新語「ヒキモッコリ」を定着させるスレ

このエントリーをはてなブックマークに追加
1mokko
最初に謝っておきます。変なスレ立ててごめんなさい。
自分のせいか社会のせいか、ともかく職につけなくて家と職安の往復しかしなくなった昨今、部屋にひきこもってモッコリ妄想にふけるスレっす。
「ヒキモッコリ」で年末の流行語大賞ねらってます。時間が無いんで、どんどん書き込んでくれ。
2w:02/11/16 03:52 ID:S1+bKj2p
2?
3グリンピース:02/11/16 03:52 ID:RpwR13BA
もっこりひょうたんじま
4名無しさん@毎日が日曜日:02/11/16 03:58 ID:MTinbpky
ヒキモッコリ・・・定着しなさそうだ。
5w:02/11/16 04:01 ID:S1+bKj2p
w
6mokko:02/11/16 04:11 ID:ROVymiBw
あの… そういうのでなくて…

ちなみに俺が最近妄想してるモッコリはこれだな。
たまたま先輩の代役で窓口に座った若手の職安職員(当然女)とひょんなことから親しくなるモッコリだな。
職安近くの食堂や、喫茶店が毎回出てくる恋愛コメディだ。
些細な小競り合いから、意地で俺が受験した会社がとんでもないDQN会社だと知ったヒロインが、体当たりで問題解決して次回へ続く、って筋書き。
俺、自分で想像して泣いちゃったよ。
そんなモッコリ妄想を書いてくんねーかなぁ?
7名無しさん@毎日が日曜日:02/11/16 04:21 ID:tEytDw/4
>>6
ワラタ
8名無しさん@毎日が日曜日:02/11/16 04:24 ID:w26PDUE6
>>6
ワロタ
9mokko:02/11/16 04:30 ID:ROVymiBw
もうひとつ、こんなのもあるぞぉ。
履歴書買いに行った、場末の文房具屋でたまたま店番やらされていたヒロインと出会う話だ。
このモッコリ妄想はとてもここでは語りきれない壮大な大河ロマンなのだが、あえてここでは語るまい。
10名無しさん@毎日が日曜日:02/11/16 04:30 ID:MTinbpky
想像力が減衰してるから妄想も思いつかない・・・。
現実にあるものをネタにしない漫画のようなものだったら
いくらか思いつくかもしれないけど・・
11名無しさん@毎日が日曜日:02/11/16 04:49 ID:8fwX7Cuc
>>9
>あえてここでは語るまい

語れよw
そういう趣旨のスレだろ?
12名無しさん@毎日が日曜日:02/11/16 10:33 ID:ucWIqYzG
>>1 必  死  だ  な
13名無しさん@毎日が日曜日:02/11/16 10:50 ID:rNmxNi1y
>>4

・・・・激しく同意
14スト君:02/11/16 10:56 ID:+K291vlU
>>1
職安で職種にこだわってる?
なんでもいいなら仕事はあるはずだが。
15名無しさん@毎日が日曜日:02/11/16 12:04 ID:zkor6ivi
ボツ
16mokko:02/11/16 13:06 ID:fpmHmJKZ
ダメすか?
17(=・ェ・=) ◆KyUpmG9.1. :02/11/16 13:18 ID:DZBfwr2E
モキヒコリというキャップつきのコテハンがいるけど。
18名無しさん@毎日が日曜日:02/11/17 01:54 ID:DciwhRrg
昔、デカもっこって奴がいたな
19mokko:02/11/17 02:23 ID:FQ5G4OKE
今日は、履歴書に貼る写真を撮りに行って、そこの写真屋の娘と運命的な出会いをする妄想をしかけたが、さすがにアホ臭くなって中断しました。
その後、封筒に貼る切手を買いに行って、郵便局の新人ヒロインと出会う妄想をしかけたが、さっきとおんなじじゃん、と中断しました。
20名無しさん@毎日が日曜日:02/11/17 02:42 ID:tLjL8On9
僕らはみんな生きている
生きているけど>>1は氏ね

僕らはみんな生きている
生きているけど>>1は氏ね

>>1の首をナイフで刎ねてみれば
真っ赤に流れる>>1の血潮

ミミズだってオケラだってアメンボだって
みんなみんな生きているけど>>1は氏ね
21名無しさん@毎日が日曜日:02/11/17 04:50 ID:baukcCHx
>>20
25点
22名無しさん@毎日が日曜日:02/11/17 16:14 ID:WrIQQmx/
定着しませんすた。。。sage
23名無しさん@毎日が日曜日:02/11/19 23:19 ID:Vn6iq0ID
「やせマッチョ」が流行るんでしょ?

ガクトみたいの
24煌く人:02/11/21 18:39 ID:wP5IdGWY
>mokko
( ゚д゚)もうチョッチがんばろーYO
25夢遊 ◆IWNgyX.kPg :02/11/22 01:26 ID:EDwdrtYc
スレタイにワロタ

あげておこう
26グリンピース ◆6PF6c5.D/s :02/11/22 01:27 ID:KPWFlEX+
ヒキもっこりひょうたん島
27夢遊 ◆IWNgyX.kPg :02/11/22 01:29 ID:EDwdrtYc
ヒキもっこりひょうきん族
28mokko:02/11/22 01:45 ID:YWt17Kpg
今日した妄想
ハローワークのHPを見て真っ白に燃え尽きているところへ、布団の打ち直しのセールスマンが訪問する話。
聞けば、数年の無職期間を経てやっと今日採用されたと言う。
応援したい気持ちは山々だけれど契約は物理的に無理だと追い返そうとするが、向こうも切羽詰まっているから簡単には引き下がらない。
不慣れなセールストークと拒否が合い乱れた末、セールスマンは泣く泣く最後の切り札を持ち出す。
「契約してくれれば、自分の最後の宝物をあげる」と。
そして私は断り切れずに人助けと割り切った契約を交わし、男は何度か躊躇しながら「約束の品」である小さな一輪ざしを残して去る。
ところが、その翌朝、放置したはずの一輪ざしから小さな花が伸びている。   (つづく)
29夢遊 ◆IWNgyX.kPg :02/11/22 23:12 ID:EDwdrtYc
           ___
          /     \     ________
         /   ∧ ∧ \   /
        |     ・ ・   | <   良すれage
        |     )●(  |   \________
        \     ー   ノ
          \____/
        /:: ::\  //;; ::: \     
       /:: :: ::ヽ\//;; :: ::i;:::::\    
      /:: :: :: :: ::\/:: :: :: ::|;;;;;;;::::i
     f´:: ::i;;:: :: :: /:: :: :: :: :|;;;;;;;;:::| 
    __r''ヽ:::|;;;;::/:: :: :: :;;;;;;;:::ヽ;;:: :ノ
   i"  )ノ:: ::と;;;;:____;;;;;;;;;;;;f゙;;ノ       
   `l Tl::U:::/|;;;; ______:;;;;;{
    |. | |:: :丿|:: :: :: :: :: :: ;;;;;;;;:: |
    |. | `'''"l;;|:: :: :: :: :: :: ;;;;;;;;:: |
    | |    |;|:: :: :: ::;;;;;;; :: ::;;;;;│
    | |.   |;|:: :: :: :: ;;;;;;; :: :;;;;: |
    | |   |;;|;;:: :: :: ;;;;;;;:: :: ;;;;:: |
    | |   ー!、:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::;;;;;;;ノ
    l |     〉. !,    ノ  !、_
    !_|  、‐''゙ _)   (____ヽ
         ̄   
30mokko:02/11/23 03:08 ID:2S435+M4
昨日の妄想のつづき
小さな花は、名も知らぬ花だった。
食用の実がなるとか、売りに出せるほど大量に増えそうな素振りは感じられない。特別きれいでも、とりたてて良い香りがするわけでもない、むしろ貧相で寂しげな一輪だった。
特に破棄する理由も見付からなかったから、花はそのままにしておいた。
数日が過ぎて、打ち直しの済んだ布団が届いた。
この前のセールスマンとは違う金髪の青年が事務的に運んできた。
インスタントコーヒーの空瓶からなけなしの金を取り出し、大半を小銭で払いながら聞くともなく聞いてみると、青年はクソ面白くもない口調で応えた。
「あぁ、あのオッサンね。死んだらしいッスよ。ま、俺には関係ないけど」
(つづく)
31名無しさん@毎日が日曜日:02/11/23 17:38 ID:WXoVL/K1
ふむ
32月に疲れたピエロ:02/11/23 17:45 ID:DeU9GrdG
ヒキモコモコモコモコモコモッコリ
33mokko:02/11/24 02:26 ID:R5tmTpyt
昨日の妄想のつづき
赤の他人とは言え、人が死んだ話にあまり良い気はしなかった。
せっかく再就職が決まったと言うのに、どうして死ぬ理由があるのだろう? 交通事故か、それとも何かの病気だろうか?
一輪ざしから伸びている小さな花を見ながら、そんなことを思った。
一呼吸置いて、私はそんな自分に苦笑してしまった。なぜなら、金髪青年の無責任な戯言だけを信じ込んでいる自分がヤケに愚かしい存在であることに気付いたからだ。
私は青年にからかわれただけなのかもしれない。いや、恐らくそうだろう。意表をつく捨て台詞みたいな彼なりの冗談で、ヤツはとっとと切り上げたかっただけではないか?
あのセールスマンは今も尚、どこかの家の玄関先で不器用なセールスを続けているに違いない。
届いたばかりの布団にゴロリと転がってみると、打ち直された綿は確かに柔らかく、私は不覚にもそのまま眠り込んでしまったのだった。
(つづく)
34从^0^从:02/11/24 02:33 ID:TwFNxlTg
もっこりage
35黒 ◆WJidiot/Uw :02/11/24 02:35 ID:dXG2Wn7z
スレタイを見て一瞬シティーハンターを思い浮かべた
36名無しさん@毎日が日曜日:02/11/24 02:36 ID:q44/OW7q
ヒキもっこり剥いちゃいました
37夢遊 ◆IWNgyX.kPg :02/11/24 02:51 ID:P96vgv89
新宿を一夜で壊滅出来る実力を持つ、しかし、その素顔はただのモッコリ男。
これだろw
38名無しさん@毎日が日曜日:02/11/24 20:16 ID:jd/wH2zz
続きキボンヌ
39mokko:02/11/24 23:49 ID:zR6/uMQ5
昨日の妄想のつづき
電話の着信音で眠りから覚めた。
気がつけば部屋の中がすっかりかげっている。布団から飛び起きると、ダイオードを点滅させて鳴り響いている携帯に突進した。
「あ、居ましたね。待たせすぎですよ」電話の声が言った。聞き覚えのある中年男の声だった。数日前に面接に行った会社で私の履歴書に何やら書き込んだ男だ。
「すみません。違う部屋に居たものですから…」
「明日から来てください」
「え?」あまりに単調な言い方だったので自分の耳を疑った。長い間夢見た合格通知とは、かくも地味なものだったのだろうか。
「何ですか? 気が変わったんですか?」
「いえ、そんな…」
「だったら、明日から来てください。じゃ、よろしく」
(つづく)
40煌く人:02/11/25 18:47 ID:I0mrWENy
いつになったらモッコリしてくるんだ?w
41名無しさん@毎日が日曜日:02/11/26 01:53 ID:twqhiESm
昨日の妄想のつづき
長かった無職にケリがついた。
何社受けても不合格の連続だった私の生活にようやく変化が訪れた。
基本給も待遇も最悪の会社ではあったが、とにかく採用されたのは嬉しいに尽きる。
今夜は一人で就職祝いでもやろうか。粗末ないつもどおりの夕食を食べる気にもなれず、思い切った贅沢で外食することに決めた。
部屋を出ようとして、一輪ざしの花が枯れ落ちていることに気付いた。
弱々しく伸びていた茎の部分からそっくり萎えて切れていた。しかし、元々愛でていた花でもない。数日だけ狂ったように咲いて後は枯れ落ちる品種なのかもしれない。私は、花のことなど気にも止めずに近所の大衆食堂へ向けて部屋を出たのだった。
(つづく)
42夢遊 ◆IWNgyX.kPg :02/11/26 02:04 ID:TmzIF05s
もっこりage
432浪@大学3年生:02/11/26 08:16 ID:ZzoqjYPa
ひきモッコり
44mokko:02/11/26 17:27 ID:iOH+nDjO
昨日の妄想のつづき
面接で一度訪れた場所だが、何度来ても狭苦しい息の詰まる様な事務所だった。
見れば、面接の時に一緒に順番待ちしていた連中の顔も見えた。みんな緊張した面もちで、邪魔にならない空間に起立している。そんな沈黙をやぶって、昨日電話してきた中年男が何やらビール瓶ほどの大きさの機械をかかえて登場した。
「最初に言っておきますが、みなさんはまだ正式な採用ではありません。いわば、研修中であります」
中年男は言い慣れた口調で独特の間合いを取り、抱えていた機械を机の上にドンと置いて先を続けた。
「今日中に、この浄水器を1台売ってきてください。出来た方を正式採用します。ウチは新入社員を募集しているわけではありませんから、売り込みのイロハをいちいち教えるつもりもございません。ご自分のやり方で結構ですから、とにかく1台売ってください」
(つづく)
45mokko:02/11/26 17:34 ID:iOH+nDjO
昨日の妄想のつづき
「今日中に販売できなかった方は、明日はもう来ていただかなくて結構です」
初日から、とんだ入社試験のオマケがついてしまった。
即戦力になる人材しか採用しませんという売上至上主義か。全員で地図を拡げ、自分の担当地区を分割した。みんな血走った目をしていた。自分にとって少しでも有利な区域を奪い合って、ともすれば掴み合いになろうかという場面さえあった。
「それでは、行ってらっしゃい!」
中年男の激励を合図に私たちは浄水器をかかえて飛び出した。
自分の担当地区の住宅街を、私は一軒ずつ訪問した。当然ながら、突然の来訪者であるセールスマンなど相手にはされない。話さえ聞いてもらえないのは当たり前で、時には罵声をあびせられることもあった。
(つづく)
46名無しさん@毎日が日曜日:02/11/26 17:44 ID:qPvNCzoX
ヒキモッコリはともかくとして、話は妄想の域を脱している
ストーリーテラー もっこ
がんが!
47名無しさん@毎日が日曜日:02/11/27 03:39 ID:v6RWVXJC
文才age
48名無しさん@毎日が日曜日:02/11/27 05:12 ID:9IG7lIsn
ヒキ(引き)とモッコリ(凸)の語感が、打ち消しあって
合わないような
49mokko:02/11/27 09:15 ID:FV94lHsg
昨日の妄想のつづき
今日からいきなり始めた飛び込み営業で良い成績など出せるはずもない。
そうはわかっていても、成果は上がらなかった。
午前中が虚しいだけの徒労に終始し、私は、近くまで来ていたこともあって自分の家へ立ち寄った。満員の飲食店へ一人で入る気にはなれなかったのだ。自宅で、冷蔵庫の残り物か何かで簡単に昼食を済ませることにした。
カビが生える寸前の古い食パンを、水だけで流し込んだ。
時間がもったいない。早々に出掛けることにした。
靴を履こうとして、例の一輪ざしが目に止まった。特に理由もなく、私はそれを手に取った。
底面に小さな文字を見付けた。目をこらしてよく見ると「MADE IN JAPAN」と読み取れる。今時国産の工芸品とは皮肉にさえ思えた。日本はとうの昔に、技術と職場を諸外国へ売り渡してしまったのだから…
やっと見付けた仕事で売り込むべき外国製の浄水器をかかえて、私は孤独な闘いに復帰するのだった。
(つづく)
50mokko:02/11/27 09:26 ID:FV94lHsg
昨日の妄想のつづき
午後は、もっと最悪だった。
相変わらず売れないだけではなく、雨まで降り出したのだ。
割り当て区域の半分もまわれていない。この調子では、全部まわり終える頃には暗くなるはずだ。暗くなるどころか、明日の朝までかかってしまう。
訪問する軒数ではなく、重要なのは1台を売りつけることなのだ、と自分に言い聞かせた。
訪問し、自己紹介と天候の話などで機嫌をうかがい、商品を見せてその利点を説明する。決まってNOと言う相手に対して効能を話し、熱心に説得し続けるものの、最後には罵声を浴びせられて叩き出される、その同じ過程を私は何百回も繰り返した。
そして、通りに人影もめっきり減った時刻、私は訪ねたアパートの住人からどこかで聞いた台詞を聞かされたのだった。
「買ってあげたいとは思うけど、生憎今の僕は失業中でしてね…」
(つづく)
51名無しさん@毎日が日曜日:02/11/27 20:41 ID:F+wT/5/R
ん、いいYO
続きたもしみ
52mokko:02/11/28 03:59 ID:MwjlYNG4
昨日の妄想のつづき
私は、昨日までの自分と同じ匂いのするその男を逃すことは出来ない、と直感した。
これを逃したら、もう後が無いことは極自然に理解できた。
「実は、私も、先日までそうでした。やっと、今回のこの仕事が決まりましてね…」
こういう場面では情に訴えるのが一番なのだ。それに、私の言っていることに嘘はない。
案の定、男は暗闇の中で仲間を見付けた時の様な、僅かばかりの安堵の表情に変わった。
「助けると思って、何とか、お願い出来ませんか? 来月になったら解約していただいて構いませんから… 何とか今日の所は契約書に印鑑を…!」
「でも… 先立つものが…」
私は、最後の一押しまで到達した手応えを感じた。あとひとつ、最後の一押しでこの男は墜ちる! 背広のポケットから例の一輪ざしを取り出すまで、私は1秒とかからなかった。
(つづく)
53mokko:02/11/28 04:00 ID:MwjlYNG4
昨日の妄想のつづき
「これは、私の宝物です。ほら、こうして置いておくと、ひとりでに小さな花が咲くんです。キノコか何かの一種なのかもしれません。小さな小さな花をつけます。
でも、不思議なのはそれだけではありません。するともなくその花に願い事をすると、その花が枯れ落ちる頃には願い事が叶ってしまうのです。
こんな話、信じてもらえないかもしれませんが、本当なんです。これをあなたに差し上げますから、何とか私をお助けください。お願いします!」
私は土下座をして頼み込んだ。その気迫に押された男が逆に困惑して私の土下座を制した。それでも私には額を床にこすりつけるしか無くて、懇願を続けるのだった。
「わかりました… 買います。買いますから、どうか頭を上げてください」
(つづく)
54名無しさん@毎日が日曜日:02/11/28 04:25 ID:yGAM5nz+
ヒキモッコリについて興味深い学説を発見
http://jbbs.shitaraba.com/sports/bbs/read.cgi?BBS=4331&KEY=1035358856
55mokko:02/11/28 16:37 ID:Y2Hbyuuw
昨日の妄想のつづき
最終電車の、しかも都心行きはガラガラに空いている。
『依然減らない失業率! 待たれる失業者を1人でも減らす政策』
私は、まるで酔っ払いの様にシートへ斜めに身体を投げ出し、腐って澱んだ眼で週刊誌の中吊り広告を何度も繰り返して読んでいた。
契約は取れたのだ。それをこれから会社へ報告に行く。ノルマをこなした私は明日から正社員だ。夢にまで見た再就職がかなったのだ。
もっと喜んで良いはずなのに、この陰鬱は何だろう? 気持ちばかりか、肉体までが言い様の無い不快感にさいなまれている。食ってさえいない夕食を吐きそうな気分だ。体内の臓器が溶けて行く様な感触。痛み。そして全身を支配する倦怠感。
駅に着いて電車を降りる際には足がもつれた。看板や壁に助けられながら私はどうにか夜の街を歩き、やっとの思いで見覚えのあるビルにまでたどり着いた。
(つづく)
56mokko:02/11/28 16:38 ID:Y2Hbyuuw
昨日の妄想のつづき
ふらつく足取りで、私は階段を上った。
一歩ずつ、確実に、売上報告をする為に私は階段を上る。
私の商品を買ってくれたあの男の顔を思い出す。善人そうだが、会社員としては買えない雰囲気の男だった。昨今の面接ではもっとも毛嫌いされるタイプであろう。
今朝は駆け上がれたはずの階段がヤケに遠い。まだ途中なのに息切れまでしてきた。
あの男も例の一輪ざしから育つ小さな花に驚くことだろう。そして、寡黙に願い続けて来た願望がいともあっさりと叶う事実にも驚嘆することだろう。
確証もないままに、そんなことを思った。
階段はまだ遠い。よろけながら、自分の腕を見たら、皮膚がよじれて、肉が萎縮して削げ落ちているのがわかった。
(つづく)
57mokko:02/11/28 16:39 ID:Y2Hbyuuw
昨日の妄想のつづき
事務所へと続く薄暗い階段を上り続ける。
私の客も私と同じ過程を経て、一輪ざしを次の人物へ譲り渡すはずだ。かくして、呪いの一輪ざしは永遠の輪廻を繰り返す。
開花して持ち主の願望をひとつだけ叶え、逆に持ち主から生気を奪って次なる生命の糧とする実に良く出来たシステム。
恐らくは古来より封印されてきたであろう呪術を現代に蘇らせたのは果たして誰なのか? 知る由もない私は階段の踊り場ですでに朽ち果てた。もう、指先ひとつ動かすことさえ出来ない。
遠のく意識のはざまで、私は一輪ざしに刻印されていた「MADE IN JAPAN」の文字を思い出した。
そうか… そうだったのか… 国が仕組んだ『失業者を一人でも減らす政策』、私は、いや私たちは、その減らされる失業者の一人に過ぎなかったのか!
気付いた直後、まるでテレビの電源をオフする様にプツンと意識が途切れた。もう、何も見えないし何も出来ない。少なくてもこれで苦しみからは解放され……
(おわり)
58名無しさん@毎日が日曜日:02/11/28 17:34 ID:8fqemnhs
一編のショートショートになっている
妄想をここまでまとめることが出来るのなら
荒削りだが、もう立派な小説家
59名無しさん@毎日が日曜日:02/11/28 17:41 ID:8fqemnhs
題材が無色求職にあるから実感が伴い、身につまされる思いが汁
風刺もあって、なかなかの佳品だ!
次作もキボンヌ
60ぷ〜:02/11/28 22:35 ID:iHFWpeiC
今度コピペさせてもらいます
61mokko:02/11/30 02:35 ID:GX7OR7Wd
俺の不謹慎な妄想に付き合ってくれた人たち、どうもありがとう。
次は、もっと明るく楽しい系の妄想をしようと思います。
だから他の方も各自の妄想をもっこり書いてくれませんかぁ?
とか言ってもだいたいは書いてくれないんだよね。
また2〜3日したら、新作の妄想書きます。(こうなりゃ俺ひとりでも…)
62名無しさん@毎日が日曜日:02/11/30 19:42 ID:1iAkVSPS
良スレ
632浪@大学3年 ◆/K2fDp5o5o :02/12/01 04:58 ID:eWI/kWQg
>>61
もう少し、無職がモッコリしそうな
妄想ストーリーをお願いします。
64名無しさん@毎日が日曜日:02/12/01 05:02 ID:zeseFa5V
妄想万歳!!
65名無しさん@毎日が日曜日:02/12/03 04:26 ID:ER8w84NK
まってるぞー age
66夢遊 ◆IWNgyX.kPg :02/12/03 18:57 ID:7q2hhcZn
>>>各自の妄想をもっこり書いてくれませんかぁ?

かなりの難題だ。
67名無しさん@毎日が日曜日:02/12/03 19:58 ID:bRu55PLe
ヒキモッコリを急に書いてくれといわれても
きょうびそんなに題材を持ち合わせているわけでもなく
もって生まれた才能も使い果たしたつーか持っていないし
こりゃまた大変だと思うわけで仕方がないことこのうえなし
りくつばかり並べてごめんなはいってことでよろひこ
68名無しさん@毎日が日曜日:02/12/03 23:05 ID:2gTHSon+
語呂的には、ヒキコモッコリがいいのは?
69mokko:02/12/04 01:40 ID:D/Pwi/lB
>67
文章化が面倒い方は、こんな妄想したよ、って走り書きでも可です。
毎日が日曜日ったって、決して寝てばっか居るんではなく、俺たちだっていろんなことを
考えたり、空想したり、妄想してるんだ! ってスレでもあります。

流行語大賞には無視されたみたいですが、そろそろ明日あたりから新作の妄想を
貼ろうと思います。(1回に貼れる文字数制限があるから、ややこしいんだよなぁ…)
70名無しさん@毎日が日曜日:02/12/04 01:41 ID:n/MDifBV
おまいら。
ヒキモッサリの方が似合ってるんじゃないかw
7167:02/12/04 01:42 ID:keBqcH9t
>>69
立て読みの新作れふ
72名無しさん@毎日が日曜日:02/12/04 01:47 ID:YA++K83j
もきひっこり
73mokko:02/12/04 21:54 ID:/S1y/plZ
長編妄想の第2弾でーす。
今回の妄想も、前半はこの前のやつ並みに暗いけど、後半は少しはスッとするかも…?
だからして、気長にお付き合いください。

ついでながら、これはあくまでも俺の妄想を文章化しただけだからして、実在の人物や団体とは一切関係ありません。
74mokko:02/12/04 21:55 ID:/S1y/plZ
空振りだった職安の帰りに、駅前の赤ちょうちんへ入った。
手持ちが心細いから、お通しだけを肴に、安酒を続けざまにあおった。
空きっ腹に流し込んだ安酒はひりひりとヤケに効いて、その先の記憶がぼやけている。
とにかく気がついたら、赤ちょうちんからほど近い公園のベンチで寝ていた。
深夜の公園は静かだ。闇の中で動くものは、ほとんど無い。
アパートへ帰って風呂にでも入るか、そんなことを考えた瞬間、押し殺したような人の悲鳴が聞こえた。
闇の中に、目をこらしてみれば数人の人影が見えた。
シルエットでしかないものの、3人程度の若者であることが見て取れた。
その若者たちが、何かを蹴り飛ばしていた。重くこもった悲鳴がその後に続く。
若者たちは、無抵抗なホームレスを足蹴にしているのだった。
(つづく)
751001 ◆SP0K1001J2 :02/12/04 21:57 ID:KDBqeSSO
復活オメ
76ぷ〜:02/12/05 11:04 ID:HW7JZckP
ワタクシの高校の同級生に比企さんという女の子がいました
当時は今と違い体育の授業はブルマでした
体育座りをしているワタクシ達の目に飛び込んできたのは
比企さんの股間のモッコリでした
先日久方ぶりに同窓会がありまして、よった勢いで
当時の事を話しました。するとやはり比企さんは
モリマソだったとのことです(今もドテモリだそうです)
人生修行を重ねると昔の事も笑って話せるんだな
と感じた出来事です
77mokko:02/12/05 13:34 ID:S06uWJP1
74 の続き
警察に通報しようか? 突発的にそんな流暢なアイデアしか思いつかなかった。間違っても、自分が飛び込んで行って被害者を助けようなんてことは考えなかった。自分が次のターゲットにされてはたまらない。
勇気も無ければ、人の世の道徳を守る余裕も俺には無かった。
被害者には気の毒だったが、身を低くしたままで連中とは反対方向の闇へと後ずさりして公園から抜け出した。

翌日の職安。珍しくがらんと空いた喫煙コーナーで、俺は誰かが放置したボロボロの朝刊をめくっていた。
ひょっとしたら昨夜の事件が報道されているかもしれない。
しかし、他の報道すべき大事件があふれかえっているせいなのか、あるいは昨夜の一件など珍しくもないご時世なのか、とにかくそれらしい記事は見付からなかった。
首を伸ばして、電光掲示板に表示された数字と自分の番号札を照らして見る。待ち人数がまだ20名以上も残っている計算だ。
俺はうんざりして、2本目の煙草に火を点けた。
(つづく)
78名無しさん@毎日が日曜日:02/12/05 13:38 ID:eJuG3mQk
(・∀・)イイ!!
79mokko:02/12/06 02:33 ID:yhOPnDOH
ふいに俺の視界へ煙草をくわえた男が飛び込んできて、ちょうど良かったと言いながら、火をねだった。腕を伸ばして火を点けてやると、男は何度も何度も礼を言いながら俺の隣へ腰掛けた。
くたびれた作業服姿の中年だった。薄くなりかけた後頭部が妙な形だった。
「ろくな求人がありゃしない。今日はもう帰ろうかと思っていたところだよ」
中年男が気さくに話しかけてくる。特に話したい気分でもなかったが、男の話す内容には同意できることばかりだったので、合いの手に一応の返答だけは入れておいた。
結局自分の番まであと5名というところまで待ったのだが、「よかったら、この後一杯やりませんか?」と言う中年男からの誘いに乗って、俺は番号札を灰皿へ捨てた。
元々、気に入ったとか可能性が有りそうとかいう類の求人だったわけではないのだ。
職安からほど近い居酒屋で、俺はその中年男と安酒を軽く飲んだ。
(つづく)
801001:02/12/06 22:32 ID:LFp9poav
もっこりあげ
81mokko:02/12/06 23:31 ID:id+pb7vq
自らを田中と名乗った中年男は人なつっこく、年齢的には目上であるものの、俺たちは各自がこうなるに至った経緯や最近失敗した面接の話などで大いに盛り上がった。
田中さんは親から譲り受けた小さな工場をこの不況で潰したらしい。
自分と似た境遇の同類が目前に存在する安堵感や、田中さんという男のどこか憎めない素振りが俺を酔わせた。久し振りで、楽しい酒になった。
楽しいと、時間の経過がはやい。
しかし手持ちの金には限度があるから、適当に切り上げて、ふたりで店を出た。
方向が一緒だと言うので、俺たちは駅側の公園を斜めに抜けようとふらつきながら歩いた。
酔い覚ましに夜の風が心地よい。
俺は、ちょっと休んで煙草でもふかそうと、昨夜寝ていたベンチへ腰掛けた。田中さんは野球の投球フォームで空気のボールをいくつか放っていた。そのフォームはお世辞にも上手いとは言えない、不格好で微笑ましいそれだった。
(つづく)
82mokko:02/12/06 23:33 ID:id+pb7vq
茂みの向こう側から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。嫌な予感を覚えながら、そっと背伸びしてのぞき込むと、悪ガキ共がまたしてもホームレスをいたぶっているのがわかった。
「何だあいつら…」俺に気付いて、同じ方向の闇を見据えた田中さんが呟いた。
「田中さん、やばいよ」俺は本能的に田中さんの腕を引いた。
「だって、あいつら、あんな弱い者イジメしやがって!」
「ダメだよ、見付かるって!」
「あれを放っておくのかよ? あんたそれでも人間かよ?」
「田中さん、ダメだよ、今の俺たちじゃ弱すぎるんだよ!」
(つづく)
831001:02/12/07 17:55 ID:vXp5C5eS
きょうは、ひきあげ
84mokko:02/12/08 00:32 ID:QHX9rCoA
結局、高ぶる田中さんをどうにか説き伏せて、俺は吸いかけだった煙草もそのままに、逃げ出した。俺が逃げるものだから、田中さんも仕方なくついてきた。
駅前の人通りが多い辺りまできてから、その夜は田中さんと別れた。
せっかく楽しい宴会だったのに、後味の悪い終わり方になってしまった。
翌朝、多少二日酔いの頭で、俺は自分への言い訳を100回以上繰り返した。
ああするしか無かった、ああするしか無かったのだ、と。
午後になってから職安へ顔を出すと、田中さんが喫煙コーナーから俺に手を振った。
「昨夜は、どうも…」あれほど自分への言い訳を繰り返したのに、田中さんの前ではやはりばつが悪かった。それに対して田中さんから返ってきた台詞は、俺にとって意外なものだった。
「こっちこそ、どうも。昨夜は、酔って変な正義感ふりかざしちゃって… 止めてくれなかったら、ふたりともボコボコにされてるところでした。骨でも折ったら、更に就職できなくなっちゃうしね。骨どころか、殺されてたかもしれないしね」
(つづく)
85mokko:02/12/08 00:34 ID:QHX9rCoA
いやに聞き分けの良い子供に面食らって説教の続きを忘れてしまった親のように、呆気にとられた。
田中さんは田中さんで、昨夜の情けない一件を自分なりに消化した様子だった。
俺も田中さんも、どちらからともなく口ごもった。結局その日は、いつも通りにひとりで検索機を使い、田中さんとはそれっきりで帰宅した。
それから数日、職安には毎日のように通ったが、田中さんには会えず仕舞だった。
俺は、夜の公園を避けて通るようになっていた。
職安の喫煙所や赤ちょうちんで俺なりに収集した情報によると、公園での惨劇は日常的に繰り返されている暗黙の事実らしい。札付きの不良集団が面白がってホームレスをからかったりいたぶったり、そんな愚行をこれまでも多くの住民が目にしていた。
しかし、その愚行がある一定の基準を守って繰り返されていたから、通報するとか一喝するとか、そんな勇気あることをする住人は一人も居なかったようだ。みんな、あの夜の俺と同じなのだ。
(つづく)
86名無しさん@毎日が日曜日:02/12/08 08:56 ID:Cy0Mquti
う〜せつねぇ〜
87名無しさん@毎日が日曜日:02/12/08 18:26 ID:zswjRFQF
今日はひきもっこり1号の誕生日だ。

続く
88mokko:02/12/08 23:36 ID:Dhhsozat
85のつづき
検索画面の中で「年齢・学歴不問」の文字が輝いて見えた。
とりたてて資格や経験に乏しい俺が、営業職以外で該当する久々の求人だった。
俺は長い長い順番待ちを経て職員へその旨を申し出て、紹介状をもらい、面接試験の日時を何度も確認して手続きを完了した。
賃金も待遇も最低レベルのそれだったが贅沢は言えない。
とりあえずその日は帰りかけて、喫煙所のそばを通りかかると、久し振りで見る田中さんが数人の求職者たちを前に、何やら熱心に語りかけていた。
「俺たち大人がさ、叱ってやらなきゃダメなんだよ。悪いことは悪いって、解らせてやらなきゃダメなんだよ、違うか?」
目を見て問われた求職者の一人が返事に困っていた。
「俺たちだって社会の一員なんだよ。世の中の役に立つべきなんだよ。違うか?」
問われたまた別の求職者が、やっぱり口ごもっていた。
(つづく)
89mokko:02/12/08 23:39 ID:Dhhsozat
何だか本能的に居心地が悪い気がして、田中さんに見付からないように、そっとその場を後にした。
職安の正面玄関から出ようとした時、俺の後を追うように出てきた男が、俺に言うともなしに言った。
「あのオッサン、世直しやってる場合でもないだろうに。正義のボランティア思い付く前にてめえの明日を考えろって、なぁ」
俺はただ、「そうッスね」と言って愛想笑いを返した。
田中さんが気になった。玄関のガラス越しに覗けば、田中さんは身振りまで付けて主張を続けていた。煙草をもみ消して席を立つ者が多かった。誰も田中さんを本気で相手にしていないのだった。
(つづく)
90名無しさん@毎日が日曜日:02/12/09 00:13 ID:69qqiMri
もっこもこーー
91mokko:02/12/09 16:41 ID:Jj6zPkQz
数日が過ぎた。この前受験した会社から、履歴書を返送されてきた。
顔写真をはがそうとして、欄外に面接官が鉛筆書きし、その後消しゴムをかけたのであろう不鮮明な筆跡を見付けた。
『年齢高め 経験不足 問題外』
午後になってから職安へ行ったが、検索機の順番待ちの人数を見てうんざりした。いつもに増してやる気が起きなかった。
番号札さえ取っていないのに、俺は喫煙所へ向かった。
そこには、久し振りで見る田中さんが居た。見ると、頭に包帯を巻いている。
その田中さんが俺に気付いて手招きをし、自分の隣に一人分のスペースをこしらえた。
「頭、どうしたんですか?」
「ちょっとね。それより、どお? 面接受けてる?」
「この前のとこは、ダメでした」
「こっちも似たようなもんでね。もう焼け糞よ。あ、ちょうど良かった、これから一杯やるかい?」
「いや、今日は止めときます…」
「そうか。じゃ、また今度にしよう」
いつもと同じく気さくに振る舞う田中さんだった。
(つづく)
92mokko:02/12/09 16:43 ID:Jj6zPkQz
結局俺は田中さんとどうでもいい世間話を少しして、先に帰る彼を見送った。
気を取り直して番号札を取り、退屈な待ち時間を過ごして検索機を使い、これという発見も無いままに職安を出た。
田中さんからの誘いを断ったものの、アパートへまっすぐ帰る気分にもなれず、駅前の商店街をぶらついてから、いつもの赤ちょうちんで安酒をあおった。
今日まで何社受験して落ちただろう? 指を折りながら数えているうちに頭がクラクラしてきた。俺はもう就職なんて出来っこないのかもしれないな。そんな泣き言が極自然にわいてきて、コップをあおる回数ばかりが早まった。
何かをぶち破りたい衝動にかられてハッと気付いた時は、目の前が星空だった。
いつもなら近寄らないようにしていた公園のベンチで、俺は寝入ってしまったらしい。
起きあがろうとしかけた時、傍らの闇で何かが動く気配を感じた。押し殺した低い声で「今日はこいつだ」と言うのが聞き取れた。
闇の中から数人分の足音が忍び寄ってきた。
(つづく)
93名無しさん@毎日が日曜日:02/12/09 17:22 ID:Vtuq+y2/
愛読者age
94名無しさん@毎日が日曜日:02/12/09 18:34 ID:S7Wd6FMh
なんかショボイね、筒井康隆とか星新一とか中学生くらいが読みそうな
アホ作家のパクリっぽい感じの文章だね
95夢遊 ◆IWNgyX.kPg :02/12/09 18:36 ID:TUD90j6q
>>mokko
モッコリとは股間のモッコリとは違うのかな?
961001:02/12/09 19:28 ID:wrKxWLso
>>94
ダメ94が勧めるアホでない作家を上げてみよ
97名無しさん@毎日が日曜日:02/12/10 00:34 ID:076uYEXl
2chにも飽きてきた今日この頃
このスレだけが唯一の楽しみでつ
モッコリ
98mokko:02/12/10 00:59 ID:TVs8m50A
まずいな、と思うのと同時に、情けないのを通り越して変な苦笑をもらしてしまった。
ホームレスに間違われてしまったか… いや、帰る部屋があるだけで本質は大差無いのかもしれない。どうせ俺はいつまで経っても…
そんなニヒルなモノローグをうち消す様に、激痛が襲ってきた。不良の一人が俺の腹へ蹴り込んできたのだ。
安酒しか入れてはいない胃がたちまちに逆流し、俺は苦い液を吐き散らした。
「汚ぇなぁ、このオッサン」
もう一人からの攻撃がすぐに続いた。今度は顔だ。
火花が飛び散って見えて、俺は後ろへ弾き飛ばされ、地面を数回転げ回って止まった。
「お前ぇ等はゴミなんだよ、だから掃除してやってるんだよ!」闇の中の誰かが言った。
次の攻撃がくるのがわかった。それでも身を丸めて安っぽい防御をするしか俺にはなかった。殺されるかもな、そんなことを結構冷静に思ったりした。
その時だった。少し離れた闇の中から、新しい声が響き渡った。
「何が掃除だ、この大馬鹿野郎ッ!」
そこには、いつもの作業服姿の田中さんが仁王立ちしていた。
(つづく)
99mokko:02/12/10 01:00 ID:TVs8m50A
「あいつ、この前の説教オヤジだよ。フクロにされたのに懲りねぇバカだな」
「また可愛がってもらいたいらしいや」
田中さんの包帯の意味が今頃になって理解できた。どこまでお人好しな人なのだろう。
不良どもは若いし、身体もでかい。他人の痛みなんか理解できない、いや理解する必要も無い場所で育てられた純粋培養の野獣なのだ。
田中さんはそんな集団にたった一人で挑んだのか。無謀を通り越して、それは愚かな行為にしか思えなかった。
「おっと、近付くなよ、糞ガキ共!」
田中さんは作業服の内ポケットから何やら取り出すと、それを頭上高くへ振りかざして更に叫んだ。
「お前等全部ひとまとめにブッ飛ばしてやるッ!」
「何ほざいてんだ糞オヤジ!」
「これは爆弾だ! 俺の倒産した工場で作った本物の爆弾だ! 今度はこっちがゴミ掃除してやる番だぞ糞ガキ共ッ!」
(つづく)
100mokko:02/12/10 01:02 ID:TVs8m50A
「面白ぇじゃねぇか」
不良集団のリーダー格が田中さんへにじり寄って言った。「どうせハッタリに決まってる。あんたバカじゃねーの? 第一、大人がそんなことするかよ?」
田中さんは不適な笑みを浮かべている。そして、勝ち誇った言い方で続けた。
「たまには糞ガキ共をブッ殺す大人が居たって良いじゃねーか」
言うがはやいか、田中さんは手にして物を地面に叩き付けた。凄まじい閃光が走ったかと思うと爆音に混じって白煙がもうもうと立ち込めた。これには不良集団もさすがにびびって、悲鳴を上げて逃げ回った。
「今だ!」
田中さんが俺の脇を取って叫んだ。
俺と田中さんは白煙を割って駆け出した。不良集団の間を縫って、俺と田中さんは闇の中へと駆け込んだ。背後で「ただの花火だ、追いかけろ!」という声が聞こえた。
(つづく)
101mokko:02/12/10 23:05 ID:qFPJYs0X
夜の駅前通りを俺と田中さんは駆け抜けた。
背後からは少年たちの足音が響いてくる。
「こっちだ!」
言いながら小路をかいくぐって走る田中さんにならって、俺はいくつもの角を曲がり、いくつもの垣根を飛び越えた。
「全員招集しろ! あのオヤジだけは絶対にぶっ殺してやる!」
背後の声が叫んでいた。
夜の街を、逃げる俺たちと追う少年たちがけたたましく走り抜けた。時には何事かと扉を開ける人も居た。商店街を抜ける時は、知った顔の店主たちが驚き顔でこっちを見ているのが見えた。
「この先の角を曲がったところに俺の工場がある。そこへ逃げ込もう!」
田中さんがダッシュする。それに続いて俺も角を曲がった。
(つづく)
102mokko:02/12/10 23:06 ID:qFPJYs0X
工場の物陰に隠れて、闇の中の様子をうかがった。
携帯電話で仲間を集めた不良集団は10人以上に増えていた。こうしている今も新たなメンバーが次々に駆けつけてきそうな雰囲気だ。
リーダー格の少年が闇の中をにじり寄ってくる。その手には光る物が見える。ナイフだ。
「オヤジ! 出てきやがれッ!」
少年の鋭い声が工場全体へ木霊する。
それまで工作機械の陰に潜んでいた田中さんが大胆にもすっくと立ち上がった。少年たちとの距離は約10メートル。
「出やがったな、糞オヤジ」少年たちがにじり寄って来る。
「そこで止まれ、糞ガキ!」田中さんが一喝する。ズシンと響く地鳴りのような声だった。少年たちの足が止まった。
「社会のルールだから一応言っておいてやる。まず、お前たちのしていることは悪いことだ。悪いことはしちゃいけない。悪いことをしてしまったのなら、反省して家へ帰れ。そして、もう2度と繰り返すな」
(つづく)
103mokko:02/12/10 23:09 ID:qFPJYs0X
田中さんの話が続く。
「次に、俺は大人だ。大人は、悪い子供を叱るのが役目だ。言っても聞かないバカな子には、痛い思いをさせてでも解らせるのが大人の役目だ」
「うぜぇんだよッ!」リーダー格がキレる。若者特有の直下型のキレ方だ。
「最後にもうひとつ。大人だって人間だ。鬱憤がたまれば発散したくもなる。お前たちがホームレスをいたぶって発散したように、俺も日頃のモヤモヤをスッキリさせたいと思っていた」
「面白ぇこと言うオヤジだぜ。何も出来ねぇくせに」
「大人をなめるとどんなに怖いか、とっくり教えてもらいたいようだな!」
田中さんは傍らにあったリモコンのスイッチを拳で叩いた。それまでの静寂がやぶられて、工場が一斉に息を吹き返した。重厚なモーター音が響き渡り、天井の薄明かりも灯った。そして、出入り口のシャッターが凄まじい音をたてて下降してきた。
少年たちが慌てふためく。数名が、本能的に身の危険を感じて、ゆっくりと下降してくるシャッターへ駆け込もうとした。しかし、リーダー格がそれを征した。
かくして少年たちを残し、最後の衝突音を響かせてシャッターが完全に閉ざされた。
(つづく)
104名無しさん@毎日が日曜日:02/12/10 23:26 ID:cyzxC34c
うんうん
105名無しさん@毎日が日曜日:02/12/11 04:05 ID:NPy9lVPN
ああこのスレは心のオアシスだ
mokkoみたいに感受性の豊かな人がヲレは大好きだ
ヲレにも文才が少しでもあればなぁ・・・

田中さんカコイイ!!
106( ´ー`):02/12/11 16:53 ID:6KhsuEz+
愛読者age
107mokko:02/12/11 17:15 ID:Hha0NSzY
「怖くねぇ…ぞ、糞オヤジ!」リーダー格がナイフを振りかざして威嚇する。
「今度はこっちがスッキリさせてもらう番だ!」田中さんが勝ち誇った笑みを浮かべて言う。
そして、彼が手元のスイッチを押すと同時に、少年たちの足元からはまたしても爆音と閃光がほとばしった。
熱く焼けた砂浜を裸足で歩く時のように、少年たちが慌てふためいて奇妙なダンスを踊った。リーダー格が仲間を一喝する。「さっきのと同じ、ただの花火だ!」
弾け飛ぶ火花から逃げまどう少年たちがどうにか落ち着きを取り戻す頃、田中さんは次のスイッチを叩く。
今度は天井から大量の火の粉が噴出し、少年たち目掛けて降り注いだ。その量たるや半端なそれではなかった。少年たちの赤く染められた髪の毛や衣類を焦がす、すさまじく大量の火の粉だった。
火の粉の噴射は止まらない。灼熱の集中豪雨が降りしきる中、少年たちが髪の毛をかきむしって悶え苦しんでいる。
そんな地獄絵図を前にして仁王立ちの田中さんは、厳格な大人の顔付きでそれを正視している。しかし、その微かに笑みをたたえた口元が俺には悪魔にも見えた。
(つづく)
108mokko:02/12/11 17:17 ID:Hha0NSzY
少年たちの戦意はすでに消失していた。
髪や衣類が焼け焦げて、尚も燃え上がる炎を消そうとする手のひらが火傷で火ぶくれしている。
地面に転げ回って命乞いする者や、泣きながら懺悔する者が右往左往していた。
今となってはリーダー格の少年だけが降り注ぐ炎の雨の中、対面する田中さんを威嚇している。
「糞ガキ、いよいよこれで最後だ。俺がこのスイッチを押せば、天井のスプリンクラーが作動する。ただし、吹き出すのは水じゃない。俺がタンクの中身を灯油に変えておいた。
お前も、お前の仲間も、俺も、俺のものだったこの工場も、何から何まで全部まとめて燃やし尽くしてやる。俺が出来る最後の大掃除をたった今からやってやるッ!」
これにはさすがのリーダー格も狼狽を隠せなかった。転げ回る仲間に足を取られながら、苦痛の表情を浮かべて後退した。
(つづく)
109mokko:02/12/11 17:28 ID:Hha0NSzY
「ダメだよ田中さん、スイッチを押しちゃダメだ!」俺は田中さんの腕に飛びついた。頑強な彼の腕が俺を払いのけようとする。
「もういいよ。もう終わりだよ。連中も改心するよ。だから、スイッチを押しちゃダメだ!」
「うるさい、その手を離せッ!」
「離さないよ! 俺は田中さんを犯罪者にしたくない!」
「ゴミ掃除の為なら、犯罪者にでも何にでも喜んでなってやる!」
「ダメだよ田中さん! 俺はこの先ずっと、田中さんと一緒に一杯やりたいんだよッ!」
一瞬の静寂。しかし、田中さんは満身の力で俺を弾き飛ばしたかと思うと、怒りの握り拳を振り下ろして最後のスイッチを押したのだった。
リーダー格が女の様な甲高い悲鳴を上げて髪の毛をかきむしりながら、閉ざされたシャッターに向かって駆け出した。
(つづく)
110名無しさん@毎日が日曜日:02/12/12 01:22 ID:DCp0B+wt
もっこしあげ
111名無しさん@毎日が日曜日:02/12/12 04:41 ID:+CeV1wwC
もっこりしてきたage
112mokko:02/12/12 15:20 ID:tgjYeCIG
もうダメだ! 無駄だと解っていながら身を縮めて低い姿勢を取った。
しかし、そんな俺の意に反して、シャッターが悲鳴のような金属音を響かせて上がり始めた。
室内からもうもうとあふれ出す白煙に混じって、咳き込む少年たちがよろめきながら逃げ出して行く。
それでも一番最後に駆け出すリーダー格は、一度振り返って田中さんを指さし、絶叫するように言った。
「この借りは返すからな! てめぇだけは絶対ブッ殺してやる! この工場も燃やしてやる! お前も、お前の家族も探し出して、徹底的に可愛がってやる!」
田中さんは、頷くようにしてそれに応えた。それは、踵を返して逃げ去るリーダー格へ届く声量ではなかった。つまりは俺だけが田中さんの声を聞いた。その声はこう言ったのだ。「そんなもの、とうに全部無くしちまったんだよ」と……
(つづく)
113mokko:02/12/12 15:21 ID:tgjYeCIG
言葉が見付からなかった。田中さんは、ただ黙って俺の肩を叩いた。
ふたりで工場の中を進んだ。出入り口まで辿り着いた時、工場前の広場に、まだ背中をくすぶらせた少年たちの後ろ姿が見えた。
いぶかしく思いかけて、彼等は逃げ去りたいのにそれが出来ずに立ち往生しているのが理解できた。
闇の中から、沢山の顔が少年たちを取り囲んで居たのだ。
工場前の通りから、いくつもの顔が少年たちににじり寄ってきた。
いつかのホームレスの顔、職安で見かけた求職者たちの顔、駅前の商店街や赤ちょうちんで行き交った多くの顔、顔、顔…!
そんな沢山の大人の顔が少年たちを取り囲んで、その輪をじわじわと狭めていた!
「悪い子は叱られる… 悪い子は叱られる…」
誰からともなく、そんな声が繰り返された!
「悪い子は叱られる! 悪い子は叱られる!! 悪い子は叱られる!!!」
やがて大合唱へと変化した声は、少年たち全員を飲み込んで行くのだった。リーダー格の甲高い悲鳴もやがて聞こえなくなって……
(つづく)
114mokko:02/12/12 15:21 ID:tgjYeCIG
あの日以来、田中さんには会えていない。
職安の喫煙所で、田中さんの話をしても誰もが首を傾げた。
某かの罪になって逮捕されたのではないか、と心配する者も居た。
田中さんの持ち物だった工場は解体業者があっさりとさら地にしてしまい、土地を買い上げた業者がマンションを建設するまでの間、周辺の幼児たちの束の間の遊び場になっている。
俺は、その後ふたつの会社の採用試験に失敗し、今現在も求職中であることに代わりはない。週明けにはまた別な会社の面接が控えている。
そして、夜の公園にも一応の平和が訪れた。こうして、一人で煙草をふかしていても少年たちに狩られる危険は遠のいたみたいだ。
この前の一件で顔見知りになったホームレスが、遠くから俺に軽く手を振って行き過ぎた。彼に簡素な会釈を送り、俺は、久し振りで駅前の赤ちょうちんへでも寄って帰ろう、と歩き出した。
何だか根拠も無いのに、田中さんの気さくな笑顔にまた会えるような、そんな気がしていた。
(おわり)
115( ´ー`):02/12/12 15:38 ID:bxUErrov
テーマ「無職」の短編集出してみたら?持ち込みとか同人とか。
116名無しさん@毎日が日曜日:02/12/12 15:39 ID:5D66GoDN
>>ALL「ヒコモッコリ」なんてカキコしてる暇あるんなら氏ねよ
117名無しさん@毎日が日曜日:02/12/12 15:42 ID:pbmen6fG
>>116
 わたしもそう思います。
118名無しさん@毎日が日曜日:02/12/13 01:27 ID:iSYzAnul
2話目よかった
人間って何もかも無くしてはじめて人間らしくなれるのかもしんないな
会社勤めしてると身の保身ばかり気になって面倒な事には目も向けなくなってしまうからな
この話し以外と深い
にもかかわらずさらっと書いている感じがとてもいい
これ書いてる人の他の作品をもっと読んでみたい
新作期待しております
119mokko:02/12/13 02:05 ID:MK+cgstu
まぁ、みなさん、いろいろあるみたいですが…
こんな妄想している人も居るんだねぇ、って軽く受け流してください(笑)。
求職活動はちゃんとやってますよ。合格したら、その時点で突然妄想が中断されちゃうからね。
ですからそれまでは、どうぞお付き合いください。
次のは、主人公が魅力的な女性に翻弄されるお話です。(文字数がなぁ…)
120名無しさん@毎日が日曜日:02/12/13 02:10 ID:v2+UjsS0
>>118
感想もヨカタ
IDがすこしワラタ
>>1
お疲れ
無職やホームレスの置かれている状況が良く伝わってくるぽ
大掛かりな仕掛花火が出てきてどうなることかと思ったけど、
旨くまとめてあったのでホッとしまふた
実際にここまで作品を創れるのは、イイ腕してると思いまふ
こりからもガンガ

121名無しさん@毎日が日曜日:02/12/13 03:32 ID:DYBBZX4F
小学生の時はやってた「はげモッコリ」って言葉を思い出した
122( ´∀`):02/12/13 20:20 ID:TaTWdJtq
愛読者age
123名無しさん@毎日が日曜日:02/12/14 22:43 ID:mW6ahz4e
mokkoさん小説家になれるんじゃないですか?
むちゅうで読んでしまいました
新しい妄想楽しみにしてまふ
124mokko:02/12/14 23:03 ID:ZXOh8cf1
みなさん、どうも。mokkoです。
求職活動の方はすすんでいますでしょうか?
私の方は、暮れに入ってからは、ただでさえロクな求人が無いのに、絶望的ですねぇ…
それでは今回も、しばらくの間、私の妄想にお付き合いください。
今度のはスレタイにふさわしい、多少はいろっぽい妄想になっていると思います。
125mokko:02/12/14 23:04 ID:ZXOh8cf1
倒産した会社で同僚だった田辺が故郷の実家へ戻る引っ越しを手伝った俺は、粗大ゴミの中にまだ使えそうな1台のノートパソコンを見付けた。
もったいないぞと軍手で液晶画面の汚れを拭いていると、田辺が「欲しいんなら持って行け」と言う。
「これを機にもうパソコンはやらないから、俺には不要品だ」
「そうか… じゃあ、もらっておくか」
田辺とはそんなに親しかった訳ではない。倒産した会社は小さかったから、年代が近い同僚はヤツしか居なかったのだ。引っ越しの手伝いをする義務も義理もなかったが、失業して時間を持て余している暇つぶしの意味もあって参加したに過ぎない。
「引っ越し手伝わせて、ソバも食わせない埋め合わせになったな」
田辺が彫りの深い笑顔で笑った。
だから、今、俺の部屋にはそのパソコンがある。
(つづく)
126mokko:02/12/15 01:34 ID:Wlri0ABr
プロバイダとの月額固定契約が大晦日まで残っていたから、パソコンを持ち帰ったその日から俺の部屋がいきなり世界とつながってしまった。
一応は前の仕事で使っていたから、俺程度の知識でも機械は適当に使いこなせた。
やってみると、インターネットというヤツは、失業中の身には特に有難いものだった。
次から次へと画面が変化して行くから、時間つぶしにはもってこいなのだ。職安の求人情報も確認できるし、全国の同業者(?)が書き捨てた主張やため息も読み取れる。
それに何と言ってもアダルトサイトが無限にあるではないか。男としては、これはもう見ない訳には行かない。
しかし、飽きるのもはやかった。お色気満点のおねえさんも、所詮はただの絵だったからだ。そういう物でいつまでも快楽を継続できるほど、俺は若くもなかった。
会社の倒産と同時期に破局を迎えたかつての恋人を思い出した。肢体から伝わってくる体温。攻めればすぐ様反応する現実感の伴った本物の女体。
「クーッ、もったいないことをした」画面上のヌードモデルをクリックで閉じて、つくづく、そんなことを考えた……
(つづく)
127mokko:02/12/15 01:36 ID:Wlri0ABr
その日も、職安のHPを虚しく閉じた後、俺はあることに気付いて身を乗り出した。
考えてみれば、そのパソコンはもらってきたままに使っているのだから、かつての使用者である田辺が残した痕跡が随所に見受けられた。
試しにメールソフトを立ち上げてみれば、ヤツがこのパソコンでやりとりした沢山のメールが依然として残っているのもわかった。
企業名のDMなどに混じって、複数の差出人からのメールがそれこそ何十通も保管されたままになっている。
そんな中に、俺は「miki@○○○.ne.jp」の文字を見付けた。この送信者からのメールが一番多かったからだ。普通に考えれば、それは女であろうことが伺える。
他人の手紙を読むのは気が引けたが、どこの誰とも知らない相手なので、好奇心を抑えきれずに俺はメールを読んでみることにした。
どれでもいいから適当に件名をクリックして新しいウィンドウを開く。
全文をここにコピペするのが一番良いのだろうが、それをやっていては板の文字数が尽きてしまう。要約して書き進めるので、足りない部分は想像で補ってほしい。
(つづく)
128名無しさん@毎日が日曜日:02/12/15 02:38 ID:Z5P7X+1L
深夜乙age
129mokko:02/12/15 15:53 ID:sGuhCaS5
女が『一度会ってみたい』と書いていた。
それに対して田辺が『メール交換だけを目的として開始された関係だから、会わない方が良いと思う』と返している。
へぇ〜、随分と弱気な男だね〜。俺は失笑を禁じ得なかった。あの二枚目の田辺がねぇ。
そんなやりとりが何通か続いて、女の『会ってみたい…』は『会いたい!』に変化している。うひゃあ、女の方が積極的じゃないの。田辺は『身の回りがバタバタしていて、時間を作れそうにない』と結んでいる。
その回の田辺の送信日時から察すれば、ちょうど俺たちの会社が倒産するしないで揺れ動いていた時期だ。
たしかに倒産騒ぎの頃は俺もいろいろと多忙だったが、女の側が会いたいと言っているのにもったいないことをする男も居たものだ。俺は、感心するやら、考えてみれば倒産と同時期にふられた自分に比較して田辺のやつが羨ましいような…
どっちにせよ、他人のメール交換をのぞき見する行為が、俺の密やかな愉しみに変化したことだけはハッキリしている。
俺は、飯の時間であることも忘れて、何十通ものメールに読み入るのだった。
(つづく)
130mokko:02/12/15 15:53 ID:sGuhCaS5
女が自分で書き綴った内容から、この街に住む「miki」と名のるOLである素性が読みとれた。
ある回の文面に、『書類を渡しにエレベーターに乗って』とあるから、それなりに大きな社屋であることがわかる。また『土日の休みを利用して』の記述からも週休二日制度が整えられた大企業であることも想像がつく。
『犬とふたりで』からは一人暮らしであることが、『窓から見える夜景がキレイ』からはマンションの上の階の住人であることが、それぞれ読める。
俺はそうして見付けるヒントをひとつ増やす毎に、自分なりの「miki」を空想し、顔立ちや髪型やスタイルを身勝手に決定付けて行った。
何だか妙にわくわくしていた。失業以来、久し振りで高揚するこの感じは何だ?
しかし、そんな浮ついた俺を神様が一喝するかのように、気掛かりな一文が飛び込んできたのはその直後だった。
彼女が長いメール交換の最後の1本で、『死ぬ前に一度だけ会いたかった…』と結んでいるのを見付けたからだ。それに対する田辺の返信は無い。
「まさか、この人、死んだのかぁ?!」
(つづく)
131mokko:02/12/16 00:04 ID:zpPa7PFz
「おいおいおい、勘弁してくれよォ…」
その先の情報をまさぐって、あちらこちらクリックを繰り返すものの、後にも先にもメールの交換はそこまでで途切れている。送信日時を調べてみれば、田辺が引っ越しをする前日に「miki」からの最後のメールは送られている。
今日の日付から逆算すれば、最後のメールから10日以上が経っていることになる。
古い分のメールから、彼女が仕事上の軽いミスや人間関係で悩みを抱いて会社を辞めたがっていたことは読み取れるものの、それにしても自殺にまで至る明確な理由を記述した場面は見付からなかった。
田辺から「miki」への返信も同様で、低賃金で拘束時間ばかりが長い俺たちの会社に対する不平不満ばかりが目立つ、愚痴のこぼし合いが繰り返されているだけだ。
「でも普通、死ぬかよ?」
無表情な液晶画面の向こう側がじれったかった。
「普通、死なない…よな?」
俺は、見なかったことにしてパソコンの電源を切り、遅くなった飯の用意を始めた。
(つづく)
132mokko:02/12/16 00:06 ID:zpPa7PFz
その後、職安の紹介でとある会社を受験した俺は、パソコンとの距離を置いた生活を何日か続けた。
面接の時に珍しく好印象で俺を迎えてくれた面接官が居たのだ。久し振りの手応えを感じた俺は、通知が届くまでの間、心機一転部屋の大掃除を済ませ、散髪も済ませ、会社へ着て行くスーツのクリーニングも済ませ、入社後の歓迎会で歌うカラオケの選曲さえも済ませた。
しかし、俺の抱いていた淡い期待は、返送された履歴書を受け取った時点で完全にかき消されて現実に引き戻された。
それと同時に、パソコンで職安の求人状況をまた閲覧しなければならなくなった。
そんな段になって、思い出したように再燃したのが「miki」のことだった。
不合格で自暴自棄になっていたせいでもあるまいに、俺は好奇心から「miki」宛てに1本のメールを書いてみた。
『まだ、生きてますか…?』
ただその一文だけの書き捨てのつもりだった。どうせメールの差出人は田辺のままで届くのだ。彼女が本当に死んだのか、それともただの冗談だったのか、それを知る手掛かりにでもなれば、と俺は目論んでいた。
ところがだ。
送信してから5分とかからずに、彼女からの返事が届いたからたまげたのだ。
(つづく)
1331001 ◆yvxfBeZ/lk :02/12/16 02:18 ID:CF6fE7Fu
これもいいぽ
今までで一番良いかもら
134mokko:02/12/16 03:02 ID:gHWcpHTW
もう一人づつ相手してくもんね。(笑)
>133 様
あなたは良い方です。
この後、とんでもない展開になりますから、とことんお楽しみください。
感想をよろしく。
135( ´ー`):02/12/16 21:07 ID:5TnJKG3O
愛読者age
136mokko:02/12/16 21:48 ID:kjI0j1Np
『さみしいよ…』
彼女から届いた、そう書かれただけの白いメールを見つめて、俺は呆然としていた。
「生きてた……」
人間そんなに簡単に死ぬものではない。そもそも「死ぬ」だの「死にたい」だの言う台詞は、こちらが心配するほど真剣ではないケースの方が多いのだ。
本人にしてみれば、「死ぬ」ほど本気で○○をした、という程度の使い方をする方が一般的だし、だからこそ誤解を生む。
だから、『生きててくれて、俺は嬉しい』とだけ送信した。
彼女からの返信が、またしてもすかさず届く。
『今日の田辺さん、なんだか優しい。お仕事大変ですか?』
言いようのない楽しい気分が膨らんできた。
田辺になりすますことに多少の罪悪感を感じながらも、俺は今度はもう少し長文のメールを作成すべく、キーボードの文字を探し打つのだった。
(つづく)
137mokko:02/12/16 21:49 ID:kjI0j1Np
それ以来、俺とミキは一日に何通ものメールを交換し合った。
小学生の頃の交換日記のときめき、とでも言うんだろうか、とにかく華やいだこの気持ちを正確に表現することなど無粋な俺には出来っこない。
ミキから届く一文字一文字が、俺のすさんだ心を癒してくれた。
ミキとメール交換出来る幸せを俺はあらためて実感した。ミキとの文字上の会話が、俺の生活の大部分を占めるようになるまで、数日しかかからなかった。
気付いた頃にはもう、俺はミキとの会話無しに生きられなくなってしまった。ミキが大切な存在に思えた。ミキの役に立ちたいとさえ感じた。
ミキのすべてを知りたかった。ミキが欲しいと思った。
微かな吐息を漏らしてのけぞる喉笛の白さを、心底見てみたいと俺は哀願するようになった。
だから、『会いたい』と俺は打ち明けた。
元々田辺に拒まれていたのはミキの方だ。彼女は大喜びで俺の申し出を受諾した。
(つづく)
138夢遊 ◆IWNgyX.kPg :02/12/16 23:01 ID:fOh1VpBc
流行語大賞は残念だったな・・・・
139名無しさん@毎日が日曜日:02/12/17 00:15 ID:+3in8Sgs
>>138
ワラタ
140mokko:02/12/17 01:56 ID:uDnX7CkR
>138
残念でした。でも、また来年があります。
ひきこもってモッコリ妄想する行為、またはそういう人=ヒキモッコリ
いい響きだと思うんだけどなぁ……
ところで今回の妄想、明日はいよいよ盛り上がりますよ。
なんて宣伝したりして。
141夢遊 ◆IWNgyX.kPg :02/12/17 02:17 ID:ws+26Fjb
>>mokko
モッコリ妄想って勃起しながらかと思っていたよ
当初はエロスレだと思っていたが、実に奥が深くて感心しましたw
142mokko:02/12/17 02:39 ID:uDnX7CkR
>141
てれるなぁ……
がんがって妄想するから読んでくれぴょん。
1431001:02/12/17 02:44 ID:+3in8Sgs
(・・)ノ いよう

気を引き締めてカンガ!!( ゚∀゚)=◯)`ν`)・;'.、
144mokko:02/12/17 16:14 ID:pqxzq+wD
赤鼻のトナカイが聞こえてくる待ち合わせの駅前広場に現れたのは、俺が想像したとおりのミキだった。
若くしなやかな肉体と研ぎ澄まされた知性を併せ持つ、文字通りのいい女。
職を失うと同時に俺に背を向けたかつての恋人へ見せびらかしてやりたくなるほど、俺にとって理想的な女だった。
匂いからして違いすぎる。香水ではなく、男を引き付けて止まない独特の甘美な体臭だ。
気恥ずかしさや清楚な振る舞いは常として、一旦火がつくと爆発的に炎上する、どうにも自分を抑えきれない女。
従順で俺の言いなりで、それでいて時に積極的にそれ以上を乞う、可愛らしさも欲深さも獣らしさも、全部引っくるめて男を虜にする魔性の女、それがミキだった。
失業者には贅沢すぎるホテルで、俺はミキを堪能した。
昇りつめるミキが「田辺さん」と叫んだのが気になった。しかし、そんな罪悪感さえも官能の一部にすり替えられてしまう程、俺にとってのミキは刺激的過ぎたのだ。
肉体は充分過ぎるほど満足しているはずなのに、精神は常に「次」を要求する。
俺は、貪るように何度も何度も、喘ぐ彼女を激しく突き上げるのだった。
(つづく)
145mokko:02/12/17 16:15 ID:pqxzq+wD
最初の一夜を超越してしまったカップルに、その先の苦労や気後れはさほど無い。
俺とミキはその後何度も落ち合った。誘いはすべて、いつものメールを使った。
俺は求職活動のさ中、屈辱的な場面や扱いをされる度に彼女へ泣きつく子供のようにメールを送信した。
すると、まるで天使のようなミキが俺を癒してくれる。
時には自暴自棄になって、ミキを強引に、そう… 強引に犯した夜もあった。それでも、その翌朝に届くミキからのメールは、明るく、進歩的で、ひたすらに俺を元気付けてくれる。
ミキの笑顔を思えば、職安の長い順番待ちも苦にならなくなった。
採用試験には相変わらず落ち続けていたが、見たくもない不合格通知さえミキに会うきっかけ程度の意味しか持たなくなった。応募する会社を見付けたと言ってはミキを抱き、そこを落とされたと言ってはミキに癒される繰り返しの日々……
そんな頃だった。もう二度と会うことは無いと思っていた、田辺がひょっこりと俺の部屋を訪問したのだった。
(つづく)
146R@ ◆QZdameC492 :02/12/18 00:03 ID:8xEGXQEC
エロスレに定着させようぜヽ(゚∀゚)ノ

嘘です。
続きはやく〜。。。
147mokko:02/12/18 01:47 ID:1efOP2zc
「個人的な後処理がまだ残っててな。来たついでだから、寄ってみた」
田辺は、小指を立ててそう言った。相変わらず、さわやかな整った笑顔だ。
俺にしてみれば、田辺になり代わってミキと付き合う罪悪感よりも、ミキへの独占欲の方が先に立った。
この男の出現がミキを失うきっかけになるような、俺は直感でそんな危惧を抱いた。今頃何しに戻ってきやがったこの野郎。田辺に対する警戒心ばかりが猛烈に膨らんだ。
「お前… 痩せたんじゃないか?」田辺が怪訝そうに言った。「その分じゃ、まだ仕事見付かっていないな。俺も故郷で探してるけど、なかなか厳しいよ」
「この際だから言っておきたいことがある」俺は毅然と切り出した。「俺はミキを返さないからな」
「ミキ……? 誰だよ、それ?」澄まし顔で言いやがる。
「とぼけるな! 俺は彼女に夢中だ。彼女も、今は俺個人を愛してくれている」
「ひょっとして、お前…」田辺はようやく合点が行ったらしく、不適な笑みを浮かべて俺をのぞき込む。
(つづく)
148名無しさん@毎日が日曜日:02/12/18 01:49 ID:1efOP2zc
「とぼけやがって!」俺は憤慨して、強い口調になった。
それに対して、田辺の冷静さは何だ? ミキを巡っての「先輩」にあたる立場から来る優越感か、俺のことを好奇な視線で観察しやがる。
どうせ、手持ちの女の中から一番興味が薄い女をひとり、もてない元同僚にめぐんでやったんだから感謝しろ、ぐらいのことを考えているに違いない。二枚目はこれだから嫌だ。
「だから、俺は絶対にミキを返さないからな」
「今更返してくれなくていいよ。だって、お前にやったんだから」
俺だけでなく、ミキまでも侮辱する田辺のその言い方が許せなかった。
「女を物みたいに言いやがる! ちょっとモテるからって何様のつもりだ! 今のお前は俺と同じくただの失業者のくせにッ!」
「おいおい…… 変だぞお前」
「変なのはお前の方だ! 帰れ! そしてもう二度と俺たちの前に現れるな!」
結局、俺は、まだ何事か言いかけている田辺を追い出すかたちで、ドアを乱暴に閉ざした。
その日の夜、俺はいつもと同じくミキを抱きながら、一層強く誓った。ミキを絶対に離すもんか、と…
(つづく)
1491001 ◆SP0K1001J2 :02/12/18 04:03 ID:TtHjNT+Z
まだ途中だが、ストーリの運びが自然だ
作者に対しての認識が読むほどに広がる
R@まで萌え出したw

ガンガage
150へたれさん:02/12/18 04:08 ID:7JfRvEZF
更新待ってましたage
151mokko:02/12/18 04:12 ID:1efOP2zc
>149
ありがとぉッ!
このあと、2、3日で最終章まで一気に行くからね。気を抜かずに読んでね。
152mokko:02/12/18 04:16 ID:1efOP2zc
>150
今回のは私も今までで一番好きな妄想です。
終わり方を期待してちょ。(自信は無いが…)
1531001:02/12/18 04:18 ID:TtHjNT+Z
おまけに、アサモッコリ上げw
154名無しさん@毎日が日曜日:02/12/18 04:32 ID:XWj6RdTz

