【生活世界に】犬の訓練学へ【犬がいる】

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1710
立てますた。このスレッドは

オヤツでしつける? バカ言っちゃいけませんよ
http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/dog/1070199459/l50

からの派生スレッドです。
広義の学的探求を楽しくやっていけるといいな、と思います。
心理学・哲学方面に嗜好のある飼い主さん、雑談交じりでどうぞ。
2わんにゃん@名無しさん:04/11/04 17:36:23 ID:imgP40Af
2get
3前スレ841:04/11/05 00:26:41 ID:6iq+Zj4u
 本屋で目に付いたんで「これが現象学だ」は読了。
 ただ、フッサールのみ。それ以降の現象学についてなにかいい解説書ないかしらん?
4710:04/11/05 13:11:17 ID:Y41Wn+xk
どうもです。「これが現象学だ」は良い本だと思います。
同じくフッサールでは「現象学ことはじめ」(日本評論社)がいいかと。ちと高いけど。
「精神としての身体」(講談社学術文庫)もよいかと思います。古いかな?
訓練者と犬の関係を考えるうえで身体論も欠かせないかなと。
よく車のたとえが出てきますよね。
自動車を運転中、バンパーをぶつけたとき、それは体の一部をぶつけているのだ。というような。
熟練した訓練者(この熟練という言い方が反発を招くのだろうけど。熟練には時間と歴史が必要なので)の、
手と引き綱とカラーとそして犬とは、訓練者の一部であるわけですね〜。
で、アマチュアのわれわれは「犬全般」の訓練に習熟することは難しいけど自分の飼い犬については、
犬と一体化することにさほどの技術面での熟練は必要ないはずだろうと。
現代の認知科学方面から強烈な批判があるのもうなずける箇所が多々あるのですが。

ただ、おれは最初から逃げ道じゃないけど「冗談半分」といい続けているのは理由があって、
知見を利用するということは知見に対してつねに事後的でもあるわけでw、
研究者が基礎付け(フッサールの遺稿のあら捜しwとか)に奔走するよりも、
たとえばいまわれわれが問いを立てつつある「犬の訓練って、なんだろね?」というような疑問に、
それなりの回答を与えうる(つまり答えられることと答えられないことを整理できる)ほうに、
興味は行ってしまう。哲学もまた使えるものであるべきだろう。と。
5710:04/11/05 13:16:02 ID:Y41Wn+xk
で、しばらくは雑談ということで。

前スレでご紹介いただいた本をぼちぼち読んでいくのでまたご教示お願いします。
6859:04/11/09 00:13:13 ID:1J4DTKta
710氏、841氏、

ちょいと急に多忙になって出遅れてしまった。新スレ立てたのですね。
本スレでも宜しくお願いしますm(_ _)m

雑談の中で、両氏に教えてもらいたいことがあります。
まず、710氏へ

以前、竹田青嗣と大澤真幸の対談(たしか群像)で、
主義主張の全く異なる者同士が相互理解するにはどうすればよいかという
テーマがありました。竹田氏はヘーゲルの「自由の相互承認」を解決方法として
指し示したのに対し、大澤氏はそれはハーバマスだと言い反対の意見。
竹田氏はラシュディー事件を挙げ、イスラムではある種の言論が死刑となることを
持ち出し、それは「相互承認」のサークルから外れてしまうと理論展開。
大澤氏は、そのイスラムの考えはイスラム流の「自由」なのだと反論。
同時に「自由の相互承認」でいう「自由」の概念を考え直す必要があると主張。
どちらも現象学を哲学的立場に持ちながら、「相互承認」に至るアプローチが
異なるところが非常に興味深いと同時に、旧スレで710氏が指摘していた
「陽性VS強制」「ジェントルVSチョーク」のような短絡的対立は
竹田氏と大澤氏の議論のような道筋を経て語られるべきなんだろうなと
思った記憶があります。710氏はこういった「陽性VS強制」
「ジェントルVSチョーク」あるいは「経験主義VS実証主義」のような
対立に相互理解をもたらすことは可能だと思いますか?
また、可能ならどういう道筋が理想だと思います?
7859:04/11/09 00:15:06 ID:1J4DTKta
841氏へ質問。

旧スレ923で、

>イヌはベータ以下でも発情抑制はかかんない。けれど、というか、
>であるがゆえに、というべきか、うまくするっとアルファの地位に
>入り込んでくれるヒトがいると、あまり張り合わずに従うほうが
>ラクに見えることがある、とされている。

出所の論文がなんだったか忘れましたが、確かJSAABかISAEで
読んだ「犬と狼のアルファペア比較」に関する研究論文だったと思うのですが、
狼も犬も(特に犬は)、メスに関しては階級制度や上位下位行動が
厳密に定まっておらず、一概に支配、被支配の関係を当てはめられないという
主旨の論文を読んだことがあります。確か1年前くらいの研究論文です。
ISAEのWebから最新論文を検索してみたのですが、その手の論文がなく、
最新の見解はわかりませんでしたが、何か情報ございます?
また、841氏の見解でかまわないのですが、牡と雌では支配、被支配といった
側面から訓練方法は違ってくるとお考えでしょうか?

お二人とも暇な時でかまわないのでご教授ください。
8710:04/11/09 10:59:59 ID:wV6sMQ4g
>>6
859さんよろしくお願いします。
徹底的sage進行ということで。

大澤VS竹田ですか。
竹田という人の議論はいつでも粗雑過ぎると思います。現象学の人ということになっていますが。
が、竹田の言うようなイスラーム批判は哲学者の言説というより新聞編集委員の言説ですよね。
「死刑」の概念の設定のみは欧米の法に依拠しておきながら、イスラームの欠陥を言い募っているだけです。
正規軍(米軍)による民間人の掃討は「死刑」ではないのか? という問いに答えることが出来ないでしょう。
それに対しては西洋風のヒューマニズム、モラル、法に再び依拠するでしょうね。
トートロジーですね。ラシュディ事件を「言論封殺の死刑発動」としか受け止められないのは、
想像力の貧困さ、情報収集断念・諦念、目に蓋をしている、という点で現象学者失格でしょう。
文学について語る際にはいいのですが(どうでもいい、ということです)
矢鱈現象学を看板に掲げてこういうヴァカなことをいうから、かれは嫌われるのです。というか私はバカだと思う。

一方の大澤は現象学を哲学的立場に持つ???慎重に留保している点でましなんじゃないでしょうか。
よくわかりませんが。東浩紀との対談か何かを読んだことがあるくらいです。で、本題へ。
9710:04/11/09 11:00:06 ID:wV6sMQ4g
>710氏はこういった「陽性VS強制」
>「ジェントルVSチョーク」あるいは「経験主義VS実証主義」のような
>対立に相互理解をもたらすことは可能だと思いますか?
>また、可能ならどういう道筋が理想だと思います?

十分以上に可能だと思いますよ。
道筋として、陽性と呼ばれる人たちならば、
「私たちのセミナーを受講し、科学に基づく犬学を一から勉強しなおし、それから物を言ってくれ」
と言うでしょうし、一方の警察犬訓練側からは、
「チワワやダックスを噛み犬に育てるような変なしつけを教えるな。
唸ろうが噛もうが客のニーズに合わせて最後まで犬の面倒見てからいってくれ」
となるでしょう。

実際問題としてトレーナー、インストラクターと称して専門学校やセミナー受講での勉強なんてたかが知れてる。
独学で十分、その気になれば学べる範疇の「科学」なわけですよね。
一方で経験というのはやってなんぼとはいえ、日々客と接していく中で身につけていけるものでもある。
それは高等訓練や、難しい噛み癖矯正は無理かもわかりませんが、
子犬にツケとかマテとか教える分には不自由しないし、なにより家庭犬飼い主の需要って何よりそこにあるんだし。

経済の問題、商売として双方が成立している現在、「すみわけ」が真っ先に考えられるべきでしょうね。
小型犬の子犬は陽性がしつける(ペットショップ、獣医が主催するしつけ教室は現状すでにこれが多い)
一方の問題行動(ほえる、かむ)はすみやかに専門家を紹介し訓練所に通うなり預託するなり。
また犬ともっと深く遊びたい向きには競技会やアジの指導者として訓練所を紹介する。
そういやこれも思い出した。
自称トレーナーはアジも教えたがるんだ・・・
10710:04/11/09 11:01:29 ID:wV6sMQ4g
大型犬については最初から訓練所、のほうが現状から行くと本当はいいと思うんだけど。
それはまた別の話か。

まあ、今読んでて思ったのは
しつけのために体罰っていいの?
http://hobby5.2ch.net/test/read.cgi/dog/1080917160/l50
のスレで体罰反対の人が言ってるような「言い方」こそが最大の障壁、問題かなーと。

訓練手法に関する非難をやめよう。
そこから生じたデメリットを議論することは、これを恐れずに行おう。
双方が死に物狂いでお互いのいいとこどりをしよう(^^)!!

まずはそこから。いかがでしょうか。
11前スレ841:04/11/09 13:15:58 ID:YLdr1YZ8
 んと、まず最初に、イヌとオオカミの関係については、文字に立ち現れる以前のふたつのバイアスへの目配りがいるかと。
 ひとつは研究者個人の思い入れ。
 日本にもオイヌ信仰はあるし、現代的オオカミ信仰(T農大の○△先生とか)もあるけれど、どうも欧米では、オオカミへの毀誉褒貶はそれ以上っぽく。
 動物観関連の本、邦訳だけながめてみてもオオカミは多いし。
 もうひとつは、欧米でティピカルにイヌといってイメージされるのは、近代的洋犬が多いということ。
12前スレ841:04/11/09 13:29:36 ID:YLdr1YZ8
 でたぶんソレは、漏れも論文には当たっていないんだけれど、プードルとオオカミの比較でなかったかしらん? 
「犬の科学―ほんとうの性格・行動・歴史を知る」で触れられているの
の続報?

 このネタ、漏れの知る限り、まとまった論説はない模様。
 内輪話レベルだと、
・「本質的順位」に「その個体のその時の欲求」係数をかけたものが
見た目の順位として現れるのであろう
・「正しい上位者のあり方」の中に、「下位を演じてみせる」が含まれる
・群れの雰囲気(タテ傾斜のキツさ)によってもかなりバイアスがかかる

 といったところで、「見る者が見れば一目瞭然なんだが、その実感と
科学的に通用する説明との両立しむずかしいのう」みたいな感じ。

 雌雄差でいえばなんとなしにその雰囲気はあり。
 雄の対決は割りと表面化しやすく、決着がつきやすい。雌の対立は
くすぶり続ける傾向にある。それを順位の不明確と捉えるか、往生際が
悪いと捉えるかは、サテ。
 これも、研究者であっても実感レベルですな。実験のための統制には
限りがあるし・・・
 いずれにしても個体差以前に考えるべきほど重くはないかと。
13859:04/11/10 00:24:11 ID:G70Du0s8
トレーナー事情に明るくないのですが、「科学に基づく犬学」って
何を指しているのですかね?「心理学全体」を示しているならそれは嫌だなw
相手が動物だから問題にならないのだろうけど、710氏の言うように
「独学で十分、その気になれば学べる範疇」で心理学を臨床に応用したら、
人間だったら大変な社会問題になりますね。そのへんの意識ってあるのかな?
多分、「訓練手法に関する非難をやめよう」の次元に至る以前の問題として、
「科学に基づく手法」が本当に「科学」なのか、厳しく言えば、
「勝手に解釈、自分科学」になっていないか省みる必要がありそうな気が。。

以前はこんなことなかったんだけど、ここ数年、心理学会のシンポジウムに
訓練士さんやトレーナーさんが聴講に来ますね。9月のJABA年次大会には
20人以上来ていらっしゃいましたよ。流行なのかな???
何人かとお話しましたけど、結構専門的な質問が出たりしてびっくりしました。
心理学の知見が多くの分野で有効利用されることは喜ばしいことですが、
一人歩きを始めると恐いなぁと思いました。

論文は「プードルとオオカミの比較」という内容ではなかったですね。
たしかOxfordの行動学者で、出来るだけ自然環境のままの保護エリアで生活する
メキシコオオカミの3グループを5年観察し、狩の参加順位と食事の優先順位と、
あと遊びだったかな。その中で30種くらいの上位行動を観察したデータを載せてました。
犬のほうは牧羊犬と狩猟犬の数グループでの観察データだったと記憶しています。

私はそのデータを見て、どちらかといえば行動学的興味よりも、
人と動物では「支配・被支配」の概念学習や認知方法の違いがどこにあるのかという
視点で膨大な観察データを自分なりに推測しながら読んでました(^^;
そういう興味本位だから肝心な論文名を忘れちゃうんだと反省。
14859:04/11/10 00:40:02 ID:G70Du0s8
全スレで、934がひとつだけおお!ってこと言ってましたね。
「解釈・定義が異なれば、そもそも話し合いにもならん罠」

これも悩ましい問題ですよね。「絶対言語」ですもんね。
710氏は哲学詳しいようですが、言語哲学なんて読みます?
「躾」「訓練」「服従」「体罰」「人道的」「誉める」等等。
710氏が紹介して下さった「体罰スレ」ざっと読んできましたけど、
それぞれ「語彙」の解釈が微妙に違いますね。
これも、きっと問題のひとつなんだろうなと思いますね。
15859:04/11/10 01:26:13 ID:G70Du0s8
あれ?なんか最初のレスの頭が切れちゃった。なので前後しちゃいましたが、
710氏、841氏、ご教授ありがとうございました。とお礼の一文が切れていました。
失礼致しました。
16710:04/11/10 22:17:09 ID:iPdQ1Nrc
タイトル『人道的な、あまりに人道的な』

「科学に基づくトレーニング」は、暗に「非科学的トレーニング」を
「ほめてしつけるトレーニング」は暗に「ほめないトレーニング」を
「陽性トレーニング」は暗に「非陽性(陰性?)トレーニング」を、
言葉そのものが指し示しているんですねー。
科学に基づく、が心理学全般を指し示すように、そのように受け手が誤解するように、
そのような文脈で(その方面のトレーナーから)使われてきたことも、残念ながら事実かな、と。

>「科学に基づく手法」が本当に「科学」なのか、厳しく言えば、
>「勝手に解釈、自分科学」になっていないか省みる必要がありそうな気が。。

あ、これ、おれに向けてなんでしょうか? 参ったな。
そうじゃなくて、たとえば先の体罰スレで体罰反対の人がいるでしょう。
その人が正しく理解していない=誤読している、んじゃなくて、
「体罰を使わないトレーニング」が暗に指し示すその意味内容が、
普通の犬飼いにそう誤読させているんですよ〜、それはビジネスが絡んでいる以上
「商売敵叩き」にしか見えないじゃんよ〜
それは「誤読するやつが悪い」じゃなくてなんか意図的なものを感じるんだよ〜
と前スレ110から言い続けているんですが。

841さんが前スレで整理してくれたように軍用犬→警察犬の流れから、
訓練用語の「服従」をはじめ、暗に指し示されても仕方のないところもあるんだけど。
かといって服従を「オビディエンス」と言い換えて、それで問題を解消するのもどうかと。

勘違いしている可能性もあるのでご指摘ください。
17前スレ841:04/11/10 22:46:46 ID:lcYIpSCv
 まあ859氏のぼやきも判るんだが。
 岸田サンが本能本能といいように使ってくれたおかげで
本職連中は生得的と言い換えるようになったとか。
 だから「心理学」を守りたい気持ちもわかるんだが、
「科学的」にあまり重きを置きすぎるのもどうか。
 水商売ウォッチングが指摘しているようなモロは別ね。けど、
「科学的」と「非科学的」は集合−補集合関係にはなく、
グレーゾーンがありそうだし。
 そもそも「科学的である」つーのも、ある時代の、好き者の少数集団中で
なんとなくそーだとされている、程度のことが多いんだし。
 ましてや科学技術においておや。
 たとえば現在開発されている医薬品や食品添加物は一応科学的な
手続き踏んで評価されてるけど、古くからあるものは改めて検証されて
なくてもオッケーだったりする。民間療法を笑えないところも多いわな。
 扱う相手が複雑になってくればそれは仕方ないんで、
論理展開上ツッコミに対する手当てがしてあれば、ま、いーんじゃないか、
後は(対照実験的でなく)疫学的な、因果関係は明白でなくても
相関関係はあるよな、ぐらいで満足するしかなかろう。
 少なくとも、生命科学になる前の、博物学の1分野としての生物学は
そうした発想を底流にもつし、最近、それへの再評価の流れもあるな。
18前スレ841:04/11/10 22:59:28 ID:lcYIpSCv
 論文。
 それはあんまし覚えがないな・・・けど面白そうだ。
 牧羊犬と狩猟犬の品種が気になるし、英所属でよリによって
メキシコオオカミというあたりがナゾーだが。

 言葉は難しいやね。別に非専門家が勝手に使って一人歩き・・・に限らず、
語感ってもんがあるし。「負の強化」でワケワカになるのは当たり前で、
最初に訳したヤツが日本語ヘタだったんだな、とか。
 いつか紹介した「社会化」も、飼いイヌ飼いネコの研究中に浮上した
概念だもんでこうなっちゃったけど、改めて見回してみると、
「若い動物が人間社会に適応する」過程だけではなく、
「若い動物の世界解釈の過程」だなあとなってきた。
 けど、たかが10何年かのハナシなのにいまさら変えられなく
なっちゃってる。
 誰が鈴をつけるか、つけた鈴がデファクトスタンダードになるか、難しい。 ヒトの分類とか、イヌやネコは家畜種と野生種で学名が違うのに
ブタ・イノシシやニワトリでは同じ、なのも統一したいよねって雰囲気は
あるんだけど。
19前スレ841:04/11/10 23:06:19 ID:lcYIpSCv
 仮に専門家同士で話す場合でも、厳密にやろうと思ったらいちいち定義
(その場限りでもいいが)を改める必要があるけど、これは定義という語の
定義にすぐなるし、立場上「その場限り」であっても認めない向きもあるし。
 結局はたとえ話をしたり、いろいろ例を出したりして、
「ホラ、あれだよ」
「ああ、あれね」
 的理解しかないんでなかろうかと。
 言語や文章は思考の整理には役立つけど、思考それ自体を過不足なく
表すことはできないからね。
 言い換えは、同言語内だろうが、外来語を引っ張ってくるのであろうが、
有用だけど万能ではないし。
20859:04/11/11 00:38:52 ID:un65kAn4
>あ、これ、おれに向けてなんでしょうか?
いえいえ、710氏に対してではないですよ。「科学に基づく」を看板にしている人へです。
「非科学的」を「科学的」に批判するなら、自分の学んだ「科学」に対して、
常に懐疑的な視点を持っているべきで、テキスト(偏った)だけを読んで信じ込むのは
危険ですね、と言いたかったのです。
私が個人的に710氏と841氏が好きなタイプだと思うのは、ベースやアプローチが違っても
「科学」へ対する懐疑をいい意味で持っていて、鵜呑みにしないところなんですよ。
だから話をしていて楽しいと思うわけです。
あと、710氏が指摘している「意図的なもの」は、残念ですが少なからず
心理学が利用されているかも。「アンチテーゼはテーゼに寄り添う」ですね。
これはプロパーの言い訳になりますが、罰の原理を広めちゃうと
倫理上のガイドラインや副作用の問題が恐いわけです。もちろん心理学療法の臨床現場でも
罰の原理は必ず利用されています。ただ、専門家による計画的かつ最終手段として
倫理規定に照らし合わせ、十分なインフォームドコンセントを行った上で、実施は厳しく
制限されています。もちろんコスト(時間的や緊急性を含めて)も考慮しなくてはいけません。
それでも、年間に何件も倫理委員会で不適切な治療症例が問題となりますから神経質になるんですよ。
だから、一般的なテキスト(心理学部で使用するものも)ですら、罰の原理の有効性は
記述しにくい背景があります。むしろ罰の弊害についての記述が多いかな。
強化の原理については、厳密には無害とは言えないのだけど、まぁ使っても大丈夫だろう的な(汗
そのあたりの事情はお察しください(^^;
21859:04/11/11 00:39:50 ID:un65kAn4
841氏。そーです。ただのぼやきなんで気にしないで下さいw
ぼやきついでに。実は「心理学」を守るなんてどーでもいいんです(爆
認知屋と行動分析屋と知覚屋なんかは、自分たちのこと「心理学」とくくられたくない人多いですよ。
巷で「〜心理学」と言われている(実は最も一般的に浸透している)分野は素朴心理学ですよね。
個人的には素朴心理学は科学とも哲学とも文学とも思えないですね。
その連中は確かに「グレーゾーン」を由とするし、逆にそうしないと論理展開に困るわけですけど。
哲学から派生した心理学を「科学」にするために努力している向きは、
841氏の指摘のように未だ完全ではないが、完全に近づけようと日夜奮闘しておりますw
反証合戦を繰り返し、過去の実験を再検証したり、重箱の隅つついておるわけで、
限界まで「グレーゾーン」撤廃を目指した頭の固い話をしてしまいがちなんですよ。
というのも、710氏も841氏も専門ではないにしろ、十分心理学を勉強されているようなのでつい。
できるだけ気を付けて日常会話に努めますんで、多少の押し付けご容赦ください。
22前スレ841:04/11/11 03:18:09 ID:c7DnXuuj
わかる気がする。

>心理学を「科学」にするために努力している向きは

>心理学を「自然科学」にするために努力している向きは
かな、とも思うけれど。
心理屋さん相手に乱暴な言い方しちゃえば、所属不安ゆえにしゃかりきにと。
里子(あるいはそのモーソー)があるとイイコになろうするように。
ま、ソレが後押しするにはいいと思う。

また、
>巷で「〜心理学」
 ま、〔ワイドショー御用達「心理学者」の心理学〕かな、がなんだかなー、
というのは実感する。

 それには同意するんだけれど、グレーゾーンを狭めようとするベクトルと、
対象においても従事者においても(必然的に新たなグレーゾーンが
現れるのを覚悟で)より広く、より豊かに・・・というベクトルとが
せめぎ合うのが健全だろうとも思う。
 自然科学に限らず、科学に限らず、学問は(完全私費でないかぎり)
何かしらのスポンサーを持つわけで、そちらへの還元も要ろうからに。

23前スレ841:04/11/11 03:20:53 ID:c7DnXuuj
 科学が「説明の方便」であるからには、起きていることには従属的、
後追い
たらざるを得ない。
 「非科学的な」とされるメソッドも、問題は内容ではなく説明の仕方の
問題だろう。非科学的なとされるメソッドであっても科学的検証対象には
なるんだし、科学的とされていてもいつひっくり返るか知れん。
 それと、メソッドとしての向き不向きや歩留まりとは必ずしも一致せん
だろう。「うまみ」が科学的に認められる以前に日本料理を科学的に
評価してみたら、みたいなもんで。
 710氏の問題意識のようにビジネスという視点もそれゆえ大切なんでは
なかろうか。
 ナントカ健康法とかの不安商法系、題目としての「最新科学」だな。
 売ってる中身の良し悪しを別に、科学なり理論なりを説明の体系として
捉えると、素朴心理学も無視はできんでしょ。
「特別なトレーニングを積んでいない人にはそれが受け入れられやすい」
ということはあるわけでさ。
 厳密さを損なう程度と表現のわかりやすさと説明の長さ(長ければ受け入れられにくい)との、当座の、その相手にとっての、ベストないしベターな
妥協点、つーことではないかと。
24前スレ841:04/11/11 03:48:47 ID:c7DnXuuj
 蒸し返すようで悪いんだが、「過去の実験を再検証」で思い出したのと、859氏は詳しいけれど信者でなさそうなんでもっかい聞きたいんだが。

 パブロフの実験の再検証ってどんなバリエーションがあるかな?
 漏れの問題意識を整理すると、あの実験それ自体に疑義はない。
 ただ、肉は、実験開始以前の学習によって成立した刺激と思っている。
 そうだとすると、US・CSの連合でなくて、先行CS・後発CSの
連合ではないかと。
 これに反証するには、USであることが確実なもの、つまり一切の
学習なしに反応を引き出せることが確実な刺激とCSとの連合を調べれば
よい。
 別にエソで典型例として知られている刺激と反応のセットでなくても
いいんだけど、何かある? 

 というのは、このあたりがフレーム間調整のややこしさになろうが、
エソ的に見ると、学習なしにすでに成立している生得的反応においては、
それを〔解発〕する刺激と厳密に1対1であって、別の刺激でそれが
解発されるとは考えにくいのだな。
 言い換えると、複数の別種の刺激に同じ反応が見られるのなら、
それらはすべて学習によって獲得されたものであろうと。
 むろん、あるカテゴリーの刺激の詳細が異なる、というのもあるんだけど、
その場合も、ぼんやりとした枠組みのみ生得的に備わっていて、個別の中身
については学習と考えるわけだ。
 するとよ、CSと連合し得ない刺激がUSである、と言いたくなる。
 まあ、定義はどっちのを優先して整理してもいいんだけど、「学習によらず生得的な」という説明レベルで食い違うのはちょっとな・・・なのだ。

 行動分析学者のイヤになるほどの厳密さは漏れも知るところだが、
他方、ちょっと分野がズレると意外なほど脇が甘い例もあるんで、
このへんの追及が充分とネタなしには確信できんのよ
25710:04/11/11 11:57:39 ID:Ic2aYwUY
>>841
『ものぐさ精神分析』の著者ならば、オオカミは本来無用な争いを避け、
上位者に従い、下位者に優しい生き物であったのだが、
イヌは本能が壊れたオオカミであるので、うんぬん。というかもしれませんね。

>>859
>「科学」へ対する懐疑をいい意味で持っていて、鵜呑みにしないところなんですよ。

倫理的ガイドラインの話を前スレでPETS先生が、859サンのようにちゃんと書いてくれたら、
そこを飲み込んでもっといろいろ勉強できたのにな、と思いました。
どうしてもそこらへんでスルーされてしまい、噛み合わなかったなあ。でいらついた。
罰の弊害を記すだけじゃなくて、「罰の与え方は専門的訓練をつんだ技術者の指導下でのみ」
行いましょう!! という書き方だったら、、、。それも無理な話か。

おれの知っている訓練士はめちゃめちゃ勉強している人と、
本なんか1冊も読まない(言葉は悪いけど完全に無教養な)人と、両極端に分かれる気がする。
訓練所に住み込んでやってると確かに時間はないのだけれども、
それでも時間を作って必死に勉強している若い子もいる。
何より彼らが一般(われわれアマチュア飼い主や、いわゆる家庭犬しつけを教える程度のトレーナー)
と違うのは日常的に(毎日!それも入れ替わり立ち代りたくさんの)凶暴な噛みイヌを相手にしていることなんですね。
怪我したくなければ必死に扱いを覚えるし(訓練所内での事故はものすごく多いです)、そこに知的探究心があったら、
「なぜ? どうすれば?」と観察実験推論を毎日行えるわけですね。勉強していればそれも自覚的に。

10年後くらいには知と腕と両方備えた怖い連中が結構現れると思う。と、期待してます。
それと余談ですけれども、859さんは実際に実験をされることもおありなんですか?
昔バイトで実験動物の配達のバイトしたことあるんです(!!) 、今でも犬はビーグル、なのかなあ。
26859:04/11/12 13:22:10 ID:k5d1hG5m
841氏が悩んでいる内容が私に理解できているかちょっと不安ですが(^^;

>肉は、実験開始以前の学習によって成立した刺激
というのはその通りです。
>US・CSの連合でなくて、先行CS・後発CSの 連合ではないかと
これは一概にはいえませんね。まず、古典的条件付けの学習の仕組みが
どうなっているのかという設問にPavlovはUS-CS連合(S-S結合)の立場を取りました。
Pavlovの「刺激置換理論」は現代ではそれが完全に正しいと信じる研究者(専門の)は
ほとんどいません。未だに堂々とアホなこと書いてある書籍もありますが(^^;
一方、HearstのSign-Tracking理論(S-R結合)も多くの反証実験(Rescorla他)を
説明できず、「USの再価値化(US revaluation)」現象が分かっています。
脳性理学的には、USセンターと反応センター間のニューロン発火だけが見られる場合と
USセンターとは関係なくCSセンターとその反応センター間でニューロン発火される場合、
あるいは、USセンターからCSセンターを経て反応センター、もっと言えば
USセンターとCSセンターでのニューロン発火後、新たな経路で反応センターというように
反応によって様様なタイプの生理学的反応があることが知られていますね。
結論として、古典的条件付けではS-S連合とS-R連合が何らかの相関性を持って学習されている
と考えられています。
ですから、841氏の質問のようにUS-CS連合かCS1-CS2連合かという(S-S結合)だけで
考えることはできないのです。
27859:04/11/12 13:22:48 ID:k5d1hG5m
その前提で、肉はなぜCSでなくUSだと私が言っているのかというと、
肉という刺激に対する「唾液分泌」「なんらかの情動変化」「該当部位のニューロン発火」は
その種が保有する「生得的行動」だからです。
エソロジー的にこういえば分かり易いかもしれませんが、トゲウオのオスに腹の部分が
赤い模型を近づけると攻撃行動が観察されますよね。模型は別にトゲウオの形に似ている
必要はないですね。逆に、そっくりな模型でも腹が赤く無ければ、攻撃行動は観察されない。
腹がふくれたメスにそっくりな模型にトゲウオのオスは求愛行動を示さないけど、
形は似ていなくても銀色に腹が膨れた模型には求愛行動を示しますね。
「赤い腹」「銀色のふくらんだ腹」は解発刺激(信号刺激)と言えますよね?
でも、トゲウオのオスが生まれたばかりの頃や成熟前にはこれらの行動は観察できない。
では、成熟する過程でトゲウオは何らかの刺激と解発刺激の間に連合学習をしたのか?
この答えは完全にNOとは言えないけど、例え赤い腹の他の魚に攻撃して何らかの強化を受けた
学習経験があったとしても、そもそも攻撃した行動自体、「生得的解発機構」が備わっていたから
と考えるのが妥当だと思います。
つまり、肉はその外見的特長や物理的特長の何が肉を始めて口にする犬にとって
「食べ物であるか」判断しているのかは明確に分かっているわけではありませんが、
「生得的解発機構」が備わっているから捕食する動機が触発され、
捕食時に解発されるべき生得的行動が誘発されると考えます。
28859:04/11/12 13:23:45 ID:k5d1hG5m
最新のエソロジーで「解発刺激」が何らかの先行学習がなければ機能しないという実験があるのか
私は知らないのですが、私の知る限り、こちらの畑では「解発刺激」(心理畑ではUS)は
その機能が眠りから覚める何らかの刺激(学習ではなく)や文脈によって「生得的解発機構」が
呼び覚まされ、生得的にプログラムされている行動(心理畑ではUR)が誘発されるのだという理解です。

>言い換えると、複数の別種の刺激に同じ反応が見られるのなら、
>それらはすべて学習によって獲得されたものであろうと。
これも、「学習によって獲得されたもの」(心理畑では般化とかカテゴリー化)もあるかもしれないし、
「生得的解発機構」によって学習ではなく「解発刺激」によって誘発されたかもしれないと考えます。

質問への回答へなっていない、あるいは論点がずれている(よくある)ようであれば
また突き詰めましょう(爆)幸か不幸かこのスレ、完全に隔離スレになってますからね。


710氏

>倫理的ガイドラインの話を前スレでPETS先生が、859サンのようにちゃんと書いてくれたら
あの方は実際に営業されていますし、影響力が。。立場もありますから。。
また710氏のように、うまく飲み込んで「みなまで言うな」で分かってくれる人ばかりじゃないし。

>859さんは実際に実験をされることもおありなんですか?
動物実験是非についてのスレもありましたね。そんな話をすると叩かれちゃう(汗
犬に関してはすごく厳しくなったんですよ。ここ数年。
29859:04/11/12 14:50:29 ID:k5d1hG5m
補足になりますが、これじゃダメですか?

