ネギまバトルロワイヤル24 〜NBR ]]W〜

このエントリーをはてなブックマークに追加
1マロン名無しさん
このスレは、『魔法先生ネギま!』キャラを用いたバトロワスレです。

<特徴>
他の多くのバトロワスレはリレー小説の形式を取っていますが、このスレでは異なります。
単独の作者による、長編SSスレとなっています。
現在、第23部まで完了。現在連載作品は無し。次は24部となります。各長編SSはそれぞれ独立したお話となっています。

たまに、既に完結したお話のサイドストーリー、アナザーストーリーなどの短編が書かれることもあります。

<作者志望の方へ>
このスレでは、原則オープニングからエンディングまで全て書き終えた者が連載を開始できます。
見切り発車厳禁。頑張って書き上げましょう。
完成したら宣言の上、皆の了承を得て投下を開始して下さい。

<注意事項>
作品に対して内容にケチをつけたり、一方的な批判をするのはやめましょう。
こういう人が居ても、他の人は荒らしとみなしてスルーしましょう。
作者の都合もありますので、早くしろなどの催促はできるだけしないように。
次スレは原則>>950を踏んだの人が立てること。
容量オーバーになりそうなときは、気づいた人が宣言して立てましょう。
基本的にsage進行。


過去スレ等は>>2-5くらい
2マロン名無しさん:2008/06/10(火) 22:10:58 ID:???
ネギまバトルロワイヤル  ttp://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1107856778/
ネギまバトルロワイヤル2 ttp://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1128095637/
ネギまバトルロワイヤル3 〜BRV〜 ttp://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1129557828/
ネギまバトルロワイヤル4 〜NBRW〜 ttp://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1132910518/
ネギまバトルロワイヤル5 〜NBRX〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1135869915/
ネギまバトルロワイヤル6 〜NBRY〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1139151600/
ネギまバトルロワイヤル7 〜NBRZ〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1142342541/
ネギまバトルロワイヤル8 〜NBR[〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1145711038/
ネギまバトルロワイヤル9 〜NBR\〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1151827124/
ネギまバトルロワイヤル10 〜NBR]〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1156684255/
3マロン名無しさん:2008/06/10(火) 22:11:25 ID:???
ネギまバトルロワイヤル11 〜NBR]T〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1158672877/
ネギまバトルロワイヤル12 〜NBR]U〜 http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1171806097/
ネギまバトルロワイヤル13 〜NBR]V〜 http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1179239147/
ネギまバトルロワイヤル14 〜NBR]W〜 http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1187028365/
ネギまバトルロワイヤル15 〜NBR]X〜 http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1190977392/
ネギまバトルロワイヤル16 〜NBR]Y〜 http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1194335358/
ネギまバトルロワイヤル17 〜NBR]Z〜 http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1198065247/
ネギまバトルロワイヤル18 〜NBR][〜 http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1200675076/
ネギまバトルロワイヤル19 〜NBR]\〜 http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1202304288/
ネギまバトルロワイヤル20 〜NBR]]〜 http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1204558517/
ネギまバトルロワイヤル21 〜NBR]]T〜http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1206440868/
ネギまバトルロワイヤル22 〜NBR ]]U〜http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1208439710/
4マロン名無しさん:2008/06/10(火) 22:11:47 ID:???
ネギまバトルロワイヤル23 〜NBR ]]V〜http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1210519150/←前スレ

ネギまバトルロワイヤル まとめサイト(4代目)
http://www.geocities.jp/negimabr/index.html

まとめサイト 別館
http://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html

携帯用まとめサイト
http://64.xmbs.jp/negima/

まとめサイト2−現在更新停止中(初代まとめサイトとまとめサイト3はなくなりました)
http://www.geocities.jp/negima_br/

ネギまバトルロワイヤル 専用アップローダー
http://www7.uploader.jp/home/yuyu/

話し合いをする場合はこちらで 話し合い用スレ(したらば)
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/8740/

銃器疎い作者さんへ
http://mgdb.himitsukichi.com/pukiwiki/?MEDIAGUN%20DATABASE
5マロン名無しさん:2008/06/10(火) 22:12:18 ID:???
__  __ ____   _    _  __ __    _
|∨\ |∨| |┌─<| / <\  |∨| |\∨/|   / ∧
|│[\|│| |├<|   |│|┌‐┐ |│| |│∨│|  /∧ ∧
|∧| \∧| |└─<| \ </  |∧| |│∨│| /┌┐∧
 ̄    ̄   ̄ ̄ ̄     ̄     ̄   ̄   ̄  ̄    ̄
       ネ ギ マ ・  ロ ワ イ ヤ ル
___     _   _  __  _    __      ____
|┌、∧   /─\ ∨∨ //  / ∧   |∨|     |┌─<|
|├┘/  |│|_|│|  ∨∨/  /∧ ∧  |│|__ |├<|
|∧ 、\  \─/   │|│ /┌┐∧ |/─<| |└─<|
 ̄   ̄      ̄     ̄    ̄    ̄   ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄

____       ______            _______
|書き込む| 名前: |         | E-mail(省略可): |sage         |
 ̄ ̄ ̄ ̄        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄             ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                                 ∩
                               , ─|l| ,/ノ
                               ! ,'´  ̄ ヾ
                               ! | .||_|_|_|_〉
                               ! トd*゚ -゚||  ここにsageって入力するんだ
                               ノノ⊂ハハつ    基本的にsage進行…
                              ((, c(ヾyイ      なんで私だけバニー…
                                  しソ
6マロン名無しさん:2008/06/10(火) 22:12:48 ID:???
    , ‐¬77 フ¬∧ ヽ ヽ    \  ヽヽ   ヽ ヽ  ヽ
   /    // /  / / 、  \ ヾ 、    \   \    ヘ  \  l
 /     ,// イ  / /  ヾ ヽ、 \ヽ    ヽ  ヽ   ヘ   ヽ l
/     / ! ‖ ||│   \ ヾ 、\\ >‐-< _   l i    |
     i / ||  ||│    ヽ \\/` <´ ̄ \ヘ   l \  |
     |/ | |j.  l| | / ̄`ニ、 \ Y >>‐, ─、- Y   !ニヽヽ j
     |! !. l !  l∨‐'¨´ ___ヽ ヾ!  ´‐' ヒj  j / l   ∨ヾi. /
     |  l |l ト. iヘ , -ャテハ` ∨¬、   ゞ=='´ j|   リ !ノ/
       l.|ヾi  l ヾ 、弋ヒソ  !  ヽ   //// li.   ∨/
       l ! ト、 ゝ ヘ.     /    ` 、_, ‐''  ||ト.   i'                        [ I N T E R M I S S I O N ]
       ヾ   ト、.`ト ヘ.___/            !!|i   !
          l ヾ! |ゝ、    < ̄`>     / ll    L __    ,ム                  XXV Hasegawa Chisame
          |    | ヽ丶、          /   ||   | | \./  \__
━━━━━━━|    |  ヘ  >- 、_    _/     ll   | |   /  !、 <, ベゝ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          |    ト   ヘ      ` ーく     /||   | ト、./   ヽ、__,ノ  `ヽ_.   Welcome to Negima Battle Royale22.
          |    ヽ  、 !  _, -‐'7´ ̄/ ̄ ̄`` !ト   !_,ノ      〉     !  , ヽ            "When They Cry...?"
          ヽ.     ヽ >'´  /i   ! ̄`ヽ   |レ'´ ̄  `ヽ、   i    /  i  l
7傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/10(火) 22:23:17 ID:???
真名「それでは、本日はこれにて投下を終了させてもらうぞ。
   明日は完結編になr……」
刹那「…………はぁ…」
真名「どうした?刹那?浮かない顔をして」
刹那「立ててよかったのかな……間違えていないかな……(ブツブツ)」
真名「…やったものは仕方がない、間違ってたのなら消えるよ、うん」
刹那「と、とりあえず、おまけ、です……」
pass:chiukid ↓千雨のストレス発散会場?
ttp://www7.uploader.jp/dl/yuyu/yuyu_uljp00151.txt.html

        第二夜終了。うぅ、何か悪い事したような気が…
        …立てるの色々混乱した…余計な事したならごめんなさい。…えと、明日に続きます。
8傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/10(火) 22:25:32 ID:???
前スレ>>934
刹那「あっ……も、申し訳ありませんっ!【脱出】としておいてくださいっ!」
真名「脳内補完という奴だ……便利だな、この言葉」
9マロン名無しさん:2008/06/10(火) 22:26:01 ID:???
あ〜あ・・・やっちゃったな
10マロン名無しさん:2008/06/10(火) 22:40:40 ID:???
乙です。
今日のは古が良かった。
なんか古が可愛く見えました。
明日も楽しみにしています。
11マロン名無しさん:2008/06/10(火) 22:50:09 ID:???
おっつー。
せっちゃん可愛いです。

スレ立てに関しては気にしなくて良いと思います。
ただ、議論がどうこうの話があったみたいだから次回からこういうときはしたらばに投下して様子をみたほうが良いかな。
12マロン名無しさん:2008/06/10(火) 23:03:14 ID:???
投下&スレ立て乙です。

スレ立ては結論が出てないので、あの時点で前スレに余裕なかったから
緊急避難としてはなんら問題ないと思います。
13マロン名無しさん:2008/06/10(火) 23:27:29 ID:???
傾向作者さん乙です。
明日も楽しみにしています。
ところで短編を投下したいんだけど
一部展開を過去の部から意図的に使っています
問題になる危険があるために
意見を聞きたいので30分位様子を見てから投下しても問題ないのか判断したいです。
14マロン名無しさん:2008/06/10(火) 23:33:38 ID:???
>>13
今から寝るので見るのは明日の朝になるけど、楽しみにしてます。
15マロン名無しさん:2008/06/10(火) 23:37:14 ID:???
いいよ
16マロン名無しさん:2008/06/11(水) 00:01:59 ID:???
えっと、問題なさそうなので投下させていただきます
楽しんでいただければ幸いです。
17短編@:2008/06/11(水) 00:05:47 ID:???
バトルロワイアル、
この史上最低のゲームがきって落とされた。
今回の参加者となってしまった
麻帆良学園3−Aの生徒たちは簡単にルールを説明されて
この無人島へと放り出された。
ゲームに乗ってしまうもの、恐怖のあまり精神が崩壊してしまうもの、
絶望の中においても、決して希望を捨てぬもの
様々な反応があった。
そしてその中で、図書館探検部の4人は
運よく森の中で再開を果たすことができた。

「しっかし、よく再開なんてできたねぇ」
「きっとみんなの普段の行いがええからや」
「でも、これからどうするですか、まさか
ゲームにのるなんて考えられませんですし」
「と・・とりあえず二手に分かれて・・・」
提案を出したのどかに対して
ハルナはすぐに反論した
「絶っ対ダメ!!!」
18短編A:2008/06/11(水) 00:07:09 ID:???
「どっどうして?」
「いい、この世界じゃあ、再開を約束して二手に
分かれると次に会うときはどっちかが死体になってるわよ
みんなで生き残りたいのなら、離ればなれにはならないこと!!
まずは4人で、アスナか、くーふぇい、を探し出す」
突然の熱弁に3人は驚いてしまっている
しかし、3人は同時にある疑問を抱いた
どうしてその2人なのか、するとハルナはそのことに気づいたらしく
「この2人は確実にゲームには乗らない
後龍宮さんや、超りんが脱出の鍵を握るはずだから
この2人を見つけたら、しばらくは様子を見るわよ」
「そういえばさっき遠くで銃声が」
「きっとやられたのは葉加瀬ね」
19短編B:2008/06/11(水) 00:09:00 ID:???
ハルナの驚くほど冷静な判断に対して周りが驚く
「しかしハルナ、どうしてあなたはそこまでこのゲームに詳しいんですか?」
「うん、うちもそこが気になるんなぁ」

するとハルナは自慢げに
「昔書いたことがあるのよ、バトルロワイアルのパロディ小説
私たちが参加者として殺し合いをする話」
「なんだってーーー!!!」
一同は声を合わせて驚く。
「私の他にも何人か書いてたんだけどそのときのパターン
から考えて安全そうな人から会いに行こうってわけ」
「ちょ・・ちょっと待って、そんなこと、言っちゃって大丈夫なの」
「もし、首輪に盗聴器の類が付いている可能性だってあるデス。
ひょっとしたら、首輪が爆発させられるかも知れませんから」
「う〜ん、いい質問だね夕映吉君、でも心配要らないわよ
これくらいで、首輪を爆発させられるなんてありえないから」
その後もハルナの解説は続いていた。
20マロン名無しさん:2008/06/11(水) 00:10:18 ID:???
バロスw
21短編C:2008/06/11(水) 00:11:32 ID:???
そんな中このかはハルナが書いた小説への質問を始めた。
「ハルナの書いた小説にぃ、ウチらも出てきたんねぇ
ウチらのことどう書いたん?」
「えっとねぇ、私は序盤にあっけなく死んじゃったわよ
自分のこと書いてて、自分が活躍するわけにはいかないからね」
ハルナは話の中で自分を殺したことをさぞ当たり前のように答えた。
さらにハルナの話は続く
「夕映はみんなを置いて先に一人ゲームから脱出」
「なっ!!!」
「のどかは史香に襲われたと勘違いさせられてあっけなく死亡」
「はうっ!!!!」
「このかは精神崩壊からゲームに参戦、武器を片手に
私やエヴァちゃんを殺して不気味にさまよう」
「ひゃっ!!!!」
自分がハルナの話の中でとんでもない扱いをされていた
ことを知って一同が反論する
22短編D:2008/06/11(水) 00:13:00 ID:???
「わ・・・私ってそんな扱いなの」
「私だって、自分だけ逃げるなんて卑怯なマネするわけないです
現に今だって・・・。」
「ウチかて、そんな簡単にゲームに乗ったりするわけあらへんやろ」
しかしハルナは
「まあ、私の書いたのはパロディだから
そんな、深く考え込んじゃだめ
今起きている、この戦いとはわけが違うんだから、
脱出したら紹介するわよ私が書いたゲームのストーリーを。
そのために今は、主催者を倒すことを考えないとね」
「ハルナ・・」
そういって、図書館部のメンバーは動き始めた
脱出へと向かって。
「ところでハルナ、私に支給された拡声器ですけど・・・」
「そんな危ないもんとっとと捨てなさい!!!」
23マロン名無しさん:2008/06/11(水) 00:21:44 ID:???
傾向氏よくぞこっちに立ててくれた
GJ
24短編作者:2008/06/11(水) 00:24:23 ID:???
以上です
使った部分を読んでない人もいると思いますので
どの部かは伏せますが
勝手に使い申し訳ありませんでした
感想などお待ちしています。
あとこの短編のタイトルをMANA達にラジオで決めていただきたいです。
25マロン名無しさん:2008/06/11(水) 00:46:27 ID:???
オチが素晴らしい
26マロン名無しさん:2008/06/11(水) 01:09:30 ID:???
葉加瀬のとこワロタw
27マロン名無しさん:2008/06/11(水) 01:45:20 ID:???
再会な
28マロン名無しさん:2008/06/11(水) 06:03:40 ID:???
乙です。なかなか面白かった。
29葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/11(水) 06:30:48 ID:???
ネギロワらじお宛

毎回楽しみに見させてもらっています。噂の発信源です。
やはり冗談でもMANAさんを怒らすのは怖い……
でも、怒っているMANAさんも良いけど、笑顔のほうが良い!
そんなわけで、ニコニコで某動画を見ていたら
ネギロワらじおでMANAさんと刹那さんが笑顔で踊っている絵が不意に浮かんだので
描いてみました。

ttp://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00152.jpg

  PS.前スレ901にはやられました。GJです。
30マロン名無しさん:2008/06/11(水) 08:09:24 ID:???
ウマウマw
31マロン名無しさん:2008/06/11(水) 14:28:40 ID:???
>>29 後ろの千雨もやりたがっているとみた
32マロン名無しさん:2008/06/11(水) 16:49:45 ID:???
過去作者は今どのくらいの人が覗いてるのだろう?
17〜20氏とこの前来た4氏は見てる確率高そう
21氏は前の発言で21部終わった後から見てないっぽいけど最近復活みたいな事も言ってたから今見てたりするのかな?

誰でも良いから過去作者の書く短編見てみたい
また18氏降臨しないかな・・・
33マロン名無しさん:2008/06/11(水) 16:53:06 ID:???
こんな糞スレで過去作者が投下なんてするわけねーだろ
34マロン名無しさん:2008/06/11(水) 19:57:10 ID:???
>>33
正論すぎて吹いたwww
35ムービー製作者:2008/06/11(水) 20:50:46 ID:???
ttp://www1.axfc.net/uploader/N/so/53605
Pass:anke

アンケートの3回目の内容をやっつけ気味に作ったものです。
スレが荒れ気味だったので投下しようか迷っていたのですが、とりあえず投下します。
下手な人物が作ったものだからと言うことを承知の上で見てください。
36マロン名無しさん:2008/06/11(水) 20:51:09 ID:???
>>33-34
自演乙
とうとうこのスレにも例のネギまアンチが荒らしにきたか
3734(≠33):2008/06/11(水) 20:56:40 ID:???
いや、過去作者だが
38マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:04:50 ID:???
取り敢えず33KY
3933:2008/06/11(水) 21:07:53 ID:???
うん、わざと読まなかった。
つーか俺含め過去作者はだいたいみんな幻滅してるだろこのスレの住人(全員にじゃなくて)に。
40マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:10:21 ID:???
>>35
あと乙っす。
41マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:17:46 ID:???
見れない
42マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:20:16 ID:???
なるほど、作者20か
43マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:21:40 ID:???
自分過去作者だけど長編を書き上げた他の作者さんも糞スレだとかそんな事言ったりしないと思いますよ
44マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:22:39 ID:???
作者9はもう見てないだろうし33、34、37、39は作者20か?
45マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:23:17 ID:???
>>42
本気でそう思ってるならしたらば見にいけよ
お前のせいで作品完成させる気力失くした過去作者たちとこれから作者になる人たちが居るんだから
>>34の言うことが本当なら糞スレだと思ってる過去作者は少なくとも四人居るんだよね。
46マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:26:50 ID:???
――――――――――以下通常の流れ、言い返したほうが負け犬――――――
47マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:28:45 ID:???
過去作者が住人うんざりだとか糞スレだとか言うはずねーだろ
自称過去作者であって実際は作者なんかじゃないて分かれよ
48マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:30:00 ID:???
バロスw
49マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:41:57 ID:???
今なんか必死になってる人ってしたらばのID:mhfvyKTo0だろ?
こいつがしたらばで1人必死に盛り上げてるだけなのに過去作者4人もとかデタラメなこと言うなよ
つか自分の意見書いても簡単に否定されそうでしたらばは書き込みづらい
特にID:mhfvyKTo0がいると余計に

まぁこんな書き込みしたらまたしたらばの方で叩かれるんだろうけど・・・
ともかくしたらばも本スレもどっちもどっち
したらばの方は傲慢なだけにまだ本スレ住人のがましだと思うよ
50マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:46:15 ID:???
したらばに書いててこっちはROMの俺が言うのもなんだが確かにしたらば肯定側も否定側もどんぐりの背比べだなw
ただ司書氏がしたらば意見肯定派みたいなんで自分もそっち側につきますね
でも自分もID:mhfvyKTo氏はちょっと押し付けすぎかと思う…
(ID出して向こうで言うと誰か分かるのでこっちで言わさせてもらいます)

それと糞スレとか言うのはよくないと思う
このスレのまともな住人が糞スレだなんていうはずないし…
51マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:49:08 ID:???
まともな住人がわざわざこっちでしたらばに居る人にケチつけたりはしない。

以上。
52マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:50:15 ID:???
過去作者4人が糞スレと思ってるって…
むしろ作者に幻滅した
嘘だよね?釣りだよね?そんな事思ってないよね?
53マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:51:47 ID:???
したらばってなんかID出てるとこで言ってる自分正しいとかアピールしてる癖にこっちでは名無しで自演だろ?
このスレを糞って思ってる奴等の意見が正しいわけないだろ
5433:2008/06/11(水) 21:53:45 ID:???
>>52
幻滅して良いよ。
トリは流石にあれなので出せないけど。
糞スレというかあまりに低レベルなスレになったな、と思ったわけで大袈裟に言っちゃっただけ。
司書氏や1○(出していいのかしら)氏も糞スレとかけなしてるんじゃなくてまぁ説明面倒なのでしたらばへ。
55マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:54:03 ID:???
したらばの意見はあくまで少数派
本スレ住人の意見のが多数派

そこだけは忘れないように
したらばは数人があたかも自分達の意見が大多数の意見のように誇張してるだけ


ま、自分は短編でも見れれば満足なんでどっちでも良いけど
56マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:55:09 ID:???
そもそも本スレに何人居るかすらわかんねーよ。
57マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:55:56 ID:???
>33ってID:mhfvyKTo0だろ?
したらばでもこっちでもお前自重しろよ
お前が原因で荒れてるって分からないのか?
58マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:57:14 ID:???
したらばで自重する意味がわからん。
何のための避難所なんだか。
59マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:57:37 ID:???
確かにしたらばもしたらば否定も同じレベルだな

最も一番酷いのは33みたいに自分が正しくて他の人は低レベルだと思ってる奴
33がID:mhfvyKTo0であるにしてもないにしても一番痛いのは33みたいな奴だと思う
60マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:58:49 ID:???
ID出して言ったら正しいって思ってるのかよ…
どっち派でもないがこれはちょっと……
61マロン名無しさん:2008/06/11(水) 21:59:28 ID:???
―――――以下通常の流れ、反論したほうが超悪―――――
62マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:00:25 ID:???
>>54
お前本当に過去作者なのか?
なら酉だせよ
自分が1番正しい事言ってるみたいな物言い、過去作者を代表してるかのような物言い、なんだか腹立つんだが
酉晒さず言っても全く説得力ないんだが
63マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:02:05 ID:???
傾向氏マダー?
840氏マダー?
64マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:05:51 ID:???
840氏最近見ないな
ひょっとして次スレ荒れたらもう来ないって言ってたのが本当に・・・
もしそうなら原因つくった>>33ぬっ殺す(;ω;)
65マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:11:38 ID:???
>>64
いい加減お前もうざい。
せっかく空気かえようとおもって二人呼んでんだからいちいち荒れるようなこというな。
66葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/11(水) 22:13:57 ID:???
呼ばれてないし、840氏ほどの質がなくてごめんなさいね。
加工修行中です。

一言だけ言っておきますけど、ここが糞スレなんて思っていたら作品を何度も投下なんてしません。
好きなスレだからこそ少しでも盛り上がればよいなと作品投下をしています。

やけ酒だよ!

ttp://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00153.jpg

ttp://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00154.jpg
67マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:15:57 ID:???
下の雰囲気良いな。
それと貴方も話をぶり返さないでね、空気読みましょう。
乙。
68マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:18:54 ID:???
http://www.uploda.org/uporg1475593.jpg

喧嘩ダメ、ゼッタイ
69マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:19:20 ID:???
もしかしたら20が高感度あげたいがために>>33言ったんでね?
70マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:20:43 ID:???
長編待ちの今なら徹底的にやり合った方がいいような気がしてきた。ついでに移転議論もケリつけたら?

取り合えず鳥持ちの方々の意見を聞きたい。移転は是か非か?
71マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:20:46 ID:???
>>66

840氏だったら色でごまかすじゃなくて実際に泡の上にロゴをのっけてしまいそうw

>>68
あうあうwwwwwwwww
72マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:21:04 ID:???
>>68
乙。
・・・・・・・・・・じゃねーよw

>>69
どういう意味?むしろ高感度下がるだろ。
73マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:21:31 ID:???
>>35
エロゲっぽいw
何故か1分20秒までしか見れないorz
74マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:21:44 ID:???
>>70
マロンで議論とか無謀すぎるぜ。
75マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:22:29 ID:???
>>70
互いが互いの意見を譲らないため決着がつくなんて不可能
余計に荒れておしまい
俺は>68のような奴を大事にしたい
76マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:24:00 ID:???
したらばでやれば良いんじゃね?
そうすりゃIDでてるんだし互いに言い方自重するだろ。
決着がつくのは不可能でもやるだけやってみるっていうのもいいさ。
77マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:25:27 ID:???
わざと話蒸し返してるのか?そんなに荒らしたいの?
ここでやってもしたらばでやっても匿名なのに議論に結果が出るわけないだろ
せっかく加工やら何やらきてるのに蒸し返すな童貞
78マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:27:44 ID:???
79マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:28:23 ID:???
そろそろ傾向氏来ると思うからやめようよ、な?
温かく迎えてあげようよ。
80マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:29:27 ID:???
>>79
来にくいだろうからね。

でも今のうちにとことん話し合ってたほうが良いとおもう。
だからこっちでその話をするんじゃなくてしたらばでやろうよ。
本当に作者やスレのために何かをやってくれてる人たちをおもうなら。
81マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:31:50 ID:???
もうしたらばの方でも議論する気うせた
当分両方ともROMするか
お前らも不毛な議論なんか参加しないほうが良いぜ

最後に一言、33氏ね
82マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:32:27 ID:???
そうしな
83マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:33:07 ID:???
>>81
ご本人降臨☆
84マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:33:48 ID:???
>>78
ID:MiKWBMIQCかよ・・・
ID:MiKWBMIQCとID:mhfvyKTo0、したらば厨がこっちのスレ荒らす原因作ってんじゃねーか
いい加減死ね。氏ねじゃなくて死ね。
どっち付かずだったがやっぱしたらば(全員ではなく痛い数人)のが頭おかしいわ
85マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:35:25 ID:???
もうこのスレも終わったね。
傾向氏今日どうするんだろ?
86マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:36:07 ID:???
さて、終わらせないためにも明日までに1つ短編でもつくるか
87マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:36:28 ID:???
お前の糞作品なんかみたくねーし
88マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:37:27 ID:???
VIPでしょっちゅう「画像加工得意な奴来い」的なスレが立っていて、
高確率で>>1にお題としてネギまのバトロワの画像が貼ってあるんだが
同じ人がやってんのかね
ちょっとやりすぎではないでしょうか。
89マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:37:31 ID:???
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
あああありいいいふううううれええええええたじいかんがああああああ
いとおおおおおおおおおしくおもえてええええええええええええ
90マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:38:29 ID:???
>>87
ネギまスレ荒らして回ってる荒らし乙
91マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:38:53 ID:???
>>88
そりゃそうだろ
厨ばっかのスレだもん
本人なんじゃねーの
92マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:39:13 ID:???
不毛な議論になるのは目に見えてるから、俺は鳥付き職人の意見に従うわ
職人達が移転支持するのなら付いていくだけ。住人が騒いでもどうしようもないだろ
93マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:39:20 ID:???
知らんがな。
94マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:39:33 ID:???
ID:/8XZIcnF0
95マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:41:20 ID:???
>>92
そ。
書き手居ての読み手だし。
96マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:42:53 ID:???
これ同一人物だよな?
俺純粋にこのスレ好きだからお願いします、スレ荒らすのやめて下さい
正直あなた一人のきまぐれで多くの人が迷惑してるんです
胸に手を当て自分のしてる行為がどういうものか改めてください


33 :マロン名無しさん:2008/06/11(水) 16:53:06 ID:???
こんな糞スレで過去作者が投下なんてするわけねーだろ

34 :マロン名無しさん:2008/06/11(水) 19:57:10 ID:???
>>33
正論すぎて吹いたwww
87 :マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:36:28 ID:???
お前の糞作品なんかみたくねーし


88 :マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:37:27 ID:???
VIPでしょっちゅう「画像加工得意な奴来い」的なスレが立っていて、
高確率で>>1にお題としてネギまのバトロワの画像が貼ってあるんだが
同じ人がやってんのかね
ちょっとやりすぎではないでしょうか。
91 :マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:38:53 ID:???
>>88
そりゃそうだろ
厨ばっかのスレだもん
本人なんじゃねーの
97マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:43:58 ID:???
見事に>33によって悪い流れに進んでるな
この荒らしはかなりやり手だぞ
98マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:44:58 ID:???
とりあえず酉持ってる人きてくんないかな?
貴方を今必要としている人間が数人居るんだが。
99マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:58:07 ID:???
>>98
酉つけてないけど自分21部の絵いくつか描いた者です。
のどかとか楓とかの。
自分なんかの意見いらないと思うけど自分は移転はしない方が良いと思います。
荒らしの誘導にしても住人の意見にしても移動は少し不自然な気がします。
以前こちらのスレで誘導すべきだと一度多数出たにも関わらずその後はあまり出ない。
したらばの方でも移動した方が良いという意見は少なくほとんどの人がどちらでも良い。
自分もROMですが以前別のスレであれたためID出る板に移ったもののそのスレはその数ヶ月後廃れて落ちました。
自分はこのスレ続いて欲しいので移動はしない方が良いと思います。

また、>96のあげてる書き込みのような糞だとか稚拙な表現を書き込んでる人がまともな住人なわけないのでこれは荒らしと判断して構わないと思います。
またこういう書き込みには徹底スルーすべきだと思います。
ただスルーはやはり言って出来る者ではないので難しいですが…
それとしたらばの方でしたらばに書き込んでない人は低レベルだとかそういった風に見下すのは正直快くは思えません。
またそれに反応する分は分かりますが過剰になりすぎてる面もあると思うのでその辺も互いが互いに気を配り発言するべきだと思います。

駄文失礼。
また21部のような長編、気に入った短編が出てきたら絵投下しますね^^
100マロン名無しさん:2008/06/11(水) 22:59:59 ID:???
101マロン名無しさん:2008/06/11(水) 23:01:29 ID:???
100なら爆発する
102マロン名無しさん:2008/06/11(水) 23:03:43 ID:???
>>100
おーつ!どんどん投下してくれ!
103マロン名無しさん:2008/06/11(水) 23:06:19 ID:???
>>35
遅ればせながら乙でした。
結構面白かったです。こういう見せ方良いですね。
104マロン名無しさん:2008/06/11(水) 23:07:16 ID:???
>>99
鳥出してちょ。

>>100
乙w
105マロン名無しさん:2008/06/11(水) 23:08:46 ID:???
>>104
だから今までも酉つけてなかったんだろ
あの青を基調とした絵師だろ?
106傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/11(水) 23:10:51 ID:???
うぅ、文量少なすぎて急いで足したもののガタガタになりすぎ……orz
申し訳ありません、私の馬鹿が三日分の投下量の配分を見事にしくじり、本日分の投下量が極端に少なくなってしまいました。
このまま投下しても確実に情報量が不足し、明らかにまずいかと思われますので勝手ながら本日分の放送は翌日にさせていただきます。
待っていてくださった方に心からのお詫び……です。えと、謝ろうにも謝りきれません……
……長くなりましたがとりあえず、何も投下しないのは死んだ方がいいので表だけでも……今から貼りますね。
107傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/11(水) 23:12:22 ID:???
              配給武器           ┃ 死亡原因              ┃ 殺害者  ┃
相坂さよ     1                    ┃      ×             .┃ 幽霊    ┃
明石裕奈    2   S&W M29           ┃チェーンソーによる虐殺      .┃絡操茶々丸┃
朝倉和美    3   盗聴器             ┃.犯人回答に失敗し死亡      ┃  ×    ┃
綾瀬夕映    4   アイスピック          ┃      ×             ┃ 生存者  ┃
和泉亜子    5   スタンガン           ┃ 背中からの射撃で射殺      ┃龍宮真名  ┃
大河内アキラ  6   レミントンM31(散弾銃).   ┃超からの致命傷で脱出後に死亡 ┃ .超鈴音  ┃
柿崎美砂    7   チェーンソー         ┃包丁を刺されて刺殺         ┃絡操茶々丸┃
神楽坂明日菜 8   ワルサーPP(拳銃)     ┃       ×             ┃ 生存者  ┃
春日美空    9   コルトガバメント       ┃逃走中の横槍によって虐殺    ┃ 超鈴音  ┃
絡操茶々丸  10   手榴弾.            ┃偽者との一戦で自爆し機能停止  ┃  ×    ┃
釘宮円     11   CZE Cz75           ┃後頭部からの射撃による即死   ┃ 超鈴音  ┃
古菲      12   ブーメラン.          ┃        ×            ┃ 生存者  ┃
近衛木乃香  13   草刈用の鎌.          ┃頭を撃ち抜かれて死亡       ┃ 龍宮真名 ┃
早乙女ハルナ14   S&W M10(リボルバー)   ┃胸を撃たれて射殺          ┃ 龍宮真名 ┃
桜咲刹那   15    首輪探知機(組識別可能) ┃木乃香を庇い致命傷を負い死亡  ┃龍宮真名 ┃
佐々木まき絵 16   金属バット          ┃不意打ちによる射殺         ┃春日美空 ┃
108傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/11(水) 23:12:58 ID:???
椎名桜子   17   木刀              ┃疑心暗鬼になられ誤解の射殺   ┃釘宮円   ┃
龍宮真名   18   ベレッタM92         ┃ナイフによる刺殺           ┃絡操茶々丸┃
超鈴音     19   防弾チョッキ.         ┃頭を撃ち抜かれて死亡        ┃綾瀬夕映  ┃
長瀬楓     20   イングラムM10        ┃手榴弾、炎、包丁などによる致命傷┃絡操茶々丸┃
那波千鶴   21   シグザウアーP230.     ┃犯人回答に失敗し死亡        ┃  ×    ┃
鳴滝風香   22   包丁..             ┃サブマシンガンによる虐殺      ┃超鈴音   ┃
鳴滝史伽   23   .シースナイフ(刃渡り25cm)┃チェーンソーによる斬殺       ┃絡操茶々丸┃
葉加瀬聡美  24   (箱未開封)          ┃背中に致命傷を受け死亡      ┃絡操茶々丸┃
長谷川千雨  25   ヌンチャク           ┃ナイフによる刺殺           ┃絡操茶々丸┃
エヴァ     26   英和辞典           ┃眠っている間(気絶)に刺される.  ┃超鈴音   ┃
宮崎のどか  27   斧(片手サイズ)       ┃ ×                   ┃生存者   ┃
村上夏美.   28   S&W M36           ┃サブマシンガンでの虐殺       ┃ 超鈴音  ┃
雪広あやか  29   ボウガン            ┃犯人の疑いを掛けられ射殺     ┃春日美空 ┃
四葉五月.   30  IMIウージー(サブマシンガン)┃首筋に包丁を刺され刺殺      ┃超鈴音   ┃
ザジ      31   銃(機種不明?)       ┃戦闘により側頭部を撃たれ     ┃春日美空 ┃
109傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/11(水) 23:15:12 ID:???
………大事なときに役に立てなくてすいませんorz
で、では、これで失礼させてもらいます。本当に申し訳ない…
110マロン名無しさん:2008/06/11(水) 23:16:03 ID:???
おっつー。
色々頑張ってください。
111マロン名無しさん:2008/06/11(水) 23:24:18 ID:???
乙です。
明日を楽しみにしてますよ。
112マロン名無しさん:2008/06/11(水) 23:25:24 ID:???
乙!
113マロン名無しさん:2008/06/11(水) 23:26:00 ID:???
114マロン名無しさん:2008/06/11(水) 23:32:42 ID:???
>>113
乙です。で、その顔誰だ?

……とりあえず、加工画師が大量に現われえて(2人?)くれたのは嬉しかった。
またよろしくお願いします。
115ケータイまとめ:2008/06/11(水) 23:37:06 ID:???
傾向氏乙です。ようやくスレに追い付いた・・・なんかゴチャゴチャしてるけど、ここ訂正しろとかあったら遠慮なく言ってください
116マロン名無しさん:2008/06/11(水) 23:42:20 ID:???
>>115
ケータイ氏も乙です。
117マロン名無しさん:2008/06/12(木) 00:10:46 ID:???
あうw
某大型サイトで21氏と飴玉氏が新たに絵投下してないか確認してたらS氏見つけてしまったwww
118マロン名無しさん:2008/06/12(木) 00:11:28 ID:???
あうw
某大型サイトで21氏と飴玉氏が新たに絵投下してないか確認してたらS氏見つけてしまったwww
S氏は絵が特徴的だからサムネだけですぐ分かるね
S氏の新しいロワ絵が見たいっす
119マロン名無しさん:2008/06/12(木) 00:12:05 ID:???
なんか連投になってる
すまそ
120ムービー製作者:2008/06/12(木) 00:19:34 ID:???
寝る前に一番初めに作った嘘CMを置いていきます。
最初に投下した動画よりも前に作ったやっつけ全開の1分満たない動画です。
なくしたと思ってましたが、偶然にも見つかったので投下しておきます。

ttp://www8.axfc.net/uploader/H/dl.pl
Pass:rowa
121マロン名無しさん:2008/06/12(木) 00:29:19 ID:???
http://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00155.jpg

葱坊主に便乗して


>>118
本当だS氏いるww
122マロン名無しさん:2008/06/12(木) 00:30:29 ID:???
>>120
乙。
・・・といいたいとこだがURL違うくないか?
123マロン名無しさん:2008/06/12(木) 00:57:14 ID:???
住人同士のバトロワってこの事なんじゃないかw
2日ほど早いけどw
124マロン名無しさん:2008/06/12(木) 01:01:52 ID:???
>>121
光の速さで保存した
125マロン名無しさん:2008/06/12(木) 01:59:08 ID:???
>>89が思い出せない
126マロン名無しさん:2008/06/12(木) 02:55:48 ID:???
signだろ
127マロン名無しさん:2008/06/12(木) 03:10:23 ID:???
>>120
見れない
てかダウンロードページにすら飛べない
128ムービー製作者:2008/06/12(木) 07:53:02 ID:???
これは失礼しました。確認したはずの自分ですら消えていて驚いてます。
こちらにうpし直しました。

ttp://www7.uploader.jp/dl/yuyu/yuyu_uljp00156.zip.html
Pass:rowa

これで駄目ならどうしようか・・・
129マロン名無しさん:2008/06/13(金) 19:41:35 ID:???
マロンようやく復活キター
130マロン名無しさん:2008/06/13(金) 20:34:49 ID:???
お、書き込める
131マロン名無しさん:2008/06/13(金) 20:52:02 ID:???
復活まで長かったなー。

>>128
見れました。乙です。
132マロン名無しさん:2008/06/13(金) 20:52:30 ID:???
なるほど、今日書き込めなかったのは住人同士のロワを防ぐためだったのか
133葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/13(金) 22:06:37 ID:???
鯖落ち中に加工修行してました。
なんとかここまでは出来るようになりました。あー、先は長い。
絵しか描いてなかったので加工は難しいですが、新鮮で面白いっす。

ttp://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00157.jpg

ttp://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00158.jpg
134マロン名無しさん:2008/06/13(金) 22:39:48 ID:???
びーだま、もうちょい透かした方が立体感でると思う
135マロン名無しさん:2008/06/13(金) 22:58:09 ID:???
>>134 シャボン玉じゃないか?
136傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/13(金) 23:01:47 ID:???
よ、よかった。私だけでなく皆さん書き込めなかったんですね。
鯖落ち面倒でしたねぇ……
それでは今回の放送です。
ただし前に言ったとおり今回は今までの端数分で量が極端に少なめです。
期待せずにご視聴願います。それでは、どうぞっ
137傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/13(金) 23:03:00 ID:???
―――お便りコーナー―――

刹那「ウッーウッーウマウマ(゚∀゚) ♪」
真名「一旦黙る事だな、刹那。というかあれだ、元ネタがイマイチわからないのにやるのはよくないぞ?
   某動画……ねぇ。まあ色々あるがな、というか前スレで何かしたかい?あ、保管か……むしろ携帯氏に言って欲しいよ。
   あ、携帯氏もお疲れ様だ、普段はデータの整理は携帯だから役に立っているよ。仕事の速さに感服だ」
刹那「……いや、あの空耳はある意味呪術的な何かがあるぞ……?私も乗る気はないのについ口が滑ってしまうんだ、呪いか?」
真名「…とりあえず、葱坊主氏お疲れ様、だ。ラジオの絵は始めてで嬉しいよ、感謝する。それに加工もな」
刹那「ノリノリだったな、龍宮」
真名「……ん?何がラジオにノリノリだと?というか今の貴様には一番言われたくない台詞だな」
刹那「いやいやっ!そんな事は言っていない、言っていないぞっ!い、いや〜、しかし後ろの長谷川さんもやりたそうですね〜…」
千雨「逃げるために私に振るな。出来るか。あんな恥ずかしい事……」
真名「あれか?明石と一緒の時のあの服装なら出来るのか?」
刹那「ハルナさんが言うにはビブリオン…なんたらだそうです。コスプレをすると性格が変わるとか何とか」
千雨「ちっ、違うっ!?そんな変な事言うんじゃねーよっ!!///(バッ!)」
刹那「朝倉さんが言う噂では実はどこかのサイトでアイd…むぐっ!」
千雨「い、言うな、これ以上言わないでくれ、桜咲……///(ギシギシ……)」
刹那「む、むぐ、むぐ〜っ……!ぷはっ!///
    …し、絞め殺す気ですかっ!?わ、わかりました、わかりましたから!離してくださいっ!///」
千雨「わかればいい、わかれば……」
刹那「あ、あははっ……(長谷川さんも怒るとまた恐ろしい……うぅ、私って何だかんだいって皆さんから丸め込まれているような……)
   …あ、>>17氏さん、お疲れ様、もといGJです。
   ……いえ、社交辞令ではないですよ?ネタ系で久しぶりに笑わせてもらいました。間違いなくハルナさんに会った人達生き残り確定ですね」
138傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/13(金) 23:03:27 ID:???
真名「……実際に会ったら生き残り多分過去最高だろうな。えと、短編のタイトル、だったか?……うぅむ、困るな」
刹那「あれじゃないかっ?エスパー早乙女的な何かで?」
真名「ありえないな。……私達にはネーミングセンスの欠片もないから困るんだよなぁ。というかこれ経験だしエスパーでも何でもないだろう」
刹那「じゃあ経験者ハルナ!なんてどうだ?」
真名「……初めてのロワなのに妙に詳しい、ある意味川田的なポジションだな。
   あ、私的にはあれだな、『ロワなんて私のホームグラウンドよっ!byハルナ』だな」
刹那「あ、合わない……ネーミングも、川田的なポジションも……」
真名「そ、そこは言うな、刹那」
刹那「あ、ああ……。むしろすでに携帯氏が見事にいい仕事をしたから私達必要性がな…」
真名「……そそ、そこも言うなって……
   あ、後>>35だな。……いいムービー化だ。むしろ私達のをムービー化しt…コホン、何でもない。
   ……何故だろう、何故ここにはギャグセンスが高い人物が多いのだろう……酷く羨ましいぞ。あ、動画の件に関しては私の方が遥か↓だから言うな」
刹那「……う」
真名「刹那が編集したからあんなのになったんだぞ?長谷川に任せればよかったものを…
   私の中の黒歴史になったじゃないか。むしろ消して構わないぞ、別館氏」
刹那「きき、聞こえないっ!何も聞こえないぞっ!ま、まあ、負けないようにしなくちゃなっ、龍宮っ!」
真名「……(無理やり反らしたか)……ああ、そうだな。それでは、本編に入る」
139傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/13(金) 23:04:03 ID:???
刹那「あれ?他にも絵の投下がなかったか?」
真名「………つ>>68
刹那「………っ///
   こ、これ、どう考えてもあうあうww …になるんじゃないか?///」
真名「間違いなくな。まあ、私は興味などないが。あ、刹那。早乙女から撮影を頼まれているんだが…
   大事な部分はしっかり隠すそうだぞ?近衛の盗撮ビデオが報酬らしいから参加するか?」
刹那「…お嬢様の、盗撮ビデオ…(ピクッ)」
真名「…ん?」
刹那「何の盗撮だ、龍宮?」
真名「(ほぅ、食いついたか、流石だな)……確か風呂だったような気がするな(確かこれだし興味は出るだろう)」
千雨「な、何勘違いしてるんだか……龍宮、それ…」
刹那「お嬢様、お嬢様の裸を。と、盗撮……(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!)」
真名「な、何だ、この覇気はっ!?もはや赤髪並じゃないか!?」
千雨「というか今の桜咲ならミホークを虐殺できるぞ、間違いなくな」
刹那「盗撮……お嬢様の裸体を、モニターに保存…
   …そうですか、早乙女さん、そうですか。今の時代その様ないかがわしい情報がネット上に投下され、不特定多数の存在の何々になってしまうという可能性だって否定できない事を理解していないと……?」
真名「……な、何々?」
千雨「……そこは追求したら負けだ」
刹那「とりあえずゆっくりしてってね、早乙女さん……私の部屋で、ゆっくりと切り刻んであげます…
   お嬢様にそんなことをしたらどうなるか教え込んであげないと
   …素敵なクッキングにしましょうねぇ…ふふふ……(ゆらゆら……)」
140傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/13(金) 23:04:27 ID:???
真名「……冥王、だな、管理局の白い冥王という意味合いでもある」
千雨「むやみに喧嘩を売れば軍隊でも足りない…お前、海軍に二つの勢力を相手しろというのか的なノリか」
真名「エース代わりに早乙女を公開処刑したところで白ひげは動きそうにないがな」
刹那「ふふふ……あはははっ……!!」
真名「……ヤンデレ、だな」
千雨「間違いなくな、壊れ具合は某病気並だ。ひなm…近衛症候群とでも呼んでおこう」
真名「そろそろオヤs…いや、リョウメンスクナが見える……L5辺りまでいくんじゃないか?」

―――数分後

刹那「えと、本編に入らせていただきますが…(落ち着いてキャラが戻った)
   この前に大体は入れてしまった感があるので本日は少なめです、申し訳ありません」
真名「むしろ量が少なくて取り直したいのがあるんだが……この状況、やすやすとそうはいえないだろう」
千雨「ただ無性にネタが多くなったような気がするのは気のせいか?」
真名「……まあ君達がもし全てのネタの元ネタに気づくことが出来たら…ふむ、そうだな、オプーナを買う権利でもやろう」
刹那「あ、あれは本当にいるのかっ!?…ま、まあいい。それでは、本編、どうぞっ」
141傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/13(金) 23:07:39 ID:???
―――本編―――

真名「真名と」
刹那「刹那の!」
真名、刹那「ネギロワらじお!二十三部編!」
真名「最終夜だ。御機嫌よう、メインパーソナリティのMANAだ」
刹那「……パーソナリティの刹那です」
真名「刹那、そういえば……何故皆が最近ピリピリをしているかわかるか?」
刹那「……なんだ?…あまり触れたら大変な事になりますよ?」
夕映「(何故ビートた●し風なのですか)」
真名「………それは、皆の命のリミットが迫っていたからだ」
夕映「……くだらなすぎるです、あ、この抹茶コーラ貰うです(ズズッ……)」
刹那「な、何だとっ!?私はてっきり人気の和泉さんが本編でいじめられてたからピリピリしていたと思っていたがっ!」
千雨「(……信じるのかよ。色々とツッコミどころが多いな。…てかそうか、今日だったな……結局何事もなかったが)」
真名「……まあ、適当な冗談を言いすぎると反感を買うのは目に見えているので、ほどほどにしておこう。仕事だしな」
刹那「(ああ、こいつもはやこのラジオを趣味ではなく大事な『仕事』と捉えているのか……お、オワt…コホン、終わった……)」

刹那「それでは、配給武器の方に入りますね」
真名「ザジの機種名がわからなかった……わかったら教えてくれ、というかむしろ作者、教えてくれ」
刹那「それ完全に何か負けを認めたという事じゃないか。…うぅ、読み直してきます……」
夕映「実験がてら【.】も入れてみたです。スレッドでどれだけ目立つかわからないですが…少し挑戦ですね」

>>107-108参照。。
142傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/13(金) 23:08:10 ID:???
刹那「えと、あはは、ずれているのは仕様です、はい」
夕映「鼻で笑ってみてくださいです」
真名「しかし今回は随分と暴れている人物が多いな」
刹那「多いと言うかマーダーが狩りまくったというイメージが強いんじゃないか?」
夕映「今回のマーダーはこの人たちになるです、というより、今回はマーダー話で終わらせてみるです」

出席番号九番 春日美空
殺害者 佐々木まき絵、雪広あやか、ザジ 合計殺害数 三人
主な使用武器:ボウガン、コルトガバメントなど
死亡原因 超による銃殺

真名「空気の癖にっ!…で定評のある春日だな。今回はそこそこマーダーだったな」
夕映「ただ、三人というのは多いと思われがちですが呆気なく本マーダーに殺されてしまうなど所詮は小物だったです」
千雨「(…小物、綾瀬も十分毒舌じゃねーか、おい……)」
刹那「え、えと、あれですね、がんばりましょう、みたいな感じだった、という事ですね、はい」
夕映「担任がよく押すスタンプですか」
刹那「い、いや〜、よく私が提出物を出すときはこの判子が多くてですね……」
真名「そういえばお前はバカレンジャー手前だったんだったな。やっぱ頭は鳥か」
刹那「……(カチン)……ほぅ。今龍宮、何と言った?」
千雨「(最近刹那のキャラ崩れが酷いな……元からか、近衛症候群はキャラまでもゆがめるか…明石が百倍マシに見える)」
真名「……まあこの手は所詮刹那の考える事だ。これくらいは大した事はない。
   つ【近衛の写真】」
刹那「……ちっ、交渉成立だ」
夕映「……いつ交渉したですか」
真名「しかし進まないな。空気を取り上げているからだ」
刹那「……まあそうなんじゃないか?……で、今ここどこのマーダーを取り上げていたんだったか…わかるか?」
真名「…残念だが記憶がないようだ。…先に進むか」
夕映「酷すぎるです……あれ?しかし私も記憶が……美……なんでしたか…」
??「なめんな」
143傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/13(金) 23:08:33 ID:???
出席番号十番 絡操茶々丸 合計殺害数 七人
殺害者 明石裕奈、柿崎美砂、龍宮真名、長瀬楓、鳴滝史伽、葉加瀬聡美、長谷川千雨
主な使用武器:包丁、チェーンソー、手榴弾など

刹那「今回は暴れていましたね〜、茶々丸さんです」
真名「むしろ敢えて区別をつかせるのなら茶々●みたいな感じか?」
夕映「某スレのネタを使いすぎですよ、さりげなく抜き取るのはやめるです」
真名「奴についても拝借させてもらったもんな、なぁ、百合磁石?あれはいい表現だと素直に思っていただいたよ。出てたから触れておこう」
千雨「くっ、や、やめろ、龍宮っ!これ以上いじるのは私のプライドに傷がつくぜ…///」
刹那「ネタのオンパレード……あれですね、キター、的な感じですね」
夕映「刹那さんもノリノリすぎです、混ぜるな危険ですよ、はい」
真名、千雨『お前もノリノリじゃないか』
刹那「あはは……え、えっと、本編に戻しましょう。茶々丸さん、暴れましたね……」
夕映「実際茶々丸さんではなくケケケですがね」
千雨「ここまでやっといて敢えて触れないのかよ、絶対触れても平気だろ…
   どう考えても最初の立ち入り禁止は意味を成していねーじゃねーか」
刹那「だ、だって、名前を出して出てきたらどうするんですか。暴れたら手に負えないですよ」
真名「あの馬鹿でもあそこまでのうざさと妨害能力を持つんだぞ、ケケケが来たらどうにもないだろう?」
刹那「う、うむ、確かにそうだな、おそらく害が半端じゃないだろう……」
夕映「(名前を言わずとも誰を指しているかわかるとは結構凄いですね、はい)」
真名「ただ、やはり元々の人格があれだから本当に大暴れだな」
刹那「本当にそうだな。刺して虐殺、投げて爆殺など色々な事をしましたね…
   あの様はまさに外道!…という奴でしょうか」
夕映「むしろ最近この手の外道な感じの状況に順応しつつある刹那さんも外道だと思うです」
真名「いや、やはりペコペコしてて突然首を切り刻む…こいつは腰の低い悪魔だな、気をつけろよ」
千雨「(管理局の白い悪魔の次は腰の低い悪魔かよ…悪魔すぎるだろ)」
144傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/13(金) 23:09:03 ID:???
出席番号十八番 龍宮真名 合計殺害数四人
殺害者:和泉亜子、近衛木乃香、早乙女ハルナ、桜咲刹那

刹那「龍宮…私はともかく、よくもあの後お嬢様をっ!!許さん!断じて許さん!スッパスパにしてやんよ…!!(ゴゴゴゴゴゴ……!)」
夕映「うわぁ、お、お決まりのパターンです……」
真名「ちっ、静かに寝ているがいい(パスッ)」
刹那「ふん、麻酔銃など私は通用しない(キンッ!)」
真名「(゚д゚)」
夕映「なっ!?いつものパターンが破壊されたっ!?というか龍宮さん驚きすぎです」
刹那「今の私にはフラグやらパターンなどは破壊する技術を持ち合わせているぞ?
   ……どうした龍宮、早く許しを請うがいい、許しはしないがな(ゴゴゴゴゴ…!)」
真名「ふ、ふぅん……流石だといいたいが…甘いぞ、刹那!」
刹那「何っ!?」
真名「速攻まほ…むしろ、トラップだな。このラジオルームには私が張り巡らせた刹那対策の罠が仕掛けてあるのだ。
   ……さて、いたぶられるのはどちらかな?(ゴゴゴゴゴゴ……)」
刹那「ほぅ、この私に勝負を挑むとは……貴様が私に勝てるとでも?」

千雨「……しばらくは終わりそうにねーな」
夕映「二人だけでやるです。龍宮さんに刹那さんが怒っている理由は…言わずともわかるです」
千雨「っても無差別マーダーのロボ子と超、狂気に若干近くいいんちょをやった春日を考えると……
   最初から正統派で敵を散らそうという意志があったのは龍宮だけだよな。桜咲の場合もある種事故みてーなもんだし」
145傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/13(金) 23:09:46 ID:???
夕映「脊髄反射で守りましたからね、流石です」
千雨「……脳で考えないで動くからな、近衛の事になると」
夕映「近衛症候群はそれほどの魔力という事ですかね…
   …しかし、武器を持っていないハルナを消すとは。あの後死ぬのはお決まりですがある程度かばうなどの活躍で幕を締めるかと思いましたが」
千雨「ネギロワの事を一番に知ってそうで本番には結構よく死んじまうってパターンなんだよな?」
夕映「あれです。クラスの行事前にはいつも大口を叩いてて、私は本番出来るからいいのっ!
   とかいうのに本番では緊張して頭が真っ白になってしまう、そんなタイプだと思うですよ」
千雨「今のところそんな感じだろうな、うむ、それが引っくり返る日はくるんだろうか…」
夕映「……千雨さんみたいに本編で活躍とか日の目が当たればいいですが…」
千雨「結構集まってる時点でいねーもんな。トサカに奪われる出番……あぁ、虚しい虚しい。
   …つか、お前最新の設定なら私達に会えてすら、もとい記憶すら…」
夕映「そこは触れるべからずです。よく言うでしょう?平行世界のお話ですから気にする方はいないはずですよ」

出席番号十九番 超鈴音 合計殺害数七人
殺害者:大河内アキラ、春日美空、釘宮円、鳴滝風香、エヴァ、村上夏美、四葉五月

真名「ふん、やはり刹那は刹那だったというワケか…」
刹那「…毎日…鉄板……zzz…」
千雨「終わったみたいだな」
夕映「それでは今回のメインと言うかマーダーの中のトップですね」
真名「七人七人で茶々丸と双璧というイメージがあるだろうが犯人であり、このゲームのジョーカーはこいつだったからな」
千雨「大活躍の大河内、マーダーの春日、そして最強のマクダウェル…。結構殺す面子は豪華だったり?」
夕映「珍しく超さんがハカセさんを殺してないですね」
真名「最近のイメージでは古やハカセ、五月の絡み、そして殺す、というのはよく見る光景だったからな」
千雨「むしろあいつが生き残ったのが問題だったりするんじゃねーか?なんて言ってみたり」
古「なっ!?し、死亡キャラにされるのは本当に勘弁アr」

バタン!
146傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/13(金) 23:10:18 ID:???
真名「しかし大河内が活躍というのは結構珍しかったんじゃないか?」
夕映、千雨『スルー能力ありすぎです(だろ)……!!?)』
千雨「……た、ただまあお前の言うことはわかるな、最近は運動部は活躍という活躍がなかったし……」
夕映「まあそうですね。王道キャラの活躍は書き易いでしょうし違和感もありませんから」
真名「一人だけ明らかな大活躍してたら『ああ、こいつの嫁こいつなのか』と思うからな。余計な混乱を呼ばないため妥当な判断とも言える」
千雨「ようするにこいつが書いたら近衛しか活躍しねーという感じだな、わかりやすい例を挙げればよ(ツンツン)」
刹那「むにゃ……そこは…このちゃ…ダメ…」
千雨「……どんな夢を見てるんだこいつは」
真名「さぁ…リスナーの君達のご想像にお任せするよ」
147傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/13(金) 23:10:42 ID:???
夕映「さて、そろそろ私は失礼するです。皆さん、また会いましょう」
真名「ああ、またな、綾瀬。……永遠に」
千雨「……綾瀬、初日の桜咲の言ったことは守っておけよ、一応……」
刹那「んん……?あれ、綾瀬さん、帰っちゃったんですか……という事は、終わりかな?龍宮…?」
真名「まあそうなるな…。別段今回はやる事がないし」
千雨「量のギャップが凄すぎだろ……」
刹那「そこは気にしたら負けですよ、はい」
真名「ち、違うんだ、前回予選全部やるという気合の入れようだったからギャップが酷いんだっ!」
千雨「……各部解説は終わったが、また多少は物足りなさがあるのは否めないな。
   (…こっちでは出来ねーが明石と一緒に三作品比較編でもやってみるか……暇なら)」
真名「まあいいさ、今回はこれにて放送を終了させてもらうよ」
刹那「若干駆け足になってしまって申し訳ありません!では……」
真名「真名と」
刹那「刹那のっ!」
真名、刹那『ネギロワらじお!二十三部編!』
真名「最終夜、終了だ」

                        量が少なくてごめんなさい……と言うわけで終わり
148マロン名無しさん:2008/06/13(金) 23:43:58 ID:???
傾向作者氏乙です。

個人的には刹那の
>スッパスパにしてやんよ…!!
の下りは大好きです。次も楽しみにしています。
149マロン名無しさん:2008/06/13(金) 23:54:01 ID:???
おっつー。
読み応えありますね。
150マロン名無しさん:2008/06/14(土) 00:13:33 ID:???

相変わらず小ネタが冴えてるw
151マロン名無しさん:2008/06/14(土) 00:19:16 ID:???
傾向氏乙

ところで静止画MADばかり最近投下されてるし普通のMADを誰か作ったりしないか?
(なんという他人任せ…)
152マロン名無しさん:2008/06/14(土) 00:29:32 ID:???
誰か曲のリクエストしてくれたら作るよ
てか作ってもらうよ
153マロン名無しさん:2008/06/14(土) 00:30:09 ID:???
毎日・・・鉄板・・・
最近、どこかで・・・w
154マロン名無しさん:2008/06/14(土) 00:31:36 ID:TDfgsrs9
ラフメイカー
155154:2008/06/14(土) 00:33:29 ID:???
すみません、IDスレの誤爆でageてしまいました
156マロン名無しさん:2008/06/14(土) 01:56:28 ID:???
>>155
2スレに同じ誤爆する奴初めて見たぜ…
157ケータイまとめ:2008/06/14(土) 04:38:46 ID:???
せっかくウトウトしてきたのに、何か思い付いたから晒してみる。携帯につき、変な部分は容赦プリーズ
158コテ取るの忘れた恥ずかしいorz:2008/06/14(土) 04:40:13 ID:???
「なるほど……これは……」

ノートパソコン――何本ものケーブルが伸び、うち何本かは五月の遺品となってしまった忌むべき“首輪(首が切断されたにもかかわらず、無傷)”に繋がっている――の画面に向かったまま、ハカセが呟く。

「ど……どうなん……?」
「……大丈夫です、少し時間を頂ければこの首輪を外せます!」

それを聞いた瞬間、見守っていた朝倉と亜子は、手を挙げて喜んだ。

「やったぁ!」
「これで脱出できるね! さすがハカセ!」
159マロン名無しさん:2008/06/14(土) 04:41:18 ID:???
そして、まだ画面に向かったままハカセは続ける。

「では、仕上げに入ります。集中したいので、一人にしていただけますか?」
「せっせやな――」
「うん、ここはハカセに任せよう」

そして、二人は部屋の外へと退出した。


「――――――」

震えている

「私が――私がやらなきゃ――」

ハカセの手が

「決めたんだ――これしかないって――――」

彼女は震える手で、一般人は使わないであろうよくわからない工具を握り

「チャオ――」

それを、自らの“首輪”に持っていく
160マロン名無しさん:2008/06/14(土) 04:42:17 ID:???
「五月さん――」

数回動かすだけで“首輪”のカバーが外れ、内部の回路が見える

「古さん――」

そのまま工具を床に置き、“これから行うこと”に備え、パソコンから少し離れる。その時、マウスの横に置いてあった平たいケーブルを握る

「茶々丸――」

そして壁にもたれて座りこみ

「今――私も――」

握ったケーブルの端子を

「そっそ、“そっち”に――」

自分の“首輪”の、剥き出しの回路に
161マロン名無しさん:2008/06/14(土) 04:43:39 ID:???




「まだかなぁ?」
「焦っちゃ駄目だよ」
「うん、せやね」



「うう――ううっ――」

ハカセは、静かに泣いていた

「ぐ――ひう――っ――」

ケーブルを握る両手はかなりの振り幅で震え、回路まで残り約3センチの位置で停滞している

「わっわたっわたっわたっしっが――」

鳴咽を漏らし、視界が様々な要素で歪む

「わたしっがっやらなきゃっわたしがっ!」

そして

「――っ――――――――――!」
162マロン名無しさん:2008/06/14(土) 09:03:24 ID:???
寝た?w
163規制orz:2008/06/14(土) 10:03:33 ID:???


朝倉と亜子の耳に、何かが炸裂する轟音が聞こえた。

「え!?」
「今の……ハカセ!?」

二人は、全速でさっきまでいた部屋に駆け込む。そして扉を開けた二人の目に入ったのは……、

「うそ……」
「い……いやああああああああああ!」

下顎の辺りから組織が大きく吹き飛び、辺り一面に血を撒き散らすハカセの死体であった。

「ハカセ――どうして――」
「いやああああ! ハカセぇぇぇぇ!」

ふと、二人は首に新しい違和感――正確には開放感――を感じる

「あれ、首輪が……」
「と……取れ……とる…………」
164マロン名無しさん:2008/06/14(土) 10:04:52 ID:???
自分達をさんざん苦しめてきたそれは、足元に落ちていた。

「何で……何でウチらは無事でハカセが……」
「――――」

朝倉は何かを思いつき、まだ電源が入ったままのパソコンを見る。そこには、メモ帳にこう打たれていた。
165マロン名無しさん:2008/06/14(土) 10:05:57 ID:???
“細かい理論を説明しても無駄だと思いますので、必要なことだけ話します。
“首輪”の解除には、どうしても“首輪”が爆発する際に出る信号を解析する必要がありました。方法は、これ以外にありません。
朝倉さん、和泉さん。私は、最期にお二人に出会えてよかった。みなさんと脱出できなくなったのは残念ですが、どうか、無事に生き残って下さい。お元気で”




「ハカセ……!」

読み終えた朝倉が、パソコンのキーボードにうなだれる。

「ハカセ……ウチらのために……」

苦手なはずの血にも構わず、亜子はハカセの亡きがらに歩みよる。

「ごめんなぁ……痛かったやろ……苦しかったやろ……」

上半分しかわからないが、それでもハカセの顔は安らかだった。
166マロン名無しさん:2008/06/14(土) 10:07:24 ID:???
『うへぇ、今回のは得に酷いなぁ』
『見ろよこのコ、まだ小学生くらいかもしれないのに』
『初っ端に死んだからな、3日もすればそんくらいは腐るだろ』
『そういえば、優勝者は?』
『仮設病院で手術中、多分死ぬらしいぜ』
『発見した時は、全身の左半分がぐちゃぐちゃだったんだろ確か』
『“首輪”もどっかにすっ飛んでいくぐらいの衝撃だったらしいのに、よくもまぁ』
『隊長ぉー、やっぱ見つからないっす』
『朝倉和美と和泉亜子の死体か?』
『はい――』
『隊長、まさか……』
『…………一応、本部に連絡しとくか。お前らは作業にもどれ』
『了解』
167マロン名無しさん:2008/06/14(土) 10:08:32 ID:???
終わり。変なところでぶった切れた上に駄文スマソorz
168マロン名無しさん:2008/06/14(土) 10:53:04 ID:???
ハカセの短編を作ろうとすることじたい褒められたものだな。
GJ
169マロン名無しさん:2008/06/14(土) 15:47:28 ID:???
短編ですら葉加瀬は生きる事を許されないのか…
170マロン名無しさん:2008/06/14(土) 17:15:09 ID:???
>>169ハカセが生き残る展開を想像してみ?
そしてそれと、上の短編みたいに華々しく散るのとどっちが・・・ん、誰かきたみたいだ
171マロン名無しさん:2008/06/14(土) 18:32:00 ID:???
ハカセが生き残る作品って短編でも今までにひとつもないのか?w
172マロン名無しさん:2008/06/14(土) 21:25:03 ID:???
>>170
葉加瀬が生き残る展開が全く想像つかないんですが…
173マロン名無しさん:2008/06/14(土) 22:11:25 ID:???
俺は葉加瀬フックアップよりも、敢えて嫁と準嫁を生き残らせた167を賞賛したい
174マロン名無しさん:2008/06/14(土) 23:28:51 ID:???
葉加瀬が死亡フラグの代名詞になってるけど個人的には葉加瀬か夏美かなら夏美のが良かったな
キャラ的にもビジュアル的にも
175マロン名無しさん:2008/06/15(日) 00:33:44 ID:???
ギアスのニーナってハカセに似てるよな
176マロン名無しさん:2008/06/15(日) 00:46:02 ID:???
ttp://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00159.jpg

4枚目
ネギロワのロゴいれた方が良かったかな?
177マロン名無しさん:2008/06/15(日) 01:49:19 ID:???
ネギロワ×Kinki kids
178マロン名無しさん:2008/06/15(日) 17:57:44 ID:???
>>174 死亡フラグの代名詞さえも他キャラのほうがよかったって言われてるハカセに俺涙目www
179マロン名無しさん:2008/06/15(日) 18:17:09 ID:???
>>176
乙。1〜3枚目はどれ?
180マロン名無しさん:2008/06/15(日) 19:16:13 ID:???
別館に保管されてる
181マロン名無しさん:2008/06/15(日) 20:43:24 ID:???
青を基調に描いた人?絵柄ちょっと変わった?
いやでも良い絵です。できたらトリつけてほしい。
182マロン名無しさん:2008/06/15(日) 21:07:07 ID:???
その人であってると思う
顔の書き方と色の塗り方が同じだし
なんにしてもGJです
183別館まとめ:2008/06/15(日) 22:34:02 ID:???
何とか間に合った・・・。

前スレの>>884
傾向分析は機会があれば別館でも保管したいと考えています。
現在はケータイまとめ氏が保管してくれたのでそちらで・・・。

前スレの>>885
別館での長編保管は今のところ考えていません。と、いうよりもそこまで手が回りませんorz
ケータイまとめ氏が長編保管を行っているし、まとめ4氏も辞めたわけでは無いと思うので・・・。

>>35
アンケートのムービー化ありがとうございます!
ADV風で良い出来でした。アンケートもそろそろ復活の予定です。
>>128のCMムービーもあわせて次回保管します。

>>176
のどかや楓の上手な絵の投下、乙です。
次回、投下の機会があればロゴも入れてみて下さい。

☆ 別館更新情報 2008/06/15 ☆
・『お宝発見?絵画展示室』
 No208〜No219の作品を保管しました。
 今回は葱坊主氏の作品がほとんどを占めています。

・『ネギロワAA帝国』
 2ヶ月ぶりの更新。
 No76〜No79のAAを保管しました。

・『ネギロワ倉庫』
 スレッド23のログを保管。

ttp://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html
184マロン名無しさん:2008/06/15(日) 23:01:57 ID:???
乙!!!!!

