【パンプキン】オーランド伍長萌えスレ 2【シザーズ】
流れとか、補足あったらよろしくお願いします。
>>1 超乙です!
そのAA大好きだwww
さあ職人さん達、安心して次弾を…(*´Д`*)ハァハァ
>>1
スレ立て乙!
前スレより
男体の人GJ!
愛する人の為に初めてをあげちゃうとはw
その優しさに涙(;д;)
マーチスがこれから何をやらかすのかwktk
初の1桁ゲッツ。
1乙。
色んなSSをwktkしながら待ってるよ(・∀・)
>>1 超1乙!
またかわいい色々な伍長が拝めるかと思うとwktkします。
おかずにするべく丼飯片手に待機してますチンチン
1乙です。
ほのぼのもエロ無しも大好きだけど、時には鬼畜だって受けて立つぞ。
臆さぬならばかかってこい!
(でも苦手な人のために注意書きだけは忘れずに)
伍長に性玩具奴隷として飼われていた過去があると妄想すると萌える。
もうパンプキンシザーズでもなんでもなくなってただの淫乱凌辱話になっちゃうけど。
なんでもアリなのがこのスレのいいところなんだぜ>8
序文ですまないのだが、なんとなく投下してみる。
予定としては、伍長総受けのエロ……たぶん。
とりあえず皆ノンケ扱いのつもりw。
続きは結構先になるかもしれないが……申し訳ない。orz
も…萌える……(*´д`*)
いいんじゃないかな、ここは何でも有りスレだし?
アリス・L・マルヴィンは、悶々とした気持ちで机に座っていた。
最近、どうも体の調子がおかしい。ランデル・オーランド伍長の顔を見ると、なぜだかわからないが
頭に血が上り、耳まで真っ赤になり、喉がきゅうっと締め付けられるような感覚に陥る。
それだけならまだしも、だんだんと下半身までも熱を帯びてくる。
じわ……と何かが漏れてくるような感覚に襲われ、そこまでくると、もうランデルの顔を見ていられない。
慌てて顔を逸らし、別の考えで気を散らす。
(私は……どうしてしまったんだ?)
特にここ2、3日はひどい。ランデルのことを思い浮かべただけでも動悸がする。身体が熱くなる。
(まさか……『伍長を見ると死んでしまう病』にかかってしまったのか!?)
そんなわけはない。
まともな恋愛経験、男性経験などしたこともないアリスは、その感覚がなんなのかわからず、
今日もろくに仕事に手をつけることができずにいた。
「…………よしっ」
いつまでもこうしていては、何もすることができない。
アリスは決心して、人生経験――もとい女性経験の豊富なオレルドに、助言を仰ぐことにした。
「オ、オレルド…………ちょっと、いいか?」
「はい……?どうしたんです?」
オレルドは少し不思議に思った。いつも無茶な提案を言いにやって来る時とは、アリスの雰囲気が違う。
なぜだか緊張しているようで、顔も赤い。決意に満ちた瞳だけは、いつもと同じだったが。
「その……だな…………ちょっと聞きたいのだが……」
実はかくかくしかじか、と、アリスはオレルドに今の悩みを打ち明けた。
「……というわけなのだ。何か心当たりはないか?」
「え、えーと……心当たりも何も、そりゃたぶん……」
伍長が『欲しい』だけじゃねーかよ。
オレルドは、アリスがランデルに惚れている事、そしてランデルを男として意識し、
女として求めているのだと、すぐに気がついた。
(ていうか……普通気がつくだろ……)
「たぶん……?何だっ?」
アリスは嬉しそうな顔をして聞いてくる。
これだから貴族のお嬢様は……と内心呆れながらも、オレルドはどう答えようか迷った。
このまま普通にアドバイスをして、アリスとランデルがくっつくのもそれはそれでアリだとは思ったが、
それだけではつまらない――。
オレルドは、考えながら口元にあてた手の下で、にや、と笑った。
「治す方法はあります。だけど、荒療治になりますよ?」
「……か、構わぬ!このままでは、戦災復興もままならないからな。
そ、それに、伍長の顔をまともに見れないなんて……その……辛いし…………な」
後半はだんだんと声が小さくなっていくアリス。
「ふむ……それじゃあ…………ごにょごにょ……」
なにもランデルを欲しいと思っているのは、アリスだけではない。
あの大きな身体のくせに純粋で、無邪気な、大きな子犬のような男が発するオーラ。
それに気づいたものは誰もが彼を愛しいと思い、また同時に、軽く嗜虐的な気持ちも沸いてくる。
そんな不思議な雰囲気を、ランデルは常にまとっているのだ。
(まあ確かに、あのデカブツをどうにかしたくなる気持ちは……わかりますよ、隊長)
ランデルに関することでは最も口うるさそうなアリスが『こちら側』につけば……。
これはチャンスだ、とオレルドは一人ほくそ笑んだ。
【続く】
と、とりあえず続きはまだなんだ。
その間に他の人の良作が来ることを期待してwktkしてみるw。
ぎゃっ!投下の邪魔してごめんなさい!
イイヨーイイヨー!GJ!!
続きがとっても気になります!
読み返したら「悶々とした気持ち」って変だな…w
文才ナサスorz
>>14 ぎゃ!ありがとうございます!頑張って書きまつw。
>>13 おーGJ!後編が楽しみですねぇ。
大きな子犬って表現に納得してしまいました。
前スレマーチス×伍長も新スレ狙われ伍長もGJ!!!
続きが楽しみです(´д`;)ハァハァ
18 :
男体の人:2006/12/13(水) 01:45:36 ID:???
>>1さん、スレ立て乙でした!ありがとう!
では、前スレ
>>438-443の続きを投下します。
長いです…14ほどスレ消費します……;;
※マーチス×伍長(オレルド×伍長ベース、ちょこっと副長×伍長も有)
※男×男 警戒警報発令
※この世界の男はみんな伍長が好きw
※酔っぱらい伍長、大暴走。ランタン無しでピンクランタンモードww
※というかむしろ私が大暴走www
※副長、性格捏造。
では、どぞー。
クリスマスを一週間先に控えたこの時期、ほとんどの人たちはすでに予定を決めているだろう。
だから資材課のパーティーに出席できるかどうかなんて、最初から訊かなくても予想はつく。
案の定、隊長は自宅でのパーティのために欠席。
曹長は友達とパーティーをするそうで、これも欠席。
よかったらマー君を連れてって下さいって言われたけど、それはちょっとなぁ……。
大尉は立場上、上官である自分が行ったら盛り上がる場も盛り上がらなくなるからって辞退。
そのことを伍長に伝えると、少し寂しそうにションボリと肩を落とした。
「そうですか……。残念ですね」
「仕方ないよね、急に決まったことだもん」
ルーディがどうして今頃になって僕らをパーティに誘ったのか、それがちょっと気がかりだった
けど、もうすでに誘ってしまった手前、今更取りやめるわけにはいかない。
それに、クリスマスなのに伍長がたった一人であの橋の下で過ごすことになると考えたら、そっ
ちのほうが僕にとって胸が痛かった。
「でも、資材課の連中も賑やかでいい奴らばっかりだから、きっと楽しめると思うよ」
僕がそう言って無理に笑うと、伍長もにっこり笑ってうなずいた。
「三課の皆が揃わないのは残念ですけど、マーチス准尉がいるだけで嬉しいです」
ドキッとした。その言葉に同僚以上の特別な意味がないことは分かってるけど、そういうことを
言われると心が妙に浮ついてしまう。
あんな夢は見ちゃうし、伍長の言葉に過剰に反応するし、本当に僕どうしちゃったんだろう……。
*
「デカブツを資材課のパーティーに連れて行くだと!?」
「そうだよ、なんか文句ある?」
帰宅時間になってロッカールームで一緒に着替えてるオレルドに言ったら、思いっきり嫌そうに
顔を歪めた。
いくら伍長が頼んだからって、結局オレルドがサロンではしゃぎまわるのは目に見えて分かる。
せっかく来たんだから楽しまなくちゃ損だって考えるような奴だ。
伍長をひとりじめしておいて、僕の気持ちなんかお構いなしに目の前でイチャイチャしておきな
がら、せっかくのクリスマスに伍長をひとりぼっちにするなんて、やっぱりどう考えても許せない。
……って、あれ? なに“僕の気持ちなんかお構いなし”って、僕なに考えてんの?
「なんでデカブツを連れてくんだよ! デカブツは資材課には関係ねぇじゃねぇか!」
オレルドの言葉にムッとした。なんだよ、“伍長は俺のもんだ”って言いたいの?
そんなに伍長が大事なら、いくら伍長が頼んだとしても、マリーの誘いは断るべきだったんだ。
「資材課の連中は“三課の皆さん全員で”って言ったんだよ。だから伍長も関係ある!」
僕は苛々を抑え切れずに、ロッカーの扉を叩きつけるように閉めた。
「なに怒ってんの、お前……」
まったく悪びれた様子もなく、それどころか頭の気の毒な人を見るような目を向けてくるオレル
ドに、僕はついに切れた。
「オレルドが伍長のこと大事にしてるとは思えないからだよ! 自分はサロンで女の子たちと楽し
むくせに、伍長には他の連中とクリスマスを楽しむ権利はないとでも言いたいのか!? 自分が楽し
んでる間、伍長は橋の下でひとりぼっちなんだよ! それとも何? 自分が香水の匂いをプンプン
させてサロンから戻ってくるまで、部屋で待ってろって言う気? 最低だよ!!」
僕が怒鳴ると、オレルドは気まずそうに唇を引き結んで、僕の顔をじっとみた。そして目を伏せ
て溜息を吐くと、頭の後ろをガリガリと掻いた。
「わりぃ……」
反論もせずに殊勝に謝るだけのオレルドに、僕はますます苛立った。
オレルドが伍長を大事にしていないなんて、本当は思ってない。すごく大事にしてるのは、二人
の様子を見てれば、すぐに分かる。オレルドだって本当は伍長と一緒にクリスマスを過ごしたかっ
たはずなのに、伍長の頼みを引き受けちゃったんだから、伍長のことを一番に考えてないわけがな
いのに。
だからこれは……僕の単なる八つ当たりなんだ。
それなのにオレルドが何も反論せずに、まるで同情するように大人しく僕の八つ当たりの的にな
るような態度が、僕を余計みじめにさせた。
「僕は絶対に伍長を連れてくからね!」
「待てよ、マーチス」
自棄っぱちになって言い放ち、ロッカールームを出ようとした。だけど、オレルドの声に引き止
められた。イライラも最高潮になってる僕は、振り返りざまオレルドを睨みつけた。
オレルドはまた大きな溜息を吐くと、渋々という感じて言った。
「デカブツが行きてぇって言ってるなら、俺には止める権利はねぇけどよ……」
「そうだね、当たり前だよ」
「そう噛みつくなよ。でもな、これだけは約束してくれ。――デカブツには酒、飲ませんなよ」
またしてもカチンとくる僕。
「なにそれ、保護者のつもり? 伍長はもう大人なんだから、飲みたかったら飲む権利はあるよ」
「だからそういう意味で言ってんじゃねぇって。少し落ち着けよお前……。あいつなぁ……酔うと、
ちょっと大変なことになんだよなぁ。俺でも手がつけられねぇぐらいに……だから――って、おい
マーチス……!」
僕はオレルドの言葉を最後まで聞かぬまま、乱暴に後ろ手でドアを閉めた。
伍長が酔った姿なんて、僕は知らない。プライベートで二人で飲みに行ったなんてこともない。
だから酔った伍長の姿を知ってるオレルドに『俺はあいつのことを、よく知ってるんだぞ』って
自慢されてるような気がして、耐えられなかった……。
*
資材課主催のクリスマス・パーティーの日がやってきた。
その日の三課は少し早めに仕事を切り上げて、みんな目的の場所にそれぞれ出掛けて行った。
僕は少し書類整理がまだ残ってて、パーティーの時間に少し遅れるかもしれないとルーディに断
りに行った。パーティーは庁舎内の会議室かなんかを借り切ってやるんだし、他にも仕事が残って
て遅れて来る奴もいるから、そう気にするなって気のいい笑顔で言ってくれた。
書類整理を手伝ってくれている伍長の元に戻るためにオフィスに戻って来たとき、中から話し声
が聞こえた。
この声は、伍長と……オレルド。
開いたままになってるドアの影から、そっと中を覗く。
みんなが帰ったオフィスの中で、椅子に座った伍長を立ったままのオレルドが抱きしめて、キス
してた。伍長は隊服姿のまま、オレルドは私服に着替えてる。
「ん……、ふ…っ、オレルドさん……」
仰け反った背中をきつく抱きすくめられ、丸まったオレルドの背中にすがりついている、伍長の
吐息混じりに濡れた声。僕が初めて、耳にする声だった。
「早く行かないと……マリーさんとの待ち合わせ時間に、遅れちゃいますよ……」
潤んだ目でオレルドを見つめる伍長に、オレルドがまた口づけた。
お互いの唇に吸いつく小さな水音が、耳に届いた。絡み合う舌が、重なり合った唇の隙間から見
え隠れした。
お互いのことを信頼し合い、全てを相手に委ねる、濃厚で愛に満ちたキスだった。
「やべ……勃ってきちまった」
少し唇を離して、オレルドがおかしそうに密やかに笑った。
伍長もそれに釣られるように、クスクス小さく笑っている。
「そんな時間、ないでしょ……?」
「少しぐらい遅れてもいっか」
「ダメですよ。マリーさん、怒ります」
「怒らせとけ」
「ダメですって」
伍長のあんな顔、初めて見た……。
オレルドはこれから他の女に会いに行くってのが分かってるのに、どうしてあんな風に幸せそう
に笑えるんだろう。
それは伍長がオレルドのことを、とても強く信頼してるからなんだろう。
入りこむ隙間なんて、誰にもどこにも、ない……――。
わけの分からない感情だった。
いや、僕は本当にこの感情の正体を知らないのかな。知ってて気づかない振りをしてるのかな。
うん、でもきっと……気づかないほうがいいんだ。
「職場でイチャつくなって禁止令を隊長に頼んで出してもらおうかな~」
僕は冗談めかして言いながら、オフィスの開いたままのドアをノックした。
「よぉ、仕事まだ残ってんのか」
「……マーチス准尉!」
まるで何事もなかったように伍長から離れるオレルド。
思いっきり顔を真っ赤にして慌ててオレルドから離れる伍長。
対照的な二人の態度に、ちょっとおかしくなる。
僕は自然な態度を心がけながら、伍長の隣の自分の席に腰を下ろした。
「うん、あともう少しね。伍長が手伝ってくれるから、早めに終わると思うよ」
「そか、お疲れさん。じゃあ俺ぁ行くぜ」
「せいぜい楽しんでくるがいいさ。僕も伍長と一緒に楽しむから。ね、伍長!」
オレルドに意地悪しつつ伍長に向かって笑いかけると、伍長は赤い顔のままで「ええ……まぁ」
と困ったような笑顔を返した。
「なんか最近風あたりキツイな~」
冗談を言って返すオレルドを送り出したあと、僕と伍長は残りの書類整理に専念した。
*
書類整理を終わらせ、資材課のパーティーが開催されている第二会議室へ向かったのは、開催時
間から三十分ほど過ぎた頃だった。
集まった連中はすでに出来上がっているようで、分厚いドアを通して廊下にも盛り上がっている
声が聴こえてきた。よかったら、これなら伍長も楽しめそうだ。
「わぁ、なんか盛り上がってるみたいだね」
「あの……手ぶらで来ちゃってよかったんでしょうか?」
不安そうな伍長を見上げて、僕は伍長の広い背中をバンバン叩いた。
「そんなこと気にしなくていいって! 誘ったのはあっち、僕らは招かれた客なんだから、もっと
ドーンと構えてようよ。さ、今夜は飲むぞ~! こんにちはー!!」
伍長に口を挟む隙を与えず、僕は目の前の扉を開いた。
「おおー、マーチス!」
「来たかマーチス、久しぶりだなぁ!」
「やあ、みんな元気そうだね」
「お前こそ元気にやってるみたいでよかった!」
「よく来てくれたな!」
「さあ三課の話を聞かせてくれよ~!」
すでに顔の赤くなった元同僚たちが、僕に集まってくる。
少し離れていたけど、みんなはそんなブランクなんて感じさせないぐらい、資材課にいた頃のま
まに暖かく僕を迎えてくれた。
会場を見渡すと集まったメンバーは二十人ぐらい。そう多くないけど、少なくもない。
だけど全員男ばっかりだ。それに、他の部署の連中も混ざってないか?
「女の子の姿がないね。エルゼとかメラニーとかは来てないのかい?」
僕が訊くと、周りに集まっていた連中がなんだか急にソワソワしだした。
「あ、あぁ~、今日は男だけの無礼講なんだ!」
「そ、そうそう! 男同士でどんちゃん騒ぎってなー!」
「まぁ飲め飲め! 食いもんも酒も、たーんとあるぜ!」
ルーディといい、こいつらといい、なんか変だなぁ……。
そんなことを思いながら伍長のほうを振り返ると、伍長はまだドアの外にいた。いきなり僕が昔
の同僚たちと仲良くしだしちゃったから、自分は部外者だって感じちゃったのかもしれない。
「伍長、遠慮してないで入っておいでよ」
僕が笑顔で手招くと、伍長は大きな体を縮めるようにしておずおずと入ってきた。
その瞬間だった。異様なというより、異常な熱気が狭い会場内に爆発したのは。
「オーランド伍長キターーーーー!!」
「えっ、どこどこ!?」
「わぁ、伍長だ、伍長だぁぁぁ!!」
「本物だよ、本物!」
「うはぁ、ナマで見るとやっぱデケェ~!」
「ぎゃー、俺、鼻血出そう!!」
「写真班、出撃だー!」
「やべぇ、マジ可愛い! どうしようすげー可愛い!!」
「彼女とのデート断って張り手食らってまで来た甲斐があったぜぇ!」
元同僚たちは異常極まる興奮状態で、まるで発情した猿みたいな真っ赤な顔で伍長に殺到した。
伍長はあっという間に取り囲まれて、あうあうしながら思いっきりビビってる。
僕も思わず石化してたけど、隣で顔をまっ赤にして涙にむせぶルーディの声にハッと我に返った。
「ああ~俺、生きててよかった! イエスさま、生まれてきてくれて、ありがとう!」
「ちょっとルーディ、これどういうことだよ!」
僕に詰め寄られたルーディは気まずそうに目を逸らした。
そんなルーディの胸ぐらを引っ掴んで、僕はさらに詰め寄った。
「三課の話を聞きたいなんて言ったくせに、まさか君たち……!」
「ご……ごめん。だってオーランド伍長……可愛いから……。俺らオーランド伍長のファンなんだ」
恥じらいつつポッと頬を染めたルーディを見て、僕は確信した。
様子が変だ変だと思っていたら、やっぱりこういうことだったんだ。今頃になってパーティーに
僕を誘ったのも、伍長がパーティーに来るかどうかに固執していたことも、目的は全部伍長にあっ
たんだ。
彼らはホモじゃなかったはずだし、彼女がいる奴や、妻帯者だっている。
それなのに、恐るべし伍長の無自覚フェロモン……。
「じゃあ、つまり何……? 君らは僕を餌にして、伍長を連れてくるように仕向けたんだね?」
「餌って……そんな言い方しないでくれよ! 昔の同僚が元気にやってる姿を見たい、三課の話を
聞きたい純粋な気持ちでお前を呼んだんだぜ!」
嘘くさい。目が泳いでる。
僕に睨まれて顔を引き攣らせるルーディを尻目に、伍長に群がったオオカミたちは最早手がつけ
られないほど大興奮状態にあった。
「ささ、オーランド伍長! 特別にお席を用意しておりますので、こちらへ!」
「何か召し上がりますか? 肉がダメというのはすでに調査済みですので、オーランド伍長が好き
な野菜をたくさんご用意しております!」
伍長は顔面蒼白にしてあうあうしながら、オオカミたちにがぶり寄られるままにソファに座らせ
られた。その伍長の周りに、まるで女神を崇める信者たちのように、様々な料理を手にした男たち
が跪く。
「野菜スティックはどうですか? それともポテトサラダをお持ちしましょうか!」
「アスパラサラダもありますよ!」
「カナッペはいかがでしょう、オーランド伍長!!」
「甘い物はお好きですか? ケーキはいかがでしょう!」
な、なんなんだ、この異空間……。
オレルドがこの光景を見たら、こんな所に連れてきた僕は間違いなく殺される……!
三課では一番下っ端でこんな扱いを受けたことなんかない伍長はもちろんパニック寸前だ。まる
で悪魔の集団に捧げられた生け贄みたいに、涙目になってガクガク震えている。
いや階級の問題じゃなくても、貴族でさえこんな熱烈な扱いを受けることなんてないだろう。
「冗談じゃないよ! 伍長、帰るよ!」
伍長の身の危険を否応なく感じた僕が伍長に駆け寄ろうとした瞬間だった。
「待てマーチスぅぅぅ!!」
ルーディが僕を後ろから羽交い締めにしてきた。
「放せよ、ルーディ! 僕はもう帰る! 伍長を連れて帰る!」
「待て待ってくれ! いいじゃないか、俺たち普段は物陰からコッソリ伍長の姿を見て楽しむだけ
の無害な集団なんだぜ!? 別に伍長をどうにかしたいなんて考えてるわけじゃないんだ! みんな
伍長を愛でたいだけなんだあぁぁぁ!」
「それが大問題なんだよッ!!」
そのときだった、異様な盛り上がりを見せる会場内に、僕にとっては悪魔の手先、でも彼らに
とっては天使の導きなる存在が現れたのは。
「三課のマーチス准尉いらっしゃいますか? 先ほど提出された書類のことで訊きたいことがある
とフーベルト中佐がお呼びです」
やってきたのは資料課の女性隊員だった。
「はいはーい、いますいます! ここにいまーす!」
「ちょ……ルーディ~~~~~!!」
ルーディは羽交い締めにしたままの僕を猛烈な勢いで出口まで引きずって行く。
「ほらっ、上官のお呼びだ、行ってこーい!」
「うわぁッ!?」
ドーンと僕を突き飛ばし、会場から追い出すと、中からがっちり扉を押さえつけたのだった。
*
僕は心ここにあらずで上官と質疑応答を繰り返し、二十分ほど経ってやっと戻ることを許された。
どうしよう、伍長に何かあったらオレルドに殺されちゃうよ……!
恐ろしい光景がまざまざと脳裏に浮かんできつつも、それを振り払いながら僕は急いで会場に引
き返した。
「ルーディ! みんな、伍長に何もしてないだろうねッ!!」
全速力で走ってきた僕は息を切らし、会場の扉をバーンと開け放つ。
「ん……?」
会場内が最初とは違う雰囲気に満たされていることに僕は気づいた。
伍長に用意された特別席の周りにみんな集まっている。
さっきみたいな異様な興奮状態はなくなっていたものの、今度は奇妙な和みオーラが漂っていた。
伍長はソファに座っているし、その周りを男たちが囲んでいるので伍長の姿は見えない。
僕は不安なまま急いで人垣を掻き分けて、伍長に駆け寄った。
「伍長、大丈夫? 何もされなかったかい!?」
先頭の男を押し退け、伍長のそばにやってきたとき、伍長が僕を見た。
「あ~マーリフりゅんひ~、おはえりらは~い」
「へ……?」
赤く火照らせた満面の笑みを向ける伍長に僕は固まった。呂律の回らない口調、手にはワインの
空瓶……。
飲ませた! こいつら伍長に酒、飲ませたんだ!
「いやぁ、お酒にお強いですね! どうです伍長、もう一本!」
石化する僕の傍で、元同僚の一人がワインの瓶を一本伍長に差し出した。
「えへ~、もう、ろめまへんよ~」
なんてこと言いながらニコニコヘラヘラ笑って伍長がワインの瓶を受け取る。
見ると、伍長の周りにはすでに空になった酒瓶が、十本以上も転がっているじゃないか。ワイン
はもちろん、バーボンにウイスキーに、なぜかテキーラまである。
もしかしてこの短時間で、これ全部飲んだの、伍長……?
「いららきま~す」
ヘロヘロの声にハッとして伍長に顔を向ければ、今受け取ったばかりのワインを瓶ごとラッパ飲
みする伍長の姿が。すごい勢いで瓶の中身が減って行く。
「ご…伍長……」
……あれ? 変だな……。どうしてこんな時に『飲み過ぎだよ』とか『大丈夫か』じゃなく、
『化物』って言葉が浮かぶんだ……――!?
「――じゃなくてッ……!! 伍長、いくらなんでも飲み過ぎだよ伍長!!」
慌てて伍長に飛びついてワインの瓶をもぎ取った。
トロンとした目で伍長が僕を見て、物足りなさそうに唇を尖らせて人差し指を口にくわえた。
「もっろ……欲しい…れす」
ズキュン!!
そんな心臓を撃ち抜かれる音が、僕のも含めて背後から聴こえたような気がした。
「ぐは……ッ、俺もうダメかも……」
「俺も……道を踏み外しちまいそうだ……」
「俺こんな可愛い生物、今まで知らなかったよ……」
「ああ、神さまありがとう、ありがとう……!」
背後で男たちの感動にむせぶ声が聴こえてきた。
潤んだ目で犬のようにキュ~ンと僕を見上げてくる伍長に、僕は危険を感じた。
「マーリフりゅんひ……」
「え、な、何?」
伍長が僕の胸に手を置いて顔を近づけてくる。潤んだ瞳が僕の唇に向けられて……。
ヤバいと感じた。頭の中で警報が鳴り響いた。
だけど逃げるには遅すぎた。だってここは零距離、伍長のいる世界……!!
「んうぅぅッ!?」
気づいたら僕は伍長に唇を奪われていた。
背中に痛いほどの殺気を感じながらも、口から心臓が飛び出しそうになる。
目を白黒させている僕からチュポンと音を立てて唇を離し、伍長が満面の笑みで微笑んだ。
「えへ~、ちゅ~しらっら♥」
その瞬間、今までの和み空間に亀裂が生じた。異様な興奮を爆発させ、とたんにケダモノと化し
た面々が僕を押し退けて伍長に殺到した。
「うわあぁぁぁ! 伍長! 俺にもチューして下さいッ!」
「俺にも、俺にも~~~~!!」
「お願いします! オーランド伍長ぅぅぅッ!!」
「いいれふよ~、ちゅ~好きれふか~?」
「大っっっっ好きです!!」
僕が止める間もなく、伍長は一番手近にいた男の顔をつかみ、マウス・トゥ・マウス……。
「ふは……、俺もう死んでもいい……っ」
一番手の栄誉に輝いた男は、ふるふる震えながら目の幅涙を流して、その場に悶絶した。
伍長はへらへら笑いながら興奮しきったケダモノの唇へ対し、自らの唇で零距離射撃を敢行。次
々と屍の山を築いて行った。
死屍累々となる会場の玉座に座り、勝者のように酒を煽る伍長の姿を見ながら、僕はぼんやり思
い出していた。オレルドの言葉を。
――あいつなぁ……酔うと、ちょっと大変なことになんだよなぁ。俺でも手がつけられねぇぐら
いに。
よく分かった、分かったよ、オレルド。ごめん、僕がバカだった。あさはかだった。迂闊だった。
伍長は猛烈なキス魔だったんだ……。
だけど伍長の無意識の精神的零距離射撃は、これで終わりじゃなかった。
またひとつ空の酒瓶を放り出した伍長は、背もたれにとすんと体を預けた。赤く染まった頬、と
ろんと潤んだ瞳、そして苦しげな吐息……。
「う……、ふぅ……、ん……」
まずい! まずいよ伍長……色っぽ過ぎるから!!
自分がこの会場の空気に感化され始めたことにうっすら気づき始めた僕の目の前で、屍だった兵
士たちが伍長のお色気光線に再び息を吹き返し始めていた。
「あふい……」
――えっ?
僕が伍長の酔っぱらい言葉を脳内で翻訳している間に、伍長が隊服のボタンを外し始めた。
「ちょっと待って伍長! 脱いじゃダ……うわっぶ!」
止めようとした僕は、逆に息を吹き返した連中に足を引っかけられて転んだ上に、体の上に伸し
かかられて動きを封じられてしまった。
そしてついに、伍長が上着を脱ぎ捨てた。
もちろん下にシャツを着ているけど、伍長の鍛え上げられた胸筋はシャツの上からでもありあり
と見て取れる。
「おっぱいでけぇ~……」
誰かが放った感涙にむせぶそんな声に、思わず僕も同感だった。
上着を脱いだけどそれでも暑いのか、伍長はとうとうシャツの裾にまで手を掛けた。
「ダメだって伍ちょ……もがっ!」
叫ぼうとした僕の口を、誰かが塞いできた。
固唾を呑んで見守る面々の前で、伍長のシャツがするすると上へ持ち上げられて行く。腹筋がチ
ラッと見えたところで、しかし伍長は手を止めた。腕をクロスさせてシャツの裾を中途半端に上げ
たまま、伍長は何かを考え込んでいるようにボーッと宙を見ていた。
そのまま一向に動く気配のない伍長に、誰かが痺れを切らし震える声でおずおずと訊ねた。
「オーランド伍長、あ、暑いなら……お脱ぎになっては?」
それを皮切りに他の連中も鼻息荒くまくしたて始めた。
「そっ、そうですよ、脱いじゃって下さい!」
「脱いだほうが涼しくて気持ちいいと思いますよ!」
「脱ぎましょう脱ぎましょう! この際、全部脱いじゃいましょう!」
「なんなら自分がお手伝いしますが!」
……みんななんでそんなに必死なんだ。
でもこいつらの気持ちが分からないでもない僕は、思わず涙ぐみそうになった。
みんな、いじましいと言うか、ミジメって言うか……なんて言うか……可哀相だなぁ。
伍長はぽやんとした顔で脱げコールを浴びせてくる面々をしばらく見つめていたが、やがてシャ
ツの裾から手を離した。うつむいてモジモジと体をくねらせ、恥ずかしそうに指をくわえた。
「らって……俺……傷ららけらから……。脱いらら、ビックリされちゃうから~……」
もう限界だったのか、ここで何人かが鼻血を噴いて、また悶絶した。
鼻血は出しつつも息絶えなかった少数の勇者たちが、必死の形相で伍長に群がって行く。
「しません、しませんッ!! するわけないじゃないですか!」
「だって伍長殿の傷は、戦場でついたものですよねッ! それは名誉の負傷でありますよ!」
「写真だけじゃ我慢できないんですー! ぜひナマでお願いします!」
「そうです、そうです! 名誉の負傷であります!」
「名誉の傷痕を恥じることなどありません!」
「おっぱい見せて下さいよ、おっぱいおっぱい!」
「見せて下さい伍長殿! 輝かしい戦いの傷痕を!」
誰だよ、どさくさに紛れて本音をぶちまけてる奴は……!
そんな彼らの必死の説得が通じたのか、それとも何も考えてないのか、伍長はヘラ~ッと笑って、
またシャツの裾に手をかけた。
もう本当に伍長を止めなきゃ! だって伍長、無意識なのかもしれないけど『どうぞ食べて下さ
い』って言ってるようなもんだよ! すでに何人かはズボンの前にテント張ってるし、こんなに興
奮状態にあったら理性のぶち切れる奴の一人や二人いてもおかしくない!
だけど、その時だった。異様な会場内に、飄々とした声が響いてきたのは。
「なんだ、やけに盛り上がってるなぁ」
ハッとして目を向けると、そこにいたのは一課のクレイモア・ワンの副長だった。
「パーティーやってるのか。おっ、酒もあるじゃないか。俺にも飲ませてくれや」
副長は堂々とした足取りで、他の面々を気にする様子もなく、会場内に入ってくる。
「クリスマスの日にまで出動要請がかかるとは思ってもいなかったぜ。これタダで飲めるんだろ?」
一応質問口調だったけど、誰の答えを待つでもなく副長は手近にあったウイスキーを手に取ると、
これまた手近にあったグラスになみなみと注いで、一気に煽った。
「くぅー、生き返るな」
すごくマイペースな人だなぁ……。
なんて思わず感心していると、いつの間にか伍長が彼の傍に立っていた。
よかった、シャツは脱いでない……けどなんだか様子がおかしい。
「ん? なんだ? お前確か三課の……」
「ろうしてれすか……」
口調は相変わらずだったけど、さっきまでのぽやんとした表情はどこへやら。伍長は痛切な悲し
みをたたえた目で、副長を見下ろしていた。
その瞬間、僕は思い出していた、あの地下水道での一件を。
「ろうして殺したんれすか……」
「あぁ?」
伍長の目にどんどん涙が溢れて行く。
「殺すなんれ……ひろふぎまふ……」
「何の話だ?」
副長が分からないのも無理はない。だってその時、副長たちの小隊は僕らの隊長と戦っていたん
だから。伍長が助けたがっていた908を射殺したのは、別働隊だったんだと後から知らされた。
伍長もそれを聞いていたはずなんだけど、泥酔した頭でそれを理解してるとは到底思えない。
「助けられらかもしれらいろに……。ろうして殺したんれすか……ろうして……」
とうとう伍長はボロボロと泣き出してしまった。
「返しれくららい……きゅうまるはり……返しれくららい~……っ」
ひっくひっくとしゃくり上げる伍長を、副長は黙って見つめている。
「返しれ………きゅうまるはり……返しれ……ひっく、うえっく……えぇ~ん」
伍長はその場にうずくまり、子供みたいに声を上げて泣きじゃくった。
僕はその事情を知っていただけに、伍長の悲しみに触れてしまって胸が痛くなった。
けど他の連中はそんなことを知るわけないし……。
「か、可愛い、可愛いよ……」
「ああっ、抱きしめてぇ……!」
思った通り、やっぱり萌えまくってるだけだった。
言いがかりをつけられた副長だったけど、怒る気配は見せなかった。彼は飲みかけていたグラス
をテーブルに戻すと、伍長の前に肩膝をついた。
「なんか訳が分からんが……。とりあえず謝っておこう、すまん」
……い、意外と軽い人だなぁ。それとも大らかなのかな?
伍長が涙に濡れた顔を上げて、副長を見た。
「きゅうまるはり……」
「そりゃなんなんだ?」
「……仲間……らって、言っれくれらんれす……」
「そうか、そりゃ、つらい思いをしたんだな」
副長は意外なほど優しい目で伍長を見つめ、伍長の頬を濡らす涙を指先でそっと拭った。
よかった……副長が、酔っぱらいの言いがかりを笑って流せる優しく寛容な人でよかった。
僕はホッと胸を撫で下ろした。
……のも束の間。
副長は何を思ったか、いきなり伍長にキスしていた。
どよどよとどよめく会場内。僕の頭も心もどよめいた。
「なんだ、お前妙な色気があるなぁ……」
「ふぁ……?」
ああっ、伍長、キスされてとろんとなっちゃってる! 今の伍長にキスはまずいよ!
「そうか、思い出したぞ。お前か例の三課の“公認”の片割れは。一課でも何人か妙なこと言って
騒いでる連中がいたが……そうか、お前だったか。納得だなぁ」
「……ちゅぅしまふ?」
伍長! 違うでしょ、伍長!!
副長はクスッと小さく笑って、もう一度伍長に口づけた。
「ふ……、んふ……っ」
シンと静まり返った会場に、淫らで小さな水音がかすかに反響した。
一課の副長はすごいテクニシャンだって風の噂で聞いたことがあった。そんなものただの噂だと
軽く聞き流していたけど、この会場にいる誰にキスしてもされてもヘラヘラ笑いっぱなしだった伍
長が、どんどん濡れた顔になっていくのを見て、僕は噂が真実だってのを痛感した。
「ちゅう好きか?」
「……好きれす……」
副長に囁かれ、伍長はとろんとなってる。
「そうか、じゃあこっちはどうだ?」
言うが早いか、副長は伍長のシャツの中にするりと手を挿し入れた。
伍長の胸のあたりでモソモソと手が動くと、伍長がビクンと体を揺らした。
「ひゃっ、あ…!」
「ここ感じるのか。敏感だなぁ」
「あっあ……らめぇ……やぁ…ん」
「可愛いな、お前……。どうだ、今から俺と来ないか? もっと気持ちいいことしてやるぞ」
「……ちゅう、れすか?」
「ちゅうもいいけど、もっといいことだ」
悠然と微笑みながら副長は立ち上がり、伍長に手を差し伸べた。
伍長はとろんとした顔で副長を見て、手を見て、また副長を見る。
なんだかもう他の誰をも寄せつけない、誰も口を挟むことの出来ない雰囲気だった。
だけど、伍長が首を傾げながらも副長の手を取ろうとした瞬間、僕の中で凄まじいパワーが爆発
した。
「ぬおりゃあああぁぁぁぁーーーーッ!!」
気合い一発、僕は上に伸しかかっている連中を跳ね飛ばし、自分でも驚くほど素早く伍長の脱ぎ
捨てた上着を取り、副長と伍長の間に突進した。
「ダメですッ!」
二人の間で両腕を広げて、片方は副長の胸板に、片方は伍長のおでこに押しつけて、二人に対し
て怒鳴っていた。
「あ。マーリフりゅんいら~♥」
僕におでこを押さえられたまま、伍長がヘラヘラ笑って僕の腰に手をまわしてきた。
「ダメでしょ、伍長! 他所の課の人にチュウさせたり、ついてったりしちゃダメでしょ!!」
「なんだ、お前も三課か? こいつの彼氏か?」
副長が冷めた目で僕を見下ろした。普段の僕なら、この人の得体の知れない迫力に気圧されたか
もしれない。けど今は違った。
「違います! た、ただの同僚です!」
「なんだ、だったらすっこんでろ」
「すっこみません! ただの同僚だけど……けど伍長に手を出すことは許しません!」
「マーリフりゅんい~怒っれます~?」
「伍長はちょっと黙ってて!」
「やっぱり……怒っれるんれすね……、うえっ……」
伍長がまたボロボロと泣き出した。キス魔な上に、泣き上戸なのかな。
もうこのままじゃ埒が明かない。
普段の僕なら絶対にこんなことはしないだろうけど、今の僕は妙な興奮状態にあって、そのパワ
ーに身を任せることにした。
「帰るよ、伍長!」
「え~? まら飲みらいれす~」
「ダメ! いい加減にしないと、僕本当に怒るからねッ!」
「もう怒っれるりゃないれすか~、うえ~ん」
「ああ、もう、ほら立って! 立ちなさいッ!」
伍長はえぐえぐ泣きながら、のっそりと立ち上がった。
ふらつく伍長の丸太みたいな腕を自分の肩にかけ、伍長の腰を抱く。呆然とした視線を痛いほど
背中に感じつつも、僕は千鳥足の伍長を引きずるようにして足早に会場を後にした。
*
「ほら飲んで」
三課のオフィスになんとか伍長を連れて戻ってくると、伍長はソファに倒れ込んだ。
水を差し出す僕を潤んだ目で見て、嫌々と顔を横に振る。
「う……もう飲めまれん……うぷっ……」
「飲み過ぎなんだよ…。これはただの水、ほら飲んで」
ソファの肘掛けに置かれた伍長の首の後ろを腕で支え、口元にコップを運んでやる。
伍長も自分の手でコップの下のほうを支えて、水を飲んだ。
「大丈夫かい?」
「きもひわるいれす……は、吐きろう……」
「医務室から薬、貰ってきてあげるから、大人しく寝てて。吐きたいなら吐いちゃったほうが楽に
なるから、バケツ、ここに置いておくよ」
溜息を吐いて立ち上がろうとした僕の袖を、伍長がギュッと握ってきた。
「伍長?」
「怒っれます……?」
不安げな涙目で伍長はそう訊いてきた。
さっきまでは確かに怒ってた。何に対してか自分でもよく分からないけど……、伍長が他の男に
いいように弄ばれてるのを見て、平常心を保っていられなかったのには間違いない。
オレルドなら許せるけど、他の男には……って、変な感情だった。
「もう怒ってないよ」
自然に湧き上がってくる笑顔でそう答えると、伍長は握った僕の袖を自分の胸に引き寄せた。
「なんだい?」
「傍にいれくらさい……」
泣きそうな顔で、消え入りそうな声で伍長は言った。
逆らったり諭したりできるような気分じゃなかった。僕は伍長の望むままに、伍長の寝そべるソ
ファの空いた部分に腰掛けた。
「ほら、傍にいるよ」
伍長が僕の手を顔へ持って行き、頬を寄せてきた。ぐすっと鼻をすすって、寂しそうに僕の手に
頬ずりする姿を見ているうちに、穏やかな優しい気持ちになっていく。
まるで大きな子供みたいだなぁ……って思う。
「ねえ、伍長。オレルドがいなくて、寂しいんじゃないの?」
そう言うと、伍長は口をへの字に引き結んだ。そして涙を零しながら、小さくうなずいた。
「やっぱりね……。バカだな。一緒に居たいって言えばよかったのに……」
「俺……バカなんれす……。オレルロさんの負担になりらくなくれ……」
だから困ってるマリーを目の前に、一緒に居たいって我が儘が言えなかったんだね……。
「もうちょっと……我が儘になってもいいんだよ」
「……嫌われないれすか?」
「オレルドは少しぐらい我が儘なコが好きなんだよ……」
それに……伍長のこと、嫌うわけないじゃないか、あいつが。
――僕だってこんなに……
その言葉が湧き上がってきた時、僕はハッとした。
――そうか……僕……。
伍長はいつの間にか、安らかな顔で眠っていた。僕の手に頬を寄せたまま。
――ダメだよ。
理性が叫んだ。
――これは裏切りだから、ダメだよ。
でも、そう思えば思うほど、さっき僕の唇を奪った伍長のそれの感触をまざまざと思い出してし
まう。酒に呑まれてべろべろに酔っぱらってしてきたキスなんて、キスのうちには入らないだろう
けど……。
どうしよう、僕はもう自分を抑えきれそうにない。
酒のせいなのか、浅い呼吸を繰り返す伍長の唇に、僕は自分のそれを押しつけていた。
それでも目を醒まさない伍長に、僕はどんどん大胆になって行く。
チュッと音を立てて唇に吸いついて、少しだけ開いた唇の隙間から舌を滑り込ませた。甘い酒の
匂いが伍長の舌から僕の下へ伝わってきて、それだけで酔ったようになった。
酒の匂いと微かに残る味が、伍長の唇の感触が、僕の理性をどんどん剥ぎ取って行く。
オレルドの顔が浮かんだ。
だけど僕は、それを『今だけだから』という言い訳で振り払った。
唇を貪られ呼吸が満足にできない息苦しさに、伍長が目を醒ましたようなうめき声を上げた。
「ん……! ぷ……ぁ」
伍長が苦しげに頭を振り、僕から唇をもぎ放した。ハァハァと荒い息をつきながら、うるんだ瞳
で僕を見る。
「ごめんね……今だけだから……」
卑怯な言い訳。
それが分かっているのに、僕は自分を抑えられない。
伍長が欲しい。
「マー……んうっ……、んっ」
酔ったままで頭が朦朧として思考回路が停止状態にあったからなのか、伍長は抵抗する素振りも
見せず、僕の唇を受け入れた。
オレルドにそうしていたように、自分のほうからも吸いつき、舌を絡ませてくる。
夢とは違う。赤ちゃんみたいな純粋な匂いのする可愛いキスじゃなくて、すでに愛する者を知っ
ている大人のキスだった。夢なんかより、数段いい。
伍長に触れたくてたまらなかった。僕は伍長のシャツをたくし上げた。無数の傷に覆われた体。
でも肌は意外にも滑らかで、岩のように硬いんじゃないかと思っていた胸筋は、予想に反して弾
力があった。
その胸の頂点にある淡い色をしたものを見た時、さっき副長がここをいじっている光景を思い出
して、胸に嫌なものがこみ上げてきた。
「消毒してあげるね……」
「ふぁ…? あっ、ンんッ!」
突起を口に含んで舌で転がすと、伍長がビクンと腰を跳ね上げた。
「ひゃ…、あっ、はぁっ……ん、や……、らめぇ……っ」
可愛い声……。いつもの低いのんびりとしたハスキーボイスが、ちょっと高めに細くなって、女
の子みたいだった。僕の愛撫に反応してピクピクする体も、何もかもが全部可愛いって思えた。
もっともっと伍長に触れたい。表面にも奥深くにも。
もっともっと伍長の声を聴きたい。オレルドにしか聴かせてない声を。
欲望に呑み込まれそうになった時だった、
「ん…ぁ……、オレルロ……さん……っ」
伍長の濡れた声が、僕を現実に引き戻した。
顔を上げて伍長を見た。伍長は涙を流しながら、眠っていた……。
なに、やってるんだろう、僕……。
何をする気だったんだろう……。
バカだな……、そう、これが現実じゃないか。
体の熱が一気に冷め、僕は理性を取り戻した。
伍長から体を起こして、たくし上げたシャツを元に戻した。ソファの背もたれにかけていた伍長
の隊服のコートで、体をすっぽり包み込んであげた。
伍長の頬を流れる涙を指で拭き取り、安らかな寝息を聴きながら、僕は思った。
――そう、これでよかったんだ。これで……。
*
伍長が目を醒まさないまま、時間は夜中の0時をまわっていた。
僕は伍長を置いて一人で帰ることも出来ず、オフィスのデスクに座って、後に回していた書類整
理を黙々とやっていた。
だって他にやることもないし、伍長の寝顔を見ていたら今度こそ間違いを犯しかねないんだもの。
書類からふと顔を上げ、伍長のほうを見る。
伍長はよく眠っていた。
その安心しきった寝姿を見たとき、僕の顔には穏やかな笑みが広がった。
ちょっと寂しいクリスマスになっちゃったけど、ひとりぼっちのクリスマスじゃなくて、よかっ
たよね。伍長、お酒たくさん飲めたしね。
そんなことを思って一人で微笑んでいた時、オフィスのドアが勢いよく開け放たれ、隊長の凛と
した声が響き渡った。
「メリークリスマァース!」
「た、隊長!?」
ギョッとして思わず立ち上がった。最初は幻覚かとも思ったけど、やって来たのはドレス姿だっ
たけど正真正銘のアリス・L・マルヴィン、その人だった。
「おおっ、マーチス、まだ仕事をしているのか! クリスマスの日にも戦災復興に精を出すとは、
偉い! 偉いぞ! お前こそ我が三課が誇る随一の隊員だな!」
呆然とするしかない僕の肩をバンバン上機嫌で叩き、隊長はふとソファで眠る伍長に顔を向けた。
「なんだ伍長もいたのか。てっきりオレルドと……うっウホン! そ、そんなことはどうでもいい
な。伍長もお前の手伝いか? 偉いな、二人とも!」
満面の笑みを向けてくる隊長に、僕はやっと声を発することを思い出した。
「あの……隊長、なぜここに? お家でパーティーのはずでは……?」
「うん、そうだったんだがな、あまりのつまらなさに抜け出してきてしまった」
「え……えぇ?」
「やはり私の居場所はここしかないと思って、何気なく足を向けてみたらまだオフィスに明かりが
ついているではないか。まだ誰かが残っているのだなと思って、急いで買い物を済ませて来たんだ
ぞ!」
嬉々として語りながら、隊長は持ってきた荷物をどんどん机の上に並べて行った。
見ればそれはワインだとかケーキだとか七面鳥とかの、クリスマスメニューだった。
「一人でここまで持ってくるのは、なかなか骨が折れたぞ! ケーキは少々潰れているかもしれな
いが、それも愛嬌だ! イエスの誕生した日にも戦災復興にがんばるお前らに、私からのプレゼン
トだ!」
「隊長……」
「今年は家のパーティーを断り切れなかったが、来年こそは三課全員揃ってパーティーをやろうな。
私も来年こそはスケジュールを空けておくぞ。だからお前もそうしろよ?」
うわ、どうしよう……なんだかジンときた。泣きそうだ……。
隊長の笑顔が涙に滲んだ時、今度は隊長よりも賑やかな面々が乱入してきた。
「デカブツーいるかー!!」
「メリークリスマァース!」
「きゃー! 軍のオフィスなんて初めてぇ!」
それは必死の形相のオレルドと、多分彼がサロンから連れてきた……というか、勝手に着いてき
ちゃったらしい二人の女の子たちだった。
「デカ……げっ、た、隊長!」
ドレス姿で仁王立ちで睨みつける隊長の姿を見て、オレルドが顔を引き攣らせた。
「な、なんで隊長がここにいるんすか!?」
「それはこっちの台詞だ! マーチスと伍長がクリスマスにも戦災復興に精を出しているというの
に、貴様は女遊びか!? だいたい軍施設内に一般人を入れるとは、いったいどういう了見だ!!」
「きょ……許可はちゃんと取りまし…――」
その時、たじたじするオレルドの両脇にベッタリくっついていた女の子たちが、隊長の姿を見る
なり、キャーと黄色い声を発した。
「あなたがパンプキン・シザーズの隊長さん!? やだー可愛い!」
「女性の身でありながら戦災復興に命を賭ける素敵な隊長さんに、一度でいいから会いたいと思っ
てたんですよぅ!」
「え……あ……」
さすがの隊長も賑やか過ぎるこのパワーには圧倒されたみたいだった。
オレルドを叱りつけることも忘れた様子で、引き攣る笑顔でじりじりと後ずさった。
「無理やり着いてきちまったが、助かったぜ」
オレルドが苦笑して、僕に向かって舌を出した。
「あの子たちサロンの子だろ? パーティーは?」
「んなもん途中でフケてくるに決まってんだろ。一応、終了は0時ってことになってたから、約束
は果たしたしな。まだ残ってる奴ばっかりだったが、つきあってられっかよ~」
「ねね、隊長さん、このドレスすごく素敵ね! お古でいいから欲しいわぁ!」
「あの……その……わ、私は……」
「ちょっとぉ抜け駆けは許さないわよ! 隊長さん、あたしにもぉ!」
「おーい、マリー、キャシー、隊長にたかるんじゃねぇぞ~」
隊長をがっちり掴んで放さない女の子たちに呆れたような声をかけ、オレルドはソファで眠って
いる伍長の姿を見て、駆け寄って行った。
「おーい、デカブツ起きろ! なんだ、仕事疲れで眠っ……う! さ、酒くせぇ!!」
ガバッと鼻を塞いだオレルドが、必死の形相で僕を振り返る。
「酒、飲ませたのか!?」
「伍長が勝手に飲んだんだよ」
「マジかよ……。ど、どうだった……?」
「どうって?」
「酔っぱらっちまったんだろ?」
「少しね。だけどすぐに酔いつぶれて寝ちゃったよ。疲れてたみたい」
僕は飄々と嘘をついた。
オレルドは僕の言葉を信じた半分でホッとしたような、それでいて疑いを持って心配そうな表情
を向けてくる。
「何を心配してるのか知らないけど、伍長はとっても“良い子”だったよ。普段通りのね」
オレルドの肩を叩いて、僕は笑顔でそう言った。そしてこの騒ぎの中、未だに目を醒まさない伍
長に歩み寄り、肩を揺すった。
「伍長、起きて伍長。オレルドが来てくれたよ~」
「ふ……ぁ?」
うっすらと伍長が目を開けたのを確認して、僕はちょっと乱暴にオレルドの後ろ頭を押さえ込ん
で、伍長の顔の前に突き出した。
「うわっ、何すんだマーチス!」
「ほ~ら伍長、オレルドだよ~」
伍長のとろんとした目がみるみるうちに大きく見開かれた。と思ったら伍長は目に涙をいっぱい
ためて、ふええ~んと泣き出して、ガバッとオレルドの首に抱きついた。
「オレルロさん~帰ってきれくれらんれすれ~」
「なんだ、お前べろべろじゃねぇか……」
オレルドは、えぐえぐ泣きじゃくる伍長を優しく抱きしめた。それから伍長の前髪を優しく掻き
あげて、体の奥底から溢れ出てくるような愛情たっぷりの笑顔を伍長に向けた。
「よしよし、泣くな泣くな。寂しい思いをさせちまってごめんな……」
「ふえっぐ……、えぐっ……」
しばらく子供みたいに泣きじゃくっていた伍長は、オレルドに頭を撫でられるうちにだんだんと
泣き止んで行った。そして、またヘラ~ッと笑って言った。
「ちゅうしれくららい~。……むぐっ」
オレルドにキスをしようとした伍長だったけど、オレルドに口を塞がれ、伍長はオレルドの掌に
チュウするはめになった。
オレルドは僕のほうを見て、ダラダラ汗を流しながら訊いてきた。
「マーチス……ほんっとうに何もなかったんだろうな?」
だけど僕が答える前に、隊長にたかりまくっていたマリーとキャシーの黄色い声が響き渡った。
「あっ、伍長ちゃんがいるわー! 伍長ちゃん、メリークリスマス!」
「あらやだ、なに泣いてんのぉ? マリーあんたがオレルドをひとりじめするからじゃない?」
「えっ、うそー! あたしのせい?! 伍長ちゃんごめんねぇ~」
「オレルド! この女性たちをどうにかしてくれぬか! さっきから……」
「なぁに隊長さん、あたしたち迷惑なのぉ!?」
「えっ、いや……そう言うわけでは……!」
「ひどぉーい、隊長さん、ひ、ど、いーッ!」
「だから違うと……ああっ、オレルド助けてくれ!」
隊長に涙目で懇願され、オレルドは仕方なさそうに伍長の傍から離れて行った。
伍長がボーッとした顔でオレルドの姿を目で追ってる。
僕はコップに水を容れて、伍長に渡した。
「はい、お水だよ。隊長がワインとか持ってきてくれたけど、お酒はもう無しね」
「……はい」
あ、呂律が回り出してる。少しお酒、抜けてきたのかな?
まだボーッとしてたけど伍長はコップを手に取り、水を飲んだ。
大騒ぎのマリーとキャシーの二人組はオレルドに追い出され、隊長はようやくホッとしたみたい
だった。
「すごいパワーだな……。お、伍長、目が醒めたのか?」
「少尉……?」
ぽかんとした顔で伍長が隊長を見た時、また新たな客がやって来た。
「マーチスさん、伍長さん、メリークリスマ……あれぇ!?」
「なんだぁ、お前ら揃ってたのか」
ステッキンと、大尉だった。
「ハンクス大尉、ステッキン曹長、なぜここに?」
隊長が驚いて、自分が向けられたのと同じ質問をボスに返した。
「近所を通りかかったら明かりがついてるのが見えてなぁ」
ボスも隊長と同じことを言った。
「曹長もだと。マーチスと伍長がまだ残って仕事してたから気になって寄って見たんだそうだ」
「ビックリしました! アリスさんとオレルドさんまで居るなんて! 差し入れも持ってきたんで
すよー。あんまり大したもんじゃないですけど、マーチスさんと伍長さんがお腹空かせてるんじゃ
ないかって思って」
ステッキンが手にしたバスケットを見て、隊長が顔を輝かせた。
「おおっ、なんだかんだで三課全員集合じゃないか! これはいいな。どうだみんな、今からここ
でパーティーを開かぬか? 伍長が来て初めての三課全員揃ってのクリスマスパーティだ!」
「賛成! 賛成ですー! マー君も連れて来なくちゃ!」
「うむ! 連れて来い!」
「サー! イエッサー!」
ステッキンが嬉しそうに敬礼をし、マーキュリー号を犬舎から連れてくるべくオフィスを飛び出
して行った。
「マジかよ……俺ぁ今から帰ってデカブツと……」
「オレルド、何をボケッと突っ立っているのだ! 曹長が持ってきてくれた料理をテーブルに並べ
るのを手伝わぬか!」
「あー、はいはいー!」
隊長に顎でこき使われ出した哀れなオレルドを尻目に、ボスがステッキンのバスケットから勝手
にオレンジジュースを取り出した。そして隊長が持ってきたワインの栓を抜いて、それぞれコップ
に注いで行く。
「遅くまでご苦労さんだったな」
ボスが労いの言葉をかけ、僕にワインを、そして伍長にはオレンジジュースを手渡した。
「お前さんは……こっちのほうが良さそうだからなぁ。差別じゃねーぞ?」
いつものようにキセルをくわえて、口の端でニヤリと笑うボス。
「はーい、皆さんお待たせしました、マー君連れてきましたよぉ!」
「ワフン、ワフン!」
「よーし、これで全員集合だな」
ボスはそう言って笑うと、キセルを口から放し、伍長に向かって笑みを投げかけた。
「ランデル・オーランド伍長」
「はっ、はい……」
まだ精彩を欠いた表情だったけど、ボスから名前を呼ばれて伍長は背筋をピンと伸ばした。
「よく三課に来てくれた、ありがとう。それから、メリークリスマス、だ」
ボスがそう言った途端、伍長の目から大粒の涙が溢れ出した。
「なんだ、お前さん泣き上戸か?」
ボスが悪戯っぽく笑いながら、伍長の頭をぐりぐりと撫でる。
伍長は口を手で押さえて嗚咽を堪えたまま、何度も頭を下げていた。
僕もジンとした。
伍長が来てくれて、確かにこの三課は“お気楽部隊”ではなくなったかもしれない。
だけど、どんな困難が降り掛かろうと、伍長はもう三課になくてはならない存在なんだ。
僕は自分の気持ちに気づかない振りをし続けよう。今までと同じように。
僕は伍長と同じ、このパンプキン・シザーズの仲間。それだけで充分だから。
「伍長」
僕は感涙にむせぶ伍長の隣に腰掛けて、肩に手をかけて言った。
「メリークリスマス。来年もよろしくね」
伍長は何度もうなずくと、嗚咽を呑み込んで、僕に笑いかけた。
「はい……マーチス准尉……!」
花がほころぶような、とっても幸せそうな笑顔だった。
その笑顔を見て、これでよかったんだって、今の僕には心から、そう思えたんだ――。
【終】
――――――――――――――――――――――――――――
すいません、いくらなんでも長過ぎますね…orz
そのくせにマーチスと伍長、エッチなしでスミマセン…(;´д`)
いつかイチャイチャらぶらぶガッチュンなマーチス×伍長で
リベンジしますw
誤字多いと思いますが、笑って許して下さい。
勢いで書いたので…w
萌え死んだ……。
ごちょう_○□= パタリ
読んでるこっちがオレルドに嫉妬するw。
サンタさん今年のクリスマスは伍長をください!
みんなが集まるシーンとか涙出そうになった…。
GJ!GJです!!ありがとう!
>>32 もうGJ過ぎます!
伍長のかわいさとモテモテっぷりにやられました…
ラジオのネタとかも入ってるしw
オチで皆幸せそうにしているのがとてもよかったです。
>>32 ちょっ…エロおもしろすぎる上に最後はホロリと!GJです。
「おっぱい見せて下さいよ、おっぱいおっぱい!」
ここでコーシー吹いたwwwwwwww
あと副長を小説で見たのは初めてな気がします。テラ男前(;´Д`)ハァハァ
なんという時間帯に…!(さっき放送@関西)
かわいすぎる!萌え死ねる!
寝る前にスレ開いてよかった。
ああ、神さまありがとう、ありがとう……!
す ば ら し い
大作GJ!貴方が神か。
作中に俺がいたwww
ギャラリーが正に我々だった…
このスレ住人のパーティーに伍長が来たら
とんでもない事になりそうだなwww
酔った伍長の色気は異常
パーティーに参加した男達動揺、伍長の色香にノックアウト!
ていうか、伍長の扱いがアキバのどこぞのイベントっぽくてウケタw
最後のあたりで、伍長同じくじ~んとしてしまった。
とても癒されたわ~
ウルトラGJ!
死人が出るなww
45 :
男体の人:2006/12/13(水) 18:14:01 ID:???
>>44 おっぱいおっぱい!おっぱいでけぇ~…。・゚・(ノД`*)・゚・。
…じゃなくてw
ありがとうございます、ありがとうございます!
めっちゃ嬉しいですよ~。
伍長の可愛さは本当に異常です!
勝手に描いて…なんてとんでもない。
私のSSで良ければ
>>44さんに限らず、他の絵師さんたちも
どんどん描いて下さい!
ああ、伍長の周りにこのスレの住人たちの姿が見える…ww
>>イカの人さん
あちらのほうのSS拝見してます。
相変わらず独特の文体で読み手を引き込みますよね。
イカの人さんの伍長は可愛くて大好きです。
続きwktkしながらお待ちしております!
前スレ、現行スレで感想を下さった皆様、
ありがとうございました!
伍長への萌えっぷりにハゲワラタ
前スレでオッパイネタ投下した者です。
マーチス祭りのようなのでマーチス絡みのネタなのですが、読む人を限定するSS投下します。
とりあえず今日は前編。
前提
マーチス×オレルド×伍長。
オレルド受有り注意。
キャラの(特にマーチス)精神破綻。
暴力表現有。
エロネタです。
(全て後半にて表現有)
荷台車の置かれている倉庫内で動く、大きい影と小さい影が二つ。
明日行われる食料配布支援任務のため、そこにはステッキンとランデルが運び出される食料管理の仕事をしていた。
何十キロもある重い食料袋をランデルは軽々と持ち上げて荷台に詰め込むのに対し、腕力もなければスタミナもないステッキンは一つの荷物を運ぶのに、
何十分もかかってる。
その上、いつ倒れてもおかしくないほど足元がおぼつかないので、部下はそれが気になって集中できない。
「あとは・・・自分がしますから」
運ぶのが辛そうな曹長に気を使い、ランデルはステッキンの運ぶ荷物を手に持つと、別の仕事してもらうようお願いした。
部下にばかりそんな大変なことを・・・と、アリス少尉なら思うかもしれないが、この上官は助かったという気持ちが強かったようでアッサリと荷物
運びをやめて食材の名簿管理を始めた。
楽な仕事にまわったからか、ステッキンの口も滑らかにしゃべり始める。
「今日の喧嘩はすごかったですねー」
「ははは・・・」
ランデルは力の無い笑い声を帰した。
それは今日の午前に遡る。
女癖の悪い男が三課にいると評判のオレルド准尉。
各部署に必ず一人はオレルドの彼女がいると言われるほど、オレルドは女性の噂が絶えたことが無い。
話が旨くて女性の心をわかる紳士な色男に落ちない女性はいないと、厭味を含んだ話まで聞くほどだ。
しかしいくら彼が一般の成人男性より女心がわかっていたとしても、トラブルが無いわけではない。
女性の愛情は裏返せば憎悪になりやすく、思う気持ちも愛情を注いでいたときと同じくらいに強い。
初めはいつか自分だけのものになってくれると信じて付き合う女性もいるが、所詮女好きは女好き。
何度浮気をして謝ったところで、舌の根も乾かないうちに他の女性と付き合うのが本能。
そこで上手く別れられればいいのだが、憎悪の固まりになった女性に何を言っても無駄な時がある。
そうなると嫌なほど巻き込まれるのはオレルドと仲の良いマーチス准尉。
本命にいきなり突進しても、数々の修羅場を潜り抜けてきた彼にはスルリとかわされてしまうのを、付き合っていたことで女性達は熟知してい
る。
そうなるとまずは馬を射るように、マーチス准尉へ攻撃が向けられてしまうのだ。
マーチスの家に押しかけては、一緒にならなければマーチスを殺すだとか、他の女性達と別れなければマーチスと一緒に死んでやるだとか。
なんとかオレルドの興味を自分へ惹かせようとする努力は認めるが、それに巻き込まれるマーチスにはたまったものじゃない。
友人の色恋沙汰のために自分が死ぬのはかなわないと、その度に嫉妬狂う彼女らをなだめるために一晩、ヘタすれば仕事を休んでまで説得を
しなくてはならない。
粘って説得をすることで今は大事には至っていないが、いつ自分が殺されてしまうか考えると頭痛がする。
今日は久しぶりにそのような出来事があったようで、初めはいつもの口調でやんわりとオレルドに注意をしていたが、オレルドのあまりに反省の
見えない返事にマーチスは怒り、朝から部署内で口喧嘩を繰り広げていた。
ステッキンやランデルが仲裁していても止まるどころか掴みあうほどまで喧嘩が進んでしまう。
しばらくは友人同士の喧嘩として黙って見ていたアリス少尉もこのままではまずいと気づいたのか、上官らしい一喝で治まらせたものの二人の
間には不穏な空気が流れ続けていた。
「二人の喧嘩、初めて見ました」
「名物みたいなものですよ」
そうステッキンは笑う。
喧嘩するほど仲が良いのは二人を見ていればわかること。
ただ、争いごとはなるべくならばあまり見ていたくないランデルは苦笑するしかなかった。
すべての点検が終了し、ステッキンとランデルが三課に戻るとそこにはハンクス大尉だけがいた。
どうやら時間を忘れて仕事に集中していたら定時を大幅に過ぎていたようで、残りの人達はまったく居ない。
マーチスとオレルドは用事があると言って定時には部署を出たが、アリス少尉は定時を過ぎても仕事が終わらない部下を置いて先には帰れないと言っ
てしばらくは残っていた。
しかしブツブツと一人で小言を言うアリスにハンクスが耐えられなくなり、大尉命令で帰らせたようだ。
やっと俺も帰れる、そう腰に拳を当てながらハンクスが席を立ち、帰る準備をする。
二人は大尉に敬礼し、帰る大尉の後を追って三課をあとにした。
着替える前に便所へ用を済ませたランデルは、長い渡り廊下を歩きながら外の景色をぼんやり眺めていた。
窓の外はすっかり暗く、街の灯りが無数に小さく光っている。
この光が手元にあれば暖かいだろうな、なんて少しお花畑な想像を頭の中で展開していると、誰もいない静かな廊下で何かの音が聞こえた。
こんな時間まで誰がいるのかと聞こえた音のほうへ進むと、一室のドアが少し開いているのに気づく。
上を見上げてプレートを見ると、そこは図書室だった。
ここは軍人の定時時刻より早く閉まるので帰る頃にはいつも鍵がかかっているのだが、ドアは隙間風でも吹いているのか短くきしむ音を鳴ら
しながら少し揺れている。
資料室とは違い、ここは誰もが見ても触れても構わない場所ではあるが、開けたまま担当者が不在であれば当然問題になる。
他人事ながらもそれを心配してしまうランデルは、恐る恐る中の様子を伺ってみた。
電灯はついていないので中の様子は暗くてよく見えない。
かろうじて廊下の明かりが差込むので入り口辺りはうっすらと見えるものの、奥まではわからなかった。
かと言って電気を勝手につければ、こんな時間帯に図書室が明るいことに当直が不信がってやってくる可能性もあるために点けられない。
担当者らしき人影も見えず、どうしたらいいかとドアの前で立ち止まっていると、奥のほうから本が落ちるような音と誰かの話し声が聞こ
えた。
この場合、軍人ならば不審者が潜伏している可能性を考えて慎重に行動しなければならないにも関わらず、そのような危機管理よりも誰か
が残っていたとに安著したランデルはその音がしたほうへ向かう。
そこは本棚が列を作って並んでおり、音が聞こえた場所は入り口の光がなんとか差し込んで見えるほどの位置にあった。
声をかけようと本棚に手をかけながら覗き込むと、まず見えたのは光の反射で映る銀色のフレーム。
見覚えのある丸い眼鏡に薄暗いながらも目をやると、そこにはマーチス准尉が俯きながら立っていた。
暗いせいで表情が見えず、幽霊のようにひっそりと立っていたのでランデルは一瞬顔がひきつってしまう。
マーチスは俯いてた顔をあげると、ランデルがいることに気づいて声をかけた。
「やぁ。まだ残ってたの?」
いつもの笑顔が見えたことで安心したランデルは息を少し吐き出し、返事を返す。
「今日は思ったより時間がかかってしまって・・・今帰るところです。准尉もまだお仕事されてたんですか?」
「仕事・・・そんなところかな」
暗くてよく見えないが、今、ランデルは含み笑いをされたような気がした。
しかし、用事があると言って帰ったはずのマーチス准尉がどうしてまだここに居るのだろうか。
「一人で仕事をして・・・」
いたのですか、とランデルが聞こうとした途中でマーチスの目線が斜め下を向く。
追って下を見ると、あまりの暗さに気づかなかったが、そこにはオレルド准尉がこちらに背を向けてしゃがんでいた。
オレルド准尉までここにいる。
二人の用事とは、なにか別件で調べごとでもしていたのだろうか。
「オレルド准尉も仕事ですか?」
ランデルの声が聞こえているはずなのだがオレルドに返事はなく、起き上がろうともこちらを向こうともしない。
なぜか無視をされていることに怪訝な顔をしていると、マーチスはオレルドを隠すようにランデルの前に立ってこう言った。
「ちょっと彼、具合が悪くなったみたいなんだ。悪いけど、一緒に医務室まで運んでもらえないかな?」
お願いするマーチスの言葉に敏感に反応したのはオレルドだった。
すぐさま立ち上がり、マーチスの肩を掴むと険しい顔で詰め寄る。
「俺は大丈夫だから。伍長は帰せ」
「あ、あの俺なら別に・・・」
「お前は黙ってろ」
「はい・・・すいません・・・」
気を使われたのだと思い、伍長は口を挟んだが怒られてしまった。
背を丸くしてションボリとするランデルに、マーチスはオレルドの掴む手をはがしてランデルの肩を優しく叩く。
「部下に情けないところを見せなくなくて意固地になってるだけだよ。僕がお願いするから運んであげて」
「マーチス!いい加減に・・・!」
「オレルド」
振り返り、ランデルの位置からでは見えないマーチスの表情がオレルドの言葉を折る。
オレルドは小さく、わかったよと答え、かがんだランデルの背中におぶさると、三人は図書室を出て医務室へと向かった。
途中、オレルドがランデルにしか聞こえないほどの小さな声で謝罪をしたが、ランデルにはその本意に気づかなかった。
続
短くてスマソ。
後編は出来次第投下します。
前スレ413
亀ながら萌えた!GJ!
