ネギまバトルロワイヤル23 〜NBR ]]V〜

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1マロン名無しさん
このスレは、『魔法先生ネギま!』キャラを用いたバトロワスレです。

<特徴>
他の多くのバトロワスレはリレー小説の形式を取っていますが、このスレでは異なります。
単独の作者による、長編SSスレとなっています。
現在、第22部まで完了。現在23部連載中。各長編SSはそれぞれ独立したお話となっています。

たまに、既に完結したお話のサイドストーリー、アナザーストーリーなどの短編が書かれることもあります。

<作者志望の方へ>
このスレでは、原則オープニングからエンディングまで全て書き終えた者が連載を開始できます。
見切り発車厳禁。頑張って書き上げましょう。
完成したら宣言の上、皆の了承を得て投下を開始して下さい。

<注意事項>
作品に対して内容にケチをつけたり、一方的な批判をするのはやめましょう。
こういう人が居ても、他の人は荒らしとみなしてスルーしましょう。
作者の都合もありますので、早くしろなどの催促はできるだけしないように。
次スレは原則>>950を踏んだの人が立てること。
容量オーバーになりそうなときは、気づいた人が宣言して立てましょう。
基本的にsage進行。


過去スレ等は>>2-5くらい
2マロン名無しさん:2008/05/12(月) 00:21:38 ID:???
ネギまバトルロワイヤル  http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1107856778/
ネギまバトルロワイヤル2 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1128095637/
ネギまバトルロワイヤル3 〜BRV〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1129557828/
ネギまバトルロワイヤル4 〜NBRW〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1132910518/
ネギまバトルロワイヤル5 〜NBRX〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1135869915/
ネギまバトルロワイヤル6 〜NBRY〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1139151600/
ネギまバトルロワイヤル7 〜NBRZ〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1142342541/
ネギまバトルロワイヤル8 〜NBR[〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1145711038/
ネギまバトルロワイヤル9 〜NBR\〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1151827124/
ネギまバトルロワイヤル10 〜NBR]〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1156684255/
3マロン名無しさん:2008/05/12(月) 00:22:16 ID:???
ネギまバトルロワイヤル11 〜NBR]T〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1158672877/
ネギまバトルロワイヤル12 〜NBR]U〜 http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1171806097/
ネギまバトルロワイヤル13 〜NBR]V〜 http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1179239147/
ネギまバトルロワイヤル14 〜NBR]W〜 http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1187028365/
ネギまバトルロワイヤル15 〜NBR]X〜 http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1190977392/
ネギまバトルロワイヤル16 〜NBR]Y〜 http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1194335358/
ネギまバトルロワイヤル17 〜NBR]Z〜 http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1198065247/
ネギまバトルロワイヤル18 〜NBR][〜 http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1200675076/
ネギまバトルロワイヤル19 〜NBR]\〜 http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1202304288/
ネギまバトルロワイヤル20 〜NBR]]〜 http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1204558517/
ネギまバトルロワイヤル21 〜NBR]]T〜http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1206440868/
4マロン名無しさん:2008/05/12(月) 00:23:15 ID:???
ネギまバトルロワイヤル22 〜NBR ]]U〜http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1208439710/

ネギまバトルロワイヤル まとめサイト(4代目)
http://www.geocities.jp/negimabr/index.html

まとめサイト 別館
http://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html

携帯用まとめサイト
http://64.xmbs.jp/negima/

まとめサイト2−現在更新停止中(初代まとめサイトとまとめサイト3はなくなりました)
http://www.geocities.jp/negima_br/

ネギまバトルロワイヤル 専用アップローダー
http://www7.uploader.jp/home/yuyu/

銃器疎い作者さんへ
http://mgdb.himitsukichi.com/pukiwiki/?MEDIAGUN%20DATABASE
5マロン名無しさん:2008/05/12(月) 00:23:55 ID:???
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       ネ ギ マ ・  ロ ワ イ ヤ ル
___     _   _  __  _    __      ____
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|書き込む| 名前: |         | E-mail(省略可): |sage         |
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                               , ─|l| ,/ノ
                               ! ,'´  ̄ ヾ
                               ! | .||_|_|_|_〉
                               ! トd*゚ -゚||  ここにsageって入力するんだ
                               ノノ⊂ハハつ    基本的にsage進行…
                              ((, c(ヾyイ      なんで私だけバニー…
                                  しソ
6マロン名無しさん:2008/05/12(月) 00:24:38 ID:???
    , ‐¬77 フ¬∧ ヽ ヽ    \  ヽヽ   ヽ ヽ  ヽ
   /    // /  / / 、  \ ヾ 、    \   \    ヘ  \  l
 /     ,// イ  / /  ヾ ヽ、 \ヽ    ヽ  ヽ   ヘ   ヽ l
/     / ! ‖ ||│   \ ヾ 、\\ >‐-< _   l i    |
     i / ||  ||│    ヽ \\/` <´ ̄ \ヘ   l \  |
     |/ | |j.  l| | / ̄`ニ、 \ Y >>‐, ─、- Y   !ニヽヽ j
     |! !. l !  l∨‐'¨´ ___ヽ ヾ!  ´‐' ヒj  j / l   ∨ヾi. /
     |  l |l ト. iヘ , -ャテハ` ∨¬、   ゞ=='´ j|   リ !ノ/
       l.|ヾi  l ヾ 、弋ヒソ  !  ヽ   //// li.   ∨/
       l ! ト、 ゝ ヘ.     /    ` 、_, ‐''  ||ト.   i'                        [ I N T E R M I S S I O N ]
       ヾ   ト、.`ト ヘ.___/            !!|i   !
          l ヾ! |ゝ、    < ̄`>     / ll    L __    ,ム                  XXV Hasegawa Chisame
          |    | ヽ丶、          /   ||   | | \./  \__
━━━━━━━|    |  ヘ  >- 、_    _/     ll   | |   /  !、 <, ベゝ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          |    ト   ヘ      ` ーく     /||   | ト、./   ヽ、__,ノ  `ヽ_.   Welcome to Negima Battle Royale22.
          |    ヽ  、 !  _, -‐'7´ ̄/ ̄ ̄`` !ト   !_,ノ      〉     !  , ヽ            "When They Cry...?"
          ヽ.     ヽ >'´  /i   ! ̄`ヽ   |レ'´ ̄  `ヽ、   i    /  i  l
7マロン名無しさん:2008/05/12(月) 00:30:00 ID:???
840たん乙><
8マロン名無しさん:2008/05/12(月) 00:35:27 ID:???
1乙〜
9マロン名無しさん:2008/05/12(月) 01:25:36 ID:???
乙です
23スレも良い加工作品期待してますよ
10マロン名無しさん:2008/05/12(月) 01:42:07 ID:???
いいかげんテンプレに避難所のURL貼らないか?
少しでも本スレでの不毛な言い争いを減らしたいのだが……
11マロン名無しさん:2008/05/12(月) 04:00:17 ID:???
しかし、銃の引き金は引かなかった。
 龍宮は突然体を後退させると横の雑木林に向けて発砲した。
 「…刹那か」 
 「そうだ、龍宮…貴様、クラスメイトを殺すとは…何て奴だ」
 「知らなかったのか?これが、私の真の姿だ…女子供にも容赦はしない…冷酷非情な…Killer  だ」
 「ここで、ヤルか?」
 桜咲刹那は眉間にしわをよせ龍宮を睨みつける。
 龍宮は肩を竦め、刹那に自らの背中を向けた。
 「やめておこう…気が変わった…最後の最後にしようか?楓?」
 龍宮は木の上に隠れていた長瀬楓を見上げた。
 楓は龍宮を見下ろし殺意を剥き出しにした眼を向ける。
 「刹那…お前を殺すことは簡単だ…だが、こんなに早くお前みたいな使い手が殺られるのも酷なものだろう?」
 「その言葉…そっくりそのまま貴様に返してやる」
 龍宮は苦笑し森の中へと消えていった。



                   出席番号15番 椎名桜子
                   出席番号31番 ザジ。レイニーデイ 死亡


                                   残り20名
これって何部だったか分かる人いる?
12マロン名無しさん:2008/05/12(月) 04:28:06 ID:???
>>1
乙です
13マロン名無しさん:2008/05/12(月) 07:02:13 ID:???



>>10
さんせー
14マロン名無しさん:2008/05/12(月) 15:36:36 ID:???
前スレの1000辺りがどんどん進化してってるなww
このスレの1000が何か楽しみだw
15マロン名無しさん:2008/05/12(月) 16:37:15 ID:???
五月wwww
今回はこう来たかwwww
16マロン名無しさん:2008/05/12(月) 19:26:01 ID:???
最後の五月にクソ吹いたwww
17マロン名無しさん:2008/05/12(月) 19:31:50 ID:???
スレ立て乙です
18作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/12(月) 20:07:33 ID:???
スレ立て乙です。
2回目のスレ跨ぎとなりました。
既に1スレ半居座っているんですよね。
多分このスレ内には終わると思いますのでよろしくお付き合いください。

本日の投下を始めます。
19作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/12(月) 20:09:27 ID:???
[18.グループ分け]
主催者側の都合で葉加瀬聡美が殺されたわけだが、クラスメートの誰かが聡美を殺した可能性は未だ残っていた。
和美は聡美の死体を確認してはいないが、自分達の置かれた状況的には誰でも殺すことが可能だったと考えている。
しかし、クラスメートを疑いたくはない気持ちが強く、今のところはそれ以上考えないことにした。
他のメンバーも同じような気持ちだったのだろう。
主催者からのメッセージを確認した後も聡美の死は触れず、暗黙上のタブーとなってしまった。

結局他にすることもないので、メッセージに指示されている通りに荷物を取りに行くことになった。
ここからは委員長であるあやかが積極的に動き始める。
ケータイのメッセージに表示されていた5箇所の(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)に人数を割り振っていく。
念のために普段良く一緒にいる者同士を中心に振り分けることになった。
「それから、何が起こるかわかりませんので、長瀬さんと古菲さんは別々の組に分かれていただけますか?」
あやかの提案に楓と古は快く頷き、特に問題も起こらないまま組み分けが行われた。

(イ)春日美空、鳴滝史伽、雪広あやか

(ロ)柿崎美砂、絡繰茶々丸、釘宮円

(ハ)近衛木乃香、早乙女ハルナ、宮崎のどか

(二)明石裕奈、和泉亜子、古菲

(ホ)朝倉和美、長瀬楓
20マロン名無しさん:2008/05/12(月) 20:11:56 ID:???
C
21作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/12(月) 20:12:29 ID:???
組み分けが終了した段階でそれぞれケータイのボタンを押した。
「では別々に行動しましょう。皆さん、何があるか分かりませんのでくれぐれも気をつけてくださいね」
あやかの掛け声で各々の組が別の方向へと向かっていった。
先程のあやかの態度に和美は内心で少しだけ違和感を感じていた。
普段のあやかだったら荷物を取りに行って何時までにここに集合とか言って、別行動した後に再び皆を集めるはずだった。
それが今回は集合することを決めなかった。それは、これから先は完全に個別に行動することを意味する。
何があるか分からないと言いながら危険な個別行動を取らせるのは腑に落ちなかった。
聡美の死に対するショックでそこまで気が回らなかったのか?
それとも聡美を殺した者がメンバーの中にいると考えて集まることを拒否したのか?
そこまでは和美には分からなかった。
(ちょっと考えすぎかな?)
少々疑心暗鬼になっている自分を戒める。
だが、和美も色々と単独行動で調べてみたいと考えていたので、ここで分かれることは都合が良かった。
それぞれの組が行動するのを黙って見送っていた。

【Aチーム:残り14人】
22作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/12(月) 20:14:25 ID:???
[19.検死]
和美は葉加瀬聡美の死体を確認したかったのだが、メンバー一同が集まっている時には言い出しにくかったので組み分けして別行動するこのタイミングで確認しに行くことにした。
同じ組となった楓に断りを入れて先に行ってもらおうとしたが、楓も同行してくれると言ってくれたので素直に甘えることにした。
正直言えば心細かったので楓の同行は有難かった。
そして楓の案内で聡美が倒れている場所へ向かった。

和美は別に死体が見たかったわけではない。
どちらかというと頼まれても見たくはなかったのだが、自分の直感が見ていた方が良いと言っているのだ。
学園の報道部に所属している和美はこの自分の直感を大事にしていた。
倒れている聡美の居る場所へやって来ると、和美は恐る恐る聡美の元に近づいた。
うつぶせに倒れているものの、目が合わないように気をつけながら聡美の体を確認する。
聡美は背中に大きく切り裂かれた傷を受けている。これが恐らく致命傷なのだろう。
聡美から流れ落ちた血の多くは地面に吸収されているが、斬られた時に飛び散ったと思われる血が近くの木の葉や茂みを赤く染めていた。
たまらなくなって和美は目をそむける。
「無理はしないほうが良いでござる。気持ちが悪くなったら離れた方が良い」
和美を気遣って楓が声を掛けてくれる。
自分よりは楓の方が死体に対する耐性があるようだ。
しかし調べるべきことは調べなけばと思い、こみ上げてくるものをぐっと我慢する。
ここが野外でよかった。室内で血の匂いが充満していたら吐き気を我慢できなかったはずだ。
23作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/12(月) 20:15:43 ID:???
「大丈夫。あんまり無理はしないよ」
そう言って聡美の傷の深さを調べた。
「ハカセを斬った凶器は落ちてなかったの?」
楓に確認してみる。
「なにも落ちていなかったでござる」
首を振って答える楓の言葉に和美は大きく頷く。
確認することだけ確認できたので、和美は走ってその場から離れた。
大きく深呼吸をし、デイパックからペットボトルを取り出して蓋をあけるとぐっと水を飲んだ。
さらに息を大きく吐いてようやく落ち着いた。
「本当に大丈夫でござるか?」
楓が心配そうにしているので、親指を立てて大丈夫であることをアピールする。

気持ち悪い作業であったが、僅かながら収穫はあった。
まず、葉加瀬聡美は確実に死んでいる。ドッキリとか演技とかではない。
そして自分で調べて楓にも確認した結果、聡美を殺害した凶器は見つからなかった。
考えたくはないがメンバーの中に聡美を殺した犯人がいるならまだ凶器を持っているかもしれないので注意が必要だ。
あやか辺りならクラスメートの中に人殺しなんているわけないと叫ぶかもしれないが、和美はそこまでクラスメートを盲信することは出来ない。
誰でも人殺しになる可能性はあると思っている。
実際問題として、あやかですら少なからずメンバーの中に犯人がいる可能性を否定できないでいるはずであった。
24作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/12(月) 20:16:44 ID:???
次に、死後硬直は始まってなかったから死後そんなに経ってない。
死んでから1時間くらいではないかと思う。
傷口はかなり深かった。何の躊躇もなくかなりの力を込めないとあんな深い傷は出来ない。
となると、非力な史伽やのどか辺りは容疑者から外れる。血を見たら卒倒する亜子も無理だろう。
また木乃香は目が覚めてから和美と一緒に行動していた。
仮に和美が目覚める前に木乃香が聡美を殺したとしても、誰にも見つからずに自分が木乃香を見つけた場所に戻ることは困難だ。
以上のことから木乃香も犯人から外しても良いだろう。
それ以上の容疑者の絞り込みは無理だったが、もともと犯人特定が目的ではなかったからここでの調査はこれで充分である。
聡美を調べた結果について楓は何も言ってこない。
そういう優しさが和美にとってありがたかった。
「調べるだけ調べたし、行こうか」
「うむ」
死体の調査に時間をかけたことで他のメンバーより遅れている。
和美と楓は揃って早足でケータイの示す荷物の場所まで移動を始めた。

【Aチーム:残り14人】
25作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/12(月) 20:18:24 ID:???
[20.箱]
荷物のある最初の箱へは各組共にトラブルが起こることなく到着できた。

――あやか、美空、史伽の3人は特に問題が起こることなく箱のある場所に到着した。
荷物の確認を終えたあやかは次のアイテムを取りにいく前に、マップを見ながら考え込んでいた。
「美空さん、史伽さん、この後は各自で次のアイテムを取りに行くことになります。次のアイテムを手に入れたら、今居るこの場所に集まりましょう」
あやかはこの段階でようやくメンバーがバラバラになってしまう危険性に気がついた。
葉加瀬聡美の死を知ったとき、自分は委員長としての責務を遂行できなかったことの自責の念に苛まれて5つの組に別れるときにはそこまで思い至らなかったのだ。
今からでもできる限りの対応をしようと思い、次のアイテムを手に入れた後で3人だけでも集まるように美空と史伽に伝える。
美空と史伽は特に反対することもなくあやかの案に同意した。
そして3人は次のアイテムを求めに分かれていった。


――円、美砂、茶々丸の3人は、道中茶々丸との接点が余りないこともあり円と美砂の間にしか会話がなかった。
たまに2人から茶々丸の方へ話題が振られたが、茶々丸は頷いたり意思表示はするものの口を開くことはなかった。
「ねえ、あれなんじゃない?」
前方に箱が3つ置いてあるのに気付いた円が指さした。
「そうみたいね」
美砂が応じて3人は箱の置いてある場所へ急いだ。
鍵のかかった箱の開け方が良くわからずに手間取ったが、何とか箱を開けるのに成功し荷物を手に入れる。
「一応荷物を確認しとこうか?」
そう言った円の提案で簡単に荷物を確認した後、ケータイが指示する次のアイテムを探しにいくことになった。
「そんじゃ2人とも気をつけてね」
「美砂の方もね。茶々丸さんも気をつけて」
互いに言葉を掛け合う。茶々丸は声こそ出さなかったが、2人に背中を向けると片手を挙げて答えていた。
26作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/12(月) 20:19:42 ID:???
――のどか、ハルナ、木乃香の組は、3人が図書館島探検部に所属していることもあり、最も信頼しあえるメンバー同士で行動することが出来た。
ただ、木乃香にとっては刹那が、のどかとハルナにとっては夕映が別のチームにいるということもあり、内心の不安を抱えていた。
会話も途切れがちのまま、荷物のある箱の所までたどり着く。
箱を開いてデイパックを手に入れると、ケータイに次のアイテムの場所が指示される。
「次のアイテムはバラバラの場所にあるみたいやな」
3人のケータイの案内を見ながら木乃香が口を開く。
「これからは別行動ってわけか」
ハルナの言葉にのどかが不安そうな顔をする。
「たぶん、アイテムを見つけた後はBチームのメンバーとも会えるんやないかな?
のどかもあまり心配せんほうがええよ」
「う、うん」
木乃香がのどかを励ました。この言葉はむしろ自分に言い聞かせている言葉であった。
そして3人は別々の方向に向かって歩いて行った。


――亜子、裕奈、古の3人は、Aチームが集まっていた場所で、貧血で倒れた亜子が回復するのを待っていた。
「ごめんな2人とも心配かけて……もう大丈夫やから」
「無理しないでよ亜子」
落ち着いた亜子は、心配そうにする裕奈に対して笑顔で答える。
「それでは行くアルヨ」
古が声をかけて3人は移動を開始した。
あまり亜子に負担をかけないように移動したために、他の組に比べて荷物を手に入れるまでは時間がかかった。
制限時間の20分ぎりぎりで荷物のある箱のところへ到着し、無事に荷物を手に入れる。
するとケータイに次のアイテムの案内が表示された。
ここからは別行動を取るので裕奈は亜子のことを心配した。裕奈を心配させたくなかった亜子は、気丈に振舞って大丈夫であることを裕奈に伝えた。
結局そこで別れることになり、それぞれ次のアイテムを探しに移動していった。
27作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/12(月) 20:21:21 ID:???
――聡美の死体の調査で遅れていた和美と楓の組もペースを速めたおかげで時間内に無事荷物を手に入れることが出来た。
2人組だった和美と楓は聡美のケータイを回収していなかったために3個ある箱の1つを開けることができなかった。
「しまったあ、そこまで考えが至らなかったよ」
箱の前まで来てそのことに気付いた和美は頭を抱えて自分の迂闊さを悔しがった。
「まあまあ、拙者たちの必要な荷物はあるのだし体制には影響はないでござるよ」
気落ちしている和美を楓が慰めた。
その言葉に和美も頭を切り換える。
「そ、そうだね、これからのことを考えよう。ケータイはそれぞれ別の場所を示しているからこれからは別行動だね」
「そのようであるでござるな。朝倉殿も気をつけるでござるよ」
「心配しなさんな。じゃね」
互いに声をかけ、2人はそれぞれ別行動に移った。

【Aチーム:残り14人】
28作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/12(月) 20:23:24 ID:???
本日は以上です。
ではまた明日。
29マロン名無しさん:2008/05/12(月) 20:28:34 ID:???
おっつー。
いんちょがマーダーじゃなくてよかったw
30マロン名無しさん:2008/05/12(月) 21:35:16 ID:???
                  ,,.    .,、
                ,,, ィヌ イフ     ヾキ, ミ,、 ib,
              ィj. ホ'_ K,', トュ、.    ,ィャ' ,,,ヾ、マi ネi ,、
         i|j ,キr,、ゞィュ~'" ~゙´   ´ ''゙'~ィjfシ,`_ソ_ ホ ,.
        ,. ホi ヤャgュ~''"                 ィjgャ"、キi ,、
      ホ ,ィ'ィクャ NEGIMA BATTLE ROYALE ヾクャ"、ホ' ,、
.      キ、,>ィfヤ' iー‐、  iー‐i.iー─- 、.  iー─- 、   ヾゞ"ヘ ヌ' ,
.    キ,ヾ'ゞシ'  `i   l.  `ll'´.`i . |~`i l  `i . |~`i l   ~",ゞ`、クj
   ュ,.ヾ'ィケ''    |.   l   ||  | |  | |   | |  | |    ~'"'ヾ",ィク
   、ヾ !ィク'     ||i  l  ||  | |  | |   | |  | |     ~ヾ'ャ''' ,、
   `キ,iィケ''     || l  l...||  | |  l |   | |  | |    ~'マュfゞ,
.  ヾァ、|ィヌ'      || l  l ||  |....ー'´/  | |_,丿 j       ~シ;,|ィク'
  ゥg、|'ィク  .     ||  l  l.|  | l~丶`i  | i、  <       キォ.|ィャ'
.  ,、`'|"ィi     ||  l  |  | |  | |   | |ヽ ヽ     'ijュ |,,,ャi
   ヾ'ュif;'ィ.     ||   l |  | |  | |   | | ヽ ヽ     'ig, l ~,
   ヾクュif"f.     ||   l |  | |  | |   | | ヽ ヽ    キ,ヾゞ'"
    ィゥュ!ネ'ィi   j.l    l..|   j . l__,! |  j . |  ヽ ヽ  ホ,ヾ'ィクャ
    vゥュメF ィ,  ー‐`   丶  ー──'  ー‐`  ー‐` igヾ'ィゥュ
     `,,、.`,ゞ.ib.      S U R V I V A L     , ネi.ヾ'ィゥ,、
      `',,、ャ,.ソ キ ュ. .   P R O G R A M    ィ, ホ f'<ィュ,
       `´,、ャュク、キ キ、 ,、        ,  ,, ィ, ィfi マx'"ィァュ
           ´ィクケ`,,-ケ、キ ネj,キュ ィネ ヌ"jネ'-<,、,ヾュャ
            ヾ''"ィク7 ,ィク`,ィ,^,ュ, マュ.ヾクュ゙''~
                 "~ "~ ~''' ~''
31マロン名無しさん:2008/05/12(月) 21:36:56 ID:???
なんかメ欄に本文が…
20氏乙。ついでにAA投下。
32マロン名無しさん:2008/05/12(月) 22:20:15 ID:???
AAすげぇwww
33マロン名無しさん:2008/05/12(月) 22:27:17 ID:???
  、-―――――――-- 、
  ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::......   ヽ
   〉 ̄`´ ̄ ̄ ̄`ヽ::::     |
   レ ⌒ヽ_/ ⌒ヽ  ヽ:::.   |
  γ⌒ヽ  /⌒ヽ|l  |::    |
   | ⌒。|_ノ ⌒。    〉 , -、|
  〈  ̄「 ̄   ̄ 〃 |_l r |   
   |  └┬^, , ,__,     7 ノ  
  |  `l ̄ ̄ン   , ┬´    
    |    ̄ ̄   ≠  |
    ゞ、     __≠  |
     `| ̄゛゛     ノl
34マロン名無しさん:2008/05/12(月) 23:15:30 ID:???
作者20さんもAA職人さんもGJ
AAすごすぎです
35マロン名無しさん:2008/05/12(月) 23:21:36 ID:???
失せろ!短パンマン!!
36マロン名無しさん:2008/05/12(月) 23:26:07 ID:???
>>30
すげえ
これテンプレいり?
37マロン名無しさん:2008/05/13(火) 00:17:27 ID:???
20氏、840氏乙です
38マロン名無しさん:2008/05/13(火) 00:44:46 ID:???
ケータイまとめ氏ってこのごろきてんのかな?
39マロン名無しさん:2008/05/13(火) 00:45:51 ID:???
乙です
40マロン名無しさん:2008/05/13(火) 01:11:56 ID:???
楓、史伽、美空
朝倉、いんちょ

のが合ってるくない?
まぁ物語の進行において何か関係してくるのなら別に良いけど
41マロン名無しさん:2008/05/13(火) 01:23:00 ID:???
正直20部22部は微妙って思ってたけど23部かなり良いね
もっとたくさん読みたい。1日の投下量増やして欲しい。
まぁ20氏の判断だし強制じゃなくまくまで希望だけど…
42マロン名無しさん:2008/05/13(火) 02:39:45 ID:???
「あくまで」を間違えて「まくまで」と打ったんだろうが
そのせいで「くまくまで」になってて吹いたwwww
43マロン名無しさん:2008/05/13(火) 02:56:13 ID:???
俺 くまくま希望www
44マロン名無しさん:2008/05/13(火) 10:48:25 ID:???
乙です
ただ1つ気になったんだが和美が検死の後にデイパックと水持ってるのなんで?
確か1つ目の荷物だったと記憶してるんだが俺の気のせい?
45マロン名無しさん:2008/05/13(火) 12:18:55 ID:???
朝倉が黒幕って伏線
46マロン名無しさん:2008/05/13(火) 14:54:59 ID:???
定期age
47作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/13(火) 20:15:50 ID:???
>>44
すみませんミスです。気付きませんでした。
この時点で朝倉は水は持っていないです。ご指摘ありがとうございます。

>>23
7〜9行目は以下のように修正します。
>確認することだけ確認できたので、和美は走ってその場から離れた。
>唾を飲み込んで吐き気を押さえ込む。
>さらに息を大きく深呼吸をしてようやく落ち着いた。

何度か見直しているのですが、見落としが結構あるようです。orz
あと、投下量については、規制と毎回の投下量のバランスと話の区切りが
絡まっているのでちょっと苦しいのですが、できるだけ多目にはします。

では本日の投下を始めます。
48作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/13(火) 20:18:10 ID:???
[21.武器]
柿崎美砂は円と茶々丸と分かれた後、ケータイの指示する次のアイテムの場所へと急いでいた。
美砂は内心少しイラついていた。
どんなゲームをさせられるのか分からないが、美砂はさっさと終わらせて帰りたかった。
誰かと一緒に居たときは特になんとも思わなかったのだが、一人になった途端に言いようのない不安が美砂を襲ってきた。
なんでこんなことになってしまったのかという苛立ちが大きくなっていたのだ。
ここにいる前のことが思い出せないこともイラつきの原因の一つになっているのだろう。
断片的に残る記憶の中で、美砂は彼氏とデートの約束をしたことを覚えていた。
はっきりと覚えているわけではないのだが、その約束した日が今日であった気がしてならない。
訳の分からないことになってしまった不安、それに今日がデートの日だったのではないかという不安が苛立ちと共に美砂の心を乱していた。

円と茶々丸と分かれてから15分くらいで次のアイテムが入っている箱のところに到着した。
デイパックが入っていた箱に比べると深さと縦幅は同じくらいだが、横幅は1メートル以上ある。
「何が入ってんだろ?」
箱の形が違うことに疑問を持ちながらも、とにかく箱を開けてみることにした。
ケータイを取り出した美砂は箱にあるセンサーにケータイをかざして鍵を外し、蓋を開いた。
「はあ?なにこれ」
思わず美砂は声を上げる。中に入っていたのはチェーンソー。
とりあえず取り出してみることにする。持ち歩けないことはないが結構重い。
「こんなもの持ってどうすんのよ。木こりでもやれっていうの?」
愚痴を言いつつも、ゲームに必要なものなのだろうと思って一応持っておくことにする。
箱の上にチェーンソーを乗せ、次の指令がないかケータイの画面を確認する。
しかし、ケータイはアイテムの箱の場所を指したきり新たな情報は表示されなかった。
49マロン名無しさん:2008/05/13(火) 20:18:48 ID:???
まぁあれだったらしたらば使えばいいよ
支援
50作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/13(火) 20:20:57 ID:???
恐らくこれで荷物は全てなのだろう。
生徒全員がアイテムを手に入れた段階で新たな指令は入るはずだと考えた美砂は、指令が入るまで待つことにした。
「まいったなあ……」
やることがなくなってしまったため、頭を掻きながら箱の近くにあった木に寄りかかる。
ケータイをいじりながら他のメンバーとやり取りが出来ないか試してみたが、どうやってもできそうになかった。
ポケットにケータイを仕舞い込み、こんなことならもっとゆっくり歩いてくれば良かったと後悔する。
手持ち無沙汰のまま、時間だけがゆっくりと流れて行った。

――ガサッと木の揺れる音がした。
少し警戒して身構えた美砂だが、そこに現れたのが見知った顔だったのでホッとして警戒を解いた。
「どうしたの?あんたもアイテム見つかった?私のアイテムの箱の中はチェーンソーが入ってたわよ。
参っちゃったわよねぇ。こんな重いの持ち歩けって言うのかしら?
で、あんたのアイテムは何だった?チェーンソー?それとものこぎりとか?」
現れたクラスメートは無言のまま手に持っていた黒いボールのようなものを美砂の方に放り投げた。
それを上手くキャッチした美砂は目の前に近づける。
「何これ?もしかして手榴弾!?何でこんなもの……」
美砂は現れたクラスメートに話を振るが相手は何も答えない。
いくらなんでも普段のクラスメートと様子が違う。美砂は怪訝な顔をした。
クラスメートはゆっくり歩いて自分の目の前に来ていた。
「ねえ、どうしたのよ?いつもの様子と違うじゃない?」
そう尋ねて彼女の名を呼ぼうとした美砂の腹に、ドスッという鈍い衝撃を感じた。
「え?」
一瞬何が起こったのかわからなかった美砂は両目をパッチリと開いてクラスメートの顔を見る。
彼女は無表情のままだ。
美砂は視線を下へ移動させる。自分の腹に深々と包丁が突き刺さっていた。
51マロン名無しさん:2008/05/13(火) 20:22:30 ID:???
木こり美砂もえー
52作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/13(火) 20:22:57 ID:???
さっきの衝撃はこれが突き刺さったんだーと美砂はまるで他人事のように考えていた。
すると、麻痺していた感覚が戻ってきたかのように急激な痛みが美砂を襲う。
「アグウゥッ!」
美砂の口から苦痛に歪んだ悲鳴が上がる。
クラスメートは突き刺した包丁を一気に引き抜いた。
その途端、傷口から堰を切ったかのように血が流れ出した。
慌てて美砂は傷口を手で押さえるが、指の間から血はどんどん流れていく。
「ど、どういうつもりよっ!?何で……何でこんなことするのよーっ!」
涙目になりながら大声を搾り出してクラスメートに行動の意図を問いただすが、彼女は何も答えない。
そしてもう一度美砂の胸に向かって包丁を深く突き刺した。
「グフウゥッ!」
血はどんどんと流れて制服もスカートも真っ赤に染まっていった。
下半身の力が抜け、美砂はガクッと膝を突いた。両目からは涙が溢れ頬を伝っていく。
「やだ……何でよ、どうして……」
美砂の声はかすれ、そのままうつ伏せに倒れ込む。
僅かに顔を上げて自分を見下ろしているクラスメートに美砂は訴えかける。
「助け……て……」
美砂のことを見下ろす目は変わらず冷たかった。
悲しい表情をしたまま、美砂はそこで力尽きた。

美砂の死亡を確認したクラスメートは、美砂の手から手榴弾を取り戻した。
そして美砂の持っているデイパックの中身には見向きもせず、箱の上に置いてあったチェーンソーを持ち上げた。
チェーンソーを持ったまま2、3回振ってみて使えることを確認して頷くと、その場から去って行った。

【出席番号7 柿崎美砂 死亡】
【Aチーム:残り13人】
53作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/13(火) 20:25:20 ID:???
[22.目撃者]
「な……なんでや?なんでこんなことになっとるん?」
和泉亜子は震えながら小声で呟いた。
亜子は木の茂みの中で震えながら息を殺してじっと耐えていた。
クラスメートの鮮血を目撃して意識が飛びそうになるのを必死に押しとどめていた。
たった今、クラスメートの美砂が同じクラスメートの一人に殺された。
偶然にも亜子はその一部始終を見てしまっていた。

裕奈と古と分かれた後、亜子は聡美の死体を見たショックで気絶していた遅れを取り戻すべく、早足で次のアイテムの場所へ移動していた。
心配していた裕奈に対しては元気に振舞っていたが、実際のところ未だに少しショックを引きずっており、何かをして気を紛らわせるために体を動かしたかったのだ。
次のアイテムの箱は簡単に見つかった。中に入っていたのはスタンガンだった。
何の目的で使うのか分からなかったが、とりあえずデイパックの中に入れていた。
そして新たな指示の連絡が来るまで何もすることがなかったので気晴らしに森の中を散策していたのだった。
それほど歩かないうちに亜子は木々の間から木に寄りかかりながらケータイを見つめている美砂の姿を発見した。
美砂に近寄って声をかけようとした時、それより先に別のクラスメートが現れて美砂に近づいているのに亜子は気が付いた。
出るタイミングを失った亜子は、木陰に隠れたまま何の気なしにその様子を見ていた。
新たに現れたクラスメートは美砂に近寄るや否や手に持っていた包丁を突き刺した。
その瞬間を亜子は目撃してしまった。
思わず悲鳴を上げそうになるが慌てて両手で口を押さえてしゃがみこみ、相手に見つからないように息を押し殺した。
そっと様子を見てみると、包丁を引き抜かれた美砂の腹から血が噴出し、再び包丁で刺されると美砂は膝を付いて倒れたまま動かなくなった。
美砂を殺したクラスメートはその場に暫く留まってなにやら物色しているようであった。
自分も彼女に見つかったら殺されると思い、血を見て遠くなりかけている意識を必死に留まらせて物音も立てずにじっと茂みの中に隠れていた。
54作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/13(火) 20:26:59 ID:???
どのくらい時間がたったのか分からないが、再び亜子が茂みの中からそっと顔を出して辺りを窺うと美砂を殺したクラスメートは既にいなくなっていた。
安心した亜子は思いっきり息を吸い込んでゆっくりと吐き出した。高鳴っている鼓動を落ち着ける。
今起こったことを思い出すと全身が震えて背中に冷たいものが流れる。
しかし刺された美砂がまだ生きている可能性を考え、もう一度人がいないか確認すると意を決して美砂の側に駆け寄った。
震える手で美砂の首筋に手を当てて脈を取る。
脈がない!亜子の表情が凍りつく。
「……こっ、このことを誰かに知らせなあかん」
亜子の頭の中にすぐに裕奈の姿が浮かぶ。
裕奈でなくても美砂を殺したクラスメートでなければ誰でも良い。
とにかくクラスメートを探すために亜子は立ち上がった。
デイパックを背負うとふらつく足取りで走り出す。
しかし、10メートルも移動しないうちに亜子は地面にしゃがみこんだ。
「ア、アカン……アカンて」
血を見たら卒倒する亜子が気絶しまいと必死に意識を保っていたのだが、ついに亜子の神経が悲鳴を上げたようだ。
次第に亜子の意識が遠くなる。
(アカン……今は気絶したらアカンのに……)
何とか正気を保とうとしたが亜子の意に反して意識はどんどん遠くなり、亜子はその場に倒れて気を失ってしまった。

【Aチーム:残り13人】
55作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/13(火) 20:28:23 ID:???
[23.開始の合図]
近衛木乃香は森の中で困惑していた。
ケータイの示す次のアイテムの位置はこのあたり、木が鬱蒼と茂っている周辺では箱がどこにあるのか分からない。
「もう、次のアイテムのある場所ってどこなんよー」
思わず木乃香の口から愚痴が出てくる。
草木をかき分けながら箱を探す木乃香。
「こんなとこにアイテム置くなんて意地悪やなー……あ、あった」
ようやく箱を見つけ出した。
ケータイを取り出して箱を開ける。
「なんやこれ?」
箱の中をのぞいた木乃香が声を上げる。
中にあったのは草刈用の鎌。箱の中に手を入れて鎌を取り出した。
「これから草刈でもやるんかな?」
そう言いながら鎌で近くに茂っている草を刈ってみる。
草はスパッと切れる。なかなか良い切れ味だ。
箱の中に刃先のカバーが入っていたのでそれに刃先を仕舞いこみ、デイパックを肩から下ろすと中に入れておく。
「ああ、これからどないしょ」
新たなメッセージもなく、することがなくなった木乃香。
「せっちゃん、どこに居るんかな?」
マップを取り出して幼馴染のことを心配する。
自分達Aチームが散らばっているのが島の北半分あたり。
Bチームの誰にも会わないことを考えると、島の南半分に居るのではないかと木乃香は考えていた。
56作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/13(火) 20:29:58 ID:???
その時、木乃香の思考を打ち破るようにケータイが鳴り響いた。
木乃香はケータイの音に驚いて飛び上がり、慌ててポケットからケータイを取り出した。
ケータイを操作してメッセージを見る。

『――― メッセージ ―――
送信者:主催者  
件名 :指令
ゲーム参加者の諸君、ゲームのルールを説明する。

*** 今から君達には殺し合いをしてもらう ***
*** これよりバトルロワイヤルを開催する ***』

「な、なんやコレ?」
メッセージを見た瞬間、木乃香は驚きで固まってしまった。

【Aチーム:残り13人】
57作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/13(火) 20:31:58 ID:???
すみません。量はあまり増えていませんが今日はここまでです。

物語上ではゲームは始まっていますが、
ゲーム参加者の感覚ではこれからようやくゲームが始まります。
前置きが長くてすみません。

ではまた明日。
58マロン名無しさん:2008/05/13(火) 20:33:05 ID:???
支援

したらば投下したら
代理してあげるよ
59マロン名無しさん:2008/05/13(火) 20:33:32 ID:???
があああああああああああああああん
wktkしてたのにいいい><
とりあえず乙でした
60マロン名無しさん:2008/05/13(火) 21:09:11 ID:???
20氏投下乙です。
明日もwktkして待ってる。

次の作者もまだ居ないんだし、そこまで急かさなくてもw
まぁ俺も早く先が読みたいと思う一人なんだけどね
61マロン名無しさん:2008/05/13(火) 21:55:29 ID:EKX1Xsro
Aチームもケータイって呼ぶことにしたんだっけ?
62マロン名無しさん:2008/05/13(火) 21:56:20 ID:???
乙です
さては20氏東日本の人だな
関西人じゃないが関西に近い西日本に住んでる俺には木乃香の喋り方で分かる
63マロン名無しさん:2008/05/13(火) 22:01:04 ID:???
>>61
そんなに毎日毎日指摘してあげないで><
64マロン名無しさん:2008/05/14(水) 01:28:02 ID:???
思ったんだがネギロワでいうヤムチャって誰なんだ?
65マロン名無しさん:2008/05/14(水) 01:47:06 ID:???
俺の中では桜子
マーダーになる機会が多いのに毎回ろくな戦果をあげずに返り討ちだしな
66マロン名無しさん:2008/05/14(水) 01:51:14 ID:???
バトルロワイヤル終了後3Aの生徒達は次の部のため神龍によって生き返ります。

神龍「ま た 葉 加 瀬 か」
67マロン名無しさん:2008/05/14(水) 01:54:18 ID:???
誰か知らんがあれだけ言われてまだ17部に毎日投票し続けてんのか
いい加減うざい死ね
あんなレベル低いのに18票とかありえねーよwww
68マロン名無しさん:2008/05/14(水) 02:00:58 ID:???
俺もあれはさすがに酷いと思ったので次を追ってる19部と21部に1票ずつ入れといた
俺が1番好きなカップリングは項目にないから何が優勝しても構わないけどあの自演ぷりはちょっとやだからね
あとおまいさんも気持ちは分かるが言葉遣い気を付けような
69マロン名無しさん:2008/05/14(水) 04:40:28 ID:???
俺も俺も
70マロン名無しさん:2008/05/14(水) 05:15:58 ID:???
>>66
ワラタwwwww
71マロン名無しさん:2008/05/14(水) 06:43:31 ID:???
>>67-69
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/otaku/8740/
今度ここでその話題したらもう二度と来なくていいよ。
72マロン名無しさん:2008/05/14(水) 10:57:58 ID:???
俺も普段はそういう話はしたらばでやれって思うが今回に限っては17部に自演投票してる奴が悪いから仕方ないと思ってる
ここまで来ると作者17にしか見えない
73マロン名無しさん:2008/05/14(水) 11:07:23 ID:???
思うのは勝手だがこのスレが荒れることになる
仕方ないことなんてないからとっととしたらば行ってくれ
74マロン名無しさん:2008/05/14(水) 11:29:26 ID:???
以下、「勝手に作者17に自演認定してるから仕方ない」ってループになってもしょうがないからどっちサイドだろうが書きこんだら悪で
75マロン名無しさん:2008/05/14(水) 13:34:32 ID:???
つまり刹那は俺の嫁という事で
76マロン名無しさん:2008/05/14(水) 14:12:14 ID:???
あやかはもらっていきますね
77マロン名無しさん:2008/05/14(水) 14:20:42 ID:???
夕映は俺の嫁と何度言えばわかる
78マロン名無しさん:2008/05/14(水) 17:01:00 ID:???
マーダー版の捻くれ千雨は貰っていきますね
79マロン名無しさん:2008/05/14(水) 17:16:54 ID:???
じゃあ俺は桜子を。
>>75-79これは確定ね。
80マロン名無しさん:2008/05/14(水) 17:24:37 ID:???
じゃあマシンガンは千雨が貰っていきますね
誰が何と言おうと一番マシンガンの似合ういい女は千雨
81マロン名無しさん:2008/05/14(水) 17:28:45 ID:???
ああ、じゃあゆーなは貰ってくから依存ないよね
82マロン名無しさん:2008/05/14(水) 18:04:36 ID:???
こういう流れで葉加瀬って絶対出ないよね

( ○-○)。○(どうせ私なんてゼロパー…)
83マロン名無しさん:2008/05/14(水) 18:37:25 ID:???
エヴァ作のツインテールはかせならいいよ
84マロン名無しさん:2008/05/14(水) 19:08:32 ID:???
お前ら俺のいない間に嫁取りするなと何度言えば(ry

亜子はもらっていきますね
85マロン名無しさん:2008/05/14(水) 19:09:23 ID:???
じゃあザジは俺がもらう
86マロン名無しさん:2008/05/14(水) 19:20:31 ID:???
残念それは田中さんだ
ザジは俺がもらった
87マロン名無しさん:2008/05/14(水) 19:22:25 ID:???
じゃあ、俺はのどかをもらいます。
何故ならのどかは俺の嫁です。
88マロン名無しさん:2008/05/14(水) 19:22:31 ID:???
空き
さっちゃんアスナまき絵木乃香のどかハルナハカセ双子美砂円アキラ夏美千鶴空気茶々丸さよ朝倉龍宮古楓
89マロン名無しさん:2008/05/14(水) 19:29:36 ID:???
どういう並べ方だそれw
90マロン名無しさん:2008/05/14(水) 19:48:18 ID:???
>>88
仕方ないから残りは全員もらってあげるよ
91作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/14(水) 19:48:31 ID:???
投下量ですが、これから1週間程度は2話区切りの話が多くなるので
投下量は増やせないです。その後は少し増やせると思います。
倍投下は次の作者が名乗りを挙げるまでは避けさせていただきます。
ご期待に答えられずに申し訳ないですが、ご了承願います。

>>61
Bチームは機器を検証してケータイに似てるが中身は異なっていると認識した上で便宜上ケータイ
と呼ぶことにしました。
Aチームは検証はしておらず、単純にケータイに似ているから自然とケータイと呼んでいます。
とはいえ千雨の台詞は、読者に対して以後はケータイと表記しますよという意思表示なので
軽く流してください。

>>62
西日本ですが関西ではないです。別の方言が強い地方。
92作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/14(水) 19:52:40 ID:???
[24.ゲームのルール]
超鈴音(Bチーム)がケータイを使ってアイテムの入っている箱を開いた瞬間、ケータイの呼び出し音が鳴り響いた。
「ウン?新たなメッセージカ?」
いきなりの呼び出し音に超は特に驚くこともなく、持っていたケータイを持ち上げるとメッセージを開いた。
超は自分のケータイを使って支給武器を手に入れた後、持って来ていたエヴァのケータイを使ってエヴァの支給武器の箱をたった今開けたところであった。
アイテムを全て手に入れるのに他の生徒より時間がかかったため、アイテムの入った箱の最後の一つを開けるのは自分であることは予想できていた。
そして何人かの生徒が考えていた通り、アイテムの入った箱が全て開いた瞬間、すなわち全員が支給武器を手に入れた後で新たなメッセージが来たという訳である。
超はとりあえず最初にケータイに入ったメッセージを読み始めた。
『今から君達には殺し合いをしてもらう』
この文章から始まるメッセージを超は表情を変えないまま黙々と読んでいた。
「フム……これはまた、面白いゲームが始またネ」
大して驚いた様子もなく、メッセージに対して一言だけそう感想を呟いた。
今確認したのはエヴァのケータイだったため、念のために自分のケータイを取り出して同じメッセージが入っていることを確認する。
アイテムを全て手に入れた段階で恐らくエヴァのケータイの方は用済みだとは思ったが、とりあえずデイパックの中に仕舞い込んだ。
次に超は鍵を開けたまま中身を確認していなかった箱を開き、中を覗き込んだ。
入っていたのは英和辞典。
「……ハズレネ」
箱の中から取り出してパラパラとページを捲って中身を確認してみるが、何の変哲もない英和辞典でありこれといった仕掛けも見当たらなかった。
これから始まるゲームには不要と判断した超は箱の上に英和辞典を置きっぱなしにしたまま背を向けた。
時計を確認すると正午まであと5分程度というところだ。
「さて、これから忙しくなりそうダネ」
そう呟くと、超はある目的を果たすために先を急いだ。
93作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/14(水) 19:54:42 ID:???
――メッセージを受けて神楽坂明日菜(Bチーム)と長谷川千雨(Bチーム)の2人は固まっていた。
『今から君達には殺し合いをしてもらう』
その言葉が明日菜と千雨の頭の中に重くのしかかっていた。
ケータイに受けた新たなメッセージ、このメッセージによってゲームの全容が明らかになる。
固まっていても仕方ないと思い千雨はブルブルと首を振ると震える手で次のメッセージを確認した。

『――― メッセージ ―――
送信者:主催者  
件名 :ルール
○AチームとBチームに分かれて殺し合いのゲームをしてもらう。片方のチームが全員死亡した場合、もう一方のチームの生存者はゲームから開放される。
○片方のチームが全滅し敗北が決定した時点で勝利チームの者の首輪が自動的に外れる。
○制限時間は2日後の12時まで。制限時間までに両チームに生存者がいた場合。全員の首輪の起爆スイッチが入り、両チーム引き分けでゲームオーバーになる。
○6時間ごとに定時連絡を入れる。その時に死亡者の発表を行う。
また、島の外周の海は全て立ち入り禁止エリアである。さらに一定時間ごとにマップに記載されたエリアごとに禁止エリアを設けていく。
禁止エリアに立ち入った者は首輪を爆破する。なお、禁止エリアは定時連絡のときに通知する。』

「……何ていうルールだよ。馬鹿げていやがる!」
忌々しげに千雨は吐き捨てるように言った
明日菜はルールを読んで足が震えだす。Bチームの中には明日菜にとって親しい木乃香やあやかの姿はない。
つまりAチーム……殺し合うべき相手であるという意味である。
それ以外のAチームのメンバーだって2年間親しくしてきた仲間である。殺し合いをするなんて考えられない。
「ち、ち、千雨ちゃん、ど、どどどどうしよう!こ、こ、殺し合いだなんてっ!!」
「落ち着け神楽坂!……気持ちは分かるが現状は受け入れろ。もうゲームは始まっているんだ」
千雨は声を荒げて動揺する明日菜を叱咤する。
94作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/14(水) 19:57:10 ID:???
「で、でも……」
それでも明日菜は落ち着かない。
頭を掻きながら千雨は口を開いた。
「最初に見たろ?マグダウェルの死体をよ。この主催者は本気だ。本気で私たちに殺し合いをさせようと思っているのは間違いねえ。
それに逃げ出そうとしても私たちに付いている首輪があるので無理だ」
「じゃあどうするの?まさか殺し合えって言うの」
「そこまでは言わない。……ゲームに乗るのは選択肢としてアリだがな。少なくとも私は乗る気はないね。
とにかく状況を知るためにも動いてみるしかねえ」

その時、再びケータイから呼び出し音が鳴った。
今度はなんだと千雨が忌々しげにケータイを持ち上げると、新たに入っているメッセージを読み始めた。

『――― メッセージ ―――
送信者:主催者  
件名 :特別ルール
○今回のゲームの参加者の中には特別な任務を与えられた者がいる。各チームが集合したときに一人の生徒が殺害されている。
それは特別な任務が与えられた者の仕業である。その者には先程のゲームのルールに関係なく、その者以外のゲーム参加者を敵味方関係なく皆殺しにするという役割が与えられている。
○特別ルールはその特別な任務が与えれれた者(犯人)を見事当てた者がいるチームは自動的に勝利とする。
勝ったチームは正解と同時に首輪が自動的に外れてゲームから開放される。
負けたチームは罰として勝利チームの首輪が外れたのと同時に首輪の起爆スイッチが入り全員死亡してもらう。
○犯人当ては生存者のみ一人一回だけ回答が可能。最初から各自に与えられている連絡機器で犯人の回答をすることができる。
なお、犯人当てがハズレた場合、誤回答をした者は首輪の起爆スイッチが入って死亡してもらう』
95マロン名無しさん:2008/05/14(水) 19:57:41 ID:???
C
96作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/14(水) 19:58:45 ID:???
ケータイを見ていた明日菜の手が震えている。
「な、なによこれ?どういうことよ!」
「……書いている通りの意味だよ」
投げやりに千雨が答える。
千雨は特別ルールの意図を見極めようと再び考え込んだ。チームの中にエヴァを殺した犯人がいる可能性があるというのは当たったというわけだ。
全てが最悪の状況で話が進んで行っている。いやむしろこれから最悪な展開が始まるのかも知れない。
どっちにしても、じっくりと考える時間が欲しいと千雨が思った。
その時、明日菜が不意に声を上げる。
「あっ!あまりのことに忘れてた!刹那さんと夕映ちゃんと待ち合わせしているんだった。行かないと!
……ねえ、千雨ちゃんも一緒に来ない?」
最初は一人で行動しようと考えていた千雨だが、明日菜の提案を聞いて考えを改めた。
この状況では同じチームで協力し合うのは悪いことでない。明日菜と刹那は戦力になるし夕映は対策を検討する際の相談相手になってくれるだろう。
協力し合うのに悪い相手ではなかった。
「わかった。一緒に行くから案内してくれ」
明日菜は頷いた。2人は明日菜が待ち合わせに約束していた場所へと急いだ。

【Aチーム:残り13人】
【Bチーム:残り13人】
97マロン名無しさん:2008/05/14(水) 19:58:55 ID:???
コレはなかなか面白い。支援
98作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/14(水) 19:59:56 ID:???
[25.定時連絡(1回目)]
明日菜と千雨(Bチーム)が約束していた合流地点へ移動している間、待ち合わせの合流地点にいち早く到着していた綾瀬夕映(Bチーム)はたった一人で所在無げに明日菜が来るのを待っていた。
夕映は先程の主催者から連絡のあったゲームのルールについて、頭の中で何度も反芻していた。
親友ののどかやハルナは自分と敵対するチームに所属している。
つまり、彼女達と殺し合いをしなければならないということだ。自分と彼女達のどちらかしか生き残ることは出来ない。
そう考えると夕映の背筋に冷たいものが流れていく。
死にたくはない。かといってクラスメートを殺したくはない。ではどうすれば良いのか?
考えが堂々巡りとなり、同じ思考がぐるぐると繰り返される。

その時、夕映の思考を邪魔するかのようにケータイの音が鳴り響いた。
「ま、まだ何か連絡事項があるですか?」
うろたえながら、夕映はケータイのメッセージを見る。

『――― メッセージ ―――
送信者:主催者  
件名 :定時連絡
正午になったので定時連絡を行う。

<死亡者>
Aチーム:葉加瀬聡美、柿崎美砂
Bチーム:エヴァンジェリン.A.K.マグダウェル、四葉五月

<立ち入り禁止エリア>
午後1時以降G−7
午後3時以降J−2
午後5時以降F−1 』
99作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/14(水) 20:02:33 ID:???
事実のみを伝える簡潔な内容、それは夕映を驚愕させるのに充分だった。
時計を見て時間を確認すると12時を10秒ほど過ぎた頃である。
ゲームのルールを伝えてから5、6分しか経っていないのに、もう4人の犠牲者が出ている。
主催者に協力している『犯人』が両チームのメンバーを最初に1人ずつ殺害しているとしても、ゲームのルールが発表されるまでに既に2人が殺されたということである。
衝撃を受けた夕映はケータイを持って固まったまま口をパクパクさせている。

そのまま夕映は一人でしばらくの間自分の考えに没頭していた。
すると、近くの木の葉が揺れてガサガサと音がした。
音に驚いてビクッとする夕映の目の前に明日菜が姿を現した。
「あ、夕映ちゃん。ごめん遅くなっちゃって、さっきそこで千雨ちゃんとあったんで連れてきたよ」
そう言って明日菜は後ろから姿を現した千雨を指差した。
信頼できる明日菜が現れたことで夕映はホッとする。
千雨も同じBチームのメンバーであるし、エヴァの死体を確認した時に話をしていたので信用しても良いと考えた。
千雨は夕映の目の前までズンズンと近づいてきた。
そして開口一番夕映に確認する。
「おい、綾瀬。さっき届いたメッセージの内容を見たか」
切羽詰った千雨の様子に夕映も緊張して答える。
「ええ、見たです。今その内容に驚いていたところです」
千雨も頷く。
「情報交換がしたい。あんたの意見を聞かせてくれないか?」

【Aチーム:残り13人】
【Bチーム:残り13人】
100作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/14(水) 20:03:53 ID:???
本日の投下はここまでです。

明日からはバトルロワイヤルの形式に沿った話になります。たぶん。
101マロン名無しさん:2008/05/14(水) 20:06:58 ID:???
なんだかなぁ…
102マロン名無しさん:2008/05/14(水) 20:08:42 ID:???
おっつー。
明日もwktkして待ってます。
103マロン名無しさん:2008/05/14(水) 20:40:34 ID:???
これは残酷な展開になりそうだ…。とにかく作者乙。
104マロン名無しさん:2008/05/14(水) 23:05:29 ID:N3SWIE+r
裏切り者は一体誰なんだ
wktk
105マロン名無しさん:2008/05/14(水) 23:22:43 ID:???
ageんなよ
106マロン名無しさん:2008/05/15(木) 00:00:19 ID:???
107マロン名無しさん:2008/05/15(木) 00:10:54 ID:???
作者20氏、投下乙

今書いてる長編とちょっとネタかぶりしてるorz
修正するかな
108マロン名無しさん:2008/05/15(木) 00:15:28 ID:???
乙です
109マロン名無しさん:2008/05/15(木) 01:10:27 ID:???
>>106
懐かしいwwww
110マロン名無しさん:2008/05/15(木) 03:07:21 ID:???
今更だけど乙です
111マロン名無しさん:2008/05/15(木) 14:11:37 ID:???
第一回、第三回同様に刹那オタが動き出したな
六部もまた自演票で九票も入ってる
作者17と刹那オタが毎回アンケート牛耳るんじゃやってらんねぇよ
アンケート廃止したら?
112マロン名無しさん:2008/05/15(木) 14:23:08 ID:???
あの刹那の人はどうやってあんなに投票してんの?
俺もIPアドレスの変え方知りたいから教えて
もちろん重複投票になんか使ったりしないから
113作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/15(木) 20:20:36 ID:???
本日の投下を開始しますね。
114作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/15(木) 20:22:37 ID:???
[26.待ち合わせ]
雪広あやかと春日美空(Aチーム)は、最初の荷物の置いてあった箱の場所まで待ち合わせのために戻ってきていた。
まだ来ていない鳴滝史伽(Aチーム)がアイテムを手に入れて戻ってくるのを待っていた。
あやかは近くにある木にもたれかかって立っており、美空は箱を椅子代わりにして座っている。
たった今、2人はゲームの説明と最初の定時連絡を確認したところだった。
既にクラスメートが4人も殺されているのにショックを受けて2人とも押し黙っていた。

――美空はゲームのルールを頭の中で反芻しながら考えていた。
これから自分はどうするべきなのかを。
殺し合いなんてしたくはない。でも、このまま何もせずにいたら敵に殺されるか時間切れで殺されるだろう。
主催者は葉加瀬聡美をいとも簡単に殺しているのだ。そしてさらに死者は増えている。
首輪を外す方法が分からないから殺し合いから逃げ出すことはできない。
(いやだ。死にたくはないッス。死ぬのなんて絶対にいやだ!)
美空はこの世に未練はたくさん残っている。
(殺されるくらいなら……殺す方がましッス!)
偽らざる美空の本音である。
美空はさらに仮に自分がゲームに乗った場合のことを考えてみた。
もしもゲームに乗るのならば早いほうが良いのは分かっている。
現状では誰もが今の状況に戸惑っており、行動を決めかねている生徒が大半だろう。
早く行動して先手を取れば敵チームを一気に減らすことが可能なのだ。
このゲームはチーム戦であり、生き残っている人数が多いほうが有利となる。
犯人を当てるという選択肢もあるが、この状況で犯人を特定できるわけがないと美空は考えていた。
もちろん無差別に殺す犯人の存在は気になるが、敵チームを全滅させたら自分だけでもこの島からさっさと逃げ出してしまえば良かった。
これから先、時間が経てばゲームに乗ろうとする生徒が出始めてもおかしくない。
考えに考えた末に、美空は早期にゲームに乗ることが生き残るための最大なチャンスなのだという結論に至った。
115マロン名無しさん:2008/05/15(木) 20:22:40 ID:???
キター!
116作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/15(木) 20:24:40 ID:???
あとはクラスメートを殺すための決断をするだけだ。
(……だって仕方ないじゃん。このゲームからは誰も逃げられないッス。私は絶対に死にたくないもん。
どうせタイムリミットが近づいたらゲームに乗ってない生徒も命惜しさに殺し合いに乗るはずだしね。
結局はゲームに乗るのが早いか遅いかの違いだけじゃん。だったら早く決断すべきッス)
美空は顔を上げた。
木にもたれかかったまま考え込んでいるあやかの姿が目に入る。あやかもこれからの行動をどうするべきか考えているはずだった。
敵チームに対して有利に戦うには同じチームの協力は不可欠である。
あやかだって死にたくはないはずだ。そう思った美空は、あやかに自分の考えを話してみることにした。

――美空が沈黙を破って口を開いた。
「ねえ、いいんちょ、これからどうするの?」
あやかが声をかけてきた美空の方を向く。
「私……死にたくなんかないよ!」
美空がはっきりした口調で宣言する。
その言葉を聞いてあやかは視線を落とした。
「まずは史伽さんが来るのを待ちましょう。考えるのはそれからです」
生命の危機にある現状をあまり真剣に捉えていないあやかの様子に美空は内心ムッとする。
「そんな悠長なこと言っている場合?私たちが別れた後で時間も経たずに柿崎は殺されたんだよ!
クラスメートの中で殺し合いに乗っている人がいるのは間違いないよ。このままじゃあ私たちも殺される!」
「そんなことは貴方に言われなくても分かっています!」
険悪な表情であやかと美空がにらみ合う。
そこへ史伽が姿を現した。
「2人ともごめーん、ちょっと道に迷っちゃって……」
117マロン名無しさん:2008/05/15(木) 20:26:28 ID:???
>「2人ともごめーん、ちょっと道に迷っちゃって……」
20氏は多分このとき、史伽と風香をごっちゃにしちゃったんだろうね。
118作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/15(木) 20:28:34 ID:???
史伽は、あやかと美空の間のただならぬ険悪な空気を感じて押し黙った。
「あ……ああ、史伽さん、遅かったですわね……3人揃ったことですし、これからの対策を考えましょうか」
史伽が現れたのをきっかけにして、あやかがその場を取り繕った。
美空の方も史伽が来たことで改めて対策を話し合うことになったので、一旦矛を収めることにした。
集まった2人の顔を交互に見ながらあやかが先ず自分の見解を話し始めた。
「さて、史伽さんもメッセージを見られたと思いますが、私たちは今大変な状況下にあります。
AチームとBチームが殺し合いを行い、勝ったチームのみ生き残ることができるというゲームに強制的に参加させられています。
ですが、主催者の望むようにクラスメート同士で殺し合うなんて馬鹿げています。
私たちは一刻も早く3−Aの生徒全員を集めて、このくだらないゲームなどやめさせるべきだと思います!」
それを聞いて美空は大きくため息をついた。
ある程度予想はしていたが、あやからしいとも言える危機感のない対策案を聞いて美空はうんざりした。
「最初に両チームで一人ずつ殺されて、そこから更に両チームの一人ずつが既に死んでいるんだよ?
少なくとも2人はクラスメートを殺そうと動いてんのに、なーにを悠長な事を言ってんスか?」
不機嫌な表情で美空があやかに反論する。
「春日さん、それでは貴方はどうしたいのですか?」
美空の言葉にムッとして、あやかが問い正す。
「……ゲームに乗るべきだと思う!」
美空の爆弾発言にあやかと史伽は驚きの表情を浮かべた。
「な、何を非常識なことを言っているのですか!?クラスの半数を殺すということですわよ?」
「逆に考えればクラスの半数は生き残ることが出来るとも言えるよね?このままほっといても犯人が一人ずつ殺していくッス。
敵チームでゲームに乗る生徒がいるかもしれないし、殺し合わずに時間切れになって全滅するかも知れない。
だったら自分達が生き残る可能性が高い道を選ぶべきッス!」
「そんなことをしたら主催者の思う壺です。クラスメートを殺すなんて非常識もは甚だしいですわ!」
「今現在が非常識な状況なのに何言ってんの?こんな時に常識が通用すると考えているんなら甘いよ!」
「とにかくっ!」
一際大きく声を張り上げてあやかは話を中断させた。
119作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/15(木) 20:30:28 ID:???
史伽はただオロオロとあやかと美空の顔を交互に見ながら事の成り行きを見ていた。
「どんな理由であろうと、3−Aの委員長としてクラスメートを殺すという行為は絶対に認めることは出来ません。
まずはAチームのメンバーを集めます!」
有無を言わせない強い口調であやかが話を締めくくった。
美空は納得しない顔であやかを睨んでいる。
「よろしいですわねっ!」
美空の不満を封じ込めるようにあやかは念を押した。
これ以上は何を言ってもムダと悟った美空は口を閉ざした。その美空の反応をあやかは了承したものと受け取った。
Aチームのメンバーは島の北側に散らばっているため、Aチームのメンバーを探すために3人は島の北側を移動し始めた。

【Aチーム:残り13人】
【Bチーム:残り13人】
120作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/15(木) 20:32:59 ID:???
[27.決意]
とりあえずは島の中を移動することになり、先を歩くあやかと史伽(Aチーム)の後を美空(Aチーム)が渋々ながらゆっくりと付いて歩いて行く。
「ばかいいんちょ、頭が固いんだよ!のんびりしていたら生き残るチャンスを失うのに何も分かっちゃいない。
こういうのは早く決断して動くべきなんだよ。いいんちょのやってきることは問題を先送りしているだけッス……」
美空はブツブツと文句を言いながら歩いていく。
恨みの言葉を次から次へと並べたてていると、美空はふとルールの中で失念していた事項を思い出した。
Aチームの葉加瀬聡美を殺した犯人は主催者に協力している者である。犯人はクラスメートを皆殺しにするルールだ。
そして……状況から考えると私たちAチームの中にも犯人がいる!
そこまで考えて美空の足が止まった。
Aチームの中に犯人がいる、これは間違いないだろう。その証拠にゲームのルールが知らされてから僅かに5分程度の時間が経過した後で美砂が殺されたという定時連絡が入っている。
あれは犯人の仕業に違いない。犯人以外で美砂を殺そうとする生徒はいなかったはずだ。
そうなるとAチームを集めるのは危険だ。犯人までも一緒に集めてしまう。
美空は先を行くあやかを追いかけて、そのことを伝えてもう一度考え直させようとした。
しかし、美空は再び足を止めて思いとどまった。
今のあやかに何を言っても駄目だ。彼女は悪いことを考えるのを先延ばしにしようとしている。
それは先程の会話でも明らかであった。
このことをあやかに伝えたとしても、とりあえずAチームを集めるという方針をあやかが変える事はないだろう。
「春日さん、遅いですわよ」
立ち止まって考えていた美空に気付いたあやかが後ろを振り返って声をかける。
「今行く」
そう言って美空は早足で2人の後を追いかける。
2人と決別して自分1人で行動することも考えたが、今の状況ではあやかは美空が危険な考えを持っていると考えているはずである。
美空が単独行動を取ることを許さないだろう。
それに、美空はこんな所であやかと揉めるような面倒なことはしたくはなかった。
121作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/15(木) 20:35:33 ID:???
その時、新たな疑惑が美空の頭の中をよぎった。
犯人はあやかか史伽である可能性もあるということだ。性格的にも体格的にも史伽の可能性は低いだろう。
だが、あやかの可能性は少なくない。
そう考えるとAチームを集めようと言うのも怪しく感じられる。生徒を集めて一斉に殺そうとしているのではないだろうか?
一旦疑い始めると、その疑いはどんどん大きくなっていく。
(怪しい。いいんちょは怪しいッス)
美空はあやかと史伽の後を歩きながら、デイパックを肩から下ろして中に入れてあった自分の支給武器、コルトガバメントを取り出した。
(殺される前に……殺すんだ)
殺し合いというゲームから逃れられないと悟ったとき、美空はBチームの生徒を殺すという結論に至り、覚悟も決めている。
それに、別に同じAチームのメンバーを殺してはいけないというルールではない。
美空にとってあやかは邪魔だ。邪魔者は消えて欲しい。
犯人である可能性だってあるのでここで消えてもらった方が都合は良い。
(邪魔な奴は……消す!)
あやかの背後で美空は決意した。
前を歩くあやかと史伽に気付かれないように美空は銃を構える。
ゴクリと唾を飲み込むと、あやかの後頭部に狙いをつけて引き金を絞った。
――パン!
乾いた音が辺りに響き、あやかはなす術もなく前のめりに倒れ込んだ。
頭を撃ち抜かれたあやかは即死であった。
「い……いやああああぁーっ!!」
いきなり倒れたあやかを唖然としたまま見つめていた史伽は、あやかが撃ち殺された事を知って悲鳴を上げた。
「へ……へへっ、殺してしまったよ。これでもう後には引けないや」
足をガクガクち震わしながらも、美空はこれで人を殺すことのためらいは無くなったことを確信する。
122作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/15(木) 20:36:56 ID:???
美空は首を巡らすと、あやかの傍で腰を抜かしている史伽と目が合った。
「あひいぃっ!!」
悲鳴を上げて史伽は逃げようとするが、恐怖で体が動かないようだった。
美空は史伽も殺してしまおうかと思ったが、敵チームでもないし邪魔にはなってなかったので殺すのはやめにした。
これから敵チームの全員を殺すのだ。無駄な弾丸を使う必要はない。
美空はあやか手から落ちたボウガンを拾った。これがあやかに支給された武器である。
そしてあやかのデイパックを取り上げて中を確認し、水と食料を取り出して自分のデイパックの中に仕舞い込んだ。
そして、美空は座り込んでいる史伽を放っておいてゲームに乗るべく駆け出した。

たった一人取り残された史伽は、ただ呆然としながらしばらくの間その場に座り込んだままだった。

【出席番号29 雪広あやか 死亡】
【Aチーム:残り12人】
【Bチーム:残り13人】
123作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/15(木) 20:39:15 ID:???
以上で本日の投下は終わりです。

>>117
風香と混同していたわけではないですが、
史伽の台詞にしては馴れ馴れしかったですか?反省。

>「2人ともごめんなさいですー。ちょっと道に迷っちゃって……」

にします。
124マロン名無しさん:2008/05/15(木) 20:39:37 ID:???
いいんちょおおおおおおおおおおおお!
空気のくせに!空気のくせに!
125マロン名無しさん:2008/05/15(木) 20:41:49 ID:???
乙です。
ところでケータイまとめって更新されてないと思うんだけどケータイ氏どうしたのかな?
126マロン名無しさん:2008/05/15(木) 20:43:04 ID:???

