漫画キャラバトルロワイアル Part5

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1Classical名無しさん
このスレは漫画キャラバトルロワイアルのスレです。
SSの投下も、ここで行ってください 、支援はばいばい猿があるので多めに

前スレ
漫画キャラバトルロワイアル Part4
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1183378608/l50
【外部リンク】
漫画キャラバトルロワイアル掲示板(したらば)
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9318/
まとめサイト
http://www32.atwiki.jp/comicroyale
漫画キャラバトルロワイアル毒吐き
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1183133225/l50

・参加者リスト・
1/4 【アカギ】○赤木しげる/●市川/●平山幸雄/●鷲巣巌
2/2 【覚悟のススメ】○葉隠覚悟/○葉隠散
1/3 【仮面ライダーSPRITS】 ●本郷猛/●三影英介/○村雨良
4/4 【からくりサーカス】○加藤鳴海/○才賀エレオノール(しろがね)/○才賀勝/○白金(フェイスレス指令)
3/4 【銀魂】 ○坂田銀時/○神楽/●桂小太郎/○志村新八
3/4 【グラップラー刃牙】○愚地独歩/●花山薫/○範馬刃牙/○範馬勇次郎
4/4 【ジョジョの奇妙な冒険 】○吉良吉影/○空条承太郎/○ジョセフ・ジョースター/○DIO
4/4 【スクライド】●カズマ/○シェリス・アジャーニ/○マーティン・ジグマール/○劉鳳
3/4 【ゼロの使い魔】○キュルケ(略)/○タバサ/○平賀才人/○ルイズ(略)
4/4 【ハヤテのごとく】○綾崎ハヤテ/○桂ヒナギク/○三千院ナギ/○マリア
1/3 【HELLSING】○アーカード/●アレクサンド・アンデルセン/●セラス・ヴィクトリア
3/4 【北斗の拳】○アミバ/○ケンシロウ/●ジャギ/○ラオウ
4/4 【武装錬金】○防人衛/○蝶野攻爵/○津村斗貴子/○武藤カズキ
3/4 【漫画版バトルロワイアル】○川田章吾/○桐山和雄/●杉村弘樹/○三村信史
2/4 【名探偵コナン】 ○江戸川コナン/●灰原哀/○服部平次/●毛利小五郎
3/4 【らき☆すた】○泉こなた/●高良みゆき/○柊かがみ/○柊つかさ
計 45人 / 60人
2Classical名無しさん:07/08/25 20:12 ID:Jbl66.7k
【NGについて】
・修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
・協議となった場面は協議が終わるまで凍結とする。凍結中はその場面を進行させることはできない。
・どんなに長引いても48時間以内に結論を出す。
『投稿した話を取り消す場合は、派生する話が発生する前に』

NG協議の対象となる基準
1.ストーリーの体をなしていない文章。(あまりにも酷い駄文等)
2.原作設定からみて明らかに有り得ない展開で、それがストーリーに大きく影響を与えてしまっている場合。
3.前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている場合(死んだキャラが普通に登場している等)
4.イベントルールに違反してしまっている場合。
5.荒し目的の投稿。
6.時間の進み方が異常。
7.雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)
8.その他、イベントのバランスを崩してしまう可能性のある内容。

上記の基準を満たしていない訴えは門前払いとします。
例.「このキャラがここで死ぬのは理不尽だ」「この後の展開を俺なりに考えていたのに」など
  ストーリーに関係ない細かい部分の揚げ足取りも×

例.「このキャラがここで死ぬのは理不尽だ」「この後の展開を俺なりに考えていたのに」など
  ストーリーに関係ない細かい部分の揚げ足取りも×
3Classical名無しさん:07/08/25 20:13 ID:Jbl66.7k
・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
 ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
 修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・修正要求ではない批判意見などを元にSSを修正するかどうかは書き手の自由です。
・誤字などは本スレで指摘してかまいませんが、内容議論については「問題議論用スレ」で行いましょう。
・「問題議論用スレ」は毒吐きではありません。議論に際しては、冷静に言葉を選んで客観的な意見を述べましょう。
・内容について本スレで議論する人がいたら、「問題議論用スレ」へ誘導しましょう。
・修正議論を見て修正するかどうかは書き手の自由ですが、原則、書き手は本スレで出された修正案以外には対応する必要はありません。

・展開予想、ネガティブな感想、主観的な意見は「毒吐きスレ」でお願いします。毒は溜め込まずに発散しましょう。
・議論スレと正式に分離したことで毒吐きでの感想は過激化している恐れがあります。見る必要性もないので、書き手は見ないことを推奨します。
4Classical名無しさん:07/08/25 20:14 ID:Jbl66.7k
【能力制限】

◆禁止
・アーカードの零号開放
・武藤カズキのヴィクター化
・吉良吉影の“第三の爆弾バイツァ・ダスト”
・ギャランドゥ(ジグマールのアルター)の自立行動(可否は議論中?)

◆威力制限
・ゼロ勢の魔法
・空条承太郎、DIOの時止め
・スクライドキャラのアルター(発動は問題なし、支給品のアルター化はNG)
・アーカードの吸血鬼としての能力
・仮面ライダーの戦闘能力
・シルバースキンの防御力
・北斗神拳の経絡秘孔の効果
・激戦の再生力、再生条件

◆やや制限?
・グラップラー刃牙勢、北斗の拳勢、仮面ライダー勢、覚悟のススメ勢の肉体的戦闘力
・ジョジョのスタンド(攻撃力が減少、一般人でも視認や接触が可能)
・からくりサーカス勢の解体能力

◆恐らく問題なし
・銀魂キャラ、戦闘経験キャラなどの、「一般人よりは強い」レベルのキャラの肉体的戦闘力

【支給品について】
・動物、使い魔、自動人形などの自立行動が可能な支給品は禁止です。(自立行動を行わないならば意思持ちでも可)
・麻薬、惚れ薬、石仮面などの人格を改変するおそれのある支給品や水の精霊の指輪、アヌビス神などの人格乗っ取り支給品は禁止です。
・核金によって発現する武装錬金は、原作の持ち主の武装錬金に固定されています。
5Classical名無しさん:07/08/25 20:14 ID:Jbl66.7k
【基本ルール】
 全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
 勝者のみ元の世界に帰ることができる。
 ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
 プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。

【スタート時の持ち物】
 プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
 ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
 また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
 ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
 「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ランダムアイテム」
 「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。詳しくは別項参照。
 「地図」 → MAP-Cのあの図と、禁止エリアを判別するための境界線と座標が記されている。
 「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
 「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
 「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。
 「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。写真はなし。
 「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
 「ランタン」 → 暗闇を照らすことができる。
 「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜3個入っている。内容はランダム
6Classical名無しさん:07/08/25 20:15 ID:Jbl66.7k
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
 二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの一時投下スレにうpしてください。
・自信がなかったら先に一時投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない一時投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
   ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
   その際はかならずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
 作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。
7Classical名無しさん:07/08/25 20:16 ID:Jbl66.7k
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
 ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
 改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
 特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
 ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。
8Classical名無しさん:07/08/25 20:20 ID:zfuJbsCI
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
 自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
 また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
 あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
 それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、スレには色々な情報があります。
・『展開のための展開』はNG
 キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
 誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
 一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
 紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効
 携帯からPCに変えるだけでも違います
9Classical名無しさん:07/08/25 20:21 ID:zfuJbsCI
【読み手の心得】
・好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。
・好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。
・荒らしは透明あぼーん推奨。
・批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。
 同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。
・擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。
 修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。
・嫌な気分になったら、ドラえもん(クレヨンしんちゃんも可)を見てマターリしてください。
・「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。
・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。
 やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。
 冷たい牛乳を飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。
・感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。
 丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。
・ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。

【議論の時の心得】
・作品の指摘をする場合は相手を煽らないで冷静に気になったところを述べましょう。
・ただし、キャラが被ったりした場合のフォロー&指摘はしてやって下さい。
・議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。
 意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。
・『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、
  強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』
・これはリレー小説です、一人で話を進める事だけは止めましょう。
10Classical名無しさん:07/08/25 20:31 ID:zfuJbsCI
【禁止事項】
・一度死亡が確定したキャラの復活
・大勢の参加者の動きを制限し過ぎる行動を取らせる
 程度によっては雑談スレで審議の対象。
・時間軸を遡った話の投下
 例えば話と話の間にキャラの位置等の状態が突然変わっている。
 この矛盾を解決する為に、他人に辻褄合わせとして空白時間の描写を依頼するのは禁止。
 こうした時間軸等の矛盾が発生しないよう初めから注意する。
・話の丸投げ
 後から修正する事を念頭に置き、はじめから適当な話の骨子だけを投下する事等。
 特別な事情があった場合を除き、悪質な場合は審議の後破棄。

【予約に関してのルール】

・したらばの予約スレにてトリップ付で予約を行います
・初トリップでの予約作品の投下の場合は予約必須(5日)
 ただし、予約せずに投下できなら、別に初トリでもかまわない

・予約時間延長(最大3日)を申請する場合はその旨を雑談スレで報告
・申請する権利を持つのは「過去に3作以上の作品が”採用された”」書き手
・修正期間は修正宣言から最大三日。

【MAP】
http://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/34.html
http://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/90.html (登場人物の位置あり)
11Classical名無しさん:07/08/25 21:34 ID:Or49YdvI
新スレ乙
12Classical名無しさん:07/08/26 14:07 ID:cO1sdchg
乙です!
13Classical名無しさん:07/08/26 15:13 ID:RYNR1jaI
天が呼ぶ
地が呼ぶ
人が呼ぶ
>>1を乙せよと俺を呼ぶ
聞け!漫画ロワの住人共
俺は仮面ライダー>>1乙ダー!
14Classical名無しさん:07/08/26 17:06 ID:3dzTjj86
>>1
てめーは俺に『乙』させた
15Classical名無しさん:07/08/26 17:18 ID:.3JwfxyU
何を隠そう俺は>>1乙の達人だ!
16Classical名無しさん:07/08/26 18:22 ID:/KKfNctU
>>1は数字で、乙は漢字だッ!
17Classical名無しさん:07/08/26 22:22 ID:IybcFvMQ
ヅラじゃない乙だ
18Classical名無しさん:07/08/26 23:14 ID:StCdxaoA
>>1乙」って「>>1」の方と「乙」の方、どっちが頭なんだろうねー
19 ◆hqLsjDR84w :07/08/27 03:27 ID:C/unL9M6
今になって展開に詰まり、期限内の投下が出来そうもないので予約を破棄します
長期間キャラを拘束してしまい、本当に申し訳ありませんでした
20Classical名無しさん:07/08/27 06:40 ID:ov3TVFXM
>>19
いちおう前スレにも言ったほうがいいかと。
残念ですが、また機会があったらよろしくです。
21Classical名無しさん:07/08/27 09:39 ID:J65ZARS6
>>19
そうですか、残念です…
次の機会を楽しみにしています
22 ◆VACHiMDUA6 :07/08/27 23:27 ID:2OmARI3c
三村、ジョセフ、かがみを予約させていただきましたが、どうにも進まなく明朝の期限に間に合いそうにありません
なので、予約を延長させていただけないでしょうか?
23Classical名無しさん:07/08/27 23:59 ID:eSUKBQrc
>>22
無論OKだ
24Classical名無しさん:07/08/28 08:49 ID:oflB0FFg
>>22
期待してます!
25Classical名無しさん:07/08/30 21:31 ID:OIqYly82
誰も死なない作品が多すぎ
錬金は誰も死ぬ気配を見せてないしさ
26Classical名無しさん:07/08/30 22:47 ID:9HXm5abQ
>>25
そう考えていた時期が自分にもありました

人間はコロっと死んでしまうものですよ…
蝉のようにコロっと…
27 ◆VACHiMDUA6 :07/08/30 23:30 ID:drIIEHJw
前回>>1乙と言い忘れたから前回に変わって叫ばせてもらう!!『>>1乙!!!』
 
ジョセフ・ジョースター、三村信史、柊かがみを予約させて頂いて……あまつさえ延長をしたのですが…………まだ、書き終わらなかったのです
すみません、予約破棄して
28 ◆VACHiMDUA6 :07/08/30 23:32 ID:drIIEHJw
前回>>1乙と言い忘れたから前回に変わって叫ばせてもらう!!『>>1乙!!!』
 
ジョセフ・ジョースター、三村信史、柊かがみを予約させて頂いて……あまつさえ延長をしたのですが…………まだ、書き終わらなかったのです
すみません、予約破棄して出直せ、と自分自身も思うのですが……後一日待って頂けるでしょうか?
内容は見合ったものと自負しておりますので
29Classical名無しさん:07/08/30 23:34 ID:pXgroc9Q
>>28
OK、ゆっくり書いてくれ
30Classical名無しさん:07/08/30 23:37 ID:FmP42b0Y
もちろんいいです。正直、期限とかいいから書いてくださいお願いします。
31 ◆VACHiMDUA6 :07/08/30 23:42 ID:drIIEHJw
甘えてしまってすみません……
32 ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:25 ID:AaKos8SQ
遅れました。これから投下します
33COOL EDITION ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:28 ID:AaKos8SQ
「――それでは、バトルロワイアルを続行する!!」
 そう言って不快な放送は終了した。
 不快なことはこの老人の声ではない。思想、言葉、放送――その内容であった。
 
 放送が告げたものは、それはプログラムの犠牲者八名の死と、自分達の生存領域を減らす「禁止エリア」の告知。
 そして、
「杉村……」
 三村の級友、杉村の死。
 彼の死で自分達が――自分が信頼できる人間がいなくなってしまったのだ。それも放送が告げた、紛れもない事実。
 だがこれが三村にもたらすものは悲しみよりも、寧ろ絶望。
 
 しかしそれをも上回るやもしれないことがある。それはあの老人が発した言葉、「勘違いをしている人間」。
 これはハッキングを犯した自分達に向けた言葉かもしれないし、他の参加者――このバトルロワイアルとやらに乗らず、脱出を謀ろうとしている――に向けたものかもしれない。
 しかし確実、どちらにせよ先程の自分達の会話は聞かれている。これも紛れのない事実。
 絶望だらけのこの事実に絶望した。
 まさに絶望尽くしのこの状況。どうすれば良いのだろうか?
 落ち着け……クールになれ三村信史。
34Classical名無しさん:07/08/31 23:29 ID:tiXWWHVM
35COOL EDITION ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:30 ID:AaKos8SQ
 脱出、主催へのカウンターパンチ、新たな策を考えようと脳をフルに稼働させる。
 
 「いッ!」
 すると突然、冷や汗、脂汗を額に浮かべて考える信史の頭に鋭い一撃が急襲した。
 デコピンである。
 犯人は目の前の男、ジョセフ・ジョースター。
「シンジ……杉村の死を悲しんで怖じ気づいてんじゃあねーぞ」
「怖じ気づく……? ジョジョ……俺は常に冷静だぜ。クールに考えてる」
「常に冷静? 汗をかきまくって顎がガチガチ震えているぜ」
「ハッ……」
 いつの間に、と顎に手をやる信史だが、頬を伝った多量の汗を確認できても顎の震えは確認できなかった。
 突沸した怒りをそのままに顎を触った手でジョジョの胸倉に掴みかかる。
「ジョジョ……テメー」
「次にお前は『騙しやがったな』という」
 信史が言葉を紡ぎ出すよりも早く、ジョセフの言葉が発せられた。
 そしてその言葉は信史の思考を確実に射抜く。
「騙しやがったな……はッ!」
 
 そんな信史の言葉に頷きつつも、ジョセフは信史を睨みつける。
「ああ、騙したぜ。だが……ビビっている奴は見つかったようだな」
36COOL EDITION ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:31 ID:AaKos8SQ
 ビビっている奴、自分も気がつかない……いや、薄々と心の中では思っていたが目を逸らしたその言葉をジョセフに言い当てられたことに、信史は苦々しく顔を逸らした。
 確かに杉村の死、放送の警告に自分は恐怖していたのだ。
 
「シンジ、シンジ、シンジ、シンジよォ〜〜〜〜〜〜〜〜」
 ジョセフは何かいいたげな目で胸倉を掴んだ手をおさえ、そんな信史に向き合った。
「いいかシンジ……俺たちはな! ダム開発で潰れそうになった村で「クールになれ」「クールになれ」ってバット振り回してるようなスカタンとはワケが違うんだぜ。
 『クールになれ』と心の中で思ったならッ! その時スデに冷静になっているんだ!」
 その言葉に更に付け加えて言い放つ。
「今のお前は、自分が冷静になることに捕らわれ過ぎて冷静さを欠いているんだ。わかるかシンジ?
 そういうことを……本棚転倒……じゃなくて……本田工業……は違う……府中本町でもなくて、別府元町」
「……本末転倒か?」
「オーノーそれよそれ。それだったァ〜〜〜〜〜〜!」
 手を打ち合わせて信史を指差すジョセフ。
 瞬間、急速に、一時的ではあるが張り詰めていた弦のような場の空気が解凍された。
37COOL EDITION ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:32 ID:AaKos8SQ
「オホン……え〜〜〜〜っとつまり、だ。シンジ、俺が言いたいのはな」
「いや、言わなくても良いぜジョジョ」
 ジョセフが何か言葉を紡ごうとするがそれを制した。
 自分は確かに恐怖していた。冷静さを欠いていた。絶望的、だがそんなことがどうしたのだろうか。
 そうだ。どうした……自分は第三の男、三村信史なのだ。絶望的? ……その方が、カウンターパンチのしがいがあるというものだ。
 そう、杉村の分も他に殺された七人の分も含めた、強烈なカウンターパンチをお見舞いしてやれば良い。
 ジョセフを制した言葉に信史はこう付け加えた。
「心で理解したぜ」
 心で理解した。そう答える信史の汗は止まっていた。目には力がみなぎり、その心中には炎が灯った。
 顔に恐怖や絶望の色はもう既になく、すう、と鼻から吸い込む午前の空気はさわやかに信史の肺の中を満たした。
 
「オーケージョジョ。取り乱して悪かったな」
「へへへ、そうか。それじゃあどうする?」
「ああ、そのことなんだが……こいつを見てくれ、どう思う?」
 こういってデイパックから信史が取り出したものは一枚の紙だった。
「すごく……地図だな。こいつがどうかした?」
38Classical名無しさん:07/08/31 23:35 ID:7lQXZpSI

39Classical名無しさん:07/08/31 23:36 ID:7lQXZpSI


40Classical名無しさん:07/08/31 23:36 ID:tiXWWHVM
41COOL EDITION ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:37 ID:AaKos8SQ
「『どうかした?』とは嬉しいこと言ってくれるじゃないか」
 何か含んだような笑いを浮かべながら信史が指差した場所は地図の端だった。
「地図の……端っこ?」
「そう、ジョジョ。ここの端から先はどうなってると思う?」
「地図の端から先は……かかれてないな」
 極めて大真面目にジョセフは答えたが、その答えは信史の満足するものではなかった。
 そんなジョセフの言葉を聞いて信史は問い方を変えてみることにした。
「オーケー地図にはかかれていない部分がある。けど実際こんな正方形の地形があるわけはない。だったら、なんでその部分はかかれていないと思う?」
「なんでって……必要がないからだろ。それがどうしたのよ」
「そう、必要ないからだ。広すぎると参加者同士の争いが起こりづらくなるからな」
 そこで一旦言葉を区切って一息置き、信史は説明を再開した。
「さて、じゃあどうやってその必要のない空間と必要がある空間を区切っている?」
「どうやって区切っているかって? ……そりゃあ」
 壁で、ということは有り得ない。海や川があるということも考えられるが、自分のような波紋使いがいる以上それも考えがたい。
 波紋使いも含めて制限するなら、
42Classical名無しさん:07/08/31 23:38 ID:7lQXZpSI



43COOL EDITION ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:39 ID:AaKos8SQ
「そうか、首輪だ!!」
「ご名答」
 こいつが邪魔者だ、とばかりに自身の首輪をコツコツと叩く。
 そして地図を裏返し、ペンを取り出す。
「とは言っても実際にそうかとは確信がない」
『こいつを解除したなら抜け出せる可能性が高い』
 言葉と同時に地図の裏にペンを走らせる。
「だったら、実際に確かめにいった方がいいだろう」
『解除したあとの為に、脱出用のルートを確保した方がいいかもしれない』
「どうする?」
 
 その言葉を聞いて、ニヤリといやらしい笑みを顔に浮かべる。
 そして、ジョセフもペンを走らせる。
「オーケーわかったぜシンジ。モチロンお前も行くだろう?」
『ただし、あのスカタンをブチのめした後だぜ』
 
「当然だぜ」
 ニヤリと、シンジも笑い返した。
 そして、二人は荷物を纏め、太陽の光を背負い颯爽と肩で風を切り歩き出した。
44COOL EDITION ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:40 ID:AaKos8SQ
     ◇  ◆  ◇
 
 颯爽と二人が歩き出してから数時間。
 二人はまだマップの端に到着してなかった。現在地、野球場付近。
 何故こんなに遅いかというと……
 
「シンジ〜〜〜〜〜やっぱりこの荷物捨てようぜェ〜〜〜〜〜〜」
「捨てるのはダメだ。常識的に考えて」
 荷物が大きく、分厚く、重かったからだ。
 デスクトップ型パソコン、そのハードディスク、バスケットボール……それは荷物というにはあまりにも重すぎた。
 常識的に考えて、デスクトップ設置型パソコンやハードディスク、バスケットボールなんてもの全てはデイパックには入りきらない。
 ならば必然的に手持ち。そして、こんなものを手持ちで移動するなんてあまりにも無謀。
 こんなものを持ちつつも周囲を警戒する。結果、二人の移動速度は遅くなるのだ。
「な〜〜〜〜シンジ〜〜〜〜〜〜」
 しつこい、と返して信史は一切の口をつぐんだ。
 ちなみに、持つ順番決めはジャンケン。ポイント一つごとにジャンケンをしようと言った信史に対して、目的地まででいいといったのはジョセフなので、ある意味自業自得だった。
45Classical名無しさん:07/08/31 23:40 ID:7lQXZpSI




46COOL EDITION ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:42 ID:AaKos8SQ
「シンちゃん……ジョセフかなピー」
 気色の悪い言葉を呟きながら、デイパックから水を取り出した。
 修行のおかげでジョセフの息は乱れないものの、ここまで歩き続くと流石に喉が渇くのだった。
「そろそろ……野球場だな」
 野球……自国、大日本帝国とも縁が深い。
 大日本帝国……皆はどうしているだろうか?
 あのつまらない両親はどうしているだろうか?
 七原達はどうしているだろうか?
 
「シンジ」
 物思いにふけると、突然ジョセフから声を掛けられた。その顔は……険しい。
「気をつけろ……野球場に誰かがいる」
 水の入ったペットボトルを片手にジョセフはそういった。そのペットボトルには……何故だか渦のような波紋が浮いている。
 
「距離は……マズい、相当近いな。シンジ、注意しろよ」
 パソコンその他諸々を地面に置くと、ヨーヨーを取り出した。
 片手に石鹸のついたヨーヨー、片手に渦の浮かぶペットボトル。その光景は奇妙だったが、その背中は有無を言わさぬ歴然の勇士の風貌を醸し出していた。
 そのジョセフの様子に、シンジもトランプ銃を構える。
「動いてはいないようだが……」
 水に浮かぶ波紋を片手に距離を詰める。
47COOL EDITION ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:44 ID:AaKos8SQ
「おれが先にいって確かめるからその後に来い」
 ジョセフが苦々しげに前方を睨む。
 その視線は、その場にいて動かない何かを見据えているようだった。
「ああ」
 そんなジョセフの言葉に素直に頷く。
 第三の男だ、なんだといわれてもこの場においてジョセフと自分の関係は幾多の闘争を制した戦士とちょっと他人よりできる素人中学生そのものだった。ジョセフの判断に従うより他はない。
 
 信史より10m先行してジョセフは野球場の円周を周り行く。
 そろそろ野球場入り口……波紋の探知した人物の位置。
 円周を回りきって入り口に達したジョセフはその場の光景に思わず声を上げた。
「OH MY GOD!!」
 
     ◇  ◆  ◇
 
「う……」
 言い争う大声でかがみは目を覚ました。
 誰だろう、とその場に目をやる。言い争っているのは大男と高校生、いや中学生程の男だった。
 
 言い争う大方の言葉から、自分が論争の原因だと理解できた。
 大男――ジョジョは自分の方に来ようとしている風で、中学生――シンジはその行為を止めようとしているようだった。
 
48COOL EDITION ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:45 ID:AaKos8SQ
 
「おいおいシンジ、こんな場で人を助けなくてどうするんだ!」
「違う。こんな場だからこそだ!」
 ジョセフが波紋で探知した人物は倒れている少女だった。一瞬驚いて声を上げてしまったが、直ぐに気を取り戻した。
 解放しようとして女の子に近付こうとしたら、叫び声を聞きつけたシンジがこの場に来てそれを止めた。そういうわけでさっきからこんな調子だった。
 
「そうは言ってもよォ〜〜〜〜〜〜〜シンジ、怪我してるみたいだぜ。手に血が付いているし、顔も切れてるぜ!!」

「冷静に考えろ。返り血かもしれない!」
「冷静に考えろ? おれは冷静だぜ。ぼやぼやして死んじまう前に、今助けたほうがましだ!」
「もし、彼女が杉村を殺したような化け物だったらどうする! 強力な支給品をもってるかもしれねー! こんな場所なら少しのことが命取りだ! 信用できるとは限らない!」
 言い争う二人はかがみが目を覚ましたことにも気がつかない。
「信用できるかわからない、化け物だって! シンジ、てめーーーそんなことがどうしたっていうんだ! くだらねえぜ!」
「話してもいないのに信用できるかこのバカッ!」
「なんだとォ〜〜シンジ!」
49COOL EDITION ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:47 ID:AaKos8SQ
 
 かがみは考える。
 ジョジョ、という男は……言うならば、正義の味方、のような人物なのだろう。
 シンジ、という男も……言葉からこの殺し合いに乗っている様子はない。きっと、とても慎重なのだろう。
「うっ……」
 見ず知らずの人間を助けに来る、その行為に思い出した。
 自分が殺されそうになったこと。自分を殺そうとした男。見ず知らずの自分を助けてくれた男。やっと再開した友人。何故だかしっかりしていた小学生程の少女。
 自分の不注意で呼び寄せてしまった怪物。分断された自分達。襲ってきた怪物。相手をした自分。
 そして、血だらけの、夢。
 眠りからやっと立ち上がった脳髄が今まで起こったことを鮮明に思い出す。すると不意に、目から涙が零れ落ちた。
「うっ……うっ……」
 そのまま声を上げて、かがみは泣き出した。
 
     ◇  ◆  ◇
 
「――ということだったけどオーケー?」
「あ……ありがと」
 ジョセフ達は一先ず言葉の鉾を収め、それから泣き出すかがみを落ち着かせ、一先ずの情報を交換した。
 
「それじゃあ仲間と待ち合わせしているボーリング場に行くんだな」
50COOL EDITION ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:47 ID:AaKos8SQ
「正午までって約束だからね」
 信史の言葉にかがみは頷く。みゆき達と正午にボーリング場、そう約束したからだ。
 聞いた放送では、みゆき達の名前は呼ばれなかった。無事ならばもうじきボーリング場に付いていてもおかしくはない。
 待ち合わせに遅れてはみゆき達に余計な迷惑をかけてしまう。
「じゃあ、ありがとね」
 足元の荷物を拾い上げる。急がなくては遅れてしまう。
 
「おほ、おほ、おほほん、おほぉ〜〜んっ!」
 かがみがその場を立ち去ろうとした時、唐突にジョセフが咳払いを始めた。
「どうしたジョジョ?」
「なに?」
 怪訝な顔をする二人にジョセフはこう問いかけた。
「なあ、シンジ〜〜おれたちこれからマップの端に向かうんだよなァ?」
「ああ、そうだけど」
 信史は肯定の意を表す。
「ボーリング場ってさぁ〜〜〜マップの端が近いよなァ?」
「そうだな」
 再び肯定の意を表する。この問いかけでジョセフの真意が理解できた。
 
「だったらさぁ〜〜〜〜ボーリング場行ってからでいいんだろ? 都合もいいしさ」
「ジョジョ……」
「ジョースターさん……」
 つまり、ジョセフはかがみをボーリング場まで送りとどける、そういうことだ。
 
「俺のことはジョジョって呼んでくれ」
51Classical名無しさん:07/08/31 23:48 ID:7lQXZpSI


52Classical名無しさん:07/08/31 23:50 ID:pDlcpV8E
53Classical名無しさん:07/08/31 23:50 ID:7lQXZpSI

  
54COOL EDITION ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:50 ID:AaKos8SQ

 再び、柊かがみは対主催を旨とするもの達と行動を共にすることとなった。
 だがしかし、柊かがみはここに『来た』時の彼女ではない。
 度重なる重圧で、精神が摩耗しているのだ。
 みゆき達が死んでしまったことを知ったなら、かがみはどうなるのだろうか?
 今は均衡を取り戻しているその心は、果たしてどうなるのだろうか?
 そして、彼女がもし『そう』なってジョジョ達はどういった行動にでるのだろか?
 それは――その時になるまでわからない。
55Classical名無しさん:07/08/31 23:51 ID:eKV09Gys
 
56Classical名無しさん:07/08/31 23:52 ID:7lQXZpSI

   
57COOL EDITION ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:52 ID:AaKos8SQ
【B-5 野球場入り口/一日目 午前】
 
【ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康。
[装備]:ハイパーヨーヨー*2(ハイパーミレニアム、ファイヤーボール)、江頭2:50のタイツ(スパッツ)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本:あのスカタンを一発ぶん殴ってやらねぇと気が済まねぇ〜〜。
1:ハッピー、うれピー、よれピくね〜〜
2:ボーリング場、マップの端を見に行く。
3:「DIO」は警戒する、一応赤石も探しとくか……無いと思うけど。
4:ところで、何で義手じゃないんだ?
[備考]
※二部終了から連れてこられていますが、義手ではありません。
※承太郎、吉良、DIOの名前に何か引っかかっているようです。
※水を使うことで、波紋探知が可能です。
 
58COOL EDITION ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:53 ID:AaKos8SQ
【三村信史@BATTLE ROYALE】
[状態]:精神、肉体的に疲労
[装備]:トランプ銃@名探偵コナン、クレイジー・ダイヤモンドのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:七原秋也のギター@BATTLE ROYALE(紙状態)、 バスケットボール(現地調達品)、ハードディスクを抜き取ったデスクトップ型パソコン(現地調達品)、壊れたハードディスク(現地調達品)、基本支給品
[思考・状況]
基本:老人の野望を打ち砕く。
1:やれやれ……。
2:ボーリング場、マップの端を目指す。
3:再度ハッキングを挑む為、携帯電話を探す。
4:集められた人間の「共通点」を探す。
5:他参加者と接触し、情報を得る。「DIO」は警戒する。
6:『ハッキング』について考える。
[備考]
※本編開始前から連れて来られています。
※クレイジー・ダイヤモンドは物を直す能力のみ使用可能です。
 復元には復元するものの大きさに比例して体力を消費します。
 戦闘する事も可能ですが、大きく体力を消費します。
59Classical名無しさん:07/08/31 23:53 ID:eKV09Gys
      
60COOL EDITION ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:54 ID:AaKos8SQ
【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]:無傷、精神消耗(小)、やや精神不安定
[装備]:核鉄「激戦」@武装錬金、マジシャンズレッド(魔術師の赤)のDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本:生きてみんなと一緒に帰りたい(?)
1:べ、別に感謝なんてしてないんだから!
2:ボーリング場を目指す。
3:とりあえずジョセフ達と行動する。
4:つかさ、こなた、みゆきに会いたい。
5:自分の変化が怖い。
[備考]
※第一回放送の内容はジョセフ達から聞きました。
※アーカードを不死身の化け物と思っています。
※「激戦」は槍を手から離した状態で死んだ場合は修復せずに死にます。
 持っている状態では粉々に吹き飛んでも死にませんが体の修復に体力を激しく消耗します。
 常人では短時間で三回以上連続で致命傷を回復すると意識が飛ぶ危険があります。
 負傷して五分以上経過した患部、及び再生途中で激戦を奪われ五分以上経過した場合の該当患部は修復出来ません。
 全身を再生した場合首輪も再生されます。
 自己修復を利用しての首輪解除は出来ません
 禁止エリア等に接触し首輪が爆破した場合自動修復は発動しません。
※「激戦」は槍を手から離した状態で死んだ場合は修復せずに死にます。
 持っている状態では粉々に吹き飛んでも死にませんが体の修復に体力を激しく消耗します。
 常人では短時間で三回以上連続で致命傷を回復すると意識が飛ぶ危険があります。
 負傷して五分以上経過した患部、及び再生途中で激戦を奪われ五分以上経過した場合の該当患部は修復出来ません。
 全身を再生した場合首輪も再生されます。
 自己修復を利用しての首輪解除は出来ません
 禁止エリア等に接触し首輪が爆破した場合自動修復は発動しません。
※マジシャンズレッドの火力は使用者の集中力によって比例します。
 鉄を溶かすほどの高温の炎の使用は強い集中力を要します。
 火力センサーは使用可能ですが精神力を大きく消耗します。
61Classical名無しさん:07/08/31 23:54 ID:pDlcpV8E
62 ◆VACHiMDUA6 :07/08/31 23:59 ID:AaKos8SQ
以上で、投下終了です
波紋力は 切り裂きジャック遭遇時ジョナサン<<<第二部終了時ジョセフ と想定し、『波紋探知』の範囲を広めに考え、10m超過〜20m程度としました
63Classical名無しさん:07/09/01 00:00 ID:TQSUdU5.
GJ!
ヤバイ仲間がIN!
64Classical名無しさん:07/09/01 00:04 ID:KWa3GbYs
投下乙。ジョジョネタとくそみそネタが織り成すカオスw
唯一のまともな頭脳派だったのについに爆弾加入ですね。
ただこれはどっちに転ぶか分からんね。マジで五分五分……。
装備的には最強レベルのパーティなんだけどなぁ。
65Classical名無しさん:07/09/01 00:06 ID:GbD0fgHQ
GJ!

ジョセフのかっこよさは異常
さすが歴代最も『ジョジョ』と呼ばれた男!
66Classical名無しさん:07/09/01 00:06 ID:GbD0fgHQ
GJ!

ジョセフのかっこよさは異常
さすが歴代最も『ジョジョ』と呼ばれた男!

放送後にどうなるか……
67Classical名無しさん:07/09/01 00:07 ID:v2LBRlrc
>ダム開発で潰れそうになった村で「クールになれ」「クールになれ」ってバット振り回してるようなスカタン
吹いたwwwwwwwwwwwww
ネタが散りばめられててすげえGJ!
しかーしヤバい人が……
68Classical名無しさん:07/09/01 03:04 ID:8Apn0n7M
>>60
こいつぁ、GJ!
ダムのくだりでマジ吹いたww
それにしても、三村とジョジョはええなあ。
原作でも、三村にいい相棒がいればなあ、と思っていた俺としては嬉しくて仕方がない。
作者の会話センスが光一作でした。
重ねてGJ!
69Classical名無しさん:07/09/02 09:23 ID:KwKYvaig
個人的に三村には期待してるんだぜ……今度こそダンクシュートを決めてくれ!
あと物騒な予約キター。
70Classical名無しさん:07/09/02 11:11 ID:OlbxFJrM
ルイズと覚悟が離れて、覚悟の方が先に死んだら絶対に荒れるだろうなぁ……
71Classical名無しさん:07/09/02 18:22 ID:8QOeU2rU
ハヤテ・勝・しろがねの時点で波乱の予感なのにそこに鳴海・赤木組&TQN&刃牙なんてどんだけ波乱を招く気かとw
72Classical名無しさん:07/09/02 22:36 ID:LBrtx6JU
さーて、果たして何人死ぬかな〜〜〜?



嗚呼ハヤテきゅん……ッ!!
73Classical名無しさん:07/09/02 23:23 ID:KwKYvaig
どうでもいいが、そろそろ刃牙には服を着ろと言いたい。
74Classical名無しさん:07/09/03 02:17 ID:ZJKlbSmo
どうでもいいが、そろそろハヤテにも戦闘面で活躍してほしい
格闘技経験者のこなたもな
75Classical名無しさん:07/09/03 10:29 ID:w/LXJjgM
>>74
ロボットとやりあったハヤテならまだしもこなたじゃあの超人共相手じゃ瞬殺じゃね?
76Classical名無しさん:07/09/03 13:49 ID:86m5dzbg
こなたはオタク知識を生かして相手の弱点を突くのがうまそう。
こういうキャラはこういう対応したらこうなるだろうなとかいうシミュレートしてさw
77Classical名無しさん:07/09/03 18:55 ID:8w/1vdwE
>>76 そんな秋葉を歩いてるピザみたいなこと言うなよ
78Classical名無しさん:07/09/03 19:11 ID:NzQoITlQ
なんかすごい予約来てた!!!!!
79Classical名無しさん:07/09/04 07:52 ID:CI2o4kSM
このロワにおいて、格闘技経験者を名乗るなら、

「ビ ン を 手 刀 で 叩 き 切 る」

ことができなければ、その資格はない!(コーラウマ―の話を参照)
80Classical名無しさん:07/09/04 10:37 ID:I4/AvTd6
[sage]
激しく同意www
大山〔極心空手の祖〕や塩田〔バキの渋川のモデル〕(敬称略)すら赤子扱いしそうな奴らだ。こなたなど格闘家に一般人だろう。
いや!
こなたなら瓶切ってもギャグで片付けれるなも
ノリでww
81Classical名無しさん:07/09/04 10:43 ID:I4/AvTd6
スマン、修正あるわ
格闘家ではなく一般人だ
にしといてくれ
格闘家に一般人ってww
82Classical名無しさん:07/09/04 13:02 ID:wDBRpZLc
>>80-81
どうでもいいがsageはメール欄に書くものだぜ

ちなみに俺が考える微妙な一般人キャラの強さ
新八=コースケさん×3を基準としたら
つかさ、ナギ=コースケさん×0.1
かがみ=コースケさん×0.5
マリア=コースケさん
こなた=コースケさん×2
ヒナギク=コースケさん×3
服部平次=コースケさん×4
三村=コースケさん×4
川田=コースケさん×5
桐山=コースケさん×8
ハヤテ=コースケさん×10ぐらいかな
83Classical名無しさん:07/09/04 13:26 ID:atYS0.nU
マリアさんは結構強いんだぞ。常人があっさりやられるくらい
84Classical名無しさん:07/09/04 14:35 ID:sqc1h8OA
ま た 強 さ ラ ン キ ン グ か
85Classical名無しさん:07/09/04 14:45 ID:tbt9VNrc
強さランキングっていってもジョジョやら北斗やらのランキングはやめたほうがいいと思うが、
大勢に影響しそうなキャラじゃなくあくまで一般人のみなんだから少々構わないと思うが?

>>82
コースケさんって空知の高校にいた不良生徒だっけ?
だったらヒナギクなら5人くらいいけそう。
そう考えると新八ってやっぱそんなに強くないな。
86Classical名無しさん:07/09/04 19:36 ID:CI2o4kSM
新八は紅桜編と柳生編で別人みたいに進化してるから困る。
87Classical名無しさん:07/09/04 19:58 ID:JDk6ERUM
ハヤテとかギャグを、こういった場でそのまま原作でああだから強いって展開は
どうかと思うよ。
88sage:07/09/04 20:18 ID:FVkEPklg
ただのギャグ漫画だし。比べること自体無意味じゃん。
89 ◆ozOtJW9BFA :07/09/04 21:20 ID:WxJ4vBwM
タバサ、葉隠散、服部平次、平賀才人、村雨良、劉鳳の予約の延長を申請します。
90Classical名無しさん:07/09/04 21:54 ID:kuhnEJyE
>>89
バッチリ待ってますよ。
>>88
sageはメル欄
91Classical名無しさん:07/09/04 23:09 ID:Xk2vuyqU
>>82
やっぱり、強さランクよりも弱さランクだよな。
市川とナギの最弱決定戦は見てみたかったんだがなぁ……
92Classical名無しさん:07/09/04 23:48 ID:LuJ59vJI
>>88
気持ちは分かるけど、基本的な強さの尺度がないと混乱が起きそうな気がするんだよね。
まあ、書き手さんに一任して、文句が出ない事を祈るしかないのかもなぁ。
93Classical名無しさん:07/09/05 10:29 ID:oF.5Ywbg
あまりランキングにはいい思い出ない気がしない?
ほら、キャプテ○の事もあるしさ、それに強い=勝つという方程式はバトロワには当てはまらないしさ、
全て書き手殿に一任でいいのでは?
94 ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 11:27 ID:ao1OEb22
>>89
了解しました。新作楽しみにしてます!

>>93
個人的にはちょっとそのキャラを書きにくくなってしまうから辞めて
欲しいなーと密かに思ってます。他の書き手さんはどうなのでしょうか?

それで報告なんですが予約していた覚悟、新八、ラオウのSSは今日中に投下出来ます。
wikiでコメントを貰えたので嬉しくて遂長くなってしまいました……w
というわけでその時暇でしたら是非ご支援よろしくお願いします!
95 ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 13:07 ID:ao1OEb22
投下します。
96 ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 13:10 ID:ao1OEb22
青と白を基調とし、江戸川コナンの様な一般人から見れば
「なんというコスプレ…」と言われかねない和服を纏った少年――志村新八。
人間の自由のために仮面ライダーと共に闘った一人の男の魂――SPIRITが
刻み込まれた漆黒のライダースーツを纏った少年――葉隠覚悟。
共に眼鏡を掛けた二人の少年はこのバトルロワイアルを潰す事に
必要不可欠な首輪の解除を行うために首輪のサンプルを手に入れるべく
東へ向かっていた。
何故彼らは東へ向かっているのだろうか? 答えは簡単だ。

「覚悟くん、東の方に当てでもあるの? 
その言いにくいんだけど……首輪を取るための死体の…… 」
例えどんな理由があろうとも仏様の身体を弄くりまわす事は許される事ではない。
首を落とす事など言語道断である。
これから自分達が行うかもしれない行為に
重い罪悪感を感じながら新八は覚悟に訊ねる。

「無論、只闇雲に歩いているわけではない。
私が以前倒した悪鬼の首輪を回収しに行こうと思う。
首輪が手に入り、それが牙なき人々の剣となるのならば
私は悪鬼の死体から首を落とす事に一時の迷いはない」
淡々とそれでいて力強い口調で覚悟は新八の問いに返答し更に東に歩を進める。
その迷いのなさに新八は咄嗟に思う。
――――残酷だ。
先程のコナンの話に少なからず感化されていたのであろう。 
覚悟が言う悪鬼にも何か守る物があり、望まぬ闘いに身を投じた所を
悪鬼と認識されただけなのかもしれない。
そんな可能性のある人の死体から首を落とす事に
迷いがないと言う覚悟は残酷だと思ってしまう。
だが直ぐに別の感情が新八に押し寄せる。
97SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 13:11 ID:ao1OEb22
(…でも何て言うか……凄いな。
そこまで他の人の為に行動出来るのは…そうそう出来る事じゃないよ )

覚悟程の身体能力、徒手空拳の技術があればこのバトルロワイアルに
生き残り優勝を目指す事は決して不可能な事ではないだろう。
それを放棄しわざわざ自分が死体漁りという汚れ役を
進んで引き取り、力なき人々のために尽力する。
口で言う事は簡単だが行動で表すとなると耐え難い苦痛を伴う茨の道。
そんな道を目の前の自分と然程歳が変わらなさそうな少年――
葉隠覚悟は迷わず進むと言っているのだ。

(死体の首を落とすなんて勿論良くない事だ。
でもこのままあのおじいさんを好き勝手にさせておく事はもっと良くない事だ!)
未だこのバトルロワイアルに乗った人物を絶対に殺すという覚悟はないが、
みすみす殺されてやる義理はない。
新八は決意を新たに胸に秘める。とそこで新八はふと思う。

(でも僕も自分の身を護る事ぐらいは出来ておかないと!
えーっと僕の支給品は確か……)
歴史の裏側から世界を見守ってきた五人の集団や、
「待てぃ! 」の掛け声で現れその場にぴったりの格言を言ってくれるナイスガイ
の様な徒手空拳の技術を新八は持っていない。
……まぁ比べる対象が少々人外すぎるかもしれないが。
とにかく自衛のために必要な武器を今一度確認しておこうと新八は思い、
自分の手に握られている物に目を向けるが……新八は言葉を失った。
98SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 13:12 ID:ao1OEb22
(あれ?僕の支給品ってハリセンだっけ……?)
あまりにもハリセンの頼りなさに今まですっかりハリセンの事を忘れていた
新八は考える。

(そういえば確かコナン君に会う前に確認したなぁ……。
神様、二回目は面白くないですよ? なんでこんな状況でハリセンなんですか?
同じギャグにツッコミをするのは読者も白けると思うんですよー。
ハッ! もしかしてこれは覚悟くんが無茶をしそうになったらこのハリセンで
覚悟くんに決死のツッコミをし、その場の空気を和ませよという神様のご啓示なのか!?
そうか、やっぱり神様は凄いなぁーこんな伏線を張ってたなんて……
ってそんなわけあるかぁぁぁー! どう考えてもちげーって! 
神様! あんた絶対ドSだよぉぉぉぉぉーーーーー!!! )

長ったらしいボケツッコミを心の中で行い、神様の理不尽さに怒りを抑えきれずに
地面に向かって怒りの根源であるハリセンを投げつけ
パシン!
と軽快な音が周囲に響く。
「どうした志村? 何事だ? 」
先を進んでいた覚悟は新八の方に振り返り即座に臨戦態勢をとり、
周りの状況を窺いながら新八に問う。
その表情は既に少年のものでなく戦士のものとなっていた。

「い、いや! 何でもないよ。
ちょっとうっかりこのハリセンを落としちゃっただけさ! 」
「……承知。ならば先を急ごう」
バツが悪そうな表情で覚悟に言葉を返す新八に覚悟は
それ以上は問い出さずに更に歩を進める。
その覚悟の後を新八はハリセンを拾い慌てて追う。
何故新八は役に立たないのにハリセンを持っていったのだろうか?
それはやはり……ツッコミ担当という悲しい『SAGA』が働いたのかもしれない。
99SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 13:13 ID:ao1OEb22
(ごめんよ覚悟くん……ぶっちゃけ僕役に立たないどころか
足手まといになるかも……いや、現在進行形でなってるかも。
誰かに武器でも借りてくれば良かったよ。
というか僕ハリセンで何をするつもりだったんだろう……)
心なしか涙目になり新八は今更ながら後悔の念にからまれる。
「そりゃツッコミするためだろ? 」
とどこからかいやにいかつい天の声が聞こえた様な気がするが
気にしない、気にしない。

『気にしたら負けだと思ってる』
16歳、万事屋アルバイト店員、志村新八。辞世の句……。
(いやいやまだ死ぬ気はねぇぇぇーーーって! 
せめてこの話しが終わるまでは大丈夫……自信が持てないのは不安だけど。
というかこんな言葉辞世の句にしたくねぇぇぇーーーって! )
やはり新八はツッコミという名の下に生まれた少年なのだろう。
◇  ◆  ◇
100SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 13:14 ID:ao1OEb22
(……俺はどうすればいいのだ? )
丁度F-3エリアとG-3エリアの境界に当たる位置で覚悟は考える。
勿論先程のコナンとの会話で出てきた悪鬼への対応の事だ。

今まで覚悟は父――葉隠朧の仇でもあり自分の兄でもある現代鬼――
葉隠散とその配下――戦術鬼の毒牙から牙なき人々を護るために
最終格闘技『零式防衛術』を身を削って磨いてきた。
――零式防衛術は己のための剣にあらず、牙を持たぬ人の剣なり。
ゆえに剣を抜くのは決して己ではなく、牙を持たぬ人の祈りなり――
という父の言葉を一時も忘れずに。

だが『守るべきものがある悪鬼』という存在は覚悟にとっては
完全にイレギュラーな存在であり覚悟に迷いを生じさせていた。
当然相手が散や散が造った戦術鬼と言う存在ならば
一時の迷いもなく因果を極める事が出来る。
零式防衛術訓練終了の日にいかなる理由があったかは知らないが
自分の目の前で父を殺した散。
人体改造により誕生し、罪なき人々を食い散らす。
最早人間とは程遠いと言う戦術鬼。

しかしこのバトルロワイアルでの悪鬼は
同じ人間の血が流れた人間なのだ。
厳密に言うと人間ではない存在も参加者に混ざっているが、
覚悟にとってそのような異形な者は散と虎の怪人しか知らない。
以前自分が倒した虎の怪人は人間とは言い辛い者であり、
杉村弘樹を殺した者でもあるので後悔はない。
101Classical名無しさん:07/09/05 13:29 ID:a/G9eU52
支援のススメ
102Classical名無しさん:07/09/05 13:31 ID:x54Jy95M
103SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 13:32 ID:ao1OEb22
(……もし愛する者の為に、成すべき事の為に
望まぬ闘いに身を投じた女人やまだ若年な子供が目の前に現れたら……
俺はこの拳を揮う事が出来るのか? )
コナンとの会話により生み出された迷い。
常に平常心を保つ事により完成される零式防衛術にとって
紛れもなく大きな枷となっていた。

(このままでは満足に因果を極めることは出来ない……
父上、零……俺はどうしたらいい? )
大きな迷いを抱えながら覚悟は東へ向かう。
その時、覚悟の視界に見覚えのある人影が入ってくる。
世紀末覇者――ラオウがこちらに向かってゆっくりと歩いて来ていた。
104SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 13:33 ID:ao1OEb22
(この人、最初の場所であの赤髪の人と戦おうとした……
覚悟くんの知り合いかな? )
ラオウに対してそのような感想を漏らし、
新八は覚悟と巨漢の男の会話を見守る事にした。

「貴殿は……」
最初に言葉を発したのは覚悟。
短い時間ではあったが一時の交流でラオウを誇り高き武人と認識し、
悪い印象を持っていない覚悟はラオウとの再会を喜ぼうとした。
しかし目の前の巨漢の男の名を訊いていなかった事に気付き、
二の句を続ける事が出来なかった。

「うぬは確か覚悟といったか……ワシの名はラオウ。
見たところ傷は癒えたようだな?」
ラオウは仮面ライダー一号――本郷猛との激戦での疲労を一時の休憩により
回復させ、何処かへ行くという目標もないので人が集まると考えられる場所――
繁華街に行くという事を仮初の目標としていた。
覚悟の困惑した表情を読み取り、ラオウは自分の名を明かし、
覚悟の容態を問う。
当然この問いは覚悟の容態を気遣ったものではないが
覚悟は純粋にこのラオウの言葉に感動し、返答する。
105SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 13:34 ID:ao1OEb22
「無論! 未だ多少の違和感は残るものの
この程度! 痛みの内には入りはしない! 」
実際には常人にとって充分すぎる程の痛みは残っていたが
幼少の頃からあまりにも過酷で、厳しい零式防衛術の訓練を積み、
常人では痛みのあまり絶命すると言われる『零式鉄球』を
計八つ己の身体に埋め込んだ覚悟にとっては決してやせ我慢などではない。

「そうか、ならば……」
だが覚悟は気付かない。
ラオウにとっては『最高』であったが、自分にとっては『最悪』の返答
をした事を……

「始めるとするか。このラオウとうぬ、どちらが上であるかを確かめるためにな」
一体何を始めるつもりなのだろう?
そんな質問は不粋なものだ。
何故なら……ラオウがその剛拳を覚悟の後ろに居る新八もろとも
覚悟に向かって撃ち出したからだ。
新八の事は見えていないのだろうか?……いや、実際には見えているが
全く気に留めていないのだろう。
強き者との闘いを何よりも望むラオウにとって新八のような
弱者には興味が湧かず、言うなれば只アリが居るなという認識だった。
まさに大砲のごとく、筋肉で固められた剛拳が容赦なく覚悟と新八を襲う。
106SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 13:35 ID:ao1OEb22
ラオウの予想外の行動に覚悟は驚きながらも
自分の行うべき事を開始。
自分の後ろでこの世の終わりの様な表情をした新八の腕を引き
横っ飛びにラオウの剛拳から回避する事に成功する。

「た、助かったよ覚悟くん! どうもありがとう……
なっ!? 覚悟くん!背中が……」
覚悟と共に横方向に倒れ込んだ新八が叫ぶ。
覚悟のライダースーツの背中の部分に斜め一文字に亀裂が入り、
白い学生服が覗いているからだ。

「問題はない。それよりも此処は危険だ!
一刻も早く退避してくれ! 私はラオウ殿の説得を試みる」
「わ、わかったよ!」
初めての戦闘に慌てながらも新八は覚悟の指示を受け、
直ぐに立ち上がり出来るだけ足を早く動かし、腕を振り上げ
覚悟とラオウが居る位置から大体20メートル強の距離で立ち止まり
二人の様子を見守る。
このまま仲間が待つ病院まで逃げ切る事も出来るだろう。
だが新八は逃げない。

(覚悟くんは足手まといの僕を助けてくれた……
ここで彼を見捨てて逃げるなんて真っ平御免だ!)
志村新八は仲間を見捨てて逃げる程卑怯な『魂』は持ち合わせていない。
107SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 13:36 ID:ao1OEb22
「ふむ、この拳王の拳を足手まといが居ながらもそこまで
避けてみせるか。やはりワシとうぬは闘う運命であったようだな」
以前から目を付けていた覚悟との闘いの到来に対する
喜びを鉄の表情に封じ込めラオウは再び己の剛拳を放つべく構える。

「待てラオウ殿! 私は貴殿と争うつもりはない!
当方の拳は悪鬼を葬るためにあるもの。決して私闘を演じるためのものではない! 」
対して覚悟は新八からの距離を更に稼ぐために横方向に跳躍、
零式防衛術の構えは取らずあくまでも説得を試みる。

「私闘ではない。戦士と戦士が今出会ったのだ!
これを決闘と言わずに何と言うか! 覚悟よ!
うぬも戦士であるなら脆弱な言葉ではなくその拳で答えてみせい! 」
既にラオウにとっては覚悟の言葉はなんら意味をもっていない。
先程の身のこなしから強者と認めた覚悟にどのような技をかけるか?
どのような技で応えてくるか? という純粋な戦士としての興味のみが
ラオウの脳を支配する。
108SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 13:37 ID:ao1OEb22
そして大地を蹴り、前方に位置する覚悟に向かって突進を
開始しようとした瞬間――
「いたしかたあるまい。貴殿のような武人に対して失礼を謝罪する……
当方に迎撃の用意あり!!! 」
覚悟はデイパックから髑髏が描かれたあまりにも強化外骨格零の頭部
に較べて頼りない……だがそれでいて熱き魂が籠もったヘルメットを
取り出し、装着する。
――覚悟完了。再び覚悟は闘いに身を投じることを決意する。

最初に連れて来られた場所で訊いた覚悟の決意の言葉。
その言葉を再び訊きラオウは覚悟の戦いの意志を全神経で認識、
ほんのわずか口角を上げて――
「その潔さ……このラオウの相手に相応しい。
いざ参らん!!! 」
覚悟に向かって戦士にとって逃れる事は出来ない――決闘を開始した。
109Classical名無しさん:07/09/05 13:51 ID:oF.5Ywbg
支援
110SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 13:57 ID:ao1OEb22
「ぬぅん!」
その身に似合わない速度で接近して来るラオウから繰り出される
正拳が覚悟を襲う。
体を横にずらす事で覚悟はラオウの正拳を回避する。

(なんという拳速……散と勝るとも劣らない。
とても手加減をして勝てる相手ではない! )
自分の予想通り一流の中の一流の武人であるラオウの技量に感嘆し、
迎撃手段を模索、即座にラオウの正拳の力を利用すべく
因果を極めようとするが――

「ふん! 」
「何!? 」
第一撃が終わった途端、間髪いれずにラオウの第二撃が飛び込んできたのだ。
予想以上の速さで放たれた第二撃の拳を回避すべく、瞬時に因果を極める
事を放棄、大地を蹴りラオウの頭上を飛び越えて跳躍――
間合いを取る事に成功する。
111SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 13:58 ID:ao1OEb22
「まさに流水のごとく流れる剛拳!
この覚悟感服した! 」
決してラオウの事を挑発しているわけではなく只ひとえに
戦士として、武人として純粋に尊敬の念を込めた言葉を
覚悟は送る。

「言葉で相手を飾る余裕があるのならば、
その余裕全てをうぬの拳に込め、このラオウに示してみせよ! 」
対して覚悟の自分に対する賛辞を意に介さず、ラオウは依然
表情を変えずに覚悟に言葉をぶつける。

「承知! 正調零式防衛術、葉隠覚悟。いざ参る!!! 」
ラオウの言葉を受け、覚悟は咆哮を上げながら大地に足を
走らせ、一直線にラオウの元へ向かう。


112SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 13:58 ID:ao1OEb22
「直突! 」
覚悟の拳がラオウの身体に吸い込まれていくかの様に
撃ち込まれるのをラオウは左腕を使って受け止める。
左腕に受けた衝撃にラオウはわずかにその表情を歪め、その事を
確認した覚悟は更なる追撃を放つ。

「零式積極直突撃! 」
己の拳を勢い良く相手の腹に直撃させることにより、
水月を経由し脊髄中枢に衝撃を与える『零式積極直突撃』を
覚悟はラオウの腹に空いた手で叩き込もうとするが
ラオウが咄嗟に身を後ろに引いた事で完全に成功する事は叶わなかった。
だがそれなりの手ごたえを感じた覚悟は更に次の一手を打つべく
ラオウの様子をみるため顔を上げるが……何故かラオウの表情は
物足りんと言わんばかりのものであった。

「このラオウ……うぬには失望した」
「なんだと!? 」
ラオウの予想外の言葉に衝撃を受け、驚愕の表情を浮かべた覚悟に
ラオウの反撃の剛拳が迫る。
先程よりも更に速い速度で迫り来る剛拳に反応しきれず覚悟は
両腕を交差させ防御の姿勢に入り、ラオウの剛拳を受け止める。
(くっ! この力は……骨にひびが入ったかもしれん)
あまりの衝撃で腕を交差させたまま覚悟の身体は後方へ吹っ飛ぶが、
覚悟は空中で姿勢を整え大地に両足から着地し、ラオウに向かって
即座に構えを取る。
113Classical名無しさん:07/09/05 13:59 ID:lV9n53Yc
 
114SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 13:59 ID:ao1OEb22
「先程の言葉の真意を知りたい! 」
覚悟は先程生じた疑問をラオウに問う。
「笑止! このラオウの拳を受けてもまだわからぬとはな! 」
「ならば! 貴殿との決闘に勝ちその後、直に訊くまで! 」
そう叫び覚悟は再びラオウに向かって加速――大地を蹴り跳躍する。

(狙いは顔面! やはりラオウ殿と俺が今此処で私闘を行うなど
無意味な行為だ! 我らの力は牙なき人々の為に使うもの……
ラオウ殿を気絶させこの場を終結させる! )
左足を何故か微動だにしないラオウの顔面に向け、そのまま
勢い良く左足を前方に突き出し――
「零式因果直蹴撃! 」
鍛え抜かれた零式防衛術の技の一つ――『零式因果直蹴撃』
をラオウの顔面に叩き込んだ。

(手ごたえは充分! これで……なっ!? )
手ごたえを感じながらも覚悟は驚愕する。
何故ならラオウは倒れるどころか自分の伸びきった左足の
足首をその大きな手で掴み、その手によって引き起こされている
左足に掛けられた圧力を感じたからだ。
115SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 14:00 ID:ao1OEb22
「ぬぅぅぅん! 」
鼻の骨が折れたのだろう、ラオウはそのまま鼻血を垂らしながらも
覚悟の左足首を握り締め、後ろを振り返りながら、
急激に腕を後方に振りぬく。
その時何故か新八にはラオウに左足を掴まれ、宙に舞った覚悟の
動きがとてもゆっくりと見えた。

「か……」
そのままゆっくりと……実際には一秒にも満たない時間で覚悟の身体は
頭から大地に叩き落され――
「覚悟くんーーーーー!!! 」
一つの『魂』が今このバトルロワイアルで砕け散った。
116Classical名無しさん:07/09/05 14:01 ID:lV9n53Yc
  
117SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 14:01 ID:ao1OEb22
志村新八がラオウの前で力なく座り込んでいる。
そして新八の傍には先程砕け散った魂――滝和也のライダースーツの
ヘルメットの破片が散乱し、頭から血を流した覚悟が地に伏している。
幸い命に別状はなく、ヘルメットにより多少は弱められたが頭部への
ダメージは強く、また大地に叩きつけられた時の衝撃で更に
両腕の骨のひびが大きくなり覚悟は必死に立ち上がろうとするも
即座に立ち上がることが出来ない。
そんな覚悟にラオウは言葉を投げかける。

「今のうぬはどう足掻いてもこのラオウには絶対に勝てん。
うぬの拳には迷いがある。」
「私の拳に……迷い? 」
力を振り絞り覚悟はやっとの思いで立ち上がり、ラオウの
言葉に疑念を持つ。

「先程の決闘でうぬの拳から殺気は感じられなかった。
何故このラオウを殺す事を考えなかった? 」
「無論、貴殿は一流の武人。
貴殿の様な者を葬る拳など持ち合わせていない! 」
覚悟は力強く反論をする。
自分の認識は間違っていない、そう固い自信を持っているからだ。
だがラオウはどこか呆れたような顔をし、言葉を繋げる。


118Classical名無しさん:07/09/05 14:02 ID:TyGIIOr6
         
119Classical名無しさん:07/09/05 14:05 ID:lV9n53Yc
   
120Classical名無しさん:07/09/05 14:06 ID:kp2sX64I
    
121Classical名無しさん:07/09/05 14:14 ID:D7glCjFA
 
122SPIRITS ◇3OcZUGDYUo代理:07/09/05 14:14 ID:TyGIIOr6
「愚か者め。うぬのその姿勢は一流の戦士に、うぬが言う武人
に対しての冒涜にしか過ぎぬ。
例え相手にどのような信念、主義、主張があれども全力で
拳で応え相手を滅する……それこそ戦士が行う決闘というものだ」
言い終わるとラオウは既に覚悟に興味はないと言わんばかりに
新八の方を向きお決まりのたずね文句を問う。

「貴様は北斗七星の脇に輝く蒼星を見たことがあるか?」
正直者の新八は直ぐに――
「い、いえ!見たことないですけど……」
怯えながらも返答する。

新八の返答に「そうか」と短く答えラオウは歩き出し、繁華街の方向に
向かっていくが――
「待ってくれ」
覚悟が発した言葉でラオウは立ち止まり
「何だ? 」
いぶかしげにラオウは覚悟に訊ね
「貴殿はもし愛する者の為に、成すべき事の為に
望まぬ闘いに身を投じた女人やまだ若年な子供が闘いを
挑んできてもその剛拳で彼らの思いごとねじ伏せる事が出来るか? 」
神妙な表情で覚悟はラオウに問うた。
123Classical名無しさん:07/09/05 14:14 ID:oF.5Ywbg
支援
124SPIRITS ◇3OcZUGDYUo代理:07/09/05 14:15 ID:TyGIIOr6
先程のラオウの言葉には概ね同意ができた。
確かに此方を殺す覚悟で決闘を申し込んできた相手と同じ
覚悟で迎え撃たなければそれは相手にとって屈辱に値するだろう。
だが今自分が言った事については思考が纏まらない。
そう思い覚悟はラオウに訊ねた。武人としての答えに期待を寄せながら。

「笑止、姿形は関係ない。
天の道への障害はねじ伏せる。只それだけだ。」
覚悟の期待を裏切った答えを残し、ラオウは歩を進ませる。
その圧倒的な闘気に覚悟はそれ以上言葉を繋げる事は出来なかった。
◇  ◆  ◇
125SPIRITS ◇3OcZUGDYUo代理:07/09/05 14:15 ID:TyGIIOr6
(あのような事をぬかすとは……若い、若すぎる。
ケンシロウや本郷よりも甘すぎる)
そのような事を考えながらラオウは歩く。
もう既に鼻血は止まっているが乾燥し、鼻の下にこびりついた血液を
取りながら更に繁華街を目指して歩く。

(迷いがなければ倒し甲斐があったのだがな……)
ラオウは第一撃の直突を左腕で受け止めた時に覚悟の迷いを感じ、
己の技も使わず、あえて覚悟の技を受けねじ伏せていた。
迷いがある輩には何があっても負ける事はないという自信から
来た行動であった。
ラオウは進む。更なる敵を求めて……戦士としての『魂』がある限り。
126SPIRITS ◇3OcZUGDYUo代理:07/09/05 14:16 ID:TyGIIOr6
一方エリアH-3の中心部に向かって覚悟が新八に
肩を貸してもらいながら歩いていた。
「かたじけない、志村」
頭からの出血は止まったが先程のラオウとの激闘で受けたダメージは
深刻で、覚悟は一人では歩けない状態となっていた。
「気にしないで覚悟くん、僕にはこれくらいしか出来ないからね」
面目なさそうな表情をしている覚悟に対して新八は笑って答える。
覚悟の鍛えられた身体に肩を貸し歩いていくことは
決して楽な事ではないが、新八にはそれを放棄するという
選択肢はハナから入っていない。

(覚悟くん、君は充分頑張ったよ。だからせめてここからは
僕が根性をみせて、首輪を手に入れてみせるんだ! )
覚悟を支えながら新八は歩き続け前方に何かを発見する。
それは下半身は喪失し、上半身は黒こげになり覚悟に己の『魂』を
託し殉死した男――杉村弘樹の死体であった。
127Classical名無しさん:07/09/05 14:16 ID:kp2sX64I
             
128SPIRITS ◇3OcZUGDYUo代理:07/09/05 14:16 ID:TyGIIOr6
「う、うわぁぁぁ!!! 」
あまりにも凄惨な杉村の死体を見てバランスを崩し、
新八は思わず覚悟を落としそうになるが懸命に体勢を再び整え阻止する。
(ひ、酷すぎるよ! こんな死に方って……
でも首輪を持っていくには首を落とさないと……出来るのか? この僕に)
ゴクリと唾を飲み込み、これから自分が行う行為に対して不安が
新八の脳裏を駆け巡るがふと覚悟の方を見るととても
神妙な表情となっているのに気付いた。

「もしかして覚悟くんの知り合い……? 」
恐る恐る新八は覚悟に訊ね、覚悟は応える。
「彼は杉村、ルイズさんを悪鬼から守った男だ。
共に闘った事はないが彼もまた牙なき人々を守るために闘った……
守るべきものが同じである私と杉村は『戦友』だ」
そういい終わると覚悟は杉村の死体に向かって敬礼を行い、
数秒間の敬礼を終えて再び覚悟は口を開く。



