このスレは、『魔法先生ネギま!』キャラを用いたバトロワスレです。
<特徴>
他の多くのバトロワスレはリレー小説の形式を取っていますが、このスレでは異なります。
単独の作者による、長編SSスレとなっています。
現在、第18部まで完了。現在19部連載中。次は20部となります。各長編SSはそれぞれ独立したお話となっています。
たまに、既に完結したお話のサイドストーリー、アナザーストーリーなどの短編が書かれることもあります。
<作者志望の方へ>
このスレでは、原則オープニングからエンディングまで全て書き終えた者が連載を開始できます。
見切り発車厳禁。頑張って書き上げましょう。
完成したら宣言の上、皆の了承を得て投下を開始して下さい。
<注意事項>
作品に対して内容にケチをつけたり、一方的な批判をするのはやめましょう。
こういう人が居ても、他の人は荒らしとみなしてスルーしましょう。
作者の都合もありますので、早くしろなどの催促はできるだけしないように。
次スレは原則
>>950 を踏んだの人が立てること。
容量オーバーになりそうなときは、気づいた人が宣言して立てましょう。
基本的にsage進行。
過去スレ等は
>>2-5 くらい
____ ______ _______ |書き込む| 名前: | | E-mail(省略可): |sage |  ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ∩ , ─|l| ,/ノ ! ,'´  ̄ ヾ ! | .||_|_|_|_〉 ! トd*゜ -゜|| ここにsageって入力するんだ ノノ⊂ハハつ 基本的にsage進行… ((, c(ヾyイ なんで私だけバニー… しソ
/´ , <´ , -─ ヽ /// / /丶_ ,r‐ 、 ヽ /// / / / ! 、 , ィ ' / ,/ / / / ,/ /! '、 , ´// / / , 、 / //、 /' // | i、 , < // ,/ / /rュy! / '′\, ‐' ! // i | ! l  ̄``ヽ <,∠ / / i f' / / _, -'´ヽ | // / l│ i l \ `Y´> 7¬! r7 レ'r==-、 ヘ l // / / ! | │ ヽ ! i / /! / / ,r'ひミ,!i l l /,イ /! / / ! │ ! ! l / / 7 i |U ゞソ ゝl //l /│ / / | │ i | レ' | | { ‖ ! ///〃 ,/ / l l ト|、 l | | / | | | ∨! l _,// ,≧=、‐- 」 | !.! |リ [ I N T E R M I S S I O N ] | | ! .| | | i | | /〃ヾツ'ノ|イ i ! ! j│′ | / / l | ,へ | i |、 - 、 ' ′ /!//│ | | ∧| XXIX Yukihiro Ayaka (chairperson) |! / i ヽレ' ソ ヽ| |__`=‐ _, ィ´i |/ l l l / |! / / l| l\ ロ| l |/  ̄ ̄ ̄ ̄ i/ ! | ! │/━リ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ レ' l ! │ \.l l | / ! | | |i / Welcome to Negima Battle Royale. | / ! 、 l /! ! | ! / i | | ||i/ i "When They Cry...?" | / | i ∨ |│| | // |ト ! | |ト! ! | / ! ヽ/ ,ノ'‖l |/ / ∨ i| || │
完了
乙です/^o^\
検索したらいつの間にか新スレ立ててたんだな。流れ早ぇww ともかく乙です。三周年記念日も近かったしちょうどいいかと。
__ __ ____ _ _ __ __ _ |∨\ |∨| |┌─<| / <\ |∨| |\∨/| / ∧ |│[\|│| |├<| |│|┌‐┐ |│| |│∨│| /∧ ∧ |∧| \∧| |└─<| \ </ |∧| |│∨│| /┌┐∧  ̄  ̄  ̄ ̄ ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ ネ ギ マ ・ ロ ワ イ ヤ ル ___ _ _ __ _ __ ____ |┌、∧ /─\ ∨∨ // / ∧ |∨| |┌─<| |├┘/ |│|_|│| ∨∨/ /∧ ∧ |│|__ |├<| |∧ 、\ \─/ │|│ /┌┐∧ |/─<| |└─<|  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ 間に合うかと思ったら少し遅れた… ちょっと早いけど3周年記念にAA 良かったら次スレからバニーアキラのAAの上にでもおいて下さいな。
>>9 すげぇwwGJwww
ところで
>>3 の1番上のURL何よ?
AA職人さんも乙です
気のせいか、昨日辺りから絵師の投下がぱったり減っちゃったような・・・ 絵の描けない俺は投下を楽しみにしている。
13 :
別館まとめ :2008/02/07(木) 23:24:57 ID:???
14 :
別館まとめ :2008/02/07(木) 23:45:08 ID:???
よく見たら
>>9 にAAのロゴが・・・。
別館のお約束のコーナーのテンプレに加えましょうか?
そうすれば、次スレからテンプレになるかもしれないし・・・。
>>10 >>3 の一番上のURLは別館の『ネギロワのお約束☆』にある
テンプレ例がそのまま載っていますw
>>13 うん。PCからあげる時はそっちでいいんじゃないかな? GJです
携帯からうpする時は携帯まとめ氏の方で、と使い分ければいいと思うよ
16 :
AAの人 :2008/02/08(金) 00:14:18 ID:???
ロダ作成&前スレ終了乙! 自分も1000に水性貼ろうとしたんだけど先を越されたぜ/^o^\ 今日がネギロワの3周年記念日だっけ? 記念絵うpするって言ってた人結構いたから楽しみにしてるよ
彗星はいつみてもわらうw
>>19 いきなりGJ
俺は今日の18:59:38ちょうど3周年をgetするぜ
>>20 超じゃなくて夕映じゃねーか!
なんつって^^
もう三年になるのか……長かったな
良い形で3周年迎えたな。 はたしてS氏と飴玉氏は来るのか…wktk
えっと、確か今投下3人待ちだっけ? 作者20氏はトリ付けてたけど、21、22氏はトリ付けてんのかな?
いやはや、ちょいちょいROMってたけどこの頃の流れは素晴らしいな。安心して見てられる
そういや、18スレで楓のネ申絵貼ってくれた人は誰なんだっけ?
マッチさん
S
ちょうどをゲットしたいが秒単位は無理だしまあいいか とりあえずネギロワ三周年おめでとう
あっ、18時59分38秒に書き込むの忘れてた…
35 :
マロン名無しさん :2008/02/08(金) 19:20:14 ID:t6SSjwa/
今日の別館の更新楽しみ。 はたしてあの巨大AAは…
なんか皆すげーwwww
[ ネギロワ祝3周年! ] |∧__∧| (( ´∀` )) ( ) (__∧__)
お前らGJ
みんなGJすぐるwww
祝、三周年、この時間で こんなに絵があって相変わらずすげー これからも作者、絵氏、まとめ氏、歴代の書き手の皆さん スレの住民にネギロワを期待したい。 (そういえば、歴代の書き手の皆さんは まだ、このスレにいるのかな)
みんなGJで目から鱗
今、うちの前を石焼き芋屋がスピーカー大音量で爆走中!!みんな気をつけろ!!
三周年記念ということで勝手ながら出てくることをお許しください。 作者19さんのハイレベルな内容とこれから現れる作家さんたちに触発してもう1作作るかもしれません。 まだ断定ですがそれまでは短編などで参加させていただきます。 なによりもネギロワスレ三週年おめでとうございます。
投稿始めます。 これから一話投稿し終えたら移動することにします。
七十一、 <<事態の重さを知る術も無く>> 人は幸せだから笑っているのではなく、 笑っているから幸せが手に入っているのだ。 例えば常に笑みを絶やさない彼女、椎名桜子は"麻帆良のラッキー仮面"と いわれる程の幸運の持ち主でトトカルチョでも食券長者になっており、 修学旅行での"ラブラブキッス大作戦"での予言的中など、 今まで数え切れないくらいの奇跡を巻き起こしてきた。 椎名桜子という少女は、"奇跡の女神"と言っても過言ではない。 ──今回もそうだ。 「本当にこっちにネギくんたちが居るの?」 細長く天井の低いトンネルのような道を列になって 四つん這いになって進むのは超、明日菜、美砂、桜子の四人。 何故こうなったかというと、 "ネギくんに逢いたい" そう強く願った桜子が気紛れで中等部付近をうろうろと彷徨っていると、 ネギの居場所を知っているという人物、超に出逢うことができた。 顔を合わせた瞬間に超がひどく驚いた表情をしていたのは、 どうやら超は明日菜を捜そうとしていたところだからだったらしい。 こうやってまた桜子は知らず知らずの内に幸運属性を発揮していた。
────と、いうわけで一行は世界樹の地下にあるらしい牢へと向かっているわけだ。 図書館島にて繰り出される罠たちも、飛んできた矢が当たる直前に どういうわけか転んだり一歩手前で落とし穴が開いたりと回避してこれた。 だからここに居る誰一人として怪我は負っていない。 「安心するネ。もう少ししたら出口ヨ。」 先頭を進む超が後ろを振り返って桜子に言う。 薄暗い地面を青いライトで照らしながら再び奥へと向かって進んだ。 「でも超さん、何でこっちにネギが居るってわかったの?」 「そうそう、私も気になってたのよねぇ。」 「フフ、企業秘密ネ。」 「え〜、ずるい!」 「まぁまぁ落ち着くネ。」 そんな遣り取りを一通り終えた後で超が前方からの光を感じて瞼を半分閉じた。 「出口ネ。」 「やったー!」 余程窮屈だったのだろう、出口という言葉を聞いた瞬間に活気ある声を上げる美砂。 桜子の笑顔もいつも以上に眩しいものとなっており、 明日菜はやっとかと疲れたようにため息をついた。 「…ほら、あの扉の向こうヨ。」 超が一歩膝で歩くとトンネルは終わり、数歩先には大きな鉄の扉が出現した。 指を指すそれが妙に輝いて見えるのはきっとネギたちが その奥で待ってくれているということを知っているからだろう。 今までネギには沢山の素晴らしいことを教えてもらったし、 素敵なものをもらってきた。だから今度は私たちが助けてあげる番だ、 と胸を高鳴らせて四人は一斉に扉へと駆け寄る。 「あっちょっと待って。大丈夫なの?無闇にドア開いて、罠だったりとか無いの?」 「大丈夫ヨ。我々の姿は監視カメラにも映ていないし、罠も全て解除されているヨ。」 にこやかに発言されたその言葉は、明日菜たち側からすれば何の根拠も無く思えた。
そもそも何故仲間だというのにネギたちの居場所を知っている理由を教えてくれないのか。 もしかすると、実は超は向こう側の人間で罠に嵌めようとしているのかもしれない。 しかしその場合、何故明日菜を一人探そうとしていたのだろう。 疑念は生まれるばかりだが、一刻も早くネギに逢いたい。 だからそれ以上は何も言わず、超の行動を見守ることにした。 「覚悟は良いカ?」 ノブに手を掛けたところで超が一度振り返って確認する。 それでも監視カメラも反応しないし、 センサーなども起動しないため本当に罠が仕掛けられていないことはわかった。 三人は互いに顔を見合わせて、唾を飲み込みながら一斉に頷く。 … 「オイ、新人を除いてお前らは全員地下牢へ急げ!他はここで待機!」 親玉とも言えよう、ここに集う兵士の中ではずば抜けて体格の良い男が指揮をとっている。 昨晩から睡眠をとることなくずっとパソコンの前に座っていた新人の兵士は 背中から吹き出す冷や汗に更に焦燥感に駆られつつもキーボードを叩く。 残った新人の兵士はモニターの前に集まり、一応戦闘の準備をしておく。 一人は入り口で見張り番を務めているが、 騒動により集中力は削がれていて役を果たせそうにはいない。 「……お前が昨日からずっとそこに居たんだろ。」 「何でこういうことになってんだよ。」 「人質とって新田様に褒められたからって良い気になりやがって。」 非難を浴びる小柄で軟弱そうな兵士一人を集団で責める同僚たち。 けれどその誹謗は耳に届いているのかいないのか、 当の本人はただキーボードを打ち、パソコンとの対決を行っていた。
「……それにしても、カメラ自体の故障というのは考え辛いんですが。」 開いた幕の向こう、ステージの上で慌しくなる兵士たちの様子を見て新田は呟く。 高性能の監視カメラは、依頼者が高い金額を積んで用意したものである。 その何台もあるカメラ殆どがほぼ同じタイミングで正常に作動しなくなるなんて不自然だ。 「もしかすると本当に"万が一"の出来事が起こってしまっているのかもしれませんね。」 「新田先生、私は別に構わないんですよ?先生がたの…特に娘のよく言うネギ先生とやらの活躍も見てみたい。 それに人質が居るのなら、何の問題も無い。私はどんなものであってもただ結果が出せれば良いのですから。」 【柿崎美砂/赤】 [状態]健康 [武器]? [思考] 1/決意 【神楽坂明日菜/青】 [状態]健康 [武器]無し [思考] 1/ネギたちの代わりに、私が皆を護る。 2/信頼できる仲間(あやか、刹那、木乃香など)との合流。 【椎名桜子/赤】 [状態]健康 [武器]? [思考] 1/決意
【超鈴音/青】 [状態]健康 [武器]デザートイーグル [思考] 1/ゲームから脱出する。 2/首輪解除…失敗ネ。 3/?
53 :
代理 :2008/02/08(金) 21:36:36 ID:???
七十ニ、 <<それぞれが光を取り戻すために>> モニターが映し出す画面は依然として砂嵐のみ。 もう大事なクラスメートを見守ることすら叶わなくなった教師たち。 泣きじゃくっていたネギの涙もとうに枯れ果てており、 膝の間に顔を埋めて床を見つめたまま、動こうとしなかった。 他の教員も世界の終わりでも見たかのような面で 求めている映像を流そうとしないモニターを眺めていた。 誰一人として口を動かそうとはしない。 皆がポカンと口を開いたまま視線を一点に集中させている。 空腹も限界を通り越して腹痛に変わっており、 ここに居る人間…いや、空間自体から生気の欠片も存在しなくなっていた。 そんな中、重たい雰囲気のみを打ち消したのは扉が軋んだ音と差し込んだ光。 ギィ…。 「………?」 兵士でも来たのだろうかと皆が生気の輝きが失われた虚ろな瞳をそちらに向ける。 「ちょっと押さないで、私が先に入るの!」 「アンタこそ割り込んでこないでよね、私が一番よ。」 「止めなさいよアンタたち。もしもこの声に気付いて兵士が来たらどうすんの!?」 「明日菜サンの声も充分大きいヨ。」 僅かな隙間から滑り込んでくる二人分の手と四人分の声。 そのどれもが自分たちのよく知っているものであり、待っていたものでもあった。 「あ…ぁぁあ……。」
54 :
代理 :2008/02/08(金) 21:37:09 ID:???
顔を上げたネギの口から声が漏れる。目を幾度か瞬いて、 長時間与えられなかった光の眩しさにこれが夢でないことを実感した。 一日中黙り込んでいた弊害か、まともに声が出ない。 「ネギ……!」 扉の向こうが落ち着いた後で、明日菜が一番に中を覗いた。 驚きを表情に固めたままのネギと視線がかち合うと、ネギは口をぱくぱくとさせている。 目の下には濃いくまができていて、今のネギには愛らしさなど一寸も無い。 他の皆もそうだ。疲れ果てているように身体をだらけさせ、こちらを見ている。 「ネギくん!他の先生も……!」 美砂、桜子、超の順で地下牢へと踏み入ってきた。 瞬間、教員全員の視線が突き刺さるように四人に向けられる。 そしてまず一番に目があったネギの瞳が歪み唇を震わせるのに続いて男女関係無く皆が涙を流し始める。 「…さい。……ごめんなさい……。」 「すまない…本当に……すまなかった…。」 それが合図だったかのように一人一人が四人に謝罪の言葉を延々と並べていく。 まるで何かの宗教の狂信者のように、ひたすら頭を下げて唱えた。 きっと四人が自分たちを責めているのだと勘違いしているのだろう。 「ごめんなさい……、何も出来なくて………ごめんなさい…。」 次々と皆が膝をつき額を床につけていく。 その光景は何かを拝んでいるかのようにも見えた。 状態に四人は困惑する。 特にいつも一生懸命な彼は、何を想っていただろうか。 築き上げてきたものの崩壊に、何を感じていただろうか。 "僕のせいで"、"僕が弱いから"、"皆さんを護れなかった" 自分を責めていたのではないだろうか。 自分を傷つけていたのではないだろうか。
55 :
代理 :2008/02/08(金) 21:37:28 ID:???
「違うよ…、違うよネギ。それに、皆も……。」 これ以上、我慢できなくなった明日菜が思わずネギたちのその考えを否定する。 そして生後数ヶ月を経てようやく立つことができた 赤ん坊のような頼りない歩調で、よたよたと透明の柵、 魔法でつくられた結界を通り越して、ネギの冷えた身体を抱きしめた。 「馬鹿ね。私たちは、恨んでなんかない。ずっと、アンタに…皆に逢いたかったよ。 悪くない。悪いのはアンタじゃない、皆じゃないの。だから謝る必要なんて、ないよ。」 肩越しに明日菜が涙声で言うと、ネギの頭に手のひらを被せ顔を合わせた。 いつものように、ニッと笑って首を傾けてやる。その拍子に一粒涙が落ちた。 「……そうよ。それに、何もできなかったっていうにはまだ早いわよ。」 「うんうん!諦めちゃ駄目、泣いてちゃ駄目だよ!頑張れ!」 桜子が応援ポーズを取ると、アンタもでしょと美砂が頭をどついた。 「その通りネ。今感傷に浸っている場合ではナイ、それは皆サン理解していることではないカ? だったら今すぐ立ち上がるネ。やらなければならないことは残ているヨ。」 「アスナさん…柿崎さん桜子さん……超さん…!」 心なしか、空間全体に少し明るみが差したような気がする。 四人の言葉が教員たちの後ろ向きな念を払拭したのだ。 皆が流す悲しみの涙が、決意の涙へと変わる。 「では皆の解放を実行しようカ。」 … あやかは結局持ち主に返すことのできなかった銃を見つめながら、中等部区域を彷徨っていた。 唯一の救いはまだまき絵の名前が呼ばれていないことだ。 そしてライバルである明日菜もまだ無事だということを知れた。 前向きに考えた後で虚ろな瞳に強い光を灯して、 凛々しさと気品を兼ね備えた表情を刻み付けたあやかは夕映の形見を握り締める。 (私は……まだ、戦わなければならない。委員長として。)
56 :
代理 :2008/02/08(金) 21:37:49 ID:???
一度決めたことは絶対に曲げない、一度誓ったことは絶対に破らない。 例えどれほどまで追いつめられた状況であっても、それを理由に挫折してはならない。 これは委員長であるあやかの意地、せめてもの本部への抵抗。 (……!) 隣に位置する体育館、つまりは敵の本拠地。 そこから、あやかの前方に見える体育館前広場を横切る兵士たちを発見する。 禁忌を犯してはいないのだから何をされるわけでもないはずだが、 念のためにあやかは体育館裏へと身を潜めて、兵士たちが出てこなくなるのを見届けた。 (…何かが起きているのかしら……?) 「―――!!」 「―、――――。」 背後にある窓から漏れる、というよりは溢れ出す声からも、 兵士たちの様子を察することができた。知らないところで異常事態が発生している。 そう考えるべきだ。 そしてあんな人数が本部から抜けていったということは今新田はほぼ丸腰状態とはいえないか? 例え銃を所持していたとしてもこちらとて条件は同じ。 合気柔術もプラスすると、あやかの方が有利だと思って間違いない。 汚いやり方ではあるが、新田を人質に取って兵士たちの動きを制限する。 もしかしたら、可能かもしれないし失敗するかもしれない。 (………もう、失いたくなんてない。) 腰を低くして慎重に中を覗くと、新田がステージの椅子に座っているのが見えた。 あやかは更衣室へと繋がる扉を睨む。そこにはきっと見張りがそこに立っていたのだろう、 扉は僅かに隙間程度開いている。実に好都合だ。 それにここからなら、人に見られずステージに行くことができる。 「―――私の役目、果たさせてもらいますわよ。」
57 :
代理 :2008/02/08(金) 21:38:24 ID:???
【柿崎美砂/赤】 [状態]健康 [武器]? [思考] 1/決意 【神楽坂明日菜/青】 [状態]健康 [武器]無し [思考] 1/ネギたちと共にに皆を護る。 2/決意。 【椎名桜子/赤】 [状態]健康 [武器]? [思考] 1/決意 【超鈴音/青】 [状態]健康 [武器]デザートイーグル [思考] 1/ゲームから脱出する。 2/首輪解除…失敗ネ。 3/決意。 4/?
58 :
代理 :2008/02/08(金) 21:38:50 ID:???
【雪広あやか/赤】
[状態]健康・全身の数箇所軽傷、打撲・頬にかすり傷
[武器]ベレッタM92
[思考]
1/皆とゲームから脱出。
2/仲間捜し。
3/私は私の責任を果たす。
作者19 ◆2HIP/nDee2:2008/02/08(金) 21:34:36 ID:pKKBd7gI0
終了。
>>1 さんまとめさん絵師さんたち乙です。
乙です。後どれくらいかな?
3周年おめでとー 19氏、代理氏、絵師方々乙です。
61 :
代理 :2008/02/08(金) 21:53:58 ID:???
おっと、乙言うの忘れてた。
19氏投下乙です。
そして
>>1 、絵を投下された方、皆乙です。
そして俺にも乙w
救出劇まで来たのでそろそろ後半かな? どういう終わり方をするのか楽しみす。
超さんキターーε=ヾ(*~▽~)ノ
超の今までの行動思い出せん 誰か頼む
64 :
別館まとめ :2008/02/08(金) 23:15:39 ID:???
ネギロワ 祝!3周年
☆別館更新情報 2008/02/08 ☆
・トップページ
専用アップローダーをリンクに追加。
2種類のアップローダをリンクに加えました。
その他、一番最初に専用アップローダーに投稿してくれた
イラストを別館のトップページに配置しました。(ゆえの絵のやつです。)
>>36 あのAAは、どうやって保管しようか・・・。
たぶん、しばらくは保管できないと思われ。
作者19さん、乙です。真・作者18さんの次回作にも期待しています。
絵師さん方、GJ&専用アップローダーを使用してくれてありがとうございます。
本日、3周年を記念して別館更新をしようと思いましたが
時間が無くトップページ更新のみになってしまいました。
正式な更新は今週末に行います。
今週末って事は明日か wktkしてる
きっと来る! 後30分の間にS氏の作品が来るはず!
>>63 確か
ハカセと一緒にパソコンで首輪解除を試みる
↓
たつみーの襲撃によりハカセ死亡。超は逃亡
↓
???
↓
アスナ、美砂、桜子と行動を共にする
↓
ネギたちのもとへ
だった希ガス
たつみーは魔眼使えば罠なんか引っ掛からなかったよ☆
つーか俺すげぇ良い事考えた! 次の傾向分析の時はさ本物の刹那と真名の声優読んでネトラジで傾向分析すれば良いんじゃね?
誰がギャラ払うんだよwwwww
>>69 お前天才だなwww
ギャラは傾向分析が払えばおk
中の人的に考えて、傾向分析の配役を夕映と美砂に変更しt・・・ごめん、なんでもない
俺の好み的に考えて、傾向分析の配役をまき絵といんちょに変更しt・・・ごめん、なんでもない
はははっ 素晴らしいじゃないか そっこーGJするぜ
絵を描こうと思うのですが、 ネギま原作や他のマンガの戦闘シーンを真似した構図はパクリになってしまうのでしょうか?
なんないよ いろんな漫画の原作ですら他の漫画と描写被ってるしあくまでネット上だけの投下だからね
>>67 今更だがハカセ死亡と超逃亡がライムが効いてていいな
>>77 ポーズ一緒ぐらいなら問題無いと思う。
そのまんまトレースしちゃまずいだろうけど。
あと
>>75 投下乙
う、しまった。昨日が3周年だったのか。 いつも更新が遅くてすみませんが、今月は余裕があるので今月中には16、17部の保管を完了させる予定です。
>>84 おーこれもすげぇー
なんとなくブリーチ風に見えたのは内緒
GJです
漏れも絵師さんにいい絵書いてもらえるようによい長編を書くぞ! って思って書き始めてから最近進んでないorz みんなオラに元気(ry
精子なら分けてあげよう
二章のテキストの上から間違えて別のデータを上書きしてしまい、今日一日頑張った19です。 誰かが言っていた気がするので言っておきますがあと一週間ちょいで投稿終わります。 作者18氏応援してます。 まとめさん、絵師さんたち乙です。 投稿始めます。
七十二、 <<"悪魔"の自殺行為>> 足に括りついたワイヤーは想像以上に手強いもので簡単には解けてはくれない。 手つきは些か雑であるが苛ついているのではないようで、 今朝の騒動を起こしてから胃の中の物が逆流しそうな状態が今だに続いている。 そんな中でも双子の、誰かさんへの挑戦状なるものはちゃっかりと聞いていたようで、 丁度付近に居たこともあって音源を辿っていた際に罠に掛かったというわけだ。 実に迂闊なものだ。それもまた亜子は自覚できていないのだが。 「うぅ…。」 仕方が無いのでそのままワイヤーを引っ張る状態で駆け出して みても、足の肉に細いそれが食い込み、自身に痛みを伝えるだけだった。 「……何や…。」 亜子の左手にある木の幹に突き刺さる光り輝くもの。 それは亜子の記憶内に保管されているものであり、 この現状を打ち解くことができるものだった。 目を凝視させると先端にはワイヤーが強く結ばれていて、 これは先ほどまで続いていた喧騒の正体が所持していたものなのかと推測する。 亜子はそれに手を伸ばすと、少し強めに引き抜いた。 「…!」 衝撃で横たわりそうになるが、慌てて体勢を整えて足元を見下ろす。 そして大袈裟なほどに振り上げると、足に纏わりつくワイヤーを断ち切った。 ――それから亜子が立ち上がって、十分ほどが経過した。 「……すごぉい!」 これまではアイスピック片手にずっと直立したままの状態を保っており、 立ってからの第一声がこれだった。 浮かべた笑みは見る者全ての不安を掻き立てること間違いない。 まずは奥の方からずっと続いている血の軌跡。 それを追おうかと考えた亜子の意識を更に惹いたものが、血の海に沈んでいる龍宮の遺体。 もっと近くで見てみたい、という好奇心が働いて亜子は踊っているように 華麗なステップを踏みながら亜子の笑顔を呼び戻した物に接近する。
(血や、血やんなぁ。真っ赤やなぁ、すごいなぁ。綺麗、綺麗な血や…!) 狂った思考は止まらない。 狂ったように踊りだす鼓動も止まらない。 狂いきった心の身体への誘惑も止められない。 (もっと、もっと見たい…。) 亜子はまたのどかの時と同じようにアイスピックを開いたままの龍宮の口に突っ込んだ。 鈍い感触が伝わるとそれはもう呆気なく先端は滑って土までもを貫いた。 それがより一層興味をそそり、今度は龍宮の開いたままの目に突き刺してみた。 鈍いどころか何とも言えないくらい奇妙な感覚が亜子を襲った後、 ゆっくりと手料理でも作るときのような手つきでかき混ぜてみた。 「おぉ…。」 ガムを噛むような粘り気のある音、奥に見える空洞、真っ赤なもの。 亜子は今手に入れたもの全てに感心の言葉を短く漏らした。 そうやって暫しの遊戯を堪能した後で、 そろそろ行動を再開しようと本調子を取り戻した亜子が立ち上がり、 顎に手を添えて首を捻るというレストランにてメニューを 選ぶ女さながらの仕草で周囲に散らばる武器をまったりと物色した。 「…ん?」 スコップ、銃、水鉄砲、アイスピック、そして死角側にあったもの。 その最後に目に映ったものを見て亜子は尚首を傾げた。 「もしかしたら拾ってくれてたんかなー?えへへー、有難いなぁ。」 的外れな言葉を口にしながら相棒なる包丁を手にした亜子は踵を返す。 返したところで、また新たに亜子の目を奪った物が落ちていた。 ――龍宮真名の、ディバック。
それからはみ出している、ハガキ程度のサイズの白い紙切れ。 それが亜子の欲する血を生み出してくれるような品でないことはわかっているが、 何となくそれが気になって、亜子はそれに歩み寄ると迷い無く手を伸ばした。 【和泉亜子/青】 [状態]健康・精神崩壊 [武器]包帯・手榴弾・? [思考] 1/血や! 2/相手チームの隙を突く。
リア遭きた 乙です
94 :
代理 :2008/02/09(土) 20:47:29 ID:???
七十三、 <<最終放送>> 『やあ、皆。七時になったので最後の放送を開始する。 死亡者は出席番号9番春日美空、出席番号10番絡繰茶々丸、出席番号13番近衛木乃香、 出席番号18番龍宮真名、出席番号23番鳴滝史伽、出席番号26番エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル以上六名。 赤組が残り3名と青組が残り8名。赤組諸君、残り五時間諦めずにしっかり頑張るんだぞ。 禁止エリアは……今回は無しだ。 では、今夜零時に逢えることを祈って…「――――か。」…!――ブツン。』
95 :
代理 :2008/02/09(土) 20:47:55 ID:???
七十四、 <<動き出す>> 「僕は…僕は、自分で自分の大事な人たちを地獄から解放してあげたい。 僕のせい、とか、そういうことじゃなくて……僕が、ケリをつけたいんです。」 それはネギの意志であり、強い誓いの言葉でもあった。 そしてそれをまた止めるような愚か者もそこには居ない。 自分の思いを少年に託し、少年とその生徒以外の 教員は他の生徒を探すために走り出した。その教員たちが去った後で、 確固たる決意を胸に秘めた少女二人も少年に一時の別れを告げて。 …
96 :
代理 :2008/02/09(土) 20:48:24 ID:???
穏やかな光を背に受けるようにして、先頭の ネギに超と明日菜が続く形となって本拠地へと向かっていた。 『死亡者は出席番号9番春日美空、出席番号10番絡繰茶々丸、出席番号13番近衛木乃香、 出席番号18番龍宮真名、出席番号23番鳴滝史伽、出席番号26番エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル以上六名。』 親友だった木乃香が、死んでしまった。 どんなに豪華なディナーよりも美味で温かさに満ちた 彼女の手料理はもう味わえる日がやってくることは無い。 明日菜とネギのささやかな言い争いの仲介に入ってくれることは無い。 危機的状況でも柔和な笑みを浮かべながらの愛らしい京都弁を聞くことは無い。 ―――もう、彼女と一緒に何かを育むことはできない。 (このか……。) 頂点に達している悲しみに、触れることは許されなかった。 何せ今から明日菜たちがやることは、生半可な覚悟では許されないことだから。 人の死を嘆くことをこのように表現するのもなんだが、今は"無駄な感情"。 にも拘らず明日菜の中に木乃香を失って、刹那はどうしているのだろうかという疑問が生まれる。 だがその懸念も一瞬だけにして、押入れの中にしまいこんだ。 少しだけ明日菜が前に出て、ネギの隣に並ぶとちらりと横顔を確認してみる。 (……コイツ。) 明日菜が見た横顔は迷いの無いもので、けれど唇を噛み締め何かを堪えている。 出逢った頃のままのネギだったら、その場で泣き喚いてこうやって前に進もうとはしなかっただろう。 それか、"アスナさんたちは隠れていてください"と言って一人で背負い込んでいたかもしれない。 そういう変な意地を張らなくなったところも、随分成長したように感じられる。
97 :
代理 :2008/02/09(土) 20:49:20 ID:???
―――本当に、強くなった。 けれど、だからこそ今回の件を彼は一番悔やんでいるはずだ。 皆を守るために力を手に入れたのに、皆を守れなかった自分を責めたはず。 完璧ではないが立ち直れたのは本当にネギが強くなったから。 それと、明日菜たちは気付いていないのだろうが、 明日菜たちの言葉にも強さをもらっていた。 「……どうか、しましたか?柿崎さんたちが心配ですか?」 焦がすような視線を感づいたネギがその主の方を仰ぎ見る。 かちりと目が合ってしまい、明日菜は頬を重心的に顔を赤く染めながら目を逸らした。 「べ、別に…。」 生意気だ、と言いたくなったが墓穴を掘ることとなりそうなので言葉を喉に留めた。 実は少し、ネギの強さを羨ましく思っていたりする。 皆を守るって言ったくせに、結局千雨ちゃんを守りきれなかったし…。 ネギを助けられたのだって超さんが場所案内してくれたから…。 私、何もできていないのよね……。 「……アスナさん、僕はアスナさんが生きていてくれて嬉しいですよ。」 表情を曇らせる明日菜の心境を知ってか知らぬか、ネギは正直な感想を述べた。 「もちろん、皆に生きていてほしかった。誰も居なくなってほしくなかった。 だけど居なくなってしまいました。このかさんも、師匠も、のどかさんたちも…。 ……それでも、アスナさんは生きているんですよね。 アスナさんも超さんも柿崎さんも桜子さんも……。………独りじゃなくて、良かった。」 長い独白を終えたネギの唇から最後に白い吐息が漏れる。 「…そっか。うん、私もアンタや皆が居て良かった。」 以降明日菜は前を向いて、眉尻を下げつつも口元を緩めた。 後ろからついて走る超は、ネギの強さに感服しながら 二人の世界を崩さぬようできるだけゆっくり、且つ遅れを取らぬよう続いている。 しかし穏やかな空気も束の間。聞こえてきた"雑音"によって場は一転する。
98 :
代理 :2008/02/09(土) 20:49:41 ID:???
『では、今夜零時に逢えることを祈って…「――――か。」…!――ブツン。』 「……ちょっと待った!」 全速力に近い速度で走り続けていた明日菜が急停止する。 超とネギも、異変を感じ取り揃って足を止め、一番近くにあるスピーカーへと目を遣った。 「今、いんちょの声が聞こえなかった!?」 ―――胸騒ぎがする。 確かに声は"周辺"からではなく、スピーカーから聞こえたのだ。 もしかしたら、既に一人で本部に乗り込んでいるのかもしれない。 委員長という肩書きを持つあやかの責任感は、強すぎるもので。 日頃からあの3−Aをまとめようといつだって皆の前に立っていた人物。 「アイツ……責任感じて、一人で行っちゃったんじゃないでしょうね!!」 「……アスナさん。」 ネギが顔に影をつけて、明日菜の名を静かに呼んだ。 「………急ごう!」 「アスナさん!待ってください!」 「何なのよ!?」 今度は無視して速度を上げようとする明日菜の振り上げられた肘をネギが素早く掴んだ。 焦燥感に駆られる明日菜は苛立ちを感じて振り返るが、ネギの眼光を見て黙り込んだ。 「……いんちょさんについて、お話が。超さんも聞いてください。」 …
99 :
代理 :2008/02/09(土) 20:50:03 ID:???
―――――とある中等部区域にて。 「ぐはぁッ…!」 阿鼻叫喚、地獄絵図、この光景を見た者の頭にはそういった類の言葉が真っ先に思い浮かぶだろう。 かといってこの山のように積まれた兵士の中に死人は一人も居ない。 こんな屑どものために手を汚すなんて馬鹿馬鹿しい話があるか。 その山積みになる人間の中に更に新しい兵士が重ねられた。 「…まだやるか?小童ども。」 "笑う死神"は、笑っていない。 一目見ただけで兵士の集団の足を竦ませるには充分すぎる気迫を持っていた。 その隣には老人…と言うべきか判断できないぐらい覇気に満ちた表情を滲ませる学園長が立っている。 学園長が一歩一歩近付くごとに、弾かれるように後ずさりをする兵士たち。 「死にたくなければ我々を手伝え。あの子たちの邪魔をしたら、今度こそ殺す。」 【神楽坂明日菜/青】 [状態]健康 [武器]無し [思考] 1/ネギたちと共に皆を護る。 2/決意 【超鈴音/青】 [状態]健康 [武器]デザートイーグル [思考] 1/ゲームから脱出する。 2/首輪解除…失敗ネ。 3/決意。 4/?
txt消失とかかわいそすぎる・・・
101 :
代理 :2008/02/09(土) 20:50:37 ID:???
作者19 ◆2HIP/nDee2:2008/02/09(土) 20:39:47 ID:pKKBd7gI0 終了。 代理さんいつも乙です。
コノエモンやっぱつえぇんだな
103 :
代理 :2008/02/09(土) 20:59:23 ID:???
作者19氏、投下乙です。終焉に向かってる感じになってきましたね。 そしてねぎらいの言葉、感謝致します。 俺も19氏に負けないぐらいの素晴らしい本編を書きたいな。 まだ20話ぐらいまでしか進んでないしorz
作者19と傾向分析乙! そっこー二部の傾向分析読んだ!GJ!
愛称現在募集…… ラジオ神社! 龍宮神社からとって
素直にマナラジとかは? まなせつでポン 俺の嫁刹那のラジオ ネギ☆らじ ネギ宮まなの憂鬱 とか…。最後のは最初の掛け声は、 「ただのバトロワには興味ありません。この中に変態マーダー、レズマーダー、真名マーダーがいたらすぐに私のとこにきなさい。以上!」
>>104 グラフとか凝ってるなw
てか原作より傾向分析の龍宮のキャラのが好きだww
ラジオ名:夏美は生き残る事も目立つ事も許されるないネギロワのラジオ
2部も良いけど20部〜22部の傾向作ってよ
>>104 超乙です!
相変わらず面白いッス。
ラジオ名……
無難な所で
ネギロワらじお!(略してネロら!)
おかしな所で
ネロワけ
ネギロワの極み、アーッ
作者19と傾向、GJ このえもんいいよこのえもん グラフいいよグラフ ・みそらじお ・ネギロワラジオ〜お前と俺は牛乳ビン〜 ・真名と愉快な仲間達 ・ラジオ夕凪
作者19氏、代理氏、傾向分析氏、絵師の方乙です
せつなたつみー!しぼりたてロワ! バトロワやってまーす セツナさん・たつみーのネギバトラジお!?
ドキッ!ネギロワだらけの傾向分析ラジオ(グラフもあるよ)
>>114 ちょ、しぼ生ww
懐かしくてフイタww
2つめのは木曜日だよな?ww
【NBR】せっちゃんとたつみーに萌えればいいんじゃね?【ラジオ】
龍宮・桜咲のRoyaleろわいやるロワイヤル
ネギま!バトルロワイヤルラジオ 略してバトら!
今更だが
>>73 を脳内妄想したところ鼻血が出た、マジで。
121 :
マロン名無しさん :2008/02/09(土) 23:54:36 ID:YySb4s08
NBRマナセツタウン 私のネギロワコレクション 夜な夜なネギロワいぢり 傾向ラジオNBRチャンネル 知ってる?ネギロワ 龍宮真名の傾向ニッポン分析スペシャル・魂のロワイヤル ネギピース 殺し合いの達人 オールナイトニッポン
ネギロワラジオでいいんじゃないかな。ネタに走りすぎると寒いだけだし。 本当は「○○ま!」みたいな響きがいいんだけど、ロワとネギ両方入れるのキツイしな。
見れない(´Д`)
カンださん☆アイぽんのネギまほラジお!? に対抗して たつみー☆せっちゃんのネギまろラジお?? とか
ネギまろ(*´∀`)
ラジオのタイトル? 「はとぽっぽ」で良いじゃん
「SETSUNA」と「MANA」の 頭文字を取って ネギロワS&M なんてどうかな?
SETSUNAを逆にするとANUSだな…
ラジオならとっときの考えたぜ 魚がくしゃみをした フィッシュwwwwwwww
\_0_/ ん?今銃声がしたぞ。 ところで夏美って今何してるの? 30分ほどかけて前スレと前々スレをあさってみたんだけど分からなかったorz
>>131 こんな時間なのに笑ってしまったwww
>>132 木乃香と強くなるって決めてその後別れた
てか20部で全員1度は生存する事になるんだよな…
葉加瀬はともかく夏美は17部の桜子みたいにドラムあってから生き残って欲しかった
>>134 20部は全員生存という物語ではなくて、
死なないだけで脱落形式のゲームとか言っていたぞ。
物語上の脱落と死亡を同じに扱ったら分からんのでね?
>>134 誰かを主役にする、もしくは活躍させる為には原作でネタが無いと難しい。
適当に活躍させるとオリキャラになってしまうし、原作で後出しされた設定と矛盾する被害がでかくなる。
夏美は魔法世界で活躍がちょっとあったからこれから書き始める作者の作品では活躍の度合いが増えるかもしれない。
今投下できる作者さんは、連載中の夏美の活躍なんて予想できるはずがないから、そこそこの出番で終わるのさ。
アプロダの亜子が可愛すぎる件
>>136 だから17部の桜子みたいに原作許容範囲での夏美の活躍があっての生き残りが欲しいんじゃないか?
あるいは赤松自身が書けば問題なし。
>>137 ほんとだww
なんでこっちに載せないんだろ…
この前二章は一気に投稿すると言っていましたが、 それじゃあ尚更読みづらいかもしれないのでやっぱり一章二話+二章二話とかに調節します。 絵師さんと傾向さん乙です。 今から投稿します。
七十五、 <<愛するお父様にサヨナラを>> 扉を開くといつもと何ら変わりの無い更衣室の姿がそこにはあった。 隙間から室内を見渡し、確実に無人だということを知った後にあやかは中に入り込む。 一人で敵の本拠地に忍び込むなど、生半可な覚悟では許されない。 更衣室の前の廊下に出る際は更に集中力を研ぎ澄ませ、強く警戒心を張り巡らせた。 大きな出入り口の影に身を潜めて上半身を捻る。 ここからステージは見晴らし良く眺めることができた。 この位置から見れば新田は背を向けており、パソコンの画面が見えるという状態になる。 画面に何者かが映っていることはわかるが、それでも肉眼で誰だと特定できる距離ではなかった。 銃の引き金に手を添えたまま、パソコンやモニターの周りに集う四、五人の兵士たちの目を奪って あやかは大きな勇気を胸に、いざステージへと足を向けた。
… 「では、今夜零時に…「そういうことですか。」、…!!」 腰を屈めてマイクに向かって言葉を並べる最中、パソコンが偶然視野に入った。 光を発するパソコンの画面に二人の人物の顔を浮かび上がっている。 一人はもちろん雪広だ。だがもう一つは新田の後ろで、迫力のある形相で 画面を見つめる人物の顔が反射していることを唾を飲み込んだほんの一秒ほどで理解する。 その人物は雪広の面影を持つ、整った顔立ちをした少女。 ――だが、その表情に携えた怒りと悲しみが、それを曖昧にしていた。 「……ッ!」 気迫に押し負かされた新田は、あやかを直視できなくなる。 それもあやかの右手には銃が握られているのだ。 情けなくも新田は後退りをして、その際右足がマイクのコードに引っ掛かり転んでしまう。 ブチッ スピーカーが不快な音を届けた後、新田の異変に気付いた新人兵士たちが事態を早急に理解して、 誰の指示も無く即座に銃を構えてステージを取り囲んだ。 「貴様、何をしている!」 「早く降りろ!」 罵声が響いているのはわかるが、あやかの脳はその言葉たちを認識する能力など持たない。 最早今のあやかにとって、向かい合っている父親以外は空気としか思えなかった。 あまりにも、衝撃的すぎる事実を知って――。
「おや、気付かれてしまったか。」 「…ぜ……たので…す…。」 心臓の鼓動が全身を揺るがすくらいに大きく脈打ちだした。 恐怖でか、動揺でか、わからない。わからないが、震えが止まらない。声が上手く発せない。 「な…ぜ…。」 ―――私を、 「何故、……、裏切ったのですか…。何故…どうして、私を…。」 語尾と同時に、蛇口の壊れた水道のように。 あやかは瞳から大粒の涙が大量に溢れ出した。 眉根を寄せて、ぎゅっとスカートの裾を握り締めて、雪広の言葉を待つように俯く。 許せない。 父親として愛していた。 何をされても、どんなに冷たい仕打ちを受けてもあやかは父を愛していた。 きっといつかは自分を受け入れてくる日がやってくる。 きっといつかは自分に笑顔を向けてくれる日がやってくる。 そう信じて生きてきた。あやかは父を信じて生きてきた。 なのに、何故? 何故彼にはそれが伝わらなかった?何故こんなことになってしまった? 「私が、一度でも信じてくれと頼んだことはあったか?」 心底不思議そうに。心底愉しそうに。 彼は、お父様は、私を見て、確かに笑った。 どうして、どうして、どうして、どうして、どうして?
一歩前へと踏み出すと、一人の兵士があやかの足に銃弾を打ち込んだ。 そういえば先ほどからずっと何かを叫んでいるが、あやかの耳にすら入らなくなっていた。 威力のある銃弾であるが、あやかの麻痺しかけた感情には敵わなかった。 あやかは兵士たちの方なんて見向きもせず、僅かによろめいただけで、また一歩前へと進む。 「……お父様は…私を…愛して、くださらないのですか……?」 本当は、こんなことを訊ねたくなかった。今までずっと信じてきたから。 どんなに冷たくされても、蔑ろにされても、ずっと愛し続けてきたから。 だから新田に裏切られたときより、同じ仕打ちをされても憎しみの量は遥かに違った。 お願いだから、頷いて欲しい。迷いなく、愛していると言ってほしい。 それでも、そんな勝手な願いは打ち捨てられてしまうもので。 「馬鹿馬鹿しい、愛している、だと?…私は、お前を一度も愛していると思ったことなどないよ。」 娘の涙を見ても、雪広はいつもの調子を崩すことなく淡々を語った。 右足から涌き出る血。目の前で撃たれたというのに何の動揺も見せない"その人"。 あやかは納得した。自分が本当に愚かな人間なのだということを。 "この人"は、娘がどんなに泣いても、怒っても、傷ついても、何とも思わないのだ。 "この人"の中の自分の存在というものは、悲しいほどに軽いものなのだ。 "私が、一度でも信じてくれと頼んだことはあったか?" 確かにそうかもしれない。勝手に信頼を寄せ勝手に忠誠を誓っていたのは私なのだ。 "この人"は私からの愛など望んでなどいなかった。 全ての思いはあやかの一方通行だったわけだ。 ―――たったそれだけのこと。
兵士たちは相変わらず銃口を向けているが、あやかの放つ気迫と、 雪広も会話を続けているがために下手に射殺することができずに居た。 新田はというと、兵士たちの列の後ろで怯えるようにただ状況を見守っていた。 「……そうです、か。……では、最後に、……無礼をお許しください。」 芯の通った声。乾いた涙。振り切った気持ち。 しおれていた双眸が、真実を受け入れるように真っ直ぐ前を見据えた。 ――「よく、聞きなさい!ちゃんと、見ていなさい!下衆ども!」 それは確かに父に向けられていた言葉だった。まるで別人のようだ。 生まれて初めて、あやかは"お父様だった人"に声が枯れそうなほどの大声で大口を叩いた。 吐き出そうになる大量の息を一時我慢して、モニターの人物を瞠目する。 あやかは銃を自らのこめかみに押し付けた。 一瞬兵士たちが警戒心を強めるが、その意を悟ると目を見張るだけで、どうするべきかと互いの顔を見合った。 あやかはお構い無しに言葉を続ける。 ――「勘違いしないでください。これは、自ら命を絶つ行為ではありません!」 体育館全体にあやかの声が反響する。 怒りも悲しみも、悔しさも鎮められた声色が兵士たちの胸にも響き渡った。 ――「私は、とんでもない愚か者。一方的に、貴方を…お前を、心底信頼していた。 何の根拠もなく、私を愛してくれているのだと思い込んでいた。でもそれはただの願望…愛して、ほしかった。それだけ。」 少しだけ、昔の情景が脳裏を過ぎった。 それも振り切るように、あやかは頭を左右に振る。
――「でももう、そんなのどうだって良い。もう、そんなものは要らない。私はお前を捨てよう。 ……ただ、一つだけ、心残りがあるといえば……最後に、あの人と喧嘩がしたかった。」 閉じた瞼の裏に映るのは、今まで自分を支えてくれた人。 かけがえの無い、親友の、明日菜の姿。 ――「けれど私は、消さなければならない。私の中のお前の存在を。そして、それを真実に塗り替える。 これは3−Aクラス委員長としてではなく、雪広あやかとしての務め。」 覚悟はできた。 惜しみも無い。 「さようなら、私の中の―――。」 パン! 引き金を引き絞ったあやかの手から銃が擦り抜けるより早く、あやかの身体が真横に吹っ飛んだ。 近距離に居た兵士の頬に、返り血が跳ねる。 誰もが口を開いたまま、身体を硬直させ、ただあやかの身体が倒れ伏す音を聞き届ける。 「いんちょ――――!」 密かに願った人物の声は、あやかに聞こえはしなかった。 【雪広あやか 死亡 ―─赤組残り2名 ――青組残り8名】
149 :
代理 :2008/02/10(日) 20:33:28 ID:???
七十六、 <<失ったモノの思い>> "このゲームには、黒幕が居るんです。新田先生では、ありません" 明日菜は知っていた、――いつか河原であやかが泣いていたことを。 "……本当のことを、お話します" 明日菜は知っていた、――自信過剰なあやかが時折見せる不安の意味を。 "このゲームの依頼者は…" 明日菜は知っていた、――それでも気丈に振舞ってみせていた健気な様を。 まるでゲームの結末を語りだすように、少し空を雲が覆い始めてきた。 そんな中、明日菜は祈る。無事で居てくれ、と。 明日菜の健脚を以てすれば、図書館島から本拠地まで数分で到着することはそう難しいことではなかった。 全力を超えた力を使って、明日菜は体育館の入り口にたどり着く。
150 :
代理 :2008/02/10(日) 20:33:49 ID:???
… 「いいんちょさん……雪広あやかさんの、お父さんです。」 ―――!? 深刻な面つきで、衝撃の事実を冷徹に吐き捨てるネギ。 意識的に明日菜は抵抗しようと腕に込めていた力を抜いて目を見開く。 まさか、嘘でしょう、有り得ない、……ネギの言葉に対する猜疑心まで浮かんできた。 「こんなときに…アンタねぇ……。」 「本当です。もちろん、いいんちょさんは何も知りません。 でももしも知ってしまったら…ってアスナさん!!止まってください!」 私はいつの間にか走り出していた。ネギの制止の言葉も聞こえないふりをして。 逃げ出した。それが嘘であってほしくて。信じたくなくて。 別に、いんちょのお父さんと仲が良いわけではない。 ただ、この真実はあやかの行動に拍車を掛けることとなる。 もしもあやかが知ってしまえば、取り返しのつかないことになる。 ――(いんちょ、早まらないで!お願いだか―――!!)
151 :
代理 :2008/02/10(日) 20:35:41 ID:???
パン! 「……!!」 ステージの前に集う数少ない兵士たちと、その背後に立つ新田の後姿。 その人物らの視線を吸収している、明日菜らのよく知る人物が倒れ逝く瞬間。 記憶が飛んだ。言葉を失った。四肢全てが支配された。 床へ崩れ落ちる人影が、真っ先に明日菜の心を揺さぶる。 「…ん、ちょ…。」 ドサッ 「いんちょ――――!!!!!!」 駆け出した明日菜は銃を持つ兵士のことなどどうでも良く思え、その群れを掻き分けるとステージに飛び上がった。 とても綺麗な顔をして生を失ったあやかのこめかみからは血が噴出している。 白いシャツと白い肌を、それが赤黒く染め上げた。 「何……これ…。」 追いつかない。状況処理が、目前のものが何なのか判断するまでに至らない。 明日菜の身体は崩落しながらあやかの身体との距離を詰めた。 これは、一体あやかの、何なのだろうか。 あやかは、一体どうしてしまったのだろうか。 ひょっとして、ただ眠っているだけなのかもしれない。 だって触ったら、こんなにも温かいのだから。人間の体温を持っているんだから。 「アンタって……こんなにはしたない女だったっけ?ここは寝るとこじゃないっての…。」 頬を軽く手の甲で叩きながら、いつものように喧嘩を吹っかけてみた。 ――あやかは何も言い返してこない。
152 :
代理 :2008/02/10(日) 20:36:17 ID:???
「アンタの大好きな"ネギ先生"に見られたら嫌われるわよ〜?こんなとこに寝そべっちゃって……。」 ――あやかが普段どおり目を光らすことはない。 「……ねぇ、どうしたのよ…。何で、"何ですって、このお猿"…って、言い返してこないの…?」 明日菜があやかの頭を自分側へと向けた。 ガクリと音を立てて、あやかは明日菜の思い通りにこちらに面を見せるだけ。 血の気が引いていく。頭の中が冷えてきて、そこで今度こそ、明日菜の意識ははっきりと彼女に戻ってきた。 「………ちょ、いんちょ!ねぇ、本当に死んじゃったの!?嘘でしょ、嘘だよね!? お願い!いんちょ、お願いだから…何か言って。いいんちょ――――!」 腰を伏せて、あやかの耳元で精一杯の声を出して呼びかけた。 それでも死んでしまったものが反応を返すことなど有り得ない話だ。 明日菜の声はあやかに届くこと無く、空虚にて何度か重なり合った後消えていった。 「…ほう、君が神楽坂明日菜さんとやらかい?」 名前を呼ばれた張本人の明日菜は聞き覚えの無い声を不可解に思い反射的に顔を上げ、 ぐるりと視界を回した先に見えたのは、あやかのような美しさを備えた面。 「おっと失礼。初めまして。私は雪広あやかの父親だよ、娘がお世話になっていたようだね。」 ―――今の場面を、見ていなかったかのような平然たる様子。 「あやかがよく話していたよ、君のことを。一度お目に掛かりたかった。」 ―――今の場面を、見ていなかったかのような穏やかな語調。 "コイツは、敵" 脳がコイツの悪意と受け取った。コイツは、こうなることをきっと知っていた。 脳がコイツの悪意を認識した。コイツが、間接的にあやかを――。
153 :
代理 :2008/02/10(日) 20:36:50 ID:???
明日菜は無意識の内に銃に手を伸ばしていた。 さも以前から握られていたかのように、その銃は明日菜の手の中に眠っていたのだ。 消え掛けた蝋燭の炎のような不安定な動きで、立ち上がる。 そして見る見るうちに涙に滲んでいく視界の中に雪広の存在をしかと納めて。 「私には……家族が居ないから、どんなものか、わからないけど……。」 涙が、意思に逆らって零れ出る。 その中には、睫の間を縫うものもあれば、呆気なく落下するものもあった。 それでも明日菜は涙を拭おうとはせず、唇を噛み締めて妙に重たく感じる銃を、モニターに向ける。 「だけど、アンタがどれほど最低な人間かっていうのは、よくわかった。」
154 :
代理 :2008/02/10(日) 20:37:31 ID:???
