【ｶﾞｸﾌﾞﾙ】地震の小説スレ2冊目【全員参加】

前スレが残念ながら落ちてしまいました。
気を取り直して再スタートしましょう
-----------------------------------------------------------
地震やその災害にまつわるオリジナル小説を載せるスレです。
●テーマは地震、また関連の災害についてです
●識別のため、作者の方はペンネームやトリップ付けてください
●長い文章は何回かに分けたほうが見やすいかもです
ここで連載された小説に関する感想もﾄﾞｿﾞｰ

前スレ（dat落ち）
【ｶﾞｸﾌﾞﾙ】地震の小説スレ【したい奴集まれ】
http://live18.2ch.net/test/read.cgi/eq/1127919933/

>>1　保管の仕事した
【ｶﾞｸﾌﾞﾙ】地震の小説スレ【したい奴集まれ】
http://12at1995.net/2ch/eq_novel01.html

http://free.prohosting.com/lightcat/cgi-bin/town/town_maker.cgi

ありがとう！ヨカタ(・▽・)

http://free.prohosting.com/lightcat/cgi-bin/town/town_maker.cgi

>>2
乙です！
とりあえずひと安心ですねw

スレ再建乙です！
今日の昼頃、続きを書こうとやってきたら、スレが落ちてて、かなり落ち込んでました(>_<)。。。

しかも！
保管乙です！
（自分で書いてて次回は何回目だったっけ？とか前回は何時で終わったんだっけ？とかで、ちょくちょく前の回も読んでいるので。。。苦笑）
他の方の話も気になっていたので、助かります！

感謝感激でつ〜(^0^)/

続きはまた明日以降にでも投稿したいと思います。
なんとか保守しないとですね〜。

一人で頑張るさん続き楽しみにしてるよー
圧縮前にageで感想書くようになるべく気にしときます。一読者として。

ほす

死守

続き待ち保守

というか、なんでスレ数が70になる前に保守するんだ？

12歳さんの保管庫の漏れ追加しときます。
その１

288 名前：地震厨房 ◆ikExn4d2/Y 投稿日：2005/11/18(金) 19:53:16 ID:DgtepzYQ
体育館の片隅で、スクールバッグにさっきもらったばかりの
ペットボトルとカンパンをせっせとつめる。
昨日に増して避難して来る人の数は増えているようだった。
人と人との間を縫うようにして移動する。

「あの」
僕は、昨日知り合ったおばさんに声を掛けた。
「・・・あの、もう、僕、帰ります。色々お世話になりました。」
まるで友人の家に遊びに行ったときの帰り際のようなセリフだった。
「やあね、私は何にもしてあげられなかったじゃない。お世話になりました、なんて。」
「いや、でも、昨日は心細かったんで、お話しできて嬉しかったです。」
「それは私も同じよ。ありがとうね。」
そういうと、彼女は微笑んだ。母さんとそっくりな笑顔で。
彼女の下の息子が、きょとんとした顔で僕の顔をまじまじと見ている。
「・・・じゃあ、気をつけて帰りなさいね。しっかりね。
お家は遠いみたいだから、無理しないで。」
「はい。」
「ほら、ショウ、お兄さんにさようならして。」

ショウと呼ばれたその少年は、僕に小さく「さようなら」と言った。
「さよなら。」僕もそれに答えた。

僕は体育館を出た。

その２

289 名前：地震厨房 ◆ikExn4d2/Y 投稿日：2005/11/18(金) 19:55:12 ID:DgtepzYQ
ホールには、昨日よりもっと沢山の人が詰め掛けていた。
昨日の警察官のおじさんがその人たちを整理していた。
僕は簡単に挨拶をした。
「君の後輩だけど、この避難所にも避難していないみたいだし、
遺体も見つかっていない。役所の人がこの辺りの避難所や臨時遺体安置所
に問い合わせたけど、見つからなかった。」
「有難うございます。わかりました。」
「もう、家に帰るのかい？もう大丈夫なのか？」
「はい、一晩寝たんで・・・だいぶ、楽になりました。」
「そうか・・・。気をつけて帰るんだよ。後輩君、見つかったら可能な限り
連絡するから。」

僕はおじさんにお礼を言った。おまわりさんは昨日、寝ていないようだった。

ここにいたひとたちは、おまわりさんも、おばさんも、役所の人も、ボランティアの人も
みな一様に、目の下にうっすらとくまを作っていた。

それは皆が今まで生き延びてきた証。
きっと、後輩も同じようにくまをつくって、僕のことを心配しているだろう。
母も、父も、皆疲れきったカオで待っていてくれているだろう。
皆生き延びてる。絶対。

僕はおまわりさんにさようならを言った。
後ろを振り返って、鞄をもういちど背負いなおし、すっかり汚れた靴のひもを結びなおした。

そして、僕は出発した。

避難所の外に出てすぐに、斜めになったカーブミラーを見たとき、僕は気付いた。
僕にも、生き延びてきた証が、目の下ににじみ出ていることに。

あ、漏れてましたね。スマソ。
川崎多摩区さんのdat保管庫から引っ張ってきましたので、完全版になったはずです。
http://yachi.dip.jp/test/read.cgi/2ch_eq/1127919933/

というか、実は
2ch臨時地震板：全スレ保管所
http://yachi.dip.jp/2ch_eq/
を外部板として登録しておくだけで、2004年11月以降の過去ログはdat番号さえ分かればほぼ全て読めます。

あげ

ただageるんじゃつまらんから小料理ネタ


カンパンの缶詰の蓋は、魚肉ソーセージ位なら切れる
簡単に捨てるな〜

こんばんは。
ちょっと忙しくしていたら、、、なくなっていて、、欝になってました。
が、続きがあるので、もうしばらく、こちらでお世話になります。
よろしくお願いいいたします。m(__)m

すーさんが「ちーちゃんはタバコは？」と話しかけてる。忘れてた！ちーちゃんも吸うんだ。「そうそう！行っておいでよ！少し歩くだけで気分が違うよ」
「足が痛いでしょ？」と私と、かおりでせったてる。
「じゃ、行ってくるかな、すぐ戻る」「いいって大丈夫！けーちゃんいるし、心配しないでごゆっくりね」背中に声をかける。ちーちゃんは指でOKマークうを作ると、
校庭の雑踏にまぎれてしまった。
「で、なんかさ新しい情報とかあった？」私はかおりとけーちゃんをかわるがわる見ながら話しかけた。「このグランドだけで５人の知り合いに会ったよ〜ねぇ〜けーちゃん？」と、
けーちゃんの顔を覗き込みながらかおりが言い、続ける「全員お客様だったんだけどね、３人は主婦なのよ、でさ、すーさんや黒猫じゃないけど
やっぱり旦那さんが、いまだに戻ってこないってすっごく心配していたよ。池袋勤務の旦那さんと、東京勤務の旦那さんと、大井町勤務の旦那さんだってさ、
ねえ、すーさんの旦那さんってどこ勤務だっけ？黒猫んとこのだーちゃんは新宿だよね？」すーさんが声のトーンを落として答える「茅場町」「ありゃ〜〜一番遠いかな？」と
かおりがことさら明るさを装い言う。「遠いしね、心配なのはさ、下町じゃない？こっちと違って、液状化とかさ、そういう心配があるんじゃないかって、、
だから、なんとなく嫌な感じがするんだよね」
とやっぱり小声でつぶやくようにすーさんは言う。私も、脳ミソフル回転して、「みのもんたのSOS」のこと、２ちゃんの情報を思い出す！
って、私、、、トホホ。もっといいソースはないのか？情けないがしかたない。なんでもいいや、明るい情報を引き出せ！脳ミソ！「どこで聞いたのよそんな適当なことぉ〜」と、
一番適当な情報しか持っていない私の口が言ってしまう。
出たとこ勝負。「なんだかさ、地盤が弱いと液状化して建物が倒れるだとかよく言ってるけどさぁ、アレだ、アレ。
絶対になるってわけじゃないんだし、それにだよ、万一建物が傾いたりしたって、旦那さんが無事ならいいわけよ！ねぇ？無事なら、そのうち戻ってくるって！時間がかかるのはしかたないって、
一番ここから遠いんだもんね！」と、私はボキャブラリーの少なさと、
説得力なさ過ぎで少し欝になりかけたけど明るい声で言ってみた。
かおりが「黒猫ってさ、妙に地震の事知ってる割には、今の発言はあんま説得力ないなぁ〜〜まあ、私は、すーさんの旦那さんは、絶対無事だと信じてるからどうでもいいんだけどね」ぐぎゃっ！あなたは鋭い。
別に詳しいわけじゃない、ただいたずらに怖がって、
２ちゃんの地震板を半年ROMっていただけなんだ！とカミングアウトしちゃいそうになる
自分を抑えた。やっぱり言えない。「ありがとう！だね、信じてればいいんだね。こういう非常時にうろおぼえの知識とかで怖がってもしかたないもんね。
私もテレビの地震特集とかを、適当に見すぎたから、
こんなこと思ってしまうんであって、かおりの言うように純粋に信じるってこと忘れてたわ。
ありがとう！なんだか今にも、ひょっこりと、戻ってきてくれる
ような気さえしてきたよっ！」すーさんの声に張りが戻った。本当にみんなすごいよ。私はすっごいいい友達を持った幸せ者なんだろうなぁ〜とつくづくかみ締めこう言った
「じゃ、だーちゃんは無事かなぁ？」かおりがプッと噴出す。「黒猫さぁ〜〜だーちゃんから、着信アリじゃなかったっけかぁ？？エエッ？」
と凄むフリをする。
はいそうでした。忘れてました。
私も、みんなの素晴らしい意見を静聴して、だーちゃんの無事を改めてかみ締めたかっただけなんだけどな〜と心の中でつぶやき「アハハ〜すいませんでしたっ！
残念ながらだーちゃんは無事なんだよねぇ〜忘れていましたっ！」すかさずかおりに頭を小突かれる。「ば〜〜か、何が残念ながらよぉ〜不謹慎じゃ〜〜」
「ごめんなさい〜〜」
すーさんはそんな私らを見て
ニコニコしている。大人だぁ。そこにちーちゃんが戻ってきた。「悪い悪い、おまたせした」靴を脱いでブルーシートにどかっと座りながら言う。「いやはや本当に東京は壊滅的な被害を被ってるみたいだね」
と唐突に話し出す。せっかく場が和んでいたのに〜！「壊滅的って？なんか具体的にわかったの？」
とすーさんが顔を上げて聞く。

【臨時地震板の雲報告について】
現在投票中ですhttp://etc4.2ch.net/test/read.cgi/vote/1132415589/l50

【臨時地震板の雲報告について】
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>>19
黒猫さんはトリップ付けないんですか？

あげときます
みなさんの、いつも楽しみにしています
新作にも期待してます

>>28　つけた方がいいんでしょうか？よくわからなくって、、
少し続きいきます。

「まあ、どこまで本当か？わからないから、言うのはやめておくよ。デマだったら困るし」ちーちゃんが、すーさんの不安顔に向かって言った。
「そうね、いいや、聞かない。せっかく信じた矢先だし」すーさんが気丈に言った。「何々？何の話？」おいてけぼり食らった感のあるちーちゃんが聞く。

「すーさんの旦那さんの職場はここから遠いけど、絶対に無事で
ここに戻ってきてくれると、全員で信じている事を確かめ合っただけだよー」とかおり。「そっか、俺も信じてるよ。すーさんがこんな怪我したって元気でがんばっているんだもんな、
旦那さんは確実に大丈夫だよっ！」ちーちゃんが勢い込んで言う。「アハハ！ありがとう！本当に力強いわ！」と言いながら、すーさんが顔をしかめる「いっ、っーー」「大丈夫っ？」
ブランケットをシャリシャリ言わせながら、乱暴にめくる。巻きつけた白帯が血に染まっている。「ハンカチだけじゃ血を押さえられなくって、ガムテープの隙間からあふれてるんだよ！
通気性ないし、、一回取ろうで、もっとちゃんと処置してみようよ！」一番使えない私の提案だったけれど、みんながうなずいてくれた。「もっと休ませてあげればよかったね、、
話しすぎたね、すーさんも身を乗り出したり思わずしちゃうからねぇ、話してれば」かおりがいいながら、ゴミ袋を漁っている。「これ使おう」出したのはＴシャツだった。「ハンカチなんて小さすぎたんだよ、
あの出血だったんだから、、ああっばっかだねぇ〜私もっ！」とかおりが一人でブツブツ言っている。けーちゃんが首に巻いたタオルを差し出す「これも使ってよ」
「いい感じじゃない？すーさん！ガムテープ剥がすのにちょっと引っ張るけど、、痛いかもしれないけど頑張って！」「うん」と言ってすーさんはきつく目を閉じている。ちーちゃんが、器用な手つきで、
血で滑るだろうガムテープを慎重に剥がしていく。
剥がれた。その下は、ハンカチがもはや傷と同化してしまったかのように、血にまみれている。ハンカチを取り除くと、血が、ツツーーと流れた。「水で流そう！」「わかった」
けーちゃんが持ってきてくれたペットボトルの水の栓をひねり傷に流しかける。
かおりがタオルで慎重にふき取る。だけど、、、やってもやっても血が止まらない。じわじわと湧き出てくるようだ。すーさんは歯を食いしばっている。「大出血ってわけじゃないけど、、
やっぱ、最初の処置がずさんだったのかな？血がとまらないもんね。どうしよう」かおりがつぶやいている。
う〜〜〜なんかなかったっけ？？あ〜〜使えない文学部！自分の卒業学部を怨む事二度目。応急処置、、、応急処置、、、止血、、止血、、けーちゃんがふいに「止血点を押せばいいんだよ、でも、大出血じゃないから、
患部を圧迫するようにするだけで、止まってくるんじゃなかったっけ？」