そこの君、短編つくってみないか!?
185マロン名無しさん:2008/06/15(日) 23:02:00 ID:???
>>183
乙です。以前に投下のあった作品も、別館氏のコメント込みで
改めて楽しめる2度美味しいシステムは良いです。
次も楽しみにしてます。
186マロン名無しさん:2008/06/15(日) 23:03:33 ID:???
絵師の方、別館氏乙です
187マロン名無しさん:2008/06/15(日) 23:23:06 ID:???
このスレを見ている人はこんなスレも見ています。(ver 0.20)
ネギま!のあの人に人生相談 その]V [なりきりネタ]
ネギま!ネタバレスレ 170時間目 [週刊少年漫画]
銀魂は女に媚び過ぎ 3 [少年漫画]
【空知英秋】銀魂 ネタバレスレッドpart127 [週刊少年漫画]
アニメキャラ・バトルロワイアル感想雑談スレ23 [アニキャラ総合]
188マロン名無しさん:2008/06/15(日) 23:40:18 ID:???
>>187
一個も見てねぇよw
189マロン名無しさん:2008/06/16(月) 01:22:11 ID:???
銀魂てネギまからかけ離れすぎだろwww
190マロン名無しさん:2008/06/16(月) 13:49:47 ID:???
明日菜「まったく、本当にお前はどうしようもないな」
古「だからお前はいつまで経っても死亡フラグなんだヨ」
ハカセ「謝れェェェ!全国の死亡フラグに謝れェェェェェ!」

うん、無理
191マロン名無しさん:2008/06/16(月) 17:50:25 ID:???
古「うるッさいアル!ダメガネのくせに!」
ハカセ「何だとォォ!お前らはこの世界における死亡フラグの大切さを
分かってねーんだよォ!」

つまり新八なんですね。わかります。
192マロン名無しさん:2008/06/16(月) 18:10:45 ID:???
銀魂トレスのネギロワイラストでもかいてみるか
193マロン名無しさん:2008/06/16(月) 22:13:51 ID:???
>>192
期待していいですかw
194マロン名無しさん:2008/06/16(月) 22:45:37 ID:???
投下ないな
誰か短編きぼn
195マロン名無しさん:2008/06/16(月) 23:03:28 ID:???
ほんじゃ短編を投下します。
突発的な思いつきで書いたものですので、質の悪さはご勘弁。
196マロン名無しさん:2008/06/16(月) 23:04:47 ID:???
プログラムが始まってから3日目。
正午にはタイムリミットを迎える。
現在は10時44分。タイムリミットまであと1時間16分。
今生き残っている生徒は3人。この中の一人だけが生きて帰ることが出来る。

1人目は綾瀬夕映(出席番号4)。夕映は仲間を見つけてプログラムからの脱出するために動いていた。
しかし、ゲームに乗った生徒からの襲撃を受け、仲間と共に反撃をしたが夕映一人を残して全員死んでしまっていた。
2人目は和泉亜子(出席番号5)。亜子はゲームが始まって以降、誰にも見つからないようにただ一人で隠れていた。
3人目は釘宮円(出席番号11)。円はゲームの途中で親友と出会ったものの、些細な意見の食い違いから決別していた。
そして現在に至っている。

生き残っている3人に共通していることはゲームには乗ってはいないということ。
ゲームに乗った生徒は何人かいたが、互いに相打ちになったりして既に死んでしまっている。
ここに居る3人は誰も人を殺していないし、殺すつもりも毛頭無かった。
考えてみれば、他人を殺すことなく残り3人になるまで生き残っているのである。3人とも運が良かったと言えるだろう。
しかし、3人の目の前には大きな問題が立ちはだかっている。
生き残ることができるのはたった一人。
このまま3人が生き残っていては、タイムリミットを迎えると同時に3人の首輪が爆破して死んでしまう。

タイムリミットが近づくに連れて、3人は示し合わせたかのように互いを探し合って集結していた。
そして今、3人はある民家の1室で丸テーブルを中心にして椅子に腰掛けていた。
3人は顔を突合わせた状態で、お互いに無言であった。
テーブルの上にはリボルバー式の拳銃が一つ、そして弾丸が2発置かれている。
拳銃の側には民家の中で見つけた遊戯用のサイコロが一つ置いてあった。
197マロン名無しさん:2008/06/16(月) 23:06:24 ID:???
「それでは……良いですね?」
確認を取るように夕映は2人に話しかける。夕映の言葉に2人は同時に頷いた。
3人ともゲームに乗って人を殺す気は無い。しかし、死ぬのは嫌である。
誰が生き残る一人になるかを決めるために3人が話し合い、一つの結論に至っていた。

―― ロシアンルーレット ――

殺すことができないなら自らの手で死ねば良い。運の良い者だけが生き残ることができる。
ある意味、ゲームに乗らずに運良くここまで生き残ってきた3人の中で誰が最も運が良いかを試される訳である。
最初に夕映がサイコロに手を伸ばし、テーブルの上に転がした。出た目は2。
次にサイコロに手を伸ばした亜子がサイコロを振った。出た目は3。
最後に円がサイコロを手に取って転がした。出た目は5。
「私が……最初ですね」
ため息を付きながら夕映はそう言った。
サイコロの出た目が少ない順で拳銃の引き金を引いていく。
一巡しても弾丸が出なければもう一巡して弾丸が出るまで続けられる。そう言うルールだった。

円が置かれていた拳銃を手に取ると、シリンダーを取り出した。
シリンダーには空になった薬莢が5つ嵌め込まれており、1つだけが空いている。
円は2つあった弾丸の一つを摘んで空いている孔に弾丸を込める。
そしてシリンダーを勢い良く回転させた。
シリンダーの回転が止まると円はシリンダーを拳銃にセットし、夕映の目の前に拳銃を置いた。
198マロン名無しさん:2008/06/16(月) 23:07:22 ID:???
――沈黙が流れる。
ゴクリ、と夕映が唾を飲み込む音がした。
少しの間躊躇しながらも、夕映は拳銃を手に取った。撃鉄を上げ、銃口をこめかみに当ると引き金に指を掛けた。
夕映は大きく息を吸い込み、吐いた。
そして意を決したように両目を瞑ると、思い切って引き金を引いた。

バンッ!という耳を劈くような破裂音が部屋中に響いた。

その後、ドサッという音と共に夕映が椅子から落ちて床に倒れた。
夕映の頭から流れ落ちた血が、床に赤い水溜りを作っている。
その光景に、残った2人は言葉を発することもできないまま凍りついた。
199マロン名無しさん:2008/06/16(月) 23:09:26 ID:???
――タイムリミットまで残り30分を切った。

夕映が死んだ後、しばらくの間残った2人は動くことができなかったが、時間が残り少なくなったために円の方がようやく動き出した。
椅子から立ち上がり、死体となった夕映の側まで近づいて行く。円は夕映の手から離れて床に落ちていた拳銃を拾い上げた。
そしてテーブルの上に銃を置いた。
「続けるよ、亜子」
そう言って円は席に着いた
亜子はガタガタと震えながらも頷いた。
あと一人が死ななければ2人とも死んでしまうのだ。自分達には選択権は無かった。
円はサイコロを振る。出た目は1。
それを見た瞬間、円はため息をついた。
亜子が1を出せばもう一度サイコロを振り直す。そうでなければ円の方が先だ。
亜子はサイコロを持つと、テーブルの上にそっと転がした。出た目は6。
「……私が先だね。亜子、アンタが弾丸を込めなよ」
そう言って円は拳銃を亜子の前に置いた。
亜子はテーブルの上にあった残り一つの弾丸を手に取ると、拳銃のシリンダーを取り外した。
空になった薬莢の一つを抜き取ると、そこに新たな弾丸を込める。
シリンダーを回転させた後で拳銃の中にセットすると、亜子は円の目の前に拳銃を置いた。
拳銃をしばらくの間見つめていた円は、軽く気合を込めると拳銃を掴んで銃口をこめかみに当てた。
撃鉄を上げると躊躇することなくそのままの勢いで引き金を引いた。

カチッ!

その音を聞いて、円の背中にどっと汗が流れ落ちる。
ホッとしたように大きく息を吐くと、手にした拳銃を亜子の目の前に置いた。
200マロン名無しさん:2008/06/16(月) 23:10:32 ID:???
拳銃が目の前に差し出されたとき、亜子は口の中で小さく悲鳴を上げた。
だが、亜子にも選択権が無いのは良くわかっている。
震える手で銃を持つと銃口をこめかみに当てる。そしてゆっくりと撃鉄を上げた。
なかなか引き金を引くことができず、躊躇したまま時間が流れる。
円はジッと亜子の方を見つめていた。
「ひいぃぃっ!」
両目を瞑り、悲鳴を上げながら亜子は引き金を引いた。

カチッ!

銃弾は出ない。
両目に涙を浮かべ、ハアハアと荒くなった呼吸をしながら亜子は拳銃を円の目の前に置いた。

円は目の前にある拳銃を見つめてゴクリと喉を鳴らした。
銃弾の出る確立は4分の1。出ない確率の方がまだ高いが楽観視できる数字ではない。
現に夕映は最初の1発目で死んでいる。
「大丈夫、弾丸はまだ出ない、大丈夫、自分を信じて……」
小声で自分を叱咤しながら銃を手に取ってこめかみに当てて撃鉄を上げる。
円は歯を食いしばると、力を込めて引き金を引いた。

カチッ!

撃鉄が空の薬莢に当る音。
銃口を下ろした円は震える手で亜子の前に銃を差し出した。
緊張と恐怖の攻守は交互に入れ替わっていた。
201マロン名無しさん:2008/06/16(月) 23:12:07 ID:???
――タイムリミットまであと15分を切った。

躊躇する時間がないことを悟った亜子は、意を決して拳銃を手にした。
撃鉄を上げるとこめかみに銃口を当てる。
そろそろ弾丸が出てもおかしくない。
両目を瞑ると両目に貯まっていた涙が頬を伝って下りていく。
亜子は全身を固くして、引き金を引いた。

カチッ!

4度目の乾いた音。
亜子はほーっと大きく息を吐いて拳銃を下ろした。
その瞬間、円の心臓の鼓動が大きく跳ね上がる。
確立2分の1。
ここをクリアすれば自分は生き残る。できなければ死である。
亜子も円の行動を一言も発せずにジッと見つめていた。
事実上、円の結果でどちらが死ぬのかが決定するのだ。
円は銃を取り上げると3回目になる動作を繰り返して行った。
撃鉄を上げ、こめかみに銃口を押し付けると両目を瞑る。
不意に円の脳裏に親友の美砂と桜子の姿が浮かんできた。
ゲームが始まってから円は美砂と一緒に行動していたが、ちょっとした意見の食い違いから美砂とは喧嘩別れしてしまっていた。
殺し合いというゲームの中で2人とも気が立っていたのだろう。今考えると喧嘩の原因は何でもない些細なことだった。
結局、美砂とは再び出会うことなく円は美砂の死亡を知ることになった。
円は仲直りできないまま美砂と別れたことを後悔していた。
ゲームが始まってから円は桜子とは出会っていない。せめて最後にもう一度桜子と出会いたかった。
(美砂……桜子……お願い、私を守って!)
心の中で親友たちの事を思い浮かべながら円は引き金を引いた。
202マロン名無しさん:2008/06/16(月) 23:13:51 ID:???
カチッ!

その音を聞いて円の体中から力が抜ける。
(た……助かっ……たぁ!)
心の底から安堵した。
もうこれで自分は死ぬことはない。
深く深呼吸をすると、持っていた銃を亜子の目の前に置いた。

円の内心を余所に、亜子は青ざめた顔で目の前にある銃を見つめていた。
確実に弾丸が出る銃。生き残る希望も残ってはいない。
今ここで自殺しろと言っているのと同じだった。
そもそも、自殺する気ならゲームが始まる最初からしていた。
何のために怖い思いをして命掛けでロシアンルーレットをしたというのだ?自分が生き残るための僅かな希望に賭けていたためだ。
そして、亜子は思い詰めた表情で銃を手に取った。
一旦銃口をこめかみに当てようとするが、すぐにまた銃を下ろしてしまう。
引き金を引いたら自分は死ぬしかないのだ。そう思うと引き金を引く決心が鈍る。

円は急かしては来なかった。
ただジッと亜子の行動を見つめている。
タイムリミットまで約8分。残り少ないが時間ぎりぎりまでは待ってくれるつもりなのだろう。
亜子の体は震えていた。
死ぬのは嫌だ。生き残る希望があったからこそ銃の引き金を引くことができた。
自分が死ぬためには引き金を引くことはできなかった。
亜子は手に持っていた銃をギュッと握り締めた。そして……
亜子は銃口を円に向けた。
203マロン名無しさん:2008/06/16(月) 23:15:52 ID:???
亜子が向けた銃口は円の方を向いている。
「亜子!どういうつもり?まさか私たちを裏切るって言うんじゃないでしょうね!?」
円はいち早く亜子の意図を読み取ると、亜子に警告を発した。
「ちゃ……ちゃうねん、ちゃうねん。裏切る気はないんよ」
そう言って銃口を円に突きつけたまま、亜子はゆっくりと立ち上がった。
「何が違うって言うのよ!今私に突きつけている銃はどういう意味よ?
私たちは殺し合いだけはしたくないから、ロシアンルーレットなんてやりたくない事をやったのよ。
亜子がやっているのは私と夕映に対する裏切り行為よ!」
厳しい表情で怒鳴る円。
「だ……だって、だって……うち、死にたくない!」
涙を流しながら亜子が訴える。
銃口は円に向けたまま、しかし引き金を引くことはできなかった。
それを見た円は、手を後ろに回して立ち上がった。
そして手にした銃を亜子に向けた。
「く、釘宮……それ……」
驚愕の表情を浮かべた亜子は円の顔を見つめる。
「私に支給された武器よ。クラスメートを殺すことだけはしたくなくて今まで絶対に使わないようにしてたのに……。
恨むわよ、亜子!」
互いに銃口を向け合ったまま、膠着状態に陥った。
どちらか一方が引き金を引けば、もう一方も引き金を引くだろう。
沈黙の中、円が口を開いた。
「今からでも約束を守れば今までの事はなかったことにするわ。考え直す気はない?」
円の言葉に亜子は首を振った。
「嫌や!うち、死にとおない!生きたいんやぁっ!」
「亜子のバカァッ!」
亜子と円は同時に引き金を引いた。
2つの銃声が重なり、部屋の中で轟音が響き渡った。
204マロン名無しさん:2008/06/16(月) 23:17:31 ID:???
銃声が収まった。
円はその場で仰け反ると、背中から床に倒れこんだ。
そして2、3回ビクビクッと痙攣してから円は動かなくなった。

その様子を見ていた亜子は、後ろにあった椅子に崩れるように座り込んだ。
胸が熱い。
撃たれた箇所に手を当てると、血で湿った制服の感触が指に伝わってきた。
いつもなら血を見て卒倒するところだが、今の亜子は気を失うような余裕はなかった。
流れ出る血は止まることがなく、亜子の制服を真っ赤に染めていた。
足に力が入らず立つこともできない。

その時、遠くから放送が流れてくる。
『現時点での死亡者を発表する、出席番号4、綾瀬夕映、出席番号11、釘宮円、以上だ。生き残った優勝者は和泉亜子。優勝おめでとう!』
薄れていく意識の中で放送を聞いた亜子は自嘲気味に笑みを浮かべた。
「ひ、皮肉なもんやな……せっかく優勝できたのに、うちももう死ぬみたいやな……」
拳銃を床に落として椅子に体重をもたれかけると亜子は天井を見て呟いた。
「これも天罰なんかな?うち一人だけがすぐに死ねずに苦しんで死ぬらしいわ。
でも、仕方ないわな。夕映や釘宮を裏切ったのはうちやからな……。
最後の最後で……全て失ってもうたわ。人を殺さないという誓いも、夕映や釘宮との約束も……
最低や……うち、最低や……」
そう言って、亜子は口を閉ざした。
亜子の意識が遠くなる。
目の前が暗くなっていく……。
……そして亜子の意識は暗闇の奥深くへと落ちていった。
205マロン名無しさん:2008/06/16(月) 23:26:18 ID:???
GJ!!!
206マロン名無しさん:2008/06/16(月) 23:38:51 ID:???
http://www7.uploader.jp/dl/yuyu/yuyu_uljp00160.jpg.html
「お前は大変な奴を怒らせた…」

短編氏さん、絵師氏さん乙です(^^
207ムービー製作者:2008/06/17(火) 00:21:00 ID:???
ネギロワらじおをでムービー化してみました。
アンケートの経験もあって比較的、音源とネタを豊富に手に入れれたので少々お遊びを入れてしまいました。
ラストの夕映と真名の言葉を少しだけ手を加えた以外はそのままです。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4280.zip.html
Pass:rowa

二夜と最終夜は後日、疲れきったので2,3日くらい充電してから作る予定です。
208マロン名無しさん:2008/06/17(火) 00:21:59 ID:???
短編、絵両作ともGJです。

自分もこれから短編投下します。…196の短編より質は劣りますが
(あと携帯からなので改行のミスはご容赦下さい)
209外道ネギ:2008/06/17(火) 00:26:54 ID:???
ネギ「おめでとうございますアキラさん
今回の優勝者はあなたですよ」
アキラ「えっ、みっみんなは」
ネギ「全員死んでしまいました
生き残ったのはアキラさんあなただけです」
アキラ「どうして・・・どうしてよ」
ネギ「みなさんを踏み台にしてあなたが生き残ったんですよ
夢も将来も会った皆さんを殺して
まき絵さんもゆーなさんも亜子さんも
あなたが殺したんですよ」
アキラ「うそ・・・・うそだ・・・・・」
そういってアキラは何もしゃべらなくなってしまった
まるで壊れたおもちゃのように
ネギ「じゃあ明石教授あとはお願いします」
そういってネギはどこかへいってしまった。


お姉ちゃんへもうすぐイギリスに帰れそうですbyネギ
210マロン名無しさん:2008/06/17(火) 02:09:11 ID:???
短編作者方、ムービー製作者氏、絵師の方 乙です
211マロン名無しさん:2008/06/17(火) 02:25:50 ID:???
皆さん乙です
そろそろMAD出てこないかな…
212マロン名無しさん:2008/06/18(水) 03:33:30 ID:???
短パンマン回避
そしてB'zのベスト買ったが微妙だったぜ
213マロン名無しさん:2008/06/18(水) 03:43:33 ID:???
今更だけどロシアンルーレットの短編GJ
読んでてドキドキした
214マロン名無しさん:2008/06/19(木) 04:21:19 ID:???
みんな!!次の作者様がくるまでの辛抱だぜ!!
215マロン名無しさん:2008/06/19(木) 08:23:33 ID:???
作者が居ないなら居ないなりに、このマターリ感を楽しめよ。思い付きの短編とか絵とかを投下してみてマターリするのもよいではないか
216マロン名無しさん:2008/06/19(木) 16:27:12 ID:???
短編が投下されるなら何ヶ月も空いても良いけど短編がないと飢えてしまう
自分で短編作った事もあったけど昔ボロくそ言われたからな…
217マロン名無しさん:2008/06/19(木) 16:55:59 ID:???
誘い受けは嫌われるよ
218マロン名無しさん:2008/06/19(木) 20:39:27 ID:???
今年に入ってから今月初めまでずっと作者が居たからね。
ちょっと落差を感じてさみしいや。

前は結構空くときはかなりの期間空いてた気がする。
誰かの投下をマターリ待ちましょう。
間が空くと飢えてるから美味しく感じてしまうかも・・・

一応おいらも短編考えてみるよ。期待はせんといて。
219マロン名無しさん:2008/06/19(木) 20:39:42 ID:???
バトロワ最中ってのはあまり出てこないんですがバトロワ終了後の物語って感じの短編でも良いでしょうか?
ちょっとこのスレっぽくないけど他のネギまSSスレともかけ離れてるんで…
220マロン名無しさん:2008/06/19(木) 20:43:43 ID:???
全く問題無いと思う
221マロン名無しさん:2008/06/19(木) 21:40:45 ID:???
同意。

基本的にバトルロワイヤルが間接的にかかわっていればOKと思う。
222マロン名無しさん:2008/06/19(木) 22:11:39 ID:???
前にも結構あったしね
ゆーなのやつとか3-A全滅のやつとか
223マロン名無しさん:2008/06/19(木) 22:12:50 ID:???
ダークな話でザジちうスレっぽくないから少しロワにこじつけてこっちでって感じかな?
今は投下少ないから是非楽しみにしてるよ
224マロン名無しさん:2008/06/20(金) 19:09:20 ID:???
傾向作者氏に質問。

基本的に作品投下の後に、その作品の傾向分析。
それ以外は最初の部からだったはずでしたよね。
このまま作者がしばらく現われなかったら、2部から傾向分析を
やってもらえるんですよね?

始める頃を教えてください。
別に急かす気はないですから、マターリ待ってます。
225マロン名無しさん:2008/06/20(金) 20:40:50 ID:???
2部の傾向分析はもうしたよな
226葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/20(金) 22:49:47 ID:???
さてと、ぼちぼち短編を投下します。
手始めにこれを・・・・

最初に言っておきますが、山はないしオチも特にないです。
規制に引っ掛からないとよいのですが・・・
227葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/20(金) 22:51:38 ID:???
昼下がりの午後。
昼食を終えて図書館島へ向かったハルナとのどかと別れた綾瀬夕映は、人気の少ない教室内で一人で読書をしていた。
読み終わった本をパタンと閉じると夕映は小さくため息をついた。
「……生徒同士で殺し合わなければならない、生き残れるのはたった一人のみ……ですか」
本を膝に置き、夕映はボソリと呟いた。
丁度そこへトイレから戻ってきた長谷川千雨が夕映の側を通りかかる。
「うん?何だ綾瀬、それって『バトルロワイアル』じゃねえか、お前も読んだのか?」
夕映が持っている本のタイトルに気づいて千雨が声をかけた。
「千雨さんもこの本を読んだのですか?貴方はこれについてどう思われましたか?」
千雨の方を振り向いた夕映は、読んだ後に感じた疑問を千雨にぶつけてみた。
「どうって?」
「自分がいきなり殺し合いをしろと言われるようなシチュエーションに陥った時、貴方はどうされますか?」
その言葉で夕映の意図を理解した千雨は、夕映の隣にある自分の席の椅子に腰をかけた。
千雨もこういう議論は嫌いではない。

少しだけ考えた後、千雨は話し始める。
「そうだな……自分がその立場に立ったなら、まずはどういった行動を選択するかが問題になるだろうな。
最初の選択肢は殺し合いに乗るか、乗らないか……だな」
「はい。私としては殺し合いに乗らない……いえ、できないと思うです」
「ま、綾瀬は性格的にもそう考えるだろうな。綾瀬らしいよ。
私は……まあ断言はできないけど、状況によっては自分が殺し合いに乗る可能性はあると思っている」
「……詳しく教えてもらえますか?」
意外にも殺し合いに乗ると答えた千雨の考えに興味を持ち、夕映は身を乗り出した。
「私は、行動選択は幾つかの条件によって変わるだろうと考えているんだ」
「その条件とは?」
腕を組んで答える千雨に夕映が先を促した。
228葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/20(金) 22:53:46 ID:???
「一つ目は自分が手に入れた武器だな。マシンガンとか強力な武器を持ったら私もその気になるかもしれない。
実際、世間に起こった犯罪を例にとって見ても、気の弱い奴でも銃や強い武器を持つと気が大きくなって行動が大胆になって犯罪に走ることもある。
これは大きな要素だと考えていいだろう」
「フム、その通りだと思います。
強い武器を持ってすぐゲームに乗る気になるかはわかりませんが、状況が状況だけにその気になる可能性は否定できないです。
逆に弱い武器、武器とは言えないものが当った場合は殺し合いに消極的になる可能性は高いですね。
その場合、誰とも会わないように隠れているか、誰かと協力できる人間を探したくなる気がするです」
「そうだろうな」
千雨は一旦言葉を区切ると、ポケットの中に入れていた缶コーヒーを机の上に置いた。
そして話を続ける。
「2つ目は他の参加者との遭遇だな。誰と出会うかによって自分の行動が変化することもあるだろう。
例えばゲームに乗った相手と出会った場合、身を守るためにも相手を殺そうと考える可能性はある。
信用できない奴と出会った場合も同じことが言えるだろうな。
相手が銃なんか持っていた日にゃ相手がどう出るか分からない不安から殺られる前に殺ろうと考えることもあるだろう。
その反対に最初に絶対信頼できる奴と出会えたら、そいつと一緒に生き残る道を考えたくなるものだ。
その時はゲームに乗る確率は格段に下がるだろうな」
夕映はウンウンと頷いた。
「なるほどです。……その2つの条件で終わりですか?」
「いや、まだあるな。3つ目は時間だな。タイムリミットが近づくと、死に直面する焦りからゲームに乗ることも考えられる」
「……それは良くわかるです。私でも死へのカウントダウンが始まった段階ではゲームに乗らないとは断言できないです」
「まあな」
そう言うと、千雨は椅子の背もたれに体を預けると足を組んだ。
229葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/20(金) 22:56:04 ID:???
「ただし、今の条件は行動選択の決断のためのきっかけに過ぎない。
後は、そのときの自分の精神面が影響するわな。どんな奴でも生き残るためにゲームに乗るか、乗らないかで揺れ動くはずだ。
ゲームに乗るほうに揺れ動いた時にさっき言った条件が背中を押すことになる。
そうなったら私はゲームに乗るかもしれない。……と思う」
千雨の説明を聞いて、ほうっと感心したように夕映が息を吐いた。
「大変興味深いお話でした。この小説から千雨さんがそこまで考えているのには少々驚いたです」
「ああ、まあその……小説を読んだ時にネット仲間とこの話についていろいろ議論したことがあったからな」
頭を掻きながら言いにくそうに千雨が答える。
「へえ、私はネットなどに詳しくはないのですが、そのような議論の場があるなら興味があるです。
宜しかったら今度紹介して頂けますか?」
「あ……ま、まあいつか機会があったらな(やべぇ、私のHPで話題になったことなんだよな。誤魔化しておこう)」
千雨はその場を誤魔化した。
夕映は千雨の様子には気付かずに真面目な表情で話を続ける。
「先程の話に戻りますが、精神面というのが一番不安定な要素ですよね」
「(良かった。話が元に戻った)まあ、それは言えるよな」
内心の動揺を隠しながら千雨が応じる。
「まず、自分以外の生徒がゲームに乗る気かどうかなんてまったくわからないということです。
生徒同士……例え親友だとしても、心の底では不信感は拭い去れないと思います」
「当然、といえば当然のことではあるけどな」
「はいです。一人しか生き残ることができないルールなのですから、本来ならクラスメートは全員敵です。
そう簡単に信用できるものではないでしょう。
まあ、そのような状況の中でも友情を維持させるというのもこの物語の良さではありますが……。
自分が死ぬかも知れない恐怖、クラスメートに殺されるかも知れない恐怖、いつ誰と遭遇するかわからない恐怖。
安定した精神状態を保つことも至難の業と言わざるを得ません」
「その精神状態によって、誰もが殺す側に回ることはありえると言うことだ。
……それが、この物語内でのゲームのポイントでもあり、面白い点でもあるんだけどな」
「ええ、そうですね」
230葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/20(金) 22:58:18 ID:???
夕映は机の上に置いてあった紙パックのジュースを手に取ると、ストローを取り外して紙パックに突き刺した。
背もたれに体を預けていた千雨は、一回背伸びをした後で口を開く。
「ところで、ゲームに乗るかどうかと言う点ではもう一つ重要な要素があったな」
「今まで話した以外のことですか?それは何ですか?」
「最初の一人を実際に殺せるか殺せないか……だ」
「……なるほど、それはわかる気がします」
納得したように夕映は頷いた。そして紙パックを口元に持っていくとジュースを一口吸い込んだ。
「ゲームに参加するか、しないかの一線。それは実行に移せるかどうかというのが重要だろう。
いきなり人を殺せといわれても、なかなかできるもんじゃないからな。
ゲームに乗る気があっても人を殺すことができないなら乗っているとは言えない。
他にゲームに乗った生徒に返り討ちにあうのが目に見えているな」
「そして一人殺すのも何人殺すのも同じとか言われるように、一人でも殺してしまったら人を殺してはいけないと言うモラル面が崩壊するです。
二人目以降は殺すことの抵抗は少なくなるでしょうからゲームに乗ることに支障はなくなるですね」
「そういうことだな」
「……実に興味深いお話です」
夕映の反応を見て千雨は肩をすくめた。
「まあ、実際はその時になってみないと、わからないと言うのが正直な話だよな。実際にどんな行動を取るのかは自分でもわからねえ」
「そんな状況にはなりたくないですけどね」
「全くだ」
231葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/20(金) 23:00:05 ID:???
夕映は腕時計を見る。休み時間はまだ残っているので、しばらくは話を続けることができる。
教室を見渡すとチア部の3人が固まって談笑をしている。後ろの席ではエヴァが昼寝をしていた。
「平和だなー」
しみじみと感慨深げに千雨が呟いた。
ジュースを一口飲むと夕映が再び話し始めた。
「それでは、ゲームに乗らない場合はどうでしょうか?」
ちょっとだけ頭を傾けて考えてから千雨は答える。
「……行動の選択肢は限られてくるよな」
「そうですか?私は結構選択肢はあると思うですが?」
「例えばどんな?」
夕映の言葉に興味を持って千雨が聞き返す。
「ゲームに乗る以外ですと……自殺する、首輪を外す、仲間を集める、脱出を図る、主催者と戦う、隠れる、そんなとこでしょうか?」
物語を思い出しながら、行動の選択肢を挙げていく夕映。
それを聞き、千雨も了解したとばかりに口を開いた。
「私と見解とちょっと違うな。私はゲームに乗る以外の選択肢は、自殺する、首輪を外す、何もしないの3つしかないと思っている。
首輪を外すと脱出を図るは実質的に最終目的が一緒だから同じ事としているよ。そして隠れると何もしないも同じようなもんだ」
「仲間を見つけたり、主催者と戦うという選択肢は無いのですか?」
夕映が挙げたうちで千雨が挙げなかった部分について尋ねてみる。
「選択肢の分け方の視点がちょっと違うんだが、敢えて言うならそれらは全て何もしないに入る」
想定外の千雨の答えに夕映は興味が沸いた。
232葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/20(金) 23:03:12 ID:???
2人の話が盛り上がっているのを見て、近くを通りがかった雪広あやかが興味を持って声をかけた。
「夕映さん、千雨さん。お2人だけで話をしているのは珍しい組合せですわね。
何を話をしてますの?……あらそれは『バトルロワイアル』ですね」
あやかも夕映が机の上に置いていた本に気づいた。
「いいんちょ、知ってるのか?」
「もちろん。読んだこともありますわ」
本を手に取ったあやかはパラパラとページをめくった。
「ちょっと意外です。いいんちょさんはこのような本には興味がないと思ってました」
意外そうな顔をしている夕映と千雨に対して、心外とばかりにあやかは胸を張って答える。
「一時期話題になった小説ですからね。後学のためにも読んでみましたわ。それで何のお話でしたの?」
「この小説と同じ状況になった時に自分だったらどうするかという話です」
簡単に説明する夕映の言葉にあやかが乗ってくる。
「そうですわねぇ。私なら皆を集めて無駄な戦いなど止めるように呼びかけますわね」
本を返しながらあやかが答えた。
「いいんちょさんらしい答えです」
「同感だ。……それで?」
千雨の問いにあやかが聞き返す。
「『それで?』とは何ですの?」
「皆を集めて、戦いを止めさせてどうするかと聞いているんだよ」
「それは……主催者と一戦を交えるなり、助けを呼ぶなり、皆で脱出なりの対策を……」
「どうやって?」
矢継ぎ早の千雨の問いにあやかが回答に詰まる。
「そ、それは……今は良い方法を思いつきませんが、皆で力を合わせると何とかなるのではないでしょうか?」
「傍から見ると目的に向かって行動しているように見えるが、私に言わせれば何もしていないと同義だな」
辛辣な千雨のセリフにあやかが少しムッとする。
「千雨さん、それはどういう意味ですの?」
233葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/20(金) 23:05:50 ID:???
「まあ待て、最初から整理するぞ。このゲームの中で行動する時の最終目標は何だ?生き残るということだよな?」
あやかと夕映が揃って頷いた。
「仲間を作る。これ自体は必ずしも間違っていないし、その気持ちも良くわかる。問題なのは仲間を作る理由だ」
その説明を受けて夕映は考え込んだ。
「……千雨さんの言いたいことが少し分かってきた気がするです。
何らかの具体的な脱出方法なりを実行するために仲間を作るのなら意味はあるです。
しかし具体策も無く、ただ仲間を作るだけというのは意味が無いということですね?
そして具体策がないということは最終的に生き残るという目的に対して問題を先送りにしているだけになります。
タイムリミットがある以上、それは無駄に時間だけを消費してしまう恐れがあるです」
夕映の指摘したことに肩をすくめて千雨が応じる。
「ま、そんなとこかな?仲間が集まれば、良い方法が見つかる可能性があることは否定しないよ。
でも、状況的には人が集まって良い案を考えつくとは思えねえな。
小説の中でもそうだったが、脱出のための具体策を持たずに集まった連中が居ただろ?
そいつらは途中で仲間割れして死んでしまったが、仮に最後まで自分達のグループだけが生き残ったとした場合はどうなる?
タイムリミットが来た時点で2人以上生き残っていたら全員の首輪が爆破して死んでしまうんだ。
生き残るためには殺し合うしか方法はなくなっていたのは充分に予測できる。
そんなのは、誰にも会わないように隠れているのとあまり変わりはしないんだよ」
「だから何もしていないのと同じというわけですの?」
あやかの確認に肯定の意味で千雨が頷いた。
「そういうことだ。仲間を作るのは手段であって目的であってはならないということだな。
仲間を作る手段を使うためには、例えば具体的に脱出する策を実現させるために人手が要るなどの目的がないと有効ではないということだよ。
具体策がない状態で仲間を作るのは後々大きなトラブルの種を抱えるということになる。
それらのことから考えても、ゲームの中では基本的には単独行動をとったほうが良いと私は考えている」
234葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/20(金) 23:07:55 ID:???
「ですが、単独行動になると、やはり自分自身が危険になる可能性は高くなるのではないですの?」
あやかが疑問を口にする。
「その通りだよ」
あやかの疑問に千雨はあっさりと肯定した。
「戦闘力が高い奴は例外だとしても、単独行動していたらゲームに乗った相手に対しては危険度が増すのは間違いない。
ゲームに乗った奴も単独行動をする奴から狙ってくるだろうからな」
「千雨さんが先程おっしゃったことと矛盾してはいませんか?」
あやかが千雨の説明の中で他の生徒と組む事も単独行動も否定した点を突いてくる。
「うん。そう聞こえるかもな。それは具体的な対策がなく、ゲームに乗らないのに生き残りたい奴だからそうなる」
その言葉で夕映も理解した。
「わかったです。そもそも、その時点でゲームのルールに対して相反する矛盾した望みを持っているからそうなるですね。
他の生徒が潰し合いでもして漁夫の利でも得られない限り、そんな望みが叶うことはありえないということです」
「ご名答」
いつの間にかあやかも会話に熱中していた。近くにあった椅子を引っ張り出して座り込んでいる。
夕映は手に持っていた紙パックのジュースを一口すすった。
千雨も机に置いてあった缶コーヒーを手に取ってプルトップを引張った。
プシュッという小さな音が周囲に響いた。
235葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/20(金) 23:11:43 ID:???
3人の話は続いている。
千雨は開けた缶コーヒーを飲み始めた。
その時、いつの間にか千雨の後ろに立っていた朝倉和美がいきなり会話に入り込んできた。
「ねえちうちゃん、さっき主催者と戦うのも何もしないのと同じとか言ってたよね。それについてはどうなの?」
「うわっ、何だよ朝倉。どこから聞いていたんだ?つーか、ちうちゃんと呼ぶな」
「結構最初の方から……。面白そうだからついね。で、今言った質問はどうなのよ?」
千雨からちうちゃんと呼ぶなと言われたことを軽くスルーして和美は聞いてくる。
(まったく……油断も隙もあったものじゃないな)
ブツブツ呟きながらも千雨は和美に答える。
「そこはちょっと説明不足だったな。私は選択肢を首輪を外すと何もしないに分けたんだ。
首輪を外すという条件をクリアしない場合は、主催者と戦うという行動は何もしないのと同じとしている」
「なるほどね。それなら意味はわかるよ」
「どういう意味ですの?」
千雨の説明で和美は納得するが、あやかは良くわからなかったらしい。
「首輪によって生徒達の生殺与奪を握られている以上、首輪を外さないで主催者と戦おうとしても簡単に殺されるです。
まあ、それ以前に主催者の本部はゲーム開始後立ち入り禁止になりますから、首輪を外さなくては戦いたくても戦えません。
物語の中でも本部を爆弾で爆発するように動く生徒もいましたが、その生徒達も当初の計画は首輪解除が第一でした。
そして、実際問題として遠隔操作で本部を爆破するというのは困難です。
物語ではゲームに乗った生徒の横槍があって本部の爆破計画は失敗に終わったですが、そうでなくても失敗する可能性は高かったと思われるです。
いずれにしても、首輪を解除できない限りは主催者と戦おうとしても生き残るという目標はなかなか達成できないということです」
夕映が代わりに説明した。
「そーゆーことだ」
千雨も頷いて肯定する。あやかも夕映の説明で何とか納得することができた。
236葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/20(金) 23:14:53 ID:???
和美も加わって4人になったメンバーは、どうやって首輪を外すのかという話に移っていた。
「まあ、殺し合いに乗って優勝する以外で生き残るとしたら、結局は首輪を何とかしないといけないという結論に行きつくね」
これまでの話を和美がまとめた。
物語を思い出しながら夕映が口を開く。
「そうですね、そこが最大のネックです。でも具体的な手法は限られてきますね。
基本的には物語と同じようにネットを使って本部のコンピュータにハッキングして首輪を外すという方法が浮かぶです。
ですが、現実的には本部もかなりの対策をとっているはずですから、かなり厳しいと思われます」
「そういえば、その物語中の話だけど最後まで生き残っていた奴等の首輪の外し方はちょっと納得がいかねーな。
いやまあご都合主義になる部分を否定する気はないんだけどよ。
参加者の一人がゲーム開始前から首輪を外す方法が解っていたというのは気に食わなかった」
千雨の感想に和美が応じる。
「ああ、気持ちはわかるよ。私が読んだ時にはあんまり気にならなかったけどね。
物語の中で出てきた条件の中で首輪を外したわけじゃないから納得いかないんでしょ?推理小説の世界なら反則気味だよね」
「それだ!私が推理小説を読むような視点で読んでいたってのは言い得ているな」
脱線しかけた話を戻すように夕映が促した。
「それで、首輪を外すにはどうしたら良いかということですが……」
「さっき綾瀬が言った通り、コンピュータを使ってハッキングして解除。正直それくらいしか思い浮かばねえ」
「ありゃ、そんだけ?他には手はないの?」
肩透かしを食らったように和美は聞いてくる。
「私の選択肢の中ではそうだよ。超やハカセとかなら首輪を分解するなり解除の方法を見つける手があるかもしれないがな。私にはそれ以上のことは無理だね」
237葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/20(金) 23:18:50 ID:???
「実際問題として、首輪を外さなければ自由にはなれないです。しかし、首輪を外す方法は限られている上に難易度が高い。
まあ、当たり前と言えば当たり前なのですが、そこにこのバトルロワイヤルの難しさ……読んでいる者にとっては面白さがあるですね」
「いっそ、魔法かなんかで解除できると楽なんでしょうね」
何気なく言ったあやかの言葉に夕映、千雨、和美が一瞬硬直した。
「あら、どうかしましたか?」
「い、いや、なんでもねえ」
慌てて千雨がその場を取り繕った。
腑に落ちないようだが、あやかはそれ以上は疑問に持たなかったようだ。
その様子を見て、あやかを除く3人はほっとため息をついた。

夕映は時計を見た。
休み時間終了まで約5分と言うところだ。
あと少しだけ話をする時間がある。夕映は残っている選択肢について話を振ってみた。
「最後に残った選択肢として、自殺するというのがありますね。これについてはどう思われますか?」
「個人的には論外。自殺を選ぶことはないな。死ぬ気になれるんだったら、自殺よりも一か八か生き残りを賭けてゲームに乗るだろう」
千雨はキッパリと言い放つ。
「うーん、私も自殺はないかな?無駄になるかも知れないけど最後まで何らかの形であがくと思うよ」
「私も同感です。先程千雨さんには色々と指摘されたことは分かりますが、やはりクラスメートで殺し合うと言うことは認めることはできません。
私は殺し合いをやめるように動くと思います」
和美に続き、あやかも自信を持って答えた。
「さすがはいいんちょさんです」
「行動の意義は置いといて、いいんちょのように自分の信念を貫くと言うのも一つの選択肢だと思うよ。
私には出来ないことだ。そういう意味では素直に感心している」
「……あまり褒められたとは思えないのですが?」
「そりゃそうだ。別に褒めちゃいない」
あやかはさらに複雑そうな顔をした。
238葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/20(金) 23:21:35 ID:???
夕映が話を戻す。
「自殺を選択しないというのは皆さんらしいと言うべきでしょうね。ですが、私個人としては自殺も意義のある選択肢だと思っています。
自分自身の死を他人に委ねることなく自分自身の判断で決定することが出来るというのは重要だと思うです」
「まあ、そういう考え方もあるよな。否定はしない」
肩をすくめて千雨が答えた。
「……もちろん、私が自殺を選択するかと言われれば、私も皆さんと同じように自殺はしないと思うです」
「それは良いと思うよ。行動の選択は参加者の自由だからね」
「その通りですわ」

キーンコーンカーンコーン……

丁度話が一段落したところで昼休み終了のチャイムが鳴った。
「今日は思いのほか、有意義な話が出来たです」
「私もですわ。自分にはない考え方を知ることが出来たのは思わぬ収穫でしたわ」
「ああ、結構面白かったぜ」
「次にこんな機会があるかどうか分からないけど、そん時もよろしくー」
次の授業は音楽である。4人は自分の席に戻ると、教室移動の準備を始める。

「……それにしてもだ。こんな荒唐無稽な話、実際にはありえねえよな」
隣の席で準備をしていた夕映に千雨が話しかける。
「勿論です。あくまで虚構の物語の話です。実際にこんな事が起こって良いわけありません」
「そりゃそうだ」
そう言うと、千雨は授業の準備を済ませて一足先に教室を出て行った。
夕映ものどかとハルナと一緒に音楽室へと向かった。

そう、これはあくまでも作り話。実際に起こるわけが無い。
このときは皆、そう思っていた……。
239葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/20(金) 23:26:51 ID:???
とりあえず以上です。
一応23部の前身となるプロットののオープニングの話だったりします。
小説の話をヒントに各々の行動の選択肢が分かれていくのですが、
過去作品と被っていたのとあまり話が広がなかったためにあえなく没に・・・

加筆修正してバトロワを外から見て感想を言い合う
ネギまの日常の一コマとして仕上げてみました。
240マロン名無しさん:2008/06/21(土) 02:54:02 ID:???
誰も言わないが俺は言うぜ
──そう、『乙』の一言を。
241マロン名無しさん:2008/06/21(土) 13:30:24 ID:???
うおスゲェ
考察好きだからこのSSは好きになったよ
242マロン名無しさん:2008/06/21(土) 13:35:43 ID:???
>>240
かっこつけて言うなw
243マロン名無しさん:2008/06/21(土) 14:33:05 ID:???
乙です
244司書  ◆diEk0iTtGI :2008/06/21(土) 21:37:49 ID:???
保守がてら書き込み

三作目書いていますが現在ワードで150P突破かつ文字数12万
なのにまだ終わりが見えてこない
プロットはできているつもりなのでなんとか八月前までに……いや、今年中に
はい、努力します

スレに書き込み自分を追い込むことで倦怠モードを何とかしようとする私はMですかね
ということでチラ裏でした
245マロン名無しさん:2008/06/21(土) 21:41:29 ID:???
おお、司書さん復帰ですか!
wktkして待ってます。
246マロン名無しさん:2008/06/21(土) 22:19:43 ID:???
司書さんのトリが他スレのコテと同じトリなんだが同じなのかな?偶然だよね?
247マロン名無しさん:2008/06/21(土) 23:07:03 ID:???
その人ってどんな人なの?
248マロン名無しさん:2008/06/21(土) 23:52:10 ID:???
おっぱいおっぱいってすげぇ連呼する人
249ムービー製作者:2008/06/21(土) 23:59:09 ID:???
ネギロワらじお 第二夜ができたので投下します。
ちょっとネタに走りすぎた感じがしますが、文章は手を加えていないので気にしないで見てください。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org7871.zip.html
Pass:rowa

最終夜は長い上に個人的に気力と根気を使い果たしたので、少し間が開きそうです。
250マロン名無しさん:2008/06/22(日) 00:24:23 ID:???
乙!いつも楽しみにしてんよ
251マロン名無しさん:2008/06/22(日) 00:44:15 ID:???
乙です。
今回も楽しめました。古好きな俺としては
傾向分析の古の扱いは非常によく、今回はツボでした。
次回もwktkしています。
252マロン名無しさん:2008/06/22(日) 02:09:12 ID:???
>>248
絶対別人だろww
253マロン名無しさん:2008/06/22(日) 02:52:29 ID:???
分かんないぞ
俺もとあるスレでは神と呼ばれ真面目ぶってとあるスレでは下ネタ厨だからな
254マロン名無しさん:2008/06/22(日) 05:31:51 ID:???
司書氏の作品って、12部だけ?
255マロン名無しさん:2008/06/22(日) 07:30:47 ID:???
7部
256マロン名無しさん:2008/06/22(日) 09:54:21 ID:???
>>253
ここの某部作者も神だ神だといわれつつも普通ってゆーなぁ( ̄□ ̄;)!!だったしな
257マロン名無しさん:2008/06/22(日) 13:37:12 ID:???
>>255
サンクス
ちょっと復習しようと思って!
司書氏、楽しみにしてます
258マロン名無しさん:2008/06/22(日) 14:27:45 ID:???
>>256
普通に良いとは思うが神とは到底思えない
259マロン名無しさん:2008/06/22(日) 15:15:58 ID:???
というか神は2ちゃんになんか来ない。
260マロン名無しさん:2008/06/22(日) 15:33:30 ID:???
うむ
まぁみんな俺らよりはすごいがな
261マロン名無しさん:2008/06/22(日) 15:49:00 ID:???
ただの読み手が評価するのも何か失礼。
262マロン名無しさん:2008/06/22(日) 16:33:52 ID:???
何かもう争いごともおきんくなったね
あれはあれで活気あった
263マロン名無しさん:2008/06/22(日) 17:21:43 ID:???
マターリ行こうよ
軽い気持ちで新人の書き手、絵氏、加工職人が
投下できるくらいにさ
264マロン名無しさん:2008/06/22(日) 18:35:39 ID:???
煽る観客の思いをよそに私は。
ポロン、ポロロン〜♪

ギターを弾きながらパイプ椅子に座って少し休憩をしているネ。
ギターとパイプ椅子はどこで手に入れたって?
ギターは私達が集められた廃校から出て行くときに音楽室があったネ。そこを通りがかったとき、
「ギターがあれば欲しい」と言ってみたネ。兵士達はきょとんとしたが、
物わかりのいい女性主催者が「いいよ」と言って渡してくれた。
パイプ椅子は千雨さん達が目指そうとした小屋にあったね。それをいただいてきたネ。

私はいままで集めたコレクションに目をやる。
自分で集めたとはいえ物の見事なクラスメイトの顔の皮というコレクションに私は笑みをこぼさずにはいられなかった。
がその瞬間奇声が私をすぐに現実に戻す。

「ガルガァ〜〜〜〜〜 グガガァ〜〜〜〜〜」
休憩中の間も新たな獲物を求めるように我がパートナー五月は落ち着かないネ。

プチン!
ギターの弦が切れて、私は五月に襲いかかる。
「静かにするネ!この獣っ子がーーーっ!!」
私はパイプ椅子をたたみ、五月をパイプ椅子で殴る。もちろんパイプ椅子の方が粉々になった。
「アナタが騒ぐから余計に観客どもが煽って反応するんじゃねえかーーーっ!」
五月を投げ飛ばし、地面に押さえつける。

「しかしいいヨ〜〜〜っ、頼もしい限りネ、次の相手はこのままならどうもあの謎の熊のぬいぐるみだしなァ〜〜〜ッ
 私もめずらしく興奮して武者震いしてたところヨ〜〜〜〜っ
 2003年までタイプスリップしてきたかいがあったネ。
 過去の世界にタイムスリップする直前、私は魔法にとって代わる新たなパワーを模索していたヨ・・・
 そしてタイムアップギリギリで手に入れたネ・・・完璧なパワーを!」
265マロン名無しさん:2008/06/22(日) 18:48:58 ID:???
ん?デジャブ?
昔似たようなネタを見た気が・・・
266別館まとめ:2008/06/22(日) 20:40:30 ID:???
ムービー製作者氏、短編作者の方、乙です。
個人的には>>196のロシアンルーレットの短編がお気に入りです。
(今更ですが・・・。)

今回はムービー製作者氏のおかげで動画を4点、保管できました。
ネギロワらじお第3夜のムービー化も期待しています。

☆ 別館更新情報 2008/06/22 ☆
・『こちら麻帆良学園麻帆良図書館深層部』
 短編No51〜No55の短編を保管しました。
 今回の短編はスレッド11から抽出しました。

・『GOGO♪でこぴんロケット☆』
 動画No12〜No15を保管しました。
 (ネギロワDEアンケート、ネギロワらじお23部編、ネギロワCM)

ttp://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html
267マロン名無しさん:2008/06/22(日) 21:06:33 ID:???
別館氏乙です
268マロン名無しさん:2008/06/22(日) 21:17:29 ID:???
別館氏乙です。

840氏最近どうしたのかなー、忙しいのかな?
269マロン名無しさん:2008/06/22(日) 21:23:58 ID:???
840は俺の隣で寝てるよ
270840 ◆b4hPGPyZXw :2008/06/22(日) 22:02:40 ID:???
もう一度荒れたら〜と言った通りです
またしばらく荒れずに落ち着いたらまた戻ってきますよ
今は>269の隣でゆっくり休んでます
271マロン名無しさん:2008/06/22(日) 22:33:56 ID:???
そう言いつつもちゃんと来ている件
272マロン名無しさん:2008/06/22(日) 22:42:47 ID:???
>>271
コテとしてって事だろ

再びTOP絵投下してくれるの楽しみにしてますよ
273マロン名無しさん:2008/06/23(月) 02:29:10 ID:???
>>269が羨ましすぎる件
274マロン名無しさん:2008/06/23(月) 14:21:07 ID:???
俺の中での840氏は金髪幼女
275データ不足:2008/06/23(月) 22:46:33 ID:???
男「これからお前達には殺し合いをしてもらう
逃げることはできない
変なこと考えんじゃねぇぞ」
そういうと浮き足立っていたクラスは静まり返ってしまった
クラスの生徒全員の首には黒いリングがつけられていた
亜子「何でこんなことするん?」
亜子は勇気を振り絞って質問をした
男「人を殺したことの無い中学生を
極限状態に陥れたときの戦闘データが
必要とされている
お前らはそのためのモルモットにすぎん」

すると

楓「残念だがそのデータはこのクラスでは
取れないでござるよ」
男「なにぃ!!!」
龍宮「お前達はデータを持つ価値もなさそうだな」
刹那「もっともその前に消えてもらうがな」
男「やっやめろー」

ハルナ「エヴァちゃんだけでも相当殺してるはずなのに」
朝倉「あの3人も相当殺してるみたいだからねぇ」

男「ぎゃあああぁぁぁ」



携帯からなので改行が不自然かもしれませんが
楽しんでくれれば幸いです。
276マロン名無しさん:2008/06/23(月) 23:19:14 ID:???
意味分からん
277マロン名無しさん:2008/06/24(火) 02:48:53 ID:???
せっかく落としてくれたのに、そういう事を言うんじゃない
278マロン名無しさん:2008/06/24(火) 10:56:51 ID:???
絵師いいいいいいいいいいいい
279マロン名無しさん:2008/06/24(火) 21:18:52 ID:???
多少スレ違いだけど
余所のパロロワに出てるネギまキャラどう思う?
280マロン名無しさん:2008/06/24(火) 22:36:29 ID:???
ここしか見てないからわかんね
281マロン名無しさん:2008/06/25(水) 07:13:52 ID:???
>>279
空気
特に茶々丸
282マロン名無しさん:2008/06/25(水) 08:54:52 ID:???
余所ってロリショタしか知らん
茶々丸とかどこにいんの
283マロン名無しさん:2008/06/25(水) 13:48:58 ID:???
あなたの心の中
284マロン名無しさん:2008/06/25(水) 15:12:50 ID:???
>>282
ロボット・サイボーグキャラロワ
285マロン名無しさん:2008/06/26(木) 13:02:25 ID:???
過疎ったな…
286マロン名無しさん:2008/06/26(木) 18:34:08 ID:???
SS書く時ってメモ帳使うじゃん?
PCのスペックが良いとメモ帳100個くらいは開けるかな?
287マロン名無しさん:2008/06/26(木) 19:08:26 ID:???
そんなにメモ帳開いてどうすんだよwww
288マロン名無しさん:2008/06/26(木) 21:22:10 ID:???
メモ帳ごっこに決まってんだろ!!
289マロン名無しさん:2008/06/26(木) 23:24:23 ID:???
メwwwモwww帳wwwwwごwwwwっwwwwwwこwwwwwwwwwwwwwww
290マロン名無しさん:2008/06/27(金) 00:14:50 ID:???
ワロタwwwwwwwwwwwwww
291マロン名無しさん:2008/06/27(金) 03:24:48 ID:mMnfGPWU
誰かもう少しで仕上がるって作者様はいないの?
新参の私にはもう限界だよ・・・orz
292マロン名無しさん:2008/06/27(金) 06:48:03 ID:???
>>291
いや、年6〜7作品程度のペースだからこのくらいの空きは覚悟せんと。
マターリ待つのが吉。

つーか、自分も作品(短編も可)を書くことも考えんと。
皆で盛り上げるスレだからね。
293ムービー製作者:2008/06/27(金) 14:46:40 ID:???
最終夜の前に裏らじが完成したので投下します。
ですが、編集上の都合からケースA、B、Cの一部をやむを得ずカット&編集することになってしまいました。
オリジナルは>>7から参照してください。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org12465.zip.html
Pass:rowa
294マロン名無しさん:2008/06/27(金) 17:05:16 ID:???

楽しみにしてた
295マロン名無しさん:2008/06/27(金) 19:56:27 ID:???
>>293
乙っす。
楽しみにしてたし、良かったよ。
絵と音楽のチョイスと間のタイミングが命の作品だけど、
いい感じでバランスがとれててグーでした。
296葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/27(金) 22:09:42 ID:???
ムービー製作者氏乙です。

最近投下が少ないのでストックしていた作品を投下します。
まあ、暇つぶし程度に楽しんでいただけたら幸いです。
297葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/27(金) 22:11:12 ID:???
夕映  「えー、第1回ネギまバトルロワイアル座談会を開催するですー」
のどか「わー、パチパチパチ」
ハルナ「いよっ!待ってましたぁ!」
千雨  「……何だこれは?」
ハルナ「千雨ちゃん、ノリ悪いよー」
千雨  「うるせ!いきなり何を始めるんだと言っているんだ!?」
夕映  「説明するです。第20、22、23部のおまけでやった不遇キャラ&生き残りキャラの終了後の座談会ですが、
     書いた本人が一番楽しかったので、単独コーナーでやってみてはどうかと思って試しに立ち上げてみました。
     とは言っても傾向分析などの他の作品の邪魔になってはいけません。
     そこで、多少は傾向分析が入ってしまうのは仕方ないにしても、
     内容に中身のあるものではなく、何かテーマを決めてだらだら雑談をするというぬるーい企画なのが特徴です。
     ……あくまで座談会ですから」
千雨  「なあ、それって意味があるのか?」
夕映  「さあ?」
千雨  「お前も分かってないのかよっ!」
夕映  「まあ、第1回とは銘打っていますがあくまでテスト企画ですので……
     ちなみに過去作品の座談会を含めると4回目にはなりますが、一応単独企画なので1回目としてカウントするです。
     とりあえず、やるだけやってみて好評だったら続けていこうかなと考えているです」
千雨  「ふーん、不評だったらこれっきりでポシャるわけか」
夕映  「??? そんな事は言っていませんが?」
千雨  「なんだよ、好評なら続けるという事は、不評なら止めるってことじゃないのかよ?」
298葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/27(金) 22:12:50 ID:???
夕映  「不評な場合は、続けるまでは行かないまでも気が向いたときに突発企画として立ち上げるつもりですが?」
千雨  「おんなじだーっ!あくまで長編投下の繋ぎの企画なんだから、続けようが突発企画だろうが
     やっていることは一緒だーっ!!」
夕映  「そうとも言います」
千雨  「そうとしか言わねーっ!」
夕映  「……言葉とは不便なものですね。言葉に対して共通の認識が無ければ正しく意思疎通ができないのですから」
千雨  「お前が言うな!つーか、続けたいんだろ本音は?」
夕映  「何のことですか?」
千雨  「とぼけるんじゃねえよ!」
ハルナ「まあまあ千雨ちゃんも抑えて抑えて。ゆえ、文章のムダだから先に進めちゃってよ」
夕映  「はいです」
千雨  「ちっ、勝手にしろ!」


〜 座談会開始 〜
夕映  「さて、遅ればせながら、今回の座談会の司会を勤めさせていただきます綾瀬夕映です。よろしくです。
     コメンテーターは私と同じ図書館探検部の宮崎のどかさん」
のどか「よろしくお願いします」
夕映  「同じく図書館探検部の早乙女ハルナさん」
ハルナ「どーもー」
夕映  「……以上のメンバーでお送りします」
千雨  「ガクッ、待て待て待てぇっ!私は若手芸人扱いかぁっ!」
夕映  「それはそれ、お約束というヤツでして……」
千雨  「そんなお約束いらんっ!」
299葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/27(金) 22:15:08 ID:???
夕映  「しつこいですね、千雨さんのお陰でちっとも話が進まないです」
千雨  「人のせいにするなぁっ!」
ハルナ「その前に千雨ちゃん。『ガクッ』っていうセリフは今時どうかと思うわよ?」
千雨  「ほっといてくれ!こーゆーベタな表現好きなんだよ」
ハルナ「指摘されると恥ずかしいみたいね。顔が赤くなっているわよ」
千雨  「う、うるさいっ!つーか、お前も話を脱線させてんじゃねーよ!」
夕映  「わかりました、わかりました。収集がつかなくなるから2人ともそこらへんでやめて下さい。
     さっさと紹介するです。帰宅部でツッコミ担当の長谷川千雨さんです」
千雨  「投げやりかよっ!しかもツッコミ担当て……合っているけどよ。もういいよ、進めてくれ」
夕映  「はいです。それではテーマを決めて座談会を始めるです。
     さて、今回のお題ですが、小手調べに『ネギまバトルロワイヤルのお約束って何?』で行ってみましょう」
千雨  「まさかお約束つながりで、あれだけお約束を意識してやってたのか?」
夕映  「……さあ、何かないでしょうか?」
千雨  「無視かよっ!」
ハルナ「はーい!」
夕映  「はいどうぞ、ハルナさん」
ハルナ「ガチな所から抑えておくよ。ズバリ『刹那さんはゲームが始まると必ずこのかを探す』どう?」
のどか「そこは絶対だよねー」
夕映  「確かにそうです。
     このかさんを守るという刹那さんのアイデンティティーが、バトロワの中では特に顕著に現れますよね。
     逆に刹那さんがこのかさんを探そうともしなかったら違和感を感じるです」
千雨  「いや、それはそれで面白いような気がするんだが……」
夕映  「へそ曲がりな千雨さんは黙っててください」
千雨  「……何気に私にはすごく冷たいよな。分かったよ」
300マロン名無しさん:2008/06/27(金) 22:16:40 ID:JLb0Mg9E
301葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/27(金) 22:17:45 ID:???
のどか「だったら『ふーちゃんとふみちゃんはゲームが始まるとお互いを探そうとする』もそうだよね」
ハルナ「そうね。それも間違いないよね。
     それに付け加えるなら『出席番号の順で教室を出て行く場合は風香と史伽は必ず一緒に行動する』だよね」
夕映  「出席番号が前と後ろだから必然的にそうなるですね。では、それ以外だとどうでしょうか?」
ハルナ「うーん……チアの3人組、運動部の4人組、那波さんと村上、それに私達図書館組あたりは……
     大抵はお互いに探そうとすることは多いけど、絶対ではないわね」
のどか「逆に超さんのグループや武道4人組なんかは、結構仲が良いのにあまり集まろうとしない話が多いよね」
夕映  「まあ、のどかの挙げた2組は普段もそれほど一緒につるんで行動することも多くないですしね。
     特に武道4人組は一緒に何かすることもないですから仕方ないところですね」
ハルナ「一応『武道4人組はゲーム中でもつるまない』というのも言えるかもね。
     まあ彼女たちは、このかと刹那さんはガチとして、組むとしたら大抵は戦闘力の低い生徒と組むことが多いよね」
夕映  「確かにそれは言えるです」
千雨  「ところでよ、同じ図書館組なのに近衛とお前等3人とは区別される場合が多いよな。何でだ?」
夕映  「はいはい、他にないですか?」
千雨  「スルーかよっ!」
ハルナ「あとこれもあるわね。『龍宮さんは必ず銃を入手する』でしょ?」
のどか「あるあるー」
夕映  「ふむ。バトロワの中では銃撃戦は目玉の一つ。
     強力な銃の使い手の龍宮さんに銃を持たせない手はないですからね。
     最初に支給されたアイテムが銃でなくても、物語中でほぼ確実に銃を手にしていますね」
千雨  「逆に龍宮に銃を手に入れさせない物語も面白いかも知れん」
ハルナ「へそ曲がりな千雨ちゃんは黙ってよーね」
千雨  「ちっ!」
302葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/27(金) 22:19:40 ID:???
夕映  「結構出てくるものですね。まだありますか?」
のどか「一応これもそうと思いますー。『主催者はゲームの参加者に殺される』」
ハルナ「それもお約束だよねー」
夕映  「主催者は物語中では悪役のポジションになりますから、そうなる確率は高いですね」
千雨  「なるほど、ならば主催者が最後に生き残った生徒を殺してしまうという、
     大どんでん返しな展開なら読者も度肝を抜くかも知れんな」
のどか「はーい、へそ曲がりな千雨さんは黙ってましょうねー」
千雨  「……本屋までに言われるとはな。私に対する世間の扱いって……」
夕映  「ボソボソ……(構って欲しいからって、言っている事がどんどん無茶な内容になっているからそうなるです)」
千雨  「ん?何か言ったか綾瀬?」
夕映  「いえ別に……。あとは、何かあるでしょうか?」
ハルナ「うーん、作品も20作品を超えると敢えてパターンを外してくる物語もあるから、
     けっこうお約束事項って減っているのよねー」
のどか「あ、まだあるよー。『エヴァンジェリンさんはゲームの最初は魔法が使えなくなっている』」
ハルナ「ああ、あるわね。基本的にエヴァちゃんは魔法を使える時は不死身だからね。
     そうでもしないと死亡フラグが立たないのよね。生き残り確定にもなりかねないし……。
     途中で魔法が使えるようになれば大活躍がほぼ約束されているキャラではあるわね。
     まあ、正義か悪かはわからないけどね」
千雨  「基本的には悪だろアイツは」
夕映・のどか・ハルナ「………」
千雨  「また無視かよっ!」
303葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/27(金) 22:21:32 ID:???
夕映  「文字数も結構多くなってきたので、そろそろ締めに入るです。
     最後に何かありますか?」
ハルナ「はいはーい!忘れちゃいけないお約束があるよん」
夕映  「それは何ですかハルナ?」
ハルナ「もちろん『ハカセは生き残れない』だよ」
夕映  「……そう来ましたか」
のどか「死亡率0%の最後の一人だもんねー」
夕映  「こればっかりは今後の作者のさじ加減一つですが、状況的にハカセさんは生き残り難くなったと
     言えるですね。さすがは『歩く死亡フラグ』といったところでしょうか?」
ハルナ「そのあだ名も定着した感があるわよね」
千雨  「参加率の少ない相坂より生存率が低いって言うのもどうかと思うがな」
ハルナ「ハンッ!」
千雨  「でめーこら早乙女ぇっ!いま鼻で笑っただろ!?」
のどか「でも、ハカセさん可哀想です」
夕映  「……なんか、しんみりしちゃいましたね」
千雨  「私を無視すんなあぁぁっ!!」


夕映  「時間も経ちましたし、そろそろお開きにしましょうか」
ハルナ「突発企画にしてはなかなか(書いてて)面白かったね」
のどか「機会があったらまたやりたいですー」
夕映  「2回目があるかどうかは判りませんが、いつかまたやりたいと思うです。
     作者的にやる気になっているので結構早く2回目があるかもしれません。
     ……話が思いついたら速攻で第2回を書くと思われるです。反対に思いつかない場合は今回きりです。
     まあ、座談会という名目なのでこのメンバーで固定にするつもりはありません。
     むしろメンバーの組合せで変化を付けたいところですので、新たなメンバーでお会いしましょう……たぶん」
304葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/27(金) 22:23:11 ID:???
千雨  「そう言って2回目も同じメンバーじゃないだろうな」
夕映  「………」
千雨  「図星か?それとも何も考えていないのか?」
夕映  「外野が騒がしいですね」
千雨  「……ついに外野扱いかよ」
夕映  「次回の予定は全て未定です。どんな形でやるのか、果たして次回があるのか判りませんが、
     いつかまたお会いしましょう」
ハルナ「ほんじゃまたねー」
のどか「ごきげんようですー」
夕映  「第1回ネギまバトルロワイアル座談会。
     私達図書館組の綾瀬夕映、早乙女ハルナ、宮崎のどかの3人でお送りしました。いつかまたお会いしましょう!」


千雨  「……ふーんだ。いいよいいよ私だけのけ者扱いだよ。
     こいつ等にとって、私は所詮その程度の存在なんだよな。ちくしょー」
ハルナ「あーあ、いじけちゃった」
のどか「ゆえー、やっぱり千雨さんをいじめるのは良くないと思うよー」
夕映  「そう言うのどかも意外とノリノリで千雨さんのいじめに参加していたじゃないですか?
     まあ、千雨さんは今回そういう役割だから仕方ないです。
     でも、ある意味一番オイシイ役割なのでプラマイゼロということで……」
のどか「それって芸人さんみたいな考え方だよー」
ハルナ「もう終わったことだから気にしない気にしない。帰るよー」
夕映  「あ、待て下さいハルナ」
のどか「待ってー」
夕映・ハルナ・のどか退場。
305葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/27(金) 22:23:51 ID:???
千雨  「……ふーんだ。いいよ、いいよ、いじいじいじいじ……ハッ!
     気がついたら誰もいないじゃねえかっ!
     あいつらー、完全に私のことはスルーしやがったなぁ。
     ちっくしょうっ、覚えてろよぉぉーっ!!
     次があった時はリベンジしてやるからな。覚悟しとけぇっ!」
千雨退場。