「私は、許さない。」 怒りに震えた声が、またしてもこの空間に立つ全員の身体を捕縛した。 「私は、アンタを許さない。絶対に、絶対に許さない!」 パン! 発砲した鉛り玉は、明日菜の意思を表すように迷いのない動きで真っ直ぐと放たれた。 行く手へと目線を移動させると口元を引き締めた雪広が映っていたはずの画面は、 既に真っ黒闇に切り替わっておりあちらで用意された高機能且つ ハイスピードの高価なパソコンからは様々な部分から白い煙を高い天井まで昇らせている。 ―――明日菜にとっての最大級の宣戦布告だった。 激情に駆られた明日菜の肩は緩いペースで上下を繰り返し、ここで漸く涙を拭った。 火花を散らすパソコンに視線が集中する中、ようやく新田が正気を取り戻して叫ぶ。 「う……う…撃て!」 突然の指示。兵士たちは隠れていたのかと言いたげな目つきをするが、即座に銃を持ち上げる。 そして蜂の巣にすべく、何の合図も無しに揃って引き金を引いた。 パン!!! 数々の銃声は一つの発砲音となって、無数の銃丸が一点に集中して襲ってくる。 だが若干戦闘慣れしている明日菜をそれぐらいで止められるはずはない。 即座に身を低くすると、地を這うようにして弾と床との間を駆け抜けて一人の兵士の元へと接近する。 「うあああああああああああああああああああああああああ!」 怒りの声を響き渡らせながらステージから跳躍し、 勢いをつけるために右肘を振り上げて空中蹴りを一人にお見舞いした。 そこで宙という逃げ場の無い空間に"立っている"今を狙って明日菜のわき腹を一発の弾丸が襲う。 「ぐぎっ……ぃ!」
155 :
代理 :2008/02/10(日) 20:38:05 ID:???
"しょうがありませんわね。アスナさんにだけ、特別に教えてさしあげますわ。" "もうすぐ、私に弟が生まれるんですの。" 「〜〜〜〜ッ!!!!」 奥歯を食いしばって痛みに耐え、次なる銃弾を避けるべく 一番近くの兵士の肩を掴むとその手を軸に明日菜は跳ね上がった。 "いいんちょの泣き虫〜!" "何ですって〜!?今日という今日はぶっ殺しますわー!" 必然的に、盾になっていた明日菜が宙へ逃げたことにより銃弾は兵士に直撃する。 身体の支えがぐらついた瞬時、明日菜は体勢と整え着地する。 「ナメるなよ小娘!」 二発連続放たれた弾の行方を見切り、射線下へと潜り込んだ。 "ホント、強情なんですから。" "う…うるさいな……バカいいんちょ。" 一気に肉薄し上半身を左斜め下に傾け敵の顎目掛けて右足を踵から振り上げた。 しかし兵士は身体を逸らすことでそれを難なく交わす。 すると明日菜は軸にしていた左足で地面を蹴り、身を回転させ相手の頬を蹴り上げた。 兵士は強力な攻撃をまともに喰らったため横転する。 そして視線のみで新田を探すと、―――狙い通り、明日菜を阻止しようとする者ばかりで、周囲はがら空きだった。 「ううううううう!」 渾身の力を振り絞って、明日菜が銃を新田の胸の位置に合わせ持ち上げる。 あとは、あとは引き金を引くだけだ。…勝機が垣間見えた、それなのに。
156 :
代理 :2008/02/10(日) 20:38:45 ID:???
「……!」 明日菜が見ていた世界に、極度の歪みが生じる。 それは、身体が明日菜に命の終わりを告げているということ。 わき腹から今だ流れ出る血は、縁いっぱいに嵩を満たす噴水のごとく。 それでも明日菜は遠のいていく意識を必死に引きとめまだ続けようと構え続け。 「ハァ………ハッ…………フ…。」 けれど、明日菜の意志に反して、身体自体に限界というものがやってきた。 「グゥ……。」 動け動けと念じ続けるが、身体が反応を見せてくれない。 お願いだからと神に祈るが、声は天には届かない。 「な……で…よ。……何で………。」 ―――膝から崩れ落ちた身体に、重力が圧し掛かる。 神経に指示を出すが、動くのは頭と指先だけだった。 「……。」 ニヤリ、といやらしく笑った後、新田は自ら銃を明日菜に向ける。 (いいんちょ、ネギ、…ごめんね。) 「動くナ!」 明日菜の虚ろな瞳を閉じかけた瞬間に据えたものは、続いての訪問者の存在だった。 【神楽坂明日菜/青】 [状態]意識朦朧・出血多量 [武器]ベレッタM92 [思考] 1/ネギたちと共に皆を護る。 2/決意
乙
158 :
代理 :2008/02/10(日) 21:03:55 ID:???
作者19 ◆2HIP/nDee2:2008/02/10(日) 20:18:02 ID:pKKBd7gI0 終了。 代理さん宜しくおねがいします。
159 :
代理 :2008/02/10(日) 21:08:22 ID:???
代理なのに猿喰らってたorz
作者19氏本日も投下乙です!
いいんちょ……
明日菜も死んじゃうのかな……頑張れ……
あと、
>>141 GJす!
代理も19も乙! いいんちょ明日菜かっこいいよいいんちょ明日菜
161 :
別館まとめ :2008/02/10(日) 22:15:42 ID:???
意外に3周年記念イラストが多い・・・。
せいぜい、3〜4枚かな、と思っていました。
>>82 まとめ4管理人様 長編保管頑張ってください。
>>104 傾向作者様 あなたの作品をお待ちしていました。
読んでいて面白かったです。でも、半分ほどネタが被った・・・orz
大丈夫。半分は被ってない、きっと。
名称は無難に「ネギロワらじお!」で。
>>137 あの亜子は可愛いよね。
>>141 カード風のイラストは新しい試みですね!
作者19様、本日も楽しませて頂きました。
明日菜、死亡フラグ・・・。
☆別館更新情報 2008/02/10 ☆
・『お宝発見?絵画展示室』
4ページ目突入!
新規に前スレまでに投下された18枚のイラストを追加。
3周年記念イラストは次回更新時に保管します。(専うpろだにあるしね。)
・『ネギロワ倉庫』
18スレッド目のHTMLを保管。
短編も更新したかったけど、イラストが多かったので絵展示の更新を優先しました。
せっかく、絵師さんが投下してくれているのに保管しないのはマズイので。
162 :
別館まとめ :2008/02/10(日) 22:27:14 ID:???
あやかの父親ひでええええええええええええええええ ちょっとぶっ殺してくる
19氏、代理氏、別館氏、絵師氏乙です
いんちょーーーー きっとラカンが助けにくるはず(`・ω・´)
いんちょ父が黒幕とはギョッとしたな
アスナまじかっけえGJ だがいんちょ父は最近魔法についてしったなら・・・やっぱりセルピコが黒幕とか・・・
169 :
マロン名無しさん :2008/02/11(月) 00:11:53 ID:wnw7C1Lv
サバサバしたレスすんなよww
凄い釣れ具合だのうw
お前ら、つまんないレスに乗るんじゃねーよ 3枚に下ろすぞ
これはイ鯛……あっ、釣られたorz
キスキスした流れだなぁ・・・
今読んだGJ まとめ氏代理も乙
流れぶったぎって悪いんだけど、あんまり他スレで宣伝紛いな話するのやめないか? スレを広めたいという気持ちは確かに分かるけどこういうスレが嫌いな人もいる。 そういった人にとっては不快な思いをするし「空気読まずに宣伝するような奴らが集まってるスレなのか」とか思われてしまう。 みんな厨房スレのレッテルなんか貼られたくないはず。だからみんな少し冷静にならないか? 宣伝以外にも過度の賞賛レスや悪ノリなどもう少し抑えたりしないか? 色んなスレの住人の自分にとって今の流れが正直恐いんだ。何かのきっかけで一気に衰退なんてことも十分有り得ると思う。 盛り上がってるから、住人が増えたからこそもう一度自分のレスには十分注意を払ってほしいと思う。 レスする前にもう一度自分の文を確認。こういう基本的なことが出来るか大事な時期だと思うんだ。 流れ切ってさらに長くなって申し訳ない。 でもこのスレが好きで長く続いてほしいからこんなレスをするのであって決してここが嫌いって訳じゃないよ。
>>175 第一部の宣伝から来た俺が言うのも何だが
また他スレ宣伝してるやつがいるのか?
>>177 キャラスレとかで唐突にネギバトの話題を持ち出したりザジちうとかのマロンでもここと比べたり。
何が争いの火種になるかわからないしここはここ、余所は余所と住み分けは大事だと思う。
>>175 余所のスレで宣伝等をしまくるのはやめようって言うのはおおいに同意ですね。
確かにここは面白いスレだけど、あちこちで宣伝ぽい書き込みがあると
そこの住人で宣伝をうざいと思う人が居るのも事実。
悪い印象もたれたら変なレス付けに来る人とか現れるかもしれないしね。
もっとここの住人増やしたいって気持ちは分かるし、
私もニコ動に宣伝動画上がってたの見てここを知ったっていうのも有るから
完全に宣伝をやめようって言う所までは言わないけど
2chの他のスレでの宣伝等の行為は避けた方がいいと思う。
ネギロワの話はここのスレ内だけでやるのが一番だろうと思うよ。
なんか一度はじけた方が良いと思う。 そしてまた停滞期間をおいて作り直せばいい。 以前にも何度かあった流れだし。
>180 そうだよな、一度そうなって何度も危機を体験した辛抱強い人達で再スタートをきるのも悪くない。
ちょっと自演くさい流れになってるな… 何にせよ俺はこれまで通りすれば良いだけ わざわざ一定期間スレ廃止してまた始めるとかねーよww
とりあえず、投下は続ければいいんですか?
>>175 別にそいつが悪いんであって例えば絵が投下されてS氏の絵ならどこのスレだって神とか言われるだろ
で、メモ帳氏やその他頑張ってる人もそれなりのレス。落書きにしかみえないのはレスつかずで妥当じゃないか?
てか余計流れ悪くなるな…
以下、この話は終了って事で。
>>180 =
>>181 はまずありえないし…
>>183 荒れるだけで引っ張る程の話じゃないから流れ止めるためにも投下しちゃって
では少し早いのですが投稿します。 あと、代理さんに悪いのでやっぱりギリギリまでここに投稿して、 五分経ってもこっちに続きが投稿されなければ避難所を覗いてみてください。
七十七、 <<女神は微笑む 〜T〜 >> 私は、三人でチアをやることが大好きだった。 美砂も円も同じだよって言ってくれていたけど、 私は二人よりももっと大好きだったって胸を張って言えるんだ。 どんなに難しい技でも三人一緒なら必ず完成させることができて、 最後には三人一緒に笑い合ってた。 逆に言えば、チアっていうのは信頼感と連帯感ってものが重要だから、 心が余所を向いてたり一人でも欠けてたらバラバラになっちゃう。 「……もう、三人でチア…できないのかなぁ。」 光を帯びた月も消え失せた刻、 膝の上に眠る明日菜の額を撫でながら桜子が珍しくも弱音を吐いた。 桜子は非常にポジティブで、どんなに高度な技を 覚えろと言われたときだってくじけない彼女なのだ。 滅多に無い出来事に美砂は内心驚いた半面、 私がしっかりしなきゃと自分に渇を入れて拳を握り締めてウィンクしてみせた。 「馬鹿ね、大丈夫だよ。大丈夫!」 「美砂…。」 根拠なんて無いが、美砂は桜子を励ますために無理に笑顔を塗り固めた。 そんなもの、桜子が見破ることなんて容易いというのに。 懸念を隠しきれない桜子が美砂の瞳を見据えると、 その瞳孔が揺らいでいて徐々にその震えが大きくなっていくことに気付いた。 そして皮肉にも、このタイミングで無理に見張っていた目から、 涙が一筋流れ落ちてしまい美砂は歯痒そうに、悔しそうに俯く。 ずっと考えていた、円のことが頭の中から離れなかった。 親友の変貌。そこに何があったのかはわからない、けれど円に襲わ掛けた。 挙句の果てには目の前で千雨が殺害された、円の手によって。 清清しいほどに堂々と、何の躊躇いもなしに、殺意を剥き出しにした円。
あの時の円の目を見た瞬間、まるで闇の中に閉じ込められてしまったような感覚を覚えた。 果たして、あの時彼女は何を思って私たちを殺そうとしていたのだろう。 親友として、何ができるだろう。親友として、救う術は無いだろうか。 「……桜子、あの……さ。」 やがて、一つの結論に辿りついた美砂が口篭らせながら唇を開いた。 やや俯いているからか、それとも心境が原因なのか、美砂の顔に影がつく。 桜子は一つの予感を覚えて、聞きたくないという気持ちを抑え耳を傾ける。 「私ね、円を助けたい。親友だもん、円も本当は、あんなこと思ってない。だけど、アイツ、馬鹿だから…。 良い奴だから……最後まで生き残っちゃったら、それこそ円に辛い思いをさせることになると思うの。」 いつも美砂と桜子のペースに振り回され、何だかんだ言いながらも一緒に居てくれた円。 落ち込んでいたらさり気なく声を掛けてくれて、友達のために立ち上がる強さを持ってて、 優しくて、いつも笑顔で居てくれた友達思いの大好きな親友。 その子の幸せは、守ってあげたい。傷つけたくない。 「……気にしちゃうと思う、一生。私たちが許しても、どんなに普通に振舞ったとしても。 だから…あの子にとっての救いは、………。」 ―――言うと思った。 常に表情にあったはずの軽薄な笑みは消失している。 桜子の眉間には亀裂が走っており、自分のバックから美砂へと視線を行き来させた。 次に震える桜子の手が脈絡もなくバックへと伸びるのを見て、美砂が首を傾げる。 「ごめん。」 「え?」 「…私ね、本当は、円と闘えるくらいの武器持ってたんだ。」 一オクターブ低い声が、意識を揺さぶって美砂は表情を崩す。 チャックを開いたバックの中へ手を潜らせ、中の物の形をなぞりながら武器を手探る桜子。 暫ししてその動作が止まったかと思いきや桜子が口角を下げ、武器を美砂に公開した。 「美砂と合流する前にね、水を飲んだときに知ったの。…だから、円に逢ったとき、本当はわかってたの。」
「…。」 美砂は何も言わない。ただ、黙って話を聞いた。 「知ってたんだ、知ってて私はコレを使おうとしなかった……できなかった。怖かった。」 「桜子……。」 「…でも、私も美砂の言うとおりだと思う。円は優しいから、ずっとこのことを引き摺っちゃう。 私たちが一緒に背負ってあげても、円にはそれが耐えられないと思う。助けてあげなきゃいけないよね。ううん、助けたい。」 言葉が進むに連れて表情も声色も、か細いものから頼りがいのあるものへと変わっていく。 ―――迷いを断ち切ろう、勇気を出そう、光を目指そう。 そんな強い思いは美砂の気持ちにも力を与えた。 「うん。だって私たちは、親友だもんね!」 … 誓いを立てた二人は、決意を揺るがすこと無く麻帆良を歩き回っていた。 誘きだすように強く土を踏みしめ足音を立て、陣取るように道のど真ん中を進む。 時折何者かにのされたらしく白目を向いたまま昏倒している兵士が居たが、気にしていられない。 二人は今、世界樹広場に差しかかろうとしていた。 「やっぱり、呼ばれなかったね。」 「うん……。さっさと見つけてあげなくちゃね。」 最終放送を聞き終えて、親友の生存を確認するがそれを喜ぶことができない二人。 美砂と桜子は、互いの気持ちを確かめるように手を握り締めて顔を見合わせた。 「「大丈夫。」」 声を揃えてそう言うと、手を解いて一歩美砂が前に出た。 必然的に桜子の手前に美砂の背が見えるわけだ。 (……美砂、有難う。美砂が居なかったら、もしかして私も円になってたかも。)
強い意志を感じ取れるその背中に桜子は微笑む。 「何笑ってるのよ、キモーイ。」 「アハハ、美砂に言われたくないなぁ。」 桜子が隣に来ないので美砂が振り向き、"後退"しながら"進んでいた"。 つまり、桜子にとっての前方に背を向けている状態。 冗談を言い合いながら、桜子が美砂に追いつこうとしたその瞬間。 斜め右の角度、向こうの方から何者かの人影がこちらを見ていることに気付いた。 「み………。」 その殺気を受け取ったときには、もう遅かった。 ドォォオン! 「…え?」 音源に振り向く美砂を連れて退避することも不可能な程、危険は美砂のすぐ側まで迫っていたのだ。 ―――図太い銃声が、空にて重奏する。 【柿崎美砂/赤】 [状態]健康 [武器]? [思考] 1/決意 【椎名桜子/赤】 [状態]健康 [武器]H&K P7 [思考] 1/決意
七十八、 <<女神は微笑む 〜U〜>> アイツらを殺そう。アイツらさえ居なければ…。 私を苦しめるアイツらさえ居なければ、私は―――! 忌々しい存在をこの手で消すために、円は麻帆良の中を一心不乱に捜しまわっていた。 莫大な広さを持つこの学園内から、二人の特定人物を一人で捜すには時間が必要だった。 だから円は一睡もせず―――いや、あの二人の影が邪魔で眠れやしないだろう。 ともかく、長時間走り続けている。激しい憎悪に頭痛さえもを感じながら。 ライフルが重たくても、円の細胞の活動は止まらない。 強い憎しみは、糧となっていた。 正常な状態の円であれば底知れない体力に自画自賛するところだ。 「アイツらを消す!アイツを消す!」 今はこれしか頭に無い。 そして、神経を研ぎ澄ませていたためか、脳が何者かの足音を受信する。 「……!」 円は惹きつけられるように、その音の出所を目線で探す。 「やっ………れなか……ね。」 「うん。早……けて……くちゃ…。」 "見つけた"―――声は出してない。唇が、勝手に動いた。 美砂と桜子が周囲に気を遣うこともなく、通常の声量で声を掛け合っている。 完璧に聞き取れるわけでもなく、読唇できたわけでもないが、 問題は"存在を敵に知られてしまった"ということ。 二人は円が剥き出しにしている殺意に気付かず、呑気に手を握っている。 ―――チャンスだ。 円はライフルを目線に持ち上げ、目標へと銃口を照らし合わせた。
…… 「―――!!」 突然桜子の腕に弾き飛ばされた美砂は、その拍子で目を瞑ってしまった。 閉ざした視界の中で、聴覚が神経に伝えたのは銃声と、 ドサッという自分の身体が出した重たい音。 恐る恐る視界を明快にすると"銃で撃たれた桜子"が、 糸の切れた人形のように膝から崩れ落ちた。 弾が飛んできた方向を桜子が吹っ飛んだ方向で割り出すと、 美砂は突発的に円の居る方―――左手側に顔を向ける。 だが、そこには既に無人。視界の景色をぐるりと一周させるが、犯人は居ない。 ただ、しぶとく耳に付き纏う銃声に聞き覚えがあることから狙撃手を特定することができた。 「……桜子ぉ!」 しかし今はそれどころではない。美砂は桜子の方へ四つん這いになって身を寄せた。 ――激痛に意識が遠のきそうになっていた桜子は美砂の叫びによって呼び戻される。 一時的に飛んだ記憶を手繰り寄せ、一つの真実を紡いだ。 美砂の危機を感じ取った瞬間、考えるよりも身体が先に働いていた。 まさにそうとしか表現できない咄嗟の判断で桜子は、 即座に美砂を突き飛ばして自分が身代わりになっていた。 その現実を確かめるように、熱が集中している腹部に手を当てた。 "ぐちゅり"というぬるい音。肌色が残っていないと言うほどに赤くなった手のひら。 「美砂は………?」 頭を横に傾けて、視線を地面へと這わせると、美砂の震える指先が見えた。 自分の身体を囲んでいるの血は自分のものだけだと知ると、桜子は安堵する。 「何やってんのよアンタは!馬鹿じゃないの!?」 正確に捉えることができた第一声は説教。 "キモイ"という言葉よりもその称号は確かに合っているかもしれないと自嘲的に笑う。 けれど初めて体感する死への道のり。痛みが桜子の笑みを歪ませた。 「美砂…円を……お願い…。」 「桜子!」
何が桜子大明神だ。何が麻帆良のラッキー仮面だ。 ちっとも神様に好かれてなんかないじゃないか。 桜子が一体何をしたっていうんだ。桜子が何か悪いことをしたか!? 「………アハハ…。」 「何笑ってるのよ!」 掻っ捌かれたような苦しみが襲う中、それでも桜子は弱々しく笑った。 微かではあるが声を出して。力は感じないが、状況に似合わぬほど、嬉しそうに。 「……うん、あのね………やっぱり…私って…皆が言うように……運が良いんだな…って…思った。」 「………はぁ!?」 こんな時に、こんな事態を抱えながらも不相応なことを実感したという桜子。 それに対し驚きの中に呆れも含めたような、間抜けな声を漏らす美砂。 涙で歪んだ視界に、桜子の携える笑顔を見つめながら。 「だって……運が…良か…た…から……美砂を……庇え…た…でしょ…。 それ…に……親友と一緒に居て……親友を…守れて……親友に見守れながら……死ぬことができるって…滅多に…無いんじゃない…?」 「桜子……。」 美砂は桜子の背中に手を這わせ、抱き支えるようにして顔を覗き込んだ。 この最悪の事態を引き起こした原因は美砂にもあるため、 胸の中が悔やんでも悔やみきれない思いで充満する。 他に、美砂の中にある気持ちといえば桜子に死んでほしくないという思いだけだ。 「お願い、桜子!死なないで!」 この出血の量で、"死なないで"だなんて何て無謀な願いなのだろう。 それでも美砂は桜子の命を引き止める言葉を掛け続ける。 「桜子!一緒に円を止めるんでしょ!約束破らないでよ!言ったじゃない!」 「ねぇ……何で円は………すぐに…走ってっちゃっ…た…のか、な……?」 唐突な疑問。桜子は円が居たはずの空虚を見つめて。
「私ね………や…ぱり…円……待…てる…だと…思う。……誰…が…私…ちが…止めて…れるのを…望んでる……だと…思う。 だから……私は…も…無理だから……美砂、………円…助け…あげて…。」 「アンタも行くの!!」 感情的に美砂は泣き喚く。母親に縋る子供のように、泣き叫ぶ。 桜子の手に触れると、つい先ほど握ったときの温もりが抜けていっているのがわかった。 視線を移動させれば一面の赤。美砂は桜子の手を強く握り締めた。 桜子がどこにも行かないように。桜子をこの場に居留まらせるように。 「美砂。………今なら、間に合う。…今なら見つかるはず……行って…!」 いつになく真剣な面つきは、美砂の枷となり、押し黙ってしまった。 細々しくて、威圧感の篭った―――まともな表現のしようのない、桜子の語調。 美砂は暫し涙を隠すように俯いたまま、――そして、答えを出した。 「………わかった。これ、借りるね。」 自分の気持ちを殺して、桜子の決意を受け入れたのだ。 美砂は桜子のバックから銃を取り出す。 「……いつかまた、アンタとチアできると良いな。」 今にも溢れ出しそうな感情に鍵を掛けて、美砂は精一杯の笑顔を桜子の胸に刻んだ。 そして振り返ることなく、円が居たらしき方向をまっすぐ進んでいった。 「…きっと……できるよ、……いつか、また…。」 段々小さくなっていく美砂の背中が消えた時、桜子が呟いた。 それはただの儚き願い、それは叶わぬ願い。 それでも少女は信じた。 いつの日か、三人揃ってあのユニフォームを着れる日が来ることを。 星の出ていない夜空を眺めながら、桜子は双眸を細めて。 「……あ、雪だぁ…。美砂と円も………見てるかなぁ…?」
195 :
代理 :2008/02/11(月) 19:24:44 ID:???
――――雪。 まるでそれは、桜子への天からの贈り物のように。 まるでそれは、桜子の生命を迎えに来たかのように。 桜子の頬を白く色付けるように積もり、或いは肌に吸い込まれるように溶けていく。 「移…ゆく…景色映す 時間の窓… 透き……る力…き 赤子の声… い…か見た儚きゆ…め…遠…空… 粉ゆ……舞う夜… 別…の……鐘…」 死に際、不と出てきた。 舞い降りてくる白い雪に、笑いかけながら、涙を一人。 「……美砂の歌、…聴きたかったなぁ…。」 ――雪が散る夜。 一人の少女が、極上の笑みを絶やしたまま、命の灯火を吹き消した。 【椎名桜子 死亡 ―─赤組残り1名 ――青組残り8名】
196 :
代理 :2008/02/11(月) 19:25:33 ID:???
【柿崎美砂/赤】 [状態]健康 [武器]?・H&K P7 [思考] 1/決意 【釘宮円/青】 [状態]精神崩壊・右足負傷 [武器]長ネギ・ライフル・包帯 [思考] 1/私がアキラと古菲を殺した。 2/私は間違っていない。 3/迷い→桜子と美砂を殺そう。 作者19 ◆2HIP/nDee2:2008/02/11(月) 19:17:43 ID:pKKBd7gI0 終了
作者19氏、代理氏乙です。 赤組は美砂一人なんだな……円がサクッと殺したら終わり? て、そりゃ元も子もないなww
歌詞とりんくしてる・・・GJ!! 大前ボイスが流れたよ!
やっと楽しみにしてた歌詞がきたよ GJ
桜井19gj そして代理の仕事の速さにもgjをあげよう
桜井? GJ
19氏乙です。 赤組が柿崎一人だけか・・・ このまま決着かな?でも、青組で壊れたままの人が何人かいたよな・・・ もう少しバトルがありそうな予感。
携帯で「さ」の候補に出た「作者」と「桜井」を間違えたんだろ ミスチルファンじゃね? ともかくGJ 今週は双子の戦いといい、ブルックの回想といい、友達に勧められた映画といい…泣きまくってんな俺……
作者19氏 代理氏乙です
ハイパーミシャータイムくるよー/^o^\ 桜子の死により覚醒で全身からオーラ放出して浮遊術使えるようになって残りの青組フルボッコ
誤字なんか気にならないくらい良かった GJです
なんだか桜子あっけなかったな…
桜子、前回に引き続き良い死に方だな GJ!
昨日とある部を一日で読破してバトロワの事ばっか考えてたせいか 今日夢で自分がリアルの友達とかとバトロワしてる夢みた 3人で協力してたら狂った奴に襲われて逃げたり殴ったりで本当怖かった 目が覚めた時全身から汗出てたよ… バトロワで一番の恐怖は乗った人から逃げてる最中の恐怖感なんだなと思った
>>209 俺もバトロワの夢はみたことあるが俺は正気系マーダーだった。
まぁ最後は最初に殺したやつが
なんか生き返っててそいつに殺られた。
夢だから途中から訳わからんことになってたから
アスナさん出てきたし。
ただ俺はクラスメートを6人は殺した
>>210 よくそんな細かいとこまで覚えてるなww
俺はバトロワの夢はないが父親に殺されそうになる夢なら覚えてる
細かくは全然覚えてないが夢なのに凄い怖かったのと起きた時息切れしてた
>>211 よ210だが俺ほぼ毎日夢見るから
覚えれんだ。バイオハザードの映画見たときに
まじリアルであせった
俺も高校1年生の終わり頃を境に8年間毎日夢見てるがうっすらとしか覚えてないぞ バトロワはないが朝倉と血が出てるさよなら夢に出てきた事ある
最初に首輪であぼーんして跳び起きた事ならある。授業中に
投稿始めます。
七十九、 <<超展開の後に>> 「動くナ!」 力なく倒れ伏す身体に銃を向ける新田を更に銃で威嚇する超。 「アスナさん……。」 いつもは強気な彼女の弱々しい姿をネギは一目見ると、 人間の顔の筋肉というものはこんなにも確固するものなのかというくらいに引きつったのがわかった。 「……ごめん、………勝手なこと…して。」 「…あとは私たちに任せるネ。その話はそれが終わてからゆっくりするヨ。」 婉曲に説教の予告をした後、超は明日菜から視線を外して新田を睨みつける。 「新田先生、命が欲しくば皆を解放してもらおうカ。」 これまでにないほどの気迫を放出させながら、銃口を定め新田の行動を制限した。 冷静沈着な物言いではあるが、その中に憤怒が押し込まれているのがわかる。 「……そういう脅迫は、敵を本当に追いつめたときに言う台詞だよ。」 カチャ 「……動くな。」 超の後頭部に冷たくて硬い感触が伝わる。 一番側らに居た兵士が銃口を押し付けているのだ。 残った一人の兵士もそれに次いで銃を持ち上げた。場の空気が一層緊迫に満ちた瞬間だった。 すると、今度はネギが音も無しに立ち上がり、最初に超に銃を向けた人間へと杖を構える。 「銃を降ろしてください。」 兵士の背後から威圧を放すネギは静かに、それでいて強くそう指示した。 カチャ 今度は銃を超に向けていた兵士の内の一人が、それをネギへと移動させた。 特徴的な機械音で、ネギは振り向かずともそのことに気付く。 しかし杖から手を放そうとはせず、ただ前方に立つ相手の頭部を睨みつけた。 ここで引いてしまえば、全てが終わると思ったから。 「ぅ…………ッ。」 「…!」 今度は身体が動かなくなっていたはずの明日菜が、ネギに銃を向ける兵士へと銃口を合わせた。 全身全霊の力を振り絞って、それを右手へと詰め込んで。
体育館の中心に一つの輪ができた。 誰かが不審な動作を見せれば誰かが引き金を引く。 それは無言の取り引きとも言える危機的状況。 だが、今の膠着状態を解くため、新田は形勢を奪おうと口を開いた。 「……一つ、良いことを教えてあげようか、ネギ先生。」 「………。」 ネギは新田の言葉など無視して、男の後姿を目に据わらせた。 「実は、先日君の生徒の一人が本部に侵入していてね。村上さんだったかな?」 「……!?」 大事な生徒の名前を耳にした瞬間、ネギはピクリと片眉を上げる。 そして、新田が何者かへ合図を送るように指を鳴らした後で、倉庫の扉が開かれる音を耳にした。 反射的に、目線はその方向へと奪われた。 ドサッ 「な……!」 ロープできつく縛られた村上夏美の身体と瀬流彦の身体が床に叩きつけられる。 二つのロープの先端を握った一人の兵士は、無言で状況を考察した。 そして夏美の頭部を鷲掴みにしてから、装備していた銃をこれ見よがしに押し当てる。 「これ以上、生徒を殺されたくなかったら大人しくしていてくれないだろうか?」 「ちょっと待ってください!その行為は貴方たちの目的に反する…!」 「あの人は結果が知りたいだけだ。汚い手段をとったとしてもそれも結果の一つ。 良い結果であっても悪い結果であっても、それを知りたい人間というのはあくまでも第三者。 だが私はこの場に立っている。つまり、私も彼のモルモットということになる。 だから私はこうやって勝利と金を得ようとしているんだよ。これが私の戦い方なんだ。わかるだろう? そして、もうこの勝負は終わりだ。君の負けなんだよ、ネギせんせ…。」 「そんな……。」 膠着状態にも終わりが来た。それは、ネギにとって最悪な形となって。 絶望的な事実を知ったネギが、杖を降ろそうとしたのを見計らって、今度は超が言葉を出す。
「…では今度は私が良いことを教えてあげよウ、新田先生。」 「……何?」 「どう見ても私たちの勝ちヨ、先生。」 敗者の戯言に、新田は訝しげに片眉を上げて肩を竦める。 確かに今は数珠繋ぎの状態ではある。だが、こちらはそれに奥の手を加えて見せた。 現にネギだって人質の存在を知ってうろたえているわけだ。 それなのに、その余裕はどこから来たものなのかと新田は感じる。 「………君は成績は優秀だが、実は頭が悪いようだな。この状況をどう見れば…。」 カチャ これまでに何度も聞いた音が、新田の言葉を遮断した。 それと同時に、その音の出所を見ているその場の全員はそれぞれ表情に変化を見せる。 「……もう良いみたい、ですよ。瀬流彦先生。」 二人の人質を連れた兵士は"新田に銃を向けなおして"瀬流彦に向かって穏やかな口調で語りかけながら、 口を封じているガムテープを剥いでやる。野太い声ではあるが、 為している行動に反しておどおどとした声色が特徴だった。 「そうみたいだね、"村上さん"。」 今度は瀬流彦が、"兵士"の言葉に応答した後緩んでいたロープを自ら解いた。 しかし、その名の持ち主は依然として動く気配を見せない―――。 「………どういうことだ?」 「こういうことネ。」 奇怪な言動を漫然と見守っていた新田が脳内に疑問符を浮かべると、 超の表情を確認するかのように一瞥した後で兵士は自らの"顔を剥ぎ取った"。 「え……!!」 その皮膚の下から新たに公開された顔こそが、――――人質と呼ばれていた村上夏美。 夏美は帽子を脱ぎ捨てると、長時間の演技により溜まっていた疲労感を解放するように溜息を吐き出した。 そして、強く瞼を閉じた後で夏美は改めて新田に銃を向ける。 「………チェックメイトだヨ、新田先生。」
パン! 銃声が、響いた。 【神楽坂明日菜/青】 [状態]意識朦朧、出血多量 [武器]ベレッタM92 [思考] 1/ネギたちと共に皆を護る。 2/決意 【超鈴音/青】 [状態]健康 [武器]デザートイーグル [思考] 1/ゲームから脱出する。 2/首輪解除…失敗ネ。 3/決意。 4/勝利への確信。 【村上夏美/青】 [状態]健康 [武器]?・?・9mm拳銃 [思考] 1/…。
〜二章〜 一、 <<舞台裏 〜T〜 >> 「勘違いしないでほしいネ。この血は私が殺したからついたわけではないヨ。」 文化祭以来、信頼が薄くなった苦笑いする超の顔に、 美空は目を細めて警戒心丸出しの視線を暫く縫い付けていた。 確かにあの事件ではかなり面倒なことに巻き込んでしまったということはわかっていたが、 正直、まさかこんなに腫れ物扱いを受けるとは思っていなかった。 「その銃は何?」 「だから支給された武器ネ。襲われたから自分の身を護ただけヨ。」 点点点、と三点リーダがその場を支配する。 どうも信用できない、という視線を送り続ける美空に、 超は眉尻を下げて喉億より盛大な溜息を漏らして降参したのか銃を捨てて両手を挙げた。 「これで勘弁してはもらえぬカナ美空サン。」 「もうええやん美空ちゃん。超りんがここまでするんやからきっと本当やよ。」 「…アンタが良いなら私は良いんスけどね……、私は青組だし。今度は助けないからね。 人殺しの仲間とは思われたくないし、危険を感じたときはさっさと一人で逃げさせてもらう。」 木乃香が超の肩を持つと、折れた美空が顔を逸らして不満そうに言葉を放った。 "こんな馬鹿げたゲームなんかで死ぬのは御免だ" そんな気持ちが木乃香よりも強かったからだ。やっぱり美空とて人間。 人殺しと一緒に居て誤解を受けて、誰かに殺されるのは嫌だ。結局は自分が一番大事なのだ。 「…。」 超も、美空も、木乃香も、それぞれ別の方向に面を落とした。 皆の間を気まずい空気が駆け抜ける。 「……そうだ。このかと美空の武器は何だったの? 私もまだ確認してないし、丁度腰を降ろす場所もあるわけだしさ。超さんもこっちに来なよ。」 その緊迫した空気をまず打開したのは夏美だった。 狼狽しているが流石演劇部部員現役、淡々と話すその様はさぞ悠然かのようだった。
「……そうやね。ほな、あそこのベンチにでも座ろうや。」 ここは男子中等部校舎寄りにある休憩所。 落ち着いて休息が得られるようベンチが何個か設置してある。 どれも同じ形なのにも拘らず、木乃香は鼻歌を奏でながらどれに座るか選んだ。 「ほんなら、ウチから発表するなー。」 小学生のときに授業でたまにある、発表会のような気分で木乃香は声を弾ませた。 しかも自分もまだ見ていないわけだから、場違いにも良い意味で胸を高鳴らせていた。 夏美も木乃香も、まだ人の死というものに実感が湧いていないから。 「おー、何やコレ。」 「……アレじゃない?声が変わるっていう。」 「よくテレビであるよね。推理もののアニメとか小説でも出てくるじゃん。」 木乃香に支給されたものは変声スプレーだった。 このゲームでは使い物にならないだろうが、日常で使ってみると楽しめただろう。 「美空ちゃんの武器は探知機みたいやし、夏美ちゃんのは何?」 「私のはコレ……。」 控えめな声を出しながら、バックから取り出したものは大きな箱だった。 中には何が?と蓋を開けてみれば出てきたのは女の子にとっては必須アイテムのメイク道具…、 というより、舞台女優などが使用する特殊メイクセット。 演劇部である夏美は、こんな状況ではなかったら喜んでいたと思う。 「…つ、使えないよね。」 「アハハ、まぁええやん。」 「………いや、そうでもないヨ。」 「え?」 笑い合う二人の言葉を、勝ち誇ったような笑みを浮かべた超が自信あり気に否定する。 三人は超の意図が読めず、間抜けな顔をしてそれぞれ顔を見合わせていた。 超は顎に手を添え、夏美を一瞥して最終的には本部の方向を見る。 「この勝負、私たちがもらたネ。」
終了 二章目、ちょっと文章が粗末になっています。
乙 後もうすぐかぁ〜
19氏、投下乙です。 そして二章突入ですか。 一章の終わりにどう繋がるか楽しみだけど、 二章の終わり頃には記憶が薄れそうで怖いw 兎に角残り投下頑張って下さい
GJ 一章と二章てなんなのか馬鹿な俺に教えとくれ
GJです、どんでん返しの展開に驚かされました。 今までの作品を全部読んだ訳ではないですが19氏の文章はかなり読ませてくれて引き込まれます。 続きが楽しみです。 ただ、個人的に感じているのですがロワに登場する兵士は文字通りの雑魚でネギ達と対照的な下卑た連中として 登場する事が多いのが食傷気味です。 単なる物語の駒なのは構わないのですが、女子学生にバタバタ倒されるのが当たり前な程弱いとちょっと……という気になりました。
GJ!!
今読んだ。
>>226 あすなは修行したりしてたからじゃね?
ネギまだから、そこらへんはムズイよな・・・。
まぁ16部でもあったとおりバトロワは殺し合いが中心になるから本部の話はこんくらいでいいよ。
1wwwwww6wwwwwww部wwwwwwwww
乙。良い展開だね。
16部は驚くほどにネギがあの何だっけ悪魔・・・名前がでてこんけどフルボッコw
ヘルマン 17部のオリキャラの事ならブランク
超すっきり ヘルマンだわ
ヘルマソ地味にロワに出てくるなぁ 今40分の仮眠から起きてきたところですた 誰もイナーイかな。また寝るは
寝る前に
>>225 恐らく1章が生徒同士の殺し合い
酷く言えば生徒の頭数減らし
2章は1章で生き残った生徒+先生方VS主催者側
夏美さん大活躍さね
あくまで推測だから本気にするなよ?
おーこれは凄い
>>226 貴重なご意見どうもありがとうございます。
次回もし作品をつくる機会があれば参考にさせていただきます。
>>235 保存しました。
乙です。
あと、ここまで来たら差し支えないので言います。
一章が本編、二章が物語の裏側みたいな感じです。
ここに投稿するときは、私がクライマックスを大事にしたいと思ったため今のように一章+二章と投稿しています。
ただ、今日は話数を合わせるために二章を二話投稿します。
ということで投稿始めます。
二、 <<舞台裏 〜U〜 >> 「……なるほどなぁー!それやったら、何とかできるかもしれへん。」 作戦内容を聞いて感心する木乃香、と、素直に驚くことができないでいる美空。 夏美は少し憂慮しているような表情で意気揚々と話していた超を見つめた。 「で、でもさ、超りん。あっちは銃を持ってて、身体も鍛えてるんだよ?どうやって服を奪うの?」 戦闘能力の数値は正確にはわからないが、相手は兵士。プロなのだ。 銃を持っているのは相手も同じ。条件はそうは変わらない。 それなのに本拠地へ忍び込んで、もしも失敗したらどうするのだろう。 「フフ。夏美サン、女の武器は銃でも刃物でも、力でも無いヨ?」 いかにも不安そうにする夏美に、超は得意げに笑ってみせ腕組をする。 拳を頬の前まで持ち上げ、立てた人差し指を左右に振った。 けれどそんな威力のある武器だなんて夏美には心当たりは無く尚心配になる。 美空は既に悟ったらしく、必死に笑いを堪えているようだった。 「何なん?なぁなぁ、教えてーな超りん。」 幾ら頭をフル回転させても正解に辿りつけない木乃香が、 もったいぶる様子に耐えられず、身を乗り出して超の両肩を揺らし答えを促した。 沢山詰まった脳がぶつかりあう様に多少酔いを感じながら、超は木乃香の両手を肩から剥がす。 そして、ウィンクをしてこう言い放った。 「お色気、だヨ。」 目を点に、口は「へ?」と。 一瞬聞き間違えただけかとも思ったが、そうではない。 確かに今、学園一の頭脳を持つ彼女が"お色気"という言葉を発した。 妙に強調されたその言葉が耳に付き纏い、脳に入り込んでくる。 夏美はそれが冗談で言っているのか本気で言っているのかわからず、 無意識に立ち上がってもう一度口を開こうとする。 「アッハッハハハ。お色気って…!」 「なるほどなぁ!夏美ちゃんやったら、できるかもしれへんわ!」 だが、息を吸うよりも美空が喉奥で耐えていた笑いを零すほうが早く。
それに続いて、絶妙なタイミングで天然ボケを発揮し心の底から感心する木乃香。 柔らかく突き出した右手も方向転換され呆気なくテーブルの上に、 そして夏美は膝から力が抜けてすとんと椅子に落下するように腰を落とした。 「わかるダロ?このゲームに協力している人間は腐っていル。金のために、女子供に銃を向けル。 普通ならいくら金を積まれたところでか弱き女子中学生相手にここまですることはないネ。 つまり、アイツらは低レベルな男どもの集まり。こういう馬鹿な人間に効く武器といえばお色気くらいヨ。」 それはもう飄々と、饒舌に。 このまま彼女たちだけに話されていては夏美も賛成ということで通ってしまうに違いない。 だが夏美は反対、大反対。慌てて会話に積極的に参加しだした。 「ちょっ、ちょっちょっちょっちょ!ちょっと待ってよ!」 向かい合わせになっている超と美空・木乃香の間に夏美の右腕が突き出された。 超に向けた手のひらには透明のマジックペンでストップで書かれている。 冗 談 じ ゃ な い 。 「わ、私はそんなの嫌だよ!怖いもん!そそそそそ、それに私…まだキスだって…。」 張り上げていた声は、終わりに近付くにつれ大人しくなっていく。 終いには胸の前で人差し指同士をキスさせ、もじもじと落ち着かない様子で指先を見つめた。 隣に座っている木乃香は、夏美の頬が僅かに赤くなっていることに気付いた。 「何で赤くなってるん、夏美ちゃん?」 「そうヨ。私は、昨日逢ったばかりの男とキスしろだの何だのとは言てないネ。」 「アハハ、そうだよ村上ィ。何想像してるんだってー!」 「……もう、じゃあ何するっていうのよ!!」 おかしいのは三人のはずなのに、何故か変な目で見られている夏美。 「…フフ、ちょーっと誘惑するくらいで良いんだヨ。あとは油断したところを背後から私が片付けるかラ。」 「ゆ、ゆーわ……?」 …
「ええええええええー!や、やだよやだやだ!そんなこと言えない!」 夏美は顔を頬を重点的に顔真っ赤にして非難めいた超に眼差しを送る。 飛んでもない指示を出した超はそこに悪意は無いものの悪戯めいた笑みを浮かべていた。 先ほどの警戒心はどこへ行ったのやら、美空は超に拍手の喝采を注いでいる。 木乃香はその内容の意味がわからず、脳内に疑問符を並べるだけだった。 「…今から話すことは私の推測。……まぁほとんど事実と断定してもおかしくはないガ。 とりあえず詳しい作戦内容は皆頭の中に入れておいてほしいヨ。」 夏美の拒否を更に無言で拒否して、超は話を進め始めた。 … ――本部、中等部女子体育館へ侵入できる場所は数個存在する。 まずは入り口。もちろんここから入るのはあまりにも堂々としすぎているし、 何より作戦の実行をしても確実に成功することはできない。 それから窓。これも不可能だ。低い場所にある窓は屋内運動部が使用するボールが 外に出ないようにしてあるためそこから人が入るのなんて不可能である。 だが、一箇所だけ。あまり人に気付かれず自由に出入りできそうな場所があった。 女子更衣室裏口。 (超さん…本当にやるのぉ?) 扉の前に立つ見張り役の男の様子を草陰より窺う超と夏美。 ここまで来てまだ躊躇する夏美を、超が後押しする。 (大丈夫ネ夏美サン。上手くいくって信じれば、絶対に上手くいくヨ。) 理不尽な物言いに夏美は泣きそうになるが、突然背中を手のひらで突き飛ばされた。 「ひゃっ!?」 っとんとんとん、と前のめりになりながらも何とかバランスを整えるべく両手を羽ばたいてみせた。 落ち着いたところで背後を振り返ると手のひらを遊ばせながら笑っている超。 誰が言わずとも、背を押した犯人はコイツだ。
(ちょ…っとぉ…!) 唇のみを動かし、非難の眼差しを超に注ぐが当の本人は何事も無かったかのように余所を向いている。 眉尻が落ちて瞳が涙で揺らぐのが自分でもわかる。 それでも自分が兵士の視界に入っていることには変わらず、 夏美は意を決意して兵士との距離を縮めていった。 「あ、あの……。」 「………どうした?」 それによって、先ほどから不審な行動をみせていた夏美が自分に用事があるということに勘付く兵士。 張り巡らせた警戒心をより強くした後で、夏美の呼びかけに応答する。 「そ、その………えーっと……。」 透明なキャンバスに薄い桃色の絵の具を塗ったかのように、 夏美は頬を赤らめながら、丁度聞き取れないくらい小さな声で何かを伝えようとしている。 読唇を試みようとしたが、視野の下部分で剥き出しになっている少女の鎖骨に思わず釘付けになる。 リボンはだらしなく垂らされていて、第ニボタンまで外されている。 幼くも色香を感じさせるその仕草も、兵士には追い討ちを掛けることとなって。 「だから、あの……――――――――、―――!」 最後には少女の艶やかな囁きが、兵士の身体を支配した。 男の意識が潤いのある夏美の唇へと吸い寄せられそうになったその時。 カチャリ 「………。」 冷や汗は、男の頬を撫でた。 目を見張らせ目線を落とすと、腰に差していた拳銃が姿を消していた。 けれど額に翳されているものを見ると、それは自身のものであり。 「貴さ…………!」 トン 状況を処理した後で腕を震わしながら銃を握る夏美の表情を睨みつけるが、 背後より何者かに頚動脈を刺激され、突如兵士の見ていたものたち全てが歪みを見せる。 落下していく視界の中、兵士が見たのは中国を連想させる構えをとった少女の姿。 それを最後に、兵士の視野全てが暗転した。
三、 <<舞台裏 〜V〜 >> 「そういえば何で桜咲さんと一緒に居ないの?」 美空が木乃香と二人きりになってまず一番に出た言葉がそれだった。 夏美と二人で行動していた場面を見たときに生まれた疑問を美空はぶつけた。 名前で呼ばれていないため死んでしまったわけではないはず。 行動を共にしてからも刹那を探す気配も無いし、名前すら一切出なかった。 喧嘩でもしたのかとも思ったが刹那が木乃香に嫌悪を抱くことは無いだろう。 もちろん、木乃香が一方的に嫌うというのも考えにくい。 「……せっちゃんとおったら、ウチ…せっちゃんに甘えてまうから。」 魔法が使えない今自分には何の能力も無い。 刹那のように剣術に優れているわけでもない、超のように学園一位なわけでもない、 美空のように足が速いわけでもない、アキラのように力持ちなわけでもない、 龍宮のように戦闘のプロというわけでもない、あやかのように皆をまとめる力があるわけでもない。 本当に何もできない無力な自分。 寧ろ自分が捕らわれたせいでネギを殺しかけたこともある。そんな自分を変えたい。 それに刹那のことだから確実に青組の皆を殺し最後に自殺して、 木乃香を生き残らせようという手段を取るだろう。そんなこと望んでいないのに。 だから"私はもう大丈夫だ"と、刹那に頼らないで自分自身の手で自分を皆を護りたいと思っていた。 「………夏美ちゃんとも約束したしな。」 ――強くなりたい。 木乃香の話に、それ程興味が無かったのか美空は"ふーん"とだけ返した。 「アイツら、ちゃんと上手くやってくれんのかね?」 「夏美ちゃんたちのことやから、きっと頑張ってくれてるよ。」 今は信じることしかできないけれど、信じることが夏美の力になるのではと思う。 それに、夏美は皆のために前に歩いていこうとしているのだ。 自分も誰かのために、強くならねばと。木乃香はその思いと一層強くさせた。
… 「新田様、ご報告があります。」 ――― 一礼した後で、兵士は野太い声を新田に投げかけた。 媚びるように、ステージの下から、輪郭を持ち上げ相手を見上げる。 まるで品定めでもするかのように新田がこちらを見てくるので、兵士は緊張の糸をきつく結んで、 先ほどから激しい動きを伝えてくる鼓動におさまってくれと心底願った。 兵士――村上夏美は、手汗を握り改めて新田を見直した。 「……先ほど、生徒の一人が本部に侵入したのを発見したため、捕獲しました。」 ――搾り出した声は、れっきとした男声。 ――何度も鏡で確認した顔は、れっきとした男性。 顔の筋肉が強張っていることが自分でもわかるほど、夏美の心は張りつめていた。 嘗め回すように夏美を見る新田は、やがて、口を開く。 「………勝手なマネをするなと最初に言ったはずだが…?」 「……!」 "最初に"だなんて言われても、本当の意味での新参の夏美がそれを知る術などない。 (ど、どうしよう…。) 助けを求めるように視界を上下左右に動かす。 いつもとは違う異質な威圧を放つ新田は、ただ沈黙を繰り出すだけだった。 だがネギたちは夏美に託されたようなものなのだ。 ここで引き下がれば、木乃香たちに合わせる顔が無い。 「申し訳ありません。ですが、人質として捕らえておけば万が一何かが起きたときに役に立つでしょう。」 こちらを見つめる新田に吸い込まれそうになりつつも、夏美も負けじと見返した。 すると、 「……まぁ、居て損はしないか。」 「は、はい!」 作戦通りに事が運んだことに、夏美は声を上ずらせながらも演技を続けた。 それから数時間後、夏美は一台のパソコンの前に座っていた。
――――『出席番号2番明石裕奈、出席番号21番那波千鶴以上二名。』 家族だと思っていた千鶴の死は、夏美にとってとても大きなものだった。 悩みができれば一番に相談に乗ってもらっていたし、 夏美がそうしなくともちょっとした異変に気付けばすぐに声を掛けてくれた彼女。 いつも一緒だった千鶴との思い出が、次々に頭の中に映像化されていく。 ちづ姉が死んだ。 (………。) ちづ姉は、もうこの世に居ない。 (………。) 泣きたくても、泣けない。 (………最期くらい、一緒に居たかったよ、ちづ姉。) 時計の針が十時を示した。 「よしよし、このまま青組優勝だ!」 「赤組頑張れってくれよ…。」 モニターの前で拳を作る兵士や飛び上がる兵士が居れば、ガックリとうな垂れる兵士も居た。 彼らはこのゲームを日本ワールドカップのような感覚で観戦している。 後ろめたい気持ちなんてこれっぽっちも持ち合わせていないのだろう。 寒い中外を走り回る女子中学生たちとは相反して暖房の効いた体育館で歓声を上げる。 「やっぱ赤組に6000円!」 「今更乗り換えは無しだろ!」 トトカルチョは、夏美が兵士としてこの場に紛れ込む前から始まっていた。 幾ら夏美が気が強いほうではないとは言え、これには怒りの火山も噴火してしまいそうになった。 皆がやりたくもない、命を賭けた戦いを酒の肴にして、おまけに勝つだの頑張れだのと。 兵士たちの馬鹿騒ぎを耳に通しながらも、夏美は作業を続行する。 (……それにしても、首輪のデータなんて入ってないよ、超さん。) それ程パソコンに詳しいわけでもないが、何時間もパソコンをいじり続けているのに、 首輪に関してのデータが一向に見つからないため、 もしかするとここには存在しないのではないかと疑い始めた。
そして、その疑いは一つの人物へと向けられることとなった。 (そういえば新田……さっきから誰と話しているの?もしかしたら、データは…。) そう考えると、超が話していた疑問点とやらのつじつまが合う。 そんな思念の表情を新田に向けていると、それが原因で注意力が散漫になっていたらしく、 先輩に当たるらしき兵士がパソコンの画面を見つめているのに気付いて肩を揺らした。 「お前もあっちで飲もうぜ、今日は無礼講だ。それに人質を捕らえた褒美だ。」 目の前に缶ビールを持って、頬に赤みを差してだらしなく笑う兵士。 (何だ……。) 意図に気付かれずに済んだことに安堵しつつも、夏美は頭を左右に振る。 「結構です。」 考える暇も無く即答すると、兵士はノリ悪いなと 聞こえるくらいの声でぼやいて仲間たちの輪の中へと戻っていった。 その背中を見つめながら、こんな時に酒を飲むお前らの方がどうかしてる、と。 そんな類の悪態を心の中で吐きながら、パソコンへと顔を戻した。
終了。 言い忘れてました。 裏舞台は時間軸より、視点を大切にしています。
19氏乙 夏美ついに生存か
GJ 夏美に誘惑されたいな・・・
二章合わせて後何日くらい?
↑ 毎回聞いてる奴いるがお前らログほれよ
乙です。 夏美生存の期待もあるが・・・ 18部も似たような事言ってたしなあ。 まだ本編も終わってはいないし、ラストまでが楽しみ。
乙。後少しかぁ〜。俺エピローグ好きなんだよなw
俺も夏美に誘惑されたいんだけど
なぁ19、夏美は何て言ったんだ? 好きに妄想していい?
「む…胸に支給されたペットボトルが挟まったんだけど……あの…とってもらえますか…?(///)」
「さっきの戦いでブラジャーのフックがとれちゃったんですけど直してもらえませんか?(///)」
>>255 _ ,.、,、
, ' ,ノハヽ
/ ノノノ ハリ
ノ )リ ゚ ヮ゚ソ| あら?あなたに胸なんかあったかしら?