ああ！！なんか聞いた事ある！それ！」と、うろ覚えだったけれど、きいたことのある言葉だったので即座に反応する私。「じゃ、綺麗にして、この血の出てるところを圧迫するようにすればいいの？」かおりが手を休めずに言う。
「まあ、しばらく止まらないだろうから、Ｔシャツを二枚にしようよ。
で、すぐに取り替えられるように、ガムテープはやめよう。剥がす時にすーさんが痛いだろうし」私が言うと、今度はちーちゃんがゴミ袋を漁って、もう一枚Ｔシャツを出す。よかったよ、手当たり次第だったけど、衣類を入れておいて、、、
心底ほっとする。「じゃ、いつまでも流していてもしかたないし、
Ｔシャツ二枚を圧迫しながら巻きつけて、筆を添えて、帯で縛ろう」ちーちゃんが言いさらに「強く巻くから本当に痛いかもしれない、、我慢ね」とすーさんの肩を軽くたたきながら続けた。私とかおりですーさんの足を軽く押さえる。
ちーちゃんが、縦半分に折ったＴシャツをまず一枚巻きつける。
「そっか、ガムテープ使わないから、Ｔシャツで、筆を押さえるしかないか、、、」と一人でつぶやきながら、まだ血はにじみ出ていない、一枚目のシャツの上に、絵筆を添える。そして、絵筆がずれないように押さえながら二枚目のＴシャツを巻きつけていく。
「黒猫っ！帯！」「はいっ！」と手渡し
ちーちゃんは、血でまだらになった白帯をうまく巻きつけていく。帯の一番端っこを、まきつけた帯の間に挟み、、「とりあえずこれで様子みるしかないな」「そうだね、まめにＴシャツをとりかえよう、、って、あと何枚入ってる？Ｔシャツ！」
と思わず声が上ずる私。かおりがまたゴミ袋を漁り
出したのは、三枚のＴシャツとパーカー一枚、ジャージの下一枚、バラバラの靴下が何足か、、「まいったなぁ、、まああるだけは使うしかないね。あとは、救援待って、本格的に処置してもらうのを待つしかないかもね」とかおりが判断する。
「そうだね、私らに出来るのはここまでかもしれない」
私もお手上げだ。もっと衣類持ってくればよかった、、、さっきほっとした気分が吹き飛んでしまった。「すーさん痛い？」かおりがすーさんを覗き込むようにして話しかける。「うん、、大丈夫。みんながここまでしてくれてるんだもん、大丈夫！
ガムテープ剥がす時は飛び上がりそうになるくらい痛かったけどね」
と顔を上げないまま小さな声で返事する。「やっぱり骨折もしてるんだよね、その上傷もひどいか、、」けーちゃんがボソリとつぶやく。「とにかくさ、明るくなればなんとかなるよ。このグランドに看護婦さんがいるかもしれない、体育館にいるかもしれない、
でも、夜が明けなきゃどうにもならない。だろ？
だから、すーさんもがんばってさ、俺らはもっとがんばろうぜっ！」ちーちゃんが男らしく言った。みんなでうなずきあう。時刻は午前５時半を回っている。もう日の出の時間じゃないの？空を仰ぐけど、星も月もないどんよりとした暗い空が広がるばかり。

保守

地震ノイローゼスレが落ちた……

保守

hosyu

保守

大田をあの場所に残し、姿が見えなくなってようやっと３人はまともに歩き始めた。
誰一人口を開くものはおらず、皆無言のまま歩き続けていた・・・と言っても４人で歩いていた時よりも格段にスピードは落ちていた。
無理もない。歩き続けて疲労もピークに達している所に精神的なダメージまで負って、安心して休む場所もないのだ。
口を開けば大田のことばかり話してしまいそうだし、その事でそれぞれが悲しい思いをすることもわかっていた。だから誰一人として口をひらかないのだ。
とりあえず最初の予定通り、新宿中央公園へ向って歩いていた。
公園なら火災も起きてないだろうし休むことが出来るのではないかと考え、それなら新宿で広い公園と言えば新宿中央公園だと言うことになったからだ。
新宿御苑のように門があるわけでもないので入場制限のようなものはもうけられていないだろうと考えてもいた。
黙々と歩き続けて４時近くになってようやっと都庁が目に見えるところまでやってきた。
遠くからでも赤く焼けた空の向こうにそのシルエットが見えていて高い建物だが倒れずにそこに存在していることはわかっていた。
むしろそのシルエットを頼りにここまできたようなものだ。
近づいてみると外壁がところどころはがれた形跡があるけれど、殆ど問題ないようだ。
しかも遠くから見ていたときは煙に霞んでいた事もあり気がつかなかったのだが内部に明かりが燈っている。
震災後初めて目にする人工的な明かりだった。但し明かりがついているのは２階部分までだった。
さすがに都庁は東京都の心臓部だけに自家発電も整っているらしい。
亮子が初めて口を開いた。
「・・・なんか明かりがあるってそれだけでホッとするね・・・。」
智子も酒巻も静かに頷いた。
普段は何気なく感じている人工的な明かりだが、この真っ暗闇の中その明るさが人がそこにいるという証というか人の命のぬくもりを感じさえした。
都庁に近づくにつれ人が集まっていることがわかる。殆どの人がスーツ姿だ、皆帰宅難民なのだろう。
危険のない場所に誘導されて何か食べている人もいる。

都庁の回りには人が溢れ、帰宅困難者向けにロビーを開放しているようで外では炊き出しが行われていた。
混乱を避けるために人員が配置されており、都庁の周りはロープが張られ、近づくととにかく並ぶように指示された。
３人とも普段ならこの列は何の列なのかといった基本的な疑問が浮かんでもおかしくない状況であったが、今は何も考えたくないとにかく安全な場所で体を休めたいという思いで一杯だった。
特にこの明かりを見てからはその気持ちが一層強くなった。
新宿駅前から2時間近く、休憩らしい休憩もとっていない。口を開くことさえ億劫だった。
列は都庁の周りを一周するように連なっていた。３人ともため息をつきながら指示通りに最後尾に黙って並んだ。
しかし列の長さとはうらはらにゆっくりとではあるが確実に進んでいる。
流石に疑問に思ったのか智子はロープを持っていた職員に尋ねようとした。
その時だった。またあの地を這うようなゴゴゴゴゴ・・・・っという地鳴りが聞こえ、反射的に身を地面に伏せた。
揺れそのものは大したことはなかった。智子は誰に言うでもなしに「震度４程度か？」と口走っていた。地鳴りの割りに揺れなかったのでホッとした。
ゆっくりと起き上がって周囲を見回したが、悲鳴こそ上がったものの、これと言った騒ぎも起きていない。被害もなさそうだ。
「いつまで地震続くのかな・・・。」
すっかり亮子は涙も出ない、と言った感じでため息混じりに智子に問いかけた。
智子もため息をつきながら
「そうだね、２〜３日は収まらないかもね・・・。」
そういうと酒巻を見た。
いつものように酒巻はラジオを取り出し今の状況を確認している。
「震度４・・・津波の心配はなし。まだまだ今後も同程度の揺れには注意・・・って。」
そういうとやはり酒巻もため息をついた。
「当分続きそうだね・・・。」
亮子は再び深くため息をついた。
列はその後、３０分かけて都庁の入り口まで４分の３というところまで来ていた。

ため息をつきながら待っているのは本当に苦痛だ。吐く息の白さがまたなんだか悲しい。
でもおしゃべりする元気はもう残されていない。今は気力だけで立っている状態だ。
しかも新宿駅の時とは違ってゆっくりとだが少しずつ列が動いているので立ち止まれない。
列が乱れないように監視している職員も「立ち止まらないで下さい。押さないで下さい。ゆっくりと進んで下さい。」と拡声器を使って叫んでいる。
ダラダラと歩きながら１時間もすると都庁の横へ出てきた。新宿中央公園も見えている。先ほどまで真っ暗だった空もほの明るくなってきた。
酒巻が時計を見ながら
「東京の今日の日のでは６時１７分だって。津波の心配はないけど波の動きや変化に注意しろってラジオで言ってたよ。
あと３０分もすれば日の出だな。」
やっと長かった夜が明けるのだ。酒巻が智子に小さく笑いかける。智子は夜があけるという事実それだけで少しだけ元気が沸いてくるような気がした。
智子も亮子も酒巻に微笑みかける。
都庁の前まで来る頃には静かに夜が明けていた。明るくなって見えていなかったものが見えるようになった。
それは想像を絶する街の状況だった。都庁にかかる橋は皆落ちてしまっている。歩道橋などは瓦礫にもならずそのまま倒れたようで道に横たわっている。
道路の車は端によせられたもの以外は皆ありえない方向を向き、こげてまだ煙が燻っているものもある。
太陽が眩しく感じるはずだ。太陽光を遮るはずのビルは皆殆ど倒壊してしまっているのだから。
智子は呆然と太陽を見つめていた。こんな状況でよく生きてこれたな・・・。
一人ではここまでこれなかったかもしれない・・・そう思って酒巻を見た。
酒巻は何を思っているのか太陽の光を顔に浴びるようにして瞳を閉じている。
でもそう思うのと同時に大田のことが思い出され、涙が頬を伝って落ちた。
亮子も同じようなことを思っているのだろう。しきりに鼻をすすりながら
「・・・太陽って暖かいね・・・。」
そうつぶやいていた。

程無くして列はゆっくりと進んで、都庁のロビーの中へと入って行った。
智子は周りを見渡しながら都庁で並ぶなんて展望台に行く以来だ・・・と、俊彦のことを思い出していたが、そのことを口にするのは躊躇われた。
もう限界だった。安全な場所を見てしまったせいかもしれない。緊張の糸は今にも切れてしまいそうだった。
しゃべるだけで疲労で倒れそうだ。ロビーにはずらりと段ボールとブルーシートがしかれ、帰宅困難者と思われる人が思い思いの格好で横たわっていた。
列は階段を登り３階まで行くようだった。流石に階段付近までくると列は停まっては暫くしてから動き出すといった感じになっていた。
階段の段差はありがたい。立っていないで座っていられる。座っている間に３人は飲み物を少しだけ飲んだ。
少し落ち着いたせいか亮子が口を開いた。
「ところでこの列って何？何で並ばされてるのかな？」
智子は余震でそれどころじゃなくなってしまったのだが、酒巻は余震が起きた直後に側にいた職員に尋ねてあった。
「安否確認をここでするんだって。会社名とか所属とか住所とかをここで記録として残しておくみたいだよ。」
亮子は首をかしげた。
「何でそんなことする必要があるのかな？」
智子は寂しそうな顔をしながら
「ここまでは無事でしたよ・・・って事かな？」
と亮子に言った。亮子は無言のまま納得したのか頷いている。
３０分位して３階に上がってきた。ここも元々は都民に開放されている場所だ。
ここも人で溢れかえっていたが整然としている。
階段を上がってすぐの所に「新宿区民」「新宿区以外にお住まいの都民」「その他」と大きく書かれた看板が置かれている。
指示に従って３人とも「新宿区以外にお住まいの都民」のほうへ進み、最後尾へならんだ。
程無くして順番が来て酒巻が先に呼ばれ、そのあと別々の職員の下で確認作業に入った。

智子は疲れた顔つきの職員の前に通された。事務的にかつスピーディーに事が進む。
「通勤・通学もしくは社用ですか私用ですか。またどこから新宿へ来ましたか」
「社用でＳ区から水道橋に行きました。」
シャカシャカと小気味良い鉛筆の音をさせながら職員は手際よく書類を取り出した。
どうやら社用と私用では確認した書類を分けてあるようだ。
社用と書かれた書類束をめくりながら「Ｓ区」の分類を取り出している。
「会社名をお願いします。」
「株式会社　Ｓファクトリーです。」
職員は何か頷いている、同じ会社の方がいるのかもしれない。
教えてくれはしないだろう。この個人情報保護法が施行された昨今だ。
しかも不確定な情報を民間人レベルで流していいはずもない。案の定、
「私のほかにどなたかいらっしゃるのですか？」と聞いてみたが職員は
「お教えすることは出来ないのですよ。」ときっぱりと言い切った。
智子はそうだよね・・・と半ば予想はしていたもののちょっとがっかりした。
職員はそんな事はどうでもいいからと言わんばかりに今職員が記入していた書類を智子に突き出すと
「ここにお名前・住所・連絡先をご記入ください。」
書きながら自分の上の行に書かれた人の名前を見ることが出来ることに気がついた。
教えることは出来ないが見ることは出来る、暗黙の了解なのだろう。
Ｓファクトリーは5人ほど名前があった。４人は知らない人だったが一人は俊彦の友人だった。
良かった・・・自分だけではないらしい。
しかも横には時間も記載されていたので結構早い時間に被災したようだったのでもしかしたらもう家に着いて家族と再開しているかもしれない・・・そう思うと羨ましくて仕方がなかった。
しかし人をうらやんでいても仕方ないし、実際大田のことを思うとここまでたどり着けたことそれさえも奇跡的かもしれない。
すぐに思いなおして黙々と必要事項を記載した。
智子はそれまで自分の傷の状態をあまり深く考えていなかった。知れば痛みが増すから見ないようにもしていた。
記入しながら血がにじんで来て用紙にポタリとたれた。職員がすぐに拭き取ってくれたが記入を終えるとすぐに２階へ行くように言われた。
智子は２階へ降りる階段の手前の邪魔にならなそうなところで酒巻と亮子が来るのを待っていた。

