このスレは漫画キャラバトルロワイアルのスレです。
SSの投下も、ここで行ってください 、支援はばいばい猿があるので多めに
前スレ
漫画キャラバトルロワイアル Part5
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1188040278/l50 【外部リンク】
漫画キャラバトルロワイアル掲示板(したらば)
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9318/ まとめサイト
http://www32.atwiki.jp/comicroyale 漫画キャラバトルロワイアル毒吐き
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1183133225/l50 ・参加者リスト・
1/4 【アカギ】○赤木しげる/●市川/●平山幸雄/●鷲巣巌
2/2 【覚悟のススメ】○葉隠覚悟/●葉隠散
1/3 【仮面ライダーSPRITS】 ●本郷猛/●三影英介/○村雨良
3/4 【からくりサーカス】○加藤鳴海/○才賀エレオノール(しろがね)/○才賀勝/●白金(フェイスレス指令)
3/4 【銀魂】 ○坂田銀時/○神楽/●桂小太郎/○志村新八
3/4 【グラップラー刃牙】○愚地独歩/●花山薫/○範馬刃牙/○範馬勇次郎
4/4 【ジョジョの奇妙な冒険 】○吉良吉影/○空条承太郎/○ジョセフ・ジョースター/○DIO
3/4 【スクライド】●カズマ/○シェリス・アジャーニ/○マーティン・ジグマール/○劉鳳
3/4 【ゼロの使い魔】○キュルケ(略)/○タバサ/●平賀才人/○ルイズ(略)
4/4 【ハヤテのごとく】○綾崎ハヤテ/○桂ヒナギク/○三千院ナギ/●マリア
1/3 【HELLSING】○アーカード/●アレクサンド・アンデルセン/●セラス・ヴィクトリア
3/4 【北斗の拳】○アミバ/○ケンシロウ/●ジャギ/○ラオウ
3/4 【武装錬金】○防人衛/○蝶野攻爵/○津村斗貴子/●武藤カズキ
3/4 【漫画版バトルロワイアル】○川田章吾/○桐山和雄/●杉村弘樹/○三村信史
2/4 【名探偵コナン】 ○江戸川コナン/●灰原哀/○服部平次/●毛利小五郎
3/4 【らき☆すた】○泉こなた/●高良みゆき/○柊かがみ/○柊つかさ
計 40人 / 60人
【NGについて】
・修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
・協議となった場面は協議が終わるまで凍結とする。凍結中はその場面を進行させることはできない。
・どんなに長引いても48時間以内に結論を出す。
『投稿した話を取り消す場合は、派生する話が発生する前に』
NG協議の対象となる基準
1.ストーリーの体をなしていない文章。(あまりにも酷い駄文等)
2.原作設定からみて明らかに有り得ない展開で、それがストーリーに大きく影響を与えてしまっている場合。
3.前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている場合(死んだキャラが普通に登場している等)
4.イベントルールに違反してしまっている場合。
5.荒し目的の投稿。
6.時間の進み方が異常。
7.雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)
8.その他、イベントのバランスを崩してしまう可能性のある内容。
上記の基準を満たしていない訴えは門前払いとします。
例.「このキャラがここで死ぬのは理不尽だ」「この後の展開を俺なりに考えていたのに」など
ストーリーに関係ない細かい部分の揚げ足取りも×
例.「このキャラがここで死ぬのは理不尽だ」「この後の展開を俺なりに考えていたのに」など
ストーリーに関係ない細かい部分の揚げ足取りも×
・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・修正要求ではない批判意見などを元にSSを修正するかどうかは書き手の自由です。
・誤字などは本スレで指摘してかまいませんが、内容議論については「問題議論用スレ」で行いましょう。
・「問題議論用スレ」は毒吐きではありません。議論に際しては、冷静に言葉を選んで客観的な意見を述べましょう。
・内容について本スレで議論する人がいたら、「問題議論用スレ」へ誘導しましょう。
・修正議論を見て修正するかどうかは書き手の自由ですが、原則、書き手は本スレで出された修正案以外には対応する必要はありません。
・展開予想、ネガティブな感想、主観的な意見は「毒吐きスレ」でお願いします。毒は溜め込まずに発散しましょう。
・議論スレと正式に分離したことで毒吐きでの感想は過激化している恐れがあります。見る必要性もないので、書き手は見ないことを推奨します。
【能力制限】
◆禁止
・アーカードの零号開放
・武藤カズキのヴィクター化
・吉良吉影の“第三の爆弾バイツァ・ダスト”
・ギャランドゥ(ジグマールのアルター)の自立行動(可否は議論中?)
◆威力制限
・ゼロ勢の魔法
・空条承太郎、DIOの時止め
・スクライドキャラのアルター(発動は問題なし、支給品のアルター化はNG)
・アーカードの吸血鬼としての能力
・仮面ライダーの戦闘能力
・シルバースキンの防御力
・北斗神拳の経絡秘孔の効果
・激戦の再生力、再生条件
◆やや制限?
・グラップラー刃牙勢、北斗の拳勢、仮面ライダー勢、覚悟のススメ勢の肉体的戦闘力
・ジョジョのスタンド(攻撃力が減少、一般人でも視認や接触が可能)
・からくりサーカス勢の解体能力
◆恐らく問題なし
・銀魂キャラ、戦闘経験キャラなどの、「一般人よりは強い」レベルのキャラの肉体的戦闘力
【支給品について】
・動物、使い魔、自動人形などの自立行動が可能な支給品は禁止です。(自立行動を行わないならば意思持ちでも可)
・麻薬、惚れ薬、石仮面などの人格を改変するおそれのある支給品や水の精霊の指輪、アヌビス神などの人格乗っ取り支給品は禁止です。
・核金によって発現する武装錬金は、原作の持ち主の武装錬金に固定されています。
【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
勝者のみ元の世界に帰ることができる。
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ランダムアイテム」
「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。詳しくは別項参照。
「地図」 → MAP-Cのあの図と、禁止エリアを判別するための境界線と座標が記されている。
「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。
「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。写真はなし。
「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
「ランタン」 → 暗闇を照らすことができる。
「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜3個入っている。内容はランダム
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの一時投下スレにうpしてください。
・自信がなかったら先に一時投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない一時投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
その際はかならずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、スレには色々な情報があります。
・『展開のための展開』はNG
キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効
携帯からPCに変えるだけでも違います
【読み手の心得】
・好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。
・好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。
・荒らしは透明あぼーん推奨。
・批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。
同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。
・擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。
修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。
・嫌な気分になったら、ドラえもん(クレヨンしんちゃんも可)を見てマターリしてください。
・「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。
・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。
やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。
冷たい牛乳を飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。
・感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。
丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。
・ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。
【議論の時の心得】
・作品の指摘をする場合は相手を煽らないで冷静に気になったところを述べましょう。
・ただし、キャラが被ったりした場合のフォロー&指摘はしてやって下さい。
・議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。
意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。
・『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、
強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』
・これはリレー小説です、一人で話を進める事だけは止めましょう。
【禁止事項】
・一度死亡が確定したキャラの復活
・大勢の参加者の動きを制限し過ぎる行動を取らせる
程度によっては雑談スレで審議の対象。
・時間軸を遡った話の投下
例えば話と話の間にキャラの位置等の状態が突然変わっている。
この矛盾を解決する為に、他人に辻褄合わせとして空白時間の描写を依頼するのは禁止。
こうした時間軸等の矛盾が発生しないよう初めから注意する。
・話の丸投げ
後から修正する事を念頭に置き、はじめから適当な話の骨子だけを投下する事等。
特別な事情があった場合を除き、悪質な場合は審議の後破棄。
【予約に関してのルール】
・したらばの予約スレにてトリップ付で予約を行います
・初トリップでの予約作品の投下の場合は予約必須(5日)
ただし、予約せずに投下できなら、別に初トリでもかまわない
・予約時間延長(最大3日)を申請する場合はその旨を雑談スレで報告
・申請する権利を持つのは「過去に3作以上の作品が”採用された”」書き手
・修正期間は修正宣言から最大三日。
【MAP】
http://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/34.html http://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/90.html (登場人物の位置あり)
13 :
10修正:07/11/07 20:06 ID:43LduLvM
【禁止事項】
・一度死亡が確定したキャラの復活
・大勢の参加者の動きを制限し過ぎる行動を取らせる
程度によっては雑談スレで審議の対象。
・時間軸を遡った話の投下
例えば話と話の間にキャラの位置等の状態が突然変わっている。
この矛盾を解決する為に、他人に辻褄合わせとして空白時間の描写を依頼するのは禁止。
こうした時間軸等の矛盾が発生しないよう初めから注意する。
・話の丸投げ
後から修正する事を念頭に置き、はじめから適当な話の骨子だけを投下する事等。
特別な事情があった場合を除き、悪質な場合は審議の後破棄。
【予約に関してのルール】
・したらばの予約スレにてトリップ付で予約を行います
・初トリップでの予約作品の投下の場合は予約必須(5日)
ただし、予約せずに投下できなら、別に初トリでもかまわない
・予約時間延長(最大3日)を申請する場合はその旨を雑談スレで報告
・申請する権利を持つのは「過去に3作以上の作品が”採用された”」書き手
・修正期間は修正宣言から最大三日。
【MAP】
http://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/34.html http://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/330.html (登場人物の位置あり)
新スレ乙です!
最後の4人ならブリゲッラがいいなぁ……いやいや最後って縁起悪いですよw
あと自分が殺したのは桐山ですよ。何故か
>>1では死んでませんけどw
という事でお待たせしました!
ジョセフ、三村、かがみ、村雨投下します。
支援
『――それでは、バトルロワイアルを続行する!!』
二回目の定時放送が終わり、再び禁じられた行い……バトルロワイアルを続行させる宣言が参加者に告げられる。
そしてその宣言に対して表情を全く変えずにクルーザーを走らせる男が一人。
このバトルロワイアルを演出した秘密結社、BADAN大首領の器となるべくその身を99%機械の身体に改造されたパーフェクトサイボーグ……村雨良が居た。
「禁止エリアか…………」
ボソッと特に興味がなさそうに村雨は呟く。
要はそのエリアに入らなければいい話しであり、既に村雨は地図を数分前に一度見ただけで完全に記憶しており、先程の放送の内容も一文字も書き留める事もせずに記憶した。
パーフェクトサイボーグである事による思わぬ利点である。
だがそんな事は村雨は気にも留めずに別の事を考える。
「平賀才人……桐山和雄…………」
双剣を携え、自分を打ち負かした葉隠散に一歩も引く事無く己の意思を最後まで貫き通し、劉鳳という男を助けるために命を落とすことになった平賀才人。
どことなく自分と同質なものを感じさせ、あの散の技を半端ながらも盗み、こちらも最後まで散に対して一歩も引く事無く命を落とした桐山和雄。
彼らの名を放送で聞き、ZXはどこか複雑な感情になる。
別に彼らの死を悲しむ感情はZXにはない。
彼らは自分の仲間、散が憎むべき対象である人間。
たとえ道端で死のうとも自分には関係がない……そのはずだった。
だが、今の村雨には悲しみとは別の感情……そう、彼はどこか彼らの死が勿体ないと感じていた。
「……奴らと闘ってみたかったのだがな……」
彼らの死を間近で見てきた事により、何か記憶の糸口を掴んだような錯覚に囚われた村雨だが、直接彼らと闘った経験は彼にはなかった。
特に自分と似た何かを感じ取った桐山の死亡は村雨にとって残念な事だったがいつまでもそんな事を考えていられない。
未だ見ぬ強敵を求めて更にクルーザーの速度を上げ、村雨はまた別の事を考える。
「どんな望みでも叶う権利…………か」
放送で発表された褒美の事についてZXは淡い希望を抱く。
もし自分の記憶を手に入れる事さえも出来るなら……こんなに良い話はない。
ならば自分が取る道は――
「なんだって……やってやるさ。俺に記憶をくれるのならばな」
勿論このバトルロワイアルという殺し合いに乗る事。
BADANの兵として、世界中の軍隊と闘うため出撃を行おうとする時に仲間であるヤマアラシロイド、ニードルに言った台詞を意識したわけではないが再び村雨は呟く。
クルーザーをまるで疾風のように走らせながら。
そして風を切る感覚をその身で感じながら村雨はふと思い出したかのように考える。
(確か以前俺は……こんな風に何処かを…………)
このクルーザーというものには……いや、どちらかに言うと説明書に記入されたバイクというものに村雨は前々からなにか懐かしいものを感じていた。
BADANの兵としてヘルダイバーという戦闘バイクに乗っていた時よりずっと前から自分は知っていたような感覚を……。
そこまで村雨は考え、やがて考えるのをやめた。
何故なら村雨の前方でドス黒い煙が空に浮かび……クルーザーの速度は更に上昇したから。
◇ ◆ ◇
田園地帯で一人の少年が呆然とした表情で立ち竦んでいた。
数分前は放送で衝撃的な内容を告げられても全く動じず、冷静にこの状況を打開しようと思考を練っていた第三の男、三村信史である。
今の三村は食料などが入っているデイパックは焼かれ、持ち物は彼の頭に入っているクレイジー・ダイヤモンドのDISCとポケットに入れておいたトランプ銃、そしてエニグマの紙に入れられたギターだけという有様である。
こんなあまりにも頼りない装備であるが今の彼にはそんな事よりも、たった今自分たちに起こった事について考えるのに必死だった。
(まさか柊がいきなりあんな事をするとは……ちっ!俺とした事が……)。
かがみの服に付いていた血からわかるように恐らく自分たちと出会う前に何かとんでもない事に巻き込まれていたのだろう。
だが三村は今でも自分の言った事には間違いはなかったと信じていた。
こんなクソッタレのプログラムでは甘い夢は見ずに、辛い現実でも目を向け、その現実に対し最適な行動をとる事が何より求められていると三村は思っていたからだ。
だが……現実は三村にとってあまりにも過酷な結果を齎した。
(ジョジョ……てめえ何で俺なんかのために……)
このプログラムで初めて出会い、仲間となったジョセフ・ジョースター。
自分とあまり歳が変わらないのに妻を持っているらしく、筋肉隆々な身体を持っているくせに時々人を馬鹿にしたようなオカマ口調になるお調子者ジョセフ。
何処か憎めない奴だったが決して悪い奴ではなく、正真証明の仲間だった男が好きな音楽すら知らない一人の少女によって殺されたという事実が三村に重く圧し掛かる。
(落ち着け……あの爆発だ。あんな爆発じゃあジョジョはもう……)
――死んだ
何故かその言葉を三村は口に出す事が出来ない。
この異常とも言えるプログラムを潰すためには一刻も早く、現実を受け入れ行動を起こすべきだという事は三村もわかっている。
だが三村は未だ最善の行動を取ることが出来ない。
それほどまでにもジョセフの死は衝撃的であったため三村の思考は纏まりを見せていなかった。
(恐らくあの鳥人間みたいなのは俺のクレイジーダイヤモンドと同じスタンドってやつだ。
だが向こうには奇妙な槍もあるし、あの鳥人間の炎は強力すぎる……)
一瞬で自分達が乗っていた自動車を炎上できる程の火力をかがみが保持している事が三村を惑わせていた。
(正面から向かったら間違いなく丸焦げか……どうする?)
今、自分が行うべき最適の行動を三村はその頭脳で模索する。
どうにも考えが纏まらない……そんな時彼の視界にまさに疾風の速さで飛び込んでくるものがあった。
白、赤、黒の三色で彩られたバイク、クルーザーに乗った村雨良の姿が。
◇ ◆ ◇
爆炎が立ち昇るエリアD-7で柱の男達を打ち破った波紋使い、ジョセフ・ジョースターが目標に向かって走っている。
常人ではとても考えられない速度で走っているジョセフだが、全く息が切れている様子は無い。
既に一流の波紋使い、リサリサの下で修行を積み、波紋をマスターしたジョセフにとってこんな事はお茶の子さいさいだ。
「何度思い出してもヒヤヒヤするぜ!ぼくちゃんもうビックリしてハートが止まりそう!」
おどけた調子で、だがそれでいて表情は真剣なものを崩さずにジョセフは走る。
彼の両の眼に映っている一糸纏わぬ少女、柊かがみの下に辿り着き、彼女の歩を止めるために。
「しかしあんな鳥公を出せるとはかがみもなかなか芸達者な奴だな……そのうちサーカスにでもスカウトされるぜ!」
だが、突如かがみの傍に現れた鳥と人間を掛け合わせたようなもの、マジシャンズレッドの存在はスタンドを知らないジョセフにとって全く未知数の存在である事が不安のしこりを残している。
柱の男達とはまた違った闘気を放つ存在に対してジョセフの思考は思わず『一目散に逃げる』と、彼の十八番を表す行動を行おうとしたが、彼はそれを拒否した。
柱の男達との闘いとは違い、今ジョセフが行おうとしている事は別に自分の命が掛かっているわけでもないので、逃げようと思えば楽に逃げられるような事である。
しかしジョセフはかがみを助ける事を決めた。
ジョセフはかの誇り高きジョースターの血統を継ぐ者。
基本的にジョセフは仲間を見捨てるような者ではなく、それに彼にとってかがみはもう立派な仲間なのだ。
これ以上理由を求めるのは無意味な事。
そして遂に彼はお目当ての少女の後方約数メートルの地点に到達する事に成功する。
虚ろな表情を浮かべたかがみの後方に。
◇ ◆ ◇
『貴様も私と同じ化け物か』
いつかあのアーカードっていう化け物が私に向かって嬉しそうに言った言葉。
その言葉を受けた時はあいつを倒す事に夢中であまり気に留めなかった。
でも……支給された核鉄のお陰と言えど何度も破壊されても、直ぐに治った私の頭や体。
こんな事はSF映画やこなたが読むような漫画の世界でしかあり得ない。
ましてや普通の高校に通う普通の女子高生である私が……。
――私は化け物じゃない!――
今まで私は何度もそう思ってきた。
でも思えばみゆきも灰原さんも桂さんも死んでしまった……。
嗚呼、そういう事なんだ……。
きっと私に近づいたから……私が化け物だから……私がこの世界に存在しているからみんな死んじゃったんだ。
こんな私がつかさやこなたに出会っしまったらきっとみゆき達のようになる……そんなの嫌だ。
だから私は決めたの……誰も来る事は出来ない場所に行く事に。
エリアH-7、其処がこの私を天国に連れて行ってくれる場所……いや、化け物の私が天国に行けるなんてうまい話はないわよね。
そう、訂正すると地獄に行ける場所……私は其処に行くために真っ直ぐ歩き続ける。
これでもう誰にも迷惑を掛ける事はないわ……なのにどうして?
どうして私に向かってくるの?……今の私にはこのマジシャンズ・レッドはうまく扱えないから危ないのよ?……だから今度こそ……早く逃げてよぉ……ジョジョ。
◇ ◆ ◇
「おっとと!危ねぇ危ねぇ!」
大地を蹴り、勢いよく跳躍する事でかがみの前に回り込もうとしたジョセフだったが、かがみのマジシャンズ・レッドが吐き出した高温の炎によりそれは叶わなかった。
辛うじて炎を避わす事に成功するが、間髪入れずに第二、第三の炎がジョセフに向かって吐き出された事により彼はかがみの元に辿り着く事は出来ずにいた。
「全くあの鳥公は何食ったらこんな物騒なもの出せるんだぁ?
だが!こんなチンケな炎に燃やされるジョセフ・ジョースターじゃねぇぜ!」
軽口を叩きながらジョセフは軽快な動きで今もなおマジシャンズ・レッドが吐き出し続ける炎を避わし続ける。
波紋の修行、そして柱の男達との激闘を既に体感したジョセフにとってマジシャンズ・レッドの炎を避わし続ける事は造作も無い事だが、あまりにも激しく連続的に襲ってくる炎がジョセフの進行を防いでいた。
「おーい!かがみ〜ん。そろそろその鳥公をどうにかしてくれねぇかぁ?」
ジョセフは知る由も無いが今のマジシャンズ・レッドはかがみに完全に操れるものではなく、
かがみが彼女自身に抱く負の感情は計り知れないものとなっていた。
そしてスタンド使いの精神の力で映し出される魂のビジョン、スタンドであるマジシャンズ・レッドは
そのかがみの負の感情によりいわば暴走状態になっていた。
また本来ホワイト・スネイクの能力によって取り出されるスタンドDISCは
いくらスタンドのパワーが強くても、DISCを使用する者に資質がなければ使いこなす事は
出来ずにDISCは頭部から弾き飛ばされてしまうものだった。
だがこのバトルロワイアル用にBADANが加えた改造によりその問題は解決されたが、
同時にスタンドパワーの安定さに不安が生じてしまっていた事も今回の暴走に関係していた。
そう、第一回放送直後に制限を打ち破り、キング・クリムゾンの本来の能力に近づいた力を発揮した
鷲巣厳がやってみせた事もこの事に関係していたというわけだ。
暴走状態のスタンドはスタンド使いのコントロールを離れるが、基本的にはスタンド使いを守るように動く。
そのため『一人になりたい』というかがみの意思を受け取り、マジシャンズ・レッドは怒涛の攻撃でジョセフを攻めたてていた。
支援
「なぁ!かがみ〜ん。また俺とかがみとシンジの三人で面白おかしく話でもしようぜぇ?」
ヒョイヒョイとマジシャンズ・レッドの炎を掻い潜りながらジョセフは叫ぶ。
そしてそのジョセフの言葉に今まで彼に対して背を向け、歩き続けていたかがみの身体がビクンと立ち止まる。
全身を小刻みに揺らしながらかがみはゆっくりとジョセフの方へ振り向く。
「…………どうしてよ?」
「あぁ?悪りぃかがみ。もう少し声を張り上げてくれねぇか?」
かがみが言葉を発している時も依然マジシャンズ・レッドの攻撃は続いており、
攻撃の時に響き渡るマジシャンズ・レッドの咆哮がかがみの小さな声を掻き消したので
ジョセフはかがみの声をうまく拾う事は出来なかった。
そのジョセフの態度がどこかかがみの心を掻き乱す。
「どうしてそんな事を言うのよ!?私と関わった人……
みゆきも灰原さんも桂さんもあんたが気休めに言った三村も……みんな死んじゃったのよ!?
私と……私と関わったから……私なんかがいたから!!!」
「お!おいかがみん!未だシンジは生きて……おわぁ!危ねぇ!!!」
声を震わせながら、ありったけの声で叫ぶかがみの言葉にジョセフは疑問を思わず覚えるが、
休む事なく続くマジシャンズ・レッドの攻撃で疑問を口にする事が出来ない。
だが、三村が死んだという誤解がこの暴走を招いた要因の一つになっている事に気付いたジョセフは
その誤解を解くために再び言葉を発しようとする。
「いいかぁかがみ!シンジはなぁ……ん?何だ?」
だが、今まで自分達が乗っていた乗用車が発していたエンジンの唸り声と同質の音が
後方から迫っている事にジョセフは気付き、途中で言葉を止める。
そしてその音のする方向を振り向くと……一台のバイクがこちらに向かってきていた。
◇ ◆ ◇
ジョジョが生きていたのは本当に嬉しかった……。
もうジョジョを危険な目に遭わせるわけにはいかない……けどもうマジシャンズ・レッドは私の言う事を殆ど聞いてくれないの。
それならこの激戦を手放し、舌を噛み千切ってやろうとも考えたけど身体が石のように固まってしまった……。
マジシャンズ・レッドが私を生かすために邪魔したのかな……それとも未だ私は死にたくないのかも……化け物なのに。
そんな事を考えているとジョジョの後ろから変なバイクに乗った人が私の方に向かってきた。
これ以上私に関わらないで!……そう願うとマジシャンズ・レッドはその人に向かって炎を吐き出してしまった……
そんなつもりはなかったのに。
そして炎に包まれたバイクから……赤い影が飛び出し、その赤い影から何か銀色に光るものが私の方に凄い速さで飛んできて……
血を撒き散らしながら私の左腕を持っていってしまった。
――私やっと死ねるのかな――
そう思ったけど直ぐに激戦の力で私の左腕は元通りに治ってしまう……なんでよ……
私もう嫌なのよ……もう誰にも迷惑は掛けたくない……。
だから…………はやく……殺して……。
◇ ◆ ◇
(何っ!?)
マジシャンズ・レッドの炎が迫る瞬間に変身を完了し、炎に包まれたクルーザーから飛び降り、
肘に装備された十字手裏剣をかがみに放ったZXは彼女の予想外のタフネスに驚く。
生身の人間が自分と同じように瞬時に自分の身体を再生する事が出来るとは思ってもみなかったからだ。
(やはり先程の少年の話は本当だったか……)
三村から聞いた情報は正しかったとZXは考えながら地面に着地する。
そして間を置かずに大地を蹴り飛ばし、目標に向かって一直線に突撃を開始する。
そう、あの平賀才人が使っていたような人の形をした物体。
マジシャンズ・レッドに向かって。
「オオオオォォォ!」
たとえ千切られようとも殴る事を止める事はないその両腕を使い、
ZXはマジシャンズ・レッドに向かって拳を揮う。
だがマジシャンズ・レッドは近距離パワー型のスタンド。
ZXの打撃をその筋肉で構築された両腕で受け流し、ZXからのダメージを防いでいく。
そしてマジシャンズ・レッドがZXの顔面に向かって反撃の左腕を繰り出すが
ZXが頭部を左腕に逸らした事でマジシャンズ・レッドの拳は虚しく空を切ってしまう。
左腕を伸ばしきった事により、マジシャンズ・レッドの左脇腹ががら空きとなり、
そこにZXの右足が勢いよく飛び込む。
「ッ!?」
だが驚きの声を上げたのはZXの方だった。
確かにZXの右足は完全にマジシャンズ・レッドの脇腹に入り、仰け反らせる事に成功したが
同時にかがみも苦痛の表情を浮かべていたからだ。
ZXは知らない事だったがスタンドへの攻撃は同じように本体であるスタンド使いに伝達される。
激戦は身体の欠損を認識する事で復元を開始するので、打撃によるダメージに対して耐性はない。
パーフェクトサイボーグであるZXの強烈な右足はかがみに大きな苦痛を確実に与えていた。
sien
「くっ!……ウオオオオオォォォ!」
自分の敵であるかがみが苦痛な表情を浮かべている事に何故か思わずZXの動きは止まるが、直ぐにその停止を振り切り、
ZXは追撃と言わんばかりにマジシャンズ・レッドに向かって右腕を渾身の力で繰り出す。
そう、然程遠くない本来の世界の未来で誰に名付けられたわけではなく、
自らの名を借りて名付けた拳……ZXパンチを。
当たれば到底無傷では済むわけがないその拳がマジシャンズ・レッドに向かう……が。
「――ッ!?」
何故かZXの拳はマジシャンズ・レッドの顔面の前で停止してしまう。
そしてそれを好機と感じ取ったマジシャンズ・レッドの口がZXに向かって大きく開き……
紅蓮の炎がZXを襲う。
自分の不可解な行動に動揺したZXにそれを回避する手段は無かった。
「ヒュー!おい赤ムシ野郎!大丈夫かぁ?」
ZXに炎が完全に直撃する瞬間、ジョセフはZXとマジシャンズ・レッドが闘っている間に素早く用意した
二つのハイパーヨーヨーの糸をZXの足に絡ませ、
力一杯引き寄せる事でZXへの攻撃を空振りにさせる事に成功していた。
(しかしこのスカタンはかがみの腕を切りやがったふてぇ野郎なんだが……なんで助けちまったんだろうなぁ?)
咄嗟にあまり考えないで行動に出たジョセフは自分の行動を少し不思議に思う。
だが直ぐに「まぁいいか」とジョセフは思い、素早くマジシャンズ・レッドの方へ向き直る。
しかしたった今自分が見たようにどうやら目の前の鳥公へのダメージはそのままかがみのダメージとなるようだ。
それならば取り合えずこのヨーヨーでかがみの歩みを止めようと思い、ジョセフは構える。
「おい!赤ムシ野郎!聞いてぇんのかぁ?」
自分の直ぐ横に居る、完全には炎を避わしきれなかったZXに向かって叫びながら。
◇ ◆ ◇
(何故だ……何故俺は動きを止めた……?)
自分が先程立て続けに起こした不可解な行動にZXの頭脳は悲鳴を上げる。
完全に相手の顔面を捉えた筈の右拳によるZXパンチ。
自分の右足がマジシャンズ・レッドに直撃した際かがみが見せた苦痛の表情を見た事による一瞬の停止。
これらの行動を起こした自分に対して。
(まさか俺は……あの女とあの少女を重ね合わせているのか……馬鹿な)
何も服は着ずに一糸纏わぬ裸体を晒し、腰の高さまで届く長い髪を生やし、
まるで全てに絶望しているかのような悲しみに満ちた両の眼。
そして命の象徴である女性という姓。
背丈や顔は違えど言えども今、再びZX達に背を向け歩き出しているかがみは
どことなくいつも村雨に悲しい目を向けていた女性……村雨静に似ていた。
そのためZXは無意識的に……そう、第一撃に放った十字手裏剣も実際は頭部を狙ったものではあったが
無意識的に左腕に逸らしてしまっていた。
――あの少女を破壊してしまったらあの女に二度と会えないかもしれない――
(馬鹿な!そんな事が……ある筈はない……)
あまりにも理屈的ではない考えを真っ向から否定しようにもどこか完全には否定できない
自分に対してZXはもどかしく感じてしまう。
「おい!赤ムシ野郎!聞いてぇんのかぁ?」
だが、そんな時自分を助けたジョセフの声を受け取り、一先ず考えを中断しZXはかがみを倒す事に集中する。
(この男はあと回しだ……今は……あの少女を殺す)
自分が感じた奇妙な感情についての答えを探し出すために。
一流の波紋使いであるジョセフ。
BADAN大首領、JUDOの器と成るべく改造されたZX。
この二人の戦闘力は参加者の中でもかなり上位の位置にあるだろう。
だが、その事実に反して二人は未だかがみを倒すどころか足を止める事も出来ずにいた。
暴走状態により破壊力と持続力、射程距離が飛躍的に上昇したマジシャンズ・レッドが彼らの前に立ちはだかっていたからだ。
しかしマジシャンズ・レッドが居るとはいえども彼らの力があれば、かがみの動きを止める事は難しい事ではなく、
むしろ容易な事だった。
だがジョセフは只、かがみの動きを止めるために動き、ZXはかがみを倒そうとは思えども致命傷を与えられる肝心な時に
動きが止まってしまい、何より二人の間には「チームワーク」という文字が存在していなかった事が決定的な要因になっていた。
「ぐっ!そろそろやべぇぜ……」
先程までの余裕さが嘘のようにジョセフは珍しく弱気な声を発する。
ついさっきヨーヨーで今は自分達の方を虚ろな目で見つめるかがみをひとまず沈黙させようしたジョセフだったが、
またしてもマジシャンズ・レッドの妨害を受け、逆に屈強な拳で顔面に一撃貰ってしまっていた。
しかし、そんなダメージは今まで柱の男達との闘いで何度も受けているのであまり気にしている様子はジョセフにはない。
それよりもマジシャンズ・レッドの吐き出した炎で今、ジョセフ達が居る田園地帯に生えた田んぼに火が移り、
煙が昇っている事が気がかりだった。
「この煙を見て、いかれた野郎がやって来たらマズイぜ……おい!赤ムシ野郎!」
いつ危険人物がこの場にやって来るかわからないこの状況を打開するべく、ジョセフはZXに声を掛ける。
「……何だ?」
ジョセフが拳を貰ったようにZXはマジシャンズ・レッドの炎を受けており、全身に焦げ後が残っていた。
まぁ自己修復機能が手伝っている事もあり、ZX本人は然程気にしている様子はないが。
「てめぇ、俺に手を貸せ!」
「……断る。俺は一人で闘う……それが俺の存在理由だ」
「はぁ!?てめぇ何言って……どわぁ!」
二人が立つ位置にまたも炎が吐き出され、ジョセフの言葉は中断を余儀なくされる。
(何だぁこいつは?もしかしてアレか?あのワムウみたいに強い奴と闘いてぇー!っていう
戦闘狂かぁ?なら……やりようはあるぜ!)
ZXの拒否を示す言葉を聞き、ジョセフは即座にZXの性格を推測し、妙案を思いつきジョセフの表情はみるみると明るくなる。
今まで自分の窮地を何度も救ってきた自分の話術……そう、嘘を付く事でこの状況を打開しようとジョセフは考え、彼は行動に移す。
「赤ムシ野郎!てめぇも俺もかがみも超ハッピーになれるアイディアを聞きたくねぇかぁ!?」
「…………」
「て、てめぇ……無視するとは流石に温厚な俺でもプッツンいくかもしれんぜぇ!?」
ジョセフの提案には全く反応せず、ZXはマジシャンズ・レッドに再び飛び掛り、肉弾戦を展開し始め、その事に対してジョセフは憤慨する。
やがて一撃、マジシャンズ・レッドの左肩に拳による打撃を加え、ZXは後方に向かって跳躍。
一旦、マジシャンズ・レッドとの距離を取り、再びジョセフの傍に立ち、口を開く。
「……言ってみろ」
実際、ZXの方も今の状況は芳しくなかった。
未だ自分の不自然な行動についての答えは出ずに、尚且つ肝心な時に動きが止まる自分に対しての苛立ちは募っているZX。
この状況を打開出来る策があればZXにとっても知りたいものだった。
「へっ!テメェ、アレだな。意地を張って素直になれなくてつい辛く当たるっていう○ンデレっていう奴だな!良いかぁ?耳の穴かっぽじってよく聞けよぉ!」
◇ ◆ ◇
何で……?何であんた達は逃げてくれないの……?
私のマジシャンズ・レッドはあんた達を完全に敵だと思ってるのよ……。
だから私が禁止エリアに入って、死んじゃえばみんなが傷つく事はない……みんなが幸せになれるのに。
そうよ……それしか……私が死ぬしか方法はない……そう思っているのに。
『赤ムシ野郎!てめぇも俺もかがみんも超ハッピーになれるアイディアを聞きたくねぇかぁ!?』
そんなのあるわけないわよ……。
もうそんな夢見たいな事言わないで……目が眩みそうになるくらいの笑顔を見せないで……。
ジョジョ、あんたが私を元気付けようとそんな事を言ってくれるのは嬉しいわ……でもあまりにも現実的じゃない……。
私はもう……白馬の王子様を信じるような年じゃないの……。
だから…………もういいの。
はやく……………………逃げ…………て。
◇ ◆ ◇
「……さっきの話は本当だろうな?」
「Oh!このジョセフ・ジョースターは逃げも隠れもするが嘘はつかねぇぜ!
だからそっちもさっき俺が言ったようにしろよ?」
「……わかった」
あまり信用して無さそうな口調で訊ねるZXにジョセフは自信満々に嘘で塗り固められた言葉で応え、ZXはとりあえず了解の意を示す。
流石はジョセフと言ったところか。
全く表情を変化させず、嘘を言ってのける彼はきっと最新の嘘探知機にも反応を示さないだろう。
「心配すんな!後でかがみより強ぇーこの俺がてめぇと闘ってやるって!」
つまりジョセフがZXに提案した事をかいつまんで言うとこうだ。
『自分に協力してかがみを止める事を出来たら、かがみより強い自分がお前と闘ってやる』
ZXにとって、強き者……散、劉鳳のような人物との闘いは最大の望みであり、かがみとの闘いは既に充分体感し、どうにも彼が求めているものとは違ったように感じていた。
そんなZXにとってジョセフの提案はそれほど悪いものではなく、『ジョセフがかがみより強い』という事は彼にとって魅力的なことでもあり同時に納得出来るものであった。
なぜならジョセフは別にかがみとやりあうつもりはないので今までの彼の動きは手加減をしているものとZXは思っており、だからこそジョセフの強さは確かなものであると納得したのは決して不思議な事ではないからだ。
「……わかっている……やるぞ……」
そういってZXは膝に装備された衝撃集中爆弾を手に取り、瞬時にマジシャンズ・レッドに向けて投げつける。
「すまねぇかがみ!ちょーっと我慢してくれ!」
出来るだけかがみにダメージがいかないように、マジシャンズ・レッドの足元を狙って。
「……うっ!」
喘ぎ声をかがみは苦しそうに上げる。
そして彼女の後ろに発現していたマジシャンズ・レッドは爆風によるダメージで今にも消えかかっていた。
マジシャンズ・レッドは炎を自在に操る能力を持つが、既にジョセフ、ZXの二人を相手に全力のスタンドパワーを発揮した闘いを数十分以上続けており、いくら暴走状態でスタンドの持続力が上がっていると言えどもその能力を使う力は残されていなかった。
「赤ムシ野郎!あの鳥公に糸みたいなものでも絡ませて動きを止めろ!」
「……任せろ」
そのジョセフの言葉にZXは素直に応え、このバトルロワイアルに連れてこられてから未だ使用していない両腕に内蔵された武器、マイクロチェーンを使用するために両腕を伸ばし、マイクロチェーンをマジシャンズ・レッドに向けて射出する。
二振りの鋼鉄の鎖がマジシャンズ・レッドの身体に絡みつき、同時にかがみの動きを止める事に成功する。
「ひゅー!こいつはグレートだぜ!やれば出来るじゃねぇか!こんどは俺がやる番だな!」
そしてジョセフも間髪入れずに行動を起こす。
勿論、かがみを倒すのではなく、暴走しているマジシャンズ・レッドに取り合えず消えてもらうためにZXの目の前に立ち、ZXの両腕から伸びているマイクロチェーンに両腕を添える。
「何で……何でそこまで私のために頑張るの……?」
その時、かがみがぼそりと呟いたのを聞き、思わずジョセフの動きは止まる。
かがみの言葉に対して心底不思議そうな表情を浮かべて。
「なーに言ってんだかがみ?俺達仲間だろ?それだけで充分じゃねぇか」
「私が……私がうまくやらなかったからみゆき達は死んだのよ……私のせいでみんなは……だから私が死んじゃえば……」
今にも泣き出しそうな表情を浮かべ、かがみは俯きながら言葉を紡ぐ。
自分に対してあまりに大きい自己嫌悪に押し潰されるのを必死でこらえるように口を動かして。
だがそんなかがみの悲痛に塗れた言葉を受けてジョセフは……笑っていた。
下品な笑い方ではなく、どこか穏やかに。
「あのなぁかがみ……失敗なんて誰にだってあるもんだぜ?
勿論、この俺だって何度も手痛い失敗を繰り返してきたしよー。
それに何でかがみんのせいになるんだよ?なんかおかしくねーかそれ?」
「そ、それは私があの化けものを倒す事が出来なかったから……だからきっとみんな私の事を恨んでるから……うっ…うっ……」
ジョセフの穏やかな言葉にかがみは少し言葉が詰まりながらも応えるが、今まで流していた涙の量が更に増え、除々に今にも消えそうな声となってしまう。
そんなかがみをジョセフは呆れた様子で見ている。
「全くかがみは俺とは違ってバカみてーに責任感がつえー奴だな……だがな!どうしても気に入らねぇ事があるぜ!」
右の人差し指をかがみに向けてジョセフは言い放つ
先程とはうってかわって怒りを表しながら言葉を更に紡ぐジョセフを見てかがみは呆気に取られていた。
◇ ◆ ◇
責任感が強い……そんな事は無いわよ……。
だって私は何も出来なかった……みんなを死なせた……どうしようもない無責任な奴よ……。
だからあんたが私の事を気に入らないのはわかるわ……だったらもういいでしょ……?
いい加減私を放っておいて……これ以上私に優しい言葉を掛けないで……。
『どうやらおめーは自分のせいで仲間は死んだ。だからその仲間は自分の事を恨んでるだろうからこんなヤケになってるってわけだな?』
さっきからそう言ってるでしょ……?
何度も言わせないでよ……。
『生憎そんな考えはどうしようもねぇースカタンがする事だとこのジョセフ・ジョースターが断言するぜ!実は俺にはシーザーっていうキザでムカつく仲間が居てな……」
なんでそんな風に自信を持てるのよ!
それにシーザーっていう人が私に何の関係が……。
『こいつは俺と共に柱の男って言うかなり危険な奴らと闘い、俺が居ねぇ時に奴らと闘って死んじまった……死ぬ寸前に俺に力を与えてな。
このことはかがみ、おめーの今の状況に通じる所があると俺は思うぜ』
何よ……さっき吸血鬼をどうしたとか話してた時はあんなに明るい顔をしてたじゃない!
てっきり私はあんたが嘘を言ってるかと思ってたのに……もしかしてあの車の中で話してた事は全部事実なの……?
だったらなんであんたは仲間が自分のせいで死んでしまったのにそんな……笑顔でいられるの?
『だが俺はかがみみてーに自分から死ぬような真似はぜってーにしねぇぜ!』
何で!?何で!?だって私達のせいで人が死んだのよ!?
なんでそこまで言い切れるの!?
『そんな事をしたらあの世でシーザーにもう一度ブチ殺されるだろうからな!
俺はそんなつまらねぇー事をするてめぇのために闘って、波紋を残したわけじゃねぇ!とか言ってな!かがみ!きっとおめーの仲間も同じような事を言うと思うぜ!』
みゆきが……灰原さんが……桂さんが私にそんな事を……?
そんな事は……。
『仲間の死ってやつは確かにものすげー寂しいもんだ。
だが俺達はいつまでもその事でクヨクヨしているわけにはいかねぇ……そんなヒマがあるならあいつらの思いを無駄にしないために一歩でも先に進むべきだぜ!
きっとシーザーもかがみの仲間達もそう願ってるハズだ!だからよー……』
みゆき達が私のために願ってる……本当に……?
だったら私はどうすれば……どうすればいいの……?
『自殺なんてバカげた事はやめて……生きるべきだぜ!
生きる事って良い事だぜかがみ!おめーとその鳥公に見せてやる……生命の力で溢れた!波紋の力を!』
そう言ってジョジョは赤い体をした人の腕から伸びている鎖のようなものに手を添えた……再び私のマジシャンズ・レッドが暴れだそうとしたから……。
◇ ◆ ◇
「……何をするつもりだ?」
今までジョセフとかがみの対話に終始無言を貫き、マジシャンズ・レッドの動きをマイクロチェーンで抑えていたZXが彼に問う。
ジョセフがここから何を行うかはZXに知らされていなかったからだ。
「へっ……てめぇも少し我慢してくれよ」
「……波紋というやつか?」
「そのとーり!……いくぜ!」
そう言ってジョセフは独特な呼吸を行い、ZXのマイクロチェーンに添えた腕に力を込める。
そしてジョセフは叫ぶ……彼の持つ大いなる力、波紋を練りこむために。
「食らえ!太陽のエネルギー、波紋!!!」
両腕からマイクロチェーンに掛けて、マジシャンズ・レッドの体に太陽の力、波紋をジョセフは流し込む。
電気と類似した性質を持つ波紋を伝導性に優れたマイクロチェーンを媒体として流し込む事により、マジシャンズ・レッドの体は更に薄いものとなっていく。
(痛い……ううん、なんだか……暖かい)
だがかがみは恐怖は感じていなかった。
それもその筈、波紋は太陽の、生命のエネルギー。
一人の悲しき少女を殺すようには出来ていない。
「これが波紋だ……かがみ。
俺はこの力で必ずあのミツナリっていうジジイをぶちのめすぜ……そこで俺がおめーに言ってやる!おめーがこれからどうすれば良いかをな!」
更に波紋を練りこみ、ジョセフはかがみに向かって叫ぶ。
彼女が忘れかけた、人間なら誰もが目指さなければならない目的を。
「ゴミ箱でコソコソやってるゴキブリみてぇに落ちぶれても、どんなにカッチョ悪くてもいい……とにかく生きて寿命を全うしろ!
おめーが死んで喜ぶ奴なんてこの世にもあの世にも居るハズがねぇ!
だから……かがみ!おめーは生きていい!今も!この先も!どんな時も!」
そして更にジョセフはごり押しの力を加える。
彼のお決まりの台詞と共に。
「刻むぜ!波紋のビート!!!」
更に強くなった波紋を受け、遂にマジシャンズ・レッドの姿は完全に消えていった。
◇ ◆ ◇
しえん
エリアF-7でジョセフが歩いている。
気を失ったかがみをおぶり、右肩にはデイパックを一つ掛けながら。
「うっ…………ジョジョ?」
マジシャンズ・レッドを長時間使い続けた事により疲れ果てた声でかがみはジョセフに声を掛ける。
どちらかというと自分と同年代の男の子とは比べ物にならない程大きな背中に向かって。
「Yes!I am!気が付いたか、かがみ〜ん?」
かがみとは対照的に明るい口調でジョセフは答える。
自分の紛れも無い仲間に向かって。
「ごめんねジョジョ……私あんな事になっちゃって……三村も私のせいで……」
「へっ!シンジは生きてるぜかがみ!」
「えっ!?」
「けど何故かシンジの野郎はどっかに行ったらしいなぁ……そんでどういうわけか燃えたと思ったこの袋が残ってたわけでよー……お!おい!そんなしみったれた顔するなよかがみ〜ん」
ジョセフの話を聞き、自分の責任を感じ、俯いてしまったかがみをジョセフは宥める。
もう先程のようにかがみが悲しみの末、自分を見失う事をさせないために。
「でも良かった……本当に良かった……私、私三村を殺してないんだよね……?」
「ったりめーよ!とにかくシンジは先にボウリング場とやらに行ったのかもしれねぇし、俺達も行こうぜ!」
そう言ってジョセフは更に歩を進める。
地図には書かれていないマップの端を確認するために、そしてかがみの仲間達を待つ事にしようとしていたボウリング場を目指して。
「わかったわ……それであの赤い色の体をした人はどうしたの?まさか……」
「Oh!俺があんなあぶねー奴と闘っても得になる事なんてないぜ!
適当に理由付けてお帰りしてもらったわけってことだ。どうやら西の方へ行ったみてぇだな。」
まさかジョセフと自分のマジシャンズ・レッドをあそこまで痛みつける事が出来たZXが闘ってしまったのかと心配になったかがみの疑問にジョセフは正直に応える。
またジョセフがZXとの闘いを回避出来た要因には言うまでもなく、彼が得意とする嘘が一枚噛んでいた。
「まぁボウリング場とやらでまともな服があればいいなかがみ!
いつまでもそんな格好じゃ、いたいけな青少年諸君が目のやり場に困っちまうぜ!」
「え?服って……」
そんな時、ジョセフが突然服の事について話し始めた事をかがみは不思議に思う。
そして何気なくかがみは視線を自分の体に向けて落とし……
「えっ!こっ!これって!…………なっ!何よこの格好はぁぁぁぁぁ!!!!!」
絶叫した。
「おわぁ!こ!こら!暴れるなってかがみ!」
「なっ!何でこんな黒いタイツしか穿いてないのよ私!」
「しかたねーだろ。俺そのタイツしか持ってなかったし、いつまでも素っ裸ってわけにもいかねーだろ?それに俺がおぶってるから他の奴らには見えねーって」
そう、今のかがみの服装は今まで来ていた制服はマジシャンズ・レッドによって燃やされていたため、ジョセフに支給された江頭2:50のタイツだけを穿いており、上半身は裸という状況だったからだ。
一応、流石に年頃の少女なので可哀想に思いジョセフは自分が着ている服を着せようとしたがあまりにも体格が違いすぎ、諦めていた。
「そ!そんな問題じゃないわよ!というか素っ裸ってまさか……」
「あぁ〜?何言ってんだかがみ?そんなのあの鳥公を出した時から飽きる程見たぜ?」
「!!!!!」
「ん?どうしたかがみ〜ん?」
今となってどれだけ自分が恥ずかしい事になっていた事に気付いたかがみは俯く。
更にかがみの顔は瞬く間に赤く染まり、言葉に詰まってしまう。
当然おぶっているためジョセフはかがみの表情をみる事が出来なかったため不思議そう声を上げる。
そしてかがみは急に顔を上げて叫ぶ。
依然顔は真っ赤に染めながら。
「う!うるさいわね!だったら速くボウリング場に急ぎなさいよ!
急がないとこうよ!」
「イテテ!暴力は反対だぜかがみ〜ん」
ジョセフの背中をポコポコと叩きながらかがみはジョセフを急かし、ジョセフはそれに軽い口調で応えながら走る。
一直線にボウリング場へ向かって。
そしてジョセフにおぶられ、揺られながらかがみは心の中でみゆき、灰原、桂の事を思い浮かべる。
(みゆき、灰原さん、桂さん。私……生きてて良いんだよね?
そうよきっと私がそっちにいってもやかましくなるだけだし……。
だから……私頑張るから……見守っててね…………)
◇ ◆ ◇
柊かがみは普通の女子高生であり、別段恨みを買うような事はした事がなく、特に殺してやりたいと思われるほど恨みを買うような事は今までしたことがなかった。
だが今エリアD-8で乗用車を走らせている人間は恨んでいた……彼女を殺したい程に。
「柊……てめぇはゆるさねぇ……ジョジョを殺したてめぇはな」
マジシャンズ・レッドによって炎上した乗用車をクレイジー・ダイヤモンドの能力で完全に直した三村が一人呟く。
そして後部座席にはこれも同様にクレイジー・ダイヤモンドの能力で直したデイパックが二つ載っている。
実は三村は三つ直していたが、直した後で「あまり持ちすぎていては不自然か?」と思い直し一つはエリアD-7に放置していた。
「罪を憎んで人を憎まずって言葉があるが……俺にはそんな割り切る事は出来ない」
一時はかがみを殺せば、自分も彼女と同じ存在になってしまうと思い、踏みとどまろうとしたが結局三村はかがみに復讐を果たす事を決めた。
出会って未だ一日もたっていないがジョセフは三村の紛れもない仲間であり、友人だった。
「だが、悔しいが今の俺だけじゃあてめぇを殺す事はきっと無理だ……」
かがみが持つマジシャンズ・レッドと激戦の非常識さを自分の目で目撃した三村は冷静に自分と彼女の戦力を分析し、自分の方が一手劣っている事を認める。
だがそこで終わる三村ではない。
しえん
「だから仲間が必要だ……あの光成っていうじいさんに一発くれてやるのと……柊。
てめぇにジョジョの借りを返すためにもなぁ……」
そして三村は当初の目的、マップの端がどうなっているかを確認するため乗用車を走らせる。
「まぁさっき会った変な男がてめぇを殺していてくれればもう気にする事はないけどな……」
そして三村は思い出す。
先程一人の男に「柊かがみという女は殺し合いに乗っていて、人を一人殺した」と伝えた事を。
かがみがまだ殺し合いに乗っているかわからない不確かな情報を第三者に与えた自分の行動を三村は微塵にも後悔はしていなかった。
決定的な誤解が彼の心に根付いてしまったから……。
◇ ◆ ◇
エリアF-7で村雨がクルーザーを走らせている。
ジョセフと闘う約束をこぎつけたというのに、今彼は走っている。
それは何故か?
(波紋という力を持つあの男……あの男があれ以上に強くなるとはな……その時が楽しみだ……)
自分の体にも流れてきた波紋独特の感触を充分に体感し、村雨はかがみが気を失った後直ぐにジョセフに闘いを挑んだ。
だがそんな村雨の様子とは裏腹にジョセフは
『おおっと!今、闘うってのかぁ?いやーそれは勿体ねぇぜ!実は俺、日が変わって直ぐ……0時くらいを過ぎたらこの首輪のせいで抑えられてる波紋がフルパワーで出せるんだぜ?自分の体の異常はよーくわかる!どうせやるならその時の方がいいんじゃねーのぉ?』
とい真っ赤な嘘を言ってのけ、村雨は信用してしまった。
それほどまでにもジョセフの嘘は巧く、記憶が無い村雨にとって嘘を見抜く力も落ちていたからだ。
(0時か……散と合流し、その後ジョセフと闘う……今後の目的は決まったな。
それにその時は俺も力を出せるかもしれない……楽しみだな……)
その時ふと先程自分が出会った二人の少年、少女を思い出す。
少年、三村は自分にかがみの情報を与えてくれたが、村雨はその時彼を殺そうとはしなかった。
只、かがみを殺した後、殺しに行こうと戻ったが既に三村は居なく、殺せなかっただけで結果的に見逃す事になってしまった。
そして少女、かがみの方にはもう村雨の興味はなくなっていた。
あれほど闘ってもわからない……それならば別の人間を狙おうと思ったからだ。
そんな時……
支援
(……何だ……この感じは……?)
村雨は何か自分と同じような存在をその頭脳で、本能的に感じた……彼の視線の先にあるS9駅から。
クルーザーを停止させ、S9駅のホームへ降り立ち村雨は辺りを見渡す。
そんな事をしている内に列車が丁度ホームに入り、村雨の前で列車の自動ドアが開く。
誰か降りてくるのか?そう思い村雨は身構えるが誰も降りてはこない。
だが、その代わり村雨の視界に入っていた座席に……奇妙な鞄が無造作に置かれていた。
『我々は強化外骨格零!貴殿と情報交換を行いたい!主に葉隠覚悟、現人鬼散、
そして……人類最悪の敵と断定できるDIOの事について!』
To be continued…………
【E−8 北部/一日目 午後】
【ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康、顔面にマジシャンズ・レッドの拳によるダメージ
[装備]:ハイパーヨーヨー*2(ハイパーミレニアム、ファイヤーボール)、
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本:あのスカタンを一発ぶん殴ってやらねぇと気が済まねぇ〜〜。
1:三村との合流のため取りあえずボウリング場に行く
2:マップの端を見に行く。
3:「DIO」は警戒する、一応赤石も探しとくか……無いと思うけど。
4:ところで、何で義手じゃないんだ?
5:赤ムシ野郎(ZX)にはもう会いたくねぇな
[備考]
※二部終了から連れてこられていますが、義手ではありません。
※承太郎、吉良、DIOの名前に何か引っかかっているようです。
※水を使うことで、波紋探知が可能です。
※村雨が西の方角へ行ったと勘違いしています
【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]:左肩、左脇腹に打撲、精神消耗(大)、
[装備]:核鉄「激戦」@武装錬金、マジシャンズレッド(魔術師の赤)のDISC@ジョジョの奇妙な冒険 、江頭2:50のタイツ
[道具]:無し
[思考・状況]
基本:生きる
1: 殺し合いには乗らない、脱出を目指す
2: ジョセフについていく。
3:こなた、つかさと合流する
4:三村に謝りたい
5:ま と も な ふ く が ほ し い
[備考]
※第一回放送の内容はジョセフ達から聞きました。
※アーカードを不死身の化け物と思っています。
※「激戦」は槍を手から離した状態で死んだ場合は修復せずに死にます。
持っている状態では粉々に吹き飛んでも死にませんが体の修復に体力を激しく消耗します。
常人では短時間で三回以上連続で致命傷を回復すると意識が飛ぶ危険があります。
負傷して五分以上経過した患部、及び再生途中で激戦を奪われ五分以上経過した場合の該当患部は修復出来ません。
全身を再生した場合首輪も再生されます。
自己修復を利用しての首輪解除は出来ません
禁止エリア等に接触し首輪が爆破した場合自動修復は発動しません。
※マジシャンズレッドの火力は使用者の集中力によって比例します。
鉄を溶かすほどの高温の炎の使用は強い集中力を要します。
火力センサーは使用可能ですが精神力を大きく消耗します
※精神消耗のためしばらくマジシャンズ・レッドは出せません
【D−8 中部/一日目 午後】
【三村信史@BATTLE ROYALE】
[状態]:精神疲労(中) 、乗用車を運転中
[装備]:トランプ銃@名探偵コナン、クレイジー・ダイヤモンドのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:七原秋也のギター@BATTLE ROYALE(紙状態)支給品一式
[思考・状況]
基本:老人の野望を打ち砕く。
1:かがみはどんな手段を使ってでも殺す
2:マップの端を目指す。
3:再度ハッキングを挑む為、携帯電話を探す。
4:集められた人間の「共通点」を探す。
5:他参加者と接触し、情報を得る。「DIO」は警戒する。
6:『ハッキング』について考える。
7:「柊かがみという女は殺し合いに乗っていて、人を一人殺した」という情報を参加者に広める
[備考]
※本編開始前から連れて来られています。
※クレイジー・ダイヤモンドは物を直す能力のみ使用可能です。
復元には復元するものの大きさに比例して体力を消費します。
戦闘する事も可能ですが、大きく体力を消費します。
※ジョセフは死亡したと思っています
【F−7 S9駅ホーム/一日目 午後】
【村雨良@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:全身に裂傷と中程度の火傷 、闘いへの強い欲求
[装備]:クルーザー(全体に焦げ有り)、十字手裏剣(0/2)、衝撃集中爆弾 (1/2) 、マイクロチェーン(2/2)
[道具]:地図、時計、コンパス
[思考]
基本:殺し合いに乗る。
1:エリアE〜H全域を探索し、ついでに施設の有無の確認。
2:劉鳳と次に会ったら決着を着ける
3:十二時間後(約零時)に消防署の前で散と落ち合う。
4:散の愚弟覚悟、波紋に興味あり。
5:ジョセフとまた闘いたい
6:零の話を聞く
[備考]
※参戦時期は原作4巻からです。
※村雨静(幽体)はいません。
※連続でシンクロができない状態です。
※再生時間はいつも(原作4巻)の倍程度時間がかかります。
※衝撃集中爆弾、マイクロチェーンの威力は制限で弱められています。
制限の程度は後の書き手さんにお任せします
※施設の確認はあくまでも『ついで』なのでそれほど優先度は高くありません。
またどのような経路を辿ってゆくかも後の書き手さんにお任せします。
投下終了しました。
支援どうもありがとうございます。
誤字、脱字、矛盾点があればご指摘お願いします。
誰かかがみにまともな服をお願いしますw
自分でいうのもなんですけど江頭2:50のタイツを使う時が来るとは思いませんでしたw
まさにGJ!