( ((∫つkと)
)ノハ く/_|〉ノ)
し'ノ
実写でもバトロワktkr このスレが参考になった可能性も否定出来んぞw だが明日菜役と楓役が可愛いからなんでも良いやww
>>259 あっ…今日バレンタインか……
なんか嫌な気持ちになってきた…俺闇属性かもしれん………
264 :
マロン名無しさん :2008/02/14(木) 14:13:40 ID:W21O+W+H
あら?俺もなんか闇の魔法使える気がしてきたぞ…
今日はバレンタイン ネギ「皆さんに1人になるまで殺し合いをしてもらいます」 一同「えーやだよー」 「ネギくん冗談だよね?殺し合いなんか嫌だよ」 ネギ「優勝者には僕からチョコをプレゼントしますよ」 まき絵(よし!殺しまくるよー!) のどか(いどえの日記使って殺しまくるですー) ゆえ(のどかを利用して私が先生のチョコをゲットするです) いんちょ(ぶっ殺しですわ☆)
投稿します。
四、 <<裏舞台 〜W〜 >> "本当の黒幕の正体" それが最大の疑問だ。 このゲームには数点引っ掛かるところがあった。 ・説明中に出てきた主要人物の男二人について。 研究者とその親友。新田は説明中にこの二人の身分の差について話していた。 天と地の差、ということはどちらかが裕福な生活を送っているということになる。 研究に明け暮れた主人を持っていたとしても、金持ちであれば生活に支障は無い。 寧ろ自由に過ごすことができて好都合。ならば妻が子を連れて逃げる理由が無い。 しかし、失ってしまった。 だから消去法を使って、裕福な人間は研究者の親友だとしよう。 そうするとその親友が"新田"かもしれないという疑惑も無くなる。 ただの教師が金に苦労していないはずも、あんなに大勢の兵士を雇う金を持っているはずもない。 それに、あんな人間が親友のために、自分の金を使って大勢の兵士を雇うだろうか。 だとすれば事件の黒幕は別に居る。恐らく新田は金と生徒を引き換えに、とでも言われて利用されているのだろう。 ・何故"ただの実験台"でこの学園のこのクラスが選ばれたのか。 目の付け所が悪いと言いたいのではない、 確かに3−Aの皆の結束力はどのクラスよりも強いと思っていたから。 だが普通、新田が選ぶなら自分のクラスの人間ではないだろうか。 受け持ったクラスの可愛い生徒だから、とあんな冷酷非道な人間が思うか? ・どうしてA組内で仲の良いグループをハッキリと把握できているのか。 A組の皆が新田と過ごす時間なんて担当教科時間以外全然無い。 人質となっている瀬流彦だってそう。 だったら担任のネギが教えて…というのも考えにくい、だとしたら何のためにと言いたい。 ―――だが今、その全ての疑問点は答えに結びついた。
超は夏美のサポート役として、体育倉庫に身を潜めていた。 そして、麻酔か何かによって眠らされている瀬流彦の目覚めを待つ。 理由―――、それは、超が彼がネギの居場所を知っているかもしれないと踏んでいるから。 更にその理由―――、それは…。 超の知っているネギは、身を挺してまで生徒を守る一教師。 けれど、ネギは姿を見せない。 そう、ネギは助けに来れないのだ。 どういうことかというとつまり、魔法が使えない状態。 その理由は二つに絞ることができる。 ・魔法が制限がされているから ・特殊なバリアか何かが張ってあるから …ここでまず、あやかが新田にした質問を振り返ってみよう。 "ネギ先生や、他の先生方は今どこに?" 彼女はネギだけではなく、他の教員全員の安否も問うていたのだ。 そして新田は彼らの無事を公表した。 魔法が使えるネギだけでなく高畑も捕らえられている。 魔法戦士向きの高畑ならば身体能力のみで充分鎮圧できるはず。 "確定" そしてその結界を利用するには、ある程度魔法に対する知識のあるものにしかできない。 つまり魔法教師――――瀬流彦。 きっと結界を張ったのは捕らえられている彼だ。 だとしたら、ネギが捕獲されている場所を彼は知っているはず。 …
「オイ、新人を除いてお前らは全員地下牢へ急げ!他はここで待機!」 親玉とも言えよう、ここに集う兵士の中ではずば抜けて体格の良い男が指揮をとっている。 昨晩から睡眠をとることなくずっとパソコンの前に座っていた夏美は "背中から吹き出す冷や汗に更に焦燥感に駆られている兵士"、という役を演じ続ける。 残った新人の兵士はモニターの前に集まり、一応戦闘の準備をしておく。 一人は入り口で見張り番を務めているが、騒動により集中力は削がれていて役を果たせそうにはいない。 「……お前が昨日からずっとそこに居たんだろ。」 「何でこういうことになってんだよ。」 「人質とって新田様に褒められたからって良い気になりやがって。」 あれだけ親しげに話しかけてきていた兵士たちはここぞとばかりに責めてくる。 ここで夏美は男たちのレベルの低さを思い知る。 誹謗の言葉は今だ飛び交っているが、夏美はそれを無視してパソコンをいじる振りを再開した。 すると、同僚である一人の兵士に突如首根を掴まれ椅子から引き剥がされた。 「もう良い、変に扱うな。お前は人質の見張り役でもやってろ!この低能!」 (…………う。) 流石に最後の一言は夏美のお怒りに触れかけたが、無理矢理それを押さえ込む。 この程度の我慢ができなければ、千鶴のルームメイトなどやってられない。 夏美は渋々という風に背中を丸め、指示通り倉庫の方へと足を進めた。 ―――それと同刻、隣室である更衣室にあやかが忍び込むのだった。
五、 <<裏舞台 〜X〜 >> 「……!」 息を吸い込んだその音で、瀬流彦の脳は覚醒していった。 冬だというのに寝汗で髪の生え際が濡れていて、痛いほどに喉が渇いている。 寝起きだというのに先日起きた出来事は鮮明に覚えていた。 「……そうか、僕は新田先生に………。」 上体を起こそうとすると軋むような痛みが全身を駆け回る。 固い床に長時間うつ伏せになっていたためだろう。 きっと寝返りを打とうとしても手足が縛られていて動けなかったのだ。 捕縛されたことを改めて思い返すと、どれだけ自分が無力なのかを思い知らされた。 「…一体、僕はどうすれば。」 「私と少し話をすれば良いヨ、瀬流彦先生。」 「え……?」 少女の声。―――それは先日、ゲームに強制参加させられているはずの。 瀬流彦は縛られたロープを解こうともせず、ただ首を動かして音源を探した。 すると、その声の主は簡単に見つかる。 斜め前に発見した少女の足先。そこからゆっくりと視線を持ち上げた。 「超……さん?」 「おはよウ、瀬流彦先生。貴方が目覚めるのを、私はずっと待ていたネ。」 彼女は埃が舞う跳び箱の上に寝そべる少女の上に足を組んで座っていた。 それはそれはでかい態度で、膝の上で頬杖をついて。 その体勢のせいで露出された彼女の太ももに、瀬流彦は目のやり場に困る。 「……何で超さんが、ここに居るんだい?どうしてその子は縛られていて、超さんは…。」 「ほウ、この子が気になるカ瀬流彦先生。そういう趣味だたネ、話のネタ提供どうもありがとウ。」 「超さん。」 「フフフ、冗談ヨ冗談。ほれ。」 若干強くなる瀬流彦の口調。反省の色は見せずとも、 あまり苛めるのも悪趣味かと超は跳び箱から飛び降りて、 少女の襟を掴み上げると瀬流彦の隣に乱雑に放り投げて寝そべらせた。
「……?」 仰向けになったその身体が安定すると、首だけが人形のように力なくこちらに向く。 超の意図がわからず、瀬流彦はただ疑問符を浮かべた。 「……そうカ、やはり瀬流彦先生でもわからないカ。私も驚いたからネ、夏美サンの腕には。」 「超さん、どういう…。」 「瀬流彦先生、貴方の隣に眠っている彼女は男ヨ。彼は"人質"として捕らえられていル。」 「えッ……男って…この子が?」 「正確に言えば私たちの敵。その兵士サンの代わりに、夏美サンが本部に偵察に行ってるヨ。」 自分の知らない内に自分の間近で起きているらしい出来事に瀬流彦はついていけず、 目を白黒させながらその様子を見て腹を抱える超の小さな笑い声を脳が認識することしかできなかった。 … 「なるほどネ、合点がいったヨ。確かに、委員長サンはよく実家に帰っていたナ。……だとすれば、このゲームには…。」 黒幕の正体を明かした後、瀬流彦は超がこのことについて疑問を抱いていたことを知った。 さすが随一の頭脳だと心の奥で褒め称えながらも、 瀬流彦は途絶えた超の言葉の続きを待っていたのだが、それ以上超が発言する様子は無く。 「それで、どうするの?ネギ先生をどうやって……。」 「それは特に問題じゃないヨ、こちらには魔法無効化を持つ人間がついていル。」 ―――即答。 「何か心配はない?」 「…別に無いネ。しいていえば私が見つけるまでにアスナさんがちゃんと生きてくれているかということカナ。」 ―――即答。 「……僕に、できることはない?」 「無いヨ。」 ―――即答。 こうも即答されては、瀬流彦の気分も海の底に撃沈する。 ただでさえ自身の無力さに傷ついていたというのに、追い討ちをかけられた気分だ。 「瀬流彦先生、貴方の魔法は戦闘向きではナイ。大人しくしていてほしいヨ。」
溌剌とした語調で超は肩を竦めながら言った。 そういう性格なのだと理解しつつ瀬流彦は少し責められている気になる。 「ごめん。……僕は…どうして、こうも誰かを守れないのかな。」 つい、本音が漏れた。 「僕は皆を……大切な人を守るために魔法使いになったのに…どうして、守れないんだろう…。」 惨めにも涙が床に募る埃に落ちる。 「何で……先生たちや超さんたちに助けられているんだろう…。」 "戦うこと"は嫌いだ。だから、"守るため"に魔法を学んだ。 戦わずして守る。その言葉を胸に、僕は生きてきた。 ―――大事な人たちができた。 僕が麻帆良学園に就任したら、生徒たちは笑顔で迎えてくれた。 この笑顔を守るためなら、僕は何でもしようと。そう、思っていた。 けど、今思うとその覚悟が半端だったのだと思う。 あの時、職員室でまず一番に僕は人質として捕らえられてしまった。 だから高畑先生や学園長も下手に抵抗することができず、僕のせいで牢屋に閉じ込められた。 僕は言ったんだ。「僕のことは良いから、生徒たちを守ってください」と。 "言っただけだった"んだ。 突きつけられた銃の引き金を僕が引けば、こんなことにはならなかったんだ。 結果――― 守られたのは僕だった。 それなのに、僕は兵士の指示に従ってしまったんだ。 僕だけの力ではどうにもならない、だから世界樹の魔力を使って先生たちを捕らえろ。 そう言われた。そして、それを実行してしまった。 とにかく全てが中途半端だった、曖昧だった、僕の気持ちも意志も力も。
体育館。 眠る生徒たちに首輪を嵌めていく兵士たちを見守ることしかできなかった。 カチャリカチャリと、同じ音が数十回響いた後で僕は情けなくも泣いていた。 修行に修行を積み重ね、多くのことを学んだ結果に得た力は一体何だったのか、と。 笑われてしまうかもしれないけど、涙を流すしかできない自分に腹が立って。 そして…ゲーム開始直後、一人一人体育館を後にする生徒の背中を見送ることしかできなかった。 「先生、先生が無力だとは私は言っていないし、思ってすらいなイ。 見守ることしかできなイ?それで充分ネ。皆にとっては先生が生きているだけで充分ヨ。」 床に増えていく雫を見つめて、ようやく超が言葉を綴った。 柔和な笑みではなく、頼もしい笑みを表情に刻んで。 涙のせいだろうか、瀬流彦にはその笑顔が妙に眩しく思えた。 「他に…お願いするとすればソイツの世話くらいネ。目覚めそうになったらボコッと一発頼むヨ。 まぁもうすぐ夏美サンが来るだろうから、やはり先生に仕事は来ないかもしれぬガ。」 「わ、わかったよ……。もう行くのかい?」 「あァ。色々と世話になたナ、瀬流彦先生。また後ほどお逢いしよウ。」 「……こちらこそ、有難う。気をつけてね。」 たくましい超の背中を見つめながら、瀬流彦は瞼を閉じた。 「僕が今助けられたように……あんな風に誰かを助けられると良いな。」
>>240 >夏美は顔を頬を重点的に顔真っ赤にして非難めいた超に眼差しを送る。
夏美は頬を重点的に顔を真っ赤にして非難めいた眼差しを超に送る。
でした。
どうしてこんな誤字を…。
では。
乙です
GJ セルピコがまさかここまでちゃんと書いてもらえるとはw
夏美はそんな子じゃない><
乙と一言
GJ! 面白いっす
読み応えは十分あるんだが、やっぱり短い気がするなあ・・・
超セルイイ!GJ
投稿始めます。
八十、 <<敗者は漸く負けを認める>> "最悪、夏美サンが手を汚さねばならないことになるかもしれないということヨ" その言葉を聞いた瞬間、私は不安を感じていた。 新田を欺く。――――そして、切り札として残していた人質を出したその後。 正体を明かし、隙を窺って新田を撃つ。そうなるかもしれない、という恐怖。 私に足りないのは覚悟と、勇気と、自分を信じる力。超さんは教えてくれた。 …いや、本当は前から知っていた。ちづ姉に、教えてもらった。 そして、強くなる勇気は、木乃香に分けてもらった。 倉庫に居たとき、不安になったとき、そのことを忘れていた私に瀬流彦先生がこう言った。 「那波さんも近衛さんも、きっと村上さんのことを見守ってくれているよ。」 "だから、きっと大丈夫" 何の根拠も無いけれど、それは確かに私を後押ししてくれた。 きっと求めていたのだと思う。あと一回だけ、誰かに背中を押してもらいたかったんだ。 信じてくれている。裏表の無いそんな気持ちが欲しかったんだ。 ―――だから。 一通り回想を終わらせた後、夏美は意識を覚醒させて新田を凝視する。 そして、引き金に添えた人差し指に、懐かしい新たなる温もりの気配を感じながら。 (見ててね、ちづ姉、このか!) パン! … ……
リアル遭遇ktkr wktk
「次逢うときは、体育館でになるんかな?」 私が超さんと体育館に向かおうとした時、 木乃香が私の背中に向かって声を掛けてきた。 ちょっと寂しそうに。気にしないつもりだったけど、私もちょっと寂しくなった。 「そうだね。」 「頑張ってな、ウチも頑張るから。」 私は…いつもちづ姉とばかり居るからかな? 木乃香のそういう表情を見るのは初めてな気がした。 だっていつも木乃香はニコニコ笑ってるから。 だから…結構辛いなって思ったけど、木乃香が頑張れって言ってくれたから、 私も前を向いて歩こうっていう気持ちが強くなったんだ。 … 「……夏美サン。」 木乃香と別れて本拠地へといざ出陣、というときに、 超が一歩前を歩いている夏美を引き止めた。 妙に深刻そうな声色だったため、夏美は些か不安気に、肩越しに振り向く。 すると、驚くことに超は夏美に向かって銃口を照らし合わせていた。 「え……!?」 「………一つ、聞いておこウ。夏美サン。」 微塵も躊躇いないことは、全く震えを見せない超の腕を見れば充分わかった。 生命の危機を感じ取った夏美は、誰かに助けを求めるべく周囲を見渡すが、 当然のことにここに佇んでいるのは当人たちだけで。 「……夏美サンは、こういう風に人に銃を向けることができるカ?」 「は…?」 「…最悪の場合、夏美サンが手を汚さねばならないことになるかもしれないということヨ。」 心臓が大きく膨らんだのが、夏美の全身に伝わった。 その言葉には冗談の欠片も感じられないし、表情もいつになく真剣。 医者に余命を宣言されたときの気持ちが痛いほどにわかった。
冷たい風が、二人の間を吹き抜ける。 … それでね、私、ずっと見てた。木乃香が頑張ってるところ。 カメラ越しに。ボロボロになっても、美空や桜咲さんを守ろうとしてたところ。 最後に私との約束を、ちゃんと守ってくれたことも知ってる。 その時にね、私、勇気をもらったんだよ。 ずっとずっと不安でたまらなかったけど、ずっとずっと怖くて震えてたけど、 木乃香のおかげで強くならなくちゃって思えた。 "那波さんも近衛さんも、きっと村上さんのことを見守ってくれているよ" 木乃香のこと、ちづ姉のことを思い出して泣きそうになったときにね。 倉庫で、瀬流彦先生が言ってくれたんだ。 多分、後押ししてくれたんだと思うの。 もしかしたら、あと少し不安な気持ちがあったのかもしれないね。 でも私、充分にわかったよ。一人じゃないってことが。 だからね、私も"最後"くらい―――。 …… … 夏美は人差し指を引き絞った。 弾丸は兵士とネギの間を突き進み、空気を裂いた後新田の腹部を貫いた。 「……ぐぶ…ッ!」 下品な唸り声と、赤黒い血の塊を嘔吐した新田は、 支えを求めるかのように三歩ほど後方によろめいた後、呆気なく床へと倒れ伏した。 「………勝負はもう、ついたはずです。銃を降ろしてください…!」
新田が消えた。となればもう、誰も戦う必要などない。 だが主を失くした兵士たちは悔しさで銃を離そうとはせず、引き金を引こうとするのだが――。 「…ひぃ!」 ――――囲まれていた。 視界を一周させるとそこには見覚えのある教員たち、そして仲間だったはずの兵士。 自分たちに銃を向ける兵士たちは様々な箇所に傷や痣があり、 教員たちの無言の圧力に足を震わせていた。 「……。」 今だ彼女たちに銃を向けていた二人の新人も、 流石に逆らう勇気は無く銃を捨て両手を挙げて白旗を振る。 ―― 「ネギ……ごめんね、私………。」 「……アスナさん…。」 ネギの膝の上に頭を乗せ、あれだけ無理をし助かる見込みの無いのは当然の明日菜が力なく笑う。 それを取り囲むようにして夏美と、先ほど教員たちと共にこの場に到着したまき絵、刹那、風香も座っていた。 誰も言葉を掛けようとはしない。―――できなかった、ただ黙って命の終焉を見守ることしか。 放送だけならばまだしも、流石に目の前で人が死んでいく様に慣れなど来ない。 「…アスナさん……僕は…結局……。」 「私も……嬉しかったよ…ネギが……アンタが生きててくれて………。」 「でも…。」 「何もできなかった……。ううん…ちゃんと……居てくれたじゃない…。それだけで…充分だよ…。」 「アスナさん………!」 「……アンタは…もう、大丈夫………私が……居なくても。」 それを見た誰しもに安堵感を与えるだろう笑みは、消えることなく。 涙が一筋こめかみを撫でたのを最後に、明日菜は口を開くことはなかった。 「アスナさん…!アスナさん!……アスナさぁぁぁぁぁああん!!」 彼女を胸に抱く少年の声は、虚空で艶やかな重奏を織り成した。
―― 「さぁ、とっとと首輪を解除するんだ。」 兵士を壁に追い込むような形で、教員の集団たちが問い詰める。 大切なものを守りきれなかったという自分への怒りを瞳に携え、威圧を放った。 「し、知らないんです!首輪については俺たちは何も話されてなくて…。」 「ただ戦闘だけを任されていただけなんです、新田さんに……!」 「新田さんに依頼者が居たとかいうのも、今朝知らされたばっかりで…!本当なんです!」 先頭で啖呵を切る新田におののく兵士たちは次々と真相を暴露していく。 そして訴えるような眼差しを教員たちに注いだ。 「嘘を吐け!」 「高畑先生。彼らが嘘を吐く理由は無くなったはずヨ。 ……それに、嘘を吐いたのは私ネ。ゲームは私たちの負け、勝ったのは黒幕。」 壁に背で圧を掛け先ほどまで黙ってこの光景を眺めていた超が漸く口を開いた。 緩慢とした速度で高畑たちに歩み寄ると、超は首輪のランプを一瞥して高畑を仰ぐ。 「監視カメラも起動しない、首輪のデータも存在しない。それなのに何故死亡者の発表ができたのカ。 もしかすると、首輪のデータはこちらには無く…。本当の黒幕の手元にあるのではないだろうカ。 そして、首輪は一向に外れる気配は無い。つまり実質上、ゲームは続いているということになる。」 「…ちょっと待ってくれ、君はまさか、そのことに気付いていたのか…?」 「………あァ、気付いたヨ。瀬流彦先生に全ての話を聞いた後でだがネ。 ずっとパソコンに付きっきりだった夏美サンも気付いてるのではないカナ。」 「だったら何故…。」 「私は負けず嫌いネ。途中でゲームに乗るのも良かたが、それでは負けを認めたことになてしまうだろウ。」 いや、というより。 「……フフ、私はロマンチストだからナ。ただ単に、最後くらい皆と―――。」 思いに浸るように瞼を閉じた後、ゆっくりと開いて真っ直ぐ前を見据えた。 強く見えた横顔に、絶望的に儚い願いが込められていたことを高畑は知る。 【神楽坂明日菜 死亡 ―─赤組残り1名 ――青組残り7名】
八十一、 <<shall we song?>> "円、もう終わるのよ!…このままじゃ、アンタが幸せになれない!" "うるさいうるさいうるさい!黙れ!私は悪くないんだ!" "アンタはそうやって自分に嘘をついてるだけじゃないの!" "わかったような口を聞くな!" "じゃあどうしてあの時撃たなかったの!?桜子を撃った後…私のこと、どうして撃たなかったの!? あの状況で撃ってたら完全に殺せたわよね!?何でそうしなかったの!?答えてみなさいよ!!" そう問いただした時、円が一瞬いつもの円に戻った。 動きを止めて、何かを求めている―――助けてって言ってる、そんな気がした。 だから私は円を撃った。撃ったら、円のわき腹には綺麗に穴が空いた。 同時に、私の気持ちがどっしりと重くなったのがわかった。 ああ、円も同じ気持ちを味わったんだなって。そう思った。 … 「監視カメラも起動しない、首輪のデータも存在しない。それなのに何故死亡者の発表ができたのカ。 もしかすると、首輪のデータはこちらには無く…。本当の黒幕の手元にあるのではないだろうカ。 そして、首輪は一向に外れる気配は無い。つまり実質上、ゲームは続いているということになる。」 円に撃たれた右腕を押さえながら、息を殺して超と高畑の会話を聞いていた。 一枚の壁の隔たりは薄く、開いた出入り口から超が言っていることは十分耳に届く。 そして、その意味もそこまで成績が良くない美砂にだって、理解することはできた。 赤組は一人。その一人というのはつまり美砂、自分自身である。
しえん
291 :
代理 :2008/02/15(金) 20:08:08 ID:???
ルールはこうだ。 零時になった時点で赤組か青組、どちらとも一人以上残っていれば全員の首輪が爆発。 つまり、逆に言えば"一人赤組である美砂が死んでしまえば"ゲームは片付く。 美砂は握り締めた銃を見つめたまま、何か良い手立ては無いかと思案を開始する。 ―――けれど幾ら考えても、それが不可能だという事実が濃くなるだけだった。 一人の命と大勢の命。天秤に掛ければ、傾くのは大勢の命。 (私が死ねば、ゲームは終わるんだ……皆は助かる…。) 唾を飲み込んだ。心拍数が上昇していくのが自分でもわかる。 口にしては言わないだろうが、きっと皆は生きたいと思うはず。 美砂は唇を噛んで目を瞑ると、妙に重たく感じる銃を自らのこめかみにあてがった。 長谷川は自分の命を犠牲にしてまで桜子を庇った。 桜子は自分の命を犠牲にしてまで私を助けてくれた。 だから、私も皆のために、死を決意しなければならない。 ―――が、右腕を上げたことによりその拍子に血が地面に滴り落ちる音。 「ム?」 見える範囲に赤い模様がコンクリートを色付ける様を、超は見逃すことはなかった。 「…柿崎サン……。」 「あ……ッ!」 誰かのために自らを犠牲にするだなんて柄じゃない。 そんな寒い場面を超に目撃され、恥辱心で心を満たす美砂は微かに頬を紅潮させた。 おまけに超まで口を閉ざしてしまい、美砂の望まぬ気まずい空気が流れ込んでしまう。 「あ、えーっと、こ、こんにちはー…。」 挙動不審極まりない言動。手を大袈裟に振りながらぎこちない笑みを浮かべている。 何をしようとしていたか悟っているだろうが、美砂は誤魔化そうと口を動かす。 「い、いやー、あの、その……元気そうで良かったわ…か、風邪とか引いてない?あは、気をつけなきゃね。」 最早自分でも何を口走っているかなど理解できなかった。 超は己の失態に、珍しくも状況を打破することができずに居た。 本当は、美砂にだけは真実を打ち明けないつもりだったがために。
292 :
代理 :2008/02/15(金) 20:08:56 ID:???
「…何か、あったんですか?」 「どうしたの、超りん……?」 「何やってるの?」 出入り口付近に佇む超を不審に思ってか、明日菜の死を見届けていたネギたちがそちらへと歩み寄る。 声が近付いていることに気付き美砂は逃げようと身体を翻すが、 超が美砂の手首を捕まえたので逃走は呆気なく不可能に終わった。 「柿崎さん!…無事……だったんですね………!!」 「良かった……良かった柿崎ぃ!」 「本当に良かったよ。その怪我、どうしたの?」 「早く止血をしないと…!」 「えっと、えっと…手当てしなくちゃ…!」 ネギ、まき絵、風香、刹那、夏美が次々と好き勝手に台詞を吐く。 それぞれ辛いことがあったはずなのに、美砂一人の命のために表情を変えてくれる。 喜びを隠し切れないネギの涙、裏表のないまき絵の笑顔、怪我を懸念そうに見つめる風香。 止血すべく自らの制服のシャツを破く刹那、今更ながら血に困惑しつつもそのシャツの切れ端を受け取る夏美。 ―――皆の優しさに触れると、死ぬのが怖くなってくる。 「皆……。」 でも、だからこそ、守らなくちゃいけない。
293 :
代理 :2008/02/15(金) 20:09:24 ID:???
「皆、動かないで!!」 決意を胸に、美砂は夏美の腕を振り払うと銃を持ち上げて叫んだ。 皆は何事かと目を丸くして、美砂の行動を見守っている。当然だ。 ゲームが終わったのにこんなことをしているのだから。そこに何の理由があるのだろうか。 「私は……私は………ッ!」 言葉が思いつかない。思うように、上手く話すことが出来ない。 やっぱり死ぬのが怖いんだろう。だが、皆を助けたいという気持ちは確か。 美砂は躊躇いながらも強く目を閉じ、銃を再びこめかみへと運ぶ。 「何やってるの柿崎!」 「止めろ!」 まき絵と風香が止めに入るが、引き金に美砂の指が触れるとつい足を止めてしまう。 目の前で命を絶たんとしている仲間。背筋が凍るような感覚。 夏美は何か言いたそうにしているようだが、声を絞り出すことができないようだ。
294 :
代理 :2008/02/15(金) 20:09:49 ID:???
そんな重たい空気の中、不相応にも超が"あ"という高音を漏らして顔の前に手のひらを打ち合わせた。 そして呑気なことに、緩慢とした速度で美砂との距離を詰め。 「良いこと思いついたヨ、柿崎サン!」 「う、動かな…いぃ…痛いッ………!」 怒声を上げようとする美砂の銃を持つほうの腕を掴み、抵抗できぬよう捻り上げる。 そして一歩踏み出し皆の前に立つと、美砂の手首を握ったまま仰々しく両手を広げ、 舞い落ちてくる雪を鼻先に乗せ、並びの良い歯を見せ、盛大に明るい声で。 「皆、歌おウ!」
295 :
代理 :2008/02/15(金) 20:10:12 ID:???
作者19 ◆2HIP/nDee2:2008/02/15(金) 20:07:21 ID:pKKBd7gI0 終了。
296 :
代理 :2008/02/15(金) 20:15:24 ID:???
19氏、投下乙です。 再び本編(一章)に戻ったんですね。 そろそろクライマックスかな? 明日も楽しみです。
おお!! みしゃー!! 初の全員退場?
みしゃーとくぎみーの戦いはもうちょっとちゃんと書いてほしかった・・・
19氏 代理氏 乙です
乙! 啖呵切ってるのって高畑…だよね??
面白い。面白いのだが… 一つだけ難を言わせてもらうと、描写がつながらない部分がある。 いきなりの表現で面食らうときがたまにある。 それさえなければすごくいいんだよね。 終盤に来て今更なんだけどね。
歌おウ! なんか泣きそうになった…
>>301 わざと時間軸ずらしてるんじゃね? 後でもう一度触れると思うよ
美砂ええのう 美砂ええのう(´;ω;`)
,. ‐=三く `丶、 , '7´ ‐ - 、 \ 丶 / / ,/`丶、 \ 丶 丶 / / / ./ 丶ヽ ヽ. i i ' ! / ヾく. i |! | i l|/ _ヽ ! ‖ │! |!´ ̄`` '´ !│‖ | |i ! 、 } .} i| | || ト, `ー‐' ゛¬'´i ! |! ! || l.ヽ"" "",l l. li [ I N T E R M I S S I O N ] │!l | ト. r‐- ァ ィ ! i ! |! i i.! | | / iュ!-‐っ6]l i ! | || VII Kakizaki Misa / ,' ! レ 7 '" ト リ ,' ! !l / ,.ィ i! ,' } ' ,'、 i |i━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ /´ i ハ/ / i i 丶. l| 私が死ねば、ゲームは終わるんだ……皆は助かる…。 ,ハ ' ,',. / ,. ィ'´ ,! | ヽi …このままじゃ、アンタが幸せになれない! i ', ヽ/ウ / / / | | |i | i / iレ 〃' / ヽ ヽ !ト "The action that Misa takes...?" | /7 { ,'/ / ! i. || i 美砂がとる行動は…? の綴りはこれで良いんですかね?(英語全く出来ないんでもし違ったら直しといて下さい) 今日の投下感動したんで書き下ろしじゃないけど美砂で。
やっぱり ちゃおは そうせめだ な >306 GJ
308 :
別館まとめ :2008/02/16(土) 12:58:46 ID:???
>>308 〜ロワイアル.19
入れないと駄目なんだ…
>>309 別に決まりってわけじゃないよ。
まとめさんは欲を言えばってかいてるじゃない。
へいへい。次からは気をつけるよ。 てかWelcome〜以外なんか良い語呂ないんかね?
yahoo! negirowa
hato poppo royale 19
Now,you are in the Negima Battle Royale. あえて in the で……ただ単に英語分かんないだけだけどさ/^o^\
>>301 いえいえ、とっても有難い意見です。
しかも…そうなんですよね、前の文と後ろの文が繋がっていないこと、よくあるんです。
もし次回があれば頑張ってみます。
>>306 超GJです。
夜中に乙でした。
今日は三話投下になります。
八十三、 <<みんなで…! 〜U〜 >> 繋いだ手の温もりが、身体中に伝わってくるのがわかった。 それはとても心地が良く、今から死を迎えるだなんてことが嘘のように思えた。 歌い続けながら、六人は頭の中に様々な思い出を綴っていく。 ――「今年は12月24日に合唱コンを行うことが決まったそうです。……コラ風香さん史伽さん、席に着きなさい!」 教壇に立って騒がしい教室内にて、皆の立てる騒音を掻き消すような声量であやかが話す。 指摘された二人は渋々席に戻るのを横目で見送った後で、 あやかはプリントを見ながら背後の黒板に白いチョークで文字を刻んだ。 「課、題、曲……戦、場、の、メ、リ、イ、ク、リ、ス、マ……ス。」 一字一字書かれていく文字をその都度手前の席の桜子が読み上げていった。 チョークを置いた後、室内のざわめきが再び蘇える。 「何々?戦場のメリークリスマスって!」 「イヴにクリスマスソングって、ちょっと良いねぇ。」 「でも考えてみれば、イヴに学校があるってことやん……。」 「おーっし、優勝は3−Aがもらっちゃうよー!」 話の続きだというのに、私語を慎まず好き勝手に盛り上がる3−Aの仲間たち。 ここで怒りを募らせたあやかがドンッ!、と手のひらを机に打ち付ける。 「いちいち騒がないでください!まったくもう、貴方たちと来たら何故いつもいつも……!」 「いんちょー……。」 「あ、あら失礼……コホン。」 言葉を一気に捲くし立てるあやかに呆れ果てる朝倉の声。 途端我を取り戻したあやかがぎこちない笑みを携え、口元に手を添えて咳払いを一つ。 そして改めて、言葉を紡ぎ始めた。 「…私たち三年にとっては、これが麻帆良女子学園、3−Aにとっての最後の行事となります。」 いつもと何ら変わりのない…けれどしおらしさも垣間見えるその声。 皆のそれに対する反応は明白だった。
八十ニ、 <<みんなで…! 〜T〜 >> 暗幕カーテンで外の世界からの光を遮断し、ステージにスポットライトを当てる。 光を浴びる六人の少女は手を繋いで、時計の針の音に耳を澄ました。 静寂の中には、一人の少年のしゃっくりだけが響いている。 その少年――ネギは体育館の隅でステージに立つ六人を見守る教員の内の一人、 高畑の胸に顔を埋め、声を殺して泣いていた。これから起こる悲しい結末を前に。 やはり、幼い少年には些か辛すぎる。大人である教員たちですら、目に涙を溜めているのだ。 (…皆、有難う。) 美砂は瞼を伏せて、自分は最高の仲間を持てたと改めて幸せを感じた。 3−Aであって良かった、と。皆に出逢えて良かった、と。 思いを胸に、しずなの奏でる前奏の終わりを合図に美砂は大きく息を吸った。 他の五人も同時に瞼を降ろし、全ての気持ちを歌に込めて。 … 「……それじゃあ、助かる方法は無いってことですか!?」 脈絡の無い超の言葉に疑問を持ったネギが経緯を聞いたことで皆が問題の重大さを知った。 ネギは驚きのあまりに声を上げるが、他四人は忙しく顔を見合わせあっている。 新田が死んでゲームが終わったと思った。地獄から解放されたと思ったのに、それなのに。 だがどれだけ驚愕しても首輪が発光を続けていることは事実なのだ。 「…超りん、手、放してよ。………皆、死にたくないでしょ…?」 両手首を背中で握られたままの美砂が自由を求めるが、超は首を横に振った。
死にたいか死にたくないかと聞かれれば、誰だって死にたくないと答えるだろう。 しかし、彼女らは仲間一人の命と自分たちの命とを天秤に掛けようとなんてしない。 数なんて関係無い。たった一人の命でも、それはかけがえの無いものなのだから。 それにその大切な命を犠牲にして、自分たちはのうのうと生きていくだなんて、もっと嫌だ。 「……私は、」 暫しの沈黙をまき絵が破った時、美砂は固唾を飲み込んだ。 「…私は、超りんに大賛成だよ!!」 「えぇ……?」 間抜けな声を上げる美砂。他の三人も若干目を見開いたようだったが、口は開かなかった。 まき絵の脳裏には、ハルナが夕映を助けるために身を挺してまで火の中に 飛び込んでいったこと、そして一度は助かったものの思いを 捨てきれずにハルナと一緒に死んでいった夕映のことが浮かんでいた。 そこで思ったのだ、――自分も、そうでありたいと。 「うん……ボクも…。ボクも賛成だよ、超りん!」 風香が精一杯の笑顔で首を上下に振って、賛同する。 妹の史伽に助けられた命。だが、もし逆の立場だったら史伽はこうしただろう。 「私もです、柿崎さん。こういうものは、皆で背負うべきですよ?」 「…うん、もうここまで来たら私も付き合うよ!」 刹那も夏美も風香たちと同じ意見だった。 言葉の中に偽りの気持ちなんて無い。"彼女たち自身"が選んだのだ。 皆一緒に、零時を迎えることを。
「思い残したことといえば散々練習した歌を披露できなかったことだよね。」 「そうそう、アレだけ柿崎燃えてたのにさー。本当はボクが新田をボコボコにしたかったんだけど。」 ―――どうして? 「フフ…。確かに、綾瀬さんや雪広さんの指揮やピアノの練習にまで付き合っていましたね。」 「何てったって"長"だもんね、それに私たち今年で最後なわけだし。」 ―――どうして? 「柿崎サン、これはもう私の言う事を聞くしかないヨ。」 「……て…?」 何で命が掛かっているというのに、こんなにも優しい判断ができるのか。 分からなかった。一人の命のために、ここまでできる彼女たちの気持ちを理解できなかった。 「どうして……?赤組の私一人が死ねば良い話じゃん……申し訳ないよ…そんなの…。」 純粋に、わからなかった。どうしてここまでできるのか。 美砂は素直にその疑問を投げかけ、目にいっぱいの涙を溜めた。 すると、超が状況に似合わぬ満面の笑みを浮かべて単純な言葉を並べた。 「私たちの間に赤組青組だなんて無いネ!私たちは柿崎サンも含めて私たちヨ。」 心から。
あれ、83と82が逆? 投下順間違えたのかな? ともかく支援
八十三、 <<みんなで…! 〜U〜 >> 繋いだ手の温もりが、身体中に伝わってくるのがわかった。 それはとても心地が良く、今から死を迎えるだなんてことが嘘のように思えた。 歌い続けながら、六人は頭の中に様々な思い出を綴っていく。 ――「今年は12月24日に合唱コンを行うことが決まったそうです。……コラ風香さん史伽さん、席に着きなさい!」 教壇に立って騒がしい教室内にて、皆の立てる騒音を掻き消すような声量であやかが話す。 指摘された二人は渋々席に戻るのを横目で見送った後で、 あやかはプリントを見ながら背後の黒板に白いチョークで文字を刻んだ。 「課、題、曲……戦、場、の、メ、リ、イ、ク、リ、ス、マ……ス。」 一字一字書かれていく文字をその都度手前の席の桜子が読み上げていった。 チョークを置いた後、室内のざわめきが再び蘇える。 「何々?戦場のメリークリスマスって!」 「イヴにクリスマスソングって、ちょっと良いねぇ。」 「でも考えてみれば、イヴに学校があるってことやん……。」 「おーっし、優勝は3−Aがもらっちゃうよー!」 話の続きだというのに、私語を慎まず好き勝手に盛り上がる3−Aの仲間たち。 ここで怒りを募らせたあやかがドンッ!、と手のひらを机に打ち付ける。 「いちいち騒がないでください!まったくもう、貴方たちと来たら何故いつもいつも……!」 「いんちょー……。」 「あ、あら失礼……コホン。」 言葉を一気に捲くし立てるあやかに呆れ果てる朝倉の声。 途端我を取り戻したあやかがぎこちない笑みを携え、口元に手を添えて咳払いを一つ。 そして改めて、言葉を紡ぎ始めた。 「…私たち三年にとっては、これが麻帆良女子学園、3−Aにとっての最後の行事となります。」 いつもと何ら変わりのない…けれどしおらしさも垣間見えるその声。 皆のそれに対する反応は明白だった。
騒ぎ立てるものはおらず、3−Aでは滅多にないほどに完全無欠に静まり返っている。 ただ一同は、配られた楽譜を見つめて、何かを考えているようだ。 誰もが皆、それぞれが大体何を思っているのかは想像がついた。 「……今まで色々な行事が行われてきましたが、私はこの最後の行事を一番最高のものにしたいと思っています。 そしてこの歌を、優勝を、今まで私たちを支えてくれた…先生方…ネギ先生への…プレゼントとしましょう。」 … 「いよいよもうすぐだね、合唱コン。」 12月21日。 放課後の練習が終わった後、生徒のみしか残っていない音楽室。 ひな壇に立つクラスメートたちの意気揚々とした顔色を窺いながら美砂が言った。 明るく皆を引っ張っていく人柄でありながら、行事ではその力を発揮しようとしない彼女。 けれど今回は別だった。彼女だけではない、皆にとって特別なイベント。 あのエヴァでさえも、茶々丸や明日菜に引っ張られてではあるが毎回練習に参加していた。 最初は集中力が途切れたりもした双子も最近練習中だけは大人しくなっていて。 大好きなネギに、お世話になった先生たちに、大きな気持ちを歌と共に捧げるために。 それから―――。 「私は、ネギくんや先生たちへのプレゼントとも思ってるけどね。 最初の話し合いでいんちょが言ってたように、この行事3−Aで力を合わせる最後の行事になるでしょ?」 そして、その最後の行事で実行委員になった美砂。 「だから一番皆の心に残ってほしいんだ。そんな歌をうたってほしい。」 少し照れくさそうに、はにかみながら言葉に感情を込めて。 コーラス部に入っただけあって、元々歌うことが大好きな美砂。 そんな大好きなことを大好きな皆で、大好きな人に送るのだから、最高のモノにしたかった。 その気持ちが皆の胸の中にはしかと伝わって――― (ネギくん、皆、今まで有難う。)
ステージとは正反対の位置に一列になってこちらを見つめる教師たち。 首が撥ね飛ぶという過激な最期であるが生徒たちの生涯の終わりを見届けるべく、 ずっと泣き喚いていたネギも、途中からはこちらを見守るようにして。 そして六人の奏でる音色はラストスパートに入ったところで強まった。 ――移りゆく景色映す 時間の窓 透き通る力なき 赤子の声 いつか見た儚き夢 遠い空 粉雪が舞う夜の 別れの鐘―― 両隣の手を握る力が強まっていることをそれぞれが知る。 強く目を瞑って、響きあうハーモニーの声量が自然に大きくなっていく。 けれども一つ一つが散り散りになることはなく、確かにその歌声たちは集結していた。 まるで、他の皆も一緒に歌ってくれているようにも感じた。
324 :
代理 :2008/02/16(土) 20:13:58 ID:???
"募る雪溶かしてゆく 時間の窓" 零時まで残り、55秒。 皆が目を閉じ―――いや、しっかりと開いて。 "堕ち逝く手触れたはずの ぬくもりも" 残り、45秒。 頬を流れる涙は、悲しみではなく。 "いつかまたあおの下に 咲き誇り" 残り、35秒。 それぞれの気持ちを、感じ合いながら。 ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…という古びた首輪の電子音を美しい音色で掻き消して。 "白き日を失くしひと 別れを告げ" 残り―――――大好きだったよ、皆。 ドォォオォオオオオオオオオオオン! 終わりを告げた。
325 :
代理 :2008/02/16(土) 20:14:24 ID:???
八十四、 <<戦場のメリークリスマス>> 23時59分30秒。 ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…。 首輪の音は、続いてる。 何が何だか、わからなくなった。 何が起こったのか、何で起こったのか、何がどうなったのか。 ううん、一つだけ、そう一つだけわかったことといえば。 お腹が、ね。お腹が熱くて。とっても痛くなって。 隣で手を繋いでる超りんがね、目を真ん丸くしてこっちを見てた。 他の皆も、ピアノを弾いてたしずな先生も、私のお腹をじっと見つめてて。 だから私、何だろうと思って自分のお腹に顔を向けたのよ。 「………ア、レ…。」 ―――――撃たれていた。 腹部に開いた風穴を確認したと共に、美砂の足がビクンと大きく揺れて。 後ろから誰かに引っ張られるように、地面に背中が吸い寄せられるようにして、崩れ落ちた。 一つ一つの感覚が全身に伝わる速度が、1テンポずつ遅れているように感じながら。 米俵一表が落ちたような、そんな重たい音が、体育館に反響を起こす。 「柿崎サン――――!!」 広がっていく血溜まりは、死に無抵抗の美砂によって乱されることはなく。 代わりに、そんな美砂を引き止めるようにまず超が声を上げた。 連れて、ネギ、そして刹那と夏美が美砂の身体に半ば倒れるようにして駆け寄った。 「うわああああああああああああ!」 「柿崎!柿崎、しっかりして柿崎ィ!」 「柿崎さんッ!柿崎さんッ!」 薄く開いた唇の間からは、ひゅうひゅうと隙間風のような息が漏れる。 しっかりと開いているつもりの瞼の力も、段々抜けていくのを感じた。
326 :
代理 :2008/02/16(土) 20:15:06 ID:???
そんな中、教師たちが居る方向から兵士たちへの怒りの声が耳に入ってくる。 どの人間も、泣きながら。最強と謳われた学園長も、涙に目を真っ赤にして。 「ふざけないでよ!どうして!?」 「何でだ!!何で!!柿崎が撃たれなくちゃならない!?」 今度はまき絵と風香だ。美砂の傷を見下ろしながら、罵声を上げている。 天真爛漫、桜子にも負けず劣らずの能天気娘たちが激しく怒りを露にしていた。 それは誰に向けられた言葉なのだろうか。 美砂を撃った人間へ?――――いや、このような運命を定めた神への冒涜にも聞こえた。 そんな皆の声を耳に入れながら、美砂は高い天井を見つめて考えた。 残り、15秒。ピッピッピッピッピッ。 ―――きっと、私はこのまま死んじゃうんだろうなぁ…。 ……でも死ぬ前に、皆で歌えたから…だから特に悔いもない、か。 何か上手いこと言わなきゃなぁ、さっきみたいにならないように、何か――― 「僕の治癒魔法で、何とか―――。」 回復呪文を唱えるが、ネギはその手の魔法に深く手をつけていたわけではない。 誰も木乃香のように致命傷を癒す術など持っていないのだ。 それでも夏美は持ってきた包帯で止血しようとシャツを胸下まで捲り上げたり、 美砂が瞼を降ろさないように刹那と超が声を掛けたりと、美砂を懸命に守ろうとしている。 ―――何て言おうかな?やっぱり最期くらい、カッコイイこと言わなくちゃいけないわよね。 "有難う"? うーん、これは歌に込めたからなぁ。 "私の分まで生きて"? これはやっぱり押し付けてるって感じよねぇ。 "ずっと見守ってるからね"? 何か違うのよね、これも。んー…あ、そうだ。そういえば今日は―――
327 :
代理 :2008/02/16(土) 20:16:22 ID:???
残り、10秒。ピッピッピッピッピピピピピ。 「……柿崎さん…?」 涙で視界を滲ませたネギが、美砂の顔を覗き込みながら名を呼んだ。 超も初めて見る光景ではあるが瞳を潤ませており、唇が惨めにも細かく震えていた。 そして夏美がこちらを凝視していた。それによって美砂は知る。 自分が今、引き止めるようにして夏美の手の甲を自らの手のひらで包み込んでいることを。 残り、5秒。ピピピピピピピピピピピ。 ―――ほら、言わなきゃ。 「……これで良かったんだよ。」 かつての生気の輝きが溶けていくようにして失くなっていく瞳の中に揺らぐのは、確かな安堵。 か細い声でありながらも、一つ一つの発音はしっかりとしたものであり。 乾いた唇が動かされた後、弱々しく息を吸って、涙を滲ませた双眸を細く和やかに緩めた後。 「メリークリスマス、皆!」 格好良いか格好悪いかと聞かれれば、後者に入るのかもしれないが。 しかし死に際に脳裏に過ぎったのはこの一言のみで。 満足そうな笑みを表情に刻み付けたまま、大きく息を吐き出す。 そしてかろうじて開いていた瞼すらも、直後に緩慢と降ろされていった。 その瞬間を、ネギたち、教師たちは成す術もなく見守ることしかできず。 ただ一つ、皆にとってどこかその光景は現実味を帯びていないように思えた。
328 :
代理 :2008/02/16(土) 20:16:56 ID:???
ピピピピピピピピピピピピ―――残り、0.1秒。 首輪の光が消失して、カチャ、という機械音と共に床にそれは落下した。 その音にネギたちの中に結ばれていた糸は断たれたかのように。 「柿崎さあああああああああああああああン!」 虚しい叫びがこだまして。 ゲームは悲しい終わりを迎えた。 【柿崎美砂 死亡 ―─赤組残り0名 ――青組残り7名】 ゲーム終了 【優勝 青組】
329 :
代理 :2008/02/16(土) 20:19:27 ID:???
作者19 ◆2HIP/nDee2:2008/02/16(土) 20:15:16 ID:pKKBd7gI0 終了。 怠慢でエピローグ作ってなかったんですけどエピローグ好きな人が居るみたいだったので書きました。 なので明日終了予定だったんですが月曜日終了予定とします。 あっそれから最初ミスってしまいました。 すみません。
°・(ノД`)・°・
あー、なるほど、これは泣く話というか自分的に一番いいチア話と思いましたよ。 無闇やたらとGJを言うのは好きじゃないんだけど……これは抵抗なく言えるよ。 マジでGJ。
332 :
代理 :2008/02/16(土) 20:31:35 ID:???
19氏、投下乙です。 美砂……多分死ぬとは思ったけど、改めて文字にされると悲しみが……。 ドラマチックな最後だった。 エピローグも楽しみにしてます。
作者19氏乙です。 月曜日終了了解です。エピローグ楽しみにしています。 そろそろ次に投下する準備をします。 えーと、確認ですが、短編投下待ちの方はおられますか? おられるのなら少し投下に間を空けますけど・・・・
みさあああああああああああああ!GJGJGJGJGJGJGJGJ(/_;)
19氏 代理氏 乙です 夏美が生き残ったのは嬉しいが、美砂・・・・・
あぁ〜乙〜〜
酉あってるかな……? 携帯ってなんて不便なんだろうか……感想が素早く出せずに残念orz とりあえず作者19氏GJです!久しぶりにいい美砂を見たっ!各部解説の完結版ゲストは今日で美砂で確定した…… >>仮作者20氏 合間に投下する予定だったんですが傾向分析の投下はしないと言っておきます。 名前出たときのために一応。 それと20部の中継、及び分析はオーケーですか? 構わないのなら制作をさせて頂きたいのですが…
GJです 生き残ったのは7人か…
>>337 傾向作者氏、了解です。
あと、中継・分析はOKなのですが・・・・
20部は比較的短いので投下はそんなに時間がかからない予定です。
また、内容が内容なので(見ていただいたら分かりますが)
分析はきっついと思います。ある意味分析しやすいかもしれないけど。
それでも良いのなら、やっていただけると嬉しいです。
20部なだけに20日から投下開始とかどうだろう・・・いや何でもないです。 19部もついに終わりかぁ。 残り投下もあと2日分か。 7人残ったけど、あと何人か死ぬかも?
全 俺 が 泣 い た
なんだろう…凄い感動した。本当泣けた。 偶然だけどランダム再生しててちょうど戦場のメリークリスマスで……… 感動ありがとう
お前ら戦メリ聞きながら読んでまろ!!!
あんまり感動させんじゃないわよ!馬鹿ッ!!
1つの話を長く引っ張るのは読み手としては大変だったがそれを感じさせないくらい感動的なラストだったな 感動をありがとう
後、20部は長い方を先に投下して欲しいな
今読んだわけだが・・・ 感動した。悲しいっていうのもあるが・・・ 涙で画面が・・
勘弁してくれ・・・。最近涙腺が弱くて叶わん・・・。19氏GJ!!
リアル遭遇きたー
なんというリアル遭遇ww
352 :
349 :2008/02/17(日) 19:43:20 ID:???
今から投下します って書き込みあったと思ったんだが見間違いだった。疲れてんのかな?
