モーム『人間の絆』を購読するスレ

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1名無しさん@英語勉強中
このスレは、Somerset MaughamのOf Human Bondage
をちっとっつ訳していくスレである。
テキストはここにある。
http://www.scribd.com/doc/2429527/Of-Human-Bondage
2真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/08(日) 00:19:57
まず、次の文章を訳しなさい。課題は毎日午前零時ごろ提示されます。

The day broke gray and dull. The clouds hung
heavily, and there was a rawness in the air that
suggested snow. A woman servant came into a
room in which a child was sleeping and drew
the curtains. She glanced mechanically at the
house opposite, a stucco house with a portico,
and went to the child’s bed.
”Wake up, Philip,” she said.
She pulled down the bed-clothes, took him
in her arms, and carried him downstairs. He
was only half awake.
”Your mother wants you,” she said.
She opened the door of a room on the floor
below and took the child over to a bed in which
a woman was lying. It was his mother. She
stretched out her arms, and the child nestled
by her side. He did not ask why he had been
awakened. The woman kissed his eyes, and
with thin, small hands felt the warm body through
his white flannel nightgown. She pressed him
closer to herself.
3名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 00:31:13
その日が、灰色と鈍さを破った。
雲は重く、雪がふりそうだ。
女召使は子供の寝ている部屋に入ってきて、カーテンを閉めた。
彼女は機械的に家を反対するように見た。
彼女は子供のベッドに入った。
4名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 00:39:57
24時間後にプロ訳を提示します。
プロの神訳を超えられるようがんばりましょう。
5真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/08(日) 00:40:37
>>3
もっと辞書をしっかり調べましょう。
かなり誤訳がみられます。
6名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 01:35:57
真の英語のプロさん、

購読ではなく講読でしょ?

本当にこの世に必要のない人間ですね、アンタ。
7名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 01:45:04
>>2
夜が明けてどんよりと曇った朝が来た。雲は重く垂れ下がり、雪でも降りそうなくらい空気は肌寒い。
子供がひとり眠っている部屋に使用人の女が入ってきて、カーテンを開いた。女は機械的に向かいの
家――柱廊玄関(ポーチコ)付きのしっくい塗りの家だ――のほうを見やって、子供の寝台に歩み寄った。

「起きてください、フィリップ様」と女は言った。

女は掛け布団を引きはがし、子供を腕で抱きかかえて、下の階へ運んだ。子供はまだ寝ぼけまなこだ。

「お母様がお呼びです」と女は言った

女は階下の部屋の扉を開けて、ひとりの女性が寝ている寝台の前に子供を連れて行った。女性は子供の母親
だった。母親は腕を伸ばして、自分の側に子供を寝かせた。子供はなぜ自分が起こされたのかを尋ねなかった。
母親は子供のまぶたにキスをし、そのやせ細った手で子供の暖かな体の感触を白のフランネルの寝巻ごしに
感じ取った。母親はさらに近くまで子供を抱き寄せた。
8名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 02:06:51
>>2
灰色のどんよりとした一日が明けた。
雲は重く垂れ、雪を暗示する底冷えがした。
女中が子供の眠っている部屋に入ってきてカーテンを開けた。
柱廊玄関のある、漆喰の塗られた向かいの家に機械的に目をやると
女中は子供の寝ているベッドに行った。
「目を覚ましなさい、フィリップ」と言って
女中は布団をはいで子供を腕に抱くと、
下の階へ連れて行った。
子供はまだ寝ぼけ眼だった。
「お母様が呼んでいらっしゃいます。」と女中は言った。
女中は下の階の部屋の戸を開けて、女が横になっているベッドまで
子供を連れて行った。それは子供の母親だった。
彼女が腕を伸ばすと、子供は彼女の傍らに体をすり寄せた。
彼はなぜ起こされたのかも訊かなかった。
女は子供のまぶたにキスをして、か細く小さな手で
子供の白いフランネルの寝間着を通してつたわってくる暖かい体を感じ取った。
女は彼をぐっと近くに引き寄せた。
9名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 02:11:02
これは小説ですか。タイトルは哲学書みたいですが…。
10真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/08(日) 02:14:46
>>9
有名な小説家による有名な小説です。
11真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/08(日) 02:24:22
こちらの姉妹スレもよろしくね。
http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/english/1212525567/l50
12名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 02:26:40
タイトルなんだが、bondage を「絆」と訳すのはどうもしっくりこない。
むしろ「人間を縛っている束縛」という意味なんではなかろうか?
13名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 02:28:36
>>12
内容的にはそんな内容なの?
14名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 02:32:33
>>13
少なくとも人と人のあいだの絆の大切さを謳っている小説ではないと思う。
15イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/08(日) 03:21:22
>>2その日は急に曇って空は輝きを失った。雲は重くのし掛かり、空気は
雪を予感させるほどうす寒かった。召使の女は子供の寝ている部屋に入って
カーテンを開けた。彼女は向かいにあるポルチコのついたスタッコ塗りの家を
無意識にちらっと見てから子供のベッドへ向かった。
「起きなさい、フィリップ。」と彼女は言った。
彼女は掛け布団を引き剥がすと子供を腕に抱いて階下に運んだ。
子供は半ば目覚めていた。
「おかあさんがあなたに来てほしいそうよ。」と彼女は言った。
彼女は一階の部屋のドアをあけると、母親の寝ているベッドに子供を乗せた。
母親がいる。母親が手を伸ばすと、子供は母親に体を摺り寄せた。
子供はなぜ起こされたか聞かなかった。
母親は子供の目にキスすると、やせ細った小さな手で、子供の着た白のフランネルの
ナイトガウン越しに暖かい体を感じた。
母親は子供をわが身に押し付けた。

1612:2008/06/08(日) 03:22:48
ちょいと調べてみたんだが、"Of Human Bondage" というタイトルは、スピノザの『エティカ』第四部の
標題である「人間の隷属について(De servitute humana)」に由来するそうだ。
http://www.enotes.com/contemporary-literary-criticism/human-bondage-maugham-w-somerset

だから、『人間の絆』という訳題は誤訳である可能性がきわめて高い。
すくなくとも、モームが "human bondage" を肯定的な意味で捉えてないことは確かだ。
17名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 04:27:18
>>16
ほうほう。参考になりますた。
18名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 04:47:33
>>16
人間の絆→人間の桎梏
19ハウスペイント:2008/06/08(日) 04:57:45
スタッコという言葉は今現在塗装屋の世界では日常使われています。
粗塗りした後、軽くこてで抑えて平面とでこぼこを半々にしたものです。
20団鬼六:2008/06/08(日) 05:11:57
>>16
人間の緊縛
21名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 06:43:17
人間の牢獄
22名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 07:37:12
人の世のしがらみ
23名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 07:47:27
この本って要するに、嫌味で友達のプライバシーを
次々に面白おかしく小説で暴露して最低の蛆虫野郎と
忌み嫌われ、しかも真性ホモで東南アジア地区のスパイ
でもあったモームが、どんなに嫌な目にあって自分は
そんな下劣な人間になったかってことを書いた自伝風の
小説だよね。
24名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 07:49:13
>>23
実にプロにふさわしい小説だな
25名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 08:01:40
そんなわけで訳のポイントは罵倒の切れ味のような気がするね。
26名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 08:47:52
>>25
ほうほう、参考になります。
27名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 10:55:59
真の英語のプロさん、

購読ではなく講読でしょ?

本当にこの世に必要のない人間ですね、アンタ。
28名無しさん@英語勉強中:2008/06/08(日) 10:59:01
どうせなら訳本が出てないやつをやれよ
馬鹿じゃね
29名無しさん@英語勉強中:2008/06/09(月) 00:22:30
かしこみ、かしこみ、申す。神訳です。じゃららん。

夜が明けると、その日は、灰色のどんよりとした空模様だった。
雲は重く立ちこめ、ひやりとした空気が雪になりそうな気配を漂わせていた。
ひとりの女中が子どもが寝ている部屋に入ってきて、カーテンを開けた。
彼女は、向かいの柱廊玄関を備えたスタッコ壁の家に機械的に視線を落としてから、
子どものベッドのもとにやってきた。
「起きなさい、フィリップ」と彼女は言った。
彼女は、寝具を引きはがし、子どもを腕に抱きかかえて階下へと運んだ。
彼はまだねぼけまなこだった。
「お母様がお待ちですよ」彼女は言った。
階下の部屋のドアを開け、女が横たわっている
ベッドに子どもを連れて行った。それは彼の母親だった。
母親が腕を伸ばすと、子どもは彼女のかたわらにうずくまった。
彼はなぜ自分が起こされたのか聞かなかった。
女は彼の目や、頬にキスをした。女の小さな手は、
子どものフランネルの寝巻きごしにあたたかい体を感じていた。
彼女は彼をぎゅっと抱き寄せた。
30真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/09(月) 00:26:04
次の課題です。

”Are you sleepy, darling?” she said.
Her voice was so weak that it seemed to come
already from a great distance. The child did
not answer, but smiled comfortably. He was
very happy in the large, warm bed, with those
soft arms about him. He tried to make him-
self smaller still as he cuddled up against his
mother, and he kissed her sleepily. In a mo-
ment he closed his eyes and was fast asleep.
The doctor came forwards and stood by the bed-
side.
”Oh, don’t take him away yet,” she moaned.
The doctor, without answering, looked at her
gravely. Knowing she would not be allowed to
keep the child much longer, the woman kissed
him again; and she passed her hand down his
body till she came to his feet; she held the right
foot in her hand and felt the five small toes; and
then slowly passed her hand over the left one.
She gave a sob.

31イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/09(月) 01:47:14
>>30
「ぼうや、おねむなの。」と彼女は言った。
彼女の声は弱々しくずっと遠くから聞こえて来るようだった。
子供は答えない代わりに気持ち良さげに微笑んだ。
彼は大きな暖かいベッドの中で、母親の柔らかい腕に包まれ
幸せだった。母親に寄り添って寝ながら、いっそう体を縮めようとした。
そして眠そうにキスをした。
するとすぐ目を閉じ眠り込んだ。
医者が歩み寄りベッドの傍らに立った。
「お願い。まだぼうやを連れていかないで。」
と彼女は悲しみにうめきながら言った。
医者はそれには答えず、深刻そうに彼女を見た。
もうこれ以上子供といるのが許されないと
分かっていたので、もう一度キスをし、子供の体の足まで手を這わせた。
彼女は子供の右足を掴むと、五本の小さな指を感じた。
それから今度はゆっくり左足まで手を這わせた。
彼女は嗚咽した。



32名無しさん@英語勉強中:2008/06/09(月) 06:03:23
> and she passed her hand down his
> body till she came to his feet; she held the right
> foot in her hand and felt the five small toes; and
> then slowly passed her hand over the left one.
> She gave a sob.

これって、要するに、母親がフィリップの足の障害(内反尖足)を手で触って確認して、
「ああなんてかわいそうな子だろう」って嘆いてるんかね?
33真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/10(火) 04:03:51
かしこみ、かしこみ、申す。神訳です。じゃららん。

「眠いの、坊や」彼女は言った。
彼女の声はあまりに弱く、既にはるか遠方から聞えてくるかのように思われた。
子どもは答えなかったが、心地よさそうに微笑んだ。彼は大きなあたたかいベッドの
中で、柔らかい腕に抱かれて幸せだった。彼はさらに身を縮めて母親の体にぴったりと
寄り添い眠たげに彼女に口づけした。一瞬の後には、目を閉じ、眠り込んでしまった。
医者が進み出て、ベッドの脇に立った。
「まだ連れていかないでください」彼女はうめくように言った。
医者はそれには答えずに、厳粛なまなざしを彼女をむけた。子どもをこれ以上引き止めることが
許されないことを知ると、女は彼にもう一度キスをした。彼女は彼の体に置いた手を脚部にまで
這わせ、右足を手の中に握りしめ、五本の小さな指の一つ一つを感触を確かめた。
そしてゆっくりと左足に手を移動した。彼女は泣きじゃくっていた。
34真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/10(火) 04:05:17
次の課題です。

”What’s the matter?” said the doctor. ”You’re tired.”
She shook her head, unable to speak, and
the tears rolled down her cheeks. The doctor bent down.
”Let me take him.”
She was too weak to resist his wish, and she
gave the child up. The doctor handed him back to his nurse.
”You’d better put him back in his own bed.”
”Very well, sir.” The little boy, still sleeping,
was taken away. His mother sobbed now broken- heartedly.
”What will happen to him, poor child?”
35イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/10(火) 11:39:13
>>34
「どうしたんですか。」と医者は言った。
「あなたは疲れています。」
彼女は言葉が出ないまま首を横に振った。
涙がほおを伝わって落ちた。
医者は身をかがめた。
「子供は連れて行きますよ。」
彼女は弱っていて彼の求めに逆らえず、子供を諦めた。
医者は看護師に子供を返した。
「子供は自分の寝床に戻したほうがいい。」
「そうしてください先生。」
小さな天使はまだ眠っていたが、奪われた。
母親は悲嘆にくれて嗚咽した。
「かわいそうに、あの子はどうなるのかしら。」
36名無しさん@英語勉強中:2008/06/10(火) 14:58:45
>>35
"You’d better put him back in his own bed."なナースへの指示、
"Very well, sir"はナースの科白だべ(´・ω・`)
37名無しさん@英語勉強中:2008/06/10(火) 16:40:05
また、ちょっと調べた。
Of human bondage というタイトルは各国語訳だと、だいたい次のようになっている。

フランス語: Servitude Humaine (人間の隷属)
ドイツ語:   Der Menschen Hörigkeit (人間の隷属)
スペイン語: Servidumbre humana (人間の隷属)
中国語:   人間的枷鎖
イタリア語:  Schiavo d'amore (愛の奴隷)

イタリア人が自由すぎるw
38名無しさん@英語勉強中:2008/06/10(火) 18:06:42
>>35
ここでの nurse ってのは看護師じゃなくて「乳母」なんじゃないか?
んで、たぶん>>2の woman servant と同一人物。
つぎのところでもう一人の nurse (こちらは「看護婦」)が出てくるからちょいとややこしいが。
39名無しさん@英語勉強中:2008/06/10(火) 18:07:07
イタリア人、全然別の内容を期待して買うだろうなw
40名無しさん@英語勉強中:2008/06/10(火) 18:09:22
邦訳は 包帯人間の!
と改めるべき。
41真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/10(火) 20:18:37
訳案を提示しましょう。
毎日の継続が大切です。
42名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 00:46:56
懐かしいな
英語で通読したが
そんなに難しくない
43イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/11(水) 01:40:10
>>36>>37>>38
ご指導ありがとうございました。
また宜しくお願いします。
44名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 01:43:46
新潮文庫で三冊か四冊になってる小説だろ、これ。
こんな長いのじゃなく、「雨」とか「赤毛」あたりを
やれば良いのに。それならたぶん完結できるのに。


45名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 02:14:01
このペースだと4-5年で読み終われるよ
46真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/11(水) 02:47:17
「どうされたのですか?」
医者は言った。
「あなたは疲れていらっしゃる。」
彼女は何も言えずに、首を振った。涙が彼女の頬をつたった。
医者は身をかがめた。
「彼を連れて行かせていただきます。」
彼女は医者の意思に抗うにはあまりに弱かった。彼女は
子どもを諦めた。医者は背後に控えていた看護婦に
子どもを手渡した。
「彼を自分のベッドに寝かせなさい。」
「わかりました、先生。」
その小さな子どもはまだ寝ていたが、連れ去られた。
彼の母親は泣き崩れ、心の奥から嗚咽の声をあげた。
「彼はこれからどうなるのでしょう。可哀想な子。」
47真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/11(水) 02:49:02
次の課題です。

The monthly nurse tried to quiet her, and presently,
from exhaustion, the crying ceased.
The doctor walked to a table on the other side
of the room, upon which, under a towel, lay the
body of a still-born child. He lifted the towel
and looked. He was hidden from the bed by a
screen, but the woman guessed what he was
doing.
”Was it a girl or a boy?” she whispered to the
nurse.
”Another boy.”
The woman did not answer. In a moment
the child’s nurse came back. She approached
the bed.
48片岡数吉 ◆sLx6Y8W5kE :2008/06/11(水) 02:57:10
>>47
The monthly nurse tried [ to quiet her ],
and presently, from exhaustion, the [ crying ] ceased.
The doctor walked to a table on the other side of the room,
[ upon which, under a towel, lay the body of a still-[ born ] child.
He lifted the towel and looked.
He was hidden from the bed by a screen,
but the woman guessed [ what he was doing ].
”Was it a girl or a boy?” she whispered to the nurse.
”Another boy.”
The woman did not answer.
In a moment the child’s nurse came back.
She approached the bed.
4938:2008/06/11(水) 03:06:03
>>46
だからさ。his nurse は看護婦じゃなくてフィリップの乳母なんだって。
子供を「返した」(handed him back)って言ってんだから、連れてきた人間と同じでなきゃ
だめだろ。
50名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 03:06:16
>>37
中国語は「人性的枷鎖」または「人性枷鎖」ですよ。
ほかに
韓国語:인간의 굴레 (人間の束縛)
ノルウェー語:Menneskets slaveri(人間の隷属)
スウェーデン語:Människans slaveri (人間の隷属)
ポーランド語:W niewoli uczuć (人間の隷属について)
チェコ語:O údělu člověka (人間の運命について)
ロシア語:Бремя страстей человеческих (人間の熱情の重み)
ウクライナ語:Тягар пристрастей людських (人間の愛の重さ)
ブルガリア語:Души в окови (束縛の本質)
ハンガリー語:Örök szolgaság (永遠の隷属)

訳題にもお国柄が出るような出ないような…
51真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/11(水) 03:12:40
>>49
あ、そっか。
訂正する。
52名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 03:24:54
ロシア語とイタリア語で「愛」
と出てくるけど、
ポジティブな意味がどれくらいあるんだろうね。

モームは月と6ペンスで、家庭や女の愛情とか
いうものなんか糞食らえだといってるから(何しろホモだしな)
「愛」っていっても、性愛とかエロスで人を縛り付ける
「愛欲の罠」みたいなものだと捉えてるのかと考えてるけど、どう?
53名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 04:21:24
>>52
確かにロシア語のстрасть, ウクライナ語のпристрасть
ともにそういう意味があります。
英語で言えば passion ですね。
情熱、愛欲、受難などの意味が載っています。
54名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 04:28:03
あとБремя, Тягарは
重圧、重苦しさ みたいに
否定的なニュアンスで訳したほうが良かったかもしれない。
55名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 04:32:06
>>52
イタリア語訳はおそらくBette Davis演じるミルドレッドとの愛憎劇を主題にした1934年の映画版が
イタリアで公開されたときの訳題がそのまま使われるようになったんじゃないかな。推測だけど。
56名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 04:33:37
このスレもレベルの発狂がはじまってるw
57真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/11(水) 04:58:18
nurseはやはり看護婦みたいだぞ。
monthly nurse・・・産後付き添い看護婦。
58名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 05:04:44
>>57
>>34の nurse (乳母)と >>47のmonthly nurse (産後付き添い看護婦)は別人です。
そもそも、乳母は子供を部屋に戻しに行っていて、"In a moment the child’s nurse came back."
ってところで子供部屋から帰ってくるんだから、分身の術でも使わない限り、monthly nurse と
同じ人なわけがないだろう。
59イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/11(水) 05:27:54
>>47
月ぎめ雇いの看護師は彼女を落ち着かせようとしたが、やがて疲れから
泣くのを止めた。医者は部屋の反対側のテーブルへ歩いて行った。
テーブルに置かれたタオルの下には、産声を上げずに亡くなった
赤ん坊の体が横たわっていた。医者はタオルを持ち上げのぞいた。
彼はついたてでベッドから隠れていた。しかし母親は彼が何をしているか
推し量った。
「女の子だったそれとも男の子。」彼女は看護師に囁いた。
「また男の子でした。」
母親は答えなかった。
そのときフィリップの乳母が戻ってきた。
彼女はベッドに近づいた。


60名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 05:31:14
>>55
そうかもしれません。
はっきりしたことは分かりませんが、1940年頃までは
Schiavitù Umana (人間の隷属)というタイトルの訳書も出ていたようです。
しかし今はすべて Schiavo d'amore ですね。
映画は3本(米2本、英1本)公開され訳題はどれもSchiavo d'amoreです。
61名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 05:37:50
>>60
なるほど。参考になった。
そういえば、1934年の映画版 Of human bondage の当時の邦題は「痴人の愛」だったんだよね。
それがそのまま、小説のほうの邦題にも使われてたら、ちょっと面白かったかもしれないw
62名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 05:39:58
ブルガリア語:Души в окови 
の訳は
束縛された人間(達)でした。失礼しました。
63名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 06:01:12
>>59
monthly nurse ってのはただの「月ぎめ雇いの看護師」のことじゃなくって、お産のあとに約1ヶ月のあいだ住み込み
で産褥期のお母さんの世話をしてくれる看護婦さんのことらしいよ。
参考までに、OEDの定義によると、
  monthly nurse:
   a sick-nurse who attends a woman lying in during the first month after her accouchement;

あと、in a moment は「そのとき」って訳すと at the moment みたいにも受け取れるから、「すぐに」とか「ちょっとして」くらいの訳が
いいと思う。
64名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 06:11:45
>>61
中野好夫と谷崎潤一郎の間に交流はあったのだろうか。
あったとしても中野先生が安直に時流に乗るとも思えないけど…。
65名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 06:28:42
>>53
あくまで推測なんだが、ロシア語訳やウクライナ語訳が感情や情念に相当する語をタイトルに入れているのは、
"Of human bondage" というタイトルの元ネタであるスピノザの『エティカ』第4部を意識してのことかもしれない。

というのも、エティカの第四部の標題は「人間の隷属、あるいは感情の力について」(De Servitute Humana, seu de Affectuum Viribus)
となっていて、そこでは人間がどのようにして情念に支配され、隷属状態におかれているかが論じられているからだ。

そういう意味では、この小説は『エティカ』第4部のノベライズ版として読むことができそうだ。
決して第5部(「人間の自由について」)ではないところが、いかにもモームらしいが。
66真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/11(水) 06:44:54
>>65
あなたの指摘は正しいようだね。
エチカの英訳では、Of Human Bondage, or the Strength of the Emotionsという
タイトルらしい。
67名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 07:00:44
>>65
いや、びっくりしました。素晴らしい着想です。
ただロシア語の翻訳者はそこまでは考えていなかったのでは。
というか、もしそうなら訳題の最初の単語は力に関係する単語であったほうがより好ましいわけですが
бремяの語源は「抱えた荷物」ということで、力と直結はしないので(関連はしますが)。
тягарの語源は「長柄」「引く」で、こちらも関連性はいまいちでしょうか。
しかし読みとしてはとても面白いです。
68真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/11(水) 07:05:57
解釈もいいが、君たちも訳案をどんどん提示しなさい。
69真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/11(水) 07:07:11
村上春樹も言うように、翻訳とは、一つの渾沌を、別の渾沌へと
転換させていく作業である。
7067:2008/06/11(水) 07:13:19
少し否定的過ぎましたね。
仮にロシア人が気づいていなかったとしてもこの意味の重ね合わせは素晴らしい。
訳題が意図的なものだとすれば、読み解いた>>65 さんに感服します。
71真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/11(水) 07:17:57
スレの進行は、みなさんの任せます。
午前零時ぐらいになったら、誰でもいいので、
適当な長さの次のパラグラフをアップしましょう。
24時間以内に、完成訳をみなで議論しながら完成させるように
しましょう。

72名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 07:19:42
何年かかってもいいので、途中を飛ばしたりせず、
最後まで完訳するようにしましょう。
73名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 08:04:01
>>47
産褥看護師が母を宥めようとした。やがて
疲労から泣き声は止んだ。
医者は部屋の反対側のテーブルまで
歩いた。そのテーブルの上には、死産した子の亡骸が、
タオルを掛けられて置かれていた。医師はタオルを取って
見た。その様子は衝立てで隠れてベッドからは
見えなかったが、母には何をしているかだいたい
分かった。
「女の子だったの、男の子だったの」母は看護師に小声で
聞いた。
「今度も男の子でした。」
母は何も言わなかった。そのあとすぐ
乳母が戻ってきた。乳母はベッドに
近づいた。
74名無しさん@英語勉強中:2008/06/11(水) 08:06:52
>>66
1883年に刊行された R. H. M. Elwes によるエティカの英訳でそう訳されてるのを確認した。
モームが読んだのはまず間違いなくこのエディションだろうね。
75名無しさん@英語勉強中:2008/06/12(木) 00:05:49
0時になったんで、>>71にしたがって、代わりに次の課題をあげとくね

  ”Master Philip never woke up,” she said. There
was a pause. Then the doctor felt his patient’s
pulse once more.
  ”I don’t think there’s anything I can do just
now,” he said. ”I’ll call again after breakfast.”
  ”I’ll show you out, sir,” said the child’s nurse.
  They walked downstairs in silence. In the
hall the doctor stopped.
  ”You’ve sent for Mrs. Carey’s brother-in-law,
haven’t you?”
  ”Yes, sir.”
  ”D’you know at what time he’ll be here?”
  ”No, sir, I’m expecting a telegram.”
  ”What about the little boy? I should think
he’d be better out of the way.”
  ”Miss Watkin said she’d take him, sir.”
  ”Who’s she?”
  ”She’s his godmother, sir. D’you think Mrs.
Carey will get over it, sir?”
  The doctor shook his head.
76名無しさん@英語勉強中:2008/06/12(木) 00:50:12
>>50補足
中国語:人性的枷鎖 (人間性の首枷)
韓国語:인간의 굴레 (人間の面繋-おもがい-/束縛)
ベトナム語:Kiếp người (人生/人のしがらみ)

あといろいろ見た範囲ではどれも「人間の隷属について」か「人間の隷属」でした。
77名無しさん@英語勉強中:2008/06/12(木) 01:21:13
>>75
「フィリップ様はお目を覚ましません」乳母が言った。しばらく
無言が続いた。医師はもう一度患者の
脈を取った。そして言った。
「いまできることはもうないと思い
ますが。朝食の後また伺います」
「ご案内いたします」乳母が言った。
 二人は無言で階下へ降りた。長廊下
で医師が立ち止まった。
「ケアリー夫人のお義兄様には連絡しました?」
「いたしました」
「いつごろ来られるかな」
「存じません。電報を待っております」
「坊ちゃんはどうしようか。離れててもらったほうがいいのだが」
「ワトキン様が連れて行くとのことです」
「ワトキン様って」
「名付け親でございます。奥様は本復なさいますでしょうか」
 医師は首を振った。
78名無しさん@英語勉強中:2008/06/12(木) 01:33:57
>>77
>長廊下で医師が立ち止まった。

手元の辞書だと、hall が「廊下」の意味になるのは米語だけだと書いてある。
イギリス小説なんだし、状況からいっても「玄関」のほうがいいと思われ
79名無しさん@英語勉強中:2008/06/12(木) 01:46:04
>>76
  サマセット・モーム選集 第1巻 人間の絆 中野好夫訳 三笠書房, 1950
  人間の絆 守屋陽一訳 角川文庫 1961-66
  人間の絆 北川梯二訳 講談社文庫 1973
  人間の絆 厨川圭子訳 旺文社文庫 1975
  人間の絆 行方昭夫訳 岩波文庫 2001

邦訳は示し合わせたかのように、どれも「人間の絆」なんだな。
もし光文社の古典新訳文庫あたりに収められることがあれば、新しいタイトルを
提示してくれるかもしれないが
80名無しさん@英語勉強中:2008/06/12(木) 01:51:46
>>78
おっしゃるとおりです。
ありがとうございます。
81名無しさん@英語勉強中:2008/06/12(木) 02:14:17
>>79
昔読んだドストエフスキー『永遠の夫』の訳者あとがきに、
本当は「万年亭主」くらいの題のほうがいいのだが、
それができなかったのはひとえに膨大な先行訳の重みからだ、
というようなことが書いてあった。
まあ諸先輩方に遠慮して、と言いたかったんだろうけど、
「人間の絆」という題の連鎖も、人間の隷属についての日本型実証だろうか…。
82イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/12(木) 03:23:06
>>75
「フィリップ坊ちゃんは眠ったままです。」と乳母が言った。
少し間があった。それから医者は患者の脈をもう一度みた。
「今私ができることはもうないと思います。」と彼が言った。
「朝食後また寄ります。」
「お送りします。」と乳母が言った。
彼らは黙ったまま階段を降りた。
玄関の広間で医者が立ち止まった。
「ケアリー夫人の義理の兄弟を呼びにやりましたね。」
「はい、先生。」
「何時にここに着くか分かりますか。」
「いいえ、電報を待っています。」
「子供はどうしますか。邪魔にならないようにしないと。」
「ワトキンさんが連れて行くと言ってます。」
「ワトキンさんてどなたですか。」
「坊ちゃんの名づけ親の女性です。先生、奥様は治ると思われますか。」
 医者は首を振った。

83イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/12(木) 03:31:53
>>63
ご指導ありがとうございました。
またよろしくお願いします。
84名無しさん@英語勉強中:2008/06/12(木) 05:26:45
godmother ってのは「名付け親」じゃなくて「後見人」のことかもしれないね
85真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/12(木) 05:40:24
助産婦は、彼女を落ち着かせようとした。
やがて、彼女は、疲れ果てて、泣きやんだ。
医者は部屋の反対側にあるテーブルに歩み寄ると
その上に、タオルで覆われた死産の子どもの遺体を
横たえた。彼はタオルを取りのけて、遺体を見つめた。
間仕切りによって彼の姿はみえなかったが、彼が何をしている
のか女は想像をめぐらせた。
「女の子でしたか?男の子でしたか?」彼女は助産婦にささやいた。
「今度も男の子でしたよ。」
女は何も答えなかった。しばらくして乳母が戻ってきてベッドに
近づいた。
86名無しさん@英語勉強中:2008/06/12(木) 05:41:01
>>84
イギリスだから「教母」でしょうか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%A3%E7%88%B6%E6%AF%8D
87名無しさん@英語勉強中:2008/06/12(木) 05:50:04
godparents 【正・R】代父母 【聖】教父母、名親〔なおや〕 【ルほか】教保(sponsor) 【ほか】名親、名づけ親
http://yagitani.jpn.cx/kurihon/kurihon13.htm

名親というのもあるんですね。
88名無しさん@英語勉強中:2008/06/12(木) 05:50:12
>>86
イギリス国教会だと godparents ってのは一人の子供につき三人いるそうだ。
男の子の場合だと、二人の god fathers と一人の god mother がいることになる。
Miss Watkin はおそらく「名付け親」ではなく、「教父母」の一人なんだろうね。
http://en.wikipedia.org/wiki/Godparent#Anglican_Church
89名無しさん@英語勉強中:2008/06/12(木) 05:58:38
>>85
>タオルで覆われた死産の子どもの遺体を横たえた。

lay は lie の過去形でしょ?
そういう風に訳すためには、"upon which he laid the body of a still-born child." ってなってなきゃだめだよ。

あと原文にアンカー付けてくれ
90名無しさん@英語勉強中:2008/06/12(木) 06:11:23
>>85
He was hidden from the bed by a
screen, but the woman guessed what he was
doing.
の guessed は、ただ想像しただけじゃなくて
何をやっているか探り当てたという意味になりそうな気がするんですが。
だから接続詞が so とかでなくて but になっているのでは?
91真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/12(木) 06:18:51
>>89>>90
あ、そっか。訂正します。
92名無しさん@英語勉強中:2008/06/13(金) 00:01:28
次の課題。こっから第2章です。

            II

It was a week later. Philip was sitting on the
floor in the drawing-room at Miss Watkin’s house
in Onslow gardens. He was an only child and
used to amusing himself. The room was filled
with massive furniture, and on each of the sofas
were three big cushions. There was a cushion
too in each arm-chair. All these he had
taken and, with the help of the gilt rout chairs,
light and easy to move, had made an elaborate
cave in which he could hide himself from the
Red Indians who were lurking behind the curtains.
He put his ear to the floor and listened
to the herd of buffaloes that raced across the
prairie. Presently, hearing the door open, he
held his breath so that he might not be discovered;
but a violent hand piled away a chair and
the cushions fell down.
9382:2008/06/13(金) 01:25:08
使用したテクスト(>>1)に誤植がありました。
>>82の下から2行目の piled を pulled に訂正します。
9493:2008/06/13(金) 01:25:56
重ね重ねごめんなさい。>>82ではなく>>92です
9593:2008/06/13(金) 02:20:02
  piled → pulled

の件ですが、Project Gutenberg のテクストが "piled" となっているせいで、
これに依拠している多くのWEB上のテクストはこの誤植を引き継いでいます。

なお、1915年版の初版本(http://www.archive.org/details/ofhumanbondageno00maugrich)で
確認したところ、"pulled" となっていましたので、"piled" が誤植であることはほぼ確実だと思わ
れます。
96イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/13(金) 02:20:24
>>92
一週間が過ぎた。フィリップはオンズローガーデンにあるワトキン邸の
客間の床に座っていた。彼は一人っ子でひとり遊びに慣れていた。
部屋は大きな家具でいっぱいだった。ソファーのそれぞれには三つずつ大きな
クッションが置いてあった。それぞれの肘掛椅子にもクッションが置いてあった。
持ってきたクッションと金色に塗った大宴会用の椅子の助けを借りて、彼は
手の込んだ洞穴を作った。そこではカーテンの後ろに潜むアメリカインディアン
から身を隠すことが出来た。
彼は床に耳を押し付け、草原を疾走するバッファローの群れの音を聞いた。
やがてドアが開くのを聞くと、見つからないように息を殺した。
しかし乱暴な手で椅子は積んで片付けられ、クッションは床に落ちるのだった。
97イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/13(金) 02:25:34
>>96
訂正
10行目 椅子は積んで片付けられ→椅子は引き離され
98名無しさん@英語勉強中:2008/06/13(金) 02:34:18
>>96
light and easy to move の訳が抜けてるようですね。

ところで、"rout chair" ってのはこんなの(http://www.soane.co.uk/content/view/full/48/offset/47
らしいけど、あんまり軽そうには見えないね。
99イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/13(金) 02:43:54
>>98
ご指摘ありがとうございます。
>>96
訂正 金色に塗った大宴会用の椅子→軽くて簡単に動く金色に塗った大宴会用の
                 椅子
100名無しさん@英語勉強中:2008/06/13(金) 07:15:46
>>98の rout chair は結構重たそうだけど、↓のページで紹介されてるヤツはかなり軽そうだ。

http://www.vads.ahds.ac.uk/large.php?pic=fpf208h&vadscoll=The+Frederick+Parker+Chair+Collection:+London+Metropolitan+University

アンティークだから写真だとシート部分が無くなってるけど、↓の説明を読むかぎりだと、イグサやトウを編んで作ってたらしい。
要するに、夜会用の簡易イスって感じだったんだろうね。

> Rout chairs were defined in Sheraton's The Cabinet Dictionary, as ‘seats for general entertainments, or feasts;
> hence their name..' The term ‘rout' was common in the eighteenth century for large evening parties for the ‘fashionable' set.
> The chairs were typically small, without arms, made of beech and then painted, and had either rushed or caned seats.
> Due to their use and purpose they were inexpensive, not valued and, despite the numbers manufactured, there are few that survive.
101真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/13(金) 08:16:08
>>75
「フィリップ坊ちゃんは、お起きになりません。」彼女は言った。
一瞬の間があった。それから医者が患者の脈をもう一度測った。
「さしあたってわたしができることはもうなさそうです。」
彼は言った。
「また朝食の後で、伺いましょう」
「お見送りいたします。先生」
乳母は言った。彼らは階下へと黙って降りていった。
玄関で医者は立ち止まった。
「ケアリー夫人の義理のご兄弟にはもう手紙を出されましたか?」
「はい、先生」
「彼がいつ到着するかご存知ですか?」
「いいえ、先生。電報を待っているところです。」
「あの子をどうしましょうか。邪魔にならなければいいのですが」
「ワトキン嬢は、彼を連れて行くとおっしゃっています。先生」
「ワトキン嬢とは、どなたですか?」
「彼の代母です、先生。ケアリー夫人はよくおなりに
なるのでしょうか?先生。」
医者は彼の首を横に振った。

102名無しさん@英語勉強中:2008/06/13(金) 11:26:51
>>101
>ケアリー夫人の義理のご兄弟にはもう手紙を出されましたか?

send for 〜 ってのは「〜を呼びに人を遣る」って意味じゃなかったっけ?
103真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/13(金) 11:32:18
>>102
訂正します。
104名無しさん@英語勉強中:2008/06/13(金) 12:21:07
>>71-72
もし本当に完訳する気があるのなら、「プロジェクト杉田玄白」等に参加して
漸次翻訳を公開していくことを考えてもいいかもしれませんね
105真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/14(土) 01:02:02
次の課題です。
”You naughty boy, Miss Watkin WILL be cross
with you.”
”Hulloa, Emma!” he said.
The nurse bent down and kissed him, then
began to shake out the cushions, and put them
back in their places.
”Am I to come home?” he asked.
”Yes, I’ve come to fetch you.”
”You’ve got a new dress on.”
It was in eighteen-eighty-five, and she wore
a bustle. Her gown was of black velvet, with
tight sleeves and sloping shoulders, and the
skirt had three large flounces. She wore a black
bonnet with velvet strings. She hesitated. The
question she had expected did not come, and
so she could not give the answer she had pre-
pared.

106真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/14(土) 01:02:43
>>104
検討しましょう。
107名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 01:55:23
誰でも参加・編集できるように、Wiki を利用するという手もありますね
108イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/14(土) 02:17:47
>>105
「腕白坊主ね、ワトキンさんは怒りますよ。
「やあ、エマ。」と彼は言った。
乳母はかがんで彼にキスをした。
それからクッションを振って埃を落とし始め、元の場所に戻した。
「帰るの。」と彼は尋ねた。
「ええ、連れて帰るのに来ました。」
「新しいドレス着てる。」
1885年だった。彼女は腰の後ろに腰当をつけて膨らませていた。
彼女のドレスは、ぴったりした袖で肩が傾斜していて、ベルベット地だった。
そしてスカートには三つの大きなひだ飾りが付いていた。
頭にはベルベットの紐のついた帽子があった。
彼女はためらっていた。予期していた質問は来なかった。
それで用意していた答えを使うことは出来なかった。
109イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/14(土) 02:22:57
>>108
訂正
1行目 ますよ。→ますよ。」
7行目 着てる→着たね。
110名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 02:31:32
>>108
"Her gown was of black velvet" と "She wore a black bonnet with velvet strings."
の "black" がきれいに抜け落ちてますね。

言うまでもなく、gown や bonnet が黒いのは喪服だからです。
111名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 02:37:50
モームは1965年没だが、著作権は消滅しているのか?
112名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 03:02:42
>>111
モームの他の著作は知りませんが、"Of Human Bondage" に関しては、1923年以前の出版なので、
少なくともアメリカとイギリスではパブリック・ドメイン扱いになってます。
日本でどういう扱いになっているかは、専門知識がないので自信をもって断言できませんが、おそらく
パブリック・ドメインに準拠する扱いになっているのだと思います。
113イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/14(土) 03:05:49
>>110
ご指摘ありがとうがざいました。訂正します。また宜しくお願いします。
9行目 ベルベット地→黒いベルベット地
11行目 帽子→黒い帽子
114名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 03:23:22
>>112
周知の通り著作権は著者の死後50年(アメリカは70年)保護されるはず。
出版年は関係ない。
115名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 03:34:23
>>114
パブリック・ドメイン扱いということは相続人が権利放棄しているからだ。
したがって問題はない。
116名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 03:59:07
>>114
アメリカの場合、出版年は大いに関係あります。

http://en.wikipedia.org/wiki/Public_domain#Expiration

> Copyrights are more complex than patents; generally, in current law, the copyright in a published work expires in all countries
> (except Colombia, Cote d'Ivoire, Guatemala, Honduras, Mexico, Samoa, and Saint Vincent and the Grenadines) when either of
> the following conditions are satisfied:
>   ・The work was created and first published before January 1, 1923, or at least 95 years before January 1 of the current year, whichever is later; or
>   ・The last surviving author died at least 70 years before January 1 of the current year
117名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 04:21:58
>>92
一週間後。フィリップはオンズロー・
ガーデンズにあるワトキン嬢宅の客間の
床に座っていた。一人っ子のフィリップは
一人遊びも慣れていた。部屋は巨大な家具が
ひしめき、ソファの上には大きなクッションが
三つずつ置いてある。肘掛け椅子にもクッションが
一つずつあった。フィリップはその全部を
集め、軽くて動かしやすい金箔の
夜会椅子も使って、カーテンの陰に
潜む赤銅のインディアンから
身を隠す洞窟を作り上げた。
耳を床に当て、大草原を
駆け抜けるバッファローの群れに
聞き入る。するとドアが開き、
フィリップは見つからないようにと息を止めた。
しかし手は遠慮なく椅子を引き、
クッションの山は崩れた。
118名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 04:22:23
>>105
「何をしてるんですか。ワトキン様に叱られ
ますよ」
「わあい、エマー!」
乳母は身をかがめフィリップにキスすると、
クッションを一つ一つ手で払ってもとの
場所に戻した。
「うちに帰るの?」
「ええ、お迎えにあがりました」
「服が新品だ」
1885年のことで、エマは腰当てを
つけていた。ガウンは黒のベルベット、袖は
肌に張りつき肩はなだらかで、スカートには
大きな襞が三つあった。頭にはベルベットの紐飾りの
ついた黒いボンネット帽をかぶっていた。エマは迷った。想像
していた質問が出ず、用意していた答えが出せない。

皆さん毎日偉いですね。私は怠け者で…。
しかも>>95なんて露ほどにも疑わず…。
でもやってみたら「後出しジャンケン」のほうが楽なので
これからも2、3日ごとにまとめて出します(笑)。
119名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 07:56:21
むしろ著作権的にまずいのは姉妹スレのラッセルだな
もし通報されたらスレごとあぼんなんじゃないのか?
120名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 16:34:44
>>119
アメリカの青空文庫にウプされてるのに
問題あるのか?
出版年は1945年だぞ。
121名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 16:47:05
>>120
おもいっきし著作権保護されています。

Copyright 1945 by Bertrand Russell
Copyright Renewed 1972 by Edith Russell
All Rights Reserved
Including the Right of Reproduction
In Whole or in Part in Any Form
A Touchstone Book

なお、著作権が消滅する条件は出版年が1923年1月1日より以前か、
今年の1月1日の時点で著者の死後70年が経過してるかの
いずれかの条件を満たすときです。(>>116

1945年出版なら余裕でアウトです。

うpされてるとしたら、ほぼ間違いなく違法うpです。
そもそもアメリカの青空文庫ってどこのこと指してるのですか?
122真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/14(土) 16:55:43
123名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 17:30:38
>>122
そのドキュメントの Copyright を確認したところ、

Creative Commons Attribution-Noncommercial 3.0 Unported
http://creativecommons.org/licenses/by-nc/3.0/

の扱いになっていました。
つまり、著者や権利者を明示し、かつ、商業利用でないという条件の下でなら、
共有と改作は自由とされています。

しかしながら、これは明らかに、書籍版の著作権表示
> All Rights Reserved
> Including the Right of Reproduction
> In Whole or in Part in Any Form
と矛盾します。

ですので、おそらくScribdにうpした人が勝手に Creative Commons を主張しているだけでしょう。

あと、Scribd に著作権違反のドキュメントがかなりうpされているのは周知のことなので、
Scribd が「アメリカの青空文庫」だという認識は改めた方がいいでしょう。
124真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/14(土) 17:44:39
それを言ったら、わたしの手持ちのOf Human Bondage
にもAll rights reservedと書かれているよ。
125真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/14(土) 17:47:09
どこで確認したらいいんだろう。
違法にことはしたくないよね。
126名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 17:54:48
>>124
参考までに、Penguin Books 版の著作権表示です
http://www.amazon.co.jp/gp/reader/0140185224/ref=sib_rdr_cr?ie=UTF8&p=S007&j=0

見てもらえば分かるとおり、All rights reserved とされているのは Robert Calder による
イントロダクションの著作権のみです。

あなたが持っているエディションについても同様のことが言えるはずです
127真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/14(土) 17:59:27
>>126
わたしのは版が違うのか、そのようには書かれていない。
ただAll rights reservesと書かれているよ。
128真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/14(土) 18:00:35
スレタイを「購読」にしたのは、先見の明があったと言わざるを得ない。

129名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 18:04:13
かといって、スレに原文を貼らずにページ数や行数でどこからどこまでって
指示する方式に切り替えると、参加者が激減するでしょうね。
130名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 18:11:09
>>127
きっと、Copyright 以外の All rights を指してるのでしょうね。

> Copyright (c) 人名、取得年(更新年)
> All rights reserved

となっていてはじめて、All rights reserved が Copyright を指すことが分かります。
131真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/14(土) 18:14:15
>>130
Copyright 1915 by George H. Doran Company
All rights reserved.
となっている。
132名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 18:25:38
いいじゃないか、仮に通報されたって
タイーホされるのはプロだけなんだから。
133名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 18:29:37
>>131
もしかして、「1923年より以前の出版物はパブリック・ドメイン」という法律が
施行される前の出版でしょうか(いつ施行されたか知りませんが)

いずれにせよ
>Copyright 1915 by George H. Doran Company
という Copyright はすでに消滅しているので、現在ではその表記に意味はないということになります
134名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 19:33:36
>>125
1978年以降にアメリカで取得された著作権についてはここで確認できます。
http://cocatalog.loc.gov/cgi-bin/Pwebrecon.cgi

ラッセルのはそれ以前のものなのでここで確認することはできませんが、
著作権で保護されていることは確実でしょうね
http://www.amazon.co.jp/gp/reader/0671201581/ref=sib_rdr_cr?ie=UTF8&p=S005&j=0
135名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 19:41:07
>>134
で、こういう形式で講読するのは
著作権を侵すことになるのかい?
136名無しさん@英語勉強中:2008/06/14(土) 20:05:16
>>135
訳文や解釈を載せることにはたぶん問題ないと思います。商業利用じゃありませんし。
しかし、原文をすべてそのまま載せているのは、「引用」として認められる限度を超えているように
思われます。

そのため、
> All Rights Reserved
> Including the Right of Reproduction
> In Whole or in Part in Any Form
という規定に抵触する可能性が高いと思われます。

なお、私は法律の専門家ではありませんので、ここで述べたことはあくまで個人的な推測です。
137真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/15(日) 00:38:42
次の課題です。
”Aren’t you going to ask how your mamma
is?” she said at length.
”Oh, I forgot. How is mamma?”
Now she was ready.
”Your mamma is quite well and happy.”
”Oh, I am glad.”
”Your mamma’s gone away. You won’t ever
see her any more.” Philip did not know what
she meant.
”Why not?”
”Your mamma’s in heaven.”
She began to cry, and Philip, though he did
not quite understand, cried too. Emma was a
tall, big-boned woman, with fair hair and large
features. She came from Devonshire and, notwith-
standing her many years of service in London,
had never lost the breadth of her accent. Her
tears increased her emotion, and she pressed
the little boy to her heart. She felt vaguely the
pity of that child deprived of the only love in the
world that is quite unselfish. It seemed dread-
ful that he must be handed over to strangers.
But in a little while she pulled herself together.
138イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/15(日) 03:36:36
「ママのことは聞かないの。」とついに彼女は言った。
「あ、忘れちゃった。ママ元気。」
もう彼女の腹は据わっていた。
「ママはとても元気でしあわせよ。」
「そう、よかった。」
「ママはね、遠くに行ったの。もう会えないの。」
フィリップにはちんぷんかんぷんだった。
「なんで会えないの。」
「ママは天国にいるから。」
彼女は泣き始めた。彼もなんのことか皆目わからなかったが
つられて泣いた。
エマは背が高く骨太で、金髪の髪を持ち、面長だった。
彼女はデボンシャー出身で、長年のロンドン奉公にもかかわらず、
アクセントの幅をけして失くしていなかった。彼女の涙は一層感情を高ぶらせ、少年を胸に押し付けさせた。
彼女は世界で誰よりも少年を尊ぶたった一つの愛を奪われた少年の
哀れさを漠然と感じた。
彼が見知らぬ人に手渡されねばならないことは恐ろしいことに思えた。
しかしすぐに彼女は冷静さを取り戻した。
139イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/15(日) 03:40:58
>>138
>>137
宜しくお願いします。
140名無しさん@英語勉強中:2008/06/15(日) 04:57:10
>>138
>10行目 彼もなんのことか皆目わからなかったが
not quite は部分否定です。 →「すっかり分かったわけではなかったが」

>12行目 面長だった。
features と複数形になっているので、目鼻等の造形が大きかったということです。

>14行目 アクセントの幅
"breadth of her accent" とは「訛りのひどさ」のことです。broad か accent で辞書を
引けば、a broad accent 「丸出しの訛り」という例文に行き当たるはずです。
141イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/15(日) 05:04:42
>>140
ご指導ありがとうございました。
勉強になりました。
また宜しくお願い致します。
142名無しさん@英語勉強中:2008/06/15(日) 13:00:14
>>137
やはり言うことにした。
「お母様のこと、聞かないの?」
「ああ忘れてた。ママは」
そして答えを告げる。
「すっかりよくなって、お幸せでございますよ」
「ああよかった」
「お母様は遠くに行かれて、もう会えないんです」
フィリップには意味が分からなかった。
「どうして」
「天国に行ったんです」
エマは泣き出した。フィリップも、よく分からないまま泣いた。
エマは背の高い、体格のいい女性で、金髪で目鼻立ちも大作りだった。
デヴォンシャー出身の彼女は、ロンドン勤めを何年続けてもきつい訛りが抜けない。
涙が気持ちを増した。エマは男の子を胸に押し付けた。
全き無私の愛を注ぐこの世で唯一の存在を奪われた子に、虚ろな憐れみを感じた。
この子を見ず知らずの人間に引き渡すなんて何て酷なこと。
しかしすぐ気を取り直して言った。
143名無しさん@英語勉強中:2008/06/16(月) 02:38:36
次の課題です。

 "Your Uncle William is waiting in to see you," she said. " Go
and say good-bye to Miss Watkin, and we'll go home."
 "I don't want to say good-bye," he answered, instinctively
anxious to hide his tears.
 "Very well, run upstairs and get your hat."
 He fetched it, and when he came down Emma was waiting for
him in the hall. He heard the sound of voices in the study behind
the dining-room. He paused. He knew that Miss Watkin and
her sister were talking to friends, and it seemed to him---he was
nine years old---that if he went in they would be sorry for him.
 "I think I'll go and say good-bye to Miss Watkin."
 "I think you'd better," said Emma.
 "Go in and tell them I'm coming," he said.
144イギリス寄宿舎脱走中退 :2008/06/16(月) 05:10:01
>>143
「ウィリアムおじさんがあなたに会うので待ってます。」
と彼女は言った。
「ワトキンさんにさよならを言いに行ったら帰りましょう。」
「さよならいうのはやだよ。」彼は本能的に涙を見られたくなくて答えた。
「しょうがないわね。急いで二階へ行って帽子を取って来て。」
彼は帽子を取ってきた。一階へ降りるとエマは玄関の広間で待っていた。
食堂の後ろの書斎から声がした。彼は躊躇した。ワトキンさんとその姉妹
が友達と話しているのは分かっていた。もし彼が入って行けば、彼女たちは
哀れに思うだろうとまだ九歳だったが彼にはそう思えた。
「僕はワトキンさんにさよなら言いに行くよ。」
「そのほうがいいわ。」とエマが言った。
「僕は帰るっ言って来るよ。」と彼は言った。 
145名無しさん@英語勉強中:2008/06/16(月) 05:53:50
>>144
> 1行目 待ってます → 家で待ってます
wait in 「家で待つ」

> 7行目 その姉妹 → その姉
すぐあとで her sister が elder sister であることがわかります。

> 12行目 「僕は帰るっ言って来るよ。」 → 「中に行って、僕が来るって伝えてよ」
命令文です。ワトキンさんに取り次いでくれるように、エマに頼んでいます。
146イギリス寄宿舎脱走中退 :2008/06/16(月) 06:32:41
>>145
ご指導ありがとうございました。
がんばります。
147真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/17(火) 05:53:39
次の課題です。

He wished to make the most of his oppor -
tunity. Emma knocked at the door and walked
in. He heard her speak.
”Master Philip wants to say good-bye to you,
miss.”
There was a sudden hush of the conversa-
tion, and Philip limped in. Henrietta Watkin
was a stout woman, with a red face and dyed
hair. In those days to dye the hair excited com-
ment, and Philip had heard much gossip at home
when his godmother’s changed colour. She lived
with an elder sister, who had resigned herself
contentedly to old age. Two ladies, whom Philip
did not know, were calling, and they looked at
him curiously.
148イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/17(火) 11:11:43
>>147
彼はこの機会を最大限に利用したいと思った。
エマはドアにノックし、入って行った。
彼は彼女が話すのを聞いた。
「フィリップ様があなた様にお別れを言いたいとのことです。」
会話が突然止まり、フィリップはよたよた歩いて入って行った。
ヘンリエッタワトキンは赤ら顔で髪を染めている太った女性だった。
当時、髪を染めることは噂話の種となり、教母が髪の色を変えると、
フィリップは家で何度も陰口を聞いた。
彼女は姉と一緒に暮らしていた。姉のほうは老齢に満足し、白髪に甘んじて
いた。フィリップが知らない二人の女性は、彼を呼んで物珍しそうに
見た。
149名無しさん@英語勉強中:2008/06/17(火) 14:41:59
>>148
> 5行目 フィリップはよたよた歩いて入って行った。

limp は「よたよた歩く」よりも、「足を引きずって(びっこを引いて)歩く」と訳すのが正確。
フィリップには足に障害があって、>>32で指摘されているように、亡くなった母親も随分とそのことを
気に病んでいた。
エマに取り次ぎをさせて、注目を引いたうえで、こうやってびっこを引いて入っていくことも、同情を
引くための演出のうちなんだとしたら、すごく世智に長けた9歳だな。「フィリップ……恐ろしい子!」

> 10行目 フィリップが知らない二人の女性は、彼を呼んで

ここでの call は>>75の5行目の call と同じく、「訪ねる」という意味の自動詞。
 → 「フィリップの知らない女性が二人訪ねてきていて」
150名無しさん@英語勉強中:2008/06/18(水) 00:02:25
次の課題です。

 "My poor child," said Miss Watkin, opening
her arms.
 She began to cry. Philip understood now
why she had not been in to luncheon and why
she wore a black dress. She could not speak.
 "I've got to go home," said Philip, at last.
 He disengaged himself from Miss Watkin's
arms, and she kissed him again. Then he went
to her sister and bade her good-bye too. One of
the strange ladies asked if she might kiss him,
and he gravely gave her permission. Though
crying, he keenly enjoyed the sensation he was
causing; he would have been glad to stay a little
longer to be made much of, but felt they expected
him to go, so he said that Emma was
waiting for him. He went out of the room. Emma
had gone downstairs to speak with a friend in
the basement, and he waited for her on the
landing. He heard Henrietta Watkin's voice.
151イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/18(水) 01:39:36
>>149
ご指導ありがとうございました。
152イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/18(水) 02:41:50
>>150
「可哀そうな子。」とミスワトキンはフィリップを抱きしめながら
言った。
彼女は泣き始めた。
フィリップは今なぜ彼女が昼食会に不在で黒いドレスを着ていたかを悟った。
彼女は口が利けなかった。
「僕は帰らないといけないんだ。」とフィリップがついに言った。
彼はミスワトキンの腕から自由になった。
彼女はまた彼にキスをした。
それから彼は姉のほうへ行くと彼女にも別れを述べた。
見知らぬ女性の一人が彼にキスしても良いか尋ねた。
彼は厳かに許可を与えた。
泣いてはいたが、彼は自分が引き起こしている騒ぎを熱心に楽しんでいた。
彼は大変気を使ってもらっていたので、もう少し長く居れたら喜んだろう。
しかし自分が去っていくのをみんな期待していると感じた。
それで彼はエマが待っていると言った。
彼は部屋から出た。
エマは地下室で友達と話すため、下へ降りていた。
彼は彼女が上がって来るのを待った。
彼はヘンリエッタワトキンの声を聞いた。



彼女は口が利けなかった。
「僕は帰らないといけないんだ。」とフィリップはついに言った。
彼はミスワトキンの腕から自由になった。
153イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/18(水) 02:44:27
>>152
訂正
下3行は削除。
154名無しさん@英語勉強中:2008/06/18(水) 05:08:53
>>143
「おうちでウィリアムおじ様がお待ちですよ。
ワトキン様にご挨拶してきなさい。そしたら帰りましょう」
「挨拶したくない」彼なりに、涙は隠さねばならないと思った。
「わかりました。二階に上がって帽子を取ってきていらっしゃい」
帽子を取って戻ってくると、エマは玄関で待っていた。
食堂の奥の書斎から声が聞こえてきた。フィリップは立ち止まった。
ワトキン姉妹が友人と話しているのが分かった。
いま入っていけばきっと気の毒がられるだろうと、九歳のフィリップは感じた。
「ワトキン様に挨拶してくるね」
「そうなさいませ」エマが言った。
「ねえ、先に入ってもう帰るって言って」フィリップが言った。
155名無しさん@英語勉強中:2008/06/18(水) 05:10:40
>>147
フィリップはこの場をできるかぎり上手に生かしたいと思った。
エマはドアをノックして入っていった。声が聞こえた。
「フィリップ様がご挨拶なさると言っておられます」
会話がぴたっと止んだ。フィリップが足を引きずって入ってきた。
ヘンリエッタ・ワトキンはふくよかな女性で、顔が赤く白髪を染めていた。
当時白髪染めは耳目を引く行為で、教母が髪の色を変えたとき、
フィリップも地元でいろいろな噂話を耳にした。
そして姉と暮らしていた。姉のほうは老齢を抵抗なく受け入れていた。
フィリップの知らない女性が二人、訪ねて来ていた。
二人はもの珍しげにフィリップを見た。
156名無しさん@英語勉強中:2008/06/18(水) 05:15:01
>>150
「可哀相にね」ワトキン嬢はそう言うと腕を広げた。
そして泣き始めた。どうして昼食に出てこなかったのか、
どうして黒い服を着ているのか、フィリップはやっと理解した。
ワトキン嬢は言葉が出なかった。
やがてフィリップが言った。「もう帰ります」
フィリップが腕を離れると、ワトキン嬢はもう一度キスをした。
それからフィリップはワトキン嬢の姉のところまで行き、姉にも挨拶をした。
知らない女性の一人からキスしてもいい、と聞かれ、
フィリップはしかつめらしく許しを与えた。そして泣きながらも、
自分の作り出す悲痛の感覚を味わい尽していた。
フィリップはもう少し長くここにいて主人公を続けたかったが、
頃合いだという皆の空気を感じて、エマが待ってるから、と言った。
フィリップは部屋を出た。
エマは地下に下りて友人と話していた。フィリップは踊り場で待った。
ヘンリエッタ・ワトキンの声が聞こえた。


