538 :
445:
>>519 (
>>537の続き)
たぶん、KAZさんのイントネーション、アクセントに対する考えも殆ど同じでしょう。
喉ブレーキ、音のライフサイクルにより、イントネーションとアクセントが自然発生すると
KAZさんは考えていますね。その状態に、必要に応じて、感情を加えて発音すれば、自分の想いに即した発音になる、と。
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では、発音の本や音声学の書籍に書かれてる強勢アクセントの位置のルールをどのように捉えるかですが・・・
※凡例:「強」=第一アクセント、「中」=第二アクセント、「弱」=アクセント無し
たとえば、「形容詞+名詞」は、「中強」で名詞の方を形容詞より強く読む。」
複合名詞の場合は、「名詞+名詞は、「強中」で最初の名詞を強く読む」等のルールが書かれています。
一般のネイティブやTV等のインタビューなど、淡々と話す時、彼らは必ずしもこれらのルールに
即して発音していないように想います。
自分が「紛らわしい」と思ったところだけ、自分が「ここだけは伝えたい」と思ったところだけ
上記のルールに則して話しているように思います。
文章の最初から最後まで一環して、強勢アクセントの位置のルールを守って話すのは
ニュース・キャスターやナレーターぐらいかなと思います。
我々もそうですが、幼児や愛犬に話しかける時や、絵本を読んで聞かせる時の話し方、イントネーションは、通常よりも
かなり強調されているでしょ? その大げさは話し方をしないと通じないというものでは無いと思います。
「分かりやすく伝えたい」、「ここは強調したい」という想いや意味認識が、おおげさなイントネーションを
付け加えるのです。英語も同じ。
539 :
445:2008/08/08(金) 19:36:29
>>519 (
>>538の続き)
以前、音声学信者の皆さんや私がKAZさんへ、強勢アクセントの位置についての質問を行ったことがありましたね。
まだブログでは書いていませんが、あの時の質問を私の意見で回答してみたいと思います。
私のスタンスは、強勢アクセントとイントネーションは、「自然現象 + 意味認識(必要に応じて)」です。
自然現象部分は、英語鼻+呼気タイミング逆転メソッド+キャンディ・メソッドが自然現象の発生原因として担当します。
ここでは、説明を省略します。今回の説明のメインは「分かりやすく伝えたい」という感情です。
ぶっきらぼうに話す場合ではなく、「分かりやすく伝えたい」と思った時は、音声学で言うアクセントのルールに則した発音になると思います。
1. "dark room" (暗い部屋) と "darkroom" (暗室)
音声学で言うルールでは"dark room" (暗い部屋)では、room をより強く発音し、「中強」、
または、「第二アクセント + 第一アクセント」のパターンと説明されています。
"darkroom" (暗室)では dark を強く発音し、「強中」、または、
「第一アクセント + 第二アクセント」のパターンと説明されています。
呼気タイミング逆転メソッドでアクセントとイントネーションは「ぶっきらぼう」レベルでは自然発生しますので、
問題は、dark と room のどちらに強勢アクセントが来るかに絞りたいと思います。
2つの考え方を提唱したいと思います。一つ目は「意味の核」。二つ目は「スポットライト原理」。
「意味の核」は、ひとかたまりの句の中で中心になる単語を意味すると定義することにします。
540 :
445:2008/08/08(金) 19:38:16
>>519 (
>>539の続き)
dark room の「意味の核」はroom です。dark はroomの説明をしているだけです。メインはroomです。
複合名詞 darkroom の「意味の核」はdark (暗闇)です。
複合名詞は名詞の羅列ですが、その並びには決まり事があります。大きな意味を持つ名詞から順番に並べていきます。
"Telephone Number" は、まず「電話」について示し、次に関連情報「番号」が並んでいます。
"darkroom"(暗室) は「暗闇」を作り出す「部屋」という意味。
つまり、複合名詞は、一番左が「意味の核」で、その後に続く一連の名詞群が「意味の核」を修飾していると捉えることができるでしょう。
さて、英語は日本語とは違い、助詞が無いために名詞の格変化がありません。単語を決められた文法規則に
即して並べるだけです。しかし、一連の意味の固まりの中で、中心部分が分かれば、聞き手も内容を 理解しやすいでしょう。
そういうことで、「意味の核」となる単語を強く読むことにします。ここで「スポットライト原理」を導入します。
↓スポットライトのイメージ図です。
http://pub.cozmixng.org/~gallery/kou/screenshot/rabbit/spotlight/spotlight.jpg 話し言葉において、伝えたい箇所を目立たせる方法の一つは、その箇所で声を大きくすることです。
「意味の核」となる単語で声を大きくしましょう。
また、ある箇所を目立たせるということは、それ以外の箇所を目立たなくするということです。
スポットライトの図を見てください。明るく照らされた箇所以外は暗くなっています。
ということで、「意味の核」は強く読む。それ以外は弱く読む。ということになります。
"dark room" (暗い部屋)の「意味の核」はroom ですので、room を強めに発音して、