外見上の特徴で言えば、「肉=トゲウオのオス」
ところが生得的行動を引き起こすのは「肉の何らかの物理的特長=赤い腹(物理特性)」

※肉に関してその物理的特長の何が「解発刺激」になっているのかを調べた実験を知りません。
 仮にここで便宜的に肉に含有するアミノ酸の嗅覚刺激と仮定させて下さい。

「解発刺激」によって誘発される行動は、「唾液分泌(代表)=攻撃行動」

>エソ的に見ると、学習なしにすでに成立している生得的反応においては、
>それを〔解発〕する刺激と厳密に1対1であって、別の刺激でそれが
>解発されるとは考えにくいのだな。

「〔解発〕する刺激」というのは厳密には「トゲウオの赤い腹」ではないですよね。
なぜなら、トゲウオ本人でなくても、模型でも「解発刺激」となりますから。
本当に厳密に言えば、「赤い色という視覚特徴を下部にもつ、ある程度外見特徴も似た
物体の物理的特性」がトゲウオの場合の「解発刺激」ですね。
ですから、「刺激の集合体」として「肉」を考えるとヒーラルキーとして捉えることに
なるので、そのヒーラルキーには確かに学習要素も含まれているでしょう。
おそらく、めちゃくちゃ厳密に言えば、肉はUSと言えなくなるのは確かなんですが。。
こう言えばいいのでしょうかね、「肉という外見特徴を有し、アミノ酸の嗅覚刺激(仮)
を有する物体の物理的特性」がUSであると。つまり、肉という刺激集合体の中の特定刺激です。
そして、その特定刺激の有する物理的特性に反応する「生得的解発機構」を有する故に
学習経験が無くても、いずれその時期がくればその「構造」が働きだすと。
30859:04/11/12 14:51:34 ID:k5d1hG5m
また、CSというのはあえてS-S結合だけで考えれば、USと対提示することで「機能」で見れば
古典的条件付けが学習されますから、アミノ酸の嗅覚刺激(仮)と肉が持つ刺激集合体
の他の個別刺激と対提示されて、それらの個別刺激(刺激集合体での肉ではありませんよ)
がCSとなるいうミクロな話なら考えられますが、うーん、ミクロすぎるって感じですよね?
そこまでいくと、アミノ酸の嗅覚刺激ももっと分解すると、実は刺激集合体だろって
化学者も出てきちゃうし、分子レベルや原子レベルまでやる気になれば実験できるのかも
しれませんが、そこまで特定することに価値があるかというと、うちの畑ではいらないかなと。
他の畑の方に期待するかなって感じなんですね。だから、肉という刺激集合体を
ひとつに捉えてかまわないだろうということで。ダメ?
31前スレ841:04/11/13 17:40:58 ID:jW9d8Ju2
 さんくす。「刺激」の物理的・認知的中身も無関係ではないんだけど、
ちと後回しにさせてもらって。

>こちらの畑では「解発刺激」(心理畑ではUS)は
>その機能が眠りから覚める何らかの刺激(学習ではなく)や文脈によって
>「生得的解発機構」が呼び覚まされ、
>生得的にプログラムされている行動(心理畑ではUR)が誘発されるのだ

 ここは同感。んで、

引用1
>肉という刺激に対する「唾液分泌」「なんらかの情動変化」
>「該当部位のニューロン発火」はその種が保有する「生得的行動」
>だからです。

引用2a
>肉はその外見的特長や物理的特長の何が肉を始めて口にする犬にとって
>「食べ物であるか」判断しているのかは明確に分かっているわけでは
>ありませんが、「生得的解発機構」が備わっているから捕食する
>動機が触発され、捕食時に解発されるべき生得的行動が誘発される

引用2b
>肉という刺激集合体を
>ひとつに捉えてかまわないだろうということで。

 このあたりにビミョーな飛躍がある気がしているんだな。
 言い換えると、「餌」という「カテゴリー」に対して引用1にある
ような生得的行動は準備されている、というところまで同意で、
つーことは2a後半は同意、けれど、2a前半をもう少し詳細に見ないと、
2bといえないのではないか、なのだ。
32前スレ841:04/11/13 17:42:34 ID:jW9d8Ju2
 肉から発散される特定の臭い物質が無学習であっても
一連の生得的行動を引き起こすのか、というと、やや疑わしい気がする。
 というのは、空腹でも肉を食べないイヌがいるからね。発情していて
赤色を無視するトゲウオはいないのに対して(これは遮断化その他の
設定の話になるが・・・)
 仮に肉から発散される特定の臭い物質が無学習であっても一連の
生得的行動を引き起こすのか、が正であるとしても、たしかにミクロ
すぎるんだが、やはりその物質がUSで肉はCSと見たい。
 これはたとえば、害虫誘引でつかう物質の例を見ればわかるし、
イヌにしたって、生得的な忌避物質や誘引物質が特定できれば
ありがたいしね。ニオイだとヒトがその扱いが不得手だからずごく
ミクロになってしまうが、その他の感覚器に置き換えればさほどでも
ないっしょ。

 つーのは、重箱のスミな話ではなくて、このあたりの生得的準備性の
高低であったり、その最高レベルでは事実上絶対的であったり、
という学習の限界への理解不足が、いろんな場面で顔を出しているように
思えてならないんだ。オヤツの体罰のというときに議論がかみ合わない
ひとつの理由でなかろうかと。859氏ほどに判っていて「肉」をくくる
のならまったくいいんだが、行動分析家が当然のこととして共有している
認識ではなさそうだで。

 要するにね、「高度な生得的学習準備性がある刺激」と
「決定的に生得的な刺激」とは分けたほうがいいんでないか、と。
 前者は、すなわち、「雛形の合致する現実の存在が何かについては
学習の余地があり、あるいは学習を必要とする」し、よって、中立な刺激を
予兆として与える手続きによって操作し得うる。だから訓練に使える。
 後者では同じようにはいくまい。反証実験を知らないので根拠を欠くが、
対提示手続きによってトゲウオを青で怒らせることができるようになる
とは思えないのだ。
33前スレ841:04/11/13 17:43:47 ID:jW9d8Ju2
 別の、飽和化の側面から見てみる。肉に限らず餌は、
満腹になると生得的反応を起こさせなくなる。対して、捕食は残る。
 これはネコである程度調べられていると思ったけれど、
待ち伏せ→忍び寄り→飛び掛り→押さえつけ→噛み付き→摂食
という一連の要素行動、前段階のものほど飽和に多くの試行を要する。
 考えてみりゃ当然で、狩りは失敗が多く含まれるのだから、そのように
プログラムされている個体は生き残りやすいわな。
 するとだよ、仮に集合的な刺激としての肉をUSとするとしても、
「もっとUSちっくなUS」が出てくるわな。肉はUSだから云々、
あるいは餌は一次強化子だからかんぬん、という議論には落とし穴が
あるだろう? ということなんだ。

 あるモノがUSである所以が常に意識の片隅にあっての議論なら
いいんだけど、行動分析学はUSの中身を論じるツールには豊富とは
いえないわな。
 と、その刺激がそう機能している所以を行動分析学的語彙の範囲で
考えてみるのには実用的値打ちがあるぞよ、と。パブロフの実験系に
おける肉がUSか? という設問はいわばひとつの典型例だな。
その分野では大前提でも「?」と見る隣接分野がせっかくあるんだから、
一度脱構築(ホントか?)してみてはどうかと。

 S−SかS−Rか、その絡みは、つーのがニューロンレベルで多くの
動物種に対して網羅的に判ってくれば一歩前進はするけど道は遠いし、
それがわかってもこんだ、なぜその種ではそういうニョーロン発火の
しやすさが用意されているのか、ってことになるべ。ゲノムマップと
それぞれの遺伝子の各種条件下でのたんぱく質がらみの各種の動きが
網羅的に記述されるまで我々は生きておるまいし・・・
34前スレ841:04/11/13 17:44:54 ID:jW9d8Ju2
もひとつ展開しておくと、遮断化手続きにもからむ。
 餌は遮断化が効くよね。けれど、もう一段事前の操作として、
一度大食させてから遮断化、はもっと効く。運動を増やして基礎代謝
上げておくのを併用すればもっと効く。
 愛情はどうか。遮断化、効くことは効く。プロは使うわな。でも、
同時期に多数を訓練するための効率化のためならたしかに使えるけれど、
その縛りがなくても進められるかというと疑問なわけだ。
甘やかせば甘やかすほど依存が進んで、遮断化らしい遮断化なくても
効くようになる。
 卑近なたとえだと、食べ物は割りと簡単に飽和化するけど、酒は
飲めば飲むほど進む、とかさ。禁煙破りには最初の一本で充分、とかさ。
 食べ物であっても、うまく自分で遮断化すると食欲そのものを減らせる
(人もいる)とか。
 刺激としてでも結果としてでも、あるモノがどう振舞うかを見るのに、
USであるかCSであるか、また一次であるか高次であるかという分け方は
有効でないと思っているわけなんだ。

 キジとかカモとかは、上を飛ぶ猛禽類のシルエットに完全に生得的に
反応する。いずれは飽和化するだろうけど、死にかけるな、きっと。
 野生のネコはイヌやキツネを恐れるけど、育て方によっては怖がらない
ようにも出来る。
 ネコがイヌを、キジが猛禽類を怖がる際に生じているのは生得的反応さ。
けど、くくっちまうのはまずいべ。
35859:04/11/14 22:52:50 ID:QZP8WcsO
841氏

言いたいこと(概念的なこと)はよくわかりますよ。私も賛成。
しかしながら、学習心理学の学術的理解には誤解がありますよ。
失礼な言い方になってしまいますが、前スレ同様、レスポンデントと
オペラントがごっちゃになっていますよ(^^; 
少し反論を(爆)

「行動」という言葉がいけないのかな?ではレスポンデントは「反応」にしましょう。

>肉から発散される特定の臭い物質が無学習であっても
>一連の生得的行動を引き起こすのか、というと、やや疑わしい気がする。
>というのは、空腹でも肉を食べないイヌがいるからね。

標的行動が違いますよ。肉USに対する反応(反射)URは、「唾液分泌(代表例)」
「食べる」はオペラント行動です。「食べない」は「食べる」オペラント行動が
自発されない、あるいは「食べる以外の行動」が自発されていると分析するでしょう。
オペラント行動は随伴性の学習ですから、当然過去に強化履歴や弱化履歴があります。
ですから、US/URを論じる場合、実験すべきは無学習の臭いが、反射としての
唾液分泌を誘発するか否かになるわけですね。
また、遮断化のような確立操作や発情のような事前条件というようりも、
馴化や消去、隠蔽や阻止といった要素のほうが影響が大きいでしょうね。
ここで、ティンバーゲンのトゲウオ実験とパブロフモデルの実験を
US/URにおける同一線上で比較するならば、
「赤色(US)を見た(知覚による生得的解発機構の目覚め)トゲウオは攻撃(UR)する」
「アミノ酸刺激臭(US)を嗅いだ(知覚による生得的解発機構の目覚め)犬は唾液を分泌(UR)する」
となります。
36859:04/11/14 22:53:33 ID:QZP8WcsO
あと、トゲウオを青で怒らせる(トゲウオが青の知覚を持っているならば)のは
おそらく可能でしょうね。これがまさにPavlovが発見した古典的条件付けの仕組みです。
こんな実験デザインをしたことはありませんが、赤色(US)と青色(中性刺激)を
繰り返し対提示すると、青色はCSになります。赤色(US)が誘発する攻撃反応(UR)と同様、
青色(CS)は攻撃反応(CR)を誘発するようになるでしょう。

>これはたとえば、害虫誘引でつかう物質の例を見ればわかるし、

これも反証可能性があります。まず、誘引成分が強く、毒物成分を隠蔽した可能性。
ラットに毒物を混入したサッカ水を与えると、最初は相当量摂取します。
味覚嫌悪学習の実験デザインですが、毒物により気分が悪くなった学習経験を経た
個体の多くは、次からサッカ水を飲まなくなります。害虫は一度誘引されると駆除されてしまうので
学習する間に死んでしまいますね(笑)仮に生き延びたら、次は誘引されないかもしれません。
また、味覚嫌悪学習実験でも、ある種の薬物(気分は悪くなるが中枢神経を麻痺する麻薬)を
使用した場合、個体によってそれを好んで摂取する場合があります。
これはUS/URで考えると、補償反応条件付けやホメオスタシスで説明することも可能だし、
オペラントでの話ですけど、薬物耐性や補償反応麻痺が引き起こす有害物質の反補償反応が
強化子に働く場合もあります。

>33 でのネコの話も古典的条件付けというよりむしろオペラント条件付けの話ですね。
一部、昔の教科書で、古典的条件付けは「不随意な行動(反応)」、
オペラントは「随意な行動」という区別があった(厳密ではないので完全に信じないでね)けど、
その区別でまずは考えてみて、レスとオペをもう一度整理した上で考えてみて下さい。
37859:04/11/15 00:46:16 ID:gKtuJNxY
841氏が例に挙げたものを、学習心理学の統語法で記述すると、

>肉に限らず餌は、満腹になると生得的反応を起こさせなくなる。
肉に限らず餌(US)は、満腹になると生得的反応である唾液分泌や
摂食動機(UR)が減少する(完全に誘発されなくなるわけではない)

>対して、捕食は残る。
ごめんなさい。言いたい意味がよくわかりませんでした(汗

>待ち伏せ→忍び寄り→飛び掛り→押さえつけ→噛み付き→摂食
これはすべてオペラント行動であり、レスポンデント反応ではない。
「摂食」に関しては、例えば口の中に突然入ったものを反射的に噛む
とか瞬間的な反応の一部を切り取ると、レスポンデント反応と言えなくも無いが、
その瞬間的な反応も、多くの要素としてはオペラントと考えられる。
(例えば10のうち9まではオペで残り1がレスの影響と言った具合)

>食べ物は割りと簡単に飽和化するけど、酒は 飲めば飲むほど進む、
標的行動を「食べる」にすると、その人にとって食べ物は無条件強化子として
の強化力をそれ程持っていないか、確立操作として遮断化の時間が短いか、
何らかの身体的理由で一般的な人より飽和化が早い。
標的行動を「唾液分泌」にすると、食べ物(US)が誘発する唾液分泌や
摂食動機(UR)の反応減衰が早い。
一方、その人にとって、標的行動を「酒を飲む」にすると、
酒は条件性強化子として強い強化力を持っていて、友人との楽しい会話や
キャバクラのネーチャンといった他の条件性強化子も相まって、
強力な般性強化子になっている。また、身体的にもアルコール耐性が強く、
酒は 飲めば飲むほど進んでしまう。(もちろん例えだけど)
38859:04/11/15 00:47:01 ID:gKtuJNxY
>禁煙破りには最初の一本で充分
その人にとって煙草は強力な条件性強化子であると同時に、一服する際の
ゆっくりとした時間や、仕事から一時的に解放される(私の場合まさにこれ)
といった条件性強化子が相まって、強力な般性強化子になっている。
さて、今日は禁煙して3日目。すでに72時間の遮断化が確立操作として働いている。
煙草の強化力は最高潮に充填されている。ここで1本! スゲー!頭がクラクラする。
やっぱり煙草は最高だ! 3日間禁煙したことが結果的に喫煙を部分強化してくれた。
消去抵抗もこれで十分高くなる。もう禁煙なんてどこ吹く風だ。(またまた例えだけど)

>野生のネコはイヌやキツネを恐れるけど、育て方によっては怖がらないようにも出来る。
ある程度月齢のいった野生のネコ(既に犬やキツネが罰子)に無条件強化子や
その個体にとっての条件性強化子とイヌを対提示する(拮抗条件付け)と罰子は序所に
中性刺激になっていくでしょうね。ただ、これは厳密に言えば、完全に罰子が消えて
しまうわけではないという説が有力ですが。
擬人化表現ですが、「あっ、イヌだ!ヤバイ!・・ってちょっと待てよ、そーいえば
最近イヌ見るといい事あるんだよな。襲われたりもしないしな。イヌって恐くないかも」
みたいな、情動変化がすごい高速でネコの頭の中で回転しているという感じ。
「恐い」の上に「恐くない」という階層学習ですね。
一方、野生でも月齢が若い(生得的解発機構がお目覚め前)個体は、イヌやキツネと
一緒に生活させたとすると、恐れなくてはならない後天的学習履歴(オペラントの弱化等)
がなければ、別にイヌやキツネのことを何とも思わないか、学習次第で好きになるでしょうね。
841氏のほうが詳しいと思いますが、種が持つ生得的解発機構の全てが解発されるわけではない。
むしろ、全ての種は有する本能の一部しか目覚めさせていないといいますよね。

行動分析学の好き嫌いはどうでもいいのですが、841氏ほどの人がどうして
US/CSの定義やレスとオペの定義でこんがらがっちゃっているのかが不思議です。
反感持ってる認知屋とか、とんでもない人に教えてもらったとか?
39859:04/11/15 12:46:08 ID:gKtuJNxY
710氏

ネタなんですけど、先日ある団体(科学を看板にしているところ)から
インストラクター養成目的で発行されている教本をひょんなことから手に入れました。
スゴイですね(大爆)。誤記もそうだし、読んでも一般の人は誤解しちゃうでしょうね。
710氏が警鐘を鳴らしている一旦を垣間見た気がしました。
で、そこのWEBも見てみましたが、いわゆる「トレーナー」を養成するのではないのですね。
言葉のマジックですが、そこが養成するのは「インストラクター」(爆

英語圏では「トレーナー」と「インストラクター」とでは大分ニュアンスが違いますね。
前者は訓練者とか調教師といった感じで、トレーニング全般をカリキュラム化できて
総合的に実施できるスキルを持つニュアンスで、後者はアドバイザーとか
指導者といったイメージですね。最初から710氏の言うように、訓練とか調教といった
レベルは営業的に対象外としているのか、そう言っちゃうとなんだかトレーナーより
格下のイメージになるから、「インストラクター」という言葉を意図的に使っているのか
わかりませんが。。。
心理畑の臨床でいう「セラピスト」と「カウンセラー」の違いみたいで笑えました。
40前スレ841:04/11/15 14:26:30 ID:MWQX+B5a
 ソーカ、「そのあたり」の語法で引っかかるか・・・。
 859氏の正しい理解だと、レスとオペの区別点は何なの?
 
 随意/不随意ではない、と。そこは判る。
 徹底的〜の定義に従うと、反射も行動の一部でしょ?
 と、手続きしか残らんわな。対象行動によってレスかオペかを排他的に
区別することはできないし、その意味もない、と。
 少なくとも、859氏の兄弟弟子と思われる徹底〜学者にきいたところ
そういわれた。

 「刺激」「行動」の後に「結果(強化・弱化でも何もナシでも)」
を与えた場合の動物の行動の確立の変化、を見ればオペ。
 「刺激」「行動」のセットだけみりゃレス。

 ここで前段、「結果」を与えた場合としているが、これは操作者側からの
見方であって、対象となっている動物の内部を(ブラックボックスとしない
徹底〜の見方で)見てみれば、「強化内在性の行動」が出てくる。
これは手続き的にオペだってレスだって同じな。するってえと、
操作者はレスを見ているつもりでもオペの可能性はある。
 唾液分泌についてもそれ自体が快である可能性を否定できない以上、
オペでないとはいえない。あるいは、パブロフの原著読んでないんで
誤認だったら指摘して欲しいんだが、肉だか肉粉だかで生命を
維持していたのだとするともろにオペだったかもしれんわな。
肉の臭いがずーうっと提示され続けていればn秒ルールにも
ひっかからんし。
41前スレ841:04/11/15 14:28:04 ID:MWQX+B5a
 そもそも唾液分泌って、それだけ単独で標的行動として取り出せるのだろうか?
 つまり、US−URの典型として適切だろうか?
 不適切な例から始まったもんでボタンの掛け違えが続いているではないだろうか?
 先行のレス、オペが否定しうる綺麗なレスの実験例ってないんかな。パブロフのより綺麗な

。池のコイもオペあるよね。

  
>「摂食」に関しては、例えば口の中に突然入ったものを反射的に噛む
>とか瞬間的な反応の一部を切り取ると、レスポンデント反応と言えなくも
>無いが、その瞬間的な反応も、多くの要素としてはオペラントと
>考えられる。
>(例えば10のうち9まではオペで残り1がレスの影響と言った具合)

 漏れはここを推し進めるといいんではないかと思ってるわけ。
 ネコのじゃれかかりも、レスかオペか微妙というか、どちらともいえる。
 ネズミを見たことがない仔猫も、初めて見せられたネズミ穴サイズの
穴を(他のサイズの穴と異なり)非常に気にする。その穴にネズミの臭い
なんかなくてもね。レスっぽいな。
 他方、学習歴(通常はネズミを食べることを想定するからオペ。
いいかえると、そういう言い方をするならば、パブロフのケースの
漏れが疑う先行学習もオペだな)ないと、なかなかネズミを食べてくれない。
親が食べるのを見ての観察学習は・・・ううーん、ミラーニューロン
どうなんだろね?
42前スレ841:04/11/15 14:29:38 ID:MWQX+B5a
 レス的なUS−UR、言い換えると衝動−解発因−行動、で、
ある行動は始まり、強化が外からか中からかはどちらでもいいが、
オペでその行動は洗練され、複数の行動のつながりがスムーズになっていく。
 肉の臭いで唾液が出る、つーのはすでに洗練されてなきゃ出ないと
思えるわけだ。
 ネコが目の前動くものについ手を出しちゃうの、あるいはこれが
オペっぽくて抵抗があるのなら、手を出す寸前に瞳孔が収縮する反射、
これはレスだろうと。
 トゲウオが実際に攻撃するところまでで計るのは少しラフだな。
まず、瞬間湯沸かし器的に攻撃的気分になる(色が変わる、ヒレを広げる)
までて見ると、レス。実際の攻撃においては選択しうる速度や経路、
対象攻撃部位などがあり、そのどれを選ぶかにはオペが効いておろう。
 すると、これはどちらもやってみてない以上説得するのは難しいんだが、
青で怒らせるのは難しく思える。青で警戒する、ところまではいくけれど。
 対提示が連合にいくか、弁別にいくか、何も生じさせないかは微妙でしょ?
 トゲウオにしたって、赤と一緒に地色は常に提示されている。けど、
その色では怒らない。
 サケ。雄同士争う。その際、雌は常に対提示される。けど
雌を攻撃するようにならん。攻撃する気分にもならん。
 コキンチョウにジュウシマツの雛を育てさせるの、成功例聞いたことが
ない。逆は普通なのに。これはコキンチョウの雛の口の中にある
ダイヤ模様がリリーサーね。
43前スレ841:04/11/15 14:30:56 ID:MWQX+B5a
 キジやガン・・・は、ある特定の刺激で生得的解発機構がキレイに
出る例でいい?
 ネコvsイヌ、キツネの場合、生得的解発機構が働き出す時期では
たぶんない。
 大人になってからの無害学習が階層的ってのには同意するけど。
 よちよちと巣から這い出す頃、想定される外敵モデル、大きくて動くモノ、
重い振動にフリーズするという生得的解発機構は発動してる。だって、
なぜ生得的解発機構が要るかといえば、学習なしに淘汰的に有利に
振舞うためだから。繁殖がらみは年頃にならんと出てこないけど、
外敵がらみはより早い。その機会に晒される頃に出てなくちゃ無意味っしょ。

 環境によっては一生使われない生得的解発機構がある、
ことはないとはいえないけど、普通は使われるべくプリセット
されているわけで。むしろ、解発因、解発刺激の範囲だろうと。
 ひとつは、ソレと認知するための必要条件。ハイイロガンの雛に
とっては、立っているヒトはついて行こう行動や安心する
行動の解発刺激から外れる、みたいなもんね。
 もうひとつがたぶん問題で、解発刺激は雛形として存在して、
その中の何が優先的になるかは学習による、というもの。
これが仔ネコとキツネ、イヌと肉の臭いだと言っている。
44前スレ841:04/11/15 14:32:14 ID:MWQX+B5a
 つまりだな、US−URとされているものにも、少なくとも

a クリティカルに生得的なもの。トゲウオと赤、
キジ・カモと猛禽シルエット。おそらくCSへの置き換えが不可。
拮抗条件付け困難。無理すっと動物が壊れる。
b 生得的な刺激クラスは雛形で、その中の〔何〕に反応が生じるかは
先行のレス、オペによるもの。パブロフのイヌ、ネコがキツネを怖がる。
拮抗条件付けがそれなりに可能。学習機会剥奪等の操作で〔何〕は変化する。
c 不随意〔でもありうる〕反射で、CSへの置き換えが可能なもの。
瞬きとか鼓動とか。手を出す直前のネコの瞳孔収縮はこれな気がする。
d 不随意〔でもありうる〕反射で、CSへの置き換えが困難なもの。
ちと自信ないけど膝蓋腱反射とか。

 はあるだろうと。
 理屈としてセリグマンの準備性とか、刺激の物理的特性(脳の話になるか)
とかをどう当てはめるかは次としてもさ。
 エソ屋から見ると、aとbとごっちゃにするのは、また、
bにおけるUS−URが〔複数の組み合わせの中からたまたまそれ以前に
選ばれたものである〕ことを軽視するのはどうよ? なのね。
45前スレ841:04/11/15 14:33:46 ID:MWQX+B5a
b発でいくと、ネコは小さいものにじゃれ付く生得的解発機構があって、
それは失くせない。拮抗条件付けやったら壊れる。けれど、ネズミを
捕っていたネコが窮鼠に噛まれて小鳥を捕るようになる、のは普通にある。
風呂場の排水口からシャンプーに臭いをさせて出てくるネズミを
捕っていたら、シャンプーの臭いの予報性で、銭湯から持ち帰った
お風呂セットの袋の中を探すようもなろう。けれど、かといって、
シャンプーの臭いのついた手拭に噛み付くようにはならん。

 酒や煙草は例としてまずかったかな。
 通底する問題意識としては、食べ物という概念→唾液分泌という雛形と、
肉なりの個別の食べ物→唾液分泌を区別するように、何が強化子で
何が罰かについても、雛形とその種の性質とその個体の学習歴とを
より意識するのがよいのではないか、なのだな。

 そのためには一度(710氏のいうように)「常識」を疑ってみるべいと。
46前スレ841:04/11/15 14:52:50 ID:MWQX+B5a
 「ある団体」。
 「イヌ インストラクター」で出てくるところ、でいいのかな。

 まあ、抜けているところとか政治的なところとかはさておき、
イントラとしたのはたぶん、トレーナーは訓練士の直訳でイヌだけ見る
イメージが強い、訓練所に預けたら訓練士さんの言うことは聞く様になった
けど家人の言うこと聞かない、のとの差別化ねらいで、飼い主ごと面倒
みますよ、ではないかと。

 「ドッグライフエキスパート」「ドッグライフアドバイザー」・・・
 まあ、ヒトの医学でも、療法士が細分化されているわけで・・・

 カウンセラーとセラピストってちなみにどう違うの? 
 心理か精神医学か、かな? 
 カウンセリングでぐぐってみると、「神霊〜」つーのもあったぞ。
47859:04/11/16 02:42:10 ID:0ZbBuwAl
841氏

なーる程。やっとわかりましたよ。私の頭が悪かったw
まず、肉がCSじゃなくてUSと私が言い続けているのは、
Pavlovの実験デザインにおいての話ですからね。
次に、841氏が多分勘違いされているのはCSの定義だと思いますよ。
そんなこと知ってるよと憤慨なさらないで下さいね。
Pavlovの定義によると、CSとは他の刺激と対提示されることで
CRを誘発するようになった刺激だと要約できます。
今までの話で、仮にアミノ酸刺激臭が本来のUSだとします。
肉をCSにする為には、その刺激臭(臭い成分だけ)と肉片を
対提示する手続きが必要ですね。それナシではCSの定義から外れます。
ミクロな話で、肉を刺激集合体と捉え、臭い成分とその他の刺激構成要素が
同時に提示される同時条件付けであると考えたとしても、肉をCSとは言えないでしょう。
なぜなら便宜的に841氏が同意してくれたアミノ酸刺激臭(仮)をS1とします。
肉の持つS1以外の刺激構成要素が4つあると仮定し、それをS2、S3、S4、S5とします。
肉を犬に提示することはS1(US)とS2〜S5を対提示したことだと考えると、
CSになる可能性があるのはS2〜S5ということになります。
全部がCSになるのか、ある刺激が他の刺激に隠蔽されるか検証が必要だけど、
S2〜S5まで、全部CRを誘発するようになったとしましょうか。(通常在り得ないけど)
それでも、あくまでCRを誘発するCSはS2であり、S3であり・・S5ですよね。
それをひっくるめて肉をCSでいいじゃん、となると、それはS1が厳密にはUSだけど
堅いこと言わないで肉がUSでいいじゃない、という理屈と変わらなくなっちゃう。
そうすると、あまりにミクロな話では、肉はUSでもCSでも無くなっちゃいますね。
48859:04/11/16 02:43:27 ID:0ZbBuwAl
次に、Pavlov本人は心理学実験デザインで言えばあまり優れた実験者とは言えないけど
後に彼の弟子達は多くの被験体で過去の学習履歴や余剰変数を統制した実験を行いました。
肉を提示された被験体の唾液分泌がオペラントであるとすると、分泌するわけだから
分泌反応には強化随伴性がなくてはなりませんよね。
先ず正で考えると、唾液を分泌したことで何らかの正強化が得られるのか?
実験室ですから、唾液分泌を他者が強化するとは考えにくい。
事実、Pavlovモデルでは外的要因を可能な限り排除しており、強化に結びつく
随伴性は見受けられません。一番大事なことですが、実験直後に肉を与えません。
よって、唾液分泌すると直後に肉が与えれるという文脈は当然排除されています。
ご指摘のような「肉の臭いがずーうっと提示され続けている」こともありませんよ。
いくつかの実験デザインでは、食物はチューブで直接消化器直送です(涙
となると、内在性強化になるわけですが、考えられる可能性としては、
唾液がアミノ酸を分解して美味しく食べられる?消化が早くなり、生命維持に有利?
唾液が口に広がる感覚性強化?いずれも考えにくいですよね。
人間なら、「唾液を多く分泌した方が食べ物は美味しく、健康にもよい」とか
「唾液を分泌しないで物を食べると消化不良を起こしやすい」とか
随伴性をタクトすることで、唾液を多く分泌することを強化できるかもしれないけど、
犬に「ルール支配行動」でのオペラント行動を形成させるのは不可能でしょうね。
となると、直接効果随伴性ですが、唾液と味覚の鋭敏化関係や生命維持とかを
犬が随意するとは思えないし、感覚性強化にしても、唾液分泌腺から直接チューブで
唾液を収集されているから、口の中に唾液が広がる感覚が内在性強化子になることも考えにくい。
分泌腺や消化器官の膨張・収縮を随意するともそれが強化子になるとも思えませんよね?
49859:04/11/16 02:44:18 ID:0ZbBuwAl
一方、負で考えると、唾液を分泌したことで何らかの正罰子が減少消失するのか?
外的要因での環境変化と言えば、一定時間が過ぎると肉が無くなることですが、
肉は正強化子(そう言って差し支えないですよね?)だから、この随伴性は
負の罰となり、唾液分泌がオペラントなら逆に弱化されるはずですよね。
内在性強化も、唾液が出ると空腹感(正罰子でいいですよね)が無くなるとか、
何らかの不快から逃れられるとも思えないし、ましてそれを随意しているとも思えません。

まだまだ、理由はあるのですが、ここまで統制されていれば、Pavlovモデルでの
唾液分泌がオペラントである可能性は限りなく0と言ってよいと思いますよ。
換言すれば、Pavlovモデルにおける犬の唾液分泌反応はレスポンデント成分が
ほぼ全体を占めており、オペラント成分が仮にあったとしても無視できるレベルにあると。

>先行のレス、オペが否定しうる綺麗なレスの実験例ってないんかな。
USが嫌悪的なものの方が、理解し易いかもしれませんね。

Domjan & Burkhard, (1982 ) The principles of learning and behavior
Domjan & Galef, (1983 ) Biological constrains on instrumental and classical
conditioning: Retrospect and prospect. Animal Learning & Behavior

の眼瞼条件付けでは如何でしょう?
50859:04/11/16 02:44:50 ID:0ZbBuwAl
「859氏の正しい理解だと、レスとオペの区別点は何なの?」というご質問にも
関係ありですが、私は行動(特に実験室以外の日常での行動)で、100%オペとか
100%レスとか完全に断定することは不可能だと思っていますよ。だたし、標的行動を
絞れば絞るほど、レスorオペの比率精度は上がると思います。ミクロ過ぎは嫌だけどw
要するに、標的行動によってですけど、どちらかの要素がまぁ無視してよかろうと
思えるところまでは掘り下げます。掘り下げ基準は場合によってですかね。
今のように841氏のような方と細かい理論分析をするなら、がんばりますし、
臨床で単純な症例での機能査定なら、逆に細かすぎない方がよい場合もあります。
このあたりの考え方は841氏や「兄弟弟子と思われる徹底〜学者」(誰だろ?)と同じですね。

また、ネコの「待ち伏せ→忍び寄り→飛び掛り→押さえつけ→噛み付き→摂食」
のような行動連鎖は、一連の行動全体を標的行動にするなら、オペラントを重視します。
一方、連鎖間の一瞬とか弁別刺激を見た際に誘発される反射とかに焦点を当てるなら、
当然レスポンデント要素を考慮します。さらに、一見行動連鎖に見えるものでも
その連鎖行動が生得的なもの(この知見は行動学から絶大な恩恵を受けている)であれば、
当然レスの比率が高いと判断しますね。例えば、ミツバチの8字飛行や求愛ダンスは
オペ要素はほとんど無視して、レスポンデント反応だと解釈していますよ。
ネコの立ち直り行動の連鎖反射やカマキリの捕食行動なんかもそうですよね。
どうしても分からない場合は、ケースによっては想定されるオペラントの随伴性を
片っ端から消去してみるかな。論文にケチつけられたりして、特定することに
重大な意味がある場合に限ってですけどね(爆
または、操作交替デザイン(ATD, もしくはmultielement design)等でランダムに操作して
ベースラインと比較した結果で考えます。もちろんこれで100%分かるわけでは
ありませんが、「マクロな分析と介入」(RummlerやBrethower提唱のシステム分析)
には十分有効だと思います。それ以上は本職の行動分析屋に聞いてみるといいかも(汗
51859:04/11/16 02:45:49 ID:0ZbBuwAl
841氏は非常に勉強家だと思うし、行動学の知識も豊富で尊敬していますが、
それ故、学習心理学上の統語法が不正確なのが個人的にとても残念なんですよ。
特に「CS」についての記述。すべて標的行動の不一致から起こることなんですが。