満員電車で
前モッコリ
155mokko:02/12/18 15:33 ID:H9scL+Y2
イヴも近いと言うのに、就職活動は低迷が続いていた。
「おさえ」のつもりで受けた時給700円台のアルバイトさえ、何10倍もの狭き門で不採用にされた。
失業給付金が出ているし前の仕事の蓄えも少しは有るから、すぐに食えなくなることはない。しかし、先行きの不安は募るばかりだった。
クリスマス色一色の師走の都会が、俺の悲壮感に拍車をかけていた。
目前を無表情に行き交う大勢の人々を眺めながら、この中の何割かの人は俺と同じなのだろうな、と思った。
すぐに救いが現れた。くすんだ雑踏の中から、そこだけポッカリと浮き立って俺の天使が手を振っていた。白いウールのロングコートと黒いブーツがとても良く似合っている。転ばないように不安定な動作で、それでも精一杯に駆けて来て、ミキはすかさず俺の腕に絡み付く。
闇の空からちらほらと白いものが落ちてきた。
彼女の紅い唇からこぼれる白い息が、俺を取り巻いては闇の中へと消えて行く。
隣にぴったりと寄り添うミキが、頭を俺にもたげて甘える。風にそよいだ長い髪が俺の鼻先をかすめる。
ふたりは、行き先も決めずに雑踏の中へと歩き出した。
(つづく)
156mokko:02/12/18 15:33 ID:H9scL+Y2
行き交う人の群に逆らって進みながら、俺は冷えた空気の中、ミキの温もりを感じることでかろうじて自らの平成を保っていた。
ミキはイルミネーションに照らされて舞い落ちてくる雪を見て「綺麗」と俺に笑う。
他人と競争することや他人を蹴落としてまで前に出ることを、どちらかと言えば好んではいない、ただそれだけの理由で人間は堕ちて行かねばならない種族なのだろうか。
自分が招いた今日の日の姿なのか、いわゆる世の中の間違った仕組みのせいなのか、そんなことはもうどうでも良い気がした。問題なのは、いつまで経っても再就職の目処が立たない、たったそれっきりの現実なのだ。
「どうした? 具合悪い?」ミキが心配顔で聞く。平気だと笑ってみせる。
自分にとって「最高」の女を抱きながら夜の街を歩いても、俺は下世話な失業者に他ならない。すれ違う人々の笑顔や笑い声が、いちいち強烈に飛び込んでくる。
肩越しに通り過ぎる知らない顔の通行人たちが、実は背後から俺のことを指差して笑っているような妄想を感じた。
俺はミキの腕を取ると、地下鉄の入り口に向かって歩みをはやめた。
びっくりしたミキが俺に何か言いながら、それでもブーツの踵を鳴らす早足で着いてきた。
(つづく)
157名無しさん@毎日が日曜日:02/12/18 15:47 ID:ScExkpGE
♪ダンボールの中 ヒキモッコリっきり♪
158mokko:02/12/19 03:26 ID:i3diLGk7
目が覚めると、目前に拡がったのは見慣れた俺の部屋の天井だった。
ミキの存在自体が夢だったのかと一瞬ビクついて周囲を確かめると、隣で眠る彼女の白い肩を見付けて安堵した。のぞき込むと胎児のような格好で微かな寝息を立てている。
窓のカーテン越しに差してくる淡い光が、昨夜脱ぎ散らかしたままの衣類や下着を照らしていた。同時に、昨夜のいつも以上に激しかった行為の記憶が甦ってくる。
会う回数を重ねる毎に、金がかかる外の部屋を使う訳にも行かなくなる。まして今の俺は失業中なのだ。隣で無防備に眠るミキに、済まない、と謝罪した。
時計を見た。7時を回っている。勤め人なら出勤の準備をしなければならない時刻だ。俺は今日も職安くらいしか行く予定が無いから構わないものの、ミキには仕事が有る。俺は、可哀想だがミキの身体を揺すった。
「ん、ん……」ミキが覚醒する。反射的に掛け布団を引き上げて顔を隠すが、再び俺を見て笑った。「おはよ……」
「仕事行く時間だぞ」俺が声をかける。
「休んじゃおうか……」
「リストラされるぞ。そうなったらふたり揃って失業だ」
(つづく)
159mokko:02/12/19 03:27 ID:i3diLGk7
「もともと好きでやってる仕事じゃないしね」ミキが俺の首へ腕を回してくる。
「嬉しいけど、仕事は行かなきゃ…」俺はミキの唇を吸う。いや、ミキの唇に吸い寄せられる感じだ。ミキの整った前歯が俺の下唇を優しく噛んで引っ張る。
「もうどうでもいいや、っていつも思ってた…」ミキが俺の首筋から胸へ移動しながら言う。
「そんなこと言ったって… ふたりで失業して、どうするの?」俺はミキの乱れたままの髪にキスをする。
「ここで、こうして、するの、ずっと……」ミキが俺を押し倒して上になる。そのまま彼女は俺の下半身へ降りて行き、すでに完全な状態になっているそれをまさぐる。
「それもいいけど…… ふたりとも死んじゃうぞ」俺は半分冗談にそんなことを言い、目を閉じて彼女に全身を委ねる。
「死ねば、いいじゃん」
ミキが俺のものをくわえ込む。俺は彼女の体温に包まれる。ミキの舌先が俺の一番敏感な部分を刺激しはじめた。
この瞬間が永遠なら、俺は死んでも構わないと心から願った。あとはミキに任せるだけだ……
(つづく)
160mokko:02/12/19 03:49 ID:i3diLGk7
[担当警部補・菅沼一郎の私見]
現場及び物証の両面から、さしたる事件性は感じられない。
遺体発見は年明けの5日。クリスマス前から音信不通となった被害者宅をいぶかしく思った管理人が訪れてのこと。
解剖の結果、直接の死因は心筋梗塞。
現場は完全なる密室で、被害者以外の人物の痕跡は一切発見されてはいない。
押収された証拠物件の中に一台のパソコンが含まれている。
最近の事例で多く見られる、パソコン内部に遺書めいた書き込みが残されているケースを考慮して、現在鑑識で詳細に調査中であるものの、とりたてて不審な点はまだ報告されてはいない。
パソコンの前の持ち主である田辺氏に事情聴取する方針ではあるが、現段階ではこれと言った重要証言は期待できないと考えられる。
会社の倒産により失業した青年が、年の瀬を迎えて自らの前途を卑下して選択した自殺。これが私の見解である。個人的には同情を禁じ得ないが、昨今の時代背景から判断して、事件としてはありふれた範疇と言えるだろう。
(つづく)
161mokko:02/12/19 03:49 ID:i3diLGk7
[被害者の元同僚・田辺氏の証言]
てゆうか、いまだに信じられないんですけどォ…
「miki」ですか? たしかに僕がダウンロードして、使っていたものです。
フリーソフトで、言ってみれば癒し系のバーチャルシミュレーションですね。
「miki」宛てにメールを送ると、AIが反応して、本物のメールで返信、いわば「嘘んこメール」が届くんです。
こっちがメールした文章の単語に反応して、それに対応した内容の返事を合成して返してくれるんで、明るい内容の手紙を書けば明るい返事が返ってくるし、悲しい話を書けばもっと悲しい返事が返ってくる。
最初の設定で、「miki」の性格を決められるんですよ。僕の場合は、「ちょっと憂鬱ぎみなOL」ってのを選びましたけど。
すぐ『辞めたい』とか『死にたい』なんてメールをくれる子で、それを面白がって勇気付けているうちに、逆にこっちが元気をもらえたりしたものです……
刑事さん、あいつ、病気とかだったんじゃないですか? 暮れに再会した時、別人みたいに痩せてるんで驚きましたよ。
あ、そうだ。その時、あいつ妙なこと言ってましたね。……「miki」を返さない、とか、「miki」は俺のものだ、とか……
こっちはね、ソフトの「miki」も含めてパソコンをまるごとくれてやったんだから、「どうぞご自由に」って言っておいたんですけど、そしたらあいつ急に怒り出して……
あ、刑事さん、そろそろいいスか? この後、面接が一件入ってるんで。
(おわり)
162りゅう大佐 ◆RYU//Y007. :02/12/19 04:01 ID:nfa6RXyH
話に引き込まれました。
ブラックな部分がなんとも言えないです。
次回作も楽しみにしています。頑張って下さい。              
163YO:02/12/19 04:18 ID:HgCQFrfz
最後まで面白かたYO
1641001 ◆SP0K1001J2 :02/12/19 04:41 ID:lZnhVA18
面白い 阿刀田高風ですね
話の中身が、妄想と現実の間を揺れ動いていて、
いつの間にかそれに引きずられ、
最後に、あっやられた と思わされました
文章も乾いていて、軽い感じで読める(いい意味で)

最後のほう 話の流れがちょっと強引なのと、
死因が心筋梗塞で自殺という点は無理があり、
修正の必要があるかも

逝けるぽ
165mokko:02/12/19 11:11 ID:rEdHGl0L
>162 163 164

どうもです。
心筋梗塞の件は、UP直前にかえちゃったんだけど、おっしゃるとおり餓死のままがよかったですね。
修正と言ってももう出来ないので、次はもっとミスのない妄想します。(笑)
166名無しさん@毎日が日曜日:02/12/19 16:10 ID:ZAjkHzFu
自分のイヴの妄想も決めとかないとなぁ

>mokko 無職者の描写が安部公房みたいだと思ったが凄い。
167mokko:02/12/19 20:19 ID:mJ7Y/8Ou
>166
どうもです。
阿部公房ですか。高校の頃に読みました。
砂の…女でしたっけ? でも理解出来なかった。バカだったんで(笑)
168名無しさん@毎日が日曜日:02/12/20 02:52 ID:fJN9kC4G
今回のもいかった。
とても読みやすくて文章読むのがあんまし好きでないをれでもサクサク読めますです。
エロっぽいのもいいけど個人的には2モッコリめの渋い話しがスキ
このくらいの文章量だからいいのかもしんないけどモそっと長編も読んでみたい気もするナァ
新作でけたらまた読ませてくださいね。
169mokko:02/12/20 13:37 ID:2DSCq863
>168
ありがとうございます。
妄想するくらいしかやることが無いので、せいぜい頑張ります。
170夢遊 ◆IWNgyX.kPg :02/12/22 20:24 ID:5rYJbznT
良スレage
171YO:02/12/22 20:31 ID:49SN5USo
楽しみだYO
172mokko:02/12/23 02:45 ID:FSCsmG/S
多分今年最終と思われる面接を1件こなしておりましたので、妄想する余裕がありませんでした。
結果ですか? 良い結果が出ていれば今ここで妄想をUPしておりません。(笑)
相手側が求める年齢、性別、経験、そのすべてに於いて私は不適合だったみたいです。そういうことは、最初の段階で言ってくれれば、そもそも受験しないんですけどねぇ。
ということで、妄想第4弾のはじまりです。以前よりはゆっくりめのペースになるかとは思いますが、年末へ向けてお付き合いください。
今回は、憎めない5人組のお話です。
173mokko:02/12/23 02:46 ID:FSCsmG/S

暮れも押し迫った職安の喫煙コーナーでのことだ。
いつも見かける顔の中年が5人、たまたま居合わせて、各自遠い目をして煙草をくゆらせていた。
誰からともなくその日の求人状況に関する悪態から始まって、受付で押し寄せる失業者の群をさばいて汗だくの一番若い女子職員であるエミちゃんの噂話へ移行し、年末年始の各自の過ごし方で話に一段落がついた。
「何だよ? みんな一人で寝正月かよ、悲しいねぇ」田中さんという最年長の男が大袈裟に言った。
「だって、この中で家族持ちは田中さんだけだし」佐藤というくたびれた背広姿の男が言う。
「故郷へも、失業中じゃ帰り辛いしね」山田というがっしりした体格の男が続ける。
「外出するとどうしても金がかかりますから」井上という痩せた眼鏡の男がため息をつく。
そして、僕の番だ。しかし、言いたいことは全部言われてしまった後だから、僕はただ「うん」と頷くだけにしておいた。
(つづく)
174mokko:02/12/23 02:47 ID:FSCsmG/S

「大黒柱が失業してるってのに、かかぁと子供は温泉と来たもんだ。まぁ、かかぁの実家なんだけどね」田中さんが憤慨しているのか、大声で言った。
「じゃあ田中さんも一緒に正月は温泉ですか?」井上がのほほんと問う。
「そんな針のむしろ、行きたかねぇよ。かかぁの両親がやってる温泉だよ」
「じゃ、田中さんだけ一人で留守番かい?」佐藤が笑いながら言う。
「結局、俺たちと同じじゃないの」山田が吹き出して笑う。
そして、僕の番だ。しかし、またしても言いたいことの大半は言われてしまった後だから、僕はただゲラゲラと笑った。
「よーし! じゃあ、この5人で大晦日に鍋でもつついて忘年会、ってのはどうだ?」
田中さんが唐突に打ち出したアイデアに、他の4人が飛びついた。
「いいねぇ!」
「久し振りだしね! いや… この5人では初めてか?」
「いいよ、それ、最高だよぉ! でも大晦日ってお店開いてるの?」
そんな訳で、大晦日の失業者大忘年会が決定されてしまった。会費は一人3000円。幹事は、言い出しっぺの田中さんが務めることとなった。
(つづく)
175mokko:02/12/24 00:47 ID:hHqqmXBo

そして、大晦日。
山田、佐藤、井上の3人と僕は、すっかり暗くなった駅前通を歩いていた。
事前に田中さんに指示された飲み屋が見付からないのだ。
「おっかしいなぁ、駅から3本目の道を入ったとこって書いてあるのに」佐藤が手にしたメモの走り書きを見ながら言う。
「3本目って、さっき通り過ぎた道じゃないですかね?」山田が弱気に言う。
「いや、あれは2本目だった。だから、この次が3本目」井上が自信あり気に言う。
「どうでもいいですけど、寒いスね…」と僕。
「やっぱこの道だよなぁ。でも飲み屋なんて無いぞ。あるのは、つぶれたクリーニング屋と、廃業した写真屋だけだ」佐藤がメモと風景を対比させて首を傾げる。
「そっちのコンビニも確か先月閉めちゃったんだよね」山田が昔を懐かしむように言う。
「それにしても、寒いスね…」と僕。
山田が小さく「あ…」と呟いて立ち止まった。その巨体にぶつかりそうになった井上も、山田の視線を追って「あ…」
閉鎖されたコンビニのガラス越しに、満面の笑みでこちらへ手を振る田中さんを発見したからだ。
(つづく)
176mokko:02/12/24 00:49 ID:hHqqmXBo

「ここの元オーナーってのが中学高校の同級生でさ。どうせ来春には人手に渡るからって、今夜は場所代をただにしてもらっちゃった」田中さんは僕たちを招き入れてくれながら、そう説明した。
「でも田中さん、ここ、コンビニだよ」と佐藤。
「通りからこっちが丸見えだしね」と山田。通行人は、閉鎖されたコンビニに明かりがついているものだから、誰もが中をのぞき込んで行き交う。店内の僕らはちょっとした水族館の魚みたいだ。
「第一、食い物なんかどうするんです?」井上が曇った眼鏡を外しながら訊く。
「材料は駅裏のスーパーに朝から並んで俺が調達した。ここにはおでん用のガスとコンロがある。水道も流しもあるし、トイレだってある。BGMだってまだ鳴るし、それからほら、食い物をチンする電子レンジまであるんだぞ!」田中さんは得意気だった。
「でもなぁ……」僕たち4人は盛り下がった。これなら、5人のうちの誰かの部屋で宴会をする方が良かったのではないか? 正直な話、会費の3000円は僕にとっては結構勇気の要る決断だったのだ。
誰もが、田中さんを幹事にしたのが間違いだった、と気付いた頃、当の本人は大盛り上がりで発表したのだ。「それに、今夜はゲストが居るしなぁ」と……
(つづく)
1771001 ◆SP0K1001J2 :02/12/24 01:12 ID:k9LN7IQy
栞代わりの、合いの手モッコリage
178R@ ◆QZdameC492 :02/12/24 01:29 ID:DxuJaMa7
ゲスト、まだ〜?ヽ(゚∀゚)ノ
179へたれさん:02/12/24 08:02 ID:u84BVZ8u
更新楽しみage
180mokko:02/12/24 22:17 ID:/BXyBEOy

とりあえず僕たちは宴会の準備をすることにした。
全員で商品が並んでいない空の展示台を店の一方へ寄せ、宴会用の空間を確保した。
ゴムホースが意外に短くて、レジカウンターのすぐ前がメインコンロになってしまったが、それを囲むように人数分のスペースを確保した。床の上に、分解した段ボールを2枚重ねで敷いただけだが…
田中さんが用意した食材は、肉や野菜はもちろんのこと、総菜コーナーで販売されるケース入りのごはんや弁当までもが並んでいる。
特売の大袋入りさきイカや豆菓子類はもちろんのこと、クリスマスの売れ残りでもあるまいにフライドチキンや枝豆までが用意されている。
「酒はコレがあるし、壁際の冷蔵庫には缶ビールも冷えてるぞ」田中さんは大型のペットボトル入りの焼酎を高く掲げながら言った。
総額15000円でここまで用意したこと自体は凄いと思えた。
しかし、それにしても前の通りからの視線が気になりすぎる。
入店しようとしてガラス扉から中の様子をのぞく者も現れる始末だ。
田中さんに命じられた山田が、手書きで「本日貸し切り」の告知を作って入り口の自動ドアに貼り付けた。コンビニで「貸し切り」だなんて、余計に恥ずかしく思えた。
(つづく)
181mokko:02/12/25 23:32 ID:9J2d5f5v

田中さんが、自宅から持ってきた大鍋ですき焼きを作り始めた。
レジカウンターの中が臨時の厨房になり、そこで佐藤が野菜を切っている。
田中さんに命じられて、僕と井上が有線放送の機械をいじくり回した。いろいろなチャンネルがあって、いちいち聴きながら選局するものだから、軍艦マーチや、リチャードクレイダーマンや、琴の調べや、鳥の鳴き声が店内に流れた。
僕たちは散々迷った末に、ラジオ放送のチャンネルに固定した。そうしておけば、もう少し経てば「紅白歌合戦」が放送されると考えたからだ。
「よーし、いい感じに煮えてきたな。そろそろ始めるかぁ!」田中さんが音頭を取る。
僕たちはすき焼きが煮える大鍋を取り囲んで、集結した。
割り下が焦げる香ばしい匂いが食欲をそそる。
「飲みたい奴は、各自で勝手に飲んでくれ。缶ビールがいい奴は自分で取ってくること。焼酎がいい奴はこの紙コップを使うこと。あ、卵は1人2個までね」
田中さんがそこまで説明した時、ふいに店のチャイムが鳴った。営業していると勘違いした通行人が入ってきたらしい。
訳を話して帰ってもらおう、と僕が考えた矢先、田中さんが大声を張り上げた。「本日のゲスト登場!」
びっくりして入店客を確かめた。そこには、職安のエミちゃんが寒そうな笑顔で立っていた。
(つづく)
182名無しさん@毎日が日曜日:02/12/25 23:33 ID:wXwC++ab
レジカウンターの中が臨時の厨房になり、そこで佐藤が野菜を切っている。
田中さんに命じられて、僕と井上が有線放送の機械をいじくり回した。いろいろなチャンネルがあって、いちいち聴きながら選局するものだから、軍艦マーチや、リチャードクレイダーマンや、琴の調べや、鳥の鳴き声が店内に流れた。
僕たちは散々迷った末に、ラジオ放送のチャンネルに固定した。そうしておけば、もう少し経てば「紅白歌合戦」が放送されると考えたからだ。
「よーし、いい感じに煮えてきたな。そろそろ始めるかぁ!」田中さんが音頭を取る。
僕たちはすき焼きが煮える大鍋を取り囲んで、集結した。
割り下が焦げる香ばしい匂いが食欲をそそる。
「飲みたい奴は、各自で勝手に飲んでくれ。缶ビールがいい奴は自分で取ってくること。焼酎がいい奴はこの紙コップを使うこと。あ、卵は1人2個までね」
田中さんがそこまで説明した時、ふいに店のチャイムが鳴った。営業していると勘違いした通行人が入ってきたらしい。
訳を話して帰ってもらおう、と僕が考えた矢先、田中さんが大声を張り上げた。「本日のゲスト登場!」
びっくりして入店客を確かめた。そこには、職安のエミちゃんが寒そうな笑顔で立っていた。
183名無しさん@毎日が日曜日:02/12/25 23:33 ID:wXwC++ab
板でダメ人間募って知り合いの女に頼み込んで玉砕コンパやるか…。


11 名前:        :02/12/25 23:26 ID:ArAskC5a
馬鹿っぽいけど1は真実を掴んだと思う。



12 名前:牢人 ◆SBRo5uKl7w :02/12/25 23:27 ID:uS9PfJqZ
>>4
たしかにw
>>6
以前仕事仲間の連れが誘ってきていたけど最近はねえーなww。まあコンパより職が重要だが 藁


13 名前:名無しさん@毎日が日曜日 :02/12/25 23:28 ID:MwdXtqDd
1は童貞の星


14 名前:ダメ丸 ◆6Sdame7OOw :02/12/25 23:28 ID:cVShE6z9
>>1
ガンガッテ開催して神になって下さい。


15 名前:名無しさん@毎日が日曜日 :02/12/25 23:29 ID:VRehLarQ
184名無しさん@毎日が日曜日:02/12/25 23:35 ID:wXwC++ab
Mission Statement Ahoy' ECEM
Economisch hart van Nederland
Eigen beurzen & evenementen
Samenwerkingsverbanden
Optimale service


Grenzeloos in business & entertainment
Sportpaleis
Congres- & vergadercentrum
Beurs-
185名無しさん@毎日が日曜日:02/12/26 01:40 ID:TaNlBv8L
???
186名無しさん@毎日が日曜日:02/12/26 07:09 ID:zn+AyL0K
>>1
スロ板住人です。
応援してます。
めちゃめちゃオモロイっす!
スロ板でこっそり宣伝させてもらいます(人の少ないスレですが)。
187名無しさん@毎日が日曜日:02/12/26 08:53 ID:zpBttQP+

の紹介できました。

>>1良かったでつ!!
これからもがんがって下さい。
188名無しさん@毎日が日曜日:02/12/26 11:46 ID:QYaf2lHo
いい流れだ。ヒキモッコリしてくるよ。
189mokko:02/12/26 16:11 ID:NXL48O8Q

「すみません。田中さんに誘われたので、来ちゃいました」
エミちゃんが恥ずかしそうに笑った。
「コート脱いで、そっちに置いて。ほら佐藤」田中さんが、気が利かないやつだと佐藤にあごで命ずる。
「あ、ああ」佐藤が我に返ってエミちゃんをエスコートする。
「あの、これ、おみやげです」エミちゃんが佐藤に手提げ袋を差し出した。
佐藤がその手提げ袋をすかさず田中さんへ報告する。
「エミちゃんからワインの差し入れいただきました!」田中さんが袋から取り出したワインを高く掲げて叫ぶ。全員から拍手がおきた。
「ささ、エミちゃんも座って」
何だか楽しい気分になってきた。
かくして、エミちゃんを含めた僕たちは大鍋を取り囲んで車座に座り、田中さんのかけ声を合図に忘年会をスタートさせたのだった。
「ま、各自いろいろだろうが、今年はご苦労様。そして、来年も頑張ろう。それじゃあ、カンパーイ!」
全員が唱和する。そして拍手。
有線から、紅組1曲目、明るいノリノリのナンバーが流れ出した。
(つづく)
190名無しさん@毎日が日曜日:02/12/26 23:28 ID:iJiwTxcm
今回もいい感じ
ヒキモッコリ万歳
191mokko:02/12/27 15:35 ID:J7FSFY3s

通りを行く人影はめっきりと少なくなった。さすがに大晦日だ。
カップ麺の入れ物みたいなフニャフニャの容器で食べるすき焼きも、食べてみれば美味かった。キャンプの時の何だかワクワクする食事みたいだ。
缶ビールは良く冷えていたし、チンしたごはんはホカホカだった。
大人しく食べていたのは最初の15分くらいで、酔いがまわってくればみんなが声高になった。
話題の中心は当然ながらエミちゃんで、みんなにすき焼きを振る舞いながらも楽しそうに飲んでいる。
こんな宴会もやってみると良いものだなぁ、なんて関心しながら飲んでいると、500mlの缶がアッという間に空になった。
冷蔵庫へ取りに行こうと立ち上がりかけたら、すでに新しいのを取ってきた山田が1缶放ってくれた。
笑顔がこぼれた。僕だけではない。車座のいたる所から沢山の笑顔がこぼれていた。
更に酔いが進む頃には、エミちゃんへのセクハラめいた下ネタが繰り返された。当の本人のエミちゃんが一番ウケてはしゃいでいるから、それはセクハラには該当しないのだろう。いや、むしろ彼女からオヤジたちへのセクハラだったのかもしれない。(?)
有線では、白組の応援団として登場したお笑い芸人がものまねで大爆笑を買っていた。
(つづく)
192mokko:02/12/27 15:37 ID:J7FSFY3s

「気がつく良い子だよなぁ」田中さんが焼酎を引っかけながら、言う。
「小柄なんだけど、結構…」山田が自分の胸に手をあてて「凄いんだね」
男たち全員が爆笑する。
エミちゃんは中座してトイレだった。
「しかし彼女、こんなオジサンばかりの宴会によく来てくれましたね」井上が、田中さんに訊くともなく、言う。
「それがね…」田中さんがわざと声をひそめて続ける。「イブに彼氏と喧嘩別れしちゃったんだって」
「それはまた世界一悲惨なイブだ……」井上が詩的に嘆く。
「正月もその彼氏と過ごす予定だったから、今更実家へ帰省する訳にも行かなくて」田中さんが本当に悲しそうに続ける。「ひとりぽっちで『紅白』見るだけなら、俺たちと鍋つつかねぇか? って誘ったら、彼女、ほろっと涙を…」
「本当に泣いたの?」佐藤が冷静に、訊く。
「ま、涙は俺の演出だけどさぁ。エミちゃんが、本当に嬉しそうに、はい、って」
全員が押し黙った。良い話だった。
そんな沈黙を切り裂いて、店内にチャイムが鳴り響いた。またしても、勘違いした客が入店してしまったか、そう思いかけて僕は凍り付いた。なぜなら、入ってきた男は顔に風邪用マスクをつけて、手には光るナイフをかざしていたからだ。
(つづく)
193mokko:02/12/28 01:11 ID:7MeTXT1F
10
それはすべてが奇妙な光景だった。
刃物を持って来店する男は非日常だが、そこで車座になってすき焼きを食っていた我々も充分に奇異な存在だった。
勢い込んで入ってはみたものの、店内の様子が何かおかしいことに男も気付いたらしい。
唖然として『だるまさんが転んだ』状態の我々や、店内の至る所に速い視線をおくってから、それでも忘れ物に気付いたように時折ナイフで威嚇する。
「ここは、コンビニ…じゃないのか?」男がすがるように、言う。
「コンビニ、でした。…つぶれたけど」佐藤が応える。
「つぶれた? つぶれただとォ! 畜生ッ!」男が地団駄を踏む。
タイミングが悪かった。そこへトイレから戻った浮かれ気分のエミちゃんが通りかかったからだ。
「あれ? 新しいお仲間ですかぁ?」
僕たちが必死で合図を送っているのに、ご機嫌なエミちゃんには届かない。それどころか、男はこれ幸いに彼女を後ろから羽交い締めにすると、その喉元にナイフを突き立てた。
僕たち全員が「あーッ!」と叫ぶ。
「こうなったら何がどうでも関係ない。金だ… 金を出せ!」
男が満身の声で叫んだ。
今頃になって事態を飲み込んだエミちゃんが甲高い悲鳴を上げた。遅いっちゅうに…
(つづく)
194名無しさん@毎日が日曜日:02/12/28 01:12 ID:dR5ILJil
27 :五代祐作35歳 ◆FxmXU9.97U :02/12/23 00:57 ID:MMHhbYEp
>>25
青臭いこと言う奴は
ヤフーでも逝ってこい(w

チンポって言っただけでネチケットだの何だの言う
糞真面目がゴロゴロいるZE(w
195mokko:02/12/28 01:12 ID:7MeTXT1F
11
年末には必ず目にする特番『カメラは見た! 衝撃映像スペシャル』みたいな光景だと、僕は思った。
「金…って言われても……」佐藤が呟いた。田中さんを見る。
見られた田中さんが山田へ視線を移して言う。「そう言われてもなぁ……」
「出せるもんなら出したいけど……」山田が井上へ目線を投げて言った。
井上は一度頷いてから、僕へバトンを送りながら続ける。「またしても世界一悲惨な強盗さんだ」
アンカーは僕だ。とっさに気の利いた台詞を考えたのだけど、ロクなのが思い付かなくて、そうこうしているうちに結局は言いそびれた。
「俺たちは全員失業中の身だ。同じ仲間で今夜は忘年会をやっていた。だから、ここには金は無い。せっかくだったのに、残念だったな」
田中さんが説き伏せるように言った。さすがに年長者だ。説得力が違う。
「そんなことって…… お前等も、全員失業中かよ…」男が呻くように言った。「冗談だろう… よりにもよって…」
「その子は職安の職員さんだよ」と田中さん。
男が一瞬「あ、そうでしたか」とエミちゃんを解放しかけたが、大慌てで彼女を捕まえたまま後ずさりした。根っからの悪人でもないらしい。
(つづく)
1961001 ◆SP0K1001J2 :02/12/28 01:38 ID:a4CLZhYo
うん そう来たか (・ω・)
197名無しさん@毎日が日曜日:02/12/28 19:28 ID:G4g/cHhJ
ドキドキ((o(> <)o))うずうずっage
198mokko:02/12/28 22:29 ID:2vHN/eGc
12
「散々悩んで勇気出して飛び込んだら、このザマかよ!」
男が風邪用マスクの下で泣いていた。自分への卑下が収まらないらしい。そんな男のことはどうでも良かったが、僕たちが心配だったのはエミちゃんのことだ。男に羽交い締めにされて、刃物まで突き付けられているのだから。
「その姿勢じゃ疲れるだろ。彼女だって可哀想だ。どっかへ座って楽にしろよ」田中さんが言った。
男は警戒しながら周囲を見て、丁度良さそうな販売台へ移動して中腰に腰掛けた。人質のエミちゃんは床へ直接座らせられる形になり、刃物の恐怖は依然残るものの多少は落ち着いた状況になった。
「さてと、強盗さんよ」田中さんが男に向かって切り出した。「あんた、何でそんなこと思い付いた?」
「何のことだよ!」
「コンビニ強盗なんてことを、何でやろうと考えた? って訊いてるんだ」
「そんなもん、金が欲しくてに決まっている!」
(つづく)
199mokko:02/12/28 22:30 ID:2vHN/eGc
13
「金は働いて手に入れるものだが」井上が自分に言い聞かせるように、呟いた。
「働きたくても働かせてもらえないから、こうするしかなかった!」男が叫ぶ。「今日まで何社落とされたかわからない!」
「あんた、いつから失業してるんだ?」田中さんは落ち着いている。
「……1年ちょっと」
「その程度か、まだまだビギナーじゃねぇか。こいつなんか、もう5年近く無職だ」田中さんは、佐藤を指して言う。佐藤が小さく会釈をして、頷く。
「俺、3年」山田がのっそりと言う。
「私も3年半だが」井上が、少し自慢気に言う。
「ま、辛いのはお互い様だが、あんたなんかはまだまだ新座者ってことだ」田中さんが、男に構わず焼酎を飲み始めた。飲んで良い状況でもないと僕は思ったのだが……
考えてみれば、僕も失業してから随分と時間が経っていた。給付金をもらえる期間はとうに満了し、完全無欠の無収入となってから更に1年以上が経っている。
少しだけ有った蓄えを切り崩して毎日の餌代だけは何とかなっているものの、今目前でナイフをかざすこの男や、商店街の裏の公園で寝泊まりするホームレスの集団は、本当なら僕がそうであっても不思議が無いような気もしていた。
(つづく)
200名無しさん@毎日が日曜日:02/12/28 22:50 ID:z3IatyM2
いや、ホントにおもろいぞ。>>mokko
201名無しさん@毎日が日曜日:02/12/28 23:53 ID:x7x70yiR
読ませるね おもろい

202名無しさん@毎日が日曜日:02/12/29 00:02 ID:OxoUT2NC
屋風っていろんな意味で肩輪だね
あんなプロバイダー使うやつのきがしれん
203mokko:02/12/29 03:04 ID:/BXUXkq5
14
田中さんがふいに立ち上がった。
男がビクついて彼を威嚇する。エミちゃんが小さな悲鳴を発した。
「慌てなさんな。うどん取るだけだ」
田中さんはつかつかと進んで、壁の冷蔵庫からうどん玉と缶ビールを抱えて戻ってきた。そして、どっかりと座り込み、缶ビールを床に転がして言った。「良かったら、あんたもやれよ」
缶ビールはエミちゃんのひざ先まで転がって止まった。
田中さんはナイロンパックを裂いて取り出したうどん玉を大鍋へ放り込み、割り下を足してすき焼きを愛でるようにつついた。
「あ、開けましょうか?」エミちゃんが、小声で男に訊き、ひざ先の缶ビールを指した。
男は右手でナイフを握り、左手でエミちゃんを捕まえているから、転がってきた缶など拾えないのだ。
男はちょっと狼狽えたが、やがてエミちゃんの背中を小突いて指示を出した。
エミちゃんが腕を伸ばして、缶ビールを拾い上げ、そのリングプルをプシュッと開ける。
男はナイフを僕たちにあらためて振りかざし、目線はこちらへ向けたままで、エミちゃんが傾けてくれる缶ビールへ口元を近付けて…
でも、マスクをした口ではビールを飲めないのだった。「あ……」
最初に吹き出したのはエミちゃんで、僕たちはそれに引っ張られて、全員が笑った。
(つづく)
204mokko:02/12/29 03:06 ID:/BXUXkq5
15
「畜生ッ!」男は激情的に怒鳴り声を上げ、そんな自分に気付いて自己嫌悪するように小声で呟く。「どいつもこいつも笑いやがって…」
有線からは、ベテラン女性歌手が歌う演歌が流れ出した。聞き慣れた旋律が郷愁を誘う、日本酒が似合う悲しい歌だ。
「そんなマスク取っちまえよ」鍋の具合に夢中の田中さんが、相手を見もしないで言った。
缶ビールと僕たちを交互に見やって躊躇し続けた男は、やがて観念したように自分の手でマスクをずり下げた。
職安で何度か見掛けたことがあるような、どこにでも居る普通の失業者の素顔が晒された。
男は、マスクをずり下げた手でエミちゃんからビールを奪い取り、それを貪るようにごくごくと飲んだ。
まるでやっと泉に辿り着いた遭難者のように、男は満足気な吐息を漏らした。
「誰かエミちゃんのビールも取ってやれよ」田中さんが僕らに命じた。佐藤が機敏に冷蔵庫へ立ち上がる。そんな佐藤へ、人質のエミちゃんが訴えた。
「あの… あたし、どうせならワインにしてください」
一瞬の静寂。誰もが強盗男の反応を見守って押し黙った。
しかし、当の本人の強盗男はきょとんとしている。「え……?」
「はいはい、かしこまりましたぁ」佐藤が、すぐに笑顔で駆け出した。
(つづく)
205名無しさん@毎日が日曜日:02/12/29 03:52 ID:omQzKknC
>>1
かなりの文才ですね。
ショートショートとしての魅力大です。
応援します。
2061001:02/12/29 09:31 ID:I5LY61xg
応援、栞あげ
207mokko:02/12/29 16:10 ID:i3WqS547
16
諸々の問題は山積みだったが、その奇妙な忘年会は確実に進行していた。
強盗男はエミちゃんを捕まえたまま、僕たちが運んだ食べ物をつまみに酒を飲んだ。
人質のエミちゃんも同様で、更に酔ったのか、自分へ刃物を向ける男に対して、自分が選んだワインの蘊蓄まで語り出す始末だった。
田中さん渾身のうどんすきはほぼ100%の完成度でフィニッシュをむかえ、強盗男の分も合わせて均等に盛り分けられた大鍋は空になった。
本日最後の料理となった「田中式うどんすき」を僕たちが全員へ配る。
煮詰まった割り下と肉の脂が適度に麺に染み込んで、叫びたくなるほどに美味い。
本来なら、それを食べながら隣り合った者同士で酒を酌み交わして、組んずほぐれつ適当なところでお開きとなるのが世間一般の常識であるはずだった。
ところが、今回は意外なゲストのせいで、そうも行かない。
「さてと、この後は二次会で更に盛り上がったりすんだろうが、生憎とこっちは一次会の費用さえやっとのことで絞り出した身分だ」
田中さんが閉会の言葉に代えて語り始めた。
「酒も飲んだし、腹もいっぱいになったところで、強盗さんよ。そろそろお開きにしたいんだが、すんなりとは帰してもらえそうにない雰囲気だな」
それまでは和んでいた強盗が、急に真顔を取り戻した。
(つづく)
208mokko:02/12/29 16:11 ID:i3WqS547
17
田中さんが強盗男に、諭すように言う。
「ようするに、あんたはまだ何もやっちゃいないワケだ。失業者仲間で晦日の忘年会に参加しただけ。だったら、余興で使ったナイフはもうしまって、俺たちと一緒にここを出ないか? それが一番良いと俺は思うんだが」
田中さんの話を、男は黙って聞いている。時折血走った目で僕たちを見渡すが、それでもナイフの刃先をエミちゃんから少しは遠ざけた。
「でも… 俺… この人を怖い目に…」男は、人質に対して謝罪する言葉を初めて口に出した。
「エミちゃんなら大丈夫。彼女はいつだって俺たち失業者の味方だ」と田中さん。
「い、一応、職員ですから……」エミちゃんが、男を元気付けた。
「年が明けたら、職安でまた会いましょうよ」佐藤が笑顔で言う。
「お互い、まだまだ当分は通わなきゃならないし」山田が、まだ口の中に何か入れたままで言う。
「新しい仲間の誕生ってところか」井上が少し大袈裟に言う。
次は僕が何か言う番だ。しかし、台詞を頭の中で整理しているうちに、男がエミちゃんをあっさりと解放した。
僕は、結局無言で彼女を引き寄せた。男は床へへたり込んで小さな嗚咽を漏らした。
「あんたたちに出会えて、俺は良かった……」
男の手から、ナイフが床に落ちて乾いた音をたてた。
(つづく)
2091001:02/12/29 20:47 ID:iBTbU8Yz
読むたびに、パワーうPのモコリ上げ
210名無しさん@毎日が日曜日:02/12/29 20:50 ID:omQzKknC
サッポロ黒ラベルでハマコーや松方と戦うおじさんと同じにおいがする。
211名無しさん@毎日が日曜日:02/12/29 20:55 ID:kyeUiFKQ
いいね。これ。
212mokko:02/12/30 13:30 ID:CzlI4rqN
18
これで、僕のこのお話はおしまいだ。
揃いも揃ってだめ人間ばかりの、でもちょっと憎めない5人組のお話。
こんな不景気な大晦日の夜には、どこで起きても不思議が無い、滑稽で無粋な出来事。
映画や小説とは違って、ちゃんとした山場も無いまま唐突に終わってしまう乱暴な構成だったとしても、むしろこうであってほしいと無い物ねだりで強引に組み立てた一遍の物語は、すさんだ心の奥底に小さなマッチの薄明かりを灯してくれることだろう。
田中さん、佐藤、山田、井上、そしてエミちゃん、みんな本当に善人ばかりの登場人物。そこには不格好な笑いがあり、田舎臭い人情があり、誰もが忘れかけていた優しさがあった。
それは、ちっぽけで安っぽいけれど、どこか温もりを湛えた、現代の寓話に他ならない。暗い年の瀬の絵空事として、例えば、こんな嘘みたいなのがあったとしてもバチは当たらないだろう……
「嘘言っても無駄なんだぞ。質問していることにちゃんと答えろ!」
いきなり、別な男の怒鳴り声が僕の頭に突き刺さってきた。
コンビニの前の通りでは何台ものパトカーの赤色灯がけたたまく回転していた。
店内には大勢の男たちが出入りしている。
(つづく)
213mokko:02/12/30 13:30 ID:CzlI4rqN
19
「お前が居た場所はどこだと訊いているんだ」刑事とおぼしき男が憤慨して質問した。
そこです、とコンロの前を指そうとして、僕の両腕には手錠がかけられていることに気付いた。コンロの傍らに大鍋がひっくり返って、床には飛び散った割り下が前衛絵画を創作していた。
「あの… こ、これは……?」
「惚けるなよ。生存者の女性がハッキリと証言しているんだ」
床一面に飛び散っているのは割り下ではない。どす黒く変色した血液ではないか!
「こんな、こと…… 誰が」
「全部お前がやったことだろう」刑事は僕を下からのぞき込んで言った。「あの人たちは仲間内で忘年会をやっていただけなのに、コンビニが営業中だと勘違いしたお前が刃物を持って押し込んで来た」
「いや、だからそれは僕でなくて…」
頭が痛い。きりきりと痛み始めた。
「お前なんだ。居合わせた人たちが全員失業中だと知ったお前は、自分の間抜け加減に激怒し、唯一の女性を突き飛ばしてから無抵抗の男性4人に斬りかかった。
命からがら逃げ出した女性が年末警戒中の警官に保護され、その直後にお前は現行犯逮捕されたんだ!」
(つづく)
214mokko:02/12/30 13:31 ID:CzlI4rqN
20
「僕じゃない! あの男だ。あいつがやったんだ。ほら、あのコンビニ強盗だよ!」
「あいつ? この事件に登場人物は最初から6人しか居ない。職安の仲良し4人組と職員の女性。そして6人目のお前は彼等とは別行動の、つまり後から参加したコンビニ強盗だ!」
「嘘だ! だって… 僕はあの人たちの名前だって知ってる。リーダー格が田中さん、その家来みたいな佐藤、太っているのが山田、眼鏡の井上、そして職安のエミちゃ…」
「残念だが、被害者たちは、誰一人としてそんな名前ではない」
「だって… だって、僕はむしろ被害者側の人間で……」
「お前なんだよ。お前がやったんだ。それを見てみろ」刑事が僕を指差して言った。
何のことか理解できずに、手錠で繋がれた両手で不器用にまさぐってみれば、僕は自分の顎に風邪用マスクがずり下げられたままになっていることを発見した。
「お前が嘘を言ってないとするなら、悪い夢でも見ていたんだろうな」刑事の呆れ声に、遠くで鳴り出した除夜の鐘が重なった。
頭が痛い。目眩さえ感じ始めた。だって、僕たちはさっきまでここで、有線から聞こえる『紅白』をBGMに…… そもそも有線放送など流れてはいなかった。
身を乗り出してレジカウンターの中をのぞき込んでも、僕が選局したはずの機械自体が消え失せていた。
(つづく)
215mokko:02/12/30 13:32 ID:CzlI4rqN
最終章
−−−−−どこか、そう、高い場所から落ちる夢を見た人は居るだろうか?
高層ビルの屋上から真っ逆さまに落ちて行くような夢……
目が覚めた時には、本当にベッドから落ちている、そんな他愛のない悪夢のことだ。
悪夢は現実にベッドから落ちた事実だけを脳が錯覚して映像化しているに過ぎないが、ここで重要なのは夢の中では落ちるまでに至った膨大な課程がしっかりと存在している点だ。
追う理由を有する何者かに追われて長い階段を駆け上がり、やがて屋上に追いつめられて、ついにはそこから落ちる。
現実にはベッドから落ちた情報だけを元に、脳はそれに繋がる壮大な過去をも一瞬にして偽造してしまうものらしい。そのくせ、有りもしないその虚像の過去は、どこまでもリアルで鮮明だから悩ましい……
どうやら僕は、「僕」という仮想の登場人物からの視線で、もう一人の(本物の)僕を観察していたようだ。信じたくはないが、刑事の主張に反論できる要素は何一つ無かった。
そればかりか、人の身体を切り裂く瞬間の断片的な記憶が、鈍く確かに復活し始めた。
刑事が僕を先導する。パトカーに乗るのは初めての経験だ。
とりあえず、僕は、これでもう苦手な面接試験を受けなくても済みそうだと場違いな安堵を覚え、深いため息をついた。
ところで今年の『紅白』はどっちが勝ったのだろう? 僕には、もう関係ないことだけれど……

(おわり)
216名無しさん@毎日が日曜日:02/12/30 14:54 ID:x0tMqHNb
>もっこ
乙!
あんた凄いな!感動したよ。
このスレをみつけて本当に良かった。ありがとう。
めちゃくちゃおもしろかったです。

よいお年を・・・。
217名無しさん@毎日が日曜日:02/12/30 15:34 ID:sW2nCtUO
今回のお話、恐いよ〜。・゚・(ノД`)・゚・。
218名無しさん@毎日が日曜日:02/12/30 15:58 ID:+/3djih6
もっこさん作家になれば?
219名無しさん@毎日が日曜日:02/12/30 16:04 ID:/20HytOq
激しく 感動した

220mokko:02/12/30 16:14 ID:N8EPkG8i
いつも応援カキコをしてくださるみなさん、こんにちは、mokkoです。
本来なら、そのひとつひとつへレスをつけるべきだったのですが、今回の妄想の性質上、連載中は完全黙秘だったことをお詫び申し上げます。
ラストのどんでん返しをより印象付ける為に、前半のここちよい部分を出来るだけ大袈裟に(臭く?)しておく必要がありました。
そう思って書きながら、当の本人もそのここちよさに酔いしれた感が拭えません。
そのここちよさに対して応援や共感をいただいているみなさんの書き込みに、ラストで無情な「裏切り」を用意している自分としては、気さくなレスなど出来なかったのです。
ま、あくまでもこれは私個人の単なる妄想ですから… 軽く受け流してください。
何はともあれ、今回も一遍の妄想が完結いたしました。
いつまで続くのか自分でもわかりませんが、とりあえず皆様良いお年をお迎えください。
そして、来年も私のつたない妄想にお付き合いくださいます様お願い申し上げます。
あ、もちろん自分も含めて、来年こそ合格通知を奪取すべく、の但し書き付きで頑張りましょう。
221飯坂温泉:02/12/30 17:27 ID:or+oCiql
よかったっ!
来年もよろしく。
222名無しさん@毎日が日曜日:02/12/30 18:52 ID:Xq89BOEQ
>>1
おもろいじょ 来年もがんがれ
2231001 ◆SP0K1001J2 :02/12/30 18:54 ID:cTe12BoY
今回も前にも増した衝撃的ドンデン返し
創るほどにどんどん(・∀・)イイ!
旨いし深いし近しくもあり
一線をを超えたものがありまふ

ダメ板で作家誕生を見ているような気分れふ
________
/? ?
/+ ?_________ヽ
〈? + ,' + ∧_∧+ +`、
? ?/____, ´( ・∀・) 、______ヽ
`、___,ノ( つi⌒i⌒iつ、____〉 サインが貰いたいな
⌒ ⌒
224ツイスター ◆.3MljS0uCs :02/12/30 23:29 ID:ajer6mFD
おもしろうーい
225_:02/12/31 00:28 ID:+612B2Id
確かにおもしろい。今回のはよかった。
しかしどんでん返しに今一つインパクトが無い。それまでがとても素晴らしいのだが・・。
前にも指摘があったが、どんでん返しに無理があるというか焦りみたいなものを感じた。
もう少しタメがあっていいかも。
と思いました。
226mokko:02/12/31 01:56 ID:T8hy0tp6
mokkoでーす。
UPしたは良いけれど、実は心配で様子を見に来ました。
応援、賛同、そして批判、どれもありがたいことだと思います。
たしかに、もっと引っ張って良かったかも? ですね。次は心を鬼にして引っ張ります。
でも、書いてるうちに、妙などんでん返しの無い、純な田中さんたちの物語にすべきだったとの後悔が湧いて来たのです。田中さんたちの暖かい忘年会に一番参加したいのは何を隠そう私自身だったからでーす。(涙)
それでは皆様、良いお年をお迎えください。
227R@ ◆QZdameC492 :02/12/31 02:45 ID:M2ONi1nZ
面白かったよ。
前回が、ちょっと先が読めただけに。今回の裏切りはよかった。

っつか、たんなる妄想を色々批判されたくはないか(w
228名無しさん@毎日が日曜日:02/12/31 03:40 ID:5tATP+Mo
薔薇が咲いた薔薇が咲いた真っ赤な薔薇が
寂しかった無職の庭に薔薇が咲いた

mokkoタンあんた最高だよ
2291001 ◆SP0K1001J2 :02/12/31 09:45 ID:/xPfTFvj
隙間が出来たようなのでmokkoはんに触発されて、折りも妄想カキコしてみまふ
どうぞよろしこ ドキドキ

2301001 ◆SP0K1001J2 :02/12/31 09:46 ID:/xPfTFvj
脳波 1

 「健全なる脳波の持ち主を求む…」
そう書かれた求人の張り紙を見つけたのは、泥水のように淀んだ視線に取り巻かれ
たハローワークの掲示板だった。
いったい自分の脳波が健全なのか否かを、どのようにして判断すればよいというの
だろう。
そのような疑問がすぐに起こったが、A研究所の求人公開カードは仕事の内容とし
て次のように続いていた。
 「脳波に関する研究の補助作業。
 半年間は試験採用とし、その期間を経たのちに
 本採用として3年間の雇用。
 詳しくは面接時に説明する。」
場違いとも思える募集の内容に興味が湧いてきたのと、寮生活で食事付きなどの
条件が良かったので応募することにした。ハローワークの係官は、不思議な求人で
すねと珍しく笑いながら応じ、A研究所は政府機関の外郭団体で全国に分散して
100人規模の募集を出していることなどを教えてくれた。
面接では簡単な性格テストと当り障りのないやりとりがあった。しかし肝心の仕事の
内容については、「追い追い仕事をしてゆく中で説明しましょう」と、的を射ない答し
か得られなかった。
結局面接には合格し試験採用となったのだが、軍隊でもあるまいし従順な人間が
欲しかっただけなのかのかと、僕は自嘲気味に思った。
(つづく)
231mokko:02/12/31 10:33 ID:WSn7UuQl
>230
良いッ!
これでこそスレの本質だ。
正直、ネタ切れだったので、しばらくは楽しませてもらう側に徹します。
それにしても意味深な始まり方だ。つづきが楽しみッ!
232225:02/12/31 12:19 ID:bvBLqLJv
ごめん。批判ではなく私の感想です。私が求めていること自体が皆が求めていることではないので早まらないで。
ここは貴殿のスレですし自由にしていいよ。
233225:02/12/31 18:38 ID:ZnqzeRb/
>230
主人公は無口なの? 主人公の言葉が欲しいな・・。
234名無しさん@毎日が日曜日:02/12/31 22:03 ID:tC/Syu8v
1001 ◆SP0K1001J2 よ、2年越しの大作になりそうだな・・・
2351001:02/12/31 22:20 ID:fJn9LFQ0
大体>>231-234

今、日本で一番トレンディなダメ板で
すんごいプレッシャーれふ

スレの本質も
辛口批評も
折り口下手だし
それが2年越しの大作って…
                     グァーン
                   〆(・・;;|)))) ジンセイ フカカイナリ
236mokko:03/01/01 02:15 ID:hji0Xhoe
みなさん、新年あけましておめでとう、なのです。
状況が状況だけにあんまし、おめでたくもない、のですが、ま、今年も出来る範囲で頑張りましょう。

237名無しさん@毎日が日曜日:03/01/01 02:19 ID:zKIvTFrY
あけおめ!ことよろ!
みなさん、去年がダメでも、今年がある!
今日がダメでも、明日がある!!
又一年がむばりましょう!!
2381001 ◆SP0K1001J2 :03/01/01 11:52 ID:BBbr1jow
今年もよろしこ

>>233
スマソ
主人公は見えない脳波なので、会話はほとんどありません
2391001 ◆SP0K1001J2 :03/01/01 11:52 ID:BBbr1jow
脳波 2

A研究所は郊外の木立に囲まれた広い敷地内にあった。小奇麗な3階建てのビル
にはさまざまな実験設備が整い映写室や寮が兼ね備えられていた。その他に、幾
棟かの部外者立ち入り禁止の建物が並んでいたが、僕らは部外者とみなされてい
た。
仕事は頭に電極を取り付けたヘッドギアをかぶり、映画を見ながら脳波がどのように
動くかを見るものだった。そのあとに感想めいたものを書かされることはあったが、単
調ながら映画鑑賞そのものが仕事ともいえ悪くは無かった。はじめのうちは、心の中
を覗かれているような気がして、違和感を覚え息苦しさも感じたが、馴れとともにそ
の思いは日常の中に埋もれていった。
ただ、何のためにこのようなことをしているのだろうという疑問が心の底に溜まり、そ
れは仲間たちとの話題ににのぼることがよくあった。
ある者は新作映画のための嗜好性調査データベース作りではないか、またある者
はそのうちに新薬のテストでもされるのではないかと、互いの想像や疑念を口にした。
僕は想像力が乏しくて自分の考えが浮かばず、もっぱらみなの意見の聞き役に回
っていた。
半年の試用期間が過ぎ、一旦寮を離れることを条件に2週間の休暇が与えられた。
旅行や帰省でそれぞれが思い思いの地に散っていった。
戻ってみると100人いたはずの試用期間中の仲間は1/5に減っていた。居なくなっ
たメンバーは、この仕事に対しての不安をはっきりと口にしていたものが大半であるこ
とに気付いた。彼らの疑念の矛先は仕事の内容そのものではなく、一方的な仕事の
進め方に対してのものであった。しかし、目的もわからぬまま仕事を続けることで不安
が募るのは当然の反応のように思えたし、それを生み出すものに対して疑念を持つ
ことが、簡単に健全ではないと否定されてしまってよいものだろうか。ここに残った者
と去っていった者の違いは、単に思いを口に出来たか出来なかったの違いだけのよ
うに思えた。。健全なる脳波は健全なる感性に付随する筈のものだ。僕はA研究所
に漠とした不信感を抱いていた。しかしそれを軽々しく口には出来ない。もしかすると
盗聴でもされているのか、あるいは仲間たちのなかにスパイがいるのかも知れない。
(つづく)
240へたれさん@こたつ:03/01/01 13:34 ID:McMqtTyG
今年も楽しみ頑張ってねage
241mokko:03/01/01 15:56 ID:+B1pVPJh
1001 ◆SP0K1001J2 さん、どうも。
せっかく面白くなってきたのに、
>238 はネタバレじゃないでしょうね?
少しアセったが…
2421001 ◆SP0K1001J2 :03/01/01 16:11 ID:8j5MrY4k
mokkoはん、ごしんぱいスマソ
でも、おそらく大丈夫だと思います
会話調で書いてゆくと、とても長くなりそうなので
緊張感を持続して語り調でゆきますが、後4回ぐらいで終える予定です
そのあとの準備は大丈夫でしょうか?
243名無しさん@毎日が日曜日:03/01/01 17:02 ID:Oxjf7F/Y
おもしろーい
                 
                 /▲\                   
               (´∀`∩)                  
               (つ  丿               
                ( ヽノ                   
                し(_) 
244mokko:03/01/02 02:19 ID:+if2rXIh
>242
あと4回かよぉ。プレシャくるねー。
長めにやってくれて良いんスよ、本当。(汗)
他の人が書いてくれないからアレなんですけど、そもそもはみんなで妄想を書き合おうよってスレですから。
妄想もノルマになるとストレスへ 書いては消して まるで履歴書 (詠み人mokko)
2451001 ◆SP0K1001J2 :03/01/02 04:25 ID:9J9j8C7u
少しはフォローできるかもれふ W
それじゃ、つづきうpしまふ
2461001 ◆SP0K1001J2 :03/01/02 04:26 ID:9J9j8C7u
脳波 3 

正規の採用に当って20人が集められ、その前で初めてA研究所のS所長から挨拶
があった。
「今ここで行われている研究は公には出来ませんが、将来必ず社会の役に立つ内
容のもので、各関係方面からの期待も大きいものがあります。あなた方はそのために選
ばれた20人であって、これからの活躍が期待されています。」
仕事の目的に触れた下りは、その部分だけだった。言葉は丁寧だったが僕らを見回
す目配りには、話とは裏腹の冷たさが感じられた。悪いようにはしないから黙って俺
について来い、と言われているような気がした。雇われの身としては、望みすぎては
いけない。やはり彼らは従順な研究補助員が欲しかったのだ。僕は再びそう思った。
従順さは果たして健全さと等号で結ばれるものなのだろうか、そんな考えを同時に抱
きながら。ただし今回は、警戒心が自嘲的な気分を相殺していた。
それからの仕事では観賞する内容が映画ばかりでなく、ニュースに取り上げられる世
の中のさまざまな事件や出来事へと拡げられていった。凶悪犯罪や悲惨な事故の
場面で胸を痛めたり、指導者と呼ばれる統治者の演説を白々しいと感じて、脳波が
特徴的な反応を示した時には、繰り返し場面を見ながらその理由を言語化し解析作
業が進められ、データが蓄積されていった。同時に僕らは、自らの不快感に対して
冷静な視点を持つようになっていった。
一年半近くが経過したのち、いつもとは異なるヘッドギアをつけた実験が20人で行わ
れた。ギャング映画のなかで現金輸送車が襲われ、警備員が抵抗して射殺されよう
とした時、スクリーンの横に並んだ20個のパイロットランプのうち12個が相前後して点
灯したのだ。その12個が誰のものとは明かされることはなかったが、その後さまざま
な映像で繰り返し実験は行われ、数週間のうちには20個全てがほぼ同時にランプが
点灯するまでになった。被験者個々の脳波が電気的に外部に取り出され、その信
号がスイッチをオンにしたことを示すそれは、些細な出来事だったが実験の新たな
展開を暗示していた。
そのとき実験が成功したことを喜ぶS所長は、「これで、別棟の実験データと合わせ
ればすごいことが出来る。」と、思わず口を滑らせたのだった。
(つづく)
247mokko:03/01/03 03:42 ID:7fuUSOQs
ショートショートと言うよりは、長編でじっくり読みたい感じ。
あ、くれぐれも、長くやってくださって構いませんよ。
むしろ、その方が助かる、とか言って。(汗)
2481001 ◆SP0K1001J2 :03/01/03 18:04 ID:hAST216H
言われてみれば、あらすじだけの物語りみたいだし
少し調子を換えて、長めに引っ張るような形にしてみました。
なんか変な感じがするけど、スレ主を立てることでもあるし、
ダメ板小説だから、約束違反の自由なスタイルでも まぁいいか w
ちょっと不安は残りますが…

それでは、つづきです
2491001 ◆SP0K1001J2 :03/01/03 18:06 ID:hAST216H
脳波 4

「なんか変なんだ、ちょっと一緒に来てみてくれないか」
ある日、夕食を終えて部屋で一服していると、同僚のKから声をかけられた。顔色が
青白く、いつも穏やかな目には思いつめたような重い光があった。
「どうした、顔色が悪いぞ。」
問い掛けには答えず部屋にはいると、ベッドに腰掛けタバコに火をつけ、話を続けた。
「最近アウシュビッツに、よく護送車のような車が出入りしているだろ…」
アウシュビッツとは例の立ち入り禁止の建物のことだ。
二階建てのその建物は、小さな窓が上の方にぽつぽつと並び、いつもそこからは夜
遅くまで灯りが漏れていた。建物の地下に駐車場があり、車の出入りは外から見え
ても、人の出入りはほとんどわからない構造になっていた。謎めいた陰湿な雰囲気
から僕らはそこをアウシュビッツと呼んでいたのだ。
その建物に窓に金網をつけた鼠色のマイクロバスが、よく出入りするようになっていた
ことは僕も気付いていた。
「今日も2台の車が入っていたのだけど、さっき夕涼みがてら建物の近くまで行って
見たんだ。そしたら急に頭が痛くなって気持ちが悪くなってきた。それが不思議な
ことに建物から離れると収まるんだ。そしてまた近づくと同じ気分になる。3回繰り返
したけど同じだった」
「なんだろう、おかしなガスでも流れてくるのかな。まさか電磁バリアーなんてものが
あるわけじゃないよな」
自分で言ったことを否定しながら、心の中では、ここならそのようなことが有っても
おかしくはないと思った。
「いや、それがよく分からないから、もしかしたら気のせいかも知れないし、一緒に確
かめてもらおうと思ってきたんだけど」
「うんべつにいいよ」
そう言って僕はタバコをもみ消した。
250mokko:03/01/04 02:16 ID:s1DtPfAK
こっちの方がちゃんと伝わって、良いスね。
このワクワク感を楽しめる「読む側」でいたい、でありやす。
2511001:03/01/04 04:42 ID:V/91zOXc
>>250
蟻がd
その言葉に勇気を得て努力してみまふ
従って、何回か先に延びると思います
ダメ男の小説教室みたいだなw
2521001 ◆SP0K1001J2 :03/01/04 18:35 ID:5l4V6du0
脳波 5

外に出て寮から100mほど北側にあるアウシュビッツに向かった。木立をくぐる風が
爽やかだった。二人は無言で歩いた。
建物に近づくと「こっちの方なんだ」と言ってKは、舗装道路を外れ疎らな芝草の生
える広場を横切り、西側に回りこんだ。そこは入り口から一番奥まった所で、普段は
まず人の来るような場所ではなかった。
「そこに踏み跡があるだろ」
そう言って、Kは建物の小窓から漏れる光にぼんやりと照らされた薮を指差した。
「あの立ち木の向う側にゆくと気分が悪くなってしまったのだけど、行って確かめても
らえるかい」
Kの言うアカシアに似た立ち木までは10m、その向うの建物までの間隔も10m足ら
ずだった。僕は肝試しでもしているような気分で恐る恐る近付いた。立ち木のところ
で後ろを振り返ると、Kはズボンのポケットの中から何かを取り出しながら、そこだと
言うように頷いた。僕は目を閉じ意識を集中させて先へ進んだ。生唾がでてきた。
何も変化は起きなかった。安心感と期待外れの気持ちが入り交じった。建物の
外壁に触れながらKを見ると、手のひらの何かをライラ-で照らしながら立ち木を
挟んで行ったり来たりを繰り返している。
僕は背を向けているKを小声で呼び、腕をクロスさせてバツ印を作った。
それに答えてKが手をあげた時、急にこめかみが締め付けられるような痛みを覚
え不快感に襲われた。僕は立ち木の向う側にいるKのところへ小走りに急いだ。
Kは気配を感じとり、あわててこちらに向かった。
「急に気分が悪くなった。言っていたとおりだね」
そう言いながら立ち木のところまでくると、すっと不快感が消え去った。
「やっぱりそうだろう、僕だけじゃなかったんだ」
Kは答えると、手のひらの磁石を見つめながら建物に近付いた。
なるほどと思いながら僕もKの後ろに従った。また不快感が襲ってきたが、すぐに
消えた。
「あっ、消えた」Kと僕は、ほぼ同時にそう口にした。

(つづく)
253mokko:03/01/05 03:34 ID:CWVqwwY/
絶対、小説口調の方が良いッスよ。雰囲気、伝わるし。
1日1話じゃ、ものたりなくなってきましたよ。(ワクワク)
でも、一気にたくさん載せられちゃうと、こっちの次の妄想の用意を問われるから、やっぱ、ゆっくりやってください。(笑)
てゆうか、当分は人様に任せたい気分…
254名無しさん@毎日が日曜日:03/01/05 07:15 ID:uqi7VkGi
>98


それでも身を丸めて安っぽい防御をするしか俺にはなかった。
の言い回しが...(・∀・)イイ!


mokkoさん新作まってまつ
255 ◆SP0K1001J2 :03/01/05 20:54 ID:2AtU+Kgk
脳波 6

それから10分ほど待ってみたが何も起きなかった。Kの「もう行こう」という声に促さ
れてその場を離れた。舗装道路に出ると落着きを取り戻した。薮蚊に刺されたあとが
数箇所あって二人でボリボリと掻いた。
「少なくとも電磁波のようなものではないらしい。磁石は何も反応していなかったし…」
口をきったのはKだった。
「毒ガスだとしたら、スイッチでも切り替えるように急に気分が悪くなったり、すっと収
まったりなんてことは考えられないし…」
「そうだね、あんなところに警備用のシステムがあっても、意味がなさそうだしな。あれ
は一体なんだったのだろう」
僕がKに応じたとき、ヘッドライトで出来る長い二つの影が道路に伸び、後ろから車が
近付いてきた。
僕らは警戒心から慌てて道路脇の草むらによけたが、鼠色の小型バスはただあたりま
えに二人を追い越していった。金網窓の中は暗く、運転手以外の人影は確認できなか
った。テールライトが赤い光を放ち、やがて門の外に消えていった。
それを見届けて再び歩き出すと、僕は言った。
256 ◆SP0K1001J2 :03/01/05 20:55 ID:2AtU+Kgk

「あの車はどう見ても護送車だね。ということは、囚人がアウシュビッツに出入りしてい
ることになる。」
「そういえば、今、思い出したのだが…」
Kは別の話をはじめた。
「さっき君の気分が悪くなったときに、アウシュビッツの窓の一つがすこしだけ赤くなって
いたような気がするんだ。もしかするとあそこでも、僕らがやっているのと同じような実
験が行われているのかも知れないな。映像を見て何かに反応した時に、赤いランプが
灯るという実験がね」
僕はその光に気付く余裕もなかったが、Kは離れた場所から広く辺りを眺めることがで
きたはずだった。
「その何かに反応したことが、僕らの気分を不快にさせる何ものかを作り出している、そ
ういうことになるのかな」
「そう、そしてその対象は,僕らの代わりに囚人である可能性が高い。この話は二人だけ
のことにしておこう。この研究所は秘密がいっぱいだから、一つぐらい増えてもどうという
ことはないさ」
Kは意味ありげに笑い、話を締めくくった。

(つづく)
257名無しさん@毎日が日曜日:03/01/05 21:13 ID:wL/YMjtr
@@@@@@@@@@@@@@@@
iiあなたはエイズを理解してますか? キス・フエラ・クンニの時の粘膜中にウイルスがあれば感染する可能性はゼロじゃありません。危険を自己防衛しましょう!
http://www.labora.jp/hiv/index_pc.html  http://members.goo.ne.jp/home/oraquick
258 ◆SP0K1001J2 :03/01/06 22:43 ID:xTuFu+3y
脳波 7

互いに同じ体験を共有し秘密を持ったことで、Kと僕との関係は親密なものになっていっ
た。なかなか互いの警戒心を解くことができない環境で、Kの存在は貴重だった。
実験の方は点灯したランプを継続的に灯したままにする段階に入ってきていた。ランプを
点灯することは足並みがそろう場合が多かったが、持続性についてはばらつきが目立っ
た。また、点灯の足並みがそろわないこともあったが、どのような状況のときにそのような
ことが起きるのかは、個々のランプが明かされていないにもかかわらず予測がつくように
なった。つまりメンバーの個性や経験、その日のコンディションを知ることによって、反応
の有無や度合いを推察することが可能となったのだ。
それはソフトと平行して進められている、ヘッドギアによらない遠隔脳波探知装置のハード
面での開発に依るところが大きい。つまり以前と比べ、よりオープンにそれぞれの脳波を探知
し増幅した結果、干渉作用が生じて近くに座る者の波の質が互いに分かるようにもなっ
てきたのだった。
それにも増して役立ったのは、数人で交わす部屋での会話だった。輪の中にはいつもKが
いてくれた。
「今日の事故は悲惨だったな、車に乗ったまま焼かれる気持ちってどんなだろうな」
「あの場面を見たときに、隣りにいたAがひどく怖がって過剰反応していたけど、あいつは前
に同じような事故で死に目にあったって話してたな」
「戦争の場面の時には、それほどでもなかったのに…俺も不思議に思ったけど、それじゃ無
理ないな」
「そういえばルーマニアのチャウシェスクが銃殺された時、なんでお前は反応しなかったの」
「その前にベルリンの壁が壊されるのを見て、感動したままその余韻が残っていたんだ。次
々と場面が切り替わっては、こっちの感情も整理できないよ」
「そっちの方面でも、器用不器用はあるよな」
そんな当り障りのない会話が、研究所の趣旨とは反対に、個の理解を広げていったのだ。

(つづく)
2591001 ◆SP0K1001J2 :03/01/06 23:27 ID:P2ghQVx9
ageワスレ(・∀・)ノ
260mokko:03/01/07 02:57 ID:oU//EYC3
で、この先どうもって行くんだろう?
楽しみッス。やっぱ読む側の方がいいッスね。
261名無しさん@毎日が日曜日:03/01/07 09:09 ID:sl62yz1A
おもろいでつ!!!
これからも良作期待しております。
保全age
262山崎渉:03/01/08 04:55 ID:9A4dk6w4
(^^)
2631001 ◆SP0K1001J2 :03/01/08 06:53 ID:hClM/KD7
脳波 8

契約期間の3年間が過ぎようという頃、僕らは次なる職探しが気になり始めていた。
研究所の方からは、個々の貢献度によって再雇用か他の職場への推薦をするか、
またそのまま解雇するかを決定するという通知があった。何をもって貢献度を測る
のかはわからなかったが、それが無言の圧力をかけるここのやり方にふさわしいと
いうことだけは言えた。
そんなことで気持ちが揺れるある朝、仕事開始早々に僕らは大きなモニター画面
のある部屋に集められた。モニターには、人質らしきものをとって立てこもるサングラス
をかけた一人の若者が映し出されていた。
H主任研究員から映像についてその説明があった。
「この映像は、今朝の開店時を狙って強盗が押し入った銀行の行内監視カメラのも
のだ。犯人は拳銃を所持し、行員と客合わせて15人の人質をとっている。もちろん実
際に今、起きていることだ。じっくり観察して、事件の経過を追ってもらいたい。」
しばらくすると、小さなサブモニターにも現場外部の実況中継が流れた。銀行の正面
に装甲車が乗りつけ、周囲は盾を持った武装警官が取り囲み、物々しい警戒態勢
がとられていた。警察は犯人に対して懸命に説得工作を続けていた。二つの画面で
見る事件は、まるで映画を見ているように情報が内と外から伝えられた。
昼近くになって犯人は昼食と人質の交換を持ち出してきたらしい。どうやら一箇所に
集められた人質は互いにじゃんけんをし、誰が残るか決めさせられているようだった。
凄惨な事件の割にそのフェァな決定方法が、僕らの緊張感ををゆるめ意外な展開
に興味を持った。最終的に10人が開放され、半開きのシャッターから中華料理と共
に交換された。
そのあと僕らにも弁当が配られたが、モニターに映る犯人や壁を向いた人質と同時
に咀嚼する昼食は不思議な味がした。

(つづく)
2641001 ◆SP0K1001J2 :03/01/08 06:59 ID:hClM/KD7
>>260-261
応援、蟻がd
少しヨレかっかってきたけど、もう一息頑張りまふ
ちょっとしたカキコでも、読んで貰えていると確認できて嬉しいものれふね
>>262
AA板に戻りなはい
265mokko:03/01/09 03:43 ID:MBhkfMgx
いよいよ面白くなってきたッス。
どうなっちゃうんでしょ(ワクワク)。
くどいが、読む方が楽し。最近こればっかり。
2661001 ◆SP0K1001J2 :03/01/09 09:38 ID:IkxOL3sK
脳波 9 

昼食を終えるとトイレにいく旨の指示があり、すぐに僕らは新型の遠隔脳波探知装置
の的となった。そしてモニターが映像を転じリハーサルが行われた。それは初めて脳
波が信号として外部に取り出されたときの映像であり、何度となく繰り返し観賞した、
ギャングが現金輸送車の警備員を銃撃する場面だった。僕らは殺される健気な警
備員の無念さを想い、また家族の悲しみを想い、さらに凶暴なギャングへの憎しみを
持ってランプを灯した。
順調に灯るランプを確認すると、H主任からこれからのミッションについて説明があっ
た。そう、H主任は確かにミッションと言ったのだった。サブモニターにヘリコプターとジ
ェット機を足して2で割ったような、小型の飛行機が映し出された。それは、アメリカ陸
軍が使うアパッチ・ロングボウ 攻撃ヘリコプターに似ていた。
モニターを見ながら話は続く、
「君達の努力の成果を試す時がきた。これはアポーン2号機だ。小型のヘリコプター
と考えて貰ってよい。実物は全長30cmほどの大きさで、モーターと圧搾空気を動力
に使い、静粛なおかつ緩急自在に動くことが出来る。操縦士は勿論乗っていない。
それは君たちでありまた銀行の中にいる犯人でもある。つまり、正と悪の脳波を検知
し、そのバランスの中で最大限誤射のないように配慮された上で犯人に近付き攻撃
を加える仕組みになっている。君達は、いつも通りに悪を憎む気持ちを持続して貰う
だけでよい。あとは、犯人の出方次第だ。」
説明が終わると次々に声があがった。
「そうすると私達は兵器の開発に加担していたのですか?」
「初めからそのことを知らされていれば、僕は断っていたかも知れません」
「法律的な問題はないのですか?」
H主任は戸惑いを隠さなかった。そのときまで、僕らを従順な研究助手と信じ込んで
いたようだった。

(つづく)
267 ◆SP0K1001J2 :03/01/10 01:34 ID:1hng19Tg
>>mokko
事務連絡
後二回で終わりまふが、よろしいですか?
268mokko:03/01/10 08:24 ID:Srl2EW0i
>267
はい。
次の妄想が6割程度完成しております。
しかし、オチが決まらずうだうだやってます。
せいぜい脳波を盛り上げて完結させてください。
269名無しさん@毎日が日曜日:03/01/10 09:22 ID:O8+0fP/Q
いつも楽しく読ませてもらってます。
これからも良作期待しております。

http://www.globetown.net/~dat2ch/030102-1037699762.html
スロ板の「スロットなんてただの木箱」というスレです。
かなり(・∀・)イイ!!感じの小説スレになっています。
暇なときに見てください。
2701001 ◆SP0K1001J2 :03/01/10 22:06 ID:je2IPjtJ
脳波 10

「研究の評価は結果を見てからにして欲しい。この兵器を試すチャンスは…いや、この
機械を必要とする状況はそうめったにあるものではない。実際に今、人質たちの命が
かかっているのだから、そこのところは充分に理解して欲しい。」
確かに今の緊迫した場面では、人質の安全が最優先されるべきだろう。モニターの中
の沈鬱な人質たちの表情を見つめながら皆は黙り込んでしまったが、決してH主任の
説得を納得して聞きいれたわけではなかった。
そんな僕らを見回して異議のないものと判断したのか、H主任はどこかと電話連絡をと
った。
しばらくすると屋根にアンテナを取り付けた小型バスが現場に到着した。頭にレシーバー
のようなものを被り、携帯用のモニターを見つめて周囲の人間に指示をしながら、一人
の男が降りてきた。いやでも目につくその男が大写しになった。それは我らがS研究所
長だった。
気が付くとS所長の頭上にアポ-ン2号機が静止している。そこで銀行内部を映してい
たメインのモニターが切り替わり、アポーン2号機に搭載された小型カメラからの映像が
送られてきた。
アポーン2号機は多少のブレをみせながらも、まずまず安定した姿勢制御を見せ、僅
かに開かれたシャッターの隙間を目指した。ホバークラフトのように地を這いながらシャ
ッターを潜り抜けると、中華料理の食器の横を通り行内に入って急上昇した。先程とは
異なる角度で、内部がモニターに映し出された。
犯人は可愛らしい侵入者には気付いていないようだった。
人質となった一人の男が胸を抱えてうずくまり、その前で犯人は戸惑いながら周囲の
人間と何ごとかを相談している最中だった。それは病人を気遣う救急隊員のようにも
見えた。その時アポーン2号機の画像が大きく揺らぎ、行内の旋回を始めたことが分か
った。

(つづく)
271mokko:03/01/11 02:57 ID:S7SUFojR
えー、次で、本当に終わっちゃうんですかぁ?
ンでは、最高の盛り上げキボンヌ
同時に、次の妄想書いてくださる方いらっしゃいませんかぁ?
2721001 ◆yvxfBeZ/lk :03/01/11 21:50 ID:A0/cdYgr
脳波 11

横に座るKが口を閉じたまま、ウーンと低い唸り声をあげた。視線の先には外の別モニ
ターがあった。そこには、戸惑いをみせるS所長がアップで映し出されていた。その顔は
思わぬ展開にいらだったためか、怒りの表情に見る見るうちに変わり醜く顔をゆがめた。
ランプが一つ点灯した。釣られるようにもう一つのランプが灯った。更にランプが次々と
点り始め、それに気づいたH主任は、「あっ、まずい」と小さな声をあげた。
そしてアポーン2号機は行内を一周すると、侵入路の軌跡を辿るようにシャッターを潜
り抜け表に出た。明るくなったアポーン2号機の映す画面の中央には、恐怖心に目を
見開く所長の顔がぐんぐんと大きくなって近付いてきた。
全てのランプが点灯した時に、そこで電源が切られ試験は中止された。
切り替えられた行内のモニターには、何人が銃を投げ出し投降する場面が映っていた。

翌日僕らは、ここでの出来事を厳重に口止めをされた上で解雇を通告された。
A研究所を後に駅まで歩く道すがら、僕は気になっていたことをKに尋ねた。
「きのう、モニターを見ながら唸っていたけど、あれは一体どうわけだい?」
「あぁ、アウシュビッツでの出来事を思い出していたんだ。S所長を見ていたら、あそこで
味わった嫌な気分と同じ気持ちになってきてね。あの時に僕たちを不快にさせたのは、
もしかするとS所長の増幅された脳波かもしれないと気付いたのさ。それで、ランプを点
けるべきか迷っていたんだ。そしたら、君が最初のランプを点けただろ。思わず僕もそう
してしまったよ。」
Kはそう言って、僕の方を向いた。
「あれ、初めに点けたのは、君じゃなかったのか?そうすると…」
僕らは顔を見合わせて笑ったが、すぐに顔を曇らせてKは言った。
「S所長のことだけど、あのあとどうなったのか何も聞かされなかったね。」
「そうだね。アポーン2号機は、正と悪の脳波を検知して、そのバランスの中で最大限
誤射のないように配慮された上で犯人に近付き攻撃を加える仕組みになっている。
君達は、いつも通りに悪を憎む気持ちを持続して貰うだけでよい。あとは、犯人の出方
次第だ。」
僕は陽射しが作る踏むに踏めない自分の影を踏みながら、ただH主任の言葉を繰り返した。

(完)
2731001 ◆SP0K1001J2 :03/01/11 21:52 ID:A0/cdYgr
最後にトリップ間違えまふた
2741001:03/01/11 22:46 ID:A0/cdYgr
>>269
少しずつ読んでまふ
結構面白い
読みながら、勢いを感じているぽ
275名無しさん@毎日が日曜日:03/01/11 22:52 ID:fPaXqIiI
>>1001
乙です。
これからも良作よろです。
2761001:03/01/11 22:59 ID:A0/cdYgr
>>275
ほんとに蟻がd
素直に嬉しいぽ

>>272
訂正があります

>切り替えられた行内のモニターには、何人が銃を投げ出し投降する場面が映っていた。

 何人→犯人
2771001:03/01/11 23:04 ID:A0/cdYgr
>>272
追加訂正スマソ

>「きのう、モニターを見ながら唸っていたけど、あれは一体どうわけだい?」

 「きのう、モニターを見ながら唸っていたけど、あれは一体どういう訳だい?」
278mokko:03/01/12 00:26 ID:pe/GRh1w
ついに完結してしまいましたね、お疲れ様でした。

ちなみに…
1001 ◆SP0K1001J2さんと1001さんは同じ方なんですね?
279名無しさん@毎日が日曜日:03/01/12 00:34 ID:+buF1cj4
>>278
ほんとに疲れますね
自分のダメさ加減との戦いでした
1001と1001 ◆SP0K1001J2は同じですw
次作のほうお願いしますね
280mokko:03/01/12 03:11 ID:pe/GRh1w
それでは明日あたりから次の妄想を開始させていただきます。
今度のは結構長いので、みなさん気長にお付き合いください。
そして、新しい妄想を書き込んでくださる方は、同時進行にて構いませんので、よろしくお願い申し上げます。
さて、1001さんと同様に、長い求職期間を経て、再就職がかなってしまった男の奇妙なお話です。

…うーん、タモリになった気分
2811001 ◆SP0K1001J2 :03/01/12 03:29 ID:+buF1cj4
>>mokkoはん
こうなったらこの際閑に任せて、折りも少し小説の勉強でもさせてもらいます
話も身近そうだし、楽しみです
282mokko:03/01/12 22:53 ID:g1+obFHJ

2年近く職安通いをした身の上で言うのも何だが、僕がやっと採用された職場はそんなに悪くもなかった。
悪くもなかった、などという表現ではバチが当たる。
この不景気と自分の年齢。この先、アルバイトに毛が生えた程度の下働きでしか採用してはもらえる可能性は無いと自暴自棄になっていた僕にしてみれば、こうしてまたスーツを着て通勤出来る職場があったことは感謝すべき事実だった。
朝夕の通勤ラッシュさえ僕には懐かしく思え、近隣で働く企業戦士たちと肩を並べて横断歩道を渡る瞬間など、おもわず小さなガッツポーズをやってしまうことも度々だった。
高層ビルの谷間に通された大通りを大量の同類と共に歩かされながらも、僕にはここへ戻って来られたことが嬉しかった。ブリーフケースと朝刊を抱えた男たちが駆け足で僕を追い越して行く。香水の匂いを放つ着飾ったOLたちが行進する街。
再就職試験の連敗があまりにも続きすぎて、故郷へ戻ろうかと考え始めた矢先のギリギリの採用通知だった。
地獄で仏とはまさしくこの事。僕にはわかっていただけに、心底助かったと安堵したものだ。僕の経歴と体力と年齢では、今更故郷へ帰ったところで当てなどは皆無だったのだから……
(つづく)
283ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/12 23:17 ID:6FldvcN/
お、mokkoたんキタ━━━━━━(゚(゚∀(゚∀゚(☆∀☆)゚∀゚)∀゚)゚)━━━━━━!!!!!!
284( ´∀`)ノ7777さん :03/01/13 00:30 ID:1O+2Rxch
いつも拝見させて頂いてます、スロ板の者でつ。
で、いっちょ逝かせていただきまつ。

ストーリーテラーmokkoたんキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!