かがみは正気に戻れたか良かったって……
今度は三村がKOOLどころかKLAZYになっちまったァァ!
み、三村……原作よりもヤバイな…………
支援しようと思ったら、遅かったか……
ゆっくり読ませてもらいます
GJ!
裸タイツ!裸タイツ!
かがみがまさかの復帰をしたが今度は三村が・・・、ツンデレかがみの不幸ジンクスはまだ終わっちゃいないぜ!
そして村雨と零の遭遇はまさに予想GUY。
GJ!
かがみ復活に三村の暴走。
ZXがかっこいいんじゃあい! 裸つながりで姉を思い出すシーンは抜き出すとギャグっぽいのに心底いいシーンだ。
零との遭遇の村雨に期☆待
投下乙!
まずは何より先にこれを言わせてくれ。
零、再登場 お め で と う!
俺はお前を待っていた!!
かがみ、ジョセフは意外にも両者生存か。
良かったが、代わりに三村に誤解フラグが……。
悪評広めるらしいが、どう転ぶかな。
ところで村雨、お前、もう少し疑うことを覚えようよ……。
投下乙。病気は他人にうつすと治るの早いと聞くが、発狂フラグもかよw
予約見たとき絶対誰か死んだと思った。かがみんホント良かったよ。
あと、零のことなんかすっかり忘れてたわ。
>>1 後名簿の修正。
・参加者リスト・
1/4 【アカギ】○赤木しげる/●市川/●平山幸雄/●鷲巣巌
2/2 【覚悟のススメ】○葉隠覚悟/●葉隠散
1/3 【仮面ライダーSPRITS】 ●本郷猛/●三影英介/○村雨良
3/4 【からくりサーカス】○加藤鳴海/○才賀エレオノール(しろがね)/○才賀勝/●白金(フェイスレス指令)
3/4 【銀魂】 ○坂田銀時/○神楽/●桂小太郎/○志村新八
3/4 【グラップラー刃牙】○愚地独歩/●花山薫/○範馬刃牙/○範馬勇次郎
4/4 【ジョジョの奇妙な冒険 】○吉良吉影/○空条承太郎/○ジョセフ・ジョースター/○DIO
3/4 【スクライド】●カズマ/○シェリス・アジャーニ/○マーティン・ジグマール/○劉鳳
3/4 【ゼロの使い魔】○キュルケ(略)/○タバサ/●平賀才人/○ルイズ(略)
4/4 【ハヤテのごとく】○綾崎ハヤテ/○桂ヒナギク/○三千院ナギ/●マリア
1/3 【HELLSING】○アーカード/●アレクサンド・アンデルセン/●セラス・ヴィクトリア
3/4 【北斗の拳】○アミバ/○ケンシロウ/●ジャギ/○ラオウ
3/4 【武装錬金】○防人衛/○蝶野攻爵/○津村斗貴子/●武藤カズキ
3/4 【漫画版バトルロワイアル】○川田章吾/●桐山和雄/●杉村弘樹/○三村信史
2/4 【名探偵コナン】 ○江戸川コナン/●灰原哀/○服部平次/●毛利小五郎
3/4 【らき☆すた】○泉こなた/●高良みゆき/○柊かがみ/○柊つかさ
計 40人 / 60人
なんかしらんが、フェイスレスと散様が死んだだけでもう佳境に入ってる気がしてた。
改めて見ると、まだずいぶん生き残ってるなあ。
かがみはジョセフがいる限り大丈夫だろうな。
しかし三村、これから奴のやることを思うと、
結果的にジョセフを死なせるように仕向ける気がしてならない。
カズキ死亡を聞いたパピヨン辺りはまだそれなりに動きそうだな。
マーダー的にも洗脳主従DIO&刃牙とか、勇次郎とか、アーカードとかがいるし、佳境にはまだ早いな。
投下GJです!
嗚呼、ジョセフ、かがみ、三村……
お前らで、死者スレネタ考えててごめんよw
しかし、三村がこうなるとは……
零のこの口調を見るのも、久々だなあww
投下乙!
さすがJOJO! 仲間を失う悲しみとワムウのような武人を扱う術を心得てる!そこにしびれ(略
しかし三村が勘違いフラグか…なまじ原作中トップクラスの頭のよさだったから味方にすると心強いが敵に回すと恐ろしいな…
そして定例誤字報告
要はそのエリアに入らなければいい話しであり、既に村雨は…
↓
要はそのエリアに入らなければいい話であり、既に村雨は…
こんな私がつかさやこなたに出会っしまったらきっとみゆき達のようになる……そんなの嫌だ。
↓
こんな私がつかさやこなたに出会ってしまったらきっとみゆき達のようになる……そんなの嫌だ。
感想どうもありがとうございます!
やはり感想貰えるとやる気が出ます〜。
>>91 どうもありがとうございます!
wikiに収録させ次第修正します。
あと、自分で気付きましたが三村の状態表でデイパックが一つになっているので
二つに修正しときます。
>>70 超GJ!!
それぞれの心情が丹念に描かれてて、心の変遷が手に取るように伝わってきました。
ジョゼフの台詞が神がかってていちいち痺れちまいました。
もうね、なんつうかサイコーですよ。
シーザーのエピソードを交えてかがみを説得する所はウルウルッときちまったぜ。
そして、真っ赤な嘘を信じきってる村雨に吹いたw
ハッタリかますすジョゼフもジョゼフだし、信じる村雨も村雨だよなあ・・・。
もう一度超GJ!!
>>89 しかもアーカードには既に予約が…
タバサ、今回はどうなることやら
投下GJです!!!!!
かがみ・・・某ロワみたいにならなくてよかった。
ジョセフが熱いですね!!もう二つ名が口先の魔術師でもおかしくないですね。
しかし三村に誤解フラグが・・・・
下手すると下のグループの巻き添えに・・・
とにかくもう一度、グッジョブです!!
「大切なのはゲームのやり方」
の修正版を一時投下スレに投下しておきました。
主な修正
・最低な間違い、名前間違えを修正
・指摘があったところを修正
追加
・セリフを少し追加
・勇次郎の備考追加
あとは発見次第、まとめサイトに載ったときに修正したいと思います。
>>96 修正乙です。
個人的にですが、読点で改行するより句点で改行する方が読みやすいです。
ですが、修正で確実に進化していますので、向上心が見えます。
そんなあなたに、僕は敬意を表する!!
>>97 やっぱり色々なこと言ってしまいましたが、
自分はここが好きです。
悩みがすべて吹き飛びました、大変感謝しています。
これからも頑張ります。
自分もフランシーヌ様を貰うために…
最後の4人に…
あ、フランシーヌ様は最後の四人関係ねえや
まいっか、アルレッキーノも好きだぞ。
>>96 乙です。刃牙の名前も修正ですね。
アカギが放送後、情報を得られないと判断したら
勇次郎と刃牙は放置になる気が・・・
勇次郎と刃牙の潰し合いを避けて、
勇次郎と他の人物との潰し合いにする意図に触れてほしいです。
>>100 刀牙→刃牙ですね…
辞書に登録するところから間違ってました、すいません。
>>100 1喫茶店に行かせないため(犠牲を少なくするため)
2赤木だから(狂気の沙汰ほどおもしろい…論)
3刃牙を強者だと思わなかった(エレオノールと鳴海の二人で十分に
勝てる相手だと思った。)
4病院のほうが強敵がたくさんいて、刃牙以上の相手、もしくは勇次郎が
死ぬ可能性があるから
こんな感じですかね…また修正かな…
>>102 修正が難しければそのままでもいいと思います。
個人的には2
>>100 一人で考える時間が欲しかった(特に放送のことは盗聴の可能性もあるので)
ついでにみんなを危険から遠ざけるために勇次郎を病院に行かせてみた。
これが一番無難でしょうか…
◆L9さんの「絡み合う思惑、散る命」の時間表記が「昼」となっていましたが、正しい時間は日中と午後のどちらでしょうか?
別ロワでついさっき、自分の好きなキャラが無意味(無慈悲って言うのか?)に3人も死んだのを見て思ったんだが……
やっぱこっちで燃え展開ばっか見てると、他ロワでの欝展の精神ダメージがでかくなるなァ……
>>106 ここみたいに鬱展開がほとんど無いロワ、そんなのが一つ位有っても良いじゃない…
あっちはどうしても先代と比較されるから、多少鬱展開が多いのかと。
死亡者名鑑書くのに調べごとしてたらカズキがL.X.Eアジト前でZXのポーズしてたの思い出して噴いた。
いやまったく惜しい人を失くした。
>>106 いくつかロワ見てるけど、鬱展開はニコロワと漫画ロワはかなり少なめ。
とはいえ、ふざけてない分うちのロワはまだまだ鬱展開が増えるかもしらんよ
>>108 いや、ニコロワもABEのおかげで結構欝だぞ
ベクトルが他所の欝とは違うけど
再び調べごとしてたんだが、フェイスレスの「夢」ってなんだったんだ?
原作読んでないからわからないんだが…誰か教えてくれ
勝・しろがねを用意する→しろがねを勝に惚れさせる→勝に自分の人格を転送(ダウンロード)→これで二人はラブラブ→我が世の春が来たぁぁぁぁあ!
簡単に説明するとこんな感じ
>>107 でも「美徳の不幸」みたいな徹底した欝展開もそろそろ見たいかも。
自ロワで数少ない欝展書きの人だしw
確かにこのロワは熱い。
特に最近、他所と決定的に違うある点に気付いた。
脱出の要になる考察系キャラが、全員熱い。
考察系=デスクワーク派とか、そんなイメージが他所とかだと見られるけど……ここにはそれがない。
寧ろ、下手な参加者より遥かに恐ろしいぞ
特にアカギ……
こいつ、行動に一切躊躇がないのが凄すぎる
>>113 アカギはアカギ勢最後の一人だから期待したいな!
懸糸傀儡を使えるなんてなw
しかしアミバ様があんなキャラになるとは……誰が予想出来ただろうか?w
そして書き手にも忘れられるバーロー
ねんがんの ヘルシングと トライガンの しんかんを てにいれたぞ!
tp://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/401.html
リンク切れ確認用のページなんか作ってみた……だが、携帯で表示できないページの確認はできない……
一部、PCだと見られるのに、携帯で見られんページがあって困った。
気付いたところは直したけど、携帯で全部確認するのも面倒だし、誰か携帯で見られんページを見つけたら、
どこぞに報告してくれ。
俺もヘルシング買いに行かないとな!
所で予約スレのあの人は鳥ミスしてるね。
早いとこ訂正して欲しいな。
>>117 作業乙
ページがある以上はだんだんと埋めていかんとね
マリアに死亡者名鑑掲載を出し抜かれた3名を書いておきました
記入文に問題がなければwikiに載せておきます
>>104 喫茶店から遠ざけようとしたでいいと思います。
挑発して追ってくる方(もしくは双方)がゲームに乗ってると判断できますしね。
病院に誘導したのは、一人で考える時間が欲しかったで問題ないですね。
122 :
Classical名無しさん:07/11/09 23:17 ID:Vq6rRmvU
杉村死亡SSだけあって気になったので各キャラ死亡SSに残り○○人を足して
【死亡者名@参加作品:死亡確認】
【残り○○人】
に統一しておきました。
気に入らなかったら消しておきます。
>>106 かがみんの暴走が起こったのがアニロワだったら……
多分ジョセフ死亡、かがみるるるのルイズ化、三村は今と同じ……
ってなってたろうな
反対にアニロワのアレが起こったのが漫画ロワだったら……燃え展開になったんだろうな
いや面白いもんだ
>>122 乙!
そーいや死亡表記も書き手によって微妙に違うような……
漫画ロワを見る前の俺
「漫画ロワぁ?面子もありきたりだし、あんま期待できねーな」
↓
漫画ロワの最終投下の話まで到達した俺
「やべぇ!漫画ロワ長面白いよ!どのキャラも早く続きが読みたい!
っつーか、馬鹿にしててごめんなさい。もっと早く読んでれば良かったと後悔してます」
>>116 あー、トライガン出てればなぁ。アニロワじゃ原作出典駄目だから
こっちで思う存分活躍してほしかった。つーかアーカードにパニッシャー持たせたかった。
そして
>>123、るるるのルイズ吹いたwww
128 :
Classical名無しさん:07/11/10 00:07 ID:Q9QzTuws
さしずめアニロワで例えると
ジョセフ=士郎
かがみ=太一兼ルイズ
三村=少佐
ってとこか。
ところで三村信史でスラダンの宮城リョータを連想するのは俺だけか?
>>127 こっちならリヴィオも出せるしナイブズ並の化け物も何体かいるからナイブズ出ても不思議じゃないしな。
レガート?
主催な能力使う→見破られてて無効化される→見せしめ
っすよ。だってあいつ能力が反則だし
アーカードが人食ってるとこを誰かが見る。
↓
命からがら逃げ延びた目撃者が、本郷辺りに遭遇。
↓
本郷「どうした?」
目撃者「赤いコート着て、長身で、眼鏡をかけてて、ゴツイ銃持ったやつが、人を食ってたんだ!」
本郷「なにィ!?」
そんなこんなで、ヴァッシュ\(^o^)/
トライガン出てたら、そんな話を書きたかったなぁ。
漫画版だから弓兵も入れて赤い三連星は見てみたいw三者三様にも程があるがw
ええーと……新スレ
>>1、前スレ
>>1、前々スレ
>>1、そして書き手様方と住人様方、GJ&お久しぶりです。
VACHiMDUA6です。
つきましては、まず謝罪を。
予約、その延長後、ただの一報も入れず、永らく音信不通となり、申し訳ありません。
職人方、住人方にまッッッことにご心配とご迷惑をおかけいたしました!!
詫びて許されることではないと思いますが、もう一度といわず謝罪させてください。ごめんなさい。たくさんのご迷惑をおかけいたしました。本当にごめんなさいです。
次に、当方の状況説明をば。
かねてより、不調だった携帯君の電池パックが膨張、破裂寸前にまで膨らみ上がりました。
こりゃあマズい、即修理にださにゃあ、ということでメーカーの方に修理にだそうとした、その際に……。
バレました。メモ帳にあった文章から、書き手だったことがバレました。親に。
あんた受験生なのに何やってんだ! と、叱られ、定額制を解除。その後1ヶ月、基本料をオーバーしたら携帯解約という制約をかせられ、今日に至ります。
だから、当方は書き手、読み手として再起不能であります。
これに関しては、どうでもいいと思われる方が多いでしょうが、少しでも残念だと感じていただけるならば、一時は書き手をしていた身としては感無量です。
最後に、漫画キャラバトルロワイアルの益々の発展を祈って、このレスを閉じさせていただきます。
一時ですが、とても楽しかったです。そして、とても残念です。益々漫画ロワが発展し、完結に向けて書き手、読み手方が一丸となられますように遠くから祈っております。では……
いや、事故にでもあったのかと思ってたよー、無事でよかった。
このロワが来年まで続いてたら復帰してください。待ってますよ。
>>125 てか、このロワの面子がありきたりって……普段どんだけすごいロワに生息してるんだ?
>>132 参加できないのは残念ですが、身体は何ともなくて良かった…
あなたのSS大好きだったんで、いつの日か戻ってこれる日を待ってます!
しばらく投下が無さそうだからネタフリ
生存者の身長ってどれくらい?(聞き方悪いかもしれんが)
鳴海・赤木・吉良・銀時・川田・三村・村雨
が180p代ってことしかわからん
チビ
ナギ・ルイズ・勝
銀時 177cm
新八 166cm
神楽 155cm
ちょうど手元にデータブックがあったのでそこから抜粋
他のキャラはすぐ分からないが
案外検索すれば出てくるかもよ
カズキ:170
TQN:154
パピヨン:180
ブラボー:185
ぱぴ☆すたサーカスは身長的な意味で凄い凸凹してるな
承太郎は195cm
DIOもジョナサンの身長が195cmだったからそれくらい
ジョセフも承太郎と肩並べてたくらいだから195cmはありそう
吉良吉影は175cmのはず 平凡を求める彼は身長も平凡
承太郎のスタンド無しでの戦闘能力はどれ位だろ?
一般人のちょっと喧嘩強い位か?
綾崎颯
168cm 57kg
三千院凪
138cm 29kg
マリア
158cm 42kg
桂雛菊
161cm 45kg
カズマ:176cm
劉鳳:180cm
アニメ版だけどね
>>142 子供時代で既に成人男性を昏倒させられるレベル
スタンドを出す前から、学校の不良どもに「JoJoが喧嘩で怪我するなんてありえない」と言われてた
つまり、赤木と同レベルっぽいな。
そういやアカギも常人よりはずっと強いんだっけ
頭脳の方に目が行って忘れがちだが
承太郎:不良曰く、喧嘩で負けるなんて考えられない。やたら血を流すけど、大丈夫。
アカギ:ヤクザ数人に囲まれても、無傷で相手を倒せる。そんだけやって息が切れない。
2人ともやたら冷静だし、こいつらなかなか似てるのかもなw
タバサVSアーカードのリベンジマッチマダー?
いや予約が月曜で、今まで延長や破棄も来てないから気になって。
>>150 前スレ
989 名前: ◆728238103A [sage] 投稿日: 07/11/09 00:00 ID:xqYOm4RM
,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
(.___,,,... -ァァフ| あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
|i i| }! }} //|
|l、{ j} /,,ィ//| 『アーカードの首輪を解除しようと思ったら、
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ 分量が長すぎて間に合わなかった……』
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ |
/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ おれも何をされたのかわからなかった…
,゙ / )ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉
|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ 頭がどうにかなりそうだった…
// 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
/'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐ \ 催眠術だとか超遅筆だとか
/ // 广¨´ /' /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
ノ ' / ノ:::::`ー-、___/:::::// ヽ }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
ごめんなさい、予約間に合いそうにないんで、一旦破棄します。
死者も含めるのか
それじゃ
>>139に桂補足しとく
桂 175cm
>>149 つまり赤木がスタンド使えれば…
あ、でも人形で十分か
だから予約スレで破棄とか延期宣言はしてくれ、と…
どうでもいいが、どうやって首輪解除するつもりだったんだろうな
逆に考えるんだ
首輪爆破程度じゃ死なない強靭な肉体をビルドアップすればいい
そこでセラスが投げ捨てたワンモアセッ
現状、アカギって対主催者側じゃ一番『おっかない』奴なんだよな。
以前にも誰か書いてたけど、アカギは行動に一切躊躇をしないってのがあるし。
それにこいつ……原作とか見てても、恐怖心とかそんなのを微塵も感じてないんだよな。
(アカギが恐怖心を感じたのは唯一、天でアルツハイマーによる死を恐れていた時ぐらい)
何をしでかすか分からないってのは正直恐い。
現に、勇次郎を病院に仕向けるって言う暴挙をやらかしやがったけど……
〜今後の病院の展開予想〜
・銀時vsラオウに乱入:ラオウ相手にどつきあい勃発の可能性大。
銀髪繋がりで、銀時も結構立場的にやばい。
・吉良vs斗貴子に乱入:斗貴子の発狂確実。
……アカギ、お前なんて核爆弾持ってきやがったんだ……!!
今現在、予約状況どうなってるんだ。鳥バレだかなんだかわからんのも混じってカオスだな。
今日辺り◆hqLsjDR84w氏のTQNVSKIRAの予約が入ってるでしょ。
予約スレを見るに勇次郎は坂田とラオウの所に乱入してくる。
しかしいつもいつも思うけどパロロワって参加作品のノベル、漫画、アニメのDVD、ゲームの売上にかなり協力してるよね。
現に漫画ロワ見て武装錬金とからくりサーカスを全巻買った俺といういい例がある。
その気持ちは解る。
俺も覚悟のススメは全巻揃えたぞー。
全巻持ってるのは武装錬金とコナンだけだったりする…
内容はだいたいわかるけど細かいとこ覚えてない漫画が多い
こういう話しをするのはどうかと思うが、一応ネタフリ
今現在死亡フラグ上にいるの誰だろう?(今現在戦っているのを除いて)
アカギと三村とかがみの三人かな?
すごいよマサルさんとか>死亡フラグ
確か誰か死兆星見た奴いなかった?
死亡をたててるのは俺だorz
ん?信じてない?なら今から新しくたててやる
「俺、この漫画ロワイアルが終わったら彼女にプロポーズするんだ」
>>169 「死亡をたててる」って何だw
「死亡フラグをたててる」が正解だろーがぁ!あ、俺は国語の教師じゃないぞ。
承太郎がヤバイと思う……足手纏いが居るしw
やだなあ、家族のことを話してしまった愚地さんに決まってるじゃないですが。
だからお前ら展開予想はやめろと(ry
マジレスすると光成さん
今日は投下ないのかな?
くるぁーーーーくそしたるぁば管理人!!(巻き舌で)
くっそ、吹いたww
すみませんが、致命的な欠陥に気付いたので予約を破棄させてください。
長期間のキャラ拘束、申し訳ありません
サンライトハート改の戦闘難しいなぁ……
なんつうか皆熱いんだよな。だから面白い。まぁアカギ、バキ、ジョジョ+からくりだからなぁ。
まさか鳴海と承太郎のクロスオーバーが見れるとは思わなかったw
デスノが当選したらこうにはならない。
お初お目にかかります。
川田、覚悟、つかさ、ヒナギクを投下します
誰かいらっしゃいましたら、支援お願いします。
おk、了解です
太陽の光に熱があることはどこの世界であろうと変わらない。
「あつ……」
額に手をやりながらつかさは呟いた。
アウトドア派とは程遠いつかさには、この照りつける真昼の太陽は多少辛い。
つかさは前を行く覚悟と川田をチラッと見やった。
予想通りというべきか、覚悟の鉄の如く引き締まった表情は微塵も揺らいでおらず、
川田も平然としたものだ。
(うう……。やっぱりすごいなあ、二人とも)
性別のレベルを超えた歴然とした体力差を改めて思い知らされ、
意図せずして頭が下がりそうになる。
(……いけないいけない。こんなこと考えてたら、足手まといになっちゃう!)
――私だって川田くんやヒナちゃんの支えになってあげたい。川田くんやヒナちゃんの支えになってあげたい。
さっき、自分は確かにそう言ったのだ。
言った側からくじけそうになっていてどうするというのか!
つかさは小さく頭を振り、顔を上げた。
つかさの足に力がこもり、歩くスピードが自然と速く――
「頑張るのはいいけど、力んだって仕方ないわよ。
先は長いかもしれないんだから」
ヒナギクの声が耳元で響き、つかさの頬にさっと朱が刺した。
ぎこちなく隣に視線を向ける。
そこには優しげな笑みを浮かべたヒナギクの顔があった。
「体力お化けの葉隠くん達と自分を比べたって、仕方ないじゃない。
川田君に迷惑かけたくないって気持ちはわかるけど、
使うべき時のために力を取っておくのも大事なことよ」
ヒナギクの笑顔を見ているうちに、つかさは自分の体から力みが抜けていくのを感じた。
「うん……。分かった」
つかさが頷くと、ヒナギクは安心したというように小さく息を吐いた。
「でも……。どうして分かったの?」
「ん?」
「だから……。私が、川田君達と自分を比べてるとか、そういうの」
「分かるわよ、そりゃ」
噴出したくなる衝動と格闘しながら、
「だって、つかさって分かりやすいもの」
そう言ってヒナギクは悪戯っぽく片目をつぶってみせる。
「そ、そんなに顔とかに出ちゃってるカナ……」
「ええ」
つかさの頬の朱が面積を増した。
「で、でもね……。私は川田君の事だけ考えてるんじゃないんだよ。
ヒナちゃんのこととか、覚悟くんのこととかもちゃんと……」
「ハイハイ」
「信じてよう……」
あわあわと手を振るつかさを見て、ヒナギクは可笑しそうに笑った。
(……強い人達だ)
覚悟は口の端に微笑を浮かべた。
女同士の会話を盗み聞きをするような愚劣な思考とは無縁の覚悟であったが、
今は、鍛え上げた聴力を全開にして四方八方に気を配っているゆえ、
どうやったところで耳に入ってしまうのである。
聞けば二人は、闘いとは無縁の平和な生活を送っていたらしい。
それがいきなりこのような修羅の庭に引きずりこまれてしまったのだ。
女性の身でこの状況はいかほどに辛く、恐ろしいことか。容易く想像できる。
にもかかわらず、二人には他人を気遣う強さがある。
(地獄においてなお、気高く咲き誇る花。俺の命ある限り、守ってみせる)
そう思ったとき、覚悟の脳裏に浮かぶ一つの顔があった。
当方に支援の用意あり!
病院には、戦士の魂を持つ新八の他にも戦力は揃っている。
彼女自身も魔法を使うことができる。
だが、現人鬼散や、ラオウのような猛者が襲い掛かっていたなら――。
覚悟は自分の心の水面がわずかに揺らぐのを感じた。
――揺らぐな、俺の心。迷いは歩みを鈍らせる。
「どうした? 葉隠」
覚悟の気配にそれまでとは違ったものを感じ取ったのか、川田が尋ねてくる。
「何も無い」
眉を寸毫も動かすことなく覚悟は答えた。
――想いは極力秘めるもの。
わずかに揺らいだ心の水面を類稀なる自制心を発揮させて沈め、
覚悟は川田に視線をおくった
「それより川田、村雨という我らの探し人のことだが、
『パーマのかかった髪をしている男』という特徴だけでは少し曖昧だ。
もう少し情報を希望する」
「教えたいのはやまやまなんだが……」
川田の眉間にわずかに皺が刻まれた。
「俺も本郷さんからはそれしか聞いちゃいねえんだ。ただ――」
「ただ?」
「『変身ベルト』、つってたからな。村雨って人も変身できるんだろうぜ」
「『変身』か……」
変身という言葉を聞いて覚悟が思い出すのは、転校初日の下校時に襲ってきた、
正体不明の巨大な女の化物。
体を変形させて襲い掛かってきたあの悪鬼の異形を思い出し、覚悟はわずかに眉を潜めた。
「まあ、変身とか言われても実際に見てみねえと信じられないってのは、分かるがな」
「そうではない。川田の言葉を疑う気は毛頭無い。
ただ、元の世界にいた時に戦った悪鬼のことを思い出していたにすぎない」
「……悪鬼か。どんな奴だったんだ?」
「姿形はふくよかな女の姿。身長は推定3メートル50強、体重は7t。口から熱線を吐く」
淡々とした声で語られるとてつもない内容に、思わず川田は天を仰いだ。
(怪獣だろ、そりゃ)
自分自身が生き返りを体験していなかったら、本郷の『変身』を目の当たりにしていなかったなら、
(絶対に信じなかったんだろうがな……)
改造人間、魔法、怪物。
どうやら並行世界とは多様性に満ちているらしい。
――ん?
川田の脳裏に閃くものがあった。
「なあ、葉隠。あの爺が言ってた『英霊』って言葉に心当たりはねえか?」
あの壇上の老人が口走った言葉。
自分の持っている知識では検討もつかない。
しかし、これだけ多様性に満ちた世界が存在するのだ。
別の世界では、『英霊』という言葉が何か別の意味を持つ可能性がある。
他ならぬこの糞ったれたゲームの主催者が口走った言葉だ、
ひょっとすれば何かの突破口になるかも――
「『英霊』、か」
しばし考える仕草をした後、覚悟が再度口を開きかけたその時。
「男同士でな〜に、内緒話してんのよ?」
「川田くん、覚悟くん、どうしたの?」
割って入った二つの声に、覚悟の返答は中断に追い込まれた。
「内緒話なんてつもりじゃなかったさ。ちょいと気になることがあったんでな」
「気になることって何? 川田くん」
つかさの問いかけに、川田はやや真剣な表情になり、
「この際だから、つかささんやヒナギクさんにも聞いておくんだが、
『英霊』って言葉に何か心あたりはないか?」
「えーれー?」
「英霊、英霊ねえ……」
つかさはきょとんとして首をかしげ、ヒナギクの顔には困惑の皺。
(駄目か……)
失望の表情を顔に出さないように自制心を働かせながら、川田は覚悟に視線を向けた。
それに応えるように覚悟が口を開こうとした、まさにその時――
――気分はどうかの諸君?
ヒナギクとつかさの顔がこわばり、川田の眉がひそめられ、覚悟の視線が鋭くなる。
放送が、始まった。
■
――高良みゆき
脳がその言葉を認識したとき、つかさの世界が歪んだ。
目の前が揺れる。きいんという耳鳴りがして、周りから音が消えている。
分からない。何も考えられない。
ぐらっと体がかしぐ。 誰かに支えられた
――つ……さ……
遠くで声がする。ぐにゃぐにゃした世界の中に誰かがいる。
頬に衝撃。
「つかさ、しっかりして!」
視界の中でようやくいくつかの人の像が形作られ、音が戻ってきた。
「つかささん、しっかりしろ!」
「柊さん、気をしっかり持つんだ!」
「……川田、君。ひな……ちゃ」
しゃべろうとするのに口が上手く回らない。
心臓がぎりぎりと締め付けられるように痛んで、息ができない。
足に力が、入らない。
バルサ支援〜
「つかささん、歩けるか?」
「川田君、葉隠くん、とにかくどっかの家に入るわよ! 休ませないと……」
「良き案だと判断する」
焦燥、気遣い、心配の入り混じった声、声、声。
自分は今みんなに心配をかけている。気遣われている
状況を認識した瞬間、つかさは、ハッとした。
「だ、駄目!!」
足を止める三人に向かって、荒い息を吐きながら
「大丈夫、私、大丈夫だから! 悲しいけど、大丈夫だから。もう逃げたり、しないから!」
つかさは叫んだ。
また本郷が死んだ時のように悲しみに負けて、現実から目を逸らしてはいけない。
今度はヒナギクの言っていた『最低』になってはいけない。
ともすれば全てを押し流そうとする激情の波を必死に押しとどめながら、
つかさは何とか言葉を紡ごうとする
「ゆきちゃんが、死ん、じゃったのは――」
死という単語を口にした瞬間、目の前がぼやけた。
「悲しい、けど、わたしだいじょ――」
ぐいっと強く手を引かれた。
握られた手の先には川田の顔があった。
「か、川田くん……。はなしてよ」
しかし、川田はつかさの言葉を聞きいれようとせず、
そのままぐいぐいと彼女をひきずっていく。
「――いいんだ」
優しい声だった。
「悲しい時は泣いていい。そう言ったのはつかささん、君だろうが。
我慢しなくていい。君は今、泣いていいんだ」
その声はあまりにも暖かくて。悲しみに満ちていて。
――泣いていい
その声が耳の奥を震わせた瞬間、つかさの感情の堰が決壊した。
「ゆきちゃん……。ゆき、ちゃん。ゆき……ちゃ……」
友への思いは言葉にならぬ言葉となって溢れ、悲しみが涙となって流れ出す。
つかさは喉の底から嗚咽をもらした。
■
光りが差し込む薄暗い民家一室に小さな声が響いていた。
「ゆきちゃんはね。
とっても頭が良くて、いっつも成績上位だったんだよ」
「そうか……」
「みんな、分からないことはゆきちゃんに聞くようにしてて……。
私が、珍しくちゃんと覚えてて、『こっちだよ』って言っても、
ゆきちゃんが『よく覚えていないのですが、おそらくこっちではなかったかと』って言ったら、
こなちゃんったら、『じゃ、みゆきさんの方』って言うんだもん。
ちょっとひどいと思ったけど、ゆきちゃんじゃ仕方ないなぁって思っちゃった……」
遠い目をして川田の肩にもたれかかり、つかさは言葉を紡いでいく。
「ゆきちゃんは、とってもスタイルが良くてね……。お金持ちで……。
それなのに全然、威張ったりしなくて、とっても、とっても、いい子だったんだよ……」
つかさの視界がまた滲んだ。
涙が枯れるなんて嘘だ、と思う。
どれだけ泣いても泣いても、涙は尽きることなく流れてしまう。溢れてしまう。
たぶん普通の支援
テスト
「でもね、歯医者さんが怖いって言ったり、ゲームにすごく熱中しちゃったりするとこも、あって――。
『そういうとこもみゆきさんの萌えポイントだ』とか、こなちゃん言ってて、
私も、ゆきちゃんのそういうとこ、好き、で……」
嗚咽がつかさの口から漏れた。
「どう、して、ゆきちゃんが、死な、なきゃならなかったの、か、なぁ?
ゆきちゃん、こんなところで死んで、死、んじゃって、いい、子、じゃなかった、のに……」
後はもう言葉にならなかった。
川田はつかさの肩に、小刻みに震えるその小さな肩に添えた手に、力を込めた。
しばしの間があって
「……ごめんね、川田くん」
耳元で響いたか細い謝罪の声に、川田は嘆息を漏らした。
「謝る必要なんかねえさ」
「でも、私またみんなの邪魔に――」
「俺の胸の中にあるもう一つのつたない脳が、これが最善だって判断したから、
こうしてるだけだ。だから、謝ることなんかねえ」
穏やかな声で遮られ、つかさの眉が小さく上がった。
「もう一つの……脳?」
「心臓には、内臓性心臓神経細胞ってのがあってな……」
「……よく、わかんないよ」
「悪い」
微苦笑の皺が川田の頬に広がった。
「要するに、心で物事を見つめたらこうしたくなった。
俺の、ハートってやつが俺の行動を決めちまったってことさ」
その声はどこまでも暖かくて、柔らかだった。
心が溢れて言葉にならない。
「あり、がとう……」
なんとかそれだけを搾り出すと、つかさは川田の肩に顔を埋めた。
支援のススメ
■
「大丈夫かしら、つかさ」
隣の部屋に気遣わしげに視線を送りながら、ヒナギクは嘆息交じりに言った。
「大丈夫だろう」
正座の姿勢で瞑目しながら、覚悟が言葉を返す。
覚悟の声は普段どおり静けさをたたえていて、その変化のなさがヒナギクには不愉快だった。
「……葉隠くんって、友達とかが死んでも泣いたりしなさそうね」
ヒナギクの視線と口調には険が含有されていた。
しかし、覚悟はヒナギクの視線と言葉を風と受け止め、
「零式防衛術は心を濁らす愛憎怨怒を滅殺し 己を殺す技なれば」
「あっそう!」
ヒナギクは覚悟からぷいっと目を逸らした。
「……あんたは強いからわからないかもしれないけど、
世の中には、そうじゃない人間だって――」
「柊さんは、弱い人ではない」
今度は、目を見開いての即答。
清冽な意志に満ちた声。ゆらぐことなき澄んだ瞳。
気圧されるものを感じて、ヒナギクは言葉を詰まらせる。
「それに、柊さんには友情という名の後方支援もある。心配はない」
ヒナギクは思わず目を伏せた。
(何よそれ……。これじゃまるで私より……)
さっき会ったばかりの覚悟の方がつかさを信頼しているではないか。
別に自分とてつかさを、川田を、信頼していなかったわけではない。
それでも何かこう……。負けた気がした。
はあっとヒナギクの口からため息が漏れた。
「ごめんなさい……。八つ当たりしちゃって」
「何故謝る。友を思うその心の熱さ、真に見事なり」
「そ、そりゃどうも……」
それきり会話は途切れ、沈黙の枷が二人をとらえた。
支援
お前は俺にトイレにいくタイミングを失わせた
支援
(何やってんだろ、私)
本郷が死んだ時、決して本郷の死を無駄になんかしないと誓ったのに、何もできてない。
手をこまねているうちに、つかさの友人は死んだ。
そう、死んだのだ。
焦燥の炎が胸に吹き上がるのをヒナギクは感じた。
(何か、何かないのかしら? 私にできること。何か、何か……)
胸の炎に追い立てられるようにヒナギクは猛烈な勢いで思考を展開していく。
その頭に浮かんだのは、先ほど川田が発した言葉。
「葉隠くん!」
「……なんだろうか?」
「英霊って言葉の意味だけど、私の世界では、戦士した人の敬称、以外に意味はないわ」
覚悟の顔に理解の色が浮かび上がるのを待って、ヒナギクは続けた。
「さっき川田くんに言われた時は、なんのこと? って思ったけど……。
思い出したわ。確かにのあの爺さん、葉隠くんを見て、
『英霊となるべく集められた人間の1人だけのことはある』って、そう言ってた。
ねえ! 葉隠くんは何かしらない!?」
老人が自分達をここに集めた目的が分かれば、何かの突破口が見えるかもしれない。
覚悟の返答は沈黙だった。
――何か知っている。
「お願い! 知っていることがあるなら教えて!」
ヒナギクの口から声が飛んだ。
出した本人すら驚くほどの大声だった。
「桂さん……」
あまりの声に、さすがの覚悟もわずかにたじろぐ様子を見せる。
「葉隠くんにとって口にしたくないことなのかもしれない!
でも……お願いだから、教えて欲しいの! 私、何かしたいのよ! 何かしなきゃならないの!
そうでなかったら私……。毛利さんや、本郷さんに申し訳が立たないわ!」
燻り続けていた焦燥の炎が、大火となって胸の壁を焼き焦がすのをヒナギクは感じた。
ずっと何かしよう、何かできると思ってきた。
命をかけて自分を助けてくれた人達に報いるにはそれしかない。
今までのように、頑張ればできると思っていた。
なのに、まだ何もできてない。
手をこまねいているうちにつかさの親友は死んでしまった。
――このままずっと何もできないのではないか?
マリアが、三千院ナギが、そして綾崎ハヤテが死ぬまで何もできないのではないか?
何もできないまま死んでいき、毛利小五郎の、本郷猛の死は無駄になってしまうのでは――
「桂さん!」
覚悟の声にヒナギクの意識は、思考の深海から浮上した。
覚悟の顔が目の前にある。両肩には覚悟の両手がある。
――ま、また?
心のどこかで小さくそんな声が聞こえた。
けれどヒナギクの視線は、覚悟の瞳の奥で燃える清冽な魂の炎に吸い寄せられていく。
目が、逸らせない。
「男とは、己が男に殉じることを至上とするものなり!
彼らの死を背負おうという心意気やよし。だが、自分を責めてはいけない。
死んでいった男達にとっても、それは辛きことなれば!」
コクリ、と小さくヒナギクが頷くと覚悟はわずかに手の力を緩めた。
「それに、できないことがあるからといって自分を追い詰めてはいけない。
人一人の力には限りがある。それを教えてくれたのは、桂さん、君だったじゃないか」
深い湖面のごとき静けさそして柔らかな、心に染み入る声だった。
(……かなわないわね、本当に)
自分の言葉で諭されていては、世話はない。
どうやら自分は覚悟にかなわないらしい。そんな気持ちが自然と湧きあがってくる。
でも、まったく不愉快ではなかった。
いつの間にか、胸のうちで燃えていた焦燥がなくなっているのに、ヒナギクは気付く。
けれど、それと同時に湧き上がってくるものもあった。
「葉隠くん、その……。また、近いんだけど」
目を伏せながらヒナギクはぶっきらぼうに言った。
やたらと頬が熱い。
「……それはすまなかった。確か、廊下に出て左に言ったところにあったはずだ。
我慢は体に良くない。速やかに向かうといい」
頬の熱は一気に頭へと駆け上がった。
――またそれかい!!
「違うわよ! また顔が近いって言って――」
傲然と顔を上げ、怒鳴ろうとして――。
わずかに顔が前に出た結果、既に鼻と鼻が接触する寸前なのに気付き、
ヒナギクは思わず覚悟から飛びすさった。
察したのは覚悟も同じだったようで、瞬速で元の位置に戻って正座している。
しばし鉛のような沈黙が二人を捕えた。
ややあって、
「……すまない。どうも私は、桂さんに失礼ばかりしている」
相変わらず覚悟の表情は引き締まったままだったが、
聞こえてきた声にはどこかバツの悪そうなものが混じっているように思えた。
物凄い勢いで正座したのと相まって、なんだか妙に可笑しい。
ヒナギクは思わず、微笑んでしまう。
(やはり女性には笑顔が適している)
ヒナギクの咲き誇る花のような微笑を見て、覚悟はそんなことを思った。
と、その時、隣の部屋へ通じる戸が開く音がした。
「……取り込み中か?」
川田の問いかけには答えず、覚悟は黙って目線をずらすと
「柊さん、大丈夫か?」
川田の横にいるつかさに尋ねた。
「つかさ……」
ヒナギクも心配そうに声をかける。
「ヒナちゃん、葉隠くん……。心配かけて、ごめんね。もう、大丈夫だから」
つかさの瞳には悲しみの鈍い光があったが、声には意志が感じられた。
「……無理はしなくていんだからね」
気遣うヒナギクにつかさが頷くのを見て、覚悟は口の端に笑みを浮かべた後、
すっとその笑みを消し、顔を引き締めた。
「柊さん、桂さん、川田……。話がある。『英霊』についてだ」
部屋の空気がピンと張り詰めるのを4人は感じた。
■
「――なるほどな。そういうことかよ」
川田の額には深い憤怒の皺が刻まれていた。
覚悟の盟友というべき強化外骨格『零』に宿るのは三千の――
――英霊。
「この覚悟、不覚の極み。英霊という言葉を耳にしておきながら、
今の今まで洞察しようとしなかったは、まさに己が未熟のなせるわざ」
みしり、と覚悟の握り締められた拳が音を立てた。
「……仕方ないわよ。
葉隠くんは、戦うことができない人を保護しようと駆け回ってたんだし……」
「そうだよ、葉隠くん」
つかさとヒナギクの言葉にわずかに覚悟の表情が和らぐ。
だが、すぐに鉄の如き眉を引き締めると、
「思い返してみれば、我らが集められた場所の壇上にあった鎧。
零や霞とは多少形を異にしていたが、あれはまさしく強化外骨格。
おそらく、あの老人の目的は――」
――強化外骨格の完成
「じゃあ私達……生贄にされるために集められたの? そんな、そんなのって……。
そんな、ことのために……。ゆきちゃん……」
怒りと恐怖でつかさの可愛らしい顔が歪む。
「そんなことはさせない。俺が必ず、悪鬼の計画を打ち砕いてみせる!」
眦を吊り上げ瞳に烈火を宿し、声に極限まで圧縮した怒気を込め覚悟が呻いた。
零の悲しみを知る覚悟にとって、老人のやろうとしていることは許しがたい暴挙だったのである。
「――ちょっと、待って」
部屋に響いたその声音には、水の如き静けさがあった。
「何か、おかしいわ」
合点がいかぬ、とばかりにヒナギクは首をひねった。
「葉隠くん、『零』に憑依している霊体は、
第二次大戦で日本軍の捕虜になり、生体実験で殺された人達……なのよね?」
覚悟が首肯すると、ヒナギクの顔に刻まれた困惑の皺はその深さを増した。
「ヒナちゃん、どうしたの?」
「だって、つかさ――」
ふいに肩を叩かれ、ヒナギクはまじまじと川田の顔を見つめた。
すると川田は、喋るな、というようなジェスチャーを送ってくる。
「あ、あれ? そっか……。ご、ごめんね。私、ちょっと勘違いしてたみたい」
「う、うん……別にいいよ……」
川田にチラチラと目線を送りながら、ヒナギクとつかさがぎこちない言葉をかわす。
その間に川田は立ち上がると別室へ消え、戻ってきた時には手に紙と筆記用具を携えていた。
その顔にはどこか張り詰めたものがあり、つかさもヒナギクも口を挟むことができない。
寝・逃・げで支援
川田のやらんとしていることを汲み取った覚悟は、
無言で部屋の隅から丸テーブルを持ってきて4人の間に置いた。
堅い表情のまま、川田は三人に紙と書くものを配ると腰を下ろし、さっと筆をはしらせた
『俺達の会話は盗聴されてる可能性が高い。ここからは筆談でいく』
つかさとヒナギクが息を呑み、覚悟の眉がわずかに角度を変えた。
「か、川田くん、どしたの? 急に」
つかさの疑問はもっともだった。
そんな仮説は、今までまったく聞いたことも話したこともなかったのに何故急に?
川田の顔に刻まれた苦悩の皺が陰影を増した。
『俺が元の世界で参加させられた『プログラム』では首輪に盗聴器が仕掛けられていた』
つかさの瞳孔が一気に拡大した。
■
静まり返った室内に筆が紙の上を走る音だけが、かすかに響いている。
誰もが無言だった。紙に記されていく壮絶な内容に、黙り込まされてしまっていた。
『――これで全部だ。今まで黙っていて、すまなかった』
最後の言葉を書き終え、川田は肺の奥から息を吐き出した
二度、プログラムに参加させられたこと。
一度目は、恋人を守れずに望まぬ形で優勝を手に入れてしまったこと。
政府にカウンターパンチを叩きこむために多くの技能を手に入れたこと。
二度目のプログラムでは、二人の人間を生き残らせることに成功したが、
プログラムの監視員達の船を乗っ取った際に、自分は傷が悪化して死んだこと。
全てをできるだけ淡々と、簡潔に、客観的に書いたつもりだが――。
その時、しゃくり上げる声が川田の鼓膜を震わせた。
しえん
「……ひどいよ……そんなのって、酷すぎるよう……」
つかさの目からポロポロと涙がこぼれ、丸テーブルの上に小さな水溜りを作っていく。
「お、おい。つかささん……」
川田が困ったような表情を浮かべているのが分かったけれど、
つかさの涙は止まらなかった。
みゆきが、たった一人親友が死んだだけでこんなに悲しい。
では、友達を、恋人を、父親を、全て失った川田の悲しみはどれほどか。
川田の気持ちを思うと、涙は止まらなかった。
「っとにもう……。女泣かせな男ね! 川田くんは」
川田を睨みながら、ヒナギクはつかさにハンカチを差し出した。
「ほらっ! 顔拭きなさいよ、つかさ。
気持ちは分かるけど、今は泣いてる時じゃないわ。
川田くんのために泣くのは、全部終わってからでもできる。そうでしょ?」
「うん……。そう、だね」
つかさが目元をハンカチで拭う。
すると、ヒナギクはつかさに向けていたどこかいたわるような眼差しを消し、
今度は一転して鋭い視線を川田に叩きつけた。
「川田くん……」
言いつつヒナギクはくいくいっと指を動かし、川田に顔を寄せるように促した。
疑問符を浮かべつつも川田が身を乗りだした刹那――。
打撃音と共に川田の顎が跳ね上がった。
「見事なり。角度、力の入れ具合、どちらも申し分なし」
覚悟が感心したように呟く。
「ヒナちゃんっ!?」
つかさが悲鳴じみた声で抗議の声を上げるが、そちらには目もくれず、
一心にヒナギクは手を動かし、全てを書き終えると、筆を放った。
怒りを瞳に宿して立ちあがり、
『川田くん。プログラムの記憶が、あなたにとって辛いことだったってのは分かるわ』
だけど、私達に黙ってたのは理由はそれじゃないわよね?
今まで私達に黙ってたのは、「信用されなくなる可能性があるから」でしょ?』
大書した紙を川田に突きつけた。
クラスメートを皆殺しにして最後の1人になったことがある。
そんな人間を心から信頼できる人間がいるだろうか? いはしない。
仮に信じられたとしても、心のどこかに疑念を持つのが普通の反応だろう。
首輪の機能やハッキングについて川田が知っていることを話せば、
芋づる式にプログラムに参加していたことも話さなければならない。
だからまあ、今までプログラムのことを黙っていた川田の行動は理解できる。
しかし、だからといって、それをどう思うかは話が別だ。
『ようやく、私達を信用してくれる気になったのは嬉しいけど……。
つかさにはもっと前に話しておくべきじゃなかったのかしら!?』
ヒナギクに睨みつけられ、川田は嘆息を喉の奥に封じ込めた。
誤魔化すような返答をすればタダではおかぬ――。
そんな気配をひしひしと感じる。
「ち、ちがうよ! ヒナちゃん!」
「……何が違うのよ?」
「私、川田くんに始めて会ったとき、とっても怖くて怖くて、震えてた。
だからあの時、川田くんが私のこと信用して教えてくれてもきっと……。
受け止められなかったって思う。だから無理ないんだよ、教えてもらえなくても」
「けど、つかさ……」
「ヒナちゃんも知ってるよね? 私、すっごく弱かった。
本郷さんが死んだ時、何もかも忘れて逃げちゃうくらい弱かった。
だから今、川田くんが話してくれてすごく嬉しいよ。
私、まだ弱いけど、ヒナちゃんが大切なことを教えてくれたから、
ほんの少し強くなれたのかなって、川田くんもそれを認めてくれたのかなって、思えるもん」
呆れたというようにヒナギクが肩をすくめ、
「本当に……。国宝級のお人よしね、つかさは」
苦笑交じりに嘆息する。
「まったくだ」
状況も忘れて、つい川田もヒナギクに同意してしまう。
「俺が、自分に不利なことは隠しておこうとか、
そういう打算を働かせたとは思わないのか? つかささん」
「川田くんはそんな人じゃないよ」
にこっと笑ってつかさが即答する。
その愛らしい無垢な笑顔を見ているともはや何も言えなくなり、
川田とヒナギクは、そろってやれやれと頭を振った。
とはいえ、
(お人よし具合で言えば、ヒナギクさんもなかなかのもんだがな)
なにやらブツブツ言っているヒナギクを横目で見ながら、川田は心の中で苦笑する。
今のヒナギクからは、怒りのオーラが大分失せている。
ヒナギクが怒っていたのは、川田が全幅の信頼を寄せているつかさに隠し事をしていたというその一点であったとみえる。
他人事でここまで怒れるというのは、面倒見が良いというのか姉御気質というのか……。
などと考えながら、チラと川田は覚悟に目線を向けた。
視線だけで川田の考えを読み取り、
「私は、死した人間との約束に命をかける君達に戦士の『魂』を見た。
その輝きに比べれば、隠し事など些細なこと」
「ありがとよ……」
熱血正義馬鹿七原秋也や善人すぎるほど善人な中川典子と一緒にいた時の感覚が、
これ以上ないほど蘇ってくるのを感じながら、川田は再び鉛筆を取った。
3人の視線が自分に集まるのを待って、
「……とにかく、これ以上のことは今の段階じゃ欲張りすぎだ」
『――と思ってた』
「つかささんとヒナギクさんの姉さんや友達を探す。本郷さんとの約束を果たす
今はこの二つだけで精一杯だ」
『このゲームを根本からぶち壊せる自信はなかった』
支援
「早く見つけないと、またつかささんやヒナギクさんの友達の中から犠牲者が出るかもしれない」
『だが、葉隠が仲間に入ってくれた。
それに考えてみりゃ、このゲームを根本から何とかしない限り生きて脱出するのは不可能だ。
幸いにも、突破口の薄明かりくらいは見えてきた気がするしな……。だから話した。
それと、つかささんには悪いが、やっぱり打算もあった、すまない』
一気に書いて顔を上げる。
すると、つかさは首をブンブンと横に振り、ヒナギクは両肩をすくめる仕草をし、
覚悟はほんの少し口元を緩めて応じてきた。
川田も照れくさそうな笑みで返す。暖かな空気が流れるのを4人は感じた。
「とにかく、もう少し休んでいこう。この際だ、少し休んでいくのも悪くない」
『ありがとよ。じゃあ、話を戻すんだが……。
まずはヒナギクさん、聞かせてもらえないか? さっき君が感じた違和感ってやつをな』
再び部屋の空気がピンと張り詰めた。
■
『違和感っていうか、疑問なんだけど……。
何で生贄にするだけなら、「殺し合い」をさせる必要があるわけ?』
分からない、というようにつかさが首をかしげると、
『だって、生贄にするだけなら、それこそ生体実験でもして一度に殺せばいいじゃない』
生体実験、という単語につかさが体を震わせる。
ヒナギクも書いていて胸糞が悪くなったのか、思い切り顔をしかめた。
それでも気を取り直し、
『さっきとってつけたみたいに追加された「ご褒美」。
「生贄にすること」が目的じゃなくて「殺し合い」が目的になってるとしか思えないわよ』
ヒナギクの疑問に答えるように覚悟が筆を走らせる。
『零に憑依している霊は、理不尽な侵略によって犠牲となった「怨霊」。
或いはそのことが関係しているのかもしれぬ』
C\
トイレマジやばい 支援
『なるほどな。こういう状況で精神的に苦しませないと「怨霊」にならねえってわけか?』
『いきなりさらわれて、人体実験にかけられのも十分すぎるほど惨いわよ。
私だったら祟って祟りまくってやるわ』
『それに関しちゃ同感だ。
それにさっきからずっと思ってたんだが、あまりにも分かりやすすぎる』
覚悟の方に目線を一度やって、川田はペンを走らせた。
『こうやって葉隠から話を聞くだけで、容易に敵の目的を推測できちまった。
だが、葉隠だって強化外骨格モドキが鎮座してなけりゃ気付かなかっただろうぜ』
覚悟が首肯して肯定を示した。
――何かある。
覚悟、ヒナギク、川田はしばし、思考の井戸の底に沈んだ。
「あ、あの――」
思わぬところから発せられた声に、3人は思考の井戸から浮上させられた。
「と、トーナメント」
つかさ以外の、3人の顔に揃って不可解の文字が浮かんだ。
「こなちゃん……友達が言ってたんだけど……」
「つかさ、休む時にはしっかり休む。メリハリは大事よ」
紙を指差しながらヒナギクが、たしなめるような声を装って言う。
慌ててつかさは鉛筆を握り、
『最近の漫画は、よくトーナメント展開をやるって……』
――何のことだ?
さっぱり分からない、という川田、ヒナギク、覚悟の表情に気付き、つかさはさらに鉛筆を動かしていく。
『トーナメント展開っていうのは、漫画とかのストーリーで主人公を強い人達と戦わせて、
一番強い人を決めるって展開のことなんだけど……。
戦わせたがるっていうの、なんだかそれに似てるかなって』
『でも、それだと私達はどうなるの? 私達じゃ、天地がひっくり返ってもあのラオウって男や、
本郷さんが倒した化物神父に勝てると思えないわ
一番強い人を決めるのが目的だとしたら、私達がここにいる意味って何?』
支援のススメ!