投稿します。
六、 <<裏舞台 〜Y〜 >> 走る――――あの子を思って。 走る――――円を助けるために。 走る――――私自身の、ために。 かじかむ手が感覚を引き止め、美砂はしっかりと手のひらに銃を握っていた。 前方を範囲に納めていた視界の中に、白い雪が入り込んでくる。 普通だと、ホワイトクリスマスだなんて言って、三人で騒いでいる頃だろう。 それも、もう永遠にできない。話すことも、いや顔を見ることすら不可能なのだ。 桜子は、もうこの世に居ない。円を止められるのは、この世にたった一人になった。 ――――それが、美砂なのである。 美砂は真っ直ぐと突き進む。円を追いかけて――――そして。 淀んだ冷気を吸うと、真っ白く透き通った空気が吐き出された。 「円………。」 呼びかけられた背中は、丸く傾いていて、髪は無防備に風に揺れていた。 脇に垂らされた右手にはライフル。しおらしく降ろされていた、肩。 "ねぇ……何で円は………すぐに…走ってっちゃっ…た…のか、な……?" 「円……。」 "私ね………や…ぱり…円……待…てる…だと…思う。" 「私は…。」 "私…ちが…止めて…れるのを…望んでる……だと…思う。" 「私は、円を助けにきたの。円を…救ってあげたい。」 美砂は桜子の分まで、今の円に手を伸ばす覚悟を心に決めていた。 今、誰よりも一番辛いのは円に決まっている。だから、美砂は正直に思いを綴った。 あとは円次第。円の中の自分の弱さを認める強さが動き出すかどうか。
「円…、もう良いんだよ……。もう、苦しまなくて……。」 それを後押しするように、美砂が優しく。それでいて強く、円に語りかける。 知っている。円は人一倍友達思いで、誰かが泣いていたら手の伸ばさずにはいられないことを。 なのに、とうとう自分が大事な友達への加害者となってしまった。 だからきっと、引き返そうとはしないのだ。誰も責めなんてしないのに。 「何がよ。何が苦しまなくて良いの?私を苦しめてるのはアンタでしょう。」 ほら、やっぱり。 「私は…私は、悪くない。」 黒光りする塊、ワンプッシュで人の命を奪える道具を円は美砂へと向ける。 「だって…これがルールじゃない。……アンタたちでしょ…間違ってるのは!」 パン! 「……ッ。」 咄嗟に射線から身体を逸らす美砂。 素人の反射神経では完璧に避けることはできず、美砂の右肘に弾が命中する。 けれど親友を救うためには、そんなの屁の河童だと言うように、美砂は表情を変えない。 「私は知ってる。……アンタが一番辛いってこと。…私は、私たちはわかってる。」 目元を前髪で隠して、美砂は恐れなど知らないかのように円との距離を縮める。 一方、円はというと、武器を持った両腕を震わしており、 あまりの振動の大きさにライフルが滑り落ちてしまいそうになっている。 カチカチカチカチと歯がかち合う音が静寂に混ざって、美砂の耳にも微かに聞こえた。 「きっと、このままだとアンタが後悔するんだよね。背負っていくには、荷が大きすぎるよね。」 この後、きっと美砂は私が―――いることを言うんだろうな、と心のどこかでそう思った。 でも円は、敢えてその気持ちと向き合おうとはせず、大切な部分をノイズで打ち消した。 「黙れ!」 「円、……アンタだって本当は………!」
―――うるさい。 "ほら、アイツを殺さなくちゃ" ―――うるさい。 "さっさと引き金引いて終わらせようよ" ―――うるさい。 "アイツが話してる今がチャンスだよ!" ―――うるさい。 心の葛藤に耽る円を見て、美砂はとうとう円の半径3m以内に足を踏み入った。 「もう、良いでしょう……円?」 「うわあああああああああ!」 「ちょ、ちょっと……!」 今度は円がライフルを投げ捨て、美砂に飛び掛らんと地面を蹴る。 叫びに身をびくつかせつつも美砂は身に迫る危険を本能的に察知して素早く退いた。 しかしそれは円の届く範囲であり、あっという間に円は美砂の身体に馬乗りになる。 「アンタに何がわかるのよ!アンタに私の気持ちはわからないよ! …アンタだって私が青組だからっ…自分が助かるためにそうやって私に銃を向けてきてるじゃない!」 「な……何言ってるのよ!そんなわけないでしょう!?」 「口では何とでも言えるよ!アンタは桜子を殺した私が憎いんだ!」 喉を押す潰すように円が美砂の首を締め上げて、美砂は酸素を一気に吐き出す。 息苦しさに眉間に皺を刻みながら美砂は膝を円の懐に忍ばせると一気に相手の身体を蹴り上げた。 美砂の隣に円の身体が落ちるのと引き換えに、今度は美砂が円を組み敷く。 「気付いてるくせに!!…本当はわかってるくせに!!何で認めようとしないのよ、私が居るじゃない!」 抵抗できないよう腕を押さえつけ、感情的に声を張り上げる美砂。 「……今、…今助けてあげるからね…!」 「ぐぐ……!」 先ほど円に襲いかかれた際に飛んでいった銃へと右手を伸ばした。 すると、空になった円の左手が美砂の一秒早く動きを見せ、銃の柄へと触れる。 だが当然利き手を使う美砂の方が有利であり、いとも簡単に銃は美砂の手に渡る。 円が美砂の手から銃を奪おうとするが、美砂も引けを取らない力でそれを防ぐ。
最早力比べである。 左手で美砂の手首を掴み右手を銃身を相手の顔面に向けたまま引っ張る円、 そして美砂は円の胸倉を押さえつけたまままずは銃ごと奪うために柄を自分の方へ寄せる。 「円、もう終わるのよ!…このままじゃ、アンタが幸せになれない!」 「うるさいうるさいうるさい!黙れ!私は悪くないんだ!」 「アンタはそうやって自分に嘘をついてるだけじゃないの!」 「わかったような口を聞くな!」 「じゃあどうしてあの時撃たなかったの!?桜子を撃った後…私のこと、どうして撃たなかったの!? あの状況で撃ってたら完全に殺せたわよね!?何でそうしなかったの!?答えてみなさいよ!!」 ―――!! その時、円の中で何かが崩れ去る音が確かに聞こえた。 瞬間、円の手の力が弱まり美砂はその隙を狙って銃を奪い取った。 パン! 美砂は円が再度襲い掛かってこない内に、迷い無く引き金を引いた。 ―――自分の放った銃弾が円のわき腹に食い込む場面を、しかと目に焼きつけ。 「………円、本当は…最初から、やり直すこともできたんだよ?」 「……ぐ…ふぎ………!」 「でも……それでアンタが幸せになれないなら、私はそれを望まない。 代わりに、私がアンタの分の罪を背負って、生きる。だからアンタは、桜子とあっちで幸せになって。」 円は、遠のいていく意識の中、頬に温かい何かが落ちる気配を感じた。 見上げると、美砂は泣きながら、円が目を伏せる瞬間を見届けていた。 そして円の瞳が完全に瞼に覆われた頃、美砂は涙を拭って本部へと立ち去った。 …… …
――――アイツは私に言った。 「私は、円を助けにきたの。円を…救ってあげたい。」 ああ、うざったい。馬鹿馬鹿しい、私はそんなこと望んでない。 「円…、もう良いんだよ……。もう、苦しまなくて……。」 苦しまなく良い?私を苦しめてる張本人が何言ってるのよ。 「きっと、このままだとアンタが後悔するんだよね。背負っていくには、荷が大きすぎるよね。」 おかしいよ。何で間違ったことをしていない私が後悔するってわけ? 「じゃあどうしてあの時撃たなかったの!?桜子を撃った後…私のこと、どうして撃たなかったの!? あの状況で撃ってたら完全に殺せたわよね!?何でそうしなかったの!?答えてみなさいよ!!」 … ドォォォオン! 何で美砂目掛けて撃ったのかと言われたら、偶々手前に居たのが美砂だったから、と円は答えるだろう。 それは事実であり、どこにも偽りなんて無い。 だが実際にその一発で命の終焉を迎えたのは美砂ではなく、桜子。 ―――どうして? 桜子が円にいち早く気付き、咄嗟に自分の身体を犠牲にしてまで美砂を助けたから。 ―――どうして、そんなことができるの? ワカラナイ。わからないけれど、私も前に同じことをされた気がする。 ―――それは、誰に? ……私が殺してしまった、大切な大切なクラスメートに。 円の脳が思考を止めて現実へと覚醒した時、既に円は走っていた。 正確に言えば、走っていたのではなく、"逃げていた"。 いつでもどこからでも撃てたはずなのに、円は美砂たちに背を向けていた。 逃げながら、円は思った。
"何で逃げてるの?" "何で私は、アイツらから逃げてるの?" "私は、―――何を望んでいるの?" 大分遠ざかったと思ったら、美砂に追いつかれてしまった。 つまり、理由なんて私自身にもわからない。わかりたくなかった。わかろうとしなかった。 答えを出すことができなかった。 …… … 結局はアイツの言うとおりなの? 結局、私が間違っていたの? ―――違う。 (私は………私の望みは…!) 違う、これが正しいのよ。 (私は……生きるんだ…!) そう。私は、生きる―――私は、間違ってなんかいない。 呪詛の言葉が円の力の抜けた身体に纏わりつく。 わき腹から溢れる血は留まることを知らず、けれど円はその念に執着し上体を起こした。 自身の存在していた意を根底から覆われそうになった今、死に掛けながらも必死に理念に縋りついた。 「わた……は………まちが……てなんか……!」 血走った目。鮮明になってくる視界の中にはもう、円が求めている人間は存在しなかった。 代わりに、地面に目線を這わせると最初に発砲した撃ちぬいた肘から漏れた美砂の血の軌跡が見つかった。 わき腹を押さえながら、円は壊れた人形のように立ち上がる。 「生きる……わたしは…生き…ため…に……。」 亡霊のような足取りで、円はライフルを拾った後血で作られた道を辿った。
八十五、 <<遅く目覚め>> ドォォォォォオォォン! 舞台裏にて、銃口から灰色の煙を舞い上がらせるライフルを持った少女。 少女は役目を果たした後、自身が撃ち殺した人間が倒れいく様を見つめて笑っている。 けれどその少女の笑顔からは歪んだ感情しか感じ取ることができない。 ――――――"泣きながら"、"笑っている"からだろうか。 透明な涙は、きっと幻覚なのだろうが黒ずんでいるようにも見えた。 果たして円は気付いているのだろうか。自分で認識しているのだろうか。 やはりわかっていないのだろうか。或いはまた本来の感情を閉じ込めようとしているのだろうか。 「アハハ……アハハハハハハ………死んだ…アイツが死んだ…!」 少女――― 釘宮円は、使命を終わらせた後に力が抜けていく手から銃を落とす。 そして楽しそうに、狂ったように、悲しそうに、くるくるくるくると踊った。 上空から見下ろせばスカートがひらりひらりと円を描いて。 全ての奇声(おと)はステージ上の怒声や叫びに掻き消されていた。 撃っちゃ―"終わった!"――。 美砂を殺――"私は生きている!"―――た。 何でこ―――"終わったんだ、全部!"―なったの。 "やっぱ"――砂は―"正しか"―――を助け―"たのは"―――れようと―"しだったんだ!"に。
「ハ…ハハハ……あ…。」 ――――鬱陶しかった首輪が、カチャリというシンプルな音を立てて床に落ちた。 それによって前日から感じていた息苦しさが消えうせる。 「アハハハハ…………ハ…。」 ゲームが終わった。終われらせたと、いうのに。 「……私、何で…泣いてるんだろ……。」 素朴な疑問。生きていけると、いうのに。 そう、思ったのに。 サクリ――という単純な音が耳に入ってきた。 すると足場を失ったかのように、円は膝から身体を床へと落とした。 何故か?何故かなんて、わからない。――ただ、撃たれた腹部に改めて、熱が集中しているのを感じて。 原因を探ったら、刃物の切っ先が、腹部から顔を覗かせていた。 それを確認した直後、笑みの消えた唇の隙間から、目が痛くなりそうなほどに真っ赤な血が流れる。 その一筋は最初こそ細かったものの、時間が経つにつれ太くなっていった。 「………ちゃう、やろ。」 背後から円の肩に額を乗せるように俯いて。 包丁の柄を握る、狂人だったはずの少女――和泉亜子が、力強く否定する。 「ちゃうやろ…。……釘宮も、ウチも…こんなことがしたかったんと…ちゃう。」 円が半分振り返ると、前髪で涙を隠した亜子の姿。 その涙は、顎の先端に達する前に乾いた床に一粒一粒落ちていった。 そして円は、倒れている美砂の身体の方へと顔を上げて、 …
363 :
代理 :2008/02/17(日) 20:27:08 ID:???
アイツが――桜子が美砂を庇ったとき。 あの光景が、私の中の全てをぐちゃぐちゃに掻き回した。 生きるためにルールに従う私と、生かすために身を放り投げた桜子。 ずるい、と思った。身勝手な話だけど。何で私はこんなことしてるんだろって思った。 途端、怖くなって逃げ出してた。わかってた、自分の気持ちなんてとっくにわかってた。 だから、怖くなったの。だけど怖いっていう感情にすら気付かない振りをした。 アイツは――美砂は、それでも私を追いかけてきてくれた。 私を助けようと、一生懸命だった。 それでも美砂の言ってることが正しいというのなら自分自身を否定されているのだと誤解して。 私は美砂の腕を撃った。躊躇いなく、撃った。 だけど美砂が言いたかったのはそんなことじゃなかったんだ。 …ううん、何が言いたかったとかじゃなくて、美砂はただ私を救いたかったんだ。 本当は、最初からやり直そうって。でもそれじゃ私が重たい荷物を担いでいくことになるからって。 だから、その罪は自分が担いであげるって…。私が笑顔で死ねるように…。 美砂の血の跡を辿って歩いていたら、体育館が見えてきて。 裏口から中に入ると聞こえたのは――――――歌。 私は、その歌声に全身を捕縛された。指先すら、動かなくなった。 お腹の血を押さえていた手も脇に垂らして、目線はドアノブ一点に集中されて。 その時、私の中で何かが生まれかけた。…ううん、元々あったものが、溢れ出そうになった。 だけど私はそれを堪えた。堪えなければ、ならなかった。 じゃないと、壊れそうだった。私が、私自身が壊れてしまいそうだった。
364 :
代理 :2008/02/17(日) 20:27:30 ID:???
わかってたんだよ。 わかってたのに。 認める勇気が無かった。 そんな強さが無かった。 二人は自分の手を汚してまで助けようとしてくれたのに。 肝心の私は、後ろばっかり見てて。 ……だから…、もしもあっちで美砂に…桜子に一目でも逢えるんだったら。 ごめんね…って…有難うって……言って…思ってたこと全部吐き出して…。いっぱい、泣いて…。 また一緒に、笑ってくれるかな? またあの笑顔、見せてくれるかな? …
365 :
代理 :2008/02/17(日) 20:28:26 ID:???
脳裏を埋め尽くすは大好きな二人。 そして、笑顔を。 幸せそうな、笑顔を、浮かべた。 ―――本当に全てから、自分を縛りつけていた全てから解き放たれた者の笑みを。 (最後にチア……したかったなぁ。) 擦り落ちるようにして、包丁の刃から、円の"身体が抜け落ちて"いく。 静かな音を立てて、円は床に横たわった。 「…………ごめんな。」 誰に宛てているのかわからない言葉。 残された亜子は、ブレザーのポケットから龍宮のバックから抜き取った写真を見つめながら。 涙でいっぱいになった顔を歪め、瞼を降ろすと。 刃の先端を一度首にあてがった後、今度は強く、それで喉を突き刺した。 【和泉亜子、釘宮円 死亡 ―─赤組残り0名 ――青組残り5名】 【生存者】 【出席番号15番】 桜咲刹那 【出席番号16番】 佐々木まき絵 【出席番号19番】 超鈴音 【出席番号22番】 鳴滝風香 【出席番号28番】 村上夏美 以上五名。
366 :
代理 :2008/02/17(日) 20:28:58 ID:???
作者19 ◆2HIP/nDee2:2008/02/17(日) 20:26:52 ID:pKKBd7gI0 終了。
マジでいい話すぎて笑ってしまった……本当にチア好きの俺には来るものがあるな… いい話をありがとう、GJ しかし気付けばせっちゃん生き残り多すぎだww
368 :
代理 :2008/02/17(日) 20:33:37 ID:???
19氏、投下乙です……GJ。 最後の場面見て、さっきからふるえがとまらん…… 読む前に代理投下しておいてよかったぜ。 読んだ後だったらふるえて上手く代理投下できんかったかもしれん。 明日のエピローグも楽しみに待ってるす
>>353 後者だったら大変だな……
以前も盗作問題(あれは文章だけど)でもめたというのに……
とにかくあれを上げた人の回答待ちか。
同じ人が描いたのであってほしい……
Sさんも飴玉さんも他のとこでは別の名前だし以前描いた絵をいじって投下なんてよくあるから今回もそのパターンなんでね? てかちうザジスレも転載にも関わらず絵保管してたりするし…
19氏 代理氏乙 明日で終わりなのが寂しいな
誰かこれまでの亜子の行動kwsk
いきなり正気に戻ってた上に即自殺だから焦った。俺どっか読み飛ばした?
>>375 自殺?みたいなタイトルのやつでたつみーの写真かなんかに手のばして以来だよ
そういう作風なんじゃないの?
>>369 本人が向こうで回答してて同じ人だったよ
作者GJです/;o;\
エピローグが気になる!
378 :
別館まとめ :2008/02/17(日) 21:56:14 ID:???
別館更新の連絡に来たんだけど・・・。なにやら盗作疑惑が・・・。
よりによって本日更新したのは絵展示だし・・・。
>>377 ん?同じ人だったんですね!良かった〜。
個人的にお気に入りの絵だったので盗作だったらショックでした。
これで安心して保管できます。
>>370 今の時期にぴったりの絵ですね。真ん中のキツネ?は一体・・・。
作者19さん、代理さん、お疲れ様でした。
明日の最終回を楽しみにしています。
それと、携帯まとめさん、更新乙です。
更新スピードが早い・・・。別館も見習います。
☆別館更新情報 2008/02/17 ☆
・『ネギロワのお約束☆』
テンプレ例にロゴAAと専用アップローダーのURLを追加。
・『お宝発見?絵画展示室』
作品No69〜No79を追加。
3周年記念イラストを保管しました!
・『こちら麻帆良学園麻帆良図書館深層部』
短編No24が文字化けしていたので修正。
http://www.geocities.jp/yuyu_negirowa/jsp/index.html
コテの馴れ合いくっさいノリについていけんわ さよならばいばい
380 :
369 :2008/02/17(日) 22:00:45 ID:???
>>370 1日早いけどGJですw
>>377 おk、俺も今見た。
同じ人でよかったよ。ほっとした。
>>378 毎回更新乙です。
どんどん充実していくさまを見てると楽しいw
耳の痛い意見を荒らしとか断罪する前にもう少し考えて欲しい。
382 :
353 :2008/02/17(日) 22:26:50 ID:???
あ、本人だったのか、ごめんなさい。
好きな絵だったから、盗作はいやだと思ったんだ。
でも一安心。
>>381 どのレスのことをいってるの?
作者とまとめがコテつけるの当たり前じゃね? あれ、釣られた?
作者19さんGJです 明日で終わりなのが寂しい でも20部も楽しみ 別館さんも乙です 更新毎週楽しみで仕方ないです 別館さんの一言付け加えるコメントが好き
二夜続けて・・・gj(/_;)
一週間くらい空けてて、今追いついた。 美砂スレに常駐してる俺には嬉しいやら悲しいやら… 1スレから張り付いてきたけど、今までのネギロワ作品で一番好きですわ。
泣けた
中間のグダグタ感がなければ過去最高の部だったな。 ネギまの場合30人もいるからやはり1つの話は長くて3、4話までに抑える方が良いな 漫画とかならともかく日に日に投下するタイプだから無理に引っ張ると以前までの流れを忘れてしまうし まぁそれを抜いても19部はかなり良かったよ。本当GJです。
過去最高とか言っちゃうと作者の方が引かないか? 確かにいい話だったけど、過剰に持ち上げるのはどうかと思うのだが
いや19部は持ち上げても良いくらい良かったよ 個人的には6部、17部に次いで3番目かな
他の部との比較は荒れる元になりやすいからやめとけ 良いものは良いと素直に褒めるのが一番だ
比較じゃねーじゃんw
まぁ好みの問題だからよいものはよい 悪いのは悪いってゆう論争はナシだろ
>>375 亜子については敢えてあんなふうに書きました。
写真を拾う場面と釘宮を刺す場面の間のことは書いてません。
書いたら逆にパッとしないと思ったからです。
それまでの感情の動きは釘宮を刺すときの亜子の台詞、行動、最後の場面で出てきた写真などから察してください。
それから、今日は最後なので自分でちゃんとこちらに投稿したいと思っています。
ですが二話用意してあるので、エラーが出ないよう一話を今から、二話目をいつもの時間(八時〜九時の間)に投稿します。
八十六、 <<金の亡者は笑う>> 『突如、謎のテロ集団乱入!女子中学生が殺し合い!』 翌朝、新聞やニュースなどは麻帆良女子学園のことで持ち切りだった。 文面には雪広の"ゆ"の字も無く、ただテロ集団が校内に 押し掛けてきて教師や生徒を脅し…という偽りばかりが語られていた。 金だ。 金は何でも叶えてくれる。 事実を知った人間は全て金でねじ伏せた。 訴えられてもそれに関わろうとした全ての人間を金で黙らせた。 金だ。 人々が必要としているのは金! 「どうも有難うございます、雪広さん。」 眼鏡を掛けた男が、ビデオと書類を受け取って雪広に向かって深く頭を下げた。 彼は雪広の、死んでしまった親友である男の後輩…明石。 明石は、このゲームを影ながら支援していた。 雪広に魔法の存在を教えたのも彼なのだ。 本当は、明石に協力を求めようなど考えていなかった雪広だが、 彼が亡くなった後も必要以上に研究室に通っていたため勘の良い明石には計画がバレてしまったらしい。 そして、止めに入るかと思いきや、寧ろ明石の方から計画に参加することを願い出てきた。 「娘さん、頑張っていたよ。」 「はい、観ましたよ。ちゃんと。」 娘が大好きだった柔和な笑顔で頷いた。 「いや、それにしても今の中学生は頭が良いね。監視カメラの…"数台"をパーにされたよ。」
「ですがこれだけあれば発表することは可能です。本当に有難うございました。」 「さすが…"あれ"の後輩だ。研究熱心だね。」 明石の持っているビデオにはゲーム中にてそれぞれ30人が見てきた行動全てが録画されていた。 実は首輪の中には小型の、少し特殊なカメラ機能がつけられていて、 ゲーム終了直後その映像データが雪広のパソコンに自動送信されるようになっていたのだ。 本当は、夏美が忍び込むところも、彼女たちがネギを救出するところも、 本部で何があっていたのかも、全て雪広は見ていたのだ。 「さて、そろそろ行きます、"あちら"に。きっと"あっち"の方たちは喜ぶと思いますよ。」 「ふふふ、そうか。私もいつか見てみたい、"魔法世界"とやらを。」 冗談めいたその言葉を聞いた明石は、肩を竦めるとその場を後にした。 そして明石が完全に見えなくなった後。 「……君は、どう思う?今度はそれを研究するかい?」 雪広は、虚空を見上げた。"君"を探すようにして、視線を彷徨わせる。 外道は笑った。 高らかに笑った。 幸せそうに笑っていた。
一話目終了。 ではまた今夜。
お〜、こんな時間にきてるとは! ゆーなパパも黒幕だったのか… 生徒たちのエピローグは次にでてくるのかな? 今夜も楽しみにしてます /^o^\
楽しみにしてんよ
ひゃー/^0^\ 幸せそうにてやだなぁww はやくクラスメートのがみたい!楽しみしとく
ざわ…ざわ……
投稿始めます。
八十七、 <<歌声は遥か彼方に>> あれから、五年の月日が経つ。 言葉に表現できないほど大きな悲しみを背負いながら、五人の少女たちは生きてきた。 精神科にも最初は世話になっていたが、すぐに通わなくても良いほど前向きになった。 何故なら、戦いはまだ続いているからだ。 12月25日。――――世界樹。 天気は快晴。 昨夜の大雪が嘘のような、それはそれは清清しい空だった。 煌々と地を照らす陽射しは、今だ僅かに残った雪の塊に反射してとても眩しい。 太い枝に垂れる、濡れた葉の肌を撫でる雫が揺れて地面へと落下していく。 その隣にある綺麗に磨かれたお墓は、気取ったように花の首飾り。 …ではなく、クリスマスにうってつけのリースが掛けられていた。 そこに、恋人にでも渡すのだろうか。二人の女が色とりどりの花束を抱いてやって来た。 「元気にしてた、皆?」 桃色に近い髪の毛は背中まで伸びており、童顔な彼女には全く似合わないスーツで身を包んで。 女――佐々木まき絵は、あの頃と変わらない…。 いや、よく見れば微塵ほど大人びただろうか。そんな笑みを墓に向かって注いでいた。 「アハハ、今年もリースが飾ってある。やっぱり皆はいつまで経っても祭り好きなのかな?」 早く大人に近付きたいとよく言っていた彼女だが、 意外にも今だ当時のショートヘアーを維持している女、――夏美も、容姿は随分大人っぽくなった。 コンプレックスだったそばかすも、放置していたら歳を取るにつれて薄くなった。 けれど、彼女の遠慮がちな性格は直っておらず、あの頃ほどではないがまだ自分に自信を持てていないらしい。 「遅れてすまないナ、話し合いをしていたらもう昼過ぎヨ。」 「……さっすが。立派な検事さんは言うことが違うね!…そういうボクは、寝坊しちゃった。」 お団子ヘアをチャームポイントとしていた超は、後頭部で髪を丸めていた。 まき絵とは相反して、黒いスーツをしっかりと着こなしている。そして胸に光るは身分を証明するバッジ。 一方、相変わらず容姿にも性格にも然程変化の現れていない風香は、 皮肉めいたことを言いながらも自身の失態に舌を出して笑っている。
「超りんはカッコイイね、いつ見ても。」 超の決まった姿を見て、まき絵は素直に羨ましがる。 そして暫しの間、他愛の無い話をしていたら一人の女と一人の少年が並んでやって来た。 「すみません、遅くなってしまいましたね。」 「買ってきましたよ、ケーキ。風香さんが以前言っていた、駅前の…。」 あれから、色々なところで急成長を見せたネギ。 益々魅力を増したネギに対し、じゅるり、と涎を垂らすまき絵と風香。 だが風香は刹那の手に握られたケーキの箱を見ると、花より団子、とそちらに食いついた。 「あっりがとー!じゃあ早速ボクが…。」 「おっと。これは、皆さんに買ってきたものですよ。お参りが先です。」 小柄な風香の伸ばす手を軽く交わす刹那は、サイドにあったポニーテールを後頭部に移動させていた。 彼女は木乃香を失った今もまだ、神鳴流剣士として刀を捨てようとはしなかった。 そんな彼女たちは、毎年この日になると必ずここに集うのである。 とまぁ、とりあえず、彼女たちについての話はこのくらいにしておくとしよう。 墓の前に花束と、箱から出したケーキを乗せると、ホールケーキに一本ずつ蝋燭を差していった。 そしてそれを線香代わりにして、火を灯していく。 本来、それは無礼になるのであろうが3−Aの皆は"楽しければそれでいい"がモットーである。 きっとこの光景を空から眺めながら、皆は笑ったり、ツッコミを入れたりしているのだろう。 「よし、これで準備は…。」 「ちょっと待った!」 早速手を合わせる夏美に制止の声を掛けると、風香が袋から小さなクリスマスツリーを出す。 「これ、絶対皆が気に入ると思って。」 「アハハ。大喜びだね!」 紹介した以外にも、墓の前には…。 合唱コンの楽譜、ヘアピン、ポンポン、拳銃、鈴のついたリボン、ネギの写真、最新型デジカメ、くない、スニーカー、パソコンなど。 それはもう多くの物が賑やかに飾られている。墓自体が彩られたクリスマスツリー状態だ。 風香がその中に更にツリーを加えると、今度は誰の制止もなく、無事合掌を送ることができた。
「よし、それじゃあケーキを食べちゃおう!」 「あーんふーちゃんずるい!」 黙祷を捧げた後、風香とまき絵は即座にケーキに群がる。 そんな二人を余所に、夏美と刹那とネギは深刻そうな面付きで超に語りかけた。 「それで……話はやっぱり、進んでいないんですか?」 超が自分の居場所であるはずの未来に帰らっていないことには理由がある。 その優秀な頭脳を生かし、超は検事になった。 ……あの日の真実の全てを、偽りしか知らない人々に知らせるために。 今はまだ、平行線…寧ろ圧されているが、必ずアイツに…雪広にいつか勝つために。 「……あァ、そうヨ。…でも、私は諦めなイ。絶対に、どんなことがあてもネ。」 「…うん、私たちも一緒に戦うよ、ずーっと。」 「他の皆さんも、きっと見守ってくれていますし…。」 光はなかなか差さないが、真っ直ぐ進んでいれば薄暗いトンネルにもいつか出口は現れる。 まだまだ皆は、戦うことを心に誓った。 「って、風香さん、まき絵さん!もうケーキこれだけなんですか!?」 「だってネギくんたち、何か話してたじゃない。」 「ほらほら、早く食べないとどんどん無くなっちゃうよ?」 ―――前向きに、明るく、元気に、彼女たちらしく。
「よし、綺麗に片付けたところで…早速、いっちゃおっか?」 「流石に、この歳になるとちょっと恥ずかしいけど…。」 ケーキなどのゴミを清掃した後、超、刹那、夏美、風香、まき絵、ネギが手を繋いで墓の前に列を作る。 あの日、あの時のように。あの場所に立っているように。 毎年ここに集まっては、毎度同じことをやっている。 理由を聞けば、皆声を合わせてこう言うだろう。――これが3−Aにとって最高の行事だから、と。 六人はそれぞれ隣に立つ相手と顔を見合わせて、笑い合い。 手を伸ばせば掴めそうな空を仰いで、そして大きく息を吸った。 … 『♪〜』 「…あら。」 「ふぉっふぉっふぉ、聞こえてきたのう。」 園長室にて書類に文字を綴っていた学園長が顔を上げる。 湯気の立ったお茶を運びに来たしずなも、開かれた窓から室内に侵入してきた歌声に微笑んだ。 『♪〜』 「あの子たちか。」 屋上にて風を感じていた高畑も、柵に手を乗せて世界樹の方を振り向く。 しなやかなメロディが身に受けていた微風に乗って、胸に染み込んだ。 「……ということは、後で職員室に挨拶に来るのかな。」 顎を下げて少しずれたネクタイを直すと、身形を整えるべく屋上を立ち去った。
『♪〜』 「あー、今年も聞こえてきたね、先輩たちの声!」 「それにしても、何で毎年毎年歌いに来るのかなぁ?」 二人の女生徒が教室の窓から顔を出し世界樹の方向に顔を向ける。 落下せぬようにと設置された手摺りも、ここまで身を乗り出されれば意味を持たない。 「え、知らないの!?何か五年前に、この学校で事件があったでしょ!その時、運良く生き残ったっていう…。」 その二人の間に突然活発そうな少女が乱入し、一緒に窓から外を覗く。 「……あ…あぁ、あのテロ集団がどうのってやつぅ!?」 「そういえばあったね、私はまだ小学生だったからよく覚えてないけど。怖いよね、そういう事件。」 そんなこととうに忘れてしまっていたかのように、大袈裟に何度も頷きながら。 そして何を想像したのか身体を身震いさせて、苦笑いをする少女。 けれど最後に話を振られた一人の、割り込んできた生徒は首を横に振る。 「だーいじょうぶ!何かあったら、瀬流彦先生が守ってくれるって!」 刻んだ笑顔に安堵を満たして。 すると、教室の前方にある扉が丁度音を立てて開いた。 「ほらほら、席について。そこー、帰りの支度は済んだんだろうね?」 「アハハ、はーい!」 窓辺に集まる三人の少女に向けて言葉を放つ瀬流彦。 三人は噂をすれば…と顔見合わせてイシシとはにかんで席に戻る。 瀬流彦は三人が着席するのを見届けた後で、口元を緩めながら窓の外を見遣った。 差し込んできた眩しい日差しに、面を照らして。 … ……
『募る雪溶かしてゆく 時間の窓 堕ち逝く手触れたはずの ぬくもりも いつかまたあおの下に 咲き誇り 白き日を失くしひと 別れを告げ』 ――六人の歌声は空に響いた。 ――どこまでも、どこまでも。 ――きっと、遥か彼方に居る彼女たちにも届いているだろう。 ――そして恐らく、あの頃を思いながら口ずさんでいるに違いない。 そして歌い終わった頃、夏美が息を盛大に吸い込んで、口元に手を添えて目一杯叫んだ。 "「メリークリスマス、柿崎、皆ッ!」" きっとこれからも、ずっと。 この場所で、彼女たちと共に、歌を。 完
GJでした!!!!
GJ!!!めっちゃ面白かったです。
以上で終了。 今参考にと思って作者18さんの後書きを探しててわかったんですけど、 私が投稿していた約一ヶ月の間で約2スレも消費してたんですね。すごい。 色々と失態をおかしても見捨てず、長い間私に付き合ってくださった方々本当に有難うございました。 恐らく、これから私はロムに専念します。 では作者20さん頑張ってください、期待しています。
GJ! ちゃんと先生出したとことか、ケーキとか良かった! 有難う
GJでした!お疲れ様!
清々しい感動のラストだった! 乙としか言ってなかった自分も心からGoodjobを送りたいです。
外出中なのに少し涙目になってしまった 本当に乙でした
>>411 作者19氏、GJです!
そして今まで投下お疲れ様でした。
どうやって締めるのかwktkでしたが、想像以上に綺麗な終わりに安心しました。
全体的に悲惨さや残酷さは少なめと感じましたが、
その代わり巧みな心理描写でキャラの心がしっかり出ていて沢山感動出来ました。
また地図を用意したりと、読者への細かい気配りをしていたのも好印象でした。
初めてリアルで読んだ部な上に、代理投稿を数回ほどやらせていただいた事もあり
色々な意味で印象深い部になりました。
最後の方は読むのが楽しみで、20時前になるとPCの前に張り付いてましたしw
最後にもう一度、今までお疲れ様でした。
そして作者20さん、投下楽しみにしていますので頑張って下さい。
心からgj(GOD job)と言いたい
何だコレ…… 目からわけの分からない汁が出てくるんだけどw
19氏乙、そしてありがとう 久々に泣いちまったよ
作者19氏殿。長い期間お疲れ様でした。非常に楽しませていただきました。 この後に投下する身としては良い作品の後の投下はプレッシャーになりますが、 集まったネギロワファンの方を手放してしまったらどうしようとビクビクしています。 できるだけ楽しませるために頑張ります。 「仮」を外して作者20として、明日から投下を始めたいと思います。 前に宣言しましたが、2本ほど物語を完成させています。 今回は作者21予定の方も待っていますので短めの話の方を投下します。 前に少し説明しましたが殺し合いはしないという試みの物語です。 では、また明日お会いしましょう。
もし短編作ってる人いるなら明日は空けて20日から投下したら? 後、長い方から投下して欲しいな
確か70話と50話だったよな? なら俺も70話からのが良いかな……
軽いノリで短編書いたけど、 でも、短編ならいつでも出せますし、作者20さんの 作品も読んで見たいですし今度にしといた方がよさそうですね。
>>423 YOU投下しちゃいなYO!
今日でも明日でもいいからさ。
こういうスキマにこそ投下するべきだと俺は思うんだ。
作者20も一日ぐらいなら待ってくれるはずさ。
作者20が1日まってくれたら、2月20日とキリがいいしな
じゃあ明日にでも、投下します。 (………どっちにしようかな。)
再び戻ってみると、短編投下予定の方が居たんですね。 そんじゃ前言を撤回して作品20にちなんで2月20日に投下を始めることにします。 それまでに投下されたい方はどうぞ。 あと、長い話のほうが良いですか? 次の方に待たしたら悪いかなと思ったんですが・・・・ まあ、リクエストがあったらどちらか言ってください。 明日までには決めたいと思います。 ちなみに 短め50話程度:コミカル、殺し合いはしない 長め80話程度:シリアス、通常のバトロワ
個人の意見としては、コミカルなバトロワが観てみたいから、短い方からがいいと思います
作者20氏の好きな方から投下でいいと思うが 一応リクエストとしては短めの方からに一票。 理由は殺し合い無しでいかにロワを書くかって言うのを見てみたいからかな。 どっちも見たいって言えば見たいんだがw
1日空けるんだったら、 アンケートでもしてみたらどうでしょうか? と無責任な発言をしてみる。
紹介した以外にも、墓の前には…。 合唱コンの楽譜、ヘアピン、ポンポン、拳銃、鈴のついたリボン、ネギの写真、最新型デジカメ、くない、スニーカー、パソコンなど。 今までの出来事が走馬灯の様に浮かんでくる……… 目から汁が溢れてきやがった、こんちくしょう 19氏お疲れ様でした。良い作品ほんまにありがとう。 20氏へ、個人的には息抜きも兼ねてってな意味で、短編に一票投じます。
432 :
作者21 :2008/02/18(月) 23:33:00 ID:???
自分の事は気にしなくて良いですよ。 好きな方から投下して下さい。
うわああああああああああああああああああああああ パソコン今日修理出したから絵が見れねぇwww 明日修理に出せば良かったorz てか専用ロダできたのに使わないんだね
明日になったので、短編投下します。 (どっかで見たやり方だけど。)
436 :
エヴァ短編 :2008/02/19(火) 00:13:23 ID:???
「くっ、吸血鬼の真祖である私もここまでか ぼーや・・・後は・・たの・・」 エヴァの呪われた人生はこうして幕を下ろした 吸血鬼として数百年の年月を生きたものとしては あまりにもあっけない最期であった。 それから少しの時が流れる 「これから第1回の定時放送を始める みんな、ちゃんと殺し合いに乗っている見たいだね じゃあご褒美で今回の禁止エリアは免除にしておくよ」
437 :
エヴァ短編 :2008/02/19(火) 00:14:27 ID:???
それを聞いた参加者の表情はみな晴れていない 落ち込んでしまったらしい雰囲気が島中を覆う 多くのクラスメイトがこの最低のゲームに乗っている そのことが辛かったのだ。 「続いて死亡者を発表する!!! 死亡者は9名 3番朝倉和美・4番綾瀬夕映 7番柿崎美砂・13番近衛木乃香 16番佐々木まき絵19番超鈴音 21番那波千鶴23番鳴滝史香 26番エヴァンズェ・・・・・」 突然放送が止まった 「あいつ名前噛みやがったーーーー」 「その上逃げたでござるな・・。」 生き残った参加者はみな心のなかで一矢報いた気分になっていた。 終
閲覧proxy通して見るとか 短編から、に一票入れます
439 :
エヴァ短編 :2008/02/19(火) 00:17:47 ID:???
以上です。
19部完結したあとの余韻を壊してしまった感もありますが、
読んでいただければ幸いです。
あと、
>>433 さん、GJです。
S氏、短編氏乙です
短編に吹いたww GJです
>>433 なんだまたただの神か
>>435 ちょwwそれ俺もやりたかったのにwwww
確か作者15氏のネタだっけ?
あっ、ちなみにネタってのは噛んだじゃなくて明日になった〜て部分ね
木乃香「せっちゃん…」 ド ン ! そこには仰向けになり倒れる刹那の姿があった いんちょ「…ハッ。終わりですわかよ。 腕が4本に増えたいんちょが見下ろしてた いんちょ「しょうがねぇですわ。残りモンの片付けといくかですわ。」 木乃香を殺しにいんちょが向かう このか「うしろ見た方がいいえ」 ド ン ! いんちょの腕が一本千切れる 刹那「…まずは一本だ」 いんちょ「なん…だと…?」 このか「ウチに攻撃するとせっちゃんおこるえ」 刹那「その腕一本ずつ切り落としてやんよwww」 このか「全部きったら戦えへんよせっちゃん」 刹那「何ィ!?…そうか。間違えた。一本残してやる。」 いんちょ「何だそりゃ下らねぇですわ。てめぇは一本の腕も斬り落とす事なくこの4本の腕に斬り殺されて終わるですわ。」 ド ン ! あやかは刹那と更に攻防を続けるすると刹那はあやかを貫いたと思ったが逆にやられていた いんちよ「言ったですわ。私のこの6本の腕で斬り殺されるだけって!」 刹那「なん…だと…!!」 あやかの腕は6本に増えていた 続く…だと…?
>>445 それ何てブリーチ?w
すると一護=明日菜(巨大な剣繋がり)か?w
織姫は声がエヴァの人なんだよなw
19氏gj たくさん感動をありがとう 19の作品は泣きどころが多かった 是非気が向いたらまた作ってほしい
450 :
短編1 :2008/02/19(火) 10:06:24 ID:???
19氏のチア美談をぶち壊すスレ汚しを良かったら見てやって下さいm(_ _)m 小屋があった。 身を潜めるには調度良い環境だった。 そこには既に4人がいた。 4人はプログラムの参加者だった。 だが、息をしているのは3人だった。 1人は血を吐いて倒れていた。 そして動かなかった。 「私のせいだ‥」 3人の内の1人が言った。 「私がこのかを殺したんだ‥」 3人の内の1人は、めっきり冷たくなったそれを見て言った。 声は震えていた。 「桜子、あんたのせいじゃない‥。このかを殺したのは‥私よ」 3人の内のもう1人はめっきり冷たくなったそれを見て言った。 声は震えていた。 「違うよ‥美砂。私がこのかを‥」 3人の内の最後の1人はめっきり冷たくなったそれを見て言った。 声は震えていた。 「「円のせいじゃない‥。」」 3人の内の2人は言った。 彼女達はプログラムに参加していた。 プログラムとは、無作為に選んだ日本の中学3年生の1クラスに、殺し合いをさせるというものだった。終了条件は最後の1人になるまで。 今回の対称は彼女達のクラスだった。 3人は親友だった。 いつも一緒にいる程、仲は良かった。 だから、プログラムも3人一緒に
451 :
短編2 :2008/02/19(火) 10:08:19 ID:???
行動した。 殺し合いの会場となった離島には、もともと住人がいた。 主催者側に強制的に退去を命じられていたが、彼らが残した人工物は健在だった。 故に3人は森の中に小屋を見つけることが出来た。 誰が何のために建てたかは分からなかったが、誰も気にしなかった。 一通り安全を確かめてから、土足で屋内に上がり、3人は一息ついた。 「ふー‥」 「どうする?これから」 「どうするって‥」 椅子も机も無かったため、仕方無く行儀悪く床に座った。 肩から降ろしたデイパックの中から、各々の支給武器を取り出した。 1人目の武器は拳銃だった。 初心者にも扱い易い型で、使い方さえ覚えれば、強力な護身道具となった。 2人目の武器は拳銃だった。 初心者にも扱い易い型で、使い方さえ覚えれば、強力な護身道具となった。 3人目の武器は拳銃だった。 初心者にも扱い易い型で、使い方さえ覚えれば、強力な護身道具となった。 手にしたそれらを複雑な心境で3人は見ていた。 「ねぇ‥」 1人が言った。 「これ‥"使った"?」 2人は首を地面と平行に振った。 「だったらさー‥1回使ってみない?」 「ここで?」 「そう、ここで」
452 :
短編3 :2008/02/19(火) 10:09:37 ID:???
本人が言うには、1度は使用しておかないと、いざと言う時に役に立たない、とのことだった。 何となくそれが正論に聞こえた2人は、素直に賛成することにした。 「あれを的にしようよ」 もう1人が指を差した。 その先には、奥の部屋に続く開けたままの扉に、糸を巻き付けぶら下がる大きな蜘蛛がいた。 もう1人が言うには、さっきまではいなかったけど、少し目を放したら現われていたらしい。 確かに派手な模様と適度な大きさが、的としての役目を果たしてくれそうだった。 何となくそれが正論に聞こえた2人は、素直に賛成することにした。 「じゃあ一斉に撃った方が良くない?」 最後の1人は、何発も銃声が響いたら、自分達の居場所を特定させることになると主張した。 同時に撃てば、銃声が重なり目立たないと言うのだ。 何となくそれが正論に聞こえた2人は、素直に賛成することにした。 3人が横1列に並んだ。 穴が開く程読んだ取扱説明書通りに弾を装填させ、安全装置を外した。 ゆっくりと銃を構える姿は、チアリーディングのフォーメーションのように、3人揃っていた。 「「「せーの」」」
453 :
短編4 :2008/02/19(火) 10:11:06 ID:???
誰が音頭を取るかは決めていなかった。だが、この3人にそんな課程は不要だった。 息を合わせ、全く同じタイミングで引き金を引く。 (そう言えば) (誰か奥の部屋) (様子見に行ったっけ?) パァァァン 異なる銃口から飛び出した3発の弾丸は、全て命中した。 奥の部屋から顔を出した近衛木乃香に。 先客としてこの小屋に来ていた近衛木乃香に。 何も知らずにこちらに来てしまった近衛木乃香に。 不運にも犠牲になる筈だった蜘蛛は幸運にも助かり、いつの間にかどこかにいなくなっていた。 「やっぱり私が殺したんだよ!私が試し撃ちしよう、なんて言ったから‥」 「それを言ったら、私があんなのを的にしよう、なんて言わなきゃ‥」 「1発なら、まだ死ななかったかもしれない‥。同時に撃とう、って言った私の責任よ!」 3人は共通の罪悪感に悩んだ。 誰のせいとも言い難いが、現に人が1人死んでしまった。 しかも被害者には何の罪も無く、3人には何の殺意も無かった。 この言葉1つで片付けるのも難だが、"偶然"の出来事だった。 「私が殺したのよ!」 「私が悪いの!」 「私のせいよ!」
454 :
短編5 :2008/02/19(火) 10:12:20 ID:???
どんなものも、いつも仲良く3人で分け合っていたが、こればっかりはそう簡単に済む問題では無かった。 かれこれ数十分も、彼女達は互いの罪の庇い合いに勤しんでいた。 「二人のせいじゃないよ。だから私が‥」 「悪いのは私だって!」 「違う。私が‥」 その時 「椎名さん。柿崎さん。それに釘宮さんまで」 6つの肩が、一斉に弾んだ。 3人は罪の意識に夢中で、小屋の入口の扉が開いたことに気付かなかったようだった。 そうとも知らずに、やはり土足であがった新たな訪問者は、自分の存在を3人に認識させた。 普段通りのその律義な口調が、理性を保っていることを十二分に表していた。 「「「さ‥桜咲さん」」」 初めて声が聞こえた時は驚愕したが、相手に敵意が無いことが分かると3つの胸をなで下ろした。 「お3方とも、よくぞご無事‥」 話す対称に近付こうと、歩を進めた刹那は、とんでもないものを見てしまった。 「お嬢様ぁぁぁぁぁ!!!!!!」 自分のデイパックを投げ捨て、一目散に木乃香の亡骸に寄り添う。 「このちゃん!!このちゃん!!‥うう」 もう動かなくなったことを確認してしまい、刹那は泣いてしまった。
455 :
短編6 :2008/02/19(火) 10:14:42 ID:???
「そんな‥‥どうして‥‥‥」 刹那にとって木乃香は己の命よりも大事な存在。 それを人並みには理解していた3人は、刹那の心境を汲み、共に涙した。 「ゴメン‥刹那さん‥‥。えぐ‥私が‥‥私がこのかを‥」 「違うの!‥桜子は悪くない‥‥うっ‥悪いのは‥‥私なの」 「刹那さん‥怒るなら‥‥っ‥私だけにして‥2人は‥‥何もしてない‥から」 悲しみの淵にいる当事者に、3方から自分勝手に謝罪する。 森の中の小屋内には、異様な光景が出来上がっていた。 「誰が殺したんだ」 湿っぽい空気が急に終わりを告げた。 明らかに先程までと感じが違う刹那の一声が、殺伐とした雰囲気を呼び出したからだ。 急激な環境の変化に、言葉を忘れ呆然とする3人。互いに顔を見合わせ、困惑していた。 「誰が殺したんだ」 前回よりも声が少し大きくなった分、凄みが増していた。 このまま黙っているのはまずいと判断し、誰が音頭を取るでもなく、3人は同時に、恐る恐る自白した。 「「「わ‥私が‥」」」 「"誰が"お嬢様を殺したんだと言っている!!!!」 刹那は懐に隠し持っていたサバイバルナイフを乱暴に抜刀した。 激怒の念が籠った刀身が、鈍く光った。 「「「ひっ!!」」」 身の危険を感じた3人はそれぞれ自分以外を指差して言った。 「こいつが殺しました!」 〜Fin.〜
なんて言ったらいいんだろう? 童話みたいな感じで凄いうまいと思った。 オチもしかっりしてるし自分はこれ好きだな。
乙、すごい人間の心理をついていると思う
すげぇ これはクオリティ高い短編だな
ちう「残り5人か…くらえぬるぬるボンバー!」 まき絵死亡 ちう「くらえ血!(ケチャップ)」 亜子死亡 ちう「くらえ先生の裸写真!」 いんちょ出血死 ちう「くらえネギ!…………しまっ……」 千鶴巨大化 踏む プチン 優勝者、千鶴
やっぱ普通にバトロワしたらちづ姉の1人勝ちだよなjk
刹那「くらえ!神鳴流奥義斬岩剣!!」 五月「……かゆい」 刹那「…!」 岩を両断する破壊力を誇るこの奥義。 しかし!振るったはずの夕凪は五月のボディに食い込んだだけだった! かと思いきや…? 刹那「何!?」 ピシッバリバリバリパッリーン! 刹那「私の夕凪が!」 五月「私に刃物はきかない…」 最近ダイエットですべての脂肪を筋肉に変えた五月のボディは寧ろ夕凪を砕いた! そして夕凪の破片が刹那の体内に入り込み心臓を容赦なく傷つけた! 【桜咲刹那死亡】
エヴァ「めがっさビーム」 まき絵「オヤシロびーむ」 クラスの大半を焼き尽くして一気に残り8人… 千雨「さっさと死ぬかしらー」 夕映「そう言われて死ぬ奴がいるかボケェー!ですぅ」 武器のバイオリンと鋼鉄の如雨露がぶつかり合う。 美砂「やっぱり私たち死ぬんだぁー!」 楓「しっかりするでござる!気をしっかり持つでござるよ!」 美砂「だって…みんな死んじゃったし、武器も木刀じゃ……」 楓「大丈夫でござる、拙者が守って見せるでござる!」 美砂「ハヤ、長瀬さん……」 何故かゆっくりと顔が近づく。 裕奈「殺してもいいよね、答えは聞いてない!」 のどか「イッペン死ンデミル?」 残りを全員地獄に送って勝者、宮崎のどか。
>>462 >五月「……かゆい」
糞わろたwwwwwwww
短編投下乙です。 楽しませていただきました。 一応リクエストを見ると、短い方がちょっと多いみたいなので、 当初の予定通り短い方を投下します。 物語の投下は明日20日からです。どうぞよろしく。
長い方からじゃないのか…
>>466 わがままを言うな。
そもそも作者が決めていいことをみんなに聞いてやってんだから。
こーゆーのを用意してみました。 明日までの時間稼ぎというわけではないですが・・・・・
教壇に立ち、生徒達の方に振り向いたネギがにっこりと微笑む。 「今から、貴方達には……をしてもらいます……バトルロワイヤルです!」 ――ネギまバトルロワイヤルが区切りの良い20回を数え、前例にない異色作が現れた。 過去にあった作品の流れを無視し、これまでにないバトルロワイヤルが今、始まる。 ネギまバトルロワイヤル 第20弾!! 〜〜〜NBR ]](予告)〜〜〜 ――ゲームのステージは麻帆良学園内。 制限時間はたったの8時間。 特殊なゲームのルールに戸惑う生徒達。 限られた時間の中で、一人の優勝者になるのを目指してクラスメート同士の戦いが繰り広げられる。 ――戦うべきか、戦わないべきか、たった一人で悩む生徒がいる。 「ハルナやこのかさんの2人と戦うことがあるかも知れません。その場合は……私はどうすればよいのでしょうか?」 クラス名簿をデイパックの中にしまい込むと、歩きながら再び悩む夕映。
――ゲームに乗った生徒がいる。その生徒の意思に応じて戦いを決意する生徒がいる。 「おい、いつまで隠れているつもりだ?」 しばらくして、物陰から長瀬楓が現れた。 「さすがに、真名には気付かれたでござるか」 「何のつもりだ?私はゲームに乗る気はないぞ」 ジワジワと楓が距離を縮める。 「そうは行かないでござるよ。拙者はゲームに乗っているでござる。悪いが、相手をしてもらうでござるよ」 「……嫌だと言ったら?」 懐から銃を出す真名。 「力ずくでも」 くないを取り出し、腰を落として構える楓。 ――主君を守る生徒がいる。自分も戦おうとする生徒がいる。 「しかし、お嬢様を危険に晒すわけには参りません」 「でも、守られるだけは嫌や。ウチだって戦いたい!」 「戦うのは私の役目です。お嬢様は私が必ずお守りいたします」 真剣な表情で刹那は応じる。
――優勝のためにクラスメートを躊躇なく倒す生徒がいる。 「ふん、悪く思わないでね亜子。私は……絶対に優勝してみせる!」 倒れている亜子を見下ろし、心のない別れの言葉を吐くと、次の獲物を探しに円は立ち去った。 果たして、誰が勝ち残るのか? 優勝者が決まるのが早いのか、時間切れまでに全滅する方が早いのか? それは誰にも分からない。 そして…… 果たして読者は物語の展開についていくことができるのか? それは作者にも分からない。 これまでにないネギまロワを作るべく立ち上がった作者の渾身の作品 『ネギまバトルロワイヤル第20弾』 2008年2月20日 START!!
以上です。 私が作者になったら投下前に予告編というものをやってみたかったんです。 若干ネタバレ含みます。 書いていることは本編から抜き取ってますが、本編を読めば 意外性が出るようにしたつもりです。 自らハードルを上げたような気もしますが・・・・ また明日!
リアル遭遇した 良い感じ。 明日期待しとくわ
わがまま言って悪かったな。 作者20には期待してんぜ。
予告編乙、明日を期待しています あと短編の作者方乙です
予告面白かった。 頑張れ作者20、明日から楽しみに待ってるぜ!
ふむ。20部は史上最高で映画化する程になりそうだな。 とハードルをあげてみる
じゃあ俺は作者20にハードルをプレゼントしようでわないか
50話かぁ〜。なら毎日2話ずつで良いかな。 正直言って3話とかだと長くて流し読みしてしまうんだよな… それし20部は最強に良さそうだから1話ずつでも十分なくらいだ。 と俺もハードルあげてみる。
じゃあ俺は逆にアップローダー使って全話投下を希望してみる むしろ作者21氏が焦るかも試練がw
おまいら作者20虐めすぎwwwwwwwwwwwwwwww
大山のぶ代くらいしか声優しらない俺は>463が全く理解できなかった… ブリーチネタはおもしろかった
age
>>433-463 の漫画と短編見ててふと思ったんだけど、
畑がこのスレ知ったら
ミサの楓洗脳をハヤテの作中で使われそうな気がした。
(…と想像してしまった)
むしろ小畑健がこのスレ読んでてイラスト投下して欲しい 大暮や村田でも良い。冨樫ならなお良い。
えーと・・・ こんな時間だから誰も居ないと思いますが、投下を始めます。 今日の投下はやや大目なので、朝晩の2回投下をします。 一応今日の2回投下でルール説明からゲーム開始まで進むので、 何をやるのかがわかるかと思います。 受け入れてもらえると良いのですが・・・
<前書き> ・本作品は「ネギまのキャラを使った明るいバトルロワイヤルをやってみよう」というコンセプトで製作されたものです。 過去作品と比較して、著しく方向性の違う作品となっていることを、あらかじめご了承ください。 ・本作品は笑いの質を追求したものではなく、ばかばかしさを楽しむというスタンスで読むと良いと思われます。 ・中身を読めば解りますが、戦いにおける勝敗の決定は、あくまで作者の主観による基準で行われています。 判定に不満を持つ方が現れることが想定されますが、そこは突っ込まずに大目に見ていただけると幸いです。 ・文章に拙い点があるかと思いますが、温かい目で見てやってください。
[第一幕.それは突然始まった] 昨日は1学期の終業式。今日からは夏休みである。 しかし、3−A生徒全員は朝から登校していた。 終業式前日に、ネギから夏休み初日に特別授業を行うと通達があったのだ。 不満を持つ生徒も多かったが、長い夏休みの最初の1日だけと言うこともあり、クラス全員が学園に来ていた。 授業開始までまだ少し時間がある。 生徒達は思い思いの場所でおしゃべりをしていた。 「まったく、夏休み初日だって言うのになんで学園になんかこなきゃならないのよ!」 いつもより早く登校していた神楽坂明日菜(出席番号8)が憤慨して叫ぶ。 「まーまーアスナ、一日だけって言うからいいやん」 扇子でパタパタと扇ぎながら近衛木乃香(出席番号13)が明日菜をなだめた。 「そうですよ。それに、今日の授業を受けたら夏休みの課題が一部免除になると聞いて、真っ先に賛同したのはアスナさんだったはずです」 「うっ!」 綾瀬夕映(出席番号4)に痛いところを突かれ、明日菜は押し黙る。 「まあ、あれだね。今日の特別授業がなくても明日菜たち、バカレンジャーの面々は補習授業があったんじゃないの?」 早乙女ハルナ(出席番号14)が机の上に座ったまま明日菜と夕映に聞いてきた。 「な、なによ。それは夏休みの課題を多く出すことで免除してもらったわよ」 「はいです。だから課題の一部免除は渡りに船だったわけで……」 「しゃーないなーもう」 明日菜と夕映の言い訳を聞きながら木乃香が呆れた声を上げた。
「皆さん、もうすぐ授業が始まりますよ」 いつもの様子に呆れながらも、桜咲刹那(出席番号15)が声をかけ、明日菜達は席に戻り始める。 キーンコーンカーンコーン・・・・・・ 授業開始のチャイムが鳴り、ざわついていた教室内も静かになる。生徒達は自分の席に着く。 扉を開けて教室内にネギが入って来た。 週番の宮崎のどか(出席番号27)が号令をかける。 「き、起立ー、気をつけー、礼ぃー」 『おはよーございます』 生徒全員が一斉に挨拶をする。 「はい、おはーございます」 ネギも挨拶を返す。 「着席ー」 生徒全員が一斉に着席する。 「ちょっと待っていてくださいね」 ネギはそう言うと、一旦廊下に出て大きな箱を持って入ってきた。 そして、扉の近くの一番前の席に居る佐々木まき絵(出席番号16)のところから、箱の中にあるものを各列の人数分ほど、前の席の人に手渡していく。 「後ろに配ってくださーい」 配ったものが生徒全員に行き渡った。
「なにこれ、腕時計?」 配られた物体を持ち上げた明日菜は、しげしげと観察する。 その物体には現在の時刻が表示されており、腕につけるためのベルトが取り付けられている。 時計機能が付いていることは間違いないが、ただの腕時計にしてはちょっと大きすぎる。 「せんせー、これなーに?」 鳴滝風香(出席番号22)が質問する。 「質問には後で答えますから、まずは皆さんに配ったものを腕につけてもらえますか?」 ネギの言葉に、何も疑問を持たずに腕時計(らしきもの)を腕に取り付ける。 生徒全員が取り付けたのを確認すると、ネギは満足そうに頷く。 (さあ、ここからが本番だ!!) 教壇に立ったネギが黒板に向かって『T.B.R』と大きく書き込んだ。 生徒達の方に振り向いたネギがにっこりと微笑む。 そして口を開いた。 「今から、貴方達にはツッコミ合いをしてもらいます」
[第二幕.呆れる人々] 「今から、貴方達にはツッコミ合いをしてもらいます……ツッコミバトルロワイヤル(T.B.R)です!」 『ハア!?』 生徒全員がネギの言った意味がわからず、頭の上に[ ? ]を浮かべる。 あきれた顔をした者もいる。エヴァンジェリン.A.K.マクダウェル(出席番号26)などは、ため息をつき、腕枕をして寝ようとしていた。 これらの反応を見ても全く動じることなくネギは話を続ける。 「今、我々3−Aは窮地に立たされています。このクラスのほとんどがボケる方ばかりだということです。 笑いとは、ボケがあって、ツッコミを受けて成立するもの。ツッコミのないクラスは、いつかは笑いが消滅してしまいます」 「つーか、ツッコミとボケにこだわってんのは関西人だけだろーが」 思わず千雨が声を上げる。 「千雨ちゃん、何てこというん!?ボケとツッコミは切っても切れへん関係やで!」 むっとした表情で木乃香が反論する。 「な、なんだよ近衛。なんであんたから反論が出て来るんだよ?」 「関西人として譲れないものがあるんよ!」 木乃香の反応に驚く千雨をよそに、拳を握り締めて木乃香が力説する。 「関西人のこだわりなんか知るかってえの」 ボソッと千雨が呟く。
すると、急に立ち上がった亜子が拳を握り締めて主張した。 「そうやー、ボケとツッコミは大切にせんとあかんよ!」 「お前もかい!」 普段はおとなしい亜子までもがボケとツッコミにこだわる反応を見せられて、千雨は呆れ果てた。 どうやら関西出身の2人はお笑いにこだわりがあるようだ…… 笑いにこだわる2人をよそに、ネギが再び口を開く。 「はーい、話を続けますよー。そこで、ツッコミ強化計画の一環として、今日1日を使って、皆さんにツッコミ合いの特別授業を行います。 言っておきますが強制参加ですので、嫌でも問答無用でやってもらいますよ。」 教室内のざわつきは収まっていないが、ネギは構わず詳細を話し始める。 「雑談はやめて下さーい!ルールを説明しまーす。」 パンパンと手を叩いて生徒達を静めようとする。 次第にざわつきが収まり、教室内が静かになる。 ネギは説明を始めた。
朝は以上です。 ルール説明は今夜投下します。
乙ww
ツッコミかよ!と俺もツッコんでみる
乙、いきなりなんという展開だ
長ければ1話、多くて2話ずつの投下で良いよ
旧18部のちゃんとしたバージョンみたいなものか
TBR… …………なんでやねん!
