思っている訳ではない。部署同士の連携が上手くいかないのは
決して珍しい事ではないのだから)
(そうと分かっていても、今の状況――無駄な交戦、無駄な移動、等々――を愚痴らずにはいられなかった)
俺? 一応電撃能力者、目的は異形捕獲と異能スカウト
バストサイズは測った事がない。悪いな
・・・・・でだ
(先程飛び越えてきたフェンスにもたれかかり、腕を組む)
折角仲間同士と分かったんだ・・・情報交換と行かないか?
…一応これで紫サンには勝てるはずですが…。
誘い込んで不意打ちという状況を作れないと無理ですね。
(肩をすくめて銃を下ろす)
最新かどうかは不明です。
15、16の方には会ったこともありませんし。
18の人が出来たという情報も届いてはいません。
彼らは戦闘特化用ですから別のところで実験しているか
調査が終わったらこちらに配備されるのでは?
試作品ですからね。
コストパフォーマンスを度外視した性能重視のようです。
ああ、あげませんよ。
(さて、と携帯機器に現れる文字を確認する)
……。
問い合わせ終了。確認しました。
あなたに協力するように、武器の支給も可、だそうです。
…先ほどあげませんといいましたので今回はあげません。
なるほど、戦闘特化ですね。あなたも。
バストサイズは聞いてません。
(頷いて、冷淡に流す)
情報交換ですか?
何を教えていただけるのでしょうか?
ふむ・・・・
(一葉の言葉一つ一つに頷き)
武器の支給は不要だ。下手に試作品使って故障したりしたら目も当てられん
そういうのは、失敗できるお前はまさに適任だろうな
(少しだけ・・・・ほんの少しだけ、皮肉と羨望をこめて言った)
情報交換は、情報交換・・・異能や異形に関するだよ
お前は、どんな些細な奴でも良いから、お前が会った異能について教えてくれ
俺はそれこそ、異形の狩場とか、色々教えるから
・・・・・協力するように、だろ?
そうですか。
きちんとダメージは帰ってきますし、
何より危険が広がりますからあまり良い能力とは思えませんね。
ついでに言えば…私自身試作段階ですし。
私としてはあなたのほうが羨ましく思いますけどね。
戦闘能力の面で。
(やや不本意そうに頷く)
…了解しました。
ではレポートの一部をあなたにも送信する、という形でよろしいでしょうか。
…そういえば伊織さんも異能者でしたね。
あなたと同系統、つまり電気系でかなり強力かつ消耗が思います。
【最後の一行ミスってました】
【こちらでお願いします】
電気系統でかなり協力な能力者かつ消耗が激しかったように思います
・・・・ダメージも受けるのか、お前
確かにそれは・・・って事はお前、さっきの分身にやってたのも、全部?
(こめかみを掻き)
・・・・・悪いな
戦闘能力は勿論だ
・・・伊達に戦っとらんよ、これでも
(口にして思い出す、紫一久として生きた記憶)
(自分が知る痛みも苦しみも、この女は知らないのだ)
(そうそう負ける訳がない)
(・・負ける訳にはいかない)
(一葉の表情を眺めて目を細め)
・・・・不本意か?
悪くない話だろう。狩場を知るのは
能率良く働く事は、お前の地位の向上にも繋がるしな
・・・・・電撃、だと?
(フェンスから身を起こし、一葉に一歩迫る)
(電撃の能力者・・・・それは任務ではなく、紫 一久が純粋に追い求めているもの)
それはどこの何様だ? ・・・この学校か
・・・・・ああ、それと
夜歩き回るなら、赤い男に気をつけろ
あれは勝てない
(断言するように言い放つ)
いえ、先に仕掛けたのはこちらですからお構いなく。
それに、今の私は平気そうでしょう?
問題ありません。
流石です。
推測するに異能に対抗する異能
異能に対抗する武器の両方を探っているのでしょうね。
われわれの上の方々は。
いえ、不本意、というよりは…。
負けた相手に素直に恭順するのが少し悔しいだけです。
個人的な感情ですが。
地位の向上に興味は特にありませんが
武器の威力を確かめるには重要ですね。
お願いします。
(軽く頭を下げる)
(一歩迫られた分一歩足を引いた)
ですから、伊織さんです。
陸上部の。有名でしょう?
雷撃系の攻撃の後に鳥系妖魔数体が消滅しました。
かなりの能力者と思われます。
…はい?
赤い男…ですか?
あなたでも勝てない?
・・・・まあ、そんな所だな
(言いながら、小さく頷く)
(異能や異形に対抗する・・・その目的意識は、末端まで染みているのだ)
(そう思うと、少し気分が良くなった)
・・・・くく
一つ良い事を教えてやろう。お前は別に、負けてはいない
心の持ち様だ。二勝先取の試合だと割り切れ。二回負けたら三勝先取だ
俺たちはこうやって生きている限り、いつかとかいずれとか言った枕の上であれど
勝つ事ができない相手なんていないんだよ
(一度負けたら二度勝つ、二度負けたら三度勝つ)
(幾度とない戦いを経た、紫なりの信条だ)
伊織・・・・
(黙してしばらく考えるが、いきなり手を打つ)
陸上部の伊織 津綺子! あいつ異能だったのか・・・!
しかも、電撃の・・・・ほほん
・・・・・今度メシでも誘ってみるか・・・・
(地面に視線を落とし、ぶつぶつと呟いた)
ああ、そうだ。赤い男。見れば分かる
・・・負けてはいない。いや、勝ったとも言えないが・・・まあ、逃げる事はできた
だが、それにしたって地の利と、相手の慢心があって、ようやく見逃してもらったような物だからな
俺なら勝算が見えるまで戦いは挑まない
・・・・思い出すだにおぞましい奴だ、あれは
(語りながら記憶が沸き上がる)
(光り輝く水晶の庭、迫る無数の刃、槍)
(そして何より、傷を負いながら再生する肉体)
・・・・あれはほとんど、異形だな
十分に警戒しとけ
・・・・さて
(再び手を一つ打つ)
今夜はそろそろ開くか? 明日も学校あるし
はい。
…楽しそう…ですね?
(不思議そうに笑顔を見つめる)
命は、、勝負はしかし、一度ですよ。
私は若干当てはまらない部分がありますが。
ですが、今あなたに協力することに異議はありません。
それに。
私が勝てなくても私の次が勝てば良い。
私たちの存在はそういう物であうはずです。
ならば…
赤い男ともぶつからねばならないでしょう。
彼の能力を知り攻撃能力を知り防御能力を知り
そしてそれを元に彼に勝てる者が現れればいいのです。
例え私が斃れても。
あなたと私の違いはその辺りでしょうね。
伊織さんに関しては…。
紫さんが必要であればまた探りを入れておきましょう。
なんなら捕縛を試みますか?
…そうですね。
連絡先を教えます。なんなりとどうぞ。
あなたのほうが私より上の立場のようですし。
楽しまなきゃ、前見なきゃオーバーフロウだ
俺は人間なんだよ。武器じゃねえ
それに、敗北が常に死に繋がるとは限らないしな
(手を軽くわきわきと動かし)
(機械のように戦いを捌く事ができない訳ではない)
(しかし、命がけになり命を思うと、機械的に割り出した絶望に人間である自分が駄目にされるのだ)
(そういう人間を、やはり紫は幾人か知っていた)
・・・・まあ、お前もあまり気負わない事だ
いつか限界が来る。口の端に笑みを浮かべるくらいがちょうど良い
・・・・・ま、止めないが
(小さく肩をすくめる)
(彼女がそう決めたのなら、自分が執拗に止める理由はない)
できれば・・・・そうだな。力の源くらいは探って欲しい物だ
ああ、連絡先・・・っ
(携帯電話を取り出した所で、痛みに顔をしかめ、携帯電話をとりおとす)
・・・・・そいや、肩に弾丸食らってたわ・・・っちつ
(小さくうめきつつ、右手を肩に当てて電流を流す)
(治療にはならないが、神経がマヒし痛みは収まり、出血も若干押さえられるのだ)
【では、こちらは次で〆ます】
【伊織に関しては次で触れる】
【止めないが〜、は赤い男に関してだ】
オーバーフロー…ですか?
それは詰め込み過ぎという意味で?
まあ、ですが…やはり負けは負けですから。
限界、ですか。
私の限界は私の次の方が越えてくれますから。
きっと。
私も紫さんも、いけるところまでいけるといいです、ね。
(そういって初めて笑顔を見せる)
ええ、止めないで下さい。
それこそ私もその人の情報いただきたいぐらいですが、
結構です。
…夜風が吹いて来ましたね。
(細い目をさらに細めて痛がる姿を見ている)
あの猿との戦闘を見て威力を最大にしたのですが…。
腕が吹き飛ばなくて良かったですね。
やはり50%の精度では連続して当てる事が出来ません。
その辺り改造の余地がありますね、この銃
(人事のように分析している)
(携帯電話を拾い、ついでに携帯と一緒に小さな袋を渡す)
治療具がこのバックの中に入っています。
ご自由にどうぞ。同じ系統でしたらあなたにも効くはずですから。
…そろそろ時間ですね、確かに
【了解です、補足ありがとうございます。】
・・・・・ふん
(次、か)
(自我を持って能力を制御し、自分本位に生きている紫にとっては、物語の中の話だ)
(実際にあった所で、自分には関係ない)
(初めて見た笑顔に、しかし笑みは返さなかった)
(俺は使い潰されはしない)
・・・・ま、警告はしたしな
そいつは、水晶のような物質を自在に操る。盾、剣、弾丸、好き放題だ
威力も物量も優れる・・・魔法だ
・・・・・伊織は放っておいてくれ
色々、知りたい事がある
(唇の端に歪んだ笑みを浮かべる)
あぁ、悪ぃ・・・・・
(携帯電話と治療パックを受け取り・・・しかし、使わずにしまった)
(何となく、目の前の彼女と同じでありたくないと、思ったからだ)
(携帯電話の番号とアドレスを交換し)
・・・・降りよう。朝が来る
朝が来たら俺たちは学生だ・・・・という訳で
(フェンスの上に飛び乗り、一葉を振り返って)
さらばだ、一葉
情報、頼らせてもらうぞ
(そのまま飛び下り・・・消えた)
【では、こちらはこれで〆です】
【お付き合い、ありがとうございました・・・やや睡魔が辛いので、このまま落ちます】
【おやすみなさい】
…ええ、次、ですよ。
武器のほう、出来たらあなたにも完成品が届くかもしれませんね。
水晶…。
その物質の組成や形成方法を知れば
弱点や、新しい開発に役に立つかもしれません。
多分指示が下ると思います。
私に情報収集が。
もしかしたらあなたに捕獲の命令が。
伊織さんの件は了解しました。
ですが、次に外であったらおそらく仕掛ける事になります。
その時はご了承下さい。
(使わずに仕舞われた治療パックと表情を見て沈黙する)
私は…そのまま教室へ行きます。
授業の予習があるので。
では。
(フェンスから消えた紫を見送って一人呟く)
…私が気に入りませんか?一号さん。
ですが、私はあなたの影です…。
(振り返り、屋上から一葉と双葉に分かれて教室へ歩き出した)
【ありがとうございました】
【おやすみなさい】
お久しぶりっ!
新しいプロフよ。よろしくね
【名前】雨宮ケイト(あめみや けいと)
【年齢】21 大学3年生(理学部生物学科)
【性別】女
【身長】165センチ
【3サイズ】B92 W60 H90
【容貌】肩ぐらいまでのストレートロングはヘアカラーなしで真っ黒
いつもきっちりばっちりメイクしている
ナイスバディを輸入物ランジェリーでさらにバージョンアップ
かなりの近眼で普段は眼鏡をしている
大きな目、特に黒目が大きくて合うコンタクトレンズが見つからないほど
【能力】自分の声で、ありとあらゆる音が出せる。
声真似(口調まで似るとは限らない)、音真似のほかに
可聴音域外の音声で潜在意識に語りかけ、サブリミナル効果を及ぼすことや
聞いただけで苦痛を感じる音波を発したり、
共振を起こしてガラスのように壊れやすいものを壊したり
コンクリートにヒビを入れたりできる。
【希望】雑談・共闘・肉弾戦以外のバトル・和姦
【NG】強姦・百合・スカ・過度のグロ描写・死亡・妊娠
【弱点】音が聞こえない相手には発揮できない能力が多い
身体能力は高いが、超人的だというわけではない
ド近眼で合わないコンタクトレンズを無理にはめているためにしょっちゅう落とす
【備考】アメリカ西海岸出身の帰国子女 高校2年の時に帰国、編入
現在は駅近くにある雑居ビルの中の『山田探偵事務所』にタダで住み込んで
探偵助手(?)や異能・妖魔関係の調査・退魔などをやっている
事務所長は謎多い人物でほとんど所在不明であり、めったに連絡も取れない
大学での専攻は分子生物学 チアリーディング部所属
普段は眼鏡をかけていて地味な格好をしており、冗談も通じない超合理主義者
超自然現象は絶対に科学的根拠に基づいた説明ができると信じている
眼鏡を外すとイケイケの明るい体育会系ヤリマン姐御
あらゆる面で面倒見が良すぎるお姉さんになってしまう
あんまり長くいられないけど、ちょっと待機。
凍結オッケーだから、良かったら声かけてね。
そろそろ帰るわね。
これからまたよろしくー。
【雨宮先輩、復帰おめでとうございます】
【で、折角なので待機】
【規制中なら避難所から声をかけてくれ】
【しれっと偽装!】
【済まん
>>17だ・・・ごめんなさい】
避難所は覗いてた。誰が来るのか楽しみにしてたよ
そんな訳でこちらからもお相手お願いする
プロフも確認OK。あ、こちらのプロフは…
>>19だ
プロフだと言って鏡を差し出していた・・・!
えっとだな、ロール内容なんだが・・・夜にタイマンで遭遇できる物か?
もしできるなら、やはりその上で共闘か戦闘か・・・・
あと、件の廃工場で会う、というのも。直後は無理にしても、数日後とかに
直前に確認してたから間違いに気付かなかった、と言うのは秘密だ
夜に邂逅(バトル付)かい?全然問題なし、だ
では、ついでだし場所は件の廃工場、俺が考え事をしているところに君がくる
そんな感じでいかがだろう
共闘か戦闘かは君の気分に任せるよ
OKだ
先輩が考え事してる所に・・・・異形から隠れるつもりで飛込んでくる事にしよう
それならどんな状況にも対応できるはず
あと別に、流れが流れなら戦闘はなくても・・・だ
書き出し、頼んで良いか?
OKOK
んだば、ちょっくら書き出しを作るので少々お待ちを
(数日前の自分を見つめ直すために、再び訪れた廃工場)
(あの狂乱の宴の痕跡は床にわずかな黒い染みを残すのみ)
(外は凍て付くような雨。しずくが破れた天窓から小さな滝となって流れ落ちる)
……………
(あの時感じた狂喜は果たして自分が感じたものなのか)
(それとも闘争本能を満たされた己の中の妖魔の悦びか)
……………
(忌まわしき場所で、忌まわしい記憶に浸りきり)
(背後に新たな気配が出現したのに気付かないままでいた)
【んじゃ、こんな感じで。よろしくお願いします】
【済まん・・・なんか、打ち合わせとは違ってしまった】
【色々、適当なのがパッと思いつかなかった。異形は必要になったら出す】
【こちらこそ、よろしく】
・・・・・ふむ
ようやく、容疑者が現場に戻って来てくれたかね
(普段通りの黒装束に、仮面の代わりの黒マフラーに、サングラス)
(怪しさ全開の格好で、その男――紫 一久は、ビニル傘――黒くない――を畳んだ)
・・・・ここ数日、結構精を出してここを見張ってたんだが・・・
俺以外の奴を見るのはお前が初めてだ
・・・・・ここに何をしに来た?