『今まで集まった情報を総合すると、ここには小さな子供もいるらしいしな。
もっとも、俺だってその子供やつかささん達と似たようなもんだ。
葉隠や本郷さんにしてみりゃ、子供を相手にするのと大差ないだろうぜ』
ヒナギクと川田のもっともな疑問。
その時、覚悟が筆を動かした。
『壇上にあった鎧の輝きは、まごうことなき超鋼の輝き。
くらましのために作ったにしては手間がかかりすぎているように思う』
『となるとやっぱり、生贄が目的ってことなのかしら?』
『もしくは違う理由か、だな』
その時、再びつかさの手が動いた。
『「生贄」と「強い人を決める」の両方が目的、じゃないのかな』
――あっ
盲点を突かれた気がして、思わずヒナギクと川田は顔を見合わせた。
真実はいつも一つなれど、別にあの老人の目的は一つとは限らぬ。
これは一本取られた、とヒナギクと川田は顔を見合わせた後、頷きあった。
それを見ていた覚悟がつかさに向かって笑みを浮かべ、つかさは照れくさそうに笑う。
しかし――
『「生贄」、「この場で一番強い人間の選発」、もしくはその両方。
一番強い人間を選発してそいつをどうするのかは知らないけど、
まあ、とりあえず保留でいいわね。分かりそうにもないし。
さてと……。問題なのは、首輪よね』
ヒナギクのこの一言で緩みかけた空気は、再び重さを増した。
まず川田が手を動かし始める。
『この世界に飛ばされた時に少し調べてみたんだが、
今、俺達の首に嵌っている首輪は俺の世界にあったものとは違う。
何せ継ぎ目すら見当たらないんだからな。
内部構造は調べてみないと分からないが、多分俺の知ってる方法で解除はできない。
つっても、発信機や盗聴器ぐらいは取り付けてあると考えた方がいいだろうがな』
支援〜
川田に続き、覚悟が筆を動かす。
『詳細に観察したわけでないが、私も継ぎ目などは見つけられなかった』
重苦しい沈黙の沼が4人をとらえた。
やはりというべきか、いきなり八方塞である。
『でも川田くんは、電気回路? をいじれるんだよね?』
『ああ。だが、内部構造が分からないことにはな。
それにどうやって中をのぞいたらいいかも分からない』
期待するようなつかさの視線に川田は厳しい表情で答える。
『――ちょっと思ったんだけど、
そういう、なんていうか、科学的なアプローチだけでいいのかしら?』
みなの視線がヒナギクに集中する。
『葉隠くん、あなたの出あったルイズさんっていう魔法使いの女の子は、
魔法で首輪が外せそうだって言ってた?』
『いや、言っていなかった。これは私の想像だが、ルイズさんは勇敢な人だ。
出来るものならとうに首輪を外そうと試みていたはず』
『この首輪には何か魔法を効かないような仕掛けがしてあるかもしれないってこと?』
『おそらくは』
ルイズは、『ゼロのルイズ』というあだ名を持つほど魔法が不得意な魔術師であるから
覚悟の評価はかなりの過大評価といえよう。
しかし、ルイズがハルキゲニアでそう呼ばれていることなど覚悟が知るはずもない。
また、実際にルイズは覚悟の目の前で――実は失敗だったのだが――魔法を使ってみせた上、
覚悟は、虎の化物に立ち向かったルイズの勇気を高く評価していた。
覚悟のルイズに対する評価が実際と違ってしまってもむべなるかな、といったところであろう。
『やっぱりね』
忌々しそうに腕組みをするヒナギクに、
『ヒナギクちゃん、何がやっぱりなの?』
『チラっと聞いただけだけど、本郷さん、機械工学やってるって言ってたわ。
あの爺どもは首輪を外されたくないんだから、
本郷さんみたいな人でも首輪を外せないように色々細工してるんじゃないかって、思ったのよ。
それにしたって魔法にまでとはね! まったく、手回しのいいことだわ!』
苛立たしげに、ヒナギクは豊かな髪をかきまわした。
『そこまであの爺どもが首輪に手間かけてやがるとなると、
やっぱり、ハッキングしてみるしかねえな』
部屋の空気が動きを止めた。
『川田くん、でも、危ないよ』
仮に露見したら、川田の首輪が爆破されてしまう可能性は高い。
不安げに揺れるつかさの瞳を見て、川田は不敵に笑った。
『虎穴はいらずんば虎児を得ず、だぜ。つかささん。
仮になんの仕掛けもなかったとしても、首輪には爆弾が入ってる。
内部構造が分からなきゃどうにもならない。遅かれ早かれやるしかなかったさ』
川田はつかさ、ヒナギク、覚悟を順繰りに見渡した。
『探すものが増えちまったが、どの道どこへ向かうかは決めてなかったからな、
さほど問題はない。
これから、まずホームセンターに行って、見つからなかったら次は総合スーパーに向かう。
総合スーパーまで行っても、村雨さんもパソコンも見つからなかったら病院に戻る。
みんな、それでいいか?』
全員が首肯したの見をて、川田は立ち上がった。
「川田くん、ごめん……。あなたにばっかり頼って……」
唇を噛みながらヒナギクが言う。
「おいおい、やめてくれ。俺は何も特別なことをしようとしてるわけじゃない。
できることは全部やろうとしてるだけだ。
それは、葉隠も、つかささんも、ヒナギクさんも、同じだろ?
大体だな……。まだ、そのための道具も揃っちゃいないんだ。
そういうことを言うのは、ちょいと気が早すぎるってもんだぜ」
おどけたように言う川田に向かい、覚悟は無言で敬礼の姿勢を取った。
男が不退転の覚悟を持って決めたことに異を唱えるは無粋。
ならば己のやるべきことは、この地獄に閉じ込められた全ての者に希望をもたらさんとする戦友を、
全力で守ることだ。
敬礼する覚悟の隣をぬけ、つかさが川田に近づいていく。
怪訝そうな顔をする川田を、つかさは正面から見据えた。
「私、川田くんのこと、信じてるよ。
これから、何があっても、どんなことがあっても、信じてるからね」
ぎゅっと川田の手を握ると、つかさは戸口へ向かって走っていく。
無言でヒナギクも続いた。
二人の背中が見えなくなるのを待って、川田は覚悟に向かって口を開いた。
「なあ、葉隠。何せこんな状況だ、一時間後はどうなってるかわかりゃしねえ。
だから言えるうちに言っておくんだが……。
つかささんも、ヒナギクさんも、心の清らかな、優しい人達だ。
これから何かあったら、俺のことはいい。彼女達を優先して守ってくれ」
「……それは、承知できかねる」
川田はため息をついた。
「葉隠、俺はもう死んだ人間――」
「死者の言葉は沈黙のみ! 自分を死人だと言う死人などいない!!」
静かだったが、覚悟の言葉には激流の如き激しさが秘められていた。
「川田、お前にはまだ歌が聞えるはずだ、歌えるはずだ」
「歌?」
「ああ。お前と柊さんを見ていてそう感じた」
唖然として立ち尽くす川田を残し、覚悟はさっさと部屋を出て行ってしまう。
「……歌、ねえ」
釈然としない面持ちで立ち尽くしながら、川田は首をひねる。
歌と言われて川田が思い出すのは、バードコールから流れだす鳥の歌。
ふと、川田の脳裏にある光景が浮かんだ。
二人で、平和な場所で穏やかな気分であの歌を聞けたなら、それはきっと――
――悪くない。
川田かっこいいな・・・
支援
「……やれやれ、欲ってのは次々と湧いてくるもんだ」
自分より遥か高みにいる本郷に憧れ、もう少しつかさと一緒にいたいと思い、今度は……。
自嘲気味に笑いながら、川田は頭をかいた。
けれどやはり、それほど悪い気分ではなかった。
■
民家の入り口から少し出たところで川田を待ちながら、ヒナギクはつかさを見やった。
何度も泣いたせいで、つかさの目は赤く晴れている。
「つかさ、無理しちゃだめよ?」
さっきは気丈にも議論に参加していたが、少し前に友達を失ったばかりなのだ。
そんなにすぐに立ち直れるわけがない。
「私、無理、してるように見えるかなぁ?」
「少し、ね……」
「そうだね……。私、無理してると思う。でもね、ヒナちゃん――」
つかさは顔を上げてヒナギクを見た。
その瞳には鈍い悲しみの光があったけれど、それよりも眩い決意の光があった。
驚いて目を丸くするヒナギクに向かって、
「ヒナちゃん、悔しさを忘れちゃだめだ、って言ったよね?
私、悔しいよ。ゆきちゃんが死んで、悲しくて悲しくて……。まだ、心のどこかで
そんなの嘘だって、ゆきちゃんは死んでないって思いたがってる。
逃げてるだけだって分かってるのに、そんなこと考えちゃう弱い自分が悔しい……。
それに、それにゆきちゃんが死ん……ううん、殺されたのがすっごく悔しい。
友達のために何もできなかったのが、すっごく悔しいよ!!」
肩で息をしながら何かにつかれたようにつかさは言葉を紡いでいく。
「だから私、決めたの。今は頑張るって。
みんなで一緒に元の世界に帰れるまで頑張るって。
私、弱いから……。頑張らなきゃ、みんなの足でまといになっちゃう。それだけは、嫌だよ」
「怒るわよ! つかさ」
ヒナギクの怒声に、つかさの瞳が揺れた。
山を超えた 支援
全力の支援
「誰も、あなたを足手まといだなんて思ってないわよ!
川田くんも、葉隠くんも、もちろん私も!
そりゃ、自分の弱いところを自覚して頑張ろうってのは悪いことじゃないわ。
でも、自分のことをそんな風に言うのはやめて!
つかさが自分のことをそんな風に言うの、つかさが良くても、私が悲しいわ。
きっと葉隠くんも、川田くんも!」
必死にいいつのるヒナギクを見上げるつかの顔が、くしゃっと歪んだ。
「ありがと、ヒナちゃん……」
ほっとしたようにヒナギクは表情を緩め、
「ま、確かにそんな風にすぐ泣く所は直した方がいいかもね」
「……えへへ」
悪戯っぽくヒナギクが言うと、つかさは涙を拭きながら相好を崩す。
「ねえ、つかさ――」
語りかけながら、ヒナギクはすこし表情を引き締めた。
「私も、おんなじ気持ちよ。悔しいわ、本当に悔しい。
守られて生き延びて、何もできない自分が情けなくて悔しいわ……」
ヒナギクは拳を握り締めた。
「だけどね。悔しいけど、ここで私やつかさのできることって――」
奥歯が軋む音が聞こえた。
次の言葉を発するのは、本当に悔しい。
だが、認めなくてはいけない。
(弱かったのは……。私もね)
目を逸らしていてはいけない。
どれほど腹立たしくても、まずこれをきっちり認めなければ先へ進めない。
「――私達ができることって、多分、少ないわ。
あまりにも状況が普通じゃないし、常識はずれの人間が多すぎる。
なのに私達の力はとても小さい……。小さすぎるのよ。だから――」
目を閉じ、苛立たしさと情けなさを吐き出そうとするようにヒナギクは息を吐いた。
目を開ける。つかさが真摯な眼差しで見つめてきていた。
なんだか、力が湧いた。
全力を超えた全力をさらに超えた全力の支援
期待の新星が現れたな!
支援!
俺たちの支援が靡くって
まだまだ支援
ふっふたたび山がぁぁぁ
しえんん
「とにかく頑張れるところまでは頑張る!できることを探して、できることは全部やる
だけど、無理はしない。常に自分の力と相談する。やれる範囲を見極める!
見ていてあまりにも無理がすぎると思ったら指摘しあう……。
私達の力じゃ、そうしないと肉体的にか精神的にか、どっちかで自爆するのがオチだわ。
情け無いけどね、それが現実だもの。認めなきゃしょうがないわ」
「何か、難しいね……」
「そうね、私もそう思う。ただ頑張るよりずっと難しい……。
だけど、きっとやれるわよ。私達は一人じゃないし、ね」
満面の笑みでつかさが答えてくる。
つかさに笑い返し、ヒナギクは空を見上げた。
風がふわりとヒナギクの桃色の髪を舞い上げた。
日差しが少し目にいたい。
(本郷さん……。ごめんなさい。
本郷さんの死は無駄にしないなんて大見得きっておいてなんだけど、
大したこと、できないかもしれない。
でもつかさと二人で、自分にできることは瀬一杯やってみるわ。
それで、いいかしら?)
ヒナギクは心の中で青空に向かってそう呟いた。
支援だってヴぁ!
ヒナギクとつかさから少し離れた場所で、覚悟は周囲を警戒しながら病院がある方向を見ていた。
(ルイズさん……。悲しんでいるだろうか)
先ほどの放送で呼ばれた名前の中に『平賀才人』という名があった。
その名前には聞き覚えがあった。
ルイズはすぐに話題を変えてしまったが、その名前を呼んだときのルイズはどこか嬉しそうだった。
ルイズは強い。
だが、友を失って悲しまないものなどいない。
できれば病院に戻って、ルイズに何か言葉をかけたい。
――しかし、それはできない。
民家の戸口から姿を現した川田に向かって、つかさとヒナギクが手を振っている。
病院の方角に向かって目礼し、覚悟は川田達の方へと歩みを進めた。
許してほしい。
この身は、牙を持たぬ全ての人のためにある。
誰か一人の戦士たれぬ身なれば、今は――行く。
逆境支援シエン
シエン
【G-5 南部 1日目 日中】
【葉隠覚悟@覚悟のススメ】
[状態]:全身に重度の火傷(治療済み) 胴体部分に銃撃による重度のダメージ(治療済み) 全身に打撲(どれも致命傷ではない、治療済み)、
頭部に大ダメージ、両腕の骨にひびあり、 強い決意
[装備]:滝のライダースーツ@仮面ライダーSPRITS(ヘルメットは破壊、背中部分に亀裂あり)
[道具]:ハルコンネン(爆裂鉄鋼焼夷弾、残弾5発、劣化ウラン弾、残弾6発)@HELLSING 大阪名物ハリセンちょっぷ
[思考]
基本:牙無き人の剣となる。 この戦いの首謀者を必ず倒す。
1:川田、ヒナギク、つかさと行動を共にし、その後病院に戻る。
2:杉村を弔う。
3:再びラオウと会い、自分の決意を伝えたい。
4:怪我が治ったらルイズとゲームセンターに行く
[備考]原作一巻第一話、逆十時学園入学初日より参戦
※決意が強まりました、殺し合いに乗った者が戦士であるならば容赦はしません。
※戦士でないと判断した者(一般人の女性や子供など)に対しては決して抵抗せず、
説得を試みます。
※戦士であるかどうかの判断は次の書き手さんにお任せします。
【川田章吾@BATTLE ROYALE】
[状態] 健康
[装備] マイクロウージー(9ミリパラベラム弾16/32)、予備マガジン5、ジッポーライター、バードコール@BATTLE ROYALE
[道具] 支給品一式×2、核鉄(バルキリースカート)@武装錬金、チョココロネ(残り5つ)@らき☆すた
文化包丁、救急箱、ZXのメモリーキューブ@仮面ライダーSPIRITS、裁縫道具(針や糸など)
ツールセット、ステンレス製の鍋、ガスコンロ、缶詰やレトルトといった食料品。
薬局で手に入れた薬(救急箱に入っていない物を補充&予備)
マイルドセブン(二本消費)
[思考・状況]
基本行動方針:ゲームに乗っていない参加者を一人でも多く救出し、最後は主催者にカウンターパンチ
1:仲間と一緒にPCと村雨を探す。PCが見つかったら、ハッキングを試みる。
2:つかさの姉や友人、ヒナギクの友人を探すのに協力する。
3:ゲームに乗っている参加者と遭遇した場合は容赦なく殺す
参戦時期:原作で死亡した直後
[備考]
※桐山や杉村たちも自分と同じく原作世界死後からの参戦だと思っています
※医者の息子であること、1度死んでいる事は話しています。
※首輪は川田が以前解除したものとは別のものです
【桂ヒナギク@ハヤテのごとく】
[状態] 傷の手当ては完了している。
[装備] ボウガン@北斗の拳
[道具] 支給品一式。ボウガンの矢18@北斗の拳
[思考・状況]
基本:ハヤテ達との合流
1:仲間と一緒にPCと村雨を探す。。
2:やれることを探してやる。だが無理はしない。
[備考]
※ ヒナギクが聞いた轟音の正体は、三影の大砲の音です
※参戦時期はサンデーコミックス9巻の最終話からです
※桂ヒナギクのデイパック(不明支給品1〜3品)は【H-4 林】のどこかに落ちています
※ロードローラー@ジョジョの奇妙な冒険と捕獲網@グラップラー刃牙は【H-4 林】に落ちています
【柊つかさ@らき☆すた】
[状態] 健康
[装備] なし
[道具] 支給品一式、ホーリーの制服@スクライド、ターボエンジン付きスケボー @名探偵コナン
[思考・状況]
基本:ゲームには絶対に乗らない
1:仲間と一緒にPCと村雨を探す。
2:お姉ちゃんやこなちゃんたちと合流したい
3:みんなの力になりたい。でも無理はしない
[備考]
※川田、本郷、ヒナギク、覚悟、新八を完全に信用しています
【備考】
※4人は、ホームンター→総合スーパーの順で捜索を行い、
その後病院に戻る予定です。
※4人の主催者の目的に関する考察
・主催者の目的は、
@強化外骨格に憑依させる怨霊にするため、
A最強の人間の選発、
@かA、または@とAの両方が目的
※4人の首輪に関する考察及び知識
・首輪には発信機と盗聴器が取り付けられている。
・首輪には、魔法などでも解除できないように仕掛けがなされている。
以上です。
長きに渡る支援、感謝の極み……。
ありがとうざいました。
投下乙
こっちのつかさは本当に恵まれてる
ここでほんの束の間の幸せを感じとって欲しい
そして絆が深まった上に脱出のフラグも見え始めた
こりゃあ、いいね。マジ乙
◆wivGPSoRoE氏、GJです!これからも漫画ロワの書き手として頑張ってください!!
ずっと支援し続けます!!本当にGJでした!!
ところで早速wikiに編集したいのですがよろしければタイトルを教えて頂けますか?
なんかもう…すごすぎてGJという言葉がいえないくらい…
みんな強いな…川田も、覚悟も、ヒナギクもつかさも…
あと病院は…まあ色々終わった後か…
GJ!
繋ぎでこれだけの力作を投下するとは!
四人の絆の深まる描写が良かったです。
もう本当に乙です!
投下乙。全員が生き生きしてる素晴らしい作品ですねー。
心の動きでこれだけ書けるのは凄い。今まで見た作品中でもトップレベルです。
病院……ルイズは生きてるよな、うん。
【俺@現実】
[状態] 腹部が不健康
[装備] なし
[道具] なし
[思考・状況]
基本:トイレ行きたい
1:投下乙! と言わざるを得ない
2:「英霊って言葉の意味だけど、私の世界では、戦士した人の敬称、以外に意味はないわ」
「英霊って言葉の意味だけど、私の世界では、戦死…」
の誤字を伝えたい
3:ようやく主催者の目的がわかってきたなぁと感心
[備考]
※ 最近ちょっと痔気味
投下乙。
かなりいいチームだな、この四人……
あと覚悟のギャルゲ主人公っぷりは異常
>>270 お前はトイレ行けw
>>266 失礼しました。
題は「絶対負けるもんか」
です。
後、容量オーバーするかもしれないと思うのですが
その時は 前編
>>216の「つかさの瞳孔が一気に拡大した。」まで、
残りは後編、ということで一つお願い致します
投下乙です。目から汁が垂れてまいりました。
これからも漫画ロワで頑張ってくだされ!
>>270 わざわざそんな状態表を作らないでトイレに行けやw
>>270 お前まだトイレ行ってなかったのかよw
もうそこでしろ
GJ!
あいかわらず熱いぜ!
この四人は最後まで戦い続けられそうな心意気を感じる。
さらに主催者にも徐々に迫りつつあるな。
今のところ首輪も主催者もまだまだだから、このチームがなぞに迫ることを祈る!
……ところで川田よ、覚悟に核金を渡してやれよ。
ダメージ回復できるんだからさあ。
すいません延長します。
277 :
266:07/11/12 23:41 ID:DTXrWcNY
現在位置以外は一応編集しておきました。
>>277 速い編集ありがとうございました。
心からお礼申し上げます
乙!
恐る恐る素性を告白する川田、どっしり構えた覚悟
弱いながらもできることを探ろうとするつかさとヒナギク。
どのキャラもそれらしく活き活き動いててとてもよかったです。
しかし、BDNは強化外骨格をどうするつもりなのか……
素晴らしくGJです
なんというかこの4人皆が皆支えあってて信頼してて
実に良い対主催グループだな、今のとこ
大きい動きとかなく考察、心情中心でここまでの作品を書けるのはマジで凄いと思います
>>270 不覚にも吹いたぞw
夜勤明けで帰ってきて日課の漫画ロワスレをチェック→作者にGJを送りつつ新作を楽しむ→
>>270→午後茶を吹く
どうしてくれんだwww俺のパジャマがびしょびしょじゃねーかww
逆に考えるんだ。
水も滴る蟹座のB型、設定年齢19歳の美形なんだって
>>276 遅くなったけど了解です!
新作お待ちしています!
ところでYb氏はどうしたのだろう?
予約期限が過ぎてるから何らかの報告が欲しいです……お願いします。
遅れましたが帰宅いたしました!
これより投下いたしますので、支援お願いします
同じ太陽が昇る中、同じ舞台で。
不死王は自ら光輝く星を見た。
拳王自らを光り輝かせる月を見た。
そして帝王は……
☆ ☆ ☆
「アポロ11号か……フン、アホらしい」
列車の振動を身体に感じながら、DIOは手に持った雑誌の内容をつぶやく。
「月面など、そんなくだらん場所に行って何になると言うのだ……」
だってそうだろう?
ある物と言えば岩石とクレーターだけ、水はおろか空気すら無いゴミのような土地。
ウサギどころか、あらゆる生命体はあそこで生きる事など不可能だろう。
そんな所に人が立った所で何の意味があると言うのだ?
あるとすればせいぜい、誰も立っていない所に自分達は足を踏み入れたのだと言う自己満足……目クソほどの価値も無い。
そんなくだらない事に使う金があるのならば、カンボジアの貧民や砂漠の植林に使えばいいものを。
なのに何故それをしないのだか、DIOにはまるで理解ができない。
「だが………………」
窓の外に目をやれば、無機質なコンクリートに等間隔で設置された地下鉄証明の灯火が次々に流れていく。
暗闇の中を、切り裂くように流れていく光の塊は幻想的に美しく、また不気味で、まるで夜空に溢れる流星群のようだ。
彼らもこのような風景を見たのだろうか、はたして何を思ったのだろう? と、ふとDIOはそんな事を考えていた。
「…………人間も成長すると言う事か。アイツの言葉だったな」
それを含めて考えるならば、大切なのは月面着陸がどのような意味があるのかでは無く、それが人の心にどれほどの強さを与えたからなのだろうか?
もっともそんな事は吸血鬼と化してしまったDIOにとって、もはや考えても仕方の無い事なのだが……。
雑誌を座席の上において、踏ん反り返る。
ちなみにDIOが座っているのはシルバーシートだったりする(ある意味では間違っていないが)。
目を閉ればまぶたの裏に現れるのは、唯一尊敬の心を抱いた人間の顔。
肉体では圧倒的に上回っている自分を、心の強さで打ち破った男……先ほどの記事を見るとどうしてもソイツの事を思い出して仕方が無い。
考えてもみれば、長い永い人生の中でもっとも同じ時間を共有したのは彼なのだ。
思い出したのは今だが、彼の事が心からこぼれた事など一度も無い。
それだけは胸をはって言える事だ。
─────だ…
「…………?」
DIOの耳に、突然掠れた声が届いた。
その声は遠いようで近いようで、耳の奥から聞こえたようで、空からのようで……。
気のせいだろうか……?
─────れだ……
「!!」
いや、気のせいなどでは無い。
ずっと昔にも、DIOの鼓膜を震わしたのと同じ声だ……それが忘却の包みを解かれ、少しずつ浮上してくる。
そして先ほどから何かがおかしい事に気付く。
断続的に感じていた列車の揺れが全く感じられない。
目を開き辺りを見渡す。
「なァッ!?」
わずか数秒目を閉じた後に映ったのは、窓の外の流星群などでも無く、無論アポロ11号の記事でも無い。
(バカな……コレは? 一体?)
支援
目の前の油が切れかけたランプに所々ヒビ割れた壁、自分が腰掛けているのはガタついたソファー……
周りを見渡せばそれは全て見覚えのある風景……そして────
「誰…だ? コソドロ野郎か……ゴホッゲホッ……」
ベッドの上に横たわり、咳き込んでいる中年の男。
「ゴホッ……ゴホ ゴホ。 言っとくが……ここ…………に金目の物はなんもねえぜ……」
そうだ……やはり…………。
ここは自分が暮らしていた掘っ立て小屋だ。
そしてコイツは……この男は……。
ディオは床のホコリを舞わせながらベッドへと歩みを寄せる。
男がDIOに気付いたらしい、その顔をこちらに向けてきた。
「ゴホッ……お…まえまさか…………ディオ! ディオじゃあねえ…か」
かつて自分が殺してやったはずの、何よりも誰よりも嫌悪してやまない実の父親……ダリオ・ブランドーがそこに居た。
「へ…へへ、ずいぶんと立派になったじゃあねーか……。実の息子によォ、会えて嬉しいぜ」
ヒヒヒとゲヒた笑みを浮かべる目の前の父親に、DIOは轢き殺されたドブガエルを見るような不快感が身体をかけめぐるのを感じた。
ここに居るだけで肺が腐敗する錯覚すらも覚える。
「おれは貴様の顔など二度と見たくは無かったがな」
そんな父親を鼻息を漏らしながら見下ろしてやる。
「それと、おれを息子などと呼ばない事だ……おれはすでにきさまを父親などとは思っていない」
「…………ディオ」
「フン、なんでこんな所に居るのかは分からないが……さっさと帰らせてもらうぞ。きさまはおれが頂点に立つ上で、何の意味も無い存在だからな」
「ディオ……変わっちまったな…………昔はこんなおれにもよォ……世話って奴をしてくれたほど、よく出来たガキだったってのに……」
ずいぶんと情け無い顔で、鳥肌が立つようなことを言ってくれる。
これがかつては飲んだくれては自分に暴力を振るった父親の姿なのか、と呆れを通り越して哀れにすら思えた。
「変わっただと?」
DIOの耳にその言葉だけが引っかかる。
数瞬悩んだ後、一つの食い違いに気付いた。
ああ…この男は、目の前にいる息子が自分を殺したのに気付いていないのだ、と。
さぞかしコイツにとって自分は良く出来た息子に見えた事だろう、と。
思わず笑みが口からこぼれそうになるのをこらえる。
全く……何という哀れ、どれほどこっけいなのだ、この男は。
──じゃあ、何も知らずにいるがいいさ
この男はこれから真実を知る事なく、この先も自分に感謝と贖罪を続けるのだろう。
そう思うと、母親の分をこの場で晴らしてやろうと言う気がどこかへ離散するのを感じた。
「別にどうだっていいだろう」
それだけ言って、DIOは踵を返す。
もうこんな所はどうでもいい。
「なぁ……ディオ」
これ以上何の用があると言うのだ?
足を止める事はせずに、ディオは扉へと歩みを進める。
なぜかそこを通ればもとの場所に戻れるという確信があった。
「おまえがどう思おうが……おれの息子だ。おれの血が流れている」
「…………言ったはずだ。おれはきさまなど、父親とは思っていないと。母を殺したきさまなど……」
扉を開け、忌まわしい空間から一歩を踏み出す。
「三度目は言わせるな」
これでもう二度とここに来る事は無いだろう。
ディオは後ろ手に扉を閉めた。
☆ ☆ ☆
気が付けば、DIOが立っているのはS7駅のホームだった。
放送を聞くためにコレまで一睡もしていなかったのだが、自分でも気付かないうちに疲れが溜まっていたのだろう。
S3駅で降りるはずが寝過ごしてしまった。
「………………」
振り向いてもそこに父親などいるはず無く、列車の扉が自分の降りるのを待っていたかのように空気が抜ける音と同時に閉じられるだけだった。
(ヒラガサイトはくたばったか……)
ラッパのような音と共に走り去ってゆく列車を背後に、舌打ちをしながら先ほどの放送を思い返す。
自分の手で殺せなかった事に関しては多少のガッカリと言うものはあるが、所詮はこのDIOを前に逃亡を選んだ小僧だ、そこまで惜しむ事でも無い。
デルフリンガーにこの事を伝えるのは後でいいだろう、それより今は確かめたい事がある。
付け替えた右腕の感度を確かめると、指の一本一本を違和感無く動かす事ができる。
この数時間でほぼ馴染んだと見ていいようだ。
これならば桂の時みたく、予想外の苦戦をする事は無いだろう。
おもむろにDIOは壁の前に立ち────
「────フン!!」
その拳を力いっぱい叩きつける。
コンクリートの壁がクレーターが出来上がり、中央から蜘蛛の巣状の亀裂が走った。
場所をずらし、それを何度も繰り返す。
そのたびに地下鉄全体が振動し、壁のクレーターがどんどん増えていく。
10回ほど殴っただろうか?
平面な箇所が無くなってしまった壁から腕を放し、その手を見てみる。
────傷一つついていない。
この右腕は『前のよりイイ』……。
元の腕は失ったが、自分はソレ以上の物を手に入れたのだ。
ジョースター家などは自分に利用されるためだけの存在にすぎない、この体だって例外では無いのだ。
所詮使い捨て、アーカードの体を手に入れたならもう用済みだ。
そうだ……そのはず…………だ。
「ジョジョ……」
音の無い空間に、その声だけが充満して、そしてすぐに壁に染み込む。。
あんな夢を見たせいだろうか?
彼の名を口に出してみると、やけに変な気持ちになった。
今もDIOの心の中で生きているジョナサン・ジョースター、そしてDIOと彼は二人だけで一つの存在となっている。
そう、『使い捨てた』右腕を除いて……。
「………………フン」
夜にはまだ時間がある、横になるのに丁度いいベンチもプラットホームにある。
この際贅沢は言えないだろうと、DIOはベンチに横たわりその目を閉じた。
もう夢などを見る事が無いように祈りながら……
不死王が漆黒の闇の中に自らが輝く星を見た日……
拳王がひたすらな黒の中に自身を輝かせる月を見た時……
鉄格子の中で泥を見た帝王は眠りについた。
☆ ☆ ☆
────DIO……
…………
────DIO
誰だ…………?
────DIO!
君は…………、君か……驚いたね、今日はよく夢を見る日だ
君は…………、君か……驚いたね、今日はよく夢を見る日だ
────会いたかった
わたしも、だよ。 ハハ、ホラ抱きつくなって、苦しいよ
────…………もう二度と会えないのかと思ってた
そんな大げさ……いや、まさか…………まさか君も遠い世界に行ってしまった……のか?
────……今は何も言えないんだ。それと、わたしが君と会う時間も限られてるし、今の君を直接手助けはできないんだ……。
大丈夫だ。わたしは君に無理を望むつもりは無い……ただ、そうだな。
日没までまだ5時間以上ある、できるならそれまで……ヒマなんだ。何か無いかな? いい退屈しのぎは。
────そう言うと思ってね、本をいくつか持ってきたよ。何か読みたいものは?
きみが好きなものなら何でも。お勧めは?
────そうだね……『星の王子様』と言う本があるのだが…………
ああ、それなら名前だけは聞いた事があるな
────だが子供向けの本だ……いいのかな?
かまわないよ、わたしは君が読んでくれるならね
────ありがとう……じゃあ
夢というのも悪くない
【F-4 S7駅 1日目 日中】
【DIO@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:額に突き刺された傷(治療中) 睡眠中
[装備]:スタンド『世界』、デルフリンガー
[道具]:ダーツ(残弾数1)
参加者顔写真&詳細プロフィール付き名簿。ルイズの杖。
イングラムM10の予備マガジン9。ライドル。
スタングレネード×2。時計型麻酔銃(1/1)。麻酔銃の予備針8本。
デイバック×4(DIO、桂、灰原、みゆき)
[思考]
基本:帝王に負けはない。参加者を殺し、ゲームに優勝する 。アーカードのボディを乗っ取り、太陽を克服する
0:『安心』とは、意外な所からやってくるものだ
1:夜になるまで地下で英気を養う。及び、地下鉄に乗りにやって来た参加者を各個撃破し体力を回復
2:デルフリンガーから平賀才人他の情報収集・デルフリンガーを用済み、又は障害と判断した場合破壊する。
3:アーカード打倒
4:ジョースター家を根絶やしにする
5:魔法使い・しろがね等の血に興味
6:ゲームを仕組んだ輩を断罪する
[備考]
ジャギの腕はほぼ馴染みました
アーカードとの戦闘で更に鬱憤が溜まりました。アーカードにはどんな手を使っても勝つつもりです
時を止められる時間は約3秒間です
首輪の他に、脳内に同様の爆弾が埋め込まれています
S5駅方面の列車は途中で地上に出ることを確認しました
刃牙との戦いで血を流したため、時止めはあと1〜2回が限度です
デルフリンガーはコミックス2巻のフリッグの舞踏会の最中から召還されたようです。
支援どうもありがとうございます
誤字、脱字などがあれば指摘をお願いします
延長宣言すら忘れてすいません……
タイトルは『不死王は星を見た、拳王は月を見た、そして帝王は……』
です
投下乙
DIO様の夢にはいろんなやつが介入してくるなw
最後のは卿か?
そして帝王は夢を見た…かな?
なんとなくこう言わせたくなったぞ!
「この『DIO』には、『夢』があるッ!!」
投下乙!
なんかこんな哀愁漂うDIOは初めてだ……だがそれがいい!
最後の夢で出てきたのはプッチ神父かな?何故か神父と接するDIOは善人みたいだからなw
そして病院……一時は繁華街がカオスだったのに今は凄い事にw
投下乙!
こういう面もあるDIO様っていいなぁ……
しかしジャギの腕付けたから地味に強化されてるのなDIO様
305 :
vb3685:07/11/13 23:41 ID:62DVK366
遅くなってしまい申し訳ありませんでした。投下します
うん、支援する。
だけどトリップつけて欲しいんだ。
あと、sageてくれ。
308 :
vb3685:07/11/13 23:46 ID:62DVK366
坂田銀時、この男は他の参加者とは一線をかす者だとラオウは感じていた。
何かが違う.
力では自分には遠く及ばないだろうがまごう事なき好敵手だと認めていた。
今も仲間を逃がすために自分と戦うことを決意したようだが
自分から攻撃しようとはしない。いや、それこそが自分との違いか。
自分自身のために戦う者と、他人のために戦うもの。
だがラオウも自ら拳王を名乗るもの。
銀時を認めてはいるがそれは明らかに自分より下のものとして扱った上で、
そのある種の傲慢さがラオウを動かす。
「どうした、逃げてばかりでは話にならんぞ。かかってこい、坂田銀時よ」
叫び声と共に拳を放つがそれは病院の壁を抉るに留まる。
銀時はそれを見て、
「うるせぇ、この筋肉だるまが。おまえみてぇなやつとまともに戦えるわけがねぇだろうが」
先ほどとはうって変わって弱気なセリフである。
ラオウはその言葉を聴いて、笑いながらこういった。
309 :
vb3685:07/11/13 23:47 ID:62DVK366
「そうか、ならばしょうがないな。俺は先ほどの小僧たちを追いかけるとしよう、貴様のようなやつと戦ってもつまらん」
その言葉を聞いた銀時は表情を一変させる。
「おい、待てよ」
だがラオウは最早振り返ろうともしない。
ただゆっくりと歩みを続ける。
「待てって言ってんだろうが」
銀時はラオウの背中に向かって刀を振り下ろす。
それは十分な速度を持って振り下ろされた必殺の一撃、
だがラオウはそれをいとも簡単に避ける。
ラオウはその銀時のうって変わって必死な様子を見て浮かべるは獲物を前にした獣の笑み。
このまま、トリップの代わりにvbryでいくか?
今日はトイレの心配はねえ
支援
トリップのつけ方もsage方も分からなかったりするのか?
sage方はE-mailの欄にsageって入れればいいんだが。
313 :
vb3685:07/11/13 23:49 ID:62DVK366
そうか、ならば始めるとするか」
あっさりといった一言に銀時は一瞬理解ができなかった。
だがその銀時に向かい迫るラオウの剛拳、恐怖など感じる暇がなかった。
今までの戦闘の経験の賜物であろう、頭で考えるよりも先に体が動いていた。
頭上で構える剣、その剣にラオウの拳が打ち込まれる。
まるで金属と金属がぶつかるような音をたてる。
もちろんラオウの拳をまともに受けて無事なものなどほとんどいない。
銀時も例外ではなく、足は地面にめり込み一瞬意識を失う。
その絶好の機会をラオウが見逃すはずもない、左の拳が銀時の腹を目指して迫る。
意識を取り戻した銀時はラオウの拳を見て防ごうとする。
だが、先ほどのラオウの拳を受け止めたせいで残る手の痺れ。
間に合わない。
銀時はうめき声を小さくもらしながら後ろに飛ぶ。
だが無情にもラオウの拳は銀時の腹に突き刺さり、
銀時はその拳の勢いのまま病院の壁に激突し壁を突き破り病院の廊下に転がる。
314 :
vb3685:07/11/13 23:50 ID:62DVK366
だが、ラオウはとどめをさそうとしない。銀時があけた穴をただ見る。そのラオウに浴びせられた乾いた拍手
ぱちぱちぱちぱち
ラオウが振り向くとそこにいたのは勇次郎。病院の壁にもたれて気のない拍手を続けている。
ラオウは無言、そのラオウをみて勇次郎は拍手を止めてポケットに両手を入れてラオウに近づいてくる。
心底嬉しそうに笑いながら、ラオウに向かい言葉を言いながら。
「貴様に一言言っておく、俺は今心底幸せだ。退屈でしかなかったこの舞台で貴様に再び出会った。
その迅度ッ、重量感ッ、秩序ッどれもが近代格闘技一流の水準を超えている。礼を言う。
君なら知っているだろう、強ェェ男には匂いがある。
世界中探したってこれだけの芳香にはそう出逢えるものじゃない。
俺の好きな芳香りだ」
sageて行かんと大変なことに…
シエン
その勇次郎の言葉はラオウに向けられたもの。
ラオウを自分と似ていると感じ、そう言った。
だがラオウは何も言おうとしない。
ただ勇次郎の目を見つめる、
通常の人種ならばそらさざるを得ない勇次郎をただ見る。
勇次郎はラオウの眼前、ちょうど拳一つ分ほどの距離であろうか。
そこまで至ってようやく歩みを止める。
ラオウはその勇次郎に向かい口を開く。
「うぬは北斗七星の脇に輝く蒼星を見たことがあるか?」
「さあな、わりぃが。星を見るなんて習慣はねぇんでな」
「そうか」
二人の間に言葉などは必要ないのだろう。
互いに自らの強さのみを求めて生きてきた二人.
出会うこと、戦うこと、殺しあうこと。それは必然であったのだろう。二人のオーラにより世界がゆがむ。
「喰うぜ」
戦いが始まった。
トリップの付け方
ちょっと死者スレから抜粋
52 :強化外骨格「名無し」:2007/09/16(日) 10:50:09 ID:zv31Tl8w0
名前欄に#とつけてその後適当な文字を入力するだけで大丈夫。
あと取るに足らないアドバイスですが……#は忘れたら駄目ですよ?
バレちゃいますからね。ホントに恥ずかしいですよ。実体験者は語りますw
sageてくれてありがとう。
お礼も兼ねて支援
ラオウと銀時の戦いが始まったとき赤木はグリモルディを鞄の中にしまい首輪に対する考察を始めていた。
まず、この首輪に必要なこと、それはこのゲームの参加者を主催者の意のままに操ること。
それに必要なものはまずは主催者に反抗するものたちに主催者が圧倒的に有利だと認識させるためのもの。
つまりは爆弾である。首に仕掛けられた爆弾が爆発すればどれほどの化け物であろうと即死は免れないだろう。
そして二つ目、参加者の死亡を確認すること。
これは放送からでも明らかになってはいる.
では生死を確認する方法それは一番確実なものは心臓の鼓動であろう。
だがそれならばおそらくは心臓が止まってから一時間程度は参加者が生きていると認識しなければならない。
なぜならば、これほどさまざまな参加者がそろっているのである。
戦う力もほとんどないような一般人でさえ心肺停止から蘇生することなどごくありふれた話である。
ならば一時間は計測し続ける必要があるのではないか。
そして三つ目、主催者を満足させること。
この奇妙な舞台はあくまで手段であるはずなのである。ならば、その目的がどのようなものであるかは関係がなく。
参加者たちの動向を見るということが必要である。
つまりは、最低でも音声。できれば画像を主催者に送らなければいけない。
赤木は自分の首輪を指でなぞる。
凹凸すらもまったくないその形状から常識的に考えれば首輪に内蔵されているということ。
これならば、画像は不可能だが、音声は盗聴器の装着という簡単な手段で解決することができる。
ここまでは首輪にとって必要不可欠な条件である
ここから先のことは事実が伴わないただの想像でしかなくなってしまう。
だが、今の赤木にとっては最も必要なものは納得させるための材料、
まずは首輪をはずすということだがこれは、スタンドや核金などと同じように自分たちの世界とはまったく異なる技術。
それはおそらくはほかの参加者にとってもそうであろう、首輪の仕組みが分かってしまえば主催者の優位がなくなってしまう。
風来のシエン
だが、ここで疑問点としてあることが頭をよぎる。
なぜ、このゲームを開催したのか。命がけの戦いが見たい、いや違う。
それならば戦う力のないようなもの、自分などのものは参加させなくていい。
おそらくは、支給品、これが参加者の目的ではないか。
つまりは支給品の実践テスト。そう考えれば全ての納得がいく、現に自分は支給品を活かすことで生き残っている。
だがそれだけでは不完全、支給品のテストならば勇次郎のような化け物を加える必要はない。
つまりは、支給品に加えて参加者たちの実力、それら二つのテストが主催者の目的。
つまり参加者たちの能力と支給品、これらには主催者が予期していない可能性がある。
これを活用することができれば首輪の解除も不可能ではなくなる。
そこまで考察を進めて赤木は立ち上がり病院がある方角を見る。
首輪を解除することができるという希望、それこそが主催者に対抗するための者たちにとってはまるで灯台のともし火のように道を示すだろう。
赤木は鞄の中からグリモルディを出す。目的地は病院。
おそらく病院は戦う力のない者たちの篭城する場所になっているだろう。
この舞台の中でそこだけが異質の存在となっているからである。
医療品もそろい、ある程度の衝撃に耐えうる丈夫さもある。
そして裕次郎はそれを狙い動くだろう、そこを自分自身が救出し、脱出に協力させる。
「さて、急がなければな」
赤木は主催者打倒に向け動き始めた。
ラオウと勇次郎の戦い、それは熾烈を極めていた。
二人は共に徒手格闘技を極めたもの、その二人の戦闘スタイルには数々の奥義でさえ邪魔なものでしかなかった。
ただ殴るだけ、それが最高峰のレベルで行われていた。
だが、均衡も崩れてきていた。
徐々に早まってくる拳の回転の速度、それら全てが人体の急所を狙い放たれていた。
二人の共通点、それは自らを強くすること、相手を殺すことのみを目的としていること。
だからこそ、相手の考え方も分かる。
「ふんっ」
裂帛の気迫と共に放たれる右の拳、だが勇次郎はそれを見て笑い、
「あめぇな」
それを回転回し蹴りでカウンターをとろうとする。
しかし、ラオウはそれを予測していた。
「北斗剛掌派」
それはほぼゼロ距離から勇次郎の腹に撃ち込まれる。
たまらず後ろに下がる勇次郎。この戦い始まって以来の勇次郎に与えたダメージ。
だがそれは勇次郎の膝をつかすまでには至らない、
本来ならば遠距離から放たれる技であるが至近距離、勇次郎の攻撃を避けながら、という条件が重なり結果的に不完全なものとなったのだった。
倍支援だ
#vb3685 と名前欄に入れるだけで、トリップが完成しますよ。
一度お試しあれ。
赤木は病院に到着し、二人の戦いの様子を見ていた。
あまりにも熾烈な戦いである。さすがの赤木もその光景には一瞬だが見入ってしまった。
だが、一分一秒たりとも無駄にすることはできない、赤木にとってラオウと勇次郎が戦っていたことは誤算ではあった。
なぜならばラオウは確実に『ゲームに乗ったもの』だったから。見分け方は簡単である、ラオウの攻撃はすべて勇次郎の急所をねらっている。
このような戦い方をするようなものが他者を守るなどという甘い考え方を持っているはずがない。赤木はグリモルディをその場において注意深く探る。
病院の壁に巨大な穴、赤木はその穴をみると音もなくすぐ近くにあった窓から病院の中に入る。
どうやらあの二人は赤木のことには気づいていないようだが赤木は一言も足音すらもたてずに進む。
そして、程なくして瓦礫に埋まった銀時を見つける。これは勘でしかなかったのだが赤木は銀時をゆさ振る。
しかし、騒がれても面倒だと思い、少しの細工を施した上で。
>>328 それだと思いっきりばれてるが、まあ、ないよりマシか
いや逆に考えるんだ
まさかそのままやるはずが無いと
支援
「んんんん……んんっ………んんん」
銀時は目が覚めてすぐに自分に起こっている異変に気づいた。自分の口が塞がれている。
「おっ、起きたか」
銀時は自分の口を塞ぐ猿轡を指差す。
「あぁ、すまないな。騒がれるわけにはいかなかったんでな」
そう言いながら銀時の猿轡を外す赤木。
「ちょっとなにすんの、あれですか?近頃流行のSMプレイってやつですか、悪いんですけど俺、男に興味ないんでぇ」
いきなりまくし立てる銀時に赤木はあきれたように言う。
「少し静かにしてくれないか、ここが見つかるとやばいんでな」
そこは病院の二階、窓からは勇次郎とラオウが戦っているのが一望できる。その眼下では勇次郎がラオウの技をくらったところ。赤木はそれを一瞥すると銀時に向かって言う。
「よし、いくぞ」
「いや、いくってなにが」
赤木は両手を操り自分の横に立つアルルカンを動かす。
「いや、だから。なにすんの?」
「ギャンブルさ、お前にも役に立ってもらうからな。よく聞いてくれ」
赤木は彼には珍しいことだが、少し楽しそうにそういった。
アッー支援
そういえばアニメ銀魂にアカゲってやついたよな支援
勇次郎はある種の嬉しさすら感じていた。自分と互角、いやそれ以上の強敵と戦ったのは久しくなかった。
だが、勇次郎はあろうことかラオウに背を向ける。そして、両の手のひらを空に向ける。
その背中には背負われたデイバック、だがそのことは関係がない。その下の筋肉、それが明らかに以前とは異質なものとなっていた。
「ふん、なるほど。おもしろい」
ラオウにはそれが分かったのだろう、彼もわらって応えるが、再度の激突はなされなかった。
上から降ってくる多数の瓦礫と、人形。それがラオウと勇次郎の間に落ちた。巻き上がる砂埃、めちゃくちゃに暴れまわる人形、アルルカン。その横を走り抜ける一人の男、
「貴様は」
「うぬは」
勇次郎とラオウは銀時の姿を認識するがもう遅い。
足に赤木から渡されたモーターギアを装備した銀時はその圧倒的なスピードにより二人の間を堂々と走りぬけ、すれ違いざまに投げナイフを二本放つ。
だが練習もしていない人間がモーターギアを操りながらである。それをラオウは難なくかわす。
そしてその銀時のしまらない顔を見てラオウは怒りもあらわに技を放つ。
先ほど勇次郎に放った技と似たもの、だがそれは銀時の構えたソードサムライによって防がれる。
さらに赤木の策は続く。暴れ続けるアルルカン、ふたりはそれを操り人形の一種だということに気づいていた。
そんなただ暴れ続ける人形をくみするのは二人にとっては容易いこと。だが、それはできなかった。
銀さんやる気ねぇなあw
支援
足攣ってしまった支援
「銀時、俺が時間を稼ぐ。いったん戻ってこい」
二階から降ってくる声、その声を聞いて銀時は牽制にナイフを二本投げその場から離れる。
そしてそこに巨大な新たな人形、グリモルディが迫っていた。
二人は迫るグリモルディをとりあえず左右に跳び離れてかわす。
「おっと、お二人さんあぶないねぇ。道の真ん中に突っ立ってるとひかれちゃうよぉ」
そのしまらない声は二階から聞こえてきた。紛れもなく銀時の声。
ラオウは自分を侮辱されたと感じて、頭に血が昇っていたのだろう。一目散に病院の壁にあいた穴から中に入る。
だが、勇次郎は動かなかった。もちろん彼も怒っていた。自分の至福の時を邪魔されたのだから。
だがだからこそ動かなかった。勇次郎は打ち上げ花火を構え、二階に開いた穴へと向ける。
勇次郎の強力な腕力によって持ち上げられた花火の筒は正確に穴をめざし、後は火をつければそれは部屋の中で壊滅的な打撃を引き起こすはずであったのだが、それは結局撃たれることはなかった。
「おう、案外あたるもんだな」
勇次郎の右腕に投げナイフが一本突き刺さっていた。
「きさまぁっ!」
そこにいたのは銀時、あの飄々とした態度で次のナイフを構える。
W銀髪支援
ぎんぱつぎんぱつぅ!!
支援
このギャンブルどうなるんだ?
支援!
赤木の策、それは簡単な陽動であった、まず銀時を可能な限り逃げたと信用させる、そして続き様蝶ネクタイ型変声機を使って銀時が二階にいると錯覚させる。
普段ならば勇次郎、ラオウ共にもっと慎重に行動していただろうが、それを闘争を中断するという敢えて二人の怒りを引き起こすタイミングで実行したことにより判断力を低下させる。
さらには、アルルカン、グリモルディ。二体の人形を一人で操ることなど不可能だろう、そう信じ込んでいた。
これほどのギミックがある人形である、さらには両手で別の操作をすることの難しさ。これらが二つの人形を同時に扱うことは不可能だと信じ込ませていた。
だが、それは違う。赤木にとって指先の動作、これほど修練をつんでいるものはないといえる。
マージャンの牌を相手に気づかれぬように操作する。それほどまでに細かい操作を行える赤木にとっては人形の操作は既にたやすいことになっていたのだ。
さらには人形の糸に結びついているのは棘、ハーミットパープルによる遠距離操作。つまり赤木は、
「ククク………悪いな、勇次郎。ちょっとペテンにかけさせてもらった」
堂々と穴から出てくる赤木、ラオウの行動をハーミットパープルで探り、鉢合わせすることなく病院からの脱出に成功した。
「………………ッッ」
勇次郎の顔が怒りにゆがみ、背負っていた花火を投げ捨てる。それと同時にアルルカンとグリモルディが勇次郎に攻撃を仕掛けた。
それは勇次郎の視界を防ぎ、赤木の姿を隠した。このとき勇次郎は自分が赤木の策略からまだ抜け出せていないことに気付いた。
逃走経路を絞らせなければあの銀時が足につけている機械の速度なら難なく逃げ切れるだろう、だからこそのこの攻撃、敢えて二つの人形を捨てるような攻撃。
それはわかっていたがどうしようもない。勇次郎は身をかわし、目のまえにあったあるるかんを叩き壊すが、
「残念裕次郎、それだ」
赤木の声が聞こえた。そしてあるるかんを突き破り飛び出す銀時。
石原支援
「くそ…………ざまあねぇぜ」
銀時の刃は勇次郎の腹を切り裂く。先ほどのラオウの技を吸収していても、モーターギアの速度を刀の威力に合わせてもまだ勇次郎の命を奪えない。
だが、しばらく勇次郎は出血のせいもあり動けないはずだ。
それなのに赤木も銀時も勇次郎を殺そうともせずにこの場を去ろうとする。
その二人に向かって勇次郎の怒声が飛ぶ。
「貴様らっ、なぜ殺さんっ」
その声は怒りに満ちていた。だが赤木は余裕を見せ振り向き、
「ふんっ、敗者の命なんてのは今必要じゃないんでね」
そういい、グリモルディに乗り込みその場から離れていく二人を勇次郎は呆然と見つめていた。
「俺が敗者だと」
そういい、自分の首輪に手をかける。
勇次郎は王者であった、最強の名を持ち、世界を自分の思い通りにしていた。
だが、負けた。
敗者となった王者が取れる行動など一つしかない、それいがいは自分のプライドが許さない。
バキィ
首輪は案外あっさりと壊れた。
勇次郎の右手により引きちぎられた首輪は爆発を起こし、それによって地面に落ちた勇次郎の顔はなぜか笑っているように見えた。
【赤木しげる@アカギ】
[状態]:健康
[装備]:基本支給品、グリモルディ@からくりサーカス 、蝶ネクタイ型変声機@名探偵コナン
ハーミット・パープル(隠者の紫)のDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:傷薬、包帯、消毒用アルコール(学校の保健室内で手に入れたもの)
ヴィルマの投げナイフ@からくりサーカス (残り5本)、
[思考]
基本:対主催・ゲーム転覆を成功させることを最優先
1:このバトルロワイアルに関する情報を把握する
(各施設の意味、首輪の機能、支給品の技術 や種類など。)
2:対主催者たちを集める
2:鳴海たちと合流するため、8時前には学校に行く
【坂田銀時@銀魂】
[状態]:全身に中程度の負傷。小程度の疲労。
[装備]:核鉄(モーターギア)@武装錬金
[道具]:支給品一式 ソードサムライX@武装錬金(攻撃に使う気はない)
[思考] 基本:このゲームをどうにかする
1:ラオウをどうにかする。
2:新八達と合流する。
3:神楽を探す。
4:覚悟達と合流する。
4:ジグマールを警戒
[備考]
※ソードサムライX
エネルギーを使う攻撃を吸収し、攻撃に転用します
制限、効果の対象となる攻撃は任せますが、少なくとも「魔法」には効果アリです
支援ッ!!!
【ラオウ@北斗の拳】
[状態]内臓に小ダメージ 、鼻の骨を骨折、
[装備]無し
[道具]支給品一式
[思考・状況]
1:坂田銀時と戦う。
2:ケンシロウ・勇次郎と決着をつけたい。
3:強敵を倒しながら優勝を目指す。
4:覚悟の迷いがなくなればまた戦いたい。
5:人が集まりそうな繁華街か病院に行く。
【範馬勇次郎@グラップラー刃牙:死亡確認】
残り39人
これは…すごい支援
皆さんいろいろと迷惑をおかけしました。皆さんの支援はうれしかったです
勇次郎おおおおおっっ!!!!!!
なんかすごい…賛否両論だと思うけど…
俺は大歓迎だ…この超展開とも
神展開ともいえるのも…GJ
あとところどころ、勇次郎が裕次郎になってた
投下乙
勇次郎ここで退場ってマジか!?
貴重なマーダーになれそうだったし、
もう少しがんばってもらいたかったところだがこれがバトロワというものなのだろうか
だがW銀髪コンビのかけあいはなかなかよかった
その点は評価したい
……え?勇次郎、死んだ?
ば、馬鹿な……いや、しかし奴が負ける姿は思いつかないからな……。
ある意味我を通した最後らしい最後、か?
ただ、ちょっと展開に無理というか描写不足があるので、したらばの議論掲示板に書かせていただきます。
あと、目についた誤植
誤:坂田銀時、この男は他の参加者とは一線をかす者だとラオウは感じていた。
正:坂田銀時、この男は他の参加者とは一線を画す者だとラオウは感じていた。
誤:裕次郎
正:勇次郎
あ、あともう一つ。
タイトルが分からないとまとめに乗せられないのでタイトルつけてください。
あと残り人数は39人ではなく38人だよ。
重ね重ね申し訳ございませんでした。みんなこんなに優しいバトロワは初めてです。
タイトルは『銀髪黙示録』です。福本つながりってことで…
途中で送信してしまいました。
訂正はもちろんやりますのでどんどん指摘してください
365 :
Classical名無しさん:07/11/14 00:32 ID:16JFSNso
赤木はいつハーミット・パープルとあるるかんと蝶ネクタイ型変声機を入手したんだよ
グッジョブです!完璧です!
sage忘れた。すまん。
赤木が銀時と支給品を交換しました。
銀時が気絶している間、彼は銀時のバックの中を漁っていて、
目が覚めた後交換したのですが、その記述が抜けていました。
投下乙
貴重なマーダー枠とかはどうでもいいんだッッ!!!!!
マーダーが死のうが対主催が死のうが知ったこっちゃ無いッッッ!!!!!
でも勇次郎が死ぬってアリかよおおぉぉぉおおぉおぉぉッッッッ!!!!!!
と、初めてマーダーを応援した俺の感想でした
たった数時間練習しただけの赤木があるるかんとグリモルディを同時に扱えると言うのはさすがに無理があると思うのですが。
これは流石にないだろ。
議論まとめ乙です。
今のところ妥当だと思います。
>>300 ちょい質問。
最後の夢は、プッチが介入したって事?
良SSばかりで充実したロワだな
>>374 書き手の一人として、その辺はぼかして欲しい。
ネタがあるんで。
>>354 どうやら異論もなさそうなので、正式に要請いたします。
以下の点について、修正等を願います。
@アカギの人形2体+スタンドの同時使用
A:勇次郎の自殺
B:銀時とアカギが銀時のデイパックから武器を手に入れる描写
C:ラオウの状態表
<詳細>
@修正必須
ギミック上人形は片手で扱えない、アカギが操れるようになるのが速すぎる
そもそも1つ人形を操ることだけで精一杯のはず。等の理由から修正要求します。
Aに関しては、キャラの認識の主観に属することなので修正「希望」。
Bに関しても修正「希望」(なくてもそれほど問題はないため)
C修正必須
・勇次郎戦でのダメージが考慮されていない
・病院にるのに、病院を目指すという思考はおかしい
>>374 まぁ……個人的にはそのつもりで書いたんですけど、
てか初期プロットでは電車に乗ったところでプッチと出会うって終わりだったんですが、
>>376の通りにいきなり主催関連を全部書くのも何かナーってのがあったんで……
結果として夢っぽくって感じです
Zh氏予約期限が過ぎていますがどうでしょうか?
何か一言報告をお願いします。
それでは投下します。
支援の準備有り!