週間ストーリーランドが続いてたら50万ゲトできたカモネ。
285mokko:03/01/13 02:12 ID:R0FRjLQQ

もちろん月給は安い部類で、週休二日制など最初から無いものの、その会社はオフィス街のど真ん中に在った。かなり使い込まれた歴史的建造物みたいな旧式ビルの一室である。
八畳ほどの広さの事務所は、部屋の中央部に向かい合わせた机が三つ設置され、少し離れた窓際にその部屋のボス用の、多少は立派な机が置かれている。
四方の壁全体を巨大な書類棚が取り囲み、そこへ収納しきれなくなった膨大な書類や資料が絶妙のバランスを保ちながら自らを支え合って積まれていた。
「おはようございます」僕は、自分としては精一杯の明るい発声でそう言いながら、一台だけパソコンが乗せられた机に着いた。それが僕に与えられた席だったからだ。
「おはよう。大分慣れましたかな?」向かい側で煙草をくゆらせていた赤瀬川さんという老人が言った。
「木村君はまだ若いから、その分慣れるのも早いですよ」その右隣の席で青木さんという、事務用の黒い腕抜きを今時はめた眼鏡の中年男が言った。
「おはようございます」僕は青木さんにも朝の挨拶を言い、それに続けた。「そんなに若くもないスけど……あ、今、お茶入れますね」
僕はお茶の用意を始める。
その職場にはOLなど居ない。僕たち三人の他は”所長”と言う名の、そう、僕を面接した中年男しか居ないのだった。
(つづく)
286mokko:03/01/13 17:12 ID:JFgmWwT2

「所長さんは、今日はまだですか?」お茶を入れながら、僕は彼等に訊いた。
「さっき電話がありました。いつもどおりの仕事をするように、とのことです」青木さんが、僕のお茶を手伝ってくれながら言う。
「となると、今日は『早弁シフト』ですな」赤瀬川さんが、短くなった煙草を愛おしむようにもみ消しながら言った。
オフィス街の昼時はどこの飲食店も混雑するから、自主的に昼休みを30分繰り上げるシフト、それが僕たちの言う『早弁シフト』だった。所長が居る時はさすがに出来ないものの、幸いなことに、所長は週に2・3日しか出社しない。
「今日は『増田屋』の和風弁当にしますか?」青木さんが、赤瀬川さんのお茶を運びながら言う。
「あそこの弁当は、この界隈じゃ一番ですよ。食材の吟味にこだわりを感じる」赤瀬川さんが、次の煙草を用意しながら言う。
「創業の経営者が息子にバトンタッチした途端にこの不況じゃ、店を維持していくだけで精一杯でしょうにね」青木さんが湯飲みを手に、自分の席へ戻りながら言う。
「そろそろ、時間ですね」赤瀬川さんが、壁の時計を見ながら言った。時計は限りなく九時に近付きつつあった。
「今日は『早弁シフト』ですから、11時30分まで。それでは前半の開始としますか」青木さんが合図を出して、僕たちはいつもどおりの仕事を開始するのだった。
(つづく)
2871001 ◆SP0K1001J2 :03/01/14 01:34 ID:cvbQ/9ex
mokkoはん今回はゆったり しおりage
288mokko:03/01/14 16:39 ID:SkHnn8iY

僕の仕事は、単純だった。
赤瀬川さんが所長から受けた膨大な書類を判読し、確認印を押して青木さんへ渡す。
青木さんはそれを元に彼なりの仕事で追加事項を記入し、書類を僕へ回す。
すべてが手書きで記述された書類を、僕がパソコンで活字化し、専用のソフトでデータベース化する。
退屈ではあるものの、仕事としては苦手なジャンルではなかった。
前の仕事でもパソコンは使っていたから入力の苦労など無かったし、それにどうやら僕という人間は顧客相手に熱っぽい商談をしたり派手なプレゼンをしたりするよりは、むしろそういう地味でも正確性を要求される仕事の方が向いているようだ。
両氏から回って来る、時には旧仮名遣いまで(赤瀬川さん!)が入り混じった手書きの書類を、冷静に、迅速にデジタル化して行くその仕事を、僕は正直嫌いではなかった。
書類はどれも共通の仕様で構成されており、顧客名から始まって住所、郵便番号、電話番号〜云々とお定まりの情報が並び、そして僕には理解出来ない複数の数字が羅列していた。
恐らくは金融関係の顧客リストか、あるいはブラックリストの類なのかもしれない。
しかし、それらの書類が持つ意味など、僕にはどうでも良いことだった。正確に顧客名や住所を入力し、時には随分と桁数の多い数字を決して読み違える事無く登録する。
与えられた仕事は、集中することで時が経つことを忘れさせてくれる。僕は、永遠とも思えるその単純な作業の繰り返しに熱中した。
職安以外は行き場が無かった頃が嘘のようだった。処理しなければならない仕事が存在することの幸福。そんな、言葉に出来ない充実感を僕は満喫していた。
(つづく)
289mokko:03/01/15 21:13 ID:8vuhuI2H

「そろそろ切りの良いところで」赤瀬川さんが前半終了のホイッスルを鳴らす言い方で言った。「昼食(ひる)にしましょうか」
僕は、二人に指示されたとおり増田屋へ向かった。二人から託された千円札二枚を握りしめて、だ。
増田屋は、古くからこの地に在って、サラリーマンやOLたちの腹を満たして来た小さな食堂だった。
普段は普通の大衆食堂だが、昼時だけは持ち帰り用の弁当を販売している。
そこで和風弁当を三つ買った。店員から弁当を受け取る際、僕は青木さんの言っていた二代目さんを探すともなく店の奥を覗き込んでみた。僕と同年代とおぼしき、がたいの良い調理人が戦場と化した厨房内で采配を振るっている姿が垣間見えた。
制服にカーディガンを羽織ったOLが数人、僕の後ろに並んでいる。何度か見覚えのある、財布を手にして順番待ちをしている彼女たちの脇をすり抜けるようにして、僕は増田屋を後にした。
「混んでましたか?」事務所では、お茶の用意をしながら青木さんが、僕を迎えてくれた。
「順番待ちはそこそこでしたが、僕が店を出るあたりから徐々に集まりかけていました」
「昼になってから行くと、30分は待たされることもあったね昔は」赤瀬川さんがひとくち目のごはんをもう放り込みながら言う。
弁当の蓋を開けてみると、今日のメインは『焼き鮭』だった。厚く切られた大きな鮭が、これまた丁度良い具合に焼かれている。文句は何一つ、無い。
サラリーマンの昼食代としては多少高めではあるものの、僕はその見事な弁当を前にして生唾を飲んだ。
(つづく)
290名無しさん@毎日が日曜日:03/01/16 03:07 ID:vfnfFdqX

午後も、同じ作業の繰り返しが続いた。
なにしろ、所長が出社する時は必ず大量の書類と一緒だから、毎日根を詰めて処理しても決して追いつくことは無いのだった。
散在する情報をどこからか所長が集めて来て、それを赤瀬川さんと青木さんが意味のある状態へ切り貼りし、やがて仕上がったそれを僕がデジタル情報として清書する。
そうして出来上がった完成品を所長がまたどこかへ売り込んで利益を得ているらしいところまでは、僕にも推測出来た。
しかし、前にも言ったように、僕にとっては本当のところどうでも良いのだった。
一度は、会社と言う巨大な組織の歯車にされることを忌み嫌った僕だったが、失業期間中に僕は現実の厳しさと惨たらしさを思い知らされた。
そして、むしろ巨大な歯車の一部に戻りたがって、藻掻き苦しむ哀れな自分を見せ付けられた。
僕は、僕に与えられた仕事をただ従順に、そして正確に、こなしさえすればそれで良い。
僕のそんな仕事が寄り集まって、最終的にたとえ何を構成しようが、そんなことは僕の知ったとこではない。僕は、僕を雇ってくれた会社に満足してもらえる目前の仕事だけを、精一杯するだけでそれで良いのだ。
今日も、終業時刻が近付いていた。
これを打ち込んだら終わりとしよう。僕は本日最後の書類を手にして、はたと動きを止めた。
(つづく)
291山崎渉:03/01/16 07:42 ID:aPHU+r5y
(^^)
292名無しさん@毎日が日曜日:03/01/16 16:54 ID:g141X8xl
Are you mokkori?
293mokko:03/01/16 17:42 ID:PV7YqHC4

それは、僕が入力すべき書類に、見覚えのある人名を発見したからに他ならなかった。
気になって、住所や勤務先を年齢を確かめてみたが、それはどう見てもあの増田屋の若社長なのだった。
「あれ? この書類の人、あの『増田屋』さんですよね?」僕は、その書類を作成した当の本人たちに訊いてみた。
それに対する二人の反応は奇異だった。青木さんは、僕の声が聞こえなかったのか、こっちを見ようとさえしない。赤瀬川さんは僕を一瞥したものの、無言で煙草の煙を吐き出すだけだった。
「ほら、やっぱりこの人ですよね?」僕は、もう一度書類を彼等へ見えるようにして言った。
「あのね木村君…」赤瀬川さんがどこか厳しい顔付きで煙草をもみ消しながら、話し始めた。「個人のプライバシーに関することに触れてはなりませんよ」
近頃の僕は少し調子に乗りすぎたのかもしれない。ここへ来て大先輩の機嫌をそこねてしまったみたいだ。
「そもそも木村君は、この書類が個人の”何”について記述されたものか、まだわからないでしょう? それなのに、あたかも噂話を楽しむかの如く、不謹慎に個人を扱っては居ませんか?
木村君は、この書類を個人の借金の明細表か何かだと思い込んでいるのかもしれませんが、実はこれは、個人の献血量の履歴だったとしたら、どうします? 個人が慈善団体へ寄付した金額の記録だったとしたら、どうします?
あなたには、自らの憶測で他人を笑う権利など無いはずです。
だからこそ私たちの仕事は、何を見ても何も見なかったことに徹する、そうする必要があるのです。その件に関しては、所長が面接で諄いまでに確認したはずなのですが…」
(つづく)
294mokko:03/01/16 17:45 ID:PV7YqHC4

口は災いの元、そんな言葉が自然に湧いて出た。
赤瀬川さんが言うことも、確かにそのとおりだと思った。
面接時に、所長から何度もその質問をされたのことを、僕はまだ覚えている。
そうなのだ。僕は、仕事をしたかっただけなのだ。仕事内容の、個別のデータなどに興味は無い。むしろ、そんなことは知りたくもないと言い切って構わない。僕は、もう一度スーツを着て、もう一度このオフィス街へ戻って来たかっただけなのだ。
「すみません、軽率でした……」僕は、素直に謝罪した。
「まぁまぁ… 木村君はまだ若いんだし」青木さんが救い水を出してくれた。「ところで、今日はもう終わりにしませんか?」
何度も言うように、そんなに若くはないんだよ、と言いたかったが黙っておいた。でも、青木さんには感謝している。彼にそう言われて、赤瀬川さんも折れてくれたからだ。
「そうですね、終わりにしましょうか」赤瀬川さんは始終開けっ放しになっている煙草の箱に蓋をしながら言った。「いつものところで軽く一杯いかがですか?」
「いいですね。木村君も、一緒にどうですか?」青木さんが立ち上がりながら言った。
せっかく誘ってもらえたのだが、説教の続きをされてはかなわない。
しかし、新入社員の辛いところで、そんな拒否など出来ないのだった。
赤瀬川さんと青木さんに同行した僕は、串揚げの美味い居酒屋で冷酒をしこたま飲まされ、すっかりへべれけで彼等と別れた。
とりあえずは、これでまた再就職後の”拾われて来た子猫”みたいな一日が終わったのだ。
(つづく)
295mokko:03/01/17 14:51 ID:HUQHDpiD

そんなことがあってから、数日経ったある日のことだった。その日は所長も出社していた。
採用されて少し経った今となっても、どこか近寄りがたい、見るからに屈強そうな男だ。
常に絶やさない笑顔の中にこそ、実は本当の怖さが感じられるような、そんな切れ者特有のオーラを放つ人物だった。
「赤瀬川さん、ちょっといいですか?」所長が、赤瀬川さんを呼びつけた。
所長は中年だが、赤瀬川さんからすれば自分の息子ほどの年齢差だ。そんな赤瀬川さんが、いつもの煙草をふかしている時とはまるで違う機敏な動作で彼の元へと駆け寄る。
「この書類なんですが……」
所長は、赤瀬川さんにだけ聞こえる声で何事か指示を出し、赤瀬川さんはそのつど良く通る声で「はい」と応える。「……承知いたしました」
「さてと… 少し早いですが、お昼にしましょうか?」所長が僕たち全員へ届く声で言った。「12時を待っていてはどこも混んで来るので、先に済ませてしまいましょう」
はからずも、今日は所長が出社しているにも関わらず『早弁シフト』になってしまった。
「牛タンにしましょう」所長の提案に赤瀬川さんと青木さんは手放しで賛同した。近所に、所長お気に入りの焼肉屋があることは僕も知っていた。そこのランチの『牛タンセット』は大変に満足できる内容であることも、赤瀬川さんたちから聞かされていた。
当然ながら僕も誘われたのだが、精一杯にさしさわりが無いように気遣いながら、「昼休みに銀行へ行きたいので、ついでにそこいらの弁当にします」と答えた。
結局、僕は三人とは別行動を取り、一人でオフィス街へ駆け出した。
銀行で用を済ませた後、さて、どこで弁当を買おうか? 僕は美味い弁当を考慮して、その実迷うことなく増田屋へ向かった。
しかし、僕は増田屋の日替わり弁当を買えなかったのだ。なぜなら、店が開いていなかったのだから……
(つづく)
296mokko:03/01/17 14:52 ID:HUQHDpiD
10
『都合により、本日は閉店させていただきます』
そう書かれた張り紙が、半分剥がれかかって風にたなびいていた。
閉ざされたシャッターの郵便受けには数日分の新聞がこれでもかと詰め込まれている。
そんな事実を僕が今日になって知っただけの話で、実は数日前から閉店したままだったらしい。
引き返そうと考え始めた頃、傍らを見覚えのあるOLが通り過ぎた。いつだったか、増田屋で僕の後ろに順番待ちしていた女性だった。
「あ…」彼女の方も僕に見覚えがあったのか、小さく声を発して立ち止まった。彼女は会社の制服の上にカーディガンを羽織った程度の軽装で、やはり今日も手に財布を握っていた。
どうみても、この近くの会社から駆けて来たばかりの様子がうかがえる。
「この店もう開きませんよ」OLが、ちょっと気恥ずかしそうに言った。
「あちゃー、残念だなぁ」僕は、少し大袈裟に言ってみた。そして、彼女が言った台詞が少し変だったことに気付く。「もう開かない、って……?」
「経営者の方が亡くなったので、廃業するそうですよ」
「亡くなった?」僕は、度肝を抜かれた。
「自殺だそうです。最近はそういう話、多いですよね」
「そんなこと、って……」
増田屋さんが自殺だって? あんなにも元気だったのに……
(つづく)
297mokko:03/01/17 15:01 ID:HUQHDpiD
(妄想とは関係ないただの雑談)
いつも自分で自分を愚かだと思うのは、結構時間をかけて読み直してからUPしているのに、貼った直後に必ず誤字を発見する。
どうせなら貼る前に見付けても良さそうなものだが、不思議と見付からない。
298Mr.名無しさん:03/01/17 15:48 ID:INZuzUF9
「ヒキモッコリ」は定着しない。
に100ゼニー。
2991001 ◆SP0K1001J2 :03/01/17 17:15 ID:zsh4S/NN
>>297
同感、
書いているときって、頭が煮詰まって一杯になっているのかな?
時間をおいて読み返すと、文章のおかしさなども目についたりして…
300名無しさん@毎日が日曜日:03/01/18 07:59 ID:E2WXLvW0
300ゲット
⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
301ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/18 09:31 ID:VUJD6SYu
おれもなんか話考えようかなー
302mokko:03/01/18 09:48 ID:rl9zgRez
>301
ぜひ、そうしていただきたい。強く希望する。
303mokko:03/01/18 16:04 ID:M5zakDJv
11
2個目の激安ハンバーガーをぱくつきながら、僕は小さなテーブルを挟んで座る彼女を見ていた。
増田屋さんの件をもう少し詳しく聞きたくて、おごりますからと僕が誘ったのだ。
彼女は面食らっていたものの、どうせ食べなければならないのだから、と30分間だけ僕に時間を与えてくれた。
「でも、お店は繁盛しているように見えましたけど…」僕は食べながらする話題でもないことは承知の上で、彼女に切り出した。
それまではぱくついていた彼女は、飲み物のストローを吸って一段落つけると、僕に顔を近付けて小声で話し出した。
「それが、そうでもないみたいなんです。ウチの外回りの人たちもお得意様の情報収集は手堅くやってますから、つまり会社に居るといろんなことが聞こえて来るんですけど。
増田屋さん、実はかなり追い詰められてらしたみたいです。ほら、ここもそうですけど、大手が激安ランチ攻勢でお客を取り合いだから、単独の飲食店さんはなかなか厳しかったみたいです」
「だからって、自殺まで…するかな?」
「認識の度合いだと思います。私の所属する世界ではとてもよく聞く話です」
「あの、失礼ですが、どちらへお勤めですか…?」
彼女はハンバーガーへかじり付きながら、カーディガンの前を開けて制服の胸のロゴを見せてくれた。そこにはテレビCMでおなじみの消費者金融の社名があった。
(つづく)
304名無しさん@毎日が日曜日:03/01/18 19:41 ID:JHit8Xv6
このスレの最初からロムってる者でつ。
mokkoさん、次から次へと凄いっすね。
どんな所から発想したりするのですか?
305mokko:03/01/19 00:29 ID:AITC4iDs
>304
どーもです。
職安にむかって歩きながら、空想しているうちに断片が思い付きます。
家へ帰って来てから、その断片を組み合わせます。
いろいろいじっている内に、新しい妄想が完成します。同時にため息も出ます。(笑)
306mokko:03/01/19 16:44 ID:MNmVlShe
12
サラ金OLの彼女が言う増田屋さんの「世間によくある悲劇」は、僕から昼のささやかな楽しみを奪い取り、しかし同時に「ちっぽけなきっかけ」を与えてくれた。それは言うに及ばず、彼女との出会いだった。
ハンバーガーショップを出た後、別れ際に「もし良かったら、明日の昼食も一緒に食べませんか?」と僕は訊いた。
我ながら、不器用な誘い方だったと思う。しかし、僕にとってはそれが精一杯だった。
激安ハンバーガーしかおごらなかった男が口にして格好良い台詞とは、とても思えなかった。今時のOLには鼻で笑われたりするのだろう、とも思った。いつものことだが、言ってしまってから大抵は後悔して猛烈な自己嫌悪に襲われる。
だから、会社の方向へ小走りに駆け出す彼女が「じゃあ、11時40分頃にここで」と言う声を聞いた時は、夢かと疑ったほどだ。彼女が時折振り返って手を振りながら小さくなるまで、僕は呆然とその場に立ち尽くしていた。
そして、その翌日も一緒の昼食を食べた僕たちは、そのまた数日後に一緒の夕食を食べ、更にその数週間後には一緒の朝食を食べた。
互いの携帯は短縮登録でホットラインが結ばれ、離れていても双方が24時間の監視下に置かれた。
そういう関係になってしまえば、いつしか二人の間に敬語や丁寧語は消え失せ、もっと言うなら最低限の単語だけで意志が通じる合える、そんな会話が成立するようになった。
彼女の名前は、吉田美樹といった。
(つづく)
307mokko:03/01/19 16:46 ID:MNmVlShe
13
「じゃ、時間なのでお先に失礼して良いですか…?」僕は二人の機嫌をうかがいながら、言ってみた。
「今日は早いね」赤瀬川さんが、白い煙を吐きながら怪訝そうに言う。
「最近、彼女が出来たらしいですよ」青木さんが小憎らしい笑みを浮かべて念を押す。「そうですよね木村君?」
「いや、あの…」
「だったら待たせない方が良い。早く行きなさい」赤瀬川さんが僕をからかって言う。
「いえ、そんな…」
「我々にだって覚えはありますから気持ちはわかりますよ。ささ、早く」青木さんもからかう。
「いや、ですから、あの…」
僕がまだ喋っているのに、机を回り込んで来た青木さんが、黒い腕抜きをはめた手で僕を出口ドアへと押しやる。「いいから、ささ、行って行って」
やがて、廊下まで押し出された僕は、直後に閉ざされた扉の向こうから二人のほがらかな笑い声を聞いた。
気恥ずかしさと嬉しさのはざまで、本当にこの会社へ就職出来て良かった、と僕は思った。
腕時計を見れば、美樹との待ち合わせまではまだ少し時間がある。
待ち合わせの喫茶店で漫画でも読みながら、のんびりと美樹を待つのも悪くないかな。僕はエレベーターに向かって歩き出した。
(つづく)
308名無しさん@毎日が日曜日:03/01/19 20:29 ID:lV20KkF5
>>1
いつも応援してまつ。
すごい先が気になる・・・がんがって下さい。
309ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/19 22:24 ID:nDF91sAF
>>mokko
これは前文書いてからちょっとずつupしてるの?
310名無しさん@毎日が日曜日:03/01/19 22:56 ID:6lirJ8oD
今、すこし読みました。
楽しみの待ってますネ!
311名無しさん@毎日が日曜日:03/01/19 23:01 ID:t9YQ11Nu
最初に謝っておきます。変なレス書いてごめんなさい。
自分のせいか社会のせいか、ともかく職につけなくて家と職安の往復もしなくなった昨今、部屋にひきこもってモッコリ妄想にふけるスレっす。
「ヒキモッコリ」で年末の流行語大賞ねらってます。時間が無いんで、どんどん書き込んでくれ。
ではエロサイトでサンプル見てモッコリしてきます
良いサンプル画像があったら教えて下さい(動画はやめてね
ジャンルは外人かアニメでお願いします。


312mokko:03/01/20 00:01 ID:iYucPBAs
>308
どうもです。今回のは長いので、根気よく読んでください。

>309
就職が決まったらその時点で書けなくなるし(ンじゃ明日からすぐ来いや、って会社だろうし、どうせ)、一応は最終話まで完成しています。
しかし、肝心の話が全然決まりそうにありません。
年末年始は1001さんが書いていてくれたので、今回のはゆっくり妄想出来ました。

>310
どうもです。でも最近中だるみしてきましたね…(笑)

>311
私もサンプル好きです。特に真っ昼間にそういうの見てると、特権を感じてしまいます。
ただ、外人とアニメはちょっと…
日本人でお姉様が良いです。(笑)
313310:03/01/20 00:06 ID:nzYVrd2v
レスにレスしてくれた!>>1
少しうれしい。
つつ”きはまだ??
314R@ ◆QZdameC492 :03/01/20 02:54 ID:fGHI7OHl
続き、早くー!ヽ(>皿<)ノ
315mokko:03/01/20 15:21 ID:FVIDqbA+
14
いくら僕が貧乏でも、いつも激安店でばかりデートをしていたわけではない。
その証拠に、その日のディナーは小洒落たレストランを奮発した。
「美味しかったね」美樹がナフキンで口元を拭いながら言った。「そう言えば今日ね、木村さんの会社の所長さん見ちゃった」
「え? ウチの所長を?」
ウェートレスがコーヒーを運んで来た。替わりに食べ終えた食器を下げて行く。
「最初に応対したのも、応接室へお茶運んだのもあたしだし。名刺見て一発で木村さんの会社って判っちゃった」美樹がコーヒーに浮かべたミルクをかき混ぜながら、言った。
「へぇ、会社同士の取引関係があったんだ? 狭い世界だね」僕もコーヒーカップを取り上げながら、そう訊いた。
「ううん、そうじゃないの。今日初めて、ウチの支店長を名指しで訪ねてらしたの」
美樹はそう言ってから、コーヒーを一口飲む。そして、満足気に味わってから続けた。
「普段は威張ってる支店長が珍しく緊張していたから、所長さんって余程のやり手なのね」
「確かに、時々ゾッとする怖さを感じさせる人だけどね……」
「でね、所長さんはすぐに帰られたんだけど、お茶を片付けに応接室へ入ったらね……」噂好きな主婦の予備軍みたいな目をして、美樹が僕を見た。
「どうしたの?」僕は平凡な質問をした。
「支店長ってば、がたがた震えてるの。顔は真っ青だし、変な汗までかいちゃって」
「急病… 発作とか?」
「元々、空威張りばっかの小心者だからねアイツ。少し休んだら自然に治ったみたい」
急激にわき上がる暗雲のように、何か得体の知れない陰鬱な懸念が僕を包み始めた。
(つづく)
316mokko:03/01/20 15:22 ID:FVIDqbA+
15
「ところで、この後はどこへ連れて行ってくれるの?」化粧室から戻って来た美樹が笑顔で言った。
「うん……」
僕は、美樹から聞いた話を反芻していた。
赤瀬川さんに叱られた書類の内容が、今更のように気になり出した。あの書類と不可解な増田屋さんの自殺が某かの因果関係を有しているような、そんな根拠も無い疑念を打ち消せないでいるのは確かに事実だった。
そこへ持って来て、美樹の話だ。所長の来訪を受けた人物が異常とも言える動揺を隠し切れなかった点。そうなると僕の雇い主である男の素性がどうしても気になった。
「この後は、どこか素敵なバーで少し飲んで…」美樹が言う。
本当にあれは何が書かれた書類なのだろう。知りたくもなかったし、知る必要もなかったはずなのに、今は陰鬱な疑問に成長したそれが僕を確実に締め付けていた。
「その後は、どっちかの部屋にする?」美樹がまだ直し足りないのか、コンパクトの鏡に口元を照らしながら言う。
再就職出来たことだけで満足だったはずなのに、それでは足りない欲が出て来たか? だとすれば僕はどこまで欲深い人間なのだろう。
「それとも、ちょっと贅沢してS町の新しいホテルにする?」美樹がコンパクトの蓋をパチンと閉じて、僕の目を見つめながら言った。
彼女にそう言われて、現実に引き戻された。
美樹の視線が、明らかに僕を誘っていた。若い女性の二面性を痛感出来る一瞬だった。
「お金なら、あたし、持ってるよ」
(つづく)
3171001 ◆SP0K1001J2 :03/01/20 15:43 ID:XS5GXatY
上ん手い(・∀・)
318名無しさん@毎日が日曜日:03/01/20 22:22 ID:mwfxUFN8
いえーい!
エロきたーーー
319ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/20 22:51 ID:I6uSWQbt
言葉の言い回しが絶妙だよね
mokkoさん終って誰も書かなかったら書いてみようかな

あ、あとmokkoさんへ
うちのサイトに今までの話をアップしてもいいですか?
嫌なら遠慮なく断ってください
320mokko:03/01/20 23:04 ID:mLJLwmX8
>319
イヤではないんですが、ここにUPした後で気付いて直した箇所が沢山あるので、出来れば完全版の方を使ってもらいたいような…
ところで、うちのサイトってどこでしょう?
3211001:03/01/20 23:42 ID:SgQDd8lZ
>>319
是非、読んでみたいぽ
322ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/20 23:51 ID:I6uSWQbt
>>320
あ、えーっと、ここで言うとかなり恥ずかしいです
323山崎渉:03/01/21 08:32 ID:IZsJjl5Q
(^^)
324mokko:03/01/21 15:48 ID:fFo1klrK
16
翌日、上手い具合に『早弁シフト』だった。
赤瀬川さんと青木さんは、揃って近所の老舗の蕎麦屋だった。
当然ながら僕も誘われたのだが、例の銀行作戦で別行動を取った。
今から小一時間は事務所内に僕一人の時間が約束されたワケだ。
僕は、通常は両名の監視下の元で必要最低限の操作しか許されてはいないパソコンを操作し、自分が見たい情報を引き出すことにした。
午前中もびっしり入力し続けた膨大なリストを遡って、僕は増田屋主人のデータを探した。
それにしても、我ながら随分と打ち込んだものだ。増田屋主人を入力してから正確に何日が過ぎているかは忘れたが、どれも見覚えのある名前が逆順に次々と表示される。
やがて僕は、増田屋主人のデータへ辿り着いた。氏名、郵便番号、住所、電話…云々、僕が間違いなく打ち込んだデータに続いて、僕には理解不能な数字や記号がいくつも並んでいる。
僕は、印刷ボタンを押した。たちまちにして耳を劈く甲高い機械音が一定のリズムで繰り返され、旧式のプリンターから画面上と同じデータが印字された用紙が排出される。僕一人の事務所内が、まるでサンバカーニバルのように賑やかな機械音に満たされた。
早く終わってくれ。こんな所を見られたら、何と言い訳すれば良いのか判らない。
数分後、増田屋主人以降の、僕が今日の午前中の仕事で打ち込んだ最後の1行まで、プリンターは印字し終えて死んだように停止した。
連結紙8枚に及んだ用紙を乱暴に引き裂くと、僕はそれを自分のブリーフケースへ突っ込んだ。念の為にパソコンまわりを何度も点検する。
見落としは無い。僕はホッと胸をなで下ろした。未だ速い鼓動を鳴らし続ける心臓の辺りをさすりながら、二人が戻る前に簡素な昼食を済ませてしまおうと扉に手をかけた。
コンビニで何かを詰め込もう、そう考えて部屋を出ようとすると、扉の前に立ちはだかる人影に驚かされた。
そこには、何と、所長が立っていたのだ。
(つづく)
325mokko:03/01/21 15:50 ID:fFo1klrK
17
「忘れ物を取りに、一度戻りました」
目玉を大きく見開いたままの僕へ、所長が冷淡に告げた。
部屋へ入り込んで、自分のデスクから数枚の書類を選び、その内容に目を通す。
プリンタの作動音を聞かれたのではないだろうか?
僕は、名探偵にすべてを暴かれる寸前の犯人、の心境で様子を伺った。
「あの二人は、食事ですか?」所長が、書類内容に八割方の関心を寄せる言い方で訊いた。
「あ、蕎麦だと、思います」僕は、やっとのことで応えた。
短く刈り上げた、今時珍しい七三分けを整髪剤で撫で付けた髪型のその男は、その実たくましく鍛え上げた肉体に上物のスーツを着こなしていた。外見から、内側の筋骨が容易に想像できるがっしりした長身だった。
常に丁寧語を意識した話し方しか聞いたことが無いが、逆にそれだからこそ威厳や怖さが引き立っっていると思えた。
「木村君は、一緒に誘われなかったですか?」所長が、書類をブリーフケースへしまいながら訊く。
訊かれると思った。思ったのだが、実は一番訊かれたくない質問だった。
「あ… それはつまり……」
僕の頭の中で、言い訳のコマがゆるゆると回転を始めた。それは今にも転んでしまいそうな、弱々しく、心細い回り方だった。もっと回せ、もっと回さなきゃ転んでしまう!
「蕎麦アレルギーです!」
僕は、咄嗟に思い付いたもっともらしい理由をすかさず色付けた。「蕎麦が苦手なことを打ち明けられずに、お誘いを遠慮しました。今日はコンビニのおにぎりにでもしようと思います」
所長が、僕を見た。ほんの数秒の無言が、永遠にさえ感じられた。
所長は僕へ近付き、正面から僕を見据えて、僕の喉元をえぐるように言うのだった。
「特選玄米梅おかか握り、私としては最近の一押しです」
へなへなと溶け崩れたい気分で、ただ「それにします」とだけ答えるのが僕には精一杯だった。
(つづく)
326ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/21 22:49 ID:plVCI4mE
迷いましたが晒します
http://page.freett.com/36cube/
↑うちのサイト
昔書いた物語みたいなものもあるのでそこに載せようかと・・・
よろしくお願いします
327ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/21 22:50 ID:plVCI4mE
あ、あげてしまった
まぁいいや
328mokko:03/01/21 23:11 ID:4lKMk049
>326
読ませていただきました。
このサイトの管理人さんへ完全版をメールすれば良いのでしょうか?
329ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/21 23:15 ID:plVCI4mE
はい。おねがいします
と言うより管理人は私なのですが
330mokko:03/01/22 17:34 ID:4UtKgs6Q
18
僕はすでに温くなったコーヒーをすすりながら、持ち出した連結紙のリストを見ていた。
美樹との待ち合わせの喫茶店だった。
僕がリストで着目したのは、いくつかの意味不明な数字群についてだった。
ある人物に7桁の数字があったかと思うと、その下の人物の同じ欄には15桁の数字があった。仮にこれを「金額」と仮定すれば、7桁程度なら理解出来るものの15桁ともなると個人がどうこう出来る金額ではなくなってくる。
金額でないとすればいったい何を表す数字なのだろう。増田屋主人以降に登録された数百名の人物たちを斜め読みしながら、僕は途方にくれた。
そんな頃だった。各自横一行に並んだリストの一番右側の欄、そこに記述された8桁の数字を眺めていて、僕はハッと気付いた。他の人物たちにも同じ並び順の数字を見付けたからだ。
増田屋主人にふられた8桁の数字が、その2行下にも見付かった。その7行下にも、更に10行下には3名並んでいる同じ数字を見付けた。
そして面白いことに、その数字に1が足された数字も見付かった。2が足された数字も3が足された数字も、更にそれ以降の数字も存在することがわかった。
このリストには共通の数字で仕分けされたグループが何組か(或いは何十組か)存在していたのだ。
共通のグループとは何だ? 僕は、普段よく目にする集計表を思い浮かべてみた。
複数の個別データを横一行に並べる時、縦一列で関連する共通項と言えば……
それは日付だった。
(つづく)
331mokko:03/01/22 17:36 ID:4UtKgs6Q
19
増田屋主人にふられた数字が実時間に於ける何月何日を刺すのか、それは依然として判らないままだったが、少なくてもその同じ日付を記載された人物が複数名居ることが判った。
そして、その次の日の日付で仕分けされたグループもあり、そのまた次の日付を記載されたグループもあることが読めた。
日付順ではなく入力順に並んでいるから読みとり難いのだった。つくづく、紙に印字されたリストが歯痒い。パソコン上でソート出来ればな…
仕方が無いので、僕はまず増田屋主人と同じ日付を記載された人物だけに印を付けることにした。その時だった、ポケットの携帯が着信したのだ。かけてよこしたのは美樹だった。
「ごめんなさい。今夜行けないの」
「残業か何か?」
「支店長が亡くなったの。今から全員でお通夜の手伝いなの」
正直に言うなら、僕は顔も知らない支店長さんの不幸よりも、社員として多忙になる美樹のことが心配だった。
しかし、微かだが得体の知れない例の陰鬱を再び感じた僕は、「急ぐから」と電話を切ろうとする美樹に大慌てで付け加えた。
「ちょっと待って! その、支店長さんの名前は?」
少し訝し気な美樹が平凡な男の名前を告げて「…だけど、それが何?」と訊いているのに、僕は一方的に電話を切った。
僕はリストを指で乱暴になぞって、たった今彼女から聞かされた人名を探した。
そう言われてみれば、かつて自分で入力した覚えもあるようなその名前は、リスト中に確かに存在していた。
そればかりか、その人物に割り当てられた8桁の数字。それを仮に『今日』と仮定して、そこから増田屋主人の数字を逆算してみると、あろうことかそこには彼が自殺した月日がくっきりと浮かび上がった。
「この数字は死んだ日だったのか……?!」
(つづく)
332ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/22 23:47 ID:lWt3MHmT
>>mokkoさん
メール届きましたよ
時間があるときにまとめてアップしたいと思います
333mokko:03/01/23 01:25 ID:N7cjJr4c
>332
4回も送り直して申し訳ない。
winの標準メーラーって、滅多に使わないので良く解らなかったのです。スマソ
334ちよ ◆chiyo/BRC. :03/01/23 02:06 ID:PRO+Mi/Y
一青 窈の「もらい泣き」の歌詞で
段ボール の、中 ヒキコモりっきり
っていうのがあるんだけど
ヒキコモッコリと読み違えてしまう
このスレのせいだ・・・
335mokko:03/01/23 16:22 ID:4mF4l0Q9
20
翌朝。僕はいつもより早い電車に乗り、駅前の喫茶店へ飛び込んだ。
大慌てで、数種類用意されてあった朝刊を全部独占し、オーダーを取りに来た男性へ飲み物を告げるのも惜しんで、頁を拡げた。
『大手消費者金融○○ 支店長謎の自殺』と書かれた記事は僕が思っていたほど大きなそれではなく、その程度の事件など日常茶飯事の暗い世相を反映していた。
僕は記事の全文を読まずに頁をめくった。僕が本当に見たかったのは死亡欄だったからだ。
昨夜、あの後深夜までかかって、僕は日付順に並べ替えた手書きの第2リストを完成させていた。
新聞の死亡欄に掲載された人名と、僕のリストの人名を照らし合わせてみる。
死亡欄には掲載されなかった数件を除いて、美樹の会社の支店長を筆頭に、新聞と僕のリストはほぼ完全に符合していた。
これで少なくても、僕が作った第2リストは『日付別に分けられた死者の一覧表』であることが証明された訳だ。しかも、8桁数字から導いた日付は過去のものだけではない。ようするに、今日以降の未来に死ぬ人物の予定表でもあったのだ。
今、自分の目の前に繰り広げられている事実を、鵜呑みにする気にもなれなかった。
しかし、事実は事実以外の何物でもなかったのだ。
傍らで湯気をたてているコーヒーの香ばしさも事実なら、僕の作った第2リストもまた事実なのだった。
とんでもないことを知ってしまった…
僕はコーヒーに手を伸ばした。そして、知ってしまったことは何があっても秘密にしようと誓った。
(つづく)
336mokko:03/01/24 17:13 ID:u6UtBp9C
21
しばらくは平穏な日々が続いた。
もっとも、意識して平穏を気遣っていた、とも言えるのだが…
赤瀬川さんたち二人のマイペースな日常は相変わらずで、僕は彼等に苦笑させられ、からかわれて赤面させられ、そして時には一緒に爆笑させられた。
所長が運んで来る仕事量も一定で、僕はその後も数百人に及ぶ死者たちのデータを登録し続けた。ただし、あくまでも暗黙を守ってのことだが…
突然上司を失った美樹の会社もどうにか落ち着きを取り戻し、美樹に時間的な余裕が出来ると僕たち二人の甘美な時間もまた再開された。
奇妙なデータを取り扱うことに対しての後ろめたさや気後れは不思議と無かった。
なぜなら、何もしなくてもどこかで誰かは常に死んでいる訳で、それをデータとして一元化しているに過ぎないと考えたからだ。僕たちは、あのリストを元に人殺しを繰り返す集団などではない。
彼等の死因は自殺や病気や事故なのだから、そういう自然現象を形として記録する仕事、僕は自分自身にそう言い聞かせていた。
厄介なことに巻き込まれたくないと辞表を書くことは簡単だったが、今の仕事を失えば2度と就職出来ない恐怖の方が先に立った。
そして、僕には金が必要だった。
大金でなくて構わないから、永続的に入手出来る僅かばかりの金が重要だった。それは言うに及ばず美樹との時間を彩る為の金だった。
ただ… 死んだ人のデータを扱うだけでなく、この先死んでいく人のデータまで扱う点が不思議だったし、不気味でもあったのだが…
(つづく)
337mokko:03/01/24 17:14 ID:u6UtBp9C
22
こんな時代に、かじりついて仕事を続けると言うことは、多かれ少なかれ危険な事や理不尽な事や、そして恐ろしい事にも耐えなければならない。
僕は何も見なかったことに徹すれば良い。もともとそう考えていた事ではないか。
データの意味や内容を(しかもほんの”さわり”だけ)知ってしまったからと言って、それが何になるのだ。
どうせ僕には関係ないどこかの誰かのデータに他ならないし、それを仕事で扱ったからと言って卑屈になる必要なんてこれっぽっちも無い。
「木村君、入力がますます速くなりましたね」青木さんが、笑顔で話しかけて来た。
「あんまり根を詰めてもアレだから、ちょっと休憩しましょう」赤瀬川さんが新しい煙草に火種を移しながら、言った。
「じゃあお茶を…」言いかけた僕を青木さんが制した。
「毎日お茶じゃ飽きますから、今日はこれを買って来ました」
青木さんが自分の鞄から缶コーヒーを取り出して、差し出してくれた。
「御馳になりますかな」赤瀬川さんが受け取りながら、にこやかに言う。
「いただきます」僕も言いながら受け取った。
所長の居ない午後は、こんなささやかな時間を楽しめるから、嫌いではなかった。
僕は缶コーヒーを飲みながら、未登録分の書類の厚さを確かめた。まだ随分と残っている。
「多少は速くなっても、これじゃあ追いつきませんよ」
二人が苦笑を漏らす。「終わりがありませんからね」なんて声がどちらからともなく漏れて、彼等は笑い合った。
しかし、僕は笑わなかった。いや、笑えなかったと言うのが正解だろう。未処理の書類を何気なくめくった瞬間、僕はそこに『吉田美樹』の四文字を見付けたからだ。
(つづく)
338山崎渉:03/01/24 20:12 ID:cgOMyY0y
(^^; 
339名無しさん@毎日が日曜日:03/01/24 23:57 ID:Sb8knvhr
340mokko:03/01/25 13:52 ID:WxI9eAXu
23
美樹が死んでしまう!?
僕は狼狽を隠せなかった。
一瞬、そう1秒の半分にも満たない微かな時間で、僕は広辞苑1冊分以上に相当する『なぜ?』を吐いた。
なぜだ? あんなに若くて健康な美樹が、何で急に死ぬんだ!?
仕事が手につかないとは文字どおりその状態を指す言葉だった。
それでも僕は、彼等二人に気付かれないように必死に平成を装い、定時が訪れるまで通常の仕事をこなした。
またしても、いつもの串揚げの店へと誘う二人をどうにかかわして、僕は事務所から逃げるように駆け出した。
どこでもいい。一人になれる空間が欲しかった。
会社のビルを出て、駅へと続く大通りの、どこでも構わないから出来るだけ空いている喫茶店へ飛び込んだ。
ブリーフケースから例の第2リストをむしり取るように引っ張り出す。
そして、リストの欄外の白い空間へ、職場からずっと暗記して来た8桁の数字を書き殴った。
美樹の死亡予定日として記載されていた8桁の数字。それを僕なりの逆算で求めた。
何でこんなややこしい書き方をするんだ、気持ちばかりが急いて、イライラがつのった。
数え間違いを危惧して、何度も確かめを繰り返した。しかし、答は冷酷に一定だった。
「あとたった7日しか無いのか……!?」
大声でそう叫んでしまう僕に、水を運んできたウェートレスが絶句して立ちすくんでいた。
(つづく)
341mokko:03/01/25 13:53 ID:WxI9eAXu
24
手を伸ばして、てのひらを美樹の腹部にあてた。美樹の体温が伝わって来る。
美樹は眠っているのか、安らかな表情で目を閉じたままだ。
指先の位置は、なめらかな皮膚で繋がる胸のふくらみへと続いている。てのひらの耳をすませば、温もりの彼方から美樹の鼓動が響いて来る。
僕はてのひらを泳がせる。
柔らかな肉の質感を感じながら、臍を過ぎ、なめらかな脂肪を湛えた下腹部を越えると、やがて、そこだけは野生のままの湿った体毛へ辿り着く。
「ふふ、エッチ…」美樹が目を閉じたままで、微かに声を出した。
この女は数日後に死ぬのだ、ふいにそんな事を明確に考えた。
いや、もう日付が変わったから更に1日短くなった。
ただ手をこまねいて、Xデーを待つしかない自分が情け無かった。
絶望と涙がこみ上げて来た。全部投げ出して、子供の頃のように泣くことだけに集中出来たならどんなにか楽だと思った。
美樹が目を開けて、身体の向きを変えた。そして、腕を伸ばして僕の首へまわす。
「まだ足りないの?」
片方の眉だけを微かにつり上げて、叱るように小さく言う美樹の声を聞きながら、僕は彼女に飛び込んだ。
「ちょっと… やだ…」美樹が笑いながら、内容の伴わない拒絶を漏らす。
僕は家畜のように鼻を鳴らしながら美樹の胸に顔を埋めた。美樹がそんな僕へ小さく「バカ」と笑い、僕の後ろ髪をまさぐった。
絶対に阻止出来ないさだめなのか? だとするなら創造主の気紛れは残酷以外の何物でもない。僕は口汚い呪いの言葉をいくつも並べながら、美樹の体温に溶けて行った。
(つづく)
342A助様@お兄やん ◆z2QBxsCmSs :03/01/25 13:55 ID:Avn0BadA
ヒキモッコリって火星っぽいなぁ。
343ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/25 20:31 ID:HhB+l0T8
だんだん面白くなってきましたな
あとどのぐらいあるんでしょう?
344名無しさん@毎日が日曜日:03/01/25 23:18 ID:Dr2gZdXJ
ヒキコッマレテます
345mokko:03/01/26 02:10 ID:cM8RPvHj
どうもです。
今回の長過ぎ。妄想してる本人が長過ぎだと反省しております。
他の妄想したい方は、同時進行にてやっちゃってください。
実は次回妄想が6割方出来てるんだけど、そっちはちょっと面白いyo。
今回のはゴメンね。
346名無しさん@毎日が日曜日:03/01/26 02:12 ID:yqarYc8l
ヒキモッコ
ヒキモコ
347名無しさん@毎日が日曜日:03/01/26 02:13 ID:KmFW+5Oh
○75−○○○ー××××
http://live2.2ch.net/test/read.cgi/news/1043508441/

スレタイトルに電話番号を書いています。
また、1と名乗るID:FGzp6DHFが煽り行為をし、非常に悪質です。
みんなでこのスレとID:FGzp6DHFの悪行を通報しましょう。
3481001 ◆SP0K1001J2 :03/01/26 03:50 ID:2AGOWmCv
とめどもない妄想に乾杯!
349mokko:03/01/26 13:52 ID:OwcJ+Kz8
25
どうせ抜け出すことなど出来っこない檻の中で、ただ義務のようにもがくだけの日々が流れた。
僕がどんなに胸を痛め、どんなに魂を削ろうと、ありのままの現実の何がどう変わるということも無かった。
そんな、美樹の予定日がいよいよ近付いた日の夕刻。僕は、ついに泣きついた。所長へ泣きつくことしか、無力な僕には美樹を救う術など無いのだった。
部下に深刻そうな相談を持ち掛けられた上司というスタンスを保ちながら、なかなか切り出せずに口ごもる僕を気遣って、所長はネオンが居並ぶ夜の街へと僕を連れ出した。
一緒に行くと言う赤瀬川さんたちを制して、所長は僕と二人だけの時間を作ってくれた。
一軒目の飲み屋で、僕は自分でもどうかしていると思えるくらいに酒をあおった。
言いたいことや訊きたいことが、胸の中ではち切れんばかりに膨らんでいた。
それでも、何をどう打ち明ければ良いものか、考えれば考えるほど形にならない。そんな焦燥感も手伝って、僕は短時間ですっかり出来上がってしまったようだ。
二軒目と三軒目の記憶は不確かな断片でしかなく、遊び慣れした上司に迷惑を掛けながらネオン街を浮遊するダメ社員を僕は演じた。
そして、辿り着いたそのバーは、メインの大通りからはかなり外れた小路のそのまた奥まった穴蔵みたいな場所だった。
断片的だった記憶が復活した頃、僕はカウンターで琥珀色の酒をすすっていた。
「ところでそろそろ、その相談とやらをしてもらえませんか?」
隣のとまり木で、グラスの中の氷を玩びながら所長が言った。
お膳立ては整った。酔いも手伝って今なら切り出せる。僕は勇気を出して打ち明けた。
「吉田美樹のことです……」
(つづく)
350mokko:03/01/26 13:53 ID:OwcJ+Kz8
26
「やはりあのデータの解析をしてしまったのですね?」所長が、余裕の有る笑みを浮かべて言った。
「あなたの訪問を受けた人物が、数日後に死ぬことまでは知っています」
「部下の洞察力の優秀さを、管理職としては評価すべきなのでしょうね」
僕は、手の中のグラスを飲み干した。きつい。唇や咽がジリジリと焼けて後半は咳き込んだ。
バーテンダーが何か言い、所長が大人っぽい台詞でそれに応えた。
僕はむせながらも、駄々っ子のようにおかわりを要求した。
困り顔のバーテンダーに所長が指示し、やがて僕の前に酒を満たされたグラスが置かれた。
「随分と自暴自棄な飲み方をしますね」所長が、僕の背中をさすりながら言った。
「あなたは、いったい誰なんですか?」僕は、所長の腕を払いながら言った。「僕は美樹を死なせたくないんです!」
「実は、今日、私は彼女に会って来ました」
「死の、宣告ですか?」
「対象者がそう受け取るのなら、多分そうなのでしょう」
僕は、新しいグラスをまたあおった。
強烈な刺激が僕の咽を刺す。再び咳き込んで、ゼイゼイと嘶きながら、やっとのことで視線を元へ戻す。
そして僕は、隣の所長が氷のように冷たい表情で僕を見ていた事実を知り、ゾッとした。
「知らない方が幸せな真実でも、あなたは本当に聞きたいのですか?」声まで冷たい質問が、僕に突き刺さって来た。
(つづく)
351age:03/01/26 19:10 ID:vMD3lnDz
おもろいあげ
352名無しさん@毎日が日曜日:03/01/26 20:58 ID:PiNQkuM1
やられた夢中でよんでたら
ひきもっこりになってしまった
はやくつづきが読みたいです
神酒たんしなないで〜
353名無しさん@毎日が日曜日:03/01/26 22:18 ID:R/uBq9xh
だぁ〜〜!!ここで今日の現在かよ!!!

>>mokko先生
さっきから>>1から一気に読んで来ました!
一番気になる所で現実に引き戻されちゃいました(w
最っっ高に面白いです。
スレの社に殿堂入りしてもおかしくない名スレだと思います。
どうか残り3作とは言わずに
これからもずっと連載して逝って下さい!!
あと本気で作家になる事考えてもいいんじゃないんですか?
江戸川乱歩以来のハマりっぷり喰らいました。
続きを早く!!早く!!!!
354名無しさん@毎日が日曜日:03/01/26 22:50 ID:ZTRMW/2E
「mokkoにモッコリ」てぇ新語が、私の脳内に定着しちゃいました。
こーゆー人が出現するから、2chはやめられないんだよなぁ・・・
mokkoさんに乾杯!
355名無しさん@毎日が日曜日:03/01/26 22:53 ID:aKXifY54
>>354ホントそうなんだよな。禿胴。

このヒキモッコリを真面目に流行語大将にしてあげたくなった。
356mokko:03/01/27 00:36 ID:Mvt9vcgc
27
重々しく頷いた僕に、所長が語り始めた。
低い声だが、良く響く言い方だった。
「まず私の本名を名のりたいのですが、言ったところであなたたち人間には聞き取れない発音の、そんな名前が本名です。
今日まで私は、その時代や国によって、実に様々な呼ばれ方をして来ました。
私の役目は、死に逝く者たちへ最後の審判を告げることです。
対象者の生前の行いを正しい裁量で判断し、死後の運命を決定することです。
あなたも今日まで、偶像としての私を見聞きして来たはずです。赤鬼と青鬼を従えて、嘘を言う者の舌を切り落とす残忍な地獄の裁判官『閻魔』、あなたたち人間にはその呼び名が一番しっくり来ることでしょう。
しかし、現実的に私の仕事は、そんなに派手なものではありません。
あくまでも真摯な態度で、死期が迫った者たちをひとりひとり訪問し、対象者の弁解に耳を傾け、最終的に判決を告げて手続きを完了する、そんな地味で穏やかな仕事です。
時に、事実を許容し切れずに心乱す人間も居ります。
助かりたい一存で、虚実を語る者も居ります。
そして私自身、立場を忘れて対象者を気の毒に思う場合も有ります。
しかし、あくまでも私に許された権限は死後の行き先を左右する審判だけ。対象者の寿命そのものに於いては管轄外で、管理運営する部署が異なります。
かく言う私もまたその権力者に仕える身の上であり、上が決定した8桁の日付は絶対的権限を誇示してそのまま遂行されます。
執行日の改竄や変更など、絶対に不可能なのです。
しかして、あの会社は現世の出張所、部下である鬼が二人の職員、そしてあなたは現地採用の補助的労働力だったのです」
(つづく)
357mokko:03/01/27 00:37 ID:Mvt9vcgc
28
酒に酔って聞かされる馬鹿話と割り切るのなら、それは最高の部類だったと思う。
しかし、リストの件で首を突っ込んでいた僕にとっては背筋が凍り付く話だった。
穏やかな話口調だが、内に秘めた屈強さをありありと放つその男の前で、僕は神の足にすがりつく哀れな子羊を演じるしか無かった。
「美樹を救うことは出来ないのですか…?」僕は、やっとのことでそう質問した。
「残念ですが、各自の寿命に関しては何も出来ません」
「でも、どうして美樹でなければならないのですか…?」
「寿命とはそう言う物です。割り切って、そう考えるしかありません」
「美樹に、どんな判決を言い渡したのですか?」
「当然の措置をしたまでです」
「え……!?」
「彼女の自己弁護は、必ずしも真実ばかりではありませんでした」
「美樹が、嘘をついたという事ですか…?」
僕は所長の腕にすがりついた。所長はそんな僕を優しく取り成し、低いが、良く通る声で言った。
「最後の審判で私に嘘を語る者には罰を与え、その者に地獄行きを言い渡す。私は何千年と続けているマニュアルどおりの仕事を、今日もこなして来ました」
所長は内ポケットから何か取り出して、カウンターの上へ乗せた。
それは、舌だった。生乾きの、人間の硬直した舌べろが一枚、まるでそこに有る不自然さを感じさせない風情で、カウンターの木目に溶け込んで見えた。
(つづく)
358名無しさん@毎日が日曜日:03/01/27 01:34 ID:I5CMqA5O
今、1から全部読みました。
他板に「良スレだ!」とリンクを張った者がおり、
そこから飛んで来ました。この板初来訪。

いやはやmokkoさんホント凄いですよ。
こういうショートショート大好きです。
内容も、「本出せるんちゃうん!?」思ってしまいます。
これからも頑張って下さい、期待してます!
359mokko:03/01/27 01:48 ID:pCpA5YNU
>358
何せ3人くらい(涙)で細々とやってる板なもので、実感がわきません。
リンク張られた板ってどこですか? 読んでみたいです。
360名無しさん@毎日が日曜日:03/01/27 02:56 ID:ITb17Cne
361名無しさん@毎日が日曜日:03/01/27 09:02 ID:ANu8yzYP
ほぉ〜、今回はそう来ましたか!
世にも奇妙な物語系ですね。
物語の前にタモリと言ってた意味が判った様な(ワラ
362名無しさん@毎日が日曜日:03/01/27 12:47 ID:KOwQuoMC
>>359ガイドラインじゃない?名スレ紹介するスレがあった様な…。
363358:03/01/27 14:08 ID:I5CMqA5O
いえ、何故か楽器・作曲板の雑談スレです(w
今ガイドラインも見てきましたが、「今日面白かったスレッド」で紹介されて高評価されてましたよ!

つーかずっと続けていけば伝説になるかも…
あーでもmokkoさん就職したら書かなくなるのか。複雑(←無責任ですねスイマセン)。
364mokko:03/01/27 15:07 ID:YMj/myio
29
午前中の下りの急行列車に、乗客はまばらだった。
朝刊は、自殺した支店長が、実は会社の金を着服していた記事を掲載していた。
支店長は、不倫関係にあった若い部下と共謀してその犯罪を繰り返しており、発覚を恐れて自ら死を選択したらしい。警察は部下の女を捜しているが、捜査の矛先が自分に向けられたことをいち早く察知した女は逃亡中とのことだ。
美樹との連絡がつかなくなった。何度かけても電話は繋がらなかった。もっとも、美樹は電話を使いたくても使えなかったことだろう。美樹は、声を失ってしまったのだから……
所長が言った『知らない方が幸せな真実』とは、このことだったのだろうか?
美樹と支店長との間にどのような醜態が存在したとしても、彼女に対する僕の気持ちに変化は無かった。僕には今も尚、美樹の体温が恋しかった。そして、自らの無力が疎ましかった。
昨夜、泥酔と精神錯乱の不確かな意識のはざまで、僕は所長からとある地名を聞かされたのだった。
「急ぐ必要などありません。寿命はすでに確定されているのですから、それにさえ間に合えば良いのです」所長の声が余韻を残して響いた。
聞き慣れたはずの非情なその声は、どういう訳かやけに暖かみを帯びていたような気がした。
そこで僕の記憶は一度途絶え、強烈な二日酔いで我に返った時は駅のベンチで始発を待っていた。
美樹はそこに居る。そこが彼女の選択した死に場所に違いない。
そして、そこは、僕の死に場所でもあった。僕ごときは勿論、かの閻魔様をもってしても阻止出来ない運命であるのなら、せめて僕は惚れた女を一人で逝かせはしない。
その思いに嘘は無かった。なぜなら、僕は所長に舌を抜かれなかったのだから……
(つづく)
365mokko:03/01/27 15:08 ID:YMj/myio
最終章
不慣れな指使いで、昨日までは木村の仕事だったデータを打ち込んだ青木は、ふぅと息をついた。
「ご満足いただけましたかなご両人、と」青木は誰に言うともなく呟いた。
「年格好の釣り合う男女でその寿命日がたまたま同じ二人…か」赤瀬川が白い煙を吐きながら言った。「苦労の割りに見返りの少ない仕事ですな」
「それもこれも上からの指示です」窓から階下を見つめていた所長が、厳しい顔付きで言った。「赤瀬川さん、私にも一本いただけますか?」
所長の意外な反応に、赤瀬川は恐縮しながら煙草を差し出した。
久し振りでやる煙草を大きく吸い込んだ所長は、やはり大きく煙の息を吐いて遠くを見つめた。そして、二人の部下に諭すように語りかけるのだった。
「今回の対象者は初めて面接に訪れた段階で、すでにあのリストに記載されておりました。
さしたる良い思いもしないで死に逝く人間に、せめてその最期くらい、劇的な感動を味わわせてあげるのが今回の措置でした。
就職試験の合格。社会復帰。運命的な出会い。官能的な性。そして、忘れてならない美味なる食べ物。
我々は対象者の心の声を聞き、その欲するものすべてを与えました。
そして最後は、純粋な愛を貫いたが故の心中。おそらく今頃は、あの対象者たちも実際に旅立った頃でしょう……」
366mokko:03/01/27 15:09 ID:YMj/myio
「しかし、我々が無理矢理に構築した幻想のはざまで一喜一憂させられた対象者たちは、本当の意味で幸福だったと言えるのでしょうか?」赤瀬川が批判的な意見を述べた。役職はともかく、年齢は所長よりもはるかに上なのだ。
それに対する所長の発言は爽やかな口調だった。
「放っておいたのでは、彼はただ餓死するだけでした。彼女も罪の呪縛に翻弄されながら自然に朽ち果てたことでしょう。
『生きて地獄、死んで尚も地獄』ではあまりに悲しすぎるので、そんな対象者の精神的均衡を保つ為の慰安措置が決定されたのです。少なくてもこうすることによって、対象者たちは本人も納得ずくの旅立ちを決意出来たはずです」
所長は、久し振りの煙草が煙いのか、灰皿を探しながら言った。
「それでも私は、右から左に単純な審判を下していた昔が懐かしいのです。人間ごときの為に、我々がここまでのお膳立てをしてやる必要など……」
所長が赤瀬川の語尾を取った。煙草をもみ消しながら、別の話題に変える。
「赤瀬川さん、ここまでで昼食(ひる)としましょう。いつもの牛タンセットなど、いかがです?」
「はい、それはお供いたしますが……」
赤瀬川と青木が揉み手をしながら、先に出て行く所長の後を追った。部屋には膨大な無言の書類だけが残された。
昼食が済めば、彼等はまたいつもどおりの仕事を再開するのだ。新しい対象者である、あなたをいざなって!
(おわり)
367ヒキモコ愛読者:03/01/27 16:30 ID:kWbTLS1K
渋い終わらせ方!!
こっちに振るなんて『憎いなぁ〜』と微笑んでしまいました。

増田屋がモチーフになった定食屋なんかありそうですね(w
mokkoさんは東京なんですか?
丸の内や日比谷公園なんかを想像して読んでたんで(w
お疲れ様でした。また次回のヒキモッコリ楽しみにしてます。
368名無しさん@毎日が日曜日:03/01/27 16:41 ID:n3ACohDS
あたくしは新宿の小田急ハルクの裏のへんを想像してまいた。

今日、昼過ぎに気付いて、ああ今日は途中までかあ、と
リロードしたらおわりまでupしてたのでうれしかった平日昼間の男。
いつぞやのリーボック氏以来の感動。
369名無しさん@毎日が日曜日:03/01/27 17:52 ID:ed82afhG
あのな、>>1
文章系のどっかに就職しろよ!
370ラウンジより応援カキコ:03/01/27 18:43 ID:5OXpULRc
>>1さん
すげぇ面白いっす
371名無しさん@毎日が日曜日:03/01/27 18:43 ID:tPRZnuif
>>369我慢汁が先走るぐらい激しく同意!!!