例えば、>42
 青で怒らせるのは難しく思える。青で警戒する、ところまではいくけれど。
 対提示が連合にいくか、弁別にいくか、何も生じさせないかは微妙でしょ?
 トゲウオにしたって、赤と一緒に地色は常に提示されている。けど、
 その色では怒らない。

「青で警戒する、ところまではいくけれど」と思えるなら、青はCSですよ。
標的は「警戒」で。その後の攻撃までは誘発されないと記述すればいい。
つまり、赤(US)と対提示された青(中性刺激)がCSとなり、
赤(US)に対する警戒(UR)、青(CS)に対する警戒(CR)を誘発する。
しかし、赤(US)が誘発するURは攻撃行動(オペ要素もあり)まで及ぶ。
一方。青(CS)は赤(US)が誘発する攻撃行動までは誘発しない。と記述できますね。
「赤と一緒に地色は常に提示されている」という点は対提示になっていないと
考えられます。行動分析屋なら赤刺激が他の地色刺激を隠蔽した可能性を挙げるだろうし、
認知屋なら「注意」の一極化を持ち出して説明するでしょうね。
また、青がトゲウオに生物的制約で連合しにくいならば(この手の知見も行動学の功績ですね)
光刺激とか音波とか、トゲウオにとって連合し易い刺激と赤を対提示してみれば、
おそらくその刺激(CS)は赤(US)が誘発する攻撃(UR)に近いCRを誘発しますよ。
うちの研究室にもトゲウオがいないので、あくまで理論上で恐縮ですが。
あと、ご存知だとは思うけど、USに誘発されるURとCSに誘発されるCRは
必ずしも完全一致しない(UR≠CR)のがレスポンデント反応の今日の認識です。
52859:04/11/16 02:54:56 ID:0ZbBuwAl
>44「キジ・カモと猛禽シルエット」も中性刺激をCSにすることが可能でしょう。
逆に、命に直結する危険予知に有効な刺激は、学習が早いと思いますよ。
Cheney & Seyfarth (1988)、Davis & Wagner (1969)でラットやミドリザルでの
実験が有名ですね。
キジ・カモが知覚し易く、制約がない刺激に何が適当なのか知らないのですが、
例えば、2kHzの純音が条件に合っているとします。天敵が飛来する度にその音を
流せば、その音を聞くだけで一目散に逃げるようになると想像します。
またしてもキジ・カモがいないので実験で確かめられませんが(^^;
すると、猛禽シルエット(US)が誘発する逃避(UR)、2kHzの純音(CS)が
誘発する逃避(CR)という具合にレスポンデント条件付けが記述できます。

なので、どうしても貴殿が記述しているCSの定義は
私が言っているCSのそれと違っているような気がしてならないのですよ。
どちらかといえば、条件性強化子とか条件性罰子とかの意味で使っていませんか?
53859:04/11/16 02:56:04 ID:0ZbBuwAl
>通底する問題意識としては、食べ物という概念→唾液分泌という雛形と、
>肉なりの個別の食べ物→唾液分泌を区別するように、何が強化子で
>何が罰かについても、雛形とその種の性質とその個体の学習歴とを
>より意識するのがよいのではないか、なのだな。

これはまったく同感ですよ。よく認知屋もこの点で行動分析屋を誤解しているんだけど、
彼等は100%理解していると思いますよ。うちの人間は特にそうだと思う。
彼等の統語法の特徴は、できるだけ定義を増やさない(言葉を増やさない)こと。
だから、標的や分析対象によって物理的に同じ刺激でも名称が変わるわけ。
例えば、肉は唾液分泌が分析対象ならUSと言うし、それを食べる行動が標的なら
無条件性強化子となる。また、肉を見せてから散歩に行くようなケースが
あれば、分析対象によって肉は弁別刺激だったり、条件性強化子とも言える。
つまり、何の反応について、どの段階において、何を分析対象とするのかを
明確にして話さないと、同じ物に対する名称が変わるという極めて難解な
統語法で在るが故、大きな混乱と誤解を招くと思うんですよ。
54859:04/11/16 02:56:55 ID:0ZbBuwAl
さらに、オペとレスが基本的に独立して介在する行動は非常に少ない。
というより、そのピンポイントは理論的に存在するが、それを分析しても意味が薄い。
841氏が肉をミクロに捉えるべきと言い出しちゃうと、貴殿が「クリティカルに生得的」
というトゲウオの「赤」はピンポイントで何Hzの可視光線なの?って話での議論に
なっちゃう。オペ/レス比率もそうだけど、トゲウオの「赤」がまずは基準となる
赤の純色は何Hzで、そこからプラマイ何%まで黄/紫に振れても大丈夫なのかとかね。
確かにそういうミクロな研究は大事だけど、常にそこでの議論に終始するのは
841氏のスタンスではないはず。そうなると、まぁ、そこまでは眼を瞑っても
問題なかろうという前提みたいなものが議論には必要ですよね?
多分、行動分析屋は841氏が指摘する部分もよーく理解した上で、
肉はUSでCSではないと言うでしょう。うちでも学部生あたりだと、
841氏の問題提起すら意識していないでしょうね。残念ながら。
おそらく、841氏を納得させる説明はできないと思いますよ。
私も完全に専門ではないので、一応私のがんばれる範囲で納得して貰えるよう
説明してみたのですが、どんなもんでしょう? 肉はUSでダメ?
55841:04/11/16 15:14:14 ID:DMHIpZ+9
 アリガトウ、だんだん判ってきた。

 US、UR問題。
 成書・立場によっていろいろではあろうけど、残念ながら漏れは定義の
締め上げに出会えなかったのかと。
 つまりね、(兄弟弟子と思われる人の)サイトから引くと、

・条件刺激 他の刺激と対提示されることで条件反応を誘発するように
なった刺激
・条件反応 条件刺激によって誘発される学習性の反応
・無条件刺激 他の刺激と対提示されなくても無条件反応を誘発する刺激
・無条件反応 無条件刺激によって誘発される生得的な反応

 てなふうになっている。少なくとも、エソ屋が考える「生得的で、
学習性でない反応」と、イヌにとっての肉は違ってくるわけ。
 一応書いたことあると思うけど、心理学でUSと呼ぶというのが
お約束ならそれはしかたないんだけど、違和感が残るわけ。
 肉をミクロに見たいというわけではなくて(859氏の仮定に乗った
だけで)、漏れはむしろ、学習履歴にひっかかってる。イヌにとって肉は
URね、と無邪気に言われると、「ティンバーゲンの4つのナゼ」の1つ、
「個体発達」に照らすと、ちと待ってくれ、と。
 仔犬が這い回って、暖かいモノに鼻面が触れると止まり、かわりに
顔を振り、乳首を見つけると咥えて吸う、のと、成犬が肉の臭いに
よだれ垂らすのとごっちゃにせんでくれ、とね。
 
56841:04/11/16 15:15:09 ID:DMHIpZ+9
 で、51で細かく記述しなおしてくれたあたりには同意なんだけれど、
>一方。青(CS)は赤(US)が誘発する攻撃行動までは誘発しない。
 やキジ・カモの例では、UR≠CRであるレスと、UR=CRであるレスとを
別したいんだな。
 というのは、逆に、これを見ることで、生得的決定の寄与率を見られると
思うので。
 たとえば、鳥の雛をヒトに刷り込んで、(雄なら)自発的射精によって
精液を得て人工授精しようとかいう研究がある。ニワトリでもあるし、
希少種でもある。この時に、射精するかしないか、が決定的。それに近い、
では困るわけ。
 むろん何の上で、どんな刺激で射精するかは単純なUS−URでもないし、
オペも絡むけど、求める行動の精度は変わらないわけよ。
 たぶん暗黙の大前提として、行動の確率の変化で評価するか、
特定の決定的なときに確実にその行動を取ることを求めるか、
の違いがあるのかも。
 言い換えると、エソだと、根が野外だから、ある刺激があったのに何か
の理由でふさわしい反応がない時、その理由をあまり突き詰めない。
多すぎてワケワカだし(むしろこのへんが859氏に聞きたい本筋なんだが)。
逆に、ノイズがあってもある行動が確実に生じるケースに目が向くんだろう。
57841:04/11/16 15:16:09 ID:DMHIpZ+9
 あとやはりズレを感じるのは強化内在性かな。
 淘汰上有利な行動・反射にはもともと快感が伴うだろう、というのが、
エソのひとつの基本的な認識なんで。
 食べ物を察知する、予期する、唾液が出る。唾液が出ているほうが
早食い競争で有利で、ということは唾液が出ることそのものに快感が
あるだろうと。
 このあたり、たとえば肉食動物のワカモノの遊びとか、失敗続きの狩りを
見るときに、かなり強く仮定しないと説明しきれなくなってくるかと。
 

 別件。
>犬に「ルール支配行動」でのオペラント行動を形成させるのは不可能
>でしょうね。
 ホント?
58859:04/11/17 01:52:03 ID:L11Fz22I
>成書・立場によっていろいろではあろうけど、残念ながら漏れは定義の
>締め上げに出会えなかったのかと。

これは決して841氏のせいではありませんよ。心理学を専攻してる学部生でも
他分野からの反証に晒される機会はそう多くありませんから。
また、心理学に限らないと思いますが、専門用語の壁がありますよね。
あと、以前パラダイムについて意見交換しましたが、「構造」で「機能」を
論じても、あるいはその逆でも話の次元が噛み合わなくなりますよね。
841氏はUSやCS、解発刺激の「構造」を問題にしている。それらはどんな
解発機構を有しているのかとか、どのような学習経験によって構成されていくのかとか。
あるいは学習を必要としない解発刺激と心理学者の言うUSとの「構造」は如何が違うのか。
私は認知畑なので、行動学のように構造面からのアプローチは共感できます。
一方、行動分析屋は学習の「構造」ではなく、学習の「機能」に興味がある。
肉のヒーラルキーより、肉が学習に及ぼす「機能」を研究しているわけですね。

「構造」に主眼を置く立場だと、解発子=USと定義してくれれば同意。
一方、肉のような刺激は「先行学習性US」とか「準US」とか記述して欲しいなぁ
ということになりますね。841氏の指摘しているのもそういうことですよね?
59859:04/11/17 01:52:42 ID:L11Fz22I
しかし、機能主義で考えると、生得的な反射を誘発する「機能」を有する刺激がUS。
ここで構造主義の立場で、肉の学習履歴を「構造」で考えてみます。
犬が生まれて始めて唾液分泌を誘発された刺激「解発子(US)」を特定できたとしても、
分泌反射を誘発する全ての食べ物が、US-CS1-CS2-CS3・・・・CS100という具合に
対提示されてきたとは考えられないですね。カテゴリー化や概念学習でも説明できない。
そういった意味で、直接の学習なしで(他の刺激と対提示されなくても)
無条件反応を誘発する「機能」を有する刺激をUSと定義しているわけで、それに認知屋も
同意しています。確かに、この「機能を有する刺激」というくだりが無いと、
「構造主義」をパラダイムとする畑の人間は困惑するでしょうね。
前スレで私がパラダイムにこだわっていたのは、そういう理由からなんです。
ある意味「ティンバーゲンの4つのナゼ」に答えられないのは
行動分析学ではなく、むしろ認知心理学の方なんですよ(汗
「構造」というブラックボックスが完全に解明できていないから。

細かい指摘ですが、「UR≠CRであるレスと、UR=CRであるレスとを別したいんだな」
とありますが、「UR=CR」(完全イコール)というレスポンデントはないですよ。
限りなく似ていても。UR=CRと誤読する記述も、多くの教科書で訂正されるべきことですね。
これは学会でも問題になっていることで(汗 すきこちゃんといやこちゃんと同じで(大汗

>食べ物を察知する、予期する、唾液が出る。唾液が出ているほうが
>早食い競争で有利で、ということは唾液が出ることそのものに快感が
>あるだろうと。

うーん、これもオペラントというより準備性じゃないかな。
生命維持に有利な系統発生的情動反応というか。
60859:04/11/17 01:53:24 ID:L11Fz22I
別件について、

「ルール支配行動」という概念を理解するには「言語行動」の概念を
知る必要があるのですが、841氏は「〜入門」読んでますよね?
21章「言語行動」22章「強化モドキ」23章「ルール支配行動の理論」を
読んでいる前提で話すと、動物(人間以外)には「言語行動」はない。
認知で言えば、表象のメタ認知がない。
厳密には、ないというのは言い過ぎなんですが、「人間のような高度な」という意味で
考えてください。犬も代替言語(サイン等)を介すことで飼主と「言語共同体」の成員だと
言えますし、「言語共同体特有の随伴性」もあるし、お互いのオペラント行動を介した
強化もありますから、単純な「言語行動」は存在しますし、単純な「ルール支配行動」も
考えられるでしょう。しかし、私が例に挙げたような高度な「ルール支配行動」は不可能です。

「唾液を多く分泌した方が食べ物は美味しく、健康にもよい」
「唾液を分泌しないで物を食べると消化不良を起こしやすい」

「ルール支配行動」と言えるには、経験がない、あるいは経験していても実感がない
ことでも、他者から随伴性(これこれこーするとこーなるよ)を伝えられただけで、
その随伴性に基づき、一回も直接的経験がなくても行動が強化/弱化される必要があります。
61841:04/11/18 18:00:14 ID:fio7HAwK
>高度な「ルール支配行動」は不可能です。

ならば了解。
ただこのネタは、模倣、(さまざまな定義の)観察学習とあいまって奥が
深そうではあるな。

>「UR=CR」(完全イコール)というレスポンデントはないですよ。
 これは勉強になった。教科書がなおること希望だな。ベルであっても
「肉の臭いを提示したのと同じ」反応があるから連合成立、だと思ってたな。
 では逆に、UR≠CRでよいとすると、あるいは先行CR≠後行CRでよいとすると、どこまで違っても連合が成り立った、と判断しうるとされているの? 

>準備性

 当初からこの話をしていたつもりなんだけど。
 準備性プラス100とプラス90を区別するほうがいいんでないか、
つー例のつもりだった。

>直接の学習なしで(他の刺激と対提示されなくても)
>無条件反応を誘発する「機能」を有する刺激

が「定義」ならそれはそれでいいんだが、(ただし「解発因」とは微妙に
違うな、きっと)
 今度は「直接の」学習ってとこがミソになるな。
62841:04/11/18 18:06:10 ID:fio7HAwK
>カテゴリー化や概念学習でも説明できない。

 なのだろうか? 母犬による授乳拒否と要求するカロリー増大による
遮断化があって、
同じ群れの年配者と認知している相手の口元を舐めるという(たぶん)
US−URが起きる、すると半消化された餌が出てくる。
 ここで、餌内容に食べる行動のUSがあるのか、吐き戻された餌という
概念がUSなのか、年配者の胃液なりがUSなのかは判然としない。
 置いてある餌を食べるようになる過程でも、年配者の模倣から入るのか、
内容がどんぴしゃUSなのか、それともある幅の刺激でオペが自発して、
その幅の中から美味しいものを 選ぶという弁別なのか、 判然としない。

 どの程度臭いが異なっていても同じ刺激と認知するか、というのは
あるけれど、アラブ人は鰻屋の前を通っても唾が湧かないだろう、
みたいな例はおおいにあるべ。果たして、ヒトに共通するUSとしての
食べ物の臭い、あるだろうか?
 単食性、あるいは狭食性の種なら、これはあるな。カイコあたりだと
物質も特定されてる。
 広食性の種ではどうだろうか。ヒトもイヌもこっちだな。
 どういう準備性があるのだろうか?
 生得的な概念、カテゴリーがあっちゃいかんのだろうか?
63841:04/11/18 18:07:50 ID:fio7HAwK
 あると思うほうがスッキリするんだが。淘汰上お得っぽい。
あると仮定すれば、USからCS100までの直線的なつながりを無理に
想定せずにすむ。
 ペンギンでは、親は子をきわめて厳密にリコグナイズする。
 ニホンザルでは緩い。間違えることがある。けれど訂正できるから無問題。
 食性にしても理屈は同じで、広食性なのに逐条的に生得性が準備されて
いるのって非効率に思える。

 ちと先回りして、ある刺激の幅なのかカテなのか、私見を整理しておく。
 トゲウオの赤、をどこまでリサイズ、変形、色温度を変える、などしても
同じ反応を引きだせるか、という問題と、
 ネコが狩りに習熟していくに従って、毛むくじゃらの小さな動くカタマリ、
というカテゴリーの中から、ネズミとヒミズ(臭いからネコは食べない)を
どう区別していくか、という問題ね。擬態の効果について説いた、古典的な、
カエル使った実験というか。
 
64859:04/11/18 21:12:35 ID:eqsR0qhy
>このネタは、模倣、(さまざまな定義の)観察学習とあいまって奥が
>深そうではあるな。

確かに。アイちゃんを始めチンパンジーでの実験結果で諸説対立模様ですね。
ハトでも有名な実験があり、私も再現実験をしたことがありますが、
正直「どちらとも言えない」結果でしたね。今後の比較動物行動学者の
見解に注目していますが、個人的には保留しつつ若干「ない」方よりかな。
ただ、犬好きとしては、「ある」といいなと期待しつつ。

>UR≠CR どこまで違っても連合が成り立った、と判断しうるとされているの?

UR≠CR問題と連合問題は、「徹底的〜」の立場(機能主義)ではあまり関係のない話かな。
US-CS/UR-CRの「構造」に興味があるのでしたら、諸説ありますよ。有名どころは

・Rescorla-WagnerモデルとAESOP(affective extention of sometimes opponent process)
・Schullの条件性相反過程理論(conditioned opponent theory)
・Mackintoshの注意理論

概論だけですけど「メイザー〜」の5章「古典的条件づけの理論と研究」にも各説
載っていますので、ご興味があれば読んでみると面白いと思いますよ。
65859:04/11/18 21:13:36 ID:eqsR0qhy
要約すれば、例えば唾液反射でも、唾液成分や量、反射時間等、URとCRは必ずしも
(構造的には)同一ではない。WagnerはUSセンターには2つの異なる受容体があって、
反射等感覚神経に影響を与える構造と、恐れや不安、逆に快感等、
情動に影響を与える構造があると仮定していて、CSは感覚と情動の両方のUSセンターに
連合されているとしています。だから、CSの提示されたタイミングや構造的特性のうち
情動に影響を与えるUSセンターが「快」なのか「嫌悪」なのかでCSは影響を受けるため、
CSに誘発されるCRはURと構造的にサイズや形態が違ってくるのだと示唆しています。
また、多くの薬物に対する補償反応ではURとCRは真逆になることが知られていますね。
>>26 でも書きましたが、S-S連合とS-R連合だけで、学習の「構造」を説明することは
できないという認識が現在の認知屋の間では多数意見です。ちなみに「徹底的〜」は
「選択」パラダイムなので「連合」という概念は採用していません。

誤解されると困るので、ちゃんと書きますが、「UR≠CR」は「機能」でみれば
名称をわけているくらいだからちゃんと始めから別物として機能分析されています。
一方、URとCRの形態やサイズが違う(真逆の反応もある)のが問題となるのは
URとCRの「構造」の違いに研究対象のある認知心理学や行動学の立場だからです。
66859:04/11/18 21:14:29 ID:eqsR0qhy
>(ただし「解発因」とは微妙に違うな、きっと)

これも、「生得的反応を誘発する(機能を有する刺激)」という面ではUSと同意ですが、
生得的反応を誘発する唯一無二の刺激である「解発因」の「構造」で考えれば
USの「構造」とは同意と言えなくなります。

>生得的な概念、カテゴリーがあっちゃいかんのだろうか?

うーん、「概念」「カテゴリー」というのはこちらの畑だと後天的学習と考えられている。
「生得的」に「概念」「カテゴリー」を学習する「準備性」はあると思うけど、
「生得的な概念」とか「生得的なカテゴリー」というのは大分違和感を覚えます(^^;
確かに「お得っぽい」けど。なにかいい例がありますか?
ペンギンとニホンザルと食性の例は・・・。反証されちゃうと思いますよ。
67841:04/11/19 14:36:19 ID:QW6GNAbL
メイザーの5章は読み返してみたものの、余計に頭痛が・・・
「まとめ」としてはいいんだろうし、そういう本なんだろうけど、
それこそ「構造的な視点からの評価」がないからな・・・宿題に
しておこう。

 ただ、知りたいのは、どのぐらい異なる反応であっても条件付けが成立
したと判断するのがいまのフツーなのか? なんだけど。

>WagnerはUSセンターには2つの異なる受容体
 A反射等感覚神経 B情動 で、BはさらにB1「快」B2「不快」と
なっている、模式的にはこういう理解でいい?
 そうだとすると、すきこちゃんといやこちゃんにも絡むけど、
相対的であろう快/不快の観察・解釈、よけいに大変だよな・・・
単純な差し引きでないとなると。

 ただ、叱られる、なんてのを扱うにはそのほうがいいやね。差し引きだと
先に進めなくなるから。
68841:04/11/19 14:57:52 ID:QW6GNAbL
 概念とカテ。以下では、いくつかの刺激のきりのいいまとまりをカテ、
その象徴を概念と仮に置く。動物全般に通用する(ヒト用を無理に援用する
のでなく)概念やカテの定義が心理畑にあるのか知らんが、あるのなら
教えてれれば以後従う。

 準備性のほうが例示が簡単なのは認める。いろいろ考えてみてもこっちに
なるものが多い。
 言葉足らずだったな。
 文脈上いいたかったのは、生得的に準備がある概念
・カテに含まれる個別刺激へのいくつかの学習によって、概念・カテが現出し、そこに含まれるすべての個別刺激への学習がなくても「正しく」
振舞えるようになるであろう、個別刺激すべてを逐条的に体験せずとも
いけるだろう、そのほうが、逐条的に学習しなくてはならない場合に比べて
淘汰上有利であろう、だったのだから。

 その上で生得的なものを探すと。
 キジやカモにとっての猛禽類のシルエットは、生得的なカテといえないか。
 しかも、少なくともいくつかの種では、トビは含まれない、など、自然
分類とはズレがある。
 キジやカモにとっての「危険な猛禽類」という概念だな。
 実証的な追試を知らんのだが、使われる猛禽のシルエットは模式的な
ものでタカ科ともハヤブサ科ともいえんような形。進行方向がクリティカル。
 これも学習機会剥奪実験の存在はしらんが、タコにとっての甲殻類は
どうか。臭いを遮断して視覚だけでもいけるんでないかな。
 
 狩人ハチあたりを考える。生得的に狩りをする。
 ふたつの属のクモ、それぞれ3種ずつの6種を狩るとする。
 属にあわせて襲撃方法を変えるとする。同属内の複数種に好みの順位が
あるとする。と、そこにはカテゴリーがあると考えてよいのではないか?
 6つを分けて認知していて、2グループに分けているのなら。
69859:04/11/20 01:39:11 ID:L+rxjCMW
>余計に頭痛が・・・
そうですか。余計混乱させてしまったかな。ごめんなさい。
メイザーで扱っている分野は心理畑では「学習心理学」と言われていますが、
認知、知覚、行動分析、脳生理学、生物学にまたがるトピックなので、
非常に複雑で、かつパラダイムがまたがる研究でもあります。
また、比較認知の立場で言えば、動物と人間(便宜上区別しておきます)で
最も機能上差異が大きい「言語」に対する分析の仕方で、表面上同じ事象に
観察できる反応への解釈が根本的に変わってしまいますね。
チョムスキー的な言語観を持つか、あるいは、言語を進化論で捉えるかです。
ですから、学習心理学でのトピックを扱うには哲学への理解もいる。

>どのぐらい異なる反応であっても条件付けが成立したと判断するのがいまのフツーなのか?
この質問には単純に答えられないんですよ(汗 
心理学者の得意技で逃げさせてもらえば、「個別事象」であり「※経験的事象」です。
※「経験的(empirical questions)」で、単純に個人の経験を指しているのではありません。
ただ、841氏にだから誤解を恐れずに言えば、USに対提示された刺激はすべて
何らかの形で連合学習されているでしょうね。そういった意味では、すべて条件付けが成立している。
もちろん生物的制約で、提示した刺激が知覚できなければ論外ですが。
また、知覚されても隠蔽される刺激は、その個体によって程度が変わるので一概には言えないのですが、
生物的に反応しない方がよい、換言するとすべての外的刺激に反応することは得ではないという機構が
刺激をフィルタリングしていると仮定する立場を取れば、それも一種の生得的反応と言えますから、
その刺激と対提示された「無意味な刺激」を「生理的・情動的反応を表出しない」と選別する
反応(ニューロン発火を抑制する生理反応)が条件付けされていると考えることもできますね。
このあたりのトピックはあまりにマニアックすぎて、私も専門外なんですが。
ですから、一般的な教科書では、比較的簡単に観察あるいは測定可能な
(唾液反射も測定装置が必要ですが測定可能ですね)反応での研究だけが記述されています。
最近、脳生理学の飛躍的発達で、ニューロンレベルでのレスやオペの研究がされるようになってきたので、
今後の研究成果によって、さらに条件付けの構造が解明されていくと思います。
ですから、「どのぐらい異なる反応」を表出すればレスポンデント条件付けとみなされるかという
841氏のご質問に、現時点でお答えできる正確な答えとしては、
「生得的反応をどこまでミクロに扱うかでその判定基準は変わる」としか言えません。




70859:04/11/20 01:39:57 ID:L+rxjCMW
概念とカテの問題は、動物を観察して、どんな反応をしたかとか、どんな刺激だっかかを
観察側の視点で、それぞれ「概念」や「カテゴリー」に分けることは出来ますが、
当の本人である動物達が、刺激や反応を概念化していたり、カテゴリー弁別しているかは
全く別の問題として扱う必要があります。
例えば、キジやカモが猛禽類のシルエットを「危険な猛禽類」と概念を形成し、
「危険でない鳥のシルエット」とカテゴリー弁別しているのならば、それはオペラント行動ですね。
猛禽類のシルエットを知覚した直後に襲われた(幸運にも助かったとか他が捕獲されたのを観察したとか)
経験があって、いつも飛んでいる他の鳥のシルエットを知覚した時には危険はなかったとか
直接的経験なしでは考えられない。ところが、キジ・カモは、そんな経験が無くても
猛禽類のシルエットを知覚すれば回避行動を取りますよね?
それは、「このシルエットは自分に危害を加える可能性のある天敵の襲来」という概念や
カテゴリーが無くても、恐怖反応(情動反応)が誘発されるようにプログラムされているから
解発子というわけでしょう?「何でヤバイか」ではなく「とにかくヤバイ」わけですよね。
もっと言えば、「ヤバイと認知する前に反応する」から生得的なんではないでしょうか?

クモの例も、人間側の概念化とカテゴリー分けですね。クモにとっては好みの順位は
強化子の強化力の順位。襲撃方法を変えるのは生得的なのか後天的学習なのか
詳しい内容を私は知らないので、どちらとも判断できません。
ちなみに、「認知」は後天的学習の産物ですよ。

そういえば、こんな話ばかりで710氏ごめんない。
71859:04/11/20 02:02:00 ID:L+rxjCMW
この問題に対する私の見解を自分なりにサマリーすると、

「概念」(カテゴリーも概念の一種)は生得的に形成できるか否かを問われれば、
私の見解は否になります。あくまで概念形成の準備性であると。
DNAに記憶されている情報は「概念」ではなく、「概念」を形成する各パーツに
過ぎないと考えていますので、どうしても841氏の仮説には同意できないのですよ。
もちろん、今後の研究でひっくり返る可能性は無いわけではありませんが(汗
72859:04/11/20 02:04:00 ID:L+rxjCMW
ごめんなさい。訂正です。

>「概念」(カテゴリーも概念の一種)は生得的に形成できるか否か

→「概念」(カテゴリーも概念の一種)が生得的に形成されているか否か

です。
73841:04/11/20 04:17:19 ID:8auxUAC8
 条件付け成立条件については感謝。
 しつこくてスマンがも少し追い込んでみたい。
 認知が誤用なら知覚でいいんだが。

>恐怖反応(情動反応)が誘発されるようにプログラムされているから
>解発子というわけでしょう?

 それはそうなんだが、その解発子が、オオタカ、ハヤブサ、イヌワシ・・
・などの複数の形状を含み、なのに同じ反応を引き起こす、かつ、
他の鳥は「その」反応を引き起こさない・・・
場合に、カテゴリーとして処理されている、と想定しては「なぜ」
いけないのだろう?
 それもまた心理学の専門用語として定義されている、というのなら
仕方ない、別の語をもってくるわけだが。

 逆に準備性だと仮定すると、ものすごく急激にカテゴリー形成がなさ
れるとしても、最低一回は、学習機会がいるべ? 本人が襲われる必要も
ないし、他人が襲われるの見る必要もない、他人が警戒しているのを
見るか聞くだけでもよかろうが・・・

>換言するとすべての外的刺激に反応することは得ではないという機構が
>刺激をフィルタリングしていると仮定する立場

 と同様に、「いくつかの刺激をひとまとめに知覚するという機構」を仮定するのはさほど無理とは思えんのだが。

 画像ソフトあたり。ファイルを開く、とやるとjpg、gif・・・は
候補に出るが、docやexeは出ない。ワード文書に無理クリj
pgという拡張子つけて保存してやれば候補としては出す。
「表示可能な拡張子を持つファイル」というカテゴリーをアプリが
自覚しているかはどうでもいいんで、「そのように振舞う」べさ。
 で、CDからなりDLからなりインストしてた時から候補に出てくる
ファイル形式は生得的。pngやtifを、ユーザが関連づけしてやれば
素直に開ける、のは準備性つまり簡単な学習。プログラムそのものを
書き換えることによってpsdを表示するにしてやるのが
めんどっちい学習。
 
74841:04/11/20 04:30:43 ID:8auxUAC8
生得的という語の問題かな。

>?「何でヤバイか」ではなく「とにかくヤバイ」わけですよね。
>もっと言えば、「ヤバイと認知する前に反応する」から生得的なんではない
>でしょうか?

 これが違うと思うんだな。
 反応の速度や強弱、刺激の区別能の高低と、生得的であるか田舎は違う軸
だろう。
 生得的か学習性か、ではないか?
 生得的な刺激、あるいは生得的に準備性が高い刺激はえてして
強烈な反応をもたらすことが多いけれど、それは従属的であろう?
 なんとなくなんだが、イメージしている動物の範囲が違うんかなという
気もしてきた。
 クモ(というよりクモを狩るハチをイメージしてたんだが)やら
プラナリヤやら。無学習で「正しく」振舞う動物はたくさんある。
 餌の種毎に強化力の順位が異なる、ということは区別してるわな。
 餌にもいろいろある、餌はひとつではないと知覚している。
 にも関わらず、餌は餌、と振舞う。
 あるものは食い、あるものは食わない。
 食えるモン(s)、というのはカテゴリーと日常語では言わないか? 
食えるモン、とか、餌、とかいう語を概念と言わないか?

 前スレでちと紹介したユクキュルに戻る、だし、ミクロな見方はマニアックすぎると859氏がいうあたりのことなんだが。
75859:04/11/20 14:08:49 ID:L+rxjCMW
こう考えてみれば如何でしょうか?

>その解発子が、オオタカ、ハヤブサ、イヌワシ・・
>・などの複数の形状を含み、なのに同じ反応を引き起こす、かつ、
>他の鳥は「その」反応を引き起こさない・・・
>場合に、カテゴリーとして処理されている、と想定しては「なぜ」
>いけないのだろう?