「志村、死体を選別するような真似はしたくないのだが……
杉村の、戦友の首を落とすなど私には心が痛む。
私が倒した悪鬼の方の首輪を回収したいのだが」

一刻も早く首輪を手に入れ、首輪の解析をしなければならない
状況である事は覚悟も当然理解しているため自分の行動は
決して得策ではない事を自覚している。
そのために申し訳なさそうに志村に提案をするが――
「わかったよ。それなら早速行こう」
新八は覚悟の予想を裏切り即座に歩き出す。
(覚悟くんがそこまで認める人なんだ……僕にもそんな人の
首を落とすなんて出来ないよ。
杉村くん……いつか落ち着いたらきっと埋葬しにくるからね)
129SPIRITS ◇3OcZUGDYUo代理:07/09/05 14:17 ID:TyGIIOr6
心の中でそう呟きながら。
覚悟と新八は覚悟の記憶を頼りに覚悟の言う悪鬼――三影英介、
またの名をタイガーロイドの死体を捜し続けたが見つからなかった。
実際には首輪の爆発により首が吹き飛ばされ、死亡した三影の死体は見つかったが
タイガーロイドの姿しか知らない覚悟にとってはその事実は
知る由もない事だった。
三影の死体に黙祷を捧げ、落胆の表情を浮かべながら覚悟は
言葉を発する。

「もうしわけない……すでに誰かに死体ごと持ち去られたか、
私の記憶違いであったのかもしれない……」
最早杉村の死体から首輪を入手するしかないのかもしれない……
そう考えると自然と覚悟の口調は重々しいものになっていく。
素直に新八に謝罪を行い、これからどうするかを考えていると
突然新八が口を開いた。
「覚悟くん、まだ歩ける? 」
「無論、志村に支えてもらっていたお陰で疲労はない。
それが何か?」
質問の意図がイマイチわからないが覚悟は正確に応える。
130Classical名無しさん:07/09/05 14:20 ID:lV9n53Yc
 
131Classical名無しさん:07/09/05 14:22 ID:oF.5Ywbg
支援
132Classical名無しさん:07/09/05 14:22 ID:D7glCjFA
 
133代理:07/09/05 14:23 ID:kp2sX64I
「なら、隣のH-4のエリアまで調べてみようよ。
もしかしたら首輪だけが落ちてるかもしれないし
丁度病院までの距離も縮まるしね」
そう言って覚悟を支えながら新八は歩く。
「なるほど、承知した。だが志村の方の疲労は……」
一方そこまで言って覚悟は新八の顔に今までにない疲労の色が見えている
事に気付く。

「大丈夫か!? やはり一旦身体を休めてから向かうべきだ! 」
やはり怪我人の覚悟の身体を支え、足場の悪い林の中を歩き続ける
のは一般人である新八にとって過酷な事であったのだろう。
だが新八は狼狽する覚悟を尻目にエリアH-4に向けて歩く
のを止めない。

「大丈夫だよ覚悟くん……休憩するのはH-4のエリアを
調べてからでも出来る。
今は一刻も早く、杉村くんや首が吹き飛んだ男の人みたいな人を
出さないためにも首輪を手に入れる必要がある。
今は踏ん張る時なんだ……意地があるでしょ? 男の子には!」

疲労の色は出来るだけ見せずに、力強い口調で返答する
新八を見て覚悟は滝和也のライダースーツから感じたものと同じくらいの
『魂』を感じ取り、反論は放棄した。
(志村、俺はお前を見くびっていたようだな。
その信念……お前を戦士として認める)
心の中で敬礼を送り、戦士として認めた新八に身体を預け、
覚悟は新八と共に進み続ける。
その『魂』が燃え尽きるまで。
◇  ◆  ◇
134代理:07/09/05 14:24 ID:kp2sX64I
エリアH-4を歩き続け丁度中心部に差し掛かった時、
覚悟と新八は少女――桂ヒナギクを守るため、神父アレクサンド・アンデルセン
のバルキリースカートにより首を落とされた迷探偵――毛利小五郎
の死体を発見した。
だが一つの幸運もあった。

それは首が落ちた時に偶然にも首輪が首から外れていた事だった。、
目の前の死体を考えれば決して手放しで喜べないがそれでも
二人にとっては幸運な事であった。
死体に黙祷を捧げ、首輪をデイパックに回収した二人は
少し西側に移動してから休憩を取ることにした。
流石に首が落ちた死体の傍で休憩を取るのは気が引けたからだ。

(なんとか首輪も手に入った……後はこれをみんなの
元に届ければ)
言葉を出すのにも疲れ座り込み、木にもたれながら新八は考える。
135Classical名無しさん:07/09/05 14:24 ID:kp2sX64I
「志村、私はあれから考えてみた」
同じ様に木にもたれかかり、隣に座っていた覚悟が突然口を開く。
「何を? 」
小さな声で新八は覚悟に訊く。
「ラオウ殿が言った言葉についてだ」
そして覚悟はラオウの言葉を思い出しながら
立ち上がり言葉を続ける。

『笑止、姿形は関係ない。
天の道への障害はねじ伏せる。只それだけだ』

「私には女人や若年な子供を悪鬼としてラオウ殿のように倒すことは
出来ないと思う……だがこの身は現代鬼・散や戦術鬼を倒すための手段。
彼らに殺されるつもりはない」
一見矛盾したような事を覚悟は話す覚悟の口は止まらない。

「例えいかなる打撃を、思いをぶつけられたとしても拳で応えるつもりはない。
この身は果てしなく牙なき人々のためにある……彼らの悲しき思いは全て
この身で受け止め、私はあの老人を斬る剣となろう……」
「でも覚悟くん! 抵抗しなければいくら君でもそれは……」
――死ぬそう言おうとしたが新八の言葉を
覚悟の淡々とした言葉が遮る。
「何も恐れる事はない、只剣が磨かれるだけだ。
この身は牙なき人々の希望で出来ている……
何があろうと希望の力は悲しみの力に屈する事などない! 」
――覚悟完了

三つの『魂』が一つの『魂』と再び出会い、一つの『魂』が砕けた。
そして一つの『魂』が新たなる闘いを求めて去っていき、残された『魂』が
輝きもう一つ『魂』の輝きも増した……。
『魂』の交錯は終わらない。
136代理:07/09/05 14:25 ID:kp2sX64I
【H-4 西部 1日目 午前】
【葉隠覚悟@覚悟のススメ】
[状態]:全身に重度の火傷(治療済み) 胴体部分に銃撃による重度のダメージ(治療済み) 全身に打撲(どれも致命傷ではない、治療済み)、頭部に大ダメージ、両腕の骨にひびあり、 強い決意
[装備]:滝のライダースーツ@仮面ライダーSPRITS(ヘルメットは破壊、背中部分に亀裂あり)
[道具]:ハルコンネン(爆裂鉄鋼焼夷弾、残弾5発、劣化ウラン弾、残弾6発)@HELLSING
[思考]
基本:牙無き人の剣となる。 この戦いの首謀者を必ず倒す。
1:休憩を取り、昼の12時までには病院に戻る。
2:杉村を弔う。
3:再びラオウと会い、自分の決意を伝えたい。
4:怪我が治ったらルイズとゲームセンターに行く
[備考]原作一巻第一話、逆十時学園入学初日より参戦
※決意が強まりました、殺し合いに乗った者が戦士であるならば容赦はしません。
※戦士でないと判断した者(一般人の女性や子供など)に対しては決して抵抗せず、
説得を試みます。
※戦士であるかどうかの判断は次の書き手さんにお任せします。


【H-4 西部 1日目 午前】

【志村新八@銀魂】
[状態]:健康 疲労(大)
[装備]:大阪名物ハリセンちょっぷ
[道具]:基本支給品、陵桜学園高等部のセーラー服@らき☆すた
[思考]基本:仲間を集める。
1:休憩を取り、昼の12時までには病院に戻る。
2:銀さんと神楽ちゃん、桂さん、コナン君の知り合い(灰原哀、服部平次)と合流する.
3:杉村くんを弔う
4:ゲームからの脱出
137代理:07/09/05 14:25 ID:kp2sX64I
【F-3 中部 1日目 午前】
【ラオウ@北斗の拳】
{状態}腹部強打、内臓、左腕、顔面に中ダメージ 、鼻の骨を骨折、
{装備}無し
{道具}支給品一式
{思考・状況}
1:ケンシロウ、勇次郎と決着をつけたい
2:坂田銀時に対するわずかな執着心
3:強敵を倒しながら優勝を目指す
4:覚悟の迷いがなくなればまた戦いたい
5:人が集まりそうな繁華街に行く
138代理:07/09/05 14:26 ID:kp2sX64I
代理投下終了です。
139Classical名無しさん:07/09/05 15:25 ID:TyGIIOr6
GJ!&代理投下乙です。
ヘルメットォォォォ!!
勇敢なヘルメットに向かって、敬礼!!
シャッフル同盟とロム兄さんに吹いたw
新八に杉村の事を説明する覚悟が切なくてよかった。
140Classical名無しさん:07/09/05 16:34 ID:kp2sX64I
◆3O氏乙。
すげぇ全員カッコイイ! 新八のくせにちょっとカッコイイw
覚悟とラオウにも再戦フラグ立ってるし、期待するしかない。
ただ結構ケガが大きいから覚悟にとっては踏ん張りどころかな。
141Classical名無しさん:07/09/05 19:50 ID:aXykJVww
GJ!
覚悟と新八もいいコンビしてる。
そういやこのふたりでも眼鏡コンビなのなw
142SPIRITS ◆3OcZUGDYUo :07/09/05 21:40 ID:ao1OEb22
今帰ってきました。
代理投下して下さった毒吐きスレ>>1082さん、>>1083さんどうもありがとうございました。
あと実は……スミマセン!
一時ロム兄さんを書きたくてもうすぐ始まる某ロワと掛け持ちしようかと思ってましたー!
もう浮気するつもりは全くないのでこれからもよろしくお願いしますw
143Classical名無しさん:07/09/05 21:46 ID:bRB2Z3T2
GJ!
覚悟の心情が良くかかれてて良かったです。
新八も出来ることをやろうとする気概を持っていてカッコいい!
一般人キャラで特に頭が良いわけでもない人はやはり気概が大事ですね。
そしてラオウ……思考・状況を見るとまさに戦闘狂だが、どこまで生き残れるか……。

楽しく読めました。
またの作品をお待ちしてます。

最後になりましたが、立派に勤めを果たしたヘルメットに敬礼!
144Classical名無しさん:07/09/05 23:57 ID:omsy8W1k
いいですねえ新八、がんばる一般人
でも覚悟、決意を固めたはいいがすごくボロボロだし・・大丈夫かな
145Classical名無しさん:07/09/06 00:22 ID:NL4PMPEc
GJ!

>>144
ボロボロな状態で戦い続けるのが覚悟の真骨頂だぜ。
致命傷で死ぬ寸前まで普通に戦い続けても違和感は無い。
146Classical名無しさん:07/09/06 01:09 ID:7q8RioRU
GJであります!
これからの展開に更なるwktkが止まらない!
147Classical名無しさん:07/09/06 01:10 ID:5web7kqc
GJ!

覚悟がピンチだ!
零に会うまでは死なないで欲しいなあ…
148 ◆m.HrtgUz.w :07/09/06 15:27 ID:8GQ/0azY
はう……問題点が発覚したので予約破棄させてください。


エレオノール……やっぱ、鬼門かも……
何度見てもメイク付きの彼女は、フランシーヌに見えない……
149 ◆DO.TxVZRzg :07/09/06 15:41 ID:8GQ/0azY
トリップ間違えました
150Classical名無しさん:07/09/06 19:13 ID:AQld9LTs
マジっすか! 残念です……。ちなみにどんな話になる予定だったのか聞いていいですか?
151Classical名無しさん:07/09/06 19:17 ID:EPPV4pAc
じゃあエレ抜きで……っていうのはやっぱり無理だろうなあ。また今度よろしくです。
152 ◆VACHiMDUA6 :07/09/06 19:19 ID:GfRI9C3E
ええと……毒吐きのほうでも指摘されていたのですが、前回投下した「COOL EDITION」の「大日本帝国」は全て「大東亜共和国」であります
一時投下スレに問題の箇所を修正したものを張っておきますので、お手数ですがどなたかWikiの方の修正をお願いします
153Classical名無しさん:07/09/06 19:31 ID:CMRB3KOo
ロワのしろがねはキチガイなんだから、殺しちゃえばいいのに
154Classical名無しさん:07/09/06 19:34 ID:AQld9LTs
>>152
修正乙。wikiやっときました。
155 ◆VACHiMDUA6 :07/09/06 19:44 ID:GfRI9C3E
>>154
ありがとうございます!
156勉強男 ◆drwetRDQqY :07/09/06 20:24 ID:anhtRKKg
はろ〜えぶりわん。
あいへるぷゆー!おーけー?
 
あいらぶでぃすロワイR!!
157Classical名無しさん:07/09/07 23:14 ID:.Q1qaSFc
俺は発想が貧困なんだろうか……このカオスな予約でどんな内容になるのか想像つかんのだが。
書き手さんガンガレ
158Classical名無しさん:07/09/08 00:55 ID:drl2OYv2
ちょいと、思い出したことがあるんだが。
ttp://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/275.html
>参戦時期はサハラ編第19幕「休憩」後です
「休憩」は17幕で、19幕は「赤い砂丘」な。
159 ◆ozOtJW9BFA :07/09/08 15:32 ID:5/7dk.Ac
予約期限を過ぎながら、連絡を怠ってすいません。
今日中には書き上がりそうなので、その時は投下して構わないでしょうか?
160Classical名無しさん:07/09/08 15:36 ID:FOw2Fw8w
全く問題なしですよ。全裸で待ってます。
161Classical名無しさん:07/09/08 15:57 ID:Y894kaIc
大期待!
162 ◆ozOtJW9BFA :07/09/08 16:36 ID:5/7dk.Ac
投下します。
163Classical名無しさん:07/09/08 16:37 ID:FOw2Fw8w
はえーよw支援
164明日を生きる君に ◆ozOtJW9BFA :07/09/08 16:37 ID:5/7dk.Ac
突如として響き渡る放送に、服部平次とタバサはC-7の路上でバイクを降り地図と名簿を広げた。
地図に禁止エリアと指定される時間を、名簿には死亡者の名前に線を引く。
そして追加ルールを「ざわ……ざわ……」とかかれた紙の裏に書き込む。
 
(俺とタバサの知り合いの中で死んだのは、毛利小五郎のおっさんだけか……)
平次にとって毛利小五郎は知人ではあるが、特に親しくしていた人物ではない。
惜しむ気持ちも憤りもあるが、平次にはその死が別の人物に与える影響の方が気に掛かった。
(工藤にとっては身内同然の者が死んだ訳やから、気落ちせん筈が無い。
 せやけど落ち込んでる暇は無いで工藤、のんびりしてたら俺が手柄を全部持っていくからな)
 
「放送を受けて現状に関して、俺なりに分析してみたんや」
放送が終わり内容を一通り書き留め終えた平次は、「ざわ……ざわ……」とかかれた紙を挟んで座るタバサに話しかける。
「とりあえず放送内容の信頼性、特に死亡者についてのそれやけど結論から言えば俺は疑う余地は無いと考えてる
 まず流石に死んでない者を死んでる言う、すぐばれる嘘付いて自分からの情報に疑いを持たせる程
 主催者のじいさんもアホや無いやろ」
 
タバサは相槌や表情の変化等の反応さえ見せず黙って聞いているが、平次は気にも留めず話を続けた。
「次に主催者が死亡を誤認している可能性、恐らく主催者は参加者の生体反応から生死を確認してると思う
 さっき話した様に主催者側は極力、自分からの情報に疑いを持たせたく無い訳やから
 生死の確認には極力注意を払うやろう、主催者の過失による誤認の可能性は極めて低い筈や」
「……そして参加者による死の偽装の可能性。しかし開始から6時間で主催者側の生死の判別法と
 その偽装法を割り出し、実行した可能性も極めて低い……」
「……ハハハ、説明の面倒なとこ引き継いで貰って助かるわ。
 それで開始から放送までは殺し合いに対する強制力は低かったから、自殺や事故で8人も死ぬ程追い詰められる理由は無い。
 会場の広さと俺等がまだ自分と死者を含めて4人しか会ってない事から推して、参加者は開始時に会場全体に分散してると分かる」
 
165明日を生きる君に ◆ozOtJW9BFA :07/09/08 16:39 ID:5/7dk.Ac
 
一旦話を切った平次は、ペットボトルのお茶を飲み話を続けた。
「長々と話したけど要するに、殺し合いに乗った者が複数人居ると言う事や」
汚水処理場で明らかに他殺によるものと分かる死体を見た平次は、殺し合いに乗った者の存在に確信はあったが
6時間で8人も死ぬペースで殺し合いが進行した事は予想外である。
(その上放送の影響で更にペースが上がるやろ、俺ものんびりしてられへんな
 それに処理せなあかん課題も増えたしな……)
平次は放送から、自分達の会話が盗聴されている事を読み取っていた。
(恐らく首輪に盗聴器が仕掛けられているんやろうけど、監視方法はそれだけとは限らん
 もう少し監視方法の情報が揃うまで、筆談ででもこの話題は出来へんな)
 
「よっしゃ、そろそろガソリンスタンドに向かうかタバサ?」
平次の問いにタバサは黙って頷き、二人は再びバイクに跨り出発した。
 
 
 
平次とタバサはガソリンスタンドに向かう途中の田園地帯で、頭部と脚が破壊された死体を発見する。
(頭と脚が同じ方法でやられてる……これも他殺体か)
平次が死体とその周囲を調べてみたものの、有益な情報は得られなかった。
(幸い……と言ったら仏さんに悪いけど、首輪は残ってるからサンプルとして頂いていこか)
黙祷を捧げた後、首に残っていた首輪を回収したとほとんど同時に
南西の方角から、戦闘に拠るもの思しき轟音が轟いた。
 
「近いな! どうするタバサ?」
「…………行く」
 
 ◇  ◆  ◇
166明日を生きる君に ◆ozOtJW9BFA :07/09/08 16:39 ID:5/7dk.Ac

「で……伝言を頼んで……いいですか」
力の入らない身体で、平賀才人は搾り出すように声を紡ぐ。
目前に居る青と白の服を着た青年――劉鳳は、才人に痛ましい視線を送る。
 
「……お……俺の知り合いにルイズって人が……」
「その人物の事は、桐山から聞いている」
「えっ……?」
「ここに来る前に桐山と合流して、おおよその情報交換を済ませてきた」
「…………じゃあ……もしかしてDIOやアーカードも……」
「それも聞いている。だから無理に喋るな!」
 
劉鳳は重たい体を起こし、才人に駆け寄るが
どう声を掛けていいか、分からない様子だ。
「…………そうですか……それなら、そのルイズに……つ……伝えて下さい……」
(…………でも何を伝えよう……はは、馬鹿みたいだ。伝言を頼んでから、何言えばいいか分からなくなるなんて……
 ……………………そうだな……難しく考えることは無い。自分の気持ちを言えばいいんだ……)
「…………お……俺は…………」
(…………どうせもう助からないんだ……ルイズに会って、言いたい事を……そのまま…………)
「………………俺は…………ルイズの事が…………」
(………………そう…………自分の気持ちをそのまま…………)
 
 
 
「……………………ル……ルイズに会えて……良かったって…………伝え……て下……さい……」
才人はそれだけ言い終えると、崩れ落ちる様に全身の力を抜き目を閉じた。
(止そう……これから死ぬ人間が、野暮な事を言い残すなんて。
 「唯の使い魔が死ぬ」ルイズが、それ以上の重荷を背負う必要は無い……)
「おい、しっかりしろ! しっかりするんだ!! 平賀才人!!!」
劉鳳の呼び掛けも、才人には次第に遠くなる。
才人は何処か穏やかな笑みを浮かべ、やがて全ての意識を失った。
 
167明日を生きる君に ◆ozOtJW9BFA :07/09/08 16:41 ID:5/7dk.Ac
 
 ◇  ◆  ◇
 
「サイト! お前の果敢なる闘志、そして散り際の笑み、見事であった!!」
才人と劉鳳の様子を少し離れた場所で見ていた葉隠散は、才人に惜しみない賞賛を送った。
「サイトの命を賭した戦い振りに免じ良よ、この場の死合は一時収める!」
 
散が話し掛けるも、村雨良は反応を見せない。
不自然に息を荒げた村雨は、自分の手に付いた血を眺めていた。
散は村雨の様子を僅かに訝しんだが、気を取り直し劉鳳に向く。
「お前も聞いたであろう、次に会う時までその命預けてお……」
 
「絶影ッッ!!!」
 
散の言葉が終わらぬ内に、劉鳳は自身のアルターを形成する。
消耗の為か真・絶影の状態ではないが、劉鳳はお構い無しに絶影を散に向け突貫させた。
「愚かな、拾った命を自ら捨てに来るか!」
迎え撃つ散は左手を後ろに伸ばして重心を落とし、「左螺旋の構え」を取る。
 
「螺・螺・螺・……」
大地からの反作用の威力が、散の踏み込んだ足そして胴体へと伝達し
「……螺旋!!」
肩から腕へと伝わった威力が、撃ち込まれた左手を通して絶影に至る。
絶影は内部から捩れを起こし、やがて粉々に破砕した。
 
そして飛散した絶影の陰から劉鳳が飛び出し、散の伸び切った左手を掻い潜り懐に飛び込む。
散の喉元に向け、劉鳳が右拳を放つ。
それと交差するように劉鳳の喉元に向け、散が左の蹴りを放つ。
 
168Classical名無しさん:07/09/08 16:41 ID:egJDk1Hk
169Classical名無しさん:07/09/08 16:41 ID:FOw2Fw8w
支援
170明日を生きる君に ◆ozOtJW9BFA :07/09/08 16:42 ID:5/7dk.Ac
 
「……!?」
蹴りを受け劉鳳は後方へ10m程吹き飛んだ。
劉鳳は倒れ付したまま立つ事が出来ない。
蹴りを放ったZXは、散の傍らに立つ。
 
「良よ! 散の死合に横槍を入れる無礼、如何なお前でも許さぬ!!」
今度はZXに向けて、左螺旋の構えを取る。
「あいつは俺の愉びだ……俺だけの獲物だ!!」
ZXも散に向き直る。
 
倒れたままの劉鳳の前で、散とZXが睨み合い
「フッ、確かに奴との因縁はお前のものだな」
やがて散が構えを解いた。
 
「お前の名は?」
散が問うも、劉鳳は反応を見せない。
「答えぬか、まあよい。次にお前とこの良が出会う時は、今度こそ何れかが果てるまで死合う時だ!」
 
 ◇  ◆  ◇
 
散とクルーザーに乗り西へ向かう、村雨の心中には奇妙な違和感が在った。
(……サイトの死を見た時、俺は感じた…………
 失くしたものを取り戻したような……、大事なものを失くしたような…………)
「良よ」
 
散からの声に、村雨は僅かに首を向ける。
「記憶の糸口でも、掴んだか?」
「…………いや」
村雨は短く答え、二人はそれ以上喋らなかった。
 
171Classical名無しさん:07/09/08 16:42 ID:egJDk1Hk
172Classical名無しさん:07/09/08 16:42 ID:egJDk1Hk
173明日を生きる君に ◆ozOtJW9BFA :07/09/08 16:43 ID:5/7dk.Ac
 
(はっきりしない事に、これ以上拘っても仕方ない。何れにせよ俺の空虚を埋める術は、戦う事だけだ……)
村雨の魂は、未だ空虚を彷徨い続ける。
 
 ◇  ◆  ◇
 
散と村雨が去ってからしばらくして、劉鳳はようやく身体を少し起こす。
――――断罪出来なかった。
――――決して許してはならぬ悪を。
傍らにある少年の亡骸を見る。
――――守れなかった。
――――他には何もいらぬと言うほどに、守ると誓った者を。
血の滲む拳を地に打ち据える力しか、劉鳳に残されていなかった。は
 
【平賀才人@ゼロの使い魔:死亡】

【D-7 田園地帯 一日目 午前】
【タバサ@ゼロの使い魔】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:ネクロノミコン(67ページ読破)、液体窒素(一瓶、紙状態)、支給品一式
[思考・状況]
基本:元の世界に帰る。
1:戦闘音のした場所へ行く
2:なし崩しだが、とりあえず平次と行動を共にする
3:杖を入手する
4:キュルケとの合流。ルイズ、才人については保留
5:蒼髪ショートの女(シェリス)からマントとナイフを返してもらう
[備考]
杖をもっていないので、使える魔法はコモン・マジックのみです。攻撃魔法は使えません
 
174Classical名無しさん:07/09/08 16:43 ID:FOw2Fw8w
    
175明日を生きる君に ◆ozOtJW9BFA :07/09/08 16:44 ID:5/7dk.Ac
 
【服部平次@名探偵コナン】
[状態]:健康
[装備]:スーパー光線銃@スクライド、ハート様気絶用棍棒@北斗の拳  バイクCB1000(現地調達品)
[道具]:首輪、「ざわ……ざわ……」とかかれた紙@アカギ(裏面をメモ代わりにしている)、支給品一式
[思考・状況]
基本:江戸川コナンよりも早く首輪のトリックを解除する。
1:戦闘音のした場所へ行く
2:シェリスを発見し、真実を明らかにする
3:江戸川コナンとの合流
4:なし崩しだが、とりあえずタバサと行動を共にする
[備考]
平次はシェリスの名前を知りません。

【B‐8 東部/1日目 午前】
【葉隠散@覚悟のススメ】
[状態]:右腕負傷 全身に中程度の負傷 中程度の疲労 右腕と右太ももに浅い裂傷
[装備]:強化外骨格「霞」(右腕部分に亀裂、右手掌部を破損)
[道具]: 支給品一式(散&村雨。デイバック一つにまとめてある)、不明支給品1〜3品(村雨&散。確認済み)
[思考]
基本:人類抹殺。
1:西に向かい汚水処理場と変電所の様子を見る。
2:人間を殺す。しかし、村雨のように気に入った相手は部下にする。
3:村雨の記憶を必ず取り戻してみせる。
4:才人のマスターのルイズに興味有り
5:マリアを殺すのは最後。
 
176明日を生きる君に ◆ozOtJW9BFA :07/09/08 16:45 ID:5/7dk.Ac
 
【村雨良@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:疲労中、全身に裂傷 、才人の死に若干の動揺
[装備]:クルーザー、十字手裏剣(1/2)
[道具]:なし
[思考]
基本:殺し合いに乗る。
1:散と共に汚水処理場と変電所に向かう
2:劉鳳と次に会ったら決着を着ける
[備考]
参戦時期は原作4巻からです。
村雨静(幽体)はいません。
連続でシンクロができない状態です。
再生時間はいつも(原作4巻)の倍程度時間がかかります。
 
177明日を生きる君に ◆ozOtJW9BFA :07/09/08 16:46 ID:5/7dk.Ac
 
【C-8 西部/1日目 午前】
【劉鳳@スクライド】
[状態]:疲労大、全身にダメージ、深い後悔
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、4色ボールペン、色々と記入された名簿、スタングレネード×2
[思考・状況]
1:変電所へ向かい、防人・桐山と合流。
2:村雨、散を断罪する
3:悪(主催者・ジグマール・DIO・アーカード)は断罪、弱者(シェリス)は保護
4:カズマ・シェリス・防人の知り合い・桐山の知り合い・核鉄を探す。
5:平賀才人の伝言をルイズに伝える。
※絶影にかけられた制限に気付きました。
※桐山・防人と情報交換しました。
※名簿に青い丸印が付けられているのは、カズマ・劉鳳・シェリス・桐山・杉村・三村・川田・才人・ルイズ・防人・カズキ・斗貴子
 赤い丸印が付けられているのは、ジグマール・DIO・アーカード
 緑色の丸印が付けられているのは、蝶野
※平賀才人の支給品一式、バヨネット×2@HELLSING、紫外線照射装置@ジョジョの奇妙な冒険(残り使用回数一回)は
 平賀才人の死体の傍に落ちています。
※ハイエロファントグリーン(法皇の緑)のDISC@ジョジョの奇妙な冒険は平賀才人の死体に差し込まれたままです。
 
[共通備考]
※劉鳳とZXの戦闘音は周囲5マスに響きました
178 ◆ozOtJW9BFA :07/09/08 16:48 ID:5/7dk.Ac
投下終了しました。
支援して下さった皆さん、ありがとうございます。
問題点があれば、指摘をお願いします。
179Classical名無しさん:07/09/08 16:58 ID:egJDk1Hk
投下乙。
才人……合掌。最後にも男気を見せた。
劉鳳と村雨にライバルフラグか? 再戦が楽しみに。
タバサが向かう先には才人のしたい、そして傍には劉鳳……
バトルが派手で読み応えがありました。GJ!
180Classical名無しさん:07/09/08 16:58 ID:FOw2Fw8w
投下乙。散様つえーw地味にルイズに興味持ちやがったし。
劉鳳は平次たちに会うとなるとシェリス関係でいろいろあるかもね。
大胆に動かしてきましたから次の動きに期待がかかる!
サイトは持たなかったか……でもカッコよかった。
181Classical名無しさん:07/09/08 18:38 ID:fo.VPX4g
GJ!
才人よ、ゼロ勢に中ではパロロワの中、一番COOLな終りかた・・・・・、
さて、ルイズはどう動くのかな?
あっ,それとタバサの参戦時期はいつなんだろ、
小説九巻辺りなら面白い事になるかも、
だけど、漫画版の最新刊ならあまりド派手には動きそうにないね
漫画ロワだから漫画版の方かな? 残念だけど
182Classical名無しさん:07/09/08 22:21 ID:2QviTAig
GJ!
さらば、平賀才人。
散様に褒めてもらえるほどの死に際、見事!
ルイズに関しては……まあ、覚悟その他が頑張って守ってくれるでしょう、多分
そして劉鳳……結果的には才人に拾ってもらった命を十全に生かしてくれることを期待してる

マーダーコンビも地味にダメージ負ってるからな……同じく変電所に向かってるブラボーと桐山に接触してどうなるか。こちらも期待!
183Classical名無しさん:07/09/09 00:14 ID:YZyGXOoQ
投下乙です
サイト、やっぱり逝ったか…
まあ、お前は実によくやったよ

しかし散様かっこいいよ散様
劉鳳と平次達の接触が楽しみだ!
劉鳳と村雨のこれからに期待
184Classical名無しさん:07/09/09 01:17 ID:coZckVpE
>>177
才人もよかったが、それ以上に散と村雨のマーダーコンビが
格好よすぎるぜ……。
あいかわらず良作でした、GJ!!
185Classical名無しさん:07/09/09 08:44 ID:NXniIISc
ハイエロファントのDISC挿さったまま死亡って事はジョジョの設定通りならDISC消滅だよね?
186Classical名無しさん:07/09/09 23:30 ID:P6XoSPkE
そうなる筈だね。
187Classical名無しさん:07/09/10 02:53 ID:2l7jlXAk
それにしても才人の行動軌跡だけを見てみると

DIO>アーカード>桐山>散&村雨

これ、なんてロックマン最終面?www
男ばっかりで原作のギャルゲっぷりとは天と地www
188Classical名無しさん:07/09/10 08:24 ID:Wp2Hzm5Y
>>187
唯一の救いは桐山がマーダーじゃなかった事か……。
どっちにしろお前は頑張ったよ才人w
189Classical名無しさん:07/09/10 09:31 ID:KHbipYMU
>>187
ようこそ……男の世界へ
190Classical名無しさん:07/09/10 12:41 ID:Wp2Hzm5Y
もしかして今予約五つ……?
皆さん頑張って下さい!めっさ期待してます!
191 ◆YbPobpq0XY :07/09/11 15:14 ID:YAuhTfFE
一つだけ言っておく。
初鳥が二回連続で予約破棄なんてありえないと思うだろうが実は俺にはありうる!
期限が五日間もあるんだから、間に合う気がしたが別にそんな事は無かったぜ!

…………ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさ(ry

DIO様の予約を破棄します
192Classical名無しさん:07/09/11 15:45 ID:NfPt/LT.
私は貴方を赦します。
By梨花www
193Classical名無しさん:07/09/11 18:37 ID:MeFzDcQI
逆に一作も投下しないのに住人は皆知っているってなったら伝説になれるぞw
194Classical名無しさん:07/09/11 21:47 ID:9tsGng2w
>>191
俺は次にか〜な〜り期待している。


元ネタ一緒ですか?
195 ◆d4asqdtPw2 :07/09/12 16:19 ID:LfbFOBqE
◆VACHiMDUA6さんにお願いと言いいますか、お話があります。
自分の書いたSS ttp://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/221.html
にて放送があることを知らないはずのかがみが「……んあぁ、しまったぁ……聞き逃した」と言ってしまっている場面があります。
ここを「聞き逃した」を「寝てしまった」みたいに変えさせては頂けないでしょうか。
◆VACHiMDUA6さんがリレーされた作品に影響はないはずです。
お手を煩わせてすみません、確認の上で許可を頂きたいです。済みません。
196 ◆VACHiMDUA6 :07/09/12 20:54 ID:ikZX7g0E
了解、把握しました。
自分のSSの状態表ではジョセフ達から放送の内容を聞いたことになっているのですが、これは
かがみが寝ていたことをジョセフ達が知る→もしかして放送聞いていないんじゃ→だったら情報交換ついでに教えた方がいいんじゃあないか?→教えた
ということでお願いします
197 ◆VACHiMDUA6 :07/09/12 21:07 ID:ikZX7g0E
締め切りが過ぎてしまったのにまだ書き上がりません……
赤木しげる、綾崎はやて、泉こなた、加藤鳴海、空条承太郎、蝶野攻爵、範馬刃牙、範馬勇次郎 の予約を延長させて下さい
198 ◆d4asqdtPw2 :07/09/12 21:59 ID:LfbFOBqE
>>196
すいませんわざわざ、ありがとうございます。新作完成を待っております。

該当部分をwikiにて修正しました。
199 ◆TJ9qoWuqvA :07/09/12 22:23 ID:enttpCEk
八割完成しているのですが、推敲の時間のため

ルイズ、吉良吉影、坂田銀時、マーティン=ジグマール、マリアの予約の延長をお願いします。
200死者スレの番人(仮):07/09/12 23:40 ID:HlmDXC.M
>>197>>199
OKOK!!
頑張ってください!!応援してまってますよ!!
201Classical名無しさん:07/09/13 21:32 ID:ruZdQtmI
>>200
あんたも頑張ってな!
応援してるぜ〜
202 ◆TJ9qoWuqvA :07/09/13 22:13 ID:Sw3127Y2
投下を開始します。
203Classical名無しさん:07/09/13 22:13 ID:6040aBuk
204Classical名無しさん:07/09/13 22:14 ID:ot.fIAkA
TJ氏が華麗に100ゲット! 支援
 薬の匂いが鼻孔を刺激し、重い瞼をゆっくりと開く。
 彼の怜悧な瞳に縁取る長いまつげが震え、周囲を見渡す。面長な輪郭に鼻筋がまっすぐ通っており、彼の美貌をいっそう際立たせた。
 怪我で多少見苦しくなっているとはいえ、バックにバラを散らすという少女漫画特有の表現技法を使いかねないほど、彼の顔は整っていた。
 腰まで届く髪を揺らし、ホーリー部隊の制服で包まれたしなやかな肢体をベッドの中で動かす。
(手当てがされている)
 マーティン=ジグマール、設定年齢19歳、蟹座のB型、美形は身体の状態を確かめた。
 痛みはまだ残っているが、戦闘が行えるほどには回復している。並ではない回復力、伊達にホーリー部隊の隊長をやっていたわけではない。
 ジグマールは周りを見渡してここが病院であることは気づいた。たしか支給された地図にも載っていたはず。
 そこまで考え、ジグマールは一つの結論に辿り着く。
(誰かが私を保護したのか)
 でなければ、ジグマールの意識は永遠に閉じたままだ。もちろん、本当に危険ならギャラン=ドゥが助けてくれるはずだが。
 少なくとも、他人に危害を加えるような精神状態を持たない相手である可能性が高い。
 ならば、自分を助けたこの集団にどれほど『価値』があるのか、ジグマールは見極めるつもりだ。
 この美貌が効果あるのか、自分を助けた人物が戦闘力あるのか、確かめねばならない。
 もし取り入ることができ、セラスのように戦闘能力があれば駒として扱えばいい。
 無力な存在なら価値はない。支給品だけ奪って始末すればいい。
 生き残れるのが一人だけなら、自分とギャラン=ドゥだけが生き残ればいいと考える。
 さっそくジグマールは行動を開始しようと、上半身を起こす。
 タイミングよく病室のドアが開き、ジグマールは入り口へと視線を向ける。
 入ってきたのはメイド服に身を包む、落ち着きのある美人。おそらくは二十歳前後と当たりをつけた。
 余談だが、このときジグマールが年齢について口に出さなかったのは正解である。
 彼女はまだ十代であるが、よくその落ち着きから年上に見らるため、その手の話題には敏感なのだ。
 そして、彼女の傍にいる子供。眼鏡をかけ、蝶ネクタイを首元に携えて、無邪気な顔で中へ入ってきた。
 その無邪気な顔は演技なのだが、見た目通りの判断したジグマールは気づかない。
「まあ、目を覚ましたんですか?」
「ええ、あなたが応急手当をしてくれたのですか?」
 ジグマールはキラーンと歯を光らせ、さりげなく美形である事を強調する事を忘れない。
「はい。でもこの子も手伝ってくれたので、たいしたことはしていませんよ」
「いいえ、悪人に教われて瀕死の状態だった私を助けてくれた。感謝してもしきれません。
おっと、自己紹介が遅れました。私はマーティン=ジグマール。19歳、蟹座のB型ッ!!!」
「いえ、年齢や星座や血液型までは聞いていないのですが……」
 少し困った様子を見せて、彼女も名乗った。ジグマールはマリアと名乗った女性と、コナンという子供にあらためて挨拶をする。
 さて、見た目は無力そうな女性と子供だが、先のセラスのような例もある。慎重に言葉を選んで、状況の説明を求めた。

「なるほど、この場にいるのは会社員の吉良さんとメイドさんのマリアさん、コナンくんにルイズさんなのですね?」
 マリアから話を聞き、この集団を構成するメンバーに戦闘力という点でめぼしい者はいない。
 唯一、首輪を回収に向かった覚悟とか言う少年の戦闘能力は魅力的に思えた。
 素手で病院を揺らす力、最初主催者へ刃向かった男。ジグマールは味方につけるなら、文句の無い逸材だと判断する。
「後坂田さんという人もいるよ」
「おっと、失敬。万屋などといういかがわしそうな職業が私のイメージ的に最悪なのでね」
 ジグマールはいやだいやだと言わんばかりに首を振るう。
 その様子にコナンが苦笑いをしている。
 彼らはまた濃い人間がやってきたものだという表情をしていたが、ジグマールに空気を読む優しさは皆無だった。
「それじゃ、ゆっくり傷を癒してくださいね。私たちは皆さんにあなたが目を覚ました事を伝えに行きますから。
そうそう、お粥を作ったので食べください」
「ありがとうございます」
 マリアはゆっくりの部分を強調してコナンを連れ、病室を出て行く。ジグマールはその様子を確認し、周囲を見渡す。
 デイバックはこの部屋に放置されている。ジグマールは迂闊な奴らだと思いながら、中身を探る。
207Classical名無しさん:07/09/13 22:16 ID:ot.fIAkA
  
 殺人光線銃の代わりになる武器が欲しい。ジグマールの手が硬いものを掴み、輝くような笑みを浮かべる。
 バックには薔薇が咲き乱れている気がした。



 病院の受付ホールの端で、吉良は言い争う二人をぼんやりと見ていた。
 特に理由はない。吉良は今後の方針を固めるべく頭を働かせつつ、余計な体力の消耗を抑えているのだ。
「魔法ね。あれか? イリュージョンとか言って大脱出とか」
(それは魔法じゃない、手品だ)
 吉良は心の内で律儀にツッコミながら、不快な感情を押し殺し銀髪の男、坂田銀時に視線を向けていた。
 銀時は桃色というふざけた色の髪を持つ少女、ルイズとやらの魔法に興味があるらしい。
 らしい、というのは、正直銀時の死んだような瞳から、何に興味があるのか分かりづらいからだ。
 そのすぐ隣で、ルイズは発育の遅れた胸を張っている。
「イリュージョンとか脱出なんてチャチなものじゃないわ。
貴族に相応しい、高貴な力なんだから」
「ほぅ〜、すげー。アレですか、やっぱり箱に剣が突き刺さっているのに中の人は無事とか」
「それも大脱出じゃないのか?」
「……あんた、わたしを馬鹿にしているでしょ?」
 ルイズは額に血管を浮かせて拳を震わせている。訂正しておこう。銀時は魔法に興味があるんじゃない。
 ただこの少女をからかっているだけだと、吉良は判断した。そしてそれは間違っていなかった。
「いや、そんなことねえよ。俺も魔法使いよ。
この前ジャンプ買って家に帰ったら、同じのがもう一つあったのよ。
同じジャンプを増やしたんだぜ。まじ魔法使いだって。すごくね?」
「いや、それは前に買っていた事を忘れていただけだろ」
 吉良はあまりにアホな言葉に、ついツッコミをしてしまう。
 だが銀時はどこか期待はずれな表情をしているように見えた。
 今にも、「新八がいればもっといいツッコミが来るのに」と言い出しそうな表情をしている。
「ああ――!! もうっ! そんなに疑うなら見せてやるんだからっ!」
 とうとうルイズが切れ、杖を掲げ始めた。
 眼差しは真剣に椅子へと向け、口からは歌うように呪文らしき言葉を紡いでいる。
 吉良が見ている分には、たしかにそれっぽい雰囲気が出ているが、ファンタジーやメルヘンの世界じゃあるまいし魔法など自分には信じられない。
 せいぜい失敗をどう繕うのか、馬鹿にした視線を向ける。
(だが手はいいな。性格や年齢はともかく、手は充分に成熟している。マリアさんのついでにでも手に入れておくか)
「何やってんの? あれか? 椅子をジャンプにでもしてくれるのか?」
「いい加減ジャンプから離れろ」
 もともとツッコミキャラでもないんだがなと吉良が内心ため息を吐く。
 第一ツッコミなど平穏とは遠く、ストレスがたまる。一応ツッコミはストレスを発散するために存在するのだろうが、その前にストレスがたまるのでは吉良にとって意味がない。
 出来ればこの二人は遠くに逝って欲しい。そう考える吉良の視線の先で、ルイズの前の椅子が輝き始めた。 
 銀時が身体を乗り出し、その様を見つめている。
 光が室内に満ちたと思った瞬間、周囲が爆風に包まれ、雷が落ちたような轟音が轟いた。

 もくもくと粉塵が広がり、病院の受付ホールを支配する。
 咳きこみながら吉良は立ち上がり、ルイズがいたであろう地点に視線を向ける。その瞳には警戒心が宿っていた。
 吉良はドドドドドと、自分の血液の流れる音が聞こえてくる錯覚を起こす。
(爆破だと!? あの女、もしやスタンド使いか!?
しかも私の『キラークイーン』と同じく、爆破の能力を持つッ……? だとしたら厄介だ。
同じタイプのスタンドでは、私の能力があの小娘に通用するか怪しい。
己の能力を魔法と勘違いしたのか? くだらんが、やりにくい相手だ。くそッ!?)
 吉良は内心毒づきながら、ルイズがいたであろう場所へと目を向ける。いつでも『キラークイーン』を出せるように準備はできている。
 この煙に紛れてルイズを殺し、爆破させる。爆破できないようなら、銀時になすりつけよう。
 焦りからか、吉良はやや短絡的な判断を下し、地面を蹴る。
 煙の先に人影が見えた。吉良は右腕を構え、絶句する。影は、頭部の部分が膨れ上がって、まるで人間大のキノコのように見えたからだ。
「ふざけんな! 爆発が起きてアフロって、どこのドリフですかぁ!?
ルイズ、てめえ責任とれぇぇ!! これじゃ万屋銀さんじゃなくてドリフの銀さんだよ! 七時だよ全員集合だよ!」
「う、うるさいわね。ちょっと失敗しただけじゃない」
「どこがちょっとじゃぁぁぁ!!」
 煙が晴れた先には、爆発によって銀髪のアフロを持つ銀時がいた。
 着物は破れ、所々焦げており、いまだに煙が立ち昇っている。向かいにいるルイズも、ブラウスが所々破れて、白い肌が見えている。
 顔は煤けているが、桃色の髪はアフロになっていない。もっとも、熱によって所々はねているが。
(坂田が天然パーマだからアフロになったのか?)
 今ルイズを始末する事を諦めた吉良は、マヌケな感想を持つ。
 こちらに駆けてくる足音が聞こえ、吉良はまたもため息を吐く。
「……また、マリアさんの説教がくるな」
 どこか観念したような声色で呟いた。


 マリアは目の前で正座している三人を見て、こめかみをひくつかせる。
 爆発音が轟き、何か危険なことが起きたのではないかと心配になって駆けつければ、アフロになった銀時とルイズが口論している場面だった。
 吉良を問い詰め、魔法だのなんだのは無視し、マリアはルイズたちが火遊びをしたのだと判断した。止めなかった吉良も同罪である。
「いいですか? 今私たちはとんでもないことに巻き込まれているんですよ。
なのに火遊びなんて……しかもその事を真剣に考えているはずのルイズさんが参加するなんて、何を考えているんですか?」
「だって仕方ないじゃない。こいつが最初に信じないんだもん」
「うるせぇー。お前に強制アフロになった男の気持ちが分かるか?
ただでさえ天然パーマなんだから雨の日はきついのに」
「こら! 人の話はちゃんと聞きなさい!
それに、どっちが先でも関係ないです。喧嘩両成敗」
211Classical名無しさん:07/09/13 22:20 ID:ot.fIAkA
        
 それでも二人は睨み合いをやめない。マリアはため息を吐いて、こめかみを押さえる。
 吉良はまたも上の空だし、銀時とルイズは言い争いをやめない。しかも、口論の焦点がずれている気がする。
 まだ子供のコナンが一番マシだと思った。
(それにしても、ルイズさんとナギって、少し似ているわ。
頑固で素直じゃないところが特に。それになんだか声が……ね)
 マリアの頬が少し緩み、ハンカチを取り出してルイズの顔を拭く。
「女の子が顔を汚しちゃ駄目でしょう」
「…………ありがとう」
 多少不機嫌な顔で礼を言う彼女に、ますますナギを重ねる。
 その場がほのかに暖かい空気に包まれた。

 だが、その空気も蹴破られたドアと共に吹き飛んだ。
 現れたのは、マリアが散と共に保護し、吉良が担いだ美形の青年、ジグマールだ。
「ジグマールさん、休んでいてくださいといったのに。もう」
「すいませんね。ですが、急用ができてしまいまして……」
 ジグマールは自信に満ちた声で言い放ち、バズーカを構えた。
 マリアは呆気にとられ目を見開く。
「私は覚悟くんを部下にするために向かうとしよう。君たち……無力な存在に興味はない。
今ここで果てたまえ」
 引き金がひかれ、弾が自分へと向かう。急なことで身体が反応しない。他の皆も似たような状態だ。
 もう目の前にバズーカの弾は迫っていた。
 だが、銀時が風のような速さでマリアを背後で引き、一言告げる。
「武装錬金……」
 銀時は腕を逆袈裟に振る。ソードサムライXが金属のぶつかる甲高い音を発生させる。
 そのままバズーカの弾は病院の壁にぶつかり、轟音を立てて爆発した。
213Classical名無しさん:07/09/13 22:22 ID:ot.fIAkA
                   
214Classical名無しさん:07/09/13 22:22 ID:Hlec7a9k
支援です!
 パラパラと細かい埃が舞い落ちる中、マリアはみんなの怪我がないことを確認してホッとする。
「やっぱ恥ずかしいわ、掛け声なんて」
 銀のアフロを揺らし、銀時がジグマールと対峙する。
 マリアはその様子をただ見ているだけしか出来なかった。


「ほう、なかなか身体の切れがいいな。命乞いするなら情けをかけて仲間にしてやらんこともないぞ?」
「俺に情けをかけるぐらいなら、ご飯にかけとけ」
「この、おバカ様がぁッ!!」
 ジグマールから衝撃波が放たれ、銀時は跳躍して避ける。
 そのままジグマールに向かい、ソードサムライXを振り下ろす。
 だが、ソードサムライXは空を切り、ジグマールは姿を消していく。
「ふふふ……」
「てめえ……今何をした?」
「君みたいないかがわしい男は私の仲間に相応しくない。
君たちもそう思わないか? 少なくとも……私はそう思う」
 再びジグマールが姿を消し、バズーカの引き金が引かれる。
 銀時はとっさに反応し、弾を真っ二つに切り裂く。二つに分かれた弾は後ろで爆発する。
 銀時は後方に爆風を感じながらジグマールを睨みつけた。
「ギントキ、わたしも援護を……」
「いらねーよ。てめえと似た声のチャイナ娘ならともかく、お前じゃあいつにどうしようもねえ。
黙って銀さんの活躍を見ていなさい」
 銀時の目に悔しげに俯くルイズの姿が入る。にやりと笑って背筋を伸ばす。
 やはり目というのはいざという時だけ輝かせるに限る。銀時はジグマールを見据える。
216Classical名無しさん:07/09/13 22:26 ID:ot.fIAkA
    
「なら、彼女らにこちらの弾があたったらどうなるか、確かめてみるか?」
「その前にてめえをぶん殴ってやる」
「無理だって。なぜなら私の『人間ワープ』は全宇宙を支配できる能力なのだからな!!」
 銀時は雄たけびを上げて地面を蹴る。袈裟懸けにソードサムライXを凪ぎ、ジグマールを斜めに切り裂こうとする。
 だが、切り裂いたのは受付ホールの椅子のみ。後ろを振り返りマリアたちの様子を伺うが、変化はない。
 そう思った瞬間、
「ゆるゆるだッ!」
 ジグマールの声が聞こえ、銀時の身体に重い衝撃が走り、宙に舞う。
 バズーカの砲身はルイズを狙っている。
「くそッ!」
 銀時がソードサムライXを投げる。だが、そこにジグマールの姿は無い。
「とおもったらこっち。バズーカ砲!!」
 弾がルイズへと発射される。そこへ、庇うようにマリアが前に出た。
 間に合わないことに銀時は歯を食いしばる。
(俺は間に合わないのかッ!)
 銀時は攘夷戦争で多くの仲間をお失った事を思い出し、悔しさで身体を震わせた。


「坂田が相手をしている間に避難しますよ。マリアさん」
「ですが吉良さん、ここに銀さんを一人置いて逃げるなんて……」
「マリアお姉ちゃん、仕方ないよ。この場で戦えるのは銀さんだけみたいだし……」
 吉良の意見に悔しげな表情を浮かべるコナンが同意する。
 『キラークイーン』ならジグマール相手に負ける気はしないが、スタンド能力者かも知れないルイズの前で使いたくなかった。
 誰にも見えないということが、スタンド能力の優れているところの一つである。
 自分の力は隠しておきたい。
218Classical名無しさん:07/09/13 22:27 ID:ot.fIAkA
            
「あんたたちは逃げなさいよ。わたしはギントキを援護してくる」
「無理だよ、ルイズお姉ちゃん」
「わたしは、もうスギムラの時と同じ事を起こさせる気はないんだから!」
 叫ぶルイズを吉良は内心冷ややかに見て、ため息を吐く。
 正直ルイズや銀時が死ぬのは構わない。むしろストレスをもたらす存在が消えるので、願ったり叶ったりだ。
 それに、スタンド使いかもしれないルイズが消えるのは都合がいい。表向き引き止めるふりをして煽ろうかと準備をした時、銀時が吹き飛んだ。
「ゆるゆるだッ!」
 バズーカの砲身はルイズを狙っている。吉良はこれでは自分たちも巻き込まれかねないと、さり気なくマリアと自分を弾の軌道から外す。
「くそッ!」
 銀時の投げたソードサムライXが虚しく空を切り、ジグマールが何度目かのワープを成功させる。
 吉良はその姿を認め、自分とマリアに影響が少ない角度だと判断する。
「とおもったらこっち。バズーカ砲!!」
 弾が発射された瞬間、マリアが反応してルイズの前に回りこむ。
 勇敢だが、状況を考えてほしいと吉良は舌打ちをする。
 迫る弾が、まるで時間が遅くなったように感じるほど、ゆっくりと迫ってくる錯覚を起こす。
(あれが当たればマリアさんの手も吹き飛ぶ……。あの芸術的な、神が作り出した手がッ!?
くそッ! マリアさんは性格や見た目だけでなく、美しい手の持ち主なのだ。美形め、余計な事をッ!
許しはしない……あの手を失うなど、許しはしない! あの手は私のものだ。私の手なのだッ!)
 そこまで思考していると、吉良が気がついた時にはマリアの前に回りこんでいた。
 目の前の弾は数瞬もすれば直撃する位置まで迫っている。
 美形と自分を遮るのは目の前の椅子。ルイズと自分を遮るのはマリア。吉良はその二つの事実をコンマ一秒にも満たない時間で確認する。
(この位置なら……ルイズにも美形にも……つまり『スタンド使いと思わしき人間』には陰になって、数瞬だが『キラークイーン』を使う機会が出来る。
一瞬でいい、その時に『キラークイーン』の腕であの弾を弾く!!)
 眼前に迫る弾を、吉良は脅威的な集中力で見つめる。しくじることは許されない。
220Classical名無しさん:07/09/13 22:29 ID:ot.fIAkA
                                         
 機会は一瞬でやってくる。

(いまだッ! 『キラークイーン』!!)

 胸元まで迫った弾を、吉良が顕在させたもう一つの腕が弾き、右後方に逸らす。
 あまり派手に吹き飛ばすと疑惑の目が自分に向けられると判断してのことだ。この程度なら外れただけだと主張できる。
 吉良は爆風を身体に感じ、上手くいった事を確認する。マリアに振り向くと、彼女は驚いた表情でこちらを見ていた。
「吉良さん……今の腕は何ですか?」
「……ッ!! マリアさん、あなた見えていたのですか……?」
「僕にも見えたよ。吉良さんからもう一本腕が生えたのが……」
 コナンの言葉に、吉良は更に驚愕する。マリアにコナン、二人は『スタンド使い』とは思えない。
 そうであるなら、今までの行動が不可解すぎる。
(いったいどういうことだ?)
 不可解だが、目撃されたのはしょうがない。あのジグマールを撃退するため身体を向ける。
 奴もまた自分のストレスの原因の一つ。消すことには躊躇しない。
「いったい何をしたのか、私にも見せてくれッ!」
 ジグマールから何度目か分からない引き金が引かれる。吉良は迷わずに叫んだ。
「『キラークイーン』!!」
 告げると同時に、力のビジョンが姿を見せる。二メートルほどもある身長に、桃色のたくましい体躯。
 ドクロと猫を合わせたような顔に、ドクロのアクセサリーを持つ、『キラークイーン』が高速で迫る弾を弾き、右上の天井が爆破される。
 マリアが気になって振り向くと彼女は無事だ。吉良は思わず安堵のため息を吐いた。
 その瞬間、吉良は疑問を持つ。
(何だ…………? この吉良吉影……ひょっとして今この女を心配したのか?
彼女に弾が当たらなかったことに……心からホッとしたのか……?
何だ……この気持ちは?)
222Classical名無しさん:07/09/13 22:30 ID:ot.fIAkA
しえん
「ほう、君もアルター使いだったのかね? 早く言ってくれれば仲間になる機会もあったのに」
 吉良は疑問をしまいこんで目の前の敵を睨みつける。どうやら敵は『スタンド』のことを『アルター』と呼んでいるらしい。
 勝手な命名は気分がよくないが、実は吉良もこの能力が『スタンド』と呼ばれているのを知ったのは最近なので、放っておく。
(私が他人の事を心配するなどと……!
いや、違う!! 私はあの手を守ったのだ。いずれ手に入れる、私の手を!!
この女が無事でホッとしたのはそのことだけのせいだ。ただそれだけ……)
「そのアルター、どれほどの力があるのか見せてもらおう!!」
 ジグマールが姿をかき消し、バズーカの弾が迫る。
 吉良はその弾をただ冷ややかに見つめるのみだ。思えばこの男のせいで手の内を皆に見せざるを得なくなった。
 ここまで運んできた恩も忘れて。吉良は苛立ちを『キラークイーン』の拳に込める。
「しばッ!!」
 吉良は弾を弾き飛ばし、厳しい視線で敵を射抜く。ジグマールは余裕の表情を崩さない。
 吉良は一瞬で間合いを詰め、『キラークイーン』の拳を打ち込む。しかし、当たらない。
「無理だって!」
「くッ!」
 『キラークイーン』の両腕を交差させ、ジグマールの衝撃波を防ぐ。
 その様子をジグマールは見下し、嘲笑している。
「なかなかの力だ。だが、君の『アルター』は近距離で力を発揮するタイプ。
そしてスピードは殴り合いならともかく、接近するほどの移動速度を持たない。
劉鳳の『絶影』のようにはいかんな」
「たしかに私『一人』では追いつけないようだな」
「ふん、観念を……」
 ジグマールは何かに気づき、姿を消す。一瞬遅れて、銀時のソードサムライXが横一文字に薙ぎ払われた。
「やべ、外した」
「もっとよく狙え。せっかく捕まえるチャンスを……」
224Classical名無しさん:07/09/13 22:32 ID:ot.fIAkA
燃えてきたwしえん
225 ◆TJ9qoWuqvA :07/09/13 22:33 ID:6040aBuk
支援
「まあ、過ぎたことはしょうがねぇ。次ぎ、頼むぜ」
「…………ふん」
 銀時の瞳から、吉良は何を求めているのか察した。たしかに、その手しかない。
 無駄に意思が通じてしまったのに腹が立つが、現状ではしょうがない。再度人間ワープを果たしたジグマールが現れる。
「くらえ! 最後の一発だ!!」
「しばッ!」
 ジグマールに向けて殴り返す。しかし、余裕でジグマールは距離をとってワープを終える。
「無駄だといって……」
「ワープをし『終えたな』」
「なにッ!?」
「おりゃぁ!!」
 銀時がアフロを揺らして弾の前に躍り出る。渾身の力を込めてソードサムライXを振るうのが見える。
 吉良の思ったとおりだ。銀時はこの機会を待っていたのだ。
 病院に甲高い音が反響し、弾がジグマールへと迫る。ジグマールがワープの準備をしているが、間に合わないだろう。
「ぐわぁぁ!」
 ジグマールが爆発に巻き込まれ、ぼろきれのように吹き飛んだ。銀時と目が合うと、笑みを返される。
 吉良はただため息を吐いた。


「さあ、美形。いろいろ話してもらうぞ」
 迫る吉良に、ジグマールは戦慄する。ただの会社員だと聞いていたのに、いまは何年も人を殺してきたような、冷酷な瞳を宿している。
 このままでは殺される。ジグマールは恐怖を抱えたまま、周囲を探る。
「ギントキ、ヨシカゲ、やったのね!」
 だが、ジグマールはニヤリとほくそ笑む。獲物が自ら飛び込んできたのだ。
(神はまだ私を見捨てていなかったようだな!)
 最後の力で身体を起こし、ルイズという少女の手首を捻り上げて拘束する。
「動くなッ! 動けばこの女を鎌で殺すぞ!」
「そんな……ジグマールさん、ルイズさんを離してください!?」
 マリアの言葉にジグマールは気をよくする。このまま逃げ切れる。
 そう確信したが、吉良と銀時は表情を変えなかった。
「やれるならやってみろっての」
「まったくだ」
「何言っているんだ!? こういう時は犯人を刺激するような事を言っちゃ……」
 吉良と銀時が言葉を交わし、コナンが非難する。しかし、二人の目はルイズに向いている。
「「やれ」」
「うっさいわね! 分かっているわよ!」
 そのままルイズがよく分からない言葉を並べ始める。同時に、彼女の身体が光る。
 ヤバイと思った時、ルイズを中心に爆発が起こる。もう一度ジグマールは爆風に吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。
 ギシギシと骨が鳴るのが聞こえ、ジグマールは倒れ伏す。
「な……なんでこんなことに……」
「偉い人が言っていたぜ。何をやったってしくじるもんなのさ。ゲス野郎はなってな」
 にひひといやらしい笑みを浮かべた銀時が、アフロを揺らして告げる。
 そういえば、自分もアフロになっているなと、ジグマールは今更気づいた。


 アフロになったジグマールを、吉良たちは取り囲む。無論、吉良はこの男を生かしておくつもりはない。
 『キラークイーン』の拳をジグマールの腹に狙いを定める。ひっ、という短い呟きがもれているが、構わない。
 しかし、その吉良を止める者がいた。
「吉良さん、ここは抑えてくれ」
228Classical名無しさん:07/09/13 22:35 ID:ot.fIAkA
支援
229Classical名無しさん:07/09/13 22:35 ID:6040aBuk
「退きたまえ、コナンくん。彼は私たちを殺しに来た。
それはつまり、殺される『覚悟』をもって襲ってきたということだ。なら、彼を殺さねばまた同じ事をするだろう。
そして、次は全員を守れる保証はない。私は皆を守るため、彼を殺す『覚悟』はできている!!」
 もっとも、吉良は自分を守るためだけのつもりだ。だが、表向きにはこの理由が妥当だろう。
 そう思って、話は終わりだとコナンをどかそうとした。しかし、コナンは微動だにしない。
「……駄目だろうが」
「何?」
「覚悟って言葉は身を奮い立たせる言葉なんだよ。
人を殺す理由なんかに使ってんじゃねーよ!」
 コナンの説教に、思わずガキがッ!と、吐き捨てたくなった。
 しかし、そこは大勢の目の前。辛うじて怒りを飲み込む。
 銀時がジグマールに近付く。彼からは自分に近い、血の匂いを感じる。
 敵に回すと厄介だが、この状況なら自分と同じ意見のはずだ。吉良は銀時の発言を待った。
「まあ、しゃあねえって。吉良さんよ、ひとまずこいつを拘束するってことで、勘弁してくれんか?」
「何を馬鹿な事を言っている?」
「俺ァ派手な喧嘩は好きだけど、人殺しだの陰気臭いのは嫌いなの。
今回はこれで手打ちってことでよくね?」
 銀時の言葉にマリアとルイズが同意するような視線を向けてくる。
 吉良としてはストレスを増やすことに同意は出来ない。どうにか上手く言いくるめないかと思考を張り巡らせる。
「お待ちなさぁ〜い!!」
「「何ッ!」」
 銀時と吉良が後ろに振り向き、声の主を確認する。
 光の粒子が渦を巻き、人の形を構成していく。
「「キサマ(てめえ)は!!」」
「……俺はマーティン=ジグマールのアルター……」
231Classical名無しさん:07/09/13 22:39 ID:ot.fIAkA
しえn
232Classical名無しさん:07/09/13 22:39 ID:6040aBuk
 長躯に鎧を着込んだようなたくましい身体、髪のような二つの房を持つ、古代ローマの戦士を思わせる存在が、タバコの煙を吹かせていた。
「ギャラン=ドゥ!!」
 ヤマネェェンという不思議な音と共に現れた『アルター』は、吉良の記憶の『スタープラチナ』と少し似ていると思った。
 だが、問題は敵が増えてしまったということだ。
 『キラークイーン』を構えようとする吉良の横を、どこにそんな元気があったのかジグマールがすり抜けて、ギャラン=ドゥに駆け寄る。
「助けてギャラン=ドゥ。あいつらが僕をイジめるよ」
「そうかい……悲しいな。マーティン=ジグマールゥ。つ――――かァ……」
 スゥーッとギャラン=ドゥは息を吸い込み、
「アルターに頼るな!!」
「ひげえええっ!」
 ジグマールの顎にアッパーを打つ。ジグマールは宙を舞い、ギャラン=ドゥの足元に倒れる。
 ギャラン=ドゥはジグマールの頭を踏みにじる。
「使えねえご主人様だな!? あ〜〜〜?」
「ぐえぇぇ、ごめんよぅ。ギャラン=ドゥ……」
 呻くジグマールに一通り満足したのか、荷物のように担ぐ。
 ギャラン=ドゥは背中を向けた。
「逃げられるとでも思っているのか?」
「見逃してやっているんだ。いい子だから、見ているだけにしておきな」
 そういい、ギャラン=ドゥは跳躍して壁を破壊し、姿を消していく。
 悔しいが、今の吉良では対抗できるか怪しい。せめて怪我を癒すべきだ。だが、納得はいかない。
 吉良は忌々しげに見つめ、ストレスの原因が増える一方だと頭を抱えた。

 ジグマールが去り、話は吉良の『キラークイーン』に移る。
 幾らか覚悟していたが、隠していたい事実を話さねばならないのは苦痛だった。
 何より『キラークイーン』がスタンド能力者以外に見えているのが納得いかない。この場がそういう特殊な場所ということなら、一度主催者に文句を言わねばならない。
234Classical名無しさん:07/09/13 22:40 ID:ot.fIAkA
    
「……つまり吉良さんは子供のころから『キラークイーン』を呼び出す力があったということですか?」
「ああ。今まで黙っていたのはすまなかった。だが、この能力を明かした者は幼いころから離れることが多くてね。
皆にも言い出しにくかったのだ」
 もちろん、これは吉良の捏造である。常に三位である事を目指し、目立たぬように生きた吉良ではそこまで深く人と関わることはない。
 それに、吉良は先ほどの戦闘で使わなかった能力。第一の爆弾は既に『作動』している。
「へえー、メイジの使い魔みたいな存在ね」
「常に私の傍にいる存在だからね。便利なものさ」
 そういい、吉良はルイズの首を見つめた。『キラークイーン』の右手はルイズの首輪に触れている。
 あとはこの手でスイッチを押すだけだ。だが、今は押さない。
(押すのは覚悟とルイズが再会する時だ。その時二人は再会を喜び、お互い近付くはずだ。
そう、爆破で二人まとめて吹き飛ばせるほどに。そのあと坂田を始末して、マリアさんの手を手に入れよう。
コナンくんを殺すのは最後だ。いざという時、『バイツァ・ダスト』を使えないという事態は困るからな)
 そう考えると、吉良のストレスは少し減ったような気がした。
 唇を持ち上げるか否かの微妙な笑みを浮かべる。
「なあ、マリアさん。治療の時はやっぱりナース服じゃねぇ?
ところで俺いつまでアフロなんだろうな。なあ、吉良さんよ」
 内心知るか!と、吐き捨てて、吉良は何度目か分からないため息を吐いた。
 出来るだけ早く坂田は始末しようと考え、忌々しげに青い空が広がる外を窓から見つめた。
【F-4 病院1F 1日目 昼】
【江戸川コナン@名探偵コナン】
[状態]:健康
[装備]:ヌンチャク@北斗の拳
[道具]:基本支給品、スーパーエイジャ@ジョジョの奇妙な冒険、鷲巣麻雀セット@アカギ
[思考] 基本:仲間を集める。
1:覚悟たちが首輪を持ち帰るまで待つ。
2:灰原哀、服部平次、新八の知り合い(神楽、桂小太郎)と合流する。
3:ゲームからの脱出
4:ジグマールを警戒
[備考1]:メガネ、蝶ネクタイ、シューズは全て何の効力もない普通のグッズを装備しています。
[備考2]:自分達の世界以外の人間が連れてこられていると薄々感づきました。
     これから、証拠を集めて、この仮説を確認しようとしています。

【マリア@ハヤテのごとく】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、犯人追跡メガネ&発信器×3@名探偵コナン
[思考]基本:殺し合いはしない
1:覚悟たちが首輪を持ち帰るまで待つ。
2:ナギ、ハヤテ、ヒナギクの捜索
3:葉隠覚悟が戻ってきたら、もう少し話をする。
4:範馬勇次郎と金髪の男(ラオウ)を警戒
5:散の事を女装した男だと思っています。
5:ジグマールを警戒
[備考]
※吉良に全く警戒心を抱いてない。依然危機の中。
237Classical名無しさん:07/09/13 22:44 ID:ot.fIAkA
しえn
【坂田銀時@銀魂】
[状態]:全身に中程度の負傷。中程度の疲労。アフロ状態。
[装備]:蝶ネクタイ型変声機@名探偵コナン
[道具]:支給品一式 ソードサムライX@武装錬金(攻撃に使う気はない)
   あるるかん(紙状態)@からくりサーカス ハーミット・パープル(隠者の紫)のDISC(紙状態)@ジョジョの奇妙な冒険
[思考] 基本:このゲームをどうにかする
1:覚悟たちが首輪を持ち帰るまで待つ。
2:神楽を捜す。ついでに桂も
3:ラオウには会いたくない
4:ジグマールを警戒
{備考}
零のことはよく分かっていません
あるるかんとハーミット・パープルのDISCについては説明書をほとんど読んでいません。また読む気もありません。
アフロ状態が次の話まで続くかどうかは他の書き手に任せます。

※ソードサムライX
エネルギーを使う攻撃を吸収し、攻撃に転用します
制限、効果の対象となる攻撃は任せますが、少なくとも「魔法」には効果アリです
【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:全身に中程度の負傷。中程度の疲労。下半身が健康すぎる
    『キラークイーン』第一の爆弾起動(ルイズの首輪に)。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:普段どおり平穏に過ごす。
1:覚悟とルイズが近寄った瞬間、爆破する。
2:その後、マリアの手を手に入れる。コナンは『パンツァ・ダスト』の為に最後。坂田は優先的に殺す。
3:マーティン=ジグマールを殺す。
4:自身を追うもの、狙うもの、探るものなど自身の『平穏な生活』の妨げになると判断した者は容赦なく『始末』する。
5:できる限り力無き一般人を演じる。
6:自分が殺すまでの間、マリアを傷つけるかもしれない輩も皆殺し。
7:もし脱出できるのであればしたい。マリアの手を手に入れてから。
[備考]
※『バイツァ・ダスト』拾得直後からの参戦です。
※承太郎が殺し合いに参加していることに気づいていません。
※『バイツァ・ダスト』が使用不可能であることに気づいていません。
※覚悟、ルイズ、ジグマールをスタンド使いと認識しています。(吉良はスタンド以外に超人的破壊力を出す方法を知りません)

【ルイズ@ゼロの使い魔】
[状態]:右足に銃創 中程度の疲労 両手に軽度の痺れ 強い決意
    首輪が『キラークイーン』により爆弾にされています。
[装備]:折れた軍刀
[道具]:支給品一式×2 超光戦士シャンゼリオン DVDBOX@ハヤテのごとく?  キュルケの杖
[思考]
基本:スギムラの正義を継ぎ、多くの人を助け首謀者を倒す。
1:覚悟たちが首輪を持ち帰るまで待つ。
2:覚悟が戻ってきたら、スギムラを弔う
3:才人と合流
4:覚悟の怪我が治ったら覚悟とゲームセンターに行く
240Classical名無しさん:07/09/13 22:46 ID:Hlec7a9k
支援
【F-5 大通り 1日目 昼】
【マーティン・ジグマール@スクライド】
[状態]:全身に負傷大。疲労大。美形状態。ギャラン=ドゥに担がれている状態。アフロ状態。
[装備]:沖田のバズーカ@銀魂(弾切れ) 本部の鎖鎌@グラップラー刃牙 アラミド繊維内蔵ライター@グラップラー刃牙(未開封)
    法儀礼済みボールベアリングのクレイモア地雷(リモコン付き)@HELLSING(未開封)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本:生き延びて全宇宙の支配者になる。
1:ギャラン=ドゥに謝る
2:誰かに匿ってもらう(美貌が使えそうなら使う)
[備考]
アフロ状態が次の話まで続くかどうかは他の書き手に任せます。
※人間ワープにけっこうな制限(1〜2mほどしか動けない)が掛かっています。
連続ワープは可能ですが、疲労はどんどんと累乗されていきます。
(例、二連続ワープをすれば四回分の疲労、参連続は九回分の疲労)
※ギャラン=ドゥは制限によりジグマールと命運を共にしています。
 そのため、ジグマールを生かしています。
242 ◆WXWUmT8KJE :07/09/13 22:50 ID:Sw3127Y2
投下終了。
誤字や矛盾などの指摘をお願いします。


あとトリ割れしてしまったので、以後このトリでいきます。
ザ・ニューTJの活躍に期待してください
243Classical名無しさん:07/09/13 22:54 ID:.qkFwxnQ
乙!何気に声優つながりがあって面白かった。
そして美形、おはようございましたね。このまま起きなかったどうなるかと
思ったが……やっぱダメだったか
244Classical名無しさん:07/09/13 22:57 ID:ot.fIAkA
投下乙。美形あんまし調子に乗るなよw
多くのキャラを余すことなく捌ききったのは見事としか言いようがありません。
かっこいい銀時と吉良も見れたし、不吉なフラグは残すし、GJ。
個人的には信頼を得た吉良がどう動くか見物ですね。
245 ◆WXWUmT8KJE :07/09/13 22:59 ID:Sw3127Y2
忘れていました。
正式タイトルは、「気に入らない奴ほど、コンビネーションの相性はいい」です。
長くてタイトルはいりませんでした。
246Classical名無しさん:07/09/13 23:06 ID:6040aBuk
gj
ってか、吉良もスタンド能力バレたな。そろそろ本格始動か。
あと、ルイズに避けようのない死亡フラグが立った気がする。……合掌





あと、トリごめんね
247Classical名無しさん:07/09/13 23:08 ID:Yy7bpY.c
GJ。

ルイズの死がほぼ決定事項と化したな。
生き残るためには、クレイジーダイヤモンドを持つ三村が
爆破の瞬間に居合わせてくれるしかなくなってしまった。
爆破の前に吉良が死ねば解除されるけど、
生命の危険にさらされれば、吉良は迷いなくルイズを爆破するだろうし。
なにしろ爆弾にしたのが首輪だから、吉良自身が疑われる可能性は限りなく低い。
248Classical名無しさん:07/09/13 23:10 ID:Yy7bpY.c
あ。
物を直す能力しか使えないじゃん、クレイジーダイヤモンド…
ルイズオワタ\(^o^)/
249Classical名無しさん:07/09/13 23:20 ID:/fjMuKC2
GJ
一時的なものとはいえ吉良と銀時とは意外なタッグだった
美形はやっと目を覚ましたのに調子こいちゃってもうw
ルイズにやばいフラグが立ったけどキラにもマリア本人を
心配するフラグ立ってるからまだ分からないな
250Classical名無しさん:07/09/13 23:47 ID:BfsMGY.M
GJ!
銀時と吉良が協力して戦うシチュエーションに燃えた。
吉良も手首が欲しいという欲求がなければ対主催になれるのに……。
まあ、生粋のマーダー(殺人者)だからしょうがないな。
それにしても平和ボケしたコナンがうぜえwww

ルイズが死亡フラグたったが……覚悟も巻き添えになってしまうか?
鬱展開にドキドキです。
251Classical名無しさん:07/09/14 00:00 ID:M7/dEWeU
投下乙!
バーローうぜえwwwww 
252Classical名無しさん:07/09/14 01:15 ID:KB1IKNUY
GJ!
ホントこの集団でバーローが爆弾兼お荷物としか言いようがねぇwww
253Classical名無しさん:07/09/14 08:24 ID:dQjTgiA.
投下乙!
吉良と銀さんのタッグが新鮮だった。しかしバーローうざいなwww
254Classical名無しさん :07/09/14 09:43 ID:j/xlt2ME
>>247
いや、まだわからんぞ。病院にマーダーがやってきた場合、一度に一つしか爆弾化
できない吉良が、爆弾を解除する可能性もあるし。
255Classical名無しさん:07/09/14 12:11 ID:1qtM1Ukw
>>247
才人が死んでんだからさ、才人の死を知ったルイズには何かしら行動してもらわんとww
某ロワの様な大暴走に陥った時はこのフラグはどう転ぶのか楽しみやね〜

256 ◆3OcZUGDYUo :07/09/14 22:24 ID:Mszyc0FQ
>>242
GJです!
遂にジグマールが目覚めましたか。これからの彼の行動に期待できますね。
多人数をそれぞれ見せ場を持たせて、SSを構成する力は同じ書き手として素直に凄いと思います!

