1 :
ちょびっちゅ:
その日、サクラは書庫にいた。
理由は父親が飲んだくれのダメ親父が、
今は薬の中毒者でありえない幻覚と痛みに怯えているからだ。
親父が酒を飲んでいた時はよくぶたれた。
しかし、今はもっとタチが悪い。
気が変になった親父は衝動的に泣いたり、叫んだり、
そして、たまにすごく優しくなる。
サクラは中毒症状のでた親父に怯えながら、書庫でふるえていた。
2 :
ちょびっちゅ:01/08/27 12:56 ID:RJPFsJyc
すると、少し変わった本に気付いた。
年季のようなものを感じるが、古さを感じない。
表には太陽、裏には月を象徴するカバーの本。
無意識の好奇心から、何気なく本をとると、
『っ!!』
本は不思議な光を発し、中から黄色い生物をかこむように、
カードが飛び出た。ありえない光景にサクラは息をのむ。
黄色い生物を残して、何十枚とあるカードはどこかへ飛び立った。
兄貴がホモで重度のシスコンである事をさしひいても、
『私の家庭より・・・・・・非常識だわ』
サクラは思わず、そう呟いた。
3 :
ちょびっちゅ:01/08/27 13:05 ID:RJPFsJyc
どこかに行ったカードなら見なかった事にできる・・・
『せやからワイな、言うたんや、おまえの事がむっちゃ好きやでーて。』
しかし・・・
『男のいう好き、と女の言う好きはちゃうんやで、
男のいう好き、はそらもう、むっちゃ好きって事や、むっちゃ!!』
なんで、この生物は意味もなく、
死ぬほどどうでもいい話を初対面の相手にするのだろうか。
『ねぇ、黄色いクマのヌイグルミを可愛くないように作ったカンジの君』
『ところが、その女言いよんねん、アタイ、あんたの事好きかわからへん、
それより、コレまで通りの関係でいようよ、その方が楽だよて』
ヌイグルミの背中についている羽をむしる事にした。
(ブチリ)
『ギャアアアアアアアアア!!なにすんねん!!!』
『話を聞け、不細工なヌイグルミ!!』
4 :
ちょびっちゅ:01/08/27 13:13 ID:RJPFsJyc
不細工なヌイグルミとちゃう!
ワイはケルベロスや、太陽の守護者や!
太陽の系列のクロウカードを司る神獣や!!
今度はそうまくしたてた、さっきのヨタ話より非常識で電波な内容だが、
ここではそのほうがとても自然だ。
つまり、私は非常識で電波な世界にいるわけね、
そろそろ手首を傷つける時期がきたのかもしれない。
それとも、ひょっとして、私も知らず親父と一緒に中毒者になったのかもしれないな。
これは全て幻覚なのかもしれない・・・・・・
『じゃあ、君はケロちゃんね』
しかし幻覚かどうかは関係無い、
なんであれ、目の前で起こっていることを信じる事だ。
そのほうが、とてもラクなのだから。
『ケロってなんやねん!』
目の前の不細工なヌイグルミは文句をたれたが、
威嚇する視線で黙らせた。
5 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/08/27 14:03 ID:IDmmApXc
6 :
ちょびっちゅ:01/08/28 21:42 ID:xNO1rwh2
薄暗い書庫で、不細工なヌイグルミとの会話はまだ続いている。
この非日常性は、親父や兄貴の異常さとは全くの別次元で、慣れていない。
私の脳がやられたのではないか、という錯覚におちいりそうになる。
ひととうり、現実感を希薄にする話の内容を聞き終え、
私はそれをまとめた。
『つまり、どこかへ飛び散ったカードを集めないと災いがおこるわけね?』
『そうや、それも世界規模なんかやない、この次元全てを左右する問題や』
『で、そのカードを集められるのが、本を開く事ができた私なわけね?』
『そうや、サクラ、おまえしかいない。』
軽々しく名前を呼び捨てにされた事が少し気にさわったが、今はそんな事より、
この馬鹿げたヨタ話を拒絶したかった。
『なんで私なのよ、こういうのは普通、幸せで夢見がちななガキがやればいいのよ。』
『サクラ、ワイはシステムの一つとして動かされている、この意味わかるか?』
『ケロにはカードを集める人間を選別する権利がないという事?』
『そうや、そしてサクラ、選ばれた者も絶対や、生きている限り、
この運命から抗う事はできん』
勝手な話だ、私はチッと舌打ちして、床に唾を吐いた。
『サクラ、あかん、この気配は。』
急にケロの様子がおかしい、ケロの視線から後ろに何かあると察した、
私は振りかえると、そこには薄い緑色に発光した、繊細そうな女がたっていた、
こいつは人間じゃない、それを直感で理解した。
『ウインドのカードや!カードは擬人化して力を行使する、サクラ気をつけ・・・』
ケロが言い終えるまでに、突風がおしよせケロをとらえ、壁に叩きつけた。
気をつけろと言ったって、どうすればいいんだ。
『ケロ!なんとかしろ、私じゃ・・・』
言いかけてハッと気付く、
擬人化したウンイドが私のすぐ目の前まで来ていたのだ。
手が私の頬に優しく触れる。
ウインドは微笑を浮かべていた、しかし恐ろしく冷たい微笑みだ。
殺られる!
その無機質な表情に、私は戦慄した。
虫と同じだ、こいつには感情など持ち合わせていないだろう、
ただ、システムの一部として動くだけ・・・・・・
掲げられた手から発動した風に切り刻まれる光景が脳裏をよぎったが、
ウインドはそのままじっとして動かない。
『ど、どうしたんだ、こいつ?』
『さくら、大丈夫や・・・』
後ろからフラフラとケロが飛んできた。
『どうやら、こいつは主人に対する忠誠心だけで動いとるらしい。
今からさくらの魔力を解放するで』
封印の鍵よ、なんじの契約を望むものがここにいる。少女、名を、さくら
鍵よ。少女に力を与えよ!ダチュラ ダチュラ(封印解除)
ダチュラって?と聞こうとした時に、
これまで鍵のペンダントと思っていたいたものが、輝き、
鍵はふくれあがり、杖に変形した。
先端には禍々しい鳥の頭部がとりつけられていた。
鋭いクチバシと、ギラギラと輝く目、
そして後頭部に漆黒の翼が3枚とりつけられている。
悪趣味な杖だ。
その後ケロに教えられた通り、私はカードを捕らえる呪文を唱えた。
『汝のあるべき姿に戻れ、クロウカード』
杖をふりかざし、凶悪なクチバシの部分をウインドの肩に食い込ませる。
これは刻印であり契約だ、その傷口は、
直にSAKURAという文字を表す。私の所有物という意味を表す。
おれ、あんたの話、好きだよ。応援してるZE!
この調子で全話、語り尽くしてくれ。頼むぜ。
『やったな、さくら。みてみぃウインドがカードになるで』
ケロが言う通り、ウインドはカード化し、自然にサクラの手の中に収まった。
表には擬人化したウインドの絵が描かれ、
裏面は月と太陽を象徴とした魔方陣が描かれている。
これが、クロウカードか・・・・・・・
『このカードで・・・・この町を滅ぼそうかな』
ボソッと呟くと、ケロはあわてた、
『バッ!バカ、さくら突然なにいってんねん!』
『だって〜、せっかくの力だよ。
この先カードを手に入れるためだけに利用するんじゃなくて、
私の望む事に使いたいじゃん』
『子供らしい理屈で、可愛げのない事ゆーんやないアホか』
ケロはまともに相手をしようとしないで、その場を去ろうとしたが、
『・・・・・・・・・・』
そのまま止まった。
『どうしたの?』
『さくら、またカードの気配や・・・・』
な!本当なら私は取り乱して大声をあげたい衝動に駆られたが、
わかった、どこにいるの?と形だけでも冷静さを保った。
『外や!急げ』
外を出るときに、ケロがちょっと話をした。
カードは必ずしもウインドのように従順ではないらしい、
それどころか大半は問題児だそうだ。
チクショー、と私は声に出していた。
突発的に命をかけた行動をとらされるというのが、
こんなにも怒りを掻き立てるなんて。
玄関から外にでるときに、リビングから親父の呻き声が聞こえた。
『さくら??』
今の異常な声は?とケロは疑問に思ったらしい。
『私の平和な日常の一部よ、気にしないで!行くよ!!』
ドアをあけて、外をみる。
夜中で辺りは暗かったが、私は苦も無くソレを見つけた。
『なんなんだ、こいつは!』
それは見たことも無い、すさまじく巨大な鳥。
10 :
ちょびっちゅ:01/09/11 18:31
『フライのカードや!!飛ぶ前に捕まえるんや!!!』
それは今まさに飛び立とういう時で、
私がウインドのカードを取り出した時には、もう遅かった。
ここで発動しても届かないだろう。
『追え、サクラ見失ったらあかんぞ!!』
『何も、そんなに慌てなくてもいいんじゃないのか?』
奴はただ飛んでいるだけで敵意を感じられない。
『アホ、あいつはな、飛ぶだけしか能の無いやつやがな、
重力とか関係ないねん、このまま、大気圏も超えて、
一生捕まえられない境域まで飛んでいくんやで』
『フザケタ設定だな、つまりここで逃がしたら・・・』
『そう、一生捕まえられん、そして全次元が滅びる』
笑いがこみあげてきた、あの飛ぶことしかできない、
マヌケな奴が、次元を?
『ククク、ケロちゃん、全次元の前に私の精神が狂いそうだよ』
『落ちつけ、さくら!杖、あるやろ、その杖はフライと最も結びつきのある杖や、
その杖で、意思の伝達とか、できるはずや、やってみい!』
言われるままに、私は杖に魔力を浸透させ、フライに精神を向けた。
『ギャガヤギャギャガヤガヤガギャギャグアグアギャグア!!!』
杖のクチバシがめちゃくちゃな奇声をあげる、翻訳すると、
フライ!止まれ、新しいクロウカードの主、さくらだ。止まれ!!
『ギャガヤギャギャガヤガヤガギャギャグアグアギャグア!!!』
もう一度、同じ警告をするがフライの飛ぶ勢いはかわらない、
しかし意思は伝わっているはずだ。
『さくら、どうなんや』
ちくしょー!