智子のすぐ後に酒巻も記入が終わったらしく、智子の姿を見つけると笑顔で近づいてきた。
「僕の会社の同僚達もなんとか生き延びているようで、結構知り合いの名前を見つけた。」
と嬉しそうに話していた。智子も相槌を打ちながら「私も主人の友人がね。」話し込んでいた。
その間亮子は職員の指示に従って名前と住所と連絡先を書き記しているところだった。書きながら亮子は言うか言わないか迷いながら口を開いた。
「途中で友人が亡くなったのですが・・・。」
そう言うと自分の記入は終わったので職員の顔を見た。
「お亡くなりになったのを確認されたのですか？」
職員はちょっと煩わしそうに亮子を見上げた。亮子は小さく頷く。
「・・・何かその方の遺品はありますか？」
そう言われて亮子は酒巻の姿を探した。大田の身分証明などは全て酒巻が持っている。
「ちょっと待っててください。」
亮子は智子と酒巻の姿を見つけると走っていって、酒巻からカバンを受け取るとまたもといた席に戻ってきた。
亮子は大田の免許証、社員証などをを取り出すと職員に渡した。職員は亮子が記入していた書類とは別の書類を取り出した。
そしてそこに免許証から何か書き写している。亮子のＩＤカードと大田のＩＤカードを並べて見比べて確認もしていた。
「亡くなられた時間と場所をわかれば教えてください。」
そう言われて亮子は大田が亡くなった時間と場所、原因も詳しく説明した。
「ご遺体はそのままですね。」職員は書き物をしながら言った。
「そうです。・・・そのままです。」亮子は泣くまいとして深く息を吸い込んだ。
職員は記入を終えると亮子に「もしかしたら後ほどご連絡するかもしれません。」
と言い、亮子が頷くのを見ると職員は亮子の血の滲んだ右手を見ながら「2階で治療を行っていますので立ち寄ってくださいね。」と言った。
亮子を待っていた2人と合流すると２階へと向った。

２階はさながら野戦病院と化していた。
廊下やフロアーのいたるところに人が横たわっている。
手書きの案内板を見ながら簡易受付まで行くと、治療の為に名前と住所等の連絡先を書かされた。
その用紙は問診表も兼ねている様で、どこを怪我しているかなどを書く欄があった。
必要事項を記入するとその紙を持ったまま案内に従って奥へ行くと、やっと白衣を着た看護師が問診内容を頼りに傷の具合や箇所を確認しながら赤ペンで問診表に新たに何かを書き加えて別の看護師に渡している。
そしてトリアージ・タグと２５０ＭＬ入りのお水が渡された。３人ともタグの色は緑だった。手以外には主だった要治療箇所もないのでどうやら軽症の部類らしい。
「名前を呼ばれるまでお待ちください。」
そう言われどうやらフロアー内ならどこにいても平気なようだ。順番的にはかなり先になりそうだ。
治療が終わった人は１階に降りるよう指示を受けるらしい。しかし人数は減るどころか増えているような気さえした。
しかし落ち着いて座っていられる場所があるということは精神的なおちついが全然違っていた。
館内はそこまで冷え切っているわけではなく、居住性はかなり良かった。
３人は「朝ごはんがまだだったね。」と笑いながらまたカバンから亮子はおつまみチーズを取り出し、
智子はカロリーメイトを取り出し３人で分けて食べた。
お腹が空いているはずなのに、何も食べる気が起こらない。それでも食べなければこれからの帰宅道中で倒れてしまうかもしれない。
仕方無しに時間をかけゆっくりと味わうように少しずつ胃に収めていった。
そのせいか量は大して食べていないのに結構お腹にたまる感じはした。
食べ終わるとすることもないので周囲を見回してみた。
トリアージ・タグは殆どの人が緑色をつけているものの、中にはフロアーの片隅に運ばれてきたのか横たわったまま動かない人もいて、
その人の胸の上には黒いタグが乗せられていた。そういった人が増え始めると職員がどこかへと運んでいった。
智子は思わず目を背け、なるべくフロアーの端は見ないようにした。
ここまでやっとの思いでやってきてもなくなってしまう方もいるんだ・・・。
そう思うと胸が潰れる思いだった。
時刻はまもなく９時を迎えようとしていた。

一人で頑張るさんのお話、
ただで読ませてもらうの申し訳ない気がしてきた…

>>44
そういう時は支援しとけ

>>41
つ�@�@�@�@

>44
そう言っていただけるだけで嬉しいです！サンクスです。

>45
支援ありがとうございます！�@×４、嬉しいです。

寒さの中で我慢して眠るのと違い、ここは風が入ってこない上に暖房こそ入っていないものの人が沢山いるお陰でバーゲン会場のように熱気に包まれていてフロアーは暖かかった。
そうなるとお腹も一杯になったことだし当然眠気が襲ってくる。亮子はすでに欠伸をかみ殺すのも無理といわんばかりに何度も欠伸をしている。
智子は今の亮子程眠いわけではないし、酒巻のように人の分までカバンを持ったりしていないので彼に比べると疲労度は低い。
屋外でない分ここは安全ではあるが個室のように完全なる安全が確保されているわけではない。
そこが不安だったので智子は起きていて、先に酒巻と亮子を眠らせることにした。
フロアーの片隅に山と積み上げられた毛布の山から自分の分を確保してくると二人とも今回は遠慮無しに、目をつぶるとすぐに寝てしまった。
とりあえず寝るのはまた１時間ごとと決め、名前が呼ばれたら起こすということになっていたが、それまではすることもない。
智子は二人の寝顔を見ながら昨日から今日までそしてこれからの一日のことを考えていた。
昨日は同じ時間帯は地震の予感に恐怖したがそれはまだ現実ではなかったためどこか他人事のようで、
そして不謹慎ながら地震の規模によりどれだけの被害が出るか想像出来ていなかった分イベントを待つようなそんな気分でもあった。
智子はため息をつきながら、昨日のいつもと変わらない朝の時間がとてもいとおしく幸せなものだったんだなと辛さをかみ締めた。
今日はこれからどうなるのだろう・・・とりあえず治療を終えたら出発なのか？それとも周囲の安全が確保されるまでここに留まった方がいいのか？
考えることは一杯あったが一人では何一つ決められそうになかった。
そして考えれば考えるほど悪い方向へ悪い方向へと考えそうなので、これからのことは考えることはやめにした。
何気なく携帯電話を取り出して見ると、ここも辛うじて１本だけ電波が通じている。
智子はまた災害ダイヤルに電話してみた。同じメッセージでもいいから俊彦の声が聞きたかった。
伝言再生を押してみると昨晩聞いたメッセージとは異なり、「ニャ〜」というジジの鳴き声の後に俊彦のメッセージが続いた。
「メッセージ聞きました。無事で本当に・・・本当に良かった。無理はしないでゆっくりでいいから気をつけて帰ってこいよ。」と入っていた。
俊彦が気を利かせてジジの声も入れてくれたんだ・・・二人？の声が聞けて本当に嬉しかった。目の端に思わず涙が浮かんだ。
今はこの伝言ダイヤルだけが二人をつなぐ糸だ。智子も
「今都庁にいて疲れたので一眠りして落ち着いたらまた出発します。」とだけ入れた。
怪我をしていて治療待ちだということや一緒にここまで頑張ってきた人が亡くなったことなどを言えば俊彦に余計な心配をかけるだけだと思ったからだ。
でも・・・俊彦の声を聞いただけでまだまだ頑張れそうな気がしてきた。しかも愛猫ジジまで励ましているかのようだった。
今頃はジジは俊彦と朝食を食べてるころかな？ジジのご飯は猫缶だから大丈夫だけど、俊彦は忘れずにお水もあげたかな？
俊彦はちゃんとご飯を食べたかな？買ってあったアルファ米、何味を食べたのかな・・・美味しかったのかな？と考えて一人で笑ってしまった。
こんな状態なのに人の心配も出来てる。そしてまだ笑うことも出来る。
案外人間って強いものだな・・・と智子は力強く思った。

一人で頑張るさん、、本当に凄い。面白すぎる。
続き楽しみにしています。

なんだか疲れてシートの上で体育座りして膝に顔をうずめていたら、なんとなく校庭のほうのざわめきが大きくなってきている。
顔を上げるのがだるかったし、みんなも眠らないまでもおとなしく休んでいるようだし、、うるさいなぁなんて考えていた。だけどなんんだか視線を感じてゆっくりと顔を上げた。
「？？」「おはよう！」みんなが一斉に顔を上げた！ブルーシートの端にだーちゃんが立っている！「だーちゃん！！！いつ？？いつ？もどったのよおおっ！」私が思わず大声を上げてしまう。
だーちゃんが「今さっきだよ」といつものそっけないクールな態度をこの非常事態でも一切変えることなく返事する。
「それよりみんな大丈夫？黒猫がみんなにさぞかし迷惑かけたでしょう、すみません」って、、、ヲイヲイ！何にも知らないくせに〜〜いきなり私のことでの謝罪から入るかよっ！
「いやあ、だーちゃんこそ疲れたでしょ？俺らは大丈夫ですよ〜案外元気！すーさんがね、ちょっと怪我しちゃったけど、、命に別状は無いと思うんですよね〜」
ちーちゃんが大人の会話している。「これ、よかったらみんなで使いましょう」とだーちゃんが大きなシャリシャリ袋を差し出す。シートの真ん中に置いて漁ると、
「すっごいよ！だーちゃん！すごい！」かおりが言うが早いかソレを取り出し取り付けている。「さっすが〜〜やりますねぇ、だーちゃん、だーちゃんの会社の悪徳ぶりがこんなところで
役に立つなんてね」と皮肉たっぷりで言ってやる私。シャリシャリの中身は、携帯の充電器、電池を入れればＯＫなやつが沢山。これは、一儲けできるなってくらい。
だーちゃんの会社が何をやっているのかは詳しく誰にも話していないけれど、これを見れば誰かが気がつくかな？まあいいや。「いやああ助かるなぁ」「これで圏外が解ければなぁ」
「伝言の再生しちゃおっ！」口々に言いながら、それぞれが嬉しそうな顔して携帯をいじっている。「で、なんでこんなに遅かったのよ〜！だいたいさ、一番近いんだよ？だーちゃんの会社が！まったくもおおお！
一回着信くれたからよかったようなもののさぁ〜〜あれから何時間たってると思ってるのおお？すっごい大変だったんだからね！」とだーちゃんにむかって
キャンキャンと喚く私。「まあまあ、黒猫、とりあえずだーちゃんにも座ってもらってさ、水でも飲んでもらおうよ」ちーちゃんってばぁ〜甘い！「じゃあ遠慮なく」と言って、だーちゃんが靴を脱いでシートの上に乗ってきた。
胡坐を組んで、受け取ったペットボトルの水をゆっくりと飲む。
「もっと早く来たかったんだけどさ、ビルが崩壊したりはしなかったんだけど、オフィスの中はめちゃめちゃで、でも、あんな商売だから、やばい物がいっぱいなわけよ。それを社長命令で隠してたんだ。エレベータも動かないからビルの１０Ｆから地下まで何往復もしてさ。
若い奴らはいいけれど俺には堪えたよ。
だけど、トップシークレットに値する物は、上のものが運ぶしかなくって、、、休むまもなくだよ。だけどさ、金に物を言わせたんだろうけど、昨夜なんか夕飯が出たんだぜ？びっくりだろ？暖める事は出来なかったけど、ちゃんとした弁当。で、俺は、最初から、
デスクの机の中に、これは絶対に必要になると読んで
携帯の充電器をかたっぱしから突っ込んでおいたのを持ち出して、一人２本づつ配られたペットボトルのお茶をもらってようやく解散になったんだよ。夜の１０時頃かな」だーちゃんが一気にしゃべる。

保守

がんばれ

徹底的に保守

>一人で頑張るさん

毎回、更新されているか楽しみにしています。
すごく構成が上手ですが、普段何をされている方なのでしょうか？
とっても気になります。

保守です

うんこ　まんこ　ちんこ　うんこ　まんこ　ちんこ　うんこ　まんこ　ちんこ　うんこ　まんこ　ちんこ　うんこ　まんこ　ちんこ　うんこ　まんこ　ちんこ　うんこ　まんこ　ちんこ　うんこ　まんこ　ちんこ

２１

ザ・ほしゅ

一人で頑張るさん、黒猫さん、いつもハラハラしながら読ませていただいてます！
頑張ってください(*^∇^*)
保守

応援してくださってありがとうございます。とても励みになります。

>52
フフフ・・・秘密です・・・っていうほど大した仕事もしてませんよｗ

>57
保守乙です！

ぼそぼそという話し声に気がつくと酒巻と亮子はもう起きていた。逆に自分がボーっとしている間に眠ってしまったようだ。
「ごめんなさい・・・眠ってしまったみたい・・・。」
と智子は頭を軽くかきながら二人に謝った。そういうものの、眠くてたまらない。
「仕方ないよ〜。この状況で寝ないほうが無理だよ・・・。やっぱり室内はいいね〜。
昨日の晩みたいに外で眠るのは結構眠りが浅いみたいだよね。グッスリねちゃったよ〜。
今度は智子さんの番だよ。」
そういうと智子に寝るように促している。酒巻も
「まだ呼ばれないみたいだから寝てても大丈夫そうだよ。」
そう聞いて智子は遠慮することももう出来ないくらい眠かったのでそのまま頷くと毛布に包まって眠ってしまった。
酒巻はあたりをぐるりと見回した。確かに部屋の端にいる人は怪我が重症そうな人がいるが、よくみると殆どは軽症の人ばかりだった。
「案外怪我人少ないね〜。」
亮子は体育座りに体勢を変えると毛布をマントのように羽織った。
「まぁ都庁の中に緊急医療チームがいること自体来て見て初めて知ったわけだから・・・。
多分他の怪我人や病人たちは東京医大にいったんだろう。すぐ近くだし。」
亮子は「あ・・・そうだね〜。」と頷きながらやはり周りを見回している。
白衣を着ている人がハンドマイクで名前を呼んでいる。
「あ！あたしだ！」
亮子は酒巻に「お先に行ってきます。」というと小走りに名前を呼ばれた方へと向かって行った。
白衣の人が亮子を見て名前を確認すると白いカーテンで簡易的に仕切られた個室へと通された。
こじんまりとした感じはまるで昔の保健室のようだった。
先生が来るまで座っているようにというと白衣を着た人は部屋から出て行った。
亮子はあたりを見回した。
机を並べて白い布をかけただけのベッドと思わしきもの。
消毒薬が入っていると思われる液体が入った、机にじかに置かれた洗面器。
小さな簡易机と椅子。
何もかもが急場しのぎに用意されたものばかりだった。