それで自分が予約していた劉鳳、アミバ、平次、タバサのSSですが……
スミマセン! 今日中には投下できるのでその時はご支援よろしくお願いします。
257 ◆3OcZUGDYUo :07/09/14 22:50 ID:Mszyc0FQ
も、もしかしてまた一時投下のお世話になるのでしょうか……orz
めげずに投下を開始します。
258Classical名無しさん:07/09/14 22:52 ID:2DLuZd6U
なんと俺はステルス支援者だったのさァー!
爆音を唸らせ二人の男女を乗せたバイクがエリアD-8を疾走する。
行き着く先は希望か? それとも絶望か? その答えへのLOADを
風を切ってバイクは走り続ける。

「何や! この道路のへこみは!? 」
エリアD-7から南下し爆発音のあった方向へバイクを走らせていた
色黒の少年――服部平次はホテル付近の道路に存在する不自然な道路の凹凸を
横目で見て、思わず感想を漏らす。

(普通の力じゃこんなへこみは……いや、足跡はつけへん。
まさか全身に機械を詰め込んだような奴が参加してるんとちゃうやろな?)
いつもの平次なら笑い飛ばせるような滑稽な考えだが
この状況では決して笑い飛ばすことはできない。
なんせエニグマの紙という只の紙がまるでSF映画にでも出てきそうな
奇妙な銃や美味しそうなサラダに変化するような世界なのだ。
今更吸血鬼や改造人間のような類のものが出てきても受け入れてしまいそうな
自分に驚いていた。

(ハハ……こんなケッタイな事を考えるとはオレもヤキがまわったかもしれへんな。
まぁ一つ言える事は今までの常識で考えてたらアカンって事や。
この状況は考えるまでもなくえらい異常事態……そのためにも情報は集めとかんとな。)
更にアクセルを踏みながら平次は思考とバイクを走らせ爆発音の方行に
向かい――
「しっかり掴まっとれよタバサ! ちょっくら飛ばすで! 」
自分の身体に腕を回し、振り落とされないように座っている水色の髪を
した少女――タバサに声を掛ける。
「うん」
そう短く返事をし、タバサはより腕に力を込めながら考える。
何故自分は爆発音の方向に行くと行ったのだろうか?
その事についてだ。

(良くわからない、でも……行きたいと思った)
風を切る事で生まれてくる心地よさに僅かにまぶたを下ろし、
心に疑問を残しながらタバサは身体を平次に預け、バイクは走り続ける。
その疑問という氷を溶かしていくために。
◇  ◆  ◇
261Classical名無しさん:07/09/14 22:55 ID:2DLuZd6U
    
(先程の轟音……何らかの戦闘があったとみて間違いないな)
白く、白銀に光る奇妙なコートを纏い、これまた奇妙な帽子を
被った男――アミバは更に速度を上げながら考える。
ステッキイ・フィンガーズのDISCを拾った後、その異常な速度で
走り続け既に田園地帯を走り抜け、アミバはエリアD-8のホテル前に到着した。

(この道路にも戦闘の跡がある。ここで闘っていた者達があの轟音を引き起こした
のか、それとも別の関係ない者達か……)
一旦走るのを止め、腰を下ろしホテル付近の道路をアミバは注意深く観察する。
道路に残された戦闘痕から相当の実力者同士が争ったと判断し、
同時に彼らの行動についての推測を始める。

(これ程までの戦闘を行ったのに死傷者がこの場に居ないというのは
腑に落ちん……やはり戦闘の場を移したと考えるのが妥当か)
ゆっくりと立ち上がり、爆発音のした方向に目線を向けながらアミバは思う。
そこまで考えふとアミバは思い出すかのように考える。
自分はどうするか? 何をするべきなのか? 己の信念の為成すべき事は何か?

(答えなど決まっている……このふざけた殺し合いに乗っている奴が居るなら
俺の拳で、俺の技で、俺の信念でその考えを改めさせる! 
もし最後までその意志を貫くというのなら容赦はしない!
そして殺し合いを望まぬ者とは背中を預け共に闘う! それが俺の信念だ!!! )
つい数時間前に一人の“反逆者(トリーズナー)” ――カズマとの交流、カズマと今
自分が纏っているコート――鉄壁の防護服シルバースキンを纏った自分を王と称する男
――鷲巣厳の文字通り己の命を賭け札とした激闘を目の当たりにした事により
生まれたばかりの『信念』。
最早曲げる事を許すつもりのないその信念を強靭な胸に宿し、シルバースキンを
太陽の光に輝かせながらアミバは再び走り出す。
彼を待つ、行き着く先は未だわからない『運命』と名づけられた海の流れに
その身を投じるために。
◇  ◆  ◇
263Classical名無しさん:07/09/14 22:57 ID:2DLuZd6U
             
264Classical名無しさん:07/09/14 22:57 ID:w.CZn08U
         
エリアC-8の西部で一人の男が力なく座り込んでいる。
銀色のアルター――絶影を持つ男――劉鳳である。
劉鳳のすぐ傍には青いパーカーを朱に濡らした少年――平賀才人の
亡骸が微笑を浮かべ横たわっていた。
何故彼は笑っているのかは劉鳳にはわからない。
つい先程命を散らした亡骸とは思えない才人の顔を見ると激しい後悔が
劉鳳を襲う。
――お前のせいだ。
何故かそんな事を目の前の才人が言っているように思えた。

(すまない平賀才人……俺があの二人を断罪出来ていればルイズという
子にも巡り会う事も出来たかもしれないというのに……本当にすまない)
血が滲む程唇を噛み締め、絶え間ない後悔の波が身体中に押し寄せている
のを感じ、劉鳳は一人後悔の念に打ちひしがれている。
自分が守ると誓ったはずの才人を守ることが出来ず、あまつさえ助けられ
てしまった自分にどうしようもない憤りを覚える。

(人類を滅ぼす事が正義だとほざいた散と言う女。
そして赤く、昆虫の様な怪人に姿を変えた良と言う男。
俺の力、俺の絶影が奴らに届いていればこんなことには……)
絶影の真の姿を開放しても一瞬の隙を突かれ敗北し、
更には絶影を文字通り木っ端微塵に破壊された……自分を支えてきた
『絶対正義』という誇りと共に。
266Classical名無しさん:07/09/14 22:58 ID:2DLuZd6U
                
(俺の正義は人類を滅ぼすという腐った正義にすら劣るというのか? )
そんな事は決してない!
そう何度も言い聞かせるが自分が完全に負けたという事実は紛れもない事実。
行き場のない怒り、悔しみ、悲しみを肌が露呈した右の拳に乗せ、
ガツン!
その忌まわしい事実を砕くかのように劉鳳はどこまでも広がる大地を殴りつける。
ガツン!ガツン!ガツン!
何度も何度も心のおもむくまま拳を撃ちたてる。
ガツン!ガツン!ガツン!ガツン!ガツン!
自分の右の拳に熱い何かが流れているのを感じ劉鳳はふと自分の右の拳に目をやる。

どうやら何度も大地を殴りつけたせいで皮が破れ出血が起きたようだ。
――痛い。
大きく蓄積された疲労により全力の力を出せないためあまり酷い出血ではないが、
自分の一部である右の拳が朱に塗れながら静かにそう訴えかけている。
だが劉鳳の動きは止まらない。
268Classical名無しさん:07/09/14 23:00 ID:w.CZn08U
          
         
269Classical名無しさん:07/09/14 23:00 ID:2DLuZd6U
 
(痛い? 痛いと言うのか劉鳳? )
ガツン!
(貴様の横で眠っている平賀才人は貴様のせいで……)
ガツン!
(貴様とは比べものにならない程の痛みを伴って死んだ……)
ガツン!
(貴様に痛みを……正義を語る資格など……)
ガツン!
(あるはずがない!!! )
ガツン!!!
ここ一番の力を込めた拳を大地に殴りつけようやく劉鳳の動きは止まった。
既に右の拳は朱一色に染まり、骨が折れたような感覚も残っている。
あまりに無意味な行動を行った自分に劉鳳は更なる嫌悪感を募らせる。

「俺は…………無力だ」

そう力なく呟き劉鳳は大空を見上げる。
俺はどうしたら良い? 俺の正義は間違っているのか?
まるでそう訊いているかのように劉鳳は見上げるが当然答えは出ない。
只大空は気を失いそうな程蒼く、広がっていくだけ……果てしなくどこまでも。
劉鳳にはその大空がなにか自分を嘲笑しているかのように見えた
◇  ◆  ◇
271Classical名無しさん:07/09/14 23:01 ID:w.CZn08U
           
「この辺りから音が聞こえてきたはずや。そうやろタバサ?」
「うん、多分この辺りから」

エリアC-8に入った後もしばらく平次はバイクを走らせていた。
後ろに座っているタバサも頭を左右に振りながら状況を確認する。

「ん? あれは……」
やがて平次の視界に青と白で彩られた奇妙な制服を纏い、背中を向けて、
座り込んでいる劉鳳が入って来た。
劉鳳の方よりその奇妙な制服に平次の関心は向けられる。
それもそのはずだ。
血に塗れていたとは言えども先程自分に棍棒を投げつけ、ハイキックを食らわせ、タバサの支給品を奪い、自分の前から逃走した青髪の少女――シェリスと同じ制服だったからだ。
殺人を犯した可能性がある少女と同じ制服を着ている劉鳳に対して
警戒をしないわけにはいかない。
バイクをゆっくりと停車させ平次はバイクから降り、タバサも同じように降りる。
流石のタバサも目の前に座り込んでいる劉鳳の制服を見て、本を読もうとはせずに
平次の出方を見守っている。

「なぁあんた――――っ!? 」
そこまで劉鳳に声を掛けたところで平次は驚く。
バイクに乗っていた時は劉鳳の身体で隠れていて見えなかったが、
なんと劉鳳のすぐ後ろには自分と同じくらいの歳頃の才人の胸に何か破片
のようなものが突き刺さり、横たわっていたからだった。

(胸に刺さったあの破片が凶器とみてまず間違いないやろ。
でもあの仏様には悪いけど問題はそこじゃあらへん。
問題は……あの男がこの犯行をやったかどうかやな)
一旦劉鳳に話しかけるのを止め、平次はいつでもデイパックから支給された銃を
取り出せるように用意しながら慎重に考える。
この後どのように探りを入れていくかという事も忘れずに。
273Classical名無しさん:07/09/14 23:01 ID:2DLuZd6U
     
「……何者だ? お前達は? 」
ほんの数秒間、だがそれでいて平次とタバサには数分間に感じた沈黙を
破ったのは劉鳳。
ゆっくりと立ち上がり、平次とタバサの方を振り向き劉鳳は問う。
明らかに覇気がなく、いつもの劉鳳とは考えられない程弱弱しい声で。

「別に怪しい者やあらへん。只首輪を外したろとおもっとるだけや」
「首輪を外すだと……? 」
今まで自分の絶影はどこかいつもより弱弱しく、アルターの発動による
疲労も大きく感じた。
ロストグラウンドに居た時の自分と今の自分にある違い……勿論この
家畜の証ともいえる黒く光る首輪の有無だ。
もしこの首輪が絶影の力を奪い、自分の疲労を加速させているのならば、
そしてもしこの推測があたっていて首輪を外すことに成功出来たら……

(その時は……『正義武装』で奴ら二人を纏めて倒す事が出来る! )
正義武装――進化の言葉『s.CRY.ed』を叫ぶ事により己の身に絶影――正義
を纏う事により完成する劉鳳の、絶影の最終進化。
先程の戦闘でも正義武装を使っていればZXか散、どちらかを倒す事は決して
不可能ではなかっただろう。
だが正義武装は自然の流れにより起こる進化ではなく、強制された進化。
そのため肉体の負担は大きく、更にそこに首輪の制限も加わり負担は
大きいものとなり長時間の使用は間違いなく死に繋がる。
だが決して己の身よりも目の前の悪を断罪する事を優先するのが劉鳳。
しかし劉鳳は目の前の悪を残して死ねるわけにいかず、
全ての悪を断罪するのが彼の正義。

よって劉鳳には「ZXか散のどちらかを倒す、もしくはどちらかと共倒れになる」
という選択肢はなく、「両方を倒す、もしくは両方と共倒れになる」という選択肢しか
なかった。
そのため途中で力尽きる可能性のある正義武装は出来るだけ温存し、真・絶影で
勝負をつけようとしたがその結果、予想をはるかに上回る力を誇ったZXと散に完敗した。
だが首輪を外せればそのような憂いを気にせず正義武装を発動できるかもしれない
……劉鳳の目に希望が再び舞い上がってくるのが見える。
「そういう事や。ほな、こっちの質問をさせてもらうで」
「何だ? 」
「あんたの後ろに横たわっている仏様……あんたが殺したんか? 」
平次は遂に最大の疑問を劉鳳に投げかけその反応を注意深く見守る。

(この兄ちゃんが切り裂きジャックの様な殺人を生きがいとし、殺し合いを
楽しんでいる人物ではない事は確かやな……)
何故平次はそう思うのか? 答えは「自分たちは首輪を外そうとしている」という
情報を劉鳳に教える事で劉鳳の反応を見ることにあった。

(なんせ首輪を外すと言ったらどこかしら期待の色が見えよった。
いつでもあのじいさんによって爆発でき、オレらの逃走を阻止するための拘束の
役目を果たすこの首輪……これを外そって事は当然このけったいなゲームを崩したろ
と言ってるようなもんや。
殺し合いを楽しんでいる人物がゲームの崩壊を望むって奴を見つければ、
恐らく……殺すやろな)
だが目の前の劉鳳は全く自分たちを襲う気はないどころかむしろ希望に満ちた
表情を此方に向けてくる。
この劉鳳の行動から平次は恐らく劉鳳は快楽殺人者であるという最悪のケース
は回避された事に安堵しながら劉鳳の返答を待つことにした。
やがて劉鳳の口が動く。
「俺が平賀才人を殺しただと……?
確かにある意味俺が殺したとも言えるかもしれんな……」
俯きながら劉鳳は静かに、だが目線は逸らさずに平次に向かって応える。

(ある意味やて?……どうやらシロと考えていいやろな)
普通自分に全く関係がなければ断固として否定する、また自分が犯人の場合は
否定するという選択肢の外に目撃者……つまり平次達を口封じの為始末するという
のが追加される。
その全ての選択肢は取らずに只劉鳳は後悔の言葉を発している。
恐らく理屈よりも感情で行動するタイプで、横の平賀才人は同行者であり、周りの
荒れ果てた状況から何らかの戦闘に巻き込まれ、年下の者を守りきれかった
という罪悪感からそういう言葉が出たのであると平次は暫定的に判断する。

(けどこれはあくまでも常識の範囲内の考えや、もう少し判断材料が欲しいところやな)
そう、これはあくまでも探偵としての常識に基づく考え。
この推測だけでは完全ではない。


とそこまで考えて平次は今劉鳳の口から出た平賀才人という人物について
考察する。
平次の知り合いではないが、一応タバサの知り合いでもある可能性もある。
そう思い、タバサの表情を覗き込むが……彼女の表情には若干の震えがあった。
278Classical名無しさん:07/09/14 23:05 ID:2DLuZd6U
                    
「…………」
無言で才人の亡骸に近づき、タバサは見つめる。
只、本当に何も言わずに見つめるだけ……。

「タバサ……知り合いか? 」
「……うん、知り合い」
「そうか……」
あまり才人との交流が深くなかったタバサにとってはそれほど深い悲しみが
襲ってくるというわけではなかったが、それでも知り合いが実際に死んだという
事実はタバサに重く圧し掛かる。
もしタバサがこのバトルロワイアルに呼び出されたのがもっと未来で
あったならばこの悲しみは今より大きいものだっただろう。
その事は今のタバサにとって知る由もないが幸運であったかもしれない。

「俺にもっと力があれば……」
タバサの行動を見て、血だらけの右の拳を握り締め劉鳳は俯き、呟く。
血だらけの右腕を見て不自然に思った平次は劉鳳が座り込んでいた場所も
不自然に血だらけになっているのに気づき劉鳳が行った行動を推測する。

(なるほどな、後悔のあまり地面をボコってあの有様ってことやな……)
合理性はなく、全くの無意味な行為。
だが――
(ホンマにその平賀才人っていうのを殺したんならその行動は不可解や、
もうほぼシロであると考えていいやろ。
全くホンマにアホなやっちゃなぁ……まぁ嫌いやないで、そういうアホは)
幸運にも『西の名探偵』と称され、洞察力に優れる平次にとって疑惑を薄める
判断材料となった。
280Classical名無しさん:07/09/14 23:07 ID:ux9Gxilk
全力で支援だ!
(けど、まだ100%じゃあらへん!
なんせさっきの青い髪をしたねーちゃんと同じ制服を着てるって謎が残っとる)
そして平次は最後の疑惑を解消するため口を開く。

「なるほど、とにかくあんたがやったというわけじゃないんやな。
ところで実はあんたと同じ制服着た青い髪をしとる姉ちゃんを
見かけたんやけど……」
「シェリスの事か? どこだ? どこで見た? 」
平次が話終わる前に劉鳳は口を挟む。
それもそのはず、劉鳳とシェリスは一生のパートナーを誓い合った仲。
一刻も早く会いたいという気持ちから焦りが生じたのだろう。
だが劉鳳とシェリスの関係を知る由もない平次は途中で話の腰を
折られた事に若干の不満を感じながら質問を……話の核心を突く。

「実はそのねーちゃんな言いにくいんやけど……人を殺した可能性があるんや」
282Classical名無しさん:07/09/14 23:08 ID:2DLuZd6U
     
平次の言葉を受けて劉鳳は文字通り全く身動きをせずに硬直する。
だがそれは一瞬の事――瞬時に劉鳳は平次の元へ大地を蹴って加速し――

「ふざけた事をほざくな! あのシェリスが人を殺したかもしれないだと!
そんな事があるはずがない!」
一瞬の内に平次の目の前に立ち、平次の胸ぐらを掴み劉鳳が吼える。

「ちょ! いきなりなんやあんた! まだ断定はしとらんやろ!!! 」
いきなりの劉鳳の行動に驚きながらも、劉鳳の怒声に負けないくらいの
大声で返事を反す。
一方、タバサの方はというと才人の横で多少表情を曇らせながら
状況を見守っている。

「……すまん。詳しく教えろ」
流石の劉鳳も自分の行動に非礼があったことを認め謝罪し、平次に説明を求める。
その行動をみてやはり劉鳳は理屈よりも感情で行動するタイプであると
再認識し、平次は溜息をつきながら今までの事を話すと共に劉鳳と情報交換を行った。
◇  ◆  ◇
284Classical名無しさん:07/09/14 23:09 ID:2DLuZd6U
               
「その話本当だろうな……服部? 」
「シェリスのねーちゃんが殺人を犯したとは限らんけどな。
まぁ窃盗を行ったのは確かや。な?タバサ」
「うん、ナイフとマントを取られた」
三人は全ての情報――自分の事や知り合い、このバトルロワイアルに呼び出されてからの
行動などを交換した。
その中にはアルター能力の事や平次が首輪のサンプルを使って首輪を外そうとしている
事も含まれていた。

「そうか……有益な情報に感謝する、ではここでお別れだ」
「お!おい!劉鳳!何一人で勝手に行くつもりや!首輪を外したくはないんか? 」
用は済んだと言わんばかりに劉鳳が立ち去っていくのを平次は慌てて
引き止める。

「確かに首輪を外すのは俺にとって魅力的だ。
絶影の力が今以上に引き上げられるかもしれない。
だが技術者と合流できなければ首輪は外せない……それではあまりにも遅い!
服部! お前はお前の成すべき事を成せ!
俺はこんどこそ散という女と良という男を断罪する!
俺のアルター……絶影で! 」
そう劉鳳は平次に言い残しZXと散が向かった方角へ歩を歩める。
だがその足取りは重く、依然劉鳳は疲弊したまま。
劉鳳が自分たちと出会う前に激戦を繰り広げた事をついさっき劉鳳から
聞いた平次はいったん身体を休める事を提案しようとするが――

「待て! お前今アルターと言ったか!? 」
突然三人にとって聞き覚えのない声が聞こえ、三人は声のする方向へ振り向く。
そこには鉄壁の防護服を身体に纏った男――アミバが立っていた。
286Classical名無しさん:07/09/14 23:10 ID:2DLuZd6U
              
「その奇妙なコート……貴様! ブラボーから奪ったのか? 」
見間違えるわけもない奇妙な白いコートを着た人物に対して
劉鳳は警戒を表す。
C・ブラボーからアルターの存在を聞いていれば話の合点がいく。
そう思ったからだ。

「違う、これは只のコートじゃない! 」
対してアミバは武装錬金を解除して、シルバースキンを核鉄に戻す。
奇妙な白いコートが一瞬の内に消失し、六角形の奇妙な金属に変化する。
三人は程度の違いはあれど驚いていた。

「そうか、それがブラボーが言っていた核鉄か……」
劉鳳はブラボーから核鉄の話は聞かされていたので納得する。
なにせブラボーが身に着けていたコートは正真正銘只のコートであったからだ。

「わかってもらえたかな? なら質問を続けさせてもらう。
そこのお前、さっきアルターと言ったがお前もアルターが使えるのか? 」
武装錬金!と叫び、再びシルバースキンを展開しアミバは劉鳳に問う。


「ああ、その通りだ。だが何故お前はアルターの事を?
もしやお前もアルター使いか? 」
劉鳳の記憶にアミバの姿はない。
だが自分が知らないアルター使いがこの場に居ても何の不自然もない事だ。
そう思い劉鳳は聞き返す。
「いや俺はアルターは使えない…………カズマが使っていたのを
この目で見ただけだ…………」
「カズマだと!!! 」
何か思いつめた様子でアミバが返答し、劉鳳がアミバの返答に驚く。
(そうだ、カズマだ。
奴のシェルブリット……いや、ハイブリットと俺の正義武装の力が合わされば
首輪を外さなくともあの二人を纏めて断罪する事は難しいことではない! )
一時は対立し合っていたが最終的には共に大いなる悪と闘ったカズマ。
カズマとの共闘という選択肢を手に入れた劉鳳の両目に再び希望の灯火が映る。

「カズマはどこだ? 奴さえ居ればきっと奴らを――」
「死んだ」
劉鳳が言い終わる前にアミバの短い言葉が遮る。
その言葉に劉鳳の思考は一瞬停止し、活動を再開する。
この男は何を言っている?
カズマが……死んだだと? あの“反逆者(トリーズナー)”が……?

「……何の事だ? 」
下らん冗談はやめろ。
もう一度ふざけた事をぬかすとただではすまさん!
まるでそう言っているかのように劉鳳は鋭い眼光でアミバを睨みつける。

「何度も言わせるな……カズマは死んだ。俺の目の前で……」
「うそをつ――」
「うそではない!!! 」
再び劉鳳の言葉を遮りアミバのありったけの怒声が響き渡る。
見ると両腕が震え、拳がその内砕けてしまうのでないかと思うほど
強く握り締められている。
289Classical名無しさん:07/09/14 23:12 ID:2DLuZd6U
                          
290Classical名無しさん:07/09/14 23:12 ID:ux9Gxilk
全速前進支援
「カズマはこのふざけたバトルロワイアルに乗った男……
この防護服を元々支給され、何か不可思議な力を持つ男と相打ちになった。
最後までその信念を……反逆を貫いて。……俺は只見ている事しか出来なかった」
シルバースキンで表情は見えないが、恐らく後悔の念で一杯なのだろう。
そう感じさせるほどアミバの言葉は悲痛で、痛々しいものであった。

「……そうか……」
この状況で最善の選択肢がたった今潰された――カズマが死んだという事を
聞かされ劉鳳は再びその重い足取りで歩を歩める。

「待て。どこへ行く? 」
先程の平次とほぼ同じ質問をアミバは発する。

「一刻も早くあの二人を断罪する。
奴らとシェリス、ブラボー、桐山が出会わないうちに」
「その疲弊しきった身体でか? 」
「そうだ、悪を断罪するのが俺の正義。なら、行かないわけにはいかない」
「ならばこのアミバの今為す事は……お前を止めることだな」
そういい終わるとアミバはその体型から予想も付かない、柔軟な
動きで大地を蹴り跳躍。
数メートル先を歩いていた劉鳳の前に着地。
その一連の動作に傍で見ていた平次とタバサは目を丸くしている。
292Classical名無しさん:07/09/14 23:13 ID:sG5HLZcI
支援支援支援支援支援!!!!!!
293Classical名無しさん:07/09/14 23:13 ID:2DLuZd6U
   
「何のつもりだ……?俺の邪魔をするつもりか? 」
アミバの予想外の行動に不快感をあらわにし、劉鳳が口を開く。

「疲弊しきっているお前に勝ち目はない。
一度負けた相手なら尚更だ。今は身体を休める事が先決だ」
劉鳳の言葉に全く動じず、アミバは依然劉鳳の前に立ちつくす。
アミバが言っている事は正論だろう。
今の劉鳳は戦闘に無縁な平次の目から見ても明らかに満足に闘える状態ではない。

だが劉鳳は――
「休めと言われて、はいそうですかと!! 
割り切れるほどの正義は持ち合わせていない!
邪魔をすると言うのならば力ずくで行くまで!絶影!!! 」
5度目となる絶影の発現。
そのまま絶影をアミバに向かって突撃させた。
295Classical名無しさん:07/09/14 23:13 ID:ux9Gxilk
今日のアミバは一味違う支援
296Classical名無しさん:07/09/14 23:14 ID:sG5HLZcI
続き!支援!続き!支援!
「やれ! 絶影!!! 」
絶影の身体から伸びる二本の触鞭が高速、かつ軌道を上下左右に変えながら
変則的な軌道に沿ってアミバを襲う。
だがアミバが纏っているのは鉄壁の防護服シルバースキン。
数枚の六角形の白片を散らばせ、最修復するだけに終わった。

「くっ! これがブラボーの言っていた核鉄の力か。だがまだまだ! 」
更に絶影の攻撃が速まり、アミバに無数の……実際には二本しかない
触鞭が頭部、胴、両腕、両足など体の各部位を暴力的に襲う。
しかしシルバースキンは破れない。

「どうした? お前の正義はそんなものか? 
カズマはこの防護服に対し反逆を貫き見事打ち破った!
果たしてお前に出来るかな? 」
アミバの挑発めいた言葉が劉鳳に投げかけられ――
「ほざけ! あの男に出来て俺に出来ぬはずがない! 」
その言葉に怒声で劉鳳は応える。
298Classical名無しさん:07/09/14 23:14 ID:ViNtRN5I
?
299Classical名無しさん:07/09/14 23:15 ID:sG5HLZcI
アミバが正義キャラに見える件www
300Classical名無しさん:07/09/14 23:15 ID:2DLuZd6U
      
301Classical名無しさん:07/09/14 23:15 ID:ux9Gxilk
今日のアミバ輝いてるよ支援
(あの男は……カズマは……命を賭けて死んだという。
なら俺が命を賭けない理由などない! そのためにはこの目の前の男を沈黙させる! )
決意を更に熱く、強く、固いものにさせ――
「うおおぉぉぉぉぉーーーー!!! 絶影! 絶影! 絶影ッッッ!!! 」
絶影の触鞭を更に加速! 残された僅かな体力、気力を振り絞り、
最早軌道すらわからない程圧倒的な速度でアミバを襲わせる。

「俺はこの防護服を纏った時に決めていた……」
絶影の触鞭の雨を一歩一歩確実にアミバは劉鳳に向かって歩いていく。
絶影の攻撃を全く回避せずにその全てを己の身に受け止める。
だがシルバースキンは白片が弾ぜるだけで破れようとはしない。
「カズマのような……お前のような信念や正義を持つ者は決して死なせない」
シルバースキンは本来の力ならミサイルに耐えられる程の硬度を誇る。
例え首輪による制限が掛かっていようと同じ様に首輪の制限を受け、
今までの激戦により既に疲弊しきっている劉鳳が動かす絶影の攻撃を
受けきることは決して不可能ではなかった。
何よりアミバの感情の高ぶりが更にシルバースキンの硬度を上げていた事が
最大の要因だった。

「俺はお前たちの様な者と共にあの老人を倒してみせる!それが俺の…………」
そう言ってアミバは突然加速を開始。
その行動に劉鳳は驚き、次なる手――絶影の力を開放させようとするが――
「信念!そして…………反逆だ!!! 」
シルバースキンの硬度とアミバの徒手空拳の技術が合わさった正拳突き。
満身創痍の絶影には最早回避する余力もなく、そのまま正拳突きが
直撃し、絶影が粉砕される。
再び絶影が破壊された事により、劉鳳に大きな疲労が降りかかり劉鳳の
体が前のめりに倒れる。

(反逆だと?…………カズマと同じ事を言うのか…………? )
意識が薄れていく中、劉鳳はそう思いながら……意識を失った。
◇  ◆  ◇
304Classical名無しさん:07/09/14 23:17 ID:2DLuZd6U
           
「アミバはん、やっぱやりすぎやったんちゃうか?まだ起きへんで」
「むぅ…………手加減出来る様な状況でなかったからな」
「それでも他に方法はあった」
「…………すまん」
今アミバ、平次、タバサは情報交換を終え、疲労の蓄積により気絶した劉鳳を取り囲む
様に座っている。
また才人の墓も簡素ながらも作り、今は土に埋もれて安らかに眠っている。
そしてアミバは今シルバースキンを纏ってはいない。
何故なら劉鳳の胸の上には二つの核鉄――シリアルナンバー100と61の核鉄が
劉鳳の治癒力の促進を行っていたからだ。

「まぁ何にせよアミバはんや劉鳳の様な腕っぷしが強いのと合流出来てよかったわ!
ここには自信あるけど流石のオレでもあんたらほどの奴に襲われたら一巻の
終わりやからな。な!タバサ」
自分の頭をコンコンと小突きながら平次はタバサに話を振る。

「うん」
と短くタバサは応えるが彼女には若干の不安もあった。
それは劉鳳やアミバが突然襲ってきたらという仮定の話。
まだ出会って数時間しか経っていないので完全には信用出来ないのも仕方がない事だろう。
これは平次についても当てはまるがどうやら彼は特別な力は持っていないので
然程注意する必要もないだろう。
306Classical名無しさん:07/09/14 23:17 ID:ux9Gxilk
アミバSUGEEEEEEEE支援
307Classical名無しさん:07/09/14 23:17 ID:qSUirsAM
アミバが男前だw
308Classical名無しさん:07/09/14 23:18 ID:Le04YFpQ
 
309Classical名無しさん:07/09/14 23:18 ID:2DLuZd6U
   
310Classical名無しさん:07/09/14 23:19 ID:6Upt7YUE
平次がいいキャラやっていると言うのに
バーローは何をしているんだか・・・
だが劉鳳やアミバに襲われたら、杖もなく使い魔もない今の自分には
恐らく死が待っている。

(やっぱり……一刻も早く杖を手に入れる、もしくはキュルケと合流しないと)
密かに、誰にも気づかれずにタバサは更に決意を固めていた。

「俺もお前たちのような者と合流できて嬉しい……
服部! タバサ! 必ず首輪を外し、あの老人に目に物を見せてやるぞ! 」
自分の言葉に頷く服部とタバサを、そして自分の目の前に揺るぎない
正義を持つ劉鳳を見てアミバの表情に思わず笑みがこぼれる。
同じ志を持つ仲間との出会い……今のアミバにとってこんなに嬉しい事は
なかった。


アミバ、劉鳳、平次、タバサの4人をこれからどの様な運命が待っているか
…………それは誰にもわからない。
只…………運命の歯車は回っている。確実に、確実に…………。


312Classical名無しさん:07/09/14 23:21 ID:hm/7E3ZE
こんなかっこいいアミバ様見たの始めてwww
しかし服部は頑張ってるってのにバーローときたら…
313Classical名無しさん:07/09/14 23:21 ID:qSUirsAM
劉鳳、頭に血が上りすぎです……支援
314Classical名無しさん:07/09/14 23:21 ID:ux9Gxilk
とめどなく支援
【C-8 西部/1日目 午前】
【劉鳳@スクライド】
[状態]:気絶、疲労極大(核鉄×2により回復中)、全身にダメージ、深い後悔 、右の拳から出血、右手の指の骨を骨折
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、4色ボールペン、色々と記入された名簿、スタングレネード×2
[思考・状況]
1:変電所へ向かい、防人・桐山と合流。
2:村雨、散を断罪する
3:悪(主催者・ジグマール・DIO・アーカード)は断罪、弱者(シェリス)は保護
4:カズマ・シェリス・防人の知り合い・桐山の知り合い・核鉄を探す。
5:平賀才人の伝言をルイズに伝える。
6:シェリスに事の真相を聞きだす。
※絶影にかけられた制限に気付きました。
※桐山・防人・平次・タバサと情報交換しました。
※名簿に青い丸印が付けられているのは、カズマ・劉鳳・シェリス・桐山・杉村・三村・川田・才人・ルイズ・防人・カズキ・斗貴子・タバサ・キュルケ・コナン・平次
 赤い丸印が付けられているのは、ジグマール・DIO・アーカード
 緑色の丸印が付けられているのは、蝶野

【アミバ@北斗の拳】
[状態]:唇が切れているが心体健康、強い決意、今までの自分に強い自己嫌悪、疲労小
[装備]:ジャギのショットガン@北斗の拳(弾は装填されていない)、スティッキィ・フィンガーズのDISC@ジョジョの奇妙な冒険(ポケット内)
[道具]:支給品一式(×3)(一食分消費済み)携帯電話、綾崎ハヤテ御用達ママチャリ@ハヤテのごとく、ノートパソコン@バトルロワイアル(これら三つは未開封) ギーシュの造花@ゼロの使い魔、神楽の仕込み傘(強化型)@銀魂、
[思考・状況]
基本:ゲームの破壊、主催者の殺害。
1:ゲームに乗っていない人物と協力する。
2:ゲームに乗った人物と遭遇した場合説得を試みて駄目なら殺害する。
3:ケンシロウとラオウには出来れば会いたくないがいざとなったら闘う覚悟はある。
4:劉鳳が気が付くまで平次・タバサとこれからどうするか具体的に話し合う。
[備考]
※参戦時期はケンシロウに殺された直後です
※『スティッキィ・フィンガーズのDISC@ジョジョの奇妙な冒険』の説明書は存在しません。
316Classical名無しさん:07/09/14 23:22 ID:2DLuZd6U
 
【服部平次@名探偵コナン】
[状態]:健康
[装備]:スーパー光線銃@スクライド、ハート様気絶用棍棒@北斗の拳  バイクCB1000(現地調達品)
[道具]:首輪、「ざわ……ざわ……」とかかれた紙@アカギ(裏面をメモ代わりにしている)、支給品一式
[思考・状況]
基本:江戸川コナンよりも早く首輪のトリックを解除する。
1:シェリスを発見し、真実を明らかにする
2:江戸川コナンとの合流
3:劉鳳が気が付くまでアミバ・タバサとこれからどうするか具体的に話し合う
[備考]
※劉鳳からシェリスの名前を知りました。
※劉鳳と情報交換をしました
 ※名簿に青い丸印が付けられているのは、カズマ・劉鳳・シェリス・桐山・杉村・三村・川田・才人・ルイズ・防人・カズキ・斗貴子・タバサ・キュルケ・コナン・平次
 赤い丸印が付けられているのは、ジグマール・DIO・アーカード
 緑色の丸印が付けられているのは、蝶野
※劉鳳、アミバ、タバサの事は全面的に信用しています

【タバサ@ゼロの使い魔】
[状態]:健康 、才人の死に少しショック。
[装備]:無し
[道具]:ネクロノミコン(67ページ読破)、液体窒素(一瓶、紙状態)、支給品一式
[思考・状況]
基本:元の世界に帰る。
1:劉鳳が気が付くまでアミバ・タバサとこれからどうするか具体的に話し合う
2:杖を入手する
3:キュルケとの合流。ルイズについては保留
4:シェリスからマントとナイフを返してもらう
[備考]
※杖をもっていないので、使える魔法はコモン・マジックのみです。攻撃魔法は使えません
※劉鳳からシェリスの名前を知りました。
※劉鳳と情報交換をしました
 ※名簿に青い丸印が付けられているのは、カズマ・劉鳳・シェリス・桐山・杉村・三村・川田・才人・ルイズ・防人・カズキ・斗貴子・タバサ・キュルケ・コナン・平次
 赤い丸印が付けられているのは、ジグマール・DIO・アーカード
 緑色の丸印が付けられているのは、蝶野
※平次、劉鳳、アミバの事は完全には信頼していません(信頼の度合いは平次>劉鳳=アミバ)
319 ◆3OcZUGDYUo :07/09/14 23:26 ID:Mszyc0FQ
投下終了しました。
誤字、脱字などがあればご指摘お願いします。
ご支援どうもありがとうございます!
正直「今回も規制かなぁ……」と思ってましたw
本当にありがとうございました!
320Classical名無しさん:07/09/14 23:27 ID:6Upt7YUE
すごくGJ!!

なんか4人全員が輝いて見えた!!
とにかくGJ!!!!
321Classical名無しさん:07/09/14 23:29 ID:ux9Gxilk
投下乙!
アミバかっこいいよアミバ

某での立ち回りがウソのようだぜw

劉鳳もタバサもいい感じだし
服部も探偵としてちゃんと働ているな

これとコナンを比べると……
322Classical名無しさん:07/09/14 23:29 ID:sG5HLZcI
投下乙!
アミバ様が正義キャラのようだよwwwww
服部は頑張る一般人って感じなのにバーローはなぜかウザイ一般人だなwwwww

323Classical名無しさん:07/09/14 23:32 ID:hm/7E3ZE
乙!
アミバ様がまるで主人公か何かのようだww
劉鳳は次から次へと苦労が絶えんなぁ…後悔で骨折れるまで地面ぶん殴るし
ブラボー桐山も含めて一見良い対主催チームになりそうだが
シェリス関連の疑心暗鬼がどう影響するかだなぁ
シェリスとの合流が終盤まで長引けばその分だけ対主催として活躍出来そう

後、誤字とかの指摘
劉鳳の状態欄
4:カズマ・シェリス・防人の知り合い・桐山の知り合い・核鉄を探す。
カズマは削除して良いのでは?

それとタバサの状態欄
1:劉鳳が気が付くまでアミバ・タバサとこれからどうするか具体的に話し合う
タバサじゃなくて平次
324Classical名無しさん:07/09/14 23:36 ID:2DLuZd6U
投下乙。アミバが七原のポジションにいるw
この4人って今のところ最強グループじゃね? これは期待するしかない!
杖さえ手に入ればタバサもかなりの戦力になるっぽいし。
一般人の平次もカッコイイよ! それにひきかえコ(ry
325Classical名無しさん:07/09/14 23:36 ID:qSUirsAM
投下乙です

アミバ、かっこよすぐるww
なんだかんだ強いし、武器もかなりのものだから、期待!
平次とタバサも、力は無いけど頑張ってて好感もてる!
劉鳳は……頑張れw
お前なら壁を越えられると信じてるぜ!
326Classical名無しさん:07/09/14 23:40 ID:3a5.tfO2
何でこう、元悪役が正義に目覚めるのを見ると心が燃え上がるんだろうな…不思議だ
327Classical名無しさん:07/09/14 23:45 ID:Le04YFpQ
>>326
人はそのことをベジータ現象と呼ぶ……
328Classical名無しさん:07/09/14 23:50 ID:1qtM1Ukw
投下乙!&GJ!
アミバがカッコエエよ!

あと、気になることがひとつ有るんだけど、確かキュルケは原作九巻からの参戦なんですが、今回のタバサとの参戦時期にズレが有ります。これはいいんだよな?なら、出会った時に一悶着ありそう?
329Classical名無しさん:07/09/14 23:52 ID:qSUirsAM
あ、あと気になったことを1つ


名簿に青丸がつけられたキャラに、灰原もいれるべきじゃないかな?
330Classical名無しさん:07/09/15 00:06 ID:O9ju9yRE
GJ!
アミバのかっこよさに俺が泣いた!!
素敵すぎw劉鳳が立ち直るのか、平次はいいキャラで言って嬉しいw
331Classical名無しさん:07/09/15 00:28 ID:WUvsufF2
GJといわざるを得ない!

アミバが格好いい。まさにカズマの志を受け継いだ男!
劉鳳は相変わらず不器用だが、これにもしびれた。

ちゃんとこの四人が機能すれば
白兵戦闘:アミバ、劉鳳
後方射撃:タバサ
作戦立案:平次(とタバサ)
と万全の態勢でやっていけるな。
ちょっと脳まで筋肉の気がある劉鳳も平次がサポートできれば……あるいは。

タバサが戦闘で役立つためには杖が必要だけど実はアミバの所持品の「ギーシュの造花」は杖扱いなんだよな。
きちんとお互いの持ち物チェックを行えれば見つけられるだろうが……さて?
332Classical名無しさん:07/09/15 00:50 ID:eh/pzEWU
バーローの叩かれっぷりに吹いたw
333Classical名無しさん:07/09/15 03:16 ID:8UUuzhqg
バーロー、良いこと言ってるんだけどね
ただ状況を鑑みた危機感が足りないだけで
334 ◆d4asqdtPw2 :07/09/15 08:57 ID:8Oos8Al.
すいません。川田、つかさ、ヒナギクの予約を延長させてください。
335 ◆3OcZUGDYUo :07/09/15 09:09 ID:G6qjVM0g
昨日は私用で一日中出かけていたので投下が終わったらすぐ寝てしまいました。
対応が遅れて申し訳ないです。

>>323
はぅ! 完全にミスりました……wikiに収録され次第修正します。
ご指摘どうもありがとうございます。

>>328
やはり此処は『漫画キャラバトルロワイアル』なので漫画の方に合わせた方が
良いかと思ったのでそうしました。

>>329
これもミスですね……こちらもwikiに収録され次第修正します。
ご指摘どうもありがとうございます。
あと赤い丸が付けられた参加者に葉隠散、村雨良を追加しときます。

>>334
新作期待しています。頑張って下さい!

最後に一つ……感想どうもありがとうございました!
次の投下の励みになるので本当に有難く思っています!
それではまたの機会に〜。
336Classical名無しさん:07/09/15 13:00 ID:msx5bka6
>>241
大分亀になってしまいましたが、超GJ!
前半のギャグパートが面白すぎる……。
アフロとかジャンプ二冊とか、ファンタジーやメルヘンじゃないとか、
原作ネタ使うのが上手すぎるw
特にドリフネタは何か感慨深かったw
後半の複数バトルも相変わらずお見事、読めない展開をハラハラさせながら
読ませていただきました。もう一度GJ!

>>318
こちらもGJ!
アミバ・・・。お前はいったい誰だw 格好よすぎるだろ常識的に考えてw
劉鳳の描写も秀逸だし、服部の思考も違和感がないぜ。
バーローはなんか浮いてるし、服部には頑張って欲しいところw
337Classical名無しさん:07/09/15 13:48 ID:O.rsU8fY
>>318
投下乙です!

アミバがかっこよすぎるぜ
平次も一般人なりに頑張ってるなあw
空手だか剣道だかやってたけど、さすがにこの超人軍団にはきかなそうだからなあ。頭で頑張れ!

劉鳳、お前はいま休んでいいッ! 休んでいいんだ……ッ!
338Classical名無しさん:07/09/15 15:18 ID:rXAKZCJs
>>319
トウカ乙
このアミバの格好良さは異常過ぎるw
339Classical名無しさん:07/09/15 17:03 ID:LLl/bHg.
セラスが空気もいいとこだな
340Classical名無しさん:07/09/15 22:33 ID:eh/pzEWU
死者スレで婦警さんとして頑張っておられますよ。
341Classical名無しさん:07/09/15 23:31 ID:T1odFdJU
wikiの書き手編集やってたら何か失敗してしまった……ごめん。
342Classical名無しさん:07/09/15 23:55 ID:LLl/bHg.
何をミスった?
343Classical名無しさん:07/09/16 00:16 ID:N5ftjL6E
結果として同じ名前のページを二つ作ってしまった……。
更新履歴みたらわかると思うよ。
344Classical名無しさん:07/09/16 00:47 ID:KPugCFVo
>>343
削除してほしい方に目印つけといて
345Classical名無しさん:07/09/16 00:58 ID:N5ftjL6E
了解。
今パソコン使えないので朝やっとくよ。
どうもありがとう。
346 ◆DO.TxVZRzg :07/09/16 01:31 ID:Detvgw0A
劉鳳、アミバ、服部平次、タバサ、投下。

即リレーの限界に挑戦!
347Classical名無しさん:07/09/16 01:32 ID:Detvgw0A
 このバトルロワイアルに巻き込まれて以来、服部平次の周囲では様々な事が起こっていた。
 今ここにいるタバサやアミバ、劉鳳といった人物をとっても、本来の生活では決して交わらなかったであろう人種。
 さらに、出会った直後に見せ付けられた絶影やシルバースキンといった超常現象の数々。
 常識に囚われていては、決して認められない出来事。しかし、それらは紛れもない現実。

(ま、そんなこと工藤で慣れとるけどな)

 服部はコナンのことを思い浮かべ、目の前の超常現象についての思考を止める。
 今やるべきことは超常現象の考察ではなく、あくまでも首輪のトリック解明とバトルロワイアル解決。
 だからこそ、彼は今知り合ったばかりの仲間と共に脱出の算段を考えている。

「アミバはん、とりあえずそこらの民家に入ろうや。劉鳳はんの手当てもせなアカン。ちゅーても、核鉄以外に治療器具はあらへんけどな」

 ひとまずは休憩を申し出る。やるべきことは様々だが、一つずつ解決していかなければ決して事件終結へと繋がらない。
 今は傷の回復と、今後の行動方針立案。服部には一つ策があるのだが、それを彼らに伝えなければならない。
 彼は周囲で最も大きな民家を選び、中へと入っていく。
 大きな塀に囲まれ、中には庭と車2台分のガレージがあるという家。
 これ程の民家であれば、医療道具にも事欠かないだろうし、服部には劉鳳治療の他にもやることがある。

 彼は民家に入った後、簡単な設備(水道や救急箱など)の説明を2人にした。
 そして自身は傷ついた劉鳳をタバサとアミバに任せて、他の部屋へと入っていく。

「ちょっとスマンが、5分ほど待ってくれへんか。作戦会議の前に準備をしときたいねん」
「構わないが、一体何をするつもりだ」

 出会ったばかりの少年が準備をするというのは腑に落ちない。そんな表情でアミバは服部を見つめる。

「それも、そん時に説明したるわ」

 しかし、服部はそんな視線を軽く流して部屋の中へと入っていった。
348Classical名無しさん:07/09/16 01:32 ID:Detvgw0A



「一体、服部は何をするつもりなんだ……」

 これからやるべきことは、バトルロワイアルへの反逆。
 亡きカズマの遺志を継ぎ、老人を打ち滅ぼす事。これが急務であるというのに。
 アミバは服部との作戦会議も重要であると認識しているため言われたとおりにしているが、少々納得できない。

(あとで問いただすとするか……)

「傷……」

 アミバの思考を遮り、タバサが声をかけてきた。

「そうだな、今は劉鳳の傷を癒さなければ」

 服部のことも気にかかるが、何よりなすべき事は劉鳳の介護。
 アミバは服部の説明にあった救急箱から、包帯と消毒液を取り出し丁寧に傷口を消毒していく。
 治療器具としての核鉄の使い方や効力がよく分からない以上、やはりこうして地道な作業を進めていくことが劉鳳回復への近道なのだ。

(っふ、そう言えば昔医者の真似事をしたこともあったな……)

 こうして傷口に薬を塗っていると、嫌でも昔のことが思い出される。
 アミバにとって、忘れたい、だが忘れがたき日々。
 自身が悪鬼のように人々の自由を、夢を、命を貪っていた日々。

(あの頃の人々には申し訳ないことをした)

 後悔の念は、汲みやまぬ井戸の水のように溢れてくる。
 だが、アミバには後悔する時間などない。
349Classical名無しさん:07/09/16 01:32 ID:ik3Djf62
ライダー支援キィィィィック!
350Classical名無しさん:07/09/16 01:33 ID:ik3Djf62
           
351Classical名無しさん:07/09/16 01:33 ID:Detvgw0A

(あの人々は、決して俺を許しはしないだろう。だが、待ってくれ。俺はこのバトルロワイアルで全てを償わねばならない。
全てが終われば、全てが終われば、きっとお前たちにも……)

 一通り、包帯を巻き終えたところでタバサが近づいてくる。

「口に血が付いてる」
「……」
「血が……」
「そうか、スマナイ」

 濡れたハンカチで、タバサはアミバの口元を拭う。
 どうやら、先ほどの発言は劉鳳だけではなく自分にも向けられていたものらしい。
 そんなタバサを見つめ、
(いい子だな……)
と、アミバは思う。
 この子は未来だ。失われた命は過去のものであるが、この子には輝く将来と生きる希望がある。
 あと数年もすれば、理想の男を見つけて伴侶となるであろう。子を産み、育てるだろう。
 僅かな力かもしれないが、彼女は未来を作っていく能力を確かに持っているのだ。

 アミバには、振り返ると血に濡れた道だけが残されている。
 その身に宿る修羅道は既に宿星と言ってよいだろう。この道から逃げ出すつもりはない。

 だが、これからの戦いは違う。同じ修羅道でも、悪鬼羅刹のように喰い殺すだけの道ではない。
 この子や服部たちの未来を守るために闘いだ。

(カズマよ。今はまだ、お前の下へは逝けぬ。だが、見ていてくれ。
このアミバ、命が続く限りこのバトルロワイアルに反逆を続けてみせる。そう、お前の魂を継いでな!)