うわぁ・・・・最初から重くなってきたなー
127マロン名無しさん:2008/05/15(木) 21:32:32 ID:???
いいんちょォォォ!!!
ちょ、コレ…いいんちょォォォ!!!
128マロン名無しさん:2008/05/15(木) 22:37:51 ID:???
乙です
129マロン名無しさん:2008/05/15(木) 22:45:07 ID:???
20氏乙です。

今まで出た絵師のイラストを適当にスライドショーのように並べたムービー(途中から文章つき)を作ってみました。
特殊な編集スキルのない素人が作ったものですけど、別にそれでもいいやという感覚で見てください。
尺の都合で入れられなかった方々ゴメンナサイ。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5875.wmv.html
Pass:rowa
要領の都合でこちらの方へうpしておきました。
130マロン名無しさん:2008/05/16(金) 00:09:26 ID:???
まだ17部の自演票が入り続けてる。あの程度のカップリングで20票て笑うしかないなww
そして17部抜かすために19部に自演票してる奴GJ。抜かしてしまえwwwww

んでその隙をついて例の刹那厨が6部を9票まで伸ばしてますね
アンケートの意味ねええええええ\(^0^)/
131マロン名無しさん:2008/05/16(金) 00:16:30 ID:???
この先どんな結果になっても「自演で一位になった」ってなるだけだろうし、ランク付けは廃止でいいんじゃないかなと思う
あくまで『アンケート』なんだし、秀逸コメント紹介コーナーでいいかと
んでコメントフォームにお題に沿った奴なら自由に書ける方式だと自由度上がって嬉しい
132マロン名無しさん:2008/05/16(金) 00:53:05 ID:???
http://x102.peps%2ejp/ura2ttachan

ここでネギま!のアニメ全部見れます。
どうぞヨロシク。
133マロン名無しさん:2008/05/16(金) 01:12:42 ID:???
刹那厨と作者17が自重すれば良いだけだろ<アンケート
俺もさすがに17部に20票はありえないと思った
それに対抗して2位だった19部に自演投票しまくる奴も現れたしカオスだな
134マロン名無しさん:2008/05/16(金) 01:24:59 ID:???
て事はAチームにはBチームのスパイがいてBチームにはAチームのスパイがいるんだよな
エヴァを倒せるとなると龍宮か刹那か?
エヴァをどうやって倒したかの戦闘シーンが楽しみだ
135マロン名無しさん:2008/05/16(金) 01:45:18 ID:???
>>132
は何?怖くて踏めない><
136マロン名無しさん:2008/05/16(金) 01:50:42 ID:???
>>135
やばいと思う物は開けないのがネットの鉄則。
多分気にする程のものでもないと思われ。
137マロン名無しさん:2008/05/16(金) 01:53:22 ID:???
俺は他スレでロリエロ動画だから行ってみというレスがあってその次のレスにウイルス注意と書いてあったがわずかな望みに賭けてURL踏んで見事ウイルスにかかった事がある
だからお前らも分からないURLは無闇に踏まない方が良いぞ
138マロン名無しさん:2008/05/16(金) 02:04:31 ID:???
>>137
1%の可能性に賭けるなんてお前は間違いなく勇者だ
139マロン名無しさん:2008/05/16(金) 02:05:30 ID:???
>>137
お前はどうしようもない馬鹿だ
だが同時に英雄でもある
140マロン名無しさん:2008/05/16(金) 02:22:44 ID:???
こんなマロンの一スレで本物のヒーローに出会えるとは思わなかった
>137よ、弟子にしてくれ
141マロン名無しさん:2008/05/16(金) 17:32:45 ID:LKA+aZ4C
>>134 スパイなんか居ないだろ
142作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/16(金) 20:33:05 ID:???
>>129
不具合があって見れなかったです〜。
見れた方感想聞かせてください。

少し遅くなりましたが、本日の投下を始めます。
143作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/16(金) 20:34:56 ID:???
[28.現状把握]
「情報交換がしたい。あんたの考えを聞かせてくれないか?」
千雨(Bチーム)の言葉に夕映(Bチーム)も頷いた。
「ねえ、ところで刹那さんは?」
この場を見回して夕映しかいなかったので明日菜(Bチーム)が夕映に尋ねてくる。
明日菜、夕映、刹那の3人で待ち合わせをしていたはずだった。
「桜咲さんは、ちょっと前までここにいたのですが、ゲームのルール説明のメッセージを確認すると走り去っていきました。
このかさんを探し出すそうです」
「せっかちだなあ刹那さん。私達も一緒に行くから待ってくれたらよかったのに。
「私も引き止めてはみたのですが、桜咲さんがあまりにも切羽詰っていましたので行ってもらうことにしたです。状況が状況ですので桜咲さんの心配も分かりますので……」
夕映の返答に明日菜は大きくため息を付いた。
「……そっか、そうだよね。このかとは敵チームに分かれたから刹那さんも心配だよね」
「はいです。まあ桜咲さんほどの戦闘力の持ち主なら単独行動を取ったとしても問題はないかと。
無事にこのかさんと会えれば良いのですが……」
明日菜と夕映が一瞬沈黙して押し黙った。

そして思い出したかのように夕映は千雨の方を向いた。
「待たせてしまってごめんなさいです。私も誰かと相談したかったところです。このゲームについて3人で検証してみましょう」
3人はとりあえずデイパックが入っていた箱の置いてある場所まで移動して、箱に腰掛けて話を始めた。
「まずは確認のためにゲームの内容を簡単におさらいするです。基本的にはAチームとBチームが殺し合い、どちらかのチームが全滅しないとゲームは終わらないということですね。
ただし、主催者に協力している者、エヴァさんを殺した犯人はAB両チーム関係なく殺して回るということです」
「つまり、クラスメートの中に裏切り者がいるってことだな?」
千雨の言葉に夕映も頷いた。
144作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/16(金) 20:36:56 ID:???
「このゲームに私たちが生き残るためには……支給された武器を使ってAチームを皆殺しにするか、犯人を当ててAチームを皆殺しにするかのどちらかをしなければならないということです」
暗い表情をして自分に言い聞かせるように夕映が説明を続けた。
敵対するAチームには夕映にとって親友ののどかやハルナがいる。
彼女たちを殺さなければ自分は生き残ることができないという現実を突きつけられて、夕映は複雑な表情をする。
「そういうことだな。ついでに言えば敵チームも条件は同じだ。特に犯人当ては早い者勝ちでもあるわけだ。
そして2日後の正午、今から約48時間後に両チームに生き残りが居た場合は全員首輪爆発でゲームオーバーって訳だ。
……一応確認しておくが、お前らはゲームに乗ってAチームの奴らを殺す気はあるか?」
千雨の質問に明日菜と夕映はブンブンと首を振った。
「まあ、常識的に考えればそりゃそうだわな。私も一緒だ……今のところはな。
となると、ここから脱出するにはこの首輪を何とかしなければならない。お前らでなんか良い手はないか?」
この質問にも明日菜と夕映は首を振る。
「まあそうだろうな。私もいい手が思いつかないから人のことは言えねえ」
検証を始めたものの明るい見通しが立たないために3人の間の空気が沈んでいく。

何とか現状打開のキッカケにならないかと思い、夕映が自分の考えが纏まらないままに話し始めた。
「首輪を外す方法としては大きく2つあると考えられるです。
一つ目は首輪を着けたまま爆破させずに分解するという方法ですね。これは非常にリスクの高い命がけの行為になりますし、爆発物を解体できるくらいの知識が必要と思われるです。
二つ目はルールを見る限り外部操作で首輪の解除信号を送って外す事が可能です。解除信号が解析できれば外せるです。
……どちらも今の私達では実現不可能ですね」
途中まで説明していて、夕映は自嘲気味に話を締めくくった。
145作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/16(金) 20:39:50 ID:???
「ゲームの規模から考えてどこかでコンピューター管理しているのは間違いねえ。
主催者の所在だけでも分かればネットから探し出して突き止めることも不可能じゃあない。
それができれば主催者のコンピュータに侵入して首輪の解除信号を突き止めるなり、首輪を無効化するなりの可能性も出てくるんだがな……。
しかし、ケータイメール1本でゲームが進行している現状じゃあ主催者の所在は掴めねえ。
それ以前に主催者が何者なのかも分かってねえ。……手詰まりだなこりゃ」
そう言って千雨は空を見上げながら嘆息交じりに呟いた。
3人の間に重たい沈黙が流れた。
「ね、ねえ。他のクラスメートの中で首輪を何とかできる人がいるんじゃない?超さんとか茶々丸さんとか」
その場を取り繕うように明日菜が口を開いた。
「うーん……その可能性はあるが、それを実行するにはリスクが高すぎるな。茶々丸は敵チーム。
超は同じチームだから協力してもらえるかも知れないが、犯人である可能性があるからリスクが伴う」
「そっかー」
自分の提案を千雨にあっさり却下されたので明日菜は残念そうに下を向いた。
「リスクが高いのは間違いないですが、脱出の策を持った生徒がいないか探すために仲間を見つけるというのは当面の方針になるとは思いますね」
夕映は腕を組んで考えながら、明日菜の提案を修正して支持する。
千雨は頭を掻きながら少し考えてから口を開いた。
「まあ、どっちにせよここから脱出するなら他の奴らと接触するのは避けて通れないだろうな。それでいいぜ。
ただし……脱出以外にも、犯人の特定も同時に行った方がいいな」
最後に付け足した言葉に明日菜と夕映はギョッとする。
「犯人の特定って……まさか千雨ちゃんAチームの皆を殺す気なの?」
「……最悪の場合そうなる。勘違いするなよ?首輪を外して逃げることが出来ればそれに越したことはないんだ。
だが、逃げる手段がないときの手は打っておく必要がある」
真剣な表情で答える千雨に明日菜は少したじろいだ。
146作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/16(金) 20:41:11 ID:???
「……賛成です」
「ゆ、夕映ちゃん!?」
夕映まで同意するとは思わなかった明日菜は驚いた。
「犯人は既に殺し合いのゲームに積極的に乗って動いているです。会いたくない一番危険な人物と言って良いでしょう。
一人でも多くの生徒たちが生きて帰るためにも犯人の特定は重要です。……犯人を回答するかどうかは犯人特定後に考えれば良いことです」
呆気に取られた明日菜だが、夕映の説明を受けて一応納得する。
「そういうことか……わかった。私も賛成するよ」
2人の同意を得られて千雨は頷いた。
「よし。犯人について現状で分かっていることについて、これから検討してみよう」

【Aチーム:残り12人】
【Bチーム:残り13人】
147作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/16(金) 20:43:20 ID:???
[29.推理]
明日菜、夕映、千雨(Bチーム)の3人は犯人について検討を始めた。
「犯人の予想ですが最初にAB両チームで生徒が一人ずつ殺されていることから、少なくとも犯人はAチームに一人、Bチームに一人いると思われるです」
夕映が口火を切って自分の考えを述べる。
「そう考えるのが自然だが、その考えに固執するのは危険だな。今の時点ではあまりチームや人数とかはこだわらない方がいい」
「どうして?」
明日菜は夕映の言っていることは尤もだと納得がいっていたので、千雨がそれを否定気味に捕らえていることに疑問を持って尋ねた。
「真実の犯人はAチームに一人、Bチームに一人いるかどうかは分からないということだ。
下手に先入観を持つと正しい答えに辿り着かないことがある。最初の段階では柔軟に考えた方がいいってことだよ」
「へー、そうなんだー」
千雨の説明を受けて明日菜は感心した声を漏らす。
「千雨さんの言われるとおりですね。はっきりした情報がない間は不用意な決め付けをしないように注意するです」
「それに犯人の答えは引っ掛けがあると可能性も考えられるな。ゲームの終盤になれば一か八かで犯人当てを勘で答える奴も出るかも知れない。
ここまで用意周到にゲームのお膳立てをしている主催者が偶然で当たるような問題を出すとは思えない」
「そこまでは考えが至りませんでした。さすがです」
「……元々真正面から物事を考えられない性格なんでね」
千雨の洞察に感心する夕映の言葉を受け、千雨は照れ隠しをしながらぶっきらぼうに答えた。
「では、エヴァさんを殺した犯人はAチームの中にいると思うです。これについてはどうですか?」
夕映が話を戻した。
「近くにBチームの生徒が居ないのならば可能性は非情に高いと思っている。恐らくは四葉を殺したのもそいつだろう」
千雨も肯定的な意見を述べた。
148作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/16(金) 20:47:08 ID:???
「私たちは最初に5つの組に別れた後、さらに一人ずつに別れました。四葉さんを殺した犯人は四葉さんと同行していたか、近くの方向を進んでいた生徒である可能性が高いと思うです」
「そうなると一番怪しいのは超だな。あいつは四葉と2人で行動していた。私達の組と綾瀬の組は、超と四葉の組とはほぼ反対の方向に進んだから犯人の可能性は低いということになる。
次に四葉に遭遇できる可能性があるのが、超と四葉の組に近い方向に向かった大河内、佐々木、龍宮の組と、椎名、鳴滝姉、ザジの組だな」
千雨は自分の組の千鶴と夏美は犯人の可能性が低くなったことが分かると、彼女たちを疑って冷たい態度を取ったことを反省していた。
(あいつらには悪いことをしたな……また会うことができたら謝ろう)
千雨が内心でそう思っていた間、腕組みをして考えていた夕映が顔を上げる。
「そういえば違和感を感じませんでしたか?ゲームのルールが私達に伝えられる前に何故犯人は更なる殺人に動いたのでしょうか?
ゲームが一斉にスタートしてしまえば、ゲームに乗じて動けば先ほどのような犯人の辺りをつけることすら困難になったはずなのにです」
「それは私も感じた。Aチームの生徒を殺したのも犯人であることは間違いないだろうからな。
考えられるのは両チームとも2人が殺されているおかげで敵チームは誰が一番先に殺されたのか分からなくなったってこと位だ」
「最初に殺された生徒が誰なのかが答えを解く鍵になるかもしれないということですか?」
千雨は考え込んだ。Aチームで死んでいるのは葉加瀬聡美と柿崎美砂。どちらが先に死んだことが分かれば何か分かるのだろうか?……考えても答えは出なかった。
「可能性はあるという程度だろうな。少なくともAチームの犯人を特定するためには誰が最初に死んでいたのか調べる必要はあるだろう。それに意味があるのかどうかは今のところ全くわからんね」
「……考えたのですが、やはり最初に死んだ生徒を絞らせないというのが犯人の目的ではないかと思うです。
最初に死んだ生徒が分かったからと言って犯人特定には繋がらないかも知れませんが、犯人探しの問題は最初に死んだ生徒を殺した犯人を捜すことです。
犯人を特定しようとする場合、最初に死んだ生徒が誰なのかを調べなければならないことには変わらないです」
149作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/16(金) 20:50:44 ID:???
「そうだな。私たちも犯人を特定する場合には葉加瀬と柿崎のどちらが最初に死んだのかを調べなきゃならねえ。
敵チームの生徒に自分達の情報をむやみに教えることはないだろうから、どっちが最初に死んだのかを調べるだけでも困難な作業になるかもな。
逆に考えると敵チームに情報を与えず、敵チームからいかにして情報を手に入れることができるのかが犯人当ての最大のポイントだということだ」
2人の話が一段落した所で、千雨が明日菜のほうを向いた。
「おい神楽坂、さっきから何も言っていないが何か意見はないのか?」
そう言われてただ呆然と2人の話を聞いていた明日菜は慌てたように答える。
「わ、私はいいよ。考えるの苦手だしさ。話の邪魔になるから夕映ちゃんと千雨ちゃんに任せるわ」
両手を振って明日菜は意見を言うのを固辞する。
「いや、あてずっぽうでも何でもいい。話し合いには積極的に参加してくれ」
「へ?」
自分のことは邪魔扱いされていると思った明日菜は千雨の答えにちょっと驚いた。
「推理小説なんかだと、こういうのは何でもない発言から答えのヒントが得られることもあるんだ。
思ったことは口にしてもらった方が有難い。分からないことがあったら聞いてくれて構わない。
こっちも説明しているうちに頭の中が整理されるから新しい考えが浮かぶこともある。
それに……」
「それに?」
話の途中で言いよどんだ千雨に明日菜は話の続きを促した。
「今は殺し合いのゲームの最中だということだ。私や綾瀬が先に死んだら神楽坂一人で犯人当てを回答する可能性もある。分からないことは知っておいて方が良いということだ」
そこまで千雨が考えていたことに感心すると共に、安易に2人に考えるのを任せていた明日菜は自分を恥ずかしく思った。
「……分かった。私も考えるよ」
千雨は頷いて夕映のほうに顔を向ける。
「話を戻すぞ。犯人は同じチームの奴も殺そうとしているから、ゲームに乗っている奴の情報が手に入れば判明する可能性はあると考えている。同じチームの生徒を殺す奴が怪しいってわけだ。
Aチームについては、とりあえずはゲームに乗っていない奴らから何とかして情報を聞き出すしかないな」
「そうですね」
150作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/16(金) 20:52:36 ID:???
夕映は同意して言葉を引き継いだ。
「これからの行動方針としては、Bチームのメンバーと出会って情報交換……脱出の手段と犯人の手がかりがないか聞くです。
もしも信頼できる方なら一緒に行動をしても良いでしょう。Aチームに対しては展開に応じて決めていきましょう」
「あと、木乃香と刹那さんが合流できていれば木乃香からAチームの情報が聞けるかもしれないね」
明日菜も自分の考えを提案してみる。
「そうですね。2人も探してみましょう」
「そうだな」
木乃香は一応敵対しているために、早い者勝ちである犯人探しをする場合は情報交換には危険が伴うだろうと千雨は内心思っていたが、現状ではどうなるかは分からないので何も言わなかった。
ようやく大体の方針が決まって一息ついた。
千雨が立ち上がる。
「そろそろ動こう。ああ、その前に全員の武器を確認しておいたほうがいいな。私はヌンチャクだ」
そう言ってデイパックの中からヌンチャクを取り出して見せる。
「私は銃だよ」
明日菜も立ち上がってワルサーPPを取り出して見せる。
「私はこれです」
夕映も立ち上がり、デイパックの中をごそごそ探してアイスピックを取り出した。
「……武器の中に銃があるということは、私と綾瀬の武器はあまり良いほうじゃねえか。いざというときは頼むぜ神楽坂」
「いざって?」
「相手が銃を持って攻撃したときだよ」
千雨の言葉に明日菜はごくりと喉を鳴らした。
「わ、わかった」
「それでは移動しましょう」
夕映の言葉で3人は動き始めた。

【Aチーム:残り12人】
【Bチーム:残り13人】
151作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/16(金) 20:55:02 ID:???
[30.捜索]
ゲームの内容が明らかになった後、佐々木まき絵(Bチーム)は親友のアキラを探すために当てもなく島の中を歩き回っていた。
殺し合いのゲームが始まったことを知り、まき絵はどうして良いのか分からなくなっていた。
まき絵の武器は金属バットである。今は使う気はないのでデイパックの中にグリップの部分が飛び出した状態でしまい込んでいる。
Bチームの中でも誰が信頼できるかまき絵には分からななかった。しかし親友のアキラは親友できるとまき絵は信じていた。
頭の悪い自分と違ってアキラは冷静だし思慮深い。
他人に対して思いやりがあり、争いごとや人を傷つけることが嫌いなアキラは絶対に犯人ではないとまき絵は確信していた。
まき絵はこれからどうするのかアキラと一刻も早く出会って相談したかった。
アキラとはデイパックを手に入れた場所から別れて行動していたのでまき絵のいる場所からそんなに遠くに離れてはいないはずである。
アキラの進んでいった方向を思い出しながらまき絵は進んでいた。
「あーん、こんなことなら別れるときに待ち合わせをしておけばよかった〜」
思わず後悔の言葉がまき絵の口から出てくる。
森を抜けたまき絵は丘を下っていく。マップを見るとこの先は民家があるはずだった。
緩い下り坂を道なりに歩いてゆくと、民家が数件立ち並んでいる場所に出た。
すると、ちょうど1軒の民家から出てきた生徒と鉢合わせした。
「那波……さん?」
「あら、まき絵さん」
そこに居たのは那波千鶴(Bチーム)だった。
一応同じチーム同士なのでまき絵は少し安心する。
「ねえ那波さん、アキラを探してんだけど見なかった?」
「さあ……最初に皆が集まってから別れた後は見ていないわよ」
念のために聞いたことだが少しがっかりするまき絵。
「そっか……ところで、家から出てきたみたいだけど何してたの?」
民家に訪れていたらしい千鶴の行動に素朴に疑問に思って聞いてみた。
152作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/16(金) 20:57:33 ID:???
「だれか私達生徒以外の人がいないかと思って探していたの。でもダメだったわ。
この島には今は私達しかいないみたいね。……少なくともゲームが終わるまでは」
千鶴からゲームという言葉を聞き、殺し合いのことを思い出してまき絵の心臓がドクンと跳ね上がる。
「那波さんは……このゲームどうするの?」
聞いても仕方のないことだが聞かずにはおれなかった。
「……正直言うと分からないわ。殺し合いなんかはするつもりはないんだけどね」
まき絵は千鶴がゲームに乗っていないことに内心ホッとする。
「私もそうだよ。……でも、このままだと相手チームに殺されるか、時間切れで全員死んじゃうんだよね」
まき絵がうなだれる。
千鶴がまき絵の両肩に手を乗せて顔を近づけて話しかける。
「希望を捨ててはダメよまき絵さん。時間はないけど皆で協力すればきっと良い対策が見つかるはずよ」
「そう……だよね。希望は捨てたらダメだよね」
落ち込みかけてたまき絵気持ちが千鶴の言葉で少し軽くなる。いつの間にか流れていた涙を指で拭った。
「那波さんはこれからどうするつもり?私はこれからアキラを探すけど、那波さんも一緒に行かない?」
まき絵は千鶴を誘ってみた。2人で行動した方が心強い。
しかし、千鶴は申し訳なさそうにまき絵の申し出を辞退した。
「ごめんなさいねまき絵さん。夏美と待ち合わせの約束をしているの。
寄り道しちゃっているから彼女をかなり待たせているわ。これから急いで行かなくちゃならないのよ」
彼女も自分と一緒なのだ。信頼できる親友と早く合流したいのだ。
一緒に行動出来ないのは残念だが、まずは互いに一番やりたいことをするべきだとまき絵は考えた。
「そっか、なら仕方ないね。私もアキラを探しているからお互い出会えた後にまた会おうよ」
そう言ってまき絵は自分の目的のために千鶴と別れた。
別れ際には互いの無事を祈って手を振った。
「さてと、アキラはどこにいるんだろう?」
まき絵はアキラを見つけるために駆け出した。

【Aチーム:残り12人】
【Bチーム:残り13人】
153作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/16(金) 20:58:01 ID:???
本日はここまでです。
また明日。
154マロン名無しさん:2008/05/16(金) 20:59:31 ID:???
おっつー。
ぼちぼち動き出したね。
明日もwktkしてる。
155マロン名無しさん:2008/05/16(金) 21:17:45 ID:???
なんだか冗長な印象を受けるなぁ
156マロン名無しさん:2008/05/16(金) 21:39:39 ID:???
ネギロワでこういう考察ものは珍しいので期待してる。
このスレは他にはない勢いがあるけど、その分こういう展開が少ないし。
157マロン名無しさん:2008/05/16(金) 21:49:18 ID:???
>>142
失礼しました。こちらにうpし直したのでご覧になってください。
ttp://www15.axfc.net/uploader/14/so/Si_12552.wmv
Pass:rowa
158マロン名無しさん:2008/05/17(土) 00:06:40 ID:???
乙です
159マロン名無しさん:2008/05/17(土) 01:55:01 ID:???
ネギロワっぽさが欲しい
160マロン名無しさん:2008/05/17(土) 03:31:29 ID:???
20部22部と比べるとだいぶよくなったんだが呼応はどうにかなんないのか?
脳内変換で済ませって言うのは簡単だが作者だって気を付けるべきなのでは?
一回や二回ならともかくこう何度も続くとな・・・
161マロン名無しさん:2008/05/17(土) 03:36:12 ID:???
犯人なんて元からいないんじゃね?
162マロン名無しさん:2008/05/17(土) 03:40:21 ID:???
いや、犯人の一人は超か
23部って展開読めてもネタバレ駄目なんだっけ?
163マロン名無しさん:2008/05/17(土) 07:00:46 ID:???
>>160
今回だと「まき絵さん」の事かな?
まあ、引っ掛かりはしたけど許容範囲内だと思うけどね


失礼かも知れんが、作者20氏には他のネギま二次創作を多く読むのをお奨めしたいな
20氏の場合はいっぱい書いて文章力付けるよりも、いっぱい読んだ方が伸びるような気がする

今後はSSを書く気は無いのなら余計なお世話だろうけどw 個人的にはこれからの20氏に期待してる
164マロン名無しさん:2008/05/17(土) 09:54:02 ID:???
>>162
公開発言して当たってなかったら超恥ずかしいけどまぁちょっとならいいんじゃない
165マロン名無しさん:2008/05/17(土) 13:06:13 ID:???
千雨は佐々木じゃなくてまき絵だろ
166マロン名無しさん:2008/05/17(土) 13:21:35 ID:???
許容範囲は人それぞれだからなぁ。
作者が作品を作ってたときに既に呼称が明らかになってたならそのとおりに書いたほうがいいけど
明らかになってなかったのならしょうがないとは思う。
書いてる最中に作中でキャラ同士の関係が親密になって呼び方がかわってきたとかなら時間設定を考えて
変えるか変えないかは作者が考えりゃ良いし。

俺は別に気にしないけど。
167マロン名無しさん:2008/05/17(土) 16:00:32 ID:???
アンケート終わってたんだな
どさくさに紛れて18部追加の美砂ザジも自演票で9票まで伸びてるww
168マロン名無しさん:2008/05/17(土) 16:04:21 ID:???
すげえ投票しずらいな
169マロン名無しさん:2008/05/17(土) 16:26:50 ID:???
誰が自演とかは言いたくないが後半不自然な伸びかたした6部と追加の18部は明らかに自演だろうな
てか6部はいつもの刹那厨だろ。主人公アンケでは後半に一人で入れまくって1位、名言アンケでは別館氏も言ってる通り一人で入れた票だけで2位。
17部は言わなくても誰の目から見ても自演だろうが
その17部が気に入らない人が後を追って19部と21部に入れたり…とアンケートめちゃくちゃだな
170マロン名無しさん:2008/05/17(土) 16:27:22 ID:???
ぶっちゃけた話このアンケートのせいで17部とせっちゃん嫌いになった
171マロン名無しさん:2008/05/17(土) 16:45:10 ID:???
それはないわ
172マロン名無しさん:2008/05/17(土) 16:51:18 ID:???
俺も17部のアンケートはどうみても作者17氏がやった風にしか見えないからかなり17部イメージダウンした
ただ刹那を嫌いになるとかはないな
173マロン名無しさん:2008/05/17(土) 17:06:14 ID:???
一人がアンケについて書き込みしだしたら絶対続くよないつもw
したらばにいかないのは自演だからだろ?w
174マロン名無しさん:2008/05/17(土) 17:15:50 ID:???
175作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/17(土) 19:27:49 ID:???
>>157
見ることができました。乙です。
ネギロワ応援用の動画というところでしょうか。

さて、呼称については研究所で調べられる範囲は調べていますが、
書かれていない呼称は自分のイメージで書いていますので、違和感を持たれる方が
いてもこちらもどうしようもないですのでご容赦ください。

本日の投下を始めます。
176作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/17(土) 19:29:51 ID:???
[31.選択]
近衛木乃香(Aチーム)はゲームのルールを知らされてから、一人でしばらくの間途方に暮れていた。
3−Aはクラスメートの皆は仲が良い。
クラスの中でいがみ合っている事なんてないに等しい。
明日菜とあやかは頻繁にケンカをしているが、本当は親友であることはクラスの皆も良くわかっている。
そんな仲の良いクラスメート同士で殺し合うなんて木乃香には信じられなかった。
途中まで一緒に行動していたハルナとのどかとは既に別れてしまっている。
ゲームのルールを知って2人を探してみたが見付からなかった。
すぐにまた会える思って待ち合わせなどの約束はしていなかったので、現状で2人と合流するのは困難となっている。
「ハア……どないしょ?」
後悔してもどうにかなるものではないと思い、とにかく動いてみることにした。
移動していれば誰かに出会えるだろう。
殺し合いの最中なのだから出会った相手が自分を殺そうとしている可能性はあるが、今考えても仕方ないのでその時に考えることにした。
当てもなく歩きながら、木乃香はもう一つ心配なことを思い悩んでいた。
木乃香にとってはこれが一番重要なことである。
ケータイを取り出してルールを見直す。AチームとBチームが一方のチームが全滅するまで殺し合いをしなければならない。
木乃香はAチーム。そして幼馴染の刹那はBチーム。
単純に考えれば、自分と刹那のどちらかは命を落とすということだ。
そのどちらであっても木乃香には耐えられないことである。
不安になった木乃香は無性に刹那と会いたくなった。
「せっちゃん……どこにいるんやぁ?会いたいわぁ……」
木乃香の両目に涙がジワリと浮かんできた。
177作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/17(土) 19:34:20 ID:???
マップを取り出して現在位置を確認してみる。
木乃香が居る地点は島の北半分の西寄りの位置である。
ゲームのルールが伝えられるまでの間、Aチームは島の北側を動いていた。木乃香は島の南側にBチームがいるのではないかと考えた。
ゲームが始まってからそんなに時間は経っていない。島の中を生徒全員があっちこっちへと移動しているとしてもそれほど早く移動する者はほとんどいないだろう。
つまり、ここから南側に行けば刹那と出会える可能性は高くなる。
しかし、それ以上に敵であるBチームの誰かと出会う確率も高くなる。
Bチームには刹那以外にも明日菜や夕映もいるので、彼女達なら信用できると木乃香は考えている。
だが、この状況下でBチームの生徒の中にゲームに乗っている者がいないとまでは言い切れる自信は木乃香にはなかった。
そして犯人の存在も無視はできない。
逆にここから北側に行けばAチームの生徒と出会える可能性は高いが、刹那と出会える可能性は低くなる。
その代わりにAチームの生徒の中には信頼できるハルナやのどかがいる。
「……どっちに行こかな?」
木乃香は考える。Aチームの仲間との合流のを選ぶのか、敵チームのメンバーと出会う危険を冒してでも刹那と合流する可能性を選ぶのか?
時間が経って3−A生徒が島中を入り乱れてしまえばこの出会える確立は意味をなさないものになっていくが、今の時点で進む方角を決めるには重要なポイントである。
(大丈夫や。すぐには会えへんでも、いつか必ずせっちゃんと再会できるはずや。それまでの間、ウチは生き残らなあかん)
木乃香は迷った結果、危険性の低いAチームの仲間と合流する道を選んだ。
刹那と出会う確立は減るが木乃香は必ず刹那と再び合えることを信じ、現在位置から北東の方向を目指して歩き始めた。

【Aチーム:残り12人】
【Bチーム:残り13人】
178作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/17(土) 19:36:53 ID:???
[32.待ち合わせ]
「……遅いなあ、ちづ姉」
村上夏美(Bチーム)はデイパックの入っていた箱のあった場所で、3つある箱の一つの上に座って千鶴をひたすら待っていた。
時計を見ると12時25分というところだ。
アイテムのある箱を見つけるのに時間がかかったこともあり、夏美は支給武器のS&W M36を手に入れた後、あまり時間を空けずに殺し合いのゲームのことを知ることになった。
急いで千鶴と待ち合わせた場所へ戻った時は12時10分くらいだったはずである。
それから15分以上経つのに千鶴は待ち合わせの場所に現れない。
ゲームの内容を知った後なので夏美は恐ろしい考えに捕らわれる。
千鶴は既に誰かの手にかかって……。
怖い考えになりかけ、夏美はぶるぶると頭を振って嫌な想像を頭の中から追い払った。
「大丈夫、ちづ姉は大丈夫だよ。道に迷うかなんかして時間がかかっているだけだよ……」
念仏を唱えるようにブツブツと言葉に出して自分自身に言い聞かせていた。
夏美はポケットからケータイを取り出した。
千鶴のことを心配していると悪い方向に考えてしまうので、改めてゲームについて考えることにした。
30分ほど前に一方的に通達してきた主催者からのメッセージ。
「やっぱりこの内容って……本気なんだろうな」
Bチームが集まった時にエヴァの死体を見たときを思い出す。
エヴァの死も主催者が仕組んでいたことだった。どう考えても主催者は本気で3−Aの生徒達に殺し合いをさせようとしている。
もしも立ち入り禁止エリアに入ったり、勝負が付かずに時間切れになったら主催者は間違いなく自分達を殺すだろう。
そう思うと夏美の背すじに冷たいものが流れる。
夏美はゲームに乗る気はないが、ゲームから逃れる術も思いつかない。
千鶴が来たら、これからどうするかを相談したかった。
「ちづ姉、早く来て……」
夏美は千鶴が早く戻って来ることを切に願った。
179マロン名無しさん:2008/05/17(土) 19:37:20 ID:???
紫苑
180作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/17(土) 19:38:48 ID:???
―――心配そうにしている夏美の様子を、ある生徒が見つからないように草陰に隠れて覗いていた。
彼女はニヤリと笑みを浮かべた。
彼女は主催者から『犯人』と呼ばれた人物であり、四葉五月を殺した人物でもある。
五月を殺した後、五月の支給武器と自分の支給武器の両方を手に入れ、ゲームのルールが発表された時点で彼女はすぐに次の行動に移っていた。
生徒全員が個別に行動しているとは言え、周囲にはまだBチームの生徒が近くにいるはずであった。
殺し合いというゲームは既に周知されているとは言え、ゲームが始まって1時間も経っていない状況ですぐにゲームに乗る生徒は少ないはずだ。
今なら大した苦労もなく生徒の人数を減らすことができるのだ。
彼女はBチームの生徒達が散らばったと思われる辺りを重点的に捜索していた。
そして運良く殺すべき生徒を一人見つけたという次第である。

彼女は夏美の様子をジッと観察する。
夏美は時間を気にしながら周囲をキョロキョロと見回している。誰かを待っているようだ。
夏美の座っている箱と、その隣に同じような箱が2つあることから、夏美のいる場所がデイパックを手に入れた場所だということは分かる。
つまり夏美は誰かと待ち合わせをしているということである。
夏美と一緒に行動していたのは千鶴と千雨の2人であるのは彼女も知っているので、2人を待っているのだろうと推測する。
それにしては待ち合わせの相手が来るのが遅い。ゲームのルールが通達されてからもう30分は経っている。
デイパックの箱と支給武器の箱の間は15分程度もあれば移動できるはずなのにである。
夏美は置いてけぼりを食らったのだろうか?
この時間まで相手が戻って来ないとなると、もう来ない可能性も充分にあると考えた。
いつ来るかもわからない生徒を待つ気は彼女にはなかった。
夏美を殺した後で出会うことがあればその時に殺せば良いだけの話だ
とりあえず夏美だけでも倒そうと思い、彼女は五月から奪ったIMIウージーを握り締めると草陰から飛び出した。
181作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/17(土) 19:40:15 ID:???
――近くでガサッという音がして、夏美の心臓が大きく跳ね上がる。
「ち、ちづ姉なの!?」
慌てて音のする方向を向くが、夏美の待っている千鶴の姿はなかった。
そこにはサブマシンガンを持った別のクラスメートの姿。
彼女は夏美と同じBチームのメンバーであった。敵チームのメンバーではないことで夏美の警戒心が少し緩む。
すると、彼女は夏美にサブマシンガンを向けた。
夏美が驚く暇もなく、パララララ、パララララ、パララララとタイプライターを叩き続けたような音が辺りに響き、無数の銃弾が夏美の体を貫いた。
「え……なんで?」
小さく疑問の声を上げて夏美はその場に崩れ落ちる。
麻痺した痛覚がよみがえると同時に、彼女が主催者の言う『犯人』であることが夏美には理解できた。
夏美を撃った彼女は、近づいて銃弾を浴びた夏美の姿を確認すると、夏美が落とした武器S&W M36を手にしてその場から去っていくのが見えた。
「痛い……痛いよ……私……死んじゃうの?嫌だよ。助けて……ちづ姉……」
思うように動かない体を動そうと、血溜まりの中を必死でもがく。
最後に千鶴とあって話がしたい……その思いが叶えられることもないまま、夏美は息を引き取った。

【出席番号28 村上夏美 死亡】
【Aチーム:残り12人】
【Bチーム:残り12人】
182作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/17(土) 19:42:43 ID:???
[33.託されたメッセージ]
覆い茂る草をかき分けて茂る草の中から千鶴(Bチーム)が姿を現した。
「かなり道に迷っちゃったわね。夏美には長い時間待たせてしまったわ」
ようやく待ち合わせの場所の近くまで来ることができたので千鶴はホッと息をつく。
時計を見ると12時40分近くになっていた。
支給武器のシグザウアーP230を見つけた後、千鶴は待ち合わせの場所へ戻る途中で殺し合いのゲームのルールを知った。
メッセージだけ見ると信じられないことだったが千鶴もエヴァの死体は確認している。
このゲームが冗談ではないことはすぐに理解できた。
夏美と待ち合わせの場所へ行く途中、民家の集まっている場所を通りがかったので、念のために誰かいないか1軒1軒確認してみたが、その結果はムダに時間を費やしただけとなってしまった。
民家は古びた様子もなく最近まで生活していたことが窺える跡が残っていた。
おそらくはゲームが始まる直前に島の住人は強制的に出て行かされたのだろう。
丁度その時にまき絵(Bチーム)と出会ったのだった。
まき絵と別れた後、民家の調査に費やした時間を挽回するために千鶴は近道をしてみた。
その判断が良くなかった。運悪く道に迷ってしまい千鶴は待ち合わせの場所に着くのにさらに時間がかかってしまった。
「きっと怒ってるわよね、夏美」
長く夏美を待たしたのは全て千鶴のせいだったので、ひたすら謝るしかないだろう。
待ち合わせの場所はすぐそこだった。
その時、風向きが変わって前方から向かい風が吹いた。
千鶴は足を止めて違和感に気付く。
(鉄のような匂い……?)
嫌な予感がした千鶴は待ち合わせの場所へ向かって走り出した。
183作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/17(土) 19:44:09 ID:???
そこで千鶴は血溜まりの中でうつろな目をして倒れたまま動かない夏美の姿を発見した。
「な……夏美ぃっ!!」
倒れている夏美の元に駆け寄ると、千鶴は夏美の体を抱き起こした。
しかし夏美の体はぐったりしており、千鶴の呼びかけに反応することはない。
動くことのない夏美の体を抱きしめたまま千鶴の肩が震える。
「ご、ごめんなさい夏美……す、全て私が悪いの……長い間夏美を一人にさせてしまったから……」
千鶴の頬を伝った涙のしずくが夏美の頬に落ちる。
「許して……夏美……ごめんな……さい……」
抱きしめた夏美の体に覆いかぶさるようにうなだれた千鶴は嗚咽の声を漏らした。
――どのくらいそうしていただろうか?
長い時間動くことのなかった千鶴は、夏美の体をゆっくり地面に横たえると両腕を胸の前に組ませた。
そして虚ろに開かれていた夏美の両目のまぶたを閉じる。
その時になって夏美の側の地面に書かれていた文字を千鶴は見つけた。
汚く書かれたその文字は黒くなった夏美の血が付着していた。
(ダイイングメッセージ?)
書かれた文字は不鮮明であるが、よく見るとある人物の名を示していることが分かる。
その文字はクラスメートの中の一人を特定するものであった。
「そうなの……夏美、貴方を殺したのはこの人なのね」
立ち上がった千鶴はデイパックの中から支給武器のシグザウアーP230を取り出した。
「待っててね夏美。私が仇を取ってあげるわ!」
去り際に夏美に声をかけた千鶴は、夏美に背を向けると振り返ることなく歩き始めた。

【Aチーム:残り12人】
【Bチーム:残り12人】
184作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/17(土) 19:46:29 ID:???
本日は終了です。

あと、来週は23日が投下できないのは確定ですが、21日、22日も怪しくなってきました。
極力投下をする方向で検討しますが、詳しくは後日連絡いたします。
185マロン名無しさん:2008/05/17(土) 20:07:39 ID:???
おっつー。
気になるなぁ。
呼称に関しては研究所に無かったなら作者の自由だと思うよ。
186マロン名無しさん:2008/05/17(土) 21:11:16 ID:???
21、22もあけて良いよ
187840 ◆b4hPGPyZXw :2008/05/18(日) 00:00:19 ID:???
今週のとっぷえ
http://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00134.jpg
友達がこの曲良いから聴いてみなと勧められたCDが凄く良かったのでそのCDのジャケットを参考にしました

ロゴ付きゆーな(既にUPしてたっけ?まだしてないよね?)
http://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00136.jpg

ボブ(S氏大変申し訳ありませんorz)
http://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00135.jpg
188マロン名無しさん:2008/05/18(日) 00:21:48 ID:???
俺からしたら空けないでほしい・・・が、20に任せる


840氏GJw
つーか840氏あのゆうな好きだよなww
189マロン名無しさん:2008/05/18(日) 00:23:46 ID:???
20氏も840氏も乙
今回のTOP絵センス良いですね。ひょっとして2004年にオリコン1位とった某シングルのジャケかな?
190マロン名無しさん:2008/05/18(日) 03:04:51 ID:???
ボブwwwwwwwwwwww
191マロン名無しさん:2008/05/18(日) 03:41:28 ID:???
20氏乙
同じチームの人を殺してるとこを見られたら即アウトなんだから犯人は刹那や龍宮のようなプロなんだろうな
てかイマイチルール把握してないんだが同じチームの千鶴が犯人を報告するのは無理でも相手チームに自分のチームの犯人を教え相手チームに報告してもらったらゲームは終了するんだよな?
自分のチームは皆死んじゃうけど…

840氏も乙
今回のトップ、その発想はなかった。毎回アイデアが凄いw
192マロン名無しさん:2008/05/18(日) 14:16:58 ID:???
840さんのTOP絵毎回良い!
今度はモナーみたいな2ちゃんキャラとNBRをコラボしたの作って欲しい
193作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/18(日) 19:10:51 ID:???
>>187
乙です。ボブ・ロスにはやられました。
私も彼に影響されて油絵に手を出した口でして・・・・・

>>191
分かりにくくてすみません。
犯人の条件はエヴァとハカセを殺したのが絶対条件となります。
犯人は3−Aクラスの人間(ゲーム参加者)で、絶対条件をクリアした人間です。
つまり、仮にネギが人知れず島に来ていてエヴァやハカセを殺してたとしも犯人の対象外となります。
犯人が複数いた場合、犯人全員を正しく答えなければ正解にはなりません。
犯人は無差別殺人をしてるので、味方チームの生徒を殺したのが犯人の手がかりになるだけで、
味方チームの生徒を殺していてもエヴァとハカセを殺していない生徒は犯人になり得ません。
犯人当てによる首輪のロック外しと、味方チームの犯人の有無は基本無関係であり、
その犯人が味方チームに居ようが敵チームに居ようが
正解すれば味方チームのロックが外れ、敵チームの首輪の起爆スイッチが入ります。

それでは本日の投下を始めます。
194作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/18(日) 19:12:15 ID:???
[34.目撃証言]
「……さん、和泉さん、起きてください」
誰かが自分を揺り起こしている。
(誰やろ……?)
次第に意識が鮮明になっていく和泉亜子(Aチーム)の開かれた目に、桜咲刹那(Bチーム)の姿が映し出された。
「さ、桜咲さん!……そ、そうや、うち気絶してたんや」
ようやく亜子は我に返った。
「どうやら無事のようですね」
刹那は亜子の元気な姿を見てホッとする。
その時になって亜子は自分が気絶する前のことを思い出した。
「そうや!こんな場合やなかったんや、桜咲さん、柿崎が!柿崎が大変なことに!」
「落ち着いてください和泉さん。柿崎さんのことなら私もさっき確認しました」
しがみついてくる亜子を刹那が優しくなだめる。
刹那はこの場に来た時に美砂と亜子の2人が倒れている姿を発見していた。
定時連絡にあった通り美砂は死んでいたが、亜子の方は外傷もなく息をしていた。
恐らく美砂の死体を見て気絶したのだろうと推測し、たった今起こしたというわけだ。
「それにしてもゲームのルールが知らされてから1時間以上は経過しています。和泉さんが無事であったのは幸いでした」
「へ?ゲームってもう始まってたん?」
キョトンとする亜子。どうやら長時間気絶していたためにゲームのルールをまだ見ていなかったようだ。
刹那は亜子にケータイのメッセージを確認させる。
ケータイに目を落としていた亜子が青ざめてゆく。
「何やこれ……殺し合いってホンマなん?」
「……残念ながら、柿崎さんが殺されていることからもゲームに乗っている生徒がいるのは間違いありません」
言いにくそうに刹那は答えた。
195作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/18(日) 19:14:03 ID:???
再びケータイを見つめる亜子は気付く。亜子はAチーム、刹那はBチームである。
「桜咲さん、ウチら敵同士やないの!?」
少し怯えた様子で亜子が尋ねる。
「安心してください。私はゲームには乗っていません」
笑みを浮かべて刹那は答えた。
考えてみれば気絶して無防備だった亜子を刹那は介抱してくれたのである。
殺す気だったらとっくに亜子は殺されている。
「そっか……桜咲さんを疑うようなこと言ってもうて済まんかったわ。堪忍や」
「いえ、気にしないで下さい。それより和泉さんは木乃香お嬢様のことを何が知っていませんか?」
「このか?」
亜子は木乃香のことを思い浮かべる。
「役に立てなくてスマンけど、このかとは最初に別れたっきりやわ。それ以来は会うてへんし居場所もわからんわ」
「……そうですか」
刹那は残念そうにうなだれる。
「仕方ありませんね」
そう言って刹那は立ち上がった。
「刹那さん、これからどうするん?」
「木乃香お嬢様を探します」
きっぱりとした口調で刹那が答える。亜子はそこまで刹那に思われている木乃香のことが少しうらやましくなった。
「でも、島の中でこのかがどこにいるのか探すなんて大変やないの?」
亜子からの指摘を受け、刹那はポケットの中からある装置を取り出した。
「私に支給されたアイテムはこれでした。これを使えば大丈夫だと思います」
亜子は刹那の示した装置を覗き込む。
カーナビような画面の下に方向キーがある。画面には島のマップの拡大図が表示され、中心に赤と青の光点がある。
「なんやのこれ……GPS?」
196作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/18(日) 19:16:04 ID:???
「そのようなものです。光っている点はゲームに参加した人たちを表示しています。
Aチームの人間は赤、Bチームの人間は青です。これを使って和泉さんも発見しました」
「そうかー便利なもんやなー」
亜子は素直に感心する。
「これから私は木乃香お嬢様を探しに行きます。和泉さんはどうされますか?一緒に行きますか?」
亜子は顎に手を当てて考える。
刹那は平静を装っているが、内心かなり焦っているように見える。あまり自分が邪魔をしたくはなかった。
「桜咲さんの足手まといになるから、ウチはウチでゆーな達を探すことにするわ」
「そうですか。では、ここで分かれましょう。和泉さんも気をつけてください」
デイパックを背負うと刹那はその場をすぐに立ち去ろうとする。
その時になって亜子はハッと気付いた。
「そうやった!殺し合いのゲームとか、いっぺんにたくさんのことがあったんで大事なことを言うのを忘れとったわ!」
いきなり大きな声を上げる亜子に驚いて、先へ進もうとしていた刹那が振り返る。
「桜咲さん。ウチ……見たんよ。柿崎を殺した生徒の姿を!」
「そ、それは本当ですか、和泉さん!?それは非常に重要な情報ですよ。
和泉さんが目撃したという柿崎さんを殺した生徒は恐らく『犯人』のはずですから!」
刹那は亜子に迫って確認する。第一回目の定時連絡の時に美砂は既に殺されている。
殺し合いのゲームのルールが生徒達に伝えられたのはそれより数分前だ。敵チームの生徒に殺されたとは考えにくい。
亜子の言っていることが事実なら、それは主催者が説明していた『犯人』と考えて間違いないだろう。
「ホンマのことや。ウチは柿崎が殺される瞬間を偶然目撃してもうた。間違いないわ!」
「それで……和泉さんが見た『犯人』とは誰なのですか?」
ごくりと唾を飲み込んだ亜子は、ゆっくりとその名を口にした。

「私が見た柿崎を殺した生徒。それは………茶々丸さんやった」

【Aチーム:残り12人】
【Bチーム:残り12人】
197マロン名無しさん:2008/05/18(日) 19:17:08 ID:???
茶々丸うううううう
198作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/18(日) 19:18:55 ID:???
[35.残酷]
「……もう、亜子はどこに行っちゃったんだろ?」
明石裕奈(Aチーム)は親友の亜子を探すために島内を早足で歩き回っていた。
探しているのは亜子だが、亜子達と一旦別れて以降は他のクラスメートの誰とも出会ってはいなかった。
ゲームのルールを知ってから裕奈は最初に同じAチームの中でも最も信頼できる亜子と合流するために動いた。
亜子と合流できたら次にアキラとまき絵を探すつもりだった。
アキラとまき絵の2人は敵チームでありゲームの中では殺し合いをしなくてはいけないのだが、親友の2人がゲームに乗るとは思えなかった。
そして、いつも一緒に行動している運動部4人組みが集まったら力を合わせてゲームから逃げ出す方法を考えようと思っていた。4人が集まれば何とかなるはずだ。
しかし、最初に探している亜子が見つからない。デイパックを見つけた場所に戻って亜子が進んだ方向を探してみたのだが会えなかった。
もしかしたら行き違いになっているかもしれない。
時計を見る。13時57分。
ゲームのルールが通達されたのがおよそ正午だから約2時間が経過している。
考えたくはないが、ゲームに乗って殺し合いを始めているクラスメートがいるかもしれない。
実際に正午の時点で4人ものクラスメートが死んでいるのだ。
不安になりながらも親友を探すために裕奈は先を急いだ。
すると、裕奈が進む道の先にクラスメートの誰かがいるのが見えた。
裕奈は急いで駆け寄ってみると、そこには絡繰茶々丸(Aチーム)の姿があった。
茶々丸は裕奈に背を向けていて、まだ裕奈の存在に気付いている様子はない。
声を掛けようかどうかと裕奈は少し考える。
茶々丸と裕奈は普段でもあまり繋がりはないが、茶々丸が学園の野良犬や猫に餌をあげていることは裕奈も知っているし子供達にも人気があるのも知っている。
同じAチームのメンバーであることもあり、茶々丸は大丈夫だろうと思って裕奈は近づいて声をかけてみた。
「茶々丸さん、あんたも一人?」
199作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/18(日) 19:20:41 ID:???
茶々丸は振り向いて裕奈の方を見た。しかし無表情のまま何も言葉を返してこない。
「私さぁ、亜子を探しているんだけど茶々丸さんは見なかった?」
「………」
茶々丸は裕奈を見つめたまま黙っている。
「ねえ、どうかしちゃったの?」
裕奈は茶々丸に対して少し違和感を感じた。
不審に思いながらも、いつもと少し違う茶々丸の態度を心配して一歩が踏み出した時、いきなり茶々丸は持っていたチェーンソーを持ち上げた。
茶々丸に近づこうとしていた裕奈の足が止まる。
何か様子がおかしい。
チェーンソーの紐を引張って始動させた茶々丸は、チェーン刃を高速で回転させ始めた。
高いエンジン音が辺りに響く。
裕奈の頭の中を嫌な考えが掠める。
「茶々丸さん、あんた……まさか!?」
刃が高速回転するチェーンソーを掲げた茶々丸の体が獲物に飛びつく前の動物のように沈む。
「ま、まずいっ!」
それを見た瞬間、裕奈は踵を返すと茶々丸から逃げるために一気に駆け出した。
チェーンソーを振り上げたまま茶々丸が追いかけてくる。
「ちゃ……茶々丸さんが『犯人』ってわけ?冗談じゃないよぉ!」
全力で走る裕奈はチラリと背後を見た。一定の距離をあけて茶々丸が追いかけてくる。
(振り切れない!?)
バスケで鍛えた足だから瞬発力には自身があるが、茶々丸は裕奈のスピードに難なく付いてくる。
裕奈の内心で焦りが大きくなる。瞬発力のある裕奈は持久力にはそれほど自信がない。
全力で走っているが、時間の経過と共に裕奈のスピードが徐々に落ちてくる。
それに対して茶々丸のスピードは変わらないので2人の距離が徐々に詰まってくる。
「や、やだよ。助けて!」
迫り来る恐怖にたまらず大声を上げる裕奈の背中に、振り上げられたチェーンソーが振り下ろされた。
200作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/18(日) 19:22:32 ID:???
裕奈の背中の一部が抉り取られ、周囲に血が飛び散った。
「ぐああああああぁっ!」
裕奈の背中に激痛が走る。足がもつれてもんどりを打って裕奈は地面に転がった。
ズキズキと焼けるような背中の痛みをこらえながら裕奈は上半身を起こした。
茶々丸は裕奈がコケたのを見ると追いかけるのを止め、ゆっくりと歩きながら裕奈に近づいて来る。
「ひいぃっ!」
近づいて来る茶々丸を見て裕奈の口から悲鳴が上がる。
チェーンソーで裕奈の背中を切り裂いた時に裂かれた血と肉片が茶々丸の服や顔にも飛び散って赤い斑点のように付着している。
裕奈の目の前まで来た茶々丸は、ジッと裕奈を見下ろした。
裕奈の顔が恐怖に歪む。
立ち上がることの出来ない裕奈の目の前で茶々丸はゆっくりとチェーンソーを振り上げた。

その時、パーン!という銃声が鳴り響き、茶々丸の動きが一瞬止まる。
S&W M29が裕奈の手に握られており、その銃口は茶々丸に向けられたまま煙が立ち上がっていた。
裕奈は震える両手で銃をしっかり握り締めるともう一度引き金を引いた。
再び銃声が鳴り、茶々丸の体がビクンと動く。
「や……やったか?」
茶々丸が動かなくなったのを見て、裕奈の緊張が少し緩む。
チェーンソーを振り上げたまま立ち尽くしていた茶々丸が下を向き、自分の体にあいた2つの穴を見た。
そして再び裕奈の方を向くと、立ち上がれない裕奈にめがけてチェーンソーを勢い良く振り下ろした。
とっさに避けようとした裕奈だが、避けきれずに肩にチェーンソーが食い込んだ。
「ウギャアァァッッ!!」
チェーンソーは高速回転しながら裕奈の体の一部を徐々に肉片に変えながらどんどん深く食い込んでいく。
「ギャアァァッ!グガッガッ!グワッ!ゲヒャアッ!」
言葉にならない悲鳴が裕奈の口から搾り出される。
裕奈から飛び散った肉片は鮮血と一緒に周囲に撒き散らされてゆく。
そしてチェーンソーは裕奈の体を肩口から袈裟懸けに切り裂いていった。
裕奈の下半身から切り離された上半身が音を立てて地面に倒れ込んだ。
201作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/18(日) 19:23:28 ID:???
裕奈の体を切り刻んだ後、茶々丸はチェーンソーを停止させると地面に置いた。
――再び辺りに静寂が訪れる。
茶々丸は手のひらで頬を拭う。裕奈から浴びた返り血は完全に拭き取れないが、飛び散った肉片は剥がれ落ちていく。
制服を軽く叩いて服についた肉片も落としていく。
置いていたチェーンソーをまた持ち上げる。真っ赤に染まったチェーンソーからポタポタと赤い水滴が落ちていた。
チェーンソーを軽く振って赤い水滴を振り払うと、裕奈の死体から背を向けて茶々丸は歩き出した。
……次の獲物を探すために。

【出席番号2 明石裕奈 死亡】
【Aチーム:残り11人】
【Bチーム:残り12人】
202マロン名無しさん:2008/05/18(日) 19:24:47 ID:???
ぐろw
203作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/18(日) 19:25:50 ID:???
えー本日の投下はここまでです。

すみません。最初に念のためにグロ注意と書くのを忘れてました。
あまりグロにならないようにしたつもりですが・・・・
不快に思った方はすみません。

21、22の休みの有無については明日はっきりすると思うので
その時報告します。
204マロン名無しさん:2008/05/18(日) 19:27:30 ID:???
おっつー。
エヴァころしたってことは茶々丸改造されてたのかな?
てか犯人は両チームあわせて二人居るんだよな?
205マロン名無しさん:2008/05/18(日) 20:11:39 ID:p7eyohYR
エヴァはBチーム
206マロン名無しさん:2008/05/18(日) 21:07:16 ID:???
最初に殺されたのがエヴァとハカセって時点で、ある程度犯人の予測は出来てたな
でもわたくしこんなベタベタな展開、大好きですw
207マロン名無しさん:2008/05/18(日) 21:10:50 ID:???
20氏にはもっと説明を上手く書いて欲しい
208マロン名無しさん:2008/05/18(日) 21:20:50 ID:???
乙です
209別館まとめ:2008/05/18(日) 21:49:49 ID:???
作者20氏乙です。
犯人探しのロワは、なかなか新鮮な切り口ですね。
犯人は茶々丸・・・・・・もう一波乱あるかな?

☆ 別館更新情報 2008/05/18 ☆
・『お宝発見?絵画展示室』
 作品No190〜No196までを追加。
 今回は、やしまる氏オンリーの保管内容です。

・『GOGO♪でこぴんロケット☆』
 >>157の動画を保管しました。

・『ネギロワ倉庫』
 22スレッド目のログを保管しました。

http://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html
210別館まとめ:2008/05/18(日) 22:34:14 ID:???
あと、伝え忘れてしまいましたが、したらばにも書き込んでいますので、
こちらの話し合いスレも一読お願いします。

http://jbbs.livedoor.jp/otaku/8740/
211マロン名無しさん:2008/05/18(日) 23:39:48 ID:???
別館氏乙。
一つ言わせてもらうと今週のTOP絵のコメントだが
某CDっての俺にはなんのCDか知らないが画像の中にCDのジャケットが存在するんじゃなくて
840氏が実在するCDのジャケットを参考にしてそれに似た画像にロゴを追加して加工したって事だと思うよ
212マロン名無しさん:2008/05/18(日) 23:49:00 ID:???
20氏も別館氏も乙

後、動画作った人GJ
今見たけどいろんな絵思い出して楽しめた
特に21部のセリフや絵が多かったのは俺も21部1番好きなだけに嬉しかったよ
BGMはなんて曲なのかな?誰か知ってる人教えてくれ
213マロン名無しさん:2008/05/19(月) 00:12:51 ID:???
http://www7.uploader.jp/dl/yuyu/yuyu_uljp00137.jpg.html
23部茶々丸

Certa amittimus dum incerta petimus.
「われわれは不確実なものを求める間、確実なものを失う。」
エヴァの敵討ち(?)をしているのかと思っていましたが、
どうやら違うようでテラ涙目/^o^\
214マロン名無しさん:2008/05/19(月) 00:15:52 ID:???
>>211
ろ〜んり〜ぐろ〜り〜
215マロン名無しさん:2008/05/19(月) 00:20:00 ID:???
>>213
ちょww
この短時間でなんてクオリティだwwwwwww
216マロン名無しさん:2008/05/19(月) 00:21:57 ID:???
茶々丸すげぇ
このスレで見てきた絵で一番良いかも
携帯で見たが原寸でみたいのでPC起動するか
217ムービー製作者:2008/05/19(月) 00:31:28 ID:???
>>212
EvanescenceのMy immortalです。
21部のネタが多かったのは21部のイラストが多かったという理由です。
現在別バージョンを製作中。
218マロン名無しさん:2008/05/19(月) 00:54:40 ID:???
俺も今日新しいソフト買ったしなんかMAD作ってみっかな
特にここはクオリティ高い絵多いから静止画だけでも結構いけるよな

>>213
なんだ、ただの神か
光の速さで保存なんかしてないんだからね
219マロン名無しさん:2008/05/19(月) 00:55:41 ID:???
>>217
スタパンのBGMで動画作った人?
220マロン名無しさん:2008/05/19(月) 02:56:02 ID:???
作者20氏、別館氏、>>213乙です

作者20氏、明日も期待してますので、投下よろしくお願いします。

別館氏、毎回更新お疲れ様です。

>>213
これは凄い絵が来ましたね。
美しくて思わず見とれてしまいました。
またの投下を期待してます。
221マロン名無しさん:2008/05/19(月) 03:25:51 ID:???
>「ギャアァッ!グガッガッ!グワッ!ゲヒャアッ!」

何、これ?
ギャグ?糞わろたwwwwwwww
222マロン名無しさん:2008/05/19(月) 08:52:59 ID:???
茶々丸スゲー
223マロン名無しさん:2008/05/19(月) 13:14:54 ID:???
>>221 俺もクソワロタwww
224マロン名無しさん:2008/05/19(月) 15:13:31 ID:???
声に出して3回言ってみよう
225マロン名無しさん:2008/05/19(月) 15:33:57 ID:???
>>224
ギャアァッ!グガッガッ!グワッ!ゲヒャアッ!
ギャアァッ!グガッガッ!グワッ!ゲヒャアッ!
ギャアァッ!グガッガッ!グワッ!ゲヒャアッ!