『ギャッ!!ギャギャガガ!!!ギャンギャギャッガガ!!!グガギャ!!!!』
怒りにまかせて叫ぶ、しかしフライは止まらない。
『ギャンギャンギャガガグギャンギャナア!!!!』
『おい、さくら、何てゆーてるんやおまえ?』
ケロをぶん殴った。
『言わせるなバカケロっ!』
追跡は続く。
11 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/09/14 08:32
新作、待っとるよ。
私は杖の声が届かなくなるのを感じて、
直接相手の意思に呼びかけた、
(止まれ!この単細胞、腹裂いて取り出した内臓に塩ふってニワトリに配るぞ!)
呼びかけは無視された。
(この低能、私の言葉の意味も理解できないのか空頭!)
呼びかけは無視された、それどころか、
じょじょにスピードがあがっているきがする。
(フザケンナ!ゴミカス!おまえがアホみたいに飛んで、
それで次元が崩れるっつってんだろ、殺すぞ、テメーぜったい殺す!!)
しかし私の叫びは奴には通じない。
もう、視界からも外れそうだ、
『ッ!!!!!!!この役立たず!!』
杖を地面にたたきつけた。
『GYAAAAAAAAAAASU!!!!!!』
杖は奇声をあげる、なんだこいつ痛覚でもあるのか?杖のくせに。
『アホァ、なげやりになるな〜』
『でも、今こいつの悲鳴に、ちょっとだけフライが反応したよ』
『なんやて?そうか仲間を思いやって・・・・』
『そんなわ大層な感情あるわけないでしょ、
単に通じあっている同類の悲鳴が不快なだけだよ』
フフフ、と私は笑って、杖を拾い上げた。
『なんや、さくら?そのサデスティックな笑いは?』
『どうにかするためのルールを理解しただけだよ、ケロちゃん♪』
自分でも驚くほど、優しい声がでた、そして・・・
無造作に近くの電柱に近づき、杖をバットを持つようにして、フルスイング。
『GYOEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!』
地獄の底から響くような悲鳴がビリビリと鼓膜を突き刺す。
これをフライの奴にも直接繋げている、たまらないはずだ。
『おお、遠くであがいておるわ、ハハハ』
さらに、杖を真上に振り上げて、そのまま全力で地面に振り下ろす。
『GYAPIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII』
杖は大きくギラつく目をさらにこぼれそうなほど広げて叫んだ。
『ハハハ、いい声で鳴くな、こいつ』
私は何故か嬉しくてたまらなかった、すごく、気分がいいのだ。
『さくら、おま、ホンマ杖、それ以上やると・・・』
ケロがとめに入った。
『いいところなんだけどな、まぁいい、次の標的はアレだからな』
私が指差した先にはフライがいる、
ようやく不快な思いをさせる原因である私を理解し、
怒り狂って襲いかかってくるフライが。
『鳥公め、ようやく料理してやるぞ!』
加速しながら、何も考えずフライが私に向けて一直線で飛んできた。
こちらの間合いにようやく入った、ここで私はカードを発動させる。
『風よ!奴の翼をつらぬけ!!ウインド!!!』
襲いかかる風にフライは食いついた。クチバシは烈風に傷つけられながらも、
充血した目を私に向け、突っ込んでくる。
『ウインド!!私への忠誠心はそんなものか!!』
私の呼びかけで、風は多少抵抗したが、クチバシから抜け出る事はできない。
『アカンで、さくら・・・・』
『やかましい、泣き言いうな!』
イラついてケロを思いっきり杖でひっぱたいたのだが、
杖は散々打ち付けてできたコブのポイントがピッタリだったみたいで
『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA』
この日、最後に大きな鳴き声をあげた。
『さくらだって、いっぺん投げ出しそうになったやんか・・・』
泣き出しそうになりながら言ったケロの発言を私は基本的に無視する。
悲鳴によって、とうとうフライがクチバシから風を放すのが見えた。
『今だ!引き千切れ!!』
風は翼を根元から断ち切った、勢いを失いフライはそのまま落下する。
『なんちゅー、光景や・・・』
ケロはうめいた。
片翼を失ったフライは、肩口からドバッと血を流し、
体全体は風でできた無数の傷で血だらけに染まっていた。
そして目だけはまだ、ギラギラと輝いている。
『まだ、戦意があるのか、たいしたやつだが、これで終わりだ、
汝のあるべき姿に戻れ、クロウカード 』
杖を首めがけて食い込ませると、フライはカードへと戻った。
17 :
友枝の夜空は:01/09/15 22:24
『ふ〜ん、これで空を飛べるのか、苦労したわりにたいした事ないな』
『クロウカードだけにやな苦労・・・』
最後まで言わせずぶん殴る。
『とりあえず、ためしてみるか・・・』
フライのカードを発動させると、杖の漆黒の翼が大きくなり、そして広がった。
杖にさわると、自分自身が軽くなった事に気づいた。杖が飛ぶわけじゃない。
またがるのが、一番楽な姿勢で自然だと思うのでそうする。
夜空を飛び立った。友枝町の明かりが一望できる。風が気持ちよく私を撫でる。
今なら飛ぶだけしか能がないフライの気持ちも少しは分かる気がした。
『なんや、さくら』
ついてきたケロが言った、
『おまえもそんな笑顔ができたんやな』
昨日は散々な日だった。
朝目覚めると夢であってほしいと思ったものだが、
いつのまにか私の布団にもぐこんでいた、
黄色い不細工なヌイグルミがその思いをぶち壊す。
横では幸せな顔をして、スヤスヤ寝息を立てながら寝言を、
『ムニャムニャ、もう食えへん・・・・』
とりあえず、おもいっきりぶん殴ってやった。
『ほげーっ!!』
驚いてケロは飛び起きて、痛みにもだえた。
『おはよ、リアクション王♪』
『わ、われぇ、さくら、昨日からそんな固い拳で何度もどつきおって・・・』
何か喚くケロは無視するとしてして、急がないと学校に遅れてしまう。
私は着替え・・・の前に
『ケロちゃん、着替えたいんだけど、目を潰されるのと、
おとなしく目隠しつけるのと、どっちがいい?』
『アホォ、おまえみたいなガキの裸みてワイのナニが反応するか!
ちゃっちゃと脱いだらええねん、自意識過剰なガキや・・・』
『口が滑りました、堪忍や』
手でチョキをつくって目の前で素振りをするとケロはすぐに平謝りした。
タオルでキツク縛ったので安心して着替えれる。
しかし、時間が無い、1階の食卓にいそがないと。
朝食の席にお父さんはいない。
いつもフラッと外にでかけるのだが、私も兄貴もすでに気にしない事にしている。
お母さんは私が幼い頃に死んでいる、
つまり、わかりきっているのだが、家族はバラバラなのだ。
大層オモシロスレなので地道に続けて欲しいのですsage
朝ご飯を、兄貴と向かい合ったまま無言で食べる。
兄貴の視線が私にからみつくのを感じるが、私は無視する。
急いで食べ終わると、食器をひとまず流しに置くだけにして、
ローラースケートを装着し、慌てて家をでた。
いつもの事だが、背後から兄貴が自転車でついてくる。
私は一緒に登校なんてしたくないのに、強引にくっついてくるのだ。
身内ではあるが、半分ストーカーみたいなものだと思う。
『おい、さくら』
兄貴の高圧的な声にはいつも嫌悪感を覚える。
『・・・なに?ワタシ急いでるんだけど?』
嫌な感情をあからさまにして私は返事をした。
『おまえ・・・なんか今日変だよな〜?』
ウゲッ、とつい声に出しそうになった。いやらしい声で言うので、とても気色悪いのだ。
しかし、変わった事というと、クロウカードの事が浮かんだ、
何か私に変化を与えているのだろうか?
『はぁ?どこが?』
私は、興味なさそうに言い、探りをいれてみた。
『態度、みたいな、ものだな、あれだよな、おまえ・・・』
兄貴は一拍おいて、
『男でもできたんじゃないのか?』
すっこけそうになった。
(馬鹿か、死ね。)
私はそう心で呟いて、兄貴を無視する方針で行く事にした。
『なんだよな〜、自信みたいなものがでるというか・・・
おまえ、まさか、フフフ・・・そうなのか?』
何が!そう!!なんだ!!!ぶっ殺すぞ!!!!
さくらもようやく、とか、赤飯炊くか?
とか、一人で勝手に盛り上がるゲスはほっておいて、急ごう、
ああ、はやく学校に行きたい。
兄貴がトリップしている間に、また変な奴と会ってしまった。
『やぁ、おはよう、桃矢、さくらちゃん』
月白雪兎、長身で女みたいな顔した奴だ、兄貴と仲が良い、
というか、肉体関係すらある。真性のホモ野郎だ。
『おう、ユキぃ、今日は祝杯だ、さくらの奴が女になった。』
『ちがうもんっ!!』
バカヨロー、何言いやがるんだ、この変態は。
『さくらちゃん・・・』
雪兎がこっちを真顔でみる。
私はそうされると、いつも変な感情が込み上げてきて、
どうにも平気でいられないのだ、雪兎から顔をそむけるために兄貴を睨んで、
『雪兎さんが信じてるじゃん、狂言もいいかげんにしてよ!』
と、何故か普通の女の子言葉で話した。
何故か雪兎の前だとそうなってしまうのだ。ホモ野郎だが、
礼儀だけはいいからな、と思うことにしている。
『それじゃあ、私学校こっちだし、急ぐから!』
別れ際に雪兎がひきとめた、
『さくらちゃん、これを・・・』
そう言って、少し離れた所から、何かを放り、
それをうまく、私は片手でキャッチした。
『若いうちは、気をつけて』
ニッコリ笑って雪兎は兄貴と去る。
手を開くと、そこにはコンドームがあった。
私は、無意識にそれを地面に叩きつけた。
『だから・・・違うっつってんだろホモ野郎』
こんな時にケロがいたら、『ぶん殴ってやるのに・・・・』
>9
むしろデムパだからこそ、とも言える(w
応援sage
続き降臨きぼんsage
24 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/09/27 22:17
期待age
やっぱりいつもと何か違うのか、と思った。
私は基本的に他人に無関心だ、たわいのない会話はただ時間を潰すだけの行為だと思っている。
ただ、馴れ合うだけの存在を無駄に感じる、かといって何かやる事があるわけでもないのにだ。
ようするに、苦痛なのだろう、人との関わりが。
部活でも、家庭でも、学校でも、私は最低限の人との付き合いをするようにしている。
私は、周囲と悪くは関わらない、けれど決して親密に関わる事もしないのだ。
本当はいつも通り、周囲からは無関心でいられるはず、なのだが・・・
『・・・・・・・・・・』
隣の席の大道寺知世、何故こいつから注目されている?
