1 :
名無しさん@おだいじに:
この巨大な蟻塚のような医療社会主義社会にあっては医局を見つけるのはさほど困難な作業ではない。
その仕事の内容や教授について贅沢さえ言わなければ、ということだ、もちろん。
2 :
名無しさん@おだいじに:2006/02/08(水) 23:51:41 ID:P+eX8Xtk
ごく控えめに言って僕の診さされた急患の九割はまったく軽症で、救急で来なくてもよかった。
医療費と人的資材の無駄遣い。
でも僕は何も考えずに、殆ど機械的にきちんきちんと救急外来をさばいていた。
3 :
名無しさん@おだいじに:2006/02/09(木) 00:03:28 ID:kbb5IenX
やれやれ。今日もまた天文学的な数の需要に天文学的な数のエビデンスを重ね合わせながら患者を診る。
25メートルプールをターンして泳ぐように、カルテをまず半分、次にまた半分にする。そうして半分が終わるとまた半分とおもって続ける。
4 :
名無しさん@おだいじに:2006/02/09(木) 00:03:58 ID:kbb5IenX
やれやれ。今日もまた天文学的な数の需要に天文学的な数のエビデンスを重ね合わせながら患者を診る。
25メートルプールをターンして泳ぐように、カルテをまず半分、次にまた半分にする。そうして半分が終わるとまた半分とおもって続ける。
5 :
名無しさん@おだいじに:2006/02/09(木) 15:07:18 ID:lsyeq2hC
おーい、キズキ。ここはひどい医局だよ。
全く厚生省の人間が何を考えているのか私には見当もつかない。穴を掘ったら
それを埋めろといい、埋めたらまたそれを掘れと言う。迷惑するのはいつも私の
ような現場の人間なのだ。
「医師会と勤務医は同じ人間の右手と左手だと祖父はいっていたわ」
「どういうこと?」
「つまり医師会が勤務医を代弁することは技術的には殆ど不可能なのよ」
「技術的にはね。
でもとりあえず加盟するだけなんだ。きっとうまくいくはずだ」
「でもね、もし」と娘は言った。
「医師会が開業医の多数決で操られていたとしたらどう?
つまり開業医のほうが実地診療を知っているんだとか屁理屈をこねて」
私は彼女の言ったことについて考えをめぐらせてみた。
信じられない話だが、まったくありえないことではなかった。
「もし君の言うとおりだとしたら、ひどく難しいプロジェクトになるだろうね」
と私は言った。
「両方を競りあわせることによって、団結をいくらでも遅らせることができる。
力を伯仲させておけば厚労省はストをされる心配もない」
「祖父は医師会の中でQOMLプロジェクトを進めているうちにそのことに気づいたのよ。
結局のところ医師会は勤務医の重要性を軽視した団体にすぎないのよ。
祖父はもしこのままプロジェクトをつづけたら事態はもっとひどいことになるだろうと
予測したの。日本の医療体制はむちゃくちゃになってしまうだろうってね。
そこには抑制と歯止めがなくちゃいけないのよ。
でも医師会にも厚労省にもそれはないわ。
だから祖父はプロジェクトを降りたの。」
「どうしてだ?君はこの間医局から脱出するって約束したじゃないか?一体何が
君の心をそれほどがらりと変えてしまったんだ。茄子かい?」
「それももちろんある。でもそれだけじゃない」
民間医局はため息をついた。そしてもう一度空を仰いだ。
「君は当直予定表を修正したんだな?そして彼女とふたりで病院で働くこと
に決め、俺を追い払うつもりなんだろう?」
「もう一度いうけど、それだけじゃないんだ」と僕は言った。
「僕はこの奴隷医療システムを生み出したのが一体何ものかということを発見したんだ。
君は奴隷医療システムを作り出したのが何ものか知りたくないのか?」