352Classical名無しさん:07/09/16 01:34 ID:Detvgw0A
「ぐあぁーーーーーーーーぁ!……」

 刹那、物思いに耽るアミバに服部の叫び声が聞こえてくる。

「どうした? 服部」

 守るべき無力な少年の声。急げ、もう二度と命を失ってはならない。
 服部のいた部屋を空ける。
 い草の匂いが漂うその空間に人はいない。だが……

「や、やめろ……」

 確かに声が聞こえる。部屋の中央、銀色の箱から服部の声が聞こえてくる。

「……だ、出してくれ……」

 周囲に人影はない。しかし、疑いようもなく、服部の声は目の前から聞こえてくるのだ。
 思えば、初めて支給品を手にしたとき、体積を無視して物を押し込める紙の存在を知った。
 どうして、気づかなかったのだろう。この場には、そのような幽閉能力者がいるという証拠ではないか。
 シルバースキンやアルターのような特殊能力があり、あの紙があれば決しておかしな推測ではないのに。
 なぜ、見落とした。
 いや、今はそんな事を思っているときではない。

「助けるぞ」
353Classical名無しさん:07/09/16 01:35 ID:ik3Djf62
         
354Classical名無しさん:07/09/16 01:36 ID:ik3Djf62
       
355Classical名無しさん:07/09/16 01:37 ID:Id1xAQOY

 アミバは、その鉄拳を銀の箱めがけて突き下ろそうとする。
 だが……その箱に書かれた小さな文字を見て、拳が止まる。

『これを こわせば はっとり が しぬ』

「ば、馬鹿な……」

 どうしろというのだ。
 このまま、服部が死ぬまで待っていろと言うのか。

「どけ、アミバ!!」

 突如聞こえてきた背後の声と共に、劉鳳が飛び出す。
 そして、銀箱を破壊せんと絶影を発現させる。

「止めるんだ。これを壊したら服部が死ぬ」
「なんだと……ふざけた事をぬかすな!! やれ、絶影!!」

「ぐぅ………」

 服部の声が、再び銀箱の中から聞こえてくる。

「ま、まさか……あの中に服部が閉じ込められているのか……」

 この声に、劉鳳も動きを止める。

356 ◆DO.TxVZRzg :07/09/16 01:37 ID:Id1xAQOY
「どう見てもただのラジカセ……だが、シルバースキンの例もある……」

 アミバには耳慣れぬ言葉を口にし、劉鳳は頭を抱え込んでしまう。

「また……俺は助けられなかったのか……」

 隣で聞こえてくる後悔の念は、アミバと同じものだ。
 だがしかし、アミバは諦めない。

「諦めるな、まだ可能性はある。服部を隠した能力者を探せ、そうすれば助けられる」

 銀箱の中に閉じ込められたのなら、脱出させる方法もあるはずだ。
 そして、ここに服部を閉じ込めた者なら、その方法を知るはずだ。
 アミバは劉鳳を促し、銀箱の能力者を探すため部屋を出ようとした……その時だった。


「スマンかったなぁ。ちょっとした悪戯や」

 紙で出来た引き戸を開けて、服部が部屋に入ってきた。

357Classical名無しさん:07/09/16 01:38 ID:ik3Djf62
           
        
358Classical名無しさん:07/09/16 01:38 ID:Id1xAQOY


 机一つない8畳の和室に、アミバ、劉鳳、タバサ、服部の四人が集まる。
 前者三人の服部に向ける視線は少々殺気立っているようだ。

「いや、ホンマスマン。確認したいことがあって、それでやったんや」
「貴様、やっていい冗談と悪い冗談があるぞ」

 ラジカセに小声で録音し、それを最大ボリュームで再生する。簡単なトリックなのだが、
この場では悪質だろう。
 アミバは沸騰しそうな怒りを懸命にこらえつつ、口を出す。
 劉鳳は黙ったままだ。恐らく、口を開けば怒りしか出てこない事を自覚しているのだろう。
 タバサは……何を考えているのか分からない。

「本当に、悪かった。でもな、これで重要な事がわかったで」
「何が分かったというのだ……」

 アミバは今にも噴出しそうな怒りを抑えている。
 情報交換は重要だし、服部の命も重要。だからこそ、怒りを堪えられるのだろう。
 正義感の強い人間だな、と服部は再度アミバのことを見直した。

359Classical名無しさん:07/09/16 01:38 ID:Id1xAQOY
「まず、アミバはん。アンタはこの箱の事を知っとったか?」
「知らん。はじめて見た」
「これはな、ラジカセちゅうて、俺のいたところやったら、10歳ぐらいのガキでも知っとる、ありふれたもんや」
「それがどうした?」
「でも、アンタはこれを知らんかった。実はここにバトルロワイアルの本質があるんや」

 服部は別の部屋から探してきたノートを取り出し、それに次の言葉を綴る。

「これからは、こっちで失礼するで……」
『ここにいる人間は別の世界から集められている』

 突然の言葉に、アミバ、劉鳳、タバサ、三人の動きが止まる。

「さっきのことが証拠やな」
『もちろん、実際には"別の世界"ちゅうほど、大げさなもんやあらへんかも知らん。
けどな、それに近いぐらい、全く違う能力を持った人間たちが集められとるんや』

「それを確認するために、さっきの冗談をやったというのか」

 劉鳳が沈黙を破る。ピクピクと動く青筋が見えるようだが、何とか彼も堪えられるようになったようだ。

『あぁ、アンタはこれをラジカセやって見抜いたらしいけど、それでも攻撃を躊躇った……
恐らく、他の能力を警戒しての事やろ?』
「あぁ」

 劉鳳の言葉に対して、服部の筆答。
 チグハグとした流れだが、これも服部には考えがあるというのか。

「口ぐらい使ったらどうだ」
360Classical名無しさん:07/09/16 01:38 ID:ik3Djf62

北斗支援拳!!
361Classical名無しさん:07/09/16 01:38 ID:Id1xAQOY

 アミバが堪えかねて、服部の行動を窘める。

『そうもいかん、俺らはあの爺さんに監視されてるかも知れんのやからな』
「何……」

 アミバ、劉鳳共に驚きを隠せないと言った表情をしている。

「普段の会話なら、構わんのや……でもな」
『こうして、バトルロワイアルの仕組みについて語るときには警戒が必要や』
「一体、何を証拠にそんな事を……」

 劉鳳も、アミバも、そしてタバサさえ、疑問に思うであろう事。
 突然すぎる服部の行動と発言に、彼らは着いていけない。

『証拠はさっきの放送。あの爺さんが言うた言葉を覚えてるか? "何やら勘違いしておる者も居るみたいじゃが"という言葉。
あの言葉は、俺らの行動を爺さんが掴んでるっちゅう証拠や』
「だから、俺たちは監視されていると……」
『そうや、当然のことやと思うで。俺らの好き勝手にさせてたら、あの爺さんがどうなるか誰にでも分かるやろ?』
『つまり、俺たちも筆談しろという訳か』

 ノートを手に取り、アミバが文字を綴る。

『話が早くて助かるわ。ま、全員が筆談して声が聞こえなくなったら逆に警戒されるやろうし、時々は声も混ぜたらなあかんけどな』

 それと、本来は筆談すら避けるべき行動なのだと付け加えたかったが、それは言わない事にした。
 多すぎる情報を与える事は、逆に混乱を招きかねないからだ。

362 ◆DO.TxVZRzg :07/09/16 01:40 ID:VAlmwTJY
「んじゃ、本題に入るで」
『さっきも言うた通り、ここには"異世界から集められた"と考えられる程の違う能力が存在している。
シルバースキンや、絶影、アミバはんの身体能力がいい例やな』
『あの程度の能力で異世界とは……ケンシロウやラオウなら余裕でこなすぞ』
「だからこそや」
『アミバはんの見せた能力は、俺らの世界やったらどこ探してもおらへん。世界一を決める大会でも、あんな奴らはおらんで』

 世界陸上やオリンピックの事を言ったつもりだが、恐らく通じないであろうと思い言葉を変えて表現した。

「だからこそ、全く違う能力の持ち主が集まっているというのか……」

 劉鳳は言葉で、自身の思いを綴る。

「しかし……そんな事……」
『シルバー・スキンの事は知っとったんか?』
「いや、ブラボーから聞いてはいたのだが、詳しいことは……だが、だからと言って」

 劉鳳はまだ、服部の言葉が信じられないといった様子だ。
 それも当然だろう。だが、これは紛れもない事実なのだ。

『俺にも心当たりがある』

 アミバが、そういって支給品の中から携帯電話を取り出す。

363Classical名無しさん:07/09/16 01:40 ID:ik3Djf62
           
364Classical名無しさん:07/09/16 01:40 ID:VAlmwTJY
「俺には全く心当たりのない支給品だ」
「って、ただの携帯やんけ」
「知っているのか?」
「まぁな、離れた相手と会話ができる道具や。といっても、同じ道具を持ってる相手でないとアカンけどな。
恐らく、同じように携帯を支給された奴がおるんやろ。そいつとなら、どんだけ離れてても通話……おっと、会話できるで」
「使いどころが難しいな……」

 確かに携帯電話一つ渡されても、難しいのは事実だ。
 が、まだ見ぬ参加者との連絡手段が少しでも手に入ったのは嬉しい。

「確かに……これでは信じるほかなさそうだな」

 劉鳳は2人のやり取りを見て、そうつぶやく。
 彼自身、携帯電話を知らないのか、それとも携帯電話を知らぬというアミバを見て考えを決めたのかは定かではない。
 いや、それ以前にシルバー・スキンを見た時点で、納得の土台は出来上がっていた可能性もある。
 ともかくも、これで服部は会議の第一段階を終了した。これからする話こそ、本当の本題である。

「んでやな……ここから、もっと重要な話をするで」
『今、言うたことはそのうち、全参加者が気付くやろう。そうなってくると、全員、自分の知らない能力を警戒し始めるはずや』
「確かに……」

 アミバが頷き、服部はさらに筆を進めていく。

『そこに、ここで生き残る勝機が生まれてくる。自分にない能力を、あたかも在るかのように振舞ってもいいし、
劉鳳はんみたいな能力があるんやったら、絶影に襲われたとか言って被害者を演じてもええ。
もちろん、こんな事はあんまり薦められへんのやけどな……でも、一つの手段としてなら使えるやろ』
「この俺に、そのような真似をしろというのか!!」
「あくまで、一手段いうとるやろ。実際にやる必要はないで」

365Classical名無しさん:07/09/16 01:40 ID:ik3Djf62
         
366Classical名無しさん:07/09/16 01:41 ID:VAlmwTJY
 服部は軽く劉鳳を抑えながら、鉛筆で続きを書き始める。

『けどな。一つだけ、使ってほしいハッタリがあるんや』

 ここが一番重要な部分と思いを込めて、服部は大きな字で書き込む。

『この俺に脱出の能力があると言ってほしい』
「「なん、だと?」」

 服部の突拍子もない発言に、アミバ、劉鳳、2人の言葉が重なる。
 タバサは一人黙って、発言を聞いているが驚きは隠せないようだ。

『バトルロワイアルを壊す言うんは、あの爺さんを食い止めることもそうやが、やるべきことはそれだけやあらへん。
むしろ、ここで行われている殺人を止めることこそ、重要やと言って良いやろ。
首輪を解除しましたが、他が全滅しましたじゃ洒落にならん。だから、殺し合いの原動力を根元から断つ』
「しかし、それは話が……」
『アミバはん。ここで殺し合いに参加する者の動機は様々やろうが、その中にはバトルロワイアルに連れてこられたからこそ、殺しあうという奴もおるはずや。
もちろん、劉鳳はんが言ってた散いう女には適用できへんけどな。でも、大半の人間は脱出できると分かって殺し合いを続けたりはせえへんやろ』
「しかし、それではすぐにハッタリだとばれるぞ」
『普通に言うたらそうやろ。だから、10人。10人集めないと使用できない能力つーことにしといてくれ』
「そんな都合のいい話……」
『信じにくいとは思う。けど、ここまで違う能力が集まる世界や。信じる人間はきっとおるで。
それに10人集めないと使えない能力なんやから、すぐにバレる心配もない』
「だが、バレたらどうなるか分かっているのか」
『俺は確実に殺されるやろうな。でも、そうはならん。この策は人殺し防止だけやなく、人集めの効果も持ってるからや。
正直な話、俺にはこの首輪を外すだけの知識も、脱出の知識も乏しい。そりゃ、普通の人間よりは役立つと思うが、完璧やない。
そこで、こういった話をして仲間を集め、知識を持つ人間をより多く募るんや』

 一旦、筆を止めて服部は周囲の反応を待った。

367Classical名無しさん:07/09/16 01:41 ID:VAlmwTJY
「むぅ……中々に頭が切れるようだな」

 もちろん、ほとんど時間のない状況で作った策だから穴もあるだろう。
 だが、それは後で少しずつ埋めていけばいい。現時点で服部はこの策に自信を持っていた。

「貴様……それで、多くの人間を募り、もし何も出来なければ、どうするつもりだ?
大勢の人々の期待を集めそれを裏切るとでも言うつもりか? そんなもの、俺の正義は決して認めんぞ」

『劉鳳はん、アンタの言う事はもっともや。実を言うとアンタを説得するネタは持ってへん。
だから、信じてくれとしか言いようがない。だが、少なくとも、ただ闇雲に仲間探しをするよりはずっとマシな方法や』

「何をどう、信じろと言う気だ!」
「服部の覚悟か……」

 激昂する劉鳳にアミバが言葉を重ねる。

『さっき、お前は"自分は確実に殺される"と言ったな。それはつまり、この作戦に命を賭けるという事だな』

 そして、すばやくノートに続きの言葉を書き綴る。

「出会ったばかりの人間が命を賭けるなどと言って、はいそうですかと信じるほど馬鹿ではないわ!」

 全くの正論に、服部は返す言葉もない。そんな時だった……

「傷口が開く」

368Classical名無しさん:07/09/16 01:42 ID:VAlmwTJY
タバサが、劉鳳の体に巻かれた包帯を指差す。

「いつの間に……」

 劉鳳は今の今まで、自身の体に施された術跡に気付いていなかったようだ。

「その包帯は俺が巻いたものだ。今はまだ、服部を信じられないかもしれない。
だが、治療をした俺に免じて信じてやってくれないか」
「っく……」

(どうやら、納まりそうやな……)

 服部は、この場に集まったアンバランスな4人を眺めながら独り思う。
 自分はあくまでも探偵。あくまで無力な人間だ。
 しかし、探偵はいつだって人々のためになることを考えなければならない。
 無力ならば、小ざかしい頭を使って回りを出し抜いていくより他はない。
 自分の作戦に対し、劉鳳が言った疑念は、当然のものだろう。
 アミバが抑えたとはいえ、彼もどう思っていることか。
 しかし、それでも服部にはこれ以上の策が思いつかないのも事実なのだ。
 それに、策が思いつかず、無力だからといって何もせずに諦められるほどの正義は持っていない。

(犯行は止める、人命も助ける、両方やらなきゃならないってのが探偵の辛いところやな……)

 服部の考案した偽りの脱出作戦は、これから始動する。
369 ◆DO.TxVZRzg :07/09/16 01:43 ID:9IZYoITE
【C-8 西部 民家/1日目 午前】
【劉鳳@スクライド】
[状態]:気疲労極大(核鉄×2により回復中)、全身にダメージ、深い後悔 、右拳に裂傷と骨折(包帯が巻いてある)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、4色ボールペン、色々と記入された名簿、スタングレネード×2
[思考・状況]
1:変電所へ向かい、防人・桐山と合流。
2:村雨、散を断罪する
3:悪(主催者・ジグマール・DIO・アーカード)は断罪、弱者(シェリス)は保護
4:シェリス・防人の知り合い・桐山の知り合い・核鉄を探す。
5:平賀才人の伝言をルイズに伝える。
6:シェリスに事の真相を聞きだす。
※絶影にかけられた制限に気付きました。
※桐山・防人・平次・タバサと情報交換しました。
※平次の策に乗るかどうかは次の書き手に任せます。
370Classical名無しさん:07/09/16 01:44 ID:9IZYoITE
【アミバ@北斗の拳】
[状態]:心体健康、強い決意、今までの自分に強い自己嫌悪
[装備]:ジャギのショットガン@北斗の拳(弾は装填されていない)、スティッキィ・フィンガーズのDISC@ジョジョの奇妙な冒険(ポケット内)、携帯電話
[道具]:支給品一式(×3)(一食分消費済み)綾崎ハヤテ御用達ママチャリ@ハヤテのごとく、ノートパソコン@バトルロワイアル(これら三つは未開封) ギーシュの造花@ゼロの使い魔、神楽の仕込み傘(強化型)@銀魂、
[思考・状況]
基本:ゲームの破壊、主催者の殺害。
1:ゲームに乗っていない人物と協力する。
2:ゲームに乗った人物と遭遇した場合説得を試みて駄目なら殺害する。
3:ケンシロウとラオウには出来れば会いたくないがいざとなったら闘う覚悟はある。
4:平次の策に乗り、脱出をネタに仲間を募る。
[備考]
※参戦時期はケンシロウに殺された直後です
※『スティッキィ・フィンガーズのDISC@ジョジョの奇妙な冒険』の説明書は存在しません。
※平次・タバサと情報交換をしました
371Classical名無しさん:07/09/16 01:44 ID:ik3Djf62
            
         
372Classical名無しさん:07/09/16 01:44 ID:9IZYoITE
【服部平次@名探偵コナン】
[状態]:健康
[装備]:スーパー光線銃@スクライド、ハート様気絶用棍棒@北斗の拳  バイクCB1000(現地調達品)
[道具]:首輪、「ざわ……ざわ……」とかかれた紙@アカギ(裏面をメモ代わりにしている)、支給品一式 、色々と記入された名簿。ノート数冊
才人のデイパック(内容は支給品一式、バヨネット×2@HELLSING、紫外線照射装置@ジョジョの奇妙な冒険(残り使用回数一回)未確認)
[思考・状況]
基本:江戸川コナンよりも早く首輪のトリックを解除する。
1:シェリスを発見し、真実を明らかにする
2:江戸川コナンとの合流
3:自分自身にバトルロワイアル脱出の能力があると偽り、仲間を集める。
[備考]
※劉鳳からシェリスの名前を知りました。
※劉鳳と情報交換をしました
※劉鳳、アミバ、タバサの事は全面的に信用しています
373Classical名無しさん:07/09/16 01:45 ID:9IZYoITE
【タバサ@ゼロの使い魔】
[状態]:健康 、才人の死に少しショック(回復しつつあります)
[装備]:無し
[道具]:ネクロノミコン(67ページ読破)、液体窒素(一瓶、紙状態)、支給品一式 、色々と記入された名簿
[思考・状況]
基本:元の世界に帰る。
1:服部の策に乗り、仲間を集める。
2:杖を入手する
3:キュルケとの合流。ルイズについては保留
4:シェリスからマントとナイフを返してもらう
[備考]
※杖をもっていないので、使える魔法はコモン・マジックのみです。攻撃魔法は使えません
※劉鳳からシェリスの名前を知りました。
※劉鳳と情報交換をしました
※平次、劉鳳、アミバの事は完全には信頼していません(信頼の度合いは平次>劉鳳=アミバ)
※劉鳳、平次、タバサの名簿には以下の内容が記載されています。
名簿に青い丸印が付けられているのは、カズマ・劉鳳・シェリス・桐山・杉村・三村・川田・才人・ルイズ・防人・カズキ・斗貴子・タバサ・キュルケ・コナン・平次 ・灰原
赤い丸印が付けられているのは、ジグマール・DIO・アーカード・散・村雨
緑色の丸印が付けられているのは、蝶野
374 ◆DO.TxVZRzg :07/09/16 01:46 ID:9IZYoITE
以上。投下終了
タイトルは「偽りの脱出」です。
375Classical名無しさん:07/09/16 01:49 ID:oO8Jnims
すげええええ!!
服部くん輝きすぎ!
アミバや劉鳳もいいキャラしているし

今後の展開に期待できるSSでした
376Classical名無しさん:07/09/16 01:54 ID:ik3Djf62
GJ!
服部が活躍している。素敵!!
アミバもう主役でいいやww タバサで嫌疑を和らげる……劉鳳、キサマロリ(ry
もう一度GJ!!
377Classical名無しさん:07/09/16 02:23 ID:S7EDtl3Y
投下乙!
服部がなんかかっこいい
原作のやられキャラっぷりをロワでは発揮しないことを祈る
GJでした
378Classical名無しさん:07/09/16 06:13 ID:9CyyLWfI
GJ!
服部はアクティブに動くね〜
しかしだ、服部の立てたこのフラグ、悪い方向にしか行きそうにないと思ってしまうのは俺だけかいな?
379Classical名無しさん:07/09/16 10:22 ID:XRAZInDc
おくれてGJ!!
このフラグ、バーロ-が崩す予感がぷんぷんするぜwww

と言うか、アカギとかの人まだー?ここに報告してくれたら少し嬉しいです。
380Classical名無しさん:07/09/16 10:43 ID:7wdFl2JQ
GJ!
自分の中ではDO氏のイメージがどこかの最速の人に決定しましたw
服部が頑張りすぎ!w
ここまで大胆に動く一般人もそうそう居ないね。さすが高校生探偵!

それと自分は>>345なのですがwikiで削除してもらいたいページに
目印を付けてきましたのでお手数ですが削除お願いします。
申しわけないです。
381Classical名無しさん:07/09/16 11:49 ID:gq2oQu3c
GJだぜ!つーかぁ……アミバ、お前は誰だよwww
服部の発想に驚かされました。こういうタイプはロワでは意外と稀少な気がします。
あと劉鳳、相変わらずだよ劉鳳。タバサ、可愛いよタバサ。
382Classical名無しさん:07/09/16 14:53 ID:7wdFl2JQ
wikiの件どうも有難うございました。
383Classical名無しさん:07/09/16 17:27 ID:bkLxAxpE
>(あの頃の人々には申し訳ないことをした)
あんた本当にアミバ様か?wいやカッコいいけどさwww
GJです!平次はほんっとうに頑張ってるなぁ…
超危険人物をみすみす逃したどっかのバーローとは大違い…
384Classical名無しさん:07/09/16 20:45 ID:RIHPP1U6
でもお前ら平次も劉凰やアミバの断罪邪魔したら叩くんだろW
385Classical名無しさん:07/09/16 21:18 ID:LBobLZyU
アミバの形をした何かだなこれは
オリキャラの領域
386Classical名無しさん:07/09/16 21:23 ID:cZ36jcUg
とG
387Classical名無しさん:07/09/16 21:27 ID:qBH9kctE
投下乙。即リレーは心配だったけど、クオリティ的には素晴らしかったので驚きました。
着々とフラグが積み重ねられていきますね、期待期待。
388Classical名無しさん:07/09/16 23:10 ID:kHOCKfeI
戦力的に見れば、病院組と互角かな。
戦闘要員:吉良+銀時(戻ってくれば覚悟)
頭脳要員:コナン
魔法要員:ルイズ

戦闘要員:アミバ+劉鳳
頭脳要員:平次
魔法要員:タバサ


……あぁ、吉良がいるわ
389Classical名無しさん:07/09/16 23:11 ID:OfU1kJKo
>>388
戻ってきても新八はどこにも入れないのかw
390Classical名無しさん:07/09/16 23:17 ID:N5ftjL6E
まぁ新八はなんせ武器がハリセンだから仕方ないさw
ホテル組は安定してるなぁ……アーカードと位置が近いのが不吉だけど。
391Classical名無しさん:07/09/16 23:31 ID:yvMsUrEE
一応そこそこは強いんだが銀時がいるからなあ……

吉良が不審な行動をとったりコナンが馬鹿なことを言い始める度にツッコミをいれるぐらいしか
392Classical名無しさん:07/09/16 23:34 ID:kHOCKfeI
いや、吉良が不審な行動をとったときぐらいはコナンの出番だろww
393Classical名無しさん:07/09/16 23:45 ID:OfU1kJKo
そういえば病院組に蝶ネクタイ型変声機と犯人追跡メガネとコナン関係の道具が2つあるが、
コナンが持ってないって事は支給品とか確認してないのかな。
発信機とか結構役立つと思うが。
394Classical名無しさん:07/09/16 23:58 ID:N5ftjL6E
ん〜その辺は次の書き手さんがネタにするかもね。
395Classical名無しさん:07/09/17 00:08 ID:mpg80Pno
◆VACHiMDUA6氏については、一旦予約破棄扱いってことでいいよね?
396(・∀・)<ケターリ!:07/09/17 00:20 ID:ZYi8xrBI
 前の、ラオウのコーラのときも言われていたけど、北斗の拳の世界は
 「199X年、世界は核の炎に包まれた」 なんだよね。
 だから、北斗の拳の登場人物は、基本的には1980年代までのテクノロ
ジーなら知っているハズだと思うんだ。
 この問題について既に解決していたとしたらスルーしてくだされ。

 話自体は実にGood!
 アミバの豹変は、山のフドウに勝るとも劣らない。
397Classical名無しさん:07/09/17 00:35 ID:aTQgPdqA
そうは言っても、核の炎に包まれる前の世界も相当文明が遅れてそうだったぞ
398Classical名無しさん:07/09/17 00:51 ID:zLD5J7Jk
つっても「コカコーラ」ははっぴいえんどの歌にでてくるくらいだから
1970年代には普通にあった訳で。
世界崩壊(199X年)直後に既にトキとケンが青年であった描写があるから、それより年上のラオウが知らないのはおかしい。

1999年生まれの覚悟は微妙だなあ。生まれて自我がめばえる前に世界崩壊。
まぁ覚悟の場合、天然で知らなかったと解釈もできる。なにせシャーペンを高1まで知らなかった男だから。

…まぁ、解釈するとすれば北斗世界も覚悟世界も、2000年近辺に世界崩壊が起こってると。
でも、我々の現実世界をはじめ、それが起こってない世界もあると。
そっちのパラレル世界ではコカコーラ(本国では戦前からあるが…)をはじめ炭酸飲料なんてものは存在しなかった、と。
苦しいか…?
399Classical名無しさん:07/09/17 00:53 ID:4Y6PJVag
年代が同じだからって現実世界と同じ文明ってわけじゃなくね?
400Classical名無しさん:07/09/17 00:53 ID:aTQgPdqA
核の時点でアミバ・ケンシロウ・ラオウはそれぞれ何歳だったんだろう?
ケンシロウは相当幼かったよな
401Classical名無しさん:07/09/17 00:58 ID:zLD5J7Jk
>>399
という風に解釈するのが一番矛盾がない。

>>400
核の炎につつまれたとき、トキがケンシロウとユリアをかばった独り核シェルターの外に出る。
結果核汚染されてしまい総白髪で病気の身にやつす、ってシーンがあるのだけど、
そのシーンではケンもトキもすでに青年。正確な年齢の描写はないけど。
ちなみに北斗続編「蒼天の拳」ではケンシロウが生まれたのは「197X年」となっている。
402(・∀・)<ケターリ!:07/09/17 01:01 ID:ZYi8xrBI
>>397
 ただ、結構そこら中に核シェルターがあるくらいの文明レベル、なんだよね。
 バイクやバギーなんかは当たり前に操っているし、しかも一応、『蒼天の拳』 の地続き
という事なんだし。
 覚悟の世界と北斗の世界は、基本的にカタストロフィの起きた原因や規模が違うだけで
基本は同じ方向性のものなんだよね。
 覚悟に関しては、散とともに幼少期から下界とは隔絶された山奥で訓練していた描写
がある。ラオウやトキ、ケンシロウら北斗四兄弟も同様。もしかしたら、アミバもああいう集
団の中に居たかもしれない。とすれば、ラジカセは厳しいけど、確かに携帯は知ってそうに
ない。
 ただそのケースでも、「自分の世界にはなかった」 というよりは、「俺は幼い頃から山奥で
修行をしていたから、こういうものに関してはよく分からない」 という自己認識の方が、しっく
りはくると思う。

403(・∀・)<ケターリ!:07/09/17 01:11 ID:ZYi8xrBI
>>399
 いや、それは、「近未来モノ」 の文法としては、但し書きがないとおかしくなっちゃうんだよ。
 近未来モノというのは、未来に対してのIFものなわけで、想定されている読者の住む現代
をベースとするのが前提で、現代より過去の時点で 「IF」 の分岐点があったのならば、その
事を作中で明記するのがセオリーになる。
 例えば覚悟ならば、葉隠四郎の実験と強化外骨格などの成立、が転換期。
 北斗の拳の場合、「遙か昔に暗殺拳の成立し相伝され続けていた事」 以外はほとんど作中
で語られていないから、そこに関わること以外は基本的には当時の現代とほぼ同様、という前
提で描かれている事になる。
 と。
 あまりここで長々書くのも良くないと思うので、申し訳ない。続ける場合は移った方がよいのか
な? 
 個人的には、>>402後半で書いた解釈あたりが妥当ではないかとは思う。
 あまり、変に注文だけつける人、みたいにはなりたくないので、僕の意見としてはここまでです。
404Classical名無しさん:07/09/17 01:20 ID:BwSJ4q2o
でも不動の若い頃は「殺してでも奪う」がまかり通るほどの原始の掟が
幅を利かせてたんだよね、でもデビルリバースは逮捕されたりもする
405Classical名無しさん:07/09/17 01:21 ID:BwSJ4q2o
しかも弱肉強食のシュラの国から旅立ったりもしてる
406Classical名無しさん:07/09/17 09:44 ID:xX/qELFU
まあ、マジレスすると1970〜80年代の発展途上国は実際、とんでもない国がたくさんあったんだが。
それと原作者の武論尊は「ラオウの死後の【北斗】は割とどうでもよかった」というのは結構有名な話。
深く考えても馬鹿を見るだけですよっと。原作で語られてる部分以外は、書き手さん次第のロワ準拠でいいんじゃね?
407Classical名無しさん:07/09/17 12:36 ID:wr73pDIQ
>>406
同意やね、
本家で語られていないところは各ロワに合わせて解釈しもいい気がします、大幅に本家の世界観を逸脱しなければという縛りの中でなら・・・・・
自分はラオウの件より、キュルケやルイズが他人の杖を使ってるの方が問題だと思う。
たしか本家だと杖とその使用者は長い時間かけて契約する筈だから他人の杖は使えないと思うのですが・・・・、この件ってもう議論済み?なら、スマン
408Classical名無しさん:07/09/17 12:49 ID:zEq.RX.M
書き手さんの都合の良いように解釈すれば良いと思うな。
まぁ流石に「これはないだろ?」ってくらい矛盾が出てくるようなのは問題だけど。

>>407
う〜んそこら辺は主催者が円滑なゲームの進行のため使えるようにした
とかで良いかと……。
409Classical名無しさん:07/09/17 15:37 ID:QhCpDTHM
まぁ、世界観云々の話なんて、ここまでオリキャラ化したアミバに言ってもせん無き事。
もはや、アミバって名前の別キャラだぞこれwww
410Classical名無しさん:07/09/17 18:48 ID:ewhp8POU
◆VACHiMDUA6さんと◆d4asqdtPw2さんははそろそろ連絡くれないと…
411Classical名無しさん:07/09/17 19:20 ID:cuWt5bSw
マジレスすると、前者の方は申し訳ないが一旦破棄ということにした方がいいかと。
というか、ルール上そうなるはず。だから、予約は向こうという形にして、他の書き手を待ったほうが無難。
多分、全パートは無理でも一部なら書けるって人が多いはず。
412 ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 19:55 ID:4Y6PJVag
>>410
すいません。今日中に投下します。
413Classical名無しさん:07/09/17 20:02 ID:vupjXChQ
>>412
待ってました!
414 ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 21:46 ID:4Y6PJVag
川田章吾、桂ヒナギク、柊つかさ投下します
415Classical名無しさん:07/09/17 21:47 ID:zEq.RX.M
待ってましたぁ!支援!
416Classical名無しさん:07/09/17 21:48 ID:EGCokd1.
           
417エンゲージ ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 21:49 ID:4Y6PJVag
呆然と佇む3人を、腹が立つほど青く静かな空が見下ろしている。
緑の木々が揺れ、さらさらと喧しい音を奏でる。
抉れた地面と折れた木だけが先ほどの戦闘の凄まじさを物語っていた。
その爪痕の中心には男の死体、仮面ライダー1号、本郷猛が倒れていた。
顔つきは穏やかではあるものの身体中が傷だらけ血まみれで、その姿が辺りの戦禍の主役を担っている。
本郷の傍でうずくまって微動だにしない少女が柊つかさである。その目は赤く腫れ、さっきまで嗚咽を繰り返した喉からは声も発さず、今は呼吸をしているのかすらも疑わしい。
そこから少し離れたところに桂ヒナギクが仰向けで寝そべっていた。何かを考えているのだろうか、青空と睨み合っているその目は虚ろだ。
さらに遠くへ目を向けると、川田章吾が大きな木片を器用に使って一心不乱に穴を掘っている。おそらく本郷の寝床であろう。

三者三様の沈黙を数十分ほど過ごしたところで、川田が地面に開けられた大きな楕円を見下ろして大きく息を吐いた。
「桂さん、本郷さんを運ぶのを手伝ってくれ」
そうヒナギクに告げると、手足に付着した土を払うこともせずに本郷へと向かう。
一方のヒナギクは何も言わずに腰を起こし、川田の数歩後ろを歩き出した。
「すまない。本当はこんな仕事を女の子にさせるべきじゃないんだが」
本郷の傍らに立つ川田が背後のヒナギクに対して淡々と謝罪の言を述べる。
ちらりとつかさを見やるが、つかさは糸の切れた操り人形が如く地面にへたり込んで動かない。
「いいのよ。引きずるわけにもいかないでしょうし、私も何かしてあげたいもの」
そう言うとヒナギクは本郷の足元へと回り込む。それを確認した川田は本郷の両脇に手をいれ、体を持ち上げようした。

しかし伸ばした川田の腕は本郷へと辿り着くことなく、つかさによって防がれることとなる。
腕を掴む、と言うよりは触れると言った方が正しいだろう。つかさの手には全く力がこもっていない。
物理的には振り払うまでも無く、先ほどまでの行為を継続させるのには全く支障はない。
しかし川田は動けない。
つかさから発せられている薄気味悪いモノ、瘴気とでも言えばいいのだろうか、それは川田の脳から発せられる信号が腕の筋肉に到達するのを完全にブロックしていた。
418エンゲージ ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 21:49 ID:4Y6PJVag
「どこへ連れて行くんですかぁ、ほんごーさんを」
つかさは顔を上げることなく、それどころか腕以外の体のどの部分も動かすことなく川田に尋ねる。
細くて冷たい声。辛うじて聞き取れるかと言うほど細く弱い声であるのに、波長が伝わった空間を凍りつかせてしまうほど冷たい声だった。

ヒナギクは気づいているだろうか。自分自身の体が震えている事に。
恐怖のせいだろうか、寒気のせいだろうか、ヒナギクの歯が音を立てている。
カチ、カチという音、脳に響いてくる。

『カチ、カチ』

「本郷さんを埋めてあげないと。このままじゃかわいそうだろ」
ヒナギクは知らないが、川田という男は、殺し合いの最中で人が狂う姿を嫌と言うほど見てきた。
そして柊つかさの放つ『それ』は狂った人間が放つ独特の空気。そしてそれは、いとも容易く他人に伝染する。
おそらく川田自身には何も影響はないだろう。しかしヒナギクはどうだ。
殺し合いの経験など皆無なヒナギクはおそらく耐えられない。彼女がつかさに中てられて一緒に狂ってしまう、それだけは避けなければいけなかった。
だから以前の彼なら、つかさを見捨ててヒナギクと共にどこかへ向かっていただろう。
しかし彼は言葉を紡いだ。本郷に託されたから、つかさを、ヒナギクを、使命を。

『カチ、カチ』

「俺たちは、本郷さんを埋めて先へ進まなきゃいけない」

『カチ、カチ、カ――……』
熱い思いがヒナギクを包んでいく。川田の思いが伝わってくる。
いつの間にか震えが止まっているようだ。
419エンゲージ ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 21:51 ID:4Y6PJVag
「やらなくちゃいけないことは、まだ沢山あるんだ」
川田章吾は一度死を経験し、生命におけるありとあらゆる出来事に対する覚悟は出来ていたと思っていた。
自分は立ち向かうために生かされた。2度目の命はそのためだけに消費すればいいと思っていた。
しかし本郷に出会ったとき、川田章吾は第2の人生最初の挫折を味わった。遥かな高みにいる男に憧れてしまった。
本郷の死を見届けたとき、2度目の挫折。死に向かう本郷を前に自分はなにも出来なかった。
穴を掘りながらずっと後悔していた。己の覚悟の足りなさに。命をかけること、命を捨てること、命を消費することに対する覚悟。
だからもう生きようとは思わない。死に向かうんだ、と川田は誓った。どうせ失った命なら代償としようと。だから
「つかささんだって友達に会いたいはずだ、だから――」
だから――

「だめですよ」

ぶわぁ、と広がる、寒気。

『……………カチ……』

「ほんごーさん、私の料理食べてないじゃないですか。おなかすいちゃいますよ」
死体は腹が減らない。なぜなら必要ないから。食べることが出来ないから。常識だ。
しかしこの少女は本郷の腹が減ると言った。悲しみを込めた別れの言葉ではない。彼女は本気で本郷が空腹になると心配しているのだ。

「つかささん、本郷さんはもう……」
「本郷さんにね、お姉ちゃんの事話したの。そしたらね、そしたらね、嬉しそうに本郷さんが笑ってくれたの」
川田の言葉を遮ってつかさが俯きながら、しかしとても嬉しそうに話し始めた。
「本郷さんのこともいっぱい聞いたの、えっとね、タロっていう犬を飼っててね、えっとね、警察官のお父さんがいてね、えっとね、えっとね」
少しずつ、本郷との思い出話を話し始める。その顔は見えないがやはりとても嬉しそうだ。
(本郷さんとつかささんが2人きりで話す機会はなかったはずだが……)
川田が感じていた違和感は次第に大きくなっていき、その肥大化の速度も加速していく。
「悪い敵をかっこよくやっつけてね、えっとね、バルタン星人とか、ゴジラとかも追い払ってくれて」
420Classical名無しさん:07/09/17 21:51 ID:EGCokd1.
             
421エンゲージ ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 21:51 ID:4Y6PJVag

『……カチ……カチ……』

聞いたことが無い。もちろんバルタン星人もゴジラも知っている。だが本郷がそれらを相手に戦ってたことなど聞いたことが無い。
と言うか、そんな事があるはずがない。
「本郷さんとは……いつその話をしたんだ」
「え……? やだなぁ川田くん」
つかさがゆっくりと顔をあげる。
『……カチ……カチ、カチ』

「川田くんが穴を掘ってるあいだ、ずっと喋ってたんだよ」
へらへらと笑いながらそう告げた。

『カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、カチ、
 カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ』
(息が出来ない。寒い、寒い)
ヒナギクが必死に目を逸らそうとしても眼球が凍り付いてしまってはどうすることもできない。
耳を塞ごうとしても凍てついた腕は言う事を聞いてくれない。

「つかささん! 本郷さんは」
「見て、こんなに笑ってくれてるよ」
うつ伏せに倒れる本郷を指差して歪んだ笑顔の少女が告げる。

『カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ
 カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ』
ヒナギクの顎が刻むビートが速くなっている。限界に近い顎関節がキリキリと痛みを発する。
しかしヒナギクにはどうすることも出来ない。彼女の体は辺りに満ちた瘴気だけが支配していた。
422Classical名無しさん:07/09/17 21:52 ID:V15kSgjE
 
423エンゲージ ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 21:52 ID:4Y6PJVag

「本郷さんは死んだんだ! ラオウって男と、戦って」
川田が必死に叫ぶ。しかしその目は半ば諦めの色を帯びている。
彼女はもうダメなのではないか、と。
「ほんごーさんは死なないよ」
もう
「だってね、私の料理食べてくれるんだよ」
この少女は
「死んじゃったらムダになっちゃうよ。ね、ほんごーさん」

『カカカカカカカ――ギリ』

「……もう、いい」
もう、この女は終わりだ。
川田が地面に膝をつき、腕をだらりと下ろして、目を閉じた。
川田章吾、3度目の、挫折。
「ちゃんとムダにならないようにほんごーさんが起きるまで待ってあげなきゃね」


さて、桂ヒナギクが震え始めてからかなりの時間が経過していた。
いつからだろうか、ヒナギクの筋肉が脳の命令を受け付けなくなっているのは。
いつからだろうか、ヒナギクの五感が既に何者かに支配されているのは。
いつからだろうか、自分の生存、仲間の生存さえもどうでもよくなってしまっているのは。
いつからだろうか、私の、私の――
「ほんごーさん。こんなところでいつまでも寝てたらムダに疲れちゃいますよ」
「……いわよ」
いつからだろうか、私の
「……なに? ヒナちゃんも私に酷い嘘をつく――」

「ふざけんじゃないわよ!」

――私の恐怖の震えが、怒りの震えに変わっているのは。
424Classical名無しさん:07/09/17 21:52 ID:zEq.RX.M
な、何か予想外の展開だ!
425Classical名無しさん:07/09/17 21:52 ID:EGCokd1.
              
          
426エンゲージ ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 21:53 ID:4Y6PJVag

「……ひっ!」
空を裂き、つかさの生み出した瘴気すらも全て吹き飛ばすほどの怒号。
思わずつかさの口から悲鳴が漏れる。
川田も目を丸くしてこちらを見つめていた。
「ヒ、ヒナちゃん、何をそんなに」
「本郷さんは死んだの! なに逃げてるのよ。ちゃんと見なさいよ」
川田が穴を掘ってる間、ヒナギクは寝そべりながらずっと考えていた。
自分に何が出来るのか。自分は本郷が命を捨ててまで助ける価値のある人間だったのだろうか。
「見てるよ……だからさっきまで一緒におしゃべり……」
「ちゃんと見なさいよ!」
ヒナギクがつかさの髪の毛を鷲掴みにして、本郷の方へと首を捻る。
「痛い! 痛いよ!」
「いいから見なさいよ。本郷さんはね、私たちを守って死んだのよ。
 アンタは自分の中に本郷さんの幻想を造って逃げていただけじゃないのよ!」
自分が何を成せば彼が報われるのか。どれだけ頑張れば彼の意思を継げるのか。
ヒナギクはずっと考えていた。
「本当に本郷さんは、ホントに生きてるもん!」
「あ、そう」
ヒナギクには、つかさの目を覚まさせる気など毛頭なかった。
「……え」
「そうやってあなたが逃げ続けるなら構わないわ」
ただヒナギクは純粋に怒っていた。
つかさの胸ぐらを掴んで、今にも噛み付きそうな顔で言い放つ。
「ただ1つだけ訂正しなさい」
本郷が何のためにボロボロになってまで戦ったのかはヒナギクには分からない。
自分たちを守るため? 悪が許せないから? もしくは自分が思いつきもしない別の理由があるのかもしれない。
それでも彼が命を捨ててまで戦い抜いたおかげで自分はここにいる。
最後の思いを自分に、川田に、つかさに託した本郷がいた。
だからヒナギクは許せなかった。
「本郷さんが死んだ事を、『ムダ』って言ったのは許さない!」
繋がれた思いを無価値とされたことが許せなかった。
427Classical名無しさん:07/09/17 21:53 ID:EGCokd1.
          
428Classical名無しさん:07/09/17 21:53 ID:V15kSgjE

429Classical名無しさん:07/09/17 21:54 ID:EGCokd1.
           
430エンゲージ ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 21:55 ID:4Y6PJVag
「それだけは訂正しなさい」
ヒナギクの頬に涙がひとしずくだけ流れた。

「だってみんなで食べるって……約束して、みんなで本郷さんをさがして、そしたら戦ってて」

――手料理を食べてやれなくてすまなかった。

「…………あ……」

記憶の海に消えてしまう直前に、その声は蘇った。
もう少しで二度と思い出せなくなるところだった。低くて綺麗な声。

――お姉さん達が見つかる事を祈っている

やっと、思い出した。
「……あ、……あぁ……」
その声が引き金となって、自分の弱い心が閉じ込めていた記憶が次々と再生される。
最後まで。本郷が立ったまま絶命し、やがて地面に倒れるその瞬間まで。

「う……うぁ……」

恐怖に引きつった顔で隣で眠る本郷へと顔を向ける。

そこには生気を失い、横たわる本郷の大きな背中が存在していた。

「ほん……ごう、さん、し……死ん、じゃ、った」

「そうだ、俺たちを守って。それは決してムダじゃない」
川田が告げる。
「私がムダにしないわよ」
ヒナギクが続く。
431Classical名無しさん:07/09/17 21:55 ID:EGCokd1.
               
432エンゲージ ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 21:55 ID:4Y6PJVag
「うぁ……ほ、ん……ごぉ……あぁ……」
枯れ果てたはずの涙が溢れ、つかさは声を上げて泣いた。
少女の絶叫を聞きながら、本郷を埋葬する準備にかかる川田とヒナギク。
彼らを見下ろす空は、やはり腹が立つほど青く静かであった。


◆     ◆     ◆


「ふぅ……やっと終わったな。まったく、デカい図体しやがって」
埋葬を終えた川田が腰を叩きながら愚痴を吐いた。
「川田くんだって結構デカいわよ」
いつまでも落ち込んでられない事を分かっているのだろう。2人とも無理に明るく振舞っているように見える。
「あー……それもそうだな……お!」
川田が驚いた様子でヒナギクの後ろへ視線を向ける。そこには
「つかさ……」
「あの……ごめんなさい!」
一呼吸置いてつかさが続ける。
「本当はヒナちゃんが一番長い間本郷さんと一緒にいて、私なんかよりずっと辛いはずなのに。
 私は自分が逃げる事ばっかりしか頭になくて、自分だけが辛いと思ってて、……最低だった。本当にごめんなさい!」
言い切るが早いか、深々と頭を下げる。
「えぇ。つかさ、最低だったわ」
そんな彼女に対してヒナギクはそんな言葉を吐いた。
「でも、自分で最低って分かってるなら十分よ。その悔しさ、忘れちゃだめよ」
つかさがブンブンと首を縦に振る。真っ赤な目の少女が2人で微笑み合う。

「あー……ちょっといいか。さっきの放送の事なんだが」
そこに介入してくる無粋な男。本当は彼だってそんな2人の姿をいつまでも見ていたい。
しかしここではそんな事もいってられない。
433Classical名無しさん:07/09/17 21:56 ID:V15kSgjE
434エンゲージ ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 21:56 ID:4Y6PJVag
「放送? あぁ……あの爺さんが何か喋ってたやつの事ね」
「そういえばあったね、なになに?」
放送時といえば、3人は本郷を探していた真っ最中であった。
周囲の状況に警戒をして本郷が向かったであろう方向の音に集中していた彼女たちにとって年寄りの与太話など聞いている余裕はなかった。
しかし川田は違う。プログラムを2度も経験している彼は、放送の重要さを熟知していた。
バッグからメモを取り出して、続ける。
「まずは禁止エリアが発表された。ある時間以降にそこに入ると首輪が爆発して……死ぬらしい」
午前7時からH-7、午前9時からF-1、午前11時からA-3と放送で聞いたそのままを彼女たちに伝える。
2人は慌ててバッグから地図を取り出し、丁寧に斜線を引き始めた。
「なるほど……行動範囲を狭くして殺し合いを促進させる気ね。よく考えられてるわね」
ヒナギクが素直に感心する。尤も、大東亜帝国で長年に渡り洗練されたルールを流用したに過ぎないのだから、よく出来ているのは当たり前なのだが。
「それと……放送時までに死んだ人間の名前が発表された」
2人の手が止まる。
僅かにつかさが「へ?」と驚きの声を発した。

マズい。
ヒナギクは焦った。
本郷の死を知ってやっとの事立ち直ったばかりのつかさがもしも、もしも友人や双子の姉の死を知ったら……。
本郷のときだって自分はなにもしていない。彼の最後のメッセージがつかさを絶望から引き上げてくれたにすぎない。
ヒナギクも川田もつかさの知り合いについて何も知らない。次は誰も彼女を救ってやれない。
(もしそんな事になったら、つかさは……今度こそ壊れてしまう)
それだけはマズい。ヒナギクは川田に大丈夫かと視線で伝える。

「安心しろ。2人の友達は今のところみんな無事だ。もちろん、つかささんのお姉さんもな」
川田のセリフが終わるのと同時に、ほぅっと安堵のため息が2つ重なった。
「まったく、川田くん。気をもませるような伝え方しないでよね」
ヒナギクが引きつった笑顔で不満を漏らす。
なんにせよ知り合いが無事なのはいいことだ。つかさも笑顔でいてくれているようだ。
「スマンスマン。とりあえず、呼ばれた名前を挙げていくからメモしてくれ。まず、……杉村弘樹」
「す、杉村さんって川田くんの……」
435Classical名無しさん:07/09/17 21:57 ID:EGCokd1.
                
436Classical名無しさん:07/09/17 21:57 ID:OL5fxMKw
支援
437エンゲージ ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 21:57 ID:4Y6PJVag
川田は以前つかさに杉村の事を最も信頼できる男と言っていた。
川田も杉村も会話が上手なタイプでないが、だからこそ通じるものがあったのかもしれない。
「そうだったの……私たちの知り合いだけ無事で、はしゃいじゃってごめんなさい」
杉村の事を聞いていなかったヒナギクが申し訳なさそうに目を伏せる。
「いいんだ。あいつが長生きできるタイプじゃない事くらいわかっていたさ……続けるぞ。……毛利、小五郎」
ヒナギクの目が一瞬だけ大きく開いて、すぐに閉じた。
分かっていた、大丈夫だと言わんばかりに平静を装う。少なくともつかさの前ではそうしなければいけない。

結局その後合わせて8人の死者の名前が川田の口から読み上げられた。
その中には本郷が倒しに向かった三影英介、アレクサンド・アンデルセンの名前もあった。
本郷が倒したのだろうか、それとも別の強者にやられたのか。今となっては知る術はない。

「と、杉村や桂さんの言っていたアンデルセンとか言う男も死んでいる。2人ともかなりの実力者なのに、だ。気を引き締めていかないとな」
川田が淡々と述べる。
正直に言えば、杉村には生きて帰って欲しかった。
杉村とは前回のプログラムで何度か遭遇したが、七原と同じ正義を持ち合わせながら七原とは違う強さを持っている男であった。
最後はおそらく桐山に殺されたのだろうが、琴弾には会えたのだろうか。
杉村は俺とは違う。あの男には人生をやり直す権利があった。
杉村や本郷のような生きるべき人間が死んで、自分のような血にぬれた人間が生き残ってしまう。
恋人さえも信じられずに銃を向けた自分のような男が。
前回は杉村の死を七原、中川と共に放送で聞いた。そこで油断して桐山に強襲され、2人を危険に晒してしまった。
あんな事はあってはならない。今回の脱出は前回とは比べものにならないほど難易度が高い。
本郷の首輪をこっそり調べさせてもらったが、自分が前回解除したそれとは構造が根本的に異なっていて、分解してみないことには内部構造を理解する事も難しい。
流石に首を切り落として調べる事は出来なかったが、首輪の解除が脱出の最重要課題になることは間違いない。
438エンゲージ ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 21:58 ID:4Y6PJVag
そしてその為には2人を護りながら首輪を解除できる手がかりや人物を探さなくてはならない。
とてもじゃないが杉村の死と言えども悲しんではいられない。

「さぁ、メモし終えたならさっさと行くぞ」
メモをバッグの中にしまいながら2人に告げる。
「そうね……いつまでも留まっている訳にもいかないものね。……つかさ?」
ヒナギクが川田に次いで歩き出そうとしたとき、柊つかさはジッとこちらを、悲しそうな目で見つめていた。
「悲しく……ないの? 川田くん、友達が亡くなって、ヒナちゃん、毛利さんが亡くなって悲しくないの?」
「……俺は本郷さんに頼まれた事をやらないといけない。一度死んだこの身だ。悲しむ前に誰かのために出来る事をしなくちゃならない。
 そいつが……あらゆる情報を的確に判断して俺が導き出した……」
「……俺の脳味噌が導き出した……唯一の"答え"だ」
川田がハッキリと答える。が、迷っているのか、その目はどこか泳いでいた。
一方でヒナギクはじっと考え込んだまま何も答えない。

「私は、川田くんにとって保護するだけの存在なの?」
川田の目が見開かれたのにヒナギクだけが気づいた。
「そんなの……嫌だ!」

「私だって川田くんやヒナちゃんの支えになってあげたい。2人がつらいのを我慢してるのをただ見ているだけのちっぽけな存在にはなりたくない。
 さっき私が逃げ出しそうになったとき、川田くんやヒナちゃんが必死に救おうとしてくれた。私……すごく嬉しかった。
 だから……誰かが死んだら悲しんでよ! 誰かが間違えそうになったら叱ってよ。それが『誰かのために生きる』ってことじゃないかな」
ヒナギクは先ほどの自分の見解の間違いに気が付いた。
本郷の死につかさが絶望したのは彼女がただ弱いからだけじゃない。つかさが誰よりも他人の痛みに敏感だから。
誰かの気持ちを知ってやれるから。
たとえ先ほどの川田の死者報告で、つかさの知り合いが呼ばれたとしても彼女は壊れなかっただろう。
「2人は今……泣いていいんだよ?」
これから何があろうとも、彼女はもう決して狂わない。
439エンゲージ ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 21:58 ID:4Y6PJVag


先述したが、川田章吾は2度目の命に固執する気はなかった。感情を捨て、誰かを護るために消費していけばいいと思っていた。
「川田くんが言う"答え"だって間違ってない……でも」
それが彼の脳が導出した答えだった。
その答えが揺らいだのが3回。彼の信じた答えは彼が挫折を味わうたびに歪を生じ
「頭だけじゃなくて"こころ"で……物事をみつめてもいいと思うよ」
たった今、完全に崩壊した。
柊つかさの姿に別の少女の姿が重なった。
(け……けい……こ?)

そうか、やっと分かった。
俺は誰かを護りたい。プログラムを破壊したい。でもそれだけじゃない。
ちょっとした"整合性の欠如"なんだ。だが、俺の"つたない脳"が
――俺の"ハート"がそう決めちまった。
「俺は泣かないさ……でも、もう少し君たちを頼ることにするよ。ありがとう」

俺は柊つかさと一緒にいたいんだ。

――すまない慶子、杉村。

俺はまだ……死ぬわけにはいかないっ!



「結局私は蚊帳の外か……」
桂ヒナギクが2人とは少し距離をとって見守っている。
やれやれといった顔つきで微笑む。
「あーあ、私も恋愛したいなー。……ハヤテ君はなにしてるかな」
見上げた空は、清々しいほど青く静かであった。
440Classical名無しさん:07/09/17 21:59 ID:OL5fxMKw
これはバルサミコ酢な予感!
支援
441エンゲージ ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 21:59 ID:4Y6PJVag
【G-4とG-3の境界 林 一日目 午前】



【桂ヒナギク@ハヤテのごとく】
[状態] 傷の手当ては完了している。
[装備] ボウガン@北斗の拳
[道具] 支給品一式。ボウガンの矢18@北斗の拳
[思考・状況]
基本:ハヤテ達との合流
1:さて、どうしようか……
[備考]

ヒナギクが聞いた轟音の正体は、三影の大砲の音です
参戦時期はサンデーコミックス9巻の最終話からです
桂ヒナギクのデイパック(不明支給品1〜3品)は【H-4 林】のどこかに落ちています
ロードローラー@ジョジョの奇妙な冒険と捕獲網@グラップラー刃牙は【H-4 林】に落ちています
442Classical名無しさん:07/09/17 21:59 ID:zEq.RX.M
支援
443エンゲージ ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 22:00 ID:4Y6PJVag
【川田章吾@バトル・ロワイアル】
[状態] 健康
[装備] マイクロウージー(9ミリパラベラム弾16/32)、予備マガジン5、ジッポーライター、バードコール@バトルロワイアル
[道具] 支給品一式×2、核鉄(バルキリースカート)@武装錬金、チョココロネ(残り5つ)@らき☆すた
    文化包丁、救急箱、ZXのメモリーキューブ@仮面ライダーSPIRITS、裁縫道具(針や糸など)
    ツールセット、ステンレス製の鍋、ガスコンロ、缶詰やレトルトといった食料品。
    薬局で手に入れた薬(救急箱に入っていない物を補充&予備)
    マイルドセブン(二本消費)
[思考・状況]
基本行動方針:ゲームに乗っていない参加者を一人でも多く救出し、最後は主催者にカウンターパンチ
1:つかさの姉や友人、ヒナギクの友人を探すのに協力する。
2:ゲームに乗っている参加者と遭遇した場合は容赦なく殺す
参戦時期:原作で死亡した直後
[備考]
桐山和雄の動きを警戒しています
桐山や杉村たちも自分と同じく原作世界死後からの参戦だと思っています
つかさには過去に2回プログラムに参加していること、首輪解除技能やハッキング技術を会得していることなどは話していません。
医者の息子であること、1度死んでいる事は話しています。
首輪は川田が以前解除したものとは別のものです



【柊つかさ@らき☆すた】
[状態] 健康
[装備] なし
[道具] 支給品一式、ホーリーの制服@スクライド、ターボエンジン付きスケボー @名探偵コナン
[思考・状況]
基本:ゲームには絶対に乗らない
1:お姉ちゃんやこなちゃんたちと合流したい
2:川田、ヒナギクの力になりたい
[備考]
川田、本郷、ヒナギクを完全に信用しています
444 ◆d4asqdtPw2 :07/09/17 22:00 ID:4Y6PJVag
以上で投下終了です。みなさん支援ありがとうございました。
445Classical名無しさん:07/09/17 22:02 ID:OL5fxMKw
投下乙!あやうくつかさがバルサミコ酢で暴れるとこだと思ったぜ
そしてヒナギクやるな。
いいSSでした
446Classical名無しさん:07/09/17 22:06 ID:zEq.RX.M
GJ!
つかさがどうなるか最後までハラハラしながら読む事が出来ました!
ヒナギクはカッコイイなぁ……是非頑張って貰いたいな。
川田は最後までつかさを守れるかな?こちらも頑張って欲しい!
最後にもう一度……投下乙でした!
447Classical名無しさん:07/09/17 22:07 ID:EGCokd1.
GJ!!
途中のつかさの狂気描写に寒気がした。
ひなぎく、姐御と呼ばせてくれww
川田、何気に恋愛フラグが…………たったのか?
マジ良SS。

本郷、安らかに眠れ……
448Classical名無しさん:07/09/17 22:08 ID:V15kSgjE
GJ!
ん〜、いい!実にいい!
川田、つかさ、ヒナギクそれぞれに見せ場があって素晴らしいSSでした。

つかさが向こう側に行ってしまうかとビビリまくりでしたよ。
てか、妄想を吐露するところ、鳥肌立ちました。
立ち直ってくれてよかった。
次の放送で友人の名前が呼ばれても無事に乗り切ってくれるといいが…。
449Classical名無しさん:07/09/17 22:10 ID:wr73pDIQ
Gj!
いいSSだった。
まるで自分は某ロワの名シーンを思い出してしまう!
450Classical名無しさん:07/09/17 22:22 ID:vupjXChQ
お美事!お美事にござりまする!
451Classical名無しさん:07/09/17 22:23 ID:ewhp8POU
GJ!

川田さん、頑張って!!
て言いたくなったよ!!
452Classical名無しさん:07/09/17 22:26 ID:ewhp8POU
ちょいとひとつ聞きたいことがあるんだが…

空条承太郎のDISCって、承太郎の記憶だけで、
別に承太郎の能力が宿っているわけではないで
あってる??
453Classical名無しさん:07/09/17 22:27 ID:w5dqr...
なんという良SS・・・、今の現実逃避を乗り越えたつかさならみwikiが死んだの知っても壊れないと信じてる。
本郷さんも安心して眠れるってもんだ
454Classical名無しさん:07/09/17 22:34 ID:Cmp1Q6hQ
巣晴らしくGJ!
ヒナギクらしさが凄い出てて、でもつかさ同様恐怖で壊れるんじゃないかと思ったが…
それを通り越して怒りで一喝する姿は実にカッコよかった
川田も…逃避しそうになった弱い自分を乗り越えたつかさもイイ!
本当にGJ!でした
455Classical名無しさん:07/09/17 22:37 ID:zEq.RX.M
>>452
記憶DISCだからそれで合ってるよ。
456Classical名無しさん:07/09/17 22:41 ID:qj958iPc
GJ
心のゆれが上手い事表現されててよかった。
数少ない純正一般人パーティーだもんなぁ……頑張ってくれよぉ
457Classical名無しさん:07/09/17 22:58 ID:ewhp8POU
>>455
感謝します
458Classical名無しさん:07/09/17 23:01 ID:zEq.RX.M
>>457
どういたしまして〜。
それで今度はこちらから聞きたいのだけどもしかして桐山関連で
SSを作ってる最中ですか?ちょっと気になったので。
459Classical名無しさん:07/09/17 23:15 ID:ewhp8POU
>>458
ちょっと頑張って書いてみたいと思いました

ああ、ちなみに自分はしたらば掲示板によく出現している奴です。
明日の夜くらいに、予約でも入れようかと。
460Classical名無しさん:07/09/17 23:18 ID:4Y6PJVag
番人降臨wこれは期待するしかない。
461Classical名無しさん:07/09/17 23:19 ID:zEq.RX.M
特定しましたw
頑張って下さい!ちなみに自分も最近良くしたらばに出現していた者ですのでw
462Classical名無しさん:07/09/17 23:20 ID:w5dqr...
そう言えば本郷さん某ゲームでバルタンと戦ったり、某60階のビルで昔やってたアトラクションでゴジラとやり合ったり、某野球だかドッジでゴジラ&バルタンと対決してるからつかさの妄想ある意味間違ってないよな。
463Classical名無しさん:07/09/17 23:22 ID:EGCokd1.
>>462
さらに奇跡で巨大化できるw
たしかに間違っていないな。
464Classical名無しさん:07/09/17 23:34 ID:dB6s2fCM
予約来た!
覚悟とラオウの再戦はあるのか気になるなぁ。
465Classical名無しさん:07/09/17 23:51 ID:V15kSgjE
覚悟大変だな。
下手するとルイズと一緒に爆破されるし。
466Classical名無しさん:07/09/18 01:02 ID:RNuLDTrU
もう2〜3個聞きたいことがるんだが…

一つは、ルールに

━【禁止エリアについて】
放送から1時間後、3時間後、5時間に1エリアずつ禁止エリアとなる。
禁止エリアはゲーム終了まで解除されない。━

て書いてあるけど、これって〔H-7〕にはもう二度とは入れない、
つまりどんどん移動できるエリアが縮まるってことで大丈夫ですか?

あと、禁止エリアに入ったら、すぐ首輪を爆破されてしまうのか?
それとも何秒か時間があるのか?がわかりません。

質問ばっかですいませんorz
467Classical名無しさん:07/09/18 01:07 ID:J8.BeifM
禁止エリアは解除されることはない。移動できるエリアが縮まるってことでおk。

首輪は爆破30秒前から「あと〜秒で爆発」って警告があって0になると死亡。
詳しくは三影死亡SSに書いてある。
468Classical名無しさん:07/09/18 01:11 ID:RNuLDTrU
>>467
すんません、感謝です。

とりあえず、今夜中には骨組みが出来そうです。
469Classical名無しさん:07/09/18 13:39 ID:v.HMxAC6
生存キャラ、登場回数まとめ

3回
赤木しげる、愚地独歩、加藤鳴海

4回
空条承太郎、桂ヒナギク、桐山和雄、キュルケ、白金(フェイスレス)、才賀エレオノール
防人衛(ブラボー)、神楽、柊つかさ、江戸川コナン、志村新八、川田章吾、範馬刃牙
津村斗貴子、蝶野攻爵(パピヨン)、才賀勝、シェリス・アジャーニ

5回
ジョセフ・ジョースター、泉こなた、三村信史、ケンシロウ、
範馬勇次郎、柊かがみ、アーカード、綾崎ハヤテ、三千院ナギ

6回
吉良吉影、タバサ、ラオウ、マーティン・ジグマール、葉隠散
武藤カズキ、村雨良、坂田銀時、服部平次、DIO、ルイズ

7回
マリア、アミバ、葉隠覚悟

8回
劉鳳
470Classical名無しさん:07/09/18 16:50 ID:YY8Prx7g
>>469
乙!
やはり北のメンツが取り残されてきたなぁ……。
劉鳳は人気あるねw
471 ◆NIooiMe9JM :07/09/19 00:42 ID:dGmxlI1E
やっべ…
バキも読んでおくべきだったかなぁ…
覚悟の進めも…

つーか速く仕上なきゃあかんで俺!!
472Classical名無しさん:07/09/19 00:46 ID:BUDgHcus
>>469
乙です
劉鳳・アミバ・覚悟は多そうだと思ってたが、マリアさんもかなり書かれてたんだなー
パピヨンや承太郎が4回なのも、割と意外だぜ

>>471
頑張ってくださいねー
473議論スレの122:07/09/19 21:10 ID:7JRxNyF6
ただいましたらばの議論スレにて、主催者を本格的に決定する話し合いを行なっています。
葉隠四郎、平行世界ギャラン・ドゥ、プッチ神父、大首領などの意見がありましたが
少人数で話し合うべき事ではないと思うので、本スレの皆さんの御意見をお聞きしたいです。
興味がある方は議論スレに来てみて下さい。
正式決定すれば第二回放送で描写を入れるということになりそうです。
474 ◆ZhOaCEIpb2 :07/09/20 19:19 ID:loNNkfbg
SS投下します
475Classical名無しさん:07/09/20 19:21 ID:Vg5ZzRHc
476 ◆ZhOaCEIpb2 :07/09/20 19:22 ID:loNNkfbg
遠くのほうから何かが聞こえてくる。
最初は幻聴のように微かだったそれは、少しずつはっきりした巨大な音に変わっていく。
叫び声。
それは波紋のようにゆっくりと確実に忍び寄ってくる。順繰りと教室を伝い、私のいる教室へと向かってくる。
何が起こったんだろう? 授業中なのに? 
私を含め教室中のクラスメートがハテナマークを掲げる。

廊下には同級生たちの一心不乱に逃げ惑う姿が見え、口からは常軌を逸するような悲鳴を張り上げている。
恐ろしい何かに追いかけられているようだった。その中には先生たちもいた。
私たち子どもを守るべき存在である大人である、先生たちでさえ恐れ逃げさ迷う。
学校中が恐怖に震え上がっているようだった。

クラス中が突然の出来事に小さな騒つきが起き、疑念の言葉や不安の言葉が飛び交う。
そんな中、私は事の出来事を思案するため、ずっと廊下を覗いていた。相変わらず逃げ惑う人々たち。
何が迫ってきているのであろうか、私は不安を感じながらも廊下に見入っていた。

そして、ついに変化が現れた。女の子が廊下を横切ろうとする。
その子は隣のクラスの子で私とは特に面識はなかったけど、学年中の人気者だった。
そんな子が通り過ぎようとした瞬間。

477 ◆ZhOaCEIpb2 :07/09/20 19:24 ID:loNNkfbg
いきなり弾けたのである。

クラス中が叫喚に変わった瞬間である。
鋭い爪を持った化け物に胸から上を抉り取られたのだ。
そこからはダムが決壊したような動揺がクラス全体を覆った。
突然のことに呆然とする子、突然のことに悲鳴を上げる子、突然のことに教室から飛び出す子、突然のことに泣き出す子。

私は呆然とする子であった。
私は何も考えられなくなった。
目の前で起きていることが一瞬理解できなかった。
頭の中で警告を発する。
今すぐ逃げるんだ―――ただその一つだけ。
でも、身体は言うことを聞かない。目の前に危険が迫ってきているのに全身が強張って動かない。
それでも、私は逃避という思考回路に従う、恐怖に怯え震える体を奮い立たせる。
緊張した筋肉は最小限で回避行動に移る。単純に隠れるということ。
重い腰をズリズリと引きずり、清掃具のロッカーに身を隠す。

ブチ撒かれる鮮血。
ブチ撒かれる肉片。
ブチ撒かれる臓物。
ブチ撒かれる脳漿。
ブチ撒かれる眼球。
ブチ撒かれる四肢。


478 ◆ZhOaCEIpb2 :07/09/20 19:27 ID:loNNkfbg
私は隙間から見ていた。殺戮を見ていた。
ついさっきまで楽しくお喋りをしていたクラスメイトたち。
仲の良い子もいた。いまいち好きになれない子もいた。私にとって色んな子がいた―――友達。
自分の中にある日常を表す人たちが、目の前で人の形に成さないモノに、グロテスクなモノに、変容していく。
そして、捕食される。

私は声を殺して見ていた。惨劇の現場を見ていた。
化け物たちに見つかれば、私も自分じゃないモノに変えられ、殺されてしまう、喰われてしまう。
口に手を当て、言葉にならないものを押し殺した。
心の中では、「止めて!!」と何度も何度も悲痛な雄たけびを上げながら。

それでも私は目を覆いたくなるような一方的な惨殺を見ていた。目から涙を溢れさせ凝視していた。
目を閉じれば死んでしまう。目を閉じた瞬間、私はそのまま深い闇に落ちてしまうんじゃないのか、死の眠りについてしまうんじゃないか。
無意識にそう思っていた。

そして、最後に見ていたものがある。
クラスメイトの西山君がそれに参加しているところを。恍惚の笑みを浮かべながら。

友達をブチ撒けていた。

+++
479Classical名無しさん:07/09/20 19:29 ID:Vg5ZzRHc
 
480 ◆ZhOaCEIpb2 :07/09/20 19:31 ID:loNNkfbg

ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ―――

破裂しそうなぐらい動悸が激しい、心臓が今にも爆発しそうだ。
「ここ何年は見ることもなかったのに……」
ベッドのスプリングが震え、身体を前に起こし、周囲を眺める。壁に掛けられた時計は11時を示していた。
気だるい空気に包まれた部屋、新鮮な空気を入れ換えるために窓を開ける。
汗まみれの全身に緩やかな風が吹き付け、ひんやりとした感触が包み込む。少し心が落ち着いた気がする。
窓の外を見渡すとアスファルトに囲まれ、二十メートル先には鉄でできた建物が視界を遮る。
太陽はほぼ真上に位置していて、ギンギンと辺りを照らしている。
「確かここは消防署の仮眠室だったな」

私は勇次郎との交戦の後、近くにあった消防署に向かった。
そこのシャワー室で全身に付いた血を洗い流した後、仮眠室で休息を取っていた。
勇次郎との戦いは元錬金の戦士といえ、かなりの疲弊であったのだ。
いや、身体というよりは精神的な疲労が大きいように感じる。

上着脱いで下着になって睡眠を取っていた私は服に着替える。
血でべっとりとなった服はハンガーに掛け、窓際に干してある。室内で乾かしていたけど、何とか服は乾いていたようだ。
どす黒いマーブル模様み色づく服。水洗いをしたとはいえ、所々に血の跡が残っている。
洗剤がないので、丹念に洗ったのだが真っ白とはいかなかった。
その着心地は最悪である。
481Classical名無しさん:07/09/20 19:33 ID:mYTWAhg.
 