これは841氏も指摘しているように「形状」に反応しているのですよね?
「トゲウオの赤いお腹」にトゲウオが反応するのではないのと同じ。
オオタカ、ハヤブサ、イヌワシといった猛禽類と安全な鳥類という弁別ではない。
「カテゴリー」というより「知覚」の類似性を考える方が自然だと思います。

もちろん、日常語としてそれを「カテゴリー」とするのはかまいませんが。
私は841氏自身が書いている、「いくつかの刺激をひとまとめに知覚するという機構」
で「生得的な刺激への知覚」は説明できると思っていて、わざわざ「カテゴリー」を
持ち出さなくてもいいのではないかと考えます。
少なくても、841氏が「その解発子が」というように、「その段階」での
話をしているのであれば。

今度841氏が問題としているのは、機構の「初期構造と発達」に関する設問。
「準備性」-「準備性を使った初期学習過程」-「学習過程を経たパフォーマンスの変化」
のフェイズで、どの段階の話をしているのかをもう一度教えてください。
私の勘違いだったらごめんない。今話しているのは「準備性」の話ですよね?
あるいは、「準備性」-「準備性を使った初期学習過程」での話。
「学習過程を経たパフォーマンスの変化」のフェイズでは、当然「概念学習」や
その結果として「カテゴリー弁別」も考慮すべきだと思いますよ。

つまり、「食えるモン」と「食えないモン」というカテゴリー弁別に必要な
「概念形成」が生まれつき形成されているわけではなくて、
まずは、生命維持に不可欠な採食行動が誘発される機構「準備性」が刺激され、
その刺激の刺激クラスが般化し「準備性を使った初期学習過程」、学習過程が
進むにつれ、オペラント学習も含まれ、段段と個体にとっての「概念」が形成される。
そして、複数の「概念」が形成されることで、概念間の「カテゴリー弁別」が生まれる。
ですから、成熟した個体の話なら、「概念」も「カテゴリー」もその個体は持っているでしょう。
76859:04/11/20 14:24:42 ID:L+rxjCMW
進化論の立場を取れば、動物は環境に適応するために
フレキシブルな学習構造を持っている。ただし、絶対的に必要とされる
生命維持に有利な機構は優先的に「選択」されると。
つまり、何の直接的学習がなくても、「命がヤバイ」という結果が起こりそうな
刺激に対して、適切な反応ができるようにプログラムされていると。
そして、一度でもその機構が使用されたら、その機構を刺激した文脈に対して
急速な学習をする。そして、単純な知覚は複雑な知覚を形成し、その複雑な知覚が
序所に認知され、概念を形成するというプロセスに841氏は同意されますか?
77841:04/11/20 17:57:55 ID:8auxUAC8
>機構の「初期構造と発達」
 ではなくて、「発達の余地のない初期構造」〔も〕見ておこうよ、と。
 脊椎動物ことに子育てする連中だと、学習機会ナシの事例がキレイに
出てこないけど、変態によって突然親になり、親になった途端に正しく
振舞うケースを見れば、学習する連中の初期構造(の痕跡)を透かし
見る感じでよりよくイメージできるんでないか、と。

イヌは「叱られる」ということがわかるのではないか? 準備性が
あるだろう。
準備性とはなにか。
プリセットされている学習バイアスみたいなもんだろうと。
自家撞着的表現だが、準備性が高い限界を考えていくと準備性100に
なる。
と、準備性とはいえなくなるのではないか? 
・・・ということなんだな。
78841:04/11/20 17:58:38 ID:8auxUAC8
そういうケースで、1対1対応は簡単やね。
ただ、それだけだろうか?
多対1対応に見えるものの中には、1対1の合算の場合と、
もともと多対1の場合とあるんではないか。
このとき、「多」と見えるものを動物が区別してなければ、
「幅の広い1」対1になる。そうではない多対1が、
元から焼いてあるんでないかと。
79841:04/11/20 18:00:17 ID:8auxUAC8
どこへ話を持っていこうとしてるかというと、準備性の強さなわけ。
その説明として、ややブランチとして、
その準備性0であろうノウサギは叱られるということが理解できない、
という方面からと、
逆に、準備性100であるものは変えられない、という方面の両面から
責めたい、すれば、100未満のいわば本来の準備性についても
判りやすいんでないかと。。
トゲウオの赤に絡んで連合成立の範囲を聞いたのともつながるんだが、
キジやカモに対して、猛禽類のシルエットを、リラックスするとか、
餌箱に寄ってくるとかの合図として使うのは実用上困難であろう、ひいては、
イヌにおいて準備性が高い(100ではないにせよ)ものに対しても、
本来の文脈と異なる行動の合図とするのは得策ではなかろう、実は、
いままで使われている各種合図も、そうと意識されていないかもしれないが
準備性を使ってきているのではないか、たとえばヒトが手で方向を
指し示して指先でなく差し示している先を注目させることができるのは、
他のイヌが注目している顔のシルエットは共通する点が多いからではないか、
それ以外についてもそのような準備性らしきものがないか再検討すると
いいんではないか、その上で、ヒト、ことに日本人がつい出してしまう
ボディランゲージとすり合わせると、ヒトの側のミニマムな「演技力」で、
イヌにとって判りやすい合図が可能になるであろう、と。
80841:04/11/20 18:01:52 ID:8auxUAC8
 逆の順番でいうと、中性とされているあれこれの中性度を疑ってみよう、
とな。
 カレン・プライヤーの影響を強く受けているイルカ屋さんたちは、
ここに極めて鈍感なんよ。気にする意味がないというか。タイムアウトは
何もしないことだから消去手続き、と素朴にいう。
けれどイヌでは、無視は、消去になることも弱化になることもあろうと
思ってる。
ではどういう前提下でどうなのよ? をケース羅列的でなく説明するには
準備性の話になるし、準備性の話になると、(100のほうは準備性を
語義的にハミだすけど)その極端な例がいるんでないか、と。
 1対1回路の他に、(それをカテゴリーと呼ばないよ、というのなら
語には拘らないが)準備性の祖形である、完全に生得的な多対1回路が
あるんでないか、なのよ。
81841:04/11/20 18:02:37 ID:8auxUAC8
チョムと進化、というのもちとひっかかっていたんだけど、
進化論ないし進化学(〜論と書くからには859氏はあまり高く評価して
いないのかな)もいろいろなんで、76のようにすんなり書けるものか?
まあ、どの進化論的立場かをとりあえずおいておいて流れだけみても
逆な気がするな。
もともとはフレキシブル度は極めて低かったろうと。走性、やね。
が、より多くの入力に対応するほうが有利、けれどマシンパワーが足りない、
ので、ハードの回路を少し複雑にした。それが多対1回路であろうと。
1対1回路をたくさん焼き付けるよりは省資源なので。けれど、多を
「ぼやけた1」とするよりは有利だ、という妥協で。
神経系がもちっと発達してくると自由度が増す。けれど無限じゃない。
なので準備性は捨てきれない。
 これ以降には同意。
82841:04/11/20 18:03:52 ID:8auxUAC8
 コンピュータのたとえを使うのは特定の定義・色がある既存の専門用語を
なるべく避けようというだけで、脳について古典的計算主義に立っている
わけでないこと、付記しておく。かといって現行のコネクショニズムや
量子脳論の成果が十全とも思わないんだが・・・むしろ橋元淳一郎の
物質依存に惹かれてはいる。知的Si生物と意思疎通するのは大変そうなんで。
 言語については、チョムの生成文法説には賛成、ただし進化上の例外、
奇跡とは思わん。そういう意味ではピンカーに近いか・・・が、ピンカー
読んだときはずいぶん引っかかるところがあって付箋をたくさんつけたの
覚えてるが・・・
 進化論は留保中。総合説と断続平衡説と中立説、論者が対立しているほど
原理的に合わないとは思えんので。獲得形質の遺伝も否定しきれて
いないしな。
83859:04/11/20 19:30:26 ID:L+rxjCMW
うーん、もう少し易しくお願いします。論旨がうまく理解できない。
結局、「概念」と「カテゴリー」は後天的学習ということでいいんですか?

あと、例えとしては理解し易いのですが、「準備性100と準備性0」も
規定しにくいでしょうし、まして「準備性60」というのをどう判定するのでしょうか?
これも、特定の反応に対するオペとレスの成分比率と同じように、
極めてデリケートな問題だと思いますね。

進化論については私は肯定派ですよ。例えば光に対する走性をもつ動物がいて、
その生得的反応を獲得したのは、「進化」そのものでしょう。私がフレキシブルだと
言っているのは、例え光への正の走性が現時点で生得的だとしても、
環境の変化により、その走性が種の繁栄にマイナスに働くようになったら、
何十億年かかるのか知りませんが、負の走性に焼き直しされる可能性があり、
「絶対的かつ普遍的準備性」と言えるのは、環境変化に対応し、種に有利な生得性を
系統発生的に紡ぎだす、まさにフレキシブルな機構だと考えています。
ちなみに進化論肯定派ですから、言語哲学ではチョムスキーを支持していません。
言語観でいえば、ウィトゲンシュタイン(特に後期)支持ですね。

>タイムアウトは何もしないことだから消去手続き
それはとんでもない誤解ですね。行動分析学のまともな教育を受けていれば
そんなアホなこと言わない筈です。841氏の言う通り、タイムアウト手続きは
「正の罰」にも「負の罰」にもなりますよ。カレンはそんなこと当たり前に理解している筈なので
そのトレーナーが脳天気なだけでしょうね。

というわけで、841氏の論旨を何かひとつの例に限定して説明してもらえますか?
ちなみに、コンピュータ用語での例えは・・・。すいませんが苦手でして(汗
84841:04/11/21 14:33:35 ID:Y8DiNwLa
 イルカトレーナーが能天気というより、自由海面でなくプールで、
動物とトレーナーの空間が別で罰の必要性も実施可能性も低いし、
ショウのために、複数トレーナーで、となると、プライオリティ低いんだな。
翻訳の問題もあるかもしれん。結果として、「純陽性」派が出来る。と、
タイムアウトが罰だとは言いたくなくなるらしい。実際、イルカの場合は
そんなもんだろう。
 けれどそいつを他の動物に敷衍するあたりに問題が残るわけでね。

 準備性いくつ、というのはたしかに、種横断的には使えないなどの制限の
多い仮想ではある。
 ただ、同じ種に対する異なる刺激同士、異なる行動同士、異なる結果
(すきこちゃんいやこちゃん何もナシ、を全体としてナンというものかね?)
同士を比べる際には、数字はともかく、相対的な強弱はいえるだろう。
ネコにとっては、小哺乳類のほうが小型鳥類より獲物としての準備性は高い、
というように。
比較対照が3つ以上になってくると、その場限りでもいいから数値を
仮想するほうが話がスムーズやん。
85841:04/11/21 14:35:09 ID:Y8DiNwLa
 進化学的裏づけアリでなくて、たとえ、論として。また、次に断り書き
入れるまでは、無学習で正しく振舞う動物と仮定するものとする。

 細菌や古細菌はどうするよ、というあたりはおいておくけど、まあ、
最初の生き物はあまり動けなかった。
 一部が動くようになった。
 ランダムだろうな。
 ランダムな動きだけでも、ある前提下では淘汰的に有利なのでひとつの
戦略としてOKだが、その中から、リソースを使うかわりに方向性を持って
動く戦略を取るものが出てきた。
 温度とか光とかに合わせて動いて快適な位置にい続けられるように。
 もう少し感覚器と神経系と運動器にリソースを配分して、より積極的な
戦略をとる者も出てくる。
 餌に近づく、敵から離れる。
 
 まずはこのレベルで一度立ち止まってみてくれ。
 世の中に「餌」「敵」そのもの、はないわけで、個別の対象があるな。
 一種類の餌、一種類の敵しかないなら、そこで完結。
 しかし、複数の餌(敵についても同じ論旨だから略)がある場合、
いくつかの戦略が考えられる。

1 餌aを餌aと知覚して対餌a行動を取り、餌bを餌bと知覚して
対餌b行動を取り・・・というもの。
2 餌a、b、cを区別せず餌と知覚して、対餌行動を取るもの。
3 餌aを餌aと知覚し、餌bを餌bとして知覚し・・・だが、共通の
対餌行動を取るもの。
86841:04/11/21 14:36:31 ID:Y8DiNwLa
 3の場合に注目している。
 より詳細に見れば、餌abc・・・を分けて知覚している証拠が要るし、
対餌行動も詳しく見なきゃならん。もう少し発展させると、

3_2 餌aを餌aと知覚し、餌bを餌bとして知覚し・・・対餌行動
甲を取り、
 餌gを餌gとして知覚し、餌hを餌hとして知覚し・・・対餌行動
乙を取り、
 餌lを餌lとして知覚し、餌mを餌mとして知覚し・・・対餌行動
丙を取り・・・

 この場合、対餌行動甲を自発ないし誘発する餌グループ、乙を自発ないし
誘発する餌グループ、丙を・・・というように、餌が分けられる。
 この戦略は、対象とする餌の種類が多ければ、戦略1や戦略2に対して
淘汰上有利であろう。少ないリソースで多様かつ妥当性の高い対応を
可能としよう。

 ここまでいい?

3_3 3_2と共通の上、対餌行動甲を詳細に見ると、甲a、甲b・・・
といった微妙な違いがあり、同じく乙g、乙h・・・丙l、丙mがある。
しかし、甲g、乙a、丙hなどはない、と。

 餌は3_2と同じく甲グループ、乙、丙に分けられるけれど、
同じグループ内の異なる餌を区別はしている、と。

 こういう場合の各グループの餌、をカテゴリーといってはいけないの
だろうか?
 ということ。繰り返している通り、心理学上の定義に合わなくて気持ち
悪いというのならカテゴリーという語を忌避してもかまわない。
 ただ、戦略3〜3_2は、戦略1や2とは違うだろうと。
どう表現しようかと。
87841:04/11/21 14:37:56 ID:Y8DiNwLa
 以下学習可能なものに仮定を切り替えるが、
 イヌなりにある準備性は戦略3群をベースに、微調整を後天的学習に
委ねた形式ではないかと。学習に委ねたのは全てと決まったわけではなくて、
そのほうがお得な場合は戦略3群そのままの反応が残っていてもいい。

 微調整を学習に委ねていない場合は、すごく見つけづらい。学習機会剥奪
をしなくちゃいけないし、それも、特定対象だけとは限らず近いと
予想される刺激についても剥奪しないとダメかもしんない。けど、それを
やると、健康な個体といえなくなるかもしれない。これの少ない該当例が
キジ・カモと猛禽シルエットだろうと。

 微調整を学習に委ねている場合、準備性のある、いわば隠れていた
カテゴリーや概念が立ち上がることになる。
 その意味で、概念・カテゴリーは後天的に獲得されるもの、というのには
反対ではない。
 ただ、何もバイアスがないところから可能かは疑う。
 写真や図形、色のグループ分け実験で示されているように、「当初は
中立な刺激と思われていたもの」を使ってヒトとの知能比べを試みても、
準備性を明らかにすることにしかならなかった・・・わけだ。ヒトとの
知能の量的比較にならず、環世界の質的差異が見出されたと。
 ようするに全ての外からの入力は色付きだろうと疑っている。色付きで
ないという証明が可能かも疑っている。なので、色付きでない、準備性が
関与しない概念・カテゴリーは実験も困難だろうと。

 論の違いはたぶんふたつ。
 無学習でも戦略3_3のような場合を認めるか、また認める場合
各餌グループを何と名づけるか。
 「学習過程を経たパフォーマンスの変化」のフェイズにおける準備性の
関与、準備性による制限をどのぐらい認めるか。

 ではなかろうか。
88859:04/11/22 00:07:48 ID:+7BMPVge
841氏

ご丁寧な説明感謝します。貴殿がサマリーされている通りです。

>無学習でも戦略3_3のような場合を認めるか、また認める場合
>各餌グループを何と名づけるか。
>「学習過程を経たパフォーマンスの変化」のフェイズにおける準備性の
>関与、準備性による制限をどのぐらい認めるか。

まず、全ての心理学者が同じ意見ではないのですが、
「無学習でも戦略3_3のような場合を認めるか」という点で
大多数が認めない立場を取ると思います。
それは後天的学習性の行動であって、「概念」形成されていると。
よって、「各餌グループ」はカテゴリーと呼びます。
ただ、841氏が例証したい文脈を私が取り違えている可能性があるので、
「無学習で戦略3_3を取る」具体例を教えていただけますか?

次に、学習過程後の行動パフォーマンスに準備性の関与、制限が
どの程度影響するかは、具体的数値では言いにくいですけど、
私はかなりの影響があると思います。心理畑では分野とは関係なく
準備性をかなり重要視する人とそうでない人がいますが、
準備性の影響を否定する人はほとんどいないでしょう。

>ただ、何もバイアスがないところから可能かは疑う。

はい。それは私もそう思っています。そのバイアスも準備性のひとつの要素と
考えています。

>写真や図形、色のグループ分け実験で示されているように、「当初は
>中立な刺激と思われていたもの」を使ってヒトとの知能比べを試みても、
>準備性を明らかにすることにしかならなかった・・・わけだ。ヒトとの
>知能の量的比較にならず、環世界の質的差異が見出されたと。
>ようするに全ての外からの入力は色付きだろうと疑っている。色付きで
>ないという証明が可能かも疑っている。なので、色付きでない、準備性が
>関与しない概念・カテゴリーは実験も困難だろうと。

ごめんなさい。このあたりもう少し詳しく教えてください。
「実験」とは「ピカソを弁別するハト」のことですか?

これは老婆心ですが、心理屋と学習について、あくまで専門的な話をする場合、
(私はかまいませんので気にしないで下さい)
「自発」という言葉を使うと、それはオペラント行動(後天的学習性)と
頭から思われてしまいます。認知・知覚・発達等でも短期記憶・長期記憶
に関わらず、「選択行動」(意識・無意識関係なく)と捉えられてしまうので
その類の畑の人と生得性の議論する際は使わない方がよいと思いますよ。
89841:04/11/22 02:32:49 ID:iPaDB13j
>「無学習で戦略3_3を取る」具体例
 やはり根が脊椎動物好きなんでパッとは思いつかなんだが、ロジカルに
追うと、変態するものがよかろう、水モノは観察記録量が少ないんで昆虫が
よかろう、性行動は対象が少ない(雌の受け入れ/非受け入れ、処女/
非処女ぐらいか)んで捕食がよかろう、というのと、
ほのかなファーブルやら矢島やらの記憶で狩人バチを出したんだが・・・
 行動学というより昆虫の生態学のほうを探せばティピカルなのが出てくる
気がするんだがな・・・も少し調べてみる。 

>実験。たとえばアイちゃんとコントロールとしてのヒトを使って、
顔写真を回すのがあったわね。
アイちゃんはナミチンの顔写真で、ヒトはヒトの顔写真で成績がいい、
180度回すのと90度の回すとでアイとヒトは得手が異なる、と。
直線的な優劣でなく世界観の差異が出てしまった、比較する際の共通の土俵
を見つけるのは予測よりはるかに困難だぞ、と。

老婆心。
さんくす、ただし併記したのは少し確信犯。
誘発、解発、自発、これも要整理概念だと思うのであった。
準備性の評価に関わって、なんだろうけど。
誘発←→自発の軸とは別に、準備性依存度が大きくて明確な至近要因が
あると解発、かと。
明確な・・・が問題で、遮断化で閾値下げておくと不適切なモノが解発因に
なるとか(鏡に求愛する1羽飼いのセキセイ雄とか)でややこしいわけだが。

心理畑では、たとえば刺激遮断室みたいなところへ監禁しているうちに、何もきっかけが観察できないのに生じる反射・反応・行動ひっくるめた行動の
うち、心理畑のニュアンスで生得的っぽく思えるものってどう捉えるものかしらん?

質問続きで悪いが、すきこいやこ何もナシの総称も教えてくれると助かる。
90859:04/11/25 00:47:20 ID:idx/RkpJ
>直線的な優劣でなく世界観の差異が出てしまった、比較する際の共通の土俵
>を見つけるのは予測よりはるかに困難だぞ、と。

「世界観の差異」という問題なのかは、心理畑や哲学畑で議論噴出すると思うけど、
「知覚の差異」というのは明らかにありますね。超音波で交信するこうもりと人間では
世界に流れている「音」の捉え方は別世界だろうし、トンボやハチの視覚も実感するのは
困難ですよね。もっと我々に近い種でも、ほとんど真後ろまで視野を持つ草食動物に
世界がどのように見えているかも実感しにくい。841氏が引用した写真弁別実験は主に知覚と
情報処理の問題にスポットが当てられています。
一方、「認知の差異」による実験では、「※人工的多型概念」がよく知られています。
※例えば「AorB」「大文字or小文字」「標準文字orイタリック」というような3次元2水準で
8種類のアルファベットを作り、任意の規則性に基づきカテゴリーを作ります。
どちらかのカテゴリー規則に準じたアルファベットグループを課題として提示すると、
人間は規則性をなかなか発見できない。(当然課題の物理的知覚はできても)
一方、ハトは容易にそれらの「規則性」を弁別し、課題を容易に正解する。
これらの実験では、「知覚の差異」と知覚した「刺激の認知」は別であると示唆しています。
「刺激等価性実験」では、種によって対称律、反射律、推移律で得手不得手が
顕著に表れますね。人間と人以外の動物で最も異なる点は対称律(A=BならB=A)
に見られる「拡張解釈」でしょう。また、「系列学習」でも人間特有の柔軟な認知が見られます。
つまり、知覚が違っても同じような認知をする例もあるし、同じように知覚していても、
全く認知が違う例もある。ここがややこしいところですね。
その上で、「比較する際の共通の土俵」を規定することは確かに困難ですが、
人と人以外の動物の知覚や認知の違いを知ることは非常に有意義だと思います。

>心理畑のニュアンスで生得的っぽく思えるものってどう捉えるものかしらん?

841氏が規定した「何もきっかけが観察できないのに生じる反射・反応・行動」が
私の読解した内容と異なるかもしれませんが、ひとつは排泄・睡眠等の「生理反応」でしょう。
あと、遮断化は時間弁別の側面もありますから、オペラント要素もあると思います。
また、遮断室の文脈が誘発する「情動反応」もあると思います。
いずれにせよ、観察された反応自体をに見ないと正確にはわかりませんし、
それがレスかオペか、あるいは841氏の言う厳密な意味での生得的反応なのかも
実験による検証なしでは答えられないと思います。

>すきこいやこ何もナシの総称

これも質問の意味を正確に私が理解しているか不安ですが、好子でも嫌子でもない
刺激であれば「中性刺激」。随伴性で好子も嫌子も随伴しない文脈であれば「消去」です。
多分そんなことを聞いているのではないですよね?
91841:04/11/25 03:35:03 ID:65LqpP3d
「世界観」というのはまずいか。知覚と認知その他の総称と思ってくれ。

>同じように知覚していても、
>全く認知が違う例もある。ここがややこしいところですね。

 には全く同感。
 猛禽類は、藪の中の光と影がチラチラしている中で動く獲物にやたら敏感、
とかね。ただ、その時の生理的気分とか、探索像とかあるわけで、
キレイな実験は大変だな・・・
 そういうあたり、何が科学的か、という議論とも絡むのだろうけど、
フィールド屋から実験屋の仕事を見ると隔靴掻痒な時がある。

>対称律(A=BならB=A)に見られる「拡張解釈」でしょう。
 論理か。
 これも実験と観察の差が大きいような類だな。その種本来の対象
(群内他個体とジブンと含めた順位)とかならきちんと反応するのに、
実験のために統制したくて同じ論理構成で抽象化するとアカンとか。
 アシカかオタリアでなにやらあったな、たしか・・・
92841:04/11/25 03:40:16 ID:65LqpP3d
 すきこいやこ云々は、

 強化子、罰、何も起こらない、といった行動の「結果」の総称がないか?
 ということなんだが・・・
 「刺激」ならば、少なくとも仮想的に好性・中立・嫌悪、いずれも語尾に
「刺激」とつけられるっしょ。
 同様に、結果の側をどういうのかと。
 強化・罰が生じる・何も起こらない、といったプロセスと、
 強化子・罰・えとなんというべきか、というプロセスを生じせしめるモト
と、なにやらどうも居心地が悪い。
 好子・嫌子と、出現・消失の組み合わせはこの4つに限ってはわりと
キレイだが、やはり「何も起こらない」のが落ち着かない。
 ので、なんかいい工夫がなされていないものかと・・・
93841:04/11/25 03:54:19 ID:65LqpP3d
イヌに立ち戻ると、

>実感しにくい。

 はずなのが、「実感している気になりやすい」のがひとつの問題だろうし、
他方、「実感できないなあ」の問題もある。
 「厳密に科学的な範囲」だと実際のトレーニングに必要なことが事実上
できないわけで、「非科学的と判っているものは排除」ぐらいで
折り合わざるを得ないだろう、
 というのを仮の前提としても(つまり割と甘くみても)、
 科学的な解釈に含まれるヒトの知覚・認知・その他のバイアス  と、
 それを含む「科学的な解釈」から見てさえ明々白々な
ヒトの知覚・認知・その他のバイアス  と、
 それを含む「科学的な解釈」から見たイヌの知覚・認知・その他の
バイアス   、は、どうしてもすり合わせの対象になってくるべい。
 
 実は一番ややこしいのがヒトの個体差ではないかと疑ってる。
 漏れは矯正視力でせいぜい1.0だし、音感もタコだし、煙草呑みだから
嗅覚もよくはなかろうと思うんだが、都会のヒトと一緒に山を歩くと
みなさん感覚器それ自体は優れていても鈍感だなと思ったりする。
 イヌと付き合う差異に問題となるのはことに聴覚と嗅覚だな。視力は
動くもん相手。
 むろん、どんなに頑張ってもイヌなみとはいかんし、知覚だけのハナシ
でもないのは承知だが、ごく素朴なスタートとして、鼻で何か
(ノウサギとかキジとかカモとかカモシカとかクマとかといった、イヌが
関心をもつもの)を嗅ぎつけた経験があれば、まるでない場合より、
多少とも確度高く「実感」できよう。
 すると「科学的な」知見を参照するのでも、土台を高く設定できよう。
94841:04/11/25 04:01:56 ID:65LqpP3d
 むろんそれが単なるヒトの思い込みでないかは要検討ではあるが、
オッケーな場合は、心理状態や立場を表す日常語を使っても
かまうまい、と考えてる。「ソレを検討する時」は別だけど。

 たとえばウチのイヌの中で一番エライ雌、つまり漏れと嫁も群れに含める
と嫁の次のベータフィメイルということになるが、下位のイヌに攻撃的で、
しかし上のモンには極めて従属的である。
 下位のイヌがいる前では上のモンに甘えようとしない。命令には
従うが、腹を見せたりしない。
 こういうのは、サックリと、「沽券に関わる」「プライドが許さない」
と表現しちまってもいいように思うわけだ。
 物事の処理の仕方の差が、イヌとヒトとで小さい事柄に関してはヒトの
慣用表現で処理することでヒトの側の注意力のリソースを節約して、
よりヒトが意識的に差異に注目すべき分野に回してもよいのではないかと。
 「叱られる」がわかる、と仮定してはどうか、というのも同じだな。
95859:04/11/26 00:39:34 ID:l/ZY4IDx
>フィールド屋から実験屋の仕事を見ると隔靴掻痒な時がある。

はい。私も実験よりですから耳が痛い(^^;
確かに、実験と応用の人間は対立するケースがありますが、
私自身はフィールドワークでの観察に敬意を感じていますよ。
本来、実験と応用は対立すべきものではないし、切磋琢磨する関係に
あるべきだと思っています。
フィールドでは余りに多くの余剰変数の影響で、行動に働いている個別の
原理がわかりません。だから、実験室で変数を可能な限り統制し個別の原理を探求する。
そこで得られた知見はフィールドに応用され、反証と実証が繰り返される。
そして、フィールドで得られた新たな疑問が実験室に持ち込まれ、
そのデータは再び応用へフィードバックされる。という関係が健全ですよね。

対称律の拡張解釈については、実験と観察の差というより、
人間の特殊な言語構造や概念形成による影響だと思いますよ。
つまり、現実では対称律(A=BならB=A)が成立しないケースが非常に多いですよね。
私の奥さんは女である(A=B)でも女は私の奥さんである(B=A)は誤りですね。
ところが、人間は課題提示された対象律の設問を完全に回答できます。
一方、人間以外の動物は対称律が成立しないか、成立しても限られています。
言葉を代えると人間以外の動物の方が真実を正確に認知するとも言えます。
いわゆる「抽象概念」や「概念拡張」に見られる人間の特異性ではないでしょうか。

>すきこいやこ云々

よくわかりました。「結果の総称」は「随伴性(contingency)」。
「何も起こらない」という「随伴性」は「消去(extinction)」です。
「消去」という日本語訳が違和感を覚えると思いますけど(汗
よく、トレーナーさんがいう「消去」というのは「消去手続き」という意味ですね。
96859:04/11/26 00:40:14 ID:l/ZY4IDx
>心理状態や立場を表す日常語を使っても かまうまい、と考えてる。
>「ソレを検討する時」は別だけど。

その通りだと思います。私だって全く心理学の知識がない人に話す場合、
心理学徒に話す場合、初学者に話す場合、学者に話す場合、畑が違う人に話す場合で
意識的に分けていますよ(爆 また、相手の知識レベルに関係なく、
患者さんに話す場合も違った表現をします。
相手がこちらに挑戦的なら、意地悪で意図的な話し方をする場合だってあります(^^;

「叱られるがわかる」と仮定する841氏の本当の意図が相手に伝わるかというと、
貴殿が言うように「個人の知識レベルや資質等」が障害になるのでしょうね。
私はよく一般の方に「動物は叱られているのはわからないのですよ」と言います。
これは、明らかに方便なのですが。。。
「叱られるのがわかる」というと、「あなたが叱っている意味がわかる」と拡張解釈する人が多い(爆
そうすると、「うちの犬は叱られたことがわかっているのに止めない。なめてやがる」と
自尊心を犬に傷つけられたと感じてしまう方が見受けられます。
人間の認知と同じ認知レベルを動物に求めると、お互い不幸かなと思います。
このあたりは非常に難しいですね。
841氏の言っていることはよく分かりますので、犬は「叱られるがわかる」という前提で
話を続けてください。
97841:04/11/27 13:11:58 ID:Br06PpU6
>人間の特殊な言語構造や概念形成による影響
 大本は「心の理論」系と解してよろしいか? そうだとすると、ナゼ、
同じように群で暮らし、群内他個体の意図の推測が大切な他の動物でそうは
なっていないのか、だな。
 また「心の理論」を持ってくる可否は別としても、こうした現象はどの
「ヒト」から見られたと推測しうるのか。化石は喋らんからムズイけど。

 実験とフィールド・応用と対立させたいわけじゃないんだ。
 ただ、たとえば観察していると、文脈刺激(これも誤解を招くひどい
語だな。発案者を小一時間)の中にどれに反応しているか、わかる気がする
ときがある。
 けれど、実験屋の水準では「そうと言う」のに抵抗がある。
 ある意味正しいんで、「電話がかかって来た直後に出かけた」のを、
本当は「約束の時間が来たから出かけた」のに「電話で呼び出された」と
誤解するが如きは大いにあるからね。
 
 問題はこの差異、対立ではなくて、どうやってミゾを埋めるかかと。
 その意味でも、ヒトの認知研究が進んで、観察者という「ヒト」をバイオ
センサーとして捉えることによって、実験不可能な事柄も実験屋の求める
「科学的水準」で扱えるようにならないかなあ、と。
98841:04/11/27 13:15:26 ID:Br06PpU6
 随伴性ではなくって・・・ええと・・・
 そうだ、三項の第一項を「刺激」、第二項を「反応」または「行動」と
いうように、第三項はナニというのか? だと判ってもらえるだろか。

 叱る。
 そういう解釈のされかたはあるな、そういう意味では「怒られる」のが
適切かもしれない。怒る、叱る、諭す、言い聞かせるetcが引きずって
いるニュアンスはなかなか難しい。
99841:04/11/27 13:30:19 ID:Br06PpU6
 本題を、実験と応用のキャッチボールに絡めて言えば、表面上は同じ
肉体に対する打撃なりなのが、加害者と被験個体との関係性でどう
変わるか、であろうと。
 さしあたりふたつ課題を思いつく。

 「どう変わるか」を見るには、〔第3項〕を、単に、好ましいモノから
嫌なモノへと直線的に並べるところから踏み出さないといかんのでは
ないかと。
 つまり、甘酸っぱい、は、甘さ何割酸っぱさ何割で終わらない、と。
 このあたりに認知側からの光明はなかろうか? 
 下世話にいえば、マゾ化だな。江戸っ子の熱湯好きといってもいい。
 痛みが快になるわけだ。
 快感と痛みの対提示手続きで説明しきれない部分があるだろうと。説明
しきれないからといって「ない」と断言するのはよくないだろうと。

 いまひとつは、関係性をどう実験屋レベルの科学性(必ずしも現実の実験
でなくて思考実験でもいいが)の上に持ち出すか。
 つーのは、以前話に出て威圧感、あれを持っていれば、初対面のイヌに
対して、イヌから見て「このヒトには叱られるのが当然」というポジション
に入りこめてしまう。他方、何年も飼っているイヌにもその立場になれない
人も多い。
 つまり計測対象が常にふたつあり、分けて計るのが難しい。
「トレーナー・トレーニーの系」であると。
 未知数が最低2ある問いともいえるけど、実際にはもっとややこしい。
方程式で解くものというより、近似計算を力任せに並べる(流体力学とか)
のに近い感じだが、各要素を仮にでも数値化するのがまた困難。
 どうしましょ、な訳だな。
100841:04/11/27 17:34:32 ID:Br06PpU6
 もう少し展開しておくと、「目上」概念は大きくふたつに分けられる。
 (いずれも〔擬似〕も含めて)A 子から見た親、B 成体同士。
 さらにBは、群のタイプによってさまざま。直線的なペッキングオーダー
もあるし、三すくみが含まれるものもあるし、独裁者と平民式もある。
いずれも模式的なものなのでケースバスケースで入り混じる。雌雄別、
雌雄横断的も加味せねばならん。

 ABともに〔ない〕のが一番簡単。親が子を叱ることがない動物もある
わけで。この場合、トレーナーとしては叱りようがない。
 ネコだと、Aと、ある種のBがあるが、Aが強いといえる。ヒトが首筋
つかんでブラ下げられるのはこれゆえだな。モロに大人っぽいネコには
通用しないのも同じ理由。
 イヌだと、キャラによってABの重みが違うわな。血統的には否定された
が、ローレンツのいうオオカミタイプとジャッカルタイプは、キャラ分け
には有効性を失っていない。Aが強いかBが強いか。
 トレーナーとしてはイヌのキャラごとに、擬似親を演じるべきか、擬似
上司を演じるべきか、ということになろう。
101わんにゃん@名無しさん:04/12/04 11:24:01 ID:/DsSYHhx
犬の無駄吠えには犬の首に鈴を着ける
隣の犬の無駄吠えにはテレビの音を少し大きめにする
噛み犬には棒を容易して置く
102わんにゃん@名無しさん:04/12/04 11:24:56 ID:/DsSYHhx
犬の無駄吠えには犬の首に鈴を着ける
隣の犬の無駄吠えにはテレビの音を少し大きめにする
噛み犬には棒を容易して置く
103859:04/12/06 19:49:56 ID:mKhRyi+N
めちゃくちゃ立て込んで、すっかりご無沙汰しました。

>第三項はナニというのか?