誰々の「もと」にって「元」なの?「基」なの?
wktk乙
1日に4話も投下すんのか?
ちょ、ツッコミってwwwww いきなりフイタよw まぁ、確かにこれなら誰も死なんわなw つっこまれたら負けなのか、つっこめなかったら負けなのかが気になる所だw 夜の投下楽しみにしてるよw
なんかあんま期待できねw 今、原作が凄い面白いだけに…
短編で済ませろよこーゆーのは といいつつもwktk
今日の続きを投下しますね。
>>506 その通りではあります。
そこをわざわざ長編に作り上げることに意義を見出してみました。
[第三幕.ルールはよーく聞いておこうね] ネギはゲームの基本ルールを説明した。 <ルール> ●基本的には相手がボケた時にツッコミを入れると勝ち。ツッコミを入れられた側は負け。 負けたものは失格となる。最後の一人になるまで行われ、勝ち残った者が優勝。 ●行動できるエリアは麻帆良学園の中等部のエリア内のみ。具体的な範囲は後で配る構内マップに記載。 1時間毎に立ち入り禁止エリアを増やしていく。 ゲーム開始後30分経過すると3−Aのある校舎内は立ち入り禁止になる。 ●エリア外への逃亡、立ち入り禁止区域の侵入は即失格。 その他、自殺、意識不明、行動不能、ゲームの放棄や運営の妨害行為を行った者も失格になる。 ●1時間毎に放送を流し、立ち入り禁止エリアと脱落者の名前を発表する。 ●ゲームは本日9時スタートでタイムリミットが本日17時の8時間で行われる。 タイムリミットまでに2人以上残っている場合は全員失格でゲームオーバー。 互いに潰しあって一人も残らず、時間内に全員が脱落してしまった場合もゲームオーバー。 ●構内マップ、クラス名簿、筆記用具、昼食を各自支給する。 なお、エリア内にあるものは自由に使っても良い。
≪ツッコミにおける諸注意≫ ●ツッコミを入れる時は、相手を叩くなどの行動を伴わないとツッコミとして成立しない。 押す、蹴る、物を使って叩くなど、ツッコミとして容認されている行動ならOK。 ●言葉だけのツッコミは全てノーカウント。 ●無言のツッコミ(叩くのみなど)は、成立していればOK。 ●無意味なツッコミ、相手がボケてないときのツッコミ、ツッコミが適していない、などは無効。 ただし、相手がボケてなくても、ツッコミとして成立するならばOK。 「以上が基本ルールとなります。」 「……さりげなく失格条件に自殺ってのが入っているわよ。誰がやるのよそんなの!」 一応、明日菜がツッコミを入れておいた。
しえん
[第四幕.進まない話] さらにネギは説明を続ける。 「さて、ツッコミ成立の可否ですが……先ほどお配りして腕に取り付けて頂いた装置で判定されます。 ツッコミ判定機です。そして、ツッコまれて負けた方は失格になるわけですが、失格と同時にペナルティが与えられます。」 風香が手を挙げて再び質問する。 「ペナルティって何ですかー?」 「判定機が爆発しまーす。」 「爆発うぅっ!?」 ネギの答えに史伽が驚きの声を上げる。 「嘘でーす。」 「嘘かよ!!」 千雨がすかさずツッコミを入れる。 「いいですよー千雨さん。そんな感じでどんどんツッコんでください。」 満足そうにネギは頷く。 ネギは一つ残っていたツッコミ判定機を生徒達に見せながら説明する。 「本当のことを言いますと、判定機から体内に特殊な電流が流れます。それによってゲーム期間中は動けなくなります。……ちょっと痛いです。」
「痛いの?」と史伽。 「痛いです。」とネギ。 「すごく痛いの?」と風香。 「すごく痛いです。」とネギ。 「ごっつ痛いの?」と亜子。 「ごっつ痛いです。」とネギ。 「てげ痛いの?」と風香。 「てげって、どこの方言だよそりゃ!?」と千雨がツッコむ。 「宮崎、鹿児島方面の方言ですね。」 淡々と夕映が説明を行った。 「冷静に解説すなっ!!」 千雨が声を荒げる。 「ちょー痛いの?」と桜子。 「もういいから」と円が桜子にツッコむ。
ネギが声を上げる。 「話を戻しますよー。別に怖がることはありません。ちょっと痛いですが、痛いのは最初だけです。 徐々に快感に変わっていきます。そして快感が頂点に達すると、気持ちよーく昇天させてくれます。」 「誰だ!このガキに変な表現を教えたのは?」 ネギの意味深な表現に千雨が憤慨する。 「ぬっふっふっ……」 美砂がこっそり笑っている。 「お前か!!」 悠然とした顔をして美砂が反論する。 「つーか、変な方に受け取る方が悪いんじゃない?」 「ぐっ……」 痛いところを突かれて千雨が押し黙る。 意味のわからない史伽が真名に尋ねた。 「ねえたつみー、今のどういう意味?」 「今のくだりがわからない者は、まだわかる必要はないことだ。 そして良い子は意味がわからなくても決してお父さんお母さんに尋ねてはいけない。 君達とお姉さんとの約束だ!いいね?」 やさしく真名が諭した。 「お約束やなー」 木乃香がその場をまとめた。
傾向作者かとおもった
[第五幕.ようやくゲーム開始] パンパンとネギが再び手を叩いた。 「はーい、脱線しないで下さいねー」 「話がちっとも進まないです」 夕映がボソッと感想を漏らす。 「ああ、それとツッコミの条件をクリアできない相坂さんは残念ながら最初から失格になります」 「えーん……」 「よしよし、気を落とすんじゃないよ、さよちゃん」 残念がって泣くフリをするさよを和美が慰める。 次に、ネギは支給品である構内マップ、クラス名簿、筆記用具、昼食の入ったデイパックを配り始めた。 生徒全員に行き渡ったことを確認する。 一同を見渡すと、再びネギが口を開いた。 「それではスタートしますけど、出席番号の順で名前を呼びますので、一人ずつ部屋を出て行ってくださいね。 あと、エリア内には夏休み中に学校に来ている人がいます。接触は禁止ではないですが、邪魔にならないようにして下さい。 ……ところで、出席番号といえば『出席番号4番』とか、言う方いますよね。『エントリーナンバー4番』とかもですけど……。 あれって英語的に考えるとおかしい表現なんですよね。英語教師として納得がいかないんですよ。 『番号』自体が英語で言えば『number』となりますし、『4番』は『number four(No.4)』つまり、『number number four』と重複して言っているわけです。私が思うに……」
スパーン!! 「話が長ーい!ていうか、あんたが脱線しているじゃないのっ!」 いつの間にかハリセンを手にした明日菜がネギの前に飛び出してネギの頭をはたいた。 「うっ!!」 明日菜のツッコミを受けて、苦悶の表情をしたネギはその場に倒れこんだ。……幸せそうな表情をしながら。 「え?何で?」 ネギに何が起こったのかわからずオロオロする明日菜。 倒れたネギの様子を見ていた夕映がネギの袖をまくり、右腕に取り付けられていたツッコミ判定機を見つける。 「どうやら……ネギ先生も参加者だったようですね」 「と言うことは、このゲームどうなるん?終わりなん?」 動揺した木乃香が素朴な疑問を口にする。 「いえ、判定機はまだ作動しているです。私たちのも外そうとしても取り外せません。ゲームは続行中のようですね。」 自分のツッコミ判定機を確認しながら夕映は首を振って答えた。 主催者であるネギは脱落し、これからどうすべきか教室内がザワつきはじめる。
4
ザワザワと声が大きくなっていく中、明石裕奈(出席番号2)は下を向いて肩を震わせていた。 「フ、フフフ……面白い、面白いわ。このゲーム、受けたわ!やってやろうじゃない!」 いきなり大声を出した裕奈はクラスの皆から注目を集める。 しかし、メラメラと燃え上がった裕奈はクラス中の視線などものともしない。 「いっくぜー!」 威勢の良い掛け声と共に、裕奈は勢い良く扉を開けると走って部屋を出て行った。 裕奈の行動に皆があっけに取られてクラスの中が一瞬シーンとする。 すると、 「しょうがないねえ。私も参加すっかね」 そう言って、朝倉和美(出席番号3)もデイパックを担いで立ち上がると、裕奈の後に続いた。 「まったく、アホばっかです」 出席番号順に2番、3番と出発したために綾瀬夕映(出席番号4)も大きくため息をつき、しぶしぶながら動くことにした。 和泉亜子(出席番号5)、大河内アキラ(出席番号6)は行くべきか少し迷っていた。 「先に行くよー!」 「先に行くですー!」 2人が躊躇している間に、自分の番が来るのを待てずに鳴滝風香(出席番号22)と鳴滝史伽(出席番号23)が部屋から飛び出していった。
「いこっか?」 「私も行こう」 「ここにいてもやることないしねー」 その後は、出席番号も関係なしに一人、また一人とわらわらと部屋から出て行き始める。 「ちょっと!あんた達、本当に参加すんの?」 「えーやん、アスナ。面白そうやし、うちは先に行くなー」 「お待ちください、お嬢様!」 駆け出した木乃香を刹那が慌てて追いかける。 あきれていた明日菜だが、木乃香と刹那まで出て行ったので、仕方なく参加することにした。 「まったく、仕方ありませんね」 クラスメート達が出て行くのをみて、あやかも腰を上げる。 そして、部屋からはほとんどの生徒が出て行った。 <<ゲームスタート>> 【担任 ネギ・スプリングフィールド 昇天】 【残り 30人】
オツカレー
以上で本日の投下は終了です。 ルールが過去の話と違うので、キリの良いとこまで投下しました。 明日からはキリを見て投下量を調節していきますね。
乙ー 主催者がいきなり脱落とはまた新しいwww
乙です。バトロワなのに、笑ってしまうぜ
旧作者18を見て思いついたとか? 言っちゃいけないと思うがあれは面白いと思ったからなあ俺
乙ッス 第二章で優勝者除いた気絶してる29人を無人島運んで行って今度はガチで殺し合い……は無いか
>>525 良い発送だ
さては昨日チアの短編投下した人だな
\_0_/^0^\_0_/ やばいこれは楽しみだww 誰が優勝するか予想つかないなぁ
>>526 どもっす。自分はただのROM専パンピーっすよー
前に1回だけ絵をupしただけっす
パンピー… ( ゜Д ゜)
斜め上すぎだw wktkして待ってるぜ!!
今週号読んでて思ったがもしラカンがバトロワ参加したら 「首輪なんてうっとしいわぼけぇ!!」 とか言って無理矢理外そうとして爆発するけど生きてそう…
斬新でいいなw
投下乙です キャラの言動が原作(つーか2期アニメ)に近くて脳内再生が容易いw
確かにw ラカン主人公の短編欲しいな。
実際問題、原作でネギ達が強くなる度にどうやってバトロワに強制参加させるかが難しくなる件 成長した刹那クラスの能力を抑え込める首輪ってどんだけ、とか こいつらを出し抜いた上でラストに派手に殺り合える首謀者って、とか考えちまうと 長編なんてとても書けそうにないわ。俺が設定厨なだけかも試練が
俺も設定拘るタイプだが割りと書き進めていけばネタも出てくるし案外できるよ 難しい点は魔法ならなんでも出来るって設定にすれば良いわけだし まぁただのネット上のSSであって世の中に出すわけじゃないからなんでも魔法で済ませば良いよ
いや、その魔法関連が強力すぎて困るという話
ツッコミバトルロワイアル… むしろここはボケ倒せば良いんじゃね? ゆーな「マラックブヨネーズって知ってる?」 まき絵「エンゼルハートじゃない」 亜子「それを言うならジャマイカやろ」 アキラ「そうだったのか…大王イカに聞いてみる。」 桜子「イカってあのタコー?足幾つだっけ?」 円「猫と同じじゃなかった?」 美砂「アヒルでしょ」
なんかわらたwww
じえんじえん笑えない。
とうとうこのスレにも自演決めつけ厨が来たか
>>544 元から居る。
あぁいう勝手なことを言い出すやつは元から住みついていました。
だから放置するしかないよ。
他のマロンのネギまスレにも自演決めつけ厨なんてID出ないとこにはどこにもいる まぁ変な流れになっても作者20が投下すれば収まるし話膨らませなくても良いよ
それでは今日の分の投下を始めます。
[第六幕.悪魔のささやき] 「まったく、能天気共が!」 その場のノリだけでゲームに乗って教室を出て行ったクラスメートの行動をあきれた様子で見ていた長谷川千雨(出席番号25)は、人気のなくなった教室で悪態をついた。 既にほとんど全ての生徒達がゲームに参加すべく教室から出て行ってしまっている。 「毎度毎度ウチのクラスのこーゆーノリにはついていけねえ」 一人で愚痴をこぼす。 千雨はガランとした教室を見渡した。 教壇の下はネギが倒れたままである。 「あいつら、このガキのこと完全に放置していきやがった。いいのかほっといて?」 ノリで動くだけで後先のことを考えないクラスメートに内心イライラする。 一応倒れたネギの傍に寄ってネギに外傷がないのを確認する。どうやら気絶しているだけみたいである。 それだけ確認するとネギ興味に興味をなくして自分の席の近くまで戻った。さすがにネギを介抱する気はない。 「綾瀬や龍宮なんかが行くとは意外だったな、茶々丸さんもいねえし……ん?」 さっき教室内を見回したときは気付かなかったが、後ろの隅の席で、自分以外にも教室内に残っている生徒がいるのに気付いた。 (マクダウェルか……) エヴァンジェリン.A.K.マクダウェル(出席番号26)は机の上で腕枕をして寝息を立てていた。 (ある意味、こいつが一番賢明だよな) 素直に千雨はそう思った。 くだらないゲームに参加するくらいなら寝ていた方がマシである。 ゲームに乗る気がないのならばそれが一番だ。
550 :
マロン名無しさん :2008/02/21(木) 19:57:15 ID:PdWqvpdO
>>469-471 を読んで誰がツッコミなんかすると思っただろうか…
別の意味で今まで以上にwktkしてしまう
今日の投下まだー
大きなため息をついて、千雨は近くにあった椅子を見つけて腰掛けると、身近な机に肘を乗せて頬杖をつく。 とりあえず、寝ているエヴァのことは放っておくことにする。 「さて、これからどうする?」 このままここにいても仕方ない。30分後にはここが立ち入り禁止エリアになるのだ。 立ち入り禁止の時間までに寝ているエヴァをそのままにしておくと、エヴァは失格になるだろうが千雨にとっては知ったことではない。 千雨はゲームの内容について考え始めた。 ゲームのルールを聞いた後、余りのくだらなさにゲームに乗る気は毛頭なかった千雨だが、普段からクラスメートの行動には心の中でツッコミを入れている千雨にとって、ゲームの内容には正直言って興味があった。 ゲームに乗ればこれまで2年間に溜まった鬱憤が少しでも晴らせるのだ…… クラスメートにツッコミを入れる自分の姿を想像する。……なかなか面白そうだなと思う。 ゲームのことを考えるうちに、次第に千雨の心の中でゲームに乗りたいという誘惑に負けそうになっていく。 慌てて頭を振って変な妄想を頭の中から追い払う。 心の中の葛藤に悩みながら再び考える。 ゲームに乗るべきか……乗らざるべきか?そこが問題だ。 これからどうするべきか決めかねたまま、後ろの方を見渡すとエヴァがまだ寝ている姿が目に入る。 エヴァの姿を見ていると、次第に千雨の中に純粋な好奇心が芽生え始める。 (これは……成立するよな?) エヴァを起こさないように忍び足で近寄る。 そしてエヴァの横に立つと、ごくりと唾を飲み込み、右手を上げた。
「寝てんじゃねーよ!」 軽く頭をはたきながらツッコミを入れてみる。 一瞬、何があったのかとエヴァが片目を開け、再び寝ようとする。すると、突然エヴァの体がビクッと震えた。 「ウウックゥワァッッ!」 両目を開けて悲鳴ともつかない言葉を上げて、一瞬立ち上がるが、すぐに椅子にドサッと座り込むと、力なく前のめりになって机の上に突っ伏した。 エヴァの反応に驚いて、思いっきり距離を取って様子を見ていた千雨は、エヴァが動かなくなるのを確認するとビクビクしながら倒れたエヴァに近づいていく。 恐る恐る伸ばした指先でエヴァの頬を突付く。 ぷにぷにして良い感触であるが、エヴァの反応はなく、起きる気配はない。 エヴァは恍惚の表情をして気絶をしているようだ。 「……気持ちよく昇天させるって、マジなのかよ?」 いろいろツッコみたいこともあったが、ゲームの趣旨とツッコミを受けたときの反応は充分理解できた。 明日菜がネギにツッコミを入れたときも反応を見てはいたのだが、自分がツッコミを入れた方が良く分かる。 (ツッコミを受けて倒れたとしても、別に命には別状がなさそうだし、こいつは面白いかも知れないな) 考えをまとめながら、千雨は腹を括った。 「よし。いっちょ、やってやるか!」 顔を上げた千雨はゲームに乗る決心を固めた。声を上げて気合を入れるとデイパックを担ぎ、倒れているエヴァとネギを置いて教室を後にした。 【出席番号26 エヴァンジェリン.A.K.マクダウェル 昇天】 【残り 29人】
[第七幕.誰が何と言おうと双子の秘術なの!] 神楽坂明日菜(出席番号8)は校舎の玄関から外に出て、グラウンドに向かって歩いていた。 結局、スタート時はほとんどのクラスメートが一斉に動き出し、混雑したまのスタートになったために、木乃香達とは完全にはぐれてしまっていた。 仕方なく一人で行動することにして、その辺をうろうろしていた。 「そういえば、ネギの奴をあのまま放って置いたままなんだけど、大丈夫かしら?」 今頃になって、ネギのことを心配する明日菜。 勢いに流されて出てきたものの、くだらないゲームのことを考えると、なんだかばかばかしくなってきた。 ツッコミ判定機に組み込まれた時計を見ると、校舎が立ち入り禁止になるまでにはまだ時間がある。 「仕方ないなー、ちょっと見てくるか」 ネギのことを心配した明日菜は、教室に戻ろうとして今来た道を戻り始めた。 ――明日菜が歩いている様子を物陰からこっそり伺っている者がいた。 「アスナの奴、油断しているぞ。今がチャンスだ」 鳴滝風香(出席番号22)が明日菜の様子を見ながら史伽に話しかける。 「ホントに大丈夫なの?お姉ちゃん」 「大丈夫だって、僕らにはかえで姉から教わった秘密の術があるんだ。 しかも、今回はさらにグレードアップしてるしね。負ける要素は見当たらないよ!」 「心配だなー」 自信満々な風香を見ても、不安そうな表情をする鳴滝史伽(出席番号23)。 「心配すんなって。ほら、アスナを見失わないうちに、早いとこ準備しよう」 「は、はいですー」 風香に促されて史伽が慌てて準備を始める。2人は明日菜と対戦すべく準備を始めた。
4
明日菜が校舎の玄関の近くまでやってきたとき、彼女を呼び止める声がした。 「アスナ、勝負だ!」 呼ばれる声に振り向いた明日菜は、自分の方を指差し、もう一方の手を腰に当てて仁王立ちしている鳴滝風香(出席番号22)の姿を見た。風香はいつの間に着替えたのか忍びの装束を着ている。 「風香?……やる気なの?」 戦いに備えるべく、取り出して持っていたままのハリセンを構える明日菜。 「当然!」 地を蹴って風香が向かってくる。 すると、風香の後ろから同じ格好をしてもう一人風香の姿をした少女が現れる。 「な、風香が……2人!?」 『見たか!これぞ鳴滝忍法分身の術(完全版)!』 風香と史伽の声が重なる。 史伽は団子にしていた髪をほどき、風香と同じ髪型にしていた。同じ格好の2人は傍から見ると見分けがつかない。修学旅行の時より術は数段グレードアップしている。 「って、双子でしょうがーっ!分身してないし!」 明日菜がハリセンを2人めがけて振り下ろす。 小気味いい音を立てて、風香と史伽の頭が叩かれる。 明日菜のツッコミをまともに受け、風香が地面に仰向けに倒れ、その上に重なるように史伽も仰向けに倒れる。 「くっ、ふみか!」 「うん、いくよお姉ちゃん」 史伽の方が上体を起こす。 『幽〜体〜離脱!ぐはあぁっ!!』 ツッコミ判定機が作動し、風香と史伽が同時に意識を失った。
「なーにやってんのよーっ!つーか、ツッコミやれって言われてんのに全力でボケてきてどうすんのよっ!!」 激昂して明日菜が叫ぶ。 倒れている2人に言いたいことを大声で叫んだ明日菜は、とりあえず気持ちを落ち着けて冷静になる。 風香と史伽が倒れるまでの経過を反芻する。 「それにしても、ツッコミを受けた後にもうひとネタできるくらいだから、判定機が作動するのにちょっと時間がかかるみたいね。 7〜8秒ってとこかしら、判定にちょっと時間がかかるのかな?だから何って言われても困るんだけど……」 倒れている風香と史伽を見下ろす。彼女達は重なり合ったまま恍惚な表情をしている。 判定機がどのように作動するのか大体理解できた。 2人をツンツンと突いてみたが、気を失っているだけで特に問題はないようだ。 ネギにツッコミを入れたときもそうだが、気持ちいいのかどうかは分からないが、気を失う程度で済むみたいである。 明日菜はハリセンを見つめる。風香と史伽にツッコミを入れたとき、ちょっとだけ快感だった。 ハリセンで思いっきり叩いてツッコミが決まるのは気持ちが良いものだ。 だんだんと明日菜の中でやる気が出てきた。 「ツッコミ合いか……結構面白いわね。……ま、せっかくゲームが始まったんだしね。やってやろうじゃないの!」 教室に戻ることをやめると、明日菜は再びグラウンドの方に向かって走り出した。 ネギのことを心配していたことは、明日菜の中から綺麗さっぱり消えてしまっていた。 【出席番号22 鳴滝風香 昇天】 【出席番号23 鳴滝史伽 昇天】 【残り 27人】
[第八幕.テンパった人] ゲームの内容が今ひとつ理解できない宮崎のどか(出席番号27)は、最初は先に教室を出て行った夕映を追いかけていた。 しかし、教室を出ると共にいきなり桜子と美砂からのツッコミの攻撃を受けた。 おそらく、弱そうなのどかから先に倒してしまおうという魂胆であったのだろう。 幸い、桜子と美砂からの攻撃はノーカウントとなり、ツッコミを受けることなく逃げ出すことができた。 彼女達から逃げきったのは良いものの、完全に夕映を見失ってしまった。 一人になったのどかは考え込む。自分一人でこのゲームを勝ち抜く自信はなかった。 こういうときに夕映がいてくれたら……と思いながら、他のクラスメートと遭遇したら、どうしたら良いのか迷っていた。 「……ツッコミだよね。相手にツッコミをすればいいんだよね」 ルールだけは一応のどかの頭の中で理解できている。しかし、具体的にツッコミをどうすれば良いのか良くわからなかった。 試しに練習してみる。 「な、なんでやねーん。なんでやねーん……」 のどかが手をチョップするように前に出したまま、しばらくの間固まった。 ……これは、とてもツッコミとは言えない。 ツッコミとボケをよく分かっていないのどかだが、それだけは十分理解できた。 額から汗がダラダラと流れてくる。 テンパってしまったのどかは、次第に頭の中がパニックになってくる。このままではクラスメートの誰かと出会ってもやられるだけである。 「はわわわわわ、どーしよー」 答えの出ない考えがぐるぐると頭の中を回り、のどかの両目がぐるぐると渦を巻き始める。 「はううーっ、どーしよ、どうしよ」 頭を抱えたまま考えが堂々巡りとなる。 のどかは目を回しながら混乱してしまった。
――丁度のどかがテンパってしまった時、校舎を出て近くを通りがかった千雨がのどかの姿を見つけた。 千雨はゆっくりとのどかに近づき声をかけた。 「おい本屋、どうしたんだ?」 「どーしよ、どーしよ」 のどかはテンパっている 「おい」 「どーしよ、どーしよ」 「こら」 「どーしよ、どーしよ」 テンパっていたのどかは、千雨のかける声に全く気付くことがなかった。 「おちつけ本屋!」 ポンと肩を叩くと共にツッコミを入れる千雨。 ビクウッ!と驚いて千雨の方を振り向くのどか。 すると、 「はぎゃわぁーっ!!」 判定機が作動し、素っ頓狂な声を上げてのどかが倒れた。 「まったく、なんなんだお前は?」 まともに戦うこともなく倒れてしまったのどかに千雨は心底呆れた。 「倒せはしたが、今のはツッコんだ気分じゃねーな。次だ次!」 そう言うと倒れたのどかを無視して千雨は去っていった。 【出席番号27 宮崎のどか 昇天】 【残り 26人】
以上で本日は終了。 基本的にはこんな感じで戦いは進んでいきます。
>>559 GJ はぎゃわぁーっ!! がツボったwww
乙。
作者20氏乙す! やべぇ、これ面白すぎるwwwww でも何だか番外編って感じだなw まぁこういうのもたまにはいいんじゃなかろうかw 明日も期待してまする
旧18部のがまだ面白いと思う…
乙です 明日を期待しています
確かになんてレスすれば良いか分からんねw もう1作の方に期待
普通におもしろいww
ま、賛否両論だわな。 ただ最近はスレの流れ良いからともかく昔だったら叩かれまくってただろうな。 俺は長いロワの歴史の中で1度くらいもこういうの良いなと楽しんで見てるよ。
エロさしか感じないw
俺は好きだねえ 応援してるぜ20氏。 たまにはこういうのもおkw
バカスwwwwwwww 一瞬脳内にことみの姿が浮かんだ
40話書いたとこで紙しまうの忘れてて猫にめちゃくちゃにされた… 半分くらいもう悲惨な状況…… お前ら、5話書く度にパソコンにも写しとくとかなんかしとけよ。
投下を始めますね。 最初から賛否両論あるのは承知のことなので、否定派の方々には返す言葉もありません。 ですが、投下を始めたからには最後までやり遂げます。 22部で何とか挽回せねば・・・・
[第九幕.捕まった人] 難なくのどかを倒した千雨は、当てもないままに校舎の玄関からまっすぐ伸びている道を歩いている。 すると、前方でシスターシャークティーに腕をがっちりと掴まれて、引きずられてゆく春日美空(出席番号9)の姿を発見した。 「ちょっ、ちょっと放してよシスター。私にはこれからやることがあっス!こんな面白いゲームに乗らないわけにはいかないんだってば」 叫ぶ美空をシスターシャークティーは気にせずにズルズルと美空を引っ張っていく。 「黙りなさい美空。今日は課外授業があるからって教会のお仕事を休むと言っていて、何を遊んでいるんですか! 今日という今日は許しませんよ。しっかりと身をもって教えてあげます!」 「いやあぁぁっっ!何それ?つーか、これが課外授業中なんだって、信じてよぉ! 教会はエリア外なんだってばぁ。失格になっちゃうよー」 美空の叫びを無視し、シスターシャークティーは美空を教会に引きずっていく。 「ほら、キリキリ歩きなさい!」 引きずられている美空は近くまで寄っていた千雨の前を横切って行く。 千雨の姿に気付いた美空は必死になって助けを求めた。 「あ、長谷川!いいところに。シスターに説明してやってよ。今課外授業の真っ最中なんだって!」 ずるずると引きずられながらも、美空は助けを求めて千雨に呼びかける。 しかし、千雨は無表情のまま、美空に手のひらを向けて2、3回手を振った。 一瞬、千雨の行動が理解できずに呆けていた美空だが、その意図に気付いて猛烈に暴れだす。 「長谷川ぁ!このヤロー見捨てる気だな!せめて私と戦ってからにしろぉ!!」 千雨に向かっていこうとする美空だが腕をがっちり掴まれて動くことが出来ない。
「……美空、貴方という人は何回言えば分かるのですか?」 いきなりシスターシャークティーの声のトーンが変わったのに気付いた美空は、ハッとして暴れるのをやめる。 青ざめた顔で恐る恐るシスターシャークティーの方を振り向いた。 黒い背景に無数の十字架を浮かべ、ズゴゴゴゴゴゴゴという効果音を響かせながら恐ろしい表情をしたシスターシャークティーがそこに立っていた。 「ヒィィッッ!」 マジで怒りモードに入ったシスターシャークティーの姿を見た途端、全力で逃げ出そうとする美空だが、シスターシャークティーの掴んだ手がそれを許さない。 そして、これまでの倍のスピードで教会に向かって美空を引きずってゆく。 「今日は歩いて寮に帰れるとは思わないないことですね美空。これからのことを楽しみにしていなさい。ホーッホホホホホホホ」 「イヤーッ!なんかシスターちょっとキャラ変わってない? でゆうか、私の出番ってこれだけ?誰でも良いから助けてえぇぇぇ―――っ!」 助けを求める美空のむなしい叫びが響いた。 シスターシャークティーに引きずられた美空は、千雨の前を横切ると、そのまま真っ直ぐと進んで遠のいていった。 「たぁーすーけーてえぇぇぇ―――っ!」 再び響く美空の叫びが小さくなっていった。
美空が引きずられていった方角をしばらくの間見ていた千雨は、進行方向に視線を戻した。 千雨はゴソゴソとデイパックの中からクラス名簿を取り出して、美空の顔にバツをつける。 「……春日は自滅。と、戦う手間が省けてよかったな」 名簿をしまうと再び歩き出した。 その後、立ち入り禁止エリアに入った美空は、ツッコミ判定機が作動して気持ちよく気絶してしまい、ゲームから脱落することになった。 ゲームが終了した後に美空が気付いたとき、怒りの頂点に達したシスターシャークティーと対面することになる。 その後の一週間の間、シスターシャークティーの指導の下、教会の中でビシバシと美空はしごかれることになるのだが、それはまた別のお話である。 【出席番号9 春日美空 自滅】 【残り 25人】
[第十幕.ある目的のために動き出す] 時計の針が10時を過ぎた。 ゲームが始まってから、丁度1時間が経過した。構内のスピーカーから放送が流れる。 『3−Aの生徒に連絡事項です。これまでの脱落者を発表します。 エヴァンジェリン.A.K.マクダウェル、鳴滝風香、鳴滝史伽、宮崎のどか、春日美空、以上の5人です。 立ち入り禁止エリアは、30分後にB−2、C−5、F−2、F−6です。 では、引き続きゲームを進行してください』 「お前、誰だー!?」 スピーカーに向かって千雨は叫んだ。 「あのガキは失格になって動けないはずだぞ?一体誰が放送しているんだって言うんだまったく……」 千雨はブツブツと文句を呟いた。 少なくとも放送された声はネギではない。 どこかで聞いた声ではあったが、それが誰であるのか千雨には分からなかった。
千雨が放送に対してツッコミを入れていた丁度その頃、 超包子の路面屋台の傍で、絡繰茶々丸(出席番号10)がドサッという音を立てて倒れて込んだ。 ツッコミ判定機が作動して茶々丸は動けなくなった。 全員の手首に備え付けられたツッコミ判定機は、作動すると快感で気絶するように作られていている。 ネジを巻かれると気持ち良いと感じることの出来る茶々丸は、この装置が利くのであった。 茶々丸が倒れている側で葉加瀬聡美(出席番号24)と四葉五月(出席番号30)が対峙した状態で立っている。 五月の方は驚愕した表情で聡美の方を見ている。 「な……なぜ?」 聡美からの攻撃を受け、短い言葉を発して倒れる五月。 ツッコミ判定機が作動して五月は動かなくなる。 ゲームが始まってすぐに、茶々丸と五月は聡美から協力を持ちかけられて一緒に行動していた。 3人で協力してこのゲームを生き延びようとしていたのだが、聡美は自分を信用してくれる2人をあっさりと裏切った。 油断した隙に、茶々丸と五月は聡美の手によって2人まとめて葬り去られてしまった。 「茶々丸、五月……悪いわね。私、どうしても生き残らなくてはならない理由があるの……」 倒れた2人を見下ろし、聡美はその場を後にした。 【出席番号10 絡繰茶々丸 昇天】 【出席番号30 四葉五月 昇天】 【残り 23人】
[第十一幕.策士は考える] 放送を聴いていた朝倉和美(出席番号3)は茂みに隠れて感想を漏らす。 「開始1時間で5人かぁ、結構速いペースだなー。ノリノリでやっている奴がいるのかな?」 誰がゲームに乗っているのかは分からないが、このペースに自分が巻き込まれると厄介なので、注意するように自分に言い聞かせる。 「朝倉さんはどうするんですかー?」 傍にいた相坂さよ(出席番号1)が尋ねる。 さよはゲームが始まる前から失格となっているが、別に行動を制限されているわけない。 誰も居なくなった教室に一人で残るのも嫌なので、和美の後をついて来た。 和美は腕を組み、これからの策を練っていた。 自分はツッコミができないわけではないが、どちらかと言うとノリでボケたがる傾向があることは、和美は自覚している。 油断していたら誰かにツッコミを入れられてやられるだろう。 クラス名簿を見て、強敵と思われる人物を検討してみる。 「うーん、アスナやちうちゃん、それにゆえっち辺りは結構厄介だよねー。 普段からツッコミ入れ慣れているから、この辺りは強敵になるのは間違いないな、うん。 この連中とは策もない状態で出会うのは危険だね。下手するとこっちがツッコまれちゃうしね。 ……どうやって対応するかが問題なんだよねー」 和美は腕を組んで考えながら、ふとさよの方を振り向く。 さよはテレビが白黒だったくらいの時代の人間だし、テレビが家庭にあったのかさえ怪しいものだ。 このゲームの対策として、お笑い番組など見たことなさそうな彼女と相談しても、あまり得られるものはないだろう。
4
しかし、万が一ということもあるかもしれない。念のためにさよのお笑いに対する意識を確認しておくことにした。 「ところで、さよちゃんはお笑いとか分かるのかな?」 いきなり話を振られてさよはちょっと驚く。 「え?……えーと、生きているときは良く覚えていないのですが、死んだ後ならテレビを見る機会も何回かあったので少しは知っていますよ」 「へえ、どんな?」 全く期待していなかったので、予想外のさよの反応に和美は少しだけ期待をした。 「えーとですねえ、『どーもすいません』とか、『あっと驚くタメゴロー』とか、ゲバゲバとかですねえ……」 「……もういいよ、さよちゃん」 頭を抱えて和美はさよの言葉を遮る。 「えーもういいんですか?」 さよは少し不満そうである。 思いっきりテレビが白黒だった時代の話なので正直言って和美はついていけなかった。 言葉は聞いたことはあるものの、それが何を意味するのかさえ分からない。 最後に一言だけ和美はさよに確認した。 「ところでさよちゃん、漫才は見たことある?」 首をフルフルを振るさよ。 「そっか、ありがとうさよちゃん。とりあえずはもういいよ」 和美はさよとのお笑いに対する話を切り上げた。
表記間違い × 首をフルフルを振るさよ。 ○ 首をフルフルと振るさよ。
これで完全に分かった。さよはツッコミとボケの対策においては当てにならないだろう。 これについては自分で何とかするしかないようだ。 お笑いに関してはさよは戦力にはならない。だが、さよは話し相手になってくれる。 作戦を練るときに一人で黙々と考えるより、誰かに説明しながら考える方が、意外と考えがまとまって良いアイデアが出たりすることもあるものだ。 和美にとって、今はそれだけでも十分さよの存在は有難かった。 お笑いに対する対策は不十分ではあったが、和美はゲームの方に頭を切り換えることにする。 とりあえず、現状を整理しながら策を練ることにした。 比較的早い段階で和美はこのゲームのポイントを理解していた。 「まずは現状確認をしようか。このゲームのルールでは、対戦相手が自らボケて来るのでもない限り、無意味にツッコミを入れても成立しない。ここまでは良いよね」 「そうなんですか?」 ツッコミとボケを今ひとつ理解していないさよはキョトンとした顔で応じる。 「そうなのよ。まあ、お調子者の生徒でもなけりゃ、自分から好んでボケることはしてこないだろうね。 そうなると、自分と相手のやり取りの中から、いかにしてツッコミできる要素を引き出すことができるかが鍵となるというわけだ……」 「へー」 感心するさよ。和美は話を続ける。 「もう一つ重要なことは、相手のツッコミによる接触を避けること。 相手のツッコミによる攻撃が当たらなければツッコミは成立しないのが今回のルールのポイントだよ。 それらに注意しておけば、負けることはないってわけだよ」 「なるほど、さすが朝倉さんですねー」 さらに感心するさよに、和美はまんざらでもない表情を返す。 「……うん、そこを理解していれば、私にも手がないわけではないな」 考えをまとめた和美はすっくと立ち上がった。
ん? 続きは?俺かく?
和美が何か思いついたことを、さよは敏感に感じ取る。 「対策が決まったんですか?」 「まあね」 さよに不敵な笑顔を見せて和美は答える。 「ちょっと準備必要だから、移動するよ」 そう言うと、和美はさよに構わずに、ある目的地を目指して走り出した。 「あ、待ってくださいー」 和美の後をさよは急いで追いかけて行った。 ゲームが始まって1時間が経過し、積極的にゲームに乗る生徒と、ゲームに乗ることに躊躇する生徒に別れ、ツッコミバトルロワイヤルが展開されていく。 この先に誰がどのような行動を取るのか、現時点では誰も予測することは不可能であった。 【残り 23人】
今日の投下は以上です。
乙
ふむ、ちうっちとハカセはいつもの部でいうマーダーか って放送のやつだれだよwww
こういうノリもいいもんだな
乙。 うおっ、耳をすませば忘れてた!
乙、 明日も期待
作者20氏乙です
乙です こっちで活躍したキャラは、もう一方の長編でろくな扱いにならない希ガ‥(ry
>>592 あー、それは俺も思ったw
長編で出番少なかったからこっちで活躍させとこう、みたいなw
あれ?書き込めない?
あれ?書き込めた… ともかく乙です。
今頃ですが乙です
今日の分の投下を始めます。
[第十二幕.譲れないものがあるんよ] 佐々木まき絵(出席番号16)と和泉亜子(出席番号5)は2人揃って体育用具室に隠れていた。 スタート時の混乱により、アキラとははぐれたものの、2人で一緒に行動することができた。 ちなみに裕奈はノリノリで一番で走り去って行ったために捕まえることができなかった。 「さーて、これからどうするか?だよねー」 天然バカを少しは自覚しているまき絵は、ツッコミは苦手であるためゲームに乗る気はなかった。 だけど、誰かにツッコまれて脱落するもの嫌だったので、自分と同様にゲームに乗らないと思われる亜子を誘って隠れることにしたのだ。 隠れ場所が決まったので落ち着いてホッとするまき絵は、ふと、亜子の方を見る。 亜子は床に座り込んだまま、何やら必死の表情をしていた。 下を向いて両腕を抱きしめている。 亜子は何やら思いつめているようだ。すると、おもむろに亜子が口を開いた。 「まき絵……ウチ、ウチな……」 「ど、どうしたのよ亜子?」 うつむいて体をブルブル震わせている亜子の様子を見て、まき絵が心配する。 「ウチ、ウチ……」 「だっ大丈夫?体調悪いの?保健室行く?」 亜子の傍に駆け寄り、亜子の肩に手を乗せるまき絵。 オロオロするまき絵の目の前ですっくと亜子が立ち上がる。
亜子が大声で叫んだ。 「ウチな、負けられへんねん!」 きっぱりとした口調で亜子が宣言する。 「へ!?」 予想外の亜子の反応にキョトンとした顔で固まるまき絵。 まき絵を無視して亜子は語り始める。 「関西人として、血が騒ぐんよ。ツッコミというフィールドにおいては誰にも負けられへん! 特に、同じ関西でも京都モンのこのかには遅れを取るわけにはいかんのよ!」 いきなり燃え上がる亜子に、まき絵は面食らう。 「ちょっ!ちょっと待ちなよ亜子。そこまで熱くならないでも……」 制止の声も亜子には届かない。 「負けらへん。負けられへんのや!」 燃え上がる亜子は負けられないと言う言葉を何度も繰り返す。 「絶対に、絶対に負けられへんのよ!……そのためにも」 くるり、とまき絵の方を向く。 あまりの亜子の勢いにまき絵はビクッとして少し後ろに下がった。 まき絵の方を向いたまま、亜子の表情が冷たい表情に変わる。 そして、亜子の反応にどうして良いか分からないまき絵に向かって亜子は口を開いた。 「悪いけど……ツッコまさせてもらうで、まき絵」 【残り 23人】
C
[第十三幕.油断大敵でござる] グラウンドの脇道をゆっくりと歩いていた龍宮真名(出席番号18)は、立ち止まると後ろに向かって声をかけた。 「おい、いつまで隠れているつもりだ?」 しばらくして、物陰から長瀬楓(出席番号20)が現れた。 「さすがに、真名には気付かれたでござるか」 「何のつもりだ?私はゲームに乗る気はないぞ。タイムリミットまで適当に時間を潰すことにするつもりだから邪魔をするな」 ジワジワと楓が真名との距離を縮める。 「そうは行かないでござるよ。拙者はゲームに乗っているでござる。悪いが、相手をしてもらうでござるよ」 「……嫌だと言ったら?」 楓の言葉に不敵な笑みを浮かべて、懐から銃を出す真名。 「……力ずくでも」 くないを取り出し、腰を落として構える楓。 両者の間に緊張が走る、互いの出方を見るために、対峙したまま時が過ぎる。 先に楓が動いた。それに反応して真名も動く。 楓は地を蹴ると、真名に向かって一気に駆け寄る。真名も銃口を楓に向ける。 2人の距離が縮まると、不意に楓がくないを投げ捨てて大声を上げた。 「真名!隣の家に囲いができたってねえ!」 「!? ブ、ブロック!」 いきなりの楓の行動についていけず、急に振られたために思わず答える真名。 ボグウゥッッ!
楓の右拳が真名の左頬にめり込んだ。 そのまま真名は吹っ飛ばされて、地面を転がって倒れ、動かなくなった。 悠然と立ったまま、楓は倒れた真名近寄って声をかける。 「まだまだ修行が足りんでござるよ真名。突然の前フリで動揺するから拙者のツッコミに反応できないでござる」 「今のはツッコミではなく、殴られて伸びてるだけです」 ポン、と背中を叩かれる。 「な、しまったっ!」 驚いて楓は振り返る。判定機から余りダメージを受けないところをみると、ツッコミが浅かったようだ。 紙パックのジュースにストローを刺して口をつけている綾瀬夕映(出席番号4)が立っていた。 ジュースには『ガキ水』と書かれていた。 「龍宮さんとの戦いに気をとられていたです。勝利を意識して油断したですね。」 「……ガ、ガキ水!?なんでそんのものがここに?」 「驚くのはそこですか!」 パシ、と再びツッコミを入れる。 「グアァァッ!」 判定機が作動して、楓が倒れた。 「やっぱりマズイですね。これ」 一言、ジュースに対して感想を漏らす。 倒れた楓を一顧だにせず、夕映は立ち去っていった。 【出席番号18 龍宮真名 意識不明】 【出席番号20 長瀬楓 昇天】 【残り 21人】
[第十四幕.意外なセリフ] 千雨は、次第にツッコミを入れるのが快感になってきた。 (ヤベぇ、なんか楽しくなってきた) ツッコミに喜びを感じる千雨。 ある意味、ツッコミを続けることで壊れてきているのかも知れない。 千雨は、次の獲物を探し始めた。 すると、前方にクラスメートの姿を見つける。 誰かと思って近づくと、ザジ・レイニーデイ(出席番号31)であった。 「ピエロか……」 ザジは無口であり、クラスメートの中でも彼女の声を聞いたものは少ない。 かく言う千雨もザジの声は聞いたことがない。 千雨はニィッと笑みを浮かべる。 何もしゃべらないザジはツッコむ要素が多いとも言える。 (こいつなら、勝てるな) 心の中でほくそえむ。 すると、ザジは千雨の姿を認め、てくてくと千雨の元に歩いてくる。 「な、なんだよ」 後ずさりする千雨の傍まで寄ると、ザジは手を振り上げた。 「誰がピエロやねん」 振り下ろしてくる手をかろうじて避ける千雨。
「あ、あぶねえっ!」 予想外のザジの行動に驚くと共に、あわやツッコまれそうになって千雨はあわてる。 「くそっ!やる気かよ」 楽勝と思っていた相手と思っていたために、千雨は急いで対策を考える。 (こいつ、しゃべることが出来たんだな。声を聞いたの初めてだぞ) 「………」 千雨にツッコミを入れることを失敗したザジは無表情のまま自分の手をじっと見つめている。 「どうした?もう来ないのかよ」 挑発する千雨。 「………」 「おい!」 「………」 「なんか喋れよ!」 バシッと手を当ててザジにツッコミを入れる。 「………」 無言のまま、ザジは倒れた。 「結局一回っきりかよ!」 倒れたザジに向かって千雨は叫んだ。ザジは満足そうな表情で横たわっていた。 それにしても、一言だけとは言え、ザジがゲームに乗ってくるとは思わなかった。 「全く、こいつまで乗って来るとなると油断はできねえな」 改めて千雨はゲームが一筋縄ではいかないことを思い知り、気を引き締めると再び歩き始めた。 【出席番号31 ザジ・レイニーデイ 昇天】 【残り 20人】
[第十五幕.算数頑張りましょう] 「悪いけど、ツッコまさせてもらうでまき絵。」 ゲームに乗る気になって近寄ってくる亜子を、少しずつ後退しながらなだめようとするまき絵。 「お、落ち着きなよ。私達同士で戦うのなんて、やめようよ」 「……ボケえな」 「へ?」 「ボケなって言ってるんよ」 真剣な表情でまき絵にボケを要求する亜子。 あまりの言われようにまき絵も腹が立ってくる。 「そんなことを言われて、ハイそうですかってボケられるわけないでしょ!」 「いいからボケるんよ。さあ早く!」 喚くまき絵に尋常ならざる顔をしてじりじりと迫ってくる亜子。目がイッてしまっている。 この状況にたまらなくなったまき絵は、2つの選択肢で迷っていた。 一つは亜子から逃げるということ。ただし、これは亜子に隙を見せることにもなるから注意が必要だ。 もう一つは亜子と戦うということ。ツッコミ合いとはいえ親友の亜子と戦うのは気が進まない。 しかし、勝負を仕掛けてきたのは亜子の方だ。 そして、まき絵も体育会系のクラブに所属するだけあって負けず嫌いである。 2つの選択肢の中、選ぶのは一つ。まき絵はごくりと唾を飲み込んで覚悟を決める。 まき絵は自分の覚悟を後押しするかのように、ズイッと右足を前に出した。 「……亜子、あんたこそボケなよ」 亜子に対してまき絵も宣戦布告をした。
まき絵の言葉に、亜子の表情が引きつる。 この展開は予想をしていなかった。まさか、まき絵がゲームに乗るとは思ってもみなかった。 「な、なんで私がそんなことせなあかんのよ」 一歩後ろに後退し、うろたえながらも亜子は反論する。 「それがゲームのルールじゃん。私も乗ることにしたよ」 完全に覚悟を決めたまき絵は平然と亜子の抗議を受け流す。 思わぬまき絵の反撃に亜子は完全に動揺してひるんだ。 その隙を見逃さず、まき絵は右手を突き出してくる。 「言わへんのかーい!」 「ひゃあっ!」 間一髪でまき絵のツッコミをかわす亜子。 攻守が入れ替わってしまうのを恐れて、それ以上はまき絵にツッコミの隙を与えないように警戒する。 亜子の行動を見抜いたのか、まき絵はじっと亜子のことを睨みつけ、ツッコんではこない。 2人の額に汗が流れる。 まき絵の勢いに押されて思わず後退する亜子。今度はまき絵がじりじりと迫ってくる。 一定の距離を開けたまま、2人の間で火花が飛び散る。 隙を見せたら殺られる! 体育用具室の中に緊迫した空気が流れた。
対峙した状態で時が流れた。 お互いに有効な攻め手を失ったまま手詰まりとなっていた。 この状況を打開できないか、亜子は考えを巡らす。まき絵は負けじとさらに迫ってくる。 (どうしよう……あ、そうや!) ビシッとまき絵を指差す。 「まき絵、2分の1たす3分の1はナンボ?」 いきなりの亜子の反撃の質問にまき絵は慌てる。 思わず両手を前に出して指で数え始める。 「え?えっと、えっと……5分の2?」 「ちゃうわーっ!」 すかさず亜子のツッコミがまき絵に向かって炸裂した。 ツッコミをうけ、少しの間ふらふらしたかと思うと、判定機が作動し、 「んきゃ―――っ!」 という悲鳴と共にまき絵が目を回して倒れこんだ。 そしてまき絵は気を失って動かなくなる。 「まき絵……堪忍や」 倒れているまき絵を見下ろし、一言謝ると亜子は体育用具室から出ていった。 【出席番号16 佐々木まき絵 昇天】 【残り 19人】
以上で今日の投下は終わりです。 あと、もう一つの作品と、キャラの活躍の関係性を指摘されている 方もいらっしゃいましたが、活躍はストーリーの都合優先で、 2作品間でバランスは全く考えていません。 両方活躍するキャラ、両方活躍しないキャラ、一方のみ活躍のキャラが居ます。 まあ、それは後のお楽しみということで。
乙でした
作者20氏乙
乙だけど亜子の関西弁がかなりクラッシュしてる件 ・・・ある意味、原作に忠実な具合に標準語混じってるけどねw
乙!
乙 やべぇwザジかわいいwww
漫画のバトルロワイアルは絵が受け付けなくて5巻で断念したが映画の方は参考になるかな?
>>614 長編書く参考かな?
話の流れを知るなら参考にはなる。そこそこ面白いしね。
個人的には物語を把握したいのなら小説を読むことをお勧めする。
だが、もしも長編書くなら、今の段階では原作関連は読まないで書く方が良いと思うよ。
過去作品でおおよそのポイントをつかめるからそれで充分。
20作までの中で、一通りの原作を反映したパターンは出揃っている。
これまでにない新しさを出すには原作を知らない方が自由な発想で書けると思うしね。
好きなグループの歌詞の一部を拾ってそこから世界観を広げバトロワのワンシーンにするとかってのも良いと思う 俺は過去の作者だがとある曲の歌詞を見てその1つの話を書いたがその場所は評価高かった 読んでみると全然その歌詞と全く関係なく出来上がってるから誰も気付かないけど実はそれが元だったりみたいなのも… あら?眠いから上手く説明できないw
だいじょぶ! 今宵には伝わったよ!!
