906 :
898:
>>900 > この式からは群遅延は正にも負にもなるかと思うんですが・・・
受動素子で回路網を作って、その伝達関数 f(ω)を導いて、
d(arg f(ω))/dω を計算してごらん。
負にしかならないことがわかるから。
>>906 ○--R┬○
C
○---┴○
と
○--C┬○
R
○---┴○
ではd(arg f(ω))/dωは正負反転すると思うのですが・・・
908 :
898:2009/07/30(木) 22:39:12 ID:PiqWdnl7
>>899 正弦波の位相なんてものは、どことどこが対応しているのかわからない。
抵抗に交流電圧を通せば、電流はそのままの波形が出てくる。しかしコンデンサ
では、電流の山はずれる。このずれを「前に進む」と見ているわけだが、その一山うしろ
にも同じ波形はあるわけで、そちらと対応していると見れば遅れている。
ホントは山と山を対応させる必然性は何もなくて、波形をみただけじゃ情報が
素子を通過するときの所要時間はわからないんだよ。情報の伝達時間を調べる
方法が「群遅延」で、因果律の成立している以上、それは遅れる一方。進むはず
はないじゃないか。
909 :
898:2009/07/30(木) 22:40:56 ID:PiqWdnl7
>>907 そういうことは実際に計算してから言うこと。「思う」じゃだめだよ。
>>908 定常波ならそう見えると逝っても良いが
変調掛かった波の一番最初の変化がどこに表れるかを見ると
やっぱりなぜか進んでいることが分かるよ
911 :
898:2009/07/30(木) 22:47:48 ID:PiqWdnl7
>>910 すごいね。じゃ、タイムマシンはできるんだ!
位相が進んでいることと時間が進んでいることとは無関係だが?
913 :
898:2009/07/30(木) 23:00:21 ID:PiqWdnl7
>>912 あっ、そう。じゃ、群遅延と位相の進んでいることも無関係だから、もう帰って
ね。さいなら。
915 :
898:2009/07/31(金) 04:53:27 ID:yiIrC9yV
>>914 おお、ホントだねえ。200Hzだと 0.1msほど進んでるねえ。だとすると、この回路は
0.1ms 未来がわかる、タイムマシンだねえ w
でも、それは物理学的に矛盾でしょ! さあ、これをどう説明するか????
わかる人、手を上げて。
観測している時点より前から正弦波を入れていて、その結果が見えているだけでしょ。
917 :
898:2009/07/31(金) 10:28:56 ID:yiIrC9yV
群遅延が情報の遅れだ、ということをもういちど数式で確認しておこう。ωc の搬送波が
あって、それを ωa で振幅変調したとしよう。 sin(ωa t)cos(ωc t).
これがある回路網を通ると、ωcのキャリア周波数付近の伝達関数で振幅 Ao倍、位相 φo
のシフトを受けたとすれば、出力は
Ao sin(ωa(t + dφ/dω)) cos(ωc t + φo). … (A)
ただし ωc >> ωa で、また伝達関数の位相周波数特性は十分なだらかだとして近似して
いる。(A)を見ると、回路網から出てくる信号は変調波の時間が t + dφ/dωだけシフト
していることがわかる。dφ/dω < 0 ならこれは遅延 (よって群遅延 = -dφ/dω と定義).
dφ/dω > 0 なら進み、すなわち未来の信号となる。
変調波を cos(ωa t)cos(ωc t)としても回路網出力は
Ao cos(ωa(t + dφ/dω)) cos(ωc t + φo) … (B)
となることがわかる。
変調入力が正弦波でなく、一般の f(t) だったとすれば、
f(t) = (an cosnωat + bn sinnωat) のようにフーリエ級数展開して考えて、
(A), (B)に入れれば、回路網出力は Ao f(t + dφ/dω) cos(ωc t + φo)
になって、その信号成分は f(t + dφ/dω)。つまり dφ/dω > 0 なら未来が
わかる。残念ながら、正弦波で変調するから未来が見えた気がする、というだけでも
ないみたいだよ(
>>916 さん).
