ネギまバトルロワイヤル16 〜NBR]Y〜

このエントリーをはてなブックマークに追加
1マロン名無しさん
このスレは、『魔法先生ネギま!』キャラを用いたバトロワスレです。

<特徴>
他の多くのバトロワスレはリレー小説の形式を取っていますが、このスレでは異なります。
単独の作者による、長編SSスレとなっています。
現在、第17部まで完了。次は18部となります。各長編SSはそれぞれ独立したお話となっています。

たまに、既に完結したお話のサイドストーリー、アナザーストーリーなどの短編が書かれることもあります。

<作者志望の方へ>
このスレでは、原則オープニングからエンディングまで全て書き終えた者が連載を開始できます。
見切り発車厳禁。頑張って書き上げましょう。
完成したら宣言の上、皆の了承を得て投下を開始して下さい。

<注意事項>
作品に対して内容にケチをつけたり、一方的な批判をするのはやめましょう。
こういう人が居ても、他の人は荒らしとみなしてスルーしましょう。
作者の都合もありますので、早くしろなどの催促はできるだけしないように。
次スレは原則>>950を踏んだの人が立てること。
容量オーバーになりそうなときは、気づいた人が宣言して立てましょう。
基本的にsage進行。


過去スレ等は>>2-5くらいに


2マロン名無しさん:2007/11/06(火) 17:05:27 ID:???
2なら俺は三次元で彼女が年内にできる。それも向こうから告ってくる。
3マロン名無しさん:2007/11/06(火) 17:08:12 ID:???
過去スレ
ネギまバトルロワイヤル  ttp://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1107856778/
ネギまバトルロワイヤル2 ttp://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1128095637/
ネギまバトルロワイヤル3 〜BRV〜 ttp://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1129557828/
ネギまバトルロワイヤル4 〜NBRW〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1132910518/
ネギまバトルロワイヤル5 〜NBRX〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1135869915/
ネギまバトルロワイヤル6 〜NBRY〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1139151600/
ネギまバトルロワイヤル7 〜NBRZ〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1142342541/
ネギまバトルロワイヤル8 〜NBR[〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1145711038/
ネギまバトルロワイヤル9 〜NBR\〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1151827124/
ネギまバトルロワイヤル10 〜NBR]〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1156684255/
ネギまバトルロワイヤル11 〜NBR]T〜 http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1158672877/
ネギまバトルロワイヤル12 〜NBR]U〜 http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1171806097/
ネギまバトルロワイヤル13 〜NBR]V〜 http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1179239147/
ネギまバトルロワイヤル14 〜NBR]W〜 http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1187028365/ 
ネギまバトルロワイヤル15 〜NBR]X〜 http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1190977392/ ←前スレ

ネギまバトルロワイヤル まとめサイト
http://www.geocities.jp/negimabr/index.html

ttp://www.geocities.jp/br_of_negima/
ttp://www.bbhp.net/~v1p9zzyls2/index.html
ttp://www.geocities.jp/negima_br/


銃器疎い作者さんへ
http://mgdb.himitsukichi.com/pukiwiki/?MEDIAGUN%20DATABASE
4マロン名無しさん:2007/11/06(火) 17:10:31 ID:???
____       ______             _______
|書き込む| 名前: |         | E-mail(省略可): |sage          |
 ̄ ̄ ̄ ̄        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                                 ∩
                               , ─|l| ,/ノ
                               ! ,'´  ̄ ヾ
                               ! | .||_|_|_|_〉
                               ! トd*゚ -゚||  ここにsageって入力するんだ
                               ノノ⊂ハハつ    基本的にsage進行…
                              ((, c(ヾyイ      なんで私だけバニー…
                                  しソ




5マロン名無しさん:2007/11/06(火) 17:12:16 ID:???
投下完了。

>>1
スレ立て乙です。
6マロン名無しさん:2007/11/06(火) 18:51:09 ID:???
 \   /
 ●   ●
 ∵   ∵ 乙だよ!
    ̄
7マロン名無しさん:2007/11/07(水) 19:38:34 ID:???
保守age
8マロン名無しさん:2007/11/08(木) 00:26:35 ID:???
書いてる人、後何話くらいで完結?
9マロン名無しさん:2007/11/08(木) 01:02:19 ID:???
後4話で完結だが事情により2週間は書けない。
書き終わってもPCに(ワードかメモ帳)写すのにまた時間がかかる
10マロン名無しさん:2007/11/08(木) 12:24:39 ID:???
一応完成だけど。
見直ししたときに手直しする部分とか矛盾点とかの修正とかであと1週間くらい必要かな
11マロン名無しさん:2007/11/08(木) 14:09:05 ID:???
そこを3日でお願いしますよご主人様
なんなら俺もメイド姿になるから
12マロン名無しさん:2007/11/08(木) 14:55:21 ID:???
下手に急かすんじゃあない!
ちゃんと修正したやつのほうがいいだろ!
13マロン名無しさん:2007/11/08(木) 15:43:20 ID:???
あの黒歴史騒動の後に比べれば、これくらい間隔空いても我慢出来るだろ
14マロン名無しさん:2007/11/08(木) 15:53:52 ID:???
むしろ作者18を自演で叩いて作者18が逃げた
それがなければ作者18で今も続いてたのに
普通にギャグ面白かったのに…
15マロン名無しさん:2007/11/08(木) 15:56:38 ID:???
あれで笑えるとは幸せな奴だな
16マロン名無しさん:2007/11/08(木) 17:57:52 ID:???
小学生が書くようななんの作り込みのないギャグだったな
17マロン名無しさん:2007/11/08(木) 18:46:05 ID:???
そか?俺は面白かったぞ。
じゃぁ試しに>>15-16(>15=16?)ギャグ書いてみてよ。
作者18よりは面白いんだろw
18マロン名無しさん:2007/11/08(木) 19:03:50 ID:???
「じゃあ○○よりもおもしろいの〜」とか言う奴ってどんな思考してるんだろう?頭の中覗いてみたいな。

自称作者18はただ支離滅裂なこと書いて投下ってだけじゃん。捻りもまったくないただの意味不明な文章の羅列。
山もなければオチもない。加えて作者の態度。全てが気に喰わん。

まあそんなのが受け入れられるようになったのも時代の流れか……
19マロン名無しさん:2007/11/08(木) 19:03:52 ID:???
俺もそんなに好きじゃなかったがネタとしては面白かったと思う。
俺自体がギャグの才能ないからな。
まぁ文句ある奴はそいつより上になってからだ。
20マロン名無しさん:2007/11/08(木) 19:05:54 ID:???
>>15=>>16=>>18
必死だなw
自ら時代遅れをアピールしてるwww
作者18の作品見た事ない俺が言うのもなんだが…w
21マロン名無しさん:2007/11/08(木) 19:11:09 ID:???
俺はあのギャグが流行にのっている、とは到底思えなかったわけだが…
22マロン名無しさん:2007/11/08(木) 20:03:19 ID:???
バタースティックは面白かったw
23マロン名無しさん:2007/11/08(木) 20:34:47 ID:???
まっつまんなくはない
その辺のしょぼいギャグ漫画書いてる漫画家よりはだ。
何にしろ文句言うなら自称作者18より面白いの書けってのは同意だ
24マロン名無しさん:2007/11/08(木) 20:37:25 ID:???
ま、問題だったのは面白かったかどうかじゃないからな
25マロン名無しさん:2007/11/08(木) 20:50:38 ID:???
作品のこと全部目を瞑るとしても、他人を馬鹿にしたような発言はどうしても解せない。
長期に渡って投下し続ける書き手としては致命的。まず確実に叩かれて続投は無理。
26マロン名無しさん:2007/11/08(木) 22:09:03 ID:???
>25
そう、そこが問題。
ある程度なら目を瞑るけど、実は続き書いてませんでしたとか、他人を馬鹿にするのは駄目、絶対。
27マロン名無しさん:2007/11/08(木) 23:29:52 ID:???
じゃぁ70話書いてる人には投下してもらいつつ反応を見るでおk?
28マロン名無しさん:2007/11/08(木) 23:43:45 ID:???
本人の意志を尊重しよう。俺らが決める事じゃない
29マロン名無しさん:2007/11/09(金) 00:31:38 ID:???
以前、70話まで書き上げていると宣言した者です。
全120話の予定なので完結まではまだまだ・・。
投下は、もう少し後になるかと。
30マロン名無しさん:2007/11/09(金) 00:57:03 ID:???
120話かー。せめて90話くらいかと思ってた。ならしゃーないな。
てか120話だと1ヶ月以上かかるな。
なんか一辺に5人くらい作者出そうな予感
31マロン名無しさん:2007/11/09(金) 01:34:45 ID:???
あぁ…これで作者20以内という俺の夢も崩れ去るのかorz

18はなぁ…続き書いてないとか一話5分で続き書いてきたとか…

やっぱり全話書きあがった人から名乗って投下、って流れのがいいと思うんだ
32マロン名無しさん:2007/11/09(金) 01:43:20 ID:???
結構大勢書いてるんだな。
一挙に作者が増えそうで今から書く俺は完成してもだいぶ待たないといけなさそうだな
33マロン名無しさん:2007/11/09(金) 10:49:47 ID:???
>>32
経験から言わせてもらおう
・ネタ被ってあぼーん
・遅筆過ぎて原作の戦闘力や人物関係と時差か出て筆折り
・データ飛んだwww
これらの理由で半分くらいの書き手は完成までたどり着けない
3432:2007/11/09(金) 11:42:02 ID:???
>>33
なめんな。俺の戦闘力は54万だ。あいつより1万上だ。
過去に携帯小説で入選して図書カードもらった事がある。
そんな俺様が遅筆?はぁ?そうだよ文句あっかよ。
35マロン名無しさん:2007/11/09(金) 14:14:45 ID:???
>>34
あるわけねーwww
36マロン名無しさん:2007/11/09(金) 16:37:21 ID:???
誰か短編投下してちょー
短編投下してくれたら俺の愛をあげるから
37マロン名無しさん:2007/11/09(金) 18:55:02 ID:???
ちゃんと殺し合い目的のグロイのが見たいな
38マロン名無しさん:2007/11/09(金) 19:14:09 ID:???
俺はグロいの苦手だからもっと明るい殺し合いがみたい
39マロン名無しさん:2007/11/09(金) 20:07:58 ID:???
明るい殺し合いは無茶だろw
熱いのか泣けるのがいいな。
40マロン名無しさん:2007/11/09(金) 20:13:50 ID:???
「あははー捕まえごらーん」
「つ〜かまえ〜た☆」
グサッ。ぶちょっ。内蔵が飛び出る○○を見て(ry
「たのしーね☆」
「またしよーね」

楽しい殺し合い。俺の地方は子供の時よくやった。
41マロン名無しさん:2007/11/09(金) 20:15:49 ID:???
明るい殺し合いって…全員精神異常者かww
グロいかどうかは別としても、殺し合いってのがあるんだからある程度は、な?
42マロン名無しさん:2007/11/09(金) 20:53:20 ID:???
>>40
またしよーねにわろた
43マロン名無しさん:2007/11/09(金) 23:27:17 ID:???
ところで前スレの作者18はどうする?
「黒歴史にして改めて作者18を立てる」「長編として欠番・次は作者19」のどっち?
パロロワWikiでの扱いもあるから明確にしてほしい
44マロン名無しさん:2007/11/09(金) 23:30:33 ID:???
>>43
前者
前決めなかった?
45マロン名無しさん:2007/11/09(金) 23:34:28 ID:???
>>44
ああすまん、Wiki直してくるわ
46マロン名無しさん:2007/11/10(土) 01:46:38 ID:???
まだかよ。暇死ぬよ。
誰か短編作って投下してくれ。ロワ系じゃなくても良いから。

出ないと白菜について30レス語っちゃうよ
47マロン名無しさん:2007/11/10(土) 02:51:10 ID:???
誰かひぐらしパロで短編作って!
48マロン名無しさん:2007/11/10(土) 02:58:10 ID:???
>>46
いい加減うざいよお前
そんなに暇なら人生について勉強でもしてろよ
49マロン名無しさん:2007/11/10(土) 07:45:52 ID:???
>>46-47
とりあえずこのスレから出てけ
50マロン名無しさん:2007/11/10(土) 11:20:25 ID:???
このままスレが落ちて皆解散になる予感
作者18まだー
51マロン名無しさん:2007/11/10(土) 16:19:41 ID:IwKhks5j
それより今週の夏美可愛いかったなb
52マロン名無しさん:2007/11/10(土) 18:05:30 ID:???
そんなことより、過去最悪な死に方をしたキャラを決めようぜ。
53マロン名無しさん:2007/11/10(土) 18:17:47 ID:???
私ネタないし(ry
54マロン名無しさん:2007/11/10(土) 21:43:50 ID:???
まとめサイト全然まとまってないな…
55マロン名無しさん:2007/11/10(土) 21:52:49 ID:???
みんなの好きなネギロワベスト3
56マロン名無しさん:2007/11/10(土) 22:51:38 ID:???
>>54
多分まとめの人も自覚しているだろうな。手伝い募集しているくらいだし。
とりあえず、まとめの人はログの補完だけでもしておいたほうがいいと思うぞ。
57マロン名無しさん:2007/11/10(土) 23:00:28 ID:???
別に手伝えるけどメールするのが恥ずかしい。
58マロン名無しさん:2007/11/11(日) 00:36:47 ID:???
別に手伝えるけどパソコンするのが恥ずかしい。
59マロン名無しさん:2007/11/11(日) 01:21:57 ID:???
別に手伝えるけど布団から出るのが恥ずかしい。
60マロン名無しさん:2007/11/11(日) 08:56:19 ID:???
「お姉ちゃん!」
「ふみ……か……」

血溜まりの真ん中で倒れている姉の体を抱き抱える。冷たい

「お姉ちゃん! 大丈夫ですか!?」
「ごめ……ん…………寒い……や…………」
「駄目ですお姉ちゃん!」
「生き……て…………」

文伽に抱き抱えられたまま、彼女は死んだ。その死に顔は、笑っているのか、悲しんでいるのかわからない


「そんな…………」

呆然とした文伽が泣き出したのと時を同じくして、定時放送の開始を告げるチャイムが鳴り響いた




何だコレ
61マロン名無しさん:2007/11/11(日) 19:20:59 ID:o9LSAkTA
age
62マロン名無しさん:2007/11/11(日) 19:52:20 ID:???
リレーがしてみたいけど
今書きたいって人どれくらいるかな?
それなりにいるんだったらまとめマジでやりたいんだけどな
63マロン名無しさん:2007/11/11(日) 20:14:25 ID:???
じゃぁこのスレの住人でバトルロワイアルってのどう?
64マロン名無しさん:2007/11/11(日) 22:37:50 ID:???
俺の武器はせっちゃんだった。
今夜は眠れねぇ。
65マロン名無しさん:2007/11/11(日) 23:35:03 ID:???
俺は武器をせっちゃんに使う。
66マロン名無しさん:2007/11/12(月) 01:04:26 ID:???
あれ・・・?
バッグの中に空気しか入ってないんだけどこれってハズレかな?
67マロン名無しさん:2007/11/12(月) 01:13:49 ID:???
ねんがんの まなを てにいれたぞ
68マロン名無しさん:2007/11/12(月) 01:32:33 ID:???
もんすたーがあらわれた
69マロン名無しさん:2007/11/12(月) 02:02:22 ID:???
・じゅうをてにとる
・まなをつかう
・にげる
70マロン名無しさん:2007/11/12(月) 02:26:38 ID:???
殺してでも奪い取る
71マロン名無しさん:2007/11/12(月) 03:08:02 ID:???
支給品:長ネギ
72マロン名無しさん:2007/11/12(月) 08:23:01 ID:???
俺はいいんちょで防御!!
73マロン名無しさん:2007/11/12(月) 08:51:09 ID:???
俺の武器は蜜柑…
74マロン名無しさん:2007/11/12(月) 08:56:33 ID:???
拡声器とか脂肪フラグ\(^O^)/
75マロン名無しさん:2007/11/12(月) 10:00:41 ID:p+eVQgsM
ノコギリを持ったまきえが武器だった俺は>>74に遭遇した
76マロン名無しさん:2007/11/12(月) 12:02:22 ID:???
無駄な戦いはやめましょ────!
拡声器の声が森一体に広がる
77マロン名無しさん:2007/11/12(月) 12:18:29 ID:???
武器ウージーだし、>>76殺すか
78マロン名無しさん:2007/11/12(月) 12:45:29 ID:???
>>75は我慢できなくなり>>74の危機を考え手をとって走り出した
79マロン名無しさん:2007/11/12(月) 13:06:03 ID:???
世界樹が爆発した
80マロン名無しさん:2007/11/12(月) 13:11:54 ID:???
私はその光景を見つめながら武器の生ハムメロンを食していた
81マロン名無しさん:2007/11/12(月) 14:41:50 ID:???
私はその光景を見つめながら食料のマシンガンを磨いていた
82マロン名無しさん:2007/11/12(月) 15:12:35 ID:???
そして私は立ち上がると足下にいた毛虫をつついた
83マロン名無しさん:2007/11/12(月) 15:46:57 ID:???
私はその包茎を見つめながら生ハムマシンガンを磨食した
84マロン名無しさん:2007/11/12(月) 16:40:53 ID:???
俺、ネタないし(ry
85マロン名無しさん:2007/11/13(火) 00:52:30 ID:???
円がもっとも活躍したのは何部ですか?
86マロン名無しさん:2007/11/13(火) 02:00:42 ID:???
チアリーダー部
87マロン名無しさん:2007/11/13(火) 02:09:07 ID:???
阿部
88マロン名無しさん:2007/11/13(火) 08:27:44 ID:???
>>85
まとめによると7部と9部で生き残っとる。
7部はスク宮、9部はこのせつ中心で覚えてない。
89マロン名無しさん:2007/11/13(火) 08:57:49 ID:???
7部も9部もまだ更新されてないな…
90マロン名無しさん:2007/11/13(火) 20:15:28 ID:???
スク宮て何?
91マロン名無しさん:2007/11/13(火) 20:18:20 ID:???
スク水形の防弾チョッキを着たくぎみー
92マロン名無しさん:2007/11/13(火) 20:48:16 ID:???
それみたいが7部も9部も置いてるとこねぇなorz
93マロン名無しさん:2007/11/13(火) 23:49:31 ID:???
ちょっと質問です。
前スレから読み始めたのだけど、作者17氏の作品に触発されて自分も
書いてみようと言う気になりました。

作品を書くにあたって、元ネタから外れるのがどこまで許容されるのか
分からないので、皆さんの意見を聞かせてください。

気になるのは、バトロワのルールはどこまで踏襲すればよいのかであり、
例えば、バトロワのルールに新たなルールを加えたり、他作品のルール
を持ち込んで追加することは可能なのでしょうか?
それと、バトロワの元ルールを一部使用しない(例えば、生き残るのは
一人じゃないとか、首輪は使用しないとか)はありなのでしょうか?

