インフレターゲット支持こそ経済学の本流 その44

このエントリーをはてなブックマークに追加
14インタゲ初心者に告ぐ!
基本に立ち返りましょう!
まずは実質金利と名目金利とインフレ率の関係から・・・

@実質金利=名目金利−インフレ率(=フィッシャー交換式)
で、現在の日本は、名目金利=ゼロ(ゼロ金利)、インフレ率=−2%(デフレ)。
これを@に代入すると・・・
A実質金利=(0)−(−2)=0+2=2%
で、インフレ率には約1%の上方バイアス(統計上の誤差で1%高くインフレを
見積もってしまう=実際のインフレ率はCPI−1%と考えなければならない)が
あるため、CPI+1%の上方バイアス分を考慮してAに代入すると・・・
B実質金利=(0)−(−2−1)=(0)−(−3)=0+3=3%
なんと、日本は実質金利が+3%もあるのである(こんなので投資が増えるかっ
ちゅうねん!)。ちなみにマイナス金利と聞くと違和感を感じる方もいるでしょう
が、景気の良かった80年代のアメリカはインフレ率が高かったために、実質金
利はマイナス金利だったのです。
15インタゲ初心者に告ぐ!:02/12/05 01:30
>>14追加
ちなみに名目金利がゼロ(ゼロ金利)っていう
のは、市中銀行が中央銀行(日銀)から資金を調達するときの名目金利であるた
め、企業が市中銀行から資金を借りるときの金利はさらに高くなります。現実の
企業の調達金利はちょっといま手元にありませんので詳しく分かりませんが、1
%と仮定してBに代入すると企業の資金調達実質金利は・・・
C企業実質金利=1+3=4%
これが意味することは、企業が銀行から資金を借りて設備投資をしようと踏み切
るのは、その投資の見返りが4%以上の利潤を生むと考えられる場合です。デフ
レの日本で4%以上の利潤を得ることの出来る投資というのはなかなか少ないも
のなのです(大企業でさえ赤字の時代ですからね〜)。
こんな状況(デフレ=需要減)で、4%の実質金利で資金を調達しようとする企
業が少ないのはあたりまえです。はやくインフレ率を上げて、実質金利を低下さ
せるしかありません。ちなみに日銀がゼロ金利だからこれ以上金利を下げる余地
はないというのは嘘です。これは、名目金利の話をしているだけで、実質金利は
インフレ率を上昇することによってマイナスまで下げる余地があります。
用語説明
A.実質金利というのは名目金利(実際の額面上の金利)にインフレ率を加味し
 た場合の金利で簡単にいうと、実質金利=体感金利です。
B.CPIというのは消費者物価指数(消費者が小売の段階で体感する物価)のこ
 とです。
C.インタゲというのはインフレーションターゲットの略で、中央銀行が目標イ
 ンフレ率を設定・宣言し、インフレ率を目標圏内に保つということです。
 ちなみにインタゲ派が主張する理想的なインフレ率は1〜2%の緩やかなイ
 ンフレです。