亮子は隣との境になっているカーテンの向こう側を何気なく見ていた。
多分今まさに処置をしているのだろう。カチャカチャという医療器具の音とギリギリという音が聞こえる。
何の音かと座っていた椅子から乗り出そうとした時、部屋に先生と看護婦さんが入ってきた。
亮子はちょっと慌てたが冷静を装った。先生はそんな亮子には大して興味がないといった感じに何か書類を見ている。
「う〜ん、手を怪我してるって？」
「はい。」
どうやら先生がみているのは先ほど記入した問診表のようだった。先生はまた何か書き込んでいる。
そして「傷、見せて」といいながら亮子の手を取った。
亮子は見ると痛みが増すような気がしてあまり見ないようにしていたのだが、そのとき初めて自分の怪我の状態をはっきりみた。
両手は全体が真っ黒でどこが怪我なのか良くわからない。でもまだ血が止まらずに滲んでいる箇所があり、そういったところはぱっくりと白く傷口が見える。
先生は「まず、消毒して、終わったら声かけて。隣にいるから。」そう言うと先生は部屋から出て行った。
看護婦さんは「ちょっとお待ち下さい」というと部屋から出て行って、暫くすると先ほど亮子の名前を呼んだ白衣を着た人と一緒にエタノールのボトルを1本と洗面器を手にもって戻ってきた。
「傷口が見えないと処置できないし、汚れたままだと化膿しちゃうからね。」そういいながら看護婦さんは真新しいエタノールのキャップを開けると亮子に手を出すように促した。
「相当しみると思うけど我慢して。」
そういうと亮子の前に机を持って来てその上に洗面器を置いた。
亮子は言われるままに洗面器に軽く両手のひらを上にして看護婦さんに差し出した。
白衣を着た人は亮子の両方の手首を後ろからかなりの力で押さえている。
なんでこんな風にされているのかが怖くなりながらも亮子は恐る恐る差し出した両手の指をゆっくりと開いた。
少しずつたらされたエタノールは亮子の手のひらへと零れ落ちた。
その瞬間目の前に火花が散るほどの痛みが手から電気のように体中に駆け巡った。腕を引っ込めようとするが白衣を着た人ががっちりと押さえているのでそれもままならない。
「あぁっぁ・・・。！！！」
亮子は声にならない声を上げた。看護婦さんは亮子の様子を見ながらエタノールをかけつつ軽く脱脂綿でこすった。
「ウグググ・・・。」
あまりの痛みに目を開けていられない。顔を背けながら声が漏れないように必死に奥歯をかみ締めた。
そっか・・・あの白衣を着た男性はこのためにいたんだ・・・と意識が薄れそうになる中で思っていた。
看護婦さんは「相当痛いね・・・小さな切り傷が沢山あるから・・・。」と言いながらもゴシゴシと汚れを落とし続けた。

両手が痛いだけで体中が痛い気がする。足先のほうまで痛みが電気になって駆け巡っている。
「はい〜〜〜我慢してね〜〜〜〜もうすぐで終わりだからね〜〜〜。」と看護婦さんは励ましながらも作業を続けてる。
白衣を着た男性は無言のまま亮子を押さえ続けている。
沁みるのに慣れてきたらしい。少しだけ目を開けられるようになった。恐る恐る見ると殆どの汚れは落ちていた。
しかし無数の小さな傷から出血が起こっていた。
手のひらの下から洗面器にたまったどす黒い液体が見える。看護婦さんは亮子の手を念入りにエタノールを浸した脱脂綿で拭くと洗面器の中身を側にあったバケツの中へと注ぎいれ、また亮子の手の下に洗面器を置いた。
肩で息をする亮子に看護婦さんは「ガラスが結構刺さっているからそれを抜くね。また痛いけど我慢してね。」と言った。
おそらく本来なら麻酔を使う処置だろうに、軽症の患者には使えないんだろうな・・・と漠然と思った。
看護婦さんは慎重にグローブをはめた右手の人差し指で亮子の指を1本1本撫でている。指先に硬いものを感じるのか、時々指を止めてはピンセットで何かを抜いている。
細かい破片を抜き取られる作業はそこまで痛くなかった。
指の破片をあらかた取り終わると手のひらの大きな破片を抜き取る処置になった。
右手の小指の下辺りに刺さった破片は見えている部分が少なくて、でもかなり中側に入り込んでいるようで、少しだけメスで切開して取り出された。
その間中、亮子はもだえ苦しんだ。叫びだしそうになるのでまた目をつぶり奥歯をかみ締めた。処置が終わるたびに汗だくで息も切れ切れになる。
そして隣から聞こえてきた「ギリギリ」という謎の音が歯軋りの音だったということに嫌でも気づかされた。
大きな破片が抜かれるたびに洗面器にカツンという音が聞こえる。
もう亮子は意識があるんだか無いんだかわからない状態だった。
朦朧とする中看護婦さんが「ちょっと右手を握ってみて？違和感のある所ある？」と聞かれ、恐る恐る右手を右って見ると先ほどまで手を使うたびにあった鋭い痛みが消えている。
「うん・・・大丈夫みたいです。」
「じゃぁ今度は左手」
そう言われ左手を握ると鋭い痛みが走った。思わず「痛ッ！」と口走っていた。
「まだ刺さってる所があるんだね・・・どのへんかな？」
亮子は恐る恐る自分の左手を小指から順番に曲げていくと痛みの走るのは中指の付け根から２〜３センチの所だとわかった。
表面に見えていないのでまた切開・・・そして最後の破片が抜かれた。亮子がフーとため息をつくと今まで以上に力強く白衣の男性が亮子の手を押さえつけた。
看護婦さんが手にしているのはオキシドールだった。亮子は小学生の頃転んで膝小僧をすりむいた時にあれを保健室で塗られて死ぬほど沁みたな・・・と思い出していた。
案の定、エタノールのそれ以上に沁みておもわず「グアァッ」と叫んだ。
「・・・終わりましたよ、よく頑張ったね。今先生を呼んでくるからね」
亮子は朦朧とした意識の中で目を開けて洗面器を見ると血まみれのガラスや鉄の破片が入っていた。

亮子は朦朧としていて、先生のされるがままになっていた。
先生は亮子の手のひらを確認して破片の抜き残しが無いかを入念にチェックしている。
そのため傷口が広げられて痛い。
「手のひらはいいでしょう。」そういうと看護婦さんは亮子の手のひらに薬と化膿止めのシートを張り、包帯を巻いた。
先生は頭を打ったほうが気になっていたようだが、ここでは頭の中の精密な検査が出来ない。
そのため目を見たり、舌を見たりした他は問診で吐き気が無いか、頭は痛くないか、眩暈はしないか、体のどこかが痺れるようなことは無いかを聞き、
全部の答えがＮＯだったので問題ないでしょうと言うことになり、頭の傷を手当てする為に顔も拭いてもらい、手当てをしてもらって処置は終わった。
一応落ち着いたら専門医の診断を受けるようにとも付け加えられた。
お礼を言ってよろよろしながら部屋を後にして元いた場所に戻ると、智子はもう起きていてしかももう処置が済んでいるようだ。
智子も顔が綺麗になっている。額に絆創膏をつけていたり手に包帯を巻かれているが亮子よりは軽症そうだ。
「亮子さん大丈夫？叫び声がここまで聞こえてたよ。」
智子はそういいながら亮子を心配そうに見上げてる。
亮子は脱力するようにその場に座り込み、
「もう痛かったよ〜〜〜。逆に処置されて死ぬかと思った・・・。智子さんは大丈夫だった？」
亮子はなんとなく手をさすりながら智子に尋ねた。
「私も一番大きな破片を抜く時は痛かったよ・・・。しかも気を失ったみたいで・・・。
その間に全ての処置が終わってた。」
笑いながら智子は右手の包帯を見せた。
「え〜。いいなぁ。私もいっそ気を失っちゃえば楽だったかもしれないのにな・・・。」
そういいながらカバンから水を取り出すと飲みながらあたりを見回している。
「酒巻さんはまだ？」
智子は頷きながら
「うん。亮子さんが呼ばれてその後すぐに酒巻さんも行ったんだけどまだ帰ってきてないよ・・・。」
二人して処置が行われている白いカーテンの方を見つめた。

ほしゅ

一人で頑張るさん
黒猫さん
地震厨房さん
頑張って~ヽ('ー`)ノ~

続きが気になる〜
保守です
みなさん頑張って下さい応援しています

痛そう…
リアルで怖い
そうだよね。麻酔は貴重品になっちゃうんだよね。

もうダメだぁ〜！呼んでたら手に違和感してきた
手が気持ち悪いよぉ〜！

本当すごいリアルです！文章なのに映像見て気なるとか通り越して、自分が治療されてるみたいだった


本だしたら、かなり売れそう

軍手買ってくるぽ

>63、>64　保守乙です〜　
>65　多分、緊急性が高く尚且つ「助かる見込みが確実にある人」優先になりそうな悪寒
>66　自分でも手が痛くなりつつｗ
>67　軍手は絶対避難袋に入れておく。しかも宅配便のお兄さんがしてそうなゴムの部分のあるやつが良さそうです。

その頃酒巻は脂汗を垂らしながら手の痛みと格闘していた。
亮子と同じくらいに処置室に通されて、どうやら亮子は無事終わったようだが自分はまだまだかかりそうだった。
傷が多い上に無理して瓦礫を撤去したりしたせいで手に刺さった破片が肉まで到達していたせいだ。
その破片は目で見て見えない位置にある。酒巻の破片は大半がそんな感じだった。
先生が慎重にメスを入れ、破片を取り出す。無意識のうちにもがく酒巻を押さえる為に数人がかりで処置を受けていた。
口には舌を噛まないように棒まで入れられている。
酒巻も気絶することなく意識が遠のきそうになりながらも自分の状況を確認していた。
洗面器には沢山の破片と溜まったどす黒い血が霞んで見える。
先生も看護婦さんも酒巻を必死で励ましている。その度に愛想笑をしてきた酒巻だったが、今は目を開けていることだけで精一杯だった。
肉に刺さった大きな破片が抜かれた時には思わず「ウアッ」っと叫び声をあげてしまったほどだ。
その箇所は無事に縫合も行われた。しかし傷はまだまだある。奥歯をかみ締め続け、顎が痛いくらいだった。
後どのくらいで終わるのだろう・・・神に祈る気持ちだった。
智子も亮子も視線を移した先から叫び声が聞こえ、思わず手をさすった。
「あの声・・・酒巻さんだよね。」
「うん・・・酒巻さんだったね・・・。」
酒巻の手の傷は自分達の中で一番酷そうだと思っていたので時間がかかるのも仕方ないとわかっていた。
酒巻が戻ってくるまでは眠らずに待っていようと話し合っていたが、まだまだかかりそうだ。
二人は一生懸命眠気を覚まそうとおしゃべりしたりしていた。
座って毛布に包まっていると眠気が襲ってくるので必要もないのにトイレにも何度も立った。
しかし動き回れば疲れるだけだと、結局座って毛布に包まってする事も無いので「しりとり」をしていたが、
智子が「む」のつく言葉を考えているうちに亮子がうっつらうっつらし始め、それを見ていた智子も治療の疲れからか眠ってしまった。

ほしゅ

ほっしゅ♪

＞1
エロスが足りねぇ

ほ

保守

保守

黒猫さん、一人で頑張るさん。更新頼みます！！期待してます。

↑
ってsageてるしorz

そして、次回……感動の最終回！！

ハリポタ　炎のゴブレッド感動の公開中！！

>80さん
つづき読みたい

お久しぶりです。少し続きます。

「何人かで一緒に会社を出たんだよね、で、愕然だよ。新宿は壊滅してるんだもん。まじでびびった。
道路はもう落ちてきたんだろうな、看板とか瓦礫で一杯。普通には歩けない状態なのに人が多いわけよ、めちゃくちゃだよ。最初は驚いたけど、何人の死体見たかなぁ？
道端においてあるんだよ、お前見てない？」「えっ？ああ、ワタシはそこまでひどいのは
見てないや、、、」小声になるワタシ。続けるだーちゃん「俺だって帰りたいじゃん、必死だよ。人波かきわけ、進んでいくのはいいんだけど、まず関門だよ、
大ガードが崩壊して青梅街道を直進できないんだぜ、電車が脱線転覆しててさぁ、、いやああれはひどかった。」「脱線？転覆？誰か死んでた？」
ママの事が気になるワタシは焦って聞く。
「わからないな、でも、相当死んでるでしょ？レスキューも何もきていないんだってさ、俺が見た時点でね、自力で電車から脱出できた人だけが生き残ったんじゃないのかな？
いまだに、出れずに生死の境、、なんて人もいっぱいなんじゃないかな？」
「なんにもしてあげなかったのっ？？生存者探しとか、なんでしてあげなかったのよっ！」と、正義を振りかざすポーズを一応する根性の曲がったワタシ。
「できるかよ、、、」うつむきながらだーちゃんが言った。固唾を飲んで私もみんなも次の言葉を待つ。「見ろよ」と言ってだーちゃんは胡坐を解き右足を輪の中に投げ出した。
「やだっ、、何？」かおりが小さく叫ぶ。「怪我？じゃないか、、、」とすーさん。その右足のスラックスの裾、黒い靴下にはなんともいえない嫌な光沢を放つものがたくさん付着している。
血だ。血がべっとりとついたものが乾いたんだ。