(喋りかけながら、紫は密かに脅えていた)
(目の前の男・・・何がどうと具体的な説明はできないが、只者ではない)
(知らず知らずの内に、ポケットの武器を手で撫で、存在を確かめていた)
…っ!!
(背後からの声に慌てて振り返る)
(完全に油断していた。気を抜いていい訳がない場所なのに)
(目の前の人物が妖魔なら、ここで命を落としていたかも知れない)
(…もっとも、全身黒づくめ--ご丁寧に顔まで隠した--「男が真っ当な人間であるはずがない…)
(気を引き締め、男の挙動に意識を集中する)
容疑者…とは穏やかじゃないな…
(この場所についてどんな噂が流れているかは有名。「ここを訪れる者」=「夜を往く者」で間違いないだろう)
…特に用事がある訳じゃないんだが…少し思い出に浸りに…な
(それでも質問には素直に答えてしまうのは、生来のお人好し故)
お前さんは…俺に用があるのかな?
【もうまんた〜い、別に異形は出なくても構わないよ】
・・・・ふん
本当に油断していたのか
(傘の水滴を払って、正面から男を見据える)
(・・・・身体は鍛えられているが、何か訓練を受けた様子もなかった)
(その動きは野性的で、洗練された物とは言えなかったからだ)
・・・・思い出に浸りに、な
(傘を突き、軽く足を開いて地面の血痕を見る)
数日前、一体何があったのかは知らないが・・・何かあったのは分かる
生物の残骸、おびただしい量の血・・・・ここで何か、大袈裟な虐殺があったんだろう?
・・・なら、気になるじゃないか。この町に住む者として
(表情を隠し、建前を並べ列ねる)
(男の態度からして、男がこの異常事態に関わっているのは明白だった)
・・・・それは分からないが
この虐殺に関わりがある者を探している・・・と言ったら、お前はどうする?
(無感情な声を心掛けながら、紫は必死になっていた)
(眼前の男が纏う、違和感の正体を把握する事に)
(男の移動に合せて体勢を微妙に調節する。靴の底が床を擦り、ジャリジャリと小さな音を立てる)
(男の足の運びと手の動き。等分に警戒する)
………お前さんが、本当にこの街の住人なら、確かに見逃せない事件だな…
(返答が遅れたのが明白な答え)
(無機質な声で紡がれる屍山血河の様子に、声と表情が硬くなるのを意識しつつ、それでも言葉を続ける)
……質問に質問を返して申し訳ないが
その関係者を見つけて…お前さんはどうする?
・・・・・ふん
(茶番だな、と心の中で愚痴りつつ)
俺はそいつに要求する。単純明快だ
(神経質に、傘で地面を二回叩き)
虐殺の真相。誰が何のために、どうやって虐殺を働いたのか、その説明を
・・・・残骸を見る限り、あれは人間の所業ではなかった
爆発的な打撃でひしゃげた残骸、正体不明の圧力に骨髄まで捻じ曲げられた残骸
・・・あんな人間外れな虐殺を働ける奴を放っておけるほど、俺は日和見家じゃない
それにあの中には、この周囲に潜むほとんどあらゆる生物がいた
人間、動物・・・(ここでまた、傘で地面を突き)・・異形
・・・・・驚くなよ
何となく、検討はついていただろ?
(紫はただただ建前を並べていた)
(あくまで異形知識のある一市民を装い、情報を引き出そうと考えたのだ)
(幸い、口はそれほど重くない様子。適当に嘘を噛ませれば、どうにかなるだろう)
……ならば錬金術師でも探すんだな
(もう一方の当事者について口の中で小さく呟きながら)
目的は何かは知らないが…
手で殴った。爪で引き裂いた。足で蹴り潰した。歯で噛み千切った
そうやって、作り出した
(覚えている限りの記憶の中から、自分の行動を告白する)
(同時にあの時の感情まで思い出し、気分が悪くなっていく)
(相手が何を求めているのかは分からない。ならばこちらからカードを切る)
(元々が腹の探り合いなどに向かない性格をしているのだ)
……お前さんの探している関係者が目の前にいるぜ
どうする?
れんき・・・・・錬金?
・・・瀬尾 司か?
(拾った言葉の端から、それっぽい説を導き出した)
(底知れない奴だとは思っていたが、まさかこんな事に絡んでいるとは)
・・・・何を偉そうな口を叩く、関係者
(探るような声色から一転し、冷徹な声色)
(建前を捨てた・・・・捨てても大丈夫と判断した)
(否、それもまた建前・・・なんという事はない、純粋に苛立ちで建前を忘れたのだ)
目的は知らない? 馬鹿を言うな
・・・・お前がオールレンジフル活用で暴れたのは、まあ、良しとしてもだ
何の目的もなくは動いたりしないんだよ、あらゆる生命は
・・・・・それとも何か? 虐殺はお前の中の別の何かがやった、二重人格だ、とでもほざくか?
(先程からずっと抱いていた違和感と合わせ、仮説をつきつける)
それならそれで、そいつと会話をさせろ・・・早く
(言いながら、仮にこの場で交戦する事になった場合の事を考える)
(紫にとって、今日の雨は幸いだった)
(雨が降っているという事は空気がほとんどそのまま水だという事・・・)
(威力に注意さえすれば、こんなに攻撃を飛ばしやすい環境はない)
(それに加えて、この場所・・・・廃工場)
(少し工夫すれば、雨くらいは容易く降り込むだろうし・・・)
(そこまでしなくとも、男を外に追い出せば、そこはやはり雨)
・・・・・勝てるな、俺
(マフラーの下、気取られないよう、ぽつりと呟いた)
偉そうなのはお互い様
お前さんがどれほどご立派な身分なのかは知らないけどね
(気分の悪さが苛立ちに繋がる。キレる程ではないが声に棘が立つ)
あいつらに生命があったとしたら、な
俺は悪趣味な錬金術師に付き合わされただけなんだ
だから、目的なら直接本人に聞きな
それと、だ…リクエストは断らせて貰う
(続けて男の突き付けてくる、ある意味間違っていない仮説)
(それを事実上肯定しながら、突っ撥ねる)
聞きたいことは聞けたか?
なら一人にして欲しいんだが…
(そう言いながらも、男に対して警戒を解く事なくより一層の注意を払う)
(最早臨戦態勢と言っていいレベルまで緊張を高めて、相手の仕掛けを待つ)
ああもう、分からん奴だなお前は・・・・
(苛立ちながら水溜まりを傘で叩くと、飛沫と電光が舞った)
お前の目的だ、俺がさっきから聞いてるのは
その・・・・悪の錬金術師に言われるがまま人形の如く虐殺したのか? お前の意思抜きに?
お前は何なんだ? センチメンタルなフリしてその実ただのお人形か? 自分の意思を幼稚園に忘れて来たか?
・・・・あるいはもし!
(びし、と傘を突きつけ)
お前が本当に意思なく理由なく虐殺を働いたなら、それは見過ごせない
・・・・理由は言わんでも分かるな?
(話しながらも、紫はこの相手に虚無感を感じていた)
(この男からは、致命的なまでの欠落を感じたのだ)
(それが何かは・・・分からないが)
……取引さ。ある物--聞くなよ、話が長くなるからな--の対価に、あいつの作り出した異形と闘った
途中までは記憶があったが…俺も必死だったんでな、詳しくは、覚えていない
(無意識に真実に少しだけの嘘を混ぜる)
(相手の苛立ちと反比例するように、心の陰りが熱を冷ます)
(突き付けられた傘の先を見つめながら)
(その先に立つ男に向けて言葉を連ねる)
理由は取引の対価。意思は…生き残るので必死だった
その結果が、あの惨状だ
(血と肉と暴力に酔い、狂気の果てに力を際限なく開放した事実と)
(錬金術師の言葉が心に更なる陰を落とし、声が暗く沈む)
・・・・・
(憮然とした様子で傘を下ろし)
・・・・最初からそう言え、全く
あー・・・・つまりお前は
悪の錬金術師との取引に目がくらんで、半狂乱で暴れ回った・・・と
・・・・・そのモノの話を聞きたいが、まあ許してやろう
(冷静に事態を整理し、把握し・・・・浮かんできた事実は結局)
・・・枯れ尾花、か
(大きな溜め息を一つ)
(と、サングラスを外し)
・・・あー・・・・その、何だ
無駄な問答に付き合わせて悪かった
お前、名前は? ・・・・あ、あと結局、悪の錬金術師って誰だよ
………目が眩んだ訳じゃないんだけどな
(取引の内容を詳しく詮索してこないなら--してきても--答えるつもりはないが)
お前さんは、何を期待してここへ来たんだ?
まさか今更、好奇心のある一般人です、とでも言うつもりじゃないだろうな
(大きな溜め息を漏らすのを聞き、逆に問い掛ける)
それは構わないさ…
(サングラスの下から現れた目が意外と若い--多分同年代--ことに驚きながら)
(同じ学園の生徒…何の根拠もない、そんな予感を感じる)
俺が名乗れば君も名乗るか?…今はお互いに名乗らないでおこう…その方がよさそうだ
その…錬金術師の名前もな、今は伏せておく--ここでお前さんに話すのはフェアじゃないからな
【済まん、操作ミスで消してしまった、書き直す】
【あと、やや限界が近いので、適当に〆か凍結、頼みたい】
【OK、慌てず騒がず、だ】
【そちらに何かやり残しがなければ、あと一往復くらいで締められると思うけど】
【何なら前レス
>>549で締めでもいいが?】
・・・・俺がここに来た理由・・・な
(偉そうに腕を組み)
・・・単純に、知らなきゃならんかったからだよ
こっちにも色々目的があってだな・・・・犯人が異形なら然るべき手段で裁いてたし、
犯人が人間なら・・・ま、それをマークするのが俺の仕事
(もっとも、その目的は町の守護ではないが・・・・・)
(男の言葉を無視し)
・・・・紫 一久。あのでけえ学園の二年だ
ちなみに、お前がここで自分の名前を吐かないなら俺の仕事に"尾行"が加わるだけだぞ
【待たせた】
【ああ・・・・済まん】
【このまま〆で大丈夫っぽい。あと1、2レスいただければ】
仕事…ね…
誰からか頼まれた仕事なのか、それとも自主的にやっていることなのか…
(その手の組織がある、とは知っている。目の前の男が組織の人間なのかは分からないが)
(いまいち目的が不分明だが、詳しい詮索はしないことにしておく)
…分かったよ、お前さんなんかに付き纏われたくないからな
迫水 直。その学園の3年だ
一応先輩なんだからな、敬語を使えよ?
(溜め息混じりに、名乗る。ついでに出した言葉は単なる蛇足)
じゃあな、俺はもう帰る。構わないだろ?
(そう言うと、答えを待たずに一久に背を向けて歩き出す)
【では、こちらはこんな感じで締めにしよう】
【そちらの締めを見届けてから落ちるよ】
・・・・・先輩か。だろうな
(ほ、と息をついて)
先輩とか後輩とか、そんなのは所詮、学内じゃないと意味を為すまい
そんなに気にするな・・・学内で会ったら、先輩扱いするから
(そう言って、ひらひらと手を振って見送り――)
――――そォれ見た事か・・・いや、聞いた事か!
(ボールペン・・・型の録音機に向かって、いきなりシャウトしはじめる)
良いか? やっぱ俺のやり方が合ってたんだよ!
全く怪しまれずに探るなんて結局不可能!
あと、適当に嘘を混ぜれば、情報あっさり出たろ!?
アイムジャスティス・・・だ!
だからいい加減経済制裁解いてくださいっ!!
(・・・・と、当たり散らすように叫んだ後)
(録音機を止め、冷静な声色で振り返るように呟く)
・・・重要な事は一つ
今の奴はかなり強力な異能であり、自身を完全に制御できていない、と
・・・・ふむ
まだ、実際の能力を見なければ何とも言えないが・・・
・・・・・引き入れられるかね、迫水 直
(宙を睨み、ぽつりと呟いたのだった)
【んむ、お付きあいありがとー】
【・・・・実際、冷静に組織理念を話せば同調は得られるかねえ。先輩はオペコースだけど】
【では、おやすみだ】
【見届けたよ〜】
【さて、どうだろう?組織理念ってのは「異能の捕獲、利用方法の研究」だよね】
【俺は、異能なり異形なりは人の手に余るモノ、だと考えているから】
【もし同調したとしても先にあるのが解剖じゃあね…難しいかも】
【その辺は避難所で話し合ってみようか】
【それはとにかくお疲れ様。お相手ありがとう】
【おやすみ〜ノシ】
【スレをお返しします】
平日、夜。
条件は最悪だ。それでも試してみることは悪では、ないっ!
……っつーわけで待機。よろしく。
……………よし、寝るっ!
【名前】北峰綾香(きたみねあや)
【年齢】15
【性別】女
【身長】160
【3サイズ】80-59-79
【容貌】黒のボブカットに眼鏡
【能力】大地を操る能力
地面に腕をつけることによって、相手を地面から縄状のものや、腕状のものを出して拘束したり、槍や剣状のものを出して攻撃したりすることができる。
地面がアスファルトだろうが鉄だろうが関係はないが、その地面の硬度によって、体力の消耗が増減する。
また、大地の力により若干ではあるが傷を癒すこともできる。
【希望】雑談、バトル ※エロールは相談の事
【NG】 今の所無し
【弱点】建物内の戦闘及び空中戦、水中
【備考】高等部一年。普通の中流階級の家庭で育っていたが、両親が異能者によって目の前で自らの犠牲になる形で殺害され、
以後は親族の家庭に引き取られ暮らしていた。(現在は寮生活)
目の前で現場を見てしまった為、一時は失語症にまで陥ったが、現在は無口ではあるものの若干は喋る事が出来る。
能力は、両親の復讐の為に魔導書を漁り、見つけた大地の精霊と契約したもの。
但し、それと引き替えに地面と接していない空中及び中空がある建物内等では生命力自体が弱体化する為、病弱と周囲に思われている。
両親を殺害した異能者を探すのには異能者の集団に入った方がよいと考え、学園に入学し情報を求めるが―。
目的のためには手段を厭わず、目の前の敵は全て叩きつぶそうとする固い意志の持ち主。
尚、両親を殺害した者の一派と思われる者に常日頃から襲われているため、能力を使用することを躊躇わない。
最近は若干性格は丸くなりつつある。また復讐を「未来へ向けて、過去への決別の為――」ととらえる心境的変化も。
敵幹部クラスと当たることが多くなり疲労が溜まりやすく、情報流しも若干日を置く形になってきている。
そろそろ決戦も、近いのかもしれない。
【という訳で、待機。】
【久方ぶりなので、若干色々手間取るかもしれないけれど。】
さて、相手ぇ、してもらおうかね。
どーゆー話にするかってぇのは、まあおいおい考えるとして。
【】外していいのかな。
こんばんは。
よろしくお願い…確か、こちらでは面識がないはず。
どうもっていこう……?