「知りたくないね。俺は既にそれを知っているからだ。この奴隷医療システムを作り出した
のは、勤務医自身だ。医局制度から関連病院派遣から、非現実的な当直スケジュールから、
何から何までだ。このタコ部屋も、夜間コールもだ。それくらいのことは俺だってわかるんだよ。」
「僕には僕の責任があるんだ。僕は上司から勝手に振られた仕事とはいえ、自分の
作り出した奴隷制度をあとに放り出していってしまう訳にはいかないんだ。
君の考え方は正しいと思うし、君と別れるのはつらい。でもここは僕自身が
住む世界なんだ。主治医制は僕自身の思考の流れの主治医制で、奴隷システムは
勤務医自身が作り上げたシステムなんだ」
「止めても無駄なことはよくわかった」と民間医局は言った。「しかし勤務医としての生活は
君が考えているよりずっと大変なものだよ。生き延びるための勉強は厳しいし、救急当直は
長くつらい。無能な上層部の下につくとなかなかそこから逃れられない。延々と
実りのない作業を繰り返さなければならないんだよ」
「そのこともよく考えたんだ」
「しかし心は変わらないんだね?」
「僕はこの大学勤務医の悲慘な労働環境を生み出したのが一体何ものかということを発見したんだ。
君はこんな労働環境を作り出したのが何ものか知りたくないのか?」
「知りたくないね。
俺は既にそれを知っているからだ。
こんな労働環境を作り出したのは、大学病院自身だ。
無意味やたらに多いカンファレンスから、
理不尽にブチギレまくる指導医から、
時間外の採血は土下座したってやってくれない看護師どもから、
何から何までだ。
この、朝の散歩ついでに救急外来にやってくる老人たちも、
雀の涙ほどもない馬鹿げた給与体制もだ。
それくらいのことは俺だってわかるんだよ。」
「夢とか理想なんて忘れた」と医師は言った。
「まったくなかったわけじゃないんだが、途中からそんなもの必要無くなってしまったもんだから、忘れた」
「でもひとつグッド・ニュースがある」と教授は言う。
「僕らは君を迎えることにした。君は大学病院の一員になる。君にはたぶんその資格がある」
僕は思わず教授の顔を見る。
「つまりそれは、僕が大学病院で奴隷労働させられるってことなんですか?」
13 :
名無しさん@おだいじに:2006/02/09(木) 20:36:22 ID:lsyeq2hC
かっこう
医師は除細動を行い、息をひそめ、何かが起こるのを待った。
でも何も起こらなかった。
彼は看護師を眺め、家族を眺め、患者の方を眺め、足もとの地面を眺め、それから空を見上げた。
「患者を診るのって好きか?」
「今やってることに関しては好きとも嫌いともいえないですね。
そういうレベルの仕事じゃないから。
でも有効な外来での患者のさばき方というのは確かにありますね。
コツとか、ノウハウとか、姿勢とか、力の入れ方とか、そういうのは。
そういうのを考えるのは嫌いではないです」
「明快な答えだな」と彼は感心したように言った。
「志が低いと物事は単純なんです」
患者のサマリを書く仕事ってどんなサマリを書いてるの、と彼女は訊いた。
僕は仕事の内容をおおまかに説明した。
面白そうな仕事じゃないと彼女は言った。
無間地獄だ、と僕は言った。
僕がやってるのはいわば医学的雪かきなんだ、と僕は言った。
17 :
既出:2006/02/09(木) 22:08:57 ID:???
「ふむ」と僕は言った。
「NST勉強会ってのがまたひどくってね。
みんなわかったような顔してむずかしい言葉使ってるのよ。
それで私わかんないからそのたびに質問したの。『その腸管粘膜と
Bacterial Translocationの判断って誰ができるんですか?