また、例えば殺し合いではなく、特定のゲームの敗者や脱落者が死ぬ
と言うのは許容範囲なのでしょうか?

ある程度構想は練っているので、許容範囲からあまり外れない範囲で
書きたいと考えています。目安にしたいので、ご意見をお願いします。
94マロン名無しさん:2007/11/14(水) 00:28:40 ID:???
>>93
参考になるか分からんが今までにあった特殊設定だと、


3部……生徒vs兵士。生徒はペアを組み、片方が死んだらもう一人も首輪爆破。
4部……ランダムで決められた標的を殺す。
7部……誰かを殺す度に身体能力を向上させる腕輪。
10部……生徒に支給された星を12個集めれば首輪解除(星の数はバラバラ)。


大雑把に言うとこんな感じかな。抜けてたら誰か補完頼む。
95マロン名無しさん:2007/11/14(水) 00:32:10 ID:aUyFv1Ff
どーでもいいから0部の続き誰か書け
96マロン名無しさん:2007/11/14(水) 00:46:53 ID:???
>>94
自分15から読んでるがそういうのも面白そうだな。
どれもまとめサイトに更新されてないのばっかだが…
7部だけでも良いから更新されないかな…
97マロン名無しさん:2007/11/14(水) 01:54:02 ID:???
>>93
原作で語られてない設定についてオリ設定持ち出すのは限度がある
ザジについては原作でも不明瞭だしオリ設定使ってる作者さんもいるけど、他キャラはあんまり見たことないような…
まぁ…あまりにも突飛で原作とかけ離れてたらアウトだし、その辺の線引きは作者さんに任せるしかないと思う

>>94
抜けてるわけじゃないんだが、あえて言うなら
10部……生徒に支給された星を12個集めれば首輪解除
(初めから1つ所持、星の数は最初に武器、食料、星の中から3つ任意で選べる)。

ちなみに定期放送のときに規定の星を持ってないとその時点で首輪が爆発する
誰かに奪われて星が0個になっても爆発。

長レススマソ
9893:2007/11/14(水) 06:10:17 ID:???
情報ありがとうございます。
ゲームを盛り上げるためのルール追加変更なら許容範囲ということかな?

10部は自分の考えにちょっと似てるので検討の余地ありですね。
一度読んでみたいですね。

これらを踏まえて着手してみたいと思います。
確実に来年になりそうですが・・・
99マロン名無しさん:2007/11/14(水) 15:06:08 ID:???
10部読んでみてぇ!
誰か更新してくれ!!
100マロン名無しさん:2007/11/14(水) 17:46:31 ID:???
まとめ3が復活してくれたらなぁ……
ていうかなんで消えたんだか
101マロン名無しさん:2007/11/14(水) 17:48:00 ID:WuDWLho2
今週の首輪の設定、今後のロワ作者に役立たない?
102マロン名無しさん:2007/11/14(水) 17:59:58 ID:???
困ったなぁー。ほぼ完成だけど10部のように☆集めみたいな設定だけど被ったらどうしようかな。
もし鳥つけることになったら作者ナンバーは18だっけ?
103マロン名無しさん:2007/11/14(水) 18:25:52 ID:???
きたー!
被っても構わん!!
作者18でトリつけて今日から投稿してくれ!
104マロン名無しさん:2007/11/14(水) 18:53:55 ID:???
>>101
むしろ赤松ここ見て描いたんじゃねーの?w

>>102
設定が被っても中身まで被るのは滅多に無いかと。だから安心して仕上げてくれ。
105マロン名無しさん:2007/11/14(水) 19:31:00 ID:???
赤松ここ見てんのかw
まぁこのスレの住人は今週号見て必ずこのスレの事思い出しただろう。

>>102
いつ頃投稿始めれそう?
106マロン名無しさん:2007/11/14(水) 19:34:52 ID:???
今週号を見て思い出した俺が来ましたよw
>>102
いつ完成するかによるな
まぁ>>104の言うとおり設定被っても内容被るのはないはずだ
安心して書き上げてくれ
そして完成なら一応酉をつけてくれたほうがありがたい
107102:2007/11/14(水) 19:39:26 ID:???
その気になれば明日には出来ます。
誤字脱字の修正をしているので実質完成してますよ。
108マロン名無しさん:2007/11/14(水) 19:54:56 ID:???
今週号読んでこのスレ思い出して久々にここ来たけどなんだ投稿されてないのか…
と思ったら>>107とりあえず今日1話〜3話投下して明日全部チェックすれば良いのでは?
109102:2007/11/14(水) 21:58:04 ID:???
とりあえず夜はすべてチェックに徹します。
明日の夜から1〜3話を投下して正式スタートとします。
110マロン名無しさん:2007/11/14(水) 22:40:43 ID:???
wktkが止まらない

赤松が某こどくを描く姿を想像したらワロタ
111マロン名無しさん:2007/11/14(水) 22:57:24 ID:???
今週号読んで思った

確実に赤松このスレ読んでるな!
112マロン名無しさん:2007/11/15(木) 00:15:08 ID:???
このスレを思い出しはしたが別に意識したわけじゃないだろw
「今更爆弾ネタかよw」とは思ったが
113マロン名無しさん:2007/11/15(木) 02:18:45 ID:???
これから書こうと思ってる人は今週の首輪の設定を有効に使うんだ!
114マロン名無しさん:2007/11/15(木) 19:33:04 ID:???
コミックス派の俺には今の流れが全くワカラン…orz
あ、作品以外でのネタバレは勘弁な
115マロン名無しさん:2007/11/15(木) 20:44:44 ID:???
投下マダー?
116マロン名無しさん:2007/11/15(木) 21:02:30 ID:???
>>114
ただとあるキャラが首輪してその首輪を無理に外そうとしたら爆発するって今週出ただけ。
そこまで今後に関わる重要な設定じゃないよ。
117真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/15(木) 21:05:26 ID:???
何の捻りもない名称ですけど…、一応これで名乗らせていただきます。
住人の皆さんがよろしければ始めます。
118マロン名無しさん:2007/11/15(木) 21:08:56 ID:???
早く早く。
119マロン名無しさん:2007/11/15(木) 21:15:26 ID:???
マダー?
120マロン名無しさん:2007/11/15(木) 21:18:04 ID:???
真・作者18か。
肉ソルジャーみたいだな。頑張れ!
121真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/15(木) 21:23:32 ID:???
それでは投下を始めます。

大体の流れや文章の書き方は先代の作者の人たちを参考にしました。
文だらけで見にくいかもしれませんが、最後までお付き合いください。
122真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/15(木) 21:24:37 ID:???
1.始まり

すべてはクラス全体の親睦を会を行うと言う情報を朝倉和美(出席番号3)が仕入れてきたことが始まりだった。
当然、騒ぎやイベント好きが多い3-Aの生徒たちは食い入るようにして参加を承諾した。
場所は学園内にある、あまり使われない古びた倉庫。体育館は学園祭でも使用するためなのと、床が食べ物などで汚れることを考慮に入れて見送りとなった。
――と3-Aの生徒たちには伝えられている。
何の疑いも無く、その場所へ行く生徒たちは笑い声が絶えず、どんなイベントなのかの会話で盛り上がっていた。
クラス全員参加のために、超や龍宮真名(出席番号18)、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル(出席番号26)も渋々参加。
桜崎刹那(出席番号15)は近衛木乃香(出席番号13)に連れられ、神楽坂明日菜(出席番号8)らと談笑していた。
「茶々丸はどうした?」
エヴァは倉庫の隅で動かない絡繰茶々丸(出席番号10)の安否を気にする。
そこへ葉加瀬聡美(出席番号24)がやってくると簡単に説明した。
「丁度メンテナンスの時期でしたので一時的にシステムを落としているのです」
普通に何のことも無いメンテのため、エヴァも深くは追求しなかった。

「えぇーい!」
そこへエヴァの背中に突撃するように鳴滝風香(背番号22)が体当たりしてきた。
前のめりに倒れそうになるエヴァはキレそうになる気持ちを抑えながら風香に歩み寄る。
「貴様……何を!?」
歩み寄った次の瞬間、風香の姿が二人になった。
「「いえーーい。鳴滝忍法分身の術ー2!」」
「な、な、な!?」
これには流石のエヴァも開いた口が塞がらなかった。
姿が瓜二つの鳴滝姉妹が全く同じ動きで、全く同じ発言をするのだから。
一方が妹の鳴滝史伽(出席番号23)であることは分かっているが、全くといっていいほど区別する様相がない。
まるで合わせ鏡のように、全く同じ。
「――むぅ、これはだいぶ練習したですね」
123真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/15(木) 21:25:44 ID:???
以前、鳴滝忍法分身の術を見た綾瀬夕映(出席番号4)も口ごもるほどの見事さだった。
「これはすごいでござるな」
さらに長瀬楓(出席番号20)も大絶賛。自身を深めた二人の風香は威張る。
「ボク頑張ったでしょ。お姉ちゃんのモノマネだから簡単……あ」
「ボロが出たです、そっちが史伽さんです」
うまく化けたつもりだが、ほんの少し史伽の本性が出てしまった。
「うぅ〜。残念ですー」
「どちらかになるなら、その一方の今の心境を感じ取って心までなりきることが大切でござる」
「一方の今の心境を感じ取る? テレパシーとかないから分からないですー」
楓のアドバイスも史伽にはよくわかっていなかった。
双子だからそんなこと必要ないほど完璧な変装でありながら、心境の部分では意外なほどのボロを見せてしまっていた。

そんなことがあって10分近く待っていると、次第に不審がる生徒が現れる。
薄暗い倉庫に集められているにも関わらず、パーティらしい用意も教師の姿も見られない。
ネギは職員会議のために参加できないのはホームルームで分かっていた。
だがそれでも閑散としすぎている。その上他のクラスの生徒たちの姿も見えない。
徐々に不安がったり、怪しむ者が目立ってきたその時だった。

ふと部屋の端から何か缶を投げ込む音がすると、そこから大量の煙幕が吹き出た。
それも四方八方から、倉庫内を煙幕が包み込み生徒たちが咳き込む。
パニック状態に陥った生徒たちは逃げ道を求めて出口に殺到する。
だが、硬く閉ざされた扉は1ミリも動こうとしない。そうしているうちに一人、また一人と倒れていく生徒たち。
「くそ……私としたこと……が……」
次から次へと倒れていく生徒。睡眠ガスの類らしく流石のエヴァもとうとう耐え切れずに倒れてしまう。
全員床に倒れて動かなくなったのを確認して、軍服を着た男たちが生徒を運び出した。
その中には高畑・T・タカミチの姿も混じっていた……。

【ゲーム開始まであと×時間】
124真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/15(木) 21:26:47 ID:???
2.見知らぬ教室

「ぅ……うん……」
大河内アキラ(出席番号6)が目を覚ました時、初めに見えたのは蛍光灯の明かりであった。
頭の中の記憶が曖昧でどうしてここにいるのか、どういった経緯でこの場所に来たのかがはっきりとしない。
ゆっくりと頭の中を整理していく中で、ようやく倉庫での出来事を思い出した。

「そうだ、私たち……」
上半身を起こして辺りを見渡すと、他の生徒たちも同様に体を起こし始めていた。
佐々木まき絵(出席番号16)、明石裕奈(出席番号2)、和泉亜子(出席番号5)といつもの仲間の三人の無事も確認する。
どこかの教室らしく、机や物が散乱している中に無造作に放り出されている様子だ。
現に、真名の体の上には古菲(出席番号12)が乗りかかったまま目を覚ましておらず、いびきをかいて寝ていた。
「ねぇ、アキラ。その首の……何?」
まき絵に聞かれてようやく気付いた。自分の首に細い鉄の首輪が巻かれていたのだから。
引っ張っても頑丈に出来ているらしく、びくともしなかった。

「システム再起動……。ハカセ、これは一体?」
システムを起動させてた茶々丸がようやく目を覚ますが、聡美も突然のことで状況を理解できていない。
とりあえず、超鈴音(出席番号19)に首輪について聞いてみた。
「超さん、外せますか?」
聡美が超に首輪を見せて見るが、当の超もどうすればいいか分からなかった。
「外すのは簡単っぽいネ。けど、この造りからすると何か仕掛けがある可能性が高いヨ」
聡美の首の後ろを見ると首輪の部分に何かがはめ込まれていた。
よく見ると、それは聡美の出席番号である『24』の数字が刻まれたメダルであった。
そのメダルに触れそうになる瞬間、教室の扉が開いた。
そこから現れる銃を構えた軍服の男たち、そして高畑。
125マロン名無しさん:2007/11/15(木) 21:27:45 ID:???
桜崎・・・。
でもwktk
126真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/15(木) 21:27:59 ID:???
「た、高畑先生。これはいったい!?」
明日菜が立ち上がって高畑に詰め寄ろうとする。だが次の瞬間、轟音が教室中に響き渡る。
後ろに立っていた軍服の男の一人が、マシンガンを天井に向けて引き金を引いたのだ。
黒光りするその圧倒的かつ無機質な存在感。あまりのことにパニックに陥った生徒。
「大人しくしろ!」
男がそう告げるや、今度は逆にそれまでの騒ぎが驚くほど静まり返った。
それまで何もしていない高畑は重い口を開いた。

「……今から、君たちには殺し合いをしてもらう」

その言葉を聞くや、明日菜を含めた全生徒が呆気に取られ、どう返事をしていいか迷った。
それまで笑って楽しく過ごしてきた仲間に向けて殺せと言っているのだ。
たったその一言ですべてを解釈する方が難しい。
「な、何を言っているのですの……」
クラス委員長である雪広あやか(出席番号29)がいち早く問いただす。
高畑は重い顔をしながら、あまり生徒の方を見ずに告げた。
「そのままの意味だ……これから簡単にルールを説明する……すまないが、今は指示に従ってくれ」
伝えることですら辛そうにする高畑。その状況を察するとあやかも黙ることにした。
「冗談じゃねぇよ、漫画の話だけにしてくれよ」
現実を受け入れがたい長谷川千雨(出席番号25)は青ざめた表情で呟くと俯いてしまう。

突如の殺し合い宣言。
漫画の内容そのままであった、つれてこられたのはどこかの無人島で、首輪を無理矢理外そうとすると爆発する仕組み。
時間ごとの定時放送、禁止エリア。まさか本当に実在するなんて思っても見なかった。
その上でルールに従来の1人になるまで戦う法則に追加がされた。
「その首輪の後ろには出席番号が刻まれたメダルがはめ込まれている」
皆が一斉に首輪の後ろを触れる。超は聡美のメダルを見ているため何もしなかった。
「そのメダルは首輪をした人物の心肺停止、信号パルスの応答がなくなると自動的に外れる仕組みになっている」
127真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/15(木) 21:29:02 ID:???
「……ルールの追加は、メダルを10枚集めることが出来た者は、たとえ1日目であろうともその時点で開放される……ということだ」