まあ、面識はねーわな、今も昔も。
だが、そっちが俺を知ってる分には構わない。
っツー感じのキャラ立てしてるからな、俺は。
さて、んでどういう話にするかだが……大まかに分けて二つ。
ケンカするか。それともケンカするかだ。
………いや、冗談だ。
闘るか話でもするか。好きなほうを選べばいいさ。
私があなたを知っている可能性は…線的には薄いと思う。
目立つ、という意味ではなきにしもあらずかもしれないけれど。
……つっこみまち…?
(首を傾げて)
……今の私は比較的疲労していると思って貰って構わない。
恐らく、敵対意思さえみせなければこちらからはしかけることは無。
少しでも見せたら疲れてる分精神的余裕がないから攻撃すると思う。
その辺を踏まえてどうするか、という所。
あなたの性格からして、売られた喧嘩は買いそうだから…。
…少し、決めかねる部分はあるかも。
そうだねぇ……生憎、俺は見ただけで相手の強さがわかるほど目が肥えてない。
だから、あんたを見ても普通の女だと思うかもしれない。
そして、普通の女にいきなりケンカを売るほど俺は歪んだ嗜好はしちゃいない。
だから、普通にやりあうってのは難しい。
そうだなぁ……まあ、あんたの話に乗ってみるのも悪くはない。
あんたを狙ってやってきた敵、俺がそこに出くわした。
まあ、それでもいいんじゃないかね?
成程……ありがとう。
それだと……えっと…ごめんなさい、物わかりが悪くて。
私を狙ってきていた敵と私が遭遇したところにあなたが、でいいの?
もしくは、あなたと敵が遭遇したところに私が来る、のどちらか…だとは思うのだけれど。
ん、残念ながら俺にはこれと言って敵がいない。
こう、非人間的な奴らに限ればな。
そして、俺としてはあんたの敵というのにも興味がある。
おまけにあんたを狙う奴には、多分俺を狙う理由はないだろ。
だから、あんたが闘ってるところに俺が突っ込む。そいつでどうだい?
分かった、それで了解。
そうすると、書き出しは……私からになるのかな。
場所とか時間帯の希望があれば、それも言って貰えると。
真昼間から、なんてのはさすがに勘弁だ。
いくらなんでも雰囲気でねぇ。
まあ、そのくらい考えればそれ以外は全部そっちに任せるわ。
ん、分かった。
それじゃあ、書き出しする。
レス速度が遅いのはごめんなさい。
待っていて。
(最近、やけに体が重たくなったりすることがある)
(それは体に着々とダメージが溜まっているからなのだろう)
(抑えるために、戦闘をできるだけ減らすようにはしているが)
(それでも、やはり敵のレベルが上がってくると苦しい物があるのは否めなかった)
(ここで休んでしまっては、元も子もない、できる範囲で最低限のダメージで)
(そう思いながら、最近は戦っているかもしれない)
(そして今日は情報を流した日――夕刻過ぎ)
(既に日は落ち、肌寒さはかなりあり、オーバーニーで足はカバーしているものの、それでも鳥肌が立ちそうだ)
(恐らくこの景色がなお一層、それを助長しているように見えた)
(一面、真っ平ら――ここは、学園から少し離れた河川敷)
(よくある、草野球グランド等があるようなと言えば良いだろうか)
(本来は狭い場所であるほど、自分が有利なのだが)
(あえて、広い場所を使う事にした)
(その理由は……確かめてみれば分かる事)
(髪が、風で靡き揺れる)
(街灯が薄明るく照らし、若干遠い場所にある橋から見える車のライトが時折反射するように光を此方へ向ける)
(何か来た……今回も影は一つ、そういえば前回も、前々回も)
(一気に叩きつぶした方がよっぽど得策なのではとは思うが)
(それは、自分の考える事ではないので頭から振り払う)
(コツ、と影の足音がはっきり聞こえた瞬間人間の腕の太さを明らかに超えた拳が向かってくる)
(落ち着いて、と言い聞かせ地に指をつけ、ある程度の厚みの土壁を作り、横に転がる)
(どうやら、幻影かは分からないがこれがこの影の「異能」のようだ)
(重く大きい音が、河川敷に響いた)
【こんな感じで。よろしくお願い。】
(強くならなければならない、最近頓にそう思う)
(思わぬか形ではあったか知ることとなった異形、その手の手合いを相手にすると)
(今のままでは心許ない。やはり、強くならなければならないと感じた)
(だからと言って今すぐ変われるわけでもない。強くなるためには、やはり日々の努力は欠かせない)
ふっ……ふっ……ふっ……。
(早いペースでひた走る。何もしないよりはマシだから、彼は走る。走る。走る)
ふぅー……随分走ったな。今日はこの辺りで……っ!?
(河川敷の上を、真っ直ぐ真っ直ぐひたすら走った。町の一つは走り抜けたか足を止め)
(そんなところに聞こえた轟音。何かが起きた。そう判断するには十分すぎる)
……よし、どうにも少し消化不良だったところだ。
ついでに見て行ってやるか。
(走るときには巻いている、汗で汚れたはちまきをぎゅ、と絞めなおして)
(そして走り、たどり着く)
…………。
暗くてさっぱりわからん。
(顔を顰めて眼下を眺める。何かがいるのは分かるけれども、こう暗くては分からない)
(何せ、片方は影なのだからなおさらだ)
よし、行くか。
おらおらぁっ!首ぃ突っ込みに来たぜぇぇっ!!
(無謀なバカが、河川敷の向こうからやってきた)
(恐らく一撃は、拳の大きさと同じくとても重たいのだろう)
(思わず冷や汗が寒いにも関わらず、流れそうになる)
(自らの能力に頼り切った細身の体では致命傷になりかねない)
(拳の攻撃範囲が広いなら尚更だ)
………っ。
(瞳を泳がせる、有効な攻撃の術を探す)
(視線の端に、鉄の大きな網状のゴミ箱が3つ並んでいるのが見えた)
(これを投げて…その好きに、…いける!)
(そう思った刹那、大声が突如として耳に入る)
(視線を影からできるだけ離さないように向けると)
(はちまきを巻いた男子がこちらに向かってくるのが見えた)
(敵の目的は自分とはいえ、ヘタをすればあちらにも向きかねない)
(…恥ずかしかったが、仕方なく大声を出すことにした)
来ては駄目!これは、人じゃない…人じゃない何かなの!
形は人でも人じゃないし、さっきの音聞いたでしょう!
お願いだから、さがっ……っ!?
(二撃目。今度は拳が小さいくせに、速度がやたら速い)
(避けきれず、脇腹をかるく擦る)
(腰を軽く曲げるようにしながら、一本指を突き斜め前に地面の手を出して自らを飛ばさせる)
(図らずも、男子の側に着地してしまった)
…見たでしょう、今の。
悪いことは言わないから、今なら、まだ逃げられる。
(男子を見上げながら、目を詰問するように細めて)
見てた。あからさまに普通じゃねぇ。
……だからこそ、だ。
やっぱりこーゆー普通じゃあない手合い相手は、場数を踏まなきゃ始まらん。
ちょうどいい機会を与えてくれたことに、俺は感謝してるぜ。……だらぁっ!
(見上げるような視線に対して、にぃ、と唇の端を吊り上げて)
(そんな隙など見逃さず、影の手刀が飛んでくる。それに向かって拳を振るう)
(そして交錯、受け止め、即座に受け流す)
しかし、だ。本当にこの町にはいろんな奴らがいるなぁ、おい。
見たところ、あんたもその手の奴みたいだし。……いやぁ、面白い面白い。
(それでも懲りずに打ち出される手刀にを、全て片手で受け流しながら)
……で、結局のところあんたら何?
(闇の向こうで佇む影と、目の前の少女)
(その双方に聞こえるように、ひとまず声を張り上げた)
……………。
(今の発言を聞いて出た感情は、怒りと呆れ)
(それはきっと、自分の精神的疲労度も関係しているのだろう)
(普段ならもっと、冷静でいられたはずだ)
………っ。
(何と表現したらいいのだろう、流した……?なにそれ、と思わず口走りそうになる)
(でも努めて落ち着いて、その様子をちら、と何度かみて)
………まったくと。
あなたみたいな物好きも、それに入るとおもうけど?
(冷たい目線を向けながら、軽く乱れた髪をかきあげ眼鏡を元の位置に戻す)
ワンパターンじゃないから。重たいのと早いのがある。
気をつけないと…ほらっ!
(反射的に屈みそうになるのを耐えて、土の壁を男子と自分、そして影の間に今度は余裕もあり分厚い土壁)
(今度は重たい方。半分くらいはかるく抉り取られた感触だ)
…………何って、敵同士。
(そういう質問じゃないの?と顔を向ける)
(影は、若干ゆらりとしただけで答える素振りはない)
っははは、違いねぇ。
でもな、俺もようやくと知ったんだ。
あんたや、あいつみたいな、あからさまに普通じゃない奴らがいるんだってな。
……そして、ケンカ売るならそういう奴らにしたほうが面白い。
(生き生きとした表情で言葉を告げている間にも、巨大な拳が迫り来る)
(大きさなんか関係ない、と受け止めようとした矢先、土の壁がそれを遮る)
……で、これがあんたの力ってわけ。
なかなか便利そうな力だ。
(感心したように頷いて)
敵同士、か。
ふむ……じゃあ、俺はどっちを相手にしたっていいんだな。
だけどさすがに二人まとめて、ってのはちょっとしんどい。
よし、ここはまず降りかかった火の粉から払うとしよう。
(小さく頷き、呟きながら考えて)
敵同士、ってことは。あいつを倒さなきゃならないんだろ。
協力する。だから、あいつ倒したら次はあんたが……俺の相手をしてくれや。
(好戦的な笑みを向ける、わずかに牙のような犬歯が覗く)
じゃあ、まあ……行くぜっ。
(頭上に巨大な拳が迫る。それを難なく受け止めて。その衝撃を足元に流す)
(途端巻き起こる土煙、その真ん中を突っ切って、影に向かって突き進む)
むしろ、知らないでいた方が余程幸せだと思う。
私は…だけれど。
でも、あなたは違うみたい。
(自分の能力の取得経緯からすればそう思うのは当然で)
(必要ない人間には、必要ない能力なのだから)
………便利……。
まあ、そう…だけど。
(その一言で片付けられたのが、なんだかどこか癪に障って)
(少し苦虫を潰すような顔で)
……………また、何を。
(この破天荒な性格、どこで身につけたのだろう)
(そう疑問に思わざるを得ないほど、この男子は好戦的で、楽観的だった)
……それは、そう。
…………………できれば勘弁願いたい。
でも、協力してくれるっていうなら、少しは考える。
(まるで…獲物を見つけた猟犬のよう)
(強いて言えば、主人がいない所が違う点だろうか)
……あぁ、もうっ!
(振り回されている、更に癪に障った)
(しかし、事情は一々癇癪を起こしている状態ではない)
(真ん中を抜けるというなら、自分は脇)
(男子に当たらない角度に土の手で動き、持ち上げられ)
(やや俯角のついた、脇から硬土の矢を速射で軽く10本くらい放つ)
(あとは、男子にこの土煙だ、委ねざるを得ない)
(万一のため、壁、とどめ、両方できる用準備するだけだ)
確かに、知らなければ知らないでそれなりに平和にやれたかもな。
だーが、俺は知った。元が何も知らなくたって首を突っ込むような奴。
知ったうえで、どうして首を突っ込まずにいられるよ?
(よくよく考えても見れば、自分が持っている能力もまた)
(明らかに尋常ではないのだから、ならば、その訳を知るためにも追ってみるのは悪くない)
まあ、こいつをぶっ潰した後で、俺もあんたも疲労困憊なら考える。
余裕があるなら……ってことでね。
(土煙の中を駆け抜けるその背中を、無数の風を切る音が駆け抜けていく)
(その硬土の矢は狙いたがわず影の主へと放たれた。しかし)
(それらは全て、地面から突き出た巨大な影の掌に阻まれた。そしてそれは)
(そのまま、駆け寄る彼へと倒れ掛かってきた)
うお………っだ!なめんなっ!!
(それを再び片手で受け止める、そのまま足を振り上げる)
(叩きつける勢いをそのまま跳ね返されて、影の腕が奇妙に歪む)
(その隙を、決して見逃しはしない)
さて、行くぜ……綿貫、キィーック!……ってぇ!?
(相変わらずな叫びと共に、跳躍、そして蹴撃)
(しかし、それは空中で阻まれた。無数の影の手が、空中で彼の体を絡め取る)
ぐ……っぐぁ。
(そして、締め上げる)
……その内後悔…もしなそうか。
首を突っ込むのは勝手だと思うけど、代償も覚悟しないとね。
それなりのリスクはあるんだから……。
(この頭が後悔をするとはとても思えなかった)
(むしろそういう時こそ前にどんどん出てきそうなタイプだ)
(呆れた様に軽く溜息をついて)
…………賭けに乗るしかないじゃない。
勝ち負けなんて関係なしに。
(矢は、感触的には当たった感じに近い)
(ただ、まだ明らかに影は生きている気配がする)
(恐らく牽制程度にしか効果がなかったのだ)
(そして聞こえる素っ頓狂な声)
(煙が僅かに晴れたそこには、絡め取られた男子の姿)
(どうやら猶予は余りないらしい)
お願い、もう少しだけ………っ。
(影の背後にむくむくっと土が盛り上がっていく)
(それは次第に形となって、人間の二倍超の大きさの巨大な)
(そう――斧となって)
…………っ!?
(僅かに走る体の痛み、容量オーバーに近い〜
(だが、あと少し…あと少し!)
(縦に切るには、男子が危ない)
(斧は、水平倒しになり、そこから勢いよく影の真ん中を引き裂いた)
(影はといえば、二分割されノイズのような音を残して地面に吸収されていく)
(刹那、斧は斜めに地面に刺さって)
(そのまま、凡ての音がどこかに消えてしまったようになる)
は……ふぅっ。
(一つ大きく息をつくと、立ち上がって)
(また煙がほんのり残っている中にいる、男子を視界にとらえた)
………よかった、いきて……る。
(そういうと、膝から、かくんと再び落ちた)
ぐ……参った、な。
(みし、と体が軋む)
(如何に全てを受け流すといえど、全身に絡みついた影を打ち払うことなどできるはずもなく)
(首にまで影は絡みつき締め上げて、嫌な音をたてた)
(そして、彼の全身がその付加に耐え切れず引きちぎられそうになる、その刹那)
(巨大な斧が、影を薙ぎ払った)
(彼の体に絡みつく影も、それに伴い姿を消して)
げふ……うぅ、痛たた……ああ、くそ。
えらいやられようだ、情っけねぇ。
(息も絶え絶え、そんな感じで地面に倒れ)
……いや、あんた凄いな。
(ゆっくり体を起こしてみる。何とか動く、助かった)
(そういやさっき、この女にもまとめてケンカを売ったっけ)
(自分で売ったケンカを、自分の方から引っさげるのは格好が悪い)
いやまったく、口は災いの元だ。
(頭も体もふらついてはいるが、それでも)
さあ、今度は俺とあんたのケンカだ。……やろうぜ、って。
おい、どうしたんだ、あんた?