「俺だって助けたかったよ。でもな、俺だって帰るために必死に歩いてるわけ、なのに目の前にいきなり死体があるんだよ、置いてあるわけ。
そりゃびっくりするし怖くなる。唖然として見下ろしていたんだよ、どうしていいかわからなくって、そしたら
その死体だと思った血まみれの手が、ヌッと動いて俺の足首掴んだんだ。一瞬ぎゅっと掴まれたけどすぐに力なく手ははずれた。
本当に死んでしまったんだろうな。若い女だよ。なんかできるか？その状態で？死んでしまっているんだよ。
死体安置所でも探して運んであげるのが道理なのか？そんな事言ってたら、ごろごろころがる死体をみんな運んであげなきゃならないだろ？
ひとりじゃできないことってのもあるんだよ。きっと今日はちゃんと収容してもらえるでしょ」
「そんなにひどいのか」ちーちゃんが小声で言う。「だからさ、死体じゃないのよ。生き埋めの人とかそういう人を助けなったの？って言ってるの」
半ば無駄だと思いながら私は言った。「だからさ、きりがないんだよ！助けなきゃいけない人ばかりでさ
誰を優先するわけ？そんなことは俺には決められないでしょ？」だーちゃんに毅然と言い返された。けーちゃんが「そうだよ、無理だと思う。
俺だって会社の人何人かで二人病院に連れて行くのに大変な時間がかかった上に死なせてしまった、こう言っちゃなんだけど、行きずりで
その上自分ひとりじゃ、正直たいした力になれないって思ってしまうだろうな」「そんなあ」とかおりが憮然としながら言い返した
「私とちーちゃんは黒猫の事助けたよっ！見て見ぬふりなんかしなかったよっ！頑張って助け出したよ！」
ちーちゃんが「黒猫の救出とは一緒にできないだろうよ、かおり」となだめる。気がつくとすーさんがちいさくすすり泣いている。

更新乙です〜
続きも楽しみにしています
寒くなりました、風邪引かないように
頑張って下さい

ほ

しゅ

おい黒猫、つまんなすぎ！

ごめんなさいっ！

私は黒猫さん応援していますよ！
これからも頑張ってくださいね。期待しています。

黒猫さん
最初は読みにくいな〜と思っていましたが（改行ペースが）
長文なので仕方ないと思います
楽しみにしていますよ！！
気にしないで頑張って下さい

黒猫さんのお話好きですよ〜。
続き期待してます。

智子は誰かに肩を揺さぶられて起きた。また起きているつもりだったのに寝てしまったらしい。
目を開こうとするがおそらくコンタクトレンズがガビガビになっているのだろう。痛くて半分も目を開けられない。
半分開いた目で見えているのは酒巻と思われるブルーのストライプのシャツだけだ。
「酒巻さん、処置は終わったの？」
「あぁ・・・最悪だった・・・。でも鋭い痛みがなくなって、止血処置がされてるだけでもありがたいよ。ところで亮子さんは？」
そう言いながらどうやら微笑んでいる様子だった。ぼやけた視界で周りを見たが確かに亮子がいない。
酒巻に逆に尋ねようとしたとき亮子が小走りで戻ってきた。
「これ、借りてきたから目を洗いに行こう！」と何かを智子に手渡した。
ぼやけた視界でそれらが辛うじて小さなボトルのようなものとケースのようなものであることはわかった。
「私もコンタクトレンズで、さっき起きたら目がガビガビして開けられなくて、酒巻さんが戻るのを待ってたんだけど・・・一足違いだったね〜。
手探りで処置室まで行って借りてきた〜。智子さんも時々目をかいたり無意味に欠伸したりしてたからコンタクトかなと思って。」
処置室で洗浄を済ませた亮子が智子をトイレまで引率する。ぼやけて見えるがこれで自宅まで帰るのは裸眼並みに怖い。
なんとかトイレまでたどり着くと鏡の前で洗浄液を目に直接差して瞬きをした。何度か繰り返すと目とコンタクトレンズに潤いが戻ってきて視界も良好になった。
「助かった・・・。もうこんな状態ならいっそ裸眼の方がいいかなって思ってたから・・・。」
そう言いながら智子は軽く洗浄液で人差し指の先だけ洗うとコンタクトをはずしてケースに入れ、シャカシャカ振ってみた。
「さっき私も洗ってもらったら凄かったんだよ〜〜〜。」と亮子がニヤニヤしてる。
「え？！」智子は振るのを止め、ケースの蓋を取って中を見てビックリした。
「ね〜ビックリするでしょ〜〜〜。」ケースの中の液体は黒くなっていた。
「こんなに煤けていたんだね・・・。」
「そうだよね〜あんだけの火災の近くを歩いてきたんだもんね〜。服がこんなに汚いんだから目だって汚れるよね。」
そう言いながら亮子は自分の服を見下ろした。黒いパンツスーツも白く煤けてしまっている。
智子は自分の服装を改めて見ながらケースの中の汚れた液体を捨て、新しい液体を注いでシャカシャカとまた振ってみた。
自分の服の汚れ具合も亮子に負けず劣らず相当なものだった。スカートなんてところどころに自分のものなのか定かでない血のシミがある。
お気に入りのスカートだったのにもう着れないな・・・とため息をつきながらケースを振るのを止め、中を見た。
もう大丈夫なようだ。中の液体もそこまで汚くない。智子はまた液体を目に直接いれシパシパと瞬きをすると処置室でもらったポケットテッシュで目の端を拭った。
目も相当汚れていたみたいで、黒いものがシミとなっていた。
恐る恐る智子はコンタクトレンズを目に戻す。何度か瞬きをしてみたが特に違和感はないようだ。

一人で頑張るさんage。
なんでそんなに細かいことが思いつくんですか？

１日１保守

保守

保守

韓流⇒ｈａｎｒｙｕの呼び名が不思議

国内⇒韓国名が多い地名と由来が不思議

韓国人⇒世界一頭脳明晰な不思議

イケメン　肉体美　頭脳　身長･･･

胴長ド短足　日本男子と在日人の醜態　鼻につく･･･
日本お笑い芸タレ　鼻につく･･･

すげーおもしろい
地震厨房の続きは？

保守〜。

一人で頑張るさん　闘うんだ！

保守

智子は綺麗になった目で何度か瞬きすると亮子にお礼を言った。
「亮子さん、本当にありがとう〜。水がないと目に張り付いたコンタクトレンズも取れないし、どうしようかと思ってたから・・・。
コンビにとか薬局とか、もう商品すらないだろうしね・・・。」
そういうと小さく苦笑いした。
自分は人一倍もしもの地震のための準備はしてきたつもりだった。
自宅にある緊急避難袋の中には予備のコンタクトレンズ、ケース、保存液がちゃんとフルセットで入っていて、もしもの時のためにメガネも入れてあった。
しかしそれは自宅もしくは自宅の近所である職場にて被災して、緊急避難袋が取りに行くことができるという大前提の上になりたっていたのだと、
こういう不自由な身に自分が置かれてからあらためて思い知らされた。
いやな予感がしてコンビニで飲み物や食べ物を買ったときにどうしてコンタクトレンズのことまで気が回らなかったのだろう・・・。
「私も職場にコンタクトレンズ用の保存液とかケースとかメガネとか色々とロッカーに入れてあったのに、
取りにも戻れなかったしね・・・。」
亮子も苦笑いしている。
結局準備はしてあっても実際に持って歩いていなければ意味がないのだ。
処置室から借りた保存液とケースを返しに行く途中で、廊下に人が溢れかえっているのに驚いた。
「さっきまでこんなに人はいなかったのにね？！」
智子と亮子は顔を見合わせた。処置室も先ほどとは打って変わってごった返している。
処置室の前をウロウロしながらようやっとケースなどを借りた看護婦さんを見つけて返すことが出来た。
「急に人が増えましたね？！」
亮子が看護婦さんにお礼を言いながら尋ねると看護婦はちょっと困った・・・といった顔をしながら
「昨夜被災した人たちが朝が来るのを待って、それからゆっくりと行動を開始したせいみたいよ。ここに緊急医療チームがいるってことも結構知れ渡ったみたいだし・・・。」
そういうと慌しく仕事に戻っていった。
二人は酒巻のところへ小走りで戻ると、酒巻は柱に寄りかかって熟睡してしまっていた。
無理もない。オペ並みの処置を麻酔無しで行ったうえに、昨日から一番疲れているはずだ。
二人は酒巻を起こさないように座ると、そこに白衣を着た人がやってきた。
「すみませんが、処置が終わった方は毛布を元のところへ戻して一階に下りていただけませんか？」
そういうと頭を下げた。
あたりを見回すと確かに先ほどまではそこそこ隣の処置待ちの人ともスペースがあったのに、今ではぎゅうぎゅう詰め・・・といった感じになっている。
しかもトリアージ・タグが緑ばかりだった先ほどとは違い、色々な色のタグを付けた人が増えている。

白衣の人は別の人の所へ行って寝ている人を起こし、また頭を下げている。結構処置が終わってもこの場所にとどまっている人が多いのだ。
処置後は疲れるし、皆ここまで避難してきた人はろくに寝ていないのだろう。
智子と亮子は酒巻を起こすと、事情を説明して毛布を元に戻し、一階へ降りることにした。
酒巻は眠いのだろう、さかんに欠伸をかみ殺している。無理もない。一番疲れているであろう体に、更に時間がかかる処置を我慢してきたのだ。
目の下にクマのようなものも見て取れる。
一階へ降りるとそこは更に人でごった返していた。ブルーシートの敷かれた床面に所狭しと人がいる。
空いているのはざっと見回してもトイレの前か出入り口の横、もしくは人と人の真ん中らへんだった。
トイレは奥まっている所にあり、寒さは凌げるだろうが匂いは強烈だろう。普段ならまだしも流すことの出来ていないこの状況下だ。あの場所にとどまるのは勇気がいる。
人と人の間も良さそうだったが３人が並んで座れそうな場所がない。２人くらいなら・・・と思われる場所はあったのだが、バラバラになるのも不安だ。
仕方ないのでマントもあるし寒さはある程度凌げるだろうと出入り口のすぐ横に座ることにした。
３時の日差しはまだ暖かい。思っていたよりも風も吹いていないようで寒さはなんともなかった。
とりあえず座る所を確保するとあたりをぐるりと見回した。
皆手に手に白い発泡スチロールで出来たおわんのようなものを持っている。
しかも先ほどから気になっていたのだが、トイレの異臭は別として食べ物のいいにおいがしている。その匂いのせいかお腹が鳴り出した。
よく考えたら処置に時間がかかって皆お昼ご飯を食べていない。
「もしかしたらこの近くで炊き出しがされてるのかな？」
酒巻も周りを見て気になっていたのかぽつりとつぶやいた。建物中に入ってくる人は皆手に白い発泡スチロールのおわんをもっている。
しかもそのおわんからは湯気が立っている。小脇には水も持っているし、おにぎりのようなものを持っている人もいる。
出入り口から向こうのほうを見るとなにやら列になっていて並んでいる。
「ちょっと様子を見てくるよ。」
そういうと酒巻は眠い目をこすりながら外へと出て行った。

じっとしていると眠くなるのは亮子も智子も一緒だった。とにかく酒巻が戻るまで我慢しよう、そう言いながらおしゃべりを続けた。
３０分もしないうちに酒巻が戻ってきた。手には例の白い発泡スチロールのおわんと白いおにぎり、５００ｍｌの水を小脇に抱えて戻ってきた。
「炊き出しやってるよ。一人にこれだけもらえる。他の人の分はもらえないから直接もらっておいで。危ないから二人でいっておいで。」
そういうと酒巻は二人にもらってきたものを見せた。
亮子は「わ〜〜〜〜〜！温かい食べ物が食べられるなんて思わなかった！！」と感動している様子だった。
「お先にいただきます。」と酒巻はおわんの中身をすすった。
亮子が「中身は何？」と聞いている。酒巻は「豚汁だよ。」というと目を細めた。
亮子はおもわず「ごっくん」と生唾を飲んでしまった。
勢い良く立ち上がると「智子さん早く行こう〜！」と智子の手を引っ張ると早く早くとせかした。
酒巻はそんあ様子の亮子を見て諭すように言った。
「大丈夫だよ。まだまだあるみたいだから。急ぐと危ないからゆっくり行って来なさい。」
亮子は「は〜い」と酒巻に笑いながら返事をすると智子を連れて列に並びに行った。
外もおもったより寒くない。太陽が沈むまでは厚着さえしていればそんなに寒く感じない。
手袋はしていないものの包帯がその役目を果たしているせいか、手もそこまで冷たくない。
並んでいる人へ視線を移すと皆疲れ果てて、言葉少なだ。亮子もさっきまではしゃいでいたがその場の雰囲気に押し黙ってる。
ピリピリしている時は何が原因になるかわからない。些細なことで言い争い喧嘩になることがよくあるので注意しなければならない。
静かに列は比較的スムーズに進み（もう３時ということもあるかもしれない。お昼頃はもっと並んでいただろう。）炊き出しの行われているのが見えるようになった。
お味噌とおだしのいい匂いがしてくる。お腹がク〜となるたびに智子と亮子は苦笑した。
亮子は一足先にもらって横で智子を待っている。早くもつまみ食いしている様子だ。
智子は白い湯気に包まれながら、ぼ〜っと大きな鍋の中身を見ていた。白いおわんに豚汁が注ぎ込まれる。おもっていた以上に具沢山でニンジンやジャガイモがゴロゴロしているのが見える。
先に水とおにぎりを渡された。おにぎりはのりなど付いていない白いだけのシンプルなものだった。
豚汁を渡された時は思わずお礼を言う前に「ホ〜・・・」と安堵の声をあげてしまった。
二人はその場を離れ酒巻のところへ戻った。酒巻は食べ終わってお水を飲んでいる所だった。
亮子は「いただきま〜す」と言うと、ゆっくり一口ずつ味わいながら慎重に食べている。
「最高に美味しい〜〜〜〜。」亮子は心なしか涙ぐんでさえいる。
智子も頷きながら体の芯だけでなく心まで温まるのを感じていた。