〜おしまい(第2回へ続く……のか?)〜

306葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/27(金) 22:25:30 ID:???
一応いくつか短編の案はあるので、完成したらまた来ます。
では!
307マロン名無しさん:2008/06/28(土) 00:15:49 ID:???
お疲れさまっす
千雨の不遇っプリにワロタ
あと地味に多いのが明日菜の支給品はハズレとか
ですかね
短編も期待しています
308マロン名無しさん:2008/06/28(土) 00:35:26 ID:???
乙です
309マロン名無しさん:2008/06/28(土) 02:01:14 ID:???
千雨率多いな
310マロン名無しさん:2008/06/28(土) 20:28:03 ID:???
明日菜「うっう〜ん・・・・ここは?」
まき絵「あっ、明日菜が目を覚ました!」
葉加瀬「大丈夫ですか?びっくりしましたよ
山の中を歩いてたら明日菜さんが倒れてて」
明日菜(私が山の中で倒れてた?)
そう言われ明日菜はここまで何があったかを思い出した。
学校にいたはずが突然謎のでかい褐色男に
みんなで殺し合いをするように言われて
周りが何もかも怖くなって逃げている所で足を滑らせて・・・
そう考えていると急に怖くなってきた
目の前にいる二人はひょっとしたらゲームに乗っているかもしれない
そう考えたからだ。しかし
まき絵「大丈夫、明日菜しっかりして」
葉加瀬「心配しなくても大丈夫ですよ明日菜さん
私たちは自分の研究でも無い限り人を殺したりはしませんから」
不安になりながらもとりあえず安心できそうなので
心を落ち着かせたがあることに明日菜は気づいた
(私ってこんなに考えるタイプだったっけ?
もっと何かに向かって猪突猛進していくキャラのはず)
そして目の前にいる葉加瀬を見てある結論を導いた
明日菜「あれ、私改造された?」

311マロン名無しさん:2008/06/28(土) 21:45:47 ID:???
乙っす
312マロン名無しさん:2008/06/28(土) 21:47:32 ID:???
高畑  「今から君達には殺し合いをしてもらう」
あやか「嘘ですわ!いきなりそんなこと言われて信じられるわけないですわ!」
和美  「私達をどうする気!?」
高畑  「聞きなさい!クラスで殺し合いを行い、生き残った一人が優勝だ。死にたくなければ優勝すれば良い」
まき絵「い……嫌よっ!私はそんなことしたくないわ!」
高畑  「私の言うことが聞けないのなら仕方ない。今ここで死んでもらっても構わないよ」
あやか「……良くわかりましたわ。やれば宜しいんでしょうやれば!」
和美  「バ、バカ!そんなことしたら先生の思う壺よ!」
あやか「余計なこと言わないでください!ここで殺されるよりはマシですわ」
高畑  「分かったなら始めるよ。それでは殺し合いのプラグラム、スタート!」

明日菜「と、とんでもないことに巻き込まれたわ。殺し合いなんて馬鹿げている。何とか止めないと!」
ハルナ「止めるって言ってもどうやって?」
夕映  「手が無いわけではないです。首輪を外すことさえできれば何とかなるかもしれない」
明日菜「いい考えだけど大きな問題があるわね。首輪の外し方なんてわかんないわよ私達」
のどか「超さんかハカセなら何とかなるかもしれないよー」
超    「呼んだかネ?」
明日菜「ねえ超さん、この首輪を外すことはできないの?」
超    「ノーではないがイエスとは言えないヨ」
ハルナ「良くわからないなあ。どういうこと?」
超    「当然の事ダガ、私も首輪を外すことは考えたヨ。首輪を外せるかどうかは五分五分ネ。かなり危険が付きまとう」
明日菜「うーん、厳しいか……今は危険を犯したくは無いわね。別の方法を考えましょう。超さんも手伝って!」
超    「……手の平を返すようで悪いが、それはできない」
明日菜「いきなり何よ?一緒にゲームをぶち壊しに行けば良いじゃない」
超    「イヤ、私はゲームに乗ったヨ。悪いが皆はここで死んでもらうネ」

------------------------------------------------------------
名無し「ネギまロワをする振りして、しりとりをするスレはここですか?」
名無し「〜完〜」
313マロン名無しさん:2008/06/29(日) 01:46:58 ID:UQn6nKIo
>>312
す、すげぇwww
そういや某スレにもしりとりネタあったなぁ
314マロン名無しさん:2008/06/29(日) 02:37:54 ID:???
乙w
315マロン名無しさん:2008/06/29(日) 03:20:50 ID:???
中途半端な所で終わってる没短編ですが投下します。
多分、続きは書きません(というより書けませんw)
316短編:人狼ゲーム:2008/06/29(日) 03:21:31 ID:???
「ミヤザキノドカ…。サクラザキセツナ……。ミヤザキノドカ……。ミヤザキノドカ………。カグラザカアスナ……――」
機械的な無機質の声が部屋にいる私たちの名を読み上げる。
その声に生を尊ぶ意志は無く、故に死を悼む感情は無かった。
「…っ!いやっ…いやだぁ!!」

……友の悲痛な叫びが聞こえる。

「集計。ミヤザキノドカ…3票。サクラザキセツナ…2票。カグラザカアスナ…1票。アヤセユエ…1票。
よって村人たちの決定により、ミヤザキノドカの処刑を実行する…」
「違う…私は人狼なんかじゃない!!どうして!どうして信じてくれないの!?いやぁっ……」

パァン

友の最後の悲鳴を首輪の破裂音が掻き消した。
醜く倒れた体から飛び出た流体の粒がピチャリと床に跳ね私の靴下を紅く汚す。
何故か私はショックを受けず、最近の癖となった溜息も吐くこともなく無言で目を閉じた。

「ミヤザキノドカの処刑終了。しかし、彼女は最後の人狼ではありませんでした…」
ザワリ…と部屋の空気が震えた。
「――よって生き残っている人狼が村人を捕食する。その対象は君だ。サクラザキセツナ…」
「!!」
「せっちゃんが!いやっ!そんなん…いやっ…」
その言葉は途中で破裂音に遮られる。

…パァン

そしてまた地に新たな死体が横たわるのだ。
もう既に床には二十数体の死体が転がっていると言うのに。
317短編:人狼ゲーム:2008/06/29(日) 03:22:10 ID:???
汝は人狼なりや?(原題Lupus in Tabula、タブラの狼)。通称は「人狼」。

プレイヤーはそれぞれが村人と村人に化けた人狼となり、自分自身の正体がばれないように他のプレイヤーと交渉して正体を探る。
ゲームは半日単位で進行し、昼には全プレイヤーの投票により決まった人狼容疑者の処刑が、夜には人狼による村人の捕食が行われる。
全ての人狼を処刑することが出来れば村人チームの勝ち、人狼と同じ数まで村人を減らすことが出来れば人狼チームの勝ちとなる。
(解説wikipediaより)



二時間前、時間を逆算すると丁度それくらいに彼女達は薄暗い部屋に閉じ込められた。
その部屋というのの広さは彼女の教室と同じくらいでご丁寧なことに机とイス、黒板まで用意されていた。
違う事と言えば、そう部屋の窓が無い事くらいだ。

一発の破裂音。
困惑と動揺があり、そうして信念と意思は打ち砕かれた。
逆らう事は出来なかった。というのも元より彼女達全員に既に爆弾付き首輪を装着されていたから。
部屋にあるスピーカーから声が流れた。
「ゲームをしよう。単純なゲームだ。これが終わったら君達は自由だ。保証しよう」

そのゲームの名称は「汝は人狼なりや?」。
俗に言う『人狼ゲーム』…だ。
318短編:人狼ゲーム:2008/06/29(日) 03:23:08 ID:???
「――さて、君達はある村の善良なる村人だ。
しかし、そこに一匹の人狼が紛れてしまっている。このままでは全員人狼に食べられてしまうだろう。
そこで君達村人は村人の中から人狼容疑者と思われる人物を10分毎に一度処刑することにした。
君たちの腕に巻いている投票用の機具があると思うが、これに自分が人狼だと思う容疑者のクラスメイトの出席番号を入力してくれたまえ。
無論、相談は自由にしてもらって構わない。……する事が可能ならばだけどね。
処刑執行は責任をもってこちらで首輪を爆破する事で行う事としよう。
しかし、もし人狼が生き残っていたならば君たちの処刑後、一人ずつ村人を捕食されてしまう。
村人が人狼に滅ぼされるのが先か、村人が人狼を処刑するのが先か…。
そう、これは一種の投票制バトルロワイヤルとでも言うべきかな?」

ゲームは10分毎に一回村人たちに人狼容疑者を処刑する権利を与えるものだった。
だが、それは逆を言えば自らの手で同胞を殺してしまうかもしれない事である。

彼女はこのゲームの始まった最初の10分を思い返す。思えばあの時は皆、幸福だった。
率先して名乗り出た雪広あやかが委員長として議論の主導権を握り、積極的な意見交換が行われた。
あの時ばかりは皆が思い思いに発言する事が出来たものだ。
"人狼"である彼女自分ですら心地良いと感じたのだから、そのあやかの弁舌はかなりのものなのだろう。
ただ、もし彼女の不幸を嘆くなら…その議論の時間が最初の10分しか無かった事だろうか。

最初の捕食する対象に彼女はあやかを選んだ。
彼女に警戒され過ぎるほどにあやかは優秀すぎたのだ。
雪広あやかは一度目の村人の処刑(葉加瀬聡美)が行われた後、首輪を起動させられた。

それでクラスの統率は瓦礫のように崩壊する。
正論、極論、暴論が部屋を飛び交い。
動揺、疑心、衝動に駆られ、果ての挙句、手当たり次第に他者を罵り合った。
319短編:人狼ゲーム:2008/06/29(日) 03:24:00 ID:???
例えば春日美空は上擦った声で皆に向かって訴えかけた。
「人狼の人、素直に死んでよ…。それでアンタ以外は皆助かるんだよ。ねぇ、マジデ、頼むからさ!
アンタ一人死ぬだけでクラスの皆助かるんだよ!そんなに自分の命が大事かい!!
ふざけんな!私が人狼なら絶対皆の為に死ぬさ!!」
人狼の彼女はしらじった目で美空を見つめるとフッと鼻で笑った。

美空は次の村人の処刑に選ばれて死んだ。


例えば和泉亜子は全てを否定した。
部屋の隅の引きこもり他者との会話を頑なに拒否した。
人狼の彼女は必死に亜子を引き止める…「フリ」をした。

亜子はその直後の人狼の捕食に遭い死んだ。


例えば鳴滝風香、史伽の双子は互いを罵り合った。
性格や趣向の違いを殊更に大きく叫びあい、普段の菓子の取り合いの怨恨を非難しあった。
そしてとうとう次の処刑において互いが相手に投票する事を宣言するまで至った。
人狼の彼女は双子の二人を見て大きく首を振った。

風香は次の村人の処刑に選ばれて死んだ。
史伽はその直後の人狼の捕食に遭い死んだ。


そして一人、また一人とクラスメイトは減って行き、
とうとう今では人狼の彼女を含め5人となったのだ。
320短編:人狼ゲーム:2008/06/29(日) 03:37:51 ID:???
綾瀬夕映はゆっくりと瞼を上げ、目下の現状を目視した。

「……せっちゃぁああああーーん!!」
近衛木乃香の絶叫が部屋に響き渡る。えん、えんと泣きながら木乃香は刹那の頭部を抱きしめる。
「――木乃香…」
神楽坂明日菜はその後から木乃香を見つめていた。
しかし、木乃香に手を触れることなく一定の距離を置いている。
その目は木乃香を案じているものであったが、一瞬それとは違う表情に変わるのを夕映は見逃さなかった。

「ふふふ……あははははは……」
夕映は顔を横に向ける。
早乙女ハルナは気の触れた様に何もない中空を見上げ口を歪めて笑っていた。
成る程、こんな状況なら狂ってしまうのも仕方ないかもしれない。諦めたかのように夕映はそう思う。
確かにこの人狼ゲームにおいてクラスメイトの半分を殺したのは人狼なのだが、もう半分は紛れも無く村人の選択の結果なのである。
特に先程の投票の結果が自らの親友、宮崎のどかの処刑だったとしたら尚の事。
もっとも、そのあからさまな彼女の狂気が演技でなければとしたらの話なのだが。

「――チッ…」
低音の舌打ちに反応して夕映はその方向に顔を向ける。
壁に背を預けエヴァンジェリンは鬼顔の容貌で夕映をじっと睨みつけていた。
思わず夕映は視線を横にそらしたが、エヴァは構わず彼女を睨みつけ続ける。
きっと前回の投票において夕映に投票したのは彼女なんだろう。ふと夕映はそんな事を考えた。
夕映は部屋にいる明日菜、木乃香、ハルナ、エヴァの四人の顔をもう一度見回す。

だが、おそらくまだこのような状況で会話を行っても、きっと何の収穫も無いだろう。
仕方なく夕映は木乃香が泣き治まるまで待つことにする。
(ああ、次までの10分が長いです……)
時はまだ来ない。自分から口を開くべき時期はまだ少し先。
そんな事を考えながら夕映は再び重くなっていく瞼をゆっくりと閉じた。

             END?
321マロン名無しさん:2008/06/29(日) 09:33:41 ID:???
乙〜
気になるところで終わってる〜
322マロン名無しさん:2008/06/29(日) 11:17:19 ID:???
はwwwwwかwwwwせwwwwwww
323マロン名無しさん:2008/06/29(日) 17:39:08 ID:???
>>320
GJ!今公式ルールダウンロードしてきたわ
これ発想的に長編にしたら絶対神になると思うよ、いや、ホントに
324別館まとめ:2008/06/29(日) 21:17:13 ID:???
短編作者の方々、乙です。

今週は時間がとれず、別館の更新ができませんでした。
と、いうわけで今週の別館更新はお休みします。申しわけない・・・。orz
325マロン名無しさん:2008/06/29(日) 21:50:47 ID:???
初の別館更新なしだと!?
326マロン名無しさん:2008/06/29(日) 22:11:23 ID:???
なにい!別館更新は日曜の楽しみの一つだったのにorz。
まあ、しかたない。次回を楽しみにしています。
327マロン名無しさん:2008/07/01(火) 18:36:43 ID:???
過疎りすぎー
328マロン名無しさん:2008/07/01(火) 19:18:51 ID:???
長編書いてる人、進行状況を教えてください。
329マロン名無しさん:2008/07/01(火) 20:13:24 ID:???
あと3話くらい
330マロン名無しさん:2008/07/01(火) 21:04:01 ID:???
あと少し頑張ってください!!
楽しみにしています。


>>329への期待を込めて短編投下します。(どういう繋がりだ?)
331短編:2008/07/01(火) 21:07:17 ID:???
ここは、図書館島
ネギは父親を見つけ出すため
そして石にさせられてしまった村のみんなを
助け出すためにここ図書館島にて
魔法書を刹那と図書館探検部の
みんなと探していた。
のどか「み、みあたらないですね」
ネギ「やっぱりそんな簡単には見つかりませんよ」
あきらめかけていたそのとき
夕映「ネギ先生、この本をみるです」
刹那「これは!!!」
本にはこう記されてあった。
”使い手にとって最も大切と思う
29の魂と引き換えに
どんな強力な呪いであっても
打ち破る術である”
「これなら、ネギ君の村の呪いも
解けるんかなぁ?」
「おそらくは解くことはできるでしょう」
「フフフ、私たちのクラスは30人
だれか一人が生き残れるわね
いっそ、ネギ君のためにみんなで命捨てて
殺し合いでもやってみる?」
「うちは死にたくない!でも
ネギ先生のためだったらやってもええかも」
「わ、私だって、ねネギ先生のためなら・・・死ねます」
「ハ・ハルナさん、僕は皆さんを犠牲に
するつもりはありませんから」
そういってネギは図書館島から出て行った。
332マロン名無しさん:2008/07/02(水) 00:08:53 ID:???
つい先日ニートになり暇になったから短編でも作ろうと思ったものの暇になったらなったで作る気しないな
333329:2008/07/02(水) 01:14:59 ID:???
>>330
乙です

期末があったり合宿があったりで、書きあがったとしても投下は相当先になると思いますよ
334短編:2008/07/02(水) 02:24:18 ID:???
>>331
翌日
「おはようござい・・・あれ、みなさんどうしたんですか?」
「おはよーーーネギ君・・村のみんなを助ける方法を見つけたんだって!!」
「さ・・・桜子さん!!」
「昨日ハルナさんから聞いたんです」
「もうクラスのみんなが知ってるよ」
「四葉さん、村上さんまで」
「私たちネギ坊主のために呪いを解く生贄になるネ
大丈夫このクラスで反対する人もいなかたヨ
みんなが戦おうとしてるヨ」
「で、でも」
ネギが反論しようとすると
「でもじゃない!」
「ア、アスナさん」
「い〜い、みんながあんたのために
戦うって言ってるのにそんな事言わない
大体子供ってのは遠慮しないものよ」
「大丈夫、みんなやるき満々なんだし」
「私やお姉ちゃんだってがんばるんだから」
自分たちを犠牲にしてでもネギの仲間を救いたい
その意思は絶対に曲がらないと思いついにネギも
折れてしまった。
「分かりました、皆さんの好意に甘えさせていただきます」
「やったーーー」
「亜子、手加減なんかしないからね」
「ウチもゆーなには負けへん」
「茶々丸、今回は自由に戦え!私や葉加瀬が相手でもな」
「はい・・分かりました、マスター」

千雨「だめだこいつら・・早く何とかしないと」
335マロン名無しさん:2008/07/02(水) 02:31:01 ID:???
すいません、規制で間隔が壊れました。orz

>>333
大丈夫です、自分の生活を優先して
しっかり内容を自分で確認してから
いずれ投下されるのをマターリして待ってます
下手に急ぐとろくなこと無いですからね
336マロン名無しさん:2008/07/02(水) 06:28:56 ID:???
>>331
乙です。
ちょっと感想を言わせてもらうと、ネギのためにクラスのみんなが自主的に
バトロワをやるって方向は無理があるなあ。
素直にネギがクラスの生徒を強制的に殺し合いに参加させる理由を
29の魂と引き換えに・・・にした方がしっくりくる。
ネギが主催者として動く動機としては、もう少し煮詰めれば長編でもつかえたんじゃないかな?
337331:2008/07/02(水) 21:36:31 ID:???
>>336
感想ありがとうございます。
やっぱり無理がありましたね
文章力に自信がないせいで変なアイディアを混ぜたんですけどね
ネギロワの短編はいくつか書いてるんですけどまだまだ力不足です。
これからもネギロワで(長編は無理でも)書いていきたいんで>>336さんのような感想はありがたいです。
これからもお願いします。!

338マロン名無しさん:2008/07/03(木) 03:21:48 ID:eFUzjnST
>>331はDoCoMoだな
339葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/07/03(木) 21:52:35 ID:???
340ムービー製作者:2008/07/03(木) 22:03:03 ID:???
ようやく最終夜完成したので投下します。
サイトの許容量と編集上の都合でお便り〜OPまでが前編、本編からが後編と二つに分けております。
後編の始まりが素っ気無いため、没になりかけていた嘘CMその2を入れておきました。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org18884.zip.html
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org18888.zip.html

Pass:rowa (両方とも一緒)
341マロン名無しさん:2008/07/03(木) 23:21:38 ID:???
葱坊主氏、ムービー製作者氏 乙です
342マロン名無しさん:2008/07/04(金) 05:27:28 ID:???

MADとか作ったりしないの?
343マロン名無しさん:2008/07/04(金) 06:22:43 ID:???
乙です。
なにげに、なめんなとKYの紹介にワロタ。
344マロン名無しさん:2008/07/05(土) 04:10:39 ID:???
>>339
星(点)と絵を合わせるともっと良い
345運命を変えるもの:2008/07/05(土) 20:43:53 ID:???
ここは、とある会議室
ここでは今年のBRの参加校を決めていた
「では、今年のバトルロワイアルの参加校は麻帆良学園の
3−Aということで」
「決まり………ですな」



一方そのころ・・・・・
桜子「にゃっはー、当ったりー」
釘宮「桜子、あんたまた!!!」
柿崎「しっかし、桜子って、ほんとに運がいいわよね」
亜子「流石”麻帆良のラッキー仮面”やな」
桜子「ほにゃらば、私の運は世界一〜」



「やっぱり、3−Bに変更しましょう」


桜子の強運はまだまだ続く



まだまだ程度が低いですが感想等お待ちしています。
特に>>336さん
346336:2008/07/06(日) 13:56:32 ID:???
>>345
乙です。呼ばれたので感想を。

最初に3−Aに決まっていたのが桜子の幸運で回避されたという話の意図はわかります。
だけど、最後にいきなり「やっぱり、3−Bに変更しましょう」 となっても一瞬ピンとこなかったなー。
桜子の何気ない行動や言動が、バトロワ参加回避につながるようにするなど、
もうちょっと桜子と参加回避を関連付けた方が良いと思いました。

それと、桜子の幸運というのはネタ的には軽いので、1レスでの物語にするより、
もう少し長めにストーリーを書き込んでストーリーの流れ込みで魅せるようにした方が良いんではないかな?
その時にはもう一捻り話を膨らませた方が良くなると思う。
347マロン名無しさん:2008/07/06(日) 16:08:18 ID:???
ただのネタでしかないのに評価しろというほうも評価するほうもおかしい
348マロン名無しさん:2008/07/06(日) 16:17:50 ID:???
評価でなくて感想ね。求めるのも求められて感想を言うのもありでね?
当事者同士が良いというなら他人がどうこう言う筋合いはないでしょう。

もちろん、ネタに感想をいう意味なしと思って何も言わないのも自由。

でも他人に干渉しちゃあかん。
349マロン名無しさん:2008/07/06(日) 21:40:12 ID:???
>>345
携帯からはどうだかわからんがPCだと見づらい。改行の位置とか。

あとは自分から評価や感想を求めるんじゃなくて思わず何かレスしたくなるようなものを書くのを心がけたほうがいいよ。
本当にダメなら誰もレスしないし何かあれば態々求めなくてもレスは付く。
あまりもとめてばっかだと構ってちゃんかと思われて後々面倒だよ。
350別館まとめ:2008/07/06(日) 22:00:12 ID:???
最近、忙しくて別館の更新時間がとれなくなりつつある別館まとめです。

今回も時間が無かったので動画だけ保管しました。
トップ絵は以前から土呂さんのイラストを飾りたかったので
少々前のイラストですがトップ絵として飾りました。
裏トップ絵は葱坊主氏の空にキラキラエロオコジョです。

☆ 別館更新情報 2008/07/06 ☆
・『GOGO♪でこぴんロケット☆』
 4ページ目追加。No16〜No18の動画を追加。
 たくさん動画を投下してくれたムービー製作者氏に感謝です。

※IE以外のブラウザで閲覧している場合は動画が正常に動作しない可能性があります。

http://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html
351マロン名無しさん:2008/07/07(月) 00:58:59 ID:???
>>349
別に感想求めても良いと思う
アドバイス下さいと書いた方がより良いのは確かだが
それに良い作品でも過疎ってたらレスつかない事あるしレスつくかつかないかで良い作品悪い作品が決まるなんて事はない
352マロン名無しさん:2008/07/07(月) 06:00:46 ID:???
>>350
別館氏乙です。
353マロン名無しさん:2008/07/08(火) 20:25:09 ID:???
長編投下がないから過疎っちゃったのは仕方ないにしても、
本当に人が来ないなーと思っていたら、よく考えると
住人のメイン層はテスト期間中か?
社会人になって何年か経つとそのことを忘れていたorz

ネタ考えたのでこれから書いて投下しようかなーと考えていたが、
人が多くなる夏休みに入る頃にしよっと。んじゃね。
354マロン名無しさん:2008/07/08(火) 22:35:18 ID:???
ただ書き込む事がないから書き込まないだけで別に何がどうとか関係ない
それに大人なら仕事で忙しく学生のテスト期間以上に書く暇なかったりするからそれも関係ない
分かったか、ニートくん
ここのメイン層はニートだ
355マロン名無しさん:2008/07/08(火) 22:47:53 ID:???
作者0や作者1のときのようなときめきが無いな
356マロン名無しさん:2008/07/09(水) 09:43:34 ID:???
チャラ男とヲタの違い

ヲタのDB=ドラゴンボール
チャラ男DB=ドン引き
357マロン名無しさん:2008/07/09(水) 13:23:56 ID:???
>>355
でも初期のような流れには戻って欲しくない
2ちゃん初心者と作者叩きと自演が多すぎた
358345:2008/07/09(水) 21:27:57 ID:???
>>346>>349氏返答ありがとうございます。
遅くなりましたが氏の忠告を活かしていきたいです。
(たしかに1レスの話で感想求めるのも変でしたね)
359S ◆ECugE/VfCQ :2008/07/10(木) 21:25:31 ID:???
http://www7.uploader.jp/dl/yuyu/yuyu_uljp00162.jpg.html
【刹那】
お久しぶりです(^^)
血の表現があります。少々画像が大きめです。
注意ください;
360マロン名無しさん:2008/07/10(木) 23:01:35 ID:???
>>359
おお、お久しぶりですS氏!
相変わらずのハイクオリチーGJした。
361マロン名無しさん:2008/07/12(土) 11:57:43 ID:???
俺18部くらいからここにいるんだがこのくらいの過疎って前には当たり前にあったんか?
すげー寂しいわ
362マロン名無しさん:2008/07/12(土) 15:57:40 ID:???
>361
ちょうど勢い付いた頃からの住人か
俺は1年半前からいるがそろそろ飽きてきたよ
363マロン名無しさん:2008/07/12(土) 21:49:49 ID:???
作者ありきのスレだからね。
作者が現れない限り過疎るのは仕方ないよ。

誰か短編でも良いから投下してくれないなかー?
364別館まとめ:2008/07/13(日) 21:41:41 ID:???
アンケート復活しました。
過疎っているので票は集まらないかもしれないけど。

☆ 別館更新情報 2008/07/06 ☆
・『ネギロワDEアンケート』
 アンケート復活。
 今回のアンケートは「ネギロワに合うテーマソングは?(ネギロワを読むときに聴く曲は?)」
 期間は本日〜2008/08/02までです。
 
 
 選択肢の曲はとりあえず過去ログで挙がっていた6曲を選択できるようにしました。
 別館内で試聴も可能です。
 選択肢追加可能なので該当する曲が無い方は追加をお願いします。
 その際には「曲名&歌手」で選択肢を登録してください。
 
 曲名と歌手が分かれば、こちらで試聴可能なように曲を用意することも可能かも・・・。

http://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html
365マロン名無しさん:2008/07/13(日) 22:39:06 ID:???
別館氏乙っす。
曲も聴けるのは斬新でよかった。

あと、過去のMADに使われた曲とかもすべて候補に入れてはどうかな?
確か、21部のオープニングとエンディングに使われた曲とか、
22部はタイタニックの曲がイメージソングと言っていた気がするし、
それも入れても良いかもね。
全部は候補の中に入ってない気がしてるけど、どうかな?
366マロン名無しさん:2008/07/14(月) 03:43:31 ID:???
ニコニコにあったけどブラクラのやつはロワっぽかった
21部のEDは凄い感動したけど曲だけだとロワは連想しづらいよな

個人的にはだんご三兄弟で
367マロン名無しさん:2008/07/14(月) 23:38:20 ID:???
今日、葉加瀬の誕生日らしいな
あと20分しかないけど
368葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/07/15(火) 20:07:41 ID:???
長編待ちの繋ぎを投下(再び)。
長編終了後も私のターンが結構続く。
369葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/07/15(火) 20:09:09 ID:???
夕映  「えー第2回ネギロワ談会ですー」
千雨  「……やっぱり第2回をやるのか」
夕映  「おそらくは大多数の読者が続きをやるだろうと予想していたと思うです。
     だから、読者の予想通りな行動をするのも一つの手法だと思います」
千雨  「いや、どっちかというと読者の予想を良い意味で裏切らねーとあまり意味はないんじゃないか?」
夕映  「そうとも言うです」
千雨  「そうとしか言わねー!……って前も似たようなツッコミをした記憶があるぞ」
夕映  「気にしては駄目です。過去のことに捕らわれていては前に進めません。
     前進あるのみです!」
千雨  「言っている事はまともなんだけど、使っている言葉と状況が一致していないから誤魔化しているにしか見えんぞ?
     ……まあいいや。進めてくれ」
夕映  「さて、第1回目を書いてみた感想ですが、これほどまともなネタが何もなくてもだらだらと書けるスタイルは
     作者的にオイシイようです。だから続けることにしました」
千雨  「中身はヤマもなし、オチもなし、イミもなしの三拍子が揃っているけどな」
夕映  「なにげに例えが千雨さんらしいですね。
     まあ、長編投下のない期間に単なる繋ぎとして投下するだけのものですからこんなものかと。
     質の良い短編作品は他の作者の方々におまかせするです」
千雨  「完全にツナギに徹するつもりか?若手芸人みたいなポジションだな」
夕映  「まあ、作者自身が昨年後半頃に初めてこのスレに来たスレ的な若手(?)なので丁度良いポジションですね」
千雨  「いいよ別に。んで、メンバーはどうするんだ?第1回目と同じか?」
夕映  「メンバーは毎回気分で変えるです。司会とかもその時に集まったメンバーの誰かに適当にやってもらうです。
     大体は4人くらい集まると思うのですが、その時々で人数は変わると思うです」
370葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/07/15(火) 20:10:51 ID:???
千雨  「でもよう、コロコロメンバーが変わると鬱陶しくないか?」
夕映  「その回によって印象が変わることはあると思いますが、マンネリは防げるかなと。
     まあやるだけやってみて失敗だったら、『アハハハハ、しっぱーい(笑)』とでも言って笑い飛ばしましょう」
千雨  「笑い飛ばすなよっ!前向きなのか適当なのか分からん」
夕映  「恐らくはその両方が当てはまるです」
千雨  「もういいや、話が進まんからやめよう。……で、今回はどうするんだ?綾瀬と私の2人でやるのか?」
夕映  「いえ、そろそろ始めるのでコメンテーターをお呼びします。どうぞー」
木乃香「どうもー」
刹那  「こんにちは」
千雨  「何だ、こいつらかよ。(なーんか今回の方向性が読めたぞ……)」

夕映  「改めまして今回の座談会は近衛木乃香さん、桜咲刹那さん、長谷川千雨さん、
     そして私こと司会の綾瀬夕映でお送りするです」
木乃香「お手柔らかになー」
刹那  「ちょ、ちょっと緊張していますが宜しくお願い致します」
千雨  「しゃーねーなー、さっさと始めてくれ」
夕映  「はいです。今回のテーマは『ネギロワにおける「このせつ」の存在意義とは?』です。
     説明の必要が無いとは思いますが一応説明しますと「このせつ」とはこのかさんと刹那さんの2人のことです」
千雨  「それで今回のメンバーがこの2人ね。納得」
木乃香「なあせっちゃん、ウチ達の話しみたいやな」
刹那  「そのようですねお嬢様」
千雨  「ようするに、3−A唯一のラブラブカップルについて色々と話せってことか」
刹那  「ラ……ラブラブカップルとは心外なっ!そんな関係ではありません。
     訂正してください千雨さん!」
371葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/07/15(火) 20:12:42 ID:???
千雨  「んあ?レズレズカップルの方が良いか?別に百合でも構わないぞ」
刹那  「だからっ!私とお嬢様の関係はそんなものではありませんっ!」
千雨  「なんだよ、似たようなもんだろ?」
刹那  「ぜんぜん違います。私とお嬢様はもっと純粋で……」
木乃香「まあええやんか、ウチはせっちゃんのこと好きやから構わへんで」
刹那  「おっ……お嬢様まで……」
木乃香「ラブラブって、それほど仲の良い証拠やんか。別に気にすることないんとちゃう?」
刹那  「いや、なんと申しましょうか、言葉の裏に仲が良い以外の意味合いが含まれているようで気になるもんでして」
千雨  「(……鋭いな。多少の自覚はあるみたいだな)」
木乃香「そうなん?」
刹那  「はあ……」
木乃香「仲が良い以外の意味があったらせっちゃん困るん?」
刹那  「いえその、困るというわけではなくて……」
木乃香「せっちゃん、ウチのこと嫌いなん?」
刹那  「い、いえ決してそのような事はありませんが……」
木乃香「ならええやん。ウチはせっちゃんとラブラブと言われて結構嬉しいんよ」
刹那  「は、はい!お嬢様が宜しいのでしたら!」
千雨  「……完全に尻に敷かれているな、桜咲は」
夕映  「良いのではないですか?本人達が幸せなら」
千雨  「それにしてもある意味近衛は最強なキャラだな。
     桜咲という戦闘力の高い人間をオプションで持っているようなものだからな」
夕映  「言いたいことは分かりますが、オプションと言う表現は刹那さんに対してあんまりではないですか?」
千雨  「大丈夫だ。今の桜咲は近衛といちゃいちゃするのに夢中になってこっちの話なんて聞いちゃいねえ。」
夕映  「いちゃいちゃって……そうですか、でもあまり刹那さんを挑発するのは自重してくださいよ」
千雨  「わーってるって。つーか2人のことはどうでもいいから、さっさと進めてくれ」
372葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/07/15(火) 20:14:47 ID:???
〜ようやく座談会開始〜

夕映  「それでは話を進めますよ。
     ネギロワの物語中での「このせつ」のお2人ですが、絶対と言って良い程お2人を関連付けて扱われるです。
     そして、物語のどこかでお2人のエピソードが必ず入るといって良いでしょう」
千雨  「会えるか会えないかは別にして、この2人が互いのことを想う所がネギロワの見所の一つになっている感はあるな」
夕映  「そうですね。特に刹那さんの行動パターンは顕著であり、このかさんと会っていない間はとにかくこのかさんを探す。
     このかさんと合流した後は、とにかくこのかさんを守る。と言っても過言ではないでしょう」
千雨 「たしかに。実際にネギロワの中では桜咲の行動パターンほど読み易いものは無いな。
     ゲーム序盤での桜咲の行動の予測として、『どこかで近衛を探している』と答えておけば8割以上は正解するだろう」
刹那  「気のせいか、バカにされているような気がするんですが……」
千雨  「気のせいだ。とりあえずそういうことにしとけ」
刹那  「なんか納得いかない……」
夕映  「付け加えると、お互いに探しあう行動が多いせいか、お2人がゲームに乗る確立は低い方ですね。
     ゲームに乗る場合はどちらか一方が死んだ時とかが多いように思えます」
千雨  「まあ、そんなイメージはあるな。
     それに、どちらかが死ぬシーンは物語中でも結構見せ場になることが多いのも特徴だよな」
夕映  「生存率ダントツトップが桜咲さんですので、必然的にこのかさんの方が死ぬと言うことが多くなりますね」
千雨  「多少はそういう傾向はあるかもな。実際に、どの部でもこの2人の話は結構重要視されているよな。
     だからこのせつの話は固定されたパターン以外にも、さまざまなパターンがあると言った方が良いかもしれないな」
373葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/07/15(火) 20:17:22 ID:???
木乃香「せっちゃんとウチとの話がクローズアップされるんは素直に嬉しいわ。
     けどなー、そのためなのかは分からんけど他の生徒との繋がりが薄うなるんはちょっと寂しいわ。
     図書館組なんてウチだけが外されることも多いし、アスナとの絡みがほとんどない場合もあるんよ」
夕映  「図書館組については顕著に現れていますね。
     私も関係しているので言いにくいのですが、このかさんが図書館組から除外されていることが多いのは事実です」
木乃香「そうなんよ。中学の間では一緒にいる時間で言ったら、せっちゃんよりアスナやゆえ達の方が長いのにな。
     そこんところは不満ってわけちゃうけど、仲間はずれにされたみたいでちょっと寂しいわ」
千雨  「それだけ百合コンビのインパクトが強いってことだよ」
刹那  「千雨さん、さっきから変なことを言うのは止めてもらえませんか?」
千雨  「……忠告してやる。桜咲はスルーすることを覚えろ。
     それが出来ない限りしつこくネタにされるぞ」
刹那  「?意味が良くわかりませんが、言いたいことは何となくわかりました。忠告に従うことにします」
千雨  「(まあ、スルーしたらスルーしたでネタにするのは変わらないんだがな。くっくっくっ)」
刹那  「何か言いましたか?千雨さん?」
千雨  「いや、何もねーよ」
夕映  「さて、それでは刹那さんの方はどうでしょうか?」
刹那  「私も似たようなものですね。
     明日菜さんや真名や楓や古とは親しいのにも係らず、物語中は関係が薄くなる傾向があるように思えますね。
     まあ、武道4人組は単独行動をしているか、誰かを守っていることが多いですからね。
     この4人で集まろうというのは皆無ですね」
千雨  「強力なキャラ同士が組むと全体のパワーバランスが崩れるからな。当然のことだと言えるだろう」
木乃香「場合によっては武道4人組同士で戦うこともあるんとちゃう?」
千雨  「あるな。戦闘力の高い者同士の戦闘シーンは見せ場だからな。桜咲がその一端を担う確立は非常に高い」
刹那  「その時には私がお嬢様を守るというシチュエーションも加わることもあります!」
木乃香「さすがせっちゃんや頼りになるわぁ」
374葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/07/15(火) 20:20:17 ID:???
千雨  「しっかし、実際のところ武道4人組と言いながら、強者は桜咲、龍宮、長瀬の3人だけのイメージが強いよな。
     古はあんまり強いイメージがないんだよな。戦闘シーンでは見せ場もほとんどないことが多いし。
     武道4人組でただ一人一般人化しているんだが、何でだろうな?」
夕映  「それは言えるですね。ですが今回は『このせつ』のお話なのでくーふぇさんの事はスルーしましょう」
千雨  「古のことは軽くスルーか……なんか少しだけ古のことが可哀想に思えてきたよ」
夕映  「結局、なんだかんだでこのかさんと刹那さんはお2人で一つのエピソードになってしまう訳ですね。
      第1回目でも指摘されましたが、もはやネギロワのお約束の一つでしょうね」
千雨  「もはや切っても切れない関係って奴か」
木乃香「でも、ウチ達だけでなく、ゆえとのどかの関係も結構似てないかー?」
夕映  「お互いに相手のことを心配し合う関係は似ているですね。
     ですが、私とのどかの間は純粋な友情のみで恋愛感情は皆無ですよ?」
刹那  「だから私達2人を恋愛関係に持っていかないで下さい。
     私はお嬢様をお守りすることが使命なのですから!」
千雨 「(おいおい、スルーできてねえぞ桜咲)」
木乃香「えー、せっちゃんは使命だけでウチと一緒におるん?」
刹那  「え?お、おおお嬢様、い、いえ、決してそのようなことは……」
木乃香「せっちゃんは使命がないとウチと一緒におらへんの?」
刹那 「いえ、ぜんぜん違います!私はお嬢様と一緒に居たいからここに居ます!」
375葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/07/15(火) 20:21:23 ID:???
木乃香「なあ、ウチのこと……好き?」
刹那  「……はい。お嬢様」
木乃香「やん、このちゃんって呼んでえな」
刹那  「このちゃん……」
木乃香「………」
刹那  「………」
千雨  「……ボソボソ(2人の世界を作って見つめ合っているぞ)」
夕映  「……ボソボソ(見つめ合っていますね)」
千雨  「……やっぱりラブラブだよな」
夕映  「……さすがにこれは言い訳できないでしょう」
千雨  「なんかもう2人の世界に入っているから、邪魔者は消えるとするか」
夕映  「そうですね」
千雨  「それじゃあ、終わるぞ。……って聞いちゃいないな、この2人は……」
夕映  「では、第2回ネギロワ談会を終わります。また次回!」
千雨  「帰ろ帰ろ」
夕映  「帰るです」

夕映・千雨 退場。

木乃香「せっちゃん……」
刹那  「このちゃん……」
その場には、ただ2人で見つめ合う木乃香と刹那だけが残っていた。

〜おしまい〜
376葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/07/15(火) 20:24:39 ID:???
少しでも暇がつぶせれば幸いです。
百合の方向へ走ろうと思いましたが、自分自身が拒絶反応を示したために
こんな感じですorz

一応座談会は3回目までは完成しているので、作者が現れなければ
ちょっと間を空けて投下しに来ますね。
377マロン名無しさん:2008/07/16(水) 02:17:38 ID:???
アンケート見て以外に邦楽曲が多くてわろたww
つかサザンの真夏の果実とバンプの花の名とか浮きすぎだろw
B'zやXやスタパはうるさいしロワっぽいっちゃあこじつけれるけど
真夏の果実と花の名は名曲だと思うがロワっぽくはないな
感動シーンになら合うと思うけどw
378マロン名無しさん:2008/07/16(水) 03:01:15 ID:???
花の名のほうはよくわからんが、真夏の果実については美砂の短編を読めと
379マロン名無しさん:2008/07/16(水) 04:40:04 ID:???
真夏の果実は美砂短編の動画見たから合うと思ってるけど短編なかったらおそらく全く合わないと思ってるかな
真夏の果実や花の名みたいな壮大なバラードあげるなら小田和正のたしかなこともあっても良いと思う
3曲とも大サビの迫力が凄い
380マロン名無しさん:2008/07/16(水) 06:06:45 ID:???
元々ネギまとバトロワという異質な組み合わせのテーマソングだから、
どっち側のイメージが強いかでも合う合わないの印象は人によって
大きく変わると思う。
だからこそアンケをとる面白さがあると思うよ。
381マロン名無しさん:2008/07/17(木) 03:28:37 ID:???
遅くなったけど、ねぎぼーさんおっつー
どうせなら思いっきり百合の方向に走らせてみてほしかったw
382マロン名無しさん:2008/07/18(金) 21:27:45 ID:???
ネギ「見つけたぞ、今すぐこんなことを中止してください」
BRを行われていた会場に乗り込んだ。
そしてネギはこのゲームの主催者の所へとたどり着いていた。
すると主催者は立ち上がって
「名古屋はエ〜エ〜デ〜」
短パンを履いたなぞの主催者と対峙したネギ
これから短パンマンとの死闘が始まろうとしている

383マロン名無しさん:2008/07/18(金) 21:29:38 ID:???
ネギ「見つけたぞ、今すぐこんなことを中止してください」
BRを行われていた会場に乗り込んだ。
そしてネギはこのゲームの主催者の所へとたどり着いていた。
すると主催者は立ち上がって
「名古屋はエ〜エ〜デ〜」
短パンを履いたなぞの主催者と対峙したネギ
これから短パンマンとの死闘が始まろうとしている

384マロン名無しさん:2008/07/19(土) 04:15:10 ID:bjzt2iAm
最近は短パンマンならないぞ
385別館まとめ:2008/07/20(日) 20:06:34 ID:???
☆ 別館更新情報 2008/07/20 ☆
『お宝発見?絵画展示室』
12ページ目追加。
No200〜202のイラストを追加しました。

『ネギロワDEアンケート』
 選択肢に含まれている曲を試聴可能にしました。
 試聴可能なのは以下の通り。

  ENDRESS RAIN -X Japan-
  翔べ!イカロス -Jungle Smile-
  真夜中少年突撃団-STANCE PUNKS
  A Latchkey-佐藤準-
  TIME-B'z
  だんご三兄弟
  セツナレンサ-Radwimps
  朝焼けの歌-川村結花
  青空のナミダ-BLOOD+ OP
  永遠のアセリア - 永遠のアセリア OP
  My Heart Will Go On - Celine Dion

http://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html
386マロン名無しさん:2008/07/20(日) 22:35:39 ID:???
>>385

別館まとめ氏毎度乙です。
アンケートは知らない曲が多かったので、曲を聴けるのは良いです。
人によって受けるイメージが違うなーというのが良くわかります。
個人的にだんご3兄弟はナイと思うが意外と票を集めたり?

あと朝倉とさよの掛け合いは好きだったりします。
新しいページにならないと出てこないのですよねー。
387マロン名無しさん:2008/07/21(月) 02:33:49 ID:???
>>385
ニコニコ、つべ、掲示板検索したら全部あると思うんだが
388マロン名無しさん:2008/07/21(月) 03:31:40 ID:???
別館氏乙
ところで花の名のところはなんで(hana no na)ってなってんの?
短編か何かあったの?
389マロン名無しさん:2008/07/21(月) 16:45:46 ID:???
葉ぁ加ぁ瀬ぇ〜っ!さとみだよ〜っ!

毎回ネギロワに参加していながらぁ〜
ほとんど出番なく必ず殺されるキャラはぁ〜
どこのどいつだぁ〜い?

あたしだよっ!!



……すまん。ついやりたくなった。
390マロン名無しさん:2008/07/21(月) 21:31:29 ID:???
暇つぶしがてら書いた短編です。
これで計3作目ですが文章力の無さは勘弁してくださいな
391マロン名無しさん:2008/07/21(月) 21:33:05 ID:???
森の中に少女が一人で歩いている。
辺りは薄暗く、時折弱い風が吹き少女のまわりの草木を揺らしていた。
その微弱な音にさえ少女は怯え手に持つ銃を草木にむける。
少女の精神は完全に憔悴しきっていた。
少なくとも丸一日は睡眠をとっていないのだろう。
足もフラフラとし、生きる屍のようにただ森を彷徨っていた。

タン、タン、タン。

突如として聞こえる銃声。少女の体を2発の弾が貫通していく。
少女は声もあげることができず、その場に倒れた。そしてそのまま動かなくなった。

「ふん。一発は外したか。まっ初めてにしちゃ上出来だろ。」

そう言いながらスコープで射殺した相手を見ているのは長谷川千雨である。
「宮崎か…人生これからって時によぉ…。はっ私が言うことじゃないよな。」
千雨は自嘲的に笑いまた新たな標的を探す。掛けている眼鏡がキラリと光った。

「おっとおっと、二人目発見。距離は…そこまでじゃねぇな。誰だありゃ」
また千雨はスコープを使い相手を確認する。
「あれは近衛か…あいつ殺すと後で桜咲が怖ぇからな。やめとくか?」
その時千雨の横にぶらさがる小さめの砂袋が地面に落ちた。
392マロン名無しさん:2008/07/21(月) 21:33:51 ID:???
「誰か来やがったな。とりあえず逃げておくか。まったくサバゲ様々だな。ネットサーフィンしといて良かったぜ」

「逃げる必要は無いです。長谷川さん。」
千雨の背後に人影が現れた。
「桜咲か…」
千雨はさっき木乃香を殺さなかった自分を褒めていた。
「私に何か用か?大方の予想はつくけどよ。近衛のことだろ?」
「話が早いですね。何処にいるかわかりませんか?」
案の定、刹那は木乃香のことを聞いてきた。先程千雨がのどかを殺したとは解ってないらしい。
「近衛ならここから右斜め前に突っ切れ。多分まだそんなに移動はしていない。」
千雨は素直に先程木乃香を見た方向を刹那に教えた。
「感謝します。では急ぎますので!」
刹那はそう言うやいなや千雨の言った方向に走っていった。

ヒューと息を吐きながら千雨は真後ろにあった切り株に腰掛けた。
「おっと長谷川。一息つくほど余裕があるのか?」
また千雨の背後に気配がやってきた。
「やれやれ、私は今日厄日のようだな。龍宮。」
千雨は溜め息をつく。バトルロワイヤルには参加させられるわ強敵は後ろにいるわで千雨にとっては十分すぎるピンチだった。
393マロン名無しさん:2008/07/21(月) 21:34:25 ID:???
「はっはっ。そんなことを言ったら今日はクラス全員が厄日だよ。どうしようもないな」
「目が笑ってねーよ。私を殺しに来たか?」
「なんだ長谷川。殺して欲しかったのか?」
「そんなんじゃねーけどよ。お前は殺しそうだしな」
「心外だな。私だって無益な殺生は好まんぞ?」
「無益ってなぁ、逆に有益な殺生ってなんだよ?」
「そこに金が発生するか否かだな。今回はいくら殺しても発生はしないな」
「じゃあ私はラッキーだったってことか…」
「そうなるな。第一、本当に殺るつもりだったら話しかけてすらいないさ。」
「そりゃそうかもな。」

一通りの会話を終え沈黙が訪れる。

「ところで長谷川のほうはどうなんだ?見たところ大層大きな銃だが」
最初に口を割ったのは龍宮だった。
「始めはよ、近衛を見つけたから殺っちまおうかと思ったんだが、桜咲にばれたらまずいと思ってよ。やめたんだ」
千雨はとりあえず、真名に本当のことは伏せておいた。
「はっはっは。確かになぁ、刹那はお嬢様大好き人間だからな。そのお嬢様の仇は何としてもとるだろう。」
真名は先程と違い、今度は少し心を開いて笑っているように見えた。
394マロン名無しさん:2008/07/21(月) 21:34:59 ID:???
「いいぞ、長谷川。その判断はナイスだ。実にいい。」
意外に自分のことを絶賛され、少し照れる千雨がいた。
「いや龍宮…お前キャラ変わってないか?」
さりげなくツッコミを入れておく。
「いや長谷川、私は仕事に従順な狙撃手だと皆に伝えておいてくれ。はっはっは」
「だから誰にだよ!?」
仮にもバトルロワイヤルの最中だというのに二人のまわりにはほのぼのとした空気が広がっていた。

「よし長谷川、そろそろ行こうじゃないか。」
真名が千雨を立ち上がらせようとした。
「おいおいおい、何でだよ!?」
千雨は急に移動を開始しようとする真名を止める。
「大体、私とお前が一緒に行動するなんてまだ誰も言って無いぞ!」
千雨は真名とは別行動を取りたかった。真名がいては人を殺すことができない。

「いいじゃないか。私はお前が少し気に入った。だから少しお前に着いていこうと思ってな?」
真名は続ける。
「大丈夫だよ。確かに武器は麻雀の牌しかないが自分の身は自分で守る。ついでに言うと炊事や洗濯もするぞ?」

意外に変なサービスもついていて驚く千雨を真名は行動で押し切った。
「ほらほら、ついてこないとお前の食料は私が頂くぞ?」

「ちょっ!馬鹿!私の食料返せ!つーか支給武器麻雀の牌ってどんなんだー!?」

千雨は勝手に荷物を奪い歩いていく真名を追いながらつくづく思った。

「今日は厄日だな…」
395マロン名無しさん:2008/07/21(月) 21:40:29 ID:???
テーマは特になかったんですがシリアス系からテンポ良くと途中でかわっていきました

のどかは無駄死にですのどかファンの皆さんごめんなさい

刹那がいなくなったあたりから自分がなにかいてんのかわかんなくなったりもしましたがorz

どうか大目にみてください
396マロン名無しさん:2008/07/21(月) 22:22:35 ID:???
>>395
乙っす。
過疎中に久々の短編は嬉しかった。
だが、うーんいま一つ意図が見えず、もうちょっと先まで書き込んでほしかったかな?
長い話のほうが魅力をもっと引き出せると思ったが、いっそ長編書いてみては?
397核名無しさん:2008/07/21(月) 22:33:49 ID:???
高畑[えーこれから。君たちには殺し合いをしてもらいます]
長瀬[うるせー。じじい]
高畑に手裏剣をなげる
首謀者死亡。バトルロワイヤル終了
398したらば ◆BQuXr1uSKk :2008/07/22(火) 02:00:49 ID:???
こちらでは恐らく初めまして、テンプレにもあるしたらばの管理人です。
本日は皆様にお願いがあって参りました。

もし、今後も話し合い用としてしたらばを活用するようなら、どなたか
管理を引き継いでもらえないでしょうか?
もともと私はこのスレの住人ではなく、したらばの存在自体
お気に入りの整理をしていて偶然思い出したようなものです。
放置状態の掲示板を住人の皆さんに使わせるというのは
誠に申し訳なく、このようなお願いをしに参った次第です。
399マロン名無しさん:2008/07/22(火) 06:01:07 ID:???
引き受けても良いよ
400したらば ◆BQuXr1uSKk :2008/07/23(水) 03:13:09 ID:???
>>399
素早いお返事ありがとうございます。
捨てアド取ってきたのでよろしければご連絡下さい。
401ケータイまとめ:2008/07/23(水) 12:14:42 ID:???
やったよwやったよママwwやっと会社から帰ってこれたよwwww何であんな分不相応な仕事を受けるんだよぉww部屋が凄いホコリっぽいよぉww


2時間寝させて下さい……すぐに保管します
しかし、こんな不定期になっちまうなら俺もとっとと余裕のある人に任せたほうがいいような気がしてきたぜ
402マロン名無しさん:2008/07/23(水) 12:27:23 ID:???
おおおお久しぶりです
403マロン名無しさん:2008/07/23(水) 22:28:40 ID:???
ケータイ氏大変そうですな。
でも、なんだかんだでまめな更新がされていて結構すごいと思うよ。
404マロン名無しさん:2008/07/25(金) 03:59:20 ID:???
>>400
パソコン、とらぶって今使えない
今週中にはメールするから待ってて下さい
405ネタ:2008/07/25(金) 21:14:17 ID:???
妖精  「貴方が池の中に落としたのは、金の斧ですか?銀の斧ですか?」
夕映  「ありえない!ありえないです。確かに魔法世界があるのだから妖精が居てもおかしくないです。
     しかし、童話に出てくるような妖精、しかも全く同じセリフで現れるなんてあるわけないです。
     そもそも、落とした物に対して金製品と銀製品を持ってくるなんて変です。
     それも斧って!それとも、これも魔法世界が関係したお話なのでしょうか?
     ならば説明はつきます。というか、何を言っているんでしょうか私は……」
妖精  「……現実逃避してるし」


妖精  「貴方が池に落としたのは、金の斧ですか?銀の斧ですか?」
朝倉  「大スクープ!池の中に妖精が居たっ!次の号のトップ記事はこれで決まりだよ
     写真、写真。パシャ、パシャ、パシャ!」
妖精  「やーめーてー」


妖精  「貴方が池に落としたのは、金の斧ですか?銀の斧ですか?」
ザジ  「………」
妖精  「……しゃべれよ」


妖精  「貴方が池に落としたのは、金のパソコンですか?銀のパソコンですか?」
千雨  「いや、池の中に落ちた段階でパソコンはおしゃかになっちゃってるから。
     もう使えねーし。」
妖精  「……確かに」
406ネタ:2008/07/25(金) 21:15:30 ID:???
妖精  「貴方が落としたのは、金のネギ君ですか?銀のネギ君ですか?」
あやか「全部よこしなさいっ!」
妖精  「……帰れ」


妖精  「貴方が落としたのは、金の原稿ですか?銀の原稿ですか?」
パル  「つーか、マジ時間なくてヤバイから早く返してっ!締め切りに間に合わないよーっ!」
妖精  「……はい」


妖精  「貴方が落としたのは、金のベレッタですか?銀のベレッタですか?」
真名  「金や銀で銃が撃てるか!普通のベレッタだ。……しかし、その金と銀のベレッタもくれるというならもらって置くぞ」
妖精  「……守銭奴」


妖精  「貴方が落としたのは……あれ?誰もいない。おかしいなー」
さよ  「はうー。私って妖精さんからも見れないんですねー」


妖精  「貴方が落としたのは、ネギロワ24部(予定)ですか?」
作者  「……はい。残念ながら完成を断念しました。orz」
妖精  「いや、落としたの意味変わってるし!」
407マロン名無しさん:2008/07/25(金) 23:31:39 ID:???
おいおい!!w
そこは頑張ってほしいところwww
408マロン名無しさん:2008/07/26(土) 17:22:32 ID:???
妖精「あなたが落としたのは、後輩が無意味に手を加えたせいで類型6万以上のバグが沸いてきた仕事の締め切りですか?
それとも、友人の頼みだからと安請け合いしてしまった同人ゲームのデバックの締め切りですか?」
俺「両方です。」


いやあああああああああああああああああああ
409別館まとめ:2008/07/26(土) 21:37:01 ID:???
いつもより1日早いけど別館更新。

>>386
別館の感想、ありがとうございます。
感想をもらえると更新を行う元気がでてきます。

>>387
その通りです。各自が検索する手間が省けるってことで。
現にそこからもってきているし・・・。

>>388
(hana no na)となっているのはつべから落としたファイル名をそのまま使用しているからです。
妙な部分で手を抜いてしまい申しわけないです。
ちなみにテーマソングアンケートの初期の選択肢は過去に聴いている人がいた曲を挙げています。

>>405
最後の作者ネタが現実味を帯びていて良かったです。

☆ 別館更新情報 2008/07/26 ☆
『ネギロワDEアンケート』
 第4回アンケート結果発表を作成しました。
 今回は以前行ったベストカップリングの結果です。
 
『ネギロワキャラクタープロフィール』
 出席番号29番「雪広あやか」を追加しました。

http://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html
410マロン名無しさん:2008/07/26(土) 22:24:05 ID:???
あやかああああああああああああああああああ
GJ
411マロン名無しさん:2008/07/26(土) 23:34:15 ID:???
>>398
[email protected]

遅れてすみません。こちらにメールお願いします。
412マロン名無しさん:2008/07/26(土) 23:36:14 ID:???
別館氏。
いや、良かったッス。GJ

キャラのプロフィールは大変だよね。
全員やるのかな?応援してまっせ。
413したらば ◆BQuXr1uSKk :2008/07/27(日) 00:34:02 ID:???
>>411
メール送信しました。よろしくお願いします。
414マロン名無しさん:2008/07/27(日) 03:34:42 ID:???
キャラクタープロフィールやべえw
マジ丁寧に作りこまれているぜ、GJ
415ネタ:2008/07/27(日) 18:44:31 ID:???
「今から君たちに殺し合いをしてもらう。バトルロワイヤルだ!」
無表情のままそう言ったタカミチの言葉に、3−Aのクラスの中が騒然となった。

騒ぎ立てる生徒達の様子を気にすることなく、タカミチはバトルロワイヤルのルールの説明を始めようとする。
「殺し合いなんて、できるわけありませんわっ!」
いきなり雪広あやかが立ち上がり、タカミチに向かって抗議した。
タカミチは無表情のまま、あやかに視線を向けると冷たく言い放つ。
「異議や質問は一切受け付けない。これは命令だ。
そして、これ以上プログラムの進行を邪魔をするのなら、この場で君に死んでもらう!」
タカミチの突き刺すような目が冗談ではないことを物語っていた。
あやかは何も言い返すことができずに席に着いた。
タカミチの雰囲気に呑まれた生徒達は口をつぐんでしまった。

静かになった教室内でタカミチは淡々とルールの説明を続ける。
「……以上がプログラムのルールだ。なお、制限時間はスタートしてから48時間後だ。
その時点で2人以上生き残っている場合は、プログラムの参加者全員の首輪を爆破させる」
何人かが無意識に自分の首に取り付けられた首輪に触れていた。
「さて、これで説明は終わりだ。
しかし、このまま出席番号の順に教室から出て殺し合いが始まるといっても現実味がないだろう?
実際に過去に行われたプログラムを見ても、殺し合いというものを受け入れられない生徒がほとんどだった。
なかなか殺し合いが始まらない。そして時間切れで全員死亡という例も結構多い。
そこでだ、君たちには強制的に現実を受け入れてもらうことにした」
3−A生徒達はタカミチが何を言おうとしているのか分からず、固唾を呑んでタカミチの次の言葉を待っていた。
「……今ここで一人の生徒に死んでもらう」
その瞬間、教室内の空気が凍りついた。

――誰かが死ぬ?一体誰が!?

生徒同士で互いの顔を見合わせる。
416ネタ:2008/07/27(日) 18:46:05 ID:???
生徒達の動揺を無視してタカミチは話を続ける。
「さてと、誰に死んでもらうのかだが……一応立候補がいれば優先するが、立候補はいないか?」
タカミチが教室内を見渡すが、誰も手を挙げるものがいない。
「フム、ならば……君たちに死んでもらう生徒を決めてもらおうかな」
そう言って、タカミチは白い紙を生徒全員に配り始めた。
生徒のほとんどが配られた白い紙をジッと見つめている。
「今配った紙に、これから殺されるべき生徒の名前を一人書いてくれ」
タカミチの言葉に、教室内がざわついた。

「か、書ける訳ないじゃないの!クラスの中で死んで欲しい生徒なんていないわよっ!!」
早乙女ハルナが立ち上がって叫んだ。
他の生徒達も同意たように頷いた。
「……だったら、自分の名前でも書いておくと良い。
最も票を多く集めた生徒が犠牲になる。仮に自分の名前を書いても死ななくて済むかもしれないからね。
なお、トップが同数だった場合は同数になった生徒は皆死んでもらうからそのつもりでいるように」
タカミチは冷たくそう答えた。
そんなことを言われても誰もペンを手に取ろうとはしなかった。
消極的な生徒達の様子にタカミチはため息をついた。
「ある意味、この投票は自分が生き残る上で最大の障害になる人物を消すチャンスでもあるというのに……。
まあ仕方ない。あと5分後に紙を回収する。それまでに誰の名も書いてない生徒も一緒に死んでもらうことにしよう」
そう言ってタカミチは自分の腕時計で時間を確認する。
そして、生徒たちは諦めたように一人、また一人とペンを手に取り、紙にクラスの誰かの名を書き始めた。
クラスの全員による記入が行われ、タカミチによって全ての紙が回収された。
教壇でタカミチが集計している間、その様子を生徒たちはじっと見守っていた。
もう今の時点で殺される生徒は決まっているのである。
生徒たちは皆、自分が殺される生徒に選ばれないように心の中で祈っていた。
集計を終え、束ねた紙を整えながらタカミチは顔を上げた。
「待たせたね。それでは、開票結果を発表する!」
クラスの中が静まり返った。
417ネタ:2008/07/27(日) 18:47:27 ID:???
「出席番号10、絡繰茶々丸!」
いきなり最初にタカミチから名前を呼ばれた茶々丸に生徒達の視線が集中した。
茶々丸は戸惑いながらも、表情を変えずにタカミチの次の言葉を待った。
「……1票」
その言葉に教室中に安堵のため息が漏れる。
1票だけなら殺されることは無いはずだ。
タカミチの開票報告は続く。

「出席番号24、葉加瀬聡美!」
ハカセに視線が集中する。
少ない票から発表しているのかもしれないと思い、茶々丸が呼ばれた時よりは若干緊張感が薄れていた。
ハカセ自身も内心でそれを期待していた。
「……29票」
タカミチから予想外の数字が発せられる。
「……えっ?」
一瞬、ハカセは何のことだか意味が分からなかった。
そしてタカミチの言葉が意味することを頭で理解するとハカセは動揺して立ち上がった。
「そ……それって?……な、なんで……?」
ハカセの体が震え、喋ろうとしても上手く言葉にならない。
「見事に全員一致と言っても良いだろうね。では葉加瀬君、今ここで死んでくれ」
タカミチはリモコンらしき装置のスイッチを操作した。
ハカセの首輪が電子音を立てて赤く点滅する。
「え?え?え?やだ、何で、何でよ!?いやだぁーっ!」
喚き散らすハカセの悲鳴をかき消すような轟音が教室内に響き渡った。
ハカセの首元から肉片と鮮血が周囲の生徒に降り注ぐ。
同時にハカセの体がゆらりと崩れて音を立てて床に倒れこんだ。
418ネタ:2008/07/27(日) 18:48:55 ID:???
「いやあぁぁぁーっ!」
誰かの叫び声が上がり、生徒たちはハカセの死体から逃げるように離れていった。
動揺する生徒達をよそに、ただ一人冷静なタカミチは手を叩いて注意を促す。
「落ち着いて!席に着かなくても良いから騒がないように!」
ざわつきが収まり、教室内が次第に静かになる。
「これで良くわかったかな?これが現実だよ。今、君達の生命は私の手の中にある。
生き延びたいのなら殺し合いなさい。最後の一人になれば生きて帰ることが出来る」
タカミチの説明が終わった。

――そしてバトルロワイヤルが始まった。

出席番号の順に名前が呼ばれ、呼ばれた生徒はデイパックを受け取ると教室から出て行った。
最後の生徒、出席番号31のザジ・レイニーデイが教室を出て行き、タカミチがただ一人教室内に取り残された。
タカミチは胸ポケットからタバコを取り出すと、一本を咥えて火を点けた。
深く吸い込んで、煙を吐き出す。
窓際まで近寄ったタカミチは、タバコを吸いながら外の様子を窺った。
校舎から離れるように走っていくザジの後姿と、遠くの方で一人の生徒がいることが確認できた。
「さて、一体誰が生き残ることになるのかな?」
少しだけ楽しそうにタカミチは呟いた。
「それにしても……これほどまで葉加瀬君に票が集まるのは意外だったな。
人徳か?それとも彼女が死ぬべきと神の見えざる力が働いたとか?……ハハッ、まさかね」
タバコを床に落として靴で踏み消したタカミチは、ハカセの死体に見向きもせずに教室から出て行った。

無残に殺されたハカセの死は、3−Aの生徒のうちの何人かの心に変化をもたらしていた。
それは主催者であるタカミチの望むものであった。

これからバトルロワイヤルがどのように進行していくのか?それは誰にもわからない……。
419ネタ:2008/07/27(日) 18:50:43 ID:???
以上。
シリアスに書いといてなんですが、ネタです。
420マロン名無しさん:2008/07/27(日) 23:10:53 ID:???
ハwwwwカwwwwセwwww
421マロン名無しさん:2008/07/28(月) 03:08:41 ID:???
最近過疎ってるしニコニコにあるネギロワの動画工作してランキングにいれても良い?