(見れば、少女も倒れている。思わず自分がふらふらなのも忘れて駆け寄った)
……能力だって、体力にだって普通と同じ限界がある。
今回は…少し、オーバーしてしまったみたい。
………これまでのツケが一気に来て…っ。
(みし、と何かの軋む音)
(初めてではないが、やはり気持ちの良い物ではなくて)
(僅かに顔をしかめ、歯をぎりっと噛んで)
(明らかに疲労が体内に蓄積している)
(万能であるが故、また、その分消耗も大きい)
(不安が少し脳内をよぎるが、払って)
………は…ぁっ。
で、どうする…………?
今の私はこんな状態。
何でもし放題だよ…………。
今の私はどこにでもいる女子高生と変わらない。
力なら負けるし、能力だって満足に使えない。
でも、私はここで終わるわけにはいかない……。
(よろ、と立ち上がると、男子を見つめた)
(それは、とても強い何かが籠った漆黒の瞳)
(威圧的な物―ではなく、別な何か)
(彼女に最後に今残っている唯一の武器かもしれない)
限界、か。
(俺にもあるのかね、そんなもん。と、ふわふわ思考を浮かばせて)
確かに辛そうだな。ホントにふらふらじゃあないか。
(かく言うこちらも、立っているだけで全身がズキズキと痛む)
(あちこちひびでも入っているのか、それほどまでに影手の戒めは硬かった)
んん?んなもんやることは決まってる。
(唇の端を歪めながら、ゆっくりとその体が崩れ落ちる)
(地面にへたり込んで、そのまま)
かく言う俺も限界だ。まったくあれだけで……とは情けない話だ。
それに、俺はケンカはフェアな立場でやりあうもんだと思ってる。
今日のところは、この辺りで手打ちとしよう。
……だーけど、一つだけ聞いておかなきゃならないことがある。
名前、聞かせてくれよ。
(屈託のない笑顔でそう問いかけた)
(アレだけ死にそうになっておいて、全くもって懲りていない)
(むしろ、楽しそうな節さえ見受けられる)
(こいつは、そんなどうしようもない奴だった)
最近は…こうなるのも…多くなってきたから。
慣れと言えば…慣れなのかもしれない。
死にはしないから、大丈夫……。
(安心させようと、表情を落ち着かせて)
決まってる………?
(怪訝そうな表情を僅かに浮かべ)
……むしろあれ相手にあれだけされて生きてる方が不思議。
そう……お互い命拾い…したね。
するっていうなら…相討ち覚悟するしかなかったから。
……………?
何……私に………?
(目を少しだけ見開き、自分を指さして)
名前………聞いて何に使うの……。
またこういうのに会えそうだからとかそういう理由なら、お断り。
……まあ…でも。
協力して貰ったのは確かだから…その辺は免じて。
(ほぅっと一つ息をついて、空を見上げてから男子を見て)
北峰、綾香。私の名前。
…………満足した…………?
それじゃあ……。
(地に指をつけ、土をならし)
手打ちのしるしに、何か暖かい物でも一緒に飲みましょうか。
(ほんのりと一瞬だけ笑って見せ、くるりと背中を向けて)
(ついてこないと置いていくといわんばかりに土手に向かって歩いていった)
(この日のことは他に誰にも目撃されることはなく――)
(周囲では寒い冬の一日が、終わり、始まるだけだった――)
【こんな感じの〆、でいいかな…?】
大変だねぇ。こんなことが続くだなんて。
……しかし、だ。これは逆に言えばチャンスかもしれないな。
あんたはあーゆー厄介なのに狙われている。
俺は、今はあーゆー手合いとやりあう経験を少しでもつんでおきたい。
つまり、俺はあんたのそばにいれば、その手の相手に事欠かなくなるわけだ。
(我ながら名案だ。ぽんと手を撃ちにやりと笑う)
お互い、良く生き残ったもんだ。
っつーか、あんた一体なにしたんだ?あんなとんでもないことさ。
(土をどうこうする、というのは分かる。しかしどうやって)
(いまいち相手の力を見切るのは苦手なのか、というよりは、まだまだ経験が足りないのだろう)
はっはっは、間違いなくそんな理由だ。でも、なんだかんだで教えてくれるんだな。
ありがとよ、綾香。っと。あんたにだけ名乗らせるのもあれだな。
(一つ頷き立ち上がる。大分痛みも治まった)
俺は綿貫流。よろしくな。
っと……それは俺も大賛成。ひとまず今日生き延びたお祝いに、ってね。
(そんな後姿を走って追いかける)
(ちょっとふらついたけれど、彼は今日も元気なようだ)
【まあ、途中色々ともたついたが。今日はこれでに〆だ】
【相手してくれて、ありがとな】
【色々久しぶりで私こそ急展開とかしてないか……。】
【あなたがいいと思ってくれればいいのだけれど。】
【こちらこそ、ありがとう。】
【感謝します………それでは、失礼するね。】
【名前】カタナシ
【本名】伊田 満 (イダ ミツル)
【年齢】17歳
【性別】男?
【体長】60〜200cm
【容貌】かろうじて人型を保っているものの、もはや肉体のほぼ全てが黒いヘドロ状の物体。
自身の黒い体液が染みたボロボロのロングコート&退魔師の皮膚で作ったデスマスクを着用。
【能力】名称『ジョーズ』
自身の体と、それに直接触れた固体・液体に対して『口』を憑ける能力。
本体が『口』を操作できるものの、その『口』が何の口腔なのか、何処に繋がっているかは謎。
無機質に憑けた場合射程距離は少し成長して半径20b程、
ただし、生命体に憑いた場合は対象のエネルギーを吸収して活動する為その限りではない。
裂傷等の外傷に対しては、傷口を『口』と化す事によってダメージを軽減する事が可能。
そのヘドロ状の肉体は、体内を含めた、自身の腕が届く程度の範囲まではある程度操れる為、
壁にへばりつく、下水移動など更に人間離れした行動が可能。
『口』の中では蟲型の妖魔を飼育、自身を襲った人間の監禁をしており、自らの戦術に利用する。
【希望】戦闘
【NG】汚いもの
【弱点】破魔・氷結・電撃・火炎に弱い。(凍結・麻痺による『口』『体液』の機能停止)
また、余り体を広げすぎると元に戻れなくなる。
【備考】
特に家柄とかそういったモノと関係なく、偶然生まれつきに見た目がグロ画像な異能力を持った一般男子。
その能力によってテストの先見等の狡猾な手段を行い、必要最低限の努力でグダグダと日々を過ごしていたが、
学園に異能者・人外・その他諸々が集まっている事、そして不自然な程事件や事故が頻発している事を知り、
自らの身の保身と、ついでに世の平穏の為、それらの自らの人生の障害となる者を排除する事を決意した
…が、「ある出来事」によって堕ち、心身ともに妖魔化。自身に襲い掛かる退魔師を咀嚼する日々を送る。
性質としては、常に平穏な状態を求め、逆にこれを邪魔する障害、
そして自らを否定する存在に対しては、如何なる手段を用いても排除しようとする傾向にある。
また、能力に頼りきりで今までまともに学習をしていなかった為、余り賢くはない。
【ロールの為、まずは改訂版プロフをば】
(その日は、妙に月の明るい夜だった。)
(空に浮かぶ、満月は何か狂気をも思わせる程、美しくて)
(ああ、だ、からこ、な事に)
はぁっ…はぁっ…!
(月の光に照らされてもなお暗く、じめじめとした路地裏を、一人の少女が駆ける)
(流れる汗、何かに怯えるように移り変わる視線、走った事による生理的なものにしては、激しすぎる反応と)
(その顔に、服についた紅い染みはその身に起こった事の異常さを明確に語っていて)
―――何で、こんな事になったんだろう。
(未だ混乱しつづける頭の片隅で、記憶を整理し、思い出す。)
(此処に来た目的は、妖魔のサンプルを採取するなんていう簡単なものの筈だった)
(黒い、黒い、汚泥の塊のようなソレ、二人でなら簡単に駆除できると、そう思ったのに)
(耳に残っているのは切り裂くような断末魔と、骨の砕ける鈍い音、そして水っぽく響く咀嚼音)
(その音が示す事実は、つまり、相方はもう……)
はぁっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…早く…逃げないと…っ!
(延々と、同じように続く路地裏。任務なんてもうどうだっていい)
(早く、早く此処から逃げださなければ、自分も相方と同じように)
(そして、何回目かも分からない曲がり角を曲がったその先に…その少女は居た。)
【それでは、宜しくお願いします】
(一人での夜歩きは久し振りで、神経がピリピリする)
(今夜は一人でいる、とパートナーに約束したのに、なぜかいつものように家を抜け出してしまった)
私は…もう、夜の側の人間になってしまっているのだろうか?
(昼と夜の生活はいよいよ乖離してゆき、二重生活の溝は深まっている)
(内省していながらも、体のどこかがいつも妖気をさぐっていて、自ら惨劇を求めるごとく……)
ちがうっ!
(声に出して短く憤った瞬間、目の前に人が現れた)
…!……
(血。血にまみれた少女)
(最初に認識したのは血の匂い。それから、血の色、それらに染まっている少女の姿)
あなた、どうしたの?!
【こちらもこんな感じでよろしくお願いします】
…あ…ぁ…!
…う…うぐ…わた、う…さ、さっき、あっちで…!
(極度に緊張をしていた所為か、目の前に現れた人間、)
(そして、その自分を心配する言葉に思わずその場にへたり込み、嗚咽する)
(涙で途切れ途切れな言葉も、その必死さとは反対に、思ったように意味を伝えられず)
…う…「アイツ」、「アイ…うぐっ…が来…う、早、逃げ…!
あ、足、動けっ!早、此処から逃げないとっ!
(しかし、状況は先程とは全く変わらない。早く、此処から逃げなくては)
(頭ではわかってはいるものの、その意思に反して下半身は、ピクリとも動くことは無く)
(焦りはつのり、それでも、状況は全く変わらずに、そして)
動……あ、ああ…!
(ヴゥゥン…と、羽音を立てて奇妙な蟲が、目の前の地面にとまる)
(その小さな小さな蟲を、焦燥に満ちた、絶望の表情で見詰める)
(それは、合図。)
(あのバケモノに、自分達が見つかったという、「もう逃げられない」という、合図だった。)
どうしたの?ねえ、何があったの?!
(へたり込んで嗚咽する少女に、こちらも屈みこんで問いかける)
(まるで詰問口調になってしまうあたり、下手だと痛感する)
(こんな時、パートナーなら相手を落ち着かせ、丁寧に話を聞いてやれるのに)
大丈夫?
誰かに襲われたなら、安全なところまで逃げましょう!
一緒に行ってあげるから、大丈夫だから、ね?
(少女は腰が抜けたように座り込んで動けない)
(その子を支えて立たせるのは、一人ではどうしようもなかった)
危ないなら、早く……
(なぜ、そんな小さなものが目に付いたのだろうか)
(寒い季節だというのに、耳障りな羽音を立てて飛んできた小虫)
(あ、ああ、と少女がうめき声を漏らして後ずさる)
(その表情に刻まれた絶望の色……)
ねえ、いったいどうした……
「あ…ああ…もう、間に合わな」
(渾身の力をこめて、目の前の少女を突き飛ばす)
(もう、自分は終わりだから、「アイツ」に手を出してしまったから)
(体が動いた拍子にチラリ、とビルに切り取られた空が見えた)
(狭い、狭い、こんな夜空でも、輝く月は、こんな時でも、美しい。)
(そして、次に上から、黒い、見えたのは口と蟲、相方の原型を止めぬ肉の)
…………あ…グ、久方な美、味餌 。ゆく、り生、きまま、味わ 。
(その黒い体から響くのは骨の砕けるような鈍い音、かすかに聞えるのは、あの少女のうめき声なのだろうか)
(ボロボロで、何かも分からない汚れのついたロングコートは、もはや本来の衣服としての目的を果たしているといいがたく)
(その手や足も、そして頭ももはや、ただの黒い粘液の塊、そんな黒いからだの中で、)
(唯一顔の皮膚だけが、正に仮面のように元々顔であったであろう場所に張り付いて)
………………フン、去 人間。命、捨 くな れ…
……ぁ……グ………ィォ、 リ…………………………。
(ちらり、と助けを求められたであろう、人間に向かって一瞥し……思わずボソリ、と、呟いた。)
(目の前に居たのは、元々人間であった時のクラスメートの一人。)
(何故、こんな場所に居るのだろう、すこしばかり、疑問に感じもしたが、今の自分にとっては、どうでもいい事だ。)
(まさに、その心境を態度にあらわして、背を向けまた、路地裏の闇へと歩き出す)
(そのクラスメートが、異形狩りだという事も知らずに。)
(ぞわり、と全身が総毛立った)
なに、いったい……!
(次の瞬間には血まみれの少女に突き飛ばされ、受け身をとって起きあがれば)
(もうそこに少女の姿はなく……)
どこっ?!
(そこには……ロングコートのようなものがあった)
(服から覗いているのは、不定形の黒い粘液)
(あり得ない形に波打っている…「顔」……)
(目の前にいた少女は、その不定形な怪物に「食われた」)
よくも……!
(両手に充電しながら、相手を睨みつける)
(粘膜にはりついた顔の皮膚がうごめいた)
くらえっ!
(スタンガンほどの電圧をその化け物にぶつける)
………グギッ!?
(軽いものとは言え、背後からの攻撃に、思わずひるみ)
(ズルリ、と一瞬体全体が崩れかけ…先程の少女の顔が覗く)
(「生きたままゆっくりと」との言葉通りに、一瞬目を開き、助けを請うような視線を向けるも)
(次の瞬間にはまた、バケモノは元の姿を取り戻していて)
……………イ、オリ、この能、力異能 ?……どちらせ、よ貴、様見逃 のに、救えな愚 奴 。
(ボソリ、ボソリと、呟くように。もはや上手く紡げない言葉を並べる)
(見逃すはずだったのに、過去にもこんな事があった。あの時は、酷い事になったが)
(それでもある意味、仕方がないと、思う。自分を、自身の事を、否定したのだから。)
ワタ 否、定無駄 意、味、貴様排、除、排除、排除、排除排除排除排除排除排除排除排除
排じぐうがいぐギィキィヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ!!
(哄笑と共に、粘液状の体の表面に、数多の口が生成される)
(自身を否定した者の、たどるべき道はたった一つ。誰かが自身を否定するなら、)
(此方も、ソイツの存在を否定してやろう。コレ以上なく、グチャグチャにして。)
貴、様ワタ邪魔腐て落ろ!
(叫び、生成された口の一部から蛭状の蟲を、相手に向かって吐きつける)
(当たったとしても精々機動力が少々落ちる程度くらいしか期待は出来ないが、しかし、)
(電撃に触れれば、崩れ落ちるのは自身の体、現時点では出来れば余り近づかず、好機を待つのが得策だろう)
ひっ……
(どろりと化け物の体がくずれかければ、そこから覗く少女は生きながら消化される途中で)
(すさまじい悪臭とともに、すがるような視線を)
はっ……く……
(すかさず伸ばした手は間に合わず、ずるずると化け物のシルエットが立ち直る)
(すんでのところで、危うく手をひっこめた)
口……こいつ、直さんが言ってた口の化け物?!