「中強」のアクセントになります。dark に第二アクセント、room に第一アクセントが来ます。
"darkroom"の「意味の核」は dark(暗闇)という名詞ですので、darkを強めに発音して、
「強中」のアクセントになります。dark に第一アクセント、room に第二アクセントが来ます。
音声学や発音本のアクセント規則を、別の考え方で再現できたと思います。
541 :
445:2008/08/08(金) 19:40:11
>>519 (
>>540の続き)
"dark room" (暗い部屋)を「明るい部屋じゃなくて、暗い部屋なんだからね!」と言う意味を
示したい場合、「暗い」を強調して伝えたいですね。この場合、dark が「意味の核」になります。
従って、「暗い」を敢えて強調したい場合は、"dark room"であっても、"darkroom"と同じアクセントになります。
この場合は、音声学の本とかでは「形容詞+名詞」のルールの例外とされています。
もっとも、紛らわしさを解消するために別の表現を使う可能性もありますが。
しかし、「意味の核」、「スポットライト原理」の2つを使うことで、どちらも「相手に分かりやすく伝えたい」と
いう感情に即したルール通りの発音です。どうですか? 音声学のルールより汎用性と柔軟性があります。
「伝えたい箇所を強く、それ以外は弱く言う」というシンプルなルールです。
また、「相手に伝えたい」という思いが薄くて、ぶっきらぼうに発音したい場合、dark も room も
同じ強さで読めばいいです。TV等のインタビューでは、そういうケースが多いです。
542 :
445:2008/08/08(金) 19:43:10
>>519 (
>>541の続き)
2.ついでに Japanese People のアクセントを説明します
これは「形容詞 + 名詞」のパターンであり、Jap の /ae/ に第ニアクセント、
nese の/i:/はアクセント無し、Peo の /i:/に第一アクセントが来るとされています。
シラブル単位で示すと、Jap/a/nese Peo/ple の「中弱弱 強弱」のパターンとされています。
一方、 Japanese の後に名詞が付かない場合は、Jap/a/neseは「中弱強」のパターンです。
"Japanese People" のJapaneseの 音節 "NESE"にストレスアクセントは来ません。
この現象を、私流の方法で説明します。
Jap/a/nese 単独では、英語鼻+キャンディ・メソッド+呼気タイミング逆転メソッドにより
J も N も同じ強さで発音しているつもりでも、辞書通り、「中弱強」の強勢アクセントに自然となります。
Peo/ple 単独では、同じく上記3つのメソッドにより、二つのPを同じ強さで発音しても
辞書通り「強弱」の強勢アクセントに自然になります。
Japanese People を、実際に発音する場合をシミュレーションしてみます。
(1)アクセントの位置を気にすることなく シラブル"Jap"部分の Jを「急激型」で発音します。
(2)アクセントの位置を気にすることなく、シラブル"a"を「緩慢型」で発音します。
(3)シラブル "nese"の番ですが、その後の単語 "People"が「意味の核」です。
"People"を目立たせるために、「スポットライト原理」により、neseを弱めに発音します。
※「スポットライト原理」では、「意味の核」を目立たせるため、その前後を弱く発音します。
その影響範囲の距離は、1シラブルです。実際に話している最中では、次のシラブルのことまでしか、意識が回りません。
従って、「意味の核」を強調したい場合、「弱強」または、「強弱」というパターンが発生します。
543 :
445:2008/08/08(金) 19:44:08
>>519 (
>>542の続き)
(4)アクセントの位置を気にすることなく、シラブル "Peo" の P を「急激型」で発音します。
※「スポットライト原理」により、いつもよりやや強めに /p/ を発音する。
(5)アクセントの位置を気にすることなく、シラブル "Ple" の P を「急激型」で発音します。
上記(1)〜(5)を連続して行うと、音声学のルール通り「中弱弱 強弱」になります。
これから分かるように、複数の単語全体を考えて、第一アクセントと第二アクセントを意識するのではなく
アクセントを考えることなく、今のシラブルと直近の「意味の核」しか気にしなくても、ルール通りの発音になります。
544 :
445:2008/08/08(金) 19:44:42
連投、ごめんなさい。 m(_ _)m
>>544 519じゃないけど、その説は信用できないね
どう考えても、英語ではストレスと発音は一体不可分であって感情とは関係ないと思う
ストレスを変えると別の発音になって意味まで違うものになるのもあるから
547 :
445:2008/08/08(金) 21:43:17
>>519 (
>>543の続き)
3.differ と deffer
KAZさんは「第一音節の母音が実は両者で違っている」から強勢アクセントの位置が違うんだという論を展開されていました。
私は別の考えで、これに挑戦します。
(1)dif/fer は第一音節に強勢アクセントがあります。
(2)de/fer は第二音節に強勢アクセントがあります。
母音によって、強勢アクセントが来やすい母音と、そうでない母音があります。
各母音の性質です。自然現象です。英語鼻+キャンディ・メソッドを実践されている方は