一人で頑張るさん、乙です！かなり待ってました！

黒猫さん、地震厨房さんも待ってます

一人で頑張るさん！更新いつも喉から手が出るほど待っていますよ。
これからも頑張ってください！！

心配症ホシュ

一人で頑張るさん大好きです！！本当にリアルで読んでて楽しいし、疑似体験してるみたいで勉強になります。
応援してます！頑張ってください！！

保守とご声援ありがとうございます。

本当に豚汁は美味しかった。昨日の今頃から被災して温かい食べ物は口にしていない。
普段ならどうって事ない豚汁も食道を通り胃に到達するまでの間のなんて幸せなことか！味わったことのない幸福感に満ち溢れていた。
お肉は殆ど見当たらないが、ニンジンやジャガイモといった野菜はかなり原型を留めていて、口の中に入れると程よく崩れホクホクとしている。
途中支給されたおにぎりを開けてみた。ラップに包まれた白いご飯は食べてみて驚いた。ちゃんと具が入っている。
亮子もおにぎりを食べ始めて、智子と酒巻に「私のは梅干だったけど、皆は具はなんだった？」と聞いて来た。
酒巻が「僕のも梅干だよ。」続けて智子も「私も梅干。」と答えた。どうやら具は皆梅干のようだった。
確かに作り置きしているのだろうから、腐るのを防ぐ為には梅干は欠かせないだろう。しかもこの酸味が疲労回復にも役立つのだから一石二鳥だ。
「皆同じだと迷いようがなくていいよね。」亮子はおにぎりの最後のかけらを頬張りながら言った。
確かにそうだ。新潟の地震が起きたときにＴＶで見た被災地でやはり炊き出しが行われていて、その中でおにぎりを配っているシーンがあった。
色々な味のものがあるのだろう。迷う人がいて、後ろの人や係りの人から早くするように、迷って色々と手に取らないようになどと注意を受けている場面を見た。
コンビニからの支援物資だと迷ってしまうかもしれないが、こうして白いだけのシンプルなおにぎりだと中身はわからないので（中身が入っているともおもわなかったし。）余計なことを考えなくていい。
無駄な言い争いも避けられる。智子もおにぎりを食べながら漠然とそんな事を考えていた。心身共に疲れ切っているのだ。無駄な労力の消費は極力避けたい。
３人はゆっくり食べたつもりでも無我夢中で食べていたのだろう、あっというまに食べ終わってしまい、食後に智子がチョコレートをみんなに配って食べた。
「やっぱりご飯は凄いね〜。食べた気になるもの。」
そうなのだ。カロリーメイトやウィダインゼリーはカロリー的には取れているのだが、食べた感がいかんせん無い。
お菓子を食べている・・・おやつの延長線上といった感じになってしまうのだ。
しかしおにぎり一つだけでもご飯を食べるっていうことがこんなにも気持ちもお腹も満たすものだと改めてその力に驚いた。
「日本人はやっぱり米だよね。」亮子が頷いている。酒巻も「久しぶりに食事したって気分になるな。」と笑っていた。
お腹が満たされるとどうしても眠くなってしまう。しかもここは出入り口の横とはいえ、雨風が確実に防ぐことの出来る場所だ。
しかし今後の行動をそろそろ検討しなければならない。智子は水を飲みながら窓の外を見やると、空には夕闇が迫っていた。

一人で頑張る！さん、すごい！！
わたしは小説はけっこう読むんですが、一人で頑張る！さんのお話にも引きこまれてしまって、
ついついアップされてないか見に来るほどです。
大変だと思いますが、これからもお願いします。m(_ _)m
映画観る事もたくさんあるんですが、なんか臨場感ある内容だと思います。
最近地震も多いし、この作品が映画化されたらけっこう観に来てくれる人いるんじゃないかな･･･と
思わせてくれるような作品だと思いました。

>110
ありがとうございます！

都庁内は人でごった返しているが安全は安全だった。食料も程よく確保でき、トイレの心配もない。
職員がかなりの数がいるので防犯面でも安全だった。それにもしも何かあれば緊急医療チームもいる。
３人は動き出すことにそれぞれ躊躇いはあった。
しかしこの場所に留まるとしたらいつまでここにいるのか、交通網が復旧して安全に帰宅が可能になってからか？それはいつになるのか？
よく考えるとここに長く留まることはあまり現実的ではないような気がしてきた。
家族の安否も心配だし、自分だけ離れ離れも嫌だった。
今までが過酷だったせいもあり、今のこの現状がぬるま湯につかっているような状況だから余計抜け出せないのはわかっていた。
でもいつまでもここにいるわけにはいかない。自分には待っている人もいるし、会いたい人もいる。
やはりとりあえず動き出そう！ということになり、ルートの検討がなされた。
昨晩は大通りは軒並み大火災で、それを避けながらここまで来た。
しかしあれから丸一日が経っている。そこまでひどい火災はもう起きていないだろうと考え、青梅街道に出ることが一番最初に提案された。
この場所から一番近いのは亮子の自宅だった。場所は中野で青梅街道からちょっと入った住宅地に家があるらしい。ちょうどいい。
自宅の指定広域避難所を知らなかった亮子は一旦家に帰り、そうすれば書置きなりなんらかの情報が得られると思うのでやはり一旦家に帰るのが一番だと言っていた。
それには酒巻も智子も賛成だった。やみくもに歩いても疲れるし、若い女性一人夜間にウロウロさせたくない。
明るい亮子ならではで、「もしかしたら家が倒壊していないかもしれないし、もしかしたら避難所から戻ってきているかもしれないし。」と言うわけだ。
酒巻も智子もこの場所から北上していけば行き方は問わないといった感じだったので、一緒に亮子の家まで行くことにした。
方針が決まればもたもたしている場合ではない、少しでも日があるうちに行動しなければ道中は真っ暗闇になり歩くのすら大変になる。
３人は都庁を後にした。歩きながら智子は都庁を振り返ると夕日が都庁の窓や散乱したガラスに反射して煌いていた。
・・・もう後戻りは出来ない。頑張るしかない。痛む足をかばいながら再び歩き始めた。

一人で頑張るさんアカデミ−賞とるまで頑張れ！ 　闘うんだ！！

歩き始めて気がついたのだが、全身かなりの筋肉痛だ。普段からそんなに運動しているわけではない智子は昨日一日歩いた疲れが全身を支配していた。
昨日のようなハイペースでは歩けない。どうしても足を引きずるような、もたもたした歩きになった。
しかし自分だけ遅れをとってはいけないと思って酒巻や亮子を見たが、二人ともスローペースだ。
「普段の運動不足がたたってるな・・・。」
酒巻もどうやら全身が痛いらしい。腕を回したり足をあげたりしているがそのたび「ウッ！」と言っている。
亮子もそろりそろりとした足取りだ。
「焦らずにゆっくり行こう・・・こりゃ早く歩くのは無理だね〜。」
３人は重い足取りで昨日の半分以下のペースで歩き続けた。ゆっくりと歩いているので景色を見る余裕がある。
新宿中央公園ではやはり炊き出しが行われているようで、白い湯気が立ち上っている。木々の間からはブルーシートと思われる色が見える。どうやらテントのようにしているらしい。
空いている部分はなく、どこもかしこも人で一杯だった。ここへも都庁の職員が手伝いに来ているようで腕章をした人や作業服を来た人を何人か見かけた。
新宿中央公園を過ぎると下りの坂道で、痛む足にはなかなかこたえるのか、３人はより一層ペースが落ちた。
「こんなに筋肉痛だったら湿布もらえば良かったね・・・辛いよぉ〜〜〜。」
亮子が泣き言を言っている。しかしそれは智子も酒巻も同じことを思っていた。
「でも・・・湿布張るとしたら全身に張らないと・・・って感じがするんだけど。」
智子が言うと酒巻と亮子は笑いながら頷いてる。
「そうだね〜あまりに全身が痛すぎてどこに張ったらいいのかわからないね〜。」
亮子はあちこち体を触りながらどこが一番痛いかを確かめている様子だった。
「でも筋肉痛は筋肉を使ったほうが治りが早いんだよ。」
酒巻が今度は首を左右に振りながら言っている。それを見て智子と亮子も腕を少しずつさすったりしている。
そうこうしているうちにようやっと坂の下に下りてきて、青梅街道にぶつかった。
それはそれは凄惨な状況だった。
坂下だからか、車が次々と衝突したのだろう。沢山の車が折り重なるように瓦礫の山を作り上げ、今もまだ燻っていてあたりにはゴムのこげる匂いが立ち込めていた。
その中にはバスも見える。窓から乗り出すようにしている黒い人の形をしたものがいくつも見える。
智子は視線をそらし坂上を見ると東京医大の前には人が溢れかえっていた。

うえき　こうすけさん、ありがとう。

「やっぱり病院はこういう時は人が殺到するね。」智子は視線を移さずにそうつぶやいた。
「仕方ないよ。被災して無傷の人の方が珍しいんじゃないか？大なり小なり負傷する人の方が多そうだ。」
酒巻は自分の手を見ている。
そうだ。被災したばかりの時はなんともなくてもその後救助活動を手伝ったり、家具が倒れた家の中の片づけをしたりしているうちに皆怪我をしやすいのではないだろうか。
そうすると負傷者の数は増えるばかりだろう。
歩き続けているといやでも道路の傍らの死体に目が行ってしまう。そうすると大田のことを思い出してしまう。
３人とも押し黙ったまま歩き続けた。時々休憩しているのか、その場に留まっているのか寝転がっている人がいる。
道路の状況は坂下がやはり一番酷い状況だった。川を津波が通ったのか、橋の上には人も車も跡形もなくなかった。
慎重に中野へ向って坂を登っていくに連れて黒焦げの車も数が少なくなっていた。
上り坂は流石に辛い。３人ともゼイゼイいいながら時には足に手を置いて屈んで休んだりしながらなんとか坂を上りきった。
登りきった中野坂上の交差点は車で溢れていたが、炎上したわけではなく置き去りにされただけのようだ。警察官が一台ずつ左へと寄せている。
動いている車は警察官が動かしている車以外には今の所目にしていない。
道路のいたるところで火災が起きて、その車両をどかさない限り道路の復旧はなかなか難しそうだった。
そうなると車で街中を走ろうと思っても全然前には進めないのだから車で出かける人もいないのだろう。
左右前後を見渡しながら慎重に交差点を渡っていく。そこからはもう道路を歩くしかなかった。
歩道側は家屋が倒壊していたり店の看板が落ちて道をふさいでいたり、壁の外壁がボロボロと崩れていたり・・・ととても安心して歩ける状況ではなかった。
仕方なく車も通らないので車道を歩いていくのだが、燃えた痕のある車の側を通るとまだ熱く、火傷しそうになるくらいでとても危険だった。
まっすぐに歩くことが出来ない上にかなりの筋肉痛なので思うように進まない。
そんな中亮子は懸命に足を進めていた。もうすぐ自分の家の近くなのだそうだ。
逸る気持ちを抑えられずに歩いている・・・そんな感じだった。

交差点をいくつか過ぎて警察署の前まで来る頃にはもうあたりは真っ暗だった。
警察署は赤色等が着いていてかろうじてそこが警察署だとわかる状態だった。なんにせよ目印になるものがあるというのはありがたいことだった。
亮子の家はそこを右に曲がって暫く行った所にあるらしい。
休み無しで２時間近く歩き続けそろそろ足も限界に近かった。
周囲が住宅街に入ってきたな・・・といったたたずまいになったころ、亮子が走り出した。
智子と酒巻もつられて走り出す。このあたりは倒壊家屋が殆ど見当たらない。
家も結構一つ一つが大きくしっかりした作りのせいかもしれない。火災も起きた形跡がない。
亮子は一軒の家の前に立つと「家あった！！無事みたい！！」と叫んでいた。
智子と酒巻はちょっと唖然としてしまった。家は結構大きかった。庭も相当な広さのようだ。
亮子がジャケットのポケットから門の鍵を出すと、すばやく開けて二人を連れて中へ入った。
玄関の鍵もしまっているようなのでそれも鍵で開ける。扉を開けると亮子は「ただいま〜〜〜！！！」と大きな声で叫んだ。
真っ暗な玄関の置くからパタパタとスリッパの音が聞こえ、ロウソクを持った亮子の父親と思われる男性がやってきた。
「亮子か？！」ロウソクをかざすようにして亮子の顔を確認している。亮子も「パパ！！！」と叫んで父親に飛びついた。
更に奥から複数のスリッパの音が聞こえ、母親と思わしき女性と犬を抱いた若い男の子がやってきた。
二人は「亮子ちゃん！」「ネェちゃん！！」「ワンワンワン！！」と交互に叫びながら亮子を取り囲み抱き合った。
酒巻と智子は玄関の少しはなれたところでその暖かな光景を見守っていた。
家族みんなで抱き合って再開を喜んでいる・・・自分たちも早く家族に会いたい！その願いが胸の中を駆け巡り目頭が熱くなった。
亮子の父親が最初に酒巻と智子に気がついた。亮子に「そちらの方は？」と聞いている。
亮子は「会社の近くで地震にあって、大田さんと新宿まで来たんだけど・・・そこで会った酒巻さんと智子さん。」
と大田のことを思い出したのだろう。涙ぐみながらそう手短に紹介すると、酒巻と智子は「今晩は」と挨拶した。
亮子の母親が「立ち話は何でしょうから中へどうぞ。」と二人を家の中に招き入れた。
「あ、ガラスが散乱しているからスリッパは必ず履いてくださいね。」そう付け加えて二人にスリッパを差し出した。
酒巻と智子は促されるままに上がると居間へと通された