勝手に自分のSSと重ね合わせてハァハァさせていただきました。
素肌に軍服は刺激が強すぎる。
イカの人
こちらにこれる日を楽しみにしております。
イカ臭い伍長をぜひ。
>>12 一瞬エロパロ板と勘違いしてしまったw
続きwktkしながら待ってます。
男体の人
オッパイ!オッパイ!
もう神だ。男体神教に入信する。
酔っ払い伍長に萌え死ぬかと思いましたが、オレルドの伍長のおて手ニギニギが一番ツボでした。
いいなぁ、ニギニギ(・∀・)
>>44 けしからんオッパイキター!
伍長可愛いです。
あれが見れるならマーチスをてこでも動かさない自信があります。
>>47 ちょwwwwwうほっwwwwww
SSの漫画化にも禿萌。
絵師さんすごいよ。幸せすぎて怖い。
ここは神の集うスレか
このスレの神々が伍長受けアンソロをコミケで出してくれたなら
まず間違いなく万札握りしめて零距離突撃するんだけどwww
可愛い伍長さんがいっぱいで喜びのあまり失血死しそうv
>>48 続きが楽しみですー!wktk
マーチス祭りな流れが嬉しい。
>>48 展開が予想もつかなくて続きが凄く気になる
浦沢直樹的ストーリー構成!
>>54 同じくw
57 :
男体の人:2006/12/14(木) 15:06:42 ID:???
>>52 なんだか腹黒モードっぽいマーチスに色んな意味でドキドキです!w
展開の予想がつかなくて、続きが気になります。wktk!
濃厚ガチュンも大好きですが、
お手々ニギニギとか、ほっぺやおでこにチュッチュとか、
抱き合ったまま耳元で話すとか、鼻先をスリスリしあうとか……
そんな感じで軽くいちゃついてるのも萌えますね!タマラン!(;´Д`)ハァハァ
58 :
44:2006/12/14(木) 19:14:52 ID:???
コメントくださった方々ありがとうございます!
携帯からだから個別にレスしにくいw。まとめてでご勘弁を。
気軽になんでも投下できる環境だから逆に気楽な面もあるのかなとも思ったり。
伍長受け本俺も超欲しいですけどw!
黒マーチスキタw。
なにげに今書いてるSSとかぶらないかドキドキ。
夜投下しにきまつ。
みんな大好きだ!
今から投下したいと思います。
「狙われ伍長」の続きで。
頑張ってエロ書いてみますた。
伍長の一人称にしたほうが楽だったのでつながりが変ですが…orz。
※4P注意報。全員ノンケ扱いのつもり。エロ有り。
俺、ランデル・オーランドは、一日の仕事の終わりにシャワーを浴び、
それから帰宅することを習慣にしている。
……といっても、帰る場所は橋の下ではあるが。
いくら情報部だとはいえ、軍の生活の中では肉体を鍛えるための訓練もあるし、汚れて、汗もかく。
今まで放浪生活をしていたせいもあって、汗をかいたままでいるのは平気だった。
しかしそれを少尉に見られたところ、『戦災復興する軍人が、不潔でだらしない印象で見られたらどうする!』
と、すごい剣幕で怒られた。
その言葉ももっともだと思ったし、そんな理由で俺は少尉に嫌われたくなかった。
だからこうして、今もその習慣を守っている。
裸になってシャワーを浴びていると、自分の全身に
全身にできたあちこちの傷、それは最近できたものも、古いものもある。
それらの傷に、シャワーの熱い湯はピリピリと沁みる。
「……っ……痛い……」
けれどその痛みも、自分の気持ちをひきしめてくれる。
昔の俺は、自分の傷を見るのも、触るのも嫌だった。自分が傷を負った分だけ、俺は人を殺していたから。
……だけど、この陸情3課に来てから、新しくできた傷を見るのは、前ほど嫌いじゃなくなった。
傷の分だけ、誰かを守れたような、誰かの役に立てたような、そんな気がする。
……明日も戦災復興、頑張ろう。
これは、そう思わせてくれる痛みだった。
「よ……っと」
ロッカーの中に掛けた服に着替えようと、少しかがみ込む。
時々、自分の体の長さが恨めしくなる。普通に作られたロッカーでも、大体は頭より低い高さだ。
「よお、遅くまでご苦労さんだな、デカブツ」
「……ねえ、ほ、本気でやる気? オレルド……」
ガチャ、と音がして、二人分の声が更衣室の中へと入ってきたのがわかる。
その声と足音は、オレルド准尉とマーチス准尉に間違いない。きっと二人も、シャワーを浴びに来たのだろう。
「オレルド准尉、マーチス准尉、お疲れ様で……」
す、と発音する前に、俺は口を動かすのを忘れてしまった。
「…………」
きっと俺は、ずいぶん間抜けな顔で立ち尽くしていたと思う。
なぜかというと、オレルド准尉たちと一緒に、小柄な、金髪の人物が続けて入ってきたからだ。
「し…………ししし、少尉ぃ!?」
そのときの俺は、腰にバスタオル一枚だけ巻いているという格好だった。
別にずり落ちるわけでもないのに、慌てて腰のタオルをおさえながら、ばばっ!と後ずさる。
……な、なんで男子更衣室に少尉が!?
あ、そうか、俺がきっと女子更衣室と間違えて……って、准尉たちはじゃあ何故!?
頭が混乱してきた。頭に血が上って、かーっと顔が熱くなるのがわかる。
そもそも、少尉の前で半裸でいることが、いや、タオルを取れば全裸という格好でいることが恥ずかしいのに。
「……伍長、きょ、今日もご苦労だった……」
「あ、はい……お、お疲れ様です」
ついぺこり、と頷いてしまった。
……じゃない!今はそんなことよりこの状況を理解して次にすべき行動を考えないと。
なぜか少尉も顔を赤くして、もじもじとしている。いつもの覇気はどこへ行ったのだろうか。
オレルド准尉はいつものようにニヤニヤと笑っているし、マーチス准尉は、申し訳なさそうな顔で俺を見上げている。
三人とも上着は置いてきたのか、シャツにズボン、という軽い格好だ。
「オ……オレルド准尉……なんで少尉が、こんなとこに……?」
兎にも角にも、一番余裕な表情を見せているオレルド准尉に訊いてみる。
「ん~? 何、ちょっと隊長に頼まれたのさ。俺らの更衣室を一度見てみたい、って……なあ隊長?」
「そ、その通りだ! ……部下の着替える部屋が汚れていては、じ、上官として恥ずかしいからなっ!」
その言葉の割には、少尉のほうが恥ずかしそうな顔をしているんですが……。
「あ……ああ、そうだったんですか。じゃあ俺は、は……早く着替えたほうがいいですね」
「あーいや、デカブツはそのまんまでいい」
とりあえず早く着替えて退散するに越したことはないと、俺はロッカーに近づいた。
その目の前でオレルド准尉が、バン、とロッカーの戸を閉める。
……バタン、ガチャ。
そして、更衣室の扉には鍵がかけられる音。
「マ、マーチス准尉……?」
な、なんなんだろう……この状況は。
場の空気がだんだんと、俺にとって悪い方向へ向かっているような気がしてしょうがない。
「あ、ああ、大丈夫。『清掃中』の札、ちゃんとかけてきたから」
なにが……何が大丈夫なんですかっ!
マーチス准尉の頼りなさげな微笑みですら、今は俺を不安にさせるものでしかない。
「さぁて……」
ゆらり、オレルド准尉が動いた。
「デカブツ……俺たち他にも隊長に頼まれてんだよ。なぁ、マーチス?」
「う……オレルド……ホントにやるの?」
「馬鹿、お前だって乗り気だから、ここまで来たんじゃねえか。腹ぁくくれ」
いくら俺の脳みそでも、何やらよからぬ事を企んでいる、ということはひしひしと感じた。
少尉が、准尉たちに何かを命令したのだろうか?
理由を問うように、また助けを求めるように、少尉の顔を見つめてみる。
「し、少尉……何を……頼んだんです?」
「…………」
少尉はただ、真っ赤になって俯くだけだ。
「少尉……」
「よし行くぞ! 目標、捕獲ッ!!」
「ご、伍長……ごめんっ!」
普段の作戦の態度からは考えられないような、熱気のあるオレルド准尉のかけ声。
あ、ちょっと失礼なこと考えちゃったな、俺。
……などと反省している暇などもちろんなく、オレルド准尉、マーチス准尉二人が、俺に向かって突進してきた。
「う……うわぁぁあっ!?」
数十秒後、腰のタオルを真っ先にかばってしまったのが仇となり、俺は易々と二人に捕獲されていた。
正確には仰向けに床に倒れさせられ、腕をマーチス准尉が押さえ、足をオレルド准尉が押さえている状況だ。
「ふふん、これも普段からやってるマーシャルアーツの鍛錬のおかげだな」
「さぼってばっかいるくせに……。それにこれ、格闘術あんまり関係ないし」
得意げに言うランデル准尉にマーチス准尉が突っ込む。
確かに、技を決めているというよりは、ただ体重をかけているだけなのだが……。
「あの、ちょっ……二人とも……なんなんですか」
俺はよく他の課の人に、『お前、トロいなあ』と言われてからかわれる。
この間も、食堂で1課と3課のケンカになった時は、逃げ遅れてしまった。
だけど俺は、自慢じゃないけれど、人より頑丈にはできていると思っている。
だからケンカとか、からかわれたりとかするときは、相手の気がすむまで好きにさせよう、と思ってしまう。
兵士に反感を持つ人もいて、放浪生活の時には突っかかってくる人もいた。
でも、俺は相手を傷つけたくないから何も反応しないでいると、向こうから諦めてくれる場合がほとんどだった。
……話を戻すと。
3課の人達が、俺を集団で虐めたりする人達じゃないってことはわかっている。
今回だって、たぶんちょっとしたいたずらなんだろう。
俺が抵抗しないでいたら、『なんだデカブツは、張り合いがねえなあ』とか言って、笑って解放してくれるに違いない。
本気で抵抗したら、もしかしたら二人に怪我をさせてしまうかもしれないし……。
でも、俺のそんな考えが甘いとわかったのは、すぐ後のことだった。
「さあお嬢様、どうぞお召し上がりください」
もぞもぞと動く俺の足を押さえつけながら、オレルド准尉が芝居がかった口調で言った。
え、お召し上がりくださいって……どういうこと? 俺、お召し上がられちゃう? 誰に?
オレルド准尉の、なんだか場違いにも聞こえるような言葉に、俺の頭は混乱した。
「う、うむ……」
「……少尉っ?」
今までじっとしていた少尉が、俺たちに、いや俺に向かって近づいてくる。
少尉の顔は、照れてはいるが、不安も感じている、そんな表情をしていた。
だけど瞳だけは、何かを狙うような、ぎらぎらとした光を放っている。少尉……怖いです…………。
ぞくっと、背筋が寒く感じたのは、恐怖か、それとも別の何かの感情のせいだろうか。
「ど、どうすればいい……?」
「では、ムネ肉などから召し上がられてはいかがでしょうか?」
オレルド准尉の言い方は、今日一番のオススメを薦めるシェフのようだ。
ムネ肉って……胸…肉? ……俺の胸? むね…む、胸は、やばいです少尉!
「オレルド……馬鹿みたいに見えるよ」
ぽつりとつぶやくマーチス准尉。けどこの成り行きを止めてくれる気はないようだ。
「そうか……こ、ここだな?」
「しょ、少尉っ! や、やめてくださいっ! ホントに、ちょ、胸は触っちゃ……ひっ!」
少尉の指先が、さわり、と俺の胸を優しく撫でた。
俺は思わず、身体をびくっ、と硬直させてしまう。だから胸は駄目だってば!
「おほっ、敏感だなあデカブツ」
オレルド准尉に茶化されて、俺の顔が、みるみる朱に染まっていくのがわかる。
「ふ、ふむ……男でも、胸は感じるのだな」
さわさわ、という軽い指の動きが、だんだんと無遠慮に、胸を揉みしだくように動いていく。
「やっ……ッ……本当……やめてくだ……はぅう……」
胸なんて、ただの筋肉と脂肪の塊なのに。
それだけなのに、どうして俺の胸はこんなに、手の動きに敏感に反応するんだろう。
「……少尉っ……だから、そこは……!」
少尉はつつつ、と指先を移動させる。
俺の大胸筋の頂上にある、まわりより色濃い突起を、きゅ、とつまむ。
「ふぁっ! ……んあぁっ! ……んふ!」
乳首をいじられ、自分でも聞いたことのないような声をあげてしまう。
「こんなところも感じるのか、伍長は……ふふ……可愛いな」
少尉はそんな俺の反応に気分をよくしたのか、乳首を指ではねたり、押し込んだりして弄ぶ。
「ひぅ……! しょうっ……ぃ……やめ! ……んぅう! …はんッ!」
なんでこんなに乳首が感じるのか、自分でもよくわからない。
准尉たち二人に手足を押さえつけられて、少尉に一方的に乳首を弄られて……。
恥ずかしいのに、なんでこんなに……興奮しちゃってるんだろう……。
やばい、俺、ちょっと勃ってきちゃってるかも……!
まずいまずい、少尉! 今すぐこの手を止めてください!
そんな一時的な願いをかなえてくれたのは、オレルド准尉の言葉だった。
「隊長~、何だ自分から楽しんでるんじゃないですか」
その軽い、からかうような口調で言われた少尉は、ハッとして手を止めると、ボッと赤くなった。
「ばっ……! お、お前だって……伍長は、苛めたくなる奴だと、言っていたではないか!
こんな伍長を見れば、誰だって……!」
「あぁ、まあそうですね……。デカブツお前な……感じてる時の顔、可愛すぎ。 な、マーチス?」
「ぼ、僕に振るなよ! そりゃ……否定はしないけど」
どういうことなんだ? 胸をいじられたせいで鈍くなった思考で考えようとするけど、うまくまとまらない。
でも『可愛い』って単語、図体ばかりでかいだけの、俺なんかに使う言葉じゃないような……とは思えた。
「……とまあ、そういうことだデカブツ。俺ら、隊長がお前とにゃんにゃんしたいって言うから、協力するって約束してな。
命令じゃねえぞ、約束だ。そん時俺が出した条件は、俺らもお前にちょっかい出していいってこと。な、マーチス?」
「だから僕に振るな! 僕は最初は反対したんだよ、伍長。だけどマーチスが強引で……。
あとマーチス、にゃんにゃんって……下品だぞ」
に、にゃんにゃん……少尉が? それに准尉がちょっかいって……俺に?
「はあ、何カマトトぶってんだか……。お前だって目はキラキラしてたぞ、このムッツリが」
「……にゃんにゃんとは、どういう意味だ? オレルド?」
「わかりやすく言うとですね隊長、セック……」
「わーわー! だって、伍長があまりにさあ! しょうがないだろ!?」
少尉が手を止めてくれたのと、三人の会話についていけなくなったのとで、俺はなんとか股間の猛りを抑えることができた。
だけどなんだろう……いきなり生まれたこの三人の連帯感は……。
俺は今まで以上に、言い知れぬ身の危険を感じた。
「伍長……すまない……」
少尉が、俺の目の前に顔を寄せて、申し訳なさそうに言った。
どんな状況であれ、少尉にこんな顔をされて謝られると、俺は何も言えなくなってしまう。
「少尉……」
「このままだとどうしても私の、その……気持ちというか、身体の熱というか……が、だな……収まらないのだ……。
すまないが、明日からの戦災復興のためと思って……だな……すまん!」
「しょっ、しょうぃうわぁ! あんっ!」
理性のタガが外れたかのように、がば! と勢いよく俺の乳首にかぶりつく少尉。
舌を使って、口の中でころがすように舐め始める。
「ごひょう…………ひもちいい……か?」
「ぅあッ…あ! 少尉ッ…やっ! ……だめ……んっ! ぁあ……!」
「……まあ、そういうわけでなあ、デカブツ」
そんな少尉を見て苦笑するオレルド准尉が、俺の足に口を近づけながら言う。暖かい息がかかるのがわかる。
「俺ら全員、お前がターゲットってわけだ」
「ひ…………!」
ぺろり、と俺の脛が舐められた。
XXX
「やっ……あ! 胸……気持ちぃ……ですっ……は、はうぅ!」
少尉は俺の乳首を、まるで飴玉のように舐めまわしている。
普段の冷静な、凛とした硬いイメージが、俺の中でがらがらとくずれる。
でもその一方で、そんな無我夢中な少尉を微笑ましいとも思ってしまう……。
などど和んでいる暇は、俺には一切なかった!
オレルド准尉は、脛から足の先へと下を這わせ、足の指を口にふくんだ。
「……ひゃっ! そんなっ……きたなっ……あっ! んうぅ!」
足の指がちゅぷ、と生暖かい舌で包まれる。ぞくぞくっ! と、俺の体を駆け巡る変な感じ。
オレルド准尉は、これがやりたかったから、シャワーの後を狙ってたんだろうか……。
などと考える間もなく。あ……まずい! ……うわ、うわうわうわぁ!
俺の下半身に、ぎゅうっと血が集まるのがわかる。しかも、すごい勢いで。
芯がだんだん硬くなっていき、それは自分の意思ではどうしようもない、生理現象だ。
このままだと俺、みんなの見てる前で……!
嫌だ、恥ずかしいと思う気持ちが、逆にそれを加速させていく。
「あ…………伍長……」
マーチス准尉が気づいてしまった。
気づかれた! そう思ってしまった俺の股間は、なぜか更に反応を速めた。
俺の腰に巻いたタオルが、凄い勢いでぐんぐんと持ち上がっていく。
「……あっ……や……だっ!」
股間を隠す役目のはずのタオルは、無力だった。
どうしようもなく怒張してしまった俺自身が、隠されることなく、露わになった。
すっかり熱くなってしまったソレは、ひんやりとした外気に触れて、ひくひくと震えた。
「…………これがLLかよ……」
「男の……性器というのは……みんな、このような……?」
「やっ……み……見ないでっ……みなぃ……くださっ……!」
その場から逃げようと頭では思っても、体に力が入らない。
もぞもぞと動いてみたが、それは腰のモノを揺らすだけで、余計に恥ずかしい。
そこに集まるみんなの視線を、痛いほどに感じる。
人前で勃起してしまった。顔から火の出るような、という表現を、これほど思い知った時はなかった。
俺は、せめてそんな状況を見ないように、ぎゅっと目をつぶった。
恥ずかしい、恥ずかしいはずかしい……もう、死にたい……。
「いや、さすがにデカブツのは……比べる対象にしないでください、隊長……」
「うん……これが基準だったら……みんな死にたくなると思う……」
オレルド准尉とマーチス准尉の、少し落ち込んだような声が聞こえる。
違うんです! 俺の体がデカイだけで、縮尺を考えれば普通なんです! ガリバー旅行記、読みました!?
ああ俺はなに考えてるんだろう。もう自分でもよくわからない、とにかく今なら、恥ずかしさで死ねると思った。
そんな混乱した頭に、嬉しそうな少尉の声が聞こえた。
「そ、そうか……伍長、お前は凄いな……何から何まで……」
「えっ? …………わ、んむ…………んっ」
目を開いた俺の目の前に、急に少尉の顔が近づいてきて、そのまま俺の唇に口付けした。
俺の舌を唇で咥え、ちゅう、と吸い上げる。
「ンッ……んんっ! ん! ……ぷ…………はあっ!」
凄い…………な、なんだ……今の……。
一瞬、考えていた何もかもが飛んで、意識が真っ白になった。舌を吸われるのはこんなに気持ちのいいことなのか。
俺は恥ずかしさとは違う、別の熱で顔が火照るのを感じた。
「伍長は、私が胸を弄ったから、このようになったのだろう? 私は嬉しい……!」
「しょ、少尉……ぁ……むっ! ……んむ……ふ……んっ…」
少尉は俺の顔を両手で挟み、一心不乱に唇をむさぼってくる。
……しょ、少尉って、こんな時まで、猪突猛進なんだなあ……。
「……俺のテクのおかげでもあると思うんすけど……。なんだよ……心配することなかったな」
「僕なんかまだ、何にもしてないよ……。でも、見てるこっちが照れちゃうね……」
少尉の熱烈なキスに、何度も意識を持って行かれそうになる俺。耳に、准尉たちの会話が聞こえてくる。
「まあお嬢様はこのまま放っておくとして……俺は、元を取らせてもらうぜ。やらなきゃ損……ってね」
「うぅん……。ここまで来たら……伍長、ごめんよ……」
マーチス准尉がごくり、と喉を鳴らす音が聞こえた気がした。
俺のごつごつしている、色気も何もないと思う手を、優しく握ってくれる感触。
その次には、俺の親指が、弾力のある、生暖かいものに包まれていた。
「ん……む……ちゅっ…………」
「……ぅん!」
マーチス准尉は、ゆっくり丁寧に、傷跡には優しく、指と手の皮膚に舌で刺激を加えていく。
指をちゅう、と吸い上げられると、オレルド准尉の時のように、ぞくぞくっと体が震える。
……ああ、このぞくってするのは、俺、感じてるんだ……。
「んんっ! ……んふ……ンん……!」
少尉に口の中を犯されながら、俺はその未体験の刺激に、鼻を鳴らすしかなかった。
自分でも聞いたことのない、切なげな響きだ。
性的に感じているのを自覚する、という感覚は、なんだかとてもいやらしい。
俺、自分でいやらしいとか考えて……ホントにもう、駄目だ……他のことが考えられない。
「しかし……でかいはでかいが……太いな……こないだの女の子の腕くらいねえか……?」
オレルド准尉が、俺のそそり立つモノにそっと触れるのがわかった。
「しかも硬ぇ……こりゃガラスも割れるわ……」
ぐに、ぐに、と感触を確かめるように、握られる。
「ん、ん! ほこ………んむっ! ………んう! むっ……!」
その刺激に、俺は思わず呻いてしまった。相変わらず少尉は、唇と舌をむさぼるのに夢中で、口を離そうとしてくれない。
声を出そうとしても、そのたびにすぐ口を塞がれる。
舌で口の裏を舐められたり、舌と舌を絡めたり……。それが気持ちよくて、俺も流されるままにキスをし続けてしまう。
「ごちょ……はむ………ん! ……んっ……んふ……」
息継ぎをするたびに、唾液がとろりと糸を引く。それをまた舐め取るように、口付けをする。
「ふぁっ……しょ……ぃ……んむ……」
……気持ちいいと……唾液もたくさん出るのかな……。
みんな服着てるのに……俺ひとりだけ…裸で……勃たせて……恥ずかしいけど、止まらない……。
「……もうこんなになってるじゃねえか……」
オレルド准尉が、俺がさっきから大量に漏らしている、透明な液体を指ですくった。
それをスジに沿ってつつ、と塗りつける。
オレルド准尉……そこはっ! 駄目です……!
水の表面張力が限界に達するように、体の中から熱い感覚が、波のようにやってくるのを感じた。
あぁ………まずい! やばいっ!!
「んくぅ……! んふっ、ふ……はふ…んん!! んぅー!」
出ちゃう、出ちゃうから、やめてください、と言おうとしても、呻き声にしかならない。
手を使おうとしたが、マーチス准尉に手のひらをれろ、と思いっきり舐め上げられた。
「ひぅ……んうぅ……ん!」
手とか足とかでも、こんなに……感じるもんなんだな。
……と悠長に感想を述べている場合じゃなかった。
「うわー、量もハンパねえな……すげえ」
次々に溢れる我慢汁をすくって、オレルド准尉は俺の亀頭にぐりぐりとバターのごとく塗りつけた。
もう限界だった。
俺の腰の辺りがきゅんと痛くなり、一気に何かが駆け上ってくる感覚に襲われた。
ああ、もう駄目だ……俺、みんなに……イかされ……ちゃ…う……!
我慢しようとしてもどうしようもなくて、俺は腰をくねくねと動かしてしまう。
「ん……く! ……ぃ…ふ! ……いぅ……ん!」
オレルド准尉の持っている俺の足の筋肉がびくん、と硬直する。
も、もう……駄目…………限界……です!
「お、デカブツ…………ぅお」
次の瞬間、なすすべもなく俺は、白く濁った、熱い液体を噴き上げてしまった。
今までにない強烈な感覚に、頭の中が真っ白になる。
「……んぅ! ……あふ……ぃう! ん……ん…ふっ!」
液が飛び出すたびに、体がびくびくと痙攣してしまう。
「っ! ……わぷっ……あ……伍長ッ……」
最初のは、俺の頭を飛び越えていったように思った。もしかしたらマーチス准尉にかかったかも……。
続いて射程内にいた少尉はもちろん、俺の首筋や、押さえられた腕にも、白い跡がついた。
申し訳ないことに、少尉の服や髪には、ほとんどの量をかける羽目になってしまった。
ごめんなさい少尉……、でもしょうがないんです、途中でやめられないんです、止まらないんです、これは……。
「ん……ぷはっ……はぁ……はあ……」
少尉は、俺が射精している時もずっと口を離さなかったが、ようやく名残惜しそうに俺の口を解放してくれた。
……自分に俺のがかかってるのに……無我夢中すぎます…少尉。
俺は、はあっ、はあっ、と大きく息を吐く。まるで短距離走をしたあとのような、体の火照りと、酸欠状態。
男というものは達した後、すぐに興奮が冷めてしまい、冷静になってしまうものだ。
だけど、なぜだか今の俺は顔も身体もまだ熱を持っていて、じんわりとした余韻が残っていた。
「…………はぁ………あっ!」
しかし目の前の少尉の髪についた白いものを見ると、さすがに俺ははっと我に帰った。
「あぁっ! ……す、すすすみませんっ! 少尉っ! ぉ、お俺ッ…!」
慌てながら、少尉の綺麗な金髪に引っかかっている、自分の出した液を指でからめ取る。
「……ふぁ? ……伍長……何を、謝る……?」
酔っているようなとろんとした顔で、俺の顔を覗き込む少尉。
何をって……ああ、シャツもこんなに染みができてる……!
「その……俺…き、キスに夢中になって……でも指も気持ちよくて……あの、あそこ…触られて……、
お、俺……出しちゃっ……ご、ごめんなさっ……」
自分でも顔が真っ赤になっているとわかる。思わず泣きそうになって、目がうるうると濡れてくる。
恥ずかしい…恥ずかしい俺………人前で…イッちゃった……!
みんなに出すところを見られた上、少尉を精液まみれにして……うぅ……少尉が俺の匂いになっちゃった……。
恥ずかしいやら情けないやら、穴があったら入りたいとはまさにこのことだと思った。
むしろ今すぐ死なせてください……。
ぐしゃぐしゃな俺の顔を見るに見かねたのか、少尉が声をかけてくれる。
「伍長……謝るな……私も、すごく気持ちよかった……伍長も、気持ちよかったんだろう?
……伍長が気持ちよくてしてしまったことなら、なんでも嬉しい……んっ」
俺の指についた精液をぺろり、と少尉が舐め取る。
ちょっ……何やってるんですか少尉!
「しょっ、少尉! ……汚いです! ペッてしてください! ペッて!」
俺は思わず母親のような口調になってしまう。
この人は時々、予想もつかない行動をするから困る。
「伍長のものなら汚くない……んぐ……だが少し……飲みにくいな」
「少尉……当たり前です……」
なんと少尉はそのまま飲み込んでしまった。なんてことをするんだこの人は。
でも、微笑む少尉を見た俺はなんだか感動してしまって、少尉の顔をじーっと見つめてしまった。
「……な、なんか俺……損した気分……。マーチスは……って、うおっ!」
ずざっ! と後ずさりするオレルド准尉。
准尉の声に、俺は自分の背後から感じる冷たい気配に気がついた。
ぞくり、と背筋が凍るような感覚。この方向にいるのは、マーチス准尉……。
「あのさあ……僕も…………」
がしっ! と俺の肩に腕をまわしてくるマーチス准尉。なんだろう、とても嫌な予感がする。
「伍長……キミにかけられたんだけどなあ……しかも、顔に……」
最初の一発はやっぱりマーチス准尉の所まで飛んでたんだ……。
俺はのん気に少尉との会話に和んでいたけれど、そんな場合じゃなかった。
このひどく冷ややかな空気は、普段のマーチス准尉からは考えられない、どす黒い感情を含んでいる気がした。
俺、もしかして……絶体絶命……かも。
「あ……縮んだ」
オレルド准尉が、俺の股間を見て言った。
【続く】
長い……しかも続いてるし、ごめんなさいorz。
このあとマーチスが少し暴れます。
とりあえずネタかぶりとか気にしないで好きに書いたほうが
いいかなと思うので、まぁ何も考えず続き書いてみますw。
このスレマジヤバイwww
マーチス祭りGJ!
いいよいいよー!!
マーチスが壊れキャラになりつつあるなw
GJGJ!!!
続きにwktk
あ…悪魔の三課集団GJ過ぎw
ノンケすらもソッチの道に引きずり込む伍長フェロモン恐るべし!
暴れん棒マーチスに期待しつつ、全裸で待ってます!
マーチス怖!
今更だが原作3巻ようやく買った。
P140の3課vs1課で「こいつ図体だけだぜ!!」といきなり看破されて
ポカポカこづかれてる伍長に禿萌えた。
微妙に誤爆失礼。
マーチス×オレルド×伍長の後編です。
前提参照の上、暗い内容なのでご注意を。
読みづらいと思って行を変えたので前編とバランス悪いです。
すいません。
医務室まで辿り着く間、三人に会話は無かった。
ランデルの背中におぶさっているオレルドはランデルの肩に顔を埋めて寝たふりをしているし、先頭を歩いているマーチスはこちらに話しかける様子も無い。
重たい空気がランデルの体を包む。
二人に話しかけにくいのは、図書室にいたときのオレルドの様子がおかしかったことが気になっていたのもある。
まだ二人は喧嘩が続いているのだろうか。
こういうとき、気の利いた言葉も出せない自分を情けなく思う。
「あっ」
目的地に着くと、ランデルは医務室に鍵がかかっていることを思い出した。
図書室と同様、定時を過ぎれば担当医師も帰ってしまうのでここも鍵がかけられてしまうのだが、マーチスはそんなことを忘れているのか普通にドアへ手をかけた。
「俺、鍵を借りに行ってきます」
そうマーチスに告げたが、閉まっているはずのドアは簡単に開いた。
口を開け、目を大きく見開くランデルにマーチスは気にせず中へと入ってカーテンを開ける。
窓から部屋の中へ街灯と月の光が差し込んで、ある程度は明るい。
電気を点けようとしたが、マーチスに先に背負ったままのオレルドをベッドへ運ぶよう促される。
その間に飲み物を買ってくるとマーチスは扉を閉め、医務室を一度出て行った。
言われるがままベッドへ降ろし、横になったオレルドに布団をかける。
近くにあったパイプイスに座り、心配そうに見つめるランデルに対しオレルドの表情は曇ったままだ。
図書室にいたときもこの顔だった。
背負っているときにもなにか気に障るような行動をしてしまったのだろうか。
オレルドの変わらぬ態度に自虐的な考えが頭を悩ます。
話しかけづらくて黙ったままの時間がしばらく流れるが、それを打開したのはオレルドだった。
「伍長、もういいから。帰れ」
強い口調で言われてランデルの表情が少し歪む。
「俺、なにをしたんでしょうか・・・」
俯きながら消え入りそうな声で問いかけると、オレルドは溜息を吐いた。
「違う、お前が悪いんじゃねぇ。俺の・・・」
言いかけた言葉が止まったのでランデルが不思議に思って顔をあげると、オレルドの傍にいつの間にかマーチスがジュースを手に持って帰ってきていた。
扉の音も足音にもまったく気づかなかったのでランデルは又も目を見開いたが、ベッドの端に座ったマーチスは二人にジュースを渡してニコニコと微笑んでいる。
機嫌が良いのか悪いのか、マーチスの行動さえもどこかおかしく感じてランデルは頭をひねった。
そして受け取ったジュースを遠慮しつつも飲む姿をオレルドにじっと見られている。
やっぱりなにか変だ。
「何も入ってないよ」
突然オレルドの耳元でマーチスが呟く。
「そんなに脅えなくてもいいじゃない」
小さく笑うマーチスに、オレルドの表情が強張った。
そのやりとりは二人だけの世界のようでランデルには話が見えず、話しに入りづらい。
しかし人目を気にせずにマーチスはオレルドの少し乱れた前髪を掻き上げ、優しく頬を撫でる。
その数秒の行動にランデルは違和感を覚え、オレルドを心配していた気持ちよりもこの場から立ち去りたい気持ちがじわじわと湧いてきた。
マーチスは横目で薄く冷たい目をしながらランデルを見る。
「変だと思ったでしょ。この時間には閉まっているこの部屋も図書室も開いてたこと」
それはずっと頭の隅に残っていた。
どうして担当者だけが開閉できる図書室に二人が入れたのか。
今日に限って医務室も開いていたのか。
何も弊害もなく事が進む違和感にも。
「教えてあげようか」
聞きなれている声なのに、そのときランデルは素直に返事ができなかった。
「もういいだろ!伍長には関係ない話だ」
話を遮ろうとした言葉に飛んできたのは、間を置かずにオレルドの頬を叩くマーチスの手の甲。
甲高く音は響き、ランデルは二人の喧嘩を止めようと立ち上がる。
するとマーチスはいきなりオレルドに口付け、そのまま唇を滑らせて叩いた頬を舌で舐める。
殴られてオレルドは睨んでいたが、それには抵抗せずに受け入れていた。
その場で固まるランデルに、マーチスは薄ら笑いを浮かべながら話を続ける。
「君ももう知ってると思うけど、オレルドは本当に女癖が悪いんだ」
数時間前までそのことでステッキンと話していたことを思い出す。
「オレルドに言い寄りたいために僕に近づく女性が多くてね。それだけならいいんだけど」
言わんとすることはわかっていた。
「そりゃあ僕もストレスがたまるよ。尻拭いのために精神削らなきゃいけないんだから。だからああやってたまに喧嘩になるんだ」
「・・・」
射精しちゃってごめんなさいとか謝るのってエロいと思うんだ
もう何も話さないオレルドに機嫌が良くなったのか、マーチスの口元が緩む。
「でも本気の喧嘩になると勝てないんだよね、彼のほうが場数は上でさ。・・・だから」
オレルドの軍服を脱がせ、中に着ているシャツのボタンを外すと爪で胸を小さく傷つける。
眉を顰めるが、その行動にも一切抵抗しないオレルドをランデルは思わず凝視した。
「精神的に追い詰めて抵抗力を持たない人間にさせたんだ」
全ての血液が足下へ流れたような錯覚がランデルを襲う。
今彼はなんと言ったのか。
聞き返したくなるような冷徹な言動に血の気が引く。
思ったとおりの反応に、マーチスはオレルドの髪にキスをしながらクスクスと笑う。
「話が逸れたね。ここが開いてた理由は簡単な話だよ」
次に話されることを予測したのか、缶を持つオレルドの手が震えた。
「オレルドが担当の女性をたらしこんで、あそこもここも開けてたんだ」
それがどういう意味なのか、言わずとも、普段から鈍いランデルでも気づいてしまった。
意味がわかっても、自分からそれを口にすることに抵抗を持つ。
言えるわけが無い。
しかし現実は残酷にもマーチス本人の口から告げられた。
「要するに、自分の股を開くためにわざと彼は僕を怒らせるのさ」
聞かせたくなかった隠し事を暴露され、オレルドの震えていた手が今度は体ごと震え始めた。
顔色も真っ青になり、嫌な脂汗が流れ出す。
口に出されたことで真実になってしまった事実にランデルも言葉が見つからない。
「全部これは僕がつけたんだ」
ボタンが外しかけだったシャツを引き千切り、オレルドの上半身を晒すと現れたのは何箇所もの青アザとキズ。
そして噛まれたような内出血の痕が生々しく腹の下に残っていた。
「ここまでしないと物足りないカラダになっちゃったんだよね、オレルド」
答えは無かった。
否定も無かった。
思わず視線を逸らしたランデルを見て、マーチスはオレルドの上にまたがって軍服を脱ぐ。
「せっかくだから見せてあげるよ」
「やめろマーチス・・・!」
缶を持っている拳と腕でマーチスの体を押しのけようとするオレルドに、容赦なくマーチスの拳がみぞおちに入る。
激しい痛みと胃の中のものが逆流し、オレルドから内臓が潰れたような呻く声が響いた。
缶を握っていた手が緩み、それはランデルの足元へ転げ落ちる。
少し吐いたのか、口の端に流れた嘔吐物をマーチスは優しく拭ってから口付けた。
長く長く口付けられ、塞がれたオレルドの口から抵抗が無くなった切ない吐息が漏れる。
背格好からしてオレルドの方が体は大きいのだが、マーチスに体を預けている彼は女性のように身体を縮こまらせているように見えた。
長いキスでマーチスの背中に両腕を絡ませるオレルドだが、マーチスは抱きしめることなくむしろ剥がすようにオレルドの後ろ髪を引っ張る。
指先に絡まるほど数本の髪が抜け落ち、白いシーツを汚す。
離れようとするマーチスの唇を追いかけては、貪欲に貪るオレルドの唇。
露になっている乳首を摘まれ、オレルドが短く喘ぐとうっとりとした表情でマーチスはオレルドの頭を撫でた。
もっと刺激が欲しいのかマーチスの手首を掴むと、大胆にも布団に隠れて興奮している下半身にその腕を近づかせ、その手を下半身に押し付けるとせがむ様な潤んだ瞳でマーチスを見ている。
希望通りマーチスはズボンの上から硬くなっているそれを撫で、力が抜けていくオレルドの体を支えた。
「あんっ・・・はぁ・・・」
そこにはもういつもの彼らではなかった。
ランデルの知っている上官たちではない。
彼らだけの空間では自分は異質なものにしかなく、場違いな空気に酔ったランデルは胃液が上がりそうになり、手で口を押さえる。
立ち尽くして見ているランデルのことなど忘れているのか、オレルドは部下の目も気にせずマーチスに体をすり寄せ愛撫をしだした。
ズボンの中央を布ごしに舌で舐め、段々と熱く硬くなるマーチスの性器を想像して身震いをする。
マーチスが熱い吐息を漏らすと、オレルドは彼のベルトを外してズボンを下げた。
そこから出てきた硬いそれを見るとオレルドの眼は更に潤みを増し、その眼でマーチスに訴えかける。
マーチスは彼の顎を掴んで顔の方向をランデルに向けさせると、悪戯をする子供のような声でオレルドに囁いた。
「してほしいんだよね」
意図を理解したオレルドは彼らの行為に固まったままのランデルの側へ行き、熱い瞳で先に謝る。
「デカブツ、すまん」
「オレルドじゅ・・・んんっ」
思考が停止しているランデルはオレルドに襲われたことで現実に引き戻される。
すでにねっとりとしている舌がオレルドの歯の間に割り込み、唾液を絡ませるように吸い付く。
「んー!んふっ・・・んむっ・・・!」
経験豊富なオレルドと違ってこのような経験が浅いランデルには動揺を隠せない上、変な気持ちが胸を嬲る。
同性にキスをされていることに嫌悪感を抱くと思っていたのだが、それどころかあまりの気持ちよさに膝が崩れそうなり、壁によりかかりながら震える膝に力を入れてこのまま流されそうな気持ちをなんとか保つ。
しかし弱弱しく抵抗してみても、両手で頭を固定されて逃れられない。
「んぅ・・・ふは・・・ぁん」
違うことを考えて気持ちを冷まそうとしても、オレルドの舌の動きはオレルドを決して放さずに何度も口付ける。
首から下の力が抜け、完全にされるがままになったランデルの身体はベッドへ移り、寝転がらされ、二人の手で着衣を脱がされた。
裸になったランデルは両腕を自分の頭の上にマーチスによって持ち上げられ、身動きしづらい状態にされると自分の股の間にオレルドが割り込み、キスだけで半勃ちになってしまっていたそれを口に含まれてランデルは上擦った声をあげた。
「あぅ・・・!だっ、だめですそんなトコロ・・・ああっ、あっ・・・っ!」
犬並みの唾液がランデルの性器を纏い、溶けてしまいそうなほど優しい愛撫で舐められた。
ちゅうちゅうと赤ん坊のような吸い方で音まで立てられ、耳まで犯されているような気持ちになる。
自分の意思とは関係ないほど下半身の筋肉が痙攣し、強い刺激を求めて腰が上下に動く。
「う、うふぅ・・・ふ・・・ふふぅ・・・っ!」
手で声を抑えようとも腕を動かすことをマーチスに許されず、唇を噛み締めても隙間から漏れてしまう。
我慢すると呼吸が乱れ、正常に息が出来ない苦しさに耐え続けると目から涙が零れた。
「ぅうーっ!うっ・・・ふぐっ、ぶふっ・・・うっうっ」
次の段階へ行こうと性器も解放を待ち望むようにビクビクと短く跳ねる。
流れ落ちる涙をマーチスに舐めとられながら、射精の欲求が脳を刺激されてついには声も我慢できなくなった。
「あっ、イクッ!イッちゃ・・・ぃやだっ・・・!ああっじゅん、いぃっ・・・あ、あああぁーッ!」
強く吸われた瞬間に精液は勢いよく飛び出し、それに合わせて背中がしなう。
大量に出された精液はシーツを広範囲に汚し、まだランデルの先端から少しずつ溢れ出ていた。
「早いなぁ。一人でしないほうなの?」
射精がまだ終わらない性器をいじりながら、マーチスは耳へ息を吹きかける。
イッた後に少し頭が冷静になったランデルは自分の痴態に耳まで顔を赤くし、泣き顔になりながら細かく頷く。
「ひ・・・ぃ!?」
余韻もほどほどに、今度は顔にかけられた精液を舐めとったオレルドがランデルの尻の穴へそれを塗りつける。
誰にも触れられたことが無い場所を触られ、むず痒さに腰を浮かすとたっぷりとその周辺を撫でられた。
この先何をされるのかわからずに怯えていると、マーチスが上から覆いかぶさるように優しくランデルに口付ける。
胸板から下腹部にかけて指を滑らせられ、軽く電流が流れたような快感で頭がいっぱいになるが、それと時間差で鈍い痛みが下半身を襲った。
「痛っ・・・!」
オレルドがたっぷりと濡らした指をランデルの蕾に挿しいれ前後する。
その指と蕾の間にぬるりと舌が入り込み、表現できないほどの快感が頭を突き破った。
「やぁ・・・ん!あ、あ、あんっ、はっ・・・ああっ、あっ」
関節を動かしながら入り口周辺の内壁を嬲られ、ぐちゅぐちゅといやらしい音も聞こえてしまい、自分でも信じられないような声が漏れる。
「伍長も痛いのが好きなの?またこんなに硬くして・・・」
「ふ、ぁ・・・?」
吐き出しきったはずの性器はマーチスが言うとおり、強さを取り戻すかのようにまた徐々に持ち上がってきていた。
勃ちっぱなしの自分の息子をランデルの背中に押し付けながら意地悪く囁く。
「どっちにいれてほしい?それくらいは自由にしてあげる」
拒否権は元から与えられ無かった。
これからやろうとしている行為を想像して震えるランデルを見てマーチスが笑う。
「じゃあ僕でもいいよね」
ランデルの体をオレルドへ倒してうつぶせにさせると、尻の割れ目に性器を擦り付けてから蕾に当てて何の躊躇もなくそれを押しいれた。
「ぅあああぁぁー!!」
肉を裂くような酷い痛みがランデルを傷つける。
オレルドによって慣らされていたので裂けはしなかったが、受け入れないところに収まった異物感は拭えない。
「あっ凄い・・・いいよ伍長っ・・・気持ちいいっ!」
「いやぁっ!ああっ、痛・・・ぃい!やめっ、あー!」
容赦なく突き進まれ、根元まではいるのに時間はかからなかった。
動物のようにただ打ち込まれ、内壁を強くえぐる動きに腰がガクガクと震える。
「キツイッ!なあ、伍長の中。食いちぎれそうだよ・・・うっ・・・!」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・っ!あん、あっはぁ、ああっ・・・ぅぅ・・・はぁッッ・・・」
どこで呼吸していいかわからず、少ししか酸素を吸い込めない。
「伍長・・・んっ」
「ハァ・・・ッオレルドじゅんい、ぅんんっ」
その少しも下にいるオレルドに唇を塞がれることで邪魔をされ、ランデルは酷く混乱してしまう。
二度目の射精もすぐにやってきた。
ズクズクと精液が先端へ這い上がるのを感じ、尻の筋肉がキュッと締まった。
「ふぅ・・・!ま、また、やあァッ!あ・・・あっ、アッ、ああァっ!」
オレルドの腹に精液が飛び散り、あまりにも恥ずかしくて思わず彼の体にぎゅっと抱きついて顔を隠したランデルの背中をオレルドは優しく撫でる。
「先にイッちゃダだよ伍長」
中にいれられたままのマーチスのそれはまだ脈を打ち、小さくランデルを揺すっていた。
「これだけキズがあるなら、ちょっと増えてもわからないよね」
そう言うと、それを中からずるりと引き抜き、優しい言動とは裏腹にランデルの脇腹を強く爪を立ててえぐり掴んだ。
「・・・!!」
吐き出しそうになった悲鳴をオレルドの肩に歯を立てて押さえ込む。
新しくできた数本のキズは赤くうっすらと血がにじみ、ジンジンと痺れのような痛みを教えた。
苦痛の表情に満足したこの暴君はオレルドへ手を差し伸べる。
「待たせたねオレルド。おいで」
素直にその手を掴んだオレルドはランデルと場所を交代して、マーチスに寄りかかる。
やっと自分の番なのが嬉しいのか、彼の性器から先走りが溢れていた。
ランデルに噛まれた肩のキズをなぞりながらマーチスは可愛げな表情を向ける。
「もう一つ、お願いしてもいい?」
おあずけされるが、それすら調教の一部なのかおねだり声にオレルドは頷く。
「僕、オレルドと伍長がしてるところがみたいなぁ」
疲れきっていた体をベッドに埋めていたオレルドは顔面蒼白な顔で振り返る。
嫌だと口にはできず、首だけを横に振るが相手にとってそんな都合は知ったことではなかった。
オレルドの顔が近づき、ランデルの体が萎縮する。
絶望しか映らない彼の瞳を自分の瞳に映し、自分の鼻とランデルの鼻を擦り合わせてながらマーチスに聞かれないように小さな声でオレルドが呟いた。
「優しくするから」
体はマーチスを欲していても、一握りの理性は保っているようだ。
ランデルの両腿を外側へ開き、その腿を抱えさせると熱くなっている愚息をまだ湿っている蕾に当てる。
乱暴されたことを思い出してランデルは腰を引くが、オレルドは彼の頬を撫でて優しく微笑む。
その微笑みに警戒心が和らいだのかランデルは固まっていた体の力を抜いた。
「あん!・・・あっいいっ・・・あ、そこぉっ!・・・あうっ・・・ん!」
「・・・くっ!・・・すげー気持ちいいぜ、伍長」
無理やりに動きまわされたおかげか、ゆっくりいれてなくともあっさりと中へ挿れられた。
待っていたかのようにオレルドの性器を締め上げ、もっと奥へと内壁が蠢く。
「じゅんいっ、んぅ、オレルドじゅんいぃ・・・あふぅぅっ・・・もっと・・・」
「ここか・・・?」
「ひやぁあんっ!」
動くたびに中にあたる硬い箇所を突付いてみると、ランデルの淫らな声が部屋に反響する。
そこを重点的に攻めると、ランデルも自ら腰を動かし始めた。
性急な動きにオレルドも堪らない。
「うわっやべっ・・・くぅ!もうイクっ・・・!」
「ぃあっああっ!・・・おれもダ、メ・・・また、イッちゃうぅ・・・っ!」
高く腰を持ち上げて強く打ち込んだオレルドは抜くのを忘れて中に射精する。
ランデルはイク瞬間目を瞑り、恐ろしいほど溢れ出てくる自分のザーメンをかぶった。
「ああぁん・・・入ってくるぅ・・・っ・・・」
細かく痙攣しながら腸へ流れる生暖かい精液の余韻に浸る。
弾む息を抑えながらオレルドは軽いキスをランデルに贈り、中のものを引き抜こうとした。
「まだ終わってないよ?」
観賞していたマーチスがオレルドの背後から首に手をかけて数秒間絞めると、むせたオレルドの首筋を舐めて喜ぶ。
「ありがとうオレルド。頑張ったから、たっぷり君にお仕置きしてあげるよ・・・伍長も一緒にね」
今まで見たことのないほど眩いマーチスの笑顔。
これから先の記憶は一切覚えていない。
朝の名物はもう一つある。
オレルド准尉の遅刻だ。
「何度遅刻したら気が済むのだ貴様はぁ!」
「なかなか離してくれない女性がいたもので」
少尉の怒号に、オレルドはシャツの前を開いて胸についたキスマークを見せる。
それを見た少尉は顔を赤くしながらさっさと着替えてこいとオレルドを部署から追い出す。
いつものこと。
あれは本当は誰がつけたのか知らなければいつものこと。
知らずに済めばいつものことで終わらせられた。
脇腹に響く小さいキズ。
自然とその場所を押さえながら後ろにいる彼の顔を思い出す。
このキズが癒えた頃、またおいで。
それをどこかで待っている自分を今すぐ撃ち殺したい。
終
行数変えたのに上手く反映されてなかったorz
そして前回無駄に改行多いことに今気づいた。
重ね重ねすいません。
>>59 エロイよ伍長。魔性だよ伍長。
どんだけ敏感なお肌なんですかハァハァ。
裏マーチスに期待しておりますノシ
87 :
79:2006/12/15(金) 20:17:43 ID:???
リロードせずに書き込んだらえらいことに。
>>79は
>>59への感想です。
>>76さん投下を邪魔してごめんなさい。
マーチス怖!文章に独特のエロさがあって萌えました。
88 :
59:2006/12/15(金) 21:40:15 ID:???
感想くださった方々ありがとうございます!
エロ描写うまくなりてえですorz。
今日6巻買って伍長分を吸収してきましたw。
なんとか収拾つけられるように続き頑張りますw。
4人って描写多すぎてわけわからんですわー(;´△`)
>>76 マーチス怖ぇぇ!w
でも暴君マーチス、残りは奴隷って妙に納得!
こうして伍長もキケンな世界に……。
弱いオレルドが新鮮でそこにも萌え。GJです!
マーチス酷すぎるw
ここまで萌えられてるゴツイマンなんて伍長くらいだろなw
今週忙しすぎてネットつなげてませんでした
っていうか今日家帰ったら
いつの間にか寝ててパンプキン最新刊買いにいけなかった俺は負け組み_| ̄|
御免よ伍長
どうでもいいけど後半遅れて済みません。
前半は前スレに放置なので暇な方はご覧下さい。
それではどぞー
「―――ヵ…ッ?…おーい。デカブツ?」
オレルドは心配そうな顔で伍長を起こす
「シチュー。できたけどもうしばらく寝てるか?」
「いえ…いただきます。体力つけて早く三課に戻らないと…
少尉たちにも迷惑かけちゃいますし」
そういいながら伍長は一さじシチューを掬うとそっと口に運ぶ
「ん…やっぱり准尉は料理お上手ですね、とてもおいしいです」
「そりゃそうだ。なんせ俺様特製の愛と栄養がたっぷりつまってる料理だからな?」
……ぷッ
伍長が噴きだす
「あっははは、准尉…ちょっと臭すぎですよ」
伍長はよっぽど面白かったのだろう、腹を抱えて笑い始めた。
普段からそんなに笑わない伍長がこんなに笑うのは珍しい
いや…おそらく三課の誰も見たことがないだろう
オレルドちょっとした優越感があったがそれ以上に伍長に笑われたショックで少し傷ついたようだ
でも…ま、最近コイツ色々あってふさぎこんでたし、これだけ笑う余裕が出来たって事は喜ぶべきことなんだろうな…。
「あぁそうだ、さっき隊長が来てお前に風邪薬持ってきたんだった」
ごそごそとポケットから小さな紙袋を取り出すと水と一緒に机の上に置いた
「シチュー、食い終わったらそれ飲んで寝ろよ?」
そういうとオレルドはすくっと立ち上がった
「え…准尉、どこに行くんですか…?」
「あぁ、お前が眠る邪魔になるといけないし、それにさっき隊長が薬持ってきたついでに書類いっぱい持ってきてな…」
『伍長の看病を命じたが仕事はサボるなよ?』
満面の笑みでそういい捨てて帰った隊長の顔が思い出される
はぁ…ため息混じりにドアに向かおうとすると何かがひっかかったのだろうか
引っ張られる感覚がある
なんだ?そう思い振り返ると伍長が俯きながらオレルドの裾をつかんでいた
顔は見えなかったが。耳が真っ赤になっていた
「ど…どうしたデカブツ!?熱上がったのか!?今タオル持ってきてやるからな!?」
いきなりのことでどうすれば言いか分からずオロオロしていると。
もじもじしながら伍長は何か言い始めた。
「あ…あの…ッ。オレルドさん………俺…その………
眠るまでで…いいんで……そばに…いて…くれません…か?」
ゆっくり言い終えると伍長は泣きそうな顔でオレルドを見つめた。
病気になれば誰だって不安になる
その上、今まで寒い中一人で橋の下で暮らしてきたのだ
いくら猫が一緒だといっても寂しかったに違いない
「はぁ~。まったく、デカブツもまだまだお子ちゃまだな?」
そういいながらオレルドは座りなおす
「あ…ごめんなさい…仕事あるのに…」
「謝る位なら最初から言うんじゃねーつーの」
そういいながらもオレルドはどこか嬉しそうだ
オレルドはゆっくり伍長の頭を撫でてやる
「デカブツ」
「はぃ…」
少しうとうとしはじめている伍長に声をかける
「お前、冬の間だけでもここで暮らせよ」
「でも…猫の世話もあるし・・・何より…准尉にご迷惑を…かける…訳には…」
「迷惑なわけないだろ?むしろ大歓迎ってやつだ。猫はマーチスかステッキンに頼めばいいし」
「………………………」
「………………………」
「……す~…」
いつの間に眠ってしまったのだろうか
返事の変わりに寝息が聞こえてきた
最後まで聞いてたのかこいつ?…仕方のないヤツ…
穏やかな寝顔をみてオレルドはゆっくり口付ける
短いようで長い。まるで時が止まったようだった。
「これは看病代だからな?
ちゃんと治ったら…最後まで相手してもらうぞ?」
女遊びでは得られなかった平穏と今のこの幸せを噛み締めながら
オレルドは部屋を後にした
***
もちろん病人にキスするなどといったことをした結果
オレルドは見事に風邪をうつされてしまい伍長に看病してもらうのだが
それはまた別のお話
SSってレベルじゃねーぞ!!
済みません・・・
毎回書いて後悔してるよ
>>95 乙&GJ!
オレルドの前ではよく笑う伍長カワエエよ伍長(*´д`)
今度は泣きそうな顔でおろおろしながら看病に勤しむ伍長を幻視したw
裾ひっぱる仕草カワユス(*´д`)
イイヨーイイヨーこんな甘いの大好きよー!
伍長がいじらしー!
オレルド風邪引き編も楽しみだ!
>>86 マーチス怖くて怪しく冷たいダークな雰囲気満載でGJ!
自分もマーチスって、こういうダークな一面を
意外と持ってるんじゃないかと妄想していたので
読んでて楽しかったです。
伍長は普通にドMだと思いますですよ、はいwww
>>95 待ってました続編!
風邪っぴき伍長と、かいがいしく看病するオレルドが
可愛くてGJであります!
オレルド風邪引き編のご予定があるのでしたら
そちらも楽しみです~。
100 :
男体の人:2006/12/17(日) 01:28:43 ID:???
マーチス祭りな流れを豚切って投下します。
先日投下した、マーチス×よっぱ伍長の後日談です。
※副長×伍長(エロ有)
※男×男 警戒警報発令
※相変わらず副長、性格捏造。
オレルド×伍長の流れを組みつつも、
今回伍長はピンクランタンモードにて、副長とエッチしちゃいます。
なので「浮気」と言う観念に対して厳しいかたは、ご注意をば。
では、どぞー。
――俺、どうしてこんなところに居るんだろう……。
ランデル・オーランド伍長は手の中のグラスを見つめ、ぼんやりした頭で考えていた。
グラスの中には琥珀色の液体が、半分ほど入っている。ほろ苦く、それでいて甘いこの液体を、
もういったい何杯胃袋に流し込んだのかも覚えていない。
肺が腫れ上がったように息苦しい。体内の血液が煮えたぎっているように暑かった。
フワフワ飛んでいるように気持ちのいい浮遊感と、体が鉛にでもなったかのような猛烈な気怠さ
が同時に混在する。体も頭もドロドロに溶けてアメーバにでもなって行くようだった。
「どうした、ペースが落ちちまったな。もう限界か?」
相手を食ったような飄々とした声に、伍長は霞み始めた視界で隣を見た。
そこにいたのは右目に傷のある男。それ以外はとりたてて特徴もなく、人混みに紛れてしまえば
“その他大勢”と分類されるような外見だった。
だが片手にグラスを持ったその男の目は、自分に絶対的な自信を持った者のそれだった。
情に流されることのない冷徹さと、誰にも侵略されることのない自尊心を宿したその目を見れば、
この男が正体を偽り、あえて“その他大勢”の中に紛れているような男だというのが分かる。
見かけは無害なインパラでも、相手を一撃で葬り去ることの出来る牙と爪を有した猛獣が、この
男の正体。本当に強い者は、必要のない時にまで己の牙と爪の威力を誇示したりしないものだ。
「あろ……」
あの、と言ったはずなのに上手く発音できない。伍長の舌はすでに満足に回らなくなっていた。
眠気が覆い被さってくる頭の隅っこで、伍長はそのことをうっすら認識した。
きちんと喋らなくてはと意識はするが、どうやったら舌を上手く使って発音できるのか、それす
らも思い出せなかった。
「お話と言うろは……、俺もう……帰ららくちゃ……、地下……水道のころ……」
満足に話せなくなってきているばかりか、もう自分が何を言っているのかも分からない。
自分に限界が来ていることすらも認識できなかった。もう眠くて眠くて仕方がない。視界がゆら
ゆらと揺れて、思わず船を漕ぎそうになっていた。
そんな伍長の限界を知ってか知らずか、内に猛獣の爪を隠したインパラは、またちびりとグラス
の中の酒を飲んだ。それをカウンターに置き、ボトルを手にすると伍長の大きな手にすぽりと包ま
れたグラスに、またなみなみとバーボンを注いだ。
「ほら、まだ飲めるだろ? 今日は酒を飲みにここへ来たんだ。ヤボな話は無しにしようぜ」
――あれ? そうだっけ? 俺、この人と、ただここへ酒を飲みにきただけだったかな?
そんな考えに違和感が滲みはしたものの、満足に頭が働かない。猛烈な眠気に押さえ込まれる。
――寝ちゃダメだ。帰らなくちゃ……オレルドさんのとこへ……。
これを飲めば帰れる……そう頭が勝手に判断したかどうか、伍長自身にすら分からない。
だけど微かに残った理性が“もう飲むな”と遠くから叫んでいるにも関わらず、手が勝手にグラ
スを口元へ運んで行った。
ほろ苦く甘い液体を一気に胃袋へ流し込んだ。
火のような熱い液体が食道を流れ落ち、胃袋を燃やした。
体温がまたさらに上がったように感じた。フワッと宙に浮くような感覚が意識を包み込んだ。
その瞬間、伍長は意識を手放した。
「おぉっと」
前のめりに倒れカウンターに頭をぶつけそうになる伍長の頭を、男が腕を伸ばして受け止めた。
同時に転がり落ちて行く空のグラスも、空いたほうの手でキャッチする。
グラスをカウンターの上に戻し、男は胸に抱きしめたような格好になっている伍長の頬をペチペ
チと叩いた。
「おい、大丈夫か」
伍長が薄目を開けて男を見た。男と目があった瞬間、伍長はヘラ~ッと笑った。
「らいろううれす~」
男がその笑顔を見て、口の端でニヤリと笑った。
「ようやく“出てきた”な……」
*
クリスマス・パーティーの翌日でも、軍は平常通り機能していた。
ただ少し違うのは、聖夜の浮かれ気分がまだ少し抜けないまま、二日酔いからくる頭痛に悩まさ
れて精彩を欠いた顔の隊員が多いところだった。
それはこの陸情三課でも同様だった。
一応仕事はしているものの、ダレきった部下の姿に痺れを切らしたか、少尉がやおら立ち上がり
机を強く叩いて怒鳴り声を上げた。
「お前らたるみ過ぎだぞ! クリスマスはもうとっくに終わっていると言うのに、シャキッとせん
かシャキッとぉ!」
少尉のよく通る声に、若い男衆はまるで拷問でも受けているかのように頭を抱えて悶え苦しんだ。
「隊長ぉ~……デカイ声出さないで下さいよ~」
「うぅっ……頭に響く……」
「す…すみません、少尉……」
机の上に顎を乗せたままペンすら握る気力のないオレルド准尉。
背もたれに寄りかかり、頭痛にいじめられている頭を抱えるマーチス准尉。
まだ少し吐き気が残るのか、青い顔で口元を押さえるオーランド伍長。
ただし未成年でジュースで盛り上がったアリス少尉とステッキン曹長、そして年齢を重ねて自分
の限界をよく知っていたハンクス大尉は、この悪魔の置き土産の被害には遭わずに済んでいた。
いくら喝を入れても一向に背筋を伸ばす気配のない部下たちに対し、少尉の怒りレベルはますま
す上昇して行く。
「まったく! これでは仕事にならぬではないか! ハンクス大尉を見ろ! お前たちと同じくど
んちゃん騒ぎをやったと言うのに、翌日には酒を残さぬようにセーブされているではないか! 酒
は飲んでも飲まれるなと言うだろう! 軍人たる者、常に――」
「あ~アリス、アリス」
二日酔いのつらさなど知らぬ少尉の説教に見るに見かねたか、大尉が新聞の影から顔を出した。
「そう怒ってやるな。一年に一度のことだ、許してやれ」
「しかし大尉!」
「庁舎を見渡しても、こいつらと同じような奴らばかりだ。軍人だって人間だからなぁ、二日酔い
になるぐらいハメを外すことだってあらぁな」
「ですが……」
まだ不満げな少尉が口を開こうとするより早く、大尉はすがるような眼差しを向けてくる三人に
向かって、犬を追い払うようにシッシッと手を振った。
「お~い、お前たち、今から医務室に行って薬でも貰ってこい。大尉命令だ」
最後の一言はやや強調し、少尉に向かって言った。
少尉を黙らせる方法を、大尉はちゃんと知っているということだ。
「ったくよぉ~、明け方近くまでつき合わせたのは自分だってぇのによ。二日酔いぐらい大目に見
ろってぇの~」
医務室へ向かう道すがら、オレルドがうんざりした面持ちで愚痴をたれる。
マーチスも横で「はは…」と力なく笑った。
「隊長、元気だよねぇ……。あぁ……家に帰って寝たいよ……」
そんな二人の後ろから、伍長は無言で着いて行く。普段から口数は少ないが、もはや話す気力す
らなかった。しかしそれは、二日酔いのせいではなく、むしろ別のことにあった。
(俺……何したんだろう……)
ブツクサ文句を垂れながら前を歩く二人の上官の姿を見るともなしに見ながら、伍長は悩む。
(資材課のパーティーに呼ばれて……マーチス准尉がいなくなってる間に酒を勧められて、断り切
れなくて飲んじゃって……それから……何したんだろう? ダメだ……思い出せない……!)
伍長は酒が好きだった。体格に見合ってかなりの酒量を飲めるタイプでもあったが、問題は酔い
方にあった。まるで自分の限界が掴めないのだ。
本来なら酒量を重ねるごとに、シラフの状態から、ほろ酔い状態になり、自分が限界を感じられ
る段階を経て泥酔状態に進行する。しかし伍長の場合は違った。自分が自覚できるのは、ほろ酔い
状態までなのだ。
酔いの海があるとしよう。自分が何をしているのか充分に自覚できるほろ酔い状態が浅瀬。そこ
からゆるやかな坂を下るように海はどんどん深くなり、しまいには足がつかない深さの酔いの海で
溺れてしまう。
足のつかない所に来てしまうまでに、溺れぬように人は自制する。
しかし伍長の場合はどこまでも浅瀬が続いているだけ。しかしその浅瀬がいきなり次の一歩を踏
み出した瞬間には、足のつかない深い海になっているのだ。
(ああっ俺、何したんだろう……! 何かとんでもないこと、やらかしたんじゃないかなぁ!)
昔から酒を飲んだ翌日には、決まって周りの人間の態度がおかしい。一言で言えば、ぎこちない。
ただし泥酔した自分が何をしたのか聞いても、誰も教えてくれようとしなかった。何も悪いこと
はしてないから気にするな、と引き攣る笑顔で返すだけ。
だからなるべく伍長は酒を飲まないようにしている。
だが、どうしても酒を断れない席もあり、今度こそは泥酔する前に止めておこうと思っても、毎
回同じことの繰り返しだった。
オレルドと初めて一緒に飲んだ時もそうだった。ぎこちなくはなかったが、オレルドはとても疲
れきっていた。精根尽き果てた様子で、一晩で二キロほど体重が減ったのではないかと思えるほど
に憔悴しきっていた。
正気に戻った伍長の肩を抱き、オレルドは目の幅涙を流しながら、こう言った。
“俺以外の前では、もう絶対に飲むなよ……”
(でも……俺、飲んじゃったし……。でもマーチス准尉は『何もしなかった、ただ酔いつぶれて寝
ちゃっただけだ』って言ってるし……心配することないのかな)
オレルドが怒っている様子はないし、マーチスの態度もいつもと変わりない。
(マーチス准尉を見る限りでは……安心していいのかなぁ?)