「Consequences」です。日本語では「結果」と訳す書籍が多いですが、
「Result」より、何らかの因果関係によって変化した環境によって起こる結果という
ニュアンスですね。

>つまり、甘酸っぱい、は、甘さ何割酸っぱさ何割で終わらない、と。
>このあたりに認知側からの光明はなかろうか? 
>下世話にいえば、マゾ化だな。江戸っ子の熱湯好きといってもいい。
>痛みが快になるわけだ。

これは動物実験でも確認されていますね。マゾ気質が。
好子も嫌子も、一般的に広くあてはまるものはありますが、
ケースによって好子と嫌子が逆転する個体もあります。
その原因も千差万別でしょうね。ただ、認知というより哲学的見解ですが、
対極は対極の存在意義を認めるから存在できるわけで、
「テーゼはアンチテーゼに寄り添う」ということではないでしょうか。

>擬似親を演じるべきか、擬似上司を演じるべきか

攻撃性が既に表面化している子のケースではどうでしょうかね?
珍しく新しい人のレスで「噛み犬には棒を容易して置く 」というのを見て思ったのですが。
本当にすごい子って、棒くらいじゃ下手すると人がやられちゃいますよね。
逆に、そのくらいでへこんでくれる子なら大した噛み犬じゃない。
野生のベッキングオーダーで構成される群れでは、色んな種で
あまりに強すぎる攻撃性を有する個体は群れを外れるケースが多いようですね。
このあたりの841氏の見識を是非聞きたいですね。
104841:04/12/07 01:23:03 ID:PoT7QFtc
「帰結」というのもヘンだし、やはし「結果」かあ。さんくす。

>好子と嫌子が逆転する個体
>その原因も千差万別

 完全とはいかなくても、ケースごとに悩むのを減らせる何かしらの
法則性、規則性、があると思ってるんだけど。
 で、そっちのルールが大本であって、例外的にキレイなパターンを
抽出したものがテーゼでないかと。
 批判じゃないが、たぶんここんとこが一番違うんだろうと思う。
誰の言葉だったか、「動物実験において、
心理学者が主として知りたいのは、その動物で見られてヒトにも
あてはまる事柄で、
エソロジストが主に知りたいのは、その動物の振る舞いそのものである」と。
105841:04/12/07 01:24:09 ID:PoT7QFtc
 攻撃性。
 きっかけで分類するのはキリがないから、生理的気分ないし衝動から、
「競争・闘争」「捕食」「防衛」の3つの極をおいて、その三角のどこら
へんか、という見方をするのがいいんではないかと思ってる。
 野生の動物にしても原則的には。(ケアレスとは思うけど、pecking
だよん)。
 競争・闘争敵攻撃性が強すぎる個体がどの程度、群から離れがちで
あるかは生存戦略によりけりでしょう。テンポラリーにはそれがノーマル、
ということもあるし。例のタカ派ハト派ゲームを「現実」の上でやって
いるらしい、わけで。
 
 あるいはもうひとつ、「本態性・異常な」もあるけど、前3者と
同一平面上というよりは浮いている感じかな。黄コッカーあたりの
異常なものは脳神経生理学の対象だろうかと。
106841:04/12/07 01:25:01 ID:PoT7QFtc
 さらに、成人に対する常習的な捕食やその変形、首や下腹部狙って殺しに
来るものも、行動を云々する対象ではないかと。殺処分やむなしで。個人的
な思い入れがある腕っこきが挑戦する以外は。というのは、修正可能
だとしても、「それほど攻撃的ではないのに殺処分される何十頭かを
よき家庭犬にできる」だけのコストがかかるから。

 擬似親か擬似上司かは、暴れ方と、取扱者とイヌの関係によるんで
ないかな。知らないイヌ相手ならまずは擬似上司、横滑りできる場合は
擬似親になって「も」いいし。
 棒は、859氏はお分かりだろうけど、棒ナシの機会を付けねらわれる
だけなんでね・・・
 というか、直接対決法が奏功しうるのは、擬似上司または擬似親として
イヌが認めてくれているときだけ(つまり「叱る」)なんで。敵対する
群のオオカミ同士の殺し合いモードになったら、そりゃあね・・・
107859:04/12/07 02:10:55 ID:KwBmirj0
>完全とはいかなくても、ケースごとに悩むのを減らせる何かしらの
>法則性、規則性、があると思ってるんだけど。

確かに。臨床での症例(自傷行為等)でも2つのタイプに大別しますね。
マゾ的行為によって得られる結果が好子になる場合、
まず着目するのは第三者がいる、あるいは介在している場合にその行為をする
頻度が多いのか、それとも隠れて自分だけの時に行うかです。
前者の場合、マゾ的行為そのものは嫌子なんだけど、それと引き換えに得られる
好子(注目等の社会性強化子の場合が多い)の強化力が勝ってしまうケース。
後者は、やはりマゾ的行為そのものは嫌子の場合が多いのだけど、
それ以上の嫌子(退屈や不安、恐怖、孤独感等)がその行為によって
緩和するような内在性の負の強化が働く場合。
レアなケースとしては、何らかの知覚異常で痛みが快感に変わるような
生理現象が起こっている場合。このメカニズムについては諸説ありますが、
いずれも完全に立証されているとは思えません。(私の知る限り)

>直接対決法が奏功しうるのは、擬似上司または擬似親として
>イヌが認めてくれているときだけ(つまり「叱る」)なんで。

深刻な支配性攻撃行動になると、飼主さんが直接対決で負ける確率のほうが
高いでしょうね。数年前、米国で動物の攻撃行動矯正を専門とするシェルターを
見学したのですが、本気で仕掛けてくる犬は心底恐ろしかった(汗
友人の訓練士と見学したのですが、訓練士でも「本気」で襲ってくる犬に対峙した
経験のある人は一握りだと聞きました。そして、中には体の一部を無くした人や
今でも後遺症を抱えている人もいて、犬は私達が想像しているより遥かに強いことを
肝に銘じておかないと、取り返しがつかないことになると思いましたね。
例の「Manual of canine behaviour」にも、支配攻撃行動の完全治癒は
非常に少ないことが書かれていましたね。いずれにしても、殺処分を検討するような
状態になる以前に、手を打たないと擬似親にも擬似上司にも成れないんでしょうね。
108859:04/12/07 02:53:04 ID:KwBmirj0
擬似親で思い出したのですが、家の愛犬のブリーダーさんから、
牡の親に挑戦して勝ってしまう子はいるそうですが、お母さんに
挑戦的な子供は比較的少ないという話を聞きました。
犬種にもよるのかもしれませんが、興味深い話ですよね。
そういう傾向は全般的にあるものなのですか?
また、擬似親を演じる場合、お母さん、お父さんとあると思うのですが、
こんな場合はどちらを演じた方がお得とかあるんですかね?
109841:04/12/09 13:15:43 ID:vG9todHb
 マゾ的な話。
 いくつか先があるんでないかと。
 ひとつは差し引き問題で、何が「陽性」か、ね。ちょっと前に虐待として
問題になったゾウの例だと、たとえば、ゾウがまだ知らない「右」という掛け声かけて、右以外に動くか動かなかったらぶん殴る、右に行ったら誉めまくる。
 無視が罰かどうか、と絡めると、うまい陽性主義者はちゃんと嫌子なり
嫌悪刺激なり使って望みの行動をさせているなあ、なのに広まる過程で
そこが抜け落ちがちやなあ・・・そういう心理的傾向は何に由来して
いるのかな、とか。
 この先にはいたずらされやすいがされて困るモノをワザと出しておいて
叱る機会を作るべきとケース、そうでないケース、なんてのもありそう。

 いまひとつは、皮膚にまつわる事柄。
 メカニズムはともかく、マゾ的な痛み→快感変換は皮膚にからむ。
熱風呂しかり彫ること自体が目的化した場合の刺青しかり。
 素朴に五感という場合、皮膚は触感になるわけだが、他方、皮膚は
人体最大のオーガンでもあるわけで、内臓感覚とどう分けるべきか、
いささか難しい。これはまあ嗅覚と味覚もそうなんだが・・・
 手で叩かれたことのあるイヌは手を怖がりつつ慕うわな。そこだけ見ると
差し引きなんだけど、人工的なすきこいやこ葛藤とはちと違うように思える。
 江戸っ子の熱湯好きはどのタイプかね? 銭湯なんかなら他者の注目が
強そうだけれど、それだけとは思えんのよ。
110841:04/12/09 13:16:46 ID:vG9todHb
 「イヌの十戒」にもあるけれど、あれだけの破壊力を持っているのに
ヒトに従う「奇妙な」動物種だ、というのは忘れがちだけど大前提だな。
どういう主義で向き合うにしても。
 逆にいえば、そこを活用すれば・・・
 本気でヒトを殺しに来るイヌとは幸いやりあったことないけど、
そこそこのヤツでも、やはり、どうやって擬似上司ないし擬似親になるか、
は大きなミソだと思う。
 けれど、感覚的なもので、客観的に洗いだすのは容易ではないの
ではないか。「イヌ−ヒト系」ね。うまい訓練者には(何を指標にしたか
説明できない場合も含めて)「わかっちゃう」、即時にそれがイヌへの
働きかけ(非意図的なもの含めて)に反映される、イヌにもヒトが感じた
ことが伝わってしまう、即時のフィードバックループだから、要素を
取り出して別の仮定を外挿しづらく、ダブルブランドにならん。ただの
ブラインドにしても、純客観的な評価は難しかろう。

 雌雄。
 血統上の父イヌかどうかと、ちゃんと「父親として振舞う」かは違うし、
ちゃんと父親するかどうかには品種による傾向の差があろう。
 他人の観察結果で考えるのは難しいな・・・漏れの経験だと、同じ対象を
同時に観察し、何を見出したのかのすり合わせや、それをどう解釈するかの
議論を何百時間かやった相手の話でないと自分が見たようにイメージできん。
 挑戦して勝った、のがどんな状況、流れなのかがわかれば、あるいは。
 ただ、中型以上の哺乳類はヒトの雌雄を見分ける(なぜか鳥はおリコウな
種でも鈍感なんだが)ので、基本的には自身の性別に従うのがいいんでは
ないかと。
 ただ、たとえば特に年長の雌と若い雌雄、なんて場合には、その年長雌が
アルファメイルの役割の一部を演じることもあろう。役者を演じる役者てな
ことでややこしいが。
111859:04/12/10 02:27:15 ID:J5mRsXlA
>無視が罰かどうか

日常会話での「罰」で言えば、その人の基準次第でしょうね。
あくまで学習心理学上での「罰」の定義で考えると、社会性動物にとって、
「無視」は「消去」と「罰」の合わせ技です。また、細かく言えば
この場合の「罰」は「正の罰」「負の罰」両方含んでいます。
もちろん、無視する側が被験者にとって般性強化子であることが前提ですが。

>そういう心理的傾向は何に由来しているのかな

「罰を与えている」という自覚が嫌子になっている場合が多いでしょう。
710氏が以前指摘していたように、「営業戦略」も多分にあるでしょうね。
程度の問題だけで、全ての訓練者や教育者、もっと言えば全ての生物が
生存している過程で、意識しているかは関係なく「罰原理」を利用していますよね。
個人的には「罰」は効果的かつ効率的に最小限に使う主義です。
多用するのは損だと思っていますし、「消去」や「強化」でボディブローを打ち、
ここで一発軽めの「罰」をテンプルに打ち込めばKOできる状況で使います。

>江戸っ子の熱湯好きはどのタイプかね?

刺青もそうですが、「痛み」「熱さ」という苦痛そのものは、
99%嫌子だと思います。ただ、これらの事例では「社会性好子」が伴いますよね。
つまり、「江戸っ子は温い湯につかるもんじゃねぇ」とか
「この熱湯を泣き言言わず楽しむのが粋」とか、周りに人の目がなくても
「武士を食わねど高楊枝」的な自己陶酔は内在性強化になるでしょう。
刺青も、その苦痛に耐えた者だけが得られる賞賛や、他人から一目置かれる
ことは内在性強化になるでしょう。つまり、苦痛そのものが好子ではなく、
苦痛と引き換えに得られる正強化や、その苦痛よりも強い嫌子が消失する
負強化によって、ほとんどの事例が説明できると思いますよ。
あとは、先にも触れた「イカレている」レアなケースですが、
これはもう例外中の例外。うちの大学病院でも、数千事例中数件の報告が
あるくらいで、極めて特殊な例だと思います。

>中型以上の哺乳類はヒトの雌雄を見分ける

そうらしいですね。特定の家人に対して支配的な犬の場合、
同性に対してが非常に多いと聞きます。自分が人間の異性とペアだと勘違いすると。
こんな所からも、擬似親・擬似上司を演じるべきなのでしょうね。
間違っても擬似夫婦や擬似恋人を演じてはいけませんよと。
112841:04/12/10 18:12:39 ID:nRpFkb0d
>ほとんどの事例が説明できると思いますよ。

 説明できる、のには反対しないけれど、誰にとってよりピンと来る、
腑に落ちる説明かどうかはまた別で・・・をメタな問題意識としておいて
おいて、

 強化ないし負の強化の関与もむろん否定しない。それが本筋とは思う。
 が、さらに皮膚という「マゾ化」しやすいがゆえに考察の入り口として
適当であるが、かつ、なぜそうなのかという特殊事情ゆえに一般化には
立ちどまる必要がある「場」の問題があろうと。
 
>「痛み」「熱さ」という苦痛そのものは、99%嫌子
 
 痛みや熱さは常に苦痛だろうか?
 知覚分野はご存知と思うが、皮膚はそれなりに錯覚が多いわな。刺激の
受容器が見出しやすいぶん解明が進んでいる部分と、触感・かゆみ・痛みの
ようにこんぐりかえりやすいものとあるべ。
 かさぶたを剥きたくなるのはなぜだろうか。
 痒いとき、痛くなるまで掻き壊してしまうのは?
 それ以上の嫌子除去「だけ」だろうか?
 好子になりやすい痛みの種類、というのはあると思うんだな。熱湯は
社会的ないしそれ由来の統帥による内在性強化でも説明できるけれど、
日本におけるサウナは? 
 つまり、あるそこそこの痛みはもともと苦痛か快感か知覚しづらく
(痒み・弱い痛み・強い痛み、と並べると、弱い痛みが一番嫌子度合いが
少ない)、そこへ通常の痛み耐性訓練的試行が重なると、本人ににとっての
弱い痛みが傍から見るとひええ、になる、と説明してもよいのではないか? 
ということなんだ。
113841:04/12/10 18:13:49 ID:nRpFkb0d
 少し見方をずらす。
 ヒトに触られる、撫でられる、は快か不快か。
 馴れていないと不快。馴れている動物だと快になる。
 無調教の放牧馬を馴らす過程における(うまくいった)例だと、この
変化は数分で起こりうる。
 「どこが」も大切だな。
 生得的であるか準備性が高度であるかする箇所は接触が快感になるように
なってる。ネコの口角、おでこ、尾の付け根・・・外分泌腺のあるところは
そうでないと機能しづらい。やちったことはないけど、ニホンカモシカなら
目の下だろう。
 イヌだと、やはり尾の付け根。オオカミならば前足前側も。
 ただ、他方、尾それ自体は逆に、触られたくない箇所である。ネコに
とっての耳もそうだ。
 けれど、平気になったり、喜ぶようになったりする。

 つまり、非常に判りやすい、が納得しづらいかもしれない、苦痛→快の
転換だけでなく、微妙な線上のものも含めて考えたい。
 よく使うたとえが、分水嶺。片方が嫌、他方が好。分水嶺頂上が広ければ
中立ゾーンが広い。皮膚の感覚はこれでないかと思うのだな。泥の中に
はだしを突っ込む、気持ち悪いか気持ちいいか紙一重っしょ。皮膚に
おいては痛みもこれに近い振る舞いをしないか?
 個別の刺激を、なにかの方法でアッチからコッチへ移すこともできる。
頂上近くほど簡単、山麓から持ち上げるのは大変。
 でも、それだけじゃなく、分水嶺それ自体をズラスことも可能だろうと。
 それこそがイヌにとっての擬似上司・擬似親の立場にトレーナーが
滑り込むことだろうと。
 その過程で、あるいはその立場を確立するために、群動物の場合に
きわめて分水嶺が動きやすい皮膚への刺激が使いやすい、と。
 馴らしたての動物の側で大きな音立てるほうが、大きな筋肉の上を
パチパチ叩くよりブチ壊しになる率が高いように思える。
114859:04/12/11 02:10:47 ID:t3YIF6jA
>痛みや熱さは常に苦痛だろうか?

「それ自体」は苦痛(嫌子)だと思いますよ。それが好子とは考えにくい。

>かさぶたを剥きたくなるのはなぜだろうか。
掻く(行動)によって痒み(嫌子)が消失・緩和する随伴性でしょう。
負の強化により掻く行動が強化される。

>痒いとき、痛くなるまで掻き壊してしまうのは?
掻き壊す痛み(嫌子)より、痒い(嫌子)の方がより嫌悪的だからでしょう。
掻き壊して後から感じる苦痛より、目先の痒みによる苦痛から逃れる方が
より強化的だと考えられます。悲惨な例だとビル火災で煙や熱による
直近の嫌子から逃れる為に、下手したら死ぬかもしれないのに
飛び降りてしまう心理がこれにあたります。

>日本におけるサウナは?
適度な発汗は内在性強化となる可能性がありますが、サウナの場合、
それ以上に「健康によい」、「痩せる」等のルール支配行動で強化されていたり、
サウナの後に飲むビールやホテルに泊まるより安上がりといったといった
直接効果随伴性での強化もあるだろうし、学習性のものでしょうね。
生後間もない赤ちゃんをサウナに入れたら十中八九嫌がるでしょうね。

>つまり、あるそこそこの痛みはもともと苦痛か快感か知覚しづらく
>(痒み・弱い痛み・強い痛み、と並べると、弱い痛みが一番嫌子度合いが
>少ない)、そこへ通常の痛み耐性訓練的試行が重なると、本人ににとっての
>弱い痛みが傍から見るとひええ、になる、と説明してもよいのではないか?
これはその通りだと思います。自傷行為の症例では恐ろしいことする患者さんも
いるけど、その患者さんも始めからすごかったわけじゃない。
ハトやラットによる罰の耐性実験でも、序所に嫌悪刺激の強度を上げていくと、
恐ろしいほど耐性が上がってしまいます。スパイクカラーで首から血が滲むほど
締められても、平気な顔している犬を見たこともあるし、電気ショックカラーにも
反応しない犬もいましたよ。これだって、最初からそうだったわけじゃない。
だからといって、それらが好子となるわけじゃない。

>泥の中に はだしを突っ込む、気持ち悪いか気持ちいいか紙一重っしょ。
>皮膚に おいては痛みもこれに近い振る舞いをしないか?
これは知覚自体の話というより、個別経験による知覚認知の要素でしょう。
泥の中に足を入れることが好子となるか嫌子となるかは学習履歴に左右される。
「ヒトに触られる、撫でられる、は快か不快か」も触られた、撫でられた直後に
どんな随伴性を経験したのかで大きく変わるものですよね。


115841:04/12/12 13:22:39 ID:vMhErQ79
なんか掛け違えている気がする。

知覚したあとの結果の随伴性のハナシは否定してないので、ただ、
それだけでない、と。
トム・ソーヤーのペンキ塗りよ。
わーい泥遊びだ、と思えばにゅるにゅるは楽しく、義務としてドブ掃除だと
気持ちが悪い。
他の感覚を遮断していたら区別できなく、かつそれだけなら特に嫌悪でも
好性でもない皮膚への接触でも、好きな相手に拠れば好ましく、嫌いな相手
によれば疎ましい。

要するに、ある特定の刺激と個体と体調・気分の組み合わせにおいて、
それが好性刺激であるか嫌悪刺激であるかは、客観的かつ一律に決めるのは
難しいだろう、ということで。

「痒みが強い嫌悪、弱い痛みは弱い嫌悪」と「痒みが嫌悪、弱い痛みは
弱い好性」とは、どこに分岐点を置くかに依存するべ? 
 痛み耐性実験の結果、痛みが中立化するとこまではいい? それに
正の強化を随伴させてやれば、痛みは好性刺激になり得るし、ブリッジと
して2次好子になるうるべ? 強化力を持つようにできるべ?
116841:04/12/12 13:23:50 ID:vMhErQ79
 生得的に皮膚接触がすごく好き(ハダカデバネズミとか)、すごく嫌い
(ペアや親子間で相互毛/羽繕いがないような連中とか)、なのはさておき、
そこそこの種で考えると、ヒトが好きになってない動物にとってヒトに
触られるのはかなり強い嫌悪だわさ。
 それに対して、3つの工夫があろうと。
 ひとつめは、触った後で正の強化。
 ふたつめは、生得的に不快となりやすい箇所を避け、快となりやすい
箇所を選ぶことによって、触ること自体の内在性強化の利用。「ヒトによる」
嫌悪度のマスク。
 みっつめは、前出トム・ソーヤーのペンキ塗りの原理で、快/不快の
分岐点そのものをズラすこと。

 で、1と2はいわば当たり前で、判りやすい。3が一番取り扱いが難しく
(動物の主観に関わることだし、トレーナー・トレーニーの相互かつ瞬時の
干渉によって事象を独立して取り出しづらい)、が、極めて大切では
なかろうか、なのよ。
 1960〜70年代のブロンクス動物園だったか、野生から捕獲されて
はるばる輸送されてきて搬入されたばかりのライオンに檻越しに話しかけ、
1時間かそこらのうちにタテガミをブラッシングできるようになった
名物園長がいた由。
 雄ライオンには上司はいないから、うまく子供気分にさせて擬似親の
立場に入り込んだのかなあ、などとも思うが、ま、「アニマルマン」と
しての超絶技巧やね。そのまま真似はできんとしても、同じ方向のセンス、
技術は、うまいと言われるトレーナーは多かれ少なかれ持っているし、
使っていると思えるわけだ。
 間接飼育、間接訓練もアリだし、肛門に体温計差すとか、歯石取りする
とかだと、逃走・反撃距離は皮膚の下に埋もれることになるからゼッタイと
は思わないが、皮膚表面というのはひとつのメルクマールだろうと。
 逃走距離、反撃距離をゼロにすることだから。
 訓練士業界でいう親和を取る、のエッセンスをここに見る。
117841:04/12/12 13:25:14 ID:vMhErQ79
 進みが悪いときにもヘンに焦っちゃまずいとか、進捗に応じた取り組みは
あるだろうが、親和の確保は原則として早ければ早いほどいい。ナゼって、
最低限のこれが成立していないと、強化ができんからだな。強化子を
提示しようとするヒトの動作に恐怖に駆られて逃げようとパニックに
なっている動物をうまく強化するんは難しいわな。
 強化が可能な雰囲気に持ち込まなアカン。とりあえずそれを称して
「マゾ化」といってる。
 遮断化だったり、一部感覚の剥奪だったり、学習性無力感にならない
程度の行動制限だったり、いろいろ使うわけだが、対イヌで考えると、
それらを補ったり、それらを代替しえて、かつより効果的なアプローチが
あろうと。
 その一部がたぶん威圧感の出し入れであり、わざと低位個体の真似をして
イヌの緊張を解くロールプレイだったりするわけで、それらをして
擬似上司・擬似親と表現しているわけだが、ここを(それこそ知覚、認知
から)もう少しトータルに扱えないものだろうか? 
 というのが問題意識のひとつなんだ。

 その後の強化のハナシは、まあいいんよ。それはそれで大事だけど、
理屈はわりと判りやすいいし、難しいのは強化的に正しいことをヒトは
直観的に出来ないのをどう是正していくか、の、スポーツのフォーム作りに
相当する部分なんでね。

 大きく分けると、漏れの認識はたぶんこうなる。

 強化の原理は大切。しかし、応用レベルに必要とする理屈はそんなに
ややこしくない。
 強化を奏功せしめうる事前の準備がむしろ大切。強化を決め技だとすると、
その前の差し手争い、吊り手の取り合いだな。ココはいまひとつ未整理で
ある。
 また、随伴性のオートマチズムも大切。実験するわけでなくその個体を
複雑な環境下でいじって変えたいのであるから、単なる右上手投げではなく
ウルフスペシャル(古いか)、単なる左上手投げでなく輪島の黄金の左
(もっと古いか)、単なる一本背負いでなく野村の一本背負い(これなら
古くないな)、のレベルにまで磨かなくてはならん。ココもいささか
未整理であろうと。
 
 準備・強化の原理・トレーナーが強化の原理を自動的に発揮できること 

 と。真ん中はいい加減もういい。すでに説かれている。
 その割りに問題行動が多いのはなぜだ? 不足なのか?
 いやそうでなかろう、準備とオートマティズムが未整理だからなのでは
ないか? とな。
118859:04/12/13 02:10:13 ID:OyT7HbjJ
>痛み耐性実験の結果、痛みが中立化するとこまではいい? それに
>正の強化を随伴させてやれば、痛みは好性刺激になり得るし、ブリッジと
>して2次好子になるうるべ? 強化力を持つようにできるべ?

それは違う。本当にそう思っています?
簡単なスキナー箱での実験デザインを想像して下さい。
まずハトに9Vの電気ショックを回避反応が消えるまで与え続けます。
その実験群は過去にキー突付を強化していないとします。
十分に電気ショックに耐性ができた後、その実験群の中から適当に選んだ
個体をスキナー箱に入れ、キー突付反応が自発されるまで待つ。
キーを押した直後に、9Vの電気ショックを再び与えて見る。
レバー押しは強化されない。それどころか、十分耐性ができていて、
貴殿がいうように「痛みが中立化」しているとしても、
レバーを再び押してくれるハトはまずいません。つまり、レバー押し行動は
弱化される。よって、耐性が確立していたとしても、電気ショックが
嫌子として機能することに変わりはない。

次に、実験群の違う個体をスキナー箱に入れ、同様の手続きを行います。
ただし、今度は電気ショックを与えると同時に餌を与える。
すると、キー突付きを続ける個体とそうでない個体が観察できます。
これは「随伴性対比」により、ある個体にとっては馴化した電気ショックの
弱化力より餌の強化力の方が勝りキー突付きが強化され、ある個体では
電気ショックの弱化力が餌の強化力より勝りキー突付きが弱化されるということです。
つまり、嫌悪刺激が好子になったわけではなく、貴殿が言うところの
「正の強化を随伴させた」際に使用した好子が行動を強化したに過ぎない。

Azrin,N.H.(1956). Punishment and recovery during fixed-ratio performance.

次に、痛みのような本来生得的に嫌悪的な刺激が条件性強化子(貴殿がいう2次好子)
になるかと言えば、非常に困難ですね。様様な動物での実験がありますが。
強化力については、痛みからの回避行動を強化する強化力はもちろんありますよ。
しかし、この場合でも痛みは負の強化子(嫌子)ではありますが、正の強化子(好子)
ではありません。

Thompson,T., & Schuster,R.(1964). Morphine self-administration, food
reinforcement and avoidance behaviors in rheus monkeys.
Azrin,N.H.(1966). Extinction-produced aggression.
Olds, J., and Milner(1954). Positive reinforcement produced by electrical
stimulation of septal area and other regions of the rat brain.

ちなみに蛇足ですが、クリッカーですら個体によってはいくらやっても
条件性強化子にならず、嫌悪刺激になる場合がある。あの金属音が
どうしてもマイナスの情動反応を引き出し、嫌悪的に働く場合ですね。
この研究は関学の中島先生が詳しいですよ。

貴殿のその他の論理展開には賛同します。
119859:04/12/13 02:41:41 ID:OyT7HbjJ
訂正

レバー押しは強化されない。〜

レバー押し→キー突付きです。

あと、841氏に質問しますが、

>痛み耐性実験の結果、痛みが中立化するとこまではいい? それに
>正の強化を随伴させてやれば、痛みは好性刺激になり得るし、ブリッジと
>して2次好子になるうるべ? 強化力を持つようにできるべ?

と考える根拠となる実験デザイン、もしくは例(実例でなくてもいいです)を
できるだけ詳しく教えてください。
120841:04/12/13 11:02:25 ID:mM2mMkX8
 「痛み」に対するイメージが違うんでなかろうか?