こんな時間ですが作者20さん乙です 書き込むの遅いわ!お正月の中央高速か!! 【俺 昇天】
せっかく今までにない長編なんだから読み手を驚かす表現とかないのかな? ギャグ→つっこむ→昇天を別パターンで同じ事してるだけじゃね? まぁまだ序盤だからこれから出てくるのかもしれんが…
>>620 それはハードルを上げすぎのような気が・・・
他作品も基本的には殺し合い→死亡を色々なパターンでやってるだけだし。
普通のバトロワならそれで良いけど一風変わった事するんだからそれくらいした方が良いって事だろ
おまいら完成してから投下のルールを忘れてるだろ
毎日朝起きたらここのテンプレ3回読んで仕事行くようにしてるから忘れてないよ
バトルロワイアル借りたくてTSUTAYAに3回も行ったが毎回貸し出し中だったぜ 50話まで書いといて急に見たくなった
本日の投下を始めますね。
[第十六幕.触るのはダメですよー] 和美は更衣室に入ると、ある衣装に着替えていた。 胸はビキニの上、そして短い短パンを履いていた。パーカーを羽織ってはいるが、かなり大胆な服装だ。 「朝倉さん、そんな格好してどうするんですかー?」 「へへっ、ちょっとした前フリだよ」 そうさよに答えると、和美は更衣室から出て、移動を開始した。 なんだか良くわからないままに、さよも和美の後をついて行く。 すると、近くを歩いていた大河内アキラ(出席番号6)と遭遇する。 アキラは和美に気付くと身構えて警戒する。 しかし、和美の格好を見て、思わず声を上げる。 「朝倉、なんて格好をしているんだ?」 その声を聞いた瞬間、和美はニヤッと会心の笑みを浮かべる。 「やだぁ、どこ見てんのよー!」 そう言うと和美はアキラを突き飛ばす。 何のつもりか一瞬分からなかった、すぐに和美の意図を見抜いたアキラは後悔した。 「し、しまった!……グアッ!」 そう言うと、アキラはのけぞり、その場に倒れた。 アキラの倒れた姿を見下ろしながら、自分の作戦がうまく行ったのを確認して和美はほくそ笑む。 「へへっ、うまく行ったね。この格好を見たクラスメートは何か言わずにはいられないからね。そこで巧妙にツッコミを入れれば勝てるって寸法よ!」
満足げに解説する和美に素直に感動するさよ。 「さすが朝倉さんです。その調子で優勝しちゃいましょうよ!」 「そうかい、そうかい、じゃあ、いっちょやってみっかねー」 さよの持ち上げに気分を良くした和美は胸を張った。 こういう祭りのようなゲームは大好きである。 戦いに勝てる作戦を見出した和美は、ゲームに積極的に参戦することを決意する。 その格好のまま、次の対戦相手を求めて移動を始める。 (……その格好、まるで露出狂ですよ。というのは言わない方が良いですよね?) さよは、和美の服装に対する正直な感想を言うのはやめることにした。 意外とさよは空気を読むのに長けていたようだ。 伊達に長く幽霊はしてはいない。 気が付くと、気をよくした和美は次の獲物を探しに走り出していた。 「ま、待ってくださいー」 先に行く和美をさよがあわてて追いかけて行った。 【出席番号6 大河内アキラ 昇天】 【残り 18人】
[第十七幕.閑話休題] スピーカーから放送が流れる。 『はい、3−Aの生徒に再び連絡事項です。これまでの脱落者を発表します。 絡繰茶々丸、四葉五月、龍宮真名、長瀬楓、ザジ・レイニーデイ、佐々木まき絵、大河内アキラ、以上の7人です。今回は多かったですね。 立ち入り禁止エリアは、30分後にA−1、C−1、C−8、F−8です。人数が大幅に減りましたが、気にしないでください。 順調な証拠です。では、引き続きゲームを進行してください』 「だーかーらーっ!お前、誰だー!?」 スピーカーに向かって再び千雨は叫んだ。 観客に向けて、テロップが流れる。 [※カモです] テロップを見ていた千雨は、さらに声を張り上げた。 「あーんの小動物があぁぁ――っ!」 ……ちなみに千雨がテロップを見ることが出来たのは別に不思議なことではない。 ネギまの世界では登場人物がテロップを見ることは可能なのである。 (コミック13巻、110時間目参照)
「ありゃあ、まき絵とアキラはもうやられちゃったの?」 クラス名簿を開き、脱落した生徒の顔にバツをつけていた明石裕奈(出席番号2)は、親友のまき絵とアキラの2人が既に脱落したのを知って顔をしかめた。 「こりゃあ、マズイね!」 今居る場所は立ち入り禁止アリアにはなっていない。とりあえず失格の危険はないことに安心する。 しかし、このゲームを乗り切るために手を組もうと思っていた親友達が早期脱落をしたために、計画変更を余儀なくされていた。 気を取り直して、他に組めるクラスメートがいないか探すことにした。 裕奈は勢いでゲームに乗り、真っ先に教室から飛び出したのは良いが、誰とも会わないままここまで来てしまっている。 ツッコミ合いをする気は満々であるのだが、誰にも会わないのではどうしようもない。 「居場所が悪いのかなあ?とりあえず動いて見るか」 仲間と対戦相手を見つけるべく、裕奈は移動を開始した。 【残り 18人】
[第十八幕.隠れていた人] 「結構速いペースでゲームが進んでるねえ」 2度目の放送を聞いて、クラス名簿に×印を付け終えた早乙女ハルナ(出席番号14)は率直な感想を漏らす。 ゲーム開始から2時間で既に3分の1以上が脱落している。 自分が予想していたよりも遥かに早いペースで脱落者が出ているということである。 ハルナは最初のうちは乱戦になることを見越して、立ち入り禁止になる時間ぎりぎりまで校舎内に留まり、玄関近くにある教室内にずっと隠れていた。 全員が校舎内からすぐ出て行くだろうと思ったから、校舎内に留まる方がクラスメートと遭遇する率は低いと読んだのだった。 教室のある校舎内が立ち入り禁止になった後も、近くの建物の中に入って隠れたまま、時間つぶしに次の原稿のネームを考えていた。 ハルナは待機中に少し早めの昼食を取っていた。そろそろ動き出す頃だと思っているが、腹が減っては戦が出来ない。 ゲームに乗ったら昼食を取る時間が命取りになる可能性も考えて、今のうちに昼食を済ませることにしたのだ。 支給された食事はパンが2個。 アンパン、チョコパン、クリームパン、ドーナツの中から好きなものを2個選ぶことが出来たので、ハルナはアンパンを2個選択していた。 飲み物は水、お茶、紅茶、コーヒーの中から選ぶことが出来た。 ハルナはお茶を選択しているが、アンパンを食べるときにはお茶を飲むことはしない。ここに隠れる前に自動販売機で買っておいた牛乳と一緒にアンパンを食べる。 「やっぱりアンパンには牛乳だよねー」 元々この組み合わせは好きなのだが、特にこのような待ち伏せのような行動を行うときには、この組み合わせは外せない。 ハルナの譲れないこだわりである。
食事が終わると再び時間を確認する。11時10分を少し過ぎたところだ。 今のところハルナの作戦通りに進んでいると言って良いだろう。 残っている人数が多いと、誰かと対戦になったときに横から乱入する人物が現れる可能性が多く、そうなると厄介だった。 後から来た人間の方が色々とネタにしやすい。 それを避けるためにも、ある程度人数が減るまで待つことにしたのだ。 人数が減ったとしても、第三者の乱入の可能性はあるのだが、可能性は低いに越したことはない。 「そろそろ動かないとね」 マップを確認しながらハルナは独り言を呟く。 先程の放送で自分の居る場所が立ち入り禁止エリアに指定されていたのだ。 あと20分しかない。 立ち入り禁止エリアから出るのは5分もあれば充分だが、用心に越したことはないと考えて早めに行動に移すことにした。 何事にも余裕を持って行動するのは大事である。そして時間が迫っても慌てない。 数多くの締め切り間際の修羅場をくぐってきたハルナは時間制限に関しては絶対の自信を持っていた。 ゲームに負けることに対しては警戒しているハルナだが、実際のところハルナにとっては別にゲームなどはどうでも良かった。 しかし、この状況は利用できると思ったので長く生き延びることを優先していた。 とりあえずは、誰かに先に見つけられて攻撃されるという愚は冒したくはない。 ハルナは廊下に顔を少し出し、慎重に辺りを見回す。 クラスメートが誰もいないことを確認すると、隠れていた建物から出て行った。 【残り 18人】
[第十九幕.幼馴染] ゲームが開始時の混雑をうまく回避し、桜咲刹那(出席番号15)は近衛木乃香(出席番号13)と一緒に移動することができた。 刹那の誘導で2人一緒にある校舎の陰に隠れていた。 刹那はあたりに気を配り、誰も近づかないように警戒する。 木乃香に対して攻撃を仕掛けてくる相手は、全て自分が受け持つ覚悟であった。 夕凪はエリア外の寮に置いているので取りにいくことはできない。 仕方ないので剣道部の部室から木刀を持ってきている。 相手が誰であっても負けはしない。 「お嬢様、私と一緒に行動している限り、お嬢様には誰にも指一本触れさせはしません。安心してください。」 刹那は木乃香のほうを向くと安心させるように話しかけた。どうやら刹那は今ひとつゲームのルールのことを理解していないようだった。 木乃香は刹那の様子に少し不満であった。 自分もツッコミ合いに参加したいというのが、偽らざる本音である。 「せっちゃん、そんなに気を張ることないで。これはゲームなんよ?」 「しかし、お嬢様を危険に晒すわけには参りません」 刹那はキッパリと反論する。 「でも、守られるだけは嫌や。ウチだって戦いたい!」 「戦うのは私の役目です。お嬢様は私が必ずお守りいたします」 真剣な表情で刹那は応じる。 (……まいったなー、どないしょ?) 心の底で、木乃香は融通の利かない刹那の態度に、少々辟易していた。
刹那は木乃香を守るべく、誰からもツッコミを受けないように周りに気を配る。 退屈そうに刹那の姿を眺めていると、木乃香の中に悪戯心が芽生え始めた。 「そういえば、せっちゃんとも長い付き合いやんなー、10年くらいにるかいな? こういうのって、『タケウマの友』って言うやんなー?」 木乃香の話に刹那も応じる。 「そ、そうなのですか?」 反応の悪い刹那の態度に、木乃香がバシッと手を当ててツッコミを入れる。 「それはチクバの友やってツッコまんかーい!……あっ!」 思わずツッコんでしまった木乃香は我に返る。 木乃香のツッコミを受けた刹那は、僅かに悲鳴を上げたあと、倒れて動かなくなった。 ちょっとからかってやろうと思っていただけであったが、思わずツッコミを入れてしまった木乃香。 関西人の習性が裏目に出てしまった。 しばらくの間は後悔していたが、ゲームが続行中であることを思い出す。 「そうや、こんなことしている暇はないんやった!」 倒れている刹那に一言声をかける。 「ごめんな、せっちゃん」 木乃香は、刹那を残して移動を開始した。 【出席番号15 桜咲刹那 昇天】 【残り 17人】
以上で本日の投下は終了です。 今日はおまけがあるのでこのあと投下します。
>>636 ×さよを加えていたら、絵になったのにと、
○さよを加えていたら、挿絵になったのにと、
胸でけえええええええええええええええええええ!
乙
作者20は携帯で投下してんのか?
乙、ワラタwww
このかが刹那殺るのって初めてじゃね?
乙。でも19部に比べて書き込み減ってんな…
朝倉・・・なんて策士だ
645 :
別館まとめ :2008/02/24(日) 21:49:03 ID:???
作者20さん、乙です。 木乃香が刹那を倒す展開に驚きました。 あと、朝倉もw ☆別館更新情報 2008/02/24 ☆ ・『ネギロワAA帝国』 3ページ目追加! AANo035〜049を追加。 今回は過去に使用された埋めAAを中心に追加しました。
作者20氏 別館まとめ氏乙 このか なんという・・・・・・・
そういや書籍化の話は無くなったの?
.ー ヽヽ))_ ;ミ; //二!| 彡d.!´_ゝ! 俺もバトロワ参加してーんだが… /」i|;l;|i〉 .`l T i |_ノ_j
いや、お前出たら誰も勝てないからw
2日分まとめて読んだ 作者GJ おれはこれかなり好きだわww
逆にツッコミどころが多すぎて秒殺かもしれん 愉快な事にはなりそうだが
今さらながらザジの「だれがピエロやねん」吹いたw てか、この誰も「死なない」ルールは俺好きだw
本当のロワで誰も死なないの書いてた人にとったら先こされて残念だけどな
>647 kwsk
そーいや半年前くらいにいたかもそんな人(笑) 自称出版社の人だったっけ?
657 :
647 :2008/02/25(月) 17:40:43 ID:???
ああ、そうだったのか その話がでた後丁度パソコンこわれたから知らんかったサンクス
17部が終わった辺りだから年末くらいじゃなかった?
仮にだけど書籍化するならどうするんだろ ネギロワって70話あるとしてだいたい何万文字くらい? 書籍化するならだいたい何文字必要? 書籍化はありえないとは思うけど少し気になった
別にこっちが金出さないでいいなら別に出しても良かったと思うけど。 ネギロワ知ってもらえるし。
でもするなら何部だよ
アンケとかで何部か決めりゃ良かったんじゃない 無理に一つに決めることないしね まぁ終わったことだからどうでもいいけど
話数から考えると5、6作品載せれるでしょ 俺は6、7、16、17、期待を込めて21と22かな。
6 7 13 19 ページが足りるなら17 って・・・出すわけじやないんだよなw
10・11・16・17・19だろ ないとは思うが面白そうなんで。 10部は必ず欲しいところ。
話の流れを切っちゃって申し訳ないですが、 本日の投下を始めます。
[第二十幕.お前が元凶アルか!] 「超!ちょと待つアル!」 古菲(出席暗号12)は、探し回っていた超鈴音(出席番号19)の姿を見つけると、彼女を呼び止めた。 声をかけられた超は、ゆっくりと古の方を振り向くと口を開いた。 「古、私に何カ用かネ?」 不敵な笑みを浮かべながら超は古に近づいてくる。 超が近づいて来たのを確認すると、古は疑問に思っていたことを超にぶつけた。 「超、お前に一つ聞きたいことがアルネ。教室でネギ坊主が我々に配た装置、あれは超の作たモノなのではないのカ?」 鋭い古の指摘を受け、超の顔に笑みが浮かぶ。 「……気付いたカ、最初に古が気付くとは、少々意外だたネ。その通りだヨ」 超はすんなりと認めた。 「何を考えているアル?こんなことをしても、クラスのメリットになるとは思えないアルヨ」 真剣に説得する古だが、超は動じない。 「ネギ坊主に頼まれたネ。私には断る理由はなかったヨ。それに、私にはある目的があるヨ……詳しいことは話せないがネ。 あの装置を作ったのは私の目的遂行のために、役に立つと思ったからヨ。私は私の目的のために動く。誰に何と言われようと、止まれないネ」 「クラスメート達を混乱に陥らせてまでして、やるほどのことアルか?」 「もちろんネ」 超の答えを聞き、目を伏せて残念な表情をする古。彼女は覚悟を決める。 「残念ヨ、超。仕方ないネ。超が止まれないなら、力ずくでも止めるアルヨ」 八卦掌の構えを取ると、古は超に戦いを挑んだ。
「古がやるなら、私も容赦しないネ」 技を繰り出してくる古の攻撃を受け、超も北派小林拳の構えを取ると、古に技を繰り出した。 2合、3合と、互いの拳が繰り出される。 「さすがにやるアルネ!」 「そっちこそ!」 互いに築き上げた功夫を褒め称える。 今度は超の方から攻撃を仕掛ける。古はそれらの全てを応じて受け流す。 次に古から超に反撃するが超もこれを全て受け流して無効化する。 互いに有効打を決められないまま打ち合いが続く。 激しい攻撃の合間に、超からのツッコミが入る。 「真面目に戦ってどうするネ!」 言葉とともに、古へツッコミを入れようと手の甲を古に当てるべく攻撃を繰り出す。 「無駄アル」 古は超の手を素早くかわして次の一撃を繰り出す。 超も古の攻撃をかわしながら虎視眈々とツッコミを入れてくる。 しかし、古は全てのツッコミを防ぎ、それらの全てを無効化する。 何合も打ち合った後、互いに決定打を与えきれない情況で、2人は距離をとって対峙したまま、動けなくなった。 【残り 17人】
C
[第二十一幕.企む者たち] 柿崎美砂(出席番号7)と椎名桜子(出席番号17)はゲーム開始から2人で行動していた。 最初に2人は、のどかに攻撃を仕掛けたが、彼女にはうまく撒かれて逃げられてしまっていた。 あまりルールを理解していないまま攻撃をしたせいで、彼女達のツッコミは全て無効となってしまっていたのだ。 そのことに反省した美砂と桜子は、改めて互いにルールを確認して、今度こそ間違いないと自信を持った。 その後、ゲーム開始時の混乱ではぐれてしまった円を探して学園内をうろついていた。 桜子の幸運が効いているのか、これまでの間はクラスメートの誰とも出会っていない。 「円、どこに行っちゃったんだろうね?」 「うん、放送で名前は呼ばれていないから、どこかにいるとは思うんだけどねー」 美砂の呟きに桜子が答える。 歩きながら美砂はクラス名簿を取り出して、残っている生徒達の数を数える。 「円を探すのは諦めて、ゲームの方に参戦しちゃう?そろそろ残りが半分くらいに減ってるみたいだし」 行動を始めるよう提案する美砂。 両手を後ろに回して伸びをしながら桜子がしばらく考える。 「そーだねー、そうすっかなー?途中で円に会うこともあるだろうしね」 桜子も賛同することにした。 「そんじゃ、ゲームに参戦するためにこれからどう動くか考えよう」 美砂が今後のことを桜子に相談し始める。 校舎脇を2人で並んで歩きながら、これからの作戦を話し合い始めた。
―――美砂と桜子の様子を一人の生徒が物陰から気付かれないように監視していた。 先に2人の存在に気付いた裕奈は、物陰に隠れ、移動する2人の後を追跡している。 敵として対峙しようかとも考えたのだが、2対1であるために不利になるのは目に見えているのでやめにした。 裕奈にとって最初の戦いで、わざわざ高いリスクを背負うこともない。 ならば彼女達と手を組めないか考える。 「うーむ、あの2人とだったら、手を組めるかも知れないにゃー」 クラスメートの中でも、ノリが比較的裕奈に近い美砂と桜子なら、自分との協力に乗ってくれるかも知れない。 しかし、彼女達が裕奈と戦う気であれば2対1となって不利になる。 声をかけるべきかどうか迷ったが、自分がこのゲームを最後まで残るためには協力は不可欠と判断した。 (まあ、2人と戦いになったら逃げりゃいっか) 立ち上がると、2人を呼び止めた。 「待ちなよ、2人とも」 【残り 17人】
[第二十二幕.交渉] 「待ちなよ、2人とも」 突然呼び止められて、警戒しながら振り返る美砂と桜子。 「ゆーな!」 美砂と桜子が同時に声を上げる。 「おっと!2人と戦う気はないよ。私も仲間に入れてくれないかっていう相談なんだ」 両手を広げて戦意のないポーズをする裕奈。 相手の意図を理解すると、美砂の方が値踏みをするかのように裕奈に話しかける。 「ふーん、2対1じゃ不利だもんね。でも、あんたを仲間に入れてこっちにメリットはあるのかしら?」 足元を見られないように美砂は強気で出ることにした。 「3人組になるだけでもメリットあるんじゃない?」 裕奈が答える。 交渉する気はあると見た裕奈は手ごたえを感じる。問答無用で攻撃を仕掛けてこないのはラッキーだった。 「そうだけど、別にあんたと組まなけりゃいけないってわけじゃないわよね」 あくまで無関心を装って美砂は答える。 裕奈は2人の様子を見る。円の名前は放送で呼ばれていないので、学園内のどこかに居るはずである。 普通ならチア3人組で行動するところを2人しか居ないということは、円を見つけることができていないということだ。 付け入る隙はありそうだ。 「まあね。でも、のんびりと3人目を探している暇はないと思うんだけどね」 「………」 美砂は押し黙る。今は2人だけなので、とりあえず3人組くらいになっておきたかったのは事実だ。 円を探しているのには変わりがないが、別に3人だけでグループを作る必要もないので裕奈が加わることに問題があるわけではなかった。
「よく考えてごらんよ。2人組は確かに有利だけど、相手が1人に狙いつけて各個撃破されたらそこまでよ? 3人なら1人を狙われても他の2人で先に倒すことができるんじゃない?なんなら私が囮になってやってもいいよ」 悩む美砂を畳み掛けるように裕奈が言葉を重ねる。このゲームを勝ち残るために有利に戦いを進めるには、組める人数は多いに越したことはない。 しかも、裕奈が囮になってくれるという提案は美砂にとっては魅力的だった。 「……まあ、一理あるわね。どう思う桜子?」 自分は組んでも良いと思い、桜子の意向を確認する。 「いいんじゃない?そのほうが楽しいし」 深く考えずに答える桜子の言葉を聞いて美砂も決断する。 「いいわ。協力しましょう」 「そんじゃよろしく〜!」 明るい声で裕奈が2人へ挨拶をした。 3人組となった一向は、ゲームに参加するべく移動を開始した。 【残り 17人】
[第二十三幕.貴方にだけは負けないっ!] 葉加瀬聡美(出席番号24)はクラスメートを探してエリア内を歩いていた。 このゲームには何が何でも生き残る!聡美には譲れない思いがあった。 恐らくは、自分にしか分からない深刻な問題である。 ……彼女の目的は優勝してこのゲームを生き残ること。 そのためにも、途中で明日菜の姿を確認したが、対戦することもなく隠れてやり過ごした。 強敵になりそうな明日菜は後回しである。 戦うのが厄介な明日菜は他のクラスメートと戦って疲弊した後に戦うのがベストだ。 倒しやすい相手から順番に倒してゆく。聡美は自分が有利に戦えそうな対戦相手を探していた。 すると、目の前を村上夏美(出席番号28)が歩いているのを発見した。あまり絡んだことはないが、聡美の彼女を追いかけた。 自分と同様……と言ってしまうとちょっと悲しくなるが、夏美もキャラの強い連中が勢ぞろいしている3−Aのクラスの中では目立たない方である。夏美となら勝てると考えた。 「村上さん、勝負です!」 聡美は大声で夏美を呼び止めた。 突然呼び止められた夏美は、振り向いて声をかけた者が聡美だと気付く。 相手はやる気満々のようだ。夏美は身構えて警戒する。 しかし、夏美はちょっとだけ考える。正直言って聡美がやる気とは意外であった。どちらかというと聡美はこのようなゲームには興味は持たないはずである。 研究しか興味を持っていないと思っていただけに、何故やる気になったのか聞きたくなった。
「ちょっと、ハカセ。あんたがこんなゲームに乗るなんて珍しくない?」 夏美の質問を聞いて、聡美が下を向く。 「……貴方もついこの間までは私と同じだったはずです」 心当たりのない夏美は首を傾げた。 「え……何のこと?」 うつむいている聡美は、夏美に聞こえるようにボソッと一言喋った。 「生存率です」 「!!」 その言葉で夏美は全てを理解した。 恐らく夏美が一番聡美の気持ちをわかっているだろう。経験した人にしか分からない言葉。生存率0%。 そう、今現在において聡美はクラスの中でただ一人、その言葉の魔物に取り付かれているのである。 考えてみれば、夏美もついこの間までは聡美と同じ立場だった。一人取り残された聡美のことを思うと気の毒に思う。 聡美が優勝するために焦っているのも良くわかる。 夏美は考える。もしも、自分がここで聡美に負けて脱落しすれば、聡美が生き残る可能性は少しだけ上がるのは間違いない。 (でも……) ためらいがちに、夏美は口を開いた。 「だめだよハカセ。あなたに優勝の座は渡せないや」 夏美の言葉に聡美は驚いた。 クラスメートの中では夏美が一番長く自分と同じ立場を共有していたのである。自分の気持ちを最も理解してくれているのは夏美のはずだ。 だって……ついこの間までは夏美と聡美のたった2人が生存率0%という仲間だったのだ。
自分を取り残して夏美だけが壁を越えたことは……裏切り者!とは少しは思ったが夏美のことは恨んでいなかった。 夏美自身の意思でどうにかなるものではなかったからだ。 「何故ですか村上さん!何故私に優勝の座を渡せないのですか?」 先ほど夏美が言ったこの言葉はどうしても許せない。声を荒げながら夏美に問いただす。 「そ、それは……だってさあ……最後に残った生存率0%のキャラだよ?ハカセが生き残ったらもう生存率0%と言う言葉は消滅するんだよ? それって、ある意味美味しい称号よね?それだけは崩してはいけないのが暗黙の了解って奴じゃないの?」 夏美は言いにくそうにしながらも、きっぱりと言い放った。 ガーンという大きな効果音と共に聡美は背後に起きた雷に打たれた。ヨロヨロと千鳥足で聡美が後ろに下がる。 「な……ということは、私は……生き残ることがないまま……ずっとこのまま?」 衝撃を受けて放心状態のままその場に座り込むとブツブツと聡美は呟く。 聡美の反応を心配そうに見つめる夏美。 あまりに気の毒に思い、夏美は声をかけようと1歩近づいたその時…… 聡美の体中から黒い炎が吹き上がった。 メラメラと燃え上がる炎をバックに聡美は立ち上がる。 「そんなことは……そんなことは認めません!私は、私はこのゲームに優勝して生存率0%から脱出してみせます!!」 大きな声で聡美は宣言する。暗黙の了解など知ったことではない。聡美は自分がこのゲームに生き残ることを改めて決心する。 そして、うろたえる夏美にビシッと指先を向ける。 「改めて、勝負です村上さん!」 聡美の真剣な表情を見て、夏美は後に戻れないことを悟る。
そして、お約束事項は守らねばならないとばかりに夏美も覚悟を決める。 「ちゃんと説明したのに……聞き分けないなあ。ハカセ、あんただけは絶対に勝っちゃいけないんだ。負けないよ!」 夏美の背後にも炎が燃え上がった。 真剣な面持ちで互いに対峙した2人は、しばらく見詰め合った後、同時に地を蹴った。 先手を取った聡美が手をブンと振ってくる。 夏美は頭を下げてそれをかわし、チョップの要領で聡美の胸を狙う。 聡美がステップバックしてその攻撃をかわすと、距離を取る。 「やりますね!」 「ハカセもね!」 距離を開けたまま再び対峙した2人は、真剣な表情で相手の出方を伺う。 「勝負です!」 「負けないわよっ!」 決着をつけるべく同時に走りだす。互いに距離を詰めると、2人はツッコミを入れるべく右手を上げ、相手を目掛けて振り下ろした。 ガシッ!! 手が当たる前に2人の腕は、誰かの手によって掴まれていた。 【残り 17人】 ※作者注:本作品以前の過去作品において、現時点で最後まで生存できた話がないのは、クラスの中でも聡美だけです。 (夏美は第19部にて生存率0%から脱出しました)
以上で本日は終了。 第23幕は19部終了後、ネタに組み込みたくなって元文から書き換えてみました。 これ以降もそうですが、本作品、結構なんでもアリです。
今週中には完結っぽい?
乙
乙 ハカセが・・・・・・これは死亡フラグかな?
自分で暗黙暗黙言ってるから死亡フラグだろ
乙、っていいのか生存率って
684 :
自治スレにてローカルルール議論中 :2008/02/25(月) 21:28:08 ID:7zOtcuZD
やっぱり電車とかでオッサンがマンガ読んでたら、うわ…とか思うけどまぁ読むのは勝手だよ。私は中2だから周りの子も普通に読んでるからいいけどオジサンは恥ずかしくないのかなとは思うけど…wwでもたしかにヲタっぽいね
かわいそうに
どのスレと間違えたんだかw
これは短編にはできそうにないな
出来るだろ むしろこのスレより他のスレのがあってたかもしれん
生存率吹いたww
ハカセ乙
20氏乙w もう何でも有りだなw ノリからしても本格的に番外編ぽくなってきたなw 50くらいって言ってたからそろそろ折り返し地点かな? なにはともあれ、明日も期待してます
来週の火、水曜くらいがラストになりそうだね どんな総勢なオチがあるのか楽しみです
作者20氏、己です。
じぇんじぇん面白くない。
007^^v
ID消えるかテスト
702 :
自治スレにてローカルルール議論中 :2008/02/26(火) 17:43:43 ID:yV1cQpNR
ドラマみてるよ。
本日の投下を始めます。
リアル遭遇ktkr
[第二十四幕.怒れる獅子] 聡美と夏美の腕は、第三者によって掴まれていた。 掴まれたた腕を見て、互いに驚愕の表情を浮かべる。 一体誰が?と思いながら首を巡らすと、2人の腕をそれぞれ掴んだ那波千鶴(出席番号21)が側に立っていた。 千鶴は微笑みを絶やさないまま、口を開いた。 「ほほほ……夏美ちゃん、そして聡美ちゃんも、おいたはいけませんよ」 聡美と夏美は腕をほどこうとして腕を振る。 「ちょっ!ちづ姉、放してよ。この戦いにだけは負けるわけにはいかないんだから!」 「はっ、放してください那波さん、これは私と村上さんの問題なんです!」 意外に力強く、がっちりと千鶴に掴まれた腕は振りほどくことはできない。 「ねえ、放してよー……」 何とかして千鶴から逃れようとしていた夏美だが、ハッと気付く。 聡美との戦いで熱くなった頭を冷まして、冷静になってよく見てみると、千鶴の額には血管マークが浮かんでいる。そして、耳を澄ますと千鶴の背後からゴゴゴゴゴという効果音まで流れているのに気付く。 千鶴と親しい付き合いの夏美は、この千鶴の様子はマズイということを瞬時に悟り、さあっと顔が青ざめる。 慌てて千鶴から逃げるべくじたばた暴れ始めた。 「はわわわ、ゆ、ゆ、許してちづ姉、私が悪かったから〜」 しかし、千鶴の手を振り解くことはできない。聡美も夏美の様子が変わったのに気付くと不安になった。 「な……何なのですか?ちょ、ちょっと放してください」 「許してよーちづ姉!見逃してー!!」 腕を掴まれたまま、パニックになっていく聡美と夏美。
2人の様子をみて、千鶴はニッコリと会心の笑みを浮かべた。……血管のマークはまだ浮かんでいる。 「おいたが過ぎたようですわね。ホホホホホ……2人供、ちょっとこっちへいらっしゃい」 笑顔を顔に貼り付けたままの千鶴に連れられて、2人揃ってずるずると引きずられて行った。 「いやー放してー」 「放してくださいー」 何が起こるのかわからないままに、夏美と聡美は千鶴に懇願した。 彼女達の必死の叫びは、千鶴に届くことはなかった。 ………しばらくして、遠くから悲痛な叫び声が聞こえてくる。 「いやあぁぁっ許してちづ姉……はっ、まさか、そ、それはっ!やだぁ。それだけは、いや!いやあぁぁぁ―――――っっ!!」 夏美の叫び声が響く。 「な、何ですか?何するんですか?那波さん、その大量のネギは何ですか?なんで、腕まくりなんか……ち、近寄らないでください。 そもそも、これって私はとばっちりじゃないですか?ちょっと、ねえ!いや!いやあぁぁぁ―――――っっ!!」 聡美の叫び声が響く。 そして、遠くから聞こえていた2人の悲鳴が聞こえなくなり、再び静寂が訪れた。 後日、彼女達が何を受けたのか……聞いてくるものに対して、2人は固く口を閉ざしたままだった。 このとき、2人が千鶴に何をされたのかは永遠の謎である(笑)。 【出席番号24 葉加瀬聡美 再起不能】 【出席番号28 村上夏美 再起不能】 【残り 15人】
千鶴でロイツマ
[第二十五幕.志村、後ろ後ろ!] 和美はアキラを倒した後、大胆な格好をしたまま、次の獲物を探して学園内をうろついている。 クラス名簿を見ながら和美はさよに話しかけた。 「しっかし、半数まで減っちゃうと、なかなかクラスメートに会えもんだねー」 「そうですねー」とさよ。 「まあ、自分が戦わないでライバルが減るのは有難いんだけどね」 「そうですねー」とさよ。 「でも、厄介な連中はまだ残っているから、まだ油断はできないね」 「そうですねー」とさよ。 「あんたはそうですねーしか言えんのかい!」 そう言ってさよの頭を叩こうとして、すかっと通り抜ける。 「……さよちゃんとこんなことやってる場合じゃないんだったね、次の相手を探さないと」 話を戻す和美。 「そうですねー」とさよ。 「いや、もういいって!」 和美が話を締めくくる。 くだらないやり取りをしているうちに、遠くからこっちに近づいてくるクラスメートを発見した。 「おっ、アスナじゃん。向こうはこっちに気が付いてないみたいね。それなら……」 和美は明日菜に奇襲をかけることにする。 近くの建物まで移動すると、明日菜の動きを注意しながらすばやく建物の陰に身を隠す。
明日菜に気を取られていた和美は、背後の注意を怠っていた。 建物の陰に隠れた後、和美の背後から肩を叩かれ、大きな声で自分を呼ぶ声を聞いた。 「朝倉さん!学園内でなんてはしたない格好をしているんですっ!」 驚いて振り返ると、雪広あやか(出席番号29)が立っていた。 「まったくもう、貴方には恥じらいってものがないんですの?だいたい貴方は普段から……」 「ぐはあぁぁっ!」 くどくどと説教を始めようとした途端、和美がうめき声を上げて倒れ込み、そのまま動かなくなる。 「あ、朝倉さん?どうしたんですの?」 急に苦しんで倒れた和美を目にしてオロオロするあやか。よく見ると和美は気絶しているようである。 「……あらやだわ、これってツッコミになったんですの?」 思いもかけずにツッコミを入れたことに気付いて戸惑うあやか。 世間に疎いあやかは、ツッコミとかボケというのを今ひとつ理解していなかった。 しばらくの間、呆然としてその場に立ち竦んでいた。 「なるほど……こういうのがツッコミというものなのですね。良いことを教えて頂きましたわ」 倒れている和美の様子を見ると、気絶しているだけで特に問題があるようには見えなかった。 それだけを確認すると、あやかはその場を立ち去っていった。 「あ、朝倉さん、朝倉さん?だ……大丈夫ですか?」 倒れたままの和美の上を、さよがオロオロと行ったり来たりしていた。 あやかがさよに気付くことはなかった。 近くまで来ていた明日菜だが、2人のやり取りに気付くことなく、2人が居た場所に至る道を途中で曲がると、そのまま気付かずに離れていった。 【出席番号3 朝倉和美 昇天】 【残り 14人】
[第二十六幕.手合わせ時々ツッコミ] 膠着状態になってしばらくの間、距離を取ってにらみ合っていた超と古だが、2人の間の沈黙を破るように超が口を開いた。 「古、そろそろ決着をつけるアルヨ」 「同感ネ」 距離をとって対峙したまま、超と古の2人は決着をつけるべく互いに気を高めていく。 完全に戦いに集中してしまい、古の方はゲームのことはすっかり忘れてしまっていた。 ―――2人の戦いが山場を迎えたその時、たまたま戦いの現場を通りかかった亜子は、2人の戦いを隠れて見守っていた。 手合わせに集中している2人はゲームのことを忘れているように見える。 互いに気を高めていることに集中しているために、亜子が近くで覗いているのにも気が付いていない。 (チャンスや!) 2人の気が最高潮に達したときを見計らい、亜子は2人へ近づくことにした。 超と古の動きをじっと見つめる。 (今や!!) 身を隠していた茂みから飛び出して一気に2人に近づいた亜子は、大きな声で2人に呼びかける。 「2人ともストップ!」 戦いの最中に、いきなり呼び止められて動きが止まる超と古。高めていた気が反れて、声のする亜子の方を振り向く。 2人の視線が自分に向いた瞬間、亜子は2人にネタ振りを行った。 「2人とも私の問いに答えて!……2分の1たす3分の1はナンボ!?」 声を張り上げて亜子が問題を出した。 「6分の5ネ」 亜子の問いに即答する超。
「えっと、えっと……5分の2?」 いきなりの問題に戸惑ってた古は、両手で指を数えながら自信なさげに答える。 「違うネ」 すかさず隣に居た古にツッコミを入れる超。 「しっ、しまったアルー!」 ここに至ってようやく忘れていたゲームのことを思い出し、頭を抱える古。しかしもう遅い。 「アウウゥゥッ!」 悲鳴を上げて古は崩れ落ちた。 その姿を隣に居た超は静かに見守っていた。 古を見下ろしていた超は、好戦的な顔をして亜子の方を向く。 「なかなかやってくれるネ、和泉サン」 素直に亜子に対する賛辞を送る。 結果的に亜子のアシストを受けて古を倒した超は、次の獲物とばかりに亜子に近づいてくる。 「ひっ……ひィっ!」 超に対してツッコミに失敗した亜子は、迫り来る超に気圧されてじりじりと後ろに下がる。 「今の攻撃は良い手ヨ。和泉さんのおかげで苦戦していた古を倒すことができたからネ」 超は悠然と歩きながら亜子との距離を詰めてくる。 「私もそれを使わせてもらうとするヨ」 亜子の目の前に立つと不敵な笑みを浮かべる。 「和泉サン、23分の5引く63分の26はいくつネ」 「!! そんなんわかるかーい!」 近づいてきた超に、亜子はチョップする要領で超にツッコミを入れた。
4
不覚にも、問題のレベルを上げすぎた超は、亜子にツッコむ余地を与えてしまった。 天才ゆえの過ちであった。 「ぐうっ!」 うめき声を上げて超が倒れた。 倒れた超を距離をとったまましばらく見つめる亜子。 「……た、助かったわ!」 心底安心した声を絞り出し、額から出ていた汗を拭い、ほっと息をつく。 「やっぱ、頭の良い人には通用せんみたいやな。……次からは、ダメやったときのために別の手も考えとかんとあかんかな?」 反省の言葉を吐きながら亜子は走り去った。 そして、倒れたまま超と古の動かない2人の姿だけがその場に残った。 ……最後まで1学期が終了して夏休みに突入したというのに、超が未だにこの場にいるということにツッコミを入れる者は誰もいなかった。 【出席番号12 古菲 昇天】 【出席番号19 超鈴音 昇天】 【残り 12人】
今居るのは いんちょアスナこのか亜子真名葉加瀬千鶴夏美裕奈桜子美砂円?
[第二十七幕.インターバル] スピーカーから放送が流れる。 『はい、3−Aの生徒に連絡事項です。これまでの脱落者を発表します。 桜咲刹那、葉加瀬聡美、村上夏美、朝倉和美、古菲、超鈴音、以上の6人です。 立ち入り禁止エリアは、30分後にA−5、D−2、G−1、H−5です。ついに半数を切りました。 順調に進んで先生うれしいです。では、引き続きゲームを進行してください』 「だーれが先生じゃあっ!?」 スピーカーに向かって千雨は叫んだ。 「まったく、あの小動物め……何が先生だよ。っていうか、毎回毎回何を言わせるんだ全く」 勝手に自分がカモの放送にツッコミを入れているだけなのだが、全てをカモが悪いことにして千雨はブツブツと文句を呟いた。 サークル棟から体育館に向かう道を、とぼとぼ歩いている途中で明日菜は放送を聞いた。 「もう半分以下になったんだ。早いなー」 クラス名簿にバツをつけながら明日菜は感心した様子で呟く。 今の放送で丁度昼になったので、歩きながら昼食も取っていた。 歩きながらモノを食べるのは行儀が悪いことは承知している。誰かに見られたらツッコミの要素にもなりかねない。 しかし、幸いにして今歩いている道は道幅が広くて見通しも良い。 誰かが近づいてくればすぐに対応できる。辺りを注意して見回しながらエネルギーの補給をする。 ちなみに、明日菜が選択したのはクリームパンとドーナツとお茶である。 手早く食事を済ませると、ごみを近くのゴミ箱に捨てる。
「よっしゃあ、エネルギー充填完了!」 空腹を満たした明日菜は気合の入った声を上げる。 マップを取り出して、立ち入り禁止エリアを確認した後、もう一度クラス名簿で残っている者の数を確認する。 ゲーム開始から3時間で半数以上が減っているのであるである。 このペースで行けばタイムリミットまではまだ充分あるから、あと2時間くらいで決着がつきそうだ。 「ここまできたら、負けてられないわね。」 残っている生徒の顔を一人一人見ながら対策を考える。 「夕映ちゃんや千雨ちゃん辺りはさすがに残ってるわね。この2人は注意しないとね。ツッコミキャラとして確立されているもんね。 それと……パルも危険かなー?どんな攻撃を仕掛けてくるか油断ならないからなあ。要注意と! あと、逆にツッコミ所があんまりない那波さんも要注意ね。相手が隙を見せてこないと苦戦するわ、気をつけないとね」 残っている対戦相手のうち、強敵になりそうな相手に対して対策を練る明日菜。 うっしと気合を入れた明日菜は歩くペースを上げる。 【残り 12人】
以上で今日の投下は終了です。 今日ので半分を超えました。あと1週間くらいで終わります。 引き続きお付き合い願います。
昇天以外の症状の人はかずに含まれてないのか
乙、というかハカセと夏美.・・・・・・・・・ワロタ
なんだ千鶴が優勝か
俺なら-1953071/10000000と即答したがな…
>>712 支援は4(し)が〇(えん)に入ってCだからそれは支援やないやろ〜!
作者20氏、投下乙です。 さすがに展開早いなw 週末ぐらいにはクライマックス行きそうな勢いだな。 残りは裕奈・夕映・亜子・美砂・明日菜・円・木乃香・ハルナ・桜子・千鶴・千雨・あやかかな? デコピンが丸々全員、図書館組ものどか以外残ってるんか。 逆にバトル強いのはほとんど消えてしまったな。 なにはともあれ続きにwktk
>726 某長寿番組か!
何この流れ。
>>729 ツッコミバトルロワイアルなんてされたらこうなるわな
長編を書く上で聞きたいんだが本編では「バトルロワイアル」と表記すべき?「バトルロワイヤル」と表記すべき?
ロワイヤルで
俺もう「ロワイアル」で50話まで書いてんだけど…
スレタイに逢わせてる人もいるしそうやないひともいるよ
別にそんな細かいこと気にしなくてもいーだろw どっちでもおkじゃね
俺もどっちでもええと思うよ。 2chのSSでそこまでこだわる人もおらんだろう
バトルロワイ漏ルですでも良いですか?
ちょうどこのスレが終わる頃に20部完結しそうだな
いい感じじゃないか 21部は20スレ目からってキリいいし
いつの間にか携帯まとめの方ほとんど保管されとる…
葉加瀬「私…駄目なんですよ…みんなからゼロ、ゼロって言われて…自信なんてそんなモノ…」 夏美「ばっきゃろう!!」 SE:ドギャァァアン! 葉加瀬「ほぐぉあっ!!!!な…夏美さん!なんでいきなり殴るんスか!」 夏美「てめぇは確かにゼロかもしれねぇ…だが、それはてめぇが自分の中でそう決め付けているからだ!自分をゼロだなんだと思い込んで、自分の力はこんなもんだと決め付けている…そんな奴ァゼロでも何でもねぇ!ただの負け犬だ!!」 葉加瀬「夏美さん…!私が…私が間違ってたッス!」 夏美「自分の限界を決めてしまわない限り、人は成長し続ける…大丈夫だ、お前は私が出逢った中でも特にイイ面ァしてるぜ…!」 葉加瀬「そうだ…私は生存率ゼロと決まったわけじゃない、私はまだやれる!私はここにいてイイんだ!」 夏美「それは分かんないけどね」
葉加瀬「何か…何か武器はないのか!?」
葉加瀬「こいつ…動くぞ」
tesu
マジかよ!!!! 規制解除されてるwwwwwwww 2年ぶりにPCから書き込めるwwwwwwww これで存分にネギロワ見れんぜ!!! 皆ありがとう!!
えっと・・・どういたしまして?
今日の投下を始めますね。
[第二十八幕.共同戦線] 裕奈、美砂、桜子の3人は、息を潜めて校舎の影に隠れていた。 彼女達の視線の先には歩いている明日菜の姿があった。 「……こちらには気付いていないみたいね」 明日菜の様子を確認して小声で2人に話しかける美砂。 3人は顔を付き合わせると、これからの相談を始めた。 「さて、どうする?3人で囲んじゃう?」 「うーん、明日菜を警戒させるのは得策じゃないなあ、誰かがアスナの気を引き付けて、他の人が隙を突くほうがいいんじゃない?」 桜子の提案に対し、慎重な対応をしたがる美砂。 「んじゃあ、誰か一人が先に出て行ってアスナの前で気を引いて、あとの2人で後ろから攻撃をかける?」 再び桜子が提案する。 「そうね。それがいいと思う」 美砂が同意する。 「よっし!私が先にアスナに仕掛けるから、2人は隠れてて。私が引き付けている間に上手くアスナを倒しちゃってよ」 2人のやり取りをみて、ここは私の出番とばかりに裕奈が囮を買って出る。 「大丈夫?あっという間に返り討ちに遭ったら、私たちが出ても立て続けにやられることもあるよ?」 「だーいじょうぶ、任せときなって!」 心配そうにする桜子をよそに、親指を立てながらウインクして答える裕奈。
お、リアルタイム遭遇
「そんじゃあ、ゆーなが囮になる方針でいってみよか」 美砂が基本方針をまとめ始める。 「確認するわよ。最初にゆーなが先行してアスナの前に立って気を引く。その間に私たちがアスナの後ろから近くまで寄る。 その間にゆーながアスナを倒すのも良し、私と桜子がアスナに奇襲をかけて倒すのも良しってことでどう?」 「うん」 「いいね、それでいこう」 美砂がまとめた最終案を桜子と裕奈が賛成する。 意見がまとまったところで桜子が明日菜の方を振り返る。 「あっ!アスナがいない。先に行っちゃったみたい」 美砂と裕奈もあわてる。 「と、とにかく追いかけよう。私が先に行ってアスナの足止めをしておくから、2人は後で来てよ」 そう言って裕奈が先に校舎の影から飛び出した。 「気をつけなよー」 桜子が裕奈の背中に声をかけた。 明日菜が向かったと思われるほうへ裕奈が走って行くと、すぐに明日菜は見つかった。 そのまま道なりにまっすぐ進んでいて見えなくなっていただけだった。 裕奈はアスナに駆け寄って叫んだ。 「アスナ!勝負よ!」 【残り 12人】
[第二十九幕.グダグダ] 「アスナ!勝負よ!」 呼ばれる声に振り向いた明日菜は、自分の方を指差し、もう一方の手を腰に当てて仁王立ちしている明石裕奈(出席番号2)の姿を見た。 「へっへー、悪いけど倒させてもらうよアスナ」 裕奈はアスナを指差したまま不敵な笑みを浮かべて話しかけてくる。 どこかで見たような登場の仕方だが、あまり考えないことにして、冷静に明日菜は反応する。 「ゆーな……ふうん、私とやるってわけ?」 相手が裕奈だと分かると明日菜は笑みを浮かべる。 距離をとって腰を落とし、ハリセンを構える明日菜。 明日菜の余裕の態度と戦いなれた様子に裕奈は少しひるむ。 「で、どうするの?ボケ一辺倒のあんたが、どうやってツッコんで来るのか興味あるわ」 勢い良く出たものの、実は裕奈にこれといった策があるわけではなかった。 自分が前にでて明日菜を挑発する、これだけだ。 明日菜の性格からして挑発すれば乗ってくると思っていたので、そうなればこっちのもの。 ムキー!となった明日菜の注意を引き付けておいて、美砂と桜子が明日菜の背後から攻撃をかけてもらう。 そのくらいしか考えていなかった裕奈は、あまりに冷静な明日菜の対応を受けて固まってしまった。 取り合えず時間稼ぎにツッコミを入れてみるか。でもどうやって? 下手に近づくと明日菜のハリセンの餌食になるのは目に見えている。 裕奈の額からダラダラと冷や汗が流れ出てくる。 「え?その……えーっと……」 「?」 裕奈の態度を訝しげに見る明日菜。何かの策だろうかと思いながら裕奈の出方を見ることにする。
その様子を離れた場所で隠れて美砂と桜子が見ていた。 「ねえ美砂、あれって……」 「うん、間違いないね……」 『ノープラン!?』 顔を合わせた2人の声がハモった。自信満々にしていた裕奈だが、心配していた通りあまり深く考えてはいなかったようだ。 「なーんか心配していた通りになっていたみたいだね。ゆーな、何も考えていないよ」 額に手を当てながら美砂は固まっている裕奈の様子を伺っている。 「ねえ、どうしようか?」 桜子の問いかけに美砂も決断する。 「よし、とりあえず私たちも行こう」 素早く物陰から飛び出して行った美砂。桜子は慌てて追いかける。 「ま、待ってよ美砂。置いてかないでよー」 2人は裕奈の居る元に走っていった。 【残り 12人】
[第三十幕.思わず出てきてしまいました] 明日菜を目の前にして、アワアワとうろたえる裕奈。 「えーっと、あーっと……」 「ねえ、こないならこっちから行くわよ?」 額から汗をだらだら流しながら固まっている裕奈の出方を見るのに飽きた明日菜は、さっさと決着をつけようとした。 ハリセンを構えたまま裕奈に近づいてゆく。 すると、遠くからドドドドドドという音が聞こえてきたので明日菜は音のするほうを振り向いた。 ものすごい勢いで美砂と桜子が駆け寄ってくる。 「柿崎と桜子!あんたたちもやるっての?」 向かってくる2人に警戒して身構える明日菜を放っておいて、走ってきた勢いのまま2人揃って裕奈にとび蹴りを食らわせる。 「へぷうぅっ!」 蹴り飛ばされた裕奈は、数メートル飛ばされて地面に前のめりに倒れ込む。 すると、裕奈は震える体で上半身だけ起こした。 「くうぅっ!わ、我が人生に一片の悔いなしいぃぃー……グハッ!」 とび蹴りがツッコミと判定され、判定機が作動して裕奈が力なく崩れ落ちた。 倒れた裕奈を見下ろしながら、美砂と桜子が反省していた。 「やっぱりと言うか……ゆーなは当てにならなかったわね」 「仕方ないよ、円も見つからなかったしさー、美砂と私だけってのも厳しかったしね」 「だけどノープランで襲い掛かるってのはありえないんじゃない?」 「だって、ゆーなだし……」 「……納得」 2人してうなだれると、同時に大きなため息をつく。
思わず裕奈に対してツッコミを入れてしまった美砂と桜子だが、ハッと今の状況を思い出す。 ゴゴゴゴゴゴという効果音が鳴り響き、妖気をまとったオーラが美砂と桜子の背後から感じられる。 怪しい妖気が2人の背筋を冷たくさせる。 2人が恐る恐るゆっくりと後ろを振り向くと、怒りの表情で黒いオーラをまとった明日菜がハリセンを持って立っていた。 「あ、あんたらねー」 『ひいぃぃっ!』 ハリセンを頭上に持ち上げてズンズンと近寄ってくる明日菜に恐怖し、美砂と桜子は目を丸くする。 互いに抱き合って震えたまま、立ちすくんだ。明日菜の勢いに逃げることすら忘れてしまっていた。 「まじめに、やりなさいよ―――っっ!!」 スパーン、スパーンと小気味良い音が2回響いた。 「あ、あべしっ!」 「ひ、ひでぶぅっ!」 悲鳴をあげ、美砂と桜子は裕奈の傍に並んで倒れこんだ。 「まったく!みんなツッコミするゲームだって言うのを忘れてるの?」 忌々しげに不満を口に出した。 クラスの方でもボケることしかしないメンバーばかりが、何故か明日菜に集まっているだけなのだが、それを知らない明日菜がゲームの先行きを心配した。 明日菜は空を仰ぎ、大きくため息をついた。 【出席番号2 明石裕奈 昇天】 【出席番号7 柿崎美砂 昇天】 【出席番号17 椎名桜子 昇天】 【残り 9人】
[第三十一幕.反省する夕映] 夕映は体育館の側を歩いていた。 真名と楓と遭遇したあとは、誰とも出会っていなかった。 「まったく、アホばっかです」 ツッコミ合いというばかばかしいゲームが勃発して、結構時間が経つが、予想外に速いペースで脱落者が出ている。 要は積極的にゲームに参加している生徒が多いと言うことを意味している。 「……まあ、私も人のことは言えないのですがね」 自嘲気味に呟く。 真名と楓が戦闘に入ったときにたまたま近くを通りがかった夕映は、真名を倒して楓が油断していたのを上手く突いて、楓に勝利していた。 「あまりにアホすぎて、思わずツッコミを入れてしまいました。猛省するです」 浅はかな自分の行動に反省する夕映。 元々、夕映はゲームに乗る気はなかったのだ。 しかし、普段からクラスメートの能天気な振る舞いに、心の中でツッコミを入れていた夕映にとって、ツッコミ合いというゲームは、普段からの鬱憤を晴らすのには丁度良い機会であった。 それが楓のときには思わず行動に出てしまった。 正直言うと、楓をツッコんで倒したときはいい気分だった。 日頃の鬱憤を晴らすことが出来て、軽快な足取りで楓をそのままにして去って行ったときは有頂天だった。 しかし、ハッと我に返ると自分の行動を後悔し始める。 やはりこんなことはするべきでないと、必死に自分の心に言い聞かせていたのだった。 同じように普段から心の中でクラスメートにツッコミを入れている千雨の場合は実際に行動に移したのに対し、行動に消極的な夕映は実に対照的であった。
夕映はとぼとぼと一人で歩きながら、親友達のことを思い浮かべる。 クラス名簿を取り出して、残っているメンバーを確認する。 放送が流れてから時間が経っているので新たに脱落者が出た可能性は高いが、現状の情報だけで考えることにする。 「のどかは早々に脱落したですが、ハルナとこのかさんはまだ残っているです。 まあ、ハルナは上手くやってるのでしょう、このかさんは少々意外ですね、刹那さんも脱落してますし…… もしかしたら、ハルナやこのかさんの2人と戦うことがあるかも知れません。その場合は……私はどうすればよいのでしょうか?」 クラス名簿をデイパックの中にしまい込むと、歩きながら再び悩む夕映。大きなため息をつく。 夕映はツッコミをしたい自分の心を偽って、ゲームに対して積極的に乗ろうとしない。 そのアンバランスな状態が、後に自分の首を絞める結果になるとは、このときの夕映には知る由もなかった。 【残り 9人】
今日の投下は以上です。 ではまた明日。
乙です
おつ
もう31話かww早いなww 乙
乙です 明日菜が勝ちそうかな?
千鶴の一人勝ちだろjk てか実際ツッコまれた奴は死んだ方が臨場感出るくないか?
/フフ r<⌒ヽ _ ム`ヽ / ノ) i 〃⌒ヾi ) ヽ ゙/ | | i(|l ゚ヮ゚ノ| ノ⌒(ゝ._,ノ 出番ないからマッチョになったよー! / ノ⌒7⌒ヽーく \ / 丶_ ノ 。 ノ、 。|/ `ヽ `ー-'´_人`ー'ノ 丶  ̄ _人'彡ノ ノ r'十ヽ/ /`ヽ_/ 十∨、
767 :
766 :2008/02/28(木) 01:51:02 ID:???
すまん。間違えた。
こんな時間ですが乙です 明日も楽しみにしてます
>>765 こんなかんじか?
千雨「落ち着け、本屋。」
のどか「はぎゃわぁー!!」
次の瞬間、ツッコミ判定機が作動し
のどかの体が数十メートル先まで吹き飛んだ!!
