阿部「ほら三橋、俺特性のおにぎりだぞ」

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134阿部さん体験記
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次の日の朝、俺は早速阿部に呼び出された。
もちろん、三橋のことで話したいことがある、とかそんな理由で。
俺は、もはや弁解の余地がなかったので、全部スマンスマンで通すことにした。
「お前、三橋に何かした?」
「いや・・その、すまん。何があったんだ?」
「いきなり、入れて、とかいいながら俺のチンポ舐めようとしてきたぞ。」
「・・・・すまん。」
「だから、何があったんだよ。」
「すまん。」
「あと、シュンが俺のこと白い目で見てる上に、オヤジが三橋とのことをやたら聞いてくるんだけど。」
「マジすまん。」
ずっとそんな調子で謝っていると阿部が呆れたようにため息をついた。
「どうしてくれんだよ。マジで。何したんだかしんねえけど、三橋がまた変な期待持っただろ。」
「・・・・・・。」
これにはなんと言えばいいのか分からなかった。
俺は三橋のことが好きだけど叶わないのに、三橋に好かれて困ってるやつもいる。
世の中うまくいかないもんだな。
俺はちょっと、むかつきながら言った。
「期待に、答えてやればいいじゃねーか。おまえ、あんなに三橋に構ってるんだから、それなりに特別なヤツなんだろ。」
そう言うと、阿部は一気に黙り込んだ。
だが、しばらく考え込んで、やがて口を開く。
「いや、アイツとはそんなんじゃねえんだよ・・・。そういう風になりたいわけじゃない」
複雑な表情を浮かべて、そう言った。
阿部の気持ちはわかる気もしたけど、やっぱよくわかんねえ。
多分、俺が考えているより、阿部はもっと複雑な気持ちなんだ。
三橋に対して、恋とか、大事な友達とか、そういうんじゃないんだろうな。
もっと、特別な何かの感情だ。
野球を通じての、特殊なつながり。
バッテリーの関係がどういうものかなんて、俺にはよくわかんねえ。
だから多分、阿部の気持ちは一生わかんねえと思う。
俺は、最後にもう一度阿部に「悪かった。」と謝って屋上を降りた。
阿部とこんなに話をする事も、多分もうあんまり無いだろうな。
色々と新しい体験だった。


次かその次くらいで終わる