(パートナーから、人間から変じた妖魔のことを聞いていた)
(不定形な粘液に、口が付いている、と)
今、なん…て…? 私の…名前…?
(化け物が、「イオリ」とつぶやく。偶然なのだろうか)
(だが、考える暇もなく化け物が奇声を上げて哄笑した)
(思わず半歩退いて身構える)
(嫌な音を立てて少女を咀嚼しているのとは別の部分に口が開いた)
こいつ……!
(充電しながら、フル充電と化け物の攻撃とどっちが早いかを絶望的な思いで)
うあっ……
(蛭状の蟲が「吐きだされた」)
(一瞬遅れて中途半端なパワーを放電する)
(ドシャーン!と落雷の轟音が響き蟲たちが炭化した)
くっ……もう一度
(今度は充電が間に合うだろうか?)
(蟲が一瞬で炭化した様子を見て、つくづく飛び込まずにいてよかったと痛感する。)
(能力的に見れば、圧倒的に此方が不利だろう。それこそ、一発貰えば勝敗が決してしまうほど。)
(能力、だけでみれば。)
―――所、詮人間甘、考 。
(先程自身の体が崩れた時に見せた、あの行動、アレが示す意味は一つ)
(相手は、人間を殺す事に慣れていない。いや、ともすれば、「ヒトを助けよう」と考えている)
(もし、そうであれば、此方は最強のカードを持っている。能力の差など無意味と化す、最強のカードを)
…グギ…まさ、かこの女助、け気、カ?
きがグゥぐごぎガァ…無、駄無意、味無価値ッ!
(嘲るような言葉と共に、ズルリ、バケモノの顔と胸崩れ、代わりに少女の姿が現れる)
(出来るだけ長く生かす為だろう、見たところ咀嚼されている部分は四肢にとどまっており)
(その傷口も黒い粘液が纏わりつき、止血の役目を果たしていた)
貴様異、能確威力大き 。…だ、がね、電、撃を喰らワタだけ 違 。
ただでさ 弱て この女、電撃喰、らえば致命傷 。
…キヒヒヒヒッ!撃、ちたなら撃 い!弱者 糧にし、も勝利、たい ら!
(痛みの余り、半ば、意識を失っているのだろう。少女は、ぐったりとして、動かない)
(無論、この状態で電撃を受ければ、待ち受ける結果は明白。)
…そ、れ2人質こ、の女だけ違 、今、自状、況理解し、か?……理解し、なら 4 ね。
(少女をチラつかせ、前へと飛び込み―――)
(そのまま、腕(?)を元クラスメートに向かって、振り下ろした)
きゃ…あ…
(思わず悲鳴を上げかけた)
(化け物が嘲りの言葉とともに、文字通り吐きだしたのは……食べかけの生きた人間)
うっ…あ………
(口を押さえ、必死で悲鳴を飲み込む)
(化け物は、たどたどしく脅迫の言葉を吐いた)
私が電撃すれば、彼女も感電してしまう……!
(ぱちぱちと火花を発しながら、充電した指先が震える)
その人をこっちへよこしなさい!早く!
今なら助かるから!
(空しく化け物を説得しようと試みる)
(だが、化け物は……少女を銜えこんだまま、こちらへ飛び込んできた!)
っ……!
(反射的に身をかわすが、目の前に着地したソレから、長いものが伸びて……)
うっ……この……
(地を這い、飛び退りながら化け物の攻撃をなんとか避けるのが精いっぱい)
お前も人間だったのでしょう?
なぜ人を食らったりするの!
(その妖魔に人間だったころの記憶があるかどうかさえ怪しい)
(それでもそのチャンスに賭けずにいられなかった)
その人も人間なのよ!
かつてお前と同じように、誰かを愛し、愛されている存在なのよ!
渡、ス?何故 ?
(ヒトを喰らう、自らの存在の為、自らを否定する存在を、否定するため。)
(待 、その先、をわた、しに向か 言 な、やめ、やめ!やめ!!)
(愛し、愛される存在。その言葉を聞いた時、何かが、切れた。)
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァッ!!!!!
貴様貴様貴様貴様貴様ニ何ガガガガ何ガ理解デキキキキキキッ!!!
(苦しみ、叫び、そして呪う。湧き上がるのは、目の前の人間に対する憎悪のみ)
(人間だった頃の記憶は、掠れてきているとは言え、今でもある)
(「だからこそ」、だった。自分の姿だけで、たった少しだけ見ただけで、化け物と言い)
(それだけならまだしも自らの存在すら否定し続けてきた奴等、目の前のこの人間も、そいつらと全く変わりなく)
消、えロ…!!他の奴全く変わナイ貴様、も、こノワタシを否定すル世界、モ!!!
全、テ消エテキえテ消え消テえテ消えて消て亜消えTE消えた消エテ4マエエエエエエッ!!!!
(体に付いた、数多の口が全て、限界まで開かれる)
(その奥深くから聞えるのは、ヴゥゥゥン…ヴゥゥゥンという、何かが呟くような音)
(音は、まるで此方に近づくように、多く、大きくなっていき―――)
(―――大量の、黒光するアレに良く似た、人肉を喰らう蟲を吐き出した!)
【えっと、対処できないようでしたら人質さんに人肌脱いでもらいますので】
【その場合は遠慮なく申し付けてくださいませ】
そうよ、渡すのよ!
そんな姿になっても人間の心があるなら、その人を生きて返して。
(説得できるか、と思い始めた矢先、変化は訪れた)
な、なにっ……!
(咆哮する妖魔、全身の口が開き……)
い……
(そこから飛び出してくる「蟲」…とても現実のものとは思えない形状)
(黒光りする…男性器そのもののような)
いやああああぁぁっっ!
(自制心が一気に吹き飛び、人質がいるのも構わず両手のエネルギーを叩きつけた)
(閃光と轟音の後に、蟲が一気に炭化する)
い、いや、やめて、いやだ……こないで……!
(一気にエネルギーを放出したために、すぐには動けない)
(哀れっぽい声を出しながら、ずるずると後退する)
(形をなくしてうごめく妖魔から、今は必死でとおざかろうと)
【蟲だけやっつけさせてもらいました】
【人質さんを吐き出す?か飲み込むかはお任せします】
【そろそろ締める方向で、できれば伊田くんらしい何かをのこしていただければと】
【そこは無理にとは言いません】
…ア…グ…蟲、ガ…。ワタ、大、事ナ、蟲ガ…。
(怒りの余り、大事な戦力を大幅に減らしてしまった事に気がつき、後悔する)
(見れば、もはや相手も戦う意思は喪失し、ただただ、自分から逃げ惑うばかり)
(否定か、拒否か。…根本的には、同じ事なのだろうけれども。)
貴、様肉体、的も精神的興味無 。どんな目遭た、知らな、ガ、クダ、ラナイ。
………今、回ダケ見逃。次ワタ襲、この女のよ、うにな、る 見て、おケ。
(言うと、少女を銜え込んでいた部位が臼のような頑強は歯を持つ口へと変化し)
(段々と、万力のように、力を込めていく。その痛みと苦しさに、少女の意識も次第に覚醒しだして―――)
「苦、し…痛い、やめ、いだ、い!や、あ゛ぐ、い゛や゛!い゛あ゛!!ぐぎ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!」
(―――そのまま、噛み潰した。)
…クダラ、ナイ。……愛さレ、ナラ、妖魔にな、ド……ッ!
(飛び散った血液によって、紅く染まった元クラスメートに背中を向けて)
(自身が元居た場所、居るべき場所、路地裏の闇に向かって、歩き出す。)
(その血溜まりの中に、自身の学生手帳を落とした事にも、気がつかずに)
【と、こんな感じで〆させていただきますね?】
【黒光りってソッチですかー!Σ某Gのつもりだったのですが…】
【…いや、トラウマを植えつけられたのだから、此方でもいい、のかな?】
【それでは、ロールのお相手いただきまして、真にありがとうございました。】
(命乞いをしながら、じりじり後ずさるうちに妖魔がこちらを見下すようにつぶやく)
(涙を流して見開く目に、犠牲者が……)
止め……な…何を……
やめて、やめて止めて、やめてえぇっっ!
(がくがくする全身の関節にむりやり力を入れて体を起こし、化け物に向かって手を伸ばす)
(その手で、化け物を止めようとするのか、少女を助け出そうとするのか)
(または……稲妻を発するのか)
ひ…っ…!
(犠牲者の目が飛び出し、舌を突き出し、苦悶の果てに噛みちぎられる)
(今まで迫水直が妖魔を食らう場面は見慣れていたが、人が生きたまま食われる様を)
(ここまではっきりと目にしたことはなかった)
(捨て台詞をはいて妖魔が去る)
(そのあとに、見慣れたものが落ちているのを目にとめた)
これ……生徒手帳…?
(這いよって拾い上げ、月光に持ち主の名を確認する)
伊田……満……
(それは無断欠席を続けているクラスメート)
(妖魔は、こちらの名を呼んでいた……)
い、伊田くんっ?
(血の跡を引きずって妖魔が去った方向を見上げた)
伊田くん、伊田くんなの?!
(人間だった、口の化け物……人間だった)
(では伊田満があの妖魔に変じたというのだろうか)
(呆然とそのあとを見つめ、やがて津綺子は意識を失ってその場に倒れた)
(パートナーが彼女を見つけ出すまで、クラスメートが残した血だまりの中へ)
【こちらはこれで締めといたします】
【いえ、この板で「アレ」と言われたらアレしかないでしょう!】
【おかげさまで相当痛い目にあわせていただきました】
【楽しかったです。またぜひぜひよろしくお願いします】
【おつかれさまでした。おやすみなさい】
【年末は大変な物を盗んでいきました】
【あなたの時間で・・・・アレ?】
【待機といこう】
【プロフはきっと
>>17だ】
【おっと・・・・もう一時間か】
【撤退する!】
【名前】 須佐乃 水琴(すさの みこと)
【年齢】 17歳/高等部普通科2年
【性別】 女
【身長】 170cm
【3サイズ】 B88/W63/H90
【容貌】 セミロングの黒髪、黒の吊り目。まだ新しい、左目を過ぎる薄い縦一文字の傷痕。
制服は崩し着。均整の取れた締まった体つき。左眼は失明・右目はコンタクト。
【能力】自らに循環する運動量、霊力を総称した「勁」を操る能力に天分を持つ。
それにより、習熟した剣術と体術で女だてらに悪霊や異能者と渡り合う。
暗殺向きの能力であり持久力に欠ける。現在手放している二尺八寸刀が得物。
自らの衝動を自覚してから、技の冴えは更に増している。
【希望】 雑談 エロール 戦闘
【NG】 猟奇 特殊プレイは事前にご相談ください。
【弱点】 自然現象に纏わる能力 朝
【備考】 帰宅部。既に留年が確定するほどの、学校にいないことが多いサボり魔。
顔に傷を作ったのと数日の失踪によりあらぬ噂が立ち、学校では浮いた存在になった。
基本的にはマイペースで面倒臭がりな性格。あっけらかんに見せて後ろ向き。
臆病者で、罪悪感や孤独を恐れるゆえ、義を重んじる打算的な性格。
数代前まで、警察機構の猟犬を務めていた退魔師一族「須佐乃」の嫡子。
およそ百年ぶりに、新たに猟犬としての名を負う。
近日、麻薬中毒に似た殺傷衝動に目覚めた。数代振りに退魔師の看板を背負った、
現当主である実父が、かねてより潜んでいた衝動を知っていたため。
完全に「自分のため」に殺し続けることに悩みながらも、諦めることが出来ずにいる。
【投下落ち】
飛び石連休の真ん中だし、年末だし、誰かに会えたらいいな
ぐらいの気持ちで待機しますー。
リミットは0時まで、凍結はオッケーよ。
さすがに今夜は無理みたい。
またね。お休みなさい。
さって、打ち合わせ打ち合わせ。
今年のイブは平日だったっけ?なんでもいいが。
場所は文芸室か、こっちの本拠地か。
予めメールなり何なりで待ち合わせてプレゼント交換するか。
或いは前振りとか特になく渡しに行くor招待する。
決めるべきところはこの程度かな。
や、鮭くんおまたせ。使わせてもらおう。
んー、そうだね。キミのお仲間のいないキミの本拠地というのも悪くないな。
文芸部となると、いまいちロマンに欠ける気がする。ふふ。
じゃあ、メールなり口頭なりで伝えてご招待するとしよう。
ケーキと料理くらいは用意してあるからさ。
じゃあ、誘った俺が書き出すってことでいいか?
オーケイだ。いい感じにエスコートしてくれたまえ。
(こんな行為に意味はないと知りつつも、世間の流れに乗って人間らしい)
(事をして。自分が全うな道を歩んでいるかの様な、絶対的に間違った感覚)
(意味はない。価値はない。何もない。全ては虚無の中に還る。新生する宇宙に)
(引き継げるものなど、この世界にはない。だからこれも―――)
・・・・・・傑作だぁな。この後に及んでビビッてるとはよ。
くふ、くふふ・・・・・この俺が、この後に及んで逃げ道探してるなんてよ・・・・
(紅い契約者が、虚ろに笑う。疲れたように、壊れたように、擦り切れたように)
(プレゼント用の袋に包まれたコートと、小さな袋に包まれたネックレス)
(どちらも自分が悩んだ末に選んだ物。これを友達に渡す)
(それだけの行為に、これだけの労力を費してしまった)
(そろそろ、招いた彼女が――隙屋量子が来る時間だった)
(虚影会本拠地。クリスマスツリーがいつもの荘厳な雰囲気を掻き消している事を)
(除けば、いつもと変わらない。いや、やはり変わっているのだろう。認めたくないだけで)
(テーブルの上にはケーキと簡単な料理の数々。ケーキ以外は全部この男のお手製だった)
(これらも、いつもと違う雰囲気を演出するのに一役買っていることに相違はない)
そろそろ、お出迎えと行こうか。
(廊下を抜けて、扉を開く。風が寒い。紅いコートの前を合わせる)
MaryChristmas。いらっしゃい。
(やがて、見覚えのある人影がこちらに向かってやってくる)
(彼女の姿を視認した時、紅裂拓兎という魔人が笑った。とても普通に)
【こんな開始でよろしく】
うう……寒。もう一枚着てくればよかったな……。
(ちょっと薄めのジャンパーにあごを埋めながら、私は街を歩いていた)
(行き先は、とある画廊。普段なら、あまり足を運ばないお店だ)
(だが、そこがお友達のお家というなら、話は違う)
(通り過ぎる街は、クリスマスカラー一色だった)
(木という木は派手に飾り付けられ、電飾は金粉をばら撒いたように煌き、行き交う人はカップルが多い)
(一人身には寂しい光景だ。でもまあ、友達と過ごすクリスマスイヴというのも、悪くないはず)
(そう思うと、トン、と足取りが軽くなる。なにげに楽しみなのだ)
(片手に下げた紙袋が、ステップに合わせてカサカサと鳴く)
ええと……あの辺かな……教えられた住所は……。
あ、やっぱり合ってた。や! 紅裂くん、メリー・クリスマース!
(扉を開けて出てきた赤い影に、私は手を振った)
(赤い珪素使いにして、世界の敵。しかしその彼は、この時期には目立たない)
(今日は、赤い服の人間が、無数に街にあふれる日だから)
ん、やってきた!
