阿部「三橋、風呂くらい普通に入ろうぜ!」

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906阿部さん体験記
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三橋・・・?阿部へ来た着信だよな。
そう思いながらも、俺は震える手で電話を取ってしまった。
「・・・・・・・。」
「……っく、あ、阿部、くん…っ、ごめん、ね…っ」
三橋の声は異常に震えていた。泣いてるのか、泣くのをこらえてるのか……
とにかくそんな感じの声。
「へ、変なコトしてごめんなさ…いっ、オレ、嬉しくって…き、嫌いにならないで・・・・…」
ああ、何があったかわかったぞ。
俺は思わず電話を耳から外して頭を抱えた。どうするべきか…。俺の番号にかけ直すように言うべきか。
でも、俺の口は思いもよらないことを口走っていた。
「ごめん、俺、阿部じゃないんだ。山澤なんだ。・・・こないだから、俺達入れ替わってたんだよ。」
「え……?」
やべえ、俺何言おうとしてんだ?こんなこと言ったってしょうがねえし、第一いくらアホの三橋でも信じないって。
そう思うのに、俺の口は止まらなかった。
「三橋に触ってやったのも俺だし、キスしてやったのも俺。
今日セックスしてやったのも、阿部じゃなくて全部俺。お前のこと騙してたんだよ。」
「……………」
三橋は何も言わない。時々ひっくひっくと小さくしゃくり上げる音だけが電話越しから聞こえた。
ま、こんなこと普通信じねえよな。ばかばかしい。
「じゃあな。明日テスト頑張れよ。・・・・・・・あとな、阿部はかなりお前のこと好きだと思うぞ。
嫌いになんてならねえから、安心して誘いまくれ。いつか届くかもしんねえから」
それだけ言って俺は電話を切った。

終わった。
これでもう三橋は、俺に近づいて来ないだろう。
忘れよう。
どうせあんなハプニングさえなけりゃただのうざいクラスメイトだったんだ。
そうだ、俺はアイツのことが嫌いだったじゃねえか。
もう関わらなくて済むからせいせいする。
俺はそう思い、その日はいつもより早く布団を被って寝た。