駄目だよね・・・
422マロン名無しさん:2008/07/29(火) 04:31:33 ID:???
別館氏乙です
2つ程質問したいのですがあの野菜シリーズである背景が白にネギという画像はどこで手に入れたのでしょう?
それとアンケート結果の分ですが大きさの違う画像を同じサイズにするのはどうやってるんですか?
初心者丸出しの質問ですみませんがよろしければお願いします
423マロン名無しさん:2008/07/29(火) 05:11:36 ID:???
別館氏が野菜シリーズの人だったりしてww
424マロン名無しさん:2008/07/29(火) 06:48:18 ID:???
傾向分析氏とか過去作品の傾向やりに現れないのかなー?
425マロン名無しさん:2008/07/29(火) 23:01:29 ID:???
気長にまとうよ
426土呂 ◆zbJgRXwLno :2008/07/30(水) 01:37:49 ID:???
お久しぶりです。
別館氏、短編氏乙です。
後、別館氏、かなり遅れてしまいましたが、
絵師図鑑に載せてくださってありがとうございます。
笑ってる絵を描いていないなと今更気づきました、
今回の絵も笑って(?)はいませんが;

とりあえず、一息ついたら描きたいと思っていた絵を。
白黒と色付きです。

http://www7.uploader.jp/dl/yuyu/yuyu_uljp00163.jpg.html
http://www7.uploader.jp/dl/yuyu/yuyu_uljp00164.jpg.html

後、絵は手描きではなく全部デジタルで描いてます。
・・・中途半端な大きさですみません;
427マロン名無しさん:2008/07/30(水) 06:05:22 ID:???
土呂氏乙です。
雰囲気のある絵でよかったです。
個人的には白黒のほうが好き。
428マロン名無しさん:2008/07/30(水) 22:43:25 ID:???
別館まとめが俺が踏んだのが8880だった。
もうすぐ8888だね。
429マロン名無しさん:2008/07/30(水) 22:46:00 ID:???
今更ですが、別館氏 土呂氏 乙です
430マロン名無しさん:2008/08/01(金) 20:28:23 ID:???
ふと思ったんだけど、原作キャラとネギまキャラを絡ませるのはどうかな。
オリキャラよりはまだましかと。
431マロン名無しさん:2008/08/01(金) 20:59:39 ID:???
オリキャラのがまし
正直あの漫画の絵柄が印象にあってネギまと180℃違う絵柄はどうしても噛み合わない
432マロン名無しさん:2008/08/01(金) 21:27:50 ID:???
俺は原作キャラ入ってもよいとは思うけどね。
あくまでネタ扱いならね。

でも、たぶん住人の半数以上は原作キャラの名なんて良く知らないと思うよ。
主人公の七原、ヒロインの中川典子
あとは川田、桐山、三村、杉山、それと相馬光子くらいなら
映画や漫画を見た奴なら覚えているだろう。それ以外は誰?だと思うよ。
433マロン名無しさん:2008/08/01(金) 23:22:39 ID:???
それにしてもバトロワの漫画は凄まじいグロエロだったな
434マロン名無しさん:2008/08/02(土) 00:26:10 ID:???
俺はバトロワの漫画少し読んだだけで体が拒否反応起こしたからな。
原作キャラのイメージ画は色々なサイトで載っているから、各キャラ自分の好きな絵をあてはめている。
435マロン名無しさん:2008/08/02(土) 00:33:08 ID:???
まあ、漫画のグロエロはきっついものはあったが、
バトロワの狂気な一面をよく表していたと思う。
全話読める程度には嫌いじゃなかったな。

コラボなら絶望先生あたりとか面白いかもね。キッチリが活躍しそうだ。
ただ、ネギロワの許容範囲に入るか微妙。
436マロン名無しさん:2008/08/02(土) 02:56:56 ID:???
本家の漫画はなんつーか生理的に無理
なんとか全巻読んだけど二度目はもう遠慮
エロいシーンもきもいと思ってしまう
後、もう内容全然覚えてないw
437マロン名無しさん:2008/08/02(土) 10:07:41 ID:???
ネギまクラス 対 原作クラスという最悪のクラスマッチを想像(妄想ともいう)しているんだが、
さすがに厳しいか。
438マロン名無しさん:2008/08/02(土) 16:50:50 ID:???
絵が想像できんなw
439マロン名無しさん:2008/08/02(土) 17:26:04 ID:???
クラスの人数、ネギま30(31)人、原作42人。
人数的にはネギまが圧倒的不利。だが、ネギまの方が勝ちそうな気が・・・
440別館まとめ:2008/08/03(日) 21:20:09 ID:???
キャラのプロフィールは出来れば全員やりたいなぁ。
きっと、無理だろうケド。

>>422
長ネギの画像はニコニコでも有名な野菜シリーズの画像で・・・というわけではなく
過去に絵展示で展示したNo:114ネタ重視のクラス名簿画像の切り抜きです。
野菜シリーズの人ではないのであしからず。

大きさの違う画像を同じサイズにしているのはHTMLで幅と高さを設定しているからです。
別館では単純に同じサイズにすると見栄えが悪くなる画像があるので一部加工を加えているものもあります。

>>426
土呂氏、お久しぶりです。TOP絵今回の別館にしました。
相変わらず雰囲気のでている上手な絵で羨ましいです。

☆ 別館更新情報 2008/08/03 ☆
『こちら麻帆良学園麻帆良図書館深層部』
 No56〜No60の短編を追加。
 今回はスレッド11及び12から抽出しました。
 やっと、魔法先生ロワや顔剥ぎロワのあたりまで保管できました。
 
 ※第5回アンケートは終了しました。
 結果発表は今月中に行う予定です。
 次回アンケートはお題が思い浮かばないので何か思いついたらやります。
 アンケートのお題を決めるのは難しいからなぁ。

http://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html
441マロン名無しさん:2008/08/03(日) 22:51:59 ID:???
おつです。
442マロン名無しさん:2008/08/03(日) 23:34:35 ID:???
乙!
もう少しで9000だ…
443マロン名無しさん:2008/08/04(月) 02:22:34 ID:???
毎週乙です
自分が別館開いたら9001だったw
444マロン名無しさん:2008/08/05(火) 18:38:50 ID:???
437ですが書いてみることにします。
投下は何時になるか分かりませんが・・・。いや、もしかしたら破綻するかも。
まあ、期待は絶対しないでくれ。
445マロン名無しさん:2008/08/05(火) 20:02:10 ID:???
原作のキャラ、5人くらいしか覚えてねーやww
446マロン名無しさん:2008/08/05(火) 20:21:26 ID:???
>>444
うはwwガンバレ
447マロン名無しさん:2008/08/05(火) 20:22:41 ID:???
七原、川田、桐生、相馬、三村、主役の女

後、誰がいたっけ?
448マロン名無しさん:2008/08/05(火) 20:57:28 ID:???
>>447
こちらへ
ttp://www.suisen.sakura.ne.jp/~kyo/battle/p/index.html

原作のネタバレあり
449マロン名無しさん:2008/08/06(水) 00:30:09 ID:???
原作漫画のエロいとこって何巻のどの辺り?
グロいのは見たくないエロいとこは見てみたい
450マロン名無しさん:2008/08/06(水) 01:23:55 ID:???
エロいのも一種のグロかも…
まずあの絵じゃたたない
セックスした後にちんこ何かでぶっ刺して血が大量に出て死ぬってのがあったような……
個人的には桐山とあの格闘技の人のバトルは凄い良いと思った
451マロン名無しさん:2008/08/06(水) 02:13:03 ID:???
>>449
8巻がエロ多い

エロにしても格闘にしても中学生離れしすぎ
452マロン名無しさん:2008/08/06(水) 12:19:01 ID:???
稲葉瑞穂カオスwwwwww
453マロン名無しさん:2008/08/06(水) 19:28:13 ID:???
脱がなければすごいんです。
454マロン名無しさん:2008/08/06(水) 21:29:57 ID:???
         ____        ) 今から君たちに殺し合いをしてもらう。バトルロワイヤルだ!
        /⌒  ⌒\      ) 
      /( ●)  (●) \    )/⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y丶
     / ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
    |      |r┬-|     |
     \       `ー'´     /
     ノ            \
   /´               ヽ                 カ
  |    l   l||l 从人 l||l      l||l 从人 l||l   カ    タ
  ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.     タ
   ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))
      ┌┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐
   ,. - ''"| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ρ ̄`l
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ノ ̄ ̄

        //  \\      )  ・・・
      /( ○)  (○) \    )/⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y丶
     / ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
    |      |r┬-|     |
     \       `U'´     /
     ノ       U    \
   /´              ヽ                 カ
  |    l   l||l 从人 l||l      l||l 从人 l||l   カ    タ
  ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.     タ
   ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))
      ┌┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐
   ,. - ''"| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ρ ̄`l
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ノ ̄ ̄
455マロン名無しさん:2008/08/07(木) 08:30:47 ID:???
稲葉瑞穂のパロを夕映でやってくれる作者が現れる事を俺は信じてる
456マロン名無しさん:2008/08/07(木) 13:29:40 ID:???
光子は柿崎でおk
457マロン名無しさん:2008/08/07(木) 17:24:26 ID:???
その稲葉ってキャラが気になってちょっと漫画読んだらなんかすげぇ笑えたww
458マロン名無しさん:2008/08/07(木) 19:56:28 ID:???
稲葉は伏線もなく何もしないでゲームの終盤まで生き残ったすごい奴。
459マロン名無しさん:2008/08/07(木) 19:59:29 ID:???
せつこ、イナバ違う、稲田や!
460マロン名無しさん:2008/08/07(木) 20:21:17 ID:???
俺はわざとネタにしてるのかと思って稲葉って言ったけど他はガチだったのか?
461マロン名無しさん:2008/08/07(木) 20:23:19 ID:???
稲田じゃなくてディキアンだろJK

初期ネギまロワは原作リスペクトが多いから読んでない人は読んで欲しいなあと思う
462葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/08/07(木) 22:22:24 ID:???
流れをぶった切って、もうすぐオリンピックの開会式なので
こんなものを作ってみました。

ttp://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00165.jpg

ttp://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00166.jpg
463マロン名無しさん:2008/08/08(金) 17:07:28 ID:???
葱坊主さん乙です
464マロン名無しさん:2008/08/08(金) 20:27:33 ID:???
Mステの真夏の果実を聞いて思い出して来ました
……今短編書いたら需要あったりする?
465マロン名無しさん:2008/08/08(金) 21:03:54 ID:???
需要なんか気にしたら負け。
俺が同じ質問した時に返された言葉だ。
過疎化しているから、ドーンとやってくれ。
466マロン名無しさん:2008/08/08(金) 22:10:35 ID:???
俺、やっぱ真夏の果実の短編が一番好きかな
あんだけ短いのに満足してしまったのは今まで読んだ短編SSで初めてだ
467作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/08/08(金) 23:25:19 ID:???
お久しぶりです。作者16です。
いま書いているのがあと5話くらいで書きあがるのですが、
明日から部活の合宿なので、帰ってきてからラストスパートかけてがんばろうと思ってます。
……本当は夏休み入ったらがんばろうと思ってたんですが;;

投下する際には、またよろしくお願いします。
468マロン名無しさん:2008/08/09(土) 00:00:39 ID:???
おお、司書さんといい、過去作者が結構新作完成間近ですね。
マジでwktk。今年中にはいけそうですね。楽しみにしてます。
469マロン名無しさん:2008/08/09(土) 00:13:33 ID:???
ちょwww
22部が始まった辺りでこのスレから離れたけどMステで果実聴いて久々に来たら同じ理由で戻ってきたって人いるし一番好きな16部の作者までいるwww
これで21氏と6氏と司書氏が短編投下でも良いから降臨してくれたら最高なんだが
470マロン名無しさん:2008/08/09(土) 02:11:11 ID:???
やっぱり6・司書・16・21がイメージ的に強いわな
このスレの四天王てきな・・・
471マロン名無しさん:2008/08/09(土) 03:36:33 ID:???
時々やって来てすらっとブラックな短編残してくあの人も好きなんだよな
"スレ汚し"の人
チア3人のやつといいんちょのやつは秀逸だった
多分書き方から見て全部同じ人が書いたんだと思うんだが‥
472マロン名無しさん:2008/08/09(土) 20:49:07 ID:???
回顧にふけるのも悪くはないが、新しい作者も現れてほしいもんです。
473マロン名無しさん:2008/08/10(日) 15:07:40 ID:???
>>472
ありがとう、こういうの見るとやる気出るよ。
残り半分くらいがんばるわ。
474マロン名無しさん:2008/08/10(日) 15:36:48 ID:???
>>473
頑張ってくれ。
個人的には新しい作者の方に期待している。
475葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/08/10(日) 18:24:08 ID:???
短編投下するのが私で失礼。

前に完成してたのに投下するのを忘れてました。
今のうちにこのネタやっとかないと、できなくなるかもしれないので・・・
476葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/08/10(日) 18:25:15 ID:???
聡美「えー第3回ネギロワ座談会ー!」
超  「ちょ、ちょと待つネ、ハカセ。今回は私が司会をする予定だたヨ?」
聡美「別に良いではないですか、誰が司会したって」
超  「ま、まあ、それはそうなのダガ……」
聡美「そんなわけで今回は私、葉加瀬聡美の司会でお送りします。
   コメンテーターは超鈴音さん」
超  「……まあ良いヨ。ども、ヨロシクネ」
聡美「そして、古菲さん」
古  「やっと出番が来たから頑張るアルヨ!」
聡美「最後に四葉五月さん」
五月「こんにちは」
聡美「以上のメンバーでお送りします。
   さて、早速ですが今日のテーマです。『なぜ葉加瀬聡美はバトロワで生き残ることが出来ないのか!』
   さあ、張り切って話し合いましょう」
超  「いやだから……ちょと待つネ、ハカセ。今日のテーマは『バトロワにおける超一味の行動の傾向と対策』だたネ」
聡美「別に良いではないですか。少しくらいテーマを変えたって」
超  「イヤ、少しどころではないと思うガ?」
聡美「気にしない、気にしない。ちゃっちゃと進めましょう」
五月「超さん、こーゆー時は逆らわない方が良いよ?」
古  「さすが五月、達観しているアル」
超  「ハア……分かたヨ。ハカセの好きにすれば良いネ」
古  「私もハカセの気持ちは分からないでもないから別に構わないアルヨ」
聡美「では、全員の意見が一致したところで改めて……何で私は生き残れないのでしょうかぁぁっ!!」
古  「……心の叫びネ。ちょとだけ同情するアルヨ」
477葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/08/10(日) 18:27:23 ID:???
超  「とは言うものの、結局は作者次第の話ネ。
   作者がハカセを生き残らせると決めてくれれば簡単に解決する問題ヨ」
聡美「でもでもー、既に20作品を超えたのにもかかわらず、何故私だけ生き残れないの?
   どーして?どーしてぇぇっ!?」
古  「相当不満が溜まてるアルネ、コリャ」
五月「だって、ハカセって影が薄いからね」
聡美「グサアァッ!」
超  「サ、五月……いきなり核心を鋭く突いたネ……」
五月「でも、そうでしょ?」
古  「辛口アルナー。まあ、目立たないポジションにいるのは間違いないアルガ……」
聡美「でっ、でもでもー。それだったらポジション的には四葉さんもあんまり変わらないしー」
五月「あら、ハカセよりは個性は確立しているよ?」
聡美「どこで?」
五月「料理の腕は3−Aでは第一人者としてのポジションキープ。
   エヴァンジェリンさんに唯一認められている存在。
   それと……あんまり言いたくないけど、3−Aの中で太った体形は私ただ一人。
ね?結構特徴あるでしょ?」
聡美「ううっ!私だってあるわよ……
   学力面では学年トップクラス。研究、メカニックのことならお任せあれという個性がっ!」
五月「でも、超さんも同じ条件当てはまるよね?と、言うより超さんの方が全部において上回っているから目立ってないよ」
聡美「ぬぬぬぅっ!」
478葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/08/10(日) 18:29:15 ID:???
五月「それに、外見も特徴あまりないよね。
   小柄……鳴滝姉妹の小柄さには劣るから特徴とは言えないね。
   眼鏡……他にもいるし。どっちかと言うと露出の多い長谷川さんや早乙女さんの方が眼鏡っ子のイメージ強いよね。
   おさげ……普通だし。特徴のない髪形の代名詞と言えるんじゃない?
   結論としては特に主張できるものはないよね」
聡美「なっ、ならばコレでどう?……おでこ!」
五月「……そんなので目立って嬉しい?」
聡美「ぐああああっ!」
超  「ハカセは50ポイントのダメージを受けたネ」
古  「五月、容赦ないアル。まさにダーク五月……」
超  「まあ実際のところ、ハカセと五月でそれほど大きな差はないヨ。
   たまたま五月は生き残った話があるというだけネ。……まあ、そこに大きな壁があるわけダガネ。
   結局、五月も活躍の場は少ないので不満が溜まっていたという訳ネ」
五月「何か言いましたか超さん?」
超  「い、いや大したことではないネ。気にしないで欲しいヨ」
五月「結局、超さんという目立つキャラと似たようなスキルで、超さんほどはスキルは多くない。
   さらにキャラもあまり確立されていないから活躍させ難くてさっさと殺されるって所でしょうね。
   ねえ超さん?」
超  「……私に振らないで欲しいネ。返答に困るヨ」
五月「そもそもハカセは、ゲームに乗った超さんに真っ先に殺される。超さんと一緒に行動して誰かに真っ先に殺される。
   などと超さん絡みで真っ先に死ぬパターンが結構あるんだよね」
古  「……『真っ先に』をワザワザ付ける所に悪意を感じるのは気のせいアルカ?」
聡美「ハアァッ!でも確かにそうだ。もしかして私って超さんの引き立て役?でゆーか踏み台?」

479葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/08/10(日) 18:30:43 ID:???
超  「……私にまで飛び火してきたヨ」
古  「超、頼むから私の方にまでは巻き込まないで欲しいアル」
超  「そう思うのなら私のことを援護するネ」
古  「わかたアル」
聡美「もしかして……もしかして、超さんが活躍すると私は活躍できないのではないですか?
   私は超さんの影?まさか呪い?超さんの呪いですかっ!?」
超  「ハカセ、それは考えすぎヨ」
古  「そうそう、考えすぎアル」
五月「でも、超さんはハカセと対照的に毎回安定して活躍しているよね」
超  「(くっ、五月……余計なことを)ま、まあ有難いことに出番は多いガ、私は悪役を演じることが多いネ。
   要するに嫌われ者の役ヨ。そんなのでも良いのカ?」
聡美「良いですうっ!それで出番と生存率がアップするなら!」
古  「まあまあ、落ち着くアルよハカセ。悪役に回ったら生き残ることは困難になるヨ?
   大抵の話では悪役は死んでしまうアル」
聡美「でも出番は増えますよね?私は出番を増やしたいですっ!活躍したいんですっ!」
超  「出番て……いつの間にか論点が変わているネ」
古  「確か、生存率の話をしていたアルよね?」
五月「うん。相当テンパッてるね」
超  「だれがそうさせたネ」
五月「さあ、誰でしょう?」
超  「……なかなか良い性格をしているネ、五月」
古  「どうするネ?上手いこと収めないと収拾が付かなくなるアルヨ」
聡美「グスッ、グスッ……ふえ〜ん、どうせ私は要らない子なんだぁ〜っ!」
五月「あーあ、泣いちゃった」
480葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/08/10(日) 18:33:13 ID:???
古  「……泣かせるキッカケを作ったのは間違いなく五月アルヨ」
五月「いえいえ、泣いてしまうのは己の心が弱いからです」
古  「最もらしいこと言って誤魔化すんじゃないアル!」
超  「仕方ない、収拾を付けるネ。
   ……ちょと落ち着くヨ、ハカセ!」
聡美「何ですかぁ?出番が多いひとは黙っててくださいぃ〜」
古  「言ってる事が支離滅裂になっているアル」
五月「さりげなく僻みも入っているしね」
超  「ハカセ、落ち着いて良く聞くネ。大丈夫!抱強く待つヨ!
   自分を信じて待っていれば、いつか必ずハカセが生き残る物語が現れるネ」
聡美「待つって、いつまでですかぁ〜?」
超  「……さあ、それは分からないね。1ヶ月後なのか、1年後なのか」
五月「いつまで経っても現れないのか」
聡美「!!ふえ〜ん……やっぱりぃ〜っ!」
古  「収拾つけようとしているのだから、五月も混ぜっ返さないアルヨ!」
五月「ハイハイ」
聡美「ふえ〜ん!どうせ私は歩く死亡フラグなんだーっ!」
古  「あーあ、自分で言ってるアル」
五月「……やっぱり気にはしてたのね」
古  「あまりにお似合いのあだ名アルからネ〜」
超  「ムウ……ならば最後の手段ネ。ハカセ、短編でハカセが生き残った話を作るからそれで我慢するヨ!」
古  「ウム、短編ですら即死フラグが立っているハカセだから画期的かもしれないアル」
五月「くーさんも何気に酷い事言ってるよ?まあ良いけど」
聡美「私が生き残る話って、本当ですかぁ〜」
超  「モチロン。……というわけで短編投下」
481葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/08/10(日) 18:34:18 ID:???
[ネギまロワイヤル特別短編  〜ハカセ生存物語〜]

――銃声が鳴り響く。
葉加瀬聡美の目の前に立っていた一人の生徒が崩れ落ちた。
「これで……終わりです」
瀬聡美は大きく深呼吸すると、持っていた銃を投げ捨てた。
生き残っているのは自分一人だけ。もう殺し合いなんてしなくて良いんだ……。
家へ帰れる。そう思うと、心なしか聡美の口元に笑みが浮かんだ。

【生存者 葉加瀬聡美】

― 完 ―

古  「おお、確かにハカセが生存しているアル!」
聡美「……なんですかこれは?」
超  「ハカセ生き残りの短編ネ。良かたカ?」
聡美「短編って、たったの6行じゃないですか?1分くらいでやっつけで書いたでしょ!?」
超  「失礼な!たっぷり3分はかかっているネ!」
聡美「大して違わないですっ!」
超  「何を言うネ。3分あればカップラーメンが食べられるヨ。1分では無理ネ」
聡美「別にカップラーメンなんて要りませんっ!
   それに、これって本当に最後に私が一人生き残った瞬間のシーンだけじゃないですか!?
   恋愛ドラマだったら最後の最後で恋人同士が結ばれる瞬間だけですよ!」
482葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/08/10(日) 18:36:47 ID:???
超  「そこが一番重要なのだから良いのではないのカ?
   重要な部分以外は余計な付け足しネ。無いなら無いで無問題ネ」
古  「ナルホド!過程ではなく結果が大事アルネ。さすがは超、良いこと言うアル」
聡美「物語では結果に至るまでの過程の方が大切なんですっ!
   結果だけの話でどう盛り上がれって言うんですか!?」
超  「生き残ったことに盛り上がるヨ」
聡美「生き残った達成感もないのに盛り上がれるかーっ!」
超  「せっかく書いたのに、わがままネー」
聡美「こんなやっつけの短編なんていーやーっ!もっと感動的に私が生き残る話をーっ!!」
超  「……もう相手してられないヨ。放て置くネ」
五月「賛成」
古  「ついに超も匙を投げたアルカ……まあ確かにそれが賢明アルナ」
超  「それじゃあハカセのことは置いておいて、ハカセの代わりにお開きにするネ。
   第3回ネギロワ談会を終了するネ。またいつかお会いしましょう!……というわけで帰るネ。撤収ヨ!」

超・五月・古 退場

聡美「なーによー!結局私は一人ぼっちだーっ!
   こんな扱い、いーやーっ!誰かぁっ!誰か私が生き残る話を書いてえぇぇぇっっ!!」
むなしい聡美の叫び声だけが周囲に木霊した。
彼女が『歩く死亡フラグ』の通り名を返上することは……当面はなさそうである。
全ては新たなる作者次第。さて、どうなることやら……。

〜おしまい〜
483葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/08/10(日) 18:38:14 ID:???
とりあえず以上です。

えー、五月のキャラについてはあまり突っ込まないでください。
では、良いお盆をお過ごしください。

つーわけで私も旅に出ます。
484意味わかるかな…:2008/08/10(日) 18:47:43 ID:???
―――大丈夫、大丈夫だよ。

そうやって私は目の前で膝を抱えた体勢でいる相手を小声で励ました。
相変わらず足音は止まない、人の気配も無くならない。
けれど私は怯えるその子に声を掛け続ける。

―――きっとこっちに気付かないですぐにどこか行っちゃうって。

いくら声を掛けても目の前の少女はうずくまって震えたままだ。
不安を和らげることなどできないのだろうか。

―――安心して、きっとネギくんが助けに来てくれ……

私は反射的に言葉を途絶えさせた。
何故なら目の前の少女の背後にある扉が開いたからだ。

―――あ……ぁあ……。

少女は私の方を見て、私は少女の方を見て声にならない声をあげていた。
開いた扉から、血塗れになったクラスメートが入ってきた。

―――けて。誰か、……誰か助けて……。

私たちは必死に唱える。
クラスメートは包丁を持った右手を振りかざした。

―――いやっ!いや!!助けて!助けてネギ先……ぐしゃ!




とあるブティック、試着室内での出来事だった。
485意味わかるかな…:2008/08/10(日) 18:48:19 ID:???
うわ、リロしてなかった!
葱坊主氏乙です!
486別館まとめ:2008/08/10(日) 21:49:28 ID:???
短編を地道に更新中な別館まとめです。
最近はなかなか時間がとれず更新内容が少なくて申しわけないです。

>>葱坊主氏、短編作者の方、乙です。

☆ 別館更新情報 2008/08/10 ☆
『こちら麻帆良学園麻帆良図書館深層部』
 No61〜No65の短編を追加。
 スレッド12までの短編保管を完了しました。

http://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html
487マロン名無しさん:2008/08/10(日) 22:51:48 ID:???
短編氏に別館氏も乙っす
488マロン名無しさん:2008/08/11(月) 07:45:13 ID:???
>>471の言うチアといいんちょの超える短編はない
他のをけなすわけではなくマジで秀逸
489マロン名無しさん:2008/08/11(月) 20:01:09 ID:???
>>488
君の意見を否定する気はないけど、好みなんて人それぞれだから
「俺的には」を頭につけといた方が良いよ。
490マロン名無しさん:2008/08/11(月) 20:40:01 ID:???
>>489
多分釣りなのでスルーでおk
491マロン名無しさん:2008/08/11(月) 21:18:31 ID:???
>>489
書いてなくても脳内で「俺的には」を付けないと2chはストレス溜まるぜ?

と、docomo規制で暫くROMしか出来なかった俺が言ってみる
492マロン名無しさん:2008/08/11(月) 22:47:00 ID:???
特にマロンはね
493マロン名無しさん:2008/08/12(火) 13:02:39 ID:???
……超が未来に帰った後、超不在の設定でのロワなら、ハカセも生き残れるかもしれないとふと思った。
494マロン名無しさん:2008/08/12(火) 13:14:57 ID:???
>>493
同じハッキング要因の超・千雨が悪役からヒーローまで幅広くこなしちゃうからなあ・・・
「葉加瀬の技術でハッキング」って形を見せるときは茶々丸がPC代わりになって結局茶々に食われそうだ
495マロン名無しさん:2008/08/13(水) 00:06:51 ID:???
書き込めるかな…?
496マロン名無しさん:2008/08/13(水) 10:07:02 ID:???
ドコモの規制は辛かった・・・。最近外回りが多くて、携帯からアクセスしてたから。まぁ作者不在で話題もないんだけどね
497マロン名無しさん:2008/08/14(木) 09:36:36 ID:???
深夜から日の出を描写するために寝なかった
たまにはこういうのも乙だな
498マロン名無しさん:2008/08/14(木) 15:51:10 ID:???
落ちかけてたからアゲ
499マロン名無しさん:2008/08/14(木) 21:51:12 ID:x7hKZk2z
作者まだかな
500マロン名無しさん:2008/08/16(土) 15:05:55 ID:???
俺、このバトルロワイアルが終わったら結婚するんだ
501マロン名無しさん:2008/08/16(土) 21:13:37 ID:???
過去作者さんのボツ短編とか需要ある?
いや、まだ許可もらえるかも分かんないけど
502マロン名無しさん:2008/08/17(日) 01:51:11 ID:???
>>501
どーゆー意味?
未発表なら見てみたいけど
503マロン名無しさん:2008/08/17(日) 04:05:49 ID:???
いやここんとこ投下ないし過去作者さんがよく行くサイトに俺もROMながら行ってるから
人が少ない時チャットでタイミングを見計らって過去作者さんに長編のボツ短編でももらえないか頼んでみるのも有りかと
504マロン名無しさん:2008/08/17(日) 15:48:03 ID:???
>>503
いやまあ、もらえるのなら、もらってもよいと思うが、
中途半端な没物語は作者のプライドとして公にはしないと思うし、
投下できるくらいにまとめていれば自分で投下しに来るものではないかい?

頼むのは自由だけどね。

でも、自力で作品作って投下することをお勧めする。
505マロン名無しさん:2008/08/17(日) 16:07:49 ID:???
過去作者って、司書氏みたいな自サで公開するんじゃなくて、交流サイトでわざわざ自分が作者であること公にしてるの?
506マロン名無しさん:2008/08/17(日) 18:37:10 ID:???
素人にも意外な才能あるもんだぞ

俺には無いがorz
507マロン名無しさん:2008/08/17(日) 20:27:58 ID:???
うん。できないと思うのではなく、書くだけ書いてみれば良い。
本当に自分に気付かない才能が眠っていることもある。

まあ、短編書いても住人が無反応の俺が行っても説得力ないかも・・・
508マロン名無しさん:2008/08/17(日) 21:18:49 ID:???
>>505
21氏と飴玉氏とここの名無し1人がとあるサイトにいて
そこのサイトには他にも10人くらいいるけどその3人+このスレのレスをヒントにそのサイトに辿り着いてROMってる人が数名
本人達はこのスレの話なんて滅多にしない
S氏ととろ氏と先生ロワの人のとこもそんな感じ

口ぶりから別館氏も両サイト知ってそう
むしろ俺は司書氏の事知らんかった
509マロン名無しさん:2008/08/17(日) 21:35:52 ID:???
>そこのサイトには他にも10人くらいいるけどその3人+このスレのレスをヒントにそのサイトに辿り着いてROMってる人が数名

そこのサイトには他にも10人くらいいるけど、その3人+このスレのレスをヒントにそのサイトに辿り着いてROMってる人が数名だけロワスレの事知ってるだけ

でした
てかなんか文章下手ですまん
だけど言いたい事は伝わるはず
510マロン名無しさん:2008/08/17(日) 22:12:48 ID:???
へぇ、そういうとこあるんだ。
結構作者や絵師同士って繋がり有るんだね。
半年以上ココにいて全然しらんかった。
まぁ俺が感心なさすぎるだけなのかもしれんが。
511別館まとめ:2008/08/17(日) 22:34:01 ID:???
別館更新お休みのご連絡。
今週は別館の更新は出来ませんでした。かたじけない・・・・・・。

来週は更新できるかも。
512マロン名無しさん:2008/08/18(月) 12:47:23 ID:???
a
513マロン名無しさん:2008/08/18(月) 14:46:19 ID:???
支給品の中に別漫画のアイテムいれるのって有り?
514マロン名無しさん:2008/08/18(月) 22:07:42 ID:???
>>513
名前とか能力とか若干変えれば大丈夫だと思う
原作の年齢詐称薬もなんかのパクりらしいし
515マロン名無しさん:2008/08/19(火) 01:39:48 ID:???
タケコプターとどこでもドアは禁止な
516マロン名無しさん:2008/08/19(火) 17:07:13 ID:???
ドラえもんのコピーロボットだっけか?あれ使える気がするかな
517マロン名無しさん:2008/08/19(火) 18:20:41 ID:???
コピーロボットはパーマンだろww
518マロン名無しさん:2008/08/19(火) 20:24:23 ID:???
>>514
年齢詐称薬の出典はメルモちゃんね。手塚治虫作品だな。
千雨が突っ込んでいたけど、良く知っていたな。・・・俺も。

他作品のアイテムは良いと思うけど、
使いようによっては強力すぎるアイテム(特にドラえもんの道具の一部とか)は
禁止にした方が良いと思う。
確か、過去に支給武器に戦車を出して良いかと聞いていた人がいたが
禁止になっていた。
ゲームバランスが悪くならない範囲での利用ならいいんじゃない?
519マロン名無しさん:2008/08/19(火) 21:36:38 ID:???
thx
520マロン名無しさん:2008/08/19(火) 21:54:22 ID:???
たしかに戦車とかはやりすぎだよ
一個人の戦力をある程度あげることが可能な武器(銃とか剣とか)はいいんだけどさ

個人的な意見での許容範囲はドラえもんなら空気砲程度のもん

セイバーのエクスカリバーは使えないな
あれは魔法の類に入ってる?
アスナとかに使わせてみたい気もするんだけど
521マロン名無しさん:2008/08/19(火) 22:17:36 ID:???
武道四天王やネギ辺りは戦車にでも勝てそうなだけに、むしろ弱体化させる必要があるからなw
522マロン名無しさん:2008/08/19(火) 23:36:56 ID:???
それ以前に一般人は戦車なんて扱えないだろw
他作品の道具とかオリジナル魔法アイテムはできるだけ控えた方が良いんじゃね
関係ないけどオリキャラも見ててなんか痛い
それで作品がおもしろくなるならありかもしれんが
523マロン名無しさん:2008/08/19(火) 23:38:21 ID:???
えーと、短編というかネギロワの番外編を作成しました。
話がちょっと長くて、5日間くらいに分割しての投下になります。
長編作者が現れないようでしたら明日の夜あたりから投下良いですか?

あと、話を書き終わってから何ですが、ネギまの脇役をメインにしたストーリーである
都合でオリキャラが何人か出る上に、ネギまのキャラとオリキャラの人間関係の設定を
を勝手に作っているのですが(例えばネギまのあるキャラと親友の立場のオリキャラとか)
これってまずいですかね?
長編の対象外の作品ということで許容してもらいたいところです。

あ、もしかしたら明日飲み会に拉致される可能性があるので、明後日になるかもしれません。
524マロン名無しさん:2008/08/19(火) 23:53:21 ID:???
>>523
激しくwktk
525マロン名無しさん:2008/08/20(水) 06:18:24 ID:???
番外編に期待しつつ>>521に同意

原作設定だとフェイトがイージス2隻だし
バトロワでは弱い古も戦車は気無しで超えてるかと

………古を過大評価しすぎかな?
526マロン名無しさん:2008/08/20(水) 18:25:13 ID:???
>>523がザジとかさよの親友設定出してきたらオレ…結婚するんだ
527マロン名無しさん:2008/08/20(水) 21:22:16 ID:???
何故かわからんが、ネギロワ専用ロダが使えなかった…。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org12024.jpg

某所で入手したPS2ネギま!の画像抽出ツールでちょっと作ってみた。
528523:2008/08/20(水) 21:52:03 ID:???
えーと、オリキャラについては特に異論なさそうなので投下を始めます。
5回連載の予定です。
529523:2008/08/20(水) 21:53:33 ID:???
Scene1:「困惑」 〜愛衣〜

「ハアッ、ハアッ、ハアッ……」

――佐倉愛衣は森の中を当てもなく走っていた。
ここは見知らぬ島。
今日、愛衣が目覚めていた時には何故かクラスメート達と共にこの島の中にいた。
島の中には少数ながら民家はあるものの強制的に島から退去させられたらしく、今はクラスメート以外の人間は居ない。

『〜バトルロワイヤル〜』
クラスの生徒同士で殺し合いを行い、生き残った一人の生徒のみが生きて帰ることができる。
愛衣とそのクラスメート達は、不運にもその殺し合いのゲームに強制的に参加させられていた。
愛衣は立ち止まると、乱れる息を整えながら後ろを振り返る。
誰も追いかけてくる気配はない。
少しだけ警戒を解いた愛衣は、ホッと息をつくと歩きながらさらに移動する。
「これからどうしよう……」
当てもなく歩きながら不安げに愛衣は呟いた。
バトルロワイヤルが始まってから既に半日以上が過ぎている。
日が傾き、夕暮れが近づいていた。街灯もない島の中は夜になると移動が困難になるだろう。
今のうちに夜を過ごすことのできる安全な場所を見つける必要がある。
愛衣はデイパックの中から地図を取り出して広げると、隠れることのできそうな目欲しい場所を探し始める。
地図から目を上げた愛衣は空を見上げながらため息をついた。
「ハァ……どうしてこんなことになっちゃったんだろうなぁ?」
心細くなった愛衣の脳裏に姉のように慕っている女性の姿が浮かぶ。
「お姉さま……」
愛衣の両目には涙が浮かんでいた。
530523:2008/08/20(水) 21:56:27 ID:???
Scene2:「始動」

――愛衣が目覚めたとき、周囲に違和感を感じていた。
今朝は学園に登校した後、教室に入って授業が始まるまでの間、愛衣は友人達と雑談をしながら時間を潰していたはずである。
その時からの愛衣記憶がぷっつりと途切れていた。
辺りを見渡すと、教室らしき部屋の中には居るが麻帆良学園の自分達の教室とは異なる見慣れぬ場所であった。
愛衣と同じようにクラスメート達も見知らぬ教室の中に居た。
生徒達のほとんどはまだ寝ていたが、何人かは愛衣と同様に目を覚ましており、同じように困惑した顔をしていた。
目を覚ました者の間で、とりあえずは全員起こした方が良いということになり、まだ寝ている生徒を起こし始める。
やがてクラスの全員が目を覚ますこととなった。
しかし、事態は一向に変わっていない。
生徒の誰もが今の状況が分からずに困惑していた。
比較的早く目を覚ましていた愛衣も、何故こんな場所に居るのか全く見当がつかなかった。
戸惑いと不安で教室内がざわつき始める。

愛衣は言いようのない不安に駆られてクラスの中でも最も親しい親友である生徒の机に向かった。
「ねえメイ、これってどういうことなのかな?」
不安そうにしていた親友が愛衣に気付いて声をかける。
「私もわからないよ、何にも……」
首を振ってそう答えた愛衣は、ふと目の前に居る親友の首に見慣れぬ首輪が付いているのに気づいた。
「ねえ、首輪みたいなものが付いているけど、どうしたの?」
愛衣の言葉に親友は初めて自分の首に首輪が付けられているのを知ったようだった。
「えっ?あ、本当だ、何で?私、こんなもの付けていた覚えは無いのに……」
親友は首輪を手で弄びながら不思議そうに呟いていた。
だが、首輪を付けているのは親友だけではなかった。
周囲を見渡すとクラス全員の生徒の首にも同じような首輪が付いているようであった。
531523:2008/08/20(水) 21:58:43 ID:???
もしかしてと思いながら愛衣は自分の首に触れてみた。
金属のような冷たい感触。
自分の首にも首輪が付いていることが分かる。
「私にも付いてる……みんな首輪をつけているみたいね。どういうことだろ?」
親友は首を振った。何も考え付かないということだろう。
愛衣は腕を組んでしばらくの間その理由を考えてみたが、納得できる答えは見つからなかった。
もはや何がなんだか訳が分からなくなっていた。

――その時、教室の扉が大きく開かれた。

扉が開く音を聞いて教室が静まり返り、クラス全員の視線が開かれた扉に集中する。
そこには見知った一人の男性、愛衣のクラス担任である教師の姿があった。
「全員席に着け!」
担任である教師は声をあげながら教室に入って教壇に立った。
教師の後ろから10人程度の見知らぬ軍服をまとった男たちが教室に入り込んできた。
彼らは大きな銃を肩に担いで無言のまま教師の後ろに立っている。
そして教室の後ろの扉が開き、さらに10人程度の軍服をまとった男たちが教室に入り込み。生徒達の背後に立った。
普段と違う担任の教師の様子、そして威圧するような軍服をまとった男たちの様子に飲まれた生徒達は黙って席に着いた。
全員が席に着くと教師が口を開いた。
「皆、見知らぬ状況に皆戸惑っていると思うが、これより先は私語はもちろんのこと一切の質問を禁止する!」
高圧的に言い放つ先生の言葉に教室の中が一瞬ざわついた。
しかし教師の説明を聞こうとして生徒達は口を閉ざし、やがて教室中が静かになる。
静まり返った生徒達を見て満足そうに頷いた教師は、黒板に大きな文字で『 B R 』と書くと振り向きざまにこう言った。

「今から君達に殺し合いをしてもらう。バトルロワイヤルだ!」

唐突な先生の言葉に生徒全員が何のことか分からずに一瞬固まった。
そして、教師の言葉の意味を理解した途端、クラス中が騒然となった。
532523:2008/08/20(水) 22:00:41 ID:???
「静かにしろぉっ!」
先生の後ろにいた男の一人がドスの利いた声で叫んだ。
その声に驚いて再び教室内がシーンと静まり返る。
教師は何事も無かったかのように再び口を開くと、バトルロワイヤルの詳しいルールの説明を始める。
クラス全員で殺し合い、生き残った一人だけが生きて帰ることができるということ。
生徒にはランダムに選ばれた武器と最低限必要な物や食料が支給されること。
一定時間ごとに立ち入り禁止エリアが設けられること。
立ち入り禁止エリアに立ち入ると首輪が爆破すること。
定期的に死亡者と立ち入り禁止エリアを放送で知らせること……。

一通りの説明が済んだ時に一人の生徒が我慢できずに立ち上がった。
「納得が行きません!なんで私たちが殺し合いなんかしなければならないのですか!?」
クラスの委員長をしている彼女は眉を吊り上げて担任の教師に質問をぶつけた。
「い、委員長……駄目だって……」
委員長の隣に座っている生徒は、制服の裾を引張りながら小声で彼女を制止させようとしていた。
「……質問は一切受け付けないと言ったはずだ」
教師は冷たく答える。
「でもっ!」
委員長はあきらめずに食ってかかろうとするが、軍服を着た男たちが一斉に銃を向けて来た。
銃口を向けられた委員長は、唇を噛んで押し黙ってしまう。
「これ以上騒ぐ者はプログラムの妨害行為と見做して、プログラムが開始される前でも射殺する。
納得は行かないかもしれんが、厳正なる抽選によって君達のクラスがプログラムの参加者として決定したのだ。
決定事項は覆らない。そして君達には拒否権はない。……もちろん私にもね」
淡々と教師は説明を続ける。
委員長は渋々ながら無言で席についた。
生徒たちは言葉を無くし、誰も反論することはできなくなっていた。
533523:2008/08/20(水) 22:04:56 ID:???
Scene3:「殺意」

クラスの誰もが現状に戸惑っているのを余所に、プログラムは予定通りに開始された。

出席番号順で名前が呼ばれ、2分ごとに教室から一人ずつ生徒が出発する。
比較的若い出席番号の愛衣は、まだ教室内に大勢の生徒が残っている状況で、教師から荷物と支給武器の入ったデイパックを受け取ると困惑しながらも、とりあえず教室を出て行った。
校舎の玄関から外に出た愛衣は一旦立ち止まると周囲を見回した。
愛衣より先に出て行った生徒の姿はない。
「誰もいない……。やっぱドッキリじゃないのかぁ……」
内心、ほんの少しだけ校舎を出た瞬間に、ドッキリでしたとか言って誰かが来ないかと期待していた愛衣は肩を落とした。
どうやら本当に殺し合いをしなければならないことを薄々感じ取っていた。
思い詰めた顔をして、愛衣はしばらくその場に立ち尽くす。
そして、愛衣は思い出したようにハッと気づいた様子で時計を見た。
校舎の前で時間を食ったために自分が教室を出てもうすぐ2分が経過する。
次の生徒が校舎から出てくる時間が迫っていた。

一瞬愛衣は迷った。
自分の後から出て来る生徒と合流して一緒に行動してはどうかと考えたのだった。
しかし、教室を出た時点から殺し合いのゲームは始まっているのである。
後ろから来る生徒と顔を合わせた瞬間にその生徒が愛衣を殺そうとする可能性もあった。
残念ながら愛衣は自分の次の出席番号の生徒とはあまり親しい仲とは言えない。
ゲームが始まってすぐにリスクの高いことはしないほうが良いと考え、愛衣は後ろから来る生徒との合流は諦めた。
意を決してデイパックを担ぎ直すと愛衣は一目散に走り出した。
愛衣は校舎から延びる道をまっすぐ進んでいく。途中で分かれ道にぶつかると、直進する道を選んだ。
とにかく学校から離れたかった。

そして学校から遠ざかった後で、どこか一旦落ち着ける場所を探すことにした。
534523:2008/08/20(水) 22:07:02 ID:???
――走りながら愛衣はバトルロワイヤルのことについて考えていた。

殺し合いのゲームに強制的に参加させられてはいるが、クラスメート同士の仲はそれほど悪くないはずである。
昨日まで仲良くやっていた者同士である。
愛衣はそう簡単にゲームに乗る生徒がいるとは思えなかった。
(信用できそうな仲の良い生徒と出合ったら一緒に行動しよう。そして何とかここから脱出できないか相談してみよう)
愛衣は漠然とこれからの行動をそう考えていた。
しかし、愛衣の予測はゲームが始まってから数十分程度で脆くも崩れ去ってしまった。

走っていた愛衣の目の前にいきなり誰かが飛び出してきた。
愛衣の前に立ち塞がった生徒は、握っていた大型のサバイバルナイフを振り上げると愛衣に襲いかかって来る。
間一髪のところで攻撃を避けた愛衣は、襲撃者の顔を見て愕然とした。
「よ、曜子……何で!?」
目の前に立っていたのは仲の良かったクラスメートの一人だった。
「メイ、悪いけど……死んでっ!」
曜子が握っているサバイバルナイフが再び愛衣を襲う。
「待ってよ曜子!落ち着いて話し合おうよ!」
「……アンタと話し合うことなんてないわ。今は殺し合いの最中よっ!」
(間違いない。曜子はゲームに乗っている!)
一歩下がって曜子の攻撃をかわした愛衣は仕方なくデイパックを地面に放り投げた。
そして両手を前にして構えを取り、彼女と対峙した。
愛衣はデイパックの中身をまだ確認していないので、自分に支給されている武器が何なのか分かっていない。
この状況でデイパックから武器を取り出すことは無理と判断し、曜子からサバイバルナイフを奪って無力化しようと考えた。
「ねえ、やめようよ。友達同士で殺し合うなんておかしいよ」
なんとか曜子をなだめて戦いを回避できないか愛衣は声をかける。
「うるさいっ!生き残るのは私よっ!!」
問答無用で雄叫びを上げながら曜子が迫ってくる。
仕方なく、愛衣は自分の身を守るために迎え撃った。
535523:2008/08/20(水) 22:09:16 ID:???
愛衣は魔法学校を主席で卒業した経歴がある。
ある程度の戦闘訓練も受けていたために、生半可な敵が来てもある程度なら対応することができた。
武器を持っていたとは言え相手は素人である。本気で戦えば曜子は愛衣の敵ではない。
しかし、曜子を殺したくない愛衣に対して、曜子は愛衣を殺そうとしていた差は大きかった。
なんとかサバイバルナイフを奪い取ろうとした愛衣に対し、曜子は死に物狂いで抵抗してきた。
曜子は無茶苦茶にサバイバルナイフを振って攻撃を繰り返す。
サバイバルナイフが愛衣の体を掠って皮膚を切り裂き、次第に愛衣にも余裕がなくなっていった。
愛衣は殺されたくない思いで無我夢中で戦った。

そして、……結果的には愛衣は曜子を殺してしまった。

愛衣が我に返ったとき、目の前には自分の胸をサバイバルナイフで突き刺した状態で倒れている曜子の姿があった。
目の前の友人はぐったりとしたまま動かなくなっていた。
つい先程まで起こっていた出来事に愛衣の頭の理解がついてこれず、しばらくの間呆然としていた。
恐る恐る曜子に近づいて脈を取ってみるが脈がない。
愛衣の顔がサァッと青くなる。
「わ、私……ひ、人を殺してしまった!?」
曜子から距離を取った愛衣はその場で立ち尽くした。愛衣の足はガタガタと震えている。
「ど……どうしよう?どうしよう?」
取り返しのつかないことをしてしまった後悔。
そして人を殺してしまったという自責の念が愛衣の全身を襲う。
どうしたら良いのか分からなくなった愛衣は、自分の体を抱きしめながら震えることしかできなかった。
とにかくこの場から逃げ出したかった。

迷った末に取り敢えずここから離れることにした愛衣の耳に、近くで木の枝が折れる音が聞こえてきた。
音のする方を愛衣が振り向くと、一人の生徒が立っているのに気付いた。
536523:2008/08/20(水) 22:11:06 ID:???
その生徒は長髪を三つ編みにして後ろに垂らし、黒縁の眼鏡をかけていた。
立っていたのは愛衣のクラスの委員長だった。
「い、委員長!」
委員長である彼女はクラスの中でも冷静で思慮深く、ゲームに乗るような人物ではない。
愛衣は信頼できる人物に出会えた事で気を緩め、彼女を頼ろうとして近寄った。
しかし、彼女は険しい顔で愛衣に向かって叫んだ。
「近寄らないでよ!人殺し!!」
思いも寄らぬ拒絶の言葉に愛衣の足が止まる。
委員長は、愛衣が曜子を殺してしまった瞬間を見ていたようだった。
「ち、違うの。これは不可抗力なのよ。私はゲームに乗ってはいないわ。
曜子の方が私に襲い掛かって来て……」
必死に言い訳しようとしたが、委員長は聞く耳を持たずに手にしていたボウガンを愛衣に向ける。
「騙されないわよっ!」
そう言って委員長は矢を放ってきた。
放たれた矢は、空気を切り裂いて愛衣のすぐ側を通り過ぎ、後ろの木に突き刺さる。
「あんたなんかに、あんたなんかに殺られはしないわ!」
そう叫んだ委員長は再び矢を放つ。
今度は矢が愛衣の右腕を僅かに掠める。

もはや彼女に何を言っても信じてくれないだろう。
それに、不可抗力であったとしても、正当防衛であったとしても、結果として愛衣が曜子の命を奪ったことは間違いがないのだ。
愛衣は踵を返すと委員長に撃たれないように全力で駆け出した。
「待ちなさいっ!」
後ろから委員長の叫び声が聞こえてくる。
愛衣は呼び止める声を無視して、立ち止まることなく走り去っていった。
537523:2008/08/20(水) 22:12:32 ID:???
委員長は逃げようとする愛衣の背中を狙って再び矢を放った。
しかし狙いが逸れて愛衣に届くことはなかった。
急いで次の矢をセットすると愛衣の居た場所にボウガンを向けるが、この間に愛衣の姿が見えなくなっていた。
愛衣の後を追いかけてみたが、既に委員長は愛衣を見失ってしまっていた。
「クッ、逃がしたか……」
委員長は大きく息を吐いてボウガンを下ろした。
深追いは危険だと判断して、委員長は愛衣の向かった後を追いかけるのは止めておいた。

委員長は振り返ると、倒れている曜子の姿を見下ろした。
「今朝までは仲の良かったクラスメートなのに……こんな簡単に人が殺されちゃうんだ。
フン、これがバトルロワイヤルって訳か……」
憤慨して委員長は吐き捨てるように言う。
「あの佐倉さんまでがゲームに乗っているとなると油断がならないわね。
たとえクラスメート同士でも信じることはできないってことが、良くわかったわ」
愛衣が曜子を殺した瞬間を目撃してしまったことは委員長にとっても大きなショックだった。
そして、それは委員長の心理状態にも影響していた。
「悪いけど私は誰にも殺されたりはしないわ!生き残るのは私よっ!」
そう言うと、委員長は踵を返して愛衣と別の方角を目指して走り去っていった。
538523:2008/08/20(水) 22:14:57 ID:???
えー、読めばわかるとおり、愛衣を主人公にして3−Aがバトロワの対象にならない関係で
話を膨らませる都合でオリキャラが入っています。
ですが、あくまで主人公は愛衣です。
短い間ですが、お付き合いください
539マロン名無しさん:2008/08/21(木) 12:33:55 ID:???
>>527
GJ!
双子×ザジはやっぱええのう

>>538
乙です!
期待してます




ところで、ライフルの銃声ってドォンでいいの?
540マロン名無しさん:2008/08/21(木) 19:57:44 ID:???
>>539

>ところで、ライフルの銃声ってドォンでいいの?

近距離の音か遠くから撃ってくるかにもよる。
遠くからだとタァーンとか使われたりする。
近距離はドォンでも良いと思う。ズダーンとかズキューンとか。
擬音なんだからなんと表記しても作者の自由ではある。

微妙なときはあえて擬音は表記しなくて文章表現した方が良いかも。
541523:2008/08/21(木) 21:38:45 ID:???
続き。
542523:2008/08/21(木) 21:39:40 ID:???
Scene4:「仰天」 〜高音〜

「なんですって?それは本当ですかっ!?」
迫ってくる高音・D・グッドマンの剣幕に春日美空はたじろぎながら後退りする。
「いや……だから最初に確証はない噂だって言ったじゃないスか」
「そんなことがあって堪りますかっ!」
激昂しながら高音は吐き捨てるように言った。
数分前に高音や美空達、魔法生徒に学園長の名で緊急召集が掛っていた。
高音は集合場所に向かう途中に、たまたま出会った美空に声をかけた。
連絡の取れない愛衣を探していた高音は、同じ中等部の美空なら何か知っているかもしれないと思い、愛衣の居場所を知らないか尋ねたのだった。
すると、美空から想定外の答えが返って来た。
愛衣のクラスの生徒全員が担任の教師と共に行方不明であるという事実。
そして、確証はないと前置きした上で美空は愛衣のクラスがバトルロワイヤルの対象として選ばれたという噂が立っていることを伝えた。
あまりに信じられない内容なために高音は思わず反射的に否定してしまったが、冷静に考えるとその可能性は完全に否定できなかった。
高音は今朝から携帯電話や契約カードを使って何度か愛衣に連絡を取ろうとしたが、何故か一度も連絡は取れなかったのだ。
心配を募らせ、高音の脳裏に嫌な考えがよぎる。
「とにかく、事実関係を学園長に聞いてみましょう。学園長なら何か知っているかも知れません」
そう言うと高音は美空を連れて急いで集合場所の世界樹の広場に向かって行った。

高音と美空の2人が世界樹の広場に到着した時には既に何人かの生徒と教師が集まっていた。
その中に学園長の姿は無い。
集まっていた生徒達に説明していたタカミチが、高音と美空に気付いて側にやってきた。
「高畑先生、ちょっとお聞きしても宜しいでしょうか?愛衣のクラスの噂のことなんですが……」
愛衣のことを尋ねようとしたが、高音の言葉を遮ってタカミチは2人に説明を始める。
543523:2008/08/21(木) 21:44:19 ID:???
「2人とも良く聞いてくれ!今朝佐倉愛衣君のクラスの生徒全員が担任と共に行方不明となった。
その後、政府より学園長宛に彼女のクラスがバトルロワイヤルのプログラムの参加者となったと正式な通達があったんだ」
「!!」
タカミチの言葉に高音は絶句した。
「ま、まさか……噂は本当だったッスか!?」
美空の方も驚きの表情を浮かべてタカミチに確認する。
「残念だが間違いない情報だ」
美空にそう答えるとタカミチは説明を続ける。
「今、学園長が政府と掛け合ってプログラムの中止と会場の情報提供を求めて交渉中だ。
ただ状況は芳しくないらしい。そこで、我々魔法使いが連れさられた生徒達を独自に探し出し、救援に向かうことになった」
「それで、プログラムの会場は判明したのですか?」
先走るかのように高音がタカミチに尋ねる。
「先ほど調査部隊を編成して調査を開始したばかりだ。まだ会場の特定はできていない。……手がかりもない状態だからね。
君達2人は救援部隊に入ってくれないか?会場が特定できたらすぐに出発してもらう。それまでは待機していて欲しい」
「私達も調査を手伝います!」
高音は待つだけでは足りないと思い、調査の協力を申し出た。
高音の後ろでは美空が嫌そうな顔で「ゲッ!」と小さく声を上げていた。
だが、タカミチは首を振って答える。
「プログラムの会場の特定ができたら救援部隊には第一陣としてすぐに出発してもらう。
場合によっては政府関係者との戦闘の可能性もあるので万全の準備をしてもらいたい。
それに、調査部隊は情報収集を行うために多くは学園外に出るから掛け持ちさせることはできないんだ。
調査を行いたい場合は調査部隊の誰かと交替することになるが、どうする?」
その言葉に高音は調査への協力を諦めざるを得なかった。愛衣のことは自分の手で助けたかったからだ。
「……分かりました。私達はすぐに出発できるように準備をして待機しておきます」
「済まない。よろしく頼むよ」
そう言うとタカミチは他に集まっている生徒たちにも説明を行うために高音達から離れていった。
話を聞き終わり、美空は面倒くさそうな表情で待機命令を嫌がって逃げようとしていた。
それを見た高音は問答無用で美空の襟首を掴むと、待機場所へと引張って行った。
544523:2008/08/21(木) 21:45:45 ID:???
Scene5:「混迷」 〜愛衣〜

愛衣は何かから逃げるように森の中を闇雲に走っていた。

――人殺し!

委員長の言い放った言葉は愛衣を苦しめていた。
愛衣の視界が次第にぼやける。堪え切れなくなって涙が愛衣の頬を伝わって行った。
曜子は自分が殺した。その事実が愛衣の心に重くのしかかってくる。

――曜子を殺したのは不可抗力よ。私の意志じゃない!

――だって、曜子の方が先に私に襲い掛かって来たから。

――曜子は本気で私を殺そうとしていたのよ。

――私は殺されたくなくて必死だったわ!

心の中でいくつもの言い訳が浮かぶ。
しかし、そんなものは意味を持たないことは自分自身が良くわかっている。

―――人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!人殺し!

頭の中で繰り返される委員長の言葉。それが愛衣の心に深く突き刺さる。
でも、何も言い返せない。それは本当のことなのだから。
いっそのこと、全てを忘れて狂ってしまいたった。しかし、狂ってしまうところまでは行けない自分。
こんなところで死にたくない。……偽らざる自分の正直な気持ち。
悪い考えを振り払うかのように、体力の続く限り止まることなくただひたすら走り続けた。
545523:2008/08/21(木) 21:48:52 ID:???
――愛衣は森の中を進んでいる。
しばらくすると、突然視界の開けた場所へ出た。
そこは広場になっており、広場の中央にはコテージのような建物が建っていた。
コテージの前まで来て立ち止った愛衣は肩で息をしながら乱れた呼吸を整える。
考えてみれば、ゲームが始まってから今までの間ずっと心の休まる時間がなかった。
少しだけ休もうと思い、愛衣はコテージの中に入ることにした。
念のために誰か居ないか注意深く中の様子を伺うが、幸いにもコテージの中には誰も居ない。
愛衣はホッとして奥の部屋に向かって扉を開けて入ると、壁の隅に座り込んで壁に寄りかかって体を休めた。

大きく深呼吸をしながら高ぶった心を落ち着けようとする。
乱れた呼吸が収まると、今までに起こった出来事が愛衣の頭の中を駆け巡る。
「どうして……こんなことになっちゃったのかなぁ?」
誰も答えてくれない疑問を口にした。
目尻に溜まった涙を指先で拭うと、愛衣これから生き延びるためにどうすれば良いかを考え始める。

背負っていたデイパックを下ろすと、荷物を確認してみることにした。
ゲームが始まってから1時間以上経ってから、ようやく支給された物の確認を始める。
デイパックの中に水の入ったペットボトルを見つけたので、取り出して蓋を開けると一気に水を飲んだ。
走り続けてカラカラに乾いていた喉が潤っていく。
一息つき、愛衣はようやく心の落ち着きを取り戻した気分になった。
次に、地図とコンパスを取り出して現在位置の確認を行った。
このコテージに来るまでに記憶していた目印から、おおよその現在位置を把握することはできた。
デイパックの中にはクラス名簿や食料もが入っていたが、現在のところは必要ないので一旦取り出して床の上に置いておいた。
あとは一人に一つの武器が支給されているはずである。
愛衣はデイパックの奥を探ってみる。すると何か固いものに指先に触れた。
546523:2008/08/21(木) 21:51:02 ID:???
冷たい感触をしたそれを取り出してみる。
「これって、拳銃……よね?」
銃とともに説明書が入っていた。S&W M10と書かれてあったが、銃の種類など愛衣には良くわからなかった。
比較的強い武器が当たったのは幸運だと言って良いだろう。
しかし愛衣にはそのことを喜ぶ気にはなれなかった。
曜子を殺してしまったのはあくまで不可抗力であり、愛衣は人を殺すために銃を撃つ気はない。
だが、とりあえずは身を守るためにも銃は有効だと考え、デイパックの中に入っていた弾丸を銃に込めるといつでも取り出せる場所にしまっておいた。

荷物の確認を終えた愛衣は、ふと気がついたように右手に魔力を込めてみた。
しかし、思うように魔力を集中させることができない。
(魔法が……使えない!?)
このときになって愛衣は魔法を使うことができなくなっている事に気がついた。
今まで立て続けに起こった出来事に翻弄されて魔法を使えるかどうかを考える余裕がなかったからだ。
魔法が使えないことに愛衣はショックを受けていた。
心のどこかでいざというときは魔法に頼ろうという考えがあったことは否定できない。
だが、それ以上に愛衣には気になることがあった。
魔法が使えないのは自分の体調などに問題があるわけではないため、魔法が使えないように何らかの規制が働いていると考えられる。
その規制は主催者の手によって処置を行ったと考えるのが妥当だろう。
とは言うものの主催者である担任の教師は魔法と関わりのない者だ。
そうなると主催者のバックに魔法の関係者がいることになる。それが誰なのか愛衣はいろいろ考えを巡らせた。
しかし、手掛かりがない状態では予想することすらできずに手詰まりとなる。
仕方ないので、とりあえず魔法が使えないことについては考えないことにした。
547523:2008/08/21(木) 21:53:32 ID:???
次に愛衣は制服を探って自分の持ち物を確かめてみた。
携帯電話は没収されているらしく見つからなかった。手鏡も没収されている。
他の生徒と連絡を取り合える手段は主催者によって取り除かれているらしい。
その他で没収されていないのはハンカチ、ポケットティッシュ、櫛、そして生徒手帳だけである。
現状を打開するために役に立つものは一つもなかった。

愛衣は生徒手帳を持ち上げるとパラパラと頁を捲り、中に挟んであった1枚の写真を取り出した。
プログラムの運行に支障のない写真は没収されなかったらしい。
写真の真ん中にはミッキーマウスが居る。それを愛衣と高音・D・グッドマンの2人が挟んで立って笑顔で写っていた。
2人でディズニーランドに遊びに行った時の写真だった。
「お姉さま……」
愛衣は写真に写った高音を見て涙を浮かべる。
高音は融通の利かないところや少々抜けているところはあったが、揺らぎない信念と優しさを兼ね備えた人だった。
そして、どちらかというと引っ込み思案でドジな愛衣を力強く引っ張ってくれる存在だった。
そんな高音のことを愛衣は姉のように慕っており、高音も愛衣のことを妹のように可愛がってくれていた。
愛衣が高音のことを「お姉さま」というのを聞いて周りの友人からは百合とかレズとか言われてからかわれたこともあったが、愛衣は大して気にはしなかった。
(今頃お姉さまはどうしているのかな?)
愛衣は高音のことを考ええていた。
自分達のクラスがバトルロワイヤルに参加していることを彼女はもう知っているのだろうか?
もしそうであれば正義感の強い彼女のことだ、愛衣達を助けようと既に動いているかも知れない。
「お姉さま……助けて……」
写真を見ながら愛衣は呟いた。再び涙が込み上げてくる。
「もう一度、お姉さまに会いたいよぅ……」
愛衣の心からの願いだった。
548523:2008/08/21(木) 21:58:22 ID:???
Scene6:「岐路」

これからどうすれば良いか愛衣は考える。
愛衣は死にたくはなかった。そして高音にもう一度会いたかった。
しかし、彼女に会うためには、このゲームを生き残らなければならない。

――生き延びる?それって、クラスメートを殺すってこと?

――もう一人殺してしまっている。一人殺すのも大勢殺すのも同じよ。

――でもあれは不可抗力でやったことよ。自分の意思でやった事ではないわ!

――ではどうするの?殺さなければ誰かに殺されるだけなのよ!

――どうって……今は対策は考え付かないけど……

――ならばゲームに乗るべきだわ!生き残りたいのでしょう?

――いやよ!私はもうクラスメートを殺したくはないわ!