918 :
898:2009/07/31(金) 11:36:25 ID:yiIrC9yV
>>914 の指摘する回路だと、200Hz付近のキャリア周波数で群遅延は 0.1msほどの「進み」
になる話をしようか。上の記事で書いた「群遅延は情報の遅延」という抽象の成立するため
には ωcをキャリア、 ωaを情報として、ωc >> ωa でなければならない。とすると
ωc = 2π×200 rad/s として、ωa = 2π×1 rad/s くらいにとるのがせいぜいだ。つまり
信号は 1Hzね。
200Hzのキャリアで 1Hzの信号を振幅変調すれば、上の記事 (B) のほうの表式を使って
Ao cos(2π(t + 0.0001)) cos(400πt+φo) となる。数式上、そこに「未来の信号」が
現れていることは確かだ。あとは、このcos(2π(t + 0.0001)) というわずかな進みを、
リアルタイムで検出できれば未来が分かったことになり、タイムマシンの完成だ。
919 :
898:2009/07/31(金) 11:52:39 ID:yiIrC9yV
信号の進みを見るために、回路網を通過した振幅変調波を AM検波して包絡線を取り出す
としよう。
信号 cos(2πt) に対して、それが 0.1ms進んだ cos(2π(t+0.0001))は、差をとれば
もとの信号に対して 1/1000弱の振幅差だ。よって、AM検波で進みを検出するには、
検波器は 1/1000以上の精度を持っている必要がある。
AM検波には半波整流してピーク検出とか、キャリア cos(ωct+φo)を掛ける同期検波
などの方式があるが、いずれも信号成分の 1Hzに加え、キャリアの 200Hzないしその
2倍の周波数が混じって出てくる。1/1000で信号の進みを見るためには検波出力の
高周波を LPFでカットし、低周波だけにする必要がある。1Hzに対し 200Hzを 1/1000
以下に減衰させる LPFをいろいろ設計してみたが、どれも1Hz領域で 200msくらいの
群遅延をもつ。つまり AM検波を高精度に成立させるには別の群遅延を持ち込む
必要があり、それと合算すればわずか 0.1msの進みなんて吹き飛んでしまう。つまり
0.1msというのは、実際には到底検出できない進みなのだ。
これがおそらく
>>914 の提出したパラドックスへの回答である。
920 :
898:2009/07/31(金) 11:56:36 ID:yiIrC9yV
以上の考察から、オレの前に書いた断言は多少、訂正する必要がある。
× 群遅延はぜったい「進み」にはならない
○ 群遅延は、リアルタイム検出可能なほど明らかな「進み」になることはない
長文スマソ
921 :
898:2009/07/31(金) 13:09:18 ID:yiIrC9yV
考えてみたらもう一つ、問題があるね。
>>914 の回路は一段だと上記で考察したように
検出可能な進みにはならないけれど、1000段も縦続接続すれば、進みは 1000倍すなわち
100msくらいになって、検出可能かもしれない。しかし、因果律からは否定されなければ
ならない。はて、どうする?
そもそも群遅延という指標が、フィルタから出てきた情報が過去に由来するのか
未来に由来するのかを論じるのに不十分だということはないんでしょうか?
923 :
898:2009/07/31(金) 23:17:01 ID:yiIrC9yV
>>922 そうなんだろうねえ。回路網が周波数特性を持っている以上、入れた波形に対し
出てくる波形は変化する。それを単に時間軸で遅延しているだけだと割り切って
考えているのが群遅延だね。そこには位相周波数特性の微係数 dφ/dωしか現れ
ない。
しかしその遅延を厳密に調べようとすると、実は波形はゆがんでいるのである
から、もとの波形に対しどこがどこに対応しているかわからなくなる。このよう
な不定性の範囲で、-dφ/dωで計算した群遅延はわずかな「進み」になることも
ある、ということだと今は考えている。
せっかくシミュレータでやってるんだから多段接続して強調して様子を
みておくべきだと思うが、ラグリードだと微妙すぎて多段に繋いでも分からんのだよな。
HPFならもっとはっきりと負の群遅延が見える。
状況を上手に作ると、実際に出力は入力よりも先行して出力されているように見えるよ。
実は出力全体の形は確かに入力のに良く似た形で時間的に先行してみえるんだけども、
先頭部分は決して入力よりも先行することはできない。
インパルスを投入するとちょっとすんづまりになって、
高周波が強調されてるのでピークの形は鋭くなって、全体が前倒しになってみえるという仕掛け。