毎回とても勉強になります。ありがとうございます。
本当によくできる方がいらっしゃるので大船に乗った気分でいられますね。
157名無しさん@英語勉強中:2008/06/18(水) 06:17:28
>>156訂正
踊り場→階段の上り口

日本語で踊り場というと階段の途中にある部分のような感じがするので。
158名無しさん@英語勉強中:2008/06/18(水) 07:34:51
>>152
> 13行目 彼は大変気を使ってもらっていたので、もう少し長く居れたら喜んだろう。

"to be made much of" は " stay a little longer" の理由ではなく目的(もしくは結果)として
理解するのがいいでしょう。
  → 「ちやほやされるためにもう少し長く居れたら嬉しかったろうけど、」
    or 「もう少し長く居座ってちやほやされたら嬉しかったろうけど、」

> 18-9行目 エマは地下室で友達と話すため、下へ降りていた。
          彼女が上がって来るのを待った。

指摘するまでもないかもしれませんが、直訳は「landing で彼女を待った」です。
landing には>>157氏の指摘通り「階段の登り口」という訳をあてるのがよいと思います。
basement にいるエマの友達とはおそらくワトキン邸の使用人のことなのでしょう。
イギリスの basement はアメリカ式の cellar (地下倉庫)とちがって、台所や食堂
になっていることが多いそうです。もしかしたら、使用人部屋もそこにあったのかもしれません。
basement は地面よりも下の階全体(story)のことを指すので、その階に部屋が一つしか
なければ「地下室」と訳して差し支えありませんが、もし二つ以上の部屋があるのだと
すれば「地階」と訳すのが適切でしょう。ここでの記述からはどちらともはっきりしませんが。
159名無しさん@英語勉強中:2008/06/19(木) 00:26:57
次の課題です。

 "His mother was my greatest friend. I can't
bear to think that she's dead."
 "You oughtn't to have gone to the funeral,
Henrietta," said her sister. "I knew it would upset
you."
 Then one of the strangers spoke.
 "Poor little boy, it's dreadful to think of him
quite alone in the world. I see he limps."
 "Yes, he's got a club-foot. It was such a grief
to his mother."
 Then Emma came back. They called a hansom,
and she told the driver where to go.
160イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/19(木) 00:51:05
>>158
ご指導ありがとうございました。
さらに精進致します。
161イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/19(木) 03:23:31
>>159
「フィリップのママは一番の親友だったの。彼女が死んだなんて耐えられないわ。」
「ヘンリエッタ、あなたは葬儀に行くべきじゃなかったのよ。」
 と彼女の姉が言った。
「あなたが動転するの分かってたわ。」
それから見知らぬ人の一人が口を利いた。
「かわいそうな子。この子が世界でほんとに一人ぼっちだと思うと
 怖くなるわ。足を引きずってるのに。」
「そう、この子は内反足なのよ。ママはその事をとっても悲しんでいたわ。」
それからエマが戻って来た。
彼女たちは馬車を呼んだ。
そしてエマは御者に行き先を告げた。
162真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/20(金) 00:59:19
次の課題です。
今日から三章です。

When they reached the house Mrs. Carey had
died in–it was in a dreary, respectable street be-
tween Notting Hill Gate and High Street, Kensington–
Emma led Philip into the drawing-room. His
uncle was writing letters of thanks for the wreaths
which had been sent. One of them, which had
arrived too late for the funeral, lay in its card-
board box on the hall-table.
”Here’s Master Philip,” said Emma.
Mr. Carey stood up slowly and shook hands
with the little boy. Then on second thoughts he
bent down and kissed his forehead. He was a
man of somewhat less than average height, in-
clined to corpulence, with his hair, worn long,
arranged over the scalp so as to conceal his
baldness. He was clean-shaven. His features
were regular, and it was possible to imagine
that in his youth he had been good-looking. On
his watch-chain he wore a gold cross.

163イギリス寄宿舎脱走中退 :2008/06/20(金) 04:41:07
>>162
彼らがケアリー夫人が亡くなった家に着くと、その家はノッティングヒィルゲイと
ハイストリートケンジントンの間の陰鬱でご立派な通りにあったのだが、
エマはフィリップを居間へ連れて行った。彼の叔父は送られた花輪の感謝状を
書いていた。それら花輪のうちの一つは、葬儀に間に合わず着き、広間のテーブル
の上のダンボール箱の中で横たわっていた。
「こちらがフィリップ様です。」とエマが言った。
ケアリー氏はゆっくり立ち上がり、少年と握手した。
それから考え直してかがんで額にキスをした。
彼は幾分並より背が低く太り気味で、髪は禿げ頭を隠すため、その天辺の
上で長く伸ばされ整えられていた。
彼はきちんと髭を剃っていた。
顔の造作は整っていた。若い頃はハンサムであったと想像出来た。
彼の時計の鎖には金の十字架が付いていた。
「君はこれから私と暮らす事になるよ、フィリップ。」とケアリー氏が言った。
「それでいいかい。」

164イギリス寄宿舎脱走中退 :2008/06/20(金) 04:47:47
>>163
訂正
一行目 ノッティングヒィルゲイ→ノッティングヒィルゲイト
最後 「の」は削除
165名無しさん@英語勉強中:2008/06/20(金) 10:13:24
>>163
> 1-2行目 ハイストリートケンジントン
ハイストリートケンジントンというと時代錯誤にも今の地下鉄の駅を連想してしまいそうになるので、
「ケンジントン大通り」くらいに訳した方が親切かもしれません。

だいたいこのへん
http://maps.google.co.uk/maps?ie=UTF8&ll=51.504175,-0.196896&spn=0.016802,0.033345&z=15


> 4行目 広間のテーブル
hall-table という種類の家具です。玄関ホールの隅にでも置くような、長細いテーブルのことをさすようです。
http://images.google.com/images?num=50&hl=ja&q=%22hall-table%22&lr=&um=1&ie=UTF-8&sa=N&tab=wi


> 9-10行目 その天辺の上で長く伸ばされ整えられていた。
scalp は禿げて露出した頭皮のこと。長く伸ばした髪を露出した頭皮全体になでつけるようにセット
しているようですが、子供の目にも禿げていることが分かるくらいですので、バーコード頭のように
なっていたのかもしれません。
166名無しさん@英語勉強中:2008/06/20(金) 21:06:04
>>159
「親友だったのに。亡くなったなんて考えたくない」
「お葬式には出ないほうがよかったのよ」姉が言った。
「こうなることは分かってたんだから」
知らない女性の一人が続けた。
「おかわいそうに一人ぼっちになってしまうのね。足を引きずってたわよね」
「そう、足が内に捩れてるの。親としてほんとに悩んでたわよ」
そこへエマが戻ってきた。二人は辻馬車を呼んだ。エマが御者に行き先を告げた。
>>162
ケアリー夫人の眠る家は、
ノッティング・ヒル・ゲートとケンジントン大通りの間にある
侘しくも整然とした通りにあった。
そこへ辻馬車は着き、エマはフィリップを客間に連れて行った。
おじは、送られた花輪に感謝する手紙を書いていた。
葬儀には間に合わなかった一つが、
テーブルの上に紙箱入りのまま置かれていた。
「フィリップ様がお戻りです」エマが言った。
ケアリー氏はゆっくりと立ち上がり、フィリップと握手した。
そのあとちょっと考え、改めて身をかがめ額にキスをした。
ケアリー氏は普通よりやや背が低く肥満気味で、
長く伸ばした髪を頭の上で整えて禿頭を隠していた。
髭はすっきり剃っていた。整った顔立ちで、
若い頃はさぞ見栄えのしたことと思われた。
時計鎖の先に、金の十字架がついていた。
167名無しさん@英語勉強中:2008/06/20(金) 21:13:09
>>166訂正
二人は辻馬車を呼んだ。→ 辻馬車を呼んでもらった。
168名無しさん@英語勉強中:2008/06/20(金) 21:19:36
見学生ですが、

このスレネタ、
大学受験板に移植してもいいですか?
つか、
プライオリティーとかうるさいすか?
169名無しさん@英語勉強中:2008/06/20(金) 21:38:12
>>166
>ケアリー夫人の眠る家は、

これはちょっと違うと思う。
葬式がすでに終わっているということは、つまり、ケアリー夫人はすでに
墓地に埋葬されたということだ。
彼女が眠っているのは、彼女が亡くなった家ではなくて、墓の下でしょう。
170真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/21(土) 00:14:02
次の課題です。
”You’re going to live with me now, Philip,”
said Mr. Carey. ”Shall you like that?”
Two years before Philip had been sent down
to stay at the vicarage after an attack of chicken-
pox; but there remained with him a recollection
of an attic and a large garden rather than of his
uncle and aunt.
”Yes.”
”You must look upon me and your Aunt Louisa
as your father and mother.”
The child’s mouth trembled a little, he red-
dened, but did not answer.
”Your dear mother left you in my charge.”
171イギリス寄宿舎脱走中退 :2008/06/21(土) 00:27:23
>>165
ご指摘有難うございました。
勉強になりました。
172名無しさん@英語勉強中:2008/06/21(土) 00:38:41
>>168
同様の講読スレを大学受験板に立てたいのなら、それはあなたの自由だと思うよ。

たしかに、「購読するスレ」のプライオリティーはプロにあるけど、「講読するスレ」なら
問題ないだろうし。

ちなみに、何を読むのかはもう決めてますか?
173真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/21(土) 01:55:10
>>168
自由になさい。
毎日つづけるのは根気がいるぞ。
174イギリス寄宿舎脱走中退 :2008/06/21(土) 03:59:00
>>170
「君はこれから私と暮らすのだよ、フィリップ。」とケアリー氏が言った。
「それでいいかい。」
二年前フィリップは水疱瘡が発病したあと司祭館に泊まりにやられた。
しかし彼にはおじとおばより屋根裏部屋と広い庭が記憶に残った。
「はい。」
「私とルイーザおばさんをお父さんとお母さんと思いなさい。」
少年の唇は少し震え、顔は紅潮したが、返事はしなかった。
「大好きなお母さんは君を私に預けたのだよ。」
175名無しさん@英語勉強中:2008/06/21(土) 09:20:44
>>172-3
ありがとうございます。
「ミスター・バーティゴ」を準備中です。
176名無しさん@英語勉強中:2008/06/21(土) 11:03:57
>>175
ポール・オースターですか。
版権の問題とか面倒そうですが、がんばってください。
無事にスレが立ったら告知よろしく
177名無しさん@英語勉強中:2008/06/21(土) 13:48:20
>>176
版権やばいすか?やはり・・・・

若向きでピッタリだと思ったのですが・・・

悩みますねえ
178名無しさん@英語勉強中:2008/06/22(日) 01:31:12
次の課題です。

 Mr. Carey had no great ease in expressing
himself. When the news came that his sister-
in-law was dying, he set off at once for London,
but on the way thought of nothing but the
disturbance in his life that would be caused if
her death forced him to undertake the care of
her son. He was well over fifty, and his wife, to
whom he had been married for thirty years, was
childless; he did not look forward with any pleasure
to the presence of a small boy who might
be noisy and rough. He had never much liked
his sister-in-law.
179イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/22(日) 04:10:40
>>178
ケアリー氏は自分を表現するのとても苦手だった。
義理の姉妹が危篤という知らせを受けたとき、彼はロンドンに向けてすぐ発った。
しかし途中で考えたのは、もしも彼女の死によってフィリップの世話を引き受けざるを得ないなら、
彼の人生に引き起こされるであろう騒動のことだけだった。
彼は五十歳をかなり過ぎていた。そして彼の妻は、氏と三十年間連れ添って
いたのだが、子供は無かった。
そして彼は騒がしく粗野かもしれない少年の存在を喜んで待ってはいなかった。
彼は義理の姉妹があまり好きではなかった。
180名無しさん@英語勉強中:2008/06/22(日) 14:24:15
>>170
ケアリー氏が言った。
「これから一緒に住むことになるが、それでいいかな」
二年ほど前、フィリップが水疱瘡に罹ったあと、司祭館に連れて来られたことがあった。
しかし記憶にあるのは、伯父夫婦よりも屋根裏部屋や広い庭だ。
「はい」
「私やルイーザ伯母さんをお父さんお母さんだと思いなさい」
少し口元が震え、顔が赤くなった。しかし返事はしない。
「お母さんから引き継いで世話することになったから」
>>178
ケアリー氏は、言いたいことを気楽に言葉にできる人物ではなかった。
義妹が危ないとの知らせを受けすぐにロンドンに出向いたが、
道すがら考えるのは死によって降りかかるであろう、
子の世話を押し付けられる生活上の面倒ばかりだった。
ケアリー氏はとうに五十を超え、三十年連れ添った妻との間に子はなかったが、
男児にはうるさいのもがさつなのもいる。
フィリップが来ることに何の喜びも期待も持てなかった。
そもそも義妹のことはずっとあまり好きではなかった。


>>169
ご指摘ありがとうございます。
確かに私のこの訳文は成り立ちませんね。
181真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/23(月) 08:55:04
次の課題です。
”I’m going to take you down to Blackstable
tomorrow,” he said.
”With Emma?”
The child put his hand in hers, and she pressed
it.
”I’m afraid Emma must go away,” said Mr.
20 Of Human Bondage
Carey.
”But I want Emma to come with me.”
Philip began to cry, and the nurse could not
help crying too. Mr. Carey looked at them help-
lessly.
”I think you’d better leave me alone with Mas-
ter Philip for a moment.”
”Very good, sir.”
Though Philip clung to her, she released her -
self gently. Mr. Carey took the boy on his knee
and put his arm round him.
”You mustn’t cry,” he said. ”You’re too old to
have a nurse now. We must see about sending
you to school.”
”I want Emma to come with me,” the child
repeated.
”It costs too much money, Philip. Your fa-
ther didn’t leave very much, and I don’t know
what’s become of it. You must look at every
penny you spend.”

182イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/23(月) 12:08:46
>>181
「明日君をブラックステイブルに連れて行くつもりだ。」と彼は言った。
「エマと一緒ですか。」
少年の手はエマの手の中にあった。彼女はその手を握り締めた。
「エマはよそへ行くんだ。」とケアリー氏が言った。
「でもエマには一緒に行って欲しいです。」
フィリップは泣き始めた、そして乳母も泣かざるを得なかった。
ケアリー氏は困惑して彼らを見た。
「おまえはフィリップと私からしばらく離れたほうがいいと思う。」
「そういたします。旦那様。」
フィリップは彼女にしがみついていたが、彼女はやさしく彼から身を引いた。
ケアリー氏はひざの上に少年を置き、腕をまわした。
「泣くんじゃない。」と彼は言った。
「もう乳母がいる歳じゃない。君を学校へ送る手配をしないと。」
「エマには一緒に行って欲しいです。」と少年は繰り返した。
「それにはお金がかかり過ぎるんだ、フィリップ。お父さんはあまりお金を
 残さなかった。どうしてそうなったか分からない。だからお金の使い道には
 目を配らないといけないんだ。」
183真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/25(水) 11:02:29
次の課題です。
Mr. Carey had called the day before on the
family solicitor. Philip’s father was a surgeon in
good practice, and his hospital appointments
suggested an established position; so that it
was a surprise on his sudden death from blood-
poisoning to find that he had left his widow lit-
tle more than his life insurance and what could
be got for the lease of their house in Bruton
Street. This was six months ago; and Mrs. Carey,
already in delicate health, finding herself with
child, had lost her head and accepted for the
lease the first offer that was made.
184真の英語のプロ ◇tBZGb/7UZg :2008/06/25(水) 18:02:11
わたしは想像する。
エプロン姿の中一ちゃんが、朝わたしを起こす
「真の英語のプロ、朝ご飯できたよ」
「う、ううん。」
眠い目をこすりながらわたしはテーブルにつく。
「あれ、朝ご飯ないよ」
「今日の朝ご飯は、わたしのちゅ」
中一ちゃんにキスされまくる真の英語のプロであった。
185イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/26(木) 01:35:12
>>183
ケアリー氏は前日に顧問の事務弁護士を訪ねていた。
フリップの父親は練達の外科医であった。
そして彼の病院での役職は社会的地位の高さを示唆していた。
だから敗血症で突然死んで、未亡人となった妻に生命保険以外ほとんど
何も残さなかった事とブルートン通りの自宅を貸して得られる物がわかった
ときには驚かされた。
これから述べることは半年前のことだ。
ケアリー夫人はすでに微妙な健康状態にあり、子供を気に掛け、落ち着きを失って
いて、自宅の賃借りの最初の申し出を受け入れていた。
186名無しさん@英語勉強中:2008/06/26(木) 07:08:26
>>181
「明日ブラックステーブルに連れて行くから」
「エマも?」
男の子はエマの手に触れた。エマはその手を握り締めた。
「悪いがエマには辞めてもらう」
「でも、エマと一緒がいい」
フィリップが泣き始めた。エマも涙が抑えられなかった。
ケアリー氏は困ったように二人を見た。
「フィリップ君としばらく二人だけにしてもらえるかな」
「かしこまりました」
フィリップはエマにしがみついたが、エマはその手をやさしく振り解いた。
ケアリー氏はフィリップを膝に乗せ腕をフィリップの背に回した。
「泣くんじゃない。もう乳母は要らない歳だ。学校に行く準備をしないとな」
「エマと一緒がいい」同じ言葉を口にした。
「いいかい、乳母はお金がかかる。お父さんの遺産はあまり多くない。
遺産がどうなってるかも分からない。お金は大事に大事に使いなさい」
>>183
ケアリー氏は前日、この一家を担当している司法書士の事務所にいた。
フィリップの父親は腕の良い外科医で、
その職歴からもレベルの高さが見て取れた。
それだけに敗血症で急死したあと妻に残されたものが、
生命保険とブルートン通りの家を家作に回すことで得られる
ことになる収入とあと僅か程度だったことは驚きであった。
それが六ヶ月前のことで、すでに妊娠を知り、
具合の思わしくなかったケアリー夫人は、
考えもなしに最初の申出人をそのまま賃貸先に選んだ。
187真の英語のプロ:2008/06/26(木) 15:13:54
君たち、女子高生かね?
今はいているパンツは何色かね?

んん、女子高生でないのなら立ちさりなさい!
ここは女子高生のみ書き込みを許される神聖なスレである。
188真の英語のプロ:2008/06/26(木) 15:17:20
女子高生はいないかぁ?
そんなに恥ずかしがらないででておいでー
189名無しさん@英語勉強中:2008/06/27(金) 05:57:24
>>187>>188
ここでの女子高生は至高の存在の比喩です。
みなさん誤解しませんように。
190名無しさん@英語勉強中:2008/06/28(土) 04:22:55
>>187
パンツとはいわゆる超自我であり、何色とは
イドと超自我に対する自我を問うているのである。
誤解無きよう。
191名無しさん@英語勉強中:2008/06/28(土) 05:04:28
192真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/06/28(土) 07:14:46
>>187>>188
わたしのニセモノです。
193名無しさん@英語勉強中:2008/06/28(土) 07:30:02
去れ、役立たず。
194名無しさん@英語勉強中:2008/06/28(土) 22:13:12
スレがとまっているのであげときます。

次の課題

She stored her furniture, and, at a rent which the
parson thought outrageous, took a furnished house
for a year, so that she might suffer from no
inconvenience till her child was born. But she had
never been used to the management of money, and
was unable to adapt her expenditure to her
altered circumstances. The little she had slipped
through her fingers in one way and another, so
that now, when all expenses were paid, not much
more than two thousand pounds remained to support
the boy till he was able to earn his own living.
It was impossible to explain all this to Philip
and he was sobbing still.
195イギリス寄宿舎脱走中退 :2008/06/29(日) 02:34:10
>>194
彼女は自分の家具を倉庫に預けると、彼女の賃借り人からみれば信じられ
ような高額の家賃で、子供が生まれるまで何の不自由もしないように、一年間
家具付きの家を借りた。しかしお金の遣り繰りには全く慣れていず、変化した
環境に見合った出費が出来なかった。彼女の持つわずかなお金は次から次へと
彼女の指の間をすり抜けて行った。その結果、今やすべての支払いを済ませると
どんなに多く見積もっても、2000ポンドしか少年が自立出来るまで
暮らしを支えるお金は残っていなかった。
フィリップにこんなことすべてを説明するのは不可能であった。
彼はまだ泣きじゃくっていた。

196名無しさん@英語勉強中:2008/06/29(日) 18:43:17
>>194
夫人は自分の家具は倉庫に保管し、出産まで不便のないようにと考え、
司祭から見ればとんでもない家賃で家具付きの家を一年間借りた。
しかし金銭管理に慣れない夫人は、環境の変化に支出を合わせることができなかった。
何やかやで少しずつ手元から失われていき、今では支払いをすべて済ませると、
フィリップが自分で稼げるようになるまで暮らしを支える金は二千ポンドあまりでしかなかった。
この全てをフィリップに説明するのは無理だった。フィリップはなおも泣いている。

ここの
It was impossible to explain all this to Philip
からすると>>178
Mr. Carey had no great ease in expressing himself.
は性格というより一時的な状態だったのかも、
という気もするのですが違いますかね…。うーん。
197名無しさん@英語勉強中:2008/06/29(日) 18:47:38
次の課題です。

"You'd better go to Emma," Mr. Carey said, feeling
that she could console the child better than anyone.
Without a word Philip slipped off his uncle's knee,
but Mr. Carey stopped him.
"We must go tomorrow, because on Saturday I've got
to prepare my sermon, and you must tell Emma to get
your things ready today. You can bring all your toys.
And if you want anything to remember your father and
mother by you can take one thing for each of them.
Everything else is going to be sold."
198イギリス寄宿舎脱走中退:2008/06/30(月) 01:25:17
>>197
「エマのところへいったほうがいい。」と誰よりもこの子を慰められるのは
彼女だと思い、ケアリー氏は言った。
何もいわずにフィリップは膝から滑り降りたが、彼は止めなかった。
「明日発たないといけない。土曜日には説教の準備をするから。エマに
明日の手筈を整えるようにいいいなさい。持っているおもちゃは全部もっていっていい。
もしお父さんとお母さんを思い出す物が何か欲しいなら、二人のために一つずつ
持って行っていい。他の物は全部売るよ。」
199名無しさん@英語勉強中:2008/06/30(月) 18:48:58
>>197
「エマのところへ行ってきなさい」ケアリー氏は言った。
この子をうまく慰められるのはエマだけだろうと思った。
無言でフィリップは叔父の膝を滑り下りた。しかし行こうとするのをケアリー氏が止めた。
「土曜日は説教の準備があるから明日出発する。エマに言って今日中に荷物をまとめといてもらってくれ。
おもちゃは全部持ってきていい。
お父さんとお母さんの形見の品があればそれもひとつずつ持っていっていいことにしよう。
それ以外は全部売るからな」
200名無しさん@英語勉強中:2008/06/30(月) 18:51:16
次の課題です。

The boy slipped out of the room. Mr. Carey was
unused to work, and he turned to his correspondence
with resentment. On one side of the desk was a
bundle of bills, and these filled him with irritation.
One especially seemed preposterous. Immediately after
Mrs. Carey's death Emma had ordered from the florist
masses of white flowers for the room in which the dead
woman lay. It was sheer waste of money. Emma took far
too much upon herself. Even if there had been no
financial necessity, he would have dismissed her.
201イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/01(火) 03:02:52
>>200
少年は滑るように素早く部屋を出て行った。ケアリー氏は仕事に慣れていなかった。
そして憤慨しながら書簡に向かった。机の片側には大量の請求書があり、これらは彼を
苛立たせた。一つ特に馬鹿げて思えることがあった。ケアリー夫人の死後すぐに
エマは花屋に夫人のなきがらが眠る部屋で使う大量の白い花を注文していた。
それは全く無駄使いであった。たとえ財政的な必要が全くなくても、彼は
彼女をくびにしたであろう。
202イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/01(火) 03:05:48
>>200
少年は滑るように素早く部屋を出て行った。ケアリー氏は仕事に慣れていなかった。
そして憤慨しながら書簡に向かった。机の片側には大量の請求書があり、これらは彼を
苛立たせた。一つ特に馬鹿げて思えることがあった。ケアリー夫人の死後すぐに
エマは花屋に夫人のなきがらが眠る部屋で使う大量の白い花を注文していた。
それは全く無駄使いであった。たとえ財政的な必要が全くなくても、彼は
彼女をくびにしたであろう。
203イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/01(火) 04:29:26
>>202
訂正 削除
204名無しさん@英語勉強中:2008/07/01(火) 18:30:21
>>200
フィリップは部屋を滑り出た。ケアリー氏は事務に慣れない。立腹しながら書きかけの手紙に戻った。
机の端は請求書が束になっている。それにも氏の苛々は募った。
特にくだらないのがこの一枚だ。
ケアリー夫人の死の直後、遺体の眠る部屋のためにエマが花屋に山のように白い花を注文している。
全くの金の無駄だ。乳母勤めの分際を超えている。
経済的事情が許したとしても、やはりエマは解雇しなければならない。
205名無しさん@英語勉強中:2008/07/01(火) 18:33:20
次の課題です。

But Philip went to her, and hid his face in her bosom,
and wept as though his heart would break. And she,
feeling that he was almost her own son- she had taken
him when he was a month old- consoled him with soft words.
She promised that she would come and see him sometimes,
and that she would never forget him; and she told him
about the country he was going to and about her own home
in Devonshire- her father kept a turnpike on the highroad
that led to Exeter, and there were pigs in the sty,
and there was a cow, and the cow had just had a calf
- till Philip forgot his tears and grew excited
at the thought of his approaching journey.
Presently she put him down, for there was much to be done,
and he helped her to lay out his clothes on the bed.
She sent him into the nursery to gather up his toys,
and in a little while he was playing happily.
206イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/02(水) 03:00:01
>>205
しかし彼は彼女のところへ行き、胸に顔を埋め抱きかかえられ、まるで悲しみに打ちひしがれた
ように泣いた。そして彼女はほとんど自分の息子のように感じていた。彼女は彼を
生後一ヶ月のときから受け持っていのだが、優しい言葉で慰めた。
彼女はときどき会いに来るし、けっして彼のことを忘れないと約束した。
そして彼が行くことになる田舎とデボンシャーにある彼女の家について話した。
彼女の父親はエクセターに通じる幹線道路に通行料金徴収所を構えていた。
豚小屋に豚がいて、また牛がいて、牛はちょうど子牛を育てているところだった。
フィリップが泣くのを忘れ、迫りつつある旅行のことを考えて興奮するまで
話は続いた。
やがて彼女は彼を下に置いた。やらなければいけないことがたくさんあった。
彼は彼女がベッドの上に服を広げるの手伝った。彼女は彼をおもちゃを集めに
子供部屋にやった。するとまもなく彼は楽しく遊んでいるのだった。

207名無しさん@英語勉強中:2008/07/02(水) 18:36:16
>>205
しかしフィリップはエマのところへ行くと、エマの胸に顔を埋め、身をよじらんばかりに泣いた。
エマは、生後一ヶ月のころから面倒を見てきたフィリップを実の子のように思い、優しい言葉で慰めた。
そして、時々は会いに来る、絶対に忘れないから、と約束した。
エマは、フィリップがこれから向かう地方と、デヴォンシャーにあるエマの故郷の話をした。
エクセターへ続く有料道路の料金所に勤める父親のこと、
豚小屋に豚がいること、牛もいること、最近牛が子牛を産んだこと。
フィリップが涙を忘れ旅立ちに夢中になるまで話し続けた。
やがてエマはフィリップの体を離した。しなければならないことがたくさんあった。
フィリップも手伝って二人で服をベッドの上に並べた。
エマに言われたフィリップは子供部屋に行きおもちゃをまとめた。
フィリップは少しの間楽しく遊んだ。
208名無しさん@英語勉強中:2008/07/02(水) 18:40:47
次の課題です。