少なくとも女子中学生の声ではなく狂った獣の声ですね、わかります
226マロン名無しさん:2008/05/19(月) 17:16:37 ID:???
馬鹿にすんな死ね
こんな素晴らしい表現他にねぇよ
227マロン名無しさん:2008/05/19(月) 17:40:56 ID:???
みしゃー
228マロン名無しさん:2008/05/19(月) 19:17:23 ID:???
17部は神
229マロン名無しさん:2008/05/19(月) 19:19:44 ID:???
>>228
それは言いすぎ
230マロン名無しさん:2008/05/19(月) 19:24:33 ID:???
>>228
糞のまつがい
231マロン名無しさん:2008/05/19(月) 19:28:14 ID:???
>>228-230
自演乙
232マロン名無しさん:2008/05/19(月) 19:29:53 ID:???
VIPからの荒らしのようです

http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1211187390/
233マロン名無しさん:2008/05/19(月) 19:31:09 ID:???
228だが自演なんかしねーよ
それに嫌いで自演するなら神と言わず最高とかその程度にする
234マロン名無しさん:2008/05/19(月) 19:51:16 ID:???
>>232
見てきたがスレスレだなw
vipにまで持ち込んで荒らしたいとは厄介な・・・
235マロン名無しさん:2008/05/19(月) 19:55:34 ID:???
>>232
釣りじゃないなら痛すぎ
さすが17部信者
236マロン名無しさん:2008/05/19(月) 20:12:48 ID:???
釣りに決まってるだろ。
いいかげんスルースキルもてよ。
あれだけアンケで1717言ってるやつが居たんだからどうせそいつだろ。
237マロン名無しさん:2008/05/19(月) 20:13:13 ID:???
釣りに決まってるだろ。
いいかげんスルースキルもてよ。
あれだけアンケで1717言ってるやつが居たんだからどうせそいつだろ。
238マロン名無しさん:2008/05/19(月) 20:13:56 ID:???
れんとうスマン
239作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/19(月) 20:16:19 ID:???
えー、21、22日のことですが、ハードな予定となることが確定しました。
夜中帰宅のバタンキューになります故、当初の23日に加えて
21〜23日の間は投下を休みます。
ハア・・・・憂鬱。

では本日の投下を始めます。
240作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/19(月) 20:18:35 ID:???
[36.休息]
明日菜、夕映、千雨(Bチーム)の3人は一緒に行動することになってからゲームに乗っていないクラスメートを探していた。
途中で小さな商店街らしき場所を通った時に、店の中から食料と飲み物を調達した以外は誰かに会えないかと島中を歩き回っていた。
13時と15時に発生した立ち入り禁止エリアを迂回したり、周りに誰かいないか注意深く探りながらの道中なので思うように進んではいない。
「……ちょっと休憩をいれるです」
森を通り抜けたところで、夕映の提案によりしばらく休むことになった。
これまでも若干休息は入れたものの、3時間近く歩きっぱなしなので3人に疲労が出始めていた。
3人は地面に座り込んで体力を回復させる。
明日菜は水の入ったペットボトルを取り出すと、ゴクゴクと美味しそうにのどを鳴らして水を飲んで一息つく。
「プハーッ!……それにしても誰にも会わないわね」
独り言のように明日菜は呟いた。
「行き違いになっているのでしょう。誰かが隠れられそうな建物は一応中を覗いて誰もいないことを確認しています。
今のところ他の生徒も私達と同じように仲間を探しに移動しているか、どこかに隠れたまま過ごしているとは思うです」
夕映も水を飲みながら自分の考えを口にする。
「それほど大きい島ではないが30人の生徒達だけで動くには広い範囲だ。こういうのは運もあるから焦らずに探せばいつか会えるはずさ」
一口だけ水を飲んだ後、ペットボトルをデイパックに再びしまい込みながら千雨が言った。
「そうでしょうね」
息を整えるために3人はしばらく無言になる。
241作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/19(月) 20:20:27 ID:???
浮かない表情をしながら夕映が口を開いた。
「……なんだか私たちは完全に主催者の掌の上で踊らされている気がしてならないです」
「まあ……実際そうなんだろうな」
「どういう意味?」
夕映の言葉に興味を持った明日菜が聞き返す。
「主催者の指示の通りに動くことはありましたが、私たちは自分達の意思で行動を選択してきたはずなのです。
しかし、今のところ主催者の望むとおりにゲームが進行しているようです」
「そういうことか……。確かにそうよね」
納得したとばかりに明日菜は頷く。
「はいです。私達は主催者の思うままに動かされているです。
今回のゲームの開始に至るまでの経緯ですが、最初はクラスの半数が一緒に集まらせたのにも係らず主催者は巧妙にゲームのルールが伝えられた時点で3−Aの生徒達がバラバラに別れるように仕組んでいます。
まず、ゲームに必要な荷物を手に入れることを名目として自然な形で単独行動になるように誘導させました。
それも最初は一人ではなく3人組で行動させ、次に1人で行動を取らせるようにしているです。
段階を経て行動する人数を減らすことで、いきなり別行動をとる不安感をあまり感じさせないようにしています」
千雨と明日菜は夕映の話をじっと聞き入っていた。
「そして、もう一つ重要な点ですが、クラスの半数が集まった時に1人のクラスメートが何者かに殺されている状況を作り出しています。
それも集まった生徒の誰かが殺した可能性が高い状況でです。
あの時から私達はチームメイトに対して疑いの心を植え付けられていたです。
そのため、荷物を手に入れるために別れた後で再びチーム全員が集まろうという意思を最初の段階で無意識のうちに除外させていました」
「まあ……そうだろうな」
千雨も同じチームのメンバーを疑っていたので夕映の言いたいことは良くわかった。
242作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/19(月) 20:22:56 ID:???
夕映は話を続ける。
「他の3人組が実際にどのような行動を取ったのかは今のところ分かりません。
私とアスナさんのように待ち合わせをしている生徒もいれば、千雨さんのように単独行動を取っていた生徒もいるでしょう。
いずれにしてもゲームのルールが伝えられた時、クラスメートは少人数単位で島の中でバラバラに別れていると思われます。
これはクラスを2つのチームに分けて殺し合いをさせようとする主催者側としては好都合な状況を作り出しています」
「……確かにそうだな」
千雨が夕映に同意する。
「え、それってどういうこと?」
意味が分からなかった明日菜が尋ねる。
「最初から大勢の生徒が集まっていた状態で殺し合いのルールが伝えられれば元々3−Aの生徒同士は仲の良いクラスです。
殺し合いなどしようとせずに全員で協力して島から脱出しようと行動するはずなのです。
それがクラスの生徒がバラバラになった状態で殺し合いをしろと言われた場合、たった一人で取り残された状態で他の生徒がどのような行動を取るか全く分からないです。
そのために互いに疑心暗鬼に陥り易く、殺し合いに乗る生徒が出る確率は高くなります」
「へー」
夕映の説明を受けて明日菜はようやく理解できた。
「それはそうと、双子とか運動部とかチアの連中とかクラスの中でも仲の良いグループがAとBに分けられているのも気になるな。
意図的に分けている気がするんだよ。普通なら出席番号の偶数と奇数とかで分けるはずなんだ。
仲の良いもの同士が集まり難いように仕組まれているところを見ても、クラスのことを多少は知っている奴が主催者にいるとしか思えねえ」
千雨が率直な疑問を口にする。
243作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/19(月) 20:25:02 ID:???
「私達がこのようなゲームをさせられている時点でその可能性は充分にあるでしょうね。
もちろん偶然の可能性も否定できませんが……」
そう言って夕映と千雨が2人して腕を組んで考え込んでしまった。
しかし、いくら考えても結論は出でこなかった。

「ねえ、これからの行動なんだけど……クラスメートの探索を続行するでいいわけだよね?」
話が一段落したので、明日菜が今後の方針を確認する。
「現状を打開するにはそれしかねーな」
千雨が頷きながら明日菜に同意した。
「ところで夜はどうするの?どっか泊まれるところを探すのか、野宿するのか決めないといけないんじゃない?」
そろそろ日が傾き始めてきたので、明日菜は夜の行動が気になっていた。
「室内だと外敵から隠れることができると共に一時的に身を守れます。
その反面外部から奇襲をかけられると察知しにくく敵に侵入された場合には脱出が困難になります。
野宿の場合は外部から攻撃を受けやすく守りにくい反面、外敵の察知や脱出は室内より容易になります。
どちらも一長一短ですね。どちらを選ぶにせよ、交代で見張りを立てた方が良いと思うです」
「どこで一夜を明かすのかは今後の状況次第だが、この際野宿でも何でもかまわねーよ。室内でも外でも一応見張りを交替でやるぞ」
「それが懸命ですね」
一夜を過ごす場所はこの後の状況に任せるとして、見張りを交代で立てるということで話がまとまった。
「それじゃあ、私は朝早いのは慣れているから見張りは最後が良いな」
「朝が早いってのは結構なことだね。私は逆に夜の方が強いから見張りは最初がいい」
明日菜と千雨がいち早く自分の希望の順番を取っていく。
「と言うことは、私は真ん中ですか?」
「そうなるな。途中で叩き起こすけど悪く思うなよ」
244作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/19(月) 20:26:25 ID:???
「……何か納得がいかないです」
不満そうな顔をする夕映。
「こーゆーのは先に言ったもん勝ちなんだよ」
「そーゆーこと」
2対1になってしまっために夕映は貧乏くじを引いてしまうことになってしまった。
3人の顔に笑顔が浮かぶ。
殺し合いのゲームの最中ではあるが、この時だけ3人の間の空気が和んだ。

――向かい風がさあっと3人の間を吹き抜ける。
森の木々が風に揺れて枝が擦れ合う音が聞こえてきた。
話し合いに気を取られていた3人は気付かなかった。森の中から音を立てずに現れた人影が、3人に気付かれないように近寄っていることを……。
「動かないで!」
3人に向かって叫ばれた大きな声が、和やかな雰囲気を一瞬で吹き飛ばした。

【Aチーム:残り11人】
【Bチーム:残り12人】
245マロン名無しさん:2008/05/19(月) 20:27:52 ID:???
おおwリアル遭遇w乙でした。
246作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/19(月) 20:29:08 ID:???
[37.窮鼠猫を噛む]
「動かないで!」
地べたに座って休憩を取っていた明日菜、夕映、千雨(Bチーム)の3人に銃口を向けたまま、S&W M10を握り締めた早乙女ハルナ(Aチーム)が姿を現した。
「ハルナ!無事だったのですね」
立ち上がった夕映はハルナを見て嬉しそうに近寄ろうとする。
「来ないで!撃つわよ!!」
銃口を夕映に向け、厳しい顔をしてハルナが夕映に警告する。
「ハ、ハルナ……一体どうしたのです?」
いつもと違う親友の様子に驚きながら、夕映は立ち止まる。
明日菜と千雨も立ち上がり、一定の距離をとったまま様子を見ていた。
「3人とも両手を上に挙げなさい」
切羽詰ったハルナの様子から冗談ではないことを悟った千雨はおとなしく両手を挙げる。
明日菜と夕映は未だハルナの言動が信じられずに躊躇していた。
「両手を上に挙げなさいと言ったでしょ!」
急かすハルナの声で明日菜と夕映もゆっくりと両手を挙げた。
「ハルナ、どうしたんですか?いつもの貴方ではないです」
両手を上に挙げたまま。再び夕映がハルナに疑問をぶつけた。
「何を言ってんのよ、ゆえ。今は殺し合いの最中よ!私とゆえ達は敵同士……私はアンタ達に殺されはしないわ!」
3人の真ん中に立っていた夕映に銃口を向けたまま、ハルナは厳しい口調で答える。
「だったら誤解です。私達は殺し合いには乗っていません。むしろここから脱出するために……」
「動かないでって言ってるでしょ!」
再びハルナの声が夕映を牽制する。
「ねえ、木乃香や本屋ちゃんたちはどうしたの?パルと同じチームなんでしょ」
少しでもハルナを落ち着けることが出来ればと思って明日菜がハルナに尋ねた。
「知らないわよ。アイテムを探すために別れてからそれっきり。一応2人を探しては見たものの見つからなかったわ」
はき捨てるようにハルナは説明する。
247マロン名無しさん:2008/05/19(月) 20:30:25 ID:???
私怨
248作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/19(月) 20:31:47 ID:???
「それよりも、3人とも持っている武器をこっちに寄越しなさい。それと『犯人』について知ってることや考えがあるなら全部教えなさいよ。
そうすれば命までは取らないわ。……友達だからね」
ハルナは銃を構えたまま厳しい表情で言い放った。
(ちっ!マズいことになった)
千雨は心の中で舌を打った。
捜索を始めて最初に出会った生徒が一緒に行動している夕映の親友のハルナ。
敵チームの上にゲームに乗っているというのはタチが悪い。
問答無用で攻撃して来ないのは良かったが、こうして脅しをかけられた状態ではかえって動きにくくなっていた。
銃を突きつけられているとはいえ、ハルナの関心は主に夕映に集中している。
千雨のほうにはあまり注意を払っていなかった。
夕映や明日菜の動揺の方が大きかったこともあり、この状況下でも千雨は比較的冷静でいられることが出来た。
千雨はジッとハルナを観察する。
千雨の見立てではハルナはゲームに乗ったようだが積極的に人を殺す覚悟はできていない。
銃を突きつけて相手を脅して武器を奪い取り、自分が生き残るための情報を得ていく……。
自分の手を汚すのは嫌なようである。その気持ちは分からないでもなかった。
ハルナの手元を良く見ると握り締めているリボルバー式の拳銃は撃鉄が上がっていない。すぐに撃つ気はないという証拠だ。
とは言ってもハルナの気が変わって殺す気になる可能性は大きいので千雨も不用意に動くことはできない。
「ぐずぐずしないで早くしなさい!全員のデイパックを下に置きなさいよ!」
ハルナが急かしてくる。
249作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/19(月) 20:35:22 ID:???
とにかくこの状況を何とか打開しようと思い、千雨は考を巡らせた。
このまま彼女に武器を渡し、自分達の持っている情報を与えればこの場は逃れることが出来るかもしれないが、それは危険を先送りにしているだけである。
そんなことをしては、ハルナから開放された後の自分達が危険に晒される結果となる。
ハルナの気が変わって全てを奪った後に殺される可能性も残っている。
夕映の方を見ると肩からデイパックを下ろし始めていた。ハルナの指示に従う気らしい。明日菜も夕映の行動に習っている。
(マズイな……)
このままではハルナの望み通りになる。千雨としてはそれだけは避けたかった。
千雨は頭の中をフル回転させて状況を打開できないか考えた。そして、命がけになるが一つだけ千雨の中で策が思い浮かんだ。
(ちくしょう、一か八かやってみるしかねえか!)
ゴクリと唾を飲み込み、覚悟を決めた千雨は2人の前に歩み出た。
「どういう気よ千雨ちゃん、殺されたいの?」
前に出てきた千雨にハルナは銃をぐっと前に突き出した。
「フン、そんな距離じゃ当たららねえよ。銃の反動ってのは結構大きいんだ。
初めて銃を撃つ奴は引き金を引く時に受ける銃の反動で狙いは外れる。まともに狙い通りに当ることはないね」
わざと挑発するように言い放った。
「……知った風な口をきくじゃない?銃を撃ったこともないはずのアンタに何が分かるのよ?」
ハルナが挑発に乗ってくる。
「知識って言うもんがあるだろ?知り合いに銃器に詳しい奴が居るんでね。アンタよりは詳しいはずさ。
どうせアンタも銃を撃つのは初めてだろ?断言しても良いが、その距離で撃っても私たちには当たらねえよ」
250作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/19(月) 20:36:50 ID:???
度重なる千雨の挑発にハルナの頬がヒクついた。
「へーえ、言うじゃないの。そうは言ってもあんたの近くに寄れば嫌でも命中率は上がるもんよ?
この距離でも同じことが言えるっていうの?」
両手に握った銃を前に突き出したまま、2、3歩ハルナが前に出て千雨の目の前に立った。
その瞬間、千雨の腕が前に延びた。
ハルナの持っていた銃の銃身をガッシリと掴む。
「な、何すんのよ、放しなさい!」
千雨の手を外そうとハルナは銃を引張るが、千雨は掴んだ銃を放さない。
「撃つわよ!」
銃身を掴まれたまま、ハルナは銃口を千雨に向けて撃鉄に指をかける。
「!?」
力を入れても撃鉄が動かない。
ハルナに顔に驚愕の表情が浮かんだ。
「な、何でよ?何で撃てないの?」
銃を千雨に奪われないように引っ張りながら、なおも撃鉄を起こそうとする指に力を込めるが動かない。
「こうなったらもう撃てねーよ」
不敵な笑みを浮かべて千雨が口を開いた。
「知らなかったのか?リボルバー式の拳銃は撃鉄が起き上がってないときに弾倉を回転しないように押さえ込んでしまうと、撃鉄は上がらねーんだよ。この状態では銃は撃てねえ」
「そんなの知らないわよっ!」
ハルナは大声で反論する。
これは千雨が以前自分のホームページのチャットで仕入れた知識だ。
チャットの相手は武器オタクで、頼みもしないのに自分の知識をひけらかすウザい奴だったが人生何が役に立つのか分からないものである。
251作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/19(月) 20:38:54 ID:???
ハルナは千雨に銃を奪われないように引っ張るが千雨も銃を放さない。
千雨は力を込めて銃を捻りながら横に倒し込む。
トリガーに指をかけていたハルナは銃と一緒に指まで捻られてしまい、指の痛みに耐えられずに思わず銃から手を放してしまった。
さらに、持っていた銃を捻られた勢いで頭の方から地面に転がった。
「……痛ったあ」
地面に打ち付けられたハルナは、痛む頭をさすりながらすぐに立ち上がろうとする。
そのハルナの目の前に銃口が現れた。
千雨がハルナから奪った銃を構えている。
撃鉄はしっかりと起こされており、銃口はピタリとハルナの顔に狙いをつけてあった。
「動くな!」
千雨の声でハルナは立場が逆転したことを悟った。

【Aチーム:残り11人】
【Bチーム:残り12人】
252作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/19(月) 20:39:50 ID:???
本日はここまでです。
明日の投下でキリの良いところで休みになると思います。
253マロン名無しさん:2008/05/19(月) 20:40:31 ID:???
おっつー。
今後の展開が気になるところ。
254マロン名無しさん:2008/05/19(月) 20:48:53 ID:???
乙です。
255マロン名無しさん:2008/05/19(月) 21:04:34 ID:???
結局いつからいつまで空くんだ?
もし空くなら短編作ろうと思うんだが
256マロン名無しさん:2008/05/19(月) 21:08:36 ID:???
>>255
21〜23まであけるってかいてるじゃん。
257マロン名無しさん:2008/05/19(月) 21:09:08 ID:???
>>256
ごめん
読み飛ばしてた
258マロン名無しさん:2008/05/19(月) 21:10:29 ID:???
さすがにこの短期間じゃ傾向分析書き上げるの無理っすか?
259マロン名無しさん:2008/05/19(月) 21:13:16 ID:???
俺さ思ったんだけど千雨ってバトロワに巻き込まれたら一番最初に自分の部屋のHD心配すると思うんだが
260マロン名無しさん:2008/05/19(月) 21:32:09 ID:???
千雨が夜型なら最初にゆえを見張らせて千雨が2番目(深夜)に見張りするのが1番合ってるんじゃね?
261マロン名無しさん:2008/05/19(月) 22:01:12 ID:???
こまけーんだよ黙って乙といってろ
262マロン名無しさん:2008/05/20(火) 00:13:18 ID:???
誠に勝手ながら短パンマンを滅させていただく
263マロン名無しさん:2008/05/20(火) 00:25:36 ID:???
>>261
別にこんくらい構わねーだろ
お前のがいちいちうっせーよカス
264ムービー製作者:2008/05/20(火) 00:47:17 ID:???
21部のネタが多かったのでそこだけをまとめてムービー化。
前のムービーの流用なので、最後付近はあまり変わってません。

ttp://www15.axfc.net/uploader/14/so/Si_12781.wmv
Pass:21

21部以外を集めたムービーも作成予定。
265マロン名無しさん:2008/05/20(火) 01:07:18 ID:???
>>264
おぉ!GJ!
21部は良い絵多いな
なんで21氏は絵上手いのに20氏みたいに自分で自分の作品の挿し絵描かなかったんだろ
266マロン名無しさん:2008/05/20(火) 01:11:41 ID:???
作者20氏、ムービー制作者氏、乙です
後今更ですが昨日の茶々丸の絵の人も凄い良かったです
267マロン名無しさん:2008/05/20(火) 01:33:37 ID:???
自分のPCがストリーミング酷くこの動画25MBしかないのにDLするのに2時間以上かかる・・・
つべかニコにあげてくれたら助かるけどムリっすよね…
来週別館が更新されるまで待つかorz

>>265
S氏は某所で活動してるの知ってるが21氏もどっかにいるのか?全く知らんかった
268マロン名無しさん:2008/05/20(火) 02:14:02 ID:???
>>267
俺は21氏と飴玉氏は知ってるがS氏は知らんな
21氏は某所でもこのスレでも21部終わった日から一切ネット繋いでなくてそろそろ復活するんだよな?
んで飴玉氏は先週からPC修理中と。
俺も某所でROMしてるだけだから詳しくは知らんが・・・
269マロン名無しさん:2008/05/20(火) 02:56:45 ID:???
両方知ってる俺は勝ち組
まぁS氏の方はあの書き込みがなかったら探し当てれなかったが
どっちにしても3人とも最高に絵上手いし好きだな

伊吹氏は他所で活動してたり住人だったりとかないのかな?
270マロン名無しさん:2008/05/20(火) 04:58:48 ID:???
>>264
乙です
いろんな名シーン思い出せたよ
271マロン名無しさん:2008/05/20(火) 10:37:35 ID:???
絵師はわからないけど
某ロワでリレーのロワは初めてって書き手がいたな
2ちゃんでリレーじゃないロワって
ここだけだったよね。
272マロン名無しさん:2008/05/20(火) 17:27:47 ID:???
明後日にむけて短編作ってる人いる?
273マロン名無しさん:2008/05/20(火) 18:25:01 ID:???
おっぱいロワイアル作ってるよ
274マロン名無しさん:2008/05/20(火) 18:34:36 ID:???
じゃぁゆえゆえは参加出来ませんね
275マロン名無しさん:2008/05/20(火) 19:16:24 ID:???
test
276作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/20(火) 20:13:31 ID:???
昨日は速攻投下だけしてパソコン閉じたので、ちょっと遅くなりましたが・・・

>別館氏
毎週の更新乙です。別館氏のコメントを見たいがために、いつかまた
絵を投下します。最近は絵をかく時間が取れなくてorz

>>213
今日開いてみてびっくりしました。素晴しい絵GJです!
茶々丸は色々ある予定なので・・・・

>ムービー製作者氏
前のも良かったけど、こっちの方が好きです。
選曲も良いですよね。

それでは本日の投下を始めます。
277作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/20(火) 20:16:40 ID:???
[38.情報入手]
「動くな!」
千雨(Bチーム)は銃口をハルナ(Aチーム)に向けて厳しい口調で言い放った。
ハルナは観念してその言葉に従った。
油断しないように銃を構えた千雨が、ハルナから視線を外さずに口を開く。
「あんたに幾つか聞きたいことがある」
「な、なによ!ゲームが始まって出会ったのはあんた達が初めてだし、犯人のことなんか知らないわよ。ていうか私の方が教えて欲しいくらいだわ!」
千雨の問いに強がって答えるハルナ。
「そんなことは聞かねえよ。質問は3つだけだ。
ひとつ、Aチームでゲーム開始時に最初に殺されていた生徒は誰だ?
ふたつ、最初にAチームが集まった場所はどこだ?
みっつ、お前らが最初にケータイから集合のメッセージを受けた時間は何時だ?
……Aチームのあんたなら簡単に答えられる質問だろ?」
その千雨の質問にハルナは眉をひそめた。
ハルナにとってあまり重要とは思えない質問だった。確かに基本的な内容だが犯人を見つけるのに決定的な情報になるわけではない。
千雨の質問の意図が分からずにハルナは不審に思ったが、重要とは思わない情報なので素直に答えることにした。
「最初に殺されたのはハカセ。私達が集まったのは島の北側、地図で言うとC−8とC−9の境目辺りよ。
ケータイから集合のメッセージがあったのは今朝の10時頃だった。これでいいの?」
「ああ、充分だ」
満足そうに千雨は頷いた。
千雨はハルナから銃の狙いを外さないまま後ろに下がってハルナから距離を取った。
「もう、こっちにはあんたに用はねえ。私達は殺し合いに乗る気はないからアンタを殺すようなことはしねえよ。
今すぐここから立ち去れ!」
「ちょ、ちょっと待ってよ千雨ちゃん」
278作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/20(火) 20:18:33 ID:???
一部始終を呆然としてただ見ていただけの明日菜だが、ハルナを追い払おうとする千雨の言葉を聞いて慌ててそれを止めた。
「何だよ?」
「なにもパルを追い払うことはないんじゃない?私達はクラスの全員が脱出する方法を探すために動いているのだから敵チームでも一緒に行動しても問題ないはずよね?
だったらパルも一緒に連れて行っても良いんじゃないの?」
「ハン!甘いぜ神楽坂」
明日菜の提案を千雨が鼻で笑った。
「確かにここからの脱出を一番の目的とする私達は殺し合うべき敵同士とはいえAチームの生徒と手を組んでも一応問題はねえよ。
場合によっては組まなくてはいけない状況だってあり得るだろう。だが早乙女はダメだ、信用できない!
最初から銃口を向けて威嚇して来たような奴とは絶対に組めねえ」
「で、でも……」
なおも食い下がろうとする明日菜。
それをチラリと見た千雨は、大きくため息をついて再び口を開く。
「わかったよ。お前等にとっては仲の良い友人だからな。お前等の気持ちも分からない訳じゃない。
それに、お前等が早乙女と組むのを止める権利は私にはねえ。一緒に行動したけりゃ勝手にすれば良いぜ。
……だが私は早乙女とは一緒に行動したくねえ。お前等が早乙女と組むのなら私はここでお別れだ。好きな方を選んでくれ」
「なっ、千雨ちゃん!そんな……」
決別も辞さない千雨の宣言に明日菜は言葉を失った。
いきなりハルナ選ぶか千雨を選ぶかの二者択一の選択に迫られる。
「ど……どうしよう夕映ちゃん?」
予想外の展開に困り果てた明日菜は、助けを求めるかのように夕映の方を振り向いた。
ハルナと千雨の戦いから一言も発していなかった夕映は下を向いている。
夕映は拳をギュッと握り締め、何かを決心したように顔を上げた。
厳しい表情をしたまま、ゆっくりとハルナの元に近づいてゆく。
279作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/20(火) 20:20:26 ID:???
地面に座り込んでいたハルナの目の前で立ち止まると、夕映は口を開いた。
「ハルナ……私たちの目の前から消えてください」
「夕映ちゃん!?」
明日菜は驚きの声を上げる。
「千雨さんの言われる通りです。最初から銃口を向けてきた人間は……信用することが出来ません」
言いにくそうに夕映は説明する。
決意を込めた夕映の言葉に明日菜はそれ以上何も言えなかった。明日菜は諦めたようにうなだれる。
「いいのか?」
念を押すように夕映に確認する千雨。
「……はい」
夕映はコクリと頷いた。それを見て千雨がハルナの方を向く。
「そういうことだ。早乙女、今すぐここから消えろ」
千雨がハルナを追い立てるように促した。
ハルナはゆっくりと立ち上がるが、行こうかどうか躊躇する。
「失せろっ!」
大声で叫ぶ千雨の声にハルナは一瞬ビクッとするが、背中を向けると勢いよく走り出した。
そして、こちらの方を振り返ることなくハルナは木々の間に消えていった。

大きく息を吐き、銃を下ろして撃鉄を戻した千雨は明日菜と夕映の方を振り向いた。
「つらい判断をさせて悪かった」
短い言葉で夕映に詫びの言葉をかける。
「……いいえ、千雨さんの判断は正しいです。……気にしないで下さい」
元気のない声で夕映は答えた。
何となく気まずい空気となり、3人の間に沈黙が流れる。
280作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/20(火) 20:23:06 ID:???
この空気に居たたまれなくなった明日菜が口を開く。
「ね、ねえ千雨ちゃん、ちょっと聞きたいんだけどさあ、さっきパルに質問した内容はどういう意味?」
明日菜は千雨がハルナに確認した内容の意図が今ひとつ良く分からなかった。
「ん?犯人探しのための確認だよ。正午の定時連絡のときにAチームでは柿崎と葉加瀬の2人が死んでいた。
一番最初に伝えられたゲームのルールでは各チームで殺されたのは一人だけのはずだった。
これでゲーム開始時にはマグダウェルと葉加瀬の2人が最初に殺されていたことが分かったという訳さ。
まあ犯人の特定に関係ある情報かどうか分からないが基本的な確認事項だ。
他の質問はAB両チームが同時に開始されたかどうか、両チームの集まった場所が近いかどうかの確認だ」
「犯人の人数の確認ですね?時間差で開始されていたり、開始地点が近いという可能性を潰すことが出来たというわけですね?」
「そうだ」
夕映の確認の言葉に千雨が頷いた。
「え?良くわからない。どーゆーこと?」
「AチームとBチームで集合時間が違っていたり両チームの集合場所が近い場所だった場合、一人の人間でもAB両チームの中の生徒を殺害することが可能となる。
早乙女からの情報では集合時間は同じ時間だし、島の南側で集合したBチームと島の北側に集合したAチームとは距離がかなり離れていることが判明した。
これで一人の人間がマグダウェルと葉加瀬の両方を殺した可能性は消えたと考えて良いだろう」
「そうです。つまりAチームとBチームの両方で犯人が少なくとも1人は居る可能性が高いということになりました」
「ああ。まだ断定はできないが一人の生徒を複数の生徒が殺したとは考えにくいから、前に綾瀬が言ったAチームに一人、Bチームに一人犯人がいる可能性が濃厚になった」
「はあ……なるほどね!」
千雨と夕映の説明を受けて、ようやく理解できて明日菜はウンウンと頷いた。
281作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/20(火) 20:24:55 ID:???
「ですが、これで両チームの基本的な状況が分かったに過ぎません。それに犯人探しは最終手段であり、脱出するための方法を早く見つけなくてはいけません」
「ああ。そのためには脱出手段の当てを持つ生徒と出会わなければならない」
夕映と千雨の間で改めてこれからの方針を確認した。
話が終わったようなので、明日菜が2人に声をかける。
「そろそろ行こっか?」
「……ちょっと待ってくれ」
行こうとする明日菜を千雨が止める。
「2人とも武器はいつでも取り出せるようにしておけ。そして見通しの悪い場所では武器を持って動く。
今回の反省点だ。ゲームに乗った敵に遭遇したとしても、こちらも武器で応じることができば今回のような危険な状態に陥ることはなかったかもしれない」
「牽制も必要ということですね」
明日菜と夕映は頷くと、それぞれが取り出し易い場所に武器を仕舞った。
準備が完了すると、3人は無言のまま再び歩き出した。

【Aチーム:残り11人】
【Bチーム:残り12人】
282作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/20(火) 20:28:08 ID:???
[39.逃亡]
親友の夕映(Bチーム)と決別したハルナ(Aチーム)は、ただ闇雲に走っていた。
どれくらい走り続けていたのか分からなくなったが、息を切らしてハルナは立ち止まる。
地面に膝を突いて休むと同時に乱れた息を整えた。
「ハア、ハア、ハア………フ、フン!さっきは失敗しちゃったけど、次は絶対に失敗しないわ!」
自分に言い聞かせるように強がりを口にした。
ハルナはゲームのルールが伝えられたとき、途中まで一緒に居たのどかや木乃香をすぐに探し回ったが2人には出会えなかった。
たった一人で長い時間過ごしていると次第に死への恐怖心がこみ上げてくる。
最初に殺された葉加瀬聡美の姿が脳裏に浮かび、自分もいずれそのような姿になるかもしれないと思うとハルナは背筋が冷たくなる。
(死にたくない!)
ハルナは心底そう思った。
ゲームのルールではAチームのハルナはBチームが全滅すれば生き残ることができる。
さんざん迷いながらもハルナは決断を下していた。ゲームに乗るということを。
支給武器がS&W M10であったのもゲームに乗る決意をするための後押しとなった。
Bチームのメンバーは強敵が多いが、銃を持っていれば対等以上に戦える。
ハルナは敵チームと出会った場合は迷わず銃の引き金を引くつもりであった。
しかし運命の悪戯なのか、ハルナが最初に出会った敵チームの中には親友の夕映の姿があった。
敵チームの生徒を殺す覚悟は出来ているつもりだった。だが夕映の姿を見た途端、ハルナの覚悟が揺らいだ。親友を殺すことに躊躇したのだ。
仕方ないので彼女達を脅して武器と情報を手に入れようと思った。

今思うと夕映と出会って殺すことを躊躇した時点で全ての歯車が狂ってしまった。
ハルナの企みは千雨の手によって完全に阻止された。
さらに悪いことに自分の武器を千雨に奪われて、丸腰のまま追い払われてしまうという結果である。
ハルナは千雨の挑発に乗ってしまった自分の迂闊さを呪った。
283作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/20(火) 20:31:14 ID:???
しかし、武器は奪われたものの殺されずに開放されたのは幸運なことであった。
ハルナとしても敵同士である夕映達と一緒に行動する気にはなれなかったので追い払われても問題はない。
「私を殺さずに生かしておいたこと……こ、後悔させてあげるわ!」
声を出して復讐を誓う。強がってはみたものの、その声は震えている。
「まったく、夕映もバカよねー。さ、先に裏切ったのは私なのに、私とわ……別れるのにっ散々……悩んでっ……」
堪えていたものが我慢できなくなり、ハルナの両目に涙が滲んだ。そして次から次へと涙が頬を伝って流れ落ちていく。
言葉を詰まらせたハルナは両手で顔を覆うと嗚咽を漏らした。
全ては自分のまいた種。親友である夕映に銃を向けたのはハルナ自身。
後悔はしないつもりだった。
しかし、夕映の決別の言葉はハルナの胸に深く突き刺さっていた。
「ヒック……全て……私のせいだから……もう……戻れないよ……」
制服の袖で涙を拭う。だが再び涙が溢れ出し、ハルナの視界がぼやける。

――ガサッ!

いきなりハルナの耳に地面を踏み鳴らす足音が聞こえる。
「だ、誰っ!?」
ハルナは慌ててその音に反応する。
誰かが近くに居るのかと思い、すぐに立ち上がれるような姿勢をとって音のする方向に目を向けた。
その瞬間、ハルナの胸元に鈍い衝撃が貫いた。
「ガハッ!な……何?」
自分に何が起こったのか理解できないでいたハルナだが、湧き上がる激しい胸の痛みに自分が撃たれたことを知った。
視界がまだ涙で滲んでまえが良く見えない。
急いで涙を拭うと、自分に近づいてくる生徒の姿を確認する。
284マロン名無しさん:2008/05/20(火) 20:33:12 ID:???
支援
ハルナの強がりにちょいとグッときた
285作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/20(火) 20:33:41 ID:???
龍宮真名(Bチーム)がハルナに向けてベレッタM92を構えた姿が目に入った。
「龍……宮……さん?」
無言のまま、真名は引き金を引いた。
再び真名の銃が咆哮を上げ、ハルナの脳天に風穴を開ける。
(ごめん、ごめんね……夕映……)
親友に対して言えなかった言葉を心に浮かべながら、ハルナの意識が強制的に遮断された。
弾丸を受けた勢いでハルナの体が後ろ向きに倒れた。
その状態でハルナは動かなくなる。

煙の立ち込める銃を握り締めたまま、真名は倒れているハルナの元まで近づくとハルナの持ち物を探る。
「……武器は持っていないのか?ハズレのようだな」
そう呟いた真名はハルナが背負っていたデイパックの中から残っている水と食料を奪い、自分のデイパックに中に入れた。
「まだ10人以上は残っているのか……先は長いな」
ため息をつきながら感想を述べる。
立ち上がった真名は一度だけ倒れたハルナをじっと見下ろした。
「……自分が生き残るためとは言え、クラスメートを殺すのは気分の良いものではないな」
小さな声で呟いた。
そしてすぐに興味を失ったかのように周りを見渡し、その場から立ち去っていった。

【出席番号14 早乙女ハルナ 死亡】
【Aチーム:残り10人】
【Bチーム:残り12人】
286作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/20(火) 20:35:11 ID:???
本日はここまでです。

昨日も言いましたとおり明日より3日間(21日〜23日)投下は
お休みさせていただきます。
ではまた週末にお会いしましょう。
287マロン名無しさん:2008/05/20(火) 20:35:58 ID:???
おっつー。
四日後を楽しみにしてます。
288マロン名無しさん:2008/05/20(火) 20:36:53 ID:???

ハルナが凄く人間らしくて良いと思った
こういう役似合うよなぁ
289マロン名無しさん:2008/05/20(火) 22:17:54 ID:???
パルが後でピンチになったゆえや千雨を助けて死ぬって展開だったら最高だったが以外とあっさり死んだな
たつみーめ
290マロン名無しさん:2008/05/20(火) 22:31:05 ID:???


>>289
ストーリー的には確かにそれは感動する。
だが現実的だといえばこれが現実的だな。
291マロン名無しさん:2008/05/20(火) 22:40:59 ID:???
俺も読んでて>289と全く同じ事思ってた
ま、この辺は作者の力量がないと話繋げんの難しいし仕方ないよ

てか作者20氏は千雨好きだなww
292マロン名無しさん:2008/05/20(火) 23:10:24 ID:???
>>289はともかく>>291はただの嫌味にしかみえん
293マロン名無しさん:2008/05/20(火) 23:42:10 ID:???
>>292>>261だな
294マロン名無しさん:2008/05/21(水) 00:10:39 ID:???
たつみーがもう一人の犯人?いや、自主的に殺してるとしたら、早計か
295マロン名無しさん:2008/05/21(水) 00:15:53 ID:???
文章的に真名は犯人じゃないだろ
そして文章的に超が犯人だろ
296マロン名無しさん:2008/05/21(水) 00:34:49 ID:???
乙です
297マロン名無しさん:2008/05/21(水) 00:46:49 ID:???
今までの重い展開からいきなり感動狙いに走るよりは、今回のような生々しい展開の方が好きだ
つまりは作者20氏GJってこった
298マロン名無しさん:2008/05/21(水) 02:10:11 ID:???
やっぱ感動話もないと作品としては物足りないから生々しいのが好きな俺もある程度は感動話いれて欲しい
だからハルナが夕映達助けて死ぬって展開のが良かったかな
まっ別のキャラで感動話あるかもしれないしとりあえず乙と言っておく
299マロン名無しさん:2008/05/21(水) 06:23:21 ID:???
展開に文句いっても仕方なくね?
つーかそれ指摘じゃなくて要望だと思うんだけど…。
300マロン名無しさん:2008/05/21(水) 09:41:33 ID:???
防弾チョッキきてる人って刺殺できる?
301マロン名無しさん:2008/05/21(水) 10:06:53 ID:???
>>1のテンプレに書いてあるとおりにしようぜ
><注意事項>
>作品に対して内容にケチをつけたり、一方的な批判をするのはやめましょう。
>こういう人が居ても、他の人は荒らしとみなしてスルーしましょう。
>作者の都合もありますので、早くしろなどの催促はできるだけしないように。

>>300
防弾チョッキは全身スーツじゃないので生身の部分刺されれば当然死ぬ。
302マロン名無しさん:2008/05/21(水) 10:11:39 ID:???
>>301
じゃあやっぱりチョッキの部分は刺せないよね、へへ
303マロン名無しさん:2008/05/21(水) 13:44:18 ID:???
〜カモの契約計画〜

ネギ「今からバトルエロワイアルを開始したいとおもいま〜す!」
あすな「ネギ最低!」
このか「ネギくんもそういうのに興味あるお年頃なんやなぁ」
あやか「まぁネギ先生・・・・」
ネギ「ルールは簡単。僕が皆さんのおっぱいをもみもみしゃぶしゃぶしていきます。一人ずつタイムをはかっていって、一番お乳首が立ったのが早かった人が優勝者で〜す☆」
まき絵「優勝者はどうなるの?」
ネギ「僕、感じやすい人が好きなんですよwwwフヒヒwwww」
カモ(計画通り・・・・!)
千雨「本気か!??私は帰るぞ」
ネギ「おっと勝手な行動はしないでください。今朝皆さんの体内にある特殊なチップを仕掛けておいたんです。処女・・・奪われたいんですか?」
千雨「・・・・・・!」

ネギ「ではではまずは相坂さんから。フヒヒヒwwちなみに相坂さんの設定は17部の設定使わせてもらってますからねwwww人形じゃないですからwwww」
さよ「うえ〜ん////」
304マロン名無しさん:2008/05/21(水) 13:56:53 ID:???
美砂「私、処女じゃないから帰っても平気よ。帰らないけどねb」
305マロン名無しさん:2008/05/21(水) 14:04:38 ID:???
>>303-304wwww続きかけww
306マロン名無しさん:2008/05/21(水) 18:01:39 ID:???
やっぱり美砂が最強ですね。
307マロン名無しさん:2008/05/21(水) 20:55:22 ID:???
変態スレでやれwww
308マロン名無しさん:2008/05/21(水) 22:44:14 ID:???
誰も何も投下しないな・・・
309マロン名無しさん:2008/05/21(水) 22:52:49 ID:???
兵士視点の短編は需要ありますか?
310マロン名無しさん:2008/05/21(水) 22:59:08 ID:???
他に投下する人いないんで是非しちゃって下さい
311マロン名無しさん:2008/05/21(水) 22:59:24 ID:???
需要なんて気にしたら負け
312マロン名無しさん:2008/05/21(水) 23:03:55 ID:???
では投下させていただきます。
なにぶん初めてですので、かなりかなり見苦しい点やレベルの低い点があると思います。
あとこれは兵士中心ですので、3Aの面々は一部しか登場せず、又登場場面も少ないです。
気に入らなかったらどうぞスルーして下さい。
ではどうぞ
313マロン名無しさん:2008/05/21(水) 23:08:52 ID:???
1兵士から見たバトルロワイヤル その1


俺は今、孤島にある廃校の廊下を歩き旧教室に向かっている、古い木造建築の為か床はきしみ、所々穴が開いている。
なぜこんな所に居るのかと言えば、バトルロワイヤルと言う特別任務を与えられたからである。
本当は有給取って出かけたかったが、隊長命令だし、特別手当もあるので厭々任務を引き受けたのである。
俺達が数十人で到着した時には既に廃校舎の旧教室には首輪をした30人の女子中学生がおり、木の扉は厳重に施錠されていた。
窓から覗き込んだ先には、ざわめきが聞こえ、討論の最中である。
この女学生達は、先に特殊部隊が京都行きの新幹線の中か拉致して来た麻帆良学園3−Aの面々であった。
(特殊部隊にしてみれば中学生の拉致など、赤子の手をひねる様な物であったろうな)
そんな事を思いながら、準備を終えて、俺達隊員はある空き教室に集合した。
「さて任務開始だぞ、皆気合入れてなめられないようにしろよ」
そこで隊長の説明と檄を聞いた後、俺達は89式小銃の安全装置を外し3−Aの面々がいる教室に向かった。
さっきまでの出来事が走馬灯の様に脳味噌を駆け巡る。
俺が回想を終えた直後に俺達は教室に到着した。
一呼吸置き隊長は乱暴に扉を開けた。
教室の中にさらなるざわめきが生まれ、空気が張り詰めていく。
「騒ぐな、席に着け」
俺達はそれを鎮め、着席させる為に大声を吐きながら歩いていく。
「貴方達にはこれから殺し合っていただきます。これは命令です。」
314マロン名無しさん:2008/05/21(水) 23:10:07 ID:???
1兵士から見たバトルロワイヤル その2


大声で無理やり席に着かされた彼女達への隊長の第一声がこの言葉である。
当然多くの生徒が一瞬固まり、その後もすぐには理解できないのか、生徒達はお互いを見合っている。
そんな隊長の言葉を俺は強面の顔で更に睨む様に目の前の女学生を見て聞いた。
そのせいか俺の目の前にいる佐々木まき絵や鳴滝風香は今にも恐怖の為泣きそうだったらしい。
しかし俺は全くその事に気が付かず、後で聞いて初めて分かったのである。
なぜなら当時俺は凄い恐怖を感じていたからである。
なんせ俺の顔は怖いのだが根は小心者なのだ。
しかも任務前に見せられた資料を見たら恐怖を感じない方がおかしい内容なのだ。
俺はその時、睨む顔の下で
(中学生の1クラスなのに、殺し屋?吸血鬼?ロボット?何だこのクラスは)
(こんな奴らに囲まれたら、俺は数秒で殺される自信があるよ)
と、最悪の結末を考えていたのである。
315マロン名無しさん:2008/05/21(水) 23:11:47 ID:???
1兵士から見たバトルロワイヤル その3


思考を終え、気を周りに向けると教室内で雪広あやかと隊長の言い争いが発生していた。
「殺し合いとは何ですか。なぜ私達がその様な事をしなくてはいけないのですの」
「答える必要は無い、早く座りなさい、これは命令です」
「いいえ座りません、たとえ座って命令を聞いたとしても私達は一心同体、殺し合いなど絶対しませんわ」
「五月蝿い黙れ、これは最終警告だ」
「嫌で・・・・」
彼女の言葉を打ち切るかの如く銃声が聴こえた。
どうやら隊長が痺れを切らしたらしく、手にした拳銃で撃ったようである。
人間が糸の切れた操り人形の様に倒れる。
視点を移すと彼女は綺麗な顔を半分吹き飛ばされ、付近には脳味噌の欠片と脳漿を飛び散らせ、一部は後ろの生徒へ付着した。
生体反応は無く既に即死である。
倒れた瞬間教室内では悲鳴が響き渡り、和泉亜子は失神し、鳴滝史伽に至っては失禁が確認できた。
神楽坂明日菜や大河内アキラや数十人が立ち上がり彼女の死体を近づく。
神楽坂明日菜はうわ言の様な言葉を繰り返しながら死体を抱き上げる。
よく聴いてみるとうわ言は
「委員長ゴメン・・・ゴメン・・・何もできなくて」
神楽坂明日菜は呟き続ける。
その周を親友の死に絶望したり、事態を理解し今後の運命に恐怖におののく生徒達の涙が包んだ。
316マロン名無しさん:2008/05/21(水) 23:14:02 ID:???
1兵士から見たバトルロワイヤル その4


教室内は大混乱となる。
俺達は、この混乱を静める為に大声で怒鳴りつけなくてはならない。
「静かにしろ」(うげ〜気持ち悪り、隊長、これ位でこれ撃つのは可哀想ですよ)
「早く席に着け」(しかも掃除するのは俺ですよ、勘弁しくださいよ)
発声の瞬間に俺の脳内では見事な言動不一致が発生したみたいだ。
俺達の怒声により騒ぎはやや落ち着き、次いで俺達は雪広あやかの死体に駆け寄った生徒たちを半強制的に元の席戻らせた。
しかし大河内アキラのみがその場に座り込み動かない、
仕方なく俺が元の席に強制的に座らせたが、その目の焦点はやや合ってきておらず理性の崩壊が見られたのであった。
こうして不意のアクシデントは終了した。
その後も、隊長が1時間に及ぶ演説と説明をする後ろで俺は、睨んだ顔をしながらも、内心吐き気と恐怖を感じながら立っていた。
隊長は説明の最後に29人の生徒がそれぞれ指定の場所に行くように命令し、校舎から出した。
玄関は教室前側の扉近い為か、皆俺の前を通っていく。
ある者は泣きながら、又ある者は俺を恨めしそうに見ながら罵詈雑言を吐き出ていった。
そんな中を神楽坂明日菜は無言で走り去っていく。
次に出て行ったのは大河内アキラである。
彼女は先の事で精神をやられており、普段の歩みと微かな笑みを残し出て行く。
そんな2人を残った生徒は複雑な気持ちで見送っていた。
その後も続々と生徒達は出て行き、赤い月光で微かに明るい廊下に消えていく。
こうして教室内は俺達と遺体だけが残された静寂の空間となった。
317マロン名無しさん:2008/05/21(水) 23:15:36 ID:???
1兵士から見たバトルロワイヤル その5


数分後に俺達は校舎を巡回し、全員出たのを確認した。
確認後、隊長達を含め数人はごパソコン等が置かれ、仮設司令部となった旧職員室へと向かっていった。
残りは歩哨任務の為各担当区間に散っていく。
その中で俺は1人教室に残り、雪広あやかの死体の片づけをする事になった。
これも下っ端の任務である。
「グロいな、しかし美人が形無しだ」
密室で死体と二人っきり、聞えるのはせいぜい風の音くらいの静寂の空間。
始めは吐き気を覚えたあやかの遺体だが、1時間以上も見ているとただの肉人形の様に感じてくるのは、感情が麻痺してきたからであろうか。
独り言を言いながらそこら辺に飛び散った肉片や脳味噌の欠片をまるでゴミ拾いをするみたいに遺体袋に入れて、最後に体液で汚れた床を拭いた。
既に不安や恐怖は殆ど感じない。
人としての優しさも無い。
あったのは任務への使命感と本能だけであった。
静寂の中での遺体整理が終った後、俺は司令部付近を警備せよとの命令を受けた。
それから後はひたすら警備の為歩哨活動をした。
こうして午前0時の交代の時間まで、俺はひたすら歩き回った。
交代後は、夕飯のカンパンを食べて、雑魚寝で仮眠を取る。
しかし自分でも何故したか分からないが仮眠前に南無阿弥陀仏と死んだ彼女の成仏を願った。
又、その時に唯一分かる事は、この間にも彼女達は殺し合い、発狂し、絶望の淵にいる事だけであった。
翌日午前4時起床、5時朝食、6時から任務の警備、18時交代、再び仮眠、この様な繰り返しを数日行う。
しかし1日に2回程は付近度で銃声や爆音が聞こえるので、その度に戦闘準備がある。
結果睡眠時間は減り正常な思考は難しくなっていく。
この警備の間、俺みたいな下っ端の兵士は司令部に入る事も無い。
当たり前ながらその後の生徒の行方は全くわからなかった。
だが、そんな事既にどうでもよかった。
ただ黙々と任務をこなすだけである。
こうして任務と破片の様な良心の狭間の中で、僅かに残った人間らしい思考や感情も急激に無くなっていくのであった。
そうしてただ任務をこなすだけの無明の日々は過ぎて行った。
318マロン名無しさん:2008/05/21(水) 23:18:09 ID:???
1兵士から見たバトルロワイヤル その6


開始から5日目の午後4時、バトルロワイヤルは終了した。その日は五月晴れの暑い日であった。
俺達の任務は大きなアクシデントも無く終了し、新たな任務である遺体の回収や撤収作業で大忙しであった。
俺は観測器具をトラックに載せる作業中に隊長と歩いてヘリに乗る優勝者と遠目から目撃した。
少女は全身に返り血を浴び紫の制服を赤く染め、その様子はまるで感情の無い人形の様に空をみていた。
しばらくして、彼女の歩いた所に荷物を持って横切ったが、彼女の歩いた後の所は微かに濡れているようであった。
しかしその時は、そんな事などすぐに忘れ任務を再開する。
荷物を全てトラックに載せた後、遺体回収部隊の救援の為に、俺は北方に在る森林地帯の探索を行う。
暑い日の中、木々の日陰と涼風が吹き抜け、多少の心地よさを感じる。
しかしそれに耽る暇は無い。
草木の生い茂る地面には武器や衣服等の遺品を幾つか落ちており、それを回収しつつ捜索する。
数時間の捜索の中で4体の死体を確認した。
宮崎のどかは刺し殺されており、猛暑の為か遺体にはウジが湧き半ば腐乱していた。
判別不明のある者は爆殺されたのか、臓物を四散させ、木の枝に腸管をぶら下げていた。
後の名前確認でそれは春日美空と確認される。
朝倉和美は頚動脈を切断されており、辺りの木々は赤黒く変色した血をべっとりと付着させていた。
釘宮円は全身の骨を粉砕されたのか軟体動物の様に潰れており、体高を50p程にさせ、体中の穴という穴から、体液を出していた。
いずれの顔も苦痛からか涙と鼻水や唾で汚れている。
死体付近は凄まじい腐臭と血の臭い、排泄物の臭いをさせており、それに吸い寄せられた蝿が飛び交う。
そんな死体をまるで汚物を見る様に俺は見る。
散乱した肉塊を手際よく、遺体袋に入れ、トラックに載せる。
こうして惨殺された少女達の肉塊を俺達は島中から回収し、島の仮設火葬場で火葬した後、骨を遺族に発送した。
遺体回収と火葬で夜が明けたが、俺はその間の一連の行為に関して特に何も感じる事は無かった。
強いて言えば、めんどくささを感じたくらいである。
319マロン名無しさん:2008/05/21(水) 23:19:40 ID:???
1兵士から見たバトルロワイヤル その7


その日の昼過ぎに、輸送ヘリに乗り俺は基地に向けて帰還した。
俺は帰りのヘリの中で同僚の監視員から、優勝者は神楽坂明日菜との事と、
発見時には「ごめん」しか喋らなかった事。
その為か一生精神病院に隔離されるであろうと言う事を聞いた。
俺はその言葉を聞くまで優勝者が誰か分からなかった。
なぜなら彼女の長い髪は切られ、顔の半分は焼けたのかケロイド状になっていたからである。
(今思えば地面が濡れていたのは彼女の中に僅かに残った理性が見せた、自らへの呪いと、殺害した仲間への懺悔の涙だったのかもしれない)
彼の言葉と彼女に関する記憶が俺の心に作用したのか、人間らしい思考を再開し始める。
その後も彼から生徒達の殺し合いの様子や1人1人の行動、そして最後を聞く。
大河内アキラは狂った心で積極的に参加して近衛木乃香ら数人を銃殺し、最後は桜咲刹那に斬殺され、遺体は切り刻まれたと。
明石裕奈は脱出しようとし、運動部の仲間を集めるが、その中で疑心暗鬼になり殺し合ったと。
村上夏美は恐怖から逃げつづけていたが、極限状態の中発狂してしまい自殺したと。
いずれも生への強い欲求が見られ、その信念のもとで必死に行動しそして死んで行ったのである。
320マロン名無しさん:2008/05/21(水) 23:20:27 ID:???
1兵士から見たバトルロワイヤル その8


それらの事をずっと聞いている内に麻痺した人間らしい感情も徐々に弛緩してきたらしく無性に良心が痛み自己嫌悪が発生した。
(俺はここで何をしていたのだ)
(俺彼女たちを間接的にも殺したり廃人にしたりしたのだぞ)
(彼女達は俺を恨んで死んでいったに違いない)
(俺は人殺しだ、畜生以下の存在なのか)
(人殺しになるのは嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ)
(嫌だ俺は何もしていない、ただの歩哨だ、そうだ、俺は命令されただけだ)
(国家に命令されて、俺は従っただけだ)
(これは国の為、国防の為の尊い犠牲だ)
(これはやらなければならなかったのだ、そうに違いない)
(これは1種の課外授業だ、俺達は戦場に情けは要らない事を教育しただけだ)
(こいつらが死んだのは死んだ奴が弱く、それが出来なかっただけだ)
(彼女の涙は生き残れた喜びだ、そうに違いない)
(だから俺は間違っていない)
しかしそんな僅かに復活した良心も、人間の自己防衛の本能に勝てなかったらしい。
最終的に自分を滅茶苦茶な論理で自己弁護しては自分の行為を正当化させていった。
そう、正当化しなければ、発狂しそうな世界であったのだ。
数分が数時間にも感じる精神世界の攻防はこうして終り、俺は結論を出した。
いつの間にかヘリは基地に到着したらしい。
夕暮れの中ヘリは着陸した。
1人の兵士が夕日を背に勢いよく降りてくる。
すでにその顔には迷いも悲しみも無かった。


こうしてバトルロワイヤルの中でまた1人の兵士が誕生したのであった。
321マロン名無しさん:2008/05/21(水) 23:22:22 ID:???
投下を終ります。
まず下手糞な文章すいませんでした。嫌悪感を感じた方にはここで謝らせていただきます。
こんな私に最後まで付き合って読んでくださった方、付き合っていただいて感謝してます。
322マロン名無しさん:2008/05/21(水) 23:24:04 ID:???
乙です
323マロン名無しさん:2008/05/22(木) 00:12:24 ID:???
乙です。
新しい切り口からのロワで面白かったです
作者のこれからの作品に期待してます。
324マロン名無しさん:2008/05/22(木) 00:21:39 ID:???
断髪して火傷した明日菜・・・。一体何が・・・。生徒サイドの話も是非執筆して欲しいかも。乙です。
325マロン名無しさん:2008/05/22(木) 00:30:49 ID:???
「ここは………」
明石裕奈が気づくとそこは暗闇の中だった。
少し体を動かして周りを見渡してみる。
目の前に巨大な青い星が目に入る、そしてその後ろからはまぶしい光が目に入った。
「うっ……」
裕奈は目を光からそらす、そして光を見ずに周りを見る。
真っ暗な空間に石が浮遊している、また遠くから満天の星空のような世界が広がっている。段々意識が鮮明になってくる。

「そう、私は確かバトルロワイヤルに参加されられて、桜咲さんに襲われて崖の下に転落した……、そうか死んじゃったのか……、私は………」
裕奈は昔、父明石教授に言ったことを思い出していた。

「ねえ、おかーさんはどうしちゃったの? おかーさんはどこに行ったの」
葬儀の意味が分からない幼子は父親に聞いてみる。
父親は笑顔を無理に作り娘に言う。
「おかーさんはね、お星様になったんだよ。いつもお空の上からゆーなを見ているよ」
「そっか、おかーさんはお星様になったんだ」



……
………
「お父さんの言うとおりだね、私もお星様になっちゃった」
改めて周りを見て、
「ここまま永遠に宇宙をさまようのも悪くないな」と呟いた。


「それでいいの!?」
どこからか声が聞こえる。
声のした方向を裕奈は振り向く。
326マロン名無しさん:2008/05/22(木) 00:32:05 ID:???
白い光が見える。そしてそれは裕奈に一直線に向かってくる。
「隕石!? いや彗星!?」
裕奈は逃げようとするが、宇宙空間で地面がない分勝手が分からない。
彗星はスピードを上げ、裕奈に向かってくる。そしてその光は裕奈を包み込む。
そしてその彗星は少し離れた隕石に接触する。

「……」
裕奈は眩しい光が消え去ったのを感じて目を開く。そこで思いがけない物を見て叫んだ。
「おかーーさん!!!」

そう目の前にいたのは亡くなった裕奈の母親だった。
母親は裕奈の思い出にあるように微笑んでいた。

「ゆーな! 目を覚ましなさい、まだ貴方は生きている。 生きることは辛いことだけど、早く戻りなさい、立つのよ! ゆーな!!」

裕奈の心に希望の光が灯るが、心のどこかで戻ったところで死ぬのが少し長引くだけでは
と考える。

「私は………」


選択肢


1 戻る。
2 戻らない。
327マロン名無しさん:2008/05/22(木) 00:33:13 ID:???
「亜子、史伽逃げて!!」
桜子が最後の力を振り絞って絶叫する。
「椎名さん、ごめんなさい、死んでください」
刹那が無慈悲に桜子の胸に刀を突き刺す、刀は桜子を貫いた、そして刀を引き抜くと桜子は倒れた。桜子の目は静かに閉じた。
「次は和泉さん達の番です」
刹那は刀を亜子と史伽に向ける、亜子と史伽はお互い抱き合い振るえているだけだった。


ガサガサ。
藪の中から音がする。刹那、亜子、史伽は音のした藪を見る。
そこから一つの人影が出てくる。

「そんな、貴方は死んだはず……」
「生きてたんですね……」
「あの世から帰ってきたんやな!! ゆーな!!!」


共通ルート 終わり。


ちょっと書いてみました。失礼しました。
328マロン名無しさん:2008/05/22(木) 00:50:36 ID:???
乙です
329マロン名無しさん:2008/05/22(木) 01:02:42 ID:???
>兵ロワの方
投下乙、そして個人的にはGJ。
兵士視点とは新しいね。
新しい試みをする人は好きですね。内容の是非を問わず。
私的にはもう少し読んでみたいと思った作品です。


そして裕奈短編の方も乙です。
330マロン名無しさん:2008/05/22(木) 01:58:48 ID:???
携帯からしたらば見る方法教えてくれ
PCから何故か開けなくなった
331マロン名無しさん:2008/05/22(木) 19:53:36 ID:???
私はたった今死んだ。俗に言う天寿を全である。
長い人生を私は普通に過ごした、ただ1つの汚点を残して。
汚点の名はバトルロワイヤル。
そこでは私は人ではなく獣である。
多くの仲間を殺し生き残った。
それ以来私は罪の意識から毎日墓を参拝する。
処変わって
ここは・・・何処・・・?
この問いに一人の少女が答える。
「ここは地獄、罪人の吹き溜まりよ」
地獄・・・・
覚悟はしていた。なんせ私は人殺しだ。
「どんな事をされる地獄ですか」
女は答える
「簡単よ、ただ自分の犯した罪を見させられるだけよ、永遠にね、そしてそれは私も同じ」
そうすると少女は顔を見せた。
その顔は私の親友でもあり自ら手をかけた人である。
彼女の名は柿崎美砂
「なんで美砂が、どうして」
私は問う、彼女は答える。
「私はマーダーで、多くの仲間を殺した、当然よ」
そういい残して彼女は消えた、それと同時にある映像が頭に流れる。
「う・・・な・・何をするのくぎみー」
私は無言で撃ち続ける。
「そんな・・・助けてお母さん・・・・・・」
私は走り去った、初めて人を殺した映像だ。

こうして封印した過去の映像が続々と流れていく。
そしてそれはいつか来る転生の日まで続く。


私の名は釘宮円、そしてこれが私への罰、永遠のバトルロワイヤル。
332ムービー製作者:2008/05/22(木) 21:15:45 ID:???
21部以外のイラストまとめが完成。
ttp://www3.axfc.net/uploader/13/so/C_56708.wmv
Pass:rowa

曲調が途中で少し変わったので、入れないかもと思っていたネタまで入れることになりました。
尺の都合で23部茶々丸のイラストの説明分カットが少しだけ悔やまれる。
333マロン名無しさん:2008/05/23(金) 01:09:14 ID:???
途中のネタ系よかったww
GJ
334マロン名無しさん:2008/05/23(金) 03:01:28 ID:???
ウルトラソウルッ!!(笑)
335マロン名無しさん:2008/05/23(金) 04:10:38 ID:???
私、釘宮円。
今バトルロワイヤルの最中。
今まで何度か死体に出会ってきた。
血は赤ではなく黒だという事をこの恐怖のゲームで学んだ。
そしてまた目の前に黒色が現れた。
誰の死体か見たくはないが気になるのでその黒に近づいたらそれは松崎しげるだった。

336マロン名無しさん:2008/05/23(金) 06:20:27 ID:???
きしゃま俺のしげるを勝手に殺るなwwwwwww
337マロン名無しさん:2008/05/23(金) 07:50:53 ID:???
ALNに書き込んでる奴いるだろ
誰とは言わないが
338マロン名無しさん:2008/05/23(金) 08:36:24 ID:???
ALNてなに
339マロン名無しさん:2008/05/23(金) 14:17:31 ID:???
ALNってなんだ?
誤爆か?
340マロン名無しさん:2008/05/23(金) 14:22:01 ID:???
恐怖のバトルロワイヤルも1日目が終わり今は夜を迎えた。
私、長谷川千雨は神楽坂と桜咲と行動し今は交代で見張りをしている。
夜風が気持ち良い中ふと夜空を見上げたら夜空ではなく松崎しげるだった。
気を取り直してコーラを飲もうとしたら案の定松崎しげるだった。

341マロン名無しさん:2008/05/23(金) 14:45:50 ID:???
wwwwwwwwww
342マロン名無しさん:2008/05/23(金) 15:35:22 ID:???
二段落ちwwwww
343マロン名無しさん:2008/05/23(金) 22:18:15 ID:???
てす
344マロン名無しさん:2008/05/23(金) 22:18:33 ID:???
邪魔だ短パンマン
345マロン名無しさん:2008/05/24(土) 00:18:30 ID:???





346マロン名無しさん:2008/05/24(土) 00:20:58 ID:???
本日投下なしっすか
347マロン名無しさん:2008/05/24(土) 00:34:11 ID:???
誰も投下無いようなんで駄文いきます
一部文章に不快に感じる点があるかもしれませんが、その場合は読み飛ばして下さいm(_ _)m
348短編1:2008/05/24(土) 00:35:01 ID:???
どこかで見たことがある。
そうだ。取調室だ。
以前テレビの刑事ドラマで見た取調室だ。
薄暗い感じや、簡素な家具。全体的に灰色な感じが実にそれっぽい。

男に案内されるままに長い廊下を歩いてきた私は、ついに目的地に到着したらしい。
私は"取調室"に一人通された。

その中には先客がいた。
紛れもない。私のクラスの担任のネギ先生だ。
上っ面だけの笑顔を浮かべて、こちらを見ている。
居心地はすこぶる悪い。
「おめでとうございます」
狭い部屋に少年の声が響いた。
「今回のプログラムの優勝者は朝倉和美さん、あなたです」
先生は私の名前を呼んだ。
今さら言われなくても、私以外の生徒が全滅した時点で、気付いてた。確信していた。
けれど、その後の台詞は予想外だった。まるで私が書き下ろした脚本を気に食わない誰かが、書き替えたとしか思えない演出だ。
「いえ、この場合は‥‥‥相坂さよさん‥ですね」
「!!!!!!」
私の心臓が垂直跳びの自己新記録をマークした。とにかくそれぐらい良い飛び跳ねっぷりだった。
「き‥気付いてたんですか」
349短編2:2008/05/24(土) 00:35:44 ID:???
彼の推理は間違ってない。朝倉さんはネギ先生に敬語を使わないのだ。
私は朝倉さんの姿をした出席番号1番相坂さよだ。
「気付くも何も、ずっと監視してましたから。あなた達のこと」
鼻で笑われたのが、若干鼻に付いた。

私は思いを馳せる。
私達がまだ"二人で二人"だった時まで。



「甘い!甘過ぎます!!」
私達は今、殺し合いをしている。とある辺境の町の中という限られた範囲で麻帆良学園女子中等部3年A組30人が互いの命を懸けて戦い合う。そして生き残った一人が優勝。
理由は分からない。けれど、それが私達に課せられた運命だった。
率直に言う。
私は朝倉さんに生き残ってほしい。
何があっても。例え人の道を踏み外しても。

プログラムが始まってすぐ、朝倉さんと人形に乗り移った私は、今後の行動について話し合った。
流石に道の真ん中で堂々と論議するのは、あまりにも無防備なので、付近の民家にお邪魔した。案の定家主の姿は無かった。
役立つものが無いか適当に物色した後、いよいよ本題に入る。
私の主張はプログラム開始時からずっと変わらなかった。
だが、

350短編3:2008/05/24(土) 00:36:26 ID:???
「何と言われようと、私はしない。殺し合いなんか‥。絶対に」
彼女は、朝倉さんは優し過ぎた。
頑として、人を殺めることを拒んだ。
彼女は皆と協力すれば、この状況を打破できると本気で思っていた。
私には分かっていた。そんなことは不可能であることを。
確かにうちのクラスには特殊な技能に秀でた人が多い。
けれど、主催者側もこちらのクラスの情報を得て知っているのだから、それなりの対策は練っているだろう。ましてや、麻帆良学園が主体となっているのだ。残された選択肢は、ルールに従うのみだ。
朝倉さんだって内心分かっているはずだ。賢い人だから。
現実を逃避するあまり、絶望的確率の淡い夢に縋っているのだ。
私は朝倉さんのデイパックに目をやる。中には、俗に言うマシンガンが眠っている。
言わずもがな、彼女に支給された強力な武器だ。
私は多少の迷いを振り切り、次の言葉を繰り出した。
「朝倉さん!朝倉さんの武器は『当たり』なんですよ!これはチャンスなんですよ!」
私はしまった、と思った。言い放ってから、気持ちの悪い汗が背中を伝ったのを感じた。
朝倉さんが、目尻をつり上げてこちらを睨んできたからだ。
351短編4:2008/05/24(土) 00:39:02 ID:???
明らかな怒りの感情表現。適切な言葉を選ばなかった自分を殺したくなる程憎んだ。恥じた。
「何『当たり』って?『チャンス』って?さよちゃんにとって3-Aって、その程度の存在だったの!?」
本音を言うと、その通りだった。私が興味があるのは朝倉さんだけだ。朝倉さん以外は眼中に無い。
私が返事をする前に、彼女は私を視界から消した。彼女の背中しか見えなくなった。


だめだ。
このままではいずれ
彼女は誰かに
その優しさ故に
殺されてしまう。
そんなの嫌だ。
誰かに
奪われるくらいなら
いっそ

私が


「‥っうぁっ!?」
朝倉さんの身体がビクンと跳ね、その勢いで奇声を発した。そのまま両の手のひらを地面につけ、蹲る。
「っ‥はぁ‥っんっ‥」
息が急に荒くなり、小刻みに全身を震わせる。まるで生まれたての小鹿のように、ガクガクと下半身が揺れる。
「さ‥さよ‥ちゃ‥‥ま‥さか‥」
切れ切れに絶え絶えに、彼女は声を絞り出す。実に艶やかな声を。

その時、私は彼女の側にいなかった。
私は彼女の"中"にいた。

こうでもしないと、彼女は言うことを聞いてくれない。

352短編5:2008/05/24(土) 00:39:43 ID:???
「はぁ‥‥熱‥い‥から‥だが‥あ‥熱‥‥い」
涙溢れるその眼は、既に焦点が合ってないようだった。
ごめんなさい朝倉さん。少しだけ‥少しだけこのお身体、お借りします。
安心して下さい。必ず生き残りますから。朝倉さんは、何も心配しなくていいんです。
顔を赤く染め、必死に抵抗していた彼女も、次第に疲れ果てたのか、襲う感覚に無反応になっていった。
「や‥‥め‥」

それっきり彼女、朝倉和美は言葉を発しなくなった。
朝倉和美と相坂さよが一つになった瞬間だった。
私は汗だくの身体を起こし、デイパックに手を伸ばした。
「!」
ファスナーを摘んだ時、ヒヤリとした感触が伝った。改めて感じる。他人の身体であれど、今、自分が生きているという事実を。
心臓の高鳴りを肌で感じながら、荷物の中に手を突っ込んだ。
そして銃を手に取る。

朝倉さんを守るために。



「先生、私‥怖いんです」
確かに私はプログラムで生き残った。
朝倉さんを守り抜くことができた。
けれど‥
「もし‥もし今ここで、私が朝倉さんから抜け出したら‥」
私は懐から人形を取り出した。
353短編6:2008/05/24(土) 00:40:22 ID:???
朝倉さんが、私に外の世界を見せてあげたい一心で作ってくれた人形だ。
一生懸命私に似せようとしてくれた愛らしい姿。
今はもの言わぬただの縫いぐるみと化している。
私を見つめるビーズの瞳が、犯した罪を責め立てている気がしてならなかった。
「あ‥朝倉さんは‥私のこと‥‥大嫌いになってるんじゃ‥ないか‥って」
当たり前だ。 世間一般から見たら、今回の件は朝倉和美という名の少女が、クラスメートを皆殺しにし、ただ一人生き残った、とのようにしか見えない。何も悪くないはずの彼女が、言われもない誹謗中傷にさらされるかもしれないのだ。
しかも、その苦しみは一生彼女に付きまとうに違いない。
「私‥朝倉さんに嫌われたくない!!先生、私、どうしたら‥」
思わず叫んでしまった。全く持って自分勝手な言い分を。
狭い部屋に、今度は朝倉さんの声が響いた。



「簡単なことですよ」
少年は言った。
354短編7:2008/05/24(土) 00:41:14 ID:???
相変わらず上っ面だけの笑顔を浮かべたまま。
「え‥?」
歩み寄ってきた彼は、呆気ない返事に困惑する私の手から、朝倉さんとの友情の証である人形を取り上げた。
そして、それを

ぶちぃっ

「!!!!!」
引き千切り始めた。
私は何が起こったのか理解出来ず、ただ口をパクパクさせていた。
構わずネギ先生は、私の姿をした人形をズタズタにしていく。
彼が終止笑顔だったのは言うまでも無い。
私が我を取り戻した時には、朝倉さん特製のさよちゃん人形は、ただの布切れと藁屑になっていた。
「なななななななな何をして‥!!」
可燃ゴミを必死に掻き集める私を見て、ネギ先生は言った。

「さよさんがずっとそのままでいればいいんです」

私は手を止め、何故か恐る恐る聞いた。
「それは‥どういう‥‥」


「今日からあなたが、朝倉和美さんになればいいんです」


私が朝倉さんに乗り移っている限り、朝倉さんは朝倉さんでいることが出来ない。
つまり、朝倉さんが私を嫌いになることは一生無い。
私が朝倉さんに嫌われることも一生無い。

私はふと、壁に掛かる鏡を見る。
そこには、私が愛して止まない女性(ひと)がいた。
355短編8:2008/05/24(土) 00:55:16 ID:???
誰よりもかっこよくて、誰よりも優しくて、誰よりも愛しい女性。
私は幽霊。
その女性は人間。
時が流れる限り、いつか必ず別れが来る。
もしこのまま、私が朝倉さんでいれば、私達は永遠に一つでいられる。
最愛の人の一番近くにいることが出来る。

私は自らの身体を抱き締める。
キツくキツく抱き締める。
「朝倉さんの身体‥。朝倉さんの体温‥。朝倉さんの香り‥」

ごめんなさい朝倉さん。私‥私‥‥。


「さて、そろそろ麻帆良に戻りましょうか。さよさん」
「違います、ネギ先生」
私は快楽に歪んだ顔で、言った。


「私の名前は、朝倉和美です」


ネギ先生はニヤリと笑った。
その笑顔はやけに人間味が溢れていた。


〜了〜


最後サーバー混んでて遅れちゃいました
スレ汚してすみませんでしたm(_ _)m
356マロン名無しさん:2008/05/24(土) 01:03:24 ID:???
乙、中々良いよ!
357マロン名無しさん:2008/05/24(土) 01:05:26 ID:???
世間一般から見たら、今回の件は朝倉和美という名の少女が、クラスメートを皆殺しにし、ただ一人生き残った、とのようにしか見えない。何も悪くないはずの彼女が、言われもない誹謗中傷にさらされるかもしれないのだ。
しかも、その苦しみは一生彼女に付きまとうに違いない。

つまり朝倉さんの人生は松崎しげるになってしまうんだ。



と脳内変換してしまった俺は死んだ方が良いなorz
358マロン名無しさん:2008/05/24(土) 01:06:35 ID:???
すっごい自分好みの話だなぁ
歪んだ愛って最高ですね
359840 ◆b4hPGPyZXw :2008/05/24(土) 01:29:32 ID:???
PCツカエナイ
コンシュウTOPエトウカデキナイ
ゴメンナサイ
カワリニライシュウイブキサンノエノAAモテクルヨ
オヤスミ
360マロン名無しさん:2008/05/24(土) 07:50:23 ID:???
ああ短パンマン優しい君は♪♪
361マロン名無しさん:2008/05/24(土) 09:44:29 ID:???
AA期待
362マロン名無しさん:2008/05/24(土) 13:36:48 ID:???
>>357
何でまたw
363別館まとめ:2008/05/24(土) 18:45:05 ID:???
今回は840氏がトップ絵投下できなかったため
>>213の茶々丸をトップ絵にしました、

☆ 別館更新情報 2008/05/24 ☆
・『ネギロワ絵師図鑑』
 8人目「伊吹」氏を追加しました。
 このコーナーは次回の更新で最終回です。

・『GOGO♪でこぴんロケット☆』
 ムービー製作者氏が作成した、>>264及び>>332の動画を保管しました。
 明らかに画質が荒いのは仕様です。

http://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html
364作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/24(土) 19:33:32 ID:???
しばらく休んで申し訳ありません。
まあ、スレ的には休んでいたのですが、自分的にはずっと休みらしい
休みがなかったわけですが・・・・

>各短編作者氏
色々な短編乙です。
どれも良かったです。

>ムービー作者氏
新たなムービー乙です。
変調と絵のチョイス、音楽にあわせた絵の転換は上手いと思いました。

>別館まとめ氏
更新乙です。投下終了したら遊びに行きます。

投下を始めます。
365作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/24(土) 19:36:40 ID:???
[40.出会い]
鳴滝史伽(Aチーム)は、雪広あやか(Aチーム)が春日美空(Aチーム)に殺される一部始終を見ていた。
あやかと美空は意見の食い違いから口論していた。
ゲームに乗ろうとする美空。それを強引に止めるあやか。
そして、強引にまとめたあやかの方針に納得の行かなかった美空が実力行使に出てあやかに手をかけてしまった。
美空は呆然とする史伽を置いたまま既にゲームに乗るべく立ち去っている。

美空がいなくなった後で我に返った史伽は、死んだあやかをその場に置いたまま逃げ出した。
全身を襲ってくる恐怖を振り払いたい一心でとにかく走った。
何となく後ろを振り返ると血まみれになったあやかが追いかけて来る様な気がしたので、後ろを見ることなく走り続けた。
あやかの死体からかなり離れた場所で立ち止まった史伽は、荒れる息を整えながら恐る恐る後ろを振り向いた。
誰も追いかけてこないことを確認してようやく気持ちを落ち着けることができた。
しかし、ホッとしたのも束の間、たった一人になったことで急に寂しさを覚えて心細くなる。
「……おねえちゃん、どこにいるの?」
この場には居ない姉のことを思って史伽は涙ぐんだ。
史伽が最も信頼できるのは双子の姉の風香である。
風香とは敵同士ではあるが生まれて以来長い間いつも一緒に居た間柄である。風香は絶対に史伽に危害を加えるようなことはしないと信じている。
史伽は無性に姉に会いたくなっていた。