実質幽霊である相坂さよ(出席番号1)を除けば生徒は丁度30人。
ある1人が10人を殺したとしても、生存者のメダルを合わせればメダルの数が11枚必要になる。
つまり10枚集めた場合、生存枠はどう見ても2つしかない。それに1人になるまでのルールを足しても、犠牲になった20人と残りの7人はただ犬死するしかない。
「このゲームの生存者が3人になるか1人になるか、はたまた全滅するかは君達の行動次第だ……」
生徒たちが静まり返った。10人の命を犠牲にして生き残るか、1つしかない生存枠に滑り込むかは個人次第。
「そろそろゲームを始めようと思う。だがその前に……」

言葉を失う生徒たちの中で、木乃香があることに気がついた。
「せっちゃんはどこ?」
この場に刹那がいないのだ。その言葉に反応して教室を見渡すが、刹那の特徴的な姿はどこにもない。
「おい」
男が声を出すと、刹那が教室に入ってきた。やはり首にはあの首輪が仕掛けられている。
さらに後ろから重そうなシートを被せられた台車が運ばれてくる。
刹那の青ざめた表情を見ると、とてもいい結果など期待できない。
むしろ、嫌な事がこれから起こりそうで怖いという気持ちが教室中に漂っていた。


【ゲーム開始まであと×分】
128マロン名無しさん:2007/11/15(木) 21:30:02 ID:???
津・作者18のが良かったな。天津飯への感謝の気持ちをこめて。
129真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/15(木) 21:30:25 ID:???
3.スタート前の惨劇

重いシートが被せられた台車に青ざめた刹那。
この状況をどう理解するべきか、その場に居合わせた生徒たちは困惑する。
「せっちゃん……?」
ようやくながら、刹那に話しかけた木乃香。だが刹那はそれに応えようとはせずに俯いたままだ。

「実は君たちよりも早く目覚めた人がいて、我々の秘密を探ろうとした者がいた」
台車を運んでいた軍服の男がそう告げると、はっとしたように辺りを見渡す。
「朝倉は?」
誰かがそう言った。現に和美の姿が無いことにもようやくながら気がついた。
無理もない。先ほどの銃撃の際、大騒ぎとなり自分の居場所くらいしか把握できなかった。
隣に誰がいて誰がこの場にいなかったかを確認する余裕すらなかったのだ。
「これが結果だ」
すると重くかけられていたシートが取り出される。

「―――!!」
その瞬間、その場に居た生徒全員が息を呑んだ。
シートの裏にはべったりと赤い血がこびり付き。台の上に寝かされていたのは和美であった。
まるで眠っているような安らかな顔。だがシートにつけられている血が、『彼女は眠っている』などと思わせることは出来なかった。
「ひ……ぃ……」
皆が腰を抜かして教室の端に怯えるよう震えだした。例外としてエヴァや超などの武道派は一歩も動くことなく和美を凝視した。
それでも軽く息を呑む。すぐに和美に重いビニールシートが被せられた。
「下手に抵抗すればこうなる。覚えておくがいい」
殺された。いち早く目覚めたことで秘密を探ろうとして殺されたのだ。
報道部所属でパパラッチの異名を持つ和美ならありえる話である。
「死んだ分のメダルは、今は彼女が持っている」
130真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/15(木) 21:31:29 ID:???
男の指を差した先には、指摘されるや小刻みに震える刹那の姿があった。
そしてその行動の真意を知るや、木乃香が確認をするように歩み寄る。
「う、嘘やろ……せっちゃんが……人殺しやなんて……」
「……………」
刹那は何一つ言葉を発しない。青ざめた顔からはどうしようもないんだといった表情へと代わる。
いつも持っている夕凪に血がついていたことに気がついたのはそれからだった。
「嘘や……嘘や! 嘘や!」
大声を上げて叫ぶ木乃香に対して刹那は震える声で小さく呟いた。

「……………………………申し訳ありませんお嬢様」

その言葉を聞いて、木乃香は絶望のどん底へと叩き落されたように落胆し言葉を失った。
そしてくず折れるようにしてその場に座り込む。
「彼女はその小娘を助けることを条件に、マーダー役を買って出てくれた。あとこの中にもう二人、我々と手を組んで殺し合いの道を選んだものがいる」
それまで悲鳴すら上げられなかった生徒たちが、ざわめき互いを見合う。
この中に、刹那のように殺し合いの道を選んだ者が二人もいるのだ。安易に信じればきっと殺される。
直後に、和美を乗せた台車が出て行き、入れ替わりにデイパックの入った大きな台車が入ってきた。
このデイパックの中には水と食料、地図、生徒名簿、そして武器が入っている。
「それでは、出席番号順に出て行ってもらう」

【死亡1名】

――残り29人
131真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/15(木) 21:32:52 ID:???
今回はこれで終了です。ストーリーの長さによって投下の数を2か3になります。
最近忙しいため時々不定期になるかもしれません。
とりあえずここからスタートですのでよろしくお願いします。
132マロン名無しさん:2007/11/15(木) 21:33:46 ID:???
乙!
これからが楽しみだな
133マロン名無しさん:2007/11/15(木) 22:34:36 ID:???
ジョーカー多いな、後二人は誰だろ?

有力:真名、千雨
大穴:楓、古菲
ねーよw:桜子、夏美

とにかく期待
134マロン名無しさん:2007/11/15(木) 22:35:52 ID:???
メダル10は中々大変だな!
まぁ楽しみにしてる。
だいたい何話くらい?
135マロン名無しさん:2007/11/15(木) 22:38:25 ID:???
いや、楓も古もなんどかマーダーしてるから大穴じゃないだろ

有力:龍宮、超
大穴:のどか、いんちょ
ねーよw:夏美
136マロン名無しさん:2007/11/15(木) 22:41:17 ID:???
しばらく単行本読んでなくて昨日実写見たせいで楓と双子の会話は
キャラじゃなくて実写の方で頭の中で展開されていったorz
137マロン名無しさん:2007/11/15(木) 22:43:20 ID:???
何故有力でザジが出てこない
138マロン名無しさん:2007/11/15(木) 22:52:16 ID:???
たつみーはマーダーか仲間を守るかどっちかだよな
またのどかを守る役になったりw
139マロン名無しさん:2007/11/15(木) 23:20:25 ID:???
メダルって一人一個なんだよな?
という事は最大二人?
140マロン名無しさん:2007/11/15(木) 23:35:21 ID:???
新・作者18がフラグ好きなら今んとこ鳴滝姉妹いづれか、茶々丸もあり得るか?
とにかく乙です
141マロン名無しさん:2007/11/16(金) 00:42:46 ID:???
>>139
頭悪いなぁ
30人いるんだから最大3人だろ。
10人のグループ作って1人選ぶってのが3回出来るのと同じ。
142マロン名無しさん:2007/11/16(金) 07:04:47 ID:???
>>141 文中の説明からすると>>139ので合ってると思うよ
でもその後に3人生き残れるって言ってたから何か矛盾してるけど後で活かされる伏線では?
143マロン名無しさん:2007/11/16(金) 07:36:06 ID:???
10枚集めると解放。しかしその集めた人物(解放された人物)の分もあるから実質11枚メダルは消費される。
つまりメダル解放できるのは2人。

さらに従来のルール「最後の1人まで」を合わせて最大3人まで生き残れる。

29−22=7
残った7人で最後の一人まで争う

こういうことだろ?
144マロン名無しさん:2007/11/16(金) 08:05:00 ID:???
最強ジャーナリスト開始前脱落

いつか来ると思っていたが…

和美、安らかに眠れ(_人_)
145マロン名無しさん:2007/11/16(金) 09:58:13 ID:???
今週のマガジン読んで17のマジックキャンセルを一番に思い出してしまった
146マロン名無しさん:2007/11/16(金) 13:24:14 ID:???
主催者が和美とグル、和美は3Aをおびき寄せて実は生きてる

ってのはないのかな
147マロン名無しさん:2007/11/16(金) 13:32:41 ID:???
木乃香がそれやった部があったな
148マロン名無しさん:2007/11/16(金) 14:59:19 ID:???
誰か昔みたいにバトロワの絵描いたりコラ作ったりしてみない?
149マロン名無しさん:2007/11/16(金) 17:42:38 ID:???
作者18は今までの作者をパk…真似して良い感じに仕上げてるな
150マロン名無しさん:2007/11/16(金) 17:45:23 ID:???
http://www.geocities.jp/negima_br/index.html

このケータイ用のまとめサイト、文字化けして見れないんだけど…
どうか見れる方法ない?@auW51S
151マロン名無しさん:2007/11/16(金) 19:44:20 ID:???
俺は見れた
152マロン名無しさん:2007/11/16(金) 20:33:43 ID:???
このポイント制って前にもあったの?
153マロン名無しさん:2007/11/16(金) 20:48:12 ID:???
あったよ。他にもポロポロ以前の作者の真似してるとこあるかな。
まぁ俺は気にしないが
154マロン名無しさん:2007/11/16(金) 20:56:29 ID:???
前の方でも言われてるが10部の星制度

有力:朝倉、葉加瀬
大穴:超、いいんちょ
ねーよw:夏美

>>125が意味不明なんだが誰か解説頼む
155マロン名無しさん:2007/11/16(金) 20:58:34 ID:???
>>154
朝倉ねーよww

漢字間違えてるって事だろ。
ひょっとして>>154=作者18じゃね?
156マロン名無しさん:2007/11/16(金) 21:18:53 ID:???
自演決めつけ厨が出ました。
皆さんお気をつけください、あまりお近づきになると手を噛まれますよ。
157真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/16(金) 21:27:27 ID:???
えーと桜咲の部分が桜崎のミステイクに気付きませんでした。失礼しました。
今日も3話の投下となります。

>>134
「あと何話で終わるのか?」「ちゃんと収拾つくのか?」とワクワク感を持たせるためにあえて秘密にします。
ギリギリまで公表しないのでご理解お願いします。
158真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/16(金) 21:28:38 ID:???
4.悲劇

静まり返った教室。デイパックがスタンバイされる中、明日菜が高畑に向かって呟いた。
「高畑……先生。ネギは…どうしたんですか?」
「ネギ君はこの事実を知らない……。知っているのは私とごく一部の人間だけだ」
どんな顔で喋っていい分からず、顔を背けてしまう。

「せっちゃん……」
刹那は殆ど無言まま俯いている。もはや木乃香には顔向けすらも出来ない。
「私は、お嬢様の命のために……」
「何が命や! そのためやったら人を殺してもええん!? そんなんやったらせっちゃんに救ってもらわんでもええ、せっちゃんなんか大嫌いや!!」
木乃香の命を確実に救うために、あえて人を殺す道を選んだ苦渋の決断。
たとえ嫌われようとも、護るべき存在だけは護りたい。
こうなることは目に見えていたにせよ、実際に言われるとかなり辛い。
肩で何度も息をしながら刹那に罵声を浴びせた木乃香。おそらく生まれて初めてのことだった。

「そろそろいいかな」
男が腕時計を見て言った。ゲーム開始の時間だ。
「ええわけない。そんなんええわけないやん!!」
木乃香は声を荒くして男に詰め寄る。横の男たちが銃を向けられているにも関わらず。
間違いを認めることなど出来ない。木乃香はおっとりしているように見えて、根は誰よりも硬いものであった。
刹那が制止しようとするが、その手すら払いのける。
ここまで木乃香が怒り、刹那の言うことすら聞かない状況も珍しかった。
しかし男は同情するような目で木乃香を見つめながら銃を取り出した。
「残念だ。我々に歯向かうとどうなるか分かってないみたいだな」
取り出されたのは紛れも無く、本物の拳銃。木乃香の顔向けて引き金を引こうとした。
159真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/16(金) 21:29:46 ID:???
「やめろぉー!!」
刹那が声を張り上げて夕凪を引き抜く。一瞬のうちに刹那の持つ夕凪は男を切り裂いた。
木乃香の目の前で血飛沫が飛び散り、男が最後の言葉を発する間もなく絶命した。
その場で起こった出来事が受け入れられず、声すら発することも出来ない。
やがて刹那の取った行動が、どういう意味を成すのかを身をもって知ることとなる。

瞬間、刹那に向かって銃弾が四方から飛んできた。
教室の端や入り口などで待っていた軍服の男たちが、一斉に刹那だけを狙って銃を発射してきたのだ。
得意の身体能力や剣術と使っても追いつかず、刹那は無数の弾丸を浴びる結果となった。
撃たれた衝撃で何度も体を回転させながら、狂ったように教室の真ん中まで移動して倒れこんだ。
「せ、せっちゃん!!」
「刹那さん!」
あまりの出来事に、周りの悲鳴などかき消す勢いで叫んだ木乃香と明日菜が刹那に駆け寄った。
無数の弾丸を食らった刹那はもはや虫の息。血に汚れた夕凪を掴む気力も残されていない。
「せっちゃん……何でや……何で!!」
木乃香の目から毀れた大粒の涙が、刹那の血にまみれた顔を濡らす。
刹那はそっと口を開いた。

「……長が……学園長が、人質に取られています……」
「おじいちゃんが!?」
もう最後だと悟った刹那は、すべてを生きているうちに喋った。
「私たちを拉致した軍隊は……学園に爆薬を仕掛け、学園長と学園全体を人質にして……私たちはそれに従うしか……」
何故こうも簡単に魔法先生の面々が素直に従うのか疑問に思っていた。
刹那の証言が、すべてを語っている。刹那の言葉を聞いて明日菜が高畑へと向いた。
高畑は気まずそうな顔をしているが、やがてそのことが本心なんだと悟る。
「お嬢……様。ゲームが始まったら明日菜…さんと行動し…てくだ……さい。明日菜さんならきっと……」
160真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/16(金) 21:30:55 ID:???
「分かった! 分かったからせっちゃん!!」
物も掴めないほど力の抜けた刹那の手を握りながら木乃香は約束した。
さらに木乃香の手に、血に染まったメダルが1枚渡される。
「私が死んだらメダルを持っていってください」
側にいた明日菜も、刹那の気持ちに応えようと、片方の手を握る。
「刹那さん。木乃香は私が絶対守るから、安心して」
「………ありがとう……ございます」
自分は木乃香を助けるために人殺しの汚名を背負って生きる道を選んだはずだった。
なのに二人は自分の最後を見取ってくれる。これほどうれしいことは無い。
「このちゃん……生…き……て…」
木乃香に最後の言葉を伝えると、刹那はそっと目を閉じ安らかな顔で永遠の眠りに付いた。
これが木乃香に受け入れられる現実。あまりにも重過ぎる出来事に絶叫した。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! せっちゃぁぁぁぁぁぁん!!」
絶叫の中、刹那の首輪からメダルが血溜まりの中へと落下した。
木乃香の手にあるメダルのように血の色に染まっている。
その戦慄の瞬間を、他の生徒は黙って見届けていた。

【桜崎刹那 銃殺】
【近衛木乃香 精神に強いショックを受ける メダル2枚入手】

――残り28人
161真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/16(金) 21:32:18 ID:???
5.ゲームスタート

あの衝撃的な出来事があって、ようやくゲームが始まった。否、始まってしまった。
出来ることなら永遠にスタート地点に留まりたかったのだが、刹那の死を見てそんなことを考えられなくなった。
一番最初に出て行った裕奈は、本当の意味で途方にくれてしまった。
これからどうしたらいいのだろうか、このまま殺し合いをしなくてはならないのか。
ある程度進んで丘の頂上にたどり着いた。全く見たことも無い場所、見渡すと街らしき所を見つけるが人の気配が無い。
きっとだいぶ昔に誰も住まなくなってしまったのだろう。
振り向けば、唯一明かりのついている校舎が不気味なほどに立っている。

裕奈は腰を下ろしてデイパックの中身を調べた。
中には大き目のパンが3つ入っていた。さらにペットボトルに入った水、そして生徒名簿。
付属になっていた赤ペンを取り出し、和美と刹那の顔の部分に×印をつけた。
あの教室での出来事が頭に焼きついて離れない。下手なことをすればきっと刹那のように蜂の巣にされてしまう。
刹那の意思で、刹那の首輪にあったメダルと刹那が殺した相手のメダル2枚を手に入れた木乃香だった。
だがそれを喜ぶことなど皆無。残りの説明から裕奈が呼ばれるその瞬間まで『15』のメダルを握り締め泣き崩れていた。
自分とてアキラやまき絵、亜子があんな目に遭えばきっとそうなると思った。

中身を確認して安全な場所を求めて移動を開始する裕奈……だが。
「……」
裕奈の手には支給された武器であるバールが握られていた。
一般的なニュースで『バールのようなもの』と比喩されるが、正真正銘のバールだ。
飛び道具としては使いづらいだろうが、接近戦に持ち込めば武器にはなる。
自分の身を守るためには仕方ないと思っていた。
162真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/16(金) 21:33:27 ID:???
まさか本当にこれで他の生徒を殺さなくてはならないとは……。
裕奈はどうしていいのか分からず、移動しようという意思を失って頭を抱える。
「助けて、お父さん……」
父に助けを求めても、すぐに助けてくれるなら苦労はしない。