慣れないことはするもんじゃない。
才賀勝は肩で息をしながら思う。
いくら人形を操るために桁違いのトレーニングをこなしてきたと言っても、あくまで勝は小学生だ。
そんな小学生がしろがねの血多少を飲んだくらいでホムンクルスの足についていけるわけがない。
それでも勝は文句の一つも言わないでひたすら大地を蹴って進んでいく。
「……ッ!」
しろがねにつけられた両足の傷がズボンに擦れてヒリヒリと痛む。
その傷は、この少年が不幸な人生の中で受けた数々の傷に比べたらなんてことのない傷なのだろう。
だが勝にとってはどの傷よりも遥かに痛かった。
それが自分としろがねとの間に生まれてしまった心の距離を表しているように見えて。
それでも勝は走り続ける。この烙印が彼女を救うことでしか消すことが出来ないと知っているから。
「ぜひ、ぜひ……パ、パピヨン……待ってよー」
勝の後方で泉こなたが訴えている。かなり疲労しているのか、ふらふらと左右に揺れながら必死に前進しようとするが、思うように進まない。
勝ですらこのザマなのだ。運動神経が抜群とはいえ、普段からたいしたトレーニングも運動もしていない女子高生の追いつけるレベルではない。
だが、そこに泉こなたの責任など存在しない。彼女はただ彼女の日常を貪っていたにすぎない。
悪いのはそんな彼女をこんな殺人ゲームに招待した人間だ。
「おいパッピー待ってやれよー。こなたんフラフラだぜ?」
横の玉葱頭のキューピッド、エンゼル御前もこなたの頭上を旋回しながら訴える。
「おい泉、これでもかなり貴様らに合わせているつもりだぞ。あいつらは凄まじいスピードで移動している。
このままではいつまで経っても追いつけん」
彼らが追っているのは2人のしろがねと自動人形に乗った男。
パピヨンですら本気で走って同じ速度といったところか。
大体の目的地は判明してはいるが、危険人物がいる可能性が高い以上、彼女たちがそこに留まっているとは考えにくい。
とは言いながらもパピヨンは振り返って立ち止まり、こなたを待ってやる。
別にパピヨンはこなたに優しく接しようとしているわけではない。
カズキにこなたを守ると約束した以上、あまり離れすぎてこなたを危険に晒すわけにはいかないからだろう。
「ゴメン……でもしろがねとか自動人形とかがこんなに速いなんて思わなかったからさ。ごめんよ勝くん、足手まといになっちゃって」
勝に数十秒遅れてパピヨンの元へ合流したこなた。地面にしゃがみ込んで2人に謝罪する。
大した努力などしなくても運動神経は常に自分がトップレベル。そんな世界で生きてきたこなたにとってこんな状況は初めてだろう。
「いや、いいんだ。僕が今走るべきだってのは、こなたが教えてくれたんだから」
さっきまで鋭い眼光を放ってひたすら走っていたはずの勝。彼がこなたに向ける目はとても穏やかだ。
もし、ここでこなたを置き去りにすればしろがねに会える確率はぐっと上がる。
だがそれで彼女を説得することが出来てもそんなのは勝が望む結末ではない。
誰かを足蹴にして得る幸せなんて認められない。そんなことをしたら誰も笑ってはくれないんだ。
勝は汗を拭い、顔を上げ、空を睨んで、……拳を強く握り締めた。
「はぁ……こんなときは、昔倒した敵なんかが助けに登場するのがお約束なんだけどなー」
未だに息を整えられないでいるこなたが呟く。
そんな間の抜けた一言に、勝も肩の力が抜けるのを感じた。
「えぇー……女の子なら『白馬の王子様』とかじゃないの?」
「勝くんはいつの時代の人間だね。今の時代にそんなこと言う女の子なんかいないよ」
こなたも一般的な女の子の基準からは大きく逸脱してはいるのだが。
そんなことを話していると、突然パピヨンが立ち上がって2人の会話を遮った。
「静かにしろ。何か来るぞ」
勝とこなたの耳に妙な音が聞こえてきたのは、そうパピヨンが告げた十数秒後のことだった。
ガキュキュキュキュと、なにか機械が軋むような音。
それに加えてドスドスと地面を叩く音。
「御前様はあたしの肩に乗ってて」
「おいっす! 了解だぜ」
殺し合いに乗っていないものだとすれば御前様がいると話がややこしくなる。
かといって危険人物の可能性もあるので武装解除はできない。
こうやってただの人形と思わせておけば相手の警戒心も薄れるだろう。
この足音らしき爆音から推定できる重量は明らかに人間のソレではない。
「自動人形? 来るッ!」
勝の叫び声に合わせ登場したのは太陽の光に照らされた大きな怪物。
やばいうん○いきたい病が移った支援
……いや、怪物ではなく足の生えた大きな車であった。
「なかなかナイスな『白馬』ではないか」
呆然とする勝とこなたをよそにパピヨンは嬉しそうな声でそう告げた。
◆ ◆ ◆
「子供2人に……変態が1人か。まさかあれが劉鳳か?」
逆十字号の運転席に座る白馬の王子様、愚地独歩が助手席の姫に尋ねる。
「おじさん……殴るわよ」
ふくれっ面の姫には既に意中の王子がいるようで。
王子……いや、よく見るとお世辞にも王子とは呼べない男、独歩は冗談冗談と笑いながらも眼下の3人を見定める。
「子供2人は十中八九殺し合いにはのってない。問題はあの男……嬢ちゃん、どう見る?」
「どうって、危ないロリコンにしか見えないわよ。ねぇ、無視して繁華街までいきましょ。ね?」
シェリスの顔は明らかに引きつっている。
パピヨンには悪いが、こんな見てくれの人物には関わりたくないと思うのが正常な思考回路を持った人間というものである。
もし彼が劉鳳と遭遇したのならば即効断罪の対象になっていたのではないか。
「いや、しかし奴が本当にロリコンだとしたらあの子供たちがかわいそうだろ。
さっきの花火を上げたやつに襲われる可能性だってある。……実はそんなことをする人物に心当たりがあるんでな」
花火を上げたのは正にその人物なのだが、流石にその息子までが殺人鬼の手下に成り下がっているとは独歩も予想できなかった。
だけどぉ……と不満を漏らすシェリスをよそに独歩は3人をよく観察する。
1人は肩に人形を乗せた小学生らしき少女。初めて見るだろう奇怪な車を前にしても驚いた様子は見せず、気だるそうな目でこちらを見据えている。
その隣には少年。少女よりはやや大人びている。というよりその目はただの子供の眼ではない。未来を強く見据える眼だ。
そして問題のふざけた格好の男。バタフライマスクの奥の濁った瞳が、一切の眼球運動を拒絶して、ただただこちらを見つめている。
なるほど……ただの変態ロリコンと被害児童ってワケじゃあなさそうだ。
しばらく続いた異様な沈黙を切り裂いたのは、この場で最も急いでいる人物。才賀勝だ。
「すいません! 僕らは殺しあうつもりはありません! どうか降りてきて話を聞いていただけないでしょうか!」
「勝くん。危なくない? あのおじさんちょっと悪人面だよ」
こなたが勝に囁く。
パピヨンはよくて独歩はダメなその基準はなんなのだろうか。
「いや、殺し合いに乗っているなら真っ先に貴様らを踏み潰しにかかるはずだ。時間も惜しい。交渉するぞ」
この接触でかなり時間もロスしてしまっている。あの車ならば普通の乗用車より機動力は高いと見える。
彼らと交渉したときの期待値はパピヨンが初見で思った以上に高くなっていた。
「だってさ。おじさん、どうすんの?」
「……降りてみるか」
このまま誰にも合わないまま行動したところで何も成すことは出来ない。
だったらリスクを背負ってでも接触するべきだ。幸いさっきよりはそれほど危険人物には見えない。
「まぁいいけどさ、これどうやって降りるの?」
「そりゃあおめえ……このボタンを押してだな……オオゥッ!!」
そういえば前回ホテルで停車したときには逆十字号の足を出してはいなかった。
だから普通の車として停車すればよかった。だが今回はそうはいかない。
独歩がボタンを押した瞬間、まるで巨人がお辞儀をするかのように車体が前に傾いた。
そしてそのまま地面へと激突する。
「きゃっ!」
「危ない!」
助手席から吹き飛ばされたシェリスに勝がダイブして助ける。
地面に激突する前に、シェリスの体は勝の腕に収まった。
「大丈夫ですか?」
「あ……ありがと……えへへ」
お礼を言いながらもシェリスは、小学生でも抱えられるほど自分はスリムなんだ、と内心嬉しがっていた。
それにしてもこの少年、小学生なのにかなりの身のこなしだ。
「お゙お゙ぃ……こっちも誰か助けてくれよ」
一方で独歩は顎を大地に擦りつけ、海老反りの体勢になっていた。
そんな独歩をこなたとパピヨンは冷ややかな眼で見つめている。
sienn
支援
「んしょ……っと。えっと……」
勝の腕から降りたシェリスが何か話を振ろうとしたのだが
『気分はどうかの諸君?』
2回目の放送、死者を告げる老人の声が響いた。
◆ ◆ ◆
ガキュキュキュ……と機械音を撒き散らしながら走るのは逆十字号。
運転席に座るのは独歩、その隣にはパピヨン、そして後ろの荷台に残りの3人が座っている。
偶然にも先ほどの放送で全員が知り合いを1人ずつ呼ばれていた。のにも拘らず、全員が大したショックを受けていないように見える。
流石に名前を呼ばれた直後はそれなりに驚いたりもしていたのだが、その後は淡々と生きている知り合いのことや、殺し合いが開始してからここに至るまでの経緯などを話し合って終わりだ。
ちなみにエンゼル御前はカズキの名前が呼ばれてからギャーギャー騒ぎ出したので武装解除させられていた。
「……みんな、知り合いが死んで大丈夫なの? 僕の知ってる人は……最低で身勝手で危険なヤツだったからむしろ良かったと思ってるけど」
そんな5人を見て勝が尋ねる。
知り合いの話を聞く限りでは他の4人の知り合いは悪い人間じゃない。
そんな人たちの死をあっさりと流せるのが勝には納得いかなかった。
「あー……花山ってやつぁ長生きできるような男じゃねぇのよ。これでも長生きした方さな」
間髪入れずに答えたのは独歩。運転に集中しているのか、勝の方を見ることなく答える。
「そうね、カズマも同じ。劉鳳はショックを受けるだろうけど、あたしはなんとなく予想してたわよ」
シェリスが続く。
花山もカズマも決して弱くない。いや彼らの知り合いの中ではトップレベルの強さだろう。
だが、彼らは生き残ることに固執しない。どこかで死んでいるのではないかと独歩もシェリスも薄々感じていた。
尤も、生存以上に大事なものがあるというのは劉鳳も同じなのだが。
「そうなんだ……」
そう言われても勝は納得出来ないでいた。
鳴海も長生きできるようなタイプでは決してないが、いざ彼が死んだときに自分はその死をあっさり受け入れることなど出来そうもない。
原がやばい支援
「パピヨンさんは? カズキさんとの戦いを楽しみにしてたんじゃ……」
おそるおそるパピヨンに尋ねる。
この男ならば老人の言っていた『願いを叶える権利』のためにゲームに乗っていてもおかしくはない。
下手に刺激してしまっては危ないが……勝は納得が出来る答えが欲しかった。
「フン。確かにあいつが死んだのは残念だが、嘆いても仕方ないだろ。その『願いを叶える』ってのもどう考えても嘘だ」
勝のほうを振り返り、鋭く尖った歯をむき出しにして告げる。
「それならば主催者を殺すことに専念するべきだ。そして『俺が帰るべき時間のカズキ』はまだ存在している。
もし今回のカズキの死によって『俺のいた時代のカズキ』に影響が出てしまっているのなら、主催者の『時間を移動する方法』を奪い取ってしまえばよい」
「はぁ……なるほど……」
冷静に考えてるんだな、と勝は素直に感心する。
だが言われてみればそうだ。主催者が願いを叶えてくれるはずがない。
叶えるつもりだったのなら最初から希望者を募って殺し合いをさせればいい。
何らかの目的のために、強制的に殺し合わせるこの状況で参加者の望みを叶えるメリットなど主催者には皆無だ。
しかしタイムマシンを奪うとは、ぶっ飛んだ発想である。
パピヨンのような知識と戦闘力を兼ね備えた人物がこの殺人システムの破壊に本気になってくれるのは心強いが。
「だが、あの女はそこまで思考が回るとは思えんがな」
あの女とは津村斗貴子のことであろう。
その女の人のことは知らないけど、愛する人のために殺し合いに乗ったのなら絶対止めなくてはならない。
しろがねが殺し合いに乗ったら自分はつらいなんてもんじゃない。
カズキって人もそんな気持ちなのだろうから。
「あたしはね……」
ふいに喋りだしたのは泉こなた。
「あたしはね、まだ信じられないんだ。あの爺さんが名前を読んだだけで……みゆきが死んだことになったのが、さ。
多分本当にみゆきは死んじゃったんだろうけど、上手くそのことが認識できてないんだよね……まだあたしは殺し合いらしい殺し合いにも遭遇してないしさ。
だからいつかその死が事実なんだって分かったときが来たら、そのときに凄い傷つくんだと思う。
でもそれはそのときの『悲しみ』。今そのときのことを心配してもしょうがないと思うんだ」
お、空気だった二人が久々に そして>385はトイレ行け
荷台に寝そべり、空を見上げて話すこなたの目は酷く空っぽだった。
勝にとってはパピヨン以上に意外な答えだ。それと同時に聞いてみると最も納得できる答えだった。
こなたは自分が精神的にも強くないことを分かっているのだろう。だからこそ、その弱さをありのままに受け入れることが出来る。
こなたがリアルに直面して、もしそのとき彼女が絶望したら自分が救ってあげよう。
勝はここで様々な意見に触れ、また1つ絶望に立ち向かう決心を固めるのだった。
その後は誰も口を開くことなく、逆十字号の足音と心地よい風の音だけが響き渡っていた。
◆ ◆ ◆
「……着いたぞ。駅だ」
「……誰もいませんね」
花火の打ち上げられたポイントである駅についたのだが、人がいる気配すらない。
使用済みの打ち上げ花火が捨てられているのだから発射地点はここで間違いないようだ。
「あの車は結構な足音だったはずだ。それに気づかないとなると……花火を上げた本人か、それに釣られてきたやつと戦闘になったと見て間違いないな」
パピヨンがつまらなそうに吐き捨てる。
「え?! じゃあ早く探しに行かないと」
勝の顔に焦りが浮かんだ。
こうなってしまった以上、一刻も早くしろがねたちと合流しなくては。
真実を伝えることすら出来なくなった後で後悔しても遅いのだから。
「ゴメン……あたしここに残るよ」
張り詰めた空気の中で、こなたの伸びやかな声が妙に美しく響いた。
「どうやらかがみたちはいないみたいだし、戦闘になったんだったらあたしは足手まといだからさ」
もし自分がついて来なかったのなら……しろがねが去る前にここに辿り着けたかもしれない。
それに今自分が殺し合いの場面に遭遇したら、みゆきの死をリアルとして感じ取ってしまう。
「だからみんなはしろがねさんを探してきてよ。見つかったらちゃんと迎えに来てね」
気だるそうな目はいつも通りだが、その声は明らかに震えていた。
しかしなぜ支援したいときに限ってトイレが近くなるのだろう支援
一人で待つなんて怖いに決まってる。
だが自分を守るために誰かを残せばそれだけ戦力が減る。一人で待つくらい、自分にだってできるはずだ。
「そんな……危ないよ! 一人でなんて」
しかし勝がそんなこと許すはずが無い。
ここでこなたを置き去りにして、自分だけが目的を果たす。そんな選択肢は最初から存在していない。
「そうだな……俺も残ろう」
「パピヨンさん?」
「カズキが死んで状況が大きく変わったからな。主催者を叩き潰すことに全力を注ぐ必要が出てきた。
ひとまず落ち着いて考えたいことがある。それに、しろがねという女は俺のことを嫌っているようだしな」
軽やかにそう告げるとパピヨンはこなたとシェリスを両脇に抱えて逆十字号から飛び降りた。
「ちょ……なんであたしまで!」
「貴様のアルターとやらについて聞きたいことがある。おい、独歩と言ったか! この娘は借りていくぞ!」
バタバタと両手足を振って暴れるシェリスを押さえつけ、パピヨンが独歩に叫ぶ。
「おうよ、丁寧に扱えよ!」
「ちょっとおじさんまで……」
パピヨンの腕から脱出して文句を言おうとしたシェリスを待つことなく、逆十字号はガキュンガキュンと駆け出していった。
後に残った沈黙の中、隣に立つ男の衣装を見て溜め息を吐くシェリスであった。
◆ ◆ ◆
「すいません、ここまで付き合わせてしまって」
助手席に移動した勝が独歩に謝罪する。
「いいってことよ。それに……花火を上げたのが勇次郎のやつだったら大変だからな」
ありがとうございます、と勝が呟いた後しばらくは沈黙が逆十字号を支配した。
>392! このままでは支援部隊は全滅する、おまえがさきに一人でトイレへ向かうんだ!
なぁに、お前だけにいい格好はさせないさ……必ずトイレに行けよ、いいな!
「……フェイスレス、だったか?」
「え? いきなりどうしたんですか?」
「いや、さっき危険なやつだから死んでよかったって言ったよな?
だが、おめぇさんの顔はそうは見えなかったぞ」
「そう……ですか」
そしてまた訪れる沈黙。
その沈黙は、今の勝はその質問に対する答えを持ち合わせていない、ということを表していた。
「まぁ、いいってことよ。……あぁそうそう、おめぇさんは人形を操るのが上手いんだったな」
右手をデイパックに突っ込みながら、独歩がそう言った。
中から血に染まった2枚の紙を取り出すと逆十字号を一旦停止して勝に見せる。
「シェリスの嬢ちゃんに会ったときに血で汚れちまったが、確か……こっちが馬だ」
馬? 渡された方の紙を見ると血で汚れてはいるが『黒王号』と書いてあるのが分かる。
説明書も汚れて見づらいが、どうやら馬が入っているらしい。
「全く同じ人間に車と馬を支給するたぁな。もっとバランス考えろってんだ。
それと……こっちだこっち。この『じどうにんぎょう』ってのはお前さんのものか?」
「な……自動人形だって!?」
渡された紙を見ると、血で汚れた中に微かに『自動人形』の文字が見える。
だが先ほどの紙より汚れが酷く、それ以外の文字は一切確認できない。
「おーとまーた? なんだそりゃ?」
勝から紙を取り上げ、説明書を読むがやはり『自動人形』以外の文字は全く読み取れない。
「あぁ! 絶対に開けちゃダメです! 危険なやつがでてくるかもしれません」
普通に考えれば『支給品』なのだからグリポンのようなサポートタイプか、自動人形の使っていた武器などが入っていると考えられる。
主催者もわざわざ参加者になり得るものを支給品として出してくるとは思えない。
だが万が一にでも危険な自動人形が出てきたらやっかいだ。今はそんなことに時間を費やしている場合じゃない。
「おぅ分かった。この2枚はしまって置くとするか……お前さんの道具はなんでぃ?」
再び逆十字号を発進させながら勝に尋ねる。
「僕は今はこの携帯電話だけです。『アミバ』って人に繋がるらしいけど……」
「アミバか……ケンシロウのやつが言うには女子供も喜んで殺す外道らしい。今は下手に接触するべきじゃねぇな」
そう言われ勝は慌てて携帯をしまう。
「さぁ、とっととしろがねの嬢ちゃんを見つけて帰りますかぃ」
「……はい!」
2人は知らない。このアミバがシェリスの探している劉鳳と行動を共にしている事を。パピヨンの捜し求めている核鉄を所有している事を。
そして彼が自分たちと同じく、この殺し合いの破壊のために動いている事を。
◆ ◆ ◆
一方、駅に残った3人は特に会話もしないでそれぞれの時間を過ごしていた。
そのままどれだけの時間が経った後だろうか、パピヨンがシェリスに近寄った。
「……気は変わったか。シェリスとやら」
こなたに聞こえないように小声で囁く。
「は? 何のことよ?」
勝手に居残り組みにさせられてシェリスは相当不機嫌なようだ。
パピヨンに目を合わせようともせずにぶっきらぼうに答える。
「何のこと、だと? 貴様、殺し合いに乗っていただろ。貴様はまだあの老人の戯言を信用しているのか? と聞いているのだ。」
「なっ……! なんで……」
シェリスの目が大きく見開かれ、汗がどっと噴出した。
心臓の鼓動が加速していく。
どうしてバレた。まだ大した行動すら起こしていないはずなのに。
「やはりそうか。貴様が劉鳳とやらの話をしていたときの雰囲気から大方予想はしていたが、今の反応で完全に確信した。
シェリス・アジャーニ、……貴様は殺し合いに乗っている」
「……」
……やられた。
せっかく決心したのに。せっかく愚地独歩の信頼を得たのに。
それなのに、こうもあっさり見破られるなんて思ってもいなかった。
「それで……あたしを殺すの?」
懐のナイフに手をやるが、相手はホムンクルス。どう考えてもナイフ1本じゃあ相手にならない。
どうする、……逃げるか。いや、自分の足ではこの男からは逃げ切れない。
一瞬の間に思考をフル回転させるが、どう転んでも勝機は無い。このままでは自分は……。
(劉鳳にも合えないままこんなところで死ぬなんて……そんなの……)
冷や汗まみれで身構えるシェリス。彼女をパピヨンの濁った眼が射抜き、その曲がった口が彼女に宣告する。
「いや、別に」
「……は?」
どうやら事態は彼女が想定していない方へと転がり始めたらしい。
「だから別に貴様を殺すつもりはない。そのつもりならとっくに貴様の死体がそこらへんに転がっている」
「だったらなんで……」
分からない。
この男が理解できない。
その思考も、目的も、美的感覚も全く自分とはずれている。
「脱出に協力しろ」
いや、歪んでいるといったほうが適当だろうか。
「貴様は自覚していないかもしれんが、貴様のアルターはかなり重宝する。
他人のエネルギーを制御する力……戦闘や、もしかしたら脱出にも役立つかもしれん」
「…………」
脱出に協力しろ? いままで殺し合いに乗った人間に?
(罠……? でも、そんなことをするメリットが無いわね)
じゃあ本気でこの男は自分を脱出計画へと誘っているのか。
「まぁ、貴様に選択肢なぞ残されてはいないがな」
……そうだ。これを拒んだら殺される。だったら迷う意味などはない。
もとより自分が優勝できるなんて思ってはいない。脱出が可能ならこの上ないことだ。
それならば今はどうするべきか、考えろ。
自分が今すべき事は、自分に有利なようにこの交渉を進めること。
「いいわ、協力してあげる。……その代わり条件があるわ」
「貴様に選択肢はないと言っているのだがな……なんだ言ってみろ」
「私が殺し合いに乗っていたということは誰にも言わないこと」
「そんなことか、協力するなら当然だ。約束しよう」
404 :
Classical名無しさん:07/11/14 23:28 ID:nin.bJBk
しせん
おお、パピヨンはもったか
「それともう一つ、こっちの方が重要な事」
脱出作戦が上手くいくならそれは素晴らしいことだ。
だがシェリスにとってはそれ以上に重要なのが劉鳳との再開。
彼が死んでしまったなどということがあっては脱出に成功したとて全く意味が無い。
「足を引っ張るような一般人は……殺させてもらうわ」
一般人がいれば、ましてや保護する人間がいれば行動範囲は恐ろしく狭くなる。
その人物のために貴重な武器を消費するなんて馬鹿げている。
そんなことで時間をロスするなら……そんな雑草は刈り取ってしまえばいい。
そしてこの男もおそらくは弱者のことなど考えてはいないはず。
「……いいだろう、勝手に殺せ。ただし泉は殺すな。あれはあれで役に立つ」
そうは見えないが。いや、ここらへんで納得しておくのが得策か……。
このバトルロワイアルが始まってから、シェリス・アジャーニの思考回路は大きく作り変えられていた。
自分が、劉鳳がいつ死んでもおかしくない。この状況は彼女を焦らせる。
彼女の脳は、自分の目的を迅速かつ確実に達成することだけを考え始めていた。
「ん? どーしたの2人とも」
泉こなたが近づいてきた。
たった今、この2人の間で命を賭けたやりとりが展開されていたことなど、彼女は知ることは無いだろう。
たった今、自分の命も狙われかけたことなど、彼女は知ることはないだろう。
シェリス・アジャーニが誰かを殺すかもしれないことも、泉こなたは知ることは無いだろう。
「ん? なんでもないよ、こなたちゃん」
ただシェリスの笑顔がぎこちないことだけは……彼女はちゃんと気づいていた。
【D-2 駅前 一日目 日中】
【パピヨン@武装錬金】
[状態]:健康
[装備]:猫草inランドセル@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本:首輪を外し『元の世界の武藤カズキ』と決着をつける。
1:勝と独歩を待ちつつ首輪などの考察をする。
2:シェリスの殺人は一般人に限り黙認する。殺し合いに乗っていたことも他言しない。
3:エレオノールを警戒しておく。
4:核鉄の謎を解く。
5:二アデスハピネスを手に入れる。
[備考]
※参戦時期はヴィクター戦、カズキに白い核鉄を渡した直後です
※スタンド、矢の存在に興味を持っています。
※猫草の『ストレイ・キャット』は、他の参加者のスタンドと
同様に制限を受けているものと思われます
※エレオノール、鳴海に不信感(度合いはエレオノール>鳴海)
※独歩・シェリスと情報交換をしました。
かl;swしええn
うおあ……シェリス……
【シェリス・アジャーニ@スクライド】
[状態]:健康
[装備]:光の剣(ただのナイフ)@BATTLE ROYALE、ホテルの従業員の服
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本:劉鳳に会って脱出。
1:独歩と合流後、パピヨンの脱出に協力する。
2:劉鳳を探す。
3:足手まといだと判断した一般人は誰にも気づかれないように殺す。(こなたは殺さない)
4:平次、タバサ(両方とも名前は知らない)は殺人鬼という情報を流す。
[参戦時期]
劉鳳と同時期
[備考]
※タバサのマント@ゼロの使い魔 はホテルの脱衣所に放置、内側は血だらけです。
※アプライド=サック=アップについて。
触れた相手のアルターを吸収する能力。シェリス単独で使用可能とします。
アルター以外の特殊能力(スタンド、魔法など)にも吸収の効果は及びますが、能力などの制限は不明とします。
※パピヨン・勝・こなたと情報交換をしました。
現状で一番ヤバイのは……だな
薙やばいかも支援
【泉こなた@らき☆すた】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、フレイム・ボール@ゼロの使い魔(紙状態)んまい棒@銀魂、エンゼル御前@武装錬金
綾崎ハヤテの女装時の服@ハヤテのごとく
[思考・状況]
基本:みんなで力を合わせ首輪を外し脱出 。
1:勝と独歩と合流後、喫茶店に戻る。
2:みゆきの死をいまいち実感していません。
3:かがみ、つかさを探して携帯を借りて家に電話。
[備考]
※エンゼル御前は、使用者から十メートル以上離れられません。
それ以上離れると、自動的に核鉄に戻ります。
※独歩・シェリスと情報交換をしました。
【E-2 北西部 一日目 日中】
【愚地独歩@グラップラー刃牙】
[状態]:健康
[装備]:逆十字号@覚悟のススメ、キツめのスーツ
[道具]:支給品一式、黒王号@北斗の拳、不明@からくりサーカス
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない、乗った相手には容赦しない。
1:しろがね、花火を上げた人物を探す。
2:その後、駅に戻ってシェリスと合流。そのままシェリスの服を見立てる為に繁華街に行って、服を探す。
2:アミバ・ラオウ・勇次郎・カズマ・ジグマール・平次(名前は知らない)と接触、戦闘。
3:乗っていない人間にケンシロウ・上記の人間・タバサ(名前は知らない、女なので戦わない)の情報を伝える。
4:シェリスとともに劉鳳を探す。
[備考]
※逆十字号に乗っている場合、移動速度は徒歩より速いです。
※パピヨン・勝・こなたと情報交換をしました。
※不明@からくりサーカス
『自動人形』の文字のみ確認できます。
中身は不明ですが、自立行動可能かつ戦闘可能な『参加者になり得るもの』は入っていません。
[参戦時期]
地下トーナメント後、死刑囚前。
【才賀勝@からくりサーカス】
[状態]:両足の脹脛に一つずつ切り傷。軽傷のため行動に支障なし。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、書き込んだ名簿、携帯電話(電話帳機能にアミバの番号あり)
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない
1:しろがねに真実を告げるため、しろがねを探す。
2:しろがねが殺し合いに乗るなら、全力で止める。
3:その後、駅に戻ってパピヨンたちと合流して喫茶店に戻る。
4:乗っていない人を探して味方にする。
5:みんなで脱出する。
6:フェイスレスの死に複雑。
7:アミバ・勇次郎・ジグマール・平次(名前は知らない)・タバサ(名前は知らない)に警戒。
[備考]
※勝は鳴海が自分のことを覚えていないということを感じましたが、同姓同名の別人ではないと思っています。
※独歩・シェリスと情報交換をしました。
以上です。支援ありがとうございました。
投下乙です
ドツボにはまったかなシェリスは、
あの二人に嫌な予感が走るのは俺だけじゃないはず
投下乙!
細かいけどこなたはみゆきさんと呼んでいました。
パッピーはやはり乗らない……が、危険人物なのは変わりませんね。
むしろカズキが死んで覚悟が決まった分やばさが増したようなw
勝はやっとまともな人と組めた気がします。独歩なのが激しく微妙な気が(ry
GJです!!
GJです。
ところで一つ疑問に思ったんだけど、パピヨンのカズキの呼称は武藤だよ。カズキじゃない。
>>421>>422 マジですか。wikiで修正します。すいません。
……もう立ち読みじゃ把握は無理ですね。ちゃんと購入します。
>>423 漫画喫茶マジお勧めです。
休日とか昼飯ついでに行くと、腹を満たしてキャラ把握が出来て二重にお得。
投下乙
先の展開にwktkさせられるSSでした。
ただ、こなたは「みゆき」ではなく「みゆきさん」と呼んでいたかと
投下乙!
パピヨンは思い通りにならん男だな。
自分の重要関係者が死んでも安易に殺しには走らないが、一方でマーダーも容認。
確かに熱さの目立つロワだが、アカギといい、このパピヨンといい、灰色な連中も多い。
おかげで、ステルスマーダーシェリス、 完 成 !
このチームに一般人が入ると隙を見て殺されるわけか。
誰が一般人か、というのは結構微妙だが……らき☆すた勢やハヤテ勢は厳しいな。
こなたは今は大丈夫だけど、発狂したりしたら容赦しないだろう。
支えようと思ってる勝はさっさと逆十字号で行っちゃったし。
そしてその勝・独歩組は安定した戦力ではあるが、支給品が怖い。
黒王号も自動人形も取り扱い注意だしなあ……。
何か微妙に不安を感じましたが、面白かったです。
サービスシーン担当がようやく脱空気したか
GJ!
さて……一つの危険は去ったが、それ以上にタチの悪い危険が出たか……
投下乙です!
独歩が誰にも助けてもらえないシーンに思わず笑ってしまいましたw
パピヨンもマーダーに成らず一安心と思いきや……遂にシェリスが!
今後の展開がかなーり気になりました!
斗貴子・吉良の殺人者二人投下します。
まずは
>>418さん。新作お疲れ様です。
◆d4asqdtPw2さんの作品は純粋に面白かったと思います。
ただ、残念なのは貴重なマーダーであるシェリスが非積極的になってしまったのは少々残念です。
バランスを考えていただくと、もう少しよい作品が書けるようになるのではないでしょうか。
>>377 修正要求を承りました。しかし、私の力量と私生活の両方を鑑みるに。
この修正要求は実行できそうにもありません。
>>10によれば、修正期間は三日間とありますので、
一旦SSを破棄して、時期が来たらばまた書かせていただきたいと思います。
駄文を投下して、申し訳ありませんでした。
再度。
SSを破棄させていただくようお願い申し上げます。
「キラークイーン!!」
吉良は斗貴子めがけて、真っ直ぐにスタンドの拳を突き出した。
一撃でも命中すれば、それで殺せる。
爆弾に変えてしまえば、そこまでだ。
しかし斗貴子もそう簡単には終わらせてはくれず、その拳をサンライトハートの側面で防御する。
それでも流石にキラークイーンのパワー相手となると、踏ん張りきるのは厳しかった。
少しばかり、後方へと下がらされてしまう。
(生身で、キラークイーンの攻撃に反応した……岸部露伴並の早さはあるということか。
身体能力の方もそれなり、そしてあの槍のスタンド……!!)
吉良は武装錬金についての知識を持たないが故に、サンライトハートを斗貴子のスタンドと認識していた。
あの様に光を出しながら、猛スピードで突貫できる槍なんて、スタンド能力としか思えなかったからだ。
もしも銀時からソードサムライXについての話を聞いていれば、そうはならなかっただろう。
話を聞かなかったのは、聞く必要がないと判断していたから。
彼のソードサムライXは、単に紙から出した武器だと判断していたからだ。
それ故に……吉良は、決定打のチャンスを逃してしまっていた。
スタンドは爆弾に変えることはできない。
サンライトハートをスタンドと誤認してしまった為、吉良はそれを爆弾に変換させなかった。
もしも変換させていたなら、この時点で既に勝負がついていたかもしれないというのに。
「うああぁぁぁっ!!」
雄たけびを上げ、斗貴子はバッグから取り出したAK74を乱射する。
突撃銃の乱射となると、バズーカの様に弾を一発一発弾くというのは流石に無理。
吉良はすぐに右へと飛び、彼女が先程まで乗り込んでいた消防車の陰に隠れた。
金属音を断続的に立てながら、銃弾は地面に落ちていく。
(あいつ、銃を……それもあんなのを持っていたのか!!
まずいな……槍相手だからと思っていたが、距離を開けるのは逆効果だ。
だが距離を詰めようにも、下手にこっちが姿を見せようとしたなら、その瞬間確実に撃ってくる……なら。)
敵の注意を逸らし、その隙に間合いを詰める。
それにうってつけの力が、自分にはある。
ジグマール戦では、マリア達を誤爆しかねない為に使えなかったが……
今は自分と、そしてあの忌々しい女以外に誰もいない。
遠慮なんてする必要はない……確実に、殺すのみ。
「キラークイーン第二の爆弾……シアーハートアタック。」
(出てこない……銃撃を警戒しているな。)
発砲を止め、斗貴子は消防車を睨みつける。
吉良が銃撃を警戒して出てこないのは、最早明確である。
恐らく、こちらがこうして接近してくるのを待ち、仕掛けてくるに違いない。
(そうはいくものか……!!)
斗貴子はサンライトハートを構え、その槍先を吉良が隠れている場所へと向けた。
遠距離への攻撃方法は、何も銃に限ったことではない。
このサンライトハートでも、これぐらいの距離ならば十分に狙うことはできる。
そう……かつて、カズキがそうしたように。
読み終わったところに投下とは……w
支援!
「刺し貫けぇぇっ!!」
サンライトハートを突き出すと同時に、槍先が伸びた。
憎しみを乗せたエネルギーに押し出され、凶槍は消防車を貫く。
そしてその切っ先は、吉良の肩を掠め切った。
「何!?」
「そこか……!!」
(槍が……伸びた……!?)
吉良は、サンライトハートがまさか伸縮自在だとは思ってもみなかったようである。
上手く不意をつけたことに、斗貴子がほくそ笑む。
そして、そのままサンライトハートを強く握り締め……横薙ぎを仕掛けにかかった。
このまま、吉良を横一文字に両断する。
これで殺せる……そう思った、その時だった。
『―――ヲミロォォォォ……!!」
「えっ……?」
不意に足元付近から聞こえてきた、不気味な声。
明らかに、吉良の声ではない。
それ以前に、人間のものであるかですら怪しかった。
戦士としての勘が、その声が危険であることを斗貴子に告げる。
とっさに斗貴子は、足元に視線を下ろすと……
『コッチヲミロォォォォォ……!!』
「な……何だこいつ!?」
不気味な髑髏顔をした、ラジコン程度の大きさの戦車がいた。
キラークイーン第二の爆弾、シアーハートアタック。
斗貴子がサンライトハートを伸ばしたのよりも若干早く、吉良はこれを射出していた。
サンライトハートの方に注意がいってしまっていた為に、斗貴子はその接近に気がつかなかったのだ。
(なんだか分からないが……やばい!!)
彼女はとっさにサンライトハートから片手を離し、AK74を握る。
これが吉良の攻撃なのか、それとも第三者によるものなのかは分からない。
しかし……どちらにせよ、このままではまずいのは確かである。
距離を考えれば、吉良を両断するよりも、こちらを迎撃するのが先。
シアーハートアタックを仕留めるべく、斗貴子はその引き金を引いた。
だが、その次の瞬間だった。
ズガン。
「ガハァッ!?」
シアーハートアタックから、強烈な爆炎が噴出した。
これが、第二の爆弾の能力。
熱源を探知し、自動的に迫り……そして爆発する。
シアーハートアタックは、敵を倒すまでどこまでも追尾し続ける『動く爆弾』なのだ。
その防御力の高さは半端ではなく、銃弾のダメージは皆無。
斗貴子は炎に全身を包まれ、直後に爆風の衝撃を受けて背中から消防車へと叩きつけられた。
その手のサンライトハートは、元の大きさへと戻ってしまっている。
もう片方のAK7に至っては、銃身が砕け散って使い物にならなくなっていた。
だがそれ以上に酷い有様だったのは、彼女自身だった。
純白のセーラー服は黒く焦げ付き、所々に穴が開いてしまっている。
そしてそこから覗かせている彼女の肌は、酷く焼け爛れていた。
流れ出た血は足を伝い、地面を濡らす。
「あっ……うぁっ……!!」
熱い。
体中が、熱い。
斗貴子は全身を駆け巡る火傷の痛みに、声を荒げた。
受けたダメージが、あまりにでかすぎる。
このままではまずいと感じ、斗貴子はサンライトハートを消防車のタンクに突き立てた。
タンクから勢いよく水が噴出し、彼女の全身を濡らす。
全身の痛みが引いていく……応急処置にも満たないが、それでもなにもしないよりかはマシである。
戦闘を再開すべく、斗貴子がタンクからサンライトハートを引き抜いた、その瞬間だった。
吉良はシアーハートアタックを解除し、消防車の影から飛び出した。
「うおぉぉ!!」
「っ!?」
キラークイーンが、斗貴子目掛けて何かを投げつける。
それは、地面に落ちていた小さな小石だった。
まさか投石で戦おうとするなんて、馬鹿げてる。
斗貴子は右の拳で、その小石を払おうとした。
武器で弾いては、隙が生じてしまうからだ。
だが……拳が小石に触れた、その瞬間だった。
バァン。
「っ……!?」
鈍い音が響き、火の粉が散った。
小石が爆ぜ……斗貴子の右拳が、消し飛ばされてしまった。
吉良が投げつけたのは、爆弾へと変換した小石だったのだ。
投石という陳腐な攻撃手段ならば、少なからず油断が生じる。
命中しても痛くない、大した事は無いと考えてしまうだろう。
その心理を狙い、吉良はこの攻撃を仕掛けた……結果は見ての通りである。
全身火傷に続いて、右手消失。
状況は、圧倒的に吉良の有利である。
「手を失った気分はどうだ……?
マリアさんの様に、その手をズタズタにされた気分は……!!」
「……れ。」
「何?」
「黙れ……!!
手の一つや二つがどうした……!!
この程度……カズキは……!!」
斗貴子は、強い憎しみを込めて吉良を睨みつけた。
手が一つなくなるなど、カズキの痛みに比べれば大した事は無い。
臓物をぶちまけられ、四肢と首を破壊された彼に比べれば……自分の痛みなど、物の数ではない。
例えこの四肢をもがれようとも、全身の骨を砕かれようとも、カズキを生き返らせる為に戦い抜いてみせる。
降りかかった火の粉が、濡れたセーラー服に触れて音を立てて消えていく。
その音が耳に入ったと同時に、斗貴子は全身の力を振り絞り、吉良へと突っ込んでいった。
「確かに、貴様の手なんか一つや二つ消えた所で問題は無い。
だが……マリアさんは、貴様なんぞとは比べ物にならない手をしていた!!
それを、貴様はあんな無残な姿にしたっ!!
その罪の重さ……死んでも償いきれるものではない!!」
吉良の怒りを乗せたキラークイーンの拳が、斗貴子の顔面目掛けて繰り出された。
しかし、リーチは斗貴子の方が圧倒的に上。
拳が斗貴子の顔面をぶち抜くよりも先に、槍がキラークイーンを貫くのが先なのは明白だった。
怒りに任せ、冷静さを欠いたのだろう。
そう思い、斗貴子は吉良を嘲笑ったが……答えは否。
サンライトハートが、キラークイーンを貫こうとしたその瞬間……キラークイーンの拳が開かれた。
拳から放たれたのは、砂の飛礫だった。
目暗ましで動きを封じるつもりなのだろうが、あまりに安っぽすぎる。
この程度、気にせずに槍を突き出せばいいだけの話である。
並の者ならば、そう思うだろうが……斗貴子は、そうは思わなかった。
もしも彼女がここでそう思ったのならば、それは愚の骨頂でしかない。
つい先程、過ちを犯して手を失ったばかりなのだから。
「同じ手を、二度も喰うかぁっ!!」
斗貴子はサンライトハートを地面に突き立て、エネルギーを開放した。
槍が伸び、彼女を上空へと持ち上げる。
その直後に、砂の飛礫が一斉に弾けとんだ。
彼女の予想通り、やはり飛礫は爆弾だった。
吉良は、流石に引っかからなかったかと舌打ちする。
彼は先程、小石を一つではなく二つ拾っておいた。
万が一に備えて、念を入れて用意しておいたのだ。
その内の一つが斗貴子の腕を消し飛ばし、そしてもう一つが今放った飛礫である。
キラークイーンで爆弾に変えられるのは一つだけ、同時に二つのものを爆弾に変えることは出来ない。
しかし……爆弾に変えた一つのものが、複数になった場合は別である。
吉良はキラークイーンで小石を爆弾に変えた後、その小石を破砕したのだ。
目暗ましと誤認してくれればと思って取った行動だったが、これは先程と違って回避されるのは見えていた。
ただ単に、斗貴子が攻撃を中断してくれればそれで十分だったのだ。
そして、その為に彼女が上空へと逃れるのも……この後にどんな攻撃が来るのかも、概ね見当がついていた。
「脳漿を……ぶちまけろぉっ!!」
斗貴子は空中で一回転し、そのまま落下の勢いに乗せてサンライトハートを振り下ろした。
しかし、それは既に読まれていた。
吉良は横へと跳んでその一撃を回避し、キラークイーンの拳を斗貴子へと向ける。
「ぶちまけるのは、貴様の方だ!!」
キラークイーンの拳が、斗貴子の側頭部を狙う。
しかし斗貴子は、その拳を蹴り弾き軌道を反らした。
吉良へと振り向く事もせず、拳を全く見ずにである。
斗貴子がまさかこれ程とは、吉良は思ってもみなかった。
この一撃が、たまたま当たったのならばいい。
だが、もしもこれが意図的に、狙ってやったのだとしたら……
(こいつ……人間技のレベルじゃないぞ……!?
いや、そもそも……これだけの重傷を負っているのに、どうしてこんなに動ける!?)
本当にこれが、人間に出来る芸当なのだろうか。
このゲームにはそれが可能な超人的な身体能力の持ち主は大勢いるが、吉良はそれを知らない。
それ故に、そう思ってしまったが……この推測は、間違いではなかった。
今の斗貴子は、常人を越えた力を持つ存在……しろがねなのだから。
尤も、彼女自身はその事実には気付いていない……己の事に、気が全く回ってなどいないのだろう。
斗貴子はそのまま、軸足を強く回し一回転。
サンライトハートで、キラークイーンへと薙ぎ払いを仕掛けた。
「ぐぅっ!?」
一閃。
サンライトハートの切っ先が、キラークイーンの胴体に真一文字の傷をつけた。
それに合わせて、吉良の胸元にも同じ傷がつき、そこから血が噴出した。
スタンドが受けたダメージは、スタンド使いにフィードバックされる。
斗貴子はその光景を見て、この事実を直感的に理解した。
(こいつを壊せば、この男も殺せる……!!)
(しまった……勝ちを、急ぎすぎたか……!!)
吉良は胸元を押さえ、その場に膝を着いてしまった。
その隙を、斗貴子は見逃さない。
ありったけの力を、ありったけの憎しみを、ありったけの殺意を。
己の持てる全てをサンライトハートに込めて、吉良へと真っ直ぐに突き出した。
「臓物を……ぶちまけろおおぉぉぉぉ!!」
「っ!?
き、キラークイーン!!」
しえん
とっさに吉良は、キラークイーンを前方へと出した。
そして、両腕を交差させて防御体制を取らせた……次の瞬間。
サンライトハートが、キラークイーンの左手に深々と突き刺さった。
その瞬間、膨大な量のエネルギーがサンライトハートからあふれ出た。
爆発的な勢いで槍は伸び……そのまま吉良を、キラークイーンごと消防車へと叩きつける。
「ゲフゥッ!!??」
後一押しで、サンライトハートは男の腕を貫き胴体に届く。
斗貴子は力を込めて、サンライトハートを捻った。
キラークイーンの左手首に、サンライトハートが深く食い込む。
鮮血が噴出し、吉良の全身を赤く染める。
「このまま、臓物を抉り出してやる……!!」
「ふざけるな……こんな所で……死ぬのは……死ぬなんか……!!」
こんな所で死んでたまるか。
必ず殺す。
マリアを殺しマリアの手を無残な姿へと変えたこの女を、確実に殺す。
そう、誓ったではないか。
吉良は歯を食いしばり、痛みを堪えながら斗貴子を睨みつけた。
その瞳に宿るは、彼女と同じ深い憎悪。
「シアーハート……アタック!!」
「何っ!?」
熱い、熱いよママン!
キラークイーンは、シアーハートアタックをもがれかけの左手から射出した。
その僅かコンマ一秒後に、その左手が完全にもがれ、地面に落ちた。
サンライトハートの切っ先は、続けて右手首に突き刺さる。
この右手さえ抜ければ、臓物まで後僅かである。
だが……シアーハートアタックが、斗貴子に向かい一直線に向かってきていいる。
恐らくこのままでは、胴体をぶち抜くよりも早く、爆撃されてしまう。
『コッチヲミロォォォォォォォォッ!!』
「くそぉぉぉぉっ!!」
後一歩まで追い詰めたというのに、何という様だ。
斗貴子はサンライトハートを元の長さに戻し、すぐさまシアーハートアタックとの距離を離した。
一方開放された吉良は、前のめりに地面へと倒れこんだ。
左腕から流れ出る鮮血が、その顔を赤色に染める。
(シアーハートアタックは……もう、誰にも止められない……!!)
先程は、シアーハートアタックの爆撃に巻き込まれるのを避けるため、攻撃に出る際に能力を解除した。
自分自身が傷を負ったのでは、意味が無いからだ。
だが……最早、そんなことは関係ない。
シアーハートアタックは、吉良の左腕と連動している。
その左腕がもぎ取られた今、吉良が死ぬまで永遠にシアーハートアタックは止まらない。
(これで、私も彼女に接近するのは危険になったが……関係ない……!!
一気にケリをつける……!!)
距離はギリギリ届く。
接近せず、先程の投石の様に少し間を離して攻撃すればいい。
吉良は、斗貴子に悟られないよう、気絶したフリをして彼女の様子を観察する。
投石は勿論、下手なものを投げても彼女には確実に避けられるだろう。
ならば……彼女が避けられない、避けることのできないものを使えばいい。
チャンスは一瞬……相手よりも早く動ければ、勝てる。
「うおおおおぉぉぉぉっ!!」
「っ!?」
吉良は起き上がり、全速力で目標地点へと走った。
彼女もそれに気付き、とっさに吉良の方へと足を向ける。
サンライトハートの切っ先を、吉良の頭部に向ける。
その直後……キラークイーンが、運転席から何かを取り出して投げつけてきた。
これで三度目。
斗貴子も流石に、吉良の能力―――物を爆弾に変える力に、気がついていた。
二度目はないといったのに、まさか三度目を仕掛けてくるとは。
斗貴子は、学習能力が無いのだろうかと吉良を馬鹿にしたが……直後、その表情が凍りついた。
自分目掛けて飛んできたのは、小石なんてレベルのものではない。
自分にとって、何よりも大切な……愛する者なのだから。
武藤カズキだ!!支援
「か……カズキッ!?」
吉良の切り札。
それは、助手席に座らされていたカズキの死体だった。
彼の死が原因で斗貴子がゲームに乗った。
吉良はそれが分かっていたから、この行動をとったのだった。
大切な者を前にすれば、どんな者であろうと確実に動きは止まる。
例えそれが……爆弾と分かっていてもである。
そんな吉良の思惑通りに、斗貴子は動いてくれた。
迫り来るカズキを前に、硬直して身動きが取れないでいる。
そして、カズキはそのまま、斗貴子の持つサンライトハートに突っ込み……串刺しとなった。
「あっ……あああぁぁぁぁぁっ!!??」
「消し飛べ……!!」
直後。
吉良は、爆弾のスイッチを押した。
斗貴子の見ている目の前で、カズキは爆発し木っ端微塵となる。
顔面蒼白になり、斗貴子が絶叫を上げた。
それとほぼ同時に、爆炎と爆風が彼女に襲い掛かる。
強烈な勢いで、その身が空に舞い上がる。
勝った。
このダメージでは、もう助からないだろう。
そう確信し、吉良は笑みを浮かべた……が。
この直後、彼女が予想外の方向へと飛んでいってしまったのを見て、その笑みは消えた。
ドボン。
「なっ……しまった!!」
何と斗貴子は、近くにあった河川に落ちてしまったのだ。
ちょwカズキw
「武藤カズキだッ!!」
この事態はまずい。
あれだけの傷に加えて川に落ちたのならば、もはや助からない。
殺すという目的は、まず達成できるだろうが……このままでは、死体を消す事が出来ない。
すぐに彼女を引き上げ出そうと、吉良は河川へと向かうが……既に、彼女の姿はそこにはなかった。
遠くまで、流されてしまっていた。
「……なんて事だ。」
予想外の事態に、吉良は愕然とした。
もしも彼女の死体が、他の誰か―――それこそコナン達にでも見つかれば、まずい事になる。
(消さなくてはならない……!!
私が殺したという証拠である、彼女の死体を……!!)
【F-4 西部市街地 1日目 正午】
【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:左手消失、右手首裂傷、胸全体に真一文字の切り傷、出血多量、疲労大。
[装備]:千切れた自分の左手
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:普段どおり平穏に過ごす。
1:女(斗貴子)の死体を、始末しなくてはならない。
2:傷の治療はしたいが、病院は危険なので戻るに戻れない
3:マーティン・ジグマールを殺す。
4:自身を追うもの、狙うもの、探るものなど自身の『平穏な生活』の妨げになると判断した者は容赦なく『始末』する。
5:できる限り力無き一般人を演じる。
6:もし脱出できるのであればしたい。
[備考]
※『バイツァ・ダスト』拾得直後からの参戦です。
※『バイツァ・ダスト』が使用不可能であることに気づいていません。
※覚悟、ルイズ、ジグマール、劉鳳、斗貴子をスタンド使いと認識しています。(吉良はスタンド以外に超人的破壊力を出す方法を知りません)
※川田、ヒナギク、つかさの情報を手にいれました
※左腕を失い、シアーハートアタックの解除が不可能になりました。
吉良が死ぬまで永遠に、周囲を動き回っています。
※消防車の中には消防服が一着あります
※消防車の水量は(0/100)です
「……カズキ……カズキ……」
河川を流れながら、斗貴子は涙を流し続けた。
自分の見ている目の前で、彼は消滅してしまった。
どうしようもない悲しみが、そして怒りがこみ上げてくる。
絶対に許さない。
「あの男も……勇次郎も……軍服も……カズキを殺した者も……!!
皆……皆……殺してやる……殺してやる……殺してやる……!!
うああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
全てを殺す、殺し尽くしてみせる。
斗貴子は空を仰ぎ、咆哮した。
このゲームに参加している、ありとあらゆる者達への憎しみを、殺意を込めて。
サイドに、彼女は愛する者の名を呼び……そして意識を途絶えさせた。
「だから……カズ……キ……待って……いろ……」
【? 河川 1日目 正午】
【津村斗貴子@武装錬金】
[状態]:気絶 しろがね化 精神崩壊、判断力低下(本人は極めて正常だと思っている)、右手消失、全身大火傷
非常に危険な状態であり、早急に処置しなければ死ぬ可能性がある。
[装備]:核鉄(サンライト・ハート) 水のルビー@ゼロの使い魔 支給品一式×2(食料と水無し)
USSR AK74の予備マガジン×6(水に濡れて使い物になりません) 始祖の祈祷書@ゼロの使い魔(水に濡れふやけてます) キック力増強シューズ@名探偵コナン
工具一式 医療具一式
[思考・状況]
基本:最後の一人になり、優勝者の褒美としてカズキを蘇らせる。
1:気絶中
2:強者との戦闘は極力避け、弱者、自動人形を積極的に殺す
3:吉良、勇次郎、カズキを殺した者、軍服の男(暗闇大使)は最終的に必ず殺す。
※本編終了後、武装錬金ピリオド辺りから登場
※気を失い、河川を流れています。
F-3方面に流れるかG-5方面に流れるかは、お任せします。
※全身に酷い火傷を負っており、右手も消失と、かなりの重傷です。
早急に処置をしなければ、命の危険があります。
※セーラー服はボロボロに焼け焦げており、所々に穴が空いています。
※軍服の男(暗闇大使)は参加者の一人だと勘違いしています
※斗貴子が飲んだ液体は生命の水(アクア・ウィタエ)です
また斗貴子は生命の水の事は知らず、只の治療薬の一種かと思っています
※カズキの死体は暗闇大使に掘り起こされましたが、吉良に爆破され消失しました。
また暗闇大使は大首領の力を借り、ワープ能力を使いました
今後暗闇大使が介入するかは不明です
※しろがねとなったため、身体能力、治癒力が向上しています
また斗貴子はまだその事に気付いていません
※核鉄の異変に気づきました
武藤カズキのカワイソス伝説にまた1ページ
あーーー自己リレーしてええええ
支援
以上です。
吉良と斗貴子、書いてたら共に相当の重傷になっちまいました。
この二人の戦いとなると、どうしても血みどろにしか……
乙です
カズキさん…あんたはもう…漫画ロワの事件簿に確実に載るぜ…
やべえw GJ!!
血みどろいいよいいよ!
迫力あるバトル乙です! カズキ美味しすぎww
先が気になり、読めない熱いバトルでした。もう一度GJ!!
>>480 ブラボー、おおブラボー!!
バトルが熱い、マジで熱い。
まさに死闘ですね。しかもトキコも吉良もつええつええw
読んでて体の血が上がったように感じましたよ。
しかも、シアーハートアタックがばら撒かれるとか
後の話への影響もバッチリ!
これはブラボーといわざるを得ない。
投下乙! カズキの死体扱いの酷さがジャギを超えたw
バトルが熱いですね。どっちも死ななかったし、精神的には強化されてるので潰しあいにならずにGJです。
トキコさんもボロボロだけどなんか以前より怖いぜw
吉良の方はカッコいい! やってることは外道だけどやっぱ不思議な魅力があるわ。上手く引き出しましたね。
>>480 最高に『乙!』ってヤツだぜ!
こんなバトル書けるようになりてええ
斗貴子もいいけど、やっぱ吉良も良いなあ。
こいつの魅力はなんなんだろうw
それにしてもカズキがおいしすぎて、嫉妬w
両者投下乙!
>>「スタートライン」
戦闘がなくても危険な描写は常に付きまとうな…
かがみと合流して激戦装備状態で殺されでもしたらいっきにシェリスの立場悪くなりそうな予感
そして独歩は生きてる間にまだシャワーをあびることができるのか!?
>>「ありったけの憎しみを胸に」
どちらかの死をもって決着がつくかと思いきやかろうじて両者生存かぁ…
原作どおり吉良は粘るね
TQNはどっちに流れてもぶちまけ沙汰になりそうな…
ぐっじょ……げぇぇっ!?
カズキがばらばらに!?
さらにマーダー両者生存に加えて、無敵の防御力と最強クラスの攻撃力を持つシアーハートアタックが野放しに!?
まあ、制限かかってるだろうから絶対に破壊できないわけじゃないとは思うが、それでもヤバイ!!
酷いことになりそうだ……。
>>480 あ、状態表の時間表記が「正午」になってますが、
第2回放送が12時なんでここは「午後」とかにしといた方がいいかもです。
>>488 了解です。
一部、誤字とかも見つけてしまいましたので、明日辺りに修正版をしたらばの方へ投げます。
すばやい対応ありがとうございます!
あと「スタンドは爆弾に変えることはできない」とありますが、原作では出来るっぽいです。
そこもなんとか「サンライトハートを爆弾化しなかった理由」を別の理由に変えていただけたらと思います。
カズキ…お前…どこまで不幸なんだ…底が見えないぞ…
TQNも相当不幸な状態な筈なのにそれを余裕で越すほどカズキカワイソス…w
マーダー同士のバトルは激戦の末に痛みわけっと
GJでした
ホモヤローーーーー!!
だがマーダーと危険人物は二人とも生き残ったか、GJ
しかし、こうやって熱いバトルやカッコいい死が連続していると……
そろそろあっけない死ってものを見たくなるな……
投下乙です。
しかし斗貴子さん・・・・あんたは何て何て鬱ヒロインなんだ。
これでカズキの生首を持って、キスとかしてたらア○ロワのル○ズになってたね。
>>480 投下乙
血と汗握る熱血バトル
カズキの扱いがなんとも悲惨だ
とってもGJ
鳴海たちのSSですが
深夜のバイトが2日連続であったのでPCに
触ることが出来なく、予約延長を報告できなかったこと。
深くお詫びいたします。
SSのほうですが今日の20時ごろに投下したいと思います
結構な長文なので支援をお願いいたします
了解しました。待ってます。
吉良の左手を治せるような能力や支給品ってあったっけ?