たった一人になってもゲームはまだ続いている。
実際に美空がゲームに乗った瞬間を目の当たりにしているだけあって、敵チームの中でもゲームに乗る生徒がいるはずだと史伽は考えていた。
このまま一人で行動していては危険だと判断し、史伽は信頼できるクラスメートを探すために動くことを決心する。
できれば姉に会いたい。せめて信頼できるクラスメートに会いたい。そう思いながら史伽は動き始めた。
366作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/24(土) 19:38:31 ID:???
――史伽が信頼できるクラスメートを探し始めてから何時間も経過していた。
視界の開けた道を通れば誰かを見つける可能性は高くなるが、それがゲームに乗っている生徒であった場合には身を隠す場所がなくなると考え、史伽は主に森の中を移動していた。
用心のために腰に支給武器である刃渡り25cmのシースナイフを固定して、いつでも取り出せるようにしている。
史伽は殺し合いをする気は毛頭ないが、身を守るためには武器は必要だった。
長い時間史伽は森の中を彷徨い続けているが、今のところ3−Aの生徒の誰とも出会っていない。
疲れが貯まってきたので史伽はしばらく休むことにした。
近くにあった大きな木の根っこに腰を掛け、木に体重を預けてもたれかかる。
何度か大きく深呼吸をして呼吸を整えた。
そしてデイパックの中から水の入ったペットボトルを取り出すと、2〜3口飲んでデイパックの中にまた戻す。

史伽はかなり消耗していた。
歩き慣れない森の中で何時間も歩き続けたために疲れが蓄積している。
ある程度気持ちが落ち着いたとは言え、あやかの殺害現場を目撃したショックもまだ引きずっていた。
しかし、少しの時間休んでから史伽はまたすぐに立ち上がった。
信頼できる生徒と出会えていない焦り、一人きりで森の中を彷徨う心細さ、これらの気持ちがまだ疲れの取れていない史伽の体を駆り立てる。
史伽はポケットからマップとコンパスを取り出した。
森の中では現在位置が分からなくなる恐れがあるので目印となる山の位置を確認しながら定期的に現在位置を把握していた。
森の中にも立ち入り禁止エリアがあるので道に迷うのは致命的になりかねないが、史伽が今いる地点から立ち入り禁止エリアまではかなり距離がある。
当面は禁止エリアのことは心配しなくて良さそうだ。
再び歩き出そうとした史伽の頭上で風が吹いたのだろう、梢が風に揺れてさあっという音が聞こえてくる。
気持ちのよさそうな風の音を聞いて史伽の心が少しだけ和んだ。
367作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/24(土) 19:39:42 ID:???
その時、梢の音の中にまぎれて背後からガサッという草木を踏みしめた音が史伽の耳に入る。
「だっ……誰っ!?」
音に気付いた史伽は振り向くと同時に鞘からシースナイフを抜いて音のした方向へ向けて構えた。
ナイフを握る手が震えている。
振り向いた史伽の目の前にクラスメートが一人立っていた。
「物騒なナイフをしまうでござるよ史伽。拙者でござる」
警戒する史伽に向かって長瀬楓(Aチーム)は優しく声をかけた。
「か……かえで姉っ!」
現れたのが風香と共に姉のように慕っている楓だと知ってナイフを下ろす。
信頼できる生徒に出会えて安心したのか全身の力が抜ける。
史伽の両目からポロリと涙が落ちた。
「無事のようでござるな。安心したでござる」
史伽に笑顔を向けてくる楓。
「かえで姉ぇぇっ!」
楓に向かって走り出した史伽は飛びつくように楓に抱きつき、楓の胸に顔をうずめて泣き出した。
「怖がっだぁっ!……怖がっだよぉっ!うええええええん!」
緊張していた糸が切れ、史伽の顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃとなっていた。
「怖い思いをしたでござるな。これからが拙者がついてるから安心するでござる」
そう言って泣きじゃくる史伽を楓は優しく抱きしめた。
368作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/24(土) 19:41:11 ID:???
――史伽が泣き止んで落ち着きを取り戻した後、2人は出会うまでの経緯を話し合った。
楓はアイテムを探すために和美と別れて以降、史伽と出会うまでは誰とも会っていなかった。
その後、史伽は美空があやかを殺害した経緯を説明した。
「そうで……ござったか」
厳しい表情で史伽の話をじっと聞いていた楓は、話が終わったときに大きく息を吐いた。
最悪な現場に居合わせてしまった史伽のことを気の毒に思う。
「……恐らく美空殿は『犯人』ではないでござるな。犯人の目的は皆殺しだ。
そうでないと史伽を見逃した説明がつかないでござる。……まあ、史伽にとっては幸運でござったがな。
おそらくは自分の行動を止めようとするいいんちょが邪魔になったので殺害したということでござろう。
これから敵チームを殺そうと決意した人間が味方とは言え邪魔者を殺すのに躊躇することはないでござる」
コクリと頷いて史伽も楓の見解に同意する。
「ねえ、これからどうしよう?かえで姉」
顎に手を当てて楓は考える。
楓はゲームに乗る気はない。とは言ってもここから逃げ出す有効な手段も持っていなかった。
「……やはり首輪を何とかする方法を見つけることでござろう。超殿や茶々丸殿あたりなら、何とかできるかも知れないでござる」
他の生徒と接触するのは危険が付きまとうが、楓としてはそれ以上良い手は考え付かなかった。
「あと、お姉ちゃんも探したい」
史伽の言葉に楓は頷いた。
「そうでござるな。まずは風香を探すでござる。それに、ゲームに乗っていない生徒達とも合流するでござるよ」
話が決まり楓と史伽の2人は動き始めた。

【Aチーム:残り10人】
【Bチーム:残り12人】
369マロン名無しさん:2008/05/24(土) 19:41:31 ID:???
私怨
370作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/24(土) 19:43:19 ID:???
[41.情報交換]
楓と史伽(Aチーム)の2人になった一行は、ゲームに乗った人間と出会わないように注意しながらゲームに乗っていないクラスメートを探しはじめた。
しばらくの間は無言で歩いていたが、不意に史伽が楓に話しかける。
「ねえかえで姉、このゲームの主催者って誰なんだろ?」
「んー?」
先を歩いていた楓が振り返る。
「私たちのクラスが何のためにこんなゲームに参加させられているのか分からないけど、私達が一緒に制服を着てここに居たということは学園内から拉致されてきたと思うです。
まあ、その辺りは良く覚えてないんだけどね。でも、麻帆良学園って規模が大きいのもあって逆にイベント時以外では学園外の人間の出入りって結構厳しいじゃないですか?
3−Aの30人を一斉に移動させるのって、そう簡単に出来ないんじゃないのかな?」
その言葉に楓は考え込んだ。史伽の指摘は鋭いのではないかと思う。
「学園内に手引きをしたものが居るのか、主催者が学園関係者なのか……」
考えられる可能性を楓は呟いた。
この島で目覚めたときに最初に疑問を持ったことだが、ここに来る寸前のクラス全員の記憶がない。
クスリを使ったのならそれらしい副作用などが起こるはずだが、そのような様子はない。
『魔法』という言葉が、楓の頭の中に浮かぶ。
可能性として魔法が関与している可能性は高いと楓は考えていた。
しかし、魔法のことを知らない史伽にそれを言うことは出来ない。
「結局は良く分からないでござるな。情報が少なすぎるでござる」
「そっか、そうですね」
史伽はそう言うと、それ以上のことは何も言わなかった。
371マロン名無しさん:2008/05/24(土) 19:43:22 ID:???
C
372作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/24(土) 19:44:24 ID:???
クラスメートを探すために2人は黙々と島の中を進んでいく。
次第に会話がなくなっていった。
口には出さないが史伽の息がかなり荒くなっている。一日中歩き回ってかなり疲れているようだ。
楓はこまめに休憩を取ったり、さりげなく史伽のサポートをしていたが蓄積された疲労はそう簡単に取れるものではなかった。
しばらく歩き続けると、先を進んでいた楓が立ち止まり、手で史伽を押し留めた。
「誰かいるでござる!」
小さな声で史伽に注意を促す。その言葉に史伽の全身は緊張する。
相手もこちらには気付いているようだ。息を殺してこちらの様子を伺っている気配がする。
楓は支給武器のイングラムM10を取り出した。いわゆるサブマシンガンである。
銃器の取り扱いの経験はない楓だが、サブマシンガンはゲームの中で与えられるアイテムの中では強力の部類に入る武器である。
気配のする方向にサブマシンガンを向ける。
「そこにいるのは誰でござる!?」
楓が先に警告を発する。ゲームに乗っていないなら声をかけてくるだろうし、ゲームに乗った奴なら攻撃するなり何らかの動きがあるはずである。
「私だ、桜咲だ!こっちはやりあう気はない」
姿は見えないが刹那(Bチーム)の声がする。
相手が刹那であることを知って楓は警戒を緩めてイングラムを下ろした。ゲーム上では敵対しているが刹那なら信頼できる。
「こっちもやりあう気はないでござる。姿を見せてもらえぬか?」
姿を現した刹那が近づいてくる。
「楓、相手がお前でよかったよ。史伽さんもご無事そうで良かった」
2人を見て笑顔を浮かべる刹那。
ある程度修羅場をくぐってきた者同士である。
刹那と楓の間の信頼関係は敵対するチームの関係であっても揺らぐことはなかった。
373作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/24(土) 19:46:11 ID:???
「ところで2人に聞きたいことがある。楓、史伽さん、木乃香お嬢様を知らないだろうか?」
「このかさん?最初に別れてからは出会ってませんよ」
「拙者もでござる」
2人の答えに刹那が落胆した表情を浮かべる。
「そう……か……」
亜子、楓、史伽の3人と出会ったのに木乃香の情報は全く得られない。刹那は心配する気持ちを募らせる。
しかし、自分の心の中の焦りを楓や史伽には悟られないように努めて平静を装った。
そして、2人に顔を向けると刹那が口を開いた。
「2人に伝えたいことがある。ゲームに関することだ」
真剣な刹那の顔つきを見て、楓は大事な話であること悟る。
「何事でござるかな?」
楓も表情を引き締めて刹那の次の言葉を待った。
史伽もごくりと唾を飲み込むと、刹那の言葉を聞き逃さないようにする。
「和泉さんから教えてもらった情報だ。柿崎さんを殺害したのは茶々丸さんだということだ」
刹那の言葉に楓と史伽は驚愕した表情を浮かべる。
「ちゃ……茶々丸さんが柿崎を……殺したですか?だ、だって2人とも同じAチームのメンバーなのに?」
「……茶々丸殿が『犯人』ということか?」
楓の言葉に刹那が頷く。
「たぶん……な」
その場に居た全員が黙り込んだ。しかし、茶々丸が犯人の可能性が高いということは非常に重要な情報であった。
ゲームを終わらせるための犯人探しのための手がかりである。
そして犯人は参加者の皆殺しを目的としていることから警戒すべき要注意人物でもある。
「それは重要な情報でござるな。……ところで刹那、仮にも敵対する拙者たちにそんなことを教えても良いのでござるか?」
犯人当てをする場合はAチームとBチームの早い者勝ちである。
楓は犯人探しをする気はないが、重要な情報を安易に敵に漏らすことは不用意だと思った。
致命的になりかねないこともあり得る。
「元々はAチームの和泉さんからもらった情報だ。それに私もAB両チームに関係なくゲームから脱出する道を探している」
374作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/24(土) 19:47:31 ID:???
その時になって楓は刹那と木乃香が敵対するチームであることを思い出した。
刹那の気持ちがなんとなく分かって楓は刹那からの情報を素直に感謝した。
そして、楓のほうも史伽が経験した事実、美空がゲームに乗っていることを刹那に伝えた。
ゲームに乗った生徒がいることを知り、刹那は複雑な顔をしていた。
お互いの情報交換が終わると、刹那は楓たちに背を向ける。
「木乃香殿を探しに行くでござるか?刹那」
「ああ」
刹那が木乃香を探すために再び移動しようとしていることを察した楓は一言だけ確認した。
「重要な情報を感謝する。くれぐれも気をつけるでござるよ」
「このかさんと出会えると良いですね」
「楓と史伽さんの方も気をつけて」
手を挙げて答えた刹那は、踵を返すと急ぎ足で去っていった。
刹那を見送った後、楓は史伽の方を振り向いた。
「さて、拙者たちも行くでござる」
「うん」
互いの目的のために分かれた2組は、それぞれの信ずる道を進んでいった。

【Aチーム:残り10人】
【Bチーム:残り12人】
375作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/24(土) 19:49:21 ID:???
[42.捜し求めた末に]
大河内アキラ(Bチーム)は小さな商店らしき建物の中に居た。
主催者から支給された食料は2〜3食程度の量であった。昼に少なめではあるが1食分食べたので明日の昼頃には食料が底をつく。
そのために今のうちに食料を補給することにしたのだ。
人口の少なそうな島なので店の中にあまり多くの品揃えはない。少量のパンが残っていたのでそれをデイパックの中に詰め込んだ。
パンの置いてある棚のスペースに対して残っているパンが異様に少ない。
先に誰かがここで食料を補給したのではないかとアキラは推測した。
手に入れたパンの量が少ないので菓子の棚からクッキーやせんべいなど腹持ちしそうなものを選んでデイパックに詰め込んだ。
お茶のペットボトルもあったので、それも1本貰っていくことにした。
充分な食料を手に入れたアキラは、デイパックを担ぐと、店から道路をそっと伺い誰も居ないことを確認すると一気に走り出した。
いきなり隣の建物から飛び出した誰かと出会い頭にぶつかった。ぶつかった勢いでアキラは2〜3歩よろける。
相手はアキラとぶつかった勢いで尻餅をついていた。
「ご……ごめん……ま、まき絵っ!」
ぶつかったのが探していた親友のまき絵だと知ってアキラは声を上げた。
顔をしかめて尻をさすりながら立ち上がったまき絵(Bチーム)もアキラの顔をみて驚く。
「ア、アキラ!」
「……よかった。無事だったんだねまき絵」
「アキラぁっ!」
まき絵はアキラに出会えた嬉しさでアキラに抱きついた。アキラもまき絵をギュッと抱きしめる。

2人は簡単に今までの経緯を説明し合う。
まき絵のほうも隣の建物に食料がないか探しに来ていたのであった。
このゲームから逃れるための有益な情報はなかったものの、信頼できる親友同士が出会えたのことを素直に喜んだ。
376作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/24(土) 19:51:51 ID:???
――空気を切り裂く小さな音。
2人の近くにあった建物の壁に音を立てて矢が突き刺さる。
「な、何っ!?」
矢が突き刺さったのに気付いた2人は慌てて身を低くした。
急いで辺りを見回すとボウガンを構えて立っている美空(Aチーム)の姿があった。
「みっ、美空ちゃん!?」
「逃げるぞまき絵!あいつはゲームに乗っている!」
アキラがまき絵の腕を引っ張って走り出した。
「ま、待ってよアキラ!」
再び矢が放たれ、さっきまで2人が居た場所を通過した矢が地面に突き刺さる。
美空から離れるべく、アキラの後をまき絵が追うような形で逃げ出した。
「へへっ、私から逃げられると思ってんの?」
嵩張るので走るには邪魔になるボウガンをその場に放り投げ、美空はコルトガバメントを取り出した。
腰を屈めて前傾姿勢になった美空は2人の後を追うべく一気にダッシュした。
アキラとまき絵は運動部に所属するだけあって2人とも足は早い。
しかし、美空に全力で追いかけられて差は徐々に近づいてゆく。
アキラとまき絵が逃げた先には畑が広がっている。身を隠す場所がないのに気付いたアキラ達は畑を突っ切った先の森へと急いだ。
後ろを追いかけていた美空が一旦立ち止まる。
見通しが良い場所に来たところで銃を構え、前を走っている2人に狙いをつけて腰を落とした。
そして両腕で握り締めた銃の引き金を引いた。
377作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/24(土) 19:53:44 ID:???
――パン、パン!
続けて銃声が鳴り、まき絵がのけぞってその場に倒れた。
「まき絵ぇぇっ!」
アキラは振り向いてまき絵に駆け寄る。
「アキ……ラ」
まき絵の制服が徐々に赤く染まっていく。
「よくもまき絵をっ!」
その光景を見たアキラはカッとなり、怒りを込めた目で美空を睨み付け、肩に架けていたレミントンM31を素早く下ろすと美空を狙ってぶっ放した。
銃弾は美空に当たらなかったもののアキラが本気で反撃したことを悟り、美空はアキラから距離を取って横に移動しながら再び銃を撃った。
しかし慌てて撃ったために銃弾はアキラには当たらない。
次弾を装填して、再び美空を狙ってアキラのショットガンが火を噴いた。
美空のすぐ後ろにあった木の一部がが大きく弾け、細かい木屑が飛び散った。
「チッ!ショットガン相手じゃ不利か」
身を隠す場所がほとんどない所で拳銃とショットガンで正面から撃ち合っては分が悪いと判断した美空は、踵を返して一気にアキラから逃げ出した。
「待てっ!」
美空の後を追いかけてショットガンを構えるが、アキラの元から一気に走り去る美空を見ると諦めたように立ち止まり、アキラはショットガンを下ろした。
378作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/24(土) 19:54:35 ID:???
「まき絵っ!」
一難去ったことを確認すると、アキラはすぐにまき絵の元に駆け寄った。
倒れているまき絵を抱きかかえると、大きな声でまき絵に呼びかける。
「まき絵っ!大丈夫?しっかりして!」
アキラの呼びかけにまき絵が半分目を開ける。
「痛いよう……、痛いよう……アキラぁ、助けてぇ」
「まき絵!しっかりしてよ、生きて一緒に帰ろう!」
まき絵の体を揺すりながらアキラが元気付ける。
背中から撃ち込まれた銃弾はまき絵の体を貫通し、背中と胸から血が流れ、まき絵の制服は真っ赤に染まっていた。
「痛いよう……アキラぁ、どうしてこんなことに……なっちゃったのかな?私……死にたく……な……い……」
アキラに悲しみの言葉を残して、まき絵の体から力がなくなった。がっくりと頭が落ちる。
「まき絵ぇぇぇっっ!!」
動かなくなったまき絵をしっかりと抱きかかえ、まき絵の体に額を押し付けたアキラは嗚咽を漏らした。

【出席番号16 佐々木まき絵 死亡】
【Aチーム:残り10人】
【Bチーム:残り11人】
379作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/24(土) 19:56:17 ID:???
本日の投下は以上です。

休み明けなので少し多めに投下しました。

ではまた明日。
380マロン名無しさん:2008/05/24(土) 19:59:15 ID:???
おっつー。
20氏のキャラの死に際はリアリティがある。
感動ものも好きだけどやっぱり死を拒むのが人間だもんな。
こういうのも俺は好き。
381マロン名無しさん:2008/05/24(土) 21:09:30 ID:???
お前も毎回、感動するのも〜とかいちいちつけなくていいから
つまんねぇよ
382マロン名無しさん:2008/05/24(土) 21:30:48 ID:???
はぁ。すんませんでした。
383マロン名無しさん:2008/05/24(土) 22:46:42 ID:l1dFLaNH
空気ーーー!!
今度こそ許さん。
384マロン名無しさん:2008/05/25(日) 01:23:51 ID:???
つまりシュークリームが鼻に詰まったわけですね
385マロン名無しさん:2008/05/25(日) 01:48:58 ID:???
!?
386マロン名無しさん:2008/05/25(日) 12:21:47 ID:???
松崎しげるが所々で脳内変換されていくんだがどうしてくれるww
387マロン名無しさん:2008/05/25(日) 12:28:04 ID:???
つまり松崎しげるが鼻に詰まったということですね
388マロン名無しさん:2008/05/25(日) 12:32:48 ID:???
背中から撃ち込まれた松崎しげるはまき絵の体を貫通し、背中と胸から松崎しげるが流れ、まき絵の制服は松崎しげるに染まっていた。
389マロン名無しさん:2008/05/25(日) 14:08:50 ID:???
作者松崎しげる
390作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/25(日) 19:16:41 ID:???
松崎しげるです・・・・・あれっ?いやいや作者です。

本日の投下を始めますね。
391作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/25(日) 19:19:05 ID:???
[43.命運を分けた遭遇]
そこは小さな1軒家と同じくらいの大きさの倉庫だった。中には1台の農耕機が置かれ、農具や何に使われるのか良くわからないものが乱雑に置かれていた。
倉庫には簡単な造りの屋根裏部屋が設けられてあり、そこにも荷物を置くスペースがあった。
宮崎のどか(Aチーム)は、屋根裏部屋に体を小さく丸めて潜んでいた。
屋根裏部屋は完全に壁で区切られて作られていないため、のどかのいる屋根裏の場所から倉庫の入口の扉が見えるし、倉庫内の半分程度を見渡すことができる。
のどかは入口から見えないように体を隠し、誰か入口の扉を開けて入ってこないか恐々と見張っていた。
もしも誰かが入ってきた場合、仲が良くて信頼できる生徒ならば声をかけて一緒に行動しようとしていた。
それ以外の生徒の場合はここから出て行くまでやり過ごすつもりだった。
支給された武器は片手で使うことのできるサイズの斧。
いつでも対応できるように常に握り締めているが、のどかはこれを人殺しに使うようなことがないことを祈っていた。
今日の正午、殺し合いのゲームのルールを知ったとき、のどかは途中まで一緒に行動していたハルナと木乃香を真っ先に探したが見つけることが出来なかった。
あまり長時間外をうろついているとゲームに乗った敵チームのメンバーや犯人と出会う可能性がある。
それを恐れてのどかは隠れることにしたのだ。
「ハルナ、このかさん、……ゆえー……」
か細い声で親友達を心配して名前を呼んだ。彼女達と会いたいが、敵と出会うのが怖くて動くことができないでいた。
のどかが物思いにふけっている時、突然倉庫と扉がガラガラと音を立てて開かれた。
「!!」
音に驚いてビクッと反応するのどか。
心臓が跳ね上がり思わず悲鳴を上げたくなるが、慌てて口を押さえて悲鳴が出るのを押し殺した。
のどかは大きく深呼吸して高鳴る鼓動を落ち着けると、恐る恐る入口を覗き込んだ。
392作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/25(日) 19:21:30 ID:???
入口で小柄な少女が倉庫の中を注意深く見回していた。
(……ふーちゃん!)
倉庫の入口に立っていたのは鳴滝風香(Bチーム)であった。
風香は頭上にある屋根裏部屋に隠れているのどかには気付かず、中に誰もいないと判断して倉庫の中に入ってきた。
扉をゆっくり閉め、薄暗くなった中をきょろきょろ見回して腰を下ろせそうな場所を見つけて座り込むと大きく息を吐いた。
その様子をじっと見詰めていたのどかは、風香に声をかけようかどうか迷っていた。
風香とは結構仲の良いほうだ。普段の彼女を知っているのどかは、今の彼女の様子からゲームに乗っているとは考えにくいと予想した。
しかし、風香はBチーム、のどかはAチーム、ゲームの中では殺し合わなくてはならない敵同士である。
これが夕映や明日菜だったら迷わず声をかけるのだが、ある意味中途半端に仲の良い風香であるために声をかけるのを躊躇してしまった。
結局、声をかけることが出来ないまま息を殺して風香の様子をしばらく見守ることにした。
風香は小休止をしに来たのか、ここに隠れるために来たのかどうか分からない。
そのままここを出て行くのなら声をかけない。長く滞在しそうであれば声をかけようとのどかは考えた。
座り込んだ風香はペットボトルを取り出して水を一口飲んだ後、無言のまましばらくの間は動かなかった。
その間ものどかは動かないままじっと風香を見つめていた。
そのまま時間だけが過ぎていった。

――10分以上経過したとき、再び倉庫の扉が音を立てて開いた。
部屋の中が少し明るくなる。
のどかは声を上げずに驚いて入口の方に目を向けた。
風香も慌てて立ち上がり、支給武器の包丁を取り出して入口に向ける。
「だっ、誰だぁっ!?」
大声を発する風香。風香の手が恐怖で震えている。
393作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/25(日) 19:24:10 ID:???
ゆっくりと小屋の中に入ってきたのは風香と同じBチームの生徒であった。
彼女は風香が持っている武器が包丁であることを見るとニヤッと笑みを浮かべた。
そしてIMIウージーを風香に向ける。
同じBチーム同士であるものの、彼女の行動を見てその意図を見抜いた風香は物陰に隠れようと走り出した。
しかし風香の行動よりも引き金を引く方が早かった。
パラララ、パラララ、パラララと銃声が鳴り響き、無数に飛び出した弾丸が風香を追いかけて貫いていく。
「ガアアアァッ!」
風香は仰け反り、走り出そうとした勢いのまま壁にぶつかると、そのまま床に倒れこんだ。
地面に血が流れ2、3回ビクビクッと痙攣して風香は動かなくなる。
彼女は煙の立ち上るIMIウージーを下ろすと、倉庫を見渡して他に人がいないことを確認する。

のどかはガタガタと震えながらその一部始終を見ていた。
風香が撃ち殺された後、のどかは風香を殺した生徒に見つからないように柱の影に隠れたまま息を潜めた。
倉庫の中は一見すると風香しかいないように見えたために、倉庫には風香以外に人は居ないと判断したようである。
風香を殺した生徒は倉庫の中をじっくり調べることなく、風香をそのままにして出て行ってしまった。
結果的に風香の存在がのどかをこの危機的状況から救うことになった。
あまりの出来事に放心していたのどかは、倉庫の中が静まり返ってから長い時間そのまま思考が停止していた。
そしてハッと気付いたように我に返ると、のどかは下へと降りていった。
「ふ……ふーちゃん?」
倒れている風香の近くまで寄ってみる。風香の体中の至るところに穴があき、そこから血を流した状態で風香は絶命していた。
震えながらも風香の肩を触って2、3回揺らしてみる。何の反応もない。既に死んでいることを実感して怖くなる。
「ひいぃぃっ!」
のどかは風香の死体から1歩、2歩とゆっくり離れていく。開け放たれていた扉のところへたどり着くと、外に向かって飛び出していった。

【出席番号22 鳴滝風香 死亡】
【Aチーム:残り10人】
【Bチーム:残り10人】
394作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/25(日) 19:25:09 ID:???
[44.定時連絡(2回目)]
一緒に行動している明日菜、夕映、千雨(Bチーム)のケータイが一斉に鳴った。
そろそろ夕方の6時頃であるのに気付き、3人はそれぞれケータイのメッセージを読み始めた。

『――― メッセージ ―――
送信者:主催者  
件名 :定時連絡
午後6時になったので定時連絡を行う。

<死亡者>
Aチーム:雪広あやか、明石裕奈、早乙女ハルナ
Bチーム:村上夏美、佐々木まき絵、鳴滝風香

<立ち入り禁止エリア>
午後7時以降H−8
午後9時以降J−5
午後11時以降H−3』
395作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/25(日) 19:30:12 ID:???
死亡した生徒の名前の中にハルナの名を見つけた瞬間、夕映はケータイを取り落とした。
「そん……な、ハルナが……何故?」
決別した親友の死を知って夕映は呆然とした。
明日菜と千雨の2人もハルナの死を知ってショックを受けている。
明日菜にとっては喧嘩相手のあやかの名も死者の中にあったので2重のショックを受けていた。
しかし事前に生きている姿を見ているのと見ていないものの違いだろうか、ハルナの死のショックの方が大きい。
「私達から別れた後、誰かにやられたのか?」
そう言って千雨は黙り込んだ。やむをえない経緯があったものの千雨はハルナの武器を奪い取っている。
武器を失ったハルナは敵と遭遇した場合はなす術もなく殺られることは容易に想像できる。
ハルナが死亡した一因になっている可能性は充分にあった。
「夕映ちゃん……」
明日菜もハルナの死にショックを受けているものの、ハルナと親友であった夕映の方を心配する。
「ハルナは……超えてはならない一線を越えてしまいました。……自業自得です」
震える声でそう言った夕映は、両手で顔を覆うとその場にしゃがみこんだ。
「10分だけ……10分だけ時間をください。立ち直りますから……」
それだけ言うと、声を押し殺して夕映は泣き出した。
その夕映の姿を明日菜と千雨は黙って見つめていた。

【Aチーム:残り10人】
【Bチーム:残り10人】
396マロン名無しさん:2008/05/25(日) 19:32:12 ID:???
やっぱ23部は22部よりぐっとくる場面があるよ。私怨
397作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/25(日) 19:33:03 ID:???
[45.不本意な出会い]
和泉亜子(Aチーム)は刹那と分かれてからAチームのメンバー、特に裕奈を探していた。
しかし2回目の定時連絡で裕奈の死を知ってしまった。そして敵チームではあるが親友のまき絵も死亡している。
「ゆーな……まき絵……」
親友の2人の名を呼ぶ。もう2人とは会うことが出来ないのだ。
亜子の体が震え、両目から涙が零れ落ちる。
「ウック……ヒック……な……なんでこんなことになったんかな?」
既にクラスの3分の1の生徒が死んでいる。もはや誰が信頼できるのか亜子には分からなくなっていた。
今となっては最初に出会った刹那と一緒に行動しておけばよかったと後悔する。
刹那とは敵チームであることと個人的な繋がりがないこと、何より刹那自身が焦っているように見えたために一緒に行動することを躊躇してしまったのだ。
刹那と出会ったのはゲームが始まってから時間が経っていなかったので、すぐに他の誰かと出会うことが出来ると思っていた。
そして、こんなにも早いペースでクラスメートが殺されるとも思っていなかった。
犯人がクラスメートを殺しているのか、ゲームに乗っている生徒が居るのか亜子には分からないが、確実にクラスメートを殺そうとしている生徒が居るのは間違いない。
亜子は自分の考えが甘かったことを痛感する。
亜子は時計を見て時間を確認した。
定時連絡で亜子の今居る場所は約1時間後に立ち入り禁止になる。
まだ時間は充分だが、これから夜になって暗くなると行動が制限される。
とりあえず24時の定時連絡の時間までどこか一つの場所に留まれる場所を探すことにした。
マップを確認すると近くに民家が集中している場所がある。まずはそこを目指して移動し始めた。

日が傾き、夕日が亜子の姿を照らす。
亜子は周囲に気を配りながら前に進んでいく。
すると前方に人影を確認する。夕日を背にしているために逆光でよく見えないが、そのシルエットで長身長髪であることは分かった。
「だ……誰や?……アキラ?」
亜子は震える声で確認する。
398作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/25(日) 19:34:53 ID:???
「違うよ和泉」
その声で相手が龍宮真名(Bチーム)であることが分かる。
「ヒィッ!」
Bチームの真名はAチームの亜子と敵対している。亜子は短い悲鳴を上げて慌てて真名に背を向けて逃げ出した。
亜子の反応を見ても慌てることもなく、真名は右手に持っていた銃をゆっくりと持ち上げ亜子の背中に向ける。
パン!と音を立てて真名の銃が火を噴いた。
逃げていた亜子の体が大きく仰け反る。
「アグゥッ!」
背中に受けた衝撃で亜子は撃たれたことを自覚する。
(ウチ……撃たれたん?)
逃げようとする亜子の意思に反して、体が思うように動かずに地面に倒れ込んだ。
撃たれた背中が熱い。
「い……イヤや……ウチ、死にとおない……」
這いずるようにして亜子は真名から逃げようとする。
亜子の背後に近寄った真名は、亜子の後頭部に銃口を向けて再び銃を撃った。
ビクン!と体を震わせ、亜子は動かなくなる。
亜子を見下ろしていた真名は、片膝を突いて亜子の持ち物を探った。デイパックの中からスタンガンが出てくる。
「……またハズレか」
スタンガンを放り投げると真名は立ち上がった。顔を上げ空の様子を見た後で、時計で時間を確認する。
「暗くなるまであと1時間くらいか?」
街灯が設置されていない島の中は、夜はかなり暗くなることが予想される。夜に動く生徒は少ないだろうと真名は判断した。
真名は無理に敵チームの生徒を暗闇の中で探すより夜はじっくりと体を休めることに決めていた。
あと1時間で真っ暗になると判断した真名は、今日の行動を切り上げることにした。
そして夜の間を過ごす場所を探すために真名は歩き出した。

【出席番号5 和泉亜子 死亡】
【Aチーム:残り9人】
【Bチーム:残り10人】
399作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/25(日) 19:36:36 ID:???
[46.幼馴染]
「近いな……ここから20メートルという所か?」
レーダーを手にした刹那(Bチーム)は、Aチームのメンバーの一人の居場所を目指して歩いていた。
今向かっているAチームの生徒は一人で行動しているようだ。
これまでに亜子、楓と史伽の3人のAチームのメンバーと出会っている。
刹那が探しているAチームのメンバーの中にはゲームに乗っている美空、犯人と思われる茶々丸がいる。
木乃香に出会う前にこれらの殺し合いに乗った者に出会う確立も高くなってきているので、刹那は用心深く近づいていく。
あと10メートル……。
今はもう日が落ちかけている。
刹那が居る場所は森の中であるため、この距離では相手の姿は良く見えない。
まだ明かりがなくても移動は出来るくらいの明るさはあるが、少し距離が離れると人が居るかどうか分からなくなる。
だが、刹那にとってはこのくらいの距離まで近づけば相手の動きは気配で分かる。
レーダーの示すAチームの生徒の一人は、こちらに気がつかずに森の出口へと進んでいる。
刹那はその後を追ってそのまま徐々に距離を縮める。
ようやく相手の姿が認識できる距離まで近づいた時、刹那は思わず大きな声を上げていた。
「お、お嬢様ぁっ!ご無事ですか!?」
刹那の声に木乃香が振り返る。刹那の姿を確認した木乃香の顔がぱあっと明るくなる。
「せっちゃん!会いたかったわー」
木乃香が刹那に抱きついてくる。刹那も嬉しそうに木乃香の体を優しく抱きしめた。
「良かった……お嬢様……ご無事で本当に良かった……」
ひとしきり再開を喜んだ後、木乃香は刹那から離れて尋ねた。
「ところでせっちゃん、何でウチの場所がわかったん?」
刹那はレーダーを取り出して木乃香に見せる。
「これです。私に支給されたアイテムはこのレーダーでした。ゲームの参加者の居場所が分かるようになっています」
「そっかー。せっちゃんがその装置を引き当てたんはラッキーやったなー」
嬉しそうに木乃香が応じる。
400作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/25(日) 19:37:55 ID:???
「せっちゃん、これからどうするん?ウチら、敵同士やで。ウチ、自分が死ぬんは嫌やけどせっちゃんが死んでしまうのも嫌や!」
うつむきながら木乃香は自分の正直な気持ちを伝えた。木乃香の目にはうっすらと涙が滲んでいる。
2人は出会えただけでまだ殺し合いのゲームは進行中なのである。
「とりあえず、ゲームに乗っていない仲間を探しましょう。皆が知恵を出し合えば良い方法が浮かぶかもしれません」
「そ……そうやな。希望を持たなあかんよな」
刹那の言葉に顔を上げた木乃香は涙を拭って答える。
「私も途中まで一緒に行動していたのですが、アスナさんと綾瀬さんの2人は一緒に行動しているはずです。
まずは2人組み以上で行動している人たちを探しましょう。それがアスナさん達ではないにしてもゲームには乗っていない可能性が高いです」
「うん、アスナ達なら大丈夫やな」
木乃香も頷く。
「ですが、これから暗くなりますので夜に動くのは危険です。動くのは明日にして、どこかで休める場所を探しましょう」
「そうやな」
2人は夜を過ごせる場所を探すために移動を開始した。

……先を歩く木乃香の後を追いながら、刹那は一人で考えていた。
ゲームから逃げ出す方法を持った生徒に出会えたら、協力してゲームから脱出するために動く。
しかし、もしもゲームから脱出する手段が見つからなかったら?
このゲームは制限時間がある。制限時間までに勝敗が決まらなければ全員死んでしまう。
(最悪の場合は……Bチームを私の手で全員殺し、私が命を絶てば……木乃香お嬢様は生き残ることが出来る!)
木乃香には絶対に聞かせられない最後の手段を刹那の心の中で覚悟していた。

【Aチーム:残り9人】
【Bチーム:残り10人】
401作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/25(日) 19:38:36 ID:???
本日はここまでです。

ではまた明日。
402マロン名無しさん:2008/05/25(日) 19:43:43 ID:???
20氏乙
亜子‥合流できなかったか
403マロン名無しさん:2008/05/25(日) 19:59:48 ID:???
おっつー。
亜子カワイソス・・・・。
404マロン名無しさん:2008/05/25(日) 20:08:55 ID:???
(´・ω・`)
405マロン名無しさん:2008/05/25(日) 21:31:09 ID:???
ちょっとお尋ねします
二日連続二回投下(2レスではない)前後編って短編の範疇に入りますか?

できたとしても明日以降になりますけど
留守予告中とか次回作までのつなぎ期間じゃないとまずいですか?

その辺の事あまり詳しくないものですいません
406マロン名無しさん:2008/05/25(日) 21:40:34 ID:???
>>405
今までは長編連載中は短編を投下しないのが暗黙の了解だったけど、ロダ使えばどうだろ?

個人的には、次の作者がまだ名乗りを上げてないので一旦ストックしてくれると助かるんだがw
407405:2008/05/25(日) 21:44:16 ID:???
>>406
了解です、取りあえず待ちに入ります、ありがとうございます
408マロン名無しさん:2008/05/25(日) 22:41:19 ID:???
うむ。暗黙の了解でそうだったが実際にそういう話はした事なかったんだよな。
でもやっぱり作者も表面上良いと言っても内心ではうざいかもしれないから長期投下中に短編は控えた方が良い。
でも出来た短編を投下したいという短編作者の気持ちも分かる。

だから明日、1日目分をロダに投下してURLをここに載せる。
次の日も同じように、なら良いんじゃないか?
409マロン名無しさん:2008/05/25(日) 23:25:37 ID:???
今更だけど松崎しげるってなんなんですか?
410伊吹 ◆z2oYImvW8k :2008/05/25(日) 23:37:42 ID:???
>>269
一応イラストサイトやらせて頂いてます。

20氏投下乙です。
刹那と木乃香無事合流できましたね。
果たしてこの先生き残れるのか気になります。

別館氏、私の紹介ありがとうございます!
なんだか…こんなに褒めていただいてしまって良いのでしょうか?(;´Д`)恐縮です。
別館関連の絵を描いて欲しいとの事でしたので、夏美と千鶴を描いてみました。
アンケート復活楽しみにしてます。
ttp://www7.uploader.jp/dl/yuyu/yuyu_uljp00138.jpg.html
411マロン名無しさん:2008/05/25(日) 23:43:02 ID:???
作者20氏 伊吹氏乙です
412マロン名無しさん:2008/05/26(月) 00:29:16 ID:???
>>410
GJGJGJGJGJGJ!!!
やっぱあんたの絵大好きだ
イラストサイト探してみよ(見つからないと思うけど)
413マロン名無しさん:2008/05/26(月) 00:33:51 ID:???
>>410
GJ⊂二二二( ^ω^)二⊃
414マロン名無しさん:2008/05/26(月) 00:34:31 ID:???
伊吹氏、乙です
相変わらず上手すぎww
千鶴がぶーんしとるwwwww
415マロン名無しさん:2008/05/26(月) 01:02:25 ID:???
夏美可愛い
416マロン名無しさん:2008/05/26(月) 02:42:01 ID:???
作者20氏、投下乙です。
明日もよろしくです。

伊吹氏も投下乙です。
相変わらず上手いですね〜。
二人とも可愛いッス!
次作も期待しています。
417マロン名無しさん:2008/05/26(月) 03:23:03 ID:???
作者20氏乙
また何かアクシデントがあって再会かと思ったら結構簡単に刹那と木乃香合流できたみたいだな
今後の展開に期待

伊吹氏も乙
やっぱS氏といい飴玉氏といい作者21氏といい絵上手い人は皆イラストサイトしてるんだな(S氏はどこか知らないけど…)
今回の絵も凄い綺麗で素晴らしいです
自分も一ファンとして次作も期待してます
418マロン名無しさん:2008/05/26(月) 08:43:21 ID:???
じつはな、MSNっつーのはな

M=松崎しげるが
S=世界をSigeru Mathuzakiにするための
N=ナッパ

の略なんだよ!!
419マロン名無しさん:2008/05/26(月) 10:38:33 ID:???
じゃぁNBRは?
420マロン名無しさん:2008/05/26(月) 12:13:34 ID:???
会社でこのスレ見てて仕事中に2chしてるのバレて今怒られてきたばかりの俺が通りますよ
421マロン名無しさん:2008/05/26(月) 13:15:22 ID:???
>>420
怒られたばっかなのに懲りずに2ちゃんてww
仕事しろw
422作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/26(月) 19:45:57 ID:???
>伊吹氏
素晴しい絵GJです!夏美が可愛い。ぶーんの千鶴も良いッス。

さて、本日の投下を始めます。
423マロン名無しさん:2008/05/26(月) 19:47:28 ID:???
age
424作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/26(月) 19:48:57 ID:???
[47.響き渡る銃声]
釘宮円(Aチーム)は目に見えぬ敵の恐怖に怯えていた。
最初にAチームのメンバーが葉加瀬聡美の死体に遭遇してからずっと嫌な予感はしていた。
それが殺し合いのゲームという最悪の形の現実が円の前に立ちはだかっている。
「どうしよう……どうしよう……」
円は殺し合いのゲームを知らされてから、民家の中に入ってずっと隠れていた。
同じチームの誰かと合流したいところだったが、敵チームの生徒の誰かに出会うのが怖くて仲間を探し回る気にはならなかった。
親友であり同じAチームの美砂は1回目の定時連絡ですぐに殺されていることを知った。
そして、もう一人の親友の桜子が敵チームになってしまった。桜子が自分を殺そうとするとは考えにくいが、全面的に信頼することはできなくなっていた。
そのため、円にとって心を許せる人がいなくなってしまった。

2回目の定時連絡で19時に円が隠れている場所が立ち入り禁止エリアになることを知り、仕方なく円は民家から飛び出した。
用心のために支給武器のCZE Cz75を握り締め、辺りを注意深く見渡しながら歩いてゆく。
急ぎ足で5分以上歩いた後、円は立ち止まってマップを取り出すと現在位置を確認した。
とりあえず立ち入り禁止エリアからは脱出できたことがわかるとホッと息をついた。
外は街灯もなく辺りは薄暗くなっていた。しかも島の7〜8割が森であり、民家はあまりない。
今は辛うじて周りが見通せるけれど夜になってしまうと真っ暗になるはずだった。
「……これからどこに行こう?」
円はこれからの行動を考える。暗くなるまでの短い時間内に夜を過ごせる場所を探さなければならないため、円の心に焦りが生まれていた。
――いきなり近くの草木がガサッと音を立てた。
「ヒイッ!」
円は飛び上がって音のする方向に銃を向けた。
草木の中から羽ばたき音と共に一羽の鳥が飛び立って行く。
それを見て円は警戒心を緩めて銃を下ろした。
「鳥か……お、驚かせないでよ!」
425作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/26(月) 19:51:34 ID:???
円の心臓が早鐘を打っていた。
大きく深呼吸をして心を落ち着けようとする。
その時、パァーン!という何かが弾けたような響きが辺りを木霊した。
(じゅっ、銃声!?)
再び円の心臓は大きく跳ね上がり、慌てて銃を構えた円は辺りを見回した。
周囲には誰も居ない。
音が反響したために音のした場所は特定できなかった。だが音の大きさからしてこの近くのはずだった。
間を置いて再び銃声が鳴り響く。
再び音が反響する。銃声に驚いてパニックになってしまった円には音のした場所は分からなかった。
しかし、音の大きさから今の場所からあまり離れていないことだけはわかる。
「や、やだよ。誰かいるの?」
近くにあった木の陰に身を隠して辺りを窺う。
薄暗くなったために遠くまでは見通せなくなったが、今見える範囲では動く人の姿は見えない。
円は銃を構えたまま、息を潜めてその場に留まった。
しばらくそのままでいると銃声はもう聞こえなくなっていた。円の居る場所に誰も近づいては来ない。
(こ、ここは危険だ。移動しないと!)
周囲に人がいないことを確認すると、恐怖に追い立てられるように円は走り出した。
銃を撃った人間がどこに居るかは分からない。出会わないことを祈ってこの場から急いで離れることにした。
(怖い……怖いよ……お願いだから誰とも出会わないで!)
すると、円が走り続けていた道の前方に人と同じくらいの大きさの何かが横たわっているのが見えた。
立ち止まった円はそれが何かと思って目を凝らしながら近寄ってみる。
その正体に気付いた円は凍りついた。
「あ……亜子!?」
そこにはうつ伏せの状態で息絶えている亜子の姿があった。背中と後頭部に銃で受けた傷があり、そこから血が飛び散っていた。
円の足がガクガク震えた。
2回目の定時連絡からそんなに時間は経っていない。そして定時連絡では死者の中に亜子の名前はなかった。
自ずと先程聞こえてきた銃声と亜子の死体とが結びつく。
夢中で走っていた円は、運の悪いことに銃声がした方向へと向かっていたらしい。
426作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/26(月) 19:53:41 ID:???
円は銃を握り締めたまま周囲を見回した。
まだ近くに亜子を殺した人間が居る可能性は高い。押し迫ってくる強烈な恐怖に体中が震え上がった。
円の脳裏に亜子と同じように死に絶えている自分の姿が浮かんだ。
それが後の自分の姿かもしれないかと思うと背筋が凍りつく。
「そ、そうだ!に……逃げなきゃ!」
ここに居るのは危険である。恐怖でパニックになりそうな円の頭の中でそれだけは理解できた。
自分自身を叱咤して震える足を拳で叩いて何とか足を動かして移動を始める。
このまま道なりに移動すると亜子を殺した生徒に出会う可能性が高いと考えた円は、森の中に向かって道なき道を進んで行った。
近くに亜子を殺した生徒が居るかもしれない。迫り来る恐怖と戦いながら、後ろを何度も何度も振り返りつつ円は先を急いだ。
銃をしっかりと握り締めていたために、気がつくと手は汗でびっしょりになっていた。
スカートで手に付いた汗を拭いながら円は進む。
(来ないで……誰も来ないで!)
そう願いながら、円は当てもなく森の中を彷徨っていた。
円はもう誰を信じて良いのか分からなくなっていた。

森の中はかなり暗くなっていた。
まだ先が見通せないわけではないが、もうしばらくしたら歩くのが困難になるくらい暗くなるだろう。
荷物の中に懐中電灯はあるものの、この近くにゲームに乗った生徒が居ると思うと、敵に見つかり易くなるので迂闊には使えなかった。
円は森の中を必死に歩き回ることで亜子の居た場所からある程度離れることができた。ようやく円は少しだけ心に余裕ができた。
もうすぐ暗くなる。どこか隠れる場所はないか探そうと考えていた時、円は森の中を彷徨っていた他の生徒とばったりと出会ってしまった。
427作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/26(月) 19:55:33 ID:???
[48.すれ違い]
椎名桜子(Bチーム)が円の目の前に姿を現した。
桜子は出会ったのが円だと気付くと表情を明るくする。
「円ぁっ!探してたんだよ」
喜んで駆け寄ろうとする桜子。しかし……
「ち、近寄らないで!」
円は銃口を桜子に向け、厳しい表情で警告を発した。
「円……ど、どうしたのよ?」
信じられないという表情で桜子が立ち尽くす。敵チーム同士とはいえ、親友である円は信頼し合えると思っていたのだ。
しかし、円は桜子を拒絶した。
亜子を殺した生徒はまだ近くに居る可能性があった。そして亜子と円は同じAチームである。
たとえ親友であっても、円は今ここで出会った敵対するBチームの桜子を信じることが出来なかった。
「桜子、あんたと私は殺し合いの敵同士なんだ。いつ私を殺そうとするか分からない桜子には近づけない!」
厳しい表情で円は桜子に対して警告する。
「わ、私を疑っているの?私は殺し合いなんかする気はないよ。信じてよぉ!」
涙ぐむ桜子。しかし、円は銃を構えたまま表情を変えなかった。
「でも、私は見たんだ。この近くで亜子が殺された姿を!亜子が殺されてからそんなに時間が経ってない。
この近くに亜子を殺した生徒が居るのよっ!」

桜子は言葉を失った。
美砂に続いて一緒にバンドを組んでいた亜子が死んだことを知って桜子はショックを受けた。
そして、桜子はこの時になって自分が円と亜子とは敵対していることを自覚した。円は自分が亜子を殺したのではないかと疑っていることが理解できた。
「あ、亜子を殺したのは私じゃないよ!私はずっと森の中を迷っていたんだよ?」
「ダメだよ桜子……信じることが……できないよ」
円の両目から涙が流れ落ちた。
428作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/26(月) 19:57:08 ID:???
桜子は考える。
この状況下でようやく出会えた円と今ここで別れたら永遠に決別することを意味する。
桜子にとって円は大切な親友である。親友をこんなことで失いたくはなかった。
円は亜子の死を知って混乱しているだけだ。落ち着けば分かってくれるはずだ。
そう思った桜子は必死に円を説得しようとした。
「ね、ねえ円。亜子はどうやって殺されたの?」
「……銃声がしたから撃ち殺されたんだと思う」
涙を拭いながら円は答える。
「だったら私には桜子を殺すのは無理だよ。見てよ、私の武器はこれだよ?」
桜子は手に持っていた木刀を掲げて円に見せた。
それを見て少しだけ円の警戒心が薄れる。
「本……当?」
「私が円に嘘をつくわけないじゃん!私を信じてよ、お願い!」

桜子は親友だ、彼女のことを信じようと頭の中で叫んでいる円が居た。しかし同時に桜子の言葉は嘘だ、彼女を信じるなと頭の中で叫んでいる円も居た。
円はどうして良いのか分からなくなっていた。
「ねえ、近くに行っていい?」
桜子は優しく語りかける。
「ダメ!ち、近寄らないで!」
銃口を桜子に向けて円は1歩後ろに下がった。
「親友の私が信じられないの?」
悲しげな表情で桜子は訴えかける。その言葉に円はさらに混乱する。
「わ、私だって親友の桜子を疑いたくなんかないよ!でも、でも、どうしても疑ってしまう!私……私、死にたくないよぉっ!」
円は叫んだ。
429作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/26(月) 19:59:51 ID:???
「安心してよ。私は円の味方だよ」
涙で顔がぐしゃぐしゃになったまま、円は桜子の顔をじっと見つめる。
「円のことは私が守るから」
「………」
「大丈夫だよ。皆で協力すれば、きっとここから逃げ出すことができるよ」
「………」
「ねっ?一緒に……行こう?」
桜子は意を決して一歩前に出て円に近づいた。
「ちっ、近づかないでよ桜子!」
桜子は手に持っていた木刀を地面に捨て、両手を広げてさらに一歩近づいた。
「いやあぁぁーっ!」
両目を瞑って円は叫び声を上げた。
桜子を信じたいという心、敵である桜子に対する恐怖、様々な思いが円の中を錯綜し、円は正常な思考が出来なくなっていた。
そして、この状態から逃げ出したい一心で、円は……引き金を引いた。

一発の銃声が周囲に木霊した。

「ううっ!」
気がつくと桜子が胸を押さえてゆらりと後ろ向きに倒れ込んでいた。
自分が何をしたのか分からずに、円は呆然としたまま倒れていく桜子を見続けていた。
ハッと我に返ると自分の手に握られている銃を見つめる。銃口からゆらゆらと白い煙が立ち昇っていた。
ようやく自分が桜子を撃ってしまったことに気付いた円は、銃を放り出して桜子の元に駆け寄った。
桜子の体を抱き上げると大きく揺さぶる。
「桜子!桜子!しっかりしてぇっ!」
円の呼びかけに桜子がゆっくりと細目を開ける。円の中で強い後悔の念が襲ってきた。
「うぐっ!えっく……ご、ごめん。私っ……桜子になんてことを……」
声を詰まらせながら円は桜子に謝った。謝って済むような問題ではないのは分かっているが、謝らずにはおれなかった。
430作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/26(月) 20:01:41 ID:???
泣いている円の顔を見て、弱々しい笑みを浮かべながら桜子は口を開いた。
「よかっ……た……いつもの円に……戻ってるね」
「ごめっ!さ、桜子っっ!ごめんっ、本当に……ごめん!」
何度も何度も繰り返して円は謝る。円の目から流れ落ちた涙が桜子の頬にも落ちる。
「クラスの皆を……信じようよ……絶対に……助か……る……方法……が……」
言葉を最後まで伝えることが出来ないまま、桜子の体から力が抜けて頭がダランと落ちる。
「桜子おぉぉっっ!やだっ!目を開けてよぉぉっ!」
動かなくなった桜子の体を抱きしめて、円は泣き叫んだ。

――背後から地面を踏みしめる足音が聞こえる。
桜子の体を抱きしめたまま嗚咽を漏らしている円の後ろから誰かが近づいていた。
その足音は円の耳にも届いていた。しかし、桜子を撃ち殺してしまった後悔で何も考えることが出来なくなっていた円は後ろを振り返る余裕はなかった。
近づいてくる足音は、円の後ろに来るとピタリと止まった。
円の後頭部に堅いものがコツンと当たる。
何かと思ってようやく振り向こうとした円の後頭部に大きな衝撃が起こり、円の意識は一瞬で絶たれた。
最後の意識が残っていた瞬間、円の耳に突き抜けるような銃声が聞こえていた。

超鈴音(Bチーム)は煙の立ち上る銃を下ろすと、倒れた円を見下ろしていた。
「これで……Aチームが一人、Bチームが一人死んだネ」
短く確認の言葉を呟いた。
超は倒れている円のポケットを探ってハンカチを取り出すと、自分が浴びた返り血をふき取って円の上に放り投げた。
そして円の落とした銃を手に取り、その場から立ち去っていった。

【出席番号11 釘宮円  死亡】
【出席番号17 椎名桜子 死亡】
【Aチーム:残り8人】
【Bチーム:残り9人】
431作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/26(月) 20:03:24 ID:???
[49.激突]
「ありゃ、もう日が暮れるネ。結局、昼から誰にも会わなかたアルネ」
古菲(Aチーム)はとりあえず誰かに会うために島の中を移動していたが、運が良いのか悪いのか、今まではゲームに乗った生徒とも乗っていない生徒とも出会わなかった。
古はゲームに乗る気はまったくなかった。頭の悪い自分はあれこれ考えるのは苦手である。
このゲームからどうにかして脱出できないか、誰かと会って相談したかった。
支給された武器はブーメラン。使い慣れない武器なので無理に使うよりは素手の方が戦い易いと判断してブーメランはデイパックの中にしまっている。
食料がなくなったら狩りのために使おうと思っているが、途中で民家に入って食料を調達することができたので当分の間ブーメランを使う必要はなさそうだった。

古は森の中を進む道を誰かに会わないかとキョロキョロと見回しながら進んでいく。
そこで鼻をツンと突く鉄のような匂いを感じた。
「!?血の匂いがするアル」
古は匂いのする方へ走っていく。
すると、血を流して倒れている四葉五月の姿を発見した。
「五月……」
1回目の定時連絡の時に五月が既に死んでしまっているのは分かっていたが、死体と出会っれしまうと五月の死を強く実感する。
「もう、五月の作た肉まんは食べられないアルネ……」
五月の側にしゃがみ込み、両手を合わせて黙祷する。
そして立ち上がった古は、五月との未練を振り払うかのように走り出した。
432作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/26(月) 20:05:57 ID:???
道が開けたところに出ると、向こうから誰かがやってくるのが見えた。
「ム、誰アルか?」
ゲームに乗っている奴かもしれないと、古は警戒して相手が近づくのを待つことにする。
相手も古の姿に気付いたようだ。
ザジ・レイニーデイ(Bチーム)は古の姿を見ると駆け寄ってくる。
ザジとは敵チーム同士である。古はザジが銃を握っていることに気付いた。
古の近くで立ち止まったザジは、両手で銃を握り締めて古に狙いをつける。
(ムッ、ゲームに乗っているアルカ!?)
古はザジが立ち止まったと同時に地を蹴った。
引き金にかけた指に力を入れようとした瞬間、古は縮地でザジとの間を詰めて懐に入り、前方に出されていた腕を掴んで銃口をそらす。
一瞬遅れて引き金が引かれて銃弾が飛び出るが、銃弾の進行方向に古はいない。
古の姿を見失ったザジは、いきなり自分の目の前に立つ古の姿をみて驚愕の表情を浮かべる。
そのままの勢いで古はザジの腹に膝蹴りを入れる。手加減はしなかった。
蹴りの勢いでザジは2、3メートル後ろに飛ばされた後、後方にゴロゴロと転がった。
腹をかばいながら苦しそうに起き上がったザジは、銃を持っていないのに気付いて周囲を見回す。
ザジの手にあった銃は古に蹴り飛ばされた拍子に別の場所へ飛ばされており、手を伸ばせば届くところではなかった。
ジリジリと後ろに下がるザジに向かって古は構えを解かずに警告した。
「降参するアル。私は殺し合いをする気はないネ。おとなしくしてくれれば何もしないガ、刃向かうなら容赦しないアル」
そう言ってザジの出方を注意深く見つめる。
暫くの間、ザジは古の顔を無言でじっと見つめていた。ダメージを受けた腹を押さえている。
「どうしてそんなことをするアルカ?クラスメート同士で殺し合いなんかしていたら主催者の思う壺ヨ?」
「……生き残るため」
古の問いに一言だけザジが答えた。
433作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/26(月) 20:07:56 ID:???
古はザジとまともに会話した記憶がないのでザジがしゃべったことに内心少し驚いた。
「い、生き残るためにクラスメートを手にかけるアルカ!?」
「このまま何もしなかったら時間切れでみんな死んでしまう。敵チームを早く倒すのが最も生き残る人数が多くなるはずだから……」
「全員で生き残る方法は考えられなかったアルカ!?」
「なら聞くけど、具体的に全員が生き残る良い方法なんてあるの?」
「……っ!」
古は言葉に詰まった。
自分は全員が生き残る良い方法は知らない。それを誰かと出会って考えようと思っていたのだが、ザジに出会うまで誰とも出会っていなかったし誰かと出会ったところで良い策が思い浮かぶ保証はない。
反論できなくなった古を見てザジは落胆したような表情を見せる。
そして、意を決したように銃の落ちている場所に向かって駆け出した。
「無駄なあがきは止めるアル!」
古もザジの動きに合わせて地を蹴った。
銃を拾ってから銃口を古に向けようとする時に動きが止まって無防備な状態となる。
その隙にザジを戦闘不能状態にさせるつもりだった。
しかし、ザジは落ちている銃を掴むとそのまま一目散に逃げ出した。
「ま、待つアル!」
逃げるとは思っていなかった古はザジの行動に対して一瞬遅れた。
追いかけようとしたがリードが広がった状況では追いつけないと判断し、ザジを捕まえるのは諦めることにした。
「……ザジまでがゲームに乗っているとはネ。油断ならないアル」
ゲームに乗った者を放置してしまったのは残念だったが、気を取り直してゲームに乗っていない者を探すために古はザジと別方向に向かって走り出した。

【Aチーム:残り8人】
【Bチーム:残り9人】
434作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/26(月) 20:08:37 ID:???
本日の投下はここまでです。
また明日。
435マロン名無しさん:2008/05/26(月) 21:02:07 ID:???
おっつー。
超は本当に主催者なのか、ただ主催者側に見せかけているのか・・・・読めん。
436マロン名無しさん:2008/05/26(月) 21:58:17 ID:???
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437マロン名無しさん:2008/05/26(月) 22:00:09 ID:???
: : : :':;:;:,.. . : : : : . . . .     /:./;;/:.:/ /:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ!:.:.:.,  : : : : *: : + :
: : : : ; .:;:,:;.,., .   : : : : : : : `'=ァ:.:/::/ *:.:.:.:.:.:.:.:.:.|!:.:.:.:,  . . . . . . !
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  ;;;;,,: : : : : : ; ; ; , ,    /7ア┼:|:::|⊥⊥⊥┼| 丁 !レ} j | : : : : : :
  ;;;;;,,,: : : : : : ; ; , \'_,┼:|:::|||||L⊥斗彡彳 : : * , , ,
  : : ;;;, : : ; ; ' ' ... : :  「`\\┴┼='  | : : |!:! : :  , , ,
 : : ,,;;;;;' : : : : : : : : : : : :   !  \\ |   |: : ┃ : : : , , ,
;;;;;;'' ' ' ' ; ;.;.;.,.,. : : ' ' ,  〉: ,' !: :\\ヽ !: :  i! : : , , , ,
;;;;;;;,,,,,,, : : ;.;.;.;.':, , : : : :  ,′* l  : : ヽ ヽ  ! : :  ;  : :  , , ,
438マロン名無しさん:2008/05/26(月) 22:04:30 ID:???
おまけ。
                 _r'ニ二> 、
               _,. :'´ ̄: :`ヽ\::.::`ヽ
            _,.:'´: : : : : : : : : : ヽ ';:.::.::ハ
          ∠,仁._‐-、 : : : : : : : : : :}_j::/::.::i
        , '´ ̄¨´‐.、 `y'^ー、: : : : : : :/'イ::.::.::{       ,.、
      /  .   : :  Y }   }_;.-'TT´::::::.::.::.:;ノ   _,.f´__,\
      .′ :   :    :}v  .i`ト-く._!:::::::_;.イ--、―¬;.:.:.:.:_:.:.:\
.     l .  :     :. .:!|   !!  /イ ̄ /   j_,. -亠'¨⌒ヽ:_ノ
      ! {  :  :.  |:.:,! !  | `ー'´ ヽ.__,,.. -‐'´
     }.:}.  :.l  :.: .!:.i r' , 、〉
   (_,ノ_;{:...:.:.:!: .:.:. .ハ:{_`T~^i
      f彡Y:.:.}:|:.!:.:!:{:イ'` |  !
     ⌒j,ィ:.{:!:ハ:|:!{{|   j  !
       ,レ^ト! }川`ー/,.  {
              }n.n r}
                 ´ ゙′

伊吹氏の絵はどれも良いですけどやっぱ21部の絵は極上でしたね
また見たいです
今回の千鶴と夏美もとても綺麗で絵上手くて羨ましいです

作者20氏も毎日投下乙です
439マロン名無しさん:2008/05/26(月) 22:37:16 ID:???
凄すぎwww
440マロン名無しさん:2008/05/26(月) 23:17:31 ID:???
AAって凄いよな
441マロン名無しさん:2008/05/27(火) 03:48:04 ID:???
亜子って練炭で自殺したんだっけ?
442マロン名無しさん:2008/05/27(火) 13:16:03 ID:???
乙です
ただ間違いだろうが桜子が桜子殺すの無理って言ってるよw
443マロン名無しさん:2008/05/27(火) 18:55:37 ID:aS2leuxj
確かにwww
444マロン名無しさん:2008/05/27(火) 18:58:56 ID:aS2leuxj
もにぶ
445マロン名無しさん:2008/05/27(火) 18:59:41 ID:aS2leuxj
すまん、ミスした
446マロン名無しさん:2008/05/27(火) 19:05:11 ID:???
>>442
ワロタwwww
447作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/27(火) 20:35:37 ID:???
>>442
その通りです。ミスしました。ご指摘ありがとうございます。

修正します。>>428の9行目
×「だったら私には桜子を殺すのは無理だよ。見てよ、私の武器はこれだよ?」
○「だったら私には亜子を殺すのは無理だよ。見てよ、私の武器はこれだよ?」

本日の投下を始めます。
448作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/27(火) 20:39:15 ID:???
[50.夜]
完全に日が暮れて島の中を暗闇が覆った。
街灯もなく、人のいない民家に明かりが灯されることのない島の中は、ほとんど光のない状態であった。
天気が良く星明りによって開けた場所は多少の明かりがあるものの、島の大半を占めている森の中は真っ暗である。
ほとんどの生徒達は夜に移動することをやめ、夜が明けるまでは移動せずに待つことにしていた。
楓と史伽(Aチーム)は途中で見つけた民家の中に入って休息を取っていた。
史伽は2回目の定時連絡の時に姉の風香の死を知った。
今でこそ落ち着きを取り戻しているが、姉の死を知った時の史伽の取り乱しようは楓が見ていて辛いほどだった。
この島に来て以来、双子の姉妹は一度も出会うこともなく永遠に別れることになってしまっていた。
何とか自力で立ち直った史伽は、死んだ風香のためにも生き残る決心をしていた。
そして楓も史伽の身だけは守るつもりであった。

ここに来る少し前、辺りが暗くなり始めて夜を過ごす場所を2人が探していた時には、周囲に対する警戒や動き易さから野外で寝泊りする方が良いと楓は考えていた。
しかし、史伽は自分とは違って野外で寝泊りする事に慣れていない。
しかも今日一日歩き詰めでクタクタだった上に、姉の死のショックを受けて史伽は憔悴しきっていた。
楓は史伽の体力回復を最優先することにして、民家の中で夜を過ごすことを選んだ。
民家の中に入った楓は、最初に家の中を探って誰も居ないことを確認した。
次に家の中から裁縫箱を見つけると、黒い糸を取り出して家の外へ出て行った。そして家の外周を囲うように糸の仕掛けを施した。
糸の仕掛けが終わって民家の中に戻ってきた楓は、糸の端に鈴をつけて室内にぶら下げた。
「これで家の外で誰かが糸に触れると、室内にぶら下げた鈴が鳴るでござる」
「さすがかえで姉だね」
仕掛けを終えた楓が史伽の方を向いて次の指示を出す。
「史伽、窓のカーテンを厚く引き、光が外に漏れないようにするでござる」
「うん」
2人で協力して家のカーテンを引き、カーテンのない窓際には遮蔽物を置いて光が外に漏れないようにした。
一連の準備が済むと楓が部屋の真ん中で1本の蝋燭を立てて火をつけた。
449作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/27(火) 20:41:29 ID:???
蝋燭の明かりが辺りをほのかに照らした。
「……本当ならば室内でも明かりを照らすのは危険性が増すでござるが、食事の間くらいは明かりが欲しいでござるからな」
蝋燭を挟んで楓と史伽が向かい合って座り、夕食を取り始める。
家の中にあった食料も失敬し、火を使わなくて良いものを食卓に並べたので今日1日の中では豪華な食事になった。
動きつかれて空腹だったこともあり、食料は2人であっという間に平らげた。
夕食を取ったあと史伽は横になり、すぐにスヤスヤと寝息を立て始める。
楓は家の中から薄い毛布を取り出すと史伽の上にかけてやった。
そして台所まで移動して予備の武器になりそうなものを探し始めた。
包丁類は主催者によって回収されたのか見つからなかったが、戸棚の中から果物ナイフが見つかったので懐の中に仕舞い込んだ。
そして史伽の元まで戻ると時計を確認する。
今の時刻は20時を少し過ぎたところである。24時の定時連絡が入るまではかなり時間があった。
それまでの間は楓も体を休めることにした。蝋燭を消して横になると楓は目を瞑る。
静まり返った家の中で、静かに時間だけがゆっくりと流れて行った。

【Aチーム:残り8人】
【Bチーム:残り9人】
450作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/27(火) 20:44:09 ID:???
[51.奇襲]
――チリンチリンと鈴の音が鳴った。

鈴の音が耳に入った瞬間に楓の意識は覚醒していた。楓はすぐに周囲の気配を伺う。
そして近くで寝息を立てていた史伽の体を揺すって目を覚まさせた。
「ふにゃ……何なのかえで姉、もう朝?」
寝ぼけ眼を擦って楓に尋ねる史伽。
「外に誰かいるでござる!」
外への警戒を怠らないまま、短く史伽に説明する。
その言葉でようやくゲームの最中であることを思い出した史伽の顔が緊張で強張った。
「史伽、いつでも動けるように準備をしておくでござる」
楓の言葉に史伽は慌ててデイパックを探す。暗闇に目が慣れたので明かりがなくても何とかなった。
「準備OKだよ!かえで姉」
楓は頷くと、再び外へ注意を向ける。
暗闇で戦うことはできるだけ避けたい。楓は史伽を連れて敵から逃げることを優先するつもりだった。