経口摂取可能なクランケに自己の判断で勝手にPTEG造設した場合の
主治医とオーベンの責任に関係があるんですか?』とか、
『尿路感染症にクランベリージュース飲ませるのにコーヒー飲んだり
タバコ吸っちゃいけないってことですか?』とかね。でも誰も説明してくれ
なかったわ。それどころか真剣に怒るの。そういうのって信じられる?」
「信じられる」
18 :
名無しさん@おだいじに:2006/02/09(木) 22:44:08 ID:lsyeq2hC
突撃隊はある国立大学で産婦人科学を専攻していた。
「僕はね、ち、ち、膣の勉強してるんだよ」と最初に会ったとき、彼は僕にそう言った。
「なかなか趣のあるスレッドだね。嫌いではない。」
「ねえ、母校を愛してる?」
「もちろん。」
「入局したい?」
「今、すぐに?」
「2年後の…4月ごろによ。」
「もちろん入局したい。」
「でも私が訊ねるまでそんなこと一言だって言わなかったわ。」
「言い忘れてたんだ。」
「…マッチングはあと何施設受けたい?」
「5つ。」
「地元? 都会?」
「地元が2つに都会が3つ。」
教授はコーヒーで口の中のパンをのみ下してからじっと僕の顔を見た。
「嘘つき!」
と教授は言った。
しかし教授は間違っている。僕はひとつしか嘘をつかなかった。
「そう、夏にOSCEがあったのよ。
ところがぞっとするようなひどい代物でね、これが。
一度は真剣に死のうと思ったくらいよ。
本当にひどかったのよ。
SPがワカメが頭にからみついた水死体みたいに見えるの。
でも死ぬくらいならと思ってやけっぱちで留年しちゃったの。
楽なことは楽よ、これ。」
と彼女は言って、顔を手のひらでさらさらと撫でた。
そして僕に向かってにっこりと微笑んだ。
「通じ合えていると僕はずっと思っていた」と僕は言った。
「でも患者さんはそう考えなかった。見解の相違。
だから何処かへ行っちゃったんだ。
たぶん見解の相違を訂正するよりは他の医者のところへ行っちゃう方が早かったんだろうね」
「国試みたいには上手くいかなかった?」
「そういうことだね」と僕は言った。
23 :
名無しさん@おだいじに:2006/02/10(金) 16:11:21 ID:GR0Zqp+n
やれやれ
「みじめな人生なんだ」と僕は言った。「暗くって、湿ってて、狭い」
「医局的」とユキは言った。
僕は肯いた。
25 :
これも既出:2006/02/10(金) 21:50:19 ID:???
これは国家試験についての小説である。
国家試験研究書「ゲット・スルー」の序文はこのように語っている。
「あなたが国家試験から得るものは殆ど何もない。数値に置き換えられた
プライドだけだ。失うものは実にいっぱいある。歴代総理大臣の銅像が
全部建てられるくらいの収入を保証する医師免許と(もっともあなたに
宇野宗佑の銅像を 建てる気があればのことだが)、取り返すことので
きぬ貴重な時間だ。
あなたが国家試験で孤独な消耗を続けているあいだに、マスコミ職員はセクハラや
風俗取材の勉強を続けているかもしれない。またある会社員は高級クラブで同輩と
ウイスキーを飲みながら 上司の文句を言い続けているかもしれない。そして彼ら
はアルバイト社員の気持ちを 理解できない中間管理職となり、あるいは幸せな万年
係長となるかもしれない。
しかし国家試験はあなたを何処にも連れて行きはしない。不合格の判定を下すだけだ。
不合格、不合格、不合格……、まるで国家試験そのものがある永劫性を目指している
ようにさえ思える。
永劫性について我々は多くを知らぬ。しかしその影を推し測ることはできる。
国家試験の目的は自己表現にあるのではなく、自己変革にある。エゴの
拡大にではなく、縮小にある。分析にではなく、包括にある。もしあなたが
自己表現やエゴの拡大や分析を目指せば、あなたは不合格判定によって
容赦なき報復を受けるだろう。
良き試験を祈る(ハヴ・ア・ナイス・イグザム)。
26 :
名無しさん@おだいじに:2006/02/10(金) 22:24:33 ID:NEfWroXE
「永沢さんはどんな手術が好きなんですか?」と僕は訊ねてみた。
「バチスタ、ハルステッド、ホワイトヘッド」と彼は即座に答えた。
「あまり今日性のある作家とはいえないですね」
27 :
もとい:2006/02/10(金) 22:26:28 ID:NEfWroXE
「永沢さんはどんな手術が好きなんですか?」と僕は訊ねてみた。
「バチスタ、ハルステッド、ホワイトヘッド」と彼は即座に答えた。
「あまり今日性のある手術とはいえないですね」
ノル森ネタばっかだがや
「日本の医療システムは不思議なシステムでした。一見何の問題も無いように見える。
でもやってみると何かが違うんです。同じ白衣、同じ技量なんですが、
他の機種とは何かが違う。その何かが麻薬のように人々をひきつけた。
・・・私が『日本の勤務医』を悲運の職と呼ぶには二つばかり理由があります。
第一にその危険性が人々に十全に理解されなかったこと。彼らがやっと
理解しはじめた頃はもう遅すぎた。第二に勤務医が過労死してしまったこと。
あまりにも良心的にやりすぎたんですな。医療システムはさる総理大臣に
骨抜きにされました。政府は社会基盤は必要ないと言った。それまでです。」
僕は暗い気持のまま考え込んだ。
30 :
すまそ:2006/02/10(金) 23:44:38 ID:???