なかったらシアーハートアタックが最強マーダーになりかねんw
無いな……
唯一の活路は、吉良本体を倒す事だ
諸事情より、別PCから。
修正版を投げる前に、ちと質問があります。
>>490 スタンドを爆弾に変えられるって、原作のどこでありましたっけ?
読み返してみたんですけど、それっぽいのがどこにも見当たらなかったんで……
一応、変えられる場合の修正案も考えてはいますから、そこだけちとわかる人いましたら、教えてくれませんか?
>>498 実際にスタンドを爆弾に変えたシーンは無い。
ただし吉良とジョウ助のラスボス戦で、吉良はクレイジー・ダイヤモンドに指突を繰り出している所から、
スタンドも爆弾にできる模様
>>499 了解しました、ありがとございます。
したらばの方に、修正の早速投下しますわ
修正版投下完了しました
502 :
Classical名無しさん:07/11/15 18:33 ID:x4lrQKi6
カズキ・・・君はジャンプキャラバトルロワイアルでは死体を投げられては爆破され粉々になったのに今回も爆破&粉々。不遇すぎる。
修正版って、スタンドだから爆弾に出来ないとかいう俺ルールを書かないだけ?
これじゃ、なんで爆弾にしないのが浮上するよ? そもそも、パピとか斗貴子とか
贔屓されすぎ、パピヨンなんて頭がいいんじゃなくて、相手の頭が悪いだけじゃん
何で死体始末する必要があるの?
>>504 殺人の証拠は残さないのが吉良のポリシーだから。
死亡者名鑑のカズキ欄に追記した人GJ
…まさかこれ以上増えたりしないよな?
SS投下します
「お…なかなか強そうじゃん…」
目の前に大柄の男と銀髪の女が視界に映る。
この二人は自分を楽しませてくれそうな人材なのか。DIO様が喜んでくれそうな食料なのか。
刃牙は軽い笑みを浮かべ、前に現れた二人に拳を構える。
準備は万端、闘争はすぐに始められる。
突然の刃牙の戦闘態勢に鳴海とエレオノールに緊張が走る。殺し合いに乗っているのは明らか。
殺し合いに乗っているであろう刃牙にエレオノールは指貫をはめ、刃牙目掛けオリンピアを向かわせようとする。
「エレオノール、ここは俺に任せてくれないか」
だが、鳴海は右腕でエレオノールを遮る。
突如の鳴海の行動に驚いて、エレオノールは鳴海のほうを振り向く。
そこには、真剣な面持ちで男を見据える鳴海がいた。
「……ああ、いいだろう」
エレオノールは一旦引くことにした。本来なら二人で戦ったほうが合理的である。
一対二ではこちらの方が有利である。
しかし、刃牙に向けられている鳴海の鋭く強い意志を持った目。
何かをやり遂げそうな頼りがいのあるそんな眼だ。
何か思うところがあるのであろう。そう思い、エレオノールは鳴海の動向を見守ることにした。
「すまねえ」と小さく呟いて、鳴海は刃牙の前に出る。
「こっちは別に二人して相手していいんだけど」
刃牙は両手を構え、ファイティングポーズを決める。
「いきなり戦闘態勢にはいるなんて穏やかじゃねえな。
……その前に聞かせてくれないか、あんたは殺し合いに乗っているのか?」
「ああ、もちろんさ」
間髪いれず答える。
「そうか、だったら……」
刃牙の答えに呼応するかのように鳴海も静かに拳を構える。
「―――容赦はしねえ」
お互いに同じ半身半立ちの構え。
刃牙は両拳を胸の前に構える西洋式の構え。
鳴海は右手を突き出し、左手を腰に置く東洋式の構え。
だが、その二人の構えから培ってきたものは違う。
今この場所で二人の歩んできたものがぶつかり合う。
>>501 修正乙です。
とりあえず修正版にも一通り目を通した上で誤字の確認などを。
>サイドに、彼女は愛する者の名を呼び……そして意識を途絶えさせた。
サイドに、というのは最後にと書きたかったのではないかなぁと。
「しゅッ」
先に攻撃を仕掛けてきたのは刃牙だ。最初に繰り出す第一打。
軽く体重を乗せたジャブを放つ。そのジャブは的確であり、素早い。
鳴海はそれを避けずに両手で受け止める。
しかし、これは囮である。
本当の狙いは下半身にあった。刃牙は相手がガードした瞬間に蹴りを放っていた。
全体重を乗せた重い蹴り。
その蹴りは鳴海の両脚の間、つまり一撃で相手を粉砕する急所攻撃――金的を狙っている。
刃牙のスピードの乗った蹴りは生半可な格闘家では防ぎきれない。
最初の囮に気づかないような実力なら戦う価値もない。
自分は今すぐにでもDIO様に食料を渡し、親父を殺せ得る力をさっさと得たいのである。
勇次郎との戦闘で疲労も蓄積していたので、実力がないならすぐに決着を付けたかった。
相手の実力を試す意味で蹴りを打つ。
それは確実に鳴海の股間を捉えていた。
思った以上に簡単に決着が付くな、見た目は強そうに見えるがつまらない相手だなと、
刃牙は心の中で溜息を付く。
支援だ
だが、鳴海は両足を絞り込み、内股の形でその重い足刀を防ぐ。
硬い部分である両膝で防御を固めているので、ダメージもほとんど通らない。
そのうえ、刃牙はその蹴りに全身を乗せたためにすぐに次の動作に移れない。
鳴海の実力なら刃牙の攻撃を避けることもできた。
相手の動作から相手の蹴りの軌道を見極め、脚でガードする。
鳴海はあえて防御した。全力攻撃は強力な威力を誇るが空振るとその勢いを殺せず隙を作ってしまう。
それは、相手に攻撃を続かせる軌跡へと繋がる。
鳴海はその一瞬の隙を見逃さず、前突きを刃牙の顔面にお見舞いする。
刃牙はすぐにガードを固めよとするが、鳴海の腰を入れた俊敏な突きに対応できず、重い衝撃と共に大きく吹き飛ばされる。
この激戦が予想される戦いの中、最初に有効打を決めたのは鳴海であった。
重い前突きを喰らった、刃牙は柔らかい肢体を捻らせ、地面に激突する前に受身を取り、上体を起こす。
刃牙はおもいっきり突きを貰ったのに、その表情は清々しい。
スポーツ感覚で武道を嗜む腑抜けた輩ではない。
対急所攻撃を心得ている、その上、素早く重量感のある突き。
しかも、見た目よりも身体に響き渡る衝撃。中国武術特有の気の使い方。
気を練ることによって瞬間的な爆発を生み出す発勁の使い手である。
自分を心の底からわくわくさせる。
こいつは楽しめそうだ。
DIO様にさっさと食料を持っていこうと、少し焦っていたようだ。
だが、ここからは……。
刃牙はもう一度体勢を立て直し、拳を構える。
アッー!
「すこしアンタを舐めていたようだ」
本気だ。
刃牙は身体を傾け、滑るように鳴海に突撃する。
鳴海も重心を落ち着かせ、刃牙の攻撃を開手で待ち構える。
刃牙の拳が鳴海の顔面を狙う。腕の撓りを利かせた鮮やかなフックである
鳴海はそれを右手で捌き、襖を摺らすように水月に掌打を打つ。
刃牙は類稀なる反射神経で回避。すかさず、ローキックを放つ。
刃牙のローが直撃。
しかし、鳴海は蹴りに合わせ脚を逸らし、打軸をずらしていたので、有効な一撃にならない。
鳴海も同じように蹴りの動作には入る。
利き脚を軸に身体を捻らせ、踵から斜めに刃牙の首を狙う、上段廻し蹴り。
これを喰らえば、戦闘不能は間違いない。
刃牙はバックステップを踏み込み回避。同時に距離を離し、間合いを測る。
ほんの数十秒の攻防。
鳴海と刃牙はお互いに視線を絡ませ、間合いをじりじりと詰めていく。
二人は感じ取っていた。緊張が途切れたほうが敗北する。
まさに一触即発の戦い。
「これは長引きそうだな……」
刃牙は笑みを浮かべる。この緊張感ぎりぎりの死線が楽しくて仕方がないのだ。
鳴海は表情を変えない。今度は鳴海が先に刃牙に攻撃を仕掛ける。
戦いはまだ始まったばかりだ。
二人の攻防が鳴海の地の蹴る音をゴングに開始される。
支援せざるを得ない
+++
風が見惚れるほど滑らかな銀髪を靡かせ、陽光が反射し辺りを銀色に煌かせる。
エレオノールは闘争の成り行きを見守っていた。
戦闘の構えを解かず、いつでも鳴海を助け出せるようにしている。
エレオノールは鳴海の真意が掴めないまま、戦いを眺めていた。
なぜあの男は一人で向かったのだろうか。二人で立ち向かうほうが効率的である。
なのに、なぜだ。
エレオノールは鳴海を凝視する。
真剣な面持ち…いや、表の表情とは裏に何かを潜めた表情。
あの男は何を思い考え戦っているのであろうか。
それに、どうしてだろうか。奴の顔から眼が放せない。
胸のうちから湧き出る熱い想いはなんだろうか。
分からない。
「でも……なぜか心地よい」
エレオノールは初めて感じる想いに戸惑いと心地よさを覚える。
その不思議な快さから青空を眺める。青雲が形を変えながら流れていく。
鳴海がいてから私は変だ。私の中で何か変化が起こっているようだ。
そう思いを馳せていると、突然鈍い爆発音が高鳴る。
と、同時に低いうめき声が聞こえる。すぐに視線を戦いに向ける。
そこには――――
「鳴海っっ!!」
>>497 四部のとあるスタンドでも支給されれば話は別なんだけどな……
斗貴子さんもだが吉良も何気に出血とかやばくて心配だ。
しえん
支援
+++
二人は闘争を続けていた。二人の身体は軽い打撲の跡、肌にところどころに擦り傷が刻まれる。
二人の猛攻は刃牙が不利であった。
元々DIOのダメージも癒しきれていない状態での勇次郎の戦闘。
そして、勇次郎との戦闘による疲労。それが今になって刃牙の身体を軋ませていた。
まるでシロアリのようにじわじわと家屋を蝕んでいくように。
それに加え、鳴海の攻撃は少しずつだが、自分の防御が破られ、ダメージが蓄積されていく。
鳴海の攻撃は形意拳特有の直線的な動きである。
その攻撃の軌道は純粋なほど真っ直ぐである。
武器に例えるなら槍と表現できる。だが、鳴海の攻撃は直線的だが決して単調な動きではない。
矛盾しているが、真っ直ぐの動きの中に変形自在に形を変え、刃牙に攻め入ってくる。
鳴海の拳法はただの槍ではない。
真っ直ぐに伸びた刃の側面にもう一つ刃が光る槍―――鎌槍。
捻りを加えるだけで幾重にも軌道を変え、恐ろしく多彩な動作に変えていく槍である。
刃牙は攻撃が届かず、歯痒いまま有効打を決められないでいた。
このままでは刃牙の敗北は自明であった。
DIO様のためにも、親父を殺すためにも負けるわけにはいかない。
この悪い流れを変えなければならなかった。
刃牙は流れ変えるために思案する。DIO様のためにも卑怯な手も辞さない。
刃牙は短パンのポケットに手をいれ、あるものを握り締める。
そして、すぐにノーモーションのアッパーを鳴海に向けて放つ。
鳴海はそのアッパーを警戒しつつ、左腕で捌くように防ぐ。
「くっ!」
刹那、鳴海は仰け反る。突然視界が奪われ、眼に激痛が走る。
そのはず、鳴海の眼に粉状のものが無理矢理混入させられたのだ。
刃牙は一切武器を持っていない。
最初に支給されたものは強化外骨格「零」と核鉄(ソードサムライX)であった。
強化外骨格「零」は自分にとって武器とは言いがたい。トレーニング器具としては最適だが武器ではない。
核鉄(ソードサムライX)は武器であるが、自分は己の肉体で戦っていきたいので、これも武器ではない。
刃牙は全参加者が絶対に支給されている物―――食料を使ったのだ。
刃牙の食料はほんの数秒で栄養分をチャージできるカロリーメイトであった。
それをいつでも摂取できるよう短パンに入れてあった。
刃牙は包装ごとカロリーメイトを握り絞め、粉末にする。これだけで目潰しの出来上がりである。
少し卑怯な手であるが、防げない方が悪いのである。
そして、鳴海のガードと共に手首のスナップを利かし、カウンター越しにその粉末をお見舞いしたのだ。
その目潰しによって鳴海の身体が強張り、隙だらけの肉体が露になる。
鳴海は咄嗟に顔面をガードする。
が、刃牙はそんな好機を逃すわけもなく、露になったみぞおちに鉄拳が振り抜かれる。
剛体術 。
拳が当たる瞬間、全ての関節を固定し、体を硬直させて、拳に体重を乗せ、強力な一撃が炸裂する。
鳴海は内勁と呼ばれる爆発的に防御力を上げる気功によって、ダメージは軽減されたが。
とんでもない威力で鳴海の巨躯は大きく吹き飛ばされ、アスファルトを転がる。
受身を取ることも出来ないほど重い衝撃。
「ぐはあ」
あまりの一撃で視界が歪んで、鳴海の意識が朦朧とする。
このまま道路の上で意識が飛びそうになる。
だが、
「鳴海っっ!!」
悲痛な声で一気に覚醒する。
すると目の前には今にも顔面に振り下ろそうとする踵が映る。
刃牙の止めの一撃。
鳴海はすぐに身体を回転させ、打点を逸らす。
耳元でバキィイとコンクリートが砕ける音が弾ける。
間髪入れず二度目の体重を乗せた刃牙の踏み落とし。鳴海は道路を転がりまたもや回避。
鳴海は咄嗟に地面に手を付き、それを軸に身体を回転させ、刃牙の脚を払う。
刃牙は軸を崩され、地面に手を付く。鳴海はその間に体勢を立て直し、間合い離す。
刃牙は地面に付いた手をバネに大きく後ろへと飛び跳ね間合い離す。
距離が大きく離され、刃牙と鳴海が対峙する。
俺が支援しなきゃ誰が支援するってんだ!
「鳴海!! 大丈夫か!?」
すかさず、エレオノールが鳴海に安否を尋ねる。
鳴海の口元から血痕が滲み出ていたからである。
「ああ、大丈夫だ…」
喋ると口元から鮮血が溢れ出る。鳴海は刃牙の一撃で胃を破壊され、肋骨を折ってしまったのだ。
そのうえ、折れた骨が肺に突き刺さった。そのため肺にたまった血が押し上げられ口元から零れる。
鳴海はエレオノールの心配をよそに血を拭う。
「ありがとうよ、エレオノール。あんたの声がなかったらやられていた」
鳴海はエレオノールににっこりと笑みを浮かべる。
「!? ……ああ、気にするな」
エレオノールは刃牙に振り向きオリンピアを構える。
「鳴海、ここからは私が戦う。貴様は休んでおくんだ」
「いや、まだここは俺に任せてくれないか」
エレオノールは驚いて鳴海に振り向く。
「何故だ!? そこまでケガをしておいて、まだ戦おうとするんだ。ここは私に任せておけ!」
「すまねえが、ここは俺にやらしてくれ」
真剣な眼差しが向けられる。言葉を失うほどの真っ直ぐな瞳。
どう見ても戦えるような状態ではない。合理的ではない。
でも……。
エレオノールはしぶしぶ鳴海の要求を受け入れる。
これで最後だぞと、ピンチになればすぐに飛び出すと、念を押す。
「かまわない」
鳴海はそう言うとすぐ刃牙の元へ踏み出す
「あの攻撃を喰らって立てるなんて心底驚いたよ。それに待ちくたびれた」
刃牙はつまらない口調で迎え撃つ。
「けっ、卑怯者相手に逃げやしねえよ」
「口先だけは立派だね」
ノーモーションの拳を放つ。鳴海はそれを避けきれず、防御を固める。
すかさず攻撃動作に移ろうにも、刃牙の拳の連打で遮られてしまう。
「でも、さっきまでの俊敏な動きがなくなっている」
先ほどまでの鳴海優位の攻防が一転、刃牙が主導権を握っていた。
それほどまで鳴海の傷は深い。
気を練ることに不可欠である器官―――丹田を潰されたのは致命的であった。
刃牙の体重が籠められた拳は鳴海の俊敏さを奪いとったのだ。
機関銃のような連撃の前では、鳴海はただただ全身を防御に徹するしかなかった。
鳴海はもうもたない。
少し離れていたところで鳴海を見守っていたエレオノールは指貫をクロスさせる。
鳴海はもう戦えない。今こそ、オリンピアを傀儡させるべく構える。
うらしゃあ 支援
まだまだ
「まだだ!」
だが、鳴海に声に遮られる。どう見ても敗北色は濃厚であった。
暴風のような攻撃の前に成す術もないのに。どうしてそこまで戦おうとするんだ。
奴の無謀な行動には理解に苦しむ。
「お喋りする余裕なんてないッッ」
その瞬間、刃牙は鳴海のガードを崩し、露になった首元に遠心力と共に回転蹴りをねじり込む。
確実に延髄を捉えている。刃牙の経験上、これを受ければ確実に意識を失う。そして、捉えた。
鳴海に延髄に重い衝撃が伝わる。蹴りの威力で巨躯はまたもや吹き飛ばされ電灯に激突する。
電灯に支えられるように鳴海は地面にずり落ちる。
肢体は突っ伏したまま立ち上がらない。
「意外にあっけないもんさ、勝負って奴は…」
つまらない表情で刃牙は鳴海を見下ろす。
「鳴海いいい!」
エレオノールは鳴海が倒れると同時にオリンピアを刃牙に向かわせる。
刃牙は待っていましたと頬を緩ませる。
今度は人形と戦うとは今までにはない戦いだな、と舌を舐める。
人形遣いと範馬の血が激突する。
エレオノールで勝てるのか・・? 支援
その瞬間、
「まだ……戦える」
突然の声に、二人は戦闘を留める。
「鳴海!」
「へえ、あの攻撃を受けて、立ち上がれるなんてすげえや」
そこには加藤鳴海が起き上がっていた。電灯に寄り掛かり、ふらふらになりながらも、刃牙を睨みつけていた。
ハアハアと息を切らしているのが痛々しさを感じる。
「聞かせてくれ…そんなに実力を持っているのにどうして殺し合いに乗っているんだ?
なぜ……光成に抵抗しない? なぜだっ!?」
鳴海の疑問に間髪いれず答える。
「すべてはDIO様のためさ。俺がDIO様の血をぶちまけてしまったから、食料が必要なんだ。
必要な分だけ人間を調達したら力を授かってくれるって約束したんだ。
DIO様と同じ吸血鬼の力をもらえば、親父だって殺せる。DIO様ためにもなるし、俺のためにもなる。
こんな美味しい話はないだろ?」
さも当たり前のような口調で。
「な…ん…だと…」
鳴海は絶句した。そんなくだらない理由で殺し合いに乗っているのかよ。
あまりのくだらなさに驚きが隠せない。それに、所々に現れるDIOという存在。
参加者名簿に一人だけ英語表記で原動機付自転車の名前と一緒だから何となく印象深い。
だが、そいつは自動人形とよく似た、人間の血液を糧にしている吸血鬼だと。
鳴海いきるんだ 支援
鳴海は忌々しい感情を覚える。
「全く、くだらねぇ…」
自然と言葉に溢れ出る。こんな馬鹿げたことに乗った刃牙に呟く。
鳴海の皮肉を無視して刃牙は言葉を続ける。
「それにDIO様はすげえんだッ。たった六時間の間で三人も殺しているんだ」
「な…に…」
またもや絶句。
「着物を着た成人男性に俺と同じ年代の女子高生、
そして―――十歳も満たない少女も血液を奪い殺している。
さすがDIO様! 俺のできない事を平然とやってのけるッ。そこにシビれる!あこがれるゥ!」
刃牙は目を輝かせ、自慢する子どもように鳴海に語りかける。
「まあ、今なら女も殺せるし、子どもだって殺せる。全てはDIO様のためにならッ。
そして、俺は力を貰って、親父を殺す。
本当に最高だ、DIO様は―――」
そう最後に付け加えて、刃牙は腹を抱えて馬鹿笑いする。
無人の街に刃牙の高笑いが木霊する。
遠巻きから刃牙の言葉を聞いて、エレオノールは怒りで眉を顰めていた。
なんとも馬鹿馬鹿しいと、あまりの愚かさに反吐が出る。
そう思い、オリンピアを刃牙に構えていた。
だが、彼女以上に思い詰めている人物が近くにいた。
―――加藤鳴海である。
「い…すぐ………お…えろ」
+++
――――男を殺しただと。
――――女子高生を殺しただと。
――――年端も満たない少女を殺しただと。
鳴海は思う。
DIOに殺されたものがどんな想いを抱いて死んでいったのか?
吸血鬼に追われ、殺される。
何を思って死んでいったのだろうか?
言いようのない絶望を思いながら死んでいったに違いない。
笑顔、家族、夢、人生をやりたいことを残して死んでいったに違いない。
死んでいった者の無念さを思うと涙が零れそうになる。
だが、涙はあのときにもう捨てた。
鳴海はある出来事が脳裏を過ぎっていた。
アメリカのイリノイ州のゾナハ病棟。
その時の出来事が鮮明に映し出される。
そこには自動人形が撒き散らすゾナハ病を患った人たちが収容されていた。
自分はそこで小児病棟の子供達を担当していた。
子供たちは病気を患っていても、普通の子と変わりなかった。
一人一人性格は違うし、体格も違う。感情もあるし、将来の夢もあれば家族もいる。
自動人形の情報を聞き出すための勤務だが、仕事はそっちのけであった。
子供達と共に遊び、共に笑った。
戦うしか能がない自分に子供達は慕ってくれた。
本当に楽しかった。一生ここに居ていいぐらい楽しかった。
そこにシビれる!支援するゥ!
だが、楽しかった日々は簡単に崩れ去った。
次々と死んでいく子供達。
そのとき、自分にとって特に印象深い人物が駆け巡る。
『ナルミ、今、描いてよ。もう寝る時間なんだよ』
絵を描くのが上手で、俺の下手な絵を大切に持ってくれていたマーク。
マークの死の前日に絵を描いてせがまれた。俺は「明日」に描いてやるよと言った。
だが、マークに明日なんてなかった。今でもマークの寂しい表情は記憶に残っている。
『うふふ…ナルミは…おもし…ろいね……ハリ……』
よく俺を慕ってくれた女の子――ベス。
ベスは最後に大切な熊のぬいぐるみ――ハリーを俺にあげると言った。
ベスは俺を心配させないよう第三段階に入る最後までずっと微笑んでいた。
ベスは笑っていた。笑うことが特効薬であるゾナハ病に患っているのに。
ベスは笑顔だった。本当は俺が笑うべきなのに。
俺はただただ無力だった。何も出来ずただ子供達の死を見送るしかなかった。
俺は無力な自分を呪った。
そのときと同じ感覚が蘇る。
俺は――――
+++
「い…すぐ………お…えろ」
光悦に満たされていた刃牙は鳴海の呟く声に反応する。
「よく聞こえないな、何を言っているんだ?」
「今すぐ教えろ……」
ゆらりと刃牙を見据える。
その瞬間、周囲の空気が変る。
「――――DIOの居場所だ」
そこには凄まじいほど怒りに満ちた形相をした鳴海がいた。
鳴海から発せられる只ならぬ黒いオーラ。眼に見えないが、感覚で分かる。
どんな一般人でも、肌で感じられるぐらい鳴海は怒気を舞い上がらせていた。
「ああ、連れて行ってやるよ。アンタを死体にしてからなッ」
暴風と共に鳴海が刃牙へと迫ってくる。先ほどのふらふらな体調が嘘のように素早い。
身体能力が最初の比ではない、爆発的に上昇している。
憤怒という感情で身体の限界値の枷が外れたのであろう。
だが、そんな中、刃牙は余裕の笑みを浮かべていた。
前にいる男は明らかに野獣であった。いわば暴走状態である。
幾ら身体能力を上げようが、それは藁を燃やすこと同じぐらい一瞬で儚い。
怒りは、精神を滞らせ、視界を狭くする。
つまり、冷静な判断が鈍くなり―――いずれ負けてしまうのだ。
敗北は時間の問題である。
だから、自分のすることは冷静に相手の出方を見極めることだ。
暴風を前に防御に徹し相手の自滅を待つか。
もしくは単調の動きに合わせて冷静にカウンターを決め、一瞬で勝負を決するか。
前者は少し難しいかもしれない。奴の機動力はかなり異常だ。
身体能力の上昇率が半端じゃない。
そう何度も防御や回避仕切れそうにない。
後者を狙うべきだ。
刃牙は構える。鳴海は両手を構えながら迫って来る。
案の定、軌道が読みやすい左突き。素早い突きだが、見切るのは簡単だ。
刃牙は瞬時に相手の攻撃ポイントを読み取る。
そして、鳴海のパンチを体捌きで逸らし、脳天にカウンターを射掛ける。
支援ッッッ
しええええんぬ
「!?」
だが、鳴海を狙い打つ刃牙のパンチは擦り抜け―――
――――劈
「自動人形がいないから忘れていたぜ
――――俺が本当にしねぇことをなぁッ」
刃牙の脳天に巨大な衝撃が叩き込まれ、全身に衝撃が行き渡る。
刃牙の身体は凄まじい爆音と共に建物コンクリートの壁に叩きつけられる。
いままでにない壮絶な衝撃に意識がなくなりそうだ。
――何が起こったんだ?
崩れたコンクリートから刃牙が立ち上がる。
突然鳴海の突きの軌道が歪んだのである。……いや違う、俺の軌道が捻じ曲げられた。
左手は囮。俺のカウンターパンチを左で逸らし、それをすり抜け右手から開手を放たれた。
それだけなら、見切れないこともないだろう。
しかし、鳴海のしなやかな体捌きが打点を逸らさせたのだ。
単調ではない、相手の動きに合わせ、完璧に同調した緻密な動きだ。
暴走状態の男がやる技とは思えない。
支援
刃牙は何かの間違いだと、崩れた塀から飛び出す。
左右に軽やかなステップを踏みしめ、鳴海へと進行する。
残像が残りそうなぐらい軽快なフットワーク。
フェイントを小出しに放つ。隙を狙う。相手を疲弊させる。
だが、鳴海は刃牙の思惑を全て回避する。
刃牙は驚愕していた。
フェイントに反応にせず、隙は一切見当たらない、疲弊を感じさせない肢体の動き。
むしろ、所々に重い捻りの効いた小突きの拳と脚を的確に自分に叩き込まれる。
感情で動けば、動作一つ一つが大きくなるのに、こいつはそう感じさせない。
いや、むしろこいつは怒るたびに、
―――攻撃が
―――防御が
―――研ぎ澄まされていく。
分からない。分からない。
この男は何者だ。
刃牙は珍しく焦っていた。
鳴海の攻撃はじわじわと刃牙の身体にダメージを積もらせた。
刃牙の精神に疲弊と焦燥を蓄えていった。
素早いジャブが捌かれ、避けられ、受け止められる。
そっと手に触れるように軽やかにだ。歯痒さだけが圧し掛かる。
ついに刃牙の焦燥が臨界点を超える。
小振りのフェイントを無視し、大振りの全身が乗った正拳突きを放つ。
タイミングも流れも無視した明らかに場違いの一撃。
「遅い!」
鳴海は軽やかにそれに合わせる。突きを捌き、身体を回転。
そして、背中に刃牙の右腕を固定、そこに鳴海を支点に両手に力を加える。
すると、ポキリと乾いた音が爽快に鳴り響く。
刃牙の左肘関節を折る音だ。
梃子の原理を利用した相手の力を大幅に削ぎ落とす技である。
刹那に鳴海は腰を沈め、折れた腕ごと刃牙の身体を放り投げる。
その瞬間、刃牙の腕は完全に破壊された。
「ぐあぁ」
またもや刃牙はコンクリートの塀に全身を叩きつけられる。
完全に自分に動きを見切った攻撃。
刃牙はネックスプリングで跳ね起きると、折れた腕を摩る。激痛が走る。
完全に折れている、いや破壊されている。腕ごと投げられた時に完全に砕かれたのであろう。
修復できないほどに。
屈辱が沸き起こる。
格闘家にとって腕をへし折られることは最も屈辱なことである。
刃牙の身体に変化が巻き起こる。
全身の痛みがなくなる、あれほどあった疲労が綺麗さっぱり感じられない。
脳内に麻薬が広がる。エンドルフィンが体中に闊歩する。
それは、戦士にとって甘美な美酒。
全身に広がる闘争本能。
漲る闘争の意志。
抑えようのない力。
心身が爆発しそうだ。
身体の爆発と共に刃牙は鳴海へと飛び出す。
まさに手負いの虎ように駆け出す。
刃牙の嵐のようなラッシュ。拳や蹴りを織り交ぜた乱撃。
並の人間には到底見切れない攻撃の数々。
支援
だが、鳴海はそれを全てかわし避ける、時には捌き落とす。
全く決定打が与えられない。むしろ、隙あらば、少しずつ自分にダメージを与えていく。
まるで、羽衣を相手にしたような浮遊感。何もない空気と戦っている感覚。
なぜだ、なぜだ、なぜだ。
なぜ当たらない。俺とお前は身体能力を上昇させ、同じ土俵にたった。
――のに、なぜだ?
疑問が沸き起こる。しかし、まだ、チャンスはある。
奴を追い詰めた。
刃牙の猛攻によって鳴海は壁際へと追い詰められる。これなら、避けられない。
刃牙のパワフルな右拳が鳴海の顎へと振り上げられる。
だが、捉えていた鳴海を見失ってしまう。勢いの付いた拳は壁を砕くが鳴海を捕らえていない。
コンマ一秒の瞬間、標的を失った刃牙は棒立ちになる。
鳴海は空気を大きく吸い込み、気を整える。
腰を沈め、両手を腰に沿え、勢いよく刃牙の胸元に開手で叩き込む。
その二つを同時に組み合わせ、気を練り込んだ、双掌打を放つ。
支援
胸に響く振動。刃牙の身体は後方に吹き飛ばされ、ボロ雑巾のように硬いコンクリートを転げ回る。
脳内麻薬によって痛みはないが、呼吸が乱れる。
口元から血が溢れ出る。
双掌打によって肺を圧迫されたからだ。
半ば意識を失いながら、刃牙は立ち上がる。
このままでは負けてしまう。それだけはあってはならない。
「俺は。俺は。俺は」
負けられない。
「すべてはDIO様ために―――DIO様ためにだ。
DIO様と約束したんだ。俺に力をやるって親父を殺すための力をやるって。
DIO様が、DIO様が――――」
刃牙は壮絶な速さで突進してくる。壊れたハーモニカを奏でるように声を張り上げる。
まるで暴走した機関車のように、全てを薙ぎ払うように。
鳴海は半身半立ちで構え、
「DIO様、DIO様、うるせぇえんだよ。
この原付野郎がぁッ!」
接近してくる刃牙の喉元に足刀を放つ。
クポとカエルが喘ぐような呼吸音と共に刃牙の喉仏が砕かれ、衝撃に地面に押さえつけられる。
ヒューヒューと頭に掠れた呼吸音が聞こえる。
大の字に寝転んだ刃牙はすぐに闘争を再開するため首を持ち上げた。
だが、ノイズ交じりの視界に凄まじい形相をした男が映る。感情を震わせながら、
刃牙に例えようのない恐怖が満ちる。
鳴海は殺し合いに参加させられてから何も考えていなかった。
具体的なプランもなく、ただ赤木の言う通りに流されるだけだった。
赤木の冷たい対応にいらいらしながらも、何もしなかった。
いまいち信用ならなかった赤木のほうが殺し合いについて一番深く考えていた。
赤木は自分の命を捨ててでも、このふざけた殺し合いを止めたいと考えている。
それに、
信念 決意 希望 考察 努力 理想 現実 策略
これらの全てにおいて赤木が勝っている。
俺は迷っていた。俺はここで何が出来るのか。
だから、俺は迷いを払拭するために一人で戦いに挑んだ。
答えを見つけるために。
だが、決意が足らなかった。
目の前に殺し合いに乗っている奴がいるのに聖ジョルジュの剣や核鉄を使うのを躊躇った。
殺し合いに乗っているにかかわらず、相手が人間というだけで使えなかった。
聖ジョルジュの剣や核鉄を使用すれば、戦闘の幅が広がり、勝利への道が近くなるのに、自動人形でないというだけで使用しない。
それに、使用してしまったら卑怯だというつまらない格闘家の意地もあった。
敵のほうが決意が固かった。
俺と比べると敵のほうがまだ戦闘に徹していた。俺は甘かった。
俺は道化だった。不満があるのに何もしない。
だが、目が覚めた。
―――俺が本当にすべきことを。
鳴海いいいいいいい!!!!!
今ここに戦いの幕が閉じる。
刃牙の完全敗北という結末。
鳴海は龍、刃牙は虎であった。
いや、鳴海は龍ではない…でも、虎を超える生物であった。
刃牙は鳴海の強さである逆鱗に触れてしまったのである。
逆鱗を触れられたソレは真の強さを露にする。
そして、遅れるように虎は傷を負うこと真の力を発揮。
虎を超える――ソレ対虎。
虎が負けるのは自明であった。
刃牙の最大の敗因は鳴海の強さの本質を見誤ったこと。
鳴海の強さ―――感情の昂ぶりが鳴海の強さの根源である。
感情の昂ぶり―――鳴海は怒っている。
誰のため―――戦うことの出来ない「弱い者」のために。
戦う―――「弱い者」から全てを奪い去った者に戦っている。
そして―――鳴海は今何かを捨て去って、変ろうとしている。
この男は―――
刃牙は掠り切れた声で問いかける。
「あ゛、んだは…いっだいだ、何もんだ…?」
歪んだ視界に黒い影が点滅する。振り下ろされる怒りの鉄槌。
「―――悪魔(デモン)さ」
刃牙はバキッと顔面に轟く音を最後に、白目を剥いた。
鳴海は気絶する刃牙を見下ろす。
「そんなにDIOにゴマが擦りたけりゃ、テメエの頭でもかち割って貢ぎな、原付野郎」
命さ!
タイトルの欠けていた部分ってこれか
+++
エレオノールは鳴海の攻防に固唾を呑んで見守っていた。
どうしてあんなに感情を露に出来るのであろうか?
筋肉質の男が女子供を殺すと言った瞬間。
奴の変わり様は凄まじかった。
口調は静かだが津波が来る前の静けさ、全身から発せられる激しい感情。
それは純粋なまでの真っ直ぐな怒り。
怒りを身に纏った鳴海は圧倒的であった。
苦戦していた戦いが一転赤子の手を捻るように敵を圧倒していた。
何故あの男はあそこまで怒ることが出来るのであろうか?
そう言えば、鳴海はあの時も怒っていた。
『確かにそうだ……だがな! あの花火がこのイカレた殺し合いに耐え切れず、寂しさから思わず打ち上げたものだったらどうする!?
てめぇらは今もあの場所で泣きながら俺達の助けを求めてる人が居ないって絶対に言い切れるか!? 』
『なら俺は一人でも行くぜ。1%でもあそこに助けを求めてる人が居る可能性があるなら俺は迷わず行ってやる!』
どうして、他人のために自分を犠牲に出来るのであろうか?
私はお坊ちゃまを守るのにしか、目が回らないのに。
あの男は全てを守ろうとしている。
それに……もう一つ不思議なこと。
『ありがとうよ、エレオノール。あんたの声がなかったらやられていた』
何故あの男はあの危機的状況で笑みを浮かべることが出来るのであろうか?
なぜ無愛想な自分に笑顔を向けたのだろうか?
分からない。
でも、この溢れる想いだけ分かる。
嬉しかった。
心地よかった。
もう一度、鳴海の笑顔を見たい。
「笑顔か……」
『どうせ勝を助けるなら……助けを必要としている他の人達も助けてやろうぜ!
そして一人でも多くの人を、笑顔を助ける事が出来れば……きっと勝はお前にも笑顔をくれると思うぜ!
一生忘れられない……極上の笑顔をな!』
何も考えず、無償で誰かを守ろうとすれば、お坊ちゃまは私に笑顔をくれるだろうか?
微笑みを忘れた人形である私に。
本当に不思議な男だ。あの男を見ていると奇妙な感覚に包まれる。だが、暖かい。
全てを包み込むような優しい感覚だ……。
エレオノールはそっと鳴海に目を向ける。
鳴海は自分勝手に殺し合いに乗った輩を圧倒させていた。
鳴海は確実に勝つだろう。私利私欲に走った敵に怒りを震わせている。
まだ、怒りの中にも、真剣な眼差しが籠められている。言葉を失うほどの真っ直ぐな瞳。
「ここは俺に任してくれ」と言った時より澄み切った瞳。
その目を見た瞬間、エレオノールは全てを理解した。
―――私は羨ましいんだ。
―――無償で純粋で
―――誰かのために怒っている
―――そんな鳴海が羨ましい。
私も鳴海のようになれるだろうか?
誰かのために怒れるだろうか?
笑顔を与えられるだろうか?
私は心底羨ましい。
お前が――――加藤鳴海が。
しえん
範馬親子ワンツーフィッシュ!?
支援だよーん!
バキ……支援
+++
肉の弾ける音は消え去っていた。
風が戦い終わりを知らせる。辺りは風の音しか聞こえない。
戦いを終えて鳴海は言いようのない感慨にふけていた。終わりの余韻を肌で感じていた。
そんな鳴海を尻目にエレオノールは刃牙目掛けオリンピアを構える。
近くの民家から物色したロープで縛られ、意識を失っている刃牙に殺意が向けられる。
指貫を大きく十字に切る。オリンピアの足から鋭い刃物が突起する。
「止めろ」
だが、無骨な大きな腕に押さえられる。
「今ここでこいつを殺しておかなければ、皆に危険が及ぶ!
なのに、なぜ、止める!?」
「まだこの原付野郎からDIOの居場所聞いちゃいねえんだ。こいつはDIOという吸血鬼の手下だ。
居場所を知っているはずだ。そいつを聞き出すまで殺せねえ」
「だが、こいつは喉が潰れている。言葉を発するとは思えないぞ」
鳴海は胸元から手のひらサイズの六角形の鉄の板塊を取り出す。
刃牙を括るときに余ったロープをそれに固定させ、刃牙の砕けた喉元に取れないよう巻きつける。
支援中の支援ッ!
「それは何いったいなんだ?」
エレオノールは突然取り出した銀色の塊を覗く。
「これは核鉄と言って―――」
鳴海は核鉄の効果を説明する。
武装錬金と叫べば、各々の効果に沿ったものが具現化すること、自然治癒力を上昇させること。
直接患部に当てれば、そのポイントを重点的に回復させること。
なるほどと頷きながらエレオノールは感心していた。
あのときのツンツン頭の少年に現れた槍もこれだったのかと頭の片隅にあった疑問も解決する。
「なんと便利なアイテムだ。しかし、鳴海?
どうしてこんな便利なアイテムを持っていながら、貴方は使わなかったのだ?」
エレオノールは鳴海の不可解な行動を疑問視する。
鳴海はばつが悪そうに頭をかきながら、エレオノールの凛とした視線から目をそむけ答える。
「ええっと、いや、同じ格闘家同士だから…卑怯な気がして、何となく気が引けたんだ」
指をツンツンとさせながら口を尖らせる。
エレオノールは頭を抱え、呆れたとため息をつく。
「なんとも、非効率な……でも、それが貴方の良いところかもしれないな」
鳴海はエレオノールの皮肉めいた、台詞に文句を言ってやろうと、顔を向ける。
そこには―――
「…!? へえ、エレオノール。あんたでも笑うんだな」
母親のような慈愛に満ちた優しい微笑があった。
出会ったころからずっと仏頂面であった、彼女に現れる初めての笑顔。
鳴海はそんな彼女に見惚れていた。
「えっ!?」
エレオノールは驚いた。
私が笑っているだと。私は微笑を忘れた人形なのに。
自分の無意識の行動に唖然とするエレオノール。
彼女のそんな驚愕めいた想いとはつゆ知らず、鳴海は頬赤らめながら言葉を続ける。
「それに、お前の笑顔……可愛かったぞ」
目を下に落とし、恥ずかしそうに答える。
「なっ! わ、私の笑顔が、か、可愛いだとッ」
頭に熱気が帯びる。今までに美くしいや綺麗だと言われ褒められたことがあるが。
笑顔が可愛いと言われたことがない。エレオノールは動揺に身を任せあたふたする。
鳴海もエレオノールのまさかの反応に驚きを隠せず。
「えっとその、かわいいって言うか、そうわけではなくて…」
「ど、どう、言う訳。な、なんだ?」
二人して言葉にならない不毛な会話を延々と続くことになった。
そんな混乱の中、二人が立ち直ったのは10分後のことであった。
「そういうわけでエレオノール。先に喫茶店に向かってくれないか」
「ああ、分かった」
鳴海はオリンピアに乗り込むエレオノールを後ろから見送る。
オリンピアの腕にはぐったりした身体緩ませた刃牙がぶら下がっている。
鳴海とエレオノールは落ち着きを取り戻した後、今後の動向について相談し合った。
その結果、二人は一旦別行動をとることにした。
エレオノールは一度喫茶店に戻り、パピヨンや承太郎たちに合流。
その後、刃牙からDIOの情報を聞き出し、赤木の提案通りに学校に向かうことにした。
鳴海は周囲に助けを求めている人がいないかを確認詮索をしてから、喫茶店には戻らず、直接学校に向かうことにした。
鳴海にとって、弱きものを守らないといけないという使命感から行動であった。
「エレオノール、後は頼んだぞ」
エレオノールは腕を交差させ、オリンピアを操る。
髪をなびかせ、鳴海に振り向く。
「鳴海! 学校に合流するまでに…絶対に死ぬなよ。」
「ああ、死にはしねぇさ」
鳴海は唇を緩ませ、心配要らないという不敵な笑みを浮かべる。
「ぜってぇに勝を見つけ出してやるぜ。
それに、エレオノール、お前も勝に会うまでに死ぬんじゃねえぞ」
「無論だ」
そして、エレオノールはオリンピアのジェット機を吹かし、大空に舞った。
これはいいカップル支援
鳴海は凛々しい顔つきで、それを見送る。
そして、鳴海は左腕に付いたつまみ捻り、聖ジョルジュの剣を取り出し。
右脚を大きく上げ、地面を大きく踏みしめ、拳を何もない空間に突き出す。
踏みしめた地面が轟き辺りが震える。
「覚悟してろよ、光成」
覚悟を決める。どんな相手であろうが、もう躊躇はしない。
人間であろうが、化け物であろうが、核鉄を使うし、聖ジョルジュの剣を使う。
それこそが赤木が言う『完壁の勝利』を目指せるのなら。
光成の思惑を破壊できるなら。
「それにDIO、てめえもだ」
吸血鬼と名乗る化け物――DIO。絶対に貴様を許しはしない。
絶対に貴様を見つけ出し、ぶっ潰す。
子供を殺した罪、夢も希望も奪い取った罪、貴様の身体に味合わせてやる。
確実にだ。
――光成見ていろよ。
俺は下手くそな道化。
戦うしか能のない道化さ。
だがな、下手な道化は殺し合いの中で踊り狂って、
お前らの思惑を粉々にしてやるぞ。
なんせ俺は悪魔(デモン)だからさ。
鳴海はアスファルトを踏みしめ、歩き出す。
助けを必要としている者を探し出すため。勝を探し出すため。
光成の思惑を掻き乱すため。DIOをぶっ潰すため。
悪魔(デモン)が今歩き出した。
【E-2とE-3の境目/1日目 日中】
【加藤鳴海@からくりサーカス】
[状態]:アバラ骨が一本骨折 胃腸に中程度の怪我 自己治癒中
[装備]:聖ジョルジュの剣@からくりサーカス
[道具]:支給品一式×2(刃牙、鳴海) 輸血パック(AB型)@ヘルシング
グリース缶@グラップラー刃牙 道化のマスク@からくりサーカス
[思考]
基本:バトルロワイアルの破壊、誰かが襲われていたら助ける。赤木がいう完璧な勝利を目指す。
1:助けを求めている奴を探す。
2:才賀勝を探す
3:赤木との約束の為に、8時に学校へ行く
4:いつか必ずDIOをぶっ潰す
5:誰かが襲われていたら救出し、保護する
6:殺し合いに乗っている奴を成敗する
7:DIOの情報を集める
[備考]
※聖ジョルジュの剣は鳴海の左腕に最初からついていますので支給品ではありません
※参戦時期は本編18巻のサハラ編第17幕「休憩」後です
※サハラ編から参戦しているので勝、しろがねについての記憶は殆どありません
※エレオノールを取りあえずは信用しています、
またメイクのせいでエレオノールとフランシーヌ人形が
似ている事に気づいていません
※勝という名前に何か引っかかっています
+++
D-3の市役所付近上空を滑空する一人の花嫁。
美しいほど真っ白な衣装に包まれ、陽光がその白さに眩しく辺りを反射させる。
その中でエレオノールは胸に新たな想いを噛み締めていた。
「加藤鳴海か…」
鳴海と言う男の存在。自分の中の冷たい世界に暖かさを与えてくれた男だ。
不思議で心地よい暖かさ。鳴海の笑顔を見るとそれを特に感じる。
感慨深く思いに馳せていると、一瞬眩い光が眼に焼き付けられる。
エレオノールは何事かと想い、光の発する場所を見渡す。光の正体は刃牙であった。
オリンピアの腕の中でぐったりとしている刃牙。その背中が陽光に照らされ、光沢を帯びだしたのだ。
核鉄の効果だろうか。ほんの背中にあった擦り傷の数々が少なくなったように見える。
一細胞一細胞に筋肉が濃縮された凄まじい背中。一つ一つが脈動しているように見える。
「!?」
エレオノールは目を疑った。
刃牙の洗練された背中を眺めていると、形容できない化け物の形相に見えたのだ。
そして、それは一瞬笑ったように見えたのだ。なんとも恐ろしい化け物の嗤い。
「……気のせいに違いない」
エレオノールは一抹の不満を覚えながら、承太郎やパピヨンたちに合流するために目的地である喫茶店に進む。
エレオノールもまた、完璧な勝利を目指して。
【D-3の市役所上空/1日目 午後】
【才賀エレオノール@からくりサーカス】
[状態]:ピエロの衣装@メイク、からくりサーカス、
オリンピア@からくりサーカス、支給品一式
[道具]:青汁DX@武装錬金
[思考・状況]
基本:才賀勝が望む、完璧な勝利を目指す
1:一度喫茶店に戻る。
2:本物の才賀勝を探す。
3:強力な武器が欲しい。人形は手に入れたので他の武器。
4:8時に学校へ行く。
5:刃牙からDIOの情報を聞き出す。
[備考]
※参戦時期は1巻。才賀勝と出会う前です。
※才賀勝の事を偽物と勘違いしています。
※赤木と鳴海のことをかなり信頼しています。
※パピヨン、承太郎の事は完全には信用していません
(信頼の度合いはパピヨン<承太郎)
※今現在は赤木の言う通りにしていますが、
勝が死んだ場合、どうなるかわかりません。
※また、願いをかなえられる権利が少し気になっています。
+++
刃牙はオリンピアの腕に抱かれ、深い眠りに包まれていた。
睡眠下という無意識の中、刃牙の中で意識が変化していた。
DIOの命令、親父を殺すこと、そして、―――鳴海に惨敗を帰したこと。
それら三つが複雑に絡み合う。
左腕が破壊され、全身がぼろぼろになり、普段の力を半分も発揮できない身体。
己の武器―――肉体では戦いに勝ち抜けられない。
刃牙は欲していた。
鳴海に敗北してからよりいっそう圧倒的な力を渇望していた。
全てを破壊できるような欲しい。そのためにならどんな手段を使っても構わない。
DIO様に吸血鬼の力を得るためなら武器を使おうが、人質をとろうが……どんなことをしてでも力を得る。
親父を殺す、黒服の男(加藤鳴海)を殺す。強者は全員殺す。もちろん弱者もだ。
そして、参加者全員を殺した後、
最後にDIO様と対峙したとき、俺は戦いを挑もう。DIO様に。
俺は完璧な勝利を目指す。
圧倒的に敵をねじ伏せることが出来る力をもって勝利を獲得する。
刃牙は朦朧とする意識の中で変わろうとしていた。
鳴海と同じように―――何かに変わろうとしていた。
a
背中が嗤う。全てを喰らうために。
――――鬼(オーガ)が嗤う。
【D-3の市役所上空/1日目 午後】
【範馬刃牙@グラップラー刃牙】
[状態]:肉の芽による洗脳状態 気絶 全身に大打撲 肺にダメージ大 喉仏が破壊 左腕の肘間接が骨折 鼻の骨が陥没 核鉄で自己治癒中 ロープで縛られた状態
[装備]:核鉄(ピーキーガリバー)@武装錬金
[道具]:なし
[思考] 基本:DIOに力を授かり、親父を殺す。DIO以外の参加者がいなくなったら、勝負を挑む。完璧な勝利を得る。
1:力が欲しい
2:DIOの食料(参加者)を捜し、S2駅に持ち帰る
3:どんなことをしてでも勝利する
4:ナルミと決着をつける
5:親父と決着をつける
6:ラオウ、銀時、覚悟を見つけ、勝負を挑む
7:強者と戦う
[備考]
地下トーナメント優勝直後。ただしトーナメント戦で受けた傷は治っている
※鳴海に受けた傷は深く、戦闘に支障きたしています
※核鉄(ピーキーガリバー)が喉元に括り付けられています
※肉の芽の洗脳により、基本的に己の欲求よりDIOの指示を優先します
※最終的にはDIOと戦うつもりですが、それまでは指示に従います
※勇次郎と同じように、自分に制限が加えられたことを感じ取りました
※喉が潰れ、話すことが困難になっています
※DIOと勝利のためなら武器を使うことも辞さなくなりました
※両腕と両足をロープで縛られています
+++
――――あなたはお気づきであろうか?
鳴海は致命的なミスをしていたことを。
それは、刃牙に核鉄を渡してしまったという致命的なミス。
刃牙の支給品に核鉄がなかったことによる思い込み。
核鉄があっても、効果と使用の仕方を知らないという思い込み。
刃牙は最初に核鉄を支給されていたのだ。もちろん、全てを知っている。
今、喫茶店で波乱が巻き起ころうとしている。
その結末はどうなるかは知らない。
その答えは刃牙の喉元で爛々と銀色に輝く核鉄だけが知っているかもしれない。
aaaa
bbb
c
投下終了しました。
展開、誤字、脱字等に問題がありましたら
指南してください。
ちなみに前のトリが飽きたので変えます
投下乙
喫茶店組もやばくなってきた…やばいって…
投下乙!
鳴海つえええええ! 戦闘の描写が上手いな氏。
エレオノールもやわらくなってきたし主人公街道まっしぐらか?
と思いきや刃牙は急速回復中か…長持ちせずともひと暴れはしてくれそうだな・・
>>619 大作投下乙!
鳴海格好良かったけど詰めが甘い!核鉄渡しちゃったし、ロープ程度じゃ刃牙は軽く引きちぎるぞ。
そしてちゃっかり原作通りカップルフラグ立ててる二人にニヤニヤ。しかし、ピエロメイクしてるのによく可愛いってわかったな。
投下乙
バキと鳴海の白熱バトルは手に汗握りましたし
鳴海とエレオノールのいい感じなシーンもよかった
さらに鳴海のDIOとの対決フラグ、バキの鬼化フラグ
面白い展開になってまいりました
投下乙。喫茶店やべぇ! つっても喫茶店には誰もいないけどなw
DIO様のことはジョジョに聞けば一発なんだがなぁ。そういやDIO様も移動してるしw
戦闘シーンが凄くハラハラしました。GJです。
GJ!!
迫力のバトル描写に手に汗を握りました。
鳴海VS刃牙は両作品を知っているなら夢の対決!
喫茶店への危険度が増して最高w
超乙です。
投下GJ!!
なんという巧いバトル描写だろう。尊敬します。
鳴海かっこいいよ鳴海。
なんていうか……とにかく燃えた!
エレとのフラグもいいし、バキとのフラグもいいぜッ!
本当にGJ!!
核鉄+凄いね人体=完治
GJ。
鳴海滅茶苦茶かっこよかった。
そして、病院の次は喫茶店に魔窟フラグ……w
色々と指摘のありました「ありったけの憎しみを胸に」、したらばに再修正版上げました。
問題のあった部分は、とりあえず根本的から消しましたので。
>>628 修正乙です。
早い対応お疲れ様です。今後の活躍を期待しています。
>>619 おおおおおお、
すげえ、こりゃすげええええ。
これほど燃える格闘描写を読んだのは久々だ。
近代格闘技VS中拳の要素、鳴海の悪魔化、
そして刃牙の鬼光臨、しろがねの笑顔……。
原作展開も踏まえつつオリジナル色もきっちり出したこの作品
これは超GJ!! といわざるをえない・・・。
ところで◆OJfL8ceX7s 氏の銀髪黙示録って通ったの?
OKならそろそろ全部纏めてwikiに編集したいんだが。
本人が破棄宣言してるよ
オーガVSデモンか…
暇だったのでからくりサーカスを6巻ほど読んできた
おー鳴海つえー エレオノールかわええー
…あれ? 鳴海の片腕から先がないよ・・?
お前は数週間前の俺か
>>634 これからドンドン面白くなるぞ!期待しとけ!
という俺もこのロワで見てから全巻読んだんだけどw
一冊あたりに15分くらいかかるから先は長いな…
スクライドも読んだが、ちゃんと最後まで読まなかったら美形の意味がわからんとこだった
意外と登場シーン少ないのな
ほんとからくり症候群多いな。俺?勿論大好きさ
そもそもこのロワに来た時点未読の作品が、からくりオンリーという
未読だった作品じゃあ、覚悟のススメが好きだな
未読は覚悟が想像以上に面白かった。
けど、かなりグロイな。参戦してる十五作品じゃグロさはダントツの一位じゃね。
あとからくりも所々グロイ描写あるな。
サンデーだからと思ってたら油断した。
逆に武装錬金は思ったよりグロ無かった。激戦とかグチャグチャ想像してたから意外。
久しぶりに来たので第二回放送前後から全部読み返した
……えらい時間かかった。でも今後も楽しめそうなナイス展開で、とても嬉しいよ
しっかし、相変わらず使いづらそーなキャラだなゆーじろーとかラオウってな。よっぽど銀さんのが動かしやすかろうに
ここにはライスピが好きな人も多かろうと思って聞くんだが、
ライスピが好きな人って、ライスピ作者の書いたREDとか俺フィーとか読んだ人いる?
いや、だからどうってことはないんだが、なんとなくw
REDも俺フィーもかもし課も佃島も好きだよ。今はネットコミックのジ・エンド見たいけど時間が無い。
予約被りで没になったがREDの題名をSSのタイトルでつけようとしたのがあった。
「積み上げられた肉と骨とはらわたと」
とある没ネタ話のサブタイトルに考えていた。
元ネタはRED。あと俺フィーは自分の中で最高のサッカー漫画です。
「ガキの喧嘩の重ささ」って井浜の台詞がすごい好き。スレチすまん
斗貴子さんって食事しましたっけ?
水と食料が無いって書いてあったので少し気になりまして
(確かめたいにも今メンテナンス中で調べられなくて)
オーガに奪われたんじゃなかったかな……よく覚えては無いけど。
>>648 >>647 ご協力感謝します。
現時点、おそらく誰も予想していなさそうな展開になりそうです。
__
. , イ, ''" ,∠-‐ '',Z.._
/ ′ ′ ∠__
. /l/ ′,∠,
/ ,.、 /
. ト' ,.へ.__, ‐'´ ヽ '7
l 、/ u | _,⊥ / ………
|`テニ'_┐ iir _',ニ-‐''1 'ィ まったくこんなへた踏むようじゃ、どうしようもならないな
. ! l=。ミ′‘≦。= = r',.-、 / ………
! l` ‐;Z..__゙ ーr '´v|.|^!.| ,/ チッ…!嫌気がさすぜ、自分のへぼさ加減に……
ヽl/ __-, u l ij |ノ_'ノ / ………
゙T ───- ヽ∧ ∧ あれほど自分に自信が無いって言うのに
,/! ‐一 /. ヽ ∧ ヽ._ ……………………
,, -‐''7 /.! v V. \∧ ヽ. ヽ てめえの軽率な態度で、また問題を起こしちまうとは
/ / └;┬──' ,.くト、ヽ i | …………………………
i i i l |>、 ,.く.>'l. l. | | | 最悪だ………!
. | │ l | トニゝ /ニ/ | |. | | |
いいから書けw 投下、期待して待ってますよ。
お待たせして申し訳ございませんでした。今から投下します。
坂田銀時、この男は他の参加者とは一線を画す者だとラオウは感じていた。
何かが違う.