 他の強化子のおかげで、も否定しないし、特にエスノロジーにおける諸例
はそういう視線で再検討する必要があろうと思う。
 また、紹介してくれた実験例も疑わない。が、ある設定下である結果が
得られたからといって、他の設定下で異なる結果が得られない証明には
ならんだろう。

 耐性訓練の程度によって程度は変わると思うが、それであっても痛みで
しかない痛みと、そうでない痛みがありうるだろう、というのが基本的な
イメージなんでね。
 痛みには限らん。スリルやサスペンス、といった恐怖にしても、
どの程度それを避け、どの程度進んで立ち向かうのが淘汰上の比較級ベスト
の選択か、というのはその生物種の戦略によっておおむね決まっていて、
立ち向かうべきとなった場合にはそれらの個体の生存にとってはリスクでない
事柄を快と感じるようにできているであろうよ、と。

生理は得手でないが、
"This study supports the concept that there is a continuum between reward and aversion. It would appear that the philosophers Spinoza and Bentham, who proposed that pleasure and pain were part of the same spectrum, were right."
 
ttp://www.eurekalert.org/pub_releases/2001-12/mgh-sfb120301.php

 という裏づけらしきものも出てきたし。

 要は、A10(持っていない種については類似の)にドーパミンなりが
流れ込めば快。痛みでそれを起こさせることは不可能なのだろうか?
 熱湯を「好むようになる」過程ではいろいろと他の強化が関与している
だろうが、「そうなった後」は熱感それ自体が好子になっているのでは
ないか? なのね。
 
 問いへの例としては、前段までだが、イヌ板だから(実例ではないが)、
ジャック・ロンドンの「野生の呼び声」を思い出してくれ、と。
 バックと飼い主(失念)の愛のシーンね。ヒトはバックの首筋を掴んで
乱暴に揺さぶり、バックは飼い主の手に跡が残るほど強く歯を立てる、
ってとこ。
 後段までとなると、SMを考えてくれ、かな。
 相手が喜ぶさまや誉められること、痛みとは本来独立の嗜虐幻想などの
強化が痛みを中性化、好性化して、一旦そうなれば、相手が喜ぶさま以降は
遅延でよくなるし、般化によって特定の相手でなくてもよくなったりもする
わな。
 誰に撫でられても喜ぶイヌ、というのと、それこそ「構造的に」近いもの
を感じているわけだが。
121859:04/12/14 13:25:07 ID:JegRodeg
841氏

「痛みに対するイメージが違う」のではなくて。。
「痛みでしかない痛みと、そうでない痛みがありうる」という認識は
私も同じですよ。貴殿の言わんとするところはよく分かります。
>>36で「補償反応条件付け」の話をしましたが、痛みに対して
補償反応として「快楽物質」が脳内で活性化することや、
逆に快楽に対しての補償反応として、セルトニン等が放出されることも
よく知られていることです。スリルやサスペンスもそうですね。
つまり、「不快」にたいしては「快感」、「快感」に対しては「不快」
の補償反応が程度は様様ですが存在するような生理機構をもっています。
簡単に言えば、興奮したら落ち着こう、ブルーになったら元気を出そうとする
カウンター機構があるということは、私も否定するものではありません。
ご紹介頂いた、MGHの研究もその通りだと思いますよ。

しかし、学習心理学上の見解では、あくまで行動を強化・弱化するのは
「痛み・苦痛」そのものではなく、それらの「補償反応から得られる内在的好子・嫌子」
や、その「痛み・苦痛」と引き換えに得られる外的な好子・嫌子であると
考えています。詳しく書くと長くなるので要旨だけにしますが、
外的な嫌悪刺激や快刺激に対する内的な補償反応を司る脳部位を切除した実験群と
そうでない統制群で、補償反応による内在的好子あるいは嫌子が行動の強化・弱化
にどのような影響を及ぼすか、多くの研究がされています。

私がムキになるのは、自閉やその他の障害児教育に携わっているからかもしれませんね。
「苦痛」がその子達の強化子になっている、あるいは「快感」が罰子になっている
と観察してしまう、あるいはサド・マゾ気質で済ませてしまうと、
一般的な人とは異なる異常性であるという印象を与えてしまいがちだからです。
(貴殿のように考察してくれる人は稀有ですね)
つまり、サド的、マゾ的行動というのは、間接的随伴性(外的な社会から齎される)
の他に、内的随伴性において、本来、自分を傷付ける、あるいは相手を傷つけることが
嫌子であるにも関わらず、その補償反応によって得られる何らかの別の要素が
好子になってしまっていることを広く知って欲しいからかもしれません。
我々健常者と明らかに(根本的に)違う異常では無いという点ですね。

ジャック・ロンドンの「野生の呼び声」は残念ながら読んだことがありません。
できれば、違う例をお願いできれば、また私なりの見解を述べさせて頂きたいと思います。
122859:04/12/14 13:30:26 ID:JegRodeg
>また、紹介してくれた実験例も疑わない。が、ある設定下である結果が
>得られたからといって、他の設定下で異なる結果が得られない証明には
>ならんだろう。

この意見は間違いではないけど、そう言ってしまうと全ての自然科学は成り立たない(汗
あくまで自然科学的に話をするなら、こういうケースは当てはまらないのではないかという
反証事例を挙げて議論を進めたいのですが、ダメでしょうか?
123わんにゃん@名無しさん:04/12/14 14:30:51 ID:cBqjwUB7
              /      \
              /●  ●     \    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
            /        Y  Y|   < グッド バイブレイション! 
            | ▼    //// |   | |    \_______
            |_人_       \/" \
             \/       ”    \
        ,.. -──- 、, |"    ””       \
      ,/        `''-、             \
     ., '            ``ヽ;‐‐-, _         |
    /                   ゙i'ヾ、|         | ドピュッ ドク…
   ,!                、 i  |     /    |
    l               ┬-,.、, ヽ !. |    / /    |   
    | ,            |/ ヾ、|'  |   |  |      |
    | | !  ,、 、      l     ! l |  |  |     |
    | |/ト, / ヽ lヽ l、i.   !    !  _|   |   |     |
    |  | `lヽ/////!|   l     |二_l  ,.゙r-‐'! |     |
ア…アア…!  | `''=ニ三ヨ'"|   |三二三l | (((___|  !|     | _/ ̄ ̄/
    ゙、  !   |  |  ,!   !"T'''''T" |.    !  ! |     \___/
    ヽ、l.   |  |  |  /  |   ! l.      ',.  |     /
            |  !  | /  ,|.  |`''}  (( ̄l,,__,i、_ /
      ,.:ェ''"  l   ´   `|   !''"     /  ノ
      "''='-‐'゙       /  ',      'ー''"
                 'イji,j、j,i
124841:04/12/15 23:48:42 ID:Oy4bggwr
>そう言ってしまうと全ての自然科学は成り立たない(汗

 これは違うんでないかなあ。もともと、そうではない、とは思っていない
し主張していないし。つまり反証したいわけじゃない。もともとyesか
noかという枠組みでないんだから・・・
 今のところすべての場合を見渡せるところまで脳への理解は到達して
いないべ? 「すべてのケースにおいて痛みが快となって好子として
働くことはない」と科学的に証明できてはいないべ? 
まだ先があるんではないか、そこは反証されないかぎりペンディングして
おいて、時にはあるかもしれないという仮定に立って考えてみても
いいんではないか、なのよ。
125841:04/12/15 23:49:48 ID:Oy4bggwr
 お立場は了解。各種キャンプの引率とかやったことあるんで、
対偏見含めたご苦労はお察しする。認知、学習、行動分析と
くればそんな感じもしていたが・・・
 漏れは逆に、異常性は誰にでもある、という感覚かも
しれない。そういう
ギョーカイなもので、欝だったりパニック障害だったり
ホモだったりレズだったりバイだったり、あるいは詳細は
公表されないものの自殺したり、という知人が珍しくないし、
完全に正常な個体があるとも思っていない。
 動物にまで広げても、もともと行動面における
正常/異常の軸は個体の問題ではなく、個体と背景の
関係性にしかないと思っているしな。拘禁下における
常同行動は一見異常だが実は正常な適応だとかさ。
126841:04/12/15 23:51:23 ID:Oy4bggwr
>「補償反応から得られる内在的好子・嫌子」や、
>その「痛み・苦痛」と引き換えに得られる外的な好子・嫌子である

 これは判る。しかしここに「科学的」アプローチの限界があろう。
当事者の自覚の有無に関わらず問題となるのは主観であるが、主観を
内観的に見れば客観性が不足し、外から観察するのでは(現代の脳科学の
レベルでは)間接的とならざるを得ない。
 「(傍から見ればそうとしか思えない)痛みを快と感じている」のか、
「補償作用による」のか、部位切除のようながさつな手段ではいくら例を
重ねても「判った」といえるのかは疑問だな。その部位が補償作用に
「だけ」効いている、と断言できるほど全体が判っていないだろうと。
量子脳論に軽々に乗るつもりもないが、脳に限らず、高分子が何百個なら
ともかく、低分子何個、原子何個のオーダーになれば量子効果も
無視できんし、それ以外でも観測即介入になりかねんし・・・
 仮に全脳細胞の同時無侵襲な観測システムが出来たとしてもそれで
主観が説明つくとは思えないというのもあるな。
・・・ただ、元の論文読んでないけど、引いた例は単なる補償作用の
ハナシとは違うような気が。単なる補償のハナシなら2001年に
ニュースにならんのでは?
 追加するけど、痛みが快で「あるかのように見える」例として
カプサイシイン依存はどうか? 辛いもの食えるぞ競争などもないとは
いわんし、補償作用も否定はできないけど、不合理にも刺激を追求し
続けて遠いところまで行ってしまう傾向、を感じるんだがなあ。
 社会的なものが強烈に働くことも多いと思うが、それにしても、
さまざまな時代・文化において、通過儀礼で、やたらと痛み・恐怖系が
多いべ。あれなんかもなあ・・・。試料がないんで結果はでっこないが、
昔の人間の痛みへの強さ、鈍さもねえ。補償としてもいいんだけど、
その出方も一様とはかぎるまいよ。生理的な部分と、脳による幻想と、
どっちがどういうときにどれだけ強いものか。
127841:04/12/15 23:53:14 ID:Oy4bggwr
 イヌだと自傷的サッキングは? ドーベルマン症候群とか。
  ウチのネコもマゾっ気がある。(複数の)イヌに懐いていて、
舐めてもらってヨロコブのはすんなりわかる。が、それなりに
強く噛まれてうにゃんと言いながら悶える。イヌが噛むのをやめると、
噛まれたがっているように見える行動をとる。
 きっかけとしては迂回的な強化と思うが、最後までそうかなあ? 
正のフィードバックでエスカレートしていく刺激追求が
関与してないかなあ?

 いずれにしても、間はブラックボックスでもとりあえず
いいのではないか。
間接的な強化要因を別として、少なくとも痛みが直接に快になるか
補償作用を介してなのかは、ある状況下では痛みが〔間で何が起きて
いるのかはともかく〕好性刺激や好子として働く、と外からは観察できる
ので。
 あるいは、外科的な処置なしの自然な状態なら補償が常に起こるので
あれば、分ける意味もなくなっちゃうな。

 問題はブラックボックスの中身より、状況作りではないかと。
 競馬での最後の直線、あるいは障害馬術で適切な瞬間に鞭を入れる。
補償作用によるのかもしれんし、別の強化要因によるのかもしれんし、
好性刺激といえる、好子といえると強弁する気もないが、速度を
上げさせる、障害に力いっぱい立ち向かわせる効果はある。そういう
「正しい」使い方をしている限り、嫌悪刺激や嫌子にならない。
 対照的に、反抗の打破のために安易に(状況設定が不十分なまま)
鞭を使うと、モロ嫌悪刺激になるし、嫌子になる。
 イヌでもあるわいな。ビクトリア朝ふうに「仔犬のための鞭」を
使ってしつけりゃひねこびるが、プロレスごっこ、という枠組み内で
あれば、(キャンと言わせない程度の)痛みなら無問題だし。
よしやるか、の合図に、言葉や態度と組み合わせて軽く殴る、のを
使ってもオッケーだべ。
128841:04/12/15 23:55:39 ID:Oy4bggwr
 そもそも問題提起したかったのはちゃうところや。
 痛みは例としてあげただけだが、あまり適切でなかったようで横道に
入ってしまったな。面白かったけど。余談
(2chはみんなそうだともいう)ついでに、メタに省みると、
可塑性について、トゲウオの赤と痛みとで考えが
入れ替わるのもなかなか興味深いな。

 んで、今度は859氏のニュアンスを聞きたいんだが。

 随伴性を用いてひとつずつ反応を積み上げることを経て、
般化なりを通じて飼い主を、また飼い主の発する(それまで試行が
ないか少ない)さまざまな刺激を好性刺激化する、また好子化する、
というアプローチはよくわかる。重要でもある。特に後述のアプローチが
うまく行かずこれしかないときには決定的に重要である。
 しかし迂遠でもある。
 知り合いの「うまい」トレーナーたち
(バスでは最後列に座るが、幹事や司会もできる、というタイプが多い
ような)を見るに、また自分がうまくできたときを振り返るに、
もっと巧妙に飼い主を好いてもらう方策があるように思われる。
 この方策は少なくとも2段階に分けられる。前提づくりとして、
さまざまな状況設定がいる。その後、好ましいが言うことを聞くべき
相手という立場に滑り込む、ことになる。
 前提づくり。個々の方策についてはある程度うまく説明がある。
各種の追い込み方ね。けれど、種の特徴や習性に関する知見、あるいは
個体についてはほぼ初見時の印象のみで、各種方策をどういう強度で、
どういう順序で、どういう組み合わせで使うのが原則として成功率が
高いのか、どんな兆候があったら再検討すべきなのか、について
網羅的・俯瞰的に説明する理屈がないように(漏れには)思われる。
129841:04/12/15 23:57:07 ID:Oy4bggwr
 これ、なにかいい知恵ないだろうか? 
 自分でやる時は、特に理屈立てずに感覚的にいろんな要素の
重み付けをしてるようなんだな。対立する諸要素がたいていあるし、
それらは同じ尺度に乗っかってくれんわけで、鉄1キロと綿1メートルと
どっちが速いか、みたいな比較を無理くりしてる。だから、後進なりに
説明するのが難しい。まあ、トレーニー側も無理な比較してて、だから
葛藤に陥ったり、葛藤引きずったまま動けたり固まったり、
転嫁(このごろは転位と日和るのが普通かな?)
したら動けるようになったりなわけだが。

 後段の滑り込みかたについても構造は同じで、各要素については
説明がつく。各要素同士の調整の説明原理がなかなか見当たらん。
巷のビジネス心理学書やら恋愛心理学書やらみたいになっちまうわけだ。
だもんで、使い相手やタイミングの読み違いから悲喜劇的な様相を
呈する、と。
 イヌに例を戻せば、直接対決になりかけのマズルコントロールとかで、
窮鼠的反発を買うほど強くなく、けれど舐められるほど弱くはない力加減、
というものがあり、トレーナー・トレーニーとも個体を替えても、
できる人ならおおむね似た反応を引き出せる。
 これは保定一般にしてもそうだな。塩梅があるし、できるもんは
できるもんをたいてい見抜ける。習熟ももちろんあるんだけど、
いくら経験数増やしてもうまくならない人もいる・・・
 心理的な駆け引きにおいても同様のように思えてならん。
 こっちについても何かうまく包括的・俯瞰的な説明の方法は
ないものだろうか?
 物理的なものならまだなんとかなるのよ、記述するだけなら。
ただ、簡潔にしようとするとやはりセンスがないものにわからないし、
具体化していくと場合分けが大きくなりすぎてやはり使えるようには
ならん。たとえば、マズル後に反発が来そうになった時、と例にすれば、
口を使えなくせよ、上から適度な重さでのしかかれ、では簡潔すぎ、
当初の体位がイヌの頭が左の時でヒトが右効きの時でイヌが
このぐらいの大きさの時で・・・の時には、マズルを持った
左手の握る力は弱めて鼻を背線方向から直角に抑えるようにしておいて
右手では首筋を親指のみ首輪の中にいれて皮膚ごと持ち上げるように
浮かして・・・云々とキリがなくなっちゃう。
130わんにゃん@名無しさん:04/12/27 00:35:38 ID:vDugno7/
>>「鉄1キロと綿1メートルとどっちが速いか、」

この文の意味がわからん、教えて。
131841:04/12/28 17:10:47 ID:CXd1gegA
 マヂレスしていいものかな・・・

 「アイスクリームとシャーベットどっちが好き?」ならば本人も
答えられるだろうし他者が観察によって好みを見抜くのもまあできるだろう。
 しかし、アイスと湯豆腐、アイスと味噌汁、となり、
さらには、アイスと睡眠、アイスと防弾チョッキ、とかとなると困るわな。
個体の好みというより状況によるから。
 だから、以心伝心をよしとする日本文化において、近しい関係のはずの
夫婦間でさえ、「お帰りなさい、お風呂とお食餌とどちらにしますか?」
ということになったりするわけだ。何も言わないのにすっとお茶が出てくる、
のをヨシとしていてさえ。
 でも、イヌを訓練する際には、そういったまったく別のカテゴリーの欲求
のどちらが優先するか読まなくてはならないし、予測して利用しなくちゃ
ならない。
 そこが難しいものよのう。
132わんにゃん@名無しさん:04/12/29 02:42:57 ID:mMuL3Omh
マジレス、感謝。
なるほど、よくわかった。
133859:04/12/29 02:49:34 ID:gMMyYZLh
841氏

またまた、ご無沙汰してしまいました。
年明け早々にある学会の準備で、今もパニック状態です(汗
議論の途中で申し訳ないのですが、時間ができるまで
124-129に対するレスを保留させてください。

ちょっと年内厳しそうなので、この場をお借りして、
よいお年をお迎えください。
来年もよいお話を聞かせてください。
134841:04/12/29 12:41:15 ID:rDB3pl5z
>130,132 それは良かった.

>859氏 幸いにして超過疎スレだからのんびりいきましょ.良いお年を.
135わんにゃん@名無しさん:04/12/31 01:36:28 ID:ZQzktG1+
内容がハイレベルなんで、書き込みに参加できないだけで、読むぶんには楽しみなスレですよ。
過疎といっても、俺みたいな奴が多いと思うが。

それでは皆様、良いお年をお迎え下さい。
136841:04/12/31 17:51:18 ID:1uiuNoq+
>135
 読んでくれてる人がいると判ると励みになるだす.間違い,思い込みも
あると思うし,改めて説明することで考えが整理されることもあるわけで,
ツッコミ&質問歓迎です.
137710:05/01/03 02:26:01 ID:+C8j7wwN
あけましておめでとうございます。
今年も稠密な議論をよろしくお願い申し上げます。
今日は親戚が犬連れで遊びに来てくれて、庭の冬草を愛犬と一緒に踏みしだいてくれました。
138わんにゃん@名無しさん:05/01/15 20:36:56 ID:+dYSdIKv
保全さげ
139841:05/01/17 18:14:25 ID:TAAn5+Dm
ageついでに。
 講談社ブルーバックス『知能の謎』はなかなか面白かった。
 同じ事柄のオモテとウラな感じ。
140わんにゃん@名無しさん:05/02/05 00:31:27 ID:hY25Grcm
保守
141わんにゃん@名無しさん:05/02/09 14:46:04 ID:FCKWQ2E9
保守
142わんにゃん@名無しさん:05/02/10 23:26:42 ID:C9ZEfqgK
教えて下さい。
犬の訓練は、学問として成り立つ科学なのでしょうか?
もし、そうだとすれば、最もアプローチに近い心理学は何でしょう。
143わんにゃん@名無しさん:05/02/10 23:41:50 ID:3zSIcKiH
>>142
無理。
そんなにまじめに労力かけてる学者はいない。
144わんにゃん@名無しさん:05/02/11 10:49:37 ID:hJauRQCl
スレタイでは現象学を標榜しているんだが。
隔離されたコテハソどこへ消えちゃったんだろうね
145841:05/02/11 22:17:33 ID:Fl7g6kHs
 「学問として成り立つ」の定義によるかな。
 たとえば「情報システム学」なんてのは、20年前には影も形もなかった
(といっては言いすぎか。萌芽はあったかな)。ロボット学、なんてのも、
アカデミズムで「アリ」になったのは最近だし。
 他方、「飼育学(飼養学)」なんてのは、講義名としてはたくさん
あるし、もっと大きい在り方として羅系の専門語(研究社の英和和英には
あるよ)もあったりする。けれど一般に学問として認知されてるかって
いうとね・・・

 アカデミズムでいえば、「犬の訓練学」は現状、無きに等しいし、対象
限定だと今後も厳しかろ。「動物の訓練学」だと、現状無きに等しいのは
一緒だが、要求はあるな。
 たとえば、3月に
「応用動物行動学会、日本動物心理学会 共催シンポジウム
『動物の条件づけ学習と野生動物の被害管理』」
 なんてのが予定されてたりする。
 麻布の「人と動物の関係学科」なんてのもちょっと前には考えられ
なかったが、今ンとこ、講座トップが入れ替わっても続いているしな。

 どの分野が近いのか? こそ、たぶんここでのやり取りの真のテーマよ。
 個人的には、
行動主義(行動分析)+
(古典的、個体、応用)動物行動学+
(広義の−被る点もあるが−)認知科学+
身体論(演劇的表現含む。たとえば古典映画のモンタージュがあるやん、
あれがイヌならどうか、なんかを含む。閑話だが、最近、テレビのフレーム
−palだから25コマ/秒か−だと鳥にはコマ落としにしか見えなくて、
なんて発表もあったわいな)
 だろうと思ってる。問題はこの4分野を横断的に繋ぐフレームが
ないことだが・・・
 現象学が繋いでくれればありがたいんだが、100年以上前に隆盛を
迎えた枠組みにその力があるか・・・
146841:05/02/11 22:42:00 ID:Fl7g6kHs
スマン、sage忘れた。

続き。

もっといってしまえば、「動物まで含めた心脳問題」なのだな。
であるから、(ヒト限定でない)身体性とか、モダリティとかが
絡んでくる。
以前紹介したロボットの知能の本にしても、そこでは問題意識が
「どう〈わかる〉を実装するか」に特化しており、イヌの訓練では
別のところに特化しているかという差はあるものの、つっかえている
難所については変わるところがない。
これはあちこちで一緒や。
たとえば、最近出た「野生のナヴィゲーション」(古今書院)なんか
でもね。これはいわゆる「未開民族」の人々の地理感覚を扱った本
なんだが、底流は、(わかる)とはどういうことなんだろう、なのね。
地理学分野でも認知地図とかいろいろ考察はあったんだが、結局の
ところ、コトバで説明できるところと、たとえば「脚のウラの感覚で
あっちが家だと感じた」みたいな、でもそれでちゃんと帰れちゃう、
のとを両方含むフレームが見つかっていないんだな。

以前に振った、「ヒト・トレーナーの系」なんかも要はその問題
なんだ。

顧みると、「未来は開かれている」のローレンツとポパーの
アルテンベルグ対談に出ている、
「(うろ覚えで引用)ある動作に習熟してそれを意識せずに
出来るようになる学習については研究は進んだが、
〈ああ、わかった〉という《電撃》タイプの学習については
ほとんど何も進展していない」
という慨嘆に戻ることになる。1985年だぜ?

このふたりの老大家はレヴィ=ストロースの構造的文化人類学を
充分に咀嚼していたか疑わしいし、往時のウィーンの開明的空気で
育ったからかお年にしてはガチガチではないんだけれど、キリスト
教的支配からさほど自由でもない。けれど、ではあっても、指摘して
いる困難についてその後充分な解答が得られたとはいいにくい。

つまりさ、イヌの訓練を材料にするか、ロボットや
地理的ナヴィゲーションを材料にするかはともかく、また〈ソレ〉を
どういうコトバで表すかはともかく、たぶん根っこの問題意識は
同じなんよ。
どの心理学(に限らん)分野にも通底する問題だし、もしかすると、
「科学は(その定義、成り立ちからして)どんなに進んでも
主観は扱い得ないのではないか」
という恐れにも繋がるハナシなわけだ。だって、もしそうなら、
科学に変わる説明原理の大フレームを探さなくちゃ、であって、
それはルネサンスから産業革命までかかった〈神学→科学〉の
変換にも相当しようからね。
147わんにゃん@名無しさん:05/02/12 01:45:51 ID:+54T91cC
841さんと859さんの議論を楽しみにROMしています。
内容が高度すぎて何度も読み返して
用語の意味を調べたりしていますが
素人の私にはなかなか理解できません。
初歩的な質問で恥ずかしいですが、
841さんは科学的フレームだけではダメ、
859さんはあくまで科学的フレームが大事という
お立場なんでしょうか?一見互いに相反する
主義を持っているように思えるのですが、
なぜか議論がかみ合っていると思うし、
それ以前に仲が良い感じがするのはなぜなんでしょう?
他スレでも議論が進むと、最後は互いの中傷合戦になって
結局結論を見ないままで物別れに終ってしまう。
ここのスレだけはそうならないのが不思議だし、
ROMしていて気持ちがいいです。
859さんが最近出てこないけど、
みなさんの今後の議論にも期待してます。
148841:05/02/14 22:02:49 ID:pkHQOeBp
 一度書き込んだつもりなんだが反映されてない・・・ダブったらごめん。

 859氏との違いはおそらく、氏がたぶんアカポスにある現役の科学者で
ある、それがお仕事、なのに対して、漏れはPh.Dも持たん素人で、道楽と
して関わっている、というあたりに端を発しているように思う。
 科学かそれ以外/それ以上か、というより、科学の範囲とか、求められる
厳密さ/いい加減さ、に対する皮膚感覚ではあるまいか。
 プロであれば、守備範囲があり、その業界の常識がある。859氏が他分野
や科学史、哲学史に詳しくないというつもりはないけれど、ベースとなる
皮膚感覚はどうしても多分の感覚に引っ張られるだろう。逆に、(若い)
専門家にはある程度その感じは必要だしな。
 対して漏れはアマだから、収入がかかっているわけでもないし、支出が
許す限り興味の赴くままいろんな分野を覗いて歩ける。と、そこここで、
「科学的態度」の在り様が異なるのにぶつかる。学会、特に発表そのものよりその後の懇親会なんかでいろいろ話すと楽しいよん。
 またSF者でもあるんで、同じ科学史でも正統的なヤツでなく、後から
見るとナンセンスだったようなハナシが好きだったりする。
 これも追い込んでいけばおそらく消失しちまうぐらいの差で、でも、
とっさに頭に浮かぶ発想とか、連想とかが異なるんだろう。
 で、たぶん、お互いにそれがなんとなく判っていて、かつ、
その皮膚感覚は習慣の為せるわざで正邪優劣付け得ない性質のものだとも
判るわけで、楽しめるのではなかろうか。

 ただ、このスレが、過疎チックであるにはせよ平和なのは、長文を
書く者によるというより、ROMオンリーの向き含めた総員の、
説明不足な書きこみに対する寛容の表れでもあろうよ。大いなる感謝を。
149わんにゃん@名無しさん:05/02/15 11:58:50 ID:PA3q1SoJ
参考までに。関連スレも読んでみた。ナルホド

【生態】人間の意志を感じ取る能力を高めていった狼が犬として家畜化?――人なつっこい狐の研究から
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1108137638/l50
150841:05/02/17 00:49:00 ID:/JXZWJrL
>149 Natureに載ったのか。情報サンクス。
 数年前に伝わってきたハナシだったと思うけど、時代と国からして
(ルイセンコ事件の影響下に始まっているわけで)、「科学的」かどうかに
不安があり、そのせいで詳細が出てこないんでないかと案じられていた
わけで。

 毛色、尾の形態、ヒトへの親和性、は面白いがマアそれだけではどって
ことない。3番目にしても野生由来個体の個体レベルの差を大きく上回る
ほどではないようだし。
 問題は、成熟後の、他のキツネに対する寛容さ、このスレ的に言えば、
意図的な伝達でなく表現される恐怖の表出に対して、優位個体に、攻撃の
抑制が生じるかどうか、さもなくば(それが不要ならば、だが)生得的な
攻撃性の程度が下がるのかどうか、だな。
 対ヒトの問題であれば、極端に大きいモンは別として、たいていの
肉食獣動物がまあ馴らせる。
 攻撃能力が高い場合に特有の家畜化の問題は、複数個体を隔離せずに
管理し得るかなわけで。
 ある系統のフォックステリアじゃこれが再び問題になってるし、まあ、
少なくともフェレットぐらいには丸くなってもらわんと・・・フェレットに
してもアメリカのペット系はまだしも、ヨーロッパの実猟系は原則として
複数同居はしないものだし・・・ぶつぶつ。
 
 もひとつは全般的な神経質さがどこまで鈍くなっているか、だな。
 野生のキツネと完全に野犬化したイヌとを比べる限り、キツネはそんなに
敏感でもないんだが、イヌのほうの適応幅が異様に広いのかもしれんしなあ。
 交通事故で脚一本失くした目の見えない仔ギツネを引き取るハナシがきて、
それ一匹ならいいけど、イヌネコと同居だと自信が持てず断ったことがある。あれがもう少しズブそうならな・・・でもそれじゃつまらんか・・・
151わんにゃん@名無しさん:05/02/22 00:11:38 ID:dIiPo95T
age
152841:05/02/27 14:04:06 ID:4LALLvte
age兼燃料として、最近注文した(まだ読んではいない)書籍を紹介。

「コンパニオンアニマルの問題行動とその治療」工 亜紀

「なるほど!犬の心理と行動―
獣医学と動物行動学でよくわかる犬の気持ちと行動の意味」水越 美奈

「ザ・カルチャークラッシュ−−ヒト文化とイヌ文化の衝突
動物の学習理論と行動科学に基づいたトレーニングのすすめ」ドナルドソン
153841:05/03/18 19:51:11 ID:7sPc5NdC
859氏もおいでにならんし放置してもいいんだが、もそっと燃料。

 キュルガードのアイリッシュセター3部作、復刊ドットコムから復刊&
未訳だった一点は新訳で出ているのでご紹介。

ttp://www.fukkan.com/sell/index.php3?mode=detail&i_no=18956885
ttp://www.fukkan.com/sell/index.php3?mode=detail&i_no=21952360
ttp://www.fukkan.com/sell/index.php3?mode=detail&i_no=24902186

 特に、「いたずらマイク」のP205-207、P270-277は、犬の訓練に関心
あるかたは必読。
154859:05/03/19 04:39:44 ID:HIuE0qlx
841氏、710氏

放置状態でごめんなさい。年明けから学会続きでもう死にそうです。。。。
今月一杯、勘弁してください。本当にごめんなさいね。





155わんにゃん@名無しさん:2005/04/03(日) 19:56:31 ID:GB4QnSHK
保守
156841:2005/04/05(火) 23:08:52 ID:Bf2QhwlD
>859氏

 見捨てないでいてくれるだけでありがたい。
 正直いうと、2chだけで繋がっているというのが不安になってきた。
 859氏がHARSとかjsaabとかにも参加しておられるのなら行き会う
機会もあろうけど、お互いに判らんわけだし。
 
 もし差し支えなければ、[email protected] 経由でメールでも
くれるとうれしいな。何も忙しいときにヤヤコシイ話ふっかけないから。

 閑話休題。
 痛みが好子となり得るか、だけど、個人的にはなり得るとより強く思う
ようになった。
 先日、胃腸の不具合で、夜中などの時間外に病院に駆けつけて
痛み止めの筋肉注射を打ってもらう機会が何度かあったのだが、
内臓の痛みに耐えている時は、筋注の痛みがなつかしく恋焦がれた。
注射を打ってもらうと数秒で(肩の痛みが感じられると共に)内臓の痛みが
急速にひいていくから、必ずしもルール支配随伴性に拠らずとも強化が
成り立つのではないか。

・・・病院の処置室で何を考えてたんだろうね、まったく。
157859:2005/04/06(水) 04:09:23 ID:zpmZkcD7
841氏、

本当にご無沙汰で申し訳ないです。
たくさん書きたいことはあるんですが。。。

学会は無事終了しましたが、今年は事務局手伝ったせいで、
シンポの論文整理やら礼状やら、もーいや!!って感じです(^^;
そんなこんなしているうちに、もう新学期がぁぁぁ!ヤバイ!!

もう少しで落ち着く(いや落ち着かせる)ので、今しばらくご猶予を!
出てきたついでにひとつだけ。

>必ずしもルール支配随伴性に拠らずとも強化が成り立つのではないか。

その通りですね。この場合、841氏は痛み止め注射の効用を過去の経験上
知っていたのなら、直接効果随伴性と間接効果随伴性のどちらも含まれて
いたのだと考えられます。

今度メール出しますね。機会を作って710氏と3人でオフ会でもしたいですね。
158710:2005/04/06(水) 10:26:48 ID:t7y4+ils
あ!お二人とオフ会良いなw犬連れていきますですよ。
でも関東かな?>>841・859
6月には上京します。
>>841
歯医者で似たようなことを考えましたw
犬の訓練に敷衍しようとすると「持続する痛み=ショックなど」を自ら与える機会はふつうはないからなあ。
やらされたことあるけど犬の表情をよほど注意深く観察できて限界の手前でやめられないと・・・
職人の顔が科学者のように?冷静に見えたなあ。でもおれにはむり。
でも見たことあるけど強制で何かを教え込むときチョークで繰り返しジャークしたり
スパイクで「その行為」を行うまで締め上げたりという訓練法も実際に行われていたりするんですね〜。
しかも犬の性格によってはそのほうがなかば遊戯的に時間をかけて教えるよりも
苦痛が少なくかつ仕上がりが美しく一生ものだったりするところが、悩ましいです。
ともかくお大事に。

159わんにゃん@名無しさん:2005/04/17(日) 00:55:06 ID:/DnxWkq5
保守
160859:2005/04/21(木) 02:54:17 ID:IHGpxsVP
710氏、841氏、本当にご無沙汰してしまいました。
やっと、落ち着きました。また宜しくです。

124-129を読み返して思ったことは・・・・。
まず、「痛み」というくくりをどう捉えているかが違うのでしょうね。
私はこう考えています。
生得性から初期学習過程あたりでは、痛みは純然たる嫌悪子でしょうね。
841氏が挙げた例を見ても、人間でも動物でも生まれて間もない、
つまり学習ヒーラルキーが浅い段階では、痛みが好子として働く事例は
私は聞いたことがない。(あったら教えてください)
それが、何らかの学習(随伴性の経験)によって、841氏が指摘するような
「痛みが快であるかのように見える」事例が見受けられると。
カプサイシイン依存もその人が生まれた時からそうであったとは思えないですね。
これは補償反応ではなく、その人にとって何らかの強化随伴性があるわけですが、
それは学習ヒーラルキーの比較的新しい階層の学習と関係していると考えます。
自傷的サッキングもドーベルマン症候群も、脳障害や遺伝の要素がないならば、
同様に考えることができますね。

例えば私にとって注射の痛み自体は嫌悪的ですが、注射の効果によって
現在の苦痛が緩和されるなら注射を打つことは相対的に嫌悪ではなくなるでしょう。
それは、過去に注射で苦痛が緩和された直接経験があるか、または、
「この注射を打つと苦痛がなくなる」というルールがタクトされていることもあるでしょう。
しかし、記憶には無いですが、私が赤ん坊の頃は、いくら苦痛が緩和されるといっても
注射の痛みを無条件に嫌悪的だと感じていたと思いますよ。
では、注射の痛みは現在の私にとって好子となるのかと言えば、答えはNOです。
痛み自体は嫌悪であることは変わらない。しかし、その嫌悪を上回る強化が別にある、
例えば、酷い腹痛が治るとか、別の随伴性が勝れば、注射を望むようになるでしょう。

随伴性強化や弱化はひとつじゃないですよね。通常複数の並立随伴性によって
行動は制御されています。


161859:2005/04/21(木) 03:11:38 ID:IHGpxsVP
>各種方策をどういう強度で、
>どういう順序で、どういう組み合わせで使うのが原則として成功率が
>高いのか、どんな兆候があったら再検討すべきなのか、について
>網羅的・俯瞰的に説明する理屈がないように(漏れには)思われる。
>これ、なにかいい知恵ないだろうか?