But at last he grew tired of being alone and went back to the bed-room,
in which Emma was now putting his things into a big tin box;
he remembered then that his uncle had said he might take something
to remember his father and mother by. He told Emma and asked her
what he should take.
"You'd better go into the drawing-room and see what you fancy."
"Uncle William's there."
"Never mind that. They're your own things now."
209名無しさん@英語勉強中:2008/07/02(水) 20:07:31
イギリス寄宿舎脱走中退がプロの座をのっとったのか?
210名無しさん@英語勉強中:2008/07/03(木) 00:24:07
同一人物だけどな。
211イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/03(木) 03:04:40
>>208
しかし彼はとうとう一人でいるのに飽きて、寝室に戻った。
そこでは、エマが今や彼の物を大きなスズ製の箱の中へ入れていた。
そのとき彼は、おじが何か父と母を思い出すための物を持っていけると言った
ことを思い出した。彼はエマにそのことを話して、何を持って行ったらいいか
尋ねた。
「書斎へ行って好きな物を見るといいわ。」
「でもウィリアムおじさんのでしょ。」
「気にすることないわ。もうあなたのものです。」
212イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/03(木) 03:24:44
>>210
私はプロ先生の学識のおこぼれを頂戴している物に過ぎません。
先生に失礼です。
213名無しさん@英語勉強中:2008/07/03(木) 07:07:08
モームの英語は簡潔でわかりやすいね。
英語の勉強に適している。
214名無しさん@英語勉強中:2008/07/03(木) 18:24:53
>>208
しかしそのうち一人にも飽き、寝室に戻った。
エマが大きなブリキの箱にフィリップの持ち物を詰め込んでいた。
そして、父と母の形見を持っていってもいいと伯父から言われたことを思い出した。
そのことをエマに言い何を持っていったらいいか聞いた。
「客間に行ってほしいものを見てきたら」
「ウィリアム伯父さんがいるよ」
「大丈夫。いま部屋にあるものは全部坊ちゃんのものなんですから」
215名無しさん@英語勉強中:2008/07/03(木) 18:29:57
次の課題です。

Philip went downstairs slowly and found the door open. Mr. Carey had
left the room. Philip walked slowly round. They had been in the house
so short a time that there was little in it that had a particular
interest to him. It was a stranger's room, and Philip saw nothing
that struck his fancy. But he knew which were his mother's things and,
which belonged to the landlord, and presently fixed on a little
clock that he had once heard his mother say she liked. With this
he walked again rather disconsolately upstairs. Outside the door
of his mother's bed-room he stopped and listened. Though no one
had told him not to go in, he had a feeling that it would be
wrong to do so; he was a little frightened, and his heart beat
uncomfortably; but at the same time something impelled him to
turn the handle.
216イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/04(金) 01:20:53
>>215
フィリップがゆっくり一階に降りると書斎のドアが開いているのがわかった。
ケアリー氏が出た後だった。彼はゆっくり書斎を歩き回った。フィリップたち
はほんの短い間しかこの家に住んでいなかったので、特に彼の興味を引く物は
ほとんどなかった。これは他人の部屋であり、彼の眼にかなう物は見あたら
なかった。しかしどれが母親のもので、どれが家主の物であるかは知っていた。
まもなく母親からお気に入りと聞いたことがある小さな置時計に決めた。
その時計を持って彼はかなり憂鬱そうに再び二階へ上がった。
母親の寝室のドアの外まで来ると彼は立ち止まり、耳を澄ませた。
誰も入るなと言わなかったが、そうするには気が引けていた。そして彼は少し怖がって
いて、心臓は高鳴っていた。しかし同時に、何かによって彼はドアのノブを
回させられたのだった。
217名無しさん@英語勉強中:2008/07/04(金) 17:44:15
>>215
フィリップはゆっくり階下へ降りた。ドアが開いていた。ケアリー氏は部屋にいなかった。
部屋をゆっくり歩いて回った。
この家にいたのはごく短い期間だったので、特別に注意を引くものはほとんど何もなかった。.
ここは所詮他人の部屋で、思いをかきたてるものは見つからない。
しかしどれが母のものでどれが家主のものかは分かっていた。
しばらくして、以前母が好きだと言っていた小さな時計に決めた。
それを持って少し鬱々とした気持ちで再び二階へと上がった。
母の寝室のドアの前で立ち止まり聞き耳を立てた。
誰からも入るなと言われたわけではないのに、中に入ってはいけないんじゃないかという気がした。
少し怖気づき、鼓動が落ち着かない。しかし同時に何かに引き寄せられるようにドアノブを回していた。
218名無しさん@英語勉強中:2008/07/04(金) 17:49:32
次の課題です。

He turned it very gently, as if to prevent anyone within from hearing,
and then slowly pushed the door open. He stood on the threshold for
a moment before he had the courage to enter. He was not frightened now,
but it seemed strange. He closed the door behind him. The blinds were
drawn, and the room, in the cold light of a January afternoon, was dark.
On the dressing-table were Mrs. Carey's brushes and the hand mirror.
In a little tray were hairpins. There was a photograph of himself
on the chimney-piece and one of his father. He had often been in the
room when his mother was not in it, but now it seemed different.
There was something curious in the look of the chairs. The bed was
made as though someone were going to sleep in it that night, and
in a case on the pillow was a night-dress.
219イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/05(土) 03:17:39
>>218
彼はまるで中の誰かに聞かせまいとするように、いたわるようにノブを回した。
それからゆっくりドアを押して開けた。彼は戸口にちょっと立つと、初めて
中に入る勇気が出た。彼はもう怖がってはいなかった。それでも妙な感じだった。
彼は後ろ手でドアを閉めた。日よけは引かれていて、部屋は一月の午後の
冷たい日差しの中で暗かった。化粧テーブルの上にはケアリー夫人のブラシ
と手鏡があった。小さな整理箱の中にはヘアピンがあった。暖炉の上の棚には
彼の写真が一枚あった。そして父親のも一枚あった。母親がいないときは
よく部屋に来たものだった。しかし今は違っていた。椅子を見ても何か奇妙
だった。ベッドはまるで誰かがその夜眠るかのように整えられていた。
枕の上の箱には寝巻きが入っていた。
220名無しさん@英語勉強中:2008/07/05(土) 18:25:08
>>218
中にいる者に聞かれまいとでもするかのようにそっとノブを回し、ゆっくりとドアを押し開けた。
フィリップはしばらくの間敷居の上に立ち、やがて勇気を出して中に入った。
今は恐怖心もなかったが、部屋はよそよそしい感じがした。
フィリップは後ろ手にドアを閉めた。
ブラインドが下ろされ、部屋は、一月の午後の冷たい光を遮って暗かった。
鏡台の上にケアリー夫人のブラシと手鏡があった。
小さなトレイの中にはヘアピンがあった。
マントルピースの上に、フィリップの写真と父の写真があった。
これまでも母がいないとき、よくこの部屋に入り込んでいたのだが、今は何かが違う。
椅子の色や形もどこか違和感があった。
今夜誰か寝る者があるかのようにベッドが整えられ、枕の上のケースに寝巻きが入れられてあった。
221名無しさん@英語勉強中:2008/07/05(土) 18:27:41
次の課題です。

Philip opened a large cupboard filled with dresses and stepping in,
took as many of them as he could in his arms and buried his face in
them. They smelt of the scent his mother used. Then he pulled open
the drawers, filled with his mother's things, and looked at them:
there were lavender bags among the linen, and their scent was fresh
and pleasant. The strangeness of the room left it, and it seemed to
him that his mother had just gone out for a walk. She would be in
presently and would come upstairs to have nursery tea with him.
And he seemed to feel her kiss on his lips.

It was not true that he would never see her again. It was not
true simply because it was impossible. He climbed up on the
bed and put his head on the pillow. He lay there quite still.
222名無しさん@英語勉強中:2008/07/05(土) 21:54:40
>>69
村上春樹のキャッチャーインザライは中々のカス訳らしいぞ。
文章自体は流石にうまいが。
本人も自覚してたのか…
223イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/06(日) 00:48:22
>>221
フィリップは洋服でいっぱいの大きな洋服棚を開けると中へ入った。
手に取れるだけ多くの服を取り、顔を埋めた。服には母親の残り香があった。
それから引き出しを開けると、中は母親の物で一杯で、それを見つめた。
下着の中にラベンダー入りの香り袋があった。その香りは爽やかで心地良かった。
部屋の奇妙さがその香りを残したのだ。彼には母親がちょうど散歩に出かけた
あとのように思えた。彼女はまもなく戻り、彼と子供用のお茶を飲みに
二階へくるだろうと。
そして彼は彼女にキスされたように感じた。
彼が彼女にもう二度と会えないというのは真実ではなかった.
ただ不可能だからというのは会えない理由にはならなかった。
彼はベッドに這い上がると枕に頭を置いた。彼はそこでただ静かに横たわっていた。
224名無しさん@英語勉強中:2008/07/06(日) 18:55:42
>>221

フィリップはドレスでいっぱいの大きな押入れを開け、
中に入り、手に取れるだけのドレスを手にしてそこに顔を埋めた。
母が使っていた香水の匂いがした。
それから母の小物衣類がぎっしり詰まった引き出しを開けて中を見た。
ラベンダーの匂い袋が肌着に挟まれていた。さわやかで素敵な香りがした。
部屋のよそよそしさは消え、母はちょっと散歩に出掛けただけなのだという気がした。
そしてすぐ戻ってきて二階に上がって一緒にお茶とおやつをいただくのだ。
フィリップは唇に母の口づけを感じた。
もう会えないなんて嘘だ。そんなのありえない、だから嘘だ。
フィリップはベッドによじ登り枕に頭を載せた。
じっと横になったまま少しも動かなかった。
225名無しさん@英語勉強中:2008/07/06(日) 19:01:44
章が変わります。

IV

PHILIP parted from Emma with tears, but the journey to Blackstable
amused him, and, when they arrived, he was resigned and cheerful.
Blackstable was sixty miles from London. Giving their luggage to
a porter, Mr. Carey set out to walk with Philip to the vicarage;
it took them little more than five minutes, and, when they reached it,
Philip suddenly remembered the gate. It was red and five-barred:
it swung both ways on easy hinges; and it was possible, though
forbidden, to swing backwards and forwards on it. They walked
through the garden to the front-door. This was only used by visitors
and on Sundays, and on special occasions, as when the Vicar went
up to London or came back. The traffic of the house took place
through a side-door, and there was a back door as well for
the gardener and for beggars and tramps. It was a fairly large
house of yellow brick, with a red roof, built about five and
twenty years before in an ecclesiastical style. The front-door
was like a church porch, and the drawing-room windows were gothic.
226名無しさん@英語勉強中:2008/07/06(日) 19:10:09
>>222
「…の誤訳を指摘するスレ」とかないですかね。
結構盛り上がりそうな気がする。
まあ一つ間違えれば大喧嘩になるかもしれないけど…。本人降臨とか…。
227名無しさん@英語勉強中:2008/07/06(日) 19:38:31
>>226
以前あったけど、スレッドを一つ使い切ったあと
新スレが立たないまま今に至る
228名無しさん@英語勉強中:2008/07/06(日) 19:41:54
ああお恥ずかしい限り…。(´・ω・`)
229イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/07(月) 00:09:14
>>225
フィリップは泣いてエマと分かれた。しかし彼はブラックステイブルへの
旅を楽しんで、彼らが着いたころには、もう成り行き任せだと思い、快活
だった。ブラックステイブルはロンドンから60マイルのところにあった。
荷物運びに手荷物を渡すと、ケアリー氏は司祭館へフィリップと共に歩き
始めた。5分足らずで着くと、フィリップは突然門を思い出した。それは赤く
て5本の棒がついていて、簡単なちょうつがいで両方向に回転した。
禁じられてはいたが、それに乗って前や後ろに行ったり来たりできた。
彼らは門を抜けて正面玄関に向かった。ここは来客があったときや、日曜日や、
特別な場合、たとえば司祭がロンドンに行き来するときにだけ使われた。
家の普段の通行には脇の入り口が使われ、庭師やホームレスや流れ者用の
裏口もあった。
家はかなり大きく、黄色のレンガ作りで、屋根は赤く、教会様式で約25年
前に建てられた。正面玄関は教会の玄関のようで上品な窓はゴシック様式だった。
230名無しさん@英語勉強中:2008/07/07(月) 19:08:41
>>225

フィリップは涙を流してエマと別れたが、ブラックステーブルへの道のりは楽しく、
到着したときには、もう未練もなくはしゃいでいた。
ブラックステーブルはロンドンから六十マイルのところにあった。
荷物を係に持たせ、ケアリー氏はフィリップと司祭館まで歩いた。
五分少々かかった。着いてみると家の門扉に見覚えがあった。赤くて閂が五本ある門扉だ。
簡単なしつらえの蝶番で、押しても引いても開く。
きつく止められてはいたが、その気になればしがみついてぶらんぶらんと漕いで遊ぶこともできた。
二人は庭を歩いて正面玄関まで来た。
ここを使うのは来客時と日曜日と、司祭がロンドンに出向いたり戻ってきたりするときのような特別な用向きのあるときだけだった。
家の出入りは横手口から行った。裏口もあって、これは庭師用であり乞食、浮浪者用だった。
およそ二十五年前に建てられた、赤い屋根と黄色い煉瓦の随分と大きな教会様式の家だった。
正面玄関は教会のように屋根が張り出していて、客間の窓はゴチック風だった。
231名無しさん@英語勉強中:2008/07/07(月) 19:13:37
次の課題です。

Mrs. Carey, knowing by what train they were coming, waited in the
drawing-room and listened for the click of the gate. When she heard
it she went to the door.
"There's Aunt Louisa" said Mr. Carey, when he saw her. "Run and give
her a kiss."
Philip started to run, awkwardly, trailing his club-foot, and then
stopped. Mrs. Carey was a little, shrivelled woman of the same age
as her husband, with a face extraordinarily filled with deep wrinkles,
and pale blue eyes. Her gray hair was arranged in ringlets according
to the fashion of her youth. She wore a black dress, and her only
ornament was a gold chain, from which hung a cross. She had a shy
manner and a gentle voice.
"Did you walk, William?" she said, almost reproachfully, as she
kissed her husband.
"I didn't think of it," he answered, with a glance at his nephew.
"It didn't hurt you to walk, Philip, did it?" she asked the child.
"No. I always walk."
232イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/08(火) 02:48:48
>>231
ケアリー夫人はどの列車に乗るか分かっていたので、居間で待って門の開く音を聞いた。
彼女はそれを聞くとドアへ向かった。
「ルイーザおばさんだよ。」とケアリー氏は言って彼女を見た。
「駆け寄って彼女にキスしなさい。」
フィリップは折れ曲がった脚を引きずりながらぶざまに走り始め、そして
立ち止まった。ケアリー夫人は夫と同じくらいの年で、しおれた女性だった。
顔中深いしわだらけで、目は薄い青色だった。白髪は彼女の若いときの流行
らしく長い髪を巻いてあった。
黒いドレスを着ていて、彼女の彼女の唯一のアクセサリーは十字架の金の
鎖だけだった。恥ずかしがりやで優しい声をしていた。
「歩いて来たの。ウィリアム。」と夫にキスしながらとがめるように
言った。「脚のことは考えなかったよ。」
甥をちらっと見て彼は答えた。
「歩いて怪我しなかったわよね、フィリップ。」と彼女は子供に尋ねた。
「はい、いつも歩いてますから。」



233名無しさん@英語勉強中:2008/07/08(火) 19:35:23
>>231
二人が何時の列車で来るか知っていたケアリー夫人は、客間で門扉の掛金の鳴る音を待っていた。
そしてその音が聞こえると夫人は玄関に出た。
夫人の姿を見つけたケアリー氏は言った。「ルイーザ伯母さんだ。駈けて行ってキスしておいで」
フィリップは、曲がった足を引きずりながらぎこちなく駈け始め、伯母の前まで来て止まった。
ケアリー夫人は小柄な上に老化で身の詰まった女性で、
夫と同い年だったが顔は並外れて皺くちゃで、眼は薄青かった。
白髪交じりの髪は娘時代の流行そのままにカールしてあった。
黒い服を着ていて、装飾品といえば金鎖の十字架のペンダントだけだった。
物腰は控えめで声は穏やかだった。
「ここまで歩いてきたの?」夫にキスしながらも、口調は非難に近い。
「気が利かなかったな」ケアリー氏は答えながら甥を目で追った。
「足は痛くなかった、フィリップ君?」夫人がフィリップに尋ねた。
「いつも歩いてるから大丈夫です」
234名無しさん@英語勉強中:2008/07/08(火) 19:38:31
次の課題です。

He was a little surprised at their conversation. Aunt Louisa told him
to come in, and they entered the hall. It was paved with red and yellow
tiles, on which alternately were a Greek Cross and the Lamb of God.
An imposing staircase led out of the hall. It was of polished pine,
with a peculiar smell, and had been put in because fortunately, when
the church was reseated, enough wood remained over. The balusters
were decorated with emblems of the Four Evangelists.
"I've had the stove lighted as I thought you'd be cold after your
journey," said Mrs. Carey.
It was a large black stove that stood in the hall and was only lighted
if the weather was very bad and the Vicar had a cold. It was not
lighted if Mrs. Carey had a cold. Coal was expensive. Besides, Mary
Ann, the maid, didn't like fires all over the place. If they wanted
all them fires they must keep a second girl. In the winter Mr. and
Mrs. Carey lived in the dining-room so that one fire should do, and
in the summer they could not get out of the habit, so the drawing-room
was used only by Mr. Carey on Sunday afternoons for his nap. But
every Saturday he had a fire in the study so that he could write
his sermon.
235イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/09(水) 03:16:40
>>234
彼は会話に少し驚いた。ルイーザ伯母さんは彼に中に入るよう言い、そろって
玄関の広間に入った。赤と黄色のタイルで床は敷き詰められ、その上には互い違いに
ギリシア十字とキリストの模様が入っていた。立派な階段が玄関の広間から二階へ延びて
いた。それは光沢のある松材で出来ていて松特有の匂いがした。これが取り付け
られたのは、幸運にも教会の椅子を新しく交換とき、十分な木材が残ったから
だった。手すり子は四福音伝道者の紋章で飾られていた。
「旅のあと寒いと思ってストーブを点けさせたわ。」
とケアリー夫人が言った。それは玄関の広間に鎮座する黒くて大きなストーブで、
天気がとても悪いか司祭が風邪を引いたときだけ点けた。
夫人が風邪を引いても点けなかった。石炭は高かったのだ。そのうえ、
メイドのメアリーアンはあちこちに火の気があるのを嫌っていた。
もし夫妻が常に火を望むなら、もうひとりメイドを雇う必要があるだろう。
冬にはケアリー夫妻はひとつの火で済ませるように食堂で暮らし、
夏にもその習慣から抜け出すことは出来なかった。
だから客間が使われたのはケアリー氏が日曜の午後昼寝をするときだけだった。
しかし毎週土曜日、教会でする説教を起草するときには火があった。



236イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/09(水) 03:23:58
>>235
訂正
最後の行を下のように変更
 しかし毎週土曜日、教会でする説教を起草するためには暖を取った。 
237イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/09(水) 03:27:20
>>236
暖を取るという言葉をもっと上手く使うべきでした。
238名無しさん@英語勉強中:2008/07/09(水) 18:30:15
>>234
フィリップは二人の会話に少しびっくりしていた。
伯母のルイーザに促され二人は玄関に入った。
玄関は赤と黄色のタイルが張られ、タイルにはギリシア十字と神の子羊が交互に描かれていた。
風格のある階段が玄関から続いている。
この階段は光沢出しした松で作られており、特有の香りがした。
教会の椅子を取り換えたときにたまたまかなり木材が余り、それを使って作りつけたものだ。
手すりを支える羽目板には、四大福音史家の紋章がしつらえてあった。
「長旅でさぞ冷えたでしょう。暖炉に火を入れておきましたよ」夫人が言った。
玄関の暖炉は黒くて大きなものだったが、悪天候の日と祭司が風邪を引いたときしか使わなかった。
夫人が風邪を引いたときは使わなかった。
石炭は高く、しかも家政婦のメアリー・アンが家中で火を使うことを好まなかった。そんなことをするともう一人家政婦が要る。
冬の間は炉一つで済ませるために夫妻は昼夜を食堂で過ごした。
夏は夏で、惰性でそのまま食堂を使っていたため、客間を使うのは日曜の午後、ケアリー氏が昼寝をするときだけだった。
しかし毎週土曜日は氏が書斎の暖炉に火をくべ説教の原稿を書いた。
239名無しさん@英語勉強中:2008/07/09(水) 18:34:57
次の課題です。

Aunt Louisa took Philip upstairs and showed him into a tiny bed-room
that looked out on the drive. Immediately in front of the window was
a large tree, which Philip remembered now because the branches were
so low that it was possible to climb quite high up it.
"A small room for a small boy," said Mrs. Carey. "You won't be
frightened at sleeping alone?"
"Oh, no."
On his first visit to the vicarage he had come with his nurse, and
Mrs. Carey had had little to do with him. She looked at him now with
some uncertainty.
"Can you wash your own hands, or shall I wash them for you?"
"I can wash myself," he answered firmly.
"Well, I shall look at them when you come down to tea," said Mrs. Carey.
240イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/10(木) 06:57:34
>>239
ルイーザ伯母さんはフィリップを二階へ連れて行き、彼を車道に面した
ちっぽけな寝室に案内した。窓の前には木があり、フィリップはもう
思い出していたが、枝の位置がとても低いのでその木を高くまで登ることができた。
「ちいさな子にはちいさな部屋よ。」とケアリー夫人は言った。
「一人で寝て怖くないの。」
「いいえ、怖くないです。」
牧師館を最初に尋ねたときは、彼は乳母と来た。ケアリー夫人は
ほとんど彼に関わらなかった。彼女は今や彼を半信半疑で見ていた。
「手は自分で洗えるのそれとも私が洗いましょうか。」
「自分で洗えます。」彼はきっぱり
と答えた。
「それじゃ、お茶を飲みに下に来たら手を見ますよ。」とケアリー夫人が言った。



241名無しさん@英語勉強中:2008/07/10(木) 18:38:57
>>239
伯母のルイーザはフィリップを連れて二階へ上がり、車寄せに面した小さな寝室へ案内した。
窓のすぐ目の前にこれも見覚えのある大きな木があった。
枝が低く垂れ下がり上のほうまでよじ登って行ける木だ。
夫人が言った。「小さいんだから小さい部屋よ。夜は一人で寝られる?怖くない?」
「はい」
以前司祭館に来たときは乳母と一緒だったので、夫人にはあまりすることもなかった。
いまフィリップを見る目はいくぶん落ち着かない。
「おてては一人で洗える?洗ってあげようか」
「洗えます」しっかり返事をする。
「じゃあ、お茶に下りてくるときはおててを見させてね」
242名無しさん@英語勉強中:2008/07/10(木) 18:43:48
次の課題です。

She knew nothing about children. After it was settled that Philip
should come down to Blackstable, Mrs. Carey had thought much how she
should treat him; she was anxious to do her duty; but now he was there
she found herself just as shy of him as he was of her. She hoped he
would not be noisy and rough, because her husband did not like rough
and noisy boys. Mrs. Carey made an excuse to leave Philip alone, but
in a moment came back and knocked at the door; she asked him, without
coming in, if he could pour out the water himself. Then she went
downstairs and rang the bell for tea.
The dining-room, large and well-proportioned, had windows on two sides
of it, with heavy curtains of red rep; there was a big table in the
middle; and at one end an imposing mahogany sideboard with a
looking-glass in it. In one corner stood a harmonium. On each side of
the fireplace were chairs covered in stamped leather, each with an
antimacassar; one had arms and was called the husband, and the other
had none and was called the wife. Mrs. Carey never sat in the
arm-chair: she said she preferred a chair that was not too comfortable;
there was always a lot to do, and if her chair had had arms she might
not be so ready to leave it.
243イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/11(金) 04:32:35
>>242
彼女は子供について何も知らなかった。フィリップがブラックステイブルに
来るのが決まったあと、ケアリー夫人は彼をどう扱うべきかについてかなり考えた。
そして彼女は本分を尽くしたいと思った。しかしもう彼は目の前にいた。
彼女はフィリップが彼女に対してはにかむのと同じように彼をはにかんでいる
のに気づいた。彼女は彼がやかましくて乱暴でないよう望んだ、というのは
彼女の夫がそんな少年を好きではなかったからだ。
ケアリー夫人は言い訳をいってフィリップをひとりにした。しかしすぐに
もどって来て、ドアをノックした。そして部屋に入らないまま、自分で湯を
注ぐことができるかどうか尋ねた。
それから彼女は下に降りて、お茶の時間を知らせる呼び鈴をならした。
食堂は大きくてよく均整がとれており、両側に窓があり、赤い横畝織物生地
の厚いカーテンがかかっていた。中央には大きなテーブルがあった。
そして部屋の片端には中に鏡のついたりっぱなマホガニー材の食器棚があった。
また、部屋かどには足踏みオルガンがあった。暖炉の両側にはそれぞれ椅子があり、型押し
された皮張りで椅子カバーがかかっていた。
一方の椅子には肘掛があり夫と呼ばれ、もう一方のない方は妻と呼ばれた。
ケアリー夫人は決して肘掛椅子には座らなかった。
彼女はあまり快適過ぎない椅子が好きだと言った。
いつもやらなけらばならないことが多くあった。そしてもし肘掛椅子に
座るなら、そこから立ち退き難くなるかもしれなかったのだ。
244名無しさん@英語勉強中:2008/07/11(金) 17:52:47
>>242
伯母は子供のことが何も分からない。ブラックステーブルにフィリップが来ることが決まり、
ケアリー夫人は世話の仕方をあれこれ考え、自分の責任を果たそうと張り切っていた。
しかしいざ来てみると、自分もフィリップと同じように遠慮がちになってしまっている。
夫はがさつでうるさい子供が嫌いなので、フィリップがそういう子だったら困るなと思っていた。
ケアリー夫人は用事があると言ってフィリップを残し部屋を離れたが、すぐ戻って来てドアをノックし、
部屋の外から、水は自分で出せる?と聞いた。
そして階下へ下り、鐘を鳴らしてお茶の時間を告げた。
食堂は大きく、調度類を上手に配置してあった。壁の二方に窓があり、横畝織の赤いカーテンは重そうだった。
真ん中に大きなテーブルがあり、部屋の端にある風格のあるマホガニーの食器棚は中に鏡がかかっていた。
部屋の隅に旧時代風のオルガンがあった。
暖炉の両側にはそれぞれ型抜きした革を張った椅子があり、背覆いが掛けられていた。
一つは肘掛け付きで旦那椅子、肘掛けのないほうは嫁椅子と呼ばれていた。
ケアリー夫人は肘掛け付きには座らなかった。
便利過ぎない椅子のほうがいいとよく言っていた。
家事がたくさんあるのに肘掛けなんか付いてたらいつまでもぐずぐずして椅子から立ち上がれなくなる、のだそうだ。
245名無しさん@英語勉強中:2008/07/11(金) 18:00:32
次の課題です。