力では自分には遠く及ばないだろうがまごう事なき好敵手だと認めていた。
今も仲間を逃がすために自分と戦うことを決意したようだが
自分から攻撃しようとはしない。いや、それこそが自分との違いか。
自分自身のために戦う者と、他人のために戦うもの。
だがラオウも自ら拳王を名乗るもの。
銀時を認めてはいるがそれは明らかに自分より下のものとして扱った上で、
そのある種の傲慢さがラオウを動かす。
「どうした、逃げてばかりでは話にならんぞ。かかってこい、坂田銀時よ」
叫び声と共に拳を放つがそれは病院の壁を抉るに留まる。
銀時はそれを見て、
「うるせぇ、この筋肉だるまが。おまえみてぇなやつとまともに戦えるわけがねぇだろうが」
先ほどとはうって変わって弱気なセリフである。
ラオウはその言葉を聴いて、笑いながらこういった。
そうか、ならばしょうがないな。俺は先ほどの小僧たちを追いかけるとしよう、貴様のようなやつと戦ってもつまらん」
その言葉を聞いた銀時は表情を一変させる。
「おい、待てよ」
だがラオウは最早振り返ろうともしない。
ただゆっくりと歩みを続ける。
「待てって言ってんだろうが」
銀時はラオウの背中に向かって刀を振り下ろす。
それは十分な速度を持って振り下ろされた必殺の一撃、
だがラオウはそれをいとも簡単に避ける。
ラオウはその銀時のうって変わって必死な様子を見て浮かべるは獲物を前にした獣の笑み。
adfsafa
しえn
そうか、ならば始めるとするか」
あっさりといった一言に銀時は一瞬理解ができなかった。
だがその銀時に向かい迫るラオウの剛拳、恐怖など感じる暇がなかった。
今までの戦闘の経験の賜物であろう、頭で考えるよりも先に体が動いていた。
頭上で構える剣、その剣にラオウの拳が打ち込まれる。
まるで金属と金属がぶつかるような音をたてる。
もちろんラオウの拳をまともに受けて無事なものなどほとんどいない。
銀時も例外ではなく、足は地面にめり込み一瞬意識を失う。
その絶好の機会をラオウが見逃すはずもない、左の拳が銀時の腹を目指して迫る。
意識を取り戻した銀時はラオウの拳を見て防ごうとする。
だが、先ほどのラオウの拳を受け止めたせいで残る手の痺れ。
間に合わない。
銀時はうめき声を小さくもらしながら後ろに飛ぶ。
だが無情にもラオウの拳は銀時の腹に突き刺さり、
銀時はその拳の勢いのまま病院の壁に激突し壁を突き破り病院の廊下に転がる。
北斗支援拳!
どうなのかな?
だが、ラオウはとどめをさそうとしない。銀時があけた穴をただ見る。そのラオウに浴びせられた乾いた拍手
ぱちぱちぱちぱち
ラオウが振り向くとそこにいたのは勇次郎。病院の壁にもたれて気のない拍手を続けている。
ラオウは無言、そのラオウをみて勇次郎は拍手を止めてポケットに両手を入れてラオウに近づいてくる。
心底嬉しそうに笑いながら、ラオウに向かい言葉を言いながら。
「貴様に一言言っておく、俺は今心底幸せだ。退屈でしかなかったこの舞台で貴様に再び出会った。
その迅度ッ、重量感ッ、秩序ッどれもが近代格闘技一流の水準を超えている。礼を言う。
君なら知っているだろう、強ェェ男には匂いがある。
世界中探したってこれだけの芳香にはそう出逢えるものじゃない。
俺の好きな芳香りだ」
その勇次郎の言葉はラオウに向けられたもの。
ラオウを自分と似ていると感じ、そう言った。
だがラオウは何も言おうとしない。
ただ勇次郎の目を見つめる、
通常の人種ならばそらさざるを得ない勇次郎をただ見る。
勇次郎はラオウの眼前、ちょうど拳一つ分ほどの距離であろうか。
そこまで至ってようやく歩みを止める。
ラオウはその勇次郎に向かい口を開く。
「うぬは北斗七星の脇に輝く蒼星を見たことがあるか?」
「さあな、わりぃが。星を見るなんて習慣はねぇんでな」
「そうか」
二人の間に言葉などは必要ないのだろう。
互いに自らの強さのみを求めて生きてきた二人.
出会うこと、戦うこと、殺しあうこと。それは必然であったのだろう。二人のオーラにより世界がゆがむ。
「喰うぜ」
戦いが始まった。
663 :
a:07/11/18 15:40 ID:7gEucPfE
しえん?
ラオウと銀時の戦いが始まったとき赤木はグリモルディを鞄の中にしまい首輪に対する考察を始めていた。
まず、この首輪に必要なこと、それはこのゲームの参加者を主催者の意のままに操ること。
それに必要なものはまずは主催者に反抗するものたちに主催者が圧倒的に有利だと認識させるためのもの。
つまりは爆弾である。首に仕掛けられた爆弾が爆発すればどれほどの化け物であろうと即死は免れないだろう。
そして二つ目、参加者の死亡を確認すること。
これは放送からでも明らかになってはいる.
では生死を確認する方法それは一番確実なものは心臓の鼓動であろう。
だがそれならばおそらくは心臓が止まってから一時間程度は参加者が生きていると認識しなければならない。
なぜならば、これほどさまざまな参加者がそろっているのである。
戦う力もほとんどないような一般人でさえ心肺停止から蘇生することなどごくありふれた話である。
ならば一時間は計測し続ける必要があるのではないか。
そして三つ目、主催者を満足させること。
この奇妙な舞台はあくまで手段であるはずなのである。ならば、その目的がどのようなものであるかは関係がなく。
参加者たちの動向を見るということが必要である。
つまりは、最低でも音声。できれば画像を主催者に送らなければいけない。
赤木は自分の首輪を指でなぞる。
凹凸すらもまったくないその形状から常識的に考えれば首輪に内蔵されているということ。
これならば、画像は不可能だが、音声は盗聴器の装着という簡単な手段で解決することができる。
ここまでは首輪にとって必要不可欠な条件である
ここから先のことは事実が伴わないただの想像でしかなくなってしまう。
だが、今の赤木にとっては最も必要なものは納得させるための材料、
まずは首輪をはずすということだがこれは、スタンドや核金などと同じように自分たちの世界とはまったく異なる技術。
それはおそらくはほかの参加者にとってもそうであろう、首輪の仕組みが分かってしまえば主催者の優位がなくなってしまう。
だが、ここで疑問点としてあることが頭をよぎる。
なぜ、このゲームを開催したのか。命がけの戦いが見たい、いや違う。
それならば戦う力のないようなもの、自分などのものは参加させなくていい。
おそらくは、支給品、これが参加者の目的ではないか。
つまりは支給品の実践テスト。そう考えれば全ての納得がいく、現に自分は支給品を活かすことで生き残っている。
だがそれだけでは不完全、支給品のテストならば勇次郎のような化け物を加える必要はない。
つまりは、支給品に加えて参加者たちの実力、それら二つのテストが主催者の目的。
つまり参加者たちの能力と支給品、これらには主催者が予期していない可能性がある。
これを活用することができれば首輪の解除も不可能ではなくなる。
そこまで考察を進めて赤木は立ち上がり病院がある方角を見る。
首輪を解除することができるという希望、それこそが主催者に対抗するための者たちにとってはまるで灯台のともし火のように道を示すだろう。
赤木は鞄の中からグリモルディを出す。目的地は病院。
おそらく病院は戦う力のない者たちの篭城する場所になっているだろう。
この舞台の中でそこだけが異質の存在となっているからである。
医療品もそろい、ある程度の衝撃に耐えうる丈夫さもある。
そして勇次郎はそれを狙い動くだろう、そこを自分自身が救出し、脱出に協力させる。
「さて、急がなければな」
赤木は主催者打倒に向け動き始めた。
ラオウと勇次郎の戦い、それは熾烈を極めていた。
二人は共に徒手格闘技を極めたもの、その二人の戦闘スタイルには数々の奥義でさえ邪魔なものでしかなかった。
ただ殴るだけ、それが最高峰のレベルで行われていた。
だが、均衡も崩れてきていた。
徐々に早まってくる拳の回転の速度、それら全てが人体の急所を狙い放たれていた。
二人の共通点、それは自らを強くすること、相手を殺すことのみを目的としていること。
だからこそ、相手の考え方も分かる。
「ふんっ」
裂帛の気迫と共に放たれる右の拳、だが勇次郎はそれを見て笑い、
「あめぇな」
それを回転回し蹴りでカウンターをとろうとする。
しかし、ラオウはそれを予測していた。
「北斗剛掌派」
それはほぼゼロ距離から勇次郎の腹に撃ち込まれる。
たまらず後ろに下がる勇次郎。この戦い始まって以来の勇次郎に与えたダメージ。
だがそれは勇次郎の膝をつかすまでには至らない、
本来ならば遠距離から放たれる技であるが至近距離、勇次郎の攻撃を避けながら、という条件が重なり結果的に不完全なものとなったのだった。
s
赤木は病院に到着し、二人の戦いの様子を見ていた。
あまりにも熾烈な戦いである。さすがの赤木もその光景には一瞬だが見入ってしまった。
だが、一分一秒たりとも無駄にすることはできない、赤木にとってラオウと勇次郎が戦っていたことは誤算ではあった。
なぜならばラオウは確実に『ゲームに乗ったもの』だったから。見分け方は簡単である、ラオウの攻撃はすべて勇次郎の急所をねらっている。
このような戦い方をするようなものが他者を守るなどという甘い考え方を持っているはずがない。赤木はグリモルディをその場において注意深く探る。
病院の壁に巨大な穴、赤木はその穴をみると音もなくすぐ近くにあった窓から病院の中に入る。
どうやらあの二人は赤木のことには気づいていないようだが赤木は一言も足音すらもたてずに進む。
そして、程なくして瓦礫に埋まった銀時を見つける。これは勘でしかなかったのだが赤木は銀時をゆさ振る。
しかし、騒がれても面倒だと思い、少しの細工を施した上で。
支援テスト
?
「んんんん……んんっ………んんん」
銀時は目が覚めてすぐに自分に起こっている異変に気づいた。自分の口が塞がれている。
「おっ、起きたか」
銀時は自分の口を塞ぐ猿轡を指差す。
「あぁ、すまないな。騒がれるわけにはいかなかったんでな」
そう言いながら銀時の猿轡を外す赤木。
「ちょっとなにすんの、あれですか?近頃流行のSMプレイってやつですか、悪いんですけど俺、男に興味ないんでぇ」
いきなりまくし立てる銀時に赤木はあきれたように言う。
「少し静かにしてくれないか、ここが見つかるとやばいんでな」
そこは病院の二階、窓からは勇次郎とラオウが戦っているのが一望できる。
「そうだ、おいお前この支給品たちは使わないのか」
銀時のディバックから取り出した一枚の紙を見せる赤木、それはあるるかんが入った紙。銀時はそれを見てもさして興味のない様子で、
「あぁ、べつにいいぞ」
そう頷く。赤木は少し笑って今度は核銀と蝶ネクタイの交換を申し出るとこれにもあっさりと首を縦に振る銀時。
赤木はそれらの交換を済ませると銀時に向かって言う。
「よし、じゃあちょっとお前に協力してもらうことがある。一度だけしか言わないからよく聞いてくれ」
そして、二人のギャンブルが始まった。
勇次郎はある種の嬉しさすら感じていた。自分と互角、いやそれ以上の強敵と戦ったのは久しくなかった。
だが、勇次郎はあろうことかラオウに背を向ける。そして、両の手のひらを空に向ける。
その背中には背負われたデイバック、だがそのことは関係がない。その下の筋肉、それが明らかに以前とは異質なものとなっていた。
「ふん、なるほど。おもしろい」
ラオウにはそれが分かったのだろう、彼もわらって応えるが、再度の激突はなされなかった。
上から降ってくる多数の瓦礫と、人形。それがラオウと勇次郎の間に落ちた。巻き上がる砂埃、めちゃくちゃに暴れまわる人形、あるるかん。その横を走り抜ける一人の男、
「貴様は」
「うぬは」
勇次郎とラオウは銀時の姿を認識するがもう遅い。
足に赤木から渡されたモーターギアを装備した銀時はその圧倒的なスピードにより二人の間を堂々と走りぬけ、すれ違いざまに投げナイフを二本放つ。
だが練習もしていない人間がモーターギアを操りながらである。それをラオウは難なくかわす。
そしてその銀時のしまらない顔を見てラオウは怒りもあらわに技を放つ。
先ほど勇次郎に放った技と似たもの、だがそれは銀時の構えたソードサムライによって防がれる。
さらに赤木の策は続く。暴れ続けるアルルカン、ふたりはそれを操り人形の一種だということに気づいていた。
そんなただ暴れ続ける人形をくみするのは二人にとっては容易いこと。だが、それはできなかった。
てst
「銀時、俺が時間を稼ぐ。いったん戻ってこい」
二階から降ってくる声、その声を聞いて銀時は牽制にナイフを二本投げその場から離れる。
勇次郎が銀時から目を離している間、赤木はあるるかんの指貫をはずしグリモルディの指貫に付け替えていた。
そして勇次郎たちに迫る巨大な新たな人形、グリモルディ。
二人は迫るグリモルディをとりあえず左右に跳び離れてかわす。
「おっと、お二人さんあぶないねぇ。道の真ん中に突っ立ってるとひかれちゃうよぉ」
そのしまらない声は二階から聞こえてきた。紛れもなく銀時の声。
ラオウは自分を侮辱されたと感じて、頭に血が昇っていたのだろう。一目散に病院の壁にあいた穴から中に入る。
だが、勇次郎は動かなかった。もちろん彼も怒っていた。自分の至福の時を邪魔されたのだから。
だがだからこそ動かなかった。勇次郎は打ち上げ花火を構え、二階に開いた穴へと向ける。
勇次郎の強力な腕力によって持ち上げられた花火の筒は正確に穴をめざし、後は火をつければそれは部屋の中で壊滅的な打撃を引き起こすはずであったのだが、それは結局撃たれることはなかった。
「おう、案外あたるもんだな」
勇次郎の右腕に投げナイフが一本突き刺さっていた。
「きさまぁっ!」
そこにいたのは銀時、あの飄々とした態度で次のナイフを構える。
支援
赤木の策、それは簡単な陽動であった、まず銀時を可能な限り逃げたと信用させる、そして続き様蝶ネクタイ型変声機を使って銀時が二階にいると錯覚させる。
普段ならば勇次郎、ラオウ共にもっと慎重に行動していただろうが、それを闘争を中断するという敢えて二人の怒りを引き起こすタイミングで実行したことにより判断力を低下させる。
さらには、あるるかん、グリモルディ。二体の波状攻撃が二人の注意をそらした。
「ククク………悪いな、勇次郎。ちょっとペテンにかけさせてもらった」
堂々と穴から出てくる赤木、ラオウの行動をハーミットパープルで探り、鉢合わせすることなく病院からの脱出に成功した。
「………………ッッ」
勇次郎の顔が怒りにゆがみ、背負っていた花火を投げ捨てる。それと同時にアルルカンが勇次郎に攻撃を仕掛けた。
それは勇次郎の視界を防ぎ、赤木の姿を隠した。このとき勇次郎は自分が赤木の策略からまだ抜け出せていないことに気付いた。
逃走経路を絞らせなければあの銀時が足につけている機械の速度なら難なく逃げ切れるだろう、だからこそのこの攻撃、敢えて人形を捨てるような攻撃。
それはわかっていたがどうしようもない。勇次郎は目のまえにあったあるるかんを叩き壊すが、
「残念勇次郎、それだ」
赤木の声が聞こえた。そしてあるるかんを突き破り飛び出す銀時。
しえん
「くそ…………ざまあねぇぜ」
銀時の刃は勇次郎の腹を切り裂く。先ほどのラオウの技を吸収していても、モーターギアの速度を刀の威力に合わせてもまだ勇次郎の命を奪えない。
だが、しばらく勇次郎は出血のせいもあり動けないはずだ。
それなのに銀時は勇次郎を殺そうともせずに刀を納める。
その銀時に向かって赤木の声がかかる。
「銀時、なんで殺さない」
その声は静かだった。
「まぁ、殺すことはないだろ」
その銀時の言葉に勇次郎は笑ったように見えた。
起き上がり、銀時を真横に殴り飛ばす。
「あめぇな、これは殺し合いだぜ。敵に情けをかけてどうなる?そんなことにメリットはあるのか?」
そういって笑う勇次郎に赤木の声がかかった。
「そうだな、勇次郎。これは殺し合いだ。手加減なんかしちゃいけねぇ」
どすっ
勇次郎の腹に巨大な刃が刺さっていた。それはグリモルディが手に持った刀、赤木は勇次郎をたいした思いもなさそうに見つめていた。
腹に巨大な刃をつきさして命を失ってもまだ倒れない勇次郎を。
【赤木しげる@アカギ】
[状態]:精神的な疲労
[装備]:基本支給品、グリモルディ@からくりサーカス 、蝶ネクタイ型変声機@名探偵コナン
ハーミット・パープル(隠者の紫)のDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:傷薬、包帯、消毒用アルコール(学校の保健室内で手に入れたもの)
ヴィルマの投げナイフ@からくりサーカス (残り5本)、
[思考]
基本:対主催・ゲーム転覆を成功させることを最優先
1:このバトルロワイアルに関する情報を把握する
(各施設の意味、首輪の機能、支給品の技術 や種類など。)
2:対主催者たちを集める
2:鳴海たちと合流するため、8時前には学校に行く
テスト
坂田銀時@銀魂】
[状態]:全身に中程度の負傷。小程度の疲労。背中に命に別状無いほどの怪我。
[装備]:核鉄(モーターギア)@武装錬金
[道具]:支給品一式 ソードサムライX@武装錬金(攻撃に使う気はない)
[思考] 基本:このゲームをどうにかする
1:ラオウをどうにかする。
2:新八達と合流する。
3:神楽を探す。
4:覚悟達と合流する。
4:ジグマールを警戒
[備考]
※ソードサムライX
エネルギーを使う攻撃を吸収し、攻撃に転用します
制限、効果の対象となる攻撃は任せますが、少なくとも「魔法」には効果アリです
ラオウ@北斗の拳】
[状態]内臓に小ダメージ 、鼻の骨を骨折、全身に中程度の負傷。
[装備]無し
[道具]支給品一式
[思考・状況]
1:坂田銀時と戦う。
2:ケンシロウ・勇次郎と決着をつけたい。
3:強敵を倒しながら優勝を目指す。
4:覚悟の迷いがなくなればまた戦いたい。
5:人が集まりそうな繁華街か病院に行く。
【範馬勇次郎@グラップラー刃牙:死亡確認】
残り38人
neis
sienTest
>>682 まずは、投下お疲れ様です。
内容については、今から読ませていただきますので、感想はその後とさせていただきます。
ですが、アナタは
>>431でSSを一旦破棄されていたはずです。トリップ漏れをしていたため、
>>431が貴方本人であるという確証はありませんが、この点について、ご説明いただけると幸いです。
その他の点については、他の方と議論してから再度書き込ませていただきます。
まず、
>>431が貴方本人かどうか。
についてや、それに関連する事をご説明ください。
修正されている面は見受けられるが
貴重なマーダー候補の勇次郎が死んで
対主催に死亡者ナシとはいかがなものか
こんなんだめだ
431は私ではありません。皆様も知っているように私はトリップのつけ方を知らずに最初vb3685jpとうっていましたので、
誰かが私の名前を語っているのどと思います。次からはトリップも変えます。今までこの板にもくることができず確認も遅れました
なるほど。概ね事態は理解しました。
今回の投下に関しては、色々と思うところがあると考えますが、まず一点。
厳しいかもしれませんが、トリップが漏れたのは貴方の責任です。
>>431が貴方本人かどうかを
確認する術は私達にはありません。トリップをつけるということは、騙りを防ぐ責任を持つということです。
その点はご理解ください。
その他、細かい事に関しては一旦したらば等で議論したいと考えております。
指貫を付け替えることでタイムラグ無しで
ほぼ同時に操作できるってか?
これの何処が二体操作の問題解決になってんのかね?
つか、あるるかんを突き破りって
あるるかんは紙か何かでできているのか?w
◆Ut1DajDo6I氏へ。
SS修正お疲れ様です。ですが、今回の投下に関しては破棄させていただきたいと思います。
理由はいくつかありますが、一つには、あなた自身のトリップ管理方法の問題があります。
我々には、
>>431が前回投下者(以下、ID:UR.u0tYY氏とします)であるかどうか、
ID:UR.u0tYY氏が貴方本人であるかどうかを判別する手段がありません。
匿名掲示板の性質上、
>>431をID:UR.u0tYY氏と断定し、ID:UR.u0tYY氏と貴方は別人であると考える他はありません。
このように考えますと、
>>431以降に入った予約二件が有効になり、貴方のSSは破棄されることになります。
仮に貴方が、ID:UR.u0tYY氏であり
>>431でないとすると無念の極みでしょうが、
やはり、今回の事件を起こしたきっかけはあなた自身のトリップ管理能力欠如にあったと考えております。
ですので、今回は431の破棄宣言を投下書き手本人の宣言とし、予約があった二件を優先するものとします。
以上により、大変申し訳ありませんが、SSは破棄となります。
実験
あ
>>687 今来ました。
とりあえず、本人かどうか確認したいんで一度トリつきで書き込みをお願いします。
ですが、騙りとはいえ予約破棄と、他書き手による予約が入っているのに、一言も無しで修正版を本投下するのはどうかと思いますよ。
一度どこかで、修正版を投下していいかどうか、住人に尋ねるべきなのが、礼儀ではなかったのでしょうか?
wiki管理人です。
最近、wiki編集の際にSS本文を書き換える方がいて少々困った問題になっています。
SS本文でも、誤字脱字なら勝手に変えて構わないと思っている方もおられるかもしれませんが、
SS本文を書き換えていいのはあくまで書き手のみではないでしょうか?
ですので、大変申し訳ありませんが、SS本文を書き換える際は
tp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9318/1195381700/l50
こちらに事前報告をお願いします。また、状態表もSS本文に含めるものとし、その扱いは本文と同等です。
大変面倒かもしれませんが、書き換える際にはご報告をお願いします。
なお、SSの新規登録は今までどおり、報告不要です。
あれ、今日更新されてるSSって、全部いじられてんのか?俺が書いたやつもあるんだが
>>697 はい、書き手本人の許可なくSSを無断変更する方がいて少々困っているのです。
ご本人であるならば、695のスレに報告した上で直していただけると幸いです。
うう、日程の見積もりが甘かった……。
すみません、本日中に書きあがりそうにないので延長させてもらいます。
>>697 ご自身の作品の編集履歴見て、おかしな点があったら、
したらばのwiki編集報告スレで報告してから直していただければ。
>>699 分かりました。頑張って書いてください。
なにやら一悶着あったみたいですね……自分のやつは逆に誤字の訂正や前編へのリンクが付けられていてました。
私のSSを編集して下さった方どうも有難うございました。
管理人さん、WX氏対応ご苦労様です!
貴方方が行う迅速な対応にはいつも尊敬しています。
共にこれからも頑張りましょう!
番人氏も色々大変でしようが共にこれからも頑張りましょう!
難しいアカギを率先して書く貴方に同じ書き手として見習わせてもらってます。
L9氏ドンマイです……実は私も間にあいませんでした……。
共にこれから頑張りましょう……予約期限を出来るだけ守る事についてもw
というわけで間に合いませんので延長を申請します。
本当に申し訳ありませんでした。
長々と申し訳ないです。
まぁ、それ以前に勇次郎というキャラをまったく知らないのが致命傷
だと思うんだ
いかんな、支給品とかの編集と同レベル感覚で誤字訂正したことがあった
これからは気をつけねば
一応、初めて書いた作品の誤字を訂正したときに、アニロワ見習って
旧したらばのどっかに訂正報告したんだが誰も反応してくれないからやめてたなw
まさか今更こんなことが起こるとは……。
何と言うか荒らしとしか思えん。
俺もこれからは気をつけねば。
良かれと思ってやってたことがこんなことになるとは思わなんだ。
平日の朝になってしまいましたが、投下します。
もし見ておられる方が居ましたら、支援お願いします。
話し声がするマンションの一室のドア前に、美しく整った顔を腫らし美しく伸びた髪でアフロを形作る男が立つ。
その男マーティン・ジグマールは、殺し合いに乗らない人物に匿ってもらう為
自身が殺し合いに乗っていることを隠し、部屋内の人物と接触を図ろうとしていた。
(今度こそギャラン=ドゥに怒られない様に、しっかりしないとな……
取り入る相手を戦闘力の有無ではなく、危険の有無で判断しないと……)
ジグマールは緊張の面持ちで、ドアノブに手を掛けようとした時。
「何の用だ?」
気配も物音も無い背後から筋骨隆々の男、ケンシロウの声が掛かった。
声を聞いた瞬間にジグマールは腰を抜かし、声の主から離れる様に後ずさっていく。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお前こそっ! 何者だっ!!?」
「質問しているのは俺だ。お前に危険は無いと分かれば、危害は加えん」
ケンシロウはジグマールの異常な取り乱し様に、威嚇を止め宥めに掛かる。
「でも筋肉ダルマ、こいつ頭がもっさりしてるヨ。きっと生き方ももっさりしてるネ。
顔も0点ネ、0点の人生を送ってきたに違いないアル。信用出来ないネ」
「あら、顔は腫れさえ引けば整ってそうな感じじゃない」
「……お前達には、部屋の中で待っていてくれと言った筈だぞ」
「こんな面白そうな奴、独り占めはずるいネ」
部屋の奥から白い肌の小柄な少女神楽が現れ、ジグマールの頭を無遠慮に触る。
褐色の肌の長身の女性キュルケも現れ、こちらは杖をかざして警戒の様子を見せる。
ケンシロウも交え、ジグマールを囲んでの口論を始めた。
(ど、どうやらこいつ等は、殺し合いに乗っていないらしいな。
それは良い。とても良いんだが…………)
「俺の事は筋肉ダルマでなく、ケンと呼べ」
「ついでに言っておくと、私もマダオじゃ無くキュルケよ」
「やれやれ、親から授かった大事な名前を捨てるなんてマダオも堕ちたアル」
「……やっぱり、貴族に対する口の聞き方を教育して上げようかしら」
何時の間にか口論は、ジグマールを離れた所で行われていた。
ついでに3人とも、既にジグマールは眼中に無い様子である。
(人生…最大の屈辱だ
このホーリー部隊隊長の
この最も強く最も古く最も美しいアルター使いである
この設定年齢19歳の
この蟹座のB型の
この最近髪形をアフロにした、と言うかアフロにされた
このマーティン・ジグマールが、ガン無視されるハメになるなんてっ!!)
ジグマールは、大袈裟に咳払いを始める。
「ゴホン! ゴホン! 私が突然の不躾な訪問をしたせいで、キミ達に混乱を招いてしまった様ですね」
ジグマールが話し掛けるも、3人に反応は無い。
「それに関しては、すまないと思っています。だが私はキミ達に害する意思が有って、訪問した訳では無い」
なおもジグマールの声を無視し、3人は口論を続ける。
「それだけはどうか信じて欲しい…………少しは人の話を聞け、この3馬鹿トリオ」
「「「誰が馬鹿だ(よ)(ネ)」」」
神楽、キュルケ、ケンシロウは揃ってジグマールに向き直った。
(! 聞いていないハズ…!?)
神楽、キュルケ、ケンシロウはジグマールの持ち物を調べた後部屋に入れて事情を聞く事にした。
ケンシロウがジグマールに殺気が無かったと説明した為、神楽とキュルケもとりあえず警戒を解く。
ジグマールは殺し合いに乗っているものの、今の所他から仕掛けられない限りは誰も殺すつもりは無いので
ケンシロウがジグマールの気配を発見した際、殺気が無かったのも当然である。
「申し遅れた、私はマーティン=ジグマール。設定年齢19歳蟹座のB型ッ!!!」
「設定年齢って何アルか?」
「あなた中々面白い人ね、普通ここで星座や血液型は言わないわよ」
「フフン、この程度当然ですよ」
「……別に褒めて無いわよ? 私はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー、キュルケでいいわよ」
「だから設定年齢って何ヨ?」
「俺の名はケンシロウだ」
「おいィィィ!! 何で揃って設定年齢、華麗にスルーしてんだ!」
何やら抗議の声を上げている神楽も、渋々自己紹介を終え
全員がこれまでの経緯を話し、情報交換する運びになった。
◇ ◆ ◇
ジグマールの話によると病院で五人の男女に出会い、彼等と情報交換した後急に襲われ
現在居るマンションまで、逃げて来たとの事である。
その病院で出会った五人組の中に、神楽とキュルケの各々の知人である坂田銀時とルイズが居たと言うのだ。
ジグマールの説明する外見的特徴も、神楽とキュルケの知る二人と一致する。
「ふざけんなァァァァァァァ!!! 銀ちゃんがそんな事するかァァァ!!
私は銀ちゃんをこんな殺し合いに乗る子に、産んだ覚えは無いネ!!!」
「……あなた、子供を産んだ覚えあるの?」
話を聞いた神楽は、ジグマールに木刀正宗を付き突きつけ叫ぶ。
それを受けたジグマールは、動揺を隠せない。
(こいつ等の知り合いが居たのか! どうする? どうする? どうする? この場をどうする?
……いや、どうするもこうするも有るまい。ここで下手な言い逃れをしても、立場を悪くするだけだ)
「私はあくまで事実と真実を贈っているのだよ……」
「銀ちゃんはな、家賃も従業員の給料もろくに払った事が無くて、死んだ魚のような目をしてぐーたら生きる
屍のようなダメ人間だったアル! そんな銀ちゃんが人の道に外れた真似をするかァァァァ!!
オメーと一緒にすんな! この、まるでダメな大盛りアフロ――――略してマダオ!!!!」
「マダオは私のあだ名と被ってるから、別のあだ名を付けて頂戴。……私の方を」
憤慨する神楽を、ケンシロウとキュルケが押し止める。
「少し落ち着け。そう興奮していては、話にならん」
「でも私もジグマールの話は、素直に信じられないわね」
「何故だ?」
「ジグマールの言った五人組の中に、私の知り合いも居るのよ」
キュルケの知るルイズは貴族の誇りを何より尊び、主催者の言うなりに殺人に走る様な人物では無い。
平賀才人を生き返らせる為に、殺し合いに乗る可能性は考えられるが
ジグマールによればルイズの襲撃を受けたのは、2回目の放送前。
その時点では少なくとも、優勝者の褒美については知らない筈。
「ケンはどう思ってるの?」
「話を聞いただけでは、俺には判断が付かん。だがジグマールの言葉の真偽は確かめる方法は有る」
「テメー銀ちゃんを陥れて、どうするつもりだ!! 吐けコラァァァ!!!」
自分に詰め寄る神楽のあまりに一方的な態度に、ジグマールは険を含めて答える。
「私は坂田銀時が普段どんな人物かは存知無いが、誰であれ殺し合いの中では恐怖や不安等から
誤って他者に武器を向ける可能性も、否定出来ないのではないかね。
おっと、こんな事を言っても
お馬鹿な
お子様には
お難しい
お話かもしれないな」
ジグマールの言葉を受けて、徒でさえ手に持つ木刀正宗により昂ぶり易くなっていた神楽の感情が
あるいはそれら全てが化学反応を起こしスパークしたかの如く、臨界点を超えた。
神楽はバックステップで、一瞬にして抑えに掛かるケンシロウとキュルケから距離を取り
部屋の壁を使った三角飛びで、二人を避わしてジグマールに切り掛かる。
戦闘民族である夜兎の瞬発力に、キュルケも標的となっているジグマールさえ反応出来ない。
しかし如何に神楽が早くとも筋力に頼った大きく直線的なその動きは、ケンシロウにとっては予測が可能な物。
ケンシロウは神楽の動きを先読みし、軌道上に割り込み両頬に蹴りを入れる。
ジグマールを逸れた神楽は、勢いはそのまま壁に激突した。
「テメー!! このかぶき町の女王と、やろうってのか筋肉マン!!!
上等だ、毎日牛丼食ってるからって舐めてんじゃねーぞ! こっちは毎日酢昆布食って……あれ?」
立ち上がり気勢を上げていた神楽が、突如尻餅を付いた。
「北斗繰筋自在脚。筋肉を5分間弛緩させた、そこでおとなしくしていろ」
「フフフ、感謝しますよ。危うく乱暴なお子様に殺される所で……ひでぶっ!」
ケンシロウは、ジグマールの背中を脚で押した。
「新一という秘孔をついた。お前は意思に関係無く、俺の質問に正直に答えるしかない」
「な……なんだってー!!」
「それは本当なのケン?」
「北斗神拳に伝わる、秘孔の効果は絶対だ」
「北斗神拳?」
「1800年の歴史を持つ暗殺拳、俺はその伝承者だ」
(秘孔をついたとは何だ? 只のブラフか? まさかアルター能力の事か!?)
不意にジグマールの首に、ケンシロウの指が掛かる。
その瞬間、ジグマールは全身が総毛立つ錯覚に陥った。
(い、何時の間にこんなに近くに居たんだ!?)
ジグマールは、神楽から自分を守ったケンシロウの動きを思い出す。
動き自体は神楽程早くはなかったが、無駄と気配の無い洗練されたそれは
正に極限まで鍛え上げられた、暗殺者の物だった。
(こんな奴からは、人間ワープを使っても逃げられるかどうか…………)
ケンシロウの指先から殺気と威圧感が伝わり、ジグマールの汗が吹き出る。
(ほ、本当の事を言ったりしたら殺される! 助けてギャラン=ドゥ……)
「質問するぞ、今までのお前の話に嘘は無いか?」
(お願いだから助けてよう、ギャラン=ドゥ!)
恐怖の余り震えるジグマールが、幾ら心中で懇願してもギャラン=ドゥは現れない。
(……そうだった、忘れてたよ)
意を決して、震えを止める。
(僕がここで一人で頑張ってみせないと、ギャラン=ドゥが安心して出て来れないんだ……!)
「……う、嘘は無い! 全部本当の事だ!!」
「…………分かった、無礼な詮索の仕方をしてすまなかった」
「ちょっと、ケン……」
「言っておくが、ハッタリではない。新一をつかれた者に、偽証は不可能だ」
ケンシロウはジグマールの秘孔を、精確についてはいた。
しかし例えばトキ程の北斗神拳の熟達者による秘孔縛でも、精神力によって解ける事も有る。
ケンシロウは、秘孔の効果に制限が掛かっているのに気付いていない。
新一の秘孔の場合、肉体操作の強制力が制限されていた為
ジグマールは本人すら気付かぬ内に、精神力によって新一の秘孔を破っていた。
「フフフ、どうやら誤解が解けた様で何よりです」
(フン、やはり秘孔とやらは只のブラフだったか……)
「ミギーという不良が憑いたとか言われても、そんなもん知らねーよ!! 納得いくか!!」
神楽は壁に手をつき、立ち上がろうとする。
「新一という秘孔だ。これ以上ジグマールを攻めるつもりなら、俺が相手になる」
神楽の威勢をケンシロウが受け、二人の睨み合いとなる。
「落ち着きなさいよ。私やあなたの知り合いが普段通りの状態とは、限らないでしょ」
「……どうゆう意味アルか?」
「ここでは私達の知らない、異能を持つ人間や道具があるみたいだから
他人を洗脳や操作する方法があっても、おかしくないじゃない」
「ぎ、銀ちゃんはそんな簡単に操られないヨ……」
「あるいは別人が化けた、偽者という事も考えられる。あまり可能性の話をしても切りが無いがな」
「…………もういいヨ、そんなダメアフロに騙される連中は相手にしてられないネ」
神楽は部屋の窓を開け
「待て!」
「私が病院に行って、確かめてくるネ」
制止しようとするケンシロウの手をすり抜け、窓から飛び出す。
(しまった! まさか病院に行くとは)
ジグマールは窓から、神楽が走り去って行くのを見つめる。
(今から追いかけても、間に合うまい。それにしてもお馬鹿なお子様だ
あれは僕は悪くないよ、ギャラン=ドゥ……)
しばらく神楽を目で追っていたケンシロウは、窓から離れる。
「仕方ない、我々も病院に向かおう」
「ええええええええええええええっ!!!? 殺人者が5人もいるんですよ!!」
「その中には、私の知り合いも居るらしいじゃない。悪いけどあなたの話、完全には信用出来ないのよね」
「本々はアミバという人物を、捜索して回る予定だったからな。
そうでなくとも病院に居る者は、放っておけん」
(な、何て無謀な連中だ! まさかこんな事になるとは!!)
ジグマールはあからさまに、狼狽を見せる。
「わ、私はあんな恐ろしい奴らの居る病院になど行かないぞ!!」
「だったらここに居たら? 私達はあなたに関係無く、病院に行くから」
「おま、ちょ! 殺されちゃうよ!?」
「でも、あなたは逃げ切れたんでしょ?」
「心配するな、お前を危険に晒したりはしない。だが病院まで来ないのならば、置いていくしかない」
(この目 決意を変えぬ瞳……)
ジグマールは二人の目を見て、病院行きを止められないと悟る。
「しかし今から追っても、あの子には間に合いそうに無い。それに道中にも、危険が無いとは……」
「電車を使う」
「……何よ電車って?」
「線路の上しか移動出来ない、電動の乗り物だ。どんな物かは現物を見れば分かる。
それなら体力と時間の浪費も少ない上、移動中の安全の確保も比較的容易い」
ケンシロウは地図を取り出し広げる。
「このマンションから近いS8駅からS7駅まで電車に乗り、そこから病院に行こう
3人連れなら、足で行くより早い筈だ」
結局ケンシロウ、キュルケ、ジグマールの3人は昼食も取らず病院に行く事となった。
当然ジグマールは、おとなしく病院に行くつもりは無い。
(何で病院なんかに行くはめに…………こうなったら病院に着く前に、この二人を殺すしかない。
こうなったのは僕の所為じゃないからねギャラン=ドゥ、僕を責めないでよ…………)
ジグマールの苦悩は、未だ止みそうに無い。
【F-5 マンションの一室 一日目 日中】
【ケンシロウ@北斗の拳】
[状態]:カズマのシェルブリット一発分のダメージ有り(痩せ我慢は必要だが、行動制限は無い)
キング・クリムゾンにより肩に裂傷
[装備]:
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム(1〜3、本人確認済み)
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない、乗った相手には容赦しない。
1:電車で病院に行き、神楽と合流する。
2:アミバを捜索、事と次第によれば殺害。
3:ジャギ・ラオウ・勇次郎他ゲームに乗った参加者を倒す。
4:助けられる人はできるだけ助ける。
5:乗ってない人間に独歩・ジャギ・アミバ・ラオウ・勇次郎の情報を伝える。
[備考]
※参戦時期はラオウとの最終戦後です。
支援
【キュルケ@ゼロの使い魔】
[状態]後頭部打撲(治療済) 貧血気味 マントが破られている
[装備]タバサの杖@ゼロの使い魔
[道具]支給品一式
[思考・状況]
基本:学院に三人で帰る、殺し合いには乗ってない人を守る、乗っている人は倒す
1:電車で病院に行き、神楽と合流する。
2:タバサ、ルイズと合流する。ルイズが殺し合いに乗っているか確認する。
3:サイトを殺した人物が乗っていた場合容赦はしない。
4:帰る方法を考える。
[備考]
軽い頭痛と出血により、行動に支障。
首輪をマジックアイテムだと思っています。
【マーティン・ジグマール@スクライド】
[状態]:全身に負傷中 美形+アフロ状態
[装備]: 本部の鎖鎌@グラップラー刃牙 アラミド繊維内蔵ライター@グラップラー刃牙(未開封)
法儀礼済みボールベアリングのクレイモア地雷(リモコン付き)@HELLSING(未開封)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本:生き延びて全宇宙の支配者になる
1:昼食後電車で病院に行く途中で、ケンシロウとキュルケを殺す。
2:ギャラン=ドゥの言うとおりに行動する
3:ギャラン=ドゥが活動できるまで戦闘は避ける
4:匿ってもらう(美貌が使えそうなら使う)
5:素性を知っている吉良、コナン、マリア、銀時、ルイズたちの悪評をばら撒く
[備考]
アフロ状態が次の話まで続くかどうかは他の書き手に任せます
※人間ワープにけっこうな制限(半径1〜2mほどしか動けない)が掛かっています
連続ワープは可能ですが、疲労はどんどんと累乗されていきます
(例、二連続ワープをすれば四回分の疲労、参連続は九回分の疲労)
※ルイズと吉良良和と覚悟はアルター使いと認識しました
※沖田のバズーカ@銀魂(弾切れ)をS8駅の車掌室に放置しています
sien
【ギャラン=ドゥ@スクライド】
[状態]:ジグマールに潜伏状態 全身に負傷小(自己治癒中) 小程度の疲労
[思考・状況]
1:成り行きを観察中
[備考]
※ギャラン=ドゥは制限によりジグマールと命運を共にしています
そのため、ジグマールを生かしています
※ギャラン=ドゥは制限により、30分前後しか表に出られません(それ以降は体力を大幅に消費してしまいます)
※表に出られる時間はギャラン=ドゥ本人の体力と精神力に依存しています
※一度引っ込んだら2、3時間ほど間を置かないと、表に出られません(無理をすれば出られますが、体力を大幅に消費してしまいます)
※人間ワープにジグマールほどではないが、けっこうな制限(半径3〜4mほどしか動けない)が掛かっています
連続ワープは可能ですが、疲労はどんどんと累乗されていきます
(例、二連続ワープをすれば四回分の疲労、参連続は九回分の疲労)
昼過ぎの太陽の光が、高度から容赦なく降り注ぐ。
夜兎族が嫌悪を抑えきれない筈のそれも、今の神楽には意に介する余裕は無い。
頭の中に描かれるのは、坂田銀時が殺戮に走る風景。
神楽は頭を振って、自分の想像を否定する。
「銀ちゃんがそんな事する訳無いアル! あんのダメアフロ、いい加減な事言いやがってェェェェ!!」
次に頭に描かれたのは、自分からジグマールを庇うケンシロウとキュルケの姿。
神楽は苛立ちに、歯噛みする。
「ダメアフロ如きにあっさり騙されるなんて、筋肉ダルマとマダオも見損なったヨ!
あういう大人が、ろくでもない女やダメな男に騙されるネ!」
神楽は気付いていない、なぜ自分がジグマールにそれ程の怒りを覚えるのか。
それはジグマールの話を、完全には否定しきれない為。
神楽は気付いていない、なぜ自分がケンシロウとキュルケにそれ程の苛立ちを覚えるのか。
それは彼等から逃げた自分に、後ろめたさが有る為。
神楽は気付いていない、なぜ自分がそれ程焦るのか。
それは坂田銀時を、完全には信用し切れない為。
(病院なんてすぐに着くヨ、だから……だから何時もの銀ちゃんで居てヨ……)
神楽は気付いていない、自分の心の闇に。
そしてそれが手に持つ木刀正宗に拠って、増幅されている事に。
照り付ける太陽の下、神楽は明けない闇を走っていた。
【F-5 北部 一日目 日中】
【神楽@銀魂】
[状態]疲労 精神的に不安定
[装備]木刀正宗@ハヤテのごとく
ジャッカル・13mm炸裂徹鋼弾予備弾倉(30×2)@HELLSING
[道具]支給品一式 拡声器@バトルロワイアル
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗っていない人は守る、乗っている人は倒す
1:病院に行き、銀ちゃん(銀時)を捜す。
2:新八を探す。
3:帰る方法を考える。
[備考]・原作18巻終了後から参戦。
投下終了しました。
朝にも関わらず支援をして下さって、ありがとうございます。
指摘点があれば、よろしくお願いします。
支援
>>729 美形まさかの起死回生、でもやっぱり詰んでるのが美形らしいw
そして神楽、マダオチームが向かう事でF7がさらに大波乱。そしてケン、電車使っちゃらめぇぇぇぇ!
投下お疲れさまでした
ちょ……まさかの時間に投下乙w
美形うっぜぇwよくあの嘘でバレなかったな。駅に行ったらどうせアウトだけどさ。
神楽のセリフあ原作を完全に再現していて面白かったです。
それでいて神楽にしっかりと妙なフラグを……実は最強装備だぞ神楽。
制限でいいのかもですが、真正伝承者の秘孔には秘孔封じは通じなかった
はずです、あと秘孔の制限とはいかがな制限なのでしょうか?
美景スゲw
こんなとこまで熱い、さすが漫画ロワだww
投下乙です
神楽に絶妙なフラグがたったな
このフラグは期待できるかもわかんねえな
そして駅にはDIO様いたんだっけ
某との組み合わせ再来か?
経絡秘孔とは血管の交差する場所にできるもの
つか、制限なんてできんだろこれはw
秘孔に関しては、扱いが難しいよね
いわゆる知識に類すると見る事も出来るし、技って見る事も出来る
ただ、最初っからルールに秘孔は制限アリと明記されてるから、制限する事自体には問題無いと思う
後は、どの程度かって話だけど、これは具体的にそれぞれの例をチェックしてくしかないかね
まあ、制限しなきゃかなり反則級の技だしな
もしくは能力制限されたやつは変わりにそういうのに耐性がついてるとか
秘孔をつく肉体に制限を受けて、更についた秘孔にまで制限とは、トキが
死んでしまう→動けー! と、ド素人が「ドラえもんが安心できないんだ」
程度でケンの秘孔を破るとかあんまりすぎ
理屈はともあれ、北斗系の人間だけ特殊能力フル発揮可能、ってのはアンフェアでアンバランスだね
>>738の解釈が上手いかもしれない。「制限」っつーても使う人間弄るだけが方法じゃないよ、と。
あとは個々の程度の問題。全く使えない、一般人にも常に簡単に無効化される、だと確かに萎える
ーーーー降臨をwikiに編集しました。
今回はタイトルが複数あったので後編にもタイトルを付けておきました。
あと悪魔降臨を強調するため後編のタイトルを赤文字にして文字と文字の間を少し開けました。
もし◆ZhOaCEIpb2氏が気に入らなければ消しておきます。
編集乙。でもあの作品、最後の最後でタイトル変わってるんだよね。どうすればいいんだろ。
あと、後編のタイトル、そのまま書いたほうが良くない?
色変えてスペース入れるとかだと書き手の考えたものと違うものになっちゃいそう。
そういう意味じゃ、せめてもアルター使って秘孔を防いだ(もしくは、効果を減じた)てな形にでもしてくれれば
少しは心が救われるかもしれん。カズマもアルター使って、秘孔喰らった上で動いてたし
>>744の言うとおり、精神力だけでなく何らかの+αで防いで欲しいな
カズマの時と違ってあっさりしすぎで、正直このままじゃ納得はできない
あー、皆さん秘孔に関して色々と議論が出てるとこですが。
折角したらばに議論スレあるんですから、そちらで続きお願いします。
本スレで延々と、こういう話をするのはなんですし
異星人、異世界人、サイボーグ、吸血鬼、ホムンクルス
この辺りは体の構造が違うから効くか怪しい奴らがこれだけいるのにヘタレな精神力でも無効化可能っていうのはちょっと……
>>729 投下乙!
美形wようやっと活躍できたと思ったらw
ケンシロウVsDIOなるか
GJ!です。
指摘だろうがなんだろうが荒れる元だからまずは議論スレいってください。
>>729 乙。
とりあえずタイトルにワロタwww
まったくしょうがないヘタレだなあジグ太君はw
そして、ケンシロウとDIOの対決に期待。
そういえばこの二人、某ロワでも戦ってるんだよなあ。
>>でも某ロワではDIOに無敵補正が掛かってるフシがあぅたからなあ・・・
AYA補正がかかってたんじゃね?
>>729 遅れたが投下乙!!
なんというか、美形が可哀想になってくるなあ。
前半のギャグには吹いたし、展開のさせ方もお見事。
よい繋ぎですた
某の方でのリベンジなるかケンシロウ!?
シアーハートアタック&吉良が期限までに書き終えられなかったんで一日延長をお願いします……
このまんまじゃ延長するのが当たり前になって良くないな……
おいおいお前ら。
リベンジ以前にDIOは村雨とセットで予約されてるんだからその前にDIO
が死ぬかもしれないじゃん。
ところでDIOが死ぬと肉の芽埋め込まれた刃牙は暴走するのかな?
まあ肉の芽抜き取ることが出来る承太郎も喫茶店に向かってるし案外簡単に済みそうな気もするが。
こいつァーくせェー地雷の匂いがプンプンするぜェー!
『キバヤシ理論を展開する』『勢いのままに書く』
両方やらなきゃいけないのが書き手の辛い所だな。
覚悟はいいか?
(徹底的に叩かれる覚悟を)俺はできている。
という訳で、一時投下しました。
途中送信……。
ヤバイ所や誤字脱字などがあればお願いします。
乙です。感想は後にして問題に答えるだけにしておきます。
そっちを生かしたかぁ……正直言ってしまえばこういうのはあまり好きな展開ではないですね。
あっちも転がしようによってはマーダー不足を解消できただけにね。
ただアリかナシかで言えば、こういう展開はあっていいと思います。内容自体はかなり面白かったし。
どうなのかと思う、そもそもマリアが死んでも、吉良はそこまで究極の絶望感は
ないと思う、所詮大事なのは自分の平穏なんですし、それに、バイツァダスト
は初回時以外は自分で発動するものでなく、他者にセットして発動のはずです
>>757 乙です。端的に問題点だけを指摘します。
「それ」が彼を襲うかどうかは議論が割れていたようですし、書き手次第だとは思いますが、
彼が死んだら「それ」が確実に滅びる、ということは前のお話に明示されてます。(状態表の中に)
原作から考えたら議論の余地のある部分ですし、状態表の注釈は見落としやすいですがね。
残念ながら、このままではリレーミスと指摘せざるを得ません。
あとは……、知能の獲得は流石に行き過ぎかと。原作中でカケラも出なかった要素なので。
うーん、いくらなんでも吉良がショック受けすぎな気がするなぁ。
吉良にしたら、平穏>>越えられない壁>>マリアなわけで。
そしてシアーハートに知能が芽生えるのも……
パワーを持つ追跡型とはいえ、ベイビィフェイスなんかとは根本的に違うわけで
アイツに知能が芽生えのは、納得がいかない。
あとバイツァ発動は1人じゃ無理。
>>759-762 指摘どうもです。
他に問題が無ければ
・XXの存命
・00の自我の芽生えをカット
・バイツァシーンカット
で修正を行います
>>763 修正宣言乙です。
修正後の作品を楽しみにしています。
お待たせしました。投下を開始します。
……とてつもなく長いのでどうかよろしくですorz
修正は根性の戦いですぜー支援。
xxxxxx
白銀のコートを纏った一人の男が力なく大地に膝を屈し、彼の前で転がる惨めな少年の亡骸を凝視している。
その男は錬金戦団戦士長と言う肩書きを持つ者……防人衛、またはキャプテン・ブラボーと名乗る男。
そして彼の目の前で口元から赤く、生々しい臓物をだらしなく垂らし、つい先程20にすら満たない僅かな人生に終幕のカーテンを下ろした少年……桐山和雄が横たわっている。
今このエリアA-8にはこの二人……いや、酷な言い方になるが人間が一人と有機物の塊が存在していると言う方が正しいのが現状だった。
またいつもはその両の眼は揺ぎ無い信念、正義の色で染まっているブラボーのそれが今ではその面影を微塵も感じさせなかった。
「桐山……」
全ての人類を守るため全てのホムンクルスをその鍛え抜かれた拳、正義、信念で打ち砕く決意をブラボーは以前ある場所で誓った。
そしてその決意はこの殺し合いでさえも一時も曲げる事はなく行動してきた筈だった。
だが現実はどうだ?
ブラボーが戦士として、年上の者としてどんな命の危険から守り通すと誓っていた少年は自分の身代わりで死んでしまったも同然のこの現実。
「俺の力が散に届いていればこんな事には…………くっ!」
今更後悔を感じても全く意味のない事であり、そんな事をする暇があるなら他にやるべき事は山ほどあるという事はブラボーも解っている。
だが、あまりにも無様で最悪な結果を引き起こしてしまった自分に対してブラボーは最早、嫌悪でなく怒りに似た感情を感じていた。
そして拳を力強く、自分の不甲斐無さを砕くかのように握り締めブラボーは変電所の外壁に向かって歩き出す。
そんな時今のブラボーにとって酷く耳障りが悪い声が響いてくるのを彼は両の鼓膜で感じる。
『気分はどうかの諸君?
午後12時を迎えたので2回目の定時放送を行うぞ』
そう、第二回定時放送の時間が始まったからだ。
ブラボー久しぶり支援
禁止エリアを読み上げる光成の声を無言で聞き、ブラボーは記憶していく。
生憎今この場にデイパックは持って来ていなく、当然筆記用具や地図も持って来ていなかったからだ。
やがて光成の声が脱落者の名前を読み上げる事を始めたのを聞き、ブラボーは思わず神経を今以上に集中する。
(戦士カズキ、戦士斗貴子……いや、彼らは強い。きっと錬金の戦士として今も生きている筈。何も心配する事はないさ……)
自分の大切な部下、武藤カズキと津村斗貴子の二人の安否が思わず気になり、一瞬最悪のケースを思い浮かべるが直ぐにそれをブラボーの脳は却下する。
先程自分を打ち負かした葉隠散のような存在が居る可能性が充分有り得るこの状況では
そんな事を断定できる事は決して出来はしない。
だがブラボーは只ひとえに信じていた……自分のブラボーな部下達が志半ばで死ぬような事は決してないという事を。
そして光成の言葉は続く……そんなブラボーの希望をかき消すかのように。
『桐山和雄』
ギリギリと歯軋りを唸らせ、ブラボーは感情を爆発させるのを抑える。
今は怒りを吐き出す時ではなく散に、そしてこの光成と名乗る老人に正義という拳を叩きつけるその時まで取っておくために。
そんな決意を噛み締めた所でふいにブラボーの聴神経が彼の脳に向けて、ある情報を送った。ブラボーにとってとても馴染み深い名前を。
『武藤カズキ』
「何だと!?」
思わず誰に言うわけではないがブラボーは驚愕の声を上げる。
一瞬、この放送の内容自体がまやかしであるとブラボーは思ったが直ぐにそんな事をしてもあの老人にはメリットはないという考えに至った。
どんな理由があるかは知らないが自分達に殺し合いをさせようとしている人物がこんなところで偽の情報を掴ませるのは考えにくいからだ。
これらの事を踏まえて武藤カズキが死んだという事は真実である可能性は明らかであるとブラボーの脳は結論付ける。
あの戦士カズキが……自分が錬金の戦士にスカウトし、類まれな戦士の才能を見せつけ、人を守るために自分が施した過酷な訓練を潜り抜けたあのカズキが……
――死んだ――
とても口にはしたくない忌々しく、衝撃的な事実。
たとえどんな人物が慰めの言葉を……いや、言葉ではこのブラボーが今感じている感情をかき消す事は無理かもしれない。
だからブラボーは彼らしい方法でこの吐き気を引き起こす程、気に障る感情をかき消す事に決めた。
ガァン!
そう、変電所の壁を己の拳で思いっきり、手加減は掛けずに殴りつける事で。
ガァン!ガァン!ガァン!
奇しくも今ブラボーが行っている行動は自分の無力により平賀才人を死なせてしまった劉鳳が行った行動と同じであった。
やはりブラボーと劉鳳、この二人には完全とは言えないまでも確かに通じるところがあるのだろう。
ガァン!ガァン!ガァン!ガァン!ガァン!
何度も何度も拳をで殴りつけ、だが全く充実感というものが涌いてこない無意味な行動。
それでもブラボーは殴るのを決して止めようとはしない。
只……
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぁぁぁ!!」
咆哮を上げながらブラボーはその拳で殴り続ける……最早時間の経過など忘れたかのように。
◇ ◆ ◇
第二回定時放送が終わり、数十分が経過した後ブラボーが変電所の出口から重い足取りで出てくる。
肩には彼のものと今は亡き桐山の分のデイパックを掛けながら。
ブラボーはひとしきり壁を殴りつけた後、その重い身体を引きずりながら簡素ではあるが桐山を土に埋め、埋葬を行った。
そして劉鳳と合流するためにデイパックを持ち、変電所の前で彼を待っていようと考えていた。
そんな時……ブラボーは一人の男と目が合う事になる。
「貴様、キャプテン・ブラボーという男だな?」
赤い、まるで人体から噴出した鮮血を染み渡らせた事により作る事が出来たような真紅で彩られたコートを纏う大男がブラボーに問う。
「…………」
「ククク、どうしたヒューマン? 何故私の問いに答えようとしない?」
ブラボーは何故一言も発さないのか?