完全にマニュアル化できれば今ごろ私は商売してます(爆)
これは、臨床の現場でも一緒で、学術的に優れていても
臨床経験の少ないセラピストはけっこう遠回りする場合がありますね。
私の偏見かもしれないですが、理論的には優れていても、絶対的な訓練経験の
少ないトレーナーさんと、理屈は全くダメだけど職人技を極めた訓練士さんの
違いみたいな。。。両方兼ね備えるのが理想だと思いますね。

要は「塩梅」を的確にするのも、理論的アプローチと経験的アプローチの
どちらか一方だけからでも、いわゆるスペシャリストはいますよね。
では、両方のアプローチをどのくらいの比率で行うのが「いい塩梅」なのかも
これまた難しい問題となるわけで・・・。理想的にはどちらも極めていて、
場面に応じて使い分けられる(そのMIX具合を)と言う事無いんでしょうけどね。

あとは、興味の対象にもよりますよね。
訓練士さんやトレーナーさんは現実に直面している問題をどう解決するかに
興味の対象があるでしょうし、私のように、その問題がなぜ起きて、どうして
直ったのか学術的な側面に興味の対象がある場合もあるわけで。
そこをうまくブリッジして応用できるインターフェイスも
理論で構築しても可能だし、感覚で構築しても可能ですよね。
162859:2005/04/21(木) 03:24:49 ID:IHGpxsVP
145-148

うーん、これはゲンゴロウを転回させる話ですね(笑)

冗談はさておき、認知や行動分析に限らず自然科学やるには、
言語論的転回やら心身一元論やらに必ずぶつかるわけで、
そこをどう処理(解決ではない)しているかの立場次第で
信念も変わってしまいますわなw

841氏がそれらの問題をどのへんに軟着陸させているのか
イマイチわからないのですが・・・。
このネタで掘り下げていくと、ドはまりそうなのでやめときますかw

痛みネタ続けます?新ネタ行きます?
163859:2005/04/21(木) 03:48:59 ID:IHGpxsVP
158

>犬の性格によってはそのほうがなかば遊戯的に時間をかけて教えるよりも
>苦痛が少なくかつ仕上がりが美しく一生ものだったりするところが、悩ましいです。

なーるほど。先日、優○家庭犬協会のG○T見てきたんですね。
その前は訓練競技会行ってきました。
参加している子たちの雰囲気というのがそれぞれ違いますよね。
好みの問題でもありますが。。。どちらもおりこうさんの子がたくさんいました(笑)
実は、養護施設でもカリキュラムというか教え方の根本理念という部分が
違う(団体によって)と、子供たちの雰囲気が違うんですよ。
どちらが良い悪いという問題ではなく。
なぜその違いが出るのか推測できるのですが、だからといって
究極的に言っちゃうとやはり「好みの問題」なんですよね。

是非お会いしたいですね。私は東京在住です。
私の愛犬も連れて行きますよ。互いの愛犬を見ると、
在る意味その人の好みがよく分かりますよね(恐)

164わんにゃん@名無しさん:2005/04/21(木) 17:07:29 ID:Oo6t0HnL
ゲンゴロウ的転回キタ━━━━(・∀・)━━━━!!

いや、興味があって保守してるもんです。
のんびり議論続けていって下さいね。ニヨニヨしながら、保守はし続けますので。
(話に加われるほどの頭を持ち合わせてないのが悔しい)

つーことで、保守。
165841:2005/04/23(土) 23:24:57 ID:nR1d77gb
859氏復活オメ&サンクス。

学習ヒエラルキーはわかる。n次強化子とかですな。
ティンバーゲンの4つのなぜの個体発生的見方ではその通りだと思うんだが、
至近要因として強いか弱いかはまた別のハナシでっしゃろ?
それを説明するのに、嫌子ではあるがそれを上回る・・・と表現しても
いいんだけれど、自分としては、好子/嫌子2分法にいささか疑問を
感じている。間に深くて暗い河があるわけじゃなくて、中立子(←いい
かげんな造語)を挟んで相対的なものではないかと。しかも各刺激の
位置は、シチュにより流動するのを前提としたほうが硬直せんですむの
ではないかと。つまり、2分法では嫌子といヴきものでも、
「そのシチュにおいては相対的には好子であって強化が成り立つ」と表現
するほうがわかりやすい気がするわけ。
深夜に庭で吠えるイヌを殴る、みたいなバアイね。
そのへんが、710氏が指摘したような訓練では使われているのではないかと。
「「その行為」を行うまで締め上げ」る手法にしても、ミクロに瞬間瞬間を
見ていくと、それ以外のシグナル含めて出し入れが頻繁で、だろうと。
166841:2005/04/23(土) 23:37:15 ID:nR1d77gb
 でもって、
>完全にマニュアル化できれば今ごろ私は商売してます(爆)
とゲンゴロー的展開とは同根かなあと。

 自然科学に興味がある1個人としての哲学的ブレ、については、
自分個人としてはあまり困ってない。むろん新たなことを学んで
(現象学とか)修正するにヤブサカではないけど。自分としては
「現行の科学で扱えると現時点で判っている範囲はこんなもん」という
ペンディングかな。物事をペンディングするのが苦手な人には
向かない処理法だと思うけど。

 別の言い方をすれば、広義のサイエンスは、
「make the data speak」と「矛盾なく美しいストーリーを作る」の
狭間にしか成り立ち得ないんだから仕方ない、だし、
もう少し便利な(vs神学のような最も広い意味における)フレーム
があればいいけど、手元にないんだからないものねだりをしてもなあ、
と。

 問題意識としては、硬い系の理系が発展してきて、追い込んで
いくと実は純粋に客観的足りえないというのが顕在化してきて、
まるごと一匹の動物を扱うような古典的な生物学内部では昔から
あったもやもやが共有されるようになってきた、いわば
問いが立った、という段階ではないかと。

 まあ、枠の話じたい進めるとドツボっぽいの同意なんでもう一段
手前でもいいんだけど、たとえば脳神経よりの認知畑だと
この「わかる」とは何か、はどう扱われてるもんかしらん?
167841:2005/04/23(土) 23:44:59 ID:nR1d77gb
 雰囲気の違い、よく判る。
 だけど、その原因は理念かなあ? 
 影響力を残した個人(故人含む)の持つたたずまいとかではない
かなあ。
 学会ごとにムードが違う、同じ学問系列でも研究室によって違う。
 つまり、理念であれば翻訳可能なはずで、たとえば同系列の
訓練団体Aと別の国にあるaとは似ているはずで、文化であれば
翻訳不可能だからそうはならないはずで・・・

 オフ。
 まあいいや、書いちゃうけど、当方軽井沢です。体調(胃に10コ
ぐらい潰瘍があった・・・)その他で当面遠出は厳しいですが、
うまく調整できればぜひ。
168わんにゃん@名無しさん:2005/04/23(土) 23:47:39 ID:jnf5n3rP
すみません、野暮な質問お許し下さい。
このスレで議論を展開されているお三方は、心理学畑の方でしょうか?
最近になってこのスレを(斜め)読み始めたので(失礼)、
「多分、プロのトレーナーさんとかでは無いんだろうなぁ」と思いつつ…

最近行動分析を勉強し始めた、ぺーぺーのトレーナーより
169わんにゃん@名無しさん:2005/04/24(日) 03:38:42 ID:OZxYsrQF
>168
 細かいことは自己紹介を待つか頑張ってスレおよび前スレ(見られるの
かな・・・生きてた!)見てもらうとして、ざっというと、
710氏は現象学、859氏は(広義の)認知、ワタクシ841はエソロジー。
心理学屋さんといえるのは859氏のみかと。
プロのトレーナーもいないはず。841は頼まれての訓練もしていますが
ボランティアないし持ち出しなんでプロとは言い難いし、対象はイヌでも
ない・・・

168氏は何のトレーナー?
なんかお悩みありません?(←ネタ提供希望ね)
170168:2005/04/25(月) 00:10:23 ID:JVijNMko
841さん

レスがついて喜んでいる168なんですが…
斜め読みしただけで、気軽に書き込んだのを激しく後悔している最中です…
前スレでも散々ガイシュツの、「専門学校卒の半端者」です。
一応、「家庭犬のしつけを教える」を生業としているものです。

>なんかお悩みありません?

色々あるにはあるんですが…
出直します。(と言っても、出直せるほどになれるかどうかは疑問)
すみません。以下、何事もなかったかのように続きをどうぞ。
スレ汚し、失礼しました。
171わんにゃん@名無しさん:2005/04/26(火) 02:42:33 ID:JuurOrkE
別に後悔せんでも・・・つかいじめてないでしょうに。
せっかくの2ch、出身は無関係だし、専門学校卒かどうかと力は
関係ないし。

気が向いたら気軽に何か書いてやってくださいな。
172859:2005/04/26(火) 02:43:22 ID:KRqFu44+
841氏

>至近要因として強いか弱いかはまた別のハナシでっしゃろ?

別の話と言えばそうだし、密接に関係しているとも言えますよね。

>自分としては、好子/嫌子2分法にいささか疑問を
>感じている。間に深くて暗い河があるわけじゃなくて、中立子(←いい
>かげんな造語)を挟んで相対的なものではないかと。しかも各刺激の
>位置は、シチュにより流動するのを前提としたほうが硬直せんですむの
>ではないかと。つまり、2分法では嫌子といヴきものでも、
>「そのシチュにおいては相対的には好子であって強化が成り立つ」と表現
>するほうがわかりやすい気がするわけ。

まったくその通りですよ。行動分析学もそのスタンスです。
行動分析においても好子/嫌子2分法ではありません。
中立子とはいいませんけど(笑)。相対的に考えるのも同じです。

841氏と議論の行き違いが出るのは、分析対象となる行動の
次元、標的、構成要素のどの部分の話をしているかが
微妙にずれているからですね。

例えば、カプサイシイン依存ですが、辛味は生得的には嫌悪的です。
赤ん坊のミルクに辛味を加えたら、ミルクを飲む行動は弱化しますよね?
赤ん坊と言えども、完全に生得的な行動だけを取るわけではありませんが、
初期の学習ヒーラルキーにおいては生得的な反応が強いことは同意していただけますよね。
では、なぜ、カプサイシイン依存が起こるのかと言えば、
生得的な嫌悪が快感に変わるのではなくて、生得的な嫌悪の強度が耐性であったり
その他の理由で弱まり、かつ、その嫌悪よりも強い何らかの快感を得られたり、
その嫌悪よりも更に強い嫌悪が減少することで、相対的に強化子として
働くようになったからです。辛い物を好んで食べる行動を強化しているのは、
辛味ではなくて、辛味が弁別刺激となる何らかの別の学習要素であると考えます。

純然たる辛味と辛味が信号となって引き起こさせるなんらかの後天的学習要素を含めて、
「辛味」が何らかの正強化子となるというなら、プロパーとしては
用語の定義上かなり気持ちが悪いのですが同意します。
トゲウオの時と同じで、構成要素をどこまで含めて「解発子」とするかと同じです。

個人的には、841氏と噛みあわなかった理由がわかったのですっきりしました。
言っていることは同じことだとわかりましたから(笑)
173859:2005/04/26(火) 02:44:56 ID:KRqFu44+
あら、同時レスですね(笑)。

あと、メール出したのですが帰ってきちゃうんですよ。??
174わんにゃん@名無しさん:2005/04/26(火) 02:52:40 ID:y8N2WxFM
何だかんだ語っても、しょせん畜生は畜生。
175859:2005/04/26(火) 02:59:52 ID:KRqFu44+
>雰囲気の違い、よく判る。
>だけど、その原因は理念かなあ?

いえいえ、理念が違う団体がそれぞれ採用している手法とか、指導者の傾向とか
あって、雰囲気の違いが出ると言いたかったんですよ。
言ってみれば、何を正しい方向とするかという理念とか、まぁ、悪く言えば
「好み」の問題(笑)。結局、どうあるべき論がちょっとずつ違っていて、
そこから派閥が出来て、どちらの派閥に属しているかで、指導者も影響を受ける。
そして、その指導者についている被指導者も当然影響を受けています。
面白いもので、同じセラピストについている患者さんって、症状は全然違っていても、
その雰囲気って似てることが多いですね。
私の友人の訓練士が指導している犬も、やっぱり似ていると感じます。
また、訓練所ごとの色合いも感じますし、訓練士とインストラクター?が
指導したそれぞれの犬も、雰囲気が違いますよね。
その評価においても、好みの問題でしょうけど。

潰瘍が10個@@@。うわー、辛そうですね。大事にしてくださいね。
私も昔、胃に穴があいて腹膜炎で緊急入院したことがあります。
胃潰瘍は舐めていると酷いことになるので、本当にお大事に。
176841:2005/04/27(水) 01:31:35 ID:bRNqHDKC
↑171 はワタシです。

 859氏のレスのあと、もちっと考えてみると、たしかに2分法というのは
不適切だったなと。
 ただ、後段はどうかしらん。
 たとえると(イメージが伝わるかな)、ホメオスタシスとらえるか
ホメオダイナミクスととらえるか、といった感じの違和感がぬぐえないのよ。
 そのあたりで用語の気持ち悪さがあるのではないかな。フィットする
語/ないし概念がないというか。
 たとえば即時強化すべし、という場合でも、タイムラグが問題なのか、
ある刺激の(委細ひっくるめた総合的なあり方としての)強化力/弱化力が、
ある瞬間t0と次の瞬間t1とで変わるのか。
 タイムラグに焦点を当てるのがすべからくいかんというわけではなく、
そのほうが節約できることもあり、その場合にはうまくいく。
 けれど、それだけか・・・?
 
 たぶん、ビヘイビアリストでも優れた臨床家は(どう把握しているかは
別として)、かなり細かい時間分解能を駆使していると思うわけです。
 けど、説明しようとすると、(そのビヘイビアリストの暗黙の了解を
共有していない)優れた臨床家には、ちょうど859氏が語法について感じた
のと同じような気持ち悪さを抱かせるのではないか、その隙間を
埋めるのが難しいのではないか・・・

 雰囲気。これならよっく判ります。
単純化すればマチョ/がさつvs緻密/臆病とか。

 胃潰瘍、痛かったです。普通はそんな激痛ではないらしいんですが。
 日経サイエンスの先月号など読みつつ、ビロリを調べるか思案中。

 メール普通すまんです。[email protected] 宛打ってやって
ください。
177859:2005/04/27(水) 02:56:57 ID:xS+WjIlF
>たとえると(イメージが伝わるかな)、ホメオスタシスとらえるか
>ホメオダイナミクスととらえるか、といった感じの違和感がぬぐえないのよ。

はい。それはそうだと思いますよ。172でも書きましたが、
分析対象となる行動の 次元、標的、構成要素のどの部分の話なのかだと
思います。つまり、学習ヒーラルキー全体の総合的な分析をするのか、
構成要素を個別あるいは一定の範囲を捉えて分析するのかですね。
もちろん、ヒーラルキー全体を捉えることも、構成要素を個別化することも
完全な切り分けや定義化は不可能ですけどね。

841氏は博学なのでライルの「カテゴリー錯誤」をご存知だと思います。
カテゴリーの構成要素の全てを取り上げなくても、カテゴリー化された
事象を捉えることも可能ですが、それで全てを語れるわけでもありません。
しかし、提議された問題を考える際、ある限定した要素だけで捉えた方が
問題解決に有効な場合も多々ありますね。
一方、実質的な問題解決が出来たからと言って、その事象の全てを
理解できたとも言えない。
更に、カテゴリー化や概念化、定義化するには言語が必要なわけで、
(個別事象としてではなく、共有概念としてという意味です)
そうすると、ゲンゴロウ問題とどう折り合いを付けるか考えなくてはいけない。
そうしないと、例えば「辛味」という刺激だって、「私の辛味」とか
「841氏の辛味」とか個別事象の話になってしまいますね。
しかしながら、実際には万人共通の「辛味」といのは無い訳で、
それぞれ個別(内言としての)の「辛味」の共通要素を探すことになると。
そんでもって、その共通要素は本当に共通なのかとか
「共通」って何?って話になって、またまたゲンゴウロウが回転しちゃうし、
カテゴリー錯誤に悩まされると。また、どこまで突き詰めていっても、
個別事象というのは必ずあるわけで、それを100%共有することは
できないし、個別事象を突き詰めれば、ココロとカラダ問題が
「いらっしゃいませ〜」とお出迎えしてくれると。。。

まぁ、これ以上やると完全にプロパー話題になっちゃうんで、
そろそろ、別ネタでもいきましょうか?
上の方で841氏が紹介下さった本で何か面白い話でもあれば
ネタ燃料注入お願いします(笑)



178859:2005/04/27(水) 03:02:06 ID:xS+WjIlF
ビロリ菌は是非調べて貰った方がよいですよ。
私は違ったのですが、逆にピロリが原因なら、対策すると根治しますから。
胃カメラで組織採取されるのがあんまり気持ちのよいものではありませんが。。。
いずれにせよ、早く直ることを祈っております。

メールの件了解です。送っておきますね。
179841:2005/04/29(金) 00:17:11 ID:cLDf+Iug
 日経サイエンスの件の記事というのは、ビロリを除去すると(悪性度の
さほど高くない)胃ガンは減るが、逆に逆流性食道炎から(悪性度の高い)
食道ガンが増えるっぽいというもので・・・
 心理や行動でもこういうゆり戻しあるなあ、などと。

 燃料。前出、いたずらマイク。
 いろんなネタがあるんですが、内的成熟、に注目。
 粗筋をいうと、名アイリッシュ・セターのレッドがいる。その一腹の仔の
うちで、やたら落ち着きのないやんちゃ小僧がマイク。
 飼い主たちはマイクをライチョウ猟犬にしたいが、強制訓練には
ためらいがある・・・
 父レッド(まあイヌたちが血縁を意識しているわけではないが)の
ポイントを邪魔してキツク齧られたり、いろいろあって成長していく・・・
 少し引用すると。

 略 ライチョウの匂いを、すぐ花でとらえて、マイクが近づこうとした
とき、ダニーの声がした。
「待て! 待て、マイク」
 赤い仔犬はその場で立ちすくむと、ぐるりを見回していたが、また首を
伸ばしてうっとりするライチョウの匂いを吸い込むなり、ピタリとポイント
した。
 まだ以前のかきたてられるような衝動は感じていて、獲物をつかめるか
どうかためしに跳びこんでいきたい心の乱れは感じてはしたが、これまでに
なく、なにかしらダニーの声の中にあるものが彼を引き止める。聞きなれた
命令でありながら、今日に限って別の意味を含んで聞こえるのは、やはり
いろいろな出来事の長いつながりの結末だろう。

 当然ながら、経験から来る学習は利いているわけですが、かといって、
経験さえすりゃいいというわけではなく、さまざまな肥やしがあるとき
初めてカッチリとかみ合って〈わかる〉〈できる〉ということがある。
 アルテンベルグ会談でいうところの「電撃」なわけです。
 どの程度ドラマチックかは別として、教えたことかは別として、
身近にも見られる(と、ヒトの目には映る)ますな。
 一度獲得されると、(ケアレスミスはあるとしても)、間違えることが
ないタイプのわかり方。

 私としては、こうした判り方をなるべく早く効率的にさせたい。
シェイピングしていっただけの場合(シェイピングを経てこの境地なら
いいけど)に比べてずっと安定だろうから。
 が、イヌの中で何かが熟さないとこれはない。

 このネタ、ないし周辺についてのお考えやいかに。
180わんにゃん@名無しさん:2005/05/01(日) 22:04:48 ID:O0AmCG2t
これが血統の為せる技、作り上げられた本能だと感じるが。
181859:2005/05/02(月) 00:43:24 ID:xyaI+jIK
841氏、いきなりすごい燃料がきましたね(笑)。

あくまでこの燃料に対する答えの一側面だけですが。。。
刺激-反応(行動)に至るプロセスや回路の簡易化と
処理速度の高速化の脳科学研究はヒントになるかもしれませんね。

個体のバックグラウンドにあるさまざまな肥しは、複雑なネットワークを
構成することになるわけですが、最終的に表出する行動に対して
推進方向と抑制方向の両方が働いていることが通常ですよね。
肥しが多ければ多いほど、それぞれの方向に対して影響を与える要素が
多いわけです。その要素の情報処理量と相対的に拮抗する割合が
高いほど、アウトプットに時間がかかり、また環境要因に影響を受けやすく、
アウトプットが間逆になることもしばしばあると。

そこで、841氏が「わかる」「できる」の判定基準をどう定めるかによって、
トレーニング方法は変わるのではないかと思います。

つまり、全ての肥しをひとつひとつ噛みしめた上で、一定のアウトプットを
個体が常に選択することを理想とするか、肥しというのは
溶解してもとの要素は厳密にはわからなくなるものだとして、
最終的なアウトプットに重きを置くか。
ブラックボックスの構造や機能への興味をどこまで持つかなんでしょうね。

違う側面での問題提議としては、言語を持たない(841氏にはこの意味がわかるはず)
人間以外の動物にとって、「わかる」とはどういうことなのかですよね。
(やっぱりゲンゴロウ君が転回しちゃいますね)

動物のトレーニングに関して私見を述べれば、心理学的あるいは哲学的ではありませんが、
訓練者の千里眼に頼るしか判断基準はないと思いますね。
本当に「わかっているか否か」は、普通の人が見落としてしまう
被訓練者のわずかな反応をどれだけ察知できるかと、その訓練者が定義した(無意識でも)
「わかっている」状態にどれだけ近いかになるのではないでしょうか。
182わんにゃん@名無しさん:2005/05/04(水) 22:17:41 ID:DlAX+7Kg
 簡略化、のほうはよく判るし、従来から扱われてきているべ。
 自動車教習所、たとえば左折、ウインカー、ブレーキ、クラッチ、
シフトダウン、バックミラー、サイドミラー・・・
 最初はそれぞれをやるのに目一杯、ひとつずつしかできない。
 それが、それぞれもなめらかに、いわば、半分無意識にできるようになり、
と同時に重複してできるようになる・・・
 
 しかしですな、それと、限界状況でクルマ全体の姿勢を
「全体として了解」するのと同じであるとは私には思えんわけです。むろん、
そこへ至る習熟過程においては要素技術の反復練習であったり、はある。
けれどそれだけか? 

 言語にしても、ヒトでも、「後追いで問われたら」説明できるわけだけど、
やってる最中に「言語化」しているかどうか。そのときにはなぜそうすべき
かは自覚できなかったんだけど・・・というのも多い気がする。

 転回にいっちゃうと終わりなんでその手前で少しあがいてみると、
ヒトという種の認知能力・認知方式の都合として、「わかる」
(つもりになる)はあり、
同じく、(ある程度)分類学的にまた行動パターンが近い動物については
「わかっているかどうか」「わかった」「気になる」もあるかと。

この部分は、ガチガチの理系的アプローチでも手続きと例数さえ取れれば
「何かが言える」かと。
というか、もう少し「明白な」(と多くのヒトが感じる)ものだと、
「感知器としてのヒトのバイアス」は無検証で論文になっている現状
がある。
 その差は、ロジカルなものでなく習慣的なものにすぎない気がして、
であれば、「どちらも自覚的に再検討」することによって
狭義の科学の俎上にも載せられるんでないかと。

たとえば、某水族館のリニューアルオープンだっていうんで、あちこちから
大勢が見に行く。その館のトレーニングのローカルルール知らなくても、
別の席で見ていても、感想を述べ合うと、余裕でうまくいった種目、
ギリギリだった種目、失敗した種目(ショーとしてはMCがごまかすこと
多し)、動物が先回りした種目、なんかについて「わかってる連中」だと
一致するわけですよ。
手続き的にはダブルブラインドとかしてないけど、まあそうした検証に
耐え得る気がする。特別な千里眼までいかんでも、目の付け所さえ
知ってれば、特にセンス欠如してなきゃ瞭然と。

そのへんにね、職人芸名人芸を一般化する手がかりがありそうな。
183859:2005/05/05(木) 00:57:30 ID:RAvoe3fl
>しかしですな、それと、限界状況でクルマ全体の姿勢を
>「全体として了解」するのと同じであるとは私には思えんわけです。むろん、
>そこへ至る習熟過程においては要素技術の反復練習であったり、はある。
>けれどそれだけか? 

反復練習が大きいと思いますよ。私は趣味でジムカーナをやっているのですが、
はじめた頃は、トップドライバーの車の運転は神か頭がおかしいのかどちらかだと
だと思っていました(爆)
いずれにしても自分とは全く異なる操作をとんでもない速さでやっているのだと勘違いしていました。
しかし、実はうまくて早いドライバーの操作は基本動作の積み重ねで、
驚くほど繊細かつ丁寧であることを今は身を持って分かります。
ドライビングは行動連鎖であるわけですが、その連鎖のひとつひとつの行動を
いかに反復練習するかですね。そして反復練習の中で、自然にセンサーが備わってきます。
正確な行動には行動連鎖を司る弁別刺激をいかに正確に捉える必要があります。
それには刻々と変化する環境に対し、シーケンシャルではなくフィードバック制御ができる
センサーが必要ですね。そのセンサーの良し悪しが、コントロールの鍵だと思います。
そして、そのセンサーを鍛えるのは、繰り返しの失敗からなのだと思いますよ。

>そのときにはなぜそうすべきかは自覚できなかったんだけど・・・

↑これこそ「言語化」ですよ。「無意識に」というのも言語化ですね。
つまり、710氏の得意とする現象学的に考えてみると、今この瞬間起こっている
事象とか現象が純粋なものだとして、それを感じて分かろうとした時点で
人は言語化から逃れられないわけです。
841氏だって、「転回にいっちゃうと終わりなんでその手前で少しあがいてみても」
しょせんはゲンゴロウから逃れられなくなることはご存知の筈ですよね。
100年も哲学者がさんざん悩んでも答えを出せないのですから。。。
184859:2005/05/05(木) 00:58:32 ID:RAvoe3fl
水族館の例は、やっぱり観察可能な行動によって分かるのだと思いますよ。
前スレの流れから思いますが、710氏も841氏もおやつで躾られた犬と
そうでない犬は、ダブルブラインドでも見分けられると思います。
例えハンドラーの手ばっかり見ているとか分かりやすい行動がなくても、
その醸し出す雰囲気がありますね。でもその雰囲気をセンサーが捉えるのは
普通の人が見落としているかもしれない何らかの犬の動き(行動)である筈です。
競技会でも、ものすごく意欲的に動いていて、一般の人が感心するような
動きをする子でも、強い罰を与えられた経験がある子はすぐ分かりますよね。
教える行動によって、どちらの雰囲気が好ましいかというのもありますし、
誉めるだけでも叱るだけでも確かな行動は形成されないので、そのバランスを
どのくらいの比率にしたら、自分の好みの雰囲気になるというのも
841氏なら経験上推測できると思います。
私が千里眼と言ったのは、優れた訓練者とは被訓練者の些細な動きを
敏感に察知し、理論的なのか経験的なのかは訓練者によりますが、
どうすれば、自分の好みのバランスに修正できるか知っていて、
そのチューニングを的確に行えるスキルとそれを感じるセンサーを
有しているという意味でそう表現してみました。

841氏が再三指摘するトレーナートレーニーの関係で考えると、
841氏は訓練者が自分で、被訓練者が動物であれば、何ら悩みはない、
あるいは少ないと思います。厄介なのは、被訓練者が動物とその飼主のペア
である場合ですね。飼主さんは841氏と同じセンサー、同じスキルは当然持ち合わせていない。
ここで、どう教えたらよいかと考えると、迷宮の入口ですよね。
なので、共有できる理論や手法、そしてそれらを統合するフレームが欲しくなる。
言い換えると、841氏の個別事象を共有概念化するツールが必要になる。
そのツールのひとつとしてエソロジーは大変有効だし、心理学も有効ですよね。
しかし、それらを統合できるフレームは何かと言えば、????となる。
そして、しょうがないので自分自身がベースフレームになるしかない。
すると、相手に個別事象を正確に伝えられないジレンマに再び悩まされるわけです。
勝手な推測をしてしまいましたが、そのへんはどう処理されているのでしょうか?
185わんにゃん@名無しさん:2005/05/06(金) 13:03:27 ID:chGiOLcJ
 反復練習が大きい、のには同意。
 でもしつこく問う、「それだけだろうか?」
 フィードバック回路、よく判る。だが、個別のループを乱立させていたら
(肉体の速度はおくとしても)処理がパンクする。代表する少数パラメータ
を立てたら精度が落ちる。
クルマだったら、3軸の角度と角速度、4輪の位置と重心位置およびその
配分で運動自体は記述できるはずだが、各パラメータは独立ではなく、
独立にコントロールできるわけでもなく。

 相似形だな。考察する際の枠組みにおいても統合する枠組みの不在が
問題であるし、個別の最適制御問題を考える場合も。
 で、哲学的なアプローチとともに、個別の最適制御においても
統合枠組みを探れないかと。
 イヌ見ていて、「あ、わかってらっしゃる」って感じ、あるやんか。
 マイクよりはたいぶレベルが落ちるが、子供の時に飼っていたイヌを
川に連れて行ったことがある。川を挟んで二手に分かれて、片方で
呼んで泳がせようと。
 イヌには初めていった場所、初のシチュエーション。
 呼ぶ、行こうとするから放す。
 イヌはどうしたか。・・・橋を渡って行きました。
 あるいはケーラーのチンパンジーの「洞察」ね。
186わんにゃん@名無しさん:2005/05/06(金) 13:24:38 ID:chGiOLcJ
 千里眼、中身了解。
 いくつかの思いが派生するな。

 ひとつはセンス。たぶん正規分布するのを日常的には段階として
扱っているわけだが、いずれにせよ、
先行トレーナー→未熟トレーナーの知識伝達上の一大難点ですな。
先行トレーナーと同じだけの反復を積んでもアカンという。

もひとつは、訓練と実践。
ワタシャ馬乗りでした。選手としては四流以下だったんで、
オリンピックに出るようなトップライダーを尊敬してる。
けれど、他方、真剣勝負といったって、「ゴッコ」にすぎん、とも
思う。
「弾の雨降る濁流を おまえ頼りに乗り切って 
 務め果たしたあの時は 泣いて馬秣を食わしたぞ」(愛馬進軍歌)
に比べれば。
イヌでも同じであって、確かに、「訓練」において悩むことはまず
ない。なくなった。悩むとすれば、やりたいことが物理的事情その他
でできない場合だな。そこには、「この問題には適切な方略は
存在し得ない」というアキラメもあるわけだが。
が、実践だと、そうはいかん。なぜなら、「おまえ頼りに」する、
のが実践だから。
イヌを信じ、ウマを信じる、そこに使役者の大切な何かを委ねる。
使役者のハンドリングから離れたところでの動物の判断に
依存することになる。しかもそのシチュそれ自体は自然に訓練して
反復練習させておくことが不可能である。要素は練習させられる
けどね。

自省的な言説は自分でも信じていないからました他人に信じて
もらおうとは思わないんだけれど、「コイツは信じられる」と
思うとき、感じるとき、信じるとき、本当に、「言語化から逃れ
られていない」のだろうかと疑問なわけ。
逆にいえば、そのときには非言語的に感じている、なのに、
誰かに説明する際には言語化しなくてはならないというギャップ
がイヤンだなあと。
187841 書き忘れてた:2005/05/06(金) 13:35:46 ID:chGiOLcJ
 言語化にしてもひとつじゃあるまい。
 しばらく非母語で暮らしていると、母語も出にくくなる。
 母語同士でも、長時間文章を書き続けた後では、喋りにくくなる。
 言語はひとつのハブではあろうけど、それ以外のハブがないとも
思えない。
 数式の意味が「わかる」、自転車の補助輪がとれる、水泳で
息継ぎができるようになる・・・
 いずれも反復は必要条件である。しかし、試行数を多くして
いっても充分条件となり得るとは限らない。
 何か一味がいるんじゃなかろうか・・・?
188841 :2005/05/06(金) 13:42:41 ID:chGiOLcJ
 直接関係するかはともかく、マイク。
 ライバルの英セと競争する。

 (英セは)どんな命令にも即座に反応するのだが、訓練士を見る
犬の目のなかに、なんとなくだが確かに見て取れる気配だけが、
ダニーにはせめてもの希望の綱だった。この犬の訓練は、少なくとも
その一部は力で押し付けられている。

 やがてマイクが急にスピードを上げて、イチヤク草の草むらに
むかった。これこそ赤い仔犬が自分で鳥の習性を覚えこんだからこそ
できることで、こうしたことは辛い目にあい、誤りを重ねたあげく
自分で覚えこんだものだった。

 反復は要る。
 けれど、させられた反復とやりたがった反復は結果において
違うだろう。同時に、反復しているときのイヌの心の中の様相も
違うだろう。
 「わかる」の電撃を用意するかもしれないひとつはそこにないか? 
189859:2005/05/09(月) 05:25:54 ID:lzbfFP0l
>でもしつこく問う、「それだけだろうか?」

うーん、どこに話を持って行かせたいのでしょう?