外からエンジン音のような甲高い音が響いてくる。
「な……何の音でござる?」
聞こえてくる音の正体が分からずに楓は怪訝な表情をする。
その瞬間、窓が割れ、拳程度の大きさの黒い塊が家の中に侵入してきた。
(手榴弾!?しまった!)
夜目の利く楓は辛うじて家の中に侵入したそれが何か気が付いた。
「史伽!今すぐ外に出るでござる!」
「えっ?はわわっ!」
すぐに近くにいた史伽の体に手を回し、史伽を強引に掴むと近くの窓に突進して突き破った。
451作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/27(火) 20:46:00 ID:???
――閃光。
そして背後から大きな轟音と共に強い衝撃が楓の背中を襲った。
「グウウゥッ!」
自分の体で史伽を爆風から守ったために、爆発の衝撃を背中でもろに受けてしまった。
地面に着地すると史伽を放し、楓はゴロゴロと地面を転がった。
「グゥ……ガハッ!ゴホッ、ゴホッ!」
衝撃を受けた拍子に楓は一瞬息が出来なくなっていた。爆発を受けた背中が痛む。
「史伽!無事でござるか!?」
無理やり体を起こした楓はイングラムを握り締め、爆発の衝撃を受けて放してしまった史伽の姿を探すために首をめぐらした。
「ギャアアァッ!!」
楓から少し離れたところで史伽の悲鳴が上がる。
「史伽ぁっ!」
慌てて声のする方向を振り向いた楓の瞳に、茶々丸が振り下ろしたチェーンソーによって背中を切り刻まれた史伽の姿が映し出された。
史伽はうつ伏せに倒れこんだまま、2、3回痙攣すると動かなくなる。
「貴様ァァッ!」
頭が瞬間的に沸騰した楓は、茶々丸に向けてサブマシンガンの引き金を引いた。
パラララ、パラララ、パラララと銃声が鳴り響く。
無数の銃弾が茶々丸を襲うが、茶々丸は素早く横に飛んで銃弾をかわすと今度は楓に向かってくる。
「逃がすかぁっ!」
移動した茶々丸に向けて再びサブマシンガンを構えた楓は引き金を引いた。
今度は銃弾が茶々丸を捉えた。
しかし茶々丸はチェーンソーで体を隠しながら、飛んでくる銃弾が当たるのも気にせずに楓に迫る。
452作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/27(火) 20:48:20 ID:???
楓の目前まで迫った茶々丸は、チェーンソーを振り上げると楓の頭上に力を込めて振り下ろした。
サブマシンガンの銃身でチェーンソーの刃を受け止める楓。
回転するチェーン刃がサブマシンガンの銃身を切り刻み、周囲に火花が飛び散った。
そのまま互いに力比べとなる。
チェーンソーは回転を続けて火花を散らせながらサブマシンガンの銃身に深く食い込んで行くが、いきなりガツッ!と音がして銃身に引っ掛ってチェーン刃の回転が止まる。
サブマシンガンにチェーンソーが埋まった状態で動かすことも外すこともできなくなる。
この隙に楓は茶々丸の腹を思いっきり蹴り飛ばした。
チェーンソーから手を放した茶々丸は、蹴り飛ばされた勢いに逆らうことなく後方に1回転して着地する。

ドオォーン!
民家から爆発音が起こった。
手榴弾の爆発を受けて家が燃え出し、炎がプロパンガスのボンベに引火したのだ。
家が勢いよく燃え出し、炎が茶々丸と楓の2人の姿を明るく照らす。
楓と距離を取った状態で対峙した茶々丸は、懐から包丁を取り出した。
その包丁は聡美と美砂の命を奪ったものである。
そして獲物に飛びかかる猫のように体を一旦沈めた茶々丸は、飛びつくように一気に楓に向かって行った。
楓もチェーンソーの食い込んだサブマシンガンを投げ捨てると懐から果物ナイフを取り出して茶々丸に向かって行く。
金属音を立てて2人の刃物がぶつかり合った。
茶々丸はすぐに離れて距離を取り、再び踏み込んで攻撃を仕掛けてくる。
その攻撃を楓は辛うじて果物ナイフで防いだ。
453作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/27(火) 20:52:26 ID:???
楓は爆風を受けてかなりのダメージを負っているが、茶々丸のほうもサブマシンガンの銃弾を少なからず浴びており、ダメージを受けている条件は同じはずと思っていた。
しかし、茶々丸はダメージを気にした風もなく、楓に反撃をする隙を与えずに次から次へと攻撃を繰り返す。
突き刺してくる茶々丸の包丁を捌ききれずに楓の肩口に包丁が突き刺さる。
「グウッ!」
肩口を押さえながら茶々丸から距離を取ろうと後ろに下がった楓だが、茶々丸はその隙を見逃さない。
包丁を両手で握り締めると体重をかけて楓の腹を目掛けて突き刺すように突進した。
「!!!」
楓は逃げることができずに茶々丸の攻撃を体で受けてしまった。腹に深々と包丁が埋まり込む。
すると茶々丸は包丁の柄を90度捻って楓の体の中にさらに押し込んだ。
「ガアァァッッ!」
楓の体がビクビクッと跳ねる。
包丁を勢いよく引き抜いた茶々丸は、そのまま楓を押し倒した。
倒れた楓は刺された傷口を押さえて苦しそうに悶えるが、流れ出る血は止まらずに楓の制服を赤く染めて地面に染み込んでいく。
動けなくなった楓を見下ろすと、茶々丸は興味を無くしたように踵を返して倒れている史伽の元まで歩いていく。
史伽は既に絶命していた。
足で史伽の体を転がすと史伽の持ち物を探る。
史伽の持っていたシースナイフを見つけた。茶々丸は刃の欠けた包丁を捨て、シースナイフを持ってその場から立ち去っていった。

【出席番号23 鳴滝史伽 死亡】
【Aチーム:残り7人】
【Bチーム:残り9人】
454作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/27(火) 20:55:52 ID:???
[52.伝言]
楓と史伽が茶々丸の襲撃を受けてから暫くして、たまたま楓達からあまり離れていない場所に居た者達が爆発音を聞きつけて現れた。
「なっ、なんだコリャ!?家が一軒燃えているぞ」
「気をつけてください千雨さん。ゲームに乗った生徒がまだ近くにいるかもしれないです」
「あ、あそこ!誰か倒れているよ夕映ちゃん。2人いる!」
明日菜、夕映、千雨(Bチーム)の3人は現場の惨状に驚きながらも、倒れていた2人の生徒に駆け寄った。
史伽の側で腰をかがめて首筋に手を当てて脈を確認した夕映は、悲しそうに首を振った。
「ダメか?」
夕映の隣で様子を窺っていた千雨が残念そうに声をかける。
「2人ともこっちへ来て!楓ちゃんはまだ息があるわ」
楓の様子を見ていた明日菜が声を上げる。
急いで楓の元へ駆け寄る2人。
「楓さん!しっかりして」
明日菜は楓の上半身を抱き上げて揺すりながら声をかける。
「こりゃ、ひでえ」
楓の受けた傷口と地面にまで流れた血の量を見ていた千雨は、素人目にも楓が助からないことを悟る。
懸命に明日菜が楓に声をかけると、呼びかけに気付いたように楓が薄目を開けた。
「楓さん、気がついた?しっかりして、今手当てをするから」
「アスナさん、ちょっと静かに。楓さんが何かを言いたそうです」
夕映の言葉に明日菜は口を閉ざし、楓の言葉を待った。
「茶々丸……に……気をつけ……ろ……」
かすれた声でそれだけ言うと、楓は力なくうなだれてそれっきり動かなくなる。
「か、楓さん?楓さん?」
明日菜は楓の体を強く揺する。しかし、楓が再び目覚めることはなかった。
455作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/27(火) 20:57:22 ID:???
「もうよせ神楽坂。長瀬は死んだよ。……ゆっくりと眠らせてやれ」
涙を滲ませて明日菜はそっと楓を地面に横たえる。
「千雨さん。今の楓さんの言葉ですが……」
「ああ、長瀬と鳴滝妹を殺したのは茶々丸で間違いなさそうだ。そして、こいつらと茶々丸は全員Aチームで仲間同士。
……Aチームの犯人は茶々丸のようだな」
夕映も頷いた。
「茶々丸さんが?何で……こんなことを」
悔しそうに明日菜は呟く。
「詳しい話は後にしましょう。とりあえずここは危険です」
「そうだな。茶々丸の奴がまだ近くにいる可能性は高い。それに私達がここに来たのに気付いて茶々丸が戻ってくる可能性もある。気をつけねーと鉢合わせだ」
銃を握り締めたまま周囲に気を配りながら千雨が注意する。
楓の側でしゃがみ込み、うなだれていた明日菜も立ち上がった。
「とにかく、ここから離れましょう」
3人は茶々丸に出会わないように注意しながら、この場から立ち去った。

【出席番号20 長瀬楓 死亡】
【Aチーム:残り6人】
【Bチーム:残り9人】
456作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/27(火) 20:59:13 ID:???
[53.定時連絡(3回目)]
喧騒が収まった後、夜が深まると島の中は静まり返っていた。
虫の声と風に吹かれた梢の音だけが島の中を支配している。
生き残っている生徒たちは暗闇の中で夜が明けるのをジッと待っていた。
ある者は恐怖で眠れぬ夜を過ごし、ある者は少しでも眠れるようにと体を休めている。
そして時間だけが過ぎて行き、深夜の24時となった。

静かな島の中にそぐわない電子音。生き残っている生徒達のケータイが一斉に鳴り響いた。
それぞれケータイにメッセージが入った。

『――― メッセージ ―――
送信者:主催者  
件名 :定時連絡
深夜24時になったので定時連絡を行う。

<死亡者>
Aチーム:和泉亜子、釘宮円、鳴滝史伽、長瀬楓
Bチーム:椎名桜子

<立ち入り禁止エリア>
午前1時以降D−8
午前3時以降G−1
午前5時以降I−3』
457作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/27(火) 21:02:31 ID:???
大河内アキラ(Bチーム)は定時連絡を見てショックを受けた。
「あ、亜子まで!」
ケータイのメッセージを見た瞬間、アキラは絶句していた。
運動部で仲の良かった4人組はこれでアキラ一人になってしまった。
まき絵は守ることができなかった。裕奈と亜子は再び出会うことなく死に別れてしまった。
アキラの両目から涙が流れ落ちる。
両手で顔を覆い、アキラは嗚咽を漏らした。

死んでいった親友達のことを思い、しばらくの間泣き続けたアキラだが、やがて涙を拭うと立ち上がる。
午前3時にはアキラの居る場所が立ち入り禁止になるのであった。
悲しんでばかりもいられない。
生き残っているアキラにとってはまだゲームの最中である。
死んだ3人のためにも自分は生き残ってみせる。アキラは心の中で3人に約束した。
デイパックを肩に担ぐと暗闇の中を見回した。
暗闇に目が慣れたために星明りでも何とか進行方向は分かる。
どこに誰がいるのか分からない。できるだけ懐中電灯はつけないつもりだった。
足元に注意をしながらアキラは移動する。
そして、アキラは暗闇の中に消えていった。


アキラが立ち入り禁止エリアから抜け出すべく移動した後、暗闇の中で島を移動する生徒は居なくなった。
そして夜が明けるまでの間、暗闇の中で静かに時が過ぎて行った。

【1日目終了】
【Aチーム:残り6人】
【Bチーム:残り9人】
458作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/27(火) 21:04:59 ID:???
本日は以上です。

ようやく1日目終了。話はとっくに半分以上進んでおります。
一応来週中(いつになるかはまだ分かりませんが)には終了する予定です。
459マロン名無しさん:2008/05/27(火) 21:35:28 ID:???
乙!
460マロン名無しさん:2008/05/27(火) 22:20:55 ID:???
おっつー。
どうでも言いことだけど最初はアスナ「楓ちゃん」ってよんでたのに途中で「楓さん」になってますよ。
461マロン名無しさん:2008/05/27(火) 23:46:21 ID:???
楓さんが正しい
462マロン名無しさん:2008/05/28(水) 16:25:18 ID:???
22部よりは良いんだけど「グウッ!」とかいう変な表現をどうにかして欲しい
463マロン名無しさん:2008/05/28(水) 17:32:26 ID:???
別変じゃないだろ。
464マロン名無しさん:2008/05/28(水) 19:34:56 ID:???
どう考えても変
465マロン名無しさん:2008/05/28(水) 19:52:36 ID:???
特にゆーなのやつな
466マロン名無しさん:2008/05/28(水) 20:09:08 ID:???
お前個人の価値観で物を言ってんじゃねーよ
467作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/28(水) 20:44:04 ID:???
>>460
ミスです。すみません。本来は統一するつもりでした。

本日の投下を始めます。
468マロン名無しさん:2008/05/28(水) 20:45:35 ID:???
リアル遭遇ktkr
469作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/28(水) 20:46:09 ID:???
[54.定時連絡(4回目)]
日が昇り、朝日が島の中を照らし始める。
「お嬢様、お嬢様、起きて下さい」
揺り起こされた木乃香(Aチーム)が目を覚ます。
「ふにゃ〜……。あ、おはよーせっちゃん、もう朝?」
寝ぼけ眼を擦りながら刹那(Bチーム)に挨拶をする木乃香。
「はい、あと10分ほどで定時連絡が来る時間です。死亡者と立ち入り禁止区域を確認したらすぐに出発します」
そう言って刹那は木乃香に笑みを返す。
「ほうか。ちょっと待ってなー、すぐに準備するから」
木乃香は布団から出るとゴソゴソと準備を始めた。
その間に刹那が簡単な朝食の準備をする。

昨日、木乃香と刹那が合流できたときには日が落ちかけていた。
木乃香と会うことができた刹那は、次に明日菜達と合流しようとしていたが、明かりの少ない島の中で夜に動くのは危険だと判断し、その日の移動は諦めることにした。
その後は暗くなる前に海岸沿いにあった1軒の家を見つけて一夜を明かしたのである。

夜が明けたので、刹那は木乃香と共に改めて明日菜達と合流するつもりであった。
「ここを出発しましたら結構歩くことになります。今のうちに食事を済ませましょう」
2人は刹那が準備した朝食を取り始めた。
そうしているうちに2人のケータイが鳴り、定時連絡が入る。
470作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/28(水) 20:47:41 ID:???
刹那と木乃香は自分のケータイに入ったメッセージを確認した。

『――― メッセージ ―――
送信者:主催者  
件名 :定時連絡
午前6時になったので定時連絡を行う。

<死亡者>
Aチーム:なし
Bチーム:なし

<立ち入り禁止エリア>
午前7時以降G−9
午前9時以降F−7
午前11時以降G−3』

刹那はホッと息を吐いた。夜中のうちに死亡者はいなかったようだ。
「よかった。死んだ生徒はおらへんようやね」
木乃香も安心したようにそう言った。
2人はマップを取り出すと、立ち入り禁止エリアとなる場所に印と時間を書き込んでいった。
471作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/28(水) 20:52:51 ID:???
刹那はポケットの中に入れていたレーダーを取り出した。
レーダーを起動させて生徒達の居場所を確認する。
昨日の夕暮れ時にレーダーで確認した時には3人で行動しているのが1組、2人で行動しているのが2組見つかっていた。
ちなみに2人で行動している内の1組が刹那と木乃香である。
今確認してみると、複数の人数で行動しているのは3人組が1組、2人組が1組いた。
――2人組みが一組少なくなっている。
このレーダーには死亡した生徒の居場所は映らなくなる。
刹那は楓と史伽が一緒に行動していた時に出会っていた。昨夜の定時連絡で楓と史伽が死亡したのを思い出す。
犯人か、それともゲームに乗った誰かに殺されたのだろう。
助けることも出来ない自分の不甲斐なさに歯噛みする。
「せっちゃん、どうしたん?思いつめた顔してるで」
木乃香に声をかけられて刹那の意識は戻される。
「い、いえ、ちょっと考え事を……それよりも、私達以外でグループを組んでいるのは1組だけです。
島の半分くらいの距離は離れているのですが、この人たちが恐らくアスナさん達でしょう。
もしもアスナさんたちではなくても、ゲームに乗っていない人達だと考えられます。
先ずはこの人たちと合流しましょう。」
楓と史伽のことは木乃香に教えてはいない。木乃香を悲しませるだけなので刹那は黙っていた。
木乃香はそれをあまり気には留めていないようだった。
「そうやな。早いとこ明日菜達と会おうな。皆でここから脱出するんや!」
「はい」
そう言って、2人は移動の準備を整えると一夜を過ごした一軒家を後にした。

【Aチーム:残り6人】
【Bチーム:残り9人】
472作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/28(水) 20:56:23 ID:???
[55.平行線]
海岸沿いの道を刹那(Bチーム)と木乃香(Aチーム)2人は一緒に並んで歩いていく。
空は一面晴れ渡って朝日がまぶしい。海から優しく潮風が吹いてくる。
殺し合いのゲームの最中でなければ、気持ちの良い朝なのであろう。

しばらく歩いた後、周囲を見回しながら刹那がレーダーを確認する。誰かは分からないがこの近くに一人の生徒が近づいてきているのに気付く。
誰かにこちらを発見されたらしい。
周りを見通す限り生徒の姿は確認されないが、約200メートルの範囲内に誰か居る。
状況的にゲームに乗っている人間の可能性は少なくない。
木乃香と一緒に行動していることもあり、刹那はその生徒とは出会わないように逃げることにした。
「お嬢様、こちらへ!」
刹那は木乃香の手を引くと、近くに居る生徒から離れるために先を急いだ。
向こうもこちらの存在を確認しているようで、自分達の後をついて来るように移動している。
海岸沿いは遮蔽物が少なく身を隠す場所が少ないので、木乃香の手を引っ張り森の中に入る。
「ちょっ、ちょっとせっちゃん、急にどないしたん?」
いきなり刹那が木乃香の手を強引に引張りながら移動することに木乃香は戸惑った。
「誰かが追ってきます」
短く答えた刹那は、追いかけてくる者の気配を探る。巧妙に隠しているものの微かに殺気を感じる。
間違いない、ゲームに乗っている生徒だ。
「敵です。走りますよ!」
「あ、待ってえな」
2人の移動スピードが上がると、追いかけている者のスピードも上がる。
振り切りたいところであったが、木乃香を連れていることもあって向こうの方が速い。
すると森の中で少し視界が開け小さな広場に出た。この場所なら戦うには悪くないと刹那は判断した。
刹那は追ってくる者と対峙することにした。
「お嬢様はどこかに隠れていてください!」
「せ、せっちゃん、戦うん?」
「おそらくは、相手はゲームに乗っている可能性が非常に高いです」
473マロン名無しさん:2008/05/28(水) 20:58:38 ID:???
グウッ!より銃で撃たれて「ううっ!」のほうが・・・
まあがんばれ
474作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/28(水) 20:59:41 ID:???
木乃香はごくりと喉を鳴らした。
刹那が危険な目にあったりするのは嫌だが、今は殺し合いの最中であることは良くわかっている。
自分のできることは刹那の邪魔にならないこと、そう考えた木乃香は刹那の言葉に従うことにした。
「気をつけてな、せっちゃん」
それだけ言うと刹那の後ろに下がろうとする。
その時になって木乃香は刹那が丸腰であることにふと気が付いた。
神鳴流は無手でも戦えることは木乃香も知っているが、武器を持っている相手では刹那も苦戦するはずである。
デイパックを下ろした木乃香は中に仕舞っていた農耕用の鎌を取り出した。
「せっちゃん、これ使いや」
振り向いた刹那に鎌を手渡す。
「お借りします」
刹那は笑顔で受け取ると、厳しい表情で気配のする方向へ顔を戻した。
「誰だそこに居るのは!?出て来い!」
警告するように刹那は叫んだ。
ガサッと木を揺らす音がして、一人の生徒が姿を現した。
現れたのは龍宮真名(Bチーム)である。
「刹那、お前とは戦う気はないよ」
開口一番、真名はそう言った。しかし、真名の微かな殺気を感じ取った刹那は警戒を解かない。
無言のまま睨み付ける刹那に、真名は続けて言った。
「刹那、お前とは同じBチームだ。殺し合いをする気は全くない。……ただし、後ろに居る近衛は別だ。Bチームの勝利のために近衛は殺す」
「……私がそんなことを承知すると思ったのか?」
刹那は真名が完全にゲームに乗っていることを確信する。
しかし、刹那は真名の言葉を鼻で笑った。
「フン、大切なお嬢様を守りたいか……それで、どうやって2人で生き延びる気だ?」
「何いっ?」
「敵対する2人が生き延びるための方法があるのかと聞いている」
刹那は答えなかった。2人が生き残る良い方法など考え付いてはいない。
最悪の場合、味方チームを殺して自分が死ぬつもりだったからだ。
475マロン名無しさん:2008/05/28(水) 21:00:02 ID:???
しつけーよ
私怨
476作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/28(水) 21:04:04 ID:???
「……答えられないか、何も良い方法はないということだな。大方、生き残っている生徒達と合流して、良い方法はないか皆で相談すると言うところか?」
図星であった。刹那は何も答えられなかった。
さらに真名の言葉は続く。
「そうだとしたら、時間の浪費だ。問題を先送りにしているだけで何の解決にもならない。
結論が出ないままに時間切れか、時間切れ間近になれば命惜しさに誰かが必ず裏切ることになる」
「だからといって、自分の命惜しさにクラスメートを殺すことなどできるか!」
辛うじて刹那は反論する。真名の指摘は正しいものだが、刹那にとっては自分の命惜しさに殺し合いに乗るなど論外であった。
「……確かにな、私は自分の生存を最優先している。そのために人を殺すことを躊躇しない。
だが私の行動によって少なくともBチームのメンバーは一人でも多く生き延びることのできる可能性はある。
刹那、ご高説は結構だがお前はどれだけの人間を助けることができるのだ?」
再び刹那は黙り込んだ。真名の行動は少なくともBチームのメンバーは生き残る可能性がある。これだけは間違いない。
一方の刹那は木乃香を生き延びさせることしか考えていない。そのために自分の中で矛盾を抱えていることも自覚している。
単純に生き残る生徒の人数の可能性だけで言えば、真名の方が正しい行動をしていると言えなくもない。
「それでも……それでもお前の行動を正しいと認めるわけにはいかん。それは私の信念を否定することだ」
「話は平行線か、まあいい。ならばお互いに信じる行動をとるまでだ」
そう言って真名は銃を刹那に向ける。
477作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/28(水) 21:05:46 ID:???
同時に刹那も木乃香から預かった鎌を握り締めて地を蹴った。縮地を使って真名に迫る。
刹那が縮地を使ってくるのを予測していた真名は、素早く横に飛んで刹那の攻撃範囲から距離を取った。
離れた真名に再び迫るべく踏み込もうとした時、刹那の全身は凍りついた。
「……っ!!」

真名は銃口を刹那に向けてはいなかった。

真名が構える銃口の先には木乃香が立っていた。
「最初に言ったはずだ。お前を倒す気はないと」
そう言った真名は銃を握る腕に力を込め、引き金を引いた。
パーン!という乾いた音が森の中に響き渡った。

【Aチーム:残り6人】
【Bチーム:残り9人】
478マロン名無しさん:2008/05/28(水) 21:07:59 ID:???
わああああああああああこれは
479マロン名無しさん:2008/05/28(水) 21:08:11 ID:???
>>466
お前の価値観てのはお前の事だろ?
10人に9人はグウッとかいう表現変だと思うぞ
特に裕奈のやつなんかもうネタだろww
480作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/28(水) 21:08:29 ID:???
[56.心残り]
真名が木乃香に向けて銃の引き金を引いた瞬間、刹那は反射的に真名の銃口の前に飛び出していた。
放たれた銃弾は真名と木乃香の間を塞いだ刹那の喉元にめり込まれた。
咄嗟のことで銃弾が当る場所など気にしていられる余裕はなかった。
「ゴホォッ!ガハッ!」
口から血を吐いた刹那は地面に叩きつけられるように倒れ込むと苦しそうにもがいた。
刹那の行動に真名は少しだけ驚いた表情を浮かべるが、すぐに無表情に戻って銃を構える。

「せ……せっちゃん?」
呆然としたまま2人の戦いの一部始終を見ていた木乃香は、刹那が撃たれた瞬間まるで時が止まったかのように固まっていた。
しかし、刹那が撃たれたことを頭が理解すると、木乃香は慌てて刹那に駆け寄った。
「せ、せっちゃん!せっちゃん!」
刹那が倒されたことしか目に入っていない木乃香は、目の前に刹那を撃った真名が居ることを失念してしまっていた。
真名の銃口が木乃香を狙う。
「……愚かだな近衛。お前の命を、己の命を賭して守ろうとした刹那の行為を無駄にする気か!」
そう言って真名は引き金を引いた。
再び銃が咆哮を上げる。
あと1歩で刹那の元にたどり着く瞬間、木乃香は頭を打ち抜かれた。
「せっ……ちゃ……ん」
最後の瞬間まで幼馴染のことを心配ていた木乃香は自分の死を感じる間もなく意識が遮断された。
刹那に僅かに届かない場所で木乃香は崩れ落ちる。
「この……ちゃん……」
微かに意識が残っていた刹那は自分の側で木乃香が倒れたのを知り、木乃香に向かって震える手を伸ばす。
最後の力を振り絞って木乃香の手を握り締め、刹那は力尽きた。
481マロン名無しさん:2008/05/28(水) 21:09:26 ID:???
4
482マロン名無しさん:2008/05/28(水) 21:10:36 ID:???
>>479
俺はお前みたいに自分一人が変に感じても作者に押し付けるように要望出したりしてない。
じゃあしたらばで議論でもしましょうか。
483作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/28(水) 21:11:09 ID:???
倒れている2人の元まで真名は近づいていく。
「刹那、お前と戦いたくなかったのは私の本心だ。残念だよ……」
互いに寄り添うように倒れている2人を見下ろしながら真名は言った。
真名は少しの間、2人の側で黙祷する。

その後、真名は2人の持ち物を探ってレーダーと鎌を手にした。
鎌の方はあまり得意としていない武器のため、少し考えてからその場に捨てることにした。
刹那から奪ったレーダーの方を操作していた真名は笑みを浮かべる。真名にとってレーダーは非常に有用なアイテムだった。
ABのチーム別に居場所が分かるレーダーがあれば効率よくAチームの生徒を殺すことができる。
ゲームを終了させるまで、かなりムダが省けるはずだ。

レーダーの画面を見ながら自分に最も近くで行動を取っているAチームの生徒を探す。
残念なことに真名が今居る場所の近くにAチームの生徒は居なかった。結構離れた位置に点在している。
「結構遠くにいるがまあ仕方ない。今日中にカタをつける」
真名はデイパックを肩に背負い、レーダーが示す敵が居る場所を目指した

【出席番号13 近衛木乃香 死亡】
【出席番号15 桜咲刹那 死亡】
【Aチーム:残り5人】
【Bチーム:残り8人】
484作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/28(水) 21:12:19 ID:???
本日の投下は終了です。
また明日。
485マロン名無しさん:2008/05/28(水) 21:13:53 ID:???
作者、乙
それとどうでもいい議論はせめて投下が終わってからやれよ。邪魔でしょうがない
486マロン名無しさん:2008/05/28(水) 21:16:31 ID:???
今回はGJ
私的には良いこのせつだったよ
487マロン名無しさん:2008/05/28(水) 21:40:55 ID:???
>>482
別に俺一人で言ってるんじゃなくて他の人もその表現は違和感あるって言ってんだろ
お前は少し前のレスも読めないのか?
それにこれはしたらば関係ないだろ
いい加減作者20の自演にしか見えなくなるからお前自重しろよ
488マロン名無しさん:2008/05/28(水) 21:46:55 ID:???
>>487
指摘の際に少しでも荒っぽい書き方をすると482みたいなのが反応してスレが荒れる、という例だ

お前も482も少し落ち着け
489マロン名無しさん:2008/05/28(水) 21:47:16 ID:???
俺もさすがに作者20氏の書き方は大袈裟すぎると思う
>「ギャアァッ!グガッガッ!グワッ!ゲヒャアッ!」
これが普通とかいう作者20と一人必死に擁護してる奴のが少数派なのにあたかも多数派のように発言して変と思ってる人のがおかしいみたいな言い方はさすがに…
で、立場が悪くなったら外部板いけだもの
これは外部板に立ってるスレで沿ってるものがないしなんでもかんでもしたらばしたらば言うのはどうかと
あっちに書きこんでる人って結構痛い人多いし…
ニコ厨のノリがどうのとか言ってる厨房がいる時点で書き込み議論する気失せる
490マロン名無しさん:2008/05/28(水) 21:49:42 ID:???
なんかもう作者20には短期間に何作も何作も作るんではなく時間かけて良いから1作力の入ったものを作ってもらいたい
ま、こう言ったら擁護が凄い反論してきそうだから言いたい事全部は言わないがせめてこれだけでも作者20には考えてもらいたい
491マロン名無しさん:2008/05/28(水) 21:59:52 ID:???
確かにグガッガッ!とかは気になるよなw
492マロン名無しさん:2008/05/28(水) 22:11:26 ID:???
>>490
同意。実際に今回は前作よりも良くなってると思うから、まだまだ伸びしろがある方だと思うんだ。
少し書き急いでしまう傾向があるみたいだから、もっと推敲に時間を割けばまだまだ面白い作品が書けるんじゃないかな?

今のところ指摘が集中しているのは呼称と擬音(?)みたいだから、
この辺は他の作者の作品を参考にして、感性を磨くしかないかなあ・・・

ともあれ、成長が楽しみな作者さんなのでこれからも頑張って下さい!
493マロン名無しさん:2008/05/28(水) 22:12:01 ID:???
作者乙

したらばに行かないとまともな人から見れば擁護も指摘もみんな自演
494マロン名無しさん:2008/05/28(水) 22:17:05 ID:???
毎回思うけどほんっっっっっと民度低いよね。
定期的に口論がおきる。
どっちもどっちのくせわざわざ本スレでわーわーぎゃあぎゃあと。
したらばすすめてもいっつも移動しないし、したらばに指摘スレたてようっつったらちゃんとした意見無しに必死になって反対するやつ出てくるし、自演認定するのはあんま好きくないがやっぱ自演にしかみえなくなる。
495マロン名無しさん:2008/05/28(水) 22:51:28 ID:???
>>494
2ch、それも漫画サロンで民度て…
お前、自分の文章読み返してみろよ
お前が一番酷いぞ
何上から目線で言ってんだよ
496マロン名無しさん:2008/05/28(水) 22:55:09 ID:???
>>494
いつもの自演認定厨乙
っっっっなんて言ってるお前が言っても説得力ない
それにしたらばしたらばて言ってる奴のがよっぽど痛いぞ
擬音に違和感あるから指摘してあげただけなのに擁護が必死になって反論してしたらばでやれてww
それでしたらばに書き込まなかったらこれだもん
自分の意見は正しいみたいな言い方して他を見下してる奴がよくそんな発言できるな
497マロン名無しさん:2008/05/28(水) 23:00:29 ID:???
だから本スレの迷惑になるんだってお前らが居ると。
したらばにいかなかったら自演と思われても文句言えないよ。
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/8740/
498マロン名無しさん:2008/05/28(水) 23:04:27 ID:???
不毛なので以下引き際を知らない方が負け
499マロン名無しさん:2008/05/28(水) 23:09:14 ID:???
つか擬音(?)の事はしたらばじゃなくこっちのが話題としては適切だよな
それにしたらばは常に皆見てるわけじゃないし擬音の指摘をしても作者が気付かない可能性が多いにある
今回の荒れの原因も20信者の擁護が原因だし(作者20氏が無視したのも一つ)
喧嘩腰になってる奴はこっちのスレでやらないで欲しいししたらばにも書き込まないで欲しい
擬音について違和感があるという件についてはこのスレで構わない
それを何も考えず擁護ばっかするのとそれに荒っぽく反応するのがいけないだけ
それを言ってる連中がしたらばに書き込まなかったから民度が低いとか自演だとか言うのも言われた方が喧嘩腰になるのも良くないと思う
500マロン名無しさん:2008/05/28(水) 23:15:22 ID:???
>>499の意見が一番適切だな
ちゃんと中立の立場で見てるし人を馬鹿にしようともしてないし文章まとまってるし
これで840が降臨したらもっと良いんだが
501840 ◆b4hPGPyZXw :2008/05/28(水) 23:22:34 ID:???
呼んだ?
502マロン名無しさん:2008/05/28(水) 23:22:49 ID:???
>>499
21部のときもこうだったじゃん
くどいんだよ
503マロン名無しさん:2008/05/28(水) 23:25:50 ID:???
感じ方は人それぞれじゃん。
俺はゆうなのはともかく今回のぐぅだか何だかは違和感無かったと思うが誰かは大げさに感じる。
これは当然のことだろ。
だからこういう人それぞれのものを指摘されても作者は困るだろ。
504マロン名無しさん:2008/05/28(水) 23:30:46 ID:???
>>503
ある程度の意見が集まらないと作者は反応出来ない罠
擁護する人は指摘した人に反論するのではなく、作者宛てに肯定的なレスを書くべきじゃないかな?
最終的に集まった意見を見て作者が判断するべき事で、読者同士が言い争っても無駄なだけ
505マロン名無しさん:2008/05/28(水) 23:33:23 ID:???
>>503
わかりました、すみませんでした。
したらば薦めてくれた人も迷惑かけてごめんなさい。
頭冷やしますorz
506マロン名無しさん:2008/05/28(水) 23:37:36 ID:???
>>504でした
507マロン名無しさん:2008/05/28(水) 23:54:27 ID:???
>>502
21部と今回とでは根本的に違うんだよ
今回はただ擬音が気になったからそれが指摘されたら信者が反論
21部の場合はただ単にアンチがつまんないなどの暴言、テンプレ違反がありそれに対しての反論
今回は指摘しただけなのに叩く、これはやはりおかしい。
でも21部はアンチが悪く言ったから擁護する、これはその部が好きなら当然。
中身が根本的に違うのに同じと求めるのはおかしい。
1、6、15、16、17、19部もそれぞれの理由がそれぞれの以下同様に。
508マロン名無しさん:2008/05/28(水) 23:59:31 ID:???
499が的確なんだからもうそれが結論で良いよ
つか23部つまんないとか言ったんなら叩かれても分かるけど擬音に違和感あるって言っただけで叩かれるって作者20の自演にしか見えないから擁護側も自重しろよ
またしたらばに逃げ込んで好き勝手愚痴りだす奴も現れたし
509マロン名無しさん:2008/05/29(木) 00:00:22 ID:???
おっぱい
510マロン名無しさん:2008/05/29(木) 00:15:41 ID:???
おっぱい
511マロン名無しさん:2008/05/29(木) 00:20:54 ID:???
おちり
512マロン名無しさん:2008/05/29(木) 00:40:11 ID:???
くぱぁ
513マロン名無しさん:2008/05/29(木) 00:51:40 ID:???
普段は作者投下後2〜5レスくらいしかつかないのに凄い伸びたな
作者のためにも皆その日の分読み終わったら感想言ったりせめて乙と言ってあげよう
自分過去作者だが投下する方も投下の後全くレスついてなかったら寂しいんだよなw
514マロン名無しさん:2008/05/29(木) 00:58:45 ID:???
>>474
なんで刹那が龍宮の言葉を鼻で笑うの?
515マロン名無しさん:2008/05/29(木) 01:34:56 ID:???
>>514
それはちょっとしたspectacleですよ
516マロン名無しさん:2008/05/29(木) 11:25:45 ID:???
うん悪くないぜ毎日
キリがないぜスペクタクル
俺らどこにでもゆけるはず
517マロン名無しさん:2008/05/29(木) 11:33:50 ID:???
☆☆☆  ☆☆☆
☆ ☆  ☆ ☆
☆☆☆  ☆☆
☆  ☆  ☆ ☆
☆☆☆  ☆ ☆
518マロン名無しさん:2008/05/29(木) 11:46:29 ID:???
KREVA
ずれてる
519作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/29(木) 20:23:07 ID:???
悲鳴やうめき声の表記について揉める原因になっているようなので私の見解を述べます。
呼称などの原作に沿う必要性のある表記とは違い、悲鳴やうめき声の表記については作者の自由な表現の範疇だと考えています。
例に取って言えば北斗の拳の「ひでぶっ!」など、それにネギまの中でも変わった悲鳴やうめき声の表現はありますよね。
表現方法はいろいろあっても良いのではないでしょうか?
実際問題として、悲鳴やうめき声というのは人や状況によってさまざまな声を上げるでしょう。それを私なりに考えて表記しています。
違和感を感じる方も居るのは分かりますが、感性の違いも大きく影響しますし、正しい正しくないの問題ではないと思います。
そして、表記は(違和感のあるなしは別にして)私が意図する内容で一応伝わっているようなので、作者としては用は満たしているのです。
今回の表記で違和感を感じている人が居るというのは受け止めますし、表記が気に食わないのは申し訳ないとは思いますが、
私の自由裁量の範疇のことと考えますので、私が表現したい表記で行くつもりです。

>>490
私は短期間に複数の作品を書いていますが、1作品を書くのに費やしたトータルの時間はかなり掛けているんです。
そうは見えないのかもしれませんが、1つの作品を書き上げるために毎回他の方の作品を色々参考にしたり、じっくりと検討したうえで完成させています。
そして1作品ごとにその時に私が出来得るだけの全力を注いで作品を作っています。どの作品も手を抜いてはいません。
それは分かっていただきたいです。
私のセンスのなさと力不足ゆえに読者の方々の満足する作品になってはいないのは反省点だと思います。
4つ目の長編を書くかどうかは決めていませんが(短編は書く予定)、その時は少しでも良い作品になるようにするつもりです。

本日の投下を始めます。
520作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/29(木) 20:25:46 ID:???
[57.潰し合い]
春日美空(Aチーム)は焦っていた。
自分の生存を最優先し、ゲーム開始からすぐにゲームに乗るべく動き出したにも係らず、Bチームの生徒の殺害は遅々として進んでいない。
その理由の一つ目は、運が悪いのか敵のBチームはもとよりAチームの生徒ともなかなか遭遇しないということだ。
もっと頻繁に出会えると思っていた美空の誤算だった。
理由の二つ目は、Bチームは戦闘能力の面で結構手強いメンバーが揃っているということだ。
昨日はまき絵とアキラを襲ったのだが、まき絵を倒すことには成功したもののアキラの反撃を受けて辛うじて逃げ切った苦い思い出がある。

内心イライラしながら美空はBチームの生徒を探し続ける。
美空を焦らせているのはもう一つ大きな理由があった。BチームよりAチームの死亡者が出るペースが速いということである。
美空が把握しているのは朝の定時連絡でAチームが残り6人、Bチームが残り9人になっているということである。
現状ではBチームの方が有利にゲームは進行している。
単純に考えればBチームの方がゲームに乗っている人間が多いのではないかと予想できる。
実際には無差別に殺害を行っている『犯人』の行動などが影響した結果なのだが、Aチームの勝利を望む美空にとっては生き残っている生徒の数は重要だった。
仮にAチームが先に自分一人しかいなくなれば、Bチームの生徒は躍起になって自分を殺しに来るだろう。
そうなった場合は自分の生き残る可能性は低くなる。
「……ヤバイッスね。急がないと!」
とにかく、片っ端からBチームの人間を減らさなければならない。
両目をギラつかせた美空は、獲物を探すように辺りを見回しながら進んでいった。
521作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/29(木) 20:28:15 ID:???
――銃声が鳴る。
(敵か!?)
音に瞬時に反応した美空はすぐに姿勢を低くする。
弾丸は反れたようである。
――再び銃声。
美空の後ろにあった木に穴が開き、周囲に木屑が飛び散った。
姿勢を低くした状態で美空は撃ってきたと思われる方向に眼を向ける。
誰かは分からなかったが、さっと木の陰に隠れた生徒の姿が見えた。
「あそこッスね!」
相手が隠れた隙に、姿勢を低くしたまま敵に一気に走り寄る美空。
美空が近づいてくるのに気付いた敵の生徒は、再び木の陰から姿を現して美空に向けて銃を撃ってきた。
敵が姿を現した瞬間に美空は素早く身近に隠れそうな場所へ飛び込んで銃弾をかわした。
「ふーん、ザジかぁ。あいつもゲームに乗っていたって訳ね」
相手が姿を現した瞬間、美空は敵の姿を確認していた。
ザジは敵対するBチームであるから、ここは倒しておきたいところである。
物陰に隠れたまま銃の残弾を確認すると相手の出方を窺う。
今のところザジは木の陰に隠れたまま出てこない。

先程の接近でザジを狙える位置まで近寄ることが出来た美空は笑みを浮かべる。
2人の位置関係ではザジは木の陰から美空の様子を窺うことはできず、隠れたままだと美空を狙いにくい位置にある。
これに対して美空も直接ザジを狙える位置には居ないが、ザジの様子を窺い易い位置にある。
状況的には美空の方が先手を取って動き易い。
さらに美空は瞬発力ではザジを上回る自信がある。
(ザジが動いた時が勝負だ!)
美空は身を隠した場所でいつでも飛び出せるような体制でザジを窺いながらじっと待った。
522作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/29(木) 20:30:58 ID:???
2人が対峙したまま時間だけが緩やかに流れていく。

途中で2、3発ほど木の陰から腕を伸ばしてザジが撃ってきたが、弾丸は見当違いの方向に飛んでいった。
ザジは隠れたままその場を動く様子がないので美空はそのままジッと待ち続けた。

再び時間が流れる。

美空の行動に焦れたのか、ザジが木の陰から飛び出して美空を狙える位置まで移動しようとする。
(今だ!)
待ってましたとばかりに美空も物陰から飛び出した。
一気にザジに肉薄する。
美空の行動に気付いてザジは銃を向けてくるが、美空の方が僅かに速い。
ザジに狙いつけた美空の銃が咆哮を上げる。
「!!」
右肩を撃ち抜かれたザジは、走り出した勢いのままもんどりをうって地面に体を打ちつけた。
美空はザジの側まで駆け寄り、立ち上がろうとしたザジの側頭部に銃を向けると引き金を引く。
銃声が鳴り、頭を撃ち抜かれたザジは地面に突っ伏した。
「フウ……。へへっ、これで一人減ったッス」
美空は口元を歪めて勝利を喜んだ。
ザジの握り締めていた銃を奪い、ポケットに入っていた予備の銃弾も手に入れる。
ザジに用はなくなった美空は、すぐに次の獲物を探し始めた。

【出席番号31 ザジ・レイニーデイ 死亡】
【Aチーム:残り5人】
【Bチーム:残り7人】
523作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/29(木) 20:32:57 ID:???
[58.探索]
古菲(Aチーム)は島の中を長い時間たった一人で歩き回っていた。
2日目になった今日はまだ誰にも出会えていない。
1日目にAチームから別れた後で古が生きた生徒と出会ったのはザジのみである。
そのザジはゲームに乗っていたために古は戦ったが、ザジには途中で逃げられてしまった。

決して古は誰にも合わないように1箇所に隠れているわけではない。
たまに聞こえてくる銃声のする方向には人が居ることは分かっていても向かうことはしなかったが、島の中を結構動き回っているのにも関わらず誰とも出会えないのだ。
「ハア……何で誰にも出会えないアルカ?」
思わず愚痴が古の口から出てくる。
既に半数以上の生徒が死亡してしまった今、誰かと遭遇する確立はどんどん低くなっていく。
自分の知らないところでゲームが着実に進行していることを肌で感じて焦りの気持ちが大きくなる。
「さてと、クラスの誰かに会うにはどこに行けばいいアル?」
マップを広げてじっと見つめながら古は悩んだ。
行く当てがあるわけではない。
仕方なく立ち入り禁止エリア以外の中で行っていなかった小高い山の方に向かうことにする。
「こんなゲームの最中に山登りをする生徒が居るとは思えないアルガ……一応ネ」
自嘲気味に古は呟いた。
他の生徒を探そうという目的があるにもかかわらず、人が行かなそうな場所を行き先に選ぶ。
その辺りに古が他の生徒と会おうとしてなかなか会えない一因があると思われたが、そのことに古が気付くことはなかった。
524作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/29(木) 20:36:07 ID:???
山といっても島の住民はほとんど登ることはないのであろう。
山の麓に近づくと上に向かうための道らしい道はない。
「さすがにここは誰も近づかないアルネ」
そう判断した古は来た道を引き返すことにした。
来た道を確認するために古は周囲に首を巡らせる。
「ン?あれは何アルカ?」
古の視界に気になるものが目に入った。

興味を覚えた古は、気になるものに近づいて行った。
「これは……洞窟アルカ?」
岩肌に大きな穴が開いている。中を覗き込むと結構深そうだ。
奥の方を見ているうちに次第に好奇心が芽生えた古は、デイパックから懐中電灯を取り出すと洞窟の中にちょっとだけ入ってみることにした。
中に入ると洞窟の中は気温が低くて湿っており、地面は結構滑りやすくなっている。
先は下り坂になっていたので足元に注意しながら奥へ奥へと進んでいく。道はほぼ真っ直ぐ1本道なので迷うことはない。
途中で下りの傾斜がきつくなってきた所で古は立ち止まった。
どこまで洞窟が続いているのかは分からないが、まだまだ先は長く続いている。懐中電灯を照らしてみたが先は暗くて見えなかった。
「この先にまだ何かありそうダガ、今は洞窟探検をしている暇はなかたアルネ」
ようやく遊んでいる場合ではないということを思い出し、古は洞窟の先に何があるのか探索してみたいという願望はあったが、それ以上進むのを諦めて引き返すことにした。
余計な時間を費やしてしまった。急いで入口に戻ろうとして一歩足を踏み出した瞬間、古は足を滑らせる。
丁度傾斜がきつくなっていた場所なので、古はそのまま洞窟の奥へと滑り落ちていった。
「うわああああぁぁっっ!!と、止まるアル〜ッ!」
慌てて周りの何かを掴もうと手を伸ばすが岩肌が滑ってうまくつかめない。
洞窟の坂を下りきった古は、勢い良く壁に体をぶつけて気を失ってしまった。

【Aチーム:残り5人】
【Bチーム:残り7人】
525マロン名無しさん:2008/05/29(木) 20:37:01 ID:???
古菲ww
526マロン名無しさん:2008/05/29(木) 20:38:41 ID:???
そのままおとなしく寝てろww
527作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/29(木) 20:39:21 ID:???
[59.盗聴]
2日目朝の定時連絡を見て夜中は誰も死んでいないことに安心していたが、昨日のうちに夏美以外にも大勢の生徒達が死んでいる。
そのことを思い出して那波千鶴(Bチーム)は悲しげにため息をついた。
「夏美、あやか……もう半分近くまで生徒が減っているなんて……」
ルームメイトの夏美とあやかは既に死んでしまっている。
千鶴は死んだ夏美と別れて以降は誰にも会ってはいない。
夏美を殺した犯人を見つけたいのであって、その他の生徒達とは積極的に会おうとしていなかったからかもしれない。
千鶴の懐にはいつでも取り出せるように銃を仕舞っている。
昨日から千鶴は夏美を殺した生徒を探していた。
ゲームに乗る気はない。しかし夏美を殺した生徒だけは別である。千鶴は夏美の仇を取りたかった。
「夏美……待っていて、必ず仇をとるから!」
思いつめた表情をして千鶴は懐にある銃を握り締める。
そして、夏美を殺した生徒を探すべく当てもなく島の中を歩いていた。

「……づる、千鶴、千鶴!」
小さいが鋭い声で千鶴の名を呼ぶ声がする。
いきなり呼び止められた声に千鶴はハッとして、懐にある銃に手をかけながら声のする方を見る。
木の陰から顔だけを出した朝倉和美(Aチーム)の姿を見つけた。
「あたしだよ……ちょっと確認するけど、千鶴はゲームに乗ってないよね?」
和美が緊張した面持ちで話しかけてくる。
どうやら和美もゲームには乗っていなようだ。千鶴も警戒を解いて懐にある銃から手を離す。
夏美の仇を取るつもりではあるが、千鶴はゲームに乗って敵チームの生徒を殺す気は毛頭なかった。
「乗ってはいないわ。貴方もそうみたいね」
ゲームに乗っていない証拠として千鶴は両手を広げて見せた。
敵同士ではあるが、千鶴と和美は普段は仲の良い関係である。お互い信頼できる間柄だ。
千鶴の様子にホッと息を吐き、和美は姿を現した。
528作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/29(木) 20:41:34 ID:???
「いやー良かったよ。最初に出会ったのがゲームに乗っていない生徒でさあ。色々情報交換したいんだけど、いいかな?」
千鶴としても和美の提案には依存はない。
「ええ、いいわよ」
「そうこなくっちゃ、いろいろ説明したいこともあるから付いて来てくれる?」
そう言って和美は先に進んで手招きをする。

和美の案内で2人は移動し、近くにあった小さな小屋の前までやって来た。
「今までの間この中で隠れてたのよ。まあ入ってよ」
先に小屋に入る和美の後に続いて千鶴も中に入る。
小屋は荷物置きとして使用しているのだろう。雑然と物が置かれている。
真ん中に有り合わせの道具でテーブルが作られており、テーブルの上には良くわからない装置が置いてあった。
「ねえ和美、これは何なの?」
千鶴は和美に確認する。
和美はニヤッとした笑顔を返してこう言った。
「それはね……盗聴器だよ」
「盗聴器?」
同じ言葉を千鶴が繰り返した。
「そっ、盗聴器。私に支給されたアイテムがこれってワケ。多分首輪に盗聴器が仕掛けられているんだろうね。
このツマミを調整すると、1から31までチャンネルが切り替えられるようになっているの。
番号を合わせたら、その出席番号の生徒の会話を盗聴できるって寸法よ!」
和美の説明を受けて千鶴は自分の首輪を触ってみた。盗聴器がついているとは夢にも思っていなかった。
「まあ、単独行動している生徒はほとんど話さないから盗聴しても大して情報はないんだけどね。
定期的にチャンネルを切り換えながら、誰かが話している時にそれを盗聴していたのよ。
同じタイミングでは1人しか盗聴することは出来ないから、完全に情報を集めるまではいかないんだけどさあ、それでも時間をかければ結構情報は集まるもんよ?」
そう言って、和美は明日菜、夕映、千雨が一緒に行動していることや、刹那と亜子の会話から茶々丸が同じチームの人間を殺している情報を入手したことなどを説明する。
529マロン名無しさん:2008/05/29(木) 20:42:42 ID:???
おおーこれは良いアイテムだね。
530作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/29(木) 20:43:41 ID:???
「……そういうわけでさ、Aチームの犯人は茶々丸さんの可能性が最も高いよ。Bチームの方は断言できないけど、これまでに集めた情報で粗方絞られているしね」
どうやら和美は犯人探しをしているようだ。
千鶴は少し考える。
仮に和美が犯人を回答して正解した場合、敵対しているチームの千鶴の死を意味する。
それに敵である自分に犯人当ての手がかりになる情報を与えているのも気になった。
「ちょっと待って和美、ゲームに乗る気はないけど私たちは一応敵同士よ?
犯人の情報を私に与えても良いの?」
和美の情報から犯人当てをする気は千鶴にはないが、安易に情報を敵に与えるのは不用意だと思った。
和美のことを心配した千鶴はそう言わずにはおれなかった。
現に千鶴はBチームの犯人の手がかりを持っているが、まだ和美には伝えていない。
「ああ、そっか。それを説明していなかったね」
うっかりしていたとばかりに、和美は自分の額をペシッと叩いた。
「昨日は丸一日情報収集している以外は暇だったからね。一人で考える時間は結構あったんだよね。
ちゃんと見つけているよ。生き残っている皆が全員助かる方法をね!」
いとも簡単に言ってのける和美の言葉に、千鶴は驚愕の表情を浮かべた。

【Aチーム:残り5人】
【Bチーム:残り7人】
531作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/29(木) 20:44:11 ID:???
本日の投下は以上です。

また明日。
532マロン名無しさん:2008/05/29(木) 20:52:22 ID:???
おっつー。
昨日はこれなかったから言えなかったけどこのせつぐっときたよ。
533マロン名無しさん:2008/05/29(木) 22:09:54 ID:???

やっと和美出てきたか
やっぱ我が嫁はこうでなくっちゃな
534マロン名無しさん:2008/05/29(木) 22:13:44 ID:???
乙。策士和美始動ってとこか
535マロン名無しさん:2008/05/29(木) 22:41:04 ID:???
作者20氏は説明が苦手なの?
それとも上手すぎて凡庸な俺には伝わらないの?
536マロン名無しさん:2008/05/29(木) 22:53:57 ID:???

俺は23部はわりと好きだよ。
537840 ◆b4hPGPyZXw :2008/05/29(木) 23:11:21 ID:???
今週のトップ絵
http://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00139.png
こういうのもあり…?個人的には今までのTOP絵でもベスト3に入るくらいお気に入り。

おまけ
http://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00140.jpg
何故か上手くいかなくてこんなのに30分もかけてしまったorz
538マロン名無しさん:2008/05/29(木) 23:20:30 ID:???
>1作品を書くのに費やしたトータルの時間はかなり掛けているんです

本当にそうなのか?
以前今3作目を書き始めてるって言って完成したのは1ヶ月後程度だった気がするんだが・・・
かなり時間をかけたにしては3作ともネタの量が少なすぎると思う
他の作者は皆3ヶ月〜半年くらいは長編1作作るのに時間をかけてる
発想力は才能がほとんどだからそれは仕方ないのかもしれないが次作るなら外側ではなく内側を鍛えて欲しい
まあ応援してますよ
539マロン名無しさん:2008/05/30(金) 01:34:06 ID:???
Dチームって誰々残ってる?
540マロン名無しさん:2008/05/30(金) 07:56:36 ID:???
ラカン
541マロン名無しさん:2008/05/30(金) 09:40:58 ID:???
松崎しげる
542マロン名無しさん:2008/05/30(金) 14:39:49 ID:???
DじゃなくてBチームでした
543作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/30(金) 20:08:48 ID:???
>>537
840氏の復活乙です!先週は投下がないのが寂しかったです。
私的にはこういうのはものすごくアリです。

>538
分かりにくかったですね。作成開始から完成までの期間ではなく、書くのに費やした実働時間のトータルの意味で言っています。

それと教えてもらってよいですか?
>ネタの量が少なすぎる
この「ネタ」って何を指しているのでしょうか?これが何を意味しているのか分からないのです。
貴方が「ネタ」と定義して言っている内容をぜひ教えてください。
それと「少なすぎる」というのは過去作品に比べてということですよね?
具体的に過去作品に対してどの程度少ないのか、定量的にご教授願えないでしょうか?

>>542
明日菜夕映超アキラ真名千鶴千雨…たぶん。

本日の投下を始めます。
544作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/30(金) 20:12:08 ID:???
[60.脱出方法]
明日菜、夕映、千雨(Bチーム)の3人は夜が明けてから再びゲームに乗っていない他の生徒達の探索を続行している。
昨日の夜は茶々丸(Aチーム)の襲撃を受けた楓と史伽に出会った後、茶々丸に会わないように暗闇の中を移動する羽目になり、緊張の連続で3人とも寝不足であった。
「ふぁ〜眠い……」
明日菜は欠伸を噛み殺しながら歩いている。
「ところでさあ、ゲームに乗っている生徒も居るかもしれないけど、私達と同じように犯人探しとかもしている生徒達って他に居るのかな?」
黙ったまま歩いていると眠気が来るので、気を紛らわすために明日菜はふと気になったことを聞いてみた。
「可能性としては否定できないと思うです」
夕映が答える。
「実際のところ、Aチームの中で本気で犯人探しをしている奴等が居たらヤバイかもな。
タイムリミットが近付けば当てずっぽうでも回答する奴もいるかもしれない。
先を越されて答えられて、それが正解してしまったら私たちはアウトだ」
3人の優先順位としては、首輪を外すなりしてこの島から生き残っている生徒全員が脱出することが理想である。
しかし、脱出のための方法について何の進展もない現状では、必然的に犯人探しにウエイトが傾いているのが実情であった。
「早い者勝ちってワケね……」
なんとも言えようのない焦りが明日菜を襲う。
「こればっかりは祈るしかないでしょうね」
夕映も神妙な顔つきでそう言った。
実際問題として3人が心配してもどうしようもできない問題ではあった。
「早い者勝ちかあ、それってほんの僅かな時間差でもダメなのかな?
例えばAチームが正解した10秒後にBチームが正解したときとか……」
深く考えることなく明日菜は思ったままを口にする。
「そりゃそうだろう。早い者勝ちだからな。一方のチームが正解した瞬間にもう一方のチームの首輪に起爆スイッチが入るんだ。僅かでも遅かった場合はそれでおしまい……」
明日菜の疑問に深く考えずに答えている途中で千雨はハッとして黙り込んだ。
545作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/30(金) 20:14:34 ID:???
「どうかしましたか?千雨さん?」
話の途中で口を閉ざした千雨を不審に思い、夕映が声をかけるが千雨は黙ったままだ。
千雨は顎に手を当てたまま真剣な表情をして考え込んでいる。
いきなり顔を上げた千雨は、自分のケータイを取り出すと過去に入ったメッセージを確認し始める。
「ど、どうしたのよ千雨ちゃん、なんか怖い顔してるよ?」
千雨の行動に明日菜は困惑していた。
ただ事ではない様子なので、明日菜と夕映は千雨の行動を黙ったまま見つめていた。
すると千雨が首を巡らせて夕映の方を見る。
「おい綾瀬、主催者が提示した犯人当てのルールを覚えているか?」
いきなり振られた夕映は、慌ててケータイを取り出すとゲームの特別ルールの部分を読み上げた。
「『特別ルールはその特別な任務が与えれれた者(犯人)を見事当てた者がいるチームは自動的に勝利とする。
勝ったチームは正解と同時に首輪が自動的に外れてゲームから開放される。
負けたチームは罰として勝利チームの首輪が外れたのと同時に首輪の起爆スイッチが入り全員死亡してもらう。
犯人当ては生存者のみ一人一回だけ回答が可能。最初から各自に与えられている通信機器で犯人の回答をすることができる。
なお、犯人当てがハズレた場合、誤回答をした者は首輪の起爆スイッチが入って死亡してもらう』……以上です」
「そうだよな、そうなんだよな……」
そう言うと、千雨はもたれかかっていた木に向き合うと悔しそうに拳を打ち付けた。
「ど、どうしちゃったのよ千雨ちゃん?手を怪我するから止めなよ」
千雨の様子の変化に驚いた明日菜は、オロオロしながら千雨に声をかける。
「……あったんだよ」
「えっ?」
明日菜が聞き返す。
「殺し合い以外にも参加者のほとんどがこのゲームから脱出する方法があったんだよ!」
悔しそうに千雨は声を絞り出した。
546作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/30(金) 20:17:20 ID:???
「ど……どういうことよ!?何か良い方法を思いついたの?」
ゲームから脱出できる方法が見つかったと言う割には悔しそうな表情を浮かべる千雨に疑問を持ちながらも、明日菜は期待を込めて千雨に詰め寄った。
「簡単なことだ。普通にこのゲームの全てのルールをじっくり見ていれば、自ずと分かっていたはずなんだ」
「私は何も気付きませんでしたが……で、その方法とは何ですか?」
夕映も近づいて聞いてくる。

「AチームとBチームで全く同じタイミングで犯人を答えて正解すれば良いんだ」

千雨の言葉に夕映はアッと声を上げる。
「なるほど……ひょっとしたらそうかも知れません!」
「ねえ、ちょっと聞いて良いかな?なんで同じタイミングだと良いの?
正解したら確かに自分のチームの首輪のロックは外れるよね?
でも、同時に敵チームも正解するから首輪のロックが外れると同時に首輪は爆発するわよね?間に合わないんじゃないの?」
「ルールをよーく思い出してくれ神楽坂。敵チームが正解すると同時に首輪が爆発するんじゃない。首輪の起爆スイッチが入るんだ」
「……同じことじゃないの?」
明日菜は首をかしげながら答える。
「そう思うのも無理はねえ。最初は私もそう思っていたからな。でも、これを見な」
千雨は自分のケータイを明日菜に投げ渡した。明日菜はメッセージを読み上げた。
「『スイッチが入ると5秒後に首輪が諸君の首ごと爆発する仕組みだ』……これって!」
「最初に集まったメンバーに15分割して送られたメッセージだ。
これを見た時は殺し合いのゲームなんてするとは思わなかったから、首輪が爆発するという内容だけしか頭に残らないだろうな。
自分が受けたメッセージでなければ一度見ただけでは記憶に残らないのも無理はねえ。
だが、メッセージ通りで行けば起爆スイッチが入っても首輪が爆発する5秒前に首輪は外れる。
これまでの主催者が仕組んできた性質から考えても間違いはないはずだ。
両チームが同時に正解すれば首輪は爆発する前に外すことができる。確実に全員が生き残ることができるんだ!」
547マロン名無しさん:2008/05/30(金) 20:18:21 ID:???
これは面白い展開。
支援。
548作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/30(金) 20:20:25 ID:???
「それってすごいじゃない、千雨ちゃん!良く思いついたわね」
明日菜は驚きと共に感嘆の声を上げる。
「フン、ちっとも自慢できることじゃない。ゲームが始まってからすぐに気がつけば、その時点で生きている生徒達のほとんどは脱出できる可能性があった。
しかも、私が受けていたメッセージの中にそのヒントがあったんだ。
脱出のための方法を探しているのにそれに気付かないのは迂闊としか言いようがねえよ。
それさえ早く気が付けば、すぐにでも敵チームの奴等と手を組んで答えに行き着くのも速かったはずなんだ」
悔しそうな顔で千雨は再び拳を木に打ち付ける。

目の前に夕映が居るから千雨は口に出せないが、ハルナと出会う前にそのことに気付いていれば殺し合いをする必要がないのでハルナとも協力する選択肢もあったのである。
ハルナの死に対しては内心夕映に負い目を感じていた千雨は、そのことに早く気付けなかった自分を責めていた。

「千雨さん、そんなに自分を責めないで下さい。気付かなくても不可抗力だと思うです。
主催者はAチームかBチームのどちらかしか生き残れないと度々示唆していました。
その答えに行き着くことのできる情報を提供していながら、答えに行き着かないように誘導していたと思うです」
夕映の言葉に木を殴るのを止めた千雨だが、悔しそうな表情は変わらなかった。
「それよりも急ぎましょう。全員が生き残れる方法があるなら殺し合いに乗る理由はなくなります。
今現在で生き残っている生徒だけでも助かるようにしなくてはなりません。
それに……犯人の答えはまだ出ていません。ともかく、一刻も早く他の生徒達と合流するです!」
俯いていた千雨だが、夕映の言葉に顔を上げる。
「そう……だな。まだゲームは終わっちゃいないんだった」
「それじゃ行きましょ!いそいで生き残っている皆を見つけなくちゃ!」
明日菜の言葉に3人は一斉に動き始めた。

【Aチーム:残り5人】
【Bチーム:残り7人】
549作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/30(金) 20:22:39 ID:???
[61.犯人の絞り込み]
「……同時に回答をすれば良い……確かにその通りだわ」
千鶴は感心した様子で頷いた。
ゲームのルールを照らし合わせれば単純な解決方法であったのだ。ルールは千鶴にも伝えられているのでその答えに行き着く情報は与えられているのである。
そこまで考えが至らなかった自分の不明を恥じると共に、殺し合いという異様な状況下でそれに気付いた和美に感心する。
「このゲームの主催者ってかなり意地が悪いよ。ルール上で全員が生き残る可能性を残しているのは恐らくわざとだよ。
それでいてゲームの参加者には殺し合いをするように仕向けているんだからね。
そのことに気付かないで殺し合いをしている生徒達を見ていたらさぞかし滑稽に見えるだろうね」
主催者に対する不満は千鶴も同意見なので和美の言葉に強く頷いた。
「まったく、最初からゲームのルールを全て提示しておけば、ちょっと勘のいい者だったらすぐに気付くはずなんだよ。同時に回答すれば良いなんてね。
でも、首輪はスイッチが入って5秒後に爆発するのは全員が集まったとき、しかも殺し合いのゲームなんて知らない時だけしか教えられていないんだよ」
「さらに、そのメッセージを持っている人間以外は、それ以降そのルールは目を通すことが出来なくなるものね」
千鶴の言葉に和美は頷く。
「しかもだよ、ゲームのルールの発表時にはまるで首輪はすぐに爆発するかのように説明している。
そうでなくても殺し合いという極限状態にいきなり放り込まれているんだ。気付かなくても無理はないわね」
「それに気付いた和美は大したものだわ。私なんてそんなこと考え付きもしなかったから」
千鶴は笑みを浮かべて和美を褒めた。
「いや、まあ、幸運にも盗聴器という私向きのアイテムを手に入れた上に考える時間はあったからね。
首輪に関するルールも運良く思い出すこともできたし、皆よりかは答えに行き着きやすい位置に居たのは確かだよ」
褒められて照れくさいのか、謙遜したように和美はそう言った。
550作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/30(金) 20:26:48 ID:???
和美はコホンと軽く咳払いして話を戻す。
「そんなわけでね。Aチームのハカセを殺した犯人は茶々丸の可能盛が非常に大きいってこと。
あとはBチームのエヴァちゃんを殺した犯人を絞り込めれば犯人当ての回答は出来るってわけよ」
そう言って和美は話を締めくくった。
「そのような事情なら私も有益な情報を提供してあげられるわ。Bチームの犯人についてね」
千鶴の言葉に和美はちょっと驚いて顔を近づけてくる。
「え?それってどういうこと?」
「同じBチームの生徒を殺した人間を一人知っているの。主催者の定時連絡で夏美が死んだのは知っているでしょ?
私と夏美がアイテムを探すために一旦別れてから再会するよりも前に、夏美は誰かに殺されたのよ。私が夏美を見つけたときには夏美は既に息絶えていたわ。
でも、夏美は殺される寸前に殺した生徒の名前を地面に書いていたの。書かれていた字は『超』の一字。
……超さんは同じチームの人間である夏美を殺した生徒に間違いないと思うわ!」
千鶴の話を聞き終わった和美はウンウンと頷いた。
「そっか、そうだとすると、超りんがBチームの犯人である可能性が一気に跳ね上がるね。
これで一応両チームの犯人の目星は付いたわけだ」
元々和美にとっても超がBチームの犯人候補として上位にあった人物だ。千鶴の情報とも一致する。

ようやく犯人の目星がついたことに満足していた和美は、自分の思考から現実に意識が戻すと千鶴の方に目を向けた。
夏美の死を語った後、千鶴は俯いたまま何やら思いつめた顔をしていた。
そう、何かを決心していたような表情を。
その表情を見た途端、和美は千鶴がやろうとしていることに感づいた。
「千鶴!」
おもむろに和美は千鶴の名を呼んだ。
551作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/30(金) 20:29:05 ID:???
「な、何?」
自分の世界の中にに入っていた千鶴はちょっと驚いた反応をして、取り繕うような笑みを浮かべて和美の方を向いた。
「千鶴、言っておくけど、変な考えを起こしちゃいけないよ?」
和美の言葉に千鶴の心臓がドキンと跳ねる。
「な、なんのこと?」
心の動揺を隠しながら千鶴は答えた。
「村上のことは私も仲良かったからね。親友だった千鶴の気持ちは分かっているつもりだよ?
でも、村上の仇を取るとか考えちゃいけないよ。そんなことのために千鶴の手を汚そうとしては駄目だ。
そんなのは村上も絶対に望んじゃいないはずだからね!」
図星を突かれて千鶴は押し黙った。
和美の言うとおり、千鶴は超に会ったときは彼女を迷わず殺すつもりだった。
夏美の敵を取るために。
そのことを目聡く察知した和美は釘を刺したのであろう。
和美は厳しい眼差しで千鶴のことを見つめている。

観念したように千鶴は大きくため息をついた。
「分かったわよ和美。実際に超さんと対峙したときは保障できないけど、とりあえずは犯人当てを解いてここから脱出することを優先するわ。これで良い?」
千鶴としては最大限の譲歩だった。
「わかった。それで良いよ」
和美も千鶴の内心で葛藤する思いを感じ取ったのだろう、その件についてはそれ以上何も言わなかった。
552作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/30(金) 20:30:46 ID:???
「それで、今後の方針だけど……」
今の話は終わったとばかりに和美は話を戻す。
「私たちの推理が正しいかどうか、他の生徒達と合流して情報交換するつもりなんだ。
そこで私たちの推理が正しいことが確信できたら犯人の回答をするつもり。
もちろんAチームの代表として私が回答するよ。それで、Bチームの方の回答なんだけど……」
「分かっているわ」
千鶴は和美の意図を読み取って答えた。
「Bチームの回答は私がするわ。貴方に賭けてみる」
千鶴の言葉に和美はホッとしたように表情を明るくする。
「……ありがとう、千鶴!」
「気にしないで。それより他の生徒を探すとして、どこに行くの?」
「さっきも言ったけどアスナ達は3人固まって行動している。しかも犯人探しに動いているみたい。
アキラとくーちゃんと本屋は単独行動をしていて犯人探しをしている素振りを見せていないわ。
まずはアスナ達3人を探すわよ!」
「でも、どこに行けばその3人に会えるのかしら?」
「大丈夫。こっちは盗聴器があるからね。3人の会話の中から居場所が分かるキーワードは出てくるものよ?
おおよその当たりは付いているから今すぐ行ってみよう」
「わかったわ」
方針が決定した和美と千鶴は、明日菜たちと合流すべく行動を開始した。

【Aチーム:残り5人】
【Bチーム:残り7人】
553作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/30(金) 20:31:20 ID:???
本日の投下は以上です。

また明日。
554マロン名無しさん:2008/05/30(金) 20:33:08 ID:???
おおう、そう来たか
乙です
555マロン名無しさん:2008/05/30(金) 20:34:45 ID:???

盛り上がってきたな
556マロン名無しさん:2008/05/30(金) 20:37:20 ID:???
おっつー。
これは読めなかった。
557マロン名無しさん:2008/05/30(金) 23:02:26 ID:???
>それと教えてもらってよいですか?
>>ネタの量が少なすぎる
>この「ネタ」って何を指しているのでしょうか?これが何を意味しているのか分からないのです。
>貴方が「ネタ」と定義して言っている内容をぜひ教えてください。
>それと「少なすぎる」というのは過去作品に比べてということですよね?
>具体的に過去作品に対してどの程度少ないのか、定量的にご教授願えないでしょうか?