482 ◆ZhOaCEIpb2 :07/09/20 19:34 ID:loNNkfbg
私は急がなければならなかった。足を速め、早急に一階へと降りる。
初めてこの場所に尋ねたとき、ある程度施設の構造を確認し把握していた。
だから私はすぐにガレージに向かった。

ガレージには、この殺し合いには欠かせないものがたくさんあった。
自分が分かる範囲で主に使えるものは隊員のケガを治すための簡易な医療パック、消防整備に欠くことできない工具一式の二つである。
特に工具は首輪を解体するには必須のアイテムである。機械知識に長けた人物がいれば大いに役立つだろう(パピヨンのような)。
いまいち使いどころは難しいが、他にも火を消すための消防車や消防服が一着あった。
私は消防車が使えるかどうか確認するために乗り込む。
ガソリンは満タン、水蔵タンクも満タンである。
キーもそのままであるので使えるだろう。

私は消防車を使って移動することにした。
元錬金の戦士であるので、車の運転の仕方は一通り習っている。
しかし、実際に車は運転したことなかったし、消防車にいたっては未知数である。
運転しているうちに、慣れるだろう。ほとんど一般車両と操作方法は同じだ。
それに、今後のためにも放水の仕方も覚えておかないといけない。運転しながら徐々に学ぶしかほかないだろう。

私はパックにこの場所で手に入れた、工具一式と医療具一式をパックに詰め込む。
消防服は役に立ちそうだが、重量でパックには詰め込めそうにない。
だからといってそれに着替える気にならない。
私の最大の武器である機動力が削がれる上に、蒸し暑さで体力を大きく消費してしまう。
でも、ここに置いておくのは惜しい。だから、私は運転席の隣に置くことにした、咄嗟の時に役立つかもしれない。
そう期待せず、座席に放り投げる。
483 ◆ZhOaCEIpb2 :07/09/20 19:37 ID:loNNkfbg
準備は整った。私はキーを捻り、エンジンを付け、ハンドルを握る。
ブルンブルンと車体が振動で揺れる。
実践で車を動かすのは初めてなので少し緊張するが、そうはいかない。

私の中で渦巻く強い意志。
勇次郎を野放しにするわけにはいかない。
奴を野放しにすれば、いずれ一般人や戦士長―――カズキにも危害が及んでしまう。
それだけは避けなければならない。
もしカズキがいなくなってしまったら、私は……耐えられない。
ビクターとの戦いで、カズキを失った絶望感を知っている、悲しみを知っている。
もうあんな思いはしたくない、愛しいカズキを失いたくない。
かつての日常をホムンクルスに奪われたように。


だから―――

「勇次郎」
ギリリと歯を大きく軋ませる。
勇次郎………一瞬、フラッシュバックのように勇次郎に受けた屈辱の数々が頭に照らし出される。
仲間であった花山と私のトラウマと呼べるあの光景と一緒に頭の中に渦巻く。
心臓がまた大きく早く脈打つのが分かる。
私の戦う理由が再確認される。
今もう錬金の戦士ではないが、戦う意志が前のように漲る。
怒りと闘争心が拳を強く握り締める形で具現する。
484以前の彼女:07/09/20 19:39 ID:loNNkfbg

―――勇次郎、貴様は絶対に私が殺す。
―――絶対に私の大切な人たちを奪わせない。
―――私は絶対に生きてカズキたちと一緒にここから脱出する。

斗貴子の中で再び表れた、戦う理由。
ホムンクルスとの戦いから離れて、忘れていた想い。
しかし、それは勇次郎との戦いで、以前のように余裕がなくなってしまった彼女。
自分を仇なす人間は処刑という陰りを落とした。
真っ直ぐな精神を持ったカズキと触れ合っていたことで燻っていた想いが再燃する。
以前戦った早坂姉弟のように殺し合いに乗った人物は殺す。
そんな奴はどんな事情があれ、信頼するに値しない。問答無用で殺す。

―――敵は絶対に殺す。

ガレージのシャッターを開け、アクセルを大きく踏みしめる。現れる陽光が目を焼き付け、視界を眩かせる。
そして、新しく生まれた想い胸に、忘れていた決意を胸に、飛び出す。
485Classical名無しさん:07/09/20 19:40 ID:Vg5ZzRHc
 
486Classical名無しさん:07/09/20 19:41 ID:pDv8Cayw
支援
487以前の彼女:07/09/20 19:42 ID:loNNkfbg

プスン

いきなりエンストであった。

「…………」
何事もなかったようにエンジンを吹かし、もう一度出発する。
そして、消防署を跡にした。

【D−4 消防署周辺 1日目 昼】
【津村斗貴子@武装錬金】
[状態]:消防車を運転中 疲労小 強い怒り 
[装備]:USSR AK74(30/30) 水のルビー@ゼロの使い魔 支給品一式×2(食料と水無し) 
USSR AK74の予備マガジン×6 始祖の祈祷書@ゼロの使い魔 キック力増強シューズ@名探偵コナン
工具一式 医療具一式
[思考・状況]
基本:主催者を絶対に殺す、カズキと生きてここから脱出する
1:範馬勇次郎をなんとしても絶対に殺す
2:カズキ、またはブラボーと合流。パピヨンには警戒
3:理由はどうあれ、殺し合い乗った奴は問答無用に殺す
4:勇次郎を殺すための武器を調達する
5:機械知識に長けた人物を探す

※本編終了後、武装錬金ピリオド辺りから登場
※上着が花山の血で滲んでいます
※消防車の中には消防服が一着あります
※消防車の水量は(100/100)です

488Classical名無しさん:07/09/20 19:42 ID:jYw4lsm2

489 ◆ZhOaCEIpb2 :07/09/20 19:43 ID:loNNkfbg
投下完了いたしました。
ご指摘のほうありましたら、ご報告お願いいたします
490Classical名無しさん:07/09/20 20:13 ID:Qy3mqxh6
投下乙。消防車w戦闘機に次ぐ大きさ!
危険人物になるのかな。回想シーンはマジ怖かった……西山君……。
でも最後の最後でちょっと可愛いのが斗貴子さんクオリティw
491Classical名無しさん:07/09/20 21:52 ID:Vu23edBI
斗貴子さんって七年前?のホムンクルスの事件の記憶殆ど無いんじゃないっけ?
いや、ウィキペディアに書いてあったの前に見ただけだから詳しくは分からないけど
492Classical名無しさん:07/09/20 22:08 ID:9XgdtNoI
乙!
斗貴子さん消防車手に入れたかぁ。これは予想外の展開!
というか消防車って単純に凶器としても使えるからこの先どうなることやらw

>>491
そういえばそうだった気が……。
493Classical名無しさん:07/09/20 22:51 ID:ujHmPDm6
フラッシュバックで断片的に思い出しちゃったっぽい場面もあるけどね。
具体的に西山君がどうとかを覚えてるかはよく分からん。
参戦時期がピリオドだし。
494Classical名無しさん:07/09/20 23:31 ID:Vr1Nb5fI
TQNは7年前の事件に関してはしばらくフラッシュバックと悪夢にさいなまれてたらしいが
当時のことは戦団の人間に聞かされただけで殆ど覚えてない筈
7巻でショックによる部分的な記憶障害だと本人が言ってる(恐怖と恨みは覚えてるとも)
西山君のことは事件後にまた襲われたから少しは分かってるかもしれんが
西山君が首謀者と知っているようなことは描写されてなかったと思う
後、◆ZhOaCEIpb2氏はノベルスのダブルスラッシュ持ってないのかな
過去の描写が結構というかかなり違うんだがオリジナルっぽい?
悪夢描写を入れるんだったらここら辺まるまる修正が必要になる
495Classical名無しさん:07/09/20 23:38 ID:Vkwm6LnE
乙!!
消防車でひき殺せ! ぶちまけろ!!
冗談はさておき、スパルタンなTQNに期待!!
GJ!
496Classical名無しさん:07/09/20 23:40 ID:Vkwm6LnE
>>494
忘れてた。
議論は議論スレ。毒は毒吐き。スレ違い。
497Classical名無しさん:07/09/21 04:26 ID:YnCEUuNw
いつか何らかの経緯でDIOに

    「消防車だァ!」

とか使われそうな日がきそうな気がするぜ・・・
498Classical名無しさん:07/09/21 19:35 ID:1rlKt1vQ
ところで消防車の水100て、100リットルってことでいいの?
499Classical名無しさん:07/09/22 00:49 ID:ATwy3/9A
>>498
いや、100%って意味じゃないのかな?

L9氏が帰って来られましたね〜ホントに嬉しいです!体調に気を付けて新作頑張って下さい!
500 ◆L9juq0uMuo :07/09/22 01:18 ID:oqB6xmNw
>>499
えーっと、体調崩してるなんて自分言いましたっけ?
単にネタが浮かばなかったのと、リアルでちょっと忙しかったんで読み専になってただけなんですが…。

では名無しに戻ります
501Classical名無しさん:07/09/22 01:34 ID:Q6eOlXPA
なんだよ、ちょっと心配したじゃねーかw
まぁ元気ならそれでよし!
502 ◆ozOtJW9BFA :07/09/22 15:04 ID:OU48BmfI
>>500
それを聞いて安心しました、新作期待しています。

予約期限の延長を申請します。
毎回の如く延長申請してすいません。
503Classical名無しさん:07/09/22 16:11 ID:VHBwjdRQ
>>502
了解しました!新作楽しみに待ってます!
504 ◆WXWUmT8KJE :07/09/23 00:15 ID:Ism8Y4LU
>>502
新作楽しみに待っています。


禁止エリア塗りつぶし版マップです。

ttp://ud.gs/409kh

それと、現在議論中の主催者案は、

議論スレ>>110 ・大首領+プッチ神父

と、言うことになりました。詳細は、二回目の放送を書く書き手に任せるとの事です。
以上で失礼します。
505Classical名無しさん:07/09/23 00:27 ID:ieaomQFA
乙!
地図の修正お疲れ様です!
大首領と神父かぁ……かなり強いタッグだw
506Classical名無しさん:07/09/23 00:34 ID:JjnuP4iU
マップ乙
修正版を現在地マップと普通のマップ(?)に反映させておいた。
507Classical名無しさん:07/09/23 12:58 ID:6Rr5FcYk
生存キャラ登場回数(放送後)

1回
赤木しげる、アーカード、綾崎ハヤテ、泉こなた、愚地独歩
神楽、加藤鳴海、キュルケ、桐山和雄、空条承太郎、ケンシロウ
才賀エレオノール、才賀勝、防人衛(ブラボー)、シェリス・アジャーニ
蝶野攻爵(パピヨン)、白金(フェイスレス)、範馬刃牙、範馬勇次郎

2回
江戸川コナン、桂ヒナギク、川田章吾、三千院ナギ、志村新八
ジョセフ・ジョースター、津村斗貴子、DIO、柊かがみ、柊つかさ
三村信史、武藤カズキ、ラオウ

3回
吉良吉影、坂田銀時、タバサ、葉隠覚悟、葉隠散、服部平次
マーティン・ジグマール、マリア、村雨良、ルイズ

4回
アミバ

5回
劉鳳

---

主人公(アミバ)と劉鳳は自重しろと
508Classical名無しさん:07/09/23 14:06 ID:fgVkl4ZQ
スクライドキャラは何回書いても楽しいのが不思議w
509 ◆NIooiMe9JM :07/09/23 14:45 ID:cZxnPMHY
すんません…
少しだけ延長させて貰えませんか…?

夜には投下できると思います
本当にすいません。

あと色々ふざけてすいません。
510Classical名無しさん:07/09/23 14:55 ID:qfFuKzzk
おk。夜まで待ってる。
511 ◆NIooiMe9JM :07/09/23 17:48 ID:cZxnPMHY
一応完成しました。

ですが不安なので一時投下スレに投下しておきました
512Classical名無しさん:07/09/23 18:09 ID:qfFuKzzk
特に問題はないと思うよ。感想は本投下後に言うことにします。
誤字発見。>>46の下から2行目は「見られている」ですね。細かくてすいません。
あと質問を1つ、桐山のDISKの考察(6割理解したってやつ)の内容は後の人が勝手に考えてOKって事ですか?
513 ◆NIooiMe9JM :07/09/23 19:22 ID:cZxnPMHY
>>512
一応OKです

では、こちらの投下させてもらいます。
514桐山の戦略 ◆NIooiMe9JM :07/09/23 19:23 ID:cZxnPMHY
「ふぅ……」
キャプテン・ブラボーこと防人衛は、心身ともに疲れていた。

ここは、A-8にある変電所内の警備員室。
この部屋は、台所があり、水や火の入手が楽で、
なおかつ4〜6人待機できる広さであり、さらに窓が対面の北と、東側にあるので、
もし強敵が来ても、すぐ逃げることが出来る。
桐山は、この場所を発見し、すぐこの部屋を休憩室にすることをブラボーに提案。
そして変電所を一通り回った後、この部屋にもう一度来て、休憩しているところだった。

「どうぞ…」
桐山が防人に、この部屋にあったお茶を沸かしたものを渡した。
「すまない。」
お茶を貰い、息でお茶を冷ましながら、一口飲んだ。

「ふぅ……」
冒頭と同じような、ため息をした。
もっとも、このため息は、独り言ではなく、桐山と話しをする為に一旦
心を落ち着かせたものである。

「桐山…お前さぁ…もうちょっと、慎重にならないか?」
防人が桐山に最初に発した言葉はこれだった。
515桐山の戦略 ◆NIooiMe9JM :07/09/23 19:24 ID:cZxnPMHY
防人がこう言うのは無理もない。
A-6エリアの西端に行ったとき、一つ防人は迷っていた。
エリア外に出たときにいつ首輪が爆破されるか、をである。
何秒か猶予があるのかもしれない、しかし
出た瞬間爆破される可能性も0ではない。

防人が若干躊躇していたとき、桐山は防人の相談も躊躇も無く、エリア外に入っていった。
そしてその結果、30秒ルールを発見したので結果オーライとは言え無くもないが…

「あの老人が、もし快楽殺人者、もしくは無差別殺人好きであったら、
瞬間爆破もありえなくはない…。
しかしあの老人は、俺たちにわざわざ殺し合いをしろと言った…。
つまり、入った瞬間爆破したら、事故や俺たちみたいに
端を調べておきたい輩が、何も考えず死んでしまう。
だから老人は、30秒の猶予を与えた…
不測の事態で、出来るだけ死者をださせないように…。
おそらく…時間ごとに増える禁止エリアも…同じように…
俺たちに、恐怖や、安全性、そして戦略性を与えるために…」

「戦略性?前の二つは同意できるが、このルールが戦略に関係あるのか?」
「ああ…例えば…」
桐山は、自分の地図と部屋あったノートを取り出した。
516桐山の戦略 ◇NIooiMe9JM :07/09/23 19:25 ID:cZxnPMHY
「例えば…地下鉄を使うとしたら…
もしA-4が禁止エリアになったとする…。
そうすると、必然的にB-3駅から西側の駅に向かう電車には乗らないだろう。
しかし…C-2もしくは、それ以上東側にある駅からは西に向かう電車には乗る可能性がある、
逃げる場所や隠れる場所もそれなりにあるからな。
だから…東側から来る電車に敵を乗せたまま、自分だけ脱出、
もしくは手錠やロープのような物でで電車内に束縛出来たら…」
「自分よりはるかに格が上でも怪我、旨くすれば無傷で敵を倒せるって事か…」
「その通り…つまり、この30秒ルールを制したものは…必然的に、
この殺し合いを…制する事が出来る…」

そんな簡単なもんかね、と防人は少し思ったが、
そんな戦略も一理あるな、とも思っていた。

(つまり、強敵と戦うときは自滅覚悟で、この行為やそれに近いことをすれば
結果はどうあれ…いや無論生き残ったほうがいいが、強敵に
一泡吹かせることが出来るってことだろ…)

防人はこの殺し合いは、能力が一番重要だと思っていた。
いや、ほとんどの参加者が、自分の能力だけを信じて、この殺し合いにいるはずだ。
では桐山はどうか?桐山は確かに身体能力は人一倍良い、
だが生まれてからずっと戦場で育った者、日ごろから殺人や怪物狩りをしている者と比べたら、
かなり差がでてしまう。
517桐山の戦略 ◇NIooiMe9JM :07/09/23 19:26 ID:cZxnPMHY
(まずはこの殺し合いのルールを使って…殺人狂を…撃退する…
それが皆無だったら…道具を使って逃走することを優先するべき…
真正面に向かい、一対一で自分の能力だけで戦うことは…無駄だ…
この殺し合い…敵に情けをかけず…ただ殺すのみ…
それがどんな卑怯な手…一対多数や、奇襲など関係ない…
少なくても…この殺し合いでは…)

桐山は確信していた。この殺し合い、弱者が強者にも勝つ可能性があるということを。

「そういえば…ここに入る前にDISCについて何かわかったとか、言っていたよな?
そのことについても話してくれないか?」
桐山は変電所内に入る前に、DISCのことを、後で話すと防人に言っていた
「ええ…一応。だが、今はまだ話すときではない…。」
「今は…?ああつまり、劉鳳がここに来たら話すってこと、
と言う風に理解していいんだな?」
「まぁ…別に今話してもいいが、盗聴されている可能性もあるからな…」

このとき…防人に電流走る…!

「おいおい!!盗聴されていることがわかっているならなぜ、
盗聴されているということを口にだした!!??意味がないじゃないか!!」
防人は少しだけだが何となく、盗聴されている事がわかっていた。
もちろん桐山も理解していた、だがあえて言った。
「意味のないことなんだよ…例え筆談していても…それ以外の何かの力で…
盗聴以外…つまり盗撮や、記憶を見られている可能性も無くはない…」
「だったら尚更…大体そういう発言こそ筆談するべきだろ…!」
518Classical名無しさん:07/09/23 19:26 ID:CcPqs1BM
支援
519桐山の戦略 ◇NIooiMe9JM :07/09/23 19:26 ID:cZxnPMHY
防人はすこしだが取り乱している。
それもそのはず、普通なら盗聴されているのをわかっていたら口にはださない。
少なくとも、脱出関係や主催者のことは、必然的に筆談で話すべき。
例え、それが盗聴じゃなく盗撮でも。しかし、桐山の考え方は違った。
「……少し長文だが、俺が言いたいことを書かせてもらうぞ…」
そう言うと、桐山は、地図の上にある、ノートに文字を書き出した

『おそらく、先程の発言にたいして第二回放送で盗聴に関する話しを、
確実にしてくるはず。この事を放送で言った場合、
まだ盗聴に気づいていない、または気づく暇もない、
他の参加者に盗聴の有無を教えることが出来る。
もっとも、先程も言ったとおり、奴は殺し合いをしろと言った。
だから、脱出関係のことや、乗っていないということを口にだして発言をしても、
あの老人には何もしてこない。だから、別に口にだしていっても別に問題は無い。』

このことについては、さすがに防人は驚いていた。
(どういう頭をしているんだ…禁止エリアに入った時の躊躇の無さも、
ルールを利用した、殺しの仕方も…一応考えられる範囲内だった…
しかし、盗聴されていることを平気で言い…なおかつ、
それを、逆に利用し参加者全員に伝える手立てとした…
考えられるか…普通…?こんな危なくてハイリスクなことを…)
520桐山の戦略 ◇NIooiMe9JM :07/09/23 19:29 ID:cZxnPMHY
「まぁ、こんなところだ。ついでに言いと、DISCはパソコンを使って何かをやる、
というものではないだろう。
劉鳳がこのDISCの取扱説明書に書いてあったという、
─ここの参加者の誰かの記憶─と言っていたのを思い出して、少しひらめいた。
もっともまだ6割ぐらいしか理解してないから、深くは言えないが…
俺のこのDISCに対する考察が外れていなければ、
なぜあの変な場所から、この地図内に現れたかも証明は可能…。」
「そこまで言えるのなら、別に6割全て話してもいいんじゃないか?」
そう防人が聞くと、桐山はまたノートに何かを書き出した。

『2度も同じ、且つ手間の掛かる筆談をしたくない』

「ああ…それもそうだな、お前の気持ちを考えていなかった、すまん。
劉鳳たちが来たらでいいだろう。でこれからどうする?」
「とりあえず、第二回放送までここで休憩しておくのが無難。
体を休めて体調を万全にするのも…また一つの戦略…。」
と言うことで、二人は変電所内で放送を待つことにした。

防人は考えていた、斗貴子とカズキのことを。
(戦士カズキ…戦士斗貴子…二人とも気分はどうだ?俺はとっても気分がいい。
なんせすごく頼もしいパートナーができたからだ…
カズキの数倍頭が良い奴だ…が少々無謀なことをする奴だがな。
お前らはどうだ…?良い仲間が出来たか?合流できたか?
頼むから死ぬなよ…少なくても俺よりは先に…放送でお前らの名前を聞きたくない…)
521Classical名無しさん:07/09/23 19:30 ID:qfFuKzzk
   
522桐山の戦略 ◇NIooiMe9JM :07/09/23 19:30 ID:cZxnPMHY
第二回放送が流れるまで、残り一時間を切った。
誰かが誰かを殺し、そしてまた誰かを殺す。
最後の一人になるまで。
それがバトルロワイヤルの醍醐味。
時間が進むたびに、一人、また一人儚い命が無くなっていく。
はたしてこの二人は、それらの一人に入ってしまうのか、それとも生き残るのか。
すべては、己の能力と知力と運が導いてくれるだろう。
その道が、修羅なのか、天国なのかは、今は誰もわからない。


【A-8 変電所内1階警備室(北東)/1日目/昼(11時)】
【桐山和雄@バトルロワイアル】
[状態]:健康
[装備]:レミントンM31(3/4)@バトルロワイアル
[道具]:支給品一式、レミントン M31の予備弾24、空条承太郎の記憶DISC@ジョジョの奇妙な冒険、
劉鳳の名簿の写し、スタングレネード×2、お茶葉(残り100g)
[思考・状況]
基本:首謀者の思惑を外すべく、死者が一人でも減るように行動する
1:第二回放送を聞く。
2:DISCと戦略についてさらに考察をする。
3:体力を回復させながら、劉鳳を待つ。
4:乗ってない人間を見つけ協力するなら仲間にする。
5:襲ってきた人間に対しては一切の手加減をしない。
6:首謀者を倒す。
※承太郎の記憶DISCは、6部3巻でホワイトスネイクに抜き取られたものです。
※DISCに対する残りの4割の考察は、後の書き手にお任せします。
523桐山の戦略 ◇NIooiMe9JM :07/09/23 19:31 ID:cZxnPMHY
【防人衛@武装錬金】
[状態]:健康
[装備]:シルバースキン形コート@武装錬金
[道具]:支給品一式、スタングレネード×2
[思考・状況]
基本:弱い者を守る
1:第二回放送を聞く。
2:桐山の言ったとおり体力を回復しながら、劉鳳を待つ
3:錬金の戦士・パピヨン・カズマ・シェリス・三村・川田、核鉄を探す。
4:勇次郎・拳王・ジグマール・DIOには警戒。

※二人の名簿に青い丸印が付けられているのは、
カズマ・劉鳳・シェリス・桐山・杉村・三村・川田・才人・ルイズ・防人・カズキ・斗貴子
赤い丸印が付けられているのは、ジグマール・DIO・アーカード
緑色の丸印が付けられているのは、蝶野
524 ◆NIooiMe9JM :07/09/23 19:32 ID:cZxnPMHY
とりあえず投下終了です。

報告等お願いします。
525Classical名無しさん:07/09/23 19:32 ID:qfFuKzzk
  
526Classical名無しさん:07/09/23 19:41 ID:qfFuKzzk
投下乙。桐山の強さがどんどん見えてきた感じっすね。
桐山の不気味な感じが意外にも頼もしく思えました。
仲間の心配してるけど実は一番危険な敵が接近してるのはブラボー自身だったりするw
527Classical名無しさん:07/09/23 20:21 ID:kbmtaZ96
頭いいなぁ……
考察だけにとどまらず、そこから次を生み出せるのが凄い。
なんかコツでもあるんかいと書き手に聞いてみたい気分だ。
528Classical名無しさん:07/09/23 21:33 ID:Ism8Y4LU
投下乙!
桐山の頭の良さが出ている良考察話!!
皆に盗聴の事を気づかせるため、のくだりは感心しました。
こんな手段があったとは。GJ!!
529Classical名無しさん:07/09/23 22:39 ID:DjRUtAo6
う〜ん、凄い。
桐山の思考の鋭さ、相手の目的からの読みに感心した。
休む場所についてもきちんと逃げる場所を考えながら選んでいるところといい、こいつぁ頼もしい対主催だぜ。
GJ!
530Classical名無しさん:07/09/23 23:05 ID:f05X7.fo
GJ!
桐山って対主催者としても魅力的だなぁ……。
考察話も違和感がなくて感心しました。
531 ◆DO.TxVZRzg :07/09/23 23:58 ID:105fN9yU
桐山やるなぁ……やっぱ、こいつは変態マーダー…じゃなくて対主催か。
色々な事を考えた上での、行動はさすがだし、無駄口を叩かず不気味さを出してるあたりも桐山らしい。
それと、予約も入ったよね。今後の展開に期待期待。




えっと、上の事とは関係ないことで2点あるのですが……
1.>>519のように、◇NIooiMe9JMと白抜きの四角で名前蘭が埋まってるのは、トリップの使い方を間違ってるためです。
IDを見れば、本人と分かりますが、鳥の意味が薄くなってしまいますので、気をつけたほうがよろしいかと。


2.SSとは関係ないのですが、ハヤテキャラなどのパロ知識を持った人間の知識は
首輪(または主催による他の力)の制限と考えてよいでしょうか。
マリアが三千院家にあるコナンの胸像に気付いてないのは、パロネタ自重っていうところから分かるんですけど、
劇中の設定としては、制限でいいのかなぁ……と。
この点、どうなってるのか教えていただけると幸いです。
532 ◆NIooiMe9JM :07/09/24 00:21 ID:Wu5j03lo
>>531
名前欄に文字化けが起きてorz
これからは気をつけます。
533Classical名無しさん:07/09/24 00:51 ID:x4KPEZeU
>>531
2に関してなんですが、パロネタは制限などではなく、なかったことになっているほうがありがたいです。
首輪を解除、もしくは制限がなくなったときに周りにいる人物を現実の人間でなく漫画の住人だ!というのは結構萎えるので。
534Classical名無しさん:07/09/24 11:19 ID:O2r.xdEo
>>533
どうも
535 ◆uiAEn7XS/. :07/09/24 12:05 ID:.jHRH1dE
遅ればせながら、番人氏GJ!
体を張ってリーダーシップをとる服部、リスクを回避しないアカギ・桐山。
頭脳派って、ロワだと対主催のサポートとかステルスみたいな奴が多い印象があるから
なんだか新鮮に見えますね。先行き楽しみなキャラです。

あとすいませんが予約延長をお願いします。
あと少しですが、今晩の深夜投下になりそうなので。
536Classical名無しさん:07/09/24 12:37 ID:AEqvYTrM
待ってますよー。
537Classical名無しさん:07/09/24 21:23 ID:.5.Mjpyo
桐山乙
斜め上を行く格好よさ+頭のよさに惚れたぜ。


[wiki連絡]
ちょっとスマンが、今からトップページ(つか、画面のトップ?)を弄り始める。
画像がおかしく見えると思うが、気にするな。仕様だ
538タイトルロゴ募集:07/09/24 21:50 ID:.5.Mjpyo
そんなわけで、漫画キャラバトルロワイアルのタイトルロゴ募集開始です。
現在、wiki上部にある白紙画像の部分にロゴが表示されるイメージだと思ってください。
画像サイズは若干変わっても構いません。こちら側で調整がきくので、絵師さんの自由に任せます。
といっても、さすがに2000x500とかそんな非常識なサイズは止めてほしいなぁと……
おおむね、現在のサイズぐらいが良いんじゃないでしょうか? 文字入れるから、横にはもう少し長くなるかな?
あと、こちらではIE6とFireFoxで表示を確認していますが、他のブラウザで表示が著しくおかしくなるというようでしたら、
報告してください。

以上、タイトルロゴ募集のご案内でした。
539Classical名無しさん:07/09/24 21:50 ID:KgmqQc8o
>>537
一瞬何事かと思ったw
ご苦労様です!
540Classical名無しさん:07/09/24 22:06 ID:.5.Mjpyo
>>539
みゆきが連続で表示されたとこを見てしまったのか? あれは俺もびびったよw
541Classical名無しさん:07/09/24 22:16 ID:KgmqQc8o
>>540
いやいやトップページの上の方に白い四角が見えた事について。
というかその連続みゆきは見てみたかったなぁw

遂にロゴ募集っすか!自分絵の才能は全然ないのでせめてSSを投下することで支援していくよ!
542 ◆uiAEn7XS/. :07/09/25 00:21 ID:9pdWbARk
ケンシロウ、キュルケ、神楽を投下します
543Classical名無しさん:07/09/25 00:22 ID:OITHele.
光速支援
544Classical名無しさん:07/09/25 00:23 ID:E2Wslt2w
            
ベッドにうつぶせに寝かせた女の頭部、乱雑に巻かれた包帯を慎重に取り外す。
生乾きの血が髪の毛や包帯に絡みついており、剥がすとぺりりりと音を立てた。
次に傷口周辺の血をお湯でぬらしたタオル丁寧にふき取る。
後頭部にある、頚椎と頭蓋骨の境目が出血点のようだった。
そしてオレンジ色のつややかな髪を掻き分けて傷口を露出させる。
やはり出血は止まっていない。じわじわとにじみ出ている様子が見てとれた。
適切な処置を施さなければ、まずい事になるかもしれない。
血をふき取ってから、傷口に指を僅かに差し込んだ。
傍らで食い入るように見つめる、もう一人の少女が息を飲む。
北斗神拳の真髄は、肉体を意のままにコントロールする事にある。
血液を操り、神経組織を操り、筋肉を操る。
それが自分のものであっても、他人のものであってもだ。
幸い重要な血管などは傷ついていない。
頭蓋骨や脳に出血があれば、血の流れの異常や、傷口から発する僅かな熱を感じ取る事が出来る。
ならばやるべき事は、この傷口を縫うなりして出血を止める事だ。
秘孔を突いて出血を止める事は出来るが、一時的な処置に過ぎないだろう。
「針と糸は?」
傍らの少女に尋ねる。
すると、裁縫針とたこ糸を差し出した。
「……無理だな。大きすぎるし、太すぎる」
針は大きさが5cmほどもあり、このような精密な作業に向いているとは言いがたい。
さらにたこ糸の太さもそれに拍車をかけている。
もっと捜せば、よい大きさのものがあるかもしれないが、あまり時間をかけすぎるのも危険だ。
「気にするな。次善の策だがやりようはある」
暗い表情でうつむく少女を慰めてから、再び傷口に向き直る。
まずは、ぱっくりと開いた傷のすぐ脇に生えている髪の毛を、数本つまんでより合わせる。
そして傷口を挟んで逆サイド、もう一度同じ要領で髪の毛をより合わせると、傷口の左右にそれぞれ一本ずつ、計二本の糸ができた。
これらを結び合わせる事で、髪の毛の糸が傷をふさぐ役割を果たしてくれる。
さらに傷に沿って縦にずらしながら結び目をいくつか作ると、その傷口は見事に結合された。
あとはそこにガーゼを当てて、さっきと同じく回りの髪の毛を使って、患部に縛り付ける。
「よし……終わりだ」
長さが余った分の髪の毛を鋏で切り落とし、治療を終えた男――ケンシロウは大きく息をついた。

   * * *

「この女を助けたいのか?」
見るからに憔悴した桃色の髪の少女――神楽というらしい――が「自分がやった」と告白して数秒後。
ケンシロウは気絶した、ベッドの上の女をに視線を移して、そう言った。
「あ、当たり前アル!私は人殺しなんかする気ないヨ!……そんなつもりは……本当に……」
強く否定しようとして、語尾が段々か細くなる。
そんな神楽を見てケンシロウは、どうやら殺意があったわけではないようだ、と大方の事情を察した。
おそらく、このような異常事態に巻き込まれてパニックを起こし、自分の身を守ろうとして相手を傷つけてしまったのだろう、と。
ケンシロウのような修羅場馴れした人間ならともかく、この少女達のようなものなら自分を見失ってもおかしくない。
「わかった。ならばまず、お湯を沸かして清潔なタオルを捜してきてくれ。できれば針と糸も欲しい」
「え……ひょっとしてお前、お医者さんアルか!?筋肉眉毛の癖に!?」
「……俺の兄が医者だった。その兄ほどではないが、よほどの怪我で泣ければ何とかなると思う」
さりげなく失礼な事を言う神楽だが、その目にためた涙を見て、ケンシロウはスルーすることにした。
「じゃ、じゃあこのマンションの部屋をかたっぱしから捜してくるアル!タオルと針と糸と、あとお湯をわかせばいいアルか!」
「よろしく頼む……それと俺の名はケンシロウ。ケンでいい」

それが数時間前のことである。

   * * *


「う……」

「あ、気が付いたアル!マダオ!この指何本に見えるアルか!?」
見慣れない風景が視界にぼんやりとうつった。
自分を覗き込む二つの顔。
一つはピンクの髪の少女。自分の悪友によく似た、でも全然違う変な奴。
「こ……こは……?」
「大丈夫だ。安心してくれていい。落ち着いてゆっくり休んでくれ……マダオ、でいいのか?」
もう一人、面長で太い眉毛が印象的。……あら、ちょっといい男じゃない?
……っていうか、マダオって何?
なんであたしに向かって言うのかしら。
そもそも、どんな意味だっけ?
「そーそー、ゆっくり休むアル。ただでさえチチに無駄な栄養蓄えてるんだから、それを使って早く治すネ」


…………思い出した。


「誰がマダオよッ!あたしはキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー……」


ずっきん。


キュルケは最後まで喋る事が出来なかった。
大声をあげた拍子に、後頭部に頭痛が走り、思わず涙目でうずくまってしまったからだ。

   * * *

キュルケが落ち着いてから、三人はそれぞれの自己紹介を済ませ、今後の方針を決める事にした。
既にこの場のまとめ役といった感じのケンシロウが、まずは口を開く。
「キュルケのこともある。このマンションが放送で禁止エリアにならない限り、しばらくはここに潜んでいたほうがいいだろう」

「放送?」
「禁止エリア?」
548Classical名無しさん:07/09/25 00:26 ID:OITHele.
   

二人とも「何それ、おいしいの?」と言わんばかりの表情だ。
ああ、そういえば放送直後に出会った時の様子からすれば、聞き逃していても無理はないな、ケンシロウは思い至った。
およそ6:00ごろに、あの老人の声がこの町中に響き渡っていた。
内容はその時間までに死んだ人間の名前と数、そして侵入すると首輪が爆発する、禁止エリアの発表。
そのことをケンシロウは二人に説明した。
「ちょ、ちょっと待って。なんでそんな事があのジーさんに分かるのよ?」
「……おそらく、この首輪が発信機になっているのだろう。これで奴は俺たちを監視しているのだと思う」
「ハッシンキ?……よく分からないけど……そう簡単には外せなさそうね」
エニグマの紙のこともあり、キュルケは発信機を何らかのマジックアイテムのことだと解釈した。
ケンシロウは、まさかキュルケが魔法の存在する世界から来たとは思っていない。
「だろうな。そして、今まで死亡した人間の名前だが……この名簿の中に、お前達の知り合いはいるか?」
沈黙。
キュルケと神楽がそれぞれの手にある名簿を凝視したまま、それはしばらく続いた。

「……いるわ」
「私もアル……」

「……そうか」
これから言う名前の中に彼女達の友人、知人、ひょっとしてもっと大切な存在がいるのかもしれない。
そう考えるとケンシロウに幾ばくかの躊躇いが生まれる。
「大丈夫。言って、ケン。いつかは知らなきゃならない事だし。それに信じてるもの、死ぬわけないって」
「私も……大丈夫アル!万屋銀ちゃん一家はそう簡単にくたばらないヨ!ヅラは知らないけど」
「……わかった」
ケンシロウがゆっくり、はっきりと放送で告げられた名を読み上げる。
二人はその間、食い入るように名簿を見つめていただけだった。
550Classical名無しさん:07/09/25 00:28 ID:E2Wslt2w
          
551Classical名無しさん:07/09/25 00:28 ID:OITHele.
    
……以上だ」
ケンシロウの声を合図に、二人から安堵のため息が漏れる。
どうやら知り合いは今のところ、全員無事らしい。
「ケンは知り合い、いなかったの?」
「ジャギという男……かつて俺が兄と呼んだ男だ」
「……」
「気にするな。死んで当然だった男だ。……それに奴はこの殺し合い以前に、既に死んでいるはずだ」
「え?」
ケンシロウは一旦、目を閉じてから二人を順番に見た。
これから言う事は冗談ではないと、念を押した上で言葉を続ける。
「俺には三人の兄がいた。血はつながっていなかったがな。
 まず今のジャギに、医者だった兄のトキ。
 最初の部屋で、あの老人に向かっていった金髪の大男が、長兄のラオウだ。
 ……彼らは全員死んだはずだ。……全ての死に様を目の前で見届けたのだから」
淡々と。
ケンシロウの独白が静寂の空間に染み渡った。
「だが、奴は生きている。他にもアミバ――この男も死んだはずだ――に会ったが、紛れもなく本物だった」
「ケン……お前、何言ってるアルか?」
こんな時に冗談をいうような人間には見えない。
神楽とキュルケは、ケンシロウの真意を測りかねていた。
「あの老人は何か得たいの知れぬ、とてつもない力を持っている。
 非常識ではあるが、死人を生き返らせることも……出来るのかもしれん」
再度、沈黙。
そんな相手に歯向かうことなどできるのか。
この殺し合いに乗るしか道はないのか。
だが――


「ふざけんな、この筋肉眉毛ェェェェ!!」


「ちょ、神楽……」
553Classical名無しさん:07/09/25 00:30 ID:OITHele.
ちょw
「そんな陰気臭い顔して、ビビッたアルか!?
 だからどうしたヨ!その程度の事が怖くて万屋銀ちゃんは勤まらないアル!
 銀ちゃん、言ってたヨ。生きてても魂が折れたら死んだも同然ネ!
 あの爺のふざけた殺し合いに乗るなんて、死んだ方がましアル!!」
一気にまくしたてた神楽の荒い息使いだけが場を支配していた。
そしてやがて、ケンシロウが穏やかな笑みを浮かべて言葉を紡ぐ。
「そうだな。そのとおりだ」
「分かったアルか。全くこれだから大人は、世間の泥にまみれて肝心な事が見えてないネ」
「そうね〜あたしを殴っておいて、謝りもしない子供もここにいるけどね」
横槍を入れてきたキュルケの言葉に、顔に縦線が入る神楽。
「う……」
良心の呵責もあり、いつもの調子で言い返すことが出来ない神楽であった。
「謝っておいた方がいいぞ……いい機会だ」
ケンシロウに余計なこと言いやがって、と一睨み。
それからキュルケのほうに向き直り、何やらうつむいたままでもごもご言っている。
キュルケもケンシロウも何も言わない。
神楽が意地っ張りな性格だということは、今までの短いやりとりでも、何となく分かっていたから。
ただ、神楽自身がきっちりとけじめをつける、その瞬間を黙って見守る。
そう思っていた。


「…………ごめんなさい」
「……うん」


キュルケは穏やかな笑顔で頷いたのだった。

【F-5 マンションの一室 一日目 昼】
【ケンシロウ@北斗の拳】
[状態]:カズマのシェルブリット一発分のダメージ有り(痩せ我慢は必要だが、行動制限は無い)
    キング・クリムゾンにより肩に裂傷
[装備]:
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム(1〜3、本人確認済み)
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない、乗った相手には容赦しない
1:これからどうするか考える
2:ジャギ・アミバ・ラオウ・勇次郎他ゲームに乗った参加者を倒す
4:助けられる人はできるだけ助ける
5:乗ってない人間に独歩・ジャギ・アミバ・ラオウ・勇次郎の情報を伝える。北に向けて移動中
[備考]
※参戦時期はラオウとの最終戦後です。



【キュルケ@ゼロの使い魔】
{状態}後頭部打撲(治療済) 貧血気味 マントが破られている
{装備}タバサの杖@ゼロの使い魔
{道具}支給品一式
{思考}
1:取り敢えず休憩したい。
2:神楽をどうにかする。せめて呼称だけでも言い改めて欲しい
3:タバサ、サイト、ルイズと合流する
4:危害を加えて来ない限りは仕掛けない。
基本行動方針
学院に四人で帰る。
556Classical名無しさん:07/09/25 00:31 ID:OITHele.
       

【備考】
軽い頭痛と出血により、行動に支障
今はマンションの一室のベットで寝ています
首輪をマジックアイテムだと思っています


【神楽@銀魂】
{状態}疲労 精神的に少し持ち直した
{装備}木刀正宗@ハヤテのごとく 
 ジャッカル・13mm炸裂徹鋼弾予備弾倉(30×2)@HELLSING
{道具}支給品一式 拡声器@バトルロワイアル
{思考}
1:銀ちゃん(銀時)と新八とヅラ(桂小太郎)を探す。
2:帰る方法を考える
3:殺し合いに乗る気は無い。
基本行動方針
殺し合いに乗っていない人は守る。乗っている人は倒す。


【備考】・原作18巻終了後から参戦。
558Classical名無しさん:07/09/25 00:32 ID:E2Wslt2w
                        
559 ◆uiAEn7XS/. :07/09/25 00:33 ID:9pdWbARk
投下完了です。支援ありがとうございました
560Classical名無しさん:07/09/25 00:38 ID:Cfw92gm6
投下乙!
神楽もいつもの調子が戻ってきてるし
キュルケとのいざこざも修復したか
ケンシロウも加わって
けっこう強いチームになったかな?
561Classical名無しさん:07/09/25 00:42 ID:E2Wslt2w
GJ!
美形に続いてキュルケも起きたか。
何気に戦闘面では鉄壁のチーム。
ケンシロウたちの活躍に期待!!
562Classical名無しさん:07/09/25 00:46 ID:OITHele.
投下乙。筋肉眉毛はねーよw
ここも結構バランスいいパーティですね。ゼロ魔勢は何気に強集団に所属するんだな。
でも放送が怖いなー……ヅラとサイト死んでるし。
563Classical名無しさん:07/09/25 00:56 ID:fM2EL2kc
GJ!
治療シーンの描写がとても丁寧で感心あるのみでした!
遂にキュルケも起きましたか!ホテル組に劣らない安定性を誇るこのチームの今後に期待大です。
564Classical名無しさん:07/09/25 02:15 ID:ONn0s2gI
投下乙!
マダオ……違った。キュルケ、復活おめでとう。
神楽も精神的も持ち直したし、放送後も何とか暴走しないで済みそう。
位置的には面倒なマーダーが近いが……切り抜けてほかと合流できることを祈ってるぜ。
565Classical名無しさん:07/09/25 05:05 ID:HCgwp4.s
>「あの老人は何か得たいの知れぬ、とてつもない力を持っている。
> 非常識ではあるが、死人を生き返らせることも……出来るのかもしれん」
ケンシロウのこれ余計な台詞だったな
嫌なフラグにならなければいいが
566Classical名無しさん:07/09/25 06:31 ID:lotbhHQI
だいぶチームまとまってきてるな。
というわけで勝手に名前付けしてみた。

【両手に花の筋肉眉毛】ケンシロウ、キュルケ、神楽

【対主催者チームA】桐山和雄、防人衛(ブラボー)

【奇跡のほぼ同年齢組】桂ヒナギク、川田章吾、柊つかさ

【ライバルズ】劉鳳、アミバ、服部平次、タバサ

【爆発物処理班】江戸川コナン、マリア、坂田銀時、吉良吉影、ルイズ

【人間を止めた人達】葉隠散、村雨良

【コスプレイヤーズ】葉隠覚悟、志村新八

【対主催者チームB】ジョセフ・ジョースター、三村信史、柊かがみ

【愛の戦士】武藤カズキ、三千院ナギ

【偽りの共闘チーム】才賀勝、才賀しろがね

【命知らずのPerformer】赤木しげる、加藤鳴海

【パピ☆すた】パピヨン、泉こなた

【JOJOと奇妙な執事】空条承太郎、綾崎ハヤテ

【サービスシーン担当】愚地独歩、シェリス・アジャーニ
567Classical名無しさん:07/09/25 06:32 ID:lotbhHQI
シングル 津村斗貴子
     マーティン・ジグマール
     ラオウ
     白金(フェイスレス)
     範馬勇次郎
     範馬刃牙
     DIO
     アーカード

残り44名


別にこの名前をつけてくれというわけではないが、ネタとして受け取って欲しい。


【偽りの共闘チーム】【パピ☆すた】はそのままSSから。
タバサがライバル扱いなのは…ルイズの?
568Classical名無しさん:07/09/25 06:39 ID:OITHele.
>サービスシーン担当
どっちがだよw
569Classical名無しさん:07/09/25 11:46 ID:Ln.jq1Hc
アミバは誰のライバルなんだw
570Classical名無しさん:07/09/25 12:18 ID:sqDKrYls
というかAとBがかわいそうだな
571Classical名無しさん:07/09/25 15:21 ID:lotbhHQI
>>568
両方に決まってるじゃないか。

>>569
一応ケンシロウの…? ラオウに比べたら格が違いすぎるが。
ライバルの定義が広すぎたかも。

>>570
いいのが思いつかなかった。
何かあったら勝手につけてみてくれ。
572Classical名無しさん:07/09/25 19:36 ID:svrkI3Wg
熱血と冷血
W女タラシとツンデレ少女
なんてのどうよ?
573Classical名無しさん:07/09/25 20:19 ID:asPhIxvs
しかしアミバが某ロワの某邪○台○国幹部に見えてしょうがないw
574Classical名無しさん:07/09/25 20:27 ID:c2XwOvv6
>>573
って事はカズマは某姫様のポジションって事かい?w
前に似たような事を言ってた人が居た気もするなぁ。
575 ◆uiAEn7XS/. :07/09/25 20:29 ID:9pdWbARk
よーく見ると、所々に誤字脱字が目立つ……反省。
まとめに載ったら直したいと思います。
576Classical名無しさん:07/09/25 22:25 ID:pqgS.Ekg
>>567
シングルのマーダー率が高いなぁ……トキコだけじゃないかマーダーじゃないのって……
577 ◆ozOtJW9BFA :07/09/26 00:04 ID:7kX6YWzM
川田章吾、桂ヒナギク、柊つかさ、葉隠覚悟、志村新八、ラオウの予約を破棄します。
長期に渡り沢山のキャラを拘束して、申し訳ありません。
578Classical名無しさん:07/09/26 00:06 ID:jklAn5YQ
乙。うーん、残念
579Classical名無しさん:07/09/26 00:35 ID:FM5DXlMg
>>557
少し遅れたが真にGJ!!
最後の「ごめんなさい」と「うん」が二人ともらしくてええのう……
ケンシロウが治療ってのが少し意外だったが考えてみりゃそういうことも出来たっけな。
このチームもなかなか強力なチームになりそうだぜ。
580 ◆L9juq0uMuo :07/09/27 00:55 ID:nGNigRuM
遅れてすみません。今から投下します
581 ◆L9juq0uMuo :07/09/27 00:58 ID:nGNigRuM
「『魔法使い』『しろがね』『アルター使い』『改造人間』……、どうやらあのアーカードと同等、又はそれ以上に厄介な人種がいるらしいな……」

黒一色の闇の中でDIOは、詳細プロフィール付の参加者名簿を眺めていた。
闇の眷属たる吸血鬼故か、その双眸は暗闇の中であっても参加者のプロフィールを読むのに支障をきたしてはいないようだった。
刃牙という青年を肉の芽により忠実な配下としたDIOだが、プロフィールに書いてあるような者達を相手にするのであれば手駒が圧倒的に不足している。

(このDIOには正々堂々1対1を好む騎士道精神などという犬の糞にも劣るような物はない。あるのは『勝って支配する』ただそれだけだ。
手段なぞ選ばん。ただ勝てばいいのだからな)

DIOの口角が吊りあがり、その口から吸血鬼の証である鋭い犬歯を覗かせる。

「その為には刃牙と同等、又はそれ以上の力を持つ僕が必要となる、か」

DIOの元にプロフィール付の名簿が来たのは幸運だっただろう。
戦いにおいて最も重要なのは情報である。
太平洋戦争において情報戦を得意とする米軍に山本五十六長官の航路と日時が知られ、山本五十六長官は米空軍の襲撃により戦死したのは有名であろう。
だが、太平洋戦争の遥か昔、それこそ紀元前の時代から情報という物は重宝されていた。
それほどまでに人が戦う、いや、生きるという事に情報は密接に関わっている。
特にDIOが今いる殺し合いのような、手に入る情報が極端に少ない場において、この名簿の持つ意味は大きい。
例えば、相手が乗っているか乗っていないかのおおまかな見当がつけられる。
例えば、偽の情報を流して混乱させる事ができる。
例えば、情報を元に相手を脅迫・勧誘する事ができる。
例えば、相手の精神ないしは肉体的な弱点を掴める。
例えば、お人よしの人間に取り入る事ができる。
例えば、相手の特徴・能力を知る事により戦闘時に自分の有利な展開へと持ち込み易くなる。
例えば、与しやすい、僕になりそうな人間を調べられる。
これがあれば他の参加者に対し大きなアドバンテージを得る事になる。
582Classical名無しさん:07/09/27 00:58 ID:lBT0RCwg
                 
583 ◆L9juq0uMuo :07/09/27 00:59 ID:nGNigRuM

「確かサイトとかいう名前だったな……、あの黄色人は……」

平賀才人と書かれたプロフィールには、この殺し合いの場に存在するある少女の名が書いてあった。

「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールか、あの黄色人の前でこの少女を殺せば奴はどんな顔をするだろうか?」

烈火の如く怒り狂うだろうか? この世の終わりのような絶望に彩られた顔で悲痛な叫び声をあげるだろうか?

「いっその事その小娘を我が僕にして殺し合わせるのも悪くは無い」

クツクツと、肩を揺らしてDIOが笑う。

「サイト。貴様はこのDIOに『屈辱』を味あわせてくれた……、その『屈辱』には最大級の『絶望』で返させてもらうぞ……?」

DIOの顔に凄惨な笑みが浮かぶ。
だが、彼は知らない。その対象の平賀才人は、改造人間の攻撃から一人の男を身を挺して庇い、既にこの世の人間ではなくなっている事を

「それに、魔法使いとやらの血液にも興味がある。いや、魔法使いだけではない。
半不老不死の『生命の水』が混ざっている『しろがね』、『アルター』とかいう特異能力を持つ『アルター使い』、そして理由はわからんが若返った『ジョセフ・ジョースター』……。
奴等の血を取り込む事ができれば、おそらくこのDIOの力も増すだろう……。」

そして、DIOの頭に赤いコートに身を包んだ男と、学生服に身を包んだ男が浮かぶ。
584Classical名無しさん:07/09/27 00:59 ID:lBT0RCwg
                
585 ◆L9juq0uMuo :07/09/27 00:59 ID:nGNigRuM

「アーカード、そして承太郎……、覚悟し、そして知るがいい。この殺し合い最後まで立っているのはこのDIOであると言う事を……」

そう一人ごちるDIOの視界に自らのデイパックが入る。その時、DIOは自らのある支給品の詳細を確認していなかった事を思い出した。

「そう言えば、デルフリンガーだったか……、たしか説明書には喋る魔剣とか書いてあったが」

そして、DIOはデルフリンガーの入っている紙を取り出す。

「このような時でなければどのような物かは調べられんからな。何か参加者の情報を知っているかもしれん」

そう言ってDIOはエニグマの包み紙を開く、すると紙の中から一振りの西洋剣が現れた。

「ん? 何だここは? おい、相棒。パーティーはどうなった……って、誰だあんた?」

現れるやいなやDIOに向かってデルフリンガーは話かける。

「ここは殺し合いの場で君はこのDIOに支給された武器という事になっている。デルフリンガー……と、呼べばいいのかな?」

デルフリンガーを片手に持ち、DIOは至って友好的に話しかける。

「殺し合い? そいつぁ笑えない冗談ってもんだ」
「出来れば私も冗談ですませたいがね。生憎と現実だ」

DIOはデルフリンガーの軽口に答え、「困った物だ」と溜息を一つついてみせる。

「ところで、私自身はこの殺し合いを打破する為に仲間を募っているのだが、君がさっき口にした『相棒』とやらの話……、聞かせてもらってもいいかな?まずは名前から」

しばらくの沈黙。しかし黙っていてもしょうがないと判断したのか、デルフリンガーが口を開く。
586Classical名無しさん:07/09/27 01:00 ID:lBT0RCwg
                   
587Classical名無しさん:07/09/27 01:00 ID:lBT0RCwg
                    
588Classical名無しさん:07/09/27 01:00 ID:Kzjzd5VY
  
589 ◆L9juq0uMuo :07/09/27 01:00 ID:nGNigRuM

「相棒の名前は平賀才人、だったかな。生憎と俺も買われてそんなに日が経ってないんでね、詳しいことは話ようがないが……」

そこまで言ってデルフリンガーはDIOの様子がおかしい事に気づいた。一言も発せず、ただ驚きの表情を浮かべている。

「どうしたい? 急に固まって」

その言葉にDIOは我に返る。

「ああ、いや、ちょっとばかし驚いてね。そうか……、君はサイトの武器だったのか」

その言葉に今度はデルフリンガーが驚く番だった。

「なんだい、あんた相棒を知ってるのか? いやいや、偶然ってのはあるもんだ」
「ああ、まったくだ……」
(まったく、偶然とは恐ろしい物だ……、どうやら運は完全にこのDIOに向いているようだな……)

デルフリンガーに見えぬよう、DIOは密かに笑みを浮かべる。

「実は彼とは最初の方に遭遇したんだが、私は日の光で苦手でね。朝になる頃、彼は自分の主人を探しに行くと出て行ってしまったんだ。
デルフリンガー、彼が戻ってくるまでに私は彼と彼の仲間がどういう人間か知りたい。できれば彼らの事について君が知ってる範囲で教えて欲しいんだが……」
「まぁ、相棒と組んでるっていうなら構わねぇさ。と、言っても俺も相棒に買われてから日が浅いからな。そう期待はしないでくれよ」
「何、構わないさ。では、短い間かも知れないが宜しく頼む。デルフリンガー」

闇が支配する駅の中、ドス黒い闇は着実に力を増している。
その闇を破るのは同種のゴミ処理係か、はたまた黄金の魂を持つ男たちか、それとも……。
答えは未だ闇の中である。
590Classical名無しさん:07/09/27 01:01 ID:3oZkDvIk
591 ◆L9juq0uMuo :07/09/27 01:02 ID:nGNigRuM
【C-2 S2駅 1日目 朝】
【DIO@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:額に突き刺された傷、胸部損傷(治癒中)。疲労(小)
[装備]:スタンド『世界』、デルフリンガー
[道具]:ダーツ(残弾数1)
    参加者顔写真&詳細プロフィール付き名簿。ルイズの杖。
    イングラムM10の予備マガジン9。ライドル。
    スタングレネード×2。時計型麻酔銃(1/1)。麻酔銃の予備針8本。
    デイバック×4(DIO、桂、灰原、みゆき)
[思考]
基本:帝王に負けはない。参加者を殺し、ゲームに優勝する 。アーカードのボディを乗っ取り、太陽を克服する
1:夜になるまで地下で英気を養う。及び、地下鉄に乗りにやって来た参加者を各個撃破し体力を回復
2:デルフリンガーから平賀才人他の情報収集・デルフリンガーを用済み、又は障害と判断した場合破壊する。
3:平賀才人に『絶望』を味あわせ『勝利』する
4:アーカード打倒
5:ジョースター家を根絶やしにする
6:魔法使い・しろがね等の血に興味
7:ゲームを仕組んだ輩を断罪する
592 ◆L9juq0uMuo :07/09/27 01:03 ID:nGNigRuM
[備考]
ジャギの右腕を移植しました。完全に馴染むまでしばらく時間がかかりますが、普通に自分の右腕として動かすくらいは可能です
アーカードとの戦闘で更に鬱憤が溜まりました。アーカードにはどんな手を使っても勝つつもりです
時を止められる時間は約3秒間です
首輪の他に、脳内に同様の爆弾が埋め込まれています
S5駅方面の列車は途中で地上に出ることを確認しました
刃牙との戦いで血を流したため、時止めはあと1〜2回が限度です

備考
1:B-3、C-3の境界付近に列車が地上と地下に出入りするトンネルがあります
2:S5駅のホームに肉片と鮮血が結構広い範囲に飛び散っています
3:C-3の地下線路にジャギの胴体(血が抜かれている)、ジャギの両足(血が抜かれている)、ジャギの左腕、DIOの右肩が転がっています
4:S5駅のどこかに空っぽになったジャギのデイパックが放置されています
5:S2駅のゴミ箱付近に桂、灰原、みゆきの血を抜かれた死体が散乱しています。
6:デルフリンガーはコミックス2巻のフリッグの舞踏会の最中から召還されたようです。
593Classical名無しさん:07/09/27 01:05 ID:3oZkDvIk
GJ!!

DIOが結構のりのりに話しているところを想像するとww
594 ◆L9juq0uMuo :07/09/27 01:05 ID:nGNigRuM
以上で投下終了します。疑問等おりましたらお願いします。

題名は、DIOの奇妙なバトルロワイアル〜帝王は手段を選ばない〜
でお願いします。
595Classical名無しさん:07/09/27 01:07 ID:lBT0RCwg
GJ!
召還時期という『情報』をえたDIO。
ますます凶悪さに磨きがかかってきたな。
596 ◆L9juq0uMuo :07/09/27 01:08 ID:nGNigRuM
時間帯間違えました。
【C-2 S2駅 1日目 昼】
でお願いします。申し訳ない
597Classical名無しさん:07/09/27 01:11 ID:cG/pXlX6
GJ!
只でさえ強いのに情報までバッチリとは……さすがDIO様W
ホントこのロワは対主催もマーダーも強いのが多いなぁ。
598Classical名無しさん:07/09/27 01:18 ID:LOI/B0uE
投下乙

にしても、DIOさん。アンタが一番厄介なんだよwww
599Classical名無しさん:07/09/27 01:19 ID:mPIbmrk2
DIO様、たまにはアヌビス神のことも思い出してあげてください
GJ!
鬼に金棒どころか吸血鬼に伝説の剣……誰かDIOさまを止めて!!
600Classical名無しさん:07/09/27 02:11 ID:Go/WQohw
DIO様戦力増強中だw
このまま行くと意外にDIO様1人勝ちの展開も見えてくるかもなぁ
601Classical名無しさん:07/09/27 09:10 ID:LpYjB7s2
だがわからんぞ
別のロワではDIO様は一人も殺せず
しかも一般人相手に死亡したからな
602Classical名無しさん:07/09/27 11:29 ID:W4cX8Jqk
>>601
カオスロワじゃねえかwwwサニーパーンチ!
603Classical名無しさん:07/09/27 11:39 ID:zu8Pn2oQ
>>602
そことは違う。
意外な事に、DIO様の本領とも言えるロワだぜ。逆に考えるんだ!
604Classical名無しさん:07/09/27 11:46 ID:zu8Pn2oQ
しかし、ジョセフを見てもDIOが割りと冷静だったのはちょっと残念だな、
とジョナサンと勘違いして動揺するDIO様を書こうとしたヤツが言ってみる。

……よく考えると、それを言ったら承太郎だってジョナサンと瓜二つだけどな
605Classical名無しさん:07/09/27 12:04 ID:W4cX8Jqk
>>607
なに、ジョースター卿にDIO様殺されたの?
606Classical名無しさん:07/09/27 15:09 ID:pZ7ZbyAI
ジョジョロワか
607Classical名無しさん:07/09/27 16:11 ID:155edxsE
>>601>>603
カーズ様の最期も思い出してあげてください
608Classical名無しさん:07/09/27 19:06 ID:gaPDUNpw
ジョジョロワの文章力の底辺度は異常
609Classical名無しさん:07/09/27 20:25 ID:WzK/PlEE
>>607
あれはナランチャにカウントされるんじゃなかったか?
610Classical名無しさん:07/09/27 20:25 ID:lBT0RCwg
>>608
それはない。
ついでにスレ違い。ここは本スレ。誹謗中傷の場じゃない。
611Classical名無しさん:07/09/27 22:12 ID:cG/pXlX6
まぁ他ロワの具体的な話は止めような。
特に>>608のようなのは今後絶対禁止って事で。


それでそろそろ作品人気投票or全話リレー感想でもやってみないか?
きっと盛り上がると思うんだ。
612Classical名無しさん:07/09/27 22:16 ID:ME1eaMQ2
OKだな。
613Classical名無しさん:07/09/27 22:34 ID:mPIbmrk2
人気投票はまだ早いと思うけど、全話リレー感想はやってみたいな

第000話:オープニング
作者:不明
感想:オープニングでありながら、数多くのキャラの魅力を抜群に出した作品。
   思えば漫画ロワの燃え展開はここから始まってるとも言えるだろう!

こんな感じ?
614Classical名無しさん:07/09/27 22:39 ID:lBT0RCwg
>>613
そんな感じだと思う。
続きはしたらばの雑談スレあたりでやるか?
ここを消費するのもあれだし。
615Classical名無しさん:07/09/27 22:47 ID:cG/pXlX6
>>613
良い感じだと思う!
確かに雑談スレでやろうか?使われてないしw
616Classical名無しさん:07/09/27 23:08 ID:ME1eaMQ2
617Classical名無しさん:07/09/28 00:03 ID:CbEWX6p.
誰も来ない……orz
618Classical名無しさん:07/09/28 00:07 ID:72BZ0ORI
行きたいんだけど携帯だから無理なんだorz
619Classical名無しさん:07/09/28 00:08 ID:oJ4GDFOY
>>617
そんな時はお前から書くもんだぜブラザ
620Classical名無しさん:07/09/28 00:25 ID:dhPOeFQM
>>618
携帯で書き込めるぜ。
この前解禁された。
621Classical名無しさん:07/09/28 00:52 ID:72BZ0ORI
自分の携帯、端末番号を発信しないタイプだったから無理だった……orz
折角感想書いたのに……。
622 ◆WXWUmT8KJE :07/09/28 00:56 ID:dhPOeFQM
>>621
設定変更しました。
これで書けますか?
623Classical名無しさん:07/09/28 01:08 ID:72BZ0ORI
無事書けました!
どうもお手数かけて申し訳ないです。
しかしまさかWX氏とは思わなかったW
624Classical名無しさん:07/09/28 11:30 ID:t1x9zRuc
ここは平和でいいな〜、
新しく始まった某ロワセカンドはなんか混沌としてて落ち着かないな、
625Classical名無しさん:07/09/28 14:49 ID:N2Zbn5Bo
>>624
はいはい比べない比べない
626Classical名無しさん:07/09/28 17:53 ID:Ym5S4GRo
ちよっと聞きたいんだけどZXって衝撃集中爆弾取り上げられてたっけ?
627Classical名無しさん:07/09/28 18:06 ID:sm16uX.6
普通に使ってたんじゃないか?
628Classical名無しさん:07/09/28 18:30 ID:dhPOeFQM
>>626
制限で、二発しか使えず、今一発使ったはず。
629Classical名無しさん:07/09/28 18:50 ID:Ym5S4GRo
>>627-628
確かそれは十字手裏剣の方じゃなかったっけ?
別に使っても良いのかな?
630Classical名無しさん:07/09/28 19:03 ID:dhPOeFQM
>>629
ごめん、1発消費は十字手裏剣の方だった。
1スレ目に、

>電撃流せるマイクロチェーン、変身のたび作られる両肘の十字手裏剣が左右1個ずつと両膝の衝撃集中爆弾が左右1個ずつ、

ってあった。
明文化されて残っていないから、書き手任せでいいと思うけどね。
631Classical名無しさん:07/09/28 19:10 ID:Ym5S4GRo
>>630
どうもありがとう!
いや〜それなら良かったです。
632Classical名無しさん:07/09/28 19:39 ID:WEnfEYG.
現在スパロワのような死亡者名鑑を書いてるんだが…
投下するとしたらこのスレだろうか? それとも別のスレ?
633Classical名無しさん:07/09/28 20:31 ID:72BZ0ORI
乙!
ん〜別にここでも良いような気が。
634 ◆DO.TxVZRzg :07/09/28 20:53 ID:tQK4mFoA
投下遅れて申し訳ありません。
延長を申請させてください。
635 ◆3OcZUGDYUo :07/09/28 22:33 ID:Ym5S4GRo
>>634
了解しました。新作お待ちしています。


それで自分の方なのですが……申し訳ないです!
間に合わないので延長を申請させてください。
ホントにすみませんorz
636死亡者名鑑:07/09/28 22:46 ID:WEnfEYG.
ならばお二方の延長分は自分が補わせていただく。
というわけで第一回放送までの死亡者名鑑です。
637死亡者名鑑:07/09/28 22:46 ID:WEnfEYG.

                __// __ヾ==-、
               f'´ ̄ , '´:::::::::::::::::::::::`ヽ l
               |  /::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::\
              ∧/:::::/::::::〃::::;.イ/l::::}:: ,::::::::::ヽ
              l::::{::::::l:::::/__::/ / /_/:/j: /::::::::}
              |::::l::::::レ/,,∠`/ /∠/メ//:/
              l:::::!::::::| 伐_j    f以ヽ彡イ
              ヽ:::!::::::i V;;リ    {;;リ 〃::: |
               Vl::::: |      '   {:::::: l
                l:!:::::::l>、   ー   .イ:::::::,'__
          厂 ̄ ¨ヽ \ :::!-j> _ ィ<、::::::::/  ヽ
           `ート 、_r' _\ヽ:|,_ ̄ヘ二´¨l_ハ::/  ./゙ヽ
          /⌒く/ ヽ∠ヽ「j|`~/ //ヽ `∨ /    }
          l   l    } Y ヽ  ' 〉、 ∨    /
          ゝァ‐ }   くrー!  入  }:.:.\ V二ニ〈
           { /    \ }∨  \∧:.:. ヽ ',   }
           ン′      ヽ|    ¨ヽ:.:.. ノ ヘ_/ ヽ
          {         \   8//〜′ }    _>
           `ヽ、__  __/ `ヽ_//    〃 /
              \  ̄/    /`===彳 r′
             __ヽ {     }     j、 l
           く    ハ    /-- ――‐イ 〉

シエスタ
登場作品 <ゼロの使い魔>

「オープニング」で初登場。
ロワの説明中に徳川光成に呼び出され、見せしめにされる。
ちなみに最初に死んだだけあって、死者スレは彼女の独壇場である。
638死亡者名鑑:07/09/28 22:46 ID:WEnfEYG.
                     ,, .
               、、、、_r ´  `、
                ヽ/ ̄ ̄ヽ、  `、
               │ 杉  │  ' 
               │ ヽ r‐ │_  '.
               │ /ーヽ│ ヽ  '、      _,__
            ,;‐、_,,.<ヽ|  |ノ`‐、く─ - 、.-ー''"´ `、     
          , -'´ ̄`ー-、 ヽ| ̄‖`-、_,,,i ,:'     _,,..-‐ァ' 
        '´       i' i' ` ̄   `、一 _,,.-/_,,  ./ 
               ヽi' i'     、、、 | ̄    ,:'ィ´
             i~     、```   |
             `|、、、、```     |
              `i     、、、``|
               |、、、、```   |
              /       ヽ


杉村弘樹
登場作品 <バトルロワイヤル>

「二つの零、二つの魂」 で初登場。本作品ではプログラム開催前から呼び出された模様。
開始後すぐルイズと会い、ゲームに乗らないことを表明する。
自分の正義をルイズに説き、クラスメートである三村信史と合流しようと歩みだすが、
三影英介の襲撃に会い、ルイズを逃がすも致命傷を負う。
その後ライダースーツを来た葉隠覚悟に見取られ永眠する。
AAは見つからなかったので某正義超人の拳法家を流用させてもら(ry
639死亡者名鑑:07/09/28 22:47 ID:WEnfEYG.
        _/ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
      /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
      |:::::::::::::::::::::::::::::;,"""` ' '' ''''::::::::::::::::::::ヽ
      \::::::::::;/"""        -':::::::::::::::::::: |
       /| /|/            ,`:::::::::::::::::: |
       |:| |' ヽ     ,, --- 、、 丶:::::::::::::::::::::|
       ||,,..、   ,,, ''        ヽ:::::;- 、::::::| 「眠りの小五郎が永眠しちまったなんて
       `l ヽ,  ` _,,,----    |:/ ,、ヽ::/                洒落にならねえぞ!」
        ヽ--ヽ   `-----゚'‘    `' /__ヽ l:/
         |`''゚|            ノ/ 丿 |/
         、 ノ           / )/ ノ|
         ヽ/             /  , '::|
        、'_            |__/`llヽ
         `` l,, 、――‐、      |    |
          `-' `ー――'     /     |
           \         /   , - `l
            `       / , '''     l
             丶    /,  '      __, `-、
              `ー― ', '     _,  '


毛利小五郎
登場作品 <名探偵コナン>

「再生怪人アンデルセン」 で初登場。
原作ではいい加減な言動が目立つ彼ではあるが根は良い人で、
桂ヒナギクに対しても(初対面で顔面を踏まれても)優しく応対する。
だがその後、バルキリースカートを装備したアンデルセン神父に追われ、
斬撃を見舞われるも神父に柔道の投げを決め、桂ヒナギクを逃がす。
反撃に片腕を持ってゆかれるも電磁ナイフ付き拳銃で最期まで抵抗し、命を落とした。
640 ◆NIooiMe9JM :07/09/28 22:47 ID:7IkvqovM
限度いっぱいまで…!延長する…!