Mr. Carey was making up the fire when Philip came in, and he pointed
out to his nephew that there were two pokers. One was large and bright
and polished and unused, and was called the Vicar; and the other,
which was much smaller and had evidently passed through many fires,
was called the Curate.
"What are we waiting for?" said Mr. Carey.
"I told Mary Ann to make you an egg. I thought you'd be hungry after
your journey."
Mrs. Carey thought the journey from London to Blackstable very tiring.
She seldom travelled herself, for the living was only three hundred a
year, and, when her husband wanted a holiday, since there was not
money for two, he went by himself. He was very fond of Church
Congresses and usually managed to go up to London once a year; and
once he had been to Paris for the exhibition, and two or three times
to Switzerland. Mary Ann brought in the egg, and they sat down. The
chair was much too low for Philip, and for a moment neither Mr. Carey
nor his wife knew what to do.
"I'll put some books under him," said Mary Ann.
She took from the top of the harmonium the large Bible and the
prayer-book from which the Vicar was accustomed to read prayers, and
put them on Philip's chair.
246イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/12(土) 01:46:12
>>245
フィリップが入って来るとケアリー氏は暖炉の火を熾していた。彼は甥に二本
の火かき棒がある事を指摘した。一本は大きく、輝き、磨かれ、使われていなくて、
司祭と呼ばれ、もう一本はずっと小さく明らかに多くの火をくぐり抜けていて
司祭助手と呼ばれていた。
「何を待っているんだい。」とケアリー氏が言った。
「メアリーアンにあなたのために卵料理を作るよう言いました。旅行でお腹が
すいてるだろうと思いました。」
ケアリー夫人はロンドンからブラックステイブルへの旅がとても疲れると
思ったのだ。彼女自身はめったに旅行をしなかった。というのは生活費が
年にたった300ポンドしかなかったからだ。夫が休暇に旅行したいときは、
二人分のお金が無かったので、彼は一人で行った。彼はとても教会の総会議
が好きで、年に一度はロンドンへたいていなんとか上京した。一度パリへ
展覧会を見に行ったことがあった。そしてスイスにも2、3回行った事
があった。
メアリーアンが卵料理を持って来て、みんなは腰掛けた。椅子がフィリップ
にはあまりに低かったので、ちょっとの間ケアリー夫妻は二人ともどうしたら
いいか分からなかった。
「フィリップの尻に何冊か本を敷きましょう。」とメアリーアンは言った。
彼女は足踏みオルガンの上から大きな聖書と司祭が祈りの言葉を読みなれている
祈祷書を取ると、フィリップの椅子の上に置いた。
247名無しさん@英語勉強中:2008/07/12(土) 16:51:07
>>245
フィリップが部屋に入っていくと、ケアリー氏が火を起こしているところだった。
氏は甥に、火掻き棒は二本あると教えてくれた。
一つは大きくて明るくて光ってて全然使ってなくて司祭棒、
もう一つはもっと小さくて何度も火を掻いた跡があって副司祭棒と呼ばれていた。
「今日は何かな」ケアリー氏が聞いた。
「長旅でお腹が空いてると思ってメアリー・アンに卵を茹でてもらってるの」
ロンドンからブラックステーブルまで来るのは大変な苦難行だとケアリー夫人は思っていたのだ。
自身はほとんど旅行したことがない。
年収三百ポンドで、旅行したいときは、二人分の費用がないため夫一人で出掛けた。
夫は教会会議が大好きで、たいてい年に一度はやりくりをつけてロンドンまで上京した。
一度万博を見にパリに行ったこともあった。二、三度スイスに行ったこともあった。
メアリー・アンが卵を持って入って来て、皆が座った。
椅子はフィリップには低すぎたが、ケアリー氏も妻もすぐにはどうしていいか分からない。
「本を敷きましょう」メアリー・アンが言った。
メアリー・アンはオルガンの上からふだん司祭が祈祷をするのに使っている大きな聖書と祈祷書を取ってきて、
フィリップの椅子の上に置いた。
248名無しさん@英語勉強中:2008/07/12(土) 16:55:15
次の課題です。

"Oh, William, he can't sit on the Bible," said Mrs. Carey, in a
shocked tone. "Couldn't you get him some books out of the study?"
Mr. Carey considered the question for an instant.
"I don't think it matters this once if you put the prayer-book on the
top, Mary Ann," he said. "The book of Common Prayer is the composition
of men like ourselves. It has no claim to divine authorship."
"I hadn't thought of that, William," said Aunt Louisa.
Philip perched himself on the books, and the Vicar, having said grace,
cut the top off his egg.
"There," he said, handing it to Philip, "you can eat my top if you
like."
Philip would have liked an egg to himself, but he was not offered one,
so took what he could.
"How have the chickens been laying since I went away?" asked the Vicar.
"Oh, they've been dreadful, only one or two a day."
"How did you like that top, Philip?" asked his uncle.
"Very much, thank you."
"You shall have another one on Sunday afternoon."
Mr. Carey always had a boiled egg at tea on Sunday, so that he might
be fortified for the evening service.
249名無しさん@英語勉強中:2008/07/12(土) 17:05:27
リーダーズ英和辞典によると

curate
1 (教区の)牧師補(rectorまたはvicarの代理または助手)、(英国国教)副牧師、(カト)助任司祭;(古)(一般に)聖職者(clergyman)
2 (口)小型火かき棒

だそうです。どうしたらいいものか。
250名無しさん@英語勉強中:2008/07/12(土) 17:23:01
ここまで「司祭」としてきましたが、「牧師」に変更します。

curate = 棒串、とか。
やっぱり駄目だな…。
251イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/13(日) 04:56:33
>>248
「まあ、ウィリアム。聖書には座れないわ。」と驚いた口調でケアリー夫人
が言った。
「書斎から何か別の本を持って来れないの。」
ケアリー氏はすこしその問題を熟慮してから「いったんオルガンの上に置いたのなら、これは問題にならないと思うよ。メアリーアン。」
と彼は言った。「祈祷書はいわば我々の同僚の創作だ。神聖な著作に対する配慮は不要だ。」
「私はそんなふうに考えたことないわ。ウィリアム。」と伯母のルイーザが言った。
フィリップは本の上にひょいと座った。そして牧師は感謝の祈りを捧げたあと、ゆで卵の上半分を
切った。「ほら。」牧師はフィリップに切ったゆで卵を渡しながら言った。
「良かったら、半分食べないかい。」
フィリップはゆで卵を最初から一個提供されたら喜んだろうが、そうされなかった
ので、もらえるだけでがまんした。
「外出中鶏はちゃんと卵を生んでいるかい。」
と牧師が尋ねた。
「まあ、ひどいんですよ。一日にたった一つか二つです。」
「卵はおいしいかい。フィリップ。」と伯父が尋ねた。
「とてもおいしいです。ありがとうございます。」
「日曜の午後にはもう一個食べさせよう。」
ケアリー氏は夜の礼拝に備え、活力をつけるため、日曜のお茶の時間には
いつもゆで卵を食べていた。




252名無しさん@英語勉強中:2008/07/13(日) 14:49:04
>>248

「あら聖書の上に座ってはよくないんじゃないの」ケアリー夫人がびっくりして言った。
「書斎からほかの本を持ってきたらどう」
ケアリー氏はしばらく考え込んだ。
「祈祷書を上にすれば今回一回は許されるんじゃないか。
公教会祈祷書は我々のような人間が書いたものだ。
神の言葉が記されているわけではない」
「ああそれは気がつきませんでした」伯母が言った。
フィリップは本の上に乗っかった。牧師は感謝を捧げ卵を上下に切り分けた。
「ほら、私の卵の上半分、食べるかな」フィリップに差し出しながら言った。
ほんとは丸ごと一つほしかったが、くれないのでもらえる分だけもらう。
「留守のあいだ、卵の産み具合はどうだった」牧師が聞く。
「だめですねえ、一日一個か二個で」
「上半分はおいしかったかな」伯父が聞く。
「とてもおいしかったです」
「日曜の午後にまた食べられるよ」
ケアリー氏はいつも日曜のお茶の時間に茹で卵を食べ、夕べの祈りに備えるのだ。
253名無しさん@英語勉強中:2008/07/13(日) 14:54:23
ここから第五章です。

V

PHILIP came gradually to know the people he was to live with, and by
fragments of conversation, some of it not meant for his ears, learned
a good deal both about himself and about his dead parents. Philip's
father had been much younger than the Vicar of Blackstable. After a
brilliant career at St. Luke's Hospital he was put on the staff, and
presently began to earn money in considerable sums. He spent it freely.
When the parson set about restoring his church and asked his brother
for a subscription, he was surprised by receiving a couple of hundred
pounds: Mr. Carey, thrifty by inclination and economical by necessity,
accepted it with mingled feelings; he was envious of his brother
because he could afford to give so much, pleased for the sake of his
church, and vaguely irritated by a generosity which seemed almost
ostentatious. Then Henry Carey married a patient, a beautiful girl but
penniless, an orphan with no near relations, but of good family; and
there was an array of fine friends at the wedding. The parson, on his
visits to her when he came to London, held himself with reserve.
254イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/14(月) 02:43:33
>>253
フィリップは徐々に生活を共にしなければならない人々のことが分かってきた。
よく分からないときもあったが、会話の端々から彼と彼の亡くなった両親の
両方について学んだ。
フィリップの父親はブラックステイブルの牧師よりずっと若かった。聖ルカ
病院での輝かしい実績を踏まえ、医局員を監督する立場となった。
やがてかなりの額の金を稼ぎ始めた。彼は金を自由に使った。
牧師が教会の修繕を始め、弟に寄付を求めると、2,3百ポンド受け取って
驚いた。
ケアリー氏は生来質素であり、必要に駆られて倹約していたので、それを
受け取ったときは複雑な心境だった。
彼は弟を妬ましく思った、というのはそんな多額を出せる余裕があるからだが、
反面、教会のためには喜んだ。そしてほとんど見せびらかすように思える
気前のよさになんとなくいらだった。
 それからヘンリーケアリーが患者と結婚した。彼女は美人だが一文無しで、
身近な親類のいない孤児だが名門の出だった。結婚式にはりっぱな友人が
ずらりと並んだ。
牧師がロンドンに行って彼女を訪れたとき、遠慮して自分を抑えていた。
255名無しさん@英語勉強中:2008/07/14(月) 20:22:39
>>253
フィリップは、これから一緒に住む人達のことがだんだん分かってきた。
フィリップには聞かせるつもりのなかったものも含め、会話の断片のいくつかからは、
自分のことも亡くなった両親のこともいろいろと知ることができた。
父はブラックステーブルの牧師よりだいぶん若く、
聖ルーク病院で優れた腕を認められ、管理職に就くと高給を取るようになった。
そしてそれを惜しげもなく使った。
牧師が教会の修復工事をすることになったとき、
弟にも寄付を頼んだら二百ポンド持ってきてびっくりしたことがあった。
性格も堅実で生活もつましいケアリー氏はそれを受け取りながら複雑な気分だった。
これだけの金が出せる弟が妬ましく、教会のためには嬉しいことだったが、
裕福を見せつけるような善意には苛立ちもないではなかった。
その後ヘンリー・ケアリーはある患者と知り合い結婚した。
新妻は、美しいが貧しく、近親の縁者のない孤児だったが家格は高く、
式には上流階級の友人たちが並んだ。
ロンドンに出向き弟の妻を訪れるとき、牧師は打ち解けない態度を保った。
256名無しさん@英語勉強中:2008/07/14(月) 20:29:20
次の課題です。

He felt shy with her and in his heart he resented her great beauty:
she dressed more magnificently than became the wife of a hardworking
surgeon; and the charming furniture of her house, the flowers among
which she lived even in winter, suggested an extravagance which he
deplored. He heard her talk of entertainments she was going to; and,
as he told his wife on getting home again, it was impossible to accept
hospitality without making some return. He had seen grapes in the
dining-room that must have cost at least eight shillings a pound; and
at luncheon he had been given asparagus two months before it was ready
in the vicarage garden. Now all he had anticipated was come to pass:
the Vicar felt the satisfaction of the prophet who saw fire and
brimstone consume the city which would not mend its way to his warning.
Poor Philip was practically penniless, and what was the good of his
mother's fine friends now? He heard that his father's extravagance was
really criminal, and it was a mercy that Providence had seen fit to
take his dear mother to itself: she had no more idea of money than a
child.
257名無しさん@英語勉強中:2008/07/14(月) 23:42:07
>>256
彼は彼女に内気であると感じました。そして心では、彼女の偉大な美に憤慨しました。
彼女は勤勉な外科医の妻になったより壮大に装いました。
そして、彼女の家のチャーミングな家具(彼女が冬にさえ生きた花)は彼が嘆いた浪費を示しました。
彼は、彼女が行く予定であったエンターテインメントについて話すのを聞きました。
そして、彼が再び帰って来るとき妻に言ったように、何らかのリターンをしないで
歓待を受け入れるのは不可能でした。
彼は1ポンドあたり少なくとも8シリングかかったに違いないダイニングルームのブドウを見ました。
そして、昼食会では、それが司祭館庭で準備ができる2カ月前にアスパラガスを彼に与えました。
今、彼が予期したのは起こることです。
Vicarは火と硫黄が彼の警告への道を直さない都市を消費するのを見た予言者の満足を感じました。
貧しいフィリップは実際に無一文でした。そして、今や、彼の母親のすばらしい友人の利益は何でしたか?
彼は、彼の父親の浪費が本当に罪であったと聞きました。
そして、それはプロビデンスが彼の親愛なる母親をそれ自体に連れて行くために適していると決めた慈悲でした。
彼女には、子供が考えでないことのようなお金のどんな考えもありませんでした。
258イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/15(火) 00:32:14
>>256
彼は彼女に気後れし、心中そのあまりの美しさに憤った。彼女は勤勉な外科医
の妻にしては壮麗に着飾っていた。彼女の家の素敵な家具や冬でさえ花に囲まれ
たくらしは牧師の遺憾に思う贅沢を示唆していた。
彼は彼女が行く予定の気晴らしについてを話すのを聞いた。
彼がふたたび家に戻るとすぐに妻に話したように、土産なしには良い扱いを
受けられなかった。
彼は台所ですくなくとも1ポンド8シリングはしたに違いないぶどうを見た。
軽食時に、アスパラガスが出たが、それは牧師館の庭で採れる2ヶ月前だった。
今や彼が予想したすべては現実の物となった。牧師には満足感があったが、それは警告を無視し行いを
改めなかった町が火と硫黄で焼失するのを見る預言者のそれであった。
哀れなフィリップは事実上無一文だったが、母親の立派な友達の善意は今
どうなったのか。彼は父親の贅沢は真実けしからぬことだと聞いていた。
教会管区が愛する亡き母親を引き受けることに決めたのは慈悲だった。
彼女は子供と同じように金銭感覚がなかった。

259名無しさん@英語勉強中:2008/07/15(火) 18:20:57
>>256
弟の妻の前では気後れがし、内心その美しさに虫酸が走った。
妻は、激務の外科医の妻には似合わない派手な服を身にまとった。
家には品の良い調度類を据え、冬でも花に囲まれて暮らす贅沢は嘆かわしいばかりだった。
これから行く夜会の話なども聞かされた。招待を受ける以上はそれなりの返礼が欠かせなかったはずだ。
牧師も自分の家に帰るなり夫人にそう言ったことがある。
食卓にはポンドあたり八シリングはするブドウが並び、
昼食には牧師館の庭で採れる二ヶ月も前からアスパラガスが供された。
やはり、牧師の心配した通りになった。
警告に耳を貸さず行いを改めなかった街を業火が覆い尽くし、
その光景を見て納得する預言者の心境だった。
いまやフィリップは一文無し同然だ。母のご友人とやらはいったい何の役に立ったのか。
父の贅沢ぶりはそれはひどいものだったとフィリップは聞かされた。
母の金銭感覚も子供と同じだった、
神が母を自らの元に召すことにしたのは神の御慈悲だ、とも。
260名無しさん@英語勉強中:2008/07/15(火) 18:24:23
またストーカーか? 今度のは前のと別人だとは思うけど。
前は自称アメリカの日本語教師だったそうだけど
今度のは日本の英語教師あたりかな。
前はウイルスをわんさか送りつけられて往生したけど今のところそれは確認できないな。

機械翻訳調にしたのは
罵詈雑言は語勢をぼかした方がいいかと思ったからなのですが
お気に召しませんか。
261名無しさん@英語勉強中:2008/07/15(火) 18:29:36
次の課題です。

When Philip had been a week at Blackstable an incident happened which
seemed to irritate his uncle very much. One morning he found on the
breakfast table a small packet which had been sent on by post from the
late Mrs. Carey's house in London. It was addressed to her. When the
parson opened it he found a dozen photographs of Mrs. Carey. They
showed the head and shoulders only, and her hair was more plainly done
than usual, low on the forehead, which gave her an unusual look; the
face was thin and worn, but no illness could impair the beauty of her
features. There was in the large dark eyes a sadness which Philip did
not remember. The first sight of the dead woman gave Mr. Carey a
little shock, but this was quickly followed by perplexity. The
photographs seemed quite recent, and he could not imagine who had
ordered them.
"D'you know anything about these, Philip?" he asked.
"I remember mamma said she'd been taken," he answered. "Miss Watkin
scolded her.... She said: I wanted the boy to have something to
remember me by when he grows up."
Mr. Carey looked at Philip for an instant. The child spoke in a clear
treble. He recalled the words, but they meant nothing to him.
262イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/16(水) 04:15:18
>>261
フィリップがブラックステイブルに来た一週間後、伯父を苛立たせるような
事件が起きた。ある朝彼は朝食が配膳されるテーブルに小さな小包があるのに
気づいた。それはロンドンにある亡くなったケアリー夫人の家から郵送
された物だった。それは彼女宛であった。牧師が開けると、中にはたくさんの
ケアリー夫人の写真が入っていた。写真には頭と肩しか写っていなくて、髪は
普段より地味で、額にかかり、いつもの彼女とは違っていた。
顔は細りやつれていたが、病魔が彼女の美貌を損なうことは無かった。
大きく黒い目はフィリップの記憶にはない悲しみをたたえていた。
死んだ女性を一見してケアリー氏は少しショックを受けたが、すぐに
戸惑いに気持ちが変わった。その写真は撮られたばかりのようだった。
しかし彼には誰が注文したか心当たりはなかった。
「この写真の事を何か知らないか、フィリップ。」と彼は尋ねた。
「母が撮ったと言ったのは覚えています。」と彼は答えた。
「ワトキン嬢は母を叱っていました。確か母は、僕が大人になったとき、なにか
自分を思い出す物を持ってもらいたいと言ってました。」
ケアリー氏はちょっとフィリップを見た。子供ははっきりした甲高い声で言った。
彼は少年の言葉を思い返したが、何の意味があるとも思えなかった。




263名無しさん@英語勉強中:2008/07/16(水) 17:04:13
>>261

フィリップがブラックステーブルに来て一週間たったころ、おそらく伯父を大いに憤慨させたであろう事件が起きた。
ある朝フィリップが朝食の食卓に向かうと、小型の小包がロンドンの亡きケアリー夫人宅から転送されて届いていた。
宛名は夫人の名義だった。牧師が開けてみるとケアリー夫人の写真が十二枚出てきた。
写っているのは肩から上だけで、髪型はふだんより地味で、前髪を下ろしているので印象が違って見えた。
顔が痩せ、やつれてはいたが、容貌の美しさは病によってもけがされてはいなかった。
大きな黒目にはフィリップの記憶にない悲しみが湛えられていた。
故人の姿を最初に見てケアリー氏はすこしぎくっとしたが、それはすぐとまどいに取って代わった。
写真はごく最近のもののようで、誰が注文したか見当がつかなかった。
「フィリップ、どういうことか分かるかな」伯父が聞いた。
「たしかママが写真撮ったって言ってた。それでワトキン様に怒られて…。
でママは、この子が大人になっても忘れないでいてほしいからって」
ケアリー氏は少しの間フィリップの顔を見た。明瞭で、子供らしい高い声だ。
言葉は覚えている、しかし意味は分かっていない。
264名無しさん@英語勉強中:2008/07/16(水) 17:09:05
パソコンが重くなった気が。やっぱりとりつかれたか?
あんまりひどいようならやめますけどね。それがお望みなら。
265名無しさん@英語勉強中:2008/07/16(水) 17:13:26
次の課題です。

"You'd better take one of the photographs and keep it in your room,"
said Mr. Carey. "I'll put the others away."
He sent one to Miss Watkin, and she wrote and explained how they came
to be taken.
One day Mrs. Carey was lying in bed, but she was feeling a little
better than usual, and the doctor in the morning had seemed hopeful;
Emma had taken the child out, and the maids were downstairs in the
basement; suddenly Mrs. Carey felt desperately alone in the world. A
great fear seized her that she would not recover from the confinement
which she was expecting in a fortnight. Her son was nine years old.
How could he be expected to remember her? She could not bear to think
that he would grow up and forget, forget her utterly; and she had
loved him so passionately, because he was weakly and deformed, and
because he was her child. She had no photographs of herself taken
since her marriage, and that was ten years before. She wanted her son
to know what she looked like at the end. He could not forget her then,
not forget utterly. She knew that if she called her maid and told her
she wanted to get up, the maid would prevent her, and perhaps send for
the doctor, and she had not the strength now to struggle or argue. She
got out of bed and began to dress herself. She had been on her back so
long that her legs gave way beneath her, and then the soles of her
feet tingled so that she could hardly bear to put them to the ground.
266名無しさん@英語勉強中:2008/07/16(水) 17:20:39
267名無しさん@英語勉強中:2008/07/16(水) 17:59:50
268名無しさん@英語勉強中:2008/07/16(水) 22:40:02
アホなスレだなw
269イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/17(木) 04:31:33
>>265
「一枚取って部屋に置くといい。」とケアリー氏が言った。
「残りは私がしまっておこう。」彼はワトキン嬢へ一枚送った。
すると彼女は写真を撮るようになったいきさつを手紙に書いて説明した。
 ある日ケアリー夫人がベッドで寝ていると、何時もより少し気分が良かった。
朝医者は回復の希望を持ったようだった。エマは子供を連れ出し、メイドは下の地下室
にいた。突然ケアリー夫人は絶望的して世界でひとりぼっちだと感じた。
彼女は大きな恐怖に襲わていた。それは2週間と思っていたお産の床から回復しないのではという恐怖
だった。彼女の息子は9歳だった。いったいどうしたら息子は彼女を忘れないで
いようか。彼女は息子が成長し、自分を忘れてしまうのに耐えられなかった。
そう、すっかり忘れるなんて。彼女は彼を心底愛していた。彼は病弱であり五体満足で
なかったから。そしてなによりも彼女の子供だったから。
彼女は結婚以来写真を撮っていなかった。それも10年前のことだった。彼女は息子に
最期自分がどのような風貌だったか知っていてもらいたかった。彼がそのときの
彼女を忘れるなんてとんでもない。そう、すっかり忘れるなんて。
彼女はには分かっていた。もしメイドを呼んで起きたいと言えば、たぶん医者を
よびにやることを。そしてもう彼女にはあらがい議論する力は残っていないことを。
彼女はベッドから抜け出し一人で服を着始めた。あまり長く床に伏せていたので
彼女の脚はふらつき、足の裏はほとんど床を踏めないほどじんじん痛んだ。


270イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/17(木) 05:23:57
>>269
訂正
7行目 2週間と思っていた→2週間以内にあると思っていた
271名無しさん@英語勉強中:2008/07/17(木) 18:23:21
>>265
ある日のこと、ケアリー夫人はベッドで横になっていたのだが、
いつもよりは体調が良く、朝の医師の診察もまず良好といったところだった。
エマは子供を連れて外に出ている。家政婦はみな地下だ。
ケアリー夫人は予定日を二週間後に控え、
産褥から回復できないのではないかという恐ろしい考えに取り付かれた。
急に孤独を感じ絶望的な気分になった。
九歳の息子が、この先も自分のことを覚えていてくれるとはとても思えない。
大人になったフィリップに忘れられる、完全に忘れられてしまうなんて考えたくない。
虚弱児で障害があるからこそ、自分の子だからこそ、こんなにも心を込めて可愛がってきたのに。
十年前に結婚してから、夫人は自分の写真を撮ったことがなかった。
息子には自分の生前最後の姿を知っておいてほしい。
そうすれば忘れられない、完全に忘れ去られることはない。
今もし家政婦を呼んで起き上がりたいと言えば、当然家政婦は止めようとするだろう。
医者を呼ばれるかもしれない。医者と争う気力はもう残っていなかった。
ケアリー夫人はベッドを抜け出し、服を着替え始めた。
あまりに長い間横になっていたため、立ったとたんに膝が崩れそうになった。
足の裏がじんじんして、床に着けていられないほどだ。
272名無しさん@英語勉強中:2008/07/17(木) 18:24:53
ハッカーおことわり。
いくら優秀でも人格の歪んだ奴は出て行け。
273名無しさん@英語勉強中:2008/07/17(木) 18:27:25
次の課題です。

But she went on. She was unused to doing her own hair and, when she
raised her arms and began to brush it, she felt faint. She could never
do it as her maid did. It was beautiful hair, very fine, and of a deep
rich gold. Her eyebrows were straight and dark. She put on a black
skirt, but chose the bodice of the evening dress which she liked best:
it was of a white damask which was fashionable in those days. She
looked at herself in the glass. Her face was very pale, but her skin
was clear: she had never had much colour, and this had always made the
redness of her beautiful mouth emphatic. She could not restrain a sob.
But she could not afford to be sorry for herself; she was feeling
already desperately tired; and she put on the furs which Henry had
given her the Christmas before- she had been so proud of them and so
happy then- and slipped downstairs with beating heart. She got safely
out of the house and drove to a photographer. She paid for a dozen
photographs. She was obliged to ask for a glass of water in the middle
of the sitting; and the assistant, seeing she was ill, suggested that
she should come another day, but she insisted on staying till the end.
At last it was finished, and she drove back again to the dingy little
house in Kensington which she hated with all her heart. It was a
horrible house to die in.
274名無しさん@英語勉強中:2008/07/17(木) 18:29:11
>>265補足

「一枚取って部屋に飾っておきなさい。あとはしまっておこう」ケアリー氏が言った。
氏は一枚をワトキン嬢に送った。ワトキンは写真を撮ることになった経緯を手紙に書いて寄こしてきた。
275イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/18(金) 03:29:09
>>273
しかし彼女は続けた。彼女は自分で髪をセットするのに慣れていなかった。
腕を上げて髪をとかし始めるとふらついた。メイドがしたようにはけっして
出来なかった。髪は美しく良質で濃く鮮やかなブロンドだった。眉はまっすぐ
で黒かった。黒のスカートを着たが彼女の一番好きなイブニングドレスの
コルセットを合わせた。それは当時流行の白のダマスク織だった。
彼女は鏡で自分を見た。顔は青白かったが肌はきれいだった。
あまり色のついた物を身につけなかったことは、美しい唇の赤を際立たせた。
彼女はすすり泣きを抑えられなかった。しかし自分を哀れむ余裕はなかった。
すでに絶望的に疲れていた。そしてヘンリーから以前クリスマスにもらった毛皮類を
身に着けた。彼女はそれらをずっと自慢していて、そうしているとき幸福だった。
そして動悸がしたが、一階をすり抜けた。家から無事に抜け出し、写真屋へ
馬車を駆った。彼女は12枚分の写真の代金を払った。彼女はポーズを
とっている最中、コップ一杯の水を所望せざるを得なかった。撮影助手は
彼女を病気と見てとると、別の日に来るよう提案した。しかし彼女は終わるまで
いると言って聞かなかった。
とうとうそれが終わって、心の底から嫌悪するケンジントンのみすぼらしい
小さな家へふたたび馬車を駆った。
それは死に場所になる恐ろしい家だった。
276名無しさん@英語勉強中:2008/07/18(金) 16:53:38
>>273
しかしやめようとはしなかった。
自分で髪をセットしたこともほとんどなく、腕を上げて髪をとかし始めると、頭がくらくらした。
家政婦がやるようにはとてもいかない。
美しい髪はとても細く、深い黄金色だった。眉はまっすぐで色は濃い目だった。
黒のスカートをはいたが、上は大好きな夜会服のベストにした。当時流行の白のダマスク地だ。
自分の姿を鏡で映してみた。顔色はとても悪かったが、肌はしみひとつない。
夫人の顔は生まれてこのかたずっと青白く、そのため唇の美しい赤がいつも際立った。
すすり泣きが抑えられなかった。しかしこんなところでめそめそするわけにはいかない。
夫人は耐えられないほど疲れていた。
この前のクリスマスにヘンリーがプレゼントしてくれた毛皮のマフラーを首に巻いた。
あの時は本当に嬉しかった。誇らしかった。
夫人はどきどきしながら静かに階段を下りた。無事、家を抜け出すと、馬車で写真館に向かった。
十二枚分の料金を支払った。撮影の途中たまらず水を汲んで来てもらった。
体調が悪いのを見た撮影助手が日を改めてはどうかと言ったが、夫人は最後まで頑張ると言い続けた。
撮影がすべて終わると、夫人は、心の底から嫌っているケンジントンの狭くみすぼらしい家に戻った。
こんなうちで死ぬのは絶対に嫌だと思った。
277名無しさん@英語勉強中:2008/07/18(金) 16:58:00
次の課題です。