23部はまだ完結してないからなんともいえんが22部と他の部を比べて何も思わないのか?
自分で気付かないなら長編は書かない方が良い
558マロン名無しさん:2008/05/30(金) 23:06:10 ID:???
>>557
他の部と比較するな。
559マロン名無しさん:2008/05/30(金) 23:10:54 ID:???
これはアドバイスの一つなんだから比較するのも一つの手段だろ
なんか20氏を必死に擁護してる奴いるが痛すぎ
560マロン名無しさん:2008/05/30(金) 23:11:45 ID:???
さぁそろそろしたらばいけ厨来ますよw
行かなかったらまたしたらばの方で誰か愚痴ったりしますよ
561マロン名無しさん:2008/05/30(金) 23:23:23 ID:???
20氏乙。
その発想は無かったw
明日もwktkしてる。
562マロン名無しさん:2008/05/30(金) 23:27:59 ID:???
それから遅くなったが840氏も乙
563マロン名無しさん:2008/05/30(金) 23:47:18 ID:JpBJFdOa
俺的には22部と他の部の方向性自体が違うと思うんだが
それになかなか新鮮でいいと思ったし
擁護だと思うのは勝手だが
好きな作者をフォローしたいと思うのは当たり前だと思う
564マロン名無しさん:2008/05/30(金) 23:48:20 ID:???
乙です
565マロン名無しさん:2008/05/30(金) 23:54:00 ID:63HnJlh8
>>563
同意。
作品に込めた思いは人それぞれ、だから中身が違って当たり前。
比較と指摘じゃ全然違うし、作者もそんなの望んでないとおもう
566マロン名無しさん:2008/05/30(金) 23:55:32 ID:???
20氏の最初のレス気持ち悪い
何、最近態度でかくなってんの?
567マロン名無しさん:2008/05/30(金) 23:56:23 ID:???
なんか展開よめすぎて物足りない
ネタ″が足りなすぎ
568マロン名無しさん:2008/05/31(土) 00:04:50 ID:d3xYHvx7
569マロン名無しさん:2008/05/31(土) 00:06:37 ID:IMijAZ+h
ぎゃああ超GJ
570マロン名無しさん:2008/05/31(土) 00:07:38 ID:???
上げごめんorz
それから20氏もGJした
23部はなかなか設定をいかせてて良い
571マロン名無しさん:2008/05/31(土) 01:17:53 ID:???
>>568
GJだが、お前筋肉描きたかっただけやろwwwww
572マロン名無しさん:2008/05/31(土) 03:53:01 ID:???
最初に言っておくがこれから言う意見は23部を批判するわけじゃないから信者さん叩かないでくれよ

上で読めなかったとかこうきたかとか言ってる人何人かいるが本当にそうなのか?
同時回答で脱出なんて最初の時点で思ったけどあまりに簡単すぎて言ってもバカにされると思って言わなかったくらいだし
超が犯人だってのは始まったばかりの時から皆予想ついてたし…
あれ?やっぱ皆20氏をフォローするためにそう言ったの?マジレスする俺空気読めない子?
573マロン名無しさん:2008/05/31(土) 05:03:52 ID:???
信者を叩いてるんですね、わかります
574マロン名無しさん:2008/05/31(土) 06:19:29 ID:???
読めた読めたというのは簡単だしね。昨日のは本当に読めなかったし。つーか信者じゃなくとも昨日から騒いでる君の存在は痛い。
575マロン名無しさん:2008/05/31(土) 06:29:36 ID:???
あー今の言い方は荒れるな、ごめん。
ただ、本当に昨日の読めたの?じゃあこれからどうなるの?当たってなかったらあんなに叩いて作者に土下座ものだよ?
それに本当に読めてたとしても、他に読めなかった人だって居るし、へーそう、だから何なの?としか思えないだろ。
いい加減、人それぞれという言葉を覚えてくれ。人それぞれという言葉を理解しているから俺が20氏を好きでもこういってたし、20氏を嫌いでもこういってた。
576マロン名無しさん:2008/05/31(土) 06:50:57 ID:???
この場合は人それぞれというより、どっちもどっち

スレが荒れると他の職人が寄り付かない、というのを踏まえてくれ。スルーが一番正しいやり方だって
577マロン名無しさん:2008/05/31(土) 10:24:55 ID:???
仲介の人って関連性のないことをよくつなげようとするよなw
578マロン名無しさん:2008/05/31(土) 11:40:54 ID:???
>>576
いつものしたらば厨
579マロン名無しさん:2008/05/31(土) 12:35:34 ID:???
>>573-575
なんでお前そんなに必死なって擁護すんの?
>572も批判するわけじゃないって言ってんじゃん
23部信者、17部信者より相当痛いぞ
超がもう一人の犯人てのは皆当ててた事だし同時に回答って事だって頭悪い人以外は皆わかってたんじゃねぇの?
あと、レス一つにくくれよ
580マロン名無しさん:2008/05/31(土) 12:45:11 ID:???
茶々丸は自分の意思ではなく超に操られてるんですね、分かります。
581マロン名無しさん:2008/05/31(土) 12:50:27 ID:???
>>568 GJです。
このラカンの描き方って、もしかして・・・?
582マロン名無しさん:2008/05/31(土) 13:01:52 ID:???
ばかばかしすぎ^^;
583マロン名無しさん:2008/05/31(土) 13:04:38 ID:???
せっかく絵かいてくれたのにばかばかしいとか言うなし
584マロン名無しさん:2008/05/31(土) 13:05:39 ID:???
>>583
誰も絵かいてくれた人に言ってないよ。
GJは既に深夜にゆうてるし
585マロン名無しさん:2008/05/31(土) 13:21:47 ID:???
指摘や予想程度で叩く20信者ってなんなんだ?
こんなのいろんなロワスレ見てる俺でも初めて見た
586マロン名無しさん:2008/05/31(土) 13:31:32 ID:???
このスレ\(^o^)/オワタ
587マロン名無しさん:2008/05/31(土) 13:42:14 ID:???
だーかーらスルーしろ。
したらばにもいけない、誘導すれば厨だ厨だと騒ぐ自演野郎はほっとけ。
20氏ももういちいちこんなやつ相手にしなくていいよ。
588マロン名無しさん:2008/05/31(土) 14:13:29 ID:???
荒らしと信者と自治厨が入り乱れるスレになってるwww

あえて聞くけど、まだ長編書いてる最中の方は居るのか?
589マロン名無しさん:2008/05/31(土) 15:00:38 ID:???
途中ですが、比較されたりスレが荒れるなら投下したくありません。
しばらく様子をみて完成させるつもりです。
590マロン名無しさん:2008/05/31(土) 15:19:05 ID:???
>>587
お前みたいな自演認定厨が1番痛いって気付けよ…
591マロン名無しさん:2008/05/31(土) 15:19:54 ID:???
この程度で比較て……
どうせ途中とか言って何も書いてないんだろ
592マロン名無しさん:2008/05/31(土) 15:29:55 ID:???
そもそも23部って信者出来るような作品か?
贔屓目で見ても2部〜5部と同等程度だろ
ひょっとして20氏の…


さぁMな俺を叩いてくれ
593マロン名無しさん:2008/05/31(土) 15:34:50 ID:???
もうこの話題はいいよー。アンチの話がこのスレで1番つまんないw
こんな話題したら楽しめなくなるよね?やめようよ。

ってか遅くなったけどラカンGJw
594マロン名無しさん:2008/05/31(土) 15:41:19 ID:???
逆に考えるんだ、ドMな作者には堪らないスレだと・・・!
595マロン名無しさん:2008/05/31(土) 15:53:22 ID:???
また誤爆でなりきりとかしたら良いと思うよ
596マロン名無しさん:2008/05/31(土) 16:27:40 ID:???
>>595
黙って^
597マロン名無しさん:2008/05/31(土) 16:31:21 ID:???
そういえば三周年記念の亜子の絵はかわいかったね。
598マロン名無しさん:2008/05/31(土) 16:47:48 ID:???
誰が書いたんだろう?あれはコテ名乗ってもいいよね。
599マロン名無しさん:2008/05/31(土) 16:48:37 ID:???
伊吹氏とS氏の4コマの夏美も相当可愛い
600マロン名無しさん:2008/05/31(土) 17:17:35 ID:???
うん、あれはすごいよね。
最近茶々丸かいた人の絵も素敵すぎる。
601マロン名無しさん:2008/05/31(土) 18:11:27 ID:???
602マロン名無しさん:2008/05/31(土) 21:16:12 ID:???
飴玉氏のゆーなが凄い好きなんだが
603マロン名無しさん:2008/05/31(土) 21:31:31 ID:???
>>568
乙です。ラカン実に良いです。

>>601
乙です。840氏に触発されたのか、加工が増えてきましたね。

さて、本日の投下を始めます。
604マロン名無しさん:2008/05/31(土) 21:33:46 ID:???
[62.親友との再会]
「あれからそんなに経っちゃいないけど、誰にも会わねえな」
千雨がちょっとイラついたように愚痴をこぼす。
AB両チームが生き残ることができる方法が見つかった今、犯人以外で生き残っている生徒と一刻も早く一人でも多く合流する必要があった。
もう殺し合いをする必要はないことを知らせるためと、ある程度犯人の目星はついているが裏づけとして情報を持った生徒が欲しかったためである。
「千雨ちゃん、そう焦らないでよ。主催者の引っ掛けに気がつかなかったのは私達も一緒なんだし……。
千雨ちゃんだけが責任を感じる必要はないわ」
明日菜が千雨を慰める。千雨はもっと早く気付くことのできなかった自分を一人で責め続けていたのだ。
「そうです。犠牲者は多く出ていますが、まだ生き残っている生徒はいます。生き残っている生徒を全員助けることは今からでも充分間に合うです」
夕映も明日菜に同意する。
まだ心の整理がつかないのだろう、千雨は黙ったままだった。

「……少し危険があるが、一旦3人で別れて生き残っている生徒達を探した方が良いのかな?その方が3人まとまって動くより作業効率は良い」
ホソッと千雨は呟いた。それを聞いた夕映が即座に反対する。
「その意見には私は反対です。確かに作業効率は上がりますが、犯人が島の中をうろついている以上は危険性が増します。
私達が別れてしまうのは戦力分散の愚を犯すことになるです。犯人にとっては各個撃破の格好の餌食になりかねないです」
「そうね……私も夕映ちゃんに賛成」
夕映と明日菜の反対意見を聞いて千雨は自嘲気味に笑みを浮かべた。
「そうだな。お前等の言っていることの方が正しいよ。悪かったな、どうやら私は焦りすぎたようだ」
「今は確実性を優先させましょう。人数が少なくなって生き残っている生徒が見つけにくくなっているのは犯人も条件は同じです。
少々時間は掛かっても確実に犯人以外の生徒を見つけるべきです」
夕映の言葉に千雨は頷いた。
605マロン名無しさん:2008/05/31(土) 21:36:08 ID:???
「それから……」
再び夕映が話し始める。
「首輪が外れた後の対策も考えておかなくてはなりませんね」
「対策って、島から脱出して家に帰るための方法はどうするかって事?」
「いえ。犯人に対する対策です」
「?」
夕映の言っている意味が理解できず明日菜は頭を傾げた。
「……なるほどね。正解したら犯人も一緒に首輪が外れる。ゲームに参加している連中は首輪が外れたら殺し合いをする理由はなくなる。
だが無差別にクラスメートを殺し続けている犯人は、自分が生き残ることを目的として殺人を行っているわけではない。
つまり、首輪を外してゲームから開放されたとしても殺人を止める保証はないってことだな」
「そのとおりです」
千雨の言葉に夕映は頷く。
「ちょ、ちょっと待ってよ!それって首輪が外れても殺される危険性は無くなっていないって事?」
「そういうことだ。首輪を外して犯人に見付からないようにして無事に逃げ出すまではゲームは終わらない」
想定していなかった事実を知って驚いている明日菜に、冷静に千雨が説明する。

「ある意味、これも主催者がルールの中に仕掛けているトラップなのでしょうね。
犯人は首輪が外れても殺し合いを続ける可能性がある。このことに気付いていないと足元を掬われる恐れがあるです。
犯人探しのことを考えずに敵チームを殲滅できれば生き残れると考えるような生徒が最も危ないですね。
仮に敵チームを殲滅できたとして、味方チームの生き残りの中に犯人が存在していたら、首輪が外れて安心しきっている時に犯人に殺されますから」
「……つくづく陰険なヤローだな、主催者って奴はよ」
忌々しげに吐き捨てるように千雨は毒づいた。

一旦話が途切れ、3人は無言になる。
3人はただ黙々と生き残っている生徒がいないか周囲を見回しながら先へ進んで行った。
606マロン名無しさん:2008/05/31(土) 21:38:36 ID:???
どのくらい時間が経過しただろうか、3人は森の中をゆっくりと進んでいる。
すると、いきなり3人の進路方向の先で不自然に草むらがガサッと揺れた。
「だっ、誰かいるの?」
明日菜が銃を握り締めて声をかける。
しばらくすると草むらに隠れていた一人の生徒がゆっくりと立ち上がった。
姿を現したのは宮崎のどか(Aチーム)であった。
「のどか!」
「本屋ちゃん!?」
明日菜は握っていた銃を下ろした。夕映はのどかに近寄ろうとする。
のどかは親友の夕映や親しい明日菜の姿を見て話をしようかどうかと一瞬迷っていた。
しかし、全員がのどかと敵対するチームであることを思い出し、泣きそうな顔をして背を向けるとダッと駆け出した。
「ま、待ってくださいのどか!私達はゲームには乗っていません!」
逃げようとしたのどかを見て、夕映が慌てて声をかける。
夕映の声を聞いてのどかは立ち止まり、3人の方を振り返る。
「ほ……本当?」
恐る恐るのどかが確認する。
「私達がのどかに危害を加えることがあるわけないじゃないですか。それにここから脱出するための方法もあります。のどかも一緒に脱出しましょう」
迷っているのどかに夕映は優しく語りかける。
「……のどか、そっちへ行って良いですか?」
のどかを安心させるために夕映が一人でのどかに近づこうとする。
コクリと頷くのどか。
夕映はのどかの目の前まで近づくと、優しくのどかを抱きしめる。
「たった一人でいて怖かったですね。もう安心です。私達が一緒にいるです」
その言葉に安心したかのように、のどかも夕映をギュッと抱きしまる。
「ゆ……ゆえー、ゆえーっ!寂しかったよぉ。それに怖かった、怖かったよーっ!!」
のどかは夕映を力一杯抱きしめながら泣き続けた。
夕映の目にもじわりと涙が浮かんでいた。
607マロン名無しさん:2008/05/31(土) 21:42:13 ID:???
のどかはしばらくすると泣き止んで、落ち着きを取り戻した。信頼している親友に出会えたことで安心したらしい。
4人となった一行は話し易い所へ場所を移して情報交換を始めた。
先に夕映が代表して夕映達のこれまでの経緯の説明を行う。
自分達は犯人探しをしていること、全員が助かる方法を見つけたこと、Aチームの犯人は茶々丸の可能性が高いことなどである。
ハルナに出会って決別した事はのどかには伏せておいた。わざわざのどかまでこれ以上悲しませる必要はない。
「と、言うわけでAチームの犯人は茶々丸さんだと思われるです。Bチームの犯人さえ分かればここから脱出できるのです」
夕映の説明を聞き、のどかはハーッと感嘆した声を上げた。
「すごいね夕映、そこまで分かっているなんて!」
「私達は貴重な情報をくれた方々に出会えましたし、私達全員が力を合わせてここまでたどり付きました。あと少しです」
感心しているのどかに真剣な表情で夕映は答えた。
次はのどかが説明する番である。話し出す前にのどかは少し考え込んだ。
「ねえ夕映。犯人を決定する手がかりって何なのかな?」
「……我々と犯人との違いは、敵チームの生徒だけを殺すか生徒全員を皆殺しにするかだけです。
殺人現場に戻って容疑者を集めて犯人探しなどができない以上、それだけがただ一つの手がかりになります。
ですから同じチームの生徒を殺している生徒が犯人である可能性は高いと思うです」
それを聞いて少し俯いていたのどかは決心して顔を上げる。
「ゆえー、私見たよ。Bチームの中で同じチームの人を殺した人」
「ほ、本当ですかのどか?」
のどかに発言に驚き、夕映、明日菜、千雨が思わず顔を近づけてくる。
その勢いにちょっとだけ驚いて後ろに下がったのどかだが、確認してくる夕映に向かって強く頷いた。
「私、ゲームが始まってしばらくの間は倉庫の中にずっと隠れていたの。すると、私が隠れていた倉庫にふーちゃんが入って来たの。
ふーちゃんは私とは敵チームだったから、私は倉庫の中で見付からないように身を隠していたです。
だから、ふーちゃんは私に気がつかずに倉庫の中でしばらく休んでいたわ……。
その後にいきなり倉庫の扉を開けて超さんが入ってきて……ふーちゃんを見つけると銃で撃ち殺したの。隠れていた私は見つからなかったけど……」
608マロン名無しさん:2008/05/31(土) 21:44:59 ID:???
のどかは自分の見てきたことを夕映達に話し終えると、そのシーンを思い出したのかゾクゾクッと体を震わせる。
「……超さんと風香さんは同じBチーム!さらに言えば超さんは四葉さんを殺した容疑者に挙がった人物でもあるです。
ということは、やはりBチームのエヴァさんを殺した犯人は超さんの可能性が非常に高くなったです。
のどか、重要な情報を持っていたことを感謝します」
興奮した様子でのどかの両手を取って夕映が礼を言う。
「これで犯人は分かったって訳ね」
「ああ、不確定要素もあるから絶対ではないが、状況的にかなり確立は高いと思う」
明日菜の言葉に千雨が応じる。
「じゃあ、犯人を回答するの?」
ケータイを取り出して明日菜が確認する。
回答するにしても命懸けである。誰が回答するかという問題も残っていた。
「いや、できればより確実を期したい。出来るなら情報をもっと集めたいな。
タイムリミットまではまだ丸1日残っているんだ。ゲームに乗っていない奴等を探してもっと情報を集めてからにしよう」
「そうですね。それが良いと思います」
千雨の言葉に夕映も同意する。
「よし、急ごう。犯人達に出会う前に生き残りを探すぞ!」
千雨の合図と共に4人になった一行は、一つの目標に向かって動き出した。

【Aチーム:残り5人】
【Bチーム:残り7人】
609マロン名無しさん:2008/05/31(土) 21:45:58 ID:???
[63.定時連絡(5回目)]
ケータイが一斉に鳴り響く。
気が付いたら昼の12時になっていた。生き残っている生徒達のケータイにメッセージが入った。

『――― メッセージ ―――
送信者:主催者  
件名 :定時連絡
12時になったので定時連絡を行う。

<死亡者>
Aチーム:近衛木乃香
Bチーム:桜咲刹那、ザジ・レイニーデイ

<立ち入り禁止エリア>
午後1時以降E−4
午後3時以降C−8
午後5時以降D−2』


明日菜、夕映、千雨、のどかの4人はケータイのメッセージを見て凍りついた。
アスナは絶句していた。
「そ……そんな、このかも刹那さんも……し、死んじゃったの?」
「このかさん、刹那さん……」
2人のことも探していたのだが、出会うことができなかった2人を思って夕映もうなだれる。
のどかも悲しそうに俯いていた。
あまりのショックに沈黙が流れる……。
610マロン名無しさん:2008/05/31(土) 21:47:02 ID:???
「……おい、行くぞ!」
沈黙を破るように厳しい口調で千雨が声を上げた。
「千雨ちゃん……」
「悲しむのは後だ!ゲームはまだ終わっちゃいねえ。まだ犯人以外で生き残っている生徒は10人程いる。
親友が死んだことを知ったお前らに今言うのが酷なことは百も承知で言うぞ。
今は生き残っている生徒達が一人でも多く生きて脱出することが大事だ。
時間もどんどんなくなっている。こんなところで立ち止まるわけにはいかねえんだ!」
今成すべき事は何なのか?
それを伝えるために恨まれ役を買って悲しみに沈んだ3人を叱咤する千雨。
その気持ちが痛いほど理解できた3人は無言のまま動き始めた。

とにかく生き残っている生徒だけでも助ける。
そのために、親友達の死という悲しみを胸に押し留めながら4人は再び歩き出した。

【Aチーム:残り5人】
【Bチーム:残り7人】
611マロン名無しさん:2008/05/31(土) 21:49:18 ID:???
[64.三つ巴]
森の中を一人の生徒が走っていた。
春日美空(Aチーム)は後ろを振り向いて追っ手の姿が迫っていないか確認する。
「くそっ!何で奴に会っちゃったのかな」
美空は毒づいた。
森の木々をうまくブラインドに使って背後から撃たれないようにしているが、そのために木々を縫うようにして走っているためスピードが上がらない。
美空を追いかけているのは龍宮真名(Bチーム)であった。

真名と遭遇した瞬間、美空は一目散に逃げた。
直接対戦しても勝ち目はないと思ったからだ。
一発ほど背後から銃声が聞こえてきたが、右腕を掠めただけでダメージはなかった。
銃にかけては3−Aのクラスで随一の真名の射撃をかわせたのはラッキーだった。
ただ、いつまでもこのラッキーが続くとは思わない。逃げながら美空は焦っていた。
真名は確実に美空を仕留めることを選んだのだろう。一回撃った後は一定の距離を保ったまま追いかけてくる。
美空は走りで真名に負けるつもりはない。
木々を縫うように走るのを止めて一直線に走れば真名を撒くことは可能であった。
しかし、木々のブラインドがなくなった瞬間、真名は迷わず撃ってくるだろう。
走っている最中では上半身が揺れ動いて狙いは定まらない。
単発式の銃しか持っていないので、さすがの真名も100発100中というわけには行かないはずだった。
つまり、真名が足を止めて美空を狙う隙を与えないことが美空の命綱であった。
焦ってはいたものの、美空は冷静に状況を分析していた。
一気に撒くことは出来なくても徐々に引き離せば良い。得意なのは短距離だが、長距離であっても真名に負けるとは思わなかった。
日ごろから走っている量が違うのだ。そう考えて走る足に力を込めた。
612マロン名無しさん:2008/05/31(土) 21:51:20 ID:???
しばらく追いかけっこになるのを覚悟した美空は、後ろを気にするのを止めて走ることに集中しようとした。
しかし、その途端に目の前に他の生徒が姿を現した。
「うわっと!」
美空は急停止すると、目の前の生徒とも距離をとるように横方向へ飛んだ。
現れたのは絡繰茶々丸(Aチーム)だった。
追いかけてきた真名も茶々丸に気付いて立ち止まる。
そして美空と茶々丸の3人が一定の距離を取ったまま、三つ巴の状態になって立ちすくんだ。

時間にしたら僅かだが、お互いがどのように動くのか読み合いが始まる。

最初に動いたのは美空だった。
茶々丸の返り血を浴びた制服を見れば茶々丸がゲームに乗っているのは一目瞭然である。
自分と茶々丸は同じAチームであるから、茶々丸は真名を狙うと考えた。
仮に茶々丸が犯人であってもこの状況では強い者を先に倒すのがセオリー。自分がここから消えようと動けば茶々丸は真名に攻撃を仕掛けようとするはずである。
そう読んだ美空は2人に潰し合ってもらおうと、2人に背を向けて一目散に逃げ出した。
「逃がさないよ春日」
背を向けた美空に銃を向けようとする真名だが、そこに美空の読み通りに茶々丸が向かってきた。
「くそっ!」
美空を狙うのを諦めると、真名は後ろへ飛んで茶々丸が振り下ろしてくるナイフを避ける。
着地したと同時に真名は銃の引き金を引いた。
銃が咆哮を上げ、銃弾は茶々丸の胸にめり込んだが、茶々丸は気にすることなく真名を襲ってくる。
「チッ!」
再び真名は後ろに大きく退がり、茶々丸との距離を取って対峙した。
613マロン名無しさん:2008/05/31(土) 21:51:44 ID:???
http://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00143.jpg

便乗して勝手に加工レベル2
614マロン名無しさん:2008/05/31(土) 21:53:44 ID:???
(よっしゃあ、上手く行ったぁ!)
後ろを振り向いて茶々丸と真名が戦闘に入ったのを確認した美空は、進行方向に視線を戻してこの隙に一気に距離を離そうと両足に力を込めた。
しかし、その美空の目の前に新たな別の生徒がいきなり姿を現した。
美空が新たに現れた生徒に気付いたと同時に、美空の体中を無数の銃弾が襲いかかる。
「ゲグァァッ!」
声にならない呻きを上げて美空は仰け反ると、両膝をついた。体中が焼けるように熱い。
目の前を見ると、煙を上げるサブマシンガンを持った超鈴音(Bチーム)が立っているのが見える。
その時になって美空はようやく超に撃たれたことを知った。
「くそっ!こんな……ところで……死にたく……な……い……」
無念の言葉を吐きながら美空は前のめりに倒れ込み、動かなくなった。


――茶々丸と真名の戦いは続いていた。
距離を取った真名に対して、茶々丸は構わずに距離を詰めてくる。
今度は茶々丸の間接を狙って真名は銃を撃つが、予想以上の茶々丸の動きによって素早く真名の攻撃はかわされていく。
想像以上の茶々丸の強さに次第に焦り始める真名。銃を持つ右腕がナイフで切りつけられる。
「グアァッ!」
鮮血が飛び散り、真名がよろめいた。その隙を見逃さず、茶々丸がナイフを振り上げる。
真名は銃を右手から左手に持ち代えると立て続けに2発、茶々丸に向かって引き金を引いた。
茶々丸に向けて放たれた2発の銃弾は、茶々丸の動きを一瞬停止させるのに成功した。
しかし、一瞬間を空けて真名に向かってナイフが振り下ろされ、真名の肩口に深く突き刺さった。
「ガハァァッ!!」
突き刺されたナイフによって真名の息が詰まり、動けなくなる。
茶々丸はナイフを一気に引きぬくと、再び真名の胸に深々と突き刺した。
「!!」
真名の体がビクビクッと痙攣する。
615マロン名無しさん:2008/05/31(土) 21:53:50 ID:???
のだめwww
616マロン名無しさん:2008/05/31(土) 21:55:08 ID:???
ナイフが引き抜かれ、真名の体がドサッと地面に倒れる。
体を起こそうと少しだけ真名が動いたが、力が抜けたように動きが止まるとそのまま息を引き取った。

茶々丸と真名の戦いが終了し、それを離れた所から見ていた超が茶々丸に近づいて声をかけた。
「順調のようネ」
表情のない顔で真名を見下ろしていた茶々丸が、近寄ってくる超の方を向く。
超の姿を確認すると、茶々丸はゲームが始まってから常に無表情だった顔を変化させ、ニヤリと笑顔を浮かべた。
そして、真名の側までやってきた超は真名の持ち物を探った。
ポケットの中にレーダーがあったのを発見すると、超はレーダーを取り出して電源を入れた。
生存者の居場所が光点で映し出される。
画面を見て超は不敵な笑みを浮かべた。
「残っている生徒は私達を含めて10人カ……大体集まているようネ」
そう言って、側で黙って立っている茶々丸に呼びかけた。
「これまでに結構撃たれたみたいネ。最後の仕事をする前に応急処置をするからついてくるヨロシ」
超が背を向けて先に歩き出したのを見て、茶々丸は後をついて歩き始めた。

【出席番号9  春日美空 死亡】
【出席番号18 龍宮真名 死亡】
【Aチーム:残り4人】
【Bチーム:残り6人】
617マロン名無しさん:2008/05/31(土) 21:57:05 ID:???
本日の投下は以上です。

>>613
元ネタが良くわからなかったのですが…のだめ?・・・・?
何か面白かったです。乙でした。
618840 ◆b4hPGPyZXw :2008/05/31(土) 22:10:35 ID:???
http://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00144.jpg
更に便乗して加工レベル3
今、即興で作ったのでやっつけすみませんw

20氏も毎日投下乙です
619マロン名無しさん:2008/05/31(土) 22:25:33 ID:???
皆さんおっつー。
620マロン名無しさん:2008/05/31(土) 23:10:13 ID:kABDVc4x
のどかの話し方が一瞬夕映になってるような
621マロン名無しさん:2008/05/31(土) 23:20:41 ID:???
皆さん乙です
622マロン名無しさん:2008/05/31(土) 23:35:07 ID:???
今宵は満月ですか
623葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/05/31(土) 23:59:42 ID:???
読み直して今気付いたんですが、トリ付いてなかってですね。
すみません。

おまけ。
840氏が出てきたらおこがましいのですが・・・
加工レベル4-1.5
http://www7.uploader.jp/dl/yuyu/yuyu_uljp00145.jpg.html

加工初めてなもんで・・・質がイマイチなのはご容赦を。
624マロン名無しさん:2008/06/01(日) 00:20:28 ID:???
レベル2に下がってないか?w
悪く言うんじゃなくてネタとして。初めてだから仕方ないしこれから伸びると思ってね。
625マロン名無しさん:2008/06/01(日) 00:45:13 ID:???
今日はのどかがゆえの喋り方になってるw
ここ最近毎日ちょいミスがあるな
投下前に読み直した方が良いよ
626マロン名無しさん:2008/06/01(日) 01:14:08 ID:???
まぁ誤字は仕方ないとしても喋り方はちょっと見直した方がいいかも
627マロン名無しさん:2008/06/01(日) 09:14:52 ID:???
なにが起こるとのどかがこんなふうにしゃべるんだ?
ゆえみたいになってるとこ以外もなんかひどいぞ
ことみとのどかは違うことを理解すべし
628マロン名無しさん:2008/06/01(日) 10:34:56 ID:???
……ことみって誰?
そして、指摘は1回で充分
629マロン名無しさん:2008/06/01(日) 11:01:29 ID:???
ことみww
630葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/01(日) 11:14:51 ID:???
すみません、今ひとつ本屋のキャラつかめてないようです。

昨夜映画見てたらイメージが重なって無償に描きたくなったので・・・・
一応五月のつもり。
http://www7.uploader.jp/dl/yuyu/yuyu_uljp00146.jpg.html
631マロン名無しさん:2008/06/01(日) 11:42:29 ID:???
これはワロタww今までの20の作品の中でいちばん良いww
632マロン名無しさん:2008/06/01(日) 13:43:30 ID:???
ぴったりww
633マロン名無しさん:2008/06/01(日) 13:49:48 ID:???
これはwww
634マロン名無しさん:2008/06/01(日) 15:51:00 ID:???
さつきwwww
今日から6月なのにKYなところがww
635葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/01(日) 15:59:12 ID:???
>>630
指が切れていたので修正。色もちょっと変更。
それらしく文字も追加。意味わかんなくなってしまっているけど。

http://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00147.jpg
636マロン名無しさん:2008/06/01(日) 16:26:32 ID:???
GJw
637マロン名無しさん:2008/06/01(日) 16:31:43 ID:???
>>631>>636
お前反応早いなw
638マロン名無しさん:2008/06/01(日) 17:26:10 ID:???
ゆーな誕生日おめ
いや、ただ言ってみただけ ネタで書いてくれないかなぁ…
639マロン名無しさん:2008/06/01(日) 17:29:05 ID:???
裕奈誕生日に絡めたネギロワネタはあることはある。

だが構想中の長編に書くことになれば使う可能性があるし、また連載中やるべき事ではないので書かない。
640作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/01(日) 20:28:41 ID:???
本日の投下を始めます。
641作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/01(日) 20:31:20 ID:???
[65.合流]
「このままクラスメートを探してもラチがあかねえ。
今までの経験からして残りの生徒が少なくなっている現状では、島の中を歩いて探しても見つけるのは困難だ。
何か別の方法を考えよう」
仲間探しが遅々として進まず、このままでは時間を無駄に消費しているだけと判断した千雨は提案した。
「でも、探し回るしか方法はないんじゃない?」
別の方法が思い当たらない明日菜が言った。
「放送で呼んでみるとか?」
のどかはとりあえず頭に浮かんだ方法を言ってみる。
それを聞いて千雨が考え込んだ。
「放送か……犯人も一緒に呼びかけてしまうから諸刃の剣とも言えるな。危険性は大きい。
だが、生き残っている奴等を集めるのには有効な手段ではあるな。
……いっそのこと全員集めて犯人と決着をつけてから逃げ出すというのも手だな。
背に腹は変えられねえ。私は放送で呼びかけてみても良いのではないかと思う。あんた等はどう考える?」
「難しいところですね。犯人を呼び寄せるリスクはありますが、確かに生き残っている生徒を全員集めることは可能です。
そして私達の計画が上手く行けばゲームに乗った生徒も私たちの味方に付けることは可能と思うです。
犯人の人数に対して生き残っている生徒が多数いる今のうちであれば、リスクとメリットの比較をしてもやってみる価値はあると思いますね」
「危険な話だけど、犯人と遭遇したときは決着をも辞さないってことね。覚悟を決めなきゃならないわね」
明日菜も緊張した顔で同意する。
千雨はのどかの方を向いた。のどかも強張った顔をしていたが強く頷いた。
「よし、それで行こう。ここは小さな島だ。島全体に連絡できるように放送設備がどこかにあるはずだ。探してみよう」
642作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/01(日) 20:33:17 ID:???
千雨の言葉を受けて明日菜もマップを見ながら提案する。
「ねえ、ここからちょっと行ったところに学校があるわよ?
こんな人口の少なそうな島だから、今はもう廃校になっているかもしれないけど、放送設備くらいはあるんじゃない?」
それを聞いて夕映も目を光らせる。
「可能性はあるです。教育制度の都合上、例え少数でも教育を受けるべき子供が居れば教育を受けられる設備を整えなくてはなりません。
ある一定の学校設備を設ける以上は放送設備くらいはあると思うです」
「よし、ならば今すぐ行ってみよう」
千雨の掛け声と共に皆は走り出した。
「ま、待ってくださいー」
後ろを歩いていたのどかが、3人がいきなり走り出したのに取り残されて慌てて追いかける。


明日菜達一行が学校を目指して移動し始めたとき、他の生徒達も同じ場所を目指して移動していた。
「こっちだよ千鶴、どうやらこの先の学校に行くみたいだね」
和美が後ろから追いかけてくる千鶴の方を向いて声をかける。
盗聴器のイヤホンを耳に入れたまま明日菜たちの一行の会話を聞いていた和美は、ようやく一行の行き先を確認した。
「ちょ、ちょっと待ってよ和美。あんまり急がれると追いつけないわ」
後ろを追いかけている千鶴が必死に和美の後を追っていた。
和美の盗聴によって明日菜達の行き先は判明した。そのため和美と千鶴も学校を目指して走り出していた。

島内で生き残っている生徒達の半数以上が一斉に学校を目指して移動し始めていた。
643作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/01(日) 20:35:01 ID:???
「……あのー、誰かの声がしませんでした?」
その声に気が付いたのはのどかが一番最初だった。
「確かにしたわね」
明日菜も同意して耳を澄ますと声のする方に興味を向ける。
「たぶん、こっちよね」
「え、ちょ、ちょっと待てよ神楽坂!」
先頭を走っていた明日菜が声のする方向に方向転換したので、後ろを追いかけていた千雨以下3人も明日菜の後を追いかける。
視力の良い明日菜の目が、梢の間から見える麻帆良学園の制服を発見する。
「いたっ!」
そう叫んだ明日菜は、走るスピードを速めた。
「おい、ちょっと待てって神楽坂!敵かもしれないんだから注意しろ!」
後ろから声をかける千雨に構わず先を急いだ明日菜は、そこに居た生徒が誰なのか気付いた。
「朝倉っ!それに那波さんも!」
嬉しそうな声で2人に声をかけた。

「ア、アスナ!?」
驚いたように和美が答える。後ろから追いかけていた夕映と千雨とのどかも追いついてくる。
「探していたのよ。ここから脱出するわよ!」
勢い込んで明日菜が言った。和美はその言葉を聞いて明日菜達も自分と同じ結論に至っていること感づいた。
「もしかして、そっちも気付いた?ゲーム攻略の方法を」
「ということは朝倉さん達も気付いたですか?AB両チームが同時に犯人を回答すれば良いということを」
「まあね」
夕映の言葉に和美は肩をすくめる。
「それなら話は早い。早いところ犯人を回答してこんなとこからオサラバするぞ」
「そうです。犯人の絞込みをするために情報交換をするです」
千雨と夕映が勢い込んで和美に詰め寄った。
「分かってる。こっちもOKだよ」
和美も望むところであったので親指を立てて快く応じた。
644作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/01(日) 20:37:47 ID:???
その場に居た6人が話の出来る開けた場所まで移動した。
まずは夕映が説明を始めた。
「ではこちらの情報から先に説明するです。
Aチームは島の北側、Bチームは島の南側で離れた場所で同時刻にゲームが始まりました。
そしてAチームはハカセさん、Bチームはエヴァさんが集合時に殺された状態で発見されています。
2チームの距離が離れていることから、両チームに別々の犯人が居ると私たちは考えました。……ここまでは良いですね?」
夕映は千雨と明日菜の方を向いて確認する。2人は問題ないとばかりに頷いた。
「さて、犯人の目的は3−A生徒の皆殺しです。つまり、同じチームの人間を殺し回っている生徒が犯人と思われるです。
それを踏まえて情報を集めました。まず、Aチームでは茶々丸さんが同じAチームの人間、楓さんと史伽さんを殺しています……これは死に際に会った楓さんから聞いた情報です」
そこで一旦夕映は言葉を切った。
そこに居る全員が真剣な表情で夕映の話を聞いている。
「Bチームは2つ目のアイテム探しのために単独行動に分かれた後、四葉さんが殺されました。
四葉さんと途中まで一緒に行動していたのは超さんだけです。その時点で超さんが犯人として有力でした。
その後、私達はのどかと合流しましたが、のどかは偶然にも超さんが同じBチームである風香さんを殺した瞬間を目撃しています。
以上のことから、Aチームは茶々丸さん、Bチームは超さんが犯人である可能性が最も高いという結論に至りました」
一通りを説明して夕映は口を閉じる。
645作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/01(日) 20:39:32 ID:???
夕映の言葉を真剣な表情で聞いていた和美が口を開く。
「じゃあ、こっちの情報を言うよ。その前に私が手に入れたアイテムはこれなんだけど……」
「それは……盗聴器ですか?」
盗聴器を見せた和美は夕映の言葉に頷いた。
「ゲーム中に生徒達の会話は断片的だけど聞かせてもらった。悪いけどあんた達の話も結構聞かせてもらっているよ。
それで私が盗聴していた時に和泉と桜咲の会話を聞いたのよ。茶々丸さんが柿崎を殺した場面を和泉が目撃したという話をしていた。
つまり茶々丸さんはゲームのルールが伝えられる前にクラスメートを殺すために動いたことになるね。茶々丸さんがAチームの犯人で間違いないようだよ。
Bチームの方は、私の盗聴では犯人は良くわからなかった。でも、村上が超りんに殺された時にダイイングメッセージを残していたのを千鶴が見つけた」
和美の説明が正しいと示すように千鶴も頷いた。
「村上さんも風香さんも超さんと同じBチーム。超さんも間違いなく無差別にクラスメートを殺害してますね」
「そう、Bチームの犯人は超りんで間違いないだろうね」
「両者の意見が一致したというわけね」
明日菜が確認するように言った。

【Aチーム:残り4人】
【Bチーム:残り6人】
646作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/01(日) 20:42:19 ID:???
[66.回答]
「これで犯人の答えに確信が持てたよ」
そう言うと和美がポケットからケータイを取り出した。
「今の情報で結論が出たよ。命を懸けて回答する価値は出てきたね」
ケータイを操作しようとする和美。
それを見て夕映が慌てて止める。
「ちょ、ちょっと待ってください。もしかして今から犯人の回答をすると言うのですか?」
「うん。あんた達に出会う前に千鶴とじっくり話し合ってたんだ。私たちの結論の裏づけが出来たら回答するってね」
和美は真剣な表情で答えた。千鶴の方もケータイを取り出して微笑んで頷く。
「な……2人とも本気?まだ時間があるし、もうちょっと考えてもいいじゃない」
明日菜も慌てて止める。
「もう遅いくらいだよ、アスナ。ここに居る6人と犯人の2人を除くと生き残っている生徒はほとんど居ないよ。
残っている生徒が少ないから私たちも犯人から狙われるのは時間の問題なんだ」
真剣な表情で和美は説明する。
「確かにそれは言えるな。ここに居ない連中で生き残っているのは犯人と思われる超と茶々丸を除くと、古、大河内、春日、龍宮の4人しかいねえ。
だが、正解したとしても犯人が殺しを止めるとは限らない以上、こっちも戦力として龍宮くらいは合流しておきたいところじゃないのか?」
「残念だけどちうちゃん、それはたぶん無理だよ」
千雨の意見に和美は首を振った。
「何故だ?」
「私のアイテムは盗聴器だとさっき説明したわよね。これは説明していなかったけど、死んだ生徒達の盗聴をしようとしても繋がらなかったのよ。
恐らく生徒が死んだ時に首輪が機能を停止するんだと思う。そこで、ここに居ない生徒達も確認のために盗聴してみたんだけど……。
春日と龍宮の2人は繋がらないのよ。……たぶん犯人に殺されたんだと思う」
「何だって!?」
千雨は驚愕の表情を浮かべる。
647作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/01(日) 20:44:42 ID:???
「……と言う事は、本当に犯人とここに居る生徒以外ほとんど生き残っていないということですね」
夕映の言葉に和美は頷く。
「わかったでしょ?本当に私達が狙われるのは時間の問題なの。
本当なら犯人以外の生徒と全員集まってからにしたいのは山々なんだけど、犯人に出会うリスクの方が大きいわ。
首輪が外れたらこの島に留まる理由はなくなるから、ここに居ない生徒達もみんな島から脱出するはずよ。
だから、ここは一刻も早く生き残りの生徒で脱出するためにも命をかけるべきだと思うのよ」
頑とした口調で和美は力説する。
和美と千鶴の決心は固かった。間違ったら自分達が死ぬことも覚悟した上での発言だった。
それを見て取った千雨は両目を瞑り大きく息を吸い込んだ。
「……わかった。私からも頼む。回答してくれ」
「千雨さん!?」
夕映が驚きの声を上げる。
「私たちの答えは超と茶々丸で決まった。はっきり言って今の段階でこれ以上の答えなんか出ないだろう。
これが正解かどうか確認する必要はある。いつかは誰かが回答しなくてはならないんだ。
仮にこれが間違いだった場合、犯人探しをやり直す時間を考えても今すぐ回答して白黒をはっきりさせるのは悪くねえ」
「そういう事だね。私も多分これ以上の答えは出ないと思うよ。
昨日から情報を集めながら必死に考えて辿り着いた答えなんだからね」
そう言って和美と千鶴はケータイを操作し始める。
操作の途中で顔を上げた和美は、少し悲しそうな顔をしながら付け足した。
「……もしも私達が間違った時は……後はあんた達に託すよ」
和美と千鶴の意志の強さを感じ取った夕映はそれ以上何も言えなかった。
同じように感じたのだろう。明日菜やのどかも何も言わなかった。
648作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/01(日) 20:47:03 ID:???
「行くよ千鶴!用意はいいわね?」
「ええ、もちろん!」
2人はケータイを操作すると、犯人の回答画面を呼び出した。
超と茶々丸を選択すると『回答する』ボタンにカーソルを合わせる。
「行くよ……いち、にの、さんっ!」
2人は同時に決定ボタンを押した。
その時点でその場に居る全員のケータイに音楽が鳴りだした。明日菜達がケータイを取り出して見るとメッセージが表示されている。

『――― メッセージ ―――
送信者:主催者  
件名 :犯人回答者あり
犯人が回答されました。

<回答者:朝倉和美(Aチーム)>
回答:[超鈴音]、[絡繰茶々丸]

<回答者:那波千鶴(Bチーム)>
回答:[超鈴音]、[絡繰茶々丸]』

「これは……回答した場合、参加者全員に知らせるようですね」
「犯人の回答の成否が各チームの生死を決めることになるからな。当然といえば当然とも言える。
場合によっては死刑宣告のメッセージになるから悪趣味だがな」
千雨は話しかけてきた夕映に不機嫌そうに答えた。
ケータイの画面からメッセージが消え『判定中』の文字が表示される。
そのまま約10秒間、何も起こらなかった。
たったの10秒、それがやけに長く感じられた。
649作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/01(日) 20:49:28 ID:???
―――着信音が鳴った。
画面全体に『不正解』の文字とブザー音が鳴り響く。

「なっ!間違い!?そんな……」
ケータイのメッセージを見て驚きの声を上げて明日菜は、和美と千鶴の方を見た。
信じられないという表情をした見つめ合っていた2人の首輪に赤いランプが点滅している。

ピッ………

無常な電子音のカウントダウンが始まった。

ピッ………

「千鶴ごめん……」
済まなそうに千鶴に詫びる和美。

ピッ………

「……いいわよ」
諦めた顔をしながらも、千鶴は最後に和美に笑顔を向けて答えた。

ピッ………

死を覚悟した和美と千鶴は静かに眼を閉じた。

ピ――――――
650作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/01(日) 20:50:13 ID:???
長く鳴り続ける電子音と共に、鋭い衝撃と爆発音が立て続けに2つ起こった。
明日菜、夕映、千雨、のどかの4人は、和美と千鶴から目を背けた。
飛び散った血飛沫と小さな肉片が4人にも降りかかる。
ドサッと倒れる音が2つ。

……沈黙が辺りを包んだ。
死んだ2人の姿を見ることもできぬまま、4人は呆然としてその場に立ち竦んだ。

【出席番号3  朝倉和美 死亡】
【出席番号21 那波千鶴 死亡】
【Aチーム:残り3人】
【Bチーム:残り5人】
651作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/01(日) 20:50:53 ID:???
本日の投下は以上です。また明日。
652マロン名無しさん:2008/06/01(日) 20:51:58 ID:???
おおおおおおおおおおおお!GJ!
やっぱり超がおとりだったのか!?それとも茶々丸だろうか・・・。

653マロン名無しさん:2008/06/01(日) 20:56:25 ID:???
いや・・・
どっちも違うんじゃないの??
どっちかが合ってたらどっちかのチームが優勝してしまうわけだから
654マロン名無しさん:2008/06/01(日) 20:56:51 ID:???
ああ、そうかw
655マロン名無しさん:2008/06/01(日) 21:01:41 ID:???
超がマーダーで、茶々丸は超に改造された偽マーダーと予想してたんだが
うむ・・・・乙です
656マロン名無しさん:2008/06/01(日) 21:06:52 ID:???
やっぱりこういう展開か
657別館まとめ:2008/06/01(日) 21:08:48 ID:???
作者20氏乙です。次回も楽しみにしています。
>>635 これは良いですね。タイトルロゴから出られないさっちゃんw

あまりにも良かったので少し加工して別館のタイトルロゴに使用したいと思います。
http://www7.uploader.jp/dl/yuyu/yuyu_uljp00148.jpg.html
http://www7.uploader.jp/dl/yuyu/yuyu_uljp00149.jpg.html

☆ 別館更新情報 2008/06/01 ☆
・『お宝発見?絵画展示室』
 11ページ目追加。作品No197〜No206を追加しました。
 気がつけば200枚突破です。
 今回の保管で茶々丸、千鶴、五月のイラストを保管したので、
 イラストが無い生徒は・・・歩く死亡フラグだけ。

・『ネギロワ絵師図鑑』(最終更新)
 9人目「土呂」氏を追加しました。
 このコーナーは今回の更新で最終回です。

http://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html
658マロン名無しさん:2008/06/01(日) 21:29:54 ID:???
まとめしおつです
659マロン名無しさん:2008/06/01(日) 21:49:23 ID:???
作者乙!まとめ氏乙!
今後の展開にwktkしてる!
660マロン名無しさん:2008/06/01(日) 22:30:43 ID:???
どうやってエヴァを倒したかの戦闘シーンないなんて事はないよね・・・?
凄い楽しみにしてたんだが
661マロン名無しさん:2008/06/01(日) 22:44:08 ID:???
>>660
お前は最初の方をもう一度読み直したほうが良いとおもう
662マロン名無しさん:2008/06/01(日) 23:56:51 ID:???
えっ?
俺も回想でちゃんとエヴァどうやって死んだか出てくるかと思ってたけど…
663マロン名無しさん:2008/06/02(月) 01:16:22 ID:???
やっぱり、不正解か。
ダイイングメッセージが残っている時点で不自然だとは思ったけれど。
くーもアキラも犯人の可能性は低いと思うから、当然たつみーや空気も犯人ではない。
茶々とエヴァか?
途中からだから最初のほうは読んでいないけれど、死体だけがあったのなら、
エヴァかハカセのどちらかが偽装の可能性は高い。
664マロン名無しさん:2008/06/02(月) 01:47:03 ID:???
そーゆー事はチラシの裏にでも書いとけばいいからさ
665マロン名無しさん:2008/06/02(月) 01:56:51 ID:???
出た
また20信者
このくらい書いても良いだろ
本当痛々しいな
666マロン名無しさん:2008/06/02(月) 02:12:10 ID:???
>>664
もし>663のいう通りダイイングメッセージが偽だなんて浅い展開になったらどうするんだ?
お前の大好きな23部を自ら叩いた事になるんだぞ
667マロン名無しさん:2008/06/02(月) 06:15:08 ID:???
あれ?つい最近まで犯人は超だ展開読めまくりといっていた人居なかったか
668マロン名無しさん:2008/06/02(月) 07:28:43 ID:???
20氏乙
今読んだがそれぞれのチームで一人ずつ回答するわけではないんだな
つまり超だけが犯人という可能性もあるわけか??
669マロン名無しさん:2008/06/02(月) 07:47:14 ID:???
>>668
犯人は両チームに居るんじゃなかったか?
670マロン名無しさん:2008/06/02(月) 13:02:09 ID:???
>>667
だから超は犯人じゃん
茶々丸が犯人じゃなくて操られてるだけ
てかこれは読めなかったとか言ってる馬鹿な20信者以外みんな分かってんよ
671マロン名無しさん:2008/06/02(月) 14:18:06 ID:???
┓(ー〜ー;)┏
672マロン名無しさん:2008/06/02(月) 14:43:24 ID:???
なんつーか最初は23部好きだったがいたい信者のせいで嫌いになってきた
16、17、18、19、21部みたいにあからさまな叩きや遠回しのアンチに対する叩きならともかく普通の感想や言葉使いみたいな簡単な指摘でも叩くんだもん
さすがに酷すぎる
これじゃぁ氏の自演と思われても仕方ない
673マロン名無しさん:2008/06/02(月) 15:42:36 ID:???
そう思うなら黙ってスレから離れていくことをオススメする。
674マロン名無しさん:2008/06/02(月) 15:51:36 ID:???
既に離れた人もいるんだろうな。こりゃ24部作者が現れるまでには3ヶ月くらい掛かりそうだ
675マロン名無しさん:2008/06/02(月) 15:57:48 ID:???
やってくれたよ痛信者め
676マロン名無しさん:2008/06/02(月) 16:31:11 ID:???
このスレに信者という単語が出ない時はないなw
677マロン名無しさん:2008/06/02(月) 17:43:38 ID:???
このスレに

あら?
なんか面白いネタ思い付いたけど忘れた
678マロン名無しさん:2008/06/02(月) 18:47:36 ID:???
あるある
679マロン名無しさん:2008/06/02(月) 20:20:08 ID:???
そろそろ来るか
680作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/02(月) 21:00:06 ID:???
>別館氏
更新乙です。
トップロゴに使っていただき光栄です。

ネット不具合につき只今騙し騙しやっています。
いきなり間が空くかも知れませんが、今日中のは何とかしてみます。

投下を始めます。
681作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/02(月) 21:01:56 ID:???
[67.仮説]
そこに居る誰もが黙り込んだまま、ただ時間だけが流れて行った。
無残な死体の姿となって横たわっている2人の生徒。
その場に立っている者達は、倒れている2人の方を正視することが出来なかった。
「……私たちの推理が間違っていたということですか」
「そういう……ことだな」
ショックを受けて呟いた夕映の言葉に、同様にショックを受けていた千雨が辛うじて答えた。
和美と千鶴が先に答えることがなければ、いずれは自分達が同じ答えで回答するつもりだったのだ。
一歩間違っていれば自分達が彼女達と同じ姿になっていたのだ。
そう考えると背中に冷たいものが流れ落ちた。
明日菜も無言のまま呆然として立っており、のどかは夕映の左腕を抱きしめて両目を瞑ったままガタガタと体を震わせていた。
「……とりあえず、全てを白紙に戻して考え直さなければなりません。
こうなった以上、もう一度全ての情報を改めて検討し直すしかないでしょう。
私達が入手した情報、のどかから得た情報……朝倉さんと那波さんから得た情報をです」
「そうする……しかないな」
千雨は考え込みながら夕映の提案に応じた。
「とりあえず、ここから移動しましょう」
3人の顔を見ながら夕映は提案する。
このまま死体となってしまった和美と千鶴と一緒に居ることは辛すぎた。
どこに行こうかと話し合った結果、結局は当初の目的であった学校へ行くことになった。

先ほどの犯人回答の失敗により、犯人と結論付けた夕映達の答えが外れたために誰が犯人なのか分からなくなってしまった。
この状況で生き残りの生徒を集めるのは危険と判断し、放送で生き残りの生徒を呼びかけることは止めにした。
4人は意気消沈した状態で、無言のまま学校へ向かって歩いていった。
682作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/02(月) 21:04:08 ID:???
最後尾を歩いていた千雨が不意に立ち止まる。
「千雨さん、どうしましたか?」
それに気付いたのどかが声をかける。
「靴紐が解けた。すぐに追いつくから先に行っててくれ」
そう言って千雨がしゃがみ込んだ。良く見てみると左右の靴紐が解けている。
千雨の言葉を受けて、3人は先に行くことにした。

靴紐を結び直しながら千雨は犯人が誰かを改めて考えていた。
いろいろな情報から犯人は超と茶々丸だと導き出し、確信していたのだが、それは完全に間違いだった。
しかし、千雨は自分達が導き出した答えが大きく外れているとは思えなかった。
「他に犯人が居るのか?……それとも、どちらかが間違っているのか?」
千雨は2人の他にも犯人が居る可能性、または2人のうちのどちらかが犯人ではなく別の生徒という可能性を考えていた。
2人の他にも犯人がいる場合だが千雨に心当たりは全くなかった。
ゲームに乗った人間は何人か居たようだが、3−Aの生徒を皆殺しするために動いている生徒に心当たりはない。
それに、盗聴していた和美が少なからず警戒すべき生徒として名を挙げていた筈だった。
それがないとなると他に犯人が居る可能性は低いのではないだろうか?
「……もしかして、最初に殺された奴等が実は生きているって展開じゃねーだろうな?」
口に出して考えてみる。聡美の方は分からないがエヴァの方は自分も確認したし、夕映や他の生徒も確認している。
死体を装っていたとは思えなかったので可能性はないと考えても良いはずだ。

両足の靴紐を結び終えた千雨は、立ち上がると歩き出そうとする。
しかし、千雨は犯人のことを再び考えてふと立ち止まる。
最初に殺された聡美とエヴァ……ここから手がかりを探すことはできないだろうか?
2人の共通点は何かないだろうか?
最初に殺されなければならない理由はなかっただろうかと千雨は考える。
そして自分達がこれまでに経験してきたことの全ての情報と照らし合わせてみる。
「まさか!?」
突如、千雨の頭の中にある一つの仮説が生まれた。
683作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/02(月) 21:05:29 ID:???
その仮説が真実かどうかは分からない。だが一連の疑問に対して一応の説明がつく。
顎に手を当てて俯き加減に考え込んでいた千雨は顔を上げる。
「……あいつ等の意見を聞いてみよう」
とりあえず千雨は夕映たちと相談することにした。
長い間考え事に没頭していた千雨は、気が付くと3人からかなり離れてしまっていた。
視線の先に3人の姿はなく、置いてけぼりを食ったようである。
「ヤベえな。急がないと!」
そう言って千雨は急いで3人を追おうと小走りで学校に向かう。
だがその瞬間、千雨の近くの木々が擦れ合ってガサッという大きな音がした。
「だ、だれだっ!?」
音のする方向に銃を手にしながら振り向く千雨。
そこには、ナイフを持って立っている一人の生徒の姿があった。

「ちゃ、茶々丸!?」
千雨は自分の迂闊さを呪った。
島の中にはまだ3−Aの生徒を皆殺しにしようとする犯人が居るのにもかかわらず、不用意にも仲間から離れてたった一人で行動してしまった。
だが後悔してももう遅い。
先に行って姿の見えなくなった明日菜達は当然のことながらこのことに気がついては居ない。
千雨は茶々丸に気付かれないようにジリジリと茶々丸から離れようとする。
しかし、無表情のまま千雨の様子を見ていた茶々丸は、スウッと体を沈めたかと思うと千雨に一気に迫って来た。
千雨は動揺しながらも手にしていた銃を茶々丸に向け、迷わず引き金を引いた。
銃声が響く。
銃弾は茶々丸の頬を掠るが、茶々丸は構わずに千雨に接近する。
目前に迫った茶々丸を見て千雨の体が恐怖で竦んだ。
振り上げたナイフが千雨に襲い掛かる。
固まった体を何とか動かして千雨は背中を向けて茶々丸から逃げようとする。だが、その背中に振り下ろされたナイフが深々と突き刺さった。
そして、根元まで埋まったナイフを茶々丸が思い切り引き抜いた。
684作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/02(月) 21:07:22 ID:???
「ガアッ、ハアァッ!」
そのまま千雨はうつ伏せに倒れこみ、大量の血を吐いた。背後から肺をやられて呼吸が困難になる。
茶々丸は倒れた千雨に近づくと再びナイフを振り上げた。
(や、殺られる!)
――ズドォン!
千雨が自分の死を覚悟した瞬間、大きな銃声が鳴り響いた。

「長谷川から離れろ!」
ショットガンを茶々丸に向かって構えた大河内アキラ(Bチーム)が大声で茶々丸に警告した。
千雨から飛び離れた茶々丸は、今度はアキラに狙いを変えて襲おうとする。
しかし、それよりも早くアキラのショットガンが咆哮を上げる。
茶々丸は瞬時に後ろへ飛んでアキラの攻撃をかわした。
そしてショットガン相手では分が悪いと判断したのか、大きく距離をあけたまま虎視眈々とアキラの様子をじっと見つめる。
「ち、千雨ちゃん、どうしたの!?」
「何があったのですか!?」
その時になって、銃声に気付いて慌てて引き返してきた明日菜達の3人が近づいてくる。

――遠くから指笛の音が聞こえてくる。
その音を聞いて、茶々丸は顔を上げた。そして踵を返すとこの場から走り去っていった。
「待てっ!」
アキラは茶々丸を追いかけようとしたが、茶々丸の逃げ足の速さに追いかけるのは諦めた。襲撃を受けた千雨のほうも心配だった。
「千雨ちゃん!しっかりして!!」
明日菜の悲痛な叫び声を聞いたアキラは、倒れていた千雨の元に集まっている3人の所へ戻った。

【Aチーム:残り3人】
【Bチーム:残り5人】
685作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/02(月) 21:09:17 ID:???
[68.最後のメッセージ]
千雨はまだ意識はあったが呼吸が困難となり、息も絶え絶えの状態であった。
(くそっ、呼吸が……声がでねえ!)
茶々丸に襲われる前に思いついた仮説、それは千雨にとって今や確信に変わっていた。
自分はこのまま死ぬかもしれない。しかし、その前に自分のたどり着いた仮説を彼女達に伝えたかった。
「千雨ちゃん、千雨ちゃん!」
涙声になりながら明日菜は必死に千雨の名を叫ぶ。夕映とのどかは有り合わせのものを使って必死に千雨の傷口の手当てをしていた。
徐々に千雨の意識が遠くなっていく。大事なことを伝えたいのに声が出ない。
「長谷川、しっかりしろ!」
アキラも千雨の元までやって来ると側でしゃがみ込み、千雨に声をかけて勇気付ける。

その時、千雨の目にアキラが手に持っていたクラス名簿が目に入った。
千雨は力を振り絞ってアキラの持つクラス名簿を奪うと、全員に見えるように名簿を広げた。
「な、何をするのよ千雨ちゃん?」
「待ってくださいアスナさん。千雨さんは私達に何かを伝えようとしています」
夕映の言葉に全員が口を閉じて千雨の行動を見守る。
千雨は震える手で最初に葉加瀬聡美とエヴァンジェリンの顔を指差した。
そして間を置いて超を指差す。その指が茶々丸のところまで来ると、千雨は爪を立てて茶々丸の顔写真を引き裂いた。
それだけのメッセージを残すと、千雨の体中の力が抜けてぐったりする。
「ち、千雨ちゃん、千雨ちゃん!?」
動かなくなった千雨を明日菜がゆさゆさと揺するが千雨の反応がない。
「……ムダだよ、神楽坂さん。長谷川は……もう、死んでいる」
千雨の脈を取っていたアキラが辛そうな顔で明日菜に話しかける。
「ひっく、うっく、ごめん……千雨ちゃんを一人にしたために……こんなことに……」
千雨の体を抱きかかえたまま、明日菜は涙を流した。
夕映やのどかも声を押し殺して泣いていた。
686作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/02(月) 21:11:01 ID:???
全員が落ち着くのを待って、明日菜、夕映、のどかと、アキラとの情報交換が始まった。
アキラもゲームに乗っていない仲間を探しており、千雨の撃った銃声を聞いてここに来たということだった。
明日菜達も千雨と4人で行動していたが、靴紐を結び直すために立ち止まった千雨を残して先に進んで暫くした途端に銃声を聞きつけ、慌てて戻って千雨の惨状を知ったという経緯を話した。
犯人の答えが間違っていたショックを引きずっていたために、周りに対する警戒心が緩んでいたところを茶々丸に突かれる形となってしまった。
みすみす千雨の命を奪われた3人はかなり落ち込んでいた。

「とりあえず、さっき襲ってきた茶々丸さんがまた襲ってくるかも知れない。ここから離れよう」
落ち込んだ3人を促すようにアキラが口を開いた。
ふと明日菜が気になっていることを言った。
「ねえ、さっき茶々丸さんが逃げるときに口笛みたいなのが聞こえなかった?」
「もしかしたら茶々丸さんの仲間……犯人かも知れないです。まだ近くに居るのは間違いありません。複数の人数で攻めてこられると危険です。
ここはアキラさんが言うとおりここから離れて、襲撃に備えるために体制を整える方が得策です」
夕映の言葉に皆が移動することに決まった。
「ねえ、ゆえーこれからどこに行くの?」
「とりあえず学校の校庭ならば敵からの奇襲は避けることが出来るです。当初の予定通り学校へ行くのが良いと思うです」
「わかった。それじゃ急ぎましょう」
明日菜の合図で4人は動き始めた。千雨に最後の別れを告げ、4人になった一行は、学校へ急いだ。

【出席番号25 長谷川千雨 死亡】
【Aチーム:残り3人】
【Bチーム:残り4人】
687作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/02(月) 21:12:47 ID:???
[69.真相]
島の中にあった学校は、小さくて古い木造の校舎とグラウンドのみの、こじんまりしたものであった。
今は使われずに放置されているようで、校舎には鍵がかかっていて中には入れない。
校庭には大きなスピーカーが備え付けられており、古びた校舎に比べると比較的新しいものであった。
おそらくは緊急避難時などにここが使われるのであろう。

学校に到着した一行は、校内を一周回って誰も居ないことを確認すると、校庭の片隅に腰を下ろした。
周囲を警戒しながら話を始める。
「……さっき長谷川は、私たちに何かを伝えたがっていたようだけど、何を伝えたかったんだろう?」
一応落ち着いたところでアキラは疑問を口にした。
「つい先ほどですが、アキラさんのケータイにも犯人の回答の連絡があったと思うです」
「ああ、あったね」
夕映の言葉にアキラは頷いた。
「回答をしたのは朝倉さんと那波さんです。2人も私たちと一緒でした。
首輪が爆発するのは爆破スイッチが入って5秒後。正解したときはその瞬間に首輪のロックが外れます。
つまり、AB両方のチームが同時に回答で正解すれば、爆発する前に3−A生徒全員の首輪を外すことができるです。
そのために犯人を特定して回答をしたのですが、結果は……」
そこで夕映は一旦口を閉ざした。
犯人当てに間違ったものは首輪が爆破される。それはアキラもよく分かっていたのでそれ以上は何も言わなかった。
「……おそらく、千雨さんは本当の犯人に繋がる何かに気付いたのでしょう。
先ほどの千雨さんの行動は犯人を見つけるヒントだったと思うです」
「それって、超さん、茶々丸さんの他にエヴァちゃんとハカセも犯人だってこと?」
「でもー、千雨さんは茶々丸さんの写真を破りました。何か意味がある気がしますー」
明日菜とのどかが思ったことを口にする。
688作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/02(月) 21:14:05 ID:???
「しかし、少なくともエヴァンジェリンさんは最初に死んでいたよ。私も確認したから間違いない」
アキラも最初にエヴァの死体を確認したことを思い出しながら断言する。
「ハカセさんも最初に死んでいました。私は怖くて近くに寄れなかったのですが、いいんちょさんや他の人たちが確認していたので間違いないと思いますー」
この中では唯一のAチームであるのどかも聡美が死んでいることを主張する。
「じゃあ、どういうことだろ?何で千雨ちゃんは最初に死んだ2人を指差したんだろ?
あとは超さんと茶々丸さん。回答して間違った2人よね?あーもうわけわかんないよー!」
ガシガシと頭を掻きながら苛立たしげに明日菜は喚く。
「……あのとき長谷川は最初にハカセとエヴァンジェリンさんを指差した。
少し間を開けて超さん。そして茶々丸さんの写真を破った……」
確認の意味で千雨の行動を再現し、それ以降は意味が分からないとアキラも腕を組んで唸った。
のどかは助けを求めるように夕映の方を見た。
夕映は千雨の行動の意味の話し合いに参加してこない。じっと考え事をしているようだった。
「ねえ、ゆえは何かわからない?」
のどかは夕映に声をかけてみた。

声をかけられた夕映は、のどかの声が聞こえなかったかのように俯いて考え事をしていた。
(最初に死んだエヴァさんとハカセさんとの共通点とは?超さん……そして茶々丸さんの写真を破る。これが意味するものとは?)
その時、夕映の頭の中に天啓のように閃きが起こった。
バラバラになったパズルの欠片が1つ1つ組み合わさっていく。
689作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/02(月) 21:15:34 ID:???
夕映は意を決して顔を上げると、のどかの方に顔を向けた。
「……分かりました。千雨さんのメッセージの意味が!」
夕映の言葉に驚き、他の3人が一斉に夕映に近づいてくる。
腰を上げた夕映は、2〜3歩前に歩くと並んで座っていた3人の方に向き直る。
「千雨さんのメッセージのうち、ハカセさんとエヴァさんを指したのは彼女達の死んだ理由と原因を考えろと言う意味でしょう。
最初に殺された2人、そして超さんと茶々丸さん……彼女達の共通点は何でしょうか?」
「何って、エヴァちゃんは茶々丸さんのマスターでしょ?超さんは茶々丸さんの生みの親だったわけよね。
ハカセは超一味として超さんとはよく一緒にいるし、茶々丸さんのメカニックだよね。メンテナンスはほとんどハカセがやってるみたいよね」
顎に手を当てて思い出すように明日菜は答えた。
「そうです。エヴァさん、超さん、ハカセさんの3人は茶々丸さんに深く関わってくるということです。
それに加えて千雨さんが茶々丸さんの顔写真を破ったという行動。全ては一つのことを意味しています」
「ど……どんな?」
明日菜がごくりと唾を飲み込む。
身を乗り出して聞き入る3人に対して、夕映は一息つくとゆっくりと口を開いた。
「私たちの見た、あの茶々丸さんは茶々丸さんではありません。偽者です!」

【Aチーム:残り3人】
【Bチーム:残り4人】
690作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/02(月) 21:17:29 ID:???
何とかネット切断せずに投下完了。

これから本格的に対応しますんでまた明日。
可能性として明日投下に間に合わないかも知れませんが、
その時は1回休みとさせてください。
691マロン名無しさん:2008/06/02(月) 22:05:14 ID:???
短パンマン、私は拒絶する
692マロン名無しさん:2008/06/02(月) 23:47:04 ID:???
おっつー。
明日もwktkしてる。
693マロン名無しさん:2008/06/03(火) 00:14:51 ID:???
夕映=バーロwww
694マロン名無しさん:2008/06/03(火) 00:16:41 ID:???
少し遅くなったけど
作者乙です。
(ちくしょう、短パンマンめ)
695マロン名無しさん:2008/06/03(火) 00:43:47 ID:???
乙です
696マロン名無しさん:2008/06/03(火) 00:52:39 ID:???
おっつーの人毎日毎日きめぇなww
697マロン名無しさん:2008/06/03(火) 02:19:42 ID:???
やっぱ超が犯人で茶々丸は違うのか
できればもう少しひねってゆえが犯人とかだったら良かったんだが