人殺しの道を進むのか、それともここで誰か生存に繋がる踏み台になるのか。
どっちもごめんだがもはや選択肢はそれしかない。
恐怖に苛まれながら裕奈の足取りは重いものであった。

【明石裕奈 武器・バール 意気消沈気味】

163真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/16(金) 21:34:39 ID:???
6.協力者

「戦わないといけないのですか……」
スタートした夕映はすぐに思い悩んでいた。
それは、デイパックの中から出てきた武器はH&K Mk23、別名ソーコムピストルを見た瞬間からである。
軍隊の無茶な要求を全てクリアした銃のエキスパート。
ナイフやはずれを引いた人からすれば羨ましがるほどの大当たりの武器である。
人の命しか奪えない物を持っていても引き金を引く勇気など無い。
理由も無く他人を傷つけることなどあってはならないこと。
力の持ち方次第では他人の命を奪う凶器にもなりえることだから。
殺すか、死ぬか。不安と恐怖に夕映は強く悩んでいた。

すると、横の茂みが大きく揺れた。間違いなく誰かが通った瞬間だ。
「誰です!?」
思わずソーコムピストルを手にとって音のする方向へ向けた。
咄嗟とはいえ自分は何をしているんだという衝動に駆られた。
「ま、待って! 私に戦う意思はないよ!」
慌てた声で必死に弁解する声。どうやらゲームには乗っていないようで一応ほっとする。
しかも茂みから両手を挙げて現れたのは、大河内アキラ(出席番号6)であった。
人一倍しっかりしているアキラなら自分の今置かれている状況を理解してくれるだろうと思っていた。
「夕映。私は本当に戦う意思はないよ。信じて」
「分かってるです。銃なんか向けて本当にごめんなさいです」
銃を仕舞って丁寧に謝る夕映。ひとまず互いにほっとした。

それからは互いにどうするか話し合った。
この非常時に話し込むのは危険とは分かっていても、何か話さないとこの恐怖心を祓えない。
164真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/16(金) 21:35:45 ID:???
互いに隠した恐怖心を抑えながら、とりあえず安全な場所へ移動することが先決だという結論に達した。
「アキラさんの武器は何ですか? 私はさっき見せたこれですが」
アキラは黒光りする銃を見て、少し震え上がった。
その気になって、これ一つでどれだけの人を殺してしまうかと思うと言葉が出ない。
「私はこれ」
デイパックから出したのは何の変哲も無い工作用のカッターナイフである。
工作用とはいえ刃物は刃物。しっかりと急所や動脈を切れば相手に致命傷を負わせる。
危険とは分かりつつも刃は出さずに持ち歩くことにした。
「とりあえず地図にはここから西へ行けば町にたどり着くはずです。行ってみるです」
「そうだね」
夕映とアキラはこれからどうするかはまず後回しにして、確実に今を生きる方法をまず考えることにした。
(のどか、ハルナ……どうか無事でいてほしいです)
町を目指しながら、夕映はこの島のどこかにいる二人の親友の無事を願った。


【綾瀬夕映 武器・H&K Mk23(ソーコムピストル)】
【大河内アキラ 武器・工作用カッター】
165真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/16(金) 21:36:52 ID:???
以上で今日の分の投下は終了します。
明日と明後日の土日は夕方頃の投下になるかと思われます。
166マロン名無しさん:2007/11/16(金) 21:59:06 ID:???
>>157

>ワクワク感を持たせる
悪く言うわけじゃないが大層な自信じゃないかww
マジで期待するぜ、がんばれよ
167マロン名無しさん:2007/11/16(金) 22:59:07 ID:???
いい感じで進んでいるね。

今回の追加ルールを吟味してみたけど、元ネタに比べるといろいろな展開の
バリエーションが考えられるから楽しみだね。
ただ、ルールが複雑になった分、ルールを使いこなせたら素晴しく良い
作品になる反面、使いこなせないとgdgdになる恐れがあり諸刃の剣
といえる。
作者18氏はなかなかチャレンジャーだな。
この先も期待しているし、応援するからがんばってな!
168マロン名無しさん:2007/11/17(土) 02:32:29 ID:???
>>160
簡単に銃弾食らってるけど刹那は神鳴流だから銃はその程度の状況ではきかない気が…
169マロン名無しさん:2007/11/17(土) 02:40:20 ID:???
また桜崎…
訂正はせずに投下し続けるのか?
170マロン名無しさん:2007/11/17(土) 07:48:14 ID:???
>>168
狭い教室内で八方から銃乱射されたら流石の刹那もヤバいだろ
それに能力も制限されてるだろうし


とりあえず名前を桜咲に直そう
171マロン名無しさん:2007/11/17(土) 11:57:02 ID:???
>>170
修学旅行の時とか近い距離からの飛び道具とかスパスパきってた
神鳴流に飛び道具はききません!て
172マロン名無しさん:2007/11/17(土) 12:04:04 ID:???
>>171
どう考えても気にしすぎ
そんなこと書くと刹那を銃で殺している作者候補が書き直すことになるぞw
173マロン名無しさん:2007/11/17(土) 12:13:07 ID:???
その辺は首輪の能力でどれだけ気を抑えられているか、だよな。
作者が「刹那を蜂の巣にした」描写を提示したのだから、
今回の首輪はそれだけ強力、と解釈すればいいじゃないか。
174マロン名無しさん:2007/11/17(土) 12:52:11 ID:???
あ、気を完璧に使える設定なのに刹那蜂の巣だわww
43話書いたが書き直そww
175マロン名無しさん:2007/11/17(土) 13:35:30 ID:???
>>174
ちょwww
作者18のミスに感謝だなw
176真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/17(土) 16:44:20 ID:???
投下します。
桜崎の件ですが、ミスはその2箇所になるので訂正を願いたいです。
177真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/17(土) 16:45:43 ID:???
7.脱落

これが夢ならば早く覚めて欲しい。
またいつものベッドから目覚め、ネギと木乃香に囲まれて朝食をとって登校する。
こんなあたりまえな日常が永遠に奪われてしまうとは夢にも思わなかった。
「こんなことになるなんて……」
明日菜は、校舎を出てすぐに一直線に森を走り抜けた。
どこでどう待ち合わせするかなんて考えていない。ただ真っ直ぐ進めと木乃香にはそう伝えた。
微かに校舎を確認できる距離まで移動すると、近くの切り株に腰を落として木乃香が来るのを待つ。
もう20分近く経過しており、時間的にはそろそろ木乃香の番が回ってくるはずだった。

「刹那さん……」
刹那の死は少なからず明日菜の心にも大きな衝撃を与えた。
木乃香を絶対的に守るはずの刹那が人殺しの道を選択した。
沈んでいる気持ちを紛らわせようとデイパックの中を確認する明日菜。
中には本物の拳銃が入っていた。説明書にはベレッタと書かれている。
それを見るだけで恐怖してしまい、出来ればあまり使いたくない。
だがこれで殺さなければ自分が死ぬ、人は誰でも自分の命が惜しいのだ。
「私は何を考えてんだろ……」
まさか生徒を殺すだなんて馬鹿馬鹿しいと感じつつ、ベレッタを握り締めて木乃香が来るのを待った。
首輪には魔法を使えなくなる作用でもあるのか、アーティファクトは全く反応を示さない。
頭に添えてネギと交信を試みるがこれも不可能。どうやら魔法や気などのあらゆる能力がすべてブロックされているようだ。
「まいったよね……どうしよう」
流石の明日菜も、スタート間もないのに弱音を吐くようになってしまった。

「そりゃマジで参るッスよ」
突如真後ろから声を掛けられた。明日菜は驚いてベレッタを構えて後ろを振り向く。
この状況下で、木乃香より先に出て気の抜けたような声を出すのはあの人物しか居ない。
178真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/17(土) 16:46:53 ID:???
「美空ちゃん」
春日美空(出席番号9)は気軽に明日菜に話しかけてきた。
自称ナゾのシスターであり、明日菜と同じように魔法を知り、仮契約も済ませている。
「よかった、美空ちゃんが来てくれて」
「仲間は多い方がいいッスよね」
出席番号も1つ違い、徒競走ではいつでも1、2を争うほどに足が速く、どちらかというと溶け込みやすい印象があった。
現に美空も明日菜を仲間といって慕っている。
「今はとにかく生き延びよう。きっとネギが助けに来てくれるよ」
「そうッスよね」
美空も笑顔で応えて来た。
時計を見ると、そろそろ木乃香がスタートする時間帯だ。校舎側を見る明日菜。

「ねぇ明日菜」
「何?」
ふと美空が尋ねた。
「このゲームに必要なものって何ッスかね……」
「え―――」
次に続く言葉が出てこなかった。言おうとしても、背中に強い衝撃が走りそれどころではなかった。
校舎側に振り向いて美空に背を向けた途端、美空は明日菜の体に密着してきた。
手にサバイバルナイフを添えて。

背中に深々と刺さった刃先の感触を確かめる間もなく、明日菜の体は地面に堕ちた。
倒れた衝撃を使って美空はさらに体重を掛けて明日菜の体にナイフの刃先を沈めた。
「ぁ……ぉぁ………」
言葉が出ない、一瞬で全身から力が奪われる。
抵抗も何も出来ず、3日どころかスタートして30分もしないうちにゲームから脱落してしまいそうだ。
179真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/17(土) 16:47:58 ID:???
薄れ行く意識の中で美空が耳元で囁いた。その声は低く、重い声になっていた。
「きっと“覚悟”だと思うッスよ、生き残るにしても誰かを殺すにしても。悪いね明日菜、ここでやっておかないと競争率高いッスからね」
目の前が霞む。こんなに自分は呆気なく死んでしまうのか?
自分はこんなにも無力で、ゲームに乗った相手を見抜けないほどに馬鹿だったのか?
木乃香に出会う前に、そして刹那の約束すら守れずに脱落してしまうのか?
「………」
全身から体温が奪われていく、命の終焉が来たようだ。
消え行く最後の瞬間、明日菜は子供先生のことを思い出した。

(ネギ……嫌だよ、死にたくないよぉ……。本屋ちゃん泣いてたんだよ、何で助けにきてくれないのよぉ……ネギ、バカネギぃ……)
永遠にその答えを聞くことなく、明日菜は呆気なくこの世を去ってしまった。
心肺停止してパルス信号も何もなくなったのを首輪が感知するや、首の後ろのメダルが外れた。
数字の『8』と刻まれたメダルを手にした美空はベレッタと食料と水を奪って去っていく。

都合のいい奇跡など起きなかった……。

【神楽坂明日菜 刺殺】
【春日美空 武器・サバイバルナイフ メダル、ベレッタM92入手 現在1枚】

――残り27人
180真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/17(土) 16:49:11 ID:???
8.鳴滝姉妹の憂鬱

人殺しというゲーム。それになぜ巻き込まれたのか、宮崎のどか(出席番号27)は意気消沈していた。
刹那の死の瞬間、一目をはばからず泣き出した。現に同じように泣いている生徒も何人かいた。
ただ呼ばれて荷物を受け取って出て行ったまでの過程をあまり覚えていないのも事実。
気付けばデイパックを肩に下げてふらふらと森を歩いていた。
彼女は唯一他人の心を読めるアーティファクト『いどのえにっき』を使うことが出来る。
だが首輪から何か特殊な結界が張られているのかアーティファクトが使えない。
仮に使えたとしても、あの惨劇の中で使うことなど到底不可能だった。

ネギに何とか助けを求めたくてもその術も何も無い。ただどこかで震えて蹲っていると思った。
のどかの脳裏にネギや他の生徒たちの楽しい思い出が浮かび上がる。
何とかしたい、夕映や早乙女ハルナ(出席番号14)に会いたい。何もしないで助かるほど甘くない。
今は無力でも大量に人が集まれば大きな力になる。ネギに理解したものはそれ相応の力を持っている。
刹那は殺されてしまったが、明日菜らがいればきっと何とかなると信じている。
今までに無いほどのどかは心を引き締めて、あの楽しかった日々に戻ろうと心に誓った。
武器はただの気の棒。振り回すだけならともかく、これで何かの役に立つだろうか。
だが今はそんなことを気にしている状況ではない。一刻も早く仲間と合流しなくてはいけない。

夕映やハルナを探そうとしたのだが、その前に別の生徒を発見する。
「あれは……」
森の切り株の端っこで蹲って泣いているのは鳴滝姉妹の妹の史伽であった。
特徴的なお団子頭が泣いている声に合わせて上下している。
のどかのように辛うじて気持ちを引き締めている者も居れば、未だに現実に耐え切れず泣き出す者もいる。
泣いているクラスメイトを見捨てるほど、のどかは薄情ではない。
ゆっくりと驚かさないように近づいて話しかけた。
「あの、史伽ちゃん?」
だが極端に怯えていたのか、史伽は暴れだした。
181真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/17(土) 16:50:22 ID:???
「いやああああああっ! やめてですー! 殺さないでほしいですー!!」
あまりに暴れるため、やむを得ず片手を押さえることにしたのどか。
それでも殺されると思ってか余計に暴れてしまう。
「落ち着いて! 私は史伽ちゃんを助けようと……」

「史伽に何をするんだぁー!!」
いきなり闇夜を切り裂く怒号が響き渡り、次の瞬間風香がのどかに体当たりをした。
普通なら、何のことは無いただの体当たり。風香のような小さな体であればさほどのダメージもない。
だが、その手に包丁が握られていたとしたら……。

「………え、っあ……」
のどかの腹部に深々と刺さった包丁。
史伽が殺されるかもと思い、突発的に行ったことで突如はっと正気にもどる風香。
腹部から包丁が引き抜かれると、そこからおびただしい量の血が噴出した。
「いやああああああああああああああああああああああああああっ!!」
今起きた出来事が現実とは思えないほどに絶叫し、その場でのた打ち回るのどか。
後から津波のように流れ出る出血と、思考そのものを奪っていく激痛に飲まれていく。
その有様を双子はただ何も出来ずに見つめるだけ。
徐々に声や動きが鈍くなり力そのものが無くなっていく。
「いや……しにたく……ない……ネギ…せん…せ………」
虚空を見つめるのどかはそのまま声を出す力も失い、愛すべきネギの言葉を口にして力尽きた。

呆然と死体となったのどかを見つめる風香と史伽。
「あぁ……ぼ、ボク………」
風香は思う。のどかが人殺しを行う人物と思えただろうか。
182真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/17(土) 16:51:28 ID:???
ひょっとしたら史伽が気を動転させただけでそれを宥めようとしたのかと。
「わ、私………」
史伽は思う。自分が早とちりをして暴れたせいで、姉の風香が自分を殺しに来た敵と勘違いさせたと。
あそこで冷静になっていれば、のどかは死なずにすんだかもしれない。

双子のどちらか一方に変装するネタを公開した時、楓から言われた言葉を思い出す。
「どちらかになるなら、その一方の今の心境を感じ取りなりきることが大切でござる」
(もうボクは人殺しだ。後戻りできない……)
(私のせいで、お姉ちゃんが人殺しに……)
今の二人は、楓の言葉を苦しいほどに痛感している。


【鳴滝風香 武器・包丁 メダル入手 現在1枚】
【鳴滝史伽 武器・?】
【宮崎のどか 出血多量死】

――残り26人
183真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/17(土) 16:52:32 ID:???
本日は2話の投下です。明日も2話の予定であります。
何と言いますか、変な所で小さなミスに気付けなくてすみません。
184マロン名無しさん:2007/11/17(土) 17:05:41 ID:???
おーこんな時間に投稿ビックリ。
お疲れさんま。
185マロン名無しさん:2007/11/17(土) 17:08:59 ID:???
GJ!
まさかこんなに早くアスナが脱落するとは・・・
俺はジョーカーだと睨んでいたんだが

「気の棒」→「木の棒」だよね?
変換ミスには気をつけた方がいいよ
186真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/17(土) 17:33:29 ID:???
>>185
指摘ありがとうございます。確かに木の棒が正しいです。
物語の流れや矛盾点を直すことを優先する余り、その小さな間違いに気付けませんでした。
187マロン名無しさん:2007/11/17(土) 22:31:09 ID:???
序盤で刹那、アスナ、のどかが退場か・・・
188マロン名無しさん:2007/11/17(土) 23:47:01 ID:???
>187
人気トリオが序盤でそろって退場とは珍しい。