おそるおそる、そう結論づけようとしたその時だった。
「あっ、オーランド伍長だ!」
背後から聞こえたそんな声に振り返ってみれば、そこには見知らぬ男が二人。
左袖のワッペンを見て、伍長はその二人が資材課の人間であることに気づいた。
「ああ……パーティーでは、お世話になりました……」
マーチスの言葉を信じるとすれば、飲むだけ飲んで酔いつぶれて寝てしまったという自分の失態
を恥じ、伍長は後ろ頭を掻きながら愛想笑いを二人に向けた。
しかし資材課の男たちは伍長の顔を見るなり、ぶるぶると震え出した。しかも顔をまっ赤にして、
感激のあまりの涙目になっているではないか。
「はっ、いえっ、こっ、こちらこそお世話になりまくりました!」
「伍長殿が下さった至福の時間、我々は一生忘れませんッ!!」
「は……?」
目を点にした伍長の目の前で、二人の男ははしゃぎまくりながら脱兎のごとく駆け去って行く。
「はっ、話しかけてもらっちまった! もう死んでもいいッ!」
「ああヤベェ! 思い出したら鼻血出てきちゃった!」
そんなことを言いながら。
呆然として二人の姿を見送るしかない伍長の後ろから、オレルドが声をかけてきた。
「なにやってんだデカブツ~。置いてくぞ~」
「あっ、ハイ」
慌てて踵を返し、少し離れた距離に立っていた二人に駆け寄る。
元同僚たちの姿を目で追っていたマーチスが、伍長を見て憐れむような淡い笑みを漏らす。そし
てフッと視線を逸らし、大きな溜息を吐いた。
(や……やっぱり俺、何かやったんじゃ……!)
伍長が内心で青ざめた時だった。
いきなり膝裏に衝撃を感じたと思った瞬間、自分の意志に反してカクンと膝が折れた。
えっ? と思った直後、伍長は後ろから何者かに羽交い締めにされ、発達した胸筋を隊服の上か
ら思いっきり揉みしだかれていた。
「ひゃっあああぁぁぁぁ!」
ぞわぞわっと鳥肌が立ち、気の抜けたような悲鳴が勝手に口から飛び出した。
「よう、オッパイ」
「え……? な……」
耳元で囁かれたそんなとんでもない言葉に涙目で振り返ると、そこには右目に傷のある男の顔。
あまりの出来事にその男が誰だったか思い出す冷静さも失い、手を振り払うのも忘れた。
「隙だらけだな、お前」
右目に傷のある男が飄々とした声で言いながら、伍長の隊服のボタンをひとつ外した。その隙間
から手を差し入れてくる。隊服よりは薄手のシャツの上から、男は伍長の乳首をつまんだ。
「ひゃぁ! や……な、なにす……! あ、あぁん……!」
コリコリと乳首をこねられ、意志に反して体はビクビクと反応し、甘えるような声が出てしまう。
「シラフでもこんだけ感じんのか。すげぇな」
フゥッと耳の中に熱い息を吹き込まれ、ゾクゾクとした疼きが背筋を這い上がった。
「い……嫌ぁ……! 放し……」
顔が赤くなり目に涙が溜まり出した時、いきなりの出来事に不意打ちを食らい、唖然としていた
オレルドがやっと恋人の危機に気づいた。
「おい、てめぇ! そいつから離れろ!」
怒りをあらわに怒鳴り声を上げ、オレルドは伍長の隊服の中をまさぐっていた男の手首を引っ掴
んで振り払う。そして伍長の手を握り、自分のほうに引き寄せた。
敏感な部分を弄られ、すでに腰に来ていた伍長は、そのままの勢いで膝をついてしまう。
オレルドよりも一瞬遅れて正気に返ったマーチスが慌てて伍長に駆け寄った。
「伍長、大丈夫!?」
「ふ……ふえっ……」
伍長は自分で自分の肩を抱いたままうずくまり、顔をまっ赤にして今にも泣きそうになっている。
そりゃいきなり背後から乳を揉まれれば、男であってもショックだろう。
オレルドは男の間に、伍長を庇うように立ち塞った。
「てめぇ、こんなことしてタダで済むと……――」
激怒して怒鳴り散らしていた途中で、しかしオレルドは目を丸くした。
怒鳴られながらも全く悪びれた様子のない男が、どこの誰か思い出したのである。
マーチスも気づいていた。
「クレイモア・ワンの副長……!?」
オレルドが愕然と呟くと、その男――副長――は、眉をくいっと持ち上げて肩を竦めた。
「お前がオッパイの彼氏か」
「オ、オッパイ……?」
怪訝そうに眉を顰めるオレルドにも構うことなく、副長はニヤリと笑う。
「悪かったな。ちょっと冗談が過ぎたようだ。許せよ」
そう言って、副長はちょっと体を傾けると、オレルドの背後で丸まっている伍長を見た。
「じゃあな、オッパイ」
呆然とする面々に構う様子もなく副長は踵を返し、鼻歌をうたいながら歩き去って行った。
「な……なんだありゃあ……」
さすがのオレルドも、副長のあまりのマイペースぶりに完全に毒気を抜かれた様子だ。
伍長は涙に滲む視界で、遠ざかる副長の後ろ姿を精一杯睨みつけた。
(908を殺した奴らの仲間なのに、く、悔しい……感じちゃった!)
オレルドを裏切った気分に苛まれる。敏感過ぎる自分の肉体を恨めしく思いながら、ふと顔を上
げると、マーチスの顔が見えた。
副長の姿を目で追っていたマーチスの顔は、引き攣って青ざめていた。
「なんだありゃ! なんでクレイモア・ワンの副長がお前にチョッカイ出してくんだよ!」
「し…知りません! 分かりません!」
「無意識に誘惑したんじゃねぇのか!? 答えろデカブツ!!」
「ゆ……誘惑なんてしてません! するわけないじゃないですか!」
医務室から戻ってくるなり、いきなり痴話喧嘩を始めたオレルドと伍長に、マーチス以外の三課
の面々は目を点にするしかなかった。
一部始終を見ていたマーチスは、もはや諦めきったように溜息を吐くばかりである。
そもそも副長がなぜ伍長にチョッカイを出したのか、知っているのはマーチスだけだ。だがその
ことを説明すると、酔っぱらった伍長が何をやらかしたのかも全てオレルドの知る所になるだろう
し、そうなると余計に事態を悪化させる恐れもある。
よってマーチスは罪悪感に苛まれながらも、知らんふりを貫き通すことにしていた。
ここが職場であることも、同僚や上官の目の前であることも忘れたかのように、オレルドは怒り
をあらわに伍長を責め立てる。伍長は身に覚えのないことで、しかも一方的に痴漢行為を受けたに
も関わらず不貞を働いたかのような言い方をされ、すでに目に涙が滲んでいた。
「どうだかな、お前の場合無自覚ってのがあるからな! そのデカパイ使ってタラシ込んだんじゃ
ねぇのか!?」
「そ……そんな言い方ひどいです! デ…デカパイって……な、なんですか!」
「そのまんまだろ! でなけりゃなんでお前のこと“オッパイ”呼ばわりしてんだよ!!」
「だから知らないって言ってるじゃないですか!」
「あんな奴に触られて感じやがって! 男なら誰でもいいのかお前は!!」
これはひどい。
犬も食わない痴話喧嘩を見守っていた面々も、冷やっとした面持ちで顔を引き攣らせた。
伍長は絶句し、ついに今まで懸命に涙を堪えていた大粒の涙を零し始めた。
「う……、っく、ひどい……です……っぅ」
泣かれてしまってはさすがのオレルドも罪悪感が湧くのだろう。彼は怒鳴るのをピタッとやめて、
気まずげに目を逸らした。しかしだからと言って謝ったり慰めたりはしない。
そんなオレルドの態度と伍長の涙に、ついに黙っていられなかった者が立ち上がった。
「オレルド! いい加減にせぬか!」
言わずもがな、少尉であった。
彼女はオレルドに一喝した。そしてオロオロし出すマーチスとステッキンの制止を振り切り、伍
長に駆け寄った。
「泣くな伍長。男がそのように泣くものではないぞ? ほ、ほらっ、これで涙を拭け」
「す……すみませ……っう、えっ……ぐ」
伍長は少尉に渡された白いハンカチで顔を覆う。泣き止もうと努力はするのだが、さっきのオレ
ルドの一言を思い出すと、また涙が溢れてきてしまい、もうどうにもならなかった。
「オレルド、伍長に謝れ」
少尉がギロリとオレルドを睨みつけた。
「なんで俺が謝らなくちゃいけないんですか」
オレルドも自棄っぱちになって言い放った。
「も…ひっく、もういいんです少尉、わ、悪いのは……お、俺なんですから……っく。す…すみま
せん……仕事に……っく、戻ります……ひっく」
「まっ……ままま待て伍長!」
席へ戻ろうとする伍長の袖をガッシと掴むが、それで伍長が引き止められるわけもなく、少尉は
ズルズルと引きずられて行く。腕に全体重をかけてしがみついたが、結果は変わらなかった。
「そ、それでいいのか伍長! いいや、お前が良くても私は良くないぞ!」
ここでようやく伍長は自分の腕に少尉がしがみついていることに気づいて足を止めた。
「少尉……」
「聞けば、お前のほうが一方的にセクハラを受けたのではないか。泣き寝入りはいかんぞ。自分が
悪くないと思うのなら、それを貫き通さねばならん。それにさっきのオレルドの言い草はいくらな
んでもひど過ぎる! 身体的欠陥を指摘し、あまつさえそこを責めるなど、人間のクズだ!」
その瞬間、周りの空気が凍りついた。
マーチスとステッキンは顔を青くし、ハンクス大尉は新聞で顔を隠して密かに溜息を吐く。
オレルドは少尉を見てどんよりと目を濁らせ、口の端を引き攣らせる。
そして伍長は――
「身体的……欠陥……?」
強い眼差しを向けてくる少尉の顔を見下ろし、ぽつりと、そう零した。
だがその刹那、耳まで顔をまっ赤にしたかと思うと、止まりかけていた涙がブワッと溢れ出した。
「うわあぁぁーん! すみませんすみません男のくせにオッパイ大きくてごめんなさいーッ!!」
「ああっ、ご、伍長ぉぉーーーーッ!!」
慌てて引き止めようとした少尉だったが、時すでに遅く、伍長は号泣しながら執務室を飛び出し
て行った……。
ついショックのあまり執務室を飛び出してきた伍長ではあったが、廊下を走っているうちに段々
と理性を取り戻していた。
もう涙は出ていなかったが泣き腫らした顔を白いハンカチで覆って、鼻をグスグス鳴らしながら
トボトボと歩く巨漢の姿には、誰もが振り返った。
だがそう言う意味で、伍長は見られることには慣れていた。
(ああ……思わず飛び出して来ちゃったけど……どうしよう)
今すぐに執務室へ戻って少尉や皆に謝罪をし、仕事をしなくちゃいけないのは分かってはいるが、
オレルドの怒った顔や、少尉からデカパイを指摘された恥ずかしさが甦り、どうにも足が執務室か
ら離れてしまう。
行く当てもなくトボトボと彷徨い歩いていた時だった。
「よぉ、また会ったな、オッパイ」
元凶となった声にハッと顔を上げれば、クレイモア・ワンの副長が目の前にいた。
相変わらず飄々とした人を食ったような男である。
その顔を見るや否や、伍長の中にめったに湧かない怒りがフツフツと湧いてきた。
オレルドを怒らせることになったのは、全てはこの男のせいなのだ。
「オ……オッパイじゃありませんッ! ランデル・オーランドって名前があります!」
精一杯の怒りの意思表示をして怒鳴ってはみたが、副長はまったく動じない。
「ちょうどよかった、今から三課へ向かうところだったんだ」
上目遣いに見上げて唇の端に薄ら笑いを浮かべた副長の得体の知れない迫力に、伍長は早くも負
けそうだった。
「な……、なぜ三課に……?」
「お前に用があったんだ、オッパイ」
「オッパイって言わないで下さいッ!!」
顔をまっ赤にした涙目の伍長がいくら怒鳴ったところで、副長にとっては蚊が刺すほどの威力も
ないのだろう。相変わらず冷めた笑みを貼りつけたままの顔を崩さない。
「908……と言ったか」
副長が呟いたその言葉に、伍長は怒りも忘れてギクリと肩を揺らした。
「その908と地下水道の出来事に関してな、お前に話がある」
「……え?」
「今夜七時、ベトランケナーという酒場に一人で来い。お前にとって損のない話をしてやる」
副長は伍長の肩をポンと叩き、それだけを言うと踵を返して戻って行った。
(どうして今頃……)
908の名前と地下水道のことを持ち出されて、伍長の心が穏やかであるはずがなかった。
(俺にとって損のない話って……? まさか908が生きてるって言うわけでもないだろうし)
もしかして他の生き残りがいるのか。一課はその情報をつかんだのか。
伍長の心は期待と不安でざわめいた。
だが、同時にオレルドの怒った顔が浮かんだ。
副長に胸を触られたことを烈火のごとく怒っていたオレルド。
この上、副長と酒場で会うと言えば、それがいくら“不可視の9番”に関わる内容のことでも、
オレルドは絶対に行くなと言い張るだろう。
オレルドを怒らせたくはないが、だが副長が何を話そうとしているのかも気になる。
(俺は908を助けられなかった……。だけど、他にも生き残りがいるとすれば、今度こそ助けら
れるチャンスかもしれない……)
目蓋をギュッと閉じれば、908の姿がまるで昨日のことのように甦った。
――オレ……908……。オレ……オマエ……仲間……ナカマ……。
助けようと手を伸ばしても、届かなかった。
徹甲弾の餌食にされ蜂の巣にされていく908を、無力にも見ていることしか出来なかった。
同じ“不可視の9番”として生きながら、自分と908の違いはなんなのか。
自分は再び生きる希望を与えられ、908はそれすらも与えられず死んで行った。
停戦後、生きる目的を失って屍のように生きていた伍長だから分かるのだ。
普通の人間とは違う生き物に造り変えられながら、ゴミのように捨てられて行き場を失った怪物
たちの悲哀が。
同じ908を助けることは出来ないが、もし他に生き残りがいるとすれば、今度こそ助けたい。
自分と同じように、生きる希望を与えてやりたい。
同じ傷を持つ、仲間だからこそ……――。
伍長はそう決意し、副長が提示した酒場へ向かう覚悟を決めた。
*
「ようやく“出てきた”な……」
資材課のパーティーで一目見て心奪われた男の頭を胸に抱き、副長はニヤリと笑った。
見上げるほどの巨体のくせに人に威圧感を与えることもなく、汚れを知らぬかのような無邪気な
笑みを向けてきたこの大男のことを、彼は忘れられないでいた。
これほどまでに一人の人間に、しかも男に固執することなど今までにはなかった。
もう一度こいつに触れたい。あの敏感だった肌に。
もう一度こいつに口づけたい。意外にも柔らかい感触だった唇に。
そう思ったら早かった。
もともと副長は、抱く相手は女ではないといけないという観念は持っていない。戦場ではともか
く、男に興味がないから女を抱いていたというだけで、今ここに興味のある男が現れたのだから抱
くことに決めた。それだけだ。
この男があの時言った、908と地下水道という言葉を頼りに報告書を確認したら、釣るために
必要な餌はすぐに見つかった。
案の定、このことを言ったら、この男はのこのこと酒場に現れたと言うわけだ。
副長は伍長に教えるべき“不可視の9番”に関する情報など、何一つ持ってはいなかった。
少し卑怯かとも思ったが、これだけの巨体を相手にするのだから、本気で抵抗されたら自分が負
けるのは目に見えて分かる。そもそも副長の目的は、伍長を傷つけ倒すことにはないのだから。
だから、副長は頭を使ったのだ。
(しかしまぁ……よく飲んだな……。半月分の給料が消し飛んじまったぜ)
副長はカウンターの上に並ぶ空のボトルを眺め、苦笑した。
(だがまぁいい。その分はベッドの上でたっぷり返してもらうことにしよう)
内心でほくそ笑み、副長は伍長の腕を支えて椅子から立ち上がった。
「立てるか」
伍長はとろんとした顔で副長を見上げ、ヘラ~ッとした笑みを向けてくる。
「まら飲みらいれす~」
「それ以上飲んだら酔いつぶれちまって勃つもんも勃たなくなっちまうぜ」
副長が苦笑しながら言うと、伍長はのろのろと首を傾げた。
「ちゅう、好きなんだろ?」
副長の言葉に、伍長はヘラッと笑う。
「あい、好きれす~。ちゅう、します?」
「後でな。お前が気の済むまでしてやる。だから立て。ホテルに行くぞ」
副長はそう言ってカウンターの上に勘定を置くと、ふらつく伍長の腰に手を支えて酒場を出た。
【つづく】
――――――――――――――――――――――――――――
続きは明日(出来れば…の話ですが)
後半はヤッてるだけの展開になります(;^^)
>>107 男体の人さんいつもGJです!
このカップリングはパンプキンでは初めてかも知れませんね。
後半も楽しみにしてます!
しかし伍長は人間磁石だな…
うわああ副長×伍長きたよコレ!
クリムゾンなセリフにワロタ
続ききになるゥゥゥ!
萌える…萌えるよおおおぉぉぉ!!
男体の人超GJ!
新刊に萌えてSSに萌えてなんて萌が多い日なんだ…
伍長が可愛杉&副長男前杉ダ…
まさに6巻をSSで表したようですな。
>>96泣きそうにオロオロする伍長
やべ…萌える…!!
次のネタに使わせてもらいますサー!(`・ω・´)ゞ
>>97裾引っ張る伍長
ここが一番書きたかったんです
あんなでかいおっpじゃなくて図体して申し訳なさそうに
ちょこっと引っ張ってる姿とか
もう想像するだけで…ハァハァ
>>98いじらしい伍長
もう全力で頭撫でてやりたくなりますよね!よね!
>>99風邪っぴき伍長&かいがいしいオレルド
オレルドがこんなにかいがいしく看病するのは伍長だけです
幼馴染のマーチスなんて風邪薬投げつけて放置ですよ
まぁそれはそれで萌え…か
感想ありがとうございました~。
ぎゃ!続きが読める日が来るとは…GJ!GJです!
乱暴者の副長と伍長だと…楽しみですw。wktk
ほんとに伍長はけしからんオッパイだな。
そしてやっぱり「ちゅう」って言い方がカワユス。
伍長のエロカワイさは神がかっとる
オッパイ!オッパイ!!
書いてたらまた終わらなくなってしまったので、
途中ですみませんが投下します。
少尉&准尉ズ → 伍長総受け
ですが、4人同時描写は無理があるので(俺の文章能力の限界orz)
今回はマーチス編ということで…。
※4P注意報。 マーチス性格破綻。 エロ有り。
っとごめんなさい。
急用が…。本当ごめんなさい、またあとで来ます。
orz
ちょwww焦らしプレイにも程があるwwwww
早く早くぅぅぅ!(;´Д`)ハァハァ
男体の人も
>>114も焦らしちゃってまあ!
読みたくて体の奥がうずうずする
楽しみにしてます
>>144には焦らしの人とか名乗っていただく?www
焦れて焦げそうだよ!!
俺は恐る恐る顔を横に向けた。
そこには、マーチス准尉の顔と、前髪から眼鏡にかけてべっとりと垂れる俺の…出した液。
「あわっ……わ……! ごっ、ごめんなさい! ごめんなさいいっ! マーチス准尉ッ!」
さっきまで顔が火照っていたはずなのに、一気に血の気がひいていくのがわかる。
マーチス准尉の顔は、光る眼鏡に隠れてよくわからないけど、口元を見ると……笑っているようには見えない。
やっぱり……怒ってるんだろうな……顔にかけられたのに、俺が少尉ばっかり構ってて……。
「本当に……すいませんっ! ……今、取りますから…」
「いいよ、取らなくて」
俺の言葉を遮るように、マーチス准尉が即答する。そして俺の顔をまっすぐ見て、ニコッと笑った。
あれ? もしかして、怒ってないんだろうか……?
「あーあ……デカブツ、知らねーぞ……」
オレルド准尉のつぶやきが聞こえた。え? どういう意味だろう……?
だって、さっきまでは全然笑ってなくて、でも今はマーチス准尉、笑ってるし……。
「取らなくていいからさ」
まるで貼りつけたような笑顔のまま、マーチス准尉が俺に言い放つ。
「手じゃなくて、舐めて」
……え? 一瞬、言っている意味がよくわからなかった。なめ……て?
俺の……出したものを自分で舐め取れってこと?
「あっ、あの……その、マーチス准尉の顔にかかっちゃったやつ……を、俺が、ですか……?」
おそるおそる、どうか間違っていますようにと思いつつ、尋ねてみる。
「うん、そう」
うわ即答だ。しかもさっきからマーチス准尉のニコニコとした顔は崩れない。
……やっぱり、とてつもなく怒ってるうぅぅ……!
「自分で出したものくらい、自分で処理しなよね。……はい」
つい、と顔を突き出すマーチス准尉。
少尉もオレルド准尉も見ている前で、こんなことしなきゃいけないなんて……。
「マ、マーチス……伍長も悪気があったわけではないし……」
「隊長」
「は、はいっ!」
マーチス准尉の、普段からは想像もつかないほどドスのきいた声に、少尉も思わず敬語になる。
しかし次の瞬間には、もうもとの穏やかな口調に戻って言う。
「伍長、萎えちゃったみたいですよ? ……勃たせてあげたらどうです?
……少尉だってまだ満足してないみたいですし?」
俺はさっきからマーチス准尉の放つ冷えた雰囲気に、すっかり通常サイズに戻ってしまっていた。
そしてマーチス准尉の視線の先をちら、と追ってみると、少尉のシャツの胸元が見えた。
あ……少尉……ち、乳首が…………勃って……。
俺は自分の顔がカアァと熱くなるのがわかって、思わず俯いた。
「…………わ……わかった……」
少尉も顔を赤くしながら、了承の意を示す。
ええっ、少尉……ぜひ上官として、マーチス准尉をどうにかして欲しかったんですが……!
マーチス准尉はさらにオレルド准尉にも声をかける。
「オレルドは……まあ、勝手にやっててよ」
「……はぁ。……はいはい、了解」
お手上げ、といったジェスチャーをして苦笑するオレルド准尉。
もしかしたら、こんな状態のマーチス准尉を、過去にも見たことがあるのかもしれない。
……だったらなんとかしてくれたっていいじゃないですか……!
もはやこの場は、マーチス准尉が主導権を握っているといっても過言ではない雰囲気だった。
「伍長はこっちを向く」
ぐりん、と俯いていた顔を無理矢理自分のほうにむけさせるマーチス准尉。
そして俺の後頭部を押さえると、自分の顔に近づける。
「ほら、舐めないと……他人のじゃないから、汚くないでしょ?」
眼鏡の奥から、俺の目をじっと見つめてくる。まさに、蛇ににらまれた蛙とはこのことだ。
催眠光線が出るんじゃないかと思うほどに、その眼光は鋭い。
有無を言わせないその迫力に、俺は屈服するしかなかった。
「……んっ…………」
俺は思い切って舌を出すと、マーチス准尉の眼鏡についた精液を絡めとるように動かした。
マーチス准尉は眼鏡がずれないように、空いた左手でつるを押さえる。
どろりとした感触が俺の舌に乗っかってくると同時に、その青臭い匂いがツン、と鼻を突き抜ける。
生理的に躊躇してしまうのをなんとか抑えながら、俺は犬や猫のように、舌で舐め取る作業を続けた。
前髪についた分も口の中に納める。思ったより、量が多かった。
なんであんなに出しちゃったんだろう、俺の馬鹿……。
うぅ……口の中いっぱいが青臭い……正直、今すぐ吐き出したくてたまらない。
「はい、じゃあそのまま飲み込んで」
マーチス准尉は、シャツの裾でさっさと眼鏡を拭いてかけなおすと、事もなさげに言い放った。
……無理です! 生理的にこの舌触りと匂いと味は……無理、絶対無理!
俺はもう涙目になって、ふるふると顔を横に振る。無理だという意思を必死で伝える。
そんな必死な形相の俺を見て、マーチス准尉の顔がふ、と曇る。
「少尉はちゃんと飲んでくれたでしょ? キミは、そんな自分でも飲めないものを飲ませたってこと?
はぁ……随分とひどい部下じゃないか……」
う……それを言われると、ひどく精神的ダメージを受けてしまう俺。
……少尉、よくこんなもの飲めましたね……やっぱり少尉は、凄いです。
などと感心している場合ではないけれど。
「しょうがないなあ……ちょっと貸して」
大げさにため息をついたマーチス准尉は、もう一度俺の顔をぐい、と引き寄せた。
「んっ…………んむっ!」
マーチス准尉の舌が、俺の口の中にヌルリと入り込んできた。
そして、器用に口の中の白濁液をからめ取っていく。……どんだけ凄い舌技なんだ……。
マーチス准尉の口が離れると、白い糸がつ、とひいた。
俺の口の中は、まだ少しヌルヌルしているものの、気持ち悪くはなくなっていた。
その代わり、今は少し……キスで気持ちよくなっている。頭がクラクラする。
「んー……」
口をもごもごと動かすマーチス准尉を、少しボーッとした頭で見つめる。
するとまたおもむろに、准尉が俺に口付けしてきた。
「はむっ…………!? ……んっ……んん! ……ん……くっ」
ただのキスだと思ったのは大きな間違いだった。
マーチス准尉は、さっきの俺の精液を、また口移しで俺に飲ませにきたのだ。
准尉の唾液と一緒に、粘度の高いものがでろりと流し込まれてくる。
しかし……それ以前に、マーチス准尉はキスが巧かった。
さっきの少尉の荒っぽいキスもよかったけれど、マーチス准尉の舌の動きは、反則だ。
歯茎や舌の裏側、隅々まで刺激するように動く。
俺の意識は、どんどん曖昧になっていって、ただこのキスを感じていたいとしか思えなくなる。
「んぅ…………ふっ…ぅん………んぐっ……んく……」
ごっくん……。
んぁ? 今……俺……ごっくんっ……?
喉に残る微かな苦味。喉を流れていくとろりとした感覚。
……なんということだ。意識していなかったとはいえ、唾液で薄まっていたとはいえ、自分の精液を飲んでしまった。
「ぁ……マーチス……准尉…………」
しかしハイレベルなディープキスに酔ってしまった俺は、そんな普段なら嫌悪しそうな行為にすら、
背徳的な興奮を感じてしまうほどに、高ぶっていた。
「はい、よくできました」
にっこりと、いつものようにやさしく微笑んで、俺の頭を撫でるマーチス准尉。
ぞくぞくっ、と不思議な感情が体を駆け巡った。
「はっ……まだ何もしていないのに、伍長……こんなに……」
そうだ、少尉もいたのをすっかり忘れていた。
完全にマーチス准尉のペースにはまってしまっていて、周りの状況が見えなくなっていた。
「えっ……? ……っあ」
信じられないことに、俺はまた勃起していた。
マーチス准尉のキスが凄かったとはいえ、自分のを飲んで……それで勃つ自分が、もうわからない。
ふと少尉の方に視線をやると、俺は目を疑った。
「し…少尉っ……? なんで……裸に……」
少尉は人前で裸になるなんて、そんな大胆な性格じゃないのに……少尉……。
俺の中の少尉像が、またもやがらがらと崩壊していく。
でも……本当は見れて、嬉しいです! 俺の中の馬鹿な本能はそう告げていたけれど。
「わ、私も本当は恥ずかしいのだ……。だが、オレルドが…………」
「みんなで脱げば、怖くない、ってね」
なんと、オレルド准尉までもが、服を完全に脱いでしまっていた。
肌色率が一気に上がったこの状況で、服を着ているマーチス准尉だけが浮いて見えるという、異空間。
これが夢だとしたら、俺はどんな願望を抱いてるんだろう……。
3課の全員に裸で責められたい……? 酒池肉林? ……頭が、どんどん麻痺していく。
「みんな、伍長が好きなんだよ……」
カチャカチャ、とベルトをはずし始めるマーチス准尉。
この流れで何をしようとしているのか、俺はすぐに想像ができた。
そしてその予想通りに、俺の目の前に、マーチス准尉の勃ったモノが姿を見せた。
XXX
「オ、オレルド……これは、ここに入れれば……いいのか?」
「そうですけど……しょ、少尉……初めてでデカブツのは……無理じゃないですか?」
「む、無理なものかっ……み、見ていろ……」
「……キミら……台詞に色気がないよ……」
どうやら少尉が俺のペニスを、自分に挿入しようとしているらしい。
内容的にはとてもいやらしいことなのだが……なんだろう、この3人の台詞の掛け合い……。
さっぱりしているというか、なんだか日常会話の域だぞ……。
って・・・…え? 少尉が俺の……えっ……俺のを……!?
「あっ……少尉っ……やめっ…………俺のは……あ! あぅ……んっ!」
「くっ…………き……キツ………いっ……痛っ! ……うぅっ……ぐ……痛ぁっ…!」
少尉が、俺の腹の上にまたがる格好で、自分の陰部に俺のを入れようとしている。
俺からはその裸体、おっぱい、何もかもが丸見えで、まるでいやらしい夢を見ているような光景だった。
でも、これは現実……なんだよなあ、たぶん……。
とにかく、亀頭がこすれて、まずいくらいに気持ちがいい。
だけどそれより、少尉の苦しそうな顔を見ると、どうしても申し訳ない気持ちがムクムクと起き上がってしまう。
「しょっ……しょう…い……やめっ…くださ……。 無理ですっ……からっ……!」
「無理なものかっ…無理な……はぁ……はぁ……うぅ……うっ……」
涙目の少尉が、ぴたりと動きを止める。
「わっ……わたしは……伍長のを受け入れたくて……好き、だから……けどっ……ぐす……」
顔を真っ赤にして、ポロポロと泣き出してしまう少尉。
俺はぎょっとして、いつものようにただオロオロとすることしかできない。
あぁああぁ、どうしよう……で、でも俺ので少尉を壊してしまわなくてよかった……。
残念な気持ちもなくは……ない。けど、変な安心感もあった。
「少尉」
「ふぇ…あ……は、はいっ……」
鶴の一声。
……マーチス准尉……俺が少尉に気を取られると、すごい迫力になるんですけど……何故?
「じゃあ、伍長のモノを……その胸ではさんであげるとか、どうです?」
えぇええ!? しょ、少尉のおっぱいで……? それは気持ちよさそ……いやいや、そんなっ、俺の変態!
「ぐす……胸で……か? ……よ、よし……やってみる……」
やってみるって……好奇心旺盛な子供ですか、あなたは……。
自分のやれることが見つかったことが嬉しいのか、涙を拭きながら、胸を寄せる。
「よかったねえ伍長、少尉がパイズリしてくれるよ?」
俺の頭を撫でながら、マーチス准尉がニコニコと言う。そんな直接的に言わないでください……。
今日のマーチス准尉は、やっぱりおかしい……。
遠慮がないというか、しまわれていたナイフを取り出したような感じだ。
返す言葉もなくて、顔を赤くして俯くしかできない俺。
「でも伍長も、もうちょっと頑張ってくれないと……ほら……」
さっきからちらちらと目に入ってはいたが、マーチス准尉のあそこは、さっきから萎えることなく、
俺の目の前に突き出されている。
自分のものをいつも見ているから……それは随分と可愛く見えてしまう。
「キミのと比べれば可愛いもんでしょ? 咥えるくらい、何でもないよねえ……?」
考えていることを見透かされたようなマーチス准尉の言葉。
俺はその言葉に隠された棘に全身をちくちくと刺され、ぞくぞくと身を震わせた。
「…………は……い……」
おずおずと左手でマーチス准尉のモノに触れる。熱い。これから俺はこれを咥えるんだ……。
男の性器など、もちろん口に入れたこともない俺は、どうしても初めてのことに戸惑ってしまう。
「ほら、大丈夫……」
ぐい、と首にかかるマーチス准尉の右手に力が入る。少し爪が立った。
「あ…む…………んっ……」
俺は覚悟を決め、目をつむって一気に根元まで咥えた。
「んぐっ……けほっ! …………がっ……はぁっ」
どうやらそれは無茶な行動だったようだ。
想像以上に喉が圧迫され、俺は思わず咳き込む。唾液が、口から漏れる。
「駄目だよ伍長……もっと先っぽからゆっくり、飴みたいにね……そうそう……んっ」
首筋にかかる、有無を言わさない腕の力に気圧され、俺はマーチス准尉の言うとおりにする。
亀頭をつるりと口に含み、ゆっくりと、唾液で滑らすように口を前進させる。
だんだんと、熱い肉の塊に口の中が犯されていく。
「いいね、伍長……歯も立ててないし、うまいよ……素質あるんじゃない?」
首にかかっていた力がふ、と弱まり、代わりに頭を優しく撫でられる。
また、ぞくぞくっ、とした。ああ俺、なんかやばい方向に行きかけてるかも……。
「……この体勢なら、いいか? オレルド……」
「ええ、俺はこっちをいただきますよ……」
俺の火照った耳に、少尉とオレルド准尉の会話が聞こえる。
と、尻の穴に生暖かい息がかかった。
「……!?」
まさか、と思った次の瞬間、何か湿ったやわらかいものが、入り口を縦断していった。
「ふぁっ……ぁ……っ」
俺は思わず口を離して、声をあげてしまった。
オレルド准尉が、俺の尻の穴を舐めているのだ。ほぐすように、丁寧に、念入りに。
「……やぁっ…オレル……じゅ……やめっ! ……そんなとっ……汚ぃ…で……ひっ!」
意識してないのに、ペロリと舐められるたびに、ヒクヒクと入り口を動かしてしまう。
オレルド准尉が、なんでそんな汚いところを舐めているのかわからない。
でももっとわからないのは、そんなことをされているのにこんなにも感じてしまっている、俺だ。
「駄目だよ伍長、離しちゃ……ほらほら、ちゃんと舐めてくれなきゃ」
「ん……ふぁい…………」
マーチス准尉にまた後頭部を押さえられて、俺はまたいきり立ったモノを咥える。
舐めろと言われたので、咥えながら舌を動かしてみる。
「んふっ…………ん……む……」
「あ! ……んっ……伍長っ……いいよ、もっと口動かしてしゃぶって……」
子供の頃だったか、数えるほどしか食べたことのない、アイスキャンデー。
それと似ているなと思いながら、俺はゆっくりと顔を前後に動かしてみる。
「すごっ……あっ……ご…ちょう……! いい子だね……もっと……」
マーチス准尉がうっとりした声で言う。右手がすす、と動いて、俺の耳たぶや首筋を優しく撫でる。
ぞくっ、ぞくぞくっ!
俺はもう駄目だと思った。人に奉仕して喜ばれることが、こんなに気持ちいいことだとは思わなかった。
もっと気持ちよくなって欲しくて、俺はマーチス准尉の溢れさせる我慢汁を、舌で舐めとる。
「んくっ………んむっ……ちゅぷ…………はむ……」
俺……何やってるんだろう……。マーチス准尉のを咥えて、舐めて、でも気持ちよくて……。
「えいっ……!」
色気のない声がした。……失礼、少尉の声がした。
少尉は一生懸命なのはいいけれど、こういう時には少し考えたほうがいいと思ってしまった……ごめんなさい少尉。
「んっ……んふうっ! ………んっ……!」
そんな失礼なことを考えた次の瞬間に、俺は体を硬直させるほど後悔した。
いや正確には硬直させてしまったのだ……少尉が俺のモノをおっぱいで挟んで、ぐいっとしごいたから。
それでも俺はマーチス准尉の言うとおり、口は離さなかった。
「ぁう……んぅ! ……ふっ………ぅんんっ!」
またオレルド准尉が舐めた。しかも今度は肛門から玉にかけて、べろりと舐め上げる。
俺はそんな集中攻撃に晒されながらも、口を離さない。……なんて健気な俺。……なんか違うよ……俺。
「……!?」
今までマーチス准尉のほうばかり見ていたので気づかなかったが、ふと横に目をやると、
俺の目の前には少尉のアソコが丸見えだった。そうか、俺の上に逆向きで馬乗りになって……。
そのピンク色のぷっくりとした割れ目に、思わず見入ってしまう俺。
うわぁ、うわぁ……女の人のここってこうなってるんだ……。
「口が、お留守だよ? 伍長……」
マーチス准尉の手に力が入る……首が痛いです。すみません、つい……。
「ふ……ふぃまぇん……む……んふ………」
「そうそう…………今はこっちに集中して……よしよし」
マーチス准尉に頬を撫でられる。俺ってなんか犬みたいだよな……くぅ?ん…………。
……しかし俺は本当に今何をやってるんだろう……尻を舐められて、おっぱいで挟まれて、
口には……他人の咥えて……何でそれで感じてるんだろう……こんなに。
「でも伍長は本当、いやらしいねえ……」
まただ、マーチス准尉の見透かしたような言葉。
なんなんですか、あなたは心が読めるんですか……!
「だって僕のをこんなにしゃぶってるのに、あんなに勃たせちゃって……ほら、真っ赤になってるよ?
あんなに汁が溢れてるし……気持ちいいんだ?」
耳をむにむにと触りながら、俺をいじめるように言葉をかけてくるマーチス准尉。
そうなのだ、俺はさっきから勃起しっぱなしで、今にも達してしまいそうなくらいだった。
「隊長、オレルド。伍長がもっとやって欲しいって……ね? 伍長……」
優しげだけれど、どこか棘が感じられる口調。
その言葉を受けてか、俺の下半身を責める動きが激しくなった。
「ふぁ……あっ! あっ! ……ぅう…んっ!」
オレルド准尉は、とうとう蕾をこじ開けるように、舌を肛門の中に割り込ませてきた。
汚い、はずなのに……なんでこんなに気持ちいいのか。
少尉は少尉で、おっぱいを両側から押さえつけているようで、時々硬い乳首が熱い棒に触れる。
それがまたなんともいえず気持ちいい。
「はいはい、キミのオヤツはこっちだよ……」
ぐぽん、と俺の口に挿しこまれる硬いモノ。
俺は、下半身の激しい責めにつられるように、一心不乱にそれをむさぼる。
「んっ……んっ……んふ…………じゅるっ……ちゅく……」
「アッ! ごちょ……う……凄……っ!」
後頭部を押さえつける腕に、ぎゅ、と力が入る。
「ぐっ……ふぅ! …………んぐっ……んん!」
今までにないくらい、俺の喉に深々と突きたてられる。
むせそうになりながら、涙目になりながら、俺は我慢して喉を広げる。
……苦しい、苦しいけど……。
自分が犯されている、という感覚が、俺の中の被虐的な感情をむくむくと目覚めさせる。
それと同時に、二度目の波がやってきた。
「んんっ! ………んふぅ! ……んぐ……んぅ…!」
「はぁっ……あれ? 伍長もしかして、イッちゃいそう……? あはは……顔真っ赤だよ?
お尻舐められて、おっぱいで挟まれて、男の僕のモノしゃぶってるのにねえ……!」
なぜか嬉しそうに言うマーチス准尉。
自分でもわかっている、わかっているけど……言わないで……恥ずかしい……!
だけどそんな恥ずかしさとは対照的に、俺の気持ちはどんどん高ぶっていく。
「イッちゃえば? ……またみんなに見られちゃうけど……ね……!」
マーチス准尉が、俺の口の中にズプズプとモノを挿し入れながら言う。
「ぅんっ! ………あっ……いぅ……! んうぅッ……! ん! ふうっ!」
マーチス准尉の言葉に、なぜだか精神的にも犯されているような気分になる。
それが引き金となって、熱い感覚が一気に駆け上がるのを感じた。
耐えられずに、俺はとうとう二度目の射精をしてしまった。
「きゃっ……!」
「うは……二回目なのに……すげえな」
少尉の頭の向こう側から、白い液が飛び上がるのがわかった。
俺の顔にまで飛沫がかかったのを感じる。熱い。
「伍長……! ぼ、僕も……もっ……! 出るっ……あっん!」
口の中でマーチス准尉のモノが震えた。
次の瞬間、その先端から、熱い液体が次々と注ぎ込まれる。
「んっ……んぐっ! ………んく……ぷはっ! ……あふっ…」
途中まで口の中で受け止めていたが、喉にからみついて苦しくなったので、思わず口を離してしまう。
終わり際の2、3回が、俺の顔を白く汚した。
「んぐっ…………はっ……はぁ……マーチス……じゅん……ぃ…」
また俺は、飲んでしまった……。しかも今度は、自分のじゃなくて他人の精液……。
だけどもはや俺はそんなことを気にするような精神構造ではなくなってしまったらしかった。
マーチス准尉……意外と量が多いんだな……。
そんなことを、ぼんやりと考えていた。
目の前に座り込み、肩で息をしているマーチス准尉。その視線が、ふ、と俺の視線と合った。
その瞬間。
「ご、伍長! ごめんっ……!」
「えっ……ええっ?」
そう言うと、俺の顔を手で押さえて、マーチス准尉の出した自分の液を、舐め取り始めた。
さっきまでの迫力はどこへやら、といった感じだ。まるで、猫みたいだ……。
「マ、マーチス准尉っ……なにもっ……舐めなくてもっ……いいですから……ん」
俺の口の端から垂れていたのも、丁寧に舐めとるマーチス准尉。
さっき俺が自分で顔にかけてしまった分も、綺麗にしてくれたみたいだ。
人に顔を舐められるというのは、予想していた以上に気持ちがいいんだな……。
いや、この場合は、申し訳なさそうに、自分の出したものを一生懸命に舐め取るマーチス准尉が、
なんだかとても可愛く思えるせいだろうか。
「……ぼ、僕……伍長にあんなことしちゃって……だけど、嫌いなわけじゃなくて……ホントに……」
真っ赤な顔をして、だんだん語尾が小さくなるマーチス准尉。
なんなんだろう、この変わり身……。なんか、ホントに可愛いな。
「そ、そんなこと……ないです……マーチス准尉……」
俺は素直に、思ったことを伝えてみる。
「なんか…………マーチス准尉……可愛いです……」
その瞬間、泣きそうな顔をしていたマーチス准尉の顔が、止まった。
……あれ? 俺はまた何か、まずいことを言っちゃったんだろうか……。
「うん……そうだよねえ……伍長の、でかいもんねえ……ふーん、可愛いって、やっぱ思ってたんだ……」
マーチス准尉のスイッチが切り替わった音がした……気がする。
え……ええっ!? いや、そういう意味ではなく……だって人間大きさだけが全てじゃなくて……って違う!
「大きさだけが全てじゃないとか思ってるんだろうけどさあ……それって、自慢だよね……」
……もう心を読まれるのにも慣れてきた俺。
「オレルド……」
マーチス准尉は、俺の股の間に陣取るオレルド准尉に声をかけた。
「……突貫」
「はいはい…………言われなくても、ね……」
え……突貫って? 突いて……貫く……え? ちょっと……そんなっ……!
少尉だけが准尉たちの顔を見比べて、不思議そうな顔をしている……と思う、後ろ向きだからよく見えないけど。
さわ、と尻の穴を撫でられる感触がした。
「ひっ……! ぁ……」
ぞわっ、と鳥肌が立つ。
「まずは、一本からだ」
楽しそうに、オレルド准尉が言った。
【続く】
127 :
焦らしの人:2006/12/17(日) 21:02:10 ID:???
ご、ごめんなさい、本当すいませんでした!
…せっかくなので名乗らせていただいたり…。
うう…不名誉…。orz
すいません焦らすつもりは全くなく…。
むしろエロ表現で萎えたらごめんなさい…。
4人て無理だよ!
…続き書けたらまた投下します。
こんがり焦げたWWW
GJです!!
うはぁぁぁ、萌え死にそう!
GJ!GJです!!!!
4人でも充分上手く役割分担されてますよw
それにしても伍長、エロイ子…!(;´Д`)ハァハァ
GJ!!
マーチス面白いよ、萌えたよ…
リロードしまくっちゃったじゃねぇかw
そしてGJ!萌焦げたw
エロおもろいとはこれいかにwww
GJ!
伍長が愛されてるエロは和むやね(*´д`)
萌 え た !
GJ!
鬼畜マーチスエロス&面白ス
次はオレルドの番ですね
早く続きが見たいよ(*´д`)ハアハア
淫らな事をやっているのに、みんなの会話がフツーなのにワロタw
マーチス腹黒いな
136 :
男体の人:2006/12/18(月) 01:42:50 ID:???
感想下さった皆様、ありがとうございます。
お待たせしました、
>>100-107の続きです。
※副長×伍長(エロ有)
※男×男 警戒警報発令
※相変わらず副長、性格捏造。
オレルド×伍長の流れを組みつつも、
今回伍長はピンクランタンモードにて、副長とエッチしちゃいます。
なので「浮気」と言う観念に対して厳しいかたは、ご注意をば。
では、どぞー。
「ん……んぅ……、む……、ふぁ……っ」
薄暗い明かりに照らされたホテルの一室に、唾液と舌の絡み合う淫靡な水音と、甘えたような吐
息が響いていた。
ベッドに腰掛けた伍長の膝の上に、副長が跨がっていた。そんな副長の頬に手を添えて、伍長は
思う存分彼の唇を貪り続けていた。
副長は黙って、伍長にされるがままになっている。顔の角度を少し変えると、伍長はそれに応じ
て上か下か、どちらかの唇に吸いついてくる。舌を少し突き出してやるだけで、自らの舌を絡めて
くる。唾液を出してやれば、それを飲み下した。
「お前本当にちゅうが好きなんだなぁ」
息継ぎのために伍長が唇を離す合間に、副長は込み上がってくる忍び笑いを抑え切れず言った。
「あい……好きれすぅ」
とろんとした目で副長を見つめ、唾液にまみれた唇をペロリと舐めて伍長はヘラ~ッと笑う。
可愛い、と副長は素直にそう思えた。この男にしては珍しい感情だ。こんな風に体の芯から湧き
上がってくる暖かい気持ちなど、めったに自覚することなどないというのに。
子供のように無邪気に、そして子犬のように一心不乱に唇に吸いついてくるこの巨漢の男を可愛
がってやりたいと思えた。しかしそれと同時に、意地の悪い嗜虐的な感情も湧き上がる。
副長は伍長のセーターの下から手を差し入れた。脇腹に触れると、酒のせいで体温の上がった皮
膚は熱く、しっとりと汗が滲んでいた。
「汗かいてるな。暑いんだろう。脱げ」
伍長の前髪を掻き上げながら少し唇を離して言った。
伍長は、言われたことを理解できないのか、不思議そうに副長の顔の上に視線を彷徨わせた。
(まるでバカを相手にしてる気分だな……)
愛情混じりの苦笑を顔に浮かべ、副長は自ら伍長のコートを脱がしにかかった。
伍長はとろんとした目で、脱がされて行く自分のコートを不思議そうな顔で見ている。だが抵抗
することはしなかった。袖から腕を引き抜かれ、ベッドの上に滑り落ちるコートをボーッと見てい
るだけだ。
次にセーターに手を掛けた時、しかし伍長がそこで初めて微かな抵抗を示した。
「やらぁ~……!」
セーターの裾をたくし上げて行く副長の手を、弱々しく手で押さえつけ、伍長は嫌々をするよう
にフラフラと顔を左右に振った。
「なんでだ。暑いんだろ?」
「はらかは……やれすぅ……」
「はらか……? ああ、裸か。どうして嫌なんだ」
「らって……俺、傷ららけらから……怖い、れすよ……?」
涙目で眉根を下げて見つめてくる伍長の言葉に、副長は思い出していた。
そう言えば資材課のパーティー会場に勝手に入って行った時も、こいつは周りから脱げ脱げとは
やし立てられていたのに、なかなか脱ごうとしなかったな、と。
副長はクスッと笑って、片手をセーターの裾から外すと、その手を伍長の顔に持って行く。人差
し指の腹で、伍長の顔の上を横断する大きなサンマ傷をツツっとなぞった。
「ひゃぅ…!」
傷をなぞられて感じたのか、伍長が小さく声を上げてピクンと肩を揺らした。
「やら……、くるぐっらいれす……ぅ、あ……っん」
目をギュッとつぶり、モジモジと首をよじる。
伍長が嫌がるのにも構わず、副長は何度も何度も傷の上で指を往復させた。顔に微笑が広がるの
を、自分でも抑え切れない。
「おい、よく見ろ」
「ふあ……?」
傷から指を離して副長が言うと、伍長は涙目で副長の顔を見上げた。
副長は自分の右頬の上に走る傷痕を、自分の指で示してみせる。
「お前と同じだ。俺にだって傷痕がある。だから恥ずかしがることなんてないんだ」
果たして伍長がその言葉を理解したかどうか、副長には分からなかった。
しかしもう一度セーターの裾をたくし上げた時、伍長はやはり恥ずかしそうに身をよじりはした
が、先ほどのように抵抗することはなかった。
セーターを頭から引っこ抜き、ズボンも下着も靴も脱がせ、全裸にした。
なるほど、確かに傷だらけだ。大小さまざまな縫い傷、切り傷、火傷の痕がある。
これだけの巨体に傷だらけの体なのに、やはりこの男は人に威圧感を抱かせるより、逆に抱きし
めたいという気分にさせられてしまうことを、副長はしみじみと感じていた。
薄明かりに照らされた伍長の肉体をしげしげと眺めていると、伍長がモジモジとし出した。じっ
と見られていることに耐えられなかったのか、傷だらけの体を副長の目から隠すように片腕を使っ
て自分で自分の腕を抱きしめる。そしてもう片方の手は股間を覆い隠した。
「恥ずかしいか?」
副長は囁き、伍長の頬に触れた。
「……服、着れ…いいれすか……?」
涙目ですんすんと鼻を鳴らして、寒さに震える子犬のように小刻みに体を震わせる伍長。
「ダメだ」
「ひゃっ!?」
言うなり副長は伍長をベッドの上に押し倒した。
さっきは伍長にされるがままを許していた副長だったが、今度は自分のほうから伍長の唇に
むしゃぶりついた。
「うッん…! んんっ……、ふぅ…んッ!」
下唇に軽く歯を立てて微かな痛みを与える。「あっ」と痛みに声を上げた伍長の口の中に舌を潜
り込ませる。舌を舌で絡めとると思いっきりそれを吸い上げ、同時に軽く噛みついた。
「やぁッ……あ……! ふ……ぐっ…、んんぅ…!」
副長の激し過ぎるキスに、もはや伍長はつばを飲むことすらままならない。
唇の触れ合う暖かさと同時に軽い痛みを与えられ、伍長は脅えたように泣き出した。
「やら……、やらぁ……!」
「何が嫌なんだ? ちゅう好きなんだろう?」
「こんらろ……ちゅうじゃ……ないれす……ぅっ…!」
「そうだな。お前が言ってるようなちゅうじゃないかもな。だけど、好きだろ? このちゅうも」
嫌々と顔を振って逃れようとする伍長の頭をがっちりと押さえ込み、副長はわざと彼を追いつめ
るように快楽と痛みを同時に伴う口づけを伍長に与えて行く。
副長は知っていた。今までの経験上、自分が嗜虐心をそそられた相手は、少なからず痛みを与え
てやったほうが、より一層燃えるということを。
案の定、伍長は涙を流してかすかに震えながらも、すがりつくように副長の首に腕をまわして抱
きついてきた。さっきまでは顔を背けようとしていたくせに、今では無我夢中で副長の乱暴な口づ
けに応えるように、唇に吸いついてくる。
副長は伍長の唇を貪り、時おり軽く歯を立てて、伍長が泣きそうな声でうめくのを聴きながら、
自分も服を脱ぎ出した。ズボンを少しずり下げた時、陰茎が勝手に飛び出してきた。それはドクド
クと脈打ち、はち切れんばかりに腫れ上がって天を向いてそそり立っていた。
(すげぇ……もうこんなになっちまってやがる)
自分の体の一部なのに、まるで別の生き物のような感じがした。
もう相手の反応なんかお構いなしに、今すぐにでもそれを突っ込みたい。そんな衝動に駆られる。
だがいかに副長がマイペースな性分だと言っても、さすがにそこまで身勝手には振る舞えなかっ
た。これは合意の上だが、合意ではない行為なのだ。騙してここへ連れ込んで、酒の力で意識不明
にした上で及ぶ、これは強姦だ。
だけど罪悪感があるわけではない。どうせやるのなら、相手も自分も気持ち良くなってナンボだ。
自分の身勝手で相手に本気で嫌がられたり泣かれたりすると、それはそれで寝覚めが悪い。
副長は伍長から唇をもぎ放した。
まだ口づけをねだるように顔を寄せてくる伍長を無視し、副長は伍長の首筋に吸いついた。思わ
ず夢中になってしまったあとで、そこに花びらのような淡い色の痣が浮かんでくるのを見て、
しまったと思った。
(やべ……キスマークつけちまった)
けれど、悩んだのは一瞬だった。
(まぁ、いいか。浮気のひとつやふたつぐらいで、こいつが“公認”解消したら、しょせん相手の
男とは、その程度の仲だったってだけだ)
あとは俺が面倒を見てやろう、と深く考えずに結論を出し、副長は思う様、伍長の肌にキスマー
クを刻み込んだ。発達した胸筋の弾力を手で楽しみながら、頂点の突起を口に含む。
「ひゃぁ…ん!」
伍長がビクリと腰を浮かせ、可愛い声を上げた。
(たまらんな。なんでこんなにゴツいのに、こんなに可愛いんだか……)
次第に自分のほうも段々と熱に浮かされたようになってくる。
小さな突起を舌で嬲ると、それはすぐに硬く勃ってきた。ころころと舌の上で転がし、全体を強
く吸い上げる。ちゅうちゅうと音を立てて吸ってやると、伍長はぶるぶると体を震わせた。
「はぅ…っ、んっあ……、やぁ……、吸っちゃ…らめぇ……」
「吸ったらダメなのか? 気持ちいいんだろ? じゃあ、これならどうだ」
副長はニヤニヤ笑いながら、胸の弾力を楽しんでいたもう片方の手で、そこの突起をつまんだ。
指の腹で擦ると、それはすぐにもう一方のように硬くしこった。爪で軽く引っ掻きながら弾くと、
それに合わせて伍長の体がピクピク反応する。
「ふぁっ…、やぁん、それ…も、らめぇ……」
「これと吸うのと、どっちがいい?」
言いながら人差し指と親指の腹の間で、硬くしこった乳首をすり潰すように捏ねる。そしてもう
片方の乳首には再び吸いつき、軽く歯の間で挟み込んで引っ張ると先端を舌先で転がした。
「ふはッ…! あ……、やぁっ…ん! らめ……、ろっちも……らめぇぇ♥」
伍長のあまりにも可愛い反応に、副長は高鳴る鼓動を抑えることができなかった。
シラフでの反応も味わってみたくなった。しかしそれは今の所は無理だろう。正気に返った途端、
ぶっ飛ばされるのがオチだ。
それをちょっとだけ残念に思いながら、副長はいよいよ核心への愛撫を開始した。
乳首を嬲るのをやめ、引き締まった体のラインを手で楽しみながら中心へ向かって下ろして行く。
それだけでも感じるのか、伍長はぞくぞくと体を震わせていた。
やがて副長の指が伍長の黒々と茂る陰毛を絡めとった。
「ふぁ…っ?」
伍長の太腿がピクッと揺れた。
恥骨のあたりを揉み、フサフサした陰毛の感触を楽しみながら指に絡ませる。
「や……、あっ…あふ……っ、ん…!」
「他はほとんど生えてないのに、ここだけは濃いんだなぁ。エロい体だぜ」
ククッと含み笑いながら、少しだけクイクイと陰毛を引っ張ると、伍長は涙目でブルブル震えた。
「やっ…! あ…、引っぱっちゃ…やぁ……」
少しだけ意地悪しながらも、副長は茂みのさらに下の部分に触れた。
(デカいな……。でもまぁ、体に見合った大きさってことか……)
冷静に分析しながら、伍長の陰茎を手ですくいあげた。まだ完全に勃っていなかったが、少しだ
け頭をもたげ、硬さもわずかだけあった。
(これだけ酔ってりゃ完全に勃起は無理か。まぁいい、ここを使うわけじゃないしな)
そんなことを思いながら、伍長の陰茎を手で包み込んで上下にしごく。
伍長がビクンと腰を浮かせた。
「ひゃ、あ! そこは……らめれす……! らめ……」
副長は体を起こし、伍長のそれをしごきながらも体を横に移動させる。伍長の背中に片方の手を
当て、胸から上を無理やり起こすと、自分の胸に体を預けさせた。
「やぁっ…、らめぇ……!」
副長という障害物がなくなり、伍長には自分の股間が男にしごかれている様がよく見えるように
なった。顔をまっ赤にして涙目になりながら手を伸ばし、副長の手を止めようとする。
「大人しくしてろ」
「いたぁ……ッ!」
しかし副長が耳たぶに軽く歯を立てたとき、伍長の手は副長のそれに重ねられたまま止まった。
「やら……らめ…れすっ……、はぁっ、はっ…、らめ……、あ…っあ……」
「気持ちいいだろ? 俺の手の中で、お前のがどんどん硬くなっていくのが分かるぞ」
耳の中に熱い息を吹き込みながら囁くと、伍長のものがさらに硬さを増した。
「ふ…ひっ、や……あぁぁ……っ、エッチぃ……」
「くっ……くくっ、どっちがエッチなんだ、ん? 濡れてきたぞ」
先から滲み出す透明な液を親指ですくいとり、敏感な亀頭の先をくじるように動かす。
「んぃ…っ、あ、らめ……れす…! れちゃう……っ、やらぁ……!」
先からどんどん液が溢れ出すにつれ、伍長の腰が勝手に動き出した。副長の手の動きに合わせて、
自らも腰を突き上げる。
「エッチなやつだな、自分から腰を振ってるじゃないか。ほぉら、もうグチョグチョだ……」
「やあっ…! ら…め……! やら、やらぁ……! あっ、あ……!」
伍長が涙をボロボロ零しながら、副長の腕をギュッとつかんだ。
「やめ…っあ……、れちゃう……っんん! もぉ…らめぇ……――っあ、あっあぁ、んっ!」
「おっと」
伍長の絶頂を読み取った副長が慌てて手で蓋をしたが間に合わず、ビュルッと勢いよく飛び出し
た精液の大部分を、伍長は自らの顔にかけることになった。
「ぷあっ…! あ…! ふくっ…! んんっ……」
ビクビクと体を痙攣させ、何度か射精を繰り返したのち、伍長はぐったりと全身の力を抜いた。
「ははっ、自分で自分にガンシャしちまったな」
堪え切れぬ暖かいものが胸に込み上げ、満面の笑みで伍長の顔を覗き込む。
伍長は未だ射精の余韻に浸って荒い息をつきながら、顔中精液にまみれて目をとろんとさせてい
た。あどけないくせに妙に扇情的なその顔に、副長がごくりと喉を鳴らした時だった。
「ふ……、ふえ……、ふええぇぇぇ~ん」
伍長が汁まみれの顔でいきなり子供のように泣き出した。
これには副長もギョッとした。
「おい、何を泣いてるんだ」
「えっえぅ…、ふえぇっ……、ら……らしちゃっら……、うえっ…うええぇぇ~ん」
おそらく部下たちがこの光景を見たら、きっと目を丸くするどころの騒ぎではないかもしれない。
副長はそれほどうろたえ、オロオロしていた。
「そりゃ気持ちいいなら出るのが当たり前だろう。な、泣くな、おい……」
「えぐっ…、…めんらさ……うえっぐ、ごめんらさい~……ふえっく、えっえ……」
伍長は涙と精液でぐちゃぐちゃになった顔を、拳で拭いながら泣きじゃくった。
その言葉に、副長は伍長が誰に対して謝っているのか分かった気がした。
(まぁ……最初から合意じゃなかったんだから、そりゃそうだがな……)
分かっていたことだし、期待すらしていなかったことなのに、なぜか今は伍長が他の男を想って
泣く姿に少しだけ胸に痛みを感じた。
(バカバカしい……)
自身に対して苦笑しながら、副長は泣きじゃくる伍長の首の後ろに舌を這わせた。耳たぶを口に
含み、そうしながら弾力のある大きな胸を揉みしだく。指先で両の乳首をつまむと、伍長がしゃく
り上げながらもピクンと体を震わせ、吐息を漏らし始めた。
「ひっく……、んぅ、…っく、はぁっ…ん……」
「忘れちまえ。今はな……」
囁きながら、片手で伍長の腹の上を汚している精液を掻き集めると、指を摺り合わせて自らの指
にそれを塗りつけた。
伍長の背中を押すようにして、うつ伏せにベッドに倒す。
伍長はこれから何をされるのか分かっていないのか、片方の頬を枕に押しつけ、とろんとした目
で宙を見つめていた。時おり、グスグスと鼻をすすりながら。
副長は伍長の太腿のあたりに跪き、肉付きのいい尻たぶに手を這わせた。
「おい、腰を上げろ」
副長の言葉に、しかし伍長は涙に濡れた眠そうな顔でぼんやりと応える。
「もぉ……帰ららくちゃ……、帰り…ます……」
その瞬間、副長の中に少しだけ苛立ちが弾けた。
ピシャッ!