てか千雨、靴ひも結ぶのどんだけ時間かかってんだよwwww
698マロン名無しさん:2008/06/03(火) 02:39:11 ID:???
ねぇ、別館にあるちょっと前のトップ絵の別館氏の説明でこの絵には某CDのジャケットが隠されてるってあるけど誰のなんてCDのジャケットがどこに隠されてるの?
699マロン名無しさん:2008/06/03(火) 02:45:26 ID:???
いやー面白くなってきた。ただ、アキラは「アスナ」って呼んでた希ガス。これからの作者さんは、「ネギま!研究所」の呼称表は必読ですな。
700 ◆8a2JhJfgms :2008/06/03(火) 03:39:15 ID:???
ttp://www15.axfc.net/uploader/Si/so/Si_13768.wmv
pass:rowa
……何か二番煎じでかつての製作者様や絵師様に全力でごめん。
練習にどうしてもやってみたかったんだorz
編集下手だしミスありそうだから批判したい方はどうしても出る…はず。
まぁ、そしたら鼻で笑ってやって下さい。
701マロン名無しさん:2008/06/03(火) 03:40:03 ID:???
>>700
おつ
702マロン名無しさん:2008/06/03(火) 13:35:57 ID:???
>>698
それは別館さんのミスだと思う
某CD(俺は何か分からないけど)のジャケットが隠されてるのではなく某CDのジャケットを参考にした加工作品なんだよ
だからジャケットが隠されてるわけではないと思う
703作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/03(火) 19:53:42 ID:???
ネットは無事復帰しました。本日も投下可能です。

>>699
私もアスナと呼んでいる気がしたのですが、原作では見つけられず、
研究所では神楽坂さんと書いてあったのでそれを踏襲しました。

>>700
乙です。絵だけをテンポ良く見せるのも良いですね。
ギャラリーみたいな感じで。・・・まさか五月のあの絵が入ってるとは思いませんでしたが。

本日の投下を始めます。
704作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/03(火) 19:56:40 ID:???
[70.茶々丸]
暗闇の中、遠のいていた古の意識が徐々に戻ってくる。
洞窟の中に入って足を滑らせた古は、洞窟の奥まで滑り落ちて壁にぶつかった拍子に長い間意識を失っていた。
頭を持ち上げ、自分が今の状況に至るまでの過程を思い出した古は、自分の体のあちこちにをぶつけて居ることに気付く。
「う……イタタタ、ひどい目にあったアル」
情けない言葉を吐きながら、古はキョロキョロと暗闇の中で辺りを見回した。
手探りで手放していた懐中電灯を探る。
運良く近くに落ちているのを見つけてホッとする。古は懐中電灯を手に取って明かりを点けた。
暗闇の中で懐中電灯が照らしたところだけ明るくなる。
どのくらい気絶したままであったのか分からないが、懐中電灯の明かりも長くは持たない。急いで外へ出ないと大変なことになる。
古は辺りを見回してデイパックを見つけて拾うと、自分が落ちてきたと思われる方を見上げた。
岩肌がつるつるしている上に、勾配が急な坂道である。このまま登るのは危険と考えた。
「このような洞窟は、ほかにも出口があるはずアル」
そう言うと古は懐中電灯を消した。
周囲を注意深く見回してみる。すると自分が落ちてきた方向以外で、遠くで僅かに明かりらしきものを発見する。
「ヨシ、あっちアルネ」
古は懐中電灯を再び点けると、明かりらしきものが見えた方向に歩き出した。


――しばらく歩いていると、遠くから波の音が聞こえてくる。
「ん?この先に海岸でもあるのカ?」
波の音と共に、遠くで明かりもはっきり見えてくる。どうやら別の出口から出られそうである。
自然と古の歩くスピードが上がる。
外から差す光によって洞窟内も薄明かりに包まれていた。
暗闇に目が慣れた古はこのくらいの光でも充分周囲が見える。
懐中電灯を消すとデイパックの中に放り込み、明かりに向かって歩いていった。
705作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/03(火) 19:58:54 ID:???
出口が見えたので小走りになった古の目の端に、ふと気になるものが引っ掛った。
何かと思ってそちらを見てみると、簡易的に作られた台に小柄な人間らしきものが横たわっていた。
「ん?あれは何アル?」
クラスメートの誰かと会うために先を急いでいた古だが、それが何かを突き止める興味の方が勝った。
古の発見したモノの場所へと近づいていった。
「こ、これは!?」
それが何か分かった瞬間、古は驚きの声を上げた。
古は目の前に横たわっているあるモノをジッと見つめる。
「これは……茶々丸アルヨ!」
いつも見慣れている茶々丸の姿ではない。普段よりずっと小さいコンパクトな体だが、顔は見慣れた茶々丸そのものである。
小さな茶々丸の姿をしたそれは、簡易的に作られた台座に横たわり両目は閉じられていた。
「コレは寝てるアルカ?おい茶々丸、起きるアル!」
古は体を揺すってみるが動く様子はない。
どうしたら動くのかと、体のあっちこっちを触っているといきなり起動音が唸り始めた。
「うわっ!動いたアル!」
駆動音がする小さな茶々丸からちょっと離れた古は、何が起こるのかと様子を見守った。

小さな茶々丸はゆっくりと目を開けると、上半身を起こした。
そして辺りを見回した小さな茶々丸は、古の姿を確認した。
「おはようございます古」
小さな茶々丸は古にペコリとお辞儀をした。
「ああ、おはようアル茶々丸。……いや、そうじゃなくて!……お前は茶々丸アルカ?何故ココに居る?昨日見た茶々丸はどうしたアル?」
矢継ぎ早に茶々丸に質問を浴びせる古。
台から降りて立ち上がった小さな茶々丸は、ちょっと考えるように首を傾げた後、古に向き直って口を開いた。
「私は、茶々丸本人です。状況が良くわかりませんが、古が昨日見たという私は……恐らく別人と思われます」
706作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/03(火) 20:01:34 ID:???
茶々丸の答えに古は驚きの表情を浮かべる。
「昨日見た茶々丸は……茶々丸じゃない?どういう意味アルカ?」
「私は昨日の朝から今までずっと機能を停止していました。これまでに起こった事を教えていただけますか?」
茶々丸の要望を受けて、古はバトルロワイヤルに巻き込まれた経緯など、かいつまんで自分の知っている限りのことを説明した。
「そうですか……」
古の説明を受けて茶々丸は視線を落とした。手を首元に当ててみる。
茶々丸の首にも首輪は取り付けられている。茶々丸自身もゲームへの参加者であることを意味していた。
「詳しい事情は良くわからないのですが、古の言われる状況から考えると昨日古が見た者のボディは本来の私自身の物と思われます。
ですが、中身といいますか人格は私ではありません。
私は……どうやらメモリーに操作が加わっているために記憶が定かではないですが、超に呼び止められてこのボディに入れられた事は覚えています」
「超が……何のために?」
「それは分かりません。ここに寝かされてから私も事情は良くわかっていないのです。
そこで今後の行動の選択肢なのですが、やはり超に会って話を聞く必要があると思われます」
茶々丸は現状で最も有効と思われる対策案を古に提案する。
「それなら私も茶々丸と一緒に行くアル!超が何かを知っているのなら私も超に聞きたいことがあるヨ。
でも、どうするアル?私はこのゲームが始まってから一人で行動してからは途中でザジ一人にしか会ってないヨ。
生き残ている生徒は10人程度ネ。どこを探せば良いのか見当がつかないアル」
古は情けなさそうに茶々丸に説明した。
実際に古の預かり知らない所で誰かの陰謀は着実に進んでいるようだ。
ずっと蚊帳の外にいる古はそれが歯がゆくて仕方が無かった。
707作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/03(火) 20:02:32 ID:???
茶々丸は少し考えて古に答えた。
「私のボディの場所なら探索すれば居場所を特定することが出来ます。そこに超が居るかどうかは分かりませんが、私のボディの持ち主から情報を聞きだせる可能性はあります」
「そうアルカ。それで構わないアル。案内するネ」
このまま当ての無いままクラスメートを探しても埒が明かない。
ならば危険性があるとしても、確実に誰かと出会えるほうが古にとっては都合が良かった。
「分かりました。ゲームが進行して24時間以上経過しています。これ以上の犠牲者を出さないためにも急ぎます。ついてきてください」
「わかたアル」
本物の茶々丸と古は、偽者の茶々丸と出会うべく、行動を開始した。

【Aチーム:残り3人】
【Bチーム:残り4人】
708マロン名無しさん:2008/06/03(火) 20:04:06 ID:???
こんなに減ってたのかw
709作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/03(火) 20:05:33 ID:???
[71.真相への到着]
「茶々丸さんが偽者ぉ!?」
夕映の出した答えに明日菜が素っ頓狂な声を上げる。
「ハイです。私達が茶々丸さんと思っていた人物は茶々丸さんではありません。
恐らくこの島のどこかに本物の茶々丸さんがゲーム参加者として存在しているはずなのです」
確信に満ちた表情で夕映は答える。
「これが最初にハカセさんとエヴァさんが殺された理由です。
他の生徒は気付かなくても茶々丸さんと強い関係がある2人なら、外見が瓜二つでも茶々丸さんが偽者だということに気付くのは容易なのです。
ハカセさんは茶々丸さんのメカニックを担当しています。茶々丸さんの動きや仕草などを見れば気付くでしょう。
エヴァさんも茶々丸さんのマスターですから茶々丸さんと会えばすぐに気付くでしょう。
だからこそ最初に殺されたのです。現に今まで私達も千雨さんのヒントがなければ茶々丸さんが偽者だとは考えてもいませんでした」
夕映はここで話を区切った。
あまりのことに明日菜、のどか、アキラの3人は言葉を発することも出来なかった。
そして夕映の説明する話を否定することも出来なかった。
夕映は再び話を続ける。
「殺された2人以外に茶々丸さんが偽者だと気づく可能性が高い生徒がもう一人いるです。
茶々丸さんの生みの親である超さんです。しかし、超さんはゲームが始まってから今まで生き残っています。
さらに言えば超さんなら茶々丸さんの偽者を用意することも可能なのです。
そして、茶々丸さんの偽者は茶々丸さんではありえない以上、クラス名簿の中の犯人候補からは外されます。
あえて言えば、犯人の使う武器と同等の扱いにしかなりえません。
つまり、これらの情報をから行き着く結論、このゲームの中で皆殺しを画策している人物である犯人。それは……超さん一人。これが答えです!」
夕映は確信を持って断言した。
あまりのことに夕映を除く3人は声を失っていた。
710作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/03(火) 20:08:21 ID:???
夕映はさらに説明を続ける。
「超さん一人が犯人。そう考えれば全ての辻褄が合うのです。超さんと茶々丸さんの偽者はあまり自分達が犯人と知られることに無頓着のように動いていました。
同じチームの者を殺し回れば、いつかは自分達が犯人であるのかバレます。
自分が犯人であることがバレないように互いに敵チームの生徒のみを殺していけば犯人を特定することが困難になっていたのにも係らずそれをしていません。
それも当然です。茶々丸さんが偽者だと気付かなければ正解には辿り着けないのですから」
「と、とにかく、それで間違いはないのかな?」
困惑しながらもアキラが不安そうに確認する。アキラ個人としては反論するポイントは何一つ見当たらない。
「千雨さんが私達に伝えかったのはそれで間違いはないと思います。
それが正解かどうかは……正直言って自信はありません。
だから、できることなら回答して確かめたいのです」
「夕映ちゃん!?」
「ゆ、ゆえ!?」
明日菜とのどかが同時に驚きの声を上げた。アキラも夕映に近づいて真剣な表情で問いかける。
「本気か?回答するのは危険な賭けだ。……あまり勝ち目の高い賭けだとは思えないよ?」
「先程、偽者と思われる茶々丸さんに遭遇した時点で私達は狙われているはずです。あまり猶予は無いのです。
そして、戦うにしても逃げるにしても首輪を外しているに越したことはありません。
これから先の行動に首輪によって制限が付く事は避けたいところです。この結論以上の答えは持っていません。
私は命をかける価値があると判断しました」
揺ぎ無い夕映の表情を見て、アキラはそれ以上何も言えなくなった。
その時になって夕映が少し困った顔をする。
「でも、一つだけ問題があるです。Bチームは超さんを除いて全員この場に揃っています。Bチームの回答は私が行います。
しかし、Aチームはくーふぇさん、そしてあの茶々丸さんが偽者だとしたら本物の茶々丸さんがこの島のどこかに居るとは思うです。でないと問題が成立しないですから。
それともう一人、のどかの3人しか残っていません。
……ここにはAチームのメンバーはのどかしか居ないのです」
711作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/03(火) 20:10:55 ID:???
その言葉にのどかはハッと息を呑んだ。
夕映はのどかに近づくと優しく声をかけた。
「のどか、貴方が嫌なら無理強いする気は私にはありません。
ですが、ここは敢えて貴方に尋ねます。……私と一緒に回答をしてくれませんか?」
「ゆ、ゆえー……」
のどかは夕映の顔を見ると俯いた。自分はどうするべきか悩んでいるようだ。
明日菜も心配そうに声をかける。
「ほ、本屋ちゃん?無理しなくていいからね」
「ええ。貴方が嫌なら構いません。回答するのはなしにしましょう。まだゲーム終了までは時間がありますから、他の方法を探すことにします」
犯人当てが正解したら首輪が外れる。このままの状態よりここから逃げ出せる可能性は高くなる。
しかし、不正解なら自分と夕映の2人は死ぬ。
のどかは和美と千鶴の首輪が爆発した時を思い出していた。
死ぬ間際の2人の姿は怖くて見ることは出来なかったが、あの時の事を思い出すと全身に鳥肌がたち恐怖で体が震える。
死にたくは無い。
のどかは夕映を信用しているが夕映の出した答えが正解かどうかは分からないのだ。

のどかは心の中で葛藤していた。
死にたくは無い。だけど、このままでは時間切れか犯人達に殺される可能性は高い。
夕映は他の方法を探すとは言っているが、他にここから脱出する当てはないことはのどかも薄々気がついていた。
自分を追い詰めないようにする夕映の心遣いがのどかには嬉しかった。
のどかにとっては夕映は大切な親友。
夕映の気持ちに自分も答えたい……。

そして、のどかは心を決めた。
712マロン名無しさん:2008/06/03(火) 20:11:51 ID:???
支援
713作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/03(火) 20:11:56 ID:???
顔を上げたのどかは夕映の顔を見据えて言った。
「いいよ、ゆえ。私も回答するよ」
「……ありがとう、のどか」
夕映はのどかに手を差し出した。のどかはその手を取り、互いに強く握り締めた。
明日菜とアキラは何も言わずに握り締めた2人の手に自分達の手を重ねた。
「私達が不正解の場合は……後のことを頼みます。2人だけでも生き残ってください」
夕映は明日菜とアキラに向かって最後の願いを伝えた。
無言のまま明日菜とアキラは頷いた。2人とも両目に涙を滲ませている。

硬く握り締めていた手を放した夕映とのどかは、ケータイを取り出すと回答を始めるべくケータイを操作し始めた。

【Aチーム:残り3人】
【Bチーム:残り4人】
714作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/03(火) 20:13:25 ID:???
[72.回答再び]
夕映とのどかの2人はケータイを操作すると、犯人の回答画面を呼び出した。
和美と千鶴が操作していた手順を見ていたので特に問題なく回答作業が進む。
画面にはクラスメートの顔写真が並んでいた。その中から超一人を選択する。
そして『回答する』のボタンにカーソルを合わせる。
「行くですよのどか」
「うん、いいよゆえ」
2人が声を合わせてカウントを始める。
「……いち、にの、さんっ!」
声を合わせた掛け声で、のどかと夕映の2人は同時に決定ボタンを押した。
その時点で再び全員のケータイの音楽が鳴りだした。
明日菜とアキラがケータイを取り出してメッセージを見る。
和美と千鶴が回答した時と同じように明日菜達のケータイにもメッセージが入っていた。

『――― メッセージ ―――
送信者:主催者  
件名 :犯人回答者あり
犯人が回答されました。

<回答者:宮崎のどか(Aチーム)>
回答:[超鈴音]

<回答者:綾瀬夕映(Bチーム)>
回答:[超鈴音]』

ケータイの画面からメッセージが消え、『判定中』の文字が表示される。
時間にしたら10秒程度のことだったが、まるで何時間も待たされているかの思いだった。
ケータイの画面が一瞬真っ黒になる。そして……、
715作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/03(火) 20:15:22 ID:???
軽快な音楽と共に『正解』の文字がケータイに浮かんだ。

その瞬間、全員の首輪がカチッと音を立てて落ちていった。
その場にいた全員が首元を探る。
首輪は外れてすでにない。
「うぐっ、ゆ……ゆえー……」
安心したのかのどかの両目からぼろぼろと涙が零れ落ちる。
「のどか………」
夕映の両目にも涙が浮かぶ。
「やったよ!夕映ちゃん、本屋ちゃん!!」
大声で叫んだ明日菜の声をきっかけに、4人は喜んで抱き合った。
緊張から開放された4人は、抱き合ったまま暫くの間泣き続けていた。

その時である。
不安と恐怖から開放されたことを祝福するかのように、抱き合っていた4人から離れた場所で誰かが拍手をしている音が聞こえてきた。
音のする方に目を向けた4人は驚きの表情を浮かべた。
超が拍手をしながら後ろに茶々丸の偽者を連れてゆっくりと歩きながら近づいてきた。
4人に近寄ってきた超は拍手を止めて口を開いた。
「よく正解にたどり着いたヨ。犯人当てに関しては私の完敗ネ」
不敵な笑みを浮かべたまま、固まっている4人に向かって超は話しかけた。

【チーム対戦終了】
備考:AB両チーム同時回答、同時正解により参加者全員の首輪解除。
但し、犯人は生存中。
【ゲーム続行】

【残り7人】
716作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/03(火) 20:16:24 ID:???
本日の投下は終了です。

あと3回です。
また明日。
717マロン名無しさん:2008/06/03(火) 20:16:30 ID:???
アスナが死にますように
718マロン名無しさん:2008/06/03(火) 20:18:06 ID:???
おっつー。
もう一波乱起きそうだね
719マロン名無しさん:2008/06/03(火) 21:34:52 ID:???
うわああああ
みんなにげてー
720マロン名無しさん:2008/06/03(火) 22:21:32 ID:???
>>718
お前毎日速攻だなww
2分かよwwwww
どんだけ23部好きなんだww粘着にも程があるwwwwww
721マロン名無しさん:2008/06/04(水) 00:22:24 ID:???
おっつー=20氏の等式が俺のなかには成り立っている
722マロン名無しさん:2008/06/04(水) 00:25:01 ID:???
失礼だけど俺も…
まぁ別にこの程度なら構わないけどね
723マロン名無しさん:2008/06/04(水) 00:40:31 ID:???
つ【スルー検定】


真・スルー 何もレスせず本当にスルーする。簡単なようで一番難しい。
偽・スルー みんなにスルーを呼びかける。実はスルーできてない。
予告スルー レスしないと予告してからスルーする。
完全スルー スレに参加すること自体を放棄する。
無理スルー 元の話題がないのに必死でスルーを推奨する。滑稽。失敗スルー 我慢できずにレスしてしまう。後から「暇だから遊んでやった」などと負け惜しみ。
願いスルー 失敗したレスに対してスルーをお願いする。ある意味3匹目。
激突スルー 話題自体がスルーの話に移行してまう。泥沼状態。
疎開スルー 本スレではスルーできたが、他スレでその話題を出してしまう。見つかると滑稽。
乞食スルー 情報だけもらって雑談はスルーする。
質問スルー 質問をスルーして雑談を続ける。
思い出スルー 攻撃中はスルーして、後日その思い出を語る。
真・自演スルー 議論に負けそうな時、ファビョった後に自演でスルーを呼びかける。
偽・自演スルー 誰も釣られないので、願いスルーのふりをする。狙うは4匹目。
3匹目のスルー 直接的にはスルーしてるが、反応した人に反応してしまう。
4匹目のスルー 3匹目に反応する。以降5匹6匹と続き、激突スルーへ。
724マロン名無しさん:2008/06/04(水) 02:09:44 ID:???
さりげない褒め具合がそう思わせてるのかもね
725マロン名無しさん:2008/06/04(水) 04:11:52 ID:???
このスレは絵もAAもうんとレベル高いけど動画面がもっと欲しいとこ
10氏も21氏も初心者にしたら凄い良い方だけどもっとMADスキルを持った人のネギロワMADとか欲しいな
726マロン名無しさん:2008/06/04(水) 04:25:24 ID:???
作者乙です
なんか超が犯人だとか展開を名無し共が全部当てたから萎えた
分かっても言うなよな…
727マロン名無しさん:2008/06/04(水) 04:31:42 ID:???
連レスすまん
ところで超はいつエヴァをどうやって倒したの?
残り3回の投下にエヴァネ戦説明と超戦とエピローグと3つも入れれるの?
728マロン名無しさん:2008/06/04(水) 07:27:56 ID:???
>>727 なんとか練り込んでくれると思ってる。ただ23部は主催者側の視点描写がないからそこがどうなるかだな。
このまま主催者なしでも俺はいいと思うし多分そうなりそう
729マロン名無しさん:2008/06/04(水) 07:54:07 ID:???
エウ゛ァは寝てる間に殺されたんやないの
730マロン名無しさん:2008/06/04(水) 08:37:54 ID:???
>>729 エヴァかなしいなwww
731マロン名無しさん:2008/06/04(水) 12:40:16 ID:???
「ふっ…私は少し長く生きすぎた。死ぬのも悪くない」
732マロン名無しさん:2008/06/04(水) 14:24:36 ID:???
やっぱ下手に推理もの書くとぽんぽん当てられるから他の路線で行った方がいいみたいだな
733作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/04(水) 19:47:25 ID:???
エヴァはもう出ないです。ご期待に添えなくて申し訳ないです。

本日の投下を始めます。
734作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/04(水) 19:49:37 ID:???
[73.皆の居る場所へ]
茶々丸(本物)と古は、茶々丸の案内で先を急いでいた。
かなりのスピードで進む茶々丸の後を、古は難なく付いて行く。
不意に古のケータイから音楽が流れ始めた。
「茶々丸、ちょっと待つアル!」
茶々丸に声をかけた古は立ち止まってケータイを取り出した。
ケータイには犯人当てに回答した生徒が居ることを知らせている。
「これは……何アルカ?」
メッセージを見て古は困惑する。
和美と千鶴が回答した時、そのときのケータイからの音で古は目覚めていた。
しかし、古の意識がはっきりした時には回答に失敗したメッセージは既に消えていたので、古にとってはこれが始めての経験であった。
「どうやら犯人当てに誰かが回答すると、全員のケータイにメッセージが流れるみたいですね」
古のケータイを覗き込みながら茶々丸が予想を述べた。茶々丸にはケータイは支給されていない。
「まずいアル。Bチームの生徒が回答して正解だったら私達は終わりネ」
「いえ、回答者を見てください。AチームとBチームが同時に回答しています」
「同時!?そんなことをしたら正解すると首輪のロックが外れると同時に首輪が爆発するアル!」
「……ルールを全て把握していないので良くわかりませんが、何か抜け道があるのかもしれません」
そのようなことを行っている間に、ケータイから音楽が流れて正解の文字が表示される。
その瞬間、古と茶々丸の首輪がカチッという音を立てて外れた。
「く、首輪が……外れたアル!」
「どうやら綾瀬さんと宮崎さんが犯人当てを成功させたようです。犯人は超だったようですね。
恐らくは私のボディもクラスメートを殺すために利用したのでしょう。
……ところでどうしますか?首輪が外れたためこれで島から脱出することが可能になりました。
このまま脱出に向かうことも出来ますが?」
735作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/04(水) 19:51:42 ID:???
「……茶々丸のボディはここから遠いのカ?」
「いえ、目と鼻の先です。ここからだと200メートルもありません」
「ならば先に茶々丸の偽者に会うアル。茶々丸のボディを超が利用したのなら、超もそこに居る可能性も高いアルヨ。
それに、超がクラスメートを殺しているのならば友人として私は超を止めなければならない……
決着をつけるとするネ」
「分かりました。では行きましょう」
茶々丸は頷いて再び古を案内する。
2人はこの先にある学校へと向かっていった。


―――超は不敵な笑顔を貼り付けたまま立っていた。
肩にはサブマシンガンを掛けており、いつでも撃てるようにしている。
茶々丸(偽者)もナイフを手に持って超の後ろに立っている。
明日菜達4人は警戒心を強め、各々の武器を握り締めた。
「何よ!やるってえの!?」
虚勢を張って明日菜が大声を上げる。
「ちょと待つヨロシ。ここに居ない生徒達がこっちに近づいているネ。
せっかくダヨ。全員が揃てからゆっくり話をしようじゃないカ」
明日菜の言葉を軽く流し、超がレーダーを見せながら説明する。
レーダーには2つの光点が学校に近づいているのが表示されていた。
その言葉に明日菜達は警戒を緩めることなく待つことにする。

全員が押し黙ったまま、静かに時間が流れた。
736作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/04(水) 19:52:51 ID:???
「この先です!」
「今いくアル。およ、何かあったのカ?全員揃っているアルネ。どうしたみんな?」
その場に現れた茶々丸と古が、全員を見回して話しかけてくる。
「くーふぇ!それに、あれは……茶々丸さん?」
「どうやらあれが本物の茶々丸さんのようですね」
明日菜は驚き、夕映は古と一緒にやってきた者が本物の茶々丸だということに気付いた。

茶々丸と古も集まっている皆の元に近づいて来る。
島の中で生き残っている生徒全員が揃ったところで超が口を開いた。

【残り7人】
737作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/04(水) 19:55:22 ID:???
[74.もう一人の参加者]
「フム、全員揃たようネ。さて、犯人当てに参加した者達は分かていると思うが、私が『犯人』ヨ」
いつもと変わらぬ口調で超が話し始める。
「ちょっと、超さん!あんたなんてことをしでかしたのよ!」
「超、どういうつもりアル?犯人だなんて何のことカ?」
「ちょっと待ってくださいアスナさん、くーふぇさん!」
いきり立つ明日菜と古。それを夕映が止めた。
「2人とも冷静になってください。感情的になっても話は進まないです」
そう言った夕映は、気勢を削がれた明日菜と古を置いて超に向き直った。
「超さんにはいろいろ聞きたいことがあるです。
1つ目、超さんがこのゲームの主催者なのでしょうか?
2つ目、何の目的で私達を皆殺しにする犯人役を行ったのでしょうか?
3つ目、隣に居る茶々丸さんの偽者は何者なのでしょうか?
とにかく最初に以上のことを確認したいです。答えていただけますか?」
夕映はまずは聞きたいことを超にぶつけてみた。
「フム、私が犯人だと当てただけあって冷静ネ。犯人当てに正解したご褒美に答えられるところは答えてあげるヨ。
1つ目の質問の答え、私は主催者ではないネ。主催者と通じて協力しているのは事実ダガネ。
次に2つ目の質問の私の目的ダガ、未来のことに係っている内容なのでこれだけは言えないヨ。
言える範囲で良いなら、この先の未来に起こる事態を回避するためには3−Aの生徒に死んでもらう必要があるネ」
「それは私たちの命を奪わないと回避できないものなのでしょうか?」
「さあネ。正直言てそれは分からない。だが、私は最良の道を選択しているつもりダヨ」
「……それ以上は言う気はないということですか?では質問を変えます。
首輪が外れた今、超さん達もここから生きて脱出することができます。
それでも殺し合いを続ける気ですか?」
「愚問ネ。『犯人』である私の目的は皆殺しヨ?私の首輪が爆発するか、誰かに殺されない限り私は止まれないヨ」
超のその言葉を聞いて、古は顔を曇らせていた。
738作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/04(水) 19:58:22 ID:???
「そういえば3つ目の質問に答えてなかったヨ。ここにいる茶々丸の偽者が誰かと言うことだったネ。
彼女は殺し合いに参加はしていたが、正式にはゲームの参加者ではナイ。ちなみに、ここに居る全員が一度は会っているはずだヨ」
超の言葉が終わると、無表情だった茶々丸の偽者の表情がニカッとした笑顔に変化した。
「ヨウ茶々丸ゥ、オマエノぼでぃヲ借リテルゼ」
「ね、姉さん!?」
「……その表情とそのしゃべり方、もしかして貴方はチャチャゼロさんなのですか?」
「正解ネ」
夕映の言葉に超の方が答えた。
茶々丸の偽者、すなわちチャチャゼロは手を腰に当てて話し始めた。
「マッタク、バレネエヨウニ茶々丸ノフリシテげーむノ間黙ッテイタノデ疲レタゼ。
結局バレチマッタミタイダガナ。マア、コレデ茶々丸ノフリヲシナクテヨクナッタノハ安心シタゼ」
「姉さん、貴方のやっていることはマスターへの裏切り行為です!一体何故こんなことを?」
「ナゼカッテ?殺シタイカラニ決マッテイルダロ。最近ノ御主人……イヤ元御主人ダガ、丸クナッチャッテツマンネーンダ。
昔ノ御主人ハ、バンバン人ヲ殺シマクッテイタノガ嘘ノヨウダゼ。イイ加減、丸クナッタ御主人二付キ合ウノガ嫌ニナッテキテタンダヨ。
ソンナ時ダ、コノ新シイ御主人カラ内密二話ガ持チカケラレタノハ。
元御主人ノ元カラ離レテ、新シイ御主人ニ協力シタラ好キナダケ殺シヲサセテヤルトナ」
「元ご主人?姉さん、もしかして貴方はマスターとの契約を解除したのですか?でもどうやって!?」
茶々丸は次々と湧き出る疑問をチャチャゼロに問いただす。
「コレデモ結構迷ッタンダゼ?元御主人ノコトハ嫌イジャナカッタカラナ。ソレニ生ミノ親デモアルワケダシナ。
デモ、殺シタイ欲望ニハ勝テナカッタゼ」
「質問の答えではありません。どうやってマスターとの契約を解除したのですか?」
「そこから先は私から説明するネ」
茶々丸の疑問に対して超が応じた。
739作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/04(水) 20:00:02 ID:???
「簡単に言えばドール契約の上書きネ。まずはチャチャゼロの人格を人形から茶々丸のボディに移し変える。
それと同時にエヴァンジェリンとの契約の上に私とのドール契約を強引に結んだネ。
その時点で状況的にはエヴァンジェリンと私との2重契約になるネ。
そして私がエヴァンジェリンを殺害すれば、彼女との契約は失効して私との契約のみが残るというワケヨ。
エヴァンジェリンの魔力は強かたからね、彼女に気付かれずに私との契約を結ぶのは苦労したヨ。
相当な準備と儀式が必要だたネ」

超の説明を聞き終えた茶々丸は怒りに震えだした。
「姉さん、いえチャチャゼロ。貴方のマスターへのその裏切り行為は許せません。
こうなった今、私の手で貴方を始末します!」
「抜カセ!生マレテ2年シカ経ッテイナイひよっこガァ!」
チャチャゼロが地を蹴って茶々丸に向かって迫る。
茶々丸は明日菜たちから離れるように走り出した。
チャチャゼロは茶々丸を追いかけて行った。

【残り7人】
740マロン名無しさん:2008/06/04(水) 20:01:07 ID:???
チャチャゼロ!!支援
741作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/04(水) 20:04:08 ID:???
[75.ミニステル・マギ]
茶々丸とチャチャゼロの戦いが始まったと同時に超も動き始めた。
超はチャチャゼロとは逆の方向へ向かって走り出し、明日菜達から距離を取ろうとする。
「アスナ!チャチャゼロ相手では茶々丸一人では荷が重いアルネ。私がカバーに入るヨ!
だから……超のことを頼む。あいつを止めるアル!」
「わかった。任せて!」
明日菜の返事を聞いた古は、踵を返すと茶々丸とチャチャゼロの元へ走って行った。


チャチャゼロはナイフを振り上げたまま茶々丸の元へ突進し、茶々丸を目掛けてナイフを振り下ろしてくる。
茶々丸はチャチャゼロの手首を掴んでナイフによる攻撃を食い止めるが、チャチャゼロの勢いに負けて後ろに倒れこんで地面に背中を打ちつけた。
そのままの勢いでチャチャゼロは体重をかけてナイフを茶々丸に突きたてようとするが、手首を掴んだ茶々丸は辛うじてそれを押し留めている。
膠着状態となった2人の元に駆け寄った古は、上に乗ったチャチャゼロを目掛けて崩拳を叩き付けた。
古の攻撃を受けたチャチャゼロは横に転がって崩拳の勢いを殺して立ち上がる。
横から攻撃してきた古を見て口元を歪めた。
「フン、2人ガカリトハ面白イ!」
笑顔を浮かべたチャチャゼロは人数差を全く気にしていなかった。
「気をつけてください。チャチャゼロの今の身体能力は私の本来のボディと同じです。
その上にマスターと同じく数百年の戦闘経験があります。その経験は私たちよりも遥かに上です。
実力は私よりも遥かに強いので、2人掛かりでも油断したらやられます!」
「承知したアル!」
向かって来るチャチャゼロに対して左右に分かれた古と茶々丸は、両側面から同時に攻撃を仕掛ける。
742作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/04(水) 20:06:53 ID:???
2人の動きを見たチャチャゼロは先に茶々丸の方に体当たりを食らわし、茶々丸がひるんだ隙に古に対してナイフによる攻撃を仕掛けた。
チャチャゼロによるナイフの攻撃をかわした古は、反撃とばかりに渾身の一撃を繰り出す。
しかし、ナイフを持っていない手でその一撃を掴んで食い止めると同時に、掴んだ腕で古の体を持ち上げると力任せに地面に叩きつけた。
「グエェッ!」
顔面から地面に叩きつけられたダメージで古の呼吸が一瞬止まる。
倒れ込んだ古の背中に茶々丸がナイフを突きたてようとする。
2人の間に茶々丸が割って入り、古への攻撃を阻止した。
「邪魔ヲスルナ茶々丸ゥッ!」
今度は茶々丸に向けて振られたナイフが茶々丸の頬を深く切り裂いた。
その間に古は立ち上がり、チャチャゼロと2人は再び距離を取って対峙する。

「……このままでは2人していつかは殺られます。一気にカタをつけますので協力していただけますか?」
隣に並んだ古に茶々丸が小声で話しかける。
「分かたアル。私は何をすれば良いネ?」
「少しの間チャチャゼロの気を引き付けてください」
「了解アル!」
そう言うと古は地を蹴って先にチャチャゼロへ仕掛けていく。
古とチャチャゼロで互いに攻撃を仕掛けてはかわすという応酬が繰り広げられる。
しかし、チャチャゼロの振り回すナイフが古に掠り始め、古を切り裂く傷口が徐々に深くなっていく。
「クッ!やはり戦闘経験の差は大きいアル!」
そう言うと同時に一か八か古はチャチャゼロの懐に飛び込むと肘打ちを仕掛ける。
しかしチャチャゼロに見事にかわされたと同時に、チャチャゼロによる膝蹴りが古の腹を襲った。
「グフゥッ!!」
チャチャゼロの膝蹴りをまともに受けた古は腹を押さえて地面に転がった。
743作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/04(水) 20:08:51 ID:???
古に向かって再びチャチャゼロがナイフを振り上げた時、後ろから茶々丸がチャチャゼロを羽交い締めにした。
「古、ここから逃げてください!」
茶々丸が何をするのか分からなかったが古は転がりながら茶々丸の言葉に従った。
「何ヲスル気ダ茶々丸?放セェッ!」
チャチャゼロは力任せに茶々丸を剥ぎ取ろうとするが、茶々丸は離れない。
「私の体には自爆装置が組み込まれています。ハカセが冗談半分に自爆装置は科学者のロマンと言っていましたが、こんな時に役に立つとは思いませんでした」
そう言うと茶々丸は自爆モードを起動させる。
「コード入力YRU00822FG、自爆モード起動」
「何ヲスル放セ!」
「チャチャゼロ、貴方も私もマスターが死んだ今、存在すべきではないものです。私と一緒に消えましょう」
茶々丸の駆動機関が暴走を始め、茶々丸の全身が高熱を帯びてくる。
それを聞いた古は慌てた。
「ちゃ、茶々丸、止めるアル!茶々丸まで命を落とす必要はないアル」
「すみません。これが確実にチャチャゼロを倒せる方法なのです。……後のことは古にお任せします」
古に最後の言葉を託して茶々丸は臨界点を突破した。

轟音を上げて爆発音が起こった。

「茶々丸ゥーッッ!!」
爆風が古の体を襲う。古は体を低くして爆風をやり過ごした。
744作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/04(水) 20:10:46 ID:???
爆発が収まったが、立ち込める煙で前は見えない。
それでも、古は茶々丸とチャチャゼロの側に近づいて行った。
「茶々丸ぅっ!」
徐々に煙が晴れて行く。

そこには小柄なボディの茶々丸の姿は無かった。そして体の半分近くを失ったチャチャゼロが辛うじて立っている。
爆発の中心にあった茶々丸はその全てが金属の破片と化してしまっていた。
「ケケケッ、殺ス!殺ス!殺スゥッ!」
右手に持ったナイフを掲げ、古に狙いを付けたチャチャゼロは尚も古を殺そうと、フラつく足取りで前に出る。
それを見た古は、両目を瞑り大きく息を吐いた。
「ハアッ!」
古は気を高めるとチャチャゼロに渾身の一撃を加えた。
「ケ……ケ……ケ……楽シカッタ……ゼ」
古の一撃を受け、チャチャゼロはその場に崩れ落ち、完全に動きを停止させた。

【出席番号10 絡繰茶々丸  機能停止】
【参加対象外  チャチャゼロ 機能停止】
【残り6人】
745作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/04(水) 20:11:55 ID:???
本日の投下は以上です。

明日は所用により投下は遅くなります。
22時以降になりますのでご了承ください。
746マロン名無しさん:2008/06/04(水) 20:13:52 ID:???
おっつー。
チャチャゼロ登場とは意外だった。
747マロン名無しさん:2008/06/04(水) 20:22:07 ID:K+qv00b7
また2分
748マロン名無しさん:2008/06/04(水) 20:29:18 ID:???
乙!
茶々丸・・・・・orz
749マロン名無しさん:2008/06/04(水) 20:39:42 ID:???
乙。

中身がゼロだから武闘派の連中もあっさり倒せたのね。ようやく納得したわ。
750マロン名無しさん:2008/06/04(水) 21:18:09 ID:???
てす
751マロン名無しさん:2008/06/04(水) 21:30:26 ID:???
エヴァ出ないのかよ
超はどうやってあんな強いの倒したんだ?
752マロン名無しさん:2008/06/04(水) 22:53:58 ID:???
短パンこぞうがあらわれた!
753マロン名無しさん:2008/06/04(水) 23:08:55 ID:???
乙した

>>751
だから寝てる間に殺されたとゆえが言っていたって昨日から何度言えばry
754マロン名無しさん:2008/06/05(木) 12:15:36 ID:???
世界最強種が寝てる間に殺されるかよ
755マロン名無しさん:2008/06/05(木) 13:15:49 ID:???
杏仁豆腐食べてる隙に
756マロン名無しさん:2008/06/05(木) 14:07:37 ID:???
>>754
まあ、それを言ったら殆どの部を全否定する事になる
757マロン名無しさん:2008/06/05(木) 14:28:11 ID:???
また擁護か
他の部はちゃんとその部なりに説明つけてるだろ
23部は何一つ書かれてない
それも超は無傷でエヴァ倒したみたいだし
758マロン名無しさん:2008/06/05(木) 14:48:42 ID:???
・・・他の部も真祖の扱いは説明しきれてないと思うが。
初期の部で異次元に飛ばしたのが一番無難な解釈で、真祖を滅ぼすのはそれぐらい難しい。
そもそも他の部の設定ではゲーム終了後に魔力を戻したら塵からでも復活するぞ?

野暮なことを言い出したらどの部にもケチ付けられるんだから、少しは自重しようぜ。
759マロン名無しさん:2008/06/05(木) 14:59:24 ID:???
>>758
いつもの奴なんだから無視しろよ。
760マロン名無しさん:2008/06/05(木) 15:06:10 ID:???
23部は手抜きすぎだろ
あと>>758-759、見え見えの自演はやめとけ

オリジナル設定で良いからせめて超がどうやってエヴァを倒したか書いて欲しかった
他のキャラならいつのまにか死んでたでも良いがエヴァは不死なだけにどうすれば良いか思いつかなかったからはしょったとしか思えん
761マロン名無しさん:2008/06/05(木) 15:08:30 ID:???
>>758
お前日本語読めるの?
他の部と違って23部は何1つ書かれてねーじゃん
必死に20氏よいしょするのはいいが無理すぎんだよ
つか当時は異次元に飛ばすなんてぶっ飛びすぎって叩いてたくせに今になってこれかよw
762マロン名無しさん:2008/06/05(木) 15:10:01 ID:???
なるほど、自演をするときは数字を全角半角に変えればいいのですね!
勉強になります^^
763マロン名無しさん:2008/06/05(木) 15:15:18 ID:???
なんかここまでくると作者20の自演擁護にしかみえない
23部は他と比べて良く出来てるとはいえないからここまで必死に擁護する程の信者がつくとは思えないし…
実際他の部は各作者がちゃんとエヴァとの戦闘シーンの末難しくてもそれなりの理由をつけてた
でも23部は気付いたら死んでてそれもエヴァを倒した超は傷一つ負ってないみたいだし
さすがにこれは擁護できないだろ。やっぱ自演としか思えない。
764マロン名無しさん:2008/06/05(木) 15:33:55 ID:???
>>763
その可能性も無いとは言い切れないよな・・・・。
次からはやっぱりIDの出るところに移動したほうが良いかもしれない。


なっ!
765マロン名無しさん:2008/06/05(木) 15:33:56 ID:???
実際その通りですから^^
766マロン名無しさん:2008/06/05(木) 15:35:33 ID:???
>>764
以前、他スレで自演騒動なって週刊漫画板に移動したら板違いでスレストして結局こっちに戻ってきた
767マロン名無しさん:2008/06/05(木) 15:36:13 ID:???
ラウンジにいけば良いんだよ。
768マロン名無しさん:2008/06/05(木) 15:40:02 ID:???
だって作者が自演するのって痛々しいじゃない?
それならもういっそラウンジ(何でもありぽいのでイタチにはならん)や少年漫画(ここはロワスレ有る)に移動すればいいんだよ。
そうすればもう自演する作者は現れないし、お前みたいなまともな意見を言うやつも自演扱いされない。
いや〜けっこう前から20氏に指摘したかったんだけど自演決め付け厨が居るだろ?
だから自重してたんだよな。
769758:2008/06/05(木) 16:25:02 ID:???
なんか何一つ描写しないのが悪いみたいな意見が多いけど、それは未熟だから書かなかったんじゃないの?
下手な説明を並べられるよりは事象だけを述べた方が余程マシだと思うが。むしろ俺は英断だと言いたい。
読者のご想像におまかせさます、というのは都合の良い言葉だけど、台無しにされるよりはマシなんだぜ?
ここまで読んできて作者20にちゃんとした説明を求めるのはハードル高すぎだろ?
書いたら失敗するのが目に見えてる説明なんて要らない。これは書かなかった作者20が正しい。



・・・と、作者20を過剰擁護する気はさらっさら無い俺が言ってみる。
2時間くらい空けただけで自演認定厨だらけなのには笑った。自演認定された人には謝っとけよw
770マロン名無しさん:2008/06/05(木) 16:34:44 ID:???
>>769
だから擁護組が自演じゃないならIDのあるスレに移動することにはもちろん賛成なんだろ?
これで異論となえるやつは自演してるって主張してるのと一緒。
反論されながらもいつもちゃんと指摘してくれてるやつはお前のようにIDの出るスレに移動っつっても何もいわないぞ?
自演か自演じゃないかはID出るとこに移動した次スレからわかることなんだからさ〜。

・・・・だからとりあえず空気読んでほしい。
771マロン名無しさん:2008/06/05(木) 16:37:39 ID:???
>>758>>769
いろいろと言いたい事はあるが一言にまとめるときもい
772マロン名無しさん:2008/06/05(木) 16:41:14 ID:???
別にID出る板に移動しても良いが移動したら確実にこのスレ潰れるぜ
つか過剰な擁護が原因だろ
16〜21部の擁護はちゃんと意見あっての事だから分かるが23部の擁護はあまりに酷すぎる
これは誰だって作者の自演て思ってしまうよ
773マロン名無しさん:2008/06/05(木) 16:43:55 ID:???
擁護組とか言ってるが実際に過剰反応してる擁護は一人か作s・・・
774マロン名無しさん:2008/06/05(木) 16:46:42 ID:???
>>772
でも今のような状況が続くより良いだろ。
擁護組のせいでこのスレが荒れているのなら、居なくなってくれたほうが良い。
775マロン名無しさん:2008/06/05(木) 16:54:05 ID:???
移動すれば作者の自演も無くなりお前みたいに中身ある指摘をする人間に対する叩きが起きない。
IDの出るスレに移ればルールを守っていない人間≠燻ゥ重するはず。
指摘に対する複数に見せかけての擁護のせいでスレが荒れているのだから、
移動すれば作者=擁護は自演することができない。
とりあえず自演野郎にはさっさとこのスレ卒業してほしい。
そうすれば寧ろ今この自演野郎のせいでスレの様子を見守っているだけという人らは
移動したほうのスレに集まってくれるだろう。
自演さえ防げれば今のような状態は多少ながら防げる。
776マロン名無しさん:2008/06/05(木) 17:11:10 ID:???
次スレはIDの出る板に移動するのは賛成だが、結局どこにすんの?
今んとこ候補は週漫かラウンジみたいだけど、その板の行数制限はどうなってるのか知りたい
777マロン名無しさん:2008/06/05(木) 17:15:26 ID:???
>>776
ラウンジは実際に使用しているスレを見るとマロンよりも多く打てるようだった。
だからおすすめはラウンジかな?
778マロン名無しさん:2008/06/05(木) 17:53:21 ID:???
くそっ>>777 ねらってたのに
779マロン名無しさん:2008/06/05(木) 18:01:09 ID:???
今ざっと流れ読んだが移動は反対だな
23部が終われば20氏の自演擁護もなくなるんだし別に今のままで良いだろ
それこそID出る板に移動したら投下なんてなくなるぞ
780マロン名無しさん:2008/06/05(木) 18:04:21 ID:???
自治厨きめぇ
移動なんて面倒だろ
そんな事したらもうこのスレ見ねーよ
781マロン名無しさん:2008/06/05(木) 18:17:08 ID:???
みない人は見なければいいよ
782マロン名無しさん:2008/06/05(木) 18:26:48 ID:???
21氏のときはお前と違って自演で正当な理由も無しに叩くやつ多かっただろ?
あれは21氏もスルーしてたが傷ついたことに代わりはない。
だから今後こんなことが起きないように20氏が投下終えても移動すりゃ良い。
来たくない奴は来なくていいんじゃね?
783マロン名無しさん:2008/06/05(木) 18:52:31 ID:???
23より17の時が1番酷かったと思うけどな
784マロン名無しさん:2008/06/05(木) 18:53:46 ID:???
うん、あれもひどかった。
まぁ次スレからは無くなるだろう。
785マロン名無しさん:2008/06/05(木) 19:01:46 ID:???
つかこの話23部終わってからでいいだろ
今しても作者の迷惑
後2回の投下で終わるんだから少し待て
786マロン名無しさん:2008/06/05(木) 19:06:22 ID:???
ネギ、円の万引き現場を見る  〜通常の場合〜

円「・・!ネギくん・・・」
ネギ「釘宮さん・・・・・!だ、駄目ですよ、それは泥棒です!」
円「う、うるさいなぁ・・・今は誰でもやってることよ!」
ネギ「いけません!僕は釘宮さんにこういうことしてほしくないです」
円「・・・・・ネギくん・・」

ネギ、円の万引き現場を見る  〜ネギが変態だった方の場合〜

円「・・!ネギくん・・・」
ネギ「釘宮さん・・・・・!だ、駄目ですよ、それは泥棒です!」
円「う、うるさいなぁ・・・今は誰でもやってることよ!」
ネギ「まぁ僕はどうでもいいんですがね、学園長にバレたらどうするんですか?え?
親に高い金額払って通わせてもらっていたのに卒業前に退学するんですか?ん?」
円「・・・・・ネギくん・・」
ネギ「バラされたくなかったら大人しくしててくださいよぉ?フヒフヒフヒヒw」
787マロン名無しさん:2008/06/05(木) 19:06:46 ID:???
あーすまん
788マロン名無しさん:2008/06/05(木) 19:30:17 ID:???
>>786
不潔だッ!!ネギ先生!!
789マロン名無しさん:2008/06/05(木) 19:56:16 ID:???
なんと素晴らしい誤爆
これは19氏のなりきりに匹敵するぜ
790マロン名無しさん:2008/06/05(木) 20:25:42 ID:???
>>789
それは言っちゃらめぇえええええぇ
ただ俺も2chし始めて5年間の中で1番笑ったがw
791マロン名無しさん:2008/06/05(木) 20:27:22 ID:???
20氏マダー??(・∀・)っ/凵⌒☆チンチン
792マロン名無しさん:2008/06/05(木) 20:53:38 ID:???
こんな流れになったんだし逃げたに決まってんだろ
793マロン名無しさん:2008/06/05(木) 21:02:08 ID:???
20氏は仕事してる人っぽいからまだかもね
794マロン名無しさん:2008/06/05(木) 21:20:43 ID:???
>>745を読め
795マロン名無しさん:2008/06/05(木) 21:21:34 ID:???
>>794
ごめんちょ
796マロン名無しさん:2008/06/05(木) 21:24:23 ID:???
俺は21氏が3時に投下した時も待ってたし今日も何時でも待つぜ
797マロン名無しさん:2008/06/05(木) 21:26:44 ID:???
どんだけヒマなんだよ
798マロン名無しさん:2008/06/05(木) 21:29:38 ID:???
>>797
失礼だな
ニート、または自宅警備員と呼んでくれ
799マロン名無しさん:2008/06/05(木) 21:41:57 ID:???
俺なんてこのスレきてほぼ作者投下直後に乙するぜ
800マロン名無しさん:2008/06/05(木) 21:56:08 ID:???
>>799
おっつーの中の人乙
801マロン名無しさん:2008/06/05(木) 22:01:12 ID:???
>>799 あれ?作者来てんじゃん
802マロン名無しさん:2008/06/05(木) 22:24:50 ID:???
いやその人じゃないよ。
803マロン名無しさん:2008/06/05(木) 22:30:17 ID:???
ねぇ聞いていい?
ネギロワはバトルロワイヤルにしなきゃだめ?
804マロン名無しさん:2008/06/05(木) 22:35:08 ID:???
スレタイ見たらすぐわかることじゃないの?
ただ例外として、20部みたいなのもあったけどね
805マロン名無しさん:2008/06/05(木) 22:44:27 ID:???
バトルロワイアルとバトルロワイヤル
806作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/05(木) 22:56:40 ID:???
エバについては13話に記載。
投下をはじめます。
807マロン名無しさん:2008/06/05(木) 22:58:09 ID:???
エバって!
808作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/05(木) 22:59:03 ID:???
[76.決戦]
超が明日菜達から距離を取るように走り出した。
そこに居た4人も超を追いかけようとしたところで、超は振り向きざまにサブマシンガンを撃ってきた。
「危ない!」
全員が思い思いに伏せて銃弾をかわす。
アキラが体を起こすとショットガンを構えて超に向けて発砲した。
超の近くで銃弾が弾けたのを見て、超は校庭に植えてあった木陰に隠れて再びサブマシンガンを撃ってくる。
身近な物陰に隠れた4人は超の攻撃をやり過ごすのを見て作戦を立てる。
「超さんは私が相手をするわ!皆は隠れていて」
そう言うと銃を構えた明日菜は飛び出そうとする。その肩をアキラが掴んだ。
「待って神楽坂さん、私が援護をするわ!」
振り向いてアキラの顔を見た明日菜は頷いた。
「わかった。私が飛び出して超さんに近づくからアキラさんは牽制してくれる?」
アキラが頷く。
「夕映ちゃんと本屋ちゃんは銃を持っていないから、ここに隠れてて。んじゃ行くよ!」
そう言って明日菜は物陰から飛び出した。

飛び出した明日菜に気付いた超はサブマシンガンを明日菜に向ける。
そこを狙ってアキラが超の隠れている木に目掛けてショットガンを撃ち込んだ。
思わず身を隠す超。その隙に明日菜が距離を一気に縮める。
アキラに対しては木で身を隠せている超だが、接近する明日菜に対しては身を隠せない。
超は近づいてくる明日菜にサブマシンガンを向けて引き金を引くが、カチカチと音を立てて銃弾が出ない。
「弾切れ!?クソッ、こんな時についてないヨ!」
毒づいた超はサブマシンガンを地面に叩きつけると、腰に差してあった銃に手を伸ばす。
809作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/05(木) 23:00:19 ID:???
明日菜はその隙を見逃さなかった。
銃を構えて超を狙って引き金を引いた。
パーン!
明日菜の銃が咆哮を上げて弾丸は超の胸に命中した。
超は一旦動きを止めると、崩れるようにゆっくりと地面に倒れ込んだ。
「や……やったの?」
倒れた超を確認した明日菜は、少し気を抜いて超に近づいてゆく。
その時、倒れていたままも超が握っていた銃を持ち上げた。
それに気付いた明日菜は慌てて身を隠そうとするが、それよりも早く超の銃が火を噴き、明日菜の右肩が撃ちぬかれた。
「くああぁっ!」
撃たれた肩を抑えて、仰け反りながら明日菜が地面に倒れ込んだ。
「アスナさん!!」
隠れていた3人が一斉に物陰から飛び出した。
超は明日菜に撃たれたことが無かったかのように、ムクリと起き上がる。
「2人は神楽坂さんのことを頼む!」
そう言うとアキラは立ち上がった超を狙ってショットガンを発砲した。
「気をつけてください!おそらく超さんは防弾チョッキを着ています!」
夕映はアキラに注意を呼びかけた。
夕映の指摘したとおり、超は制服の内側に防弾チョッキを着ていた。
超は殺した生徒から奪った武器以外に、自分とエヴァの支給武器を手に入れている。
そのうちの一つはハズレであったが、もう一つは防弾チョッキであったのだ。
810作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/05(木) 23:01:23 ID:???
超は後ろに飛んでショットガンの攻撃をかわすと、両腕に握り締めた2丁の銃をアキラに向けて発砲した。
アキラも横に飛んでそれをかわした。
体制を整えた超とアキラは、互いに銃を構えて同時に引き金を引いた。

複数の銃声一つに重なって学校の校庭中に響き渡った。

アキラの撃った銃弾は超の胸を捉えて、銃弾の勢いで超は後ろ向きに倒された。
しかし、銃弾はまたしても防弾チョッキに食い止められていた。
超は衝撃でフラつきながらも、再びゆっくりと起き上がってきた。
一方、超の撃った銃弾はアキラの横腹を貫通していた。
アキラは地面に両膝を突くと、地面に血を流しながら前のめりになってうずくまった。
「い……今のはヤバかたネ」
苦痛で歪められた表情で、超はうずくまっているアキラに銃口を向けた。
超は引き金に力を込める。

パーン!
一発の銃声が辺りに木霊した。

【残り6人】
811マロン名無しさん:2008/06/05(木) 23:03:03 ID:???
しぇーん
812作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/05(木) 23:03:32 ID:???
[77.決着]
――銃声。

超はアキラに銃口を向けたまま立っていた。
首を横に動かすと、煙が立ち昇る銃を持った夕映の姿が目に入る。
明日菜が落としていた銃を拾って夕映が撃ったのであった。
「油断……した……ネ」
超の体が斜めにユラリと傾いた。
重力に逆らう力を失った超の体は地面に横倒しになると動かなくなる。

銃を握り締めた夕映は少しの間放心していた。
そしてハッと我に返ると、用心深く銃を構えたまま倒れたままの超の元へ近づいていく。
夕映の撃った弾丸は超の頭を撃ちぬいていた。
『犯人』は死んだ。
ハアと大きく息を吐きながら夕映の体の中から緊張が解けていく。
「アキラさん、アキラさん、大丈夫ですか!?」
のどかの叫び声に夕映は撃たれた明日菜とアキラのことを思い出す。
夕映は振り返ると、撃たれた2人の元へ駆け寄った。


――チャチャゼロとの戦いが終わった古は、明日菜たちの居る学校の校庭に戻っていた。
先程まで銃声が聞こえてきたが、今はもう静かになっている。
校庭には地面に座り込んでいる明日菜、その近くで倒れているアキラを介抱する夕映とのどかの姿があった。
そして、離れたところに倒れたまま動かない超の姿を発見した。
「超……」
悲しそうに呟いた古は、まずは明日菜達の元へ近づいて行った。
「くーふぇさん!無事だったのですね?」
古の存在に真っ先に気付いた夕映が嬉しそうに声をかけてくる。
813作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/05(木) 23:05:04 ID:???
「ウム、チャチャゼロは死んだヨ……茶々丸と一緒にネ」
「そう……ですか」
夕映はうなだれる。この場に茶々丸が来ていないので薄々承知していたが、古の口からそのことを聞くと悲しい気持ちになる。
「それよりも、みんな……超を止めてくれたネ……感謝しているヨ」
4人にお礼の言葉を述べた古は、超の元まで一人で歩いていった。

古は、倒れた超に近づくと傍らにしゃがみ込んだ。
「超……」
頭を撃たれた超は既に絶命しており、古が話しかけても答えることはない。
「結局、何も教えてくれなかたアルナ。……超が何故こんなことしたのか、私には全くわからないアル。
私には何も話してくれなかったのは悲しかたヨ。
そして、昨日から今日までの間この島で超のやたことは決して許されるべきではないネ」
無言のまま、古はしばらくの間そのまま超の顔を見つめていた。
そして古は立ち上がる。
「でも……」
超に背を向けると再び古は口を開く。
「この島に来る前までの超は間違いなく私の親友だたアル。それはこれから先も変わらないネ」
そう言うと古は振り返ることなく超の元から立ち去っていった。
古の頬に、涙が伝わっていた。

超に撃たれた明日菜とアキラは近くの民家から救急箱を取ってきた夕映とのどかによって手当てが行われた。
明日菜は銃弾が肩を少し掠った程度であり、手当てが済むと自分で歩くことが可能だった。
一方アキラの方は意識はあるものの横腹を銃弾が貫通していたため重傷であった。出血量も多い。
応急処置として一応の血止めを行うと、古とのどかでアキラの体を支えながら脱出するために海岸沿いへと移動を始めた。
814作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/05(木) 23:05:53 ID:???
海岸の一角には漁船が何艘か停泊していた。
首輪が付いている間、海上は立ち入り禁止区域であったために船があっても使うことは出来なかったが、首輪が外れた今は海に出ることが出来る。
停泊していた漁船の一つに乗り込んだ5人は島から脱出した。

【出席番号19 超鈴音 死亡】
【ゲーム終了】
備考:犯人死亡。
生存者脱出。

【生存者】
出席番号4  綾瀬夕映  (Bチーム)
出席番号6  大河内アキラ(Bチーム)
出席番号8  神楽坂明日菜(Bチーム)
出席番号12 古菲    (Aチーム)
出席番号27 宮崎のどか (Aチーム)
                   以上
815作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/05(木) 23:06:38 ID:???
おしまい。また明日。
816マロン名無しさん:2008/06/05(木) 23:07:29 ID:???
しえん
誰かがアキラをかばったのかと思ったら超を撃っていたというのは予想外
817マロン名無しさん:2008/06/05(木) 23:07:43 ID:???
おっつー!

よし、先に言ったったぜ。
818マロン名無しさん:2008/06/05(木) 23:08:12 ID:???
終わりかよw
にしても20氏はアスナと千雨好きだな。
819マロン名無しさん:2008/06/05(木) 23:17:31 ID:???
おっつー。
アスナが生き残ったの久々だね。
明日ゆえとのどかのどちらかが死んだりしないよね。
こういうパターンてあまりないし不安。
820マロン名無しさん:2008/06/05(木) 23:19:22 ID:???
今日も予想通りすぎて逆にもう清々しい
821マロン名無しさん:2008/06/05(木) 23:30:18 ID:???
やったー!!
のどか生存だぁー!!
822マロン名無しさん:2008/06/05(木) 23:30:36 ID:???
13話読んだけど全然ハテナなんだが
823マロン名無しさん:2008/06/05(木) 23:32:01 ID:???
頭撃ち抜かれてるのに喋れる超は、やっぱスゲーや!!
824マロン名無しさん:2008/06/06(金) 00:08:49 ID:???
>>823
流石完璧超人だな
825マロン名無しさん:2008/06/06(金) 01:10:02 ID:???
ワロタwwwwwwwww
826マロン名無しさん:2008/06/06(金) 01:32:23 ID:???
サブマシンガンの弾の残数を確認してないドジっこ超りんwww
827マロン名無しさん:2008/06/06(金) 15:02:04 ID:???
その前にいくら防弾チョッキをきてるとはいえショットガン何発かくらって気絶すらしないってとこが本当の超の強さ

てか本部、漁船で逃げるのスルーかよww
828マロン名無しさん:2008/06/06(金) 16:09:35 ID:???
>>827
ちげーよ 本部は全部超が自演してて実質1人でバトロワ開催だろwww
829マロン名無しさん:2008/06/06(金) 16:31:46 ID:???
なるほど、お前頭良いな
830マロン名無しさん:2008/06/06(金) 18:53:43 ID:???
23部ってネギでたっけ?
831作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 19:30:11 ID:???
昨日から一部キーボードが認識しなくなっております。
RとYとVとGが書けない・・・・・orz
で、昨日言ってませんでしたが、スレ移転私は賛成です。

本日の投下を始めます。
832作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 19:32:32 ID:???
[78.脱出]
海へと脱出した生き残った5人は、船を駆使して陸地を目指していた。
重傷を受けたアキラを船室内で休ませて、古とのどかの2人が一緒に付いている。
夕映が操船を担当し、明日菜と一緒に甲板に出ていた。
「それにしても、夕映ちゃんって船を操縦することができたの?すごいわね。」
操船している夕映の側で明日菜が感心していた。
「いえ、私も実際に船を動かすのは初めてです。船の基本操作はそれほど複雑ではありませんから見よう見まねで動かしているだけですから。
今日は天気が良く波が穏やかで良かったです。波が荒れていたら私では太刀打ちできなかったと思うです」
「ふーん、そういうもんなの?」
見よう見まねでもここまで船を動かすことができるのなら明日菜にとっては充分すごいことだった。
「一応方向だけは合っていると思いますので、このまま船を進めていけば陸に辿り着くはずです。
ただ、私の力で上手く着岸できるかどうか自身がありません。
着岸時はかなり強引になると思うですから気をつけてください」
「うん、分かった」
そう言って明日菜は周囲の海を見回した。
今のところ周囲には海が広がっており、近くを通る船の姿も見当たらなかった。
そこで一旦会話が途切れる。
この場に居るのは2人だけなので、会話が途切れるとしばらくの間は無言の状態が続いた。

「……ちょっと考えたことがあるのですが」
「えっ?あっ、何?」
海を見ながらボーっとしていた明日菜は、夕映の言葉で我に返って振り向いた。
「私たちが遭遇したゲームの事です。超さんが主催者と通じていたというのは本人も肯定していましたし、間違いないことでしょう。
内容的にも犯人当ての問題は超さんが作ったと考えられるです。
つまり、超さんは協力者というよりもむしろ主催者側の人間に近い立場であったのではないかと考えられるです」
「うん。そうかもしれないわね」
833作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 19:34:37 ID:???
「……もしかして、超さんが今回の一連の騒動の主催者だったのではないでしょうか?」
「え?……それってどういうこと?」
夕映の言いたい意味が分からず明日菜は身を乗り出して聞き返す。
「私たちは主催者と名乗る者によって強制的に殺し合いのゲームに参加させられたです。
ですが、主催者からの連絡は全てケータイを使ったメールのみによって行われました。
犯人当ての回答もケータイを通して行われています。そして、私達は最初から最後まで主催者と会うことはなかったのです。
主催者は男性なのか女性なのか、年寄りなのか若いのか、それさえも分かっていないのです」
言われてみればその通りである。
明日菜は何となく主催者は中年男性のイメージを持っていたが、会ったこともなければ声を聞いたこともないのだ。
「ゲームを通じて主催者に関係する人物は超さんのみしか明らかになっていません。
逆に考えると、超さんが主催者であってもなんら問題ないわけです。
当然超さん一人ではこの大規模な仕掛けなどできませんから協力者は必要でしょう。
しかし、主催者の残した手がかりである首輪、ケータイ、そして主催者は魔法に通じていること。
これらの要素と合わせた上に超さんの頭脳と財力を加えたら……主催者であっても全くおかしくないのです」
「………」
明日菜は言葉を失った。
夕映はあくまで可能性の一つとして話しているが、夕映の説明には納得できる部分が多い。
「もちろん、超さんが主催者だと考えると不自然になる部分もあります。それに超さん自身は主催者であることを否定していました。
……超さんの目的は3−A生徒の皆殺しでした。ですが単純に殺したいだけならばこんな大掛かりな仕掛けなどする必要もないのです。
そもそも、超さんが主催者ではなかったとしても私たちを殺し合いさせる理由がはっきりしません。
もしかそたら私達の考えが及びもしないような理由があったのかもしれませんが、今となっては真相は闇の中です」
「……結局、何もわからないってこと?」
「そういうことですね。色々と考えてみても、それを証明する手段がない以上は仮説の域を出ません」
2人は口をつぐんだ。しばらくの間無言のまま時間が過ぎてゆく。
834作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 19:36:11 ID:???
沈黙に耐えかねたように明日菜が口を開いた。
「ねえ夕映ちゃん、ちょっと意見を聞きたいんだけど良いかな?」
「なんですか?」
進行方向から目を離さずに夕映は応じる。
「超さんのことだけど……彼女は一体何の理由であんなことをしたんだろ?」
明日菜の疑問に夕映はちょっと考えた。
「……理由は、私にも見当が付きません。以前に超さんは私達に比べると過酷な人生を送っていたのではないかと考えられることがありました。
その辺りに理由があるのでしょう。どうも超さんは自分の死を覚悟して行動している節もありましたしね。
超さんは未来に関係するとだけ説明していました。私達が知ることができない、知ってはならない何らかの事情があったのかもしれません」
「それにしてもクラスメートを殺すなんてっ!」
夕映の答えでは満足できない明日菜は感情的になって声を荒げる。
「ええ。理由はどうであれ、超さん個人の都合で人を殺して良いわけがありません。
超さんは主催者側の人間として3−Aの生徒を殺そうとしていたのは明白なのです。
どんな理由があろうと3−Aの生徒達に対する裏切り行為であり、絶対に許されるものではありません。
ですが超さんの本心が分からない以上、何が彼女をそうさせたのかは私には全く分からないのです。
超さんは歩むべき道を誤ってしまった。……今はそれだけしか言えません」
「それだけのために、多くのクラスメートが犠牲に……」
話している途中で明日菜は声を詰まらせた。
明日菜の脳裏に木乃香や刹那と一緒に楽しそうに笑っていたり、あやかと喧嘩していた頃の情景が浮かんでくる。
仲の良かったクラスメート達はここにいる5人を除いてもういない。
そう思うと明日菜は涙がこみ上げてくる。
明日菜の様子をチラリと見た夕映は悲しそうな表情を浮かべた。
夕映にとっても親友のハルナや木乃香が犠牲になっている。彼女達のことを思い浮かべると胸が痛んだ。
835作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 19:37:37 ID:???
その時、船室の扉を開けてのどかが浮かない表情で出てきた。
「ゆえー、ちょっといい?」
「どうかしましたか、のどか?」
「アキラさんの様子が変なの。物凄く顔色が悪くなってるし……」
明日菜と夕映は顔を見合わせた。アキラは超の銃弾を腹に受けて重症である。状況が悪化したのだろうか?
「様子を見に行ってみましょう」
その場に船を一旦止めると、のどかの後をついて夕映と明日菜は船室内へ向かった。

船室内では備え付けられていた小さなベッドにアキラが青ざめた顔で横になっていた。
「くーふぇ、どうしたの?」
アキラの横に座って不安そうにしていた古に向かって明日菜が尋ねる。
「アキラの様子が……おかしいアル。顔色が真っ青ヨ」
それを聞いて夕映はアキラの手首を取った。
かなり体温が下がっている。そして鼓動も遅く心拍数が少なくなっている。
(……危険な状態です)
医学の知識はないが、アキラが相当危険な状態なのは夕映も何となく分かる。
このままだとアキラの命は長くは持たないかもしれない。
「みんな、心配しないで……私は大丈夫……」
心配をかけないようにアキラは気丈に振舞おうとするが、言葉と表情に力がなかった。
「ゆえ、ゆえ……どうしよう。アキラさん、大丈夫かな?」
のどかは涙目になりながら夕映に助けを求めた。
しかし、夕映もこの場ではアキラに何もすることはできない。
「とにかく陸地に向かって急ぐです。移動スピードを上げます。少し揺れが大きくなるかも知れませんが我慢してください。
くーふぇさん、のどか、後はお願いします」
「わ、わかたアル」
「うん」
夕映は踵を返して船室から出ると舵を取ってエンジンを始動した。
836作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 19:38:55 ID:???
エンジンの回転数を上げると出せるだけのスピードを出して陸地を目指す。
明日菜も船室から出て夕映の側にやって来た。
「ねえ夕映ちゃん、ここからだとあとどのくらいで陸地に着きそう?」
明日菜の問いに夕映は自信なく答える。
「……前方の陸地が遠くに見えてはいますが、ここからはまだかなり遠いです。このスピードでは少なく見積もっても30分以上は掛かると思うです」
「30分以上も……アキラさん大丈夫かな?」
不安そうに明日菜は呟いた。
「……もしかしたら、間に合わないかも知れません」
「!!」
夕映の答えに明日菜は驚愕の表情を浮かべる。
「超さんに撃たれたアキラさんの傷は思った以上に深かったです。
血を多く流しすぎたために輸血なり一刻も早い対処が必要ですし、感染症になっている可能性もありますので抗生物質が必要かも知れません。
ですが今の私たちはその術はありません。アキラさんは気丈に振舞っていますが……このままだと、あまり長くは持たないと思うです」
「そん……な、何とかならないの夕映ちゃん?」
「私達にできることは少しでも早く陸地について助けを呼ぶこと。
それとアキラさんを励ますこと。それだけです。……それだけしか……できないんです」
悔しそうに涙を堪えながら説明する夕映の横顔を見て、明日菜はそれ以上言えなくなった。