あと善人でも悪人でも舞台をかき回す役目を振られる朝倉もね。
189マロン名無しさん:2007/11/18(日) 03:39:50 ID:???
その3人が最初に死ぬってのは何かの伏線か?
美空のしゃべり方に違和感があったがまぁ乙!
190マロン名無しさん:2007/11/18(日) 08:20:41 ID:???
良いねぇ〜
ちょっと多すぎるのもなんだが序盤で主役キャラが消えるのは
好きだよww
特に刹那なんてほとんど終盤まで生きるし
191マロン名無しさん:2007/11/18(日) 13:28:52 ID:???
刹那は遭遇率&生存率No.1だからね
でも春日さんの喋り方ちょい変じゃないか?
192真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/18(日) 16:38:17 ID:???
それでは投下します。
193真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/18(日) 16:40:11 ID:???
9.崩壊の序曲

「……だめか」
エヴァはゲームがスタートしてすぐに魔法を使用してみたが、無反応であることに気が付いた。
ゲームの説明をしている途中で皆吹き飛ばしてやろうと思ったが、魔法が発動しなかった。
首輪は神祖の吸血鬼であるエヴァンジェリンですら能力を扱えないほど強い制限をかけている。
すぐに首輪の仕組みを見ようとしたが生半可な仕掛けではないと見た。
やむを得ず、茶々丸か聡美を探そうと歩いていた。
武器は日本刀。強力な武器であるが今のエヴァでは重たくてとても扱いきれない。
とりあえずいつ襲われてもいいように日本刀を外に出して引きずる状態で移動していた。
いざとなれば体術だけで乗り切ってみせる。素手でも刹那とまともにやり合える自身があるからだ。

「あれは……」
森の中に、木乃香の後姿を発見した。
あんなに無防備な格好をしてはその気になった人間が殺しに掛かると思った。
刹那を殺され、スタート直前まで立ち上がる気力すらなかった木乃香を思うと、当然といえば当然だった。
魔法能力的に高い潜在能力を持ち、一応慕っている相手をこのまま放っておくのも癪に障る。
仕方なく保護する形で声を掛けることにした。
「おい、貴様そんなところでいると敵のいい的だぞ」
木乃香に声を掛けるが返事がない。声は届いているはずだ。
無視されたと思って少し強めに声を張り上げて木乃香の肩を叩いた。
「おい、無視するな! 殺されたいの……か………!」

次の瞬間、エヴァはそれから続く言葉を失った。
木乃香が腰を下ろして見ているのは、もはや死体となっていた明日菜であった。
背中に刃物が刺さった痕跡があり、これが致命傷となった。
デイパックの中は荒らされており、すでにゲームに乗った人物がいるということを見せ付けられる。
それも明日菜である。こんなにも呆気なく殺されてしまうとはエヴァも予想していなかった。
194真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/18(日) 16:41:27 ID:???
「なぁ、エヴァちゃん……」
木乃香が口を開く。
「せっちゃんも明日菜も、何でこんなに簡単に死んでしまうん?」
呆然とした表情で、そして死んだような目つきで淡々とうわ言のように喋る。
「明日菜死んだら…ウチ、せっちゃんの約束守れんやん……」
明日菜を頼ってここまで気力を振り絞ってやってきたのに……。
待っていたのは木乃香の想いを粉々に砕いてしまう仕打ちであった。

すべてを失ったように脱力してエヴァに乗りかかってきた。
そんな木乃香にエヴァは頬を叩いて叱咤する。
「しっかりしろ! お前は一人だと何も出来ないのか!!」
「……せっちゃん………」
声にも心が籠もっておらず、もはや生きる意味すら見出せずにいた。
木乃香が俯いた瞬間、エヴァが手に持っていた日本刀が目に入る。
鋭い刀。刹那が軽々と夕凪を振舞っていたあの瞬間が目に映る。
刹那が夕凪で最後に行ったのは、自分が出て行ったことが発端とはいえ、人の命を奪うことであった。
そして刹那が言った最後の言葉が過ぎった。
「ぁ……そうや。ウチ、まだせっちゃんの約束が残っとった」
木乃香の瞳に覇気が戻ってきた。エヴァも一安心する。
「全く、手間のかかる……!」
だが木乃香の瞳に戻ってきた覇気は全く別物に気付いた。
それに気付いたその瞬間、自身の腹に固い鉄の物体が押し付けられていた。
それは木乃香の武器であるシグ・ザウエルP228。
木乃香は躊躇うことなく引き金を引いた。
195真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/18(日) 16:42:34 ID:???
零距離から腹に放たれた銃弾。鼓膜を突く破裂音が森の中にこだました。
腹に銃弾を食らったエヴァは後ろに吹き飛び、激痛と出血の海に飲まれた。
「なっ……こ、この…え……」
口から大量の吐血を行い、木乃香を見上げる。
木乃香は不適な笑みを浮かべながらエヴァの持ち物を奪っていく。
「せっちゃんは『生きて』って言うとったやん。エヴァちゃん、ウチ一人で頑張るわ」
エヴァの目の前が霞む、視点が定まらず体を支える力も無い。
思いもよらない所から特大のパンチを食らってしまった。命を十分に奪うほどの強力な……。
「……わ…たし……が……この私が………………」
絶望と驚愕の中、全身の力と思考力を失ったエヴァはその場に沈んだ。
その間に木乃香は荷物をまとめて立ち上がる。
もはや動かなくなったエヴァの体を乱暴に蹴り飛ばすと、首輪から外れていたメダルが木乃香の足元に落ちた。
それを拾う木乃香の純粋無垢な瞳は、歪んだ色に濁らされていた。
「10枚メダルを集めるか最後の1人になるまで戦って……せっちゃんの願いどおり生き残るで。おじいちゃんもウチが助けたる」

【エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル 銃殺】
【近衛木乃香 武器・シグ・ザウエルP228 日本刀入手、メダル 現在3枚】

――残り25人
196真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/18(日) 16:43:55 ID:???
10.チアとピエロ

「……」
「……えーと」
これを偶然の出会いというものであろうか。
ザジ・レイニーディ(出席番号31)と柿崎美砂(出席番号7)が森の中で偶然にも出会うことになった。

「……」
「……何から話したらいいのかな?」
ザジは基本的にほとんど喋る所を見たことが無い。
ましてこんな異常な空間でどんな行動に出るか想像が付かなかった。
下手に刺激をしない方がいいと感じ取り、そっと話しかける。
「……」
ザジは何も話してこない。――というよりザジが話している所すら見たことが無い。
黙っているだけで何かを伝えようともせず、ただ無言で見つめていた。
「あのー……ザジさん」
流石にどうしていいか見出せず、思い切ってこちらから聞いて見ることにした。
「…………はい」
返事をした! 初めてザジが他人の発言を返してきた。
ほんのちょっぴり感激しつつ、ザジに協力を仰いだ。
「私たちこんな状況じゃん。ここは協力したほうがいいと思うんだよね」
美砂のしどろもどろな発言。何故クラスメイト相手にここまで緊張しなくてはならないのか。
多少硬い人物にもフランクに付き合える美砂ですら遠慮しがちなザジ。
ちょっと特殊な人間だったからそうなる。

「……いいですよ」
それは驚くほどあっさりと返答してきた。それも即答。
拍子抜けもいいところで、突然襲ってきたり断ると思っていた美砂。
197真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/18(日) 16:45:14 ID:???
今更こっちが断るわけにもいかず、とりあえず一緒に行動することになった。
だが仲間になったのはいいがそれ以上の会話が全く続かない。
手を取り合って何とか生き残ろうとしているはずなのに、無言では流石にまずい。
何でもいいから話題を振りたかったが、何を喋ればいいのか検討も付かない。
ポケットに手を入れても何も無い……、いやあった。

「ザジさん、武器は何?」
ザジはデイパックを探ると、なにやら円形のものを取り出した。
どうやらそれは何の変哲も無い植木鉢だ。
一応武器にはなりそうだが割れたらそこでおしまい。たぶん使い捨て。
「柿崎さん……。武器は何ですか?」
今度はザジはこちらから話しかけてきた。
美砂は少々がっかりしたような表情でポケットからそれを取り出した。
「私はこれ」
何と美砂の武器は袋に入った花の種であった。
完全な外れ武器で何の役にも立たない。食料が切れたら食べろとでも言うのだろうか。
二人揃ってはずれ武器になり、落胆の表情をする美砂。
これで銃を持っている人間と出くわしたら間違いなく相手のいい的だ。
ザジのような身軽に動けるならともかく、ただの一般人の美砂には……。

「はぁー。どうしよ」
折角ザジと仲間になれたのに武器がこれではまともに戦うこともままならない。
どうしようと考えていると、ザジが土を植木鉢に集めた。
「何してるの……?」
するとザジは美砂の武器だった花の種をそっと植木鉢の中に入れる。
198真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/18(日) 16:46:24 ID:???
そしてペットボトルに入っている貴重な水を少量与えると、その植木鉢を美砂に見せ付けた。
「仲間の証」
美砂の心が少しちくりと痛んだ。
自分が仲間になろうと話しかけてきておいてザジを信じていなかった。
ザジは土だらけの手で自分との仲間の証を見せてくれたのに。
「……あはは、二人で生き残ったら大切に育てようね」
すると営業スマイルしか見せたことのないザジがにこやかに笑った。
この瞬間、美砂はザジを心の底から信じようと誓った。

【柿崎美砂 武器・花の種】
【ザジ・レイニーディ 武器・植木鉢】
199真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/18(日) 16:47:58 ID:???
今日の分はこれで終了です。
明日からの平日はいつも通り夜の時間帯になりそうです。
200マロン名無しさん:2007/11/18(日) 16:48:39 ID:???
遭遇キタコレ!!!
とりあえずGJ!!
まさかエヴァまで逝き、このかが狂うとはまるで想定外だったぜ・・・
今回は誰が生き残るかが想像できないな・・・
201マロン名無しさん:2007/11/18(日) 16:58:08 ID:???
美砂かザジの生存フラグ
202マロン名無しさん:2007/11/18(日) 17:25:02 ID:???
美砂とザジに泣いた
おそらく魔法の花の種で3時間くらいすると武器がどんどん実るんだよ
203マロン名無しさん:2007/11/18(日) 17:41:16 ID:???
次は序の序で生存率の高い朝倉、アスナ、刹那、エヴァを逝かせるとはなw
これは中々おもしろくなりそうだw
204マロン名無しさん:2007/11/18(日) 18:08:02 ID:???
ザジの本当の微笑み……いいもの見たなぁ
しかし主催者側は何を考えてるんだ、この支給品w 植木鉢はともかく種って
205マロン名無しさん:2007/11/18(日) 18:09:49 ID:???
ダーツセットと大差は無いと思うがな<種
206マロン名無しさん:2007/11/18(日) 18:37:36 ID:???
ザジと美砂のコンビって、なんかいいよな
確かみかんの時もそうだったよな?
207マロン名無しさん:2007/11/18(日) 18:44:25 ID:???
みかん?
208マロン名無しさん:2007/11/18(日) 19:16:23 ID:???
これはザジのマーダーフラグw
209マロン名無しさん:2007/11/18(日) 19:40:24 ID:???
んなフラグねぇよwww
ザジは命がけで美砂守って最後には
「この花…咲か…し……て…ね」
とか言うんだよ
210マロン名無しさん:2007/11/18(日) 19:49:32 ID:???
2人で生き残ったら……?
そうだね。メダル20枚、頑張って集めようね。
211マロン名無しさん:2007/11/18(日) 19:59:39 ID:???
「仲間の証」
美砂が感動しながら背を向けた次の瞬間
「でドーーーン!」
美砂はその場に倒れた
212マロン名無しさん:2007/11/18(日) 20:06:42 ID:???
島に散らばったポケモンを5匹以上集めれば脱出
ってルールにしようと思ってるけど駄目?
213マロン名無しさん:2007/11/18(日) 20:10:44 ID:???
>>212
いいよ!
214まとめ4:2007/11/18(日) 21:18:10 ID:???
まとめサイトの方、過去ログdatのみですが補完しておきました。
215マロン名無しさん:2007/11/18(日) 21:39:09 ID:???
>>214
大変乙です!
216マロン名無しさん:2007/11/18(日) 21:43:26 ID:???
7部と9部あげてー
217マロン名無しさん:2007/11/18(日) 23:10:54 ID:???
まとめ氏乙!
218マロン名無しさん:2007/11/18(日) 23:16:36 ID:???
なんというか…ザジがジョーカーにしか見えない俺は終わってるんだろうな…
後は風香もジョーカーに見えたな、うん

…吊ってこよう


>>214
乙華麗
219司書  ◆diEk0iTtGI :2007/11/18(日) 23:52:46 ID:???

こんばんわ

第7部の件ですがミスと非現実的な部分があったので微修正したのを上げます稚拙な作品ですがよろしければ修正版でお願いします
自分の書いたもの(特に過去のもの)を軽く読み返すだけで恥ずかしい・・・・・・

ttp://www.uploda.org/uporg1119129.txt.html
NBR7.txt(187kb)
pass:”スク宮”をローマ字で

最後に真・作者18氏、頑張ってください! では
220マロン名無しさん:2007/11/19(月) 00:10:43 ID:???
ケータイでも読めるようにして欲しい…
221マロン名無しさん:2007/11/19(月) 00:19:42 ID:???
あー俺も最近忙しいから仕事の合間とか読みたいし
もしできるなら携帯でも読めるようにしてもらえませんか??
222マロン名無しさん:2007/11/19(月) 00:48:46 ID:???
確かに携帯だとDL出来ないみたいだね
223マロン名無しさん:2007/11/19(月) 00:55:55 ID:???
作者1ってどんなパクリしたの?
224マロン名無しさん:2007/11/19(月) 01:53:59 ID:???
他ロワをコピー。名前と口調だけ変えて投下
225マロン名無しさん:2007/11/19(月) 02:20:35 ID:???
作者18すげぇな………
容赦なく人気なキャラをあっさりぶち殺してる
226マロン名無しさん:2007/11/19(月) 12:25:19 ID:???
227マロン名無しさん:2007/11/19(月) 12:32:23 ID:???
司書氏ケータイ版お願いします!!
228まとめ4:2007/11/19(月) 18:34:44 ID:???
携帯版もできれば作りたいとは思うのですが、正直、すぐには作れません。
時間的余裕だけじゃなくて、そのあたりのスキル自体がないので…。
もしもどなたか作ってやるぜ!という方がいらっしゃいましたら、おねがいします。
229マロン名無しさん:2007/11/19(月) 19:12:52 ID:???
>>228
乙!
希望するならモバイル版はPC版にUpしてないのから頼めると嬉しいな。
今希望が出てる7部、9部含める7部〜13部あたりまでは上がってないみたいだし
230マロン名無しさん:2007/11/19(月) 19:15:01 ID:???
まとめ氏乙です
作るならないのからうpるよろし
自分も手伝えたら良いのだが専ブラ入ってないからな…
231マロン名無しさん:2007/11/19(月) 20:23:27 ID:???
完成期日未定でよければ、テキトーに携帯でも見れるトコ探して作るぞ



つーか、俺は普通に携帯でも見れるんだが
232マロン名無しさん:2007/11/19(月) 21:00:27 ID:???
俺も携帯で見てもなんも支障はない。
てか見れないって言う奴の機種はなに?俺はDOCOMOのNとDは使ってたが見れた。
233マロン名無しさん:2007/11/19(月) 21:03:26 ID:???
>>231
俺は司書氏の見れなかった
ちなみにauで51S
234マロン名無しさん:2007/11/19(月) 21:14:50 ID:???
SoftBankの T 使ってて見れないですorz
235真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/19(月) 21:33:51 ID:???
お待たせしました。まとめサイトのことで話している中で失礼します。
今回も2話の投下になります。
236真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/19(月) 21:35:30 ID:???
11.絶叫の銃弾

「これじゃあネタにもならないよねぇ……」
デイパックを手に持ち、どうしようかと悩む早乙女ハルナ(出席番号14)は川沿いを歩いた。
下手に山に行くと危険だからだ。
夕映やのどかを探そうと模索するが、出席番号も10は離れており、安々と見つけられるとは思えなかった。

このまま本当に人殺しになってしまうのか、それが怖くて何も言えない。
とりあえずこのまま歩いてそれから考えようとした。
武器も持たずに無防備に歩くハルナ。いつどこから襲い掛かってくるか分からない。
だがハルナの進んでいるのは見通しのいい川沿い。
どこから来るにせよ、いざというときは川に飛び込んで流れのままに進めば生存率も上がる。
気にするといえばすぐ横の茂みくらいだ。木々は辛うじて川まで到達していない。
細心の注意を払いながらハルナは進んだ。

すると奥の茂みが微かに揺れた。
「!」
ハルナは用心深く腰を屈めてゆっくりと進む。
相手が何をしているのか分からない以上、下手な行動は禁物だからだ。
「……誰」
一言だけ告げるハルナ。すると悲鳴にも似た叫び声を上げて千雨が突進してきた。
「うわああああああああああああっ!! 来るなぁぁぁぁぁ!!」
大声で迫る千雨の顔は猫に追い詰められたネズミのようであった。
武器のコルトガバメントを構えてハルナに襲い掛かる千雨。
「え!? ちょ、ちょっと待っ――」
237真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/19(月) 21:37:24 ID:???
次の瞬間、千雨は目を閉じてコルト・ガバメントの引き金を引いてしまう。
耳を突く破裂音と共に両手に強い反動が起きて、後方へと転んでしまう。
その最中、ハルナの胸の中心に銃弾が当たったことだけ、千雨の目に焼きついていた。