千雨「ちょっ…オイ!!!本屋ァ!!!」
のどかの体は生け垣に突っ込んで停止した。
全身から大量の血を流して。
ツッコミ判定機が作動してから即死だった。
千雨「ウソだろ…ツッコんだだけで…」
そのとき彼女が舐めていたのはヴェルダースオリジナル。
ナゼナラ彼女もまた特別な存在だからです。
元ネタわかんね
今日の投下を始めます。
[第三十二幕.同士?] ゲームも終盤に差し掛かってきた。 ここまできたら、負けるわけには行かないと、千雨は油断なく辺りを見回しながら移動していた。 これから先の戦いは、できるならば先に敵を見つけて先手を取りたい。 千雨は敵に先手を取られてしまうと相手のペースに巻き込まれてしまう傾向がある事を自覚していた。 そうなってしまえば苦戦するのは避けられないし、今後は戦いを勝ち抜いてきた猛者である生徒が相手になるから、相手に先手を取られると挽回するのも難しくなってくる。 優勝するためにも、それだけは避けたいと思い、千雨は慎重に行動していた。 しかし、無常にも千雨は敵に先手を取られる羽目になってしまった。 「千雨ちゃん、はっけーん!」 嬉しそうな声で呼び止められて、千雨はあわてて振り向いた。 そこには不敵な笑顔を浮かべたハルナが立っていた。 (……今度の相手は早乙女かよ!くそっ、厄介な奴と出会っちまったぜ) 千雨は心の中で毒づく。 漫画とコスプレ、ジャンルに違いはあれど、ハルナと千雨はクラスの中でも非常に近い趣味をしている同士だ。 しかし、千雨はハルナのことを嫌っているわけではないが、あまり良くも思ってはいない。 実際のところハルナの製作した同人誌をいくつか千雨も持っているのだが……それはハルナには絶対の秘密である。 客観的な評価として、ハルナの作品自体は千雨の嗜好としては結構好きな方なのだ。 問題は彼女自身の性格の方で、ハルナの楽しけりゃいいじゃん的な性格が千雨にとっては今ひとつ受け入れることができなかった。 近いジャンルにいながら相容れない部分があるということで若干近親憎悪が入っていることは否定できない。
つ 4円
とは言うものの、ハルナがやる気なら千雨としても受けて立つ気だった。 用心深く間合いを計りながら身構えると、ハルナの出方を伺った。 千雨の警戒した様子を見て、ハルナもニヤリと笑みを浮かべる。 「そっかあ、さすがに今まで残っているだけあるね。そう簡単に隙は見せないってワケね。……でも、私の攻撃に耐えられるかな?」 眼鏡を直しながらギュピーンという音をたてたハルナの目が光る。 ハルナにとってはこれが最初の対戦になるが、それは特に問題にはならない。 それに、相手が千雨というのは願ってもないことだった。 他人の恋愛ごとに多大な興味を抱き、それをネタに友人達をからかって楽しむのが好きなハルナである。 親友ののどかと夕映の2人がネギへの恋愛意識をカミングアウトした時点で、2人と親友である立場のハルナは不用意に2人の恋愛を下手に応援したりできなくなってしまった。 そしてネギに対する恋愛心に戸惑う彼女達をからかうことができる機会も少なくなってきた。 そういうのを喜ばしいと思いながらも少し物足りなく感じていたところである。 ……ならばどうするか?新しいターゲットを見つければ良い。そういう結論にハルナは達していた。 新たなターゲットは誰が良いか?ハルナは考える。 クラスメートの中でハルナのターゲットとしてめぼしい生徒は必然的に絞られてくる。 ラブ臭を嗅ぎ付ける才能を持ったハルナは、自分の要求を満たす人材を既に見つけていた。 そう、ハルナの中ではネギに対して密かなラブ臭が漂っている明日菜と千雨が新たなターゲットとしてロックオンされていたのだ。 さらに、ツッコミ合いという特殊な環境下で、ターゲットとなる千雨と出会えたのはハルナとしてもラッキーだった。ゲームを理由に深く踏み込んだことが出来る。 (さーて、どっから責めて行こうかしら?) 心の中で舌なめずりしながら、嬉々とした内心を隠してハルナは千雨と対峙した。
自信満々なハルナの様子に嫌な予感を感じながら、千雨はハルナから距離を取る。 ハルナがどういう行動を取ってくるのか千雨には予想がつかなかった。 仕方ないので、まずはハルナの出方を伺い、そこから攻撃のチャンスを見つけることにする。 千雨が先に動いてこないことを良いことに、ニヤニヤとした笑みを浮かべながらハルナは近づいてくる。 ハルナから距離を取るように千雨は1歩2歩と後ろに下がって様子を見ている。 千雨には、ハルナがどんな行動を取ってきても対応する気構えは出来ているつもりであった。 このとき、悠長にハルナの様子を見ずにさっさと勝負をかけていたら良かったと、千雨は後で後悔することになる。 【残り 9人】
C
つC
[第三十三幕.ラブ臭] 眼鏡を直してビシッと千雨を指差すハルナ。 「千雨ちゃん、あんた最近ネギ君へのラブ度が上がってんじゃなーい?」 ニヤけた顔で指摘する。 予想外の指摘を受けて千雨が動揺する。 「なっ、ばっ、そ、そんなことあるわけねーよ!」 慌てて弁解した千雨だが、少しだけだが顔が赤くなっている。 「ふーん?そうやって動揺するのがあやしーなー?」 ニヤニヤしながら追求してくるハルナ。 ハルナはさらに1歩前に出てくる。それに合わせて千雨は1歩後ろに下がる。 いやな汗が千雨の頬を伝う。千雨はポケットからハンカチを取り出して汗を拭うと、大きく深呼吸をして動揺を落ち着かせる。そして押され気味となった体制を整えるべく、静かな口調で口を開いた。 「根拠もないのに何でそう言い張る?」 「フフッ、この私を舐めないで欲しいわね。学園祭の途中から千雨ちゃんのネギ君に対する態度が変わってきてるのよねー。何があったか知らないけどさー。 最近、千雨ちゃんからラブ臭が漂ってきてるのは全てお見通しよ」 千雨の指摘に全く動揺することなく、ハルナは自信満々に答える。 「ラ、ラブ臭って、そんな胡散臭いもの当てになるかよ」 「フフフ、信じる信じないは貴方次第ってね。真実は千雨ちゃんのみぞ知る♪」 「ちっ」 ハルナに何を言っても無駄だと悟り、千雨は舌を打つ。 「図星かなー?」 「そっ、そんなことねえ!」 「ぬふふふーっ」 「………」 千雨は黙り込んでしまった。
黙り込んだまま千雨は考える。 (くそっ!否定すればするほど変な方向になって行きやがる。無視するしかねー) 千雨はハルナの方を見ずに、あさっての方向を見る。目を合わせることをしない。 「………」 「おや、黙り込んじゃいましたね。」 「………」 黙っていればハルナも諦めるだろうと思い、千雨はハルナから離れて押し黙ったままである。 「ねー、話そうよー千雨ちゃん」 「………」 「黙ったままじゃ進まないよ」 「………」 「おーい!」 「………」 「こらー!」 「………」 千雨は黙秘を続けることにしたらしい。 相手に沈黙されるとハルナもつまらない。仕方ないので次の手を使うべく、ハルナは責め方を変えることにした。 【残り 9人】
[第三十四幕.いやーんバレたー?] 「……ところでさあ、千雨ちゃん。ネギ君とのキスの味はどうだった?」 「ブホッ!!」 いきなりの質問に千雨の顔がボッと赤くなる。 「な、ななななな何を聞いて来るんだお前はぁっ!」 動揺しまくる千雨。 「照れることないじゃーん!私もネギ君とはキスしてんだしさ、お仲間じゃない」 「そんなんで仲間にすなっ!」 あまりに激昂しすぎて千雨はハアハアと肩で息をする。 ハルナに翻弄されて我を忘れてしまったが、これではいけないと千雨は一旦乱れた息を整えて落ち着きを取り戻す。 少しだけ冷静さを取り戻すと、その時になって千雨はようやくハルナの行動におかしな点があることに気付く。 今はツッコミ合いの最中だ。千雨がハルナの攻めを受けて動揺しまくっていたときにツッコミを入れられたら千雨はかわしようがなかった。 さっき千雨が反論できずに黙ったときなどは、ツッコミを入れる要素はいくらでもあった。 現に千雨はザジとの対戦のときに彼女がしゃべらない所をツッコんで勝利を得ていたのだ。 それなのにハルナはそれをしてこない…… 千雨は押し黙って考えることに集中する。そうするうちに、だんだんと冷静さを取り戻すことができた。 「また黙り込んじゃったか。まいったなあ」 「……分かったぞ」 「えー?」 「分かったって言ったんだよ、お前の目的がな」 「………」 ハルナは口を閉ざすと千雨の次の言葉を待つ。
「早乙女、お前はゲームに乗るフリはしているけどゲームには乗っちゃいねえ。ゲームという大義名分に紛れて、単に対戦相手を翻弄し、からかって楽しんでいるだけだ」 千雨の指摘を受けた途端、ハルナの顔から笑みが消えた。 「へーえ、もうバレちゃったんだ。もう少し楽しませてもらえると思ったんだけどなー」 「フン、お前のペースに付き合ってられるかよ」 「そっかあ、残念だね。核心部分を聞けるかと思って楽しみにしてたんだよ?」 千雨はハルナに近づいた。ハルナの戯言などこれ以上聞く気はない。 「まじめに……ゲームを、しろーっ!!」 恨みを込めてハルナの頭を力一杯叩いた。小気味いい打撃音が響く。 「いてぇぇっ!グーで、グーで殴ったぁっ!本気で叩いたなぁ、千雨ちゃん。覚えてろよーっ!……グフッ!!」 文句を言いつつハルナは倒れ、ゲームの舞台から消えていった。 「……疲れた。早乙女の野郎、さんざん好き勝手言いやがって!」 腹立たしげに毒づく。 ハルナと対峙したことを思いっきり後悔しながら、重い足取りで歩き始めた。 【出席番号14 早乙女ハルナ 昇天】 【残り 8人】 ゲームが始まって、もうすぐ4時間が経過しようとしていた。 すでに残っている者は10人を切っている。 果たして誰が勝者となるのか、ゲームが混沌としている中、一人の生徒を忘却の彼方に残したまま、戦いは佳境に入っていく。
私怨
あすなこのか亜子いんちょ千雨ゆえ あと誰だったかしら
千鶴円か
[第三十五幕.復讐の鬼と化す] 「ムニャ……ここは忘却の彼方……ハッ!!」 釘宮円(出席番号11)は目を覚ました。 時計を見て今の時間を確認する。次にクラス名簿を眺めて残っている生徒を確認する。そして自分の置かれた状況を確認すべく、周りをキョロキョロ見回した。ようやく円は今の自分の置かれた状況を把握する。 居眠りで曖昧になっていた頭の中が次第にハッキリする。 両手を地面に突き、円はがっくりとうなだれる。 「こ、こんなことってあるぅ?待ちに待ってようやく出番が来たかと思ったら、とっくに物語も終盤じゃないのぉーっ! 残っている生徒って半分以下でほとんどいないじゃない!あまりに出番が来ないから、ついつい居眠りまでしちゃったわよ!」 円はしくしくと涙を流す。ポタポタと落ちた涙の水滴が地面に吸収される。 「こっ、これまでの出番って……最初にたった一言しゃべっただけじゃないのぉぉっ!」 体を震わせながら円が叫ぶ。 ごそごそとポケットを探り、1枚のコインを取り出す。 「今回の物語は、美味しい役を取るべく目立とうと思ったのに…… ちょっとだけカッコつけて序盤にゲームに乗るべきか、ここから脱出するべきかをコインの表か裏で決めようとか言って、コイントスをいっちょキメてやろうと意気込んでいたのにぃっ!」 大きな声で円の思いの丈をぶちまけた。
(※ここから円の妄想) ―――釘宮円(出席番号11)はゲームが始まってから、美砂や桜子とも一緒に行動せずにたった一人で人気のない場所で、高くそびえる大木に体を預けて静かにたたずんでいた。 円は迷っていた。ゲームに乗るべきか、ゲームに乗らずにこのゲームから脱出するのかを…… どちらにするか、自分の意志で決められなかった円は、一枚のコインに自分の行動の選択肢の全てを託すことにした。 親指で高く弾いたコインが弧を描いて落ちてくる。 左手の甲でコインを受けると同時に右手でコインを隠す。 (表が出たらゲームに乗る。裏が出たらゲームには乗らない) 意を決してそっと右手を離す。コインの出した答えを円の目がじっと捉えた。コインは表を上に向けていた。 円は大きく息を吐く。 「……しょうがないか」 コインの出した結論に円は従うことにした。 ゲームに乗ったからには、全てのクラスメートを手にかけなくてはいけない。 円は覚悟を決めると、ゲームに乗るべく動き始めた。 (※円の妄想終わり) 「なーんてことをやろうと思っていたのにぃーっ! ゲームに乗るか反るかの判断なんて、ゲームの序盤にやるからこそ格好良いのよ? それなのに……それなのにぃーっ!ゲームが終盤になるまで私の出番がないなんてぇーっ! 半分以上ゲームが進んだ状況で今更やっても間抜けなだけじゃない!……コイントスをカッコ良く決めてやるために何度も何度も練習したのにぃーっ!」 円は悔し涙を流しながら拳をダンダンと地面に打ちつける。
もはや用済みとなったコインを放り投げた。 チャリンチャリーン!という高い音が小さく鳴り響く。 「全く出番が与えられなくってさ……ゲームが終わりかけになって、ようやく私の出番だなんて……こんな扱い、こんな扱いあんまりだよーっ!」 うなだれたまま地面に手を突き、円は泣き続けていた。 その状態のまま、円は涙を流し続けると、しばらくの間そのまま時が流れた。 「……優勝してやる」 うなだれたまま。円は一言呟いた。 「優勝してやる!こんな扱いなまま、終わってたまるかぁっ!」 立ち上がった円の背後に炎が舞い上がる。 「私はやる。絶対に優勝してやる!」 自分の意思を再確認するかのように、円は大声で叫んだ。 体中に力がみなぎる。 クラス名簿を開いて残っている生徒を確認する。 「明日菜にこのか……ゆえや長谷川も残っているわね。相手にとって不足なし!待ってなさいよーっ!」 クラスメートを探すために円は一気に駆け出した。 【残り 8人】
本日の投下はこれにて終了です。 あと、いくつかお礼を・・・ >支援されてくれる方々 毎度ありがとうございます。 >携帯まとめ氏 私の作品も掲載していただけるそうで、ありがとうございます。 スルーされるかとも思っていたので。 >別館まとめ氏 トップページ大文字で20部の宣伝ありがとうございます。 あと、トップページに載せている絵ですが、あれも私が描いたものです。 採用いただきありがとうございます。 ちなみに私の絵は、20部投下時の朝倉と、>75と、>259です。 また、前スレで葱坊主と名乗っていたのも私の仕業です。
乙
乙です
あれ?円て亜子にやられたんじゃなかった?
バトロワなんて突然知らされたのにいつコイントスの練習してたんだよww
20氏乙 最後の最後に美味しいトコだけ持って行って円が優勝しそうな悪寒w 千雨と明日菜は本命すぎて逆に優勝は無いんじゃないかと深読み。 木乃香と亜子の関西対決が見てみたい今日この頃w なにはともあれ、明日もwktk
乙です
もるです
_人人人人人人人人人人人人人人人_ > ゆっくり殺し合っていってね!!! <  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄/ ̄ , ´ ̄ ̄ ̄ `丶 -‐ '´ ̄ ̄`ヽ. ∠ ̄ ̄`ヽ / , 、 ヽ / //f"`^ミヽ `ヾヽ 、 ヘ / / / i| ! |i | ド、|ト //, '/// | ミハ 、 ヽ \\ j l | lL」ト 」ヾト_」__| !!リ 〃 {_{」iゝ、」 レ/_リ| l │ iト ヽ∨ ! | | __,. __ i. ! レリイi (ヒ_] ヒ_ン )从 |、i| ヽ ! リ | | | (ヒ_] ヒ_ン ! | !Y!"" ,___, "" 「 ! |ノ/ |∨ | | |'" ,___, "' ! | L.',. ヽ _ン L」 ノ|/ j/ | | | ヽ _ン /| ! | lヽ、 ,イ| ||/ ,″ | | |>,、 ___, ,.イ |. ヽ.| ` ー─ ´ |イ
>799 フイタわ
>>779 わろたwwww
ロゴとか作ってたAA職人に比べて下手なのがまた良いなwwwwwww
それ、東方AAのパロでしょw 元は「ゆっくりしていってね」だたか
自分もまたAA投下しようと思ったら
>>799 さんに先越されてますねw
Sさんの素晴らしい絵いつも楽しみにしてるので感謝の気持ちを込めて。
,.-―- 、
// ヽ\
/ i i 川 ハ i! i
/ .| |. i,从_//! ハ |
/ / !.| 二、 ,二 ! |
x‐ァ' 厶イ| K辷! ヒリ> !ヽー‐- 、
__/ i ∠ ! !、l! 、l!ノ| | ` y⌒ヽ
/ .8ヽ. | ハ ! ! 丶、‐ 'イ ! ! ヽ i `ーr 、ヽ
乂_,8 N^∨, -| |__L_ `´ヾ. / .|ハ i从N / i ヽ!
_/八 r、!⌒ // .! L、ハ_r'、i |⌒` ⌒厶't/ }
ム'7 / / ̄ヽ. i:::厶イ:::::ヽヽ{__}〉!,从、.r―ァr-<} /
ム′ i 、 i.|:::::::::::/!::::ハ |: :!ト、__:::`ヽ'イ i ヽ
! l l!::::_r〈:::::>':::W: :!}:::::/::::::::ヽ!. | i
ヽ 、 ヽ!ヾ. Yヘ::::::|:ヽ: :!:::,:::::/っ_i i. |
___/⌒ヽ ヽ_`ヾ、:::ヘ:::!::::∨!:i::::〈ヘ三! ! ヽ.__
く x--く¨´〈:::::::::::\.`i、ヘ|::::::::l!/::::i >'、 ハ ヽ 、 \ レ'´ |ヽ `丶、::::::\ヽ:!::::::::|::::::i/∠ ー'::::V,、_r+- 、〉  ̄ へ r一' ヽ丶、 \::::::\::::::::|::::::L/  ̄ヽ:::::::V i  ̄ヽ._ {: : : :` ー-'ァ>'_! ヽ `.7」へ:::::::\:゚!::::::::::y'´ ̄`ハ::::::Vi ,.へ / `丶、.: : :く ,__{:ヽ./`V / \/ ヽ::::::/ 、 | ';::::::V  ̄ \: :/ i: :ij^i⌒ヽ、\ }、 、.∨ ∧ー' }―-', `´ |: : : :!::::/:::/` ー‐':::::i.j、V /::::::ヽ 〈 } } i´:::!.: : :i::/:::/::::::::::::::::::::::::/ , ′::::::::::`ij /j/ノ '勹`ー:'/:::,'::::::::::::::::::::::::/ /::::ハ:::::ヽ::::{/´ く_:::::::/:::::i::i:::::::i:, -ァ、/ 厶ァ-'⌒ヽ/ ̄  ̄`ヽー--.! /‐'⌒}_/ ,′ / { ̄: : : : : :」. ,′ ,/ ヽ:_;.-ァ′ ,′ , ' ,.イ ,′ ,′ / ハ ヽ i. ,′ ,′ / /⌒.:ヾ | ! i ,′l: : : :/ ! i
>>804-805 寝る前に覗いてよかったぜww
ザジスレ住人の俺としては最高すぎるwwwwwww
GJ このスレ職人に恵まれてんなww
乙
AA職人て凄いな・・・ガチで尊敬するわ・・・・・・
誰かこの流れに任せてMADを作らんかえ?
10部のMADってレベル高いの?低いの? 初心者の俺に教えてくれ
普通
けしていい意味で使われない普通
19氏くるか!?
MADって言ってもツッコミMADをどう作るか… てかYoutubeは画質悪いし画質良いとこはDLに時間かかるから素材集めんの大変じゃん
ツッコミじゃなくても何でも良い。
本日の投下を始めます。
[第三十六幕.鬼は実在するかも] スピーカーから放送が流れる。 『はい、3−Aの生徒に連絡事項です。これまでの脱落者を発表します。 明石裕奈、柿崎美砂、椎名桜子、早乙女ハルナ、以上の4人です。 立ち入り禁止エリアは、30分後にB−4、D−4、D−5、F−3です。残っているのは一桁となりました。 毎回毎回この放送にツッコんでくれてうれしいです。では、引き続きゲームを進行してください』 「毎回ツッコむって、私のことかぁーっ!?」 スピーカーに向かって千雨は叫んだ。 「あんの小動物、調子に乗っていやがるな。今度会ったときには目にもの見せてやる!」 改めてカモにヤキを入れようと決心する千雨。 2人が再び出会うのはまだまだ先の話である。 ……この物語の中で出会う機会があるのか、それはまだ謎である。
千雨が暢気にカモ(スピーカー)にツッコミを入れていた同じ刻、別の場所で新たな戦いが始まっていた。 円は獲物を狙う目でクラスメートを探している。 「誰か、誰かいねーかー?」 まるでナマハゲのような台詞を吐き、壊れかけてしまっている円。 すると、彼女の目の前に一人のクラスメートが姿を現した。偶然にも円の近くを亜子が通りかかったのだ。 「いたあぁっ!亜子おぉっ!!」 クラスメートが亜子であることを認識すると、円は一気に駆け出して亜子に肉薄する。 自分の名を大声で呼び、ものすごい勢いで近づいてくる円に気付いた亜子は、円の勢いに飲まれそうになり、ちょっと逃げ腰になった。 しかし、優勝を目的とする亜子は、その場に踏みとどまって自分の心に活を入れる。 (ダメや。ここで押されてはだめや!ウチは優勝するんや!) キッと迫り来る円を見つめ、亜子は口を開く。 「くぎみー、負けへんで!」 萎えかける心を奮い立たせると、肉薄してくる円に対峙する。 先手を取って亜子の方が口火を切る。ゲーム開始から三度目となる攻撃を繰り返す。 「くぎみー、2分の1たす3分の1はナンボ!?」 「そんなことより、くぎみーって言うなーっ!」 亜子のフリを見事なまでにスルーして接近すると、一気にツッコミを入れる円。
円の手の甲がパーンと音を立てて亜子の胸を直撃する。 「うわっ!やられてもーたー!」 ふらふらと後ろによろける亜子。 「い……いややぁっ!ウチ、ウチ、こんなところで負けとおないっ!せめてこのかと決着を……ひゃはあぁっ!!」 ツッコミとボケにかけては誰にも負けられない。一途な思いで優勝を熱望した亜子の思いもむなしく、ツッコミ判定機が作動した。 亜子は力なく崩れ落ちた。 円は倒れた亜子の側まで近寄っていく。 「ふん、悪く思わないでね亜子。私は……絶対に優勝してみせる!」 倒れている亜子を見下ろし、心のない別れの言葉を吐くと、次の獲物を探しに円は立ち去った。 【出席番号5 和泉亜子 昇天】 【残り 7人】
[第三十七幕.天敵] 千雨は辺りを見回しながら校庭の側を歩いている。 これまでに4人のクラスメートを葬っている。 苦戦した相手もいたが、結果的には自分に勝利の女神が微笑んでくれた。 ツッコミの決まる喜びに味を占めた千雨は、完全にゲームに染まっていた。 順調な展開に満足し、このまま最後まで行ってやろうという気になっている。 歩を進めていると、新たなクラスメートがこちらに向かって歩いてくるのが見える。 (獲物だ!) 歩く速度を速めてクラスメートに近づく。 相手が誰か分かるところまで近づくと、相手も自分のことに気が付いたようだ。 「あら、千雨さん。次のお相手は貴方ですか」 そこにいたのは千鶴であった。 相手が千鶴であることが分かると、千雨の勢いは一気に萎んだ。 普段の付き合いでも、ツッコミ合いというフィールドにおいても、千雨は千鶴を苦手としていた。 千鶴を怒らすと怖い。これは千雨が身を持って分かっている。 彼女が実力行使に移りでもしたら千雨に勝ち目はないであろう。ある意味千鶴は最強である。 しかも、千鶴は能天気なクラスメートの中では、人格的にもかなりまともな部類の人物である。 だからといって、堅物というわけでもなく、ノリで行動するクラスメートの後を笑顔でついて来るタイプだ。 あまり隙を見せてくれる相手ではないし、挑発にも乗ってこないだろう。
(やべぇ……ある意味、一番厄介な奴と会っちまいやがったな) 気後れしてしまい、少しずつ後退していく千雨。できるものならこのままスルーしたい。 千雨の心を知ってか知らずか、後退する千雨に対して近寄ってくる千鶴。 「どうしたの?仕掛けてこないの?」 顔に笑顔を貼り付けたまま千鶴は千雨に声をかける。 (その笑顔がこえーんだよ!) と、口に出せない千雨が心の中で悪態を付く。 この状況をどう打開するか?千雨は必死に考える。 千鶴の様子をつま先から頭のてっぺんまで観察し、ツッコミを入れる要素とツッコミの手段を検討する。 その結果、ある方法を思いついた。 あまりやりたくはない方法ではあるが、背に腹は変えられない。 (仕方ねえ、やるか!) 覚悟を決めると千雨が口を開いた。 【残り 7人】
[第三十八幕.禁じ手] 千鶴が仕掛けてこないので、先手を取って千雨が千鶴に話しかける。 「ところでよう那波、あんたは何を持っているんだ?」 手に持っていた長ネギを、たったいま気付いたかのように千鶴は見つめる。 「あらやだ。無意識に持ってきちゃったのね。このネギはあまり気にしないでね。 さっき、夏美ちゃんと聡美さんとのやり取りで使っただけだから。……たくさんあるから千雨さんもいる?」 長ネギを掲げる千鶴。その言葉に被せるように千雨が話し出す。 「あ〜ネギね。ネギはいいよなー、すき焼きに入れても良し、ラーメンに入れても良し、串に刺して焼くのも良しと来たもんだ。万能な奴だよなー。 ああ、しかもだ、英語の授業もやっちゃうし、我々のクラスの担任までこなせちゃうし天才って奴だ。万能なやつだよなー」 千雨の繰り出す言葉にあっけに取られる千鶴だが、不意に千雨の意図を見抜く。 (ノリツッコミ!?) あわてて回避のために動きだす千鶴。 しかし、千雨の動きの方が早かった。 「いやーホントに万能だーって、それは人間のネギ先生だーっ!」 最後の言葉と供に、千雨の右腕が一閃し、千鶴の肩にポンと当たる。 「ああっ!!」 千雨にまんまとやられたことを理解し、千鶴は声を上げる。 そして、悲鳴を上げると千鶴はその場に倒れこんだ。
千鶴が倒れたのを知り、千雨は作戦がうまく行ったことを確信した。 そして、膝を突いて両手を地面につき、がっくりとうなだれた。頭上にはズーンという効果音まで付いている。 「く……くそっ!やっちまったぜ、私のキャラに合わないツッコミをよう。こりゃーダメージがでかすぎるぜ」 震える声で後悔の言葉を搾り出し、うなだれたまま千雨は動けない。 「……ちっくしょー、那波の奴、私にこんな事までやらせやがってー、絶対許さねーからなー!」 やってしまった自分の行動の恥ずかしさに耐えきれず、千鶴への逆恨みに転化し始めた。 自分が千鶴に対して苦手意識を持っていたのが最大の原因というのは完全に棚に上げている。 さんざん恨み事を吐き出したあと、千雨は顔を上げた。 「フッ、ここまでやっちまったんだ。優勝は誰にも譲らねえ。勝ち残るのは私だ!」 どす黒い炎をバックにして千雨は立ち上がる。 クラス名簿を取り出すと、千鶴の顔にバツを入れる。 残っている生徒の顔ぶれを確認する。現時点でこの全員が残っている保証はないが、慎重に対応する方が得策だ。 真剣な顔つきで一人一人、残った生徒達の対策を練る。 一通り、誰に対してどう攻めるのかを頭の中で確立させる。 「行くぜ!」 気合の入った掛け声を上げると千雨は走り出した。 【出席番号21 那波千鶴 昇天】 【残り 6人】
[第三十九幕.逆鱗] 夕映の目の前に一人のクラスメートが姿を現した。 「釘宮さん……」 円も夕映のことには気づいており、夕映にどんどん近づいてくる。 「あなたは、ひょっとしてゲームに乗っているのですか?」 確認をする夕映に対して、無言のままズンズンズンという音を立てて円は近づいてくる。 その勢いのまま、射程距離内に入った段階で円が素早く動く。 「ゆえ、あんた毎回毎回なんで変なジュースを飲んでるのよーっ!」 ツッコミの言葉と供に、円の右手が夕映を狙ってくる。 紙一重で円の攻撃をかわす。 「く、釘宮さん、何をするんですか!?」 あわてて円から離れると、夕映が声を上げる。 「何って、私たちはゲームをやってんだよ。今更なに言ってんのさ」 鬼気迫った表情をして、口元に笑みを浮かべながら円は答える。 その表情にゾッとして、後ずさる夕映。 「ゆえ、悪いけど、倒させてもらうよ。」 そう言うと再び円が動く。 円から繰り出される手を自分の腕でブロックし、ツッコミをかわす夕映。 夕映の額に汗が流れる。このままではやられてしまう。どうするべきか?夕映に決断すべき刻が迫ってきた。 徐々に円が夕映を追い詰めていく。 逃げられないことを悟った夕映は、覚悟を決め、戦うことを決意した。
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円が夕映に対して次の攻撃を仕掛ける前に夕映が先に動いた。まずは円を動揺させて自分のペースに引き込む。 「釘宮さん!所詮、今だに物語の蚊帳の外にいる貴方には負けられません!」 指を突きつけて宣戦布告してくる夕映に円が激昂する。 「蚊帳の外って何のことよっ!なんかものすごーく嫌な気分になったじゃない!」 円が怒りをあらわにしている様子を冷静に観察する夕映。 (動揺した!もう少し揺さぶってみるです) 畳み掛けるように夕映はさらに言葉を重ねる。 「蚊帳の外にいるからこそ活躍もできないし、そもそも出番がないのです」 カチンと来た円は、瞬時に頭が沸騰する。 「ムキーッ!出番がないことは言わないでよ、気にしてるんだから!」 (……気にしていたのですか?) ちょっと悪いことを言ったかと思って夕映は少し反省する。 しかし、円は完全に動揺している。このチャンスを逃してはならないと考え直し、なおも執拗に円を揺さぶる。 「ですが、出番がないということは何かと不利に働くのではないのですか? 例えば、恋のライバルに対しても大きく水を開けられているとか、自分がいない間に目当ての方とライバルがどんどん親密になっていくとかあるです」 何気なく言った夕映の言葉に円はグサッと深く傷ついた。何故だかとてつもない焦りと怒りが湧き上がる。 この物語の中で存在を忘れ去られるといい、夕映になんだか分からないがものすごく腹の立つ指摘を受けたことといい、今までの鬱憤が円の中で徐々に大きく燃え上がってゆく。 ブチーン!という大きな音が辺りに鳴り響いた。 「な、何の音ですか?」 夕映は音の原因を探して辺りを見回した。
リアル遭遇きたこれれれ
にくうす?
千鶴が優勝じゃないのか… なんかちょっと残念…… とりあえず乙です
「ゆえ……あんたは言ってはいけないことを言ってしまった……」 円は下を向いたまま動かない。 背後に妖気が漂い、燃え上がる黒い炎を背負っている。 ただならない円の様子に夕映は怯えて2、3歩後ろに下がった。 円が顔を上げるとギンッ!と夕映に向けて目を光らせる。円の視線が夕映の体を貫いた。 夕映は蛇に睨まれた蛙のように体が固まってしまう。 円はズシン、ズシン、と音を立てながら夕映に一歩一歩近づいてゆく。 あまりに恐ろしいオーラを纏っている円の姿に気圧されて、夕映は恐怖で足が動かない。 コハアァーッ!と白い息を吐きながら、イッてしまった目をして夕映を睨む。 「ヒイィィィッ!」 夕映の体を恐怖が突き抜ける。 「あ、あんたなんかに……あんたなんかに……そんな事を言われる筋合いはないわよおぉぉ―――っっ!!」 「へぶうぅぅっ!!」 まるでジェットアッパーか昇龍拳のような円の渾身の一撃を受け、回転しながら宙を舞う夕映。 緩やかな弧を描いて落ちていく。 そして地面にぶつかって一回跳ねた後、再び地面に体を打ちつける。 夕映はうつ伏せになって倒れ込んだ。 しばらくして震える体で頭を持ち上げる。 「ふ……不用意に……相手に逆鱗に触れてしまうとは……私もまだまだですね……ガクッ!」 反省の言葉を吐いた後、夕映は地面に突っ伏すと動かなくなった。 【出席番号4 綾瀬夕映 昇天】 【残り 5人】
以上で今日の投下終了です。 最後にちょっと聞きたいのですが、いま3本目の作品を書いてる最中でして、ロワに特別ルールを入れる予定なのですが、 過去作品の特別ルールとかぶってしまうのですが、これはアリなのでしょうか? 一応全く同じルールではなく、プラスアルファのルールを付け加えて、話の展開もかなり違います。 否定派が多ければ今書いている作品の続きを書くにはやめにしますので、ご意見をお聞かせください。
乙です 予想優勝候補が全滅しました いやいや、万事OKですよー
千雨… エヴァと千鶴の世界最強クラスの2人倒したら後が怖いだろww
乙です。 やっぱこれは円優勝だなw ルールは被っても問題ないでしょう。 中身が被ってなければ。
いやこのまま行ったら明日菜か木乃香が優勝だろ 円は多分明日辺り死ぬな 千鶴が優勝だったらロワ的には秀逸だったんだがなw
乙です
作者20氏 840氏 乙
>>840 タカミチバロスwwwwwwwwwwww
そして楓のクオリティ高ぇww
職人はすげぇなww
楓すげぇ…と思ったらタカミチ吹いたwwww S氏はAA職人にも加工職人にも愛されてんなwww
844 :
840 :2008/02/29(金) 23:45:58 ID:???
もっといろいろ作ってみたいんですがさすがにたくさん作るとなると許可が必要だと思います。 S様、および他の絵師様、投下された作品を加工して別のものを作っても宜しいでしょうか? 予定としてはNBRのロゴやS様の作品や展示室のNo.38や葱坊主様の作品を使いたいのですが・・・ 宜しければレスお願いします。
845 :
840 :2008/02/29(金) 23:54:01 ID:???
>>845 すげぇ。これは別館のTOPに飾るべき。
840氏GJすぎるww
別館の更新wktk
>>845 凄い。凝ってるな。
でもS氏のパターンからすると返レスはなさそうな予感…。
_|_ _|_ll┌-┐┌-┐ / _|_ | || | /|\ | └-┘ / 携帯の人のためのAA
後、木乃香泣かせてみた。保管庫にあるのがどうも泣いてるっぽく見えなかったので。 長いので2レスに分けます /.::/:::,.::/:::::../:.::...:i:::、::::::::、::、ヽ:::::丶:::::::ヽ /::::〃::::/:::;'::::,::/::i:!.:.:.:l::ハ:::::::::',::',::ヾ;::::::ヽ:::::::ヽ ,': ::,',::::::/::::/::://|:::|:!:::::::!:::ハ:::::::ハ::',:::::ヽ::.:::i:::::::::::', i.:::::|:!:: :':::/,'::::i|,' .l:::!:i::::::::ト:::ハ:::::::::!::',::::::i:::::::l:::::::::::! l!:::::!l:::: |:::!!i:::::i|! |::ト::!::::::l ヽ:ハ:::::::i:::l::::::!:::::::!::::::::::il ||::: ||::::::!::i:| !:::|」ノ !:| ヽ;:::::i ヽム\、:i::::::|!::::::l::::::::::l! |l::: ||: :::|: !i:イ´| ! l」` ヽ:」 ヾ弋:」リ!トi|:::::::i:::::i::::|i l|:::::!|::::::!::|! ‐' _.. ,.二.._ !l|:::::::|:::::l::::!l ||:: :!:!::::::1 r'.r三ミ` ' ,iハヾ, l!:::::::|:::::l::::|| ||:|::|:|::::::::!. イ :ヒ'孑 i b厶}} } ‖:::::|::: :!::::li ||:!::|:|::::::::|! (⌒辷ヒ'リ 弋ニ(⌒)/!:::::::|::: :l::::|:! ll:|:::!:!::::::::;ヘ o` 、 O / ||::: ::i::::::|::::l:l l|:|:::|:|::::::::i`ヽ、 /‐'i|::: ::|::::::l::::l:l ||:|:::|:|:::: :::|::::::丶 c〜っ oィ::::::::l!:::::::!:::: i:::::!:!
||:!:::|:|:::::::::|:::::::::::`::..、 , ィ:´:::l::::::::::|:::::::|::::::|:::::!:i [ I N T E R M I S S I O N ] il:|.:::!:!:::::::::!::::::::::::::::::i ` ー ´ |::::::::!:::::::::|:::::::|::::::|:::::l::! ||:|.:.:|:|:::::::::l::::::::::::::::::| :|::::::::!:::::::::!:::::::l!:::::i::::::l::! XIII Konoe Konoka ||:|.:.:|:|:::::::::i::::::::::::::l´\___/`l::::! :::::::|:::::::|!:::::!:::::::l::l .━━━━━━━━━!|:!:.::|:|:::::::::|!:;:ィr'´ \[ソロモン6]/' ,ゝ:、::::!:::::::!!:::::l:::::::!::i ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |:!::::::|:|::::::::::!! ! 、 __ ̄ ̄ ̄ _,}/ l|:::::::|i::::::!:::::::|:::! Welcome to Negima Battle Royale. |:|:,. 'i|::::::::::|| i 冫 `` '´ ̄ 〈/ ||:::::::|| 丶、:::::i:::l "Do not cry!"
今日の投下を始めます。
ルールのかぶりは一応OKそうなので、書き進めます。
あと、AA職人の方々乙です。
>>844 私(葱坊主)の作品の使用はOKです。
[第四十幕.2度あることは3度ある] 「アスナさん!勝負ですわ!」 いきなり呼ばれた声に振り向いた明日菜は、自分の方を指差し、もう一方の手を腰に当てて仁王立ちしている雪広あやか(出席番号29)の姿を見た。 あやかであることを確認すると、うんざりした顔で応じる明日菜。 「いいんちょ、あんたかー」 「なっ!そのやる気のない態度はなんなんですかっ!」 明日菜の態度に憤慨するあやか。 「いやー、その登場の仕方と全く同じセリフと同じ格好で目の前に立ったのがあんたで3人目だから期待もてなくてさー。まさかあんたもノープランじゃないでしょうね?」 「そっ、そんなことあるわけないじゃないですか」 「ふーん、ならいいけどさ、その前に、あんたツッコミが何なのかわかってんの?」 「馬鹿にしないでいただきたいですわ。今までに1人倒しています」 少し意外に思い、明日菜は素直に感心した。 「あんたがクラスメートの一人を倒すほどゲームに乗ってるとは意外だったわ。てっきり私に突っかかって来ただけかと思ってた」 実際のところ、あやかが和美を倒すことができたのは、全くの偶然だったのだが、そのことは明日菜にいう必要はない。 「ほほほ、見直しましたか」 自慢するほどのことでもないのだが、あやかは胸を張る。
「相手にとって不足はないわ、やってやろうじゃない!」 明日菜もやる気になる。ハリセンを構えて間合いを測る。 それに合わせてあやかも構えをとる。 「明日菜さん、いきますわよ」 あやかが地を蹴って間合いを詰める。 「雪広あやか流合気柔術『雪中花』!!」 左腕で明日菜の胸を押さえつけ、足を刈ると同時に押さえていた左腕を突き出して明日菜を投げ飛ばす。 明日菜はバランスを崩されて後ろ向きに地面に叩きつけられそうになるが、叩きつけられる間際に地を蹴って後方にバック転をする要領で手を突くと、回転しながら体を丸めて着地する。 すぐに立ち上がった明日菜は距離をとって離れると、嫌な予感がしてあやかに問い正した。 「ちょっと、いいんちょ!あんた本当にツッコミってわかってんの!?」 構えを解かずにあやかが答える。 「大きな声を上げて相手を触ったり叩いたりするのではないのですの?」 それを聞いて明日菜の嫌な予感が的中したことを悟る。 「……表面的に見たらそうかもしれないけど、本質の部分は全くちがうわよっ!」 「本質って何ですの!?」 「お笑いの基本よ!」 「そんなんじゃわかりませんわ!」 頭を抱えて明日菜はしゃがみこんだ。 【残り 5人】
[第四十一幕.もはや小学生のケンカレベル] 頭が痛くなるのをこらえて明日菜はゆるゆると立ち上がる。 「お笑いの基本が分からないって、そこから説明しなきゃなんないの?まったく世話が焼けるわね」 明日菜の言葉にムッとするあやか。 「わかりやすく説明できないアスナさんの方にも問題があると思いますわ」 「何よ!私が悪いって言うの?」 あやかに詰め寄る明日菜。 「そこまでは言ってませんわ。ただ、アスナさん以外の方の説明なら、もっと早く理解でいたでしょうにと思っただけですわ」 「言ってるじゃないの!」 「言ってませんわ!まったく頭の悪いおサルさんですわね!」 「なんですって?いいんちょ、やる気なの!」 「受けて立ちますわ」 2人は間合いを取ると再び構える。 そのまま対戦モードに入りそうだった2人だが、明日菜の方がハッと我に返る。 「こんなことしてる暇はないのよっ!ゲームはまだ進行中なのよ!!」 明日菜の言葉にあやかも我に返る。 「そうでしたわ!それで、本質って言うのは何ですの?」 「結局そこに戻るの?」 ガクーッとうなだれる明日菜。このままでは埒があかないことを悟る。
「だれかがボケたら、そのボケに適したツッコミを入れる。そうすることで笑いが生まれる。ボケに合わないツッコミを入れても笑いは生まれない。それだけのことよっ!」 半ば自棄になりながら明日菜は簡単に説明した。 「そ、そうなのですか?知りませんでしたわ」 「そんなことも解らずに、よく今まで残っていたわね!」 「ホホホ、日頃の行いが良いから良いからですわ!」 「自慢げに言うなーっ!」 胸を張って答えたあやかの頭にハリセンが振り下ろされる。 「ギャフンッ!」 大きな音を響かせるハリセンの一撃を受け、目を回して後ろ向きに倒れこむ。 「ふ……不覚……ですわ、ガクッ!」 あやかを見下ろしながら明日菜は愚痴をこぼす。 「私の相手って、こんなのばっかなの?もうちょっとシリアスに戦わせてよもー」 倒れたあやかに背を向けると、肩を落としてとぼとぼと歩き始めた。 【出席番号29 雪広あやか 昇天】 【残り 4人】
俺が電源付けるといつも投下の最中だw 支援です
[第四十二幕.クラスメートは見ていた] 明日菜とあやかが戦っているところを、草むらから千雨が覗いていた。 3−A生徒を探して学園内を歩いているときに、明日菜とあやかが言い争っている声を聞き、近くまでやってきて様子を伺っていたのだ。 あやかと戦う明日菜の行動を見て、千雨は忌々しげな顔をする。 戦いの内容は馬鹿馬鹿しいものであったが、明日菜のツッコミの攻撃力には正直舌を巻いた。 明日菜はゲームに上手くフィットしている。恐らくクラスの中でも1、2を争うだろう。 (最大の強敵ってわけか……) あわよくば、明日菜の隙をついて攻撃を仕掛ける気であったが、迂闊に動くと返り討ちに会うことを悟り、慎重に対応することにした。 自分が勝ち抜くためには最大の障害になるのは間違いないが、千雨は自分の幸運に感謝していた。 明日菜に気付かれずに相手の手の内をある程度知ることはできた。 これで、充分に準備して明日菜との戦いに備えることができる。 明日菜に見つからないように、隠れたまま具体的な対策を考えることにした。 「基本的には神楽坂の攻撃の動きを事前に察知して、当たらないようにかわすってやり方だな。 しかし、スピードは奴の方が上だからな。充分対応できる間合いが必要ってわけだ。 さっきの戦いでおおよその間合いは把握した。簡単にツッコミはさせねえ。」 次に、相手にツッコミを入れる方法を考える。 「神楽坂の奴は頭の方は弱いからな。上手いことフリを入れてやれば無意識に乗ってくるとは思うが、一応作戦は練っておいた方が良さそうだ。」 具体的な方法は後で考えるとして、最も厄介な問題について思案する。
「さて、何と言っても一番厄介なのはあのハリセンだ。あれで叩くだけでも不十分なボケでもツッコミは成立してしまうからな。 しかもだ、あのリーチはかなり有利に働きやがる。クソッ……やっぱり丸腰じゃあ、どうにもならねえな。 こっちもツッコミアイテムになるモンを探すしかないか」 そう言うと、頭の中でいくつかの候補が挙がる。 「学園内は色んなサークルがあるからな。大抵のものは見つかるだろう」 まずはツッコミアイテムとなる武器を探す。次にその武器を有効に活用できる戦法を考える。 自分の行うべき方法を確認すると、千雨は立ち上がった。 「神楽坂が一番厄介じゃああるが、他に残っている奴らも油断はできねえ。ここは慎重に行動するか」 千雨は周りの様子を確認し、クラスメートがいないのを確認して、早歩きで移動し始めた。 【残り 4人】
[第四十三幕.命がけの戦い] 千雨が武器を探すべく歩き回っていると、彼女に向かって声をかける生徒がいた。 「千雨ちゃん、あんたも残っとったんかー」 木乃香は喜んだ顔をして千雨に近づいてくる。 千雨は警戒しながらも、木乃香に応じる。 「近衛か、何か用か?」 ぶっきらぼうに答える。 「あん、そんな言い方ないやん。残っているのは少ないんやし、仲良くしようやー」 フレンドリーな木乃香の態度に辟易する千雨。 「うっさい。まとわりつくな!あんたはゲームに乗ってないのかよ?」 千雨の言葉に木乃香の表情が変わった。 「ややわー、千雨ちゃん変なこと聞かんといてや。ゲームに乗ってないかなんてー ……乗ってるにきまっとるやろー!」 木乃香はトンカチを取り出すと、千雨に襲い掛かった。 油断なく木乃香の動きを見ていた千雨は、木乃香の攻撃を受けることなく余裕を持ってかわすことはできた。 しかし、木乃香がトンカチを振り回しているのに苦情の声を上げる。 「ト、トンカチはマズイだろーが!当たり所が悪けりゃ死んじまうぞ!」 「大丈夫やでー。じいちゃんやネギ君にも使ったことあるけど、2人とも無事やったでー」 平然として木乃香は受け流す。 「マジで人に使ったのか!?一歩間違えたら大惨事になるぞ!」 「気にしない、気にしない。気にしたら負けやで千雨ちゃん」 「いや、気にするって」 木乃香とは大きく距離を取り、彼女からの攻撃を絶対に受けないように警戒する千雨。
「もうーノリが悪いなー、千雨ちゃんは……」 「ノリだけでツッコミを命がけで受けられるか!つーか、お前最近そんなツッコミやってないだろ!読者もそんな設定忘れているぞ!!」 「大丈夫や。読者様をなめたらあかんで。昔やったネタでも、ちゃーんと思い出してくれはるわ」 (ちっ!動揺しやがらねえ) 千雨は心の中で焦っていた。 木乃香はツッコミとしては上手くはないが、ツッコミのアイテムにトンカチを持ってくるのはいただけない。 ツッコミが成立するか否かは別問題で、トンカチツッコミを受けた時点で再起不能にされる恐れもある。 明日菜とはまた違った意味で非常に厄介な相手であった。 そうこうしている間に、木乃香は千雨との間を詰めてくる。 トンカチを振り上げて、再び千雨を目掛けて振り下ろしてくる。 「あ、あぶねえっ!」 木乃香から大きく離れるように移動する千雨。 「あん、ツッコミから逃げちゃだめやで千雨ちゃん。ちゃんと受けな」 「そんなものはツッコミじゃねえ!」 戦いは木乃香のペースで進んでいた。 【残り 4人】
本日の投下は以上です。 残りの投下はエピローグを入れて3回です。
乙です。ちょうどこのスレで終わるよう明日明後日は書き込み控えるか。
865 :
飴玉はっち :2008/03/01(土) 21:49:45 ID:???
作者20氏 飴玉ハッチ氏 AA職人の方々乙です
飴玉さんってやっぱ凄いな
作者20氏乙です。 飴玉氏相変わらず素晴らしいセンスに脱帽です。
19部が終わった日からしばらく来てなかったけどなんでこんなに書き込みへってんの?
なんか失速してるなぁ 1氏もこの堕落に泣いてるよ
いままでが浮かれすぎてただけ。 まだ落ち着かない奴らもいるけど。
黒歴氏のことじゃね
その話は無しの方向で
876 :
別館まとめ :2008/03/02(日) 14:32:58 ID:???
>>791 トリップが同じなので薄々勘付いてはいたのですが・・・。
絵展示で葱坊主さんが指定した対象作品の作者欄を変更しました。
20部の作者としても頑張ってください。応援しています。
>>845 GJだったので今週のトップ絵にしました。
AA職人の方々、乙です。別館への保管はもう少しお待ちください。
☆別館更新情報 2008/03/02 ☆
・『こちら麻帆良学園麻帆良図書館深層部』
短編No25〜No30追加。今回は6スレ目と7スレ目から集めました。
・『お宝発見?絵画展示室』
作品No79〜No91を追加。
いつの間にか作品数が100に届くところまできていました。
http://www.geocities.jp/yuyu_negirowa/jsp/index.html
別館氏乙です
週末の別館更新はとても楽しみなんだぜ
乙。毎週更新ってのはやっぱ良いな!
俺も絵展示室は特に楽しみだなww 別館氏の一言コメントが結構好きだったりする。
どうも。
>>840 や
>>845 で作品を投下した者です。
まさか
>>865 でもう自分よりレベル高い人が現れるとは・・・orz
飴玉氏は絵も上手いし技術もあって尊敬します。
さてそれは置いといて別館氏に1つ提案があります。
別館氏は毎週更新される時にTOP画を変えてますが自分でよければNBRのロゴを使ったTOPの絵を毎週作りましょうか?
もしその場合何曜日に投下するのがベストですかね?
それともし投下しても良いなら一応コテつけたいと思います。(コテ名募集)
検討の方お願いします。
ちくわふ で
絵師の方々、別館まとめ氏乙です。 楽しませていただいております。 本日の投下を始めます。
[第四十四幕.紙一重] トンカチを持ったまま木乃香が対峙している。 じりっじりっと近づいてくる木乃香に合わせて千雨もじりっじりっと後退していく。 (マズイ状況だ。近衛がこんな厄介な奴だとは思わなかった。さて、どうするか?) 木乃香からツッコミがこない距離をキープした状態で、打開策を考える。 「くそっ、こんなことなら最初からツッコミのアイテムを探しておくべきだったぜ」 後悔の念が思わず口から漏れる。 「アイテムが欲しかったん?残念やったなー。せやけど容赦せーへんでー」 トンカチを持って木乃香がまた攻撃を仕掛けてくる。 これもまた千雨はかわすが、次第に攻撃が正確になってきており、捕まるのは時間の問題となってきた。 木乃香からの攻撃をかわしながらも、千雨は木乃香に反撃する方法を思いついていた。 しかし、それはかなり危険な方法であり、一歩間違えれば自分はただでは済まない。 千雨は迷った。 そこへ再び木乃香が攻撃してくる。 あまり迷っている暇はないと判断した千雨は、一か八か勝負に出ることにした。 逃げ回っていた千雨は足を止める。 「おっ、覚悟したんかー?」 動きを止めた千雨にトンカチが振り下ろされる。 間一髪でトンカチをかわすと、木乃香の胸を目掛けて右腕を繰り出す。 「殺す気かあぁっ!」 バシッという音を立てて千雨の手が木乃香にヒットする。
「あちゃー、やられてもうたー」 千雨にツッコまれたことを悟り、木乃香が残念そうな声を上げる。 「もうちょっとで優勝やったんやけど……ひゃあぁぁっ!」 最後の叫び声を上げて、木乃香がゆっくりと倒れていった。 「ハア、ハア、マジでやばかったな。ゲームでトンカチを振り回してくる奴がいるとは思わなかったぜ。 ……非常識な奴だ。誰にも合わないうちに、何か武器になるものを調達しないと、な……」 千雨は目当てのものを探すために駆け出した。 【出席番号13 近衛木乃香 昇天】 【残り 3人】
[第四十五幕.瞬殺] スピーカーから放送が流れる。 『はい、3−Aの生徒に連絡事項です。これまでの脱落者を発表します。 和泉亜子、那波千鶴、綾瀬夕映、雪広あやか、近衛木乃香、以上の5人です。 立ち入り禁止エリアは、30分後にA−8、E−1、F−7、H−2です。あと3人となりました。 ツッコミまってまーす。では、引き続きゲームを進行してください』 「………」 千雨は何も言わなかった。 『ツッコんでくれよぅ!』 「こっちの言葉を聞いてんのかよ!?つーか毎回毎回ツッコませるなーっ!!」 スピーカーに向かって千雨は叫んだ。 ……結局ツッコんでしまう千雨であった。 「あと3人か、もう少しね」 明日菜はクラス名簿を確認する。 「千雨ちゃんと、釘宮か。……大体予想していた連中が残ったわね。」 クラス名簿を仕舞うと、明日菜の背後でザッ!という足音がする。 「アスナ!勝負よ!」 呼ばれる声に振り向いた明日菜は、自分の方を指差し、もう一方の手を腰に当てて仁王立ちしている釘宮円(出席番号11)の姿を見た。 「お前も同じ登場の仕方かーい!」 すかさずハリセンを振り上げると、円の頭に振り下ろす。 スパーンという小気味良い音が響く。
一瞬、何をされたのか理解できない円。 間を空けて、ツッコまれたことをようやく頭が理解する。 「な……なぜ!?」 円は、自分が明日菜に会う前に、風香、裕奈、あやかの3人が、立て続けに全く同じ台詞で同じポーズを取って宣戦布告をしてしまったことは知る由もなかった。 「結局……私はこんな役回り……ぐはぁっ!」 自分は何故負けたのか、最後までわからないまま、円は崩れ落ちた。 「苦戦しなくて良かったけど、結果的に楽勝だったわねー」 明日菜は感想を漏らす。 幸運にも、たったの3人になるまで生き残っていた円は、明日菜との対戦において、瞬殺で破れるという、ワースト記録を残したままゲームから消えていった。 『哀れ、釘宮円!』 「なーにわけの分からんナレーションやってんだーっ!!」 スピーカーに向かって千雨は叫んだ。 【出席番号11 釘宮円 昇天】 【残り 2人】
[第四十六幕.最終決戦……その前に] 残っている生徒はあと2人。 結果的にナレーションの放送の内容で、千雨にも残っているのは2人だということが分かった。 これが最後の戦いである。 明日菜はグラウンドでもう一人の生徒が現れるのを待っていた。 時が流れ、明日菜の目の前に千雨が姿を現した。千雨は明日菜の下へゆっくりと歩いて近づいてくる。 「……やんねーぞ」 開口一番、千雨は宣言した。 「ん?」 「他の連中みたいに同じポーズで『勝負だ!』とか言わねーって言ってんだよ!」 ぶっきらぼうに千雨は答える。 それを聞いてホッと息を吐き、内心安心する明日菜。 千雨まで同じ宣戦布告をしてきたら、また頭が痛くなるところだった。 「さすが千雨ちゃん、最後まで残っただけあって、他のクラスメートとは違うみたいね」 「脳天気な連中と一緒にしないでくれ。で、早速やるのかい?」 ハリセンを手にしている明日菜に対し、ハリセンの射程距離に入らないように、用心深く間合いを取りながら千雨が口を開く。 2人しか残っておらず、タイムリミットまでまだ充分あるので、あわてることもないと思い、明日菜は千雨に話しかける。 「ねえ千雨ちゃん、ちょっと話したいことがあるんだけど、良いかな?」 「何か用か?」 千雨は早速始めるのかと思って身構えていたので、少し肩透かしを食った状態で応じる。 しかし、これも明日菜の作戦かもしれないので油断はしない。
真剣な表情をして明日菜が心の中でわだかまっていたことを口にする。 「あんた……私とキャラ被ってない?」 明日菜の言葉で2人の間に緊張が走る。 「……どういうことだ?」 平静を装って千雨が先を促した。 「今回のゲームのように、クラスメートに何かとツッコミを入れる機会が多いのも似てるわよね? あと、最近ネギに対して面倒見の良い態度とか、2年の時の千雨ちゃんに比べてかなり変わって来てんじゃない?」 「うっ!」 自分でも少なからず自覚が少なからずあるので、動揺する千雨。 「そっ、それはだな……木乃伊取りが木乃伊になって……」 しどろもどろになって千雨は言い訳する。 「私がネギの側にいない時なんて、完全に私と同じようなことやってんじゃん。 千雨ちゃんの方が私のキャラに近づいて来てんじゃないの?」 その言葉に千雨はキレた。 「うるせえよ!保護者の神楽坂がいないから、仕方なく代わりをやらされるので迷惑してんだこっちは。 保護者ならちゃんとネギ先生の面倒見てろよ!」 「ほっ、保護者なんかじゃないわよっ!」 「同じようなものだろうが!」 双方ともヒートアップして睨み合ったまま動かなくなる。 ほどなくして、明日菜は体中の力を抜く。 「フウ、キリないわね。いい加減やめよっか?なんか泥沼に入っている気がするし……」 「話を振ってきたのはそっちだろ?でもまあ、やめるのは賛成だ。キリがねえ」 仕切りなおすと、今度こそツッコミ合いの決着をつけるべく、2人は動き出した。 【残り 2人】
[第四十七幕.マニアック論争] 明日菜はハリセンを構えた。これまでに全ての敵をこの武器によって倒してきたのだ。 ハリセンは明日菜の手にしっくりと馴染んでいる。これを持っている限り、誰にも負ける気はしない。 丸腰の千雨相手ではなおさらだ。特にツッコミのリーチでは圧倒的に優位に立っている。 自信を持って千雨の出方を見守っていると、千雨のほうが口を開く。 「フン、ハリセンか。ツッコミのための代表的なアイテムの一つだよな。 40年以上も前に、チャンバラトリオが使用して以来、特に昭和の笑いにおいては、たびたびツッコミの道具として使用されたものだ。 だが、今となっては過去の遺物。関西系のコテコテのお笑い以外ではほとんどお目にかからねえ!」 千雨の解説にちょっと驚く明日菜。 「……良く知っているわね。でも、過去の遺物はちょっと言いすぎよ。今でも有名芸能人が使うこともあるし、そもそもチャンバラトリオはまだ現役のはずよ」 「今は4人になっているからトリオと言うには疑問があるけどな」 「ちょっと!話がマニアックすぎるわよ。読者のほとんどがついて来れないじゃない!」 「ああ、すまんすまん。言い過ぎたわ」 互いにハリセンの由来の豆知識の披露が終わったところで明日菜がズイッと前に出てくる。 「ま、どちらにせよ丸腰でハリセンに対応するのはきついわよ。こっちも手加減する気はないからね」 さらに一歩左足を前に出す。 明日菜がハリセンを掲げて近寄ってきても平静な態度で千雨は応じる。 「甘いな。あんたがハリセンを武器にしているのは最初からわかっているんだ。最終決戦を前にして私が何も対策をとらずに来ていたとでも思っていたのか?」 「何ですって!?」 千雨は背中に隠し持っていた武器を手に取るために手を後ろに回した。
用意周到な千雨を前にして、明日菜は内心舌を巻く。 千雨が何らかの武器を用意してくるのではないかと思い、対策は一応考えて準備はしているのだが、それを使わないに越したことはなかった。 動揺を相手に悟られないように、明日菜は応じる。 「ふーん、何か用意しているみたいね。言っとくけど、半端な武器じゃあ伝統的なツッコミアイテムであるハリセンを凌ぐことはできないわよ?」 わざと千雨を挑発する。 明日菜の挑発に乗る素振りを見せず、明日菜から見えないように後ろ手に自分のアイテムを握り締め、今度は千雨のほうが一歩前に出る。 その千雨の自信ありげな態度に気圧されて、思わず明日菜は一歩退く。 2人の間を緊張が走る。 「それじゃ、こっちからも攻撃させてもらうぜ!」 そう言って、隠し持っていた武器を白日の下に晒した。 「そっ、それはぁっ!!」 明日菜が叫び声を上げた。 【残り 2人】
本日の投下は以上です。 残るべきものが残ったで、意外性がないのは申し訳ないです。 この2人じゃないと、ラストバトルの話を引っ張ることが出来ないので、 最初から決めていたことなのです。 月曜日に決着、火曜日にエピローグを投下予定です。
乙です 哀れくぎみー スルーつっこみという暴挙を踏まえて期待してたんだが
>>893 作者20氏乙です
やっぱ予想通り生き残るのはアスナか
>>881 毎週とは凄い。楽しみにしてます。
名前は・・・思いつかないさーせんww
896 :
別館まとめ :2008/03/02(日) 19:11:01 ID:???