3年から同じクラスの女だが、他と比べても、ロクに関わってはいない。
こいつはデキの良い、温室育ちのお嬢様で、私とは全く別の人間だからだ。
『・・・・・・・・・・・』
しかし、たまにチラチラと私を意識して覗き見ているのが分かる。
兄貴は、私が何か変わった、と言った。その変化はそんなに目立つのだろうか。
分からなかった、大道寺知世以外は、いつもと変わらず私に無関心なのだから・・・
『木之本、ここの問題、解いて見ろ〜』
え?突然先生から指された、考えに没頭しすぎてあやうく聞き逃すところだった。
『え〜と・・・・』
私は、そもそもどこの問題なのかも分からず、教科書を覗いた。
クソッ、大道寺のせいだ、と思いたいところだが、算数は苦手で、
どうせ解けない問題だったろう。あきらめて、分かりませんと口を開こうとした時、
(教科書72ページの問題7で、答えは、300円、ですわ)
大道寺知世がコッソリと私に教えてきた。
『ありがとうな・・・』
休み時間、一応礼を言うと、大道寺はニッコリと笑った。
私はそれが不気味でしょうがない、理由の見えない優しさは不安なのだ。
大道寺から離れたい一心で私は席を離れた。
こんな時に友達が必要なのかもしれない、私はぎこちなく、
部活で顔見知りの利佳のそばに行った。
こいつは、大人で、私の空気を唯一理解している。
いつもなら距離を置いている私が近づいて来たのをみて、
一瞬だけ、不思議な顔をしたが、そのまま何も話さずに、
私達は休み時間が終わるのを待った。
復活オメデトsage!!
相変わらず冴えた文章だYO!!
いつものベンチで、いつも通りに昼食を。
一人で和やかな一時を少しけだるい気持ちで過ごす、そんな時間なのだが、
『あら、こちらでしたの?』
大道寺が現れた事で私は不快な時間となった。
『大道寺、今日はやけに私をつけまわすな』
『あら、ここを通ったのは偶然ですわよ』
ニコリと笑って、ヌケヌケと言う。
『何を考えている?おまえも、何か誤解でもしているのか?』
『誤解?』
大道寺は軽く頭をひねって、
『どんな誤解がありますの?』
今朝の事を思い出し、つい兄貴が頭に浮かんでしまった。
私はその浮かんできた兄貴が怪獣に踏み殺されるの想像してイラつきを素早く押さえる。
『思い当たることがないならいい・・・』
私が黙ると知世はあたりまえのように私の隣に腰掛け、
お弁当を開けた。
『・・・・・・・・・』
私は絶句した。
『どうかしましたか?』
タコのウインナーや卵などのあたりまえの具ながらも、完璧に仕上げられ、
均整に盛り付けられたような、そんなお弁当を想像していた、
しかし、そこにあったのは、大道寺の両手でなんとか収まるサイズの、
海苔が無造作にはりつけられた、馬鹿みたいにデカイおにぎりが一つだけだった。
意外と豪快な奴なのか?・・・あんがい突っ込み待ちかもしれない、
私は触れないようにしようとしたが、視線で分かってしまったらしい。
『ああ、コレですわね・・・』
大道寺は少し照れたように笑った。
『最近になってお母さんがお弁当をつくってくれているんです。』
『本当は忙しいらしいのですが、少しでも母親らしい事をしようと思ったらしくて、
それで、無理して慣れない料理なんかを・・・・さくらちゃん?』
大道寺が喋っている途中で私はベンチから立っていた。
『私、大道寺の事そんなに好きじゃないから、付きまとわないでくれる?』
そのまま背を向けて去る。
すごく、寂しくて、やりきれない気持ちになった。
私は自分のコンビニで買ったサンドイッチと、あのおにぎりを比べた事に。
そして大道寺は、あのおにぎりの価値を十分知っている事に。
どうしようもなかった、だって私にはそんな、母親なんて、いないのだから。
『さくらちゃん!』
何も事情を知らない大道寺が呼び止めたが、私は歩調を変えずに進む。しかし・・・
『昨夜はあんなに素敵な笑顔でしたのに・・・』
ポツリ、と大道寺が洩らした言葉に、私の足が止まった。
今、なんていった?昨夜?私がクロウカードと関わった時期?昨夜の私?
頭の中で大道寺の言葉が駆け回る、冷や汗が流れた。
私が振り返ると、それを見て大道寺はニコリと満面の笑みを浮かべた。
『昨夜のさくらちゃん、とっても素敵でしたわよ♪』
知っているのか?私の秘密を!
私はとっさに大道寺に駆け寄って胸ぐらを掴んだ。
『どうかしましたか、さくらちゃん、ちょっと苦しいのですが・・・』
『大道寺!なぜ知っている!昨日の事を!見たのか!』
私は衝動のままにまくしたてた。
しかし、その直後にハッと気づいた、反応する事なんて無かった。
大道寺が何を言おうと、世間はこんな事を信じない。
クロウカードの事は狂言扱いされるにきまっている。
こいつに知られた事で頭がカッとなってしまったみたいだ。
落ち着け、さくら、問題は無い、落ち着け・・・・
そう自分に言い聞かせ、乱した心をどうにか静めかけた、が、
『アホォ!!さくら、おまえ何しとんじゃぁボケぇ!!』
下品な大阪弁が聞こえ、私は気が遠くなりそうになった。
『まぁ、アナタは・・・』
『ケロ・・・てめっ、なんで・・・』
なんでここにいて、なんで人前に出ててきた、そう怒鳴ろうとしたが、
『くいもん粗末にすんなっ!ワイが上手くキャッチしなんだら、
この子のおにぎり、地面におちてたやんけー!!』
逆にケロの罵声が飛んできた。無駄に迫力があって、私は一瞬言葉につまった。
『あの・・・拾ってくださったのはありがたいのですが、それは今どこに?』
そのすきに大道寺がオズオズとしながら尋ねた。
『あ〜、不運なことに口でキャッチしてもうたからな〜・・・
まぁ、無駄にせんかっただけマシやな、堪忍な、ハッッハッハ』
『なんで、さくらに殴られなあかんねん』
とりあえず、しこたま殴った後に、ケロはぶーたれた。
私は不機嫌な顔つきのままそれを無視する。
それとなく大道寺が口を開いた。
『私よくビデオの撮影をいたしますの、
それでたまたま夜空の中にさくらちゃんと、そこの不細工なヌイグル・・・』
『ワイを呼ぶときはケルベロスやーっ!!』
ケロがさえぎる。
『つってもまぁ、今はケロちゃん、やけどな。さくらが勝手につけた愛称や』
『まぁ、いい愛称ですわね。』
そういった後に、私の方をのぞきこみ、
『私のことも、知世ちゃんと呼んでいただけませんか?』
『はぁ?』
突然、何を言い出すんだ。
『だって、秘密を共有する仲じゃありませんか♪』
そう言って大道寺は微笑んだ。
ふん、秘密ね、私は、おめでたい頭のこいつに、
家族から周囲の人間から愛されて、幸せをあたりまえとした育ったこいつに、
何もかも教えてやりたい気持ちになってきた・・・ああ、いいだろう
『じゃあ、もっと秘密を共有しようよ、知世ちゃん♪』
私は、邪悪に微笑んだ。
29 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/10/09 15:53
秀逸!age
コソーリ期待age
・・・で、そのクロウカードを集めるのに失敗すると、次元が崩壊するそうだ。』
全てはなしおえて、私は軽く一息ついた、そしてケロをぶん殴る。
『あいてっ、なにすんねんっ!』
叩かれた頭を押さえて抗議の声をあげるが、しょうがない事なんだ。
『こんな馬鹿げた事を口にしている私のイライラを知ってくれなきゃな』
口でいえやアホ女、即行動かい!それ以前に理屈が狂っとるやんか!