生憎特徴的なテンガロンハット風の帽子やコートによりブラボーの表情は解らない。
だが、自分の問いを無視されているにも関わらず大男は依然嬉しそうに目の前に居るブラボーに話しかけ、次第に二人の男の距離は近づく。
「平賀才人が既に死んでいたとはな……全く、私のご馳走が台無しになってしまったか」
才人の名が出た事により、ブラボーの動きはネジが切れたように止まってしまう。
この大男は平賀才人の関係者……それもあまりいい関係ではないものであるとブラボーは思っている事だろう。
しかしブラボーは沈黙を保ったまま遂にほぼ目の前の位置に立った大男を鋭い視線で射抜くだけだ。
だがそんな視線は大男には……王立国教騎士団(ヘルシング)に所属する不死の王(ノーライフキング)、アーカードにとってそよ風のようなものだった。
「あぁそうだ、確か散が殺した桐山という餓鬼が居た筈だな」
目線を左右に振り、アーカードは桐山の死体を探し出そうとする。
確かにアーカードは先程殺した散の肉体を捕食した事により、それなりに腹は満たしていたが満腹ではなく彼が桐山を探しているのは決して間違っていない。
だがアーカードが何よりも求めるものは飽きる事のない強者との闘争。
アーカードはその望みを叶えるためにはどんな手段を厭わない。
そう、たとえば闘う意思のない者をその気にさせるように扇動する事などを。
「……何者だ……貴様は!?」
「アーカード、吸血鬼だ」
「!? 貴様が桐山が言っていたアーカードか……だが」
思わず口を開いたブラボーにアーカードが答える。
桐山から情報を貰っていたブラボーは即座にアーカードに対して構えるが何故桐山や散の事を知っているかという事が気になった。
その疑問を問いかけようとした所でアーカードが割り込む。依然歓喜の表情を浮かべながら。
「何故私がその事を知っているか知りたいか?
簡単な事だ、散の身体を喰らい、奴の身体に流れていた血が私に教えてくれたのだ」
――何だと?――
「散は手強かった、あの強さなら私は心臓をくれてやっても良いと思った程だ。
だが、所詮奴は人間ではない。化け物を倒すのはいつだって人間ではなくてならない」
――あの散を倒しただと?――
「今私を殺さなければ貴様も含めて大勢の血が私の血となるだろうなぁ。
まずは手始めに散の記憶にあった葉隠覚悟、マリア、劉鳳、村雨良から頂くとするか」
――何を……この男は何を言っている!――
「さぁどうするヒューマン?
貴様が狗のように私の前から逃げ失せる事が出来れば貴様の命は助かるだろう!
だがそうなれば貴様の代わりにもっと大勢の人間が死ぬだろう!」
――この男……この男は!――
「さぁ選べヒューマン! 貴様はどうする!? どう足掻く!? どう闘う!?
どうした!? 早く決定して見せろ! HURRY! HURRY! HURRY! HURRY! HURRY!」
アーカードがそう言い放った瞬間、ブラボーの身体は遂に沈黙を破り動きを見せる。
右足を天高く振り上げ、腰の回転をそのまま余すことなくその右足に伝達。
アーカードの即頭部にブラボーは鮮やかな右回し蹴りを完全に喰らわせ……
「答えなど決まっている! 貴様はこのキャプテン・ブラボーが倒……いや! 貴様の命はこの俺が今この場で砕いてみせる! それが俺の正義だ!」
最早数十分前に桐山とカズキの死に対して悲しみに身を沈めていた時とは違い今のブラボーの両の眼に『絶望』という文字は存在しない。
只、紛れもなく最低な悪であると断定したアーカードに対する怒りのみが存在しているだけだ。
そのブラボーの咆哮をアーカードは一文字も聞き落とす事なく聞き取り、ブラボーの右足が直撃している事により歪められた表情を更に歪める……勿論、歓喜という感情を含ませて。
「HAHAHAHAHAHAHAHA! ならばやってみせろヒューマン!」
「ほざくなぁ!!」
今、一人の吸血鬼と一人の錬金の戦士の闘いの幕が上がった。
誰にも止める事は出来ないアーカードの闘争への『欲求』、歪める事は許されないブラボーの『正義』の音色を重ねながら。
◇ ◆ ◇
エリアB-8上空で奇妙な物体が常人の走力を遥かに超えた速度で飛行している。
その物体はアルター能力という物質変換能力により精製された銀色のアルター、絶影の真の姿……真・絶影である。
そして真・絶影に乗っている者が二人。
一人の青年の方は劉鳳、絶影を操るA級アルター使いであり揺ぎ無い正義を秘めた男。
もう一人の少女の方はタバサ、『雪風』の二つ名を持ち風の魔法を主に操る少女。
彼らは劉鳳の仲間であるブラボーとの合流を遂げるために一直線に落ち合う場所である変電所を目指していた。
「………ちっ!」
苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべ劉鳳は舌打ちをする。
その事はあまりにも小さな体躯、軽い体重を誇るタバサが一緒に真・絶影に乗っているため今この状況で出せる最大の速度が出していなかった事に関係していた。
離陸するときは何も問題はなかったがその後一刻も速く変電所に着くため真・絶影の速度を上昇させたところ危うくタバサが風圧により吹き飛ばされそうになったからだ。
だがその事でタバサに対して降りろと言うのはあまりにも酷な話であると流石の劉鳳も理解しており、責める事も出来ずに只、苛つきが溜まる一方だった。
「質問がある」
そんな時珍しく普段無口で必要な時しか口を開かないタバサがその口を開く。
それも出会って未だ数時間しか経っていなく、お世辞にも社交的とは言えない劉鳳に対して。
タバサの予想外な言葉に劉鳳は思わず驚き、一瞬硬直してしまう。
思えば劉鳳がタバサ達と行動を共にしてからろくに会話といっていいものをしていなかったからだ。
「何故劉鳳はそこまで頑張れる?正義を成し遂げるために?」
そんな劉鳳は無視してタバサはあまり表情を変えずに訊ねる。
劉鳳がアミバとの最初の激突で気絶した時からずっとタバサは劉鳳、アミバに対して疑問を持っていた。
しきりに『正義』を掲げる劉鳳、そして『反逆』を掲げるアミバ。
どちらもあまり自分には理解出来ない言葉を掲げる二人、特に自分の身が既にボロボロなのに休む事を良しとせず、活動を続ける劉鳳に対しては疑問が深まるばかりだったからだ。
sien
「そうだ……散達のような悪を断罪する事が俺の正義! 俺の命はそのために存在する!」
「でも正義とは決して一種類でない。その散という人達にも譲れない正義があるのかもしれない。それに劉鳳の正義が必ずしも正しいとも限らないハズ」
声を荒げる劉鳳に対して、タバサは極めて冷静に言葉を返す。
どこか思わず劉鳳の強い意思に引き込まれていきそうなのを抑えようとしているかのように。
「確かに奴は人類を抹殺するという正義があると言っていた……だが! そんなものが本当に正義と呼べるのか!? 絶対にイエスではない! たとえ俺の前に立つ者がどんな正義を掲げても俺の正義で断罪する! もし俺が負ければ俺の正義が間違っているのだろう!
その時が来るまで俺は絶影で闘い続けるだけだ!」
最早演説のような調子で劉鳳はタバサの問いに対して自分の正義について豪語する。
劉鳳の怒声とも取れる大きな声はいつものタバサなら思わず両耳を塞いでしまうかもしれない程の大きさだったが彼女はそれをしようとはしなかった。
只、相変わらず表情は変えずに「そう」と短い返事をするだけでタバサは視線を劉鳳から逸らしただけだった。まるでなにかから逃げるように。
◇ ◆ ◇
xx
真・絶影が飛行する位置から大分東側に位置する地点で二人の男を乗せたバイクが疾走する。
真・絶影に乗る劉鳳達と同様に新たなる合流者、ブラボーと合流するために変電所を目指すという目的を持って。だが乗っている二人の男の様子は全く正反対のものだった。
「もっと速度は出せないのか服部!? このままでは劉鳳のヤツが先に着いてしまうぞ!」
少し慌てている男の名はアミバ。
元の世界でケンシロウに殺された後にこの殺し合いに呼ばれたアミバであったがもう以前の彼ではない。
一人の反逆者(トリーズナー)、シェルブリットのカズマとの交流で以前のアミバの人生に全く無縁だった『信念』、『反逆』の精神を受け継いだ事で彼は変わっていたのだ。
そしてそのカズマと同じように劉鳳に対して一種の対抗心を燃やしているのもまた何か運命を感じさせている。
「だぁぁぁーっ! これが限界ギリギリや! 大体競争とかしてるわけでもあらへんしそんな事気にすんなや!」
一方しきりにバイクの速度を上げろと促すアミバに対して明らかな苛つきを覚えている色黒の青年の名は服部平次。
服部が元居た世界では『西の名探偵高校生』と称される程にちょっとした有名人であり、
そしてたった今、遂に蓄積された鬱憤が溜まり大声を上げた青年である。
「……すまん」
「解ればいいんや! しかしホンマに仲が悪いやっちゃな……」
素直に自分の非を認めてアミバが口にする謝罪の言葉に服部は応える。だが服部はある不安を抱えていた。
言うまでも無くアミバと劉鳳の不仲であり、先程自分が身体を張って介入しなければ不要な血が流れる事態になったかもしれない。
アミバと劉鳳が正面から本気で衝突すれば自分やタバサなどひとたまりもなく、その辺に落ちている小石と同等の扱いとなる事は決してあり得ない事ではない。
「俺は悪くない。そもそもあの劉鳳のヤツがだな……」
「はいはいさよかー」
心の中で「どっちもどっちやろがー!」と渾身のツッコミを行って服部はアミバの返答を軽く流す。
服部自身は口に出しても別に良いと思っていたがそんな事を言えばアミバがまた何か言い訳まがいな事を言うだろうと思い、止めておくことにしたのだ。
それにそんなくだらない事より服部は気になる事があった……勿論、キャプテン・ブラボーという彼にとっては劉鳳の話でしか知らない新たな合流者の事についてだ。
(なんでキャプテン・ブラボーって偽名を名乗ってるんやろなぁ……もしかして何か自分の本名を隠したい理由でもあるんか? まぁこれは本人に直に聞くのが一番やろな)
探偵という立場上どうしても偽名を使っているブラボーにあまりいい印象はもてない服部だったが直ぐにその事について推理する事を一旦保留する。
不器用ではあるが明らかに悪人とは言えない劉鳳が信頼している人物であるブラボー。
その事実だけで今の服部には充分だったからだ。
そしてバイクは未だ疾走を続ける……エリアA-8を目指して。
◇ ◆ ◇
xxx
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
エリアA-8で始まった吸血鬼、アーカードと錬金の戦士、キャプテン・ブラボーの闘争は未だ熾烈さを伴って続いていた。
闘争の幕が上がり、未だ数分しか経っていないという時間的要因も当然あるが、アーカードもブラボーは今まで過酷な激闘を潜り抜けてこの殺し合いに呼ばれた者達。
そんな彼らが僅か数分で終わる闘争を行うわけがない。
そしてブラボーがまるで獣ような叫び声を上げながらアーカードに向かって、右の拳を普段の彼からは想像が付かない程暴力的に拳を揮う。
「グッ……いい攻撃だヒューマン!」
顔面にブラボーの右の拳がブチ込まれたにも関わらずアーカードが仰け反ったのはほんの一瞬の事、瞬く間に幾多の鮮血に漬かってきた吸血鬼の腕を横方向に恐るべき速度で振り抜く。
当然ブラボーの上半身を切り裂くために拳ではなく、手刀の形を作りながらだ。
吸血鬼には吸血をする事で同属を増やす事や己の身体の事故修復能力など恐るべき力を備えている。
だが何と言っても吸血鬼の真の恐ろしさは……そう極めてシンプルに力が人間に較べて
ケタ違いに強いことだ。
そんな力で繰り出される手刀は容易にブラボーの身体を切り裂く事は出来るだろう……但し、当たればの話だが。
「甘い!貴様は必ず俺が――」
身体を一気に屈める事により、ブラボーの頭上でアーカードの腕が不気味な轟音をたてて振り抜かれる。
驚異的なスピードだがブラボーも只の人間でなくホムンクルスを掃討するために結成された錬金戦団の戦士長であり、一流の徒手空拳の技術を誇る男。
かなり危ない所だったがブラボーはアーカードの腕を回避、そのまま身体を元の高さに起き上がらせるため大地との反発力を利用して右足を上方に向かって蹴り上げる。
狙いはアーカードの喉、人体で主要な部位の一つである延髄に衝撃を喰らわせるために。
てstてst
「俺が? 俺がこの私にどうするというのだ? 狗のように吼える貴様は私に何を見せてくれる!?」
アーカードも只ブラボーの攻撃を受けているだけでない。
咄嗟に空いていた左腕で自分に向かって蹴りこまれてくるブラボーの右足を掴む。
やはり先程ブラボーに叩き込まれた打撃や自分の攻撃が空振りに終わった事に対して悔しさはなく、寧ろ嬉しそうな表情を浮かべながらアーカードもブラボーと同様に
叫ぶ。
そして左腕に力を込め、アーカードはブラボーの右足をその吸血鬼の力で締め上げようとする。
「言うまでもない! 俺が貴様の――」
だがブラボーは全く慌てる様子もなく、右腕でアーカードの左腕を殴りつけ圧倒的な力による右足の拘束を解く。
いくらブラボーが戦闘に慣れていると言ってもあまりにも早すぎる反撃行動。
実はブラボーは自分の右足による攻撃はアーカードと今まで闘った実体験、そして散を倒したという事実から防御される事は予想していた事が関係していた。
そのためアーカードに締め上げられる前に反応する事が出来たというわけだ。
「死を見せてやる! 貴様はこのキャプテン・ブラボーが必ず殺してみせる!」
キャプテン・ブラボーは怒りに身体を震わせていた。
普段のブラボーがとても言わないような「殺す」という単語を何の抵抗もなく口に出せる程に。
何故カズキや桐山のような子供達が死に、こんな屑みたいな異常者アーカードが今ものうのうと憎たらしい笑いを浮かべてこうして生きているのか?
ブラボーの心は疑問のピースで埋まっていき……ついには怒りという文字のパズルが出来上がってしまった。当然ブラボーの怒りは未だ収まろうとはしない。
「うおおおぉぉぉぉぉ!!」
ブラボーの右拳による打撃で一時的にアーカードの左腕に痺れが走る。
そしてブラボーは腰を落とし、同様に両腕も自分の腰の高さまで落とし構えを取る。
ブラボーが持つブラボー技(アーツ)13の内の1つを繰り出そうとする。
sien
「粉砕! ブラボラッシュ!!」
散が纏う強化外骨格霞にはさしたる効果を与えられなかった両拳による怒涛のラッシュ。
だが今のブラボーは散と闘った時よりも更に大きな怒りを、桐山に託され、更に重さを増したこの殺し合いを潰すという使命がある。
散との闘いで繰り出した時以上の速さでブラボーは両の拳を縦横無尽にアーカードの身体に叩き込み、アーカードの身体から噴出される鮮血がブラボーのシルバースキン形コートを朱色に染めていく。
まさに獲物の返り血を浴びた悪魔の存在を象徴するかのように。
だが…………アーカードは吸血鬼だ、こんな事で倒れはしない。
「捕まえた」
遂にアーカードは今まで暴れまわっていたブラボーの左腕をしっかりとその腕で掴む。
吸血鬼の力を片腕で振りほどく事は言うまでもなく容易でない。
その事をブラボーも当然理解しており、未だ拘束を受けていない右腕を叩き込む事によりアーカードの拘束から逃れようとする。
だがブラボーがその行動を行おうとする前に突然彼の視界は真っ白の世界で閉ざされてしまう。
一瞬何が起こったか理解出来ずにいたブラボーだったが自分の顔に違和感を感じ、何が起こったかを遂に理解する。
「豚のような悲鳴を上げろ」
ブラボーが感じた違和感の正体はアーカードの掌の感触だった。
そう、アーカードの手がブラボーの顔を掴み、彼の手を覆う白い手袋がブラボーの視界を覆っていたからだ。
更にアーカードはブラボーの顔を掴みながら彼の身体をその圧倒的な力で大地に叩きつけ、ブラボーの身体を無理やり仰向けの体勢にさせ……そのまま疾走を開始する。
「があああぁぁぁぁぁ!!」
アーカードに引きずられる事でブラボーの頭部、背中、肩、足などが地面と擦れ彼のコートを、肉までも引き裂いていく。
そのアーカードの圧倒的な力、走力で生み出されるダメージはブラボーの身体を確実に蝕み鮮血を滴らせる事になる。
そしてそのままアーカードは片腕で軽々とブラボーの体を前方に投げつけ……勢い良くブラボーの体は大地に放り出された。
放り投げられたブラボーは咄嗟に体勢を整えようとするが……
「さぁどうしたヒューマン? まだまだお楽しみはこれからだ」
一手早くアーカードの手には巨大な拳銃、フェイファーツェリザカが握られており、その照準は真っ直ぐブラボーの方に向けられていた。
フェイファーツェリザカの引き金に掛けられた指が動き、一切の躊躇なく引かれようとした瞬間……
「剛なる右拳、伏龍!」
異形の拳がアーカードの腹に撃ち込まれ、思わずアーカードの身体を数歩引かせる事となる。今この場にもう一つの『正義』が降り立った。
◇ ◆ ◇
劉鳳にはアーカードという人物について当然知っていた事は何一つなかった。
だが一つだけたった今極めて単純な事だがわかった事がある。
それはアーカードがブラボーを放り投げた瞬間で完全に確定事項となった……アーカードは紛れもない敵だと言う事が。
何故そんな事が言えるか……アーカードは自分の仲間であるブラボーと闘っている。
その事実だけだがあまりにも充分すぎる理由と言えるからだ。
「まだだ! 剛なる左拳、臥龍!」
タバサを抱え、真・絶影から劉鳳がブラボーの傍に降り立つ。
更に真・絶影の左腕を先程の右腕と同じように射出、完全な悪と断定できるアーカードに追撃の拳を喰らわせる。
真・絶影の右拳だけでは踏みとどまっていたが、更に左拳まで撃ち込まれてはアーカードも体勢を崩し、そのまま両拳に押し込まれる形で変電所の壁に勢い良く叩きつけらる。
更にアーカードが叩きつけられた箇所は奇しくも先程ブラボーが激情に任せて拳を殴りつけたそれと同一の位置。
アーカードの巨体が飛び込まれた事により、脆くなっていた変電所の外壁が崩れ、音を立ててアーカードの身体は瓦礫の雨に埋もれていく事になる。
「無事かブラボー!?」
「すまん! 助かったぞ劉鳳!」
ブラボーに腕を差し出し、彼の体勢を整える動作を補助しながら劉鳳が訊ね、それにブラボーが帽子を拾い上げながら答える。
だが彼らの表情は決して再開を祝うようなおめでたいものではなかった。
すまんブラボー……俺の力が足りなかったばかりに良という男に平賀を……」
「俺も同罪だ劉鳳……俺の身代わりになって桐山は散の手で……」
第二回定時放送により、互いの失態については知っていたが劉鳳とブラボーの二人はそれぞれの不甲斐無さを自分の仲間に打ち明ける。
共に『正義』を打ち立てると誓い合った仲間に対して。
そんな二人のやりとりをタバサは不思議そうにだが、一時も目を逸らさずに凝視していた……何かを見出すように。
「ところでこの少女はどうしたんだ?」
「ああ、その子の名はタバサ。俺の新しい仲間であり、後二人こっちに向かってきている。
そして……平賀の知り合いだ」
「よろしく」
「そうか……」
そんなタバサの視線を感じ、ブラボーは劉鳳に訊ねるがその答えを聞き、思わず顔を下げる。それは劉鳳本人も同じ事であり彼もまた項垂れてしまう。
「それよりもあの男は一体何者だ?」
「奴は正真正銘の悪、吸血鬼アーカードだ。それにあの散を倒し、奴の記憶を持っているとも言っていた」
「あのアーカードという奴か! それに散を倒しただと!?」
アーカードについてブラボーの返答を聞き、劉鳳は思わず驚愕する。
一度散に負けた身として散の力は充分に知っているから当然な事だ。
自分が散と闘った、ブラボーが散と闘った時間を計算するとアーカードはつい先程まであの散と闘っていた可能性がある。
そんな状況でもあるに関わらずアーカードが真・絶影の剛なる右拳、伏龍を受けても立っていた事に劉鳳は驚きを隠せない。
「ならば一応奴が死んだかどうか確認するべきだ!」
「確かにそうだな……まぁ恐らく死んでいるとは思うが」
劉鳳の提案にブラボーが相槌を打ち、賛成の意を示す。
だが実際のところ二人とも恐らく確認など意味のない事だと思っていた。
既に散と闘っていたという事実、ブラボーの打撃、真・絶影の拳、そして変電所の外壁の破壊による瓦礫の落下。
これ程までのダメージをアーカードは負っていたのだから二人が安心する事も無理はない。
そう思い劉鳳は絶影を解除し、あまり警戒せずに二人はタバサを残してアーカードが埋まっている地点に歩を進めるが……それは間違いだった。
しえん
xxxx
BANG!
突然聞きなれない轟音が……銃声が辺り一帯に響き渡り、瓦礫の隙間から一発の銃弾が劉鳳とブラボーの方へ向かってくる事になった。
絶影を発動する事は間に合わず、二人は咄嗟に横方向に飛びのき難を逃れる。
しかしそれは完全に逃れたとは言えなかった。
「「逃げろ! タバサァァァァァ!!」」
そう、その銃弾は偶然にもタバサの方へ……いや、アーカードはこれを狙っていたのかもしれない。
この危機的状況を劉鳳とブラボーがどう回避するかを見るために。
だがたった今体勢を崩した劉鳳とブラボーにはタバサを守る事は出来ず、只大声を上げてタバサに逃げろと言う事しか出来なかった。
撃鉄を起こされる事で撃ち出された銃弾が真っ直ぐタバサの方へ進んでいく。
その銃弾を目の当たりにしてタバサは只、凝視するだけで動く事は出来なかった。
やがてタバサの視界が黒一色に……否、銀一色に染まる。
何故タバサの視界は銀色に染まったのか?それは……
「武装錬金!!」
そう、たった今シルバースキンを纏ったアミバがタバサの頭上を飛び越え、彼女の前に立ち、迫り来る銃弾をシルバースキンで防いだからだ。
今二つの『正義』と『吸血鬼』が奏でる『闘争』という演舞に『反逆』という役者が介入した。
◇ ◆ ◇
今まで服部とアミバを乗せ、疾走していたバイクだが突然調子が悪くなりエリアA-8東部に停車してしまっていた。
そのためアミバが一足先に変電所に向かう事になっていた。
大地を蹴り、疾走を続けるアミバの視界には劉鳳とシルバースキンと全く同じ服を纏った男がタバサの元を離れ、瓦礫の山に向かっていた二人が入ってくる。
(大の男が二人雁首を揃えて何を探しているというのだ?)
何をやっているかわからない二人に対して疑問を抱いたアミバはその疑問を解くために取り合えず跳躍する事にした。
この事が偶然にもタバサを救った事はアミバにとっても知る由もなかった。
「大丈夫かタバサ!?」
「うん、大丈夫」
さすがに驚いた表情をしたタバサにアミバは声を掛ける。只、ひとえに自分の仲間であるタバサの身を案じて。
「アミバ! お前……服部はどうした!?」
「服部ならバイクとやらの故障で未だ後ろに居る! それよりその男が――」
「キャプテン・ブラボーだ! 宜しく頼ぞアミバ!」
どことなく何かを認めたような表情をした劉鳳とブラボーも直ぐにアミバとタバサの元に駆けつける。
そして簡潔に互いの状況、身の上の情報について劉鳳、ブラボー、アミバは交換を完了する。
その短い情報交換の中でブラボーは自分のシルバースキンをアミバが纏っている事に驚きは隠せない。
本来核鉄は使用者の闘争本能を具現化する事で精製される唯一無二の武器である。
よってアミバがシルバースキンを発動する事など有り得ない事であったがブラボーはその疑問について考える事を一時中断する。
その謎は後で考えれば良い事であり、それよりもブラボーの心には喜びがあった。
一つは勿論タバサに怪我一つ無かった事、そしてもう一つは自分のシルバースキンを扱う人物がこの殺し合いに乗った人物で無かった事だ。
未だブラボーはアミバについてあまり知っている事はない……だが、彼はアミバの瞳を見て全てを悟った。その『正義』に燃える瞳を見ることで。
きたああああああああああああ!!
しえんすた
「こちらこそ頼むぞ! キャプテン・ブラボー!」
力強い手でアミバとブラボーは握手を行い、互いを同じ意思で闘う同士として認める。
だが彼らが今行う事は互いの交流を深める事ではない。
直ぐに握手を解き、劉鳳、ブラボー、アミバの三人は一点をその鋭い両眼で見つめる。
「HAHAHAHAHAHAHAHA! アミバと言ったか? 貴様の名は散の記憶にはないようだ。
おもしろい! さぁ化物であるこの私を倒してみせろヒューマンども!!」
「「「ほざけぇ!!」」」
瓦礫の山からアーカードが全身から血液を滴らせ姿を現し叫び声を上げる。
やはり闘争の幕は未だ降ろされる事は許されないようだ
◇ ◆ ◇
「やっぱボコったらなんとかなるもんやな〜もうすぐ変電所が見えてくる筈やな」
ほんの数分前、アミバが走り去っていた後直ぐに服部は突然調子が悪くなったバイクに蹴りを叩き込む事によってなんとか動かす事に成功していた。
やはり所詮此処で調達した品で拵えたものだったからうまくはいかないのか?
そんな事を思いながら服部はバイクを走らせ続ける。
「おっ! よおータバサ、劉鳳――――――――って何やってんのや!?」
背中を向けて前方を向いていたタバサと劉鳳に声を掛け、自分の存在をアピールしようとした服部だったが彼らの前方で行われている状況に服部は驚愕する。
そこには赤いコートを着た見慣れない男、アーカード。
全く同じではあるが片方はボロボロな状態になっている白銀のコートを纏った二人の男、ブラボーとアミバ。
そして巨大な尾を持ち、縦横無尽に飛行する銀色のアルター、劉鳳が操る真・絶影が熾烈な闘いを繰り広げていた。だがそんな時ブラボーの怒声が上がる。
てすとしてんxxxx
「アミバ! 俺にシルバースキンを貸せ! それは元々俺のもの! 俺の方がうまく扱える!」
「確かにこれは元々お前のものらしいな……だが断る! これはカズマが命を挺してある男から奪ったもの! これは譲ってやるわけにはいかん!」
ブラボーと闘った時より機敏な動きで繰り出されるアーカードの打撃を避わしながらブラボーとアミバは言い争う。
やはり核鉄の謎について知りたかったブラボーはアミバに聞いた情報から何故かは解らないが核鉄で発動する武装錬金は固定されている事がわかった。
そのためブラボーがアミバにシリアルナンバーLXI (61)の核鉄を譲って貰っても意味がない事からアミバに返還するように促し、それをアミバが拒否しているのだ。
「アミバ! 貴様……どういうつもりだ!?」
「貴様の意見など聞いていないぞ劉鳳!」
「何ッ! 貴様ぁ!!」
「この核鉄は言うなれば俺の反逆の証! 軽くはないのだ!!」
劉鳳の言葉にアミバは必要以上に反応し、同様に劉鳳も必要以上に反応する。
二人とも数時間前の衝突の事を根に持っているのだろう。
今にもあの時のように闘いを繰り広げてしまうかもしれない状況に、杖がないため碌に闘う事が出来ないタバサは思わず心配を隠せない。
今まで捜し求めていたものを返せと言った事を完全に拒否されたブラボーも表情は険しく、力づくでも取り返そうかという考えも伺える程だ。
またこの場に居る人物共通の敵であるアーカードは不適な笑みを浮かべ拳による打撃、フェイファーツェリザカによる銃撃を続けている。
そしてたった今この場にやってきた服部は……
「なにやっとんじゃあーーーーーおのれらはぁぁぁ!!!」
ありったけの声で叫ぶ事にした。
「「「服部!?」」」
服部の大声と共に、服部が到着していた事に驚いた劉鳳、アミバ、タバサまでも声の大きさに違いはあれども声を上げる。
服部の名を知らないブラボーは只唖然とした表情をし、アーカードは依然笑ったまま動作を止め服部に視線を向けていた。
「オレらは仲間やろ!? ほんならなんでそんなオレらが言い争ってるんや!
そんなヒマがあるんなら……さっさとそのケッタイな怪しいおっさんを止める事が先やろがぁぁぁ!!」
そう言って服部は本来の世界でマーティン・ジグマールが使用していたスーパー光線銃を取り出し、アーカードに向かって引き金を引く。
未だ人を殺す決断が出来ていない服部はアーカードの足を狙い、アーカードの動きを封じようとするが所詮服部は銃器の使用に関してズブの素人。
アーカードの足に直撃する前に、地面に当たり無駄に終わってしまう。
その服部の様子を見てアーカードは口を開く。
「ククク、服部と言ったか!? 一見何も力がない只の餓鬼がここまで言い切れるとはな!
さぁ劉鳳! キャプテン・ブラボー! アミバ! 貴様達はこの餓鬼を見てどう足掻く!?
お喋りの時間はもうお終いだ!!」
今のアーカードは気分も良く、身体の状態もとても良好だった。
何故ならアーカードは瓦礫に埋まっていた間、散のデイパックから取り出した紙を破り、出現した輸血パックにより充分な血液を補充していたからだ。
そんな服部とアーカードの言葉を聞き、劉鳳、ブラボー、アミバは俯くが……直ぐに顔を上げ、ブラボーとアミバは劉鳳、タバサ、服部の元へ跳びアーカードの方へ向ける。
「すまん服部……俺達は大事な事を忘れていたようだ……」
そう言って劉鳳は左腕をタバサ、服部の方へ向ける。
アーカードの全ての攻撃から守ってみせると誇示するかのように。
「そうだ……今俺達がやるべき事は確かに言い争う事ではない……」
そう言ってブラボーは腰を落とし構えを整える。
アーカードに対して渾身の一撃を叩きこむと威嚇しているかのように。
「今は只俺達が……やるべき事、貫く事は……」
そう言ってアミバは一瞬両目を閉じる。
アーカードに対してかけがえのない仲間達と共に対峙出来るきっかけを作ってくれたカズマに礼を送るかのように。
「ほう? それで何をすると言うのだ貴様達は!?」
「「「貴様を倒す事だ! アーカード!!」」」
刹那。
真・絶影がアーカードに圧倒的な速度で突撃する……その背中にブラボーとアミバが飛び乗り、二人の仲間を乗せたまま。アーカードに対して鋭い眼光を向けながら。
かめはめ波
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ! 流星! ブラボー脚!!」
フェイファーツェリザカから放たれた銃弾から回避した真・絶影から飛び降りたブラボーがブラボー技(アーツ)13の内の1つの名を力強く叫び、アーカードに向けて強烈な蹴りを繰り出す。目前の悪であるアーカードを打ち倒すために。
「グッ! やってくれるなキャプテン・ブラボー!」
アーカードの鳩尾に斜め上方向から飛び込まれたブラボー脚がブチ込まれる。
肉が千切れていくのを感じるがアーカードはすぐさまに左腕で同様にブラボーの腹に拳を叩き込み彼を後方へ吹っ飛ばす。だがアーカードは気を抜く事は許されない。
「劉鳳! 絶影の動きを俺に合わせろ!」
「やってみせろアミバ!」
そう言ってアミバも高速で動く真・絶影から飛び降りる……だが、アーカードに向かってではなく彼が位置する場所より遥か左後方に向かって。
そしてアミバを降ろした事により、更に速度を増した真・絶影が高速でアーカードを撹乱しながらアミバが目指す位置へ向かう。
訝しげにアミバと真・絶影の動きを追うアーカードだったが劉鳳とアミバが逃げるわけはないと思い、警戒をするがその動作は一足遅かった。
「くらえ! 鷹爪三角脚!!」
予め移動していた真・絶影の身体を蹴り飛ばす事による反発力を利用し、俗に言う三角蹴りを今まさに振り向こうとしているアーカードに向けて繰り出す。
「グフッ! しかしそれでは心臓をくれてはやれんな!」
アミバの動きを追っていたため、アミバの狙っていた背中には鷹爪三角脚が叩き込まれず代わりにアーカードの右肩に叩き込まれる結果となる。
その衝撃にアーカードは思わずフェイファーツェリザカを地面に落とすが、即座に身体を左方向に回転し、空いた左の裏拳をそのままアミバの腹に叩き込む。
シルバースキンの能力でダメージはないがあまりに強い拳の勢いによりアミバは地面に叩き落され、それを確認した後即座にアーカードはフェイファーツェリザカを拾い上げる。
だがその拾い上げるという動作で一瞬アーカードは見失ってしまう……依然飛行を続けている真・絶影を。
「アーカード!貴様ぁ!!」
劉鳳の怒声と共に真・絶影の蛇のような巨大な尾がしなりを帯びながらアーカードの頭部を打ち付ける。
アーカードもお返しと言わんばかりに拳を揮う。
その拳から逃れようと真・絶影はアーカードから一旦距離を取ろうと離脱しようとするがアーカードは咄嗟にフェイファーツェリザカを手放し、尾の部分を掴みその行動を妨害していた。
「ぐはぁ! まだだ! まだ俺の正義は砕けてはいない! 絶影!!」
真・絶影の左肩にアーカードの拳が叩き込まれた事で劉鳳にもダメージが伝達され、思わず左肩を押さえてしまうが構わず劉鳳は真・絶影に向かって叫ぶ。
劉鳳の声を受け、真・絶影の腋に装備された剣のような鋭利な部位を上方に稼動させる。
そして充分な距離まで掲げたその部位を一気に振り下ろす。
鋼鉄もダイヤモンドも空間ですらも切り裂く真・絶影最大の技――
「断罪断!!」
剣のような鋭利な部位の稼動により繰り出される断罪断の真空刃とも言える刃が真っ直ぐアーカードの身体を一刀両断するために向かう。
みすみす一刀両断される義理は当然ないアーカードは身体を逸らす事で回避しようとするが反応が遅れ、右肩ごとアーカードの右腕は切り落とされ、鮮血を撒き散らす。
「HAHAHAHAHAHAHAHA! 楽しい! 散との闘争と同じくらい楽しいぞ!」
今まで倒れこんでいたブラボーは既に起き上がり、アミバも今起き上がろうとしている。
だがこんな危機的状況にも関わらずアーカードは依然笑みを崩さない。
「貴様達は全てのカードを出した! なら私も出そうではないか!この闘争を盛り上げるためにもな!」
そう言ってアーカードは予め散のデイパックから取り出し、入れておいたエニグマの紙をコートのポケットから出し、それを破り捨てる。
その瞬間アーカードの手に一枚のDISCが握られ、劉鳳、ブラボー、アミバの三人は思わず目を疑う。
三人ともそのDISCと同質のものを見た事があるからだ。
だが見たことがあるだけでそれがどんな意味を示すかはいまいち解らなかったが。
「こんなものでスタンドが手に入るとは全く持って興味深い!
感謝の意を示してやろう徳川光成!闘争という形でな!」
そう言い放ちアーカードは己の頭部にそのDISCを文字通り差し込む。
一度桐山がやっているところを見ていたブラボーに驚きはないが彼以外の全員はアーカードの予想外の行動に驚く。
その瞬間……全身のところどころにテントウムシの形をした装飾、肩には天使の羽のような装飾が施され、まるで頭部がテントウムシそのものとも言える黄金の人形がアーカードの傍に浮いていた。
「ゴールドエクスペリエンス、『黄金体験』か……味な名を付けたものだ」
そうアーカードが破りさったエニグマの紙には『ゴールドエクスペリエンスのDISC』という文字が書かれていた。
ザ・ワールドのスタンドを持つDIOの息子であり、気高き覚悟と果てしなき夢を持つ少年……汐華初流乃、またの名をジョルノ・ジョバァーナが持つゴールドエクスペリエンスの名が。
突然現れたゴールドエクスペリエンスに対して、五人は思わず身構える。
そんな彼らの行動を尻目にアーカードは既に空にしておいた散のデイパックに入っていたペットボトルを取り出し……ゴールドエクスペリエンスの拳で殴らせた。
「「「「「何!?」」」」」
勿論ペットボトルを殴らせた事も理解不能な出来事だったが、その事よりもゴールドエクスペリエンスの拳を受けたペットボトルが瞬く間に、無数の植物の蔦のようなものに変化していく現象に驚きを隠せなかった。
「ゴールドエクペリエンス! 生命を創り出すという力を私のような吸血鬼が使うとはなんと奇妙な事か!」
そう言ってアーカードはゴールドエクスペリエンスによって作り出され、今もなお成長を続ける植物の蔦を真・絶影に向けて投げつけ、真・絶影の動きを拘束し自分の方向へ引っ張る。
しかし所詮ゴールドエクスペリエンスによって生み出された蔦は金属などに較べて遥かに脆い。
真・絶影が現在成長している分の蔦を全て切り裂いたが既にアーカードの拳は真・絶影の目前まで迫っていた。
「ぐぉ!」
腹に渾身の拳を受け、真・絶影の腹部に穴が空き、劉鳳は思わず膝を付く。
更に依然成長を続ける蔦を真・絶影の身体に括り付け……強引にブラボーとアミバが居る方向に振り回し、薙ぎ払った。
アーカードと真・絶影の間で結ばれている屈強な植物の蔦がブラボーとアミバを巻き込む事で思わず彼らの体勢は崩れ……両の足で立っているのは遂に今まであまりにも早い闘いのせいで迂闊に後方支援が出来なかった服部とタバサだけとなる。
「まずは貴様から殺すとするか劉鳳!」
そう言った途端服部とタバサの前で苦渋の表情を浮かべ、地に膝を付いていた劉鳳に向けてアーカードがフェイファーツェリザカの最後の弾丸を引き絞る。
度重なるアルターの発動と破壊、そしてたった今受けたダメージにより最早劉鳳に銃弾を叩き落す程の速さで真・絶影を動かす力はなかった。
「「劉鳳!」」
劉鳳の仲間であるブラボーとアミバも体勢を整えて彼を救うために動こうとするが到底間に合う距離でない。
(俺は……ここで終わるというのか!?)
銃弾が迫り来る瞬間、劉鳳はふと思う。
進化の言葉、s.CRY.edを今この場で唱えても間に合いはしないだろう。
柄にもなくこの状況を劉鳳が受け入れようとした瞬間……彼を突き飛ばす何かがあった。
突き飛ばされ崩れ行く体勢の中劉鳳は思う。
自分の身体はこんなにも軽かっただろうか?それほどまでにも負傷しているのだろうか?
だがそんな考えを一瞬のうちに中断し、劉鳳は今まで自分が居た位置に両目をやり、自分を突き飛ばした何かを確認しようとする。
「なっ…………に?」
其処には胸に自分の代わりに鉛球を撃ち込まれ、口や胸から夥しい血液を撒き散らしている人物が虚ろな目で今にも倒れそうな様子で立っていた。
勿論その人物は劉鳳の仲間の一人――
てすとてすとああ
「タバサァァァァァ!!」
そう、水色の髪を生やす少女、タバサがその場で立っていた。
「何故だ! 何故俺のためにお前がこんな事を……」
出会って未だ数時間しか経っていなく、碌に話した事と言えば先程真・絶影の上で話した時くらいだけだ。
劉鳳以外のブラボー、アミバ、服部の三人もタバサの予想外の行動、彼女の状況に呆然とした表情を浮かべる事しか出来ない。
そんなタバサは銃弾を喰らった部位が予想以上に悪く、とても声を出せるような状況ではなく、その事が劉鳳達を更に不安にさせていく。
「HAHAHAHAHAHAHAHA! 滑稽だなぁ劉鳳!? 散の記憶では貴様の力が足りないせいで平賀才人が死んでいたが今のこの状況はどうだ!? 何一つ変わっていない! 何一つ守れていない! 貴様は只吼えるだけの狗ということか!!」
大声を上げて嬉しそうに言い放つアーカードを見て、劉鳳は只無言で……それでいて怒り一色の表情を浮かべアーカードを睨み、タバサをそっと地面に置こうとする。
アーカードに『正義』を打ち立てるために。だがそれを制止させる者が存在した。
「待て、劉鳳。タバサの脈を取れ」
「何だと?」
「いいから早く取れ、グズグズするな!」
劉鳳に言葉を掛けた男はブラボー。
ブラボーは仲間がアーカードの銃弾に仲間が倒れたという事実はなんとしても認めたくはなく、アーカードに対して揺ぎ無い怒りを抑えて劉鳳にタバサの生死を確認させようとしていたのだ。
もしここでタバサの脈が無ければきっとブラボーは即座に怒りを露にしながらアーカードに飛び掛っていただろう。
「脈は……ある! 未だ生きている!」
その劉鳳の声を聞いて、ブラボー、アミバ、服部の三人は安堵の表情を浮かべるが彼らが依然危機に直面している事に変わりはない。
そんな彼らをアーカードは興味深そうに観察している。
この人間達は自分に対してどう動くか? どうやって殺しに掛かるのか?
そんな事をアーカードが考えていると劉鳳が再び真・絶影を動かし、アーカードはそれに応えようとするが。
「劉鳳! ここは俺達に任せて一刻も早く絶影でタバサを病院へ連れてゆけ!」
「何ッ!? し! しかし……」
依然危険な状況であると思われるタバサの身体をブラボーは案じ、劉鳳に離脱するように促し、それを劉鳳は苦渋の表情で渋る。
普段の劉鳳なら怒声一発でそのブラボーの言葉を退ける筈だが当然彼もタバサの身体を案じていたからだ。
更にそのタバサが自分を庇い銃弾を受けてしまったので尚更劉鳳が気に掛けるのも無理は無い。
「お前の絶影なら俺達の中で誰よりも早く病院へ辿り着ける! 行け! 行って必ずタバサの命を救え劉鳳!!」
そんな苦悩する劉鳳に対してブラボーは先程よりも強い調子で促し続ける。
一人でも多くの仲間を、人を救うためにここは劉鳳に己の取らせるべき道を行かせるために。
「……わかった。此処は任せるぞ! ブラボー、アミバ、服部――」
「待て、これを使え劉鳳!」
「こ!これは……」
ブラボーの提案を遂に受け入れた劉鳳が真・絶影を自分の元へ動かし、タバサを抱え飛び乗ろうと試みるがそれをアミバが制止する。
更にアミバはシルバースキンのポケットからある物体を取り出し、劉鳳に投げつけ、咄嗟に劉鳳はそれを受け取る。
「核鉄か!」
そう、劉鳳の手に握られたそれはシリアルナンバーLXI (61)の核鉄、黒死の蝶ニアデスハピネスを発動する核鉄。
以前自分も二つの核鉄で身体を治癒していた劉鳳は即座にアミバの意図を理解し、タバサの小さな手に核鉄を握らせ、銃弾を受けた胸に彼女の手を添えさせる。
これだけでタバサが助かるかどうかはわからないがやらないわけにはいかない。
「行け劉鳳! 貴様の正義は一人の少女も救えん脆いものでは無い筈だ!」
「頼むで劉鳳! まさかアンタの絶影はもう根を上げてるわけじゃないんやろ!?」
アミバと服部の言葉が劉鳳の両の鼓膜を震わし……彼の心までも震わせる。
幼い頃読んでいた少年漫画で感じた何か心の奥底を熱くさせる不思議な感覚。
最早劉鳳にアミバと服部に対しての心の壁は崩れさろうとしていた。
「当然の……肯定だ! 俺を誰だと思っている!? 俺は銀色のアルター、絶影を持つ劉鳳だ……必ずタバサの命は救ってみせる!!!」
そう言って完全に迷いは振り切り、劉鳳は真・絶影にタバサを抱えながら飛び乗る。
ブラボー、アミバ、服部の三人に一瞥もくれず真・絶影を大空に向かって飛ばす。
何故なら劉鳳は信じているからだ……彼の仲間達は必ずアーカードを打ち倒し、また病院で出会えるという事を。
「ククク、二人退場したか……それで? 貴様達はどうする!?」
真・絶影が飛び去り、一部始終を眺めていたアーカードが両腕を広げて三人に問いかける。
無論、彼らのやる事は決まっている筈だ。
「言うまでもない!貴様を――」
「いや! アミバ! 服部! ここは俺に任せろ! お前達は劉鳳を追って共に病院へ行け!」
タバサを撃ったアーカードに対して隠しようの無い怒りを顔に滲ませながら叫ぶアミバに対し、ブラボーが左腕を水平に翳し彼に制止を呼びかける。
だがその言葉は何故かアミバと服部に此処から離れるようにと意図するもの。
当然アミバと服部……特にアミバの納得がいくはずがない。
「どういう事だブラボー? 何故俺達まで!?」
共に目の前の悪、アーカードを打ち倒す目的を持った仲間が言った突然の言葉の意味がアミバにはわからなかった。もしや自分の信念が疑われているのか?そんな事すらも一瞬思ってしまう程に。
あ
てすとあいうえお
「劉鳳は頼りになる男だ……だが、熱くなり過ぎて必要以上に誤解を出会う人に与えてしまうかもしれない。だから! お前達には劉鳳のフォローをして貰いたい!」
口と胸から血を流したタバサ、そしてそのタバサの血で塗れた両腕で彼女を抱え、真・絶影という異形のものに乗っている劉鳳。
この状況で事情を知らない人物が劉鳳を発見すれば悪い印象を持つのは有り得ない事でなく、更にあまり社交性に優れているとは言えない劉鳳である。
それならばアミバと服部も真・絶影に乗せてもらうか?と一瞬ブラボーは考えたが直ぐにその考えを却下した。
何故なら劉鳳は既に疲弊し、真・絶影も四人を乗せるよりも二人だけを乗せた方が当然速い速度を出せ、迅速に病院を目指せると考えたからだ。
怒りに身を焦がしていると言えどもブラボーは錬金戦団戦士長であり、大勢の部下を束ねる男。どんな状況でも最善の戦略を練る事を忘れる事はない。
「ブラボーハンのゆうとる事はよーくわかった。けど一つだけ聞きたいことがあるんや」
劉鳳の性格は理解しているためブラボーのその提案に渋々納得の意を示したアミバに代わって今度は服部が口を開く。
未だ出会って数分しか経っていないがどうしても服部はブラボーの口から聞きたい事があった。
「ブラボーハン! そこまで言うのならアンタには勿論あのおっさんに勝つ勝算はあるんやろな!?」
当然服部は劉鳳とタバサ、特にこの殺し合いに一番最初に出会ったタバサの事は心配だったがブラボーの事もまた心配だった。
アミバと服部に向かって此処を離れろと言う事は自分一人であの恐るべき力を持つアーカードと闘うと宣言しているようなもの。
そして服部は叫ぶ……ブラボーの闘志を今以上に奮い立たせるためにも。
「オレらは必ず劉鳳とタバサとコナンっていうオレの知り合いと合流してこのけったいな首輪の謎を解いてみせる……ブラボーハン!
まだまだオレらがやるべき事はいくらでもあるんや!だからこんなところで死におったら……絶対に許さへんで!!」
自分の剣道の、柔道、銃器の技術では到底ブラボーの助けにはならない事は当然服部も解っている。
だが服部には『西の名探偵高校生』と称される程の類まれな頭脳があり、その彼がライバルと認め、彼とほぼ同等の頭脳を持つ工藤新一……またの名を江戸川コナンも第二回提示放送の時点でこの殺し合いで生存している事もまた解っているのだ。
だから服部はブラボーに宣言した……それぞれ出来る事をやろう、同じ目的のために、そんな事を大声で。
そんな服部の叫びをしっかりと聞き、ブラボーは何か返事を返そうとするがそんな彼にアミバは何かを投げつける。
「核鉄だと!?」
武装錬金を解除し、素顔を晒したアミバがブラボーに投げつけたのはシリアルナンバーC (100)の核鉄。
数分前アミバが譲るのを拒否した核鉄がブラボーの手に握られていた。
心底不思議そうな表情を浮かべるブラボーにアミバが言葉を発する。
「貴様の正義を貫くためにはその核鉄が必要なんだろう……?
なら使え!そして貴様の正義を貫いてみせろ!俺は俺の信念を貫く……俺に出来て貴様に出来無い筈は無いと俺は信じているぞ!!」
そう言ってアミバは方向を変え、バイクの方へ走り、そのまま飛び乗る。
既に服部はバイクの運転席の跨っておりアミバが後部座席に乗ったのを確認し、アクセルを踏み病院の方角を目指して行く。ブラボーの方を一度も振り返らずに。
「これで更に二人……貴様達全員で私を殺しに来ても殺せなかったのに貴様一人で私を殺せるのかキャプテン・ブラボー?」
アーカードの言う通り今ブラボーはたった一人であり、更にはアーカードにはゴールドエクスペリエンスがある。
あまりにブラボーにとって悪い状況……だが彼の眼は未だ死んではいない。
てすとてすと
「確かにそうだろうな……だが! 俺は今この場に決して一人で立っているわけではない!」
そう言ってブラボーは手に握られた核鉄を強く握る。
その瞬間、核鉄が展開を始め今までブラボーが着ていたコートと全く同じものを更にブラボーは纏う。
そう、無音無動作による武装錬金の発動。
だが完全には同じではなくボロボロだった以前のそれに較べて、どこにも汚れも破れもないがそれだけではない。
「劉鳳を救ったタバサ、タバサを救うため行った劉鳳、首輪の謎を解くと誓った服部、俺にシルバースキンを託したアミバ、既に死んだ桐山と平賀……彼らの全ての思いを受けて俺は今この場に立っている! 貴様に負けるわけにはいかないアーカード!!」
「HAHAHAHAHAHAHAHA! 楽しいぞ! キャプテン・ブラボー!!」
ブラボーが遂にシルバースキンを纏い、アーカードに突撃を開始する。
彼がこの殺し合いの場で知り合い、誓い合った幾多の仲間達の思いを背負って。
◇ ◆ ◇
アミバは考えていた。
これで自分は良かったのかと?
それはシルバースキンをブラボーに託した事ではなく、タバサの事についてである。
(俺がタバサの出血を止める秘孔を突いていれば……いや、駄目だ)
北斗神拳は応用次第で医療にも利用する事が可能であり、本来の世界ではアミバはその道を極めたトキの名を偽っていた。
だがその時の彼は医療などに興味はなく只最強の肉体を求めるために秘孔の研究をしていた……人間を人間とは思わない非道極まりない実験を繰り返して。
そのため彼には自信が持てず秘孔を突く事は出来なかった。
自分の仲間を死なせてしまうかもしれないという不安に怯えたため。
そしてあの時の自分をもう思い出したくないかのように。
(トキ、今程お前がどれだけ偉大な人物だったかが思い知らされた事はない……何が天才だ。結果的に俺は劉鳳とブラボーに頼っただけではないか……)
アミバは嫌と言うほど自分の無力さを知ってしまうがいつまでもへこたれるわけにはいかない。
そんな事をしていれば天国のカズマに笑われてしまうからだ。
そして彼は今まで持っていたスティッキィ・フィンガーズのDISCとそして……服部から貸してもらった空条承太郎の記憶DISCを持ち、観察する。
実はブラボーは初めはDISCがポケットからの落下を考えながら闘うのは面倒だと思い、タバサの近くへ寄った時それを手早く託していた。
だがヌルヌルとした液体に塗れたDISCにタバサは嫌悪感が涌き、服部に押し付けたというわけだ。
(もしやカズマと闘ったあの男のキングクリムゾンという人形もアーカードがやったように頭部にこんなようなものを入れた事で出していたのか……?
なら俺もこの二つを頭に入れればあの人形のような力を……)
仲間達との再会を、無事を願いながらアミバはDISCを凝視する。更なる力を切実に求めながら。
そんなアミバを尻目に服部は黙々とバイクを走らせる。彼もまた先程の騒ぎで自分が行った事を只考えていた。
(タバサのヤツ……無茶しよって)
アーカードが劉鳳に向けて発砲した時服部もどうにかしてその状況を打開しようとしていた。
だがあの時確かに服部は恐怖し、躊躇してしまった……太陽の光を受け黒光りを帯びた迫り来る銃弾が自分の身体に捻り込まれる映像を思わず想像してしまった。
所詮自分は探偵……探偵は犯人を力で抑え込むものではなく推理で抑え込むもの。
探偵である自分が銃弾に恐怖を覚える事は可笑しい事ではない……服部にそう言って、励ましてくれる者もきっと居るだろう。だが服部は知ってしまった。
あの読書しか特に興味がなく今まで自分達を何か冷めた眼で見ていた少女、タバサが身を挺して劉鳳を救ったという事実。
その光景を見て服部は驚き、不安、怒りなど様々な感情が湧き上がったが今まで銃弾を恐れていた自分が本当に下らない存在だと思わずにはいられなかった。
自分よりずっと小さく、か細く、か弱い少女であるタバサ……彼女が馬鹿みたいに大きな存在に見え始める。
(タバサ……お前の根性は見せてもろったで……今度はオレの番やな!
あのアーカードのおっさんには首輪はなかった。なら必ずこの首輪を外す事はできるってことや。タバサ、楽しみにしとれよ、だから……死んだらアカンで)
自分がやれる事をやろうと服部は更に決意を固める……『脱出』という扉を開ける鍵を見つける事を己の義務と見なして。
◇ ◆ ◇
いつものように呼吸が出来ない状態でタバサは考えている。
何故自分がこんな事になったんだろうという事を。
所詮出会って数時間の仲の劉鳳を庇うという無謀な事を行うのはタバサにとってあり得ない事だった。
(でもあの時…………)
あのアーカードという男が自分に向けて銃を撃った時あそこに居た劉鳳達はタバサを心配してくれていた。
出会って十分も経っていないあのブラボーという男でさえもタバサを本気で心配してくれていた。
そんな事は劉鳳達にとって当たり前の事だったがタバサにはそれが不思議で……何故かとても嬉しかった。
(何故だかわからない……でも何故か……)
何故自分はあんなに心地よい気分になったのか?
まるで自分が白馬の王子様に助けられたお姫様になったような感覚についての疑問。
その事を考えていた時劉鳳が膝を付き、銃弾が彼に迫ってきた。
どうにかしなければ! 何か自分も彼らの役に立てたら! そう思ったら何故か……身体が動いていた。
(私が劉鳳を……助ける事で得るメリットは…………ある)
何故かタバサは劉鳳がアミバと争うところや真・絶影の上で彼の正義についてを話しているところを見て期待に似た感情を感じていた。
劉鳳達が言う『正義』、『信念』、『反逆』とやらがこの状況を変えてくれるのではないか?
そんな事を考えながらタバサは今劉鳳を見つめていた……劉鳳達がルイズやキュルケもきっと無事に保護出来るだろうという事も同時に思いながら。
だからタバサは少し頑張る事にした……なけなしの力を振り絞って。
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sien
「……頼みがある……」
「声を出すなタバサ! 傷口が広がる!!」
そんな事知ってる……そんな事は知ってるから言わなくてもいい……。
「私の知り合い……ルイズと……キュルケ…………」
「ああ! 解っている! 必ずその二人に会わせてやる!だからもう喋るんじゃない!! 」
違う……そうじゃない……私の望みはそうじゃない……。
「二人を……必ず…………守って………………」
「だから言っているだろう! その二人もお前も必ず俺が守ってみせると!!」
全く……話が噛み合わない………………でも………………
「………………ありが…………と………う………………」
その瞬間劉鳳はタバサが言った意味が解らなかった。
ありがとう?何に対して?俺が一体何をした?
その事を劉鳳が理解したのは……彼女の手首を取り、脈を調べた時だった。
「タ…………タバサァァァァァ!!!」
絶叫を上げ、集中力を失った事で真・絶影が消失し、劉鳳は地面に降下していく。
もう話す事は出来ないタバサの遺体をその両腕で力強く抱えながら。
◇ ◆ ◇
testestestesatatasastesteste
タバサアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!