ひょっとしたら学生時代、作家志望で挫折して今に至るとか?
372_:03/01/27 22:47 ID:e6z22aNt
今回は美しさを感じるほど綺麗に決めましたね。

話の途中で考え込まずに読み切りました。
完成度高すぎ。
373名無しさん@毎日が日曜日:03/01/27 23:51 ID:Wi2WnPNd
つうか、これ妄想じゃなくて、立派な物語だろ・・・。
3741001 ◆SP0K1001J2 :03/01/28 00:17 ID:G9AXBh4B
乙もっこり
今は、書くたびに文章も柔らかくなって膨らんできているぽ
読んでいて、うーむという箇所が幾つも出てきた
雑誌に載っているやっつけ小説よりも、数段面白い
自分もmokkoはんを禿身に、また書きたくなってきたくらいだ
375mokko:03/01/28 00:49 ID:+yFjjU63
みなさん、どーも。mokkoです。
くれぐれも誤字脱字は笑って許してくださいね。(今後も)
いろいろ迷って筋を変えたりしましたが、ここら辺が自分の限界でした。
ま、素人なんだし、こんなもんかな? と言うことで…

今回の妄想中、次は書いてみようかな?的なことを言ってくださった方々へ。
あなた方は善い人です。ぜひ書いてください。期待して読ませていただきます。
そしてその間に、えーと第6弾になるのかな? 私は次のをじっくりと妄想することにします。
376名無しさん@毎日が日曜日:03/01/28 00:52 ID:1WsC6ROX
>>363に同じく、俺もそこから飛んできますた。
mokkoさん、1001さん、good job!!

377名無しさん@毎日が日曜日:03/01/28 02:30 ID:HE5RIYcs
もっこりもっこりひきもっこり
バイナラ
378名無しさん@毎日が日曜日:03/01/28 02:32 ID:Bp+907Lm
噂のサイト!!
http://csx.jp/~pocoland/
携帯で逝ってよし
379mokko:03/01/28 03:15 ID:6kBWrI1B
ウププ…
リンク先で見た『ヒキモコ劇場』ってとてーも良いネーミングですね。
次のスレ立てる時は、それもらっちゃいます。あー、いい響き。
380名無しさん@毎日が日曜日:03/01/28 04:27 ID:hCqlIxoK
すごく面白かったでつ。
381ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/28 06:57 ID:1SkyPO2P
うおおおもしれえ!
というより語彙が豊富だよね
それを見習いたいです
私も書いてみようと思いますが、かなりまったり進行になると思われます
それでもいいですか?>mokko
382名無しさん@毎日が日曜日:03/01/28 07:00 ID:CEHiE9Fl
便利な世の中になったもんだ・・・
http://homepage3.nifty.com/digikei/ten.html
383へたれさん:03/01/28 07:35 ID:ZEZQpnGQ
1日の励みになりモッコリ。
384mokko:03/01/28 11:14 ID:pMHtBDiz
>381
まったりで結構です。ぜひ連載してください。
妄想を語る人が複数で同時進行、という形が理想です。
では、話がこんがらがるといけないので、1行目に題名と何話目かを書いて、2行目から本文を書くルールにしましょうか?
385名無しさん@毎日が日曜日:03/01/28 14:57 ID:OQtTvmKM
お金が今すぐ必要な方に良い情報です。
この会社のネットキャッシングはお金を借りた事が自分の勤務先にばれない様に
すごく注意してくれますよ。申し込み時に勤務先の住所記入しなくても良いし
勤務先の電話記入欄も自分の携帯で審査通ります!
ネットからの申し込みだと審査が甘いので他で借りていても融資してくれます。
一週間無利息を上手く利用すればとてもお得ですので、申し込みを入れておいて
利用枠だけでも作っておくと良いですよ。

HPからのお申し込み http://square7337.com/
i-modeからのお申し込みhttp://square7337.com/i/
386名無しさん@毎日が日曜日:03/01/28 20:19 ID:RIB0D39p
あの、僕、小説あんまり読まないんで構成がどうとか表現がどうとか
全然分かんないんですね。
でもね、面白いっす。いやまじで。このスレに出会えてよかった。
所長の好物がタン、、、

職探し、がんばろう俺
387ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/28 23:08 ID:1SkyPO2P
「ピザ法度」1

「事実は小説より奇なり」なんていう言葉がある。
その点今までの私の人生といったら奇のかけらもなかった。
もし私の自伝を出版するとしたらそれは2,3ページもあれば事足りるだろう。
でもそれは昨日までの話。今日から起きる事を書けばベストセラーも夢じゃない。

「・・・というわけなんです。」
目の前にいる男がそう話を締めくくった。
あまりにも考えもしなかったことを言われると、どうやら人間というのは意識を遠くへ飛ばしてしまうらしい。
事実、その男が何を言ったのか、そもそもこの男が誰だったのかということまで分からなくなっていた。
「大丈夫ですか?青木さん?」
「しっかりしろ」と自分に言い聞かす。ええと、ここはどこだったっけ?
目の前にいる男をよく見てみる。服装は白衣だ。ということは医者か。ああ、やっと思い出した。
私は数時間前、レストランで食事をしているときに急に気分が悪くなって救急車で運ばれたのだった。
それで・・・この医者になんと言われたんだったかな。
「あのー、すいません先生。ちょっとよく聞こえなかったんですけど。」
その医者はひとつ咳払いをしてこう言った。
「ですから、これからは決して食べないようにしてください。」
「え?何をですか?」
「だから、ピザを。」

388ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/28 23:11 ID:1SkyPO2P
いちいち考えながら書いてるので遅めの進行になります
ご了承お願いします
話の筋はだいたい決まってますが
389mokko:03/01/29 00:55 ID:ZfQfuzAS
やったーッ! ついに3人目の連載妄想者登場ですね。
しかも、何やら面白そうな始まり方ですよ。タイトルが良い。笑た。
390名無しさん@毎日が日曜日:03/01/29 01:12 ID:80Phwaj4
私も小説なんかほとんど読んだ事なかったんだけど
このスレの全作品おもしろくて夢中で半日かけて
一気に読みました。頭が悪いのでたまに読めない漢字が
あるけど・・・

また新作が始まったようなので辞書を用意して
楽しみに待ってます。
3911001 ◆SP0K1001J2 :03/01/29 01:40 ID:P/GaevcW
パチパチ
ツスターはん、楽しみにしているぽ

書き上手は、読み上手、mokkoはオマケに書かせ上手
392mokko:03/01/29 02:12 ID:ZfQfuzAS
>391
毎日が日曜日で何言うかって怒られそうですが、毎日2話ずつupするのって、結構大変ですよね。
だから、他の方にも手伝ってもらっちゃおうかな、なんて甘えの発想です。
1001さんの次作も期待しております。
393R@ ◆QZdameC492 :03/01/29 02:28 ID:hADMAfnl
ピザ━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━!!!!!
394名無しさん@毎日が日曜日:03/01/29 17:29 ID:ufGbxt6Y
age
395名無しさん@毎日が日曜日:03/01/29 21:17 ID:ICwlwbAK
優良スレ認定!!
マジで面白えぇぇぇ!!
396ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/29 21:40 ID:F9cI4L39
「ピザ法度」2

「ピザ・・・ですか?」
「そう、ピザです。」
「ピザを食べるとどうなるんですか?」
医者はちょっと間を空けていった。
「死にます。」

なんと言っていいのか適切な言葉が見つからなかった。それを察したのか医者が続けた。
「この病気は正式には『特定食物摂取による突然死症候群』といいます。
最近増えてるんですよ。だってあれでしょ?最近やたらと外国の食べ物が日本に入ってきてるじゃないですか。
もともと日本ってのは米で生活してきた人種ですからね。外国のものを受け付ける体になってないんですよ。』
その医者は一方的にまくし立てた。言われてみればもっともだ。
日本にいれば世界中の料理が食べられるといわれているほど今の日本にはいろいろな料理があふれている。
しかし、食べただけで死ぬなんていうことがあるのだろうか?馬鹿げている。
「ちょっと食べただけで死ぬんですか?」
「それは分かりません。お試しになりますか?命の保証は出来ませんけど。」
なんて意地の悪い医者だ。表面上は気の毒そうな顔をしているが、内面では楽しんでいそうな印象を受けた。
「あの、チーズとかがいけないってことでしょうか?」
「そういうことではありません。ただ、ピザを食べたら死ぬってことですよ。要するにピザを食べなきゃいいんです。」
医者は簡単に言ってのけた。ピザを食わないでおくことは簡単だが、食べたら死ぬとはなんとも気分が悪い。
「それで、治療法とかは?」
私はあまり期待せずに聞いた。
「それが分かっていたら私は今ごろノーベル賞をもらってますよ。」
その言葉で確信した。この医者はやはり楽しんでいる。
もう1秒だって顔を見ていなくなかったので、私は胃薬だけもらってその病院を出た。


397ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/29 21:54 ID:F9cI4L39
「ピザ法度」3

帰り道の私はまさに絶望そのものだった。
別に足を一本失ったわけではない。また、ガンと宣告されたわけでもない。
ピザさえ食べなければ死ぬことはないのだ。
しかし、ピザを食べたら死ぬという事実が私の頭から離れない。
実際、頭の中はピザのことでいっぱいだった。
そんなことを考えていたら、腹の虫が鳴きだした。
そういえばレストランで食事しようとしたときに運ばれたものだから、昼から何も食べていなかったのだ。
とりあえず何か食べようと思い、近くにファーストフードの店がないか探した。
すると、そこにピザ屋があった。
私はそのピザ屋の前に立ってみた。香ばしいチーズの香りと、焼かれたピザ生地の匂いが私の食欲を強烈に刺激した。
「食べたい」と激しく思った。今までピザなんて進んで食べようと思ったことなど一度もなかったのに。
禁じられた実を食べたアダムとイブの気持ちがわかった気がした。人間というのは、禁止されていることをやりたくなるものなのだ。
壁に貼ってあるメニューに目をやった。サラミ、トマト、チキン、ピーマン、ええと、これはなんだ?とりあえず、写真に載っている全ての食品が私に語りかけている気がした。「俺を食え」と。

398ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/29 22:29 ID:F9cI4L39
「ピザ法度」4

「ちょっと、あそこのオヤジヤバくない?」
背後に女の声が聞こえた。振り向くと、女子高生風の2人組がこちらを見て笑っている。
はっと我に帰った。いかんいかん、何を考えているんだ私は。一時の快楽と引き換えに命を捨てる気か。
私は何事もなかったように歩き出した。こんな考えが浮かんでくるのも空腹のせいだ。さっさと何か腹に入れよう。
そう思い、そのピザ屋の隣にあるはずの回転すし屋に向かった。
しかし、それはそこになかった。代わりに英語だか何語だかよく分からない言語で書かれた看板がかかっていた。
「ここマジでうまいの〜」
さっきの女子高生がそこに入っていくのが見えた。どうやらここも食べ物屋らしい。日本の食べ物が外国の食べ物に負けたということか。
私はファーストフードをあきらめて、近くにあったコンビニに入った。
雑誌の棚に置いてあった健康をテーマにした本を手にとって見たが、生憎私の病気についての記述はなかった。
ここで私はポテトチップスにピザ味というのがあるのを知った。これを食べてもダメなんだろうか。試してみる気は毛頭ないが。

399ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/29 22:29 ID:F9cI4L39
「ピザ法度」5

「あら、今日は早いのね」
妻が食事の用意をしながらそう言った。考えてみればこんなに早く帰ったのは久しぶりだ。
「ああ、今日はたまたま仕事が早く終わったんだ。」
嘘をついた。いや、これでいいんだ。いたずらに家族を不安にさせることはない。ピザなんて食卓に並ぶことはないだろうし。
「美穂は帰ってるのか?」
「ええ、そっちでテレビでも見てるんじゃないかしら?」
居間に行くと、一人娘の美穂がテレビを見ながら何か食べていた。
「おい、もうすぐご飯だってのにお前は何食べてるんだ。」
「だってお腹すいたんだもん。」
娘はポテトチップスみたいなものにチーズをつけて食べていた。
「なんだそれは?」
「知らないの?これだからオヤジは・・」
「うるさい。一枚もらうぞ。」
確かチーズは大丈夫なんだよな。そう思っても心臓はドキドキ高鳴っている。
思い切ってそれを口の中に入れた。チーズの味が口いっぱいに広がる。チーズってこんなにうまいものだったっけ?惜しむようにそれを噛んで、ゆっくり飲み込んだ。よし、大丈夫だ。
「うまいな!これはなんていうんだ?」
「ナチョスって言うのよ。それぐらいテレビ見てれば知ってて当然だよ。」
「そんなこと知らなくたって死にやしないよ。」
娘は軽く溜息をついて
「そういう考え方が親父だって言ってんのよ。」
と悪態をついた。私は気にせず
「この赤いソースも美味いな。これはなんて言うんだ?」
と聞いた。
「そんなこと知らなくても死なないんでしょ?」
といって娘は2階に上がっていってしまった。
400ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/29 22:30 ID:F9cI4L39
400ピザ
4011001 ◆SP0K1001J2 :03/01/29 23:23 ID:bJwIOTuV
乙彼 すごいペースですね
402ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/29 23:31 ID:F9cI4L39
今日はノっていたので
明日からはまたゆっくりになる予感
403へたれさん:03/01/30 00:32 ID:zyEFGUvG
ハイペース感嘆age
404mokko:03/01/30 00:52 ID:oaRhhBVo
ピザに苦悩する男、面白いッスね。
正直、やられたな、って思いでおります。
でも、あんまり一気出ししないで、私に妄想する時間を与えて。
あはは、でも面白いな。上手く拡げて行ってくださいね。
405名無しさん@毎日が日曜日:03/01/30 00:59 ID:KITwh/le
凄い長寿スレですね。
人生、かくありたいです。
406名無しさん@毎日が日曜日:03/01/30 18:44 ID:l89cb4sq
ハローワーク行ってきますた。行き帰りの電車の中で妄想してたのは
「飲み屋で知り合って意気投合したオッサンが偶然企業の会社の社長で、その会社に
勤めることになる」的ナ事ですた。
こんな意味もない妄想じゃひきもっこりにはほど遠いですね。

やっぱりいろんな人が書いてくれると個性が見えておもしろい。
ピザ期待上げ。
407名無しさん@毎日が日曜日:03/01/30 21:45 ID:RWVyPNuU
や、やめてえくれ!!!!
今日職場で何故か
「ひきもっこり」が頭から離れなかった!!
408名無しさん@毎日が日曜日:03/01/30 23:11 ID:kpqe5sJW
やめて欲しくはないぞ
409ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/30 23:15 ID:wyufvUQl
けたたましい目覚ましの音で目が覚めた。7時。いつもと同じ時間だ。
ひょっとして今までのことは夢だったのではないか。ふとそんなことを思った。
疲れてたから変な夢でも見た。そういうことかもしれない。
そう思い布団から身を起こした。そうだ、あれは夢だ。
枕元においた眼鏡を探すと、何かが手に触れた。それが私を現実へ引き戻した。
それは昨日病院でもらった胃薬の入った紙袋だったのだ。
やはり現実か。そう思いやりきれない気持ちになった。
しかしいつまでも沈んでいるわけにはいかない。そうだ、ただ単にピザが食べれないだけなんだ。
よく考えたらこうなる前だってピザなんかほとんど食べたことなかったじゃないか。
別に悲観的になる必要はない。私は以前と何も変わっていないんだ。そう自分に言い聞かせた。

「おはようございます。」
会社の連中が一斉にこっちを見る。昨日早退したのだからそれも当然かもしれない。
それに私が会社を早退するなどということはめったになかった。健康だけには自信があった。
「おお、青木君。もう体は大丈夫なのかね?」
専務が声をかけてきた。
「昨日はスミマセンでした。一日休んだのでもう大丈夫です。」
「そうか、あんまり無理するんじゃないぞ。」
そういって専務は自分の机に戻っていった。
私は昨日の仕事の遅れを取り戻すため、机に置かれた書類と格闘をはじめた。
410ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/30 23:16 ID:wyufvUQl
しまった。題名忘れた
↑は「ピザ法度」6です
411ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/01/30 23:47 ID:wyufvUQl
「ピザ法度」7

ピピッっと12時を知らせる音が部屋に鳴り響いた。
昨日やり残した仕事はとりあえず片付けることが出来た。やれやれ。
「課長、久しぶりにいっしょにメシ行きませんか?」
後ろを振り向くと、同じ部署の富野が立っていた。
「なんだ、富野か。どうしたんだよ?」
「いや〜今日は女房が風邪でダウンしちゃって弁当がないんですよ。」
「今インフルエンザはやってるからな。お前も気をつけろよ。」
「はいはい、それより課長、あの新しくできた店行ってみましょうよ。ピザ屋の隣の。」
富野が言っているのは昨日私が見かけたあの店のことらしい。
「いいけど、あの店は何の店なんだ?」
「知らないんですか?あれはですね・・・」
その時、背後から肩を叩かれた。それは専務だった。
「青木君、ちょっといいかね。」
専務は深刻そうな顔をしてそう言った。

「困ったことになったよ、君、加護君からナプレの話を聞いているかね?」
その名前は以前から加護部長が何度となく口にしていた名前だ。
うちの会社は軸受、つまりベアリングというやつの卸を専門に扱っている会社である。
専務が今言ったこのナプレという会社は、ベアリング業界では5本の指に入るほどの会社だ。
しかも、最近ベアリングの製造における、全く新しい技術を開発したという。
うちとしては、どうしてもここの商品が欲しいわけである。
「はい、部長から聞いています。わりといい感触のようですね。」
「そうなんだ。実は今日も午後から加護君を交えて商談するつもりだったんだ。」
そういえば朝から加護部長の姿を見ていなかったのに気がついた。
412mokko:03/01/31 01:28 ID:Mmyi5BFS
>406
いえいえ、そういう妄想も良いと思います。
ただ、ちょっとひねりを加えて、実はその社長が秘密の「目的」を持っていた、としたらどうでしょう?
更に、魅力的な社長の姪が登場し、主人公にからみつつ、やがて壮大なエンディングへ向かうってのは?

>407
良いことかどうかはともかく、最近はヒキモッコリも定着しつつあるのかな? なーんて思っております。(笑)
でも最近の私は「ヒキモコ劇場」のネーミングに魅せられております。

>408
ありがとうございます。
書いてる側は、そう言っていただけるが一番嬉しいんですよ。
413名無しさん@毎日が日曜日:03/01/31 01:55 ID:UOLY+mGH
>>406
釣りバカ日誌みたいな設定だな
414ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/01 01:03 ID:jx8+ZV46
「ピザ法度」8

「実はだね、加護君がインフルエンザで倒れちゃったんだよ。」
部長は眉毛の辺りを掻きながらそう言った。
そうか、それで今日は姿を見てなかったのか。しかしなぜそんな話を私にするのだろう。
「そこでだ、君、悪いけれど加護君の代わりに商談に付き合ってくれ。」
「え!?私がですか?」
思ってもみなかった事を言われて私は動転した。今までこのような大きな商談などしたことがない。
しかも、相手は外国の人間なのだ。
「ちょ、ちょっと待って下さい。私は英語もしゃべれませんし、誰かほかの人に頼んだほうがいいんじゃないですか?」
「その点なら大丈夫だ。ちゃんと通訳もいる。私だって言葉なんかさっぱり分からないよ。」
「いや、でもそんな大きな商談に私なんかが・・・」
「何を言ってるんだ。私は今度の会議で君を部長に推薦しようと思ってたんだよ。」
専務の口から出た意外な言葉に、私の気持ちは大きく揺れた。
部長に昇進だって?そう考えると子の話は大きなチャンスかもしれない。
この商談がうまくまとまれば、私の部長の座は約束されたようなものだ。
「分かりました。微力ながらやってみます。」
さっきまでの逃げ腰が嘘のように言葉を返していた。
415ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/01 01:19 ID:jx8+ZV46
今日は送別会だったんで1話で勘弁してください
416mokko:03/02/01 02:27 ID:7HHzrcZF
ゆっくりで結構ですよ。(汗)
と言いますのも、実は次の妄想で座礁ぎみの私です。(笑)
417名無しさん@毎日が日曜日:03/02/01 03:01 ID:ujABAyRI
赤子に乳やって起きてさっさと寝ようと思ったけど,ここ来てあまりの
できの良さに寝れなくなりました。
418R@ ◆QZdameC492 :03/02/01 03:37 ID:LAGQuKun
ピザが出るんだ・・・(w
419mokko:03/02/01 03:45 ID:7HHzrcZF
>417
どうも。
しかし、決して赤ちゃんの寝物語にココの妄想を語ってはなりませんyo。
何故ならここは、トワイライトゾーンなのですから…(古ッ)なんちて。
♪タラリラタラララ〜(笑)
420名無しさん@毎日が日曜日:03/02/01 03:58 ID:sJ1tIfmm
ガイドラインのリンクから来ました。
凄い良スレですね。思わず徹夜して読んでしまいました。
mokkoさん文章お上手ですね。私はコンビニで宴会する話が良かったと思います。
ほかの作者さんも期待していますので、がんばって下さい。
421mokko:03/02/01 04:05 ID:7HHzrcZF
>420
また善い人が来てくれましたyo。
永遠なる約束事として、コレだけは言いたいです。
『誤字脱字は笑って許して』と。マジで…
422名無しさん@毎日が日曜日:03/02/01 19:58 ID:KVL5dvca
>>モコ
そんなに気になってないよ。
読みふけってしまうので
423ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/01 20:51 ID:jx8+ZV46
「ピザ法度」8

商談はうちの会社では大きな取引のときに使われる料亭で行われた。
「・・・というような流れで今後やっていこうと思っています。」
専務がナプレの社長へ熱心に説明を続ける。私はついて来たものの、ただ専務の言葉に合わせてうなずいているだけだ。
ナプレの社長が通訳に何かしゃべりかけた。
「今まで商談した会社の中では一番信用できそうだと言っています。」
それを聞いて私たちの顔は輝いた。これはかなり我が社に考えが傾いていると言うことだろう。
「で、では我が社と正式な契約を・・・」
社長は笑いながら何かしゃべった。
「そのことはとりあえずご飯を食べてからにしましょうですって。」

そのときの食事は浮かれてて味なんて全く分からなかった。でも最高の食事だった。
このままナプレと正式に契約を交わせば、私の印象もかなりよくなるはずだ。
いやまてよ、そういえば私はほとんど何の役にも立ってないな。
よし、ちょっと世間話でもしてこの場を和ませてやろう。
「社長、日本はどうですか?」
「初めて来たけどなかなかいいところだね。日本人はとても親切だ。」
「ありがとうございます。食事はどうですか?お口に合いましたか?」
「うん、でもここ数日こういう場所での食事ばかりだったからね。久しぶりに国の料理が食べたいよ。」
これはチャンスだ。ここで気が利く男をアピールしよう。
「そうですか、じゃあ社長の国の料理を持って来させましょう。おい女将、大丈夫だよな?」
「ええ、何でもおっしゃってください。」
女将は笑ってうなずいた。
「じゃあピザをもらおうかな。私は毎日ピザでもいいほどピザ好きなんだよ。」
思い出した。ナプレはイタリアの企業だったのだった。
424名無しさん@毎日が日曜日:03/02/01 20:59 ID:A7NtS8cA
ピザキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
425名無しさん@毎日が日曜日:03/02/01 21:13 ID:KVL5dvca
くうの?しぬの?
ドキドキ
426名無しさん@毎日が日曜日:03/02/01 22:58 ID:TCGZ8rmR
ここからだよなー難しいのは
427ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/02 00:51 ID:MV1/As1b
「ピザ法度」9

藪をつついて蛇を出すとはこのことだ。少しでもいいところを見せようとしたのが間違いだった。
しかしもう遅い。女将はその言葉を聞いてすぐに宅配ピザ屋に電話したらしい。
時間の流れがもの凄く遅く感じた。額に脂汗が浮かぶ。
にもかかわらず社長はピザが来るのを今か今かと待っている様子だ。
その時、表にバイクのエンジン音が聞こえてきた。

「まいどー!PIZZA KOZOでーす!」
威勢のいい若者の声が響く。私にとっては地獄からの使者のように思えた。
女将がそのピザを私たちのテーブルに運んできた。チーズの香ばしい匂いが部屋中に漂う。
「おお、これは美味そうだ。」
社長は目をキラキラさせて言った。
「社長、お熱いうちにどうぞ。」
こう言うのが精一杯だった。そうだ、社長が全部食べてくれれば何の問題もないんだ。
頼むから残さず食べてくれ。私は天にすがるような気持ちで祈った。
「ありがとう。遠慮なく頂くよ。」
そう言うが早いか、社長はピザにむさぼりついた。どうやら本当に大好物らしい。
あっという間に半分を平らげてしまった。
「いやー社長、本当に美味しそうに食べますね。」
専務が言った。社長は満面の笑みで答えた。
「うん、このピザは最高だ。チーズと言いトマトと言い、最高の素材を使ってるな。」
「確かに普通のピザと違う感じを受けますね。私も頂いていいでしょうか?」
馬鹿が!余計なことを言うな!
しかし、社長はご機嫌な様子でこう言った。
「かまわないよ。あ、君もよかったらどうだね?」
428ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/02 01:07 ID:MV1/As1b
「ピザ法度」10

ついに来たか・・・さぁ、どうする?
食べることはもちろん死を意味する。かといって無下に断るわけにもいかない。
「あ、ありがとうございます。でも私は今お腹がいっぱいなものですから・・・」
しどろもどろになりながらそう答えた。
「まぁまぁ、一口でも食べてみなさい。きっと気に入るから。」
「いや、じゃあ後で頂きますよ。」
そう答えたとき、社長の顔から笑みが消えた。
「君、私の国の料理が食べれないと言うのかね。」
突然の変貌振りに私はうろたえた。
「い、いえ、決してそんなつもりは・・・」
「何を言ってるんだ青木君、社長がそう言って下さってるんだから遠慮せず頂きなさい。」
「いや、本当にこれ以上食べられないんですよ。」
私は必死に取り繕った。しかしそんな言い分も通用しそうにないことは雰囲気で分かった。
「そうか、分かったぞ。」
社長が冷ややかな笑みを浮かべて口を開いた。
「君は私がピザを頼むことをわかっててわざとあんな話をしたんだろう。
そして、こんなものを美味そうに食べてる私を馬鹿にしたかったんだな?」
「社長!それは誤解です!」
「わかった、もういい、すみませんがこの話はなかったことにしてもらいます。」
社長は鞄を左手につかむと、扉を乱暴に開けて出て行ってしまった。
後には我々二人と、冷えてチーズが固まり始めたピザが残された。
429名無しさん@毎日が日曜日:03/02/02 01:36 ID:pK7VsI9E
ツイスターさんのも面白いYO!!ガンガレー。
430mokko:03/02/02 02:23 ID:K3K5Z2rS
うん、面白い。どう処理するのか楽しみ。
しかし、書く方としては一番難しいあたりでしょうね?
じっくりと頑張ってください。
431ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/02 09:37 ID:MV1/As1b
「ピザ法度」10

「全くなんて事をしてくれたんだ!!」
さっきから何度となく聞いた言葉だ。
かれこれもう1時間はここに立たされて専務の説教を食らっている。
それも当然のことだ。何億と言う売上をフイにしてしまったのだから。
「このことは社長にも報告しておくからな。覚悟しておけ!」
「申し訳ありませんでした。」
「部長に推薦する話も無しだ!それどころか降格もあるかもしれんからな!」
胃が痛くなってきた。しかしただひたすら頭を下げるしか術はなかった。
「もういい、自分の席に戻れ!」
やっと専務の説教から開放された私は、鞄の中に入れてあった胃薬をつかむと給湯室へ向かった。
あの病院で出されたものだ。まさかこんな形で役に立つとは。
薬を白湯で流し込み、深い溜息をついた。
こんなことになったのも全てこのいまいましい病気のせいだ。
私は自分の体を呪った。いっそあの時ピザを食べて目の前で死んでやればよかった。
そしたら専務は褒めてくれただろうか。「2階級特進だ!」とか言って。

机に戻ってしばらく思案に暮れていた。というより何もする気が起きなかった。
そこへまた専務がやってきた。
「おい、青木、お前なにそんなところでボーっとしてるんだ!さっさと営業へ行ってこい!」
これ以上ここにいると胃に穴が空きそうだ。
私は黙って鞄をつかみ、エレベーターのある方向へ走って行った。

さて、どこへ行こうか。
会社を飛び出したのはいいものの、営業のアポなど一つも取っていなかったのだ。
仕方ない、今日は喫茶店で時間を潰すか。そう思って財布を取り出した。
しかしその中には千円札が一枚しか入っていなかった。
仕方ない、銀行にでも行くか。その時、後ろから私を呼ぶ声がした。
「課長〜、青木課長待ってくださ〜い」
振り返ると、富野が笑いながら走ってくるところだった。
432ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/02 09:38 ID:MV1/As1b
また間違えた
↑は「ピザ法度」11でした。スマソ
433名無しさん@毎日が日曜日:03/02/02 17:54 ID:J9YhrMfI
もまいら!モッコリばっかしてねぇで外出ろ!外!
434ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/02 21:03 ID:MV1/As1b
「ピザ法度」12

「どうしたんだお前?」
富野ははぁはぁ言いながら
「いや、たまには課長と営業でもしようかと思って」
と言った。
「そうか、でも俺は今日はどこにもアポとってないんだ。」
「そりゃそうでしょうね。さっきまで商談だったんだし・・・」
と言って、富野はしまったというような顔をした。
「あの、すいません。でも専務もあんなに言うことないですよね。」
「いいや、あれは俺が悪いんだから仕方ないよ。」
「違いますって。課長は自分の信念を貫いただけでしょ。」
ピザを食わないと言うのは一体どんな信念だと思い笑ってしまった。
「まぁいいさ。それよりお前は今からどこを回るんだ?」
「え?ああ、実は僕もアポなんて取ってないんですよ。」
「なんだよ、じゃあどうするんだ。まだ3時だぞ。」
「よし、課長。サボりましょう。ゲーセン行きましょうゲーセン。知ってます?最近はロボットを殴るゲームがあるんですよ。それを専務だと思っていっちょ叩きのめしてやりましょうよ。」
「へぇ、そんなゲームがあるのか。それは面白そうだな。」
「よし、そうと決まったら行きましょう。専務を倒しに!」
「まあちょっと見るぐらいならいいか、ああ、そういえば銀行へ行かなきゃな」
「課長もやる気満々じゃないですか。いくら分やる気なんですか。」
「バカ。そのためにおろす訳じゃないよ。」
我々は笑いながら銀行のある通りへ足を向けた。

銀行は窓口がもう閉まるという頃だった。会社の小間使いできたのであろうOLが急いで窓口へ走っている。
私はカードを持っているので入り口のキャッシュディスペンサーで事が足りる。
私のほかにもたくさんの人が並んでいた。4,5分はかかりそうだ。警備員が眠たそうに欠伸をしている。こんな様子なら眠たくなるのも頷ける。

435ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/02 21:14 ID:MV1/As1b
「ピザ法度」13

それにしても今日は散々だったな。このままだと課長の座も危ないかもな。
娘は今年高校受験だってのに。給料が下がるなんてことになったら女房になんといわれることやら。
ああ、また胃が痛くなってきた。もうこんなことを考えるのはやめよう。まだ決まったわけじゃないんだ。
そんなことを考えていると、私の順番になった。慣れた手つきでカードを挿入し、暗証番号を入力した。
さて、いくらおろそうかな。そんなことを考えていた時、入り口のほうで何かが壊れるような音がした。

「ガシャーン!!!」
何事かと思いそちらに目をやると、黒ずくめの男が駆け足で入ってきた。手に持ってるのは・・・銃ではないか。
続いて2人、3人、4人・・・合計6人の男が窓口に駆け込んだ。
「おい、金を出せ!早くしろ!」
「全員動くな!動いた奴は頭が吹っ飛ぶぞ!」
瞬時に頭の中にある言葉が浮かんだ。「銀行強盗」だ。
それと同時に脳が指令を出した。「逃げろ」と。
「お、おい!富野!逃げるぞ」
後ろのソファーに腰掛けていた富野に声をかけた。富野はあまりの事態にあっけに取られていた。
「何してるんだ!早く立て!」
「か、課長、こ、腰が抜けちゃって・・・」
「なんだって!?じゃあ俺につかまれ!」
私は富野の腕を肩にかけると、出口のほうへ駆け出した。
よし、これで逃げられる。そう思ったとき、目の前に大きな黒ずくめの男が立ちふさがった。
「わるいな、この出口は通行止めだ。」
男は馬鹿にしたような声でそう言った。
436名無しさん@毎日が日曜日:03/02/02 22:22 ID:amayWAjR
お、新展開

期待ageしたいところだけど、敢えてsage
437mokko:03/02/03 01:42 ID:4d61E5qY
>433
外出ても何も無いから、帰って来てヒキモッコリするスレなのですが…
まぁ、そう言わずにお読みください。途中からご参加いただいた方々の作品も、実に勉強になりますね。
私は、本心から面白いと思いますよ。
438名無しさん@毎日が日曜日:03/02/03 02:56 ID:jUHuV8qY
>>437早く次のヒキモッコリを。
439霧島:03/02/03 20:22 ID:a5dX4Xo2
泣けるにちゃんねるから流れてきたリア厨でつ。良スレですな〜。
なんていうか・・・読んでいるとのめり込むっていうか一つの世界が構築されてて凄く(・∀・)イイ!です!
これは万人にも通用するのでは?これからも期待してます!
440ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/03 21:15 ID:XjiApYuu
「ピザ法度」14

「全員手をあげろ!!妙な動きした奴はぶっ殺すぞ!」
「おい、早く金をこのバッグに入れろ!もたもたするな!」
リーダー格と見られる男が受付の女性に命令している。全員顔全体を覆うようなニットキャップをかぶっているので顔までは分からない。
受付の女性が震える手で金庫の金をバッグに詰め出した。
その札束を男が乱暴につかんで確認した。そしてニヤリと笑いながら、
「どうやらダミーじゃないようだな。もし偽モンだったらお前死んでたぜ。」
と言った。そういえば銀行ではこういう時のために上と下だけ本物で後は偽者の札束を用意してあると言う話を聞いたことがある。
一つ目のバッグが一杯になったようだ。続いて女性は二つ目のバッグにもお金を詰め出した。
その時、外からパトカーの音が聞こえた。
「おい!どういうことだ!サツが来るにしては早すぎるぞ!」
「わかんねえよ、アニキ、どうする!?」
「クソッ!誰だ警察なんか呼びやがったのは!?」
そういってそのリーダー格の男はカウンターの中に入っていった。
「お前か!?それともお前か?」
男は手当たり次第に銃を突きつける。そして奥の支店長と思われる男の席に辿り付いた。
「お前がここの支店長か?」
男は震えながら頷いた。
「さて、じゃあなんでこんなに早く警察が来たのか教えてもらおうか。」
リーダーは銃を突きつけながら言った。支店長は首を横に振るばかりだ。
その時、リーダーが机の下にあるボタンに気が付いた。
「そうかそうか、これで呼んだわけか。お前支店長の鏡だな。」
そういいながらリーダーは銃の引き金を引いた。ターンと言う地味な音とともに、支店長が崩れ落ちた。
「キャー!!」
受付の女性たちが悲鳴をあげた。まずい。こいつらはプロの強盗だ。そうでなきゃあんな簡単に人が殺せるわけがない。
「アニキ、ヤバいっすよ、どうするんですか?」
ゴーグルをかけた男が聞いた。
「ふん、まあ作戦に変更は付きもんだ。大丈夫。こっちには人質だっているんだからな。」
441ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/03 21:41 ID:XjiApYuu
「ピザ法度」15

私たちは全員カウンターの中に人質として集められた。
中には銀行員10人と客が我々を合わせて6人いた。
「お前ら、逃げようなんて思うんじゃねえぞ。」
一番背の低い男がそう言った。手にはサバイバルナイフを持っている。
「おれたちはもう一人殺してるんだ。それが二人になっても同じ事だからな。」
女性行員が泣きそうになっている。無理もない。私だって泣きたいぐらいだ。
その時、外の警察と交渉していた男が戻ってきた。
「アニキ、とりあえずこっちの要求伝えました。逃走用のヘリは1時間以内には用意するそうです。」
「そうか、あいつらが一時間以内に用意するとは思えんがな。まあその時は人質が一人減るだけだ。」
こいつら、要求が通らなければ人質を殺すと言うのか。
「さて、一時間暇になっちまったな。」
リーダーは銃をポンポンと手のひらに当てながら言った。
「そういえば昼飯食ってなかったな。落ち着いたら腹が減ってきた。」
こんな状況で腹が減るとはたいした男だ。いや、どこか抜けていると言ったほうが正しいかもしれない。
「おい、ヒロシ、お前サツに言ってなんか食い物持って来させろよ。」
ヒロシと呼ばれた背の低い男は面倒くさそうに立ち上がった。
「分かりました。で、何を持って来させます?」
「そうだなぁ、今食べたいもの・・・は・・・」
そう胃ってリーダーは周りを見渡した。すると机の上に何かのチラシを見つけた。
それをつかむと、じっくりと見入った。
「よし、これにしよう。これと、これだ。もちろんLサイズだぞ。」
Lサイズと聞いて嫌な予感がした。そしてその予感は的中することになる。
「またピザっすか?アニキ本当にピザ好きっすねー。」
「まぁな。俺の前世はきっとイタリア人だったんだよ。」
ヒロシは笑いながらチラシを手に出口へ向かった。

442ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/03 21:49 ID:XjiApYuu
そういえばmokkoさんの「一輪挿し」と「逆転」をアップしました。
読みたい人はストーリーランドからお入りください。

http://page.freett.com/36cube/
443mokko:03/02/04 01:45 ID:o1PztwT5
>438
今、いいのが出来そうなので、もう少し待ってほしいのね。

>439
どうも。
たとえば文庫本とかで読む分には全然面白くないと思うんですよ。
やっぱ、生き物みたいな”版で毎日語られる感じ”が別物なのですよね。
わかっていただけて、何だか嬉しい…
444名無しさん@毎日が日曜日:03/02/04 15:24 ID:9cKzU6St
age
445jo:03/02/04 18:06 ID:sokiinGT
今日はじめてきました。
mokkoさん、1001さん、ツイスターさんの創造(想像?)力と文才に舌を巻きました。
これからも楽しい妄想をお聞かせください。
446ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/04 22:06 ID:CaPbqL4y
「ピザ法度」16

「すぐ持ってくるって大慌てでしたよ、奴ら。」
ヒロシがへらへら笑いながら言った。
「じゃあ俺はピザが来るまで奥にいるから来たら呼べよ。」
「分かりました。」
そう言ってリーダーは奥の部屋へと消えていった。

20分ほど経っただろうか。入り口に一人の警官がピザと思われる箱を持って近づいてきた。
「おい、そこで止まれ!」
ゴーグルをした男が警官に向かって言った。警官はその声を聞いて慌てて立ち止まった。
ゴーグルが外へ出て行く。しばらくその警官と何か話をしていた。なにやら様子がおかしい。
警官に怒鳴っているようだ。何か取引がうまく行ってないのだろうか。
「ヒロシ!アニキを呼んで来い!」
ゴーグルがヒロシに怒鳴った。するとヒロシは慌てて奥の部屋に走って行った。ちょっとしてリーダーが欠伸をしながら出てきた。
リーダーがその場に行くと、すぐにその場は納まったようだ。
「まったく、そんなことぐらいでいちいち俺を呼ぶんじゃねえよ。」
「すいません、でも兄貴が言ったのと全然違うことしやがったんで・・・。」
「バカ、おれは温厚なんだよ。そんなことぐらいで怒るかよ。」
そんなことをしゃべりながら二人が中に戻ってきた。手には届いたばかりのピザが入った箱を持っている。
「さて、さっさとメシを済ましちまおう。」
「そうですね。あと30分ぐらいで約束の時間ですからね。」
そう言ってリーダーは箱を開けた。そして中からピザを取り出す。Lサイズにしてはずいぶん小さく見えた。
ひょっとしてさっき揉めてたのはサイズを間違ったからかなのだろうか。
リーダーは取り出したピザを口元に持っていった。しかし、そこで動きを止めた。
「俺としたことが迂闊だったぜ。奴らがこの中に何か入れてないとは限らねえな。」
447ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/04 22:22 ID:CaPbqL4y
「ピザ法度」17

リーダーはそう言ってこっちを見た。私はとっさに目をそらした。
まずい、あいつは毒見役を探しているのだ。そんな役を押し付けられるのは御免だ。
「んんー、だ・れ・に・し・よ・う・か・な。」
リーダーはふざけた口調で我々を舐め回すように見た。私は必死に目をそらし続けた。
しかしそれが奴の癇に障ったらしい。
「おい、そこの、さっきからうつむいてるおっさん、ちょっと来いよ。」
死の宣告のような言葉がリーダーの口から発せられた。私はとりあえず気付かない振りをした。
するとリーダーは私に近づき、背広の襟をつかむと無理やり顔を上に向かせた。
「何シカトしてんだよ。お前に決まってんだろうが。」
「え、わ、わたしですか?」
リーダーに凄まれるのとピザを食べなければならないと言う2重の恐怖で、私はうまくしゃべれなかった。
「そうだよ。お前よぉ、ちょっとこれ食ってみろよ。」
「え・・でも・・それは・・」
「ごちゃごちゃ言わずにさっさと食えよ。」
そう言ってリーダーは私の口にピザを押し込んだ。必死に抵抗したが、ピザはどんどん口の中に入ってくる。
「てめぇ、吐き出したらどうなるか分かってんだろうな。」
その言葉と同時にリーダーはポケットから銃を取り出した。やばい、ここで吐き出したら殺されてしまう。
私はどうすることもできず、ただただピザを咀嚼した。しかしこれを飲み込む勇気はない。
目に涙が浮かんできた。私はこんなところで死ぬのだろうか。
「アニキ、こいつ涙浮かべてますよ。タバスコ入れすぎなんじゃないですか?」
「だってこれぐらい入れなきゃうまくねえだろうが。」
そう言われたら口の中がヒリヒリしてきた。でも味など全く分からない。
そんなことより今問題なのはこれを飲み込むべきか、それとも吐き出すべきかと言うこと。
ただ一つ分かっていることと言えば、どっちの道を選んでも私は死ぬと言うことだ。
448ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/04 22:26 ID:CaPbqL4y
結構長くなってしまった
もうそろそろ終ると思うので勘弁してください

>>mokko
282からの謎の仕事の話もうちのHPにアップしてもいいですか?
449名無しさん@毎日が日曜日:03/02/04 22:32 ID:pJ1LDECJ
うわぁぁ、次たのしみー。よくこんな設定思いつきますねーツイスターさん
450名無しさん@毎日が日曜日:03/02/05 00:55 ID:xOv6W+ag
謎の仕事のラストは鳥肌が立ったよ。
451mokko:03/02/05 01:07 ID:3Huy2/G6
みなさん、どうも。

>448
長さの件ですが、やっぱり内容を深くして面白くしようと思うと、最低でも20回とか行っちゃいますよ。
ちなみに私の前回のは54回とかまで行っちゃって、あそこまで削るのに大変でした。
ですから、まだまだゆっくり続けてください。
それと、HP掲載の件は近日中に完全版をまたメールさせていただきます。
そういうことで。。。
452名無しさん@毎日が日曜日:03/02/05 21:19 ID:+k1pYj7j
不倫・過激な恋愛専門・無職・独身男性

突然お邪魔して申し訳ございません。
ネットキャッシング。24時間年中無休宣言!!

ここのネットキャッシングは来店不要で遠方の方でも全国振込融資OKです。
モットーは勤務先や身内にばれない様、絶対秘密厳守です。
特別にネットからの申し込みだと、借入件数が多くて他で断られた方専用の
申し込みコーナー有。融資率95%以上だそうです。
一週間無利息なので試しに申し込んでみては。
http://square7337.com/ 
i-modeからはhttp://square7337.com/i/
453ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/05 21:46 ID:FP+7rnZY
「ピザ法度」17

「おい、さっさと飲み込めよ!」
そう言ってリーダーが私を突き飛ばした。私はよろよろと後ろにあった机にもたれる形になった。
他の連中は相変わらずニヤニヤしている。そしてリーダーは銃を私に向けたままだ。そうか、私に逃げ道などないのだ。
私はピザを飲み込むことにした。不思議と落ち着いた気持ちだ。死を覚悟すると人間はこんなにも落ち着けるものなのか。
口の中のピザの味もわかってきた。確かに辛いが、美味い。娘にもらった何とかというのによく似ている味だ。
そしてそれと同時に別の感情が湧いてきた。「ただでは死なない」と。

ゴクッと言う音を立てて、いや、実際に音などしていなかったかもしれない。
しかし私にはそれが妙に大きな音に聞こえた。ついに私はピザを飲み込んだ。
体に異変はない。だが、徐々に何かが起きるのだろう。その前にこの状況を何とかしてやる。
「やっと食いやがったか。じゃあさっさと戻りな。」
そう言ってリーダーは私を富野の隣の元の位置に戻した。

私がピザを食べてしばらくした時だった。
「どうやら何も入ってなかったようだな。じゃあいただくとするか。」
そう言ってリーダーは銃を脇に置いてピザを食べ始めた。
それを確認して、私は富野に小声で話し掛けた。
「いいか富野、俺はもう長くない。だが、その前にこいつらを道連れにしてやるつもりだ。」
「えっ!?何言ってるんですか?長くないってどういうことですか?」
「今それを話している暇はない。いいか、あいつは今銃を放している。今がチャンスだ。
俺が今からダッシュであいつの銃を奪い取る。そうしたらお前は人質を連れて外へ逃げろ。いいな!」
「えっ、ちょ、ちょっと!」
富野の返事を待たずに私はリーダーへ突進していった。


454名無しさん@毎日が日曜日:03/02/05 21:53 ID:QNkjSNqC
おおおおおーキター━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!キター━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!
455ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/05 22:02 ID:FP+7rnZY
「ピザ法度」18

私のこの行動はさすがのリーダーも予想していなかったようだ。
私の体当たりをまともに食らい、リーダーは床に転げた。
その間に私は脇に置いてあった銃を手に取り、リーダーに突きつけた。
「動くな!他の奴らもだ!動けばこいつを撃つ!」
他のメンバーもたじろいだ。こんな状況は全く予想外だったのだろう。
「おい、富野!早くみんなを外へ!」
「あ、はい!」
富野が立ち上がる。それにつられてみんなも立ち上がった。よし、早く逃げるんだ。
その時、リーダーが口を開いた。
「おっさん、その銃には弾なんか入ってないぜ。」
「な、なんだって!?」
私は驚いて銃を見た。その瞬間、リーダーが私の銃を持つ手をつかんだ。
「知ってるか?ここを持つと銃ってのは撃てねえんだ。」
そう言ってその手を曲がらない方向へ捻った。
「ぐぁっ!」
私はあまりの痛さに銃を放してしまった。
「あんまり慣れない事をするもんじゃないぜ。」
リーダーは笑いながらそう言った。しかし私はそれでもリーダーに向かって突進した。
「この野郎、離せ!」
ここで離したら間違いなく殺される。死んでも離すわけにはいかない。
その時、入り口の辺りで何か煙のようなものが上がった。

「畜生!催涙弾だ!」
どうやら警察が中の様子を見て動き出したらしい。なんといいタイミングだろう。
「おとなしくしろ!全員検挙だ!」
完全武装した警官が何十人となだれ込んで来た。奴らは最初は抵抗しようとしていたが、やがて無理だと悟ったらしい。あきらめて両手を上に挙げた。
「大丈夫ですか?」
私を抱え起こした警官がそう聞いた。しかし、私はその問いに答えることなく意識を失った。
456ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/05 22:04 ID:FP+7rnZY
あ、まだ続きます。念のため
明日頃には終わると思います
457名無しさん@毎日が日曜日:03/02/05 22:21 ID:QNkjSNqC
そりゃこれで終わったらブチ切れですよ
458名無しさん@毎日が日曜日:03/02/05 22:23 ID:7m/MCic5
待ちきれません
459mokko:03/02/06 17:22 ID:6lw2oukI
ふぅ…
今やっと第6弾が完成しましたyo…
完成したってことは就職試験のほうが全然だってことなんで、何やら複雑なんですが…
ツイスターさんのが完結しそうですから、その後に続けます。
今度のも長いですよ。根気よくお付き合いください。
460カルロス:03/02/06 17:27 ID:NMp9KaQ6
キタ━━━━━(゜∀゜)キタ━━━━━ !!!!
461名無しさん@毎日が日曜日:03/02/06 17:42 ID:SDm5yRyZ
ナイスタイミング!>>モ子>>ツイ
楽しみにしているのからね
462名無しさん@毎日が日曜日:03/02/06 22:21 ID:1dIBleWw
まだかなー
463ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/06 23:08 ID:ia7xjDOj
「ピザ法度」19

ここは天国なのだろうか。なにやら人の話し声が聞こえる。
私は薄目を開けた。白い服を着た女性がいた。なんだろう。
その隣にはどこかで見た顔の人物がいた。ああ、なんだ、女房じゃないか。
何でお前まで天国にいるんだ?私は言葉を発そうとした。
「うぅ・・・」
しかしそれはただのうめき声になった。だが、看護婦がそれに気がついた。
「あ!青木さん、意識が戻ったんですか!?今先生呼んできます!」
そう言って慌てて病室を出て行った。
「あなた・・よかった・・・。心配したのよ・・・」
「すまなかった。私は一体・・・?」
どうして私は生きているのだろう。私は確かに禁止されていたピザを食べたはずだ。
ということは・・・病気が治ったのだろうか。いや、もともとこんな病気は嘘だったに違いない。
だいたいこんな病気を信じる私の頭がどうかしている。しかし実際に私はこうして生きているのだ。その事実だけで十分だった。
その時、誰かが後ろから声をかけてきた。
「課長、大丈夫ですか!?」
富野だった。
「何でお前がいるんだ?仕事はどうしたんだ。」
「何言ってるんですか。今日は日曜日ですよ。」
私は慌ててカレンダーを見た。あの事件があったのは確か金曜日だったはずだ。
「課長は丸2日も寝てたんですよ。しっかりしてください。」
笑いながら富野が言った。その時、扉を開けて誰かが入ってきた。
「おお!青木君、気がついたか!」
464名無しさん@毎日が日曜日:03/02/06 23:24 ID:1dIBleWw
まだー?
465ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/06 23:32 ID:ia7xjDOj
「ピザ法度」20

それは専務だった。専務はつかつかと私の前まで来て、私の手をとりこう言った。
「青木君、よくやった!!」
「は!?」
「いや、君の活躍のおかげだよ。ほら、これを見たまえ。」
専務が差し出したのは昨日の新聞だった。見出しには「会社員の男性、銀行強盗に立ち向かう!」とある。
なんと、私が新聞の1面に載っていたのだ。
「昨日のことなんだが、この記事を見たナプレの社長がだね、『こんな勇敢な社員がいる会社とぜひ取引がしたい』と言ってきてくれたんだ。そして昨日無事に契約が完了したよ。いやー、全て君のおかげだ!ありがとう!」
専務は私の手をブンブン振りながらこう言った。私は混乱しながらひたすら作り笑いを浮かべた。
「そうだ青木君、こんなに寝ていたんだ。腹が減っただろう。何か買ってこようか?」
専務が言った。そういえばずっと寝ていたから2日間何も食べていないことになる。
何を食べようか。いや、もう答えは決まっている。2日間経っているのだからもう食べても死ぬことなどないのだ。
「ピザが、ピザが食べたいです。」

「ちわーっす、pizza kozoでーす。」
宅配の男性の声が病室に響いた。取引の時にも使った、駅前にあるpizza kozoである。私が病院の帰りに覗いていた所だ。
目の前にピザの箱が置かれた。私は期待に胸を膨らませて箱を開ける。湯気とともに、まばゆいばかりのピザが現れた。
口の中に唾がたまってくるのが分かった。私の胃はたっぷりと胃液を用意してそれの受け入れ準備をしている。
「さあ、青木君、温かいうちに食べなさい。」
専務が言った。言われるまでもなく食べるさ。私は一切れつかみ、ほおばった。口中にピザとトマトソースの味が広がる。こんなうまいものを食べたのは初めてだと言う台詞は何度も使ったが、今回は本当の意味でその台詞を言いたかった。
私は夢中で食べた。1切れ、2切れ・・・気付くともう半分を平らげていた。
「ちょっとあなた・・そんなに急いで食べたら体に悪いわよ。」
女房の忠告も聞かず、私はひたすらピザを貪った。そういえばあの事件の時に食べたピザも美味かったな。私はふと思い出した。
「おい富野、あの事件の時に食べたピザはなんていうピザだ?」
すると、富野がきょとんとした顔で言った。
「え?事件の時のピザ?何のことです?」
466ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/06 23:48 ID:ia7xjDOj
「ピザ法度」20

「何言ってるんだよ、ほら、おれが毒見役をさせられた時のあのピザだよ。」
富野はようやく合点がいったような顔をした。
「ああ、あれですか、やだなぁ課長、あれはタコスですよ。」
その時、私はピザを食べる手を止めた。
「今なんて言った?」
「だからぁ、課長が食べたのはタコスですって。」
「なんだそのタコスってのは?そういうピザの名前なのか?」
「全然違いますよ。ピザはイタリア料理でしょ?タコスってのはメキシコ料理ですよ。」
頭を鈍器のようなもので殴られたような衝撃が走った。心臓の鼓動が高鳴る。
「な、なんだって!?」
「ほらぁ、あいつら警察がきた時もめてたでしょ?なんでもpizza kozoが休みだったんですって。だから仕方なく隣のタコス屋で買ったんですよ。ほら、前、課長と一緒に行こうとした所ですよ」
全ての疑問が解けた。Lサイズと言ったのにサイズが小さかったこと、娘にもらった食べ物と同じ味がしたこと。
「そ、そんな馬鹿な!」
私はそう言うのが早いか、ベッドから飛び出した。もうピザは半分以上食べてしまった。
早く吐き出さなければ。私はトイレに向かって猛スピードで駆け出した。
「ちょ、ちょっと課長!どうしたんですか!?」
富野が後ろで呼びかけた。説明してる暇はない。私はひたすら走った。
しかし、私は今までずっと寝ていたのを忘れていた。私の体は、意識とは裏腹にまともに動いてくれなかった。
「い、息が苦しい!」
病気の症状なのか急に動いたからなのかは分からなかった。息ができない。息を吸い込もうと思っても空気が入ってこないのだ。
意識が遠くなってきた・・私はその場に崩れ落ちた。
薄れ行く意識の中で娘の声が聞こえたような気がした。
「そんなこと知らなくても死なないんでしょ?」
467ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/06 23:57 ID:ia7xjDOj
エピローグ

「それではこの地方のニュースをお送りします。今日の夕方5時ごろ、会社員の青木久也さん(49)が、ピザを食べたところ、心因性のショック症状を起こし、死亡しました。
調べによると、青木さんはpizza kozo駅前店のピザを食べたとたんに苦しみだしたと言うことで、警察は食中毒、また薬物混入の疑いもあると見て捜査を進めています。」

「次のニュースです。今日の昼1時、同市内の病院、宇井クリニックの院長、宇井寿容疑者(58)が逮捕されました。
調べによると、宇井容疑者は医師免許を持っておらず、無許可で病院を開いていたと言うことです。
また、この病院に通院していた患者によると、同容疑者はたびたび患者に対して『あなたは新種の病気だ』などと嘘の診察をしていたと言うことです。
警察は余罪もあると見て調べを進めています。」

「それでは今日の特集です。今日は今若者を中心に大人気のメキシコ料理にスポットを当てました。
タコスをはじめ様々な種類を持つメキシコ料理、その人気の秘密に迫ります!チャンネルはそのままで!」


ーーーーーーーーーーーーーーー終わりーーーーーーーーーーーーーーーー
468ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/07 00:01 ID:BRt/69MR
あーつかれた
みなさん、駄作でしたが読んで下さってありがとうございました
こういうものを初めて2ちゃんで書いたんですがその中で思ったことは
「おもしろい!」とか言う感想はかなり嬉しいと言うことです
私は前までこう言った連載スレに感想を書く人をUZEEと思っていましたが、
書いてる本人にとってはかなり励みになります
ですのでそういう感想レスにもあまり目くじらを立てないであげてください

それではmokkoさんにバトンを渡します
469名無しさん@毎日が日曜日:03/02/07 00:05 ID:cEfTK0Gz
なる程。上手くまとまっていて(・∀・)イイ!
470名無しさん@毎日が日曜日:03/02/07 00:15 ID:5iKW9Uor
おもしろかったよー!
タコス!!
471名無しさん@毎日が日曜日:03/02/07 00:27 ID:TxPcDHCo
「そんなこと知らなくても死なないんでしょ?」
よかったです。ツイスターさん。次回作にも期待大
472名無しさん@毎日が日曜日:03/02/07 00:48 ID:P2fP0K1D
いやーなかなか秀作
473mokko:03/02/07 00:52 ID:zlRMPylu
ツイスターさん、お疲れ様でした。
発想がユニークで面白かったです。
ぜひ、また新しい妄想も発表してください。
平行連載でかまいませんので。
474mokko:03/02/07 00:53 ID:zlRMPylu
穏やかな怒声 1
「ただねぇ… 木村さんの場合は年齢が30を越えちゃってますからねぇ…」
僕より少しは若い男性職員がしたり顔で言いながら、事務的に書類へ何か書き込んだ。
職安は、大混雑していた。筆記台の順番待ちを乗り越えて、やっと書き込んだ書類をまたしても長い順番を待ってカウンター越しに提出するまでで、小1時間はかかっている計算になる。
「とりたてて役に立ちそうな資格も無し、と。前職で経験した業界もコレじゃね… そういう求人、滅多に入りませんよ…」職員が眉をしかめて言った。
僕は、あふれかえる老若男女を見渡す。誰もが厳しい顔付きで順番を待っている。
沢山の声という声が反響し合って、やがてひとつの不協和音を合成する。
「とりあえず、申請の手続きは完了しました。この紙に書いてある日時に、書いてある場所へ集合してください。給付金受給の説明会です。質問は、その時にしてください。では、ご苦労様でした」
今日まで何万回も繰り返したであろうそんな台詞を一気に喋られて、僕は我に返った。
僕の次の人物が、立ち上がる僕から椅子を奪い取るようにして着席した。
失業者の群を縫って進み、僕はあふれかえる職安から弾き出されるようにして外へ出た。
これで僕は、法的にも完全な失業者となった訳だ。
若くもなく、とりたてて資格も持たず、再就職に有利な前職の経験も乏しい、そんな普通の失業者の仲間入りを果たした訳だ。
この先、普通に説明会を受講し、普通に給付金をもらって、普通に求職活動をする普通の失業者に。
ただひとつ、僕が普通ではない能力を持っている点を除いて……
[つづく]
475mokko:03/02/07 00:53 ID:zlRMPylu
穏やかな怒声 2
その能力に自分で気付いたのは、物心ついたばかりの頃だった。
近所の主婦が、幼い娘を連れて家へ遊びに来ていた時だ。
母が入れた紅茶を飲みながら、その主婦がこぼれんばかりの笑顔で僕に言ったのだ。
「充ちゃん、おもちゃはウチの絵美ちゃんと二人で仲良く遊ぶのよ」
その声に後半がダブるように、もうひとつの声が響き出した。
(そんなにおもちゃを独占しちゃ、ウチの絵美ちゃんが遊べないでしょ!)
主婦と言っても当時はまだ若い女だ。周囲を気遣って優しげに発声された前者と違い、それは打ち付ける鞭のように憎悪が込められた邪悪な響きの叫びとして僕に届いた。
初めは、単純にまた叱られたのかと思った。しかし、徐々にそうではないことが判りかけて来た。
母の友人の、憎悪に満ちたその叫びが聞こえた時、彼女の口はまったく動かなかったことに気付いたからだ。
(可哀想な絵美ちゃん! じゃれ合うふりして今どついたな充ッ! 今度やったら殺すぞ!)
(汚い手で絵美ちゃんを触るんじゃない糞ガキ! お前のバイ菌が絵美ちゃんに感染したらどうする気!)
(気安く呼ぶんじゃないよ充ッ、絵美ちゃんはお前なんかとはレベルが違うんだからねッ!)
誰も口を開けていないのに、僕にはそんな声が聞こえるのだった。
[つづく]
476mokko:03/02/07 00:54 ID:zlRMPylu
穏やかな怒声 3
もっとも僕には、四六時中いつでもそんな声が聞こえた訳ではない。
その後の経験と観察から、現在の僕はある程度の自己分析を済ませていた。
他人が、感情的に高ぶった場合の心の声、その声だけが僕の耳へと飛び込んで来るものらしい。
だから、たとえば職安の順番待ちをしていても、失業者たちが普通に会話する当たり前の声しか聞こえては来ない。
しかし、それがひとたび、「検索機の故障で午後の閲覧を休止させていただきます」などとアナウンスが発せられた直後から、僕は暴徒と化した失業者たちの心の叫びを浴びせられることとなる。
(何が故障だ! ふざけるな!)
(こっちは生活がかかっているんだ、馬鹿野郎!)
(順番待ちした分の金を払え、こん畜生!)
そして僕は、堪えきれずに耳を押さえて、逃げ出すはめに決まって陥るのだった。
今日までの人生で、そんな能力が役に立った経験など、ほとんど無い。
いつだって、僕は聞かなくても良い声を聞いて、しなくても良いはずの悲しい思いを繰り返して来た。
そうだ… こんなこともあった…
思春期の頃、通学電車の同じ車両で毎朝見かける可愛い子に恋をした時もそうだった。
彼女の本当の声を聞けないままに数週間が過ぎた頃、ふいに例の心の声が聞こえて来たのだ。
(やだ! 誰かがお尻を触ってる! 助けて!)
彼女を取り囲んだ複数の乗客たちの中に、どうやら痴漢が一人潜んでいるらしい。
僕は、当時はまだ盛んだった正義感と、彼女に気に入られたい下心から、単純にも痴漢退治を発想したのだった。
[つづく]
477名無しさん@毎日が日曜日:03/02/07 01:15 ID:D8kR06VE
モコ キターーーーーーー
478名無しさん@毎日が日曜日:03/02/07 02:09 ID:rY0Ob/5/
>>468
お疲れです。
伏線の張り方が良かったと思います。
ただ、そのラストだと書き出しの4行に若干違和感を感じますね。

>>476
木村さんまた出てきましたね(w
この後どう展開していくか楽しみです。
479mokko:03/02/07 16:41 ID:vD8ldVy+
穏やかな怒声 4
ぎゅうぎゅう詰めの車内を不器用に縫って、僕は少しずつ移動して彼女の背後へと回り込んだ。
その位置からなら、彼女の清らかな身体を汚す悪魔を直視出来ると考えたからだ。
案の定、僕は痴漢とおぼしき人物を簡単に発見した。折りたたんだ新聞を読む素振りで顔を隠すようにした会社員風の男が、コートのポケットに突っ込んだてのひらで硬直する彼女を攻めている。
僕は更に移動し、男が持つ新聞の文字さえ読める位置に立った。そして、何も言わずにその新聞をどけた。
男の素顔が露わになった。ヒゲの剃り跡ばかりがやけに青く、その分色白が際立つ中年男が、悪戯の現場を押さえられた子供みたいな表情で僕を見やった。
僕は何も言わないで男の袖を引いた。ポケットから引き出された彼のてのひらは、やはり本来とは逆向きに捻られてあった。
その瞬間、男の激情的な叫び声が飛び込んで来た。
(たった一つの愉しみを邪魔しやがって、この野郎! ぶっ殺してやるッ!)
僕にしか聞こえないその声の迫力に、僕は一瞬だがひるんだ。
そのすきに男が、凄い力で逆に僕の腕を取って高く引き上げ、車内へ轟く大声で怒鳴りまくった。
「痴漢だ! こいつだ! こいつが触ってたぞ!」
車内がどよめいた。乗客全員の視線が、高く掲げられた僕の腕に集中した。
そして、僕にしか聞こえない声の鉄砲水があふれ出す。驚愕、好奇、唖然、それらが入り混じった嫌悪の怒声が次々に発せられて、それが全部僕ひとりに突き刺さって来る。
そして、あろうことか、助けてあげたはずの彼女までが厳しい表情で僕を睨みつけていた。
そうだ、僕は彼女が吐き捨てた最後の一言で致命傷を負ったのだ。
(最低ッ!)
涙をたたえた瞳で睨みつけて、僕の天使が心から軽蔑して立っていた。
[つづく]
480mokko:03/02/07 16:42 ID:vD8ldVy+
穏やかな怒声 5
学生時代の痴漢騒動に反を発して、成長した僕が徐々に社会と関わりを持つようになると、その随所随所でますます僕にしか起こり得ない悲劇は繰り返された。
相手の感情が高ぶった時にだけ聞こえて来る声はどれも、一様に汚いスラングだらけで、そして一様に攻撃的だった。ただし、そこには欠片ほども嘘が無かった。どの声も、その時のその人の真正直な”本音”に他ならなかった。
(そんな仕事じゃ甘いんだ! このままだと、来月には本当に倒産しちまうんだぞ!)
(うだうだ言ってないで、1個でも多く売って来い、この給料泥棒がッ!)
(女にここまで言わせておいて、どこまで勘の悪いインポ野郎なの!?)
(この不況下で、あんたみたいな人に紹介出来る仕事なんて有るはず無いでしょう!)
前の職場の経営者や上司、過去に付き合った数少ない女たち、そしてごく最近通い始めた職安の不機嫌な職員、そんな連中から聞かされた”本音”としての声を、僕は時々思い返してみたりする。
相手にそんな”本音”を抱かせてしまう以上、僕の側に某かの落ち度が有ってのことなのだろう、と最近は思うようになった。
何にせよ、聞きたくもない声が聞こえることは厄介だった。
しかし、勝手に飛び込んで来るものはどうすることも出来なかった。だから、いつしか僕は聞いてしまった声を聞かなかったことに、そう、無視を決め込む行動を繰り返すようになっていた。
声を捕らえる耳のボリュームを調節する、気が付いたら僕はそんな練習さえもごく自然に繰り返すようになっていた。
そんな不本意な練習の成果も手伝って、僕は今日まで、かろうじて人並みな人生を過ごして来られたようだ。
今回の事件に遭遇するまでは……
[つづく]
481名無しさん@毎日が日曜日:03/02/07 19:09 ID:3KtccsS5
たくさんに人に読んで欲しいage
482名無しさん@毎日が日曜日:03/02/07 19:17 ID:TxPcDHCo
あげずとも読んでるよ。
483ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/08 00:17 ID:yVHkk2tB
mokkoさんの新作期待大ですね
やっぱり語彙の豊富さが全然違うな