われぇ、蛮族やってもうちょい礼儀わきまえてるど、
聞いているんか、さくら?ケロは喚くが、もう私は無視して、
大道寺に視線を戻す。無表情のままジッとしている。
目の前で手のひらを上下に揺らしてみても、反応がない。
『あ〜、やっぱり放心状態ってやつか』
その日、大道寺は一日中ボーッとしていた。
ブツブツ何かを呟いては、苦悩の表情を浮かべている。
『大道寺、じゃあ、ここを読んでみろ』
先生に指された、一瞬間があいて、
え?と、大道寺は慌てて取り乱す。
チャンスだった。
『96ページの、3行めからだよ・・知世ちゃん♪』
さっきと立場が逆転した事の優越感にひたりながら、コッソリ教えてあげた。
しかし、学校の帰りには、大道寺の目からもう意志が存在していた、
『結局、さくらちゃん次第ですから、あまり下手な事はできせんが、
それでも協力できる限りはしますわ』
何か諦めの境地に達した後に到達する前向きな考え。
私がかつて家族にたいして、絶望し、それを受け入れた時と似ているなと思った。
しかし、私の場合はこんなにもはやく気持ちは切りかえれなかった・・
大道寺はただのお嬢様育ではないのかもしれない、以外とタフな精神を持っている。
親密な関係を築きたいとは思わない、しかし悪い関係にもならないかもしれないな、
その時、私は大道寺知世に対して、そんなふうに感じた・・・・
33 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/10/12 01:26
34 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/10/20 01:50
がんばれあげ。
35 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/10/22 00:53
がんばれあげ。
36 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/10/25 18:39
そろそろ降臨期待age
37 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/10/29 15:24
まだ2話の冒頭か。先は長い、頑張れage
38 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/10/31 10:09
ジハード
もう少し。
40 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/11/01 02:20
リアルだ頑張れ面白いぞあげ
41 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/11/06 16:53
るんるんAGEAGE
42 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/11/18 07:24
さるべじ&復活期待age
サクラは、いつもと変わらない日々を送っていた。
父親は相変わらずだった。サクラはずっとむかし
まだ父が酒やクスリに溺れる前に、聞いた話を思い出していた。
「サクラ、海の向こうのとおいとおい国では夜がこないんだよ」
「白夜っていうんだよ」、サクラは「びゃくや」がいったいなんなのか
わかるはずもなかったが、それはとても心地の良い場所に思えた。
本の背表紙が無言で並ぶ暗い書庫でサクラはふるえながらとおい国のことを
考えていた。
がんがれちょびっちゅたんハァハァ
*************************************
・・・・男がそこにいるのは、
何か具体的な目的を持ってここに来たわけではない、
ただの気晴らしだった。
ゲイィーン・・・・・・・
少女は男に気付かず、辺りの木に向かって、
鳥の頭部を象徴した杖を木に向かって打ちつけている。
ゲイィーン・・・・
その度に、空間を捻じ曲げたような奇怪な音を発していた。
男には、何故このような現象がおこるか理解はできなかったが、
あの不気味な杖をつかえば、当然なのだろうとなんとなく納得していた。
その少女の横では、真剣な顔つきで、どこから用意したのか、
みかん箱の机に一心不乱に向かっている別の少女がいる。
木を撃ちつけている栗毛色の活発そうな少女と、
対照的な、白い肌と美しいストレートの黒髪のおとなしめの少女。
ここまでは、まだ男の精神の許容範囲といえた、
しかし、あの黄色い不細工なヌイグルミはなんだろう。
『オラー、さくらぁ、もちっと気合いれんかーい、ペース落ちとるで、ペース!』
何故かやかましい大阪弁をまくしたてる、あの生き物に改めて注目したとき、
男は頭がスーッと軽くなるのを感じた。
非常識の光景から無意識に逃避した時、
自分が少女達の死角となっている、目の前にある木に気付いた。
表面の樹皮はズタズタに傷つけられ、そこに錆付いた釘が打ち付けられたり、
なにかの科学物質でも使ったのかドロドロに溶かされたようなあとや、
無数の焦げた跡、腐敗した箇所がある。
ひたすらに凄惨で残酷な物体であった。
これをあの少女達がやったのだろう、というのは考えるまでもなく、自然に理解できた。
その瞬間、男は、精神のギリギリ保っていた何かが音を立てずに崩そうな気がした。
グラッと体から力がぬけるのを、どうにか踏みとどまった。
(まだオレは引き返せる、けれど、ここから1歩でも進めば平凡ではいられないぞ)
あの美しい少女達は、悪魔がつかわした天使だ。
男は不覚にも涙を流した、どうしようもない感情がこみ上げて、涙が止まらない。
あの魅力的な少女達に自分の人生を捧げてみたい、
そんな欲求のせいだと気付くのは後になってからだ。
(オレは何もみなかった、このまま家に帰って、そして平穏の幸せを手に入れる)
男がそのまま、少女達に気づかれずにその場を去れたのは、
やはり幸運な事なのだろう。
****************************************
47 :
ちょびっちゅ:01/11/20 16:41
『オラー、さくらぁ、もちっと気合いれんかーい、ペース落ちとるで、ペース!』
ケロのバカ声が響く。無視するべきだと一瞬、理性が警告したが、
『黙れ、ケロ。魔力はそう簡単に回復しないのに、ずっと続けていっられるか!
それとも、おまえがそうやって私の神経を逆なでするのは、カードの味方だからか?』
『なんやとっ!わいの声援をそないに曲解するんは、おまえだけやっ!』
逆効果としりつつも、ついケロを挑発してしまい、余計にわめかしてしまった。
本当はこんなときは、大道寺に暴走するケロをとめてほしいのだが、
今はわきめもふらずに、ダンボール箱の机に向かって、
何かに励んでいる。
『ほんまに、性格の歪んだ子や、われ、ちょっとこい、
カードとか世界とかの前におまえの性格を修正したる。』
ケロの馬鹿は無視して、次の木に向かった。
『汝のあるべき姿に戻れ!クロウカード!』
ゲイィーン・・・・
無情にもいつも通り、木に変化はない。
『あ〜、くそ、またはずれか。』
腹いせにケロをぶん殴った後に。
辺りを見回す、視界いっぱいには木々、木々、木々。
乱立した木々の中の中にたった1つだけクロウカードが擬態化したものがある。
わたしは、今それを探しているのだ。
クロウカードの気配を察知する方法はあるのだけど、
今の私の魔力では、ある程度大雑把に範囲を特定できる程度だ。
目安をつけたら、後はひたすら地道に確認するしかない。
チラッと後方に目をやった。
一本、ありとあらゆる方法で無残な外見になった木がある。
これは、フライをおびきよせた方法と同じで、
同類の悲鳴(?)を伝えられないかと思い、
適当に木を選び拷問してみた結果だ。
今こうしているのを見ればわかるように、『ウッド』のカードからの反応はない。
ただ善良な一本の木を無駄に犠牲にしただけだった。
拷問するには、木では面白みにかけるというのが私の感想だ。
ウヒヒヒヒh・・・
アンサンオモシロスギヤガリマスワ
と言うワケでガンガレチョビッチュタン・・・ハァハァ
50 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/01 01:45
期待アゲ
51 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/05 20:49
まだ生きていると信じてage
52 :
ちょびっちゅ:01/12/11 14:23
散々、木に向かって魔力を消費したもので、
もう、ヘトヘトだった。
『そういえば、大道寺は何をしているんだ?』
その場にへたりこみ、目をむける。
相変わらず、みかん箱の机を前にして、熱心になにか作業している。
『大道寺?』
返事をしないので、もう一度呼びかける。
そうすると、大道寺はこっちをむいて、
『知世ちゃんと呼んでください、さくらちゃん』
『いや、それより何を・・』
『知世ちゃんと呼んでください、さくらちゃん』
私の言葉をさえぎって、いつものスマイルで繰り返す。
『オウムか、おまえは』
『知世ちゃんと呼ん・・』
『知世ちゃん!で、何してるんだ?』
なげやりに言うと、満足そうにコクリとうなずいた。
『カードキャプターマニュアルの作成、ですわ♪』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
言葉の意味を理解するのに、5秒のタイムラグ。
説明を聞こうと思う前に、知世は話し始めた。
『我々、クロウカードを追う者をカードキャプターという名の組織として、
とっさの対応や、普段の心構え、組織的で規律正しい行動をとるための、教本ですわ♪』
すでに、最初の【我々】の時点からツッコミどころ満載だ。
『ええな、知世それなんかカッコイイやんか』
ケロ、釣られてどうする?
『はい、ケロちゃんには、組織の教官的な存在として、
さくらちゃんをサポートしていただきたいですわ♪』
『ちょっとまて、おまえら。』
『うっしゃあ、まかしときぃ』
私が何か言おうにも、二人のノリの前には無力だった。
ケロを前にして、横一列に並ぶ事になった。
といっても、私と知世。二人しかいないが。
『番号やっ』
『1っ♪』
『・・・2』
むなしい、間が一瞬空く。
私はいったい何をしているんだろうな。
あきらめの境地で、むなしく微笑した。
53 :
ちょびっちゅ:01/12/11 16:17
『以上、カードキャプター2名以上無し、ですわ♪』
『おっしゃあ、ほなさくらだけ回れ右!』
しぶしぶ、と後ろを向く。
『意識集中させぇ、なんか感じるか?』
視線を向けた方向に集中できるから、
全方向をむいて、カードを探知するという行為らしい。
・・・・まぁ、効果はないだろうな。
大雑把にボンヤリと感じる程度だった、いつもと変わらない。
最後に知世と向かい合って、
『お互い身だしなみチェックするんや。』
『おい、それはカードを捕まえるのに意味あるのか?』
『カードの前に女の子だからですわ、あ、さくらちゃん、ちょっと襟が曲がってますわよ』
バカバカしい、行為だった。
まぁ、こいつらも、直に飽きるだろうと考えていたが、
今後、集まると、必ず横に整列してマニュアルにしたがった行為をする事になる。
その中で、ウッドのカードは、1週間ほどしてようやく、見つける事ができた。
54 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/11 18:32
いつのまにか降臨してる
すんばらすぃ〜のでage
55 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/22 05:44
帰還キボンヌあげ
56 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/22 06:41
すごい、なんで電波板なの?
2ちゃんで初めてこんなに感動したよ。すっごく面白い!
DLさせてもらうよ。っていうかサイト作って欲しいよ。
57 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/23 00:36
久しぶりに見たら新作!
マンセー、これからもさらに期待!
ヒソーリと頑張って(゚д゚)ホスイ
58 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/26 23:34
大量応援AGE!!
59 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/28 00:40
いつまでも期待AGE
60 :
名無しさん@お腹いっぱい。:01/12/28 00:44
あげぇ
61 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/02 10:48
唐揚げは切ないッス
ま、昨日教育テレビで総集編もやってたことだし・・・
『サクラさん、サクラさん、父さんね、父さん、麻薬をやめるんだ、
やめるから・・・・・・・』
突然、私を抱きしめて、お父さんはそんな事を言った。
私は無表情で無抵抗のまま、
ヒューヒューと、苦しそうに呼吸するお父さんに抱かれたままジッとしていた。
これまでも、なん度か『クスリをやめる』と言ったが、それよりは説得力があるなと思った。
呼吸するのが困難なのは、クスリの禁断症状がでているからだ。
お父さんは泣きながら、必死に震える体で、娘の私にしがみついてそれに耐えていた。
ただただ、私はジッとしていた、それが不快であったわけではない。
ただ、このままでいると学校に遅刻する。
それだけが気がかりだった。
『さくらちゃん、おはようございます。あら、でももう昼過ぎですわね。』
にこやかに話しかけてくる知世に、一度だけ目線を向けて、そのまま席についた。
あれから、お父さんが眠るまで側にいたから、昼休みに登校する事になった。
遅れてきた私に気付いて、近づいてくる2人組がいる。
『さくらちゃん、今きたの?』
『病気かなにかだったの?』
同じ部活の人間の、千春と奈緒子だ。
部活が一緒なのは、前からだが、こんなふうに話しかけてくるようになったのは、
最近になってからだ。
私が変わった、と何人かに言われているが。それの影響だろうか。
『あ、いや、そんな病気とかじゃないんだけどさ、』
どうも、気にかけられるというのが、どこか気恥ずかしくて、
少ししどろもどろな言葉になる。
その時に、遠くの席に座った利佳がこちらを見ているのに気付いた。
目があうと、利佳はニコリと笑った。私も苦笑ぎみに返す。
『病気ではありませんよね、さくらちゃん。
この年頃の女の子なら誰もが通る事なのです、今夜は赤飯ですわね』
『黙ってろ、知世。ただの家庭の事情だ。』
64 :
ちょびっちゅ:02/01/03 14:46
帰宅時に、バッグに潜んでいたケロがでてきた。
『ちゅーわけで、サクラの親父さんは薬中だったんや、
ほいで、ヘタレないように、サクラは薬抜きを監視しとったっちゅーわけや』
ベラベラベラベラと、なんでもかんでも話しやがる。
『そうだったのですか・・・・』
複雑な顔で、私の顔を覗き込む知世、
『私、てっきりただのサボリかと思ってしまい、冗談なんかを・・・・』
私は別段きにしていない、
『知らなきゃしょうがないだろ、謝る事でもないよ。』
『そうや、さくらみたいな、ツルペタにゃ大人の階段あがるのはまだはやいで。』
ケロがガッハハハ、と下品に笑い声をあげていられたのは、ほんの一瞬だ。
『ケロちゃん、血だらけだけど、生理ってやつなの?』
『おまえが、しこたまぶん殴ったからやんかーーっ!!