「はぁ……はぁ……」
ゆっくりと恐る恐る目を開ける千雨。今更ながら何て事をしてしまったんだと思ってしまう。
恐怖に顔が歪み、ハルナに声を掛けられた瞬間にその気持ちが切れてしまう。
「………お、おい?」
正気に戻った千雨は、ハルナの元へと駆け寄った。
ハルナはうつ伏せのままぴくりとも動かず、千雨は銃の先でハルナを突付いてみた。

……無反応。
「は、はは……まじ?」
コルト・ガバメントを持った手が震え上がる。
千雨の放った弾丸はハルナの胸元に命中した。すなわち殺した。
「う、う…・ウワアアアアアああああああああああっ!!!!」
次の瞬間、千雨は悲鳴を上げてその場から逃げてしまう。
頭を抱えて人殺しになってしまった自分を責めながら森の中へと消えていった。

【早乙女ハルナ 武器・?】
【長谷川千雨 武器・コルト・ガバメント 錯乱状態に陥る】
238真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/19(月) 21:38:43 ID:???
12.チャイナ2人、ハカセ1人

ゲームが開始して数時間が経過。小さな小屋を潜伏先とした超と聡美、そして古はゲーム打破の作戦を練っていた。
一刻も早くゲームを終わらせたいが、人の命を奪ってゲームを終わらせることは超の方針的にそぐわない。
それでもこのような非人道的な戦いを何が何でも終わらせようとしていた。

窓の外を睨んで見張りをする古菲(出席番号12)。己の力をぶつけ合い正々堂々と勝負する。
それが格闘家の心得。だがこの場合、そんな奇麗事などどこかへ吹っ飛んでしまいそうである。
自分自身の拳を見つめながら、古は思い悩む。
刹那の死を見て抵抗することすら忘れていた自分があの瞬間にいた。
人が死ぬ所を始めて見た古は、自慢の中国拳法を生かすことも出来ず怯えてしまった。

呆然と刹那が死んでいく様を黙って見てしまった。下手をすれば自分もあんな目に遭うからだ。
足が竦み、自分の名前を呼ばれた時など思わず恐怖に歪んだ声を出しそうになった。
必死に歩いてその恐怖心を拭い去ると、全身から汗が噴出し腰が抜けたようになって尻餅をついてしまったほどだ。
それくらい戦いに長けた古の受けた衝撃は計り知れない。
「ハカセ、どうアル」
恐怖を紛らわせようと地図を睨むの聡美に話しかけた。聡美は何とか首輪の解除とゲーム開放の方法を探している。
安全かつ首謀者に立ち向かえる施設はないか賢明に模索していた。
山のふもとにある小さな小屋。カーテンも仕切るものも無い小屋の中で明かり。
確実に誰か居ることは明白だ。
今のところは安心だが、仮に襲われたらこの場を捨てて別の所へいかなければならない。

「二人とも、食事が出来たネ」
超が小屋の食器や食料類を失敬してスープを作ってくれた。
驚いたことに無人島のはずのこの中で、食料だけはまともに置かれてあった。
239真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/19(月) 21:39:56 ID:???
超もデイパックの中身の食料がパン3つだけでは物足りないと感じていた。殺しあって食料を奪えば済むだけの話。
ここはラッキーポイントなのか米や缶詰など様々な材料が置かれていた。
使えるなら有効利用するしかない。この状況下、泥棒や窃盗の概念など超越している。
「見張りは私が代わりにやるから古も食べるネ」
「超、すまないネ」
超は自分専用の武器を持って窓際に立った。

その間に古と聡美はパンに超の作ってくれたスープを添えて、食事を取る。
さらに釜一杯に炊かれたご飯。
実はそれが古の武器。超と聡美の前に現れた瞬間、何と古は頭に釜を被った状態で現れたからだ。
古の頭が入るほど大きな釜。鎌ではなく釜。
釜もヘルメット代わり程度にはなるだろうが、古にはこれくらいしか使い道が浮かばなかった。
その異様な格好に流石の超もずっこけた。

「おいしいですよ超さん」
「流石は超包子を経営してるだけのことはあるアル」
有り合わせの材料でここまで絶賛される超の腕。
もしかしたらこれで最後になるかもしれないという不安を振るうように、二人は明るく話しかけた。
超もそれに答え、窓の外にいる見えない敵と戦うことを決めた。
3人の夜はこうして更けていく。


【古菲 武器・釜(現在飯入り)】
【超鈴音 武器・S&W19 (コンバットマグナム)】
【葉加瀬聡美 武器・フランキ SPAS-12(ショットガン)】
240真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/19(月) 21:41:00 ID:???
今日はこれで終了です。
出来るだけ出るキャラクターが偏らないように調整しても
展開によってはそれもうまくいかない場合が多いです。
241マロン名無しさん:2007/11/19(月) 22:00:43 ID:???
食料になにか仕込まれてると思った俺は考えすぎか・・・・?
242マロン名無しさん:2007/11/19(月) 22:10:04 ID:???
投下分の量が少ないし、相変わらず誤字が多い
次作者がいないから投下分の量についてはいいとしても、
誤字脱字はちゃんとしてくれないと読者側としては読む気を
削がれるだけだから校正を確認してから投下してほしいな
243マロン名無しさん:2007/11/19(月) 22:11:29 ID:zdsSPh+r
俺DoCoMoだけど携帯サイト文字化けして見れん
244マロン名無しさん:2007/11/19(月) 22:13:32 ID:???
>>231
おう!作ってくれるのか!頼む!
7部最初に頼むな!!
245司書 ◆diEk0iTtGI :2007/11/19(月) 22:17:26 ID:???
18氏、お疲れ様です
古菲がいつ体に穴が空いてもおかしくない位置に、と考える自分がいるw

携帯のほうですが実のところどうすれば読めるようにできるのかまったく分かりませんorz
PCと携帯兼用のろだのほとんどが画像や動画専用ですし
何かアドバイスありましたらご教授お願いします

最後に色々と騒がせてしまっていることを18氏にお詫びしたいと思います
迷惑かけます
246マロン名無しさん:2007/11/19(月) 22:41:25 ID:BAzMIlcM
>>242
構成、な。
247マロン名無しさん:2007/11/19(月) 22:52:57 ID:???
暇見つけて作るわ、あんまし中身に期待すんなよ
248マロン名無しさん:2007/11/19(月) 23:02:15 ID:???
>>246
いや校正でいいんだろ
249マロン名無しさん:2007/11/19(月) 23:16:09 ID:???
神祖⇒真祖
250マロン名無しさん:2007/11/19(月) 23:29:01 ID:???
今回の三人にジョーカー居そうだなwwww



何と言うか前スレの終わり辺りから変なのが沸いてるな…

251マロン名無しさん:2007/11/20(火) 00:01:38 ID:???
>>248
合ってる。
誠に申し訳なかった。
252マロン名無しさん:2007/11/20(火) 01:48:15 ID:???
脇役が活躍するのは好きだから正直この部には期待しているw
253マロン名無しさん:2007/11/20(火) 02:52:52 ID:???
作者18、乙
新たに携帯サイト作ってくれる人、乙
今日彼女と別れた俺、乙
254マロン名無しさん:2007/11/20(火) 08:13:43 ID:???
>>253
255マロン名無しさん:2007/11/20(火) 15:44:39 ID:???
http://64.xmbs.jp/negima/

とりあえず完成っちゃあ完成。要望のあった7部は旧まとめが消えてて発掘すんのめんどゲフンゲフンだったのであえて6部をうp
いままで見れなかったひと、確認お願い
256マロン名無しさん:2007/11/20(火) 17:31:46 ID:???
おっ!乙!
見れた見れた!
(だが6部はすでにPCで読んでたorz)
良かったら7部発掘してください!ともかく乙です!
257マロン名無しさん:2007/11/20(火) 17:34:00 ID:mgrITJmA
こんなスレあったんだ…
今日一日で1部全部読んで感動した(T_T)
是非他のも読みたいです。携帯サイトに6部まであるみたいなんでソッコー読みます♪
7部以降の更新頑張って下さい!
258マロン名無しさん:2007/11/20(火) 17:35:21 ID:???
>>255
見れました。まじで乙です。今から読まさしてもらいます。
この調子で7部以後も頑張って下さい
259マロン名無しさん:2007/11/20(火) 17:53:52 ID:???
どーやったらここまでつまらなくかけるんだろ
260マロン名無しさん:2007/11/20(火) 18:00:13 ID:???
>>259
まぁ君が必死こいて書いたらできるんじゃないかな?^^
261携帯まとめ:2007/11/20(火) 18:08:37 ID:???
さっき言い忘れたけど、ここをこうしたらどうかとかこんな機能欲しいとかあったら検討してみるぉ

しかし、ただのコピペでもけっこう時間かかったし、こりゃ大変だわ……歴代まとめ氏の偉大さを痛感した
262マロン名無しさん:2007/11/20(火) 18:37:50 ID:???
急かすわけじゃないんだが早くまとめで他の部が読みたいぜ・・。
ところでお前らのおすすめの部はどれよ?
263マロン名無しさん:2007/11/20(火) 18:51:26 ID:???
千雨信者の俺は六部を推すぜ
264携帯まとめ:2007/11/20(火) 18:55:31 ID:???
2ちゃんねるビューワー買おうと思いきや・・・カード持ってねええええorz
265マロン名無しさん:2007/11/20(火) 19:22:30 ID:???
PCまとめで1〜6部,11〜13部,15部は読んだから7〜10部が欲しいかな。
とりあえず携帯氏はやはり希望の多い7部を始め10部まで載せたら確実にテンプレ入りだな。

いろいろ乙です。手伝えない自分が情けない。
266マロン名無しさん:2007/11/20(火) 19:23:58 ID:???
>>262
パクリだが1部が出来が良い

ちなみに前スレで上がってた皆のお勧めは司書氏の7部だが俺は読んだ事ない
267マロン名無しさん:2007/11/20(火) 19:25:13 ID:???
皆っていってるがマンセーしている司書氏の作品俺は別にどうも思わないんだが…
268マロン名無しさん:2007/11/20(火) 20:03:23 ID:???
司書氏って7部と何部書いてんの?
269マロン名無しさん:2007/11/20(火) 20:22:34 ID:???
>>266
>>267
に禿同
ぶっちゃけ1部と11部はまじ尊敬なんだがな

270マロン名無しさん:2007/11/20(火) 20:24:13 ID:???
>>268
12部かなんかじゃないっけ
271マロン名無しさん:2007/11/20(火) 20:30:03 ID:???
1部は出来良いけどパクリだから尊敬するのは作者1ではないな
11部もパクリだっけ?
ひょっとして>269は作者1?
司書氏は俺は良いと思う。携帯まとめ氏が7部うぷしてくれればもう1度暇を見つけて読もうと思う
272マロン名無しさん:2007/11/20(火) 21:10:28 ID:???
作者6氏はもっと評価されてもいい
1部で尊敬するのは億バトなどの書き手
司書氏はぶっちゃけあまり印象にない
13部が個人的にお気に入り
273真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/20(火) 21:22:12 ID:???
それでは本日3話分投下します。
ちなみにこちらおすすめはやはり6部でしょうか。
274真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/20(火) 21:23:19 ID:???
13.消えた夏美

恐怖と絶望の中に那波千鶴(出席番号21)はいた。
自分たちが置かれている立場と先生らの思いつめた表情。強引にやらされているのは目に見えていた。
何とかして先生らとゲームに参加させられた生徒を助けたい。
それは千鶴の切実な想いであった。だが今の千鶴は無力。
武器は鉈だが、これ一つで武装した軍と戦うには少々荷が重過ぎる。困り果てた千鶴は海辺に近い道を歩いていた。

そこへ誰かがこちらに走ってきた。
それはいいんちょこと、雪広あやかであった。
「あやか!会いたかったわ」
「千鶴さん、よくご無事で」
抱きしめあい、互いの無事を確認しあった。千鶴は目に涙すら浮かべている。
だがあやかの無事を確認するとすぐさま話しかけた。
「ねぇあやか。夏美を見なかった? あの校舎で一度も見てないの」
千鶴はゲームが始まる前からおかしなことに気が付いた。
村上夏美(出席番号28)があの場にどこにいたか確認できなかったのだ。

「やはり……」
あやかはその言葉を聞いて深刻な顔をした。
千鶴はあやかのその発言を聞いて、自分だけ夏美を見失っていたというのは間違いだったと気付く。
「千鶴さん……、よく聞いてください」
あやかは千鶴に向かって重い口を開いた。
「私の出席番号は29番ですよね」
千鶴は軽く頷いた。千鶴は21番、夏美は28番、そしてあやかは29番。
あやかが出て行ったということは夏美はその一つ前でスタートしたことになる。
275真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/20(火) 21:24:23 ID:???
だが――
「私が呼ばれる一つ前は……宮崎さんだったんです」
その言葉を聞いて千鶴は凍りついた。
「それって……」

おかしなことだった。
出席番号27番ののどかがスタートしたのだから本来、次に呼ばれるのは28番の夏美のはず。
だが夏美の名前は呼ばれず、そのままあやかの名が呼ばれてスタートすることとなった。
主催者が忘れるはずが無い。ならば夏美はどこへ消えたのか?
もしかしたら……そんな恐怖が二人を襲った。
「まさか、夏美はもう……」
「そんなことありませんわ。きっとどこかに隠れているのですわ」
必死に千鶴を励ますあやか。千鶴は何か強い刺激一つで今にも子供のように泣きそうになっている。
あやかとて状況が飲み込めないが、今は千鶴を宥めることが先決だった。
「でも、夏美は一体何処に……」

千鶴の言うことはもっともで、何故夏美がそこにいなかったのか?
その場にいないのなら夏美は一体どこにいるのか?
生きているのか、死んでいるのか?
答えはどんなに考えても出てくるはずが無い。

【那波千鶴 武器・鉈】
【雪広あやか 武器・ボウガン】
276真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/20(火) 21:25:39 ID:???
14.戦う女

ゲーム開始後、森に身を隠して突き進む真名。
自分の武器はスタンガンであるため、接近戦でないと戦えない。相手が銃ならなおさらだ。
前後左右上下、いつ襲われてもいいように真名は臨戦態勢の状態だ。
おそらく下手に声を掛けると一瞬で倒されるだろう。
そんな真名は、後ろから猛スピードで接近する気配を感じ取る。
スタンガンを構え、勢いよく振り返ったと同時に押さえ込む。
一瞬の間にシュミレーションして一気に振り返った。

「――――」
「――――」
にらみ合い、沈黙したまま見つめあう二人。
真名はスタンガンを構え、後ろから追いかけるようにして出てきた楓はマシンガンを持っていた。
「お前はこのゲームに参加するのか?」
真名はそう尋ねてきた。
このゲームを理解しようとは思わないし、クラスメイトを殺そうだなんて気が狂っている。
楓は首を振って断固拒否の構えをとった。
即座に2人は武器を下ろして共に進むべき道へと歩く。
互いに戦いあい、相手の手の内を知り尽くしている仲だ。
余計な会話などなくとも意外なほど通じ合っている。
「敵として会わなくてよかったと、今になって気が付いたよ」
「それはこっちも同じでござるよ」
真名も戦いには否定的だ。
金を貰って敵にも味方にも付く真名だが、この時ばかりは違った。
277真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/20(火) 21:27:19 ID:???
刹那が殺されている様を見て、戦闘能力が高いなら助かるといった定義は崩壊する。
戦えという依頼が無く、戦えないのなら死ねと言っているようなゲームに対して従う理由は無い。
ならば自分の意思で戦うこと。そして無用な殺生を好まない楓。
両者の意見は『戦いには参加せず、主催者側と戦うこと』だった。

武器を片付けると真名は楓が敵になっていないことに感謝しながら歩く。
まず確実に敵に回したくない2人、真名と楓。
本人たちにとってみれば隠れながら歩いているつもりなのだが、なまじ長身のせいで目立ってしまう。
すると真名が口を開いた。
「楓、ちょっといいか」
「何でござる?」
もしかしたら、その後の戦いにも影響が出るかもしれない。
楓なら確実に気付いているであろう“あること”を。