今日はお招きありがとう。今年は、寂しいイヴにならずにすみそうだ。
(寒さで頬を赤くした顔に笑みを浮かべ、私は彼と挨拶を交わした)
【ん、よろしくね!】
くふふ、そうかそうか。誘った甲斐があったよ。
外、寒かったろ。色々用意してあるから、まーあ、上がりなよ。
今年はボスが旅行行っちまったからよ、寛いでいってくれ。
(彼女が手に提げた紙袋を見て、少し嬉しかった)
(鼓動がいつもよりほんの少し激しい。けれど戦闘時のように激しくない)
(誰かと共に時間を過ごすという喜びが、心臓を騒がせている)
(悪くは、なかった。先ほどまでの擦り切れた気持ちは、何処かへ消えたらしい)
ボスと時宮は河豚と蟹この間から食べに行ってる。
年末までには帰ってくるらしいけどな。帰ってこない方が俺としても楽だ。
(話しながら隙屋量子を伴って、廊下を抜けて、部屋に案内する)
(ゆったりとしたソファを勧め、自分も対面に座る)
(湯気の立ち上るローストチキンにたらこスパ。マッシュポテトにサラダ)
(シャンパン。綺麗に磨き上げられたグラスが暖炉の炎を受けて煌めく)
(その中央にいちごをふんだんに使用したクリスマスケーキ)
(室内の温度は快適で、クリスマスツリーの効果もあり和やかな空間を)
(形成している。とても世界を破滅させる為の組織の本拠地の雰囲気ではない)
(色々と間違っているが、そもそもボスからして根本的に間違ってるので問題ない)
(――などと、紅裂拓兎はそう考えて自分を納得させることにした)
えっと、なんだな。まず乾杯するのが先か。
(シャンパンの瓶を握り、ビキリと注ぎ口を捩じ切る。純粋な握力で)
(某格闘漫画の喧嘩ヤクザが如きパフォーマンスであった)
(二つのグラスに注ぎ、ひとつを差し出す)
ああ、さすがに冬といったところだね……それじゃ、お邪魔します。
(屋内に入ると、人工的に温められた空気が頬を撫で、寒さで縮こまっていた筋肉がほぐれた)
(このあたたかさを少しでも体内に取り入れようと、手をこすり合わせ)
(は、と冷たい息を吐き、暖かい空気を吸い込む)
ほう? それは残念。挨拶ぐらいはしておこうかと思ったが。
まあいい、キミから伝えておいてもらうのでもかまうまい。
今日は、キミの友達としてここに来たわけだからな。キミがいれば、それでいい。
……フグと、カニ? キミは置いてけぼりかい?
ふ、ふ、ヒドイねぇ。魔王らしいけれど。……ふ、ふ、ふふ。
(この間、入れてもらった部屋に案内される)
(相変わらず、センスのいい部屋だ。古色と温かみがうまく溶け合っている)
(片隅のクリスマスツリーが、不思議な存在感をかもし出しているが、まあそれもご愛嬌)
(そして、用意された料理も見事なものだった)
(チキンやケーキなど、定番を押さえたものから、つけ合わせも充実)
(たらこスパがやはりあるのは、彼の好物だからか……それとも、私の好物だからか)
(とにかく、見てるだけでお腹のなりそうな豪華さだった)
すごいな! これ、全部私たちだけで食べちゃっていいのかい?
というか……空間使いさんと魔王様は、こないだから出かけてると言っていたね……。
じゃあ、これ、全部キミが作ったの?
すごいじゃないか。キミ、世界を滅ぼさなくても、料理人として生きていけるぞ?
(紅裂の体面に座り、いざ乾杯)
(まず、彼が相変わらずの人間離れを見せつけてくれた)
(出来上がるのは普通のシャンパンだが、人さじの驚きと笑いがエッセンス)
ああ、乾杯だ。何に対して乾杯しようか……んー……。
……よし、これはどうだ。――仲良き我々に、乾杯。
(言って私は、彼のグラスに、自分のグラスを寄せ)
(聖夜の、最初のベルを鳴らした)
本当はクリパの予定だったんだが、他の連中が遠慮してね。
去年は酷かったからなぁ。んで、ボスはボスでめげない奴だから
美味い物食い倒れの旅に出かけたのさ。
俺は留守番。学校もあることだしな。
俺は、あの二人よりあんたと過ごした方がずっといい。
(酷かった去年の事を思い出して、げんなりのした)
(よい歳をした大人たちが集い、サンタルックの魔王とアットホームな)
(クリパを開く。色々と間違っていて、最早突っ込む気力も起らなかった)
(きっと、他の契約者たちも同様の気分だったに違いない)
まーあ、自炊してるからな。週の半分はここに入り浸ってるけど、作ろうと思えば
作れるんぜ。面倒なんで滅多にやらないけどさ。この程度の料理なら、ツボ押さえれば
簡単さね。もう少し細かい料理作る余裕も気力もなかったしな。
(肩を竦めて答える。合わせてみると豪華に見えるが、ひとつひとつは存外に簡単な)
(料理である。不精な戦闘狂でも作れて、失敗もあまりしない料理を選んだまでだった)
仲良き――ああ、悪くない。乾杯だ。
(二つのグラスが打ち鳴らされる。それが果たして何かが始まる合図なのか)
(或いは世界の終焉に向けての合図なのか。まだこの時点では確定していない)
(未来はいつでも不確定で、だからこそ、抗う必要がある。破滅の意思に)
(その果てに掴んだ未来にこそ価値があり、自分たちはその為の生贄で――)
(グラスを干す。陰鬱な気分も纏めて。今は、それを考える必要はない)
あー、これ。プレゼント。
ひとつに決め切れなかったからさ、二つ買っちまった。
大したもんじゃないが、気にいってくれると嬉しい。
(コートの入った大きな紙袋と、ネックレスの入った小さな紙袋)
(決まり悪そうに頭を掻ながら差し出す。どうにも、この手の事には慣れてない)
(選ぶことも、渡すことも。友達にプレゼントするという行為はここまで重かったのか)
(と自分でも驚くぐらいだった。後輩のアドバイスもこちらを困惑させるだけだったし)
(それでも、コートとネックレス。13900円のサイドプリーツコート。暖かなオレンジ色を)
(したそれはふんわりとしていて、着心地という面ではよい品である)
(そしてネックレス。こちらは片翼の意匠をしたライトピンクカラーのアクセサリーだ)
(番いの片翼は、拓兎のコートのポケットに仕舞われている。ペアで11550円の品である)
(これを買ったのは、ネイビーブルーカラーのそれがカッコよく思えたという理由が大きい)
ああ……あのボスさんは、やっぱりそういうキャラクターなんだね……。
いや、似合うと思うけどね? ただ、リラックマが本物のツキノワグマの群れに混ざってるみたいな
違和感は拭えないだろうなあ……うん。
……ん。だったら私も、キミが置いていかれてよかったと言おうか。
キミがお仲間たちと楽しくカニ食べてる時に、こたつでひとりケーキを食べるなんて、寂しいから。
(殺伐と癒し、ごつさと可愛さの不協和音が、容易に想像できる)
(それは、はたから見たらたいそうコミカルなシチュエーションだろうが)
(当事者たちにしてみれば、混沌極まる時間に違いない)
(そして聞く限り、もっともノリノリなのが最も可愛いものであるという)
(これはキツイ。そして笑える)
(そのカオスな時間を、彼の他の仲間たちがもう一度繰り返そうとしなかったのは、私には僥倖だった)
(彼らが楽しむはずの団欒が、私に回ってきたのだから)
ふむ? んー、確かに、そうなのかもしれないが。
それでも、私しか来ないパーティーに、これだけ用意してくれただけでも……。
そう、なんていうのかな……私はキミに感謝していいだろうな。
(ちりん、とグラスを鳴らし、しゅわっと爽やかなシャンパンを喉に流し込む)
(弱いアルコールだったが、冷えた体には嬉しい熱源だった)
(ぽかり、と胸が温まる。自然に微笑むことができる)
(私は、くつろいでいた、この時を)
……えっ、プレゼント?
ふふ、期待していなかったとは言わないが、やはり用意してもらえると嬉しいものだね。
それもふたつだって? ちょっと悪いな……えへへ。
(やりにくそうにプレゼントを渡してくる彼から、私はややてれながらそれを受け取った)
(さっそく、中を見てみる……出てきたのは、あたたかそうなオレンジのコートと)
(羽のようなシンボルのついた、きれいなネックレス)
(片羽なのが、ちょっと気になったけど、まあいいや)
え……わ、ちょ……いいの?
これ、けっこう良いものじゃない? コート、生地がふわふわ柔らかいし。
アクセサリーなんて、私、もらったのはじめてだ……。きれい……。
ほんとにもらっていいの? ん、いや、受け取った以上返さないけど……。
……ありがと。大事にするよ……。
(ぎゅ、とプレゼントの入った袋を抱きしめ)
(紅裂に感謝のこもったまなざしを向け、そしてまたプレゼントに目をやって)
(えへへ、と、笑った)
あ、そうだ。私も、プレゼントがあるんだ。
キミからのものに比べたら、ちょっとお安くなっちゃうから、悪い気がするんだけど……。
(がさがさ、と、足元の紙袋から、リボンで封ぜられた品物を取り出す)
はい、私からもプレゼントだ。受け取ってくれ。
(それは、本だった……大きく、ぶ厚い)
(何かというと、画集なのだ)
(ルネ・マグリット……私の一番好きな画家の、ハードカバー全集)
(お値段、9500円)
(今年は中止でよかった。本当によかった。そして彼女という友達がいて)
(一人で過ごさずに済んだことを、神でも魔王でもない誰かに感謝した)
いや、ちょっとはりきり過ぎた感はあるんだが。
残してもいいぞ?明日の朝飯に回すから。
(まあ、二人分には些か多すぎたのだろう。改めてそう思う)
(作っていた時には気にならなかったが・・・・・)
(つまり、自分はテンパっていたのか。今更その事実に気づく)
どういたしまして。
十二月に入ってからずっと悩んでたんだけど。
俺のセンスも、そこまで的外れじゃないようでよかったよかった。
(プレゼントが好評だったので、ほっと胸を撫で下ろす)
(よかった。喜んでくれて。これは自分の為の喜びではなく、誰かの為の喜びで)
(その誰かの喜びが、自分の喜びとなって還元される。上手くできているものだ)
むう、なんか重いね・・・・・本?
へぇ・・・・画集?これはまた格調の高い物を。
ルネ・マグリット・・・・・うわ、9500円もしやがる、この本。
いいのか、こんなの貰って?いや、ありがたくもらうけどな?
(渡された紙袋から取り出されたのは、只管大きくて分厚い本だった)
(パラリと捲ると、自分には縁の無い世界が広がっている)
(縁がないだけに、とても興味深くて心が惹かれた)
知らない分野ってのは、手を伸ばすのが怖いけど。
こうやって、友達が薦めてくれたものなら安心できるのがいいな。
ほら、この間薦めてくれた「ハイペリン」って小説もさ。今読んでる途中なんだけどよ。
SFも、案外面白いもんだなって思えたよ。それも含めてありがとな。
(何度目か文芸室に訪問した際に、お薦めのSF小説を聞いたところ)
(「ハイペリオン」というタイトルを上げられ、探して購入した)
(そこには拓兎の知らない世界が広がっていて、夢中になって読んだ)
友達ってのは、こんなにいいものなのかな。みんなこんな感じで付き合ってんのかな。
知らない世界を教え合って、色々共有してさ。一緒にこうして飯食ったりして・・・・・
俺が殺した連中も――そんな相手が、いたんだろうな、きっと・・・・・・
くふ、くふふ・・・・やっぱり俺は悪人だぁね・・・・怪物ならよかった。
生まれついての怪物なら・・・・悪人じゃなくて、痛みも悲しみも感じない怪物なら・・・・・
(視線を自分の膝の上に落とす。それは、わかっていたことだったけれど)
(この痛みは要らなかった。今更、そんなことを言っても遅い)
(もう、既に全うな道には戻れないのだから)
いや、残すことなんか考えることはない。
おいしく頂いてしまおうよ。なあに、私たちならできるさ!
(ニヤ、と笑って、ナイフを手に)
(まずは思い切って、ローストチキンを切り分けにかかる)
(量的に、食べ応えは充分だ。腹いっぱいになることはわかっている)
(それが覚悟できるなら、安心して腹いっぱいになってやろう)
(切り分けた鳥の大きなもも肉を、自分の分と彼の分に、小皿に取り分ける)
(思い切りはみ出してたけど、そのボリュームが食欲をそそる)
(食事のためには、まずはプレゼントはしまっておかなくてはならない)
(コートとネックレスを大切に包みに戻し、彼の方に向き直る)
ああ、センスもいいし、品もずいぶんいいのを選んだようだね。
ヴェルターズオリジナルじゃないが、いいものをもらえると、大事にされてるって気がして、いいものだ。
(私が彼にプレゼントした画集は、たぶんもらった服一着分の値段にもならないだろうけど)
(私のお気に入りだし、実際面白いものだと思う)
(ここは画廊だから、彼もこういったものは見慣れている可能性もあったが)
(彼の興味深げな表情から察するに、新鮮な出会いをしてもらえたようだ)
マグリットは、シュール・レアリズムの大家だ。
空想と現実を混ぜたような、独特の世界を描くことを得意とした。
私は――その作家の、不思議な想像力を尊敬している。
想像力とは、知性から噴き出す泉だからだ。それらの絵は、私を大いに刺激する。
そこには、ここにないもの――あり得ない世界しか、ない。
(私の目が、じっと紅裂を見つめている)
(この世ではない夢の世界の絵を見ている、彼を)
ほう? ハイペリオンを買ったのか。
とてもいいぞ。アレは長いから、完読するには時間がかかるだろうが……。
読み終えた時には、きっお気に入りの本の仲間入りをしていることだろう。
……友達はいいぞ。「つながり」はとてもいいものだ。
人は言葉で結びつき、知識で結びつき、望みで結びつき、手と手で結びつく。
それによる成長を望み……ただ、つながっていることを望む。
つながることで、自分の一部が拡大していく。おそらく、精神の持つ本能なのだろう。
(呟きながら膝を見る彼に、ぐっとテーブル越しに身を乗り出し、その髪に触れる)
(ツン、ととがった髪は硬かったが、傷んでいる風ではない)
(くしゃくしゃ、と、彼の頭を撫でて)
――私も、悪人だ。
何人もの人を殺し、お金を奪った。つながりを奪った。
だが、それでも……罪深くても、私はキミとつながりを持っている。
まっとうな道で、誰かとつながりたいのかい?
私だけでは、駄目だろうか――?