部屋の中に鋭い音が響いた。
「あうッ!」
伍長がビクンと肩を竦ませ、反射的に腰を引いた。
陽に灼けていない伍長の白い尻に、赤い手型がうっすらと浮かぶのを見て、副長はその時初めて、
自分が伍長の尻を思いっきり引っ叩いたのだと気づいた。
(しまった……つい……)
伍長が驚愕に目を見開き、肩越しに副長を振り返った。
だがその怯えきった顔を見た瞬間、副長の中に明確な嗜虐心が湧き上がった。
「尻を上げろ」
言うが早いか、副長はもう一度伍長の尻を力加減なしで引っ叩いた。
「ひッぐ…!」
伍長が枕を抱きしめ、それに顔を埋めた。悲鳴がくぐもる。
それでも一向に言う通りにしようとしない伍長の尻に、副長はさっきと同じ場所にもう一度、手
を当てた。『言う通りにしないと、またぶつぞ』と、そう脅しを込めて。
その瞬間、伍長がビクッと全身を揺らした。
「や……やらぁ……」
涙をボロボロ零しながらガクガク震え、伍長はゆっくりと腰を高く持ち上げた。
張りのあるプリンとした双丘に手を添えて、そこを割り開いてく。副長の目の前に、怯えてヒク
つく蕾が晒された。
(使い込んでるわりには、きれいだな)
そう思ったら、なんの躊躇もなくそこに舌を這わせた。
「やらぁ…!」
伍長がビクンと体を揺らし、反射的に尻を締めようとした。
しかしすかさず、今度は双丘に添えた両手で同時にピシャッと叩いた。
「いらぁ……ぃっ!」
「締めるな。力を抜け」
「う…ひっく……、え…っえ……、いらいの……やらぁ……」
「嫌ならお利口にするんだな」
副長が冷たく言い放つと、伍長はすすり泣きながらも素直に下半身の力を抜いた。
舌先でつつくように蕾を刺激する。唾液をたっぷり塗りつける。指でグイと襞を引っ張ると、少
しだけ口を開けたそこに、たっぷり唾液を乗せた舌を押し込んだ。
「ひゃぅ…! あ……ぁあ、はぁっ……ん」
伍長が蕾をヒクつかせながら、嫌々をするように枕に顔をこすりつけている。
副長はたっぷり唾液を流し込んだ後、舌を引き抜いた。そして先ほど伍長の精液を塗りつけたぬ
るつく指を蕾の中に潜り込ませた。
「はあぁぁっん……!」
伍長が背中をしならせ、切なげな声を放った。
一気に根元まで挿し入れた指で、掻き回すように中を探る。指の腹にコリコリとした硬いものが
当たった。
その瞬間、伍長がビクンと全身を揺らした。
「あっあぅ! いやぁ……そこ、らめぇ……!」
「ここか」
副長は唇の端でニヤリと笑い、さらにそこを責め立てる。
「はぅ……っ! あ! あっあ……! らめ……、らめぇぇぇ」
中が濡れているのが分かった。指を抜き差しするごとに、グチュグチュと濡れた水音が大きく
なっていく。
顔をまっ赤にして善がり泣き出した伍長の尻を、副長はもう片方の空いた手で軽くぶった。
ピシャッ! という鋭い音が水音を掻き消し、伍長が「ひっん!」と悲鳴を上げた。
「ダメじゃないだろ」
「は……く……」
尻の穴を指でくじられながら、伍長は涙に潤んだ朦朧とした瞳で宙を見ている。
もう一度、ピシャッと叩いた。伍長がビクッと震える。
すでに何発ぶったか分からない伍長の尻は、副長の手型が幾重にも重なり、真っ赤になっていた。
それでも副長は構わず、もう一発尻を叩いた。
前立腺を責められる快楽と、尻をぶたれる苦痛でついにわけが分からなくなったのか、伍長は
ヒックヒックとしゃくり上げ始めた。
「や……ら、ひっく、いらく……しないれ……、えっく……うっ、えっえ……」
「お利口さんにしろと言っただろう」
言って、副長は指を二本に増やし、さらに前立腺を責め立てた。
伍長の腰が勝手にガクガクと前後に揺れ出した。
「あふぅッ…! あっあ…ん! あぁーーッ……!」
「気持ちいいか」
「き……、あっぁ……きもち……いい、れす……っん! あっあ…!」
「すごいなお前。腰が止まらねぇじゃねぇか」
「ふっぐ…! きもち……いいッ……! あぁっ、いいれす……! きもちいいれすぅ…!」
足の間にぶら下がる伍長の陰茎に目を向ければ、それは完全に勃ちあがっていた。副長が尻を突
くごとに伍長が腰を揺らし、そのリズムに合わせて陰茎が淫らに揺れる。その先端からはとめどな
く先走りの液を零し、それは糸を引いてシーツの上に落ちていた。
「前からも汁を滴らせて……お前はいやらしいな、オッパイ」
「うっぅぅん…! は、はひ…っ、おれ……いやらしいれす……、あっひ、いいいぃぃ……!」
「尻の穴でこんなに感じて。お前のここはなんだ? 尻の穴じゃないだろう。オマ×コだな」
「んっ…い……、ち、ちらい……ます……、ふあっ…! そんなんら…ないもん……っ」
また反抗を見せたので、副長は容赦なく尻をぶつ。
「あうぅッ!」
「違うか? ん? ここはオマ×コじゃないのか? こんなに濡れて、指だけじゃ物足りなさそう
にヒクヒクしてる、いやらしい穴がただの尻の穴か? 言ってみろ」
副長の言葉責めに伍長は顔を真っ赤にし、涙をボロボロ零しながら枕に顔を押しつけ、嫌々をす
る。しかしもう一度副長が尻に手を当てると、苦痛を怖れているのか、伍長はあっさり音を上げた。
「オ……オマ×コれす……っ、ひっく、そろ……いやらしい穴は……ひっく、オマ×コれすっ」
「よし、良い子だな……」
副長は自分の調教の成果にほくそ笑んだ。伍長のしなる背中を優しく撫でると、伍長がぞくぞく
と背筋を震わせて、切なげに泣いた。
「はふ…っ、ぁ…おれ……もぉ……、あっ……あ」
「指だけじゃ物足りないんだろう」
「は…はひ……」
虚ろな目で副長を見て、伍長は口から涎を零して懇願した。
「い……挿れれ……くらさい……」
「何をだ? どこに何を挿れて欲しいか、はっきり言わんと分からんぞ」
「……ぁ、おれの……いやらしい…オマ×コに……挿れれ…くらさいっ……」
「何を挿れるのかはっきり言え」
「熱くれ…硬いの……おチ×チン…、おれの、いやらしいオマ×コに、挿れれぇ……っ」
もはや理性など失い、性の快楽だけを追い求めるメスのケダモノに成り果てたように、伍長は口
の端から涎をこぼし、自ら腰を揺らしながらねだった。
副長はニヤリと笑い、蕾から指を引き抜いた。
そして今にもはち切れんばかりに硬くそそり立った自分の陰茎を、そこに押し当てる。
「はぅ……、っん……」
与えられる快楽を期待してか、伍長がそれだけでもたまらない様子で背中を震わせた。
「行くぞ……」
副長は言うなり、一気に根元までそこを挿し貫いた。
「ひああぁぁぁッ…!」
貫かれる快感に、伍長が背中をしならせて悲鳴を上げた。
「くッ……すごいな……」
熱く絡みついてくる内部の感触に、すぐにでも果てそうになる己を必死で叱咤し、副長は欲望の
ままに腰を叩きつけた。女相手では壊しそうで出来ないが、この男なら少々の無理を強いても壊れ
ることはない。そう思える安心感が、彼をより激しく駆り立てて行くのだ。
「あうぅッ! あーッ! あぁーッ! らめぇ……よすぎるぅ…! オマ×コ…いいぃッ!」
「エロイ奴だなぁ」
淫らな言葉を臆面もなく喚きながら善がり泣く伍長に、副長は悦びを抑え切れなかった。
容赦なく腰を突き入れてやれば、伍長の限界はすぐに訪れた。
「いいッ! あっあん、いいぃ! いっちゃう……いっちゃう…! あ、イク…イ……――!」
伍長が息を詰まらせた刹那、全身を激しく痙攣させ、シーツの上に精を放った。
シーツに押しつけるようになっていた先端から、ドプドプと大量の白い液が吐き出された。
余韻に体を震わせる伍長のそこから陰茎を引き抜き、副長は伍長を仰向けに押し倒した。
「ふあ……?」
朦朧とした顔で見上げてくる伍長の太腿の裏に手を当て、副長はそれを高く押し上げた。
「まだ終わってないぞ」
ニヤリと笑いながら、イッたばかりで敏感になっている伍長のそこを乱暴に挿し貫いた。
「ふあああぁぁぁぁぁッ!」
伍長がカッと目を見開き、背筋をしならせ、悲鳴を上げた。
「いやぁぁぁ…! 待っれ…待っれぇッ…! あっあぁん! らめ……らめぇぇ!」
伍長が悶え苦しむのにも構わなかった。副長はむしろ、苦痛と快楽の狭間で歪む表情を愉しんだ。
「おねが……ッ、待っ……! ひぅっ、いぁ……、ひぃっ! ま…まら……いっちゃ……うッ!」
再び絶頂に身を震わせる伍長。吐き出される精液は勢いを失い、ドロドロと流れ落ちていた。
絶頂の余韻にたゆたう暇も与えず、副長は腰の動きを止めなかった。
「ひっあ! らめ…! し……死ぬ……! 死ぬぅ……! らめぇぇ……!」
今まで抱いた女も同じようなことを言ったな、と副長は快楽に冒された頭でぼんやり思い出して
いた。だが、言われても『ああ、悦んでいるんだな』と言う判断基準にしかならなかった。
だが、どうして、この男が言うとこれほどまでに自分の熱を煽られるのだろう。
(まずいな……)
遠くで副長の理性が呟いた時、それほど間を置かず、伍長はまた達していた。
副長に貫かれながら精を吐き出し、吐き出しながらまた達した。
「すごいなお前。イキっぱなしじゃないか。女より敏感なんじゃないか?」
「はひ…! ひっ…! ぁ……も……、許し……! 止まんらいよぉぉ……ッ」
汗と涙と涎で顔をグチャグチャにして泣きじゃくり、伍長は副長にしがみついてくる。
このまま何度でもイかせてやりたい気分だったが、これ以上やると拷問になるかもしれない。
そう思った副長は、ここで自分も一回イッて、インターバルを挟むことに決めた。
「よし……中に出すからな」
「んんッ…! ふひッ…、ふッ…! やぁッ……! な、なか……らめぇ……」
無意識なのかそれともここに来てもまだなお恋人への操を立てているのか。伍長は呼吸困難にな
りながらも必死で嫌々をする。
しかし、副長はそんなものに耳を貸す気は毛頭なかった。
フィニッシュに向かい腰の動きを早める。腰で跳ね回る快感に意識を集中する。
「くッ……」
「やら…! はっ、はぁッ! なか……、やらぁぁぁ……!」
「だ……出すぞ……」
「いやッ…! いやあぁぁぁ………ッ!」
副長が伍長の前立腺を突いた瞬間、伍長はまた達し、それと同時に副長も伍長の中に熱い飛沫を
解き放った。
*
隣で何かが動く気配に、副長は目を覚ました。
カーテンもない安ホテルの窓から差し込む朝の光が、開いた目を刺した。
その光を背に受けて、逆光になっている大男のシルエットが自分を見下ろしていた。
一瞬、誰だっけ? と思ったが、副長はすぐにこの男が何者で、どうして自分がこの男とベッド
に入っているのか、すぐに思い出した。
ふわぁぁ~……と、大きなあくびをして伸びをする。昨夜張り切り過ぎた後遺症が残る重い体を
のろのろと起こし、副長は伍長のほうを見て言った。
「よう、オッパイ」
伍長は顔面蒼白だった。零れ落ちそうなほど目を見開き、唇をわなわなと震わせていた。
(なんだ、もう酔いが醒めちまったか……。まぁあれだけ出しゃアルコールも抜けるわな)
ちょっと残念に思いながら、時計を確認しようとしたが、このホテルには時計などないし、自分
の時計もどこに行ったのか分からない。
「あれ……、今何時だ?」
「ど……どういうことですか……っ」
すっかり青臭くなったシーツをパタパタめくっていると、伍長が震える声を必死で絞り出すよう
に、反対に訊いてきた。
「……時計がどっかいっちまってなぁ。お前、時計持ってるか、オッパイ」
副長もわざと質問をはぐらかした。
伍長は裸身を隠すように、胸までシーツを引き上げていた。副長が刻んだキスマークが散る胸の
ところで、シーツを掴んだその拳がブルブル震えていた。
「どうして……っ、こんな……」
副長は溜息を吐きながら、ボリボリと頭を掻いた。
「どうしてって……。まぁ、昨夜はお互い充分に楽しんだんだから、いいだろ」
その瞬間、伍長の顔が怒りに歪んだ。歯を食いしばり、拳にした右腕を引いた。
やっぱ殴られるわなぁ――そんな風に呑気に副長は思った。やってくる衝撃に備え、目をつぶっ
て歯を食いしばる。
この巨漢に殴られれば、いかに鍛えている自分でも頬骨ぐらいは折れるかもしれない。何日入院
すれば済むだろう。こいつに殴られたというのは黙っておくとして、とりあえず隊長や部下になん
て言い訳をしようか。暴漢に不意打ちを食らったとかで、奴らは納得するだろうか。
まるで他人事のように考えていたが、覚悟を決めても一向に衝撃は襲って来なかった。
片方だけ目を開けて見ると、伍長が震えながら拳を下ろしたのが見えた。
「……っく、う……、ど……どうしよう……」
ボロボロと大粒の涙を零し、伍長は項垂れて泣き始めた。
てっきり殴られるかと思っていた副長は、思ってもいなかった展開に少し唖然とし、同時にキュ
ンとしてしまう。
伍長は背中を丸めて片手でシーツを握りしめ、もう片方の手で口を押さえてすすり泣いた。
「俺……オレルドさんを裏切ったんだ……、ひっく、う……最低だ……俺……どうしよう……っ」
こういう場合、なんと言って慰めてやっていいのか、副長には分からなかった。少なくとも今ま
で関係を持ってきた女たちは、全員合意の上だったのだ。朝起きると朝食の支度をしてこそすれ、
こんな風に自分の過ちに泣き崩れる者などいなかったのだから。
しかし、ぐでんぐでんに酔っぱらった上での行為が、過ちと言えるならばだが。しかもそう仕向
けたのは、誰でもない副長自身なのだから。
「まぁ泣くな。浮気のひとつやふたつで……」
ダメになるような男なら、反対にふっちまえ――そんな慰めになるかどうか分からない言葉をか
け、肩に手を置こうとした時、伍長がその手を振り払った。
「触らないで下さいッ!」
泣きながら責めるように副長を睨みつけ、伍長はベッドから降りた。
しかし昨夜のことは酔いが醒めた今は覚えていなくても、体のほうはちゃんと記憶していた。伍
長は絨毯の上に降り立った途端、ヘナヘナとその場に腰を抜かしていた。
「へ……?」
自分でも呆然とする伍長。
「無理をするな。あれだけ張り切ったんだから、足腰立たなくて当然だ。少し休んでけ」
そう言った瞬間、伍長は耳まで顔をまっ赤にした。かと思った刹那、やはりこの男と関係を持っ
てしまった真実を目の当たりにした気がしたのか、見る見るうちに顔が青ざめて行った。
「ほら、ベッドに戻れ。もう何もせんから。床に座ったままじゃ腰を冷やすぞ」
副長が伍長の腕を掴もうとすると、伍長がまたしてもその手を叩き落とした。
そして今度は無言で周りに散らばっている自分の服や荷物を掻き集め、伍長はふらつきながらも
立ち上がった。
(そんなに俺が嫌なのか……)
副長がちょっと寂しい気持ちになった時、伍長は涙目でギロッと副長を睨みつけた。
(こういう場合、なんて言うのかな……。怒った顔も可愛いなぁ……かな)
呑気にそんなことを思う副長に向かって、伍長は震える声で言い放った。
「こんなこと……これっきりです! もう二度と、俺の前に顔出さないで下さい!」
伍長は荷物を抱え、壁に寄りかかるようにして歩いて行くと、全裸のままで部屋を出て行った。
一人置き去りにされた安ホテルのベッドの上で、副長は溜息を吐きながら、体を横たえた。
薄汚れた天井を見るともなしに見つめながら、
「本気になっちまったかなぁ……」
副長はポツリと、そう呟いた――。
【終】
145 :
男体の人:2006/12/18(月) 01:51:49 ID:???
実は伍長に、オマ×コと言わせたかっただけなんですw
あと、お尻ペンペンをやりたかったww
書いてるほうは楽しかったですが、
はて、皆さまはどうでしょう?(;^^)
うわw寝る前に読んじゃった…寝らんないってば!
副長格好いいなー、ほんと男体の人、罪な方だわv
ってこれ、続いたらオレ伍のド修羅場だー(冷汗)
GJ!
副長の言葉攻めエロス!
夜にこんなの読んだ日にゃ・・・・
エロース!(*´∀`)b
GJ!ハードな展開が鼻血モンですよ。
オロオロする副長カワユス!
続きが激しく気になる…けど…キツそーw
オマ×コいう伍長にマジ勃った。エロ杉GJ!!!!1
ふだんはおいおいと思う「らめぇ」と「オマ×コ」ですが
どうしてこう、伍長がいうとこんなに萌えるんだwwww
そして副長テラエロス!
副長GJ…スパンキング萌えた。伍長のデカ尻叩いて泣かせたい
デカ尻
デカパイ
デカ×ラ
全てにおいてデカい伍長
けしからんデカ肉体だ!!!!GJ!!111
こういうSMっぽいエロシーンて大好きだ。
副長のさらなる活躍に期待する。
あひーっ!男体さんGJ!
副長もGJ!オレルドは優しい感じだから
こういう言葉責めとかスパンキングはしなそうだし、副長はいい人選だー。
続きまたお待ちしてます!
156 :
男体の人:2006/12/19(火) 01:15:23 ID:???
皆さん感想ありがとうございます…!
なんか続きを期待されてしまっているようですが
後のことは、な……何も考えてません……w
勢いだけで書くもんじゃないですねw
続編書いたとしても、すごい泥沼にしかならんような気がしますが…。
ハッピーエンドに繋がるネタが浮かんだら、また書いてみますね。
でもあんまり期待しないで下さいませ…(;^^)
>156
凹む伍長を見てられなくなった副長がワル役に徹して敢えて全部の泥をかぶる
or
マーチスママンを筆頭に3課の面々が必死でアレコレ
etcetc
円満解決をマターリお待ちしてまつ。
じゃなけりゃ伍長がキングカワイソス(ノД`)
>>156 泥沼の愛憎激やスペシャルスゥィートなストーリー何でも恋!
159 :
焦らしの人:2006/12/19(火) 21:53:13 ID:???
このスレの神々に今日も感謝を捧げます(-人-)
焦らしの人、萌えの視覚化最高っ(*´∀`)b
ちょ…!!
これはヤバイ…!焦らしの人超GJ!
ココは神ばかりですか…!
GJ!GJ
伍長もヤバイが副長の乳首もヤバイ。どうしよう。
>159
焦らしの人ありがとー!!!
心からさげぶよ!
超GJ!なにこの空間すごすぎる!
まさか二次元で
副長と伍長の絡みが見られる日がくるとは・・・
焦らしの人GJ!
166 :
男体の人:2006/12/19(火) 23:37:39 ID:???
>>157 ネタありが㌧!w
お陰さまで続編のネタが浮かんできました。
なるべく早くお届けできるようにがんがりまつ。
でもgdgdになるようなら、副長×伍長のこの話は
ひとつ、続編もろとも無かったことにwww
>>焦らしの人
いつもいつもありがとう!
伍長が「オマ×コいい~!」って言ってる場面ですね?w
これヤバいっすよ!GJ過ぎる!伍長カワユス!副長テラカコヨス!(;´Д`)ハァハァ
おかげでオレ伍とは別次元で、ラブラブやってる
幸せな副長×伍長を書いてみたくなったYO!!w
焦らしの人も超GJ!
このスレは良い神がたくさんいて嬉しい。そしてありがたい
焦らし人の絵見て
副.。oO(ッ…!流石にキツいな…)
副「…動くぞ」
伍「…ひ…っ!!あ…ぁ…!やめ…ふと…くっぁ…!!」
っていうのが脳内自動再生された
そして男体さんのSSの絵だと気づいてまた萌えた。
どうでもいいけどエロってどう書くんですか_| ̄|○
真夜中に投下失礼します。
>>76です。
鬼畜もの書いた反動か、無性に甘々なのが書きたくなって勢いで
仕上げたお話。
読みやすいよう色々書き方変えてみました。
前提
オレルド(ノンケ)×伍長です。
甘々だけどせつない話。
エロは無し。
サブ扱いですがオリキャラが混じってます。
伍長が幸せじゃなきゃ嫌だという人はご注意を。
あいつはとても目立つ。
背も高いし、動きもトロいからどこへ行こうが大体すぐに見つかる。
ついつい昔の悪い癖か、要領の悪いこいつを見ていると手助けしたくなっちまう。
ぐずぐずすんなよ。
まだそんなことしてたのか。
さっさと片付けちまうぞ。
あいつのためにならないとわかっていても、どうしてもほっとけない。
俺もずいぶん甘くなっちまったもんだ。
あの人はとても目立つ。
良い意味でも、悪い意味でも。
ついつい行動が気になって、あの人を目で追うときが多い。
わかりました。
すいません。
ありがとうございます。
お世話ばかりをかけている俺をあの人は叱ってくれる、励ましてくれる。
それは三課のみんなも同じだけれど・・・。
部署の外にまで聞こえる少尉の厳しい叱咤が飛んだ朝。
それはオレルドの遅刻が原因だと誰もが知っている。
暴れる少尉をなだめようと必死にマーチスが体を張るが、怒られている当の本人
は頭を垂れながらも見えないところで舌を出している。
長年怒り続けている少尉には形だけの反省だとバレているものだから、益々タ
チが悪い。
更に遅刻が少ない伍長まで、今日はまだ来ていないというのだから怒りが収
まるわけがない。
ついに少尉の堪忍袋の尾が切れた。
「もう我慢ならん!貴様は懲罰房に行ってもらう!」
その命令に流石のオレルドも冷や汗が流れた。
「や、やだなぁ。懲罰受けるほどのことなんてしてないじゃないですかぁ」
助けを求めるようにマーチスやステッキンを見るが、二人は巻き添えになりたくないの
か目線を逸らす。
「遅刻はする、反省も無い、上官の命令も聞かない、懲罰行きには十分な理
由だ」
嬉しそうな顔をしながら少尉はオレルドを脅す。
いや、脅しではなくこれは本気なのだろう。
「そんな理由でまかり通るんですか、大尉」
ステッキンが大尉のデスクにコーヒーを置きながら聞いてみると、大尉は読んでいた新聞
を一旦たたみ、愛用のキセルをふかしながら話した。
「人の税金で飯食ってんだ。上がきちっとしてないようじゃ、民衆も不信が
るだろうよ」
コーヒーをすすり、また新聞を読みふけるために背を向けられる。
後はてめぇでなんとかしろと言わんばかりの背中の向け方だった。
この部署で一番偉い上官にまで懲罰行きの烙印を押されてしまい、切羽詰っ
たオレルドはどう機嫌を直してもらおうか頭の中をフル回転させる。
が、焦りからか良い案は出ずに目が泳いでいるだけだった。
焦っているオレルドを見て少々気分が良くなったのか、少尉は剣を振りかざす。
「よし。今一度、我々のあるべき姿を唱えるべきだ。全員、復唱!」
「えっ、僕達も?」
気分が乗ってしまった少尉を誰も止められず、部下は渋々ながら整列する。
ここで復唱を上手く出来れば懲罰が免れるかもしれないと瞬時に希望を抱い
たオレルド以外は。
息を吸い込み、廊下に響き渡る声量で少尉が叫んだ。
「さん、はい、我々は!」
「遅刻しました!」
勢いよく部署の扉が開き、息を切らしながら伍長が駆け込んできた。
ランデルの声に驚いて少尉の言葉がつまる。
それにより、一部熱気に包まれた部署内は一気に静かになった。
またこのパターンかと、オレルドが微かな希望が閉ざされたことを嘆いて額に手を
当てる。
復唱の邪魔をされ、大人気ないとわかっていても少尉は拳がぶるぶると震え
た。
みんなの視線を浴びながら、状況が把握できていないランデルは不安げに少尉
を見る。
「あの・・・少尉・・・?」
「・・・お前も懲罰房で頭冷やしてこい!」
狭い個室には窓が無く、空気が入らないので気温が高い。
懲罰の仕事は主に内職、雑用を行う。
懲罰房にいる間は、軍服や常備身に着けておかなければならないものを全て
没収され、代わりにエプロンを支給されると、オレルドはこれから与えられる仕事が
わかったのか溜息をつく。
予想通り、野菜の皮を剥ぐ作業を命じられた二人は高く積まれた野菜箱に囲
まれながらただひたすら胡坐をかいて剥き始めた。
相手が居ないのをいいことに、ぶつくさと上官の文句を言いながらも皮を剥
くオレルドの手先は器用で、短時間でバケツいっぱいに野菜を入れていく。
懲罰に慣れている人間には朝飯前なのだろう。
対照的に大きい手なのが災いしてか、ランデルは皮を切ろうとしても身ごと切っ
てしまう失敗が続いてまったく仕事が進まない。
力の加減も難しいのか、手からすべって野菜が逃げたりすればわたわたと野
菜を追いかける。
わざわざ立ち上がり、転がった野菜を拾おうと屈んだらエプロンの裾を踏んづけ
てこけてしまった。
狭い部屋でこけられては、ヘタしたらこっちまで怪我をしてしまう。
それを見たオレルドの溜息は止まらない。
「解けてんじゃねぇか。ちょっとじっとしてろ」
ランデルの解けかけているエプロンの結び目をきつく結びなおすと、気合を入れるよ
うに背中を叩く。
「力任せに剥こうとしても無駄なんだよ。俺様の指をよく見てろ」
野菜を持ち直し、ランデルの見やすい位置に立つと解説付きでゆっくりと皮を剥く。
「包丁はあくまで添えるだけにしろ。野菜を動かして剥くんだ」
「こう・・・ですか?」
ボロボロと皮くずが落ちていくが、さっきよりは身が薄く剥げている。
「そうだ。やりゃあ出来るじゃねぇか」
褒められ、ランデルはへらっと笑う。
「・・・ほら、お前の分も少しは手伝ってやるよ」
その笑顔にオレルドはどうも弱かった。
自分よりも下の立場の人間には厳しく自分には甘くがモットーなのだが、ランデル
が相手だと調子が狂う。
無邪気というか、助けてやろうかと思わせてしまう保護動物的なオーラを出し
ている。
博愛主義なんて持ち合わせるつもりもないが、彼を見るとそう感じずにはい
られない。
指を切りながらも一生懸命に剥くランデル。
血でジャガイモは浅黒くなってしまっているが、それでも頑張る姿は見ていて
悪くない。
鼻歌交じりにオレルドも仕事を再開した。
ランデルは彼の手つきを見ながらも、彼自体に少し魅入ってしまっていた。
泥臭い自分とは違ういい匂いが鼻をかすめ、男らしい立ち姿で親身に教えて
くれる。
ぼーっと見ていると、視線に気づいたオレルドが顔を上げた。
「そんなにいい男か?」
「はい・・・あ!違・・・じゃなくて!・・・いえ、その、あの・・・」
「あははは、なに慌ててんだよ」
うっかり思ったことをそのまま発言してしまい、ランデルの顔が赤くなる。
男がこんなことを言われても嬉しくないだろうが、そんな伍長を可愛いと思
う。
「まぁいいけどな。・・・そういやお前、今日なんで遅刻したんだ?」
その言葉を聞くと急にランデルの顔色が変わり、手元が止まった。
あまりの表情に、まずいことでも聞いたのだろうかとオレルドの顔も固まる。
「・・・猫」
「は?」
忙しさのあまり忘れていたことを思い出したようで、ランデルは真っ青な顔にな
りながらオレルドに話し出した。
「朝起きたら一匹具合悪いやつがいて・・・そいつの面倒見てたら遅くなって
しまって・・・」
伍長が住んでる橋の下にいる猫たちのことか。
「今は近くにいる人達に預けてるんですけど・・・大丈夫かな・・・あいつ・・・」
「病院には連れていかなかったのか」
「・・・そんな時間もなかったので・・・」
平和になったとはいえ、まだ動物よりも人間様の命が大事にされてる現状だ。
獣医に頼んでもロクに薬はないだろうし、あっても金はバカ高い。
時間が無くてもこいつは動物を助けに病院へ連れて行きたかっただろうが、
俺が言うのも説得力が無いが軍人はそこまで甘くない。
悩んでたら結局時間だけが過ぎて遅刻したんだろう。
こいつらしいと言えばこいつらしい・・・いやいや、俺の悪い癖が疼く。
「・・・すいません。仕事、続けましょう」
気持ちを切り替えようとランデルは無理に微笑む。
それを見てオレルドは一寸考えると、あきらめ顔で溜息混じりに大声をだした。
「あー、しょーがねーな!・・・・・・見つかったら、お前が俺の分も叱られろよ?」
「・・・え?」
「ちょっとー、野菜いっぱいになったから新しいバケツ出してくれー」
部屋に置かれた呼び鈴を鳴らすと、新しいバケツを持った料理担当者が現れる。
「相変わらず綺麗だね、エアリア」
「油と調味料まみれの私に対する暴言かしら」
「どんな格好でも本物の美しさは曇らないってことさ」
やってきたのは食堂に勤務している女性だった。
彼女は扉の下にあるもう一つの小さな扉を開け、野菜入りのバケツを渡し始め
るようランデル達に支持をする。
持ってきた台車に全て積み終わり、彼女が扉を閉めようとするとオレルドはそ
の手を掴んで引き寄せた。
「君にお願いがあるんだ」
「無理よ」
既に何度か経験しているのか、あっさりと断られる。
「そんな冷たいこと言わないで。俺と君との仲じゃないか」
女性は少し頬を染めるが、表情を引き締めなおす。
「あなたと私の仲が同じな女性に頼みなさい」
「・・・どうしてもダメか?」
「ええ」
「そうか残念だな」
掴んでいた手を離し、寂しげな表情で女性と少し距離を置く。
「無理を言ってごめんな。君になら、許せると思ったんだ」
「えっ?」
「俺は意地っ張りだから、どうしても情けないところを見せたくなくて隠し
てきたけど、君になら本当の俺を見せてもいいと・・・」
目を伏せて彼女の視線を逸らす。
「こんな俺を見てがっかりしたろ?」
力の無い笑顔を見せると、彼女は少し眉をひそめながらも彼の魅力に惹かれて
しまったようで
「・・・これっきり、だからね」
そう言って、彼女のほうから身を寄せてきた。
オレルドは優しく手を両手で握り締め、顔をランデルのほうへ向けてニヤリと微笑む。
それを見ていたランデルはあんぐりと口を開けたまま呆けて立っていた。
台車を押しながら二人は女性担当者の指示の元、食堂の調理場へ向かう。
普通、懲罰房からは命じられた期間中はその場から出ることを禁じられてい
る。
彼らが懲罰房から一時的に出られたのは、女性の力では困難なほどの荷物の
量のために荷物運びをしてもらうという特別許可という名目だ。
勿論そんな特別許可など存在しないわけだが。
調理場へ荷物を置き終えれば懲罰房へ帰らなければならない。
その辺を脱獄魔である彼は熟知した上で荷物を全て置いた後、周りの目を盗
んで調理場の裏口からランデルの手を引いて抜け出した。
それからはただひたすら走り、軍施設から脱走。
動きの遅いランデルは、今までほど速く走れた記憶がないほど一心不乱に走った。
ただ、どうして脱獄しているのか意味もわからずに。
橋の下にいくと、猫達の歓迎が待ち受けていた。
飯を持ってきたのかと、何匹も体や顔にへばりついてくる。
「どこにいんだよ、その猫は」
その歓迎をオレルドは振り払い、猫を探す。
そこでやっとオレルドがここへ連れだしてくれた理由がわかり、自然に笑みが
こぼれた。
「なんだよ」
「あ、いえ。えっと・・・」
キョロキョロとランデルは辺りを見回すと、川で洗濯をしている浮浪者に声をかけた。
「おー、兄ちゃん。仕事はもう終わったのかい?」
「猫が、心配になって・・・」
「猫なぁ。ちょっとは体調良かったんだけどよぉ」
洗濯物を桶に入れ、話しながら浮浪者が階段を上る。
それに付いていくとドラムカンの暖炉を囲んでいる浮浪者達のところに着き、ラン
デルに気づいた一人が小さいダンボール箱を見せてきた。
中身は薄い布に包まっている猫がぐったりと横たわっている。
薬が無い代わりに暖めてやることしか出来なかった浮浪者たちは口々にランデ
ルに謝るが、とんでもないとランデルは首を振り、ありがとうございましたと言っ
てダンボールごと猫を受け取った。
朝よりも猫の具合は悪くなっているようで、苦しそうに呼吸をしている。
今すぐ病院へ連れて行きたいが、よく考えてみたら餌代にほとんどの給料を
使ってしまい、残金は微々たるくらいしか残っていない。
困った顔をしているランデルをよそに、オレルドはそのダンボール箱を持って歩き出
す。
「どこに行くんですか、准尉!」
「ヤブでも良けりゃ、紹介してやるよ」
街の中、特に裏路地はオレルドの庭みたいなものらしい。
狭い通路をいくつもくぐり、着いた先には赤さびたドアの前に立っていた。
呼び鈴も無く、ドアを何回か叩くが返事は無い。
オレルドはそれを気にせず、ドアを開けた。
日陰の建物に光はあるわけもなく、薄暗い部屋によどんだ光のランプが部屋
を照らしている。
「お・ね・ぇ・さ・ん、景気はどうだい?」
一つだけ置いてある机に座って煙草をふかしている女性にオレルドは声をかけた。
「解剖依頼?高くつくわよ」
「医者がそんなこと言うなよ」
席を立った女性がぼんやりとランデルの視界に入る。
その女性はお世辞でも「おねぇさん」と呼べそうな顔つきでもなく、医者の
イメージとはかけ離れた露出の高い格好の上に白衣を纏っていた。
「こいつ、助けて欲しいんだけど」
世間話の時間も惜しく、彼女へ猫を手渡す。
吸っていた煙草の煙を深く吐き出しながら、彼女は言った。
「動物を助けて欲しいなんてどういう心境の変化?」
「俺も人の子だってことだよ」
「へぇ。人の子ねぇ」
横目でオレルドの後ろに立っている男を見ると目線が合う。
大きな体の男は少し怯えた顔でこちらを見ていた。
その眼を見て女医は笑う。
「か弱い動物より人間ってことね」
「出来るのか出来ないのか、どっちだよ」
見透かしたような口ぶりをされ、オレルドの口調がイラッとなる。
「その前に前払いよ」
「わかってる。・・・デカブツ、ちょっと外出てろ」
「で、でも・・・」
「すぐ終わるから、待ってろ」
言われるがまま、ランデルは外へ出た。
壊れた低い塀の上に座り、高くそびえた建物と建物の間に切り取られたよう
な空を見上げながら、猫の心配ばかりが胸を痛める。
そしてその隙間からゆっくりと流れる雲を見ながら、またこうやってお世話
をかけているのが申し訳なく感じ、膝を抱えてオレルドのことも考えていた。
人の意見ばかり頼りにしない自分で考えて行動しろと前に叱られた経験を思
い出す。
彼が猫を助けようとしてくれたのも、猫を心配しつつ仕事もおろそかにして
いた優柔不断な自分にイライラしていたのかもしれない。
脱獄なんて大それたこと、いつもの自分ならば制止していただろう。
脱獄理由は橋の下まで来てから気づいたが、それでも気にも留めず走り続け
たのは、どこかで猫を助けに行きたい気持ちがあったからだ。
仕事だって大事なのに。
矛盾がぐるぐる回る。
理解できても、今すぐに変われるなんてできやしない。
「俺はまだまだ未熟なんだ」
自分で言って、小さく傷ついた。
ある程度の時間が過ぎたころ、医院から出てきたオレルドは悩みすぎて頭から
煙が出てもおかしくないランデルの猫背を膝で小突く。
「准尉・・・。・・・あ!ね、猫は、あいつは・・・!」
何をしに来ていたか現実に戻ったランデルはその場からすぐさま立ち上がる。
「しばらく入院させる。衰弱が激しいが、命は保障してやるから安心しろっ
てよ」
「本当ですか!?・・・よかったぁ・・・」
心のそこから安心しきった笑顔を見せられ、オレルドも自然に笑みが浮かぶ。
「よかったなぁ、デカブツ」
手を伸ばし、オレルドが髪をボサボサになるほど撫でまわすとランデルは急に顔を赤く
し、小声で「はい」と答えた。
「そうだ。お礼を・・・」
「いい、いい。俺のほうから言っといたし。今治療に集中してっから、邪魔
しちゃ悪いしな。したけりゃ猫が退院したときでも遅くはないだろ」
「支払いだって・・・」
「俺が立て替えといたから。有るときで良い」
「せめて挨拶を・・・」
「だから今度でいいっての。いくぞ」
感謝の気持ちを伝えられないのが残念だが有無を言わさずオレルドに腕を引っ張
られ、お別れの挨拶も出来ずに二人は裏路地から抜け出していった。
逃げ道を辿り戻って無事帰還すると、手助けしてくれている女性が仁王立ち
で待っていた。
どうやら自分達がいない間にいろいろと面倒なことがあったようだ。
新しい野菜の箱をランデルに持たせ、オレルドは台車を押して懲罰房へ帰る準備を
すると、再び彼女の支持によってなるべく人目につかないように気をつけながら懲罰房へ続く廊下を歩いた。
「おっと。そこにいるのはお気楽三課のオレルド准尉じゃないか」
やけに鼻につくような声。
今日は厄日か?
やってきたのはラーン率いる、一課の「ダブル・シヨーテル」の団体様。
一番会いたくないときに一番厄介な奴らに引き合わせられてしまい、オレルド
は何度目かの溜息をこぼす。
「軍服はどうした?仕事中は着用が義務づけられているはずだが・・・。・・・ふ
ふん、また懲罰房から抜け出したんだろ」
ラーンが嘲笑うと、つられて周りも小馬鹿にした表情で野次をいれる。
「三課はいいよなぁ。懲罰くらっても元々楽な仕事しかないから苦労しない
だろ」
挑発をされてオレルドは少し唇を噛み締めたが、うっすらと微笑みながらラーンの襟
を掴まえて引き寄せた。
それを見て周りが喧嘩の臨時体勢に入る。
「なんだ、暴力か?するならしろよ。脱走したお前らは懲罰どころで済まさ
れないぞ」
安い挑発に、オレルドは強気な声で相手を威嚇した。
「しらねぇようだから教えてやるが、前に食堂で暴れてから保安課からマーク
されてんだぜ、俺の課もお前んトコも」
「・・・なんだと?」
粋がっていた顔が急激に青ざめる。
「今度拘束されたら、シヨーテルでもせっかくゴマすって入った部署にいられなく
なっちまうぜ、ラーン殿」
人事ではなくなったことがよほど効いたのか、喧嘩をする気でいた一課全員の
腕は次々と下ろされていく。
しかし掴まれている腕を引き剥がしたラーンはふん、と鼻で笑った。
「育ちが悪いとロクな話も通じないようだ。お前みたいなゲスな暮らしをして
た奴は、そうやって雑用やってるのがお似合いなんだよ!」
罵らなければ気が済まなかったようだが、オレルドには負け犬の遠吠えにしか聞
こえない。
白けた顔をするオレルドを見て、ラーンは怒りに満ちた動きをしながら更に罵ろう
と叫ぶ。
「やっぱりお前はぶわぁっ!?・・・な、ななにすんだお前っ!!」
「・・・え?あっ!・・・すいません・・・」
突然、話の途中でラーンの頭上から固形物が降ってきた。
それはランデルが抱えていた箱の中身で、ばらばらとジャガイモの雨がラーンの体を
攻撃する。
あまりの痛さから、逃げるようにラーンはその場を離れると
「ふん。上官がロクでもないと部下も一緒だな!」
そう捨て台詞を残して一課はオレルド達から遠ざかって行った。
「ありがとな、デカブツ」
一課の逃げる姿を面白がりながら見ているオレルドが背を向けたままポツリと呟く。
「いえ・・・俺は、何も・・・」
無意識にやったことに感謝されてもお礼を言われる実感が無かったのか、ランデ
ルは素っ気ない返事しかできずに落としたジャガイモを拾いだした。
「ありがとうエアリア、感謝するよ」
「それならお礼が頂きたいものだわ」
「勿論さ。ここを出たら連絡する」
「必ずよ」
先に個室へ入るランデルの背後で二人はキスをして別れる。
手をひらひらと彼女に振り、オレルドは緩んだ顔で部屋へ戻った。
「さ、仕事だ仕事。オラ、手伝え」
しかし緩んだ顔はどこかへすぐさま消えた。
早く懲罰を終えたい気持ちが高まったのか、キビキビとした動きで仕事に取り
掛かる。
残りの仕事がしやすいように積まれている箱を上から順に下ろす作業をして
いると、オレルドの襟元から薄紅色の痕がついた首筋が視界に入った。
思わず見てはいけないものを見た気がしてランデルは視線をずらすが、その不
可解な動きをオレルドは見逃さなかった。
「ん?どうした?」
「なんでもありません」
真っ赤な顔で否定するランデルに、心当たりを見つけたのかオレルドは自分の首筋を
手で押さえた。
「いやらしい。どこ見てんだよ」
「いえ!あの・・・すいません・・・」
「バカ。謝らなくてもいいだろ、この場合」
軽く肩を叩かれ、ランデルの言葉はしどろもどろになる。
「それは・・・その・・・さっきの女性に・・・?」
一緒にいた自分が見てないところでしたのかと想像すると、耳まで赤くなって
いく。
「これ?これは医者の・・・あ、いや」
言いかけた言葉を塞いでオレルドがしまった!と顔を顰める。
もしかしてさっき行った医院の先生のことだろうか。
俺が待っている間、この人は先生と・・・その・・・。
湯気が出るほど赤くなるとランデルは座り込んで動かなくなった。
ウブな反応にオレルドまで顔を赤らめ、笑って誤魔化そうとする。
「その、なんだ。そういうので診てくれる医者もいるってことだよ、なぁ。うん、これもビジネスの一部だから仕方ないっつーか・・・」
誤魔化しきれてない発言にランデルの真っ赤にしていた顔が一転、沈んだ表情に
早変わりした。
なんだ、急に今度は。
「好きじゃないのに・・・できるんですか?」
どうやらビジネスという単語にひっかかったらしい。
もしかしてここから出してくれた女性に対してもあれはビジネスだったのだろ
うか。
自分のせいでオレルドが体を犠牲にしたのだと気づくと、ランデルの目が潤みだし
た。
しまった。
こうなるってわかってたから黙ってたのに、この軽い口は。
己の口の軽さにほとほと呆れる。
「気にすんな。別に今に始まったことでもねぇし」
「でも・・・可哀想です・・・」
それはどっちに対して向けられた言葉だ?
何かの犠牲があったからこそここを抜けだせたのにもかかわらず、彼の口か
らは感謝よりも同情が上回ってしまう。
自分がしてきたことを無に返されたようで、オレルドは溜めに溜まったストレスが
ここで爆発した。
「だったらほっときゃ良かったのか。お前はあの猫を見殺しても良かったの
か」
怒りの入った低い声が、ランデルを震えさせる。
「そんな・・・」
同情されるためにお前を連れ出したんじゃない。
いつも悩むお前の不安を一つでも取り除いてやりたいと思ったから。
大事な仲間だから。だから俺は。
「クソッ」
言いたい言葉をぶつけられず、オレルドは地面を蹴り上げる。
イラついているオレルドの様子にランデルの胸もチクリと痛くなった。
「・・・嫌、なんです」
出てきた言葉は震えていた。
その震えた声でオレルドを見つめる。
「俺のせいで・・・誰かが傷つくのは・・・」
「思い上がるな」
冷たくオレルドはランデルを突き放す。
「お前は、お前のために動いてくれるやつにいちいち謝んのか。どうしてそ
こで「ありがとう」って感謝できねぇんだよ」
言い返そうとするが、あまりの震えで声が出ない。
「俺・・・は・・・」
頭の中がぐちゃぐちゃになった。
それと同時に抑え切れずに涙がボロボロと流れ出した。
奇麗事だとわかっていても、誰かを傷つけたくない。
それが不可能に近いとわかっていても考えてしまう。
オレルドの考えは間違っていないと理解しているはずなのに、どこかで自分が
強く出てしまう。
だからやっぱり俺は未熟なんだ。
泣いて済む話ではないから涙を堪えようとするが、止まらない。
喉までしゃくりあげ始めたので、オレルドに聞かせまいと両手で口を塞いで顔
を伏せた。
「うっく・・・ふっ・・・うっ・・・ううっ」
八方塞になった。
ランデルに対して怒りの感情と罪悪感が天秤で揺らぐ。
しかし整理しきれない自分の頭を叩いて無理やり一度、冷静に戻らせた。
屈んで涙と鼻水でどろどろに汚れたランデルの顔を下から覗くと、泣き顔を見
られた恥ずかしさのあまり首を横に振ってランデルは逃げようとしたが、その体
を掴まれると着ていたエプロンの裏地で汚れた顔を拭かれた。
「・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
繰り返し謝られ、また怒鳴ってしまいそうな気持ちを抑える。
「もういい。もういいから黙れ・・・」
半ば諦めたような声でランデルを前から抱きしめて背中をさすった。
泣きやまない彼を見つめながら、オレルドは考える。
今までなら、女でも男でもこんな面倒な奴はさっさと切り離してきたのにそ
れが出来ない。
仲間だから、とは思っているものの、どこかなにか違うような気がしてなら
ない。
ましてこんな顔をしている男を可愛いと思ってしまった自分に腹が立つ。
俺は一体どうしたいんだ。
「泣くなって・・・」
「ひっく・・・っふ・・・ごめんなさい・・・」
ランデルはオレルドの服の袖をぎゅっと掴みながら謝り続けていた。
その一方、怒られているのに抱きしめられていることが気持ちいいと感じて
いる自分の心の変化にランデルは余計に頭の中が混乱していく。
こんなに優しく抱きしめられているのが心地よく感じてしまっている意味が
わからず、かと言って自分からその手を離せない。
これがなんなのか、答えが出せないままランデルは声が掠れるまでオレルドに謝り
続けた。
終
まどろっこしいオチだな。と自分でツッコミつつ。
勘違いですれ違いしまくってる二人に、ほかの人から見れば「お前らラブラブじ
ゃねぇか!」みたいなネタが大好きだ。
前回コメントをくださった方々ありがとうございました。
とにかく酷いマーチスが書きたかったので、怖がってもらえてなによりです。
神々GJ!GJ!
すっごくハァハァさせてもらってますよハァハァ。
ここに来るのが楽しみでたまりません。
番号ずれてたorz
ヤベーー!!
リアルタイムで遭遇
萌える萌える。
あぁ~いいなぁこういうの。
本当にこのスレは神がかってるよ…!
乙!
自分もリアルタイム遭遇組ノシ
今まで南京鋏は書いたことがないが、もし今後
萌えネタが降ってきたら投下することを宣言します!
職人さんたちと被らないのは901部隊かな
GJ!GJです!!
イチャイチャラブラブも好きだけど、こういう微妙な段階って禿げ萌える!
私にはこういうの書けないから、裏山シス。
繊細で切ない心理描写がお見事でした!
>>183 投下、wktkしながらお待ちしております!
SS書く人が増えてきて嬉しいな~。
185 :
183:2006/12/20(水) 02:48:10 ID:???
うっかりネタが浮かんでしまったが、単行本派なもんで
どなたか連載と明らかに反した設定かどうかだけ、教えて下さい
1・901部隊の行動最小単位(非単独か否か)
2・衛生兵従属しててもいいか
3・伍長以外もDK所持設定でいいか
4・グロ描写はどこまで可か(できるだけ削りますが)
5・名無し相手の3Pやライト調教描写は可か
……なんだこれ
>>185 ここは基本的に単行本派が多いんでないかい?
アニメは別物として楽しんでる人が多いだろうし
何より放送されていない地域の人だっていると思う。
個人的見解ですまんが、一意見として参考にしてくれれば幸い。
1>伍長の悪夢の回想を見てると、団体行動で単独行動はなさそうだね。
2>あれだけケガしまくる部隊なんだから、いるのが普通か?
ただ使い捨てっぽい部隊だから、いなくて当然という気がしないでもない。
いたとしても901の狂人的な戦いっぷりに、真っ先に衛生兵が精神を病む可能性有りw
3>伍長の悪夢シーンをよく見ると、全員DK持ってる。
4>自分的にはどこまででも平気。頭吹っ飛ぼうが、ハラワタぶちまけようが。
ただグロと言うのが、排泄系に結びつくのは避けた方が無難かも。
5>個人的には「がんがれ183!」とエールを贈りたいwww
188 :
187:2006/12/20(水) 03:13:29 ID:???
あ、ゴメン。アニメ関係なかったね…orz
連載に関して言えば、上で挙がっている内容に触れたエピソードは
まだ出てないよ。
そもそもSSなのだから、多少捏造しちゃってもいいんじゃないかい?
要は自分が楽しんで書くのが一番だと思うから。
と言うわけでガンガレ!wktkして待ってるよ!
>>180 GJそしてゴチw
いじらしい二人を堪能させていただきました。
>>185 187がもう書いてくれてますが。
2についての私見、やっぱりカウプラン機関所属の人がデータ取りも兼ねて
同行していた可能性は高いのではないかな…と。
でもカウプラン所属なら誰でもが知ってるわけでもなさそうなので、
900番台の研究について知ってる立場の人間、というのが大前提になるけど。
ついでに、表向きは衛生兵や軍医でも、遺体(サンプル)回収の指揮を執るのが
真の目的だったかも知れない。そう思うと901が益々不憫にorz
長々と失礼。SSお待ちしてマッスル。
>>180 激しく好みのシチュでしたwww
GJであります。
191 :
焦らしの人:2006/12/20(水) 13:49:32 ID:???
コメントどうもです!
SSは各自の頭で萌えの補完ができるのがいいんであって
視覚化はしていいものかいつもビビリますorz。
>>168さんみたく別物で考えてもらってもいいしw
萌えてもらえたなら感無量。次からはSS頑張ります。
>男体の人
やった!新たなネタ発想のお役に立てたのなら嬉しいですw!
男体の人の一人上手wな絵がいつもすごいので緊張しまくりですが…。
うわーいwktkしてお待ちしてます~。続編でも別物でも!
>>180 GJ!!こういうのも好きだぁ~!
お前らつきあっちゃえば?な感じなのにいまいち自覚ないとこw
懲罰房も、そういえば漫画でも入れられてねえなあと思ってたので新鮮でした!
>>185 このスレの基本が何でもありだから、事前にグロ注意とか書けば大丈夫ですよきっと!
楽しみにしてお待ちしてまつ。
俺も実は雑誌は未読なんで既存の単行本とアニメ設定でしか…orz。
しかし本当にこのスレは凄いですね!伍長を愛する人が集まっているw。
長々失礼しました。
>>180 自覚無い素敵カポーにはドンデレの称号を差し上げたいw
ツンデレの次はドンデレだ!(鈍感デレデレとオタ友がゆった)
あぁ…!
今書いてるのでちょこっとネタ
>>180さんとかぶってしまった…。
気にしすぎっちゃー気にしすぎだけどなのだけど…
ともあれ180さん超GJ!
こういうプラトニックなのが大好きです…!!
>>185 自分はグロとか何でもOKなので期待
ガンガレ!超ガンガレ!
全裸でティッシュ用意して待ってる!!
194 :
185:2006/12/21(木) 01:56:31 ID:???
皆さんご意見ありがとうございました
もう少し単行本やテキトーな資料を読み込んで、
形になりましたら投下させて頂きます
浅学非才につき、辻褄の合わない捏造の嵐となりますが
ご寛恕頂ければ幸いです
195 :
男体の人:2006/12/21(木) 02:58:38 ID:???
>>焦らしの人
描いてもらってばかりも何だったので
焦らしの人のSSの1シーンを、お返しに描いてみました。
こんな物でよろしかったら、お受け取り下さい~。
皆さんもどうぞ~。
ttp://deaikei.biz/up/up/3842.jpg.html DLパスは「901」(※4P注意)
オレルドがうっかり違うとこ舐めてます…すみません。orz
あ~あと、脇毛とかダメな人は見ないほうがよろしいかと…。
ウホっ気の強い絵柄ですみません…;
>>185 超楽しみにしてます!wktk!
うほっ気上等!
これはエロ杉る・・・
ふぅんが可愛いですなw
197 :
微グロ注意:2006/12/21(木) 04:46:40 ID:???
はじめての実戦の後、嘔吐と落涙を催したのはオレだけだと罵られた。
定数の実験体が適性値を出した途端に、901部隊は設立され、最前線に送られた。
模擬戦で自軍戦車を無駄にしたくなかったのか、時間がなかったのかは定かではない。あるいは別の理由があったのかもしれない。
だが彼らはなにひとつ知らされることなく、硝煙と死臭の只中へと投入された。
御託を並べる猶予はなかった。彼らは自らが置かれた状況を知ると同時に、左腰に提げたランタンを灯し、火器を構えた。
無数に浮かぶ青い蛍火に、砲弾が放たれた。着弾と爆風、立ち上る炎の中で、反応の遅れた幾人かが命を落とす。
だが次の瞬間、彼らは四散する屍と弾幕を縫い、敵軍に近接した。何十丁ものドア・ノッカーの銃声が装甲を叩き、破り、また一瞬で幾つものランタンが永遠に光を失った。
稼働する敵を失った時、戦地には901部隊の一割近くの殉職兵が横たわっていた。
生き残った兵は、動かぬ元同志に近付くと、その躯から弾薬と携帯食料を抜き取る。爆発を免れ半壊した敵戦車の残骸に潜り込んだ兵は、自分たちには不要な拳銃ではなく、食料のみを奪取した。
彼らは、奇跡的に無事だった無線機や地図には全く興味を示さなかった。「補給」を終えると、何処からともなく現れた「衛生兵」を伴い、次の戦地へと向かう。
と、最高尾にいた「衛生兵」が違和感を覚え振り返った。
その視線の先には、誰よりも早くランタンを消し──泣きながら巨躯を震わせている一兵の姿が映った。
「衛生兵」は二秒だけ彼を見、踵を返す。今、地表にある落伍者と、すぐに落伍するであろう出来損ないのサンプルは、必要なかった。
†††
とりあえずさわりだけ
>>197 GJ!さわりだけでも面白かった!
調教して下さいと言わんばかりの
伍長のヘタレっぷりが、もう…!タマラン!(;´Д`)ハアハア
カウプラン所属の衛生兵の冷酷っぷりが
いい味出してますね。
この先の展開が楽しみです。
wktkで全裸で待ってます!
>195といい>197といい……短時間に神が降臨しすぎてこちらの身体がもちませぬ!
200 :
焦らしの人:2006/12/22(金) 00:04:09 ID:???
>>男体の人
ぎゃー!!ありがとうございます!ゴチになります!
ってか改めて絵になると…テラエロス…。伍長鼻息エロいです…w。
俺の駄文じゃそんな雰囲気も伝わらねえよ…orz。
が、頑張って続き書きますよー!
>>197 すげえ序文だけで充分面白そうです!
なんか文章がカッコええ…。
つづき!つづきをぜひ!
>195
GJGJGJGJーッ!!
画面から溢れるエロさがたまりません!
匂いつきじゃないのが惜しい(変態か俺は)
>197
これまたGJGJーッ!
何か今までにはないディープな雰囲気にdkwk,ktkr!
続き?本編?wktkでお待ちしてます!
しっかしここの職人神は、みんな個性が違いますなあ
みんな違ってみんないい
かねこみすず
>>197 この板である必要がないくらい硬質だなオイ・・・と思ったが
あれだよな。この後調教だの3Pだのの展開なんだよな
どどどどどうなるんだ(´Д`*;)
※捏造の嵐につき、なまあたたかい視線装備必須
※微グロ、スプラッタ描写注意
※複数野郎/伍長ネタ注意。ぬるい調教設定あり
※濡れ場色気皆無警報発令
†††
彼の存在に最初に気付いたのは、オレだったかもしれない。
彼は作戦終了後に現れて、倒れた同僚に銃口を向けていた。
最大三発。彼は随分と小さな銃で屍を撃ち抜いていく。
金属を貫く響きで、彼がランタンを破壊しているのだと、オレはうっすらと察していた。
共和国軍が確保できた平坦な進路のほぼ五割に戦車部隊を投入していた為、901部隊は前進ではなく転戦移動を余儀なくされていた。
正規部隊との連携は皆無。流石に接触は避けられなかったが、その際も一切の会話や交流は生まれない。
最前線の隊長以上の士官は、自軍仕様の軍服外套と左腰のランタンを確認すると、彼らに道を譲った。部隊から遅れて続く軽装歩兵に合図され、部下に箝口令を敷く。
それを知っていたのは、部隊最高尾を歩くことが多い巨漢兵だけだった。
対戦車猟兵部隊の名を冠してはいたが、その実901部隊には、それ以外との戦闘の経験が多かった。移動時に出くわす遊軍や伝令兵、逃亡兵や自衛民兵。それらとの白兵戦の経験が、部隊の完成を早め、また規模をより早く縮小させた。
歪んだ超人意識を振りかざし、自発的にランタンに火を入れなくなる者。逆にランタンへの依存を強める者。そして、破傷風の自覚もないままに、部隊から置き去りにされる者。
──901部隊には、正しい意味での衛生兵は配属されていなかった。
行軍が一月を過ぎる前に、部隊内で刃傷沙汰が同時多発するのを「衛生兵」は傍観していた。
予測より早い、と呟き、安全圏から情報を収集する。
原因はありきたりであからさまだった。性欲処理だ。おそらくは誰か一人が口にした劣情が、次々に飛び火したものと思われた。古今東西、どの軍でも珍しくなかったように。
違うのは、ここが901部隊だったということだけだ──全員がランタンという魔に侵され、火を消しても尚、攻撃性を失わない。そんな連中しか存在しない集団で、排泄対象とされるのを是とする男など、いるはずもない。
「衛生兵」は嘆息した。今までが順調だっただけに、ここで無駄な事象が発生するのは口惜しい。
短い時間思索した「衛生兵」は、次に行動に移った。この騒動から一歩引いたところにいる、未だ正気の兵を探す。
見つけた生け贄は幸いにも、「衛生兵」が有望視していなかった巨漢だった。女とはかけ離れているが、サカリのついた狂犬どもなら突っ込めれば文句は言うまい。そう笑い、「衛生兵」は彼を指し、言い放った。
どうせなら役に立たない奴を使え、と。
†††
中断します
アニメキャラ個別板から
今回のDVD1巻は買いだと思う。初回ドラマCDは必聴。
伍長が結構しゃべってる。ちょいネタばれ
みんな用事で出ていて3課にはステッキンとマー君だけ。
折角なので二人(一人と一匹)で大掃除しようと言うことに。
そしたら伍長が病院から帰ってきたて掃除の手伝いをする事に。
掃除してる二人が可愛いです。みんなの机を掃除してる時が面白い。
オレルドの机を掃除し始める伍長・・・。何やら怪しい本を発見。
とりあえず読んでみる伍長。「濃厚な口付け」とか「淫猥に唾液を流し込み」とか
淡々と読んじゃう伍長・・・ステッキン大慌て。伍長マジ天然。
おそらく内容分かってないと思われる。そう考えると萌える。
オレルドなんて本読んでるんだ。
そしてオレルドでさえも吃驚するようなマーチスの雑誌って。
とにかくいろいろおいしい内容のCDでした。
207 :
男体の人:2006/12/22(金) 23:38:38 ID:???
なんだかえらく過疎ってますね?
クリスマス前で皆さんお仕事忙しいのでしょうか。
かくいう私も明日は早朝4時から10時間勤務だ…早く寝ないと。orz
皆さん、体に気をつけて、つらくなったら伍長を思い出しつつw、
お仕事がんばりましょう!
>>196 ありがとうございます。
そう言って頂けるとホッとします~>ウホっ気上等
もう伍長のおかげで今までは照れがあって書けなかった
色んなあえぎ声やエロ語を書くのが、全然平気になりますたw
>>焦らしの人
お粗末様でした~。
焦らしの人の文章で雰囲気が伝わっているからこそ
こんなエロ絵が完成したのですよw
4Pでしかもパ●ズリなんて、こんな機会を頂かなければ
描くこともなかったですし、描いててとっても楽しかったです。
ありがとうございました!
続き楽しみにしてますよー!ガンガレ!
>>201 ありがとうございます。
大丈夫、漏れも充分変態ですから!www
>>204 乙!GJ!
重厚な文章と文面から漂うリアルさが、本当にすごい!
携帯からの投稿でしょうか?
大変かもしれませんが、頑張って下さい!
これからの展開、すげー楽しみです!
あ…あんまり焦らさないでね……(;´Д`)ハァハァ
>>206 うは~、DVD早く届かないかなー!
無知っ子天然伍長、すげー萌える!萌えるよぉ!
オレルド「デカブツ、ちょっとこれ音読してみろ」
伍長 「は? はあ……、えと……
“アイリスの花園に舌を這わせ、熱くしたたる蜜を吸う。
『ああ、もっと、吸って』”」←棒読み
オレルド「いいぞ…デカブツ(;´Д`)ハァハァ」
ってのを思い浮かべてしまたよwww
>>206 DVDはスルーするつもりだったのに気になってきてしまったw
>>204-205 GJ!
この場合「衛生兵を呼べ!」なのか「衛生兵に呼ばれた!」なのか「衛生兵を呼び戻せ!」なのか
自分の中じゃこの職人さんは衛生兵の人だw
>>205 適度な緊張感と確かなリアリティ。
うーむ、みんな文章上手いなあ……GJ!
少し暗めな描写がすごい好きだ。マターリお待ちしてまつ!
DVD買い始めると一気に散財しそうだから躊躇してる俺なのですが…。
特典CDだけ欲しい…。ああでも一巻には「おふぁふぁりくらふぁい」が入ってる…。
どーすんの俺!どーすんのよ!
>>男体の人
思い浮かべたネタをぜひ文章に!ww
特典付DVD購入してしまいました…CDの伍長の棒読みに悶えたあよ!
それに楽・天ごんぞで買うとドッグタグもくれるってゆーからさww
2巻は伍長のタグ、いつも胸の谷間(少尉の谷間には勝てないが)に、
はさんでみよっかなーなんてww
>DVD
エロ本棒読み朗読と聞いて
「うふんだめよもうすぐままがかえってくるんだから」とまーがれっとはいったがぼぶはごういんに(ry
を思い出してしまったよ
えーと…すんません
901部隊の人、続き頑張って下さい
ホンマに読みごたえあってドキドキです
携帯からって…すげー!
抜けてるよ
つ‘くすぐったい’
伍長くすぐってみたいなー
DVD特典、いつかは少尉の剣&DKストラップがついてほしー
がーん…
ドッグタグ云々で楽天GONZOいって売り切れてたから
色々商品見てたら間違い発見しちゃった…
帝国陸軍、軍服のご登場!
オーランド少尉が着ている軍服が
忠実に再現されています。
ミリタリー色を前面に出し、アーミージャケットに
多く使用されているしっかりした生地を使用。
デザインを生かしたポケットもたくさん
付いているので実用性もばっちりなんです。
オーランド少尉が
しっかりしろゴンゾオオオオ!
どういう出世のしかただよ?!
伍長から数えて何階級特進になるんだかww
いやきっとGONZOはマルヴィン少尉が将来オーランド少尉になることを
見越してそう書いたんだよ!
まあ男物の服だけど
>>204 GJ!
伍長の貞操危うし!?!
>>207(男体の人
やっぱそうかも
クリスマスの夜は一年で最も●●●をする人が多い日ですしw
この中に少なからずもいるんでないかいw
花園エロスw
>>206 めっちゃ欲しいわー!
雑誌に書いてある事の意味がわからなかった伍長が
その内容をオレルドに質問して、あれやこれやと実践されてしまう展開を妄想してもーたw
>>214 少尉が伍長の籍に婿養子として入ったと考えるんだ!ww
>214
「少尉…やっと俺、少尉と同じ階級になれて…」
控えめに話すランデル。心なしか嬉しそうだ。
「これで俺も…少尉の隣に立て…」
「ん? 何を寝ぼけている。私はすでに大佐だが…?」
「……でしたね」
とか妄想しちまったい。昇級のしかた詳しく知らんがw。
「衛生兵」は、その兵の名を呼んだわけではなかった。伍長、と階級すら口に出してはいない。
そもそも「衛生兵」は、その兵の名すら明確に記憶していなかった。
だが。
獣欲に突き動かされていた男たちは、「衛生兵」の声色から標的を察し、捜し当てた。
一団からやや離れた位置で巨躯を縮め、騒ぎに関さず、やり過ごしていた──オーランド伍長を。
仲間内の言い争いではなく、周囲の気配に注意を向けていたオーランドは、自分に近付いてくる複数の軍靴の音に、はじめて意識をそちらに向けた。
目元まで埋めていた毛布をずらし、顔を上げる。
親しいどころか満足に口をきいたこともない面々に、彼は不思議そうに首を傾げた。
オーランドが誰何の声を上げるより早く、先頭の男が彼の側頭部を蹴り付けた。
オーランドが訝しみ立ち上がっていれば、あるいは腕でガード姿勢を取りさえすれば、当たるはずのない攻撃だった。
鈍い音と共に、オーランドの上体が揺らぐ。
脳と三半規管へのダメージが彼の次動作を抑制し、それは他の男たちの目には隙として映った。
前頭部と右肩を捕まれ、オーランドはそのまま押し倒された。
受け身を取り損ない、短い苦痛の声を発した彼は、足首まで掴まれた感触に、目を見開く。
どうしたんですか。
一気に三人の同僚にのしかかられた態勢で、なのにオーランドはそんな問いかけをした。垂れ気味の目は、男たちをまっすぐに見据えたまま、恐怖も嫌悪も浮かべていない。
どうしたんですか。
もう一度、オーランドは繰り返した。今度は焦りを滲ませて。
その危機感の薄さが、相手には無垢さに見えたのか。男たちはオーランドに言葉は返さず。
彼の腰から、ランタンと下衣を外すという行為を、返した。
くぐもった悲鳴と殴打音を背に、「衛生兵」は元いた場所へと戻っていった。
男色趣味のない「衛生兵」は鶏姦現場を覗くつもりはなく、ましてや筋肉質の大男の喘ぎ声を聞くつもりもなかった。
だから。
公開輪姦の場に近付いていく他の兵の姿に、「衛生兵」は呪詛を込めた舌打ちをしてしまう。
現状を作り出した身でありながら、「衛生兵」は不快感と苛立ちを隠せなかった。
翌日。
常よりずっと遅い歩調で、疲弊しきった四肢を引きずりながら部隊最高尾についていくオーランドからは。
こびりついた精と血の臭気が濃く漂っていた。
その後ろを行く衛生兵は吐き気を必死に堪えていた。
†††
続きはまた明日
>>220 イイヨイイヨーハードな展開乙。
無垢な伍長が可哀想で胸が痛みながら萌える。
衛生兵が酷い奴なのもSくていい。
仲間に役に立たない奴と認識されてる伍長モエス
ちょww
214とか216とか219とかの想像力の高さに惚れたww
ショックすぎてそこまで頭回らんかったよww
性処理伍長カワイソス(´・ω・`)
でも、いじめたくなっちゃう気持ちは解らないでも無い
>>220 乙。いい仕事してますなぁ。
この先どうなるやらwktkして待ってます。
227 :
イカの人:2006/12/25(月) 00:38:05 ID:???
メリークリスマース!
できれば今日中にSS投下したいですハイ
それでは皆さんに幸あらんことを(合ってるかな?)
228 :
男体の人:2006/12/25(月) 01:14:27 ID:???
228
男体の人さんいつもGJです!鈍い伍長がいいなぁ
表の伍長スレで伍長の女装サンタの話が出てたけど、こうなるのか…
しかしおっぱいでかいな~
>>227 イカの人お久~
楽しみに待ってます
>>228 プレゼントGJ!
少尉の趣味エロスw
結局は納得しちゃうのかい!
231 :
名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 01:45:10 ID:Bf5TM7jn
>>231 蛮勇が無駄にある上に、コメント下手だね
>228
少尉ナイス趣味!!
でも伍長をあんな危険な格好で性夜を闊歩させてはいけませんよ!
234 :
233:2006/12/25(月) 02:01:03 ID:???
×性夜を→○性夜に
の間違いでした。てにをはあやしー
235 :
男体の人:2006/12/25(月) 02:07:37 ID:???
あ~、いえいえ、似てないのは自覚してますからw
まったり行きましょう、まったり。
模写ってのが苦手なんですよ、昔から(;^^)
>>231さん、率直なコメントありがとうございます。
上手いと言って下さっただけで、嬉しかったです。
あと、感想下さった皆さまもありがとうございます。
性夜って…伍長のこの格好に興奮した少尉なり
オレルドなり副長なりにとっては、まさしくwww
まさかミニスカサンタ伍長が見られるとは思わなかった
>228さん、GJ!
じゃあ自分はパンツ一丁に幅広リボンぐるぐるの
プレゼント伍長を夢に見ることにします
表スレのネタ
「ウィルー・オー・ウィスプ! 901ATT・チェーンジッ!」
シュゴォォォ(SE&青透過光&光る全裸伍長回転)
ピカーッ(ランタンに吸い込まれる透過光&DKアップ)
「バーサーク・エンジェル、出陣!」
Toten sie×9(SE銃声/綴り出ないやゴメン)
ってのを想像した
いや全裸回転は光らないでもいいが、モザイクかなあ……
なにその具体的妄想wwwwww
このスレの住民の妄想っぷりに感動したw
俺と同じ変身シーンを考えている人がいるとは…
問題はコスチュームだが…定番通りミニスカのフリフリかなぁ
でもそれだと901の怖さが出なさそうだし
「ご、伍長は魔女っこだったのか?」
「あの、少尉。オレは男なので、魔人なんです」
「バーサーク以下略と普通に話している……! あの女、仲間か!」
「どっちでもいい、さあ戦災復興だ!」
「はあ」
……あれ? 何も変わらない……?
テクマク→ウィルー・オー・ウィスプなら
ラミパス→ラ・ラ・ラ・パンプキン!で
変身解除ダンスは、めっちゃ恥ずかしそうに。最後にランタンを消すこと
(ランタンモードの顔で踊る。義務)
変身したら1話目のボロボロマントと帽子。ただし旧式軍服は10倍破れやすい(3課比)
やばい。
捏造901部隊書くより、魔女っこ伍長のが楽しくなってきた……
途中送信失礼
そしてアホネタ失礼致しました……
酒のせいにして寝ます
ち ょ っ と 待 て 。
ええええ衛生兵の人かアンター!!!?
ここはいろんなギャップ萌えができるスレですね
楽しい夜だ・・・
>>228 男体の人さんありがとう。
あーサンタ伍長にセクハラしたい。
>>男体の人
いつもゴチです!!
「サンタさん、俺の分は?」
「ご、ごめんよ……もう無いんだ」
「え~、じゃあ俺、サンタさんでいいや!」
「え……ちょ……やめ……あっ!」
ってやりたい!自分は少年役で!
>>242 ちょwww
テンションスゴスww
男体の人
せくすぃ伍長GJ!
ミニスカ堪らんよハァハァ。
その格好でティッシュ配りしてください。
まるごと頂きます。
着ぐるみトナカイ伍長でもいいな。
少尉に「これも戦災復興のためなんだ、許してくれ」とか言われて鞭でビシバシ。
あぅあぅ言いながら「戦災復興のためなんだ、我慢しなきゃ」と鞭に耐える伍長。
子供達にプレゼントを配りまわった頃には、背中の布地が破けてて鞭の痕が丸見え。
オレルド達がキズが見えないように背中を隠そうとするが、鞭が当たった場所が敏感に
なってて触れられたら思わず切なげな吐息を漏らしてしまって自分でもビックリ。
ごめん、私も酒のせいにしていい加減寝る。
男体の人毎度乙。
問題はそこなのか…w
ふつーにもっさり付け髭のサンタ姿伍長も捨て難い。
もう何着せても可愛いよ(*´д`)
仕事が終わったら、3課のみんなでささやかながらパーチーなんかするといいよ。
そんで橋の下に帰ったら、猫達にいつもよりちょっとお高い猫缶をプレゼントするんだよ。
…聖夜はネタ電波の降り注ぐ良い夜ですね…w
250 :
焦らしの人:2006/12/25(月) 05:15:51 ID:???
今北
数時間前の宴にびっくりした
ミニスカサンタも
魔女っ娘も
プレゼントリボンも
みなさまありがとうございました
21禁プレゼント、ゴチになりましたー
さながら伍長の団体男体盛りのやうでした
_ト ̄|○ オキテレバヨカッタヨイブバンザイ...
>>250 焦らしの人もGJです!
束縛伍長全くエロいですねぇ
こんなの置かれたら人が殺到しますよw
男体の人、伍長の恥じらいっぷりGJです!
少尉の趣味が素敵すぎるー
焦らしの人、開脚寸止め伍長GJです!
いやいや、その伍長の顔こそが萌えです
捏造部隊の人……芸風幅広っすね……
クリスマスプレゼント、ありがとうございマッスル!
>>248 アリス女王ヒドスw
SMネタもいいね
>>250焦らしの人
このプレゼント欲しすぎるw
こんなクリスマスプレゼントを貰った日にゃ・・・
>>250 >しかし俺の伍長いつもこんな顔だな…凹むorz。
イラストのみならず 俺 の 伍 長 という単語に
禿げ上がるほど萌えたので
真昼間から 焦らしの人×伍長 で妄想してみる
このスレは素晴らしく神だらけですね
焦らしの達人×伍長…(;´Д`)ハァハァ
伍長の素晴らしい顔が拝めそうですね!