生き延びたいという欲望、人を殺したくないという本心、クラスメートを殺せば生き延びることができるという黒い誘惑。
様々な思考が愛衣の頭の中を駆け巡る。
(やめてぇっ!私を惑わせないで!)
愛衣はさまざまな感情の渦に飲み込まれそうになっていた。
「もうやだあぁ――っっ!」
そう叫んだ愛衣は両目を瞑り、両耳を塞いだままうずくまる。

愛衣は何も考えることができないまま、まるで時が止まったかのように微動だにしなかった。
そして時間だけは緩やかに流れていた。
549523:2008/08/21(木) 22:00:04 ID:???
――遠くにあるスピーカーから音楽が流れ、担任の教師の声が定時放送を始めることを告げていた。
いつの間にかバトルロワイやるが開始してから3時間が経過したらしい。

放送が耳に入ると愛衣の意識は現実へと引き戻された。
愛衣はゆっくりと頭を持ち上げると、床に置いていたままにしていた地図とクラス名簿を取り上げた。
これから自分がどうすれば良いのか結論は出ていない。しかし、今は生き延びるためにも流れてくる放送に耳を傾けた。
担任の教師の声が死んだ生徒の名前を読み上げていく。
死者の中で曜子の名前が呼ばれたときには愛衣の鼓動が大きく跳ね上がった。
愛衣は歯を食いしばり、心の痛みに耐えながら放送に耳を傾ける。
立ち入り禁止エリアを伝え終えた教師は、心のこもらぬ応援の言葉とともに放送を終えた。
愛衣はクラス名簿の死亡者の顔に×印をつけ、地図に立ち入り禁止エリアと時間を書き込むと、地図と名簿を交互に見比べながら考え込んだ。
今の放送でクラスの5人の生徒が死んでしまっている。
だが、その中には愛衣にとって一番の親友の皐月の名前は呼ばれていなかった。
サツキとメイ。どこかで聞いたような名前の組合せだ。
同じ5月を意味する名を持つ2人は初めてクラスメートになると妙な親近感を持ち、仲良くなるまでに時間はかからなかった。
ちょっと引込み思案なところのある愛衣と、社交的で行動力のある皐月。
愛衣にとってはクラスメートの中で皐月が最も信頼できる存在だった。
曜子からの襲撃や委員長との出会いによって忘れかけていたが、愛衣は校舎から出た後は最初に皐月と合流しようと考えていたのだ。
ゲームが始まってかなり時間が経過してしまったが、まずは皐月と合流するべきだと愛衣は考える。
愛衣は、彼女と一緒ならこのゲームを乗り切れるような気がした。
(まずは皐月を探そう!)
方針を決めた愛衣は、頬に残っていた涙の跡を拭うと立ち上がった。
先程の放送でこのコテージも30分後には立ち入り禁止エリアになるのであまりゆっくりはしていられない。
愛衣は地図を見直すとこれから向かう場所の位置を確認し、コテージを後にして走り去って行った。
550523:2008/08/21(木) 22:01:02 ID:???
続く。
551523:2008/08/23(土) 00:52:53 ID:???
続き
552523:2008/08/23(土) 00:54:19 ID:???
Scene7:「遭遇」

愛衣は辺りを警戒しながら森の中を進んでいた。
親友の皐月と合流するのが目的であるが、見知らぬ島の中で皐月の行きそうな場所の当てがあるわけではない。
地図の中に灯台があるのを見つけて、灯台のような目印となる場所であれば他に誰か生徒が居るかもしれないと愛衣は考えた。
そこに皐月が居るかどうかは分からないが、取り敢えずはそこに向かうことにした。

灯台に向かう途中で、愛衣は自分の前方を歩いている生徒に気づいた。
警戒しながらその生徒の様子を伺う。
(……サツキじゃない)
小柄でショートカットの後姿の少女だった。彼女がこちらを向くと眼鏡をかけている顔が見え、それが誰だかわかった。
「千夏ちゃん……」
千夏と呼ばれた少女も愛衣の存在に気がついた。
「佐倉……さん?」
思わず銃に手が伸びそうになる。だが、愛衣は相手を警戒させない方が良いと考えて、その手を止めた。
愛衣が見る限り千夏は武器を手にしてはいない。
愛衣と千夏はそれ程親しい間柄ではないが、クラスメートとして普通に会話している関係である。
温厚で優しい性格の千夏はゲームに乗っていない可能性が高かった。
「佐倉さんはゲームに乗っていないのですか?」
愛衣の内心を余所に、普段どおりの口調で先に千夏の方が話しかけてきた。
その様子から、彼女もゲームには乗っていないと愛衣は確信した。
「うん。私はゲームには乗っていないよ」
両方の手のひらを千夏に向けて戦う意思がないことを伝えた。
それを見て千夏の方も安心したように頷いた。彼女も愛衣のことを信用してくれたらしい。
「ちょうど良かった。佐倉さんも協力してもらえませんか?」
「何を?」
「私は、ここから脱出しようと考えています」
553523:2008/08/23(土) 00:56:13 ID:???
「脱出!?」
愛衣は千夏の言っていることに疑問が湧いた。
自分たちは首輪によって行動に制限がかけられている。
海は立ち入り禁止エリアであるために、首輪があるままでは海に出ることはできない。何か対策でもあるのだろうか?
考え込んだ愛衣の様子を見て、千夏は話を続ける。
「どうやって脱出するのか疑問ですか?では説明しますね。
BR法が制定されて以来、無作為に選ばれたクラスが強制的に殺し合うプログラムが毎年実施されるようになりました。
プログラムは政府が主体となって運営されていますが、一部の政界や財界でこの法律に強硬に反対する勢力も存在します。
彼らはBR法の撤廃を叫ぶと同時に、プログラムの妨害行為やプログラムに巻き込まれた生徒の救済活動を行っています。
プログラムの会場は非公開ですから彼らがプログラムの開催を察知したり、会場を突き止めて助けに来てくれる可能性は低いです。
ですが、こちらから助けを呼ぶことができれば必ず助けに来てくれるのです」
千夏の説明を聞いて愛衣は少し驚いた。
普段は目立たない生徒である彼女がここまで冷静でしっかりした考えを持っているのは意外だったからだ。
「それって本当?本当に私達を助けに来てくれるの?」
僅かに期待を込めて愛衣は千夏に確認する。
千夏は助けに来てくれることを確信しているようだが、愛衣にはまだ少し不安があった。
「ええ、間違いありません。
表立って活動するわけには行かないので存在はあまり知られていないのですが、彼らは地下組織として全国的に活動しています。
その中にはバトルロワイヤルに参加させられた人たちも居るそうです。
ですから、連絡さえつけることさえできれば……この首輪とかも何とかしてくれるはずです」
千夏の説明を聞いて、愛衣は助かる希望が沸いてきた。
それに加えて学園の魔法使い達に連絡を取る事ができれば学園からの救援が期待できる。
そこまで考えた時、愛衣にある疑問が浮かんできた。
554523:2008/08/23(土) 00:57:43 ID:???
何故千夏はそこまで秘密裏に動いている組織のことを知っているのだろう?
疑問に思った愛衣は、千夏に尋ねてみた。
「ねえ千夏ちゃん、何でその組織のことをそこまで詳しく知っているの?」
その瞬間、千夏の顔が一瞬こわばった。
そして悲しそうな表情をしながら顔を伏せた千夏は愛衣の質問に答えた。
「……私の姉が2年前にプログラムの参加者になりました。
その時に組織のことを知りました。……残念ならが姉は生きて帰ることは出来ませんでしたけどね」
「……ごめん、嫌なことを聞いて」
「いえ、気にしないで下さい」
2人の間に沈黙が流れた。
気まずくなった空気を変えるため、千夏が努めて明るい口調で話を続ける。
「ですから、まずは通信手段を確保します。
私はこの島の公民館らしき建物を調べて島の中の緊急事態が起こった時のマニュアルを見つけました。
その中に島中の避難設備や通信設備の設置場所の書かれた資料がありました。そこを今回っているところです。
公民館にも通信機器はあったのですが、残念ながら主催者の手によって破壊されていました。
ですが一通り回ってみれば見落とされている通信機器が一つくらいあるかも知れませんので探しています」
「それで、私は何をすれば良いの?」
「まずは通信機器を探すのを手伝ってください。
連絡をつけることさえできれば、その後で生き残っている生徒たち全員に脱出を呼びかけます。
その時に一緒に脱出を呼びかけるのに協力して欲しいのです」
一通りの千夏の説明を聞いて愛衣は考える。
愛衣としての最優先事項は親友の皐月と合流することであった。
だが、皐月と合流しても脱出する方法などない状態では、いつかは自分たちも死を待つのみだろう。
脱出手段を確保することの方が優先されるべき事であると判断した。
それに脱出する手段さえ確保できれば他の生徒たちとも戦う必要はなくなるのだ。
「うん、わかった。私も協力するよ!」
「ありがとう」
千夏は愛衣に手を差し出した。愛衣はその手をしっかりと握りしめた。
555523:2008/08/23(土) 00:59:37 ID:???
Scene8:「探索」

協力し合うことが決まると愛衣と千夏は2人揃って移動を始めた。
2人が合流した場所から最も近くにある通信機器のある場所が灯台だった。そのため2人は灯台に向かうことになった。
元々愛衣も灯台に向かっていた所だったので愛衣に異論はない。
通信機器の場所を把握している千夏が前を、愛衣が後ろの警戒を担当しなから森の中を移動していった。
道中で2人は話し合い、途中で出会った生徒で仲間になってくれそうな人には協力を呼びかけて仲間を増やすことにしていた。
「この先です」
先導する千夏は愛衣の方を振り向いて指差した。
木々の間から灯台のシルエットは見えていたから愛衣も近くまで来ていることは分かっていた。
森を抜けて灯台に近づくと、千夏は一足先に早足で灯台に向かって行った。
愛衣は先に行く千夏の背中から視線を動かして灯台から一望できる海を眺めた。
そろそろ日が傾き始めており、太陽が海に沈みかけていた。
日没まではまだ少しの余裕があるが、暗くなると行動が制限されるのであまりゆっくりはしていられない。
夜になるまでに使えそうな通信機器を見つけたいところだった。
愛衣は踵を返すと、先に灯台に向かった千夏の後を追いかけた。

少し遅れて灯台の入口に辿り着いた愛衣は、入口の前に立ち尽くしている千夏の側までやって来た。
「どうしたの?」
何故中に入らないのか不審に思いながら愛衣は灯台の中に目を向けた。
556523:2008/08/23(土) 01:01:06 ID:???
まず最初に目に入ったのは真っ赤に飛び散った血に染まった部屋の壁だった。
視線を下に下ろすとそこには死体が2つ転がっていた。
「ひぃっ!」
愛衣の口から悲鳴が漏れる。
千夏も死体を目撃したショックからか、しばらくの間は突っ立ったままであった。
「誰かに……殺されたみたいですね」
我に返ったのか、千夏が短く呟いた。
愛衣を入口に残したまま恐る恐る中へ入っていった千夏は、倒れている生徒の一人の首筋に手を当てる。
倒れている生徒が既に息絶えていることを知った千夏は悲しそうに愛衣に向かって首を振った。
「……まだ暖かいです。彼女達を殺した生徒はまだ近くに居る可能性がありますね」
その言葉に愛衣はビクッと反応し、慌てて外の様子を窺う。
灯台の外には誰も居なかった。
「私達がここに来た事に気付かなかったのならば、彼女達を殺した生徒がわざわざ戻ってくることはないと思いますが……。
用心した方が良いですね。佐倉さん、一応入口で周囲を警戒していてもらえますか?」
愛衣は無言のまま頷くと、拳銃を取り出して外の様子を注意深く窺った。
見張りを愛衣に頼んだ千夏は、部屋の中を見回して通信機器を探し始めた。
そして通信機器を見つけると、機器のスイッチを弄りながら状態の確認を行う。
意外と千夏は肝が据わっているらしく、死体を見ても落ち着いており、取り乱すこともない。
その様子を見て愛衣は千夏のことを頼もしく思えた。
「……だめですね。この通信機器も壊されて使えません」
残念そうにそう言うと、千夏は愛衣の元まで戻ってきた。
「周囲に誰か居ましたか?」
「ううん、誰も居ないよ」
千夏は下を向き、親指をあごの下に当てて考える。
「彼女達を殺した生徒は灯台の近くには居ないみたいですね。でも、まだそれほど遠くには行っていないかも知れません。
見通しの良い道を歩くのは危険ですね。こちらも敵の姿を早く確認できますが、それは敵も同じことです」
そして千夏は顔を上げて愛衣の方を見た。
557523:2008/08/23(土) 01:01:58 ID:???
「ゲームに乗った生徒に見つかるのは得策ではありません。
私達がここに来るまでに誰にも出会わなかったことから、来た道が最も安全と考えられます。来た道を一旦引き返すことにしましょう」
「うん。わかった」
愛衣も同意すると、2人は来た道を引き返し始めた。
ゲームに乗った生徒は他の方向に向かったのか、幸いにも2人は誰にも出会うことなく灯台から移動することができた。


別の通信機器を探すために愛衣と千夏は森の中を進んでいる。
「ねえ千夏ちゃん、ちょっと聞いても良い?」
前を歩く千夏に愛衣が話しかける。
「何ですか?」
先を歩きながら千夏は返事をする。
「通信機器を探すのは良いのだけど、このまま通信機器が全部壊されていたらどうしよう?」
主催者側としてもプログラムの参加者が外部と連絡を取ることは避けたいところだろう。
状況的には全ての通信機器が壊されている可能性もあった。
通信機器が使えない場合は彼女達の計画は頓挫する。そう考えると愛衣は心配になっていた。
千夏は立ち止まると、愛衣の方へと振り向いた。
「一応あと2箇所ほど確認してない場所はありますが、勿論それらが壊されている可能性も充分考えられます。
その時は壊された程度の低い機器を修理してみるつもりです」
「修理?」
「はい。修理できるかどうかは分かりませんが、やれるだけの事はやってみます。
それに、まだ確認していない2箇所はあまり人が立ち寄らない場所なので、主催者側に見落とされている可能性はあると私は睨んでいます。
最後まで希望を捨てずに頑張りましょう」
「うん!」
千夏は強い。愛衣はそのことを強く感じた。
偶然とは言え、愛衣は千夏と出会えたことに内心感謝していた。
558523:2008/08/23(土) 01:03:14 ID:???
千夏は地図と時計を確認する。
「夕暮れまで時間があまりありません。少し急ぎましょう」
そう言って歩みを速めて先を急ぐ千夏の後を愛衣も慌てて追いかける。

――その瞬間、一発の銃声が周囲に木霊した。
前を歩く千夏の体がゆらりと斜めに傾いた。
そして崩れ落ちるかのようにゆっくりとその場に倒れ込む。

「ち、千夏ちゃん!?」
何が起こったのか訳がわからずに愛衣は倒れた千夏に駆け寄ろうとした。
しかし再び銃声が響き、千夏の近くの地面が土を吹き上げたのを見て愛衣は足を止める。
(狙撃?ライフルで狙われている!?)
千夏が狙撃されたことを理解した愛衣は慌ててその場に伏せた。
そっと周囲を窺うが近くに人の気配はない。
首を巡らせて千夏を狙えそうな場所を探してみると、ちょっと離れた所に小高い岩山が見える。
岩山の頂上付近で何かが光を反射していた。
(……あそこから狙ったのね)
それだけを確認した愛衣はすぐに首を引っ込めて岩山から狙えない位置に移動する。
「どうしよう……」
狙撃手は愛衣も居ることに気付いている可能性が高い。
愛衣が居る場所は森の木々がブラインドになって岩山からは隠れてはいるが、千夏が倒れている場所は木々のブラインドが途切れている。
狙撃手は沈黙しているが、千夏に近づいて木々のブラインドから抜けた時には迷わず撃って来るだろう。
倒れている千夏に近づくことさえできず、離れたところから様子を見ることしかできなかった。
559523:2008/08/23(土) 01:04:02 ID:???
千夏は2、3回体をビクビクと痙攣させた後は動かなくなる。
それを見た愛衣は悲しそうに両目を瞑った。
「ゴメン、千夏ちゃん。助けることができなくて……」
愛衣は搾り出すようにそう呟いた。
両目から零れ落ちた涙の雫が愛衣の頬を伝っていた。

愛衣は亡骸となった千夏に背を向ける。
先へ進めない以上、来た道を引き返すしかない。
通信機器の設置場所の情報は千夏が持っていたが、千夏に近づけないために情報の入手は諦めるしかなかった。
それは、助けを呼ぶ計画が白紙になってしまったことを意味している。
脱出への希望が絶たれてしまったため、愛衣の心は大きく沈んでいた。
そして何よりも信頼していた大切な仲間が殺されてしまったことに寂しさと絶望感で押しつぶされそうになっていた。
しかし悲しんでばかりもいられない。
今は愛衣自身も狙撃手に狙われている。
愛衣は木々のブラインドに隠れながら、急いでその場を後にした。


そして、一人になった愛衣は森の中を当ても無く彷徨っていた。
既に夕暮れとなり、森の中も薄暗くなっている。
「夜になるまでにどこか隠れる場所を見つけなきゃ……」
森の中を進む愛衣の足取りは重かった。
560523:2008/08/23(土) 01:05:11 ID:???
続く。週末は投下は早い予定。
561マロン名無しさん:2008/08/23(土) 01:07:53 ID:???
乙した
562マロン名無しさん:2008/08/23(土) 16:43:38 ID:???
オリキャラ(笑)
563523:2008/08/23(土) 18:07:46 ID:???
続き。
564523:2008/08/23(土) 18:09:17 ID:???
Scene9:「焦燥」 〜高音〜

――麻帆良学園に夜が訪れていた。
遅くまで部活動をしている生徒を除いてほとんどの生徒は帰宅している。
学園内外では魔法使い達が行方不明となっている愛衣のクラスの行方の探索を続けていた。
しかし、現状では芳しい情報は得られていない。
救援部隊として待機を命じられていた高音は光明の見えない状況に内心イラつきながらただひたすら朗報を待ち続けていた。
下校時間を過ぎた時点で救援部隊の学生は自宅待機となり寮に帰っても良くなったが、高音は愛衣のことが心配で寮に戻る気にはなれなかった。
「まったく……行方不明となった生徒達の居場所を探すのにどれだけ時間をかけているんですかっ!」
長時間、ただひたすら待つことに耐えかねた高音が憤慨して声を荒げる。
「しゃーねッスよ。生徒達を連れ去るために学園への進入は誰かが手引きしたのは間違いないッス。
だけど、その手引きした人間が誰なのかもさえまだ分かっていないんだから。
しかも学園から生徒達を拉致するのも手際よく行われて、ほとんど目撃者もいない状態。……まさにプロの仕業ッス。
まあ一部の目撃情報で生徒達を収容したヘリが向かった方向までは分かったらしいッスけど、追跡はできていないみたいだしね。
とにかく手がかりが少ないから、少ない情報を元に徹底的に探しまくっているらしいッスよ?」
高音と共に学園内にまだ残っていた美空が気のなさそうに返事をする。
「そんなことは貴方に教えられなくても分かっています!
しかし、それにしても時間がかかりすぎではないかといっているんですっ!」
「そんなこと私に言わないでよー。調べているのは私じゃないんだしぃ……。
みんな必死になって調べてるんだから、あまり悪く言っちゃ駄目じゃないスか」
「わ、分かってます。今のは言い過ぎましたわっ!」
少しバツが悪くなって高音は顔を背けた。
誰もが必死に愛衣のクラスの生徒達を探しているのは高音にも良くわかっている。
ただ、待つだけの辛さに耐えかねて思わず調査部隊の人達を悪く言ってしまったことを内心で恥じた。
565523:2008/08/23(土) 18:10:52 ID:???
「……ところで、もうかなり遅くなりましたけど、貴方は寮に帰らなくて良いのですか?」
落ち着きを取り戻した高音は、学生は帰って良いといわれたのにのかかわらず自分と同様に学園に残っている美空の行動に疑問を持って尋ねてみた。
待機中も面倒くさいなどとダラダラ愚痴を言い続けていた美空である。
高音はその都度不真面目な態度に腹を立てて注意し、口論になっていたのだ。
これまでの美空の態度を考えると、帰って良いと聞けば嬉々として帰るはずであった。
「んー?いやまあ、今日は寮に帰ってもやることがないから。
何か進展があったら面白くなりそうだから残っているッス」
「面白くって、不謹慎ですよ!」
「あー、言い方が悪かったッスね。これでも一応は行方不明の生徒達のことを心配しているんだよ?」
「それならば、もう少し真面目な態度を取りなさい!」
憤慨しながら高音は美空に注意する。
「へいへい。……うるさいなあもう」
なんだかんだで美空とのやり取りの間は気がまぎれることができる。
強がってはいるものの、高音は美空が残っていることに内心で心強く思っていた。

――無言のまま時間が流れる。
調査に協力していたタカミチが、高音達が待機している部屋へやってきた。
「君達、まだ残っていたのか」
「高畑先生、何か進展はありましたか?」
「……残念だが大して進展はしていないよ」
「そうですか……」
タカミチの言葉に高音はがっくりと肩を落とす。
「調査はまだ続けるが、もう遅いから君達も帰りなさい。調査部隊として残っていた生徒達全員に帰宅指示が出た。
あとは教師達に任せたまえ」
「で、ですがっ!」
566523:2008/08/23(土) 18:12:50 ID:???
「……心配なのは良くわかるが、学生である君達の体に余計な負荷をかけるようなことはできない。
それに、夜遅くなった状況では例え居場所が判明しても動くのは明日の朝になる。だから今はとにかく休みなさい」
納得できない高音だが、教師からの命令では仕方ない。
渋々ながら高音も帰り支度を始める。
「ふあ〜、やっとみんな帰れるッスね。お疲れ様ッス〜」
同様に帰り支度を始める美空の言葉を聞いて高音はふと考えた。
もしかしたら美空は自分のために今まで残っていてくれたのかもしれない。自分を元気づけるために……。
考えて見れば、美空は今日一日中ずっと自分と一緒に行動していた。
普段の美空なら、そんなことは絶対にしないはずである。
時折自分にちょっかいをかけたりした事について、今考えるとわざと高音を怒らせるための行動や言動が多かったように思える。
実際に高音は美空が側に居てくれてずいぶん気が軽くなってた。

とは言え、そのことを美空に問い正したとしても正直に答えてくれないだろう。
そう思った高音は帰ろうとしていた美空の背後からポンと肩に手を置いて一言だけ礼を言った。
「今日は一緒にいてくれて助かりましたわ。ありがとうございました」
「え、あ、い、いや、き、気にすることないッスよ」
高音の口から感謝の言葉が出てくるとは思っていなかったのか、美空は少し動揺しながら答えた。
どうやら高音が考えていた通りらしい。
高音は口元に笑みを浮かべる。
さりげない美空の思いやりに感謝しながら、高音は美空と別れて寮へと向かっていった。
567523:2008/08/23(土) 18:17:44 ID:???
Scene10:「孤独」 〜愛衣〜

――夜。
島を暗闇が覆い、島の中全体を暗闇が支配していた。
夜になると生き残っている生徒の大半は日が昇るまでじっとしていたが一部の生徒は夜でも動いていた。
時折遠くから銃声が響いているのが愛衣の耳にも聞こえてくる。
愛衣は民家から1枚の毛布を失敬し、日が暮れる前に見つけた海岸沿いの小さな洞穴の中で息を潜めて夜が過ぎるのを待っていた。
建物の中で誰かと鉢合わせした時が怖くて外で夜を過ごすことにしたのだ。
明日のためにも少しでも眠っていたいところだが、今日一日に起こった衝撃的な出来事のショックで寝ることはできなかった。
特に自分の手で殺してしまった曜子と、自分の目の前で殺されてしまった千夏の姿がまるでフラッシュバックのように愛衣の脳裏に蘇る。
外は月明かりで僅かに明るい。
まるで、たった一人で見知らぬ異世界に置き去りにされたような錯覚を覚えた。
愛衣はこれから先で一人でどうするかと言う不安と、たった一人でいる心寂しさで身震いする。
胸ポケットの中から愛衣と高音が写っている写真を取り出した。
「お姉さま……」
写真を見ていると涙がこみ上げてくる。
零れ落ちた一粒の涙が写真の上に落ちた。
568523:2008/08/23(土) 18:18:53 ID:???
Scene11:「意思」 〜愛衣〜

――プログラム2日目

島の中を朝日が照らし始めた。
もうすぐ放送が始まる時間である。
愛衣は空が明るくなり始めた頃にはもう目を覚ましていた。
あまりよく眠れてはいない。2〜3時間はウトウトできた位である。
しかし、これから殺し合いのゲームが再び始まるので眠いなどとは言っていられない。
それに、体は疲れていても眠りたい気分にはなれなかった。
愛衣はデイパックの中からパンを取り出した。極度の緊張と恐怖感によって昨日はろくに食事を取っていなかった。
今も食欲は湧かなかったが、ある程度エネルギーを補給しておかないと体が動かなくなることもある。
生き残るために、愛衣は無理やり水で流しこむようにしてパンを食べた。

そうしているうちに2日目最初の放送が流れる。
担任の教師は形だけの朝の挨拶をした後、新たに死亡した生徒の名前を読み上げた。
昨夜の間にも殺し合いが行われたらしい。数人の生徒の名が呼ばれる。
愛衣はクラス名簿の殺された生徒の顔に×をつけていく。
2日目の朝の時点でクラスの半数以上が既に死亡していた。
半分以上が×で埋まったクラス名簿を見ると愛衣の気持ちが重くなる。

だが、幸いにも皐月の名前はまだ呼ばれていなかった。
彼女はまだ生きている。それだけが愛衣にとってせめてもの救いだった。
569523:2008/08/23(土) 18:21:50 ID:???
愛衣は昨夜に考えていた今後の行動についてもう一度確認する。
当面の優先順位は皐月との合流は変わらないとしても、生き残っている生徒の中で仲間になれそうな人がいたら脱出の協力を呼びかけるつもりだった。
昨夜は一晩中いろいろ考えた結果、昨日千夏が話してくれた計画の通り、通信機器を見つけて助けを呼ぶしかないという結論に至っていた。
ゲームに乗らずに生き延びるにはそれしか方法がないだろう。
一夜明けた今なら千夏を撃った狙撃手も移動している可能性は高い。
生き残りは半数以下に減っているため一箇所で待ち伏せしても効率が悪いからだ。
愛衣は千夏の死んだ場所へもう一度行ってみると決めていた。
方針を固めた愛衣は、荷物をまとめるとデイパックを肩に担ぎ、昨日千夏が撃たれた場所を目指すために立ち上がる。
愛衣は洞穴から出ると海岸沿いを歩いて森へ向かった。

森の中に入ると、目的地に向かって黙々と進んでいく。
念のためにいつでも戦えるように銃を握り締めていた。
しばらくの間はクラスメートの誰にも出会うことはなかった。
(サツキはどこに居るのだろう?誰かに殺されていなければ良いんだけど……)
早朝の放送では皐月は生きているはずだが、なかなか親友と出会えない事で愛衣は不安になっていた。
一人で行動しなければならない心寂しさもあった。
愛衣は立ち止まると、胸ポケットから写真を取り出した。
今まで何回そうしたことだろう。愛衣は写真を眺める。
写真の中の高音は愛衣に向かって微笑んでいた。
「お姉さま、私を守って!」
高音の顔を見て自分を勇気付ける。
そして、写真を胸ポケットへ入れると、強い足取りで森の中を進んで行った。
570523:2008/08/23(土) 18:23:22 ID:???
――複数の銃声が聞こえてきた。

「て、敵!?」
愛衣は態勢を低くすると用心深く周囲を窺った。
視界の範囲には人は見当たらない。
だが銃声の大きさから判断すると結構近い場所で銃声がしている。
そしてマシンガンような連続した銃声が重なって聞こえて来た。
「誰か戦っている……」
間違いない。どうやらこの近くで銃撃戦、つまりは殺し合いが行われているらしい。
銃声が鳴る間、愛衣はその場から動かなかった。
持っていた銃を両手でしっかり握り締め、音のする方向から人が自分の方に来ないかと警戒していた。

――数分後、銃声がぱったりと止んだ。
勝負がついたらしい。
愛衣はかなり迷ったが銃声のした場所へ行ってみることにした。
誰か生きている生徒が居るかもしれない。
その生徒がゲームに乗っていた場合は愛衣の身が危険になるのは百も承知である。
しかし、その中に皐月がいた可能性もあるし、ゲームに乗らずに生き残っている生徒がいる可能性もないわけではない。
現状打開のためにも、愛衣は多少のリスクを覚悟した。

周囲を警戒しながらを愛衣はゆっくりと銃声のした方へと歩いて行く。
すると、愛衣の視線の先に倉庫のような建物を見つけた。
その入口に人らしき何かが横たわっていた。どうやらそこが戦場になっていたらしい。
571523:2008/08/23(土) 18:25:32 ID:???
倉庫に近づくに連れて、焦げ臭い匂いの中に鉄のような匂いが漂ってくる。
(……血の匂い?)
周りを見回し、動く人の気配がないのを確認すると倉庫の近くまで駆け寄った。

倉庫の入口に倒れていたのは血まみれになったクラスメートだった。
彼女は既に死んでいるようで動かない。
予想していたことだが、愛衣は思わず生徒の死体から目を背けた。
死体はうつ伏せになっていて顔は見えなかったが、背格好や髪形から皐月ではないのは分かる。
倉庫の入口の扉が開け放たれており、愛衣はそこから中を恐々としながら覗いてみた。
入口付近にもう一人の生徒が背中を向けて倒れていた。
奥の方に目を向けると、さらに一人の生徒が倒れているのが見えた。
その2人も皐月ではなかった。
死体から目を反らすと、愛衣は両目を瞑って小さく祈りの言葉を呟いた。

そして、恐る恐る入口に倒れていた死体を触ってみた。
まだ暖かい。
彼女たちは、つい最近殺されたことを物語っている。
状況から推測すると、この3人は一緒に行動していたのではないかと考えられる。
倒れている3人の中にマシンガンを持った生徒はいなかった。
3人を殺した生徒が最初から持っていたのか、3人を殺して奪ったのかは分からない。
ただ、これだけは言える。
マシンガンを所持し、ゲームに乗っている生徒が愛衣の近くに居るのはほぼ間違いないということだった。

(ここに居ては危険だ!)
愛衣は周囲を見回すが人の気配はない。
3人を襲撃した生徒はここから移動したみたいだが、まだ近くにいるはずである。
愛衣は音を立てないように忍び足でその場から離れ、急いで他の場所へと移動した。
572523:2008/08/23(土) 18:28:15 ID:???
森の中を早足で歩きながら愛衣は考える。
早朝の放送でクラスの生徒は半分以下に減っていた。
新たに発見した3人の死亡者を加えると、生き残っているのは愛衣を含めてあと10人程度である。
その中には親友の皐月もおそらくはまだ生き残っているが、マシンガンを持ってクラスメートを殺し回っている生徒もいる。
ゲームは終盤にさしかかっていた。
「急がないと……手遅れになる!」
早く皐月と合流して脱出しないとゲームに乗った生徒に殺される可能性は高くなる。
それに時間切れになるかもしれなかった。
愛衣は歩調を速めると、昨日に千夏が狙撃された場所へ向かって行った。

――ほどなくして、千夏が狙撃された場所へ辿り着いた。
愛衣の視線の先には昨日と同じ姿勢で倒れている千夏の姿がある。
「千夏ちゃん……」
昨日のことを思い出して愛衣の表情が曇る。
愛衣は上着を脱ぐと、近くに落ちていた木の棒の先に引っ掛けて、そっと千夏の近くまで持って行って空中にかざしてみた。
誰も撃って来ない。
愛衣は意を決して千夏の側まで駆け寄った。そしてデイパックを手に取るとすぐに木の茂みの中へ隠れた。
狙撃手が場所を移動したのかどうかは分からないが、愛衣が撃たれることは無かった。
撃たれなかったことに安心した愛衣は額に浮かんでいた汗を拭い、ホッとして大きく息を吐いた。
すぐに千夏の持っていたデイパックを開けると通信機器に関する資料を探し始める。
「あった!」
食料や水は誰かに奪われていて見当たらないが、資料は手付かずのまま残っていた。
愛衣は資料だけ抜き取ると、デイパックをその場に放置して内容を確認する。
「ここと……ここね。よし!」
千夏が行っていないと言っていた場所を地図で確認した愛衣は顔を上げる。
そのうちの一箇所は、千夏も言っていたように島の中でもあまり人の立ち入るそうにない場所にあった。
主催者側が見落としている可能性は高い。
タイムリミットが迫っている。愛衣はその場所へと急いだ。
573523:2008/08/23(土) 19:07:02 ID:???
ばいさる食らってた・・・・・続く。
574マロン名無しさん:2008/08/23(土) 23:35:11 ID:???
>>539-540
ライフルってパァーンって感じのイメージがある
575マロン名無しさん:2008/08/24(日) 13:52:13 ID:???
ライフルでパァンは軽いなぁ
576マロン名無しさん:2008/08/24(日) 15:24:39 ID:???
アサルトライフルかスナイパーライフルかで変わるだろ
577別館まとめ:2008/08/24(日) 18:32:00 ID:???
もうすぐ別館HIT数も10000に届きそうなところまできました。
10000Hit越えたらなにか下さい。

>短編作者の方
乙です。滅多にロワに参加しない愛衣が主役なのが良いです。

☆ 別館更新情報 2008/08/24 ☆
『お宝発見?絵画展示室』
 No223〜No227の画像を保管。

更新内容が少なくても少しずつ更新。継続は力なり。

http://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html
578523:2008/08/24(日) 20:26:19 ID:???
続き。

その前に、別館まとめさんも乙っす。
コンスタントな更新、頭が下がります。
579523:2008/08/24(日) 20:29:48 ID:???
Scene12:「遺言」

「……近くまで来たはずよね。この先かな?」
通信機器のある場所の近くまで来ていた愛衣は、地図を見直して場所を確認していた。

――パン!パン!パン!

いきなり前方から銃声が聞こえてきた。
「また!?誰かいる?」
思わず愛衣は立ち止まる。今日は何かと良く人と遭遇するらしい。
近くにあった木の陰に隠れると、銃を構えて辺りを見回した。
ゲームに乗ったクラスメートが近くに居るのは間違いない。
だが愛衣には脱出するための計画がある。
仮にゲームに乗った生徒と出会ったとしても、会話することさえできれば脱出を持ちかけて交渉する余地があった。
愛衣は用心しながら1歩ずつ目的地に向かって進んでいった。

すると、前方で誰かが倒れている姿が目に入る。
長い1本の三つ編み、委員長だった。
彼女はもがくように動いているのでまだ息はあるようだ。
愛衣は委員長の側まで近寄って、上半身を抱き起こすと声をかける。
「委員長、大丈夫?誰にやられたの?」
委員長は声をかけたのが愛衣だと知り、少し驚いた顔をした後で自嘲気味に笑みを浮かべた。
「あんた……なの?……縁があるわね……」
体に数発の撃たれた跡があり、制服は真っ赤に染まっていた。
「委員長、しっかりしなよ!」
彼女はもう手遅れだと分かっていながらも愛衣は委員長の体を揺らして声をかける。
580523:2008/08/24(日) 20:31:14 ID:???
委員長の目から次第に光が失われていく。
最後の力を振り絞り、委員長は愛衣の耳元に口を寄せる。
「皐月……さんには……気を付け……なさい……」
そう言うと、委員長の体から力が抜けてぐったりとなる。
「い、委員長?しっかりしてよ!」
愛衣は委員長の体を強く揺さ振った。しかし、彼女は2度と動くことは無かった。
「………」
愛衣は諦めたように委員長の体をゆっくりと地面に下ろした。
そして、彼女の言葉の意味を考える。
「サツキには……気をつけろ?それって、どういう意味……?」
委員長の言葉の意味することは愛衣にも薄々分かっていた。
分かっていながらそれを認めたがらない自分がいる。
彼女の言葉をそのまま受け取れば、皐月が委員長を殺したことになるからだ。
「嘘だよ……サツキに限って、そんなことがあるわけがないよ……」
力なく愛衣は呟いた。
だが、愛衣の言葉に答えるものはいない。
皐月と一緒にここから脱出することを心の支えにしてここまで頑張ってきた。
絶対に皐月はゲームに乗ることはないと信じていたからだ。
「サツキに限って、そんなことがあるわけがないじゃないっ!」
愛衣は大声で叫んだ。
その言葉はむなしく森の中に響くだけであった。

その時、背後からガサッと木の葉の枝が揺れる音がした。
581523:2008/08/24(日) 20:32:44 ID:???
Scene13:「親友」

――背後からガサッと木の葉の枝が揺れる音がした。
音のするほうを振り向いた愛衣の目に写ったのは、銃口をこちらに向けて立っている皐月の姿だった。
皐月は肩にはサブマシンガンが掛けられており、右手には愛衣に向けた銃が光っている。
「サツキ!」
「……メイ?」
相手が愛衣と分かっても皐月は銃を下ろさず、じりじりと近づいてくる。
この時になって、愛衣は委員長の言葉が真実であったことを悟った。
「サツキ、やめてよ……ね?」
後ろに後退しながら皐月を説得しようとする愛衣。
「やめられないよ。だって今は殺し合いのゲームの最中じゃない?私、死にたくないもん」
冷たい表情のまま皐月は答える。
銃口は愛衣に向けられたままだ。

愛衣は皐月に向かって大きな声で呼びかけた。
「ここから皆一緒に脱出する方法があるの!」
愛衣の言葉に、皐月が一瞬止まった。
「どういうこと?」
興味を持ったらしく、皐月は愛衣に聞いてきた。
「この近くに主催者に知られてない可能性が高い通信機器が置いてあるの。
それで助けを呼ぶことができれば、ここから脱出できるの!」
「……そんなに上手く行くとは思えないわ」
疑っている皐月に対して愛衣は千夏から聞いた計画を細かく説明した。
皐月は黙って愛衣の話を聞いていた。
582523:2008/08/24(日) 20:34:58 ID:???
愛衣の説明が終わると、皐月は愛衣に尋ねる。
「それで、その通信機器ってこの近くにあるの?」
「うん。たぶんこの先だと思う」
「……そこまで案内してくれる?」
皐月は愛衣に向けていた銃を下ろした。
自分の説得が皐月に通じたと思って愛衣は胸を撫で下ろす。
「こっち。ついてきて!」
愛衣は皐月を連れて通信機器のある場所へ向かった。
ほんの数分でその場所へと辿り着いた。
小屋のような小さい建物があった。愛衣は中に入ると通信機器を探す。
「あった!」
狭い建物なので探し物はすぐに見つかった。通信機器の状態を愛衣は確認する。
「壊れてない!使えるよ。助けを呼べるんだよ!」
「そう……」
狂喜する愛衣を余所に、そっけなく皐月は答えた。

次の瞬間、カチッという音がしたかと思うと、サブマシンガンの銃声が響いた。
無数の銃弾が通信機器を貫いてゆく。
銃声が止み、飛び散った通信機器の破片が周囲に散乱していた。
完全に通信機器が破壊されたのを確認した皐月は、唖然となって立ち尽くしていた愛衣を残して建物から出て行った。
583523:2008/08/24(日) 20:36:28 ID:???
我に返った愛衣は、先に建物から出て行った皐月を追いかけた。

「待ってよサツキ!何てことするのよ。せっかく脱出できるのに!」
脱出への希望を打ち砕かれたショックよりも、皐月に対する怒りの方が強かった。
問い正す愛衣に対して、冷たい表情をした皐月が振り返る。
「それは私の方のセリフよ!メイ、アンタ気付いてなかったの?
私たちの首輪には盗聴器が仕掛けられているの。アンタの脱出計画は主催者に筒抜けなのよ!」
愛衣は皐月の言葉に驚いて、首輪を触ってみる。
「壊れていない通信機器を見つけて助けを求めていたら、首輪を爆破されて殺されるのがオチよ。
その話を聞いてしまった私まで危なくなるじゃない。だから通信機器を壊したの」
「そん……な……」
脱出のための計画は全て無駄だった。
そのことを知らされた愛衣は足元が崩れ落ちるような気がした。

地面に膝を付いて愛衣は放心状態となった。
「もうちょっとマシな脱出計画なら私も乗っても良かったんだけどね。
この首輪を外す方法があるというのなら協力する気はあったんだけど……残念ね」
話しかけてくる皐月の言葉は愛衣の耳に入ってはいなかった。
その様子を見て、皐月はため息をついた。
「メイ、それじゃあ悪いけど……貴方とはここまでよ」
皐月は愛衣に詫びの言葉を述べると、いつの間にか愛衣に向けていた銃の引き金を引いた。
584523:2008/08/24(日) 20:39:00 ID:???
――銃声。
愛衣の肩が撃ち抜かれる。
「ウアァッ!」
倒れこんで肩を押さえる愛衣。
皐月の銃が再び火を噴いた。
膝を撃ち抜かれ、もんどりを打つ愛衣。
肩と膝が熱い。
「な、なんでよ、サツキ!私とサツキは親友でしょ?なんでこんなことするのよ!?」
愛衣は大声を上げて皐月に疑問を投げかける。
「なんでって、さっき言ったじゃない?私、死にたくないって。
生き延びるためには生徒全員を殺すしかないのよ。だからメイ……死んでよ」
愛衣は皐月の元から逃げようとするが、足を撃ち抜かれて立つことも出来ない。地面を這いながら皐月から離れようとする。
しかし、背後からゆっくりと近づく皐月に追いつかれる。
愛衣の顔が恐怖にゆがむ。
「や……やめて!いやぁぁぁっ!!」
さらに銃声が2発、辺りに木霊した。
新たに胸と腹に銃弾を受け、愛衣が仰向けに倒れたまま、動かなくなる。
「……さよなら、メイ」
別れの言葉を発し、皐月は愛衣に背を向け振り向くことなく歩いていった。

愛衣の薄れていく意識の中で最後に会いたかった人たちの顔が浮かんでくる。
父のこと、母のこと、そしていつも自分を妹のように可愛がってくれていた高音の顔が浮かぶ。
「お姉……さ……ま」
そして、愛衣の意識は深い暗闇の中へ落ちていった。
585523:2008/08/24(日) 20:40:10 ID:???
風が吹き、木々がざわめく。
島の中を動く生徒の数は少なくなり、局所的に喧騒が起こる以外は静寂が訪れていた。
その中に、倒れたまま動かなくなった愛衣の姿があった。
彼女はうつ伏せに倒れており、その右手には1枚の写真が握られていた。

――スピーカーから流れる音が静寂を破る。
定時放送が始まり、担任の教師が死んだ生徒の名を読み上げていった。
愛衣が死体と遭遇した3人の生徒の名、愛衣の知らぬ間に死んだ一人の生徒の名、委員長の名が呼ばれる。
そして最後の6番目に佐倉愛衣の名が読み上げられた。
教師は次に立ち入り禁止エリアになる場所を伝え、放送を終えた。

残る生存者はあと5人になっていた。
放送を聞き終えた皐月は次の獲物を探しに島の中を早足で進んでいた。
「……あと4人。あとたったの4人を殺せば良いんだ。
もうすぐよ、もうすぐ私はこの地獄から開放されるんだわ!」
虚ろな目をしながら皐月は繰り返しそう呟いていた。

生き残ることができる生徒はたった一人。
バトルロワイヤルはまだ続く。
586523:2008/08/24(日) 20:41:33 ID:???
Scene14:「現実」 〜高音〜

「……そうですか、まだ居場所は掴めていないのですね」
早朝から学園に登校した高音はすぐに本部となっている校舎に向かい、そこに居た教師に現状を尋ねた。
調査はあまり進展していないらしい。徹夜明けの教師たちにかなりの疲労が伺える。
高音は諦めに似た気持ちで大きくため息をついた。
仕方なく、高音は待機場所へと向かった。
愛衣達のクラスが失踪してから2日目となっている。
プログラムもかなり進行していると考えられるため、高音にとっては不安でたまらず、昨夜も良く眠れなかった。
「メイ、生きていて。必ず私が助けますから!」
高音はそう呟いて椅子に座った。
それからは、ただ待つだけの状態が続いていた。
時間の流れが異様に遅く感じられる。

いつの間にか現れた美空も、高音の隣に座ってぼやき始める。
美空とのやり取りで気を紛らせながら、高音はただひたすら待ち続けた。
不意に高音は誰かから呼ばれたような気がした。
「……誰か呼びましたか?」
隣にいる美空に尋ねる。
「?誰も呼んでないッスよ」
美空の答えに首を傾げながら、気のせいかと高音は考えた。
窓の側で空を見上げながら不安そうに高音は呟いた。
「メイ……」

――ちょうどその瞬間、愛衣が高音の名を呼びながら息を引き取ったことを、高音が気付くことはなかった。
587523:2008/08/24(日) 20:43:11 ID:???
Scene15:「終焉」

その日の夕方、高音は良い知らせと悪い知らせを同時に受けることになった。
良い知らせはプログラムの会場が判明したという報告だった。
そして、悪い知らせはプログラムが終了したという報告だった。
報告をするタカミチは、高音に愛衣が死んだことを告げた。

愛衣の死を知り、高音はショックを受けて放心状態のままその場に膝を突いた。
「メイ、そんな……メイ……メイ……」
高音はうわ言のように愛衣の名を呼ぶ。
一筋の涙が高音の頬を伝い、そして堰を切るかのように高音は両手で顔を覆って泣き崩れた。
慰めようとして声をかけようとするものの、なんと声をかければ良いか分からずに側でオロオロしながら慰める美空を尻目に、高音は涙が枯れるまで泣き続けた……。


――後日。
愛衣の死のショックから立ち直り、落ち着きを取り戻した高音は、生き残った一人の生徒の名前を知ることになる。
生き残ったのは皐月という名の生徒だった。
その名には高音は聞き覚えがあった。
愛衣の会話の中でたまに出てくる彼女と最も親しい親友の名だった。
優勝した皐月という名の生徒は、優勝が決まった瞬間に精神崩壊を起こして病院に搬送されたということである。
生前の愛衣のことを何か知ってはいないかと思い、高音は皐月の入院する病院を一度尋ねてみたが、面会謝絶で皐月と会うことはできなかった。
皐月の崩壊した精神は回復の見込みが低いらしく、このまま一生病院から出ることはないだろうということである。

そのため、愛衣を殺した生徒は誰なのか、真実が高音に知らされることはなかった。

―終幕―
588マロン名無しさん:2008/08/24(日) 20:52:23 ID:???
誰だよ皐月てw
589523:2008/08/24(日) 21:09:05 ID:???
とりあえず終わり。反省してます。
590マロン名無しさん:2008/08/24(日) 21:22:12 ID:???
>>588
三鷹市w
591マロン名無しさん:2008/08/24(日) 21:54:54 ID:???
>別館まとめ氏
乙です。
PS2の作った者ですけど、文章の加工もそうなんですが、アレ実はほぼ一から作り上げてます。
ツールAを使って画像データ(背景もキャラも)を抜き取り、ツールBでキャラの画像データを使って立ち絵を作って、
適当なペイント系のソフトでそれらをそれぞれレイヤーにして位置調整しただけなんです。
背景も実は風香の左あたりで切れてるので繋げてます。

背景がどうしても学園内しか使えないし、衣装パターンもキャラによって数がまちまちなので、
学園舞台のロワだったらほぼどんなシーンでも作れると思うんですけど、安っちいものしか作れないです。
ネギロワがノベルゲーム化されたと思ってやって下さい。

>短編作者氏
ここ数日乙です。楽しんでました。

俺も書かなきゃ。
592マロン名無しさん:2008/08/25(月) 02:08:51 ID:???
>>589
乙です。
最初はオリキャラかよwって思ってたけどこの程度のオリキャラだったら許容範囲かと。
593マロン名無しさん:2008/08/25(月) 15:34:42 ID:???
短編氏乙!
俺も短編投下しちゃおうかな
594マロン名無しさん:2008/08/25(月) 21:10:32 ID:???
YOUしちゃいなよ
595マロン名無しさん:2008/08/26(火) 05:14:50 ID:uhxDfZ0K
ぴくし見てたらS氏見つけたw
相変わらず上手い絵ばっかだった
また投下してくれないかな
596マロン名無しさん:2008/08/27(水) 14:55:28 ID:???
前からおもってたけどそういうこと公の場であんまり言わないほうがいいよ。
597マロン名無しさん:2008/08/28(木) 01:25:21 ID:???
文章力の無い俺が通りますよ

「双子」(1/4)

――――プログラム最後の夜、鳴滝風香は深夜の森を駆ける。
目的は自身の妹、史伽を探すため。ただそれだけにアテもなく走る。
あの史伽のことだ、必ず今もどこかで震えている。
普段ならこんな時間に森の中なんてとてもじゃないが入れない。

僕と史伽を含めて残りの人数はあと3人。
頼りにしていたかえで姉も自分を庇って死んでしまった。
残り時間はきっと1時間もないだろう。
タイムリミットは首輪の爆破、つまり死を意味する。
放送の新田によると13人も殺した奴が生き延びているらしい。
そんな殺人鬼のいる中、プログラム中ずっと人に守られることで、
生き延びてきた風香に優勝という道は限りなく細いだろう。
それなら、せめて史伽と一緒に最後の時を過ごしたいと心底思った。
598マロン名無しさん:2008/08/28(木) 01:26:54 ID:???
(2/4)
―――――パァァン
真っ暗な森の中に異様にその音だけが響いた。


もう聞きなれすぎたくらいの銃声。
案外近い距離だろう。この3日間でそんなスキルをも身に着けてしまった。


「史伽・・・・・・?」
気付いたら足が勝手に音のした方向に運ばれていた。
木々の間を器用に通り抜ける。
今まで胸が張り裂けるほど怖かったのにいまは恐怖を感じない。
何故かそのまま突き進めと第六感が告げている。

森を抜けると意外と暗くも無かった。満月が輝いている。
鼻の奥にくるツンとした香りはまぎれもない潮の匂い。
月明かりに照らされた無彩色の海。
波の音が限りの無い一定のメロディを刻む。

砂浜に見たものは自分の分身かと見間違えるほどよく似た―――

「史伽ぁっっ!!」

脳で思考するより早く体が動く。
この三日間でここまで待ち望んだ願いは無い。
599マロン名無しさん:2008/08/28(木) 01:28:48 ID:???
(3/4)
パァン!


急な閃光、虹彩が驚いて小さくなり、目から脳へ映像を送る信号が一瞬途切れたように感じた。
足元の砂が吹き飛んだ。思わず尻餅をつく。自分の心臓の音がマシンガンよりも早いくらい聞こえる。
この間まさに1秒程だろう。

さっきよりも近くで聞いた分、格段に大きい銃声。だが同じ銃から発せられる音というのは間違いない。
目の前には薄明るいこの夜でもはっきりと存在感を主張している黒々と光る銃。
それは大きい部類にはいる「拳銃」だろう。風香の素人目でもわかった。

そして それを両手いっぱいに握る…
――――――――――史伽。その小さな手で必死に巨大な拳銃を握っている

いままで銃を握るクラスメートを幾度も見たがここまでアンバランスなのは初めてだろう、
その銃からあがる煙…。「今」、あの銃が火を噴いた。
この状況の意味を理解するのに何秒要しただろう。
夢にも思わないとはこういうことだろう。
そう、彼女が撃ったのだ。史伽が。双子の妹が。
「ふみ、か……?」
自分でも驚くくらいかすれた声が出た。
「お姉ちゃん…」
自分とは相対し落ち着いた声。
史伽は驚くほどの無表情。石ころでも見るようにこちらを見ている。
その面持ちはまるで全てを悟ったかのような…
600マロン名無しさん:2008/08/28(木) 01:30:49 ID:???
「ホラ、それ今私が殺したですー。」
ニッコリと笑って右手人差し指を突き出す。
史伽の指差す方向には誰かのの死体。うつ伏せに倒れているのと暗いのとで、誰だかわからない。お腹からは血がとめどなく流れていた。
「みーんな私が泣きながら近づくと油断しちゃうんです」
笑顔を崩さない。彼女は自分が殺した人間を嘲笑っている。
「お姉ちゃんは、何人殺したです?」
今度はニヤリと笑ってそう史伽が言う。
「お姉ちゃんは何点だったです?」そういえば史伽は自分のテストの点数が良い時だけそう言ったなぁ
史伽、違うよ。コレは数学のテストじゃないんだよ。

「えっと私はお姉ちゃん含めると15人目ですー♪半分も殺したですー♪」
得意そうに自慢する。そうか、13人も殺したのは史伽だったんだね。
そして僕は殺されるんだね。

考えてみればこれでいいのかも知れない。僕が死んでも史伽が生き残ってくれれば。
このプログラム中、もしかしたら僕の心の中の知らないところで、ずっとそう思っていたのかもしれない。

「私、死にたくないんです。だから…」
そう言いながら右手を銃に戻す。
急に史伽の顔が曇った。それは決して怒りというより喜怒哀楽の「哀」の表情。
再び満面の笑みを浮かべ銃を握りなおす。最後に一瞬だけ見せたその表情、そのとき史伽は何を思ったのだろう。


「史伽…ゴメンネ、守ってあげられなくって。愛してるよ。史伽。」
最後の最後に自然と風香の頬を涙が伝った。


――――――最後に風香が聞いたのは、銃声。


【プログラム優勝者 23番鳴滝史伽】
601マロン名無しさん:2008/08/28(木) 19:17:35 ID:???
前はこのスレすげぇ好きだったのに一番好きな漫画がネギまじゃなくなってからこのスレもザちスレもたまにしか見なくなった
なんか冷めるとこんなもんなんだな…
602マロン名無しさん:2008/08/28(木) 20:05:29 ID:???
>>600
文章力がないなんてとんでもない!おもしろかったです
>>601
それってわざわざここで言わなきゃ気がすまない?
603マロン名無しさん:2008/08/28(木) 20:17:41 ID:???
>>600
乙です。良かったですよ。

双子が最後まで残るというのは私が今書いてる短編と丸被りだったけどね。orz
私のはしばらく寝かせておこう・・・
604マロン名無しさん:2008/08/28(木) 20:57:39 ID:???
SS用の板ができたよ
できたてほやほやの新板

創作発表板
http://namidame.2ch.net/mitemite/

「新しく出来た小説(SS)やイラストなどを書いて(描いて)感想を貰う板です。
一次、二次、競作等幅広く受け入れています。
※PINK系該当作品は該当板へお願いします。」
605マロン名無しさん:2008/08/28(木) 23:04:05 ID:???
次スレからは創作板?
どっから行けばいいのか
606マロン名無しさん:2008/08/28(木) 23:45:09 ID:???
今のままだと「漫画系各板の板違い」でもあるからローカルルール的にはマロンと創作発表どちらでも可じゃないかと思う
「今まで居ついてたいたから出て行く必要はあるのか」はこの手の板の設立要請のたびに議論されてたから結論でてそうだけど、どこでどんな結論出たのか知らないし
607マロン名無しさん:2008/08/29(金) 00:03:23 ID:???
大事な議論や意見はしたらばのものしか反映されんよ。
まぁ他の創作が移動したら移動しようか。ひとまず様子見。
608マロン名無しさん:2008/08/29(金) 00:27:48 ID:???
まあIDがでるみたいだからそこはいいけど
609マロン名無しさん:2008/08/29(金) 02:00:41 ID:???
1レス単位での行数はどんな感じ?
マロンは30行なんで投下数が膨らんで連投規制食らいやすいからね。いっぱい書けるのなら移転もありかと。
610マロン名無しさん:2008/08/29(金) 02:18:31 ID:???
意図的に誤爆するスレに晒されてたよ

4543 名前:やってられない名無しさん[sage] 投稿日:2008/08/29(金) 01:40:13 ID:???0
BBS_LINE_NUMBER=30  ×2で最大行数

BBS_SUBJECT_COUNT=48 ←スレタイの最大bytes
BBS_NAME_COUNT=64  ←名無しの最大bytes
BBS_MAIL_COUNT=64   ←メル欄の最大bytes
BBS_MESSAGE_COUNT=4096 ←本文の最大bytes

BBS_THREAD_TATESUGI=64 
BBS_FORCE_ID=checked ←IDあり
Samba24=45  ←連投規制

あと、試しに33連投してもさるさんには引っかからなかったらしい
さるさんゆるゆるか?
611マロン名無しさん:2008/08/29(金) 02:49:55 ID:???
60行(約4kb)でさるさん発動まで48連投可能って、職人には神板じゃないかwww
612マロン名無しさん:2008/08/29(金) 02:53:15 ID:???
間違えた。45連投までか。

移転のメリットはかなりあるけど、デメリットは板移転に伴う昔の住人が久々に来たら迷子になる点か。
さて、どうする?
613マロン名無しさん:2008/08/29(金) 02:56:41 ID:???
したらばのほうに移転について話すスレ立ってたけど
614マロン名無しさん:2008/08/29(金) 03:53:47 ID:???
またお前か
したらばしたらばうるせーよ
まだこのスレいたのかよ
615マロン名無しさん:2008/08/29(金) 08:30:54 ID:???
すげえ神板じゃねーかw
ただこういう大事な話し合いは上みたいなやつが居るからIDが出るしたらばでやったほうがいい。
616マロン名無しさん:2008/08/29(金) 08:35:48 ID:???
あと、話し合うとしたら議論する期間を決めて、その間だけはしたらばのIDを日替わりせいにするってのは無理なんだろうか。
IDがずっと変わらないんじゃ発言しにくい人も居るだろうし日替わりだったら自演してもまだ判断できる範囲だし。
617マロン名無しさん:2008/08/29(金) 19:55:25 ID:???
別にしたらばでやる必要はないにしても、真面目な議論をするのなら、
IDが出る板ですべきだと思うな。したらばでもいいけどね。
少なくともこのスレ内の議論は意味を持たないと思う。
どこかID出る場所で避難用として議論用スレ立てでも良いかもね。

個人的には自演レスする奴と自演決めつけする奴のレスが
なくなるだけでも、移転する価値はあると思う。
618616:2008/08/29(金) 20:12:31 ID:???
>>617
俺もIDが出るならしたらばじゃなくても良いと思うが、それならどこで話し合うのかが問題。
テストがてらあっちに立てて話し合うって手もあるが。

>>612
そういう人はまとめや辞典をぐぐってもらうしか無いな。
619マロン名無しさん:2008/08/30(土) 01:00:25 ID:???
>移転のメリットはかなりあるけど、デメリットは板移転に伴う昔の住人が久々に来たら迷子になる点か。
検索すれば見つかるだろうし、上にも書いてるけどまとめからでも行けるように
なるし、常駐しない住人の事は考えなくても良いのでは?

新規参入も考えるとプラマイゼロかと思う。
620マロン名無しさん:2008/08/30(土) 01:14:01 ID:???
IDが出る板なら読み手も自分の発言に責任もてるし書き手もさる喰らわなくて楽になるから移転は賛成
てか議論はどこで?
621マロン名無しさん:2008/08/30(土) 04:27:40 ID:???
短編も長編も誰も投下しないのにこういう時だけ書き込み増えるって…
622マロン名無しさん:2008/08/30(土) 06:43:08 ID:???
>>621
作者が居なきゃ無い短編のほうが投下あるとおもってたの?
623マロン名無しさん:2008/08/30(土) 10:27:39 ID:???
ひとまず一度議論用兼テスト用にでも立ててみては?

それか、反対のかたもいらっしゃらないようなのでもう議論も良い気がするんですが…
>>621の言うとおりこれまでに出た意見が仮に自演だったとしてもそれに対する具体的な意見もでていないわけですし
624マロン名無しさん:2008/08/30(土) 17:28:49 ID:???
移転議論で提案。

その創作板で移転議論用のスレ作って話し合ってはどうかな?
移転が決定したら、そのスレが自動的に新スレとして使うようにすれば、
スムースに移転できる気がする。
そうすればスレチにもならないと思うしね。
それで、移転しないと決まったならそのスレを閉鎖すれば良いだけだし。
どうかな?
625マロン名無しさん:2008/08/30(土) 17:58:01 ID:???
>>624
それ昨日から言われてるじゃん
何度も提案ばっかしてどうすんのさ
626マロン名無しさん:2008/08/30(土) 20:48:45 ID:fb3RW/Qb
前にあったみたいな考察またやってほしいな
627マロン名無しさん:2008/08/30(土) 21:16:21 ID:???
>>625
議論をする場所を移転先候補の板でやればって
提案じゃないの?
どこかで議論するのは昨日から出てるが、場所は決まってなかったじゃない?
628マロン名無しさん:2008/08/30(土) 21:22:51 ID:???
具体的な反論が無けりゃ明日にでも立てていいんでないの
629マロン名無しさん:2008/08/31(日) 00:47:54 ID:???
議論のためのスレ立ては反対だな
反対する理由なんてほとんどないんだからもう移動してしまえばいいじゃない
630別館まとめ:2008/08/31(日) 21:07:02 ID:???
スレ移転の話題が出ているときに登場。別館まとめです。

>>591 な、何と一から作っていたのですか。失礼しました。
気づかなくて申し訳ないです。

☆ 別館更新情報 2008/08/31 ☆
『こちら麻帆良学園麻帆良図書館深層部』
 No66〜No70の短編を保管。
 今回は13、14、15スレッドの途中までを保管しました。

http://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html
631マロン名無しさん:2008/08/31(日) 23:15:34 ID:???
まとめ氏毎度おつっす!
632マロン名無しさん:2008/09/01(月) 13:35:41 ID:???
で、その移動はこのスレが埋まってから?
それとも強制的に生めるなどしてもう移動しちゃうの?
633マロン名無しさん:2008/09/01(月) 19:38:44 ID:???
乙です
634マロン名無しさん:2008/09/01(月) 21:27:39 ID:???
上の方で移動議論しようって書いたけど、
反対意見がないのでそのまま移動でも良いみたいだね。

まだスレ残っているし、移動はこのスレ埋まってからでも良いんでないかな?
一応900越えたあたりで再確認の意味で移転の話をして、
反対意見がなければ移動でどう?

それにしても、ロワ系のスレが結構創作活動板に移動しているね。
635マロン名無しさん:2008/09/01(月) 21:53:02 ID:???
俺もここが埋まったら移動が一番自然でいいと思う。

ついでにこれ置いていきます。
今回はちゃんと専用ロダが使えたんだけど、ロダが初期化されたからなんだろうか?

http://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00001.jpg

今回は7部のシーンを。
背景はどりたくの白雪姫パートから、桜子とカモは2時間目から抜き出してます。
それにしても、この湖はバトロワとは釣り合わない気がしてならない…。
636マロン名無しさん:2008/09/01(月) 21:56:48 ID:???
移転の話は任せるとして、
あんまし良いタイミングではないけど、短編投下しますねー。

普段の短編とちょっと視点の違う短編を書いてみたかったので
試験的に書いてみました。
637手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/01(月) 21:59:44 ID:???
9月1日(月)
時刻 9:45,現在地 D-4

この文章は誰かに読んでもらおうとして書いているわけではない。そもそも、この先誰かが読むようなことはないだろう。
だが、正直に言えば誰かに読んでもらいたいと心のどこかで思っているのは否定できない。
まあ読んでもらえるかどうかはどうでも良い。私は今書きたいから書いている。ただそれだけだ。

現在私はとんでもない事に巻き込まれてしまっている。
バトルロワイヤルという殺し合いのゲームに、3−Aの生徒全員が強制的に参加させられているのだ。
信じたくないがまぎれもない事実だ。
現にゲーム開始前に一人、佐々木まき絵が見せしめに殺されてしまっている。
死体の状態をはっきり見たから言える。まき絵は本当に死んでいた。フェイクなんかでは有り得ない。
今の私は激しく動揺し、頭の中が完全に混乱している状態だ。
文章を書く事で何とか精神の安定を保っているといっても良いだろう。
本来ならば自分のHPに近況を書き込んで助けを呼びたいところだが、携帯やノートパソコンは全て取り上げられている。
仕方ないので支給された荷物の中にあったノートに書き込んでいるという訳だ。
最初にも書いたが、別にこの文章を誰かに見せるつもりで書いているわけないし、私の経験したことを書き留めたとして今後の役に立つことはないのは百も承知である。
むしろ、こんなことでもしていないと私の精神状態の方がヤバイ。
とにかく、文章を書く事で気を紛らわせることが出来る。それだけでも文章を書く価値はある。
現実逃避と言われかねないが、好きに言いやがれって気分である。

文章を書く事で少しは気分が落ち着いてきたようだ。
今は周囲に人は見当たらないが、森の中では誰かに出会う可能性はある。
一旦身を隠す場所を探すことにする。
638手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/01(月) 22:02:22 ID:???
時刻 10:11,現在地 D-4

一時的ではあるが身を隠すことのできる場所を確保した。
他の生徒達が流動的に動くからここも長時間安全であるとは言えないが、一息つくくらいの余裕はあるだろう。
とは言うものの、未だに頭の中が混乱している状態だ。
とりあえず、今までに起こった事を書き留めてみることにする。

今日は夏休みが終わって新学期が始まる初日であることもあり、私は少し憂鬱な気分で登校していた。
確か、ホームルームが始まるチャイムが鳴った後ですぐに眠気がして意識がなくなったことを覚えている。
今考えると、睡眠ガスか何かで眠らされたのだと思う。
気がついたとき、私は別の学校の教室に居た。3−Aのクラス全員と一緒だった。
そこに高畑先生が現れて、私達に殺し合いをしろと言ってきた。
まったく、思い出しても忌々しい!
高畑先生はバトルロワイヤルのルールなど詳しく説明していたが、長くなるのでここに記載するのは割愛する。
そういえば何故高畑先生だったのだろうか?ネギ先生の姿が見当たらなかった。
ネギ先生はこの件には無関係なのか?まさか既に殺されたとか?情報が少なすぎて良くわからない。
その後、私達に取り付けられた首輪の爆発の威力を説明するために高畑先生はまき絵の首輪を爆発させた。
まき絵が選ばれたのは単に高畑先生の視線の先にまき絵が居たからである。
爆発の瞬間は目を瞑って見ていないが、私が目を開けた時には血溜まりの中でまき絵が倒れていた。
あの時は身が凍るような思いだった。
そして9時になるとゲームが始まった。名簿の順に一人ずつ生徒が教室を出ていった。
私はとにかく人に会わない場所を探してこの場に辿り着いた。そして今に至っている。
これからどうするか?
今のところは私にはクラスメートを殺す気はない。今のところは、だ。
支給された武器は幸いにも銃だった。
スペックの高い3−Aの連中、特に武闘派の奴等に通用するかどうかは疑問にしても、一応は身を守れるだろう。
ここにジッとしていても何も始まらない。何もしなければ死を待つだけだろう。
まずはここから脱出するか助けを呼ぶ手段がないか探してみるしかない。
639手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/01(月) 22:04:07 ID:???
時刻 12:08,現在地 C-7

ゲーム開始から3時間が経過した。たった今、第一回目の定時放送が終わったところだ。
定時放送はこの後6時間ごとに行なわれる。
この3時間の間の死亡者は6人。思った以上に多い。
最初に殺されたまき絵は除くとして、5人が全員自殺したとは思えねえ。
つまり、生徒のうちの誰かは早々にゲームに乗ったと考えたほうが良いだろう。
一体誰が?
普通に考えると龍宮あたりが有力か?あいつならドライに人を殺してもおかしくない。
しかし、逆に龍宮はこんな理不尽なゲームに素直に従って動く奴とも思えない。
可能性を考えれば誰もが同じくらい怪しいだろう。
自分の命が掛っているのだ。
命の惜しさに殺人に走ってもおかしくはない。当然私にも言えることだがな。
今は一応冷静に考えているが、これから後でどうなるか自分でも自信はない。
まあ考えても答えの出ないことは考えないに限る。

今のところゲームが開始して以降は誰とも出会っていない。
これは運が良いのか?
正直言って誰にも出会いたくない気分だから有難い。
はっきり言って怖い。死にたくなんかない。
何とかしてここから逃げ出したい。何とかしなければ……。
640手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/01(月) 22:05:24 ID:???
時刻 14:03,現在地 A-4

ついさっき、近くで銃声がした。
また聞こえてきた。
音から判断すると誰かが撃ち合っているのではないかと思う。
場所は特定できないが、それほど遠くではないだろう。
こいつ等と出会ったら危険だ。迂闊に動くことができない。
今はとにかく身を隠したままジッと待つしかない。

まだ銃声がする。
時間が経つのがやけに長く感じやがる。



時刻 14:18,現在地 A-4

銃声が止んでから10分以上は経過したと思う。
決着がついたのだろうか?
どちらかが死んだのか?両方死んだのか?
結果は全く分からないし、確認するために音のした場所に近寄る気もない。
情報を得るためにも、どうなったのかは興味はあるが、最大限リスクは避けるべきだろう。
優先されるべきは私の身の安全の確保。
ゲームを生き延びるためにはそれが最優先事項だ。
とは言え、この場所は午後3時には立ち入り禁止エリアになるからそろそろ動かなければならない。
近くにゲームに乗っている奴がまだうろついている危険性はあるが仕方ない。
誰とも出会わないことを切に願う。
641手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/01(月) 22:07:04 ID:???
時刻 15:21,現在地 A-6

人を殺す現場を目撃してしまった。
殺されたのは和泉、殺したのは朝倉だった。 
和泉のは背後から朝倉に襲われた。あっという間だった。気付いた時には既に和泉は殺されていた。
二度と思い出したくない光景だ。まだ吐き気がしやがる。

私は朝倉に襲われている和泉を助けることはできなかった。
いや、そもそも和泉を助けようと考えることすらなかった。
私はただその場で息を殺して震えているだけだった。我ながら情けない限りだ。
朝倉が私に気付くことなく立ち去っていったのは幸いだった。
間違いなく朝倉はゲームに乗っている。

しかし何故朝倉はゲームに乗ったのだろうか?
もちろん殺し合いのゲームなのだから誰がゲームに乗ってもおかしいことはない。
朝倉はクラスの中ではまともな部類に入る奴だ。客観的に状況を把握できるし頭も切れる。
そんな奴がゲームに乗るとは少々意外だった。
いや、頭の切れる奴だからこそ自分の生存を優先して割り切ってゲームに乗ったとも考えられる。
まあ奴の心理分析などどうでも良い。
肝心なのは朝倉が和泉を殺し、和泉が持っていたサブマシンガンを手に入れたということだ。
ゲームに乗った奴がサブマシンガンを手に入れたのは厄介だ。
奴は非常に危険だ。
もう二度と朝倉とは出会わないことを祈る。
642手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/01(月) 22:08:57 ID:???
時刻 18:11,現在地 J-5

2回目の放送が終わった。新たな死者は5人。
ゲームが始まって9時間でクラスの3分の1が死亡している。
思った以上に死亡者の出るペースが早い。
生き残りの人数が少なくなれば死亡者のペースは落ちるだろうが、このままだと3日目正午のタイムアップを待たずに勝者が決まりそうだ。
あまり時間に余裕はないかもしれない。
これから暗くなる。懐中電灯は支給されているが、暗闇でこれを使えば誰かに見つかる可能性は高い。
夜の間はどこか1箇所に留まって身を隠しているのが得策だろう。
日没まではあと1時間くらいはある。
暗くなる前にどこか隠れる場所を探さなければならない。



時刻 22:56,現在地 I-5

夜になると辺りは真っ暗だ。元々人気の少ないこの島には街灯もない。 
にもかかわらず遠くから銃声が聞こえてきやがった
私の居る場所からは離れているから出会うことはないだろう。
こんな状況でも殺し合いをしようとする奴が居るとは正気の沙汰とは思えねえ。
しかし、暗闇の中に一人で居ると心細いし、悪い方向へと考えてしまう。
こんな時こそ文章を書いて心を落ち着けたいところだが、暗闇じゃ書けないしあまり長く明かりを照らしているのは危険だ。
次の放送まで約1時間。立ち入り禁止エリアがわかるまでは寝ることすらできない。
このままジッと待つしかないのか。
643手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/01(月) 22:10:55 ID:???
新たな作者も現れないので、まったり行きますね。
翌日の手記は翌日に投下します。

あと>>635
乙です。
644マロン名無しさん:2008/09/01(月) 22:46:09 ID:???
乙です、自分も短編製作進めないと
645マロン名無しさん:2008/09/02(火) 00:54:07 ID:???
手記ってのもロワにふいんき(なぜかry合ってていいな
646手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/02(火) 20:24:05 ID:???
続きいきますよー。
647手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/02(火) 20:25:19 ID:???
9月2日(火)

時刻 5:45,現在地 I-5

夜が明けた。ゲームの2日目が始まった。
寝不足の目に朝日の陽射しは辛い。
まあ殺し合いの最中にぐっすり眠れるほど私の神経は太くないってことだ。
それにしても、これといった争いも無く翌日の朝日を見ることができた私は運が良いのかもしれない。
クラスの3分の1以上はこの朝日を見ることはできなかったのだからな。
取り敢えずは朝食を取って朝の放送に備えるとしよう。



時刻 6:06,現在地 I-5

2日目最初の放送が終わった。昨日から現在までに合計13人が死んでいる。
さて、今日はどのように行動するべきか?
昨日は一日中単独行動でここから脱出するための方法を模索していたのだが、結局有効な方法は見つからなかった。
自分一人で出来る事などタカが知れているってことか。このままではマズイだろう。
方針を変更しなければなるまい。
多少の危険はあるが、ここから脱出する意思のある生徒に協力を呼びかけてみようと思う。
ゲームに乗っていない生徒はまだ結構居るはずだ。
そいつらも私と同じようにここから脱出できないか考えているはずだ。
一応殺し合わなければならない関係だが、ここから逃げるという共通目標があれば手を組めるはず。
タイムリミットは3日目の昼。
あと約30時間ある。何とかしなければ。
648手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/02(火) 20:28:34 ID:???
時刻 10:45,現在地 H-4

偶然にも柿崎と遭遇した。
運の良いことに彼女はゲームに乗っていなかった。
柿崎とはあまり親しい間柄ではないが、柿崎のほうも一人で居ることには不安なのだろう。
ゲームに乗っていないことを意思表示し合うと、協力することで簡単に話はまとまった。
柿崎も私と同じで脱出を目指しているが有効な手段は思いつかないということだった。
まあ仕方ない。そう簡単に行くとは思っていない。
一応脱出については私の中で漠然と考えていることがある。人が集まれば実現可能になるかもしれない。
昼前に仲間ができたのはラッキーだった。
時間的にはまだある。
何とかなるかもしれない。いや、何とかしなければならない。

2人で行動することで外敵に対する警戒が楽になる。お互いに身を守り易くなったという利点も大きい。
加えて2人で行動していれば他のゲームに乗っていない生徒も私達を信用してくれ易いはずだ。
悪くない。今のところは順調と言って良いだろう。
柿崎と話し合い、まずは他にも仲間になりそうな奴を増やすことになった。
椎名や釘宮も生存者の中に残っている。柿崎としてはあいつらと合流したいと思うのは当然だろう。
私としても、あいつらがゲームに乗ってないなら特に異存はない。
さて、時間はあると言ってもそれほど余裕があるわけではない。
とにかくすぐに人が居そうな場所へ移動することにしよう。
649手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/02(火) 20:31:00 ID:???
時刻 12:06,現在地 H-9

今、昼の放送が終わったところだ。
新たに死んだのは2人。これで生き残っているのは丁度半数になったわけだ。
ゲーム開始時点から幽霊は参加者に含まれていない。既に死んでいるのだから当然ではある。
だから生存者はあと15人だ。
予想したとおり死亡者の発生ペースは昨日より落ちている。
人数が少なくなったため当然といえる。仲間を探す立場としては、生存者は一人でも多い方が有難い。
だが、昨日の死者のペースから考えると、ゲームに乗っているのは朝倉1人であるはずがない。
朝倉以外にも少なくとも2、3人居るはずだ。
これから出会う生徒はゲームに乗った奴の可能性も高くなる。注意が必要だ。

そう言えば、柿崎は私が時々近況をメモに取っているのを不思議そうに見ている。
不思議に思っても仕方がないだろう。こんなことをメモしていても意味があるとは思えないからな。
まあ、今となってはこれは私にとって習慣というか儀式みたいなもんになっている。
文章を書く事で私はあまり動揺することなく冷静で居られる。
生き残っている限りはこれをやめる気はない。
柿崎も特に何も言ってはこないので、気にする程のことではないだろう。好きにするさ。
とりあえず食事が終わったら動くことにする。
650手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/02(火) 20:35:21 ID:???
時刻 14:31,現在地 G-7

今はどうしても落ち着いて文章を書く事ができない。ペンが震えていやがる。
無理もない。15分前に私はついに人を殺してしまった。
自分の命を守るための正当防衛ではある。
しかし、ゲームに乗った奴から身を守るためとは言え、自分の意思で初めて人を殺したのは間違いない。
心底震えがくる。精神的にかなりキツイ。

その上にもう一つ気まずいことがある。
私が殺したのは釘宮だった。柿崎の親友の一人だ。
釘宮はゲームに乗っており、問答無用で私と柿崎を襲ってきた。
柿崎は必死に釘宮を説得しようとしたが、釘宮は柿崎の言葉に耳を貸すことなく銃を撃ってきた。
私は釘宮が柿崎の方に気を取られている隙に自分の持っていた銃で釘宮を撃った。
当たり所が良かったのか、一発で釘宮を倒すことができた。
柿崎は釘宮の死を目の前にしてショックを受けていたようだ。
親友が自分を殺そうとし、そして親友が目の前で死んだのだ。ショックを受けるのは当然だろう。
ただ、私と柿崎の間が微妙になってしまった。

あのときの私の判断は間違っていないと思っている。
柿崎も、あのままでは自分が釘宮に殺されていたことを頭では理解しているはずだ。
だが、柿崎にとっては目の前で親友が殺されたのだ。殺したのは私だから内心複雑だろう。
このことで私と柿崎の間に壁ができた気がする。
今は柿崎も落ち着いており、一緒に行動してはいる。でも私と柿崎の間に会話はなくなっている。
正直、私は自分の心を安定させることで手一杯で、柿崎のことまでフォローする余裕はねえ。

もしかしたら、柿崎とはこれまでかもしれない。できれば一緒にいたいんだがな。
651手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/02(火) 20:37:40 ID:???
時刻 15:44,現在地 G-6

柿崎と決裂した。
些細なことから口論となり、そのまま別れてしまった。
やはり、私が釘宮を殺したことで、私と柿崎の関係は修復不可能になってしまっていたらしい。
薄々予想していた事だが、気が滅入る。
一人になって冷静になった途端、後悔した。
急に寂しさと心細さで不安になる。
なんだかんだで柿崎が一緒に居ることで私は精神的に助けられていた。
一緒に居れなくなって柿崎の存在の大きさに気付くなんて、まったく間抜けな話だ。
柿崎の方は一人になってどう思っているのだろうか?私と同じ気持ちでいてくれるのなら心が救われるんだがな。
でも、過ぎたことを悔やんでも仕方がない。ゲームは続いているのだ。
柿崎のことは忘れて前を進むしかないだろう。
くよくよするのはもうやめだ!