気を失ってからも、ワレどつき続けたやろ、さすがに死ぬわっ!』
『死んだって、どうせ次の日には何食わぬ顔で生き返ってそうだけどね。』
『そんなわけあるかボケっ!!』
『ケロちゃん、あまり騒がれますと、余計に出血しますわ。』
知世は、重症のケロを抱えて迷惑そうな顔をする。
『血が私の服とかについてしまうのも大問題です。』
『知世、おまえ金持ちのくせにケチなんちゃうか?』
『単に私が汚れるのが嫌なだけですわ。』
65 :
ちょびっちゅ:02/01/03 14:46
クロウカードの気配をすぐそこに感じられたのは、
そんな会話をしている時だった。
『ケロ、気付いているか?』
『クロウカードやな』
緊張感が私を包む。
近くに感じられる気配を、意識を集中することによって範囲をわりだそうとする。
ボヤける感覚の中で、必死に探る。
ウッドを手に入れた事で、魔力は増えているはずだ、
もっと意識を集中させれば、きっと探せる、きっと・・・・・
『いた!』
私は急いで駆けだした。この角を曲がった先だ!
姿が、チラリと見えた、
『上?』
クロウカードは、跳ねるように民家の壁をこえた所だった。
『追わなきゃ!』
走って、壁のむこうがわに回りこむ。
間に合わないとは思ったが、むこうは、待ち構えていたように、
その場に留まっている。
こちらをジッと凝視し、向かい合った形になる。
『これが・・・クロウカード?』
知世は驚きの声をあげる。
フライの時は、私がカードを使っている時しか知らない。
ウッドは木そのものになりすましていて、判断できなかった。
こんな風に実体化している姿をみるのは初めてなんだ。
ガンガレチョビッチュたん・・・ハァハァ
(・∀・)イイ!
メイスレage!!
68 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/03 16:43
サルでも ( (
,,.r'' ゛~~` ''ッ,, 立てねーぞ ) )
、 ゛ ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, ヾ. こんなスレ ,.、 / /
ミ ミ゛,へ.__, ,_ノヽ i. .| |l l ,´
ミ ミ, ( ・) {・フ 〉 ミ. _-、i::| |ニニii '
、,,,,ツi: ミ,`~´ ヽ~〈 .ミ /,‐ヽヽ`、||
、シ`` i: ,ゞ 'n.inヽ. .ミ ( .〉〉/
シ // ミ` l.l ヽ"、 / ノ
ミ/ シ 彡 ,=こ二=.{ ミ,, ,r'´ ,,、'゛
ミi. / / ' ! w、`~^' vwv '、 ミ 〃 .ミ
.ミ / i: / `^^ \ ." 〃 ミ
.ミ.:/ / / i: v ! ,, \ 、 〃 ミ
:i; .i: w !! ミ!: ミ \\( ⌒ヽ
:i; / i: !! .ミ キ , ⌒`、_ ) )
:il .i: ! w! ミ .:i. (_ ( _,ノ ) ,
:il ! i: ! ,〃゛ キ ゞ、 __, ノ ,
.:il ! /~~````` " '''' = ‐- 、ミ _,,,,_ミ, il ` ー ´
:il ´ ―  ̄ - ,,. -‐‐-、、 ヽ. ヾ、 ゞ、 ` 〃
ゝ、wx.mn.!!++ナ'~ ヾ~ヽ、 ヽ、 ,, ~^^}´
彡 〃 〃 }} /〉.〉〉〉i''" 〃
彡、 {{ 〃,__!////l | 〃
X,, 》. ≪.__`‐'.' '´,Uwwvw'、...,,,___
^^^^ !wニこ)こ)二)`) (_,,,..- 、...二⊃_).)
69 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/03 20:36
ああ良かったー。このまませめて1000逝って欲しいなー
どれだけでも待ちます、何度でもホシュします・・・
だから・・・・だから続編を!!
さらに、更なる続編を!!!
原作よりも面白いから・・・
72 :
ちょびっちゅ:02/01/04 10:56
『ジャンプのカードやな、小生意気なやっちゃ、さくら気ぃつけいや』
【ジャンプ】は、うさぎのような長い耳と、獣特有のギラギラした目をしている、
私より頭一つ小さいくらいの大きさで、全体的にはネズミのような体型だ。
足は細くはりがねのようだが、そのくせ、家を軽々と飛び越える跳躍力をもっている。
『問題児、だな。』
そう言って杖をかまえる。とりだしたカードは【ウインド】
その瞬間、【ジャンプ】も身構える。
バトル開始だ。
『風よ!戒めの鎖となれっ!!』
私が真正面から飛ばした風を、跳躍してかわし、塀の上に立つ。
それを追尾させるように、風を操るが、方向を修正するころには、
別の場所にとびうつっている。
風を3往復ほどさせるが、全然まにあわない。
『読まれている!』
『さくら、動きが直線的すぎるんや!』
73 :
ちょびっちゅ:02/01/04 10:58
『さくら、動きが直線的すぎるんや!』
それなら、今度は【ジャンプ】の周囲を旋回させるように風を操る、
余計な動きをしてくれれば、それで隙をつけるが、
相手は軌道から死角をとられないように、完璧なステップをふむ。
どうにか、意識を他に向けさせたい。
ケロをつっこませたい所だが、重傷をおっている。(私を怒らせるケロがいけない)
チラッと、知世を見る。こんな時にサポートしてくれればいいんだけど、
『さくらちゃんファイトですわ〜♪』
緊張感のない顔で、ビデオを回していやがる・・・
いいよ、期待なんかしてない。
私はいらだって、風を再び相手にむけて飛ばす。
『アカンやろっ!!』
ケロの言葉通り、簡単によけられた、
『くるっ!』
そのまま、【ジャンプ】はこちらに突進してきた。
足とは違って、ズングリした両手からするどい爪が見える。
あれで、裂かれたらまずいぞ。
慌てて風を戻すと、ジャンプは私の直前まできて、スレスレのところでジャンプした。
狙いは、勢いあまった【ウインド】を私にぶつける事だった!
『間に合わな・・・・』
制御が遅れたのを自覚したが、風はピタリと私の前で止まって、
薄い緑色に発光する女性の姿へ、実態をあらわした。
『おまえの意思で、止まってくれたのか?』
【ウインド】は、一度だけ頷いた。
『よし、いけっ!!』
気合をのせて、【ジャンプ】めがけて風をとばす、
今度は風が相手をかすめた。
74 :
ちょびっちゅ:02/01/04 11:00
『おっしゃあ!』
ケロが歓声をあげる。
カードと私のお互いが意思を通じ合わせたからか、前よりも鋭く、
すばやく風を運べるようになった気がする。
『いけるぞっ!』
形勢はよくなってきた、【ジャンプ】はこっちにめがけて、飛び込むタイミングを計るが、
風がそんな暇を与えない、次第に傷を増やしていく。
致命傷にはいたらないが、時間の問題だ。
フラッと、【ジャンプ】の足がもつれたように思えた。
チャンスだと思った、上空にいた風をつっこませる、
半瞬ほどの隙はあったが、ギリギリ直撃を逃れた。
『フェイントだったの?』
風は勢いあまって道路にめりこむ。
『さくらちゃんっ!』
悲鳴にも似た知世の声。
つっこんでくる【ジャンプ】の爪で引き裂かれるかと思った時、
【ジャンプ】はグラッとよろけた、
あの時、風は背中をかすめていて、傷をおわせられたんだと気付いた。
私だけの力じゃない【ウインド】がやってくれたんだ。
75 :
ちょびっちゅ:02/01/04 11:01
【ジャンプ】と目があう、憎々しげに私を睨み、跳躍しようとする。
逃げる気なんだ、ととっさに理解できた。
【ウッド】のカードをとりだす。
『捕獲しろ!』
【ジャンプ】が跳躍するのと、【ウッド】を発動させたのは、ほぼ同時。
ここで、魔力を使い果たしてでも捕らえる!
瞬間的に垂直に伸びる木の枝。
それを飛び越そうとする【ジャンプ】
『掴めっ!!』
こんしんの力を振り絞って、ウッドに命ずる。
しかし、文字通り、やつのほうが一段上をいって、【ウッド】の枝は空をきった。
着地する瞬間に、【ジャンプ】はチラリとこちらを見て・・・
『!!』
その時、私は確かに見た!やつが、勝ち誇った笑いを浮かべたのを。
『アカン、とりのがしたか・・・』
そのまま、民家を飛び越えて、消えていった【ジャンプ】をみて、ケロは呻いた。
『さくらちゃん・・・』
知世が心配そうに声をかけるが、
私の表情をみて、そのまま、何も言わなくなった。
私は、奥歯をギュッとかんだまま怒りにふるえていた。
『くそっ!!』
負けた!
(・∀・)イイ!