今から伍長悪夢?ネタを投下します。
またもやエロ少な目なのですorz
聖なる夜ということで簡便してください…
それではどうぞ~
+++++++++++++++++++
「お~いあんちゃん大丈夫か~」
ここは橋の下ランデル・オーランドが寝床にしている場所だ。
この三人の親父さんたちは伍長がうなされているに気付いて様子を見に来てくれたのだ。
ああ素晴らしきかな助け合い。
だが、オーランドは相変わらずうなされているようで一向に起きる気配がない。
心配になりながらもどうしていいかわからない。
とりあえず伍長の状態を見てみると、大量の汗を掻き呼吸を荒げているのがわかる。
するとその中の一人がおもむろに言った。
「なぁ…このあんちゃんって妙に色気ねぇか?」
すると残る二人も同時にうなずく。
「あぁ…なんかこう…胸にきゅ~っとくるもん持ってるよな」
「あの笑顔がたまんねぇよ!」
そうして本人の前であんちゃん話に花を咲かしていると、オーランドの呻き声が聞こえてきた。
その瞬間三人同時に注目し、ごくりと唾を飲み込んだ。
すると一人の男性がおもむろに言い放った言葉からこのお話は始まっていく。
「なぁ…寝ている間だけでいいからよ…ちょっとばかし…な?」
その発言を待っていたかのように二人が頷く。
どうやら3人は同じ事を考えていたらしい。
「お、おう、あんちゃんを悪夢から助け出してやらないと…な?」
「そ、そうだな!俺達のやり方であんちゃん助けようぜ!」
誰も聞いていない言い訳をすると辺りを見渡し誰もいないことを確認する。
「さて…それじゃああんちゃん、なるべく深い眠りについてろよ」
こうしてオーランドに惹かれた三人の救出作戦が敢行されるのであった。
怖い――助けて―暗い
この夢を見るのは何度目だろう
濁った水が半身を浸すこの場所はもう何度も来たことがある。ここはどこなのだろうか。
考えたってわかるわけがない。考える必要もない。ここに来たら起こる事はひとつしかな
いのだから。
ほら―――きた。
無数の手が水面から俺めがけて襲ってくる。
俺は果てのない空間を必死に逃げ回る。
罪から逃げるように。自分から逃げるように。
捕まると水の中に引き込まれてしまう。
まるで連れ戻すように。
自身の手には凶器が握られている。
撃って殺したら襲われなくなるだろうか。
そんなこと考える自分がとても怖い。
コロセ―――人殺しが怖い戦争が怖い世界が怖い
コロセ―――コエガコワイオレガコワイスベテガコワイ
殺せ怖いコロセコワい殺セ怖イコロせコワイこロせこワイ#□$△◆イ@▼※*@×
頭の中で声が響いて いる
こんな に 苦しいのなら、もう
死んデ― シまえバ いイノニ。
――いつの間にか逃げるのを止めていた。
無駄だと悟った訳じゃない。疲れたわけでもない。
ただ、償いたかった。
自分の行いを自分の悪夢で
自己満足なんだと思う。これで許すのは自分自身だけだ。
それでもこれしかできないから
手が体に絡みついてくる
俺を倒して仰向けのまま水に引きずり込む
感覚があるから息が苦しい
これで今回は許してほしい
今回 は
水の中に引きずり込んでもなお、手が俺を執拗なまでに触ってくる
うなじ 傷跡 乳首に内股………
ってちょっと待て!
なんなんだこの手は!
気づけば性感帯ばかりを狙って触ってきている。
手つきもなんだかいやらしい気がするし!
俺は手を振りほどこうとしたが時既に遅く力が入らず無抵抗に等しかった。
愛撫のように触ってくる手にだんだんと感じてきている俺がいる。
その証拠に俺のものは既にいきり勃っている状態だ。
それがわかったのか一本の手がソレに添えられゆっくりとしごかれていく。
俺はその絶妙さに声を漏らすも口からでるのは空気の泡だけだった。
「(んぁ…ん…はっ…んっ…!あぁぁぁ!!)」
そうして感じている間に俺はあっけなくイってしまった。
夢の中だからだろうか不思議と羞恥心が薄れている。
水の中に精液がうかぶのかなと思っていたけどその跡は見られなかった。
でもいっか…夢なんだから…
俺は射精後の脱力感から水の浮力に任せて力を抜こうとしたが、すぐさま手の愛撫が再開し始めた。
「(…っ!また…!)」
一応は抵抗を試みるものも快感を覚えたこの体はもう本気で抵抗することはできなかった。
今度は亀頭を中心に責めるやり方だった。
我慢汁が出ているのかわからないのに、ヌルヌルとした感触が伝わってきている。
何度も喘ぎ声をあげたが全て自分の耳にだけ聞こえるだけ
それに気づいてからは遠慮なく声を出している自分がいた。
「(あっ…ふぅっ…!い…い…んぁっ…!)」
それから2回目もイってしまう
これで終わりかなと思っているとまた愛撫が始まった。
もうそろそろ自分の方が限界なんじゃないかと危惧してしまう。
まさかこのまま快楽地獄なんじゃ…!
そう思った俺は今更ながら色んなものに溺れていた自分を呪う。
すぐに抵抗をしようとするものの4本の腕が俺の体をがっしりとホールドする。
いつもだったらこんなのほどけるのに…!
そうして悩んでいると尻の方に違和感を感じる。
ま、まさか!
予想していたことがそのまま自分に起こった。
指が尻の穴に入ってきたのである。
滑油剤もないのに指はすんなりと入っていく。
その嫌悪感からいやいやと腰を振るも腕の方は全く動じない。
それが大分続くと指を離さまいと尻の穴を締め付けている自分がいる。
ある場所に当たると水中なのに腰がピクンと跳ねるのがわかる。
それを察したかようにそこを重点的に責め続ける腕
やだ…やめて…こんなんで…
最期の抵抗にと体を捻ろうとするも相手はまったく介さない
「(あっ…も…でちゃ…んんぁぁぁぁ!!)」
そうして俺は三回目の絶頂に達してしまった。
すると腕がするすると引いていき俺は水に沈んでいった…
260 :
イカの人:2006/12/25(月) 22:21:56 ID:???
目が覚める。
まず目に入ったのは猫の顔。
しばらくぼーっとした後に今見た夢を思い出しあわてて夢精をしていないかチェックをする。
「よし…大丈夫だ…」
するとネコのニャーという一声にはっと、し今が何時なのかを確認する。
時刻は定時20分前
やばい!三課に遅刻してしまう!
普段ならもっと早く起きるのにどうして…
そういえば寝たはずなのに疲れがとれていない気がする。
立ち上がろうとするとなぜか股間に痛みが生じる。
それに尻の方も…
あれは夢だったよな・・・?
そうして不思議に思いながらも三課に向かうために急いで支度をする。
そしてネコに餌をやり出ようとすると、いつものようにおじさん達にあいさつをする。
「よぉ~あんちゃんいい夢見れたかい?」
自分の夢を思い出して顔を赤くするも平常を装って返事をする。
「あ…はい、いい夢…でしたよ」
「そうか…それはよかった!」
ぶわっはっはと笑うおじさんたちに笑いかけると俺は走って三課に向かう。
「あんちゃんいい夢だったってよ!」
「そうか、それはよかったな!俺たちも満足してるし!」
「でも最後はやりすぎだったんじゃねぇか?」
一人が心配そうに言うと、同じ事を思っていたのか2人もしゅん、となってしまう。
「う…ま、まぁそん時はそん時だ!アフターケアも大切にってか!」
さしたる問題ではないと判断した3人はその後も火を囲いあんちゃん話に花を咲かすのだった。
走りながらも伍長は不思議に思う。
あの夢はなんだっただろうか…
その考えのヒントとなるものは帰宅した時に気づくだろう。
自分のと、他の3人の体液を発見することによって。
「やばい本当に遅刻しちゃう…!」
鈍い体を引きずって走る伍長に今は知る由もないだろう。
―終―
+++++++++++++++++++++++++++++
短っ!!
なんだか投稿するとあっという間に終わってしまいますね
コテハン忘れちゃってるし…
というわけで出来損ないのホラーとめちゃくちゃなギャグでした。
怒らないでくださいね…
>焦らしの人
うおお!超GJです!これはお持ち帰りで…w
>男体の人
もう意識失いかけましたよ…!素晴らしいです!
他にもSSがいっぱい投下されていて素晴らしい場所だなぁ…!w
イカの人もGJです!
何されても起きないうえに気付かない伍長の鈍さに萌えてしまいました…
このスレは本当にレベル高いなぁ
263 :
焦らしの人:2006/12/26(火) 01:59:22 ID:???
コメント下さった方々ありがとうございます…orz。
みんな優しくて涙が出るぜ…。
>>255-256 ちょwwwそこですかww
焦らされ伍長だなんて! そんなの!
……いいかもしんない。(*´∀`)
>>イカの人
おぉー!GJでしたー!舞台裏が色々妄想できてイイ…。
3回も…伍長かわいやらしいなあ。
おじちゃん達もなんか健気で可愛いですw。
264 :
男体の人:2006/12/26(火) 02:47:45 ID:???
コメント下さった皆さま、色々と妄想して下さった皆さま
本当にありがとうございます。
皆さんの何気ない一言が明日のネタに繋がりますw
まとめレスになってしまって、ごめんなさい。
>>焦らしの人
ギリギリでプレゼントゲットできたですよ!
ありがとうございます、ありがとうございます~!
焦らしの人の伍長は筋肉質だけど柔らかそうで
表情も含めてマジで美味しそうです…(;´Д`)ハァハァ
こんな可愛らしい伍長はどうしてくれよう!
自分でイジるのもいいけれど、資材課のオフィスか
副長のいる一課のオフィスに放り込むのもオツですな!w
>>イカの人
待ってました~!
橋の下が、またさらにイカ臭くなる展開GJですた!
>>261さんが貼って下さっている、あどけない寝顔が
おじちゃんたちの手練手管によって
色っぽく艶っぽく表情を変えるんでしょうね…!
私もあんちゃん談義に仲間に入りたいです。
24時間と言わず三日三晩ぶっ続けで、あんちゃん談義に
花咲かせられそうですw
>>265 この後、ロゼッタちゃんに色々と搾り取られるわけですなw
しかしこの尿瓶を割るってどんだけでかいんだよ…
原作よりも数倍パワーアップしてるな
まぁこれも魅力?の一つではあるが
>>265 今、もよおしてませんし・・・
現代医学に敗北は許されないのよ!
ちょっ、やめっ・・・・!
強く抵抗する伍長
ああら、じっとしていなきゃダメじゃないの
すぐ済みますからじっとしていて下さいね♪
拘束具で無理やり伍長の手足をベッドに縛り付けるロゼッタ
ふふっ、ちょっと触れただけなのにもぅこんなに大きくなっちゃって
パジャマの布越しに大きくテントを張った伍長のry
こんな場面が思い浮かんでしまったw
こんだけでかいと、まともな性生活なぞ送れまい…
伍長は一生、受専だろうな
立派なモノを持っているのに、一生役立たず…
だがそれがいい!
このスレの伍長は役に立ちまくりですけどw
そして勃ちまくり
感じまくりの絶倫ファイアーです
275 :
男体の人:2006/12/27(水) 22:52:31 ID:???
今年最後の投下です。
SSを…と思ったのですが、ちょっと無理でした。orz
そんなわけで、ちょっと早いですが、皆さまも伍長と良いお年を!
http://deaikei.biz/up/up/3924.jpg.html パスは「901」
※スパンキング、体毛表現あり(脇毛とか尻毛とか…w)
原作絵、もしくはアニメ絵に似てなくちゃ嫌と思う人は
見ないほうがいいですwww
色んな所がダメダメですが、ご笑納下されば幸いですorz
今年最大の幸運は、伍長とこのスレの皆さまに出会えたこと。
自分の稚拙な絵やSSに暖かい感想を下さって
本当にありがとうございました。
そして伍長、久々の萌えをありがとう…!
ふつつか者ですが来年もよろしくお願い致します。
276 :
男体の人:2006/12/27(水) 22:57:06 ID:???
あ、言うの忘れてました。
伍長の相手は描いてませんが、言わずもがなの副長です。
では、今度こそ良いお年をw
GJGJ!
最初少尉かと思った>>相手
男体の人も良いお年を~
>>275 伍長のセリフエロスw
お言葉通り、たっぷり可愛がってあげるから覚悟しとき!
自分も、このスレとスレの皆に出合えて本当によかったよ~
>>男体の人
おぉ~、カラー版見るの初めてだ!すげえリアル~。
いつもいつもゴチになってます!
俺は最近このスレ知ったんですが、いや~充実した一ヶ月だったw。
来年もいい伍長に出会えますように……(-人-)
自分もここ半月くらいだよ…
誰よりゴツい傷だらけの外観+不幸ヒロインと子犬属性の内面という、伍長ギャップにやられたよ
よしよし辛かったねー、と、なでなでしてやりたい気持ちと
オラオラ今更傷やケツの一つや二つ、と、ビシバシ虐げたい気持ちの
両方を満たしてくれてありがとう皆さん!
ふはははは!
俺なんて1週間ぐらいじゃねェの!
すみませんごめんなさいでしゃばりました
282 :
焦らしの人:2006/12/28(木) 04:37:25 ID:???
「狙われ伍長」…放置しすぎたので無理矢理ですが終わらせました。
>>12 >>60-66 >>120-126 の続きです。
いやーどんどんgdgdになっていく内容に自己嫌悪…。orz
どうぞ寛大な心で読んでください…。
※4P注意報。男女共に性表現有り。尻すぼみ注意。
「オレルド准尉っ……!? な、なに……ひっ! ひあぁっ!」
ぬるっとした感触、そして、俺の尻の穴に何かが侵入してくるのがわかった。
「お、意外とすんなり……」
「つっ……痛……オレルド准尉ッ! ……何して……んっん!」
どうやらオレルド准尉の指が、俺の肛門に入れられたようだ。
そ、そんな汚いトコ……見られてるだけでも恥ずかしいのに……。
舐められた上に、指まで入れられて……母さん、俺が思ってた以上に世界は広いようです。
「伍長、痛いのかっ? こら、オレルド! 伍長が痛がっているじゃないか!」
少尉が俺に気を使ってくれる。というより、少尉にも見られてるのか……俺の尻の穴……。
ああそういえばさっき少尉にまたかけちゃったな……大量に。
謝らなきゃ……でも、俺の頭を足で抱え込んでいる人が鬼の形相になりそうだし。
「伍長、なんか言った?」
俺の首筋を爪で撫でながら、にこやかな笑みを浮かべて尋ねるマーチス准尉。
…………なんでもないです。
「いやあ、結構舐めてほぐしたから大丈夫だと……デカブツ、もっと力抜け」
「そ、そんな無茶な…………ん……ふっ……ふあっ……!」
俺は言うとおりに、深く息を吐いて、力を緩めようとしてみた。
なにもこんな時にまで上官命令聞かなくても……と、自分の馬鹿正直さが恨めしい。
その瞬間、オレルド准尉の指が、ずぷ、と一気に深く挿しこまれた。
「おっ……よし…………どうだ……?」
「んっ……ひぅ…………んんっ! ……ぁ…………あっ」
中でぐにぐにと動かされる指。
気持ち悪い。いや、気持ち悪い……はずなんだ、こんなこと。
でもなんで……俺……。
「んー……? 伍長、あれ? ……どうしたの?」
二回射精してしまった後だというのに……俺の股間は、またしてもムクムクと反応をし始めてしまった。
そんな俺の変化を見逃さない、意地の悪そうな、けれど嬉しそうな声。
「伍長……また大きくなってきたぞ……お、お尻は……気持ちいいものなのか?」
俺の勃ちつつあるモノをまじまじと見る視線を感じながら、少尉の声を聞く。
少尉に見られていると思うと、俺のペニスはさらにグングンと勢いを増して硬くなっていく。
もう俺、変態になっちゃったのかもしれない……。
「女のGスポットの代わりみたいなもんが男にもあるらしい……ですよ? なあデカブツ、どこだ?」
言いながら、指をぐりぐりと動かされる。
他人が目の前で悶えているというのに、そんな説明しないで欲しい……なんなんだろうこの人達。
どうやらその場所を探しているようだけど、そんなの俺が知るわけが……。
「ん…………あ、あッ! そっ……そこっ! 駄目ッ……!」
こり、と何かに当たるような感触がした。
その瞬間下半身に電気が走ったような感覚に襲われ、俺のペニスがびくん、と硬くなるのがわかった。
「お……ここらへんか……?」
にゅるりと、もう一本の指が中に入ってきた。入り口がまた少し拡張される。
二本の指を巧みに動かしながら、執拗にポイントを攻められる。
体に力が入らなくなって、それでも股間まわりの筋肉だけはびくびくと硬直してしまう、変な感じ。
オレルド准尉……この指で色んな女の人をきっと……。
俺はものすごく納得してしまった。これは、やばい。
「あっ……ふぁ! オレ……じゅんぃ……やっ! ……んアッ!」
「伍長……先からたくさん溢れて…………んっ……」
ちゅう、と俺の我慢汁を吸い上げる少尉。
「ん……んっ! ……ひ……ぁ……!」
そんなの反則だ。俺はどうしようもなくて、思わず声をあげてしまう。
「……ふふ……伍長お尻の中、気持ちいいの? だって、触んなくても勃っちゃったもんね……」
真っ赤になっている俺の耳をいじりながら、マーチス准尉が言う。
俺は恥ずかしいのと気持ちいいのと、どっちのせいで顔が火照るのか、もうわからなくなりながら、
ぼんやりとした頭で聞き流すしかなかった。
ふと前を見ると、少尉のピンク色の綺麗な陰部が、つやつやと湿っているのが目に入ってしまった。
「ぁ…………」
思わず、俺はだらしなく口を開けてしまう。
少尉も感じてるんだ……すごい……すごい、女の人のアソコが濡れて……。
「舐めたいの? 伍長……」
マーチス准尉が、そんな間抜けな俺の顔を覗き込んでくる。
「う…………いえ……あのっ……」
欲望丸出しの顔を見られたのが恥ずかしくて、俺は口ごもるしかない。
でも……舐めて……みたい。
そんな、おあずけをくらった犬のような俺の口を、マーチス准尉の口がふさぐ。
「んふっ……む……! …………ん……ぅ……むふ!」
さっきから俺の股間のモノは、びくびくしっぱなしだ。
そこに、意識を持っていかれるような濃厚なキスをされて、俺はもうイキそうになってしまった。
唾液の糸をひきながら、マーチス准尉が俺の口を開放する。
「まだ駄目だよ伍長…………オレルド、もういいんじゃない……?」
「おぉ……だいぶほぐれたみたいだしな……」
ぐにぐにと動かされていた指が、すぽんと俺の尻から抜かれる。
その代わりに入り口に押し当てられる、なにか弾力のある、でも硬い……これは……。
「いくぜデカブツ……」
もしかしてもしかしなくても、俺の悪い予感は的中した。
「あ! あぁ……っ……んんぁ……あ……ぁ!」
ずぶりずぶり、ゆっくりではあるが確実に、俺の内部が侵略されていく。
もちろんそれは、オレルド准尉の硬く勃起したペニスに違いなかった。
さっきの指とは比べ物にならない太さに、肛門が無理矢理拡張されるのを感じる。
そしてこの圧迫感。これはさすがに……とても……痛い!
「いっ! ……ぁ……あ! んんっ……うぅ……じゅ……んい……!」
「く……キツイな……デカブツ……大丈夫か? しばらくこのままがいいか……?」
どうやら奥まで入ってしまったようだ。入り口に、オレルド准尉のふさふさとした陰毛が当たる感触がした。
「伍長……痛いのか? んっ……む……」
少尉が俺の、少し柔らかくなったペニスを舐めながらにぎにぎと握ってくれる。
本来ならばすぐにでも硬くなってしまうはずなのに、今は下腹部に感じる鈍痛に耐えることで精一杯だ。
「隊長、駄目ですよ……こういうときは……伍長はここがすごい感じるんだもんねえ?」
そう言いながら、マーチス准尉が俺の乳首にゆっくりと手を伸ばす。
胸板の山をつつ、と滑るように指を這わせ、じらすように乳首のまわりをウロウロとさせる。
「ん……はっ……! あぁ……はんっ! ふ……ぁあぁ……」
体が勝手に、びくりと硬直してしまう。
ぞくぞくと寒気のような快感が、全身を走り抜けるのがわかった。下半身の痛みを忘れるほどに。
自分の胸の感度のよさに、恨めしいやら、今はありがたいやら……。
「あはは、先にこっちが硬くなっちゃった……ほら乳首、勃ってるよ伍長……やらしいなあ」
ピンと勃った乳首を、マーチス准尉が指でぴこぴこと弾く。
「んンッ! やっ……やめ! ……ひぁあ……ぁっ!」
「お……デカブツ、また元気になってきたじゃねえか……」
オレルド准尉が嬉しそうに言う。
そうなのだ。マーチス准尉に乳首をいじられて、また俺は下半身に血が集まり、熱くなるのを感じていた。
「うむ……んっ……先から……溢れてきたな……」
嬉しそうに言いながら、亀頭の先っぽを少尉がぺろぺろと舐める。
こそばゆくて、気持ちがいい。それと同時に、だんだんと尻の中の違和感が和らいでいく。
「じゃ……動くぜ?」
オレルド准尉が俺の両太ももを掴んで、持ち上げた。
まるで赤ん坊がおむつを換えてもらう時の格好のようで、こんな状況でも恥ずかしいと感じてしまう。
そして尻の中に入った熱い塊が、ゆっくりと前後に動き始めた。
「……んあっ! ……ふぅっ……ぐっ……あ!」
指の時より何倍もの強さで、俺の中が擦られ、突かれる。
けれどその動きは決して乱暴ではなくて、オレルド准尉が俺を優しく扱ってくれてるのがわかった。
そんなことを意識すると、なぜか急に俺の顔と下半身が火照ってくる。
じんわりと体の奥から温かくなっていくこの感覚は、一体なんなんだろう……。
「ねえ伍長、自分が気持ちよくなるのはいいけど、隊長も気持ちよくしてあげたらどうかな……?」
マーチス准尉が俺の肩から上をぐい、と持ち上げる。
「さっきはおあずけしちゃったけど……はい、舐めてもいいよ?」
少尉の綺麗な金色の陰毛が、俺の目に入ってきた。
そしてその真ん中には……。
俺はもう何も考えられずに、衝動的にその場所に舌を伸ばしていた。
「ふぁ!? ご、ごちょ……そんなと……アッ…………ぁ! ……ふぅ…んっ」
色気のない声とか言ってごめんなさい、少尉。
少尉の声はとても艶っぽくて可愛くて、俺はそれが嬉しくて一生懸命に舐める。
外のぷっくりした陰唇をなぞるように舐め、てっぺんにある小さな、
でもツンと自己主張した突起をちろちろと舐めてあげる。なんだか少尉自身みたいだな……。
「んっ……ひょう……ぃ……! んふ……ん……んむ」
「ご……ちょ……! ふぁあっ! きもち……ぃ……いぁ……! あっ!」
少尉の手が俺のモノからずるずると離れていく。
その代わり、陰毛にかかる少尉の熱い息と、さらさらとした髪の毛の感触を感じた。
よかった……感じてくれてる……少尉も気持ちよくなってくれてる……。
またペニスがじんわりと熱くなる。
他人を気持ちよくさせるのって、自分も気持ちよくなることなんだなと、ぼんやりと思った。
「む……隊長に構う余裕が出てきたのか……? こらデカブツ……!」
オレルド准尉はそう言うと、今までより少し荒々しく、硬いモノを一気に突き立てた。
「んんっ……んーぁあっ! あふっ……あっあ……!」
深々と突き刺さったそれは、俺の奥の固い部分をこれでもかという勢いで刺激した。
思わず俺は体を反らせてしまい、あられもない声をあげてしまった。
ペニスがびくびくと痙攣するのがわかる。
「あぁ……デカブツのそういう声、俺大好きだ……もっと聞かせてくれ……よッ!」
ぐちゅぐちゅと、湿った摩擦音が俺の耳にも聞こえてくる。
ピストンのように動くオレルド准尉のモノが、何度も何度も俺の尻の中を往復する。
それもただ出入りさせるだけじゃなくて、入り口を拡張させ、壁を擦り上げ、奥を突くという一連の動作を
俺に意識させるように、じっくりと、ねっとりと情熱的に繰り返されるのだ。
「あっ……う! すっ……スゴ……あっ当たって……! はぅっ……ぁあ!」
ジンジンと熱くなる下半身。もうさっきからずっと俺の股間は破裂しそうに硬くなっている。
「ほら伍長、もっと犬みたいに舐めてあげなきゃ……そんなによがってないでさあ……」
マーチス准尉が俺の耳に息を吹きかけるようにささやく。
顔が熱くなるようなぞくぞくとした感覚と共に、少しだけ我をとりもどす。
俺は言うとおりに、また少尉のアソコを舐めはじめる。
体勢に無理があるせいで、頑張って舌を伸ばさなければ届かない。
そしてオレルド准尉に尻の中をかきまわされ、こらえきれない声が、荒い息と共に漏れてしまう。
ホントに俺、犬みたいだ……。
「はっ……はぁ……んっ! ん、んぅ……ぁはっ! んんっ……ちゅ……」
「……あっ……はあ! 伍長……わたっ……もう……ふうぅっ…………!」
さっきから少尉の陰部はびしょびしょになっている。
それを舐めながら舌の先を動かしてあげると、少尉はびくんと体を硬直させる。
「はぁっ……デカブツッ…………すげえ! ……締まってきて……俺っ……」
オレルド准尉の熱っぽい声が聞こえる。
俺の中にあるものがさらに太くなった気がして、俺は今までにない強烈に熱い感覚に襲われた。
「ぁんんッ! あふ……准尉……もっ……ぁふっ……! っふぅ……ん!」
マーチス准尉に頭を固定され動かすことが出来ないので、少尉の内部に息と声が入り、くぐもった声になってしまう。
「ひっ! ごちょっ……やっ! アッ……あっ……! イッ……あぁっあ……んん!」
少尉の体がびくびくと痙攣するのがわかった。
ヒクヒクとする陰裂の間から、今までにないほどの液が溢れてきた。
「く……俺もっ……イクッ……あっ! デカブツ悪ぃ……我慢できね……んっああ!」
オレルド准尉の動きが、壊れそうなくらい速くなった。
そして深々と突かれた瞬間に、ドクドクと熱いものが俺の内部を満たしていくのがわかった。
男の人に中出しされてしまったのに、それがさらに刺激となって、体の奥から熱いものが駆け上がってきた。
「んふっ! あ……ぃっちゃ……ふぁあっ! ああっ! んんぅ!」
そうして俺も、今日で3回目の絶頂に達してしまった。
XXX
「お前たちなあ………………。……はぁぁぁああ……」
ハンクス大尉は深い深い、そして長いため息をついた。
ここは陸情3課の部屋、ハンクス大尉のデスクの前。
横一列になって立たされているのは、少尉、オレルド准尉、マーチス准尉、そして……俺。
どうしようどうしよう……俺は罪悪感やら恥ずかしさやら、頭の中がぐちゃぐちゃになっていた。
今このような状況になっているのは、俺がさっきイッてしまったすぐ後の出来事が原因だった。
清掃中の札をかけていて、さらに鍵までかけたはずの扉が、外側から開かれたのだ。
そしてそこにいたのは俺たち全員の上官である、ハンクス大尉だったのだ……。
俺を含めた一同が一気に冷めたのは言うまでもない。
現行犯ながらも、必死に言葉を探すオレルド准尉に、ハンクス大尉が一言。
「いいから、服を着て部屋に来い」
あの時ほど大尉が怖いと思ったことはなかった……。
「はぁああ…………」
もう一度大きなため息をつく大尉。
呆れてモノも言えないというのは、こういう人のことを言うんだなあ……。
などと悠長に考えている場合ではなかったけれど。
「大尉! 伍長は……悪くないのです! 責任は、私たち3人に……!」
あんな現場を見られたにも関わらず、顔を赤くしながらもハンクス大尉に言う少尉。
俺は目が潤んでしまうのを止められない。
「えっ……でも元はといえば、隊長が俺たちに相談を持ちかけてきたのが……」
「お、オレルド! 一番乗り気だったのはお前ではないか! マーチスも!」
「ええっ、ぼ、僕にふらないで下さいよ、だってアレは……」
あれ、こんなやりとりをさっきも聞いたような気がするんだけど……。
「いい加減にしろ!!」
ハンクス大尉の怒鳴り声など、俺はほとんど聞いたことがない。
だからその声は、とてつもない脅威だった。
「…………もういい……オーランド伍長、帰っていいぞ。体は……平気だな?」
「え…………? あ、はい……」
実は足腰に力が入らなくて、尻は痛かったけれど、俺はうなずいた。
しかしそんなことよりも、帰っていいという言葉に俺は驚いた。
「で、でも……俺、大丈夫ですから! ……だから……」
俺はあんなことをされたけれど、少尉たち3人に対しては何の悪い感情も沸いてこなかった。
まあマーチス准尉の豹変ぷりには驚いてしまったけれど……。
でもあれはあれで……ちょっと……よかったなぁ………………じゃなくて。
俺は確実に変な方向に足を突っ込んでしまっているらしいけど、今はとりあえず置いといて。
むしろ俺を好きでしてくれたことだと思えたから、嬉しい気持ちのほうが強かった。
だから、それで俺以外の人たちが何らかの処分をされてしまうなら、耐えられなかった。
「…………」
そんな俺の表情を読み取ったのか、ハンクス大尉は少し微笑んで言った。
「今回、お前さんは被害者だからな……何、こいつらにお灸を据えるだけだ。
そんなに不安そうな顔をするんじゃない……」
俺はそれでも心配だったのだが、大尉の目が有無を言わさぬ雰囲気をかもし出していたので、
とりあえず外で他の人たちを待っていようと思った。
「わ、わかりました……少尉、オレルド准尉、マーチス准尉……すみません」
後で謝ります、と心の中で言うと、俺は荷物を持って部屋を出た。
だから、その後にハンクス大尉が何を言ったのかは知らない。
……だけど、それは後になって知ることになったんだ。
まあそれはまた、別のお話……。
XXX
「……お前ら………………何で俺を呼ばなかったんだ」
X終わりX
287 :
焦らしの人:2006/12/28(木) 04:46:33 ID:???
というわけで見事に尻すぼみでした…。
プレイ人数が多すぎると自分の首を絞めるのがわかったのでもうしない!orz
あれ…?最後に一人……増えてる?
GJ!濡れたよw
尻すぼみなんてとんでもない、見事な大円団じゃないですかw
289 :
名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 11:06:29 ID:QQHQ3NEr
↑テラキモス
>>287 GJです!伍長は3課の皆に愛されていますねぇ
楽しませて頂きました!
最後の大尉のセリフが・・・・w
オチに吹いたwGJ!
今週のラジオ、ゲストが伍長ですよ。
テンション高スwww
伍長の声で「お子胤を」とか言われた日にゃ…w
ラジオヤバス。
あうあう伍長がいる。いる!
ラジオ萌える…w。
図体でかくて泣き虫な子供時代とか
伍長とシンクロしすぎて中の人GJだわw
三宅さんいっつもテンション高い
伍長のお子胤欲しい人は~?w
寧ろ伍長がお子胤を欲しがってほしい
その場合相手はレオ様な気がする
その場合、絶対にワインは零さないね
「お、お子胤を…ください…ませ…」
「子供できないのに、男なのに、僕の精子(たね)が欲しいんだ?」
「は、はい…。ど、どうか…、お、俺の…、オマ×コに種付け…してください…」
「もっとはっきり言いなよ。この間教えたとおりにね」
「いっぱい出して…、飲ませて…ください…。男の俺でも赤ちゃんできちゃうく
らい…」
>>275 もう削除されてしまわれたんですねorz
見逃した…!!
303 :
男体の人:2006/12/29(金) 04:08:24 ID:???
>>303 なんと!ありがとうございます!
言ってみるもんですね(つД`)
生々しい質感がエロスです。いつもゴチです…。
305 :
男体の人:2006/12/29(金) 05:01:57 ID:???
>>304 見れましたか、よかった~。
こちらこそ報告と感想、ありがとうございました。
公式のキャラクター人気投票
伍長に一票を入れて来たおっぱい。
>>180です。
遅すぎるのですが皆様へクリスマスプレゼント。
今年最後のSS投下させていただきます。
>>192の「ドンデレ」が個人的にツボだったため、続きを書きました。
前提
オレルド(ノンケ)×伍長
>>169の続き物です。
ドンデレwクリスマスネタ。
冒頭ちょいエロ有。
ちょろっとですが原作意識で書いてます。
俺はこれが夢だと頭でわかる人間らしい。
辺りは白くて何も無い。
あるのは俺の部屋にある見慣れたベッド。
その上で俺は誰かを抱いている。
誰を抱いているのか視界に映るその人は曖昧で見えない。
わからない誰かを俺は一生懸命抱いていた。
「あぅ、あっ、あぅぅ!・・・オレルドさんっ・・・やっ、あっ、はぁ」
切ない声で俺の名前を呼ぶ。
堪らなくそれが可愛くて、気持ちよくなれるように強く腰を打ち付ける。
「ひゃうんっ!」
背中をしならせ、腕を震えさせながら俺にしがみつく。
唇を塞がれ、舌を懸命に動かしてきてくれる行為も可愛くてしょうがなかった。
返すように俺も相手の舌に吸い付いて舐め絡める。
「うふぅ・・・ッ!ぅん、あふぅ・・・好きです・・・好きぃ・・・」
言葉にしないと不安なのか震えた声で囁かれた。
何もかもが愛しくて、胸もギュッと締め付けられる。
これは夢だとわかっていても、込み上げてくる暖かい気持ちを示すように俺は優しく
抱きしめた。
次に見えたのは薄暗い天井。
夢とは違うぼんやりとした視界は段々とハッキリと映る。
重たい瞼を擦りながら上半身を起き上がらせ、しばらく何も考えずに壁を見つめていれ
ば横で何か動いたので目をやると、そこには知らない女が裸で眠っていた。
あくびをしながらベッドから降りて冷蔵庫から飲料水を取り出す。
・・・確か飲み屋で口説いたんだっけ。
冷たい喉越しを感じながら昨日の記憶を思い出そうとするが、さっきの夢がチラチラと脳裏
を霞めて邪魔をしてきた。
目覚めてしまえば何の夢を見ていたのか忘れてしまう。
それなのに今日は夢に出てきた声がどこかで聞いたことがある気がして妙に引っかかる。
「誰だっけ・・・」
気になる声を思い起こそうとするが、時間が経つにつれてその声自体が記憶から薄く掠れ
ていった。
景色を見ているだけで寒い、冬の到来。
朝、息を吸い込むと喉にうっすらと痛みが響くほど冷え込んでいる。
雪が降りそうな厚い雲は見えないが、日が昇る時刻になっても濃い霧が町中を長く包ん
でいた。
そんな時期の今年が終わるまでもう数週間、仕事納めにどこもかしこも大忙しだ。
今年中に終わらせなければならないために徹夜続きの部署もあれば、点数稼ぎで張り切
って仕事にでかける部署もある。
無理に仕事をすれば相次いで過労で倒れる人が現れ、医務室は満室の日々が続く。
陸情三課も例外ではなかった。
書類整理に追われる部署内の各自の机には、処理せど処理せど大量の資料と必要書類が
積まれていく。
いつもはのんびりマイペースで新聞を読んでいるハンクス大尉でさえ、部下に次々と提示される
書類に目を通しては処理をする状態だ。
「この物品許可書、九月のやつでしかも許可取れてねーじゃねーか!」
叫んだのは、書類を保管している棚を整理していたオレルド准尉。
その横でステッキン曹長が物品記録を見ていた。
「許可取れてないのに物は来てますね・・・どうしましょう」
「どうしましょうじゃねぇって。この書類出そうとしたのお前だろ」
許可証で頭をパタパタとはたかれ、ステッキンの顔が膨れっ面になる。
「この品物欲しいって言ったのオレルドさんじゃないですか!書いたの私ですけど、自分で
出してくださいって渡しましたよ!?」
「俺は貰ってねぇよ」
「渡しました!」
「貰ってねぇ!」
「二人で処理しに行ってこい!」
横から割って入ったアリス少尉の言葉に二人は閉口し、小さな声で喧嘩しながら部署を出て行く。
二人を見送った後、少尉はランデルの席へ近づいて書いている途中の書類を拾い上げた。
「まだここまでしか書けてないのか。このままでは仕事が終わらないぞ」
「はぁ・・・すいません」
戦争が終わるまで書類を書くという仕事の経験がほとんどなかったため、それなりの努力
はしているようだが、他の人に比べるとかなり遅い。
能力の個人差は有るものだと十分に理解しているので、強くランデルに叱ることはしないが、
ただ、これでは年末どころか年が明けても仕事が終わらないのではないかと心配になって
いた。
手伝えれば手伝いたいところだが、それでは頑張っているランデルのためにもならないし、
何より自分の仕事がまだ終わりそうにない。
上官としてどう判断すべきか少尉が悩んでいるのをランデルは察した。
「あの。俺、大丈夫ですから」
心配しないでくださいと付け加え、机に向かう。
その言葉で余計に心配になってしまったが、本人が言っている以上は口を挟めず、少尉
は気にしながらも自分の仕事に戻った。
12月21日。
ランデルの仕事はまだ山積み状態だった。
ある程度仕事に余裕ができた他の人達は普段の任務を優先とし、部署内には人影が少な
い。
大尉も会議に出ることが多くなり、今部署にいるのはランデルとステッキン、そしてマーキュリー号だ
けだ。
「この間まではあんなに騒がしかったのに、なんか寂しいですね」
マーキュリー号の食器を洗いながらステッキンがつまらなそうに呟く。
それにいち早く気づくマーキュリー号は、ステッキンの側を離れないように座ってぱたぱたと尻尾を
振っていた。
確かに賑やかなときはあれほど暖かいと思っていた部署も、人がいなくなれば暖房器具
があるとはいえ少し肌寒く感じる。
忙しさのあまり外を見る暇がなかったが、今見てみれば雪が降りそうなほど白く、太陽
が見えない暗い景色が外にある。
「クリスマスには雪が降るんでしょうか」
ランデルがポツリと呟く。
「この天気だと降るかもしれませんね。ホワイトクリスマスかぁ。雪が静かに降る中、外のおっきな
クリスマスツリーを大好きな人と一緒に眺め、二人はいつしか手と手を握り合い、そして自然と目と
目が合ったら・・・きゃーっ!想像しただけでもロマンチックよね、マー君!」
「ワフッ!」
マーキュリー号の両前足を握り締め、ステッキンはクリスマスソングを歌いながら踊りだす。
それを見てランデルは苦笑いをしながらまた外を見た。
そろそろ橋の下で寝るのには辛くなってきたな。
でも猫達の世話もあるし・・・どうしようか。
ぼんやりとそんなことを考えていると、不意にくしゃみが出た。
それに気づいたステッキンは踊っていた足が止まり、ランデルに近づく。
「風邪ですかー?え!?ものすごい熱!」
冗談のつもりで額に手を当てると、そこは思った以上の熱を帯びていた。
当てられている手のひらがひんやりとしていて気持ちいいのか、ランデルの表情が緩む。
このままじゃいけないと、ステッキンはランデルを引っ張って医務へ連れて行こうとするが、熱が
あると自覚したらだるくなったのか動こうとしない。
巨漢を女性一人、ましてや体格差があっては力で動かすことなど不可能。
噛み付きマーキュリー号の力を借りても熱で痛みを感じないのか叫ぶこともなく、マーキュリー号が
ぶらさがったままランデルはその場から動かなかった。
困り果てたステッキンに救済の手が現れたのはその直後。
視察に出ていたオレルドとマーチスが帰ってきた。
ステッキンは目をキラキラと輝かせて二人に駆け寄る。
「調度良かったぁ!伍長さんが大変なんです!」
「伍長がどうしたの?」
「あおーん!」
「いででででっ!なにしやがんだ!この馬鹿犬!!」
ステッキンの後ろを追いかけていたマーキュリー号が駆け寄った勢いでオレルドの頭に噛み付く。
「マー君!噛み付きたい気持ちはわかるけど、今はそれどころじゃないの!」
「どういう意味だよ、そりゃ」
「・・・女性モノの香水の匂いがしてるからじゃないの?」
オレルドの近くでマーチスがちくりと棘を刺す。
「クッ・・・で、伍長がなんだって?」
話を逸らしてオレルドはランデルの元へ行くと、熱に浮かされてランデルがぼーっとしていた。
「あ・・・おかえりなさい」
とろんとした瞳でこちらを向いて微笑まれ、思わずどきっとする。
男に興奮してどうすんだ、俺。
オレルドが見とれている間に、ステッキンから状況を聞いたマーチスがランデルの腕を掴んで無理やり
立たせる。
「大丈夫?辛いだろうけど医務まで行こう」
腕を引こうとするが、ランデルは首を横に振る。
「仕事・・・まだ終わってないので・・・」
行きません、と拒否してまたイスに座られてしまった。
するとオレルドがすかさずランデルの頭をはたく。
痛みはないが、叩かれた箇所を擦りながらランデルの目が大きく見開いて瞬きが早くなった。
「なにしてるんですか!伍長さん熱があるんですよ!?」
高い声で怒鳴るステッキンに、マーチスが「シッ」と静かにするように口元に人差し指を当てて体を押
さえる。
「お前の風邪が周りにうつったらどうすんだ?どっちが迷惑か考えろ」
「・・・」
考えずともオレルドの言った言葉に納得しつつしょんぼりとした顔。
「さ、行こう」
励ますような優しい声でマーチスはランデルの体を支えながら、耳打ちでフォローを入れる。
「彼なりに心配してるんだよ」
反対側でオレルドも憎まれ口を言いつつもよろける部下の体をしっかり支え、三人は部署を出た。
医務室は満員御礼でどこも空いていなかった。
どこもかしこも体調不良の人達の山、山、山。
気分は姥捨て山状態である。
働きづめの担当医師の顔色も悪く、やっと順番が回ってきたかと思えば診察を手早く済
まされ、風邪薬だけ渡されて追い出されてしまった。
途方にくれるマーチスとオレルドに、大きなくしゃみが耳に響く。
部屋と違って寒い廊下は病人には耐えられなかったようで、ランデルの病状が悪化し始め
ていた。
鼻がぐずり、くしゃみと咳が止まらない。
とりあえず仮眠室に連れて行こうと、二人はもうひと踏ん張りで重い体を引きずらせな
がら歩いた。
仮眠室にまでは病人はおらず、部屋の中は静まり返っていた。
電気を点け、ランデルをベッドに寝かせてからストーブを点ける。
予備の毛布を何枚も重ね、かまくらのような姿になって隠れたランデルにマーチスが薬を渡す。
「今ストーブでぬるま湯作るからちょっと待っててね」
水の入ったやかんをストーブの上に置いたオレルドも、ランデルの顔を覗き込んで言う。
「橋の下で寝て風邪ひいたのか」
「・・・」
静かに布団を頭までかぶり、ランデルは答えない。
黙秘をされたオレルドは口を尖らせ、思い切り布団を剥いだ。
「おい、食欲あるか」
嫌がらせで耳の穴に強い息を吹きかけ、かけられた方は唐突な刺激に思わず身震いをする。
「ひゃうっ!・・・・・・ないれす」
熱で朦朧としているのか、呂律が上手く回っていない。
何も食べずに薬を飲ませるのは胃に悪いので一旦薬を取り上げ、寝かせることにした。
「俺たち昼飯食いに行ってくるから、お前は寝てろ」
そう言うと素直にランデルは眠り出し、それを確認した二人は食堂へ向かった。
食堂へ向かう途中、オレルドがまたぶつくさと文句を言い始める。
「風邪うつされたらたまんねぇよ。イブはデートだってのに」
「珍しく粘って口説き落とした子だっけ?」
「そう。粘った甲斐があって、イブの約束までこぎつけられたんだ。ここまで来て風邪
ひいてパーになんてさせてたまっかよ。大体アイツは仕事が遅ぇからってここ最近ずっと残業
しまくってて体調良くないくせに、冬なってもまだ橋の下で寝てっからこんなことになん
だ。自分の体調も考えずに働くなんざ俺には出来ないね」
「・・・素直に心配すればいいのに」
「あ?なんか言ったか」
「べつにー」
なんだかんだ言って一番心配してるのは君じゃないか。
伍長が残業ばかりしてたなんて僕は知らなかったよ。
あえて口には出さずに思うマーチスは、昔から変わらない幼馴染の性格を見てなんだか無性
に嬉しくなった。
さっきの嬉しさは無かった事にする。
お茶を飲みながらマーチスはずっと渋い顔をしていた。
食堂についてからクリスマスの話をしていたのだが、途中からオレルドがいかにどう女性を口説
き落としたのかという一方的な自慢話を延々と聞かされ続けているからだ。
生憎クリスマスに可愛い彼女を連れ出せることもない独身貴族なマーチスにとって、毎年このイベ
ントが近づくと苦痛で仕方がない。
しかしここで自分を皮肉ると、セッティエーム姫の話を持ち出され更に冷やかされると予測がつ
いているのでぐっと堪えていた。
食事がひとしきり終わると自慢も終わり、食器を片付けたら今度はランデルに食べさせられ
る料理を探す。
さすがに食堂におかゆはないため、代わりになりそうなものを物色していると、二人の背
後を聞き覚えのある声が通り過ぎていった。
マーチスが横目で見ると、それは一課の「第2の曲剣」部隊の集団だった。
同期のラーンの姿はなかったが、相変わらずつるんでいれば口うるさい集団だ。
もう少し静かにしゃべれないものかとマーチスは呆れる。
視界にもいれたくないのか、オレルドは一切後ろを振り向かずにメニューとにらめっこをしてい
た。
「お前らにも見せてやりたかったなぁ、あの現場」
行儀悪くイスやらテーブルに座った部隊の一人が面白おかしく話をし出す。
聞きたくもないが、声が大きくて嫌でも耳に入ってくるのだから堪らない。
「あの中庭の話か。確かにあれば面白かったな」
共感してもう一人の男が相槌を打つ。
「昨日休憩中に中庭通りの廊下歩いてたらよ、噴水の前でぼーっとつっ立ってる奴がい
てさ」
「そうそう、外は寒いっつーのにずっと立ってて。で、不思議に思って俺らも外出たん
だよな」
「なにしてんのかと思ったら、ずーっと空を見てんだよソイツ。なーんかそれが可笑しくっ
てさ」
「驚かそうと思って大きな声出して後ろを押したんだよ。軽くだぜ?」
「そしたらびびって一人で慌ててさ、ソイツそのまま噴水に落ちたんだよ」
「落ちてもしばらく水に浸かってたよな、鈍感すぎ」
「コントみたいな動きする奴なんて珍しいから、お前らにも見せてやりたかったよ」
人の不幸を笑いのネタにゲラゲラと集団は笑っている。
全て耳に入っていた二人の表情は苦虫をつぶしたような顔になっていた。
周りで食事をしている他の部隊の者たちも、その集団から自然に離れた場所へ移動して
行く。
そんなことなど気にもしていない集団の声は更に大きく話し出す。
「どんだけ鈍いんだよソイツ。どこの部隊だ?」
「確か陸情三課じゃねぇか?」
「まさかオレルドか!?」
「バカ、アイツだったら避けられるに決まってんだろ」
「ほら、顔にでっかいサンマキズの・・・」
言いかけた男の肩に手が置かれる。
振り向くと、話のネタにしていたその三課の一人が無表情で立っていた。
「オレルド!」
制止の言葉を聞く前に、オレルドはその男が座っているテーブルを蹴り上げる。
後は一度燃え広がった火のように食堂内は騒然となった。
「はいよ、連絡ご苦労さん」
会議から戻って早々、ハンクス大尉が電話の応対して受話器を下ろす。
長い会議から解放された体を伸ばし、肩を叩きながら自分のイスに座る。
「准尉たち、遅いですね」
お昼時間が過ぎたというのに、三人が帰ってこないのが心配で壁掛け時計を見ながらステッキン
は部屋をウロウロしていた。
「只今戻りました」
帰ってきたのは大尉とは別の会議に出席していたアリス少尉。
大尉の前で敬礼し、部屋を見渡す。
「あの三人はどうした?」
「わかりません。伍長さんを医務室に連れて行ってから帰ってこないんです」
「なに?伍長がどうかしたのか」
「あー、その話なんだが、二人とも」
大尉が自分のほうへ話を向ける。
そのまま話を続けようとすると、再びドアが開いた。
「お邪魔するよ」
挨拶もそこそこに、部署に入ってきたのは技術開発班のウェブナー中尉。
わき見もせずに真っ直ぐ歩いて大尉の前に立つ。
「三課の二人が拘束されました」
「なんだって!?」
ウェブナーの言葉にアリスの目が見開いた。
大尉は煙草の煙をゆっくり吐き出しながら言う。
「さっき連絡が入った。捕まったのはオレルドとマーチスだな」
「何をやっているんだあいつらは・・・」
握りこぶしをつくりながら、アリスは怒りで体を震わせる。
「どうして二人は・・・」
先ほど以上に心配していた表情が暗くなったステッキンに、ウェブナーは不安を中和させるように優
しく微笑む。
「拘束といっても一時的なもんさ。食堂で暴れたところを保安課に捕まっただけ」
「理由は?」
「詳しいことはこれからわかるだろうけど、目撃者からの情報だとオレルドから掴み掛かっ
たらしい」
「・・・それならばどんな理由があろうと懲罰、又は自宅謹慎の罰が下りるだろう。それで
済むなら軽いもんだ」
「しかし大尉」
「アリス、わかっているだろう。あまり深く考えるな」
アイツらが利害も関係なく暴れるようなことを自ら望んでするはずがない。
それがわかっているからこそ、アリスは煮え切れなくて胸がざわつく。
ハンクスは一息つくと、ウェブナーにお礼を言った。
「わざわざ報告ご苦労さん」
「いえ。一課長に指定された報告書を出しに来たついでに、そういった情報を耳にした
ので立ち寄ったまでです」
「立ち寄りついでにコーヒーでも飲んで行け。一番旨いのを淹れてやろう」
大尉自らおもてなしをしようとする発言に、言わんとしていることに感づいたウェブナーは口
の端を上げて笑う。
「よっぽど美味しいんでしょうね」
「ああ、きっとお前さんも満足できるモノだ」
同じくハンクスも含んだ笑みを浮かべた。
拘束されたまま鉄格子の部屋に入れられたオレルドとマーチスは、ぐったりと横たわっていた。
暴れまわったせいもあるが、保安課が来たときにもオレルドが抵抗を見せたために容赦なく
警棒で打ちのめされたからだ。
必死でオレルドを止めようとしていたマーチスまで巻き添えをくらい、喧嘩をする気もなかった
のに顔に青アザがいくつも出来ている。
「はっきり言って迷惑だ」
「・・・悪ぃ」
怒りが収まらないマーチスにオレルドは素直に謝った。
てっきり開き直りをすると読んでいたマーチスは、思わぬ謝罪の声に拍子抜けする。
マーチスは後ろに回された自由のきかない腕を痛めないように動かして上半身を起き上がら
せ、背中を向けたままのオレルドを見ながら言った。
「伍長、どうして黙ってたんだろう」
「『心配かけたくない』からじゃねぇか?」
あいつはそういう奴だよ。
やけに投げやりな言い方でオレルドは言う。
「確かに伍長は抱え込むところはあるけど、あれは・・・」
「抱え込んで悩むのはお前のほうが重症だろ」
一時期ランデルを疑っていた時期の話を持ち出され、マーチスはついカッとなった。
「重症なのはオレルドだろ!最近後先考えずに行動してるって、自分でもわかってるくせに!」
彼が最近おかしいのは行動を見ていれば手に取るようにわかっていた。
面倒なことは避けるれるように常に計算しながら動く彼はどこか上の空。
それが伍長が相手だと特に酷くなる。
彼らの間に何があったのか知らないし、聞いても話さないだろうからあえて気づかない
ふりをしてきたが、不満の解消を自分で処理できずに僕にぶつけられても困る。
マーチスの苛立ちは表情にも表れ、興奮のあまり多少呼吸が乱れた。
機嫌がこれ以上損なわれないようにオレルドは押し黙り、部屋には沈黙が流れる。
話しかけづらい空気の中、オレルドは壁を見ながら一つだけ聞いた。
「マーチス、このこと・・・」
「わかってる。伍長には言わないよ」
聞きたかった質問に、怒った口調ながらもマーチスは答えてくれた。
どのみち耳に入ってしまうだろうがバレるまでの間、あえて自ら何も言わないでおけば心
配性の伍長の具合が酷くなることはない。
「悪ぃ」
答えが聞けるともう一度謝り、それ以上二人が会話をすることはなかった。
取調べの結果、今回は被害者側にも行き過ぎた行為があったとし、オレルドは一週間、マーチスは
三日の自宅謹慎に処された。
懲罰にならなかったのは、現場目撃者の情報をまとめあげて証言させたウェブナー中尉の働き
かけのおかげだと、そのときの二人は知らない。
12月24日。
今日はクリスマスイブだというのに、どうして俺は自宅にいるのだろう。
街は彩られたクリスマスツリーがあちこちに飾られているというのに、寂しく俺は独りで部屋の中。
せっかく口説けたと思っていた女性さえ、俺が自宅から出れないとわかるとあっさり別の
男に鞍替えしやがった。
最初から口説き落とされたふりをしてたってことか。
それが見抜けなかったなんて俺もまだまだだな。
ショックがでかすぎたのか、腹も立たない。
謹慎が解けるまでまだ四日もある。
懲罰に行くよりかはマシだけど、暇なのもどうしようもない。
暇ついでに部屋の掃除をしたら水道管がイカれやがった。
この忙しい年末じゃ、直すのは来年以降だとよ。
それまで水風呂に入れというのか。
なにもかもが最悪だ。
やる気もなくなり、ベッドに寝転がる。
先に謹慎の解けたマーチスの話では、復帰後すぐさま少尉にこっぴどく説教されたそうだ。
騒ぎの理由は大尉と少尉しか知らず、伍長とステッキンにはうやむやの答えのまま誤魔化して
もらえたようでそれを聞いて安心したが、まだ俺には気になることが残っていた。
重度の熱を抱えた病人が、まだ残った仕事を終わらせるために療養していない。
一度は少尉が病院に連れて行ったらしいが、医者に入院を勧められてもあいつはごねて薬
だけ飲み続けて仕事に出ている。
仮眠室で冬の間だけは寝泊りできるよう特別許可が下りたようだが、休んでいなければ意
味がない。
今時刻は夜の九時。
普段ならあの部署には誰もいないだろう。
このまま寝てしまおうかとも考えていたが、世話を焼かせるあいつの顔が浮かんできた
ので頭を掻き毟って立ち上がる。
元々持て余す時間が過ぎるのをじっと耐える性分じゃない。
掛けていたコートとマフラーを持ち出し、俺は家を出た。
「ひっくしゅんっ!」
大きなくしゃみと共に鼻水が垂れ、慌ててティッシュで鼻をかむ。
痒い鼻を掻きながら、机に置かれた一つのランプの明かりだけでランデルは一人残業をしていた。
熱は前に比べたら下がったものの長い間仕事をしていると目が霞み、鼻がつまって呼吸もしづらい。
「ふー・・・」
無理をしないよう、休憩を挟むことにした。
ストーブが点いているので寒くはないが、熱を奪われないように毛布で自分の体を覆い、ぬるくなってしまったコーヒーに口をつけながら窓の外を見る。
ステッキンの予想は外れたようで、雪は降っていない。
せっかくのクリスマスなのに。
残念そうな顔で心の中で呟く。
行事自体にあまり関心を持っていないが、人が大切に想う日なのであれば喜びは倍増されたほうがもっと良い。
そんな、どこか必ず自分を切り離して考えてしまうのは悪い癖だと自分でも思う。
こんなことを言ったらオレルド准尉は怒るんだろうな。
不意に出した名前に、ランデルは顔が赤くなった。
どうして急に准尉の名前が出てきたのだろう。
少尉だって、いや、マーチス准尉だって聞いたら怒るかもしれないのに。
「やっぱりまだいたか」
「・・・え?オ、オレルド准尉!」
突然の来訪客にランデルは振り向き、驚く。
オレルドは部屋に入るなり手荷物を置いて足早に、ストーブの前で冷たくなった体を温める体勢をとった。
「うー、さっみー。こんな時間まで真面目すぎんぞお前」
「そんなことより、どうしてここに?まだ謹慎中ですよ!?もしバレでもしたら・・・」
「見つからなきゃいい話だよ」
手をこすり合わせながら、ランデルの机に置かれた書類を見る。
だいぶ終わってはいるが、この量だとこいつは明日も残業しそうだな。
「すいません・・・」
書類を見て動かない上官に、自分の仕事の遅さを呆れられているのだと勘違いして謝る。
その言葉にオレルドは丸めた書類でランデルの頭を叩き、後ろの襟を掴んで引きずった。
「ちょ、あの、准尉!?」
部下の声も聞かずに力づくでソファーに倒し、さっきまでランデルが羽織っていた毛布を投げつける。
「寝てろ。後は俺がやっといてやる」
そう言ってオレルドはランデルのイスに座って仕事を始めた。
少しポカンとしていたランデルだったが、慌ててソファーから飛び起きる。
「俺、大丈夫ですから!そんな気を使わないでください」
「前にも言ったろ。人の厚意は素直に受け取るもんだ」
「これは俺の仕事で・・・!」
「俺だってこんなめんどくせぇことしたかねぇよ。もう寝ようと思ってたし」
迷惑をかけている事実を直球で返され、ランデルの背中が丸く縮こまる。
「でもお前の顔がチラついたら気になって眠れなくなっちまったんだからしょうがねぇだろ」
そう自分で言った言葉に眉間にしわを寄せる。
何を言い出してんだ俺は。
「・・・ぁ、あの・・・」
「まぁとにかくお前は寝てろ。心配されたくなけりゃさっさと風邪治せ」
何か言いたげなランデルを犬をあしらう様に手で払うと、諦めがついた様子でオレルドに頭を下
げてからソファーに戻り、毛布に包まって横になる。
「・・・少し寝ます。何かあったら起こしてください」
「しんどくなったら嫌でも起こしてやるよ」
「はい・・・」
よっぽど疲れていあたのだろう、声は途切れ、すぐに寝息が聞こえてくる。
結局甘やかしてしまう自分が情けなく思いながら、そのわだかまりをぶつけるように仕
事に集中した。
深く眠れたのか、寝起きだというのに意識がハッキリとしていた。
体を起こして重い瞼をこする。
どれくらい俺は眠っていたんだろう。
自分の机を見るとランプの明かりだけが照らし、オレルドの姿がない。
目を凝らして室内を見ると、仕事をしていたはずのオレルドはいつの間にか自分と向かいの
ソファーで眠っていた。
起こさないようにゆっくりと歩いて机に戻り、置かれていた書類に目を通す。
どの書類もすべて書き終わっており、ランデルの仕事は片付けられていた。
今日には終わりそうもない仕事量だったのにもかかわらず、全部の仕事を処理してくれた
上官にランデルは敬意と共に頭が下がる思いでいっぱいだ。
その書類をまとめていると、書類の間からメモが落ちた。
《病人用に飲み物が机においてある。温めて飲め》
仕事だけでも大変だったろうに、わざわざ自分の体調まで気遣われたメモに泣きそうになる。
書かれた通り、机には小さいナベが置いてあり、蓋を取るとそれは牛乳だった。
有難くそれを頂こうとコンロに火をかけて暖めると、微かに牛乳からお酒の匂いがした。
温まった牛乳をソファーに座って静かに飲む。
砂糖も入っているのか、牛乳の甘味が濃くて美味しい。
暖かい湯気にかみすぎて赤くなった鼻をくすぐられ、ゆるくなった鼻孔を啜る。
「エックシュンッ!」
静かにしている中でオレルドのくしゃみが聞こえ、ランデルは自分が使っていた毛布をオレルドにか
けた。
仕事を手伝って貰えたのはありがたかったけど、やっぱりこのままここにいるのはマズイ
よな。
怒られるのを承知で起こそうと、オレルドの肩に手をかける。
「あっ・・・」
オレルドに触れた瞬間ゾクゾクとした何かが腕から背中へ伝わると、思わず声が出てしまい自分
で驚いた。
前にオレルドと喧嘩をして大泣きしたときも、こんな感覚を味わったことがある。
この人に触れられていたとき、なぜあんなにも心地よく感じたのだろうか。
今まで人に触れられて安心感を得るのを感じなかったことはない。
でもその感触がこの人だと違う気がする。
怒られるだろうけど、もっと自分から触れたい気持ちが湧いてくる。
無防備に投げ出されているオレルドの手を、本人に気づかれないように恐る恐る触れる。
違和感を感じてオレルドの手が一瞬跳ねたが、まただらりと下に垂れた。
指を優しく掴んでみると、自分の指先から小さな痙攣を感じる。
触れていることで鼓動が速くなり、少し自分の呼吸が乱れているのもわかった。
たったこれだけのことで普段の自分じゃなくなることに理解できない苦しさと反し、もっ
と触れてみたい欲求が多少の酔いもあってか自制も出来ずにどんどんと高まる。
ソファーの前に座ってオレルドの顔を覗きこむと、彼の口から浅く呼吸する音が聞こえ、思わず
喉が鳴る。
抱きしめられたら心地よかった。
じゃあこの唇に触れたらどうなるんだろうか。
素面じゃ考えただけで真っ赤になりそうなことを淡々と考え始めたかと思うと、あっさ
りそれを実行に移すことにした。
ソファーに手を置いて自分の上半身を前に屈ませ、寝息が聞こえるほど自分の顔をオレルドに近
づかせる。
距離は短いのに、唇を近づける時間がとても長く感じた。
その長さに耐え切れなくて一旦動きを停止させたが、覚悟を決めたようにキュッと唇を結ん
で再度接近する。
オレルドの吐く息が唇に触れたとき、ガシャンッと大きく何かの物音がした。
「・・・ッ!」
その音に驚いて体がビクッと跳ねた後、ランデルはその場から慌てて離れる。
驚きながらも辺りを見回すと、ランタンが足下に転がっていた。
どうやら支えていた布地が破けてしまったようだ。
その音に気づいてオレルドが目を覚ます。
「ふぁあぁ~っ。ん、ああ、お前起きてたのか」
「は、はい、まぁ・・・」
狭いソファーで眠っていて固くなった体を和らげようと、関節を鳴らしながらオレルドが起き上が
る。
その横でランデルは驚いた拍子にだんだんと自分の酔いが醒めていくのがわかった。
すっきりとした頭に戻ったころには、自分がしようとしたことに今更赤くなる。
何しようとした?何しようとしてた俺は!
恥ずかしさのあまり顔を覆って自分を咎めた。
「どうしたデカブツ」
「いえ、なにも!」
真っ赤な顔で必死に否定しているのがかなり不自然に見えるが、まだ頭がぼんやりとして
いたオレルドは気にするのをやめた。
「お前も起きたし、せっかくだから食うか」
置きっぱなしにしていた荷物とついでに、ランデルの机に置いてあるランプを持ってくる。
その荷物はここへ来る途中に立ち寄った店から持ってきたもので、紙袋からケーキ二つとシ
ャンパンを取り出してテーブルの上に置いた。
「部下想いの上司に感謝しろよ~?」
本当は一緒に過ごすはずだった女性に買っていたものだが、それはあえて黙っておく。
小ぶりのケーキはシンプルなデザインながらも艶のある苺が一つ乗っかっていた。
包みを破いてシャンパンの栓を抜くと、派手な音と共に中身が少し溢れる。
「色気がねぇが、これで我慢するか」
牛乳を淹れていた容器にシャンパンを注いでランデルに手渡す。
「ありがとうございます、准尉」
「もう仕事の時間は終わったんだ。プライベートでまで准尉って呼ぶな」
「あ、はいっ。じゃあ・・・オレルドさん」
照れくさそうに名前を呼ばれ、急にキュンと胸が締め付けられた。
さん付けで呼ばれただけなのに鼓動が気持ち速くなっている。
前にもこんな気持ちになったような気がするが、こう呼ばれたのは初めてのはず。
それをいつ感じたのか思い出そうとしても記憶が曖昧で呼び起こせなかった。
「オレルドさん?」
「なんでもねぇよ。ほら、乾杯だ」
乾杯をすると、目の前に置かれたケーキをランデルは幸せそうな笑顔で一口で平らげる。
見事な食いっぷりにオレルドは噴出して笑った。
「でかい図体にゃ、これくらいじゃ足んねぇか。俺のもやるよ」
「いえ、そんな。俺はこれで十分です」
指についたクリームも丹念に舐めてるやつが何を言う。
「食えよ。俺はお前が大口で食うところがもう一回見てぇ」
差し出されたもう一つのケーキをまた一口で食べると、オレルドは喜んだ。
口の周りについたクリームを手で拭うと、オレルドがハンカチを取り出す。
「ガキじゃねぇんだから」
「すいません」
ハンカチを受け取ろうとすると、縮んだ袖から青アザが出来た腕が見えて思わず手が止まる。
顔のキズは浅かったのでこの暗さじゃ目立ちはしないが、体に出来た打撲の痕は隠せはし
なかった。
「なかなか治りにくいんだよなぁ。まだ俺は若いつもりでいるんだけど」
冗談交じりに笑うと、ランデルは深刻な声で話す。
「俺のせいですよね」
オレルドはぎょっとした。
まさかマーチス、バラしやがったのか。
「お前が悪いわけじゃねぇよ」
「・・・やっぱりあれが原因だったんですね」
は?・・・あ!この野郎、俺にカマかけやがったな!
してやられたとオレルドが溜息をつくと、ランデルも表情を曇らせた。
まずいな。これはあの時と一緒だ。
この間のような喧嘩はしばらくしたくはなかったが、避けられそうにない空気で気が滅
入る。
「・・・なんだ、また説教か?」
「いえ、嬉しかったんです」
曇った表情はすぐにぎこちないながらも笑顔に変わった。
「俺のために、オレルドじゅ・・・オレルドさんが怒ってくれて・・・いけないことだってわかって
ても、嬉しかったんです」
「・・・俺は、別に・・・」
「はい。俺じゃなくても三課の誰かが同じ目に遭ったら、きっとオレルドさんは怒る人だっ
て知ってます」
それほど仲間として見てくれてる。
それが素直に嬉しい。
「ありがとうございました」
オレルドは喧嘩になると思っていた分、逆に褒められて礼まで言われてしまい少し照れた。
「・・・ったく。ヤロー同士で良い雰囲気になってどうすんだ」
照れ隠しのようにシャンパンを一気に飲み干し、その場を立ち上がる。
「そろそろ帰るわ。お前の寝床はここだろ?仕事は終わったんだからゆっくり休めよ」
コートを羽織って帰る準備をしていると、ランデルが気まずそうに声をかける。
「・・・わがままだってわかってるんですけど・・・お願いが・・・」
「なんだよ」
「猫の様子を見ておいてもらえないでしょうか・・・」
仮眠室で寝泊りしてから橋の下へ行っていない。
仲良くさせてもらっている浮浪者が代わりに餌をやっているだろうから食うことに心配
はないが、寒空の下で耐えられているのかそれが気になっていた。
本当は今でも見に行きたいけれど、ここで風邪をぶり返して周りに迷惑をかけたくない。
「お前が行きたいんだろ」
ずばりと言われ、言葉が詰まる。
「・・・でも、また・・・酷くなったら・・・迷惑・・・かけますから・・・」
弱気な声で話すランデルの首に自分が持っていたマフラーを巻きつける。
「あ、あの・・・」
「お前は極端すぎんだよ。酷くなるのが嫌ならもっと防寒すりゃいいだろ」
ソファーに置かれた軍服を渡してランプの明かりを消すと、戸惑っているランデルを尻目にオレルドは
さっさとドアを開けて廊下に出る。
「行くぞ」
「ま、待ってください!」
オレルドに話すまで悩んで迷っていたのはなんだったのか。
それまでは悩みすぎて動かなかった足が軽やかに外へ向かった。
外は夜中だというのにまだ明るい光が街を照らしていた。
気温は低く、冷たい空気を吸い込まないように借りたマフラーを口元に覆う。
不意にランデルの頬に冷たいものが当たった。
空を見上げるがやはり雪は降っていない。
「何してんだ、置いてくぞ」
手を引かれ、自然とランデルの頬が火照る。
特別な日とかなんて関係ない。
今こうしていることを嬉しく思えるのが特別なのだと、自分の気持ちを少しだけれどわ
かったような気がした。
終
し ち め ん ど く せ ぇ
どんだけ鈍いんだお前ら。
そして途中でそのまま送信しちゃって変なところが。最後の最後までorz
前回コメントくださった方々ありがとうございました。
個別にレスしたいのですが、私が書くと容量食いつぶすのでまとめて失礼します。
反応を頂けてすごく嬉しいです。
イカの人
待ってました!GJ!GJ!!無自覚伍長に萌えました。
罪悪感でちょっとションボリする浮浪者カワユスw
男体の人
すげぇぇぇぇ!これはとても美味しそうな美肉ですね。
言葉攻め副長に思わず同調してしまいますよハァハァ
焦らしの人
可愛いよ可愛いよ涙目伍長!