亮子は話したいことが山のようにあり、家族も聞きたいことが山のようにあった。
しかし母親は亮子を見て「とりあえず先にお風呂に入ってらっしゃい。」そう言った。
「え？！お風呂は入れるの？！」亮子は驚いた。酒巻も智子も驚いている。
「ええ。但し、もう冷めたらダメだけどね。早く入ってらっしゃい。」そういうと母親は亮子を追立てた。亮子も慌てて今から出て行った。
驚いてぽかんとしている二人に母親は、
「我が家は太陽光発電のオール電化の家なんですよ。この地震でも特に接続や発電に支障が出なかったみたいでしてなんとか使えているのですよ。
夜間は電力会社から電力を買っているので流石にこの状況下では電気が送られて来ないので夜は電気が使えないのですが、日中は今まで通りの生活が営めているのですよ。」
そう言って微笑んだ。太陽光発電のオール電化・・・智子は羨ましくてため息をついた。
父親は昨日から今日までのことを知りたいみたいだったので酒巻と智子自己紹介も交え、かわるがわる話を始めた。
水道橋で酒巻と智子が会ったこと、新宿で４人が合流したこと、・・・大田が亡くなったこと、さっきまでいた都庁での出来事・・・等。
大田が亡くなったという話を聞いた時は両親は涙を流していた。子供を連れて遊びにきたこともあったらしく、本当に残念だと肩を落としていた。
亮子はお風呂から上がったらしく、きちんと着替えて居間へとやってきた。
「智子さん先も入っておいで。」亮子は智子にそう言ったが、智子は「え？！」といった感じで遠慮している。
母親と父親が笑顔で、
「遠慮なさらず入ってきてください。私たちはもう昼のうちに済ませてますから。お湯は一昨日の残り湯ですが日中は循環もさせているので大丈夫だと思いますよ。」
と言ってくださったので智子は「ではお言葉に甘えて・・・。」と席を立った。
亮子は智子を自分の部屋へ連れて行くと下着と智子が着れそうな服を選んで渡した。
智子は固辞したが亮子は「智子さんはこれからも家まで歩かなければいけないんだから、あったかくして動きやすい服を着ていったほうがいいよ。」
そう言うも、智子は「だって悪いよ・・・。」と言い続けているので、亮子は
「そしたら街が復旧して、会えるようになったら返してくれればいいよ。」と笑った。

智子は「亮子さん・・・本当にありがとうね。」と深々と頭を下げ亮子に促されるようにお風呂場へと向った。
智子は脱衣所で服を脱ぐと、そ〜っと手の包帯と止血シートなどを剥がした。大分傷口は良いようだ。血は完全に止まっている。
鏡に映った自分の体を見て驚いた。あちらこちらに見覚えのない痣が無数にある。見ていて痛々しいくらいだ。
智子は鏡から目をそらすと浴室へと入っていた。扉を開けた瞬間ムワッとした熱気が智子を包見込んだ。
湯船には半分くらいだが湯がちゃんと入っており、湯気が立っている。手桶で１杯お湯を体にかけた。体中微妙にあちこち沁みる。
とにかくお湯は節約しないといけな。そう思ってシャンプーとリンス、顔と体を洗うのを一度に済ませお湯をかける回数を極力減らした。
最後に綺麗になったところで湯船に浸かった。思わず「ハァ〜〜〜〜。」と声を出してしまった。
疲れて冷え切った体になんて幸せなこのぬくもり・・・。筋肉痛で痛みのある筋肉をゆっくりとほぐしてみる。本当に気分は極楽だった。
しかしあんまりゆっくりしていると酒巻が入る頃には湯が冷めてしまうので、名残惜しかったが早々に上がった。
お風呂から上がって着替えるとまた再び居間へ向った。
話は粗方終わったようで、何か別のことを談笑しているようだった。
この家にいるとキャンドルだけなのが若干暗くて不思議な雰囲気をかもし出してはいるが、被災したことが嘘のような気さえしてきた。
智子と入れ替わりに酒巻が入浴する事になった。服や下着は亮子の弟がちょうど背丈も酒巻くらいだったので貸すことにしたらしくもう準備が出来ていた。
智子は手に包帯を巻かないと・・・と思い自分でやろうとしていると亮子が
「弟にさせて〜。これでも医大生なんだよ〜。」
そういうと自分の手を智子に見せた。確かにさっきと変わらず綺麗に巻かれている。
弟は「あ・・・初めまして敦です・・・。」と自己紹介すると智子の手を再び消毒して新しい薬を塗ると、真新しい包帯を巻き始めた。
「何から何まですみません・・・。」
智子が謝ると亮子も家族も
「智子さんや酒巻さんがいなかったら私、一人で無事に帰ってこれたかわからないもん。
本当に命の恩人だよ。それにこういったときは本当にお互い様だよ。」
亮子がそう言うと母親や父親、弟も「そうですよ。今夜はゆっくり我が家で休んでまた明日から出発しなさい。」
とまで言ってくれた。智子は「本当にありがとうございます。」と何度も何度も頭を下げた。

大事なのはお米と太陽発電システムか！！
一人で頑張るさん、大量UPありがとう！

太陽発電の導入を考えてみます。

たしかに！太陽発電イイ！家自体が危ない状態でも太陽発電さえ大丈夫なら、延長ｺｰﾄﾞとかで外ででも電気使えちゃう！？

一人で頑張る！さん本当に為になる話を、ありがとう！！
本にしてほしいです

保守

保守
一人で頑張るさん今回も面白かったです
黒猫さん！！どうしたの？風邪ひいてるのかな？
地震厨房さん！！！待ってますよ〜

すみません。こんな時期に引越しがからんでいて、、
すこ〜し、おやすみです！

余談だが、地震予知は難しいが地震予想は可能だと

ただ、
明日から３ヶ月以内に地震が起きる確率は３３％です
と言われてどうすればいいのだろうか？
いつ起きるかはわからんのだ
シェルターに居るわけにはいかないし、不安感に潰されそうだよ


はぁ、地震こわい

黒猫さん楽しみに待ってますね！

一人で頑張るさん

ＮＨＫ、マスゴミソ―ス出さないが！ＵＳＧＳ開示情報毎日見てると、太陽光遮断しそうだ！？

風呂は大丈夫ですか？

>>125
本当にそんなことを言われたら笑い飛ばせばいいのでは。
３ヶ月以内に地震が起きる確率なんて、誰にも算出できるはずがないんだから。

今日も保守
今日はめちゃ寒い〜
こんな日に地震あったら大変だよね

だよねー。

いや-オ−ル電化で。

保守

一人で頑張る！さん
の続き待ち（・ω・）

↑同上

守

なんとなく、続き待ち
　　ﾊ,,ﾊ
　（,,・_・）
c(,, )００

hosyu

保守

守りぬくぜっ！
だから更新お願いします・・・

一人で頑張る！さん
続きが読みたいよー読みたいよー！！
いつまでも待ってるわ〜
大変だと思いますが、頑張って下さい！応援してます(`･ω･´)

　　　　　　∧_,,∧　　まぁお茶でも　　
　　　　　 (´・ω・`)　_｡_　　　　　　　　　
　　　　　 /　 J つc(＿_ｱi!　< ﾄﾎﾟﾄﾎﾟ　ttp://lovelycat.jp/image/cat0159.jpg
　　　　　 しー-J　　　　 旦~

age

あげとくよ

地震予想、確かに笑うしかないよね

私、築３５年の無補強アパートに住んでます。かなり不安です

>>141 とりあえず、エタノールは入っているみたいね？

保守

保守

保守

黒猫さんまさか姉歯マンション住んでるの？

>>149
鋭い読みだ。まさかと思いつつするどい。

でもそうじゃないことを祈っているよ。

うお！復活してる！

では続き・・の前にあらすじ・・・

主人公は超耐震マンションに住んでいた・・
そこにありえない規模の地震がおこり超耐震マンションは大損害
を受け、さらに超耐震の家だった主人公だけが助かり
周りの建物は粉塵とかしていた・・・
そして避難所から主人公も戻り、ようやく復旧しはじめた
東京・・そして２ｃｈは冷酷に告げる・・
死者は３０００万人だと・・・

詳しくは過去ログを見てね！！

>>152
周りの建物が粉塵と化す状態なのに、避難所が機能しているの？
死者3000万人というと、東京・神奈川・千葉・埼玉の人口と同じくらいだけど、
こうなるともう復旧どころかその地域をまるごと放棄するしかないのでは。

と無粋な横やりを入れてみる

臨時地震板汎用スレッド
http://live22x.2ch.net/test/read.cgi/eq/1127052109/l50

にあるように、19日以降のレスが飛びました。
再投稿よろしくお願いしますー。

157 ：転勤族のあの日 [sage] ：2005/12/20(火) 02:38:30 ID:2j/dwBbf
1月17日の朝は、私にとって特別なものでなく、ごく普通の冬の朝だった。
その日は用事があり、神戸に寄る必要があったので6時前の電車に乗ろうと、
私は普段より早い朝食を食べた。
関西に来てから当たり前になった厚めの食パンをトースターで焼き、
目玉焼きを焼いて添える。昨夜切った林檎を冷蔵庫から取り出して
デザートにした。この日が何事もなく、平凡な一日で終わっていたなら
忘れてしまったであろう、ごくごく平凡な朝食だった。
マンションを出た私は、再開発ですっかり雰囲気の変わった宝塚駅へと
向かった。
六時前で辺りは暗かったが、高架駅になった阪急の駅は新幹線の駅の
ように明るかった。六時前とはいえ、既に通勤客の姿はＪＲとの連絡橋
にもちらほらいて、皆白い息を吐き出していた。
ピカピカの駅コンコースに入ると、まだラッシュ時という雰囲気はなく、楽に
座れそうだと思った。
ラガールカードを自動改札に放り込み、私は今津線のホームへと向かった。
私は鉄道のこと詳しくないのでよくは分からないが、関西ではステータスの
高さを感じさせるマルーン色の電車が既に止まっていて、木目調で落ち着いた
車内に飛び乗ると私はホッとした。

158 ：転勤族のあの日 [sage] ：2005/12/20(火) 02:47:18 ID:2j/dwBbf
車内には私以外に数人いるだけで余裕で座ることができた。
五時代の電車とはこんなものなのだろうか？　とも思ったが始発駅だから
ということもあるのだろう。
それでも、ラッシュ時に電車が来る前から人が並んでいることを考えれば
随分と空いているものだ。
私がハンドバッグから手帳を取り出していると、発車のベルが鳴って
ドアが閉まる。
時間は五時四十五分くらいだったろうか・・・詳しくは覚えていない。
車掌さんの笛の後、ドアが閉まると電車が動き出した。
それはいつもと何も変わらない同じ乗り心地で、私は仕事のことを考えながら、
手帳に書き込まれた今日の予定を見つめていた。
視界の上側に宝塚ファミリーランドの街灯やライトがちらちらと入り始める。
そして、私が暖かい車内に体の緊張を解いて、座りなおしたそのときだった。

159 ：転勤族のあの日 [sage] ：2005/12/20(火) 02:57:04 ID:2j/dwBbf
電車に普段とは違う突き上げるような振動が襲ってきたのだ。
「なに？」
驚いた私が傍の手すりを掴んだ瞬間
電車は凹凸の激しい砂利道に突っ込んだバスのように
左右に激しく揺れ始めた。
「な、なんだっ！？」
他の乗客たちも騒ぎ出す声が聞こえる。
電車とは思えない揺れ。
普段私たちが考える電車の揺れとは異なる揺れ。
電車のばねが軋み、エアが激しく噴出す音が聞こえる。
できたばかりの高架線路だというのに、何が起こっているというのか？
私には電車が先頭の方で事故を起こしたくらいしか考え付かなかった。
いつの間にか非常ブレーキがかかったらしく、金属の擦れ合う音が
耳を劈いた。

160 ：M7.74 [sage] ：2005/12/20(火) 03:03:33 ID:2j/dwBbf
がくんっががががっ
ついに車輪が脱線したのか、激しい細かな振動と共に電車は左右に大揺れとなる。
車内に悲鳴が響いた。
ずぅーん
車体が右側に傾き、私は前の席に転げ落ちる。
車体の裾がバラストにめり込み、すさまじい音をたてて、擦っていく。
私は目の前の景色が宝塚○劇場の壁から線路のバラストに変わる瞬間を見たのだ。
（もう、もう駄目っ！）
打ち付けた額に痛みを感じながら、私は必死に窓枠にしがみ付いた。
この世のものとは思えない時間が過ぎていく。
早くこの地獄が終わって欲しい…ただそれだけを私は祈り続けた。

166 ：地震小説（ＳＦ） ：2005/12/21(水) 15:16:47 ID:me7908ed
ようやく続き
そうか・・・３０００万も逝ったのか・・・・
そして５月には完全にも・の・は元通りになった・・
特番によればこの地震はプレートが異常崩壊を起こし発生したもの
だという・・
そしてそのせいで地盤が非常に不安定になり大量の建物の超鉄筋
でささえているらしい・・・

ＸＸ年後・・地震はもはやなんの恐怖もないものになっていた・・
しかし自分は忘れない・・
あの地震の惨劇を・・・・・


終

保守

フィギュア：村主が逆転Ｖ　浅田２位、ＳＰ１位の荒川３位

ここにまで津波がきたのか･･

年内続きが無理そうです。
誰も期待していないだろうけど（笑）引っ越しがらみでPCが
使えなくなる！！のです！
年が明けたらどうぞよろしくです！

一人で頑張るさん、最後までよみたいよー

平成17年12月25日、私はこの日を決して忘れる事は出来ないだろう。

　89 ：動け動けウゴウゴ２ちゃんねる [sage] ：2005/12/25(日) 02:22:59 ID:ElXTYheoO
　なんかいままでにない負荷がかかってるな
　さすが明石家サンタ

　90 ：動け動けウゴウゴ２ちゃんねる ：2005/12/25(日) 02:34:49 ID:zUPKQxhf0
　1276res/min　ｷﾀ━━（ﾟ∀ﾟ）━━ﾖ

　91 ：動け動けウゴウゴ２ちゃんねる [sage] ：2005/12/25(日) 02:40:52 ID:gJih5ILV0
　>>78
　板ごとの設定ができない以上しょうがない。
　前みたいに回転の遅い地上波板以外の板が別鯖にならないと。