まず、マイクの話でマイクの分かっているというのはどんな感じなのですか?
まずはそこから聞きたいな。私には話しの前提がわからないので。。。

>イヌには初めていった場所、初のシチュエーション。
>呼ぶ、行こうとするから放す。
>イヌはどうしたか。・・・橋を渡って行きました。

うーむ、シチュエーションは初めてでも、過去の学習の応用と考えることもでいるし。

>ケーラーのチンパンジーの「洞察」

洞察も色々な経験の反復と積み重ねによって出来るようになるんじゃないかなと。

もう少し具体的に論点整理をして頂けるとありがたいです。
190841:2005/05/09(月) 23:40:37 ID:lNsml4pD
 前提と言われても一冊丸ごと書き写すわけにはいかないし、例は例に
すぎないので・・・

 つまりですね、動物を見ていて、リクツが判っているなあ、と思える
ことがあるわけです。
 何かをやった。同じことの反復練習歴があった。これは簡単。
 何かをやった。似たことの・・・少し微妙。
 何かをやった。似たこともない・・・ううむ。

 橋を渡ったイヌ。障害物を迂回した経験はあった、ただし反復って
ほど経験数は多くないはず。「その橋」に限らず橋を迂回路に使った経験は
ナシ。橋の付け根は汀線より下がっていますから、柵の横を回り込むのと
同じでもなかろうと。
 すると、応用するにあたって、(語法として正しいかはやや自信ないし、
言語的に考えたともいいませんが) 「一段階、抽象化した」のでは
ないか・・・

 ケーラーのナミチンも、箱に乗ってバナナを取る経験はあった。けれど、
ヒトの手を引いてバナナの下に導いてそのヒトをよじ登って・・・という
経験はない。
 仕方ないので言語的に表現しますが、
「このヒトの高さはこのぐらい、天井の高さはこのぐらい、上に登れば
届く!」というヒラメキを想定したくなるわけですよ。ヒラメキにも、
「色々な経験」が必要なのはむろん。
 けれど、他方、「何度も経験したことしかできない」こと、動物、
も多いわけです。
 どのぐらい似た経験があれば足るのか・・・というのは、連続量を
ぶった切ることであって、動物の把握と観察者の把握のズレその他
微妙なところではありますが、観察者から相当に「新奇」な課題を、
試行錯誤の後に(偶然に見えるように)正解にたどり着く場合と、
(時間の長短はともあれ)「沈思黙考」の後に一発正解とか、
試行錯誤するにしても「あれこれ試す」のではなく、「筋道だって考えて
から試す」ように見える場合、とがあるだろうと。

 ハンドリングに乗ってくれればいい、というシチュであれば、考えるのは
ヒトですみます。そういう意味で、「経験したことのある」状況のみである。
逆にそれを逸脱するのは、トレーナーの状況設定のミスである。
 けれど、ヒトが動物の判断力に依存するとなるとそれ以上を求めたく
なる・・・

 トレーナーの経験則としては、対象全個体ではないといった歩留まりの
悪さはあるものの(「猟師一代犬一匹」とか)、それを為しえた、と
思えることはあるわけです。
 その確率を上げ、かつ、他者のにやり方を説明することはできないもの
だろうか・・・

 としたら少しは伝わるかしらん?
191わんにゃん@名無しさん:2005/05/10(火) 00:18:06 ID:8O5vP14x
馬鹿はこのスレに来ちゃいけないんですか?
はい、そうですか・・・解りました。
192859:2005/05/10(火) 23:43:07 ID:GlwQLit+
概念形成より少し前の段階の「創造力」と表される部分ですね?
「これこれこうだからこうなんだろうな」よりさらに前段階の
「こうやってみたらうまくいくかも」という感じと、
さらに「ひらめき的」要素が強い、「あ!こうしてみよ!」という感じ。

創造力を働かすということは、その前段の抽象概念が分かっていて、
教えたことないのにこんなこともひらめいちゃうんだ、こいつなかなかやるなって
感じさせる行動を指しているのかなと思いました。
一方、創造力に頼る部分が上の例よりは少なくて、
「えーと、これはこーだから・・・、あっ、こーすればいいかも」という感じは
「筋道だって考えてから試すように見える場合」なんでしょうかね?

841氏が望んでいる論点と合致するか分かりませんが、
SSTプログラムに、訓練者が何も指示を与えず、表出する自発行動を何でも強化し、
一定のオペラント水準に達して、その行動を繰り返すようになったら
消去試行に移行し、他のオペラント行動の自発を待ち、再び同じように
一定水準に達すると消去することを繰り返すトレーニングがあります。
これは、弁別訓練(指示に従いその指示と対となる行動を選択した場合だけを強化する)
と平行して行われるのですが、フリーオペラントとかフリーシェイピングと呼ばれる
訓練手法があります。これを「創造力」の育成と呼ぶにはいささか問題がありますが、
これらの訓練プログラムを受けた被験者は、確かに「ひらめき」と感じさせる行動や、
「思慮深く洞察している」ように見える行動、また、「忍耐強く」課題に取り組む
姿勢が感じられるようになります。

フリーオペラント訓練の割合が多いと、課題に対して勝手な行動
(訓練者が望んでいる行動ではなく、被験者が選択した行動)を取る傾向があり、
一方、弁別訓練の割合が多いと、困難な課題や応用力を要求される課題に対し、
集中力の低下や拒否行動、逃避が多くなる傾向が見られます。
SSTプログラムでは、専門的なチェックリストがあって、バランスが取れているか
判断していますが、動物の訓練にも応用できそうな気がしています。
193859:2005/05/10(火) 23:56:29 ID:GlwQLit+
>>191

過疎スレとは言え、841氏と710氏以外の書き込みに対して
レスする気がないということはありません。
>180氏の意見に対しても、私としてはお答えできないので
遠慮しています。「本能」とは何ぞやという設問は私には専門外です(汗)
841氏にお願いしたいトピックです。前段階だけで大変そうだけど。。

194わんにゃん@名無しさん:2005/05/11(水) 00:09:20 ID:DdFFxQXV
今は大雑把に言うと「わかるってどゆこと?」って話?
で、「わかる」ってところに行くまでのプロセスはどんなの?って話?
195841:2005/05/11(水) 22:40:14 ID:Ul5978XK
 本能か・・・なるべく簡単に。
 
 生まれつき(=生まれた後の経験を必要としない)ある動物が持っている
傾向、というぐらいかな。
 ただし、特定個体だけに顕著な傾向はそうはいわないわけで、ある程度の
血縁集団が単位になる。種とか、亜種とか、個体群とか・・・
 品種あるいは系統の場合、「その品種の本能」といって言えないことは
ないけれど、性質とか、特徴とかいうことが多い。
例1 イヌは逃げるものを見ると追いかけようとする本能を持っているが、
   視覚ハウンドにおいてその本能は強い。

 むろん、生まれつき・・・といっても、本能だけで一生が完結するという
ものではない。皆無かは議論があるだろうけれど、事実上、野生においては
後天的な学習の余地がほとんどない動物の場合、わざわざ本能とは
いわないで、反射といったり、走性といったりすることが多い。暗に
「それ以外もあるよ」というときに本能という感じ。
196841:2005/05/11(水) 23:08:07 ID:Ul5978XK
 品種、系統、それらを裏打ちするものとしての血統、から見ると、
そういったものの影響はたしかにある。ただし、「種」に比べて、
孤立性・独立性ははるかに低い。
 品種改良で出来るのは、「ある形質(形態でも行動でもいい)が表現型と
して表れる確率を高める/低める」程度である。
 選択過程に(遺伝病を含む広義の)突然変異が関与するとある程度
決定的になっていくが、それにも限界が。事実上、「本能を作る」ことは
できない。
 たとえば、ポイントの原型はすべてのイヌに、オオカミにあるし、食肉目
の種の相当多くにある。
「獲物に忍び寄っている途中で、獲物が見えなくなり、音も聞こえなく
なったら立ち止まる」という本能があり、その立ち止まる方法の中に、
「その瞬間浮いている足を下ろさない」がある。
 これを元に「(野生時の一連の捕食行動と異なり)その後飛び掛らない」
「対象を主としてキジ科猟鳥に限る」というアレンジを施したものが
ポインティングドッグのポイント。その過程には2仮説があり、単純な
(連続的な)選択による、または、脳の神経系の異常を利用したものと
考えられている。
 作り出したのでなくアレンジに過ぎない、というのは、止まらない
ポインティングドツグもあるし、目的外の対象にポイントする
ポインティングドッグもあるから。
197841:2005/05/11(水) 23:18:31 ID:Ul5978XK
 なお、最近は、専門領域では本能という言葉はあまり使わない。
 ひとつには、しつこく繰り返されてきた
「氏(本能、遺伝etc)か育ち(学習、環境、教育etc)か」
論争にみんないいかげんうんざりしてきていて、また同時に、
この行動のどの部分は生まれつきで、どの部分は経験による、
というのを細かく調べることができるようになってきたため。
 生得的に○×という傾向を持つ・・・みたいな表現が多い。

 いまひとつ、日本においては、1970年代〜に、社会学関係で、
たとえば岸田秀が「人間は本能が壊れた動物である」といった
表現を使用したことと絡む。循環論的になるけど、本能は壊れて
もらっては困るわけ。壊れない(作れもしない)のが本能だから。
岸田の言わんとする指摘の適否はともかく・・・
 で、本能は、それが成立したころの環境をベースにしているから、
環境で自動的に決まる部分については決めていなかったりする。
と、環境の変化に本能の変化は必ず遅れる。環境の変化の度合いが
大きいと、そこではその本能はうまく働かない。壊れて見えるが、
本能が壊れたわけでなく、ミスマッチな条件に放り込んだがゆえの
きしみである、と。win機にmac版のソフト入れても動かない
みたいな。
198841:2005/05/11(水) 23:24:35 ID:Ul5978XK
 こうした語感の問題、日本語以外でもあるらしい。
 詳しくは知らない。というのはドイツ語が絡むからで、ワタシャ
具体的記述的な論文を辞書片手に読むのが精一杯なんで、あの、
単語が際限なく長くなっていく、語義語感にウルサイ言葉で、
ニュアンスまで追いながら思索的な長文は読めませんです。
 ただ、言語を生み出す本能は現代も Instinct だったりは
するなあとぼんやり眺めるのみ。
199841:2005/05/12(木) 00:03:05 ID:Ul5978XK
>194
 そのとおりです。
 ただ、859氏も私も、結論が出ないことは判ってます。
 チューリングマシンとか、その反証としての「中国語の部屋」とか、
心脳問題とか・・・世界の知性が結論見出せていないわけで。
 だから私は、「最後にはゲンゴローが転回する(言語学的転回、ね。)のは判ってるけど、その手前までやってみないか?」と
いい、859氏は「すごい燃料」と。
 たとえば、数学、まあ、分数とかでいいわけですが、
教えてもらってその概念に触れる、規則を参照しながら
規則通り計算できるようになる、規則はすっかり覚えてちゃっちゃと
計算できるようになる、簡単な計算なら考えるまでもなくなる、
割り切れないものもふくめてどういうことかわかる(←わかるとは
何かについて書いているのに、ここで「わかる」という言葉を
使わざるを得ないところが限界名わけ)、いろいろです。
 別に計算に限ったことではなくて、文法なぞでもいいし、
体を使うものでも一緒。意味も理屈も「わかってない」けれど、
反復練習で使えるようになる、と、意味や理屈が「わかる」とは違う
だろうな、と。「わかる」にしても、相対論解説書読んで
そのときだけ「わかった(つもりになる)」のと、他人に説明できる
のとも違うし、「わかって」いるからといって、実際に計算できる
とも限らない・・・
200841:2005/05/12(木) 00:47:06 ID:sBPU95JZ
 で、元へ戻りますが、>859氏。

 「創造力」は了解。そこのヒラメキ(電撃、ハハア体験、
なんでもいいけれど)をどう捉えられるだろうか? なわけです。
 少し幅が狭くなってもいいから認知的にどうよ? ですね。

 ただ、フリーオペラントはちょっと違うかなーと。
 一番プリミティブなのを考えると、ウマが退屈のあまり熊癖覚える、
サク癖覚える。それ以外のことやったら強化する。また次に新規の
ことやったら・・・
 新規のこと、を一生懸命考えるようになるだろう、そこは一段
抽象的であろう、は同意。けれど、流行の本(読む気はしませんが)
のタイトルから借りるなら、そこには文脈力がない。ないというと
ヘンか。きわめて不自然な文脈におかれている。
 そうではなくて、もう少し自然で、要素行動のドミノ倒し(単線
とは限らず迂回する伏線もあり)が起こりやすく、リッチで、という
ことは無関係な刺激は無視するという選択的注意があって、
それらが統合されて、その文脈上で大きな意味を持つ・・・といった
判り方・・・のつもりです。

 ヒツジの群を夏の放牧地から冬キャンプに移動させる。一部が
散って、声も届かない丘の向こうにイヌさんが探しにいく。
 主集団は移動していく。冬営地もそこへのルートも去年と同じとは
限らない。つか去年のルートを覚えているものかも判らない。
 何頭のヒツジがはぐれたのか、いくつの小グループになっている
のかもわからない・・・
 これは、山の向こうから「獲物を連れてくる」ような猟犬も同じ
ですな。

 あるいは、同じくヒツジの群を守っているガードドッグ。ヒツジ
泥棒は攻撃しなくちゃいけない。旅人は攻撃しちゃいけない。
 指示をくれる人間はいない・・・

 こういうときに何が生じているのだろう、それを教える方法は、
その教え方をヒト間で伝達する方法は・・・?

201859:2005/05/12(木) 01:33:20 ID:S7I3nEi7
841氏、もー、また無茶なお題を(爆)。
「少し幅が狭くなってもいいから」ということですが、
「かなり幅が狭くなってもいいよね」ってことでご勘弁を(汗)。

難題に対して、微力ながら私なりに論理展開を考えてみたのですが、
前段が噛み合わないとよからぬ方向へ行きそうなので、以下確認させて下さい

まず、文脈上(その文脈が偽であっても)「大きな意味を持つ・・・といった判り方」
というのは、「メタ認知」の領域の話に思えるのですが、表象で認知していることを認知する、
(正確な表現ではないですが自覚する)レベルのことを指しているのですか?
これは、必ずしも文脈の真偽や文脈の示す「意味合い」の合理性とは関係なく、
「何かが今ひらめいた。それが何かは説明出来ないけど、確かに何かを感じた(自覚した)」
という次元も含めてという意味なのですが。

次に、841氏は概論で結構なんですが、以下の認知理論をご存知でしょうか?
1.「Herrnssteinの自然概念形成理論とマッチング理論(選択行動理論)」
2.「Schmidtのスキーマ理論」

最後に、対象動物はイヌでよろしかったでしょうか?もしOKであれば、
犬にメタ認知があるかないか、どちらの前提にしましょうか?
(学説はご存知だと思いますが、あくまでここでの前提でかまいません)

以上宜しくお願いします。
202841:2005/05/13(金) 23:59:43 ID:rY2/ud/h
 エゲツない燃料ですけどさ、指示通り動くロボットが欲しいだけ
ならともかく、その先となるとどうしたって・・・

 材料はイヌは結構です。愛馬進軍歌を持ち出したのは、ヒトの使役動物に
対する依存の激しい一例として、なので。

 メタ認知。
 そここそがご意見を聞きたいところかも。
 
 真か偽かと絡めていえば、たとえば、光秀にとっての本能寺襲撃は合理的
であった、とする立場です。彼(または彼女)のおかれていた状況から
して選ばざるを得なかった目的の是非は問うてもしかたないですし、結果
が三日天下に終わったのも仕方ない範囲。下克上を狙うという「文脈」は、
後知恵でなければ充分に合理的ですし、そのためにもっとも手薄な本能寺を
選ぶのも合理的です。結果、信長を殺せたわけですが、仮に信長が脱出に
成功していても、合理的であったろうと。
 あるいは、風水をもとに四神相応の地として平安京を作った、も合理的な
範疇に。当時の最新の科学技術に照らせば合理的ですから。

 それら合理性を自覚しているかは問いません。多少の過誤も問題と
しません。火事から逃げるのに、ドアと思って行ったけど、カギが
かかってる、じゃあマドだ、は、文脈を「判って」いるうちだとしたく。
 ミソは「じゃあ」マドだのところですね。ランダムに試行錯誤するの
ではなく、合目的的なところ。

 ただのヒラメキは微妙なところ。
 これはメタ認知(むしろ意識の閾値か)と絡みますが・・・
 それが(彼または彼女のおかれていた状況、得られていた情報に照らして)
合理的なら可、という感じ。ジンクス(の元になるような)ヒラメキは
不可、でどうでしょう。
203841:2005/05/14(土) 00:25:50 ID:OjhxCR+K
 いずれも復習・確認およびROMのかたへのサービスかねて。
 859氏、看過できない誤りあれば本論前に訂正してやってください。

1の前段
 前提 通常の弁別訓練では、紛れない、対照的な(と実験者が
期待する)ふたつの刺激に対して訓練してみて結果を見るが、
概念ないしカテゴリーについては、ある共通項を持つ複数の刺激の
グループとそうでないグループとで実験する。
 これを、自然物が含まれるか否かについて実験してみると、共通項
にはその共通項自身(これ自体は共通の特徴を持たない)しか
含まれないのにもわわからず学習は成立し、それどころか、訓練に
用いなかった新規の(しかし共通項を含む/含まない)刺激に
正しく反応した。さらに、実験では2次元の映像を示したが、それは
3次元の物体の表象として解されているようである。

1 後段
 動物は、獲得しうる報酬を最大化できるように注意や労力を
振り分ける。
 
 ・・・この変形が生態学でよく出てきます。マッチングの実験と
異なり、刺激に対する反応のコストが違う場合ですが、たとえば
 シジュウカラ(アオガラだったかな)は、狩りの際、その時の
探索像を持つ。クモの卵をイメージしていれば、クモの卵が
ありそうな隙間がある場所に集中し、かつ、クモの卵ばかり探す。
容易に取れるところにいる青虫には、気づかないのか、無視する
のか、捕食しないことが多い。
 どこで何を探すのかは、群のサイズや構成、およびその種だけの
群れか、カラ類混群かによって使い分けられる・・・

2 身体制御においては、ある程度の(回数・バラエティはともかく)経験があると、外からの情報を待たずして、特定のトライが
成功であったかなかったかが自覚されうる。びみょ〜な場合でなく、
完全にうまく行った(or行かなかった)場合には、フリーキックを
蹴った瞬間、ホームランを打った瞬間に、「入った」と判るがごとく。
 反力がかえってくるはずがない射撃に手ごたえがあるがごとく。
204わんにゃん@名無しさん:2005/05/17(火) 13:33:53 ID:vy07EChH
スレタイ見てマターリ進行かとのぞきましたが
およびでない雰囲気ですね。とほほほ
205わんにゃん@名無しさん:2005/05/30(月) 14:59:13 ID:qYCR3Gii
保守
206841:2005/05/30(月) 22:52:52 ID:Taed9+gJ
>204
 荒れてない、カキコの間隔が空く、っつー意味ではマターリなんだが。
 ありがたい205のように保守してくださる向きもあるしさ。
207859:2005/06/10(金) 03:06:59 ID:NLgwc8RA
急な出張が入ってしまい、ご無沙汰してしまいました。

841氏が問題にしている点は、メタ認知過程とは違うところのようです。

>ミソは「じゃあ」マドだのところですね。ランダムに試行錯誤するの
>ではなく、合目的的なところ

まず、ここで整理しなくてはいけない点として、個体にとって「合目的的」でも
観察者からは「合目的的」に見えない行動がある点です。また、

>ジンクス(の元になるような)ヒラメキは不可

とありますが、FTSで迷信行動を意図的に実験する場合を考えてみて下さい。
どの行動が形成されるかは強化子の提示タイミングに「たまたま自発した」行動
ですが、初期段階では個体にとって「合目的的」ではないでしょう。
しかし、これが「ジンクス」と認知される頃には個体にとって「合目的的」行動と言えます。
これをジンクスだと認知しながら自分を客観視するならメタ認知となりますが。。。

合理性を自覚しているかは問わず、合目的的である行動としてしまうと、
ランダムに試行錯誤する行動も、目的を達成する為の合目的的行動と考えられます。
あるいは、正解(その個体にとっての)を模索する目的において合理的とも言えます。

行動的に言えば「オペラント水準」、認知的に言えば「長期記憶」から「作業記憶」への
コールバックの話ですね。そちらの方の話で進めてよいのでしょうか?
多分、841氏が望んでいるのはそういうことではない気がして。。。

逆に質問させて下さい。

放射状迷路実験で、例えば16本迷路があるとします。ラットは時計回りとか
反時計回りとか「合理的」な検索はしませんが、一度入った路にはまず入りません。
観察者側から見れば、ランダムに検索しているように見えます。
このようなラットの行動は841氏の規定によるとどのような行動となるのでしょうか。
合目的的?合理的?ヒラメキ?
208841:2005/06/14(火) 21:58:30 ID:mf6UKR8J
んと。
オペラントからは一度離れたいです。
ジンクスをそう認知するメタ認知もとりあえずおいておいて(有無は
ペンディング)くださいな。
ランダムが結果として合目的的である場合「も」あるのは否定しません。
つか、ベースはそれでしょう。ランダムの幅、ないし範囲が別の要因に
よって狭められているから「真の」ランダムより効率的なだけで。

どういうのがいいかな。
メタ認知の有無に関わらず、「正解がわかっている」ようにある一連の行動
を取り、結果として成功する(ないし失敗する場合も当初の判断自体は
正解であったように見える)ケースをどう解釈しようか、なわけです。
そこには、過去の行動の記憶の断片も関与しているでしょうし、
「過去の行動の記憶を使ってうまく振る舞えた」ことの記憶も関与している
かもしれません。一部にはランダム試行むも含まれるかもれません。
ただ、いま問いたいのは、それらの材料を「うまく組み合わせる」ように
見えることがある。「組み合わせ」は(ヒトでさえ、実験条件の統制に
悩むように)「可能性の数」が膨大になるわけで、組み合わせそれ自体が
ランダムだと、各段の選択がすべてランダムな場合の正解率は現実には
無意味なほど低くなってしまうだろう。どこかに、「グランドデザイン」
があると仮定するほうがよいのではなかろうか。複雑な状況に対処した
結果が生存や子孫維持に大きく影響する種の場合、そうした「グランド
デザイン」イメージを持つことが有利であるので、それを持ち得るだろう。

 というマクロな視点を、認知的に、ややミクロに説明できないもの
だろうか・・・なわけです。
 記憶に着目するのなら、全体に対するあるイメージを短期的に保持しつつ、
長期記憶のネタを引っ張り出してきてそこに当てはめるといった、
「複数のイメージの平行処理」ですな。ある瞬間を見ればどれかひとつの
イメージにアタマは占領されているのかもしれませんが、何かひとつを
考えたら前のことを忘れちゃうわけではない、と。しかもその
「忘れられない」ネタが、実体験の長期記憶でなく、「グランドデザイン」
のような、内的に作られたイメージである、と。

ラット。
時計回り・・・のような規則性を「2度同じ路に入らない」指標するのは、
ヒトにとつてはそういう世界認識のほうがラクだ、でしょうし、だから
ヒトにとって「合理的」に見える。
けれど、てめえの足跡の臭いが明々白々にわかるのなら、時計回り・・・
のような規則の記憶にコストを投じるのはむしろ合理的ではないでしょう?
「探索済み」のチェックマークついてるんだもん。
209859:2005/06/15(水) 03:01:34 ID:vUs4j3DC
「グランドデザインイメージを持つ」ということは、
ある程度「意図的」「随意的」であると言えますね。
確信の度合いは低くても、めちゃくちゃにやってみるよりは
目的の為に確率が高い(現実にはそうでなくても少なくても個体的には)との
認知がある状態と考えられます。

まず、生得的な選択行動ですが、回避反応を例に取ると、
外敵からの攻撃に対し、留まる(静的)と逃げる(動的)のどちらを取るかは
種によって様様ですよね。第1選択行動としてどちらが強い準備性があるかに
大きく影響します。しかし、学習性の回避反応では個体の過去の強化履歴に
強く左右される傾向があります。(もちろん生物的制約で準備性が崩れない場合もあります)
これらは、種にあらかじめプログラムされた「グランドデザイン」なのでしょう。

841氏が興味を持っているのは、上述の生得的機構ではなくて、準備性+学習性の結果として
個体が示すより洗練された選択行動なのでないのでしょうか?
つまり、課題解決により複雑な判断を要求される場面で見られる、
合目的的な選択行動なのだと想像します。

そうすると、認知では「画像概念」ではなくて「抽象概念」の研究トピックが
面白いと思います。もちろん「長期記憶と作業記憶」の概論の上に乗せて
話を進めなくてはいけませんけど。
最近では抽象概念のチャンクとかスキーマチャンクとかいわれる
抽象概念形成と自然概念形成の相関関係等が研究されていますが、
ある程度の理論骨子はあるにせよ、本当の所はまだわからないのが現状です。

841氏の投げかけた設問に完全な科学根拠を示した説明は今のところできませんが、
抽象概念形成過程を知ることで、多少道筋がはっきりするかもしれませんね。
この切り口で話を進めますか?それとももう少し限定していきましょうか?
841氏の議論したいトピックが今ひとつ私にはピンとこないもので。。。
ここで、例を限定してとりあえず話をすすめてみますか。
841氏の子供の頃飼っていた犬が橋を渡ってきた例でどうでしょう?


放射状迷路は足跡の臭いを弁別刺激にしなくても同じ結果になりますよ。
そんな単純なものではなくて。。。認知地図の話と記憶の話。
検索途中で一旦実験を中止して数時間後や数日後にやっても同じです。
また、嗅覚と視覚を麻痺させても同様の実験結果を得られます。
私が言いたいのは、この迷路の先には餌がもうないという認知と記憶を
どのような相関関係で各迷路に当てはめ、どんな思考の結果、
なぜその選択行動をしたのかがその個体の認知過程を示唆することであり、
その選択行動は合目的的?合理的?ヒラメキ?のどの要素が強いと
841氏はお考えになりますかという意味です。
「探索済み」のチェックマークがついてしまうことが変数となる幼稚な実験など、
紛い也にも心理学者であれば行いませんよ(爆)

210841:2005/06/15(水) 23:01:04 ID:+FI/OnpM
ふむふむ。
>課題解決により複雑な判断を要求される場面で見られる、
合目的的な選択行動

>「抽象概念」の研究トピックが面白い

整理さんくすです。ご本人にはピンと来ないのは不徳の限りだけど、
そのセンだと思う。
とりあえず、
>抽象概念形成過程
>犬が橋を渡ってきた例
で概説いただければありがたい。

>「探索済み」のチェックマークがついてしまうことが変数となる幼稚な
実験など、 紛い也にも心理学者であれば行いませんよ(爆)

臭いはモロだったか。でも、言わんとしていることにはあまり影響しない
のです。ハンス他、心理学者に限らず生物学者も含めて、だまされた例は
多いし・・・
嗅覚と視覚を麻痺させ、というあたりで、「ヒトバイアス」をやや疑う。
古典的だけど、脳のホムンクルスありますな。ラットなりマウスなりだと
ヒトと大違いで、つまりは世界認識の重み付けが違うだろうと。
統制された実験条件で、新規物に対する違和感を抱かせずに、
ネズさんにはわかるがヒトにはわからない手がかりを排除するのって
そう簡単ではないんでないかと。
認知地図が見たいという筋はわかりますが。
たぶんね、疑問の根は同じなんです。
統制しようとして、たとえば感覚剥奪条件にする。どの感覚にどれだけ
依存しているか、最終的にはヒトにはわからん。さらに、複数の感覚の
統合となると統制しきれない・・・
かといって、丸ごとを見ようとすると、ヒトの思いこみに引っ張られる・・・
といった縛りはある程度あきらめるとして、でも、その中で、
ある程度以上複雑なプロセスをまだしもうまく説明できる方策は
ないだろうか・・・なわけです。
再びラットでいうのなら、試供個体が「正常」(ほとんどあり得ないで
しょうが)かどうかとか、迷路のデザインが適切かとかいったあたりから
細かく見ていけばいろいろと問題が見いだせるのではないかと。
これまた心理学者をくさしているけではなくて、生物学者もいわば
同罪ですが、中央アジアの草原から、せめてそこらの下水から
捕獲してきたラットを使い、その生息地と合わせた条件にした実験は
ほとんどないでしょ? つまり本来のラットを見ている人はほとんどいない、
でしょう?
メタ認知でなく、長期記憶と作業記憶といっていいのかんはちと
わかりませんが、いわば重層処理は、「統制しきれないほど複雑な
環境、履歴によってしか発現しない」可能性があるんでないかと。
そいつを引き受けてなお大胆に考察してみれば・・・
211859:2005/06/17(金) 07:43:09 ID:7K36E19v
相当長くなる話なので、とりあえず触りから入りたいと思います。

841氏の愛犬が橋を渡った(川を迂回した)行動を選択したのは、
いくつもの概念形成が影響していると考えられます。

841氏のもとへ行くなんらかの動機があって、その目的を達成する
為に、個体は何らかの選択行動を自発することができるわけですが、
一番最短の選択は目の前にある川を突っ切って行くことでしょう。
しかし、個体はその選択をしなかった。それは、個体にとって目の前にある川が
動機を上回る程の障害であったからだと想像できます。

つまり、川を渉ることは何らかの不利益があると個体は概念形成していたの
かもしれないし、川という概念ではなく水は危険だと概念形成していたのかもしれない。
あるいは、普段地面から感じ取る知覚と違うものは警戒すべきであると
感じたのかもしれない。また水に対する視覚や嗅覚刺激がその個体にとって
何らかの危険を感じさせる文脈刺激になっているのかもしれない。

川を渡らなかったことだけを考えても、無限の概念形成が想像できますが、
その中のどれが841氏の愛犬の行動を統制したのか、あるいはいくつもの概念の
組み合わせが統制したのか確かな結論を導くことは不可能です。

さらに、川(水や足先の知覚でもよいのですが)やそれらは画像概念なのか
抽象概念なのか、あるいはその両方なのか、両方の場合、その比率は
どちらが大きいのかも断定することは不可能でしょう。
確かなことは、841氏の愛犬は何らかの概念を発達させ、川に入る選択を
見送った事実だけですよね。
212859:2005/06/17(金) 07:43:31 ID:7K36E19v
ここで想像ですが、生後間もない仔犬に同じ課題を与えたら、
多くの個体が川に入ってしまうかもしれません。841氏は私の愛犬の犬種を
ご存知なので話が早いのですが、彼らは本来水辺が得意な犬種です。
私の愛犬も生後4ヶ月の頃、川に遊びにいったことがあるのですが、
大きな岩場から水を覗き込み、そのまま何の躊躇いもなく川に飛び込みました(爆)。
それ以来、我が家の愛犬は水辺を避けるようになりました。

一方、仔犬でも最初から水を恐がる個体もいます。
生後間もない個体は、多岐にわたる概念形成をしている状態とは
ほど遠いと言えますが、概念形成だけが水を回避する行動の自発手がかりに
なっているわけではないことは明らかです。ただし、日常の様様な体験による
学習(雨に濡れたり、シャンプーされたり、偶然水を入れた容器に足を入れてしまったり、
川とは直接結びつかない些細な水に関する経験も、その個体の概念形成に影響を与え、
いざ始めて川を見たときにも選択行動の要因となり得ます。

おそらく、841氏の愛犬は生得的機構による危険察知と後天的な学習の
両方の影響を受け、動機に拮抗する抑止概念が形成されていたゆえ、
川をそのまま渉る選択を取らなかったと想像します。
確かな根拠データはありませんが、環境に対してより多く、合理的な概念を発達
させている個体(つまり経験豊富というやつです)の方が、生物学的に
リスクの少ない選択行動をするといわれていますね。

川を渡らなかっただけで、こんなに疑問が挙げられるわけですから、
迂回課題(この場合は橋を渉る)を解決した841氏の愛犬の認知は
想像を絶する複雑な要素の組み合わせによって形成されていることが
容易に想像できます。その個々全て、あるいは包括的に841氏が満足できる
説明を私にできる自信がありませんが、次回は迂回課題に関するトピックをご紹介します。
213841:2005/06/20(月) 00:27:49 ID:WT7QmhCD
さんくす。

とりあえずは次回トピックを先に聞きたいけど、ちと先走って。
「無限の概念形成」が想定できるのには完全に同意だし、確実なところは
言い難いのもわかるんだけど、イヌはその場で無限の可能性を
考察してはいないわね。
エキスパートシステムのように場合分けで絞っていく、あるいは
それほど論理的でなく「馴染みのいい」「相性のいい」概念セットのみ
を処理している、といったような(イヤそれ意外にもあると思うが)、
なんらかの、「対象を捨てることによる」「処理の簡略化」がなされて
いるんでないかと。まあフレーム問題だが・・・
イヌにおけるその一般的な傾向、というのは輪郭だけでもわからないもの
だろうか?

静かな水面にたぶんそれを見ずと思わず飛ぶ、というのは昨年死んだ
ウチのイヌ(橋とは別)も若い頃にやりました。もともと水たまりを
避けるぐらいだったのに、何考えていたんだが。
214わんにゃん@名無しさん:2005/06/27(月) 16:24:46 ID:MoKF/MD3
保守
215わんにゃん@名無しさん:2005/07/10(日) 20:20:12 ID:QBJiOPox
保守。
216わんにゃん@名無しさん:2005/07/17(日) 22:02:16 ID:l35v3P7q
保守。
217わんにゃん@名無しさん:2005/07/23(土) 16:20:59 ID:SrNYVyKy
>>841 メールをお送りさせていただいたら帰ってきました。
もしお差し支えなければご連絡くださいませんか。
218710:2005/07/23(土) 17:22:33 ID:SrNYVyKy
↑です。
219841
>710氏

[email protected] を使ってみてください。