琵琶湖付近に向かって落下してきたとみられる大きな流星(火球)が、
8月7日に近畿地方などで観測されたが、いん石が発見されず、滋賀県内の
天文愛好家らが懸命に探している。「地上に落下して間もないいん石は、
成分を分析すれば太陽系の成り立ちの解明につながると考えられる。
少しでも早く見つけたい」と協力者や情報を募っている。
愛好家の教師井田三良さん(57)=東近江市=は、
いん石が大津市北部に落ちたと推定し、10月に大津市のJR志賀駅付近で聞き取り
調査を敢行した。
調査では有効な証言は得られなかったものの、
井田さんは「いん石は、発火しながら落下するため、割れていなければ、表面が黒く
焦げているのが特徴。早く見つかればいいのだが」と期待する。
火球が滋賀県上空を飛行したとみられるのは8月7日午後5時すぎ。
防災科学技術研究所(茨城県)や京都大防災研究所などの地震計に、
火球が大気中を落下する際に出る特有の衝撃波が記録され、
東海、近畿地方で、目撃情報などが多数が寄せられた。
京都大防災研究所の山田真澄特別研究員の調査で、
火球は伊勢湾から近江八幡市に向かって軌道を描いたことが判明。
同市沖島近くの上空で、衝撃波を示す信号が途絶えていることから、途中で燃え尽きた
可能性もある、という。
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20101107000015