作者20さん、乙です。
私も円には期待していたのですが・・・。
>>881 毎週可能でしたら是非、お願いします。
投下して頂けるのでしたら、こちらも毎週TOP画として飾ります。
曜日は専用アップローダーに投稿してもらえれば何曜日でも構いません。
強いて言うなら週末に覗くので金曜日辺りに投下してもらえれば発見しやすいです。
>>882 言われて見ればそんな気がしてきました・・・。
作者20乙 エピローグ糞楽しみ 毎週作るなら水曜か木曜に投下したらどうだ? 別館の更新は金曜〜日曜が多いからな
なんかもっとぶっ飛んだネタに飛ぶべきだったな(某テニス漫画のような) もし明日カモが2人になんかして2人ともDBばりの戦闘力でのツッコミバトルだったら神だな
ぶっ飛んだネタをやろうと画策してたが、パロネタはロワアンチが盗作盗作騒ぎそうで出来ないから困る
確かにぶっ飛んだネタで長編作ると荒れるかもな でも短編や絵なら大丈夫だろ。むしろ良かったらかなり評価されると思う。 今いる加工職人と飴玉氏は絵や画像の方でそういうの出来そうだよな。 まぁ何にしてもスキルある人が多くてこのスレ見てて飽きないよなww
相打ちじゃね?
20氏乙。 明日には決着か。 それにしても明日菜と千雨の決勝とはまた無難な組み合わせだなw まんま本命と対抗じゃねぇかw まぁまたそれもよしだが。 そう言えば作者21氏はもう投下準備出来てるんかな? 明後日からいきなり投下するんか、それとも20氏のように少し間をおくのか? 見てるようなら明日にでも表明してくれると嬉しいかな。
もう明後日から投下してほしい。
>>904 20部終わった直後はさすがにないだろ
もし短編かいてる人いるなら1日あけたほうがよくないか?
早く普通のが読みたい
俺も早く普通のが読みたいがさすがに20部が終わったその日に21部ってのはないだろ 次の日か短編の人考慮して1日置くか。 誰か短編作ってる人いる?短編投下したい人ちょっといたら宣告してくんね?
いwwwwいwwwwwんwwwwwwちょwwwwwwwwwww
バロスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
わかんねぇw
この委員長大好きだわww
盛大すぎるww このいいんちょの顔横から殴るとウニョーンってなりそうだなw
カオスWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWW
おwwwwwまwwwwwえwwwwwらwwwww
テラアホスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
何この神展開ww
千鶴バロスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww そして亜子が漫画館TOPでアキラそのままw
名簿ネタ良いですねー。思わず吹きました。 それでは、今日の投下を始めますね。
[第四十八幕.コントの定番] 「そっ、それはぁっ!!」 驚愕の表情で明日菜は千雨の右手にあるものを凝視する。 「メ……メガホン!」 明日菜はザザッと後ろに退がった。 「そう!ハリセンと並ぶツッコミアイテムの一つ、メガホンだ! かつては伝説のコントグループ『ドリフ(正式名称:ザ・ドリフターズ)』などで用いられ、主に撮影コントにおいては現在でも必需品の一品だよ。 今でも『ドリフ』の伝承者、KEN.SHIMURAはたまに使ったりしている。メディアに対しては今でもそれなりに登場しているぞ。過去の遺物のハリセンとは大違いだ!」 自信を込めて千雨が解説を行った。 「なーにがKEN.SHIMURAよ!志村けんをカッコ良くローマ字読みしただけじゃないの! あんたが志村けんのファンだったのは良いとしても、そんなの私には関係ないわよ!」 「勘違いするな!私はどっちかというと加藤茶の方が好きだ。これだけは譲れねえ!」 心外な顔で千雨は反論する。 「だから知らないっつーの!!」 再び明日菜が叫んだ。 脱線しかけている状態を元に戻そうとして、明日菜は1回深呼吸をして心を落ち着ける。 そして率直な感想を口にする。 「それにしても、メガホンを持ってくるとは意外だったわ……私はてっきり……」 「てっきりピコピコハンマーを用意してくると思っていたか?」 「!?」 千雨の指摘に明日菜は驚く。図星であった。
「ピコピコハンマー……お笑いの中では定番アイテムの一つだよな。 しかし、あれは『叩いてかぶってじゃんけんポン』などに代表されるように、お笑い番組のゲームの中で主に使用されているだけのアイテムだ。 ツッコミのためのアイテムとしては、いささか威力は劣るのは否めない」 千雨の説明を聞き、フッと自嘲気味に笑った明日菜は、諦めたような表情で答える。 「そこまでお見通しとあっては、こっちも観念するしかないようね。お察しの通り、ピコピコハンマーを持ってくると予想していたわ。 わざわざ探し出して用意していたコレも無駄になっちゃったわね……」 明日菜は隠し持っていたヘルメットを取り出すと、遠くへ放り投げた。 ヘルメットが音を立てて転がっていく。 (※分からない方に対して補足。千雨は原作でピコピコハンマーを使ってツッコミを入れたことがある。単行本15巻、139時間目の1ページ目を参照) とりあえず、言いたいことも言い終わり、やっと対戦モードに入る。 戦いを始める前に明日菜があらかじめ断りを入れる。 「フフン。言っておくけど、互角の武器を持ったからって、安心しない方がいいわよ」 言うや否や、千雨に一気に詰め寄り、ハリセンを一閃する。 「グウッ!」 強烈な一撃をかろうじてメガホンで受けると、勢いに負けて千雨が後退する。 退がる千雨を追いかけると明日菜の第二撃が飛んでくる。 続けざまに明日菜の連続攻撃が来る。 必死にメガホンで攻撃に耐えている千雨だが、徐々に押されてどんどん後退する。
グラウンドの端のフェンスの近くまで後退させられた千雨は、もう後がないと、焦った表情で後ろをチラッと確認する。 その隙を見逃さず、明日菜の強烈な一撃が入る。 千雨は明日菜の攻撃を完全に受けきれず、持っていたメガホンを飛ばされてしまった。 高く飛んだメガホンは、風に煽られて2人からかなり離れたところに落ちる。 すぐに取りに行ける距離ではない。 悔しそうな表情をする千雨に、明日菜は余裕の表情を見せる。 「これで、振り出しに戻ったわね、メガホンを持ち出したときは驚いたけど、しょせんメガホンはリーチや打撃音においてハリセンには及ばないのよ!」 どこまでハリセンに心酔しているんだ?と思わずツッコミを入れたくなるくらいにハリセンを誇って胸を張る明日菜。 持っていたハリセンをビシッと千雨に突きつけた明日菜は最後の宣告をする。 「もう終わりよ、千雨ちゃん。無駄な足掻きなどせずに、おとなしく私のツッコミを受けなさい!」 その言葉を聞いていたのか、いないのか、うつむいていた千雨は肩を震わせる。 「クッ……クックックックックック……」 不敵な笑顔で千雨が顔を上げる。 「何が可笑しいのよ!」 千雨の笑顔を不気味に思いながら明日菜は問い正す。 顔を上げた千雨は明日菜を睨み付けて答える。 「……フン、ハリセンのような強力な武器を持った相手に、用意したのがメガホンだけだと思ったのか?」 「!?」 戦いはまだ、終わってはいなかった。 【残り 2人】
[第四十九幕.最後の一撃] 笑みを浮かべる千雨に向かって明日菜が叫ぶ。 「な、なによ!まだ何かあるって言うの?……ハッタリじゃないでしょね!?」 応えた様子もなく、千雨は懐に手を入れる。 「白状すると、これで最後だ。こいつで駄目なら素直に負けを認めるぜ」 千雨が懐から掴んだものを取り出した。 「そ、それはあぁっ!」 30cm弱の長さで青色に鈍く光るモノ。トイレでは必ず常備され、学園の中で来客用として用いられている物体。 「……スリッパ!」 明日菜の額から汗の雫が一つ、ツツーッ……と頬を伝って流れ落ちる。 「気付いたようだな。ツッコミの定番アイテムの一つ、スリッパだよ。 リーチじゃあハリセンにおよばねぇ。しかし、打撃音に関しては、短く高音で響く。 スパーンともパコーンとも表現される音はハリセンのそれを凌ぐ!」 現れたツッコミアイテムに動揺した明日菜だが、すぐに冷静さを取り戻す。 「……そんなものまで用意しているとはね。正直驚いたわ。確かに打撃音に関してはそちらが上なのは認めるわ。 でもね、ゲームの趣旨はツッコミを入れるということよ?リーチのないスリッパではハリセンには勝てないわ。 ましてや、こっちは修学旅行が終わってから刹那さんに付き合ってもらって剣術の腕は磨いてんのよ。 付け焼刃の千雨ちゃんに遅れを取ることはないわ!」 明日菜は大きく息を吐く。そしてハリセンを構えて戦闘体制に入る。 千雨は左手を前に出して明日菜を制する。 「まあ待てよ。こっちの準備はまだ終わっていないんだ」 言い終わると、千雨はパチンと指を鳴らした。
スピーカーから音楽が流れ始める。サックスが奏でる前奏のメロディを聴き、明日菜はその曲名が分かった。 「これは、チェッカーズの『ONE NIGHT GIGOLO』!!……それとスリッパ。はっ、ま、まさかっ!」 「フン、気付いたようだな。決着をつけようぜ。この前奏が終わったとき、全てにケリをつける!」 千雨の並々ならぬ気迫に圧されながらも、明日菜は覚悟を決める。 「わかったよ、千雨ちゃんこの一撃で最後よ!」 明日菜が地を蹴って駆け出す。 「望むところだ!」 少し遅れて千雨も地を蹴って駆け出した。 2人の迫り、互いの射程距離に入り込む。ハリセンを振りかぶった明日菜は「なんでやねーん」と叫んだ。 スピーカから流れている曲の前奏が終わった。 ズパアァァァ――――ンッッ!!! 振り下ろされる2人の武器の打撃音が重なった。 【残り 2人】
[第五十幕.決着] 緩やかな風が吹いていた。 今日は1日いい天気だった。そろそろ夏も本格的になろうとする時期だったので日差しも強い。 夕刻が近づき、そろそろ太陽が傾きかけるとはいえ、日差しの強さはまだ充分だった。 日なたで長時間活動していると汗だくになるだろう。 その太陽が強く当たっているグラウンドの上で、明日菜と千雨が互いに背中を向けて立っていた。 2人の間には沈黙が流れていた。 「最後に、一言だけいいか?」 沈黙を破って千雨が先に口を開く。 「……なによ?」 「……ハリセンでツッコミを入れるときだが、本家のチャンバラトリオでは『なんでやねーん』とか言わねえ。 次があったら訂正しろ……ゴフッ!」 千雨の体が斜めに傾き、地面に打ち付けられるように倒れ込む。 「そう、気をつけるわ。千雨ちゃんも、さすがだったわ。前奏が終わったとき、思わず心の中で『kill you』って思っちゃったもの。 私の……負けよ……ハグウゥッ!!」 明日菜の体から力が抜けて崩れ落ちる。 「千雨ちゃん……貴方と戦えて……良かったわ」 「こっち……こそ……」 2人は満足そうな顔をして意識を失った。 それ以上、彼女達が動くことはなかった。
彼女達の体の上を一陣の風が吹き抜けた。 明日菜と千雨が相打ちになって倒れたために、3−Aの生徒達で誰一人動くものはいなくなった。 ……いや、最初に失格になっていた相坂さよがオロオロしながら倒れたままの和美の周りをうろついていた。 放送が流れる。 『最後の放送です。これまでの脱落者を発表します。 釘宮円、長谷川千雨、神楽坂明日菜、以上の3人です。 これで全員が脱落しました。ゲームオーバーです』 放送が終わると、辺りに静寂が訪れた。 【出席番号8 神楽坂明日菜 昇天】 【出席番号25 長谷川千雨 昇天】 【残り 0人】 【ゲームオーバー】
物語はこれで一応終了です。 エピローグを明日投下しますね。丁度このスレ内で終わりそう。 ・・・・古いネタを盛り込んだので、分からなかった方は申し訳ないです。
ネギロワ始まって以来の全滅ENDktkr
誰かがよそうしてたな
ネタが完璧に分かってしまう自分に泣いた
明日菜、チェッカーズなんか知らねぇだろww
10代20代は分かんないだろ。もしかして30代もry てか楽しみにしてた全滅エンドが番外編かぁ〜…
荒らし目的でこんなの書くわけじゃないんですけど 次からパロロワは作者不在期間とか本編とは別なとこでやって欲しいと思ってしまったわけで… やっぱロワの魅力って極限まで追い詰められた精神状態とか裏切りとか何かを貫きと押すためのガチバトルとか、そういうところに結構あると個人的には思うもので…… まだ1年足らずしか見てない新参が生意気言ってすみません。 作者20氏お疲れ様です。
そうかな 好みの問題だろうけど 箸休めにパロも、たまにはいいし
パロロワっていうから一瞬わけがわからなくなっちまったじゃねーかw ロワネタのパロって意味ね……
まぁ20話くらいの番外にした方が良かったわな 例えば19部が4日空いたけどその時に投下するだとか
作者20氏乙です。
相打ちかぁ。ネタ物なだけに最後相打ちで終わりも有るかもと思ってたら案の定w
まぁ、何はともあれ長編(中編?w)投下乙でした。
>>941 それはそれで一つの意見だから問題無いでしょう。
単に「パロロワつまんね」とか吐き捨てるような書込みなら問題有るだろうけど
自分の意志を理由付けて丁寧に言ってる訳だから意見の一つになると思う。
俺はネタロワ有り派だけど、それでも10話か20話に一つぐらいで良いと思うし。
で、作者21氏はどうするんだ?
てかここ見てるのか?
長さの問題じゃなく、本編同様の連載形式が問題なんじゃね? アッブローダー使えば短編同様に一回の投下で済む訳だし まあ俺はそれなりに楽しめたからどうでもいいけどね。作者20氏乙でした
ちょ、誰か何の話してるのかkwsk
949 :
作者21 :2008/03/03(月) 21:22:58 ID:???
作者20さん乙です。
>>945 自分は見てますよ。
投下準備は出来ています。
予定としては明日20部が終わるとの事なので明後日からか1日あけるかは皆様の意見を聞いてから決めようと思います。
作者20氏乙です
>>949 おk。作者21生存確認。あと、酉付けとこうな。
俺は明日からでもかまわんが……w
やっぱり一日置いて三月六日から始めるのが一番無難だと思うな。
3月3日(本日)→20部最終話投下&こち亀両さん、くぎみー誕生日 3月4日(明日)→20部エピローグで千雨がエヴァと千鶴にフルボッコ 3月5日(明後日)→短編投下の日 3月6日(明々後日)→21部連載開始、俺の誕生日 でおk?
>>950 スレ立てよろ。
明日20部のエピローグはこっちに投下されるからテンプレは
現在、第20部まで完了。現在21部連載中。 ←に修正な。
後、今のスレは>3でミスしてるがちゃんと前スレの修正。
>>4 のAAは別館いってロゴをアキラAAの上に置くように。
>>5 のAAは
>>851-852 が良かったが1レスに収まらないみたいなので別館から他の持ってくること
じゃぁよろしく
>>953 相変わらず凄いです!毎回楽しみにしてます!!
>>854 新作AA作ってます。良かったらテンプレにこれ使ってください。
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ハ! '、 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:. |
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|! _,、 ' ´ / イ近f::::ー'}' |:.:.:.:.|:.:.:.:.:./::::ヽ:.:.:| [ I N T E R M I S S I O N ]
: ヽ _ 二 _ ゞ‐''' ´ |:.:.:.:|:.:.:.:.:/:::::::::::',:.:|
:.:.:.:ヽイ弍ヵコ, //// |:.:.:.:|:.:.:.:/、_::::::::::::',:.| IV Ayase Yue
: :.:.:.:.:ヽ ゞ‐''´ /|:.:.:.|:.:.:.∧ ` ' - 、
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:.:.:.:.::|:.:.:.::ハ \ \`' ー ´ / ∧:.:.:.:.:.∧ "What do you battle for...?"
>>953 キタ━━━━━━━━(・∀・)━━━━━━━━!!
S氏も飴玉氏ばりのレベルの加工技術持ってんのかよww
ただでさえ絵うまいのにすげぇなwww
そしてタカミチwwwwwwwwwwwwwwwww
>>955 毎回AA乙です。
次回はアスナかゆーな楽しみにしてます
自分スレたてダメでした。スレたて誰かお願いします。間違えのないよーに。
>>953 タwwwwwカwwwwwミwwwwwチwwwwwwwwwwwww
まさかの100作目の絵がいいんちょと愉快な仲間達wwwww
>>953 3つ目の絵のアスナの後ろは加工なのか?
このスレはSといい飴玉といいただ絵が上手いだけじゃなく技術もった人がいて凄いな・・・
|:.:.:.:.:.:.:.l:.|ヽ:.丶 ヾ'、 ヽ、:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|l |:.:.∧:.:.ハ| \'、 ` ヽ:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| | |:./ ヽ| ! ヽ '、:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |::| ハ! '、 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:. | _ _ ',:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:| _,、 ‐ ' ´ '|:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.|:.:.:.:| ´ ̄ |:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:ハ:.:.: | | ノ ィ _,、.r‐ァ'''フ´|:.:.:..:.l:.:.:.:.:.:∧:',:.:.:| |! _,、 ' ´ / イ近f::::ー'}' |:.:.:.:.|:.:.:.:.:./::::ヽ:.:.:| [ I N T E R M I S S I O N ] : ヽ _ 二 _ ゞ‐''' ´ |:.:.:.:|:.:.:.:.:/:::::::::::',:.:| :.:.:.:ヽイ弍ヵコ, //// |:.:.:.:|:.:.:.:/、_::::::::::::',:.| IV Ayase Yue : :.:.:.:.:ヽ ゞ‐''´ /|:.:.:.|:.:.:.∧ ` ' - 、 :.:.:.:.|:.:.:.:ヽ//// 、 /:.:.:.:.:|:.:.ノ:.:.:! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ :.:.:.:.|:.:.:.:.|ム, 、っ /|:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:/ :.:.:.: |:.:.:.:.|:/ ` ‐- 、. _ _____/ /ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:/ Welcome to Negima Battle Royale 21. :.:.:.:.::|:.:.:.::ハ \ \[ソロモン6]/ ∧:.:.:.:.:.∧ "What do you battle for...?" すまん首輪忘れてた。
このスレ神ってゆうレベルじゃねえぞ 20氏もS氏もAA職人の方みんなGJだぜ
作者20氏、AA職人乙です。 そしてS氏相変わらず凄いですね。次も楽しみにしてます。 ところでスレ立て自分も無理でした。 どなたか至急お願いします。
950です さらなるミスをしていました。自分は、回線切って首吊って氏にます
>>964 スレ立てる前にちゃんと読んで立てような
>>952 とか凄い丁寧に説明してるんだからちゃんと見とこうぜ・・・
>>963 スレ立て超乙。
まぁ誰にでもミスはあるさ、仕方がないよ。
訂正すれば問題無いさ。
てか回線切って首吊るってフレーズ懐かしいな、おいw
>>953 ちょwwwタカミチ何読んでんすかwwwwwwwwwwww
>>963 スレたて乙です。次から頑張ってくださいw
本日で最後の投下を始めますね。
[第五十一幕.エピローグ(1)] 「……というストーリーで自主制作映画を作ってみようと思うんだけどどうかな?」 説明を終えた和美は、皆の反応を伺う。 『却下!』 明日菜と千雨の声がハモった。 「えー、何でや?面白そうやん。アスナも千雨ちゃんもメインなのに何で駄目なん?」 結構乗り気な木乃香。 「るせえよ!何で私がそんなことやらないとならないんだよ!他の奴にやらせりゃ良いだろ?」 喚く千雨に気にした様子もなく、和美が応じる。 「まあまあ、ちうちゃん。この話はアスナとちうちゃんが残るから面白いんであって、他のクラスメートだと面白さが今ひとつなんだよ」 「知るかっての。それとちうちゃんと呼ぶのはやめろ!」 「えー、良いじゃん」 「良くない!」 口論を始めた和美と千雨をよそに、明日菜も反論する。 「というか、千雨ちゃんは良いわよ。けっこう危機感もあって、メリハリついてるし。 私なんか同じことの繰り返しよ。いい加減に飽きるわよ」 「それって、役割がよければ、自主制作映画自体はやっても良いということですか?」 さりげなく夕映がツッコむ。 「繰り返しは天丼といって、お笑いとしてはお約束の一つやし外せんのよ」 シナリオ同様、実は笑いに関してはこだわりを見せる木乃香であった。
「それはそうと、一体誰がこのシナリオを書いたんだよ?特に終盤はものすごく昭和の香りが漂っていたぞ。 チェッカーズの曲なんていつの時代だ?知らねえっての!」 千雨が和美に確認する。 「んー?私が少し脚色したけど、原作は千鶴だよ。」 回答を聞いて妙に納得する千雨。 「那波か……どうりでこんな話になるわけだ」 急に千雨の背中がゾクッとする。 「ホホホホホ……」 背後でなにやら笑い声が聞こえる。 おそるおそる千雨が後ろを向くと、背後には千鶴が立っていた。 笑顔を浮かべてはいるが、後ろにはどよどよとした空気が流れている。 「ねえ、それって……どう言う意味なのかしら、千雨さん?」 千鶴の表情は変わらない。しかし、その雰囲気に圧倒されて千雨は慌てる。 「おば……い、いやなんでもねえ。深い意味はないよ」 「千雨さん、ちょっとこちらへいらっしゃい」 「や、ちょ、ちょっと待て、つーか誰か助けろ!どこへ連れて行く気だ!?」 千雨は千鶴に腕をがっちりと掴まれ、そのまま何処かへ引きずられていった。 「あーあ、長谷川さん、ちづ姉に連れて行かれちゃったよ。無事に帰ってこれるかな?」 千鶴の恐ろしさを身にしみて分かっている夏美は千雨に同情した。 遠くから千雨の悲鳴が聞こえてきた。
[第五十二幕.エピローグ(2)] 何事もなかったかのように、木乃香が話を続ける。 「でもな昭和とか古いみたいなこと言ってるけど、古典的なネタって結構重要なんよ?」 「一理あるです。時代の移り変わりによって消えていくものが多い中、古典とはいえ生き残っているネタというのは、いつの世でも多くの人が分かってくれます」 夕映が木乃香の話を引き継ぐ。 「そうなんよ。例えば、今ならオッパッピーとかやっても受け入れてくれるけどな。1年後は厳しいやろ。 もしも今、だっちゅーのとか、なんでだろ〜♪とかやったら寒いの通り越して痛々しいのは分かるやろ?」 「謝るアル!テツandトモに謝るアル!」 木乃香の言葉に古がいきなり叫びだす。……今でも密かにファンだったらしい。 「それなら私はタカアンドトシの方が好きだなー」 ハルナが乗ってきた。 「Me too」 裕奈も乗ってくる。 「欧米かっ!」 ハルナが裕奈の頭にツッコミを入れる。 「言ってる側から時事ネタを始めているです」 「まあ、いつものことよね」 明日菜が肩をすくめる。 そして、話は他愛のない話に移っていき、クラス全体が賑やかになる。 部屋の片隅でネギがそれを横目に見ながら、作業を始めていた。 ホンベの中には睡眠ガスが入っている。ネギはクスリと笑う。 ネギはマスクを装着すると、ゆっくりとボンベを開いた。ボンベから睡眠ガスが流れ、部屋中にガスが充満する。 雑談に夢中になっていた生徒達はネギの行動に気付かずに、一人、また一人と眠りについてゆく。 「な……何よこれ?」 何が起こっていることがわからず、明日菜の意識が遠のいていった。
[第五十三幕.エピローグ(3)] 「……ナさん、アスナさん!起きるです」 夕映の呼びかけに明日菜が目を覚ます。 「夕映ちゃん……私、寝てたの?というか……私達どうしちゃったの?」 何が起きたのか分からず、キョロキョロしながら明日菜が夕映に尋ねる。 「なにか睡眠ガスみたいもので、私たちは眠らされたようです」 ようやく少し落ち着いてきた明日菜は、周りを見るといつもの教室内であることを知った。他の生徒達は半分くらいはまだ眠っているようだ。 夕映の方を向き直ると、明日菜は夕映の首についている首輪に気付く。自分の首下に手を当てると自分にも同じような首輪が付いている感触がある。 「夕映ちゃん、その首輪って……」 「はいです、我々が目を覚ましたときには、すでに取り付けられていました」 次第に明日菜の表情が厳しくなる。 「なんか……嫌な予感しない?」 「………」 明日菜の問いに夕映は無言で答えた。 状況は分からなかったが、とりあえずは他の生徒達を起こすことにする。 「アスナさん、これはどういうことですの?」 明日菜に起こされたあやかは、明日菜に説明を求める。 「私にも分からないわよ」 困惑しながら明日菜が答える。 生徒達は全員起きると、クラスの中がざわざわと騒がしくなる。みんな、何が起こったのか分からずに戸惑っている。
ガヤガヤと話し声が大きくなってきたとき、ガラッという音と共に教室の扉が大きく開かれた。 一瞬生徒達が静まり返り、扉の方を全員が一斉に振り向く。 そこには扉に手をかけたままのネギが立っていた。 首を巡らして生徒達の様子を確認したネギは、何も言わずにコツコツと足音を立てて教室内に入ってくる。 まき絵が立ち上がると、ネギに駆け寄って尋ねた。 「ねえネギ君、これってどういうこと?何かあるの?」 近寄ってきたまき絵の方を向くと、ネギは素っ気無く答えた。 「ちょっと待ってくださいね、まき絵さん。これから説明しますから。皆さんも席についてください」 困惑していた生徒達は、ネギの言葉に従って、ゆるゆると席に着く。 教壇に立ったネギは、もう一度クラス全体を見渡した。生徒は全員着席している。欠席者はいない。 生徒達は口を閉じたままネギが話し始めるのを待っている。 ネギは生徒達の様子に満足したように頷くと、黒板に向かってチョークを取り上げた。 そして、大きな文字で『B.B.R』と大きく書き込んだ。 生徒達の方に振り向いたネギがにっこりと微笑む。 そして口を開いた。 「今から、貴方達にはボケ合いをしてもらいます。……ボケバトルロワイヤル(B.B.R)です!」 『そっちかよっ!!』 生徒全員が一斉にツッコミを入れた。 ……彼女達の戦いは今始まったばかりだ。 ― 完 ―
オチは良かった
以上で物語の投下は終了です。丁度2週間の間でしたがお付き合いいただいてありがとうございました。 物語は終わったのですが、最後にちょっとおまけを用意しています。 今から所用に付き、出なくてはいけないので、10時前後になると思いますが、 あと少しお付き合い願います。 おまけは、スレの残量によっては次スレになるかも知れませんが これは物語とは違うので。本スレで20部は終了です。
ちょっと飽き飽きしてたけどオチが良かったww 2週間乙でした。 出来ればこっちのスレに投下して欲しい
20氏乙でした
戻ってまいりました。 いい感じでスレが残っているのでおまけの投下を始めます。
カーテンコール 〜不遇キャラの座談会〜 美空「そんなわけで、第20部の不遇キャラ座談会〜」 のどか「わーパチパチパチパチ」 エヴァ「……なんだこれは?」 美空「いやー第20部のあとがき代わりに座談会やることが決まって、出番のなかった面子でやれって言われたからさー。 一応まともに戦えずに速攻で負けた連中集めたってワケ。私も出足りなかったし、2つ返事でOKしちゃったよ」 のどか「そうなんですー」 美空「んじゃあ、そーゆーことで!私こと春日美空が司会を仰せつかっちゃったので、進行させてもらうよー」 のどか「宮崎のどかですー。よろしくお願いします」 エヴァ「エヴァンジェリンだ。……フン!不満だな。出番がなかったと言うのなら、私が一番ではないのか?台詞すらないのは納得がいかん!」 美空「んじゃ、エヴァちゃん司会やる?出番多いよ」 エヴァ「……面倒だ。お前が進めろ」 美空「はいはい(ったく、わがままッスねー。でも怒らしたら怖いしなー)」 のどか「ところで、座談会に集まったのはこの3人だけなんですか?」 美空「うん(本屋もあんまり役に立たないからなー。この組み合わせってどうよ?)」 のどか「出番が少ない生徒は他にもいると思うんですけどー、不遇キャラはどうやって選んだんですか?」 美空「ゲームに乗った奴らは、ちょっとは活躍したから対象外。ゲームに乗らずにあっという間に失格になったのが条件だね」 のどか「……だったらー、アキラさん、茶々丸さん、四葉さんも当てはまるんじゃないですかー?」 美空「へ?」 のどか「3人とも、私よりも台詞少ないですよ?」 エヴァ「そういえば、茶々丸も台詞が無いな。出番のなさは私と全く同じだな」
美空「はあぁーっ!しっ、しまったーっ!物語の最初の方で消えた人しか確認してなかったーっ!」 のどか「えーと?茶々丸さんと四葉さんは、美空さんが脱落したすぐ後の話なんですけどー?」 美空「だーかーらー、私が脱落するとこまでしか確認しなかったのよ。どどど……どうしよう?3人のこと呼んでなかったよ。今から急いで呼んでこよう!」 エヴァ「……呼ばんでいい」 美空「え、何?」 エヴァ「呼ばれなかった3人が増えて6人になってもウザいだけだ。この3人で良いから話を進めろ。さっさと帰りたい」 美空「うーん……エヴァちゃんがそう言うのなら……まあ呼ばなくていっか。私も出番が減るのはイヤだしね」 のどか「お二人が良いのならー。それじゃあ、とりあえず進めましょうか?」 美空「んー、そうだね」 エヴァ「そのまえに一言良いか?これってどっかで見た形式なんだが?」 美空「なっ……なんてことを!傾向分析を見てそれを真似たなんてことないんだからねっ! 一応ラジオ放送の形態と、ラノベ小説とかにたまに見かける巻末座談会という違いはあるんだからねっ!」 エヴァ「思いっきりパクりなのをバラしてどうする?まあいい、進めろ」 美空「いきなり脱線させたのはそっちジャン……ブツブツ」 エヴァ「何か言ったか?」 美空「いーえーなーんにもー」 エヴァ「なら進めろ」 美空「はーい。そんじゃ、作品解説でもやりましょうかね。本屋よろしく」 のどか「はい、説明しますー。第20部は過去の作品と大きく違い、通常のバトルロワイヤルは殺し合いをするゲームなのに対し、ツッコミ合いというゲームだというのが大きな特徴ですー。 そんなわけで、本作品はコミカル路線という、過去の作品とは大きくイメージの違う作品となっております」 エヴァ「ツッコミ合いというふざけたルールで長編を作ること自体、正気の沙汰とは思えんな。まともな神経で書いているとは考えられん」
美空「まーまーエヴァちゃん、出番がなかったからって押さえて押さえて」 エヴァ「ムッ!べっ、べつに出番がなかったからと言って拗ねている訳ではないぞ!」 美空「まーまーまーまー、……作者としては、最初はちょっとしたネタとして短編で書こうとは思っていたらしいのよ。 そしたら話を考えているうちに、だんだんと話が膨らんできて楽しくなっちゃって、いっそ長編で!となったみたいよ?」 のどか「はいですー。書いているときはノリノリだったみたいですが、あまりに過去の作品と毛色の違う作品になっちゃったんで、投下の時は受け入れてくれなかったらどうしようとか、かなり迷ったみたいですよ?」 美空「悩むくらいなら書かなきゃいいのに。……まあ、好き嫌いは別れたものの、少しはウケたみたいだったからいいんじゃない? 本作品の作者の目標の一つがネギロワの歴史に何らかの爪痕を残すことだったらしいから、一応はクリアしたんじゃないかな?」 エヴァ「あまりいい意味で爪痕が残ったとは思わないのだが?」 美空「何だっていいみたいよ?悪評でも記憶に残ったもん勝ちとか言っている作者だしね。これから先、何かの話の流れで20部が引き合いに出されることなんかがあれば、作者としては成功みたいよ?」 エヴァ「フン!いろいろ言いたいことはあるが、まあいい……続けろ」 のどか「ストーリーの展開は、実際作品を読んでもらった方が良いですよね?」 美空「まあね、投下後のおまけなんだから、作品を読んでもらっているのが前提でやっているんだけどね。 ストーリー展開としては、残るべき連中が残ったって感じかな?ていうか、ウチのクラスってツッコミ少ないよねー。 ルールからしてアスナと長谷川が活躍するのって目に見えてるじゃん?不公平だよ」 のどか「それを言ってしまうと、通常の殺し合いのゲームだと龍宮さんが有利になるじゃないですか? 結局はルール次第で有利不利は出ると思いますけどー?」 美空「うーん、まあね。……そういえば、3人とも長谷川との絡みで秒殺されたんだっけ?」 のどか「美空さんは千雨さんに倒されたわけではないですー。千雨さんは美空さんが退場するその場にいただけです」
美空「ううっ、そうだった。つーか、私ってクラスメート以外の人間に倒されちゃってるじゃない?そんなの許されるの?」 のどか「過去作品ではエリア内に放された猛獣に殺されたり、主催者側の軍人に殺されるパターンなどもあったので許容範囲と思いますー」 美空「ガクッ、そうかー残念だ」 エヴァ「それよりもだ、作品中のツッコミのネタは何とかならなかったのか?特に最後の方は古すぎるぞ。 20代前半以下の読者だと、再放送かDVDでも見ない限り元ネタすらわからん奴等が居るのではないのか?」 美空「ま、まあ、そこはホラ、エピローグに繋がるからさあ……」 エヴァ「知るかそんなの。シナリオを書いた者の年齢はかなりイッているのではないかと問いたいのだ私は!」 美空「ヒソヒソ……(本屋、もしかしてエヴァちゃん知らないの?このシナリオの作者)」 のどか「ヒソヒソ……(そういえばー、エヴァンジェリンさんはあの時寝ていたようなー)」 エヴァ「で、どうなんだ?作者はいつの時代の生まれなのだ?」 のどか「エ、エヴァンジェリンさん……それは禁句で……はうー、後ろからどよどよした空気が流れてきましたー」 美空「まっ、まずい!あいつが来るっ!!……とりあえずエヴァちゃんを隔離しよう。エヴァちゃんごめん!」 エヴァ「なっ、何をする、春日美空!私をどこへ連れて行く気だ?こら放せ。はーなーせ―――」 のどか「……美空さんがエヴァンジェリンさんを連れて行っちゃったですぅ。……あ、どよどよした空気が消えました。難は逃れたようですね。 ……エヴァンジェリンさんの席には、このクマさんのぬいぐるみを置いておきましょうねー」 美空「はあっ、はあっ、はあっ……ただいまー。どうやら奴は来なかったらしいね」 のどか「美空さん、お帰りなさーい。お茶でもどうぞ」 美空「おー気が利くッスね。ゴクゴク……プハー生き返る」 のどか「ところで。エヴァンジェリンさんは大丈夫でしたか?」 美空「んー、大丈夫なんじゃない?遠くまで連れて行って、適当にその場に置いて来ただけだけどね」
のどか「それって、置いてきた所まであの人が追いかけてきたらどうするんですか?」 美空「そこまでは面倒みきれないッス。でも、それはそれで面白いなー。 つーか、エヴァちゃんと千鶴の対戦って見たくない?いい戦いしそうだしさー」 のどか「そっ、それはー……思いますけどー」 美空「でしょー?あの2人の対戦は見逃せないよ。……やっぱ今から見に行こうかなー。本屋も行く?」 のどか「え、えーと……どうしよ」 美空「いーじゃん、本屋も興味あるんでしょ?」 のどか「ちょっ……ちょっとだけならー」 美空「そんじゃ行こうかー」 エヴァ「……ほほう、楽しそうじゃないか、お前ら」 美空・のどか「ギクゥッ!!」 のどか「はわわわわわ、エヴァンジェリンさんが戻ってきましたー。……後ろに黒いオーラがぁ!」 美空「エ、エヴァちゃん?かなりお早いお帰りで……」 エヴァ「フン、お前らのおかげでイヤな目にあったではないか」 のどか「はうーエヴァンジェリンさんの右手にネギがー!」 美空「なっ、ネギ?と、言うことはぁっ!……ひょっとして、もう奴と遭遇したということか! ああーっ!遅かったーぁぁーっ!!」 エヴァ「……言いたいことはそれだけか?春日美空、宮崎のどか!」 美空「ちょ、ちょっと待って!最後に一つだけ聞いていいッスか?」 エヴァ「……何だ?」 美空「結局、どっちが勝ったッスか?」 エヴァ「…………フッ、お前達に教えることなど何もない……死ねー!」 美空「うわー!助けて―――!!」 のどか「みっ、美空さん、待って―――!!」 エヴァ「にーげーるーなー」 ……そして誰もいなくなった。
カーテンコール 〜不遇キャラの座談会 Part2〜 茶々丸「まだ終わりません。……と、いうわけで最初の座談会のメンバーがいつの間にか誰も居なくなったので、メンバーを入れ替えて続けたいと思います。 ちなみに私、新たに司会に任命されました絡繰茶々丸です。どうぞよそしくお願いします」 アキラ「大河内アキラです」 五月「四葉五月です」 アキラ「いきなり呼ばれて来てみれば……何なのこれ?」 茶々丸「出番の少なかったキャラを使ってあとがき代わりの座談会を開こうとしたのですが……第20部作者が私たち3人の存在を本気で忘れてたために、慌ててPart2を作ったみたいです」 五月「私と茶々丸って、ハカセにさらりと倒されちゃったし……ハカセも存在感の薄い人だから、第20部作者に忘れ去られたみたいなの」 アキラ「何気にきっつい事を言っているんだが?まあ、私も人のことは言えないか……」 茶々丸「そのようなこともありまして、忘れ去られた私たちにも出番を与えようと、新たにこの話を書き下ろしたそうですよ?」 アキラ「別にそんなことしなくても良かったんだけど……ところで、私達3人の繋がりが薄すぎる気がするんだけど?」 茶々丸「座談会のメンバーでは、私とマスター以外はほとんど繋がりがないキャラばかり集まったのではないかと……。 私とマスターすら別々に分かれていますので座談会でのキャラ同士の繋がりはほとんどないと思われます」 アキラ「それって……良いの?話が盛り上がらないと思うんだが?」 茶々丸「もはや、既に座談会は半分以上進んでいるので、やるしかないと思われます」 アキラ「まあ、やれと言われればやるのは構わないが……何を話せば良いのだろうか?」 五月「前半でほとんど話したいことは済んでるしね……」 茶々丸「仕方ないので第20部の話に少し触れることにします」 アキラ「まあ、やると言うのなら止めないけどさあ……」
茶々丸「第20部ではネギまのメインのツッコミ担当者である明日菜さんと千雨さんが主役級で活躍しています」 五月「まあ、オーソドックスな展開かな?」 茶々丸「ゲームのルールと話の内容がかなり変化球だったために、ストーリー的には王道を行くことに決めたようです。あくまで予想しやすい展開に仕上げています」 五月「ところで、今回は殺し合いをしていないけど、全員生き残りというパターンになるのかな?」 茶々丸「……物語的には全滅パターンになります」 アキラ「いや、ちょっと待って。物語的には単なる妄想オチではないのかな?それに、物語中のエピローグでは、実際に行われたゲームは始まった瞬間に終わってしまっているし……」 茶々丸「まあ、そこは最後のオチのためのフリのようなもののため、深く考えずに軽く流すのが得策かと思われます」 五月「ところで、全滅パターンは始めての試み?」 茶々丸「……過去の全作品を確認していませんので分かりませんが、おそらくそうだと思われます。 誰が生き残るのか?というのがネギロワの楽しみの一つですし、全滅パターンはエピローグが盛り上がらないというネックがありますから、考えたとしてもなかなか実行には移せないのではないかと思われます。 五月「それなら、何で第20部は全滅パターンを選んだの?」 茶々丸「まず、ラストバトルを盛り上げるには、最後の2人は明日菜さんと千雨さんの組み合わせでないと盛り上がらないと判断したのが原因に挙げられます」 アキラ「と、言うより、あの2人以外の生徒が残っても話が進まなかった気がするんだけど?」 茶々丸「そうとも言います」 アキラ「いや、多分それだけだと思う」 茶々丸「そして、どちらを優勝させるのかですが、どちらが勝っても今一つ新鮮味がないという結論に至ったので、ならばいっそ全滅させようと……」 アキラ「安易だなー」 茶々丸「まあ、かなり番外編的なツッコミ合いと言う作品だからこそ、全滅パターンを選んでも悲壮感は出ないと考えた結果でもあります」 五月「一応作者も考えてるんだねー。それが上手く行ったのかは別問題だけど」 アキラ「何気に辛辣だよな四葉。まあいいけど……」
茶々丸「本編の話はこんなところです。……とりあえず今までの話でPart2の尺は取れたみたいですが、終わりましょうか?」 五月「うーん、ちょっと出足りないかなー?もう少し話をしません?」 アキラ「まあ、私も出続けることには異議はないから別に良いけど……あと、何か話すことあったかな?」 五月「第22部(予定)の宣伝とか……」 アキラ「ああ、それがあったな」 茶々丸「では第22部(予定)の宣伝を……かなり番外編的だった第20部と違い、作者がバトルロワイヤルと真剣に向き合って作成した話となります。次の第21部作者氏の投下終了後に開始します」 アキラ「じゃあ、第20部は真剣に作ったのではないのか?というツッコミが入りそうだけど、真剣のベクトルが全く違うという意味ですよ?」 五月「ぜひ読んでくださいね!……短いけど、こんなところですかね?」 アキラ「まあ、良いんじゃない?」 茶々丸「それでは長編終了後の不遇キャラ座談会を終了いたします。最後までお付き合い下さった皆様、本当にありがとうございました」 アキラ「どうもありがとうございました」 五月「いつかまた会える日まで……ごきげんよう」 カーテンコール ―了―
なんとか本スレ内に全部入りました。これにて終了です。 あと、傾向作者氏、似たような作品を作って申し訳ないです。 物語終了後のキャラの座談会を一度やってみたかったんです。 作者21氏、次はよろしくお願いします。楽しみにしています。 ではまた第22部で!
20氏乙です。 オチは個人的には秀逸だと思うw てか今日のが一番面白かったというのは言ってはいけない事か?w なにはともあれ、今までお疲れ様でした。 次作も頑張って下さいまし
作者20氏乙です いろいろ賛否両論でしたが皆きっと楽しめたと思いますよ 22部期待してます
クマさんのぬいぐるみwwwwwwwwww これは不覚にも笑ってしまったww
乙でした 次も期待してます ↓埋め?
___ つ ,. ‐¬'´.:.:.:.::`:ー- 、 つ /.:.:.:.:.::;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::丶、 /.:.:.::,.::/:/7: :..:.: .::i.::、.::、:、.:.:.:ヾ:、 /.:/ .: / / 1 | .: .: .: .:| : ト .:i.::ヽ.:.:.:ヽ:、 /.:/.:.::/.:/:/ !.:|.: .: .: .: !: :j i.::|.:.::l .: .: l.::i . ,'.:/!.:.:_レ'千⌒ヘ.:.:.:.:.:jrァ¬ャ:、」: .:.:.::! :l ,.:/ |.:.:.:|! ,二、ヾ、.:.::/レ' _, 」/ i:| .:.:.:.:|.::| !′|.:.:i:|.f' 匕ハヽ ∨/ 1J`ト、.l:!.:.:.:.::j.::l |.:.:|:! じ リ lぃリ !リ.:.:.:.:,'.:.:! l.:.:|:l "" 丶 ` ´""/.:.:.:.:ハ.:,' '、:トヾ、 ┌──-ュ /:;ィ.::/ 〃 ヾ\ ゝ ノ /イ:/イ:i 「`¨'¬===┴─────‐--イ不1_ト、|__ | | | 埋めましょう | レ ¬ r─ 、| r'′-┴、 i⌒ヽ \ i´ -イ `ト、 \ ヽ
.ー ヽヽ))_ ;ミ; //二!| 彡d.!´_ゝ! なんで俺をロワにいれてくれないんだよ? / i| l |i/ ̄ ̄ ̄ ̄/ __(_lニつ/ ラカン /__ \/____/ ヾ、'"⌒ヽ .ー ヽヽ))_ レi/゙"!l ! ! ;ミ; //二!| l.i、ー(゚)bノ 彡d.!´_ゝ! . リ/*;リ;:;iヾゝ 埋め 手伝えば入れてくれるかもよ / i| l |i/ ̄ ̄ ̄ ̄/;;| __(_lニつ/ 裸&千 /| |____ \ /____/(u ⊃ /フフ .ー ヽヽ))_ ム`ヽ / ノ) ;ミ; //二!| ) ヽ ゙/ | 彡d.!´_ゝ! ノ⌒(ゝ._,ノ 21部は俺が優勝だな / ノ⌒7⌒ヽーく \ / 丶_ ノ 。 ノ、 。|/ `ヽ `ー-'´_人`ー'ノ 丶  ̄ _人'彡ノ ノ r'十ヽ/ /`ヽ_/ 十∨、
//,'イ' //〃 〃 ,イ! ‖i | ヽ i! ‐- 、 / , ' / / イ/イ!i /イ 〃|| l| l l ミ、 || 丶、 . , ' /,〃 ,' ./.|! || |!、,'.| | |i || |! i| '、 ヾ, |! ヽ 丶 ′ 〃/ ,' / !L!| |!,ヘ,」 |! ! | ‖ '、 ヤ i| i `、 \ / ! ,イ i| | レヒ! _」こヾ、 ``┘ ! ヽ, -‐ ミ ,ハ i |ト ヽ ヽ . ′ i/',i ,〃´! k'´-ー:ェェヮ;::) f';;_-ェェ-ニ ミ / l ! ! '、 ヽ ヽ ! || ハ. リ| !|ヽ"::::''  ̄´.::;i, i `'' ̄ r';' } イく. i|.i l ヽ ヾ ヾ! ヽi| i!!. l ::. ....:;イ;:' l 、 ,l,"/||ヽ } || ! ! ヽ. ト i||! ‖ヽ;:...:::/ ゙'''=-='''´`ヽ. ,イリ|| /ノ ||. | ! '、 l ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ l|!li |ヤ ::゙l ::´~===' '==='' /ニ´ |レ'" !! |.l `、 l ヽ. | 久々に刹那 ‖|| ! ヾ::| 、 :: `::=====::" ,. '`¬´ 1! ‖ !| '、| | 何故私が怒ってるかって? ‖|| | ! ヽ ` , ィ ´ || | || リ < ばかやろおおおおおおおお |! !! ! l ィ丶 __ , '´爪ヽ. |! ! . ‖ | 私が優勝しないネギロワなんて |! || | ! / | ,. " i リ | ! | ネギロワじゃねーんだよ!! || || |_, ' メ 人,r─' ´ ト、 / \________ 作者20さん乙でした
/ , ィ弋 ヽ ヽ\ヽ \ /'7´ィ、ヾ、ヽヘ i 丶ヽ. ド ,ィ7,1「i ト ! >:ヘ l r‐、i |│ト / ハl.| トヽ lイ,.ャサLュ' {う !リ l│! ! |!1| レ,ニ ! ´ ト7j '_/イ i|│ト ! イ. ト:ヘソ` |/〈| / く!| ||‖〈, / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `ヽ / j,〉lハ ゝ _,.ィ !六ト、 、j川 ハ! / Y 君達とお姉さんとの約束だ!> /ム|ソ 丶、 j │' ヽ |'// / 全 埋 埋 u i / /7'¬' / / ー-i !,r'⌒ヽ、ヾ/ l 員 め め m | / /,イ / / / /,1 l' ` 、 | 埋 め ば e | /'/ /// ' / / //イ ! i、 l め だ か | / / 〃' ,' / / ///i| / ヘ ! る り ず | / / /// ,i/ / ////7 i i ゝ そ す に | / / ///! ,″ / ////ノ / / l ⌒ヽ い る ! / / //// / / / /´ l / / ハ ` 埋 つ 埋 / . / / ///イ i ,/ ,∠. !/ l j! ト | め ら め / / / //// ! |〃, /i ヽ |! ! / / '、 ! め は は / / / //// | ‖ / /,ハ ヾ / / ,/ i ヽ、 / . / / ////i | !,/ // ∧ / i / ! ー‐一
作者20乙です 作者21楽しみにしてます
うめ
/ /| / 丶 ヽ、ヾ 、 \ ヽ、 ヽ | .| ヽ .| /i| .i 丶 ヽ'、ヽヽ、 ヽ 、 ヽ、 .ヽ | i ト、 ヽ | ./.i| .l ヽ い ヽ,ヽ、 \\. ヽ ',.| i ト、 ヽ | .| |.| l ヽ ヽ \ヽ. ヽ、 ヽ, \、 ヽ、'| .i .|丶. ヽ | | .|.| .ト─--- ..,,_ヽ, ヽ ヾ; _,,.>ヤ,''''''''ヽ‐--.| i .「ヾ. ヽ |. | .|.ト. |ヽ __,,,,,,,;;-\ヽヽ "_>‐;;____\ \|. .i | .|ヽ \ |.| |.ト, .| .ト. ヾ ゚ii|||iヽ ヽ'.、 -''~~ii;ii||||l~ゞ ト i .|ノ ヽ .\ このスレは .|| .| iヽ | .iヽ ~~~ \ ~~~~ | i ト ヽ .| .| i ヽ |. i .ヽ / | .i .|ヽ ヽ 彗 星 |. i. ヽ|,.i. ヽ. / /| .i .| \ ヽ | i ヾ|.i ヽ. ヽ / .| i .ヒヽ、\ \ の提供でお送りしました | .i '|、 i\. '‐-i‐-‐ ,''' / | .i | );;;;\\. \ | i ト i、 丶、 '="┐ / .| i |/;;;;;;;;;;;;;;ト、_ | .l i. i、 >' _ノ ,/ ,| .i .|;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;:: | ‖ i i/ ,,<.‐‐x'"|\ ./| i |::::::;;;;;;;;;;;;|;;;;;:::::: | .i.i .i / / >/;;;;;;;|. \__/ | .i .|:::::::::::::;;;;;|::::::::::: .| .i i i / ____∧ /;;;;//⌒7 /;;;;\ | i .|::::::::::::::::::;|::::::::::: | .i i / ̄ ̄ ~~ヾ、::/ ./レヘ;;;;;;;;;;ハ/|.i .|:::::::::::::::::::|::::::::::::
/フフ .ー ヽヽ))_ ム`ヽ / ノ) ;ミ; //二!| ) ヽ ゙/ | 彡d.!´_ゝ! ノ⌒(ゝ._,ノ と見せかけて / ノ⌒7⌒ヽーく \ / ジャック・ラカンの提供でお送りしました 丶_ ノ 。 ノ、 。|/ `ヽ `ー-'´_人`ー'ノ 丶  ̄ _人'彡ノ ノ r'十ヽ/ /`ヽ_/ 十∨、
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