　92 ：動け動けウゴウゴ２ちゃんねる ：2005/12/25(日) 02:42:56 ID:j9hqivPc0
　はいとんだー

　93 ：動け動けウゴウゴ２ちゃんねる [sage] ：2005/12/25(日) 02:43:08 ID:0RQdmbdF0
　ＥＲＲＯＲ！
　ＥＲＲＯＲ：バックエンドサーバとの通信がタイムアウトしました(chkid)。書き込みが反映されていないかもしれません。
　って何？

始まりはここからだった。

「今日午前2時40分頃、LIVE22地方に大きな地震がありました。
　地震の規模を示すﾏｸﾞﾆﾁｭｰﾄﾞはM1276res/min、震源地は明石家サンタ
　LIVE22地方は軒並み震度６強以上を観測した模様、未だ回線が繋がりません。
　繰り返します、今日午前2時40分頃、LIVE22地方に大きな地震がありました。
　地震の規模を示すﾏｸﾞﾆﾁｭｰﾄﾞはM1276res/min、震源地は明石家サンタ
　LIVE22地方は軒並み震度６強以上を観測した模様、未だ回線が繋がりません。
　あ、只今津波の情報が入ってまいりました、LIVE22地方に津波が襲った模様、
　被害状況等は、わかっていませんが、詳しい情報が入り次第お伝えします。
　繰り返します、今日午前2時40分頃、LIVE22地方に大きな地震がありました。
　地震の規模を示すﾏｸﾞﾆﾁｭｰﾄﾞはM1276res/min、震源地は明石家サンタ
　LIVE22地方は軒並み震度６強以上を観測した模様、未だ回線が繋がりません。
　LIVE22地方は津波に襲れた模様、被害状況等は、未だわかっていません。」

この地震はLIVE22地方を蹂躙した、ただ揺らして蹂躙しただけではなかった。
それだけなら良かった。そう、巨大電子津波を発生させてしまったのだ。
巨大電子津波は全てを流し去った。逃げる間、隠れる間など全くなかった。
ジェット機のスピード並みなどというレベルではない、全く一瞬の出来事だった。
全てなくなった。全て電子の海の藻屑だった。誰も何の準備も出来ていなかった。
途方もない出来事だった。本当に一瞬の出来事だった。だけど何が起きたのか、全く解らなかった。
生きているのが不思議なくらいだった。このまま津波にさらわれてあぼーんだと思った。
自分が生きている事を理解するのに、どの位の時間が必要だったかも覚えてはいない。
しかし、自分が生き延びた事は事実だった。生きている事実を理解した。
そして、その時「誰か探さねば」その思いだけが自分の中に沸き起こった。

生き延びた者たちは、てんでに動き回るが、連絡がつかない状況が続いた。
20分たった。地震は終わった。津波は収まった。

フラッグがたった
「とびます。」と立った。
すぐに「●速報●茨城で●地震●」も立った。
連絡がつきはじめた。
皆、この電子大津波の惨状に目を丸くした。ホントに何もなくなっていた。

366 ：動け動けウゴウゴ２ちゃんねる ：2005/12/25(日) 03:09:32 ID:9WrZV3Ru0
臨時地震板はどこ行った？
変な落書きみたいな新規スレが2個立ってるが、過去データが抹消なら騒ぐ奴出るぜ。

369 ：FAX ★ [sage] ：2005/12/25(日) 03:10:55 ID:???0
>>366
みんなで一緒にさわごー

370 ：動け動けウゴウゴ２ちゃんねる [sage] ：2005/12/25(日) 03:10:58 ID:N+W153ev0
>>366
電子の海の藻屑となりました

371 ：ｒｅｆｆｉ@報告人 ★ [sage] ：2005/12/25(日) 03:14:43 ID:???0
>366
文字通り電子の海の藻屑に（ﾅﾑﾅﾑ
（復帰依頼しても肝心のデータがないので無理）

地震があったので臨時 http://live22x.2ch.net/eq/ (2/2)
地震があったので臨時＋ http://live22x.2ch.net/eqplus/ (2/？)

津波に全てをさらわれた誰かが神に祈ったか、神が動いた。

380 ：root▲ ★ [sage] ：2005/12/25(日) 03:22:53 ID:???0 ?
前日早朝分までなら、ありそうですね。< liveb1 に
eq と eqplus だけ、戻してみるです。

しかし、神は万能ではなかった。


382 ：root▲ ★ [sage] ：2005/12/25(日) 03:29:09 ID:???0 ?
前日じゃなくて、先週の日曜までのものしかなかた。
(そうか、ここは1週間分のフルダンプしかとってないんだった: 変更部分多すぎなので)
386 ：root▲ ★ [sage] ：2005/12/25(日) 03:31:55 ID:???0 ?
>>384
とりあえず、1週間前のやつを戻してみるです。

神は、出来る限りの力を振り絞って「ザオリク」を唱えた。「ザオリク」を連発した。

スレッドは復活した。しかし直前の姿ではなく、一週間前のそれだった。
神がむやみやたらに「ザオリク」を連発したため、勇者「削除屋＠放浪人 ★」が退治した
魔物がゾンビの如く一週間前の姿で蘇った。そして、それだけではなかった。
津波にさらわれ流されてきた異国の魔物までもが蘇っていた。

40: 早水リサ Part3 (328)
41: 全「特撮キャラクター」最強議論スレ　５代目 (242)
42: ジョルジュ長岡(　ﾟ∀ﾟ)o彡゜おっぱい！Iカップ (416)
43: 逮捕されない程度な犯行予告のガイドライン３ (859)

など、誰も見たことのない異国の魔物であった。こんなのに暴れられると大変である。
「神に祈るしかない」　誰かが言った。
皆、神に祈った。

神が現れた。神は呪文を唱えた。

「パルプンテ」

時間が止まった。

402 ：root▲ ★ [sage] ：2005/12/25(日) 04:06:20 ID:???0 ?
とりあえず、止めておくです。

これで、一先ず安心である。みな、ホッと一息ついた。
さて、それでは復興である。
神によって一週間前の姿に戻されたそれぞれの家で、復興が始まる。
復興にあたって各所に下記の看板が立った。

午前３時前、地震板と実況板(大部分)を入れた「live22x.2ch.net」が鯖落ち。
１週間前のデータで復旧するも、１９日から２４日の間はまるごと回復不能。きっかけは
フジテレビ実況板。「明石家サンタ」の番組での「基地外」発言で鯖の限界を超えたもの。
↓関連スレ（レス番上書き中につき、この期間のdatは保管所よりお早めに）

臨時地震板汎用スレッド
http://live22x.2ch.net/test/read.cgi/eq/1127052109/l50
とびます。 （鯖飛び腹立ちスレ）
http://live22x.2ch.net/test/read.cgi/eq/1135447291/l50
【実況】 live22x 鯖 Part5
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/operate/1134855646/

川崎多摩区さんの2ch臨時地震板・全スレ保管所(datのみ)
http://yachi.dip.jp/2ch_eq/

みな、復興に手を尽くした。
そしてそれは今も続いている。
これからも続くだろう。新しい家も立つだろう。
今のこの平和が続けばの話だが・・・

FIN。

>>165-168
乙です。
リアルタイムで見てなかった復興時のカオスが良く分かった。異国の魔物ﾜﾛﾀ

パルプンテで吹いたｗ

うふふあはは･んな感じだた

保守！ったら保守！

保守！ったら保守！

保守

超お久しぶりです。
今更ですが初期スレ落ちてしまったんですね…。
遅くなりましたが、新しくスレを建ててくださった>>1氏とログ保存してくださった皆さん乙です！

>>172-174
保守乙です！

また続きがまとまったら投下させて頂きます。

キター！！！！

時刻は朝の１０時を過ぎたところだ。
本来ならば、街は既に活発に動いている時間である。
ところが、東京をはじめ首都圏全体が麻痺していた。日本中が動いているはずなのに、ここだけポツリと
取り残されてしまっているかのような、そんな感覚にとらわれる。
僕は昨日あのおまわりさんと来た道をたどっていた。
さんざん悩んで考えた結果、後輩を探しながら、池袋駅の方を周って家に帰ることに決めた。
繁華街の方に行けば救援か何かまた得られるかもしれないし、運がよければ、彼にも――――。

小さい道は塞がっているかもしれないし、地図など持っていなかったので、また池袋まで私鉄の線路沿いに
歩いていくしかないと思った。ただ、僕は(一応陸上部だったためか)今日中には家にたどり着けると考えていた。
だが、それは明らかにこの惨状とは見合わない楽観的な考えだったとすぐに思い知らされた。


ズン・・・

その時、僕は嫌な振動を足元に感じた。
ゴゴゴ…という地響きの後、急に激しくなった揺れに僕は身をかがめた。
ガラスが割れる音と轟音が響いて、砂埃があたりに舞う。

しりもちをついていた僕に飛び込んで来たのは、道路を塞ぐ白いマンションと、
助けを呼ぶ声だった。

「…ここです！誰か！」
女性の声だった。
横倒しになったマンションの一番下にある窓の周りに大人たち４人が集まって、何かを話し合っている。
僕もそこへ走りよった時に、すぐにその異様なにおいに気がついた。――――ガスだ。
「どうしたんですか！？大丈夫！？」
見ると、大人達の集まっている窓から腕が伸びている。
「あの、大事な荷物を取りに来たら急に天井が落ちてきて…」
女性の声だった。荷物を取りに避難所から自宅に戻ったら、今の余震でマンションが倒壊し、
閉じ込められてしまったらしい。唯一の外との接点となったその窓には、侵入防止用の鉄製の柵が取り付けられていた。
「大丈夫だ、すぐに出してやるからな！」
と男性の1人が励ますが、彼女をここから出せる保障などどこにも無かった。
「おい、消防は！？なんでこの近くにはレスキュー隊が1人もいないんだ！」
「消防は全部大山のあの大火事の現場と、池袋の方に回っちまってる。
　板橋や、下手したら赤羽のほうまで行かないと。それに、この匂い・・・」

その時、無意識に僕はその柵に手を掛けていた。ガチャ、ガチャ、ガチャと金具が動く音が響く。
その冷たい金属をなんとか外してやろうと僕は躍起になった。

後ろのほうで話をしていた男性達もそれに加わった。1人が消防の助けを呼びに走り、
残りの４人で必死に鉄柵をガチャガチャ動かした。だんだんとネジが緩んでくるのがわかる。
もう少しだ、もう少し…

・・・ドーン！！

その時、僕ら４人ともその轟音に顔を上げた。
崩れたマンションの後ろで、別のビルから炎が噴き出すのが見えた。
そしてまた轟音が響く。
立ち上る煙と破片に、体が一瞬硬直するのが分かった。

「女性の声だった」を二回書いてしまったorz

地震厨房さん！お待ちしていました
＞二回書いてしまったorz
全然オッケーですよ。続き楽しみにしています

保守！！！

体中から冷たい汗が出てくるのが分かった。
「爆発だ！爆発したぞお！」どこからともなく声が響く。
荷物を持った何人かの住民がマンションの横を走り去っていくのが分かった。―――こわばった表情で。
「・・・ッはやく！はやく出してください！お願いします！」中の女性が悲鳴を上げる。
「ちくしょおっ！！」
僕らは精一杯の力で鉄柵と格闘した。手が真っ赤になった。感覚が無くなった。
・・・ただ、恐怖に押されて無我夢中だった。

ドドン！！！

建物の向こうからまた黒い煙と真っ赤な火柱が上がる。
黒くこげた破片がパラパラと宙に舞う。
「お願い！！早くここから出して！！」

ちくしょう、早く外れろ！早く！！

――ガチャン

「外れた！！」
カランカランと何本かのネジが足元に落ちてきた。
僕らは鉄柵を下ろし、真っ黒な窓から伸びるそのきゃしゃな腕に手を掛けた。
仲間の1人が彼女の肩に手をかけ、マンションから連れ出した。
僕らは足早にマンションから遠くへ離れた。

「やった、助かった、やったな兄ちゃん！！助かったぞ！！」
女性の救出を一緒に行った人たちと僕は顔を見合わせ、笑いあった。
やった、助けた。みんな無事だったんだ！やった！！
前方から消防車の音が聞こえ、一気に僕らに安堵の空気が漂う。
「ありがとう、本当に、本当に有難うございました。！」

彼女がそう僕らに礼を言った時、倒れたマンションで大きな爆発が起きた。

定期保守

ほしゅあげ

新年初保守っす。
皆さんあけおめぇ〜！

今年も小説職人様達、ガクブルなやつ待ってます！

続きはマダかニャ？

これで買えるだけ避難グッズを買う
それ以上は買ってはイケない

ほす

>>187
大変だね！！

果たして、９１円で何が買えるのだろう…
2ch名物のうまい棒か？

保守

なんだねここは

アレｌ：。；だよココは。

保守

そろそろ保守

保守保守！！

なんじゃい、保守だらけかい、何かカケヤ！！

保守ついでに…
今2、3人しか書いてないけど、みんな完結したら
ここってどーすんの？

新作が始まるだけでつ。

保守ついでに200ゲトォ

作者の皆さん、読者の皆さん
あけましておめでとうございます
更新待っております〜
黒猫さんは無事に引越し終わったんでしょうかねー

保守

あげておかないと・・・
今日も保守
待ってまーす

あけおめ〜〜！

まだ〜(:_;)？

なかなか更新されないから自分で書こうと思ったけど
全然浮かばない・・・
大変なんだね
待ってます〜

一人で頑張るさんはどうしたんだろう？？続き読みたいな。。

黒猫さん引っ越し終わったぁ？
１人で頑張るさん、どこぉ？
続き待ってます

こんにちは。
引っ越しは終わったのですが忙しくって続きが作れないんです・・・・
まあ、あんまり面白くないんで、気長にまっていてくれたらうれしいです。
しかし、杉並から世田谷に越したのだけど、世田谷は杉並以上に地震が起きたら
怖そうな所ですね・・・

保守

落ちる落ちる・・・
保守＆続き希望

つづきまってます

保守