She found the front door open, and when she drove up the maid and Emma
ran down the steps to help her. They had been frightened when they
found her room empty. At first they thought she must have gone to Miss
Watkin, and the cook was sent round. Miss Watkin came back with her
and was waiting anxiously in the drawing-room. She came downstairs now
full of anxiety and reproaches; but the exertion had been more than
Mrs. Carey was fit for, and when the occasion for firmness no longer
existed she gave way. She fell heavily into Emma's arms and was
carried upstairs. She remained unconscious for a time that seemed
incredibly long to those that watched her, and the doctor, hurriedly
sent for, did not come. It was next day, when she was a little better,
that Miss Watkin got some explanation out of her. Philip was playing
on the floor of his mother's bedroom, and neither of the ladies paid
attention to him. He only understood vaguely what they were talking
about, and he could not have said why those words remained in his
memory.
"I wanted the boy to have something to remember me by when he grows up."
"I can't make out why she ordered a dozen," said Mr. Carey.
"Two would have done."
278イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/19(土) 00:59:52
>>277
彼女は正面玄関の戸が開いているのがわかった。そして馬車止まるとメイドと
エマが彼女を助けに階段を駆け下りてきた。彼女たちは夫人の部屋が空っぽ
なのを知って驚いた。最初夫人はワトキン嬢のところに行ったにちがいない
と思い、炊事係が様子を見にやられた。ワトキン嬢は炊事係と一緒にやって来て、
書斎で心配しながら待っていた。彼女は下に降りたとき心配と咎める気持ちで
いっぱいだった。しかしなされた努力はケアリー夫人に適するものをはるかに
超えていた。しゃんとする理由がもはやなくなると夫人は崩れ落ちた。彼女は
エマの腕にどかっと倒れ、二階へ運ばれた。彼女を見守る者にとっては
信じられないくらい長く思える間、意識不明だった。
医者を急いで呼びにやったが来なかった。
ワトキン嬢が彼女からいくらか説明を受けたのは、夫人が小康を得た次の日だった。
フィリップは母親の寝室の床で遊んでいた。二人ともフィリップには注意を払って
いなかった。彼は彼女たちの言ったことが曖昧にわかっただけだった。
そしてなぜそんな言葉が記憶に残っているかいえるはずがなかった。
「子供が大人になったとき、何か自分を思い出すものが欲しかったの。」
「なぜ12枚頼んだかわからん。」と牧師は言った。
「私なら2枚注文しただろう。」
279名無しさん@英語勉強中:2008/07/19(土) 18:34:50
>>277
正面のドアが開いていた。
馬車を横付けすると、家政婦とエマが階段を駆け下りてきて降車を手伝った。
家政婦たちは、部屋がもぬけの殻になっているのを見て愕然とした。
最初はワトキン嬢のところへ行ったのだろうと考え、炊事婦をよこした。
そしてワトキン嬢が炊事婦と一緒にやって来て、客間で心配しながら待っていたのだった。
ワトキン嬢が下りて来た。心配と怒りに満ち満ちていた。
しかしこの外出はケアリー夫人の体力を超えていた。
気力を振り絞る必要がなくなった今、ついに緊張の糸が切れた。
夫人はエマの腕にどっと倒れこみ、そのまま二階へと運ばれていった。
夫人は、介抱する者にしてみれば絶望的なほど長い間意識を失っていた。
急いで医者が呼ばれたが、結局来てもらえなかった。
翌日になって少しは状態が良くなり、ワトキン嬢は夫人から事情を聞くことができた。
フィリップが母の寝室の床で遊んでいたが、二人とも気にとめることはなかった。
フィリップには何を話しているのかほとんど分からなかった。
そしてなぜかも分からないが、その言葉は記憶に残った。
「この子が大人になっても忘れないでいてほしいから」
「どうして十二枚も注文したのか」ケアリー氏が言った。
「二枚でよかったのに」
280名無しさん@英語勉強中:2008/07/19(土) 18:43:30
第六章にはいります。

VI

ONE day was very like another at the vicarage.
Soon after breakfast Mary Ann brought in The Times. Mr. Carey shared
it with two neighbours. He had it from ten till one, when the gardener
took it over to Mr. Ellis at the Limes, with whom it remained till
seven; then it was taken to Miss Brooks at the Manor House, who, since
she got it late, had the advantage of keeping it. In summer Mrs. Carey,
when she was making jam, often asked her for a copy to cover the pots
with. When the Vicar settled down to his paper his wife put on her
bonnet and went out to do the shopping. Philip accompanied her.
Blackstable was a fishing village. It consisted of a high street in
which were the shops, the bank, the doctor's house, and the houses of
two or three coalship owners; round the little harbour were shabby
streets in which lived fishermen and poor people; but since they went
to chapel they were of no account. When Mrs. Carey passed the
dissenting ministers in the street she stepped over to the other side
to avoid meeting them, but if there was not time for this fixed her
eyes on the pavement.
281イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/20(日) 03:49:06
>>280
牧師館では毎日が同じことの繰り返しだった。
朝食後すぐにメアリーアンはタイムス紙を持って来た。
ケアリー氏は一部の新聞を二人のご近所と一緒に購読していた。
彼は午前10時から午後1時まで読むことが出来た。
次に庭師が新聞を城壁のエリス氏へ運ぶと午後7までそこにあった。
最後に荘園屋敷のブルック嬢へ持って行かれた。
彼女は新聞を手にする時間が遅かったので、それはもう彼女の物となった。
夏にケアリー夫人がジャムを作るとき、ブルック嬢にジャムの入った容器
を包むために新聞紙をよくもらった。
夫人は牧師が新聞を読みふけると、ボンネット帽を被り買い物に出かけた。
フィリップも彼女と一緒に出かけた。
ブラックステイブルは漁村だった。そこは店と銀行と医院そして2,3軒の
石炭運搬船の所有者の家がある本通りと小さな港の周りにある古びた通りから成り、
その古びた通りには漁師と貧しい人々が住んでいた。
しかし古びた通りの人々は非国教徒の教会堂へ礼拝にいったので重要ではなかった。
ケアリー夫人は通りで非国教徒の牧師のそばを通るとき、彼らに会うのを
避けるため通りの反対側へ足を運んだ。
しかしそうする余裕のないときは目を歩道に釘付けにした。
282名無しさん@英語勉強中:2008/07/20(日) 18:52:53
>>280
牧師館では、毎日代わり映えしない日々が続いた。
朝食が終わるとすぐメアリー・アンがタイムズ紙を持ってくる。
タイムズは、近所の二軒と共同購読している。十時から一時まではケアリー氏が保管する。
一時に庭師がライムズのエリス氏のところに持って行き、七時まではここに留め置く。
それからマナー・ハウスのブルックス嬢のところへ送られる。
ブルックス嬢が最後なので新聞をため込むことになる。
夏にケアリー夫人がジャム作りをするとき、壷を覆うためによくもらいに行ったりしていた。
牧師が新聞を読み始めると、妻はボンネット帽をかぶり買い物に出かけた。
フィリップもついて行った。
ブラックステーブルは漁師町である。
目抜き通りには店や銀行や医者の家や石炭船を二、三隻持っている船主たちの家があった。
小さな船着場の周りにはみすぼらしい通りがいくつかあって、漁師や貧乏人が住んでいた。
しかしこの人たちは非国教徒なのでつきあいは全くない。
ケアリー夫人が非国教徒の牧師とすれ違うときは、道の反対側まで寄ってやり過ごしたが、
間に合わないときは地面を見て目を伏せた。
283名無しさん@英語勉強中:2008/07/20(日) 18:59:15
次の課題です。

It was a scandal to which the Vicar had never resigned himself that
there were three chapels in the High Street: he could not help feeling
that the law should have stepped in to prevent their erection.
Shopping in Blackstable was not a simple matter; for dissent, helped
by the fact that the parish church was two miles from the town, was
very common; and it was necessary to deal only with churchgoers; Mrs.
Carey knew perfectly that the vicarage custom might make all the
difference to a tradesman's faith. There were two butchers who went to
church, and they would not understand that the Vicar could not deal
with both of them at once; nor were they satisfied with his simple
plan of going for six months to one and for six months to the other.
The butcher who was not sending meat to the vicarage constantly
threatened not to come to church, and the Vicar was sometimes obliged
to make a threat: it was very wrong of him not to come to church, but
if he carried iniquity further and actually went to chapel, then of
course, excellent as his meat was, Mr. Carey would be forced to leave
him for ever. Mrs. Carey often stopped at the bank to deliver a
message to Josiah Graves, the manager, who was choir-master, treasurer,
and churchwarden.
284イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/21(月) 02:31:30
>>283
牧師が本通りに3つも非国教徒の教会堂があるのに諦めて出て行かないのは醜事
であった。彼は法がそれらの建築を中止するために介入すべきであったと感じない
わけにはいかなかった。ブラックステイブルでの買い物は単純には考えられなかった。
非国教主義があるためだが、自分たちの教区教会が町から2マイル離れて
いた事実のおかげで、買い物自体はごく普通に行われた。
国教信徒だけから買う必要があった。
ケアリー夫人は牧師館の慣習が商人の信仰心に大きな違いをもたらす可能性
があることをよく理解していた。
教会に礼拝する二人の肉屋がいたが、彼らは牧師が同時に彼らの両方から
買うことが出来るわけではないことがどうしてもわからなった。
そして半年ずつそれぞれの店から買うという単純な案にも満足しなかった。
休みの半年に肉を配達しない肉屋は教会で礼拝しないと脅した。
それで牧師は時々しかたなく脅しをかけた。
君が教会に来ないのは神の道に反するぞと。
しかし彼がこれ以上ごり押しして、実際抗議に教会へ来るなら、もちろんそのとき
は、彼の肉がすばらしくても、ケアリー氏は永久に彼の元を立ち去らねば
ならないだろう。
ケアリー夫人はジョサイアスグラーブにメッセージを届けるために銀行へよく立ち寄った。
彼は、銀行の支配人で、教会の聖歌隊指揮者で、会計係で教区委員だった。
285名無しさん@英語勉強中:2008/07/21(月) 18:53:55
>>283
目抜き通りには非国教の礼拝堂が三つもあり、この不名誉に牧師は以前から不満だった。
もっと法律が踏み込んで設立を止められないものかと考えずにはいられなかった。
ブラックステーブルでの買い物は簡単ではなかった。
教区教会が二マイルも離れているという事情も手伝って、町では非国教徒のほうが普通であり、
しかも買い物は国教徒の店でしなければならない。
牧師館からの買い入れが、時として商売人の信仰を大きく左右しかねないことをケアリー夫人は身に沁みてよく知っていた。
国教徒の肉屋が二軒あったが、牧師が二軒同時に肉を買い入れするわけにはいかないということがどうしても分かってもらえず、
半年ごとに買い入れ先を替えるという分かりやすい方式にもなかなか納得してもらえない。
牧師館に肉を納入していないほうの肉屋は、もう教会には行かないぞといつもいつも言ってくる。
やむを得ず牧師も、教会に来ないのはとても罪深いことだ、
しかしさらに一歩罪悪を進めて非国教徒になってしまえば、
そのときはもちろんどんなに良い肉を扱っていても、永久に買い物できなくなってしまうんだぞと、時々は反撃する。
ケアリー夫人はよく銀行に立ち寄り、支店長のジョサイア・グレイヴズに言付けをした。
グレイヴズは聖歌隊長で教会管財人で教区委員でもあった。
286名無しさん@英語勉強中:2008/07/21(月) 18:59:47
次の課題です。

He was a tall, thin man with a sallow face and a long nose; his hair
was very white, and to Philip he seemed extremely old. He kept the
parish accounts, arranged the treats for the choir and the schools;
though there was no organ in the parish church, it was generally
considered (in Blackstable) that the choir he led was the best in Kent;
and when there was any ceremony, such as a visit from the Bishop for
confirmation or from the Rural Dean to preach at the Harvest
Thanksgiving, he made the necessary preparations. But he had no
hesitation in doing all manner of things without more than a
perfunctory consultation with the Vicar, and the Vicar, though always
ready to be saved trouble, much resented the churchwarden's managing
ways. He really seemed to look upon himself as the most important
person in the parish. Mr. Carey constantly told his wife that if
Josiah Graves did not take care he would give him a good rap over the
knuckles one day; but Mrs. Carey advised him to bear with Josiah
Graves: he meant well, and it was not his fault if he was not quite a
gentleman. The Vicar, finding his comfort in the practice of a
Christian virtue, exercised forbearance; but he revenged himself by
calling the churchwarden Bismarck behind his back.
287イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/22(火) 02:58:54
>>286
彼は背が高く痩せていて顔色は悪く鼻が高い男だった。髪の毛はほとんど白髪
で、フィリップにはとても年老いて見えた。彼は教区の会計係を続け、聖歌隊
と学校のために催し物の手はずを整えた。教区教会にはオルガンは無かったが
彼の指揮する聖歌隊はケント州で一番だと(ブラックステイブルでの話しだが)
一般的にみなされていた。堅信のための主教の訪問や収穫感謝祭のための地方参事の訪問
など、どんな儀式があっても、必要な準備は彼がした。
しかし彼は牧師とおざなりの協議をしただけで、あらゆる種類のことを
ためらわずにやった。牧師は進んで教区委員の彼に労を省いてもらったが、その仕切り
には非常に憤慨した。委員は自分を教区で最も重要な者とみなしているのは
明らかのようであった。ケアリー氏は絶えず妻に、もしジョサイアスグラーブが自分を軽んずるなら、何時かげんこつを一発お見舞いすると言った。しかしケアリー夫人は
彼に我慢するよう忠告した。委員は根はいい人で、もし彼が必ずしも紳士では
なくてもそれは彼の責任ではなかった。牧師はキリスト教の徳目の実施を
慰めとしていたので、辛抱した。しかし牧師は委員をかげでビスマルク
と呼び復讐した。


288名無しさん@英語勉強中:2008/07/22(火) 13:57:55
>>286
背が高く痩せていて、顔は土色で鼻が長かった。髪は真っ白で、フィリップの目にはとてもお爺さんに見えた。
教区の口座を管理していて、聖歌隊や日曜学校のために親睦会を開いたりしていた。
教区教会にパイプオルガンはなかったが、ケント州随一の聖歌隊だと(ブラックステーブルでは)みんな思っていた。
主教が堅信礼に訪れるときや、地方牧師が感謝祭の説教に来るときなど、儀礼のあるときは必要な準備もした。
しかし牧師への相談はあくまで形だけで、あらゆることを遠慮なくどしどし推し進めていくので、
面倒は少しでも減らしたいと思うフィリップ氏も、この教区委員のやり方には非常に腹が立っていた。
教区で一番偉い人間だと自惚れている気がした。
ケアリー氏は妻に、ジョサイア・グレイヴズが自分をないがしろにするなら、一度びしっと言ってやらないといけない、とよくこぼした。
しかしケアリー夫人は、我慢なさったほうがいい、悪気のある人じゃないし、
紳士らしいところがすこし欠けていたとしてもそれは本人のせいではないから、と言う。
キリスト教の徳目の実践を心の安らぎと考える牧師は寛容の徳に従ったが、
陰では教区委員をビスマルク呼ばわりして溜飲を下げるのだった。
289名無しさん@英語勉強中:2008/07/22(火) 14:11:08
次の課題です。

Once there had been a serious quarrel between the pair, and Mrs. Carey
still thought of that anxious time with dismay. The Conservative
candidate had announced his intention of addressing a meeting at
Blackstable; and Josiah Graves, having arranged that it should take
place in the Mission Hall, went to Mr. Carey and told him that he
hoped he would say a few words. It appeared that the candidate had
asked Josiah Graves to take the chair. This was more than Mr. Carey
could put up with. He had firm views upon the respect which was due to
the cloth, and it was ridiculous for a churchwarden to take the chair
at a meeting when the Vicar was there. He reminded Josiah Graves that
parson meant person, that is, the vicar was the person of the parish.
Josiah Graves answered that he was the first to recognise the dignity
of the church, but this was a matter of politics, and in his turn he
reminded the Vicar that their Blessed Saviour had enjoined upon them
to render unto Caesar the things that were Caesar's. To this Mr. Carey
replied that the devil could quote scripture to his purpose, himself
had sole authority over the Mission Hall, and if he were not asked to
be chairman he would refuse the use of it for a political meeting.
Josiah Graves told Mr. Carey that he might do as he chose, and for his
part he thought the Wesleyan Chapel would be an equally suitable place.
290イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/23(水) 04:48:23
>>289
かつて二人の間に大喧嘩があった。ケアリー夫人はいまだにその不安な時を
思うとうろたえる。保守党候補がブラックステイブルの集会で演説する意志を
表明した。そしてジョサイアスグラーブは集会を伝道ホールで行う手はずを整えた
あと、ケアリー氏の所へ行って候補が少し演説を望んでいると言った。
候補はグラーブに議長を頼んだらしかった。これはケアリー氏の我慢ならない
ことであった。牧師は聖職者に当然払われるべき敬意については一家言あったのだ。
牧師のいる集会で教区委員が議長を務めるのは馬鹿げたことであった。
彼はジョサイアスグラーブに牧師は需要人物であり、すなわち教区の
主役であることを思い出させた。
ジョサイアスグラーブは自分は教会の尊厳を認める第一の者であると答えた。
しかしこれは政治的な駆け引きだった。お返しに彼は牧師に神聖なる救世主は
皇帝の物は皇帝に返せと聖書で説いていることを思い出させた。
これに対して、牧師は悪魔は自己の目的のため聖書を引用するし、牧師自身は伝道ホール
について唯一の権限を持つから、もし自分を議長にする要請をしないなら、政治的集会目的の
使用を拒否すると答えた。
ジョサイアスグラーブは牧師にやりたいようにやるだろうといった。
彼としてはメソジスト派の教会堂を同じように適した場所と考えたのだ。
291名無しさん@英語勉強中:2008/07/23(水) 12:57:35
>>289
いちど二人の間で大喧嘩になったことがあった。
やきもきさせられたあの日々を思い返すとケアリー夫人はいまだに不安がよぎる。
保守党の候補がブラックステーブルの集会で演説の意向を示し、
伝道講堂で行う方向で調整していたジョサイア・グレイヴズがケアリー氏のところへ行って、
氏にも何か話してほしいと言ってきていることを伝えた。
ということは主宰はジョサイア・グレイヴズにやってほしいということだろう。
ケアリー氏の我慢の限度を超えた。
聖職者に敬意が払われて当然と固く信じている氏にとって、
牧師がいながら教区委員が主宰を務めるなどちゃんちゃらおかしいことだ。
牧師はジョサイア・グレイヴズに、牧師こそ教区の代表だ、分かってるかと言ってやった。
ジョサイア・グレイヴズは、教会の威厳については誰よりも十分に認識しているが、これはあくまで政治の話だと言い、
返す刀で、我らが聖なる救世主は、カエサルのものはカエサルに返すよう言ったではないかと切り返した。
これに対しケアリー氏は、悪魔は聖書を都合よく引用する、伝道講堂に唯一責任を持つのは自分であり、
自分に主宰要請がないのなら講堂の政治集会への使用を拒否する、と言った。
ジョサイア・グレイヴズはケアリー氏に、それなら好きにすればいい、
自分としては、メソジスト派の礼拝堂も適任の場所だと思ってるからと言った。
292名無しさん@英語勉強中:2008/07/23(水) 13:01:54
次の課題です。

Then Mr. Carey said that if Josiah Graves set foot in what was little
better than a heathen temple he was not fit to be churchwarden in a
Christian parish. Josiah Graves thereupon resigned all his offices,
and that very evening sent to the church for his cassock and surplice.
His sister, Miss Graves, who kept house for him, gave up her
secretaryship of the Maternity Club, which provided the pregnant poor
with flannel, baby linen, coals, and five shillings. Mr. Carey said he
was at last master in his own house. But soon he found that he was
obliged to see to all sorts of things that he knew nothing about; and
Josiah Graves, after the first moment of irritation, discovered that
he had lost his chief interest in life. Mrs. Carey and Miss Graves
were much distressed by the quarrel; they met after a discreet
exchange of letters, and made up their minds to put the matter right:
they talked, one to her husband, the other to her brother, from
morning till night; and since they were persuading these gentlemen to
do what in their hearts they wanted, after three weeks of anxiety a
reconciliation was effected. It was to both their interests, but they
ascribed it to a common love for their Redeemer. The meeting was held
at the Mission Hall, and the doctor was asked to be chairman. Mr.
Carey and Josiah Graves both made speeches.
293イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/24(木) 03:07:58
>>292
その時ケアリー氏はもしジョサイアスグラーブが異教徒の寺院同然の建物に
足を踏み入れるなら、彼はキリスト教区の教区委員にはふさわしくないと
言った。そのあとすぐ、ジョサイアスグラーブはすべての公職を辞任し、
まさにその夜、修道服と儀式に使う白衣を教会に送ってよこした。彼の姉の
グラーブ嬢はジョサイアスのため家事をしていたが、妊婦援助会の書記を諦めた。その会は貧しい
妊婦に肌着や、赤ん坊の下着、石炭、そして5シリングを与えていた。
ケアリー氏はやっと自分の家の主人になったと言った。
しかしすぐに彼がやった経験のないあらゆる種類の仕事を引き受けざるを得ないことが
わかった。一方、ジョサイアスグラーブは立腹した後すぐに人生における主たる
関心事を失ったことが分かった。
ケアリー夫人とグラーブ嬢は二人の喧嘩にとても悩んでいた。彼女たちは分別ある
手紙のやり取りをした後、会って、事態を是正することにを決めた。
彼女たちは一人は夫にそしてもう一人は弟に朝から晩まで話した。
そして彼女たちはこれらの紳士たちが彼女らが心に願うことをするよう
説得し続けたので、3週間はらはらした後、和解がなったのであった。
和解は二人の利益であったが彼らはそれを救い主を求める共通の愛ためだ言った。
集会は伝道ホールで開催され、医者が議長になるよう頼まれた。ケアリー氏と
ジョサイアスグラーブは二人とも演説した。
294イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/24(木) 03:16:06
訂正
16行目 愛ためだ→愛のためだと
感想
「男は子どもで女は大人」は時間と空間を超越した事実か? 
295名無しさん@英語勉強中:2008/07/24(木) 17:38:34
>>292
するとケアリー氏は、異教寺院に毛の生えたようなところに足を踏み込むのなら、
キリスト教の教区委員としては不適任だと言った。
それを聞いたジョサイア・グレイヴズはすべての役職を辞め、
その日の夜には代理人を出して聖職者用の平服と典礼服を教会から引き取った。
家事を切り盛りしていた妹のグレイヴズ嬢は、
貧しい妊婦にタオルとおむつと石炭と五シリングを配布する活動をしている
母子支援会の世話人を務めていたが、それも辞めることになった。
ケアリー氏は、やっとこの家の主人らしいことができる、と胸を張ったが、
すぐ、ありとあらゆる仕事の仕方がどれひとつとして分からないことを思い知らされた。
ジョサイア・グレイヴズも、当初の怒りが過ぎ去ると、自分の生きがいを失ってしまったことに気づかされた。
この喧嘩に大いに心を痛めたケアリー夫人とグレイヴズ嬢は、
最初は慎重に手紙のやりとりから始め、その後直接会い、問題の解決に意を決した。
朝から晩まで、一人は夫に、もう一人は兄に語りかけ、二人の紳士に自身の本心に立ち返るよう説得し続けたので、
三週間に及ぶ気揉みの果てについに和解成立に至ったのである。
仲直りは双方にとって都合が良かったからだったのだが、二人は救い主への愛をともにするためと取り繕った。
集会は伝道講堂で行われ、町の医師が主宰を務めた。そしてケアリー氏とジョサイア・グレイヴズの両方が演壇に立った。

>>294
確かにハッカーに女はほとんどいないなw

女は愛と妙な信念と生理的嫌悪で醜態をさらすことがあるが
沽券にこだわる男の馬鹿ぶりには圧倒的に負けてるな。
でもまあ世の中の進歩は一面では
男の子供っぽさによっているかもしれない。
296名無しさん@英語勉強中:2008/07/24(木) 17:42:34
次の課題です。

When Mrs. Carey had finished her business with the banker, she
generally went upstairs to have a little chat with his sister; and
while the ladies talked of parish matters, the curate or the new
bonnet of Mrs. Wilson- Mr. Wilson was the richest man in Blackstable,
he was thought to have at least five hundred a year, and he had
married his cook- Philip sat demurely in the stiff parlour, used only
to receive visitors, and busied himself with the restless movements of
goldfish in a bowl. The windows were never opened except to air the
room for a few minutes in the morning, and it had a stuffy smell which
seemed to Philip to have a mysterious connection with banking.
297イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/25(金) 02:45:14
>>296
ケアリー夫人が支配人と商用を終えると、普通彼の妹と少しおしゃべりをしに
二階へ行った。女性たちは教区の事や牧師助手やウィルソン夫人の新しいボンネット
帽の話をした。ウィルソン氏はブラックステイブルで一番の金持ちで年収
が少なくとも500ポンドはあると思われていた。そして彼は炊事婦と結婚
したのだった。そんなことを夫人たちが話している時、フィリップは来客があった
ときだけに使われる硬い応接室のいすに取り澄まして座り、金魚鉢の金魚の絶え間ない
動きを目で追うのに忙しかった。その部屋の窓は朝数分部屋の空気を入れ替える
以外で開けられることはなかった。そして部屋はフィリップにとって銀行業と不思議な
関係を持つように思われたむっとする匂いがした。
298名無しさん@英語勉強中:2008/07/25(金) 18:54:51
>>296
銀行での用事を済ますと、ケアリー夫人は二階に上がって妹とおしゃべりするのが常だった。
二人の話は教区のことや副牧師のことから始まって、
ブラックステーブルで一番のお金持ちで年収五百ポンドは行ってそうなウィルソン氏宅に勤めていた炊事婦で、
その後、氏と結婚したウィルソン夫人のボンネット帽が新しいのに変わったことにまで及んだ。
その間フィリップは、客が来たときだけ使う堅苦しい応接室でおとなしく座って、金魚鉢の中で動き回る金魚に一生懸命になっていた。
応接室は、朝、数分間空気を入れ替えるとき以外窓を開けることがなく、
この部屋の息詰まるような匂いは、フィリップの意識の中で銀行の用事と奇妙に結びついていた。
299名無しさん@英語勉強中:2008/07/25(金) 18:58:34
次の課題です。

Then Mrs. Carey remembered that she had to go to the grocer, and they
continued their way. When the shopping was done they often went down a
side street of little houses, mostly of wood, in which fishermen dwelt
(and here and there a fisherman sat on his doorstep mending his nets,
and nets hung to dry upon the doors), till they came to a small beach,
shut in on each side by warehouses, but with a view of the sea. Mrs.
Carey stood for a few minutes and looked at it, it was turbid and
yellow, [and who knows what thoughts passed through her mind?] while
Philip searched for flat stones to play ducks and drakes. Then they
walked slowly back. They looked into the post office to get the right
time, nodded to Mrs. Wigram the doctor's wife, who sat at her window
sewing, and so got home.
300イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/26(土) 06:11:40
>>299
それから食料品店に寄らなければならないのを思い出して、道を歩み続けた。
買い物が終わると彼らはよく小さな家が並ぶわき道へいった。家はほとんど
木造で漁師が住んでいた。(そしてあちこちで漁師は網を繕いながら家の入り口の
階段に腰掛けていた。網はドアの上で干されていた。)するとついに小さな
浜辺に到った。浜辺は倉庫に両側を挟まれていたが、海が見えた。ケアリー夫人は
数分間立って海を見た。海は濁っていて黄ばんでいた。(彼女の心に何が
去来したか誰が知ろうか。)一方フィリップは水切り遊びをするために平たい石を
探していた。それから彼らはゆっくり歩いて戻った。正しい時刻を知るため
に郵便局にちょっと立ち寄って、医者の奥さんのウィグラム夫人に会釈した。
夫人は自分の窓口で縫い物をしながら座っていた。そしてそれから帰宅した。
301名無しさん@英語勉強中:2008/07/26(土) 14:02:08
>>299
と、ケアリー夫人は八百屋に行く用があったことを思い出し、再び買い物に戻った。
漁師が住んでいたのは、多くは木造の狭い家で、
(あちこちで漁師が入り口に座って網をかがったり、網を戸口につるして乾かしたりしている。)
買い物が終わるとよく、その家々の間を抜ける細道を下りて、小さな浜辺に出た。
両側は倉庫に遮られていたが、正面に海を見ることができた。
ケアリー夫人はしばらくの間たたずんで海を見ていた。
海は黄色く濁っていた。(こういうとき、夫人の心によぎった思いはおそらく誰にも分かるまい。)
その間フィリップは平らな石を探しては水切り遊びをした。
それからゆっくり歩いて引き返した。
郵便局を覗いて正確な時刻を知り、医師の妻で窓辺で編み物をしているウィグラム夫人に会釈をし、牧師館に帰るのだった。
302名無しさん@英語勉強中:2008/07/26(土) 14:04:17
次の課題です。

Dinner was at one o'clock; and on Monday, Tuesday, and Wednesday it
consisted of beef, roast, hashed, and minced, and on Thursday, Friday,
and Saturday of mutton. On Sunday they ate one of their own chickens.
In the afternoon Philip did his lessons. He was taught Latin and
mathematics by his uncle who knew neither, and French and the piano by
his aunt. Of French she was ignorant, but she knew the piano well
enough to accompany the old-fashioned songs she had sung for thirty
years. Uncle William used to tell Philip that when he was a curate his
wife had known twelve songs by heart, which she could sing at a
moment's notice whenever she was asked. She often sang still when
there was a tea-party at the vicarage. There were few people whom the
Careys cared to ask there, and their parties consisted always of the
curate, Josiah Graves with his sister, Dr. Wigram and his wife. After
tea Miss Graves played one or two of Mendelssohn's Songs without Words,
and Mrs. Carey sang When the Swallows Homeward Fly, or Trot, Trot, My
Pony.
303イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/27(日) 07:44:59
>>302
正餐は午後1時で、月、火、水は焼くか薄切りかミンチにした牛肉がメインで、
木、金、土はマトンがメインだった。日曜日には、家で飼う鶏を一羽潰して食べた。
フィリップは午後には学習した。ラテン語と数学は両方とも本人も良くわかっていない
伯父から教わり、フランス語とピアノは伯母に教わった。彼女はフランス語
はよくわかっていなかったが、ピアノのことは30年間歌い続けた古風な歌を伴奏できる
ほどの腕前だった。ウィリアム伯父さんはよくフィリップにこう言ったもの
だった。彼が牧師助手だったころ、伯母は20曲の歌を暗記していて、いつ求められても
すぐに歌うことができたと。彼女は牧師館でお茶会があるといまだによく歌っていた。
ケアリー家がお茶会に招きたいと思う人はごく限られていた。出席者はいつも
牧師助手、ジョサイアスグラーブとその妹、ウィグラム医師とその妻だった。
お茶のあとグラーブ嬢は歌詞なしでメンデルスゾーンの曲を一、二曲弾き、
ケアリー夫人は「ツバメが飛んで帰るとき」や「走れ、走れ、私の子馬」
を歌った。