とにかくここから脱出する手段を探す。
方針はそれで良いとして、これからどうすれば良いだろうか?
脱出するための方針として通信機を使って助けを呼ぶなり、首輪を無効化することが考えられる。
いずれにしても機械的な知識と設備が必要だ。
となると、脱出計画を練っている連中が集まりそうな場所は絞れるんじゃないか?
何らかの機械設備が整っていると考えられる場所、そして電気が確保できる場所だ。
こんな人口の少なそうな島の中では該当場所はかなり限定される。
当てもなく歩き回るよりは可能性はある!
よし、取り合えず該当する場所へ片っ端から行ってみよう。
652手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/02(火) 20:39:44 ID:???
時刻 17:12,現在地 F-3

葉加瀬と四葉に出会うことができた。
2人は鉄工所の倉庫らしき建物の中で作業をしていた。私の読みが当ったわけだ。
彼女達は脱出のための準備をしていた。こいつ等に出会えたのは運が良い。
それにしても、2人は無用心にも作業に没頭していて、私が近づくまで気がついていなかった。
まったく危機感が足りないというか、仮に私がゲームに乗っていたら簡単に殺されていたぞ。
見つけたのが私でよかったよ。まあ、私にとってもだけどな。

その後、私は彼女達に協力を申し出た。幸いにも彼女たちは私を信用してくれた。
脱出のための計画を詳しく聞いてみた。
遠隔操作出来るように改造した軽トラに爆弾を積んで、高畑の居る学校で爆破させる。
それと同時にパソコン回線から学校にあるホストコンピューターに侵入し、首輪の制御を解除させるという2段構えの作戦だった。
温厚そうな葉加瀬や四葉にしては、なかなか過激な作戦である。
どちらかと言えば超が考えそうな内容だった。まあ、居なくなってしまった人間のことを考えても仕方ないか。
結構大掛かりな作戦だったため、2人では人手が足りなかったらしい。 
早速私も手伝うことになった。
パソコンを使って学校のホストコンピュータへのハッキング作業を私が引き受ける。
まあ得意分野だからな。厄介な作業になりそうだが私の命が掛っているんだ。
何とかしてみせる。
653手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/02(火) 20:41:06 ID:???
時刻 18:09,現在地 F-3

夕方の放送で新たに4人の生徒が死亡したことが分かった。残り11人。
死亡者の中の一人に柿崎の名があった。
あいつ、私と別れた後に誰かに殺されたのか。
柿崎のことを考えると少し胸が痛む。
私の対応の仕方によっては、あいつも一緒にここで脱出のために協力していたのではないかと考えるとブルーな気分にさせられる。
いや、過去のことを悔やんでも仕方ない。割り切るしかないんだ。
それよりも時間がない。作業はまだ3分の1以上残っている。

葉加瀬の予想ではゲームが3日目に突入した時点がターニングポイントだと言うことだ。
つまり、ゲームに乗らずに生き残っている生徒も、その頃には時間切れを恐れてゲームに乗る可能性が高いということだ。
確かにそれは言えるだろう。誰だって死にたくはないからな。
もちろん、私だってその選択肢は常に頭の隅にあった。
そのためにもこの脱出計画の決行は、遅くとも明日の夜明け前までに行わなければならない。
作業時間的にはギリギリだろう。
これから徹夜の作業になる。昨日はほとんど寝ていないから体力的に厳しくなっている。
でも、生き残るためにはやるしかねえ。
654手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/02(火) 20:42:47 ID:???
ごめんなさい。明日の行動は明日投下しますので、まだ続きます。
ちなみにこの話では超は未来に帰っています。
655マロン名無しさん:2008/09/03(水) 00:35:56 ID:???
乙。長谷川は思慮深いからロワでは使いやすそうだな。
656手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/03(水) 20:01:06 ID:???
続き行きまーす。
657手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/03(水) 20:03:01 ID:???
9月3日(水)

時刻 4:53,現在地 F-3

早朝日の出前。まだ朝日は昇っていない。
何とか計画の準備が完了した。疲労はあるが、何とかやり遂げた達成感もあるから気分は悪くない。
5時になったら計画を開始する。
これで私たちの運命が決まるだろう。
期待と不安で胸がバクバクと早鐘を打っていやがる。

リスクの高い計画だということは承知している。
そして、失敗したら主催者は私たちの首輪を爆破して始末する可能性は充分にあった。
葉加瀬達の計画に協力すると決めた時に覚悟を決めていることだ。
主催者はそう甘くはないだろう。
例え死ぬことになっても主催者の奴等に一矢報いることができるのなら、悪あがきをした価値はあったと思う。
もうすぐ決行の時間だ。
もしかしたら、このノートに書くのも最期かもな。
いっちょやってやるぜ!
658手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/03(水) 20:05:04 ID:???
時刻 5:40,現在地 F-4

気が滅入る。
結果から先に書いておく。残念ながら脱出計画は失敗した。
主催者のホストコンピュータへの進入までは出来たのだが、こちらが首輪の解除命令を実行するよりも早く、回線が切断されてしまった。
回線が切られてしまっては、こっちのパソコンからはどうすることも出来なかった。
そして、爆弾を積んだ軽トラは学校に着く前に集中砲火を浴びて学校の手前で爆発炎上した。
こちらの計画は完全に読まれてしまっていたらしい。
主催者側の被害は良くわからない。
あるかどうかさえも疑わしい。少なくとも運営上支障をきたす程では無いことは確実だ。

散々な結果に葉加瀬も四葉も口をつぐんだまま座り込んでいる。
特に葉加瀬の落胆ぶりは大きい。この作戦を主に考えたのは葉加瀬だったからな。
だが、幸いにもと言って良いのか分からないが、主催者の妨害行為をした私達にペナルティは与えられなかった。
それは私たちの計画が主催者にとって大したことはないことを意味しており、その意味に感づいた葉加瀬は余計に傷ついていた。
もうすぐ3日目の朝の放送が始まる。タイムリミットまであと6時間。
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ!
後がなくなってきやがった。これからどうすれば良い?
誰か教えてくれ!
659手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/03(水) 20:07:28 ID:???
時刻 6:06,現在地 F-4

脱出する策が潰えたまま3日目が始まった。
昨夜の放送と今朝の放送で新たに3人の死者が加わった。残り8人。
この場に居る3人を除くと、他に生き延びている生徒はあと5人という訳だ。
5人の中でゲームに乗っている生徒の居る確立は高いと見て良いだろう。
昨夜に葉加瀬が言っていたように、ゲームに乗ってなかった生徒もこれからゲームに乗る可能性は高い。
私はどうする?
今日の今まで私が生きてこれたのは運が良かったことが大きい。
この運が最後まで続くとは思うほど楽観主義ではない。
かと言って、自分の身を守るため以外に人を殺すのはゴメンだ。釘宮の時の思いは2度としたくはない。
とにかく、2人も落ち着きを取り戻したようだし話し合ってみよう。
まだ何か手があるかもしれない。

こいつ等と殺し合うような最悪の事態だけは避けたいところだ。



時刻 7:17,現在地 F-3

最後の手段、首輪を解体する。
話し合った結果、これしか手は残されていないという結論になった。
言うのは簡単だが、失敗は即刻死に繋がるのだ。今まで以上に危険が伴う。
あまりに危険すぎるために、葉加瀬もこれだけは試さなかったということだ。
この件については葉加瀬に全てを頼るしかない。
まずは外観から解体の目処を立てるということだった。
自分の首輪を調べるのでしばらく一人にして欲しいというので、葉加瀬は奥の個室に入っていった。
私と四葉は待つしかない。敵が来ないように交替で見張りをすることになった。
660手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/03(水) 20:11:43 ID:???
時刻 8:35,現在地 F-3

敵からの襲撃を受けた。
相手は朝倉だ。奴にこの場所を嗅ぎ付けられたらしい。
生きていればいつかは出会うと思っていたが、できれば脱出の策がまだ残っている間は会いたくはなかった。
首輪はまだ外せてはいない。
もう少し時間があれば何とかなったかもしれなのに残念だ。
こうなっては、今は朝倉を何とかするのが先だ。

私の横では10分くらい前に息を引き取った四葉が倒れている。
朝倉による最初の襲撃で四葉は撃たれた。
あっという間だった。
葉加瀬と協力して出入口を封鎖して、何とか朝倉が倉庫内へ侵入してくるのを防いで籠城するのが精一杯だった。
倉庫の外壁は結構丈夫なのでそう簡単には壊されないだろう。
時間は稼ぐことは出来たが、私達もここから逃げられなくなった。
今は外は静かになっている。
さっきまでは扉の外で大きな音がしていたが、攻めあぐんでいるのか膠着状態に陥っているようだ。
どちらにしても、このままでは埒があかない。
それに、倉庫の扉もそう長くは持たないだろう。

葉加瀬と話し合って、一か八かこちらから打って出ることにした。
奴はサブマシンガンを持っているが、こっちは2人居る上に2人とも銃を持っている。
戦いようによっては充分に勝ち目がある。
661手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/03(水) 20:13:07 ID:???
この文章を書き終わったら葉加瀬と一緒に朝倉と一戦を交える。
こっちが殺すか、殺されるかになるだろう。
もしかしたら私はここで死ぬかもしれない。
これが本当に最後かもしれないので一応書いておく。
何度も言うが、これは誰かに見せるために書いている文章ではない。
いや、心のどこかで誰かに読んでもらいたいのだと思う。だからお願いだ。
もしも誰かがこの文章を読んだのならば、長谷川千雨という名の生徒が居たことを心の隅に留めていて欲しい。
私は精一杯生き延びるために頑張った。これから先、どのような結果が私に降りかかっても後悔はしない。
以上だ。
じゃあ、行ってくるぜ!

(※以下、白紙)
662手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/03(水) 20:14:38 ID:???
『※2008年度バトルロワイヤルプロジェクトの報告資料より一部抜粋

<脱落者リスト(死亡順)>

9月3日水曜日

出席番号30 四葉五月 
   死亡時刻 AM8:21、死亡地点 F-3
   死因:朝倉和美による銃殺
   
出席番号24 葉加瀬聡美
   死亡時刻 AM8:41、死亡地点 F-3
   死因:朝倉和美による銃殺

出席番号3 朝倉和美
   死亡時刻 AM8:55、死亡地点 F-3
   死因:長谷川千雨による銃殺

出席番号25 長谷川千雨
   死亡時刻 AM9:12、死亡地点 F-3
   死因:椎名桜子による絞殺

                          以上』
663手記 〜長谷川千雨〜:2008/09/03(水) 20:17:35 ID:???
以上でおしまいです。
お粗末でした。

最後のは余計かもしれないですが、ちう視点以外のキャラの動きも
ある程度まで考えていたことがあるので、その名残です。
長編はプロット段階でポシャったので、短編に仕立ててみました。
では!
664マロン名無しさん:2008/09/04(木) 01:18:07 ID:???
おっつー。月見買ってきたよ つバーガー
665マロン名無しさん:2008/09/04(木) 17:02:35 ID:???

残念葉加瀬
666別館まとめ:2008/09/07(日) 18:21:26 ID:???
もうすぐ別館アクセス数10000Hit・・・・・・。

☆ 別館更新情報 2008/09/07 ☆
『こちら麻帆良学園麻帆良図書館深層部』
 No70〜No75の短編を保管。
 今回は15スレッドの途中までを保管しました。

http://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html
667マロン名無しさん:2008/09/07(日) 20:04:53 ID:???
まとめ氏乙
過疎ってるw
668マロン名無しさん:2008/09/07(日) 21:34:35 ID:???
乙です
長編が投下されたら変わるよね
669マロン名無しさん:2008/09/08(月) 08:28:34 ID:???
昼休みにちまちま書いてた長編が入ってたケータイが消えた!
多分自宅の部屋にあると思うがグッズ等に埋もれて探すに探せず

見つけた氏には1000ペソほどやるんだが誰か見つけてくんないかな?
670マロン名無しさん:2008/09/08(月) 08:30:19 ID:???
あ、ちなみに今使ってるケータイは長編書いてたケータイじゃありません
ご心配なく〜
671作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/09(火) 19:00:02 ID:???
作者16です。

やっとのことで2作目、書きあがりました。
最終確認・校正を考えて明日から投下したいと思うのですが、よろしいでしょうか?

スレ移動の話が出ているようなのでそのことも含めて(このスレに投下する方針でいいのか等)
意見をよろしくお願いします。
672マロン名無しさん:2008/09/09(火) 19:16:41 ID:???
了解。
とりあえず投下はまだここでいいよ、次スレから移動するみたいだから
673マロン名無しさん:2008/09/09(火) 20:05:18 ID:???
おお、ついに24部開始ですな。
WKTKして待ってます。
674マロン名無しさん:2008/09/09(火) 21:36:02 ID:???
長編をありがとう
675マロン名無しさん:2008/09/10(水) 09:22:17 ID:???
さて、別館の1万hit間近ですよ
676マロン名無しさん:2008/09/10(水) 12:38:28 ID:???
別館の10000ふんだ!

別館氏10000Hitおめでとう!
677マロン名無しさん:2008/09/10(水) 20:13:37 ID:???
投下マダー?
678作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/10(水) 21:24:59 ID:???
どうも、改めまして作者16です。

まず>>672
わかりました。

前書き

1作目を書きあげてからすぐに書き始めたはずだった2作目ですが、
なかなか思うように筆が進まず結局1年以上もかかってしまいました。
でもここまで来ることができたからには、最後まで責任もって投下させていただきます。

他のネギロワと似ているだとか、キャラの使い方同じだとかいうところがあるかもしれません。
が、似せようと思って書いたわけではないことを理解していただければ光栄です。
指摘などは快く受け入れていきますので、どうかよろしくお願いします。

ばいさるが怖いので、1回の投下で2話しか書き込まないと思います。
ですが、可能な日は1日に2回投下しようと考えているので、ご了承ください。

では、第24部をお楽しみください。
679作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/10(水) 21:28:55 ID:???
1.Opening 〜なつかしき出席番号19番〜

「ひさしぶりだよね〜。」
ここは麻帆良学園中等部。
無数の蝉が鳴き、夏の熱い日ざしが照りつける中、寮から学校まで続く道ではいつもよりペースの遅い足音が響いていた。
遅刻だと騒ぎながら走っていくほかの生徒たちは、いまはまだお休み中だ。
「そうやなー。」
授業がなくても、毎日友達と会っているせいかまだいまひとつ夏休みという感じがしない。
ネギの父親を探すためにイギリスに行くことは決まったものの、その日まではまだ数日あり、遊ぶ時間はたっぷりある。
だからその知らせは、とても楽しみなものだった。

夏休みが始まってすぐのこと……。
未来に帰ってしまった超鈴音が、ひさしぶりに遊びに帰ってくるからみんなでパーティーを開こう、という話がどこからともなく現れた。
ひさしぶり、といっても一ヶ月ぶり。
大事な用があっていなくなったことになっている超がそんなに早く帰ってくるのはおかしいだろう、
という疑問もないわけではなかったが、そんなことは関係なかった。
お祭り好きの3−Aがこの話に乗らないはずもなく、みんなはクラッカーやお菓子、飲み物をたくさん準備して、楽しみに超の登場を待っていた。

そして今日、明日菜と木乃香は、普段の登校時刻より一時間遅い集合だったので、ゆっくりと支度をしてから寮を出たのだった。
ネギのベッドはすでに空で、書置きがあった。
『先に学校に行っています』だそうだ。

しかし全く警戒しないで集まってしまったことが、彼女たちの一番の間違いだったのだ。
680マロン名無しさん:2008/09/10(水) 21:30:26 ID:???
今書きかけのとネタ被ってた!!!!!!!
でも最近最初から書き直したばかりなので一安心。
681作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/10(水) 21:30:41 ID:???
「待たせたネ!!」
懐かしい声と共に、教室のドアが開く。
その直後、部屋に入ろうとした超の頭にはドアの上に仕掛けられていた黒板消しが落ち、見事に直撃して白い煙が上がる。
超が、まずい!!と思ったときにはもう遅かった。
視界が真っ白になってどうしようもなくなった超は、そのままなんとなく足を進めるが今度は紐につまずいて、その頭に水の入ったバケツが降ってくる。
さらに先に吸盤の付いた矢が何本も放たれ、すべて超に直撃していく。
超は頭にバケツを、尻には矢をくっつけたままゴロゴロと転がっていき、教卓にぶつかってやっと静止した。
「やったぁ!! 大成功!!」

パンパンパンッ
歓喜の叫びと笑い声があがると、みんないっせいにクラッカーを鳴らした。
クラッカーから飛ばされる色とりどりのリボンが宙を舞う。

ゆっくりと、超が立ち上がった。
「その声は風香カ。やられたネ……。ネギ坊主と全く同じトラップにはまってしまうとハ……。」
かぶっているバケツを取って視界が開けると、そこには『超りん帰省パーティー』と書かれた垂れ幕がでかでかと掲げられている。

「おかえりーーー!!!!」

――また戻ってきた教室。相変わらず明るい雰囲気のまま。
そして、1つだけ空いている自分の席。
その席にはなぜか金色に輝く超の銅像が置かれているが、そんな他愛もない風景を見ると、超はどうしようもなく切なくなった。

一ヶ月前と同じように、このクラスで再び過ごすことができるのならばどんなにうれしいだろうか。
大きな悩みもなく、ただ楽しい学園生活を送る。
そんな夢のようなことを、いつも思い描いていた。
だがこれから始めようとしていることは、世界のことを思って行うこと。
こんなことをすれば絶対に自分は嫌われ、憎まれることはわかっている。
大好きだったクラスメイトたちに嫌われるのは、とても悲しいことだ。
しかしそれでも、辛い未来を知っている彼女はこれを実行することを決意した。
タイムスリップを出来るものだけの特権、過去を変えるということ。
一度やろうとしてネギに止められてしまったが、超は再びこの方法を選ばなければいけないこととなった。
682作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/10(水) 21:32:32 ID:???
「ほらいいんちょ、あんたが銅像なんて作るから、超りん固まっちゃったじゃん……。」
「超さんは感動しているのです。悪いことはしていませんわ。」
「ばかじゃないのー??」
――――――
遠くから聞こえるように感じるクラスメイトだった人たちの会話が耳に入ってくるにつれて、超の意識は現実へと戻っていく。
何度考えてもこれでいいのかどうかはわからない。
だがもう後戻りは出来ないところまできてしまった。
ならばやってみるしかない。
結果がどうなるかは、やってみなければわからないのだから。

パチンッ
興奮して騒いでいた生徒たちには、その音はほとんど聞こえず、聞こえていたとしてもそれはほんのBGMにすぎなかった。
超が指をならすと、とたんに教室のドアが閉まり、窓もすべて閉められていく。
誰かが触れているわけでもないのに勝手に閉まっていくドアと窓に、何人かの生徒は気付き、興味の叫び声をあげてそれを指差す。
――しかしそれは一瞬のできごとだった。
あっという間に教室は密室となり、なにやら紫色のガスが超の腕にある機械からふきだしてくる。
「まさかっ!!」
それを見ると、窓に近い席の楓は突然立ち上がって窓を殴りだし割ろうとするが、
無理だったので手裏剣を投げつけてみても、それでも割れなかった。
さらに廊下側のエヴァもドアへと走り、それを開けようとするがビクともしないので、氷結魔法をドアに撃って破壊しようとする。
ガンッ
だがいつのまにか背後にいた超に頭を殴られて、意識がなくなってしまった。
他の生徒たちもその怪しげなガスを見て逃げ回ろうとするが、結局何もできずにガスを吸って眠ってしまう。

茶々丸だけは起きていたが、なぜかなにもしようとしなかった。
顔色一つ変えず、ただじっと教室の後ろの方でたたずんでいる。
たとえ自分の足元にエヴァが倒れていたとしても……。
683作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/10(水) 21:33:54 ID:???
2.Complicity 〜たったひとりだけの親友〜

目が覚めると、そこは雪国だった。

ただ何もない平原に仮設の建物を用意して、そこに詰め込まれたらしい。
窓の外は真っ白な雪景色で、目が焼けそうなくらい日の光を反射している。

「みんな起きたカナ?」
その声を聞いて、何があったのかを思い出す。
つまりは紫色のガスで眠らされて、ここに連れてこられたということだろう。
「なぁアスナ、ここどこ?」
場所は変わっても、席順は変わっていないようだ。
机と椅子がちゃんと31組用意されていて、さよと超を除いたみんなが自分の席に座っている。
左右と後ろの壁すべてが窓で出来ていることから考えると、この建物はいまいる部屋の一部屋しかないつくりなのだろう。
「わかんない……とりあえず、麻帆良ではないわね。」
隣の木乃香が聞いてきた質問に、アスナはあいまいな返事をする。
他のみんなは、何が起こったのかわからないというようにあたりをきょろきょろと見回していた。話し声など全くなかった。

「起きているなら説明するヨ?」
椅子と机があるように、部屋の前のほうには教卓があり、その前に超はいた。
超の言葉通り、クラス中の生徒はみな起きていた。
何が起こるかわかっている楓やエヴァなどはものすごい眼力で超をにらんでいる。

「君たち3−Aには、これから殺し合いをしてもらうことになるネ。」
――沈黙。
理解できなかった。普通はそうだろう。
まず殺し合いという言葉を、日常生活で使うことがない。
何人かを除いたほとんどの生徒たちは、頭の上に疑問符が浮かんだ。
「超殿、その言葉が誠ならば、拙者容赦はしないでござるよ。」
超の予想通り、その意味を理解した少数派の一人、長瀬楓が立ち上がる。
だがそれを見ても、超は何の問題もないというようにただ涼しい顔をしていた。
自分に勝つことのできる者は誰もいない。その自信が満ち溢れていた。
684作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/10(水) 21:35:53 ID:???
「あんまり変な行動はしないほうが良いヨ。首についているものがなんだかわからないなら、好きにしていいと思うガ。」
みんなの首に、確かに首輪がつけられている。
そしてその首輪にはご丁寧に『爆発注意』と書かれていることを互いに確認した。
超の手には、説明するまでもないリモコン。
「くそっ。」
楓が珍しく悪態をついて、乱暴に席に座った。そうせざるを得なかったから。

気付かないうちに、部屋の中には何人も知らない人が入ってきていた。
戦争映画なんかでしか見たことのない迷彩服を身に纏った兵士が数十人、それとローブを着ていたり、
スーツを着ていたり、中にはドレスを着ている人も数人いた。
魔法について知っている人ならばわかる。
兵士たちはともかくとして、格好が違う連中は、とても強い魔法使いだということが。
そこらにいる強い魔法使いのレベルではない。それこそナギ・スプリングフィールドに匹敵するような、異常な戦闘能力を持った変人集団だった。

「お、この人たちは私が未来から連れてきたものすごく強い人たちネ。反抗するとすぐに武力行使に出るから気をつけたほうがいいヨ。」
礼儀正しくお辞儀をしていく魔法使いたち。
その雰囲気からは、ひとかけらの油断も感じられなかった。
「じゃ、ルール説明をしてもらうから、よく聞いておくことネ。」

変人集団の中からひとりが前に進み出て、教卓へと向かう。
だがその間に生徒たちは騒ぎ始める。
「ちょっと待ってよ。なんなのこれは?」
「超さん、意味がわかりません。」
「殺し合いなんてしないんだから!! ふざけないでよ!!」
口々に言いたいことを言っていくが、すぐにそれは止むこととなった。

ダァァァーーン
とてつもなく大きな音。
いままで生きて聞いたきた音の中で、一番大きかったのではないかと思うほどのもの。
抗議の声は一瞬にしてなくなった。
685作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/10(水) 21:37:16 ID:???
その音によって消されたのではない。
それは知らない男が教卓を殴りつけた音だったわけだが、それによって教卓が真っ二つになって教室の両端へと飛んでいっていたのを見たからだった。
壁に大きな傷を残すと、揺れを起こして無様な残骸が転がる。
「……ぇ?」
驚きの声すらろくに出ない。唖然とするばかりだった。

「では、説明を始める。質問がある場合は手を上げて質問すること。いいな。」
誰もがその迫力に圧倒され、席に座ることを余儀なくされた。


全身黒ずくめの男が、話し始める――――
「まず、これから行うゲームをバトルロワイヤルと呼ぶ。このゲームによって生き残るのは1人と決まっていたようだが、今回は例外だ。優勝者は1人となるが、
生き残るのは2人ということになる。――――おい、配ってくれ。」
そう言われた女が、ひとりひとりの座席に一枚の紙と鉛筆を配っていく。
動いているのは見えるが、その気配はない。
あきらかに普通の人ではないオーラが漂っている。
そんなことを何人かは感じていた。
A6の小さな紙で、自分の名前を書くところと、2桁のデジタル数字を書き込む点線があった。
紙を配っている間にそれぞれの机のまわりに壁が現れて、隣の人の紙を見ることが出来なくなった。

「勘のいい人はわかっただろう。今配った紙のデジタル数字のところに、点線に沿って好きな人の出席番号を書いてもらう。
自分が優勝したときに、そこに書かれた人が生き返るという仕組みだ。
例えば明石裕奈が、『03』とデジタル数字で書いた場合、明石が優勝したときに朝倉が生き返るということだ。わかったか。」
686作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/10(水) 21:38:26 ID:???
それは大事なことだった。
自分が生き残ったときに他の誰かも一緒に生き残るというこのシステムを作ったことで、ゲームに乗る人が増えることは間違いない。
さらに、もし自分が優勝してしまったら、と考えて誰の番号を書こうか悩むことも、とても大きな影響をあとで与えてくる。
それを利用して敵をだますこともできるだろうし、逆に仲間を作ることも出来る。
生きる目的だって、変わってくるかもしれない。

「考える時間を5分与える。真剣に考えることだ。
ちなみに話し声が聞こえた場合は問答無用で殺害するので注意するように。では、はじめ。」

その言葉を期に、すこしだけ聞こえていた何人かのひとりごとが、消えた。
687作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/10(水) 21:40:33 ID:???
本日は以上です。
おぼえている方がいるかどうかわかりませんが、去年の投下のときに言った通り、
今日は私の誕生日なんです。
はい、どうでもいいですね。すみません。

明日は部活がないので2回投下できると思います。
では。
688マロン名無しさん:2008/09/10(水) 21:41:33 ID:???
おっつー。
wktkしてます。
689マロン名無しさん:2008/09/10(水) 21:42:34 ID:???
690マロン名無しさん:2008/09/10(水) 22:06:50 ID:???
乙です。
生き返るルールは面白いね。
使い方次第でいろいろな展開が考えられるよ。
691伊吹 ◆z2oYImvW8k :2008/09/11(木) 04:35:04 ID:???
>>687
GJです。生き返るという発想はなかったので新鮮です。
簡単な絵ですみませんが超を描いてみました。彼女は悪役が似合いますね。
ttp://www7.uploader.jp/dl/yuyu/yuyu_uljp00002.jpg.html

別館さん1万hitおめでとうございます。
ttp://www7.uploader.jp/dl/yuyu/yuyu_uljp00003.jpg.html
692マロン名無しさん:2008/09/11(木) 06:11:35 ID:???
仕事早いな〜伊吹氏。乙です。
693作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 15:57:28 ID:???
どうもです。
予告通り、1回目の投下、行きたいと思います。
694作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 16:10:39 ID:???
3.Tragedy 〜悲しみの劇、開幕〜

29人の生徒たちが、みんな考えていた。
かけがえのない親友。それが1人に決められればいいが、2人以上いた場合はどうするか。
どちらかを選ぶことなんてできるほどの心の強さは、誰も持ちあわせていない。
せめてその親友と話すことが出来れば意見も決まるだろうが、それすらも許してくれない状況がそこにはあった。
途中、朝倉とハルナが手を上げて何かを質問していたが、内容は全く聞き取れなかった。

「あと1分。」
謎の男の通った声がかかる。
もう書き終えてしまっている人は鉛筆を置いてじっと座っているが、ほとんどの人がまだ紙を前に固まっていた。
着々とすぎていく時間が悲しく、殺し合いをするということがまだ認識できていない人は
疑問がたくさん頭に残っている状態で、さらなる疑問を解かなければいけない。
誰かが鉛筆で点線をなぞる、ツーッという音が聞こえるたび、急がなければという気持ちが早鐘を打っていく。

「あと30秒。ちなみに、何も書かなかった場合はその時点で失格だ。死んでもらうぞ。」
それを聞いた直後にツーッという音が鳴り響く。
何かあれば死ぬ、という危機感だけがいまのみんなを成り立たせているといっても過言ではないだろう。
その危機感を支配して正しい判断ができるか、支配されて誤った選択をするか。
これから始まろうとしているゲームは、それによって運命が変わってくる過酷なバトル。

「10秒だ。まだ書いていないものはいますぐ書き上げるように。」
だがまったく音はしなかった。
みんなもう意思が決まっているのだろう。
「3、2、――――」
サッ
「1、0。鉛筆を置け。」
カランカランカラン――
いっせいに29本の鉛筆が机の上に投げ出され、転がった。
すぐに超の部下のような人たちが紙と鉛筆を回収してまわる。
作業は速やかに行われていった。
695作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 16:12:22 ID:???
「ではルールについての説明をする。」
静まり返った部屋の中に、たった一つの声だけが響く。
「基本的なことはわかるだろう。
ランダムで配られた武器を使って、ひとりになるまでクラスメイトたちを殺してまわる。
何人かで固まって行動するのも自由だ。
まぁ裏切りがいつ起こるかもわからないからひとりで動くことをお勧めするが……。
ゴホン、それから開始から2回目の――――」
――その後もずっと説明は続いていった。
この島が半径10キロほどの円形の無人島であること。
円形の島がピザのように扇形に12等分されていて、そのエリアがランダムで禁止エリアになっていくこと。
そこに30秒間入ったら首輪が爆発して木っ端微塵になること。
死亡者と禁止エリアは6時間ごとに行われる放送で公表されること。
6時間誰も死ななかった場合は、全員の首輪が爆発すること。
その他にもたくさんの細かなルール説明があったが、誰も落ち着いてその説明を聞いている余裕はなく、あっという間に時間はすぎていった。

話を聞いていくうちにどんどん涙がこぼれる人もいた。
うつむいて、机を濡らすばかり。
これは神様が3−Aに与えた罰なのだろうか。
神様の気に触れるようなことを、何かしてしまったのだろうか。
最初のうちはこれが夢であることを祈っていた人も、いまはもう現実に震えることしかできなくなっていた。
もう帰れることはないと悟って、思い出される記憶たちが心を感傷的にさせる。
「最後に1つだけ、ネギ君のことだが――――」
現状を受け止められずうつむいていた生徒も、思わず顔を上げた。
ネギならこの状況をどうにかしてくれるかもしれない。現にいままで何度も3−Aのピンチを救ってきたのだから。
しかし期待は簡単に裏切られた。
「このゲームが終わるまで、絶対に出られない牢に入れて待機させておくよ。いろいろ手出しされると困るものでね。」
またすぐに視線を落とした。
生きたいのであれば、自分の身は自分で守るしかないということだ。
696作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 16:13:57 ID:???
もう説明は終わったのか、部屋から魔法使いたちは出て行く。兵士たちは残っていた。
いまだに外では雪が積もっていて、降ってはいないもののとても寒そうだった。
だが絶対に、と言っていいほど、いまのこの部屋の中の空気の方が冷たく冷え切っていたことだろう。
ひとつひとつの言葉が氷の刃のようにとがり、みんなの心へと突き刺さっていく。
脆い人の心が、いとも簡単に傷つけられていった。

「ではお待ちかねの開幕ネ。私が出席番号順に名前を呼ぶから、呼ばれたらここに来て、スタートということになるヨ。」
見れば転移魔方陣が用意されている。
とても見慣れないものであったが、それがなんであるのか気になりすらしなかった。
「まずは2番、明石裕奈。」
――――――


何の問題もなく出発は進んでいった。
転移魔法を用いるため、次の人との間を空ける必要がなくどんどん出て行く。
怖い人たちがいなくなったからか、なんとなく話し声も聞こえてくるようになったが、当然3−Aのいつもの活気に戻ることはなかった。
まき絵と風香が、怖いねなどと言っているくらいで、あとは恐怖にうめく声ばかりだった。
獣を入れた檻のような、絶望に包まれた暗い監獄にも思えてくる。


「8番、明日菜サン。」
明日菜はゆっくりと席を立ち上がる。
あの魔方陣に乗ってしまえばもうそこは戦場だ。
明日菜はゲームに乗る気などさらさらないが、死ぬつもりも全くなかった。
あの魔法使いたちにどれほど自分たちの力が通用するかはわからないけど、やれるだけのことはやってみる価値がある。
きっと刹那さんやくーふぇなんかは一緒に戦ってくれるだろう。
ネギやエヴァには追いつけなかったけれど、着実に強くなってきたはず。
その成果を、いまこそ見せつけなければいけないときだと確信した。

697作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 16:15:17 ID:???
ただ明日菜にはひとつだけ気がかりなことがあった。
それはついさっき、書き込みのカウントダウンがされている時。
聞こえたのだ。
刹那のいうとおり、明日菜は目や耳が一般人よりもとてもいい。
だからその明日菜の耳には他の人が気付かないくらいのかすかな音が、確かに聞こえた。
最後の最後に、誰かが一本だけ線を付け足した音を。
いくらそれについて考えても何かについてわかることがあるわけではないとわかっていたが、
なぜか嫌な胸騒ぎがして収まらなくなっていた。

超の、はやくしろ、というような目を見て明日菜は魔方陣へと歩いていく。
従ったわけではない。はやくしろ、といわれるのが嫌だっただけ。
それに乗る直前で、超に丁寧に大きなバッグを渡されて、明日菜は超の方に向き直った。
「あんた、おぼえてなさいよ。絶対に許さないんだから。」
話しかけられるなんて思っていなかった超はすこし驚く。
「わるかたネ……。」
「え……?」

口調はいつもと全く同じ。
だがその顔に、ほんのすこしだけだが悲しそうな表情が浮かんでいたことを明日菜は見てしまった。
笑って受け流されるだろうと思っていたのに、意外だった。
影が差したような、どこか哀愁を感じさせるような、そんな雰囲気。
「ちょっと超さん、どうした――――の?」
しかし間に合わず、明日菜はどこかへと転移されていく。

途中で途切れた言葉を、超は聞こえなかったふりをして美空を呼ぶ準備をした。
何を言われようと、超以外には関係のないことだから。

午後0時21分  ゲーム開始  残り 29人
698作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 16:16:40 ID:???
4.Falchion 〜自分か友か〜

「ファルシオンだって、知らないなー。」
裕奈の次に出発した朝倉は、右手に刃の太めのナイフ、正式な名前をファルシオンという武器を持って、左手の説明書を読んでいた。
その説明書には、『これはナイフにしてはかなりの重量があるもので、力技でたたき切ることも可能』と書いてある。
確かに鉈とナイフを足して2で割ったような造りだった。
切れ味はどうなのかと思って、それの端っこだけ自分の左腕につけてスッと引いてみると、なめらかに切れて一筋の傷から赤い糸が現れる。


朝倉は、紙を配られてから質問をした。
手を上げた瞬間にみんなの視線が集まったのを感じたが、気にせずに超を呼び寄せた。
した質問はこうだ。
「私が生き残ったら、死んだ人が生き返るんだよね?」
超は確かにYesと答えた。だから朝倉は書いたのだ。
『1』と。
よく考えてみると、2人きりになって本気で友達として付き合える人はこのクラスにはいないことがわかった。
スクープのためならば人を騙すことも厭わなかった自分には、親友と呼べるものがいない。
それがわかってしまったから、唯一自分を信じてついてきてくれるさよを生き返らせてあげるのも悪くないと思った。
3−Aでなくても、私は生きていける。
「だったらみんな殺して生き残るのがベストだね。」
死んでしまっては何にもならない。誰もがそう思うだろう。
それを自分に当てはめて考えると朝倉のような意見になる。逆に、相手に当てはめて考えると仲間とともに脱出しよう、という考えが生まれる。
現状においてどちらがいいのかはわからないが、朝倉は殺す側に回った。
そしていま、ここでファルシオンを持って立っている。


傷つけた自分の腕から血が滴り落ちて雪に触れ、波紋のように広がっていった。
それを見た朝倉は満足そうに微笑んで傷をなめると、バッグに入っていた地図を開く。
現在位置はわからないが、とりあえず山だということはわかる。
教室の窓からの景色どおり外は雪がつもっているところもあり、さっき見ていた雪原ほどではないにしろ冬の空気を感じさせた。
連れてこられた場所がそのような寒い地域だったのだろう。
699作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 16:18:55 ID:???
「ん、なんでだろう……。」
ひとつだけ、地図を見ていて疑問に思う点がある。
それは、スタート地点だった教室のような場所が地図上のどこにも書かれていないことだ。
病院、住宅街、小さな小屋など建物はみんな載っているのに、『教室』や『スタート』などの表記はどこにもなかった。
あの部屋の窓から外を見た限りではひたすら雪原が続いていたのでそのような場所を地図で探してみても、そこには何の建物もないようだった。
山、川、谷、丘、荒地などの記号はしっかりと書かれているのに平原のど真ん中にある家をひとつだけ書き漏らすなんてことはとても考えづらい。

悩んでも何にもならないと気付いた朝倉は、おもむろに歩き出していた。
自分が出発してからまだほとんど時間が経っていないことを考えると、あたりに誰かがいる可能性は低いだろうが、
とりあえず自分の現在位置だけは把握しておこうと思ったのだ。

自分が立っているのはかなり傾斜のきつい斜面。
前は下へ、後ろは上へ。
これといって歩くのに邪魔になるようなもの――落ち葉やシダのような――はなく、
雪もところどころに積もっているだけだったので、歩きやすそうな土の地肌が覗いている。
それにしても山を登っていく気にはなかなかなれなかったが、
まわりを見渡すためには上の方がいいはずだと思って仕方なく朝倉は登っていった。


――――――
案の定、誰とも出会わない。
人に会わないだけでなく、他の動物も何もいないようだった。
何の危険も無く頂上にたどり着くことができた。
「結構な風景じゃん。写真でも撮っときたいな……。」
なぜか霧がかかっていてあまり遠くのほうまでは見えなかったが、それがかなり美しい風景であることはわかった。
銀が一面を染めて、風が吹くたびにそれらが巻き上げられて美しく光る。
遠くの方では緑の葉っぱが見える。
冬なのに葉があるのは、超が勝手に自然の摂理を曲げて作った演出の1つだろう。
下のほうでは澄んだ川が流れているようで、滝まである。
そうしてまわりにあるものから考えると、いま朝倉がいるのは島の中央からすこし南西に行ったあたりの山のようだということは簡単に想像がついた。
700作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 16:20:19 ID:???
地図では超の仲間が言っていたように、島を扇形に12等分してある線が書き込まれていて、
時計まわりに北からエリア1、エリア2、エリア3――――、となっている。
時計をイメージするとわかりやすい。
そのエリアで考えると、いまの場所はエリア8の中心に近いほうだった。
「島が円形なんだから中心の方が危ないってことかー。」
真ん中にいると、前後左右すべての方向から攻撃がくる可能性がある。
逆に外側の方の沿岸部に出てしまえば、後ろから攻撃される心配はなくなるのですこしは安全ということになる。

「でも真ん中にいたほうが誰かに出会える確率は高くなるんだよね。」
ぐるっと見渡せばどこに誰がいるかは見えるはず。
実際いまの朝倉も、霧さえかかっていなければエリア2の方まで見ることができるだろう。
「じゃあこのまま待機しますか……。」
早めにゲームを終わらせて帰りたい朝倉は、すぐに標的を見つけられるように中側から動こうとしなかった。
あぐらをかいて、バッグに入っていた食料を食べ始めた。

すこしだけ血のついたファルシオンが、横に置かれている……。

                    残り 29人
701作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 16:22:18 ID:???
とりあえず以上です。
昨日といい今日といい、改行のセンスがなくてすみません。
一行に何文字はいるか考えずに、適当に区切ってしまっていたので変になったところがありました。
気を付けます。

2回目は夜10時くらいにしようかと思っています。

では。
702マロン名無しさん:2008/09/11(木) 17:55:38 ID:???
乙です。
改行か……。改行ってどこら辺ですればいいか分からんよな。
誰かいい具合の改行の仕方知らないかね?
703マロン名無しさん:2008/09/11(木) 18:04:07 ID:???
jane使えばわかりやすいと思うよ。
704マロン名無しさん:2008/09/11(木) 20:18:54 ID:???
やっと長編作者が現れたか
この調子でこのスレも盛り上がれば良いけど
705作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 21:46:07 ID:???
>>703
こないだまで使ってたんですけどなんか壊れたっぽくて、
更新してもこのスレの>>343より先が表示されないんですよ。
さらに書き込みもできなくなってる始末なんでどうしようもなくて……

>>704
そうできるよう努力します。

2回目の投下、いきたいと思います。
706作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 21:47:36 ID:???
5.Mirage 〜現実というもの〜

まき絵のスタート地点は教室の目の前だった。
転移魔方陣に乗って、体がふわっと浮くような感覚に包まれたあと
いつの間にか意識がなくなっていて、気が付いて目を開けたら雪の上に寝転がっていた。
「えー。つまんないよー。」

すぐそこにある建物の窓から中を覗けば、楓が魔方陣に乗っているのが見える。
するとすぐに楓の姿が消え、小さなキラキラしたなにかだけがそこに残る。
それを超が確認すると千鶴を呼ぶ――――。

ついさっきまで見ていた光景をまた見ることができた。
転移はランダムに行われるので、ほんのすこししか移動しないなんてことも大いにありえるわけだが、
実際に体験してみたまき絵からしてみればかなり期待はずれだった。

雪原の真ん中にぽつんと一軒だけ立っているこの建物。
こんなに雪の降り積もる地域なのに、屋根は平ら、壁もそんなに厚くないように見える。
まるで一時的に中で話をする場所が必要だったので、ほんの数時間たっていられればいいくらいのものを仮設しただけにも思えた。
吹雪が来れば、屋根に雪が積もってつぶれてしまうのは目に見えていた。
何の工夫もない、立方体型に組まれた板のかたまりだ。

さらにその教室のまわりをまわってみても、ドアのようなものは確認できない。
さっき、変な強そうな人たちは確かにドアから出て行ったように見えたが、それがあった場所を見てみてもただ壁があるだけ。
つまり、入れなかった。
うまくいけばその教室にもう一度入って、いくつかバッグをもらい食料や武器を
集めることができるかもしれないなんて思っていたのだが、それは無理だった。
これから何が起こるにしても、食料と武器は大事になる。
2つだけある、生き残る方法。
優勝と、反逆。
どちらにせよ人を殺めなければいけない状況がある。
だからできることならたくさん持っておきたいと思ったのだ。
707作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 21:50:37 ID:???
「なんだろ、これ??」
まき絵がバッグを開けて取り出したものは、ごつごつした岩のような生地の服。
普通の服と比べればかなりの重さがあり、まき絵が着ようとすると軽くふらついてしまう。
『これがあれば怖いものなし!! 君も果敢に戦場に立ち向こう!!』
そんな調子に乗った文句が表紙に書かれている説明書を読まなくても、着てみてそれが何なのか理解した。
厚さがとてもあり、生地が硬い。
防弾チョッキというやつだ。
連れてこられた状況が状況だったためみんな私服なわけだが、そのなかでもまき絵はかなり
ゆったりしたTシャツにジーパンというラフな格好だったので、幸い服の下に防弾チョッキを着ることができた。
肌に直接その感覚が伝わってきてあまりいいものではなかったが、これで致命傷となる怪我を
防ぐ可能性があがるのなら、着たほうがいいに決まっている。

「さむっっ!!」
着替え終わったまき絵は思わず叫んでしまった。
何も妨げるものが無いので広い雪原を一直線に駆け抜けていく風は、雪の冷気を帯びて相当冷たい風となっている。
夏休み中だったので夏の格好をしているのだから、寒いのは当たり前だ。
そんな状態だったので、衣服としてある程度寒さも防げる防弾チョッキを引き当てたまき絵は当たりといえるのかもしれない。

しかし寒いことに変わりはなかったので、まき絵は歩いて体を温めようとしていた。
地図はあってもまわりに目印になるものも無くどこがどこだかさっぱりわからなかった
まき絵は、コンパスだけを頼りに西にひたすら歩いていく。
別にこれといって西に行く理由は無かった。ただの思い付きである。

まき絵が紙に書いたのは『5』。亜子の出席番号だ。
同じ部屋で暮らしていたので人一倍仲が良くて、一番の親友として付き合ってきた。
だからもし自分が優勝して生き残ってしまったら、亜子と一緒にいたいと思った。
でも当然、まき絵は他のクラスメイトたちを殺しまでして生き残るつもりは無く、何か他の脱出方法は
ないかと考えようとしていたのだ。
まき絵は亜子と親友でもあるが、裕奈やアキラとも親友だ。
それなのに、その裕奈やアキラを見捨てたり殺したりして生き残ろうとすること自体、まき絵には絶対にできないことだった。
708作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 21:51:42 ID:???
まず誰かに出会うこと。
3人寄れば文殊の知恵ともいうように、たくさん人が集まれば何かしらの
案は出てくるのではないかと期待しつつ、まき絵は雪原を移動していく。



「あれっ?」
だがしばらくして不思議な感覚を覚えた。
何かが足りないような、必要なものがなくなってしまったかのような、そんな感覚。
友達を失ったとか、そんな重要なことではない気がしたが、それでも気になった。
スタートしてから歩き続けてきて、でも疲れてしまったわけではない。
自分の体を一通り見てみても何もなくなっていないし、別に撃たれたりしたわけでもない。
バッグの中身ももとのままだ。
気のせいかとも思ったが、やっぱりまだ違和感がある。
まき絵は飛び跳ねたりしゃがんだり、深呼吸をしてみたりしたが、特に何も起こらない。
「なんなんだろう……。」
まき絵は1人でキョトンとして立ちすくむ。
そしてあたりを見回してみてもそこには何も無い白い世界が広がっているだけ……。
何も無い、本当に何も無い白だけの世界……。
唯一見えるものといえば、先の方にうっすらと影が出てきた茶色。
やっとこの何も無いところから抜け出せると思ったところだったのだ。
さらにもう1つだけ、まき絵はゆっくりと後ろを振り返る。
そこにはまだそう遠く離れていない教室があるはずで、そろそろ全員が出発完了している頃かもしれない。
ザジを送り出した超が、1人で教卓に座っているところも想像できる。
それなのに。
まき絵の後ろには最初に出てきた教室が――――
「ええっ??」

――――なかった。

まだ30分も歩いていないから、距離的な問題で見えなくなってしまったわけではない。
明らかに、なくなっていた。
709作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 21:52:39 ID:???
茶色い壁で、20メートル四方くらいはあったであろうその建物が消えてしまっていた。
目をこすっていくら見直してみても、そこに広がる平面は変わることなく白いまま。
煙のようにどこかへ消えてしまったのだ。


このときになって初めて、まき絵の心に恐怖という感情が生まれた。
それは殺し合いに対する恐怖ではなく、現実に対する恐怖。
蜃気楼でも見ていたのか、などと無理やり納得することもできない。
現実ではありえないことが目の前で起こってしまったときに、人は、信じられないという気持ちを通り越して脱力感にとらわれる。
いまのまき絵はその状態だった。
いくら歩いても雪原が広がっているし、もしかしたらこの世界には自分しかいないのではないか、とも思えてくる。
この大きな空を見上げているのも、もう1人になってしまったのではないか。
そんな虚無感にとらわれる。
「ぇ……誰か……ぁ――」

まき絵は、立ち止まった。
そのまま足をぺたんと地面につけ、座り込んだ。

                    残り 29人
710作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 21:53:55 ID:???
6.Crimson 〜それは真っ赤に燃える〜

「ったく、こんなクラスの中で戦ったって勝てるわけないッスよ……。」
美空の開始位置はエリア9とエリア10の間の、一番外側だった。
つまり島の最西端。
転移されて着いたところが海岸沿いで、コンパスで方角を確かめたから間違いない。
肌を締め付けるような冷たい風が吹き、海は静かにゆれている。
たまに打ちよせる大きな波が、美空のいる岩のところまで届いてくることもあった。
遠くまで深い海が広がっていて、この島以外にはなにも浮かんでいなかった。

美空はこのクラスに異常な戦闘能力を持った人間が多くいるのはずっと前から
知っていたが、その程度を知ったのはつい最近になってからだった。
美空自身も魔法使いであることがバレたあたりから、美空はネギのことをよく知るようになってきている。
それと同時にネギの周りの人々についても深く知り始めたのだ。
真祖の吸血鬼、600万ドルの賞金首のエヴァンジェリンを筆頭として、NGO団体に
所属していたかもしれない真名に、どこからどう見ても忍者の楓。本家の神鳴流剣士の刹那。
美空は最初だけ、ゲームに乗ってみてもいいかな、なんて思ったが、それらを思い出した時点で
そんな思いはどこかへ飛んでいった。
一応魔法使いではあるものの戦闘能力は皆無に等しい美空に、勝ち目は全くないだろう。
パクティオーカードすらないいまの美空は、一般人に毛が生えた程度の実力しかない。

「誰かを探しますかねー。」
初期位置がとてもいい場所だったのでできればあまり動きたくなかったのだが、いつまでも
じっとしていても何も変わらないし、誰かが襲ってきたとしても今の美空では抵抗すらできないことは歴然としている。
ランダムとはいえ、さすがに武器が入っているものだと信じていたのに……。
バッグを開けて、唖然とせざるを得なかった。
まず、それは違う用途のためのものだと思った。
ちょうどパンと水も入っているわけだし、それと一緒に使うと思ったのだ。

――――皿なんて……。
711作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 21:54:50 ID:???

だがどんなに探してもほかに武器成りそうなものはバッグに入っていなかった。
凝った模様が付いているからどこかの名産品なのかもしれないが、陶器でどうやって殺し合いをしろというのだろうか。
とにかく、武器がそんなものだったので早めに誰か味方になってくれる人を探さなければならなかった。


しかし美空が動かなくても、相手はすぐにやってきた。
右手に大きな銃を抱えて。
「風香!!」
すぐ近くにあった森から、足音を潜めることも無く堂々と登場したのは鳴滝風香だった。
薄ピンクの半袖Tシャツに、ジーンズの生地の短いパンツ。
小学校低学年のような服装に、赤や黄色の葉っぱが大量についている。
紅葉した葉っぱが風で揺らされて落ちてきて、それが付いたようだ。
この島ではいろいろと、自然に関することが狂っているらしい。
真冬のような温度なのに紅葉した葉っぱなんてあるわけがない。
だがそんなことはいまの美空には気にならなかった。
もう1人じゃない。この悲しみを分け合える友達と出会えたから。
そんなうれしさで満ち溢れていた。

「みそら、ごめんね。ボクのために――――」
美空は、強力そうな武器を持っていてかつ、信用できそうな友達が現れてくれたことが、神様からのプレゼントのように感じた。
(毎日シスターに言われて嫌々祈ってた甲斐があったってもんだ。)
助かった、と喜ぶ気持ちばかりが先行して風香が小さく何かを言ったのも気にせず、美空は風香に近づこうと駆け出す。
しかし風香は美空に声をかけられても何の反応も示さず、むしろそれを聞くと、銃を肩に担いで美空へと向けた。
ツインテールの右側の髪が、銃身にかかる。
712作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 21:56:10 ID:???
「なっ……。」
思わず足が止まってしまった。
風香の手には有り余るほどの大きさの銃。
指はしっかりとトリガーに添えられて、後はもう引くだけの状態になっている。
普通は1本だけ指を入れるところに、風香の細く小さな指は2本入れられていた。
銃なんて真名が使っているのしか見たことが無かったので、自分にその銃口が向けられて
いてもあまり現実味がなく、緊張感は感じない。
でも、本能的に足は止まってしまった。
皿しか持っていない自分。それに向かい合っているのは大きな銃を持った風香。
黄色い葉っぱが落ちる森を背に、後ろは海しかない美空に銃を向ける。
海は最初から禁止エリア。
美空には逃げ場なんてものは存在しない。
緊張こそしなかったものの、やはり脳の信号が危険メッセージを出していた。
「これは……やばい、のかな?」


美空が風香に対して感じることはただ1つ。
それはいつもの風香ではないということ。
底抜けに明るく、誰かをからかってはケラケラ笑っている風香の姿はそこには無い。
目に光が宿っていなく、友を友として見ていない目をしている。
こんな表情は見たことがない、というくらいに険しい顔つきで美空を見つめる。

そして、風香は大きく間を開けて続きをつぶやいた。
「――――死んで。」

ダァァーーーーン
美空はなにが起こったのかわからなかった。
一瞬で目の前が光で閉ざされ、目を開けていられる状況ではなくなった。
激しい耳鳴りが頭を襲う。両手で頭を押さえようとしたが、その瞬間に左半身に
ものすごい熱を感じ、その強烈な感覚に体が硬直してしまう。
さらに体が右へと倒れていき、抵抗する間もなく頭が強く岩にたたきつけられる。
意識が吹っ飛びそうになるのを必死でこらえて、どうにかして目を開けようとした。
713作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 21:57:56 ID:???
(風香に……撃たれた?? そんなバカな。)
だがそれを意識する間に、美空の服はどんどん燃えていく。

風香が撃ったのは焼夷弾。
銃はM79グレネードランチャーという40mm擲弾銃。
装弾数こそ一発しかないものの、手榴弾並みの威力を誇る榴弾や、いま撃った焼夷弾などいろいろな威力の高い弾を扱える強力な銃だ。
風香の配られたバッグの中にはこの銃と、焼夷弾と榴弾がそれぞれ3発づつ入っていた。
武器としては大当たりの部類に入るものだ。
焼夷弾はその名の通り、敵を焼き払うための弾。
当たってしまえば最後、炎に包まれ、火だるまとなってしまう。
「1人倒したよ……ふふっ。」
風香は、地面に倒れて燃え続ける美空の近くまでいくと、体の9割以上に火傷を負っていることを
確認してバッグを奪い、その場から去った。
もう美空の死に様には全く興味がないと言いたげな雰囲気を醸し出して――――


残された美空は、いまだに風香に撃たれたことが信じられず、状況を把握できないまま転がって苦しんでいた。
自分が今どのような状態になっているのかすらわからず、痛みも感じない。
焦げ臭いにおいがツンと鼻を突くが、そのにおいが自分の肉が燃えていることで発せられているものだとは全く気付かない。
無惨なまでに腫れ上がり、どろどろに溶けていく体が、美空の命はもう消えることを告げていた。
「――――!!」
風香が離れていったことで意識がはっきりした美空は、やっと痛みに気付いて
悲痛の叫びを上げようとするが、のどをやられていて声が出なかった。
しばらくの間、火を消すためか痛みをすこしでも和らげるためかジタバタと地面を暴れまわっていたが、
火が落ち着いて消える頃になって、その動きも――止まった。

波が、押し寄せてくる。
水しぶきを上げて上陸した波は、何の変わりもなくまた引いていく。
後に残ったものは、マネキン人形のように手足をだらりと伸ばしている死体だけだった。

   出席番号9番 春日美空 死亡
                    残り 28人
714作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/11(木) 22:00:11 ID:???
本日は以上です。

明日は部活→塾なので投下がかなり遅くなるかと思います。
では。
715マロン名無しさん:2008/09/11(木) 22:09:15 ID:???
作者乙です。
数字に書き足したのはその変化を考えたら結構絞り込めそうだけど、楽しみにしてます。
716マロン名無しさん:2008/09/11(木) 22:37:45 ID:???
乙です。

なかなかいい感じで伏線をまいてますね。後が楽しみ。

ふう、空気の美空がさっそく死亡。
ハカセはもうちょっと頑張ってほしい。でも生き延びてほしいとも思わない。
717マロン名無しさん:2008/09/12(金) 14:24:24 ID:???
>>705
俺もあった!インストールしなおしたらなおったよ
718マロン名無しさん:2008/09/12(金) 21:12:06 ID:???
図書館組とかチアとか気になるなー
ともあれ乙っす
719マロン名無しさん:2008/09/12(金) 22:01:41 ID:???
乙です
720マロン名無しさん:2008/09/12(金) 22:09:46 ID:???
投下マダァ-?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
721作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/12(金) 23:05:51 ID:???
遅くなってすみません。

>>717
まじですか!! 投下し終わったらすぐためしてみます。情報サンクスです。

では、今日の分、いきます。
722作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/12(金) 23:08:15 ID:???
7.Classmate 〜同級生? 姉妹? 親子?〜

いとしい姉が遠くで人殺しをしたとも知らずに……。

「お姉ちゃん、どこですかー?」
たとえ半径1メートル以内に誰かがいたとしても聞こえないくらいの小さな声で、史伽はさみしげにつぶやく。
鳴滝史伽はエリア2の雪山の中を1人さまよっていた。
ひとりぼっちで、何も無い雪山の斜面に投げ出された史伽はどこに行けばいいかもわからずただ歩くことしかできなかったのだ。
気が付けば倒れた木を枕に寝ていて、起き上がると体中に雪が付いていた。
いくら散歩部とはいえどもこんな厳しい寒さの中を歩いたりすることはなかったので、そのうち雪に慣れていない
肌がピリピリしてきて、少なからず雪を実感する。
すでにしもやけを起こしているようだった。

席こそ離れていたが、まき絵と話している声を聞いたときから、姉の風香の様子がすこしおかしいことには気付いていた。
他の人にはわからないようなかすかな違いだったが、いつも一緒にいる史伽にはその違和感を感じ取ることができた。
ぎこちない顔つきで、無理やりまき絵と話を合わせているのが目に見えてわかる。
本当は恐怖と混乱で頭がごちゃごちゃになってしまっているのだろうが、それを強がって隠しているのだろうと思った。

双子、ということで当然史伽はその風香の番号『22』を書き込んだわけだが、どうせ自分1人だけが生き残るなんてことは
ありえないだろうと考えていたので、あの紙にそれほど重要な意味があるとは思えなかった。
さらに3−Aのメンツから考えてなかなか殺し合いになるとは思えなかったし、もしなったとしてもそれを止めようとする人たち
が絶対にいるはずだと思った。
あの天才、超鈴音が考えて作ったプログラムならば穴があるはずはない気はしたが、きっとどうにかしてみんなで生きて
帰れる方法があるはずだと信じていた。

史伽は重い足取りで雪山を歩いていく。
生えている木々は葉っぱがすべて枯れ落ちていて、遠くから見ても史伽の姿を確認するのは容易だろう。
723作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/12(金) 23:09:43 ID:???
誰もいなかった島なので、積もっている雪には足跡はなく、史伽が歩いてきた道のりにだけ小さな足跡が残されていく。
もし史伽を殺す気の人が来たらすぐに場所がばれてしまうが、仕方のないことだった。
史伽に、足跡が残らないように歩く技術なんてあるわけがない。
いまの史伽にできることは、頼りになる人を探すことのみ。
自分ひとりでは何もできないし、じっとしているのも寒い。
風香と同じように半袖、半ズボンの夏休みスタイルだった史伽にとって、この雪は過酷な試練以外の何物でもなかった。
火を起こして暖を取ろうかとも考えたが、ライターもなければマッチもないことに気付きあきらめた。
とにかく、歩くしかすることがなかったのだ。


そして――
「かえで姉ぇ!!」
歩き続けること30分ほど。
史伽は、自分がいる山とは谷を挟んで反対側の山に、長瀬楓がいるのを発見した。
史伽には一番頼りになる味方だった。
その谷はとても大きく、幅は20メートルくらいあって、深さも100メートル近くありそうだ。
底は川が流れていたのだろうが、いまはただの地面となっていた。
声を聞きつけた楓は一瞬ぎょっとした顔つきになって振り向いたが、それが史伽だとわかるとすぐさま史伽のもとへ駆け寄ろうとする。
だが、さすがに20メートルの谷を跳んで越えることはできないため、山を歩いて、谷を渡るための橋を探さなければいけなかった。

「史伽、そこで待っているでござる。」
史伽に聞こえる最低限度の声で楓が話しかける。
雪が音を吸収するので、史伽は聞き取るのにちょっと苦労した。
「わかったです。」


――すこしして楓は史伽のところに到着した。
「史伽、無事だったでござるか。」
聞きなれたその声を聞くと、なんだかとても安心することができる。
いままであったやさしい温もりが帰ってきたように感じた。
「かえで姉ぇ、怖いですー……。」
50センチほども身長差がある楓に、史伽は思いっきり顔を押し付けた。
724作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/12(金) 23:10:45 ID:???
「大丈夫でござるよ。たとえ誰かが襲ってきても、拙者が守ってみせる。史伽は無駄な心配をしないほうがいい。」
楓は史伽の肩に手を置いてなだめるように軽くたたく。
だが史伽はなかなか楓から離れようとしなかった。
ずっと楓の背中に手を回して顔を押し付けて抱きついているだけ。
自分では気付かないほど、この何十分かの間に精神的な疲労がたまってしまっていたのだ。
それが一気に解き放たれて、甘えたい気持ちが心を満たす。
「ほらほら史伽、もう離れて。」

泣きつく史伽の頭を、大きな手のひらで楓はやさしくなでる。
手で包み込めてしまうくらい小さなその頭は、とても儚く脆いものに思えた。
上下に痙攣する細い体を、楓はこれからも守っていかなければならないのだ。

くだらないゲームで自分が死ぬのは嫌だ。
超という、クラスメイトの計画した殺人ミッションの中なんかで散っていくのは御免だ。
そんなことを考えるよりもまず先に、自分を頼りにしてくれていた双子の片割れを自らの前で失うのだけは
絶対に避けたいという気持ちが先行した。
このような非日常のことが起こったときに、他の人をいかに守れるか、そのために山奥で修行してきたといっても過言ではない。
戦いなんていらない、けれど戦わなければ意見を通すことのできない人もいる。
だから楓は忍者としての戦う力も養ってきたが、本来の修行の意味は、誰も傷つかない世界をつくり、保つためだった。


「史伽、ここにいては危険だ。近くに家があるみたいだから移動するでござる。」
やっと顔を上げた史伽をつれて、地図上にある家を目指して歩き出した。
史伽の体は冷え切っていた。手を握ると、それは死体のように凍り付いているのがわかる。
だからどこか暖まれる場所で休む必要があると思ったのだ。