私は――キミとつながっていられるだけで――今は、満足だ……。
(じっと、彼の目を覗きこみ)
(髪を、優しく撫で続ける……)
(そして始まるささやかな晩餐。ナイフでチキンが切り分けられる)
(他の命を奪い生きる事が原罪なら、それを受け入れた上で)
(残さず余さず喰らいつくすのが礼儀。「いただきます」の言葉とともに)
(交換されたのは、突き詰めるなら物に過ぎない)
(けれど、それに伴って渡された気持ちは、決して金銭に変換できない)
(ならばこそ、それを至宝とし、「ありがとう」の言葉を告げよう)
(その気持ちの交換こそが「友達」の証なのだと、初めて知る)
(そんな、原罪と友情について考えながら夢の世界の光景に浸る)
(あり得ない世界――或いは、何万回目かの世界ではこんな光景もあったのかも)
(知れないけれど、少なくとも、自分の手が届かない世界なのは確実で)
(その幻妙なる世界の光景に、様々な想いが交錯して、人知れず、酔い痴れる)
――繋がり・・・・・・俺はこの世界に生まれた異端・・・・・・
姉を犯して殺して、逃げ出して・・・・・一番大事な繋がりを自分で壊して・・・・・・
愛していたから・・・・・渡したくなかったから・・・・・・けれど・・・・・・俺は壊すことしか・・・・
(それは懺悔の台詞にも似ていて。その声はとても乾いていて)
(こちらの頭に、髪に触れる感触に身を委ねて。自分以外の誰かの存在に委ねるという)
(ある意味とても危険な行為の裏側にあるのは、相手に対する信頼だろうか)
そんな俺が、あんたと繋がってもいいのか?
いずれ、あんたのことを殺したくなるかも、知れない・・・・・
俺は、嫌だ。好きな人を殺すのは一度でいい・・・・・
(その眼が、覗きこむ眼と重なって)
(その手の感触に、何処かが軋んで歪んで、決壊しそうになる)
けど、俺も・・・・・あんたと繋がっていたい・・・・・
俺はとても弱くて、脆くて・・・・・怪物になりきれないとても半端で・・・
・・・・とても、罪深い存在だけど・・・・・
(その眼から滂沱と涙が流れて。何かが決壊した)
(願いは決して叶わない。わかっている。世界を滅ぼす為の契約者であり、殺される為の)
(契約者である。だから、どんな結果が出ても、彼女とはいずれ別れなければならない)
(その結末から一時だけ逃れる様に、紅裂拓兎は隙屋量子の手に、己を委ねた)
【悪い、4時間と30分後に出勤するんで、これにて〆だ】
【いや、半端なとこで悪いんだけど、楽しかった。付き合ってくれてありがとう】
変わり者でも、この世に生まれた以上は、何かとつながっていなければいけない。
つながりは断てない……このローストチキンも、プレゼントも、マグリットの絵も。
今、ここに集い、私たちとつながっている。
……家族を、殺したの?
そう……つらかった? いや……つらそうだね……今でも……これからも……。
声が震えているよ? ……ああ、疑うことはできない……キミは、愛していたんだね。
わかった風な口をきくわけじゃないが……気持ちが、わかるよ。キミが、教えてくれたから。
うん……わからなかったんだね? 間違っていても……それ以外、わからなかったんだね。
よし、よし。キミは……悪い子だ。
(彼の恐るべき告白を聞きながら、私はまったく恐ろしくなかった)
(それは、今つながっている彼の心であり、つながっている以上私の心でもある)
(その痛みは、私の痛みで)
(ゆっくりと、撫ぜることで……やわらげられるという、予感がある)
(信頼? そうかもしれない)
すでに、私とキミはつながっている。
キミが、私を殺したくなるかもしれないことも、想像できる。
ないとは言えない……それが、キミらしさだから。
私は、キミを受け入れるつもりだ。私と、つながったままでいて欲しい。
そして……私を殺すのが嫌なら、我慢したまえ。
そうだ……望むんだ。
望みとは、方向性だ。方向性が一致した時、人はこの上なくつながる。
「両想い」という言葉があるだろう? あれは、お互いの方を向きあって立つことではない。
同じ方向を向いて、一緒に歩くことを言うんだ。
……弱くて、脆くて……とても、罪深い。
そんな「私たち」が……つながっていたい、と、お互い思うのなら……。
つながれないわけがあるかね?
(私は、薄く微笑んだまま、彼の涙を見ていた)
(男の涙は見苦しいというが、それは違っていた)
(彼の涙は、きれいだ。そして……それは、私の涙だ)
(私にとって彼は、もはやただの友人ではなくなっていた。それでいるには、深くつながりすぎた)
(彼をいっそ、抱きしめたいと思った。それをしても、きっと私たちのつながりは砕けない)
(だが、私は撫で続けた。自分相手に、卑怯な真似はできない)
いっしょにいよう。私たちが、つながっていられる限り。
(パーティーの時間は、ゆっくりと進んだ)
(激しくはないが、濃密で、とても楽しく……時は、過ぎていった)
【では、私もこれでシメだ】
【そんな状態なのに、おそくなっちゃって、あわわわ、ごめんっ!】
【ゆっくり寝てくれたまえ! おつかれさま、ありがとう!】
【年末だろうと気にせず待機だ!】
【プロフは
>>17、凍結も可とする!】
【少し避難所だぜ】
【伊織とのロールに使用する】
【少し待っていてくれ】
【どうぞごゆっくり】
(商売とは戦いである――)
(この町には二つのケーキ屋があった)
(一つは開店より約20年、町と共に成長してきた町のケーキ屋さん)
(もう一つは一年前に店を開いた、イタリアに本店を持つ、ブランドケーキショップ)
(一年前のクリスマス)
(ブランドを軽視した町のケーキ屋は、大敗を喫した)
(クリスマスに稼げぬケーキ屋など彼岸に働かぬ坊主と同じ・・・・)
(今年のクリスマス、町のケーキ屋が再敗すれば、それは永劫の敗北を意味する)
(そこで店主は考えた――!)
・・・カスタム自由、値段重視のクリスマスケーキか
まあ、学生相手の商売としては適当だわなぁ
(スタッフルームでサンタ服に着替えつつ、マニュアル片手に彼――紫 一久は呟いた)
(この店で働き数日、確かに学生や親子づれの客が多い)
(紫は他に聞いた事がない策だったが・・・確かに有効そうではある)
(時間と手間がかかるのが、難点と言えば難点か)
・・・・っと
あぶれてる客は・・・なし、と
(時間は夕刻)
(客足は落ち着きを見せ、幾人かのサンタが注文を聞いているカウンターに
紫もまた立ったのであった)
【こんな感じで、一つよろしくだぜ】
(大きな学園を擁するこの街の商店街は、一種の学生街の様相を呈している)
(とにかく、学園の生徒・学生を相手にしないことには商売が成り立たない)
値段重視……
(張り紙のうたい文句をそのまま復唱して、津綺子は考え込んだ)
(イタリアンレストランの本格スイーツを一つ買うか、この店のカスタムケーキを3つ買うか)
(こづかいに困っているわけではないが、いくらでも自由にお金が使えるというわけでもないので)
(迫水直への手土産なら、後者だろうと判断する)
(とにかく彼は…大量に食べるのだ)
あのう、このケーキ、どんなふうにカスタムできるんですか?
(同じ値段で一つを思いきり食べ応えアップできるなら、一石二鳥だ)
(身近にいたサンタを捕まえて聞いてみた)
【こちらもこういう感じで、よろしくお願いします】
はい、こちらは・・・お?
(努めて装った接客スマイルが、声の主を認めた瞬間、僅かな驚きに変わる)
(声をかけてきたその顔に、見覚えがあった)
(可愛くない"後輩"の少女に異能として教わり、紫が先日存在を確認した、その名は・・・)
・・・・伊織 津綺子
(目の奥に得体の知れない光を一瞬宿らせるも)
(すぐにまた、装った接客スマイルを作り上げ)
あっ、と、クリスマスケーキの注文ですね?
まずケーキの大きさと種類を決めて頂いて、その後各種トッピングを選んで頂く形になっております
本日は、どちらとお召し上がりになりますか? それによって、また違ったサービスを着ける事も可能になりますが・・・
(思わぬ所での遭遇に、高ぶる胸を静かに押さえる)
(今自分は一店員であり、相手は客・・・ここで変な真似をするんじゃない)
とにかく、一番大きいのがいいんですけど、おいくらですか?
(サンタの声は思いのほか若い。自分とそれほど違わないように感じた)
(その目が底知れない深い光を放ったことには気づかず)
(ケーキのトッピングをどうしようかと店内に目を走らせる)
(どちら「と」召し上がるのかと聞かれて、どちら「へ」と勘違いした)
それほど遠い所じゃないから、保冷剤はいらないんですけど。
あ、そういう意味じゃないんですか?
誰と食べるかで、何か違うんですか?
(そんな注文の仕方は初めてだった)
(直のことを見透かされたかのような気がして、急に耳元に血が昇る)
ええと、あの、学生…なんですけど、男子学生で、一人暮らしで……
何かそういうの、関係あるんですか?
(しどろもどろと、何を答えればいいのか考えつつ、サンタの顔を伺う)
はい、一番大きいのと言いますと・・・これですね
(メニューを開き、写真を指差す)
六名用となっております。お値段は・・
(続いてせわしなく電卓を打ち)
メイントッピングも含めて、このように
(示された値段は、謳い文句に偽りなく、確かに相場を下回る値段だ)
はい、ドライアイスは不要・・・かしこまりました
(何故だかしどろもどろしている伊織を不思議そうな目で見るも)
(大きなケーキを頼んだのを見て、その男子校生の家でパーティでもするのかと早合点し)
はい、ではお友達複数とのお召し上がりですね?
それなら、クラッカーや帽子みたいなパーティグッズがサービスでつきますよ
また、商店街の玩具屋でレシートを提示していただければ、一部割引で商品をご購入できます
トッピングはですね、まずこちらの中からメイントッピングをお選び頂いた後・・・
(メニューの左半分には、メイントッピングのメニューが写真と共に載せられていた)
(主な材料や全体的なスタンスの違いは置いておくとするのなら
このメイントッピングだけでも、一つのケーキとしての体裁を作り上げている)
・・・こちらのサブトッピングの中から選んでいただく事ななります
(続き、メニューの右半分を示した)
(そこには単純なフルーツ、クリームの増量から、明らかに怪しいメニューまで様々な物がずらり並んでいる)
お安いですね。
それなら、ふたつ……いえ、3つください。
(示された値段に安堵し、それからさらに赤面した)
(サンタはケーキを食べるシチュエーションを聞いているのであって)
(一緒に食べる相手の人となりを聞いているわけではなかったのだ)
あの、パーティグッズはいらないんです。
複数じゃないとしたら、どんなサービスになるんですか?
(二人でこれを、ふたつも三つも食べると言うのは、かなり恥ずかしかった)
それで、このトッピングは、全部いっぺんに乗せても、お値段は一緒なんですか?
(要はボリュームアップされればいいので、この際見た目は脇へ置くことにする)
(しかし……全部載せて味はどうなるのだろうと、ちょっと不安になるメニューもあり)
これ、なんですか?
(どう見ても怪しいメニューを指して尋ねる)
はい、これを三つ・・・・
・・・不要ですか?
(大きなケーキを三つも頼んでおきながら、パーティグッズは不要と言う)
(人数が多いのなら、少しでも物が多い方が良いのでは・・・と、考えつつも)
複数でなければ、ですか?
家族連れであれば、お子様向けの玩具や、ゲーム機が当たるくじ引きができますね
他に、カップルであれば、雰囲気を盛り上げるアロマキャンドルなんかや
あと、ケーキに乗せるプレートをカップル仕様に変更できます・・・こう、ハートな感じに
(説明しながら、しかしこの説明に意味があるのだろうか? と心中首を傾げる)
(一人暮らしの家に遊びにいくなら家族というのは不自然だし
カップルというなら・・・多すぎる)
・・・・・・
全部、は無理ですね・・・一つにつき四個までで、それ以上は別途料金を・・・
(話を噛み砕きながら、何となしに伊織の言わんとする事が分かってくる)
・・・・ええと、なるだけボリュームがある物をこちらが選んでおきましょうか?
ああ、こちらは・・・基本的に若いカップル専用となってますね
(軽く肩を竦める――あまりこれの説明は好きではない)
聖なる夜を熱く激しくするシリーズです。・・・合法ですよ?
味の方は全く損なわれませんが
(玩具はいらないし、ゲーム機は…本気を出した直なら壊してしまうだろう)
(それを言うなら自分も、ゲームに夢中になったら思わず発電して壊してしまうにちがいない)
おもちゃは…いいです……。
(おもちゃというより、精密機械そのものが向かない二人なのだ)
アロマキャンドル、ですか。
それじゃ、あの、そのカップル仕様でお願いします。
(本当にカップルなのだから、それしか選びようがない)
(自分で自分に言い訳してしまうほど、ケーキのオーダーとオプションの選択には違いがありすぎる)
あ、そうですよね、いくらなんでも全部は無理ですよね。
はい、そちらで選んでくださるなら、もう、一番食べ応え有りそうなのを、ぜひ。
……聖なる夜を……?
(言い淀むサンタをいぶかしそうに見ながら)
若いカップル専用で…合法?
(わざわざそう断るからには、違法な手段もあることなのだ)
なんですか、それ?
・・・・・・・・
(しばし、何やら考えたが)
・・・はい、カップル仕様で、食べ応えがある物を・・・ええと、三つ同じものでよろしいですか?
(立場上、探りを入れるなどバカな事はできないが・・・しかし)
(あまりにも不自然というか、圧倒的であった)
・・・ま、女性は甘い物は別腹と言うし
(思わず、言い古された言葉を漏らしてしまう)
いえ、いえ・・・食べ応えはないので、お気になさらず
(内心、舌打ち。余計な事を口走った)
(いらぬ追求や嫌疑を受けぬよう、メニューをしまいこみ)
(間髪入れず、まくし立てるように話す)
ええと、お任せという事ですが、後から細かな変更は受けられないのでご了承お願いします
お嫌いな物がありましたら、今の内に
それと、カップルという事で、プレートにお名前を入れる事ができますが、いかがですか?
(これは本当は別途なのだが、自分の懐を痛める事にする)
(ターゲットの身辺を漁るのは、あらゆる任務の基本だ)
はい、とにかくボリュームあるカスタマイズで、3つとも。
えっ、私ひとりで食べるんじゃありませんから!
(別腹、という言葉が耳に入ると、思わず猛烈に否定してしまった)
ふたりで、ですから。
あの、本当にカップルなので。
(もう意味不明な念押し)
(まくしたてるサンタに、いちいち真面目にうなずきながら)
ええ、もうそれで変更はありません、嫌いなものもありませんから
何でも食べますし。
名前は…えっと…
(やっとそこで少し口ごもって)
Tadasi&Tsukiko、と入れていただけますか…?
(それからちょっと咳ばらいして、表情を改め)
その、カップル専用のカスタマイズの方も、お願いします。
(静かにきっぱり言い切る)
はい、解りました・・・
(オーダー用紙にボリュームがありそうなトッピングを書きつつ)
ええ、大丈夫だと思います
(接客スマイルを浮かべなだめるように言う)
男性って押し並べて甘い物は得意じゃないですし
二人で分けても軽く九人分ですし?
・・・大丈夫ですよ
(特上の接客スマイル)
はいはい、タダシさんとツキコさん・・・ローマ字で・・・・っと
(こちらもメモし・・・気付く)
・・・・タダシ
(――代わりのない名前ではないが)
(その名はつい先日邂逅した、廃工場の虐殺者)
・・・世界狭いな、俺?