「直撃! ブラボー拳!!」
劉鳳達が居た時は生身の拳を揮っていたブラボーだったが今は違う。
今の彼の拳は全武装錬金中最大の防御力を誇る、鉄壁の防護服シルバースキンの装甲で纏われている。
ブラボーがアーカードの身体をその拳で何度も何度も殴りつけ、吸血鬼の肉体から血を噴出させていく。
「素晴らしい拳だ……だが!」
そこにアーカードの反撃の拳が迫る。
だが今のブラボーにはシルバースキンがあり、アーカードの拳を六角形の白銀の欠片が弾ぜる事で打撃によるダメージを完全に殺す。
そんな事は意味がない事であり、何度もアーカードは拳を揮い、シルバースキンの能力を理解しており当然解っている筈だ。
だがシルバースキンは瞬時に装甲が再生する事で鉄壁の防御を誇る武装錬金。
その再生が完了する前にもう一撃加えられれば話は別だ。
「何ッ!?」
アーカードの強大な腕の影に隠れるような形で何か金色の物体が見えた事にブラボーは驚愕する。
それは何か人の腕のようなもので……テントウムシの装飾が施されていた。
「ゴールドエクスペリエンス!」
そうアーカードは自分の腕をブラボーに揮った時ほんのワンテンポ遅らせた形でゴールドエクスペリエンスの腕も同じように揮い……未だ再生が行われていない箇所に一撃を加える。
「ぐほぉ!」
ゴールドエクスペリエンスはスタンドの中ではそれ程高いパワーを誇っているわけではないがそれでも生身の肉体には充分な打撃を与える事は出来る。そしてアーカードは自分の身体を動かす事は中断し、
全ての神経、全ての集中力を費やしゴールドエクスペリエンスの両拳を動かす事に集中する。
拳を繰り出す速度なら吸血鬼の拳の速さよりも速く行えるゴールドエクスペリエンスの拳を叩き込むために。
testedaatqewt4wsasdasda
「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!」
意識したわけではないがDIOがザ・ワールドの拳を繰り出していた時のように掛け声……いや、アーカードの場合笑い声を出しながら全く同じ箇所、再生が行われていない箇所に無数の拳を叩き込む。
その拳を受け……ブラボーは口から夥しい鮮血を撒き散らしながら後方へ吹っ飛び、大地に叩きつけられる。苦痛の表情を隠す事は出来ずに。
「くっ……」
大地に叩きつけられたブラボーは苦痛の声を上げる。
どうやら今までの激闘が響き、散との闘いで負った負傷も痛みを増してきたようだ。
だがブラボーは両足を叩きながら立ち上がる……彼の『正義』は未だ死んでいない。
それを証明するために。
「貴様は必ずこの俺が倒す! 受けろシルバースキンの真の力を!!」
ブラボーがそう叫んだ瞬間、彼の全身を纏っていたシルバースキンは一瞬の内に消失。
いや、薄く帯状なものに形を変えブラボーとアーカードの周りを漂い始める。
その物体の数は数え切れないほどであり、どことなく不気味さも漂わせ、流石のアーカードも警戒のため身構える。所詮意味の無い事だが。
「シルバースキン・リバース!!」
ブラボーの叫び声を合図に宙を漂っていた帯状のシルバースキンは一斉にアーカードへ向かう。
自分に対して物理攻撃と認識したアーカードは両拳とゴールドエクスペリエンスを使う事で防御行動を行おうとするが一手遅く、アーカードの全身にシルバースキンが降り掛かる。
だがそれはアーカードに打撃を与える事はなく、ただ先程ブラボーが纏っていたようにシルバースキンがアーカードに装着されるだけだった。
白銀のものではなく、漆黒のものという裏返しに装着された事実だけを除いて。
「何をするかと思えば……失望したぞキャプテン・ブラボー!」
そう言ってアーカードは拳を振り上げ、今は元のボロボロのシルバースキン形のコートを纏っているだけのブラボーに襲い掛かろうとする。
だがアーカードの拳に別の帯状のシルバースキンが纏いつき、それ以上進む事を許しはしなかった。
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「何! これは!?」
「無駄だ! リバースの前に通じはしない!!」
ブラボーの奥の手であるシルバースキン・リバース。
鉄壁の防護服シルバースキンを相手に裏返しにさせ、拘束服として相手に着させる技。
そしてその拘束服は対象者による外部への全ての攻撃にシルバースキンの欠片を纏わせ、あらゆる攻撃行動を瞬時に相殺する能力を持つ。
その事を知らないアーカードはゴールドエクスペリエンスを発現しようとするがスタンドも外部への攻撃と見なされシルバースキンの欠片一色に染まってしまう。
「これで止めだ!アーカード!!」
ブラボーが地を蹴りとばし、跳躍する。
右腕を手刀の形に整え、一直線にアーカードの元へ向かう。
自分が纏っているシルバースキンはブラボーが纏っていたそれとは違うと断定したアーカードは咄嗟に足を引き、後方へその屈強な身体を動かす事でブラボーから距離を取ろうとするが――
「遅い! 両断! ブラボチョップ!!」
高速で腕を振り下ろす事で繰り出されたブラボーの手刀がアーカードの身体を襲い、アーカードの胸に一閃の裂傷が血を噴出しながら出来る事となる。
たとえシルバースキンを纏っていなくとも、ブラボーの鍛え抜かれた肉体を持ってすれば容易い事だ。
だがそんな傷を受けてもなおブラボーがどんな境地に立たされようと決して闘志を失わなかったようにアーカードの眼も依然あるものを求め続けていた。
その名は『闘争』……吸血鬼アーカードがこの世で最も求めるものを。
「クハハハハッッッ! そうか!それが貴様の最後のカードか! ならば私も切ろう……最後のカードを!!!」
真・絶影の断罪断によって右腕を切り落とされたため、残った左腕を前に突き出す。
その突き出されたアーカードの左の手を覆う手袋に奇妙な紋章のようなものが存在している事にブラボーの注意がいく。
そしてアーカードが口を開く……禁忌をこの場に再び呼び戻す契りの句を唱えるために
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teskljkfadsjfkadljal
「拘束制御術式『クロムウェル』――第3号第2号第1号、開放。
目前敵能力及び目前敵の完全沈黙までの間能力使用。限定解除開始」
アーカードの左腕から黒と赤が混じった体色を帯びた生物……狗と狼を掛け合わせたような生物が生まれ出ようとするがリバースの特性により、生まれ出る事を封じられる。
「こ! これは……?」
目の前で繰り広げられる光景に思わずブラボーは嫌な汗を流してしまう。
突如アーカードが意味不明な事を呟いたかと思うと彼の身体から不気味な生物が生まれ出ようとし、それがリバースによって無理やり押さえ込まれている。
更にその生物が外へ出ようとする力とリバースの力がぶつかる事で生まれる圧力により、その生物が締め付けられ……やがて潰され、どす黒い血液を滴らせる有様となっている。
だが生まれ出ようとしている生物の数は一つではない……そう左腕だけでもなくアーカードの身体中に醜い瞳がまるで自分が生まれ出る番を待つ野獣のようにブラボーを睨むという凄惨な状況にブラボーの動きは止まってしまう。
(これは一体なんだ!? だがこのままでは…………リバースが破られる!!)
シルバースキン・リバースも決して無敵ではなく、ブラボーが居た本来の世界の未来ではヴィクターVと化したカズキの力技により、危うくリバースが破られるという事もあった。
当然その事をブラボーは知らないがリバースは自分の武装錬金による能力であり、その限界は知っているため不安を隠せない。
そんなブラボーの考えを尻目にアーカードの身体から生まれ出ようとする生物の数も今ではクロムウェルを開放した直後に較べて数倍の数となっている。
勿論、それだけの生物を生み出すという事はアーカード自身の身体を削る事と同意であり、アーカードの身体からも夥しい量の血液が大地に流れている。
だが今まで抑え続けていたリバースにも亀裂が走り、その再生完了する前に生物が生まれる事で今はもういつリバースが解けてもおかしくない状況だった。
「貴様を今此処で倒さなければ間違いなく大勢の人が死ぬ事になる!
俺は……俺はもうブラボーな仲間達を死なせはしない! アーカードォォォォォ!!」
だからブラボーは駆ける事にした……ブラボラッシュでもなくブラボー脚でもなければブラボー拳とも違いブラボチョップでもないブラボー技(アーツ)13の内の1つをアーカードにくれてやるために。
「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!」
依然アーカードの身体から覗く無数の瞳はブラボーを睨み続けるが最早彼は足を止める気は微塵も無い。
只アーカードを倒す……その思いを、誓いを、正義を背負って進むことしかブラボーが今やるべき事は無い。
そしてブラボーが右足を踏み込んだ瞬間……確かに大地は震えた。
「一・撃・必・殺! ブラボー正拳!!」
ブラボーの右拳による正拳がシルバースキンとは違い、鉄壁の防御力を誇る事は出来ないリバースを纏っているアーカードの胸に向かって放たれ、彼の肉を突き破りながら進んでいく。
アーカードの左胸の奥底に潜み、彼の生命を握る心臓を潰すために。
勢いが乗った拳が遂にアーカードの胸を貫き、ブラボーの右腕が顔を出す。
だが……
「チェックメイトだ。キャプテン・ブラボー」
自分の顔より高い位置にあったはずのアーカードの頭部が地面に落ち、冷酷にブラボーにその言葉を告げる。
頭部だけではなく彼の全身が地に崩れ落ち先程の不気味な生物が生まれてくる。
そう……………………遂にリバースは解除されてしまっていた。
最後にブラボーが見た光景は無数の生物が自分に向かって食いかかってくるものだった。
◇ ◆ ◇
大地に向かって落ちてゆく中劉鳳はタバサを抱えながら思う。
何故自分は誰も守る事が出来ないのか?自分の正義が間違っているのか?
既に守ると決めた者を二人も死なせ、更には自分のせいで死なせたという事実が劉鳳の意思を揺らがせる。
(このままでは…………………死ぬな)
疲労により絶影が出せず、危機的状況の中劉鳳は自分でも驚くくらい程冷静に考える。
(死か…………………それも良いかもしれないな)
普段の劉鳳にはとても考えられない程弱気な思考。
劉鳳にとって堕落とも言える死を彼が完全に受け入れようとした時彼の脳裏に様々な人影が過ぎる。
既に死亡したが今でもその死が信じられないカズマ。この殺し合いで知り合ったブラボー、服部、アミバ。
自分の無力さで死ぬ事となってしまった才人、桐山、タバサ。
その全員が自分をどこか冷めた眼でこちらを見ているような錯覚に劉鳳は襲われる。
その視線から逃げるように彼は無意識的に両目をつぶるが……彼の脳裏に消えない人影があった。
その人影は自分と同じ白と青で彩られた制服を着用し、青色の髪、金色の髪留めを付け、自分と共に死が二人を別つまでどんな道も進むことを誓ってくれた女――
ぶらぼおおおおおおおおおおお!!
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ブラボオオオオオオオオオモオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!
(シェリス……俺は…………俺は……俺はぁ!)
タバサの腕に握られていた核鉄に手を当て、劉鳳は叫ぶ。
自分の友、アミバが叫んだ言葉と同じ言葉を。
「武装錬金!!」
劉鳳はニアデスハピネスの事について知る事は何一つ無い。
だが彼は無意識的に叫ぶ……未だ自分の『正義』を終わらせるわけにはいかないという一心でありったけの声で咆哮を上げる。
その瞬間、劉鳳の背中に黒死の蝶の翅が宿り、劉鳳はタバサを抱えながら大空に浮く。
そうニアデスハピネスにより作り出された蝶の翅が彼の身体を支えていた。
いやそれだけではない……
「俺は……俺は必ずタバサが言うルイズとキュルケという者を守ってみせる!
そして……シェリス! 必ず君を守り通す! 何があろうとこの正義はもう砕けさせはしない! 何があってもだ!!」
身体だけではなく崩れかけた劉鳳の『正義』さえも。
そんな時劉鳳に抱えられたタバサの表情が何故かその時ほんの少し笑みを浮かべていた……ほんのすこしの笑みを。
◇ ◆ ◇
「ハァハァ……流石に血を流しすぎたか……」
ブラボーの身体をクロムウェルで喰らいつくし、核鉄を握りながらアーカードは荒い息を吐きながら言葉を発する。
左腕切断、なんとか心臓は無事だったが胸部に穴を空けられ、全身はリバースによって重傷。
いかに吸血鬼といえども満身創痍の状態だった。
「暫くは身体を休める事にするか……」
そう言ってアーカードはブラボーが落とした核鉄を拾い、傷口に押し当てる。
アミバが劉鳳に核鉄を渡し、躊躇無くそれをタバサの傷口に当てたのをアーカードは当然見ていたからだ。
思った通り傷の修復速度が上がったのを感じアーカードは取り合えず眠る事にした。
闘争の一時休憩という意味合を持って。
◇ ◆ ◇
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――ここはどこだ?――
俺はどこに居るのだろう?。
確かアーカードの奇妙な生物に食い殺された事は覚えているのだが。
ならば俗にいうあの世ってやつなのだろうか?。
――あれは?――
そんな時俺の視界に三つの人影が見えた。
一人目は自分の大切な部下、武藤カズキが笑顔で此方に手を振っている姿。
二人目はオールバックの少年、桐山和雄が無表情でこちらを見つめている姿。
三人目は眼鏡を掛けた少女、タバサがこちらに視線は向けず只本を読んでいる姿。
タバサがここに居るという事は残念だったがもう仕方のない事だ。
彼ら三人は俺に較べて充分出来る事をやった筈であり実際に桐山とタバサは実行できた。
だから俺は彼ら三人にこの言葉を贈ろう……錬金戦団戦士長キャプテン・ブラボーとして。
――――――――――――――ブラボーだ――――――――――――――
ワンちゃんに食べられました・・・・・
【防人衛(キャプテン・ブラボー)@武装錬金:死亡確認】
【タバサ@ゼロの使い魔:死亡確認】
【A−8 変電所周辺/1日目 午後】
【アーカード@HELLSING】
[状態]:全身にダメージ大、特に腹部にダメージ有り(吸血鬼による能力+核鉄により自然治癒中)、右腕欠損、胸部に拳による穴有り、疲労大、精神消耗、気分高揚、睡眠中
[装備]:フェイファー ツェリザカ(0/5) 、ゴールドエクスペリエンスのDISC、核鉄(シルバースキン)、レミントンM31(2/4)
[道具]:支給品一式×3 不明支給品0〜1品(確認済み)、スタングレネード×4、色々と記入された名簿×2、レミントン M31の予備弾24、、 お茶葉(残り100g))
[思考]
基本:殺し合いを楽しむ。
1:暫くは身体の修復を行う
2:満足させてくれる者を探し闘争を楽しむ。
3:DIO、柊かがみ、劉鳳、アミバ、服部とも再度闘争を楽しむ。
[備考]
・参戦時期は原作5巻開始時です 。セラスの死を感じ取りました。
・首輪は外れていますが、心臓部に同様の爆弾あり。本人は気づいてます。
・DIOの記憶を読み取り、ジョセフと承太郎及びスタンドの存在を認識しました。
・柊かがみをスタンド使いと認識しました。
・散、ブラボーの記憶を読み取り、覚悟・マリア・村雨・劉鳳・タバサ・服部・アミバ・斗貴子・パピヨンの情報を得ました。
・アーカードの右腕が転がっています
・ゴールドエクスペリエンスは人体を創る事は出来ません
【D−6 西部上空/1日目 午後】
【劉鳳@スクライド】
[状態]:疲労大、全身に中程度のダメージ、左肩と腹部にダメージ大、右拳に裂傷と骨折(包帯が巻いてある)
[装備]:ニアデスハピネス@武装錬金
[道具]:支給品一式、4色ボールペン、色々と記入された名簿、スタングレネード×2 、タバサのデイパック(内容はネクロノミコン(98ページ読破)、液体窒素(一瓶、紙状態)、支給品一式 、色々と記入された名簿)
[思考・状況]
1:防人、アミバ、服部と合流。
2:村雨を断罪する
3:悪(主催者・ジグマール・DIO・アーカード)は断罪、弱者(シェリス、ルイズ、キュルケ)は保護
4:シェリス・防人の知り合い・桐山の知り合い・核鉄を探す。
5:平賀才人の伝言をルイズに伝える。
6:シェリスに事の真相を聞きだす。
7:タバサを埋葬する
[備考]
※絶影にかけられた制限に気付きました。
※桐山・防人・服部・タバサと情報交換しました。
※平次の策に乗る気はありません
※タバサの遺体を抱え、制服の袖の部分がタバサの血で濡れています
【C−8 中部/1日目 午後】
【アミバ@北斗の拳】
[状態]:健康、疲労中、強い決意、今までの自分に強い自己嫌悪
[装備]:ジャギのショットガン@北斗の拳(弾は装填されていない)、携帯電話 、
[道具]:支給品一式(×3)(一食分消費済み)
綾崎ハヤテ御用達ママチャリ@ハヤテのごとく、ノートパソコン@バトルロワイアル(これら三つは未開封)
ギーシュの造花@ゼロの使い魔、神楽の仕込み傘(強化型)@銀魂 、スティッキィ・フィンガーズのDISC@ジョジョの奇妙な冒険、空条承太郎の記憶DISC@ジョジョの奇妙な冒険
[思考・状況]
基本:ゲームの破壊、主催者の殺害。
1:病院へ向かい、防人、劉鳳、タバサと合流。
2:ゲームに乗っていない人物と協力する。
3:ゲームに乗った人物と遭遇した場合説得を試みて駄目なら殺害する。
4:ケンシロウとラオウには出来れば会いたくないがいざとなったら闘う覚悟はある。
5:服部の策に乗り、脱出をネタに仲間を募る(一時的に保留)。
[備考]
※参戦時期はケンシロウに殺された直後です
※『スティッキィ・フィンガーズのDISC@ジョジョの奇妙な冒険』の説明書は存在しません。
※服部・タバサと情報交換をしました
※スティッキィ・フィンガーズのDISC、空条承太郎の記憶DISCに興味を持っています
※当然タバサが死亡した事について知りません
【服部平次@名探偵コナン】
[状態]:健康 両頬が腫れている
[装備]:スーパー光線銃@スクライド、ハート様気絶用棍棒@北斗の拳 バイクCB1000(現地調達品)
[道具]:首輪、「ざわ……ざわ……」とかかれた紙@アカギ(裏面をメモ代わりにしている)、支給品一式 、色々と記入された名簿。ノート数冊
才人のデイパック(内容は支給品一式、バヨネット×2@HELLSING、紫外線照射装置@ジョジョの奇妙な冒険(残り使用回数一回)未確認)
[思考・状況]
基本:江戸川コナンよりも早く首輪のトリックを解除する。
1:病院へ向かい、防人、劉鳳、タバサと合流。
2:シェリスを発見し、真実を明らかにする
3:江戸川コナンとの合流
4:自分自身にバトルロワイアル脱出の能力があると偽り、仲間を集める(一時的に保留)。
[備考]
※劉鳳と情報交換を行い、シェリスの名前を知りました。
※劉鳳、アミバ、タバサの事は全面的に信用しています
※自分自身にバトルロワイアル脱出の特殊能力があると偽るつもりです。
※バトルロワイアル脱出の特殊能力は10人集まらないと発動しません。(現時点での服部設定)
※脱出作戦を行うかはどうかは考え中。
※当然タバサが死亡した事について知りません
[共通備考]
※劉鳳、服部、アーカードの持つ名簿には以下の内容が記載されています。
名簿に青い丸印が付けられているのは、カズマ・劉鳳・シェリス・桐山・杉村・三村・川田・才人・ルイズ・防人・カズキ・斗貴子・タバサ・キュルケ・コナン・服部 ・灰原
赤い丸印が付けられているのは、ジグマール・DIO・アーカード・散・村雨
緑色の丸印が付けられているのは、蝶野
※変電所の外壁が崩壊しています。具体的な状態は不明です。
投下終了しました。
長い間支援どうも有難うございます。
恒例の誤字、脱字、矛盾点がありましたらお願いします。
アミバと服部が当初はもっと空気だったので追加したらエライ量になりました。
申し訳ないw
投下乙。まさにこのロワらしい1話でした。
もうね、タバサもブラボーもいい死に方したよ……。
旦那がマジでフル装備だけど、アンタにそのスタンドは死亡フr(ry。
病院にもう一波乱ありそうですね。
投下乙
キャプテンブラボーお前は犬の餌だ
投下乙!
ブラボー!おお……ブラボー!!
熱い最後でした。タバサも最後がまた……。
劉鳳やアミバ、平次の行く末も気になる力作でした。
GJ!
それにしても、本当にスカイライダーが好きなんですねw
投下乙!
ブラボォォォォ!タバサァァァァ!
皆が皆格好良くて良かったです。
しかし、旦那これ倒せるんだろうか
乙。
やっぱりみんなでボコるべきだったよブラボー。後知恵だけどさ。
しかし素で強い旦那は、そのうち持ちすぎた装備で自滅するような気がしなくもない。
投下乙
うわああああああああああああ
タバサァ!!ブラボー!!
しっかしタバサまた同じキャラにやられるとは
つくづく旦那に縁がある人だ
そして劉鳳の前に救えない人だらけで本当にカワイソス
GJだ。タバサ、ブラボーのケリの付け方も見事
そしてこのメンツで劉鵬、アミバ、服部を残すそのセンスが素晴らしかった
おもしろかったです。まあそれはそれとして旦那、どーすべ?wwwwwww
投下乙!
途中でこりゃ旦那退場かなと思ったらこの展開!
しかし服部は惜しいなぁ…紫外線照射装置使えばあるいはって感じしたのに
つか、旦那はそろそろセラスの死について興味を離すべきかとw
またスタンドDISK、しかもG・E・・・ 今回でスタンドDISK打ち切りにしたほうが
よいのでは、汎用性があるのは解るのですが、正直、ドラえもんの秘密道具と
変わらないですから
嘘だと言ってよブラボー…。
しかしアーカードの装備がどんどん充実していくな。
とにかく投下乙っす。
>>879で、左腕切断と書かれてるが、状態表やそれまでの記述に寄れば右腕切断だと思うので報告
投下乙でした。
投下乙です。
ところで、紙を破り捨てたらDISCも粉々になるのでは?
なんと言う展開……とりあえず、これから先の進む道に……ry
GJでした。
一般人の癖して、服部が1番おいしいかも知れんwww
えと、wiki管理人です。
wikiでSS本文を勝手に書き換えていた方のIPが分かり、禁止リストに追加しました。
どうやら、一人の人がやっていたらしいのですが……それはともかく、お伝えしたい事が3点。
1.現在、その方のIPはwikiにて編集禁止にしています。
恐らくここは見ていると思いますので、連絡してください。本文は書き換えないという約束が取れ次第、禁止リストから外したいと思っています。
ご一報いただけると助かります。
2.最近、wikiを弄っていて思ったことなのですが、正直ちゃんとマニュアル読もうよ……って言いたくなるミスが頻発しています。
私自身、地図を作るときには一から調べて作りました。そりゃ、プログラムが得意なのでjavascriptは知らんとか、
perlなんてはじめて見たって言っても、ただの初心者じゃありません。
なので、完全な初心者よりは簡単に地図を作る事が出来たと思います。それでも、調べるんですよ。Google先生使って……
地図作るときなんざ、初めてperlに触るもんだから、入門用のサイトをいくつか見回ったもんです。テスト用のページもいくつか作りましたよ。えぇ……
別にwikiでテストページ作って、レイアウトがどうなるか試すぐらい、やったっていいんですから、@wikiのプラグインぐらい間違いなく使いこなしましょう。
3.古いページを編集不可にしました。
といっても、ログインユーザなら編集可能です。トリップつきの書き手さんに限り、ユーザIDを発行したいと思います。
古いSSで、誤字脱字が気になる人は連絡してください。ID・PASSを渡しますんで。
以上3点です。
投下乙です。
旦那、あなたの知り合いが某ロワでこんなことを言っていましたよ…
「慣れない武器に命を預けるものじゃない……強力な武器であるならなおさらのことだ」
皆様感想どうも有難うございます!
>>905 うわぁーまだ直しきれてない箇所が……指摘どうもです。
wikiに収録されたら修正を行います。
>>906 そういえばそうですね。
この場合は開かないと……こちらも指摘どうもです。
同様にwikiに収録されたら修正を行います。
912 :
Classical名無しさん:07/11/21 12:28 ID:RkeaWGYE
>>763 シアーハートアタックが本体である吉良を襲うとは考えづらいです、
それに、吉良は女性の手にしか興味の無い男ですので、マリアの顔を舐めるという行為には違和感があります。
正直、本当にジョジョを知っているのかという位。
そこら辺も修正してください。
旦那の生命力にシルバースキンの防御力、さらにGEによる回復。これ何て厨キャラw
というか実際問題GEで適当に動物作ってそれを片っぱしから取り込めば残機無限増殖可能なんじゃないか。
900突破、そろそろ次スレの準備か?
ブラボオオオオオオオオオオオオ!!
タバサアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
激熱バトルを乙でした!!
みんな、かっこいいよ、旦那やっぱつえーよ
装備も充実してきたしどうなることやら…
しかし病院にはマーダー、対主催問わずどんどん人が集まるなぁ…
今回の旦那を倒すには何人集まればいいのだろうか?なんか二十人ぐらい集まらないと無理ぽ
いざとなったラオウとか勇次郎とかDIO様で潰し合わせればいいんでね?
マーダーの少ない今の時期にやられても困るけど。
919 :
Classical名無しさん:07/11/21 17:58 ID:j9jkWa/Q
今回のブラボーでも、シルバースキンでパックンチョが耐えられれば内部から一撃もありえた
要するに、しかるべきアイテムがあれば倒せない事は無いだろう
とかいうと、旦那生存フラグになりそうだが
アゲ、すまん
こんにちは、一人で勝手に小説を書き換えていた物です。
避難所がホスト規制になったので、この場で謝罪しようと思います。
この度は、管理人さんだけでなく、書き手さんにもご迷惑をお掛けして、誠に申し訳ありませんでした。
氏ねと言われても当然です。やってた事は荒らしと変わりませんから。
もう二度と無断で本編小説を書き換えないと約束します。
本当に申し訳ありませんでした。
>>921 報告お疲れ様です。
したらばはホスト規制していません。
多くの住人の要請がないかぎり、したらばでのアク禁処理は基本行いません。
wikiの方は管理人さんの返事待ちです。
題名が決まったので今からナギ、ハヤテ、ジョジョ投下します。
老人の声と共に放送が終わった。
死んだ人間の中に武藤カズキという名が入っていた。
本当に死んだんだな、と承太郎は静かに怒りを募らせる。
だが、放送の内容で一つだけ気になった事があった。
「……野郎、何のつもりだ?」
先程の放送で新たに付け加えられた『優勝者の願いを叶える』という特典。
急に付け足されたその特典に、承太郎は一つの疑問を覚えた。
承太郎は思う、何故今頃なのかと。
『優勝者は願いが叶えられる』それは確かに殺し合いを助長させるだろう。
だが、ならばなぜそれを最初に言わず今頃言ったのか。
承太郎は仮定する、そうせざるを得ない事態が起きたのではないか、と。
「乗った奴が予想よりも少ないのか、それとも……」
それとも、誰かが主催を打倒する鍵を手に入れたのか。
実際この場にはナギのように工学に明るい人間がいる、そのような人間とジョセフ・ジョースターが組んだかもしれないし、別の人間が手がかりを見つけたかもしれない。
「いや、そうそう都合よくはいかねーか」
だが承太郎はその考えを否定する。
殺し合わせる為に自分達を呼んだというのであれば全員の能力など把握しているだろう。
そのような人物が果たして1日足らずでそう簡単に解けるような首輪を作るだろうか?
「……考えてても仕方ねーな、おかしな所を残しとくってのは俺の性に合わねーが、今はとりあえず早くナギ達の所に戻るか。やれやれ、随分と時間がかかっちまったぜ」
そう、今承太郎は二人の人間を待たせている。これ以上ここで時間を消費する訳にはいかない。
二人に合流する為に、承太郎は足を進めた。
>>922 え、そうなんですか?
避難所の方にも謝罪の書き込みをしたのですが
ホスト規制中と出て書き込めませんでした。
そして、時間は放送終了後まで遡る。
(みゆきって確か、こなたさんの……)
高良みゆき、その人物はこなたから友人の一人だと聞かされていた。
お人好しで正義感の強かった武藤カズキ、そしてこなたからの話で聞いた、物知りで同じく人のいい、争いとは無縁な性格の高良みゆき。
死んでいい筈ではない人間が、二人も命を落としている。
いや、ハヤテが知らないだけで、そのような人間が何人も命を落としているだろう。
ハヤテは、改めてこの殺し合いを開催した人間に憤りを覚えた。
それと同時に、ハヤテもまた、承太郎と同じ、ある一つの事が気にかかった。
(優勝者は願いが叶う、か)
ハヤテはその特典について考える。
真偽の程については疑わしすぎるというのが彼の答えだ。
今頃になって付け足した事、本当に約束を守るかどうかが分からない事、
また、どんな願いを叶えると言っても、この殺し合いを無かった事にしろといった願いが来たらこの殺し合いの意味事態が無い事など、否定材料はある。
甘い話には裏があると言う事など、今までの人生で嫌と言うほど味わってきている。
だがしかし、否定しきれない点もある。
異なる世界の住人をこんな所に呼び寄せる事のできる力を持っているのだ、そんな力があったとしても不思議ではない。
そして、全員を生き返らせるのは無理だとしても、数人を生き返らせる事はできるかもしれない。
例えば、ナギ・マリア・ヒナギクが命を落としてしまったとしても自分が優勝すれば――……
(……何を考えているんだ僕は!)
そこまで考えて、ハヤテは自らの思考に憤った。
ナギが死ぬ。守るべき主が命を落とすなどと言う可能性を考えた自分に無性に腹が立った。
(僕はお嬢様の事を何が何でも守りぬく。命に代えてもだ)
何が何でもナギを守る。そう決意した時、ハヤテには一つの最悪な結末が浮かんでしまった。
あくまでどんな状況でも彼女を守ろうと決心しただけである。ただ、その想定しうるどんな状況の中に、一つの最悪な結末があっただけだ。
ではそれはどんな状況だろうか?
勇次郎やケンオウといった人類の範疇外に思える連中と遭遇する? 違う。
ナギが人質に取られる? 違う。
激戦に次ぐ激戦で倒壊した建物に巻き込まれる? 違う。
長々遠距離から狙撃される? 違う。
支給品に寄生され、暴走した参加者に襲われる? 違う。
夢か何かと勘違いし見境の無い狂った参加者に襲われる? 違う。
ガン○ムのような起動兵器に乗った参加者に襲われる? 違う。
孤立した状況で殺し合いに乗った人間達による包囲網が出来上がる? 違う。
これらはまだ少なくとも打開策がある。
最悪な結末、それは首輪が解除できずに、乗っていない人間だけが複数人が残っている事である。
天才少女であるナギや、独学で人造人間を作り、不可能と言われた白い核鉄とやらの精製に成功したパピヨンなど首輪の解除に期待できそうな人物は多々いる。
だがしかし、この殺し合いの主催者は当然ナギ達がそのような知識を持っている事を知っている筈だ。
果たしてそんな主催者がナギやパピヨンの知識があれば解除できるような物を作るであろうか。
もし仮に、ナギにも、パピヨンにも、そして他の参加者達の力を合わせても解除が出来ないとすれば……、その先に待つのは仲間どうしの殺し合いか全員の首が吹き飛ぶかだ。
パピヨン達は首輪を外すため、この殺し合いを破壊する為に動いている。
しかし、いくら努力しようとも現実は非常であるという事もまた、ハヤテはその人生で嫌というほど知っているのだ。
仮にそうなってしまえば、ナギを生還、つまり優勝させる以外に、彼女を守る方法は無くなる。
(だからと言って、僕はこなたさん達を殺す事ができるだろうか? それに、そんな事をお嬢様が許す訳ないじゃないか)
しかし、執事として、ナギが死んでしまっては意味が無いのである。守るべき主を守れずして何が執事であろうか。
ハヤテは心のどこかでそう考えている自分がいるのに気づいた。
(お嬢様を守る、それが僕の目的の筈だ……、それでも)
それでも、人を殺す事ができるだろうか?
ナギを守り抜く、しかし、その為には人殺しを辞さない場合もある。その事実にハヤテは煩悶する。彼の顔が自然と深刻な物になっていく。
「ハヤテ」
その時自分を呼ぶ声にハヤテは振り向く。
「お嬢様! お気づきになられたんですか!」
先ほどまでの深刻な表情は一転、ナギを心配させまいと、ハヤテは笑顔を浮かべる。
至近距離でのハヤテの笑顔に、ナギの頬が紅に染まる。
「う、うむ、それよりも……」
紅く染まった恋する乙女の表情は一転して、心配そうな表情へと変わる。
「大丈夫か? 何か思いつめたような顔をしていたぞ?」
元々放送前から彼女の意識は覚醒していた。放送が終わり、ふとハヤテの顔を見やると、ハヤテは今まで見たことの無いような深刻な表情を浮かべていたのだった。
「ええ、大丈夫です。ちょっと考え事をしていて……」
まさか今まで自分が考えていた事をハヤテに言うわけにはいかず、ハヤテは適当な言葉でごまかした。
「そう言えば放送が……」
「聞いていた。カズキはやっぱり……」
しまった。とハヤテは思った。
とりあえず話題を変えようとしたのだが、そのせいでナギの表情は暗く沈んでしまった。
「お嬢様……」
「大丈夫、私は大丈夫だハヤテ。カズキの為にも、私たちはこんな殺し合いを止めなければいけないんだからな」
決意を込めて微笑むナギ。
そのナギを見て、ハヤテは思う。お嬢様は本当に強くなったと。
右腕の外れた骨を治してくれと承太郎に頼んだときといい、昔の、自分の知るお嬢様と比べると、本当に心が強くなったと。
だからこそ、更に守らなければとも思う。自分の大切な主を。
「お、ジョジョが来たぞ。全く、今まで何をやっていたんだあいつは」
ハヤテの背から降りたナギの向いている方向を見ると、確かに承太郎がこちらへと向かってきていた。
「すまねぇな、あの爺を埋めてたら遅れちまった。流石にあのまま放置しておく訳にもいかなかったからな」
「で、首輪は手に入れてきたのか?」
ナギのその言葉に二人が固まる。それも当然だ、彼らが首輪を取りにいくという会話をしている時、ナギは気絶していた筈だからだ。
「ハヤテ、お前が話したのか?」
「まさか、僕はそんな事言ってませんよ」
「「と、言う事は……」」
二人がナギを見やる。ナギは目線を明後日の方向へと向けている。
「テメー、狸寝入りしてやがったな?」
それに対し、ナギは他所を向きながら口笛を吹いている。
その光景にハヤテは苦笑を浮かべ承太郎は溜息をつく。
「まあいい、説明の手間が省けた。で、これが首輪だ」
そう言って承太郎がナギに首輪を渡す。
「何かわかるか?」
「うーん、とりあえず外観は継ぎ目が無いくらいしかわからんな。中身が判ればまた話は違ってくるんだがな」
「中身、か。ジョセフのジジイがここにいりゃあ一発で判るんだがな」
もっとも、ここにいるジョセフ・ジョースターは、彼の知るスタンドに目覚めた老年のジョセフ・ジョースターではないのだが、彼がそれを知る術はない。
「とりあえず、喫茶店に戻りましょうか、パピヨンさん達にみせれば何かがわかるかもしれませんし」
「だな、あれだけ大勢いるとなりゃ誰か一人ぐらいは判る奴がいるかもしれねぇ」
「何だ、また増えたのか?」
初耳だぞ、とナギは驚く。
「そう言えば言っていませんでしたね。それについてはおいおい説明します」
そうして三人は喫茶店へと向かって歩を進めた。
残りレス数大丈夫かな? 支援
闇に包まれた工場で、一人のスタンド使いと一人の少女が出会った。
彼らは共に殺し合いを止める為に動き、ある蝶人と邂逅した。
後に、その蝶人から話を聞いた一人の青年と一人の執事と合流した。
だが、少女のわがままにより、青年と少女はここに残り、スタンド使いと執事は喫茶店へと向かった。
少女と青年は道中で死体を見つけ、少年を殺し合いを止める決意の光を放った。
それが悲劇の引き金だった。
それを見た一人の人形遣いが青年達と接触する。
戦いの末、少女は怪我を負い、青年は自らの意思を力に代えて人形遣いを打ち破った。
だが、その青年もまた持てる力を全て使い果たし、その生を終え、悲劇に一旦の幕は降りた。
そして少女は、青年の放った光を見て駆けつけた青年と執事に再会した。
青年の死を乗り越え、そして放送が始まった。
スタンド使いは改めてこの殺し合いを破壊する『決意』を固めた。
少女は青年の死を受け『成長』した。
執事は最悪の結末を想定し『煩悶』する。
いつ、また悲劇の幕が上がるかもわからない。
それでも彼らは前に進む。殺し合いを止める為に。
――バトルロワイアルは、まだ終わらない――
【B−3 南東 一日目 日中】
【三千院ナギ@ハヤテのごとく!】
[状態]全身に打撲
[装備]スパイスガール@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]無し
[思考・状況]
基本:殺し合いはしない
1:喫茶店に行き、首輪の解析
2:マリア、ヒナギク、ジョセフと合流する。
4:カズキの恋人という『斗貴子』とやらに会って、カズキの死を伝える。
参戦時期:原作6巻終了後
※スパイスガールは疲労のため、しばらく出せません。
【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく】
[状態]健康。
[装備]454カスール カスタムオート(7/7)@HELLSING、首輪探知機@漫画版バトルロワイアル
[道具]支給品一式−水少量 13mm爆裂鉄鋼弾(35発)、ニードルナイフ(15本)@北斗の拳 女装服
音響手榴弾・催涙手榴弾・黄燐手榴弾、ベレッタM92(弾丸数8/15) 不明支給品0?3(フェイスレス・ナギ)
[思考・状況]
基本:出来るだけ多くの人を助けたい 、お嬢様を守る。
1:喫茶店に戻る。
2:マリア、ヒナギクを探し出し合流する
3:もし、首輪を解除できずに乗ってない人だけが残ったら……?
支援。規制関係はのちほど
【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]健康
[装備]無し
[道具]支給品一式×4、フェイスレスの首輪、不明支給品0〜2(本人は確認済。核鉄の可能性は低い)
[思考・状況]
基本:他の連中の脱出 主催者を叩き潰す。
1:喫茶店に着き次第、首輪について考える。
2:ジョセフ、マリア、ヒナギクと合流する。
3:DIOを倒す。
4:赤木には用心する。
5:主催者を倒す。
参戦時期:原作28巻終了後
[備考]
※パピヨンについてはハヤテから聞いていたので、喫茶店にいることを不思議と思っていません。
※こなたがスタンド使いかと疑っています。
以上で投下終了します。疑問等ありましたらお願いします。
本当に題名が浮かばなくて、最後の最後まで題名に「バトルロワイアルに吹く熱風」にして話少し変えようかと悩んでたのはジョジョにも言えん秘密よ。
自分でミスを見つけた
4:カズキの恋人という『斗貴子』とやらに会って、カズキの死を伝える。
を
3:カズキの恋人という『斗貴子』とやらに会って、カズキの死を伝える。
に差し替えます
投下GJです!
ハヤテやばいよ、ハヤテ
次の放送でマリアが呼ばれる上に、喫茶店迫るバキ。
ヒナギクも覚悟がいるとはいえ、安心できない。
もしかしたら、もしかするか!?
続きが気になるSSでした!
GJ!
ハヤテに不吉な影が。
3人の経緯をまとめ、次に期待を持たせたのはさすがです。
>>926 とりあえず、毒吐きに書き込めるか確認をお願いします。
したらばの設定で、引っ掛かっているかも知れません。
投下乙。ハヤテに妙なフラグが立ってるw
喫茶店にはマトモな人間はもういないんだがw
「なぜ今頃優勝特典を付け足したか」だって? 俺たちの気まぐれサ!
前話、前前話と承太郎との間に溝が出来て
今回で、奉仕化フラグ……
空気脱出なるか!?ww
良繋ぎでした。GJ!
投下乙です。
執事さんにやばいフラグが立ってますね。
下手すると奉仕マーダーになる可能性もw
>>952 毒吐きにも書き込み出来ませんでした。
>>955 したらばの設定に引っ掛かっているようですね。
逆引きホスト禁止を解除しました。
雑談辺りで書き込み確認お願いします。
むう、まいった。投下を考えているのだが、量が量なだけに多分このスレが終わってしまう
新スレを立てても構わないでしょうか?
よし埋めよう
議論スレにてテンプレ改正されてるから注意。
このスレは漫画キャラバトルロワイアルのスレです。
SSの投下も、ここで行ってください 、支援はばいばい猿があるので多めに
前スレ
漫画キャラバトルロワイアル Part7
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1194366827/ 【外部リンク】
漫画キャラバトルロワイアル掲示板(したらば)
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9318/ まとめサイト
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1/4 【アカギ】○赤木しげる/●市川/●平山幸雄/●鷲巣巌
1/2 【覚悟のススメ】○葉隠覚悟/●葉隠散
1/3 【仮面ライダーSPRITS】 ●本郷猛/●三影英介/○村雨良
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3/4 【グラップラー刃牙】○愚地独歩/●花山薫/○範馬刃牙/○範馬勇次郎
4/4 【ジョジョの奇妙な冒険 】○吉良吉影/○空条承太郎/○ジョセフ・ジョースター/○DIO
3/4 【スクライド】●カズマ/○シェリス・アジャーニ/○マーティン・ジグマール/○劉鳳
2/4 【ゼロの使い魔】○キュルケ(略)/●タバサ/●平賀才人/○ルイズ(略)
3/4 【ハヤテのごとく】○綾崎ハヤテ/○桂ヒナギク/○三千院ナギ/●マリア
1/3 【HELLSING】○アーカード/●アレクサンド・アンデルセン/●セラス・ヴィクトリア
3/4 【北斗の拳】○アミバ/○ケンシロウ/●ジャギ/○ラオウ
2/4 【武装錬金】●防人衛/○蝶野攻爵/○津村斗貴子/●武藤カズキ
2/4 【漫画版バトルロワイアル】○川田章吾/●桐山和雄/●杉村弘樹/○三村信史
2/4 【名探偵コナン】 ○江戸川コナン/●灰原哀/○服部平次/●毛利小五郎
3/4 【らき☆すた】○泉こなた/●高良みゆき/○柊かがみ/○柊つかさ
計 37人 / 60人
ごめん、蹴られた。誰かお願いします_| ̄|○
じゃあいってくるわ。テンプレ書き換えるから時間かかるかも
>>956 もう一度書き込んだのですが、またホスト規制中と出てしまいました。
>>939 差し出がましいかもしれませんが、気になったので。
「そして少女は、青年の放った光を見て駆けつけた青年と執事に再会した。 」
文脈上は
「そして少女は、青年の放った光を見て駆けつけたスタンド使いと執事に再会した。 」
じゃないですか?
>>894>>949 投下乙
>真・絶影が現在成長している分の蔦を全て切り裂いたが既にアーカードの拳は真・絶影の目前まで迫っていた。
ダメージ反射能力はないの?
自分のホストがわかりますか?
許可リストに加えたいので、わかるならしたらばにメール下さい
>>967 本体じゃないからダメージは帰ってこないはず。
すまない、支援込みでも連続投稿エラーが出てしまう
したらば行った方が良いのだろうか? まだ半分も終わっていない事だし
日付が変わったので、再度とりつき&実験。
>>963 >>968での発言しましたが、確認できますでしょうか?
いざという時は、wiki管理人氏に問い合わせて、許可リストに加えたいと思いますが。
>>972 自身のIPやホストが確認したいのであれば、
ttp://ajya.net/kakunin.html こちらを使ってみたらどうでしょうか。 クライアントホスト名、現在接続している場所(現IP)の二箇所が自分のホストになります。
人にばれても構わないというのであれば、fushianaを使うのも一つの手ですね。
とはいっても、私はあなたのIPを知っているのですが……
>>921さん。
連絡ありがとうございます。
たった今、貴方のIPを禁止から外しました。
まぁ、SS本文の書き換え自体は少々やりすぎな感じもありましたが、別にやろうとしたこと自体が悪いわけじゃないと思っています。
wikiを何度も編集してくださった事に関しては純粋に感謝しています。これからも一緒に漫画ロワを盛り上げていきましょう。
>>◆WXWUmT8KJE氏
えっと。
>>921さんのIPをメールした方がいいのでしょうか?
>>974 メール送ったんですが、届いてませんか?
ミスったかなorz
>>975 あ、確認してませんでした。
今から開きます。
>>978 書き込めました。
本当にありがとうございます。
人生で二度も手を切断したのは、世界広しと言えども私くらいなものでは無いだろうか?
今回もう片方の手も、動脈が切りつけられている……おまけを通り越して出血大サービスだ。
ネクタイで止血する事により失血死は免れるだろうが、この痛みは何回味わってもなれる事は無い……本当に痛い。
だが唇を噛んで泣きたくなるのを必死にこらえる。
今はそれどころでは無いのだ。
河川を見下ろしながら、これからの事を考える。
あの女の死体の処分、これは絶対に行わなければならないな。
あいつ等に発見された所で正当防衛を主張すれば何とかなるかもしれないが、それでもキラー・クイーンの能力がバレる可能性は無視できない……とくにあのコナンと言う小僧だ。
一見するとただのガキだが、あいつの眼を見ると何かイヤな予感がする。
例えば、わたしの能力はおろか、素性や本性も全て暴いてもおかしくないような……。
考えすぎかもしれないと思う、しかし近い過去に何度も煮え湯を飲まされた経験上、子供だからと言って油断はできない。
もしそうなったら……元の世界に戻ってももう二度と平穏は訪れないだろう。
だからこそ一刻も早く探し出し処分するのだ。
川沿いに歩みを進めるが、足に転がっていた何かにつまずき、よろめいてしまう。
足元を見てみると、マリアさんがそのうつろな瞳で私を見つめていた。
ネクタイを絞め付け終えた右手を、マリアさんの頬に走らせる。
「バカな女だ……」
私は結局守りきれなかったのだ。
失ってしまったモノは余りに大きい……彼女の手『だけ』は。
投下は次スレにいったし、中途半端な残りを全選手入場で埋める!
読者殺しは生きていた!! 更なるケツの輝きを積み人間凶器が甦った!!!
サービスシーン担当!! 愚地独歩だァ――――!!!
悪のカリスマはすでにこのDIOが完成している!!
THE・ワールド!!DIOだァ――――!!!
魔法を唱えしだい自爆しまくってやる!!
ゼロのルイズだァッ!!!
腹の探り合いなら俺の経験がものを言う!!
闇に降り立った天才 赤木しげる!!!
真の防衛術を知らしめたい!! 零式防衛術の使い手 葉隠覚悟だァ!!!
キャラ紹介は奥だが人気投票なら全階級ワタシのものだ!!
白皇学院高等部の生徒会長 桂ヒナギクだ!!!
ボケ対策は完璧だ!! メガネ侍 志村新八!!!!
全参加者のベスト・ほのぼのは私の中にある!!
一般人の神様が来たッ 柊つかさ!!!
不幸自慢なら絶対に敗けん!!
女子高生の(自主規制)見せたる 炎の激戦 柊かがみだ!!!
バーリ・トゥード(なんでもあり)ならこいつが怖い!!
70年前の波紋の戦士 ジョセフ・ジョースターだ!!!
大阪からエセ関西弁が上陸だ!! 探偵 服部平次!!!
ルールの無いケンカをしてたら部下(肉の芽入り)になったのだ!!
プロのケンカを見せてやる!!!!! 範馬刃牙!!!
めい土の土産に片腕とはよく言ったもの!!
野生の奥義が今 実戦でバクハツする!! 鬼(オーガ) 範馬勇次郎だ―――!!!
真・絶影こそが正義の代名詞だ!!
まさかこの男がきてくれるとはッッ 劉鳳!!!
勝を探したいからここまできたッ 正体一切不明!!!!
フランスのしろがね エレオノールだ!!!
ワタシはサンデー最弱ではない 漫画界で最弱なのだ!!
御存知ヒキコモリ 三千院ナギ!!!
誤解の本場は今や第三の男にある!! オレを落ち着かせる奴はいないのか!!
三村信史だ!!!
ツヨォォォォォいッ説明不要!! 怪力!!! 不死王!!!
アーカードだ!!!
ゲーム知識は実戦で使えてナンボのモン!!! 超実戦オタク術!!
本家日本から泉こなたの登場だ!!!
カズキはワタシのもの 邪魔するやつは思いきり斬り思いきりブチマケるだけ!!
狂気のしろがね 津村斗貴子!!!
自分を試しにロワへきたッ!!
世紀末覇者拳王 ラオウ!!!
スタンドに更なる磨きをかけ ”オラオラ”空条承太郎が帰ってきたァ!!!
今の自分に驕りはないッッ!! 南斗聖拳の修練者 アミバ!!!
一子相伝千八百年の拳技が今ベールを脱ぐ!! 核戦争後の世界化から ケンシロウだ!!!
子供の前でならオレはいつでも全盛期だ!!
燃える悪魔(デモン) 加藤鳴海 マスク着用で登場だ!!!
お色気の仕事はどーしたッ 殺意の炎 未だ消えずッ!!
治すも壊すも思いのまま!! シェリス・アジャーニだ!!!
特に理由はないッ 仮面ライダーが強いのは当たりまえ!!
姉にはないしょだ!!! ライダー界の忍者!
村雨良がきてくれた―――!!!
バトルロワイヤルで磨いた実戦サバイバル!!
大東亜共和国のデンジャラス・ボーイ 川田章吾だ!!!
根性だったらこの人を外せない!! 超A級人形師 才賀勝だ!!!
蝶一流ホムンクルスの蝶一流の戦闘だ!! 生で拝んでオドロキやがれッ
日本の蝶人!! パピ・ヨン!!!
マダオのあだ名はこの女が定着させた!!
夜兎族の切り札!! 神楽だ!!!
若き?隊長が帰ってきたッ
どこへ行っていたンだッ 美形ッッ
俺達は君を待っていたッッッマーティン・ジグマールの登場だ――――――――ッ
加えて死亡者発生に備え超豪華なリザーバーを3名御用意致しました!
空気探偵! 江戸川コナン!!
空気魔女! キュルケ!!
空気執事! 綾崎ハヤテ!
……ッッ どーやらもう一名は現在スタンドの暴走中の様ですが、死者スレに到着次第ッ皆様にご紹介致しますッッ
すんげータイムリーネタにワロタwwwwww
ジグマール主人公かよwwwwwwww
うめぇwなぜか勝で死ぬほど笑ったw
面白いからwikiに編集しちゃった。
ギガワロスwwwwww
wiki見たけどリザーバーも入れようよ…。
〜確認
一つ確認したいのだが…………埋めてしまっても構わんのだろう?
残り9レスだしいいんじゃね?AAでもその他もろもろ
−、 、 ノj/丿 ノ)
(ー 、_) Y´ //⌒'ー' ∠ ,___ 、 ヽ
ヽ、 <,_,ノ)ノ)
(ー‐ ' ´ ̄ / /
>‐ 、 \
/ ヽ ヽ)丿
/⌒7 l く __/
_ノ } } |l|l|l| l __ノ
ー'‐一 ! / / // / __/| | l|l|リ l|l| < _,
`フ ノ////ノ/ イ l////`|メ l|リ l l|リ 、_ ノ
(rォ / ' /⌒Y { {/ ヽ{/ ,ニ,ニ/ l リ /ハ リ ヽし
/い! j に! !l ハ( ´ `''┴ ノイ//-、! j トヽ〈 一足先に逝ってるぜ
ソィ八 つ l!{ ノ'イテミノ/丿 )ソ つか、あんな怪獣二匹相手とか嫌がらせだろ、赤木、お前ちょっと顔貸せや
乙ィ \ ヾ ` {「ト(
ノイ l| l「| ‐__,ノ 从{
/| ‖|! ヽ -=||  ̄ ̄|
リ |しレ 丶、 'ー|| |
F== ‐_- ,,_ ` 、 || _|
|  ̄ `ー_、_ ヽ、_,/||_/ \
/ ̄´"''−..,,_ ` `ー/- .,,__/ ∠`ーく
_,. ‐'´ ̄ ̄´"''− //  ̄〉{ / -−、)
/ // /,ハ } K }
/ ヽヽ // ! し′
lll ll , /::/.// /::::::::\ヽヽ ヽ ヽ
///_.//:://  ̄ ̄ ヾi,::\ ト|ヽ|
lll ll //' /'‐-、 ,. -─,r'ヽ::::ヽl
/ ====o== ≡ =o==== ./
/'⌒| ll|:::::::`ー--‐'" :::::::: |:::: ‐-‐'" |
| l⌒| |::::::ヾ ソ :::::::: |:: ー' | こんなラチのあかねえ遊戯に…
.| |二|ll |:::::::::::` ̄ ノ ::: |:: | 自分の分こえた大金 人生さえ賭けちまう奴もいるのさ…
| ! | |::::::/ ̄ ~ :::r‐ 」_,ヽ |
ヽこ, リ、::/::::::: .|
/ミ :::\::::::::'‐----------' .|
/ミ :::::::\:::::::::::::: ミ三彡 /
/ミ ::::::::::\:::::::::::::::::::::::::::::/
/ミ :::::::::::::\::::::::::::::::::/
/ミ ::::::::::::::::\::::::ノ;|`ー, だ が 断 る !
ヽ、 :::::::::::::/;; ;;;;;;| 7
/| 、、 /l
{ ヽ \`ヽ、)| |
_,. -─-ヽ  ̄ ー一ノソ
、  ̄> ⌒ヽ
ヽ ̄ | | \ ヽ
`トこ / | || | i ヽ !
| | |i ハ | |、ヽ、 i | i i | | ||
l | / N-|、i | |!>‐リハ、 ! | | | !
ヽ!{ハ l! |rモァヽNt‐モテ ヽ | | | |i !
! ヽl ,` | | | リ、{
! ハ 〈 _ | ! | 、 ! あらやだ、ご自分はTQNとうきうきトゥーショットだからって
!/ i! ト、 r=、 /|/ | ,ノ | ヽゝ こっちは放置? むしろ肉でプレイしろっての?
/ハ ! | \~´ ./ ノノイ八 | | いくら女になってみたって、あのマッスルドッキング相手なんて
ヽ N ゙r '"´_,.. -┴‐- 、!N 無理よ、サイズ的にも魂的にも少年誌的にも
/ス ` } / `ヽ
/ ヾ、〉 / ,. -─‐- 、 /
/ / / , '´ ヽ、
/ / / / }
(/〉⊃ / / {
r''_つ // !
,⊥.{/^i !/ |
,丶 ヽ | |/ | |
丶 ∨ | /-‐ニ二¬‐| |
書き主ながらwikiにリザーバー追加しといた
次は三行状態表でも書くかなぁ…ジョジョロワのまとめにあったっぽいやつ
/ / // ヽ
/ !/ / / ! ! | l ! l ヽ ヽ.!ヽ、
/:::::: |彡l / /| l l l、 ! l l l ヽ! ::::',
ch:::::: F l ! ! /‐トl、 l lヽ,.-l‐トl l lミ| :::nb
||Nヽ:: |l !llN,:==:Nヽヽヽ ≦kN! ! !ニl ジ/||
||| ` ‐f!!ヽヽイ{:::::リ` ヽイ{:::::リ〉lイ ト/=' || 銀ちゃん、肉でプレイって何アルか?
N |ヽ `¨´ `¨´ リll リ こっちにも肉だるまな眉毛とマダオいる
.l ト| 、,. !_| | ╋╋ けど関係あるアルか?
! !ヽ )- ノ !ll ┃ もしかして、プロレスみたいなこと
ヽ >-r‐、 ,. イ /. ┏┓ ╋╋ するアルか?
,.rニ! !¨´ |ニヽ. ┃ ┃
/.:r'´l l ヽ::...\ ┏┓
,..'´!:::::::!r'‐、,..l、 /::::::::/ヽ、 ┃
,..' ´ l:::;.r' ノ} }_____/::::::::/ `ヽ、
/ !ん、,.、/ { { /::::::::/ ヽ、
/ | ! Y´二ヽ_|~ /::::::::/ l
/ | ヽ { --、`! /::::::::/ |
_ ,
i、 _, -`ヽ ∠ 、
` ー-, ∠_`
、ー-―´ / _ヽ,
、-`ニッ l/| 、 ヽ ヽ ヽ ヽ l | そうプロレス、フィニッシュは上四方固めですかコノヤローてな感じよ
 ̄/ , | | || | |, >'´lヽ | ヽ ヽ ヽ_ , | つかマダオとか肉すらねえじゃねえか、サングラスいらねーから
i /| | l ヽ、'ー|'| ,.イ_ラ> ||ヽ,/、 、,- 、 丶、ー' | ボインボイン付けて来いって言っとけ。後二日で俺の
|/ l /'| i―ヽ、| ´ リ ノ | l i_)l ヽ, ̄ \ チンコ爆発すっから、それまでにな
| | | |, イラ,\ ノ/ (, / _, ゝ  ̄)/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◎ リ ヾ, l く、 、 i-i iー  ̄
/ \ _ ._ ', ,- 、 / | , _'ゝ
/ /\ \ |_| |_| _. ヽ `二` , | /ヾ
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l f ',:.:.:l ',:.l-l― ヽlニ 、 ,:.l , ゝ:l― ',:.ト 、i:.:/l:.:/ヽ l!
.l l ',:.:l、ハl ヽ ヾ / ヾ ',l l/、l/`i .ト、
'、 ' ゝl i ノ===〈. //l / / ` ‐- 、_
ヽ l .l \___../ ヽ、____./イlレ / `
/ ヽ i. / ,ィ おいいいいいいいいいいい!!!!!!!
/ l¨i r, 、 i、 ,i_ -、 //:.l 何話してんだおまえらはああああああああ!!!!!
,, '' .l ヘ i `ー-`=' - ‐''! /´ : . l 残りのレス下ネタで埋める気か!!!!
,, '' l: .ヽ. l , ――‐ 、.l ./: . : . :l
.l: . :\ .H H /: . : . : .l
', : . : ヽ. l l l ! /: . : . : . : l
', : . : . ヽ ',ヽ.___.ノ/ //: . : . : . : .l
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