304名無しさん@英語勉強中:2008/07/27(日) 13:55:04
>>302

ディナーは一時だった。月、火、水は焙り、細切り、挽肉などの牛肉料理、木、金、土は羊肉料理の日だった。
日曜は自宅で飼っている鶏を一羽料理した。午後からは個人授業があった。
実はどちらもできない伯父からラテン語と数学を、伯母からはフランス語とピアノを教わった。
伯母もフランス語のほうは知らなかったが、ピアノは、三十年前に覚えた古い歌の伴奏ができるほどの腕前があった。
伯父のウィリアムが言うには、伯父が副牧師だったころ、伯母は歌を十二曲覚えていて、
頼まれればさほどの準備もなしに歌うことができた。いまも牧師館での茶会でときどき歌を歌う。
ケアリー夫妻が茶会に招きたいと思う人はごくわずかで、会はいつも副牧師と、
ジョサイア・グレイヴズとその妹、ウィグラム医師とその妻だけだった。
お茶の後、グレイヴズ嬢がメンデルスゾーンの無言歌を一曲か二曲弾き、
ケアリー夫人がツバメが故郷に飛び立つときや、走れ走れ子馬を歌った。
305名無しさん@英語勉強中:2008/07/27(日) 13:57:34
次の課題です。

But the Careys did not give tea-parties often; the preparations upset
them, and when their guests were gone they felt themselves exhausted.
They preferred to have tea by themselves, and after tea they played
backgammon. Mrs. Carey arranged that her husband should win, because
he did not like losing. They had cold supper at eight. It was a
scrappy meal because Mary Ann resented getting anything ready after
tea, and Mrs. Carey helped to clear away. Mrs. Carey seldom ate more
than bread and butter, with a little stewed fruit to follow, but the
Vicar had a slice of cold meat. Immediately after supper Mrs. Carey
rang the bell for prayers, and then Philip went to bed. He rebelled
against being undressed by Mary Ann and after a while succeeded in
establishing his right to dress and undress himself. At nine o'clock
Mary Ann brought in the eggs and the plate. Mrs. Carey wrote the date
on each egg and put the number down in a book. She then took the
plate-basket on her arm and went upstairs. Mr. Carey continued to read
one of his old books, but as the clock struck ten he got up, put out
the lamps, and followed his wife to bed.
306イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/28(月) 09:51:13
>>305
しかしケアリー家はあまりお茶会を開かなかった。準備でてんてこ舞いし、客
が帰ると、どっと疲れた。一家は身内だけでお茶を飲むのを好んだ。お茶の
あとバックギャモン双六をやった。ケアリー夫人は夫が勝つよう仕組んだ。
夫が負けず嫌いだったからだ。午後8時に冷たい夜食を食べた。それは食事の
残り物だった。メアリーアンがお茶のあと何を支度するのも憤慨したからだが、
ケアリー夫人は片付けを手伝った。ケアリー夫人はバター付パンとそれに付く
少しの煮込んだ果物以外はめったに食べなかった。しかし牧師は一枚冷たい
薄切り肉を食べた。夜食が済むとすぐにケアリー夫人は祈りの時間を告げる
鐘を鳴らした。そのときがフィリップの寝る時間だった。
フィリップはメアリーアンに服を脱がされのに反抗して、しばらくすると、自分で服を
脱ぎ着する権利を打ち立てるのに成功した。午後9時にメアリーアンは皿に卵を
載せて持ってきた。ケアリー夫人は卵に日付を書き込み、ノートに卵の数を書き留めた。
夫人はそれから腕に食器かごを引っ掛けると二階へ上がった。牧師は所蔵の
古書の一冊を読み続けたが、時計が午後10時の鐘を打つと、ランプを消し
寝室にいる妻につき従った。


307名無しさん@英語勉強中:2008/07/28(月) 15:08:30
>>305
しかしケアリー夫妻はあまり茶会を開かなかった。準備が大変だったし、客が帰るとどっと疲れるのだ。
お茶は身内だけで飲むほうがよかった。お茶の後はバックギャモンをして遊んだ。
ケアリー夫人は負けず嫌いの夫にわざと勝たせるようにしていた。八時には軽い夕食をとった。
メアリー・アンがお茶の後食事の準備をするのを嫌がったので、食べるのは残り物だった。
後片付けはケアリー夫人も手伝った。
ケアリー夫人はバタつきパンと果物の煮込みを少量食べるくらいだったが、
牧師は冷肉を一切れ食べた。夕食のすぐ後ケアリー夫人が鐘を鳴らして皆で祈祷をし、その後フィリップは床に着く。
はじめメアリー・アンが服を脱がせようとしたが抵抗し、すぐに服の脱ぎ着は自分でやることを認めさせた。
九時にメアリー・アンが卵と皿を持ってきた。ケアリー夫人が卵一つ一つに日付を書き、数をノートに控えた。
夫人は食器かごを腕に抱え二階へ上がる。ケアリー氏は昔買った本を読んでいるが、
時計が十時を打つと、起き上がってランプを消し、妻に続いて床に着く。
308名無しさん@英語勉強中:2008/07/28(月) 15:11:47
次の課題です。

When Philip arrived there was some difficulty in deciding on which
evening he should have his bath. It was never easy to get plenty of
hot water, since the kitchen boiler did not work, and it was
impossible for two persons to have a bath on the same day. The only
man who had a bathroom in Blackstable was Mr. Wilson, and it was
thought ostentatious of him. Mary Ann had her bath in the kitchen on
Monday night, because she liked to begin the week clean. Uncle William
could not have his on Saturday, because he had a heavy day before him
and he was always a little tired after a bath, so he had it on Friday.
Mrs. Carey had hers on Thursday for the same reason. It looked as
though Saturday were naturally indicated for Philip, but Mary Ann said
she couldn't keep the fire up on Saturday night: what with all the
cooking on Sunday, having to make pastry and she didn't know what all,
she did not feel up to giving the boy his bath on Saturday night; and
it was quite clear that he could not bath himself.
309イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/29(火) 02:31:27
>>308
フィリップが現れると彼が何曜日の晩に入浴したらいいかを決めるのにひと悶着
あった。多くの湯を手に入れることは決して易しいことではなかった。台所の
ボイラーが壊れていたからだが、二人が同じ日に入浴するのは不可能だった。
ブラックステイブルで浴室を持つ唯一の人がウィルソン氏だった。浴室は
彼の見せびらかしと考えられた。メアリーアンは月曜日の夜、台所で入浴した。
というのは彼女は週を清潔は状態で始めるのが好きだったからだ。ウィリアム
伯父さんは土曜には入浴しなかった。というのは彼の前には忙しい日が控えて
いて、入浴後いつも少し疲労するからだが、それで金曜日に入浴した。
ケアリー夫人は同じ理由で木曜に入浴した。まるで土曜日が自然とフィリップ
に指し示められたように見えた。しかしメアリーアンは土曜日の夜に火をつけて
おくことは出来なかった。日曜日の調理やら菓子作りやらでうまくやる
方法が分からず、少年を土曜の夜に入浴させる気がしなかった。少年が一人で
入浴できないことはきわめて明白だった。
310名無しさん@英語勉強中:2008/07/29(火) 14:28:41
>>308
フィリップがここへ来た当初、何曜日に風呂に入るかで少し揉めたことがあった。
台所の湯沸かし器が壊れていてお湯をたくさん用意するのが大変なので、
同じ日に二人が風呂に入ることはできなかった。
ブラックステーブルで浴室があるのはウィルソン氏のうちだけで、
それはいかにも自慢げで嫌がられていた。
メアリー・アンは、一週間をきれいな体で始めたいと月曜の晩に台所で入浴する。
伯父のウィリアムは土曜日には入浴しない。
入浴後はいつも少しばかり疲れるうえ、日曜は大事な行事が控えているので、金曜日に入浴することにしていた。
ケアリー夫人は同じ理由で木曜日に入浴した。
すると必然的に土曜日がフィリップの入浴日となりそうだったが、
メアリー・アンが、土曜の晩に火を焚き続けることはできないと言う。
日曜は料理で忙しい、パイ焼きやその他いろいろあって、
土曜の晩にフィリップに入浴させる余裕はないのだと言う。
言うまでもなくフィリップ一人で入浴はできない。
311名無しさん@英語勉強中:2008/07/29(火) 14:31:37
次の課題です。

Mrs. Carey was shy about bathing a boy, and of course the Vicar had
his sermon. But the Vicar insisted that Philip should be clean and
sweet for the Lord's Day. Mary Ann said she would rather go than be
put upon- and after eighteen years she didn't expect to have more work
given her, and they might show some consideration- and Philip said he
didn't want anyone to bath him, but could very well bath himself. This
settled it. Mary Ann said she was quite sure he wouldn't bath himself
properly, and rather than he should go dirty- and not because he was
going into the presence of the Lord, but because she couldn't abide a
boy who wasn't properly washed- she'd work herself to the bone even if
it was Saturday night.
312イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/30(水) 03:06:07
>>311
ケアリー夫人は少年を入浴させるのを恥ずかしがった。もちろん牧師は説教の
準備があった。しかし彼はフィリップは主の日である日曜日には清潔で心地よく
あるべきと主張した。メアリーアンは入浴させるのを押し付けられるより辞職したほうがいい
と言った。18年間働いて、新たに仕事が増えようとは思わなかった。彼らは
思いやりを見せるだろうと。フィリップは誰にも入浴をさせてもらいたくない
し、自分でうまくやれると言った。この発言で一件落着した。メアリーアン
はフィリップはひとりでまともにはいれず、むしろ汚くなるだけにちがいないと言った。
彼が主の御前に進み出るからではなく、彼女がまとも洗っていない少年に我慢
できないので、彼女はたとえ土曜の夜でも徹底的に働いて入浴させたのだった。
313名無しさん@英語勉強中:2008/07/30(水) 15:46:05
>>311
ケアリー夫人は男の子を入浴させるのには気が引けた。
もちろん牧師には説教がある。
しかし主の日にはフィリップもこざっぱりと清潔にしていなければならないと牧師が言う。
メアリー・アンは、面倒を押し付けられるくらいならお勤めを辞めます、
十八年も働いてきてもっと仕事を増やされるとは思わなかった、よく考えてみていただけますかと言った。
するとフィリップが、誰も手伝わなくていい、自分一人で洗えると言った。これで決まった。
メアリー・アンは、フィリップがちゃんと体を洗えないことは分かっているし、
汚い体でいられるくらいなら、
それはフィリップが主の前に出るからではなく、子供が体をきれいにしていないことに我慢ができないからなのだが、
汚い体でいられるくらいなら土曜の夜だろうがくたくたになってもやります、と言った。
314名無しさん@英語勉強中:2008/07/30(水) 15:55:04
第七章にはいります。

VII

SUNDAY was a day crowded with incident. Mr. Carey was accustomed to
say that he was the only man in his parish who worked seven days a
week.
The household got up half an hour earlier than usual. No lying abed
for a poor parson on the day of rest, Mr. Carey remarked as Mary Ann
knocked at the door punctually at eight. It took Mrs. Carey longer to
dress, and she got down to breakfast at nine, a little breathless,
only just before her husband. Mr. Carey's boots stood in front of the
fire to warm. Prayers were longer than usual, and the breakfast more
substantial. After breakfast the Vicar cut thin slices of bread for
the communion, and Philip was privileged to cut off the crust. He was
sent to the study to fetch a marble paperweight, with which Mr. Carey
pressed the bread till it was thin and pulpy, and then it was cut into
small squares. The amount was regulated by the weather. On a very bad
day few people came to church, and on a very fine one, though many
came, few stayed for communion. There were most when it was dry enough
to make the walk to church pleasant, but not so fine that people
wanted to hurry away.
315イギリス寄宿舎脱走中退:2008/07/31(木) 06:37:03
>>314
日曜日はやることでいっぱいだった。牧師は彼の教区で一週間働き詰めの唯一
の人間だと言い慣れていた。
 家中の者はいつもより30分早く起きた。メアリーアンが時間通りに8時に
牧師の部屋をノックすると、彼は安息の日に哀れな牧師が寝ている暇はない
と言った。ケアリー夫人は服を着るのには余計に時間がかかった。それで彼女は
夫が来る直前に、すこし息を切らして9時に朝食へ降りてきた。牧師の深靴は
暖めるため火の前に置かれた。普段より祈りは長く朝食はたっぷりしていた。
朝食後、牧師は聖餐式で使う薄いパンを切った。そしてフィリップはパンの耳を切る
特権を与えられた。彼は書斎へ大理石の文鎮を取りにやられた。それを使って牧師は
牧師はパンが薄くパルプ状になるまで押し、それから小さな正方形に切った。
量は天気によって加減された。天気が非常に悪い日は教会へほとんど人は来なかった。
そしてとてもいい日にはたくさん来たけれども、聖餐式まで残っている人は
ほとんどいなかった。教会へ歩いて来るのを楽しくするほど乾燥した日だが
早く帰りたいほどよくない天気のときがパンは一番多かった。
316名無しさん@英語勉強中:2008/07/31(木) 15:13:13
日曜日は行事がぎっしり詰まった一日だった。
ケアリー氏は、この教区で週に七日働くのは私だけだと言うのが常だった。
一家は普段より三十分早く起きる。
メアリー・アンが定刻通り八時にドアをノックすると、
安息日にも寝てはいられない悲しい牧師さんだ、とケアリー氏はぼやく。
ケアリー夫人はいつもより時間をかけて服を着、
九時になると少し息を切らしつつ夫よりわずかに早く朝食の席に着く。
ケアリー氏の編上靴がストーブの前で暖められている。
祈りの時間はいつもより長く、食事も充実している。
朝食のあと牧師は聖餐式のパンを薄く切る。
フィリップもパンの皮を切りはずすお手伝いをさせてもらう。
フィリップが牧師から言われて書斎にある大理石の文鎮を取って来ると、
ケアリー氏は文鎮でパンが柔らかくなるまで押し潰し、さらに小さい正方形に切り分ける。
分量は天気によって決める。
天気の悪すぎる日は教会にあまり人が来ず、良すぎる日はたくさん来るが聖餐式には残らない。
一番多いのは、教会へ気軽に散策したくなる雨気のない日で、
早く帰ってどこかへ出歩きたいほど天気が良くはない日である。
317名無しさん@英語勉強中:2008/07/31(木) 15:18:55
次の課題です。

Then Mrs. Carey brought the communion plate out of the safe, which
stood in the pantry, and the Vicar polished it with a chamois leather.
At ten the fly drove up, and Mr. Carey got into his boots. Mrs. Carey
took several minutes to put on her bonnet, during which the Vicar, in
a voluminous cloak, stood in the hall with just such an expression on
his face as would have become an early Christian about to be led into
the arena. It was extraordinary that after thirty years of marriage
his wife could not be ready in time on Sunday morning. At last she
came, in black satin; the Vicar did not like colours in a clergyman's
wife at any time, but on Sundays he was determined that she should
wear black; now and then, in conspiracy with Miss Graves, she ventured
a white feather or a pink rose in her bonnet, but the Vicar insisted
that it should disappear; he said he would not go to church with the
scarlet woman: Mrs. Carey sighed as a woman but obeyed as a wife. They
were about to step into the carriage when the Vicar remembered that no
one had given him his egg. They knew that he must have an egg for his
voice, there were two women in the house, and no one had the least
regard for his comfort. Mrs. Carey scolded Mary Ann, and Mary Ann
answered that she could not think of everything. She hurried away to
fetch an egg, and Mrs. Carey beat it up in a glass of sherry. The
Vicar swallowed it at a gulp. The communion plate was stowed in the
carriage, and they set off.
318イギリス寄宿舎脱走中退:2008/08/01(金) 02:03:37
>>317
それからケアリー夫人は網戸棚から聖餐式に使う皿を持ってきた。網戸棚は
食器室にあったが、牧師はセーム革でその皿を磨いた。10時に馬車が来て、
牧師は深靴を履いた。ケアリー夫人はボンネット帽を被るのに数分かかった。
その間に牧師はゆったりした外套を着て、まるで闘技場にまさにひきたてられようとしている
初期のキリスト教徒になったような表情を顔に浮かべながら玄関の広間に立っていた。
結婚30年を経て日曜日の朝、時間に間に合うよう準備できないことは驚くべき
ことであった。ついに彼女は黒い染料を使った服を着て来た。牧師は聖職者の
妻がいかなるときも色の付いた服を着るのを嫌った。しかし日曜日には彼女は黒い服を
着るべきだと決めていた。ときどきグラーブ嬢と共謀してボンネット帽に
白い羽かピンクの薔薇を果敢にも付けた。しかし牧師はそれは外すべきだと
主張した。彼はふしだらな女と一緒に教会へ行くつもりはないと言った。
ケアリー夫人は女性としてはため息をついて悲しんだが妻として従った。
牧師が誰も彼に卵を供していないことを思い出したのは、みんながまさに
馬車に乗ろうとしているときだった。みんなは牧師がいい声を出すためには
卵を食べなければならないことを知っていた。家には女性が二人いたが、
誰も彼のために便宜を図ろうとしなかった。ケアリー夫人はメアリーアンを
しかった。メアリーアンはすべてのことに気をかけるのは無理だと答えた。
メアリーアンは卵をいそいで取りに行った。ケアリー夫人はシェリー酒用の
グラスに卵を入れてかき混ぜた。牧師はそれを一息に飲み込んだ。
聖餐式で使う皿が馬車に積み込まれると彼らは出発した。
319名無しさん@英語勉強中:2008/08/01(金) 14:41:29
>>317
それからケアリー夫人が地下室にある金庫から聖餐式用の金属の盆を持ってきて、
それを牧師がシャモア皮で磨く。
十時に一頭立て馬車が用意され、ケアリー氏は編上靴を履く。
ケアリー夫人は五分ほどかけてボンネット帽をかぶる。
その間大きなコートを着た牧師は、
円形闘技場に連れて行かれる古代キリスト教徒にお似合いの顔つきで玄関に立っている。
結婚後三十年もたって、妻が日曜の朝時間通りに準備できないとは大変なことだ。
長く待たせた後黒繻子をまとって妻が出てきた。
牧師は常に聖職者の妻が色のついた服を着るのを嫌がったが、
日曜日には妻に強いて黒を着させた。
時々妻はグレイヴズ嬢と示し合わせて、
ボンネット帽に白の羽飾りやピンクのバラをあしらってみたりもしたが、
牧師はやめなさいと言う。だらしのない女とは教会に行けないと言う。
ケアリー夫人はその言葉に女としてため息をつき、妻として従った。
馬車に乗り込む直前、牧師が、今日は卵がなかったぞと言い出した。
喉のために卵を飲むのは分かっているはずだ。
家に女が二人もいて、誰も私の世話に気が及ばないとは。
ケアリー夫人がメアリー・アンを叱ると、
メアリー・アンは、何もかも気をつけるなんて無理ですと口答えする。
メアリー・アンが急いで卵を取りに行き、
ケアリー夫人が小さなグラスに卵を割り入れかき混ぜる。
牧師は一息に流し込む。そして聖餐式の盆を馬車に載せると出発した。
320名無しさん@英語勉強中:2008/08/01(金) 14:45:36
次の課題です。

The fly came from The Red Lion and had a peculiar smell of stale straw.
They drove with both windows closed so that the Vicar should not catch
cold. The sexton was waiting at the porch to take the communion plate,
and while the Vicar went to the vestry Mrs. Carey and Philip settled
themselves in the vicarage pew. Mrs. Carey placed in front of her the
sixpenny bit she was accustomed to put in the plate, and gave Philip
threepence for the same purpose. The church filled up gradually and
the service began.
Philip grew bored during the sermon, but if he fidgeted Mrs. Carey put
a gentle hand on his arm and looked at him reproachfully. He regained
interest when the final hymn was sung and Mr. Graves passed round with
the plate.
321イギリス寄宿舎脱走中退:2008/08/02(土) 00:08:20
>>320
レッドライオン社から派遣された馬車は腐ったわら特有の臭いがした。
馬車は牧師が風邪を引かないように窓は両方とも閉められたまま進んだ。
寺男が聖餐式用のお盆を持っていくために馬車寄せで待っていた。
牧師が聖具室へ行ってる間、ケアリー夫人とフィリップは牧師館一家専用席
に陣取った。ケアリー夫人はお盆に入れ慣れている6ペニー硬貨を前に置いた。
そして同じ目的でフィリップに3ペンス硬貨を与えた。
教会は徐々に一杯になり、儀式が始まった。
フィリップは牧師の説教の間退屈した、しかしもしそわそわするようなら、ケアリー
夫人が彼の腕に優しく手を置いて、とがめるように見るのだった。
彼が再び興味を取り戻したのは最後の賛美歌が歌われ、グラーブ氏がお盆を
持って寄付を集め回っているときだった。
322名無しさん@英語勉強中:2008/08/02(土) 13:08:12
>>320
レッド・ライオン社の馬車は古い藁特有の匂いがした。
牧師が風邪を引かないように走っている間は両側の窓を閉めた。
玄関で待っていた小使が聖餐盆を受け取った。
牧師は祭服室に行き、ケアリー夫人とフィリップは牧師席に座った。
ケアリー夫人はいつも盆に載せる募金用の六ペンスを自分の前に置き、フィリップにも募金用として三ペンス渡した。
教会が徐々に人で埋まり、礼拝が始まった。
フィリップは説教に飽きてきた。しかし体をもぞもぞさせると、
ケアリー夫人が手をやさしくフィリップの腕に置き、駄目よという顔でフィリップを見る。
賛美歌がすべて終わりグレイヴズ氏が盆を持って回り始め、フィリップはやっと退屈から解放された。
323名無しさん@英語勉強中:2008/08/02(土) 13:16:50
次の課題です。

When everyone had gone Mrs. Carey went into Miss Graves' pew to have a
few words with her while they were waiting for the gentlemen, and
Philip went to the vestry. His uncle, the curate, and Mr. Graves were
still in their surplices. Mr. Carey gave him the remains of the
consecrated bread and told him he might eat it. He had been accustomed
to eat it himself, as it seemed blasphemous to throw it away, but
Philip's keen appetite relieved him from the duty. Then they counted
the money. It consisted of pennies, sixpences and threepenny bits.
There were always two single shillings, one put in the plate by the
Vicar and the other by Mr. Graves; and sometimes there was a florin.
Mr. Graves told the Vicar who had given this. It was always a stranger
to Blackstable, and Mr. Carey wondered who he was. But Miss Graves had
observed the rash act and was able to tell Mrs. Carey that the
stranger came from London, was married and had children. During the
drive home Mrs. Carey passed the information on, and the Vicar made up
his mind to call on him and ask for a subscription to the Additional
Curates Society. Mr. Carey asked if Philip had behaved properly; and
Mrs. Carey remarked that Mrs. Wigram had a new mantle, Mr. Cox was not
in church, and somebody thought that Miss Phillips was engaged. When
they reached the vicarage they all felt that they deserved a
substantial dinner.
324イギリス寄宿舎脱走中退:2008/08/03(日) 03:52:18
>>323
みんなが帰ったあとケアリー夫人はグラーブ嬢の席に彼女たちの夫を待つ間、
少し話をしに行った。それでフィリップは祭服室に行った。伯父と牧師助手と
グラーブ氏はまだ儀式用の白衣を着ていた。牧師はフィリップに聖別されたパン
の残りを与え、食べてもいいと言った。彼はそれを食べるのに慣れていた。
捨てるのは罰当たりに思えたからだが、旺盛な食欲は食べる義務をなんなく
果たした。それから彼らは金勘定をした。お金はペニー銅貨、6ペンス銀貨、
3ペンス硬貨から成った。いつも2枚の1シリング銀貨があった。1枚は
牧師がお盆に入れ、もう1枚はグラーブ氏が入れた。そして時々フローリン
2シリング銀貨があった。グラーブ氏は牧師に誰がこれを入れたか話題を持ちかけた。
フローリン銀貨はブラックステイブルではいつもあるものではなかった。
牧師は誰が入れたのだろうかと思った。しかしグラーブ嬢がその無鉄砲な行為
を観察していて、ケアリー夫人にロンドン出身のよそ者で既婚でこどもがいることを教える
ことができた。馬車で帰宅途中、ケアリー夫人は夫にそれを伝えた。
牧師は彼を訪ね、牧師助手追加協会への寄付を求める決心をした。
牧師はフィリップがちゃんと振舞ったかどうか尋ねた。そしてケアリー夫人は
ウィグラム夫人が新しいマントを買ったこと、コックス氏が教会に来なかったこと、
誰かがフィリップス嬢が婚約中だと思うことなどを話した。
一家が牧師館に着くと、自分たちは栄養満点の正餐をとるに値するほど
よく働いたと皆感じた。
325名無しさん@英語勉強中:2008/08/03(日) 14:29:16
>>323
皆が立ち去っても、ケアリー夫人はグレイヴズ嬢の席に行き、二言三言言葉を交わしながら互いの連れを待っていた。
フィリップは聖具室に行った。
伯父と、副牧師と、グレイヴズ氏はまだ白衣を着ていた。
ケアリー氏がフィリップに聖餐のパンの残りをくれ、食べてもいいよと言ってくれる。
聖餐のパンの残りはこれまでいつもケアリー氏が食べていた。
残り物の聖餐を捨ててしまうのは罪深い気がしたからだが、食べたい盛りのフィリップのおかげで食べなくてよくなった。
それから三人で募金額を数え始めた。
募金は一ペニーか六ペンスか三ペンスだった。
毎回一シリング硬貨が二枚あった。一枚は牧師が、もう一枚はグレイヴズ氏が盆に載せたものだ。
ときどき一フローリンが入っていることもあった。
誰が投じたかはグレイヴズ氏から聞かされたが、
ブラックステーブルでは見かけない人だということで、ケアリー氏はいったい誰なんだろうかと思っていた。
しかしグレイヴズ嬢がその奇特な行為をよく見ていて、
その人はロンドン出身で、結婚して子供もいる人だとケアリー夫人に教えてくれた。
帰りの馬車の中で、ケアリー夫人がその話を皆に伝えた。
牧師は一度尋ねていって特別副牧師会への寄付を依頼してみようと思った。
フィリップはお行儀が良かったかとケアリー氏が尋ね、
ウィグラム夫人が新しいコートを買った、コックス夫人は教会に来てなかった、
フィリップ嬢は婚約したんじゃないかという噂がある、などとケアリー夫人がおしゃべりする。
牧師館に着く頃には、みなディナーの御馳走のことで気もそぞろだった。
326名無しさん@英語勉強中:2008/08/03(日) 14:30:46
便利そうなページを見つけました。
http://www.geocities.co.jp/hgonzaemon/somerset_maugham.html
327名無しさん@英語勉強中:2008/08/03(日) 14:34:13
次の課題です。