すいません、私も延長を申請させてくださいorz
迷惑かけてすいません
641死亡者名鑑:07/09/28 22:47 ID:WEnfEYG.
           ,. -‐- 、
       /: : : : : : : : :\       
.       /、:._: : : : : :_ ; ゝ     
      ! ./ ‐- ¨二¨ -  l !
.      l !_ ‐---‐ '__l. |     (盲目の老人に殺し合いをさせる……
     l r|_ `ヽ  / _h.|                つまりは、死ね。と言うことか……)
     ノ l l||llii.. ̄lニ「||llii... ノ.} !     
   / ヽj`'ー‐' |.| `ー‐''lン \    
.   / __,   V,.-‘-l」-’‐、V.   _ ヽ
-‐''´::::::::|   ハ.´ ̄ ̄ ̄`/ |  |:::`:`'ー 
:::::::::::::::: !  l::::ヾ , , ̄, , / : | .|. |:::::::::::::   
:::::::::::::::::l.ハ.| ::::::` ̄ ̄   | l:|.|::::::::::::::
:::::::::::::::::l/"ニニi    _ jノ::リ::::::::::::::   
:::::::::::::::// ''ニニ}ヽ  '´ /:::::::::::::::::::::
::::::::::::/ ,'  ,ヶ'.ノー--‐ ':::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::/   ノT´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


市川
登場作品 <アカギ>

「間違えるのはお約束」 で初登場。
勝負強く、イカサマの使い手であったが
盲目はロワ内においてあまりにも致命的なハンデだった。
歩をわきまえ生き残りを諦めたところにミスター誤爆師のアミバ登場。
颯爽と間違った秘孔をついて死に至らしめた。
642死亡者名鑑:07/09/28 22:47 ID:WEnfEYG.
             /|  /|  /|
        /! ///|///|///,|
       /| |.|//// .///  /// |/|
      /| | | .! ! ! ///  ///   .!,.ィ
     /! | | | ! l l //ヽ.///   / |
.     /|.|./\! | l l /    ヽ/  ///!
.    il |/   `'-‐'´      ヽ/// .|
    l||/        ,,. -─‐  ヽ./   .| 
.   l/ ̄`ヽ  u r'"´      / ___.!
.   =====、--,:=======〒:f‐、─‐l
   !:::::::::..  / ̄l::::::::::::::::..  ノ |;;|-、}  ̄l  
    `iー--:/    `ー----‐'´ │!-、! ニ!
      l  /  __ )    u   |;l‐' !.─l
      ! ゙-‐           ,.lト‐'   l  
.     l ⊂ニニニニニ⊃   / 'ヽ三三!
       !、 ___     /   ヽ,.‐'´\
       ヽ  ̄ ̄   /    , ‐'´;;;;;;;;;;;;;;;\
        ヽ、   ./  .,.‐'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::ゝ、
         ヽ/|   /;;;;;;;;;;;;: -‐''"´ ̄',',',',','
               |/;;;;;;; ‐'"´,',',',',',',',',',',',',',',','
           /;;;;;:‐'´',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',
          /;;;;/,',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',
            //,',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','

平山幸雄(ニセアカギ)
登場作品 <アカギ>

「狂喜の宴」 で初登場。
ショットガンを支給されるものの、いきなり運悪く天敵的人物である鷲巣巌に遭遇。
威嚇するも逆に圧倒的な威圧感、反則的なまでに強力な支給品には適わず、
逆にショットガンを奪われ頭部を打ち抜かれる。
原作と同じくアカギと対峙することはなかった。
643死亡者名鑑:07/09/28 22:52 ID:WEnfEYG.
    ,、‐;;;;;;;;;ヽ、
    /:::::;;-‐-、:::ヽ             _,,,,,,,_
     l::::::l  _,,、-‐"iiiiiilllllllllllliiiiiiiー-、__ゞ:::::::::::`ヽ,
    ヽ::`/: : : : iiiiiilllll||llllliiiiii: : : : : : ヽイ~`ヽ::::::i
      /;,..-‐、: : : : : l|l: : : : : : : : : : : : : \ ノ::::}
     /: /: : : : :`.: : : : : : : : :/´ ̄\ : : : : : ヽ:::ノ
     !: : : :iflllli、: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : :.!
    |: : : :llllf l: : : : : : : : : : :.iflllli、: : : : : <iiii|
    |: : : :|llll |: : : : : : : : : : .llllf l: : : : : : : : :.|
    |: : : :.!lllll!' : : : : : : : : : : |llll |: : : : : : : : :i
   /: : : : :    ▼    : : .!lllll!' : : : : : : : :.i
   ̄|: : :"  ,,,,,,,,,,,,,|____    : : : : : : : :.<iii/ 
  /!.:   |:::::/    ̄''''''''l ヽ: : : : :-─/─ 
    ヽ   ヽ/  (´ー`)  ノ: :ヽ    /\  
     \  \,,_    _,,,/     : /\   
       `''‐、、__  ̄ ̄   __,,,、-‐"     


三影英介(タイガーロイド)
登場作品 <仮面ライダーSPRITS>

「二つの零、二つの魂」 で初登場。制限により弾の精製が極端に遅くさせられていた。
ロワに参戦しつつも人を殺そうとしない者を偽善者と称し、ルイズと一緒にいた杉村弘樹を爆殺。
ルイズと合流した葉隠覚悟に追い、互角の戦いを繰り広げる。
戦闘はその後三影英介の優勢になったと思えたが、
落としていた支給品の中にハルコンネンがあり、それをルイズが回収し発射、命中。
致命傷ではなかったものの立ち入り禁止エリアに吹っ飛ばされ、起き上がる前に首輪が爆発。
結局彼は自分の用いたルールにより、自らが悪となってしまうことに。
AAが見つからなかったので虎つながりで代y(ry
644死亡者名鑑:07/09/28 22:54 ID:WEnfEYG.
           ,.r==:、
        ,ク::::::::::::ヾ
      ,r=-=、'|:::::::::::::::,!|
    ,;':::::::::::::ハ;、_::::_,.ィノ^!               _,...........,__
    |i:::::::::::::::,リ^ '''',"  l!                ,.ィ'" ...:::;;;;;;;;;;;~`:;、
   ヾー-‐彡,. ィ" !  ':,             /  ...::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;', 「俺の名前を(ry」
      \ :ハ     '、  ':,            | ,rrェヒミ〈;;;:リナナク,;:l!
      \ '、   ,:'、  ':,         !斥y'r。xツヘ '・`,,,シミ;:;;:|
        \ゞ '" ::ヽ  ':,           |トニ斗テi"| :;フハコ=7-i;;|
          ヾト、  ::::ゝ  i        :|::ll::::l!:|l|ハ::;;| | ! !| li ,l、
          `ヾ-'"  : ::|^y'ヽ、       |ト|!:::l!:||kキ;|干!,!,!ノノ:,!;l
            `yr'^! :::〈 ミシ|、  ,';,   !|ヽヾヾト'^"~'' ,'' "//;;;;'、
            r'" ヘ ヘ、:::二;;;;リ  /:;;| ,r'-:ゝ ,ィ;'  ,.-...,,;:,,' /l::::;;;`
             ゞイ..`,.>'"リ、/ -'ー-'ミ  ,:':;/ヾ、  .,,. ,,_;:' l!
            `t  ゞ.-'" y;;!rー'''''''ーミ::`:'";;,'  `:;、 :;;: ,;' .,!
            〉  〉.-‐"ノ^:,     ^:、 ゞト、  :,! ':;;, ;;'  '"!

ジャギ
登場作品 <北斗の拳>

「俺の名を」 で初登場。
登場早々に戦意も武器もない柊かがみを楽しみながら襲うという原作原作どおりの悪党っぷりを発揮。
それを見た桂小太郎に勝負を挑まれるが、腐っても北斗神拳の使い手。
結果として煙にまかれていたが歴戦の戦士である桂小太郎を圧倒していた。
当然のごとく、その後も出会った相手に持ち前のフレーズを吹っかけるも、
運が悪いことに相手はフェイスレス。
いいように情報を搾り取られた挙句、「駄目な兄さん」という姿を投影され翻弄される。
ほぼ一方的にフェイスレスに腕の間接を「分解」され、線路上に放置され轢死した。
645死亡者名鑑:07/09/28 22:55 ID:WEnfEYG.
            _ ,,,...,,,__,/ _._
          ,;-'"    ((`'"_=-
        ,;'  ∠        ̄`~ヽ、
       /   ∠      '" ̄~_`_\
      /  / // //,    ヽ、ヽヾ
     /  /// / /ナメ/, ヾ、ヽ ヾヾ
   /// .r^`{|l /ァ-;-, {l | }_}_ ヾ、 〉
   // / .ヽ`| | .|.ヾ;ノ , l l/-、リl| } l/
  ////  y^ ヽ{ ~ ̄  、ヾシ/,l/}/
    '///,‐'.-. ,,ヽ、    ' /~' '
      〉~; : ; : ; :~;`‐. ..,,_~ /
     /: ; ヾ :ヾー;-:-;-:‐; :~`ゝ
    /~`'‐ :.,;_:_: : : : :_; ; ; ;ゞヽ ,,-‐、
    〈::::::::_,,..,,_ ヾ,:~:ヾヽ、   ` 、   ヽ、 , ‐、
    {:::::,'"   ~ヾ: ; : ; .ヽ     ヽ i^i l/  '}
    |.r':::::::::::.   ヽ,: : ; . ;ヽ     .〉| .レ'   }
.    |.l::::ヽ::、::.  ヽ,: : ; : ;ヽ.......::::/r'     /
    ヽ,ヽ:::::::ヽ::、  ゝ; : ; : ; l:::::::ノ/    ノ

セラス・ヴィクトリア
登場作品 <HELLSING>

「月光下」 で初登場。参戦時期は原作4巻ごろ。
その性格からゲームに乗らないことを決意するが、
ビリーズ○ートキャンプとセットのDVDプレイヤー、タコとことごとく外れ品を引く。
脱力状態で取り出した3つ目の武器はスティッキーフィンガーズ。
これを持ってワープしてきたマーティン・ジグマールに対抗するものの一歩及ばず敗れる。

余談だが、武装錬金のキャラクターにヴィクトリア・パワードという人物がいるため、
もしかしたら武藤カズキや津村斗貴子は何か関連性を見出…さないか。あっちは名前だし。
646死亡者名鑑:07/09/28 22:57 ID:WEnfEYG.
          ,___
        /゙      ` ̄ ̄`-,―ー,ハ、 _ ,--、 ,_
       l            |   ゙//:´::::|(二二,)
       ゙l \ヽ`ー―−- - |   ,iii,,ゝ:::::|(二二 )
         |    _`、_ 。 。 。.|。 。,ii,l iノ ̄ヽ(゙~l`)
        ゙l  i  ` ̄~`tーーl_,_:/:lヽ、___,/-´
         ゙|  i  ー´~l::::::::::::::::://::::_,(二)
         l  i       |::::○ ::::○::::: | ,ー´ 
           l, i   イ ゙l::::::::::::::::::::::::::|i:::|ヘー、_
         く  i   i   |:::(二)ヽ::::::::::|i:::|lノ ゙゙  `ヽ 
           ゙ゝ`i ノ ,i⌒i⌒i⌒l~ヽ i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ー、
         <´ゝ- (二| ,i  l  i , |iiニ,__i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
゙\   ,_,ー´ ̄ー ,/ /:゙ヽ,_,_,_,,ノ゙> |i:::|y  _,ー´ ̄/ 「はァァァァら゛ァァァァわ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛
  ヽ ヽ,   _-ー´,,ノ:::::::。,>`-ーー、,ゝ.|i:::|    i  ゙̄/                 たァァァァを゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛
   |ー,く (,_,ー゙ ̄´ :::::::。゚::: )/ゝ::/ ゙̄/゙|i:::|   ,i ヽ_」   ブゥゥウゥウ゛ゥゥチィィィ゛ィ゛ィ゛ィ撒゛ァァァァけェェェ
   ゙| ヾ\ \:::::::::::::::。゚:::::::::i//   / , |i:::| \i  ,l/     ろォォオォォオオォォオォォォオ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛
    ヽイ-`ヽ ゙\;:::::::::゚。::::::::。\_,/゙。  |i:::|   ヽ, l゙      フゥウリィィィィィィクゥゥウスゥゥゥゥゥッッッッッッ!!」

アレクサンド・アンデルセン
登場作品 <HELLSING>
647死亡者名鑑:07/09/28 22:57 ID:WEnfEYG.
「再生怪人アンデルセン」 で初登場。参戦時期は原作2巻ごろ。
再生能力は制限されているものの、
生身の人間とは思えない力と武装錬金「バルキリースカート」を持って悪魔と異教徒の殲滅に走る。
まずは桂ヒナギクと一緒にいた毛利小五郎を葬り、桂ヒナギクを追走するも本郷猛と遭遇。
戦闘を優勢に持ち込むも、桂ヒナギクが放ったエニグマの紙から落下してきた
ロードローラーに下半身を押しつぶされる。

この時点ではまだ致命傷に至っていなかったのだが、それ故に悲劇(?)は起きる。
下半身を再生後、彼は装備を整えようとするのだが、
バルキリースカートは『肌に密着させた方が精密性が上がる』という特性に目をつけた神父は
支給品の学ランを破り、半ズボンにしたのだ。
半ズボンの60歳近い狂気の神父と再戦闘した本郷猛の気分がどうだったかは定かではない。

戦闘は知略と手数のアレクサンド・アンデルセン、技と力の本郷猛で事は運び、
ほぼ互角だった勝負は本郷猛の限界を超えた一撃で決する。
3話しか登場しなかったとはいえ、漫画ロワ屈指の濃さを誇る人物であった。
648死亡者名鑑:07/09/28 22:59 ID:WEnfEYG.
以上、第一回放送前死亡者8名でした。
けっこう作品を知らないで書いてるものもあるので指摘などしていただけたらありがたいです。
好評ならまとめのメニューに追加を行いたいと思います。
649Classical名無しさん:07/09/28 23:19 ID:dhPOeFQM
乙!
なかなか楽しかったです。
第一回放送後も楽しみにしていますw
650Classical名無しさん:07/09/28 23:49 ID:tQK4mFoA
ごめんなさい。wiki途中まで編集したがもう寝なきゃいかんくなったので、誰か続きよ路
651Classical名無しさん:07/09/28 23:49 ID:tQK4mFoA
本当に申し訳ありません。
よろしくお願いします。
652Classical名無しさん:07/09/29 01:03 ID:BP.gwiBg
しまじろうwwwwGJ!
653 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 16:26 ID:ps1JzvQk
死亡者名鑑GJです!
最近は全話リレー感想も始まって色々と充実してきましたね。
自分も頑張ります!


それで途中報告なのですが桐山、ブラボー、散、村雨のSSは21時以降には投下できると思います。
結構長くなったのでその時良ければ支援お願いします!
654Classical名無しさん:07/09/29 16:32 ID:/moSy88w
よしきた! 待ってますよぉ!
655 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:07 ID:ps1JzvQk
お待たせしました。
途中で飽きられたらどうしようと少し心配w
投下を開始します!
656 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:07 ID:ps1JzvQk
主に白と赤の二色で彩られ、前輪の両側に明らかに異質なプロペラを、更に後部にスクリューを備え付け、車体の前部にはXと文字が刻まれたバイク――クルーザーが大地を疾走する。
本来は人間の自由のため、正義のためにXライダーを乗せ数々の激闘に身を投じた
クルーザーであるが今は正義ではなく、人類を抹殺するという『星義』を胸に秘めた一人の現代鬼――葉隠散。そしてXライダーの様な仮面ライダーになれるかもしれない一人の男――村雨良をその車体に乗せていた。

「…………散、汚水処理場を調べるんじゃなかったのか? 」
既に汚水処理場を通り過ぎて数分経った所で村雨は前方をその鋭い眼光で睨みつけながら自分の後ろに座っている散に訊ねる。
それもそのはずだ。確かに散はホテルで汚水処理場と変電所を調べたいと村雨に言い、
そのためにクルーザーは爆音を唸らせながら走っている。
だが散は先程目的の汚水処理場に着いたというのにろくに内部を調べる事もなく、
そのまま村雨に次の目的地、変電所に向かうように村雨に言いつけた。
一度散に負けた村雨に散の決定を覆す事は基本的には出来ないのでその時は黙って散の決定に従ったが、ろくに説明をして貰えないまま目的も知らずに今変電所に向かっているわけである。
村雨の思考に散の行動に対して疑問が涌くのは不自然な事ではない。

「不服か? 良よ? 」
村雨の言葉を受け、散は微笑を浮かべる。
男とも、女とも取れる様な妖しさに満ちた顔はまさに地獄に咲く一輪の薔薇と呼ぶに相応しく、村雨の首筋にしなやかにそれでいて力強さを重ね備えた右の人差し指を走らせながら散は村雨の問いに応える。

「!…………別に不満じゃない。俺は闘えれば…………それでいい」
散の温かい肌の感触を改造された肉体で感じ取り、その散の予想外の行動に多少
驚き、僅かに身体を震わせながら村雨は言葉を発する。
気を紛らわすために村雨は更にアクセルを強く踏み込み、その村雨の焦りを汲むかのようにクルーザーの速度は更に上昇していく。
そんな村雨の行動を後ろから散はさも可笑しそうに観察している。
まるで自分のペットにちょっと悪戯をして、その反応を面白がる飼い主と言った表現が
しっくりくる状況である。

657Classical名無しさん:07/09/29 22:08 ID:2YBjE09E
                  
658Classical名無しさん:07/09/29 22:08 ID:/moSy88w
  
659Classical名無しさん:07/09/29 22:09 ID:2YBjE09E
               
660 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:10 ID:ps1JzvQk
「しかし腑に落ちないのは無理もないであろう。
どうしても知りたいというなら教えてやってもよいが?」
「…………頼む」
ひとしきり村雨の反応を楽しんだ後、散が発した言葉に村雨が静かに応える。
依然、散の方向に振り返らず前を見つめたままに。

「簡単な事だ、この散と霞そして良よ。我らの力があれば最早敵はなし!
汚水処理場や変電所とやらがあろうとなかろうと我らの勝利には何も問題はあるまい。
まぁ初めの地で見た二人の大男、そして我が愚弟覚悟には少々手こずるかもしれんがな」
自信に満ちた表情で散は言葉を並べるが村雨の表情には微かに曇りが残っている。
ならば何故汚水処理場と変電所に向かうと言い出したのか?問題がなければそもそも向かう必要もないのではないか?
散の言葉に対する隠しようのない疑問がその無骨な表情に浮かぶ。
当然今、村雨はクルーザーを運転しているため散には村雨の表情を窺う事は出来ない。
だが散も村雨がこの説明で納得はしないと思っていたのだろう。
己の部下には愛を持って接する散。
己の大切な部下である村雨の疑問を浄化するため散は更に言葉を続ける。

「だが我らには人類の抹殺という目的はあるが何処かへ向かうという明確な目的の
地はあるまい。どうせ人類を抹殺するため我らも移動しなければならん。
それならば! 『ついでに』あの老人から渡されたこの地図に書かれている事が本当に確かである事かだけを確認していくのも一興であろう! 」
あくまでも『ついでに』とあっけらかんに散は村雨に言い放つ。
身を休める事や、隠れ家として敵からの発見を妨害する事など様々な用途に利用する事
が出来る施設の存在。
これらの施設の利点など散の意には全く介さず、せいぜい身を清めるために先程のホテルの存在だけが辛うじて散の興味を惹いているだけだろう。
その理由はやはり自分たちの圧倒的な力から湧き起こる自信によるもの。
散の自信はそれほどまでにも強大であった。
661 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:11 ID:ps1JzvQk
「成程…………そういう事なら先を急ごう」
散の返答に頷き、村雨の心に生まれた疑問は急速に溶かされていく。
確かに散の言う通り自分達の力ならばどんな事でも何故かやり遂げる事が出来ると
自信を持ってしまう。
これも散の成せる業なのだろうか?
そんな事を思っているとふと思い出したかのようにある考えが村雨の脳裏を過ぎる。

(人類の抹殺か…………あの女はきっと…………泣くだろうな)
このバトルロワイアルに連れてこられる前、自分が人を殺すたびに目の前に現れ何も言わずに只泣いていた名前も知らない女。
どこか懐かしく、そして自分の事を知っていそうな女の存在を思い出す。

(また…………会えるといいのだがな)
村雨の淡い希望を乗せながらクルーザーはまもなくエリアA-8とエリアB-8の境界に
到達しようとしている。
目指すは変電所の確認…………決戦の時は刻一刻と確実に近づいていた。
◇  ◆  ◇
662Classical名無しさん:07/09/29 22:11 ID:/moSy88w
        
663Classical名無しさん:07/09/29 22:11 ID:2YBjE09E
                
664 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:12 ID:ps1JzvQk
エリアA-8に存在する変電所。
その変電所一階の北東に位置する警備員室。
そこに錬金戦団戦士長を務める男――防人衛ことキャプテン・ブラボーが腕を組み、
窓の外に目をやりながら警備員室の備品である椅子に座っている。
そしてブラボーの正面数メートル先に位置するドアの傍に黒い学生服を見事に着こなし、オールバックの少年――桐山和雄が椅子に座りながら眼を閉じて眠っている。
劉鳳が平賀才人を保護し、連れて帰ってくるまで特にする事がない二人は本来人間の活動に必要不可欠な睡眠の時間を設ける事にした。
そして今は年下の桐山が先に睡眠を取っていた。

(確かに桐山は若いわりに良く頭が回り、カズキとはまた違った意味で頼りになる男だ。
だが……この男の表情には変化が見られない)
ちらりと視線を眠っている桐山の方に向け
先程のとても中学生とは思えない冷静さ、そして考察。
桐山の話に思わず感心してしまったがブラボーは桐山の表情に全く変化がない事に違和感を生じた。
思えば会った時から目線が上の空というか生気を感じる事が出来ない。
大人の立場から言わせて貰えば多感な時期である中学生がこんな事では将来が不安になる。

(まぁ年上の俺に対して緊張感があるだけかもしれないな。
年齢が近いカズキや斗貴子と会えば何らかの変化があるかもしれん…………ふっ、やはりいいもんだ。若いやつの成長を見守っていくのは)
あまりに呑気な事を考えている自分に対して思わず苦笑を漏らしながらも再びブラボーは窓の外に眼をやる。
劉鳳達ではなく危険人物がいつ此処にやって来てもおかしくない状況に警戒を怠る程
戦士として堕落してはいない。
そう思いながら窓の外を見つめていたブラボーは距離が若干離れすぎているが
奇妙なバイクに乗った二人組が此方に向かってくるのを発見する。
665Classical名無しさん:07/09/29 22:13 ID:/moSy88w
                 
666 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:13 ID:ps1JzvQk
(よく見えないが服装からして劉鳳達じゃない。
しかし彼らはホテルの方角から来ている…………一応情報を集めておくか)
無論危険人物である可能性もある。
だが、あまりにも遅い劉鳳達の到着が気にかかりブラボーはバイクに乗った二人組み
と接触するべく桐山を起こさないように静かにドアを開け、変電所の出口へ
駆けていく。
この状況を一言で……古代ローマで使われた言葉で言うならば……『さいは投げられた』……そう言うのが相応しいだろう。
◇  ◆  ◇
667Classical名無しさん:07/09/29 22:14 ID:8WBWlsMA
668 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:14 ID:ps1JzvQk
「散……前方に一人。どうする?」
「我らの目的は人類の抹殺! ならば抹殺あるのみ! まぁ良のように見所がある者であれば考えてやってもよいな」
「わかった」
村雨と散は前方に見える変電所から真っ白なコートを纏った人物が此方に向かってくる事を確認する。
変電所の確認が出来た二人には最早変電所は風景の一部でしかない。
今二人の興味を引き立たせる存在は前方の人物のみ。
クルーザーを道の途中に停車させ、二人は大地をその両足で踏みしめ真っ直ぐもう数メートル先に居る人物の方角へ向かう。

「……悪いが劉鳳、そして平賀才人という男を知らないか? 」
先に口を開いたのはブラボー。だが彼の表情は暗雲のように暗い。
何故なら目の前の二人男女が醸し出す闘気は尋常ではなく、更に戦士としての本能が
自分にしきりに警告を発していた。
この二人は危険だ!そんな事を何度も。
何故自分がそう感じるかはわからない。しかし決して無視出来るレベルではない警告にブラボーは警戒を強めていた。

「人にものを訊ねる時は名くらい名乗るのが礼であろう」
ブラボーの問いには何も応えず散は両腕を組みながら逆にブラボーの名を訊ねる。
実際、礼の問題どうこうよりも散は純粋にブラボーの名に興味があった。
これから自分と死合を行う相手を知るために。

「……キャプテン・ブラボーだ」
「ふむ! なかなか良い名だ。この散も『ブラボー散』と名乗る事はまた一興かもしれん」全く正反対の表情でブラボーと散は言葉を交わす。
ブラボーの表情は暗く、散の表情は明るいといったように。
特にブラボーの表情は更に険しいものになっていた。
いつもなら自分のブラボーな名を理解した人間が居たという事に喜びを感じる所だが
流石にそんな事が思える状況ではないからだ。
自分がこれほどまでにも警戒を露わにしているのに目の前の散という女の反応は何かがずれている。それゆえ油断ならない存在だとブラボーは認識する。
669Classical名無しさん:07/09/29 22:14 ID:/moSy88w
          
670Classical名無しさん:07/09/29 22:14 ID:2YBjE09E
               
                   
671Classical名無しさん:07/09/29 22:15 ID:2YBjE09E
           
672 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:15 ID:ps1JzvQk
「名前は名乗った。今度こそ知っている事があったら教えてくれ」
再び自分の質問をブラボーは散に催促する。
そしてブラボーの言葉を受けた散は…………笑っていた。

「知っておるぞ……まぁ才人を護る事が出来なかったあの男の名が劉鳳とは知らなかったがな」

散の言葉を受けてブラボーの脳に衝撃が走る。
(劉鳳が護れなかっただと……?才人という少年は……死んだというのか? )
最悪の結果を想像し、ブラボーの奇妙な帽子で隠れている表情は更に重みを増していき……その表情は紛れもない怒りと移り変わる。

「……誰がやった? 」
静かに、だがそれでいてはっきりと怒りを乗せた言葉をブラボーは散にぶつけ――
「そこに居る良という男だ。なぁ?良よ? 」
ブラボーの言葉に篭った怒りという感情など全く気にも留めず散は村雨に向かって
同意を求める。
そしてブラボーの視界にコクリと散の言葉に頷き、桐山と同じように何も感情が
宿っていないような表情を持つ村雨が入ってくる。
この男が才人という少年を?まだこれから先楽しい事や、苦しい事を乗り越え未来を
手にする事が出来た少年を?
そこまで考えた所でブラボーの体は突然姿を消した……否、跳躍した。
村雨に向かって一直線に――――
「流星!ブラボー脚!!! 」
己の怒り……そして絶やす事はできない『正義』を叩き込んだ。
673 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:16 ID:ps1JzvQk
「っ!貴様は!? 」
先程まで村雨が居た位置の大地は抉れ、そしてブラボーが驚きの表情を浮かべている。
そしてそのブラボーの視線の先には……赤と白、そして黒の三色で彩られた屈強な身体。
緑の複眼を持つ異形な存在――ZXが悠然と立っていた。

「そうだ俺は人間じゃない……見せてみろ!キサマの――」
「そこまでだ!良よ! 」
今にもブラボーに飛び掛りそうなZXの発する言葉を散はZXに対して背中を向け、右腕を
天に掲げたまま強引に中断させる。

「その身のこなし! そして徒手空拳の技術! まさにこの散の相手に相応しい!
お前の相手はこの散がやってやろう!」
そういい終わるや否や散は瞬着を完了させ――――一輪の薔薇がこのバトルロワイアルという地獄に再び咲き乱れる。
散が霞を一瞬のうちに着装した事に驚き、思わず動きが止まったブラボーに容赦なく
散の身体の回転を存分に利用した左足での回し蹴りが直撃。
即座にブラボーは防御の体勢をとるがあまりの勢いに数メートル後方に位置する変電所の壁に激突する。

「よって手出しは無用! わかったな良よ? そして……そこに隠れている小僧よ! 」
右の人差し指を壁に打ち付けられたブラボーの方に……いや、僅かに左に位置する変電所の出口の方を指差し散は声高らかに言い放つ。
そして散、ブラボー、ZXの三人の視線が出口に注目する中、この一連の騒ぎの最後の
役者……桐山和雄が支給されたレミントンM31を携えながら現れた。
674 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:16 ID:ps1JzvQk
「何をやっている桐山! 何故出てきた! 」
「…………それはこっちの台詞だ」
素早く体制を整えなおしたブラボーの言葉を軽く受け流し桐山は状況を整理する。
実は言うと何か物音がし、眼を覚ました所ブラボーが外で二人組の男と話していたのを
警備員室から見かけ、万が一のために銃を持って桐山は出口に着いたばかりであった所を
散に指名され今こうして外に出ているわけである。
完全には状況を掴めないが劉鳳とは違い自分からいざこざを起こさないと考えられるブラボーの性格を考慮して桐山は散とZXを敵と断定――
レミントンの引き金を引く。

恐ろしい速度で散に向けて撃ち出される銃弾。
だが散は……一歩も動く事無く霞の外殻で受け止め、何も効いている様子は見られなかった。
これには桐山も口を微かに開け、散の方向一点だけを見つめていた。

「この散に刃向うという意気はよし! だがこれ以上刃向かうというのならば……良よ! 」
その散の言葉を受け、ZXは両膝に内蔵された衝撃集中爆弾を取り出しそれをブラボーと桐山に見せ付ける。
勿論それが何かは二人にはわからない。
だが自分達にとって都合の悪いものであるとは予想は付き、恐らく爆弾の類だろうと推測する。
そうでなければこの状況で出す理由が見当たらない。

「わかった…………ブラボー。悪いが…………任せる」
もしかして只のブラフかもしれない。
しかし今の手持ちで最高の武器であるこの銃が効かない今自分に出来る事はないだろう。
ならばここでリスクを犯してまでも自分は手を出すべきではない。
劉鳳達が救援にくるまで桐山はこの場をブラボーに任せる事にした。
675Classical名無しさん:07/09/29 22:17 ID:8WBWlsMA
676 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:17 ID:ps1JzvQk
「任せろ桐山。俺もお前に闘わせる事はさせん!
闘うのは……このキャプテン・ブラボーの役目だ!!! 」
そう叫び、ブラボーは散に向かって突撃し再び闘いに身を投じていく。

「ふふん!そうこなくてはな! 」
対する散も嬉しそうにブラボーに向かって疾走する。
そして散のすぐ傍に居たZXは衝撃集中爆弾を掲げたままどこか物足りない様子だった。
まるで大好きな玩具を取り上げられた子供のように……。

「はあぁぁぁっっっ!」
体重を乗せたブラボーの右ストレートが強化外骨格霞によって覆われた散の顔面に
向かって撃ち出される。
だがブラボーは手応えを全く感じない。
それもそのはず、ブラボーの右の拳は散が即座に体を屈めた事によりどこまでも
広がる大気の一部分を揺らす事しか出来なかったからだ。

「覇ーーーっ!」
ブラボーに接近した散がその柔軟な動きを利用して仕掛ける。
左足を軸にして大地を踏みしめ、空いた右足を華麗にブラボーの鳩尾に向かって突き出す。
その右足がブラボーの身体を貫こうとする瞬間、身体の軸をずらす事でなんとかブラボーは散の右足の脅威を回避。
そして散が自分の横を通り過ぎていく中で両腕を自分の腰の高さまで落とし――
「そこだ!粉砕!ブラボラッシュ!!! 」
数々の激闘の中で鍛え抜かれたその両腕を高速で前後に移動させ、同時に両の拳に
力を込めまるで流星のように無数の拳が散の全身に叩き込まれるが……霞の外殻を一瞬だけへこませただけで散の肉体に傷を付ける事は叶わなかった。
677Classical名無しさん:07/09/29 22:17 ID:/moSy88w
            
678Classical名無しさん:07/09/29 22:18 ID:2YBjE09E
                 
679 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:18 ID:ps1JzvQk
「何ぃ!」
「ふっ!霞を甘く見るでない! 」
例え首輪の制限により強度は脆くなっているといえども強化外骨格霞の装甲は展性チタン合金。
ダイヤモンドよりも硬く、どんな衝撃を受けても金属では考えられない展性により衝撃を分散する性質を持つ展性チタン。
シルバースキンがないキャプテン・ブラボーにとって霞を撃ち破るのは途方もなく困難なことであった。
そして攻防は表裏一体……散がこのまま黙っているわけはない。

「それ!こんどはこの散の技を受けてもらうぞ! 」
そう言って散は大地を蹴り跳躍、更に――
「超旋回! 」
空中で自動車の車輪のように縦の方向に高速で散は回転を開始する。
散の奇妙な動きに再びブラボーの戦士としての本能が警鐘を鳴らす。
回避するか!? それとも受け流すか!? 己の次の行動をブラボーは思案する。
だが……当然散は待ってくれない

「千脚!!! 」
地上と較べて不安定な体勢を取らざるを得ない空中で僅か0,07秒間の内に9撃という常識ではあり得ない連続蹴りを繰り出す千脚がブラボーの身体を容赦なく襲う。
咄嗟に避わす事は己の両腕で受け流す事を決めたブラボーはホムンクルスの激闘で培った類まれな身体能力を駆使し、散の千脚に立ち向かうが……。

「ぐはぁ!」
シルバースキンを模したコートにブラボーの口から吐き出された赤い血痕が滲む。
流石のブラボーも千脚の尋常ではない速度を見切る事は出来ず、僅か1、2撃の散の蹴りを防ぐことしか叶わなかった。
680 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:19 ID:ps1JzvQk
「どうした!?おまえのその奇妙な服は見かけだおしか!? 」
ブラボーの身体に千脚を喰らわせたそのままの勢いでブラボーの頭上を飛び越え、
優雅に大地に着地して思わず膝をついてしまったブラボーの方を振り向きながら散は
言い放つ。

「確かにこれはシルバースキンを真似た只のコートだ……だが!ここで諦める俺じゃない!錬金の戦士をなめるな! 」
大地についた膝を手の平で叩き、ブラボーは己を奮い立たせ散の方へ向き直る。
ブラボーの両眼には未だ絶望の二文字は存在しない。
だが逆にブラボーの言葉を受け、散の両眼には絶望ではなく落胆という二文字があった。
だがその二文字もすぐ消え去る事になる。

「シルバースキンとやらが無ければ全力が出せんか!よいだろう!ならばこの散も! 」
そういって散は霞の装着を解除、代わりに零式鉄球聖衣形態を身に纏い更に言葉を続ける。

「これでお互い全力は出せまい!勝利が決まっている死合などはこの散には意味なきことよ! 」
右腕を水平に横に伸ばし、マントをたなびかせながら左腕を天に向けて真っ直ぐ右腕と
同じように伸ばす――零式防衛術天地の構えを取りブラボーと対峙する。
散の表情は実に生き生きとして精気溢れるものである。
そしてその散と向き合っているブラボーは……帽子を後方に投げ捨て、シルバースキンを
模したコートの襟を勢い良く下ろす。

「あまり同じ事は二度も言いたくないが…………錬金の戦士をなめるなぁぁぁ!!! 」
顔一色を激情に染め、ブラボーが咆哮をあげる。
あからさまな散の自分に対する手加減にブラボーの戦士としてのプライドに火がつく。
ブラボーも武藤カズキや劉鳳と同じでどちらかというと理屈より感情で動くタイプであり、
散もまた同じタイプである。
ならばこの二人が取る行動は当然――
「いくぞ!!! 」 「逝くぞ!!! 」
目の前の相手を打ち倒すことしかない。
681Classical名無しさん:07/09/29 22:19 ID:2YBjE09E
                        
682 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:19 ID:ps1JzvQk
ブラボーと散が熾烈な闘いを繰り広げる中、村雨は目の前で起きている激闘を凝視している。
先程の劉鳳という男とは違い散と闘っているブラボーという男は特に奇妙な能力はなく、只の人間のようだ。
だが、散が霞という鎧を着けていないとはいえ未だ散と闘っている事から相当の実力者だと村雨はその頭脳で認識する。

(……闘いたい)
あまりに簡潔な言葉で表現出来る村雨の感情。
闘うことで何かを思い出せる気がしてならないZXにとっては無視できない程重要なものである。
しかし今、ZXの感情には闘争への欲求という感情の他に興味という感情も見え隠れしていた。
その対象は変電所の出口の傍で村雨と同じような眼で、表情でブラボーと散の激闘を眺めている桐山である。

(似ている……俺と)
この身体に改造される前の記憶が全くなく、文字通り空っぽの存在であるZX。
そんな彼は表情を一切変えずに、眼の焦点はどこか定まらず常にうわの空を向いていて、感情のようなものが何も感じられなく自分と同じ、まるでマシーンそのものであるかのような存在である桐山に妙な親近感が涌いていた。
キサマも俺と同じで記憶がないのか?俺達はどうしたらいい?どうすれば記憶を取り戻せられる?
思わずそんな事を問い掛けたい程桐山の全ては自分に似ている錯覚にZXは陥る。
◇  ◆  ◇
683Classical名無しさん:07/09/29 22:20 ID:8WBWlsMA
684Classical名無しさん:07/09/29 22:20 ID:/moSy88w
    
685 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:21 ID:ps1JzvQk
ZXがそんな事を考えている内にブラボーと散の激闘は続いていた。
片方が片方を殴ればその片方が殴る、もしくは蹴り返す。
そして片方が片方の拳や蹴りを避わしたと思えば、その避わした方が瞬時に反撃。
そんないつまでも終る事がなく、激しい攻防をブラボーと散は繰り返す。
だが勝負の勝敗は一瞬で決まるもの……実力者同士であるならば尚更だ。

「ふふん! この散相手によくぞここまで! だが最後に勝つのはこの散だ!」
ブラボーとの闘いで生まれた若干の疲労を全く気に止めず散は目の前で自分と闘っているブラボーに言い放ち、散は一瞬の動作でブラボーと距離を更に詰め、自分の身体を一気に落とす。

「何! 」
今まで上半身への攻撃しか行ってこなかった散の突然の下方への動作。
ブラボーが驚いた時にはもう遅い。
ブラボーの両足を散は素早く己の足で払う。
支える力を失ったブラボーの身体は一瞬宙に浮かざるを得なくなるが……散にとっては充分すぎる一瞬。
そのまま散は己の身体を回転……その回転により生まれた遠心力を使い、振り向きざまに左足を天高く掲げながら宙に浮いたブラボーの胸に叩き込む。

「くっ! 」
とっさに両腕を交差してブラボーは散の強烈な左蹴りの衝撃を抑えるが後方へ吹き飛ばされる……そこに散の狙いはあった。

「そこだ!千手攪乱撃! 」
宙に浮いたブラボーの身体に高速で繰り出すことにより発生した散の無数の掌が襲う。
空中で懸命に両腕を揮い、散の無数の掌をブラボーは防いでいくが……ついに一つの掌がブラボーの身体を捕らえた。
その瞬間散の口角が上がり、散の表情には歓喜の色が見えた。

「さぁ野に漂う醜い蛾のように飛んで逝け! キャプテン・ブラボーよ!弾!!! 」
散がそう叫んだ瞬間ブラボーの身体が縦に、横に、あらゆる方向に回転。
最早常識では有り得ないような回転をしながらブラボーの身体は弾き飛ばされ、再びしたたかにブラボーは背中から変電所の壁に叩きつけられる。
そしてその好機を見逃すことは散がしないはずはない
左螺旋の構えを取り散は声高らかに叫ぶ。
686 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:21 ID:ps1JzvQk
「最後はこれだ! 螺螺螺! 」
弾き飛ばされたブラボーに向かって散は加速。
大地力を深く腰を落とすことで手に入れ、ひねりをくわえつつ足の裏から腕に伝達し、弓をいるかのように捻りを開放しながら蓄えた力を己の掌を相手に密着させる。
そして相手の体内に爆発させた力を流し込む事で相手の内臓に衝撃を与え大蛇のようにのたうちまわらせる零式防衛術打撃系必滅技螺旋を散は繰り出そうとする。
最早ブラボーと散の距離はそう離れたものではなかった。
散がブラボーに向かって左腕を繰り出す。

だがそれを――
「待て…………」
一人の男の声が遮り、その声の主以外の者全員が各々の行動を止め、その主に視線を移す。

「何用だ? 確かお前は……」
散が左腕を伸ばしながら、その声の主に向かって訝しげに問う。
その声の主は――
「桐山…………桐山和雄だ…………」
感情といった感情は込めていないが、力強い口調で声の主……桐山ははっきりと散の言葉に応える。

「ふん! お前はこのキャプテン・ブラボーとの死合が終わってから抹殺してやろう」
「……そうだ。桐山!俺に任せろ……」
先程自分に銃弾を浴びせてきた桐山に対して散は確固とした『弱者』という認識だったため桐山も言葉をあしらう。
その理由は自分に向けて銃を使った事。
腕に自信があるならば銃に頼ることもないからだ。
対してブラボーは純粋に桐山を危険に晒したくないという強い意志から言葉を発した。
そしてZXは桐山の行動を注意深く観察している。
まるでもう一人の自分を見ているかのように。
そして三人の視線が未だ集まる中桐山は再び言葉を発する。
687Classical名無しさん:07/09/29 22:22 ID:2YBjE09E
                      
688Classical名無しさん:07/09/29 22:22 ID:/moSy88w
  
689 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:23 ID:ps1JzvQk
「どうせ闘うのなら…………強い方が良いだろう? 」
桐山の意味不明な言葉に三人の表情が歪む。
そしてそれは……
「「「何!!! 」」」
驚きに変わった。

「…………俺が相手になる…………」
レミントンを放り捨て、右腕を水平に横に伸ばし、左腕を天に向けて真っ直ぐ右腕と同じように伸ばす――零式防衛術天地の構え。
先程散がやったように桐山が構えを取ったからだ。
目の前の只の人間が己の零式防衛術を形だけとはいえ短時間で真似た。
その有り得ない事実に散の思考は思わず停止してしまう。
そしてその僅かな時間に桐山は大地を蹴り跳躍し――
「…………」
蹴りの速度は散のものに較べて段違いに遅いが僅かな時間で無数の蹴りを繰り出す
千脚を桐山は繰り出し、その全てが散の身体に吸い込まれるように撃ち込まれていった。
先程の散のように千脚の勢いがついたまま桐山は散の後方へ着地。
悠然と散の方をその何も宿っていない両眼で見つめる。
そして桐山の全ての蹴りを受けた散の表情は……怒り一色に染まっていた。
「零式防衛術を真似るとは……ど許さぬ!お前はこの天上天我零式防衛術葉隠散が必ずや
地獄へ叩き落してくれる!!! ]
「…………勝負だ」
新たな闘いが今巻き起こり、散と桐山は互いに接近する。
「俺を忘れるな散!……くっ! 貴様!? 」
「邪魔をするな…………これは散と桐山の闘いだ」
散と桐山の闘いに介入しようとしたブラボーをいつの間にか近寄っていたZXがブラボーの身体を羽交い絞めにし、動きを殺す。
別に散に言われたわけではないがZXは咄嗟に動いた。
それはZXさえも理由はわからない。
只この闘いを見届けたかっただろう……自分と近い存在である桐山の闘いを。
そしてブラボーとZXを置いて散と桐山の闘いは始まった。
◇  ◆  ◇
690 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:23 ID:ps1JzvQk
桐山和雄は幼い頃から俗に言う『天才』だった。
どんな事でも直ぐにコツを掴み、その道に数年を費やしてきた達人と同じ領域に達する事など普通は有り得ないだろう。
だが桐山は出来た。
それが桐山和雄だ。
しかし――
「どうした!? やはり所詮盗人か!? 」
耐え難い怒りを表しながら散の拳、蹴、掌が桐山の全身を容赦なく襲う。

「…………」
対して桐山も先程ブラボーと散がやっていたように拳、蹴、掌を放つが散の身体には全く当たらず、逆に殆どの散の打撃を貰っていた。
全ての格闘術を凌駕した最終格闘技零式防衛術……流石にこれを短時間で完全に習得するのは桐山には到底無理な事だった。

「まだまだこの散の怒りは収まらん! 簡単には死なせんぞ! 」
更に桐山の全身に散は打撃を与える。
自分の怒りを発散させるため即死させず、ジワジワと桐山の命の灯を削っていく。
やがて桐山の口から赤い鮮血が大地に向かって流れ落ちた。

「桐山! 」
ZXの身体から必死に逃れようとしながらブラボーは叫ぶ。
だが散との闘いで疲弊した身体は鉛のように重く、ZXの改造手術によって与えられた驚異的な力が遮る。

「…………」
そしてZXは一言も喋らず只桐山が散に叩きのめされるのを見つめている。
(やはり俺達のような何もない者が散に勝つのは無理か…………)
どこか残念がった様子でZXは心の中で思う。
桐山は自分の味方、散の敵であるというのに。
691Classical名無しさん:07/09/29 22:23 ID:/moSy88w
        
692Classical名無しさん:07/09/29 22:24 ID:2YBjE09E
                         
693Classical名無しさん:07/09/29 22:24 ID:8WBWlsMA
694 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:24 ID:ps1JzvQk
「…………! 」
遂に桐山の膝が大地に屈し、桐山の身体が崩れ落ちる。
だが散は容赦なく崩れ落ちた桐山の鳩尾に鋭い蹴りを叩き込む。
赤い飛沫が桐山の口から放たれ、散の蹴りの反動で桐山の身体が仰向けの体勢になる。
全身に力を入れ、桐山は表情を変えずに立ち上がろうとするが首根っこを散の右腕に掴まれる。
そしてそのまま散はまるでゴミを捨てるかのように片手で桐山を軽々と投げ飛ばした。

「そろそろ地獄に真逆様よ桐山! 螺螺螺! 」
遂に先程ブラボーに放とうとした、劉鳳の絶影を粉砕した技――螺旋を繰り出すべく散は左螺旋の構えを取り、桐山にむかって突撃する。
既に満身創痍の身体である桐山に螺旋を防ぐ手は……ない。

「くっ!……うおおおぉぉぉっっっ!!! 」
ブラボーがありったけの叫びを上げ、渾身の力でZXの身体を振りほどき、強烈な打ちをZXの脇腹に叩き込み、桐山を救うべく一心不乱に駆け出す。
ブラボーの後ろではZXが呆然と立ちすくみながら事の成り行きを見守っているが最早そんな事は彼の頭からとっくに抜けている。
一秒でも早く、桐山の元に向かい彼を助ける。
その事のみがブラボーの身体を突き動かしている。
だが散が桐山を投げ飛ばした事でブラボーと桐山の距離は近くない。

(俺は今度こそブラボーな……ブラボーな仲間を死なせはせん! そう誓ったはずだ!!! )
ブラボーと散がその胸に宿る意思は違えども、同じように別の方向から桐山に近づく。
そして――
「桐山ぁぁぁぁっっっーーーーー!!! 」
「螺旋――――――――――――!!! 」
二つの声が激突した。
◇  ◆  ◇
695Classical名無しさん:07/09/29 22:25 ID:/moSy88w
                         
696 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:26 ID:ps1JzvQk
エリアA-7をクルーザーが走る。
運転するのは変身を解いた村雨、そして後部座席には零式鉄球聖衣形態を纏った散が座っている。
「いいのか?…………あの男を殺さなくて?
「よい。奴はもう闘えん。それに死合というのは互いに全力でやるもの。
キャプテン・ブラボーがシルバースキンとやらを手に入れるまでお預けだ」
村雨の質問に散がいつもと変わらない様子で応える。

「そうか…………」
村雨もいつものように短く応えクルーザーを更に走らせる。
だがここからはいつものようには行かなかった。
しばらくクルーザーを走らせた後、急に村雨はブレーキを踏んだ。

「どうした?良よ? 」
当然涌きこる疑問を散は村雨に問う。
その疑問に良は背中を向けたまま散の疑問に応える。

「散…………俺は一人で行動したい」
「……劉鳳やキャプテン・ブラボー、桐山の影響か?良よ? 」
どこか村雨の言いたい事が予めわかっていたかのようで、それでいて呆れた様子で散は村雨の真意を訊ねる。

「そうだ…………特に桐山は俺に似ていた。
空っぽで…………何もない。このバトルロワイアルには様々なやつが居る。
ならばそんなやつらと闘い続ければ…………俺の記憶が……」
先程の散とブラボー、桐山との闘いを見たことに最高まで高められた闘いへの欲求。
散と二人では先程のように見てるだけになる時もある。
そんな事はもう村雨には耐えられない事だった。
697Classical名無しさん:07/09/29 22:26 ID:qRE0.WKE
698Classical名無しさん:07/09/29 22:26 ID:8WBWlsMA
699 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:27 ID:ps1JzvQk
「そうか……よかろう良よ!ただし条件がある! 」
背中越しから村雨の強い決意を感じ取り、そう言って散はクルーザーから飛び降り、自分の地図と村雨の地図を広げる。

「ではこの散が西を、良が東の施設の有無を調べる。
そして今から半日……十二時間後に丁度中心となるこのエリアD-4の消防署とやらで落ち合う事でよいな? この散はお前の記憶を取り戻すと誓ったのだ! このぐらいは我慢してもらうぞ! 」
そう言って散は村雨の地図を渡し、足早に北に向かう。
全く振り返らずに。

「すまん散…………必ず十二時間後に」
そういって地図をズボンのポケットに仕舞い、村雨はクルーザーを東に向けて走り出させる。
当ての無い自分の記憶を求めて。

しばらく歩いたところで散は後ろを振り向く。
クルーザーがどんどん小さくなっていくのを散はその両眼で視覚する。
やがて誰に言うわけでもなく散は言葉を発する。
「良よ……この散の心は風。何事にも流されずただ吹きぬけてゆくだけ!
お前の記憶が戻り、もしこの散の星義を邪魔する事があるなら私は容赦しない。
お前の進む道はその両の足で踏みしめ、そしてお前の意志で決めよ……村雨良! 」
そう言って散は再び歩き出す。
その散の表情はまるで子供の旅立ちを見送る親のようなものであった。
◇  ◆  ◇
700Classical名無しさん:07/09/29 22:27 ID:/moSy88w
     
701Classical名無しさん:07/09/29 22:27 ID:2YBjE09E
                 
702 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:27 ID:ps1JzvQk
エリアA-8の変電所の前でキャプテン・ブラボーが仰向けに倒れ、果てしなく広がる大空に顔を向けている桐山の傍に座り込んでいる。
そして桐山の口元には赤々しく、とてもグロテスクな……人の内臓が横たわっていた。

「すまん桐山……俺は……」
桐山が散の螺旋を腹部に受けた瞬間、ブラボーの戦意は喪失した。
戦士としては有るまじき行為であるが桐山は錬金の戦士ではなく、只の中学生でしかも自分のせいでやられたようなものだ。
人一倍子供が死ぬ事を嫌うブラボーは桐山を治療する事しか頭には無く、散が桐山に螺旋を放った後
『さぁ! 次はお前の番よ! 』
と自分にいった言葉には何も反応せずに直ぐに桐山の元へ向かった。
それほどまでにもブラボーは桐山の受けた傷の方が心配だったからだ。
そして桐山の口から……彼の体内に存在していた内臓が顔を見せた瞬間……ブラボーの慟哭が周囲に響き渡り、そのブラボーを見て散とZXは最早ブラボーが闘えないと判断し、
クルーザーに跨り北へ疾走した。

大粒の涙を落としながら必死にブラボーは謝る。
今までホムンクルスとの激闘で部下や仲間が死ぬのは何度も見てきたブラボーであったが
やはり彼は自分たちとは違う一般人……特に子供が目の前で死ぬのには慣れなかった。
まだ桐山とは交流は深くなかったが彼もブラボーの保護対象の一人であることには変わりない。
いくら謝っても今更意味がない。
そう思うが自分自身の不甲斐無さ、そして桐山への絶え間ない罪悪感にブラボーは謝れずにはいられなかった。
703Classical名無しさん:07/09/29 22:28 ID:8WBWlsMA
704Classical名無しさん:07/09/29 22:28 ID:8WBWlsMA
705Classical名無しさん:07/09/29 22:28 ID:/moSy88w
            
706Classical名無しさん:07/09/29 22:29 ID:qRE0.WKE
707Classical名無しさん:07/09/29 22:29 ID:XjOZeaA2
何だか知らんがとにかく支援
708 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:29 ID:ps1JzvQk
「…………これで……いい」
そんな時桐山が呻く。
依然表情は変わらないがはっきりと解かる程苦しそうに口を動かす。
だがその言葉の意味はブラボーにはわからない。
「ばかな!こんなことになっていいわけがないだろう! 」
思わず桐山に向かってブラボーは荒々しく怒鳴るが、桐山は全く動じない。
いや、もう動じる力も残されていないのだろう。
だが桐山は構わず話を続ける。

「お前には…………シルバースキンという…………武器があるんだろう?
なら…………お前は死んではならない…………シルバースキンを手に入れ…………このプログラムを潰せ…………」
「なっ!……そのためにお前は自分の身を挺して俺の代わりに闘ったのか!? 」
桐山の言葉に驚愕の表情を浮かべ、ブラボーは叫ぶ。
途中プログラムという聞きなれない単語が飛び出てきたがそんな事は関係ない。
自分のような錬金の戦士と違い、闘いとは無縁の存在である桐山の口からそんな言葉が出るとは夢にも思わなかったからだ。
更に桐山の言葉は続く。

「当然だ…………俺はこのプログラムを潰すと…………決めた。
なら俺よりお前の方が…………生き残る事で…………潰す確率が上がるならば…………やらない……理由はな……い…………」
とてもゆっくりと、淡々と桐山は自分の意思をブラボーに伝える。
瞬きは殆どせず、瞼を一定の間隔で開け、やはり表情は変えずに。
「桐山……お前にはいつも驚かさせられる……絶対にお前を死なせはせん!
お前のその覚悟……ここで朽ちるべきじゃない!!! 」
実際には桐山の覚悟は只のコイントスで決めたわけだがそんな事をブラボーが知るわけも無く、まさかそんな理由で桐山が動いていたとは想像も出来ない。
己の身体を省みずこの殺し合いを潰すために闘った桐山にブラボーは感嘆を覚え、何かに使えると思い警備員室から水を持ってこようと即座に立ち上がるが――

「これを…………持っていけ…………きっと役にた…………つ」
桐山のその言葉にブラボーの動きは止まる。
そしてブラボーの視界にヌルヌルとした液体に塗れたDISC――空条承太郎の記憶DISCを桐山が震える腕で差し出しているのが入ってくる。
散の螺旋を受けた事で偶然にもDISCは体外に飛ばされていた。
709 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:30 ID:ps1JzvQk
「それはお前が持っていろ桐山。お前と頭で張り合っては分が悪いからな」
少し自虐的に言ってブラボーは再び立ち上がろうとするが……桐山の腕が力なく大地に落ちた。
その目の前で起きた現実にブラボーは思わず身体を硬直させる。
そして――
「ブラ…………ボー………………つぶ………せ…………」
数に直したらとても短い言葉。
だがそれでいてブラボーにとっては永遠のように長く感じた言葉。
螺旋を受けてここまで命を保つことが出来たのは一種の奇跡と言えるだろう。

「なっ!…………ううう――」
だが誰一人としてその奇跡を喜ぶ者は居ない。
そんな事は当たり前だ。
「うううおおおおおあああぁぁぁぁっっっ!!!!! 」
コイントスで己の決意を固め、これといった異能は持ち合わせず、人外の者と臆せず最後まで闘った数奇な運命を辿った男――桐山和雄がこれまた最後まで安らかでもなく、苦痛に塗れたわけでなく、何も感じられない程の無心の表情で永眠した。

エリアA-8の変電所前でブラボーの慟哭が続く。
その慟哭は…………まだ終わりそうに無い。
710Classical名無しさん:07/09/29 22:30 ID:8WBWlsMA
711 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:30 ID:ps1JzvQk
桐山和雄@バトルロワイアル;死亡】

【A-8 変電所前/1日目 昼】
【防人衛@武装錬金】
[状態]:深い後悔、疲労大、全身、特に背中にダメージ有り
[装備]:シルバースキン形コート@武装錬金
[道具]:支給品一式、スタングレネード×2、色々と記入された名簿、空条承太郎の記憶DISC
@ジョジョの奇妙な冒険
[思考・状況]
基本:弱い者を守る
1:第二回放送を聞く。
2:劉鳳を待つ
3:散と村雨を追いかけ、決着を付ける
4:錬金の戦士・パピヨン・カズマ・シェリス・三村・川田、核鉄を探す。
5:勇次郎・拳王・ジグマール・DIOには警戒。
6:桐山の意思を受け継ぎ、DISCについて考察する

[備考]
※名簿に青い丸印が付けられているのは、
カズマ・劉鳳・シェリス・桐山・杉村・三村・川田・才人・ルイズ・防人・カズキ・斗貴子
赤い丸印が付けられているのは、ジグマール・DIO・アーカード
緑色の丸印が付けられているのは、蝶野
※2と3、どちらを優先させるかは後の書き手さんにお任せします。
※桐山のデイパック(内容は支給品一式、レミントン M31の予備弾24、劉鳳の名簿の写し、スタングレネード×2、お茶葉(残り100g))が警備員室に、レミントンM31(2/4)が変電所前に放置されています。
712Classical名無しさん:07/09/29 22:30 ID:/moSy88w
               
713Classical名無しさん:07/09/29 22:30 ID:2YBjE09E
                  
714Classical名無しさん:07/09/29 22:31 ID:8WBWlsMA
桐山…
715 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:32 ID:ps1JzvQk
【A‐7 南部/1日目 昼】
【葉隠散@覚悟のススメ】
[状態]:右腕負傷 全身に中程度の負傷 中程度の疲労 右腕と右太ももに浅い裂傷
[装備]:強化外骨格「霞」(右腕部分に亀裂、右手掌部を破損、全身に小ダメージ)
[道具]: 支給品一式(散&村雨。デイバック一つにまとめてある)、不明支給品1〜3品(村雨&散。確認済み)
[思考]
基本:人類抹殺。
1:エリアA〜D全域を探索し、ついでに施設の有無の確認。
2:人間を殺す。しかし、村雨のように気に入った相手は部下にする。
3:村雨の記憶を必ず取り戻してみせる。
4:才人のマスターのルイズに興味有り。ブラボーに僅かな執着心。
5:マリアを殺すのは最後。
6:十二時間後(約零時)に消防署の前で村雨と落ち合う。
[備考]
※施設の確認はあくまでも『ついで』なのでそれほど優先度は高くありません。
またどのような経路を辿ってゆくかも後の書き手さんにお任せします。
716Classical名無しさん:07/09/29 22:32 ID:qRE0.WKE
717 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:32 ID:ps1JzvQk
【A‐7 東部/1日目 昼】
【村雨良@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:疲労回復、全身に裂傷 、闘いへの強い欲求
[装備]:クルーザー、十字手裏剣(1/2)、衝撃集中爆弾 (2/2)
[道具]:地図
[思考]
基本:殺し合いに乗る。
1:エリアE〜H全域を探索し、ついでに施設の有無の確認。
2:劉鳳と次に会ったら決着を着ける
3:十二時間後(約零時)に消防署の前で散と落ち合う。
4:散の愚弟覚悟に興味あり。
[備考]
※参戦時期は原作4巻からです。
※村雨静(幽体)はいません。
※連続でシンクロができない状態です。
※再生時間はいつも(原作4巻)の倍程度時間がかかります。
※衝撃集中爆弾の威力は制限で弱められています。
制限の程度は後の書き手さんにお任せします
※施設の確認はあくまでも『ついで』なのでそれほど優先度は高くありません。
またどのような経路を辿ってゆくかも後の書き手さんにお任せします。
718Classical名無しさん:07/09/29 22:33 ID:/moSy88w
  
719Classical名無しさん:07/09/29 22:35 ID:XjOZeaA2
 
720 ◆3OcZUGDYUo :07/09/29 22:36 ID:ps1JzvQk
投下終了しました。たくさんのご支援ありがとうございます。
タイトルは「倒れるまで走るくらい、熱く生きてみたいから――DORAGON LOAD――」です。
7j氏のタイトルの付け方がカッコイイなぁと思い勝手に拝借しましたw
迷惑だと感じられるなら変更します。

721Classical名無しさん:07/09/29 22:37 ID:XjOZeaA2

722Classical名無しさん:07/09/29 22:40 ID:2YBjE09E
なんだかよく分からんが、GJ!
ごめんなさい、嘘です。分かりやすくて面白いです。
桐山の男っぷりに敬礼を送りたいのですが、かまいませんね!?
ブラボーの無念に涙、散様は相変わらず美しくてカッコイイ。
桐山が村雨の心を動かすのはめちゃくちゃ以外でした。
もう一度、GJ!!
723Classical名無しさん:07/09/29 22:40 ID:XjOZeaA2
投下乙!
原作では長生きした桐山もここで脱落か
コピー技を使って健闘してよくがんばったよ

そして錬金の戦士は誰かの死を見届けて
悲しむ奴が多いなぁ
何かジンクスでもあるのか
724Classical名無しさん:07/09/29 22:40 ID:8WBWlsMA
桐山……やばい、何気にショックがでかい。これがバトルロワイアルというものか。
そしてZX覚醒フラグ来た。西には銀さんやケンシロウがいるから熱いバトルには事欠かないぜ!
あとブラボー頑張れ、超頑張れ。
桐山の最期の言葉はとても彼らしいと思います。GJでした。
725Classical名無しさん:07/09/29 22:41 ID:/moSy88w
投下乙……ってうわああああああああ!! 桐山ーーー!!!
流石の桐山も相手が悪かったなー。でもこの死に方は恵まれてるわ……。
さて、村雨がどう転ぶかわからんっすね。次に誰に会うかかな。
正直今回の予約見た瞬間に「ブラボー死んだわ」って思いましたwサーセンw
726Classical名無しさん:07/09/29 23:13 ID:2L1Xb/vg
GJ!
シルバースキンは合流できればすぐに手に入りそうだしリベンジマッチに大いに期待s
あれ?AT使えないとダブルストレイトできないから全力は結局無理じゃ……
727Classical名無しさん:07/09/29 23:24 ID:z6MRvOFA
コピーなんかしたら、こうなるわなぁ……
しっかし、自分の命すらも計算して、全体のための道具に使うなんて、桐山らしい……


それにしても、散様手加減しまくりだったな。
弟との最終決戦では螺旋だらけだったのに、霞まで脱いでまぁ
728Classical名無しさん:07/09/29 23:57 ID:wf4sHsvI
GJ!
桐山和雄……彼らしい最後だった。
だが、寂しい、惜しい。惜しすぎる。
桐山は脱出派のブレインになりうる存在だったのに……。

屍山血河を築いて進む散様。
ブラボー、劉鳳、覚悟……因縁だけは着実に積み上げられているが、彼をとめることはできるのか!?

そして村雨は心を取り戻せるのか?
いや、取り戻してよ、マジで。

今後も目が離せないぜ。
729Classical名無しさん:07/09/30 01:27 ID:nsOp4F6s
感想読んで先に結末を知ってしまった

桐山ああああああ!!