>>478
そう言われるとそうだなー
やっぱり前文書いてからのせないとダメだな
484名無しさん@毎日が日曜日:03/02/08 00:50 ID:0O0lRx0H
>>ツイ
いつも楽しみに読んでる者だけど、できるのならば
「無職」のキーワードを入れて欲しいナー
気を悪くしないでね。ヒキコモコーリなスレだからさ。
悪気があるわけじゃないYO!
楽しみにしてるからね!がんばってくれよん
485mokko:03/02/08 02:58 ID:2a0ixnAZ
穏やかな怒声 6
(まったく、何なんだよ、このヘナチョコ野郎はッ!?)
初老の面接官の、そんな吐き捨てる怒声を聞かされたのは面接の後半だった。
「外回りの営業経験は一応お有りなんですね?」心の本音とは裏腹に、猫撫で声でそんな台詞を言いながら、面接官が僕の履歴書に何かを書き込んだ。
(抜群の営業能力は当然として、今居る能無し共を逆に引っ張って行ける高いリーダーシップ、傾きかけた会社を建て直してくれるまでの敏腕人材でなけりゃ駄目だってのに、何でこんな頼りないヤツしか応募して来ないんだッ!?)
にこやかに微笑む表情とは正反対の”本音”が、声をからして叫んでいた。
「それでは、質問が無ければ今日のところはこれで… 結果は後日、郵便でお知らせいたします」
面接官が、どこまでも社交辞令に徹してそんなことを言った。
「ありがとうございました」
僕は、立ち上がって一礼してからドアに向かう。ドアの手前で、もう一度向き直り、更に一礼してから、……よせば良いのについに言ってしまう。「そんな人材、いくら募集したって来るもんか…」
面接官が、瞳を見開いて絶句している。ぽかんと開けたままの口元がバカみたいだ。
「どうせまた今回も採用はゼロで、次の求人を出すのでしょう。
あなた方はそれで良いかも知れないが、毎回応募して来る求職者たちはどうなりますか?
ささやかな希望に必死に縋り付いて応募しても、その実あなた方に玩ばれて無惨に切り落とされるだけなのですね。
そんな会社が販売する商品なんて、僕は買いたくない。絶対に買うもんか!」
面接官が口ごもりながら何か言いかけているのに、僕は部屋を出て乱暴にドアを閉めた。
こんな会社、自然淘汰された方が世の中の為なのだ。
これで郵便を待つまでもなく、またしても不合格が決定されたようだ。
[つづく]
486mokko:03/02/08 02:59 ID:2a0ixnAZ
穏やかな怒声 7
僕はネクタイをぐいと緩めながら、鼻息も荒く大股で廊下を進んだ。
フロアの脇の廊下とガラス張りで遮られたオフィスでは、大勢の社員たちが仕事中だった。
僕はそんな連中を見るともなく、出口に向かう廊下を堂々と進んだ。もうここへ来ることなど有り得ない、と考えながら。
その時だった。例の心の声がいきなり飛び込んで来て、僕は思わず立ち止まった。
(その契約はリスクが大き… 考え直すべき…)
いつものスラングが入り混じった怒声とは違って、その声は説き伏せるように穏やかだった。そんな経験は初めてだったから、その点だけがやけに気になって、僕は声の主を捜した。広いオフィスに視線を泳がせてみる。
声の主はすぐに判った。
壁際に並んで立っているグレーのスーツ姿の2人組だった。
誰に何を指示するでもなく、直立不動でオフィスを監視するかのように、ただ突っ立っている男たちのどちらかが発した声に間違いは無かった。
その声はいつもの怒声や罵声とは明らかに違っていた。もっと優しく語り掛けるような、命令するような、そう、”指示”と呼ぶのがふさわしい、そんな波長の声だった。
その直後に、現実の声が耳に響いて来た。廊下とガラス一枚で遮られた商談スペースで交わされているありふれた会話として、だ。
「申し訳有りません。今一度、上司と相談させていただきます」
目前で現実の声を発する男性社員が、来訪者へ体の良い”拒絶”を言い渡した。下請けとおぼしき来訪者ががっくりと肩を落とす。
たまたま通りかかったOLに、僕はガラスの向こうを指して問いかけた。健康的な歯並びが魅力的な彼女は、日頃から躾られている最高の営業スマイルで僕に応えた。
「あの方々ですか? 役所からおみえだったはずですが、…何か?」
何でも無いんです、と笑顔を返しながら、僕は、微かに判りかけて来た事態をごくりと飲み込んだ。
[つづく]
487mokko:03/02/08 15:23 ID:ckdr4C0e
穏やかな怒声 8
そうしている間にも、柔らかな指示の声は幾つも聞こえて来る。
不思議な光景として僕の目に映ったのは大勢の社員たちで、彼等は誰もがその指示の声に沿った行動を取っていた。
ある種の威厳を含んで語られるその声が聞こえた直後、僕は決まってその指示に従う社員たちを目撃した。本当に面白いほど従順に、彼等はその声どおりの行動を取るのだった。
壁際には、グレースーツの男が2人、フロア全体を監視するかの直立不動で突っ立っている。
役所の人間だと聞いたがこいつら何者なんだ? 僕が訝しく通り過ぎようとした時、スーツ姿の片方が僕に気付いた。僕のことを、無表情だが険しい視線で見つめる。
本能的に身を守る動作が先に出た。普段はむしろ厄介な騒音を聞くまいとして閉ざし続けている精神の耳を、僕はこの時ばかりと全開にした。
(スキャンだ! 今も聞かれている!)男が相棒に言った。勿論口は動いていない。
(久々の本物らしい。捕獲しよう!)
もう1人がそう叫ぶが早いか、男たちは僕めがけて駆け出して来た。
理由のはっきりしない、しかし甚大な恐怖がいきなり僕を襲って来た。反射的に僕は逃げ出した。逃げなければ! 何だか判らないが捕まれば酷い目に遭わされる、そんな恐怖に駈られて僕は取る物もとりあえずに走った。
僕にぶつかりそうになったOLが短い悲鳴をあげて転ぶ。
僕は彼女へやっとのことで小さな謝罪を残しながらも走り去る。
足音がけたたましく響く廊下を走り、僕は非常階段と書かれたドアへ飛び込んだ。
背後から男たちの足音が迫って来る。
僕は全力で螺旋階段を駆け下りて、通りの雑踏へ逃げ込んだ。
男たちの足音は聞こえなくなったが、それでも例の声だけはハッキリと聞き取れた。
(どうせ今も聞いているんだろう? 逃げたって無駄さ!)
[つづく]
488mokko:03/02/08 15:23 ID:ckdr4C0e
穏やかな怒声 9
雑踏の人混みを縫うように走り抜ける。
距離や騒音を無視して背後から飛び込んで来る声の人数が、いつの間にか増えていた。
(○○通りを西に向かって逃走中! 先回り願いたい!)
もっと混雑した駅やデパートに紛れ込むべきだろうか? 僕は全力疾走しながら考えた。
(△△町方面から目標を捕捉! 検体の狼狽える声は珍しく高水準だぞ!)
かろうじて浮かんだアイデアが、乱れ飛ぶ声たちにかき消されて行く。
(××通りからも捕捉中! 久々のめっけ物だ、絶対に逃がすな!)
地名混じりの声たちが飛び込んで来る毎に、その反対方向に向かう角を曲がって走り抜ける。ビルとビルの隙間を何度も通り抜けたから、僕は自分でもどこに居てどこに向かうのか、いよいよ訳がわからなくなった。
その時だった。
(助かりたかったら俺について来い…)
面接後に初めて耳にした時のように、穏やかに語り掛ける口調の新しい声が聞こえて来た。(俺はここに居る…)
僕は目をこらした。無表情で行き交う通行人の群。新しい声の主にすがる思いで、僕は周囲を見渡した。
車道を挟んで向かい側の歩道。宝くじの販売小屋の陰。そこで吸い殻を拾っているホームレスが一人、しかし彼は確かに僕を見て微笑んでいた。
(迷っている余裕など無いはずだ…)
男は言うが早いか、踵を返して駆け出した。うまい具合に信号が青に変わって、僕は走る男の小さな背中を全力で追いかけた。
[つづく]
489名無しさん@毎日が日曜日:03/02/08 16:19 ID:yuFZXh2p
なんでこう、現実離れしつつも、うまく現実の情景を取り入れた
わくわくする話が書けるんだろう…。

mokkoさん最高です。
こんな人が無職なんて不思議。(すいません)
やっぱり昔は作家志望だったんでしょうか?
複雑ですが、就職も物語も応援してます。(´∀`;)
490名無しさん@毎日が日曜日:03/02/08 22:39 ID:kyAHF2Pt
おいおい…
すげえな
491名無しさん@毎日が日曜日:03/02/09 01:49 ID:Yozv2zT5
おもしろage
492DDT ◆gT7xsud0.. :03/02/09 01:52 ID:HkOfmYam
今さらながら
>>1-6-8-11が何度見ても笑える・・・w
煽りじゃないす、すまそ
493mokko:03/02/09 02:21 ID:/PSSfoB5
穏やかな怒声 10
すべてをアスファルトに覆われた無機質な都市の一角に、そこだけぽっかりと緑を残した公園。
そのまた一角に、家を持たない人々の簡易な居住区があった。
廃材やビニールシートで器用に覆われたそのこじんまりした”一戸建て”の中で、僕はその男と向き合って座っていた。
「心の平静を保て。でないと、奴らに声を聞かれる」男は、したり顔で微笑むと続けて言う。「もっとも、この辺りは世間へ毒突くホームレスの怒声だらけで、あんたの声を聞き分けられないだろうがな」
確かにそうだった。僕が心の耳をうっかり解放しかけただけで、社会への不満や自己嫌悪の叫びがうねるように飛び込んで来た。僕は慌てて耳のボリュームをしぼる。
「どうやら、聞く方のコントロールだけは出来るようだな」男は僕を見て言った。
「あなたも… 聞けるんですか? つまり、心の声を…」
男がニヤリと笑う。薄汚れた作業服を身にまとった中年男だ。そんな彼は、口を開かずに僕へ直接語りかけてみせた。
(俺の名は田中だ。あんたと同じ、いや、聞くだけじゃなく、声を飛ばす方もそこそこは囓っている)
呆気に取られている僕に、田中と名乗った男は傍らに転がっていた缶コーヒーを放り投げて、ハッキリと聞こえる生の声で言った。
「これでも飲んで性根を据えろ、初心者め」
田中さんが、言いながらまた無邪気に笑った。
[つづく]
494mokko:03/02/09 02:23 ID:/PSSfoB5
穏やかな怒声 11
冬は日暮れが早い。
翳ってきたホームレス村のあちらこちらで、焚き火をする明かりが灯り始めていた。
「どうやら追っ手は完全に巻いたようだな…」田中さんがシートの隙間から外の様子をうかがいながら言った。
「あの… 助けていただいたお礼がまだでした」僕は、おずおずと言った。
「礼なら、さっきから何度も聞いてるさ、木村充さんよ」田中さんが少しお道化てそんなことを言った。自己紹介などしていないのに、それは僕のフルネームだった。僕の心の声を聞き取ったのだ。この人に隠し事など出来ないらしい…
田中さんが説明を始めた。
「声には、(あ、ココで言う声とは心で発声する声ね)その声には何パターンかの周波数が存在するらしい。
例えばビックリした時、煮えくり返るほど腹立たしい時、恐怖にかられた時、そんな時におもわず発してしまう語尾に”!”が付くような声は周波数が高いそうだ。
逆に、穏やかに囁く時、冷静に指示する時、語尾に”…”が付くような声は周波数が低いんだそうだ。
激情的に発せられる”!”の声の方がどうしても声としてのパワーが強いから、あんたみたいな初心者でも声を聞き取ることが出来るんだ」
物心ついて以来ずっと悩んで来た謎が、その説明で少しだけ晴れて来た。
だからスラング混じりでわめき散らす怒声ばかりが聞こえて来たのか… 僕は小さく唸って頷いた。
[つづく]
495mokko:03/02/09 02:28 ID:/PSSfoB5
穏やかな怒声 12
田中さんの説明が続いた。
「聖徳太子の逸話が証明するように、そもそも古代人にはそんな能力が一般的に備わっていたらしい。もっとも、どの周波数の声でも聞き分けられるかどうかは圧倒的な個人差が有ったみたいだが…
しかし、人類はその進化の過程で、自らその能力を放棄したのも事実だ。
理由は簡単だ。聞きたくない声までが聞こえることは、社会通念上不利益なケースの方が多過ぎたからだ。
あんたにだって覚えが有るだろう?
せっかく備わっているその能力を、あんたも自分で封印しつつ生きて来たはずだ。
誰だって、自分のことを本心では毛嫌いしている相手と、表面上だけ上手く接して行くことは嫌だもんな。
不便な点や、不都合な箇所は、進化の過程で入念に削ぎ落とされる。だから、現代の一般人には余計な声など聞こえては来ない」
「でも、さっきの僕は、その… 周波数が異なる声も聞こえたのです…」
「話の腰を折るなよ。怒鳴り声と同じように、さっきの追っ手が囁く穏やかな声や、俺のレスキューが聞こえた、と言いたいんだろう?
それはヤツ等や俺の発声法が違っているのさ。怒鳴り声も囁き声も、どちらも一般人が聞き取れるチャンネルの周波数で発声しているからに過ぎない。あんたと違って聞き取る能力をまるで持たない人々にまで声を届かせる為の研究成果だな。
ヤツ等、もちろん軍事目的で組織された某研究機関が、今もその能力を深々と掘り下げている。さっきの追っ手もそこで訓練を積んだ強者たちだ」
仰天とはまさしくこのことだった。
半開きの口からは何の言葉も出なかったが、僕の心の声はただひたすらに”!”と”?”を連呼するのだった。
[つづく]
496名無しさん@毎日が日曜日:03/02/09 15:47 ID:GKPxVclw
木村さんて>>モコなの?
497名無しさん@毎日が日曜日:03/02/09 16:40 ID:P2axqQFi
昨日矢井田瞳が「引きこもり応援ソング」を歌っていました。
この際「ヒキモッコリ普及・認知ソング」も歌ってもらいましょう
498mokko:03/02/09 23:43 ID:BEXi6qr1
穏やかな怒声 13
「でも… 何故…」僕は、やっとのことで切り出した。「何故、何の為にそんな訓練を?」
「社会のいたる所にあの訓練生たちを送り込んで、”神の声”を民衆に聞かせる為だ」
「そんなことテレビや新聞でやれば済むことじゃないですか?」
「違う。根本的に判っていないな。やろうとしている目的が違いすぎるんだ。国民年金の保険料はきちんと払いましょう、なんて甘いPRとは違う。誰か一人が考えたとおりに社会全体を動かす為の壮大な催眠術、それが連中の本当の目的なんだ!」
「壮大な催眠術…?」
「日常生活で右か左か、その選択に悩むことは良くあるだろう。熟考に熟考を重ねて尚答が決められない時、あんたは最終的にどうやって意志を決定する?
そして、もしもその意志決定が自分以外の誰かの、そう、たとえば”神の声”による指示だったとしたら、どうする?」
「……!?」
僕の脳裏を、面接先の会社で目撃した光景がよぎった。
催眠術とは上手い表現だ。確かに、あの時の男性社員も”神の声”に命じられるまま、不自然なまでの従順さで、まるで操られているような行動を取ったのだ。
「そうだ。あんたが目撃したのは平凡な従業員と下請け業者とのちっぽけな契約上の選択だったに過ぎないが、その従業員を政治家や大臣に置き換えて考えてみろ。
ちっぽけな選択を、重大な国家的選択に置き換えて考えてみろ。
そして、そんな重要な選択を迫られた人物が、他の誰かの”声”によって選択を左右させられているとしたら? しかも操作されている人間はそのことに一切気付かずに、だ。
社会は、国家は、世界は、いや人類の歴史そのものは、特定の限られた”誰か”の意志によって好き勝手に運命付けられている、と言えなくはないか!?」
[つづく]
499mokko:03/02/09 23:44 ID:BEXi6qr1
穏やかな怒声 14
「そ、そんなこと…」僕は呆気に取られて口ごもった。
「信じたくない気持ちも判る。だが、声を聞く能力を持つあんたになら理解出来ない話でもないだろう。
あんたみたいな人間は、今でもごく少ない確率で誕生する。そんな彼等は、さっき話した特務機関へ集められ、更に能力を増幅する訓練を受ける。
やがて完成の域に達した工作員たちは、社会のありとあらゆる部署へ配置され、神の意志を大衆へ報じ続ける。
同時に、共通の能力を有する人間を捕獲し、連中は特務機関で自分の同類をまた誕生させる。昼間は、その寸前であんたを助けたんだ」
「田中さん…と言いましたね、あなたはいったい…?」
「俺もその工作員の一人だった…」田中さんは、思い出したくない過去を無理矢理引きずり出すように、厳しい顔付きで言った。
「任務に”疑問”を感じてしまってからの俺は、勤務態度不良につきリストラ候補にされちまった。
ただし、普通のリストラじゃない。機密保持の為に消される運命だったんだ。
だが、最上級の幸運が幾つも重なってたまたま逃亡に成功した俺は、こうして社会へ毒づくホームレスたちの怒声のバリアに守られた空間に身を隠し、どうにか今日まで生き延びているって訳なのさ」
田中さんが言い終えて、太くて短い親指を立てた。
中年男がしてみせるそのグッドラックはまるで不格好だった。
「正直な話、一人でどうしたものかと思いあぐねていた。ここへ来て相棒に巡り会えるとは助かったぜ。マジで」
田中さんの、取ってつけたような若者言葉も、妙に滑稽だった。
[つづく]
500ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/10 00:05 ID:pT/sEHKJ
500げっと

今後の展開が楽しみですね。期待してます

>>484
どうだね。そのほうが楽しいかも
考えてみます。さっぱり浮かんでこないけど
501mokko:03/02/10 02:52 ID:vIYtrxOg
穏やかな怒声 15
しかし待てよ……
僕はうっかり考え始めて、田中さんにまた心の声を聞かれる危惧に気付いた。
「ちょっとトイレへ行って来ます」僕はそう言って、小屋を出た。
ホームレス村を斜めに突っ切って、樹木の陰の公衆便所まで進む。これだけ離れればちっぽけな囁き声など聞かれることもないだろう。
ふと腕時計を見ると、意外な程時間の経過が早いことに気付いた。
あまりに仰天な話に聞き入って、時の経つのを忘れてしまったようだ。僕は遊歩道脇のベンチに腰掛けて考え事を再開した。
まず気になったのは、田中さんの話だった。
声が聞こえる仕組みや分析はともかくとして、それを利用した秘密工作の件はどうだろう?
確かに、普通ではない男たちに追いかけられたのは事実だったが、そんな漫画みたいな陰謀が本当にこの世に存在するものだろうか?
しかし、そんな漫画みたいな能力が現実に存在することは、こともあろうに僕自身が証明しているのだからややこしい…
視点を変えてみよう。
”神の声”とは誰の声だろう? やっぱり政府とか組織とか、そういう何かのことだろうか? 反対派とか、宗教集団…… それとも外国の誰かだろうか?
では、その意志とは何なんだ? やることなすこと悪い目ばかりの昨今の日本で、わざわざ工作員を使ってまでこの先目論んでいる彼等の目的とはいったい何なのだろう?
頭の悪い僕には、想像もつかなかった。
かくなる上は、田中さんの真意を読んでやるしか無いことに気付いた。
こっちにだって、他人の心の声を聞く術はあるのだ。奇想天外な話ばかり並べられて尚誰を信じて良いのかわからない以上、糸口である本当の本音を盗み聞いてやるしか方法は無いようだ。
小屋へ戻ろうと立ち上がりかけた時、ふいに声が飛び込んで来た。昼間の男たちの声だった。
(随分と探しましたよ、木村君…)
[つづく]
502mokko:03/02/10 02:55 ID:vIYtrxOg
穏やかな怒声 16
見覚えのあるグレースーツが5人、遠巻きに僕を取り囲んで立っていた。
中の1人、リーダー格が正面からゆっくりと近付いて来る。
(惨めな落伍者に妙な戯言を吹き込まれたみたいですね、木村君…)男が笑顔で声を飛ばした。
(会社に残した履歴書から僕の素性を洗ったのか?)僕は、男の心を読んで言った。
(なかなか良い耳を持っています。ただし、発声の方はまるでなっていない… 正しい訓練でその能力を伸ばしてみたいとは思いませんか?)
5人が徐々にその輪を縮めつつあった。逃げようが無い。
(良い就職先を紹介してあげましょう。我々は、君の才能をスカウトしたい)男が笑顔で語りかける。(君にとっても損は無い、それどころか最高の条件だと思いますが…)
現実的に再就職は絶望的だったから、確かにそれは興味を引かれる誘いではあった。
しかし、田中さんの話も気になっていた。そんな陰謀めいた手伝いをさせられるのは真っ平だったのだ。
僕が躊躇している暇に、5人の男たちは間近まで迫りつつあった。迷っている余裕など無いまま、狼狽える僕は完全に男たちに取り囲まれてしまった。
(薬を使いますか?)男たちの誰かが訊いた。
それを正面のリーダー格が制する。
(木村君、私の目を見なさい。ほら、だんだん眠くなる。君は、リラックスして、ほら、どんどん眠くなる)リーダー格が発する心の声がダイレクトに響く。
不思議なことに、僕はリーダー格に言われるがまま、睡魔の術中に堕ちて行く。この連中はいったい何者だ?
僕の意識は、深い催眠の彼方へ引き込まれて行った。
[つづく]
503名無しさん@毎日が日曜日:03/02/10 02:59 ID:VgVIwp0t
mokkoタンのファンでし!
がんがってください!!!
無職の俺ですが、mokko氏の文、すんごく楽しいっす!!
楽しみに与えてくれてありがとう!
504しろうと:03/02/10 03:08 ID:mV2meihu
mokkoさんは創作の才能があります。
何かこう社会に流通させられないかと思います。
これからもがんがってください。
505名無しさん@毎日が日曜日:03/02/10 14:00 ID:+I26MPtm
流行語大賞より文学の新人賞を獲る に500ペソ
506名無しさん@毎日が日曜日:03/02/10 15:25 ID:u4Zs0wjQ
いつもいいとこで終わらせるね。
507mokko:03/02/10 16:46 ID:4Jho/Ws6
穏やかな怒声 17
目覚めれば、そこは白い施設だった。
壁も天井も床も、すべては真っ白に塗られた清潔な個室だった。
目覚めた僕に、昨夜のリーダー格の声が届いた。(おはよう、木村君…)
僕は幾つもの罵声と、それにまつわる幾つもの質問を矢継ぎ早に送信した。
(落ち着きたまえ木村君、君には危害など加えない事をまず約束しよう。
君には今日から30日間、この施設に缶詰状態で、ある訓練を受けてもらう。
心配などしなくて構わない。我々は最初から可能性を秘めた検体しかスカウトしない。君なら余裕でクリアできる程度の訓練だ)
(ここは何処だ?)
(規則で具体的な地名などは明かせないことになっている。
しかし、それも心配無用。ここには何でも揃っている。生活レベルとしては、君の過去のそれをはるかに上回っているはずだ。
清潔な環境、便利な設備、約束されたプライバシー、そして豪華な料理や適切な娯楽、君は何不自由無い30日間を満喫できるはずだ。
いわば君が今ここに居る時点で、君の輝かしい未来は約束されたようなものなのだ。
せいぜい、頑張って訓練を完了してもらいたい。
私とは30日後にまた会おう。最後に私の名前を告げて送信を終える。私の名は、田辺だ)
田辺と名乗ったリーダー格は、僕への送信をオフにした。何もない静寂だけが後に残された。
心の耳の感度を最大限にしても今は何も聞こえて来ない。
僕は、鉄格子が填められた小窓から外を見た。
複雑な形に繋げられた広大な施設の彼方に、空まで覆い尽くす程の樹海がたなびいていた。
[つづく]
508mokko:03/02/10 16:47 ID:4Jho/Ws6
穏やかな怒声 18
個室を出て長い長い廊下の先に、その巨大な食堂があった。
近代的で清潔なその大食堂に、屈託無い笑顔で集う無数の男女を発見して僕は驚いた。
学生時代に経験した”学食”の光景が目前に展開されていたからだ。そこに詰めかける男女は、その誰もが楽しげに食事をしていた。
メニューがまた凄い。和食・洋食・中華、何でもござれのフルコースだ。
その有り余る量の料理を目の当たりにし、ここで腹を満たす人間の数を想像してみた。学食として換算すればそれはとんでもないマンモス校になる。
後ろから来た連中に押される形で僕も行列に加わった。何をどうすれば良いのか思いあぐねて列を進むと、背後に並んだ男女が話しかけて来た。もちろん、心の声で、だ。
(新人さん? すぐ慣れるわよ)
(ここは何でもタダなんだ。味も悪くないよ、きっと気に入るはずさ)
(私なんか、ここへ入ってから太ってしまったわ)
(それはジムをさぼって食ってばかりだからでしょ?)
男が、女に肘鉄を食らって大袈裟に苦しむ。
(でも訓練内容によってはやたらに腹が減るのも事実かもね。お、順番が回って来た。そっちのトレイを取って、そう、食べたい料理を乗せるんだ)
僕は連中に促されるまま、美味そうな料理をいくつか選んだ。
(食べたい物を取り終えたなら、後は自由にテーブルへ運んで食べるだけ)
(あ、それから当然ここは禁煙だからネ。吸いたい人は娯楽室へどうぞ)
女がウインクを飛ばして、男女はいそいそと人ごみへ消え入った。
僕はなるべく空いている場所を選んで席に着き、山盛りにした料理の中から、何でも良いからまず一口目を頬張った。
文句無しに美味い! 考えたら、随分と久し振りで食べる食事だった。
[つづく]
509名無しさん@毎日が日曜日:03/02/10 23:22 ID:ESjYOAj0
壮大になってきました。
510へたれさん:03/02/10 23:53 ID:vuD3IbCk
楽しみ…
511mokko:03/02/11 01:53 ID:SXLwM3y6
穏やかな怒声 19
食堂で出会ったカップルに言われたように、その施設での暮らしにはすぐに慣れてしまった。
個室で自習スタイルの訓練をこなしさえすれば、後は眠ろうが食べようが自由なのだった。
随分と立派な機械をしつらえたジムやプールで身体を鍛えることも出来たし、広大な運動場で球技を楽しむグループも居た。
図書館で本を読むことも出来たし、娯楽室でテレビや映画を楽しむことも可能だった。
各個室に設置されたユニットバスは、蛇口をひねればいつでも大量のお湯が出たし、体調のすぐれない者の為には簡易な病院までが用意されていた。
その施設は、唯一”外出”以外なら何でも自由の、豪華ホテルと言えなくもなかった。
問題の訓練だが、これもさしたる苦労など感じないで済む程度のものだった。
30章に分かれたマニュアルが1冊用意されており、1日あたり1章を読んで実践する、ただそれだけのことだった。
『施設内に常時流されている訓練用の声を聞き取りなさい』とか、『その声が何種類なのかを分析しなさい』とか、わざわざ訓練などやらなくても僕には簡単なレベルだった。
ホームレスの田中さんに言われた事がまったく気にならなかった、と言えば嘘になる。
しかし、その施設での生活があまりにも魅力的で、大人しくさえしていれば確実に餌をもらえる飼い犬に僕は徹していた。
そして、自分と同じ立場の大勢の笑顔が僕を踏み止まらせていた。その人数たるや半端なそれではない。親しくなった連中の話を総合すれば、誰もがスカウトされてここへ到達したようだ。
彼等は日本中から集められた共通の能力を持つ訓練生たちなのだった。
[つづく]
512mokko:03/02/11 01:57 ID:SXLwM3y6
穏やかな怒声 20
当初は鼻歌混じりでこなせた訓練だったが、日を追う毎に内容は高度になって行った。
特に今週から開始された『発声法』に関しては、これまで聞く方専門だった僕にとって初体験の訓練内容だ。
しかし、詳細に解説されたマニュアルと、時折聞こえて来る先生(?)の声が的確に僕を導いて行く。
周波数帯域を変化させて、声を聞かせる相手を特定する技術まで、僕はどうにか身に付けた。僕をスカウトした連中や、そう、田中さんと同等の力がついて行く。
身に付けた技術を確かめたくて、僕は食堂や娯楽室で多くの仲間たちに語りかけた。
(腕を上げたね。すごく良く響いて来るよ)
(チャンネルを限定して、あたしだけに語りかけているのね? 上手だわ)
彼等の賛美が届くまでもなく、僕は自らの成長を確信していた。それまでは出来なかったことが、今は確実に出来るようになっている。
何不自由のない生活に、精神的な充実感が加わって行く。もっと多くを学びたい欲も出て来た。
どちらかと言えば自堕落だった時間の使い方にも変化が現れた。僕は訓練以外の時間も自主的な訓練にあてるようになった。
自分の中の成長が手に取るように判った。訓練期間の前半戦が終わる頃には、僕の心の声は送受信共に完璧な域に達していた。そして、自分に自信がつき、もっと上を目指すように変化している自分に、僕は正直驚かされた。
そんな中、訓練の後半戦、いよいよ『催眠』が開始されたのだった。
[つづく]
513名無しさん@毎日が日曜日:03/02/11 02:41 ID:I+AH1xNT
mokkoタン・・・好きです。
514名無しさん@毎日が日曜日:03/02/11 13:34 ID:mCFSij2s
★☆ チャレンジ融資 ハピネス ★☆
安心キャッシングインフォメーション

http://38370701.com/ 
<i-mode> http://38370701.com/i/

●10万円迄なら →最大6ヵ月金利ゼロの『ある時払いコース』
お支払いは6ヵ月後からのゆとりのローン

●50万円迄なら →最大6ヵ月金利830円(月々)の『830円コース』
お支払いは6ヵ月後からの安心キャッシング
515名無しさん@毎日が日曜日:03/02/11 13:41 ID:gjK/mV7U
このスレ、すごく好きです。
mokkoさん、頑張って!!
516mokko:03/02/11 16:00 ID:WiE+3JGn
穏やかな怒声 21
『催眠』に関しての基礎と理論を座学で理解した僕は、その数日後から自室と実験室を往復する日々の繰り返しだった。
実験室は施設の地下にあり、やはり同様の個室がいくつも並んでいるらしい中の定められた一室を僕は使い続けた。
『催眠』の訓練はどれも刺激的で、僕はいちいち魅了された。内容が濃いのだ。出来るようになった事と、出来るようになりたい事が、幾重にも折り重なって僕を刺激し続ける。
ちょうど、そう、性的な秘密を覚え始めた時期の飽く事無き官能に、それは似ていた。
だから時間はまたたく間に流れ、それまで努力して来た学習結果が試される、つまりは試験に相当する日が訪れた。
部屋の中央に置かれた机に着き、僕は目前のテレビモニターを見つめる。
どこかの繁華街のライブ映像を放映するそのモニターは高級品らしく、えらく鮮明な画像で通行人たちの表情さえも克明に映し出している。
僕はそんな通行人の中から、誰にしようか、迷いながらも最適そうな実験材料を探す。
僕は、さっきから気弱な人待ち顔で花束を抱え、腕時計ばかりを何度も見直す若い男性にロックオンした。手元の操作盤を操って、ライブカメラはその男性をアップで捕らえる。
僕は一呼吸置いてから、マニュアルで学んだとおりに、すでに習得済みの微妙なチャンネルから彼に宛てた”声”を送信する。
ゆっくりと穏やかに、それでいて叱咤する威厳を失わず、諭すように、誘うように……
(もしかしたら、彼女は君の純愛を、ただ玩んでいるだけかもしれないね…)
モニターの男が、ふいに湧き上がった微かな危惧に自分で拒絶をする。
(だって君が贈ったブランドもののバッグを、彼女はその日の洋服には合わないからと言って、滅多に持って来ないじゃないか…)
モニターの男は動揺を隠せない。あくまでも自らが抱いた危惧として、しかしその感情は彼を確実に締め付けて放さない。彼は、もうすでに僕の”声”の虜だ。
(悪いことは言わない。あの子は止めた方がいい。そして、男をなめるとどうなるか、思い知らせてやる方が彼女の為でもあるさ…)
僕は、最上級の念を込めて、優しい”声”を送信する。
[つづく]
517mokko:03/02/11 16:01 ID:WiE+3JGn
穏やかな怒声 22
何も、僕は口から出まかせを送信しているのではない。モニターの彼の本心や記憶をスキャンした上での客観的な意見を、むしろ彼の為に言い聞かせているに過ぎない。
(考えてもごらん。月曜9時のドラマでもあるまいに、君は今時あんな劇的な出会いを信じるかい?
全部、彼女の策略どおりの展開だった事に、世間知らずな君は少しも気付かなかったみたいだね。
君は常々、彼女の周辺に見え隠れする他の男の影を意識していたね。彼女はその都度それを否定したけれど、少し冷静に考えればその程度の嘘は簡単に見抜けたはずだよ。
あえて残酷な事を言おう。彼女の本当の目的は君じゃない。
彼女の本当の目的は、君の背景にある財産に他ならないのさ!)
やがて、待ち合わせの女が現れた。猫撫で声が甲高い、今時珍しくもない茶髪女だった。
(ほーら、やっぱり彼女は今日も君からのバッグを持っていない…)僕は、立ち尽くす彼を説き伏せる。
モニターの彼が今にも泣き出しそうな顔付きで茶髪女を見やった。
もう一押しで彼は崩壊する。そう確信した僕は、更に深いトーンから最後の”声”を送信する。(だって、あのバッグは別な男の手によって、すでに現金化されてしまったのだから……!)
モニターの中で七色の花弁が乱れ散った。それは男が、持っていた花束で女の横っ面を張ったからに他ならなかった。
男女の周辺の通行人が、何事かと驚いて立ち止まっている。
泣き濡れてたたずむのはむしろ男の方で、女は気丈に睨み返しているだけだった。
(素晴らしい催眠コントロールだったよ木村君!)
先生(?)とおぼしき声が響き渡った。(かつて無い最高点を君に贈ろう)
どうやら僕は、今日までの人生で一度も経験の無かった『優等生としての卒業』を認可されたらしい。
僕はただ短く「ありがとうございます」とだけ、生の声で呟いた。
[つづく]
518名無しさん@毎日が日曜日:03/02/11 17:37 ID:a7jqqzEh
モッコリどころではなくなってきました
519名無しさん@毎日が日曜日:03/02/11 19:00 ID:muL2D/oa
mokkoさん、今回は40くらいまでですか?
また違った新たなジャンルで楽しみです。
520ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/11 21:12 ID:y8Ckebw8
うちのページにmokkoさんの『4+1+1=?』アップしました
よろしくどうぞ
521名無しさん@毎日が日曜日:03/02/11 22:00 ID:vTbAje+I
モッコさんには生きる底力がありますねぇ。
スレ立て人としての職責を全うしてますね!
これも立派な仕事です。皮肉ではなく本当に。
522名無しさん@毎日が日曜日:03/02/11 23:30 ID:3r4ILI1A
最初の話(ヒキコモッコリ)よりだんだん内容・文章
がレベルアップしてるよね。
523名無しさん@毎日が日曜日:03/02/12 01:17 ID:D2jD4GJt
どれも好きだけど一番読み応えあったのは、エンマ様のやつかな。
一番好き。
今回もどんな展開か期待。
524mokko:03/02/12 02:30 ID:sBpJlGxN
穏やかな怒声 23
31日目の早朝、僕の部屋を田辺が約束どおりに訪れた。
「卒業おめでとう。特筆すべき好成績… スカウトした側としても鼻が高いよ」
「出所(訓練生仲間の隠語)の準備ですか? また僕に『催眠』をかけてから、元居た街へ連れ帰るのですね」
「その予定でしたが、君の成績が優秀すぎたので、少し方針が変わってしまいました」
「どういう意味ですか?」
「君にはここの最上階に残ってもらうことになりました。
今度はここの正職員として勤務してもらう訳ですから、待遇面でもそれなりの保証を条件とさせてもらいますが…」
「ここの最上階で何を…?」
「見れば判ります」
僕は田辺に案内されて部屋を出た。
白く長い廊下を進んで、通常は訓練生の立ち入りが禁止されている領域へと入り込んだ。
更に長く続く廊下の先にあるエレベーターに乗って、僕たちは最上階である13階へ登りつめた。
低いモーター音が断続的に響く白いフロアは止め処なく衛生的で、それはあたかも冷蔵庫の中を連想させた。その廊下を進んで、角を一度曲がると小部屋が三つ並んで行き止まりになった。
その中から『第一送信室』とプレートが掲げられた部屋を選択して、田辺が入室した。
僕もそれに着いて部屋へ入る。
室内は薄暗く、そして狭かった。放送局の調整室みたいなコンソールが置かれており、その中央に一人分の空間があった。田辺が僕にその空間を勧め、着席する僕の背後に立った。
「簡単に説明しましょう。
まず、この椅子に座った者にだけ聞こえて来る声が有ります。便宜上ここでは”神の声”と言っておきましょう。
君はその”神の声”を復唱してある人物宛てに送信すればそれで良いのです。ただし、昨日までの訓練で身に付けたお得意の”催眠”を用いて、です」
[つづく]
525mokko:03/02/12 02:31 ID:sBpJlGxN
穏やかな怒声 24
コンソールの中央に設置されたモニターの映像を見ていた。
固定されたカメラからの映像らしく、全体の一部しか映されてはいない。
それは誰かの書斎に思えた。動く者がまだ無いから単なる制止画とも思えたが、よくよく見れば画面隅の卓上時計が小さな振り子を揺らせている。
背景は立派な書棚で沢山の書籍が並んでいる。そして、重厚な造りの机が設置され、その持ち主を待つようにしてエグゼクティブチェアーが斜めに傾いている。
”神の声”はすぐに聞こえ出した。
今日まで一度も聞いたことの無い、皺枯れた老人の声だった。その声が、独特の重厚な響きを奏でながら僕の名を呼んだのだ。
(君が木村君だね? 優秀な成績を誉めてあげよう…)
(いいえ、それほどでもありません…)
(さっそくだが、君に私の意志を代弁してもらいたい相手とは、この人物だ…)
”神の声”に示唆された僕は、やがてモニターに映り込んで来た人物を認識した。
それは僕が一方的に良く知る人物だった。
いや、世界中で誰よりも顔を知られた日本人と言えるだろう。
ただし、ニュースや新聞で見かける時のそれではなく、ガウン姿でプライベートな時間をくつろぐ内閣総理大臣その人だったのだ。
(彼は起床後の数分間、日課として書斎での瞑想を欠かさない。今後、君にはこの時間を利用して彼への”指示”を毎日送信してもらう…)
”神の声”が僕をうながした。
これでハッキリした。総理大臣を含めた国民全員が、やはり”神の声”に操られて日常を繰り返しているのだ。その最前線の現場に立ち会えるとはむしろ幸運だったとさえ思う。
なぜなら、僕はもう、かつての僕ではないのだから。
(腕が鳴ります…)僕は不敵に応えた。
背後に立つ田辺が、満足げに僕の肩に手を置いた。
[つづく]
526mokko:03/02/12 11:43 ID:8YAU6lGf
穏やかな怒声 25
芸は身を助くの諺どおり、厄介な能力を有していたばっかりにはからずも再就職がかなってしまった僕の日常は、優雅な満足感に満ちていた。
僕は毎朝、『第一送信室』から総理大臣宛てに”神の声”を復唱して送信した。
その内容は多岐に渡り、正直な話僕にとっては初めて耳にする経済用語や難解な単語も多く含まれていた。
総理大臣に何をさせたいのか大筋では想像出来たが、”神の声”の真意を完全に知り得るまでには至らなかった。
政治的無関心の代表選手みたいな僕だったが、それでも自分で送信した内容が国政にどう影響を及ぼすのか、やはり気になってニュースや新聞を念入りに見るようになった。
早朝の送信が済めば、僕は『待機』となり施設内で自由な時間を過ごすことが出来た。
時折、臨時で他の送信業務に就くことも有るには有ったが、『体調維持』や『精神調整』と銘打った、ようするに自由にくつろいで構わない優雅な勤務が大半だった。
個室も、訓練生の頃とは雲泥の差の広い部屋を与えられた。鉄格子が無い大きな窓を開け放てば、新鮮な自由の空気を腹一杯深呼吸することも出来た。
施設の周囲は樹海だから気軽に週末の外出と洒落込む訳にも行かなかったが、職員以外立入禁止として遮られた区域には、それこそミニチュアの街が在った。
都市で販売される物の大半はそこで入手出来たし、逆に煩わしい交通渋滞や鬱積した犯罪者など居ない分、むしろそこでは人間的な生活が可能に思えた。
ちょっと不謹慎な事を言おう。
何百人と集められた訓練生の半分は、間違い無く女性なのだった。
その真っ白い壁に取り囲まれた疑似都市に於いては、その気になりさえすれば、恋愛であっても不可能ではない。
そして、僕はその限定された空間に於いて、まぎれも無く”エリート”としての栄誉を勝ち得ているのだった。
[つづく]
527mokko:03/02/12 11:45 ID:8YAU6lGf
穏やかな怒声 26
13階へフリーパスで入れる僕のような同類の職員が数十名居て、自分の担当する重要人物の行動に合わせて三つの送信室を使い分けていた。綿密に組まれたローテーションが存在するから、送信室の合致は絶対に有り得ない。
それでも入れ替わりの時に見かけると、みんな妙に大人しい連中ばかりだった。平均的に無愛想で挨拶すら交わさない。疲れているのか、こっちを見ようとさえしない者も居る。
新人のくせに、いきなり総理大臣担当になった優越感と、日課をこなしさえすればあとは豪華な施設で映画を観たり、プールで泳いだり、訓練生たちと一緒に美味い物を食って飲んで寝る、そんな仕事で給料までもらえる充足感に僕は抱擁されていた。
だからその日も、大食堂で納得の行く昼食を済ませた僕は、食後の甘いジュースを飲みながら白い壁を見つめていた。
訓練生たちの楽しそうな声が聞こえる。食後の甘美な睡魔がかま首をもたげ始めていた。
中には事情通の子も居るらしく、僕の事を指差して噂する声も聞こえて来た。
入所してからまだ日が浅い娘たちの集団だろう。僕の技術や水準に関して、神懸かり的な賛美や賞賛が繰り返される。
彼女たちからの羨望の視線を浴びながら、僕は何故だか初恋の少女を思い出した。
満員電車の中で、僕に永遠の絶望を与えたあの娘だ。彼女は溢れ出る涙の雫越しに、果たして何を見たのだろう?
全部、遠い昔のことだった。
白い壁と床と天井が、午後の日差しに照らされてハレーションぎみの宇宙を創り出す。
天国って物が存在するのなら、それは、もしかしたらこんな感じなのかもしれない…
強欲な睡魔が舌なめずりする不確かな精神のはざまで、僕はそんな事を思った。
ジムにでも行って、肉体を酷使しよう。
眠気を振り切るようにそんなことを考えた時、ふいにその微弱な声が飛び込んで来た。
[つづく]
528名無しさん@毎日が日曜日:03/02/12 14:54 ID:xTiYIckw
期待age
529名無しさん@毎日が日曜日:03/02/12 19:18 ID:HplD8cch
面白いage
530名無しさん@毎日が日曜日:03/02/12 19:38 ID:/Csh1Mxg
さらっとした清潔な大江健三郎。
531mokko:03/02/12 22:05 ID:j618zpwe
穏やかな怒声 27
(……チャン…を……ろ、俺の……を聞き……)
それは遠い声だった。
うまく聞き取れない。その声は穏やかだが、怒声だった。遠くで何かをがなり立てている。
さては訓練生の誰かが、その覚え立ての技術を試しているのかと考えた。
僕は食堂を見渡してみる。自分にもそんなことをやった覚えが有る。自在に声を操れるようになったのが嬉しくて、誰でも良いから送信してみたのではないか、と。
しかし、目の届く範囲にその人物を発見できなかった。同時に、もともと微弱だったその声も途切れてしまった。
混信か…?
そんな能力の使い手ばかりが戯れる大食堂を後にし、僕はさして気にとめることも無くジムへ向かって歩き出した。
長い廊下を進んで行くと、病院から出てきた男と遭遇した。訓練生ではない。送信室の前で何度か見かけたことがある僕の同類だった。
目が合ってしまったから、僕は「具合でも…?」と声をかけた。
相変わらず暗い表情のその男は、注射でもして来たのか、しきりに腕を揉みながら僕を一瞥する。
「大丈夫…?」僕は、引っ込みがつかなくて、そう追加した。
「君は何も知らないんだね」男は、すがるような笑みを浮かべて言った。
その様が不可解に思えて、僕は腹を割った話を”声”で語りかけてみた。(知らない…って、何を?)
(俺たちの、つまり職業病みたいなものをさ…)正直な無表情の声が返って来る。
(職業病?)
(催眠を送信する際の過度の精神集中から来る肉体の老化現象。
君も3ヶ月を過ぎる頃からその抑制剤を打たなければならなくなる。
しかし、効果はさ程でもない。1年もしないうちに無能な生ゴミとして廃棄される宿命。
ようするに俺たちは『使い捨ての飛ばし屋』なのさ…)
[つづく]
532mokko:03/02/12 22:07 ID:j618zpwe
穏やかな怒声 28
病院の前で出会った男の話が耳に残っていた。
確かに訓練で飛躍的に高められた能力を発揮する為には、膨大なエネルギーを必要とする実感も他人事では無かった。
夜になってからも僕はそのことばかりを考えていた。
自分の同類たちがある一定の循環で入れ替わっている点にも、実は気付いていた。しかし、それは単なる配置替え程度に解釈していたつもりだった。
昼間会った男の真意を読んだ以上、それは配置転換ではなく『穴埋め』であることが把握出来た。
何の事は無い。使い物にならなくなった飛ばし屋を、力漲る新人と交換しているだけのことなのだ。僕も朽ち果てた前任者の後釜として、現在のポストを与えられたに過ぎないらしい。
数ヶ月後には、廃人と化して後輩と取り替えられる自分を想像して、僕は絶句した。
澱んだ陰鬱が僕の全身を拘束する。言葉に出来ない不快感が、胃の底から次々に込み上げて来る。
(……チャン……を……しろ、……声を……れ……)
その時、また例の声が聞こえて来た。遙か遠くから微かに響いて来る、穏やかな怒声だった。
どこか懐かしささえ覚えてしまうその声を、僕は注意深くスキャンした。
絶望の淵に居て、今まさに堕ちて行くその瞬間に、天から垂らされた1本の蜘蛛の糸。そんなか細い不確かな希望に縋り付くように、僕は全力で聞き耳を立てた。
(……チャンネルを……しろ、……声を……取れ……)
鍾乳洞の遙か奥底から微かに響いて来るかのその声は、今にも途切れそうに頼り無かったが、その実根底に野太い包容力を満たしていた。どんなに踏まれても立ち上がる雑草の強靱な誇りにさえ感じられた。
聞き覚えのある声だった。怒鳴っているのだが、不思議なほど説得力が有る。
(……チャンネルを限定しろ、俺の声だけを聞き取れ。木村、今すぐ応答しろ……)
それは田中さんの声だった!
[つづく]
533名無しさん@毎日が日曜日:03/02/12 22:13 ID:LzAgnYrb
534名無しさん@毎日が日曜日:03/02/12 23:28 ID:SinSyLPO
むむ。。。
535名無しさん@毎日が日曜日:03/02/13 02:44 ID:BGaWKlb0
毎日ここを読むのが楽しみ。
536名無しさん@毎日が日曜日:03/02/13 06:41 ID:32xZdeHB
矢井田瞳が「引きこもり応援ソング」を歌っていました。
この際「ヒキモッコリ普及・認知ソング」も歌ってもらいましょう
537名無しさん@毎日が日曜日:03/02/13 08:47 ID:MrQ/w+KJ
このスレ最高!age
538名無しさん@毎日が日曜日:03/02/13 09:49 ID:zrsoZlv1
mokko氏応援カキコ
539mokko:03/02/13 14:08 ID:oEfdJAuU
穏やかな怒声 29
(田中さんッ!?)僕は叫び声を送信した。
(やっと届いたか。まったく気を持たせやがる)微弱な声がまた怒鳴った。田中さんの苦笑いした頼もしい顔が浮かんで来る。
(今どこですか!?)
(俺は相変わらずシート小屋の中だ)
(……何から話せばいいのか…… とにかく、僕はこのままじゃヤバイんです!)
(落ち着けよ。すべては俺の予定どおりに進んでいるんだから)
(予定……?)
不確かな疑念が蠢き始めた。
(そうだ。あんたは日本を救うんだ。いつかの痴漢退治は失敗だったが、今度のあんたは晴れて正義の英雄になれるんだ)
蠢き始めた疑念は、絶望の毒虫へを成長する。
(言ってる意味がわからないよ田中さん!)
(政府に雇われた俺の使命は、総理大臣を”神の声”の呪縛から解き放つことだった。
その為には、そこの『送信室』から送られる声を妨害する必要があった。
しかし、”神の声”は毎日送られて来るから、付け焼き刃に妨害してもキリが無い。
政府も俺も、その難問には頭を痛めていた。
そんな一進一退を繰り返していた頃、俺はひとつだけ”神の声”を根絶する方法が有ることに気付いた…)
毒虫は孵化して蛹になった。やがて、その背中を割って恐怖という名の邪悪な蛾が誕生するのは時間の問題だった。
(それは俺自身が『送信室』から”神の声”に反した催眠を総理宛てに送信し続けることだ。
『総理は自らの意志に忠実な行動を取りなさい…』とな!)
僕の全身から血の気が引いて行った。
[つづく]
540mokko:03/02/13 14:09 ID:oEfdJAuU
穏やかな怒声 30
(しかし、外部からその施設への潜入は容易でなかったし、もう一つの大きな障害が依然として残った。
それは、飛ばし屋としての俺の寿命の問題だ。送信機に寿命を吸い取られてしまっては元の木阿弥だ。
そこで俺は適材な才能を持ったあんたに目をつけて、あの日、小屋の中で声についての説明をしながら、まずあんた自身に催眠をかけた…
俺の指示どおりに動いたあんたは、好都合にヤツ等に拉致され、能力増幅の訓練さえも無事に完了した。
そして、俺の予想を上回る早さで、あんたはトップ成績で総理担当の飛ばし屋に君臨してくれた。
これでお膳立ては全部整った。
今から俺は再びあんたに催眠をかけて、あんたの意志を乗っ取る。そして、明日からはあんたになりすまして『送信室』へ通い続ける。
俺は毎朝何食わぬ顔で”神の声”を総理へ送信する。ただし、俺が改竄した”神の声”を、だ。
飛ばし屋としての寿命が尽きる前に次の候補を見付ける。なにしろそこは日本中からあんたみたいなのが集められているんだ。候補者探しに苦労など無い。
これでヤツ等に気付かれることなく、俺は遠く離れた安全なブルーテントの中から、総理大臣の呪縛を永遠に妨害出来るという寸法だ。
初めて俺に出会った時から、あんたは『トロイの木馬』だったんだよ!)
(そ、そんな…… ここに残される僕はどうなるんだ!?)
(敵の城内で兵士が飛び出した後の木馬は朽ちて果てるだろうさ。さっきも言ったじゃないか。あんた一人の犠牲で日本中が救われるんだ。あんたの名前は後世に残される。日本の運命を変えた人柱の英雄として!)
[つづく]
541mokko:03/02/13 14:14 ID:oEfdJAuU
穏やかな怒声 31
言い終えるが早いか、田中さんが僕の中に押し入って来た。催眠を使って、僕の意志を奪い取って行く。
凄い力だ。太刀打ちなど出来っこない。
(意識を解放しろ。俺の声だけを聞き取れ。俺の命ずるままにしろ…)
パワーが違いすぎる。訓練生の中で多少優秀だったくらいで天狗になっていた自分を今更にように恥じた。田中さんがぐいぐいと押し入って来る。
(意識を解放しろ。俺の声だけを聞き取れ。俺の命ずるままにしろ…)
穏やかな怒声が繰り返される。もう抵抗など出来ない。僕は強姦される少女のように非力な拒絶を続けるも、ついに力尽きてすべてを解き放した。
穏やかな怒声が何度も木霊しながら、僕の薄れゆく意識の中に響いていた……


Epilogue
総理官邸には、一般には公開されない『裏部屋』が実は存在する。
決して広くはなかったが、ヨーロッパの骨董家具が設えられたその小部屋の壁には、一枚の宗教絵画が飾られてあった。
その密談室で、その実もっともふさわしくない薄汚れた作業着の中年男は、上着を脱いだ内閣総理大臣と二人きりで談笑していた。
「忙しくてね。移動中に済まそうとして買わせた物だが、それさえ食す時間も作れなかった。良かったら、君が持って帰って食べたまえ」
包み紙に太字で『増田屋特選和風弁当』と書かれた折り詰めをありがたく両手で受け取った中年男は、総理に短く礼を述べた。
「しかし、それにしても…」椅子に深く身体を沈めた総理が、難解な笑みを浮かべて言った。「危ないところだった。あのまま”神の声”に支配されていたら… 君の働きには正直、感動している」
[つづく]
542mokko:03/02/13 14:14 ID:oEfdJAuU
薄汚れた中年男は、総理よりも更に不適な笑みを漏らした。
「褒美と言っては何ですが、質問を一つだけお許しいただけますか?」
「何だね?」
「むしろ、人柱となったあの青年への手向けに」
「時間があまり無い。手短に頼む」
「それでは総理、ズバリお聞きします」中年男から笑みが消えた。「便宜上の”神の声”の『神』とはいったい何者なのでしょう?」
二人のどちらか、あるいは双方から、ごくりと唾を飲み込む音がこぼれた。
総理は、口ごもった。一瞬だが重い静寂がすべてを支配する。
そうかと思うと、総理は充満する静寂を払拭するかの如き勢いで高らかに笑った。
「田中さん、本音を聞こうと思えば聞けるあなたにでも、あえて私の口からはお答えしかねる質問ですな」笑みのはざまに総理の屈強さが垣間見えた。「それは聞かない約束です」
中年男が、苦笑を漏らした。
「それではあえて私も聞きますまい。いずれ、歴史が答を出してくれることでしょう…」中年男は弁当を手に席を立った。
その態度を気にしながらも総理は、去ろうとする中年男へ両手で握手を求めた。
「君には世話をかけた。いや、今後ともよろしく頼む…」
中年男は笑顔で深々と頷き、もらった弁当を愛おしむように携えて退室した。
『裏部屋』で交わされたそのとりとめの無い会話を聞いた者は、彼等以外誰一人として居なかった。
一人残された総理は、厳しい表情のままで壁の油絵をながめた。
神が人間に受難を授ける場面を描いた中世の宗教画だった。
その絵を見ながら総理は何事か言いた気だったが、やがて腕時計に気付いて、慌ただしく上着を着込んだ。この後の予定もぎっしりと詰まっている。
誰もが心待ちにする春はまだ遠い、総理官邸の祈るような午後だった。

(おわり)
543名無しさん@毎日が日曜日:03/02/13 14:53 ID:BhQfd24J
木村age
544名無しさん@毎日が日曜日:03/02/13 14:55 ID:b/ylJy8I
じっくり読ませてもらいました。
mokkoタン、すごいよ
545名無しさん@毎日が日曜日:03/02/13 16:27 ID:LUfxxdRN
連載 乙かれー
546名無しさん@毎日が日曜日:03/02/13 19:08 ID:JnHFWT75
ラストキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
今回の作品も凄かったです。お疲れ様です!
547名無しさん@毎日が日曜日:03/02/13 22:30 ID:DjBowrVt
なんか新聞にちょこっと毎日連載してる欄にmokkoはんの作品があってもおかしくないですな。
mokkoタンの妄想おもろいです。楽しませてもらってますさ。
気になるのはmokkoタンの年齢かな・・。
548ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/13 23:07 ID:iJhbMlvY
おお、長かったけど終わるともう終わったのかって感じですな
次回作はもうできてるんでしょうか?
ちなみに私はもうちょっとかかりそうです
549名無しさん@毎日が日曜日:03/02/13 23:10 ID:sXNXRDNR
モコとツイ以外には文章書けるヤツ居ないかな?

オレは箇条書きしか出来んからナー
550mokko:03/02/13 23:57 ID:q5x6VoEK
みなさん、どーも。

所詮は俺個人の妄想なんだからとは言うものの、人様に読んでもらうからにはそれなりに悩んで書くので、面白かったと言っていただけるのは面接の合格通知並みの嬉しさがあります(涙)。

ツイスターさんの次のがもう少しとのことですので、明日からはしばらく連載が無くなります。
一気にさびれてしまったら、どうしましょ?
あ、たのみのツナの1001さんがいらしたんだ。その後、どうですか?
551しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/14 00:05 ID:R6C1xhpu
あ、あのう。しろうとの作品なんて載せたら駄目ですか?
あまりにmokkoさんの作品が凄すぎて並べて読むとショボイと思いますけど〜。
地味な作品でもいいですか?どんでん返しとかなくても。ぜひお願いします。
552mokko:03/02/14 01:06 ID:jRddIkq8
>551
だ、か、ら〜ッ、(笑)
みんなで妄想しませんか? ってスレだと言ってるじゃあーりませんか(笑)
地味な小品でも、どんでん返し無くても、大いに歓迎いたします。
その際、複数の妄想が混線すると困るので、1行目に題と回を書いてくださいね。
……って、前もコレ言ってるけど、結局一人づつしか書かないんだよね(苦)
553しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/14 01:09 ID:S3uz1Kbt
じゃあ思い切って載せちゃいます!
554しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/14 01:11 ID:S3uz1Kbt
     沈む塔 1 
 水。水の音。激しい水の音がする。重い瞼をゆっくりと開く。起きる。バランスを崩し
顔で水面を叩いた。海水が気管に浸入する。もがくこともできない。体を折り曲げようや
く海底に足が着く。咳き込む。手が震える。ガス漏れの臭いがした。不味い空気が肺を満
たす。水の音が煩い。波が腰に纏わりつく。ここは?闇の中だ。手錠が嵌めてある。足が
重い。辺りを見た。ベッドが海面に浮き波に揺られている。
 波がにわかに照らされその動きが露わになる。振り向くと頼り無げな灯りがある。人影
だ。近づいていった。僕の姿がアクリル板に映りこんでいる。その向こうに少女が居た。
白いケープを羽織っていた。隔てられている。かろうじて言葉と聞き取れるような音を唇
は発していた。少女は無反応だ。聞こえないのか?辺りを見回す。壁だ。部屋なのか?鉄
パイプのベッドがある。事務机がある。天井にライトは無い。
 突然恐怖を感じた。部屋を水が満たすと僕は溺れる。アクリルの向こうには水は無い。
逃げなければ。どうする!彼女にどうにか助けてもらうか。彼女はいったい?出口は?ア
クリル板は破れそうも無い。僕が焦っているのは明らかだ。波が不気味にせりあがる。
 壁に沿って歩いた。進まない。水が胸のところまで来ている。足に何か重りが付いてい
る。教室の広さと同じくらいだった。途中事務机を物色するが引き出しを開けることすら
ままならない。なんとか工具類の中からドライバーを一本持ち出した。
 灰色の壁に黒いものがある。鉄のドアだ!もはや波は首まで呑み込んでいた。ノブは?
無い。だが鍵穴がある。水面に顔を突っ込みドライバーを咥える。鍵穴に差し込み首を傾
ける。固くて回らない。水面が顔の半分位まで来た。苦しい。ドライバーを離す。僕が溺
れていた。もがくことも出来ないまま意識が薄らいでゆく‥‥。
                    〜続く〜
555名無しさん@毎日が日曜日:03/02/14 01:17 ID:JukOO4zO
もっこさん面白いけど腰が低杉だよ
556mokko:03/02/14 01:38 ID:jRddIkq8
うわ、いきなりシュールな妄想が始まりましたyo
こういう系統の作品は、単語ひとつ読み落とすと必ずあとで後悔するから、読む側でもそれなりの覚悟が要るのだ。
じっくり読ませていただきます。
それでは、常連の皆様もよろしくお願いします。
557名無しさん@毎日が日曜日:03/02/14 04:10 ID:Ibct2uMI
>>mokko
>>6の妄想が面白そうなので読んでみたいです。
558しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/14 08:07 ID:OB9HOScm
尚この物語はフィクションであり実際の人物・団体とは一切関係ありません。
559しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/14 08:08 ID:OB9HOScm
     沈む塔 2 
 足音も無く荒涼とした砂漠を歩いている。透明に乾いた西風が猛烈に煽り立てる砂粒を
無力にもただ顔面で受け止めるしか為す術は無かった。太陽が群生植物を残らず根絶やし
にした荒廃の土地を彷徨する。どこに進むべきかすら僕はわかっていないのだ。地平線を
目指して進むしかない。常に視界の端でオアシスの蜃気楼が揺らめいていた。
 遥か遠くから誰とも知らない声が響く。何か僕の事を喋っている。理解できたのは声の
調子がはっきりと嘲笑を含んでいたことだけ。どれだけ逃げても振り切れない声。
「見縊っている」
 そう思っていた。だが認めさせる力は無かった。あの頃の事は思い出したくないのに。
僕がいくら焦燥しても何一つ前進することが無かったんだ。友人が離れていった。僕は毎
日笑われる夢を見て起きるとすぐ大粒の涙が溢れ出すんだ。一時間泣き続けたこともあっ
た。誰か一人でも人間を見つけられればいい。現実には一人もいなかったが。この世界で
言葉は通じない。いつしか僕は自分自身を人間であることすら信じられなくなっていた。
 しかしある時僕の人生に「出来事」が起こった。面接官が履歴書に眼を通すこともなく
採用してくれた。無職だった僕を。ある種の異様さは薄々感じていたけれど。「象徴会」
というその新興宗教団体はバベルの塔の寓話を布教に用いる。天に届く塔は遂に完成する
ことは無かった。それは決して物が足りなかったからでは無い。
「いざ我等降り彼処にて彼らの言葉を乱し互いに言葉を通ずることを得ざらしめん」
 やがて自分の身体が固い地面に横たわっているのを知った。喉が渇いている。手足を伸
ばすと鈍い痛みが走る。生きているのか?僕を溺れさせ沈めようとしたあの忌まわしい部
屋にいる。僕をどうするつもりなんだ?軽い眩暈を覚えて再び突っ伏した。
                    〜続く〜
560名無しさん@毎日が日曜日:03/02/14 16:41 ID:Kr74DikD
新連載応援age
561名無しさん@毎日が日曜日:03/02/14 19:34 ID:NKLSwE3V
素人には思えない
562ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/14 20:49 ID:AJo/uY53
場つなぎに思いついた短編書きます
よろしくー
563名無しさん@毎日が日曜日:03/02/14 20:50 ID:b3E21Lg3
########################################

http://www5b.biglobe.ne.jp/~ryo-kyo/osu.html

########################################
564ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/14 20:51 ID:AJo/uY53
「stバレンタインの神隠し」1

おや?久しぶりだね。うれしそうな顔してどうしたんだい?
え?その包みがどうしたんだ?チョコレート?
ああ、そういえば今日はバレンタインデーだったね。忘れてたよ。
僕かい?僕は一つももらってないよ。いやーよかったな、一つももらわないで。
いやいや、別に負け惜しみを言ってるわけじゃないんだ。本当だよ。
その態度からすると君はバレンタインの由来を知らないみたいだね。
ちょうど暇してたところだ。今から君にそれを話してあげよう。

単刀直入に聞くけど、君はバレンタインデーというものがどうして始まったのか知ってるかい?
うんうん、ST・バレンタインが死んだ日か。確かにそうだ。でもそれだけじゃ50点ぐらいだね。
じゃあまずその辺りから話そう。

そもそもST・バレンタインというのがどういう人か知ってるかな?彼が生きていた当時のローマ帝国では結婚が禁止されていたんだ。帝国の戦力を保持し拡大するという名目でね。
しかし彼は禁止されていた結婚を密かに行っていたんだ。、彼の信仰するキリスト教の名の元にね。
すばらしい人じゃないか。帝国の戦力の事よりも人々が互いに愛し合うことのほうが大事だって言うことを実践していたんだよ。

565ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/14 20:53 ID:AJo/uY53
しかしローマ帝国も指をくわえて見ていた訳じゃない。当然彼を犯罪者として捉えたんだ。そして2月14日に処刑を行った。君が知ってるのはこの辺りぐらいまでかな?

でもさぁ、そんな風に人々の前で民衆の信じる人を殺してしまったら民衆はますます自分たちの言うことを聞かなくなるじゃないか。だから王様も考えたよ。どうしたら民衆に恨まれないようにバレンタインを殺すことができるかってね。

そんな時、異国から王様宛に贈り物が届いたんだ。王様は喜んでそれを開けてみた。そこに入っていたのはこげ茶色の物体。そう、それこそがチョコレートだったんだよ。王様は恐る恐るそれを食べてみたんだ。でも一口食べるとあまりの苦さに吐き出してしまった。
そうなんだ。このころはまだチョコレートは甘いものじゃなかった。
いつもの王様なら起こってチョコレートを贈ってきた国に攻め込むところだけど、いいアイデアを思いついたんだ。何だと思う?
分からないかなぁ?これをバレンタインに送ろうと思ったんだよ。それも毒入りでね。
王様からのプレゼントなら食べないわけには行かないだろ?しかももしそれを食べて死んだとしてもそれをチョコレートを送ってきた国のせいにできる。たいした悪党だよ、王様は。
早速王様は召使に命令してチョコレートの中に毒を入れさせた。さらに手の込んだことに、自分があまりの苦さに吐き出したことを思い出して砂糖を山ほど入れさせてね。

さて、王様から謎の贈り物を受け取ったバレンタイン。喜んでそれを食べたよ。毒入りとは知らずにね。まるで白雪姫のようだね。
そしてバレンタインは死んでしまった。それが2月14日のことだよ。でもやっぱり民衆も馬鹿じゃないから王様の仕業だって気づいてたよ。しかし証拠がないからどうすることもできない。

そんな中、王様の行動を皮肉ってある習慣が芽生え始めた。何だと思う?僕は思わず笑っちゃったよ。それはね・・・2月の14日に嫌いな人にチョコレートを送るって言うことさ。ははは。

ところで君は誰からそのチョコレートをもらったんだい?ああ、君が昔よく言ってたあの子か。あの子はいい子だね。とてもチャーミングだし人当たりもいい子だ。その分内に秘めたものはあるだろうけどね。

566ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/14 20:59 ID:AJo/uY53
「stバレンタインの神隠し」

話がそれたね。
えーっと、それから時がたつこと十数世紀、当時の日本の総理大臣がローマのある村を訪問したんだ。
その総理大臣ってのがこれまたひどい人間でね。ほら、ちょうど日本が戦争で好き勝手やってた時だよ。そいつも自分が神みたいに錯覚してたんだろうな。ろくに外交もせずに遊んでばかりいた。
しかもただ遊ぶんじゃない。たとえば結婚している女の人と無理やり関係を持ったり、まだ幼い女の子に手を出したりしたんだ。
こんなやつが総理大臣やってたのかと思うと恥ずかしくなるよね。

そしてその訪問期間も終わり、日本に帰ることになった。その日がたまたま2月14日だったんだよ。
彼を見送る空港でのこと、たくさんの現地の女性が彼に何かを渡した。そう、君の想像通りそれはチョコレートだよ。意味が分かるかい?
しかし日本にはそんな習慣はなかったので彼は通訳に聞いたんだ。「これはどういうことだ?」ってね。みんなそろいもそろってチョコレートだもんね。

通訳も困っただろうね。まさか「この地域では2月14日に嫌いな人にチョコレートを渡すんです」なんて言える訳がない。だからまったく逆のことを言ったんだ。
「この日は好きな人にチョコレートを渡す日なんだ」ってね。
それを聞いた総理大臣は喜んだね。日本に帰って最初の記者会見はそのことばかり言ってたよ。「私は現地の人に愛され、こんなにチョコを貰ってしまった。ほら、これなんか手作りだ。」ってね。
手作りだって。笑っちゃうよね。嫌いな人にどうして手作りのチョコレートをあげる意味があると思う?そりゃあ何か特別なものを入れるに違いないさ。
その総理大臣かい?死んだよ。翌日。新聞には「急性心不全」とか書かれてたらしいけどね。真実は闇の中だ。
そしてそのときの記者会見が何回も流されたもんだから日本人の悪い癖が出て、2月14日には好きな人にチョコレートをあげるっていう習慣ができてしまったんだ。
元はといえばまったく逆のことなのにね。

567ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/14 21:00 ID:AJo/uY53
「stバレンタインの神隠し4」

とまあ大体こんなところだよ。バレンタインデーの由来ってのは。
すまないがちょっとそのチョコを見せてくれないか?へえ、手作りじゃないか。こいつは恐れ入った。彼女の気持ちがうんと詰まってるんだろうね。
実を言うとね、さっき彼女とそこで会ったんだよ。なんか気になること言ってたなあ。「これで彼もイチコロよ」って。いったいどういう意味だろうね。

お、もうこんな時間か。僕はもう行かなくちゃ。
今度そのチョコの感想を聞かせてくれよ。また会えたときに。

(終わり)
568ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/14 21:01 ID:AJo/uY53
すみません。番号ふるの忘れました
569名無しさん@毎日が日曜日:03/02/14 21:58 ID:B9B8vtIB
うおー、ツイスターさん凄い!
何か上質の落語を聴いているようだ。話にも毒があってイイ!
しっかし今回のタイトルも笑わせますねぇ・・・
570しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/14 22:55 ID:l2yYiHIn
ツイスターさんのバレンタインデーの由来面白いですね。
自分の妄想も苦みだけでなく甘み(女の子)も加えるので
チョコレートでもかじりながら読んでみて下さい。
571しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/14 22:56 ID:l2yYiHIn
     沈む塔 3
 ベッドで不貞寝している事務机の上に乗って僕はドライバーで天井を削っていた。無理
な姿勢での作業で筋肉が搾り取られるように痛むがもし怒濤が襲ってきたら今度こそ御仕
舞いだから壁に穴を開ける訳にはいかなかったのだ。汗が額から流れ落ち眼に入る。
 ぎりぎり人一人通れる程度の穴からよじ登るとじっと待ち構えていた3階に上る階段に
僕は少し躊躇する。暫く念入りに部屋を調査してやっと判ったことといえば壁が随分不細
工な造りだということと紅い花が壁から漏れる光を浴びて慎ましく咲いていたことぐらい
だった。光が差し込んでいるなら壁を崩しても問題あるまい。
 そして目の前一面に水が湛えていた。嘗めるとほんのり塩辛いが飲料水として差し支え
なく僕は駱駝のように水を嚥下する。顔を洗って一息つき周囲を丹念に観察しこう結論し
た。プラネタリウムの様なドームの中に人工湖がありその真ん中に建っている塔に僕は居
る。水責めにあった部屋は地下室だろう。湖には海水が流れ込んでいるかもしれない。湖
の底は浅いけれど砂がさらさらしていて歩き回るのは無理そうだ。
 その時にわかに一枚の羽が降って来た。僕は見上げる。眩しい。ドームの天蓋の中心に
開いた穴からこの空間で唯一の直射日光が射している。鳥だろうか?
 気は進まないものの階段を登ることにした。何が待ち構えているか知らないが殺そうと
思うならこんな回りくどいやり方はしまい。5階にある最後の階段に足を掛けた時屋上か
ら気配がした。息を呑みゆっくりと登って行く。
 紅い花に囲まれて少女が佇んでいる。あの少女と同一人物かどうかは自信を持てないが
同じ雰囲気を纏い声も無くこちらを凝視していた。僕が驚いたのは彼女の背中から片翼が
生えていることだ。翼は羽ばたくことも無く静かに揺れていた。
                    〜続く〜
572mokko:03/02/14 23:07 ID:B+rpHH4v
ツイスターさん、ひねりが効いた短編、良かったです。

読んでて感じたのですが、1回のカキコでだいたい1000字弱くらいなのですが、それを4回連続で完結するスタイル、ってのも良いかもしれませんね。
掲示板の趣旨にも合ってるみたいだし。
この際、4コマ漫画をもじって『4コマSS』ってジャンルを確立しませんか?
でも逆に短すぎて難しいかな? 今度、私も挑戦してみますね。
573名無しさん@毎日が日曜日:03/02/15 01:23 ID:AT+ond8W
ツイスターさん(・∀・)イイ!
まとめ方がナイスです。

しかしホント凄いなこのスレは。しろうとさんも期待!
574しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/15 02:10 ID:qXO5zXyg
 それにしてもずっと連載していって最終回だけ自分の新規サイトにうpして
このスレにアドレスだけ貼っとけば読者の正確な数がカウントできる…。
いやいやしろうと考えだな。だいたいそれでは祭りの予感がする…。
575しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/15 02:11 ID:qXO5zXyg
     沈む塔 4
「あなたにあたえられたしれん いしをつみAGEこのTOWERをたいようのらいとあ
 ふれるちじょうまでとどかせて そうすればげんじつかいにRETURNできる」
 僕は塔から身を乗り出し冷たい水に腕を突き入れ懸命に砂を掻き出して恐らく数時間程
製作に費やした成型する為の石にまだ少し湿り気の残っている泥の塊を詰め込んだ。あの
握ることも叶わない砂粒が空気に晒すことで形状を固定することが出来るのだった。完全
に乾く前に塔の天辺まで運びこの塔の壁を築く。この牢獄をほんの僅か照らしてくれる日
光の慈悲をその身に浴びている翼を広げた少女の姿はこの労働の苦痛を幾分和らげて呉れ
た。彼女を目の前にして何も聞くことが出来なかったが時折その光景を盗み見てはこの状
況を刹那に忘れることで些かは慰めになる。そして午後零時に塔の真上の太陽が一瞬だけ
相貌を現す時片翼を纏う少女が碧緑の瞳を煌かせるのを見逃す程僕は愚かでは無かった。
「わたしにもうかたほうWINGがあれば このTOWERからあなたをつれはばたいて
 ゆくこともできたのに はじめからLOSTしているのゆるしてほしい」
 少女の羽にたかっている蟲を払い落としている腕に数日前には見えなかった屈筋が盛り
上がっている。かなり作業工程に習熟してきた。あの穴に到達する日も遠くは無さそうだ
。尤も信徒達が僕を本当に許す積もりがあるとは信じられなかったが。少女は常に怜悧な
表情を崩さなかった。たまに教団の教義を暗誦することがある。機械が発するような正確
な発音がかえって奇妙な感覚を与えた。それから僕が幾ら勧めても彼女が花を口にするこ
とが無いのが心配だった。塔の屋上に生えている紅い花がたった一つの食料源でそれで栄
養を賄っていたから。そして羽を繕いながら漠然と殺風景な景色を眺めていてふと思う。
「まさか‥‥。塔が‥沈んでいる?」
                    〜続く〜
576mokko:03/02/15 03:45 ID:Y4pEO5Ua
さっきから今までかかって、4コマSSを書きました。
しろうとさん、中割ってごめんなさい。
約束どおり4回連続で完結です。ネタバレですかね?
577mokko:03/02/15 03:46 ID:Y4pEO5Ua
証明写真 1
その写真館は、職安の裏通りに在った。
古めかしいその外観をレトロと呼ぶのは個人の自由だが、見る側にそんな心の余裕が無くなってしまった昨今、崩壊寸前のあばら屋みたいな建物にはただ時代遅れの印象しか僕には抱けなかった。
大手の写真チェーンなら駅前通りで派手な店舗展開をしている。
それなのにその写真館は、昔ながらのスタイルを固持し続けていた。店主の頑固な固執が感じられた。入り口に数枚の見本写真を掲げている。何だこりゃ、戦前の白黒写真じゃないか。
酢酸のきつい匂いが充満する薄暗い店内で、経営者とおぼしき頑固そうな老店主がひとり、やはり年代物の旧式カメラが並べられたショーケースの向こう側に居て、仕上がったばかりの写真をルーペで入念に観察していた。
「証明写真をお願いしたいんですけど…」と僕は言った。職安からまっすぐに立ち寄ったのだ。
「証明写真…ですか?」顔を上げた老人が、ルーペをずらしながら僕を見る。「仕上がりに1週間かかりますが…」
「1週間……? 随分かかるんですね……」
「急ぐんでしたら、駅へ行けば3分間写真の機械がございます」
その機械なら何度も使ったことがあった。4枚一組で出来上がって来るヤツだ。その写真を貼って挑んだ面接試験にことごとく落とされたから、面倒でも本物の証明写真を撮りに来たんじゃないか。
僕は仕方なく1週間待つことを受諾し、その古びた写真館で証明写真を撮影してもらった。
(つづく)
578mokko:03/02/15 03:47 ID:Y4pEO5Ua
証明写真 2
撮影が済んで、伝票に名前や電話番号を記入してもらっている時だった。
「あなた、今度こそ合格したいんでしょうね?」老店主が、僕を見透かすように言ったのだ。
その言い方があまりにも的を射ていたから、何だか逆に恥ずかしくなって僕は笑った。場所柄、職安からの直接コースとして定番化している写真館なのかもしれない。
「合格したくないのに証明写真撮るヤツなんて居ないですよ」
「でしたら、合格をさせてさしあげましょうか?」老店主が言った。顔は伝票に向けたままだった。
面白いことを言う老人が居たものだ。僕は半分絶句しながら、老店主に聞き返してみた。
それに対して「ですから、絶対に合格出来る焼き方にしてさしあげましょう、と申しております」と老店主は尚も続ける。
「そ、そりゃあ、そうしてもらいたいけど……」自然に笑みがこぼれた。「それで本当に合格出来るんなら苦労は無いですよ」
僕はため息混じりで笑った。老店主の下手糞な冗談に脱力させられたからだ。
「写真てもんはですね、被写体の魂をどれだけ封じ込めるかどうかで、仕上がりがどうにでも変わってしまう繊細な物でございます。写し方は勿論、焼き方ひとつで印象は全然変わってしまう。
あなたの就職したい意気込みや願望を全部刷り込んで、魂の念を込めた写真を使えば必ずや願いは叶うものでございます」
「へぇー、何だか神懸かり的になってきましたね…… 面白そうだ。それじゃあ、その、最高のやり方で1枚お願い出来ますか?」
「ただし、これだけは言っておきましょう。魂の念を封じ込めるからには、あなたの寿命が1日分だけ少なくなってしまいます。後になって、その事で決して文句は言わないと約束していただけますかな?」
連続不合格が続き過ぎて自暴自棄になっていた訳でもあるまいに、僕は笑わせてくれる労店主の申し出に、それこそ物見遊山で乗ったのだった。
(つづく)
579mokko:03/02/15 03:47 ID:Y4pEO5Ua
証明写真 3
1週間待って完成した証明写真を貼った履歴書を両手で差し出して、僕はもはや何回目だったか忘れてしまった面接を完了した。
いつになく面接官の印象が良かったみたいだ。前職との関連性もかろうじて武器になる様子の面接試験だった。しかし、そんな淡い可能性を信じて何度踏みにじられて来たことか、僕はすっかり深読みの求職者として、あくまでも冷静に事態を見守っていた。
1社受けて安心している程お調子者でもないから、僕は結果を待ちながらも職安へ通い続けた。
職安は、いつもに増して大混雑だ。
ごく少数の卒業生が出て行くだけで、その何倍もの新入生が詰めかけて来る。所内はもう完全に飽和状態で、うっかり気を抜けば弾き出されてしまいそうな勢いだ。
この息苦しさは何だろう。
酸素が足りないのだ。検索機の順番待ちで、小学校の朝礼でもあるまいに貧血で卒倒しそうな気分だった。
目前で、失業者同士が順番をめぐって小競り合いを開始した。
初めは些細な口喧嘩が引火して、職員が止めに入る程の掴み合いに発展した。
そんな時だった。僕の携帯が鳴ったのだ。僕は慌てて玄関フロアまで走り出ると、携帯電話の通話ボタンを押した。
「先日はお疲れ様でした。採用とさせていただきます。つきましては明日から…」
あれほど夢見た台詞を聞かされたというのに、僕はそれどころではなかった。何か熱い物が込み上げて来たかと思うと、深紅の鮮血が僕の口から溢れ出して携帯電話を汚したからだ。
(つづく)
580mokko:03/02/15 03:48 ID:Y4pEO5Ua
証明写真 4
僕は職安を飛び出して、例の写真館へ向かう。
途中、何度もよろけて、電信柱や塀に寄りかかった。
一度などアスファルトの路面に転げて、それでも目標を目指して僕は立ち上がった。
乾いた路面に僕の鮮血のしずくが点々と染みをつける。
意識だけははっきりしているが、全身を襲う虚脱感は未経験な領域のそれだ。
やがて、あの写真館が見えて来る。何度見ても時代遅れの寂れた写真館だ。
扉に血液の指紋を幾つもつけて、僕はなだれ込むように入店する。
すかさず強烈な酢酸臭が鼻腔に押し入って来る。店主はどこだ? あの老店主を捜して僕はその古びれた店内を千鳥歩く。
「おや、念願の合格をなさったみたいですね」
年老いた店主が店の奥から現れた。今日も現像の途中だったらしい。
「やはり魂の念を込めた証明写真は効いたでしょう」老店主は満面の笑みを浮かべて僕を見た。職人としての、堪えきれない満足感を隠しきれずに……
「話が…違うじゃないか!」僕は、逆流する血ヘドに遮られながら、やっとのことでそれだけを吐き捨てた。
内臓が逆転するのが実感できた。体中の液体が全部食道から咽へと駆け上って来る。
「寿命が1日減るだけじゃなかったのかよォ!?」僕は崩れながらも全力で叫んだ。
老店主は、少しだけ悲しそうな笑みを浮かべて、説き伏せるように言った。
「明日までだった寿命が、1日減って今日になったまでのことです……」
僕の面接用の証明写真は、今夜の葬儀用の写真としても使ってもらえることだろう。
(おわり)
581ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/15 17:15 ID:ZMm6tkuO
mokkoさん独特のブラックな話よかったです

ところでこんなニュース見つけました

20代〜80歳までの女性約20人が14日、石原慎太郎東京都知事に
「猛省を促す」ため、手作りのバレンタインチョコレートを贈ろうと都庁を訪れた。
 01年11月、知事が週刊誌上で「文明がもたらした最も悪(あ)しき有害な
ものはババアなんだそうだ」などと発言したのが怒りの発端。発言撤回を求め、
市民団体ピースボートの有志らが作った。
 板チョコ20枚を使って1晩かかった。知事の元へは週明け、届けられる。
「素直に謝るアナタが好き」と書かれたハートのチョコ。味はやはり、苦そう?