When this was over Mrs. Carey went to her room to rest, and Mr. Carey
lay down on the sofa in the drawing-room for forty winks.
They had tea at five, and the Vicar ate an egg to support himself for
evensong. Mrs. Carey did not go to this so that Mary Ann might, but
she read the service through and the hymns. Mr. Carey walked to church
in the evening, and Philip limped along by his side. The walk through
the darkness along the country road strangely impressed him, and the
church with all its lights in the distance, coming gradually nearer,
seemed very friendly. At first he was shy with his uncle, but little
by little grew used to him, and he would slip his hand in his uncle's
and walk more easily for the feeling of protection.
They had supper when they got home. Mr. Carey's slippers were waiting
for him on a footstool in front of the fire and by their side Philip's,
one the shoe of a small boy, the other misshapen and odd. He was
dreadfully tired when he went up to bed, and he did not resist when
Mary Ann undressed him. She kissed him after she tucked him up, and he
began to love her.
328真の英語のプロ ◆tBZGb/7UZg :2008/08/03(日) 23:21:54
今本屋さんで、人間の絆のDVDが500円で売ってるぞ。
329イギリス寄宿舎脱走中退:2008/08/04(月) 03:21:37
>>327
これが終わるとケアリー夫人は休憩するため部屋に行き、牧師は一眠りするため
客間のソファーで横になった。5時にお茶があり、牧師は夕べの祈りに備え、
卵を食べた。ケアリー夫人はメアリーアンが夕べの祈りに行けるよう自分は
行かなかった。しかし礼拝の文言集と賛美歌集に目を通した。牧師は夕方教会
へ歩いて行った。フィリップは脚を引きずりながらその横につき従った。
田舎道に沿って暗闇を歩き抜けることに彼は奇妙な印象を持った。遠くに
灯りをすべてともした教会が徐々に近づき、とても親しみ深く思えた。
最初彼は伯父に気後れしたが、徐々に彼に慣れ、伯父の手の中に自分の手を
滑り込ませ、そうすると守られている気がし、楽に歩けたものだった。
家に帰ると夕食を食べた。牧師の家履は火の前の足のせ台の上で彼を
待っていた。その横にはフィリップのがあった。片方は少年の靴でもう片方
はゆがんで妙な形をしていた。彼はベッドに行くとひどい疲れを感じた。それで
メアリーアンが服を脱がせたとき、抵抗しなかった。彼女は彼に寝具をかけた
あと、キスをした。彼は彼女を愛し始めた。
330名無しさん@英語勉強中:2008/08/04(月) 16:40:51
>>327
ディナーが終わると、ケアリー夫人は部屋に行って休み、ケアリー氏は客間のソファで居眠りをした。
五時にお茶を飲み、牧師は夕べの祈りに備えて卵を食べる。
ケアリー夫人はこれには行かずメアリー・アンに参加させる。
ケアリー夫人は祈祷文を読み讃美歌を歌う。
夕方、ケアリー氏は教会に向かい、フィリップはそのそばを足を引きずりながらついて行く。
暗い田舎道を歩くのは不思議と心惹かれる。
そして明かりをともした教会が遠くに見え、それがだんだん近づいてくると、心がなごむ気がした。
最初フィリップは伯父に遠慮していたが、少しずつなじんでいった。
よく伯父の手にそっと手を入れた。そうすると安心し気楽に歩けるのだった。
帰宅すると夕食を食べた。ケアリー氏の部屋履きがストーブの前におかれた台の上に用意してあった。
そばにはフィリップの部屋履きもあったが、片方は子供用の靴で、もう片方はいびつな形をしていた。
フィリップは、ベッドに上がる頃にはたまらなく疲れていて、メアリー・アンが服を脱がせようとしても抵抗できなかった。
メアリー・アンはフィリップをベッドに入れるとキスをした。
フィリップはメアリー・アンのことがだんだん好きになっていった。
331名無しさん@英語勉強中:2008/08/04(月) 17:02:01
>>328
>>61にもある『痴人の愛』版のようだ。

こないだ亡くなった水野晴郎も500円DVDの普及に貢献したとある。
水野の「シベ超」やO野某の「ドラヴィダ語起源説」みたいに
俺もぜひ晩節を汚してみたいと常々思っているのだが
汚すほどの晩節がないのが目下の悩みの種だ…。
332名無しさん@英語勉強中:2008/08/04(月) 17:04:52
第八章にはいります。

VIII

PHILIP had led always the solitary life of an only child, and his
loneliness at the vicarage was no greater than it had been when his
mother lived. He made friends with Mary Ann. She was a chubby little
person of thirty-five, the daughter of a fisherman, and had come to
the vicarage at eighteen; it was her first place and she had no
intention of leaving it; but she held a possible marriage as a rod
over the timid heads of her master and mistress. Her father and mother
lived in a little house off Harbour Street, and she went to see them
on her evenings out. Her stories of the sea touched Philip's
imagination, and the narrow alleys round the harbour grew rich with
the romance which his young fancy lent them. One evening he asked
whether he might go home with her; but his aunt was afraid that he
might catch something, and his uncle said that evil communications
corrupted good manners. He disliked the fisher folk, who were rough,
uncouth, and went to chapel.
333イギリス寄宿舎脱走中退:2008/08/05(火) 04:23:45
>>332
フィリップは一人っ子の孤独な生活をいつも送っていた。それで牧師館での孤独
は母親と暮らしていたとき程度のものでしかなかった。彼はメアリーアンと
友達になった。彼女は丸々太った小柄な35才で漁師の娘だった。18才
の時に牧師館に来て、ここが最初の奉公先で、よそへ行く気はなかった。
しかし彼女は男女両主人の臆病な頭へ威嚇するむちとして結婚の可能性を持ち出した。
彼女の父と母は小さな家に住みハバーストリートで生計を立てていた。
彼女は夕方外出するときに彼らに会いに行った。海についての彼女の話はフィリップの
想像力を掻き立てた。そして港周辺の狭い小道は幼い空想が添えた夢と冒険で豊かに
なった。ある晩フィリップは彼女と一緒に彼女の実家に行ってもいいかどうか
尋ねた。しかし彼の伯母はなにかに影響を受けるかもしれないことを恐れ、
伯父は聖書を引用し悪しき交わりは良き習わしを損なうと言った。伯父は漁民が
嫌いだった。彼らは粗野で礼儀知らずで非国教の教会堂に行った。
334名無しさん@英語勉強中:2008/08/05(火) 15:44:03
>>332
一人っ子のフィリップはいつも一人ぼっちで過ごしてきた。
だから牧師館での孤立感も、母の生前以上にはならなかった。
フィリップはメアリー・アンと仲良くなった。
メアリー・アンは小柄で丸っこい三十五歳の女性で、漁師の娘だ。
十八歳で牧師館に来た。
メアリー・アンにとっては最初の勤め先で、心のうちではこれからもここに居続けるつもりだった。
しかし結婚するかも、と口にしては主人夫婦をおろおろさせたりもした。
両親はハーバー・ストリートのはずれにある小さい家に住んでいて、夜に外出するときは家によく立ち寄った。
メアリー・アンの海のお話はフィリップの想像力をかきたて、
船着場近くの狭い通りが子供らしい空想に満ちた夢物語で色づいていった。
ある夜、フィリップは、自分もメアリー・アンについて実家に行ってもいいか聞いてみた。
しかし伯母は病気になったらいけないと言い、伯父は悪い人と付き合うと躾が悪くなると言った。
伯父は、がさつで不躾で、しかも非国教徒である漁師たちは大嫌いだった。
335名無しさん@英語勉強中:2008/08/05(火) 15:48:47
次の課題です。

But Philip was more comfortable in the kitchen than in the dining-room,
and, whenever he could, he took his toys and played there. His aunt
was not sorry. She did not like disorder, and though she recognised
that boys must be expected to be untidy she preferred that he should
make a mess in the kitchen. If he fidgetted his uncle was apt to grow
restless and say it was high time he went to school. Mrs. Carey
thought Philip very young for this, and her heart went out to the
motherless child; but her attempts to gain his affection were awkward,
and the boy, feeling shy, received her demonstrations with so much
sullenness that she was mortified. Sometimes she heard his shrill
voice raised in laughter in the kitchen, but when she went in, he grew
suddenly silent, and he flushed darkly when Mary Ann explained the
joke. Mrs. Carey could not see anything amusing in what she heard, and
she smiled with constraint.
336イギリス寄宿舎脱走中退:2008/08/06(水) 03:42:14
>>335
しかしフィリップは食堂より台所のほうが居心地が良かった。居られるとき
はいつでもおもちゃを持ってきてそこで遊んだ。伯母はそれを苦にしなかった。
彼女はだらしないのが嫌いだった。少年というものは乱雑と思うものだ
ということは、わかっていたけれども、彼が台所で散らかすほうを好んだ。
もし彼がそわそわするなら、伯父は落ち着きがなくなることが多く、彼は学校に行っても
いい時期だといいがちだった。ケアリー夫人は就学には早すぎると思った。
彼女の心は母のない子に向いていた。しかし彼に好かれようとする試みは
不器用だった。少年は内気で、彼女の愛情表現を怒って不機嫌だと受け取った。
時々彼女は彼の甲高い声が台所で笑い声に変わるのを聞いた。しかし彼女が
行くと、彼は突然黙り、メアリーアンが冗談のポイントを説明すると、ひそかに
顔を赤くした。ケアリー夫人は彼女が聞いたことに何も面白いことを見出せなかった。
それで気兼ねして微笑んだ。




337名無しさん@英語勉強中:2008/08/06(水) 12:29:32
しかしフィリップはラブホでのセックルのほうが気持ちよかった。
それからというものフィリップは夜な夜な日替わりで愛人を連れ込みギシギシアンアンする生活に堕落した。

しかし叔父が家にいる時に女を連れ込むと、彼はそわそわすることが多く、
股間を隠さずにはいられなかった。
338名無しさん@英語勉強中:2008/08/06(水) 13:36:53
>>335
しかしフィリップは食堂より台所の方が居心地がよく、暇なときはいつもおもちゃを持っていって台所で遊ぶ。
伯母はそれでもよかった。
散らかされるのが嫌だったし、男の子はだらしないのが普通だと知ってはいたが、
それなら台所で取り散らかしてくれる方がまだよかったのである。
フィリップが破目を外すとそのたびに伯父はいらいらして、そろそろ学校へ行ったほうがいいと言った。
ケアリー夫人はまだ学校には早すぎると思い、心は母のない子の身の上へと向かう。
しかし伯母のフィリップへの接し方はぎこちなく、
打ち解けないフィリップも伯母の世話を仏頂面で受けるため困っていた。
ときどき台所で甲高い声で笑うのを聞くが、夫人が入って行くとフィリップは急に黙ってしまう。
メアリー・アンが冗談の意味を説明する間も不機嫌そうに顔を赤らめている。
ケアリー夫人はどこが面白いのか分からず、お義理で笑うしかない。
339名無しさん@英語勉強中:2008/08/06(水) 13:48:55
340名無しさん@英語勉強中:2008/08/06(水) 13:52:41
次の課題です。

"He seems happier with Mary Ann than with us, William," she said, when
she returned to her sewing.
"One can see he's been very badly brought up. He wants licking into
shape."
On the second Sunday after Philip arrived an unlucky incident occurred.
Mr. Carey had retired as usual after dinner for a little snooze in the
drawing-room, but he was in an irritable mood and could not sleep.
Josiah Graves that morning had objected strongly to some candlesticks
with which the Vicar had adorned the altar. He had bought them
second-hand in Tercanbury, and he thought they looked very well. But
Josiah Graves said they were popish. This was a taunt that always
aroused the Vicar. He had been at Oxford during the movement which
ended in the secession from the Established Church of Edward Manning,
and he felt a certain sympathy for the Church of Rome. He would
willingly have made the service more ornate than had been usual in the
low-church parish of Blackstable, and in his secret soul he yearned
for processions and lighted candles. He drew the line at incense. He
hated the word protestant. He called himself a Catholic.
341名無しさん@英語勉強中:2008/08/06(水) 16:21:05
>>337
文書ファイルが勝手に削除された。
偶然かもしれないがもううんざりだ。

以後の訳はイギリス寄宿舎さんにお任せします。

最後にこの悪魔野郎にぴったりな楽しい動画をプレゼントしておいてやろう。
ttp://www.yourfilehost.com/media.php?cat=video&file=bitch_ejaculates_cottage_cheese.wmv
342イギリス寄宿舎脱走中退:2008/08/07(木) 01:42:21
>>340
「フィリップは私たちよりメアリーアンといる方が楽しいみたいよ。ウィリアム。」
と彼女は言うと、縫い物に戻った。
「人は彼が誤って育てられていると見て取る。彼を一人前にする必要がある。」
フィリップが到着した後の二度目の日曜日に不運な事件が起きた。
牧師はいつものように正餐のあと少し居眠りしに客間に引っ込んだ。
しかしいらいらした気分で寝れなかった。ジョサイアスグラーブはその朝、
牧師が祭壇を飾った蜀台に強く抗議した。牧師は蜀台をターカンベリーで中古で買った
のだが、とても見栄えがすると思った。しかしジョサイアスグラーブは
カトリック趣味だと言ったのだ。これは牧師をいつも刺激するあざけり
だった。牧師はエドワードマンニングの英国教会からの離脱に終わった運動
が行われている間、オックスフォードの学生だった。彼はローマカトリック
教会にある共感を感じていた。彼なればこそブラックステイブルの低教会派の教区で
いつもやっていたよりも喜んで礼拝を飾り立てたのであろう。
彼は心の奥底でカトリックの賛美歌行進やともしたろうそくにあこがれていた。
しかし香をたくまではしなかった。彼はプロテスタントという言葉を憎んだ。
彼は自分をカトリック教徒と呼んだ。


343名無しさん@英語勉強中:2008/08/07(木) 16:53:04
ローカルディスクの空き領域が急に1.5GBほど増えた。
慌てて迷惑プログラムを消去したんだろう。
英文学者の裏の顔は他人のパソコン上でスパイウェアを出し入れする悪質ハッカー。
文学なんかやる奴は観念的には海千山千のつもりかもしれないが
現実にはただの人格破綻者だということがよく分かった。
もう人のメールや文書を勝手に削除したりすんなよこの恥知らず。
344名無しさん@英語勉強中:2008/08/15(金) 07:02:57
次の課題です。

He was accustomed to say that Papists required an epithet,they were Roman
Catholic;but the Church of England was Catholic in the best,the fullest,
and the noblest sense of the term.He was pleased to think that his shaven
face gave him the look of a priest,and in his youth he had possessed
an ascetic air which added to the impression.He often related that
on one of his holidays in Boulogne,one of those holidays upon which
his wife for economy's sake did not accompany him,when he was sitting
in a church,the cure had come up to him and invited him to preach a sermon.
He dismissed his curates when they married,having decided views on the
celibacy of the unbeneficed clergy.But when at an election the Liberals
had written on his garden fence in large blue letters:This way to Rome,
he had been very angry,and threatened to prosecute the leaders ofthe
Liberal party in Blackstable.He made up his mind now that nothing
Josiah Graves said would induce him to remove the candlesticks from
the altar,and he muttered Bismarck to himself once or twice irritably.
345きょうのハッキング:2008/08/15(金) 07:40:26
勝手にログイン、ログアウト
勝手にダブルクリック
勝手にページ移動
人がページを開くと同時に>>344投稿

い い か げ ん に し ろ
 こ の ば か し ま
346345:2008/08/15(金) 07:41:39
ま → ね
347この犯罪者:2008/08/15(金) 14:43:12
ネットで本を注文しようとしたら
勝手に数量を書き変えようとしやがった。
この時期に帰省する田舎もないのかよ。
こんなこと続けてたらそのうちほんとに捕まるぞ。
お前の名前が新聞とネットに晒される日が楽しみだな。
348名無しさん@英語勉強中:2008/08/16(土) 00:53:08
たいへんです。
349名無しさん@英語勉強中:2008/08/16(土) 10:08:24
ぜんぜん違う話で悪いんですが、私は近頃芥川龍之介の
短編をまた、最初から読み返してみて、氏の作り出すすばらしい世界に
感銘を受けました。芥川の作品を英訳するスレを作ったら
みんな、書き込んでくれるでしょうか?どう思いますか?
350名無しさん@英語勉強中:2008/08/16(土) 10:10:10
あげ
351名無しさん@英語勉強中:2008/08/16(土) 18:43:51
システムの復元ができなくなっている。
マイクロソフトに偽装してシステムを書き換えるプログラムでも送りつけたか。

>>349
韓国や中国のような精神的に若い国で大人気だとさ。
352349:2008/08/16(土) 21:19:49
>>351
じゃ、時間ができたら、芥川のスレつくってみよ。
なんとか続くようにがんばらねば。羅生門とかがいいかな、
それとも、こども向けみたいな、普通の短編にしようかな。
スレ違いでごめんなさい。
353イギリス寄宿舎脱走中退:2008/08/17(日) 09:26:06
>>344
彼はカトリック教徒には形容詞が必要だとよく言った。彼らは"ローマ"カトリック
教徒だと。しかし英国教会はカトリック教徒という言葉をもっとも"善意"に"完全"に
"高潔"に解したカトリック教徒である。彼は彼のひげを剃った顔が聖職者の風貌にぴったり
であるのを思って満足した。若いときはその印象に加え行者の雰囲気を持っていた。彼はこんなことをよく物語る。
ブローニュでの休日のある日、それは経済的理由のため妻を伴わない休日の一日であったが、
彼がある教会で座っていると教区司祭が近づいて来て彼に説教するよう勧めたことがあったと。
彼は副牧師が結婚すると首にしたが、それは聖職禄のない聖職者は独身で
いるべきだという見解を持っていたからだ。しかし選挙で自由党が大きな青い字で
庭のフェンスに"ローマへの道"と書いたときはとても怒ってブラックステイブルの
自由党の指導者を告訴すると脅した。
彼はもうジョサイアスグレイブズがいったことで祭壇から燭台を取り除いたり
はしないと決心していた。そして苛立ちながら一度か二度ビスマルクとつぶやいた。


354名無しさん@英語勉強中:2008/08/17(日) 10:00:32
次の課題です。

 Suddenly he heard an unexpected noise. He pulled the handkerchief off
his face ,got up from the sofa on which he was lying,and went into
the dining-room. Philip was seated on the table with all his bricks
around him.He had built a monstrous castle,and some defect in the
foundation had just brought the structure down in noisy ruin.
"What are you doing with those bricks,Philip?
You know you're not allowed to play games on Sunday."
Philip started at him for a moment with frightened eyes,and,as his habit
was,flushed deeply.
"I always used to play at home."he answered.
"I'm sure your dear mamma never allowed you to do such a wicked thing as that."
Philip did not know it was wicked;but if it was,he did not wish it to be
supposed that his mother had consented to it.He hung his head and did
not answer.
"Don't you know it's very,very wicked to play on Sunday?
What d'you suppose it's called the day of rest for?
You're going to church tonight,and how can you face your Maker when you've
been breaking one of His laws in the afternoon?"  
355名無しさん@英語勉強中:2008/08/17(日) 10:05:49
課題を翻訳しない方はスレ違いですから退場してください。
356名無しさん@英語勉強中:2008/08/17(日) 23:43:55
自分ひとりが仕切りたかったんだな。
ならそういえばいいのに。つまらねえ奴。


ウィンドウズとウイルス対策ソフトのアップデートができなくなった。
ダウンロードまではできるがインストールができない。
馬鹿は早くくたばれ。
357名無しさん@英語勉強中:2008/08/18(月) 02:07:59
早くプロ先生の病気が治り退院し、このようなあらしを退治して下さることを祈る。
358名無しさん@英語勉強中:2008/08/18(月) 05:43:22
>>356
プロ先生、どうか354の翻訳お願いします。
私は先生を心から尊敬しています。
毎回でなくてもかまいません。
どうか稽古をつけてください。
お願いです。
359名無しさん@英語勉強中:2008/08/29(金) 20:41:51
人のIP使って書き込むな犯罪者。
こんなことする可愛そうな暇人は
リアルで誰からも相手にされてないんだろう。
誰もお前なんか呼んだ覚えはねえよ。
覗き見野郎はズリせんでもこいてとっとと寝ろバカ。
360名無しさん@英語勉強中:2008/08/29(金) 20:42:51
2人のセキュリティ研究者が、これまで米国家安全保障局(NSA)のような情報機関の関係者を除けば
いかなる人間にも不可能と考えられていた規模で、インターネットのトラフィックを密かに盗聴する新たな手法のデモを行なった。
この手法は、インターネットのルーティング・プロトコルであるボーダー・ゲートウェイ・プロトコル(BGP)を悪用し、
世界中の暗号化されていないトラフィックを密かに傍受するというもので、さらには、宛先に到達する前に内容を改変することもできる。
インターネットの中核となるプロトコルの一部には、基本的な弱点が内在している。
これらに対する攻撃はこれまでにも存在し、今回のデモはその最新の例にすぎない。
こうしたプロトコルは1970年代に開発されたものが大部分だ。
当時はまだ生まれたばかりだったインターネットでは、全ノードが信頼できるという前提に基づいていた。
だが、7月には研究者のDan Kaminsky氏がドメイン・ネーム・システム(DNS)の深刻な問題点を公表し、
こうした前提がもはや過去のものになっていることを世の中に広く知らしめた。
専門家によると、今回新たにデモが行なわれた攻撃方法は、さらに重大な弱点を突いている恐れがあるという。
ハッキング・グループ『L0pht』の元メンバーでコンピューター・セキュリティ専門家の「Mudge」ことPeiter Zatko氏はこう指摘する。
「非常に大きな問題だ。DNS問題と同等かそれ以上の大きな問題と言える」。
Zatko氏は1998年に米議会において、今回のデモと似たBGP攻撃を行なえば30分でインターネットをダウンさせることが可能だと証言し、
さらには政府職員に対し、BGPを盗聴に利用する方法を非公式に報告した人物だ。
361名無しさん@英語勉強中:2008/08/29(金) 20:43:38
「10年ないし12年前に、私はこの件について声を限りに訴えて回った…
…各情報機関や米国家安全保障会議(NSC)に、その詳細を説明したこともあった」
DefConでデモが行なわれたのは、BGPを悪用してルーターを騙し、
盗聴者のネットワークにデータをリダイレクトする中間者攻撃(man-in-the-middle attack)だ。
BGPルーターを設置している者(インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)、大企業、さらには通信事業者の施設を借りている者)なら
誰でも、特定のIPアドレスやアドレス・グループ宛てのデータを傍受することができる。
傍受の対象となるのは、ターゲットとなったアドレスを目的地とするトラフィックのみで、
当該アドレスから発信されるトラフィックは傍受できない。また、あるネットワーク内のトラフィック
(たとえば、米AT&T社のある顧客から別の顧客へのトラフィックなど)すべてを傍受できるとは限らない。
この手法を悪用すれば、企業スパイや国家のスパイ活動に使えるうえ、
さらには、ISPの協力を得ずにインターネットのデータを調べたい情報機関にも役立つはずだ。
BGPを悪用した盗聴は昔から理論上の弱点として指摘されていたが、これまでは公の場でデモが行なわれた例は知られていなかった。
だが今回、米5Nines Data社でデータセンターとネットワークを統括している「Tony」ことAnton Kapela氏と、
米Pilosoft社の最高経営責任者(CEO)のAlex Pilosov氏が、
8月上旬に開催されたハッカー会議『DefCon』において自らの手法を披露(PDF)し、これが初の公開デモとなった。
2人は、DefConのネットワークに流れ込むトラフィックを傍受し、ニューヨークで2人が管理しているシステムにリダイレクトしたあと、
ラスベガスのDefConネットワークに戻すことに成功した。
362名無しさん@英語勉強中:2008/08/29(金) 20:44:24
Pilosov氏が考案したこのテクニックは、BGPのバグや欠陥を突くわけではない。BGPの本来の仕組みを利用しているだけだ。
Kapela氏はワイアードニュースに対し、「通常の手順と異なることは何もしていない。
脆弱性やプロトコルのエラー、ソフトウェアの問題はまったくない。
問題の原因は、インターネットを維持し機能させるのに必要とされる相互接続性のレベルだ」と語っている。
こうした問題が存在するのは、BGPのアーキテクチャーが信頼に基づいているからだ。
たとえば、カリフォルニア州にいる米Sprint Nextel社の顧客が送信した電子メールを、
スペインの通信会社Telefonica社の顧客に届けるとしよう。
配信作業を楽に行なうため、これらの通信事業者や他の企業のネットワークはBGPルーターを通じて通信し、
データを宛先に送るのに最も効率のよい最短ルートを割り出す。
だが、あるルーターが最適なルートを主張した場合には、BGPはその情報を疑うことなく、正しいと判断する仕組みになっている。
そのため、簡単にBGPを騙せるので、盗聴者はルーターを欺き、トラフィックを容易に自分のネットワークに送ることができるのだ。
[この翻訳は抄訳。別の英文記事では、今年2月24日にYouTubeをダウンさせた障害が、
このBGP問題から生じたものであることなどを解説している。
パキスタン政府が問題視したYouTube上のある動画について、パキスタン・テレコム社が国内からのアクセスを禁止しようとした際に、
ルーターに間違った情報を送信。世界中のYouTube向けトラフィックを「ハイジャック」して国内に集中させることになったという。
ただし今回のDefConでのデモでは、傍受が露見しないよう、
傍受したあとで、データを(途中経路を隠した形で)実際の目的地に送信されるようにしている。
363名無しさん@英語勉強中:2008/08/29(金) 23:37:29
>>359>>360>>361>>362
真の英語のプロ先生、ごぶさたして居ります。御加減はいかがでしょうか?
>>354の翻訳宜しくお願い致します。!!
364359:2008/08/30(土) 01:57:55
書き込もうとしたらこういう表示が出た。

ERROR - 593 45 sec たたないと書けません。(1回目、1 sec しかたってない)

2分以上待ったのに1秒って何だよ。悪ふざけもいい加減にしろ。
365名無しさん@英語勉強中:2008/08/30(土) 02:02:18
>>363
英語の実力はお前の方が圧倒的に上だろ。
性格悪いんだよこの糞爺。
勉強のし過ぎで頭がおかしくなったのか。
いくら優秀でもこうはなりたくないよ。
366名無しさん@英語勉強中:2008/08/30(土) 02:03:49
あとおれは「真の英語のプロ」さんじゃないから。
367名無しさん@英語勉強中:2008/08/30(土) 04:27:14
>>366
入院中とのうわさを聞き大変心配しています。
あの方はネ申です。ふたたび降臨していただきたいものです。
368イギリス寄宿舎脱走中退:2008/08/31(日) 09:16:12
>>354
突然予期せぬ物音がした。彼は顔にかけてたハンカチを引くと寝ていたソファーから
起きだし食堂へ行った。フィリップはテーブルに陣取り、周りには積み木が散らばっていた。
彼は巨大な城を作ったが、土台の欠陥のために、建物はちょうど騒音とともに
崩壊したところだった。
「こんな積み木で何をしてる、フィリップ。日曜日には遊びが許されないこと
を知らないのか。」
フィリップはぎょっとした目でしばらく彼を見つめた。
そしていつもの習慣どおり、顔が真っ赤になった。
「家ではいつも遊んでいました。」と彼は答えた。
「大好きなおかあさんはそんな悪いことを絶対許さなかったはずだ。」
フィリップはそれが悪い事とは知らなかった。しかし、もしそれが悪いことなら、母親がそれ
に同意したとは思われたくなかった。それで頭を抱え答えなかった。
「日曜日に遊ぶことはとても、とっても悪いことだとしらないのかい。
なんのために日曜日を休息の日と呼ぶと思う。今晩教会へ行くだろう、
それで昼間、神の法のひとつを破っていながら、どうやって神様に顔向けできるんだ。」

369イギリス寄宿舎脱走中退:2008/09/01(月) 11:15:59
課題
Mr.Care told him to put the bricks away at once,and stood over him
while Philip did so.
"You're very naughty boy,"he repeared."Think of the grief you're
causing your poor mother in heaven."
Philip felt inclined to cry,but he had an instinctive disinclintion
to letting other people see his tears,and he clenched his teeth
to prevent the sobs from escaping.
Mr.Carey sat down in his armchair and began to turn over the pages of
a book.Philip stood at the window.
The vicarage was set back from the high road to Tercanbury,and from
the dining-room one saw a semi-circular ships of lawn and then as faf as the
horizon green fields.
Sheep were grazing in them. The sky was forlorn and gray.
Philip felt infinitely unhappy.
370名無しさん@英語勉強中:2008/09/08(月) 03:55:34
>>369
ケアリー氏は彼に片付けるよう言うとその間見張っていた。
「おまえはなんていたずらなんだ。」と彼は繰り返した。
「天国にいるおかあさんを悲しませているのがわからないのか。」
フィリップは泣きそうになったが、本能的に涙をひとに見られるのを
嫌うところがあり、嗚咽が漏れないように歯を食いしばった。
ケアリー氏は肘掛け椅子にすわり、本のページをめくった。
フィリップは窓辺に立った。
牧師館はターカンベリーヘの本道から引っ込んだところにあった。食堂から
半円の細長い土地の芝生が見えそれから緑の野の水平線まで見えた。
羊はそこで草をはんでいた。空はわびしく、灰色だった。
フィリップは絶望的に不幸だった。
371イギリス寄宿舎脱走中退:2008/09/15(月) 11:25:51
Presently Mary Ann came in to lay the tea,and Aunt Louisa desended the
stairs.
"Have you had a nice litte nap,William?"she asked.
"No,"he answered. "Philip made so much noise that I couldn't sleep a wink."
This was not quite accurate, for he had been kept awake by his own
thoughts;and Philip,listening sullenly,reflected that he had only
made a noise once,and there was no reason why his uncle should not
have slept before or after.When Mrs.Carey asked for an explanation
the Vicar narrated the facts.

372名無しさん@英語勉強中:2008/09/15(月) 13:06:15
Of Human Bondage. 何かエッチなものかと思ってた。
373名無しさん@英語勉強中:2008/09/17(水) 01:30:43
お前のハッキングは馬鹿の一つ覚えだな、ハッカー教授さんよ。
天は二物を与えずとは言うが
ここまで極端な間抜野郎も珍しい気がするな。
374名無しさん@英語勉強中:2008/12/06(土) 00:47:23
まだやってたのか
375名無しさん@英語勉強中:2008/12/08(月) 03:55:35
だから、こっちにきたとか?
376名無しさん@英語勉強中:2008/12/08(月) 05:01:09
牧師さん適任だと思いますよ。
377名無しさん@英語勉強中:2008/12/08(月) 06:06:52
お金をつんでも無理だね。
378名無しさん@英語勉強中:2008/12/08(月) 06:34:09
そこに付き添ってくれるのは神父だけ。

改宗しろや。
379名無しさん@英語勉強中:2009/04/17(金) 04:08:53
??
380名無しさん@英語勉強中
?