(気付かれないよう、ぽつりと呟く)
はい? カップル専用・・ですね、解りました
(真面目な顔を見、薄く苦笑する)
(いわんや強力な異能であっても、やはりそういう点は少女なのだ)
(思いつつ、オーダー用紙に書き加える・・・)
(――偽装チョコレートwith無臭超強壮ニンニクエキス配合)
(通称:物体D―情熱の夜―)
(その後再び電卓を叩き、領収書を出す)
では、こちらにお名前と電話番号、受け取り可能な日時をお書き込みください
ケーキは時間までお受け取りになれません事と、一時間を過ぎるとそちらの番号に連絡を入れるのでご了承ください
ご注文は以上でよろしいですか?
(オーダー用紙を受け取って、内容をチェックする。そういうところは細かい)
(イブの日には自分のお手製を持っていきたい、と思いなおし、関係ない日の日付を書く)
大丈夫、ぜんぶちゃんと残さず食べられますから。
…この、物体Dってなんですか?
【短くてごめんなさい、書くことがなくなってしまいました…orz】
【よろしかったら、次で締めていただけますか】
ええ・・・そもそもケーキを食べ切れるか本気で心配したのはお客様が初めてですけど
(まだまだにこやかに)
食べ物は大切に、ですね
物体でぃ・・・は、申し訳ありません。印刷のミスです
(細かな追求に、何とか詰まらずに返応し)
正しくは、チョコレートです。ご安心を
(書き込まれた日付を見、首を傾げる)
(わざわざ注文して、クリスマスでないのも何とも不可思議だが・・・)
それでは、ご注文ありがとうございました
好いクリスマス・ナイトをお過ごしください
(言いながら頭を下げ、退店する伊織を見送る)
・・・
(頭を上げ、去り行く伊織の背を目を細めて見つめ)
・・・・伊織 津綺子に・・・後ろの迫水 直か
・・・強いだろうな?
(薄く、鋭く唇を歪ませ、また接客に戻っていった)
【では、こちらはこれで・・・】
【こちらの希望に乗ってくれてありがとう】
(サインを終え、代金を渡して店を出る)
(もし出来上がったら、どうやって持って帰ろうかと、その時初めて心配になった)
(サンタ……紫一久が既にこちらの正体を知っており)
(今日の出来事で直との関係も悟られたとは思ってもいない)
(出来上がりの日は結局、直と二人で来店した)
(二人で9人分のケーキを持ち帰り、そのほとんどは直の胃袋に収まる)
(物体Dとともに)
(それがどんな効果をもたらしたのか…)
(知っているのは食べた二人ばかりではない)
【こちらもこうして締めさせていただきました】
【アイデア丸乗りでしたが、楽しかったですー】
【この次はそちらの正体を知るエピでしょうか?】
【今日はいろいろと長考してしまってすみません】
【お疲れ様でした。おやすみなさい】
【ロールにお借りします】
【津綺子を待ちつつ、書き出しを投下…】
(虫の知らせ、と言うのか。胸騒ぎを感じて夜の街に飛び出し)
(どことも知れぬ路地裏で、血溜まりに倒れ伏したパートナーを見つけた)
津綺子っ!
(固まりかけの血液が付着するのも気にせず、返事をしない恋人に駆け寄り抱き起こす)
(顔に手をかざせば掌に、首筋に触れれば指先に。それぞれが生命活動を示して)
(ざわついた心に安堵が満ちていくのを感じながら)
(抱き寄せた恋人の身体に目立つ外傷がないのを確認して)
…津綺子…
(名前を呼びながら、そっと揺さぶる)
【こんな感じでどうだろうか】
【次スレを覗きながらのロールになるかな?】
(冷たい路上から抱きあげられ、懐かしい声に意識が揺さぶられて)
(血の臭いに吐き気を催しながらも、うっすらと眼をあける)
…直さん……?
一人で勝手に出歩いたりして……ごめんなさい……
(シードを倒した日以来、連絡もなしに勝手に夜の世界を徘徊することはしない、と約束していた)
(単独行動はあっても、互いに行動が把握できないようなことはしないと)
直さんが言ってた、口の魔物……そいつに、会ったの。
(ぎゅっと直にすがりつき、血がつくのも構わずその胸に顔を埋めて)
助けられなかった…!
そいつに食われた人も、そいつのことも……
人間だったの、あなたの言うとおり、口の化け物は人間の男だった…
同じ学校の、同じクラスの男子だったの。
(血まみれの生徒手帳を直に見せ、大きく息をついて)
直さん、お部屋へ連れて行ってもらっていい?
あなたに、聞いてほしいことがたくさんあるの……
【改めましてこんばんは】
【容量は気にしながらロールしないといけませんね】
【できれば直さんのお部屋でシャワーや着替えを貸していただけたら、と】
……
(まだ意識が朦朧としているのだろうか、呟くような津綺子の問いかけに黙って頷いて)
津綺子…
(すがりついてきた少女の頭を胸に抱いて)
(後悔の念にかられ、吐き出すパートナーにかける言葉が見つからず)
(労りと慰めを掌に込めて、できる限り優しく頭を撫でる)
(津綺子の示した生徒手帳。血糊で汚れてた隙間から「伊田満」の名前を読み取り)
そうだったのか…津綺子の、クラスメート…
(ふと思い出したのは彼女を汚した、彼女のクラスメート)
…………
(頭を振り思いを打ち払い)
(冷たい夜気に冷えきった恋人の頬を撫でる)
こんなに冷えてる。とにかく家に帰ろう
詳しい話はそれからだ
(一旦身体を離すと、くるりと津綺子に背を向けて)
(肩越しに声をかける)
歩くの、辛いだろ?おんぶしてあげる
【こちらこそ、改めてこんばんは】
【OK。では、その方向で】
(直の掌から、体温ばかりでなく、心まで届くような温かみを感じて)
(しばらくその手に撫でられるまま、目を閉じて頭をゆだねる)
(背を向けて大きな体をかがめる直の姿に、心がなごむようで笑みが浮かんだ)
(歩けないこともなかったけれど、気力がもう萎えてしまっていて)
(その広い背中に身を預け、ゆっくりとしたリズムに揺られながら直の家に着いた)
(シャワーを借りて体の汚れを流し、ランドリーを借りて服を洗い、乾かす)
(黒い服なので血は目立たなくなるだろう)
(それまで、直のトレーナーを借りた)
(素足をトレーナーから伸ばして、直の隣にペタリと座る)
ここに来ると、いつも、もう辛いことは終わった、って気持ちになるんです。
直さんのおうちなのに、「帰ってきた」って思えて。
直さんには「あいつ」がまだいる。
でも直さんはヒトの心を失っていない。
妖魔に憑かれてヒトの心を失ってしまったら、もう…取り返しはつかないんでしょうか…
(シャワーの音を聞きながら、キッチンでホットミルクを用意する)
そうだ、俺も着替えないと…
(作りながら、袖口についた染みを見つけ)
(彼女を気遣う余り、自分の事は二の次になっていたのに気付く)
(二つのカップから立ち上ぼる湯気を見つめながら)
(隣りに座ったパートナーに肩を寄せて)
ここは俺の家。でも津綺子の家でもあるんだね…
(津綺子の言葉に答えるように肩に手を回し、少し引き寄せる)
一度闇に魂を売ってしまえば、もう後戻りはできない
俺も、津綺子も、そんな奴等を何人も知っているよね
もしかしたら、救える術はあるのかもしれないけど
多分…もう…
(痛ましげに、苦い表情で首を横に振る)
(心の奥でズキリと傷が疼く)
(傷を付けた者の名は瀬尾司。最悪の現実を突き付けた錬金術師の言葉が浮かんで消える)
(温かいカップを両手で包み込み、時折熱いミルクをすする)
(引き寄せられるまま直の肩に頭をもたせ、自分の裸足のつま先を見下ろしながら)
私がシードから心を取り戻すことができたのは、
直さんが私の中のシードを食べてくれたからでしたものね…
もし心まで取り憑かれてしまったら、取り憑いた存在を消さない限り
…伊田くんも……
(カップをテーブルに戻し、湯気の行方に視線をさまよわせたまま)
(直の腕をぎゅっとつかむ)
この前、手から力を取り入れて足からそれを相手にぶつけることができる
異能者に会って…彼がもし、紅裂くんのように他人を傷つけることを目的に
その力を使うようになったら、と思うと…。
(その時、直が瀬尾によってまさに妖魔に魂を売る寸前であったことは知らない)
力に善悪はなくて、力を使う者の心次第…
(それは陳腐な言葉ではあるが、真実の一端で)
その男も…都ちゃんも…力に酔ってしまえば…取り返しは、つかない…
(嘲笑うかのように、錬金術師の声が頭に響く)
(無意識のうちに津綺子の肩を抱く腕に力がこもり、微かに震える)
…俺からも話しておかないと…
(深く息を吸い、吐く。それをきっかけにして告白する)
(シード因子の残留。瀬尾司との邂逅と取引。そして…)
俺も危なかったんだ…もしかしたらあのまま…
(血の饗宴と狂気の果ての暴走。司の示した「最悪の事態」)
(津綺子を抱いていた手はいつの間にか肩を離れ、自分の膝を抱えていて)
津綺子のお祖父さんの言う通り、俺も間違いなく「悪鬼」なんだ…
せのお…つかさ……?
(3年生のオカ研部長。その名を直の口から聞いた時、一瞬我を忘れた)
直さん、その人に近づかないで!
その人こそ、人の皮をかぶった悪魔よ! 彼は…っ!
(直に向きなおり、両手で直の肩をつかんで思いのままに口走り、ふと言葉を止める)
(人間をナメクジのような魔物に変え、自分を襲わせたのが瀬尾だと)
(ただ、己の目的のために、他人の体も、魂も、尊厳も、傷つけて厭わないのが彼だと)
(自分の口からは直には言えない)
(膝を抱えて苦悩の言葉を漏らす直の大きな体を、両手で抱え込むようにして)
祖父の言うことなんて、真に受けないで!
何も知らないのよ、道場で竹刀を振ること以外、あの人にできることなんて何もない!
本当に、人ではないものと命がけで戦うことが、どういうことなのか……
直さんが今も、この瞬間も、鬼と戦っていることなんて、あの人にはわからないのよ!
瀬尾先輩は、錬金術に心を売り渡してる。
紅裂くんは、悪魔と名乗る者たちに。北峰さんは復讐に。
妖魔の力を借りなくても、心を闇に落としてしまっている人は、いくらだっているわ。
あなたは…違う!
ねえ、絶対に忘れないでくださいね。
どんな時も、私はあなたを……心から必要としてる。
あなたを愛してるって。
津綺子…
(顔をあげ、強い言葉で叱咤する津綺子を見つめて)
(恋人の言葉と手から伝わる熱は、別の力も込められているようで)
(心に開いた傷が優しく塞いがれていくのを感じる)
ありがとう…津綺子がそばにいてくれて、本当によかった
(肩に添えられた手に、手を重ねて、上から握る)
絶対に忘れない…だから、俺の側にいて欲しい
俺には、君が必要なんだ
津綺子は、俺が俺であるために…俺の心に、光を与えてくれる
津綺子、君を愛してる
(握ったままの手を引きつけて、手の甲に唇を当てる)
(間近に視線が合うと、ついにまつげから涙の一滴が落ちる)
(誰の前でも泣いたりできない自分が、直の前ではすぐに涙を落としている)
(とりわけ、泣いているところを見せたくない相手に…)
(手の甲に、直の吐息を唇を感じ、その髪に頬ずりして)
夏に、私「こんなこといつでも止められる」って言いましたよね……
誰も私たちにこんなことをしてくれって頼んでいないって。
でも、もう止めようにも止められないところまで来てしまっているんですね。
夜の世界へ近づかないつもりでも、夜の住人たちは私たちを巻き込んでいく。
(直の心臓の上に手を重ねる)
(その奥に潜んでいる存在を、探り出そうとするかのように)
戦わなければ、生き残れない。
でも、あなたも私も一人じゃない。そうですよね?
少なくとも私たち、一人で戦う必要はない……
(直の髪に頬ずりしながら、ゆっくりと耳元へ移動していって)
(直の耳朶に唇を触れさせて囁く)
あなたが私を守ってくれる、私はあなたを支える…ずっと、そうして……
(そのまま直の耳元に、唇を触れさせながら軽く吸い上げる)
(わずかに血の跡が浮かび、すぐにそれは消えてしまう)
(手を伸ばし、津綺子の頬を撫でる)
(指先に感じる滴を拭いながら)
そう、君も俺も、もう引き返せない。
夜の世界を知ってしまったから…この街の夜を、ね…
深くて暗い闇に…少しでも光を当てたくて、そう願って、ここまで来てしまったんだ
(胸に当てられた手の上に手を重ね、更に押しつけて)
(「迫水直」の存在を主張する鼓動を手の平に伝え)
闇は抵抗して、向こうからやってくる
俺も、君も、一人ではこの戦いに生き残れない
でも、二人なら…
(パートナーの、恋人の、津綺子の唇に耳朶を預け)
(甘く濡れた吐息と感触に身体と心が震える)
俺は津綺子の隣りにいる。津綺子は俺の背中を、俺は津綺子の背中を守る
二人でお互いを守り、支えあって…ずっと…
(両手で津綺子の頬を挟んで間近で見つめ合う)
(瞳に新たに決意と、愛情を込めて)
(そうしながら、ゆっくりと唇を近付いていく)
津綺子…
(直の手に頬を挟まれて、じっと互いの目を見つめ合う)
(直の瞳の奥には、どんな邪悪な存在も見いだせず、ただ、直の思いが…)
(こちらへ向けてくる、熱い決意と愛情だけが、深く宿っていて)
……ん…。
(唇が重なり、呼吸も言葉も奪われる)
(ちゅっ、と一時唇が離れると思えば、さらに深く吸い上げられて)
(舌が唇を割って口内の粘膜をまさぐる)
(直の胸に押し付けた手が、胸筋の形を確かめるように動き)
(掌の熱さを直の胸に伝えて)
(直のトレーナー一枚の下は、洗い流したばかりの素肌)
(裾から伸びる素足が、直の足に触れる)
ん…はぁ…んんん…
(重ねては離し、啄むキスを数回)
(津綺子の呼吸と言葉と、他の全ても唇から吸い上げ)
(奪ったもの代わりに舌を差し入れて、口内をまさぐり、唾液を流し込み)
(後頭部に手を添えて、髪を指に絡ませつつ、離れないように引きつける)
(津綺子の熱い手の平の下で鼓動が胸隔を叩く)
(これからの行為への期待でビートが早くなり)
(それを伝えるのが少し恥ずかしくて、重ねていた手で胸から離し)
(指を絡めるように掌を合せて優しく握る)
(触れてきた津綺子の素足に足を絡めるようにして、大胆な角度に拡げさせていく)
ん……う……ん、ちゅ…
(直の舌が口内の敏感なところをまさぐって、思わず頭をそらせそうになるが)
(後頭部を大きな手にとらえられていて、ぐっと引き寄せられた)
(直がこちらの手を取り、恋人繋ぎに指を絡める)
(優しい手つきに、全身を羽箒でくすぐられるような快感がひろがって)
(膝への注意がおろそかになると、直の足がその膝を割って大きく広げた)
あ…、や……っ!
(膝を閉じようと力を入れても、もう遅い)
(トレーナーの下には何も身につけておらず、抵抗のそぶりにトレーナーの裾が上がる)
(ユニフォームの裾の形にかすかに残る日焼けの跡、さらにその上の白い丸みまでむき出しに)
(おなかの上に丸まっている裾の下には、淡くけぶる陰が)