くるまれたテープでこれから縛ってSMプレイされるのが
怖くて泣きそうになってると勝手に妄想しましたよ。
ここのスレに来て本当に楽しい時間を過ごせました。
来年もみなさんと盛り上がって行けたら嬉しいです。
よいお年を~。
>>321 GJ!
な~んかイイカンジ
ドンデレの二人の距離感に萌えた
>>321 遅いクリスマスプレゼントGJ!
な~んか、ドンデレの二人の距離感がイイカンジ
>321
ドンデレさいこー!!
もうあまずっぱい胸きゅん☆ふたりの世界に倒れました。
ああよいものをよませていただいた・・・ほわほわw
325 :
男体の人:2006/12/29(金) 21:10:40 ID:???
>>321 超GJ!ドンデレ最高でした!
ダメッ子伍長が可愛くて可愛くて…!
ああ、顔のニヤけが止まりません…。
冒頭のオレルドの夢のように、二人が結ばれる日を楽しみにしております!
それと、絵の感想、ありがとうございました。
>>321さんも、良いお年を~。
>>321 おお!ドンデレだv紛う事無きドンデレw
素敵ドンデレカポーありがとうございます!
ゆってみるもんだなー
帰省前にスレのぞいて良かったよ!
>>321 モニタ前でニヤニヤしてしまった…w。
超GJでした!!
原作にありそうなリアルさがまたいいなぁ…。
>>321 これはすばらしい作品である。
ヤベー悶えるww
329 :
焦らしの人:2006/12/30(土) 00:22:57 ID:???
頻繁ですみません。
前のを書いてるときに同時に書いてた文があり、
今年最後なので投下しようと思います…。
321さんのSSが素晴らしかったのでみっともないですが…。
※オリキャラ視点。強姦シーン有り(エロは無し)。
恋というのはこういうものだったのだろうか。
「はあ……ったく、職のひとつもありゃしねえ……」
俺は今日の職探しを早々に諦め、自分の巣へと戻ってきた。
この辺りは俺のように宿なし、職なしの連中が、身を寄せ合って生きている。
そういった浮浪者のような連中が生きていくための食糧は、主に軍からの配給で成り立っている。
日々の配給だけでは、本当に生きていく最低の栄養しか取れない。
だからこうして職探しに出かけたりするわけなのだが……。
汚い身なりで行った所で、好印象は与えられない。門前払いされるのが関の山だ。
だが俺も含めここらの連中は、そこまでムキになって働く気がない……というのも正直なところだ。
とりあえず最低でも、生きてはいけるのだ。多くを望まなければいい。
そしてここにいればお互いの傷は舐めあえる……。
なんとも後ろ向きな、けれど生ぬるく、居心地のいい場所なのだ。
「明日できることは明日やれってね……う~さみっ……」
自分に言い訳をするようにつぶやき、早く焚き火にあたろうと、俺は川沿いの道を小走りに急いでいた。
「ま、待てっ……それ、俺のランタン……!」
その時、近くの大きな橋の下から、野太い男の声が聞こえてきた。
しかしその台詞の割には、まったく慌てていないような、どんくさい響きを持った声。
と、次の拍子には……。
「うわぁあっ!?」
バシャーン!と派手な水音がして、その後バシャバシャともがくような音が聞こえてきた。
まさか大人の男が溺れることはあるまいと思いながらも、一応橋の下に降りてみることにした。
「わっ、わぶっ……たすっ……助けてッ……ぶはっ」
俺の目の前では、大きな図体の男が、見事にあっぷあっぷと溺れていた。
「ふぇっ……えっ……ッくしゅっ!!」
近くにあった板切れを使って、なんとかデカい男を助け上げた俺は、
いつも焚き火をしている場所まで連れて行った。
今日は珍しく俺しかいなかった。他の連中も浮浪者のくせに、タイミングの悪いことだ。
俺はドラム缶の中に適当に枯れ木や新聞紙を放り込むと、マッチで火をつける。
「おら、濡れた服着たままだと風邪引いちまうぞ。寒くても脱いで、直に暖まったほうがいい」
くしゃみをして、鼻水までたらしながらガタガタと震えている大男。
「あ……は、はい……すびばせ……っぐしゅっ!」
素直にセーターを脱ぎはじめる。
俺はそんな様子を見て、呆れながらも、なんだか可愛い奴だと思った。
図体はデカいが、子供のような無垢な目をしている。
「あんちゃん、泳げねえのか? まだ若いのに、しょうがねえなあ……」
「はぁ……昔からちょっと苦手で……迷惑かけて、すいません」
困ったように微笑むあんちゃん。
その瞬間、俺は自分の心臓がドキッと鳴るのを聞いた。
なんだ……今のは? 顔が赤くなっていくのを隠すように、少し早口で話を紡ぐ。
「……な、なんか追っかけてたみたいだったけどよ、猫になんか盗られたんか?」
「いえ、ちょっとランタンにじゃれつかれて……あ、いや……何にも盗られてないですから、平気です」
言ったそばから、あんちゃんの側に猫がとぼとぼとやってきた。
「あ……さっきの。はは……怒ってないから、大丈夫だぞ」
猫の首に指をやると、ごろごろと喉を鳴らして擦り寄る。
「こいつら人に懐かねえのに、珍しいなあ」
動物に好かれる奴に悪い奴はいない。
このあんちゃんがかもし出す優しい雰囲気を、猫もわかっているに違いないと、俺は思った。
「しかしあんちゃん……傷だらけだな……戦争かい?」
セーターだけ脱いでシャツ一枚になった上半身。
腕や首、見えている部分のそこら中に傷跡があった。
「あ……はい。嫌な気持ちにさせてしまったなら……すみません……」
少し落ち込むような顔をするあんちゃんに、俺は慌ててそれを否定する言葉を言う。
「ばっ……んなこたねえよ! あんちゃんみたいに戦場で頑張ってくれてる奴らがいるから、俺たちも
こうして生きていられるんだしよ。 気にするこたねえから、濡れてる服はもっと脱いじまったらどうだ?」
言ってから、なんだか服を脱ぐよう催促したような物言いに、
俺は心の中でひとり勝手に慌てて、照れてしまう。
「そ、そうですか……じゃあ……へ……へくしょっ! ……ッくしゅん!!」
ズボンとシャツも脱いで、あんちゃんはパンツ一丁になった。
さっきよりも、その全身についた傷跡が目に入り、なんとも痛々しい。
それでも縮こまってプルプルと震えている様子を見ると、なんだか無性に可愛らしく思える。
「できれば抱きかかえて、暖めてやりてえんだけどな……」
……などと言えるわけもなく、俺はムラムラとした衝動を抑えるのに必死だった。
その後だんだんと他の連中も戻ってきて、宿のないあんちゃんに橋の下の領分をあげることが決まった。
図体の大きさと全身の傷跡に、初めは他の奴らも警戒していたが、
皆すぐにあんちゃんの和やかな性格と雰囲気に惹かれたようで、場は歓迎ムードに包まれた。
その日の夜。
俺はなんとなくあんちゃんの様子が気になって、橋の下にやってきた。
橋の下は猫たちの住処になっているから、あんちゃんは大丈夫だろうか……。
しかし昼間の懐かれっぷりを見る限りでは平気だろう……風邪は引かないだろうか。
心配事が次から次に沸いてしまって、それでもあんちゃんを起こしたくはなかったので、
俺は橋の影からそっとのぞいてみた。
「……う…………うぅっ……」
暗がりでよく見えない中、あんちゃんの呻き声が聞こえてきた。
何だろう、具合でも悪いのだろうか。俺は慌ててあんちゃんに近づいた。
あんちゃんは、寝ながらうなされていた。
どれだけ恐ろしい夢を見ているのだろう。脂汗をかき、胸をつかみ、苦悶の表情を浮かべている。
助けてやりたいが、起こしてもいいものだろうか、不審がられはしないか。
そんなことで俺が迷っていると、橋の下の向こう側から、数人の人間がこちらにやってくるのを見た。
時折現れる、たちの悪い連中だ。平均して俺たちよりも若い。
あの恐ろしい0番地区にいるような輩よりはマシだが、よく暴力事件を起こすので、皆から嫌われている。
「なんだ? あんなデカイの、ここらにいたっけか?」
「最近入ったやつじゃねえの? きっと俺らのことも知らねえぜ」
「へはっ! じゃあちょっと教えてやらねえとなあ……!」
相手は……四人。対して、こちらは二人。完全に分が悪い。
俺はそれでも、うなされているあんちゃんを襲うような下衆な連中に負けまいと、なけなしの勇気をふりしぼる。
「……な、なんだお前らっ……寝てる相手に何する……ぶはっ!」
問答無用に側頭部を蹴られる。
俺はごろごろと転がって、あんちゃんから離れてしまう。
「おらァ起きろ! デカイの!」
血も涙もない連中は、うなされているあんちゃんの腹を蹴って、無理矢理に起こす。
「ぐっ…………ぅ……あ?」
いきなり覚醒させられ、状況がつかめないあんちゃんは、奴らに対して何もすることができない。
「おらぁ!」
ガッ! と今度は腕を蹴られる。
「ぐぁっ……!」
「へへっ、こいつこんな図体のくせしてノロマみてえだぜ!」
「丈夫そうだしな、何しても壊れねえんじゃねえか?」
「……ひひっ……そうだな、いい処理道具になりそうだぜ」
俺はぐらぐらとする頭をおさえながら、連中の会話に戦慄した。
こいつらは、あんちゃんを強姦する気なのだ。
もともと若い連中は血の気も多く、性欲も盛んだ。壊れなければ、男女の見境なく襲うことが多い。
「…………ッ!!」
力を振り絞って、俺はその場から駆け出した。
「ひははっ! 逃げろ逃げろ! ひゃははは!」
連中の罵倒の台詞など聞こえない。
俺はズキズキと痛むこめかみを押さえることもせずに、走った。
そして浮浪者の仲間である奴らを、一斉に叩き起こした。
「あんちゃんが危ねえ!」
それからは大体、予想がつくと思う。
十人弱の人数で、俺たちは各々武器になりそうな角材などを持ち、橋の下に走った。
あんちゃんは、すでに連中のうちのひとりに、犯されているところだった。
ズボンだけがみじめに下げられ、残りの三人に体を押さえつけられている。
頭に血が上るのがわかった。こめかみがドクンドクンと脈打ち、痛みが走る。
そんなことを気にしてなどいられなかった。
俺たちは無我夢中で連中に走り寄り、あんちゃんを犯していた奴を殴り倒し……。
それからは、必死だったのでよく覚えていない。
気づくと、四人は逃げ、俺たちは傷をあちこちに作ったものの、命に別状はなかった。
あんちゃんは呆然とした表情で、逃げていった連中を見た後、俺たちを見た。
ボロボロではあったが、俺たちは口々に大丈夫か、もう安心だ、などと言いながらあんちゃんを囲んだ。
奴らの体液を拭いてやり、ズボンを上げてやる。
頭を撫で、背中をさすってやる。
そうするとあんちゃんは、顔を真っ赤にさせながら、ボロボロと涙を流し始めた。
「…………うっ……く、ふっ……うぁあ……」
「ど、どうしたあんちゃん! どっか痛いのか!?」
「もう大丈夫だからな! 俺たちが守ってやるから、大丈夫だぞ!」
オロオロとする俺たちに、あんちゃんが泣きながらも、必死で言葉を紡ぐ。
「ちがっ……うっ……嬉し……あっ、ありがと……ござい……まっ……あぁあ……」
ありがとうございますと繰り返すあんちゃんに、俺たち一同も思わず涙ぐんでしまった。
今まで、他人に守られることなどなかったのだろうか……だからこその、全身の傷なのだろうか。
「もう、大丈夫だ……」
俺はあんちゃんの髪の毛を、少し乱暴にぐしゃぐしゃと撫でた。
あの事件の後も橋の下で苦しげに呻くあんちゃんの声を、俺は何度か聞いた。
そのたびに助けてやりたい、悪い夢から醒まさせてやりたいと、切に思う。
しかしあんちゃんは、打ち解けてくれた今でも、悩みを他人に話すようなことはしなかった。
言いたくないことは聞かない、という暗黙の約束が俺たちの間にはあるが、
『……でも、大丈夫ですから……』とはぐらかすように苦笑いをするあんちゃんを見るたびに、
俺の心の中は締め付けられるのだ。
きっと俺なんかでは助けにはなれない、暗く、深い過去がある。そう痛感してしまう。
そしてその日も、いつものように朝が来た。
「起きたンか~、デカいあんちゃん」
なーなーという猫たちの合唱に、俺たちは橋の下のあんちゃんが起きたのを知る。
暗い橋の下から、のっそりと現れる猫背で大きな体。
いつもならばのんびりとした優しい声で『おはようございます』と挨拶をしてくれるのだが、
今朝はその声が聞こえなかった。
「どした? また嫌な夢見たんか?」
そんな元気のない場合は、たいていうなされて目を覚ました時なのだと、俺たち皆はわかっていた。
『えぇ……まあ……』と眉を少しひそめて、まったく困ったものです、とでも言うように平気そうな顔をする。
その部分だけ、あんちゃんはまだ心を開いてくれていないとわかり、俺たちは少しだけ寂しい気分になる。
けれど、その日のあんちゃんの反応は少し違っていた。
何かを思い出すように、暫し目をぱちくりとさせた後、なぜか少し頬を赤らめ、
にへら、とだらしなく微笑んで言ったのだ。
「……今日はちょっと、イイ夢でした」
「なんでえ、そうかいそうかい」
他の奴はホッとしたように笑いながら、また焚き火を囲み談笑を始める。
あんちゃんが笑ってくれるなら、俺たちも嬉しいのだ。皆そう思っている。
そんな中ひとり、俺はじっとあんちゃんを目で追っていた。
悪夢を見た後の、いつもの憂鬱そうな顔ではなく、何かスッキリとしたような顔で歩いていく。
あんちゃんが昼間何をしているのか、俺は知らない。
そしてもちろん、うなされるような過去も、体中の傷跡の訳も、何も知らない。
ただその時の俺は、あんちゃんを悪夢から救ってくれた人物がきっと現れたのだと、不思議に確信することができた。
「……あんな嬉しそうな顔しやがって」
あんちゃんの嬉しい顔は、俺の顔もほころばせ、温かい気持ちにさせてくれる。
だけど、そんな顔をさせる相手は俺ではなくて、きっと俺の知らない誰かなのだと思う。
そいつが羨ましくて……少し、恨めしい……。
俺は笑っていたのか、淋しい顔をしていたのか、きっと自分でも中途半端な顔をしていたに違いない。
そんな表情をまわりの連中に気づかれないように、そして他人に聞こえないように、小声でつぶやく。
「よかったなあ……あんちゃんよぉ……」
俺はあんちゃんの大きな背中を、朝霧に霞んで見えなくなるまで、じっと見つめていた。
こめかみのあざが、少し痛かった。
……今日は本気で職探しをしてみようか、と思った。
X 終わり X
エロシーンだけだらだら書くとどうも隠語の羅列みたいになってしまって
いかんなあ、と思いました…。やっぱりSSって難しい…。orz
不快に感じた方はごめんなさい。注意書きをもっと書くべきだったかも。
そしてコメントくださった方は本当にありがとう。
こんな俺ですが、また来年も楽しく参加できたらいいな…と思います。
皆さんよいお年を!
暖かい…きゅんきゅんするよ!
焦らしの人GJ!GJ!
角材持ってあんちゃんに駆け寄りたい。
決して叶わぬ恋・・・切ない!
ていうか、伍長の愛らしさからして
寝しなを襲われるなんて事がリアルでありそう
336 :
男体の人:2006/12/30(土) 02:15:44 ID:???
なんか入り浸っててごめんなさいw
焦らしの人、GJ過ぎる…!切なくて、きゅんと来ました。
皆で伍長を助けに来るとこはマジで泣けた…。
しかしこれで隠語の羅列とお悩みなら、
淫語だらけの自分のSSはどうなるんですかw
いやはや、とにかくGJでした。
来年もSS楽しみにしています。
337 :
名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 15:39:58 ID:Jh1xk1I2
過疎ってんな・・・・・・
コミケだし大晦日だし正月だし仕方ない。
ネット出来ない人も多いだろうし
普段の日常が戻ってくれば
また皆も戻って来るさ
339 :
名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 16:56:46 ID:Jh1xk1I2
>>338 その前にこのスレ落ちそうだなorz
そんな事ないか
やっとアニメでハンス出るところなのに落ちたら悲しいです
あとパンプキンの同人誌どんなのあったか気になります
このスレの神々のような面白くてエロい同人誌があったら
恥ずかしくても思わず買うかも…
>341
同じく
一日目にエロイオレ伍漫画買ったwメルアドしか無い上発行者がイニシャルっぽかったので
誰が出したのかわからんけど。偶然見つけて飛びついたぜ
オレ伍本を手に入れた
>>343に嫉妬
伍長受を探しに春コミ行こうかな…
同じく
>>343に深く嫉妬。
伍長受本出すために春コミ申し込んだよ。
一人で初めて東京イベに参加するんでものすごい不安だけどorz
スペースは別ジャンルだけどガンガル。だから皆も出してくれ。
このスレの人たちが出したら凄い事になりそう
>345
おぉ、応援してる!がんばって!春コミ探しにいくよー♪
というわけで今年も伍長萌え豊作な年でありますように
冬コミとか夏コミとかいける東京近辺在住の皆に嫉妬
ハイハイ地方在住地方在住
新年一発目ということで久しぶりにSS投下します
実はヤリ○ンオレルド×どー○ー伍長
超どうでもいい
っていうかいい加減エロ書かないと怒られそうなんで書いてみたんだけど
目も当てられない
エロなんて良くわかんね――――
っていうか一回パソコンフリーズして消えちゃったからさらに酷いでき
暇な方はどうぞ~
大晦日の日
オレルドさんの発案で男4人で飲み会に行こう!というものがあったのだが
大尉は年明けぐらい上さんと過ごさせろと断られ
マーチスさんは連日技術部の皆さんに連れ回されてこちらから丁重にお断りした
結局俺とオレルドさんの2人で飲み会をすることになり
どうせ2人だったらということでオレルドさんの部屋で飲むことになった
たくさん飲んだオレルドさんの話は数々の女暦の自慢や自分のテクは軍一だとか
そういう物ばかりで正直うんざりしていたところ
ひょんなことから俺の経験の話になった
何でもマーチス准尉から俺のものはモンスターだと吹き込まれたらしい
…そういえば郵便物横領事件のときシャワー浴びてるとき覗かれた気がする…
そんな一物で抱いたことあるのか?などと聞くので
俺は顔を真っ赤にして首を振るしかなかった
「ふ~ん…宝の持ち腐れってやつか」
「ほ…ほらオレルドさん!そんなことより今日は大晦日ですよ!飲みましょう!!」
俺は何とか話題を別方向に持って行きたかったのだが流石は自分上手
じっと俺の股間を見つめ恐ろしいことを言い出した
な、筆卸してやろうか?
「…は…?」
俺の頭は真っ白になった
ふで…卸し…?誰が?まさかオレルドさんが?
まさか…オレルドさんは男…でも今の文脈から推測するとどうしても相手はオレルドさん…
などとごちゃごちゃ考えている隙にオレルドさんはものすごい力で俺をベッドに押し倒しズボンを脱がしにかかった
「んな!!…お…オレルド准尉…め…目を覚ましてください!」
「ごちゃごちゃうるせーな…お前は何の心配しなくてもいいの
マーチスだって俺が筆卸してやったんだぜ~?」
言いながらオレルドさんは遂に下着を脱がしにかかる
「ま…お前はマグロにでもなってりゃいいから
おほ~!スッゲーでかいな。流石はデカブツってとこか?」
ニヤニヤ下品な笑みで話しかける
俺がどうしようか悩んでいると
オレルドさんは俺のものに口をつけた
「う…!ああああ!!…オレルドさ…ダメ…っく!…そんなと…こ…汚…は…ぁ…!」
くちゃ…くちゃ…ズズっ…ズ
初めてのフェラの間隔と水音で俺の頭はいっぱいになる
「ぷは…やっぱりでけぇな~。咥えるのはちょっとむりか…」
言いながらオレルドは咥えるのをあきらめ代わりに尿道とカリを重点的に攻め立てる
「あああ!!!だめ…だ…め…ああああああ!!…イ゛ク…イク!!」
発射寸前でオレルドさんはぱっと手を離した
イクにイケずに俺は思わず「へ・・・え…?」という間抜けな声を出してしまった
オレルドさんは俺にデコピンを一つお見舞する
「ばっか、筆卸してやるっていってんだろ~?勝手にイくんじゃねえっつーの」
オレルドさんは引き出しからゴムと透明な液体の入ったボトルを取り出す
すっかりギンギンになった俺のもにオレルドさんはかぶせようとするが人並み以上の俺のものに
薄いゴムなどかぶせることなど出来るはずもなく諦めた様子で
「ま…ガキが出来るわけでもないし…いいか」といい
俺のものに透明なボトルからローションを塗りたくり
オレルドさんの秘部にあてがった
「うっ…」
「ああああああ…」
オレルドさんの中に俺がゆっくり入っていく
暖かくものすごい締め付け感がする初めての感触に
俺は入れるだけでイってしまいそうだった
「ふ…う…ん…ほら…全部入ったぞ…」
いわれて見てみると俺の男根はすっかりオレルドさんの中に飲み込まれていた
いわゆる騎馬位の状態である
「やっぱ…でかいな…ちょっときついかも…」
しばらくその状態のままオレルドさんを味わった
「そろそろ…動くぞ…」
すっかりなじんだのかオレルドさんはゆっくり腰を上下する
「あ…ああ…でか…奥にあたって…あ…は・・・イイ…」
「ああああ…オレルドさんの中…あつい…です」
パンパン
だんだんとオレルドさんの腰の動きが激しくなり
オレルドさんのものが俺の腹を打ち付ける
俺はそれをそっと握って扱いてみる
「!!…あ!!やべ…」
相当気持ちいいのかオレルドさんは苦悶の表情を浮かべる
俺は上半身を上げオレルドさんを抱え込む
「…?おい…デカブツ…?」
そのまま俺は正上位の格好になり獣のように激しくオレルドさんに打ち込む
「あ…!あああ…!デカブツ…ダメ…だ…奥あたって…ああ…!」
「いいですか…?オレルドさん」
「イイ…!イイ…!あ…は…デカブツ…俺…も…ぅ…イク…!」
「俺も…一緒に行きましょう…」
そして深い口付けを交わした後そのまま2人で絶頂を迎えた
はぁ…はぁ…
静かな闇の中には2人の荒い息遣いしか聞こえない
ふと時計を見るとすっかり年を越しているようだった
「あけまして…おめでとうございます。准尉」
「おう…あけましておめでとう」
また2人で口付けを交わす
するとイったばかりの俺のものはゆっくり起き上がり始めた
オレルドさんはそれを見て呆れた顔で
「第2R、いくか?」と俺を抱きしめ俺は
(省略されました・・全てを読むには伍長萌え萌えと書き込んでください)
伍長萌え萌え
伍長燃え燃え
2Rリバリバ!!
あけもえ
あけおめGJ!
いつもは伍長が入れられる側だったのが
入れる側で新鮮でした
356 :
イカの人:2007/01/01(月) 01:59:04 ID:???
あけましておめでとうございます!
早速オレ伍GJ!伍長萌え萌え!
今年もなにとぞよろしくお願いしますm(_)m
_| ̄|○<なんてこったい…
正確には伍オレですね
誘い受け(違
いっつも突っ込まれてる伍長にたまには入れさせてあげたくて(´・ω:;.:...
そして誤字脱字が多すぎだという罠
個人的にオレルドは美形なんだから出世のためなら親父のナニをどうかしたり普通に出来そうな妄想
俺だけだよ_| ̄|○iil|li
>>353 な…リバーーー!?
が…頑張ってみる!!俺!笑
>>354 あけ萌えww
>>355 いつも頑張ってる伍長のナニにご褒美をと思いまして。
>>イカの人
ss待ってます(´∀`*)
また萌えさせてくださいっっっっ!
358 :
348:2007/01/01(月) 02:15:18 ID:???
しかも豚かよ…
ヤル気ねぇ~_| ̄|○
皆さんあけおめ。
今年もよろしくおながいしまつ。
>>348-352 新年一発目乙!
伍長萌え萌えww
あけましておめでとうございます。
今年も伍長萌え萌えでお願いします♪
>>348-352 新年早々ありがとうございました!www
明けましておめでとうございますー。
>>348 新年から乙!
伍長のドアノッカーすんなり入るオレルドスゴスw
363 :
【大凶】 :2007/01/01(月) 20:57:15 ID:???
明けましておめでとうございます。
昨年はこちらの姐様方の作品に萌え萌えさせて頂きました。
2007年もよろしくおながいします。
姐様方にあまり頼る事無く自分でも作品作りガンガル!
身バレ怖いから投下出来ないですがorz
>>348 新年からお年玉乙!
オレノレドが肉体的に受けでも精神的に伍長受けが新鮮でした。
>>362 新年からごちそうさまですた。
紅白でエロおめでたいw
>>362 こんなエロイ年賀状をもらったのは始めてw
あえて脱ぎかけなのがエロス!
新年早々GJ!!
>>363 ガンバ!
勇気ある投下を待つ!
あけおめしざーっす。
今年も皆さんで伍長をナデナデしていきましょう。
>>348 GJ!GJ!准尉受イイヨイイヨー。
男らしく攻める伍長イイヨイイヨー。
どっちでもイケるので新年早々禿萌えさせていただいた。
>>362 エロイ年賀状GJ!
汁だくじゃなくても十分伍長エロイよハァハァ
>>363 出せ 出せ 出せ 出せ(to"ten sie風に)
>363
もう見られなかったorz
>>362 ゴチになりました!
すげーエロ可愛いよたまらんハァハァ(*´Д`)
眼福眼福
>>362 激しくGJ!!(*´Д`)b
伍長すごい可愛いよ伍長!絵がすごく好みだ!!
一瞬「13mm」を伍長のナニの太さかと思って
定規で測ってみて、その太さに唖然とした俺がいたw
よく考えたらドアノッカーの口径だったんだと思い出したorz
369 :
368:2007/01/02(火) 17:48:33 ID:???
ごめん、
>一瞬「13cm」を伍長のナニの太さかと思って
の間違いですた…orz
新年早々、ナニやってんだ俺…
370 :
男体の人:2007/01/03(水) 00:29:29 ID:???
あけましておめでとうございます!(遅ぇ
無事に年を越せた記念に、SSの投下でございます。
せっかくコテハンつけさせて頂いたのに、
男体化少尉の話を全然書いてない…すみませんorz
最近オレ伍書くのが楽しくて楽しくて…。
※オレルド×伍長
今回のテーマ『チ×コ縫った退院直後に、エッチが出来るのか』w
※男×男 警戒警報発令
※伍長視点で書いてます。乙女度がますます上昇。
てか、「女の子になっちゃった」w
新年早々gdgdなSSですが、どぞー。
「あ…あけまして、おめでとうございます……」
新年早々、退院してきて休暇中のオレルドさんの部屋を訪れたら、これ以上はないぐらいの不機
嫌全開の表情と暴言に、俺──ランデル・オーランド──は迎えられた。
「おう、あけおめだ、このボケナス」
「す……すみません……」
俺はもう、ただ謝ることしか出来なかった。
だって、オレルドさんが怒る理由は、嫌と言うほど分かっていたから。
その原因を作ったのは誰でもない俺自身だし、結果的に、俺はオレルドさんとの約束を破ったこ
とになってしまったんだから、反論の余地も弁明の余地もなかった。
年が明ける前に、オレルドさんが俺に言った言葉があった。
それは“新しい年が訪れる瞬間を、二人で迎えよう”というもの。
それを言ってもらえた時、俺は涙が出るほど嬉しかった。
……実際、ちょっと泣いてしまった。
クリスマスは……っていうか、クリスマスもオレルドさんは俺と一緒にいたいって言ってくれた
のに、結局は俺が格好つけたばっかりに、二人きりで過ごすことは出来なくて。
だから年の瀬はクリスマスの分もまとめて、オレルドさんと一緒に過ごそうって思ったんだ。
俺自身に何があっても、オレルドさんが誰から誘われても、今度こそ俺は少しだけ我が儘になっ
て、オレルドさんを独り占めしようって決めたんだ。
それなのに……。
事件が起きたのは、年が変わる日の二日ほど前だった。
国境近くのとある村に、野党化した兵隊たちが住み着き、好き放題にやっているので助けて欲し
いと言う嘆願書が三課に寄せられた。
さっそく俺たちはその村へ向かい、被害の調査と野党たちの制圧に乗り出すことになった。
被害調査はともかく、制圧と簡単に言っても、こっちはたった四人。
対して野党たちは何人いるか分からない。嘆願書に書いてあった内容から考えても、少なくても
十人はいそうだった。
三課に寄せられた嘆願書に対して、軍の上層部が他の課から援軍を貸し出してくれるわけも無く。
要するに「お前たちの元へ来た問題なのだから、お前たちだけで解決しろ」と、そういうこと
だった。元は帝国軍に所属していた兵隊たちが、なぜ野党などにならざるを得なかったのか、そん
なことは全然考えてくれもしなかった。
少尉は当然、怒り心頭。
何がなんでも、三課だけで村を救うって息巻いてた。しかも野党たちを制圧し、一人残らず拘束
したら、彼らを保護しつつ、それ相応の処分を受けさせたあと、国営農場へ移住させて職を与えて、
人生の再出発をさせてやると言って。
俺はそんな少尉の気持ちが嬉しかった。ただ“排除”するだけじゃなく、彼らをちゃんと人とし
て見てくれてたからだ。
野党にならざるを得なかった彼らの心境が、俺には分かる。俺だって、少尉に拾ってもらい三課
に迎え入れてもらわなかったら、今頃どうなってたか分からない。
野党にはならなかっただろうけど、職を探して各地を放浪して、誰にもどこにもぶつけようのな
い不満を募らせていたかもしれないからだ。
もしかしたら食い物欲しさに、901時代の経験を活かして体を売っていたかもしれない……。そ
んなこと今も昔も考えたことはなかったけど、人間は追い込まれると、自分でも何をするか分から
ない生き物だから、絶対にないとは言えない。
だから俺は、少尉のためにも、彼らのためにも、自分のためにも頑張ろうって思った。
マーチス准尉も少尉と同じく、上の身勝手さと冷酷さには怒りをあらわにしてた。そして少尉の
言うことに賛成し、すごく張り切っていた。
だけどただ一人、熱くなっている少尉やマーチス准尉を冷めた目で見つめる人がいた。
それは言わずもがな、今俺の目の前で不機嫌全開な顔をしているオレルドさんで……。
「いつまでそこに突っ立ってる気だ。せっかく暖まった部屋の空気が逃げちまうだろ」
玄関のドアを開けて立ち尽くしたままの俺を見上げて、オレルドさんが言った。
「あ……、す、すみません……!」
俺はハッとして、慌てて顔の前でドアを閉めようとした。
「バカか、お前は!」
ドアが閉まる直前に、オレルドさんが隙間に体をこじ入れてきた。
「誰も出て行けなんて言ってねぇだろ!」
「あぅ……、ご、ごめんなさい……っ」
もうどうしていいか分からなくなって、ただあうあうしてた俺は突然、オレルドさんから腕を乱
暴に握られた。そしてオレルドさんは俺を、部屋の中に引っ張り込んだ。
「座れ! 茶ぐらいは煎れてやらぁ!」
「はっ、はひっ…!」
怒鳴られてビクビクしながら、言われた通り、指差された椅子に座った。
台所でガチャガチャ派手に音を立てて、お湯を沸かす準備をしているオレルドさんの気配を背中
に感じながら、俺はとても、いたたまれなかった。
野党の制圧に乗り出した三課。相手が武力行使して抵抗してくるのは、目に見えて分かっていた。
だから、マーチス准尉の口利きで、上層部には無許可で技術班から特別に分けてもらった、わず
かな武器を手に、俺たちは村へ向かった。
武器……と言っても、そんな大した物じゃなく、敵の動きを封じる閃光弾や催涙弾とかだ。
直接相手を攻撃することは出来ないものばかりだったけど、これがあるのと無いのでは少数部隊
のこっちの戦況は大きく変わってくる。
表向きは“野党たちの制圧”という任務だったけど、俺だけじゃなく、少尉もマーチス准尉も、
その心の奥底では彼らへの“戦災復興”が一番の目的だったんだと思う。
できるなら誰も殺さず、新しい人生を与えてやりたいって願いが、そこにはあった。
最初は乗り気じゃなかったオレルドさんも、村に着いた頃には観念したらしく、持ち前の閃きと
頭脳を活かしてくれた。少ない武器と弾薬を使い、村のあちこちにトラップを張り巡らせ、野党た
ちを無力化させる作戦を、いとも簡単に打ち出してくれたんだ。
本当に、すごい人だなぁ……って思った。どうしてこんなに格好よくて、頭も良くて、女の人に
もモテモテなオレルドさんが、俺なんかに……って疑問にも思った。
俺は本当に図体だけだ。少尉みたいに文武両道ってわけじゃ絶対にないし、マーチス准尉みたい
に頭が良くて器用でもないし、オレルドさんみたいに機転が利くわけでもないし、曹長みたいに特
別な才能があるわけでもないし、マーキュリー号みたいに絶倫ってわけでもない……。
周りの人たちが優秀な才能を遺憾なくフルに発揮している中、ただ一人、自己嫌悪にどっぷり浸
かっている俺をよそに、オレルドさんが打ち出したトラップ作戦は次々に成果を上げて行った。
トラップに誘導された野党たちの何人かを拘束し、時間はかかるけどこのまま行けば、敵もこっ
ちも全員無傷で拘束できるんじゃないかって希望が見えた時、それは起きた。
奇しくも、それは役立たずだって落ち込んでた俺に、神さまが「ほら、お前の出番だよ」って
チャンスを与えてくれたような出来事だった。
いったいどこから手に入れてきたのか、野党たちは戦車を持ち出してきたんだ。
今はもうとっくに使われていないような旧式の古い戦車だったけど、それはよく手入れされてて、
充分に生きていた。
戦車を持ち出されてしまっては、ライフルぐらいしか火力のない三課は手も足も出なかった。
砲撃によって村の建物に被害が出た。
村の人の何人かが、爆風で吹き飛ばされる瓦礫の破片でケガをした。
野党たちは捕虜を解放しないと、このまま村を破壊するって俺たちを脅してきた。
──くそっ、卑怯者どもめ!
少尉が悔しそうに歯ぎしりをした。
──あんなもの持ち出されちゃ、こっちの火力では歯が立たないよ!
マーチス准尉が悔しそうに、そう言った。
──大人しく捕虜を解放しましょう。聞かねぇとは思うが、交換条件を出して。捕虜を解放する
代わりに村から出て行けって言ってみましょうよ。
オレルドさんがそう言った途端、少尉が怒声を張り上げた。
──ここで引いてどうする! 例えこちらの条件を向こうが呑んでも、やつらはまた他所の土地
に移って同じことを繰り返すのだぞ! それでは根本的な解決には、ならぬではないか!
──けど戦車なんか持ち出されちゃ、どうにもならないっすよ。
冷めた口調で淡々と話し続けるオレルドさんの背中を見ているうちに、なんだか悲しくなった。
俺なら戦車をどうにかできることを、オレルドさんだって知らないわけじゃない。
俺がそういう部隊にいたことも、実際に戦車を撃破している場面も見て知っているのに、こんな
時にもオレルドさんは俺を頼ってくれようとしなかった。
別に「頼む、戦車をどうにかしてくれ、デカブツ」なんて、オレルドさんに言われたいわけじゃ
ない。俺だって、未だにランタンを灯すのは、怖い。
目の前で、バラバラの肉片になって吹き飛ばされて行く仲間を何度も見てきた。俺が一番愛した
人も、ランタンを灯したまま死んで行った。
苦しみはないと思う。痛みも感じないだろう。恐怖心なんて、元から消えてる。
だけど、それが怖くてたまらない。
ランタンを灯すと死を怖れなくなる自分が、一番怖いんだ。
本当の俺は、こんなにも死を怖れているんだから。
だけど悲しいかな、今の俺で唯一役に立てることと言ったら、やっぱりランタンを灯すこと以外、
思いつかなかった……。
少尉とマーチス准尉の想いを無駄にしたくなかった。
オレルドさんが捕虜にしたやつらを、みすみす解放なんてしたくなかった。また元の野党に戻す
ようなことだけは、絶対に。
だから俺は言ったんだ。
──俺が、行きます。
少尉とマーチス准尉は、期待と罪悪感を宿した複雑な顔で俺を見た。行けとも、行くなとも言わ
なかった。だって二人は、俺が戦車を撃破できることを知っているから。でも戦車と対峙した後に、
俺がどうなるかも、よく知っているから。
だけどたった一人だけ、行くなって言ってくれた人がいた。オレルドさんだった。
──行くんじゃねぇ、デカブツ! 俺たちが撤退すりゃ、いいだけの話だろうが!
──よくないです。俺たちが撤退したら、村の人たちが困ります。捕虜にしてる人たちだって、
好きで野党なんて続けてるわけじゃない。こんなことやめさせなくちゃ……!
──だからって、お前が体を張る必要なんてねぇだろうが! 今度こそ死んじまったら、どうす
んだよ!
──俺にできることは……これしかないんです。もしそれで俺が死んでも、助かる人たちがいる
のなら、本望です。
俺はそう言って、オレルドさんの制止を振り切って、ランタンを灯した。
ここから先は、言わなくても分かるだろうと思う。
気がついたら、俺は病院のベッドの上にいて、しかも年が明けていた──。
そして年が明けて早二週間が経った今、野党たちは全員拘束されて、今は軍刑務所に服役中で、
出所後には国営農場へ送られることが決定したことを知った。
そして、俺はこうしてオレルドさんの部屋を訪ねている。
ダンッ! と、乱暴に目の前のテーブルの上に、叩きつけられるようにして置かれたマグカップ
の音に、俺はハッと我に返った。
慌てて顔を上げると、テーブルを挟んだ前の椅子に、ドスンと腰を下ろすオレルドさんが見えた。
眉間に刻まれたシワが機嫌の悪さを如実に現していて、いくら鈍い俺でも、今のオレルドさんが
すっごく怒ってるのは、よく分かる。
「飲め」
ブスッとした顔で俺に言って、オレルドさんもマグカップに入ったコーヒーを飲んだ。
「い……いただきます……」
オレルドさんが煎れてくれたコーヒーは、苦過ぎず薄過ぎず、すごく美味しい。
だけど今の俺には、オレルドさんから嫌われたかもしれない現状に、味なんか分からなかった。
ただ熱い液体が、冷えきった体を温めてくれている心地良さだけは感じた。
俺が入院していたのは二週間ちょっとだったけど、その間、オレルドさんは一度も見舞いにきて
くれなかった。
しょっちゅう様子を見にきてくれていた少尉とマーチス准尉に、オレルドさんのことを訊ねては
みたけど、少尉は「薄情なヤツだ!」と怒るだけだったし、マーチス准尉は「なんか色々忙しいみ
たい。“デカブツによろしく”って言ってたよ」って、引き攣った笑顔で返すだけだった。
マーチス准尉の言葉が、嘘だってのはよく分かったし、オレルドさんがすっごく怒ってるから、
会いに来てくれないことも、よく分かった。
オレルドさんは俺がランタンを使うのをすごく嫌がっている。それなのに、俺はランタンを使っ
た上に、またしても二人で過ごす約束を破ってしまったんだから。
俺はカップを両手で持って、少しずつ口に運びながら、オレルドさんを盗み見た。
オレルドさんはずっと下を向いて、俺を見ようとしない。苛ついているように膝を揺すり、指先
でテーブルを叩いていた。
もう俺の顔を見るのも、嫌になっちゃったのかな……。
俺、オレルドさんに嫌われちゃったのかな……。
嫌われても仕方ないよな……。だって俺、約束やぶってばっかりだ。
“准尉”と出会って、初めて本気で人を愛して、そして初めて愛する人を失うつらさを知って、
もう誰も愛せないと思っていた俺を救ってくれたのは、オレルドさんなのに。
嫌だ、俺……オレルドさんを失いたくない……!
「あの……ごめんなさい……」
だけど、俺が言えたのは、それだけだった。
どんなことを言えばオレルドさんに許してもらえるのか、俺の鈍い頭じゃ思いつかなかった。
揺すっていた膝と、テーブルを叩く指がピタッと止まった。
だけど、オレルドさんはやっぱり俺を見てくれなかった。
「あのオレルドさん……俺、本当に、ごめんなさい……! 俺、三課の役に立ちたくて……。オレ
ルドさんが、俺がランタン使うの嫌ってるのは知ってるけど、でも俺、それしかできないから……」
「俺がな……」
オレルドさんが口を開いて、俺はドキッとして口を閉じた。
何を言われるか分からないから怖くて、嫌な妄想だけが先走って、逃げ出したくなる。
「俺が一番一緒にいたいと思う時、いつだってお前はいないんだ。他の女なら、いつだって一緒に
いてくれる、俺が必要だと思った時にはな。だけどお前はいつもいない」
「ご……めんなさい……」
どうしよう、体が震えてきた。オレルドさんのこんな冷たい声、初めて聞いた。
怖い……。もうダメなのかな……。
「俺はな、俺の必要な時に、いつだってそばにいてくれるやつがいいんだ」
「……はい」
「クリスマス、年の暮れ、そのどっちもお前はいなかった」
「……はい」
「三日だぞ……」
オレルドさんがそう呟いて、そこで押し黙った。
俺はなんのことを言われてるのか分からずに、ぽかんとしてしまった。
「は……?」
そんな鈍い態度が気に触ったんだろうか。
オレルドさんはいきなり立ち上がって、俺の傍に大股で歩み寄ってきた。
椅子に座ったままの俺を、すごい形相で見下ろしてくる。これ以上はないぐらいに怒ってるのが
分かってしまった。
ごめんなさい! そう謝ろうと口を開こうとした直後、オレルドさんが俺のセーターの胸ぐらを
乱暴に掴んできた。
──殴られる……!
俺はそう確信して、とっさに歯を食いしばって目をギュッと瞑った。
だけどその直後、俺の頭はオレルドさんの胸に抱きすくめられていた。
「今度ばっかりは……ダメかと思った」
頭の上から届く、オレルドさんの絞り出すようなつらそうな声。
「三日……だぞ。お前が意識不明になって三日間、俺がどんな気持ちだったか、お前に分かるか。
今度ばっかりは……もう本当にダメだと思ったんだぞ。病院のベッドの上で、酸素マスクつけられ
て、全身包帯だらけになって、輸血や点滴の管をよ、体のあちこちから垂らしてるお前を見た時、
俺がどんな気持ちになったか……分かってるのかよ、この、大バカ野郎がッ!」
怒りながら涙声になって、オレルドさんは俺の頭をさらにきつく抱きしめてきた。
その瞬間、胸がギュッと締めつけられた。とたんに鼻の奥がツンと痛くなって、目に熱いものが
こみ上げてきた。
──なんだ、来てくれてたんだ……病院。
そのことを知ると、すごく嬉しくなって、でも同時に心底申し訳なくなった。
「……めん、なさい……っ」
俺は思わずオレルドさんの背中にしがみついていた。
オレルドさんがさらにきつく、俺の頭を抱きしめてくる。
「夜中によ、心配で何度も見に行ったんだぞ。お前の体に繋がった心拍機の音が、あのピッ、ピッ
って機械の冷たい音がよ、お前が死んじまったのを冷酷に告げてんじゃねぇかって、不安で圧し潰
されそうでよ……」
よかった……。俺、オレルドさんに嫌われたわけじゃなかったんだ。
涙が溢れそうになったけど、必死で堪えた。オレルドさんは優しい人だから、俺が泣くとオレル
ドさんは自分の怒りを押し殺してまで、俺のことを慰めてくれる人だ。だからなるべく泣かないよ
うに我慢した。
俺は責められても仕方ないと思ってるし、オレルドさんの不満を思いっきりぶちまけて欲しいっ
て思った。我慢なんてして欲しくないし、オレルドさんにとって、我慢しなくちゃいけないような
相手には、なりたくなかった。
だけど、オレルドさんの優しさが身に染みて、嫌われてないことが分かって嬉しくて、やっぱり
俺は泣いてしまった。
「ごめんなさい……っ、ごめ……っ、えっく……」
もう本当に、色々ごめんなさい、オレルドさん……。
さっきまでの怒って冷たかった声が嘘みたいに、オレルドさんはいつもみたいに優しさに満ちた
声で俺に語りかけてくる。片手を俺の背中に回して、優しくさすってくれる。
「お前はホントにバカで鈍感だよな、デカブツ」
──うん、俺、本当にバカで鈍感です。
「うっ……えぐっ、お…れ……バ……っで……ド…ひっく……ぅカンっ、ひっく、れす……」
「バカなお前のせいでよ、俺はお前に愛されてねぇんじゃねぇかって悩んでんだぜ」
──そんなことない! 俺、こんなにオレルドさんのこと好きなのに……!
「そっ、うぐっ、な……ことっ、うえっ、な……えっう……ううぅ……」
「何言ってっか分かんねーよ、バーカ」
オレルドさんがクスクス笑いながら、俺の頬を暖かい両手で包み込んで、顔を上向かせた。
「あーあ、鼻水出てんぞぉ」
「ふぐっ……、ふ……」
子供みたいにしゃくり上げる、最高に格好悪い俺の鼻水を、オレルドさんがシャツの袖で拭き
取ってくれた。あとで洗濯してあげよう……と、申し訳なくなりながら思った。
「俺はお前がランタン使うのは嫌でたまらねぇんだ。だけどそれは、お前から“自分にできる唯一
のこと”を奪おうと思ってんじゃねぇのだけは分かってくれ」
「ひっく……わ、かってま……ふ、ひっく」
そう、俺はここに来て、オレルドさんが怒ってた本当の理由が、やっと分かった気がした。
「お……れっ、ぜった……に、オレルドさん……っに、俺が、准尉を亡くした時、みたいなっ…
ひっく、気持ち、…っく、味わわせたり…しませ……んッ……!」
「分かってんじゃねぇか。頼むぜ、ホント」
オレルドさんがまるで『俺って情けねぇ』って言いたげな顔で自嘲した。
情けなくなんかないです。俺、すごく嬉しいです……!
俺は泣くのを堪えて、オレルドさんの背中にしがみついたまま、オレルドさんを見て言った。
「オレルドさん……、お……俺、多分これからも、ランタン使い続けると、思います。いつかは、
ランタン無しで、なんでもできるようになりたいけど……でも、まだもう少し無理そう、だから。
でもなるべく使わずに済むように、がんばります。ランタン無しで、なんでもできるように、がん
ばります……っ! 俺、今まで散々約束やぶってきたけど、これだけは約束します……! どうし
てもランタンに頼らなくちゃいけない時は……そのときは、オレルドさんを悲しませないように、
絶対に死なないで、オレルドさんのとこに帰って来るって約束しますから……!!」
「デカブツ……」
オレルドさんが眩しげに目を細めて、嬉しそうな笑みを向けてくれた。
あっ……どうしよう、俺……。
視線がオレルドさんの唇に釘付けになってしまう。
オレルドさんがクスッと小さく笑って、俺の顎を指で摘んだ。
「なんだデカブツ。お前すげーいやらしい顔してるぞ」
オレルドさんに内面を見透かされた気がして、顔が熱くなった。俺は慌ててうつむいた。
いやらしい顔って、どんな顔してたんだろう俺。もの凄く物欲しそうな顔してたのかな……。
「ごっ…ごめんなさいっ……!」
「バーカ、俺ぁお前のそんな顔、たまんなく好きなんだよ」
いつもみたいな軽い口調に戻ったオレルドさんが、俺の顔を無理やり上向かせた。
「どうして欲しいか言ってみな」
オレルドさんがニヤニヤ笑いながら、俺の顔に顔を近づけてきた。鼻の先同士を、スリスリと擦
り合せてきて、今にも口づけされそうになるのに、ギリギリまで近づけてきてそれ以上は絶対にし
てくれない。
俺が何して欲しいか、分かってるくせに……。オレルドさんはこんな時、すごく意地悪だ……。
「オレルドさ……──」
だけど、どうしても言葉にできなくて。簡単な「キスして欲しい」って、たった一言が恥ずかし
くて、どうしても声にならない。
だから俺はすぐ近くにあるオレルドさんの唇に、自分からしようとしたけど……、
「ちゃんと言わねぇと、してやんねぇ」
またそんな意地悪を言って、俺のおでこにおでこをくっつけて軽く押し返した。唇が遠のいて、
俺は泣きそうに鼻を鳴らしてしまう。
「ふっ……く、オレルドさん……っ、やだ……」
「言えよ、ほら。俺ぁ怒ってんだからな。お前とイチャイチャして年越そうと思ってた、俺のささ
やかな夢をぶち壊しやがってよ」
ああ、だから……。いつもは俺が言葉にしなくても、まるで心を読まれてるみたいに、すぐに俺
が望むことをしてくれるのに、今はしてくれないんだ……。
「キ……──」
ダメだ! い、言えない……っ!
なんだかキスって言葉がすごく生々しく感じてしまって、どうしても言えない。
でもキスして欲しい……。でも言えない。
だったら、別の言葉で……代用してみれば……。
えと……別の言葉って………えぇと──
「ちゅう……して下さい……っ」
言った瞬間、もの凄く後悔した。顔から火が出そうになった。
バカ? 俺ってバカですか!? なんだかこっちのほうが、よけい恥ずかしいじゃないか!!
でもなんで? なんでこんなに舌に馴染んでるんだ、この単語は!?
言ってる覚えなんかないのに……!
でもオレルドさん的にはオッケーだったようで、オレルドさんは満面の笑みになった。
「ムードもへったくれもねぇが……。ま、お前にしては上出来だな」
オレルドさんはそう囁くと、俺の唇にそれを重ねてきた。
「ん……っ」
ただ唇を重ね合わせただけなのに、それだけで俺の背筋にはぞくぞくとした快感が這い上がって
きた。膝から力が抜けて行く。椅子に座ってなければ、俺はそのまま床の上に尻餅をついていたか
もしれない。
勝手なことをしてオレルドさんをこれ以上怒らせたりしないように、我慢してた。だけど、もっ
ともっとオレルドさんと触れ合いたくて、俺は我慢ができずにビクビクしながらも、舌先でオレル
ドさんの唇を少しだけ舐めた。
そしたら、オレルドさんはすぐに唇を開いてくれた。俺の舌を招き入れるように、オレルドさん
のそれが俺のものに絡みついてきた。
「ふぅ……っ…んっ」
オレルドさんの舌の感触に、背筋をぞくぞくが走り抜けて行く。顔も体も、どんどん熱くなって、
下半身の一点にも熱が集中しだした時、そこにズキッとした引き攣れるような痛みが走った。
その瞬間、俺はとても重要なことを思い出していた。俺のあそこは今、オレルドさんと愛し合え
るような状態にはないってことを。
慌てて唇を離した俺に、オレルドさんは怪訝そうに眉を顰めた。
「なんだ、どうしたんだよ」
「い…いえ……」
言えなかった……。
俺のあそこは今、あの看護婦さんとの何度目かの対決に打ち勝って(敗れて?)、割れた尿瓶の
破片で傷つき、四針縫われてるとは。だからあそこが腫れるようなことをしたら、大変なことにな
るとは、絶対に言えなかった……。
オレルドさんは少しだけ訝しげに俺を見下ろしていたけど、でもすぐに、今度はオレルドさんの
ほうからキスしてきた。
唇を割って舌が入りこんでくる。口の中を舐められて、舌を吸われて、ぞくぞくした。すごく気
持ちいい。頭の中がトロンとなって、このままいつもみたいに……って思った途端、今度は堪え切
れないぐらいの激痛が走った。
「ふぅっぐ……! い、痛ぁっ!」
思わず顔を背けてキスを振り払った途端、声が出てしまった。
「デカブツ、どうした?」
縫われた部分が裂けるような痛みで、とっさに誤摩化すこともできなかった。痛い所を手で押さ
えるのは、人間の本能なんだろうか。
「な……ぅっ、なんでも、ありませ……っう」
我ながら下手な言い訳だと感じながら、俺はそれだけを、ようよう言った。
股間を押さえて痛さに震える俺の姿を見て、オレルドさんが怪しまないはずはなかった。
「見せてみろ」
怖い顔でオレルドさんはそう言うなり、俺のズボンのベルトをむんずと掴んだ。
「えっ! ダ、ダメです!」
俺はビックリして、同時にすごく恥ずかしくて、椅子から立ち上がって逃げようと身をよじった。
けどオレルドさんが脚の間に俺の膝をガッチリ挟んできて、身動きできなくなった。
「いいから見せろ!」
「やだ! 嫌です!」
ベルトは外されてしまったけど、ズボンを引き下ろされるのだけはなんとか阻止しようとする俺
と、オレルドさんの攻防戦はしばらく続いた。
おかげで、さっきのキスの気持ちよさは体からすっかり消え去り、大きくなりかけたあそこも元
に戻って痛みはなくなった。
なかなか手をどけようとしない俺に、オレルドさんは諦めてくれたのか、動きが止まった。
おそるおそるオレルドさんの顔を見ると、せっかく機嫌が直っていた顔がまた、不機嫌に強張っ
ている。
うっ……、俺、オレルドさんと仲直りしにここへ来たのに、また怒らせちゃった……。
「ご…ごめ──」
謝ろうとした瞬間だった。
オレルドさんが諦めてくれたものだとばかり思っていた俺は、ズボンを押さえる手から、すっか
り力を抜き、気まで抜いていたんだ。
オレルドさんは、その隙を狙っていたらしく、「あっ」と思った次の瞬間には、俺は椅子ごと床
の上に押し倒されていた。椅子が倒れるガターンと言う物凄い音が耳に響き、脳まで揺さぶられた。
背もたれが俺の体重をまるごと受け止めたまま、床に叩きつけられ、その衝撃が背骨を通して全身
に伝わり、まだ直りきっていない体中の傷に響いた。
「やっぱりか、あの看護婦……」
体のあちこちで暴れる痛みに苦悶していた俺は、オレルドさんの不機嫌全開な声にハッと我に
返った。ズボンが下着ごと太腿のあたりまで引きずり下ろされていることに、俺はここでようやく
気づいた。白いガーゼを貼りつけられた間抜けな姿のあそこを、オレルドさんに直視されている。
「や……、やだぁ!」
全身の血が沸騰したんじゃないかと思えるほどの恥ずかしさがこみあげ、俺は思わずオレルドさ
んを突き飛ばした。体を反転させて四つん這いになって、慌ててズボンを引き上げた。
間抜けな姿をオレルドさんに見られてしまったショックで、涙がこみ上げてきた時、セーターの
首の後ろをジャケットの襟ごと、むんずと掴まれた。
「起きろ!」
「ふえっ……」
オレルドさんに恐い顔で怒鳴られて、ビクビクしながら俺は立ち上がった。けど首の後ろを掴ま
れて押さえつけられているせいで、上半身を起こすことはできない。お辞儀をしたような格好のま
ま、俺はオレルドさんに引きずられて行く。
「やだ、オレルドさん……っ! ごめ……ごめんなさい、ごめんなさいっ!」
これから何をされるのか分からなくて怖くて、俺は今からお仕置きをされる子供みたいに無様に
泣きながら、ひたすら謝った。
オレルドさんは相当怒っているのか、何も応えてくれない。俺には床しか見えないので、どこへ
連れて行かれているのかも分からない。
頭の上で乱暴にドアが開け放たれる音が響いた。一瞬、外に放り出されるのかと思ったけど、床
はまだ続いていて、やがて視界の隅に、床の上に垂れた白いシーツが見えた時、ここは寝室なんだ
と気がついた。
その瞬間、俺は思いっきり突き転ばされていた。ベッドの上に倒されたので痛くはなかった。
慌てて起き上がろうとしたけど、背中の上にオレルドさんが乗ってきて、ギョッとした。
「オ、オレルドさんっ!?」
「もう絶対に許さねぇからな……」
オレルドさんの怒りに満ちた低い声が、すぐに耳元でした。
途端に、レイプされるんじゃないかって恐怖心が、ドッと襲ってきた。
レイプされるのなんて、初めてじゃない。それこそ初めての時は901の仲間から受けたレイプ
だったし、終戦後に少尉に拾ってもらう前にも何度かあったし、三課に入ってからも……。
だけど全然好きでもない見ず知らずの人に犯されるのと、本当に好きな人から犯されるのとでは、
怖さもショックも違う。
全然知らない人からの場合は、これからもう二度と会うこともないんだから、犬に噛まれたと思
えば済んだ。だけど、本当に好きな人からの場合は……すごく悲しくてショックも大きい。犬のせ
いにして忘れることなんて、できなくなる。
自分の好きな人が、そんなひどいことをするんだっていう事実に打ちのめされる。好きな人が俺
のことを、そんなひどいことをしてもいい対象だと思ってることが、まるで便所みたいに扱われる
ことが、何よりつらくて悲しい……。
「や……やだ……、嫌です……っ、オレルドさん……嫌です…っ!」
「二週間と四日だぞ。つまり十八日間だ。十八日もお預け食らわせやがったあげくに、チ×コに傷
まで創って帰って来やがって。これ以上、我慢できるか!」
怒鳴りながらオレルドさんが、俺のズボンを引き下ろした。剥き出しになった尻に冷たい空気が
触れた途端、オレルドさんの暖かい手が尻たぶをムズッと掴んできた。
「や……やだ! やだやだ! やめて! やめて下さい! く…クチ……クチでしますから!」
「フェラぐらいで十八日分の欲求不満が解消できるか!」
「でも傷が……あぐっ…!」
縫われた傷が開いてしまうことを訴えようとした矢先、オレルドさんが右手の人差し指と中指を、
俺の口の中に突っ込んできた。
「ローションなんか使わねぇからな。たっぷり唾つけて、よく湿らせろ。これ以上、痛い思いはし
たくねぇだろ」
オレルドさんは俺の頬に、頬をぴったりくっつけているから、オレルドさんが今どういう顔をし
ているのか見て取ることはできない。だけど、その冷たい声だけで、オレルドさんの顔を見る勇気
なんか、しおれてしまっていた。
今からひどいことをされるのは充分に分かっている。この上、オレルドさんが俺のことを、まる
で便所を見るみたいな目で見ていたらと思うと怖くて、とても顔を見る勇気なんてない。
俺はこみ上げてくる涙を堪えることもできず、泣きながらオレルドさんの指をしゃぶった。
「ふ……、んぅ……、む……ぅ……」
緊張と怖さから唾液なんてほとんど出てこない。
それでも必死で絞り出して指に塗りつけていると、セーターの背中がジャケットごと、たくし上
げられた。
「ったく……また傷を増やしやがって……」
ムッとしたように呟いたオレルドさんは、真新しい縫い傷のある俺の背中に舌を這わせてきた。
ぬるっとした暖かい感触に、背筋がぞわっとした。
「んふっ……! う……」
チュッと音を立てながら、オレルドさんが俺の背中に吸いついてくる。古傷の上を舌先でぞろぞ
ろとなぞってきた。
恐怖で冷えきっていた体の底から、熱いものが広がって行くのを感じた。そうすると、今まで渇
いていたのが嘘のように、唾液がどんどん溢れ出してきた。
「デカブツ……、デカブツ……」
熱っぽい声で囁きながら、俺の背中に口づけるオレルドさんの声を聞いていると、俺はやっぱり
オレルドさんのことが好きで、オレルドさんにならレイプでもなんでもされてもいいとさえ思えた。
痛い思いをしたくないから指を湿らせている、単にそれだけだった行為にさえ、はっきりした欲
望が滲み出してしまう。オレルドさんの指を、まるでそれがオレルドさんの分身であるかのように、
俺はいつもみたいにたっぷり唾液を乗せた舌で舐め、しゃぶっていた。
例え自分が痛い思いをしたとしても、オレルドさんに気持ちよくなってもらいたかった。ことご
とく約束を破った上に、大事なところに傷まで創ってきてしまった詫びをしたかった。
「気分出てきたか?」
笑いを滲ませた声でオレルドさんは言って、俺の口から指を引き抜いた。
引き抜かれたオレルドさんの指は俺の唾液にまみれ、糸を引いていた。
ああ、この指が今から……。
そう思うと、挿れられる前から尻の穴がムズムズした。
欲求不満なのは、何もオレルドさんだけじゃない。俺だって、そうだ。
入院してた間、痛み止めを飲まないと眠れなかった間はともかく(と言っても、俺はもう痛み止
めを飲み過ぎててロクに効かないんだけど)、傷が癒えて痛み止めが必要じゃなくなった頃には、
体がの疼いて眠れない日々が多くなった。オレルドさんが会いにきてくれてないと思ったからなお
さら、オレルドさんが恋しかった。
だから、たかが採尿だと言うのに、あそこをちょっとグリゴリされたぐらいで、看護婦さん特製
の尿瓶を破壊してしまうことになり、あんなところを縫うハメになってしまったんだ……。
その恋しかったオレルドさんが今ここにいて、俺に触れてくれてる……。だからもういい。たと
えあそこの傷が開いて、また縫いに行かなきゃいけなくなっても、俺は今オレルドさんが欲しい。
「オレルドさん……っ」
熱に浮かされたようにトロンとなった目で、肩越しにオレルドさんを見た。
オレルドさんがニヤッと笑った。
濡れた生暖かい指先が、尻の穴に触れてきた。
「んっ…!」
ぞくんとして俺は喉を反らして、シーツを握りしめた。
「あーあ、すっかり硬くなっちまってんぞ。二週間もしてないんだから当然か」
オレルドさんの指が、穴の周りをほぐすように揉み始めた。それから指の腹で窄まりをグッと押
し込むようにして捏ねてくる。
「あ…、はぁ……っ……、やぁ……っん」
「まだ挿れてもないのに、感じてんのか?」
「だ…って……、あぅ…ん」
「尻がピクピク動いてんぞ。そっか……お前も俺のこと欲しかったんだな?」
「ふ……、ふぁい……っ」
俺はシーツに片頬を擦りつけながら、必死でうなずいた。
「俺も、お前が欲しくてたまんなかったぜ。お前のその色っぺぇ顔を見たくて、可愛い声を聞きた
くてたまんなかった。一時は二度と見れねぇ聞けねぇとさえ思ってたんだからよ。だから、もっと
見せてくれ、聞かせてくれ……」
「オレルドさ……ひ、あっ!」
指がぬるっと入ってきて、一番感じる部分を突かれた。
その瞬間、腰から背筋にかけてゾクゾクが走り抜けて、体が勝手にビクンと動いた。縫われた前
のほうじゃなくて、付け根の奥のあたりがムズムズした。
「んあぁ…! あぁっ…、あー……!」
「なんだ、濡らす必要なかったみたいだな。すげー濡れてんぞ」
オレルドさんが満足げに言った。
確かに、オレルドさんが指を出し入れするごとに、恥ずかしいぐらい大きな水音が聞こえていた。
「あふ……っ、あ…んんっ! そ、そこ……い……っあ!」
「腰が勝手に動いてるぞ。そんなに気持ちいいか?」
直に体のほうに与えられる刺激はもちろん気持ちいいけど、でもそれ以上に、オレルドさんが触
れてきてくれてることが、すごく気持ちいいんだって感じた。
だけどその気持ちよさは、もちろん今は刺激を与えたくない部分にも伝わってくるわけで……。
オレルドさんに前立腺を突かれると勝手に動く腰。そして今俺はうつぶせにベッドの上に寝転が
っている。刺激を与えれば、勃ってしまうのが自然の法則と言うもので……。
「あ……いたたたたたたッ!」
心地良い快感に浸っていた横っ面を、思いっきり引っ叩かれるような激痛に、俺はたまらず声を
上げてしまっていた。
その声に驚いたのか、オレルドさんの指が尻の穴から引き抜かれた。
「何やってんだよ、お前。勃起させたら痛ぇのは当たり前だろうが。勃てんなよな!」
「そ……そんな無茶な……。気持ちいいんだから、勃っちゃいますよ……」
勃っちゃったら痛い。痛いけど……でも、さっきはオレルドさんに気持ち良くなってもらうため
なら、傷が開いても構わないと思ったのに。
そのはずなのに、やっぱり痛いと途端にビビってしまう。やっぱり縫われたあそこじゃエッチは
できないのかな……。
この痛みさえなければ……。痛みさえ……──あ、そうだ。
「あの……オレルドさん」
「なんだ」
「ランタンつけていいですか?」
提案した瞬間、オレルドさんのゲンコツが脳天に降ってきた。
「い、痛いです!」
「バカかお前は! 俺を殺すつもりか?!」
「い、いえ、そういう意味じゃなくて……! あそこの痛みを忘れられれば、集中できるんじゃな
いかと思って……。ランタンつけると痛さは感じなくなりますし」
「痛みすら感じなくなるランタンモードで、気持ちよさは感じれんのかよ」
「……──さぁ、試したことないですし。試してみ……い、痛いです! 殴らないで下さいっ!」
「ランタンモードになったお前なんて抱く気はしねぇよ。マグロになんのは目に見えてらぁ。どっ
ちみち、あんなイッた目ぇした無表情のお前に色気は感じねぇ」
そうか、ランタンモードの俺ってイッた目してて色気ないのか。自分じゃ見えないからなぁ。
でも、そうなると、どうしよう……。
「おい、デカブツ。上を向け」
うだうだ悩んでると、オレルドさんが指示を出した。
「は……? はい」
俺は言われた通りに仰向けになる。下半身だけ素っ裸になった間抜けな姿だったけど、もっとす
ごい所を見られてるんだと言う現状があるからなのか、それほど恥ずかしくはない。
だけどガーゼを貼られた間抜けなあそこを見て、オレルドさんが溜息を吐いた時、急に恥ずかし
さと情けなさがこみ上げてきた。
「あっ、こら触るな。触ると刺激で勃っちまうだろ!」
恥ずかしくて思わず股間を隠した手を、オレルドさんに掴まれて払い除けられた。
「いいか、デカブツ。今から俺の言う通りにしろよ?」
オレルドさんが急に改まった様子で、話し始めた。
寝転んだままだったけど、俺は背筋を伸ばしてコクリとうなずいた。
「俺ぁ研究熱心でな。お前とこうなってから、そのテの本を色々読みあさったんだ」
「は、はぁ……?」
いきなり何を……? ていうか、そのテの本って、なんだろう?