【写真】 ばばあチョコレートを石原慎太郎都知事にプレゼント=東京都庁で
 http://www.asahi.com/national/update/0215/images/nat0215001.jpg

朝日新聞 http://www.asahi.com/national/update/0215/001.html

なんか自分の書いた物語が本当のことなんじゃないかとちょっと思ってしまった
582しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/15 17:20 ID:yzKxThZQ
>>576
>さっきから今までかかって、4コマSSを書きました。
!?一日かからずにこれだけのssを?早い…
583しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/15 17:23 ID:yzKxThZQ
>>560>>561>>573
ありがとうございます。これからいよいよ妄想も佳境に差し掛かって参ります。
そしてスレタイの趣旨に沿ったサービスが…!?
584しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/15 17:25 ID:yzKxThZQ
     沈む塔 5
 この奇怪な制裁は幹部たちの気紛れに過ぎないと思っていた僕が甘かった。一度固まっ
た石を水に浸しておくと少しずつまた元の砂に還ってゆく。塔を高くする程自重で埋まっ
てゆくのではないかと最初に案じた時はいつか塔の下端が湖底に届くから無駄にならない
と判断した。しかし塔の地中に埋まっている部分が緩慢に溶けているとしたら。しかも塔
が高くなると一階から泥塊を運ぶ負担が増大してゆく。いつしか塔の成長に翳りが見え始
めていた。この奇妙な儀式は狂った妄想などではありえない。むしろ冷徹な動物実験だ。
「削られている、絞られている」
 あの頃に回帰してしまったようだ。幾ら焦って上を目指そうと決して脱出できない。僕
は甘い香りを口腔に拡げる紅い花を噛みしめつつ寝そべっていた。脱力した僕を虚無が床
に押し付ける。鑢で寝ている感覚。痛い。厭な記憶が蘇り精神を蝕んでくる。
「君は立ち竦んでいるだけなのか?」
 いつか自分が受けたような言葉を少女に投げつけていた。詰るつもりはないのに。ただ
僕はほんの少しでもこの苛立ちを解ってほしかっただけなのに。彼女に重労働が出来るわ
けがない。何よりぼくがさせたくない。小枝のような華奢な腕が折れてしまう気がするか
ら。でもせめて何か気持ちを示して欲しい。彼女に対して疑問すら懐き始めているから。
「君は僕と教団とどちらの味方なのだ?なぜ何も食べずにいられる。どうせ信徒があの穴
 から食料でも投げ入れているんだろう。僕は花しか食べていないのに。結局君は監視す
 るためにいるのか?君はいったい‥?答えろよ!」
 少女は俯いて微動だにせず咆哮に声を奪われているままだ。彼女の指に触れた。蝋の感
触。僕は突如衝動を感じる。精緻な造りの幼い耳朶に唇を這わせ卑猥な言葉を囁いた。
                    〜続く〜
585mokko:03/02/15 17:43 ID:zcfWZSl+
>581
ワラタ…
ここを読んでいる人には最高のニュースですね。
でも、大掛かりな報道はされてないけど、奇妙なコンビニ強盗や写真館の話は本当にあったりして。
なーんて盛り上げ上手な私でした。(^o^)
しろうとさん、いよいよ佳境とのこと、期待しております。
586名無しさん@毎日が日曜日:03/02/15 21:19 ID:9yxarE5O
>>お前ら
来週から新しい職場に逝って来るぜ!


でも必ずこのスレは覘きますね
587名無しさん@毎日が日曜日:03/02/15 21:48 ID:yftUj0QX
ずぅーと、エロネタスレだと思ってて覗く気もなかったけど、2時間かけて一気に読んでしまった!
今までネット小説なんてのも読んだことなかったけど、2ちゃんでこんなのが見れるとは。
小説家志望の知人には教えないでおくよ・・・激しく落ち込まれそうだ。
588しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/15 23:52 ID:GJunfegI
>>585
どうもありがとう。最後まで読んでくださいね。
589しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/15 23:53 ID:GJunfegI
     沈む塔 6
 少女が着ている服は教団が支給している古代ギリシア‥それもドーリア風のキトンと呼
ばれる装束で布を紐で縛っただけの簡素な衣装だったが微細な襞のディテールは神秘的な
幻想を孕んでいた。その薄布を捲り上げる。下には何もつけていない。すぐ裸体が顕わに
なる。心臓の鼓動に突き動かされる。軽く唇が触れるだけでショートするのに十分な量の
電流が流れた。女性器を指で弄る。変化を感知できるのは彼女のほんの少しの吐息の乱れ
だけなのに。感じる。こんなに痛いのに。それでも操られているのか。モニタの前の見世
物なのか。構うものか。もう組織なんか糞食らえだ。僕は裸になる。彼女は呟く。
「 ごめんなさい わたしをSEXすることはできないの こわれているから 」
 どういう意味だか分からなかった。無理やり体を押さえ付けると顔を背けて悲痛な溜息
を漏らすのだ。暫く沈黙が続いた。やがて彼女は僕の茎を口で銜える。舌の先で柔らかく
撫でられた。甘い唾液が絡んでいるのが膚触りで伝わってくる。肉が律動する。血液が沸
騰する。僕は直ぐに白い樹液を少女のあどけない顔に迸らせてしまった。こんなに汚した
くはなかった。長らく射精をしていなかった為に大量の精液が清楚な頬にこびり付いてし
まった。背中の羽の方まで飛んでいる。所々膿のように濃いゼリーが混ざっていた。それ
ら全てを僕の舌で綺麗に嘗めとって一滴残らず彼女の唇に注ぎ込み口腔を精子で満たして
やった。その最中僕の性器は傷口が疼くように痺れ再び勃起していた。欲望が身体中に漲
っている。僕は思う存分彼女の身体を弄ぶことが可能だった。ただ一箇所を除いては。
「 わたしたちいまえいえんのなかにいる このときをずっとゆめみていた 」
 行為が終わった後固い地面で彼女の柔肌を傷つけてしまわなかったか訊いた。僕は彼女
の脚を擦りながらもう片方の手ではその艶やかな髪の毛を梳かす。束の間の幸せだった。
                    〜続く〜
590しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/15 23:54 ID:GJunfegI
ヒキモッコリ
591月・ピ・エ ◆/bb.....Cc :03/02/15 23:57 ID:38l9XEcD
ヒキモコモコモコモコモコモッッッコリ!

 ヽ (       ●        ∀         ●       ) ノ わぁ!
592しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/16 02:34 ID:8joz2zBl
     沈む塔 7
 半球状の天蓋の穴から覗いている僅かばかりの空を雨雲が塞いでしまうと壁を築き上げ
る単調な営みにすっかり倦んでいた僕は区切りと思いその場に腰を下ろし休息を取ること
にした。何か塔を伸張させるもっと効率の良い方法は無いものだろうか。少しの間唸って
いたが直ぐに無駄な足掻きだという気分が湧き上がってくる。そして小雨が降って来た。
 地上と地下を繋いでいる穴と同じ大きさの染みを挟んで僕とMIKIは居る。彼女が名
前を教えてくれたのはあの初めての抱擁の後だった。名前以外は口を噤んだままだったけ
れど。寡黙な少女は首を傾げこちらをじっと見守っている。僕は名も知らぬ花に視線を落
としてこの異様な状況について思考を整理していた。この僕を囚人に貶めた不可解な罰を
与えたのは教団に違い無いはずだ。ではなぜ罰が‥。
「リメインズ」
 多分あの計画に反対していたからだ。象徴会の勢力が加速度的に膨れ上がっていた頃。
一流大学を卒業した優秀な人材が大勢流入して来た。其ればかりでは無い。大学のコネク
ションを通じて企業に所属している研究者までもが入会して来た。「マスター」の称号を
持ちながら存在理由が欠落していて「原理」を求めてやまない信者。僕はもう直ぐ幹部に
なろうかという位置にいたから階級的には同じだった。彼らによって科学実験が繰り返さ
れ言葉を取り戻すという教団の本来の理念との間に齟齬が生じ始めていた。
 その時泡が浮かぶようにMIKIの断片の記憶が甦って来た。片翼‥緑色の瞳‥紅い花
‥日光浴‥アクリルの向こう側‥断食‥「はじめからLOSTしているのゆるしてほしい
」‥MIKI‥ミキ‥。突然僕の内部から輪郭が曖昧なままの仮説が急速に浮上する。
「MIKI。君はもしや‥‥!」
                   〜続く〜
593名無しさん@毎日が日曜日:03/02/16 02:54 ID:9xFHPG0p
しろうとさん、他のスレ逝った方が...
(アニヲタスレとか)
ごめんっ! でも...
594しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/16 03:01 ID:8joz2zBl
>>593
うう(泣)ご忠告ありがとう。そういう見方があることは承知しております。
でもUzeeとか思いつつも相手してやって下さい。
595名無しさん@毎日が日曜日:03/02/16 03:06 ID:9xFHPG0p
いやっ、スマソ。
そっち系の方かと勝手に...
ごめんね。
596mokko:03/02/16 03:06 ID:R4+NTgTO
うーん、良いッス。
しろうとさんって、Wiz世代の人ですか?
規定の文字数内に語り尽くせないものを感じますね。
もう出来ているんでしょうが、普通に終わらせたら怒ったりしますよ、昨今の私は。
いや、大丈夫。この人はわかっている方と見た。おとなしく続きを待ちましょ。
597名無しさん@毎日が日曜日:03/02/16 03:31 ID:iMVRur48
ひきこもっこり
わかりますた
かくいたにかきこんでまいります
598しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/16 12:21 ID:eXqrr00i
>>596
…おまかせを!〜「名も知らぬ花」「miki」はmokkoさんの作品からの引用です。
2ちゃん用語も併用し多重に折り重なった妄想世界を築いてます。

さて皆様日曜日をいかがお過ごしでしょうか。ここから最終回(全10)迄
一気に掲載します。すでにお読みの方もここまでの展開をざっと目を通して頂けると
より一層お楽しみ頂けます。MIKIの秘密が明らかに。そして2人は…?
599しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/16 12:22 ID:eXqrr00i
     沈む塔 8
「僕の考えが正しければ‥君の背中から生えている物は翼ではなく‥枝だね?」
 空が益々暗くなる。少女の表情を読み取るのは難しいが蒼褪めている様に見えた。
「その葉を日光に晒して光合成をしていたんだ。いつも屋上にいたのも何も食べないのも
 これで納得できる。僕が蟲の屍骸だと思い込んでいた種子が紅い花を咲かせる。僕が食
 べていたのは君の実‥身を喰らっていたんだ。その緑の瞳‥君は植物の遺伝子を継承し
 ている。疑り深い僕を騙すなんてなかなかの香具師だな。違うかい?MIKI。いや‥
 神酒‥幹‥美樹‥かな?「マスター」に洒落っ気があるとは意外だったな‥。」
 遥か遠くで木霊しているのは雷鳴だろうか。闇の中で美樹が震えている。
「でもそこまでしか正直、わからなかった。良かったら教えて欲しいんだ。真実を。この
 状況‥なにかバランスが狂っている気がする。合理的なようでいて。一番根本のところ
 が全く理解できない。なぜこんな大掛かりなことをするのか。なぜ君が居る?過酷なよ
 うで甘いようで。‥完璧なようでいて‥稚拙なようでもあり‥どっちつかずの曖昧な環
 境。僕を閉じ込めたいのか。逃がしたいのか。いったい何がしたかったんだ?‥教団特
 注のドライバーがもう一回引き出しの中にしまわれていたのを見たときは驚いたよ。で
 もね‥。足の鉄球に鎖で繋がれた手錠のせいで手が届かない鍵を開ける為に咥えたあの
 マイナスドライバー。取っ手の部分が柔らかいプラスチックなんだけど‥。」
 美樹は審判を待っているかのようだ。雷光によって風景がストロボのように瞬いた。
「歯形が残っていなかったんだよ!僕は死にたくなくて歯が折れるほど噛んだのに!!」
 その時美樹は今まで見せたことが無い不気味な笑顔を浮かべて云った。
「 すべてはわたしがしくんだ じさくじえんのGAMEだったの おどろいた?」
                   〜続く〜
600しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/16 12:23 ID:eXqrr00i
         沈む塔 9
 外部の豪雨からこの監獄が二人を護っている。天蓋の穴を通り抜ける風が大気を震わせ
つつ悲鳴をあげていた。美樹はその胸に堆積していたこの事件のすべての謎を堰を切った
ように吐き出したのだった。
 最初に僕が溺れていた部屋は教団の教室だった。あの水責めは「ノア」とよばれるイニ
シエーションで幹部になるために必要な試練らしい。だが予期せぬ事故が起こった。アク
リル板の向こうの美樹に僕が気を取られていたせいで脱出が間に合わなかった。
 その儀式のずっと前から敷地の中でも辺鄙な樹海の方にある行政に禁止され使われてい
なかった廃棄物の処理場で美樹は静かに準備をしていたのだ。マスターの研究室から盗み
出した微生物を使って砂を固めることが出来るようにした。ロープを使って一日一日少し
ずつ塔を作っていった。教団の机やベッドや‥もちろんドライバーも倉庫からくすねてあ
の教室を再現した。後は治療室で眠っている僕を連れてここに逃げてくるだけだ。
「なるほど‥教団に陥れられた訳ではなかったか‥。そこまでしてこの塔を創ったのはな
 ぜだい。その細身の身体でこの塔を5階造るのがいかに大変かこの体で知っている。」
 美樹が顔を顰めて狂気に近い大きさの声でまるで僕の頬を叩くかのように絶叫した。
「 しらないの わたしがとおくからみつめていたこと いたのむこうでよんでいたこと
  わたしはばいようされていただけの CENTURYPLANT にんげんのあなた
  にこえをかけることもゆるされない くそだらけのこのせかいで わたしのそうぞう
  のせかいで うそにしがみついて ようやくいきていたのに ねえ おねがい
   わ た し の こ と ば を き い て !!!!!!!!!!!!  」
 その時雨で脆くなっていたこの塔が美樹の足元を攫いながら崩れ落ちた。
                   〜続く〜
601しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/16 12:24 ID:eXqrr00i
     沈む塔 10
 塔の頂上から美樹が今まさに落ちようとしていた。美樹は肢を振りながら叫んだ。
「 てをはなして あなたまでおちる てをはなして わたしをころしてほしい
  あなたをだましたわたし しぬことでゆるされたいから ねえころしてよ! 」
 僕の頭をよぎる様々な記憶たち。僕は高学歴の連中と対等な立場に密かに優越感を覚え
ていたよ。就職では1秒と掛からず選別されているだろうにねえ。僕は幹部になることが
できたのに。ようやく人のうえにたてるのに。ぼくをふみつけばかにしたれんちゅうを
みかえしえてやることができたんだYO それなのに このばかおんなが
 塔の遥か下の水面に大きな水飛沫が跳ね上がった。塔の頂上は半分欠けている。残って
いる部分には水に濡れた紅い花が露を輝かせていた。何時の間にか雲は去り穏やかな陽光
が差し込んでいる。何処から迷い込んできたのか一匹の蝶がふらふらと飛んでいる。そし
てその蝶は雨粒が乾ききっていない翼の先端に止まったのだった。
「ばか!この馬鹿!よくも僕の一生を台無しにしてくれたな!この罪は一生かけて償って
 もらうから覚悟しろよ!ずっと一緒だぞ!約束だ!!」
 僕は美樹‥未来を抱きしめながら号泣していた。なぜこんなにも涸れることなく涙が溢
れてくるのだろう。あの頃の泪とは違って僕の心を癒してくれる。偽りの慰めで無く。状
況それ自体は依然絶望的なままだが僕は得体の知れない力を感じていた。未来が歌う。
「 あなたは わたしの もうひとつのWING ふたりいっしょならはばたいてゆける
  どんなやみのなかにいても きぼうをすてなければ きっとACCESSできるはず

               わたしたちのみらいに!
                                  〜完〜
602しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/16 12:27 ID:eXqrr00i
読者の皆様、御愛読有難う御座いました。
御意見、御感想等ありましたら是非お聞かせ下さい。
創作の励みと致します。
603名無しさん@毎日が日曜日:03/02/16 12:40 ID:qVbEER9W
>>しろうと
イイネ
604名無しさん@毎日が日曜日:03/02/16 15:14 ID:1sMDVqvu
>>しろうと
個性的で悪くないと思うが
このスレは基本的に社会派小説を書くスレだと思うんだが・・
あと一行に文を書き込みすぎなのが気になった。
605名無しさん@毎日が試験日:03/02/16 21:45 ID:HjX8QNyq
CENTURYPLANTってなんだぁ?
606名無しさん@毎日が日曜日:03/02/16 22:22 ID:NZigOYAo
>>シロ
申し訳ないが
オイラの頭の中に想像が出来ませんでした。

好きな人は好きだろうが
607名無しさん@毎日が日曜日:03/02/16 22:54 ID:SSt5iRh9
→しろうとさん
妄想スレだから本来あんまり批評するところじゃないと思うけど、
意見を求めているので、ちょっと批評させてもらいます。

文章の表現を難しくすると作者側は
良い文が書けたような気がしたりするものですが、
一般的に読者側は、読む気が減退していくものです。
しろうとさんの文は難解で、情景を理解するのに
かなりの労力を使います。

漢字も難しいのを使いすぎです。
例えば、「膚」は「肌」、「駱駝」は「らくだ」と
書かないと普通の人はすぐに読み取れません。

また、ネット上に投稿する場合は
文の区切りごとにどんどん改行した方が読みやすいですよ。


自分の頭の中でぼやーっと妄想する時に
難しい表現は使わないでしょ?
このスレは文学小説を求めてるわけじゃないんですから、
妄想を平易な文でさらっと読める形にして書いた方が
みんな喜ぶと思いますよ。

一読者が偉そうに書いて申し訳ない。
608しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/16 23:16 ID:cVYTutnk
なるほど…。ご指摘ありがとうございます。
確かに読み難い箇所がありもっと洗練するよう努力します。
次回作(あるとすれば)はもう少し平易な文体にしてみます。
一応参考までに。谷崎潤一郎「春琴抄」や
村上龍「トパーズ」は一文が長いですよ〜。
↓ただ「このスレは〜という場では無い」に関してちと思うところあります。
609しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/16 23:17 ID:cVYTutnk
     〜なんとなく「沈む塔」のあとがきっぽい感じで〜
 我々が日常生活で体験する社会の姿を的確に描写するmokko氏の筆力に対し確かに学ぶ
ところが多いことを前提とした上で悪夢・幻想・恋愛といった題材を好む自分が敢えて付
記することがあるならば「沈む塔」が非日常的な設定であり同じことを経験した人は一人
も居ないにも拘らず社会から隔絶された主人公が味わう孤独感や幾ら何かを積みageても
それがその傍から沈んでゆく虚無感に立場や価値観や趣味嗜好が違う人でも共感してくれ
るという希望を持って創作したことだがそれが伝わっていないならば自分の力不足であろう。
 ↑一文長いですね〜(汗)。もう少し平たく書きます。実は自分でも自作を見て「アニメ
っぽいかも…」「幻想小説みたいのはハズしているかな〜」と感じます。ただこのスレを
ROMしていて「自分の書いたものはここの雰囲気に合わないな…。」と尻込みしている人は
潜在的に多い気がします。面接で「自分が場違いな所にいる」いたたまれなさを味わった
ことがだめ板の人ならあるはずです。それなら「ジャンル違うから余所スレ逝けば…」
と言わず暖かく見守ってやって下さい。突然学園ラブコメが出て来る位が面白い。そもそも
「ヒキモッコリ」という一つの単語からこのスレがここまで発展したこと自体が感動的(w
 そして単に100%個性を押し通したい訳ではありません。「沈む塔」は前述の通り
mokko氏や2ちゃんねるの用語等に影響を受けています。色々な妄想が交錯し常に新しい
発想が誕生すること。未来に向かって種を蒔くこと。今はまだ見えないけれど遠い未来に
名も知らぬ花を咲かせること。自分が「沈む塔」の最終話を送信した時考えたことです。
自分がLOSTしているものを他の書き手が補ってゆく…紅い花の蜜の様に甘い考えですが。
しろうとの拙い文章が未来の読み手・書き手の「両翼」にACCESSすることを願います。
610名無しさん@毎日が日曜日:03/02/16 23:20 ID:XQLwEvUX
童貞のおれは見かける女という女を次々と抱く妄想をいつも発作させているが
とても長い小説になるような内容ではない。
611R@ ◆QZdameC492 :03/02/16 23:44 ID:bGXEvfS4
おつかれ。でも、頼むから改行してね。読みづらいから
612mokko:03/02/16 23:55 ID:AGfQf/La
しろうとさん、面白かったですよ。
確かに、ちょっと難解な表現が目立ちましたね。(笑)
これは批判でも批評でも何でもないのですが、斜め読みされても意味が通じるくらいの密度が妥当かな? と(あくまでも自分は)思っております。

このスレのものさしは「無職だめ」に尽きます。
ため息つきながらココ読んだ人が「フフフ… くだらないこと書いてるヤツ居るね」と続きを追ってくれたなら、私のつたない妄想は成功だったと信じます。

一人で妄想を書き続けるのも限界がありますから、他の多くの方にもご参加いただきたいと切に願います。
若者の同人誌にありがちなSFや耽美系ばっかりでも困るけど(てゆうか、それはパスね)、ま、読んだ人が面白がってくれる妄想ならおおむね可、ってことで。
また次回作もよろしくお願いします。
613名無しさん@毎日が日曜日:03/02/16 23:55 ID:9xFHPG0p
しろうとさん、やはりスレ違いだと思いマスタ。
すみませんが、訳判りませんでした。
614名無しさん@毎日が日曜日:03/02/16 23:55 ID:NZigOYAo
そうだね。
誰でも参加できる小説スレっていうのが>>1の願いだもんね。

615名無しさん@毎日が日曜日:03/02/17 05:56 ID:3lrPnnWc
>>609
きみの来る場所はここではないと考えますです。ゴメソ。
616名無しさん@毎日が日曜日:03/02/17 12:26 ID:gWr1QeNa
>>614は矛盾してると思た。


ってか読むだけ側もちゃんと指摘するべきでしょう。
スレ違い、分かりづらいなら誰でも書ける。
そんなレスだけでだらだら言われてもしろうとさんもつらいでしょ。
どこがスレ違いと思ったのか、とか
「、」を入れるだけで印象も変わると思います、とか
もうちょっとシュールにいくなら塔の存在を詳細にした方がいいかな、とか
ちょっとエロ方面は違うかな、とか
そういう小さな所でいいから指摘してあげるべきでは。
やたら突き放してる割に中身の無い意見ばっかりなのはどうかと思った次第。
その作品が何か違うと思ったならちゃんと突っ込んであげればいいと思うし。
そうやって少しづつ書く側も成長していけるんじゃないんでしょうか。

無職、だめに拘らなくてもいろんな作品が来ればいいんじゃないかなぁ。

長文駄文ですまそ。
617名無しさん@毎日が日曜日:03/02/17 16:18 ID:C0freIKm
あー、なんか、もうだめぽ感が出てきた。深く考えずにおもろいスレやったのに。
618名無しさん@毎日が日曜日:03/02/17 16:26 ID:cFNNFyEb
適度なマターリ感が良いスレなのに、何でそうやって駄目駄目としか言わないかな。
分かる所だけでもアドバイスしてあげればええやん。
619mokko:03/02/17 17:15 ID:AOaYj9sE
新しい妄想したもんね。
お手軽な4コマSSだよ。
620mokko:03/02/17 17:16 ID:AOaYj9sE
戦略的履歴書の書き方 1
「ダメだダメだダメだーッ!」
俺は、8割方完成しかけていた履歴書を引きちぎって叫んだ。
志望動機の欄に『貴社の営業内容に関心があり〜』と書こうとして、うっかり『感心』の方を書いてしまったのだ。
「まったく何枚書けば… 俺って奴ァ!」引きちぎった履歴書を更に細かく切り裂いて、床の上にぶちまける。床には、そんな履歴書クズが小山が築いている。
さっきから、俺は何度も同じことを繰り返していた。あともう少しで完成する段になって、俺は単純な誤字や、面接時に命取りになりかねない蛇足を書き滑らせた。
落ち着け… 落ち着くんだ…
俺は、不敵な笑みをこぼした。
俺くらいになると、履歴書の持つ本当の意味や重要性を熟知し過ぎている。
履歴書を単なる形式に考えていては、いつまで経っても就職など出来っこない。履歴書は、応募者側にとってのゲリラ部隊だ。面接試験という名の、辛く厳しい戦争を勝ち抜く為の唯一の兵器に他ならない。
闘いには妥協など許されないのだ。勇猛果敢な先発隊で敵の前線を突破しろ。のんびり構えた面接官共の寝首をかいてやる覚悟で行け。
そうだ。俺は戦士だ。勝つ為になら何でもする、孤独が似合う外人部隊のソルジャーだ。
俺は機敏な動作で部屋を出た。買い置きをさっきの一枚で全部使い切ってしまったから、近所の文房具屋へ新しい履歴書の補給に行く為だ。
通りへ出ると、午後の住宅街には老人と子供しか居ない。フフ… もの悲しい占領区だ。
(つづく)
621mokko:03/02/17 17:17 ID:AOaYj9sE
戦略的履歴書の書き方 2
「あん? 履歴書? たしかまだあっただよね」お前は志村か? とツッコミたくなる風情の老婆が、曲がった腰で店の奥へ進みながら言った。
近所の、小規模な本屋の文具売り場だった。
「ほら、これだやね」老婆が、履歴書を手に戻って来る。
俺はすかさずそれに手を伸ばすと、顔面を擦りつけるまでに履歴書を吟味する。
断っておくが、俺は履歴書なら何でも良いと購入してしまうような甘ちゃんの新兵ではない。
履歴書を買う段階から、すでに闘いは始まっていることを歴戦の勇士である俺は熟知しているのだ。
「おばさん、コレじゃないヤツは無いのか?」
「履歴書なんてもんは、みーんな一緒だよ」
老婆よ、あんたは甘い! 俺は勝ち誇った笑みを堪えきれなかった。
履歴書は、その製造メーカーによって微妙に異なる。例えるなら、『得意学科』を書く欄を有する物、『志望動機』を書く欄を有する物、『趣味』を書く欄が『趣味・特技』となっている物、等々実に千差万別なのだ。
学生時代に得意だった科目が何ひとつ無く、特別コレと言った厳格な志望動機も具体化出来ず、趣味は有っても特技をまるで持たない俺みたいな孤独な戦士にとって、それらの欄の有無は死活問題なのだった。
書くべき欄が設けられているにも関わらず、空欄だったり、おざなりな言葉濁しに逃げていてはたちまちの玉砕も避けられない。俺の参戦する闘いは、かくも過酷な戦場なのだ。
だから、俺みたいな燻し銀のソルジャーは、履歴書そのものに繊細なこだわりを拭い切れないのだった。
(つづく)
622mokko:03/02/17 17:19 ID:AOaYj9sE
戦略的履歴書の書き方 3
「婆ぁ、あるんなら最初から持って来やがれってんだ!」俺は憤慨しながら机の前にどかりと座った。イチヨンマルマル時の、俺の部屋だった。
武器として、俺が納得の行った履歴書は机の上に乗せられてある。
昨今の俺は、ワープロ印刷の履歴書などまだまだ認めない零細企業しか敵と考えていない。「ワープロ使っちゃズルいよぉ」と時代錯誤の面接官に苦笑されたことがあったからだ。
俺は、万年筆のキャップをゆっくりと回す。ボールペンでもサインペンでもいけない。万年筆で、しかも黒のインクでなければならない。黒は漆黒の黒だ。この黒だけが、俺の薄っぺらな履歴に重厚な深みを与えてくれる。
他の筆記具には到底為し得ない、崇高な説得力を醸し出してさえくれる。
名前は堂々と、それでいて住所と電話番号は押さえ気味に書く。物凄く男っぽい運動部のキャプテンが、何かの折りに垣間見せる少女チックな仕草が、妙に娘心をくすぐったりする事例を意識した揺動作戦だ。我ながら、策略の天才を自負してしまう。
学歴欄は端折る事無く小学校から全部書く。これは、途中で転校などしていたりして、その地名から面接官との意外な会話の糸口を目論んでに他ならない。
あまつさえ、学歴欄をたっぷりと使っておけば、その後の貧弱な職歴欄が目立たなくなる相乗効果も期待出来る。
いよいよ頁の右半分は想像力と表現力が試される創作ステージだ。
資格欄は、普通自動車免許しか持たない俺としては最大の弱点だ。ここで、さっきの本屋でねばった苦労が身を結ぶ。俺がチョイスした履歴書には、資格欄が3行しか無い。
1行目に正直な資格を書いて、2行目に『以上』と書けば、それとなく様になってしまうから不思議だ。俺は、そんなことも歴戦の壮絶な記憶から学習しているのだった。
(つづく)
623mokko:03/02/17 17:19 ID:AOaYj9sE
戦略的履歴書の書き方 4
「完璧過ぎて……怖い!」俺は、完成した履歴書を手に歓喜した。
今日まで、数十枚に及ぶ履歴書を書いて来たが、とりわけ今回のこの1枚は完璧過ぎる。
履歴書は一幕の芝居に良く似ている。書き手の意図した芸術を、幾多の文字たちが表現して面接官と言う名の観客の心に一陣の感動を呼び起こす魔法と言えなくもない。
作り手と演者の心がひとつになった時、俺は脚本を超越した感動さえも手中に出来る。研ぎ澄まされた感性と鍛え抜かれた肉体の融合が、かつて無い最高の感動のフォルテシモを打ち鳴らす。
そうは言っても歴戦錬磨の強者面接官だ。正攻法だけでは連中は崩れない。連中も、敵の戦術には心得が有る。そこには、人間対人間、男対男の壮絶な死闘が繰り広げられるのも否めない。面接とは、男の美意識に彩られた最後のバトルだ。
ソルジャーとしての血が騒ぐ。俺はそんな好敵手を実は求めてさえ居た。全力でぶつかってやる! 俺が壊れるまで!
やるだけのことはやった…… もう悔いは無い……
もはや真っ白に燃え尽きた俺は、完全燃焼した者にだけ許される無印の爽快感を満喫しながら、三つ折りにした履歴書を封筒に挿入する。グッと突っ込んで一度止め、玩ぶかのように時間をかけて先端へ到達させる。
これで今回のミッションは完了だ。
あとは封筒を投函しさえすれば、すべての任務は完了する。俺は、いつも感じる戦士の虚脱感にさいなまれながら、降って湧いたように持ち上がる疑念に躊躇するのだった。
「でも、この会社って、休み少な過ぎだよなぁ……」
やっぱ今回の応募は止めておくか、俺はあっさりそう決めて、封筒から履歴書を抜き取った。履歴書には日付書いちゃったから、再利用は出来ないんだよね。
(おわり)
624名無しさん@毎日が日曜日:03/02/17 17:46 ID:QExRZ25h
mokkoさん、なんで今回はこんな力んだ文体なんだろう・・・と思っていたら、やられた!おみごと!
625名無しさん@毎日が日曜日:03/02/17 19:10 ID:FS5XCXNh
「お前は志村か?」に藁
626ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/17 21:09 ID:JbQfvGji
おもしれー
おれも履歴書は健康状態が書いてないやつを選ぶようにしている
てかこれ実話でしょ?(藁
627ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/17 21:58 ID:JbQfvGji
パクリ作品完成
怒らないでね
628ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/17 21:59 ID:JbQfvGji
証明写真U 1
その写真館は、職安の裏通りに在った。
崩壊寸前のあばら屋みたいな建物にはただ時代遅れの印象しか抱かないものもいるだろうが、僕にはそれがかえって新鮮に見えた。
昔ながらのスタイルを固持し続けているというのか、何か妙に僕に訴えるものがあった。。入り口に数枚の見本写真を掲げている。それは戦前の白黒写真だった。
今では写真屋もチェーン店が並び、ショーウインドウにはカラフルな写真が並べられている。
そんな中で異彩を放つこの写真屋が僕は素直に格好良い思った。

「こんにちはー。」
軋む引き戸を開けて、か細い声でそう声をかけた。
中には経営者とおぼしき頑固そうな老店主がひとり、やはり年代物の旧式カメラが並べられたショーケースの向こう側に居て、仕上がったばかりの写真をルーペで入念に観察していた。
「証明写真をお願いしたいのですが・・・」
「証明写真…ですか?」顔を上げた老人が、ルーペをずらしながら僕を見る。「仕上がりに1週間かかりますが…」
「かまいません。実は、噂を聞いてきたんです。」
店主の顔つきが変わった。
「職安の人が、ここの写真屋で証明写真をとると必ず合格できるって言ってたので、ダメ元で来てみたんですけど・・・」
店主は黙ったままだった。
629ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/17 21:59 ID:JbQfvGji
証明写真U 2
「あの・・・やっぱりただの噂だったんですか?いや、それならそれでかまいません。どうせ撮ってもらうのなら縁起がいいほうが良いですし・・・」
そういったところで店主が重そうな口を開いた。
「実は・・・私にはもうそんな能力はなくなってしまったんです。」

「え?一体どういうことですか?」
「確かに前はそういうこともできました。その人の寿命1日分と引き換えに就職を約束してあげる。しかし、そんなことばかりしていたので神様が怒ったのでしょう。
ずいぶん前から私はただの写真屋の親父になってしまいました。いや、これが普通なのですが。」
僕はがっかりした。頼みの綱もこれで消えてしまったわけだ。
「そうなんですか・・・じゃあ普通に証明写真お願いしますよ。」
僕は落ち込んだのを悟らせないように気丈に振舞った。
店主が年代物のカメラを入念にセットしている。
「ところであなた・・さっき店の前で写真に見入ってましたね。」
店主が僕に話しかけた。
「ええ、実は大学で写真部だったんですよ。これでもコンクールで賞を取ったこともあるんですよ。」
「ほお、それは凄いですな。」
「でもそれで勘違いしちゃって、『写真で飯を食っていく!』なんて思っちゃいましてね。
今こうして食い繋ぐのに奔放しているわけなんです。」
「しかし夢に向かって行動するなんてすばらしいじゃないですか。」
「成功しなきゃ何の意味も無いですよ。負け犬の遠吠えです。」
「私もそうだった。この写真屋を始めたのは面接に行く人に勇気を与えたいと思ったからだったんです。それがいつしか私利私欲のために写真を利用して・・・」
店主は唇を震わせながらそういった。
「そんなことありません!表に飾られていた写真はどれも素晴らしいじゃないですか」
私は声を張り上げて言った。店主はきょとんとした顔をしていた。
630ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/17 22:00 ID:JbQfvGji
証明写真U 3
「ところで、あなたは何の会社を受けるのですか?」
「いや、ただの派遣会社ですよ。工場とかなのかな・・?」
「そうでしたか。うまくいくと良いですね。」
そういいながら店主はシャッターを押した。まぶしい光が僕の体を包んだ。
「ありがとうございました。じゃあ1週間したら取りに来ます。」
そういって店の外へ出ようとすると、背後から店主が声をかけた。
「あの、もしよかったら店の写真を撮っていただけませんか?」
突然の申し出に僕は困惑した。
「実は、この店をもう閉めようと思っているんです。閉める前に写真に収めておきたくてね。」
「えっ、どうして閉めてしまうんですか?」
「こんな場末の写真屋に好き好んでくる客なんてそうそういませんよ。あなたみたいな人を除いては。」
店主はそういって寂しそうに笑った。
「分かりました。そういうことなら協力しましょう。」
こんな状況で断れるやつなんているだろうか。
631ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/17 22:00 ID:JbQfvGji
証明写真U 4
「じゃあいきますよー。」
そういって僕は店主に合図した。店主はぎこちない笑みを浮かべ、入り口の前に立っている。
このシャッターを押せば、この写真屋は写真屋で無くなる。そう思うとなかなかシャッターを押せなかった。
店主が早くしてくれという風に顔で合図している。そうだ。さっさと押してしまえばいいんだ。
でも、できなかった。
さっきの戦前の写真を見て、この写真屋の歴史と言うものを知った。そんな伝統ある写真屋のピリオドを打つには、さっき知り合ったばかりの僕には荷が重すぎた。
「すみません、やっぱり僕にはできません。他の人に頼んでください。」
僕はついに店主にそう告げ、帰ろうとした。
「そうですか、残念です。」
店主は複雑な表情でそう言った。
その時、背後に誰かが現れた。
「すみません、証明写真お願いしたいんですが。」
うだつの上がらなそうな男が立っていた。
632ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/17 22:01 ID:JbQfvGji
証明写真U 5
「じゃあぼくはこれで。」
僕はそう店主に告げて、来た道を戻ろうとした。
その時、店主が僕に向かってこういった。
「ちょっと、まだ仕事が終わってないじゃないですか。帰っちゃ困りますよ。」
驚いて振り返ると、店主が僕の手を引っ張って中へ連れて行った。
「ほら、お客さんですよ。格好よく撮ってあげなさい。」
そういって店主は奥へ消えていった。僕は客とともにそこへ残された。
「あの・・・ここで撮ると就職が決まるって噂聞いたんですけど・・・」
その客がぽつりと言った。僕は思わず笑いそうになった。そして僕は年代物のカメラからさっき撮った僕の写真のネガを抜き取った。
「よく知ってますね。実は僕もここで写真を撮ってもらったんですよ。」
僕はそのネガを丸めてゴミ箱へ捨てた。そして新しいネガを入れ、カメラのピントを合わせ始めた。

(終わり)
633mokko:03/02/17 23:18 ID:+CDOSVLE
あはは、パクられちゃったよ。
希望が持てる終わり方にしたのね。
そういうのも良いかもしんない。
634名無しさん@毎日が日曜日:03/02/17 23:20 ID:CxblKo5W
mokkoさんより先に感想を書いてしまうのは気がひけたんだけど…
面白かったです!
発表された物語を元に、もう1つの物語が生まれ、そものどちらもが面白いなんて。
どうしてこんなハイレベルなキャッチボールができるんだろう…。

635しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/17 23:35 ID:SQ5RVi6Y
(-_-)それにしても前作すごい不評だったな…このスレ始まって以来のワースト記録かも…
   「オレは好かん」「スレ違い」とだけ書かれるともう何も言えないよな。
   少し内容にも触れて欲しかった気が…
←( メー゚)-≪ まっ気分を変えてこのようなのはどうですか。
636しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/17 23:35 ID:SQ5RVi6Y
     まっくら 1本目
「真っ暗だな。転びそうで怖いよ。ユッキー!どこだよ」
「おい。つかむなっつーの。すそを。ひろ!離せよ。」
「怖いな。ボッタクられるんじゃない?危ないよ〜(泣」
「ふっ。情報誌に掲載されている優良店だぜ。ブスを誤魔化す激安ピンサロとは格が違う…」
「雑誌の写真を見て指名する。で、暗い店内で相手の顔を想像する・これ最強。」
「ゆっきー様にまかせておけよ!」
「うん…」
「自分で言い出したんだろ〜!?ここで帰ったら男がすたるってもんYo。」
「ねえ…ここにソファーがあるよ〜。座ろうよ」
「よっこらしょ。あ、おねーたんここだよー。」
「こんにちは!あいでーす」
「こんにちはーレイカです。」
「今日は…」
「あー今日はオレのマブダチっつ〜か小学校から一緒のひろをさ、連れて来た。」
「あ、あの…。今日は、その、よろしく、おながいします。」
「なんかぁーかわいくない〜?声の感じだけど」
「こいつはなかなかハンサムだぞ〜。見えないけど。」
「ユッキーにきいてな〜い」
「ひっでー(w」
「あ、あの今日は、がんばって、童貞を、捨てたいと思います。おながいします。」
                    〜続く〜
637しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/17 23:36 ID:SQ5RVi6Y
     まっくら 2本目
「ひろはな〜、ふられっちまったんだ〜。美紀っていうイカス女がいるんだけどそいつに。」
「かわいそ〜。」
「慰めてあげたい〜。」
「あの。お手柔らかに…。」
「ひろ。だれがいい。」
「あ、あの、そちらの方は?」
「…ハルカです。」
「あの、じゃ〜そ、その、おながいします。」
「(ひ、ひろのバカァ〜(涙!写真に載ってないヤシはブサイコちゃんに決まってる…)」
「(ん?でも写真を暗記しているオレはともかく、ひろにとっては誰でも同じか…?)」
「(つ〜ことはひろが地雷を進んで踏む→ウマー…ここは黙っておこう(w)」
「あいちゃんの目くりっとしてて可愛いねー。麗華ちゃんの切れ長の凛とした目もすきだよー。」
「え〜。超適当なこといってな〜い?モロお世辞〜」
「あいー。この人ストーカー入ってるから。」
「…。」
「…。」
「(お〜い、話に加われよ〜)それにしてもさー。」
「…楽しいですね。」
「…はい。」
「(楽しいのか!?)」
                    〜続く〜
638名無しさん@毎日が日曜日:03/02/18 00:13 ID:sBPemDj3
>>シロ
やればできるじゃねいかYO!

おいらの期待してるのは「日常性」なんだよ。
ありそうな話にオチがつく、これ最強。

きたいage
639へれたさん:03/02/18 00:16 ID:6mi2jLDY
マターリマターリ楽しんでますage
640名無しさん@毎日が日曜日:03/02/18 00:19 ID:Wye5sa5p
>しろうと
童貞だから童貞ネタ応援するぞ。前作は頭悪い俺には難しくて読んでないけど
641しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/18 00:27 ID:BNRy7h1F
\(^▽^)/皆様ど〜も復活しました。
別にあの文体でしか書けない訳ではないので
いろいろ挑戦します。
あと風俗詳しくないから現実にこんなの無い!って描写があるかも。
そういうのも教えて下さい。
尚実在の人物等には一切関係ありません。
642名無しさん@毎日が日曜日:03/02/18 15:47 ID:v02UcdOE
なんかこのスレ読んでたら絶望の世界を思い出した
643名無しさん@毎日が日曜日:03/02/18 16:14 ID:K+fJ+Beq
>>642
思い出すなよw
あれとは違うだろ。うん。
644名無しさん@毎日が日曜日:03/02/18 20:23 ID:WlZNKM+O
しろうと、ウザイ!
別なトコに逝ってくれ。
−追伸−
一緒に行ったヤツと同席する風俗など普通は無い!
アニメの世界はどうか知らんが。
645おじゃる丸:03/02/18 20:34 ID:Wye5sa5p
>>644
まったりまったりまったりなー
646644:03/02/18 20:45 ID:WlZNKM+O
>>645 ゴメソ m(__)m
でも、正直な気餅だ。
しろうとの作品、最初のヤツはあっちの世界だし、今度のは風俗とか童貞とか
言うわりにはキャバクラだし・・・つまらん。
どうせなら1作目を貫き通し、そっち系の板にカキコすりゃいーじゃねーかと。
思います。
647名無しさん@毎日が日曜日:03/02/18 21:14 ID:y1Qd1Z3m
>>しろうと
まったく人間が見えてこないです・・・。主人公の人は中学生ですか?
それから、一話毎の内容が薄すぎるので、
次からはまとめてupしたほうが良いと思いますよ。
648おじゃる丸:03/02/18 21:35 ID:Wye5sa5p
>>647
まいろ〜ぉ〜か〜
649名無しさん@毎日が日曜日:03/02/18 23:31 ID:K+fJ+Beq
えーと何ですかおまえら。いい気分ですか。おまえらっていうかおまえか。
おまえは第一印象に縛られるんですか?
先入観を主として生きてるんですか?
まだ2つupしただけで応援レスならまだしもウザイとは何事ですか。
ウザイならその理由をちゃんと書こうや。
ウザいという宣言=しろうとはんを追い出したい ってことだろ?
それって簡単に済まされることじゃないと思うが。
つまらんなら誰かの作品でも待ってりゃええやんか。何故にその言葉をここで言う必要がある?
少なくとも俺はしろうとはんの1作目のどこにもアニヲタ精神は見えなかったがな。
特徴的な官能小説みたいな感覚に感じたが。いちいちアニという言葉を使うあんたの方が捉われてる気がした。

あと俺は意味も無くべた褒めする奴と意味も無く相手を貶すしか言えないレスが嫌いです。
匿名の2chでこんなこと言うのはおかしいが自分の行動が間違ってるかどうかの確認くらいしようや。
あんたの二行は俺の文と同じで人の気分を壊させる言葉がある。
言葉の慎み方ぐらい覚えろ。人は変われるだろうが。一つ一つの作品は違うだろうが。
なんか凄い胸糞悪いです。  ・・・なんだよ「ウザイ」って・・・・・
ってかこれ以上ここのスレの空気を悪くしたくないんで、なんかあったら適当なスレにでも招待してください。

あと、しろうとはんは物語を始めたからには責任を持ってその物語を終結させて欲しいです。
途中で投げ出しちゃうのこそ失礼な行為だと思うしね。
めげずに日々精進。一つ一つの作品に命を込めてやってください。またーりやったれ〜。
650しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/18 23:34 ID:lzl5BQAu
すいません…なんだか大ひんしゅくですね…
ただとりあえず作品の途中で打ち切るのだけはやめようと。
これと次でこの話は終わりますからもうちょい辛抱して下さい。m(__)m
651しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/18 23:35 ID:lzl5BQAu
     まっくら 3本目
「ゆっきー。脱いじゃおっか〜。」
「じゃあひろさんも脱いで下さい。」
「えっ?あ…あの〜(汗」
「痛いっ…」
「おい、ひろ。さっきロッカーで時計預けたか?」
「ごっごめんなさい!…えっ?」
「あ〜すいません。ハルカさん。こいつ初めてだから許してやって。」
「はい…。ちょっとかすっただけ。…時計は預かっておきます。」
「ゆっきー。んんっ。」
「(ええっ。き、キスするの?)」
「…ひろさん。」
「えっ!ああ〜なんかくすぐったい…それに熱いー何?これ〜」
「おしぼりで拭いているからちょっと我慢して。」
「(大きくなってるのハルカさんに知られている…恥ずかしいよ〜)」
「じゃあ、キス…しますね。」
「んっ(ああ僕のファーストキスが…ン…あ…あああ)」
「ね。指入れて。」
「あっは、はい。ドキドキ(何か隣でしゃぶっている音が〜(汗)」
「ん。あ、あんまり中入れないで!」
「ビクッ!ごっごめんなさい。」
                    〜続く〜
652しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/18 23:36 ID:lzl5BQAu
     まっくら 4本目
「ねえ…美紀さんってどんな人?」
「おっぱいやわらか〜( つ´▽`)つプニプニ…(指入れはひろには過激なので…)へっ?」
「あっう〜んといつも明るくて、元気な娘。やっぱし僕にはもったいなかったか〜」
「わたしみたいな暗い女…嫌い?」
「えっううんそんなことないよ。うん」
「…シックスナイン…しようか。」
「え?若手芸人かなんか?」
「…横になってくれる?わたしが上になるから。」
「あ…うp!(こ…これは…!?もしや…ああ、レモンの香りだと思ってたのに〜)」
「ん…ちゅぷっ…」
「ああ!変な感触〜は、恥ずかしい…うう」
「んんっ…んぐっ…」
「ほえぇ…うっ…はにゃーん…(ち、力が入らない〜レロレロ)」
「ぴちゃ…くちゅっ…んっ」
「ああっつddddddっだめ…出ちゃうよ…!!美紀さん!好き………」
「んんっ!………」
「あのっご…ゴメンナサイ…おろおろ…飲んじゃったの?」
「ぅんっ…おしぼりに出した…乙彼さまです…」
「あの、その、ハルカさんじゃなくて美紀さんのこと考えて出しちゃって…ゴメンナサイ…」
「別に気にすることじゃないわ…」
                    〜続く〜  
653R@ ◆QZdameC492 :03/02/19 01:25 ID:xuC0nE6k
雑誌や文庫本等の活字媒体は、文字間に比べて行間が比較的大きく設定されてるもんだけど
ここは文字間と比べて、たいして行間に余裕がないんだよね。
だからしろうとの1作目みたいな書き方すると、画面いっぱいの文字に圧倒されて
読みはじめるのにも、ちょっとした努力を要するんだと思う。
下手すると、内容読まずに非難だけされるからな(w
その点、2作目は確実に進歩してるしよろしいんではないかと。。。

偉そうなカキコ、スマソ
654名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 01:36 ID:3Lsh1quC
絶対秘密厳守のキャッシング

この会社、お金を借りた事が勤務先や身内の人にばれない様
本当に気を使っています。借入件数が多い人、又、失業中の方でも
融資率は95%以上との事。ネットからの申し込みの人には
秘密厳守を特に徹底している様ですね。

http://square7337.com/ 
i-modeからはhttp://square7337.com/i/

いつもうざくて大変申し訳ございません。
655名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 01:53 ID:Tvct8ssD
自作自演が目立っ(ry
世の作家(ミャージシャンでも)をご覧なさい。いちいち煽りに反応しますか?
バッシングが嫌なら人前に出すんじゃないよ。
そもそも根本的に(ry
656mokko:03/02/19 02:07 ID:3TqcT3FD
まあまあ、>>649 番さん
妄想に対する感想に、そんな長文で応戦するのもね…(って俺も結構長文か…)
ご自分でも書かれているとおり、ここは2ちゃんです。
ウザイだの氏ねだの、他へ逝けだの、そんなのは挨拶みたいなものじゃありませんか?
このスレを立てた当時のレスを見ていただければそのとおりなのですが、当初は「mokko氏ね」ばっかですよ(笑)
でも、私は何とも思いません。だって、こっちだって鼻歌まじりのヤッツケで妄想してるに過ぎないんですから。
文学的価値観の話ではありませんよ。そんなものハナから否定して立ち上げたスレです。
小説と呼ぶにはおこがましいからあえて「妄想」と言っているんです。
失業して時間持て余して、ざまぁ見ろって空想してたら、ちょっと面白い話ができたから聞いてよ、ってその程度のスレなんです。
その情報伝達の手段が、もっとも簡易な活字であっただけの話で、作家志望の青年が互いに切磋琢磨して批評し合うような格調高い場ではそもそもありません。
だから、最終目標は年末の流行語大賞だとふざけた事を、1にも書いてあるんですが…
ウザイ、氏ね、他へ逝け、大いに結構じゃないですか?
そう言われることがどうしても許せないなら、この際書かないか、或いは逆に文句無しに面白いのを書けばいいんです。それだけのことです。
面白い妄想(くどいようですが文学的ものさしではありません。ここの読者のハートに何を残せたか、です)には、必ずお誉めレスがつきますよ。
うれしいんだけどね、そういうの本当は。

でも、こう書くと必ず↓に「mokkoこそウザイ、氏ね、他へ逝け」と書かれるから困るんだけどね(笑)
とりあえず、しろうとさんの続きを読みますね、私は。
657mokko:03/02/19 02:22 ID:3TqcT3FD
別問題として >>654 はワラタ
てっきり定期的に自動送信してるのかと思ってたら、ちゃんと板の流れ読んでカキコしてる。
案外、面白いことわかってるヤツと見た。偶然かなぁ?
658名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 04:49 ID:pk6aGuG0
しろうと、やっぱりどっか逝け。
なんだそれ、訳わかんねーよ。
うざいの通り越して邪魔だ。
659名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 05:11 ID:E16pG8GR
>>657
ただの広告かと。どのへんが?
660名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 08:32 ID:BVFklrSy
しろうとの文はそのことがラストにどう結びつくのかということが想像できない。だから感情移入できない。だから読む気にならない。分かったらどっかに修業の旅にでも出てこい。
661名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 08:56 ID:YbrhyWi4
なんかコピペ荒し読んでるみたい。フォローしようにも‥ちょっとなぁ…。
折角の名スレが・・・(欝
盛者必衰の理か。。。
662名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 10:26 ID:eY90oD5m
>>657
654と全く同じ広告他のスレでみたぞ
663名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 11:28 ID:52pFJqxf
しろうとの文は確かにいまいちなのよ。それは分かってるさ。
どうもエロに走るだけでそのエロしてる行為に意味が全く無いっていうか・・とりあえず周りの状況説明が全く無いのは苦しい。
ただ>>658みたいな発言はどうも・・もっと柔らかく話そうよ。
説明も無しに分かりきったような発言されてもねぇ・・
ってかまた長文になりそうなのでもう止めときます。
このスレ見てから妄想書き始めたけど・・すいません、自分は別の場所に移動します。。
664名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 12:25 ID:b83YnzIw
確かに上手い人以外は書くなみたいな雰囲気があるね。でも大事なのは人を楽しませようとする気持ちじゃないのか?書くほうも読むほうもそれを理解したほうがいいんじゃないの?
665名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 12:42 ID:N+V5PXot
無職でダメなのに成功するはずがない。
666名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 12:43 ID:N+V5PXot
何故ここで発表するのか?
667名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 12:44 ID:N+V5PXot
同人ノウハウ板行け!!
668名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 12:47 ID:N+V5PXot
mokko読んでみた。
669名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 12:48 ID:N+V5PXot
なぜ、履歴書書くのが戦争になるの?なんか落ちがあるのか。
670名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 13:07 ID:N+V5PXot
証明写真って、ようは伝説の写真屋を継いだってこと?
671名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 13:07 ID:N+V5PXot
俺馬鹿だからわかんないや・・
672名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 14:20 ID:wwsSaX3z
うぜぇ 粘着荒らしがいるな。
673名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 14:55 ID:shIH5V6R
ヘタレな作品です。
読む価値もないかもしれませんが、
自分の悪い所を直したいという意味で書きこませていただきます。
674名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 14:56 ID:shIH5V6R
狩人の採用通知 -1-

ハンバーガーショップの中で寂しく昼飯を食う。
総計81件目の就職試験の帰りだ。
「そうだ・・・封書在ったんだっけ」
試験に来る前、郵便受けに入れられていた封書だ。
正直この会社は雰囲気が妙に堅くて、結果俺自身も圧倒されて駄目駄目と言えた。

封を切って、中の文章を読む。(まあまた不採用だろうな)


お。
おお。
おおお。
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?

マジか、マジかマジかッ!?

審査の結果、貴方を採用させていただきますって、マジか!?
冗談じゃねぇよな?夢じゃねぇよな?

・・・ってててててて!!引っ張り過ぎちまった。
間違いなく夢じゃねぇ!!

俺は夢中でハンバーガーにかぶりついた。



「ありがとうございましたー」

店員の元気のいい声が後押しする。だが、実際は耳に入ってなかった。
675名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 14:57 ID:shIH5V6R
狩人の採用通知 -2-

終わったんだ。
俺は、漸く就職浪人生活にピリオドが打てると歓喜した。
雑踏の中、視線が向くのも構わずに叫んだ。

「生きててよかったぁーッ!!!」

思わず涙腺が緩む。
頬に冷たいモノが這った。
衣服の袖でそれを拭う。
「この喜びを誰に伝えますか?」という、メダリストへのインタビューを思い出す。
あれ、受けてみたいな。
ちょっと小っ恥ずかしい気もするけど、いい気分だろう。

喜びに浸っていた為か自分に酔っていた為か、気付くと俺はそれを妨害してくれる都会の喧騒がない裏路地に来ていた。
生ゴミなんかの袋が散乱して、正直汚い。

だが、そんな汚いスラム街のような中を歩いていると、一軒の店が現れた。
それ以上はない。行き止まりだ。
看板には「古本屋」と、安直な名前しか書かれていない。
仕方がない戻るか、とも思ったが何かの縁があるのかもしれないとふと思い直し、扉を開ける。

「ごめんくださいー、誰か居ますかー?」
店の中全体に響くくらいの声で、呼びかけてみる。

ガタガタッ、と音がしたかと思えば、人のシルエットが見える。
「いらっしゃいませ、久方振りのお客様ですね」
676名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 14:58 ID:shIH5V6R
狩人の採用通知 -3-

その陰が日の光に照らされた時、俺は見てはいけない物を見たと思った。

「あ、あっ・・・アンタはっ・・・!?」
うろたえるのも無理はない。というより、あの場に居たら誰だってうろたえるだろう、そう思う。
「人間・・・じゃ、ない!?」

店主とおぼしきシルエットは、骸だった。
そう、骸だったのだ。
服さえ着ているが、眼球も皮膚も、髪も何もかも、人間にあるべき物全てがない、骸なのだ。
天井から糸で吊るして面白がってるのかと思えば、そういうわけでもない。

「初めて来た方は皆、そう仰いますが―――」
マトモな人間の顔だったら目を瞑っているような動作。
いや、俺がそう思えただけで、実際はそんなつもりもコイツにはないのかもしれないが。

「真実を見れば、貴方の見た物が在って然るべき物だと理解出来るのではないでしょうか」

この骸骨との馬鹿げたトークが当然の事?じゃあ何か?
俺は気付かない内にリアルバイオハザードでもやってたっていうんだろうかね、このオヤジは。

「貴方が信じられないのも当然です、大抵の人間は、知る事無くして輪廻転生してゆきますから」

輪廻転生・・・ね。信じられるはずもない。
事実は確かに目の前にあるが、そんな事言われたって信じられない物は信じられない。
あまりに非日常的であり、非現実的であり、そして面白味もない。

「オッサンを見れば、本当か如何かの区別くらいつく。だが、それを信じる信じないは別問題だ。
 更に言うなら、この光景自体が夢の可能性だってあるわけだろうが」

今度ははっきりと、オッサンの声で薄い笑い声が聞こえた。
677名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 14:58 ID:shIH5V6R
狩人の採用通知 -4-

「そうですね、確かに・・・この光景は夢の方がいいのかもしれない。
 しかし、非常に残念ながらここに来てしまったからには、この世の全ての内、何か一つを知らせる必要がある」

ゴメンだ。
そんな面倒な事は、嫌だ。
と、言おうとしたが、一瞬ある疑問が浮かんできた。
『全て』の中の何か一つっていうのは、選択肢はどんなものがあるんだ?
例えば職安の受け付けのあの綺麗なお姉さんのプロフィールとか性癖とか知ることが出来るわけか?
んなわけないか。



「いいだろう」

無意識の内に、本能的に、が正しいのか?
理性で議論している間に、勝手に結論が出てしまった。

ま、まだ考えている途中だったのに・・・
自分の馬鹿さ加減が嫌になる。
昔っからそうだ。
後先考えず、面白そうな事があればすぐ首をつっこむ。

それが原因で皆にウザがられてきたのに、また癖が出ちまうか。
しかもこんな訳分かんねぇ世界で、骸骨と二人キリでだ。

まあ、夢なら夢で、今までと違った趣向だ。
このまま眺めていても、時間は大して経たないだろう。
678名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 15:01 ID:shIH5V6R
狩人の採用通知 -5-

「一つだけ忠告しておきますと、ここに来れる人は極少数ではありますが、『選ばれた』からここに来れたわけではありません。
 まあ、ここに来た事自体が特別といえばそうかもしれませんが、ね」

「・・・何が言いたい?」
「ここで見た事聞いた事、その他全てにおいて、他言無用にお願いします」

どうせこんな夢の話なんざ、話したって誰も信じやしないだろうに。
そう思ったが、ここは素直に言うべきだろう。
「ああ、分かった」

「それでは、本を手に取って読んでみてください。あ、椅子をお持ちしますよ」
骸がバランスの悪そうな身体で椅子を運んで来る。
よく、学校なんかで使われている折り畳み式のパイプ椅子だ。
一歩歩みを進める度、骨が軋むような音がする。

その内折れるんじゃねぇかなとか内心期待してしまったが、まあそれより本を読もう。

大抵の本は埃を被っていた。
一冊を手にとって、表紙の部分の埃を払うと題名が出てきた。
「現代医学とネクロマンシー」

・・・何かが激しく間違っている気がした。こんなアホな夢を見たかったのか?俺。
679名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 15:02 ID:shIH5V6R
狩人の採用通知 -6-

「ああ、そうそう。もう一つ言い忘れましたが、読む読まないに関わらず、色々な物が見えるようになっています」

色々な物?幽霊でも見えるってのか?まさか。そんな物、居るわけがない。
いや、実際は如何か知らないが、俺は居るわけはないと思っている。

「その色々な物ってのは何だ?」
「人の真実の姿、ですよ。そうですね、一つお話しましょう。貴方達の世界では、極論すれば三つの物しか存在していません。
 生物、死者、そして狭間に在る者、とどのつまりは化物。私のような存在を、貴方達はそう呼びますよね?」

まあ確かに見えるようになってるな。ああ、見えるとも。
だが、この古本屋に入った時には、既に見えてたんだぜ?俺は別の本を探しながら、考えを巡らせていた。

「大統領へ就任する方法」
「現代科学で解析不能な技術の解説-第1巻- 〜 -第379巻-」
「あの娘をゲット!ギャルげっちゅう」
「2000〜2099年度就職試験集」
「天国・地獄への旅路」
「改訂版君主論 〜手段のためなら目的を選ぶな〜」

・・・本当にまぁ、本気なのか冗談なのか、凄いのか馬鹿なのか分からん本ばかりだ。

「本当にこの本の山の中から選べってか?」
「ええ、選んでいただければ、その本に書かれている事全てが貴方の知識となります」

俺の知識に・・・ねぇ。まあ夢だから何選んでもいいけどな。
680名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 15:03 ID:shIH5V6R
狩人の採用通知 -7-

「それじゃ、これにする」
『人ならざる者への対抗法』

店主は首を・・・いや、骨を傾げる。
「何故これを選んだか、教えてくれませんか?」

簡単だ。

「アンタへの嫌味」
趣味悪いな、俺も。


気がつくと、俺は家のベッドで寝ていた。
手元に、採用通知がある。
ほら、やっぱり夢だった。やっぱりな。

「出勤日は・・・明日からか。なら今日まで、束の間の休日というやつを楽しむか」

眠気覚ましにテレビをつける。
「おはようございます、午前7時のズームアウトとくダネです」
681名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 15:04 ID:shIH5V6R
狩人の採用通知 -8-

な。ちょっと待てよおい!!
このアナウンサー。

骸骨!?

如何いうことだ・・・あれは俺の夢じゃなかったってのか!?
有り得ない!有り得ないだろ、こんな事!!