連日掲載にハァハァ・・・
今回は毒少な目ですね・・・・でも(・∀・)イイ!
続きキボンヌ!!
79 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/06 14:07
プライドが高くて可哀想なさくらタンにハァハァ…
期待age
続きまだ?
ちょびっちゅタン期待age
age!
age頃ですねん。
チョビッチュタン降臨をマターリと待つのです。
定期age
.| ̄`> | ̄`>
. ______| |____.| |__/\
`―――┐ ┌――┐ ┌――――
|_,,,ノ .|_,,,ノ
l`ヽ-----'"ヽ、 |~゛ヽ----'゛ヽ、
| | ̄ ̄| | | | ̄ ̄ | |
| |__| | | └―‐┘ | ヽ、_
| ┌―‐.i | | | ̄ ̄ | | ⌒'’
| | | | | |__ | | ヽ====ヽ , ,'.ニヽ、 .,
| |__| | .ノ .┌―‐┐ | , / ,,' ' `ヽヽ、 __,,.ノノ
| ┌―‐.i,,././ / | | , /、、. ` ‐‐ '"
└''"´ / / _| | , ./ | |
_,,.´-‐'゛ ``ヽ、_ノ -' ``=ニl
>86
なるほど、もともとはそこで書いていたし、今もいるんだ。
でもまぁここのって別にそこのコピペじゃないようだし、、、いいんちゃう?
ってゆーか、ここのそこに載せるにはブラックすぎるんじゃないか・・・?
なんとなく。
定期age
定期age
定期age
91 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/15 19:55
>86見て来た(藁
でもやっぱこのスレが一番好きだな〜
定期age
そんな毎日アゲること無いのに・・・
ちょびっちゅタンは恥ずかしがりやさんだから
出てこれなくなっちゃうyo!!
定期age
定期age
96 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/20 05:39
あげ
97 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/20 05:54
書庫書庫書庫しょーこー
98 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/20 06:05
朝からLHA。
書庫とか言ったよな。
99 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/20 06:07
そう書庫。書庫はいい。臭いし
本がいっぱぁぃあるよぉ
100 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/20 06:10
( ▽|||)サー ( ▽|||)サー ( ▽|||)サー_(._.)_アリガト
定期age
定期age
ちょびっちゅタン、もしかして「あそぼう」ってサイトやってなかった?
芸風似てるんだけど……もしそうなら、ひどくうれしい
そろそろage
定期age
106 :
ちょびっちゅ:02/02/04 20:05
家に帰ると、お父さんは居間のソファーでグッタリしていた。
その横のテーブルには注射器などの機器や、
クスリの入ったビンやカプセルなどが散乱していた。
いつもの、薬中となった父親を無感動のまま見つめて、部屋に戻っていった。
それから数日ほど、部屋にこもってほとんどベッドの上ですごした。
『おい、さくらまた知世が家まできとるで』
『・・・・うん、追い返して・・・』
布団の中からけだるい気持ちで返答して、そのまま沈黙がうまれる。
ケロはため息をついて窓から外にでて知世の方にいき、しばらくしてから帰って来た。
『知世には今のさくらの姿をみせられへん、いつまでそうしとる気や?』
『全てが滅ぶまで』
『って、あほぉ、冗談やないで!』
『冗談だったら・・・いいのにね・・・・本当・・・だから・・・』
クスクスと笑いがこみあげてきた。
そして笑いながら、泣けてきた。
『私じゃうまくいかないんだよ、ケロちゃん・・・・』
『誰も失敗する事は責めてへんやろ、さくら』
ケロは私は気遣って間違いを言っている。
絶対に失敗は許されない、でなければ次元が滅びる。
それが私の状況なんだ・・・・
107 :
ちょびっちゅ:02/02/04 20:06
起きてみて、まだ世界がある事に安堵する。
不安定な生活で、今はもう夕方だ。
明日はわからない、いや、次の瞬間にもう終わりがくるかもしれない。
結局はその焦燥感が、私を駆り立てる事になる。
あれ以来、行く事のなかった書庫に入る。
『ここで、私は震える事しかできなかった・・・・』
本棚の中で、クロウカードの入っていた本をみつけた。無意識に手をのばした時、
『さくら、どないしたんや?』
ケロがやってきた。
『・・・・・私は・・・戦える。』
戦える事を覚えたんだ。ここで、ケロとクロウカードに会った時に。
ケロは私の目をじっと見て、
『うん、いつものさくらやな!』
力強く頷いた。
108 :
ちょびっちゅ:02/02/04 20:07
シャワーをあびて、着替え、そして久しぶりにクロウカードに触れた時に気付いた。
『・・・ウインドのカードが空っぽだ・・・・・・』
『なんやて?』
勝手に外に出て行ったままで、かすかに遠くから【ウインド】の気配が伝わる。
こんな遠くから特定の気配がわかるのは、向こうから伝えてくれているからだ。
『まさか・・・【ジャンプ】を尾行しているの?』
『今までずっとか?そんなんしてたら【ウインド】自体が衰弱して・・・消滅してまうぞ』
そう言われてみると、気配はひどく弱々しい気がする。
『【ジャンプ】以前に、【ウインド】が消滅して次元崩壊なんてシャレにもならないわね』
『さくら、急ぐんや、【ウインド】の忠誠心からして、
消滅するまで尾行し続ける事は充分にありえるで!』
すぐさま準備をして、知世に連絡をいれる
車をだしてもらって追跡開始だ!
それにしてもクロウカードというのは、
敵でも味方でもやっかいなモノだな・・・・
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
一ヶ月近くageた甲斐があった!
ちょびっちゅタン(・∀・)イイ!
110 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/05 16:37
萌えageじゃこら―――――――!!!!!!!ハァハァ
期待期待期待ぃ〜〜!!!!
112 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/02/09 08:00
そろそろageだ
113 :
すきやきっち@似非学者 ◆T922RdeA :02/02/09 09:06
ROMってばかりしてないで
たまには期待上げしましょっと。
age
114 :
ちょびっちゅ:02/02/09 21:32
東京タワー、三日月をバックに【ジャンプ】が跳ねているのがかすかに見える。
どこの要人を乗せているんだ!といわんばかりの黒塗りのリムジンに乗る事、数時間。
距離もあやふやなまま、あっち!と指差すだけでここまで連れてきてもらえた。
知世のガードレディ、兼、運転手には感謝しなきゃな。
『さくら、【ジャンプ】が移動するで!』
ここからはもう【フライ】で飛んで追跡する。
杖の漆黒の翼を広げると、知世が心配そうにきいてきた。
『私が後ろにのって負担になりませんか?』
私は少し返答につまる。
つれて行っても、役にたつわけでもないし、危険なメにあわすだけだ、
「そうだね、降りて」とか言うのも優しさだが・・・、
『杖が飛ぶわけじゃなくて、周囲の重力を変えるんだ、
その範囲内にいくら荷物が増えても負担は変わらないよ。』
本人が来るのを望んでいるから、本当の事を教えてやった。
どうせ、私がしくじれば世界は終わるんだ。付き合わせてやるよ。
115 :
ちょびっちゅ:02/02/09 21:34
追跡するとすぐに【ジャンプ】はこちらに気付き、
ビルの屋上からこちらをジッと睨んで静止している。
やる気になったな!
屋上におり、【ジャンプ】と2度目の対峙を果たす。
『ウインド!』
先制して杖を振り上げる。
【ジャンプ】の背後から風の渦が現れ、突風となり襲い掛かる。
それは間一髪でかわされ、【ジャンプ】をわずかにかすめた。
私の目前で、【ウインド】は薄く発光した女性の姿に戻る。
いつもの無機質な表情だが、そこには深い疲労のかげりがみえる。
『相当、消耗しているな。はやくカードに戻れ』
【ウインド】をカードに戻し、【ウッド】を取り出す。
前回はこいつで負けているけど、頼るのはこれしかない。
『【クロウ】のつくりしカードよ我が【鍵】に力をかせ、
カードに宿りし魔力をこの【鍵】にうつし、我に力を!』
太陽と月を象徴した幾何学的な魔方陣が脳裏にあらわれ、
魔力を解放する手順がそろう。
『ウッド!』
116 :
ちょびっちゅ:02/02/09 21:39
杖の先から植物のツタがのびる。
シュルシュルと音をたて、一直線に【ジャンプ】へ・・・・・って遅い!!
簡単になんなく跳びこされる。
『さくら・・・・なんやそれ』
『うるさい!』
木のツタは一本だけじゃない、もっと増やしてやる。
『かのものを捕らえよウッド!』
5本に増やし、いっせいに襲い掛からせる。
・・・つもりだが、複数を同時に制御する、これがなかなか神経がいる、
『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ』
必死に頭で5本のツタを統制しているつもりなのだが、
1本に気をとられると他が動かなくなり、
慌てて、他を動かすと4本同時に同じような動きをしてしまったりする。
こいつらは、もっとオートで動いてくれないのか。
【ウッド】って植物そのものだな、クロウカードのくせに木と変わらないでいたしなぁ、
意志伝達のようなものが全くできないから、私が一人で全てやらなきゃいけないんだ。
使えなくなってわかる【ウインド】のありがたみ。
『あかんわ、これなら知世の反射神経でもかわせるで』
『ケロちゃんでも予測できる攻撃パターンですわね』
こいつら、後ろで言いたい放題いいやがって。
意見をまとめると低学年向けの大なわとびといったところか。
悔しいが言えてるな・・・・・・
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
ちょびっちゅタン (・∀・)イイょ!!
これからも頼むよ!!
118 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/09 23:25
ドライでクールサクラたん(´Д`;)
保全sage
不定期age
121 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/02/17 20:24
不定期age
122 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/02/20 05:01
不定期age
ちょびっツ・・・。
(・∀・)イイ
124 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/24 01:32
期待あげ〜
125 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/25 02:53
待ってますage
保守さげ
127 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/05 02:59
チョビッチュたんハァハァハァハァハァハァハァハァ
128 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/03/06 06:25
久しぶりにage
129 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/03/09 02:21
不定期age
130 :
ちょびっちゅ:02/03/09 21:52
ウッドのカードはひたすら神経をすり減らす。
私はそもそも不器用で、このカードは向いていない。
家庭科の授業で針の穴に糸が通らず、
それだけで一時間終わった事もある人間が扱えるカードじゃない。
『あ〜あ、さくら、ツタがこんがらがってきたで』
これまで、【ジャンプ】を追跡していたツタがとうとうからまった、
その隙に【ジャンプ】がこっちに突っ込んでくる。
この時、私は目で相手をおっていない、無意識に相手の魔力の動きを読んで動いていた。
だから、爪で切り裂かれずに、間一髪、杖で受け流す事ができたのだろう。
131 :
ちょびっちゅ:02/03/09 21:53
けれど、どうする、【ウインド】は、今はつかえない。
【ウッド】では駄目だ!