「そのテの本によるとな、熟練者になるとチ×コに触れずとも、尻の穴だけでイケるらしい。しか
も尻の穴でイク時は、勃起なんてほとんどしねぇそうなんだ」
「はぁ……そうなんですか……って、えぇっ!?」
「でな、お前とのセックスを思い返してみて、俺は思った」
「ちょ、ちょっと待って下さ……」
「そう言えば、お前とセックスしてる時、俺はなんだかんだでお前のチ×コに触ってたなと」
「オレル……」
「バックからやってる時も手でシゴいてやってたし、俺がやんなくてもお前自身がさっきみたいに
シーツに擦りつけたりしてた。正常位になってる時は抱き合ってるから、俺とお前の腹に挟んで刺
激を与えることになってたなと」
「ま、待っ……」
「つまりあれだ! 女とやってる時に、クリ触ってイカせてんのと同じことを俺はやってたんだっ
て気づいたんだ! クリでイク? バカ言ってんじゃねぇ! 百戦錬磨のこの俺が、そんなチンケ
な小手先の技で、愛するお前に歓びを与えてたと思ってたなんて、情けなくなったぜ!」
クリ? クリってなんだろう? なんだかよく分からないけど、オレルドさんは物知りだなぁ。
オレルドさんの博識さに感心していると、オレルドさんが目を輝かせながら、俺の太腿をガッシ
とつかんできた。
「お前にも、真の“女の歓び”ってのを教えてやるぜ、デカブツ」
「え? うわぁっ!」
いきなりガバァッと脚を開かされ、高く掲げられた。自分の目の前に、ガーゼを貼られた自分の
間抜けなものがボロンと垂れてきてビックリした。
ビックリした次の瞬間、尻の穴に生暖かいものがヌルッと入ってきて、体がビクンとなった。
「ひゃっ、あ!」
オレルドさんが尻の穴に舌を突っ込んできたのが分かって、俺は慌てた。でも背中の上半分で体
重を支える不安定な、それでいてある意味すごく安定した体勢になっているせいでビクとも動けな
かった。
「ひっ…ぃ……、や…やめ……、きたな……っう……あっ」
下半身が宙ぶらりんになっているからか、後ろに与えられる刺激が、より鮮明に伝わってくる。
そんな汚いところを舐められて恥ずかしくてたまらないのに、オレルドさんの舌が出たり入ったり
して裏側を舐められる感覚と、流し込まれる唾液のぬるつきがハッキリ分かる。
「やだ……っ! きたないから……やめ……、やめて……ぇっ!」
「うるれぇ。らまれ」
「ひぃぃッ…! しゃ……しゃべらな……でッ…、あぅッ……!」
声の微妙な振動と、発音するための舌の動きと合体した、えも言われぬ感触だった。
腰の奥でぞくぞくが弾けた。どうしよう、絶対に勃っちゃうよ……。
「はぅ……っぁ、ダメ……ですっ、それ…ダメです、ぅ……、た……っちゃ…う、っく…!」
快感に翻弄されながらも、妙な理性だけはしっかり残っていて、目の前の自分のものをしげしげ
と観察していたけど、なぜだか、それは一向に勃ち上がる気配がなかった。
なんでだろう? 微かに疑問に思っていると、オレルドさんが「ぷはっ」と顔を上げた。
「うし、これだけ濡らせば大丈夫だろ」
唾液まみれになった口の周りをグイッと拭って、オレルドさんは俺の脚の間から、俺を見た。
「いいかデカブツ。前には絶対に意識を集中すんな、集中すんのはケツのほうだ。いいな」
な、なんだか今からエッチなことをするとは思えないぐらい、オレルドさんは真剣な眼差しだ。
どう応えていいか分からず、俺は戸惑った。
「いいか、挿れるぞ」
え、そんな、いきなり!?
ギョッとしていると、オレルドさんのモノが尻の穴にあてがわれ、先がズブリと入ってきた。
「あうっ…ぐ!」
入院中は夢にまで見たことだけど、でも現実はさすがにリアルすぎる。
何の下準備も済ませてないし、二週間ぶりだってのにロクに拡張もされてないから、オレルドさ
んの太いモノでいっぱいいっぱいになってるのが分かる。我慢できない痛みじゃないけど、今にも
切れるんじゃないかと思えるビリビリとした鈍い痛みと、息が詰まる苦しさがあった。
「締めんな、痛ぇだろうが、バカ。息吐け」
言葉は乱暴だったけど、それでもオレルドさんは一気に根元まで挿れるようなことはしない。俺
の様子を見ながら、ごくゆっくりと、少しずつ押し込んでくる。
「う…っふ、ふぅ…うぅっ……──」
針みたいに細くなったんじゃないかと思える気道から、なんとか空気を絞り出す。後ろから徐々
に力が抜けて行って、オレルドさんの進む幅が少し大きくなった。
それでも痛くて苦しいのには変わりない。オレルドさんは後ろに集中しろって言ったけど、そん
なの無理だ。前に触れば、この痛みも和らぐ。
俺はそう思って、苦しみから逃れたくてたまらず、目の前にぶら下がっている自分のモノに手を
伸ばした。萎えてぐにゃりとした肉の棒と、ザラっとしたガーゼの感触を掌に感じた矢先だった。
「こんの……!」
「……──っ!!」
オレルドさんがムッとした声を上げて、いきなり腰を進めてきた。俺の尻の上に体重をかけて、
オレルドさんが乗っかってきたんだ。いきなり最奥を突かれてしまうことになって、俺は声を詰ま
らせた。
「前に集中すんなって言っただろ」
「そ……、むり……っ……」
声も出せず、俺はブルブル震えながら、顔を横に振るので精一杯だった。
前をしごこうとした手首は、いつの間にか、オレルドさんに握られていた。
この苦しみと痛みから逃れたくて、すぐ目の前に気持ち良くなれる部分があるのに触らせてもら
えなくて、俺はわけが分からない感情に弄ばれるまま、ただボロボロと泣くしかすべがなかった。
「ひっ…く、も……、許し……て……、えぐっ……、うえっ…く」
「ったく、しょーがねぇな」
オレルドさんの溜息混じりの声が聞こえた時、俺の胸で小さな快感が弾けた。
「っあ…!」
見ると、オレルドさんが俺の乳首を指でつまんでいた。
「ここだけだぞ。だけどチ×コは触んなよ、いいな」
乳首を指で挟まれ、捏ねられ、爪の先で軽く弾かれる。腰の奥からぞくぞくが這い上がって、後
ろの苦痛が少しだけ和らいだ気がした。
「っふ、んんっ……、オレルドさ……、はぁっ…ん……」
「ほら、自分でやってみろ」
オレルドさんがそう言って、掴んでいた俺の手を胸のほうに持ってきた。オレルドさんから手を
離されると、途端に後ろのつらさが鮮明になった。
それから逃れたい一心で、俺は唯一触ることを許された乳首を自分で弄った。
前を直に触るのとは比べ物にならないぐらいの緩い感覚だった。それでも、小さな快感は後ろの
つらさを滲ませてくれるには、充分に役に立った。気づいたら、俺は夢中でその小さな感覚を貪る
ように、両手を使ってそれぞれの胸の突起の上で指を動かしていた。
「ふぁっ……、はぁっ…ん、んんっ…」
「すげーエロイぞ……デカブツ」
オレルドさんが熱っぽい目で俺を見つめたまま、少しずつ腰を動かし始めた。
緩やかに奥を突かれてゾクンとする感覚と、入口を擦られる引きちぎれそうな感覚と、中がいっ
ぱいになっている感覚、それから胸に弾ける小さな快感がないまぜになっていく。痛いのか気持ち
いいのか、苦しいのか楽なのか、段々と分からなくなってきた。
「ひ……っあ……、あうっ、あぁ……」
「自分でオッパイ触って気持ちいいか?」
「はぅっ……ん、ぁ……きもちぃ…です……っ」
「マ×コに俺のチ×コ挿れられたまま、オッパイ触ってオナって気持ちいいんだな?」
「ちがっ……違い…ますっ……、んんっ」
「オッパイ感じるんだろ? そこが感じるのは女の子だけだぜ。そんでコッチのほうは洪水みたい
にグチョグチョに濡れてんだ。ほらな、お前のココは尻の穴じゃなくてマ×コなんだ。お前は女の
子なんだよ、デカブツ」
「はっ…く、ち、違います……俺……女の子じゃ……な……」
「女の子になっちまえよ。俺のチ×コ、マ×コに挿れられて、ココだけでイッちまう女の子に」
「やだ……、やです……っあ、俺は……」
どうしてだろう。オレルドさんにひどいことを言われてるのに、言葉とは裏腹の染みいるような
優しい声のせいだろうか。それとも乳首をいじっているからなんだろうか。
何が原因かは分からないけど、俺は確かに後ろの痛みを忘れつつあった。それどころか、オレル
ドさんに奥を突かれるうちに、前で感じるのとは違う、別の感覚が生まれていくのに気づいた。
その時になって、気づいた。相変わらず俺のあそこは萎えたままなのに、先端から透明な液が零
れ落ちていることに。
あ……どうしてだろう? 勃ってないのに、気持ちいい……?
でもこの感覚は今までとはまったく違う。ただ一点の出口に向かって上昇して膨れ上がって行く
快感じゃなく、体の奥底がどんどん熱くなって、ぞくぞくが止まらなくて、それが時間を追うごと
に強くなって行って、どこへ向かっているのかまるで終わりが見えない。
「ほら、デカブツ……。女の子になっちまえ!」
オレルドさんが腰の動きを唐突に早めた。
まるで電流が走ったような気がした。前立腺をまるごと鷲掴みにされて、思いっきり揺さぶられ
ているような、強烈な快感がドッと襲ってきた。
「あ、ああっ…! ひぅ……っ! や…やぁ……っあ! ダ、ダメ……ぇ…! あーぁッ!」
乳首を触って痛みを紛らわせるなんて、もう必要なかった。
俺は確かに、後ろだけでオレルドさんを感じていた。それもどこまでも天高く舞い上がって行く
ような、体の中で膨れ上がり続ける、終わりの見えない強烈な感覚だった。
「やぁっ…やだ……! こわ……怖い……! やだぁ……! あっ、ああぁん…!」
自分がどこへ向かっているのか分からない。このまま行ったら、気が狂ってしまうんじゃないか
という恐怖と、それをはるかに上回る快感に翻弄される。
「やだ……! オレルドさ……やめ…て! 怖い……やだぁ……!」
「怖がることなんてねぇよ。お前は女の子になればいい」
オレルドさんが、俺の奥を激しく突きながら、深く染みいるような優しい声で言った。
「はぁっん…! オレルドさ……オレルドさんッ……! お…れ、狂っ…ちゃ…あぁっ!」
「狂うなら狂え。俺はな、もうとっくに狂ってるぞ……お前にな……」
快感が大きくなるにつれて、それも今までに経験したことのない、後ろだけの感覚に翻弄されて、
心細くてたまらなくなる。オレルドさんが遠くに感じて、俺一人でどっかへ飛んでっちゃうような
気がして、俺はオレルドさんに向かって手を伸ばした。
「オ…オレルドさ……あっふ…! 捕まえて……て…! 俺……怖い……!」
オレルドさんが優しく笑った。そして伸ばした俺の手に、オレルドさんは指を絡めて、きつく握
りしめてきた。
「俺はここに居るぞ、絶対に離すもんか。お前は俺の女になるんだ。俺のただ一人の特別な女にな。
だからほら、安心して女の子になっちまえ」
より一層感じる所を突き上げられて、ぞくぞくと体を流れる電流が強くなって行く。頭の中が
真っ白になって行く。前じゃなく、後ろで……。外じゃなく、体の中で強く感じて行く。
「…っあっあ! あ、俺……なっちゃう……! 女の子に……あっあ…! やぁ……イク……!」
腰の奥から頭のてっぺんに向かって爆発する何かを感じた途端、俺の頭は真っ白になっていた。
息が詰まって、体が勝手にビクビクと痙攣した。
「……──っあ! ぅあ……あ……!」
頭が吹き飛びそうになった。気絶するんじゃないかと思った。
だけど大きな波が去って行くと、頭も吹き飛ばなかったし、気絶もしなかったことを、ぼんやり
した頭で感じて、ホッとした。
熱に霞む視界で見れば、俺のあそこは未だに勃ってなくて、萎えたままだった。先端からは、精
液じゃなくて、それよりは少し透明でさらさらした液体が、腹の上にたくさん零れ落ちているのが
見えた。
俺はそれを見た時、あまりの気持ちよさに自分が洩らしてしまったんだと思った。
「や……やだ……ぁ……、う、ひっく……う、えぇっ……」
恥ずかしさのあまり、俺はたまらず泣いてしまった。
後ろからズルリとオレルドさんのモノが引き抜かれた。それだけなのに、俺の体がまたビクンと
大きく揺れた。
脚を下ろして、楽な姿勢になった俺の上に、オレルドさんが覆い被さってきた。
「なに泣いてんだよ。ちゃんとイケたじゃねぇか」
「でっ…でも、おれ……も……洩らしちゃ……っ、ごめんなさ……ふえぇぇ~ん……!」
「ぷっ…! ぷあっはははははは!!」
いきなりのオレルドさんの馬鹿笑いに、俺は泣くのも忘れた。
「バッカだな、そりゃお前……洩らしたんじゃねぇから安心しろ」
「ふえっ……、じゃあ……なん、ですか……? 精液じゃ……ないですよ……?」
「そりゃ前立腺液ってやつだ。小便なんかじゃねぇよ」
オレルドさんってやっぱりすごい……。なんて物知りなんだろう……!
俺がひたすら感心していると、オレルドさんがニマーッと笑って俺の肩に手を置いてきた。
「安心したか?」
「は…はい」
したけど、なんか、そこはかとなく嫌な予感が……。
「よし。俺、まだイッてねぇから」
「えっ…!」
「第2ラウンド開始な♪ つか、二週間分だから、朝まで頑張ってもお釣りがくるかもな」
「ちょ……ちょっと待ってくだ……」
オレルドさんの博識さによって、確かに縫われたあそこの傷が開いて大惨事になることもなく、
愛し合えるのは証明されたけど、でも……。後ろでイクのは、前でイクのより何倍、いや何十倍も
強烈だったのに、この上、朝までなんて……!
「や、やめて下さいッ…! 俺、死んじゃいます!」
「おお、死ね死ね♪ 心置きなく昇天させてやらぁ」
「そ、そんな……!」
「ついでに俺の子胤をたっぷり注ぎ込んでやるぜ。妊娠しちゃうぐらいにな。つかもう、お前は俺
の女になっちまったんだから、本当に孕むかもな」
「え……!!」
そんなことはないはずだと思いたかったけど、オレルドさんになら本当にやりかねない…!
「最初は男がいいか、女がいいか? 俺はどっちでもいいけどな、お前に似てるなら」
「嫌です! 俺似の女の子だけは絶対に嫌です! 男の子も女の子も、オレルドさん似が絶対にい
いです!」
「よし分かった! お前似の男と、俺似の女の双子ってことで解決だ。よし、頑張れデカブツ!
俺も死ぬほど頑張るからよ!」
「い、嫌です、ダメです! 俺、未婚の母にはなりたくないです!」
パニックになるあまり、俺はもう自分が何を口走っているか分からなくなってた。
だけど何を言ってもオレルドさんは満面の笑みを浮かべるばかりだ。
「よし、そうか! 結婚しよう! だからその前に、隊長やマーチスとかに反対されねぇように、
既成事実を作っておこうぜ?」
なんだかどさくさに紛れて、すごく嬉しいことを言われたような気がしたけど、気のせい……?
「愛してるぜぇ~デカブツぅ~?」
「やめ……あ、あっあぁぁっ……ん!」
やたら上機嫌になってしまったオレルドさんに、また挿入された。
そこから先は、よく憶えてない……。
オレルドさんはすごく格好よくて、頭が良くて機転も利く上に、もの凄く博識な人だ。
だけど俺もオレルドさんのおかげで、ひとつお利口になった。
それは……あそこを縫われても、なんの問題もなくオレルドさんと愛し合えるってことだ。
でもそれって、俺との対決を心待ちにしているとしか思えない、あのロゼッタさんと言う看護婦
さんぐらいしか、喜んでくれそうにないんだけど……。
て言うか……今度入院する時は、別の病院がいいなぁ……──。
【終】
385 :
男体の人:2007/01/03(水) 00:47:25 ID:???
なんだか書いて行くうちにシリアスなんだがギャグだか
よく分からなくなってしまいました…orz
毎度毎度、一人で大量にスレ消費してごめんなさい…orz
こんな私ではありますが、今年も伍長を愛する皆さまの
仲間に入れて下さると幸いです。
お年玉キター!
リアルタイムに初めて遭遇したよ男体の人いつもながらGJ
お正月バンザイ。今年も共に伍長を愛でて行きましょう!
男体の人ありがとう、お年玉をありがとう!
春はオレ伍本に決めました。
伍長、祝・ドライなオー×ズム初体験☆
もうオレさんは何を真剣に極めているのか。あんたらさっさと
結婚しちまいなyo!!
>385
年始早々バカップルキタコレw
クリとか言い出したくだりで吹きました罠w
そういう開けっぴろげなのがやっぱり男同士だなという感じで微笑ましく。
何かにつけて天然な伍長カワエエし。
ある意味初体験で気持ちよすぎて怖がっちゃう伍長もテラカワエエし(*´Д`)
いつもながらGJ&ゴチですた!
男体の人超GJです!
伍長は完全に乙女になりましたねw
だんだんとマニアックなプレイをしている2人に身悶えます
新年早々こんな萌えなSSありがとうございました!
新年早々やりますなw
GJ!
男体の人GJ!
いつもいつもありがとう。
伍長が孕んじゃうくらいたっっっぷり種付け宣言なオレルドに乾杯☆
無意識にちゅうって言い慣れてる伍長に笑ったw
GJGJ!
ちゅうなのかよ、伍長…可愛いよ
オレも優しくて、朝っぱらから和み&萌え
伍長のフェラも捨て難かったな…
なんかヘタそうなんだけどヘタなりに一所懸命あぷあぷしながら
愛情こめてご奉仕してくれる事でしょうな。
歯があたって痛くってもまたその不器用さに萌え。
無理やりしゃぶらされるってのもいいですな
伍長は、かわいい。
だが、のろい。
デカいし、気が弱い。
おまけにドジっ子で階級も中の下。
尿瓶割りだけが得意。
口癖は「ごめんなさい」。
座右の銘は「強くなりたい」。
「ごめんなさい。俺、こんな身体になっちゃいました――…」
伍長ってちせに似てるよなぁ…と思って勢いで書いた。
シュウジ役は想像に任せる
>367
こっこ造りシーンが自動的に再生されてしまった
あぁたしかに同じジャンルの生き物かもしれん・・・
やべー、ちせと伍長が並んでほのぼのあわあわしてる図に凄い勢いで和んだw
尿瓶割りって特技なのかwww
尿瓶割りってつまりデカブツの膨張なわけだから
それを特技とするなら伍長はなんていやらしい生き物なのだろうかと思った。
「いやらしいな…、伍長は…」
「少尉ぃ…」
一連のちせ伍長の流れに和んだ
>>321です。
二人並んでたら可愛いさ倍増だよちせと伍長。
ちせみたく『こっこ』って何ですか?ってシュウジに訊く伍長に、バカ正直にちせが答えて三人で照れて
る図が思い浮かんだ。
小説を投下させて頂こうかと思っていたのですが、たまには絵でも。
エロくはないです。そして先に男体の人に謝ります。すいません。
ttp://www.uploda.org/uporg646467.jpg.html pass:0km
これは男体の人が前スレで書かれていた『若獅子×伍長』から勝手に妄想膨らまして描いたものです。
少尉の命を理由に命令を聞く伍長にドア・ノッカーをつきつけて「これを舐めてごらん。美味しいから」
とか言って、嫌々ながらも舐める伍長を見てご満悦した後、それを尻にいr(ry
鬼畜妄想が膨らんでも、それを絵にするほど腕もないので舐め止まり。勉強しようorz
しまった。若獅子は白の手袋してたな。
407 :
男体の人:2007/01/08(月) 06:43:43 ID:???
>>403 わおー、ありがとうございます!
直接的にブツを舐めさせるより、ずっとエロイです…w
しかもその後は、伍長の穴に零距離挿入ですか。
もちろん銃弾は入ったまま…ですよね。
レオ様「ほら、ちゃんと力抜いて根元までくわえこまなきゃ」
伍長「や……、む、無理…ですっ……、痛…っ!」
レオ様「言う通りにしないと、引き金ひいちゃうよ」
伍長「……! ひ……っ…」
レオ様「怖い? そりゃ怖いよねぇ(クスクス)
君が今まで銃口を向けて来た相手の気持ちが
少しは分かるかなぁ?」
伍長「あ…ぅ、ご…ごめんなさい……っ、ごめ……」
そんな場面を幻視しましたw
レオ様鬼畜すぎ素敵すぎ!(;´Д`)ハァハァ
本当にありがとうございました!ゴチでした!
>408
見れない…(´・ω・`)
>409
ワロタwww
GJ!!!!
>410
投稿ミス
画像は>409と同じっす
内気な彼女を紹介してるようだ。
うおおー見逃した。
>>403さん、よければ再うpお願いしますorz
>>403さん
見逃し組二人目です。
図々しいお願いですが、見せていただけると嬉しいです。
416 :
414:2007/01/09(火) 22:58:37 ID:???
>>415 どうもありがとうございます。
涙目伍長可愛い!
なんでこんなにS心をそそるのかな。
彼女てw
そこは直リン不可だ
422 :
413:2007/01/10(水) 18:41:57 ID:???
遅くなりましたが
>>403さんありがとう!
昨日バッチリ見させていただきました。
泣いてる伍長は可愛いなぁ。
こそこそ失礼致します……
昨年途中までで放置していたネタを、とっとと終わらせに参りました
数レス分、お目汚し失礼致します
部隊の空気が緩みかけたことに最初に気付いたのは、衛生兵だった。
だが彼は、干渉はしなかった。それは彼の仕事ではなかった。
彼はただ、行軍と戦闘から脱落していく実験体の、異形の痕跡を消去することだけに専念した。
今まで通りに。
何人に突っ込まれたんだっけ、と思いだそうとして、オーランドはやめた。
最初に蹴りつけてきた男とあと数人。
顔さえろくに覚えていない。口を利いたこともなかった。
同じ部隊に属しているのにな、とオーランドは少し嘲う。そういえば、自分は皆の名前もあまり知らない。
戦闘続きで色々欠け落ちたんだろうな。
疼痛と屈辱感は拭えずにいたが、それ以上の諦観がオーランドを支配する。
赤ちゃんができるわけじゃないもんな。
周囲が知れば愕然としそうな、茫洋とした結論を出したオーランドは、一夜限りの悪夢をそうやって忘れることにした。
そんな当人の、精神的逃避を周囲は知らない。
ただ最下層の人種との認識は、暴行に加わらなかった兵にも行き渡った。
数日は、「何事」もなかった。敵軍戦車部隊が二つ、壊滅しただけだった。
そして「衛生兵」と部隊長の無線傍受により、次の戦場までの移動が決まった夜。
今度は、別の兵たちがオーランドを「使った」。
携帯を許されていた僅かなアルコールに錠剤を混ぜ、酩酊した男の口に猛りきったものを突っ込む。
尻は趣味じゃないが、クチならなんとか。
またしても数人がかりで、巨躯を押さえつけての蛮行だった。
調子に乗った者が、性技を教え込んでいるのが滑稽だと、「衛生兵」は苛ついた。
深夜に解放されたオーランドは、切れた唇の端を無言で拭った。
先だっての時のように、腰と股関節の感覚がなくなるような痛みはなかったが、胃の腑まで注がれた精液による吐き気はそれ以上だった。
泥の混じった水で口を濯ぎ、麻痺した舌と顎の感覚に、明日は喋れないなとぼんやり思う。
ふと、オーランドはおかしくなった。
そもそも自分は、部隊内でまっとうな会話をしたことがなかったな、と。
断続的に、部隊内で陵辱は行われた。何度目かになると、オーランドの躯に執着を覚える輩も生まれてきた。
曰く、舌遣いが玄人じみてきた、とか。
尻が段々ヒクつくようになってきた、とか。
生々しい猥談が交わされるようになると、彼らは徐々に口数が増えてくる。
そのうちに、オーランドが一度も逐情していないという流れになり、モノはデカいが勃起不全という結論まで出る始末だった。
ある夜、最初にオーランドを犯した男が単身、彼の元に忍んできた。
睡魔に捕まりかけた彼の頬を軽く叩き、またですか、とぼやけた無感情な声を返され。
男は、俺一人だから安心しろ、と囁いた。
貴重なワセリンを握り締めながらのその顔が、研究所に入る前の表情を取り戻していたことは、どちらも気付かなかった。
抵抗を諦めたオーランドの下衣を剥ぎ、右足を担ぎ上げた男は、常より息を荒げながら濡らした指で尻をまさぐる。
直腸に突き入れた指を蠢かせ、前立腺を探り、オーランドをはじめてイカせた男は。
征服欲を満たした数日後、敵戦車主砲によって上半身を吹き飛ばされた。
確かに901部隊は、戦場で一定の戦果を挙げた。しかし、初期投資を考えると、捨て駒にしては高くつく。
二次利用を考えておくべきだろう。
脱落者のデータを燃やしながら、衛生兵は遙か前方を往く兵影を眺めていた。
──微かな異変から、急速に数を減らしつつある部隊を。
こんなはずでは、と「衛生兵」は吐き捨てた。
戦闘は重ねた。ランタンを灯せば理性は消えるが、肉体に蓄積された反射や経験は生きる。
元より、戦略や連携といった存在はない。各人の能力のみで生き残れ、それが単純にして残酷な901部隊の創設理念だ。
そのはずだった。
だが今、「衛生兵」の前に残っているのは、一割の上位適合者と──歯牙にも掛けていなかった、オーランド伍長だ。
こんなはずでは。
もう一度、「衛生兵」は吐き捨てた。
この段階で生き残っていなければならない実験体のうち半数は、これまでの戦闘で失われていた。
そして。
ビバークと行軍以外では安全圏にいた「衛生兵」が倒れたのは、敵の銃弾によってではなかった。
敵本陣を前にしての、最も苛烈な戦闘。人間兵器の情報は朧気ながらも帝国に伝わっており、対応策未満が練られていたのだろう。
対人攻撃ではない、定範囲内攻撃。
901部隊が攻撃対象としていた戦車を囮とした、容赦のない一斉掃射と破砕だった。
「衛生兵」は一瞬で両足を失われ、物のように地表に転がった。屍たちと一対の軍靴とキャタピラが斜めに映る視界で、彼は死神を見た。
黒煙の中、立ち続けていたのはオーランドただ一人だった。
なんてこった、と「衛生兵」は苦笑した。研究所は戦場ではない。そんな簡単な事項を見落とした上はバカだ、と。
普段の臆病さは慎重さだと。避戦意識こそが生き延びる術だと。ランタンを消せば誰より早く涙するのは、誰より早く正気づくのは。
最大の適性値だと。
行け。
真横にいても絶叫しても聞こえないであろう爆音の中、「衛生兵」はオーランドの背に呟いていた。
行っちまえ、この死に神。
その声は音にならなかった。「衛生兵」が最後に見たのは、血まみれで振り返ったオーランドの、逆さに近い角度の顔だった。
──死に神なら、死ぬな。ランタン、消すんじゃねえ。
「衛生兵」を見下ろしたオーランドは、正気の顔をしていた。
銃声が、響いた。
901部隊の最終戦闘地に、衛生兵は足を踏み入れなかった。双眼鏡越しにも全滅は見てとれ、研究所から出向していた「衛生兵」の上半身のみが、辛うじて形を残している。
衛生兵──否、その分析連絡員が破壊すべき機密はすべて、持ち主共々四散しているに違いなかった。
研究員は、黙して帰途に就いた。非戦闘員である衛生兵の軍服を脱ぎ、一市民として研究所を目指す。
ふと、研究員は部隊最後尾にいつもいた、唯一顔を覚えた大柄な兵を思い出した。ノロマで遅れがちで、自分の姿を見た唯一の男を。
今まで、彼の死体を処分したことはなかった。きっと、あの肉片の中にいるのだろう。
わずかな同情と追悼の念に襲われた研究員の胸を、自軍の監視兵が撃った弾が貫いた。
終戦に先立つこと二ヶ月、連絡員二名の死と901部隊「全滅」の報がカウプランに届いた。
†††
以上、ノーコメントで去ります。お目汚し失礼致しました……
>>424 乙。
相変わらずハードで格好いいですね。
伍長をイかせた男の運命とか痺れたっす。
…次回作は魔女っ子かな?
429 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 22:48:58 ID:KxRF3ofs
乙乙!
携帯使いなのが口惜しいリアルタイムでしたよクーッ!
淡々と書かれてっけど、妙にムラムラくるし・・・・伍長犯したり惚れたりした連中が全滅っつーのが・・・
どこまで調教されたかが気になるー
続きないんですか?
水道局に絡まれてた難民のあんな可愛いか娘がサブキャラとは悲しいですな
>424
乙でした
良いモノを読ませていただいたー・・・
>424
GJ!
こういう結末になろうとは
>431
もうちっと出てきて欲しかったよね
衛生兵の人、乙
昨晩リアルタイムで遭遇して猿のようにリロードしまくっていたw
文章カッコヨス、ストーリーカッコヨス
断末魔の衛生兵の最後の視界に入る伍長に、萌えるより燃えてしまったw
カッコEEEEEEEEEEEEEEEE!
うう、皆様暖かな反応をありがとうございます。
省略しまくってた濡れ場描写、ちょこっと置いていきますね。
†††
鈍い抵抗を見せるオーランドの頭を、横合いから別の男が地面に押さえつけた。
「暴れんじゃねえ、ブチ抜かれてえか」
もう一人の男が、これ見よがしに腰のホルスターに手を掛ける。DNが引き出される音に、振り上げかけたオーランドの腕が凍りついた。
「イイコにしてりゃすぐ済むぜ」
「ちったあ俺らの役に立てよ。グズ」
囁き合う声に、オーランドの全身が震えた。流石に今何が行われるかは察知できたのだろう。
押さえつけられた頭を、イヤイヤ、と言うように微かに振る。歯を鳴らし、驚愕と恐怖に怯える様は、男たちが隔絶されて久しい「女」を連想させる仕草だった。
「ケツの穴なら、男も女も変わりゃしねえしな」
両足を肩に担ぎ上げた男が、ぐ、とオーランドの尻を持ち上げた。角度と硬度をもった己の男根に位置を合わせ、そこで慌てて自身のファスナーを下ろす。
尻たぶを掴んだままの手指を伸ばし、固く絞られたままの菊門をこじ開こうとして叶わず、それを眺めていたDNを構えたままの男に哄笑された。
「ハッ、処女だぜ処女! 食いちぎられねえようにしろよ!」
「初物かよ。オメデトウだな」
と、男たちの周囲からは幾つもの含み笑いが響いてきた。
「――チン×縮こまってるぜ、かわいそーに」
「とっとと終わらせて回せよ……順番どうするよ」
「そりゃあれだ。処女相手ならチン×小せぇ順だろ!」
オーランドの顔からはますます血の気が失せる。震える手を、自身の尻を掲げた男の腕に伸ばし、一縷の望みをこめて相手を見つめる目は涙ぐんでいた。
「――なんだ、おねだりか」
じゃご期待通り、と男はオーランドの懇願を踏みにじった。閉ざされたままの皺に亀頭を捻じ込み、裂けろと言わんばかりの勢いで腰を進める。
「――!!」
別の男に押さえられたままのオーランドの頭が、衝撃にがくりと傾ぐ。仰け反るようにさらされた喉には、DNの銃口がひたり、と押し当てられて悲鳴を上げることを許さない。
呆けたように口が緩み、声の代わりに唾液が一筋、頬を伝った。
ぶつりと筋が切れ、鮮血と同時にオーランドの目尻に溜まっていた涙が溢れた。
「お、ご開通!」
「ケツマン×にはじめてチン×が入った感想は?」
嘲笑と、感じたことのない激痛を伴う律動に、オーランドの瞳の焦点が合わなくなっていく。
涙と唾液だけが止め処なく流れ、銃口を当てられた喉が忙しなく、浅く上下していた。
「……っや……ぁ……、……」
オーランドは吐息だけで喘いだ。結合部からは血が潤滑剤になったのか、ぐちゅぐちゅと淫らな音が聞こえてくる。肌蹴られた両足は男の腰に合わせて軋み、汗を浮かべることすらなかった。
「ははっ、もうトんでんじゃん」
「で、どうよ具合は」
「――最……ッ高、に、キツ、い……! 食い、ちぎ、られっ……」
もう哄笑は起こらなかった。
男の意のままに前後する肉付きのいい足と、ぐずぐずに崩れたオーランドの顔を、生唾を飲み込みながら凝視する気配が充満した辺りには、我先にという空気しか漂ってはいなかった。
「へっ……俺が、一番乗り、だっ――!」
我が物顔でオーランドを貪っていた男が、勝ち誇った顔で腸内に濃い白濁を注ぎ込んだ。萎えた男根が抜かれると同時に、DNを構えたままの男がその体を押しのけた。
オーランドの喉から一旦離れた銃口を、閉じることを忘れた口に突っ込み、もう片方の手で性急に己の男根を掴み出す。
「なら最初にヨがらせんのは、俺――だッ!」
血と仲間の精液でぬかるんだオーランドの尻は一晩中、太さも、長さも違う男根を咥えさせられ続けた。
数人目が、意識の飛んだオーランドの両足が重いと言い出してからは、蹴り上げられて四つんばいにさせられ、腰だけを高く固定させられて。
口に入った泥の味だけが、オーランドが鮮明に記憶できたすべてだった。
†††
……書いてて気の毒になってきた。フェラ調教とか初射精のがまだマシだった
ような……。
毎回お目汚しスンマセンorz
あああああああああああああああ
×DN→○DK,です
なんちゅー初歩的な間違いをやっちまうかな……!
脳内変換、宜しくお頼み申し上げますぅぅぅぅ
>>435 GJ! エロい!
誠に痛そうで気の毒、だが、それがいい
ドアノッカーは自動的に脳内変換してたんで問題なし
>>435 キター!もう読めないと思ってたら、思いがけないプレゼントありがとう。
荒っぽいザラッとした空気の中で可憐な伍長が虐げられるのがかなりツボ。
殺伐で気の毒で萌え萌えです。
伍長には悪いんだけど
虐められている様子がとってもエロス
オ、オマケにまでありがとうございます
有給を伍長に費やすバカです
宿題は終わらせるに限る、ということで
魔女っこネタ参ります
※バカネタです
※お笑いです
※変身です
※下品台詞あり
†††
第一ダム外壁前、俺は知り合ったばかりの少尉の格闘を見ていた。
「こんな工具じゃダメだ」
少尉のか細い腕で、そんなハサミじゃ無理ですよ。そう言おうとして、やめる。
嗚呼、やっぱりアレをやるしかないのか──。
「退がってください」
「?」
言いながら俺は、胸元に手を入れた。
傷だらけになったDKを取り出し、コートの裾を翻す。
「少尉は抗体の確保を……水門……は俺……が」
ランタンの着火バーに指を掛ける。ここから先は、見られたくない。
あんな真っ直ぐな目をした、こんなに可愛い少尉殿に見られて
──侮蔑されたく、ないんです……。
チキチキと音を立て、しばらく使っていなかった証か、
埃と錆を落とす音と共に光が点りはじめた。
「独りで……大丈夫か?」
青い光に魅入られたかのように、少尉が俯いている。珍しいんだろう。
だってこの光は──自然には存在しないから。
俺は耐えていた。まだだ、まだアレをやるわけにはいかない。
「お……おい伍長!? 大丈──」
「早ク」
もう限界だ。
「行ケ」
早く早く早く。焦る俺は殺気さえ込め、やっとの思いでそれだけを口にした。
「あ……ああ。気を付けてな」
なんて優しい方だろう。
俺を気遣う言葉を残し、少尉殿は階段を降りて行く。
綺麗な金の髪が見えなくなって、俺はやっとランタンが急かす言葉を口に乗せた。
「♪ウーィル・オー・ウィースプ!」
俺は声を裏返しながら、DKを天に向け、腰をきゅっと捻って「ポーズ」を決めた。
途端にランタンからは、今までの比じゃない量の光が溢れる。
やだやだやだ、絶対カウプラン機関は変態さん揃いだったんだー!
「き、901ぃー……ATTぃ、チェーンジっvvv」
DKを頬の横に構え直し、左手を腰に巻き付けて内股を作る。
うううう、上目遣いなんてなんで誰が決めたんですかー!!
溢れた光が流れになり、俺の全身を包む。
こ、ここで裸になりさえしなければっ!
いやでもすぐに、軍服が戻るんだけど。
光が軍服に変化した瞬間、俺の視界は切り替わる。
いつかの同僚みたいに、瞳孔が開きかけた虚ろな目になってるんだろう。
「バーサーク・エンジェル、出陣っvv」
そんな無表情でも、俺の体は勝手に悩殺ポーズを作った。こ、今回は女豹ですか。
よりにもよって、こんな狭いところで。
「……」
やっと変身義務行程が終わった俺は、とっとと水門の破壊に取りかかった。
……繰り返すが、絶っっっ対、カウプラン機関は変だ。
なんで筋骨隆々のむさくるしい野郎どもに、こんな……こんな……!
墜ちる戦車の姿を認めながら、俺は大急ぎで「変身解除」の儀式に入った。
今ならまだ、抗体を抱え倒れている少尉殿にバレずに済む。
だって……聞かれたくないんだもん。
あんな綺麗な少尉殿に。
「──『こ……ころすっごひ×××、俺の×××に入れれっ、めひゃめひゃにしれぇっ!』」
──「今までで一番恥ずかしい台詞とポーズ」なんて、見られたく……ないもん。
カウプランの変態キ×ガイ変質者ーっ、といつものように心の中で罵詈雑言を叫びつつ。
俺は体を起こしかけた少尉殿に駆け寄り、華奢な腕を取った。
小さくて細くて柔らかい綺麗なひとは、どうやら俺の破廉恥変身は見なかったらしく。
とても強い笑顔を返して、くれた。
†††
はいはい終わり終わりー。
何度も何度も何度も、お邪魔いたしました……。
>440
・・・あれ?・・・変だな・・・どうしてこんな時に
「笑い殺されるかと思いました」じゃなく「萌えました」じゃなく
『化け物』って言葉が浮かぶんだ・・・?
いやほんとに・・・凄い・・・凄すぎです衛生兵の人。
悩殺ポーズ日替わり!?変身解除羞恥プレイ!?
一番恥ずかしい体験レベルアップすると解除条件もレベルアップするんですか~!?
次回はぜひ変身シーン目撃どきゅん☆バージョンを!
ちょwwwww
笑い死ぬかと思ったwwwwww
夜の夜中に声を堪えるのに必死になったぞ
だ・・ダメだ・・自分は萌えより先に笑いがきた・・・
本当に901部隊=魔女っ子の人なの?
超シリアスと爆笑話、本当に同じ人???
衛生兵の人、伍長並みに使用前使用後の落差が激しすぎだよ!素敵w
衛生兵の人祭り会場はここですかwwwwwww
ふつうにゾクゾクする901の直後に
痛々しい生々しい陵辱の直後に
内股変身伍長がきて
もうなにがなにやらwwwwww
ゴチになりましたーッス!!!!
次は幸せな伍長を頼んまーす(^ ^)
いったいどんなポーズなんだろうかと思わず自分で試してしまった
軽くしねました本当に伍長乙
萌えと笑いをありがとうございました!
芸風広スギw
すげーGJです!
有給を伍長に費やす潔さも素敵!w
ゴチでしたーっ
たやすく笑い死ねたw
懐深いな衛生兵の人
変身時に全裸になるのは
魔女っ子ものには欠かせないアクション!
呪文が面白w
伍長の変身シーンに萌えた。
そして901ATT部隊全員で変身モードになる所を想像して吹いたw
まぶしい光景だろうな…。
うーんそれは天国のような地獄のような
>>447 勇者の称号をドゾー
自分の想像だと、最初はピンクレディのUFOのアレっぽくなったよ
>>魔女っ子衛生兵氏
猛者です。匠です。携帯の魔術師って呼んでいい?
>451
まさに焼硬鋼のランタンを提げた歩兵と遭ったら~、ですね。阿鼻叫喚・・・。
なんか衛生兵の腰にもランタン下がってるような気がしてならない
ダークパープルとパンプキンオレンジのマーブルとかそんなのが
455 :
454:2007/01/13(土) 00:31:11 ID:???
あ、「衛生兵のひとの」です。ごめんなさい抜けてました。
伍長にちんすこうと言わせたい
「ちんすこう、好きです…」って?w
……へらへらスレ消費してしまって済みません
間違い見つけたので、訂正だけさせて下さい……
>426内
×帝国→○共和国
以下、ちょい弁解
当方、浅学非才の酔っぱらい字書きです
ランタンは不所持です。皆様のようなピンク色のが欲しいです
なんでバレたか謎ですが(字数と連投間隔ですか?)、
確かに携帯使いです
ID出すか鳥付ければ良かったでしょうか?
捏造部隊も魔女っこも、当方の記したものです
失礼致しました。引き続き、伍長萌えでドゾー↓
>>458 名乗りについて。特別ご希望がないのなら「衛生兵の人」でよいのではないでしょうか?
最悪名乗らなくても問題なし!ということで
「ちんすこう、好きです…」と、オレルドにわけも分からず言わされる伍長萌えw
たどたどしく棒読みっぽいのがまた
伍長「ちんすこう、好きです(ちんすこうって何だろう?)」
オレルド「よし、もう一回言って見ようか、オーランド君」
伍長「ちんすこう、好きです…」
オレルド「じゃあ次は『す』と『う』を抜いて、言ってみようか(*´Д`)ハァハァ
伍長「ち……──」
少尉「貴様オレルドそこへ直れーーーーー!!!!(激怒)」
こんな感じですか?w
三課の場合
エロい地名を読み上げさせ、ご褒美に棒状食物を奢る
飲みに連れていく
食堂勤務の場合
昼食時にバナナを贈り、「礼はいいから今ここで食べてきな」
一課の場合
冷めたスープを、わざと伍長にぶつかって手元にかけてみる
三課に喧嘩をふっかけて、仲裁に入った伍長の尻を撫でる
三課に(中略)伍長をぽかぽか小突きながら言葉責め
医務室勤務の場合
マッサージの練習台になってもらう
負傷過多についてのお説教。古傷確認させてもらう
装備課の場合
密室で密着採寸
こうですか?わかりません!
伍長「名前を忘れないように…ちんすこう、ちんすこう…(ちんすこうって何だろう?)」
少尉「さっきから何をぶつぶつ言ってるんだ、伍長?勤務中だぞ!」
伍長「は、はいっ!あの、オレルド准尉が差し入れとしてもらったって、これを…。」
少尉「そうか。では三課の者としては、ありがたくその心は頂かねばならんな。一つもらうぞ。」
伍長「はい、どうぞ少尉」
少尉「うむ。お茶が欲しくなるがなかなかいけるな。たしか名前は…ちん…」
伍長「はいっ!(えーと…)ちんこすうであります!」
少尉「ちんこすうか。うん、ちんこすうは好きだな。伍長はどうだ?」
伍長「ちんこすうは大好きです」
マーチス「ぶーーーっ!!!(お茶噴射)」
壁|Д`)ハァハァハァハァ デカブツめ…今度は俺の(ry
ここは本当にいいスレだな
真夜中に萌えと笑いをありがとう
>>463 伍長がちゅぷちゅぷとちんこを吸っているところをうっかり妄想して興奮した。
>462
どれも美味しいシュチュエーションですな
468 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 15:59:49 ID:/W+d93sf
一応保守っとくか
23日以降どーなるんだろー
>>468 23日以降に何があるの?
それにしてもすっかり過疎っちゃったね
神職人達はいずこへ・・・・
>>470 ㌧!
大丈夫なような気もするけどねえ・・・・
で、結局ネラーは現実には何も出来ないことがまた証明されてるだけど
湘南大規模ゴミ拾いオフや千羽鶴オフを知らないんだな。
無知は偉そうにしないほうがいいよ。
子ども会でもできることじゃんwww
よーし、おまえらそろそろ初心に帰れ。
今一度唱えよッ 我々のあるべき姿をー
我々は、伍長萌えだ!!!
萌えー!!
サー、イエスサー!伍長萌えであります!
サー! 涙目で「俺のオマ○コ……ぐちゅぐちゅっていやらしい音がするくらい
太いおちんちんで激しく突いてくださっ……、」って懇願する伍長萌えであります!
サー!
サー!!伍長のおっぱいとおしり!!!サー!!
パイズリ伍長サー!
やっとアク禁解除キター!伍長萌えっサー!
ついでに中の人の肝臓が心配ですと呟いておくですサーw
中の人曰く肝臓のランタンが着くんだなサー!
飲め 飲め 飲め と信号が送られているので制御が利かないそうだサー!
伍長も制御利かないほど乱れるような信号が送られてしまうようになってほしいでサー!
伍長には精液飲め 飲め 飲めという信号が送られればいいサー!
職人さん達の影響もあってか
俺の中での伍長のエロステータス
5点満点
嗜好
触れ合い・5
キス・5
セクロス・4(※)
M・4(※)
林間・2(※)
フェラ・1
イメクラ・3
(※は相手による)
得手不得手
キス・5
セクロス・5
M・5
フェラ・1
羞恥プレイ・5
積極性・2
野菜プレイ・-
猫プレイ・-
Sからのモテ度・∞
修正頼む
追加
伍長の笑顔又は泣き顔・priceless
ここの神々は天照大御神のごとく隠れてしまっているのかもしれん。
というわけで踊って光が現れるのを待ってみる。
パ・パ・パ パンプキン~♪
じゃ私もー
♪パ・パ・パ・パンプキン~
各柱とも次のネタになりそなフリはあるから…
いつかきっと…
正月明けは社会人も学生さんもいろいろ忙しいだろう。
職人さんも忙しいんだよ、きっと。
全裸正座で待とうぜ
パ・パ・パ・パンプキン~☆
489 :
男体の人:2007/01/17(水) 05:26:04 ID:???
このスレが過疎るのは悲しいので、僭越ながらSSを投下させて頂きます。
こんなコテハンなのに、また男体化ネタじゃないんだ…ごめん…orz
※毎度のことながら、男×男 警戒警報発令
※オレルド&マーチス×伍長
愛ある3Pプレイ。二人仲良く伍長を共有。
オレ×マーでも、マー×オレでもなく、攻めなオレルド&マーチス。
※伍長の過去捏造(またか)
伍長がまるで白○…orz
相変わらず勢いだけで書いて、ロクに推敲もしてませんが…;
では、どぞー。
みなさん、こんばんは。毎度おなじみランデル・オーランドです。
突然ですが、俺は今、混乱のただ中に放り込まれています。
「おっ、これ美味いぞ、マーチス」
「あ、ホントだ。さすが帝国一の高級ホテルだけのことはあるよね。料理も天下一品」
「こちとら高い金払って来てやってんだ。料理がまずかったら心のランタン灯しちゃうぜ」
「ぷっ、あはははは! 伍長じゃあるまいし」
そうです……。俺を落ち着かない気分にさせてくれてるのは、俺の上官であるお二人。マーチス
准尉とオレルド准尉なのです。
そしてここはマーチス准尉曰く“帝国一の高級ホテル”なんだそうです。少尉みたいな貴族の人
や、お金持ちの人でもない限りは到底足を踏み入れることすらできそうにない場所だってことは、
いくら俺でも分かります。
マーチス准尉とオレルド准尉が来てるぐらいだから、軍人も来れる場所なんでしょうけど、少な
くとも俺みたいな貧乏下士官軍人が来れるような場所じゃないんだと思います。
問題はです。どうしてこんな高そうなホテルのレストランに、俺がいるのかってことです。
准尉たちはそれなりにスーツ姿で正装してはいますが、俺は相変わらずの私服姿だし。よく入れ
てもらえたもんだと、我ながら思います。
「どうしたの、伍長? 食欲ないみたいだね」
「おいおいデカブツ~、せっかく高いレストランに連れてきてやってんだ。残すんじゃねぇぞ」
「は……はぃ……」
なんだろう、俺、悪い夢でも見てるのかな?
ていうか、この人たち本当にホンモノの准尉なんだろうか……。
そもそも、どうしてこんなことになったのか、落ち着いてちょっと頭の中で整理してみよう。
えーと、えーと……、今日仕事が終わって、ロッカールームで着替えている時に、准尉たちにい
きなり食事に誘われたんだ。
てっきり、いつものようにその辺の食堂かなんかでの食事だと思ってた。
だけど外で待っているという准尉たちの元へ行くと、二人は俺が初めて見るスーツ姿だったし、
馬車に乗せて連れて来られた場所が、このホテルのレストランで……。
ダメだ。
どうしてこんなことになったのか、さっぱり分からない……!
周りは綺麗なドレスとスーツで着飾った紳士淑女だらけ。准尉たちも正装してる今、薄汚れた軍
人なんて、俺だけだ。場違いだと言うように、俺だけに向けられる視線が痛い。
どこもかしこもピカピカに磨かれてて、床には塵ひとつ落ちてない。
天井は遥かに高くて、俺が手を伸ばしても届かないところに、宝石みたいな大きなシャンデリア
がいくつもぶら下がってる。
気品溢れる音楽が流れてくる場所に目を向けると、タキシードに身を包んだ楽団員がいた。
どうしてここには、空があってしかるべき位置に天井があるんだろう。
どうしてここは、夜なのにこんなに明るいんだろう。
どうしてここには、河の流れる音もなければ、酔っぱらいの怒鳴り声もないんだろう。
どうしてここには、猫たちがいないんだろう。
そもそも、どうして俺が、ここにいるんだろう……!!
もうダメだ。考えれば考えるほど頭の中がぐちゃぐちゃになりそうだ。
ナイフとフォークとスプーンも一本ずつあれば充分なのに、なんだかたくさん並んでるし、どれ
を使っていいか分からないし……あぁ!
少尉、助けて下さい! 今すぐ俺を助けにきて下さい、少尉ぃぃ!!
「おい……デカブツ、大丈夫か、震えてんぞ?」
「伍長? 気分悪いのかい?」
緊張と混乱のあまり気絶しそうになってると、オレルド准尉とマーチス准尉が心配して声をかけ
てきてくれた。
二人はきっと、俺がろくなものを食ってないと思ったから、こんなすごいレストランに連れてき
てくれたんだろう。
未だに橋の下暮らしの俺に対して、『上官が部下の体調を気遣うのは当たり前のことだ』って、
少尉だっていつも言ってくれてるし。
だから准尉たちが俺を思いやってくれてる気持ちは、すごくありがたい。
だけど……もう帰って猫布団に包まれて眠りたい、と言うのが本音だった。
准尉たちに対して、申し訳なく思いながらも、そのことを伝えようとしたけど、俺の喉はカラカ
ラに渇いてて声が出なかった。丘に上がった魚みたいに、あぷあぷすることしかできなくて。
涙に滲み始めた視界の中では、准尉たちが心配そうに、訝しそうに俺を見ている。
二人に凝視されて余計に緊張する。
喉の渇きを癒そうと、水を飲もうとして手近にあった水の入った容器を掴んだ時、
「ああっ、伍長! それは飲み水じゃないよ!」
マーチス准尉が慌てふためいて中腰になって、俺の腕を掴んできた。
「えっ? えぇっ……?」
だってこれ、水が入ってますよ? グラスじゃなくて、銀色のボウルに入ってますけど。
もしかして、これは水なんかじゃなくて、飲んじゃいけない何かなのか? 飲んじゃいけない液
体が出されるのか、こういう場所って!?
「なっ、なんなんですか? これ……毒なんですか…っ?」
嫌だ、こんな怖い場所! 早くおうちに帰りたいよぅ!!
「バッカだな、お前は。毒じゃねぇけど、そりゃ汚れた指を洗うための水だ。飲み水はこっちだ」
オレルド准尉が呆れ果てた顔で、グラスに入った水を差し出した。
そのグラスをマーチス准尉が受け取って、「はい」と俺に渡してくれた。
マーチス准尉の優しい笑顔に、ちょっとだけ安心して、俺はやっとの思いで水を飲んだ。バクバ
クして破裂しそうだった心臓が、少しだけ落ち着いた。
涙が溢れそうになって、ついでに鼻水まで出そうになって慌てて鼻をすすった時、目の前で
バキッというすごい音がした。
その音に俺は驚いて顔を上げた。俺だけじゃなく、周りのお客たちも音のするほうに顔を向けた。
そして、まるで汚い物を見るように眉を顰めて顔を逸らした。
バキッ、ボキッという音の発生源は、俺の目の前に座っているオレルド准尉だった。
「やっぱこういう雰囲気はいけすかねぇぜ。料理はリラックスして食べんのが一番だ。気取って
食ったって美味かねぇよな」
オレルド准尉はいつの間にか俺の皿にあったロブスターを素手でさばいていた。身を折り、殻を
砕いて、白いプリプリした肉厚の身を指で引っ張り出してちぎって、それを俺の皿に乗せて行く。
「よしっ、食えっ、デカブツ。肉はダメだが魚は食えんだろ。腹一杯食え」
ロブスターの汁でべとべとになった手をナプキンで拭って、オレルド准尉がニカッと笑った。
ポカンとしてる俺の斜め前で、マーチス准尉もニコッと笑った。そして手にしていたフォークと
ナイフをテーブルの上に戻すと、マーチス准尉までバキボキとすごい音を立ててロブスターをさば
き始めた。
プリプリした白い身を素手で口に運ぶと、マーチス准尉はニコッと笑って俺に言った。
「うん、美味しいよ~これ! 伍長も食べなよ」
きっとこういう場所には、テーブルマナーとかあって、それを守らないと白い目で見られるんだ
ろう。下品だとか、育ちが悪いって思われるんだろう。
確かに、周りのお客の視線もウェイターたちの視線も快くないものではあったけど。
でも俺は、二人があえて俺のためにそういうことをしてくれてるんだって分かって、すごく嬉し
かった……。
それから数十分後、すっかり空になった俺の皿を見て、マーチス准尉とオレルド准尉が満足そう
に、それでいてとっても嬉しそうに俺に笑いかけてきてくれた。
ああ、俺……三課に来て、本当によかった。
オレルド准尉とマーチス准尉が上官で、本当によかった……。
「満足したか、デカブツ?」
「美味しかったかい、伍長?」
「はい、お腹いっぱいです。うまかったです、とっても」
「よしよし。また連れてきてやるよ。たまになら、な」
「しょっちゅうは無理だけどね~」
苦笑した顔を見合わせる二人に、俺は慌てた。
いつも准尉たちと食事に行くと、必ずおごってくれてたから、今回も無意識でそういう気でいた
自分の厚かましさに、自分で自分が恥ずかしくなった。
やっぱりここは准尉たちのお給料じゃ、ちょっと無理しなくちゃいけないような場所だったんだ。
俺よりも高い給料を貰ってるはずだけど、同じ軍人だから准尉たちがどれぐらい貰ってるのか、
だいたいなら分かるし。
「すっ、すみません! あの、俺も払いますから、割り勘で……!」
慌てて財布を取り出した俺に、准尉たちはポカンとした。
その一瞬後、オレルド准尉がバカ笑いを放ち、マーチス准尉が優しく笑って俺の頭を撫でてきた。
「ぶわっはははは! 今更なに言ってんだ。お前から金とろうなんて微塵も思ってねーつの!」
「うんうん、伍長はお金のことなんか気にしなくていいんだよ」
「でっ……でも、いつもおごってもらってばかりですし……た、たまには」
「部下から金せびる上官が、どこの世界に居んだよぉ~。ほんっとにトロいなお前は」
「今日ここに誘ったのは僕とオレルドなんだから、支払いは当然僕たち持ちだろ?」
「でも……──」
それでも俺が言い募ろうとするのを遮るかのように、オレルド准尉が立ち上がった。
「さぁて、腹ごしらえもしたし、次行くかマーチス」
え? 次? 次って……?
「うん、そうだね。伍長、行こう」
ポカンとしてしまう俺の腕を、マーチス准尉が下から支えて、立つように促してきた。
軽い足取りで先を歩くオレルド准尉の後ろを、マーチス准尉に手を引かれるままについていく。
会計を済ませる二人を待ち、レストランから出た先に俺が連れて来られたのは、このホテルのロ
ビーだった。
オレルド准尉がフロントに行って何かを話している。
その姿をちょっと離れた場所で見る俺の隣にはマーチス准尉がいて、准尉は相変わらず俺の腕を
ガッチリ掴んでいた。
俺が准尉を見下ろすと、准尉はいつもと変わらないにこやかな笑顔を向けてくる。でも俺の腕を
掴むその手には、何か異様なぐらいの強い力が込められているように感じた……。
マーチス准尉のただならぬ雰囲気に不安を感じた時、オレルド准尉がフロントから戻ってきた。
「待たせたな。じゃ、行こうぜ」
そう言って顔の横に掲げられたオレルド准尉の手には、部屋のキーらしき物が握られていた。
「あの……ど、どちらへ?」
不安に駆られて質問してはみたけれど、
「せっかくここまで来たんだよ、伍長。どうせなら、帝国一の高級ホテルの部屋も見てみたいだろ」
マーチス准尉のにこやかでありながら、それでいて強引な笑顔と、強く引かれる腕の力に、俺は
半ば引きずられるようにして、またしてもオレルド准尉の後ろをついて行くことになった。
*
「おおっ、こりゃすげぇ~。でっかいベッドだぜぇ~♪」
「いちばん安い部屋だけど、それでもすごいや!」
部屋へ入るなり、オレルド准尉もマーチス准尉も嬉しそうな声を上げた。
オレルド准尉は部屋の真ん中に位置するキングサイズのベッドの上にダイブして、フカフカらし
いその感触にご満悦だった。
マーチス准尉は、すでに部屋に用意されていたルームサービスのワゴンに駆け寄って行った。
俺はやっぱり、ここでも落ち着かなかった。
マーチス准尉は“いちばん安い部屋だ”って言ったけど、俺にとってこの部屋は、今までに
泊まったことなんか当然ない、すごく高そうな部屋にしか見えなかった。
「伍長、甘いの好きかい? ケーキあるよ、食べる?」
マーチス准尉がワゴンの上に乗っている食べ物を物色しながら、テーブルの上に次々に並べて
行っている。
「い……いえ、もう腹いっぱいで……」
「ふぅん、伍長は少食なんだなぁ」
橋の下でならいくらでも食えそうな気はするんですが、ここでは食欲なんてありません……。
でもいったいどうして、准尉たちは俺をこんな部屋に連れてきたんだろう。
確かに今まで泊まったことなんかない高級ホテルの部屋だし、これから先だって、おそらく泊ま
ることなんてない場所だろうけど……。
「おーい、デカブツ、こっちに来てみろ」
いつの間にかベッドから降りて、窓の傍に立っていたオレルド准尉が、俺を呼んだ。
言われるままに歩み寄り、オレルド准尉の傍に行くと。
「ほら、見ろよ。キレイだろ」
オレルド准尉がそう言って指差した窓の外は、まるで満天の星空が地上にあるような光景だった。
「うわぁ……」
キレイな夜景に見とれて、思わず声が漏れてしまった。
こんなキレイなもの、今まで見たことなんてない。
一人で星空を眺めながら眠ったことは、何度もあった。けど、この夜景は一人で星空を見ていた
寂しさなんて忘れさせてくれる、あったかい光の群れだった。
「すごい……、キレイですね……」
「ああ、キレイだよなぁ」
……あれ? オレルド准尉、どうして俺の腰に手を回してくるんだろう?
それにオレルド准尉の視線はずっと俺に向けられてて、夜景なんて見ていない。
「本当にキレイだな。バカみたいだが、不思議とそう思っちまう」
ちょ……──なんですか、その熱っぽい目つきは? それに何に対してキレイって……?
いや、きっと俺の勘違いだ! そんなはず、あるわけないし!
「え、ええ……、こんなキレイな夜景、初めて見ました……」
引き攣る顔に必死で笑顔を浮かべ、そっと体を離そうとした。
だけどオレルド准尉が、俺の腰に回した手に力を込めてきて、俺の腰はなおさら准尉の腹に押し
つけられてしまった。
まずい……。なんだか、まずいような気がする……。
何がまずいのか分からないけど、オレルド准尉の様子がいつもと違うのだけは分かる。
またしても妙な緊張感に支配され出した時、マーチス准尉がいつの間にか傍に来ていた。
「オレルド、あれ持ってきた?」
「ん? あぁ、そっか。えーと……どこに入れたかな……?」
俺の腰を抱いたまま、オレルド准尉が片方の手でズボンのポケットを探り始めた。次にスーツの
内ポケットを探った時、そこから何かを取り出してマーチス准尉に渡した。
何か……小さい瓶みたいなものが見えたけど、オレルド准尉もマーチス准尉も、それを手で隠し
ながら手渡しているから、それが何なのか、俺には分からなかった。
「あった、あった。ほらよ。一滴にしとけよ、それ強力だから」
「もしかして……試したの?」
「実験ってやつだ、実験♪」
「僕が苦労して手に入れたってのに……。貸せ貸せしつこいから、おかしいと思ってたんだよね」
「どれぐらい効くか試してみねぇと分かんねぇだろ。適量ミスって壊しちまうよりはよ」
「ふぅん、それで自分だけ先に楽しんだんだ……」
「べ、別にいいだろ。抜け駆けしたわけじゃねぇんだし」
「うん、ま、いいけどね」
い……いったい何の会話なんだろう?
俺を差し置いて、二人が遠くの世界でやりとりしてる気になって、とっても不安になった。
テーブルの上に用意されたグラスとワインの所に戻って行くマーチス准尉の姿を、目で追ってい
たけど、オレルド准尉から頬を掴まれて、無理やり窓のほうに顔を向けさせられた。
「あ……あのオレルド准尉……、さっきの話は? 実験って……」
「ああ、気にすんな気にすんな。開発班のやつらの新兵器開発の実験に、つき合わされたってだけ
の話だ」
オレルド准尉……俺のこと絶対バカだって思ってる。
……そ、それは否定できないかもしれないけど、でも俺がいくらバカだからって、二人のさっき
の会話が開発班の兵器開発実験のことじゃないことぐらいは分かる。
「用意できたよ~」
「おっ、出来たか。さっ、パーティーの始まりだぜ、デカブツ」
だけど俺の疑問は、マーチス准尉の声と、腰を抱いたまま歩き出したオレルド准尉に遮られた。
「はい、伍長のはこれ」
ワインが注がれた三つ並んだグラスの内のひとつを、マーチス准尉が俺に差し出してきた。
「あの……俺、酒はあんまり……」
「うん? 何か言った、伍長?」
「いえ、いただきます…!」
眼鏡の奥の目が笑っていないマーチス准尉の笑顔に逆らえず、俺はグラスを手に取った。
オレルド准尉がやっぱり俺の腰を抱いたまま、テーブルの上のグラスを無造作に手に取った。
残ったひとつをマーチス准尉が手にして、二人は俺に向けてグラスを差し出してきた。
「乾杯」
二人同時にそう言って、ニッコリと微笑まれた。
何に対しての乾杯なのか、さっぱり分からない。けど上官には逆らえないし、准尉たちが俺にひ
どいことをするわけはないし……。
それに、今の俺は酒の力でも借りないと、さっきから言おう言おうと思っている一言すら言えそ
うにないから。
ワインの味をゆっくり楽しむ余裕もなく、俺は二人のグラスに軽く自分のグラスを当てたあと、
グラスの中身を一気に飲み干した。
オレルド准尉とマーチス准尉の視線を感じながら、俺はグラスをテーブルの上に戻した。
「ご…ごちそうさまでした。あの……俺、もう……」
帰ります──やっとそう言えると思った、その時だった。
いきなり視界がグラリと揺らいだ。
「おぉっと!」
思わず後ろにひっくり返りそうになった俺を、オレルド准尉が慌てて支えて……くれようとした
けど、やっぱり俺の体重を支えきれるわけもなく、俺は後ろにひっくり返った。
「お、おいデカブツ、大丈夫かっ!」
体は支え切れなかったけど、オレルド准尉はなんとか俺の頭だけは死守してくれて、おかげで俺
は頭を打って脳震盪を起こさずには済んだ。
けど、まるで高熱に浮かされてるみたいに相変わらず頭の中身がフラフラする。
まさかワイン一杯で、酔っぱらった……?
そんなはずはない。俺は酒は苦手だけど、飲もうと思えばかなり飲めた……はずなのに。
「おい、しっかりしろ」
オレルド准尉にペチペチと軽く頬を叩かれる。
グラグラして定まらない視界を向ければ、オレルド准尉の背後に立って、俺を覗き込んでいる
マーチス准尉の顔も見えた。
「おい、マーチス! お前いったいどれだけ入れたんだ?」
「う~ん、伍長は大きいから、人並みの量じゃ効かないと思って……三滴ほど」
そう言って苦笑するマーチス准尉の手には、オレルド准尉がさっき手渡していた小瓶があった。
黒い小さな小瓶で……何か書いてある……“催淫薬”……?
「お前なぁ……」
オレルド准尉は、はぁ~っと大きく溜息を吐いて頭を抱えている。
でもマーチス准尉は全然悪びれてない様子で、いつものあの笑顔を向けている。
「ま、どのみちこうする予定だったんだし。死ぬわけじゃないんだから、いいじゃないか♪」
「お前……怖ぇ奴だな」
「今頃気づいたの?」
「いーや、とっくに気づいてましたよ。さて、デカブツ……起きれるか」
「床で寝ちゃうと風邪引くよ。ベッドに行こうよ、伍長」
朦朧としてる俺の腕を引っ張って、二人が俺の体を支えた。
だけど俺はもう満足に歩くこともできなかった。全身の力が抜けて、関節が麻痺したみたいに
なって、何度も膝をつきそうになった。
「マーチス、しっかり気合い入れて支えろ!」
「伍長が重過ぎるんだぁ~!」
どっかで聞いた会話だなぁ……。
そんなことを思っていたら、俺は仰向けにベッドの上に投げ出された。
天井の明かりが滲んで見えた。目蓋も重くなって、半分しか開けてられない。体がすごく熱く
なって、息が苦しい。なんだか、ぐでんぐでんに酔っぱらったみたいな感じだ。
なんだろう、これ……? 俺いったい、どうしちゃったんだろう? ワイン一杯で酔うなんてこ
と、ありえないのに。
ギシッと音がして、体の両側のベッドの表面が沈んだのを感じた。
フラフラする視界を向けると、オレルド准尉が俺の右側に、マーチス准尉が左側に腰を下ろして、
俺のことをじっと見つめていた。
「准尉……? 俺……どうし……」
二人が俺の上で目を合わせた。
「マーチス、ホントにやんのか?」
「ここまで来て今更なに言ってるんだよ」
急に気まずげな顔になるオレルド准尉に、マーチス准尉が怖い顔で言い放った。
「だけどよ……こいつの気持ちを無視して……なんてよ」
「君には代わりになる女の子なんて星の数ほどいるだろうけど、僕は代わりなんて作れないし、伍
長じゃないと嫌なんだ。怖じ気づいたんなら帰れよ。僕ひとりでもやるから」
「バカ野郎……俺だって……、代わりなんかじゃ嫌に決まってるだろ」
なんだろう、また二人だけで会話して……。なんか、嫌だな……。
「伍長……手荒な真似して、ごめんね」
さっきの怖い顔が嘘みたいに、マーチス准尉が優しく微笑んで、俺に覆い被さってきた。
その瞬間、マーチス准尉の唇が、俺のそれに重ねられて……。
「……──!? んんッ……!」
うそ……俺、キスされてる……? マーチス准尉に……!
怖くなってマーチス准尉を払い除けようとしたけど、チュッと音を立てて唇に強く吸いつかれた
瞬間、腰の奥でゾクンとした何かが弾けた。
「ふぅっ……っ! んっ……ぅふッ…」
なんで? どうして? 体に力が入らない……。
入らないどころか、触れられた部分からゾクゾクが体中に走り抜けてくる。
「ぁ……、やめ……ッん」
やめて、と言おうとした歯の隙間から、ぬるっとした舌が入ってきた。それが俺自身のものに触
れたとたん、背筋のゾクゾクが大きくなる。
舌に舌を絡められ、強く吸われ、唇を甘噛みされて、満足に息ができなくなった頃、ようやく
マーチス准尉が唇を離した。
「っはぁ、はぁっ……、じゅ……ぃ」
「伍長の唇、すごく柔らかいんだね……」
眼鏡の奥の大きい瞳が潤んで、俺を見てる。
何がどうなってるのか、さっぱり分からない……。
もしかして俺、からかわれてるのかな。悪い冗談だとしか思えない……。
「からかわ…ないで下さ……、はぁっ…、俺もう……かえ……ッあっ!」
帰りますと言おうとした時、首筋に吸いつかれて、思わず変な声が漏れた。
オレルド准尉がマーチス准尉を押し退けて、俺の首に顔を埋めていた。
なん……、なんで、オレルド准尉まで……!