「―――のことだ。お前から見てどう思う」
「最初に見た時は騙されたでござるよ。本当に――と思ったでござる」
スタートする前のちょっとした違和感。
和美が殺されて、刹那が殺されて、意気消沈の生徒。
呆然として立ち尽くす残りの生徒の中で冷静さを失わなかった楓と真名は、ある事実を掴む。
「改めて考えたらどうだ」
「彼女が一番怪しいでござるな」
このバトルロワイアルにはジョーカーといえる人物が3人いる。
1人目は刹那。しかし彼女はスタートする前に殺されてしまった。
残る2人。真名と楓の予想ではそのうちの1人は“あいつ”ではないかと予想した。
あくまで予想だ。もしかしたら2人の予想は外れて味方になるかもしれない。
278真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/20(火) 21:28:42 ID:???
確証も無いまま決め付けるのはよくないことだ。
だがどうしても状況的に最有力と見ざるを得ない。

しばらく進むと大きな分かれ道を見た。
「どうする?」
「二手に分かれるでござる」
同じ森でも険しそうな道を選択する真名と湖に近い道を選択する楓。
互いに再会するときは仲間を見つけてくるようにと健闘を称えあう。
「気をつけていけよ。いつ誰が敵に回るかわからんからな」
いつになく精一杯の気遣いをする真名。
その名の通り、いつ誰が敵に回って命を落とすか分からない。
「あいあい」
簡単な挨拶だけにして二人は互い別の道へと進んだ。
それが絶望となるか生存への近道となるかは誰も知らない。

【龍宮真名 武器・スタンガン】
【長瀬楓 武器・イングラムM11(サブマシンガン)】
279真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/20(火) 21:29:53 ID:???
15.村上夏美の戦い

「うぅ〜〜〜〜〜ん」
彼女は、重い唸り声をあげるようにして起き上がった。
体が重く、頭痛が酷い。目の前がふらふらしているが、あまりの寝苦しさに耐えられなかった。

「……ここどこ?」
真っ暗でここがどこなのか分からない。
分かっているのは、夏美は部屋らしき所の端っこに眠っていたこと。
さらにその窪んでいる部分に体が綺麗にすっぽりとはまり込んでいた。
もっと付け加えるなら、上から重いシーツが降りていて普通に見たらまず分からない。
誰もいないところで一体何がどうなっているのか全く分からない。
「ちづ姉ー。いいんちょー」
ルームメイトの名を呼んでも誰も返事をしない。
不安に駆られた夏美は小さな明かりを見つけて、垂れ下がっていた幕を開ける。

その先に見えたのはどこかのシャッターであった。
降りて見てみると夏美が寝ていたのは大きな軍用トラックの荷台だった。
どうやらここは建物の中らしく、自分はトラックに乗せられてここまで来たらしい。
でも誰が何のために?
「どうしよう、誰かいないのかな……」
不安に駆られて大声で人を呼ぼうとするが、奥からライフルを持った軍人の男たちが走ってきた。
夏美は思わずトラックの下に隠れてしまう。
しばらくして男たちはトラックの荷台に飛び乗り、手当たり次第探し出した。
荒々しく荷台の中を探す音は、真下にいる夏美にダイレクトに伝わった。
280真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/20(火) 21:31:14 ID:???
助けというより、捕らえに来たような雰囲気。夏美は出るに出られなくなった。
「駄目です。ここにもいません!」
「もっと隈なく探せ! 校舎に来るまではいることが確認できたんだ!」
男たちの怒号が聞こえてくる。やはり自分を捕まえに来たのだろう。
さらに会話は続いた。
「首輪の反応がありません。きっと首輪のスイッチが切れているはずです」
「見つけ次第、ゲームの説明をして参加させろ。抵抗著しい場合は射殺もやむなしだ」
射殺という言葉を聞いて夏美は心底恐怖した。
もし捕まればどんな目に遭うか想像も出来ず、トラックの下で震え上がった。
下手に見つかったら殺されるかもしれない。

男たちがその場を去った後、すぐにトラックの下から這い出してどこか出口を探した。
「出口、出口!」
早くここから脱出しないと命が危ない。
全体を見渡すとまず、ここから入ったであろうシャッター。
男たちが出て行った扉、そして反対側にもう一つの扉の二つだけ。
シャッターは開け方が分からない。スイッチ類もどこなのか分からず、扉も男たちが出て行った後であるため危険だ。
やむを得ず夏美は最後に残された扉を開ける。
「……ほっ」
誰もいない。ここはどうやら給食を作る場所のようだ。
隠れる場所はあるようだが依然として危険なのは明白。
さらに扉を潜ると長い廊下が続いている。場の雰囲気からここはどうやら校舎のようだ。
その中を息を殺してゆっくりと進む夏美。ふいに奥から駆け足が聞こえて思わずすくみ上がる。

281真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/20(火) 21:32:59 ID:???

声の状況から先ほどの男たちだ。オロオロして走ることもままならない夏美。
「早く見つけろ!」
男の野太い怒号が近づくのが、夏美の耳にもはっきりと伝わる。
不用意に移動したせいで先ほど出て行った道まで戻る時間も無い。
逃げ道も隠れる場所も無い。隣の理科室の扉は鍵が掛かって開かない。
他に隠れる場所も無く、絶体絶命のピンチ。
もう駄目だと思ったその瞬間。
「こっち!」
誰かの声がして横の理科準備室の扉が開き、夏美は何者かにそこへ引っ張られた。

ほどなくして男たちが廊下を通っていく足音が聞こえた。
「念のため閉めておけ」
男が誰かに命令すると、夏美が出て行った給食室の扉の鍵が閉められた。

【村上夏美 武器・なし】
【??? 夏美を理科準備室に連れ込む】
282真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/20(火) 21:34:24 ID:???
本日は以上となります。
明日の投下も3話の予定です。
283マロン名無しさん:2007/11/20(火) 21:37:07 ID:???
夏美の生存フラグ勃起!
284マロン名無しさん:2007/11/20(火) 21:37:38 ID:???
投下乙

夏美が主要キャラになりそうなヨカーン
285マロン名無しさん:2007/11/20(火) 21:47:45 ID:???
つまりアレかい、地味で目立たなかったからゲームに参加させ忘れたってことかい?
地味でよかったじゃん夏美。

そして助けたのは
朝倉(実は死体はフェイク)
刀子
鮫茶
高音
ココネ

誰だ!?
286マロン名無しさん:2007/11/20(火) 21:56:00 ID:???
夏美生存フラグか・・・。
287マロン名無しさん:2007/11/20(火) 22:00:02 ID:???
>>285みたいなアホが前スレあたりから沸いてるな。
おもんない。
288マロン名無しさん:2007/11/21(水) 00:01:46 ID:???
wktkが止まらんぜよ
GJ!
289マロン名無しさん:2007/11/21(水) 01:46:58 ID:???
もし夏美が生き残ったら作者18は神認定
290マロン名無しさん:2007/11/21(水) 01:50:05 ID:???
18氏乙。
作者17も最初ミスとか多くて叩かれてたじゃん。
でも途中から感動してきて最後には大人気なったじゃん。
きっと作者18もそうだよ。今叩かれててもきっと最後は認めてくれる。がんばってね!応援してる!
291マロン名無しさん:2007/11/21(水) 02:01:14 ID:???
まぁ、真名と楓の会話から十中八九朝倉がジョーカーだろう
朝倉がジョーカーなら刹那の行動,反応も合うし。それに朝倉,このか,刹那くらいしか目立った描写がなかったからな。
後は夏美が何故1人忘れられてたかの伏線ともう1人のジョーカーも気になるな。
292マロン名無しさん:2007/11/21(水) 02:21:53 ID:FFNlUl0J
俺のIDの小文字×10%が夏美の生き残る確率テスト
293マロン名無しさん:2007/11/21(水) 02:24:16 ID:FFNlUl0J
夏美\(^0^)/オワタ
294マロン名無しさん:2007/11/21(水) 14:50:06 ID:???
ちょwww吹いたwwwwww
295携帯まとめ:2007/11/21(水) 14:55:44 ID:???
7部の保管開始しました。まとめ4にあったdatをそのままコピペしたから所々おかしいのは勘弁して・・・

そうそう司書氏、上であがってる改訂版じゃなくて古いほうだと思われるので、修正した部分だけでもうpお願いします
296マロン名無しさん:2007/11/21(水) 15:41:53 ID:???
携帯氏乙です。
司書氏がこの前うpったのはロダの流れが早いからすぐ消えてしまった
どっかテキトーに簡単なサイト見つけてそこに載せた方が良いのでは?
297マロン名無しさん:2007/11/21(水) 16:11:26 ID:???
携帯氏乙です。
司書氏、是非再うぷお願いします。
ともかく7部読めるの楽しみにしてます。
298マロン名無しさん:2007/11/21(水) 17:24:28 ID:???
http://www.katsakuri.sakura.ne.jp/
ここは流れにくい
299マロン名無しさん:2007/11/21(水) 18:50:40 ID:???
>>298
それ携帯じゃ見れないよな。ここ長い小説だから携帯で見てる人多いし…
まぁ自分でレンタルすれば早いんだが
300マロン名無しさん:2007/11/21(水) 19:17:37 ID:???
>>299
普通に携帯で見れるが?
301マロン名無しさん:2007/11/21(水) 19:31:53 ID:???
あっごめん。見れた。
302真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/21(水) 21:31:04 ID:???
それでは本日分の3話を投下します。
303真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/21(水) 21:32:18 ID:???
16.協力

悪夢のような出来事からどのくらい経ったであろうか。
釘宮円(出席番号11)と亜子と四葉五月(出席番号30)は偶然にも出会い、3人で共に行動している。
刹那の死の瞬間、血を見ただけで失神する亜子にとってあの瞬間は地獄にも等しかった。
気を失い、アキラや裕奈が慌てて抱き寄せてきた。
辛うじて出発までに目を覚まして出て行くことは出来たが……。

「大丈夫?」
「うん……」
気分は最悪。おまけに円が亜子の姿を見つけた時、草むらで嘔吐していたのだ。
吐くものを全部吐いても、気持ち悪さと人が死ぬ瞬間の記憶は消えることが無い。
こんな状況で戦うなど夢のまた夢であろう。
嘔吐して蹲っている亜子の背中をさすっている所に、今度は五月に出会った。
五月は状況を把握して亜子を安全な場所に連れて行くことをを決めた。
争いごとや喧嘩が嫌いな五月の性格を悟ってか、円も亜子もすぐに五月を信用した。

円と五月は亜子の体を支えながら町の方向へと向かった。森は危険だと思ったからだ。
校舎の険しい道を抜けてようやく道らしい道に出る。
驚いたことに3人ともデイパックを一度も開いてなかった。
見る前に、嘔吐していた亜子に出会い、その上2人で亜子を左右で支えるように歩いていたのだ。
デイパックの中身など見ている余裕がなかったし、比較的近かったこともあってたどりついてから見ようという考えがあった。
銃が出た所で引き金を引けるかどうかも分からない。刃物が出てそれで人を刺せるかどうかも分からない。
幸いなことにその間は誰とも会うことなく、寂れた公園にたどり着く。
「ここに隠れましょう」
五月がそう言って公園の植え込みに隠れる3人。慌ててデイパックの中身を調べようとした。
その時――。
304真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/21(水) 21:33:26 ID:???
「どうしました?」
円の様子がおかしい。もじもじしていた。
五月の指摘に円は恥かしそうにして耳元で話した。
「――ぁ」
小さく頷いた。どうやら休めたことで緊張の糸が切れたのかトイレに行きたくなったそうだ。
運良く、隠れた公園には小さな公衆トイレがあった。
寂れて気味が悪いが、女子中学生がその場で用を足すにはあまりにも酷なことだ。
「実は私もなんです……」
恥かしそうに頬を赤くした五月。皆それぞれ肉体的に強い緊張感に包まれたままになっているのだ。
亜子もようやく落ち着いたのか、体を少しだけ起こして言った。
「行って来てええよ。ウチはここで隠れとるから」

その言葉を聞いて歩こうとした円は一瞬躊躇する。
このまま放っておいて亜子は大丈夫なのか。
トイレに行っているほんの僅かの間に、亜子が誰かに殺されるのではないかと不安に思ってしまう。
だがトイレも完全に安全とは言いがたい、一人で向って誰かが隠れていたとしたら……。
考えた末にトイレには2人で向かい、亜子が見えてトイレも調べられる位置にもう1人がいる作戦にした。
円は歩みを止めて亜子の方向へ振り向いて一言伝えた。
「ついででいいから、私たちの鞄から武器と名簿を取り出しといてね」
そう伝えて2人はトイレに消えていった。

亜子がよく見える位置のトイレの個室を選んで1人ずつ入っていく。
まずは五月から。円はトイレの中を調べながら亜子の様子も確認する。
トイレと隠れている場所の位置関係の都合で、よく周りが見渡せた。
ここからなら亜子が不意に誰かが近づこうものなら、そこから大声を出して避難させればいい。
しかし今更ながら、武器を確認した後でもよかったと後悔したが後の祭り。
五月が個室にいる以上、この場から離れられない。
305真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/21(水) 21:34:36 ID:???
五月が出てきて、次は円。
その間、亜子はデイパックの中にある武器と名簿を取り出した。

それから5分程度で2人が戻ってきた
亜子のいる草むらに戻った円と五月は足元に置かれていた武器を見た。
「なにこれ」
「出てきたの、これなんやけど……」
呆然と自分たちの武器を見つめる。これが武器といえる代物なのだろうか。
まず間違いなくはずれと見ていいだろう。
それぞれの武器を見て、激しく落胆する3人だった。


【和泉亜子 武器・ハリセン】
【釘宮円 武器・万年筆】
【四葉五月 武器・双眼鏡】
306真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/21(水) 21:36:05 ID:???
17.本当の死

一発の銃声が鳴り響き、次に千雨が悲鳴を上げて立ち去った後。
そこに残されたのは横たわるハルナであった。
静まり返った川沿いの道にうつ伏せで倒れこんだハルナは死体のようだった。
だが死体のはずのハルナは次の瞬間、体を起こして起き上がった。
「うぅ〜。痛てて……本気で驚いちゃった」
そう、千雨はハルナを殺したと誤解して逃げ出した。

確かにハルナは千雨の弾丸を食らった、だが無事だった。
「ふぅー。これに助けられたなー」
制服を開いて見たものは防弾チョッキ。これでハルナの体はしっかりと守られていた。
これも相手がまともな判断を出来ないほどの精神状態だったことと、スタートが深夜だったことが幸いした。
昼間であれば血の跡が全く無いことに不信感を覚えるからだ。素人ならともかく、真名のような戦闘のプロが相手なら……。
「これは大変なことになりそうかも」
すでにゲームに乗った人間がいることを再確認したハルナ。
この場は危険と察し、急いで荷物をまとめてその場から出て行こうとした。
死体のフリとはいえ地面に直に倒れ、土だらけになった制服のままでは動きづらい。
川の水を掬って可能な限り制服を洗う。ついでに顔も洗っておいた。
冷たい水が心地よい気分となり、こんな狂ったゲームの存在を少なからず忘れさせてくれる。
するとそこへ誰か後ろに立っている感覚がした。
(まさか!?)
千雨が帰ってきたのではと思い、急いで振り返った。

「………木乃香?」
その場に現れたのは千雨ではなく、俯きかげんの木乃香であった。
明らかに校舎を出る前以上に表情に覇気が無く、主人を失った操り人形のようだった。
307真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/21(水) 21:37:18 ID:???
「木乃香……?」
ハルナが話しかけても何も話そうとしない。
黙ってこちらに近づくと、木乃香は顔を挙げニタ〜っと乾いた笑顔をする。
その笑顔が不気味に思えて、ハルナは思わず後ずさりをした。
「……どうしたん?」
「あ、ぁぁ。これはね、襲われそうになって死体のフリをしてたんだよ。意外と上手くいくから試して見る?」
慌てて弁解するがその声には震えていた。
木乃香はその返答を聞くや、また俯き少し考えてから喋った。
「ええわ………」
「そ、そう」
親友のはずなのに、得体の知れない空気は何なのか。
刹那の死で精神的に不安定なのは分かっていることだが、それだけでここまで病んでいるようには思えない。
生唾を飲むハルナの目の前で、木乃香はまた呟く。
「ハルナ、ウチせっちゃんの『生きて』って約束を守りたいんや」
「だ、だから……?」
すると木乃香はいきなり銃を取り出して親友のはずのハルナに向けた。

千雨のデジャブを思い浮かべるように、ハルナの耳を付く破裂音。
だが今度は同時に右足が弾け飛ぶような感触を覚えた。
そして体を支えきれなくなり、ハルナは地面に倒れこむ。
「あ………あああああああああああああっ足が、痛い! 痛い!」
木乃香が放った弾丸はハルナの右足の膝上に命中した。
関節を少しでも動かすと激痛が脳天を刺激し、痛さと混乱で涙が毀れ出る。
「ごめんな、天国でどんなに恨んでもかまわんから……」
ゆっくりと嬲り殺すような目つきでハルナに近づいて頭に銃身を突きつけた。
先ほど一発撃ったせいか、銃身が熱を帯びておりハルナの額が軽く火傷を起こす。
308真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/21(水) 21:38:40 ID:???
だが、そんなことを気にする余裕すらなかった。
「ま、ま、待って……落ち着いて。い、い、今、撃ったら、ほ、ほ、本当に……」
涙で目が潤み、木乃香の顔が歪んで見えるが、そこに映る殺意は本物だった。
何とか説得しようにも、歯が死の恐怖でカチカチ音を立ててまともに喋ることもままならない。
木乃香の濁った瞳はハルナを冷めた表情で見下ろし――
「せっちゃんの約束のために死んで」
「やめて! やめて! やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
――引き金を引いた。