実感できると思います。
/ae/, hotの母音、/i:/, /e/, /au/ 等は強勢アクセントが来やすい母音。
cut の母音、/ou/は強勢アクセントが来にくい母音。
er という発音は、強勢アクセントが来る場合と、来ない場合の2パターンあります。
※発音記号では、両者の記号で表現する場合もありますし、同じ記号を使う場合もあります。
・er に強勢アクセントが来る単語の例: early
・er に強勢アクセントが来ない単語の例:ruler
スペル ER にはアクセントが来る場合と来ない場合があることは、
英語ネイティブはフォニックスの時間に習って知っています。
differ と defer については、強勢アクセントの位置が違うことを英語ネイティブの頭の中にもあります。
強勢アクセントが意識しなくても、自動的にアクセントが自然発生する、とする
私の主張と相容れないと思うかもしれませんが、ERだけは特別扱いさせて下さい。
defer については、英語ネイティブも強勢アクセントの位置を意識していると私は考えます。
英語ネイティブも "er"にアクセントがあると分かっています。しかし、私の考えは一般的な考えと大きく違うでしょう。
548 :
445:2008/08/08(金) 21:45:16
>>519 (
>>547の続き)
(1) dif/fer を英語ネイティブが発音する際のシミュレーション
・アクセントのことを考えず、第一シラブル "dif" のd を「急激型」で発音する。
・アクセントのことを考えず、第二シラブル "fer" のf を「急激型」で発音する。
その結果として、自然現象として、第一アクセントに強勢アクセントが来ます。
アクセントは相対的なものです。
普通の強さで第一シラブルを発音していても、第二シラブルが聴覚的に弱く発音されて
いないように感じれば、第一シラブルは強く発音されたと人は感じます。
逆に、普通の強さで第一シラブルを発音していても、第二シラブルが聴覚的に強く発音されて
いないように感じれば、第一シラブルは弱く発音されたと人は感じます。
differ の第一シラブル "dif" のd,母音の強さと
defer の第一シラブル "de" のd, 母音の強さは、同じです。
(2)de/fer を英語ネイティブが発音する際のシミュレーション
・アクセントのことを考えず、第一シラブル "de" のd を「急激型」で発音する。
・第二シラブル "fer" のf を「急激型」で発音する。但し、
第二シラブルにアクセントが来ることは知っていて、"er"を長めの時間で発音する。
第二シラブルにアクセントがありますが、強く発音するんじゃないんです。
アクセントが来る方のERだと分かっているので、時間的に長めに発音します。
つまり、dif/fer と de/fer の 両方の"fer" は
・f の強さ:同じ
・er のピークの強さ:同じ
・er の発音時間:異なる!!
なんです。
549 :
445:2008/08/08(金) 21:53:09
550 :
445:2008/08/08(金) 21:54:42
また、連投、ごめんなさい。 m(_ _)m
>>546 >ストレスを変えると別の発音になって意味まで違うものになるのもあるから
宜しければ、具体的な例をご提示願えませんでしょうか?
551 :
546:2008/08/08(金) 22:26:12
>>550 perfect
最初にストレスがあると名詞または形容詞
次にストレスがあると動詞
発音も違う
552 :
445:2008/08/08(金) 23:32:08
>>551 ERについては、
>>547-549 で述べた通りです。
ストレスアクセントのあるERとストレスアクセントの無いERの区別は、自然現象ではありません。
同じ音素ERですが、英語ネイティブもストレスアクセントのあるERなのかストレスアクセントの無いERなのか
話す際に認識していると思います。
fect 部分については、発音が違います。
名詞の perfect の fect の母音は /I/ (= sit の母音)です。
その理由として、高音成分が発生しにくい母音なので、強く読んでも弱く読んでもfect 部分に
聴覚上、ストレスアクセントがあるように聞こえない。
動詞の perfect の fect の母音は /e/です。
その理由として、高音成分が発生しやすい母音なので強く読んでも弱く読んでもfect 部分に
聴覚上、ストレスアクセントがあるように聞こえる。
動詞の perFECT のFECT部分は、名詞の PERfect のfect 部分より強く発音している訳ではない。
上記をまとめると
(1)PER部分については、英語ネイティブはストレスアクセントの有無を認識して話している。
ER にはストレスが来る発音と、ストレスが来ない発音があるため。
(2)この単語については、PER部分のアクセントの有無は英語ネイティブは認識しているが
動詞と名詞・形容詞によって、強勢アクセントの位置を異なるようにするため
fect の母音の発音が設計されている。
同じスペルでも ストレスアクセントのあるシラブルの母音は /e/ 、ストレスアクセントの
ないシラブルは /I/ であるケースが多い。
発音する際に、アクセントの位置を意識するのではなく、アクセントの位置がその位置に
来るように単語の発音自体が、巧妙に設計されている。 発話するときに、アクセントの位置等の
余計なことを考えずにすむ。