「やっ……あ、やめ……て……ッ」
「デカブツ……っ」
「ひっ…ん…、いや…ぁ、やめて…下さ…っあん」
オレルド准尉が俺の首にキスしてきて、耳元で囁いて、耳たぶを軽く噛んでくるたびに、俺はま
たゾクゾクした。腰がむずむずして、背筋がこそばゆくて、体が自然とくねり出す。
「ノリノリじゃないか、オレルド」
マーチス准尉が呆れたような、それでいておかしそうな声で言った。
オレルド准尉が顔を上げて、俺を見つめてくる。
「やべぇ……こいつ、たまんねぇ。色っぽ過ぎる……」
また俺はキスされた。今度はオレルド准尉に。
さっきのマーチス准尉のキスもゾクゾクしたけど、でもオレルド准尉のはそれとはまた違ったゾ
クゾクを俺に感じさせた。
マーチス准尉のは優しくて、フワフワした気分にさせられるキスだったけど、オレルド准尉のは
ねっとりとした濃厚さがあって、体の芯まで熱に侵されて行くような強烈な感覚があった。
「うッふ……! んんッ……ぅ、んんーー……ッ!」
勝手にくねり出す腰も、自然に漏れてくる鼻にかかった変な声も、自分ではもう止められない。
ダメだ……、もう何がなんだか、分からない……。
その時、耳のところでザワッと音がした。
「んぅーーーーッ! んっう……!」
耳の中にマーチス准尉が舌を入れてきたのが分かった。俺は背筋を震わせて悲鳴を上げた。だけ
ど声は、オレルド准尉の口の中に吸い込まれた。
耳の中で這い回るマーチス准尉の熱い舌の感触と、信じられないぐらい大きな水音に脳まで犯さ
れている気分になった。
そして口の中を貪ってくるオレルド准尉のキスにも、何もかもが溶かされていくようだった。
どうして二人は俺に、こんなことをするんだろう。
なんで俺、こんなことをされてるんだろう。
俺、そんなに二人に嫌われてたのかな?
確かに俺、役立たずのノロマかもしれない。書類整理はマーチス准尉にちょちゅう手伝って貰っ
てたし、オレルド准尉にだっていつもいつも迷惑かけてて、トロいトロいってぼやかれてた。
だから俺のことを二人が嫌うのは仕方ないかもしれない。
だけど……でも、こんなことって、あんまりだ。
俺のことが嫌いなら、口でそう言ってくれればいいのに……。
「やだ……っ、少尉……っ」
オレルド准尉が口を離した途端、俺の心は少尉の面影にすがりついて、言葉が漏れた。
准尉たちに意地悪をされてることが悲しくて、嫌われてるんだって自覚したらつらくて、いつも
優しいマーチス准尉と、なんだかんだ言いながら世話を焼いてくれるオレルド准尉が、まるで全然
知らない人のように感じて不安で、これから何をされるのか予想もついてしまって……。
だってこういうことって、これが初めてじゃないから。
ノロマだグズだ、これぐらいしか役に立たないだろうって言われて、嫌なことや痛いことをいっ
ぱいされてきた。
だから、准尉たちまでそんなことをするんだって思ったら悲しくて、怖くてたまらなくなる。
この人たちは絶対に、俺を蔑んだり傷つけたりしない人たちだって思ってたのに……。
だけど少尉なら、きっと俺にひどいことなんかしない。少尉なら、俺のこと嫌ったりしない。
少尉は男じゃない。女の人だから、俺が嫌がることなんてしない……──。
「少尉……ぅえっく、少尉……ッ、助けて……っく、えっく、助けて……少尉……っ」
俺の願いが通じたんだろうか。
さすがに少尉は来てくれなかったけど、気づいたら准尉たちが俺を虐める手を止めていた。
「なんでここで隊長が出てくんだよ……」
「傷つくよね……」
二人とも、暗い顔をして重い溜め息を吐いた。
俺は二人に許して欲しくて、ここから解放してもらいたくて必死だった。
「ひっく……おねが……しま……っく、帰してくださ……っく。あや……謝ります……。俺……バ
カで……ノロ…ひっく、マだからっ、じゅ……たちに…っく、迷惑かけて…ひっく来たから……、
だから……ごめ……っく、ごめんなさいぃぃっ……!」
二人が顔を見合わせて、苦笑いを交わし合った。
「やっぱお前は鈍いよな、デカブツ」
「ホント、ホント……」
二人が手を伸ばしてきて、俺は怖くてビクッとなって、慌てて目をつぶった。
小さい手が俺の頬に触れて、それよりもひとまわりほど大きな手が頭を撫でてきた。
思いがけない優しい感触に、俺はおそるおそる目を開けた。
准尉たちが優しい笑顔で、俺を見ていた。
「僕たち、伍長を共有しようって決めたんだ」
マーチス准尉がそう言うと、オレルド准尉が苦笑した。
「お前の気持ち、まるっきり無視しちまう結果になったけどよ。俺たちこれしか思いつかなくてよ」
言ってる意味が、分からない……。
「あの……?」
「まだ分からない?」
マーチス准尉の優しい笑顔に少しだけ安心して、俺は素直にうなずいた。
「僕たち伍長のことが好きなんだよ」
「え……?」
好き……? 好きって……──、え?
「友達としてとか、同僚として好きとかとは、まるで違うんだけどな」
「伍長は、僕とオレルドのこと、嫌い?」
俺は必死で顔を横に振った。
嫌いなわけがない。
今だって、准尉たちに嫌われてるから、こんなことされてるんだと思ったから、ショックで悲し
くて怖くてたまらなくて……。
「よかった」
マーチス准尉がニッコリ微笑む顔を見たとき、ジンとしたものが胸にこみあげてきた。
だけどそれと同時に、新たな疑問も湧いた。
「じゃ……、どうして、こんな意地悪、するんですか……?」
「意地悪? おいおい~」
オレルド准尉が呆れ果てたように笑って、頭を横に振った。
「やだな、伍長。僕らがきみに意地悪してると思ったのかい?」
「ち……がうん、ですか……?」
「やっぱバカだなお前は。好きでもねぇ相手に、キスしたりできるかよ」
「うんうん。僕もオレルドも、きみのことが好きでたまらないから、キスしたんだよ」
「あの……、こういうことって……好きな相手だから、するものなんですか……?」
俺が言った言葉に、准尉たちの顔が凍りついたのが分かった。
その顔を見た瞬間、これは訊くべきことじゃなかったと気づいたけど、もう遅かった。
「そりゃ、どういう意味だ」
オレルド准尉が恐い顔で、睨みつけてきた。
「いえ、あの……なんでもないです……」
「なんでもなくないよ。全部話してごらん」
マーチス准尉の口元は笑っていたけど、明かりが反射してる眼鏡の奥の目は見えない。
「あの……、お……俺……、母が…体を売ってる仕事をしてて……。それで……母の客から、最初
に痛くて意地悪なこと、されて……。お前はトロくてでかいだけの役立たずだけど、母親と同じ仕
事をすれば、母親を助けられるんだって言われて……。母には内緒で……痛いことでお金稼いでま
した……」
ああ、俺、どうして二人にこんなこと話してるんだろう。嫌われるって分かってるのに……。
「でも、そのことが母にバレて……、でも俺、母を助けたくて……。俺にできることは、これしか
ないからって思って……。そしたら、ちょうどその時、研究所からスカウトされたんです。特別な
兵士を造るために必要な、体の丈夫なヤツを探してるって言われて……」
嫌われるって分かってるんだけど、でも、二人には知って欲しいって、そう思える。
「母は猛反対しました……。だけど俺、どうしても母を助けたかったんです。研究所に行けば、大
金を貰えるって聞いて。母にも仕事を辞めさせられるって思って。だから俺、黙って家を飛び出し
て……研究所へ行って……軍に入りました……」
准尉たちは、俺が“不可視の9番”だってこと知ってて、そのことを嗅ぎつけてきた新聞記者か
らも守ってくれたから。だから全部話さなくちゃって思えた。
「でも、901になってからも……同じでした。仲間たちから役立たずだって言われて、痛いこと、
いっぱいされて……。俺ができることに、人殺しがひとつ加わっただけで……。だから、男が俺に
こういうことをするのは、俺がその人に嫌われてるからだって……ずっと思ってて。でも准尉たち
は……違うんですか?」
何も言わずに黙って話を聞き続けていただけの准尉たちに、俺は不安になって二人を見た。
きっと俺、今度こそ本当に嫌われたかもしれない……。
その時、マーチス准尉がいきなり俺を抱きしめてきて、俺は驚いた。
「マ…マーチス准尉?」
准尉の胸に顔を埋める格好になって、俺はあわあわして離れようとしたけど、准尉はそれをさせ
まいとするように強く、俺の頭をなおさら抱きしめた。
「つらかったんだね、伍長……」
マーチス准尉の声が、泣きそうに震えてる……。
「いっぱいいっぱい、つらい思いをしたんだね……。でもよく、生きててくれたね。伍長が生きて
てくれたから、僕らは伍長に出会えたんだ……。生きててくれて、ありがとう、伍長……!」
マーチス准尉のその言葉は、俺の胸を深くえぐってきた。
嫌でもないし、悲しくもない。むしろ、別な意味で胸に去来する何かがあった。
俺……そんなこと言われたの……生まれて初めてだ……。
涙が溢れそうになった時、オレルド准尉がマーチス准尉ごと、俺を抱きしめてきた。
「すまねぇ……デカブツ。お前がつらい時に、傍にいてやりたかったぜ、ちくしょう……」
今度こそ、俺の目からブワッと涙が溢れ落ちた。
「ふ…えっく、マーチス准尉……、オレルド准尉~……うっえ……」
マーチス准尉は、ボロボロに泣いてる俺の頬に手を添えて上を向かせると、おでこに優しくキス
してきた。オレルド准尉も、頭に口づけてきて、またギュッと抱きしめてくれた。
そうされると、俺はさっきまでの不安や悲しさなんて一気に吹っ飛んで行って、すごく満たされ
た気持ちになった。
「好きだよ、伍長……」
「俺もお前のこと好きだぜ、デカブツ」
「だから僕たち、伍長を二人だけのものにしようって決めたんだ」
「ああ、親友同士で争いたくなかったし、俺たち、もう限界だったからよ」
「卑怯な手を使っちゃって、ごめんね、伍長。だけど僕らの気持ち、分かってくれるかい?」
なんだかまだよく分からなかったけど、それでも准尉たちが俺のことを嫌いで、こういうことを
したんじゃないってことは分かった。
だから、俺はうなずいた。
准尉たちはホッとしたように顔を見合わせて微笑んだ。
それからまた俺に顔を向けてきて、オレルド准尉が俺の頬を撫でながら、言った。
「どっちを選べとは言わねぇ。お前が嫌なら、俺たちはお前へのこの想いは、永遠に封印する。だ
けど、一回だけ頼む。この一回だけでいい。俺たちの望みを叶えてくれねぇか」
「うん、伍長が……隊長のことを好きなら僕たち、この気持ちは忘れるよ。明日からまた、僕らは
きみの同僚で上官で、同じパンプキン・シザーズの、ただの仲間に戻るから」
少尉のことは好きだけど……でも、それは尊敬できる人だからだし……──。
どうしたんだろう、俺……。
オレルド准尉の言った『この一回だけ』って言葉と、マーチス准尉の『ただの仲間に戻る』って
言葉が、すごく寂しいって感じる。
この気持ちの正体は分からないけど、でも、俺は准尉たちが好きだから。
だから、准尉たちの願いを叶えてやりたいと、心の底から思えた。
俺にできることがあるんだって思ったら嬉しかったし、何より、俺に生きててくれてありがとう
って言ってくれた二人の想いを受け止めたいと思ったんだ。
だから俺は、二人の目を見て、深くうなずいた。
【続く】
──────────────────────
ごめんなさい、時間切れです…っ…orz
1時間寝たら仕事行かなきゃ…ハハ…ゴチョウニ モエコロサレルヨ…orz
続きはまた後日…。
副長×伍長の時みたくヤッてるだけの後編になりそうですが;
ああ、なんで毎度毎度こんなに長くなるのか
ダメな俺…orz
これから仕事なのに堪えきれずに全部読んじゃったorz
こんな悶々としたまま仕事に行かないといけないジャマイカ!
でも男体の人GJ!愛のあるセクースにwktk
じ、次弾を・・・!楽しみにしてます。
寝る時間を惜しんでまでこのスレに伍長萌えを提供してくれて感謝します!
次弾が楽しみでしょうがない…。
住人ABC は 不思議な踊り を 踊った
睡眠時間 を 削った 神 が 現れた!
愛あるイチャイチャ期待して待ってます!
乙ですGJでした!
502 :
名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 23:36:36 ID:m6dg70G6
ヒッソリと伍長の過去話に涙が出るほど禿げ萌えたw
ホントGJですネ申ですかw
ご、ごちょ~っ!!あぁ愛しさと切なさと心強さと~♪って歌っちゃいます。
あぁ転げまわるほど伍長萌えなひと時をありがとうございました
ワクテカしながら続きまってます。
男体の人さん毎度毎度ほんとに乙です。
そしてGJ。
グッジョブ通り越してゴッドジョブ。
オレルドとマーチスが相手なら、少なくとも
手酷い事はされないから安心だね伍長。・゚・(ノД`)・゚・。
伍長の過去話でうるっと来てしまった!(馬路
GJ!
続きを待ちながら妄想。
伍長をみてると901は帝国中の乙女(♂)をかき集めた
秘密の花園だったんじゃないかと思えてくる。
それで軍の上層部が大変なことになって
(*´Д`)(*´Д`)(*´Д`)(*´Д`)(*´Д`) ←大変な状態
9シリーズは機密扱いにされ901は戦場のお伽噺に。
夜伽部隊か!
戦場のお伽噺→戦場のお伽部隊
こうですか!?わかりません!
奴らは――“保身なき零距離ご奉仕”を敢行するッ!
510 :
男体の人:2007/01/21(日) 15:31:05 ID:???
感想下さった方、ありがとうございます。
大変長らくお待たせして、申し訳ありませんでした。
>>490-498の続きです。
※毎度のことながら、男×男 警戒警報発令
※オレルド&マーチス×伍長
愛ある3Pプレイ。二人仲良く伍長を共有。
※完全に マ ニ ア 向 け 。
軽くスカ○ロプレイとか(オシ○コ程度ですが)
またしても伍長が淫語連発とか……。
苦手な方は、本当に 要 注 意 !!
相変わらず長いだけのgdgd作品ですが…
では、どぞー。
どうして、こんなことになってしまったんだろう……。
俺の前にはマーチス准尉、後ろにはオレルド准尉がいて。
大きなフカフカのベッドの上で膝立ちの体勢になってる俺を、二人が前後から挟み込むようにし
て抱きしめている。しかも、俺たちは服を脱いで、全裸だ……。
いくら頭の鈍い俺でも、この状況が異常だってことはわかってる。でも、異常だと思いながらも、
受け入れてしまっている俺もいる。
「伍長、緊張してる?」
俺の胸に顔を埋めていたマーチス准尉が、ふと顔を上げて、俺を見上げてきた。
緊張……してるのかな? 緊張してるときは、胸がドキドキして、息苦しくなって、手足の指の
先が冷たくなるもんだろうけど……。
でも今は、心臓はドキドキしてるけど、体は冷たくないし、それどころか准尉たちが触れてる部
分が焼けるように熱く感じる。
だけど息が……ちょっと苦しいから、やっぱり緊張してるって言えるのかな。
どう答えていいかわからずに迷ってるとき、俺の後ろにいたオレルド准尉が静かに笑った。
「そりゃ緊張しないほうがおかしいだろ、こんな状況」
「だよね……」
マーチス准尉が困ったように微笑んだ。
「デカブツ、リラックスしろ。痛いことや嫌なことは、絶対にしねぇから」
後ろから俺の腰に手を回していたオレルド准尉が、すごく優しい声で囁いた。首筋にかかるオレ
ルド准尉の吐息に、背筋がざわっとしてしまう。
もちろん、准尉たちが俺にひどいことをするわけはない。それはよくわかってるつもりだ。
だけど、今までが今までだったから、体のほうはすっかり怯えきっていた。
それにこういう行為……つまりセックスってやつは、痛くて怖いだけで……。それなのに、どう
してみんながセックスしたがるのか、俺にはさっぱりわからない。挿れるほうは気持ちいいのかも
しれないけど、挿れられるほうは……痛くてつらくて苦しくて怖いだけなのに。
「やっぱり嫌かい、伍長?」
マーチス准尉が俺の手を握りしめて、不安げに訊いてきた。
嫌だと言えば……やめてくれるんだろうか。
だけど俺は無意識に、嫌だと言う気持ちを否定するように、顔を横に振っていた。
「よかった」
ニッコリ微笑むマーチス准尉の顔に、ちょっとだけホッとする。
俺はマーチス准尉もオレルド准尉も好きだ。だから、二人を失望させたり、悲しませるようなこ
とはしたくない。
セックスは怖いけど……、俺さえ我慢すれば、二人が喜んでくれるんだし……。
そのとき、首の後ろに柔らかくて熱い何かが吸いついてきた。オレルド准尉だ。准尉が、俺の首
の後ろにキスしてる……。チュッと音を立てて吸いつかれると、そこからむず痒いような、痛がゆ
い感覚が弾けた。
「ひ…ッ、ぁ……」
皮膚をチクチクざわざわと、無数の針でつつかれるような怖い感じに、我慢しようと決めた覚悟
が揺らいでしまう。
やっぱり……怖い……!
「ぃ……──、んんッ……」
嫌だと言う言葉を必死で呑み込んだ。
オレルド准尉に首の後ろにキスされて、熱い舌を這わされる。俺の腋の下から腕を回して、オレ
ルド准尉の手が体中をなで回してくる。
ごまかしが利かないぐらいの、小さな痛みが、だんだんと明確になっていく。
「震えてるね……伍長」
マーチス准尉が、ブルブル震える俺の左手を握りしめた。薄くケロイドに覆われた掌に、准尉が
キスしてくる。皮膚が薄い敏感なそこへの口づけに、俺の体が勝手にビクンとすくみ上がった。
マーチス准尉はそのまま、ケロイドの痕を舌先でなぞり始めた。
「ふ……ッ、ぁ……ッん……」
ぞくぞくする痛みが、どんどん大きくなる。胸が苦しくなって、息もしづらくなって、酸欠状態
になっているのか、頭が朦朧としてきた。
それまで俺の体の上を這い回っていたオレルド准尉の手が、胸を鷲掴みにしてきた。
「すげーデカパイ……」
オレルド准尉が嬉しそうに、それでいてあきらかに興奮した濡れた声で、耳元で囁いた。
「お、意外と柔らけー」
いったい何を言われているのか、すぐには理解できなかった。
だけど、オレルド准尉の長い指が胸を揉んできて、俺は理解した。理解したと同時に、腰を震わ
せるゾクゾクが背筋を這い上がってきた。
「は…! や、あぁ……ンっ! やだ……ぁ…!」
言ったら准尉たちを失望させると思って、今まで我慢していた一言が、勝手に出てしまった。
それになんだか、おかしい。
今までもこうやって胸を揉まれたことは、何度かあった。けど、体の中が徐々に分解されていく
みたいな痛がゆさが、今までの非じゃないぐらい強い。
その痛みは、乳首をつままれたときに、より鮮明になった。
「あうッ! あっ…あぁッ……! や……やだ、いやだ……ッ!」
「オッパイ感じんのか、デカブツ?」
オレルド准尉が楽しげに囁きながら、乳首をつまんだり捏ねたり、先端を爪で引っ掻いたりする。
俺はマーチス准尉にキスされていることも忘れ、オレルド准尉の手を払い除けようと、准尉の手
を掴んだ。
だけど、掴んだつもりなのは自分の頭の中だけだった。力が入らずに、実際はオレルド准尉の手
に、手を重ねただけだった。
「痛い……ッ、あう……ンッ! や、やだ……、はぁッ、痛い…です! やめ…てぇ……ッ…!」
「オレルド、伍長が痛がってるよ。もう少し優しくしてやれよ」
マーチス准尉の気遣うような声が、ひどく遠くから聞こえてきた。
「これ以上はねぇぐらい、優しくしてやってるぜ。痛いはずねぇんだけどなぁ……?」
オレルド准尉は、乳首を弄る手を止めてくれない。准尉にそこを弄られるたびに、ゾクゾクする
痛みが体中を内側から刺してくる。怖さと心細さがどんどん膨れ上がってきて、俺は准尉の手を払
い除けるのも忘れて、その手にすがりつくように握りしめていた。
「オレルド、ちょっと手をどけて」
しばらく何か考えていたマーチス准尉が言ってきて、オレルド准尉が片方の手を胸から外した。
よかった……、マーチス准尉が助けてくれる……?
そう思ったのも束の間だった。
マーチス准尉は、俺の乳首を舐めてきた。
「ひぅッ…!」
唇で包み込まれてやんわりと吸われて、先端を舌先でくすぐられた。
「い…ぁ……あっ、はぁッん、痛いです……、やめて……くだ……、あふぅッ…!」
オレルド准尉は手を止めて、乳首を吸っているマーチス准尉を黙って見つめている。
マーチス准尉は、乳首を吸ったり舐めたり舌で転がしたりしながら、俺の反応をじっくり観察し
ていた。一段とキツく吸われて、痛みが大きくなって、俺は背筋を仰け反らせた。
「あー…ッ…! いたぁ……! やめて……えッ!」
体をよじってマーチス准尉から逃れようとしたけど、オレルド准尉に背後からガッチリ羽交い締
めにされていたから、それは出来なかった。
頭の中を熱く蕩けさせるような熱い痛みに悶えていると、マーチス准尉がチュポンと音を立てて、
乳首を吐き出した。
「なるほどね……」
マーチス准尉がニヤリと笑って言うと、今度はオレルド准尉も、納得したようにうなずいた。
「そういうわけか。お前、体のほうはすっかり大人でも、頭の中身はガキのまんまなんだなぁ」
オレルド准尉の言葉の意味はわからなかった。
もしかして、俺が痛いなんて言っちゃったから、失望されたんだろうか……。
「ご……ごめんなさい……。俺…バカ…だから……っ」
思わず謝ってしまうと、准尉たちはおかしそうに苦笑いをした。
「違うよ、伍長。オレルドは、そういう意味で言ったんじゃないよ」
マーチス准尉が笑いながら、俺の頬を優しく撫でてきた。
「君は性的な感覚が、まだちゃんと発達してないってこと。体のほうが感じる快感を、頭のほうが
認識できてないんだ」
……難し過ぎて、なんだかよくわからない。
「おいおい、マーチス、んな小難しいこと言ったって、デカブツがわかるわきゃねぇだろ」
うっ……オレルド准尉にはバレてる……。
「つまりこういうことだ」
言って、またオレルド准尉が首筋に吸いついてきて、乳首を指でつまんできた。
途端に痛みが弾けて、体がビクンとなった。
「あっ! あぁッ…! やぁ……っ、痛い、です……ッ!」
痛いことはしないって言ったのに……! 准尉たちの嘘つき……!
「やだ……! やめて、下さい…ッ! 痛いです……っ、いたッ…あっ…!」
「デカブツ~、お前のその顔は、痛いって顔じゃねぇんだよ」
「気持ちいいって顔してるよ、伍長?」
そんなはずない……! だって俺、本当に痛いのに。弄られてる部分が熱を持って、皮膚がざわ
ざわして、くすぐったいような無数の小さい痛みが体中を這い回って……。それで、頭がぼんやり
なってきて、体が勝手にピクピク動いて、胸が苦しくなって泣きたくなるのに。
「ッん…! や…、ほん…とに、いたっ……、やめて下さいッ……うっえ……ぐすっ」
「背筋がゾクゾクすんだろ。そんで腰が勝手にピクピク動いちまうだろ」
オレルド准尉が乳首を弄りながら、言った。
俺は本当にこの痛みから逃れたくて、必死にうなずいた。
「切なくなって、勝手に声が出て、泣いちゃうだろ」
「ふえっ…、うっ、はぁッ…ん……、だから……、痛いの……やです……っ」
「そりゃ気持ちいいって感覚なんだよ。お前が感じてんのは痛みじゃねぇ、快感だ」
オレルド准尉の言葉に、俺は目を剥いた。
──そんなまさか……。
「伍長……ごめんね」
マーチス准尉が、いきなり俺の頬をつねってきた。
「ふぐぅ!」
刺してくるような痛みに、俺は涙を零しながら歯を食いしばった。
「おい、マーチス! ひでぇことすんな!」
オレルド准尉の咎める声に、マーチス准尉はパッと手を離した。つねられた頬がジンジンする。
「ごめんごめん。言葉より、体で覚えさせたほうが早いと思って」
マーチス准尉はいつもの笑顔だったけど、俺はその笑顔に底知れぬ怖さみたいなものを感じた。
もしかしたら、マーチス准尉って、本当は怖い人なのかも……。
「でも、これでわかっただろ、伍長? 痛いって感覚と、気持ちいいって感覚の違いが」
「じゃあ……俺が今まで感じてた、この感覚は……」
「そう、気持ちいいって感じだったんだよ」
「じゃあ……俺は、今まで色んな男に……嫌なことされてたとき、気持ちいいって……感じてたん
ですか……?」
母さんの客から犯されたときも? 食い物欲しさに体を売ってたときも? 仲間たちから便所み
たいに扱われてたときも?
痛くて嫌だと思っていたのに、本当は俺、気持ちよくて歓んでた……?
「うそだ……! そんなの、うそです……! 違います…! 俺は……俺は……ッ!」
ああ、でも……俺。
そうだ、俺……。
本当に嫌だったら、あそこも硬くならないし、射精だってしないはずだ。
なのに、俺……。俺は……俺…は……──。
俺自身がすがりついてた、最後のよすがが、セックスを嫌悪することだった。
嫌な行為を受け入れても、自分自身がそれに屈しない限り、俺は最低の人間にはならなくて済む
と、そう思っていたのに……本当は俺、歓んでたんだ……!
「嫌……、嫌だ…ッ……」
准尉たちに触れられて熱くなっていた体が急速に冷えてきた。体がガクガク震え出して、自身に
対して吐き気がこみ上げてくる。胃の中のものが逆流しそうになって、慌てて口を塞いだ。涙が勝
手に溢れてきた。
「伍長?」
「おい、デカブツ、大丈夫か?」
准尉たちに優しく触れられた途端、自分がすごく醜くて汚い生き物のように思えてきた。
「嫌だ……! 触らないで下さい……!」
「デカブツ、どうしたんだよ、いきなり!」
「落ち着いて伍長…!」
准尉たちの手を振り払って逃げ出そうとしたけど、なぜか体に力が入らなくて。
俺は准尉たちにあっさりと取り押さえられてしまった。
「嫌だ……、俺。最低です……。今まで……犯されて、歓んでたなんて……最低です……うっぅ…」
こんな醜くて汚い自分を、准尉たちに見られたくなかった。
だけど両手はオレルド准尉に、肩はマーチス准尉に押さえられた。
相変わらずぐでんぐでんに酔っぱらったみたいに体に力が入らないままで、准尉たちの手を振り
払うこともできず、逃げ出すこともできない。俺は汚い自分自身から目を背けるように、目を
ギュッと瞑って准尉たちから顔を逸らした。
「触らないで…下さい……ッ、ひっく、見ないで下さ……ひっく。俺…きたな……ふぇえ…っ」
「やれやれ……」
「しょうがないな伍長は……」
准尉たちの呆れた声が耳に届いた。
ああ、俺、やっぱり嫌われた……。
そう思ってなおさら悲しくなったとき、突然顎を掴まれて唇にキスされた。
「んッ……!」
驚いて目を開けた。キスをしていたのは、マーチス准尉……。
マーチス准尉は、そっと顔を離したあと、優しく微笑んできた。
なんで……どうして……?
「伍長は最低なんかじゃないよ。伍長が今までやってきたことで、気持ちいいって感じてたとして
も、それはちっとも恥じることじゃないし、気持ちいいって感じることは普通なんだよ。人間の体
は、そう出来てるんだ」
「マーチス准尉……」
「そゆこと。あとなデカブツ、お前が感じてたのは肉体だけの快感だ。お前はそういう意味じゃ、
本当の気持ちよさってのを知らねぇだろ。お前を愛してるヤツに抱いてもらう歓びってのを、お前
はまだ知らねぇ。心の快感ってのを、俺たちが教えてやるよ」
「オレルド准尉……?」
心の快感……? そんなものが、あるのかな?
俺がポカンとしてると、オレルド准尉が俺の腋の下に手を入れて、そっと引き倒した。
「ほら、デカブツ、横になれ」
俺はオレルド准尉の胸に背中を預けるようにして、仰向けに横たえさせられた。
准尉に膝枕をしてもらった体勢になった俺に、オレルド准尉が口づけてくる。舌同士を絡ませて
吸いつかれる。背筋がゾクンとして、勝手に腰が浮いた。
……ああ、これ、気持ちいいって、このことだったんだ。
「お前もやってみろ……」
オレルド准尉が少し口を離して囁いた。
今まで、こんなことなんてしたことなかったけど、俺は必死でオレルド准尉の動きを真似た。オ
レルド准尉が唇に吸いついたら俺も吸いついて、舌に舌を絡めてきたら俺もそうした。
「好きだ……デカブツ……」
ゾクンとした。だけど体のほうじゃなく、したのは心のほうだった。
「好きだ……」
「准尉……んッ…──」
オレルド准尉に『好きだ』って言われながらキスされるうちに、だんだんと妙な気分になってき
た。今までに感じたことのない気持ちだった。心がジンとして、泣きそうになった。
気づいたとき、俺はもう准尉の動きを真似るのも忘れて、自分のほうから准尉の唇に吸いついて、
舌を絡めていた。
「んっ……、ふ…っん、オレルド准尉……っん……。ん、あッ…!?」
突然下半身を襲ってきたむず痒さに、俺はギョッとして、股間のほうを見た。
「伍長のここ、形こそは立派だけど、まだキレイな色をしてるね」
マーチス准尉がいつの間にか、俺の脚の間に座り込んでいた。准尉が俺のあそこの根元を握りし
めて、先端をペロッと舐めてくる。
「や、ダメです……! そこ……んッ、むぐぅ…!」
とっくに裸になってるのに、今さらだけど恥ずかしくてたまらなくなった。だけど、オレルド准
尉にまたキスされて、言葉にならなかった。
マーチス准尉がピチャピチャと音を立てながら、俺のものを舐めている。先端をそうされると、
腰のゾクゾクが今までのものとは比べ物にならないぐらいの強さで、腰を跳ね上げた。
「ふ…ッん! あ…やだ……、んむッ! マーチス准尉…そ…なとこ……、きたな……ッんん!」
必死にオレルド准尉のキスから逃れて、マーチス准尉をやめさせようとしたけど、
「うるせーぞ、デカブツ。ちょっと黙れ」
「ふぐッ…! んふぅ……ッ!」
オレルド准尉にさらに強く唇を押しつけられた。その上、また胸を揉まれ、乳首を弄られて、俺
はもう窒息寸前になって、息をするのがやっとだった。
俺がもう言葉を話せないのを感じたのか、オレルド准尉がキスするのをやめて、今度は首筋や耳
を攻めてきた。
「はぁッ…! や……あ……ッ、あっぁ……!」
マーチス准尉が先端に吸いついて舐めてくる。そこに全身の血が集まっていくみたいに、ズキン
ズキンと熱をもって腫れていくのがわかった。
准尉は竿や玉の部分をしゃぶるだけじゃなかった。先端の小さい穴を無理やりこじ開けようとし
たのか、准尉の舌先がそこに潜り込んできたとき、まるで電流を流されたみたいに俺の全身はビク
ンと大きく揺れた。
「ふ…あぁぁッ! そこ、ダメです…ダメぇッ!」
「らりがラメらろ、ごひょう? ろんろん、あふれれくるよ~。ん~……」
「ひぐッ…! あ、あッァ…! ダメです……ッ、オ……オシッコ…でちゃいます……ッ!」
情けないけど、俺は本当に洩らしそうだった。猛烈に襲ってくる尿意に必死で抵抗した。脚を閉
じようとするけど、マーチス准尉が舌を挿れてくるたびに腰に強い電流が走って、もう自分の意志
じゃ脚ひとつ満足に閉じることもできなかった。
「尿道責めとは、さすがマーチス……マニアックだな。あんな本、読んでるだけのことはあるぜ」
オレルド准尉が呆れたように、でも半分感心したように、俺の耳元で囁いた。
「出しちまえよ、デカブツ。お前のなら、マーチス飲んでくれるぜ?」
そんな……! 冗談でしょう……!?
耳を疑った次の瞬間、オレルド准尉が冗談で言ってるんじゃないことがわかった。
マーチス准尉はまるでそれを促すかのように、ことさらしつこく尿道を責めたてた。
「くあぁぁッ…! やぁ……ッ、ダメ……、やめてくださ……あっあァッ……!」
俺は入院生活が頻繁だから、よく知ってるけど、そこはカテーテルという管を挿れられるぐらい
には広がる場所だってのは理解できる。
だけど今そこに挿れられてるのはカテーテルなんかじゃなく、マーチス准尉の舌の先なんだ。
准尉の口の中に洩らすなんて、絶対に嫌だ!
そんなことするぐらいなら、死んだほうがマシだ!!
「嫌だ! もう…本当に……ッうあ、マーチス…准尉…口離して……! 出ちゃ……ぁッあ!」
「出しちゃえよ、デカブツ。マーチスの口の中に、小便洩らしちまえ」
オレルド准尉がこともなげに、そして楽しそうに耳元で囁いてくる。
マーチス准尉にだってオレルド准尉の声は聞こえてるはずなのに、やめる気配は一向にない。
「ひ…ッあ! やだ…やだやだ…! 出ちゃ…う! オシッコ……出る…!」
必死に抵抗する俺を嘲笑うみたいに、尿道を駆け上がってくるものを感じた。
「う…あッアアッ……!」
極限まで我慢していたそれは、もはや途中で止めることもできなかった。
マーチス准尉がミルクを飲む赤ちゃんみたいにゴクゴクと喉を鳴らして、飲んでるのがわかる。
「……あ、うそ……だろ……」
吐き出したものを全て飲まれたとき、俺の中の抵抗も恥ずかしさも、諦めに呑み込まれた。
「いっぱい出たね、伍長」
マーチス准尉が俺の汚いものを飲んだなんて思えないぐらい爽やかな笑顔で、濡れた口元をぬぐ
って微笑んできた。
「あーあ、洩らしちゃった。マーチスの口の中に……」
オレルド准尉がクスクス笑いながら、からかうように耳元で囁いた。
その瞬間、俺の中で何かがプツンと音を立てて切れた。泣く気力も、恥じる理性さえも失った。
「あれ、伍長、急に大人しくなっちゃったね」
「そりゃお前……小便まで飲まれたんだ。これ以上恥ずかしいことはねぇだろ」
呆れたように笑うオレルド准尉に、マーチス准尉が得意げに笑った。
「ふふっ、伍長のなら、汚いなんて全然思わなかったよ。不思議だねぇ」
不思議なのは……俺のほうです……。
「さ、でもこれでスッキリしただろう? 今度は違うもの出しちゃおうね♪」
マーチス准尉がウキウキした様子で、また俺の股間に顔を埋めた。
「ふぅ…っん」
マーチス准尉が再び俺のそこに与え出した刺激にも、俺は抵抗する気力もなく、素直に受け入れ
るしかなかった。
ジュルジュルと派手に音を立てて、マーチス准尉が俺のものを舐めあげ、しゃぶり、手で竿をし
ごいてくる。
「うッ……ん、あ……、あぁッ……」
「気持ちいいだろ、デカブツ?」
オレルド准尉が耳の穴を指先でくすぐりながら、俺の顔を上から覗き込んでくる。
気持ちいい……。これが、気持ちいいって感覚なんだ……。
「ふぁ…ぃ、気持ちいい……です……、あっあ……ぁ……」
「俺のも気持ちよくしてくれよ」
オレルド准尉が少し体をずらした。俺の目の前に、准尉のモノがあった。准尉のは大きくて、は
ち切れそうなぐらい膨らんでた。
それは俺が今まで目にした男たちのモノと、全く同じモノに見えた。
だけど、目を背けたくなるそのグロテスクな物体が、今はすごく……可愛く見えた。
ああ、俺……マーチス准尉にオシッコ飲まれて、気が狂っちゃったのかな……。
俺は自然とオレルド准尉のモノを、口に含んでいた。
「う……、む……っ、ふ……ぅん……」
「上手いじゃねぇか、デカブツ……」
オレルド准尉が嬉しそうに言って、俺の頭を撫でた。准尉の荒くなる息を聞いて、先走りの液が
漏れるのを舌で感じると、俺もだんだん嬉しくなってきた。
別の男のものを銜えさせられたなんてことは、何度もあった。口の中に出されたことも、精液を
無理やり飲まされたことも、数え切れないぐらいあった。吐き気を催しこそすれ、こんな気持ちに
なるなんて、信じられない。
今の俺は、オレルド准尉のをもっと銜えて、しゃぶりたいと思っていたし、准尉の精液も飲みた
いって思ってる……。
やっぱり俺……気が狂っちゃったのかもしれない……。
マーチス准尉が俺のモノに与えてくれる気持ちよさを、オレルド准尉にも伝えようとするように、
俺はオレルド准尉のモノを、夢中でしゃぶった。
「ああ……お前がフェラしてくれてるなんて、夢みたいだぜ……」
「ん…ぷぁ……、オレルド准尉……っ……」
「准尉はよせ。今は任務中じゃねぇんだぞ。名前で呼べよ……」
「オレルド…さん……、んっむ……、んっ、んんっ……」
名前で呼んだら、なんだか急に准尉の存在が近くなったように感じた。准尉にもっと気持ちよく
なってもらいたくて、俺はさらに深く銜えこんだ。
そのときだった。尻の穴にいきなり何かが突き立てられて、それが的確に一番感じる部分を突い
てきたのは。
「ふぅううぐッ!」
全身を揺さぶられるほどの強い痛み……いや、快感に、俺は無意識で歯を食いしばりそうになっ
た。でもその瞬間、俺は今、オレルドさんの大事なモノを銜えてるんだってことを思い出した。
「いってぇえッ!」
だけど完全に止めることはできず、少しオレルドさんのモノに歯を立ててしまったのを知ったの
は、オレルドさんが悲鳴を上げて、あわててそれを引き抜いたときだった。
「マーチス、てめぇ!」
オレルドさんは、うっかり歯を立てた俺には怒らないで、涙目になってマーチス准尉……いや、
マーチスさんを睨みつけた。
「伍長にしゃぶってもらうなんてズルいよ」
「だからって、いきなり噛ませるこたねぇだろ!」
「僕が先に挿れるからね」
「なにぃ?」
「自分だけいい思いしようとした罰」
「……わーったよ。おい、デカブツ、今度は歯を立てんなよ、いいな?」
「ふ…ぁい、ごめんなさい……。あむ……っ」
俺はまたオレルドさんのモノを銜えた。
「伍長のお尻、柔らかいね。中も絡みついてくるし。これならあんまり拡張する必要はないかな」
「ふぅッん…! んッ……、むっ…ぅ……!」
マーチス准尉が尻の穴を指でくじりながら、中を掻き回してくる。
ゾクゾクが全身を走り回って、俺はまたオレルドさんのに歯を立てそうになったけど、慌てて顎
から力を抜いた。それでも奥歯があたりそうになって、精一杯舌を突き出してクッションを作った。
「んんッう…! んーーッ……! んッ…!」
「じゃ、挿れるよ、伍長……」
マーチスさんが俺の脚を大きく開かせた。腰を持ち上げようとされたとき、俺はマーチスさんと
自分の体格差を思い出して、自分から腰を浮かせた。
俺が今までそこで感じてたものが痛みじゃなく、怖いものなんかじゃなく、みんなが感じていた
気持ちよさだったんだって知ったら、あの感覚を早く味わわせて欲しいとさえ思った。
「いい子だね、伍長」
マーチスさんがニコッと微笑んだ。熱く湿った先端が、そこに押しつけられる。
グッと力が込められて、そこが割り開かれる感触があった。一瞬押し戻そうとした部位を感じ、
俺は意識的にいきんだ。そうすると、そこが少しだけ開いて挿入しやすくなる。いつか誰かが教え
てくれた。
「うっ……伍長……」
「ふぅぅ……ッん……」
マーチスさんのモノが肉の輪を広げて、中を満たして行く感触に、俺はゾクゾクした。
「すごい……。伍長の中、濡れてて……熱くて絡みついてくる……」
マーチスさんが本当に気持ち良さそうに体を震わせるのを見て、俺も嬉しくなった。
……そうか、これがさっきオレルドさんが言ってたことだったんだ。
俺を愛してくれてる人が、俺の体で気持ちよくなってくれる。
それが心の歓びってやつだったんだ……。
マーチスさんが強く腰を打ちつけてきた。肉がぶつかりあう音が部屋中に反響するぐらい。普段
の物腰の柔らかいマーチスさんからは、とても想像できないぐらい、激しい動きだった。
「ううぅぅぅッ…! うん…ッ! あ……はぁッ! アッ、アッ、アッ……!」
脳天まで突き抜けるような快感に、頭の中身をドロドロに溶かされそうになりながら、俺はまた
オレルドさんのモノに歯を立ててしまうんじゃないかと思って、慌てて口から吐き出していた。
「あぁーッ! マ…マーチスさん……ッ! ひあぁぁッ…! あんッ、あぁん……!」
「伍長……すごくいいよ……伍長……ッ!」
「おいこらデカブツ、口がお留守になってんぞぉ」
「ごっ、ごめんなさ……ぁああッ! いッ……あっあ…! あぁーーッ…!」
放置してしまったオレルドさんのを銜えようとしたけど、そのたびにマーチスさんが強く腰を打
ちつけてきた。全身を揺さぶられる快感に翻弄されて、俺はもう何も考えられなくなってた。
オレルドさんのことも気持ちよくしてあげたいと思うけど、銜えようとするたびに意識がマーチ
スさんのほうにばかり向き、思い出したようにオレルドさんのを舐めるだけで精一杯だった。
「アッ……あー……ッ、ふぅんッ…!」
「ったく、しょーがねぇな……。気持ちいいかデカブツ?」
オレルドさんが諦めたように苦笑しながら、俺の頭を撫でてきた。
「っあ……あっ! き、気持ちいいです……、いいです……ぅ……! あっあ……」
「だとよ、マーチス」
「ふふっ……。伍長、僕のオチ○チン、気持ちいいんだ?」
「ふぁい…っ、マーチスさんの……っ、オチ○チン、きもちぃです……!」
「オマ○コ、いいんだね?」
単語の意味はわからなかったけど、もうすでに訳もわからなくなっている俺は、マーチスさんに
言われるままに、おうむ返しに言うので精一杯だった。
「ふあぁ…ッ! オマ○コ、いいです……! あっあ、オマ○コ、いい……ッ、いいぃぃ……!」
「エロすぎるぞ、デカブツ……」
オレルドさんがゴクッと喉を鳴らす音が、聞こえた気がした。
その言葉が、いやらしい俺のことを言ってるんだってことはわかった。一瞬だけ恥ずかしくなっ
たけど、そんな理性はマーチスさんに強く突かれる快感に吹き飛んでしまった。
ゾクゾクが大きくなって、腰が勝手に動いてしまう。マーチスさんの先端に突かれる、一番感じ
る部分がひとりでに勝手に蠢きだす。
今の今まで、一番怖れていた、一番鋭い痛みがやってくる、この感覚。
今まではその時が一番怖い瞬間だったけど、今は、違った。
「あ……くる……、出る……ッ……んあッ……!」
「そういうときは、イクって言うんだよ。ほら、言ってごらん」
マーチス准尉がいつもと変わらない口調で言いながら、さらに激しく腰を動かしてきた。ひくつ
く内部が、叩き潰されそうなほど。
「あぁーーッ! あっあ……! ひ、やぁッ……! イ……イク……、あっあ……あ…!」
これが痛みじゃないことを、今の俺は知ることができたけど。
でも、自分が自分じゃなくなるみたいな、頭が爆発して死んじゃうんじゃないかって言う得体の
知れない怖さは、今までと同じだった。
「い…や……ぁッ! ダメ……ッ! 怖い…! やめて…くださ……ッあ! 怖い……やだぁ…!」
思わず、オレルドさんの腕にすがりついていた。
「やだ…ッ! 怖い……こわ…っあ! ああぁ…! 助け……!」
「バージンかよ、お前は……」
オレルドさんが優しく言って、泣き言を漏らす俺にキスしてきた。
「んんぅ…! い…うッぅ!」
「伍長、怖がらない…でっ、ハァッ。今までと同じだよ……。あっ、僕も…もう……ッ」
マーチスさんが声を上ずらせて、息を弾ませてる。
「そうだ、怖がんな。俺たちがここにいるんだ……怖がるな」
オレルドさんがおでこにキスをして、俺の胸を揉んできた。
「あっ……、ああッ…ん!」
マーチスさんに突かれる強い快感に、オレルドさんから胸を弄られる緩い快感が混ざる。
どんどん膨れ上がる怖い感覚に、オレルドさんの腕にすがりついたとき、それはきた。
「うあッ…! イ……イク……! 俺もう……イッちゃう……ッ!」
体の内側から揺さぶられる。全身がビクビクと痙攣して、俺は達した。
「くっ…、す、ごいッ!」
マーチスさんがうめいた瞬間、俺の中に熱いものがドッと弾ける感覚があった。
熱いものが奥に当たるごとに、俺の体はまた勝手に痙攣して、断続的に何度も射精してしまった。
「ひぅッ…! あ、あんんンンッ……!」
「すげー量だな。溜まってたのかぁ?」
強い波が去って行って、体をひくつかせる俺の頭を、オレルドさんが優しく撫でてきた。
俺はもう何も考えられなくて、放心状態のまま荒く息を吐くことしかできなかった。
マーチスさんが満足そうに息を吐いて、俺の中から出て行った。
ズルッと引き抜かれるその感触にさえも、背筋がゾクンとなった。そしてマーチスさんがいなく
なった内側に、ぽっかり穴が開いたような物足りなさを感じた。
「溜まってた……っていうか、溜まってるみたいだよ?」
マーチスさんがクスクス笑いながら、俺のモノに視線をよこした。
俺のそこは、あれだけたくさん出したって言うのに、未だに萎える気配がなかった。
「萎えてねぇなら、このまま続けられるな。よっと…!」
オレルドさんが、俺の体をぐいっと押した。
俺は糸の切れた操り人形みたいにオレルドさんにされるがままに、今度はうつ伏せにさせられた。
次に何をされるのか、そんなことを考える余裕も無かった。
「う……あぁぁッ……!」
マーチスさんのモノですでに拡張されていたそこは、オレルドさんのモノをやすやすと受け入れ
た。それでも、オレルドさんのモノのほうがマーチスさんのよりもひとまわり太かったらしく、俺
の中はすごい圧迫感に満たされた。
「あぐ…っ! あっあ……! ひぃ……ッ!」
「こりゃすげぇ……! 食いちぎられそうだぜ……!」
「あふッ…! あっ、あんンッ! ふと……ッあ、ダメぇ……!」
「伍長、オレルドの太くて気持ちいいの?」
「あっあン! は…ひっ…! 太くて……いいです……ッ、あぁんッ!」
「……どうせ僕のは小さいよ」
マーチスさんの不機嫌な声が聞こえた気がした。
そのとき、マーチスさんに顎を掴まれて、グイと上向けられた。喉が締まる息苦しさに、俺は
とっさにベッドの上に肘をついた。うつ伏せから、四つん這いに近い体勢になった。
「いいッ……ぁ! 太い……、いいぃ……! オレル……んぐッ!?」
口の中に、マーチスさんのモノがいきなり突っ込まれた。
「ふぐッ…! んっ、んぅッ…!」
「歯を立てたら、痛い目に遭わせるよ」
ニッコリと微笑むその顔の、眼鏡の奥の目は笑ってなくて……。
俺は怖いのと、オレルドさんから突かれる気持ちよさで、頭の中がグチャグチャになった気がし
ながら、マーチスさんのモノを懸命にしゃぶった。
「ふッ! んッ、んッ…! は…ぷッ…!」
「やれやれ……、ひでーことすんなよな、マーチス」
「優しくしてやってるじゃないか。ね、伍長?」
「このサド公爵め……」
オレルドさんが呆れ果てたように言いながらも、激しく腰を動かしてくる。ただ突き上げるだけ
だったマーチスさんとは違って、オレルドさんは内部を掻き回すように腰を回転させてくる。
突き上げられる激しい快感に、掻き回される緩いゾクゾクが混じった。
「んあ……ッ、ふぅ……んむッ! んふ……ぅッ、んんッ!」
緩い動きに物足りなさを感じて、俺の腰が勝手に動き出す。オレルドさんはそれを的確に読み
取ったように、次の瞬間にはまた激しく突いてくる。
絶頂に押し上げられるような快感と、焦らされるもどかしさがたまらなかった。焦らされたあと
に突かれると、気持ちいいのが増幅させられる感じがした。
ああ、こんな……。こんな風にされるのって、俺、初めてだ……。
今までの相手は、自分が出すことしか考えてない動きしかしなかったのに、オレルドさんは俺を
歓ばせようとしてくれてる……。
「ひ…っあ、ぷはぁ……ッ! あっ、あぁーー……ッ!」
今までと違う波のある快感に翻弄されまくって、俺の顎はだらしなく開いたまま。犬みたいに唾
液を垂れ流して、マーチスさんのを銜えたままで、しゃぶることもできなくて、あえぎまくった。
「オレルドぉ~……?」
俺がしゃぶれなくなったからか、マーチスさんが怒ったようにオレルドさんを睨みつけた。
「へっ、さっきの仕返しよ。噛まれなかっただけでも、ありがたく思え」
オレルドさんが得意げに言って、さらに深く奥を突いてきた。
「あーーーーッ! はひっ…! また……イク……、んうぅぅッ!」
「うあッ…! すげ……ッ、デカブツっ…!」
俺が達すると同時に、オレルドさんがきつく俺の背中に抱きついてきた。
抱き締められた瞬間に、俺の中にオレルドさんのが弾けるのを感じた。
「ひ……あっ、で…出てる……ぅ……」
中に注がれるオレルドさんの熱い飛沫を感じながら、俺は体を震わせた。
だけど……、出したはずなのに、オレルドさんのモノはそこから引き抜かれる気配もなく、まだ
中に居座ったままのソレは相変わらず太いままだった。
「やべぇ……。萎えねぇ」
オレルドさんが背中に抱きついたまま、おかしそうに静かに笑った。
「伍長じゃあるまいし。オレルドは、あのクスリ、飲んでないだろ?」
「だってこいつがあんまり可愛過ぎるんだもんよ……。もう一回いいか?」
「ダメ、とっとと抜く。次は僕の……──」
言いかけて、マーチスさんが不意に口をつぐんだ。「ふむ」と言って顎に手を当てて考える仕草
をしながら、俺を見つめている。
だけど俺のモノも、オレルドさんのと同じく全然萎えていない状態だった。何回出しても萎えな
いなんて、こんなこと今までに一度もなかったのに。どうしてだろう……?
そう言えば、さっきから二人が言ってるクスリって……。それにワインを飲まされた時に見た、
あの黒い小瓶が何か関係があるんだろうか?
でも、そんなことはこの際、どうでもいいって気しかなかった。
挿れられたままなのに、一向に動かしてくれない焦れったさだけが、どんどん膨れ上がって、俺
は泣きながら腰を揺すっていた。
「ふえ……っ、やだ……、動いて……ぇ……、ひっく」
「うおっ、デカブツ……。もうたまんねぇ、動くぞ!」
オレルドさんがマーチスさんの答えを待たずに、また突いてきた。
待ち侘びていた感覚に、俺は全身を震わせながら歓んだ。
「あぁーーッ…! いっ、いいぃ……! もっと、突いて……ぇ…!」
「乱れまくりだねぇ、伍長。ま、しょうがないか。オレルドは絶倫だしね」
マーチスさんが苦笑しながら、だらしなく顎を開けて涎を垂らす俺の顔を撫でてきた。
その優しくて暖かい手の感触に、突かれる快感とは違う、安らぎが満ちてきた。
「あっ……あ……! マー……マーチスさん……ッ……、うっあ、いい……ッ!」
「気持ちいいかい、伍長?」
「う…ふッん! は……はひッ……! きもちぃ……れす…ぁッあぁん!」
「よかった、伍長が気持ち良くなってくれて」
マーチスさんがキスしてきた。
「うッふ……、んん……ぅ…!」
「好きだよ、伍長……。大好き……」
その言葉が与えてくれる安らぎと、オレルドさんが与えてくれる体の気持ちよさが一緒くたに
なった。切なさで胸が張り裂けそうになって、快感で頭が爆発しそうになって、俺はマーチスさん
を思いっきり抱き締めていた。
「あぁッ…! 俺……もッ……! はッ…あぁッ! 俺も……好き……ぃッ…!」
「伍長……」
「あふッ…ぅッ! マーチスさん……俺の…口の中に……挿れてッ……!」
マーチスさんが嬉しそうに笑って、俺の目の前にソレを突き出してきた。
俺は自分から、マーチスさんのモノを銜えた。
「デカブツ……、デカブツ……ッ!」
「う……ん、伍長……いいよ……」
後ろでオレルドさんを感じて、口でマーチスさんのを感じた。
セックスがこんなに幸せな気持ちにさせてくれるものだって教えてくれた二人を、もっともっと
気持ち良くしてあげたかった。
こんな風に、愛情をもって抱かれるのは初めてで、俺が誰かを気持ち良くしてあげたいって気分
に満たされてたのも、初めてのことだった。
ついオレルドさんのほうに流されそうになる意識を必死で引っ張り上げ、できるだけマーチスさ
んのに集中して、歯を立てないように気をつけながらしゃぶりついた。
「あッく……、伍長……! 出すよ……、イク…ッ!」
マーチスさんが腰をブルッと震わせた瞬間、口の中に独特の青臭さと粘り気のある液体が弾けた。
「ふぐッ…! んっ! んくッ……!」
一滴も零さないように、マーチスさんのものを全部飲み干した。
全然、嫌じゃなかった。それどころか、もっと飲みたいとさえ思えた。
「ふふ……僕の飲んでくれたんだ。嬉しいなぁ」
「マーチスさん……」
だってマーチスさんは俺の汚いのも飲んでくれたんだから……。
「おい、こらデカブツ。こっちも忘れんな」
オレルドさんが言って、腰を叩きつけてきた。
「ひあッ! ああぁーーーッ…! あっ、オレルド…さんッ……! あぁぅ……ッ!」
「好きだ……デカブツ……」
オレルドさんの濡れた声が、ゾクンと腰に来る。
「ふ…あッ……、俺も……好きです……ッ、あっあっ……!」
不思議だなって、ぼんやりした頭の片隅で思った。
体が気持ち良くなればなるほど、心のほうが心細くなって切なくて泣きたい気分になる。だけど
『好き』って言うその一言が、ちぎれそうになる心を繋ぎ止めてくれた。
「好き……ッ! ふあぁッ…ん! あっ、好きぃ…ッ…!」
俺は無意識にマーチスさんの手と、尻に添えられたオレルドさんの手を握っていた。
頭の中が真っ白になって、またあの怖い感じに襲われる。でも、二人がいるから、オレルドさん
とマーチスさんが与えてくれる感覚なんだから怖くないんだって、自分に教え込むみたいに、俺は
何度も何度も、好きだって叫び続けた……──。
*
『この一回だけ』『ただの仲間に戻る』──それはオレルドさんとマーチスさんが言った言葉
だった。そして二人は、その“約束”をしっかりと守ってくれた。
ホテルから出て別れたあと、俺たち三人は別々に、三課に向かった。
執務室に入ると、先に来ていたマーチスさん……いや、マーチス准尉が「おはよう」って言って
くれた。普段と全く変わらない、あの笑顔で。
オレルド准尉も、いつものように遅刻してやってきた。少尉に遅刻を咎められても、全然悪びれ
ることもなく、遅刻の理由を訊かれればシャツの前を少し開けて、胸に刻み込まれたキスマークを
見せびらかして少尉を黙らせるのも、いつもと同じだった。
だけど、いつもと違うのは、そのキスマークは夢中になってた俺がつけたもので……。
そのことを思い出して、オレルド准尉の顔を見ることができなくなった。顔が熱くなって、自分
が今、赤面してるのは間違いないなって思っていると、オレルド准尉がポンと肩を叩いて「よう」
と笑顔を向けてきた。
いつもと全然変わらないその行動に、顔の熱さも胸のドキドキも、波が引くようにスウッとなく
なった。胸にぽっかり、大きな穴が開いたような気がした。
准尉たちの態度は、昨夜以前のものとまったく変わらなかった。
俺を“仲間”として接してくれるのが嬉しくもあり、でも、ひどく寂しかった。
ふと気がつけば、准尉たちの姿を目で追っている。
二人の態度は全然変わらないけど、ただひとつ、俺の気持ちだけが明らかに変わってて、取り残
された気分になっていた。
俺がこんな気持ちになってるのは、体が気持ちよかったから、そう錯覚してるだけだって自分に
言い聞かせた。准尉たちの変わらない態度に接すれば、日にち薬が効いてきて、俺自身もまた前み
たいに落ち着くだろうって思ってた。『准尉』って二人のことを呼ぶときも、無性に寂しいなんて
思わずに済むようになるって。
だけど、日が経つにつれて、寂しいって気持ちはどんどん大きくなって行った。
そんな悶々とした気持ちを抱えたまま、数日が経った、ある日、少尉が准尉たちに街の巡回任務
を与えた。
准尉たちが執務室からいなくなることに、俺はちょっとだけホッとした。二人の顔を見ていると、
存在を肌で感じていると、どうしてもソワソワしてしまって、ただでさえ手の遅い書類作成がミス
連発でさらに遅くなるからだ。
俺って、どうしてこう、不器用なんだろう……。
「今日、巡回日だったっけ?」
「抜き打ちだろ。かったりぃ~なぁ」
そんなことをブツクサ言いながら、マーチス准尉とオレルド准尉が執務室を出て行った。
遠ざかる二人の足音を確認して、妙に安心したとき、少尉が話しかけてきた。
「伍長」
「はっ、はい」
なんだろう……。昨日も書類たくさん失敗しちゃったから、叱られるんだろうか……。
少尉はしばらく何も言わずに俺の顔をジッと見つめていた。
「あの……少尉……?」
「お前も一緒に行ってこい」
一瞬、少尉が何を言っているのか理解できなかった。俺は返事をするのも忘れて、ぽかんと口を
開けたまま、少尉の顔を見ていた。
少尉が溜息を吐いて、肩をすくめて、腰に手を当てた。
「最近、お前変だぞ。オレルドとマーチスと、何があった?」
ドキッとした。
「べ……別に、何も……」
「嘘をつくな。お前の態度を見ていれば一目瞭然だ。オレルドとマーチスもそうだ」
「え……っ?」
俺の目には、全然変わらないように見えたのに、少尉はそうじゃなかったのか?
「オレルドもマーチスも、お前のほうをチラチラ見て何か言いたげな顔をしているくせに、全然話
しかけようとせん。お前だって、そうだ。二人を避けているだろう」
准尉たちが……俺を見てた?
「お前たちがプライベートで何をしようが、私の知るところではない。隊長と言えど、そこまで口
を出す権利はない。だがな、任務にまで差し障るようなわだかまりは残すな」
少尉は怒ったような顔で、またひとつ大きく溜息を吐いた。
ああ……俺のせいで、准尉たちにも迷惑をかけてたんだ。准尉たちは“約束”、守ってくれてた
のに、俺だけが守れてなかったから……。
悲しくなって、申し訳ない気分になって、肩から自然と力が抜けて行った。
だけど落ち込む俺を奮い立たせるかのように、少尉が拳で俺の胸をドンと叩いてきた。
「しょげる暇があるなら、今すぐに二人の後を追え! 言いたいことがあるなら、全部ぶちまけてスッキリして来い!」
少尉のよく通る凛とした透き通った声が、俺の頭の中にかかるモヤモヤを一気に追い払った。
そうか……。そうだったんだ。
准尉たちにあんな“約束”をさせたのは、誰でもない、俺自身だったんだ。准尉たちは俺が少尉
のことを好きだと思ってるから、俺への気持ちを封印するって言ったんだ。
そのことを今の今まで忘れてたなんて、俺やっぱり、バカだ……。
「少尉……」
「なんだ、伍長?」
「俺……少尉のことが、好きです」
そんな言葉が、自然と口から漏れた。口にすると同時に、俺は確信した。
「なっ……」
少尉の顔がみるみる赤く染まった。目も口もぽかんと大きく開けて、少尉は絶句してる。
「俺、少尉のことが好きです。少尉は小さいけど、俺なんかよりとても大きくて。でも、やっぱり
小さくて……」
「何を……伍長……!?」
少尉が困った顔をしてる。こんなときに言うべきことじゃないってわかってるけど、でもどうし
ても、この気持ちを少尉に伝えたかった。
「小さくても精一杯頑張って、前だけを見て進み続ける少尉のことが、俺、大好きなんです。どう
しても立ち止まってしまう俺の背中、ドンって叩いてくれる少尉のこと、好きです。今だって、前
に進む勇気、与えてくれました」
「……伍長」
「少尉はいつも、俺に気づかせてくれます。大事なことを。だから俺、少尉のこと尊敬してます」
少尉の顔から赤みが消えて、困ってたような顔に苦笑が浮いた。
あれ、俺……なんか変なこと言ったかな……。
「そうか、それは光栄だな。では、お前からもっともっと尊敬されるように、私も精進するとしよ
う。さあ、行け。私に今言ったように、自分の素直な気持ちを二人に伝えてこい」
それから少尉はいつものように、真っすぐで凛とした目を俺に向けて、背中をドンと叩いた。
「行け、伍長!」
「はっ……はいッ!」
小さいけど、とても大きく感じるその手に背中を押され、俺は執務室を飛び出した。
車庫に駆け込むと、ジープに乗った准尉たちが見えた。二人の顔は、なんだかひどく元気がない
ように見えた。俺の前では、絶対に見せない、暗く沈んだ顔だった。
ジープのエンジンがかかると同時に、俺は叫んだ。
「オレルドさん、マーチスさん!」
二人がハッとした顔で、俺のほうを見た。視線が合って、泣きたくなるぐらいの切なさが胸に込
み上げてきた。
すくみそうになる脚を必死に叱咤して、俺はジープに歩み寄った。
これが正しいか間違ってるか、俺にはわからない。
だけど今の自分の本当の気持ちを、俺はオレルドさんとマーチスさんに伝えたかった──。
【終】
523 :
男体の人:2007/01/21(日) 15:47:34 ID:???
なんかもう、いつもいつもマニア向けなプレイで
申し訳ございません…orz
本当は…2本挿しをやるつもりだったんですが、
理性が歯止めをかけてきたので止めました。
次スレでは心を入れ替えて、ノーマルプレイに徹しますw
そして焦らしの人のいつぞやの4Pプレイが
いかに大変だったかを身をもって思い知りました…orz
そして、次スレ…どなたか、おながいします(;´д`)
>>男体の人
萌えますた&GJです!
伍長可愛いよ伍長
伍長が幸せならそれでいいよ、ハアハア
男体の人激しく乙!
相変わらず見事なお手並みで。
伍長カワエエ(*´д`)
乙であります、男体の人
3Pエロ萌えです。素晴らしいっす
激しくGJです!
やっぱりエロ幸せな伍長が一番です
男体の人の直後で恐れ多いですが、
SS投下は次スレじゃなくてここで宜しいでしょうか?
10レスほどです
切れてしまわないならばこちらでも良いと思いますよ
あと2KBしかないから次スレの方がいいかも。
1レスあたりの文章量によってはオーバーしちゃう。
次スレ7さんもおっしゃってますが、
500kbで容量オーバーすると思うので
10レスも消費するような大作なら次スレのほうが
いいのではないでしょうか?
気になるようなら、オーバーするまでこっちに投下して、
オーバーした時点で次スレに続きを投下…
ってのもアリかとは思いますが…。
531 :
男体の人:
あら、もう500kb。
実際、どこまで容量はあるのか、ちょっと試させて下さい(礼)
──────────────────────────────
まだなんとなく覚めない目をこすりながら、マーチスは誰よりも早く執務室へやって来た。
朝一で出勤するのが、彼の趣味と言うわけではない。
だが隊員たちが帰宅した後に、重要な書類や三課宛の嘆願書などがまわされてくることがある。
そういった物を確認したり整理したりするうちに、いつの間にやらマーチスが朝一で出勤するよう
になってしまったのだった。
皆が揃う頃には、今日やるべき仕事が各々に振り分けられており、最終的に少尉と大尉の許可を
取るだけでスムーズに仕事に取りかかれるような状態になっていた。
仕事に関することだけではない。一晩こもっていた執務室の空気を入れ替えたり、誰かの机が散
らかっていればきちんと片付け、部屋が汚れていれば簡単に掃除もしたりする。
こうした気の効き方が、彼が『三課のお母さん』などと言われ、ステッキンから『一人上手』と
言う、すこぶるありがたくない称号を賜った所以でもあった。
「ふあ~……まだ眠いや。昨日ちょっと夜更かしし過ぎたかなぁ」
一人ごち、隊服に着替えるためにロッカールームへ入ったときだった。
マーチスはそこに見慣れた物が、だが、こんな時間には見かけるはずのない物を発見した。
それは伍長がいつも持ち歩いている大きなショルダー背嚢だった。
「あれ? 伍長が忘れてったのかな?」
そう思ったが、彼がこれを忘れて帰るわけがないのは、すぐに察した。何せ伍長は橋の下で暮ら
しているホームレスなのだ。この背嚢に全財産と着替え一式を入れて持ち歩いているのだから忘れ
るわけが無い。
近づいてみると、背嚢の影に隠れて見えなかった物を新たに発見した。それは伍長のコートであ
る。背嚢の横に無造作に脱ぎ捨てられたように丸めて置いてある。
脱ぎっぱなしのコートに、マーチスの几帳面な性分が黙っていられなかった。シワになって困る
ような服ではないだろうが、脱ぎっぱなしのまま放置というその状況が許せない。
余計なお世話だと充分に自覚しながらも、そのコートをハンガーに掛けるために手に取った。
しかしその瞬間、コートから漂ってくる残り香にマーチスは顔をしかめた。
「うっ、さ……酒臭い…!」
一気に血の気が引いた。
(まさか伍長、お酒飲んだの?)
甦るのはクリスマス・パーティーでの騒動である。
彼が今シラフなのか、それともまだ泥酔しきってこの辺りを彷徨っているのか気になった。
もし後者だとすれば大変だ。酔うと猛烈なキス魔と化す伍長は、今この瞬間にも誰彼構わずキス
をねだりまくっているかもしれない。
「大変だ……!」
マーチスは顔を真っ青にしてコートを放り出し、ロッカールームを飛び出した。
庁舎内はまだ早朝であるため、人気はほとんどない。それが唯一の救いではあったが、だからと
言って誰もいないわけではないことが、マーチスを不安に陥れた。
「伍長! どこにいるの、伍長!」
この時間、ほとんどの執務室や公共施設にはまだ鍵が掛かったままなので、伍長がいそうな所は
ある程度の見当がつく。トイレかシャワールームか食堂ぐらいだ。
トイレにはいなかった。次にシャワールームへ向かった時、中から聞こえてくる物音に、ここに
伍長がいることを確信した。
(よかった……、酔いを醒ますためにシャワーを浴びてるんだ……)
伍長が理性を取り戻していることを感じ、ホッと胸を撫で下ろした時だった。
室内から聞こえてくるのが、シャワーの音だけではないことに気づいた。
水音に混じり、すすり泣くような嗚咽と、嘔吐する音が聞こえてくる。
「伍長……?」
不安に駆られたマーチスは、そっとドアを開けて中に入った。
脱衣所の椅子に伍長の私服と靴が置いてあった。やはりシャワーを浴びているらしい。
一番奥の個室から、水音は聞こえていた。
「伍長、いるのかい?」
仕切りの外から声を掛けたとき、中から憔悴しきった涙に震える伍長の声がした。
「マーチス准尉……? うっ…――!」
その刹那、伍長が吐く声がした。
マーチスはギョッとした。吐くなんて、ただ事じゃない。