730Classical名無しさん:07/09/30 02:49 ID:QBYnbB7g
>>717
亀になってしまったが超GJ!
散と村雨のコンビがあまりも良すぎる……。
みんなカッコよくて、熱いバトルでした。
それにしても、桐山が逝ってしまうなんてなあ。
非常にらしい死に方で良かったです。
731Classical名無しさん:07/09/30 07:48 ID:AGlWV6IE
桐山ぁぁぁぁぁぁ…

男の中の男だぜ!!とりあえずGJ!!
732Classical名無しさん:07/09/30 12:00 ID:UwccIMEk
いい加減に錬金キャラ死ねよ
なんでことごとく死亡フラグを避けるんだよ
733Classical名無しさん:07/09/30 12:10 ID:tsDH.joU
>>732
カズキ、パピヨン、トキコ、ブラボーー「うわぁーーーーー」
はい死んだ
734Classical名無しさん:07/09/30 14:34 ID:AGlWV6IE
>>732
人の命は脆いものです
一ヵ月見なければ、誰か死んでるかもしれませんよ?
下手すると全員
735Classical名無しさん:07/09/30 15:39 ID:AqUxAYQI
wiki管理人です。現在地マップの改良が近々出来そうです。
来週中にやりますので、ご期待下さい。
736Classical名無しさん:07/09/30 20:41 ID:IO0JzTXw
wiki管理人です。自分を追い込むために、ここで再度宣言。
今年中に次のことをやろうと思います。

最終目標[今年中]
1) http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1188040278/202-245
のように、レス番号を指定したら、SSタイトル・本文・作者の三つを自動取得する。
2) http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1188040278/236-241
のように、状態表を指定したら、現在地マップの大まかな位置・状態表を自動作成する。
3) 1,2で作成したデータはwikiにアップロードできるようにする。

以上、1,2,3、を今年中にやろうと思います。
とりあえず、来週一週間で上に書いたように現在地マップの改良を行い
マウスだけで、キャラの移動が可能なようにしたいと思っております。

ではwiki管理人による宣言でした。
737Classical名無しさん:07/09/30 21:01 ID:m0UMiUQc
すっげ! でも状態表とかは書き手によって書き方違うけど大丈夫なの?
738Classical名無しさん:07/09/30 21:24 ID:IO0JzTXw
>>737
ある程度の部分で線を引く必要が出てくると感じています。
また、これをやるためにはwikiから半分外に出る必要がありまして……
例えば、現在地でキャラを移動するだけでも、一部のページを外部に移転する必要が出てきます。
(といっても、利用者には外部と分かりにくくして設計しますが)

んで、質問の状態表ですが、可能と考えています。
でも、もちろん位置情報を書き忘れてたり、状態表そのものが忘れられていた場合は、不可能です。
また、作成しようと思っているツールはあくまで補助ツールであって、決して完全に本文を抽出するわけではありません。
所々、ノイズが入ってくるだろうと推測しているので、最終的には人の目で見て、
それをwikiにあげるという形式を考えています。

現在位置のほうは、単純にG-8のような座標を読み取り、そこにキャラを配置して、
マウスで移動するという形式を考えています。(もちろん、来週作るつもりの部分はマウス移動の部分のみです)
また、G-8がGー8や、G,8 G8、GGになったぐらいなら、簡単に判別できますので、
そこの部分もある程度、出来る出来ないで線引きは必要ですが、結構な確度で出来るかと。
739 ◆ZhOaCEIpb2 :07/09/30 22:18 ID:.vbWXz92
>>720
桐山がああああ、乙
本当に良い死に様だったよ彼は…
ブラボーに仇討ちの機会は訪れるのであろうか?
気になる展開でした

>>735
管理人さんがんばってください
結構色々なことができますねえ
このロワの繁栄を祈って待っています

それではジグマールのSSを投下いたします
740Classical名無しさん:07/09/30 22:20 ID:m0UMiUQc
早いw
S8駅の車掌室の一室で正座をしている男がいた。顔立ちはかなり整っており、そこら男性アイドルよりも美形である。
しかし、その表情は折角の美形も台無しになるぐらい悲壮感が漂っていた。
その上、アフロの髪型がよりいっそう悲壮感を引き立たせている。
それもそのはず、目の前には古代ローマの戦士を思わせる鎧を着た大男。
口には葉巻をくわえ、椅子にもたれかけ、異質なオーラを纏わせながら美形を見下ろしている。
額には血管を引きつかせながら。

「マーティン・ジグマールゥ…この前、俺は言ったよなァ」
「は、はい!」
「確かこの俺は『ゲームに乗らない奴に匿ってもらえ』と言ったはずだが……?」
ギャラン=ドゥはギロリと鋭い視線をジグマールに向ける。
「だって、あれは…まさかアルター使いがいると思わなかったんだよう。
 ……もしいると知っていたなら、あんなことしなかったよ……」
と、ジグマールはまるでキューンと首を項垂れる子犬のように声を震わせ弁明する。

それを聞くと、ギャラン=ドゥは優しい笑みを浮かべる。
先ほどの怒りのオーラをどこか遠くの彼方に飛び去ったような暖かい口調で。
「そうかい……そうかい……それは大変だったなァ」
「そうなんだよ、ギャラン=ドゥ。だから許して―――」




「――――言い訳をするなッ!!」

雄たけびと共に隣にあったデスクに拳を叩きつける。
デスクは重量感のある音を残し、飴細工のようにグニャリと拉げた。
並べられていた書類の舞散り具合はまるで風で飛ばされるタンポポの房のようである。
「ひぃ!!」
「ジグマールゥ、普通に考えてみるんだァ。殺し合いを強要されているこの絶体絶命時。
 誰がわざわざ自分の飯の種であるアルター能力をばらすんだッ。
 そんなことする奴はとんだ馬鹿かお人好しぐらいだッ!」
ジグマールは地面に頭を擦り付けたまま身を震えさせている。
「お前にも分かっているだろう、この戦いに徒党を組む大切さが重要だってことをなァ。
 ただでさえ、お前の能力はクソ忌々しい光成のハゲによってかなり制限されているんだッ。
 どんな能力を待った奴が潜伏しているか分からない中、一人で生き残るのはかなりの難易度を要する。
 だから、殺し合いに乗っていない奴らに匿ってもらえと言ったんだァッ。
 それを――――」

ギャラン=ドゥは力の限り、歪んだデスクに拳で薙ぎ払った。
デスクは真っ直ぐ窓を突き破って、ホーム内の廊下へと転がる。
無人の駅内にガラスの金きり音が響き渡る。

「―――お前の浅はかな行為で殺し合いに乗っている事がばれちまったんだァッ!!
 これはどうしようもない失態だぞ、マーティン・ジグマールゥッ!!」

絶叫にも似た怒号がジグマールの耳朶を張り詰める。
周囲全体がギャラン=ドゥの声で轟き、ピリピリと振動で震える。
743Classical名無しさん:07/09/30 22:26 ID:VfAg74FY
支援
744Classical名無しさん:07/09/30 22:27 ID:m0UMiUQc
  
ジグマールは口をアワアワとさせながら、吹っ飛ばされたデスクに視線を向けたあと、すぐに眼をギャラン=ドゥへ戻す。
「ご、ごめんよぅ、ギャラン=ドゥ!」
「ふんッ、まあいい……今度こそ、乗っていない奴らに匿ってもらうんだ」
ギャラン=ドゥは怒りの限り大声を出したせいか、気持ちが収まり穏やかな口調で語りかける。
「でも、目的がばれてしまったんだよ。もうそんなことできないよう」
弱音を吐くジグマール。
そんな彼に歯を輝かせながらギャラン=ドゥは舌を鳴らし、人差し指を大きく振る。
「チッチッチ、ジグマール。今ならまだ間に合う。
 あいつらが他の参加者に合流する前に、奴らの悪評を振りまくんだ。
 突然五人組に襲われて死に物狂いで逃げ切ったんだ、とか色々と理由に出来るだろゥ。
 それにHOLY部隊で培った演技力でばれやしないさァ。そのうえ、お前はケガ人だから信ぴょう性もある。
 この殺し合いには疑心暗鬼が蔓延っているんだ。
 誰が殺し合いに乗っているか、いないかなんて分かりはしねえさァ」
「そ、それもそうだねぇ、ギャラン=ドゥ!」
消えかけた灯火のような希望が再び燃え上がる。
落胆した気持ちが晴れ晴れになるのが分かる。少し希望が見えてきたことで気分が良くなった。

ギャラン=ドゥも機嫌を取り戻したので、この機会にジグマールは今まで口にしなかった疑問を尋ねる。
「思ったことがあるんだ、ギャラン=ドゥ」
「なんだい…ジグマールゥ?」
「ギャラン=ドゥがこのまま表に出て、ずっと僕を守ってくれれば……」
と、最後まで言おうとする。
が、ギャラン=ドゥは言いたいことを感じ取ったのか、やれやれといった面持ちで深いため息をついて言葉を遮る。
「フゥ、それはできないなァ」
寝耳に水といった驚き様でジグマールは肩を竦める。
どうして、守ってくれないの? といった哀愁に満ちた眼差しで見つめる。
746Classical名無しさん:07/09/30 22:30 ID:m0UMiUQc
      
747Classical名無しさん:07/09/30 22:31 ID:yWleZ2ag
支援
ギャラン=ドゥはジグマールを慰めるように答えた。
自分が制限によって半時間位しか助けられないこと、人間ワープがジグマールほどではないが制限されていること、
ジグマールと一心同体であることを説明する。
ジグマールはそれを聞くと、肩を落とし項垂れる。希望の灯火がまた小さくなる。
「だからな、お前がくたばってしまうと、この俺まで死んでしまうんだ。軽率な行為は自重することだなァ」
「そんなあ、もし乗った奴に遭遇したら、このケガだとどうしようもないよお……」
嫌な沈黙が心の中に広がっていく。
ジグマールは不公平なほど制限をかけた光成を、その場で殺したくなるほど恨んだ。

「なーに、ピンチになればお前を全力で守ってやるから心配するな。
 とにかく、お前はケガを治療することと匿ってくれる奴を探すことを考えるんだッ。
 制限を掛けられているとはいえアルターのおかげで回復力は一般人より早いんだ。簡単なことだろゥ?
 ……というわけで、ジグマール、もうお別れだ。それじゃあ、頑張れよォゥ」
ジグマールは抑揚のない声で「頑張るよ」と、声を返す。
その声は婦警との交戦後のときよりも小さい。
それもそのはず、殺し合いに参加してからプライドを二回もズタズタにされているのだ。
HOLY部隊の隊長である自分がここに来てからギャラン=ドゥに助けられっぱなしであった。
自分の知らない強敵が跋扈する、この舞台に生き残れるのであろうか。
ギャラン=ドゥがいなければ死んでいたかもしれないのに。
そんな事実がジグマールの自信を喪失させた。
そんな絶望に打ちひしがれている、ジグマールにさらなる追い打ちの言葉が掛けられる。
「おっとゥ、そういえば言い忘れていたッ。今から2,3時間は表に出られないんだ。
 だから死にたくなければなァ。俺のいない間は交戦は控えることだな。
 信じているぞッ、ジグマールゥ」
これも制限によってと、半ば投げやりな台詞を言い残すとギャラン=ドゥは光の粒子へと散っていった。
「え、ええっーーーーーーー!?」
無責任に消えていったギャラン=ドゥの最後の言葉。
驚きのあまりジグマールは正座を崩し、立ち上がろうとする。
しかし、正座で痺れを切らしていた足は立つこともままならず、その場に無様に崩れ落ちる。

ジグマールの驚愕に満ちた悲鳴が駅内に響き渡る。
その瞬間、その叫び声を遮るように三回目の放送が鳴り響いた。

750Classical名無しさん:07/09/30 22:34 ID:m0UMiUQc
             

【F-5 S8駅の車掌室 1日目 昼】

【マーティン・ジグマール@スクライド】
[状態]:全身に負傷大 疲労大 美形+アフロ状態
[装備]: 本部の鎖鎌@グラップラー刃牙 アラミド繊維内蔵ライター@グラップラー刃牙(未開封)
    法儀礼済みボールベアリングのクレイモア地雷(リモコン付き)@HELLSING(未開封)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本:生き延びて全宇宙の支配者になる
1:ギャラン=ドゥの言うとおりに行動する
2:ギャラン=ドゥが活動できるまで戦闘は避ける
3:誰かに匿ってもらう(美貌が使えそうなら使う)
4:素性を知っている吉良、コナン、マリア、銀時、ルイズたちの悪評をばら撒く
[備考]
アフロ状態が次の話まで続くかどうかは他の書き手に任せます
※人間ワープにけっこうな制限(半径1〜2mほどしか動けない)が掛かっています
連続ワープは可能ですが、疲労はどんどんと累乗されていきます
(例、二連続ワープをすれば四回分の疲労、参連続は九回分の疲労)
※ルイズと吉良良和と覚悟はアルター使いと認識しました
※沖田のバズーカ@銀魂(弾切れ)をS8駅の車掌室に放置しています

【ギャラン=ドゥ@スクライド】
[状態]:ジグマールに潜伏状態 全身に負傷小(自己治癒中) 中程度の疲労
[思考・状況]
1:まったく…役に立たないご主人様だぜッ
[備考]
※ギャラン=ドゥは制限によりジグマールと命運を共にしています
 そのため、ジグマールを生かしています
※ギャラン=ドゥは制限により、30分前後しか表に出られません(それ以降は体力を大幅に消費してしまいます)
※表に出られる時間はギャラン=ドゥ本人の体力と精神力に依存しています
※一度引っ込んだら2,3時間ほど間を置かないと、表に出られません(無理をすれば出られますが、体力を大幅に消費してしまいます)
※人間ワープにジグマールほどではないが、けっこうな制限(半径3〜4mほどしか動けない)が掛かっています
連続ワープは可能ですが、疲労はどんどんと累乗されていきます
(例、二連続ワープをすれば四回分の疲労、参連続は九回分の疲労)
753 ◆ZhOaCEIpb2 :07/09/30 22:38 ID:.vbWXz92
完了しました
指摘などありましたら、言ってください
754Classical名無しさん:07/09/30 22:40 ID:AGlWV6IE
ちょwwww美形が更に小物化してるwww

とにかくGJ!!
755Classical名無しさん:07/09/30 22:51 ID:m0UMiUQc
投下乙。こんなヘタレでもスクライドのラスボスなんだよなwしかもこれでキャラ把握は完璧w
もしかしたらダブル気絶キャラが出会うことになるのか?!
ギャランドゥのコントっぷりが最強でしたw
756Classical名無しさん:07/09/30 23:06 ID:VfAg74FY
投下乙
失敗続きのうえこのへたれw
だがそれがいい、GJ
757Classical名無しさん:07/09/30 23:15 ID:ymJBnnDk
GJ!
遂にジグマールが本格的にステルスして動き出すのかと期待が持てる!
でもまたヘマかましそうだなぁ、ジグマールだしw
後細かい事だけど「三回目」じゃなくて「二回目」だと思うよ。
758Classical名無しさん:07/09/30 23:41 ID:OFXDwATY
投下乙!
美形wwなんというヘタレww
ギャラン=ドゥとの漫才に腹が痛くなりました。
GJ!!
759Classical名無しさん:07/09/30 23:45 ID:M/dtxGns
GJ!
さて、感想……。

こいつはくせえッー!
ヌケサク以下の臭いがプンプンするぜッーーーーッ!!
こんな器の小せぇ奴には出会ったことがねえほどなァーーーッ
バトルロワイヤルの制限のせいで小物になっただと?
ちがうねッ!!
こいつは産まれついての小物だッ!
ギャラン=ドゥ、早えとこ出てこれるようになってやんな!

以上、これからもジグマールのヘタレ&マヌケっぷりを期待して生暖かく見守らせて頂きますw
760 ◆NIooiMe9JM :07/10/01 00:17 ID:a.zTktOM
一様完成したのだが…
正直、自分自身で前回のやつの、1/10ぐらいという
話しになってしまいましたorz
(しかも落ちも最悪orz)

延長しておきながら何やっているんだろ…orz
8人は難しいよ…orz

とりあえず報告だけしておきます。
(現在一時投下スレに投下するのも躊躇している状態です)
761Classical名無しさん:07/10/01 00:33 ID:pWNuAgB2
まぁ流石にあのパートは難しいっしよ。
そんなに自信ないとは……まぁ一応仮投下に投下してみたら良いんじゃないかな?
762 ◆NIooiMe9JM :07/10/01 00:35 ID:a.zTktOM
それでは一応一時投下スレで投下してみます
763 ◆NIooiMe9JM :07/10/01 00:46 ID:a.zTktOM
一時投下スレに投下終了しました。

誤字脱字、おかしな表現があったら報告をください。
764Classical名無しさん:07/10/01 00:56 ID:.tPTJ07Y
>>763
感想は本投下にとっておきます。

指摘ですが、細かいところですが「……!」や、「……?」は半角より、全角の「……!」や、「……?」の方が読みやすいです。

あと鳴海と会ったときの勝の反応が薄すぎる気がします。
どの時点の勝でも、鳴海と再会した時は興奮して我を忘れるのではないかと。

最期に状態表の、思考・状況における0:〜ですが、基本思考が0番目の役割を果たしていると思いますので、そのまま1〜から続く方が見栄えがいいと思います。
ただ、状態表に関しては主観交じりです。

そして、8人難しいとのことですが、問題なく捌いていると思います。
勝以外は特に違和感ありませんでした。
今後を楽しみにしています。
765Classical名無しさん:07/10/01 01:06 ID:pWNuAgB2
仮投下乙。
本格的な感想は本投下されたらするよ。SSの出来は充分良いものだと思う。
しかし致命的な矛盾が一つ……
「真赤な誓い」でカズキがサンライトハートを空に打ち上げてるからそれに対して反応がないのは変だと思う。
まぁ時間帯を午前にすれば問題なしかと。
そうすれば次の書き手がカズキのサンライトハートでチームを分散も出来るしね。
766 ◆NIooiMe9JM :07/10/01 01:17 ID:a.zTktOM
「カズキの馬鹿ああああああああああ…!!!!」
↑生まれてはじめてそう思った。

とりあえず>>764の勝の心境と半角全角
>>765の昼と午前の部分を修正します。
767 ◆NIooiMe9JM :07/10/01 01:35 ID:a.zTktOM
修正できましたので投下したいと思います
一触即発
この四字熟語の意味は、ちょっとしたきっかけで大事件につながると言う意味だ。
例えるなら、第一次世界大戦直前のバルカン半島や、
関が原の戦い直前の徳川軍と石田軍などが良い例えだろう。
さて何故このような四字熟語を出したか。
理由は簡単、今この場所─つまりD-3エリア内にある喫茶店では、
まさに今ピエロの格好をした女性と、
黒に包まれた男が一触即発の状態なのである。

「問おう、貴様はこのゲームに乗っているか?それとも乗っていないのか?
いますぐに答えろ!!」
「貴様ではない、俺には蝶サイコーな名前がある。だがまずは自分の名を名乗ったらどうだ?
それに、手にあるナイフを置け。そんなものがあったら、誰でも警戒をする。」
先程も言った通りここは、D-3エリア内にある喫茶店。
ほんの少し前、この場所に才賀勝、エノオノールがこの場所に来た。
だがその前から、パピヨンがこの場所にいた、
その結果がこれである。
パピヨンは、今現在このゲームに乗るつもりはない。
だから、エノオノールたちをすぐには襲わなかった。
エノオノールも、このゲームに乗るか迷っている途中であるが、
無闇に攻撃することは、結果的に勝を守れなくなる可能性がある。
だから、パピヨンに話しかけたのである。
しかしここはバトルロワイヤル、そうそう安易に組むことが出来ない、
なぜなら、組んだ相手が急に裏切ることもあるからだ。
だから二人とも慎重になっていると言えば、そうも言えなくはない。
769Classical名無しさん:07/10/01 01:37 ID:.tPTJ07Y
                  
だがエノオノールがナイフを持っているのは、完全に裏目、
このため、パピヨンがエノオノールを敵とみなし警戒態勢に入っており、
そのためいつ戦闘が起こってもおかしい状態なのである。

さてここで一つ疑問に思うことがあるだろう、才賀勝のことである。
普通なら一時的にこのゲームに乗ったエノオノールが交渉をせず、
勝が交渉すれば良い結果になる可能性が大きいだろう。
しかし勝はしなかった、いや出来なかったと言えるだろう。

勝とて馬鹿ではない、むしろ歴戦の将と言ってもおかしくはない。
では何故勝が交渉しなかったか?
勝が交渉した場合、一番困るのは自分の名を名乗ることだ。
勝はエノオノールに自分を「才賀勝」では無く「綾崎ハヤテ」と名乗っていたことが、
交渉が出来ない一番の理由だった。
もしこの中に本当の「綾崎ハヤテ」を知っているもの、もししくは本人がいたらどうなるか?
まず最初に、エノオノールが偽名を使っていたことに憤慨して攻撃するだろう。
いやそれどころか、偽名を使ったことをこの殺し合いに乗っていることを疑われて、
この男─つまりパピヨンに殺される可能性も無くはない。
これにより勝は、交渉のときに自分達の
名前を名乗らないようとエノオノールに言ってしまった。
これもまた、パピヨンとエノオノールが、うまくいかない理由の一つだろう。

ちなみに泉こなたは、疲れていたのか何なのかわからないが、
奥のテーブルのいすで寝ているため、二人には気づかれてはいない。

「私の質問に対して、答えられないのなら…
貴様はこの殺し合いに乗っていると考えていいのだな?」
エノオノールが、ナイフを構える。
「乗っている乗ってない以前に…俺はお前の態度が気に入らないな…」
それにあわせて、パピヨンも戦う構まえをしようとしている。
(不味い事になっちゃったかな…)
勝も二人を止める事をあきらめかけたそのとき─

「くく…!まるで幼稚園児の集まりだな…!」
混沌としている中、赤木しげるが三人の前に現れた。
─────30分ほど前─────
赤木と鳴海は繁華街にいた。
「なあ赤木…繁華街は誰もいないぞ、これだけ探していないってことは、
病院のとか、もっと人が安全だと思っているところに言ったほうが良いと思うぜ。」
鳴海が赤木にこう提案した、無理もない。
彼らはこの繁華街で1時間ほど、探索していた。
が結果は最低だった。

「そうだな…移動するのが得策だろう…だが…」
「だが?」
「もう行き先は決まっている…!」
そういうと赤木はデイバッグに入っている地図を取り出した。
「俺たちが次に行くところは…ここだ…!」
そう言って指を刺したのはD-3エリアだった。
「市役所…?市役所に何があるんだよ」
「くっく…!さっきまで黙っていたんだがな…移動していたときに
このエリアに喫茶店の前で人を見た…!」
「は?」
「聞こえなかったか加藤鳴海?ここに人がいたって言ったんだ…」
「そうじゃなくてだな…なんで今までそのことを黙っていた?」
「この事言ったら、お前は繁華街を探索するより、
おそらくこの場所で人と接触することを優先するからだ…!」
鳴海の疑問を赤木はテキパキと返す
「ああ、おそらくそう言ってただろうな、
だが何で今となって行くことを選んだんだ?」
「おそらく…俺たちは、この殺し合いに参加している中で今
1番ツキがないと思われる…!
ここらできっちりと情報や、誰がこの殺し合いに乗っているか、
乗っていないかを確認するべきだ…!だから他人と接触できるときは、
確実にしておくのが無難…!」
確かに赤木たちはついていない、なぜならお互いに
接触した参加者が一人だったからである。
「勇次郎って奴はどうするんだよ!?」
「今ツキに乗ってない俺たちと接触した場合、交渉する時間も与えられず
ただ殺される可能性が高い。だから会うのは今のところ保留だ…!」
「…じゃあ、お前が見たって奴が、まだその喫茶店にいる可能性はあるのか?
もしかしたら、もう移動してかもしれないぞ?」
「それはない…俺が見た感じだと、あれは誰かを待っている感じに見えた。
もっとも、一時的な待機だったら目立つ喫茶店じゃなくてもいいはず…!」
「…わかったよ。誰かがいるとわかっているなら、お前を否定するわけにもいかねぇな」
「そう言ってくれると助かる」
「ただな赤木…お前は計画性という奴がないな…」
「くく…臨機応変といってほしい…!」

話しを今──────つまり赤木が話したところに戻そう。

「まったく…お互いとも探りを入れすぎだ…
交渉ていうのはもっと気楽に疑いをかけずにやらなきゃ意味がない…!」
「貴様!勝手に人の話しに入ってきて、何だその言い様は!」
エノオノールはナイフをパピヨンから赤木に向け変えた。
「フフ…圧力をかけて交渉をするなんて、それこそ
この殺し合いを恐れていると自分から言ったと同じ…!」
「黙れ!!」
エノオノールは、無駄口をたたいてきた赤木に近づき、
ナイフを突きつけた。
「ふふ…まるで白痴だな…!俺が危険だとわかっていて、
何も用意せずに、お前に喧嘩売ると思っているのか…?」
そう言い終わったその時であった。
「ッ!!」
「お遊戯会はここまでだぜ?」
鳴海がエノオノールを腕を蹴ってナイフを落とし、
そしてエノオノール自身を羽交い絞めにした。
「不意打ちなど卑怯な!!」
「この殺し合いで不意打ちも一種の戦い方だ。
クック…!これでちゃんと交渉が進みそうだな…!
なあ、そこのあんた…」
そう言ってパピヨンのほうを見ている。
「ん?俺のことを言っているのか?」
「ああそうだ…が先に俺の名を名乗っていたほうが言いか、
俺は赤木しげる…まあ赤木とでも言ってくれ。」
「赤木しげる…嘘は言ってなさそうだな、なら俺もそれに答えなければならないな、
俺はパピヨン♪、まあこの名簿では違う名前で乗っているがな」
「結構結構…!パピヨン♪…いい名だな…!
軽い自己紹介はここまでにしてだ、本題を話す…!
鳴海…その女を離してやれ…!」
「いいのか?また何かするかもするかも知れねえぞ!!」
「そのときは、お前が女を殺せ…!
第一何かを起こさせないためにお前が監視していれば問題ない」
鳴海は渋々とエノオノールを解放した。
775Classical名無しさん:07/10/01 01:43 ID:.tPTJ07Y
                    
「単刀直入に言うとだ…「チームを組まないかって事だろう?」
アカギが全部言い終わる前に、パピヨンが赤木の言いたいことを言った。
「話しが早くて助かる」
「だが…そこにいる小僧とピエロとも組めと言うのか?」
「無論だ…パピヨン♪と交渉をしていたってこととは、
まだ、どっちつかずなのだろう…!」
「だったらまず名前を言っても「まだだな…!」
今度はアカギがパピヨンの会話に入ってきた。
「まだ言うときじゃない…!2度も同じ場所で、
自己紹介はしたくは無いな…!」
そう言うと、アカギは親指を立てて後ろの扉を指した。
そして数秒後その扉から、強面の男と女装をしている男が入ってきた。

「おいおい、こいつから聞いた話しだとお前と、女しかいないと聞いていたんだが
何だこの人の多さは?」
「君らが来る前に色々とあったからね。」
「あれこなたさんは??」
「奥で寝ているぞ…まったくこんな緊迫しているなか…逆に感心する。」
ハヤテと承太郎が喫茶店で合流した、これで喫茶店いる人数は
8人となった。

「おいおい…結構人数が増えてきたぞ。これがお前が言うツイているって奴か?」
「人が多ければ多いほど、このふざけた殺し合いを、止められる…!
今は最高にツイてるって奴だ…!」
777Classical名無しさん:07/10/01 01:44 ID:.tPTJ07Y
                
「鳴海兄ちゃん…!」
赤木と鳴海が話し合っているその時、
勝は鳴海にそう言いたかった。
いや勝は鳴海を見たときそう言いたかった。だが言えなかった。

勝にとって鳴海は命の恩人、しかも音信不通で生きているかどうかわからなかった。
普通なら、我を忘れて飛び放て嬉しみたかっただろう。

しかし何という神の悪戯であろう。
ここはバトルロワイヤル、そんな事をしたら、せっかくパピヨンという男と、
赤木しげると言われている男の交渉の邪魔をしてしまう可能性がある。

だがその前に鳴海は勝を見ても何も思わなかった。
その時点で勝の心は痛く、とても辛かった。
それと同時に力いっぱい涙を流したかった。

(ああ…鳴海兄ちゃんも僕のことを知っていないときから来たのかな…
どうしてぼくの知り合いは…僕のことを知らないのかなあ…)

こう嘆いてもしょうがない。勝が今真っ先に考えることは、
どうやってエノオノールに、才賀勝本人だと知らせることが出来るか否かである。
そのため勝は今、この二人の交渉が上手くいくようとに願うだけだった。
今この喫茶店には
女装した執事、強面な男子高校生、小学生と同じ格好な女子高校生、偽名を使っている少年
黒い蝶の格好をした男、ピエロの格好をしている女性、腕が剣に変形する男性
そして謎に包まれた銀髪の男性がいる。
一見、対主催の面子かなり集ったと思われるが、
実は違う。
1人は自分の主を探して行動をしており、
もし主が死んだら、殺戮者になってもおかしくは無い。
1人は自分がある男と戦うために、対主催になっている。
しかしこれもその男が死んだら、殺戮者になりかねない。

この場所───D-3エリアの喫茶店は、
いつ何時、戦いが起こってもおかしくは無い…
つまりバトルロワイヤルの火薬庫と例えるのが妥当。
この火薬庫がいつ爆発するか…それは心理戦を得意とする「赤木しげる」と、
エノオノールに偽名を使っている「才賀勝」
この二人にかかっていると言ってもおかしくは無いだろう。
はてさて…どうなることやら…
【D-3喫茶店内/1日目 午前】

【赤木しげる@アカギ】
[状態]:健康
[装備]:グリモルディ@からくりサーカス(鞄に入っています)
[道具]:核鉄(モーターギア)@武装錬金、傷薬、包帯、消毒用アルコール(学校の保健室内で手に入れたもの)
[思考]
基本:対主催・ゲーム転覆を成功させることを最優先
1:喫茶店内にいる参加者と交渉して、有益な関係を築く
2:1が成功したら情報交換する
3:このバトルロワイアルに関する情報を把握する(各施設の意味、首輪の機能、支給品の技術
や種類など、なお勇次郎に対しては保留)
4:参加者の考えがまとまったら、学校を拠点とすることを提案する

【加藤鳴海@からくりサーカス】
[状態]:健康
[装備]:聖ジョルジュの剣@からくりサーカス
[道具]:支給品一式×2、核鉄(ピーキーガリバー)@武装錬金、
輸血パック(AB型)@ヘルシング、
グリース缶@グラップラー刃牙、道化のマスク@からくりサーカス
[思考]
基本:対主催・誰かが襲われていたら助ける
1:前にいるピエロ(エノオノール)が何かしないように見張る
2:喫茶店内の参加者と協力関係を結ぶ
3:このバトルロワイアルに関する情報を把握する
(各施設の意味、首輪の機能、支給品の技術や種類など)
4:誰かが襲われていたら救出し、保護する
5:赤木の人柄を見極める
[備考]
聖ジョルジュの剣は鳴海の左腕に最初からついていますので支給品ではありません
参戦時期はサハラ編第19幕「休憩」後です
サハラ編から参戦しているので勝、しろがねについての記憶は殆どありません
781Classical名無しさん:07/10/01 01:46 ID:kXsLytoI
      
【才賀勝@からくりサーカス】
[状態]:両足の脹脛に一つずつ切り傷。軽傷のため行動に支障なし。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、書き込んだ名簿、携帯電話(電話帳機能にアミバの番号あり)
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない
1:しろがねの誤解を解く。
2:赤木しげるの言うことを聞く。
3:乗っていない人を探して味方にする。
4:フェイスレスには最大限注意を払う。
5:みんなで脱出する。
[備考]
※勝は鳴海が自分のことを覚えていないということを感じ取りました。

【才賀しろがね(エレオノール)@からくりサーカス】
[状態]:ピエロの衣装&メイク@からくりサーカス、ヴィルマの投げないナイフ@からくりサーカス
(残り11本)、オリンピア@からくりサーカス、支給品一式
[道具]:青汁DX@武装錬金
[思考・状況]
基本:『本物の才賀勝』の安全を確保する。
1:とりあえず、赤木しげるという男の話しを聞く
2:本物の才賀勝を優勝させるため皆殺し(殺し合いに乗っている人間を最優先)
3:強力な武器が欲しい。人形は手に入れたので他の武器。
4:花山、斗貴子、カズキに関しては襲うのは保留
5:100%勝を傷つけないと確信が持てた人間に関してのみ、殺すことを保留する。
[備考]
※参戦時期は1巻。才賀勝と出会う前です。
※才賀勝の事を偽物と勘違いしています。
【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]健康
[装備]無し
[道具]支給品一式、不明支給品0〜2(本人は確認済。核鉄の可能性は低い)
[思考・状況]
基本:殺し合いからの脱出
1:おいおい、こんなに人がいるなんて聞いてねえぞ!
2:色々めんどくさく無くなった時に、ナギたちを迎えにいく。
3:ジョセフ、ハヤテ、マリア、ヒナギクと合流する。
4:首輪の解除方法を探す。
5:DIOを倒す。
6:主催者を倒す。
参戦時期:原作28巻終了後
[備考]
※パピヨンについては、ハヤテから聞いていたので、
喫茶店にいることを不思議と思っていません。

【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく】
[状態]健康。女装。
[装備].454カスール カスタムオート(7/7)@HELLSING
[道具]支給品一式、執事服一式 13mm爆裂鉄鋼弾(35発)、ニードルナイフ(15本)@北斗の拳
[思考・状況]
基本:出来るだけ多くの人を助けたい
1:なんかにぎやかになっていますね。
2:落ち着いてから、ナギたちを迎えに行く
3:マリア、ヒナギクを探し出し合流する
4:そろそろもとの服に着替えたい
【パピヨン@武装錬金】
[状態]:全身に軽い打撲、口に血の跡、小程度の疲労、
[装備]:核鉄(エンゼル御前)@武装錬金
[道具]:支給品一式、猫草inランドセル@ジョジョの奇妙な冒険
[思考・状況]
基本:首輪を外し元の世界で武藤カズキと決着をつける。
1:とりあえず、赤木の話しを聞く。
2:ピエロ(エノオノール)を警戒しておく。
3:核鉄の謎を解く
4:二アデスハピネスを手に入れる。
[備考]
※エンゼル御前は、使用者から十メートル以上離れられません。
それ以上離れると、自動的に核鉄に戻ります。
※参戦時期はヴィクター戦、カズキに白い核鉄を渡した直後です
※スタンド、矢の存在に興味を持っています。
※猫草の『ストレイ・キャット』は、他の参加者のスタンドと
同様に制限を受けているものと思われます
※承太郎が喫茶店に来ていたときに、ハヤテと一緒にいる事から、
敵ではないことを一瞬で確認しました。

【泉こなた@らき☆すた】
[状態]:健康 (睡眠中)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、フレイム・ボール@ゼロの使い魔(紙状態)んまい棒@銀魂、
綾崎ハヤテの女装時の服@ハヤテのごとく
[思考・状況]
基本:みんなで力を合わせ首輪を外し脱出 。
1:zzzz……
2:パピヨンといっしょに二人の帰りを待つ
3:かがみ、つかさ、みゆきを探して携帯を借りて家に電話
[備考]
※寝ているため、この人数の多さに気づいていません。
785 ◆NIooiMe9JM :07/10/01 01:49 ID:a.zTktOM
一応投下完了しました。

抗議非難、誤字脱字などの報告をお願いします。
786Classical名無しさん:07/10/01 01:52 ID:.tPTJ07Y
投下乙!!
各キャラの交流が危険すぎて、はらはらしてしまうようなやり取りでした。
心情が追加されて、勝切ない(´・ω・`)
たしかに勝を知っているのってフェイスレスだけだしな〜。
GJ!!
787Classical名無しさん:07/10/01 07:48 ID:.mC1GboU
GJ!
一応、対主催が集まったのに何だこの緊張感(約一名除く)
特に勝、エレオノールがヤバイ。
自己紹介としてハヤテが名乗るだけでも一気に戦闘に雪崩れ込むかも知れない。

個人的にはどんな時でも落ち着いているアカギがいい!
逆に怪しすぎるけどwww

エレオノール以外はとりあえず脱出を目指しているし、丸く収まるといいが……。
無理かな、特にパピヨンは今後のカズキ次第だし。
8人ものキャラ裁き、お見事でした。
最後にもう一度GJ!
788Classical名無しさん:07/10/01 08:38 ID:VR081RjM
勝がなぁ。
>ああ…鳴海兄ちゃんも僕のことを知っていないときから来たのかな…

ってのは偽りの共闘の思考に矛盾してるよ。時間移動そのものを信じてないんだから。

それ以外はGJ
789Classical名無しさん:07/10/01 08:45 ID:5g/fsydM
GJ
八人を見事に捌ききり、違和感なく描いたのは見事
790 ◆NIooiMe9JM :07/10/01 09:08 ID:a.zTktOM
>>788
(ああ…鳴海兄ちゃんも僕のことを知っていないときから来たのかな…

(ああ…鳴海兄ちゃんも僕のことを覚えていないのか…
に訂正すれば大丈夫ですかね?
791Classical名無しさん:07/10/01 18:32 ID:pWNuAgB2
遅くなったけど本投下GJ!
赤木がかっこいいね!
アカギ勢最後の一人だから是非頑張って欲しいところ。
8人という大人数でこれだけのSSを書けるのだからもっと自信を持っても良いと思う。

ちなみに自分はからくりは良く知らないので他の人の意見を参考にして下さい。
792Classical名無しさん:07/10/02 21:42 ID:h9JFpQAg
人がいないからネタフリ…

…をしたいんだが、特に話すことは無いな…
さて明日(今日?)、◆DO.TxVZRzg氏の締め切りだが…
連絡をくれたら少し嬉しい
793Classical名無しさん:07/10/02 22:03 ID:vxN9Je9Q
まぁ気長にご降臨を待とう。
それで誰かからくり詳しい人番人氏の質問に答えてやってくれ。
俺はわからないから無理なんだ……。
794Classical名無しさん:07/10/02 22:29 ID:HVzamMtE
>>790
いいんじゃないかな。
要するにそこで勝が「鳴海は自分のことを覚えていない/知らない」ということを自覚することが趣旨だから。
795Classical名無しさん:07/10/02 22:31 ID:EDsfi0yY
>>790
遅レスですまんが修正は多分それでいいと思います。がんばってください
796Classical名無しさん:07/10/02 22:35 ID:EDsfi0yY
連レスですまんが

>>791、793
今回のはからくり知ってる知らないじゃなく、いままでの勝としろがねのSSと照らし合わせて違和感がなければ宜しいんじゃなかろうか
797Classical名無しさん:07/10/02 22:55 ID:vxN9Je9Q
いや、まぁそうだけどどうせなら詳しい人の意見があった方が良いかなと思って。
ちなみに両方とも自分です。申しわけない。
798Classical名無しさん:07/10/03 05:47 ID:TUVY/nuo
現在第二回放送までの死亡者名鑑を作成中…だけどwikiに項目を追加する方法が分からない。
誰かレクチャーor代行してくれないものでしょうか…
799 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:35 ID:Ww5VXffg
遅れて申し訳ありません。
ただいまより、SSを投下します。

タイトルは「心に愛を」です。
800Classical名無しさん:07/10/03 06:36 ID:Ww5VXffg
「まったく。カズキよ、お前は何をやっておるのだ」

 ナギは130cmにも満たない小さな体で大きく手を振り上げつつ、怒りをあらわにした。
 同行する男が突然光の槍を天高く掲げ、とてつもなく目立つ行為をとったのだから、当然のことだ。

「もしも危ない奴…… 「いや、ゴメン」 ……が来たらって、いきなり謝るな!」
「まったく……とにかくだ、我々は今お前のせいで危険な状況に立たされている。
早急に安全のための策を考えねばならん」

 ナギとカズキは、再び地下鉄の駅舎に戻る。
 ここは地下鉄とは言っても、ホームが地上にある一風変わった駅だ。
 横浜市の地下鉄などにこのような駅があるのだが、
つい最近まで地下鉄は●武を運ぶものと思い込んでいたナギには知る由もない。
 そんな特殊な駅の構内で、ナギが選んだ場所は駅員の入る事務室であった。

「しばらく、ここで隠れているぞ。ハヤテたちが戻ってきたら、すぐにでもここを離れるがな」
「いや、でもここじゃ狭くて戦えないし、逃げ場だって……」
「心配するな、逃げ場ならある」
「え、どこに……」

 事務室はほぼ完全な密室である。入り口は一つで窓はない。
 だからこそ、ここには優れた逃げ場があるのだが、カズキはそれに気付いてないようだ。

801Classical名無しさん:07/10/03 06:36 ID:Ww5VXffg
「よいか、この部屋は窓を含めて入り口が一つしかないのが特徴だ。
従って、危険人物は入り口からしか入れん」
「で、でもナギちゃんだって入り口からしか出られないよ。俺なら壁を壊して逃げられるけど……」
「心配するなカズキ、私には力がある。JOJOとパピヨンの戦闘後、使い方に気付いた支給品がな。
これを使えば……」

 そういってナギはデイパックから支給品を取り出そうとする。しかし。

「って、おいJOJOとパピヨンが闘ったって? どういうこと何だよ」
「あれ、言ってなかったか。一度パピヨンとJOJOが闘ってな。だが心配無用だ、もう戦闘を続ける雰囲気ではなかったぞ」
「そっか、まぁパピヨンは気まぐれなやつだし……」

 カズキは、JOJOとパピヨンが再び戦闘をしないかと心配しているのだろう。
 しかし、心配しているとはいえナギの身を守る必要がある以上、何も出来ないのも事実だ。
 なので、このことは無視して話を進めていくことにする。

「でだ、話を元に戻すぞ。私の支給品は一見するとただのCDだが…… 「いや、それCDにしちゃでかすぎない?」
「どこまで人の話を折れば気がすむのだお前は!」

 拳骨を一撃、カズキにお見舞いする。そして、続きの話をするためにCDを頭に入れた。

802Classical名無しさん:07/10/03 06:37 ID:lUXSkS3Y
「すっげーー、CDなのに頭に入ったよ」
「驚いたかカズキ。これは精神の力をそのまま戦闘力に反映させるという代物でな。
私のような全宇宙が期待する新人漫画家にとって、まさにうってつけの支給品なのだよ」
「使ってみてくれよ」

 必要以上に驚くカズキに、ナギは気をよくしてCDの力を見せようとした。

「よく見ておけよ、これが私のス……って、この駅に近づいてくる者がおるぞ!」

 またも話の腰を折られた。こいつはJOJOの持っているものとは一味違うというのに……

803 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:38 ID:lUXSkS3Y


 フェイスレスはジャギの首輪を得るためS5駅まで戻ってきていた。
 S5駅での戦闘で、フェイスレスはジャギをS6駅行きの電車に轢かせて殺した。
 とすれば、首輪は若干S6駅よりの所にあるのか。いや、ジャギの死体の位置、電車の速度から考えて、
S5駅プラットフォームにあると考えるべきだろうか。

「もっとよく見ておくべきだったよね」

 あの時は、首輪に盗聴器が仕掛けられてないかどうか。監視カメラがないかどうか。
 といった事を警戒してあえて首輪をとらなかった。それどころか、首輪に関することは一切口にしなかった。
 しかし、あれから放送を経て、彼の考えも変わった。
 当時とは逆の結論だが、ジャギの首輪を手に入れようと思ったのだ。
 そして、原点に帰り首輪を『分解』しようとしているのである。
 『分解』とはフェイスレスの得意技のことで、人形や機械などを一瞬で分解してしまう技能の事である。
 彼はこの技能を、様々な知識を元に生み出した。この技の大きな特徴としては、
フェイスレスが知っているものなら何でも分解できるという事があげられる。
 それゆえ、外科医としての知識も持つ彼は『人間さえ分解できる』のだ。
 さらにこの技には、知られざる盲点がある。
 バトルロワイアルという演目が想像もしていなかった、事柄がこの中に隠れているのだ。
 だが、その事は後で述べるとして、ここで重要な事は『知ってさえいれば』、『何でも』分解できるという事実である。
 そのため、彼は首輪を知ろうと思っているのだ。

804 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:38 ID:lUXSkS3Y
「どこだったかな……」

 プラットフォームから線路を見下ろせば、あたり一面にどす黒い液体が散布されている。

「不純物が多いとこうなるんだよね」

 化学合成、錬金生成の際にできる不純物だらけの溶媒は、様々な物体が交じり合い、
結果として幅広い周波数帯の光を吸収する。
 そのため、溶媒は真黒い液体になるのだ。今、枕木の上にある液体は正にそれである。

「ま、それだけ汚いって事なんだけどね。ジャギ君。
それにしても、どこを探してもないじゃないか……」

 全身が散らばっているので、単に見つかりにくいだけかとも思ったが、数分ほど探しても見つかる気配がない。
 誰かが持っていったと考えた方が良いだろうな。
 そんな事を感じ始め、フェイスレスはその場を後にしようとした。

805 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:39 ID:lUXSkS3Y


「アンタだったのか……」

 ナギと2人でカズキはプラットフォームに出ていた。
 首輪探知機で、何者かの接近に気付いてはいたが、それがまさかフェイスレスだとは思わなかった。
 フェイスレスはちょうど、プラットフォームの階段を降りているところだった。

 軽い気持ちで、会ってみたいと言ったのはカズキ。
 慎重な考えで、隠れていようといったのはナギ。
 2人で議論した後、結局、カズキの考えが通り、接近者との邂逅となったのだ。
 けれど、ふたを開ければ接近者はカズキの知りうる限り最悪の人物。
 パピヨンならいい、強いし怪しい雰囲気もあるが危険ではない。
 女道化師も危険だが、フェイスレス程の奥深さを感じなかった。
 だが、こいつだけは、この男だけは……

「最悪だ、ナギちゃん。俺の後ろへ」
「なぁんだ、ちょっと見ないうちに随分かわいい彼女を作ったじゃないか」
「わ、私はカズキの彼女ではない!」

 激昂したナギが、カズキの前へと出ようとする。
 ハヤテという存在がある以上、彼女の気持ちは理解できなくもないが、この場では控えるべきだ。

806 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:39 ID:lUXSkS3Y
「抑えてくれ、ナギちゃん。あいつはただの老人じゃない」

 目の前にいるフェイスレスは、顔を縦横斜めに引っ張りながら、器用に変形させている。
 時折、カズキの顔になったりするあたり、この老人の遊び心が伺える。
 顔を変形させるという珍妙な特技を無視すれば、目の前にいる遊び心豊かな老人は単なるボケ老人と見ることさえ出来なくもない。
 けれど違う。ここにいる男は最上級の危険人物だ。

「武装錬金」

 自らの心臓から、闘うための槍を取り出す。
 その異常な行為を目の当たりにしても、「やっぱスゲーー!」と手を叩いて驚くだけ。
 余裕から来る発言であろう。なにせ、彼はカズキの本質を瞬時に見抜き戦闘中に背を向けるという荒業をやってのけた玄人だ。
 さらに言えば、老人離れした身体技能でサンライトハートを分解しようとした実績も持つ。
 カズキの額に汗が滲む。もし戦闘になったら、自分はこの男に勝てるのだろうか……

「おい、お前。こんな所に来て一人で何をしておる」

 いや、抑えてって言ったじゃないか。
 ナギはカズキが静止するのも聞かず、フェイスレスを刺激する発言をする……いや、違うか?
 よく考えてみれば、確かにフェイスレスが駅に来た理由は重要だ。
 探知機によれば、彼は別の駅からではなく、北側からやってきた。
 ここから別の駅に行くのか。いや、それにしてはプラットフォームから出ようとしているのは不自然だ。

807 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:40 ID:lUXSkS3Y
「あぁ、ちょっと首輪を取りに来たんだよ。でも、もうなかったなぁ」
「なんで、ここに首輪があるって思ったんだ?」
「だってぇ、僕が殺したんだもん。ジャギ君をさ」

 瞬間、フェイスレスのいた場所に一筋の光が走る。

「おぉ、怖い怖い」

 カズキの攻撃をフェイスレスがかわす。突然の一撃を、焦ることなく冷静に、確実にかわす。
 戦士としての覚悟が、カズキに告げる。この男は、必ず倒さなければならないと。

「ナギちゃん、隠れてて。これ以上のものは、君に見せたくない」

 戦闘する、倒すという行為は、敵を殺す事も有り得るという事だ。
 もちろん、無力化するだけで済めば、それに越した事はない。
 だが、相手の実力から考えて、それは不可能に近い。恐らく、殺す覚悟で行かなければ倒せない。

「お、おいカズキ。この私には闘う力があると見せたばかりだろう」

 確かに、ナギのCDについては先ほど見せてもらった。けれど、戦闘とは単に力だけでやるものではない。
 相手が傷つき血を流す姿を見ても行為を止めない覚悟と、自分が死ぬかもしれない覚悟の二つが必要になる。
 だから、CDの力を得たばかりのナギに戦闘行為は不可能だ。
 それ以前に、カズキはハヤテに約束した。ナギを守ると。だから、彼女を闘わせるわけには行かないのだ。

808 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:42 ID:Ww5VXffg
「殊勝な心がけだねぇ。でも、本当に彼女の助けは要らないのかな?
カズキ君一人で僕に勝てるって本当に思ってるのかい」
「勝てるさ!」

 ナギに「逃げろ」とつぶやき、カズキはフェイスレスに向けて突撃する。
 フェイスレスは、カズキに向かい銃口を向ける。
 引き金を引く寸前、カズキはそれを切っ先で弾き飛ばした。

「ヒュゥ、やるぅ!」

 フェイスレスはあくまで余裕を見せている。その油断が命取りだ。
 カズキはサンライトハートを両手に持ち、突き、袈裟切り、胴切り。
 あらゆる攻撃を16歳の身体能力を全開にして、肉体年齢的には60を超えているであろう老人に繰り出していく。
 けれど、その攻撃はことごとく当たらない。あるときはかわされ、あるときは防がれる。

「言い忘れたけど、カズキ君。僕は素手でも強いよ。手加減したままだと勝てないんじゃないかなぁ」

 そんなことは既に分かっている。だが、カズキには全力を出せない理由があった。
 背後でナギが見ているのだ。
 どれ程、決意を固めたとしても、穢れを知らぬ少女の前で老人を叩きのめすわけには行かない。
 早く逃げろと思っているのだが、ナギはその場から動こうとしない。
 恐らく、自分の力でカズキを支援しようとしているのだろう。

「うぉおおーーー!」
809 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:43 ID:Ww5VXffg
 雄たけびで誤魔化しつつ、フェイスレスを威嚇する。
 だが、そのような手段が通用する相手ではない。全てが見透かされている。

「こっちはそろそろ、本気を出すよ」

 フェイスレスのスピードが一段アップする。同時に、カズキはその拳を数発浴びる。
 重い、そして、拳が硬い。やはり、フェイスレスは一味違う。

「効くだろ、僕の拳は。僕の体は大半が安っぽい機械で出来てるのさ。だから、強いぜぇ」

 そうか、それが分かれば……
 西遊記の孫悟空よろしく、サンライトハートを回転させ、その遠心力でもって斬りつける。
 そのスピード、パワー共に先ほどの比ではない。けれど、フェイスレスはどこか詰まらなさそうだ。

「なぁんだ。やっぱり、実力を隠してたんじゃないか……
大方、僕の強さがわかって、これぐらいの力なら殺さなくても済むって思ったんだろ? だから、そんだけ力を出したのさ。
でもね、君の顔に書いてるよ。『俺の実力はもっと上だ』ってね」

 確かにカズキは、フェイスレスを殺さない、大怪我をさせない範囲でしか力を出していない。
 けれど、それを見抜く態度は癇に障る。

810 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:43 ID:Ww5VXffg
「うぉおおああ!」

 再度、掛け声と共に突撃する。せめてナギに見えないように、ホームの端へとこの男を追い詰めて倒す。

「もう、飽きたよ」

 フェイスレスは、落ちた銃を拾い上げ、再びカズキへとその口を向ける。
 横一線、サンライトハートの一撃が、またも銃を叩き落とす。

「こんなときだけ速いんだから……で・も・ね」
「カズキ、後ろだ!」

 ナギの甲高い声が突然響き渡る。後ろ? 後ろに何がいるって言うんだ。
 首輪探知機では一人しかいなかっただろ。疑問に思うカズキが振り返るとそこには、死神の鎌を携えたかぼちゃが一匹。

「な、いつの間に……」

811 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:44 ID:Ww5VXffg


 三千院ナギは見ていた。見ているだけで、何も出来なかった。
 2人の戦いには入り込む隙がほとんどなかったのだ。

 老人が銃口をカズキに向ける。
 猛スピードでカズキがそれを切り払う。
 そして、そのまま老人を蹴り飛ばそうとした瞬間。
 線路下に隠れていた、かぼちゃの化け物が、突然現れてカズキに切りかかってきたのだ。

「ば、馬鹿な……っく」

 かぼちゃの攻撃を、カズキはかわす。そして、距離をとろうとした瞬間……

「バブル・ザ・スカーレット」

 かぼちゃから吐き出された粘着液により、カズキの動きが止まる。
 そして、再びそこに鎌が振り下ろされた。

「まずい、武装か……」

 カズキは何かをしようとしたが、時既に遅し、死神の鎌はそのまま彼の胸元を切り裂き……そして。
812 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:44 ID:Ww5VXffg
「肉も断った、骨も断った。もう、終わりだよカズキ君」

「か、カズキ……」

 人体の急所、胸を引き裂かれたカズキの体はそのまま横たわり、起き上がることはない。

「詰まらない戦いになっちゃったねぇ……本気を隠すから、こういう目にあうんだよ」
「もしかして、私のせいなのか。私のせいで、カズキは力を出し切れなかったのか……」

 カズキの死体に駆け寄り、ナギはその体を抱き寄せる。

「どうして、全力を出さなかったんだ。私は別に、あんな奴が死んでも何とも思わんぞ」
「君に、そんな風な考え方を持たせたくなかったんだろう。優しかったんだよ。そして、弱かった」
「カズキは弱くない。本気さえ出せたら、お前に負けたりしなかった」

 フェイスレスが、カズキに近づいてくる。

「近寄るな、この馬鹿者が……お前のせいで、このカズキは死んだんだぞ」
「ナギちゃん、だっけな。お嬢ちゃんにも死んでもらおうと思ってね」

 かぼちゃの化け物を傍らに、老人はゆっくりと歩いてくる。
 鎌を携えたその姿は、古来より言い伝えられている死神の姿そのものだ。
 怖い。
 普段のナギなら、そう思ったであろう。人殺しの瞬間を目撃し、死神が目の前にやってきて。
 怖くないはずがない。けれど……

813 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:45 ID:Ww5VXffg
「この私は死なんぞ、私と闘え、このボケ老人が!」

 けれど、今のナギは怖がらない。その理由は……

「強がっても、体が震えてるよ。僕の夢のために死んでくれよ」
「貴様の夢の事など知らんわ。この三千院ナギにも夢があるのだ、ハヤテと結ばれる夢。漫画を一兆部売る夢がな!」

 死神老人の歩みは止まらない。

「貴様がどうしても私を殺すというのなら、私は貴様を倒さなければならん」

 ナギが死神を怖がらない理由。それは……

「スパイスガール!」

 スタンド能力を身に着けたからだ。
 突然、顕在したスパイスガールに死神老人は歩みを止めた。

「凄いじゃないか!」

 そして、惜しみない拍手を送る。この行動だけをとってみれば、やはりどこかずれたボケ老人だ。

814 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:46 ID:lUXSkS3Y
「その余裕が命取りだと言われただろうが!」

 スパイスガールを使い、ナギの方から攻撃を仕掛ける。
 この破壊力とスピードはスタンドの中でも、最上級の部類だ。
 ナギという操演者のせいで多少乱雑ではあるが、一撃でも喰らえば、ジャック・オー・ランターン(ジャコ)は致命傷を受ける。

「バブル・ザ・スカーレット」
「その技はもう見た!」

 スパイスガールの身体能力を使い、すばやくガムをかわす。
 そして、距離をため再び、老人に突撃する。
 スパイスガールによる連続攻撃。単純な拳の連打だが、その一撃一撃は強烈。
 ジャコを使いよけつつも、僅かながら拳撃を受けてしまうフェイスレス。
 一旦、彼はナギとの距離を開けた。

「なるほど、自動人形と繰り人形の中間といったところか。自分の思い通りに動かせる人形。
けれど、操演者の思いがなければ動かない? 違うかなナギちゃん」
「そうだといったら?」
「だとしたら、僕はもうそれの弱点を見つけちゃったなぁ」

815 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:46 ID:lUXSkS3Y
 2人の距離は10mほど。この距離では、スパイスガールは届かない。
 弱点とは、その事を言っているのだろうか。いや、文脈から見てそれはない。
 だとしたら一体……ナギは頭の中でフェイスレスの言っている事を考えている。
 もしかしたら……

 対峙する2人の頭上から、スピーカーの音が聞こえる。
『まもなく、1番線に電車が参ります。白線の内側にお下がりください』

「うぉおおぉおおお!」

 甲高い声と共に、ナギが突撃する。
 フェイスレスはジャコを高く上げ、自身の上でホバリングさせる。
 そして、あろうことか、迫り来るスパイスガール相手に己が肉体をもって格闘戦を仕掛けてきた。

「な、なんだと!」

816 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:47 ID:lUXSkS3Y


 フェイスレスはスパイスガール、否スタンドの弱点に気付いていた。
 スタンド(彼は名前を知らない)は、操演者の思念によって動くものである。
 しかし、忘れてはならないことが一つ。
 操演者はあくまで人間だという事だ。
 元々、人間は同時に複数の事を考えられるようには出来ていない。
 そして、当たり前だが同時に四本の腕を操られるようにも出来ていない。
 人形繰りを200年以上続けたフェイスレスには経験がある。
 つたない人形師が、人形を操ると、自分も人形に釣られて動いてしまうということだ。
 幼い頃は何度か、そんな事をやってしまった。
 現代の子供たちが興じるテレビゲームにたとえて言えば、あるレーシングゲームをやっている子供がいたとして、
よく観察していると、レースカーと一緒に子供が動く事があるのに気付く。
 レースカーに右に曲がれと、指示を出すと自分自身の体も右に傾けてしまうのだ。
 これは、人間という生き物の本質に他ならない。
 どの人間も、生まれたときから、一つの脳と二本の腕、二本の足を持って暮らしてきているのだ。
 従って、それ以上のものを操ろうと思った場合には、それなりの訓練がいるのである。
 だからこそ、自動人形破壊者(しろがね)たちはフランスのキュベロンで人形繰りの練習をやっているし、
フェイスレスだって、幼い頃白家で人形繰りの基礎を学んできたのである。

 そう、目の前の少女が持っている弱点とは、自分とスパイスガールを別の生き物のように操れないという事。
 そして、自分はその弱点を既に克服しているという事。これは大きなアドバンテージだ。

817 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:48 ID:lUXSkS3Y
 目の前の似非自動人形と格闘戦を繰り広げるフェイスレス。
 同時に、ジャコを彼女の後ろに移動させていく。気付かれないようにひっそりと。
 少女は、フェイスレスに集中していて背後の事には気付かない。
 そりゃそうだ。彼女の頭は目の前にいる対戦相手で一杯になっているのだから、他の事は処理能力を超えて溢れてしまう。

「終わりだよぉん」

 ジャコの糸にほんの少し力を入れればそれで終わる。その瞬間であった……

「終わるのはお前だ」

 少女がいきなり、前に走り出したのである。
 決して速くない。だが、スタンドとは連動しない形で走り出した。

(馬鹿な、読み違えたか……)

 己の予想を超える出来事に、フェイスレスの動きが一瞬止まった。

「コノ腐レジジイハ ブッ壊ス!」

 一撃、二撃と、スパイスガールの攻撃がヒットする。

818 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:48 ID:lUXSkS3Y
「WAAAAAAAAAAAAAAABEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!」

 容赦ないスタンドの攻撃は、そのまま流れるように全弾あたった。

「さ、最初からオートマータだったというわけか……」
「スタンドだ、間違えるな。そして、こいつは自我を持って動いておる。そうだろ、スパイスガール?」
「ソノトオリデス」

 してやられた。
 まさか、自動人形を繰り人形に見せかけて攻撃していたとは思いもよらなかった。

「やるねぇ……」

 フェイスレスの顔から、戦闘中始めて余裕がなくなる。
 そして、そのまま、これまでとは逆に自分から相手に突撃する。ジャコを引き連れて。
 少々驚かされたが、要は、運動神経の鈍い女の子と、自動人形が一体いるだけの事。
 女の子は、自分が近づくと後ろに向かって走る。それにあわせて、自動人形はバック転で付いて行く。
 まずは、自動人形から倒す。そして、自分を甞めた女は、後でいたぶって殺す。

819 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:49 ID:lUXSkS3Y
「いくよ、ジャック・オー・ランターン!!」

 フェイスレスが少女まで、あと5Mと迫ったとき、突然、床が崩れ始める。

「言い忘れたが、その床は柔らかくなっておる」

 そこは、カズキ戦の時フェイスレス自身がジャコを隠していた場所。
 線路下にある緊急退避場所の天井が、なぜか一枚のゴム板のように柔らかくなっている。
 その床は、フェイスレスの体重を支えきれず、崩れ去る。
 そして、彼は線路に転落し、目の前からは列車が迫ってきた。

「ま、まさか……うぉあああ!」

820 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:52 ID:cWK007Rg


「やった……勝った、勝ったぞ!!」

 身体能力で明らかに上回る相手を倒してのけた。
 スタンド能力、スパイスガールの力は本物だ。
 もちろん、少々不意打ちに近い事を二度もやったことが勝因なのだろうが、
何にせよ、最終的に勝ったのは自分だ。
 ナギは1番線に停車した電車を見つめる。
 恐らく、あの電車の下には粉々になったフェイスレスとかぼちゃの化け物がいるのだろう。
 ナギは勝利の興奮と、戦闘の余韻に浸り気付いていないが、粉々になったという事は
死んだということであり、彼女が人殺しをしたという事だ。
 8年前、彼女の両親が死んでしまったときと同じように、電車のしたには遺体が転がっているのである。

「ま、まぁ私は悪くないからな。だって、アイツ……」

 少しずつ、罪悪感が沸いてくる。
 本当に殺さなければいけなかったのか。それ以外に手段はなかったのか。

『1番線から、普通S6行きが発車致します』

821 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:53 ID:cWK007Rg
 駅から、電車が離れていく。
 ナギは疲れた体を押して、最後の確認をしなければならない。
 本当にフェイスレスは死んだのかという確認をだ。

 走り去った電車のした、二本のレールの間には、かぼちゃの化け物が原型をとどめない姿で転がっていた。

「う、うむ……これでよかったのだな……」

 しかし、よくないことが一つ。フェイスレスの死体がないということ。
 かぼちゃの化け物(スタンドかな?)だけでは、本体が死んでいない。
 どこにいるのかと、ナギが探し始めたとき……

「いやぁ、よくよく考えたものだったと思うよ」

 ナギの背後から老人の声。

「馬鹿な、生きていたのか……」

822 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:53 ID:cWK007Rg
 不思議な気分だ。
 人殺しをしなくて済んだという気持ちと、老人を殺せなかったという気持ちが半分半分で
ごちゃ混ぜに入り混じっている。
 振り返ると、老人は左腕をなくしているものの不思議な事に出血はなく、
痛みすらないといった表情で立っていた。

「生きていたのなら、今すぐこの場を立ち去る事だな。もう分かっただろ、お前では私に勝てない」
「何か勘違いしているんじゃないかな?」

 刹那、フェイスレスの体が消える。
 そして、次の瞬間、ナギは鳩尾に激痛を感じた。

「僕が本気を出していたとでも思っていたのかい」

 見えなかった。スタンドの発現すらままならないスピードでフェイスレスは攻撃してきたのだ。
 その攻撃が右手によるものか、足によるものかすら、ナギには分からなかった。

「この僕が、カズキ君ならともかく、君みたいなお嬢ちゃんに本気を出すわけないだろ」

 また攻撃。
 今度は見えた、右拳が顔面にぶつかった。

823 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:54 ID:cWK007Rg
「っく、スパイスガール」  「遅い」

 発現させたスパイスガールもろとも、フェイスレスは前蹴りでナギを弾き飛ばす。

「柔らかくする能力は厄介だからねぇ、今すぐ分解させてもらうよ」

 片腕を失ったというのに、フェイスレスのスピードは遅くなるどころか速くなっている。
 そういえば、体が機械化されているといっていたか。
 そんな体だから、左腕を失っても、痛みによる動きの低下が見られないのだろう。

「スパイスガールよ、防いでくれ」

 自身のスタンドに最後の望みを託す。スパイスガールが攻撃を防げなければ、自分は殺される。
 けれど、フェイスレスの動きは止まらない。

「分解」

824 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:55 ID:cWK007Rg
 右手一本で、スタンドの右腕を解体し始める。
 はじめは指から、手首、ひじ、肩。そこまで分解したところで、再び蹴り飛ばす。

「…………がぅ」

 声にすらならない痛みが、右腕に走る。
 スタンドが傷ついたせいで本体にまで、同じダメージが来る。
 まずい、まずい、どうしたらいい。
 自分はここで死ぬのか……そんな思いが頭の中をよぎる。

「私はまだ、死にたくない。ハヤテに再会していない。ハヤテと結ばれていない。死にたくないぞ」

 夢はかなわぬまま終わるというのか。
 漫画すら賞をとれず、ハヤテとは再会できた後に別れたまま。
 けれど、そんなナギの考えをよそに無常にも死神フェイスレスは迫り来る。

 ナギは諦め、そのまま目を瞑った。その時だった……

825 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:55 ID:cWK007Rg
「うぉおおおおお!!」

 聞きなれた少年の声がする。
 死んだはずの少年の声がする。

 ナギが目を開けるとそこには……

「カズキ!!」

 武藤カズキがいた。

「フェイスレス、ナギちゃんに手を出すな!」

 カズキの胸からは血が流れている。けれど、その量は少ない。
 致命傷ではなかったという事か。しかし、どうして、胸に一撃を喰らっても生きていられたのか。
 疑問に思うナギをよそに、カズキはフェイスレスを投げ飛ばす。
 そして、ナギに駆け寄ってくる。

「ゴメン、ナギちゃん。俺が遅かったせいで、怪我をさせちゃったみたいだ」

826 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:56 ID:2tfdpC5.