案外近くにあったその家を見つけると、楓が先に中を確認してから2人は入っていった。

                    残り 28人
725作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/12(金) 23:12:09 ID:???
8.Enemy 〜友達という名の敵〜

「ちょっと超さん、どうした――――の??」


教室を出てから、明日菜は住宅街へとワープしてきていた。
いわゆる普通の民家が建ち並ぶ住宅街で、道路はコンクリートで舗装されている。
無人島なのに舗装されているのは、超がそうしたかったからだろう。
意味もなく、電線の通っていない電柱やふたを開けても何もないマンホールなんかがある。
あからさまに、人工的に模造された現代の風景だった。
それぞれの家には鍵がかかっていなかったので勝手に中に入ることができたが、誰かに会うことを最優先にしている
明日菜は、あえて家には入らなかった。

「超さん、どうしちゃったんだろう……。」
明日菜が部屋を出る直前に見た、超の悲しそうな表情。
お別れパーティーをやったときでさえ見せなかったそんな表情を、超はしていた。
できないことのない彼女は、いつも困っている様子をまわりに見せることはなかった。
強がりなのか素なのかわからなかったが、とにかく周りから心配されるようなことは絶対になかったのだ。
学園祭で戦ってから明日菜は超のいろいろな面を見てきて、ずいぶん卑劣なことをする人だと見損なっていたことも
あったが、別れ際になってやっぱりいい人だという結論に達することができた。
だからクラスメイトとして欠けてしまった仲間が帰ってくるとい知らせには、心を躍らせて昨日のパーティーを迎えた。
そしてこんなことが始まって、やっぱり残虐な精神の持ち主だったのか、と思い直していたときに見てしまった、あの表情。
超に対する思いがころころと変化していく中で、明日菜の思考回路では考えが追いつかなかった。
何の裏もなしに超が悲しさを表に出すなんてことは絶対にない。
きっとこのプログラムをやる上で、理由があったに違いないのだ。
その理由を突き止めるためにも、このゲームを止めなければいけない。
もしかしたら超はこのゲームを実行したくなかったのかもしれない。
そうだとしたら、こんなに悲しいことはないではないか。
726作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/12(金) 23:13:29 ID:???
住宅街があるのはエリア11。
寒いことには寒かったが明日菜にとっては凍えるほどではなく、ちょっぴり涼しいくらいの温度だった。
明日菜の頭はたくさんの疑問で埋め尽くされていて何から考えていっていいかわからなくなっていたが、一人で
考えても何の結論も出ないことがわかったので歩いているのだ。
武器は当たりといえるほうだろう。
刃渡りがだいたい50cmくらいのサーベル。
アーティファクトとして大剣を使っていたので軽すぎて持っている心地がしなかったが、そこらへんに落ちていた
木の枝を切ってみたら簡単に切れたので、切れ味はいいようだ。
やるつもりはないが、人の首も楽に切断できるだろう。
素振りをしてみると、ヒュッと空気を切る音がしてなぜだかうれしくなった。


と――――
遠くから聞こえた誰かの走る音に、明日菜は近くの家の陰に身を隠した。
タッタッタッタッと規則正しく走ってこっちに向かってくる音が、だんだん大きくなる。
(よっぽど自信があるのか、死んでもいいと思ってるか、そのどっちかよね。)
ほかに音がしないためその音は良く響き、家と家の間の小さな隙間に隠れた明日菜にも、相手がいつ自分の
前を通るか簡単に想像がついた。

「待って!!」
前を通り過ぎようとした誰かを、明日菜は呼び止める。
足音が止まったのを確かめると、急いで道に出た。
走っていたのは桜子だった。
後ろ姿しか見ることができないが、その三つ編みとピンの多さからわかる。
「桜子!! ゲームに乗ってないわよね?」
特に警戒する様子もなく、明日菜は話しかける。
背中を向けていた桜子はゆっくりと振り返って明日菜の姿を見た。

その手には銀色に光るサーベル。日の光が反射してきれいに輝いている。
さらにほこりを頭からかぶっている明日菜は、泥棒なんかを思わせるように薄汚れていた。
「……。」
727作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/12(金) 23:15:10 ID:???
それを見てしまった桜子は、持っていた銃を明日菜に向けて口を大きく開けた。
クラスで一番大きな声が、容赦なく飛んでいく。
普段だったらこんなことは絶対にないが、なんといっても状況が状況だ。
武器を構えて自分を見つめる人がいたら誰だって疑心暗鬼になるだろう。

「こないでぇぇぇーーっ!!!!」

叫びながら、桜子は指先に力を入れて引き金を引き続けていた。
狙っているわけではないが、桜子は銃を乱射していく。
それはProject90というサブマシンガンで、尽きることなく無数の弾が飛び散った。
「ちょっと、あぶなっ、ひっ、ねえ、待って桜子ー!!」
弾が撃ち出される音と、それが地面に当たって立てる音、さらには桜子の声までが混ざり合って騒音を起こして
いるので、明日菜の声なんて桜子に届くはずがない。
しかも足元にいくらでも弾が飛んでくるので近づくこともできず、踊るように飛び跳ねることしかできなかった。
その間に桜子はすこしづつ後退し、かなりの距離はなれると、また背を向けて走り出して逃げていく。
明日菜なんて信用できない、とでも言うかのように、振り返ることなく走っていった。

――それはほんの一瞬の出来事だったが、明日菜は桜子を追いかける気にはなれなかった。
この島の雰囲気に負けてすくんだ小さな背中が見えなくなるまで、じっと見送ることしかできないでいた。


「せっかく出会えたのに……。」
明日菜は恐れを感じた。
いまのように、人を信じられなくなっている人は、そのうち人殺しを始めてしまうだろう。
そんな人が何人もいれば、大丈夫だった他の人も相手を信用できなくなっていく。
相手を信じられなくなってしまったら、その時点でアウトだ。
そうなれば超たちの最初の目的どおり、殺し合いが成立してしまう。
もしみんなが殺しを始めたら、明日菜1人で止めることなんて絶対に不可能だから。
「次に会った人には、怖がられないように近づかなきゃ……。」
誰もいない住宅街で、その声だけが響き渡った。

                    残り 28人
728作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/12(金) 23:17:19 ID:???
今日は以上です。
明日は文化祭の買い出しにいく予定があるのですが、どのくらいの時間に帰ってこられるか
わからないので、2回投下できるかどうかは断言できません。
なるべくなら2回できれば、と思っています。

毎週金曜日はこのくらいの時間になってしまうかと思いますが、ご了承ください。

では。
729マロン名無しさん:2008/09/13(土) 00:18:07 ID:???
乙です
730作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/13(土) 17:36:56 ID:???
予定よりずっと早く帰宅できました。
1回目の投下、いきたいと思います。
731作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/13(土) 17:39:34 ID:???
9.Betrayal 〜光から闇へ〜

「やはり……。」
1人の少女がつぶやく。
彼女が見ていたものは広大な雪原にある一軒の家。
いや正しくいえば、広大な雪原にあった、たったいまなくなった一軒の家。
そこは何もないただの白い平面と化してしまった。
このようなことが起こることはなんとなく想像はついていた。想像とすこしの違いはあるものの、これを起こした人
の目的は同じだろう。
つまり、こういうことだ。

『この島から、超鈴音を含むゲームの主催者はいなくなった』と。

ルール説明の裏に隠されたことを、類推していた。
爆弾の入っている首輪は、超が未来の技術で作ったとんでもない代物。簡単に取れるわけもない。
さらに、6時間誰も死ななければ全員の首輪が爆発という恐ろしいタイムリミット。
その2つから考えれば、超を攻撃して首輪を解除させる、以外に脱出の方法はないことがわかる。
だから彼女はそうしようと思っていた。
何らかの形で敵の本陣に乗り込んで制圧できるかもしれないと思っていた。
だがそんなありきたりなことはもちろん超も思いつくわけで、それに対する最強の対抗策を始まってすぐに実行し
たのだ。

『この島からいなくなってしまえばいい。』

別に主催者だからといって、島に残ってクラスの面倒を見なければいけないわけではない。
やるべきこと――放送をかけること――さえちゃんとやれば、残っていなければいけない理由なんてどこにもない
ことを、超は当たり前のように気付いていた。
放送くらい、島の外からでも回線をつなげばすぐにできる。
だからスタート地点の建物自体を転移魔法の媒体として用いて、生徒全員を送り出した直後に他の場所へと逃げ
ることにした。

732作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/13(土) 17:41:02 ID:???
「超鈴音のことだ。自身は絶対に安全な方法を取るはずだとは思っていたが……。まさかこんな手に出るとは……。」
もうなにがあっても、ゲームを終わらせるには優勝するしかないということを悟ってしまった彼女は呆然と立ちすくんだ。

自分が優勝しても、目的はかなえられる。
だが本当にそんなことをしていいのだろうか。
クラスメイト全員を殺しまわることで、絶対に守らなければいけないものを守る。
自分のしなくてはいけないことへの道は、こんなに辛いものしか残されていないのか……。


「仕方ないな……。」
バッグの中から、ないよりはマシというほどの武器、アイスピックを取り出した。
相手に接触していないと攻撃できない上に、下手すれば一撃突いただけでは敵を倒せない可能性だってある。
変にアイスピックを使うよりこぶしで殴ったほうが威力があるのではないかと思える。
だがそれは、使うのが一般人だったらの話。
戦闘のプロともなれば急所を確実に突くことができる。
それならばどんな武器でも簡単に人を殺すことができるのだ。

教室の近くにまき絵が歩いているのが見えたが、そんな遠くまでわざわざ殺しに行くのは面倒だったし、その間に
誰かに見つかってしまうかもしれない。
それに、勝って生き残るつもりならば、必要な武器というものがある。
まき絵は、遠目で見た限り武器を持っていなさそうだったので追いかける必要がなかった。
他の人をつぶしていい武器を手に入れてから、あとで殺せばいいだけなのだから。

たいがいのときは制服を着ていて、いまもその例外ではないので、あまり寒くはない。
いまいる場所はすこし草が生えているが、まだまだ冬を感じさせる高原だった。
その草の陰で、誰かがしゃがみこんでいる気配を感じた。
「誰だっ!!」
声に反応してその体がビクッと動く。
すぐに誰だかわかった。
「大河内さんですか……。」
ゆっくりと立ち上がったその人は、大河内アキラだった。
733作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/13(土) 17:42:12 ID:???
すらりと背が高く良いスタイルで、長い髪はポニーテイルで背中までたらしている。
なんら変わりのない、いつもの格好だ。
「あ、よかった、あなたなら信用できる。私は亜子と裕奈とまき絵を探しているんだけど、見なかった?」
質問にはあえて答えずに、アキラの持っている鎌に視線を向けて凝視した。
とたんにアキラはそれをバッグにしまい、戦意がないことを伝えようとする。
「――あ、ごめん。この鎌で草を刈って焚き火にしようと思っていたから。戦おうとしているわけではな……ガッ――――」

話が、途切れた。

「信用してくださってありがとうございます。本当に……申し訳ない……。」


そこには後頭部にアイスピックが刺さって倒れているアキラと、その様子をまるで最愛の人が死んでしまったかの
ような目で見つめる少女がいた。
恐るべきスピードで接近してきて、気付けば背後に敵はいた。
延髄を一突きされて、即死。
死体は白目をむいて、雪の積もった地面に血を流して倒れている。
ホラー映画に出てきそうな、リアルな死体だった。
刹那がアイスピックを抜くと自身の重みで滑ってだんだん斜面を降りていき、近くを流れている川まで落ちて、ビチ
ャッと嫌な音を立てて、その流れに身をゆだねた。


「これで……いいんだ。」
自分に言い聞かせるように1人でつぶやく。
自分を洗脳するかのように、自分の良心を捨てるかのように。
1人殺してみても、やっぱり覚悟なんて決まるわけがなかった。
「仕方ないことなんだ……仕方ない――――」
アキラのバッグから鎌を取り出して、右手で軽く振ってみる。
いつもの武器とは感覚が違うが、アイスピックよりは扱いやすそうだ。
食料と水も奪って、その場から立ち去った。

734作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/13(土) 17:43:51 ID:???
桜咲刹那は、愛するお嬢様を助けるために、一歩ずつ闇への道を進んでいる。

自由は欲しい、だがそれよりも先にやらなければいけないことがある。
そうしていたから、刹那のもとに本当の自由が舞い降りてこなかった。
でも明日菜たちに助けられて、いまではやっと自由を手に入れられそうだった。

その宝物をすべて無に返して、刹那はいま、その手を汚す。
いま必要なものは、迷いを越えていく力、それだけだった。

   出席番号6番 大河内アキラ 死亡
                    残り 27人

735作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/13(土) 17:44:38 ID:???
10.Searching 〜金髪の少女たち〜

超鈴音はいいクラスメイトだったのに。
「何でこんなことになってしまったのでしょうか……。」
いいんちょこと雪広あやかは、茜に染まる森を1人歩いていた。
風が吹くと、もみじの葉っぱが一枚、また一枚と落ちていく。
つぶやいてみても、夕暮れは何も答えてくれない。ただ寂しさを残していくだけだった。

財力に任せてさまざまな英才教育を受けて生きたあやかは、武術に関しても心得があるので、普通に戦っていけば
そこそこはこのクラスでも勝ち進むことも可能かもしれない。
だが人殺しなんて常識のかけらもないことをあやかがするはずもなく、いま彼女は仲間を集めるために歩いている
のだった。
ニックネームがいいんちょ、となるくらいまで委員長の仕事をきっちりこなしてきて、とりあえず何でもできる自分は
みんなからの信用はあるはず。
となれば、自分がゲームに乗っていないことを伝えれば仲間になってくれる人は大勢いるだろうと思った。

みんなで何か方法を考える。
もしそれで全く方法が見つからなかったとしても、何もやらずにただ殺しあって死んでいくよりも何倍もマシなことだろう。
「とにかく集まることが先決ですわね。」


赤や黄色の中で、ひときわ目立つ色が視線の先にはあった。
どこかの伝統工芸品の織物のように、ととのった赤の中に輝く金色。
思わず見とれてしまいそうな、絵になる風景だった。
金色のリボンが、ひらひらとおどりながら動いている。
「エヴァンジェリンさん……?」
3−Aの中に、金髪の人は自分以外にはエヴァンジェリンしか考えられない。
古も一応金色がかっているが、髪形が明らかに違うのであれはエヴァンジェリンだろう。

736作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/13(土) 17:46:18 ID:???
だが彼女を呼ぶあやかの口から出た言葉は、とても小さな声だった。
裏の事情など何も知らないあやかにとって、エヴァンジェリンはあまりいい印象はなく、授業を良くサボる目つきの
鋭い人だという意識しかない。
なんとなく悪っぽい雰囲気があるので、少し怖いイメージもある。
だから、声をかけようか心の奥底で迷ってしまったのだった。
(もしかしたら乗っている可能性も……?)
最初から相手を信じられない自分を嘆きながらも、やはり言葉はのどで詰まる。
しかし心配は杞憂に終わった。

「雪広あやか。そんなところで突っ立ってどうした? あまりにも無防備だぞ。」

あやかは思わず飛び上がってしまう。
気づかれていないと思っていたのに、後ろ向きのまま自分の正体まで悟っていたエヴァに驚きを隠せなかった。
「えっ、あ、はい、えーと……」
「私は人殺しなどする気はない。勝手に勘違いするな。」
自分を見てすらいないのに心を読んだかのようなセリフを投げかけてくるエヴァ。
かなり怖かった。
乗っていないと言っているのに、逆に胸騒ぎがする。
「疑ってごめんなさい、エヴァンジェリンさん。もちろん、私も乗っていませんわ。」
相変わらず背を向けたまま、耳だけはあやかの話を聞いているようだった。
エヴァの強さを知らないあやかには、エヴァの方がよっぽど無防備に見えた。

「そのくらいわかっている。貴様が乗ったならば、その時点でこのクラスは終わりだ。」
貴様と呼ばれたことにすこしイラッとしたが、ここはグッとこらえる。
「用がないなら、もう行くぞ。私は茶々丸を探す。」
「すこしだけ待ってください!!」

ゆっくりと、エヴァが振り返った。
明らかに不機嫌そうで、話しかけたことを後悔しそうなくらいの視線を投げかけてくる。
威圧感たっぷりで、いつでも殺してやることはできる、と言いたげな表情。
それでもあやかは屈さなかった。
「私と一緒に、脱出のための仲間探しをしていただけませんか?」
737作者16ケータイ:2008/09/13(土) 17:51:42 ID:3SCr//UV
すみません。ミスしまくってたらバイさる食らいました。
30分後にいまのつづき(2レス分)を落として、9時半くらいにもう一回いきたいと思います。
738作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/13(土) 18:23:49 ID:???
「断る。」
「なっ……。」

即答。
考える時間なんてどこにもない。
断固拒否、といった感じだった。
「えっと……」
「何度も言わせるな、断る、と言ったんだ。」
「……どうしてですか?」
「言っただろう。私は茶々丸を探す。それからなら考えてやってもいいがな。」
「それなら私も一緒に茶々丸さんを――」
「それも断る。私は1人で探しに行く。足手まといはいらん。」
「では見つけてからどこかで落ち合うということは――」
「……用がないなら、もう行くぞ。」
ひときわ声が低くなって、エヴァは再び背を向けた。
ふわりと髪が浮き上がり、金色のカーテンができる。
2回目ともなるその言葉は、有無を言わせぬ迫力があった。

「――わかりました。では絶対に生きて、また会いましょう。」
「あいにく、私に死ぬ気はないのでな……。貴様が死ななければまた会うことになるだろう。」
「ずいぶんな自信ですわね。では、さようなら。」
「ふんっ。」
人間に自分の気持ちなんてわかるはずもない。
ゲームにつき合わされているストレスを消せないまま、エヴァはまた森の中へと消えて行った。

739作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/13(土) 18:25:05 ID:???

「エヴァンジェリンさん、実はいい人だったのかもしれませんわ……。危険が1つ減ったので、あと乗っていそうなのは……龍宮さんとザジさんくらいですね……。」
名簿のエヴァのところにつけていた危険マークを、消した。
出会っても信用できない人のところに、申し訳ないと思いながらも小さく印をつけていたのだ。
それ以外の人だったら会った直後に仲間になれるだろうと思っているのである。
それくらいあやかの3−Aへの信頼は強いものだった。
「あのおサルさんに会うのが一番安心ですけど……。」
小学校のころからずっと一緒だった親友、明日菜のことを思い出し、ふふっと口元がゆるんでしまう。
頼りになる人がいることに、あやかは大きなうれしさを感じた。
再び喧嘩をできる日々がくることを祈って、ひとりまた歩き出す。

太陽はもうかなり低いところまで降りてきている。
夕焼けが、あやかを感傷的にさせた。

                    残り 27人


740作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/13(土) 18:26:06 ID:???
さるさんのくせに〜泣泣

では、またあとで。
741マロン名無しさん:2008/09/13(土) 20:52:08 ID:???
乙です。

このスレのばいさるの発動条件は知らんけど、
経験則から行くと、2分以上の投下間隔か、
2、3レスに1回くらい3分以上空けるとかすると、
10レスくらいは喰らわずに持つよ。

くれぐれも経験則なので、具体的には調べてみてね。
742作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/13(土) 21:45:27 ID:???
>>741
そうなんですか!? ありがとうございます。

2回目の投下になります。
743作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/13(土) 21:46:23 ID:???
11.Explosion 〜緑の楽園、勉強の聖地〜

「あーあ、どうすりゃいいんだか……。」
1人の少女が、学校の前で呆然と立ち尽くしていた。
見たこともない植物。無駄にはびこるシダやコケ。
さらには頭上を覆いつくす大樹の多さに、ハルナはうんざりした。
昼からずっと歩き続けているのに、森の中の明るさが全く変化しない。
それだけ葉っぱがたくさんあって、満足に太陽を拝むことすらできなかったのだ。
気温は寒いのに植生だけは熱帯雨林のようで、そのギャップが不快感を増幅させる。


「こんなとこに連れてこられても勉強しろってのかい。」
エリア7に存在する、この島ではあまり見ない1階建てでない建物。
高低の差もなくただ真っ平らなところに森があって、その中に立っている2階建ての学校だった。
麻帆良にいると普通の学校なんてとてつもなくちっぽけなものに見えてしまう。
玄関はガラス張りのドアが並び、ほんの何列かしかない下駄箱が覗いている。
「無人島って言ってたのになんで学校なんかあるんだか、ハルナ様にはさっぱり理解できないわ……。」
そうつぶやきながらも、早乙女ハルナは学校の中へと足を進めていった。


だがすぐに――――
パンッ
「うわっ、痛っ!!」
どこか遠くで銃声がしたかと思うと、避ける間もなく弾はハルナの右足へと食い込んだ。
太ももを貫かれたハルナは、激痛のあまり立っていられなくなる。
膝をつき、小さな穴の開いた足を襲う痛みをこらえようと傷口を押さえる。

下駄箱を通過するとフローリングの廊下。
それを抜けると前には中庭が、右手に教室があるのが見えた。
――その教室の、廊下に面した窓から、長い銃口がこちらを向いているのをハルナは見つけてしまった。

744作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/13(土) 21:48:20 ID:???
気付いた直後にまた弾が飛んでくる。
今度はとっさの判断で避けられたが、相手が誰だかでさえわからない今の状況ではあまりにも不利だと踏んだハ
ルナは、いったん身を引くことにした。
意地でも立ち上がって、入ってきた玄関から出て行く。
「ったく、誰よこんな乱暴なことするのは?」
当然返事なんて返ってくるわけもなく、沈黙だけがその場を包み込む。


アフトマート・カラシニコフ-47。
ロシア製のアサルトライフルで、通称AK-47というやつだ。
世界で最も多く作られた銃というだけあってその性能は相当良いもので、装弾数30発の連射機能付きという恐ろ
しい武器だった。
いま撃ったときは単発だったものの、今度連射してハルナを狙ったならばハルナは助かるわけはないだろう。
「……。」
ザジ・レイニーデイは何も言うことなく無口のままハルナに狙いを定めていた。

スタート地点がこの学校だったザジは、ここを本拠地として玄関から入ってくる人をかたっぱしから撃ち殺していこ
うと思っていた。
中に誰かがいるなんて思わずに入ってきた人に狙いを定めて確実に頭や心臓を撃ちぬければ、自分に被害は何
ひとつ及ぶことはなく、安全かつ楽に生き残っていける。
幸い武器もとてもよかったし、これしかないと思ったのだ。

「はずした……。」
しかしザジは一人目の獲物への弾で頭を撃ちぬけず、存在を気付かれた上に、その敵に生きたまま逃げられてし
まいそうになっていた。
ザジも、ハルナが援軍を呼んできて集団で攻撃してきたら勝ち目がないことはわかっていたので、焦りを感じざる
をえない状態だった。
足を撃ったので歩くスピードはそうそう早くない。
だが向こうも飛び道具だった場合は、反撃してきて自分の被害も免れないだろう。
そう考えているうちに、ハルナはどんどん入り口から遠ざかっていく。
「……。」
745作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/13(土) 21:50:58 ID:???
結論は簡単に出た。
やるしかない。

ザジは教室の窓のすぐ横にあった棚の上からひらりと飛び降りると、走って玄関まで行く。
下駄箱と下駄箱の間からガラス張りのドアの向こうを見て、まだ狙いを定められる範囲内にハルナがいるのを確認した。
「……さよなら。」
ザジは右手を前に上げて、自分の目、銃身、銃口、そしてハルナが一直線になるように細かな修正もかねて動く。
まっすぐ歩いているハルナは、とても狙いやすかった。
だが、
「!!」
撃とうとしているところで、ハルナが突然こちらを振り返ってきた。
そこで撃てばいいだけの話だが、とっさの行動に反応できずに固まってしまう。
ハルナの目は、まるでザジが自分を狙っているのを知っていてわざと狙わせていたかのような、すべてを知っている目を
しているように見えた。
自信に満ち溢れたその瞳には、いたずらが成功した子供心のようなものも感じられた。
と、ザジは足元に置かれている物体に気付く――――


「ザジさんだったのか……。」
眼鏡の奥から鋭い目つきで学校の中を見つめる。
右足を引きずるように歩いてきているので、あまり校舎から離れていなかった。
「ごめんね。でもこうするしかなかったんだよ。」



「優勝したときに、生き返らせたい人の番号を書け。」
そういわれたときに、ハルナは一生懸命考えた。
当然、すぐに頭に浮かんでくるのは、のどかと夕映。
どちらかを書くことは決まっていたが、その選択をすることは、ハルナにはできなかった。
ネギのことに関してもどっちの味方をすることもなく中立の立場で応援していくことを決めたように、大好きな親友2人の
うちの1人を選ぶ、もう1人を見捨てる、なんてことをできるほどハルナは強くなかった。
そして手を上げて質問をしたのだ。
746作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/13(土) 21:51:52 ID:???
『自分が生き残ったら、自分の命と引き換えに2人を生き返らせることはできますか?』
と。
その案は認められ、ハルナは自分の紙に『4』『27』とどちらも書いた。
自分が死んでしまっても、2人には生きていてほしかったから。
2人には永遠の親友でいて欲しかったから。
だから優勝なんてするつもりはないけれど、もしものためにそう決めたのだった。



ポチッ
ハルナは、手元にある携帯電話くらいの大きさの機械に2つ付いているボタンのうち『1』というボタンを押した。
(私が死んだら、2人の生きられる可能性が減っちゃうから……ね。)

轟音と共に、学校は炎に包まれた。

                    残り 27人
747作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/13(土) 21:54:56 ID:???
もっと進んでしまうときりが悪くなるので、まだ1話ですが今回はここまでにします。

明日も、今日同様予定があまりわからないので、わかりしだい書き込もうと思っています。
では。
748マロン名無しさん:2008/09/13(土) 22:07:41 ID:???
乙っす。

作者の都合もあるけど、あまり投下は無理しないでいいよ。
投下待ちの作者もいないし、こっちはマターリ待ちますよ。

ところで何話くらいになりそう?
749マロン名無しさん:2008/09/13(土) 22:37:31 ID:???
おっつー。
16氏の図書館組話は良いね。
750マロン名無しさん:2008/09/14(日) 11:32:25 ID:???
ちょww危険マークwwwwwいいんちょひでぇwwwww
ハルナいくらなんでも人良すぎね?
751マロン名無しさん:2008/09/14(日) 12:18:35 ID:???
ハルナは許容範囲としても、いんちょのマークの件はちょいと違和感あったかも。
752作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 13:19:03 ID:???
>>748
90話ちょいを予定しています。

>>750 >>751
すいません。いいんちょのところは私も投下前に変だなと思って修正したのに、修正前を投下してしまったようです。

ちょうどいいところで区切れているので
>>739のレスをまるごと下のに差し替えて読んでください。

―――――――――――――――――――――――――――――――

「エヴァンジェリンさん、実はいい人だったのかもしれませんわ……。」
あやかは、ほとんどの人ならば会った直後に仲間になれるだろうと思っていた。
それくらいあやかの3−Aへの信頼は強いものだった。
だが、その数少ない例外としてエヴァのことを考えていたのである。
でもその心配も杞憂に終わり、あやかはほっと一息ついた。
「あのおサルさんに会うのが一番安心ですけど……。」
小学校のころからずっと一緒だった親友、明日菜のことを思い出し、ふふっと口元がゆるんでしまう。
頼りになる人がいることに、あやかは大きなうれしさを感じた。
再び喧嘩をできる日々がくることを祈って、ひとりまた歩き出す。

太陽はもうかなり低いところまで降りてきている。
夕焼けが、あやかを感傷的にさせた。

                    残り 27人

―――――――――――――――――――――――――――――――

今日の投下はまたあとでやります。
では。
753マロン名無しさん:2008/09/14(日) 13:52:59 ID:???
まあいいんじゃない?
殺しあいっていう異常な状況にいるんだし。
と思ってたら修正キタ━(゚∀゚)━
乙です。今日の投下も楽しみにしています
754作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 14:41:26 ID:???
>>748
90話ちょいを予定しています。

>>750 >>751
すいません。いいんちょのところは私も投下前に変だなと思って修正したのに、修正前を投下してしまったようです。

ちょうどいいところで区切れているので
>>739のレスをまるごと下のに差し替えて読んでください。

―――――――――――――――――――――――――――――――

「エヴァンジェリンさん、実はいい人だったのかもしれませんわ……。」
あやかは、ほとんどの人ならば会った直後に仲間になれるだろうと思っていた。
それくらいあやかの3−Aへの信頼は強いものだった。
だが、その数少ない例外としてエヴァのことを考えていたのである。
でもその心配も杞憂に終わり、あやかはほっと一息ついた。
「あのおサルさんに会うのが一番安心ですけど……。」
小学校のころからずっと一緒だった親友、明日菜のことを思い出し、ふふっと口元がゆるんでしまう。
頼りになる人がいることに、あやかは大きなうれしさを感じた。
再び喧嘩をできる日々がくることを祈って、ひとりまた歩き出す。

太陽はもうかなり低いところまで降りてきている。
夕焼けが、あやかを感傷的にさせた。

                    残り 27人

―――――――――――――――――――――――――――――――

今日の投下はまたあとでやります。
では。
755作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 14:53:40 ID:???
すみません、なんかスペース押しまくったらかぶりました。
756作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 17:16:32 ID:???
1回目の投下を行いたいと思います。
757作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 17:17:53 ID:???
12.Loneliness 〜孤独という名の敵〜

「釘宮さんは、ここに留まるですね?」
とある一軒家。
その中で、戦う意思のない者2人が面を合わせて話していた。
「うん。ちょっと考えがあってね……。ゆえこそ、本当に行っちゃうの?」


――――――
それは一時間とすこし前――

足が震えて、思うように歩けなかった。
どことも知れぬ無人島につれてこられて、殺し合いをする。
「冗談じゃない、です。」
いまの状況で落ち着けという方が無理があるに決まってる。
夕映はただひたすら怯えていた。
ただ戦うだけならば、すこしは慣れていると言ってもいいだろう。一般人と比べたならば、危険なことへの対応も柔
軟だった。
でもそれは、いつも隣にネギや明日菜がいてくれたからに過ぎない。
何かあっても、取り返しのつかない状況になる前にネギたちがいつもどうにかしてくれていたから、知らないうちに
自分は安全だという幻想を作り出していたのだ。
けれどいまは自分ひとりで、敵はクラスメイト。あまりにも信頼を置きすぎていた友達は、いまはもう仲間ではない。
しかも相手は自分を殺すつもりで襲ってくる。
自分の身は自分で守らなければいけないと、深く思い知らされた。
誰かが守ってくれるなんて、そんな甘優しいことはこの島では、ない。
だが考えれば考えるほど、夕映が自衛としてできることなんてなにもないように思われた。
背も低ければ、力もない。なにか武器が使えるわけでもなし、唯一使える魔法の杖は、当然目が覚めたときには
持ち合わせていなかった。
758作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 17:19:34 ID:???
だから夕映は怖かったのだ。
何も信用できない。誰も信用できない。会えば殺されてしまう。
死にたくない。ただそれだけの感情が、夕映を動かしていた。
殺さなければいけないけれど、殺したくはない。
もうすでに、何回か遠くからの爆発音や発砲音は聞いている。
その音を聞くことで、殺し合いが実際に行われていることを感じた。
そんな自分を取り巻く環境すべて、さらにはなにをしでかすかわからない自分までもが恐怖の対象となって、とて
も落ち着いて考えをまとめられる状況ではなくなってしまっていたのである。

夕映は走り出した。
何もかもが怖くて、その恐怖を忘れるために、ただ走った。
でも歩くことすらままならなかった足で走れるわけもなく、すぐに転んでしまう。
転ぶたびにあたりを警戒して見渡し、転んだ回数だけ立ち上がって、また走る。
「はぁ、はぁっ――」
優勝しなければ。そうはやる気持ちが夕映の体より前へと進もうとしていた。
こんな状況になって初めて、人はなによりもまず自分の命のことを最優先に考える哀れな生き物であることを実感する。
「生き残っても、のどかと2人ならば、どうにかなるはず、です……。」
自分の頭が恐怖のあまりまともに働いていないことはわかった。
わかったけれど、どうすることもできなかった。
のどかさえ守れればいいと、自分の中で勝手に基準を作り行動方針を定めていた。
「ネギ、先生――」


と、声がかかった。
「ゆえっ!!」
夕映がこんな精神状況にあると思わなかった相手の声が、大きく夕映の鼓膜を振るわせた。
当然それは数年も昔から聞いたことのある声で、その声の主がこんなゲームに乗るわけがないことも少し考えて
みればすぐにわかる。
けれどそんな余裕すら、夕映には存在しなかった。
「ひっ――」
759作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 17:21:01 ID:???
突然上から聞こえた呼び声。
恐怖によって最大限に研ぎ澄まされた反射神経で声のしたほうを見上げ、小さな一軒家の二階の窓に人影を発
見すると、バッグにしまってあったそれを取り出す。
それがどれほどの衝撃を夕映の体に与えるかも知らず、夕映はその先を人へと向けた。
そして何のためらいもなく、引き金を引いた。
目をつぶり、力の限りに人差し指を曲げて、やっとのことで用を成す。

パァン――

いままで遠くから聞こえていた乾いた音が今度はすぐ近くで響き渡り、黒光りする身の長いそれ――スプリングフ
ィールドM21――は、銃口から白い煙を吐き出した。
自分を守ってくれるのは、支給されたこの銃しかない。
愛する人と同じ姓を持つそれを、夕映は迷わず発砲してしまった。

すぐに、甲高い音が耳を刺激する。
弾は思ったところには飛んでいかなかったものの、狙った窓にはちゃんと当たって、着弾した場所付近を粉々に砕いていた。
だが音に驚くよりも先に、夕映は反動で体を後ろに持っていかれて尻餅をつく形になる。

――人がいた。逃げなければ。

頭の中で、危険信号がそう告げていた。告げていたけれど、腕に残る痺れと抜けてしまった腰のせいでなかなか
立ち上がれない。
「くっ――」
とても細い腕。女子中学生にとっては太いより細い腕のほうがずっとうれしいものだったが、いまだけはどうしても
っと鍛えておかなかったのかという後悔が襲ってくる。
2本もある自分の腕は、こんなに軽い自分の体すらも支えることができない。
腕をつっぱれずに情けなくもがき、苛立ちのままに打ちひしがれて、やっとのことで立ち上がろうとしたそのときに
は、もうすでに敵が二階から降りて夕映の目の前に来てしまっていた。
760作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 17:22:07 ID:???
「ゆえ……。」
釘宮円。
正義感が人一倍強く、自分が生き残るためという理由だけで人殺しなんて絶対にしない。
それがわかっていながら、夕映は銃を撃ったのだ。
1発撃てば敵意があることを知って逃げるか、弾に当たって死ぬか、そのどちらかだと思っていた。
いや、さっきの夕映がそんなことを考えていたかどうかは別として、普通はそうだ。
それなのに、円は自分から夕映へと近づいてきた。

「――それ以上、こないでください。」
仕方なく、夕映はもう一度握りなおした銃を相手へと向ける。
ただの威嚇なんかじゃない。接近してきたら、本当に撃つつもりだった。
こんなことをしても誰も喜ばない、誰もうれしくない、自分だって……悲しい。
でもそれ以上に、生きたいという欲望は心の中で大きなウェイトを占めていた。
うっすらとした光が、夕映のまわりに浮かんでいるような気がした。
「落ち着いて、ゆえ。――銃を下ろして。」
対する円のほうも、引く気なんて全くなかった。
怖くないかといわれれば、もちろん怖い。
自分へとまっすぐに伸びる武器を目の当たりにして怖くないはずがない。
でも円には自信があった。

――夕映に自分は撃てない。

だから円は、夕映の返事も聞かずに1歩、前へと踏み出した。

                    残り 27人
761作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 17:23:15 ID:???
13.Embrace 〜暖かい抱擁〜

円には夕映を殺すつもりなんて全くない。だから円は、安心させてあげたかった。
仲間を見つけられたと思ったから声をかけただけなのに、その行為がむしろ夕映を怯えさせてしまった。
夕映は助けを求めている。誰かが守ってあげないと、夕映は壊れてしまう。
その役は、どうやら自分がなるべきもののようだった。

「来ないでくださいっ!!」
円の思っていたとおり、夕映は何もできなかった。
夕映は、撃つと言っておきながら撃てない自分の弱さが身に染みてわかる。
ただ悲痛の叫びを上げるだけ。
来ないで、という言葉は脅しではなく、ただの懇願になってしまっていた。
ほんのすこしの勇気を出してもう一度だけ引き金を引けば、何かが変わるはず。
一発目はあんなに躊躇無く撃てたじゃないか。
自分に言い聞かせるように、心の中でその言葉を反芻する。
「本当に、撃つ……です――」
夕映は円を真正面に見つめ、穴が開きそうなくらい睨みつけていた。
人を殺すということに対する覚悟が、徐々に募りつつあるような気がした。
気がした、だけだったが。

「じゃあ、いま撃ってみなさいよ。」
円は、また前に出た。
夕映の顔が一瞬驚いたように歪んだが、すぐにもとに戻る。
動作1つ変わらないままそこに立っていた。
返事のない夕映に、円はひとりで言葉を続ける。
「――怯えてるんでしょ……人殺しになってしまう自分に。――だからゆえには、私は撃てない。」
「そんなことは――っ!!」
明らかに、動揺してしまった。
現に、覚悟はもうできているはず。
足りないのは、あとちょっとだけの勇気のみ。
けれど完全に否定できない自分が悔しかった。円の言っていることはすべて図星だ。
762作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 17:24:35 ID:???
「――じゃあその手はなんだっていうの? 足は? 声は? みんな震えてるじゃない!!」

夕映は視線を自分の体に移した。視線を落とした、といった方がいいかもしれない。
けれど、見なくてもわかっていた。自分の体のことだ。誰よりも自分が一番わかっている。
手は銃を握るのすらも辛いほどに、足は立っているのも精一杯なくらいに、震えていた。
力を入れれば入れるほどに震えは大きくなって、体を支えることすら難しくなってくる。
指の先にしか力を入れられずに、銃を握っているだけだった。

「あなたは人殺しにはなれないのよ。優しいゆえには、荷が重過ぎる。」
夕映はしゃべらない。しゃべれない。
確かにその通りだ。けれど、人殺しになれないからといって、ならなくていいということではない。
夕映の越えるべき壁の1つとして、自身の優しさ、友達を思う気持ちがあるというだけの話。
だから、認めるわけにはいかない。認めてしまうことで、夕映はまた迷うことになる。
だが円の言葉は、夕映にとってはどこまでも残酷で、それでいて眩しすぎた。
「――それに、そんなに涙を流してまで、自分を隠そうとしないで――」
「…………っ!!」
そんなバカな。そう思って、夕映は左手でそっと自分の頬に触れてみる。
泣くつもりはなかったし、泣いているつもりもなかった。
なのに、確かに、そこには冷たい雫の感触があった。

それに気付いた瞬間に、夕映の前から円の姿は消えて――
――またすぐ目の前に、現れた。

弱い、とても弱い体当たりをされた感覚。
そっと抱きしめられて、人のぬくもりが夕映を包み込む。
円が、瞳の中をのぞきこめるほど近くにいた。

「大丈夫。私はゆえを殺したりなんかしない。きっとみんなで帰れる方法があるはずだから……。」
763作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 17:25:48 ID:???
夕映はそれを聞いてもなお、銃を円に向けることは――できなかった。
ほぼ全体重を円に乗せるようにして、そのままへなへなと地面に崩れ落ちる。
緊張が一気に解けて、体中から力が抜けてしまった。
円の言葉はとてもあたたかくて、夕映のすべてを認めてくれる、優しい旋律のように思えた。
それはこの島に来てからずっと求めていたもので、もう見つかることはないと諦めかけていた、夕映にとっては秘
宝とも呼べる輝きだった。
友達を信じる、たったそれだけのことなのに、どうしてこんなにも苦しんでいたのか。
すぐ近くにあった答えを、見逃してしまっていたのだ。
夕映は、円をやわらかく抱き返した。

「もう、苦しまなくていいから。」
手を離せばすぐにでもばらばらに壊れてしまいそうなその小さな体。
ずいぶんと低い位置にある夕映の頭を、円は心をこめてなでた。
夕映のトレードマークともいえる、紺色の髪の先についた小さな鈴が、ちりんと心地よい音をたてた。
それは夕映のこの島での新しい生き方の始まりを示すもの。
「――はい。」
もう反抗する必要なんてない。
夕映は素直に、自分の気持ちのままに、うなずいた。
「とりあえず、ここじゃ危ないから移動しよっか。」


――そうして、今に至る。

夕映は仲間を探すために、ここに留まることを望まなかった。
逆に円は、考えがあってここに留まることを望んだ。
だから2人とも思うがままに行動することにしたのだ。
互いの意見を強制することなく、2人が出した結論だった。
「なにかあったら、ここに戻ってきて。私はたぶん長い間ここで待ってるから。」
円は、何気なく右手を差し出す。
夕映もすぐそれに答える。
絶対にまた生きて会おうと、言葉なしの2人の約束だった。
「わかったです。私としたことが、取り乱して申し訳なかったです……。」
764作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 17:28:30 ID:???
円への感謝の気持ちも含めて、夕映は深く頭を下げる。
「ううん。誰だって怯えてるのは同じだから、ゆえが悪いわけじゃない。むしろこうして立ち直れたんだから、誇るべ
きことなんじゃないの?」
「そう言っていただけると、ありがたいです。」

夕映は立ち上がった。
決意を秘めた瞳が、遥か遠くを見つめているように見えた。
「なにをするつもりなのかは私は問いませんが、2階からなら遠くも狙えるはずなので、この銃を置いて行くことに
するです。私なんかが持っていても、役不足ですし……。」
去り際になって、夕映は突然思い出したかのようにそう円に告げた。
円は相当驚いたような顔をしたが、でも夕映の厚意を受け取っておいた方が断然いいことに気付いて差し出され
ていた長い銃を受け取る。
「じゃあもらっとく。その代わり私の武器は持ってって。手榴弾だから、使い勝手はいいはずよ。――あ、あと『役不
足』の使い方間違ってるからね。」
「な、なんですと!?」
ふふっと円が楽しそうに笑った。
笑えるのは、この島ではとても貴重な体験になるだろう。
こんなくだらないことでも、ちょっとした笑顔をくれた夕映に、気を利かせてくれているありがたさを感じた。
――もちろん、夕映は素で言っていただけだが……。

円はバッグの中から手榴弾をいくつか取り出すと、夕映のバッグにつめる。
正気、といっては過激すぎるかもしれないが、とりあえず普通の考えができる頭に戻った夕映ならば、仲間を見つ
けるまで生き残るくらいはできるだろう。
静かに手を合わせて、運の神様に祈った。
「それでは、さよならです。」
「うん。がんばりなさいよ。」
「お互いに、ですね。」
最後にもう一度握手をして、2人は別れた。

                    残り 27人

765作者16ケータイ:2008/09/14(日) 17:33:04 ID:???
1回目は以上です。

2つ連続で1話みたいなものだったので、昨日調整して今日いっぺんに投下させていただきました。

では。
766マロン名無しさん:2008/09/14(日) 20:52:47 ID:???
乙です。
ちょい疑問なんだけど、ゆえはハルナは完全スルーなの?
全然葛藤した描写もなく、のどか一択だったんで少し違和感…
767作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 21:27:13 ID:???
2回目に行きたいと思います。
今日も2回目は1話だけにさせていただきます。

>>766
くぎみーと会うまでは極度の自我喪失状態だったので、深く考える余裕がなかったということです。
768作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 21:28:29 ID:???
14.Contract 〜新たな契約〜

龍宮真名は思い出していた。
自分に与えられた使命、そして使命を与えた人のことを――――


「今回、龍宮サンには殺す側にまわってほしいネ。」
支給されるバッグを受け取り、魔方陣に乗る直前のこと。
学園祭のときから真名は超の意見に賛成し、魔法の存在を世界に広める側の人間として動いていた。それは超と
の契約でもあった。
だから超は真名に何のためらいもなくそのお願いを話すことができたのだ。
「このゲーム、誰かが絶対に脱出しようとたくらむはずヨ。だから龍宮サンにはそういう人たちを含めて、みんなを
殺してほしい。」
真名はもとから自分の命のためにゲームに乗るつもりだったが、超のその言葉を聞いて、理由が気になった。な
ぜこのゲームをするのか、と。
いくら超でも、こんな趣味はなかったはずだ。
「なぜだ? 脱出されてもお前には関係ないのではないか?」
「いや、それは困る。残る人はほんの少数でないと困ることがあるネ。だからなるべくたくさんの人を殺してほしい。」
「なぜ人を減らす必要がある?」
「さあ、それはわからないヨ。」
お得意の笑顔。こうなってしまったら、超は話す気がないということだ。
「ふんっ。答える義理はないということか……。まぁいい、優勝したときの報酬はいくらだ?」
「ム……×××万でいいカ?」
「まぁいいだろう。わかった、では生き残ってからまた会おう。」
「交渉成立ネ。じゃ――」
超は真名の背中を押して魔方陣に乗せると、真名の姿は消えた。


「何のために人数を減らす必要がある?」
結局、超は何も答えなかった。
真名に優勝してほしいわけでもなさそうだったし、ただ優勝者が決まるまでゲームが続けばいい、というのが超の
考えていることのように思えた。
769作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 21:29:23 ID:???
どんなときでも、人に被害を及ぼしてまで自分の意見を通そうとする人間ではなかった超。
だから麻帆良祭でだって時間跳躍弾を使って怪我人が出ないように計画を進めた。
そこが真名を共感させ、仲間になろうと思わせたところだった。
なのにそんな超が、クラスメイト同士で殺し合いをさせるなんて、よっぽどの理由があるに違いない。
「くだらない遊びに付き合わされたものだ……。」
とにかく全員殺せば生き残れる。
それ以外のルールは真名には不要だった。

ジジジジジッ
妙にバッグが軽いことに気付いた真名は、念のため中身を確認しようと開けてみた。
ファスナーを開け、入っているべきものは、食料、地図、そして武器だ。
だが真名のバッグには武器はなく、その代わりに一枚の紙切れが入っていた。

『ハズレ』

「くそ、なんなんだこれは。」
自分に、人殺しをしろ、と言った割に超はこんなくだらない冗談しか残さなかったのか。
さすがの真名も、すこしイラついた。
真名は3−Aのなかでも最強クラスの戦闘能力を持っているので相手が弱ければ武器なしでも簡単に倒せるだろ
うが、もし最初から楓や刹那、古などと当たったら武器がないと勝てないことは歴然としている。
得意の銃でなくてもいいから、何かしらの武器が必要だった。

しかしずっとそこらへんを歩いて、何か落ちていないかと探しまわっていると――
「なにっ!!」
何者かの気配。
一瞬だけ真名の頭上の光がさえぎられる。
それに気付いた瞬間に、真名の体は地響きに揺れていた。
真名の真後ろの地面に何か巨大なものが降ってきて、地面との衝突で地響きを起こしたようだ。
背が真名より少し低いくらいのそれは、深々と土の中に刺さっている。
さらにそれにはまた一枚の紙が付いていた。
770作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 21:30:38 ID:???
『ハズレ――――ではなくて、あたりです。バッグに入らなかったので荷物とは別に送りました。遅れてしまいました
がどうかご了承ください。』

夕日に照らされてオレンジ色に輝くその大きく太い刃。
縦120cm、横30cmくらいの大剣だった。
刺さっているそれを引き抜くのにもとても力が必要だったが、持ち上げて素振りをするのにもかなりの腕力が必要だ。
真名でも少しよろめいてしまうこともあった。
「これが命中すれば、一撃か……。」
これを振り回して、それが誰かに当たろうものならその人は真っ二つになってしまうことはほぼ確実。
たたきつけるだけでものすごいダメージが加わるのに、さらに磨かれた刃まで付いている。
威力だけで言えば最強だった。
使いにくいのが難点だが、慣れればすぐに使いこなせるようになる。


「ふ、最初の標的はあいつだな。」
まるで大きな地震が起きて地割れが起こった後かのように、地面がひどく荒廃しているエリア3の荒地を歩いている
うちに、真名は1本だけ立っている大きな木の下で枝を拾ってそれに何かの薬をつけている人を発見した。
黄土色の土を踏みしめながら歩くと、土のかたまりと雪のかたまりが崩れてサクッと1歩ごとに音がしてしまうので、
すぐに相手も真名の存在に気付いた。

四葉五月は、手に持っている枝から目を離し、真名に目を向ける。
―――龍宮さん……
おっとりとした話し方と、やわらかなポッチャリ体型はそのままだったが、不安からなのか、すこしいつもとは雰囲気
が違っているように感じる。
真名を見つめる瞳の奥に、かすかな闇が曇っている。
「その枝で、私を殺せるか?」
簡単に想像がついた。五月は乗っているということが。
おそらく持っている瓶詰めの薬は麻酔薬か毒薬のどちらかだ。それを尖らせた枝の先につけて、相手に刺されば殺
せるようにしていたのだろう。
すでに手元には10本ほどの枝が用意されていた。
―――やるしかないですから……
「そうか……。なら、くるがいい。」
771作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 21:31:40 ID:???

真名は待った。
五月が投げてくることを見越して、それへの反撃として切って殺そうと思っていた。
おそらく武器として配布されたくらいだから、あの薬は強力なものなことに間違いない。
だから、それを一度でもくらったらかなりの重症となってしまうので、無傷で切り抜けなければならなかったのだ。

だが五月は、投げなかった。
手首を利かせて投げれば軽く投げるだけでも楽に届いてしまう距離だったのに、五月の手に枝は残ったまま。
それは、ためらいが五月の心を支配していたから。
「来ないなら、私から行くぞ。」

ブンッ

重いものが風を切る音が聞こえた。
そしてまた、ごとりと何かが落ちる音もした。
反抗の色を示さなかった五月は、あっさりと切られてしまうこととなった。
真名が大きく右手を引いて力をこめて振ったその剣は、見事に五月の上半身と下半身を切断していて、重力に耐
えられなくなった上半身が落下する。
人体模型の、断面図が出来上がることになった。

「中途半端な気持ちで、人殺しの決意をするものではないな。」
真名はそっと、つぶやく。
それは五月への言葉だったのだろうか。
それとも自分の迷いを断ち切るための言葉だったのだろうか。

答えは誰も知らない。
つぶやきは荒れた大地がすぐに吸収してしまい、消えてしまった。

   出席番号30番 四葉五月 死亡
                    残り 26人
772作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/14(日) 21:32:44 ID:???
以上です。
序盤はかなりスピードの遅い展開になりますが、どうか飽きずに付き合ってくださいね^^

では。
773マロン名無しさん:2008/09/14(日) 21:57:57 ID:???
おっつー。
行動描写のほうが前より上達した・・っていったら偉そうになるけど、うまくなった気がする・・・。
円の考えというのが気になるな。
774マロン名無しさん:2008/09/14(日) 22:01:24 ID:???
乙です。
今のところ意外とアキラの死が早かった以外はパターン通りだね。

序盤がゆっくりなのはお約束のようなものだからかまいませんよ。
むしろ中盤から後半にダレるくらいなら序盤ゆっくりの方が楽しめます。
775マロン名無しさん:2008/09/15(月) 13:17:39 ID:???
乙。
大剣はむしろハズレな気もするが
776別館まとめ:2008/09/15(月) 20:41:08 ID:???
別館10000Hit達成しました。
まさか、ここまで続けられるとは思わず・・・・・・。
別館は今後も更新を続けていきます。

>>676
ありがとうございます。次は30000Hitを目指す気持ちで続けます。

>>691
伊吹氏、10000Hit記念イラストありがとうございます。とても嬉しいです。
もちろん、今回のトップ絵に使用させて頂きました!

>作者16氏
24部連載、乙です。今後の展開に期待しています。

次回、更新時に第5回アンケートの結果発表及びキャラクタープロフィール第4弾を
更新します。そのため、今回久しぶりに第6回アンケートを開催しますので、
興味のある方は投票をお願いします。

☆ 別館更新情報 2008/09/15 ☆
『こちら麻帆良学園麻帆良図書館深層部』
 No76〜No80の短編を保管。
 今回は15スレッドの短編を保管しました。

『ネギロワDEアンケート』
第6回アンケートは「ネギロワでいろいろな意味で可哀想だと思うキャラは?」です。
投票期間:2008/09/15(月) 〜 2008/10/04(土)

※いろいろな意味というのは長編に限らず、本スレ、短編、傾向分析、座談会、
まとめ、別館の全てにおいての扱いを含みます。

http://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html
777マロン名無しさん:2008/09/15(月) 21:02:02 ID:???
気が早いがネギロワDEアンケートの次のお題の提案をば

「生存率は高くないがいい働きするよなーってキャラは誰?」
てのはどうかな?
778作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/15(月) 21:35:21 ID:???
別館まとめ氏、乙です。
お互いがんばりましょう!

祝日だというのに学校に駆り出されて生物のレポートを書くハメになったのでこんな時間になってしまいました。
すみませんが、今日は1回にさせていただきます。

では、今日の投下です。
779作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/15(月) 21:36:41 ID:???
15.Sky 〜『あ』からはじまる物語〜

一番最初に名前を呼ばれてしまったので、他の人たちがどんな心境でいるのかを知ることができなかった。
もしかしたらみんなやる気になっているのかもしれない。
逆に、みんな脱出の計画を立てているかもしれない。
「明石って苗字に生まれてこんなに後悔したの初めてだよ……。」
明石裕奈は、エリア5の内側の方にある湖のほとりで1人、腰を下ろしていた。
他の人が教室から出て行くところすら見ていない裕奈は、自分ひとりだけがこの寂しい空間に投げ出されてしまっ
たのではないか、という錯覚に陥りかけていた。
「亜子、アキラ、まき絵……会いたいな。」
どんなときも一緒にいた親友たち。
その親友ともバラバラにされて、裕奈の心はズタズタだった。
知らないところにつれてこられて、クラスメイトと殺し合いをする。
一度思いっきり怒鳴ってやりたかったが、そんな元気すらも出なかった。


もう5時間近くも、この湖の近くにいることになる。
ワープしてきて、そのまま何もせずにここに座っていたのだ。
オレンジ色の夕日で水面がキラキラと光るたびに、裕奈は切なさと寂しさで満たされる。
とてもきれいな景色だったが、いまはそれをゆっくりと眺められる心の余裕はなかった。
いつか彼氏ができて、その彼氏と2人で並んで見れるといいな、と心の片隅で思う。
だがそれも叶わぬ願いだと知って、また悲しみに暮れる。

「泳いでるうちに、溺れて死ねたりしないかな……?」
思うことは、そのような空しいことばかりだった。
辛く厳しいこのゲームが終わったころには、もうクラスメイトは誰も残っていない。
自分が運よく生き残れたとしても、ルールの都合上、隣に残るのはアキラだけ。
そんな暗い世界で生きていくよりは、いっそいま死んでしまった方が楽なのではないかと思えてくる。

780作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/15(月) 21:38:34 ID:???
「泳ぎに出たら、ウチが命を張ってでも助けに行くえ。」
裕奈は背後から聞こえたその声に、思わず立ち上がって振り返ってしまう。
きれいな黒髪、細いからだつき、やさしそうな表情。
「このかっ!!」
そこには、いつの間にか現れた近衛木乃香が立っていた。
その言葉からも表情からもわかる、完全に信用できる仲間だ。
裕奈のこわばっていた顔が、すこしだけほころぶ。
もう誰とも会えずに死んでしまうのではないか、そう考えながら過ごしていたこの5時間あまりは、とてつもなく長く、
そして空しく感じられた。
ちゃんと、といっては語弊があるかもしれないが、この戦場に自分以外の参加者もいる。
乗っている人でもいいからとにかく現れて、裕奈が一人じゃないということを教えて欲しかったので、そのことを確認
できただけでも十分な安心の材料になったし、それが木乃香だとわかってさらにほっと一息つけた。

「裕奈、そんな弱音はいてちゃダメや。」
すぐに木乃香は裕奈のもとへ近づいてきて、無造作に裕奈の肩をつかんだ。
まっすぐに裕奈の目を見つめる。
「いま裕奈がアキラたちのことを心配してたみたいに、アキラたちだって裕奈のことを心配してるんやから、絶対に死
んじゃあかん。裕奈のことを思ってくれてる人がいる限り、死にたいなんて言うのは失礼なんや。」

――――――
裕奈はすぐに返事することができなかった。
そんなことわかってる。そんな当然なこと、言われるまでもない。
そう言いたかった。言おうと思って口を開いたけれど――言えなかった。
無駄に動いた口は何も音を発することなく空気を吸い込む。
どうしてだろう、少し考えれば簡単にわかるようなことを、裕奈は全く考えずにいたのだ。
木乃香の言うとおりだったのに、当たり前のことだったのに、自分はなんというおろかな考えをしていたんだろうか。あ
まりにも情けない自分に、嫌気がさした。
自分を思ってくれている人がいる。
運動部の仲間だけでなく、いまの木乃香だってそう。
自分が必要としている人はみな、同じように自分のことを必要だと思ってくれている。
それを意識することで、やがてうつむきがちだった顔を上げて、裕奈は木乃香をまっすぐに見つめることができた。
781作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/15(月) 21:40:08 ID:???
の前触れもなく現れた木乃香だったが、彼女の出現に心から感謝するほかなかった。

「……うん、ありがとこのか。みんなを探すことからはじめないとね。」
死んでしまって、それですべてが終わるのならばそれでいい。
でも自分が死んで、楽になるのは自分だけ。
残された人が自分の死を悲しむことになるのだから、死のうなんて思うのはとんだ自己中のやることだと、裕奈は
木乃香に言われてやっと思い出した。



「ねえ、このかは誰の番号書いた?」
あと30分くらいで1回目の放送が入るので、2人は、それまではここで休憩して放送を待とうと考えていた。
運命の最初の放送。何人くらいの人が呼ばれるのかわからないが、それによってこれからの方針が変わっていく
ことは確実である。
「ウチはせっちゃんの『15』。裕奈は?」
「そっかー、私はアキラの『6』だよ。『5』と『16』と迷ってずっと書けなかったんだけど、結局決められなくて鉛筆転
がして決めたんだー。」
湖をはさんで反対側の森が、夕日に染まって燃えているように見える。
その森は、2人をやさしく見守っているようだった。
「亜子とまきちゃんかー。確かにみんな生き残ってほしい人ばっかやね。」
木乃香の顔が、ほんのすこしだけピリッと動いたのは、誰も気付くはずがない。
「でしょー。でもあんな紙関係ないよね。脱出して、みんなで帰るんだから。」
もうすっかり元気になっている裕奈は、にこっと微笑んで木乃香を見た。
木乃香もうれしそうに裕奈を見返す。
そして2人とも、自分の首に取り付けられているものに手を当てた。
「これさえ外れれば……。」
「うん……。」


782作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/15(月) 21:41:05 ID:???
何もせず、ただ時間だけが過ぎていった。
誰かに襲われることもなく、また誰かが助けを求めてくることもなく。
「まだ20分もあるんやね。」
ふと木乃香は仰向けに寝転がり、視界いっぱいに広がった空を見る。
季節が冬だからなのか、もう空は暗くなりかけていた。
地上ではこんなに醜いことが行われているのに、大空はそんなことを忘れさせてくれるかのように無数の星をたたえている。
白、赤、青、いろいろな星を見ていると、裕奈も一緒に寝転がってきた。
「なんにもしないと、長く感じるね。」

夜空を駆けていく流れ星。
しばらく見た憶えがないそれを、いま見つけられたら何を願うのだろうか。
友達と会いたい、生き残りたい、このゲームを終わらせたい。
願いたいことはいくらでも思い浮かんでくる。
もう少したって動かなければいけないときがくれば、必ず戦いを経験しなければいけない。
――それを不安に思いつつ、まずは願いをかなえてくれる流れ星が通ることを祈った。

遠くで、カラスが鳴いている。誰かの死を知らせるかのように。

                    残り 26人


783作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/15(月) 21:42:35 ID:???
16.Madness 〜狂気乱舞〜

裕奈と木乃香が出会ったころ――――
エリア12の川岸で、1人泣いている少女がいた。
バッグを横に置いて、川を見ながらしゃがんで泣いている。
「なんで、なんでこんなことになったんやろ……。」
人を殺すなんておろか、人を傷つけることもできない和泉亜子にとって、このゲームは拷問以外の何物でもなかった。
人を殺さなければ生き残れないのに、血を見れば失神してしまう。
ひとりぼっちにされて、いつ死んでもおかしくないような状況におかれて、わからないことが多すぎて、精神的に限界が来ていた。
本当に辛かった。
怯えて体の震えはとまらず、頬をつたう涙はもう限りがない。
誰かが声をかけてくれても、それを嫌だと跳ね返してしまいそうな怯え具合だった。


しかしそんなときに、さらに辛いことが起こった。
顔は涙でグチャグチャになり、目はかすんでもう何も見えなくなりそうだというときに。
川の水が、きれいな透き通った透明だったのに、だんだん色をつけてきた。
「なんなんよ、これは……。」
たまに上流で倒れたのであろう木なんかが流れてくることはあったが、今度は違った。
涙でいっぱいの目を拭いて、違和感のある水をじっくりと見る。
物が流れているわけではなく、色が変わってきているようだ。
最初は太陽が当たって違う色に見えるだけだと思っていたが、時間が経つにつれてその変化はどんどん大きくな
っていき、明らかに色が変わっていることがわかった。

薄い透明な黒色。
そこから赤みを帯びてきて、あっという間に濁った赤い水になる。
「……血?」
そう意識するだけで、亜子の頭は真っ白になっていく。
(あかん、こんなところで気失ったら絶対に死ぬことになる……。)
水は赤いまま、いつまでも流れていく。
上流のほうから、何か赤いものが流れてきているらしかった。
「きっと誰かの武器が絵の具で、その絵の具を川に流していたずらしてるんや。ウチみたいな人を怖がらせるために。」
784作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/15(月) 21:43:28 ID:???
ひとりごとを言ってどうにか意識を保とうとする。
血だと思わなければ、赤い水なんて全然怖くないと無理やりに思いこんでいた。
少なくとも、そうすることで失神することだけは免れた。

――だが失神してしまった方がまだ楽だったのかもしれない。

「今度はなんや……?」
山の方、川の上流のほうから、何か大きなかたまりがゆっくりと流れに乗って下りてきた。
それこそが、川を赤く染めているその影響源だった。
そこからいつまでも赤い液体が染み出している。

「きゃあああああああああぁぁぁぁーーーーー!!!!」

そして、それが亜子の目の前を通り過ぎるときになって、亜子は気付いてしまった。
人だった。
しかもただの人ではなく、亜子の大切な親友の1人。
本能的に叫び声が腹の底から湧き出てくる。
「うそやろ、ねえ、じょうだんやろ、返事して、アキラぁーーー!!!!!」

後頭部に大きな穴を開けて、大河内アキラが流れていたのだ。


亜子は急いでアキラを陸に引き上げると、川原の石の上に寝かせた。
ほっぺたを叩いて意識を取り戻させようとするが、反応はない。
誰がどう見ても生きているわけがなく、穴からは血以外になにやら脳みそのようなものまで出てきてしまっている。
「うっ……。」
のどまで出かかった胃の中身を気合いで飲み込むと、亜子はまた泣き始めた。
さっきまで泣いていてもう涙なんて出ないと思っていたのに。
「うう、アキラ……アキラ……」
この島で再会したにしては、それは最悪の出会い方だった。
もの言わぬ体になって、悲しむ親友の前に姿を現してしまったのだから。
「ああ……どうして――――」
785作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/15(月) 21:44:38 ID:???
亜子はずっと、アキラの体に顔を寄せて泣いていた。
水でぬれている洋服なんて関係なしに、ただアキラのぬくもりを感じようとすがりつくように泣くことしかできなかった。
アキラの体の冷たさが皮膚を超えて心まで染み渡る。
いくら温かみを求めても、アキラは冷たく横たわるだけだった。
カラスが、アキラの死をバカにするように鳴き続けて、鳴いているカラスの数は時と共に増えていく。
そいつらが気に入らなかったので石を投げつけようとしたが、亜子は手に力が入らずに、握っていた石はすぐそばに落ちてしまう。
「っっ!!」
悔しさと悲しさと憎しみをこめて、亜子は地面をたたきつけた。
涙も一緒に地を潤していった。



――――――
「ウチは、アキラを殺した人を許さへん。」
泣き止んでからもしばらくうつむいていた亜子だったが、気持ちの整理が付いたのかいまはしっかりと立ち上がっていた。
自分自身にアキラの仇を撃つことを誓って、バッグの中から電動のこぎりを取り出す。
「たとえどんな理由だったとしても、アキラを殺した人は絶対にウチが殺す。」
亜子の目は血走って真っ赤に充血していた。
泣いていたからではない。とてつもない怒りが、亜子の心に芽生えていた。

786作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/15(月) 21:45:37 ID:???
そこで空気を読めない人が現れるとどうなるか――――
「亜子、どしたアルか?」
@ 手には太いとげの付いたボクシンググローブ。
A 歩いてきたのは上流のほうから。
B アキラの頭には穴が開いていた。
いまの情緒不安定な亜子にはそれだけで、何も知らずに歩いてきた古菲を犯人だと決め付ける理由は十分なわけで……。
「アキラを……」
「ん?」
「アキラを返せ。」
もはや怒鳴る必要などない。唸るようなつぶやきだけでその殺気は表れていた。

電動のこぎりのスイッチが、入れられた。
川の流れはとどまることを知らない。
時の流れと同じように、変わることなく悲しみを乗せていつまでも流れ続けていく――。

                    残り 26人
787作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/15(月) 21:46:55 ID:???
今日は以上です。

すみません>>781の一番最初に「何」の文字が抜けてしまいました。
いれて読んでください。

では。
788マロン名無しさん:2008/09/15(月) 21:59:51 ID:???
おっつー。
くーふぇwww
789マロン名無しさん:2008/09/15(月) 22:08:34 ID:???
作者乙です。あと別館氏も乙です。

川を死体が流れてくるという描写は今までありそうでなかったので、良かったですよ。
しかし、くーふぇ・・・
790マロン名無しさん:2008/09/16(火) 00:21:50 ID:???
乙!!ついに電動ノコギリ投入か・・・。幾多の作者も恐れをなした残虐兵器だけど、憐れくーふぇ。
791マロン名無しさん:2008/09/16(火) 00:25:12 ID:???
やっぱ生き返らす為にマーダーになるのか?
とにかく乙です。
そして古菲、空気嫁。
792ケータイまとめ:2008/09/16(火) 00:32:07 ID:???
ごめんね、本当にごめんね。カーチャンまさか3月も海の上に行くなんて思ってもなかったから。本当にごめんね。明日から保管するから今日は寝させて・・・
おかしいなぁ、清掃のバイトってまさか起重機船でしかも国内トップクラスの実績で世界中からお呼びがかかってしかもその船に俺も乗るなんて聞いてないよ・・・とりあえず辞めてきたけど

あ、作者氏と別館氏乙です
793作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/16(火) 16:19:40 ID:???
ケータイまとめ氏、お疲れ様ですwwww

とりあえず1回目、1話のみ投下します。
794作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/16(火) 16:20:46 ID:???
17.Reversal 〜危機一髪、形勢逆転〜

『ただいまより放送を始めるネ。よく聞いておいておいたほうがいいヨ。』

美砂は突然に大音量で耳に入ってきた放送に驚きつつも、時計を確認する。
確かに針は午後6時を指していた。
丁寧にバッグに入っていた出席簿と地図を取り出すと、聞こえるものに身構える。

『まずは死亡者から。死んだ順に、9番の春日美空、6番の大河内アキラ、30番の四葉五月、以上3人。』

ひどいことだとはわかっていながら、出席簿の顔写真に×印をつけていく。
まだ3人。
それにその3人の中に、呼ばれることを恐れていた自分の親友たちは入っていない。
思っていたよりも心の大半を支配していた心配が、この放送によって消え去り、美砂はホッと胸をなでおろす。
だがもうゲームが始まっているということを改めて実感させられた。
3人しか死んでいないとはいえ、死亡者がいる。
つまり、その3人を殺した人も絶対にいるということだ。

『次に禁止エリア。いまから3時間後、夜の9時にエリア6、いまから6時間後、次の放送が入るときにエリア9が禁
止エリアとなるネ。では。』

「桜子も円も生きてたんだ。よかったー。」
エリア7の山の上で、美砂は放送に耳を傾けていた。
幸い親友である桜子と円はまだ生きているようだったので、とりあえず安心することができた。
いつも3人で一緒に行動してきた仲間。
1人でも欠けてしまうと、その関係はとても儚いものになってしまうだろう。
「さて、2人を探しに行こっかな。」
いまいるところは、そのうち禁止エリアに囲まれてしまって身動きをとりずらくなる。
そうなる前に、他のエリアに移る必要があった。

795作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/16(火) 16:21:55 ID:???