まさか、採用された会社も化物みたいなのが居るわけじゃないだろうな!!
言い知れぬ恐怖と不安に駆られた。

カサッ。

手の甲に、採用通知の封書が覆い被さる。ふと、その封書を見た。

・・・
ああ。そうか。
まあ、こんな名前だ。俺も怪しいと思うべきだったよな。そうかそうか。そういう事か。

アンタ等の茶番だったわけかい。
といっても、確かに仕事は存在しているようだから俺は構わんがな。


『株式会社 ゴーストバスターズ』
682名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 15:06 ID:shIH5V6R
スイマセン、大した作品じゃなくて(´∀`;)
まあ適当に感想なり罵倒なり批判なり指摘なりしてやってくだちぃ。
683mokko:03/02/19 15:30 ID:v+HpMUw1
いきなりの新作でしたが、どなたでしょう?
無職なわけだが さんで良いのですか? 面白かったです。
ただ……(笑)

>>まあ適当に感想なり罵倒なり批判なり指摘なりしてやってくだちぃ。

と、ご自分で書かれた限りは、本当に何言われても大人で居てチョ(笑)
684名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 15:34 ID:shIH5V6R
小1時間で完成させたただ突っ走っただけの作品に良い評価を求めろと言う方が(略

まあそういうわけで、寧ろ面白かったって言われた方が意外だったわけで(´∀`;)アハーハ
685名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 15:47 ID:E16pG8GR
>>676
おもしろかったぞ。揚げ足を取るわけではないが
強いて言うなら「服こそ」だな
686名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 15:53 ID:+ururSY4
よくわからないけど、頑張ってくださいね。
?????????
687名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 16:00 ID:shIH5V6R
>685
サンクスコ
確かにそうですな、今度から見直しちゃんとしまする(;´д`)


このスレ今までROMonlyだったんで、名前は「無職なわけだが」っつことで。
688名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 16:41 ID:nm1gpICM
面白かったぞ。言い回しが他のモッコリ作家と違っててユニークで好き。
>あんたへの皮肉だ。趣味悪ぃな俺も
にワラタ。オリジナリティーある感じしたんで次楽しみにしてます。
689名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 16:42 ID:L1XFPeQm
オチがなんだかなー?
ッて感じ。

無職なら誰でも参加OKなスレってことで
690名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 16:59 ID:shIH5V6R
>688
まあ、自分の言葉っていうかそういうんを入れんと、
読んでる人退屈するんやないかなって俺は思ってるわけで・・・
ただ、入れすぎて訳分からん文になったら本末転倒なわけなんですが。

>689
実は自分もそう思いました(;´д`)カナーリ強引アーンドBカップハ中途半端
本当は会社に入ってからの活躍も書いた方がいいかとか、
本当にあのオッサンが株式会社のてぃーちゃーだったのかとか、
本当の事教えんまま変な風に終わった部分があります。
そういうんも無くせるように、今度はもうちょい吟味して書きまする。
感想thxデスタ
691名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 17:00 ID:gfJX1jm7
文体が読みやすくて勢いがあってイイ!
オチはもう少しかな
(読むだけなのに生意気言ってスマソ)
692名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 17:09 ID:wwsSaX3z
>>無職なわけだが
さらっと読めて良かった。
693名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 17:13 ID:shIH5V6R
俺の中でズームアウトとくダネのアナウンサーはオグラ様なわけですが。
骸骨なわけですが。

(*´∀`)


>691
>692
感想サンクスコ
実はこういう系統(どちらかというと現実寄りのジャンル)の小説っつーのは初めてだったりするんです。
大体SFモノだったりとかファンタジーモノだったんで、そういう意味でも最初に自信がないと書かせてもらいますた。
まあまだまだ精進しなけりゃならん部分が多数見えたので、参考にさせていただきまする。
客観的意見はホント貴重なもので・・・嬉しくて>>1の精子が止まりません(ノд`)オレノHP マイナーデ カンソウ モラエナイノヨ

ああ、>>1の精子が止まりませんは冗談です!あ、やめて!石投げないで!!
694名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 21:31 ID:shIH5V6R
今回は纏めてでなく小出しにしていきまする。
構想は纏まってるけど文章が作れないので・・・
695名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 21:35 ID:shIH5V6R
編集者 -1-

カタカタカタカタ。
カタカタカタカタカタカタカタカタ。
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ。
カタッ。

パソコンの前に座った女性は、大きく息を吐いた後、これまた大きく伸びをした。
「ん〜・・・っ!!今日の分は終・了ッ!」

後ろからスポーツ刈りの大柄な男が声をかける。
「有谷先輩、俺も他の奴も皆仕事終わりましたから、予定通りカラオケ行きましょう」

しっかし、この子(というには、大き過ぎるケドさ)は見掛けによらず付き合いいいのねぇ。
カラオケなんて絶対やらないタイプだと思ってたけど。
なーんて、コーヒーで一息つきながら考えていた。

『メールヲ受信シマシタ』

機械的な音声が響く。
・・・もう、こんなギリギリの時間に広告のお願い?
明日にしたいけど・・・いいや、一通だけみたいだしすぐ終わらせよ。
「あっ、ごめーん!今仕事入っちゃったから、先パレスの方に行ってて!」
如何にも不満そうに、この子・・・いや、丸山君は後頭部を掻いている。
「仕方ないっすね、男だけじゃ面白くないんスから、ちゃんと来てくださいよ!」

さってと、メールの内容確認・・・と。

カチ、カチ、カチ。
696名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 21:36 ID:shIH5V6R
編集者 -2-

題名:待っています

え?お仕事の事じゃない・・・?
じゃあ何だろ・・・メアドは共有してるから個人宛てって事はないと思うんだけど。
ウィルス駆除ソフトの反応はなし、添付ファイルもなし。
一応・・・開いてみよう。

カチッ。

『本日午後11時00分、株式会社リクルートエース編集者一名様、宜しければホテルサンディエゴ770号室までお越しください』
ホテルサンディエゴっていうと・・・車で30分ってトコね。
でもこんなメール、信じていいの?
それ以上に、株式会社リクルートエース編集者って事は別に私でなくても―――

って!!もうここには私と編集長しか居ないじゃないの!!
編集長は奥さんが数日前に二人目のお子さんを出産されてたから迷惑かけるわけにも―――
・・・まあ、取り敢えず本当に何かあったら困るし、嘘だったとしても帰ってくれば済む事よね。

車に乗りこんで、キーを回す。
「さて、鬼が出るか蛇が出るか・・・って感じよね」
697名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 21:38 ID:shIH5V6R
編集者 -X1-

因みにその頃。

「有谷先輩、まだっスかぁー・・・」

「うおぉおおおおおおお!!有谷先輩好きだぁーーーーーーっ!!」
「エル・オー・ブイ・イー・LOVEEEEEEEEEEEE!!」
「有谷君に告って、振られましたが何かぁああああああああああ!!!」
「よっしゃあああ!!武本先輩に代わって俺が彼女をイタダキマッス!!」
「職場の先輩といえど有谷先輩は渡さんぞテメェらあああああああ!!」
「おー?}{age黒沢俺と彼女を賭けて勝負するかコラ!!」
「上等じゃ掛かってこんかぁ!まずはビールの一気飲み対決じゃあああ!!」

「・・・帰りたいっス」
男五人(内、波に乗れない刈り上げ君一人)、カラオケルームで熱唱中。
698名無しさん@無職なわけだが:03/02/19 21:38 ID:shIH5V6R
今日はココまで。進み次第書きまする。
699名無しさん@毎日が日曜日:03/02/19 22:10 ID:MLjcqro1
>無職なわけだがさん
続き楽しみ!ワクワク

皆さんすごい。妄想の域を超えすぎ。
良質の小説だぁ。
700北九ダメ男 ◆BUfPWeb9jg :03/02/19 22:25 ID:8NYaC5rU
700ゲト!!
701ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/19 22:50 ID:MnNS/111
おおっ
この調子でどんどん新しい人が書いてくれると楽しいですな
702しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/20 00:28 ID:qY84+9YB
     まっくら 5本目
「しかしまいったな〜ひろが半べそかいてハルカにあやまり出したときは」
「その話はもういいってユッキー。それより今何時?終電まにあうかな。タクシー拾う?」
「なんだよひろ時計持ってないのか?」
「忘れちゃった…。」
「おいおい…。いくら初心者とはいえ災難だな。」
「あの…。」
「はい?み、美紀さん!?どうも…(何でこんなところで?偶然?)」
「この時計…忘れ物…」
「!?ぼくの…時計…たしかに…ぼくの…ありがとう…」
「美紀さん!その…あんたもしや…」
「ハルカは私の源氏名です。」
「じゃ…じゃあ…いままでぼくは…美紀さんと…!?」
「その…黙っていてすいません。素性が知られると困るから。」
「いや…ぼくは……。」
「時計ありがとな。このことは誰にも言わないから。俺たちは帰るよ。なっひろ」
「えっ!あっちょっと引っ張らないでよ。」
「あの…ひろさんにお話があるんです。」
「なんだよ?早く逝ってくれよ。」
「いまさら勝手なんですけれど…私………。私!ひろさんのことが好きなんです!!」
「美紀さん!?」
                    〜続く〜
703しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/20 00:29 ID:qY84+9YB
     まっくら 6本目
「私…ひろさんの事が好きです…私とお付き合いしてもらえませんか?」
「どういうことだ?あんたひろを振ったんじゃなかったのか?気が変わったのか?」
「ごめんなさい…。あの時は…」
「純真なひろがどれだけ傷ついたか俺はよく知ってる。これ以上弄ぶのは止めてくれ」
「ごめんなさい。あの時の私には真実を言う勇気が無かったの。」
「私は背負った借金を返すためにお店で働いていたんです。」
「私はすっかり男の人に幻滅していました。」
「ひろさんが声を掛けてくれた時も…きっと軽い気持ちだろうと…信じられなかった」
「僕は本気だったよ。」
「…それに私自身の本当の姿を打ち明けるのも怖かった。」
「本当の私は明るくて元気な美紀じゃない!真っ暗な人生を生きているハルカなの!」
「それを言ったらひろさんをがっかりさせてしまう…夢を壊してしまうから。」
「…だとよ。どうするひろ?」
「そうだったんだ。僕は気付かなかったよ。自分の幻想に夢中になっていたから…」
「すぐ隣でずっと苦しんでいたのに。気付いてあげられなかった。」
「ねえ。今からでは遅すぎるかな。君が悩みを話してよ。苦しみを共有したいんだ。」
「…私…私なんかでいいの…本当に…」
「僕の気持ちは今でも変わらないよ。本当の君がどんな姿でも。」
「…見せ付けてくれるな…ふ〜俺も彼女が欲しいぜ…」
「うん。彼女が落ち着いたらまた明日2人で改めてあいさつするよ。ユッキー!」
                    〜完〜
704名無しさん@毎日が日曜日:03/02/20 01:21 ID:9YG+dyf5
  _, ._
( ゚ Д゚) < えーそういうオチかYO−
705mokko:03/02/20 03:20 ID:Zdm9DJhi
これはこれで面白かった。
次作も頑張ってくださいね。
706しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/20 03:25 ID:tbWbqXiK
>>705
ありがとうございます!
707名無しさん@毎日が日曜日:03/02/20 06:02 ID:6ZuSytTk
もういいよ
708名無しさん@毎日が日曜日:03/02/20 09:48 ID:nGdjj3UL
>素人
オチは悪くないね。
だけど前半の薄っぺらさが致命的。
前作のほうがよかったと思うよ。
709名無しさん@無職なわけだが:03/02/20 15:55 ID:yIES8n7f
ほいじゃ、続き書きます。
まだ全部書けてないのでまた途中までになりますが。
710名無しさん@無職なわけだが:03/02/20 15:57 ID:yIES8n7f
編集者 -3-

「ここ・・・よね?」
改めて、部屋番号を見直す。770号室。間違いはない、メールにあったこの部屋だ。
時間は、ちょっと早い。午後10時40分。まあ、遅く来るならともかく早く来る分は構わないかな。

コンコン。
軽くノックするが、中から返事はない。出払ってて11時に戻って来るつもり・・・だったのかな?
何となく、ドアノブを回してみたものの鍵はかかっている。仕方ないから待っていよう。
20分後。丁度、11時00分だ。ドアの前で待っていたが、誰も来なかった。
やっぱり悪戯だったのか?それとも中で眠っているだけ、なんて事が?
もう一度だけノックしてみよう。それで反応がなければ―――

コンコン。

「はい、どなたですか?」
居た。
やっぱり眠っていただけなのかな、ああ、そういえば音楽を聴いていたという可能性もあるわ。
いずれにしても、居たって事は来た事が無駄にならずに済んでよかった。

「株式会社リクルートエースの編集者、有谷玲奈と申しますが―――」
ドアの向こうでおぉっ、と歓声が湧いた。(但し一名分)
「これはこれは、ようこそお越しいだたきました。ささ、中にお入りください」
カチャッ。

鍵が外されたようだが、ドアの開く様子は一向にない。・・・考えの相違なのかな?
来客、特に自分から呼んだ時はドアを開けるものだと私は思ってたけど。
まあ、事情を聞く為に来たんだから気にしないでおきましょ。
「失礼します・・・って、あれ?」
鍵は開いていた。確かに開いていた。だが、肝心のメールの主が何処にもいないのだ。

あるのは、ただ一つのノートパソコンのみ。電源が入り、映し出されたそれは―――
711名無しさん@無職なわけだが:03/02/20 15:58 ID:yIES8n7f
編集者 -4-

何よ、これ。どういう事?
誰か居たら、そう尋ねていただろう。

開かれたムービーファイルがフルスクリーンで映されていた。だが異常だったのはその内容だ。
私の後ろ姿が映っているだけ。しかし着目すべき点はそこじゃない。
その画面の何処かをクリックすると、視点の中央がそこに移る。
尚且つ、縦横にドラッグすれば視界の向きまで3次元に変更する事が可能な代物だ。
私が手をあげると、ムービーの中も遅れず同じように手をあげる。
つまりは中継されているという事なのだが、後ろには何もない。
視点をテーブルの上にもってきても、何もない。
そしてもう一つ、それを最小化した後に現れた文字の羅列。
ホワイトハウス、国会議事堂、ムネヲハウスetcetc.選択すると、その場所を一瞬にして表示する事が出来てしまう。

「こんなの、こんなの―――」
「有り得ない、と言いたいのかな?有谷君。だが事実、こうして目の前に"有り得る"事象として在るではないか」
姿は無い。先程、鍵を開けた男性の声であるのは間違いなかったが。

「君はアルバイトニュースの編集者だったね?そして、これの有効利用法を思いついたはずだ」

ええ、思いついたわよ。確かに、思いついたけど。
「私の考えていることはれっきとした犯罪行為です!それ以上に、何故私の心を読めるのですか!?」

何も分からない。
相手の事も分からない、現実かも分からない、そして自分さえも分からなくなる。
何故、私はこの映像を見てすぐ悪用方法を思いつくのか。
712名無しさん@無職なわけだが:03/02/20 16:00 ID:yIES8n7f
編集者 -5-

プライバシーの侵害。見方を変えれば弱みを握る事でもある。
それがこのような方法で容易になったとするならば、それこそ支配者に立つのも夢ではないかもしれない。
しかしそれは本当に良い事か?たとえ、大袈裟な話だがそれによって戦争がなくなったとしよう。
それでも、自らの弱みという情報に拘束される生活など誰も望むまい。
「いや、貴方の心を読んでいるわけではなく、編集者・記者などとという立場の人間は皆そうなのだ。アルバイトニュースの編集者だろうと、ね」
「私は帰ります、こんな危ない物見て正常でいられる程理性がブッ飛んでもいませんから!!」
パソコンから目を背け、ドアへと近付こうとした。
だが。
「悪いが、逃げられるわけにはいかんのだよ」

ドクン。
頭の中に、何かが入ってくる。目の前が突然真っ白になり、意識が薄れていく。

「な・・・に、これ、助け・・・て・・・っ!」
そう、掠れた声で叫ぶのがやっとだった。
やがて彼女は完全に無意識になり、真っ白だった目の前の画面に"表示"された。

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ、カタッ。

『要人の弱みを握れ』
『編集者として、世界の在り方を変え続けろ』
『それがお前の今日からの仕事だ』

もう、自我などというものは精神の奥底に幽閉された。実質使われないのならば存在しないも同然だ。
ホテルサンディエゴ、770号室。
そこは全世界の情報の全てを扱う、聖域とも言える場所であった。
そして今日もまた私は、情報を提供し、搾取し、世界を平和へと導く。
それが良い事か悪い事か、判断もつかぬままに。
713名無しさん@無職なわけだが:03/02/20 16:01 ID:yIES8n7f
編集者 -X2-

「・・・有谷先輩、何があったんスか?」
一ヶ月も会社に出勤されず空いているデスクを彼、丸山は見る。
最初に捜索願いを出した時に警察にはこう言われてしまった。
「既に捜索中です」
誰か他の人が既に捜索願いを出していたのだろうか。
いや、それにしたってテレビで行方不明と出ているわけではない。
でもその問い合わせを待ってましたとばかりに即答されてしまった。

これは一体、如何いう事なのだろう?
先輩がいなくなったあの日。
あの、一通のメールが問題なのではないか、そう思いメールボックスを漁ってみた。

・・・あった。
題名:待っています

自分は頭が悪い。それはコンプレックスにはならなかった。
頭良い人間も悪い人間も、同じ人間でありそして仲間である。
全て得意な人間も少なからず居れば全て苦手な人間も少なからず居り、
一つだけ定められた得意分野がある者も居る。
そう、自分は体力を使う事に関して強く、頭を使うことに関して弱い人間であり、
それを恥じる必要はないと思っているからだ。

仕事の依頼じゃなかった。
そしてホテルサンディエゴ770号室、そこに何かがあると確信した。
それは頭で如何こう考えたわけでなく、ただ本能的にというか、そんなものだ。
だがそれが、この場においては何より頼りになるだろうと盲信する。
714名無しさん@無職なわけだが:03/02/20 16:02 ID:yIES8n7f
編集者 -X3-

「車運転出来ないからって、ツラいなぁ・・・タクシー」
既に財布の中身がスッカラカンだ。もし何も手がかりもなければ、走って帰るまでだ。
見た目通り、体育系の事は得意だから。

コンコンッ。

ドアをノックする。だが返事はない。
フロントの人は、もう一ヶ月も泊まっているが食事を全く口にしようとしないので、
近々様子を見ようという事になっていたらしく、鍵を貸してくれた。(立会いの元開けるというだけだが。)

ガチャッ。

「有谷先輩ー!!居ます・・・か?」
勢いよくドアを開けて、威勢よく声をかけたはいいが、そこに在る光景を見て恐怖した。
彼女は一ヶ月と変わらぬ姿でそこに在ったが、声がかかっても微動だにしないのだ。
それどころか、目を見れば正気どころか狂気すら見える。
いや、狂気と表現するには正常過ぎるか。
そう、こう表現するのが正しいだろう。

人形。
操り人形。
からくり人形。

その類の物にしか見えない。
ホテルの従業員も同じように見えたのか、恐怖で腰を抜かしてしまっていた。
715名無しさん@無職なわけだが:03/02/20 16:04 ID:yIES8n7f
編集者 -X4-

トゥルルルルルルッ。デスクの電話が鳴る。

ガチャッ。
「もしもし」
意識があるのか、これすらも単なる作業なのか、彼女は電話をとり声を出した。

「ああ、お久し振りですわ大統領」
「ええ、あちらの方にも私の手が廻ってますので問題ありませんわ」
「ところで、貴方の国はまた核兵器を大量に製作しているようですが―――」
「私に逆らった結果如何なろうと、私の関与する事ではない事をお忘れなく」
「戦争のトリガーを引くのは私ではなく、貴方達人間という俗物の仕業です」
「その事を肝に命じた上でそれ以上核兵器投入の準備を続けるのであれば、相応の対応をとらせていただきますので」
「それでは、また」

ガチャッ。
有谷先輩は今、"得意でないはずの英語"をペラペラと喋っていた。
推測に過ぎない。というより、何となくそう思った、が正しいか。だが、それが真実であるとそう思う。

「ごめんなさい、有谷先輩」
バチンッ!!
彼女の頬を平手で思いっきり叩く。
一瞬呆けた後、瞳の中に正気が満たされていった。

「あ・・・丸山・・・君?」
「有谷先輩!!正気に戻ったんスね!?」
力ない声ではあるが、先輩は呼びかけてくれた。
嬉しかった。傀儡のような彼女を見た時正直もう駄目かと思ったが、何とかなるものだなと。
716名無しさん@無職なわけだが:03/02/20 16:07 ID:yIES8n7f
編集者 -X5-

「先輩、一体何があったんスか―――ッ!?」
いや。その考えは、非常に、最高に、浅はかだったようだ。
「早、く、に、げ、て」
そう、フロントの人は言っていた。一ヶ月全く食事を口にしていなかったと。
「と、り、こ、ま、れ、ちゃ、だ、め・・・」

異常な程早い衰弱。栄養失調。
まるで、情報漏洩時の防犯装置のようにそれは一斉に押し寄せた。
もう、助からない。一瞬そう思ったが、さっきこうも思ったばかりだ。
正直もう駄目かと思ったが、何とかなるものだなと。

へたっている従業員を置いて、彼女を抱えてホテルの階段を駆け下りた。
その間にも見る見るうちに痩せ細っていき、少しずつ少しずつ少しずつ、心の中を不安と恐怖で埋め尽くされていった。
何とか厨房へついた。丁度食事時なのが幸いしたのか、宿泊客用の食事を沢山作っていた。
「スイマセン!冗談抜きに命の危機なんで先輩に食べさせてあげてくださいっス!!」
正直、これで助かるとは思えなかったが、
食べ物を食べていなかった為に痩せ細っていってるなら、食べ物を食べさせれば少しは保つかもしれない。
そう、本能的に思ったからこそここへ来た。
「諦めたくないっス・・・ここまで来て!!」
717名無しさん@無職なわけだが:03/02/20 16:08 ID:yIES8n7f
取り敢えず今のトコはここまでで(´д`;)
文章的に変なトコとかあったら指摘してやってくだしあ。
718名無しさん@毎日が日曜日:03/02/20 17:19 ID:1Q3dri4M
一つ質問
どうして丸山君は一ヶ月もたってからやっとホテルに探しに行くことにしたの?
719名無しさん@無職なわけだが:03/02/20 17:30 ID:yIES8n7f
ああ、その所付け加えるの忘れてたや(;´д`)ヤッチャター

単純に、臆病だっただけなんです。彼は。
設定リスト(というモノを小説書く前にあらかた書くようにしてます)の内容を一部公開すると、

性格は社交的なわりに大雑把だが、他人のプライバシーに特別仲が良くない限り(たとえ友人といえど)介入しないという臆病さを併せ持つ。
食用にいつも明太子味のポッキーを携帯している。
有谷の事は良き先輩とは思っているが、特に恋愛感情は持ち合わせていない。
しかし、男と女の間に友情というものが芽生える事を堅く信じており、友人と認識した人の為ならば、
迷惑にならない程度に手助けしようとする。

こういう模写入れとかなきゃいけないよなぁ、それに他の人間だって探そうとしたかもしれんよなぁ、
ああ、だめぽ(;´д`)
720名無しさん@無職なわけだが:03/02/20 17:33 ID:yIES8n7f
つーわけで指摘サンクスコですよ>718氏

連続スマソ
721718:03/02/20 17:56 ID:1Q3dri4M
ドソマイ>無職なわけだが
揚げ足とるようなことかいてスマソ
単純疑問だったんだが・・・
自由な妄想にケチつける気は全くないのであんま気にしないで
722名無しさん@毎日が日曜日:03/02/20 19:43 ID:8VQxQoXm
>無職なわけだがさん
(・∀・) イイ!おもしろいです。どうなるのかな??

一つ、>>713
>自分は頭が悪い。
の「自分」が誰を指しているのか私には一瞬わかりづらかったです。

設定リストまで作ってるんですね。本格的。
続きを楽しみに待ってます。
723しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/20 23:09 ID:AeKvHhN+
細々と連載させて頂きます…sage
724しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/20 23:10 ID:AeKvHhN+
     同棲契約 一条
「今日もダイレクト・メールはゴミ箱に逝ってよし、と…」
 俺がこの世で一番嫌いなものは感情を利用することだ。だから広告・勧誘の類は苦手だ。
だがそれらが嫌いとか無くなればいいと思っている訳では無い。単に事務的な広告が来る
だけなら商売だし別にどうということも無い。
 俺の名前を勝手に使って欲しくないのだ。
 ダイレクト・メールの透明なセロファンの向こうに薄く印字されたカタカナの名前が寒
々しい。どういう経路で情報を入手したのか。まさか卒業アルバムを売った香具師がいる
のか…。
 一枚一枚不要なメールを捨ててゆく。まとめて捨てても構わないはずだが自分宛てに届
いた手紙なのだから全てに目を通す。
 世間一般からすると俺は病的な潔癖症なのかもしれない。小学校のとき作文が書けず学
校に残されたことがあった。自分の名において書くのだから適当なことは書きたくない。
 「象徴会」と書かれた宗教団体の封筒をゴミ箱にトスンと落とし手元に唯一手書きで書
かれた手紙が残された。几帳面な字だ。差出人の名前に見覚えがある。
「安藤有希」
 小学校の時の学級委員だった娘だ。もう顔の輪郭を思い出すのに苦労する遠い思い出の
中の少女。いまさら何の用があるというのか。同窓会などではなさそうだ。個人的に逢い
たいという。まさか…壺を売りつけたりはしないだろうな。それは最悪だ。
 場所は新宿中央公園。日時は…明日だ。どうする?…行ってみるか。休日だし仮にすっ
ぽかされても公園でゆっくりしていればいい。目覚まし時計をセットし万年床に就いた。
725名無しさん@毎日が日曜日:03/02/21 00:22 ID:ZGKCOrF1
>>724
だから、読みづらいって言ってるだろヴォケ!!
なんで文節以外で無理やり文切って改行してんだよ!!
わざとやってんのか?
726名無しさん@毎日が日曜日:03/02/21 00:32 ID:fJ/e2Hif
おろ? いい感じの滑り出しじゃないの、しろうとさん。
失礼ながら過去の二作品は読了放棄したんだけど、今度は読めそうだ。
捨て台詞しか言えない荒氏に負けなさんなYO。
727mokko:03/02/21 01:28 ID:PvXLhqdY
>724
私、スレ主でホスト役なもんで、一応おべんちゃら的なことも言わなきゃならない立場なんですけど…
それ抜きで、今回の始まり方、いいですよぉ。続きが気になります。
ま、読み手の過度の期待は書き手のプレッシャーになるでしょうから、これくらいにしときますが。
728名無しさん@毎日が日曜日:03/02/21 16:21 ID:jIYBdpY4
@無職はんのは個人的にだけど想像しずらいかな・・。
展開が早い割りに変に大事な所だけ妙に丁寧に説明されてるんだけど
その大事な所に至るまでの過程があんまよく見えないからこう想像しずらいと思いました。
最初の三つだけ見た時は誰がどのセリフでこれは誰が誰の動作かってのが分かりずらかったです。
コーヒーを飲みながら考えた所にメールが来たからそのメールは男宛てのものだと思ったりしたので状況が分かりづらかったです。
あと話の二分割化は必要かどうかも?とも思いました。

ってなんか文句言ってるばっかだけですんまそです。
文句ばっか言ってる自分ですけどお話の方は結構楽しませてもらっておりますよ〜。
729名無しさん@毎日が日曜日:03/02/21 19:27 ID:pctEZm+/
ていうか、みんな書くの早いね。俺も書いてはみてるんだけど、ムダに長くなって終わらないYO
730名無しさん@毎日が日曜日:03/02/21 19:46 ID:jIYBdpY4
>>729
漏れもがんがってるけど全然無理ぽ・・
ってかなんかやってる内に頭痛くなってきて全然進まない・・今日は六行だ・・・
731名無しさん@無職なわけだが:03/02/21 21:25 ID:911r+up/
>728
感想サンクスコ

確かに想像し難い部分があるだろうな、と自分でもそう思います。
誰が、如何して、何時、如何動くのか、という基本的な模写が如何やら苦手らしく。
意見を参考にして注意して頑張りマッスル北村。

まだ直ってねぇYO!!とかあったらまた指摘してやってくださいな。
改めて感想thx!!

んじゃ暫く執筆モードに突入します。
今日続きを公開出来るかは未定です。
732ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/21 21:45 ID:eBtLSHFw
しろうとさんの作品はだんだんよくなってる気がするね
がんばれ
733名無しさん@毎日が日曜日:03/02/21 22:37 ID:9xBqDIyh
しろうと、おまえってマゾ?
頼むから、どっか逝け!
マジでつまんないから、おまえって。
ほんとに邪魔なんだよっ! 
頼むから消えてくれーー!!!!!
734名無しさん@無職なわけだが:03/02/21 22:46 ID:911r+up/
>733
まあ、正直言うと俺もしろうと氏の作品はあまり好きではないです。
今回はかなり読む気満々ですが。
成長過程にある俺が言うのもなんですが、色んな人の文章を見て、
色んな事を感じ学び楽しむ場やと思うんですよ。
作品に優劣があり、そして好き嫌いがあるのも分かりますが、
もう少しやんわりと言えない物でしょうか。
というよりは。

結論:つまらんなら何処がつまらんのか言ってくれんと分からんと思われます。
735名無しさん@毎日が日曜日:03/02/21 23:05 ID:9xBqDIyh
>>734
おまえはどこのどの辺がつまらんと言えるのかな?
俺は見た瞬間につまらんと思っただけで、どこがつまらんなんて
知らんよ。
つまんねーんだもんよ。
とくに2作目なんて最悪・最低、なんだこれって思っただけだし。
つまんねーもんはつまらないって言って悪いのか?
だったらカキコすなっ! ってだけだよ。
悪いのか?
正直に言ったら悪いのか?
736名無しさん@毎日が日曜日:03/02/21 23:24 ID:ZGKCOrF1
まあ 出だしだけは前2作より面白そうなんだが、
なぜ、わざと文章を読みにくくさせているのか?それが理解できない。
一作目で散々読みづらいと叩かれたというのに
もうアホかと、学習能力がないのかと、小一時間問い詰めたい。
737名無しさん@無職なわけだが:03/02/21 23:24 ID:911r+up/
しろうと氏の二作目に関しては、小説というより発言語録というか・・・
会話しかなく、情景とか感情とか、その他諸々が感じ取り難いから面白いとは自分は言い難いと思ったんですけども。
三作目は今読んでいて続きを楽しみに待てるレベルだと思います。
一読者としての意見を述べると、です。
執筆者としてではなくて、ね。

一作目は区切りが中途半端な位置にあるからか、読む気を削がれる部分が多々見られたように思えます。
全部読んだんですけど、ああ頑張って読んだなぁって思ってしまったので何だかなぁ、と(;´д`)
738名無しさん@無職なわけだが:03/02/21 23:35 ID:911r+up/
あと別に正直に言っていいとは思うんだけど、
書くなとか消えろとか邪魔とかうざいとか。
なーんでそういう荒れる事書くかなぁ、とか思うわけなのです。
これも感想なのですけどね。
まあここは2chなのだからこういう場なのだと思えば何の問題もないのかもしれないけども、
酷く個人的な意見になりますが書く人間を選ぶような場にだけはなったらマズイと思うわけで。

mokkoさんも言ってましたが、皆が気軽に妄想を書きこめるスレにするなら、
上手下手、愉快不愉快全てひっくるめて妄想なわけで、
妄想なら全て許容する(スレに書く事を拒否しない)事を住人自体も念頭に置くべきかな、と。
要するに出ていけとか消えろとかだけはタブーなんじゃないかと思うのです。
作品に対して否定するのはともかく、って事で。
739名無しさん@毎日が日曜日:03/02/21 23:47 ID:jIYBdpY4
俺は>>735みたいな人間がこのスレにいることが解せないわ。
とりあえずあんたの発言そのまま利用するなら
>>735の発言は見てて不快だ。
不快なもんは不快だしとくにその伸ばし棒とか最悪・最低、なんだこれって思っただけだし。
不快なもんを不快って言って何が悪い?
正直に言ったら悪いのか?

答えは簡単だ。悪い。これだけだ。
悪いことを悪いと思うことなんて誰でも出来る。
大切なのはそこに理由付けをすることだろ。
その内どうせ感情に理由は無いとか言い出しそうだかそれとこれとは話が別だ。
何故ならあんたがしている行為は人の妄想文を貶すってことだからな。その文自体に欠陥がある訳だろ?
それならそこを指摘してやればいい。たとえ下らないと思う小さなことでも。
その発言をすることで本人も吸収して成長出来る面がある可能性があるんだから。
とりあえずいちいちあんたがその発言をすることで変に傷ついてしまう人がいることに気付いとけ。
正直に思うのは悪いことじゃ無い。ただそれをいちいちこの場で発言するのは止めようや。
思って噛みしめるのと言って場の空気を変えてしまうことは違うんだから。

またまた長文ですまぬ。
ただ、時には寛容の心で一回り大きい目で見ることってのが必要なんじゃないのかな、とは思う。
740名無しさん@毎日が日曜日:03/02/21 23:48 ID:jIYBdpY4
あ、なんか先に言いたいこと言われてる・・恥ずかすぃ。。
741名無しさん@毎日が日曜日:03/02/22 00:25 ID:7vtTC8lg
>>738 禿同
俺としては、面白いつまんないは置いておくにして、色々な人の妄想を読めればいいと思うんだがなぁ。
しろうとさんも、一作目が難解だと言われれば次は会話中心のライトな作品を、
それが薄いと言われれば、次は心理描写も盛り込んだ作品を、と
次々作風を変えて書いてくるところはすごいと思うよ。とりあえず、めげずに最後までよろしく。
742しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/22 00:40 ID:+uxUHOzH
………細々連載中ですsage
743しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/22 00:41 ID:+uxUHOzH
     同棲契約 二条
 赤いランドセルを背負った顔の無い子供が泣いている。体が動かない。助けられない。
子供の泣き声を聞くと嫌な記憶が甦る。学校の班を決める時には必ず一人は余る奴がいた。
「だれかいれてあげるひといないの〜」
 教師の声が虚しく響く。使えねえ。そんなささやき声が聞こえる。一人立ちすくんでいる
その娘の手を俺はぐっと引っ張った。
「オレのものだ!」
 叫び声に驚いて目を覚ます。ホームレスが空き缶を奪い合っている。二人とも白い髭を
生やしファネルハットを眼深にかぶっている。
 ぼんやりした頭で考える。そういえば歌舞伎町には完全な暗闇でサービスする店が
あったな…金が溜まったら行ってみるか。新宿駅を挟んでその歌舞伎町の反対側にあるのが
この公園だ。都庁の双子の塔が天に向かってそびえ立っている。
 ポケットから煙草を取り出す。銘柄にはこだわらないが健康の事を考えて1mgしか
吸わないことにしている。立ち昇る煙の先に泣いている子供が見えた。
 二本目の煙草を取り出そうとしたとき隣に女性が座っている事に気付く。安藤有希です。
彼女は明るく透き通った声で軽く挨拶してくれた。
 とりあえず近くの喫茶店で話をすることにした。それにしてもまず驚いたのはその
スマートな体型に似合わない程大量の砂糖を彼女がコーヒーに投下したことだ。太らない
のか?黒いマフラーを取ったおかげで露出している白い喉を震わせて彼女は言った。
「今日は契約のお話をしに来たんです。聞けばきっと二つ返事で了承してくれるわ。」
「契約…?個人的に逢うという約束だったと思うが…あれはダイレクト・メールだったのか」
                    〜続く〜
744名無しさん@毎日が日曜日:03/02/22 06:18 ID:zHPFj4kj
自作自演大好きな人がいるスレはここですか?(プッ
745名無しさん@毎日が日曜日:03/02/22 08:13 ID:FqUdhS9F
>>739
おまえも人の批判してるんだから、同じだろ。
えらそうに人の批判してるじゃん!
おれはしろうと見て >>733 と同じような気持ちになったね。
746名無しさん@毎日が日曜日:03/02/22 08:58 ID:VLeciP/0
今更と思う人もいるかもしらんけど、具体的な批評もなくただ
感情的に「どっか逝け」だの「消えろ」だの言ってる人は
そうやって煽って楽しんでるだけだから相手にするのはヴァカみたいだと
だから妄想家(作家?)も純粋読者もそういう書き込みはスルーすれば?
何かやってる事が不毛だよ、見てて虚しくなる。せっかくの良スレなのに・・・。
747746:03/02/22 09:11 ID:VLeciP/0
あ、「今更」というのは「今更分かったようなことを言うな」ということね
あと、追記するとこのスレは別に小説を書き込んでそれを読者が批評するのが
目的ではないと個人的に思いま。
ただ妄想するスレなんだから内容は妄想するヒトの勝手だと思うよ。
批評があってそれを参考にするかどうかは妄想人の自由だと思うし。
読む方も好きなのだけ選んで読めば良いわけだし。
長々と駄文スマソ
748名無しさん@毎日が日曜日:03/02/22 09:12 ID:1AB3kcwt
ここは妄想を晒すスレであって小説を発表するスレじゃないと思うが。
良質の小説が読みたいんなら創作文芸板にでもいけばいいじゃないか
749名無しさん@毎日が日曜日:03/02/22 09:32 ID:6C3r85ah
>>746
具体的でない感情的な批評ばかりの人も、
煽って楽しんでるんじゃないと思うけどな。
単に理性的に考える力が不足している人だね。

>>733=>>735
つまらないのはつまらない、っていうのは
第一印象はたしかにそうだろうけど、
そこから「なんでだろう?」と考えることは
頭の体操になるよ。

それと同じ内容の指摘でも穏やかな文体にすれば、
相手は聞いてくれる可能性が高くなる。

一応あなたもこのスレの作品を楽しみにしてるんでしょ?
だったら、場を荒らし続けたらスレの雰囲気が悪くなって
結果的に妄想作家が書きにくくなる=良い作品も読めなくなっていく
っていうことわからないかな?

まあ、早い話がみんなマターリしようよってことなんだけど。
750名無しさん@毎日が日曜日:03/02/22 09:46 ID:82KsQLm4
>>743
おっ 意味不明改行がなくなってるね。読みやすくなった。
751名無しさん@毎日が日曜日:03/02/22 10:46 ID:vXmAofKW
あぁ、なるほど。放置の手があったか。皆さんスマソ。。
752名無しさん@毎日が日曜日:03/02/22 15:10 ID:FqUdhS9F
>>751
そうですよ。
しろうとを放置すれば良いのだよ。
753名無しさん@毎日が日曜日:03/02/22 15:19 ID:XeT3BrMa
このすれもうだめぽおおおおおおおおおお
754名無しさん@毎日が日曜日:03/02/22 15:41 ID:4OUO+0C8
>>753
そうだな。良スレだったのにこうも殺伐としてしまうとは・・・
755_:03/02/22 20:05 ID:Qri22euy

.  __| ̄|□□      _| ̄|_ l ̄ ̄ ̄.| | ̄|_□□
  |      |       |__   _|  ̄ ̄|  | |  _  _|
\.  ̄|  | ̄ | ̄| ̄|__ _|  |_.   | ̄|// / |  | /
\| ̄||  || ̄|.|_|_||  ||___  ___|  |  |   ̄   |  | /
\|_||_||_|   /_/  .|_|   / /     / / /
<       /)  ̄          ̄    (\   ̄   >
<       | | `Д´) ◯( `Д´ )◯ (`Д´ | |       >
<       (    )  \    /  (    )       >
<     / /> >    |⌒I │   く く\ \     >
<    <__)〈__)   (_) ノ    (__,〉(__〉    .>
 /// / / /    レ    \ \ \ \\\


某カテからコピペすてみますた
756名無しさん@毎日が日曜日:03/02/22 20:50 ID:Xh1JAeTa
議論うるさい。みんな妄想を書いてくだちい。おながいします。
757名無しさん@無職なわけだが:03/02/22 21:00 ID:KEVoYViG
したらば続きを行きマスオ。byサザエ一家

今回のは如何転んでも不評だろうなぁ、と内心かなり不安なわけですが、
それでも今まで通り感想指摘その他くれると個人的には嬉しく思いまする。
758名無しさん@無職なわけだが:03/02/22 21:02 ID:KEVoYViG
編集者 -6-

「わ・・・たし、生き、てる?」
目の前は打って変わって真っ暗だ。だが如何いうわけか意識はある。
「ええ、もう大丈夫ですよ」
次第に目が開いていく。ホテルの、天井。そして、覗きこむ従業員らしき女性。

「本当に信じられませんわ、あんな早さで衰弱している人を助け出すなんて。あの男性に感謝しなくちゃいけませんね」

そう言うと、静かに微笑を向ける。
聞きたい事は山ほどあったが、恐らくこの従業員さんは何も知らされていないだろう。
それどころか、真実を知っているのは私と丸山君くらいかもしれない。

ふと、舌の感触が妙な事に気付き口内を調べる。
「・・・前歯が欠けてる」
「あはは、あの人無我夢中で食べ物を無理矢理詰め込んでましたから・・・」
喉に詰まって死ぬ可能性は考えなかったのかな、丸山君は。まあこうやって無事だからいいか。

「えーと丸山君・・・いや、私を連れてきた男の人は何処に?」
言い知れぬ不安。まさか。まさかとは思うが。
「ああ、あの人でしたら770号室に様子を見にいきましたよ」

ベッドを降り、未だにギシギシ軋んでいる身体を引き摺っていく。
770号室。あのパソコンを、あれを壊せば。あれさえ壊せば恐らく全て終わる。
推測に過ぎないけど、それが一番有り得る可能性。
だが、壊す為には編集者では駄目なんだ。編集者が行ったら、取り込まれる。
私が自我を取り戻せたのは、"最初の一回"だったからだと思う。
今度は"あの男"、メールを寄越した犯人も、油断しない。
次は無い、次は無いのに!!
何故貴方が身代わりになるような真似をするの――――!?
759名無しさん@無職なわけだが:03/02/22 21:03 ID:KEVoYViG
編集者 -X6-

助けたいだけっスよ。
正直言うと、有谷先輩じゃなくても俺はこうしてたっス。
いつも厄介事の処理役を買って出てたから、慣れてます。
どうか、気にしないでほしいっス。

「と、言いたいトコだけど・・・そしたら先輩また怒り出すだろうしなぁ」
770号室。
あの悪夢のような部屋を前にして、そんな事を呟く一人の男。
丸山健吾。

「今の内に、真相を突き止めるっス!」
と、扉を開けようと一歩を踏み出す。
ヌルッとした感触が身体中を襲った。
気がつけば、手にも首にも顔にも足にも、汗をかいていた。
緊張か、恐怖か、理解し難い、認識し難いモノがあった。
だが、自称する頭の悪さはこういう時非常に頼りになるものだ。
物怖じしても、それを認めず突き進む。
いや、理解出来ず、か。

「暖房効き過ぎみたいっスね」
760名無しさん@毎日が日曜日:03/02/22 21:03 ID:6IG7UCyn
そうだね。
でも、エロ・アニヲタ系のしろうとの乱入が・・・
しろうとも考えりゃ場違いだってわかるだろうにな。w
自分のともっこり・ツイスターと比べりゃわかるだろにな。
761名無しさん@無職なわけだが:03/02/22 21:04 ID:KEVoYViG
編集者 -7-

愚者は賢者に弱く、賢者は愚者に弱い。言うなれば本能と理性の戦いなのだ。
中途な者が最弱である。故に、敗北を喫したのは、当然の事と言えよう。

走る。
走る。
走る。
エレベーターという日常的且つ便利な物があるにも関わらず、階段を急いで駆け上がる。
視界が揺らぐ。意識が遠のく。
吐き気を催す。力が抜ける。
そんな危険極まりない状態を省みない。

助けてくれた人が。私を孤島から拾い上げてくれた人が。
何も知らないまま、私のように捕まってしまう。
駄目なんだ、それじゃ駄目なんだ。被害者が入れ替わっただけじゃ解決にはならないんだ。
あの男を、あの男さえ封じる事さえ出来れば――ー!!

「お客様ッ!無理をなさらないでください!!」
後ろから追いかけてきたあの女性が私の身体を抱える。

私は、何の役にも―――

彼女は再び意識が途切れた。
762名無しさん@無職なわけだが:03/02/22 21:06 ID:KEVoYViG
編集者 -X7-

「先輩を苦しめた奴は・・・何処っスか?」

ドアを開け、部屋の中に入り辺りを見渡すが不信な物は何もない。
あるとすれば、デスクの上にノートパソコンが載せてあるくらいか。

ふと思う。
いや、不自然だ、と。
何故こうなっているのか分からない。

ノートパソコンの電源が落ちている。
俺は何もした覚えはないし、有谷先輩はまだ下で眠っているはずだ。
なら何故、電源が落ちている?
勝手に落ちたとでもいうのか?

・・・という以前に、彼。
つまり丸山健吾はパソコンの事を良く知っている方ではなかったのだが。

このノートパソコンが原因ならこのまま事態は終焉を迎えるのか?
それなら確かにそれに越した事は無いが、どうも納得がいかなかった。
確かに何か納得がいかなかったが、奥歯につかえた物の正体が分からず、
有谷の事が心配になったのもあってか仕方なく一旦戻る事にした。
763名無しさん@無職なわけだが:03/02/22 21:08 ID:KEVoYViG
編集者 -Another-

デスクの向かい側にはベッドがある。
いかにも客室用という、高級感・清潔感共に上級の物が漂うベッドだ。
ただ一つ、異質な所といえば。
ベッドの置いてある床の一部が、ほんのりと紅く染まっていた事だろうか。
そしてその事には誰も気付いてはいなかった。

相変わらず部屋には誰も居ない。声だけが、ただ響く空間。
「『編集者』しかあのプログラムは扱えんのだが。全く、大幅に予定が狂ったよ。君のお蔭でね」

ヒュー、ヒューと掠れた呼吸音。行方不明になっていた従業員だ。

僕が、僕が何をしたというんだ!!
ただホテル内で770号室の話が持ち上がってる時にお客さんの要望があったから鍵を開け、
二人が出ていった後、パソコンの電源がつけっぱなしだったから消した。
ただそれだけじゃないか!!僕はこんな所で死ぬ理由なんかない!!
大体なんだこれは!!僕は何故僕の首に刃物を突きたてようとしてるんだ!!
力を入れてもちょっと離れるのがやっと、力を抜いたらその時点で僕の人生は終了なんて。
そんな馬鹿げた事あってたまるか!!僕にだって好きな人はいる!!
両親は既に居ないから養わないといけない弟も妹もいる!!
なのに、なのに何で僕が、僕がこんな目に合わなきゃならないんだよっ!!

「流石に、心音が五月蝿いな。死ね」

え、な、なんだ?僕はずっと力を入れてるぞ!?
何故、さっきまで止まってたナイフがどんどん首に近付くんだ!?
やめろ、待て、僕は、死にたくなんかない!!
誰か、助け――――――――!!!!

床の彩色が、より色濃くなった。そして同時に掠れた音も、ぱったりと聞こえなくなった。
764名無しさん@無職なわけだが:03/02/22 21:09 ID:KEVoYViG
今日はココまででごんす。
お迎えでごんす。(by手塚治虫師匠)
765名無しさん@毎日が日曜日:03/02/22 22:20 ID:XFgCnMMg
>無職なわけだがさん
うおーー。どうなるの??ドキドキ。まだ続くんですよね?
766名無しさん@無職なわけだが:03/02/22 22:54 ID:EzHQOfVc
ええ、まだ続きます。
二人の視点から話を進めてますけども(Xつきが丸山、ついてないのが有谷、その他がAnother表記)
やっぱ分かり難いでしょうか・・・
こういう書き方はどうだろうとある意味で実験のようなつもりでやってるので、
分かり難いとかあったら言ってやってくださいな。
767しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/22 23:06 ID:UGq1KfiQ
     同棲契約 三条
 安藤有希の説明によればこうだ。愛し合う二人が結婚し女性は専業主婦として子育てに
専念するとしよう。その時生活はたちまち苦しくなる。
 女性の分の収入が無くなるのに生活費・養育費・住宅ローンの支出はかさむ一方。
不況のこのご時世で男性の給与の伸びは出費に追いつかない…。
 俺の友達で有名企業に勤めている男がいる。同窓会で会った後に意気投合して飲んだ時だ。
アルコールの勢いに任せてぼやいていたことがあった。
「オレのコヅカイは厨房より少ないかもなあ」
 その時は幾ら何でもまさかと思ったが…彼のプライドも手伝って生活レベルを
落とせない分苦しいのかも知れない。もちろん年収は俺を遥かに凌いでいることだろう。
だが生活が楽だということをその数字が示している訳では無いのだ…。
 それに比べて共働きでの同棲は経済的に好ましい。狭い日本の高い家賃が一人分浮くのは
大きい。生活用品も共有できる。
 実際俺たちの世代は子供を生まない同棲かパラサイトシングルかどちらかといった印象だ。
「俺の少ない脳味噌で理解できるのはせっかく借りたビデオを一人で見るのが惜しい
 事ぐらいだ。それも君が口紅一本買えば吹っ飛ぶがな…」
「でもその口紅をあなたの唇に返すとしたら?」
 顔色一つ変えずに色仕掛けか?年の割りには幼い顔立ちなのだが…。
 俺には断る理由が全く存在しない。それでも心の奥で少し引っ掛かる。勘定だけで男女が
暮らしていけるのか…何よりその相手がなぜ俺なのか。鮮やかな口紅をのせた唇が動く。
「あなたは今でも私のことが好きなんでしょう?」
                    〜続く〜
768名無しさん@毎日が日曜日:03/02/23 03:13 ID:CcfQCUEU
>無職な訳だがさん 

待ってました!

死んでくざこキャラ(従業員)の心理描写がちと長いかと思いました。
何かの前ふりだったらスマソ(これで弟と妹は路頭に迷うんですね。。。)

この先どうなるのかな。。。続き楽しみにしてます。

769空気読めない君:03/02/23 06:37 ID:vLsc6XVv
ヒキモッコリですよね…
モッコリできない作品ばかりなんでつが・・・
770名無しさん@毎日が日曜日:03/02/23 06:39 ID:7SRr9GOW
↓↓↓↓↓★ココだ★↓↓↓↓↓
http://www.pink-angel.jp/betu/index.html
771名無しさん@無職なわけだが:03/02/23 08:26 ID:bomEBAaY
>768
俺は死に行く人間の心理ってのはワカランです。はっきり言うと。
死にかけた事も今の所ないので、それらしい模写を如何すればいいのか、
さっぱり理解出来んこの状況ですが、今自分が理不尽な理由で死にかけてしまったら、
こういう慌て振りを披露してしまうのではないかと思ったので・・・
敢えて長くした、と思ってくださいな。

感想thx!!
772名無しさん@毎日が日曜日:03/02/23 19:49 ID:xwqnij+J
>>769
たしかに。(w
とはいっても、安易なエロとかは一番やめてほしいけどな。
773ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/23 19:53 ID:nj89ELEA
みんなのおかげで新作できました
ありがとう
774ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/23 19:54 ID:nj89ELEA
「最強の荒らし」1

「畜生!どいつもこいつも好き勝手なこと言いやがって!」
キーボードを叩きながら当てもなく言い放った。
ディスプレイには無機質な文字が並んでいる。そこからは何の感情も読み取れない。
その分たちが悪く、神経に障る。
そこは匿名掲示板だった。職探しもうまくいかず、ある日思いつきでスレッドを立てたのがことの始まりだ。
最初は愚痴を垂れ流すだけのスレにしようかとも思った。しかしそんなのでは誰も見てくれないだろう。
実生活で注目されない分、ここでは注目されたって良いじゃないか。そう思って立てたのがこのスレだった。
初めはただの妄想みたいな物語を書くつもりだった。
でも、1つ2つと書くにつれ、見てくれている人からもっと書いてくれと頼まれるようになったのだ。
いつの間にか俺は作家のような存在になっていた。
同時に、他にも面白い物語を書く人物も現れ始めた。そして、このスレはいつしか物語を交代で発表するスレになったのだ。
思ってもいなかった展開に最初は戸惑ったが、俺はいつしかこのスレを覗く事に喜びを見出すようになった。

しかしそんなこともあまり長くは続かなかった。
匿名掲示板がもたらした負の遺産、それは匿名だから言える暴言だった。
このいわゆる「荒らし」というものが俺のスレにも現れるようになったのだ。
そいつらは話の流れも読まず「つまらん」だの「帰れ」だの好き勝手なことを言っている。
しかも反論すればするほど調子に乗ってさらに言いたいことを言ってくるのだ。
そいつらのおかげで、かつてはいい雰囲気で進行していたスレもいつしか罵詈雑言の溢れるスレになってしまっていた。
775ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/23 19:56 ID:nj89ELEA
実際の人物とは何の関係もありませんので
悪しからず
776ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/23 19:57 ID:nj89ELEA
「最強の荒らし」2

「もう、いいや。」
急に何もかも面倒くさくなって俺はベッドに倒れこんだ。
そうだよ。別にこんなのただの暇つぶしに始めた事だ。どうってことはない。
「ああ、暇だな。」
俺は少し眠ることにした。電気を消して目を閉じる。
しかし、眠れなかった。目を閉じるとあの「死ね」だの「つまらん」だのといった台詞が頭の中をよぎるのだった。
「糞っ!イライラするぜ!」
俺は無性に腹が立ってベッドから飛び起きた。
何とかしてあいつらに復讐がしたかった。
実は今までも匿名で荒らしを罵倒する文章を書いたこともあった。
しかし、そのたびにやつらは2倍も3倍もこっちを中傷する書き込みをしてくるのだった。

「何かいい方法はないかな・・・。」
そう思って部屋を見回した。何もかもが乱雑に積み上げられた汚い部屋だ。
その中に、一枚の封筒を見つけた。それは何かキャンペーンの申し込み用紙のようなものだった。
「なんだっけなこれ?」
そう思い中を開けてみる。思い出した。いつか雑誌で見たやつだ。
そのときは夢中で応募したが、2,3日経った頃にはその熱も冷めてそのままにしてあったやつだ。
「そういやそうだったな。ははっ。この会社も困ってるかもしれないな。」
その時、ある考えが頭に浮かんだ。
「・・・まてよ。これは使えるかもしれないな。」
脳細胞がかつてないほど活発に動いた。一つ一つの回路がつながり、ある素晴らしい考えが出来上がった。
「はっはっは。こいつは面白そうだ。これならやつらにも一泡吹かせてやれる。」
俺はすぐパソコンの前に座り、キーボードを叩き始めた。
「第一話・・・っと。」
777名無しさん@毎日が日曜日:03/02/23 20:04 ID:UWdrGGzt
>>774-776
つまらん 氏ね
778ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/23 20:25 ID:nj89ELEA
>>777
うるせー馬鹿
779名無しさん@無職なわけだが:03/02/23 20:28 ID:bomEBAaY
えー、今日は殆ど進んでいません。
内容を読んでも分かり難いかと思いますが・・・
これでも思考錯誤した上なんです、ごめんなさい(;´д`)
ついでに英語使ってますが、英文違うわボケってツッコミはあるだろうなぁ。
まあ長い目で見てやってくだしあ。
780名無しさん@毎日が日曜日:03/02/23 20:32 ID:Ixax9ai+
>>ツイスターさん
おもろい!
781名無しさん@無職なわけだが:03/02/23 20:35 ID:bomEBAaY
編集者 -Another2-
無音の部屋。
人の気配も全くなく、空気も冷え切っている。
目を凝らしても、ただ黒しか見えない。
いや、一つだけ異質な物があった。
デスクトップパソコンのモニター。

その部屋には誰も居ないのに、パソコンは意思を持ったかのように動いている。

System"Emilia" System"Lily" all green.
Connection network...
Now loading......
Okay.
Google search......
Result 1247Hit.
No.1 http://ace-recruit.com
HP[編集]担当者:Alistrosy Mailadress discover...
Target confirm.
Make a mail......
title...complete!!

text............complete!!

[title] 待っています

Transmit a message!!

水面下で確実に進む。
時計の針が、次の目盛りを指し示すように。
少しずつ、少しずつ。

有谷玲奈の元へメールが届いたのは、数分後の事だった。
782名無しさん@無職なわけだが:03/02/23 20:36 ID:bomEBAaY
因みにこのアドレスは架空のものです。
分かってくれるとは思うけど(´∀`;)
783名無しさん@毎日が日曜日:03/02/23 20:37 ID:O8BvF8fB
投稿されているのをタイムリーに読んだの初めてだす
感激
784名無しさん@無職なわけだが:03/02/23 20:37 ID:bomEBAaY
あとモンの凄く短くて悪いんですが、今日はここまでです(´∀`;)スマソ
785名無しさん@毎日が日曜日:03/02/23 20:42 ID:A1eNT0bp
>無職なわけだがさん

722を書いた者ですが…。

>>766
>二人の視点から話を進めてますけども
>(Xつきが丸山、ついてないのが有谷、その他がAnother表記)

読み直してみてよくわかりました。ごめんなさい。
題名が「丸山−7」とかだとアフォな私にもわかりやすいです。
あ、でもなにかの伏線になってるかもですね?

続き楽しみっす!
786血尿:03/02/23 22:04 ID:PnH9EVip
たくさんの物語がふえて頭が混線しだしますた。

これこそ>>モコの目指すスレだ

みんなガンバレ!
787しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/23 23:19 ID:O1uKML+s
ツイスターさん…自分はなんか身に染みますっ…
788しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/23 23:20 ID:O1uKML+s
     同棲契約 四条
 255…256…。Tシャツに薄く汗がにじむ。日課になっている300回の腕立て伏せ
を完了した俺はあぐらを掻いて休息する。まだ肌寒いこの季節が汗を気化させ熱を奪って
ゆくのが心地よかった。
「乙彼さま。ずいぶん熱心なこと。お茶を入れたわ。」
「荷物を運ぶ仕事だからな。まあ…肩慣らしだ。」
 あの日から一週間経過した。彼女は牛丼屋でアルバイトをしている。履歴書を必要と
しない募集をしていたのが直ぐ仕事を始めたい彼女に好都合だった。
 しかし…俺のイメージと違うな。彼女は勉強もできたしOLでもやっていると思って
いたが…。そのことを話すと有希は軽く微笑んで言った。
「小学校の頃でしょ?世の中そんなものよ。この先だって何があるか解らない…」
 安藤有希の小学校時代。影の薄い子だったな。苛められていたことがあった。水を
掛けられて泣いていた有希の手を取って冷やかす声を浴びながら下校したあの日。
「オレゆきが好きだから守ってやるから気にすんな!」
 それから彼女はどんどん成績が良くなっていった。自分から学級委員を名乗り出た時は
驚いたな。有希は自信をつけた。もう誰も彼女を馬鹿にしない。俺は嬉しかった。だがな…
彼女は私立中学校へ進学しそれ以来会う機会は無かった。まあ年賀状や暑中見舞いの手紙を
毎年やり取りしていたくらいだ。
「そんなこと覚えているの?結構ナイーブな所があるのね。」
 有希に思い出話をするといつも薄笑いを浮かべる。外見に似合わず可愛らしいとか言って
まともに取り合わない。確かに…。ただ彼女がすっかり忘れていたとしたら残念だな…。
                    〜続く〜
789ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/23 23:21 ID:nj89ELEA
「最強の荒らし」3

一話目を載せたところでかなりの反響があった。
荒らしもいるが、そりゃ普通の読者もいるわけだ。
「面白そうな書き出しですね。」とか「期待してます」とかいう応援の書き込みもあった。
しかし、実際のところは、ほとんどの書き込みが「もうやめろ」「また馬鹿が来た」とかいう荒らしによって占められていた。
「ははは。どんどん書き込むがいい。なんだかんだ言ってお前らも読んでるんだろ?」
とてもいい気分だった。今なら荒らしさえも応援のメッセージに見えた。
荒らしが来れば来るほど、俺には次の話を書く意欲がわいてきた。

「ふー、さすがにちょっと疲れてきたな。」
第5話を書き終えたところで、俺はそう言ってパソコンの電源を落とした。
最初の頃にはあった応援の書き込みも、荒らしの圧倒的な数により、今はまったくといっていいほどない。
しかし全く気分は悪くなかった。むしろこの方がいい。純粋に読んでくれてる人には悪いことをするんだからな。
それが遂行されたときのことを考えると、どんなに疲れていても再びパソコンの前に座る気になった。
まるでこのスレを始めた時に戻ったような気分だ。もっとも、あの時のような応援の書き込みなど皆無だが。
「第6話・・・と」
俺は鼻歌を歌いながらキーボードを叩いた。
790ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/23 23:22 ID:nj89ELEA
「最強の荒らし」4

「・・・その扉を開けると、信じられない光景が飛び込んできた。・・・と。よし、できた!」
俺はこみ上げてくる笑みを抑えることができなかった。やっと終わったのだ。
「よし、送信っと。」
書き込みボタンを押し、それが無事にアップされたのを見届けると、安心して電源を落とした。
「ふふふ・・・あいつら慌てるだろうな・・・。」
今の物語の進行状況は、第10話を書き終えたところである。次の11話は最終回にあたる。本来ならば。
しかし、俺にはそれを書く気などなかった。
というよりも、最初からオチなど考えていなかったのだ。
ストーリーを難解にするだけしておいて、オチは書かない。読んでいるものにとってこれほど後味の悪いものはないだろう。
「あいつらの馬鹿面が目に浮かぶぜ。くくく。」
もう一度スレを覗いてやろうと思ったが、さすがにまだみんな気がつかないだろう。
おれは2,3日置いてから見ることにした。
毎日書き込んでいたのだから、そのペースが乱れれば当然みんな慌てるだろう。
「あーあ、早く時間が過ぎねえかな。」
俺はそう思いながらベッドに潜り込んだ。

あの話をアップしてから1週間が過ぎた。
俺はあの日から一度もスレを覗いていない。何度も覗きたい衝動に駆られたが、楽しみは最後まで取っておきたかったのだ。
「さてさて・・どんな雰囲気になっているかな・・・。」
俺はパソコンを立ち上げ、お気に入りに入れてあるあのスレをクリックした。
画面をスクロールし、俺が最後に書き込んだ所までカーソルを運ぶ。
しかし、そこではとんでもないことが起きていたのだ。
791ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/23 23:24 ID:nj89ELEA
で、ここで書くのやめたら面白いんだろうな
792名無しさん@毎日が日曜日:03/02/23 23:37 ID:FAgQ7GJ5
てっきり>>791の書き込みも無しでぷっつりツイスタさんが消えてしまうのもかと思ってたけど。。。
793名無しさん@毎日が日曜日:03/02/23 23:38 ID:PQChEVaL
>>791
・゚・(ノД`)・゚・
794ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/24 00:02 ID:nQYLgNSl
>>792-793
そんなことはないのでご安心を
795ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/24 00:06 ID:nQYLgNSl
「最強の荒らし」5

「な、なんだこりゃ!?」
画面を見て、俺は絶句した。
なんと、俺の書いていた物語が完結していたのだ。
「おいおい・・一体誰が!?」
よく見ると名前の欄は「1代理」と書いてあった。
どうやらまったく別の誰かが俺が来なくなった事を悟って、勝手に結末を書き上げたらしい。
その結末は俺の考えもしなかった展開を見せ、それでいて矛盾した点もなかった。
さらに許せないことに、書き込みのほとんどは「面白かった」「これは予想できなかった」などといった賞賛の声だった。
中には「1より面白かったぞ」などという書き込みもあった。
よく見ると、あれだけあった荒らしも全くなくなっていた。それだけ結末の質が高かったということなのだろう。
「糞っ!勝手にしゃしゃり出てきて余計なことしやがって!」
無性に腹が立った。俺の計画を全部壊した挙句、俺よりも賞賛を得ているのだから面白くなかった。
俺は無茶苦茶にキーボードを叩いた。
意味不明な文字の羅列が、スレに何度も書き込まれた。
「もう知るか!この恩知らずどもめ!誰がお前らに無償の娯楽を提供してやったと思ってるんだ。この俺だぞ!」
俺はいつまでもキーボードを叩き続けた。すると、俺に対するレスがついた。

「荒らし、どっかいけ!」

(終わり)
796しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/24 00:09 ID:PyagDJKh
>>795
!!そうか…なるほど確かにある意味一番恐ろしい…。
797名無しさん@毎日が日曜日:03/02/24 02:07 ID:+vgQyS2r
ふーん・・つまり糞小説をうpする香具師が最強の荒らしであると
798bokkin' up:03/02/24 04:18 ID:sYowCEvZ
昼間から、日本酒なんか呑んじゃったりしてる俺。まともな職歴あるじゃなし、
「ビーイング」で職探すのはもうやめた。今日は月曜。そう、「フロムエー」の発売日。
俺、フロムエーで職探すことにしたの。朝方、コンビニでフロムエーを買ってきた。
真ん中より後ろの方に、お気に入りの「クリエイター募集」コーナー。
俺ほどのクリエイターいないよ?大天才よ?俺。そう思い続けて、もう20代後半。
全く、いつの世も天才は世間に認められんのよ、世間のアホと付き合ってたらこっちもアホになるわ、
と世間を拒絶して、早2年。
「フロムエー」には今回も、俺を働くべき仕事は載っていない。ポイと。
799mokko:03/02/24 04:29 ID:20BisqjQ
ま、いろいろなんでしょうが…
スレ主としては、ウザイと一言コメントする感想カキコも正論だと思います。これだけは譲れません!
てゆうか、スレ主以外の人は率直に思ったことを言えて当然だと思います。
面白くないものに「面白くねぇ」と言って何が悪いのだろう?
つまんなかったから「つまらん」と言って何が悪いのだろう?
嫌いだから「よそへ逝け」と書いて何が悪いのだろう?
それ等にいちいち激情してあんなに念の入った反論すること(自作自演?)こそが私には「荒らし」に思えます。
粘着質の文学志向青年はひたすらにブッキーであります。どう考えても同調出来ませんし、したくもありません。
私の立てたこのスレは、そういう一人よがりが来るべき場所ではなかったはずです。
しかし、もう面倒臭くなりました。アホらしくもなりました。
たかが妄想に「設定リスト」だの「執筆活動」だの恥ずかしげもなく使えること自体、私にはご立派としか言えません。
このスレはあなた方(お一人?)にさしあげますから、ご自由にお使いください。
そして自作を賛美するカキコだけを許してマニアックな会話を交わし、それ以外のレスには徹底バトルし続けてください。
最後に、ツイスターさん、1001さん、ありがたい応援者だったみなさん、さようなら。
楽しい時間でした。


800名無しさん@毎日が日曜日:03/02/24 04:35 ID:sYowCEvZ
で、mokkoは就職しちゃったの?
801名無しさん@毎日が日曜日:03/02/24 06:28 ID:X9Ki+Aph
「面白い妄想には必ずお誉めレスがつく」と言うmokkoさんに従って、一言。

ツイスターさん、面白かったぞー。このスレならではの最高の返し技だ!
単純にスルーもいいけど、妄想で応える方がこの場には合っているとオモタゾー。
802ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/24 06:51 ID:nQYLgNSl
ありがとうございました
>>mokko
確かにスレ主だと言いたい事は言えないと思う
これからは名無しでも別ハンでもいいので書き込んでもらえませんか?
確かにコテハンじゃ角が立つからね
おれだって名無しで書き込んだことはあるよ。ぶっちゃけ
803名無しさん@毎日が日曜日:03/02/24 10:09 ID:LbxBkhYf
>>802
粘着文学青年はおまえだったのか
804名無しさん@毎日が日曜日:03/02/24 11:33 ID:Mh9FiIS9
>>802
mokkoももう名無しでカキコんでるから安心しとけ。
805名無しさん@毎日が日曜日:03/02/24 11:43 ID:Mh9FiIS9
ってかしろうと来た辺りからいたけどな。しかも結構書き込んどる。ま、いいかこんな話。
806名無しさん@毎日が日曜日:03/02/24 12:04 ID:vOXzkwdp
799の書きこみは次のモッコリへの複線だったりして…





というのは考えすぎか?
807名無しさん@毎日が日曜日:03/02/24 15:05 ID:pIGMLR6M
808名無しさん@毎日が日曜日:03/02/24 20:12 ID:wRgBOaz0
え、このスレ終わっちゃうの?次スレとかも無いの?
俺もちょっと書いてたんだけどな…
まぁ終わりに出来るかわかんないし、クソだからいいけど。
809ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/24 20:20 ID:nQYLgNSl
>>803
他人のことでそんなに熱くはならん
自分のことにはこのように必死になるが
810名無しさん@毎日が日曜日:03/02/24 21:19 ID:3ezYbI8F
1から読んでる者だけど。。。
毎日ここを覘くのがたのしみだったんだけどね。

いつの日か必ず「ヒキコモッコリ」っていうペンネームで文庫本が本屋で並ぶのを
楽しみにしてたのに。
811ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/24 21:41 ID:nQYLgNSl
>>810
×ヒキコモッコリ
○ヒキモッコリ
812名無しさん@毎日が日曜日:03/02/24 21:59 ID:1yvPFCtV
けっこう楽しんだからもういいや
小説スレなんて探せばいくらでもあるし
813名無しさん@毎日が日曜日:03/02/24 22:00 ID:oltfhsTa
mokkoさん、穏やかに見えて
貯めて爆発するタイプだったのね。

煽りレスはなんでも来いと言っておきながら
気に入らないタイプの(粘着質な?)作家が1人でもいるとだめなの?

皆mokkoさんの気持ちを汲み取ろうとして
いろいろ書いてたのに、そりゃないよーと思いますた。
せっかく名スレだったのに、立つ鳥跡を濁すというか。

どうせなら就職で祝いつつさよならしたかったよ。
気が変わったら戻ってきてくださいな。>mokkoさん
814mokki:03/02/24 22:19 ID:cKjykh9s
mokko氏去ったなら漏れが引き継ごうかな・・。
815名無しさん@毎日が日曜日:03/02/24 22:40 ID:3ezYbI8F
オイラはモッコの話をもっと読みたい。

降臨キボン!
816名無しさん@毎日が日曜日:03/02/24 23:19 ID:sYowCEvZ
んじゃ〜アレだな。
次からはヒキコモッコリだな。



文芸板でやれよ、その代わり。
817名無しさん@毎日が日曜日:03/02/24 23:48 ID:Mh9FiIS9
別に1がいなくても続けられるさ。
「だめ板の住民が妄想してみますた。」そんな感じでいいんではないかと。
818しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/25 00:28 ID:pL10MtRa
……………。
819しろうと ◆v98fbZZkx. :03/02/25 00:29 ID:pL10MtRa
     mokko氏へのお詫び
mokko氏の感情を害してしまった事をお詫びします。
連載の途中ですが自分の書き込みを中止したいと思います。
中止というのはmokko氏はトリップがありませんので…もし本人で無かったら再開します。

過去ログを読んでもらうとお分かりになると思いますが
連載が終了し間が空くので自分の話はmokko氏とは違うけれど
載せてみてもいいかとお伺いしたのです…。

>>799
>激情してあんなに念の入った反論すること(自作自演?)
 自作自演など一度もしていません。
>「設定リスト」だの「執筆活動」だの恥ずかしげもなく使えること
 どこで使ったのでしょうか…。
>自作を賛美するカキコだけを許してマニアックな会話を交わし、
>それ以外のレスには徹底バトルし続けてください。
 そんなことは望んでいません。

mokko氏に共感して自分はこのスレに参加したので
mokko氏がいなくなるのであれば自分も去ります。
読者のためにもmokko氏が復帰することを望みます。
その時はROMすることを許してください。

もし「mokkoさん面白いことやってるね。でも自分はジャンル違うからバイバイ。」
が最良の選択肢だとしたらあまりに寂しすぎます。
ジャンルの違いを超えて分かり合えると思った自分が甘かったのでしょうか。

荒らしが千人来ようが屈する気はありませんが
mokko氏に荒らしと言われるのであれば自分が出て行くしかありません。
mokko氏本人が許す以外で自分がこのスレ(及び続スレ)に書き込む事は
二度と無いと思います。   さようなら
820名無しさん@無職なわけだが:03/02/25 00:53 ID:ymfkwjU1
いや・・・多分俺の事だと思うんですが。

因みに妄想だろうが何だろうが俺にとっては文を書いてる時点で読ませる物であろうとなかろうと、
ビジネスとして交渉に利用する物だろうと広告に記載される物だろうと、
小学生の作文だって何だって書きたい物を書く事は「執筆活動」だと思うのです。
言い方として大袈裟過ぎるかとも思いますけど。

あと設定リストってのは後々話に食い違いが出てこないように個人的にそうしているだけであって、
別に他意はないのです。

別に自作自演したつもりもありませんし、自作を賛美しろなんて言った覚えもないですが、
排他的になって他の書きたいと言ってた人達を遠ざける結果になってしまったらいけないんじゃないかな、と。
それが気に障ったのならいえ気に障っていなくても、謝りますし出て行きます。
原因を作ったのは紛れもなく俺ですし、それに暫く何かを書く気にはなれそうもないので・・・

無いかもしれませんけども、返答待ちという事で・・・
暫くこのスレを見ますが、この名前で書きこむ事は自粛します。
821名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 01:25 ID:iTiY4OCf
(・∀・)ニヤニヤ
8222重カキコ:03/02/25 01:26 ID:iTiY4OCf
(・∀・)ビョウテキ!
823名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 08:42 ID:5a0DGwoG
終了
824名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 09:25 ID:/dNnY6ZX
アアン
楽しませて貰ってたのに残念…
825名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 11:34 ID:l3FsR93i
えーと、ここは自分の番ですな。初めに言っておきますがめちゃ長文です。素敵なほどに長文です。
んで649、739などの徹底的に煽りを主体とした文を書いたのは自分でございます。
ってか文体見れば分かってもらえると思ったんだが甘かったか。
ちなみに自分はいままでROMオンリーだったので全く何も文やら書いてません。その辺は安心して欲しいです。
というか無職さんしろうとさんは全然悪くないんですよ。うん。全然悪くない。
レスをみたって当たり前のことを書かれてるし全く問題無い気がしますが。
問題は「ウザい」に過剰に反応しすぎた自分なのかもしれませぬ。
826名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 11:35 ID:l3FsR93i
ただ。
>>799
>スレ主としては、ウザイと一言コメントする感想カキコも正論だと思います。これだけは譲れません!
この発言だけはどうかと思いましたが。
はっきり言ってmokko氏の作品でつまらないのは多々ありましたが。正直な話。
しかしそこで自分が「つまらない」と発言すればどうなるかはお分かりですよね。
そんな発言するなら見に来るな!とか丁寧語で言われるのがオチでしょう。そして場が荒れる。
でも自分はいろんな作品を見れることに満足していたのでそれは言わなかった。
ってか普通は言わないのが筋ということくらいはお分かりですよね。
しろうと氏に対してはウザイ、つまらないと言っても問題無く、mokko氏に対してつまらないと言えば非難の声を浴びる。
自分は思ったことを言おうとしただけですよ?それなのに場が荒れる。
簡単に言えばそれくらいのこと分かって発言するべきなんですよ。意味も無い罵声というのは。
意味も無い罵声を容認すればそれこそ小さな宗教みたいな関係が出来ると思いますけどね。

mokkoさんの作品凄いです!!ラストも凄いおもしろかったです!!あ?しろうと?つまんね。出てけよ。
mokko氏の作品はどうもここがいまいちだと思ったけどなぁ。。あ?何言ってんだてめぇ。荒らしはカエレ(・∀・)!!

それがあなたの望むスレというのならまたいつも通り作品書いて賞賛の声でも浴びてればいいじゃないですか。良かったですね。
あなたの作品には褒め言葉しか付きませんよ?良かったですね。
どうせこれくらいのレスにも反論しようとせずまた類似スレでもどこかに立てるんでしょう。
ま、それでいいんじゃないですか。適当に頑張ってくださいよ。
827名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 11:40 ID:l3FsR93i
そしてこんな感じのレスを見てもらえれば分かる通り悪いのはこの私ということで。。

でもこれを見てこれが誰かの自作自演に見えたのならそれは切ない話で。
自作自演を見抜くよりその自作自演と思われるレスに対して意見すれば自然に自作自演も無くなると思いますけどね。
意見するなら自作自演では無くこのレスに意見するのが筋でしょう。勝手に一人で先入観持つのもどうかと思いますけどね。切ない。
最後に。

>このスレを立てた当時のレスを見ていただければそのとおりなのですが、当初は「mokko氏ね」ばっかですよ(笑)

嘘を付くのはどうかと思いますけど。
828名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 11:51 ID:7AGsYzJ+
なんか必死な人多いですねこのスレ。
さすがだめ板
829名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 14:02 ID:mqHBfSKe
結局俺たちはmokkoに踊らされてたのかもな。
830名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 15:00 ID:hQXftZD9
で、このスレどうするよ?
スッパリ終わりにするか、ダメ板住民が妄想した事を貼るスレとして(次スレを立てて)続けるか…?
831名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 15:05 ID:LO2GYCkp
ID:l3FsR93i
おまえ、ホントにうざいな。
嫌われてる事に自分で気付かないタイプの最悪の嫌われ者だな。
どっか逝け!
832名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 15:50 ID:5a0DGwoG
            o
            /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /
           /   このスレは無事に  /
           /  終了いたしました    /
          / ありがとうございました  /
          /                /
         /   モララーより      /
         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
  ∧_∧  /                /∧_∧
 ( ・∀・) /                /(・∀・ )
 (    )つ               ⊂(    )
 | | |                   | | |
 (__)_)                  (_(__)
833名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 15:55 ID:4tnBTZr2
しろうとの続き読みたいんすけど・・・・
834名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 21:13 ID:xbyLW+5e
>>833
おまえ、しろうとだろ?
おまえは書かなくて良し!
<br>
理由 つまらないから
835名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 21:55 ID:5a0DGwoG
            o
            /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /
           /   このスレは無事に  /
           /  終了いたしました    /
          / ありがとうございました  /
          /                /
         /   モララーより      /
         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
  ∧_∧  /                /∧_∧
 ( ・∀・) /                /(・∀・ )
 (    )つ               ⊂(    )
 | | |                   | | |
 (__)_)                  (_(__)
836名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 21:57 ID:Y7DsIaZj
>>832
>>835
「無事」?
837mokki:03/02/25 22:52 ID:fxxSj2vJ
花道としてmokko氏がパニックって去って行った妄想でも書こうかな・・。
838名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 22:53 ID:f23P7bR1
mokkoが好きなように始めて
気に入らない流れになったら感じの悪い捨てゼリフを残して終了か。
自己中過ぎないか?