 かつて秋水先輩と戦ったときと同じように、武藤カズキは武装解除で敵の攻撃を防いだ。
 左脇から、胸元にかけての攻撃は、核鉄が防いでくれる事をカズキは経験上知っていたのである。
 あの時、ジャック・オー・ランターンがカズキに鎌を振り下ろしたとき、とっさのことで防ぐ事がままならなかった。
 けれど、核鉄はそんなカズキに最後の防衛手段を用意していたのである。
 誤算があったとしたら、数分間気絶していたという事か。けれど、もう気絶しない。
 これからは本気を出して、フェイスレスを倒す。
 ナギを怪我させた以上、アイツを許しておく理由はどこにもない。

「行くぞフェイスレス。今度は俺が相手だ」
「また、本気を出せないなんて言うつもりはないよね?」
「ない!!」

 強く断言し、突撃する。
 サンライトハートによる突き。日本刀などの斬撃と異なり、この突きは点の動き。
 フェイスレスへと向けて、一本の光柱が伸びる。それは突然大きくなる点の動きだ。
 見慣れない動きに、動揺したのか、フェイスレスはそれをよけるだけで、何もしないまま距離をとる。

827 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:57 ID:2tfdpC5.
「その光の柱が君の力かい? こりゃ『分解』出来そうもない」

 カズキは何も応えないまま、エネルギーを全開にしサンライトハートで攻め立てる。
 伸縮自在の槍は、フェイスレスによける場所をほとんど与えない。
 後方によけても、確実にぶつかるため、彼はしゃがむか、飛ぶかしかよける手段がないのだ。
 そのため、攻撃のいくつかは確かな手ごたえをカズキに残していく。
 だが、フェイスレスは体を何度切り刻まれても、そのスピードを落とさない。

「言ったろ、僕の体は機械製だって」

 機械化されているため、体のどこを切り落とされても痛みを感じない。
 そのため、切り落とされたり、怪我をしたりしても、身体の機能低下はほとんど起こらないのだ。
 左腕をなくしているため、左腕分の機能は低下しているが、それ以外フェイスレスの体は全く無事といっていい。

「ならば、足を切るまで」

 地面すれすれの所をサンライトハートが切りかかる。
 飛び上がって、よけるフェイスレス。高い空中、よける場所はない。
 今度こそ、とカズキはフェイスレスの足元めがけ、光の柱を叩きつける。
 だが……

828 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:58 ID:2tfdpC5.
「バブル・ザ・スカーレット。これで三度目だよ」

 粉々になった人形から、粘着液が発射される。
 もう動かなくなったと思っていた、その人形の動作にカズキは驚かされたが、それ以上に、驚いたのは粘着液の発射先。
 粘着液は、プラットフォームの天井めがけて発射されたのだ。
 そして、フェイスレスは、手袋を填めたその手を粘着液につけ、体を固定し、光を避ける。
 さらに、手袋を外し、そのまま着地。カズキとの距離を縮める。

「っく」

 後ろに下がるカズキ。追いかけるフェイスレス。
 だが、後ろ走りのカズキより、追いかけるフェイスレスのほうが速い。

「分解」

 フェイスレスの左腕が、カズキの右腕を分解せんと動く。
 カズキの右腕は、それを避けるように動く。
 けれど、間に合わない。スピードではカズキが上回るはず、力でも上回るはず、なのにフェイスレスの分解は止まらない。

829 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:58 ID:2tfdpC5.
 実はここにバトルロワイアルという演目の盲点がある。
 フェイスレスと武藤カズキ、身体能力で言えばカズキが上だ。
 けれど、総合的な戦闘能力で言えばフェイスレスはカズキと互角である。
 そこに盲点がある。
 バトルロワイアルでは、参加者全員に首輪が填められ、その首輪により全員の能力が制限されている。
 この制限の目的は、強い参加者と弱い参加者の格差をなくす事。
 決して、強い参加者を弱い参加者の下に置くことが目的ではない。
 従って、制限下においても戦闘力の序列は変わらず、強い者は強いままということになるはずであり、
互角の2人は互角のままであるはずなのだ。
 けれど、それは主催者の狙いであって現実ではない。
 制限というのは、全ての力に均等にかかるものではないのだ。
 スタンドやアルターといった特殊能力には強く。強大な身体能力にも強く働く。
 だが、一つだけ、全く制限のかからない能力がある。それは知力だ。
 東西の高校生探偵も、人の心を妖怪のように見抜く雀士も、その知力は制限されていない。
 当然フェイスレスの分解のように、知識ベースの技は制限がかけにくくなるのである。
 フェイスレスは知識として、人間のどこをどうすれば、分解できるかを知っている。
 この知識がある限り、どれ程身体能力を制限されたとしても、それこそ、小学校高学年の児童並みに制限されたとしても、
彼の分解は機能する。そのことは、才賀勝が示したとおりである。

830 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:59 ID:HKOYwLiY
 逃げ惑うカズキの右腕を、フェイスレスの左手は追い詰め、分解していく。
 指、手首、肘……と確実に分解を進めていく。だが……

「スパイスガール!」

 突如現れたスタンドにより、それは叶わないものとなった。
 最後の力を振り絞ったスタンドにより、フェイスレスは弾き飛ばされた。

「カズキよ、確かに敵は強い。だが、負けるな。お前には負けてはならない理由があるはずだ。斗貴子の顔を思い出し必ず勝て」

 力弱い少女からの、何より力強い励ましをもらう。
 カズキの右腕は肘から先が機能していないが、それでも負けない。
 この日何度目か分からない覚悟を決め、カズキはフェイスレスに突撃する。
 左手にランスを、心に決意を持ち、相手を倒す。確実に。

831 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:59 ID:HKOYwLiY
「うぉおおお!」

 利き腕でない、左手の攻撃。だが、その攻撃は先ほどと微塵も見劣りしない。
 むしろ、強くなったぐらいだ。

 カズキは以前、秋水と共に剣道の稽古をした。
 剣道では、左手がきわめて重要であると教わる。ある道場では、左手一本で素振りをさせるほどに、左手の動きを重視する。
 左手の小指と薬指の引き付けにより、剣を振るのが剣道というものだ。
 そして、右手は軽く添えて、左手が振る剣を操作するのである。
 カズキは足りない右手の分を体の捻りによって補い、剣道の基本切り替えし左右面でフェイスレスを攻め立てる。
 サンライトハートの諸刃は、日本刀と異なり、振り上げるときにもダメージを残していく。

832 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 06:59 ID:HKOYwLiY


 フェイスレスの眼前に文字通りの剣林が迫り来る。
 単純な振り上げ運動は、カズキのスピードを最大限に高め、フェイスレスに反撃の隙を与えない。
 左右斜めの袈裟切りを、器用に避けるフェイスレスではあるが、分解する時間はない。

 だが、分解する時間がないからと言って何も出来ないわけではない。
 カズキが槍を振り上げたその瞬間、フェイスレスは右正拳をカズキの鳩尾に落とす。
 分解に比べて単純なその動きは、カズキを止めるのに役に立つ。
 その後、カズキは一瞬止まるものの、同じ動きを繰り返す。
 フェイスレスはそれにあわせて、正拳を繰り出していく。
 単純な動き、2人とも同じように動きつつ、ダメージだけが蓄積されていく。

833 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 07:00 ID:HKOYwLiY
 フェイスレスに注がれる斬撃は、その肩と上腕に切り傷を与えていく。
 けれど、フェイスレスの動きを止めるには至らない。
 一方、鳩尾を殴打されているカズキは違う。少しずつ、動きを弱めていく。

 機械人間フェイスレスと、生身の人間カズキとの違いである。
 フェイスレスは徐々にカズキに与える正拳の数を増やしていく。

 次第に、カズキの動きは遅くなり、ついにはとまってしまった。



 鳩尾に攻撃を喰らいつつ、武藤カズキは考えていた。
 自分はどうして、老人に攻撃しているのだろうと。ほんの少しボケた事を考えていた。
 ブラボーの声が聞こえる。

834 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 07:00 ID:HKOYwLiY
『善でも悪でも、最後まで貫き通せた信念に偽りなど一つもない』

(俺が最後まで貫き通したい信念ってなんだっけ?)

 戦士として、ブラボーや斗貴子と共にすごした日々を思い出す。
 あの頃、自分が学んだものは一体なんだったのか。

(教えてくれ斗貴子さん。俺の信念って一体なんだっけ)

 鳩尾を中心に、体中に痛みが走る。
 斜めに振るう剣腕は、既に限界に近いほど疲れを感じている。

(どうして、俺こんなになってまで動いてるんだっけ……)

 頭によぎる疑念のと共に、武藤カズキの動きは止まってしまった。

「動きの止まった君なら、『分解』できる」

835 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 07:00 ID:HKOYwLiY
 フェイスレスの姿がすぐ目の前に迫ってくる。彼はカズキの左手を取り、分解を始める。
 不意に、カズキの視界が崩れ始めた。

『命を諦めてくれないか?』

 かつて、上司キャプテンブラボーが自分に投げかけた言葉。
 あの時、自分が貫いた思いはなんだったか……
『大事なものを死守せんとする強い決意』
 それこそが、カズキの持っていたものではなかったのか。
 フェイスレスの手が、カズキの左拳にかかる。そのときだ。

「諦めるなカズキよ。お前には斗貴子がいる。心に愛があるのなら、お前は決して死にはしない!!」

 そうだ。
 俺は斗貴子さんに会う。
 この思いこそ、俺が今貫くべき信念だ。

836 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 07:02 ID:2tfdpC5.
 動かなくなった右腕を上腕二頭筋だけで、振り回しフェイスレスへとぶつける。
 激痛が走るが、そんなもの知らない。それは信念ではない。ここで貫くのは、信念だけだ!

 動かないと思っていた右腕の攻撃に、フェイスレスは一瞬とまる。
 その一瞬のうちに、カズキはフェイスレスを蹴り飛ばし、サンライトハートにエネルギーをためる。

「俺は再び、斗貴子さんに会う。彼女を傷つける全ての敵から俺は彼女を守り通す!」

 愛の決意を槍に込め、武藤カズキ最期のチャージ。
 フェイスレスにそのまま体当たりをきめ、彼の体を…………

837 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 07:02 ID:2tfdpC5.


 三千院ナギが戦いの最後に見たシーン。
 それは、サンライトハートが、フェイスレスを貫くシーン。

「やった、カズキが勝った」

 戦闘の勝利者に、ナギは駆け寄っていく。
 だが……

「お、おいカズキ、どうした……勝ったのだぞ。返事をしろ」

 よく見れば、カズキの足元には夥しいほどの出血がある。
 彼は胸元を切り裂かれた状態で、今まで戦闘していたのだ。
 さらに言えば、フェイスレスにより、鳩尾に何度も拳を殴打されていた。
 呼吸困難と出血多量により、その体は既に限界を超えていたといっていい。
 そこへ、エネルギー全開のサンライトハート。
838Classical名無しさん:07/10/03 07:10 ID:TUVY/nuo
しえん
カズキィ。。。
839 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 07:12 ID:2tfdpC5.

「馬鹿なことを……どうして、どうして……」

 どうして、などと言わずとも分かっている。
 カズキは自分を、そして斗貴子を守るために闘っていたのだ。
 そして……

「お前は馬鹿だ」

 たったまま動かない武藤カズキ。
 その肉体は、これからも動くことがない。



【白金(フェイスレス)@からくりサーカス  死亡】
【武藤カズキ@武装錬金  死亡】
840Classical名無しさん:07/10/03 07:12 ID:2tfdpC5.
【B-3 駅プラットフォーム 一日目 昼】
【三千院ナギ@ハヤテのごとく!】
[状態]右腕の骨が完全に分解されている。全身に打撲。
[装備]首輪探知機@漫画版バトルロワイアル、スパイスガール@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]支給品一式、不明支給品0〜1(本人は確認済。核鉄の可能性は低い)
[思考・状況]
基本:殺し合いはしない
1:ハヤテとジョジョを待つ。
2:ハヤテ、マリア、ヒナギク、ジョセフと合流する。
3:カズキを供養する。
4:カズキの恋人という『斗貴子』とやらに会って、カズキの死を伝える。
参戦時期:原作6巻終了後

※スパイスガールは疲労のため、しばらく出せません。
841Classical名無しさん:07/10/03 07:14 ID:2tfdpC5.
投下終了です。

支援ありがとうございました。
842Classical名無しさん:07/10/03 07:21 ID:TUVY/nuo
カズキ一時は生きてた! と思ったのに…原作と逆だ。
朝から乙!


といいたいところなのだが、漫画ロワキャラ中身体能力最弱1位であるナギが自立思考型とはいえ、スパイスガールをこれだけの時間使い続けていられるだろうか?
自立思考型のスタンドの性能と共に一考お願いしたい。
843Classical名無しさん:07/10/03 08:10 ID:jTdwKE5.
GJ!
う、おおお……か、カズキが……。
やばいぞ、パピヨン(斗貴子も?)暴走フラグが立った。
というか、フェイスレス強い。
「知力」には制限がかからないせいでフェイスレスが有利になるというのはなるほど、確かに。
お見事な着眼点です。

ところで指摘が二点あります。
状態表の思考・状況2の「ジョセフ」は承太郎では?
ジョセフとは会ってませんよね?(彼もジョジョではありますが)

もう一つはスパイスガールズの能力の問題なのですが、したらばの問題議論用スレに張っておきます。
844Classical名無しさん:07/10/03 08:13 ID:cW0vH1uY
GJ!
カズキはかっこよく逝きましたね
さて、カズキが死んでマーダーが一人増えるのかな? それと、一波乱ありそうな予約が入りましたね〜
845 ◆NIooiMe9JM :07/10/03 16:00 ID:cWK007Rg
カズキいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!

ああ…馬鹿なんていってごめんよ…

遅れたけどGJ!!
846Classical名無しさん:07/10/03 17:48 ID:7mUnUM12
GJ!
カズキやはり逝ってしまったかぁ……しかし最後まで漢だったぜカズキ!
まさかナギがスパイス・ガールで此処までやるとは!確かにスペック高いもんね。
そして今までフェイスレスが死んだ事に誰も反応していないw何故なんだ?w
剣道の左手のくだりなど所々の知識が豊富でGJです!

>>843
以前ナギは承太郎と情報交換した時にジョセフの存在を知ったからさ。
847Classical名無しさん:07/10/03 18:15 ID:TUVY/nuo
したらばに死亡者名鑑スレを立てました。
第二回までの放送(平賀才人)まで、新しく総登場回数と称号の項目を追加しました。
ご指摘があればそちらでお願いします。

あと、wikiの項目の追加方法誰かレクチャーor代行を・・・orz
848 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 19:18 ID:ij74RU8c
@wikiメニュー→新規ページ作成から出来るかと。


今見たら、メタクソな文章やなぁ……直しておきます。
挙げられた問題についての解答はまた後で、22時ごろにでも。
849Classical名無しさん:07/10/03 20:02 ID:1KuejG7E
>>847
乙!盛大に吹いたwww
だが本郷さんはオンドゥル星の人じゃねえぞwww
後なんで三影がごひwwww
850Classical名無しさん:07/10/03 20:09 ID:7mUnUM12
>>847
乙!
称号のセンスが良いねw
851Classical名無しさん:07/10/03 20:38 ID:TUVY/nuo
おお、やってみたらなんとかできそう・・・
ご迷惑おかけしました。

>>849
力こそ正義だ! とかなんとかいってたから(´・ω・`)
852Classical名無しさん:07/10/03 21:14 ID:TUVY/nuo
まとめサイトに死亡者名鑑追加しました。
それにしてもAAが酷くなるのが多い・・・
あと、意外にな行で始まる名前がいなかった。
853 ◆DO.TxVZRzg :07/10/03 22:04 ID:2tfdpC5.
まずは、皆さん感想ありがとうございます。

で、あげてくださった意見に対する私なりの回答です。
>>842
ナギは確かに最弱と思われます。ですが、今回のケースでは、フェイスレスが手加減していた事と。
自立行動型という点から考えて、この程度は動けると判断しました。
また、6巻終了時での登場ですので、ハヤテの特訓を受けています。マラソン自由形も完走?していますので、
それなりの体力があるかと。あと、50m走って倒れた描写は、ただのギャグ描写と考えています。
時速3kmで歩いたとしても、1分で50mなら完走(完歩?)できるわけですから、5分かけて倒れてるってのは、ギャグ描写です。
ですので、無視する事にしました。

あと、フェイスレスの手加減についてですが、これは単なる『遊び心』です。
彼はそういう人ですので。


最期に、AA普通に見えてますよ。お疲れ様です。
854Classical名無しさん:07/10/03 22:46 ID:TUVY/nuo
>>853
なるほど
確かにハヤテが特訓をしていた回がありましたね。見落としていました。
回答と労いの言葉、ありがとうございました
855Classical名無しさん:07/10/04 00:02 ID:3PtvO8.c
>>853
遅ればせながら乙!
しかしフェイスレスがここで退場するとは……。
カズキは……、まぁ性格からそう長くは生きていないとは予想はしていたが格好よかったぜカズキ
856Classical名無しさん:07/10/04 08:44 ID:QUrW0ydw
>>853
遅れましたが乙
カズキの死を偲ぶ中
あえてフェイスレスの死に触れてみよう

個人的には惜しい人を失ってしまったなあ
彼の性格上、相手を欝展開や狂人化展開に持っていきやすいから
本当に惜しい人を失ってしまったなあ
(実は同じ対戦カードでカズキが誤ってナギを殺す欝展開プロットを考えていた)
何はともあれ、一書き手から言わしてみると
GJ!ということです
857Classical名無しさん:07/10/04 14:13 ID:q0/ERTFM
意外とARMS展開は考えるもんだね
858Classical名無しさん:07/10/04 18:10 ID:zLdEY3OI
>>853 その弱い部分は、ギャグでOKですが、戦闘力についてもハヤテ系はギャグ
だから実際はを実践してほしい、勇次郎やラオウと五分はれるとか本気の人が
少なからずいるようですから
859Classical名無しさん:07/10/04 19:49 ID:D0tkaqvY
スパイスガールって首輪には効くのかな
860Classical名無しさん:07/10/04 20:56 ID:lrIhO7pA
>>859
スタンド能力などの異能による直接的干渉は受け付けないと思うんだが……
キラークィーンが爆弾化してたしなぁ……どうなんだろ?
861Classical名無しさん:07/10/04 21:13 ID:/smOZDZI
マジレスすると、首輪解除フラグとして残しておいた方がいいと思う。
今のうちから可能性まで否定するのは駄目だし、どっちかに決定してしまうのも駄目。
あくまで、フラグ程度で残しておくべきかと
862Classical名無しさん:07/10/04 21:16 ID:VuZAW9YY
不明なものは必要でない限り「不明」としとけばよろし。
863Classical名無しさん:07/10/04 23:26 ID:/smOZDZI
864 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 01:01 ID:X8Cgovfw
書き終わりました。
今日の夜、19時から21時の間に投下します。
865Classical名無しさん:07/10/05 01:12 ID:UB/ezkNc
早!期待してます〜。
866Classical名無しさん:07/10/05 03:52 ID:wmkTAp7U
>>864
アーカード、散の人でしたね
同じく期待してます
867 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:16 ID:WkWVvB66
投下します
868Classical名無しさん:07/10/05 20:17 ID:PVpMgb8Y
待ってました
支援します
869『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:18 ID:WkWVvB66
――見つからない。

 地図の端を辿っていけば、いずれ参加者に会えると思っていたのだが。

――見つからない。

 ゴルフ練習場に潜んでいる輩がいるかもしれん、そう思って入ってみたのだが。

――見つからない。

 平賀才人との闘争によって受けた、全身へのダメージと火傷も。
 DIOとの戦闘によって受けた、頭部へのダメージも。
 スタンド使いの少女との戦闘で受けた、無数の裂傷と火傷も。
 いつしか以来、久々に味わえた疲労という感覚も。
 全て治癒し終えてしまうほどの間、闘争を求めて歩いたというのに。


――人も、狗も、化物も、見つからない。
870『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:19 ID:WkWVvB66


 この舞台は少しばかり広すぎる。
 もっと狭ければ、完全に治癒が終わる前に、参加者に出会えたかもしれないというのに。

「裂傷や疲労により体の自由が利かない上での闘争、そんなものは久しぶりだったのだが……」

 まあ、治癒してしまった以上は仕方がない。
 『全力で以って、人間の相手をする』
 私は、それも大好きだ。

 この時、私は見つけた。
 この私に対して、勇敢にも正面から近づいてくるモノを。
 ククッ、楽しくなりそうだ。






「私の名は葉隠散! 貴様の名は?」
871『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:20 ID:WkWVvB66

 勇敢にも私に正面から向かってきた男――葉隠散が私に尋ねてくる。
 雰囲気で分かる。
 この男は、人間で『いられなかった』存在――化物(フリークス)だ。
 それにしても『貴様』か。この私に向かって、『貴様』。
 ククッ、実に! 実に面白いぞ、フリークス!

「アーカードだ」
「そうか、アーカードか! アーカードよ、1つ尋ねてよいか?」
「……何だ?」
「何故、首に着いているべき物が着いていないのだ?」

 首……? ああ、アレか。

「首を千切って脱出しただけだ」
「何?」
872Classical名無しさん:07/10/05 20:20 ID:PVpMgb8Y

873『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:21 ID:WkWVvB66
「首に仕掛けた爆弾など、この私には至極無意味なものだ。この私を、吸血鬼を殺すには――」

 左胸をトンと小突いて、吸血鬼の弱点を教えてやる。

「心の臓腑を抉るしかないのだよ。主催者どもは理解していたようだ」
「つまり貴様には、首輪の代わりに心臓に爆弾を仕掛けられた……という訳か?」
「御名答。ところで、こちらも質問をさせてもらおう」
「1つ質問したら、相手の質問に1つ答える。それが礼儀! 王である私は、当然礼儀も持ち合わせている。いいぞ、言ってみろ」
「貴様、人間を止めているな?」

 一瞬の静寂の後、散が高らかに宣言をする。

「ああ、私は人間ではない。人間を超越した不退転の存在……言うなれば、現人鬼!」
「そうか、やはり貴様も化物か。フッ、フハハッ、フフハハハハッ!」
874Classical名無しさん:07/10/05 20:21 ID:PVpMgb8Y

875Classical名無しさん:07/10/05 20:21 ID:PVpMgb8Y

876『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:21 ID:WkWVvB66

 ついつい笑みが零れてしまう。だが、もう止められない。
 嬉しい、嬉しい、実に嬉しい。
 闘争が始まるのだ。笑みを零さずにいられるはずがない。

 散も私の様子を見て、理解したのであろう。
 何やら奇妙な防護服を着用し、私から距離を取って奇妙な構えを取っている。
 私もフェイファー・ツェリザカを取り出す。

「貴様も化物。そして私も化物。つまりこれは、化物同士の闘争か。クカックカカカ……」

 抑えきれぬ笑みを浮かべながら、上空にフェイファー・ツェリザカを掲げる。
 闘争がついに始まる。待ちに待った闘争が、ついに。

「さあ闘争を始めよう、現人鬼」

――BANG!!

877『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:22 ID:WkWVvB66

 銃声が鳴り響く。
 それを合図に散とアーカード、2人の人外が動く。
 アーカードは散を捕らえるため、銃口を散に向ける。
 一方、銃口を向けられた散の行動はというと……意外! それは直進ッ!
 その予想外の行動に、アーカードの口が弧を描く。

「面白い。実に面白いぞ、現人鬼! 何か策があるのか? それとも、ただの考え無しか?」

 質問を投げかけながら、アーカードが引き金を引く。
 銃口より発射された銃弾が、散の頭部を襲う……が霞の外殻に止められ、霞の内部にいる散にはまったく効いていない。
 霞の装甲にアーカードが驚愕している間も、散はひたすら地を蹴る。
 そして、散とアーカードの間の距離はほぼゼロとなる。
 当然、驚愕しているアーカードに迎撃の用意は無い。
878Classical名無しさん:07/10/05 20:22 ID:PVpMgb8Y

879Classical名無しさん:07/10/05 20:22 ID:ALd/9EeE
    
880『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:23 ID:WkWVvB66

「弾!!」

 その好機を散が逃す訳も無く、渾身の掌打をアーカードに浴びせる。
 腹に散の掌打を受けたアーカードは、その衝撃を耐えきれず民家へと突っ込んでいく。
 轟音が辺りに鳴り響き――突っ込んできたアーカードごと、民家は完膚なきまでに崩壊。

 一般人が見たら、アーカードは瓦礫の下敷きとなり死亡した。そう思うだろう状況。
 だが、散は霞を着脱しない。
 達人だからこそ気付いているのだ。
 アーカードの禍々しい気配が消えていないことに。

「パワー、スピード、技、何をとっても申し分のない1撃だ……」

 少し前まで民家だった瓦礫の山から、アーカードがゆっくりと顔を出す。
 表情も、服装も、足取りも、直接掌打を喰らったはずの腹も、戦闘前と何ら変わらない状態で。
881Classical名無しさん:07/10/05 20:23 ID:PVpMgb8Y

882『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:23 ID:WkWVvB66

「しかし私にダメージを与えるには至らない」
「フッ……、だが私には必滅の奥義がある。霞に銃が効かず、なす術のない貴様と違ってな」
「なす術が無い? そうかな?」

 そう答えるのとほぼ同時に、散の右肘に向かってアーカードが発砲。
 しかし霞の装甲を信頼している散は避けようともせず、そのまま銃弾を受ける。
 やはり散自身にダメージは無い……が、散の表情が曇る。
 何故なら霞の外殻が、銃弾によって削り取られてしまったから。

(銃程度で霞が……何故!? 右腕……はッ!!)

 散の脳内にフラッシュバックするのは、ホテルでの平賀才人との死合い。
 その際に銃剣での一撃を受け、霞の右腕部に亀裂が入っていたのだ。
 故に、右腕を狙えば銃でも、霞の外殻を削ることも可能だろう。
883Classical名無しさん:07/10/05 20:24 ID:PVpMgb8Y

884『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:24 ID:WkWVvB66

「貴様、いつ亀裂に気付――ッ!?」

 先程までアーカードがいた場所を見て、アーカードがいないことに気付いた散は反射的に跳躍。
 その直後。一瞬前まで散がいた場所に、轟音と共にクレーターが生まれた。
 散の背後に突如現われたアーカードが、地面を手刀で抉ったのだ。
 そのあまりに人間離れした威力に――そして気付かないうちに背後を取られていた事実に、さすがの散も驚愕する。
 土煙が立ち込めるクレーター中心で、攻撃を仕掛けたアーカードは笑う。
 まるで狂人の様に、ひたすらに笑う。

「『銃が効かず、なす術が無い』……か。クッ、フハハハハハ……。
 私は銃以外の戦力も所持しているぞ? 吸血鬼とはそういうモノだろう?」

 アーカードの言葉は終わらない。
 まるで新しい玩具をねだる子供のように、まくし立てるように言葉を続ける。
885『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:24 ID:WkWVvB66

「防護服に亀裂が存在する以上、今までの戦法は使えまい。これで終わりではないだろう?
 さぁ、何かを見せろ。私を愉しませてみろ。
 さぁ!! HURRY! HURRY! HURRY! HURRY! HURRY! HURRY! HURRY!」
「確かに、確かに私は貴様を見くびっていた。貴様が銃を使っているのを見て、身体能力はたいした事がないのだろう……そう考えていた。
 しかしそれは思い違いだった。貴様は強い。私に気付かれずに背後を取り、攻撃を仕掛ける事が出切るほどにな。
 それは認めよう。だが!」

 散が声を荒げる。

「霞を傷つけた以上、貴様の死は決定事項だッ!」

 そう言って散は腰を低く落とし、左手を後ろに伸ばし、左螺旋の構えを取る。
 狙う技は無論――零式防衛術奥義、螺旋。
 何千、何万、何十万もの敵と戦ってきたアーカードも、始めてみる構え――左螺旋の構えに心底嬉しそうな表情を浮かべる。
886Classical名無しさん:07/10/05 20:24 ID:PVpMgb8Y

887Classical名無しさん:07/10/05 20:24 ID:ALd/9EeE
                 
888『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:24 ID:WkWVvB66

「来い、回避はしないぞ。全力で以って、攻撃を放て!」
「その油断を後悔する時間すら、貴様には与えん! 螺・螺・螺……螺旋!!」

 散が渾身の掌打を放つ。
 それは先程アーカードに放ったもの――弾とは違い、ただの打撃ではない。
 螺旋状のエネルギーを、打撃とともに相手に叩き込む。必滅の名に相応しい奥義。
 その螺旋を腹に受けたアーカードは、勢い良く後ろに吹き飛んだ。






「……おかしい」

 散が呟く。
 散の目の前には、アーカードが横たわっている。
 その足は通常曲がってはならない方向に曲がり、全身におびただしい数の裂傷、口からは臓物を出している。
 誰が見ても、死んでいると判断するような惨状。
 それにもかかわらず、散はアーカードの気配を肌に感じていた。
889Classical名無しさん:07/10/05 20:24 ID:PVpMgb8Y

890『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:25 ID:WkWVvB66

「何故だ、何故ッ! 未だに奴の気配を感じているッ!?」
「クカカカカ……クハハハハハハハハ! 素晴らしい! こんな技が存在するとは!!」
「なッ!? 何故生きて――」
「最初に言っただろう? 私を殺すには、心の臓腑を抉るしかないと」

 散の目の前でフラフラと、だがどこか優雅にアーカードが立ち上がる。
 足が折れているので奇妙な体勢だが、螺旋を受けたその体で確かに『立って』いる。
 そして右手を口に突っ込み、口内の臓物をかき出す。

「それにしても現人鬼、お前は実に面白い。故に―――貴様を分類A以上の化物と認識する」

 全身がボロボロの状態で、辛うじて無事な両手を散に向け、人差し指と親指で長方形を作る。
 そこから覗き込むように散を見て、ほんの一言だけ呟く。
891『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:25 ID:WkWVvB66

「拘束制御術式『クロムウェル』――第3号第2号第1号、解放」

 直後、アーカードの禍々しい気配がさらに増幅。
 辺りに噴出した血が、肉片が、かき出された臓物が、漆黒のコウモリとなり辺りを飛び交う。
 それらが騒々しい鳴き声を上げながら、アーカードを覆っていく。

「何ぃッ!?」

 目の前で起こっている現象に、散が驚愕する。
 コウモリが、辛うじて立てる状態のアーカードを覆っていた。
 確かにそうだったはずなのに――

「治癒している!? 村雨と同じような能力か!」

 アーカードの体に付いた数多の裂傷が、修復されているのだ。
 外傷だけではない。
 折れた両足も、千切れていた真紅のコートも、そして臓物も、全てが修復されていく。
 そしてアーカードの全身に、無数の瞳が浮かび上がる。
 それらはアーカードの瞳と同じく、血のように真赤な色をしていて、その全てが目の前の敵――散を睨みつけている。
 このあまりに異質な状況に、さすがの散も恐怖――していない。
892Classical名無しさん:07/10/05 20:25 ID:PVpMgb8Y

893『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:25 ID:WkWVvB66
「面白い! 村雨のように怪我を治癒出切るというのなら、治癒出来なくなるまで――完膚なきまでに滅するのみ! この散と霞なら可能!!」

 そう言って拳を握る。
 散の心に恐怖など微塵も無い。
 あるのは『星義』、ただ1つ。

「では、再開しよう。フリークス同士の闘争を!」

 アーカードが銃に弾丸を込め、再び上空に掲げる。


 何よりも闘争を愛する不定形の吸血鬼と、胸に『星義』を秘めた現人鬼。
 人でいられなかった彼等の闘争の第二幕、それが今――

――BANG!!
894Classical名無しさん:07/10/05 20:26 ID:PVpMgb8Y

895Classical名無しさん:07/10/05 20:26 ID:ALd/9EeE
             
896Classical名無しさん:07/10/05 20:26 ID:PVpMgb8Y

897『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:26 ID:WkWVvB66



【A−7 ゴルフ練習場周辺/1日目 昼(放送直前)】

【アーカード@HELLSING】
[状態]:ダメージ中(自然治癒中)、気分高揚、『クロムウェル』第3号第2号第1号開放
[装備]:フェイファー ツェリザカ(4/5)
[道具]:支給品一式  フェイファー ツェリザカの予備弾24
[思考]
基本:殺し合いを楽しむ。
1:散との闘争を楽しむ。
2:満足させてくれる者を探し闘争を楽しむ。
3:DIO、柊かがみとも再度闘争を楽しむ。
[備考]

・参戦時期は原作5巻開始時です 。セラスの死を感じ取りました。
・首輪は外れていますが、心臓部に同様の爆弾あり。本人は気づいてます。
・DIOの記憶を読み取り、ジョセフと承太郎及びスタンドの存在を認識しました。
・柊かがみをスタンド使いと認識しました。
898Classical名無しさん:07/10/05 20:26 ID:PVpMgb8Y

899『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:27 ID:WkWVvB66




【葉隠散@覚悟のススメ】
[状態]:右腕負傷、全身に中程度の負傷、中程度の疲労、右腕と右太ももに浅い裂傷
[装備]:強化外骨格「霞」(右腕部分に亀裂、右肘・右掌部を破損、全身に小ダメージ)
[道具]:支給品一式(散&村雨。デイバック一つにまとめてある)、不明支給品1〜3品(村雨&散。確認済み)
[思考]
基本:人類抹殺。
1:アーカードを完膚なきまでに滅する。。
2:エリアA〜D全域を探索し、ついでに施設の有無の確認。
3:人間を殺す。しかし、村雨のように気に入った相手は部下にする。
4:村雨の記憶を必ず取り戻してみせる。
5:才人のマスターのルイズに興味有り。ブラボーに僅かな執着心。
6:マリアを殺すのは最後。
7:十二時間後(約零時)に消防署の前で村雨と落ち合う。
[備考]
※施設の確認はあくまでも『ついで』なのでそれほど優先度は高くありません。
 またどのような経路を辿ってゆくかも後の書き手さんにお任せします。
900Classical名無しさん:07/10/05 20:27 ID:PVpMgb8Y

901『Freaks』 ◆hqLsjDR84w :07/10/05 20:28 ID:WkWVvB66
投下完了です。
支援ありがとうございました。
902Classical名無しさん:07/10/05 20:34 ID:PVpMgb8Y
>>901
GJ!
人間を止めたもの同士の戦い、なんという迫力
しかしアーカード、螺旋を避けないとは彼らしいw
散様の最後の言葉が燃える!
903Classical名無しさん:07/10/05 20:40 ID:h/J54toA
投下乙です
アーカードも散様も輝いてるぜ
しかしアーカードはマーダーなのに、大物マーダーとよく戦ってるなぁww
904Classical名無しさん:07/10/05 20:57 ID:L0eKsfO6
GJ!
この二人の戦いはもう熱いとしか言い様ないわ
乙です!
905Classical名無しさん:07/10/05 21:19 ID:ALd/9EeE
投下乙。この2人はヤバイ、燃えてきたわw
こいつらならマーダー残り1人になっても対主催を全滅できる気がするぜw
906Classical名無しさん:07/10/05 21:21 ID:ikkl89o.
しかしさすが散様、旦那が術式開放しても反則に感じないw
907Classical名無しさん:07/10/05 21:32 ID:L3a.Vulw
なんつーか、アーカードって結構強いんだなぁ
散様と互角に戦えそうだ
908Classical名無しさん:07/10/05 22:03 ID:rMj3Bv8A
GJ!
人間でいられなかったモノ同士、存分に戦ってくれ!
アーカードも散も全参加者中、最強クラスのマーダー。
このロワ最大の激闘になりそうな予感……!
909Classical名無しさん:07/10/05 22:04 ID:2FcMDD/2
アーカードを滅ぼしたければ0号解放させんとな
まあ諸刃の剣だが
910Classical名無しさん:07/10/05 22:32 ID:UB/ezkNc
GJ!
アーカードVS散……なんて恐ろしい対戦カードなんだW
クロムウェルも発動したしこの闘いはかなり気になる!

>>909
零号は禁止だぜ?
911Classical名無しさん:07/10/05 22:33 ID:ESiMZZ5o
アーカード

勇次郎
この三人どうやったら倒せるのって感じになってきた

とにかくGJ!!
最初のほうのアーカードの嘆きには笑ったwww
912てんぷら:07/10/05 23:05 ID:L3a.Vulw
このスレは漫画キャラバトルロワイアルのスレです。
SSの投下も、ここで行ってください 、支援はばいばい猿があるので多めに

前スレ
漫画キャラバトルロワイアル Part5
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1188040278/l50
【外部リンク】
漫画キャラバトルロワイアル掲示板(したらば)
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9318/
まとめサイト
http://www32.atwiki.jp/comicroyale
漫画キャラバトルロワイアル毒吐き
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1183133225/l50

・参加者リスト・
1/4 【アカギ】○赤木しげる/●市川/●平山幸雄/●鷲巣巌
2/2 【覚悟のススメ】○葉隠覚悟/○葉隠散
1/3 【仮面ライダーSPRITS】 ●本郷猛/●三影英介/○村雨良
3/4 【からくりサーカス】○加藤鳴海/○才賀エレオノール(しろがね)/○才賀勝/●白金(フェイスレス指令)
3/4 【銀魂】 ○坂田銀時/○神楽/●桂小太郎/○志村新八
3/4 【グラップラー刃牙】○愚地独歩/●花山薫/○範馬刃牙/○範馬勇次郎
4/4 【ジョジョの奇妙な冒険 】○吉良吉影/○空条承太郎/○ジョセフ・ジョースター/○DIO
3/4 【スクライド】●カズマ/○シェリス・アジャーニ/○マーティン・ジグマール/○劉鳳
3/4 【ゼロの使い魔】○キュルケ(略)/○タバサ/●平賀才人/○ルイズ(略)
4/4 【ハヤテのごとく】○綾崎ハヤテ/○桂ヒナギク/○三千院ナギ/○マリア
1/3 【HELLSING】○アーカード/●アレクサンド・アンデルセン/●セラス・ヴィクトリア
3/4 【北斗の拳】○アミバ/○ケンシロウ/●ジャギ/○ラオウ
3/4 【武装錬金】○防人衛/○蝶野攻爵/○津村斗貴子/●武藤カズキ
3/4 【漫画版バトルロワイアル】○川田章吾/○桐山和雄/●杉村弘樹/○三村信史
2/4 【名探偵コナン】 ○江戸川コナン/●灰原哀/○服部平次/●毛利小五郎
3/4 【らき☆すた】○泉こなた/●高良みゆき/○柊かがみ/○柊つかさ
計 42人 / 60人
913Classical名無しさん:07/10/06 00:01 ID:hAgEvbFU
サイズがそろそろ危ないと思うので、誰か新スレを立ててください。
現在のサイズは454Kb。2chは512kbまで書き込めるんだったと思いますが、結構余裕を持たないと危ないです。
914 ◆NIooiMe9JM :07/10/06 00:11 ID:7bAq9mh2
俺がやる!!

かぶりませんよーに…
915 ◆NIooiMe9JM :07/10/06 00:30 ID:7bAq9mh2
色々あって結局玉砕しました…すいませんorz

誰かお願いしますorz
916Classical名無しさん:07/10/06 00:41 ID:0erQFJxs
立てました

漫画キャラバトルロワイアル Part6
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1191598885/
917Classical名無しさん:07/10/06 05:59 ID:86T/ja/Y
遅れてしまったけど投下乙。
うわああぁぁあッ!こんなに勝負の続きが気になるの初めてだ!
どっちもロワトップクラスの化け物だから勝敗が予想できん。

しかし、マーダー対マーダーで見たいカードが多いロワだなぁ
ラオウ対勇次郎とかDIO対アーカードとか(後者はもうやったけど)
918Classical名無しさん:07/10/07 00:12 ID:gkg4Fcss
埋めに入るべきか
それともぎりぎりまで頑張るか・・・
919Classical名無しさん:07/10/07 00:25 ID:QRbUBXb2
特に話すことがなかったらAAとかで埋めればいいんじゃね
920Classical名無しさん:07/10/07 00:37 ID:3d0qOw3w
じゃあ話題を振ってみるか。
「自分が今一番期待している人物、チームは?」
言い出しっぺの俺はZXだな。
東に行く事で覚悟や銀さん、ケンシロウとの激闘も期待出来る。
それにメモリーキューブというフラグもあるし。
921Classical名無しさん:07/10/07 00:47 ID:dffxXO1.
メモリーキューブをぶち込んだら切れて無差別マーダー化しそうでもあるけど。
まあ、一旦冷静になればどんな人でも普通に接しそうではあるが。


パピヨンが気になっていたり。
何気にマーダーパッピーはみれないから、そっち方面で期待している。
922Classical名無しさん:07/10/07 00:47 ID:gkg4Fcss
死亡フラグ立っているけど
アカギさんに期待してる。

923Classical名無しさん:07/10/07 00:47 ID:QRbUBXb2
俺は
個人ではアーカードの旦那かな
今後もいろんなキャラを闘争の渦に巻き込んでくれそう

集団ではアカギ、承太郎、ハヤテ、パッピー、こなた、鳴海、しろがね、勝の集団
超強力なチームが組める一方崩壊の危険性もあり
どちらに転んでもおいしくいただけそう
924Classical名無しさん:07/10/07 01:04 ID:sFgsDxyA
気になるのは、ダントツでアーカードの旦那と散様

チームなら、服部・劉鳳・タバサ・アミバのチームかな
みんな良い味出してる
925Classical名無しさん:07/10/07 01:13 ID:3d0qOw3w
みんな色々とあるんだなぁ、いや〜新しい発見がポロポロと。
926Classical名無しさん:07/10/07 01:24 ID:6b4XMwus
俺は地味に戦力のバランスが取れているケンシロウ・神楽・キュルケかな
927Classical名無しさん:07/10/07 01:51 ID:Zkioagd2
第二のジョジョ、ジョセフとザ・サード、三村の頭脳コンビも目が離せないな
問題はかがみが今後どうなるかだが・・・

てか、ジョセフとか三村はコナンや服部と相性悪そう
928Classical名無しさん:07/10/08 10:15 ID:UhdZYNcw
>>927で「セカンド&サード&マッド」というグループ名が思い浮かんだ。
まだかがみん狂ってないけど。
929Classical名無しさん:07/10/08 19:58 ID:qR2J8z0A
バキを読むたびに、勇次郎をどうやって殺すのかわからなくなってくる…
930Classical名無しさん:07/10/08 20:22 ID:FGyJptbM
アーカードと散様とDIO様は殺害ネタいくつかあるんだが、勇次郎とラオウはどうにも……。
ってかこいつらならマーダー残り1人から対主催皆殺しとかしても不思議じゃないなw
931Classical名無しさん:07/10/08 20:25 ID:xCj17YoE
>>929
アニロワのグリフィス的な処理の仕方が一番楽な気がする
932Classical名無しさん:07/10/08 20:40 ID:agd7web.
勇次郎とラオウは書ける状況が来たら、○○に殺させたいな


状況が来なそうなのが問題であるw
933Classical名無しさん:07/10/08 21:18 ID:qR2J8z0A
まぁ、いざとなったら…ラオウと勇次郎の相打ちで…

後は禁止エリアで道ずれくらいかな←倒し方
934Classical名無しさん:07/10/08 21:59 ID:hkWNLhSg
>>899
ものすごく亀になってしまったが、気にしないでGJ!!
まさかアーカードのクロムウェル開放が拝めるとは……
にもかかわらず、まったく動じていない散様に痺れた!
なんというか熱い、熱すぎるぜこのバトルは。
もう一度GJ!
935Classical名無しさん:07/10/09 07:28 ID:8QT6MOCM
そういえばクロムウェルはどこまでおkなのか。
リップバーン戦とかの時点で無敵くさいんだが。
議論スレ行き?
936Classical名無しさん:07/10/09 12:27 ID:Lg4oaVMw
暇なので、覚悟の「因果」について一つ説明でも。

相手の認識(こころ)を無とした自らの認識に写し(つまり読心?)、
それによって最高のタイミングで一撃を叩き込む。
相手は相手の攻撃が備えた威力、そして覚悟の攻撃の威力を合わせて受ける。
で、親父様が覚悟にこれを教えた時、覚悟の真剣の打ち込みを指一本で止め、
「これはただ指を置いただけだが、合わせて指を突いていれば、
お前の身体を貫通していただろう」というエピソードがあった。
「威力は先方が備えていればいい、威力がそのまま返る」とのこと。
その分、拳同士ガツンとやったりと攻撃部位と衝突すれば拳にダメージあり。
例として高速で突撃し、その速度のために全身破壊力と化した散様に放った際、拳にヒビが入った。
また、相手の威力を利する技であるため、座して待っている相手等には使えない。
拳に限らず、蹴りや体当たりでも出せるのが特徴。

以上になります。
937Classical名無しさん:07/10/09 19:51 ID:5vTBE9aE
要するに、

カウンター

これに尽きる。
ただ、敵が凄いのか覚悟の技か、威力がやたらと高い。
938Classical名無しさん:07/10/10 00:02 ID:wPvTyfeY
鷲巣 麻雀
 通常の牌に、字柄が透けて見える透明な牌を混ぜて行われる麻雀。
 勝敗は金ではなく、血液によって支払われる事も特徴。
 透けて見える牌が混ざる事により、通常の麻雀より戦略性が高くなり、より高度な頭脳が要求されるといわれている。

 なお、この透けて見える牌、透けない牌の組み合わせはバトルロワイアルによく似ている。
 バトルロワイアルにおいて、自身の知る能力とは即ち鷲巣麻雀における見える牌であり、
自身の知らない能力とは、見えない牌のことである。
 これらの組み合わせにおいて、一日の長がある赤木がどのようなうち回しを見せるのか、これからも期待が高まるというものだ。
939Classical名無しさん:07/10/10 21:50 ID:ggpTd78E
村雨良 ラーニング(仮)

一度でも見たり喰らったりした技を使用することが可能
タイミングをサポートしてもらえば見たこともない合体攻撃でも使用できる
まともに見ていない梅花の型(カニカマジゴク戦では気絶、ヤマアラシ戦では風見とにらみ合っている)すら使用可能という恐ろしいスキル

散様やブラボーといった超人を間近で見学していたため既に持ち技がかなり増えていると思われる
940Classical名無しさん:07/10/10 21:57 ID:ggpTd78E
カニカマジゴクじゃなくてカマジゴクだった

確認してきたが既にすごいことになっていた
螺旋、トルネード螺旋、才人の剣術、弾、流星ブラボー脚、粉砕ブラボーラッシュ、超旋回、千脚、天地の構え、千手攪乱撃
941Classical名無しさん:07/10/10 22:38 ID:BA0K7kNw
ちょw
全部使えたら凄すぎるぞZXw
しかし実際問題トルネード螺旋とかはやりすぎのような気が……。
942Classical名無しさん:07/10/10 22:40 ID:yOVlbB/g
それ全部まねしても、ど許せぬとか言われて散様に殺されるだけな気がする。
943Classical名無しさん:07/10/10 22:43 ID:Ymlt9opo
>>942
いや、部下が零式真似したら褒めていた。
散様は部下思いだから、村雨が使ってもむしろ嬉しそうにするだけだと思う。
944Classical名無しさん:07/10/10 23:10 ID:BA0K7kNw
しかしトルネード螺旋は散様の最大の技だぜ?
流石にそれをパロロワと言えどもZXが見学しただけで使えるってのは荒れそうな気が……。
千脚や弾くらいが限度かと。
945Classical名無しさん:07/10/10 23:15 ID:EXkljTjQ
大技は筋肉が対応してないと無理じゃね?
からくりで勝が記憶をダウンロードしただけじゃ完全に使いこなせなかったみたいにさ。
946Classical名無しさん:07/10/10 23:20 ID:Ymlt9opo
自分の意見は毒吐きの>>1429だな。
ライダーきりもみシュート代わりの投げ技なら、最大限許容したいけどねw
947Classical名無しさん:07/10/10 23:29 ID:BA0K7kNw
まぁあまりガチガチにこれはOK、これはNGとか決めても面白くないから
あまりにもぶっ飛んだ展開(トルネード螺旋を連発とか)
になった時議論で決めるって事でいいかな?
948Classical名無しさん:07/10/11 08:36 ID:EeQwdyJc
桐山とZXと刃牙のラーニング対決なんてものに夢を膨らませた時期が俺にもありました。
949Classical名無しさん:07/10/11 12:13 ID:7yDstApU
埋めついでに訊きたいんだけど、覚悟は零式鉄球を持ってるんだったっけ?
950Classical名無しさん:07/10/11 14:45 ID:v/C.y5Cc
持ってる。しかも、フル
951Classical名無しさん:07/10/11 22:12 ID:kYG/mK3k
wiki管理人です。ただいまwiki編集中です。
しばらく、私は現在位置マップを弄らないので、他の方にお願いします。
問題が見つからなければ、私も来月ぐらいから現在地マップ編集に協力します。

なにとぞご理解ください。
952Classical名無しさん:07/10/11 22:14 ID:kYG/mK3k
あと、私はトリップをつけたほうがいいのでしょうか?
953Classical名無しさん:07/10/11 22:24 ID:XeV582RM
>>951
SS一覧で「白金」となっているところと「フェイスレス」になってるところがあるけど、統一したいのですがどっちで統一したらいいでしょう?

名乗るのがめんどくさいなら酉付ければいいと思う。
954Classical名無しさん:07/10/11 22:25 ID:XeV582RM
あぁ忘れてた。毎度編集乙です!
955Classical名無しさん:07/10/11 23:16 ID:kYG/mK3k
>>953
お好きな方で
956Classical名無しさん:07/10/11 23:18 ID:kYG/mK3k
>>953
トリップは別につけなくてもいいってことですね。
OK。thx
957Classical名無しさん:07/10/13 16:46 ID:HN0LYJ7U
ttp://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/336.html

ロゴ製作者さんへ、背景色を透明にしてみました。
どちらがよろしいでしょうか?
958Classical名無しさん:07/10/13 17:23 ID:raDFz.nA
お手数お掛けします。自分が透過処理済みの文字pngで上げたほうが良かったですね。
もちろん透明の方がいいと思います。
959Classical名無しさん:07/10/13 17:32 ID:HN0LYJ7U
あれ……あれって、透過色になってたんですか?
気付かなかった。もう一度ダウンロードしてみます。
960Classical名無しさん:07/10/13 17:38 ID:NcURBKqA
(透過処理してなかったから)処理済のをあげた方がよかった
ってことじゃないっすか?
961Classical名無しさん:07/10/13 17:40 ID:HN0LYJ7U
そういう意味だ……確かにそうだな。
いつも読解力がなくて、周りを困らせている管理人でした。


とりあえず、透過色バージョンを掲載しておきました。
962Classical名無しさん:07/10/13 18:54 ID:gjN1tjdk
すげー!カッケー!!
GJ!!シンプルで、だがそれがいい!
963Classical名無しさん:07/10/13 21:51 ID:i8g8t6oA
ロゴGJ!!
めちゃくちゃ渋いぜ!!
最近本当に調子いいな!
964 ◆DO.TxVZRzg :07/10/13 22:21 ID:sYUUKalo
GJです。





しかし、心苦しい事にかなりの問題作が出来てしまいました。
SS的には、今までの漫画ロワ史上最高の問題作だと思っています
ぶっちゃけNG・修正になる可能性が高いと思っていますので、遠慮なく突っ込んでください。

では。投下します。
965Classical名無しさん:07/10/13 22:21 ID:sYUUKalo
「だから、私はその人に並行世界の話をするのって危険だと思うんだよなぁ……
きっと殺人者になっちゃうよ」

 泉こなたは才賀勝に、信じられない事を話しかけてきた。
 エレオノール、つまりしろがねが本当の危険人物になる可能性を持っていると。
 その理由は、勝にとって気付かない盲点とも言える理由だった。



    第114話  信じられない話



 今喫茶店には三人の少年少女がいる。
 まるで、コンサートの終わった会場のように、喫茶店には先ほどまでの喧騒とはうって変わって静けさだけが流れていた。
 そんな中、一人の少年が神妙な面持ちで、2人の人間に話しかけようとしている。

(本当に、どうかしてる。僕の頭はおかしくなっちゃった……)

 その少年才賀勝は、明らかな緊張を感じていた。
 これから彼は初対面の2人に異常な話をしなければならない。

966Classical名無しさん:07/10/13 22:22 ID:sYUUKalo
(僕は今、鳴海兄ちゃんとしろがね、僕の三人が、それぞれ別の時代から連れてこられたと思っている。
こんな事を話したら、きっと笑われるだろうな。時間跳躍なんて、SFの世界でしか見たことがない。
机の中から狸のロボットが出てきて、こんにちわなんて物語としては優れてるけど現実で言ったら、ただの『おかしい人』だ。
けれど、この考えこそが僕たちの現状を説明する唯一の解なんだ……だけど……)

 目の前にいる男女を、再び見つめてみる。
 男の方は黒ずくめの全身タイツに身を包み、顔には蝶の仮面という異様な格好。
 本人の発言もあり、本当に人間ではないと思えてくる。
 恐らく並行世界が存在するのなら、彼はそこから来た人間だろう。その世界では正装なのだろうか。
 そしてもう一人、女の子。こちらは勝から見て、ごく普通の外見をしている。
 年のころは掴みにくいが、喫茶店に彼女のものと思われるランドセルがあったことから、自分と同じ小学生だろう。
 この子は勝のことを君付けで呼んで、ちょっとお姉さんぶっているみたいだ。

 外見から判断すれば、彼らは特におかしな思考をするタイプには思えない。
 そんな彼らに、この話をどうやって説明したらいいものか……
 勝は額に汗を感じつつ、それでも勇気を振り絞って口を開く。

「これから、ちょっとおかしな話をするけど……とても、重要な話だから聞いて欲しいんです」
「ひょっとして、私たちが違う世界から連れてこられたとか、そんな話?」
「そ、それだよ。って、どうしてそれを知ってるの……。い、異世界なんだよ、SFみたいな話なのに」
「いやぁ、想像力には自信があるもんで」

967Classical名無しさん:07/10/13 22:23 ID:i8g8t6oA
              
968Classical名無しさん:07/10/13 22:24 ID:NcURBKqA
       
969Classical名無しさん:07/10/13 22:24 ID:sYUUKalo
 嘘だろ。
 なんで普通の小学生がそんな事当たり前みたいに気付いてるんだ。
 いや、小学生だからか。疑う事さえ知らない年齢だというのか。

「で、でもいくらなんでも信じられないって思わない? だって……だってさ」
「それだけじゃなくて、同じ世界の人も違う時期から連れて来られてるみたいなんだよ。ロマンチックだよねぇ」
「ロマンチックって……そんな問題じゃないでしょ! 僕たちの身の回りで絶対に有り得ないことが起きてるってのに」

 甘いなぁ、といった表情を女の子泉こなたは浮かべている。

「勝くん、世の中には科学では説明のつかない事が実際にあるんだよ」
「それにしたって限度があるよ。大体、異世界からきたって事よりも、もっと考えられることだってあるでしょ」

 あべこべである。
 先ほどまで、勝は時間跳躍説や並行世界間移動説を唱えようと思っていたのに、驚きすぎて今は逆の事を言っている。

「もっと考えられる事とは、例えば記憶操作や嘘、演技といった可能性か? それなら既に考えてある。
無論、今の段階ではどの可能性も否定できないと言った程度だがな」

 蝶仮面の男パピヨンは冷静に勝の発言を補う。
 どうやら、この2人はきわめて常識的に物事を考え、それでもなお極めて非常識な結論を信じているようだ。

970Classical名無しさん:07/10/13 22:25 ID:sYUUKalo
「そ、そんな……だからって……」
「貴様は妙な話をしてくれるんじゃなかったのか。今さら、俺たちにとってこの程度の事のどこがおかしいと言うんだ。
貴様も見ただろ、この世界の異常さを。開始から10時間以上、誰も入ってこない街。
体積を無視して支給品を押し込める紙。そして、得体の知れないスタンド使い。
お前はこれだけ並べられて、まだ常識的思考に縛り付けられているのか?」

 そんな事はない。自分だって同じことを考えていたから、それは違う。
 少々驚いただけだ。

「ご、ごめん……少し驚かされちゃって。こんな事考える人、僕しかいないって思ってた」
「この状況では全く不思議な発想じゃない。遅かれ早かれ、誰もが気付く事だ」
「ん、パピヨンの言うとおりだね」
「でだ、お前はこの話がしたかったのか? あのふざけた道化女の話をするんじゃなかったのか?」

 ふざけた道化女……
 確かにあの態度では、そう思われても仕方がない。
 しかも、その状況を作り出したのは、勝が吐いた苦し紛れの嘘なのだ。
 そもそも、自分が最初から真実に気付いていれば、あんな嘘を吐く必要はなかった。
 つくづく自分はおろかな人間だと再認識させられた。

「どうした? 俺のほうからは聞きたいことが山ほどあるんだぞ」
「い、今からするよ」

971Classical名無しさん:07/10/13 22:25 ID:sYUUKalo
 勝は大きく深呼吸して、加藤鳴海としろがねと出会った日のことを話し始めた。

「僕の名前はもう言ったけど才賀勝。そして、さっきの道化師女性は才賀エレオノール、僕は彼女の事をしろがねって呼んでました。
僕としろがね、そして加藤鳴海兄ちゃんの三人は一軒のサーカスで知り合いました」
「あの女が、サーカスで働いていたというわけか。そして、お前は観客、そんなところか?」
「そうじゃありません。僕はあの時、180億円の相続金をもらったばかりで、悪い人に狙われてたんです。
しろがねと兄ちゃんは、その人たちから僕を守ってくれました。出会った日も、僕に襲い掛かってくる人形を撃退してくれたんです」
「凄いねぇ……漫画のネタに使えそう」

 こなたちゃんの言うとおりだ。
 僕の歩んできた人生は漫画や小説にそのままなっても、全く違和感がない。

「その人形とやらは、どんな奴だ?」
「赤木さんが乗っていた人形がその一つです。グリモルディって言って僕を襲ってきた人たちが使った物の一つです」
「なるほど、赤木はその人形を支給されたというわけか」

 勝はその後、ゆっくり落ち着きながらしろがねや鳴海と自分の関係について語っていった。

 しろがねが自分を守ってくれる理由。
 鳴海が患ったゾナハ病という名の人災。
 全てを裏で操る黒幕フェイスレスの策謀。
 それだけじゃない、仲町サーカス団の友達の話だって全部話した。

972Classical名無しさん:07/10/13 22:26 ID:NcURBKqA
                   
973Classical名無しさん:07/10/13 22:27 ID:sYUUKalo
「ふむ。一応、お前の素性については分かったわけか。だが、解せんな。
とすると、あの女エレオノールと『今の』お前の関係はどうなっている?」

 そう、それが最も重要な話だ。
 今の彼女と自分の関係こそ、これからこの場所で生き延びるために解決必須な問題である。

「しろがね、つまりエレオノールは僕に出会う前の時から、この世界に連れてこられたんです。
だから僕の事をほとんど知らないままで……」
「ほとんど? 全くじゃないの」
「うん、しろがねは元々僕を守るようにおじいさん……いや、ちょっと違うけど、とにかく他の人に命令されてたんだ。
だから、彼女は僕の特徴を知ってたんだよ」

 より正確に言えば、才賀正二の葬式の時に、2人はすれ違っている。
 そのため、エレオノールは勝の特徴を知っているだけではなく、実際に見ているのだが、
そのことは勝の知らないことである。

「とすると、あの女はお前を守る命令を受けていて、かつ、お前本人は知らない。
そんな状態で来たと言うことだな?」
「そうなります。そして、彼女は僕を見ても僕だと信じられず、偽者だと思ってしまったんです」
「なぜだ? お前の特徴は知らされていたんだろ」
「僕が繰り人形を使ってしまったんです。実は僕に支給されたアイテムも赤木さんと同じ繰り人形で。
それを使っているところを、しろがねに見られました。人形繰りの技術はしろがねと出会ってから身に着けたものだし、
とても難しいものだから、しろがねはそれが出来る僕を本物だって信じられなかったんです」
974Classical名無しさん:07/10/13 22:27 ID:i8g8t6oA
               
975Classical名無しさん:07/10/13 22:27 ID:NcURBKqA
                    
976Classical名無しさん:07/10/13 22:28 ID:sYUUKalo
「難しい? 赤木の奴は簡単に扱っていたように見えたがな」
「あの人の事は初めて会ったので分かりません。ただ、10本の懸糸で操る人形は並みの腕で使えるものじゃないはずですよ」
「……なるほどな。概ねの事情は理解した。
すると、今のお前は、エレオノールの誤解を解くために動いている、とそういうわけだな?」
「えぇ、そうです」

 エレオノールは、今でこそあんな性格をしているけれど、その実態はとても優しい女性だ。
 クールにしている姿が格好よくて、それでいて、慌てふためく姿がとても可愛らしい女性だ。
 彼女が勝の知る彼女に戻ってくれれば、とても心安らぐ頼りがいのある仲間が出来るんだ。

「だが、誤解を解くのは難しそうだな……」
「パピヨンさん自身が言ったじゃないですか。遅かれ早かれ誰もが気付く事だって。
だから、しろがねも並行世界や時間跳躍のことに、そのうち気付くと思うんです」
「うーん……勝くん、そうすると困った事になるんじゃないかな」

 こなたちゃんが、信じられないことを口にする。
 困った事になる? だって、しろがねが元に戻ってくれるんだよ。
 今の少し危険なしろがねが、安全な人になってくれるんだよ。それって歓迎できる事じゃないか。

「泉の言うとおりだな。そのエレオノールという女は元々冷血だったのだろう?
そして、その時から連れてこられた。貴様の知る存在とは根本から違う。
まさか貴様、真実を話せばエレオノールが自分の知る存在に変わってくれるなんて思ってた訳じゃないよな?」
「そ、それは……でも、冷血だったのは悪い奴に騙されてたからであって、本当はやさしくていい人なんだよ」
「それは優しくなる理由があったからだろう? 人間に戻りたいという欲望が仮初の優しさ作っていたんじゃないのか?」

977Classical名無しさん:07/10/13 22:28 ID:sYUUKalo
 確かに、しろがねは勝と出会った当初、打算のために優しかったと聞く。
 けれど、勝やサーカス団の皆と一緒にいるうちに、彼女の心は変わって行ったんだ。
 鳴海兄ちゃんと勝の2人が与えたものは、しろがねの心を少しずつ人間に近づけていったんだ。
 だから、大丈夫しろがねはきっと人間に戻る。

「それは大丈夫です。少しずつ、僕や鳴海兄ちゃんで彼女を変えられると思います」
「だが、その加藤鳴海もお前のことを知らない……少し楽観的過ぎるんじゃないか」
「鳴海兄ちゃんは、単なる記憶喪失で僕たちのことを忘れているだけです。
記憶が戻ればきっとしろがねを優しくしてくれると思います」

 だから大丈夫。
 僕たち三人はまた一緒になれる。
978Classical名無しさん:07/10/13 22:28 ID:NcURBKqA
   
979Classical名無しさん:07/10/13 22:29 ID:sYUUKalo

「うーん、それでも私は危ないと思うけどなぁ……」
「大丈夫だって、こなたちゃん。しろがねは本当に優しい人だから」

 そういう勝に泉こなたは信じられない事を口にした。

「でもね……」

 こなたは勝とパピヨンに、しろがねの危険性を説明する。
 その話は並行世界や時間移動という概念ならではの盲点を孕んだものだった。

「だから、私はその人に並行世界の話をするのって危険だと思うんだよなぁ……
きっと殺人者になっちゃうよ」

 嘘だろ……。
 嘘だって言ってよ。しろがねには真実を話しても、優しくなってもらえないって言う?
 それどころか、余計危険になっちゃうなんて、そんなの信じたくないよ。

 ねぇ、嘘だって言って。
980Classical名無しさん:07/10/13 22:30 ID:NcURBKqA
                 
981Classical名無しさん:07/10/13 22:30 ID:sYUUKalo
【D-3喫茶店内/1日目 昼】
【パピヨン@武装錬金】
[状態]:全身に軽い打撲、口に血の跡、小程度の疲労、
[装備]:核鉄(エンゼル御前)@武装錬金
[道具]:支給品一式、猫草inランドセル@ジョジョの奇妙な冒険
[思考・状況]
基本:首輪を外し元の世界で武藤カズキと決着をつける。
1:こなたの話を聞く。
2:エレオノールを警戒しておく。
3:核鉄の謎を解く
4:二アデスハピネスを手に入れる。
5:赤木、エレオノール、鳴海、承太郎、ハヤテ、カズキ、ナギを喫茶店で待つ
[備考]
※エンゼル御前は、使用者から十メートル以上離れられません。
それ以上離れると、自動的に核鉄に戻ります。
※参戦時期はヴィクター戦、カズキに白い核鉄を渡した直後です
※スタンド、矢の存在に興味を持っています。
※猫草の『ストレイ・キャット』は、他の参加者のスタンドと
同様に制限を受けているものと思われます
※エレオノール、鳴海に不信感(度合いはエレオノール>鳴海)
982Classical名無しさん:07/10/13 22:31 ID:NcURBKqA
      
983Classical名無しさん:07/10/13 22:31 ID:sYUUKalo
【泉こなた@らき☆すた】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、フレイム・ボール@ゼロの使い魔(紙状態)んまい棒@銀魂、
綾崎ハヤテの女装時の服@ハヤテのごとく
[思考・状況]
基本:みんなで力を合わせ首輪を外し脱出 。
1:エレオノールの危険性と並行世界の盲点について説明する。
2:赤木、エレオノール、鳴海、承太郎、ハヤテ、カズキ、ナギを喫茶店で待つ
3:かがみ、つかさ、みゆきを探して携帯を借りて家に電話

【才賀勝@からくりサーカス】
[状態]:両足の脹脛に一つずつ切り傷。軽傷のため行動に支障なし。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、書き込んだ名簿、携帯電話(電話帳機能にアミバの番号あり)
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない
1:しろがねの誤解を解く。
2:乗っていない人を探して味方にする。
3:フェイスレスには最大限注意を払う。
4:みんなで脱出する。
5:こなたの話を聞く。
[備考]
※勝は鳴海が自分のことを覚えていないということを感じましたが、同姓同名の別人ではないと思っています。
984Classical名無しさん:07/10/13 22:31 ID:i8g8t6oA
                  
985Classical名無しさん:07/10/13 22:32 ID:sYUUKalo
というわけで、こなたの思考をごっそりと抜いてしまいました。
話の核になるところなんですが、この部分をいきなり書いてしまうのはどうかと思って、
しばらく間を空けたかったんです。


色々と突っ込み待ってます。


以上、投下終了です。
986Classical名無しさん:07/10/13 22:40 ID:NcURBKqA
投下乙。なるほど……確かにこれは悩みどころですねー。
他の部分は各キャラをよく掴んでいて描写もしっかりしてすばらしいです。
勝はエレオノールに恋してるんだよなぁ……自分では恋心は否定してはいるけどさ。

正直俺の頭では「こなたの考え」を推測することはできませんでした。
次の人が勝手に考えて書いてもいいなら個人的にはこれでいいと思います。
既に考えがあるなら、この内容ならSS中に書いてしまってもいいと思いますよ。
987Classical名無しさん:07/10/13 22:44 ID:i8g8t6oA
GJ!
各キャラの会話がテンポよく読めて面白かったです。
こなたの思考部分ですが、問題ないと思いますよ。
パピヨンに期待。
988Classical名無しさん:07/10/14 00:05 ID:z4gcq62c
GJ!

なんだが、これは難しい……というか、また盲点っすか……
正直俺には想像もつかんよ。埋めついでに、誰かつく奴いる?
989Classical名無しさん:07/10/14 00:15 ID:KeQSaJxE
まさか前スレに投下してたとは……気付きませんんでしたorz
投下乙!勝、こなた、パピヨンの会話がそれぞれそのキャラらしくてGJです!
それでこなたの思考の方ですが……やはりご自分で追加された方が良いかと個人的に思いますね
内容はとても良いんですが次の人がリレーしにくくいですし。
990Classical名無しさん:07/10/14 00:20 ID:fv8DQUG6
GJです!

俺としては、このままで良いとも思うが……
どうなんだろう? 議論スレ行き?


こなたは、
勝とエレオノールは『呼び出された時代』が違うのではなく、『呼び出された世界自体』が違うのでは――

と考えたとか……
以上、妄想
991Classical名無しさん:07/10/14 01:52 ID:URJ.yxJ6
GJ!
勝は異常者扱いを覚悟して話したのに
こなたとパピヨンがすんなり世界、時間移動説を把握してるのが笑ったwww

さて、問題のこなたの思考をあえて書かない、というのはなかなか新鮮な試みで面白いです。
でも、残念ながら俺のド低脳な頭ではこなたが何を考えているのか理解不能……。
無念……。
まあ、後続の書き手さんがちゃんと思いつくなら何も問題のですが……。
992Classical名無しさん:07/10/14 03:23 ID:SIjFL2mI
なんとなくこなたが考えていることはわかるけど、次の書き手さんがどう考えるかですねー
自分の考えてることが当たってるなら、それに気付いた参加者が数人マーダー化する事態になるけど・・
993Classical名無しさん:07/10/14 09:42 ID:rggFMm8.
マーダー化する理由……俺も思いついたけど、正しいのかどうか謎。


ルイズ、TQN、パッピー<キーワード
994Classical名無しさん:07/10/14 10:08 ID:I9Z9iNl.
エレオノールの守るべき勝と今ここにいる勝の関係についてかな?
時間移動説(本人)でも並行世界説(別人)でも、エレオノールが不安定化するのは間違いないよね。
995Classical名無しさん:07/10/14 10:18 ID:8XsmLuz6
投下乙です。
個人的にはこなたの思考より今まで比較的冷静に行動してきたはずの勝が動揺し過ぎではと気になりました。
996Classical名無しさん:07/10/14 10:34 ID:NK4A2p52
いや、元々、嘘がばれそうでガクブルしてなかったか?
997Classical名無しさん:07/10/14 14:16 ID:NK4A2p52
忘れてた。 投下乙。
こなたの思考については、数人思いつきそうな人が居るから問題なしっぽいね。




微妙に地図を変えてみたり、wikiのデザインを変えてみたり……
998Classical名無しさん:07/10/14 15:24 ID:w44K9fk2
999Classical名無しさん:07/10/14 15:28 ID:nq3HQOAQ
1000Classical名無しさん:07/10/14 15:30 ID:zHVfbN6Q
10011001
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。