「1人目みーっけ!」
足もとを確認しながら歩いていた美砂は不意に聞こえた前方からの声に顔をあげた。
そして手に持っているボウガンに一回だけ目をやって、もう一度前を見る。
矢はセットしておいた。
もしも相手がやる気ならば、抵抗する手段として使うことはできるようにしてあったのだ。
「朝倉じゃん。」
すこしだけ、疑いの気持ちが生まれる。
その気持ちと共に出た声は、朝倉からすればとても好感を抱けるものではなかったはずだ。
はじめて出会った人なのだから、疑うのは当然だと自分に言い聞かせつつも、クラスメイトを信じられない自分に
すこし嫌気がさした。
「私さ、このゲームに乗ることにしたんだ。だから死んでくれる?」
だがそんな嫌気はすぐに吹き飛んだ。
一筋の血をつけたナイフのような武器を持つ朝倉の目は、完全に狂っている。

「ちょっと、嘘でしょ?」
「嘘? なんで嘘なんてつかなきゃいけないの?」
――話し合う必要は、もはやなかった。
根本的な精神が異なっていることに気付いてしまったから。
「クラスメイトを殺してまでして生き残りたいなんて考えは、私にはできない。」
「他人のためなら死んでもいいってか。私には逆に、その考えが理解できないね。」
朝倉は、まだ距離のある美砂にむけてファルシオンをふり上げる。
「――じょ、冗談じゃないわよ。あんたなんかに、殺されたりは、しないんだから。」
朝倉が、ふふっと不敵にほほ笑んだ。
「声、震えてるけど?」
「う、ぅるさい、わよ……。」
そんなこと自分でもわかっている。
ここで朝倉に殺されてしまうのは何かが間違っている気がした。
なにもできずに、昨日まで友達だった人間に殺されてしまう。
それ以上悲しいことがこの世に存在するだろうか。
最高に仲良しのクラスだと思っていた3−Aの中で、喧嘩なんかじゃない、紛れもない殺し合いが行われている。
796作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/16(火) 16:22:55 ID:???
「じゃあそれで私を撃つ? 私を殺せる?」
怯えているのを察してか、朝倉は強気な態度をとった。
いつでも撃っていいよ、というかのように、ゆっくりと1歩ずつ足を進めてくる。
「私は……私は……」

ちょっと指を動かせば、矢は飛んでいく。
しかしその最後の勇気が、美砂はふりしぼれずにいた。
誰も憎しみがあって相手を殺そうとするわけじゃない。
自分が生き残るために仕方なく。それが一番最もな理由だろう。
確かに仕方がないといえば仕方がないのかもしれない。
人は誰だって死にたくない。いざとなれば自分が一番大事に決まってる。
美砂だってその例外ではないし、そう考えてしまうと、美砂には朝倉の行動を完全に否定することはできなかった。
さらに、ここで撃ったなら自分も朝倉と同じになってしまうという不安も心の中にある。
いろいろな要因が重なって、美砂の右手は動かなかった。
震えるだけで、矢を放つために目的を持って動くことはない。
「どうするの? 撃たないなら切っちゃうよ?」
「いやっ……やめてっ。」

足を地面に摺るようにして、すーっと近づいてくる。
考える時間はたっぷりあったが、美砂が結論を出すにはあまりにも短すぎる時間だった。
気付けば、10mはゆうにあった2人の距離は、もう手を伸ばせば届きそうなくらいになっている。
美砂は後ずさりしようとしたが、固まってしまってなにもできなかった。

「殺せない人は殺される。それが宿命ってやつだから。」
2人の間はゼロになり、ニヤついた顔が美砂の目の前に来る。
「じゃあね。」
朝倉の手が大きく上げられ、美砂を頭から真っ二つにしようというような勢いで、

振り下ろされた――――

はずだった。
「あああああぁぁぁぁーー!!」
797作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/16(火) 16:24:46 ID:???
だがその武器は朝倉の手から無様に滑り落ち、朝倉はそれを拾い上げようともせずにただ矢の刺さっている自分の右手を眺
めては、矢を引き抜こうともがいていた。
本来ならば美砂が即死するはずだったので、生まれる予定はなかった悲痛の叫び声が、森に強く響き渡る。
近くの木に止まっていた鳥たちは、いっせいにどこかへ飛んでいく。
朝倉の口から、耳を突くような大きな悲鳴が聞こえ続けた。
「痛い、痛い、痛い、痛――――」
鉄の鎧すらも貫通することのあるボウガンの矢にとって、朝倉の腕を貫通することくらいたいした仕事ではない。
骨をも貫き、いまだに腕に刺さったままとなっている矢に朝倉はいままでにない激痛を覚え、それをすこしでも和らげようと暴
れるしかなかった。


相手を殺す直前までいって撃たれた朝倉と、意識せずに相手を傷つけてしまった美砂。
どちらも現状を確認するまでにしばらくの時間がかかった。
あまりの威圧感に圧倒されて尻餅をついた美砂は、地面に右手を打ちつけてその衝撃で引き金を引いてしまっていたのだ。
ついさっきまでセットされていた矢が朝倉の右ひじに刺さっていて、そこからは水道の蛇口のように血が出続けていた。
「え……あ、ごめん……。」
不可抗力だったとはいえ、自分のせいでいま朝倉は傷ついている。
介抱するべきだという意識がないわけではなかったが、さっきまで自分を殺そうとしていたことを考えるとどうしても躊躇して
しまい、その場に立ち尽くした。
朝倉は相変わらずうめきながら地面を転がっていて、まだ戦えるようには見えない。

「――!!」
だがすぐに、近くに落ちているファルシオンに目がいき、恐怖が生まれる。
そして怖いと思ったその瞬間には、すでに美砂の足は走り出していた。
特に何かを考えていたわけでもない。むしろ考えられる余裕なんてなかった。
それでもひたすらに、その現場から離れるように北へと向かっていた。

残された朝倉は、それからもずっと痛みに耐えるしかなかった。

                    残り 26人
798作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/16(火) 16:30:24 ID:???
今回は以上です。
これまでの話は序盤ということもあって1話あたり2500字前後だったのですが、
これから中盤に入るにつれて、話によって差はありますが、だいたい3500字前後になっていきます。
最後のほうになると5000を超えるものもたくさんあるので、1回の投下でさるさんを喰らわないためには
10レス以下という制限を考えると2話の投下すらつらくなってくるかと思います。
その場合はがんばって時間を空けて3回くらいにわけて1話ずつ、ということになるかもしれません。
したらばに移るとなるとそんなことはないかもしれませんが、念のため断わっておきました。

今日はあとでもう一度、2話投下します。

では。
799マロン名無しさん:2008/09/16(火) 19:39:46 ID:???


個人的には投下量を減らしてほしかったり
後ろもいないことだし
800マロン名無しさん:2008/09/16(火) 19:55:18 ID:???


投下量はそのままでお願いします
801作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/16(火) 21:33:58 ID:???
>>799 >>800
ちょwwwどっちにすれば……
とりあえず今週は文化祭の準備で忙しいので、明日からしばらく1回だけの投下の日が続くと思います。
>>799 >>800以外に意見があればどんどん書き込んでください。

では、2回目にいきたいと思います。
802作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/16(火) 21:36:30 ID:???
18.Raid 〜襲撃〜

島を夕闇が包み始め、ほのかに残っていた光も消えかけるころ。
聞こえていた鳥たちの鳴き声は、スズメのような明るく高いものから、フクロウのようなゆったりとしたものへと変わっていた。
夜になれば敵襲には気付きづらい。
敵がいつ攻めてくるかなんて、簡単にわかるわけがなかった。


「ん――」
地面に無防備に横たわる一人の少女。
近くに落ちているのは、彼女の転移先だった木の枝。
目を開けると、千雨は手や背中にざらざらとした小石の感覚があることに気付き、ゆっくりと体を起こした。
「首が……いてーな。」
不恰好な寝相だったおかげで、体の節々がごきごきと音をたてる。
見慣れない風景、見慣れない荷物。
意識が覚醒してからもしばらくの間、千雨は自分の身に起こったことが思い出せなかった。
どこかの山肌の中腹だろうか。
ひんやりとした空気が、目覚めにはすこし寒すぎるくらいだ。
前も後ろも木が立ち並ぶだけ。座っているのは無数の小石を含む茶色い地面の上。
お世辞にも、いい寝床だったとは言えない。

「そうか……バトルロワイヤル、だっけか――」
教室の魔方陣に乗ったところから、千雨の記憶は途切れている。
おそらく魔法で飛ばされてからずっと、このように眠る羽目になっていたのだ。
夢から醒めると、夢は消えてなくなってしまう。
けれど逆に、目を開けた世界が新しい夢の始まりにも思える。
千雨は眠っていたから、いまいる世界が夢なのではないかと疑えてしまった。
いや、疑うことで自己を保とうとしたのかもしれない。
信じられない状況。信じたくない状況。
普通の生活からかけ離れた状況に頭が痛くなるのは、もうこりごりだった。
803作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/16(火) 21:38:06 ID:???
けれど自分の首にある忌々しい金属の感触と、すぐ近くにおいてある無駄に大きなバッグ存在によって、人殺しを
強要されている状況がまぎれもない現実であることを認識せざるをえなかった。
――とても見慣れたものではない、銃身の長いスナイパーライフルが、その姿を見せつけるかのようにバッグの外
にまで顔を出していたから。
でもどうしてか千雨の心は落ち着いていた。
それは風に揺れる葉の歌声以外になにもない、自然の静寂がもたらしたもの。
殺し合いという現状とはあまりにも釣り合わないおだやかな雰囲気を、千雨のまわりに作り出してくれていた。


ふと、もう一度寝転がって空を見上げる。
ゲーム開始は昼だったはずなのになぜだかもう夜になっていて、視界に入ってきたのは不自然に折られた木の枝
と、暗くなろうとする空だけだった。

「あんの、くそやろう。適当に転移させやがって……。」
自分の身に起こったことを理解するのに、そう時間はかからなかった。
たいしてロクに聞いてもいなかったけれど、長ったらしい説明の中で、『スタート地点はこの島にある、足場のある
場所のうちのどこかになる。』といっていたような気がする。
だからほとんどの場合はちゃんと地面からのスタートになるが、千雨のように運が悪いと木の枝の上から、なんて
こともありえてしまう。
それも細い枝の上だったことですぐに体重を支えきれなくなり、折れて千雨を地面へと投げ出すことになったのだろう。
だからこうして意識を失って倒れていたのだ。
誰にも見つからなかったから良かったようなものの、下手をしたらそのまま二度と目を覚ますことはなかったのかもしれない。
そう考えると、千雨は思わず身震いした。


ガサッ――

と、背後で草を踏みしめる音がした。
804作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/16(火) 21:39:25 ID:???
「誰だっ!!」
振り返ると同時にバッグから銃を引き抜く。
本音としては銃なんてバッグから取り出すことすらしたくなかったが、敵襲とあっては仕方がない。
当たり武器といえるだろうが、銃なんて使ったこともない千雨が最初から使いこなせるかどうかなんてわからなか
ったので、胸の中を不安が渦巻いていた。
相手が千雨の質問に答える気配はない。
その代わり、忍ばせることない足音だけが迫ってくる。
「誰だと聞いてるんだ。答えろ!! じゃねーとぶっ殺すぞ!!」
わざと声を荒げて脅迫してみても、結果は同じだった。
相手はさらさら答えるつもりはないらしい。
全く反応がないことから、敵は正気ではないか、相当の強者であるかのどちらかだということは判断できた。
ここは紅葉で黄色や赤に染まる森の中。
たくさんの木々が邪魔してなかなか姿を確認することができない。
誰だかわからない分、千雨の不安は膨張する一方だった。
「くそっ。」
立ち止まっていては危ないと思い、音の方に顔を向けながら横へ移動していく。
相手の正体を確認すること、相手からなるべく離れること。
その2つだけをこころに留めて、なるべく落ち着くように自分に言い聞かせながら移動する。
そうしてチラッと見えた相手の特徴は――

――薄い緑色の髪の毛だった。

「なんだ茶々丸か……緊張させるなっての。」
木々のかすかな隙間から千雨が見たその相手は、ゆっくりと歩く茶々丸だった。
千雨の声から一気に威嚇の色が消え、目元もゆるませる。
いくらロボとはいえ、麻帆良祭を一緒に回った仲だ。
ほかのクラスメイトたちよりはよっぽど信用できるし、戦いの味方としても申し分ない助っ人になってくれるだろう。
なんの疑いもなく、千雨は茶々丸の方へと近寄っていった。

だが――
「敵を確認。長谷川千雨。――――ターゲット、ロックオン。」
805作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/16(火) 21:40:25 ID:???
ネギと出会う前の茶々丸のような、無機質な音声が響き渡る。
感情のこもっていない、ただの殺戮兵器だったころのロボットの声。
実際、千雨には茶々丸の言葉の意味が一瞬では理解できなかった。
理解できなかったからこそ、動くこともできなかった。
「準備……完了。――――射殺します。」
「――っ!! なにっ?」


――――それは昨日のこと
実は超は、みんなが予想したよりも早く帰ってきていた。
歓迎会の準備ができる前からこの時代に戻ってきていて、このプログラムのための最終確認をしていたのだ。
あきらかに、いまの3−Aの団結力を考えると殺し合いにはならない。
そこで考えていたことが、茶々丸の利用だった。
1人でも乗っている人がいれば、みんな疑心暗鬼になってすこしはゲームも進行する。

「茶々丸、ちょといいカナ?」
エヴァに買い物を頼まれたのか、1人で歩いている茶々丸を呼び止めた。
何の前触れもなく、いなくなったはずの超が帰ってきていたことにすこし驚きながらも、茶々丸は超についていく。
発明者の言うことは絶対に聞くように設定してあったから。
「どうしたのですか超さん。突然帰ってくるなんて……。」
だが超は何も答えなかった。
ただ以前使っていた実験室へと足を進めるだけ。
茶々丸も、何か事情があるのだろうと思って聞くのをやめ、素直についていった。

「ハカセと相談して茶々丸をすこし修理することにしたネ。」
目的地につくと後ろを振り向かずに超は言った。
「わかりました。」
超の手にかかれば修理なんてほんの数十分で終わってしまうことは茶々丸自身が良く知っていることだったので、
何の疑問も抱かずに解体されていく。
「意識が途切れるかもしれないガ、でも気にすることはないヨ。」
「はい。」
言葉通り、すぐに思考が停止する。
806作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/16(火) 21:41:28 ID:???
そして再び動き出したときには――――

パンッ

「がはあっ――!! 冗談じゃねーぞ、おい――」
ギリギリのタイミングでかがんだ千雨の左肩を、弾が突き抜けていく。
それこそ言葉通り、冗談では済まない痛みが肩を襲う。
森を埋め尽くす黄色い葉っぱたちを彩るように、赤く輝く液体が飛び散っていった。
ついしゃがみこみそうになるが、そんなことをしている場合ではなかった。

「狙撃……失敗。――――再びロックオンに入ります。」
「結局自分の身は自分で守れってか。お前を信じた私がバカだったよっ!!」

パンッ

もう一度、静けさに包まれた森を銃声が響き渡る。
今度は茶々丸が撃ったものではない。千雨が構えたスナイパーライフルから、一直線に弾が飛んでいった。
弾は茶々丸の顔面のプレートに当たって、すこしだけ衝撃を与えて地面へと力なく落ちる。
機能の中枢が集まっている頭部が揺れたことで茶々丸の動きが数秒とまり、銃を持つ腕にも若干ダメージを受けた
ものの、茶々丸はすぐにまた銃を構えなおした。

「機械とか……卑怯すぎだろ――!!」

千雨は力の入らない左肩を押さえながら、足場の悪い森の中を全力で走り出した。

一日の終わりらしい静かな闇が、この島を覆い尽くそうとしている。
木々の間から遠くの海に沈みかけた太陽が燃えているのが見え、やがて薄闇の奥に消えていった。

                    残り 26人
807作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/16(火) 21:42:36 ID:???
19.Past 〜あの時と同じ海〜

那波千鶴は、島の北の海岸沿いにある家を目指して歩いていた。
地図によれば、住宅街とは別に、島の最北端に3軒ほどの小さな家が集まったところがあるらしかったので、そこ
でひとまず気持ちを落ち着けようと思ったのだ。
どんな状況であっても、落ち着いていなければ賢明な判断はできない。
保母さんをやっていて子供の扱いになれている千鶴が、自分をその立場に置き換えてみて出した答えだった。
でこぼこした岩場はとても歩きづらい。
千鶴は何度も足をくじきそうになりながらも、どこかの遺跡のように岩だらけのその道を歩き続けていった。


「夏美ちゃん、大丈夫かしら。」
千鶴は当然ながら同室の夏美の番号を書いた。
夏美には悪いが、どう考えても夏美のような気の弱い人が生き残れるはずがない。
それならば、自分も生き残るつもりはないけれど、すこしでも親友の生きられる確立をあげるのが正解なのでは
ないかと思った。
こうすることで、夏美に会ったときに夏美を落ち着かせるための道具にもなるし、一石二鳥だ。

千鶴の武器はネギ。
スーパーで売っているような長い棒状のネギで、千鶴にとっては馴染み深いものだった。
だが小太郎を脅すために使うことはあっても、こんな戦場で銃などに対抗する武器としてネギを使うほど千鶴も
バカではない。
捨てはしなかったが、もう取り出すこともないだろうと思ってバッグの一番下にしまってある。
とりあえず自衛のためにも何かの武器は必要だ。
家ならば何かしらあるだろうということも、北に向かっている理由のひとつだった。


歩いていくにつれて海が近くなり、波の音が聞こえてくる。
気温からして海に入りたくはなかったが、海岸から見えるその景色はいつ見ても美しいであろうもので、こんな理由
で島に来たのでなければいつまでも満喫していたいものだった。
ふと、いつか行った、あやかが貸切にしてくれ雪広グループの南国リゾートのことを思い出した。
808マロン名無しさん:2008/09/16(火) 21:42:41 ID:???
自分も投下量はこのままがいいなぁ
809作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/16(火) 21:43:48 ID:???
あの海といま見ている海がつながっているのだと考えると、あまりにも切なくて涙がこぼれそうになってしまう。
こんな悲劇が起こるなんて、考えてもみなかったあの日々。
ネギを胸元にはさんでおぼれかけさせてしまったこともあった。
ネギと明日菜の仲直りを手伝うために、あやかたちと作戦を考えたりもした。
――でも何があっても、もうあの楽しかった毎日は帰ってこない。
奇跡が起きて生き残れたとしても、そこに残るのはたった2人だけなのだから。

一粒だけ、千鶴の頬を涙が流れ落ちた。



家につくと、千鶴は中に入った。
何年も使われていなかったのか、入った瞬間に、あまりいい感情は抱かないような匂いが鼻をさした。
人が暮らすにはとても十分な広さではなかったが、キッチンやトイレなど、生活に最低限必要なものはすべてそろっている。
時計は止まり、無造作に置かれている人形たちは縫い目が切れて綿が見え、不気味な雰囲気を醸し出していた。
床に敷かれたカーペットはほこりだらけで、天井には虫やねずみの通路に使われているのではないかという穴もある。
できれば長居はしたくなかったが、外にいるよりは安全だと判断して、一度腰を下ろした。

まだゲームもはじまって間もないから、こんなところで戦闘に備えている人はいないだろう。
そう思ったときに。
「うぅ……」
奥の部屋の方から、かすかなうめき声が漏れてきているのに気付いた。
耳を澄ましてみると、それはより聞き取りやすくなる。
うめいているというより、痛さのあまり自然と腹の底から声が出てしまっているだけのように聞こえた。
「う……誰か……」
気のせいではない。明らかに奥の部屋から聞こえてきている。
この島には自分たち3−Aしかいないはずだから、クラスメイトの誰かが傷ついて苦しんでいるということだ。
近くに怪我人がいるのにそれを見捨てるほど軽薄な人間ではない。
自分より前にこの家に到着している人がいたことに若干驚きながらも、何のためらいもなく千鶴は動き出していた。

810作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/16(火) 21:44:51 ID:???
「ハカセさんっ!!」
千鶴がいた部屋とドア一枚はさんだだけの部屋に、彼女はいた。
それは、ひどいありさまだった。
いろいろなものが乱雑に散らかされ、雨漏りもしていて床が腐っているゴミ置き場のような部屋の中央に、うつぶせ
に横たわるハカセ。
染みのついた壁や天井。その天井からは澱んだ色をした水滴が落ちてくる。
割れている窓。ハカセを中心として赤く染まったカーペット。
その脇に落ちている血塗られた包丁。
目に入るものすべてが、千鶴には信じられないものだった。

「那波……さん――」
相変わらず、ハカセの口から出る言葉は小さすぎて聞き取れないほど。
だが千鶴は、それを絶対に聞き取って、絶対にハカセを助けなければ、という責任感にとらわれていた。
こんな重体な人をはじめて発見したのだから、彼女は自分が治療しなければならないと思ったのだ。
「ハカセさんっ!! しっかりしてください!!」
状況は明らかだった。
ハカセがこの家にいることを誰かが知っていて、その誰かが窓を割って侵入し、包丁でハカセの腹を刺したのだろう。
本当に、残虐極まりない行為だ。
きっとハカセはなんの抵抗もできずに襲われてしまったに違いない。


千鶴は傷口を確かめるためにハカセを転がして仰向けにしようとするが、ハカセが苦痛に顔をゆがめそうになったのでやめた。
「消毒液や薬を探してきます。」
一刻を争う事態に自分がなにをできるか考え、千鶴は急いでタンスや棚を調べに部屋を出ていった。
忙しく、押入れの扉を開いて閉じる音が聞こえ始めた。

                    残り 26人
811作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/16(火) 21:48:46 ID:???
本日は以上です。
部活、文化祭、塾、学校の模試、とこの時期悲惨なほど忙しいので、さっきも言ったとおり
2回投下できる日はあまりとれないかもしれませんが、ゆっくり見守っててくださるとうれしいです。

投下量については、みなさんの意思を尊重したいと思います。
>>808のようなレスを待ってます。よろしくお願いします。

では。
812808:2008/09/16(火) 21:56:14 ID:???
ごめ、わりこんでしまった!!
乙です
813マロン名無しさん:2008/09/16(火) 23:33:29 ID:???
>>795の美砂の発言にツンデレ属性を見たのは俺だけではあるまい
814マロン名無しさん:2008/09/17(水) 02:18:02 ID:???

我が嫁和美はこの程度じゃ終わらないことを願う
せめてさよちゃんと絡ませてから…
815作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/17(水) 21:20:30 ID:???
どうもです。
今日の投下をしたいと思います。
816作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/17(水) 21:22:15 ID:???
20.Dissatisfaction 〜地獄絵図〜

「アキラを返せ。」
亜子の唸り声。
それとともに、麻帆良の世界樹ですら切断できるのではないかと思えるほどの高速で、電動のこぎり、俗にいうチ
ェーンソーの刃は回転する。
「なんのことアルか?」
ただ何の考えもなく川の中流あたりから歩いてきた古菲にとって、何も理解できないのは当たり前のこと。
スタートしてから初めて会った人が亜子だというのに、なにやらその亜子に濡れ衣を着せられて殺されそうだとい
うことだけしかわからなかった。
しかしすぐに、亜子の足元に寝ているアキラの体――もとい死体――を見て、なんとなくわかったような気がした。
「私じゃないアル。私はいままで誰にも会ってないアルよ。」
だがそんな言葉はむなしく、チェーンソーは轟音を立てて回る。

「――絶対に、絶対に許さへんからな。」

亜子は、走り出した。
「いやぁ……やめるアル……」
古菲も戦闘のプロ。
そう簡単には食らいはしないが、その体からは想像もできないくらいの力でチェーンソーを振り回す亜子の攻撃を
避けるので精一杯だった。
確かに、反撃しようと思えばできる。
だがここで反撃してしまえば亜子は簡単に壊れてしまうだろう。
こぶしで殴っただけでも他の人の数十倍の威力を誇る古菲だ。
とげつきのボクシンググローブなんてつけていたら、普通の人間は一撃でダウンして当然。
グローブを取って手加減して殴れば大丈夫かもしれないが、相手は戦闘の素人。
行動パターンが読めないおかげで、いつ手を出せば傷つけずにすむかのタイミングを取るのがあまりに難しすぎた。
それがわかっていたからこそ、古菲はなにもできなかった。
817作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/17(水) 21:23:48 ID:???

「はぁ、はぁ……辛いアル――」
亜子はどんどん前進しながら武器を振り回すので、古菲は後ろに下がりながら避けることとなる。
背後に何か物があってはいけないので、前と後ろどちらもに気を使う必要があり、肉体的にも精神的にもすぐに限界が来てしまった。
彼女の頭の中に、逃げる、という考えは生まれなかった。
一瞬でも亜子に背中を向けてしまえば、その瞬間に敵が見えなくなる。
それが怖かったので、常に亜子を自分の前においておきたかったのだ。
「この人殺し。アキラはなんにもせーへんかったんやろ? 無罪の人を殺したあんたを、ウチが征伐してやる言うてるんや。」
もはやもとの亜子の姿はどこにもない。
血走った目と怒りにゆがんだその表情だけが、ただ勘違いによって、復讐に燃える鬼と化したいまの亜子のすべてだった。

「うわっ!!」
川原から川へと足場が移り、突然低くなった足元にとっさに対応できず、古菲は倒れてしまう。
その隙を亜子は見逃さなかった。
「やっと終わったなぁ?」
赤い唇が横に広がる。
幸せなんてひとかけらも感じられない笑顔だった。
転んだ古菲にチェーンソーの先を向け、いまだに猛スピードでまわるその刃を眼前に突きつける。
ほんの5cm前に進むだけで顔が半分に割られてしまうところまできていた。
「……どうしてアルか?」
めったなことでは悲しい表情を見せない古菲の、珍しい涙声。
哀愁を誘うものだったが、やっぱり亜子には届かない。
「うるさい。」
また唸るような声。
なにも反論できなくなるほどの威圧感がこもっていた。
「これで、仇をとれるんやな……。」


アキラとすごした日々。
その思い出が、頭の中を駆け巡る。
あまりしゃべらなかったけれど、いつも運動部4人の中にいてまとめ役だった。暴走しがちな3人の様子を、アキラが
落ち着いて見守っている。
818作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/17(水) 21:24:53 ID:???
友達でありながら、どこか保護者のような優しい包容力があった。
頼りがいがあって、なにかあってもアキラと一緒にいればなんとかなってしまう、という安心感をくれていた。
水泳もできて、背も高くて、一種の憧れを感じていたのかもしれない。

――でも、こいつのせいでアキラは死んでしまった。
もう生きているアキラに会える日が来ることはない。

憎しみをこめて、古菲の目の前にあったチェーンソーをふっと前に突き出す。
顔へと刺すつもりで。顔を真っ二つにするつもりで。
「私は……死にたくないアル。」
もうダメだと一般人は考えるところだった。
いつまでもまわるその刃が顔に突き刺さり、いままでにない痛みが顔を襲うのだろうと普通は考えるところだ。
だが亜子の腕が出る直前に、古菲は両足に力をこめて思いっきり立ち上がった。
さらに半歩右に身をずらして突きを避けると、またすぐに亜子の方に向き直る。
構える間も与えずに横殴りの攻撃が襲い掛かってくるが、それは予想済みだった。
「とっ!!」
チェーンソーの刃に食らわすつもりで、右手でアッパーを放つ。
(助かった……)
それが当たってしまえば、刃が折れるか、亜子の手からチェーンソーが飛んでいくか、そのどちらかは確実におこ
るであろうことが簡単に想像できた。


――――――
「ぐぅっっ――」
しかし亜子は足を踏み出していたために、古菲の右手は亜子の体に阻まれ、チェーンソーに触れることはなかった。
阻まれた、というよりは食い込んだといった感じ。
亜子の左腰から左肩のあたりにかけてグローブのとげによる深い傷がぐっさりとついていて、それは亜子が一番の
コンプレックスにしている背中の傷なんかとは比べ物にならないくらいの大きな傷だった。
傷口が赤く染まったかと思うと、泉のように血を吐き出していく。

傷つけたくなんかなかったのに……。
亜子が怪我をする予定なんてなかったのに……。
819作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/17(水) 21:25:56 ID:???
「あ、あ、あぁ……す、すまんアル、亜子――」

ビチビチビチ
亜子は、無言でそれを振り下ろした。

「ぐあああああぁぁっーーがあああぁぁーーーー!!」
薄黄色の髪の毛が舞ったかと思うと、人間の見ていいものではない何かが古菲の頭から飛び出し、不気味な音を
立ててあたりに飛散していく。
回転する刃にもそれは付着し、遠心力で遠くへと飛ばされる。
頭蓋骨の中にあったそれを、引き付けては巻き込んで、外へ飛ばす。
ピンク色のスライムのような物体がいたるところに落ちて、生きているかのように蠢く。
骨を削りながら砕いていく鈍い音が響き渡り、白い粉と赤い水滴がシャワーとなった。
さらにその上に赤い滝が降り注ぎ、あっという間に地獄絵図が出来上がっていった……。

しかしそれだけでは飽き足らず、頭に食い込んでいた刃を力ずくで引き抜くと、体中のあらゆる間接部分にあてが
い、切り刻んでいく。
そんなことをしなくても絶対に生きているはずはないのに。
1ヵ所切断し終わるたびに切り離された体がビクンと震えていく。
それを楽しむかのように、何度も何度も――――


ずっと機械的な音が鳴り続け、そこにはバラバラになった何かと、浴びた返り血が自分から滴り落ちるのを見てい
る亜子だけが残った。
(ウチが血を見て失神する? もうそんな弱い人間にあらへんよ。)
仇をとった。
その気持ちが心の大半を占めていたにもかかわらず、亜子は欲求不満に陥っていた。
「主役に、主人公に……なるんや。」

完全に、狂ってしまった。

   出席番号12番 古菲 死亡
                    残り 25人
820作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/17(水) 21:27:26 ID:???
21.Key 〜小さな力持ち〜

いまから3時間後には、自分のいるところが禁止エリアになる。
実際、禁止エリアなんて関係ない場所にいる人にとってはあまり実感が湧かないものだが、逆にその場所にいる
人にとっては相当な悩みの種となるものだった。
なぜかバッグの中に武器が入っていなかった宮崎のどかは、ゲームに乗る気はさらさらなかったが自衛のため
にと思って武器を求めてエリア6に向かっていたので、彼女にとって先ほどの放送は迷惑極まりなかった。
「武器庫に行けばなにかしら手に入るはずですー……。」
地図に、エリア6の南の方に武器庫があるとかかれている。
のどかのスタート位置はエリア5の海沿いの場所だったので、そこで武器を調達しようと考えているのだった。
なぜ戦いの場にわざわざ武器庫なんかを用意したのかはわからないが、あるものは利用するべきだ。
そう思っていた。

枯れた草が足をくすぐる。
膝くらいまで伸びた雑草が生えているだけの、手入れされていない公園のような場所を若干急ぎ足で歩き続けていった。
さっきの放送では夕映やハルナはまだ呼ばれていなかった。
だからいつかは会える。
そんな希望を胸に抱いていたので、悲しみに負けることはなかった。

放送から一時間くらいして、ようやくのどかは目的地へたどりついた。
「やっと武器が手に入りますー……。」
倉庫のような、窓ひとつないシンプルな建物。
それが荒野にポツンと立っている。
夜だからよかったものの、昼間だったら武器庫のまわりにいる人なんて遠くからでも簡単に狙撃できてしまうだろう。
「のどか、残念だけど、ここ鍵かかってるよ。」
着いた場所は武器庫の裏側だったので、入り口のほうへと回り込もうとしていると、突然声がかかった。
あまり聞きなれない声だったが、大体誰だか察しがついた。
「村上さんですか?」
「え?」
大きなドアの前に、のどかの予想したとおり村上夏美が立っている。
のどかと同じく気の弱い方なので、ゲームに乗っていないだろうと簡単に想像できた。
821作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/17(水) 21:28:42 ID:???
いまごろになってのどかは気付いたが、武器庫なんて地図にかいてあれば、ほとんどの人は生き残るために武
器を欲してこれに目を付けるだろう。
となるとやる気のある人がここに集まってもおかしくなかった、と思い、いま夏美しかいなかったことに運が良かっ
たと安心してしまった。
とともに、自分の考えの浅はかさに反省する。

「鍵……?」
「うん。鍵穴があって、開かなくなってる。鍵がかかってるんだと思う。」
「!! あ、そういえば……。」
のどかは勝手に自分のバッグには武器が入っていなかったと思いこんでいたが、他の人には入っていないものが
1つだけ入っていたことを思い出した。
それが、鍵だった。
どうせ何かの間違いだろうと思っていたが、まさかこんな形で武器になるなんて……。

のどかがバッグから小さな鍵を取り出すと、2人は一気に表情が明るくなった。
その鍵には、武器庫の鍵、というシールが貼られていたからである。
小学生が鉛筆につけるような『お名前シール』に武器庫の鍵と書いたものだろう。
「開けてくれる?」
「はい。」


――カチャリ
さび付いた扉を開けると、カビ臭さがツンと鼻をついた。
直後、2人の視界には、大量の銃や剣などが壁に掛けられているのが映る。
「すごい……。」
「いっぱいありますー……。」
ナイフ、長剣、短剣、刀、槍、斧。
拳銃、散弾銃、機関銃、ライフル。
あまりにもたくさんの武器があって、2人には何がなんだかわからなかった。
だがそのどれもが、みんなに配られた武器と同等に渡り合えるくらいの威力を持っているだろうということはわかった。
822作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/17(水) 21:30:01 ID:???
ふと、のどかはネギの姿を思い出す。
ネギが麻帆良に来た初日、階段から落ちた自分を助けられてから、のどかはいままでずっとネギのことを想い続けてきた。
3−Aのほかの誰よりも早くネギのかっこよさに気付き、弟として、といった感情ではなくて、ちゃんとした恋愛対象としてネギ
を感じてきた。
そのなかでも、ネギが何か目的を持って戦っている姿はとても凛々しく、美しく見えて、のどかは一番好きだった。
いつだって、ネギの横顔はのどかの心を温めてくれた。
父親を探して、会うため。
その理由をのどかが知ったのはつい数ヶ月前のことだが、小さなころからそんな大きな目的を持って生きているネギが、とて
もうらやましかった。

(私も友達を守るために戦えば、あんなふうにかっこよく見えるのかな……?)

ここにある武器を使えば、戦うことができるかもしれない。
何のために? 夕映を守るため? 優勝するため?

のどかは大きく頭を振った。
そんなことちっぽけなことは考えてない。自分が戦うのは、みんなを守るため。
自分ひとりの小さな力でなにができるかなんてわからないが、やれるだけのことをやるのが自分の使命だと心に刻み付けた。
そうすることですこしでも強くなれることを、ネギに教えてもらったのだ。

バチバチッ
「えっ?」
すぐ隣にいる夏美の手元から、何かの音が聞こえた。意識が現実へと戻され、状況を確認する。
ここから武器をとって試しにどうにかしようとしたにしては早すぎる。
なら他の何かを使おうとしたのかもしれない。
しかしそれは、考えるよりも見たほうが早かった。
「ごめんね、のどか。私、ちづ姉と一緒に生き残りたいから……。」

                    残り 25人
823作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/17(水) 21:31:44 ID:???
本日は以上です。
最初に言い忘れましたが、20話はグロ注意です。
いまさら遅いかもしれませんが……

本当はもう1話、のどかと夏美の話がつづくのですが、規制が怖いので明日にします。

では。
824マロン名無しさん:2008/09/17(水) 21:41:06 ID:???

やはりくーは死んだかw

以前も誰かが言っていたが、のどかもハルナはスルー?
さすがに親友なんだから深く考えることができなくてもパッと浮かんでくるとおもう・・・
825マロン名無しさん:2008/09/17(水) 21:52:32 ID:???
のどかはどうなるだろう…
生きていることを祈るばかり
続きが気になる。
826作者16ケータイ:2008/09/18(木) 21:45:29 ID:???
パソコンのほうがアクセス規制に巻き込まれてしまったようなので、真・作者18氏などが使用していた仮投下スレにおとさせていただきます。

http://jbbs.livedoor.jp/otaku/8740/#4
こちらです
827作者16ケータイ:2008/09/18(木) 21:59:43 ID:???
投下終了です。
もっといい板あるよ、って人は、ぜひ教えてください。
なんせ2chはこのスレしか使わないので疎くて……

突然の移動で申し訳ないです。
アクセス規制が何日かかるかわかりませんが、しばらくはここには書き込めないと思います。
投下開始と終了はケータイからいまみたいにレスしますので、ぜひ読みにいってくださいね。

では、またあした。
828マロン名無しさん:2008/09/18(木) 22:06:36 ID:???
3日分今読んだ、おっつー。
マーダー茶々にたいするエヴァの態度に違和感まったく無い。
これぞエバって感じだ。

いい板っていうか移動については最近話題あがってましたよ。>>610-61
作者さんから見たらやはり魅力的?

自分も毎回携帯からしかみてないので代理無理です、ごめんなさい
829マロン名無しさん:2008/09/19(金) 22:53:41 ID:???
今週は所用につき今日まで居なかったのでさっきまとめて読んだ。
作者氏乙です。
まとめて読んだ方が読み応えがありました。続きに期待してます。

投下ペースに関しては、読者の要望はあるかもしれないけど、
基本的には作者の都合で決めちゃって良いと思いますよ。
個人的には次の作者もいないし、ゆっくりペースでOK!
830作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/19(金) 23:43:19 ID:???
規制、一日で解除されたみたいです。
文化祭の準備でこんな時間になってしまいました。すいません。

今日の投下です。
831作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/19(金) 23:47:23 ID:???
24.Vampire 〜長い生命〜

「さて、と。」
千雨が遠く離れたのを確認してから、エヴァは茶々丸と対峙しなおした。
茶々丸は、エヴァのことを主人だとはこれっぽっちも思っていない。
それは、そこらへんに落ちているゴミを見るような茶々丸の目を見れば明らかだった。
「なにを言っても無駄なようだな。――仕方ない、やってやろう。」

とたんにエヴァは茶々丸の背後に回りこんだ。
茶々丸は全身に力をこめて、エヴァが移動したことで一瞬ゆるくなったビニール紐を力づくで引きちぎると、そのまま腕を伸ば
して180度回転する。
エヴァは、ちょうど頭くらいを通過する茶々丸の腕をしゃがんで避けると、片足を掴んで思いっきり持ち上げた。
もう片方の足に足払いをかけて転ばそうとするが、フリーになっていた右腕に銃を持っているのが視界に入ったので急いで距
離をとる。
一瞬前にエヴァがいたところに金色に輝く弾丸が突き刺さったのを確認すると、エヴァはすぐ距離をつめて接近戦に持ち込む。
なんらかの理由――おそらく超の結界のようなもの――で魔法が使えないいま、遠距離攻撃できる武器のないエヴァは接近
戦でケリをつけるしかなく、体力的に相当辛い戦いになっていた。
どうやら再生もきかないようで、怪我したところはそのまま治らない。
魔力を体に付加して体力を向上させることすらできず、幼い10歳の少女がプロ相手に格闘技をやっているようなものだった。

「これだからガキの体は……!!」
さすがにまだ平気だが、このまま続ければ体力の問題で勝てないことを予感したエヴァに若干の焦りが芽生える。
自分のパートナーの強さを実感してうれしい気持ちもないことはなかったが、いまはただその強さが迷惑なだけだった。
その瞬間、エヴァは大きく横へ跳ぶと真正面から突き出された腕を掴み、勢いを利用して体ごと回転させて仰向けに地面に投
げつける。
すかさず腕をもぎ取ろうと肩関節の部分に力を入れるが、固いプレートに覆われているとは思えない体の柔らかさで膝蹴りが
飛んできたので、また仕方なく下がった。
その程度の衝撃ではなんともない茶々丸はすばやく膝を立てて、徒競走のスタートのときの体勢をとる。
そしてそのままエヴァにむかって突進した。
832作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/19(金) 23:49:46 ID:???
ぎりぎりかわしきれなかったエヴァの左肩から左手首にかけて、激しい痛みが襲う。
だがそんなことにかまっていられる余裕はない。
左手の犠牲のおかげで手に入れた茶々丸の背中を目の前に持ってきて、首を掴んで全力で握りしめ、冬場の固
い土へとたたきつけた。
「ガガ――ギー……キィーー――」
頭部への打撃攻撃は有効なのか、すこしの間変な音をたてて行動が停止する。
ここぞとばかりに首を蹴りつけまくるが、その短い時間になにをできるわけでもなく、なにごともなかったかのように
復活されてしまう。
エヴァの足を殴ってバランスを崩させたところで、瞬時に立ち上がって少しだけ距離をとった。

今度はあえて接近してこないで銃を発砲した。
なんの工作もない弾丸にエヴァがあたるはずもなく、すこし首を傾けただけで後ろへ通り過ぎていく。
だがそれはおとりだった。
発砲とほぼ同時に地面を蹴った茶々丸は、弾を避けるのを確認するや否やエヴァの懐に入り込み、首の動作の
せいで一瞬行動できない隙を突いて、腹に強烈なパンチを食らわせる。
わざと後ろに吹き飛ばないように調整して放った拳のあとに、まわし蹴りが腰へ炸裂する。
鉄の棒のような重さを誇る足からもらったエネルギーは体全体を揺らし、エヴァは右から左へと倒れこんでしまった。
チャンスと悟ったのか、茶々丸はここぞとばかりに猛連打でエヴァを圧倒する。

それでもエヴァは諦めることなく、絶え間ない攻撃のうちの1回を見切って茶々丸の両足を抱え込んだ。
バランスを取る支えを失った茶々丸は背中から急落し、何度目ともわからない、地面との大きな衝撃を食らう。

「うう……」
倒したところまでは良かったが、1度顔面につま先を食らったエヴァは、倒してすぐに攻撃に入ることはできなかった。

吸血鬼になってもう600年にもなる。
傷ついたなら再生すればいい、体が死んでも生き返ることはできる。
そのようなことが習慣として身についてきてしまっていて、特に最近は身の危険すらもない怠惰な生活を送っていた
ためか、痛みに対する感覚が鈍くなりすぎていた。
833作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/19(金) 23:51:53 ID:???
普段から魔法の障壁によって痛みは緩和され、怪我をしてもすぐに再生させてしまうことで痛みなんかは感じずに済
んできたけれど、いざ力を封じられて普通の少女に戻ってみると、人の感じる痛みの大きさに愕然とした。
顔面を骨折したのかもしれない。
腰骨も砕けているかもしれない。
いつもと違う体の状態での戦いで、いつもとは比べ物にならない痛みを味わわされた。

「くそっ!!」
痛みに気を失いそうになるのをどうにかこらえて、自分の腕の中にある膝を、関節の曲がる方向と逆に折りにいく。
しかし予想通り、足の異変など気にも留めない茶々丸は右腕にしっかりと握られていたベレッタでエヴァに狙いを定めていた。
立ち上がる暇はないと踏んで、エヴァは地面に転がり込んでそれをかわすと、撃ったばかりの銃が煙を上げる右腕へとしが
みつく。そして銃を掴んだ。
相手の手に銃がある限り、永遠にこちらが有利な状況にはならない。
そう思ったエヴァは、その武器を奪うしかないという考えに至ったのだ。
だが、たかが40キロくらいの体重は、茶々丸の行動を制限するに値しなかった。
簡単に銃を離してくれるはずもなく、茶々丸は立ち上がって、銃を握ったままのエヴァごと右腕を乱暴に振り回す。
エヴァは地から足が離れて不安定な体勢になるが、両腕で銃を奪おうとしている間に、必死に顔面に蹴りを入れようともがく。
しかしそんな非力な攻撃は、何もすることの無かった左手でいともたやすくガードされてしまう。
それどころか細い足を全力で殴りつけられ、骨にまで鋭い衝撃を与えられていた。
しかも、いくら力を入れようと右手から武器を放す様子もない。

むしろ激しく振り回される腕に握力だけでしがみついているのに限界を感じ、そのうち力のゆるくなってきたエヴァ
は、茶々丸がわざとらしく大きくスイングさせた腕の勢いに耐え切れずに、吹っ飛ばされてしまった。
宙を舞ったかと思えば、次の瞬間には少し離れたところにある木に背中からぶつかっていた。
木々にかろうじて残っていた枯れ葉たちが、木が揺れたことで振り落とされてひらひらと力なく落ちる。

――エヴァもその葉っぱと同じだった。
――頭と目の前が真っ白になって地面に崩れ落ちそうになったところで、軽やかな銃声が響き渡り、最後の綱が切れた。
834作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/19(金) 23:52:50 ID:???
「な……どうして……。」
ロボットなのだから、狙いが外れるわけはない。
確実にエヴァの心臓あたりを撃ち抜いていた。
まだ視界のはっきりしない目を大きく見開いて、手で胸を押さえようとするが、その手も及ばずに重力のまま倒れてしまった。
「1人排除……完了。」
マスターを殺した、などという感情はもう残っていない。
超の改良によって、出会った人をすべて殺す、というプログラムしかなくなってしまっているのだから――。

――結局最初から最後まで茶々丸に遊ばれただけだった気がする。
力なき赤子が社会に刃向かうかのように、無謀な戦いを繰り広げて散っていく。
正直、戦う前からこうなることは心のどこかで予感していたが、どれだけ醜くもがいても敵一人倒せない自分が情
けなく、そして無様だった。
魔法という力に惑わされて、いざというときに役に立たない自分の強さを悲しく思いながら、自分のパートナーに負
けた悔しさのままに、エヴァは目を閉じた。

   出席番号26番 エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル 死亡
                    残り 24人

835作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/19(金) 23:54:19 ID:???
25.Unbelievable 〜ま、ほうっ!?〜

おそらくこの島の中でも最も寒いであろう場所。
スタート地点の建物があった雪原に、明日菜は差し掛かっていた。
「いくらなんでも寒すぎよ、こんなの。」
さっきまでとは明らかに違ってきている温度を、明日菜は感じる。
途中、何度もこの雪原から離れようかとも考えたが、どうしてもそうしてはいけない気がしたのでやめておいた。
誰かが自分の助けを待っている気がしていたのかもしれない。
第6感なんて信じてるわけじゃないが、いまだけはすこし、本能の赴くままに行動してみようと思ったのだ。

――その予感が的中するのは早かった。
案の定、明日菜はすぐに雪原の真ん中で倒れている人影を見つけた。
念には念をということで腰のサーベルの位置を手探りで確認してからゆっくりと近づいて、その姿を見極めようとする。
「まきちゃん!!」
そしてそれがまき絵だとわかると、明日菜は何のためらいもなく駆け出していた。
まき絵なら絶対に仲間になってくれる。
そう確信すると同時に、はやく助けなければという責任感にとらわれたからだった。

「まきちゃんっ!! 起きてっ!!」
返事はない。
寝ているというよりは気絶しているといった方が適切だったかもしれない。
凍えるようにちぢこまって体を丸くして、横になっていた。
体には雪が積もっていて、もうすこし来るのが遅れていたら雪に埋まって見つけられなかったかもしれない。
口から吐き出される息にぬくもりは感じられなかったが、呼吸は確かにあったので、明日菜は横たわる体を乱暴に動かした。
次から次へと降ってくる雪を払い落としては、軽そうな体を掴んで上下に左右に揺すりまくった。

寒さも我も忘れてしばらくくりかえしているうちに、まき絵はゆっくりと目を開けた。
「アス、ナ……?」
明日菜はまき絵に覆いかぶさって、上から目を覗き込むように見つめる。
そうして、いま聞こえた返事が幻聴でないことを確認して、ほっと長いため息をついた。
「よかったー。死んじゃってたらどうしようかと思ったわよ。」
836作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/19(金) 23:55:48 ID:???
まき絵は特に怪我をしている様子はなかったが、今すぐに死んでしまってもおかしくないような表情で、いまだに意
識も朦朧としているようだった。
それもそのはず、この寒い雪原の中で何もせずにただ座りこんでいたのだ。
そんなことをすれば体温は冷え続けて、やがて凍死してしまうのは当然のこと。
ひどいときには手足の先が壊死してしまうこともあるものだが、幸いそこまでは至っていなかったようだ。


――――――
「大丈夫、まきちゃん?」
何もない雪原の真ん中で無防備に立っているのは危ないだろうと思って、明日菜はすこし北に行ったところにあっ
た洞穴のようなところにまき絵を運び、そこでしばらくまき絵をさすったりしてあたためていた。
「うん、もう大丈夫。ありがとアスナ。」

この短い間に、まき絵にはショックなことが多すぎた。
魔法の存在も知らないのに突然スタート地点が消えるのを目撃する、いつまでもつづく雪原、さらに放送ではアキ
ラの名前が呼ばれる。
何もかもが受け入れられなくて、信じられないことだった。
いつのまにか目を閉じていて、寒さも感じなくなり、死んでしまうかもしれないと考えることもなく眠っていて、再び目
を開けたら明日菜がいた、というわけだ。
「あの辺がスタート地点だったの?」
明日菜なりの気遣いなのだろう。
なにもなしにただ座っているよりは、なにかを話していたほうがずっと暖かい気がする。
さりげない親切に心を揺らしながら、まき絵もそれに応じる。
「そうだよー。変な輪っかに乗ったら教室のすぐ外に出てきて、それから――」
だがすぐにさっきのことを思いだして寒気が襲ってきた。
鳥肌が立って、一瞬、言葉が止まる。
「それから?」
「それから――」
やっぱりあれは見間違えだったのではないか……。
凍死寸前になると幻が見えるらしいし……。
「教室が、消えたの。」
でも、言ってみた。明日菜ならわかってくれるかもしれないと思ったから。
837作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/19(金) 23:57:23 ID:???
「っ!?」
「もしかしたら私の勘違いかもしれないけど――」
「ううん、それ、絶対勘違いじゃない!!」
信じてもらえるなんて思っていなかったのに、むしろすぐに納得されてしまったことに相当驚きながらも、まき絵は
あの状況をまた思い出していた。
自分を信じられなくなりかけたあの瞬間。思い出すだけでも震えが止まらなくなる。
「建物が、消えちゃったんだよ? なんでそんなすぐに――」
「あのね、まきちゃん――」
まき絵の言葉にこもる不安をかき消すため、割り込むように話しかける。
明日菜は外に目を向けてネギのことを考えた。
(言っても……いいわよね? こんな状況なんだし。)
なんとなく、ネギとの約束を破るような気持ちになりかけたが、いまの自分のこと、まき絵のことを考えると話したほ
うが確実にいい影響を及ぼすはずだと無理やり思い込んだ。
まき絵に怖い思いをさせている原因が1つでも少なくなるのなら、それは明日菜にできる最善のことのように思えたから。
「落ち着いて聞いて。ホントは言っちゃいけないんだけど――――」


――――――
「えええええーーっ!! じゃあネギ君が学園祭で超りんと戦ったのもホントだったってこと?」
「そう。あれでネギが負けてたら、魔法が全世界にばれてたんだから。」
「すごいすごいすごいっっ!! で、明日菜もなんか魔法使えないの?」
「私は魔法使いじゃないし……。このかとか夕映ちゃんだったら使えるけど。」

すべてを、話した。
いままで言わなかったことをもっと怒るかと思ったがそんなことは無かった。
まき絵なら信用できるし、これからのことを考えてこの知識は必要だっただろう。
「で、何のために話したかっていうと――」
「ねえねえ、あとは誰が魔法使いなの? 学園長のながーい頭は魔法と関係ある? エヴァちゃんは魔法使いな
んだよね? 刹那さんのジャンプ力は魔法のおかげ? 明日菜はなにができるの? 変身とかできる? あれ、じ
ゃあネギ君のお父さんも魔法使い? まほら武道会は全部本物ってこと? わ〜すごい!!――――」
「うるさーい!! 人の話を聞きなさい!!」
「うわっ、はい、すいませんっ。」
838作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/19(金) 23:58:24 ID:???
まったく、と思いながらも魔法をすんなり受け入れてしまう3−Aのおかしさを感じざるを得なかった。
ほほえましい特徴だった。
「つまり、超さんがあの教室ごと消えちゃったってこと。あれも魔法で消えちゃったって考えれば怖くないでしょ? 
厳密に言うと超さんのは魔法じゃないけど……。でもまあ要するに、怖がらなくていいよってことを言いたかっただけなんだけどね。」
「そっか〜。んじゃ私が見たのもやっぱり現実だったんだー。」
明日菜の勝手な思い込みでしかなかったが、おそらくそれが真実なのだろう。
しかしもうそのことに関してはあまり興味はなかったのか、バトルロワイヤルの真っ最中だなんて想像もできない
くらいにまき絵の顔は期待に輝いていた。
だが、アキラのことがあるせいか、それがいつもの笑顔でないことは明日菜にもわかった。
「よーし、まだまだ質問タイムだよ〜。」
「え……」
それからも長い間、洞穴の中には楽しそうな声が聞こえ続けていた。
まき絵の強がりであることは目に見えていたけれど、強がっていられるくらいの余裕があるならば大丈夫だと安心
する明日菜だった。

ずっとこんな時間が続けばいいのに……この状況を見た人がいたならば、誰もがそう思っただろう。

                    残り 24人
839作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/20(土) 00:02:48 ID:???
今日の投下は以上です。
16部のときから付き合ってくださっている方は知っているかと思いますが、24話をみてわかる通り、
私は戦闘シーンを書くのがとてつもなく下手です。
見苦しいところもあるかもしれませんが、どうか見逃してやってください。

あと、明日とあさっては台風のなかで文化祭をやるので、投下は今日くらいの時間になってしまうと思います。
ご了承ください。

では。
840作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/20(土) 00:07:27 ID:???
あ、返事し忘れました。

>>828
したらばはやっぱりさるさんまで45(?)連投っていうのが魅力的ですね
量とか気にせず好きに投下できそうですし……
できれば移動したいと思ってます。

>>829
わかりました。ありがとうございます。
その日に投下する話の長さとかによって変えていこうかと思います。
841マロン名無しさん:2008/09/20(土) 09:30:49 ID:???
作者乙です。

お約束でエヴァの再生能力は封じられているのであろうというのは
予想していたので違和感はなかったけど、
再生を封じたというはっきりした描写が見当たらなかったので
ちょいと残念。
842マロン名無しさん:2008/09/20(土) 11:02:44 ID:???
やる夫がエヴァに乗るようです
843マロン名無しさん:2008/09/20(土) 21:37:42 ID:cuV8PVih
あの突然ですけどネギまバトルロワイヤルのテーマ曲に
9mm Parabellum Balletの「Supernova」と
アジカンの「自閉探索」が合うと思うんですがどうでしょうか
意見聞かせてください
844マロン名無しさん:2008/09/20(土) 23:46:25 ID:???
>>843
その曲シラネ。曲をUPしてくれたら感想くらいは言うよ。
まあ、その前に先月締めで別館まとめでテーマソングのアンケートをやったばっかしだよ。
ぼちぼち結果が出る頃と思うが、その曲はなかったはず。
845作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/21(日) 00:20:52 ID:???
遅くなりました。すみません。
今日の……といっても日付変わってしまいましたが、投下を始めます。
846マロン名無しさん:2008/09/21(日) 00:22:46 ID:???
お、待ってました
847作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/21(日) 00:23:15 ID:???
26.Burning 〜森の不響和音〜

あの爆発ではよっぽどのことがない限り生きていないだろう。

ハルナは引きずりつつも懸命に足を動かして火災現場から離れ、次こそは仲間になってくれる人を見つけようと励んでいた。
ゲームが進行して普通に決着がついてしまったとき、自分はなにがあっても生きていることはない。
それは紙を提出する直前まで悩んでいたことだったが、みんなで協力すれば絶対に脱出の方法は見つけられると
信じて、のどかと夕映の番号を書き換えることはしなかった。

「あーあ……」
後ろを振り返るたびに、自分は人殺しだということを思い出してしまい、ため息ともいえない感情のない声がもれる。
ハルナは悲しくも1人目を殺す羽目になってしまった。
自分の命、そして2人の命のことを考えると仕方のないことだったが、やっぱり悔やまないわけにはいかなかった。
自分のせいで、一緒に帰れるはずだった友達がひとり減った。
いまはまだ1人だから、それをなぐさめてくれる友達もいない。責めてくれる友達もいない。
思っていた以上に辛いゲームであることを、しみじみと感じさせられた。

ハルナの武器だった爆弾は一辺40センチくらいの立方体で、その威力は、1回の爆発で普通の家なら5軒ほど軽
く吹き飛ぶくらいのものだと説明書には書いてあった。
妙にバッグが重かったので、ハルナは出発地点だったエリア7の森のなかで中身を確認してみたのだ。
そのときは、それが入っていたのを見た瞬間に時限爆弾かと思って使い勝手の悪いハズレ武器だと失念したが、
本当はさっき校舎を爆破したときのようにリモコンでスイッチを入れることが出来る遠隔操作爆弾だった。

最初2つあったので、1つ使っていまは残り1つ。
やる気の人との接近戦となってはどうしようもなくなるが、どこかに置き、自分は見つからないような場所からその
爆弾を監視して、近づいた人がいたら爆発させる、という使い方をすれば、この戦場でも十分通用するはず。
最悪の場合、敵も巻き込んで自爆ということも可能なので、自分を捨ててまでして殺したい人がいるときにはいい
武器と考えられる。
のどかと夕映の生存を行動の目的としているハルナにとっては、他の人と比べればすこしは、自爆の決意も簡単
に決まるだろうか。
848作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/21(日) 00:24:48 ID:???

もう夜も更けてきたので、いくら離れても2階建ての校舎が燃えているのはその明るさですぐに確認できる。
ただでさえ炎の燃えるゴーッという音が聞こえている上に、ときどき組まれていた木材が崩れたのか大きな音が鳴
ることもあり、光、音の2種類から人を呼ぶ道具となっていた。

消火するものがないのでいつまでも炎上し続けているのだ。
このままではもしかすると火が森に移って大規模な災害になってしまうかもしれない。
木に葉がついているので引火しやすいし、落ち葉もそこそこにあるので、木をつたって火が地面にまで及ぶともの
すごい速さで燃え広がっていくのは容易に想像がつく。
それは、足が思うように動かないいまのハルナにとってはそれなりに脅威だった。
ザジを殺しておいて、自分もそのとばっちりで火に巻かれて死んでいくなんて御免だ。
まだ何もしていない。ただひとつやったのは殺し。
そんなんで死んだら地獄に落とされるのは目に見えている。


ガサッ
「ひっ――」
明らかに自然にたったものではない音が耳に届いて、ハルナは反射的にしゃがみこんだ。
普段のハルナの性格からすると、敵はどこだか探し回っていてもおかしくはないが、武器が武器なのでさすがに
怯えざるをえなかった。
とりあえずバッグから爆弾を取り出してその場に置く。
と共にリモコンの2番のボタンをいつでも押せるように構える。
できることなら相手に気付かれないように移動したかったが、相手の位置がわからないためそれもできなかった。
(お願い……味方になってくれる人……)

相手が1歩歩くごとにカチャカチャとなにかが当たってこすれあう音がする。
おかげでハルナから見て右前の方からその人がやってくること、あとどのくらい離れているか、の2つだけは判断できた。
だが考えても見ると、みんなに配られたバッグの中には音がたつものは入っていない。
あるとすれば武器だけなわけで、それが当たってカチャカチャいっているのだとしたら、2つ以上の武器を持って
いる、つまりもうすでに誰かを殺して違う武器を手に入れた可能性が高いということになる――――
849作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/21(日) 00:25:33 ID:???

ハルナの鼓動はますます速まった。
なにかしなければと思いながらも、頭が働かず、体も全く動かない。
壊れそうなくらいに猛スピードで心臓がうごめく。
これ以上速くなったらどうなってしまうのか。鼓動の音が敵に聞こえてしまうのではないだろうか。
そんなことを考えても、落ち着く様子はさらさらなかった。
体温がとてつもない低温まで下がってきている気がする。
冷や汗をかくなんていままで経験したことがなかったが、ハルナは実際に自分の背中を液体が流れるのを感じた。
その液体は氷にも思え、背すじを凍りつかせる。

ただ足音が自分のほうへと向かってくるだけ。
リモコンを握る指に力が入る。


そしてついに運命のとき――――

                    残り 24人

850作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/21(日) 00:27:14 ID:???
27.Encounter 〜明るい未来〜

「アキラ……」
裕奈と木乃香は、放送がかかってもまだずっと湖畔にいた。

アキラが死んでしまった。その事実が変わることはない。
でも、超が人を生き返らせる方法を知っているのだとしたら、裕奈や木乃香にだってアキラを生き返らせることが
できるのだろう。
超がやって来た、未来にしかない技術なのかもしれない。
もしそうだとしても、裕奈たちがその時代まで生きてから考えればいいだけの話。
いつになるかはわからないけれど、アキラを生き返らせることはできるのだ。
自分の子孫らに頼むことだってできる。
方法があるなら、それを手に入れる方法も必ずあるはずだから。

最悪、もしも生き返らせる方法があるようなことを言った超自体が嘘つきだったならば、優勝してもアキラは帰って
こないということになる。
どちらにしろ、ゲームに乗る利点なんてない。
生き返ったほうの人だって、優勝者に生き返らせてもらったなんていうのはあまり気分のいいものではないだろう。
優勝者も少なくとも1人は誰かを殺した殺人者だということを、感じざるを得ない。

「つまりいまは信じるしかないってことだね。超りんは方法を知ってる。だからその方法を私たちも見つけて、やって
みる。それができないと思い始めたら何にもできなくなっちゃうもん。」
木乃香は裕奈の強さに感謝せざるを得なかった。
もしもアキラの死亡を放送で告げられたときに裕奈が疑心暗鬼になって狂ってしまったりしたら、自分ひとりの力で
止められただろうか。
想像しただけで体が震えてしまう。
優勝するしかアキラを生き返らせる方法がない、なんて勝手に思いこまれて、それを考え直させるほどの説得力は
持ち合わせていない。
裕奈が精神的に強くなかったならば十分にありえる話だったと考えると、やはり裕奈に感謝するしかなかった。
851作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/21(日) 00:28:25 ID:???

「じゃ、そろそろいこか。」
「うん。みんなを探しに行こう!!」
裕奈にとってはこの島を歩くのは初めてとなる。
どんなことが起こっているのか、アキラがどのように殺されてしまったのか。
だれが乗っていて、だれが仲間探しをしているのか。
何もわからない2人だったが、これから嫌でも見ることとなる戦場を思い描きながら、それに負けないように強い決
意を持ちながら、前を向いて歩き出した。

「そういえば、このかの武器なんなの?」
突然、まだ聞いていなかったことを思い出し、裕奈は自分の武器でお手玉をしながら木乃香に聞いてみる。
「ウチは……これや!!」
ポケットの中からうれしそうな顔で木乃香が取り出したのは、なにやら電子手帳のようなものだった。
木乃香のうれしそうな顔と裏腹に、どう見ても武器には見えないそれを見て、裕奈は若干落ち込んだ。
自分の武器が、閃光弾3個(しかもあまり光らないと説明書に書いてあった)だったのでなんとなく不安になってい
て、木乃香の武器に期待していたところで、よくわからないものが出てきてしまったのだ。
この先が思いやられるな、と思わざるを得ない状況が出来上がる。

だがそれは、実は武器なんかよりも数倍役に立つ最強の味方だった。
「これな、ウチのまわりにいる人についてる首輪を探知して、この画面に点で映してくれるんや。いまだったら……
あ、1人映ったえ。――ってゆーか、近っ!!」

首輪探知機。
これさえあれば、誰とも会わずに過ごすこともできるし、逆に仲間を集めるのも容易になる。
1人でいる人は危険だから逃げる、2人以上でいるのなら安全だから近寄る。
そんなことも事前に考えられてしまう優れものだった。
その人が誰なのかわからないのが唯一の欠点だが、半径100メートル以内の人を察知できればこれからの行動
がずっと楽になることだろう。
しかし、行動方針なんかを立てる間もなく、思わず木乃香も1人でツッコんでしまうほど近くに、敵は迫っていた。
2人の背後、20メートルくらいだった。
852作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/21(日) 00:29:44 ID:???
「危ないこのかっ!!」
木乃香は敵がいるであろう後ろを振り返った瞬間、何かがこっちに向かって飛んでくるのを見た。カブトムシみたい
な大きさで、一直線に飛んでくる。
それがなんであるか認識できないまま、飛びついてきた裕奈に押し倒されてしまった。

飛んできたそれは2人の頭上を通過し、先の湖に落ちる。
と同時に水中で大爆発が起こり、表面の水は吹き飛ばされて水面が大きな半球を描き、水しぶきとなって2人に降り注いだ。
作り出された波で陸はすこし浸食されて、また何事もなかったかのように、戻った。

「最初っからやばい感じがするんですけど……」
「うん……」
言葉を発するより先に、2人の足は敵から遠ざかるように動き出していた。
あんな強力な武器を持っていては、たかが閃光弾でかなうわけがない。
身を隠すことのできそうな唯一の森の中から相手が攻撃してきたので、仕方なく湖畔の砂利道を湖に沿って走る。
姿を確認されてしまうのはすこし痛かったが、敵に突っ込んでいくよりは数倍マシだろう。

走っていくうちにもっと弾が飛んでくることを想定していたが、予想に反して全然撃ってこない。
弾切れなのかと勝手に解釈して、2人は振り返らずに走っていった。

                    残り 24人

853作者16 ◆KKIM59nvpg :2008/09/21(日) 00:30:47 ID:???
今回は以上です。
明日はさらに今日より遅くなってしまうかもしれません。
申し訳ないです。

では。
854マロン名無しさん:2008/09/21(日) 00:45:36 ID:???
乙です
855マロン名無しさん:2008/09/21(日) 00:51:13 ID:???
投下が遅いのは作者の用なのだから仕方ない
毎日投下してくれれば万々歳だわ
ということでゆっくり待ちますよ〜
856マロン名無しさん:2008/09/21(日) 01:00:11 ID:???
乙です
てゆか、ハルナはあんなに二人の事を考えているのに、ゆえとのどかときたら…!!w
857マロン名無しさん:2008/09/21(日) 14:53:25 ID:???
カブトムシの勝田意が気になるな
858マロン名無しさん:2008/09/21(日) 20:22:28 ID:???
そろそろ500KB…
859彗星:2008/09/21(日) 21:31:47 ID:???
次スレ立てたよ。

ネギまバトルロワイヤル25 〜NBR ]]X〜
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221999961/

一応前に話に出てて決めたように創作発表板に引っ越しました。
860彗星
移転の話に補足しておきますと、
>>604-635
で移転話が出て、全く反対意見が出ずに事実上決定になりました。
このスレを消費してから移転ということで、このたびめでたく移転となりました。

これからもご愛顧のほどをよろしくお願いします。
彗星でした。