「日本の医療システムは不思議なシステムでした。一見何の問題も無いように見える。
でもやってみると何かが違うんです。同じ白衣、同じ技量なんですが、
他の国とは何かが違う。その何かが麻薬のように人々をひきつけた。
・・・私が『日本の勤務医』を悲運の職と呼ぶには二つばかり理由があります。
第一にその危険性が人々に十全に理解されなかったこと。彼らがやっと
理解しはじめた頃はもう遅すぎた。第二に勤務医が過労死してしまったこと。
あまりにも良心的にやりすぎたんですな。医療システムはさる総理大臣に
骨抜きにされました。政府は社会基盤は必要ないと言った。それまでです。」
僕は暗い気持のまま考え込んだ。
あの男が私の心を医師に変え、私の身体を医師に変えたのだ。
遠くの山の中では遺族達が無言のうちに彼女を訴えていた。
産科に進むことと死ぬることとは、ある意味では等価なのです、ドクター。
32 :
名無しさん@おだいじに:2006/02/12(日) 00:18:17 ID:0uQM8Aur
やれやれ
僕も一度「あなたの不幸度は十点満点中の何点ですか?」というものすごい質問をされて困ったことがあった。
そんなこと急に聞かれて答えられるわけがないじゃないですか。
それはちょうど「医局の存在はあなたにとって十点満点の何点ですか?」と聞かれているのと同じことだからである。
「でも教授だけがわからなかった。何もわかってなかった。医局員が大学から消えてしまうまで」
35 :
名無しさん@おだいじに:2006/03/09(木) 17:26:39 ID:6Kiy/8lu
(・∀・)ヤレヤレ
36 :
名無しさん@おだいじに:2006/03/09(木) 19:07:33 ID:R/JJba2D
みんな面白いな
良スレ期待age
「だから厚労省を許してあげてね」と娘が言った。
「僕が許しても許さなくても、そんなことは厚労省にとってはきっと
関係ないと思うよ」と私は答えた。
「でもどうして厚労省は途中で世界一の医療体制を放りだしたりしたんだろう?
それほど責任を感じているんならこれ以上犠牲が出ないように
もっと労働環境改善や訴訟対策を進めるべきじゃないのかな?
いくら薬剤費を削るのが嫌だといっても
過労で勤務医がばたばた死んでいるんだからね」
警察の連中が3人やってきたのは3日後だった。一人はいつも私のところに来て
検査していく生意気なキャリア組の若い男だった。
「本当に実害はないんですね?」その若いキャリア官僚が抑揚のない声で言った。
「これはとても重要なことだからよく思い出してください。あとで訂正はききません
からね。警察は何の根拠も無く無駄な行動はとらない。彼らがあなたの分娩について
逮捕しようとしたなら、それはあなたの分娩にミスがあると言う根拠があったからです。
あなたがミスについて何の認識もなかったとは考えられないんですがね」
「そんなに頭がいいんなら、そのミスの防止方法を教えてくれないかな?」
キャリア官僚はしばらくシャープ・ペンシルの先でこんこんと手帳のかどを叩いていた。
「防止方法はともかく、過去の事実関係についてはこれから調べ上げますよ。徹底的に
調べる。我々が真剣にやれば大抵のことはわかるんです。そしてもしあなたが何かを
隠していたことが判明すれば、これは厄介なことになりますよ。我々には国家がついて
います。というより我々が国家です。我々にできないことはないのです」
「わかりません。自分でもわからないんです。」僕は面接官に向かって言った。
自分の声さえも変な方向から聞こえてきた。
「面接を受けているうちに、もうどうでもいいような気がしてきたんです。」
「どうでもいい?」
「たいした学歴じゃないし、自己PRになることもない」
「でも君はさっきプライマリケアがしたいと言ったよ」
「言葉のあやです」と僕は言った。
「どんなマッチングにも旗は必要なんです」
「だいたいこのことの責任は百パーセントマスコミにあります。
産科医にはなんの責任もない。あなたが始めて、あなたが拡げて、
あなたが産科を巻き込んだんだ。人の頭に勝手に医療事故のイメージを植え付け、
勝手な漫画を載せ、読者を扇動し、漫画ファンに批判され、
わけのわからない評論の泥沼に僕を落とし、そしてお産を終わらせようとしている。
『日本の産科はもうだめだ』・・・こんなひどい話は聞いたことがない。
そう思いませんか?とにかくもとに戻してください。
おいらの言っていることはわかるかい?