船は全速力で走り続ける。
時間の経過と共に船は陸地へと近づいていく。
それと同時にアキラの生命の灯火も燃え尽きようとしていた。
837作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 19:40:36 ID:???
[79.無念]
夕映と明日菜は無言のまま、船は全速で走り続けていた。
目の前には陸地が広がっており、あともう少しで辿り着くところまで来ていた。
「もうすぐです。あと10分以内には岸に着けるはずです」
視界の先には小さく船着場が見えていた。
夕映の言葉を聞き、そのことをアキラ達に伝えるために明日菜は船室へと向かって行った。
明日菜が船室の扉を開けると、青ざめながらも辛うじて意識を保っているアキラと、アキラを必死に励ましている古とのどかの姿が目に入る。
「あと10分以内に岸に着くわ!もうすぐよ。助かるんだよアキラさん!」
それを聞いて古とのどかが少しだけ表情を明るくする。
「聞いたアルカ?あともう少しの辛抱アル!」
「アキラさん、頑張ってくださいー!」
2人は一層力を込めてアキラを励ました。
陸に着いたらすぐに救急車を呼べばアキラは助かる。そう信じていた。
明日菜の言葉を聞いて、アキラはベッドに手を付くとフラフラしながら上半身を起こした。
「だ、ダメアル!安静にしているアルヨ」
「だ……大丈夫。外に……出るだけだから」
アキラはそう言って床に足をつけてベッドから降りると、ふらつく足で歩こうとする。
立ち上がったアキラを再び寝かせようとした古とのどかだが、アキラが外に出ようとする強い意思を感じ取り、2人で肩を貸して外へ連れて行くことにした。
古とのどかは船室の扉を開け、アキラを甲板へと連れて行った。
外は雲ひとつなく快晴であり、夕暮れにはまだ時間があるので外は明るかった。
薄暗い船室内に居たアキラは外のまぶしさに目を細める。

838作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 19:42:16 ID:???
船室の扉が開き、夕映が居る場所へ古とのどかに支えられたアキラが姿を現した。
その後ろには明日菜も付いてきている。
アキラは足元をフラ付かせながら、ゆっくりと夕映の元までやってくる。
「アキラさん、動いて大丈夫なのですか?一番重症なのですから無理しないで下さい」
心配そうに声をかけた夕映に向かってアキラは弱々しい笑顔を見せる。
「もうすぐ岸に着きます。アキラさん、あと少しの辛抱です」
夕映の言葉にアキラは頷いた。
古とのどかに礼を言い、アキラは壁に体重を預けて自分の力で立ち上がる。
アキラは首を巡らして目の前に広がる陸地を眺めた。
「帰って……来たんだよね」
消え入りそうな顔でそう呟き、アキラの目から涙が零れ落ちた。
「ありがとう……みんな……皆が居てくれたから……私はここまで来れたよ」
夕映、明日菜、のどか、古の一人一人を見ながらアキラは感謝の言葉を呟いた。
「な、何言ってんのよ。アキラさんは早く元気にならなきゃ!」
「そうアル、弱気なのはアキラらしくないアル」
「アキラさんならすぐに元気になりますよー」
「お礼を言うのは私たちのほうですよ」
励ましてくれる4人の様子を嬉しそうな表情でアキラは見つめていた。そして……
「みんな……ゴメン……」
その瞬間、アキラの体が崩れ落ちた。

「ア……アキラさん?」
「アキラ?」
「アキラさん!」
「アキラさん!?」
慌てて明日菜がアキラの上半身を抱き起こす。
839作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 19:43:58 ID:???
「しっかりしてよアキラさん!」
必死に声をかける明日菜の呼びかけにアキラは僅かに目を開ける。
「みんなと一緒に……生きていく……つもりだった。
悲しい出来事を……乗り越えたからこそ……みんなとなら……頑張れると思ってた……。
でも……もうダメみたい……」
「ダメじゃないよ!あと少し、あと少しの辛抱なのよ!陸に着いたらすぐに救急車を呼ぶからぁっ!」
明日菜は涙を流しながらアキラに呼びかける。
「私も……一緒に行きたかったけど……本当に……ごめん……みんなは……幸せに……なっ……て………」
その言葉を最後に、アキラの体から力が抜け落ちた。
側で支えていた明日菜の両腕にアキラの体重が重くのしかかるる。
「ア……アキラさん?アキラさん?ねえ、目を覚ましてよ!アキラさん!!」
明日菜がアキラの体を揺するがアキラは動くことはなかった。
夕映がアキラに近づくと、手首を取って脈を確かめてみた。そして夕映はうなだれて首を振った。

明日菜はアキラの体をゆっくりと床に横たえると、堪らずにアキラから背を向けて怒りの声を上げる。
「な……何で?……何でよ!?何でアキラさんが死ななきゃならないのよ?
せっかく……せっかく生き残ってっ……ようやく、帰ることが出来たのにぃっ」
怒りのぶつけどころのないまま、拳を壁に叩きつけて明日菜は嗚咽の声を漏らした。

横になったアキラに近寄った古はアキラの手を取って語りかける。
「アキラ……間に合わなかたアルカ……今まで良く頑張ったアル。もう、が、我慢しなくていいヨ……ゆ、ゆっくり眠るアル」
今までアキラの苦しみを最も近くで見ていた古は、これまで死に対して必死に抗おうと戦ってきたアキラを優しく労った。
そして堪えきれずに顔を下げる。
「グスッ……フグゥッ……ウゥッ……」
古は口元に手を当てると声を押し殺して涙を流した。

「あうううううっ……アキラさーん!ウグッ、エグッ、アギラざーんっ!」
涙で顔をくしゃくしゃにしながらのどかアキラの名を呼び続けた。
840作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 19:45:14 ID:???
その様子を夕映は込み上げてくるものを必死に抑えながら眺めると、意を決したようにアキラの亡骸に背を向けた。
そして無言のまま舵を取って船を発進させる。
「夕映ちゃん?」
止まっていた船が動き始めたのに気付いた明日菜は夕映に声をかける。
「岸まであと少しです。アキラさんをこのままにしておくこともできませんし、一刻も早く岸に着けて助けを求めましょう」
3人に背を向けていた夕映の肩が小刻みに震えている。
それを見た明日菜が夕映の背後に近づいた。
夕映の背中を優しく抱きしめる。
「ねえ、こんな時にまで無理しなくていいんだよ、夕映ちゃん?」
明日菜に向けた夕映の背中が震える。
「むっ、無理なんかしてなっ……」
夕映の言葉が途切れ、夕映の頬に涙が伝わった。
「夕映ちゃんは昨日からずっと我慢してたよね。私達の誰よりもずっと傷つき悲しみながら、一人でも多くの生徒が生き残れる方法を必死に考えていた。
私たちが泣き叫んでいた間も、夕映ちゃんだけは皆が生き残るための責任を感じて泣き叫ぶことをずっと我慢していた。
もういいよ。もうがまんしなくていいの。悲しいなら泣けばいいよ。今だけは……」
「明日菜……さん」
明日菜の言葉で、これまで夕映の中で必死に堪えてきた一線が崩れる。
「うぐっ……ぐすっ……ひっく……」
そして夕映は堰を切ったように大声を上げて泣き出した。
泣き叫ぶ夕映の背中を、明日菜はただ優しく抱きしめていた。

その後、4人になった生存者たちは陸に辿り着いた。

――生き残ることができた生徒たちは、今ようやく悪夢から開放されたのである。
841作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 19:46:35 ID:???
[80. エピローグ]
――PM3:00
『ゲーム終了確認。超鈴音死亡』
『事後対策を開始。犯人である超鈴音死亡による対策パターンBを実行せよ!』
『対策パターンBを実行!』

『島内の証拠隠滅完了。参加者の遺体はその場に放置』

『生存者は島内を脱出し、陸地に辿り着いた模様。
なお、生存者より警察へ通報あり。警察への工作は既に対応済み。問題なし』

『麻帆良学園の超鈴音の身辺の証拠隠滅完了』

ある者がマイクに向かって宣言した。
『以上で今回の全てのプログラムを終了する!』

一呼吸を空けるとまた口を開いた。
『これより次のプログラムの準備を行う』
そして、誰もが知らないところで新たなゲームが始動していた。

殺し合いのゲームはまだ終わらない。

― 完 ―
842作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 19:47:50 ID:???
以上で全話投下終了です。
長い間お付き合い頂きありがとうございました。
いや、さすがに2作品連チャン投下はきつかった。私のストックしていた長編はこれで全部です。
次回作は・・・・・今のところ何にも考えていません。
他に短編のストックがありますので今後作者が現れなければ、いずれ投下します。

思えば私がこのスレを知ったのが、丁度17部が始まったくらい。
元々バトロワも好きだったので、過去の作者の方々の作品を楽しませてもらいました。
そして、ふと見るだけじゃ悪いよなと考えて、少しでも足しになればと作品製作の着手に思い立ったわけです。
最初から3作品書くつもりは無かったのですが、気付くと3作品。今となっては良い思い出かな?
今後も何かを投下しに現れると思いますが、温かい目で見てやってください。

しばらく後におまけを投下して最後とさせていただきます。
いずれまたお会いしましょう。
843マロン名無しさん:2008/06/06(金) 19:57:18 ID:???
乙でした

今日は誤字脱字が目立ったんだが気のせい?
844マロン名無しさん:2008/06/06(金) 20:19:46 ID:???
まだ読んでないけどとりあえずおっつー。
845マロン名無しさん:2008/06/06(金) 20:22:35 ID:???
おお、今読みました。
ゆえの涙が良かった、GJ。
短編とおまけ楽しみにしてます。
846マロン名無しさん:2008/06/06(金) 20:38:35 ID:???
お疲れさまでした
17部でここ知ってそれから3作て凄い早さだなw

後、スレ移動は絶対嫌だ
そんな事したらスレが機能しなくなるの目に見えてるだろ
3年も続いてるこのスレ潰す気か?
847マロン名無しさん:2008/06/06(金) 20:49:11 ID:???
俺も最初は移動した方が良いと思ったけど以前常連だったこの板のジャンプ漫画お絵かき掲示板ってスレがID出る板に移動してなんやかんやで潰れた事を思い出して移動しない方が良いように思えてきた
848マロン名無しさん:2008/06/06(金) 20:58:32 ID:???
もう誰かさんのせいでつぶれてるようなもんじゃん。
取りあえず議論は自演がおきかねないのでしたらばで。
849マロン名無しさん:2008/06/06(金) 21:07:45 ID:???
フグゥッのとこで一瞬知んだふりしてたアキラが首をしめてきたとかと思った
850マロン名無しさん:2008/06/06(金) 21:10:25 ID:???
携帯だとしたらば見れないから議論できねーや
851作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 21:11:10 ID:???
おまけを投下します。
852作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 21:11:56 ID:???
夕映 「えー、生き残りキャラの座談会を始めるです」
古 「おー、ついに出れたアル!」
のどか「わーい」
明日菜「ども!」
夕映 「さて、何となく恒例になってしまった座談会です」
明日菜「さすがに3回目ともなると新鮮さも何もないわね」
夕映 「はい。作者もいい加減やめようかとも思ったのですが、
むしろ本編より座談会の方が書いていて楽しいのでやってしまいます」
明日菜「まあいいけどさあ」
夕映 「そんなわけで、司会進行を仰せつかった綾瀬夕映です。よろしくです」
古 「古菲アル〜。やっと出番が来たので嬉しいアルヨ!」
のどか「宮崎のどかですー。私は第20部の座談会も出ましたから2回目ですー」
明日菜「何気に座談会は本屋ちゃんが登場回数多かったのね。まあいいや、神楽坂明日菜です。どうぞよろしく」
夕映 「早速第23部の解説を始めるです」
明日菜「それはいいんだけど、今回は夕映ちゃん以外の生存者って結構空気よねー。あんま活躍した印象ないや」
のどか「ほとんどゆえが主役で活躍しまくりだったですよね」
古 「私なんか最後の戦闘シーン以外は2話しかまともに出てないアル。もっと出番が欲しかったアル」
夕映 「くーふぇさんは基本的に茶々丸さんとの絡み以外はあまり重要ではなかったですから。
一応当初考えていた役割では茶々丸さん絡みは他の生徒だったのですが、途中で役割をチェンジしたです。
そうでなかった場合はくーふぇさんはもうちょっと出番や見せ場はあったのですが……」
古 「ムウ、何でそうならなかったアルカ?」
夕映 「その場合は話の中盤で死んでいたです。どっちが良かったですか?」
古 「きゅ……究極の選択アルネ〜。活躍してなお且つ生き残るという選択肢はなかたアルカ?」
夕映 「ないです」
古 「ぐっ!冷たいアルなー」
853作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 21:13:50 ID:???
夕映 「まあ、のどかの方も似たようなものでして、役割とか色々考えて運良く生き残ったところです」
のどか「うーん……でもまあゆえと一緒に生き残れたので良かったよー」
明日菜「さすがは本屋ちゃん、温厚だわね。夕映ちゃんも主役ポジションの余裕があるわね」
夕映 「そうは言いますが、第23部の物語の中で生き残りが最初から確定していたのはアスナさんだけですよ?」
明日菜「へっ?そうなの?」
夕映 「そうなんです。途中で私が死ぬパターンも選択肢もありました。でもアスナさんだけは無かったんです。
アスナさんは話の全体を通してワトソン役のようなポジションだったので、結構重要だったのです」
明日菜「うーん、でも犯人探しも貢献してないし、ただ状況に驚くだけだったのよねー私」
夕映 「物語の上では驚くだけの役というも必要って事です」
明日菜「うーん……複雑」
夕映 「あと今回はネギ先生も出ていません。あえて生徒達のみにしました」
明日菜「さよちゃんもそうね」
古 「そうカ、まあいいアル。生き残たから良しとするアル!
これで、今度こそネギロワらじおのゲストに呼ばれるアルヨ」
のどか「普通に考えると、ゆえ一人がゲストとして呼ばれると思うんですけどー」
古 「ううっ!大丈夫アル。絶対呼んでくれるアル!呼ばれなくても行くアル!」
明日菜「門前払いを食らうのが目に見えるわねー」
夕映 「いえ、まだ分かりませんよ。呼ばれる可能性は無いわけではないです」
のどか「誰もくーふぇを止めないのですかー?」
夕映 「ほっときましょう。どうなるか面白そうですから」
明日菜「同感。ほっときましょう」
のどか「はうー」
854作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 21:15:40 ID:???
夕映 「それでは簡単に第23部の解説を行うです。のどか、よろしくお願いするです」
のどか「はーい。第23部の特徴は最初から最後まで一貫して主催者が現れないところです。
主催者からの指令は全てケータイを通して行われていました。そして、ゲーム内容はクラスを2つに分けたチーム戦ですー。
基本的には敵チームを全滅にすれば勝ちとなります。
もう一つの特徴として、最初に各チームで殺された2人の生徒を殺した犯人は誰かを当てた方が勝ちとなる特別ルールがありました」
古 「ルールの中に主催者からのトラップが幾つか用意されていたアルネ」
明日菜「一応謎解きの要素を盛り込んだのが新しい試みのつもりよね。
その関係でクラスも戦闘要員と謎解き要員で一応役割が分かれているわ」
夕映 「まあ、こんなもんですかね。ちなみにチーム分けは作者の独断です。
仲の良い者同士は2分割させ、ストーリーの都合上で重要な生徒を両チームに割り振りました。
それ以外の生徒は結構適当だったりします」
明日菜「あと、今回の話は悲惨なキャラが2人いるのよね」
のどか「エヴァンジェリンさんとハカセさんですー」
夕映 「あの2人には気の毒ですが、物語的にはあの2人が死んだという状況のみが必要だったので、いっそのこと登場時点で死んでもらいました。
殺されるシーンなどはバッサリとカットしているです」
古 「ああ……セリフ一つ無いままに、哀れアル」
明日菜「あとは……犯人役の超さんについてだけど」
夕映 「犯人当てをするためには謎解き役が色々な情報を元に正解まで行き着かねばならず、犯人当ての理由付けの点で超さんしかできなかったです。
犯人像としてはありがちになってしまい、超さんが犯人と予想された方は結構居たようですね」
明日菜「もう少し超さんが犯人だと分かり難くすることはできたんだけど、そうすると最後の犯人当ての根拠が薄くなるというジレンマがあったのよね」
855マロン名無しさん:2008/06/06(金) 21:16:57 ID:???
お疲れ様です。
形の違う3種類のロワ
初のネギ不在、初の考察型バトルロワイヤルごくろうさまでした 
短編を含めこれからの投下にも期待しています。
面白かったです
856作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 21:17:23 ID:???
夕映 「ついでに言えば意外な犯人というのもやってみたかったのですが、
犯人の理由付けやストーリーの中にそれらしい伏線を張るのが困難なので断念したです」
のどか「色々と悩んでこういう結果になりましたー。楽しめなかった方はごめんなさい」
夕映 「とりあえず、解説はこんなもんですかね。詳しいことは傾向分析を楽しみに待ちましょう」
古 「他の人に解説を任せるのって……まあ良いアルけど」
夕映 「私も楽しみなんです。作品をどうコメントされるのかを見るのが」
明日菜「ところでさあ、今後作品を書くとしたら座談会も続けるの?」
夕映 「作品を書くかどうかは決めていませんが、たぶん座談会はやると思うです」
明日菜「それって、生き残りキャラでやるの?」
夕映 「そうでしょうね」
明日菜「例えば生き残りが刹那さんと龍宮さんの2人だけだとしても?」
夕映 「勿論そうです」
古 「その2人でやっちゃったら、傾向分析のメンバーと変わらないアルナ」
夕映 「それもまた一興かと思うです。
その2人が生き残った時は、座談会の中でもサービスとして武器一覧とルール解説も付けましょう」
明日菜「いや駄目だって!傾向分析でやることなくなっちゃうじゃない!」
夕映 「その状態で傾向分析をどのように料理するのかがまた楽しみでして……」
明日菜「やめい!」
夕映 「……すみません冗談です。
そもそも、そのために刹那さんと龍宮さんを生き残らせる物語を作るなんて本末転倒です。
また、物語的に刹那さんと龍宮さんの2人が生き残るという展開も少々無理があるです」
古 「そう言えばそうアル。真名と刹那が最後に残っていたら普通2人が対決する展開になるヨ」
夕映 「その通りですね。ですからそうは成らないと思うです」
明日菜「そう言いながら、こっそり狙っているんじゃない?」
夕映 「ギクウゥッ!」
明日菜「そーゆーことやっちゃうと本気に取られるわよ?」
夕映 「失礼しました。冗談ですからね」
のどか「本当に冗談ですよー」
857マロン名無しさん:2008/06/06(金) 21:18:01 ID:???
ネギを出さないというのは良かったよ。
20氏の作品はペースがあってgdgdにはならんから。
なんにしてもお疲れさまでした。
今後も期待してます。
858作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 21:19:02 ID:???
夕映 「まあ、22部の傾向分析で座談会をネタにしてもらったので、
こっちも座談会で傾向分析をネタにしてみようと思った次第でして、あまり深く取らないで下さい。
実のところ、ネギロワSSの作品同士がネタにし合う一種のコラボをやってるのはここだけですので大事にしたいのです」
古 「会話形式の作品が今のところ、この2つしかないアルからナ」
夕映 「もちろん会話形式じゃないとできないわけではないですよ。
漫画の世界でもマガジンとサンデーの表紙のコラボは記憶に新しいですし、かつては漫画の中でコラボを実現することもあったです。
個人的にはガラスの○面とスケバン○事のキャラ同士が電話するシーンがあったのは実に面白かったです」
明日菜「後のほうは元ネタ古すぎない?それに少女漫画だからネギまファンは見ていないと思うわよ」
夕映 「うっ!そうですか……古いとはいえ良い作品なので少女漫画でも充分読み応えあると思うですが……。
ついでに言うとガラスの○面の方はまだ終了していないから古いとはいえないと思うです」
明日菜「こらこら、ネギロワと関係ない話なんだから、そっちの話を広げるのは止めなさい」
夕映 「すみません。つい……」
のどか「ただの雑談になっているよー」
夕映 「所詮は座談会ですからね。最初から明確な目的意識をもって話をしているわけで無いですので、こんなものかと」
古 「いいのカ?」
夕映 「いいのです。さて話はこんなものですが、他に何か言いたい事はありますか?」
古 「もっと出番が欲しいアル!」
夕映 「そうですか。はい他には?」
古 「……軽く流したアルナ」
夕映 「無いようですので、これにて座談会を終わりにするです」
古 「いつか見ているアル……ブツブツ」
明日菜「ほんじゃまたねー」
のどか「最後までお付き合い頂きありがとうございました」

おしまい
859作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/06/06(金) 21:19:38 ID:???
以上で終了。ありがとうございました。
860マロン名無しさん:2008/06/06(金) 21:21:32 ID:???
乙でした。
色々と設定凝ってて良かったと思います。
861マロン名無しさん:2008/06/06(金) 21:34:20 ID:???
乙です
考察ものする時は簡単に先を読めるような展開じゃなくて先が分からずwktk出来るようなもののが良かったかな
862マロン名無しさん:2008/06/06(金) 21:34:58 ID:???
うお!!!
座談会の途中に書き込みすいませんでした。
863マロン名無しさん:2008/06/06(金) 21:35:59 ID:???
長い間投下乙です
後半グダってきたのとネギが出てこなかったのと展開読めを除けばそれ程悪くないと思うよ
864法医N代理:2008/06/06(金) 22:35:42 ID:???
>>405です。
短編作ったのですが、規制解けそうにないのでこちらに投下しました。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8740/1196932535/234-238
865マロン名無しさん:2008/06/06(金) 22:53:43 ID:???
乙です
866マロン名無しさん:2008/06/06(金) 22:58:07 ID:???
>>864
まとまりのないクソ作品をどうもありがとう
867マロン名無しさん:2008/06/06(金) 23:03:40 ID:???
乙です。

でも、明日まで待ったほうが良いです。
868マロン名無しさん:2008/06/06(金) 23:29:02 ID:???
まじでカスだわ。
869マロン名無しさん:2008/06/07(土) 00:08:15 ID:???
てきとーな予想だがこのスレは次の部に行く前に消化され
次スレは同じくここにたてられる。

ってか傾向氏は来てるのかな?
今、お得ですよ。
870マロン名無しさん:2008/06/07(土) 02:48:43 ID:???
>>864
乙。明日も楽しみにしてる
871葱坊主 ◆tHHIOImW4w :2008/06/07(土) 20:57:34 ID:???
加工品投下。
ネタとしてはベタです。

http://www7.uploader.jp/user/yuyu/images/yuyu_uljp00150.jpg
872マロン名無しさん:2008/06/07(土) 21:06:53 ID:???
おお。乙っす
873法医N代理:2008/06/07(土) 22:09:32 ID:???
>>867
本当はもう少し相談したりしながら投下したかったのですが、
仮投下のタイミングの不慣れなどもあってすいませんでした。

>>864に引き続き
「法医学教室のネギロワ」後編、完結編です。
引き続きこちらに投下しました。スレ汚しですいません。

ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8740/1196932535/240-245
874マロン名無しさん:2008/06/07(土) 22:28:36 ID:???
スマソ
その先行したアイデアが何だったのか誰か教えてくれ
875マロン名無しさん:2008/06/07(土) 22:38:36 ID:???
>>873
マジレスするとなんか意味わかんないまま流されたって感じ。
ちょっとまとまりがなさすぎた。場面は描写無しにコロコロ変わるし
しっかりとした区切りや場面展開をしてみては?
876法医N代理:2008/06/07(土) 22:43:59 ID:???
>>874
こんな感じのプロットでやろうって言うアイデアが先行して、
笑えるでも泣けるでも感情的にぐっと来るみたいな要素が希薄だったかなとそう言う意味です。
877マロン名無しさん:2008/06/07(土) 22:59:36 ID:???
>>873
乙です。
アイデアは良い。
場面転換は分かり易くして、
もっと間の書き込みをしっかり書くとかなり良くなるはず。
投下急いだのはもったいないネタだった。
今後も期待してます。
878傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/07(土) 23:05:47 ID:???
長編投下はないのかな…皆さんの進行状況どうなのかなと不安で仕方がない私が来ました。
一応各部終了時には顔を出し投下をするお約束だったので一応このタイミングに登場です。
…ちなみに整理を終えていませんので本日に投下は出来ません、明日に製s…
もとい全収録をしますので明後日辺りに二十三部編を投下予定。おまけを充実させたいところ。

>>869
お得でも完成してないのなら洒落になりませんって…
というかお得って一体……反射的に釣られそうな自分が憎い。てか来た時点で釣られた?

>>873
お疲れ様です。
長編投下がない現状短編投下は貴重ですので…応援しています。
私はアドバイス出来る身ではないので自重してますが、次回作に期待しています。


……それと今日の本題。質問ですが…
したらばに新しくスレッドを立て上手く投票所(?)のような形で活用しても平気なのでしょうか?
勝手に立てるとどうなるかわからないので一応、目的など詳しいことは今度の投下分でお話をいたします。
ダメならダメで別の事を考えますのでただご意見を伺いたいだけです。それでは、また近いうちに会いましょう。
879マロン名無しさん:2008/06/07(土) 23:34:12 ID:???
さっさとMANA出せー
880マロン名無しさん:2008/06/07(土) 23:38:08 ID:???
>>878 傾向氏、お久しぶりです。
明日作せ……ゲフンゲフン MANAと刹那で収録と明後日放送ということで…
wktkしてますよニヤニヤうえっへっへっへ

あとしたらばの件ですが僕はいいと思いますよ
ただスレ見るのは主にケータイなんでしたらばは見れないんですよね。。。
881法医N作者 ◆aQ4c0JlaGQ :2008/06/08(日) 11:20:54 ID:???
>>875>>877
ご指摘ありがとうございました。
読み直しましたが、実際その通りでした。
それでは、また機会がありましたら。
882マロン名無しさん:2008/06/08(日) 16:45:14 ID:???
>>878
wktkしてます。したらば利用は私はOKと思います。


書いている最中の方、進行状況はどのくらいですかー?
883別館まとめ:2008/06/08(日) 19:12:36 ID:???
今回は840氏のトップ絵が来ていないような・・・?

>>698
申しわけないです。私の間違いです。>>702の方の書き込みが正しいかと・・・。
「ネギま!」の黄色文字がネギま!のCDからもってきて加工しているのかと勘違いしていました。

>>878
wktkしてます。
したらばの利用は何の問題もないと思いますよ。

☆ 別館更新情報 2008/06/08 ☆
・『GOGO♪でこぴんロケット☆』
 3ページ目突入。
 >>700の絵師絵図鑑の動画を保管

・『こちら麻帆良学園麻帆良図書館深層部』
 No46〜No50の短編を追加しました。

ttp://yuyunegirowa.web.fc2.com/index.html
884マロン名無しさん:2008/06/08(日) 20:22:43 ID:???
>>883
別館氏毎度の更新乙です。

ところで、傾向分析は今のところどのまとめサイトにも載ってないんですよね?
携帯氏と別館氏のどちらに収録されるのかわかりませんが、
できたら傾向分析は短編扱いせずに単独コーナーを設けてほしいです。
過去作品読み直すときに傾向分析も併せて読みたい・・・・
あくまで希望です。もし宜しければ考えてみてください。
885マロン名無しさん:2008/06/08(日) 21:17:37 ID:???
別館氏の仕事最近減ってきてるからもういっそ長編も保管して別館ではなく正式なまとめサイトにしたら?
まとめ4からソースもらったらそんな時間かからんだろ
まとめ4氏ももう更新する気ないみたいだしとりあえずはやっつけでも良いからさ
886マロン名無しさん:2008/06/08(日) 21:55:41 ID:???
俺も別館に長編保管してほしいな
10部と21部を是非!
887マロン名無しさん:2008/06/08(日) 22:19:13 ID:???
(笑)
888マロン名無しさん:2008/06/08(日) 22:28:58 ID:???
今日本家のバトルロワイアル読んだら吐き気がした
4巻でもう耐えれなくなった
889マロン名無しさん:2008/06/08(日) 22:41:12 ID:???
>>888
4巻て漫画版読んだのか?
あれは絵柄的に読者を選ぶからあまりお勧めせんよ。
個人的にはあれはあれで面白かったが・・・
基本は小説。まあ映画でも可。
890マロン名無しさん:2008/06/08(日) 23:29:49 ID:???
確かにあの絵はちょっと普通の人は好みづらいよな
漫画も小説も映画も一応全然読んでるけど漫画はまた見たいとは思わない
891マロン名無しさん:2008/06/09(月) 03:17:42 ID:???
>>873
背、銃、高さの関係はコナンからもらったものだと思うがゆえとパルの身長差じゃぁ刹那が推測出来る程は無理だぞ
もっと差がないと無理。最もパルが立っててゆえが座ってたりした状態からなら別だが。
892マロン名無しさん:2008/06/09(月) 08:31:43 ID:???
昔、漫画版全巻なんとか読み切ったがたしかになんども読み返したくはねーわwww
買う前に中古店で立ち読みしといてよかった
893マロン名無しさん:2008/06/09(月) 18:29:50 ID:???
>>892 英断だわwww
894マロン名無しさん:2008/06/09(月) 19:35:07 ID:???
女が可愛いのいないからな
895傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/09(月) 20:39:06 ID:???
……ブックオフで漫画版を立ち読みした私は勝ち組かな?
しかし今度の金曜日は住人の皆さんでバトロワですか。
さて、今の内にちゃっかり兵士の中に紛れ込んでおきますかね〜、なんて。
……待っていても何ですし、少しながら投下をさせていただきますね。
※以下二十三部を見ていない方立ち入り禁止※

二十三部までの生存率
二十三部の生存者(生存率上昇者) 綾瀬夕映、神楽坂明日菜、古菲、宮崎のどか
       生存率無上昇無下降者 葉加瀬聡美
896傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/09(月) 20:40:02 ID:???
          ┃生存回数  ┃ 生存確率       ┃
相坂さよ    1    2    ┃ 10,00   ↓   ┃
明石裕奈   2    4    ┃ 17,50   ↓   ┃
朝倉和美   3    4    ┃ 17,50   ↓   ┃
綾瀬夕映   4    4    ┃ 20,00   ↑   ┃
和泉亜子   5    2    ┃ 10,00   ↓   ┃
大河内アキラ. 6     2    ┃ 12,50   ↓   ┃
柿崎美砂   7    2    ┃ 10,00   ↓   ┃
神楽坂明日菜8    7    ┃ 35,00   ↑   ┃
春日美空   9    2    ┃ 7,500   ↓   ┃
絡操茶々丸 10    1    ┃ 5,000   ↓   ┃
釘宮円    11    4    ┃ 17,50   ↓   ┃
古菲     12    4    ┃ 20,00   ↑   ┃
近衛木乃香 13    5    ┃ 25,00   ↓   ┃
早乙女ハルナ.14   2    ┃ 7,500   ↓   ┃
桜咲刹那   15  10    ┃ 50,00   ↓   ┃
佐々木まき絵 16   3    ┃ 12,50   ↓   ┃
椎名桜子   17   1    ┃ 5,000   ↓   ┃
龍宮真名   18   5    ┃ 25,00   ↓   ┃
超鈴音     19   3    ┃ 12,50   ↓   ┃
長瀬楓     20   2    ┃ 10,00   ↓   ┃
897傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/09(月) 20:40:51 ID:???
那波千鶴   21   3    ┃ 12,50   ↓   ┃
鳴滝風香   22   2    ┃ 10,00   ↓   ┃
鳴滝史伽   23   3    ┃ 15,00   ↓   ┃
葉加瀬聡美  24   0    ┃  0,0     →   ┃
長谷川千雨  25   5    ┃ 25,00   ↓   ┃
エヴァ     26   1    ┃ 7,500   ↓   ┃
宮崎のどか  27   4    ┃ 20,00   ↑   ┃
村上夏美   28   2    ┃ 10,00   ↓   ┃
雪広あやか  29   3    ┃ 15,00   ↓   ┃
四葉五月   30   1    ┃ 5,000   ↓   ┃
ザジ      31   2    ┃ 10,00   ↓   ┃

真名「大分マシになっていない生存率の表の更新版だな」
刹那「いやぁ、いい意見だったのですがVIPにはある種抵抗があるものでして、結局テストせずじまい…
   ただ半角二連は消えると聞いたのでそこはある程度は」
真名「すでに末期なんなんだから末期並に活動すればいいのにな」
刹那「へ、変な事を言うな、龍宮……確かに末期は末期だがな。リアルに学校で笑われたのが懐かしい」
真名「まぁ、そうだな。ただ気にしたら負けと言う奴さ。……しかし今回は随分とキリのいい数字になったものだな」
刹那「てっきり手抜きとばかり…てか手抜き?
真名「いや、集計の都合上この部の終了時点では計算で必ずキリのいい数字になるんだな。これはわかりやすい」
刹那「次は後五部経ったらだな。二十八部終了時にもこんな感じになるのかな?」
真名「まぁとりあえず参考資料にでも見ておいてくれ」
898傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/09(月) 20:41:28 ID:???
―――本編前の雑談―――

真名「真名と」
刹那「刹那のっ!」
真名、刹那「ネギロワらじお!第二十三部編!」

真名「久しぶりだな。スレ移転?何の話だ、私はどちらでも来る頻度とガンガンいこうぜ!みたいな意志の低さは変わらないぞ?
   という方針を持つメインパーソナリティのMANAだ」
刹那「…移転した後あちらの板で検索して始めて来た新住民にキャラちがくね?と全否定で受け入れられないことを心から恐れているパーソナリティの刹那です。
   別段反対はしてませんが、逆に賛成も無し。要するに一番皆さんのためになるご決断を期待している次第ですね、はい」
真名「さて、始めるか……」
刹那「ああ、そうだな、あっ、お便りというか何だか噂を飛び交っていたぞ?」
真名「ん?何のだ?」
刹那「…いや、私達のお株を綾瀬さんに奪われる…もとい、狙われるという噂が」
真名「何だと?………場合によっては消すぞ?(ジャキッ……)」
刹那「………まぁ、所詮は噂は噂だろうがな。というか後で本人に聞けばいいじゃないか?」
真名「………ほぅ。呼んでいるのか。流石だな」
刹那「ゲストとしてだぞっ!お前への餌を渡しにきたんじゃないからなっ!?」
真名「ああ、わかってるさ、フフフフフっ…」
刹那「(め、目が、目が笑っていないっ……!!?)」
899傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/09(月) 20:41:57 ID:???
―――ゲスト紹介―――

刹那「それでは、今回のゲストです」

ガチャッ……

夕映「こんばんはです、刹那さん、龍宮さん」
真名「来たか、やぁ、綾瀬、御機嫌よう(ニコニコッ……)」
夕映「(ビクゥッ!!)……な、なんですか、この明らかに口だけの笑いは……(パクパク)」
刹那「…今回のゲストは出席番号四番、綾瀬夕映さn………あ、気にしたら負けかと。
   えと、今日は龍宮がここを出るまでに寮に帰るのをおすすめ、もとい帰ってください。そして完全に閉め切って狙撃されないように…」
夕映「た、ただの冗談でここまでの怒りよう…龍宮さん、本気ですね、間違いなく…」
刹那「…ええ、本気です(キッパリ)」
真名「安心しろ、一応冗談という事にしておく。
   ちなみに……やる事ないなら幾らでもやる部はあるから暇は無しだな。まぁ…武器やルールが出来ないなら他のを考えるさ」
夕映「ま、真面目に答えているです…ユーモアなどの一種に捉えられる冗談に真面目に答えているです……しかも冷淡な顔で」
刹那「龍宮はラジオに魂を込めていますから……とりあえずラジオ経営に関しては私や長谷川さん辺りを困らせる事は言ってもいいですけど龍宮に関しては……お嫁にいけない体にされる可能性も」
夕映「お、お嫁にいけないっ!?///」
千雨「(そいつは洒落にならねーが…冗談だろ…まぁ、脅しのネタに使えるかもな……)」
刹那「そ、そうなんですよ……(拷問とか戦場で見てきたものを全て活かすのも勘弁して欲しいものだ……)」
真名「お前達、何を雑談をしているんだ?さっさと始めようじゃないか」
夕映「はっ、はいですっ!」
刹那「え?あ、ああっ!」
千雨「(ああ、ここだと攻め系と受け系の構図がよく見えるぜ……)」
900傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/09(月) 20:42:23 ID:???
刹那「それでは改めてゲストの紹介です。出席番号四番、綾瀬夕映さんです」
夕映「どうもです…」
真名「ついに来てしまったな」
刹那「そうだな、ある種自重してきたつもりだったが…」
夕映「な、何の話ですか?」
刹那「…元祖分析隊という意味合いです」
夕映「な、なるほど、わかる人はわかるネタですね。リスペクトしているですよ、ハルナ含めて」
真名「そこだけは被ったりしてダメな実力差が出てしまうといけないと思っててな…
   私達もまだ未熟だし、大先輩に出てもらうのは早いかと思ってた訳だ」
夕映「まぁそのへんのこだわりは捨てて気軽にやる方がいいですよ、龍宮さん。一緒に頑張っていくです」
真名「………」
刹那「(困っているぞ……丸め込まれるのが嫌いだから若干困っているぞ……)」
真名「…ああ、そうだな、進めて行こうじゃないか」
刹那「(バカな…!!?龍宮がここまで正直になるなんてっ…!?流石大先輩っ…!)」
夕映「で、やはり流れ的に私が呼ばれたわけですが…」
真名「ん?他に誰か来る予定だったのか?」
刹那「のどかさんならまだしも活躍不足、アスナさんはよく来る常連さん、それにアスナさんは他にも仕事があるみたいですので…
  それ以外に来る方がいらっしゃるんですか?(ニコッ)」
夕映「…え(もはや存在すら認識されてないです)」
真名「だって…『あれ』は、問題外だろ。ちゃんと麻酔銃で寝かせておいて楓に見張らせてあるからなんら番組運営に問題はない、妨害は来ないさ」
夕映「(…も、もはや妨害という言葉で片付けられているです……)」
901傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/09(月) 20:42:51 ID:???
―――本編(投下前の挨拶)―――

刹那「では、入らせてもらいますね」
真名「まずは〜、投下期間だな、初日の挨拶はこれだ」

ネギロワスレ22より

715 名前:作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/07(水) 21:56:03 ID:???
一応投下OKの方が多そうなので投下しますね。

22時前だけど、とりあえず今日の分の投下準備はOK。
風呂に入って缶ビール片手にいい気分で投下を開始します。
いや、まだ酔ってないですよ?

今日は触りだけ。


刹那「ちょ――っと待てっ!!?どう考えてもそことりあげるのはおかしいだろーがっ!?」
夕映「(おお、素早いツッコミ、なかなかやるです)」
真名「ん?そうかい?あ、携帯まとめ氏、ここから保管頼む」
刹那「そうかいじゃないだろっ!?いい気分とか必要性皆無だろうがっ!やめろやめろっ!これの保管は残念なものがあるっ!」
夕映「確かにそれはそうですね、ちなみに本当の最初の前書きはこれになるです」
902傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/09(月) 20:44:35 ID:???
716 名前:作者20 ◆tHHIOImW4w :2008/05/07(水) 21:57:09 ID:???
前書き

・本作品はネギまキャラを使ったバトルロワイヤルです。
・物語の都合や作者の解釈により、読者が持っているキャラのイメージに合わない行動や言動を取ることがあるかもしれませんがご容赦願います。
また、キャラ同士の呼称について読者のイメージと異なることがあるかもしれませんが、その場合は自分のイメージの呼称に脳内変換をお願いします。
・作者の力量により、不十分な表現や解り難い表現、誤字脱字があるかもしれません。そこは大目に見てください。
・作者がベタな展開が好きな影響を受けて本作品でも勘の良い読者の方はストーリーの先の展開が読めると思いますが、他の読者のために先の展開の予想の書き込みは自粛願います。
でも生存・死亡キャラの予想(ハカセとか)は別に構わないです。
・本作品は過去作品に用いられた特別ルールが被っています。
物語の都合上、そのルールがどうしても必要であったためにあえてそうしていますので、あらかじめご了承下さい。
・超をゲームに参加させるために未来に帰っていない設定にしています。時間軸は夏休みに入る頃にしています。
・本作品は前置きの部分で通常のバトルロワイヤルと異なった始まり方をします。
また、前置きの部分がかなり長いですが気長にお付き合い下さい。

では、本編スタート。


夕映「この前書きを見る限り展開読めると言う方は自粛をしてくれたのでしょうか……ライブで投下を見ていない以上現状を把握はしかねるです。
   今流れごと見ろ?流石に一スレ全てを読むほど私達も暇ではないです」
刹那「最近は呼称についての注意は多いですね…」
夕映「そうですね。これが原因で荒れる。という事は多いですから。重箱の隅を突く事も投下中では火をつけて惨劇になる危険があるです。よって注意が必要、という事だと思うです……」
刹那「…原作にない呼称も多ければ原作にあっても殺し合い下だと違和感があるという指摘も随分多い……何か解決策はないものか…」
真名「決めた。決めたぞ。刹那」
903傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/09(月) 20:45:59 ID:???
刹那「何だ…?急に」
真名「キャラの解説などのデータはどうみても別館氏などが完璧にこなしている。ハカセや椎名の部分を見れば明確。
   ならば敢えてそこ以外…貴様らが触れたくないだろうと思う次元に敢えて挑戦してこうじゃないか」
夕映「……まさか、呼称について、ですか?」
真名「本編などの長編では叩かれる要員でも私達がやれば恥を被って鼻で笑われるだけ、そんな気がしないか?」
刹那「……それなら…やる価値はないでもないが……」
真名「よし、決定。今からそのコーナー用のパーソナリティを拉t…もとい連れてくる」
夕映「決断力が高速すぎですよ、龍宮さん…」
刹那「定評ない状況ならばやめればいいしな。本スレでは放送せずロダ限定のおまけでやってみる事に…してみるか?」
真名「まぁそれはそこのパーソナリティに任せる事にしようじゃないか」
夕映「じゃあ本編の話に戻すです」

―――本編(ルール説明)―――

夕映「さて、というわけで唯一と言っても過言ではない仕事、ルール説明に入らせていただくです」
刹那「そ、それは…ツッコミは入れちゃダメなんですよね、あははっ……はぁっ……」
真名「しかし今回は随分と変わったシステムだったな」
刹那「推理物ですか、確かに今までに見たことのないタイプだったですね」
夕映「ギャグ、推理物、最小のフィールド、色々なところに参加しているです」
刹那「そして絵。何故ここまで貢献しているのに……」
真名「最初をギャグにしてイメージ作ったのがまずったんじゃないか?」
夕映「ストレートすぎです。ただ、そうですね、登場時のイメージというものはある意味大事であり第一印象はそう簡単に拭えないものだったりするです」
刹那「まぁこの様子じゃ私達は長編が完成したところで投下する気なんてさらさらないがな」
真名「収録が全て終わるまで長編は書かないつもりだから永久にないだろうな」
夕映「まぁ作者さんの身の上話は需要などないです、話を戻しましょう、推理物、の部分ですね」
904傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/09(月) 20:46:51 ID:???
刹那「そうですね、推理物が珍しいというのはやはりこのスレで投下されるSSも『色』が変わってきたという事でしょうか」
真名「王道ネギロワが多いとマンネリ化を生み、ベタなものではなく変化球を求めたくなるのは心情だ。かつての司書氏のように新しいジャンルを開いてくれたと考えるべきだろう」
夕映「そう考えると二刀流の方々はSSでの思考は特殊とも言えるのでしょうか。とことん貢献してるですね。あ、勿論いい意味での特殊ですよ」
真名「ただなぁ……」
刹那「何だ、龍宮、不満そうな顔をして」
夕映「展開が読める読めないのツッコミは不要ですよ。そこは読者の主観ですので押し付けるのは無粋です」
真名「いや、推理なら、犯人という大きな名目だけじゃなく小さな名目入れてとことんやりたかったな、と思ってな」
刹那「ん?何が言いたいんだ?」
真名「例えば、明らかに捨てキャラだった要員を少しばかり減らして犯人を絞る要員を減らす。
   そしてステルスマーダーが神楽坂グループに一人入っているみたいに犯人以外にも大きな要員を作ってもよかったと思うが。むしろステルスを数人にして犯人を不特定にしても面白い」
刹那「……もし貴様が長編を完成したときのハードルの高さが酷く楽しみだよ、私は。というかステルス好きだな、お前」
真名「ふん、そんな事はないさ。まぁルール説明に入らせてもらうよ」
905マロン名無しさん:2008/06/09(月) 20:50:44 ID:???
支援
906傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/09(月) 20:52:47 ID:???
――― ネギま!バトルロワイアル 第二十三部 特徴、主なルール概要 ―――


・実に珍しい推理物のバトルロワイアル
・時期は夏休みの頃であり、超がいるパラレル
・各自携帯電話を持たされており、そこから主催者からの通達、よってスピーカーなど定刻放送など大規模なものは存在しない
・主催者からの通達は以下の通りである。

ゲーム参加前ーT
これと近距離マップを提示する事により、クラスメイトはAチームとBチームに分かれて活動する事になる。
※参考資料 主催者→神楽坂明日菜

『――― メッセージ ―――
送信者:主催者  
件名 :指令
ゲーム参加者Bチームの諸君、以下に指定する場所へ集合せよ』

ゲーム参加前ーU
メンバーを分断させるための指示を送る

参考資料:Bチームへのメッセージ(十五人のメールに送られたものを引用→編集したもの、ちなみに順は下記)
五月→夏美→夕映→真名→刹那→アキラ→千雨→ザジ→千鶴→超→まき絵→明日菜→風香→桜子→エヴァ
907傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/09(月) 20:53:20 ID:???
・諸君はあるゲームの参加者として選ばれた。拒否権はない
・諸君は麻帆良中学3−Aのクラスを2つのチームに分けて、それぞれ集まってもらっている
・今集まっているメンバーが仲間であり、もう一方のチームが敵となってあるゲームを行ってもらう
・ゲームは既にスタートしているが、詳しい内容は諸君の準備が終わってから追って指示する
・なお、逃げようとしても無駄である。諸君の首に取り付けられている首輪は爆弾だ
・無理に取り外そうとしたり、こちらの指定したエリアから逃げ出せば首輪に爆破スイッチが自動的に入る
・スイッチが入ると5秒後に首輪が諸君の首ごと爆発する仕組みだ
・これは脅しではない。本気である証拠にチームの一人には死んでもらっている
・彼女の死は事故ではない。諸君も運と実力がなければ同じようになる可能性がある
・では、ゲームを行うための準備をしてもらう
・諸君にはゲームを行う上で必要な物品をこれから支給する
・3人ずつ分かれて、次に表示される5つの選択ボタンの一つを押せ
・最初に諸君に支給される荷物のある場所へ案内する
・なお、これから支給する荷物は選択ボタンを押して20分以内に回収できないと手に入れることは不可能になる
・忠告。たとえ仲間同士であっても油断はするな。油断すると殺される

・ゲーム参加者の諸君、ゲームのルールを説明する。
*** 今から君達には殺し合いをしてもらう ***
*** これよりバトルロワイヤルを開催する ***』
908マロン名無しさん:2008/06/09(月) 20:53:36 ID:???
>主催者→神楽坂明日菜
主催者がアスナかとおもった。
909マロン名無しさん:2008/06/09(月) 20:55:27 ID:???
しぇーん
910傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/09(月) 20:58:18 ID:???
夕映「さて、そろそろ連投規制辺りを警戒するべきではないでしょうか?そろそろ区切っておいたほうが無難かと思うです。
   急いで投下する理由もないですし。ちなみにルールについてなどの総合コメントは翌日になるです」
真名「長編作者がいて皆早く投下しろという空気ではないからな。……残念だがまったりやらせてもらうよ」
刹那「というわけで第一夜終了になりますね、次回は第二夜をお楽しみください」
夕映「ちょっと本日ネタが少なめなのは前回多くしすぎた反動+若干の自重だと思うです。多分気のせいではありません」
真名「……そうだな、もう一度読み直して色々と入れる必要があるな、注意しておこう」
夕映「と、ともかく今日はこれにて失礼させてもらうです、また明日会いましょう、皆さん」
真名「では、タイトルコール、ネギロワらじお!二十三部編、第一夜終了だ」
刹那「(……今日ちょっと私空気だったような…この二人は苦戦しそうだ……。…よし、頑張らないとな、私っ)」
           
           …第一夜はゲスト雑談+生存率で少ないのが仕様になっちゃってる…何かごめんorz
           ともかく第二夜に続きます。。

>>908
刹那「えっ?あっ……いえ、か、『から』という意味合いですよ、はい」
真名「まあそうなるな、誤解を生んで済まない」
911マロン名無しさん:2008/06/09(月) 20:59:32 ID:???
おっつー。
明日も頑張れ。
912マロン名無しさん:2008/06/09(月) 21:01:42 ID:???
傾向氏 乙です。
明日も楽しみにしてますよ。

明日は古菲が乱入してくると予想。
913マロン名無しさん:2008/06/09(月) 21:43:48 ID:???
乙です。

合計4夜くらいかな?
明日も楽しみにしてます。
914ケータイまとめ:2008/06/09(月) 22:17:11 ID:???
ごめんなさい、今までサボってごめんなさいorz
リアルが不安定になってきたのは確かですが、それにかこつけて更新停滞させたのは自分の怠慢です本当にごめんなさい

なんつーか、こんな調子が続くようならもっとやる気のある人に任せたほうがこのスレのためじゃないのかと思ってきた
とりあえず、前スレ分は更新しました。こっちもすぐにとりかかります。本当にすいませんでしたorz
915マロン名無しさん:2008/06/09(月) 22:35:14 ID:???
ケータイ氏乙です。

リアルのほうが大事だから、無理はしなくてもよいと思うよ。
去年に比べたらスレ的にも充実しているので、ぼちぼちで頑張ってください。
916マロン名無しさん:2008/06/09(月) 23:00:52 ID:???
やっぱり傾向分析は面白いな
MANA好きだ
917MANAへ:2008/06/10(火) 01:02:52 ID:???
古がやってきたら容赦なくやっちゃってくれ。
みんなそれを望んでいる。
918マロン名無しさん:2008/06/10(火) 02:34:25 ID:???
お前らMANAがどうのこうのってうるせーよ、もっとやれ
その隙に刹那もらってくから
919マロン名無しさん:2008/06/10(火) 08:33:49 ID:???
>>917 無論、オムロン
920傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/10(火) 21:47:38 ID:???
さて、いい…のかな?そろそろ本日の投k…
えっ?はい、すいません、放送を開始させていただきますね。
921傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/10(火) 21:48:16 ID:???
―――お便りコーナー―――

真名「やぁ、こんばんは。第二夜、メインパーソナリティのMANAだ」
刹那「今日のお便りの部分は多少ながら意図的に省かせてもらいます。とある理由がありまして」
真名「本編を見れば話が早いという事だ。あえて言うなら無論オムロンとだけ言っておこう。とりあえず携帯氏、乙だ。
   ……あ、そういえば、刹那、本編の都合上省くのは構わないがここは省いていいのか?」
刹那「えっ?何がだ?」
真名「……>>918だ」
刹那「……へっ?貰っていく?私は物じゃないぞ?龍宮?」
真名「……意味に気づかないか。簡単に近衛で説明をすると、刹那が近衛を夜遅くに自分の部屋につれて帰る。
   そしてちょめちょめ……それが貰っていく、貰われるだ。今はお前が貰われる番だ」
刹那「えっ?……えっ?///」
真名「……若干貰われるという表現に慣れていない。 せつなはこんらんしてしまった ▽
   ……になっているな。なんでもなおしは現在持ち合わせていないな……」
刹那「へ、変な事を言わないで下さいって、こ、困りますよ///」
真名「まぁ、いい、本編に入らせてもらうよ」
922傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/10(火) 21:48:49 ID:???
―――本編―――

真名「真名と」
刹那「刹那のっ!」
真名、刹那『ネギロワらじお!第二十部編!』
刹那「第二夜です」
真名「…というわけで改めてこんばんは、メインパーソナリティのMANAだ」
刹那「はい、こんばんはっ。パーソナリティの刹那ですっ」
夕映「というわけでこんばんはです。一応ながらゲストの綾瀬夕映です。さて、今回はルール説明の続きでしたか?」
真名「そうなるな、さて、続きに入らせてもらうぞ」
夕映「それでは、今回は思い出すためにチームメンバーを紹介するです」
真名「敢えて属性を入れてみたぞ。脱出思考の者は脱出、生存者は生存、人を殺った奴は参戦、だ。見せしめは…言わずともわかるよな?」
刹那「エヴァンジェリンさんは寝ている間にサクッとやられもはや軽くスルーをされているハカセさん、相変わらずですね」
真名「ふん、最近は闇の福音はよく殺されてしまうな。不死の魔法使いの名が普通に泣いているぞ?」
刹那「『ハア、ハア……、危ない、ところ……だったな。さすが、闇の福音……という事か……』
   とか息を切らせていたのに調子のいいものだな、龍宮」
夕映「あれ?これデジャヴですか?」
真名「……デジャヴではない。本当の事だ。……刹那、貴様いい度胸をしているな、まだ引っ張る気かい?(ジャキッ……)」
刹那「いやいや、そんなつもりはないんだぞ、というかいいだろ?同じ作者さんの作品なんだし」
夕映「同じ作者さんの作品だったらまだ比較が出来ますからね。それもまたよしです」
真名「ま、まあとりあえず発表だ……」

今回はBチームのメンバーから先に発表(メインメンバーがこちらに多かったため)
923傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/10(火) 21:49:28 ID:???
チーム構成 Bチーム

・出席番号四番  綾瀬夕映【脱出】【生存】
・出席番号六番  大河内アキラ【脱出】
・出席番号八番  神楽坂明日菜【脱出】【生存】
・出席番号十五番 桜咲刹那
・出席番号十六番 佐々木まき絵
・出席番号十七番 椎名桜子
・出席番号十八番 龍宮真名【参戦】
・出席番号十九番 超鈴音【参戦】【犯人】
・出席番号二十一番 那波千鶴【脱出】【回答失敗】
・出席番号二十二番 鳴滝風香
・出席番号二十五番 長谷川千雨【脱出】
・出席番号二十六番 エヴァ【見せしめ】
・出席番号二十八番 村上夏美
・出席番号三十番 四葉五月
・出席番号三十一分 ザジ【参戦】
924傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/10(火) 21:49:47 ID:???
Aチーム

・出席番号二番 明石裕奈
・出席番号三番 朝倉和美【脱出】【回答失敗】
・出席番号五番 和泉亜子
・出席番号七番 柿崎美砂
・出席番号九番 春日美空【参戦】
・出席番号十番 絡操茶々丸【参戦】
・出席番号十一番 釘宮円
・出席番号十二番 古菲
・出席番号十三番 近衛木乃香
・出席番号十四番 早乙女ハルナ【参戦】
・出席番号二十番 長瀬楓
・出席番号二十三番 鳴滝史伽
・出席番号二十四番 葉加瀬聡美【見せしめ】
・出席番号二十七番 宮崎のどか
・出席番号二十九番 雪広あやか
925傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/10(火) 21:50:55 ID:???
三人一組に分けられた場合のメンバー(B)
(イ)大河内アキラ、佐々木まき絵、龍宮真名
(ロ)那波千鶴、長谷川千雨、村上夏美
(ハ)綾瀬夕映、神楽坂明日菜、桜崎刹那
(ニ)椎名桜子、鳴滝風香、ザジ・レイニーデイ
(ホ)超鈴音、四葉五月

(A)
(イ)春日美空、鳴滝史伽、雪広あやか
(ロ)柿崎美砂、絡繰茶々丸、釘宮円
(ハ)近衛木乃香、早乙女ハルナ、宮崎のどか
(二)明石裕奈、和泉亜子、古菲
(ホ)朝倉和美、長瀬楓
926傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/10(火) 21:51:15 ID:???
夕映「超さんの場合は序盤の序盤から犯人と言う把握がされていましたのであえて入れておいたです」
刹那「一応終盤に出てきた事実はあえて隠しております。まぁ、八割がた把握しているでしょうが」
真名「ケケケケケケケ…が出てきたな」
刹那「お、お前が言うと酷く恐ろしく聞こえるが……。ただ、その人が出てきたのは事実です。
   まぁ確信に触れる部分ですし、触れても文脈を増やせるとは思えないので会えてスルーさせていただきます」
真名「しかし、他にもわかる事は色々とあったな」
刹那「ここから…と、整理して分かるルールはこれになります」

・A、B両チームで強制的に集合されている(Aは北半分、Bは南半分)
・爆発仕様の首輪は当然あり、指定エリアから逃げ出す場合という事は禁止エリアが存在している
・ゲーム前の武器配給はチームメンバー分断のため、十五人→三人…とじょじょに減らし最終的に一人にする。配給終了と確認でき次第開始のメールを送る
・全員に配給された携帯電話は受信専用のものであり、お互いの携帯同士でのメール伝達、外部への救援は出来ない。
・携帯電話を模しているが携帯電話とは言えないほどのスペック(千雨談)。無駄に一週間も電池はもつらしい(超談)
・時計などの機能は搭載、私物などは全て没収されているため仕込みは不可能
・デイパックの配給は三人のグループで行われ、配給武器は一人。どちらも箱の中に入っており、開封にはその数分の携帯電話が必須
・デイパックの中身はマップ、コンパス、クラス名簿、鉛筆と紙、懐中電灯、食料(約1日半分)、水(2リットル)。
927傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/10(火) 21:52:11 ID:???
↓は引用。。
○AチームとBチームに分かれて殺し合いのゲームをしてもらう。片方のチームが全員死亡した場合、もう一方のチームの生存者はゲームから開放される。
○片方のチームが全滅し敗北が決定した時点で勝利チームの者の首輪が自動的に外れる。
○制限時間は2日後の12時まで。制限時間までに両チームに生存者がいた場合。全員の首輪の起爆スイッチが入り、両チーム引き分けでゲームオーバーになる。
○6時間ごとに定時連絡を入れる。その時に死亡者の発表を行う。
また、島の外周の海は全て立ち入り禁止エリアである。さらに一定時間ごとにマップに記載されたエリアごとに禁止エリアを設けていく。
禁止エリアに立ち入った者は首輪を爆破する。なお、禁止エリアは定時連絡のときに通知する
○今回のゲームの参加者の中には特別な任務を与えられた者がいる。各チームが集合したときに一人の生徒が殺害されている。
それは特別な任務が与えられた者の仕業である。その者には先程のゲームのルールに関係なく、その者以外のゲーム参加者を敵味方関係なく皆殺しにするという役割が与えられている。
○特別ルールはその特別な任務が与えれれた者(犯人)を見事当てた者がいるチームは自動的に勝利とする。
勝ったチームは正解と同時に首輪が自動的に外れてゲームから開放される。
負けたチームは罰として勝利チームの首輪が外れたのと同時に首輪の起爆スイッチが入り全員死亡してもらう。
○犯人当ては生存者のみ一人一回だけ回答が可能。最初から各自に与えられている連絡機器で犯人の回答をすることができる。
なお、犯人当てがハズレた場合、誤回答をした者は首輪の起爆スイッチが入って死亡してもらう
928傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/10(火) 21:52:44 ID:???
真名「ちなみにチーム紹介を読んだ私の最初の推理はAチームは大抵死ぬな、だったな」
刹那「Bチームがオールスターだったような気がしないでもなかったな」
夕映「そこはツッコミの入れどころじゃないです。強さも均等に分断、及び仲の良い人間は上手く分けていたためいい判断かと。
   むしろBでもあ、いなくなるなと感じる人間は結構いたですよ、勿論マーダーは龍宮さんと超さんだなとそこしか見ていませんでしたが」
刹那「いえ、そこは問題ではありません、活躍具合によってのようなものです。
   どうみても活躍、マーダー、ズガンと綺麗に分かれていたような気がしましたが。というか古など力の欠片もないでしょう?戦力的には茶々丸さんや楓くらいしかいない」
夕映「……(何だかんだ言ってズガンといってクラスメイトを切り捨てる刹那さん……恐ろしいです。というか本当に扱いが酷いです…)」
真名「まあ兎にも角にもあれだ、結論は古は弱い、と……」

ガタァァァン!!
929傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/10(火) 21:53:12 ID:???
真名「何っ!?」
古「失礼な事言うなアル!!舞踏会では真名にしっかり勝ったアルよ!」
刹那「武道会、な……踊る気かお前は」
古「あ、あや〜、しくじったアルよ」
夕映「………しくじったのはあなたの登場だと思うです」
古「……へっ?」
刹那「しかし来るなと言ったろう、古……(ゴゴゴゴゴゴ……!!)」
真名「邪魔だぞ、チャイナ、万事屋に帰れ、地味眼鏡に毒舌でも吐いておけ(ゴゴゴゴゴゴゴ……!!)」
古「ひっ!?怖いアル、無茶苦茶怖いアルっ!?てかそのチャイナ娘別人アル〜っ!!」
真名「……さて…(ジャキッ……)」
刹那「…おお、珍しく気が合うな、龍宮……(シャキン…)」
古「え、えぇっ?どどど、どうすれb……」
夕映「……逃げる覚悟と死ぬ覚悟をする事です(ボソッ)」
刹那、真名『古……(ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!)』
古「こここ、声がシンクロしてるアルっ…レベルの合計がちょうどいいアル…(ガタガタ)」
夕映「音声を流さないようにするです(ボソッ)」
千雨「勿論だ(コクッ)」

刹那、真名『……お休み』
古「ひぃっ!!?」
930傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/10(火) 21:53:34 ID:???
―――数十分後―――

古「離せ〜!!離せアル〜ぅっ!!(ジタバタッ!!)」
真名「まだ『生きてた』か」
刹那「そろそろ頚動脈辺りに一撃を叩き込むか?生存能力がゴキブリ並だぞ?」
夕映「ふ、二人共目が据わってるです……(ガタガタ)」
千雨「ちょ、やめろお前らっ!頚動脈はまずいっ!流石にまずいっ!(ガシッ)」
刹那「わっ……は、離してくださいよぉ、長谷川さんっ…///」
真名「ふん、私は後ろから抱き締められた程度でへらへらして力を抜くバカ刹那とは違うぞ。私は止められん」
刹那「へ、へらへらなんかしてないっ!///」
真名「ふん、まぁ私が古を…『消す』か(ジャキッ……)
古「や、やめるアルぅ……助けてアル、誰か助けてアルぅ……(グスン……)」
夕映「……龍宮さんは止められないですよ、多分……楓さんを呼ばないt」
千雨「おい、私を舐めるなよ?……おい龍宮」
真名「…あぁ?何だ?私に盾突く気か?(ゴゴゴゴゴゴ……!!)」
夕映「ちちち、千雨さんっ……(死にます、死にますって……!!というかどこかのヤクザ並の対応ですかそれっ!?)」

千雨「……ここで暴れてラジオを破壊する気か?龍宮」
真名「………………(ゴゴゴゴゴゴ……)」
夕映「こんなので収まるはずが…」
千雨「……黙ってみてな」
刹那「……決まったな」
真名「…………(ピタッ)」
夕映「な、何故……」
千雨「ふん、推理で大活躍したお前もたかが知れているな、他者の弱点をつく事、それが取引などにおける必須条件だ」
真名「……ちっ、早急に帰れ、古。後三秒貴様の顔を見ていたら引き金を引いてしまいそうだ」
古「うぅ……ま、真名のバカ〜!!(ダッ!!)」
931傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/10(火) 22:00:31 ID:???
バタン!!

刹那「ようやく大嵐というか台風がいなくなった…か。すぐに楓に連絡を入れておく」
千雨「よく抑えた、龍宮。後で餡蜜でも奢るよ」
真名「……ふん、わかったよ」
夕映「(……ひょっとして、千雨さん、相当私なんかよりも番組を纏めるのに向いている気が……)」
真名「…これ以上【あれ】を話していても仕方がない。チームについての話だったな。
   まあ分断をすると人間関係的に誰が接触するかとかの目的は八割は把握は出来るからな。
   明石は大河内、和泉、佐々木に会いたい、みたいな感じだ。まぁここの目的を定めるには当然の流れだろう。運動部全員固めたら何が目的?と明確な行動目的が失われてしまうからな」
夕映「しかし実際お決まりで会わせはしませんがね。茶々丸さんの見事な一撃でした」
真名「あのグロさは見事に『死んじゃえ……』という感じで頚動脈に見事なゴールを決めこんだ経験のあるヤンデレ刹那でも想定外だったろ?」
刹那「ヤンデレ言うなっ!///
   しかしまぁ、あのシーンはグロかったな」
真名「ああ、そこに触れるか。腕が吹っ飛んだりそこまで作者20氏は明石の事は好ましくないようだな、うん」
夕映「最近はあまり見なかったグロシーンですね。あまり需要がなければ廃れていくのは当然の流れでしょう、苦手な方もいるはずですし」
刹那「しかし他にも思ったことがあるんですよ、何だかんだいって椎名さんと長谷川さんは仲いいですよね」
千雨「な、何を言い出しているんだ、てめーは」
真名「誰とも絡めるからな。むしろベタベタくっついてくるキャラ相手にはお似合いかもしれんぞ?」
夕映「そういえばとあるスレッドでは桜子さんと千雨さんだったです。ザジさん以外にもいけるんですね、千雨さんは」
千雨「……綾瀬、お前だけはこっち側(ツッコミ側)だと思ってたよ…もぅ、知らねー……(プイ)」
真名「前は朝倉にべたつかれていたしな。懐かれるんだな、頑張れよ、百合磁石」
千雨「なっ!?///
   おいっ、今てめーなんつったっ!?むしろ桜咲や和泉の方が候補的に上だろうがっ!おいっ!?///」
刹那「さて、次に進めましょうか…(いそいそ)」
夕映「そうですね……」
千雨「(ああ、どっかでストレスをぶつけてー……)」
932マロン名無しさん:2008/06/10(火) 22:10:59 ID:???
C
933マロン名無しさん:2008/06/10(火) 22:11:43 ID:???
私怨
934マロン名無しさん:2008/06/10(火) 22:14:49 ID:???
>924
のどか所に【】欄がないよ?
935傾向作者 ◆8a2JhJfgms :2008/06/10(火) 22:15:04 ID:???
容量限界って500……?
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1213103418/
相変わらずマロン、まさか私が立てるとは…えと、余計な事したなら死んできます。
……とりあえずあちらで続きを……す、すいません……
936法医N作者 ◆aQ4c0JlaGQ :2008/06/10(火) 22:35:00 ID:???
落ちる前に書いときます。

>>935
乙です

>>891
そうでしたか。
夕映の小ささならいけると思ったのですが、
そう言うの詳しいと言う程ではなかったもので
937マロン名無しさん:2008/06/10(火) 22:39:59 ID:???
はいはい
938法医N作者 ◆aQ4c0JlaGQ :2008/06/10(火) 22:53:33 ID:???
>>936続き
勉強になりますありがとうございました。

中途半端なレスになってすいません何やってんだ俺orz
939マロン名無しさん:2008/06/10(火) 23:02:40 ID:???
>>938(だったか)
この前はおっつー。
940マロン名無しさん:2008/06/10(火) 23:06:06 ID:???
>>938
作品はどんどん書いていけばある程度感覚がつかめると思うよ。
また投下してな。

あとどのくらいで終わるかな?
彗星で終われるかな?
941マロン名無しさん:2008/06/10(火) 23:50:00 ID:???
今週のネギま読んで千雨のセリフで21部思い出したのは俺だけじゃないはず
942マロン名無しさん:2008/06/11(水) 00:01:53 ID:???
>>941
まだ発売してないぞ
まぁもう0時解禁だから良いか
俺も今日早売り読んでて21部の千雨思い出したw


ところで840氏はとぷ絵の投下もないしいないのかな?
そろそろ次スレの季節なんだが新AAはなし?
943942:2008/06/11(水) 00:19:19 ID:???
あ、スレ立ってたのね
数レス前しか読まずにレスしたから気付かなかった
944ケータイまとめ:2008/06/11(水) 00:59:13 ID:???
23部をやっとこさ保管。明日にはきっと傾向分析も。明後日は・・・orz
945マロン名無しさん:2008/06/11(水) 13:18:02 ID:???
あうー
946マロン名無しさん:2008/06/11(水) 15:08:10 ID:???
>941
今読んだが確かにこれは21部知ってる人は思い出すなw
947マロン名無しさん:2008/06/11(水) 15:21:47 ID:???
>>943
乙。

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948マロン名無しさん
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, .     rュ三(´_r'- ´ ̄ ̄ 「`ヾ─┬‐-、_  `,  _)、
i  ヽ   _, .´ ¬、  }  , -‐ ´ ̄  ̄`i    ヽ  ∨  ヽュ、
|   ト、‐'´    _>' ´ ̄ ̄ ̄ ̄` `ー !∠二く  ∧‐く¬‐;   マタ俺ノ出番ハ‥‥ネーノカヨ!?
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