『さくら、ここはもう退くんや!!』
そうだ、【フライ】を使って逃げるのは簡単だろう。
けれど、ここで逃げたら・・・もうチャンスなんか無いんじゃないのか!
ジリジリとした焦燥感が私を包む、今が唯一のチャンスかもしれないんだ。
『もう一度、ウッドで・・・・』
『さくら!』
ケロの言葉を無視して、【ウッド】を再び発動させる。
『捕えろーっ!』
【ジャンプ】に向けて、ツタを伸ばすが、それらをアッサリかいくぐり、
私に向かってくる。これまでとは格段にスピードが違う。
これまでのは遊びか!
132 :
ちょびっちゅ:02/03/09 21:53
『さくらちゃん!』
知世の悲鳴と、私が空を飛んだのは、ほぼ同時。
とっさに【フライ】を使わなかったら、きっと手遅れだった。
このまま、ケロと知世を回収して逃げるしかないのか・・・・
飛べるんだから、跳ねるだけのやつなんかには捕まらない。
いや・・・まてよ、どうにかできるかもしれない。
【フライ】でいけるんじゃないのか?
そう思いついた時、【ジャンプ】が上空に逃げた私を襲ってきた。
やるなら今だ!
『【フライっ】その範囲を広げろ!!』
猛禽類を思わせる漆黒の翼が一段と大きく広がる。
杖の周りに展開された【フライ】の効力をめいいっぱい広げる。
『よしっ!』
そこに跳んできた【ジャンプ】を取り込む。
【ジャンプ】は宙に浮いたまま、ジタバタともがくがどうしようもない。
私は勝ち誇ったように告げた。
『杖が飛ぶわけじゃない、【フライ】は周りの物を飛ばすんだ、
跳ねる事しかできない、おまえじゃ、もう身動きはとれないよ』
下の方で成り行きを見ていたケロと知世が驚きの声をあげる、
私はそれに手を振って言った。
『じゃあ、少し【ジャンプ】と空の旅に行ってくる、頭上には気をつけて』
133 :
ちょびっちゅ:02/03/09 21:55
『良かった、破裂はしなかったみたいだな』
『オエっ、さくらもエグイ事するで・・・・』
『まさに叩きつけられたといったカンジですわね』
その後、上空から落下させ、潰れた【ジャンプ】を見てそれぞれが批評した。
『たかが跳ねるだけの相手にこんな苦戦するなんて・・・・』
『まさに、苦労カード、ですわね』
『おう、さくら、知世がくだらん事ぬかしたで、
ワイをどついたように・・・って、なんで笑ってるんや!』
可笑しくて、吹き出した。
『ハ、ハハハハ、そうだ、確かにこいつらは苦労カードだ、
全次元を抱えた苦労カードなんだ、ハハハ、ハハハハ!』
こんな事がまだまだ続く、これが笑わずにいられるか。
その後、二人から気が触れたのかと勘違いされるほど私は笑いつづけた。
*************************
毎度遅れてすいません。一段落つきました、今後も続けます。
初めまして、ちょびっちゅ♪
僕も、これから期待age、参加しちゃいます☆
今後も頑張り!!
135 :
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!:02/03/13 01:16
待ってました(;´Д`)ハァハァ
136 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/15 09:14
138 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/16 03:31
139 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/16 04:05
140 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/16 14:28
141 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/16 22:22
142 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/17 00:05
143 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/17 00:48
144 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/17 03:31
145 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/03/19 03:18
不定期age
146 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/19 04:06
つられage
147 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/03/22 02:27
不定期age
148 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/03/24 16:54
不定期age
149 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/03/26 07:17
不定期gae
150 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/03/27 11:39
不定期age
151 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/03/30 11:58
不定期age
152 :
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!:02/03/30 20:19
おもろage
153 :
|/゚U゚|はん@電波:02/03/31 16:55
age
154 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/04/01 13:22
不定期age
155 :
|/゚U゚|はん@電波:02/04/02 21:34
age
156 :
|/゚U゚|はん@電波 ◆IzHA551s :02/04/04 20:31
age
157 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/04/05 10:41
不定期age
158 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/04/07 05:51
不定期age
159 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/04/07 05:57
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| ここでボケて! |
|_________|
∧∧ ||
( ゚Д゚)||
/ づΦ
160 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/04/07 11:29
161 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/04/07 11:51
162 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/04/09 08:49
不定期age
163 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/04/11 12:48
不定期age
164 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/04/11 14:30
age
165 :
ちょびっちゅ:02/04/11 17:04
『つまりやな、さくら全ての存在している、という事象には、
時と、空間があるってことや!!』
ブサイクのヌイグルミは突然、何を言い出すのだろう。
とりあえず、片手でケロの首をしめるようとしてみた。
『いつ(時)どこで(空間)ある(存在)か、それが・・・グエッ!!』
喋れなくすると、得意げな顔していた、
黄色いヌイグルミの顔はみるみる、変色していく。
『ケロちゃん、そういう事喋るなとは言わないけど、一人の時に、
壁にでも向かって語ってくれると、誰も迷惑しないで良いと思うな〜』
手を離すと、下品な大阪弁でまくしたてられた。
さくら、おまえは何もわかっとらん!!全次元が滅びる事の話題やろが!!
ワイは、封印の獣やろ、せやから記憶も封印されているんや。
カードを取るごとに思い出していくシステムなんや。
166 :
ちょびっちゅ:02/04/11 17:04
『ええか、さくら、全宇宙とは何や?全次元とは何や??わかるか??』
『考えた事もないし、どうでもいい』
『全ては時と空間と存在や!!それらを極めたのがクロウであり、
クロウカードなんやっ!!わかるか?』
『うん、そうだね・・・』
せっかくの週末だというのに何やっているのだろう。
『せやから、じげんすらも崩壊させてしまうってことや!!』
『うん、そうだね・・・』
あくびがでた。
『つまり、いま、ここに、ある、というカード達の規模が小さなものであったしてもやな、』
『うん、そうだね・・・』
布団にもぐりこむ。この先は何言われても無視しようとした時に、
家のチャイムがなった。
ケロから逃れるいい機会だ、そのまま部屋を出る。
『じゃ、ケロちゃん、私が帰ってくるまでには終わらせててね、
3倍速くらいで喋ってていいから。』
167 :
ちょびっちゅ:02/04/11 17:05
『ああ、さくらちゃん、桃矢いる?』
月白雪兎だった、兄貴と肉体関係すらある変態・・・
しかし、どうも私はこいつが苦手だ。
『・・・朝、バイトにでて行ったかな』
『ああ、そうなんだ、残念だなぁ・・・』
『うん、それじゃ』
そう言って、ドアを閉めようとしたとき、雪兎がそれをはばむ。
『あっ、まって、さくらちゃん、今、暇??』
『??』
『映画のチケットが2枚あるんだけどね、今日までらしいんだ。』
雪兎と並んで歩いている自分が分からなかった。
(何故、断らなかったんだろうな・・・)
雪兎にジッとみられて、返答をまたれたとき、
私は嫌と言えなかった。
キタ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━━( ゚)━━( )━━(゚ )━━(∀゚ )━━━(゚∀゚)━━!!!!!
ちょびっちゅタンありがとーーーーーー!!!!!!!
一ヶ月ageたかいがあったよ!!!
続きに期待!!
169 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/04/14 23:49
不定期age
170 :
|/゚U゚|はん@御花畑 ◆IzHA551s :02/04/16 17:44
久しぶりに見てみたら、新作うpされてる!
171 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/04/18 07:41
不定期age
172 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/04/20 22:04
不定期age
173 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/04/23 04:21
不定期age
174 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/04/25 01:14
初age☆ちょびっちゅタン…ハァハァハァ!!
ageる必要は無しと。
期待sage
176 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/04/28 09:59
不定期age
177 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/04/30 19:05
不定期age
178 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/05/03 13:27
不定期age
179 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/05/03 14:41
180 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/05/03 15:47
>>179 何度見ても文字板を動かして誘導しているとしか・・・・・
いくら親子の疎通ったってねぇ?
ヤパーリこの母親って電波
181 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/05/05 06:06
不定期age
182 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/05/06 03:56
不定期アゲ〜
183 :
月に疲れたピエロ:02/05/06 04:18
( ゚∀゚)アヒャレタアヒャレタ ( ゚∀゚)( ゚∀゚)アヒャアヒャヒャ
184 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/05/07 21:36
不定期age
185 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/05/10 16:23
不定期age
さくらたん、雪とさんとどうなるの?(;´Д`)ハァハァ
187 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/05/12 16:45
不定期age
188 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/05/15 16:30
不定期age
189 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/05/18 03:31
不定期age
190 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/05/21 02:11
不定期agte
191 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/05/23 10:23
不定期age
192 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/05/23 10:26
不定期age
193 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/05/26 19:52
不定期age
194 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/05/28 21:08
不定期age
不定期sage
196 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/05/30 20:17
不定期age
197 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/06/02 20:38
不定期age
198 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/06/05 15:22
不定期age
199 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/06/08 19:10
不定期age
200 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/06/08 19:11
∧ ∧ カタ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(,,゚Д゚),__カタ_ _<200?駄目?
./ つ_|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| \_____________
(, |\|| VAIO |
'\,,|==========|
201 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/06/08 19:14
ビットを食べるとウンコの匂いが手に残る。
202 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/06/12 03:27
不定期age
203 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/06/15 19:01
不定期age
204 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/06/18 03:13
不定期age
205 :
おどぅ ◆2WsjboxE :02/06/18 03:14
さくらの家には墓がないと思う。
206 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/06/21 09:13
不定期age
207 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/06/24 01:31
不定期age
不定期sage
209 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/06/26 20:01
不定期age
210 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/06/29 01:49
不定期age
sage保守
sage保守
sage保守
sage保守
sage保守
sage保守
こんいちわんまん がんばてーネ!☆ミ
保守sage
sage保守
ほしゅさっげ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
( ゚∀゚)y-~~ アーヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!!