働くんだ。働き続けるんだ。
何故働くなんて考えちゃいけない。
意味なんてことは考えちゃいけない。
意味なんてもともとないんだ。
「過労を燃料にして走る車が発明されたら、日本の医師はずいぶん遠くまで行けるわよね」
質問
「あなたが記事の中で描く医師は、汚くて悪質な人が多いようだが、それはどうしてでしょう?」
朝日新聞
「そうですね……、そう言われてみればたしかにそういう傾向もあるかもしれません。
実を言うと、僕はいくぶん社会的に近眼なのですが、色眼鏡をかけていないときよりは、
かけているときの方が、世間の医師はより汚く、より悪質に見えます。考えてみれば、
僕は自分が近視(少しだけ乱視も混じっている)の人間として眺める医師の姿みたいなものを、
そのまま記事化しているのかもしれませんね」
44 :
名無しさん@おだいじに:2006/03/24(金) 21:13:40 ID:XSk4CnaU
(#`皿´)ギー
飽きてきた
そうかな。
そうかもしれない。
47 :
名無しさん@おだいじに:2006/03/25(土) 03:40:03 ID:jyVseDI7
(#`皿´)ギー
48 :
名無しさん@おだいじに:2006/03/26(日) 18:12:34 ID:3GSHuxVO
やれやれ
長続きしなかったなw
「完璧な医局などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね」
僕がマッチングのころ偶然にも知り合った医員は僕に向ってそう言った。
僕がその本当の意味を理解できたのは今年の4月1日のことだったが、
少くともそれをある種の慰めとしてとることも可能であった。完璧な研修なんて存在しない、と。
しかし、それでもやはり入局という段になると、いつも絶望的な気分に襲われることになった。
研修医に扱うことのできる領域はあまりにも限られたものだったからだ。
例えば心サルコイドーシスについて何かが書けたとしても、高血圧については何も触れないかもしれない。
そういうことだ。
2年間、研修医はそうしたジレンマを抱き続けた。---2年間。長い歳月だ。
もちろん、あらゆるものから何かを学ぼうとする姿勢を持ち続ける限り、
障害を起こすことはそれほどの苦痛ではない。これは一般論だ。
4月を少し過ぎたばかりの頃からずっと、初期研修医はそういった対応を取ろうと努めてきた。
おかげで厚労省から何度となく手痛い打撃を受け、欺かれ、誤解され、また同時に
多くのクレーム体験もした。様々な患者の家族がやってきて研修医に語りかけ、
まるで橋を渡るように音を立てて研修医の上を通り過ぎ、そして二度と戻ってはこなかった。
研修医はその間じっと口を閉ざし、何も語らなかった。
そんな風にして研修医は入局後最初の月を迎えた。
村上春樹、昔はまったけど今読んでもなんとも思わないや
ハリソン読んだほうが面白い
52 :
名無しさん@おだいじに:2006/06/11(日) 07:55:32 ID:QcBnTJCJ
age
53 :
名無しさん@おだいじに:2006/06/11(日) 13:42:31 ID:M9ZG2rSh
オーケー、認めよう。51は馬鹿だ。
オーケー、認めよう。51は馬鹿だ。
おもしろいな。
56 :
名無しさん@おだいじに:2006/06/20(火) 19:51:44 ID:dQO8cRrk
オーケー、認めよう。51は馬鹿だ。
もう終わったのか。やれやれ。
オーケー、認めよう。51は馬鹿だ。
密かに新作を待ってる俺がいる。
待ってないでかけよ
おわった・・やれやれ。
w
62 :
名無しさん@おだいじに:2006/09/14(木) 00:28:29 ID:DwwCueTD
63 :
名無しさん@おだいじに:2006/09/22(金) 05:08:37 ID:8icHwlZs
医局?それがどうしたと言うんだ。おれは直子を失ったんだぞ。僕は教授に殴りかかりたい衝動にかられた。
64 :
名無しさん@おだいじに:2006/09/22(金) 23:14:13 ID:BL8zYZQO
65 :
名無しさん@おだいじに:2006/11/06(月) 23:24:12 ID:raYC1KyW
そうしているうちに私はプシった。
66 :
名無しさん@おだいじに:2006/11/08(水) 09:54:21 ID:A74/VtAI
ブログに載った?それがなんだっていうんだ?
僕は直子を失ったんだぞ?
誰か新作頼む
このスレ伸びないなあ。