文を書く才能が少しあることは認めるが、
あなたにはそれこそ作家的な悪いところが出てると思うんだが。
あなただけが悪いわけじゃないけど、少しは自分自身も振り返ってみなよ。
839名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 22:58 ID:l3FsR93i
まぁよくメンヘル女がここまで妄想出来ました、と。
別に嫌いたいなら嫌えばいいんじゃないですか。そんなことにはいつでも気付いてますので。
きつい煽り文に懲りずに無駄な長文なら嫌われることくらいわかるし。
こっちは言いたいことを言おうとすると長文になるだけなんで。誰もまともにレスくらないし。
ってか>>738の言葉が全てでしょうな。
あと感情にしか走れないとこを見るとここはやっぱりメンヘルのお方が多いんですかね?
840名無しさん@毎日が日曜日:03/02/25 23:43 ID:l3FsR93i
>>838
あ、スマソです・・直後に俺のいらん煽りが入ってもうた・・本当ごめん。。
841o:03/02/25 23:43 ID:xsrYBwAn
>>839 いちばんのメルヘンはお前。      と、言ってみるテスト。
842mokki:03/02/26 00:04 ID:jiuR0qGH
煽り1

「よし。アップ完了。」
「今度はどんな感想くるかな?」
「昨日は『文才age』なんてのがあったなぁ。むふふ。」

私の名はmokko、23歳で現在無職。家で静かに空想にふけるのが趣味である。
気がつくと朝になっていることもあった。

「さて、職安にでもいくか。」
失業中とはいえ前職で貯金していたことが幸いし、食費だけは半年ほど先まで見通しがついていた。

「しかし、最近は寒いなぁ。暖かくなってからでも遅くはないかな。」
もう師走に入ろうとしている。職安に行く途中ふと冬の寒さにストレスを感じ自問自答した。
しかし、求人に季節は無い。現実が襲いかかり、最悪の事態が頭をよぎる。
「チェックだけでもしとこう。」
私は職安に行く足を少し速めた。

職安は混んでいた。
「若い女も多いが男も多いな。」
受付で渡された検索の指定席へ行く。
「(なんだよ。おばさんの隣りかよ。やれやれ。)」
隣りには40代前半とおぼしき女性がパソコンの画面を食い入るように見ていた。
私はその女性をチラッとだけ見て席につき求人を検索した。
「(それなりの職はあるだが・・。どれも今一つ乗り気にならないな。)」
私は何件かあった自分に合いそうな求人票を何回か読み返していた。
「(それにしても化粧臭いな。少しはこっちにも気をつかえよ。)」
鼻につく化粧の臭いに嫌悪感を抱いた私はおばさんの方をもう一度見た。
相変わらず画面に夢中のおばさんはこっちなど見向きもしなかった。
しかし、おばさんの顔の肌は照明にも反射され異様なくらい照り返っていた。
843名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 00:12 ID:pZMLzRKP
煽るヤツより楽しみにしていた読者の方が多いと思うのですが
844mokki:03/02/26 00:19 ID:P0NdsgQd
煽り2

「よし。アップ完了。」
「今度はどんな感想くるかな?」
「昨日は『文才age』なんてのがあったなぁ。むふふ。」

私の名はmokko、23歳で現在無職。家で静かに空想にふけるのが趣味である。
気がつくと朝になっていることもあった。

「さて、職安にでもいくか。」
失業中とはいえ前職で貯金していたことが幸いし、食費だけは半年ほど先まで見通しがついていた。

「しかし、最近は寒いなぁ。暖かくなってからでも遅くはないかな。」
もう師走に入ろうとしている。職安に行く途中ふと冬の寒さにストレスを感じ自問自答した。
しかし、求人に季節は無い。現実が襲いかかり、最悪の事態が頭をよぎる。
「チェックだけでもしとこう。」
私は職安に行く足を少し速めた。

職安は混んでいた。
「若い女も多いが男も多いな。」
受付で渡された検索の指定席へ行く。
「(なんだよ。おばさんの隣りかよ。やれやれ。)」
隣りには40代前半とおぼしき女性がパソコンの画面を食い入るように見ていた。
私はその女性をチラッとだけ見て席につき求人を検索した。
「(それなりの職はあるだが・・。どれも今一つ乗り気にならないな。)」
私は何件かあった自分に合いそうな求人票を何回か読み返していた。
「(それにしても化粧臭いな。少しはこっちにも気をつかえよ。)」
鼻につく化粧の臭いに嫌悪感を抱いた私はおばさんの方をもう一度見た。
相変わらず画面に夢中のおばさんはこっちなど見向きもしなかった。
しかし、おばさんの顔の肌は照明にも反射され異様なくらい照り返っていた。
845mokki:03/02/26 00:21 ID:P0NdsgQd
煽り3

「よし。アップ完了。」
「今度はどんな感想くるかな?」
「昨日は『文才age』なんてのがあったなぁ。むふふ。」

私の名はmokko、23歳で現在無職。家で静かに空想にふけるのが趣味である。
気がつくと朝になっていることもあった。

「さて、職安にでもいくか。」
失業中とはいえ前職で貯金していたことが幸いし、食費だけは半年ほど先まで見通しがついていた。

「しかし、最近は寒いなぁ。暖かくなってからでも遅くはないかな。」
もう師走に入ろうとしている。職安に行く途中ふと冬の寒さにストレスを感じ自問自答した。
しかし、求人に季節は無い。現実が襲いかかり、最悪の事態が頭をよぎる。
「チェックだけでもしとこう。」
私は職安に行く足を少し速めた。

職安は混んでいた。
「若い女も多いが男も多いな。」
受付で渡された検索の指定席へ行く。
「(なんだよ。おばさんの隣りかよ。やれやれ。)」
隣りには40代前半とおぼしき女性がパソコンの画面を食い入るように見ていた。
私はその女性をチラッとだけ見て席につき求人を検索した。
「(それなりの職はあるだが・・。どれも今一つ乗り気にならないな。)」
私は何件かあった自分に合いそうな求人票を何回か読み返していた。
「(それにしても化粧臭いな。少しはこっちにも気をつかえよ。)」
鼻につく化粧の臭いに嫌悪感を抱いた私はおばさんの方をもう一度見た。
相変わらず画面に夢中のおばさんはこっちなど見向きもしなかった。
しかし、おばさんの顔の肌は照明にも反射され異様なくらい照り返っていた。

846mokki:03/02/26 00:22 ID:P0NdsgQd
■■■■圀■■■■■圀■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■圀圀■■■■■圀■■■■■■■圀圀圀圀圀圀圀圀圀圀圀圀■■
■■圀圀■■■■■圀圀圀圀圀圀■■■■■■■■■■■■■圀圀■■
■圀圀■■圀■■■圀■■■■圀■■■■■■■■■■■■圀圀■■■
■■圀■圀圀■■圀圀圀■■圀圀■■■■■■■■■■■圀圀■■■■
■■■圀圀■■圀圀■圀圀圀圀■■■■■■■■■■■圀圀■■■■■
■■圀圀■■■■■■■圀圀■■■■■■■■■■■圀圀■■■■■■
■■圀■■■圀■■■圀圀圀圀■■■■■■■■■■圀■■■■■■■
■圀圀圀圀圀圀■■圀圀■■圀圀■■■■■■■■■圀■■■■■■■
■■■■圀■■■圀圀■■■■圀圀■■■■■■■■圀■■■■■■■
■■圀■圀■圀■■■■圀圀■■■■■■■■■■■圀■■■■■■■
■■圀■圀■圀■■■■■圀圀■■■■■■■■■■圀■■■■■■■
■圀圀■圀■圀■■■■■■■■■■■■■■■■■圀■■■■■■■
■圀■■圀■■■■圀圀圀■■■■■■■■■■■■圀■■■■■■■
■■■■圀■■■■■■圀圀圀■■■■■■■■■■圀■■■■■■■
■■■■圀■■■■■■■■圀圀■■■■■■圀圀圀圀■■■■■■■
847名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 00:54 ID:pZMLzRKP
煽りはゆあめにしない?
>>AII
848名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 01:59 ID:bGaoAsa4
だめ板住人による妄想スレ、という着眼は良かっただけに、こういう終わり方は本当に残念。
そりゃmokkoやツイスターレベルの作品が次々と出てくれば、いち読者としては本当に嬉しい。
でもフツーあり得ない。多くの人が参加できるからこそ、良作が登場する可能性も出てくる。
良作品しか載せんなゴルァ!的なスレじゃあ、良作を書く側だって辛いでしょ。
そもそもここはだめ板なんだし、良作駄作の玉石混交、大いに結構じゃあなかろうか。

少なくとも私は、設定リストを作ろうと何しようと、無職であろうとなかろうと、
いろんな作品を読みたい。出来ればいつかは書いてみたい。
んで、賞賛の嵐を浴びたい!(これこそ妄想だなぁ)
・・・とゆー訳で、誰か新スレきぼん。しろうとさんや無職なわけさんの続きも気になるしね。
ダメかなあ・・・・
849名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 01:59 ID:TbliOUjH
>>mokki
15点
850名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 02:23 ID:HW885dHR
>>848 同意。色んな人が色んな妄想書いて、みんなでマターリ読んで楽しむ、
そんな感じがいいなぁ。無理かなぁ。
851名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 02:48 ID:vBsKZZ+a
            o
            /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /
           /   このスレは無様に  /
           /  終了いたしました    /
          / ありがとうございました  /
          /                /
         /   モララーより      /
         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
  ∧_∧  /                /∧_∧
 ( ・∀・) /                /(・∀・ )
 (    )つ               ⊂(    )
 | | |                   | | |
 (__)_)                  (_(__)
852名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 04:32 ID:anT37Yp3
どーせあそこまで暴言吐いて辞めるなら名指しできっちり文句言って欲しかったな
ごちゃごちゃしだした辺りからmokkoの発言と物語り以外は読んでなかったから
何の事言ってるかイマイチ良く分からん。

個人的意見を言えば、作者達がちょっと余計なしゃべり多すぎだったよ。
作品だけっていうのも味気ないけど1回のUPごとにお互い賞賛しあったり
端から見れば過剰な馴れ合いはきもちわるいだけなんで。

mokkoがどう思って今のこのスレ見てるか分からないけど
頭に来たのはともかく読んでくれてた人には礼をつくすべきなんじゃないかな。
853mokko:03/02/26 06:04 ID:/tEF0i9a
mokkoの最終意見(上)
気になって見に来たら、別の意味で盛り上がってますね。正真正銘、私はmokkoです。
いろんな意見が出されているようですが、やはり私は面白くないものを読まされた時には正直に「ウゼー」と言える人が好きだし、自分もそうありたいです。
スレ主としてはさすがにそこまでのことは言えませんでしたが、代弁してくださる率直なみなさんのカキコは爽快でさえありましたよ。(どなたかと違って私は自作自演など1回もしておりませんよ。これは真実です!)
自分が書いた妄想に対してそう批判されたとしても、ふーんウゼーんだなぁ、としか思いません。
心血をそそいで書き上げた入魂の大河小説ならいざしらず、職安通いの道すがらに切り貼りした即席の妄想をどう評価されようとも、私はいつだって寛大でいられます。
だって、最初からその程度のスレなんだもん。
むしろ、その付け焼き刃を楽しむ崖っぷちのスレだったのに、ここを切磋琢磨の文学道場か何かと勘違いした連中がまざって来たからややこしくなったのです。
自分の妄想を誉めるカキコは手放しで受け入れて「創作秘話(たかが妄想なのにですよ…)」まで語り出すくせに、従来からのご常連さんたちが気軽に一言「ウザイ」と書くと烈火の如く怒りだし「どこがどう悪いのか!?」の長文連鎖攻撃。しかも粘着質。
実は、私もそれに抗議する長文を用意していたのですが、板の直前までの内容を読んでさすがにアホらしくなり、先日の最終UP文をその場で手書きしました。
あのような終焉はスレ主として不謹慎であったとも思います。
(つづく)
854mokko:03/02/26 06:09 ID:/tEF0i9a
mokkoの最終意見(下)
ただ、私の理想と言うか目指していたものは、「誰もが気軽に妄想を書き込める」場でありながらも、且つ「誰もが正直に『ウゼー、よそへ逝け!』と書き込める」場でした。
てゆうか、私が大上段に振りかぶる以前の問題として、それこそがそもそもの2ちゃんなのです。
自分の書いた妄想に「ウゼー」と言われて本気で怒る方が悪いのです。
しかも、書き捨ての妄想を書いてくれと言っているにもかかわらず、そんな程度の妄想を酷評されたからと言って激怒する世間知らずな子供が、私には可哀想に思えてなりません。
だから私は、悔しかったら誰にも「ウゼー」と言われない最高傑作を載せてみろ、と遠回しに皮肉をこめて言ってさしあげたのです。
文句無しの最高傑作を書きさえすれば、あなたの大嫌いな「ウゼー」は完全に消え失せ、あなたにとって心地よい賞賛の感想だけが連続するでしょう、とも…
しかし、スレを立てた当初の勢いみたいなものが自分の中で失せて来ていたのも否めません。それは、連日繰り返される板上の論争に閉口したからです。

「ウゼー、よそへ逝け」は、「よく書いたな。でもせっかくだったけど、俺の趣味じゃないし、板の趣旨にも合ってないみたいなので、他の適切な場所へ行けば?」であることさえ読み取れなかった人は、やっぱ文才が無い。
てゆうか、むしろ書き手として致命的でさえあると思いました。
所詮はその程度が私の賛同者だったのかと判ったら、すべてがアホらしく思えました。
故に、それこそウザい後続の人々にこのスレを譲って、私は私でやって行こうと決心しました。あとはこのスレを好きに使ってくださってかまいません。
以上が閉鎖にまつわる真実です。流行語大賞は、この際あきらめます。(笑)
私のつたない妄想に付き合って遊んでくださったみなさんに幸あれ。
私は明日も、大混雑の職安へ行きます。喫煙所であの作業服姿の田中さんに会えるかもしれませんね。
(おわり)
855名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 08:52 ID:lmQgavcY
>>854
とりあえず激しく同意しておく。
>>ただ、私の理想と言うか目指していたものは、「誰もが気軽に妄想を書き込める」場でありながらも、
>>且つ「誰もが正直に『ウゼー、よそへ逝け!』と書き込める」場でした。
>>てゆうか、私が大上段に振りかぶる以前の問題として、それこそがそもそもの2ちゃんなのです。
特にこの部分な。最近勘違いしてる奴が増えてきたよな。
相手のことを思いやるレスが欲しいなら他の掲示板逝けと。
ここは2chなんだぞと。
856名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 09:12 ID:mMbQuhPR
残念だが…。
楽しませてもらったよ。
mokkoさんお疲れ様。仕事、早く決まるといいね。
857ラッキーアイテム:03/02/26 10:38 ID:ast2wQtS
858名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 10:57 ID:q7CAU40k
1が痛すぎ。俺も痛すぎ。矛盾してるし。未だに向こうも粘着だし。
(どなたかと違って私は自作自演など1回もしておりませんよ。これは真実です!)
!まで付けちゃってさ。本当に気にしないんなら放置すればいいのにね。
遠回しに言った皮肉くらい皆気付いてるっての。わざわざ公開する辺が切ないけど。俺は大きな心で受け止めて放置しましたよ?

ただウザーばっかり言ってるとなんか変に矯正される気がしたよ。
気軽に書けないよね、ウザいって言葉に嫌悪感がある人はそういうカキコを見ただけで。
あぁ、ウザいって言われるんかなぁって。その人はその人なりに頑張って書いたんだろうしさ。
そう考えればやっぱりそういうこと言われるのは嫌でしょ。
それともそんなのは気にならないほど適当に書きましたってか。
んなもん公開してんじゃねぇよとは言いたいけどね。それもageてまで。

ウザいって言葉が目に入るだけで嫌な気持ちになる人間がいましたってことで。仕事頑張れ。
859名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 11:00 ID:q7CAU40k
あぁ、言い忘れた。
ここは2chだってのは言い訳になるんかね。
自分はそれは2ch以前に人として、という方に考えるのだが。
860名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 11:04 ID:vBsKZZ+a
>>mokko :03/02/26 06:09 ID:/tEF0i9a
夜明けまでご苦労様(w
>>世間知らずな子供が、私には可哀想
おっさん何歳だよ?40過ぎとか?(藁
>>私は明日も、大混雑の職安へ行きます
今日も、だろ?(´,_ゝ`)プッ
>>1-859
ダ メ 人 間 必 死 だ な (爆藁
861名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 11:47 ID:hxLxMGwE
>>860
( ´∀`)
862名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 13:21 ID:q7CAU40k
>>860
何だこれ・・誤爆?
863mokki:03/02/26 19:14 ID:inukZUbz
ΣΣ( ̄□ ̄;)!!
いつのまにかsage進行で終わってる・・・。
しかも点数までついてるよ・・。
864名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 19:22 ID:q7CAU40k
皆さんまたーりやりましょうや。俺がいなくなるだけでマターリ度倍増だしね。
ってことで。
865名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 19:33 ID:4tImZNgW
mokko 大変おもろかったぜ!

しろうと、アニヲタ板に逝け。
粘着説教軍団、ば〜か!
866名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 21:50 ID:NW10CXCJ
(・∀・)チンポー!!
867ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/26 23:30 ID:KCpcLLo9
しろうとの続きを勝手に考えてみた
868ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/26 23:30 ID:KCpcLLo9
「同棲契約」4
彼女はさらっとそんなことを言ってのけた。
そうだ、思い出した。いつだって彼女はこんな風に言いにくいことを自然に言いやがるんだ。しかも、それはいつも的を得ている。
「分かったよ。君のしたいようにすりゃいいさ。」
それが諦めなのか期待していたのことなのかの区別もつかぬまま、俺はそれを承諾した。

「へえ、こんなところに住んでるのね。」
有希は部屋を見回しながらそう言った。押入れを空けたり冷蔵庫を開けたり、勝手知ったる自分の家のようにそこらじゅうを見て回った。
「ねえ?包丁はないの?」
「ああ、料理なんてしないからな。」
「ダメよそれじゃあ。外食なんかしたらお金かかるじゃない。よし、今日から食事は私が作るから。」
図らずも俺は料理のできる家政婦を手に入れた。確かに食事といえばコンビニか近くの牛丼屋と相場が決まっていた。
そんな食事にも辟易していた俺は、その申し出に素直に喜ぶことができた。

「ただいま〜。」
バイトから帰宅し、ドアを開けると中に向かってそう声をかけた。
ただいまなんて久しぶりに言ったな。そんなことを考えると、顔がにやけてくる。
「おかえりなさい。」
有希がエプロン姿で出てくる。不思議なほどエプロンがよく似合うやつだ。
「旨そうなにおいがしてるな。今日は何作ったの?」
「えーっと、肉じゃがでしょ、あとカニクリームコロッケと、あとギョウザとスープよ。あ、サラダもあるわ。」
「そんなに作ったのか。大変だっただろ。」
「そんなことないわよ。料理好きだもの。」
包丁を片手に有希はそういって微笑んだ。包丁はどこかで買ってきたらしい。よく見ると鍋やら調味料やら料理道具一式が見事にそろっていた。
中にはこれは何に使うんだ?というようなものまであった。
「あ、これ?これは今度デザート作るときに使おうと思って。安かったし。私お菓子作りが趣味なの。」
彼女にそんな乙女チックな所があったとは驚きだった。
料理は文句なしの味だった。コンビニ弁当なんか比べ物にならなかった。
「おい、これなら店が開けるんじゃないか?」
「なに馬鹿なこと言ってるのよ。そんなわけないじゃない。」
なんかこういう生活も悪くないなと思った。
869ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/26 23:34 ID:KCpcLLo9
「同棲契約」5
しかし、そんな生活も長くは続かなかった。
ある日、家に帰ると有希が部屋で何かに熱中していた。
「おい、何やってるんだ?」
「ああ、これ?英会話の勉強よ。やっぱりこれからは英語もしゃべれないとね。あなたもどう?」
「いやいや、それはいいんだけど。それは誰の金で買ってるんだ?」
「そりゃあ私たち一緒に暮らしてるんだから二人のお金に決まってるじゃない。」
当たり前のことのように有希は言った。
「ちょっと待てよ、そういうことするなら自分の金でやれよな。」
「どうしてなのよ。最初に契約したじゃない。暮らしにかかる費用はすべて折半するって。」
「確かに言ったけど・・・。」
「じゃあいいじゃない。後からグダグダ言うなんて男らしくないわよ。」
こんな感じでやり込められてしまった。しかも、その後がたちが悪い。
2,3日もすると「やっぱり私には無理みたい」などといってそれに見向きもしなくなるのだ。
同じようにして買ったダイエット器具や、健康食品なんかもそこらじゅうに放ってあった。
そして別れを決定付ける事件が起こった。

ピンポーン
「ちわー。小包でーす。印鑑お願いしまーす。」
俺が居間で雑誌を読んでると、玄関から声がした。また何か届いたらしい。
有希は以前チラシに入っていたパソコンの塾に行っている。
「はいはい。」
面倒くさかったが出るしかない。ドアを開けると大きな包みを抱えた男が立っていた。
「お届け物です。ハンコお願いします。」
「おい、なんだよこりゃ?」
「え?えーっと、なんでしょうね。あ、ミニ卓球台って書いてありますよ。」
卓球台だと!?ふざけるなよあのアマ!こんな狭いアパートのどこに卓球台を置くスペースがあるっていうんだ。帰ってきたらぶっ飛ばしてやる。
「あのー・・印鑑を・・」
俺は印鑑を探した。居間の箪笥の引き出しを空けると、以前から持っていたのに加えて、見覚えのない印鑑があるのに気づいた。
一緒に紙切れが置いてある。そこにはこう書いてあった。
「海運をもたらす象牙の印鑑!これであなたも運気上昇!」
俺はそれを壁に投げつけたくなった。
870ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/26 23:34 ID:KCpcLLo9
「同棲契約」6
「おい!いい加減にしろよお前!!」
有希が帰ってくるなり俺は有希に向かってどなりつけた。
「ちょっと、そんなに大きな声出さないでよ。」
「お前が悪いんだろうが!なんだよこの卓球台ってのは!」
「何よ。あなたが前卓球好きだって言うから買ったんじゃないの。」
「じゃあお前は俺が野球好きだって言ったら東京ドームでも買ってくれるのか!?それにこの印鑑はなんだ!」
「それ持ってるとお金が貯まるそうなのよ。ほら、この雑誌のAさんもすごいことになってるでしょ。」
有希が雑誌を指差しながら言った。
俺はその雑誌を払いのけた。
「もういい!出て行け!お前なんかと暮らしてたら家賃が安くなるどころか借金地獄に落ちちまう!」
「わかったわよ!出て行けばいいんでしょ。」
有希はボストンバッグに荷物を詰め込むと、俺を見もせずに出て行ってしまった。

有希がいなくなり、また元通り一人になった。
食事はコンビニですませ、暇なときは一日中家に引きこもるといった具合だ。
「ああ、あいつメシだけはうまかったんだよなぁ。」
しばらく経つとそんなことを考えるようになった。
そんなとき、部屋の片隅に何かを発見した。何かのチラシのようだ。
「なんだっけこれ?」
そう思い、それを見てみた。そこには「おかず宅配サービス」と書かれていた。
「へえ、一食からでも配達してくれるんだ。」
俺は試しにそこに電話して夕飯を持ってきてもらうことにした。
指定の時間になるとおかずが玄関に届く。外に出る必要もなく、非常に便利だった。
「おお、こりゃすげえなぁ。」
おかずも実に旨そうだった。早速一口食べてみた
871ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/26 23:35 ID:KCpcLLo9
「同棲契約」7
「ん・・・あれ・・・?」
どこかで食べた味だ。そう、これは有希の料理に似てる。いや、そのままじゃないか!
「いったいどういうことだ・・・?」
俺はすぐさま部屋中を探した。すると、キッチンの戸棚の中からレシートを発見した。
「やっぱり・・・。」
それはここの会社のものだった。俺が有希と暮らし始めてから有希が出て行くまでの期間ずっと請求がされていた。
「あのアマ・・・自分で作る振りして頼んでやがったのかよ・・・」
どっと力が抜けた。おれが好意だと思っていたものはもろくも崩れ去った。
「まあいいや。逆に言えばこの会社さえあればあんなクソ女いらねえんだ。」
メシを平らげると、すぐさま横になった。
ふと、腹に目をやると、余計な脂肪が目に入ってくる。
「ああ、そういえばあいつ目茶苦茶たくさんメシ出しやがったからなぁ。」
同棲を始める前までは掃けたジーンズが、いまでは太ももすら入らない体たらくだ。
これでは中年じゃないか。
「こりゃ何とかしないとまずいなぁ。」
寝そべりながらそんなことを考えた。すると、またひとつのチラシが目に入った。
そこには「○○スポーツBOX」と書いてあった。
「なになに・・?最初の一週間は無料で体験できます・・?」
無料という言葉に激しく惹かれるものがあった。
「どうせ暇だしちょっと行ってみるかな・・・。」
おれは思い腰を持ち上げ、チラシを手に玄関へ向かった。

男がリモコンでモニターを消した。
「どうです。わが社の発明品は?今見てもらったように、最初は自分で商品を購入するように設定されています。
でも、それだけでは長続きしません。そこで、このように家から出て行くわけです。
すると、男というのは馬鹿なもんです。女がいなくてもできると思い込みたいんです。
そこに付け込んで新たな契約をさせるわけですよ。
今までも数多くのデータがこの方法が有益であることを物語ってます。
まあ、このアンドロイドが優秀である分、多少値は張りますが・・・それを補って余りあるだけの価値はあると地震を持って言えます。
ぜひともうちと契約を!」
872ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/02/26 23:36 ID:KCpcLLo9
終わりです

よっしゃ。文句とかどんどんこーい
873名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 23:54 ID:KqYIVErk
普通におもしろい
874名無しさん@毎日が日曜日:03/02/26 23:56 ID:JjImzK42
mokkoタン
ぼくね就職決まったの
ぼくの長かった無職生活と共にこのスレはすごく良い思い出として残りそうです。
なんか残念な終わりかただったけど、このスレの終焉と共に訪れた社会復帰への道が
何かドラマチックでもあり、mokkoタンが用意したヒキモコ劇場の最高の最終回のようにさえ
思えてしまいます。でもmokkoタンにとっては決して良い終わり方ではないよね、ゴメンね。
ぼくはヒキモコ劇場がほんとに面白かったからお礼が言いたかったんだ。
ほんとにありがとう。
さようならヒキモコ劇場
さようならmokkoタン
さようなら穏やかだった時間
さようならぼくの自由
875名無しさん@毎日が日曜日:03/02/27 00:00 ID:lRM90rdf
age
876名無しさん@毎日が日曜日:03/02/27 00:03 ID:JKpt2WuS
ネットキャッシング。24時間年中無休宣言!!

ここのネットキャッシングは来店不要で遠方の方でも全国振込融資OKです。
モットーは勤務先や身内にばれない様、絶対秘密厳守です。
特別にネットからの申し込みだと、借入件数が多くて他で断られた方専用の
申し込みコーナー有。融資率95%以上だそうです。
一週間無利息なので試しに申し込んでみては。
http://square7337.com/
i-modeからはhttp://square7337.com/i/
877mokki:03/02/27 00:06 ID:lJGP59OU
漏れの続きも誰かキボヌ。
878田中さん:03/02/27 00:16 ID:xQnBEkLI
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
私の理想と言うか目指していたものは、「誰もが気軽に妄想を書き込める」場でありながらも、
且つ「誰もが正直に『ウゼー、よそへ逝け!』と書き込める」場でした。
てゆうか、私が大上段に振りかぶる以前の問題として、それこそがそもそもの2ちゃんなのです。
自分の書いた妄想に「ウゼー」と言われて本気で怒る方が悪いのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

↑ごめん・・・マジで言ってるのなら、理解できないのだが・・・


ネットさえ繋げれば誰でも入れる掲示板なんだから、煽られて平気な奴もいれば
本気で怒る奴がいるのも当然なのでは??(たまにそんな奴いるからおもしろい場合もあるし)
所詮、2ちゃんのスペース借りて立てたスレごときで『理想』って・・・。
っていうか、大体2ちゃんでスレ主の思惑通りに進むスレのほうが少ないかと思うのですが?
本当に理想を求めたいのであれば、ご自分でHPでも作ってその中でやった方がいいかと。


「ウゼー」と言う方、「ウゼー」と言われてマジで怒る方、マジで怒る方にマジでキレるスレ主、
ついでに、どうでも良いことを長々と書く>>878
私から言わせればみーんな『目くそ、鼻くそ』ですわ。

mokkoさんへ、就職が決まって社会にでたらもっといろんな人や理不尽な事がありますよ。
がんばってくださいね。

>>874おめでとー
879名無しさん@毎日が日曜日:03/02/27 00:54 ID:+D1JIs+4
>>871
オチがよくわからん。わかりやすく解説してくれ。
880隠れmokkoファン:03/02/27 02:32 ID:qGI44aHX
>>878
もうこいつの言ってる事がすべてだろ。
その通りだよ。
まぁ878の言う通り俺も最初理解できなかったんだけど、
mokkoは2ちゃんねらじゃなかったんだよ。 煽りにマッタク免疫がないご様子。
2CHはあわなかったんだね。 
今度はどっか馴れ合いで「ウゼー」とか言い合うような
小さい場所で面白い妄想でも書いたらどうかな?

最後に、mokkoの妄想とやらマジで面白かったわ。
881名無しさん@毎日が日曜日:03/02/27 03:09 ID:9pSbgmq1
このスレはこのまま続けるんでしょ?
スレ主がいなくなったスレなんていくらでもあるし、
スレタイと内容がかけ離れてるスレなんていっぱいありすぎて分からんわ。
882名無しさん@毎日が日曜日:03/02/27 06:20 ID:aWJ5Azfn
>>878 >>880
同意。
スレが理想通りに進むことなんて滅多にない。
それなのにちょっとはずれてきたらすねてやめるなんてなあ。

2ちゃんで長く続くスレなんかは>>1の思惑と関係なく、
煽りvs反論とかごちゃごちゃありながら
少しずつルールとかが出来ていくものが多いよね。
それで>>2-5ぐらいにテンプレとルール、とか。

mokkoは名スレ立てる潜在能力は十分にあるんだから、
今度どっかにスレ立てるときは
もう少し2ちゃん耐性を身に付けてね。
883名無しさん@毎日が日曜日:03/02/27 08:48 ID:Sm0c0CpE
>>881
でも、もう人がいなくなったっぽい…
884名無しさん@毎日が日曜日:03/02/27 08:59 ID:WRmHtftZ
無法地帯に耐性が無いと困るだろ?
885名無しさん@毎日が日曜日:03/02/27 11:51 ID:D+l7Qo3l
>ツイスター
おもろかったよ。

mokkoがいなくなっちゃったけど、これからも続けて欲しい。
1話づつのリレー小説キボン!!
って職人がたくさんいないと出来ないが・・・
886名無しさん@毎日が日曜日:03/02/27 15:45 ID:+D1JIs+4
>>842続き



隣りのババアが席を立った。
ふとその席を見てみると、何か落ちていた。
しめた、あのババア財布を落として行きやがった。
俺は誰も見ていないのを確認すると、素早く財布を拾い懐にしまった。

帰路の途中、財布の中身を調べる。
諭吉が数枚と漱石が1枚。
俺は札を抜き取ると財布を草むらに投げ捨てた。
さて、今日は寿司でも取るかな。

久しぶりの寿司は美味かった。
梅酒を飲みながらふと考える。
あのババア、困ってるだろうな。
まあ、どうだっていいか。ババアが困っても俺には何の関係もないこと。
ババアの不注意が招いた自業自得。いいザマだ。

煙草を吸いたくなった。
ポケットのハイライトに手を伸ばす。空だった。
しょうがねえな。買ってくるか。
俺は舌打ちすると、暗い夜道へと千鳥足で繰り出していった。
887名無しさん@毎日が日曜日:03/02/27 21:01 ID:nXyOlxkh
もう見てナイだろうけど
MOKKOお前才能あるよ。
888霧島@泣けたよ:03/02/27 21:11 ID:PVKGpma+
・・・mokkoさん、その他の作家さん、おつかれさまでつた。
できれば続けて欲しい、ってのが本音ですが。
きっと自分の駄文うpしてたらもっと酷くなってたんだろうな・・・

駄レスすまそ
889mokki:03/02/27 22:59 ID:Qz/5t80d
mokko氏2ちゃんねる卒業か・・・。
2ちゃんねらーと著名人(mokko氏は予備軍か)の共存は2ちゃんねるで成らず・・。
そして2ちゃんねるの現状を改めて感じた。てとこか・・。
890名無しさん@毎日が日曜日:03/02/27 23:37 ID:s+JsuCrq
けっ、良かったからスレ前半の時いろいろ宣伝してやったのに。
このザマか。mokkoもmokkoで浮かれがてらの余計な口数が多かったしな。
慣れ合い、自作自演、しろうとの登場によって見事にクソスレになったな。
とりあえずしろうとは2ch辞めれ。
891名無しさん@毎日が日曜日:03/02/28 00:23 ID:1g4CYFlX
密かにMOKKOには戻ってきて欲しい。

と、願いつづけているオイラは粘着ですか?

粘着age
892名無しさん@毎日が日曜日:03/02/28 01:29 ID:8Ah+HVVZ
>>888
駄文うpするのはぜんぜんいんだろ?
駄文うpしていいから、それ読んだやつがたとえ何言っても気にするな
と1はキレて去ったんじゃねーの?
だって、そもそも駄文が集まんなきゃ話にも何もなんねえじゃん
893名無しさん@毎日が日曜日:03/02/28 07:24 ID:hq/UmGtV
>>892
気にするなっていうより言われたら素直に受け入れろって
スタンスだったんじゃないの?

まあ、好き勝手言っていなくなった>>1のスタンスなんてもうどうでもいいけど。
894名無しさん@毎日が日曜日:03/02/28 19:59 ID:AmnHt42J
>>893
好き勝手言っていなくなった・・・
mokkoさんは自分と同じ境遇にある人たちがいるからここにスレたてたはず。
そこに煽りがきて台無しにされた。
まぁ幼稚っていったら幼稚だけど、このスレ煽る奴の方が(以下略)

何でも無い、無視しろ
895名無しさん@毎日が日曜日:03/03/01 00:41 ID:S9kqwReK
ツイスターは来ないか?

ほそぼそやってればいいんじゃなイ?

896名無しさん@毎日が日曜日:03/03/01 03:09 ID:alPAGw3J
>>894
それって、煽りそのものを楽しめってスタンスだろ?
最初にキレたやつがどこの世界でも一番ドアホだわな。
1も逃げた今となってはどーでもいいが。

それより、誰かはやく書けよ。
誰でもいいから何か載せて、俺にウゼーとか書かせろゴルァ
897名無しさん@毎日が日曜日:03/03/01 07:50 ID:CklmsBMf
mokkoが自作自演してたって言ってるのは誰の事?
898名無しさん@毎日が日曜日:03/03/01 10:34 ID:LwRbZfRB
>>871
ツイスターよ、落ちがイマイチすっきりしないのだが、どう言う事?
アンドロイドの宣伝だったとしてだよ、そんな下手な宣伝で誰が買うの?
って思っているが・・・そー言う見方で正解なの??
899名無しさん@毎日が日曜日:03/03/01 12:37 ID:9ypAJAON
>>898
このアンドロイドがいればがんがん自社製品を買わせることが出来ますって
宣伝なんじゃないの?間違ってたらごめん。

ていうかツイスターさんはもう来ないのかな。解説か新作きぼーん
900名無しさん@毎日が日曜日:03/03/01 13:00 ID:+6YLrtY/
>>898
まあ あのオチは意味不明で最悪だな。ツイスター逝ってよし。
単に女が会社の回し者で製品買わせる為に同棲契約持ちかけたって方が数百倍良いと思うが
901名無しさん@毎日が日曜日:03/03/01 13:59 ID:sSg9GKpa
次スレの季節がやってきた訳だが…
どうする?まだ書きたい香具師はいるのか?
902名無しさん@毎日が日曜日:03/03/01 15:15 ID:nTAXgGkx

けどあのしろうとの作品をここまで良作にできた
ツイスターは賞賛に値するぞ
903ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/03/01 17:57 ID:hP8z1vET
あーすんません
>>899で大体あってます

>>900
最初はそうしようと思ったけど途中でばれちゃうと思ったから
あえてこうしてみた。まあ確かによく分からんことになったな
904ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/03/01 17:59 ID:hP8z1vET
おれが次スレ立てるとmokkoみたいな結末になるので
立てたい人が名無しでも何でも立ててください

つーかおれが名無しで立てればいいのか
でもなんかやなので誰か立てて

905_:03/03/01 22:27 ID:HAQL4W+G
>897
ダメ板らしいレスに絶句。

mokko君を擁護レスすることさえできない信者が集っているスレなど廃止で十分。
mokko君はそのことを察知してさっさと去った辺りが皮肉だな。
906名無しさん@毎日が日曜日:03/03/01 22:38 ID:UcWt22C/
さぁ春だしクイズ大学にでも入学して
雑学キングになってみそ
ラウンジャーの雑学・知識を問う。
2ちゃんねらーだとわかる名前希望
http://www.muramura.net/quiz/
907名無しさん@毎日が日曜日:03/03/01 23:27 ID:mNy86PoG
>>905
意味不明。キモイ。
908名無しさん@毎日が日曜日:03/03/02 00:07 ID:2Z5A05bs
mokko才能あると思うよ。
ココの板らしく「無職」というキーワード(ハロワ・入社など)を入れた
小説なんて今まであった?
最初の話からより文章が濃密になっていったし。
無職だからこそ時間の有効活動からの妄想。そしてこんなんだったら
オモロイなって話だろ。その観点が(・∀・)イイ!
無職でダメ人間だろうけどこんなことなら出来るぞ!って勇気を
もらった気がする。
ビミョーに就職に対して攻めの気迫もあったし、煽ることしか出来ない
ヤツより数倍カッコイイと思いました。
909へれたさん:03/03/02 00:29 ID:MrLQrXhr
mokkoたん、ありがとう。就活がんがってね。。
910名無しさん@毎日が日曜日:03/03/02 01:06 ID:DNRjJNt0
確かに作品は素晴らしかった。
だが最後は本当に混乱して去ったようだ。
何かごちゃ混ぜになってる。妄想のしすぎで自爆したか?
911899:03/03/02 02:35 ID:XuqDGnCh
>>903
アタリ?(´∀`*)
宅配サービスとかスポーツジムも全部同じ会社がやってるって事かなと
思ったんだけど。(アンドロイドもその会社が操作?してる??)

新作きぼんだから新スレ立てたいけど…スレ名とか変えたほうが良いかな。
完全ROM側の人間が立ててもいいものなのだろうか。
912ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/03/02 11:30 ID:LJvLBOuM
>>911
アンドロイドを売っている会社がそういう宅配業者やらに勧めてるってことだね
913o:03/03/02 21:53 ID:5Wtip7j0
mokkoたん、もう少し作品読みたかったです。
名無しでもいいので、降臨キボン。
914名無しさん@毎日が日曜日:03/03/02 23:59 ID:nWreNRQ4
>>913
いい加減もうmokkoの話はやめないか?
そんなんじゃ、いつまでたっても他の人は書きずらい雰囲気のままだろ。

このまま放っておいたら
発展するかどうかも微妙だがな。
915名無しさん@毎日が日曜日:03/03/03 00:04 ID:taMu+Ov2
誰かが書き始めてくれれば良いのだが
916名無しさん@毎日が日曜日:03/03/03 00:12 ID:McPW3DLM
>>914
ハゲド
あれだけ言って去ってったんだからmokkoも戻ってき辛いだろうし、
戻って来ないと思う。
917名無しさん@毎日が日曜日:03/03/03 00:41 ID:odM9nzJA
今書いてる人いる?
俺はちょびちょび書いているんだが相当終わりそうにない・・・・三月の終わりを目標にがんがってはいます。
やっぱり初めて書いてるんだけどなかなか思うようにいかんですな。
今もし書いてる人がいればその書いてるよーって報告とかでも場繋ぎっぽくなると思います。
918名無しさん@毎日が日曜日:03/03/03 02:16 ID:TPEen1L2
>>917 あ、はい。俺も書いてます。しかも2つ…どっちも終わらせられないで困ってるvでも書くよ。
919名無しさん@毎日が日曜日:03/03/03 02:32 ID:2m8nC8NW
>>917-918
まってるよん。
 どんな話かしら?
920名無しさん@毎日が日曜日:03/03/03 15:54 ID:l0oqQwwx
次スレ立てマスタ。
★ ヒキモッコリ ★
http://human.2ch.net/test/read.cgi/dame/1046674375/
921920:03/03/03 16:02 ID:l0oqQwwx
一応、立てておきました。
是非 mokkoさんもツイスターさんも来て下さいまし。
922名無しさん@毎日が日曜日:03/03/04 17:38 ID:oOtTDZ6b
記念カキコ
923名無しさん@毎日が日曜日:03/03/04 22:37 ID:/Wpk/rZt
埋めませんか?
924名無しさん@毎日が日曜日:03/03/04 22:59 ID:HUo5tOYo
埋めない方が個人的には嬉しいかも。
向こうで書けないことをこっちで書くとかしたりしたいし。
それとかここを使って個人技じゃなくて皆のアイデアを出して作るヒキモッコリを考えてみるなんてのもアリだし。
文章を書けない人もアイデアを出し合ってさ。
皆でヒキモッコリなんてのもこっちなら出来そうじゃない?
ほかには自分のヒキモッコリ今こんなのありますよーとか。
>>919さんみたいな返答にちょこっとだけ教えてあげると期待が高まったりするかも。
4コマショートとかなら結構誰でも出来そうだし。そういう小さな発表会みたくもしてみるとか。
と、そんな感じでヒキモッコリの新たな可能性を考えるという点ではまだまだ埋めるにはもったいないかなぁなんて。
80も余ってるんだし有意義にその80使っていきましょ。
925名無しさん@毎日が日曜日:03/03/05 01:12 ID:tfcHF8hb
了解です。
926ED:03/03/05 12:05 ID:cIy95jH/
二年間勤めていた会社との契約が切れ、しかも更新する意思はないと言われて
落ち込んでいたのが先先週の始め。で先週、ついに退社。
それから昨日まで、正社員雇用の会社を三つとアルバイト雇用の会社一つの面接
を受ける。既に不採用の電話が二件。私感では、残りも駄目っぽい。

本日は何となく職安に行くのが億劫に感じられ、朝からネット三昧。Yahooでスポーツ記事
読んだりDonutPのカスタム所なぞに行ったり2ちゃんを覗いてみたり。

鬱積した気分を和ませようと思い、向かった先はガイドライン板「今日面白かったスレッド」。
そこで当スレを知る。

次スレ勃ってるみたいなんで、僭越ながら俺もそちらにヒキモッコ話なぞを
書いてみようかという気になったのがついさっき。退屈で卑屈に成らざるを得ない
毎日が、ほんの少しだけ楽しくなりそうな予感。
927名無しさん@毎日が日曜日:03/03/05 23:02 ID:7HkR62AE
>>926
マターリ期待しながら待たせて頂きますよん。
928名無しさん@毎日が日曜日:03/03/06 00:07 ID:vs4Haz/S
>926
最初新作かと思った(w
楽しみにしてるよ!
929918:03/03/06 00:51 ID:8DH5TaXY
ヒキモッコリ妄想を細々書いていたら…急に仕事が決まりました。
仕事といっても正社員ではないんですけど、半年ヒキってたので嬉いっす。
そんな訳で妄想を形にする時間は減りそうですが、マターリ完成させたいです。
930名無しさん@毎日が日曜日:03/03/06 01:18 ID:Btqfx06Y
>>929
おめでとう。作品はのんびり待ってるから、完成させてね。
931名無しさん@毎日が日曜日:03/03/07 05:25 ID:vyfdB1HH
記念パピプ
932名無しさん@毎日が日曜日:03/03/07 20:46 ID:5CWrNqAr
917です。なんとかちまちま書いております。
まだまだ序盤で終わる気配も無いですけどね。。だけどなんとか。一日5〜6行ではありますが・・
「小さなことに気づく、気づかされる」っていうのをテーマ(?)に書いてますです。
そんなくだらない日常みたいなものを妄想しております。
一応書いてるぞーっていう報告でした。
あともう一つヒキモッコリを考えてみました。
今回はそのヒキモッコリのちょっとしたあらましでも。こっちは日常性とかはナッシングですが。。
大昔、大木には顔があった。
大昔というのは人間がまだ二本足で歩けるようになってから少し経った頃。本当に大昔のこと。
当時の人間達というのはぎこちない感情とわずかな言葉を覚えたばかり。
しかし逆にその発達した部分が人間同士の争いを産ませていた。憎みあったり、殺しあったり。
そんな時、人間達は大木に出会う。
大木は人間達に語りかけることでいろんな感情を教えてくれた。喜びを。悲しみを。
人間達は完全には理解出来なかった。でも、少しづつ大木の言うことを分かってきた。
そして人間達は大木からいかに自分達が愚かなことをしていたかを知る。
人間達は考えることで、間違った考えを正していった。
そんな大木が教えてくれたもの。それが人間達に伝わり、今の私達に伝わってきた。
神様は本当にいたのかもしれない。
そんな話。
だけど書こうとする時間が無くてどうも形に出来なかったり。
ってかこういうあらすじだけ書くヒキモッコリとかってのはどうでしょうか。

やっぱり皆でヒキモッコリってのをしていきたいなぁって。
933名無しさん@毎日が日曜日:03/03/08 18:29 ID:qpPK2zhu
なんか浮いてる気だ・・・放置してください・・すんません。。
934山崎渉:03/03/13 12:41 ID:cK2aqvvR
(^^)
935名無しさん ◆xj9Qa0eajo :03/03/13 23:26 ID:x6wnBVYX
保全
936名無しさん@毎日が日曜日:03/03/18 12:44 ID:pFYxifE/
49 :日々之 :03/03/18 12:19 ID:Em2Hvjia
895 :日々之 ◆nIdk.wwcCA :03/03/17 19:35
芸大である理由:

マーチ以下のやつらはとりあえず負け組みであることに対して
自覚を持っているから(帝京を除く)、叩く理由ない

芸大は就職先ない(一般大と比べて不利)
坊ちゃん譲ちゃん変人ナルシストの巣窟
その癖して 自称エリートの東大と同格(それ以上とafoなことを言うやつもいたりする)
そんなの準1流大のこの俺、早大様は許しません(w
芸大なんて日大のちょっと下、専修のやや上程度の学校だろ(総合的に判断したら)
その程度でプライドだけは一丁前で明星とか造形とかカイヤを馬鹿にする
お前ら気づけよ、目くそ鼻くその耳くそだ(ゲラ
所詮はお絵かきごっこ、そんなので将来生計立てられるとでも思ってるの?
好きだからやってる?
だったら家でやればいいじゃん、浪人してまで芸大へ入り描きたい絵、作りたい作品ってなに?(w
お前ら芸大ってブランドがなきゃ、絵も描けないの?(作品も作れないの?)

以上の点だけで十分だろ? Fランクではなく芸大を叩く理由として


896 :名無しさん@お腹いっぱい。 :03/03/17 19:45
なんで、そんなに必死なの?↑流石どうでもいいことには頑張れるんだね。


897 :名無しさん@お腹いっぱい。 :03/03/17 19:51
>>896
菓子詰めなんかにはいってるエアキャップをプチプチ必死に潰す心理に似てると思う。
937名無しさん@毎日が日曜日:03/03/18 12:56 ID:8F1eAOlt
ヒキモッコリの意味が今やっとわかったよ。
ヒキモッコオモリってどうよ?
2ちゃんねるの闇に潜んで方方の板にカキコして去っていく〜
   ♪コオモリだけ〜が知っている〜♪
938名無しさん@毎日が日曜日:03/03/18 12:58 ID:pFYxifE/
939名無しさん@毎日が日曜日:03/03/20 23:36 ID:vTdpPQ69
議論を向こうに持ち込ませたくはないので、ここにカキコ。

オーイ、新スレの70さんよ、妄想が書けるなら書いておくんなまし。
連載中に雑談したり、煽りに噛みついたりさえしなければイインデナイノ?
940山崎パン:03/03/21 16:57 ID:YzWXbfKe
(^^)
941918:03/03/21 21:20 ID:HyDfRygd
うう、何か忙しくて書けないよ。書いたら書いたで
仕事始めてテンションが上がってしまってるせいか、以前の文とは文体が変わってる始末…
942名無しさん@毎日が日曜日:03/03/21 22:56 ID:+4/bV8eL
>>941
そんなに忙しく書かなくてもいいさー。やれる時にやれるだけでいいと思うよん。
今は仕事の方中心でがんがれー。
943 ◆MziKgwm6XM :03/03/22 11:44 ID:RWLzaq3f
えーと、こちらで初めてのヒキモッコリをさせていただきます。どうかよろしくです。
まだ書いてる途中で更新頻度もかなり遅いので生暖かい目で見守ってもらえれば幸いです。



ここにいる一人の浮浪者。

毎日辺りをうろついては時間を潰す彼の日々。
親にも見限られ、食べることも満足に出来ず。
いつ死んでもおかしくない、もう死んでもかまわない。
彼は心半ばに前進することを諦めていた。
もうどうにでもなれ。
全てを投げ出した一人の浮浪者。
そしてそんな彼が出会った一つの出来事。
その出来事が彼にもたらしたものとは何か。

これは、そんな彼についての一つの物語である。


944 ◆MziKgwm6XM :03/03/22 11:45 ID:RWLzaq3f




ザァァァッ―――――

「雨、か・・・」

昼。曇空。
憂鬱な雲が辺りを包み、降り注ぐ雨が勢いよく音を立てている。
それを眺める一人の男。
男はその場しのぎに大木を傘にしていた。
曇空を睨みつけるその目はどこかしら疲れ果てているように見えた。
身なりはお世辞にも整っているとは言えない。
色褪せたズボン、
薄汚れたシャツ、
ボロボロになった紐靴。
服装の一つ一つがより彼の貧しさを際立たせていた。
まぁそう見えるのも無理はないだろう。
彼は見たままの通り貧しい生活を送っているのだから。

945 ◆MziKgwm6XM :03/03/22 11:46 ID:RWLzaq3f

実家を追い出されてから早半年。
仕事につくよう急かす両親と仕事をする気も無い彼。
両親が親戚の会社に行くよう勧めるも結局長続きはせず。
肝心の彼はと言えば自分の部屋から一歩も出ないような毎日を過ごしていた。
そんな彼に愛想が尽きたのだろう。
「もう出て行け!!」
ある日突然頬に赤い音。
彼の中にだって考えはあった。
ただ今はそれを言うより両親に対する申し訳なさが込み上げてきた。
そして、彼は家を出ることにした。
「今までありがとう。そして、ごめんなさい。」
そんな簡単な書置きを残して彼は家を出る。お気に入りの本とわずかばかりのお金をバッグに詰めて。
それからは行くあても無くただただ途方に暮れる日々。
何の目的も持たずに辺りをふらつく毎日。
夢や目標なんて言葉は彼の頭に過ぎることも無かった。
それでもそんなに彼にとってこの生活は悪いものでは無かった。
何か心の重しが取れたような、そんな感覚を感じていた。
ただ、この街にいると家族のことを思い出してしまうのが耐えられなかった。

彼は街を離れた。心の中でサヨナラを告げて。
946 ◆MziKgwm6XM :03/03/22 11:50 ID:RWLzaq3f


ザァァァッ―――――

「これじゃ、当分動けないな・・」

彼は自分に言い訳をするようにその場に座り込んだ。
ふと上を見上げると隙間からこぼれた雫が彼の頬に当たった。
彼は軽く苦笑いすると視点を変え、いつもの様に人間観察に見入ることにした。

新しい街にも随分慣れてきた。
自動販売機にコンビニ。銭湯に警察。一通りの場所は覚えた。
初めの内は公園で長居していたのだが如何せん場所が狭い。
顔を覚えられる内にだんだん居づらくなり、今のようにぶらぶらするようになった。
彼のお気に入りは大通りを外れた場所にちょこんとある小さな古本屋。
年中無休を謳っているにも関わらずいつでも閑古鳥状態。
古ぼけた看板に妙に狭い店内。本も埃を被っている。これでは人が来ないのも無理は無い。
しかしそれが彼にとっては好都合だった。
人目を気にせずにたくさんの本が読める。彼にとってこれだけ条件の揃った店も無いだろう。
おかげですっかり彼は顔なじみになってしまった。ここなら顔を覚えられるのも悪くない。
ところが今日は突然の雨。
本屋に行こうにもここからではずぶ濡れになってしまうだろう。彼は雨が嫌いだった。
そんなことがあって、彼は仕方なくこんな場所で一日を過ごすハメになっている訳なのである。
947 ◆MziKgwm6XM :03/03/22 11:51 ID:RWLzaq3f

心地良い雨の音。
雨の一粒一粒が互いに反響し合って綺麗な音色を奏でている。
土に。道路に。草に。水溜りに。
落ちる場所によって微妙に違う音が混ざりあってとても不思議な音色がする。
深く。浅く。長く。短く。
矛盾した二つが混ざり合う音色。なんとも言えない。
この音は彼の耳に届いているのだろうか。
あの表情からすると恐らく気が付いてさえいないのだろう。
彼はじーっと見つめていた。

行き交う人の群れ。
慌ただしい人々。

こんな雨の日だってのにいつもと変わらない景色。
違うことと言えばその景色に傘があるか無いかってことくらい。
それこそ雨にたじろいでいるのは彼ぐらいなもので。
その彼はと言えばそんな人々の動きをつぶさに観察していた。
どうやら平日ということもあってかスーツ姿の人が目立つ。
その姿の人誰もが早足に移動していて。
中には天気も気にせず携帯電話で忙しそうな声を発する人もいた。
そんな声がかき消されるくらい妙にうるさいのはもう当たり前の光景。雨のせいじゃない。
皆、移動している。感情なんてどこにも無かった。
948 ◆MziKgwm6XM :03/03/22 11:52 ID:RWLzaq3f


「シアワセ、か・・・」

彼はふと溜め息混じりにいつもと同じ独り言をつぶやく。
そこにはスーツ姿の人間を蔑み、どこか羨ましそうに目で追ういつもの彼がいた。
もう彼の所持金も残りわずか。
どこにでもある封筒に一万円札が二枚と、しわだらけの五千円札が一枚。
底に小銭が溜まってはいるが、彼自身どれくらいあるのか知らない。
一日の食費は300円までということにしている。毎日銭湯に入るようにも入っている。
銭湯は一回100円。ただ、毎日入るのはマメ過ぎるか。銭湯代はもう少し削っても大丈夫かもしれない。
一応いつも通り見積もるとして彼の一日に使う金額は400円。
計算するとこの生活を続けられるのはせいぜい二ヶ月程度である。
もちろんそんなことは彼も理解していた。
あと二ヶ月、自分はどうしたらいいのか。
お金でも稼ぐか、ホームレスにでもなるか、今まで通り生きてみるか。
まだ答えは出なかった。
そもそもこんなどこにでもある三択しか浮かばないことに彼はまた不甲斐なさを感じていた。
今まで平々凡々と生きてきた自分自身。
じわりじわりと迫り来る時間。
もう死ぬしかないのか。重苦しい空気が彼を包む。
そしてこの雨空が一層彼の気分を暗いものにさせていた。

「当分止みそうに無いな・・・」

彼は一度諦め顔で雨空を睨み返すと、気分を変えるように独り物思いに更けることにした。

雨が止む気配は無く、人の足が止まる気配も一向に無かった。

949ツイスター ◆.3MljS0uCs :03/03/23 10:54 ID:YPuSXR3U
お。始まった!
がんばれー!
950 ◆MziKgwm6XM :03/03/23 22:22 ID:JoXIdVoR
更新は2〜3日に一回くらいを目標にしております。だから今日は更新無しだったり。
951 ◆MziKgwm6XM :03/03/24 12:41 ID:D5YpZS8j




・・・――――――



ただ、眺めていた――

あの高い空を。
響き合う街の声を。
固まりあった人の群れを。

過去を振り返る度に付きまとう記憶。
今と変わらない、遠くの景色ばかり見ていたあの頃。
そう、彼はいつでも傍観者だった。
952 ◆MziKgwm6XM :03/03/24 12:42 ID:D5YpZS8j

小さい頃から本が大好きだった。
暇さえあれば本を読んでいた。
本を読む度に広がる新しい世界。
いつだってそんな世界に魅せられていた。
両親が喜んで買ってくれたのも本だけだった。
だから彼は本が大好きだった。今も変わらない。
彼はどこにいたって本の世界を思い描いていた。
空を見ては空に浮かぶ街を、どこまでも続く広い草原を。
声を聴けばその声の調子や態度から人間の細かい感情を感じて。
そうやってありとあらゆるものが彼の頭に取り込まれ、
少しづつ形を変えて彼の頭に再現されていった。彼の世界が少しづつ出来ていった。
そして、もう気付いた時には遠くを眺める癖が付いていた。
だからいつだって彼は作られた枠の外を眺めていた。
決して枠に入ることはせず。枠を作ることもせず。
枠をじっと観察していた。会話に聞き入っていた。
何においたって彼はそれを受けとめることしかしなかった。
自分から何かをしようって気持ちが無くなっていた。
953 ◆MziKgwm6XM :03/03/24 12:43 ID:D5YpZS8j

そして気付いた時にはもう彼は独りぼっちだった。
彼に掛かった声も少しはあったかもしれない。
それでもその声は彼に届かなかった。
何故なら現実の声は本の中とは違って、つまらない中身で詰め込まれていたから。
くだらない自己主張、意味の無い陰口、警戒し合うが故の上辺だけのコミュニケーション。
彼はずっと眺めていたから、そんな違いも分かるようになった。
声に嘘がある。顔に嘘がある。だんだんと分かるようになってきた。
でもそれが分かったってどこにも彼の思い描いた現実は無かった。

いつのまにか人に失望していた。

ずっと眺めて過ごす毎日。
ずっと独りで過ごす毎日。
逃げるように、本の世界へ。
どんどん遠く、本の世界へ。




私はただの傍観者でしかない―
954 ◆MziKgwm6XM :03/03/24 12:43 ID:D5YpZS8j











ピシャッ。




雨の雫が、彼をまた気付かせる。

意味も無く過去を振り返るのは昔の彼の悪い癖。
いつ考えたってこの過去に答えは無いのに。
あるのは自分がここにいるという現実。
いつも残るのはどうしようもないやるせなさ。

「これだから雨って奴は・・・」

何でも何かのせいにしたがるのも彼の悪い癖。
彼は雫を拭ったその手で頭を軽くポンポンと叩いた。
もうこんなこと考えないように、彼は靴紐をきつく縛りなおした。

955 ◆MziKgwm6XM :03/03/24 12:44 ID:D5YpZS8j



もちろん彼は分かっていた。

自分は本しか読めない人間だということを。
現実がどうとかそんなのはただの言い訳にしか過ぎないってことも。
彼は物心付いた時から人と心から交わった試しが無い。
いつだって独りで、そう、独りで。
誰かと話しをするのが恐かった。
いつも余計なことを深く考えるばかりにいつも何かを見失って、それで妙に疲れ果てて。
本をずっと読んでいたって心のどこかでは分かってた。
本当は誰かと気軽に話がしてみたかった。一度でいいからしてみたかった。
だけどもし気軽に話が出来たとしても、その後にいる自分を想像してみたらなんだかやるせなくて。
だからもう彼は誰とも交わらないことを決めている。
独りで生きていく方が自分に合っている、そう思ったから。
それでも彼は過去を思い出す度にあの時の揺れ動くもどかしさを思い出してしまって。
なんとも言えないもどかしさ。どうすることも出来ない。
そして独りで生きてきたおかげで今の自分がいる。何も無い自分。
この生き方で正しかったのだろうか。それとも独りで生きるということはこういうことなのか。
漠然とした悩みが彼を覆う。もちろんそんなことに答えが出るはずも無く。

靴紐を縛り終えた彼はそれを振り払うように大きく伸びをした後、大木に掛け直した。




―こんなこと考えたの久しぶりだな…


956 ◆MziKgwm6XM :03/03/25 10:29 ID:wi7CZd82
さっぱり何の展開も無い退屈な文ですみませぬ。
次の更新時には多分ちょっと進展が出ると思うので、
それまでは彼の過去やら仕草やらで妄想してもらえると嬉しいです。
957 ◆MziKgwm6XM :03/03/28 10:34 ID:VRIMi76h

 

外はまだ雨。
信号が赤へと変わる。
正確な時刻は分からない。しかしもうすぐ昼だろう、彼の腹がそう言っている。
が、人の流れが多少まばらになってきた所を見ると彼の予想もまんざらでは無さそうだ。
それに彼も随分退屈もしていた。
ここで雨宿りしていても気分はどんどん憂鬱になるばかり。
本が無いとこうも落ちこんでしまうものか、彼は少しショックを受けた。
しかしこの螺旋を断ち切る為にも目の前の動かない景色を変えたかった。
景色が動けば少しは気分が晴れるだろう。
丁度腹時計がいいきっかけにもなった。

「さぁて、飯でも食べるか・・」

そんないつもの彼らしい考え方である。
場所は決まっている。彼が毎日通っているコンビニ。
どこにでもある普通のコンビニだ。そう言えばこの前新しい店員さんが入ったんだっけ。
ただそこのコンビニまでは多少距離がある。けれど、そこ以外にめぼしい場所は無く。
まぁ食べ物は向こうに行ってから決めればいいとしよう。
問題はこの雨。
傘なんてものはあいにく彼は持ち合わせていない。
雨は止む気配も無く未だ降り続けている。
でもずぶ濡れで店内に入るのは気が引ける。

「しょうがない、走っていくか・・」
958 ◆MziKgwm6XM :03/03/28 10:35 ID:VRIMi76h
いつものコンビニまでは走って4〜5分といった所。
気合を入れて走ればもうちょっと短縮出来るかもしれない。
途中に一箇所線路があるけれどそこは電車が来ないことを祈るとして。
とりあえずこのカバンを傘にしていけばなんとかなるだろう。
もしずぶ濡れになっても店の屋根でも使って雨宿りさせてもらうとすればいいか。
彼は今一度空を確かめる。
やはり雨が止む気配は無し。どんよりとした色に心地良い音。
そこに加わる彼の腹の音。

「行くしか無いよなぁ・・」

彼は諦め顔で溜め息一つ決心を付ける。
彼の景色にはやや離れた場所に横断歩道が一つ。信号は青。
ただ、今から飛び出して信号が赤にでもなったらそれこそ雨に濡れる時間が増えてしまう。
一旦信号が赤になるのを待ってからにしよう。彼はそう決めた。
959 ◆MziKgwm6XM :03/03/28 10:36 ID:VRIMi76h

ぼーっと信号を見つめる彼。
その眼差しはいつもと変わらない目。眠たそうな、疲れたような、そんな目。
特にすることも無くて、ただ信号の色が変わるのを待っているだけ。
気付けば寄りかかる大木も随分雨に濡れて雫の落ちるペースも速くなってきた。
その雫は小さなリズムを正確に刻みながら淡々と。
彼は雫の当たらない場所へ身を小さく移動させながら信号を見つめていた。
こういう何気無い時間というのは意外と長く感じるもので、彼もまた同じ気持ちでいた。
腕組みをしてみたり、手にアゴを乗せてみたり、わざと雫に当たってみたり。
このなんとも言えない独特の時間もどうやら彼なりにやり過ごしているようだった。
人の流れもいつもより大分落ち着きつつある。
腕を組むカップルに買い物姿のおばさん。
深くフードをかぶり黙々と走っているのは若手のボクサーだろうか。
ゆっくりとした人の流れは、彼に普段見失いがちな人の姿を照らし出させていた。
そしてそれは、降り続く雨が昔の街を蘇らせたようにも見えた。
960 ◆MziKgwm6XM :03/03/28 10:39 ID:VRIMi76h

と、ふと彼の目に一人の姿が止まる。
ゆっくりとした流れに忙しげなスーツ姿が一つ。
人を避けながらいそいそと急ぐ姿が街を見渡す彼の目に止まった。
そのスーツ姿の女性は書類と思われる封書を重ねて、雨から守るように小走りに動いていた。
彼女が人にぶつかりそうになる度に申し訳無さそうに小さくおじきをする仕草が彼の目をより引き付けていた。
表情も今まで彼が見てきたスーツ姿の人間とは違う、どこかしら人間らしさを感じさせた表情をしていた。
力の込もった、まっすぐな目。
そんな彼女を彼は「まだこんな人もいるんだなぁ、」と言ったような目で見ていた。
目で追いながら自分の中の片隅に彼女を重ね合わせて。
遅い流れの中で一人急ぐ彼女。真剣な彼女。
もしこの流れが速かったら。

「自分が気付かないだけで、まだこの街にもいるのかもしれないなぁ。」

彼は少しこの街を見直した。
漠然とした期待ではある。でもそのことが嬉しかった。

「今日はこの雨にも感謝しなくちゃいけないな。」

彼は手を後ろに回して大木を撫ででやると、前向きに溜め息を一つ置いた。
彼には、目の前の景色が少しくっきりとして見えたような気がした。
961 ◆MziKgwm6XM :03/03/28 10:40 ID:VRIMi76h


と、彼が視線を戻したその時だった。

彼女が転んでいるではないか。それも随分大胆に。
持っていた封書の山はバラバラになり、辺りに飛び散っている。
あの様子じゃ多少のケガもしているだろうに、それにも関わらず彼女は封書を慌てて集めている。
周りの人間も冷たい。
彼女に手助けする素振りも見せず、冷たい視線を向けると封書を避けるようにそそくさと移動していく。
中にはどう見ても暇そうな人間もいた。
しかし彼達もまた、彼女に手助けすることは無かった。
飛び散った封書の数はまだかなりある。雨はまだまだ降り続く。


気が付いた時には、彼の足はもう彼女の元へ向かっていた。


あの信号はまだ、赤い光を灯していた。


962 ◆MziKgwm6XM :03/03/28 10:49 ID:VRIMi76h

今日はここまでです。ってか更新遅くてすんません・・・

あと一つ皆さんに聞きたいことが。
毎日少しづつ更新するのと数日置いてまとめてドバッと更新するのと、
どっちの方が良いんでしょうか。。
いずれにせよ相当自分は書くペース遅いんで、かなりマッタリなのは変わりませんが・・

ちなみに現在、永遠の宿敵スギ花粉と真剣勝負中だったり。
この野郎!どこからでもかかってきやがれ!うっ、目が!鼻が!くっそぉーーー!!
自分を救え、アミノサプリ。いや、アミノサプリは飲まないんですけど。

そんな感じでどうか一つお願いします。(どんな感じだ)
963 ◆MziKgwm6XM :03/03/29 22:11 ID:xFq+kKAe


降り頻る雨の中、走る人影が一つ。
振り向く人の姿になど目もくれずに。
強く打つ雨など気にも止めずに。

その影はひたすらに、もう一つの人影を目指して。

もちろん距離は短い。
しかし影にとってはそれも十分な距離だった。
日頃動くことの無い体は、それだけでも声を発していた。

それでも。

助けたい。

その気持ちが影を動かしていた。
そしてその場所につくやいなや、影は無言で封書を拾い始めた。
人影は一瞬驚いたような顔で影を見た。
しかしその姿を見て何かを感じたのであろう、同じように無言で拾い始めた。


黙々と封書を拾う二人。
雨の音だけが、時間を感じさせていた。

964名無しさん@毎日が日曜日:03/03/30 12:16 ID:sR5m6e5x
ってか感想カキコなしかよもまいらwwwwww
965名無しさん@毎日が日曜日:03/03/30 13:57 ID:iq/Q6HbF
>>964
新スレに書いてんじゃないのか?
966名無しさん@毎日が日曜日:03/04/02 03:58 ID:AomernHu
あげ
967 ◆MziKgwm6XM :03/04/03 00:26 ID:Xfha008I





「だ、大丈夫ですか?」

封書を一通り拾い終えた後、彼が発したやっとの言葉だった。

大半の封書は随分雨に濡れてしまった。
インクが滲んでいるような物もある。
封書自体がよれてしまった物もある。
どう見ても大丈夫じゃない物も少なからずあった。
しかし彼は言葉を発した。発してしまった。
それは人間にありがちな癖というもので、彼もこの言葉を言った後少しばかり後悔をしていた。
ところがそんな彼の気持ちとは裏腹に、返ってきたのは彼女の元気な声だった。

「ありがとうございます、、助かりました!」

どこにでもありそうなスーツにすっぴんの笑顔。
飾り気の無い彼女の姿は、より彼女の笑顔を引き立てていた。
本当に彼に対して感謝をしている、嘘の無い笑顔でもあった。
968 ◆MziKgwm6XM :03/04/03 00:27 ID:Xfha008I
おととい辺りから具合悪くて死んでました。
やっと復活気味になってきたのでこれからは大丈夫だと思います。
969名無しさん@毎日が日曜日:03/04/03 10:13 ID:QzK3VBkC
楽しみにしてます。がんばって!
970 ◆MziKgwm6XM :03/04/04 13:32 ID:wBOEwHOR



「随分濡れちゃいましたね・・・」

申し訳無さそうに彼が話すと彼女が一言。

「あ、中身さえ無事なら大丈夫なんですよ。だから本当に助かりました!」

彼女はもう一度深くおじぎをした。
この雨を感じさせないほどの元気な笑顔だった。

「あ、そうだったんですか・・良かった。。」

彼は安堵の表情で息を漏らした。
しかしこの時間がそう長く続く訳でも無い。

「すいません、今仕事で急いでるんで・・」

「あ、それは見ててなんとなく分かってましたから。仕事の方、頑張って下さい。」

「本当にすいません、いろいろとお手数しちゃって・・それじゃ!」
971 ◆MziKgwm6XM

短い時間だった。
最後に彼女はもう一度礼をすると、そのまま人込みに消えていった。
後味の良い、不思議な出来事だった。
彼はその走り去る彼女を見つめていた。遠くを見つめるような、懐かしい目で。
そして彼女が視界から消えると、彼は名残惜しそうな顔をして前を向きなおした。

と、彼が顔を下に向けると足元に一本のボールペン。
彼はふとそれを拾い上げた。
少しだけ使い慣らされた、どこにでもあるボールペン。
彼はすぐさま気付いたように後ろを振り返る。しかし、もう姿はどこにも無い。

彼は諦め顔でその場を後にした。その片手に、一つのボールペンを握り締めて。