石器投げまくり!!
ほしゅsage!!!!!!!
224 :
ちょびっちゅタン(;´Д`)ハァハァ:02/08/05 23:40
久々に不定期age
sage保守
sage保守
ニヤニヤ(・∀・)
sage保守
sage保守
sage保守
sage保守
ちょうど一年です。
sage保守
sage保守
sage保守
sage保守
sage
sage
sage
sage
すげえ情熱だ!
sage
sage
sage
sage
sage
247 :
ちょびっちゅ:02/10/08 20:30
雪兎と二人きりになったのは始めてだった。
いつもは兄貴が必ずそばにいたものだ。
私は、ひどく緊張しているのがわかった。ゴホンと咳払いをしてから、
『雪兎さん、どんな映画をみにいくの?』
『えーとね、【なげやりな1の命日】っていうタイトルでね、
ひたすら投げやりな1と呼ばれる主人公が、半年ほど何もしないで
なにかとてもひどいめに会うという映画でね、フフ・・・』
雪兎は軽く自嘲ぎみに笑うと、雰囲気があやしくなった。
『本当にゴメンナサイごめんなさいごめんなさい・・・』
『雪兎さん!!何を言ってるの??』
街中で錯乱するホモ男相手に私は何を緊張していたのだろう。
何処かにむかってただひたすら謝りつづける雪兎をほっといて逃げたくなってきた。
『ああ・・・ゴメンね、たまに病気が・・・』
ようやく落ち着いた雪兎は言った。
心の病を持っているらしい、おとなしく病院に入ってろと言いたくなった
248 :
ちょびっちゅ:02/10/08 20:30
映画が始まった。
私はただ無感動に音と映像をながめる。なんもいえない内容だった。
隣で雪兎は泣きながら何かブツブツ言ってる。
声にはならないが、何かに向かってただただ謝っているようだ。
雪兎は完璧にイッテやがる。
これは【クロウカード】の仕業だろうか?違う気がする。
しかし何かの意思に操られているような気がしないでもない。
*結局、雪兎がおかしかったのはこの時だけで、
何故こんなにも取り乱していたのか、私が知る事はなかった*
映画が終わると近くのファミレスで昼食を食べる事になった。
『右から順にもってきて』
雪兎は自然な顔で全メニューをオーダーして、私はあきれた。
『・・・さすがですね』
友枝町にはカルトながらも熱狂的な人気を誇るフードファイト、
つまり大食い大会がよく催されていて、
知世の大道寺家が完全にバックアップしていて、世界各地から強豪を集めている。
【底無し】の異名をとる雪兎は無敵のチャンピオンだ。
その特権として、飲食店での代金も大道寺家がもってくれているというのは余談である。
249 :
ちょびっちゅ:02/10/08 20:31
『なんでおまえらがここにいるんだ?』
不意に声をかけられた。
『お・・・お兄ちゃん?』
『桃矢!』
ウェイトレスのカッコをした兄貴だった。
『今度のバイト先ってここだったの?』
雪兎が聞くと、ああ、とうなずいた。
兄貴は時給以外の事、倉庫やレジ等を荒らしたりして稼ぐロクでもない人間だ。
それで、引き際の見極めが早いのですぐにバイトを変える。
そのため、雪兎もいちいちバイト先を覚えていなかった。
『それより、なんで二人一緒なんだ?』
『ああ、ボクが映画に誘ったんだ』
それを聞いて兄貴は少しムッとした顔になる。
『お兄ちゃんがいないから変わりに誘われたんだよ』
『それに、期限が今日までだったんだ』
なんだか、密会がばれたカップルが言い訳しているみたいだ。
『そうか・・・ならいい』
兄貴はそう言って去ったが、
『あ、桃矢待って!』
雪兎があわてて追いかけた。
私は本当にこの二人がデキてるんだなと確信した。
必死にフォローをいれるのだろう・・・
250 :
ちょびっちゅ:02/10/08 20:31
*************************************
桃矢をおいかけた。
なんとしても伝えなくてはいけない。
『どうしたんだ、ユキ、さくらをほっておいていいのか?』
『うん、すぐ戻るよ、ただ・・・』
チラリと桃矢を見る。気付いていない・・・。
やはり、どうしても言わなきゃいけない。。
真っ直ぐに目を見て言った、
『これは・・親友として言う事だ』
『ああ・・・』
桃矢も真剣な顔でうなづく。
『鼻毛でてる』
『ゲ!』
*************************************
キキキキキキキキキ・・・キター(・∀・)!!!?
252 :
名無しちゃん…電波届いた?:02/10/08 20:32
大久保どうよ?
キキキキタキタキタ━━━━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━━━!!!!!!!
おおっ!フカーツデスカ?
>『えーとね、【なげやりな1の命日】っていうタイトルでね、
>ひたすら投げやりな1と呼ばれる主人公が、半年ほど何もしないで
>なにかとてもひどいめに会うという映画でね、フフ・・・』
> 雪兎は軽く自嘲ぎみに笑うと、雰囲気があやしくなった。
>『本当にゴメンナサイごめんなさいごめんなさい・・・』
ワラタ。続き期待してます
今回のポイントは>249の
> ウェイトレスのカッコをした兄貴だった。
ココだな。
チョビッチュタン・・・ハァハァ
>19のレス以来、応援しているぜハァハァ
+激しく保守+
+激しく保守+
+激しく保守+
+激しく保守+
+激しく保守+
+激しく保守+
+激しく保守+
263 :
ちょびっちゅ:02/10/27 16:29
喫茶店に出ると雨が弱く降っていた。
なにかに違和感を覚える。
『傘・・・持ってくればよかったね』
雪兎はてのひらを空に向けて雨の度合いを確認する。
ポツポツと降り出した雨だが、すぐに勢いはました。
近くのコンビニに入り、雪兎は傘を買った。
相合傘・・・・というやつだ。
しかし私はそれどころではない、この違和感・・・
それはクロウカードの気配だ・・・
『さくらちゃん、この後なんだけど、近くに水族館があるんだけどそこに行かない?』
『・・・・すいません。この後にちょっと友達と約束あって。』
私は未練をふりきった。
『今日はありがとうございました』
おじぎをして、雨の中、走りだす。まずケロ達に連絡をとろう。
264 :
ちょびっちゅ:02/10/27 16:30
『さくらちゃん、傘持っていって』
しかし、雪兎が後ろから追ってくる。
『気にしないいいです』
私はとまらずに走った。
『そうもいかないよ!』
雪兎は追って来る。
『いいですってば!!』
全速力で駆ける
『そおゆーわけにもいかないんだ!!』
なんてしつこい男なんだろう。
しばらく追いかけっこは続き、雪兎はあきらめないし、ふりきれないと悟った。
小学生の女の子を必死においかけまわす男子高校生に根負けして、
私は立ち止まった。
『警察がみたら、誤解されますよ!!』
走ったため、息をあらげながら言うと、雪兎は後ろを指差して、
『というか・・・今まさにそんな事態が・・』
自転車にのってこちらに向かってくるオマワリさん。
その顔には無意味に正義感があふれていた・・・
簡単に誤解をといて、雪兎から傘をかり、
ようやく一人になれた。
ため息をつく。今日はまだ終わりではないのだから。
265 :
ちょびっちゅ:02/10/27 16:32
『【ウォーター】やな・・・』
知世の家で、2人と合流し、雨の中に気配を感じた事を言うと、
ケロはそう結論をつけた。
『まず、どうすればみつけられる?』
相手の情報についてはケロだけが頼りだ。
『雨にまぎれた【ウォーター】を狙うんは自殺行為や、
どこかに落ち着いた先を狙うのがベストやと思う』
『・・・気付いたら太平洋のどこかにまぎれている、
とかじゃシャレにならないぞ』
【フライ】のように大気圏外に逃げようとするなどの、
捜索が限りなく不可能な状態になるのが一番怖い。
『まださくらと【ウォーティー】は顔を合わせていないわけやろ、
せやったら友枝町から出るのはルール違反になる』
そんなルールあったのか?
『ええ、お約束というのは大事ですわね』
知世は笑顔で頷くと、私の方を向いた。
『さくらちゃん、魔法少女にはいくつものお約束があるのをご存知ですか?』
目をキラキラと輝かせて聞く知世をみて、何かとてつもなく嫌な予感がした。
持ってきた紙バックから何か恐ろしく珍妙なブツをとりだす。
私は頭痛がした。
赤やピンクの配色で、
ヒラヒラでフリフリのついたドレス・・・・・
『これを私に着ろと?』
『ええ♪』
私は大きく息を吸い、おなかに力をいれると、
魂をのせて声を吐き出した。
『絶対に嫌だ!!!』
266 :
ちょびっちゅ:02/10/27 16:34
『おい、さくら、知世泣いとるで、ひどいんちゃうか?
この日のためにと思って徹夜までしたらしいで』
どうせ嘘泣きだろ。
部屋のスミでいじける知世をほっておいて、
窓から雨の景色を眺めた。
この雨がやめば、つかの間の平和も終わる。
明日、【ウォーター】をさがしに行く事で話し合いは終わり、
『さくら・・・ちょっとええか?』
最後にケロが、本当は言いたくないが、
どうしても言わなければいけないという口ぶりで話し掛けてきた。
私に【奥の手】を授ける内容だった・・・・・
ちょびっちゅたん\(・∀・)/降臨!!!
奥の手って何なんだ??
期待sage
+激しく保守+
ちょびっちゅたん…ハァハァ
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+激しく保守+
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sage保守
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284 :
名無しちゃん…電波届いた?:02/12/03 12:48
age
285 :
名無しちゃん…電波届いた?:02/12/03 12:51
ハハハ
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ^∀^)< おもしろくねーよ
( つ ⊂ ) \_________
.) ) )
(__)_) (^∀^)ゲラゲラ
sage保守
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今年は降臨しないのかな
(^^)
sage保守
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(^^)
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299 :
名無しちゃん…電波届いた?:03/01/13 12:20
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