それから木乃香は川からすぐに離れた。
銃声を聞きつけて誰かが来ることを察したからだ。
「あと6枚かぁ……。せっちゃんウチ頑張るで」
これでメダルは4枚になった。
刹那の約束を守るために、歪んだ決意で次の獲物を探す木乃香であった。

ハルナはまたその場に倒れこんでいた。今度はフリではなく本当の死体。
首輪のメダルも回収されたハルナの体は、川岸で不安定な格好で止まっていた。
だが次の瞬間、ハルナの体は川の中へと落下する。
その場には、血まみれのメガネだけしか残されていない。
そして川の澄んだ水は、赤い色で染まっていた。

【近衛木乃香 ゲーム参戦宣言 メダル・防弾チョッキ入手 現在4枚】
【早乙女ハルナ 銃殺】

――残り24人
309真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/21(水) 21:39:59 ID:???
18.失われた親友

「夕映、朝だよ」
アキラの声で夕映は目を覚ました。
とりあえず町に移動して一番最初に目の入った民家に隠れこむ。
交代で見張りをして夕映はひとまず休むことが出来た。
アキラはあれから一睡もしていない。疲れが溜まっているだろうにそんな表情を見せていない。
自分だけ悪いと思ってか交代を志願した夕映。
「いいよ、もう朝だし」
「だめです。アキラさんだって眠らないといけないです」
仕方なくアキラは2時間だけ休むことにした。
床に寝そべるだけの粗末なものだが、ゆったりと出来た。
裕奈、亜子、まき絵。大切な仲間の安否を心配しながらアキラは徐々に眠りの中へと落ちていく……。

『おはようございます。定時放送の時間です』
眠ろうかと思った矢先の横槍。
島全体に響いているんじゃないかと思わせるほどの大音量が、アキラの耳に届いた。
はっとしたように起き上がるアキラ。
慌ててデイパックから赤ペンと地図を取り出す。
『それではまず死亡者の発表です』
アキラは地図を裏返して生徒名簿を見る。
この短時間で何人死んだのか。出来ることなら少ない人数で居て欲しい。もっと願うなら誰も死亡者が出ないで欲しい。
だがそれとは裏腹に読み上げられる死亡者。
『8番、神楽坂明日菜君。14番、早乙女ハルナ君。26番、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル君。27番、宮崎のどか君。
 以上4名。続いて禁止エリアだ』
310真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/21(水) 21:41:10 ID:???
丁寧に伝えられる禁止エリア。ここに一歩でも足を踏み入れれば首輪が爆発してしまう。
聞き逃さぬように×印をいれるアキラ。
『それでは引き続き殺しあってくれたまえ』
そう言うと、殺し合いに似つかわしくない音楽が流れて放送は終了した。

生徒名簿を見るアキラ。生徒はこれで残り24人。
辛いが今はこの現実を嫌でも受け入れなくてはならない。
名簿に×印の入った生徒にそっと手を合わせる。
「……!」
そして今になって気が付いた。
アキラは急いでそこから飛び出して夕映の元へと向かった。

夕映は声を殺して泣いていた。
いつも仲良く笑って過ごしていた仲間2人が、1回目の放送の時点ですでに死んでしまったことを。
アキラの親友は無事なのに対し、夕映の親友は全滅。
憤りの無い怒りが二人を包み込んでいた。


【綾瀬夕映 慟哭】
【大河内アキラ 無言】
311真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/21(水) 21:42:26 ID:???
以上です。明日は2話になります。
少ない分、中身を増やしていますのでまた明日。
312マロン名無しさん:2007/11/21(水) 23:01:20 ID:???
夕映はまだのどかが死んだことしか知らないんだよな
夕映………
313マロン名無しさん:2007/11/21(水) 23:32:21 ID:???
>>312
もう一度読み直すんだ
>>310の放送で流れてるじゃないか
314マロン名無しさん:2007/11/21(水) 23:37:37 ID:???
朝倉&夏美、楓&真名の話楽しみにしてたのに今日はないのか…
315マロン名無しさん:2007/11/21(水) 23:41:31 ID:???
>>312
ハルナも呼ばれたぜ
316312:2007/11/21(水) 23:50:29 ID:???
わしつかれてるみたいじゃ
すまんのぉ>>313>>315

夕映が木乃香みたいになるとはとうてい思えんが、果たして………
317マロン名無しさん:2007/11/21(水) 23:58:47 ID:FFNlUl0J
まとめサイト両方合わせたら7部〜10部と16部〜18部がないのか
この中ではどれが1番お勧め?
318マロン名無しさん:2007/11/22(木) 00:38:19 ID:???
>>317お前はいい加減自重しろ
319マロン名無しさん:2007/11/22(木) 00:57:09 ID:???
今は避難所って使ってないの?
>>317みたいな話題はそっちでやった方がいいと思うんだが
320マロン名無しさん:2007/11/22(木) 01:42:14 ID:???
夏美登場と朝倉生きてる?にwktkしてた俺は明日が待ち遠しいです。
321マロン名無しさん:2007/11/22(木) 02:53:07 ID:???
>>310
GJ!ただちょっとだけ指摘させていただくと、
「憤り」と「怒り」はほぼ同義語のはず。
この場合は「やり場のない怒り」というニュアンスのつもりだったのでしょうが…
322マロン名無しさん:2007/11/22(木) 14:30:25 ID:???
細かすぎ
323携帯まとめ:2007/11/22(木) 14:35:30 ID:???
とりあえず、今月中に7部だけは保管できそうだと報告しておく
次は9部でいいんですよね?
324マロン名無しさん:2007/11/22(木) 17:19:09 ID:???
>>323
激しく乙。
次スレからテンプレに入れておこう。

9部でおk(確か8部はパクリだから除外?)
325マロン名無しさん:2007/11/22(木) 18:38:29 ID:???
携帯氏が10部まで載せてくれたらまとめサイト3つ合わせてほとんど揃うね
乙です〜。
326真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/22(木) 21:45:17 ID:???
お待たせしました。本日の投下は2話のみです。
ですがこの作品的にその出ているキャラのキーポイントだと思います。
327真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/22(木) 21:46:37 ID:???
19.さよならマスター

単身だけで周りの命令も指示も無い場合、茶々丸は自己の判断で行動するようになっている。
聡美やエヴァなど、命令に従う相手が見つからない時にインプットされた指令だ。
茶々丸はあくまでも機械。冷たい目をしたまま何をすべきか、何が最善かを模索していた。
武器はM79グレネードランチャー。かなり強力な武器で茶々丸の力なら楽に扱える。
エヴァの武器が外れであったとしても、これがあれば守れる。そう信じていた。
だが、出会う前にすでに死んでいたとしたら……。

放送を聞いてエヴァが死んだことを伝えられた。
信じられるわけが無い、茶々丸は必死にエヴァの行方を追った。
メンテナンスの途中だったせいでレーダーも検索も効かない。魔法関連も感知することが出来なかった。
空を飛ぶ機能やその他の機能もメンテ中で使用不能。使えるのは人を超えた機械の力のみ。
頼りになるのは今目に映っている映像と、プログラムと言う名の勘だけであった。
そして何時間もかけて島中を探し回り、その勘はようやく当たった。
「マスター……」
言葉を失い、その場にデイパックを落とす茶々丸。エヴァ腹部に銃弾を食らった状態で死んでいた。
腹に銃弾を食らったことが致命傷で、周りが大量の血の海と化している。
隣には明日菜の死体も転がっていた。同士討ちなのか同時に殺されたのか、今の茶々丸には分からない。
エヴァの驚愕の表情をしたまま凍りついている目つきは悲壮感さえ漂わせていた。
「マスター……」
抱き寄せて揺すってもエヴァは目を見開いたまま動かない。茶々丸のように機械ではない。
部品を代えれば直る茶々丸とは全く違う存在だ。
328真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/22(木) 21:47:42 ID:???
吸血鬼の力を封じられたエヴァはただの小さな少女でしかなかった。
「………」
言葉を失った茶々丸の目からレンズ洗浄液があふれ出た。人間で言う涙を流すという行為だ。
自身が作られてから僅かの間だが、エヴァの従者として従えた日々が記憶回路を通じて思い出された。
茶々丸はエヴァの見開いたままの目をゆっくりと閉じさせた。
もうこの世の存在ではなくなったエヴァに最後の別れを告げた。

「マスター、安らかにお眠りください」
真祖の吸血鬼たるエヴァの悲劇的な最期。だが一つだけ幸福となる所がある。
それは人間と同じように、死ぬことが出来たということだ。
己の意思と反して吸血鬼となり永遠に生き続けるエヴァ。
機械であるが故に茶々丸も条件が揃えば永遠に生きることが出来る。
どこかの悪党なら喉が手が出るほど欲しいと思う『永遠の命』。
望んでいないのに手に入れたエヴァはそれから開放できたのだ。
すると硬直しているはずのエヴァの顔がほんのりと安らかな顔へと変わった。
一体誰が殺したのかは関係なかった。この異常な状況に皆がまともにいられるはずがない。
茶々丸はエヴァを殺した相手に対して怒りを向けなかった。皆このゲームに狂わされてしまった被害者なのだ。
荷物を持ち直して茶々丸は一つの決心をする。

これ以上、エヴァや明日菜のような悲劇を繰り返さないためにも茶々丸の思考回路は一つの決断を出した。
まだ無事だろうと思われる超と聡美を探す。そしてこのゲームを止めるために戦うことを決めた。
超と聡美の頭脳に、自身の機能を使えば突破口が見えてくるかもしれない。
否、『突破口が見えるかもしれない』のではなく『突破口を造らなくてはならない』のである。
茶々丸の頭脳が一つの指令を自分自身で作り出した。
329真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/22(木) 21:48:51 ID:???
『残りの生存者を一人でも多く救い出す』

それが茶々丸の選んだ道。
「私はこれより自身の意思で行動します。見ててくださいマスター」
決意を新たに突き進む茶々丸であった。


【絡繰茶々丸 武器・M79グレネードランチャー】
330真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/22(木) 21:50:00 ID:???
20.道を踏み外した代償

朝になって裕奈は森を移動することに決めた。暗い夜道は危険だからだ。
だが朝といっても森の中は比較的暗い。
殺すか殺されるか。未だに答えを見つけられない裕奈は一睡も出来なかった。
「お父さん……どうしよう」
一人になるか10枚メダルを集めるか、それが生存と父・明石教授に会える近道。
だが本当にこれが正しいのか、アキラや亜子が見たら何て言うだろうか。
間違いなく軽蔑するだろう。だがそれは皆も同じだ。
もしかしたら軽蔑されることを覚悟で生きる道を選ぶかもしれない。
そう考えると自分だって負けたくない。死にたくない。

そう考えていると草むらをひたすら進む史伽を発見した。
「お姉ちゃーん。どこー」
裕奈が見ているのも知らずに声を上げる史伽。
不安そうな表情と弱弱しい声は「私を狙ってください」と言っているようだった。
しかもご丁寧に仕切られた草むらの近くをうろうろしている。
草むらに紛れて襲い掛かれば抵抗も出来ずに殺せるだろう。
「……」
裕奈は「今がチャンス」と頭の中で考えた。
極端に考えればこれは殺し合いという名のゲームなのだ。
それならゲームのルールに従えばいい。ここでは法律も何もかも無視なのだ。
殺したって罪にならない。裕奈の心に悪魔の誘いがかかる。
「お父さんに会いたい……死にたくない……ふ、ふふふ」
引きつった表情に変わる裕奈。恐怖のあまり理性が追いつかなくなっていった。
331真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/22(木) 21:51:20 ID:???
ここで史伽を殺してメダルを1枚手に入れる。後9回同じ事を繰り返せばいいのだ。
間に合わなければ殺した相手から武器を奪って最後の1人になればいい。
バールを構えて深呼吸する。裕奈が人の道を外れる瞬間だ。
史伽が何歩か歩いた後、こちらから見て背を向けた。
(今だ!)

「うわあああああああああああっ!!」
大声で史伽のいる草むらに飛び込む裕奈。
ようやく気が付いて振り向く史伽だがタイミング的に遅い。
このまま一撃目を加えて畳み掛ければ一気に勝負を決められる。
――そう思っていた……。
裕奈が草むらに入るや、いきなり急ブレーキを掛けたような衝撃が足にかかる。
もっと単純に伝えるのなら、何かに躓いたと言った方が正しい。
前方にヘッドスライディングする要領で、史伽の足元に飛び込んだ。
驚愕の表情をする史伽。おまけに武器のバールは史伽の後方へと飛んでいってしまった。
つまり、今の裕奈は丸腰。
「あ……あはは、無事だった?」
気まずい雰囲気の中、フレンドリーに話しかけた裕奈だが史伽の表情は凍り付いていた。

次の瞬間、史伽は包丁を取り出して、立ち上がろうとした裕奈の豊富に育った胸元を切りつけた。
「いやあああああっ!!」
裕奈は悲鳴を上げてその場から逃げようとしたが、足が何かに絡まって動けない。
よく見れば、草むらに隠れるようにして長いロープが張られていた。
しかも等間隔で結び目をしており、裕奈の足首はそこに絡まってしまった。
そして、ロープの最先端にはツインテールの頭をしたもう一人の鳴滝姉妹、風香だ。
332真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/22(木) 21:52:36 ID:???
幽霊で怖がっている風香の顔に比べれば、極端に怯えた表情。
そして気の弱い史伽があんなに冷酷になれるはずがない、そうすると……。

「史伽だと思って油断したなぁぁぁぁ!!」
図られた。そう思ったときにはすでに遅かった。そこに居た史伽は風香の変装だったのだ。
馬乗りになって包丁を逆手に構えて腹に振り下ろす。
「ぎゃあああああっ! やめて、死んじゃう! 死んじゃう゛ぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「ボクを殺そうとしたくせに、何を言ってるんだあああああああ!!」
激痛にもがき苦しみながら風香を振り払い、逃げ出そうとする裕奈。
だがダメージは遥かに大きく、逃げ出そうとする前にまた風香に背中に乗りかかられる。
「ごめんなさい! 助けて! 殺さないでぇぇぇぇぇぇぇ!」
涙声で悲鳴を上げる裕奈など無視して包丁を背中に何度も振り下ろす風香。
刺すたびに裕奈の口から苦しみ混じりの悲鳴が漏れ、何度も刺すうちにその悲鳴も聞こえなくなっていく。
構わず攻撃を続ける風香。裕奈が動かなくなるまで何度も何度も包丁を振り下ろした。
そして史伽は怯えた表情で目を硬く閉じ、裕奈の悲鳴を聞かないように耳を塞ぐ。

「だず……け……ぉ……ぅさ…………」
最期の思考は、父に助けを求めることだった。
その言葉を最後に、裕奈は二度と言葉を発することは無かった。
風香は惨たらしく刺し殺された裕奈の首輪からメダルを奪うと、耳を塞いで震えている史伽の元に行く。
「史伽、やったよ」
「お姉ちゃん……うわあああん」
また姉が人を殺した。今度は自分もその手伝いをしたことに負い目を感じて泣き出した。
風香は血だらけの包丁と手を拭いて史伽を宥める。
「殺したのはボクだ、史伽は何も悪くない。あとメダルを8枚集めれば史伽は助かるんだ」
333真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/22(木) 21:53:41 ID:???
風香は史伽のために人殺しの道を進んだ。そして自分自身ももう10枚メダルを集めるか、1人になるまで戦う。
そうすれば双子揃って助かる。

後戻りの出来ない道を突き進む風香は、史伽を抱きしめる。
何が何でも助かろうとする風香。自分のせいで姉を人殺しの道へと進ませる結果となった妹。
互いの目にはうっすらと涙が浮かんでいた。


【明石裕奈 刺殺】
【鳴滝風香 メダル入手、現在2枚】
【鳴滝史伽 武器・ロープ】

――残り23人
334真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/22(木) 21:54:46 ID:???
以上で終了します。
明日はショートなストーリーが3話続きます。
335マロン名無しさん:2007/11/22(木) 21:56:33 ID:???
乙でした!そして携帯氏も!
336マロン名無しさん:2007/11/22(木) 21:57:43 ID:???
すまないが>>433の幽霊を怖がっている〜辺りの文章の意味がよくわからん
誰か説明してくれ
337マロン名無しさん:2007/11/22(木) 22:03:41 ID:???
>>332だった
338マロン名無しさん:2007/11/22(木) 23:04:09 ID:???
日頃幽霊やチュパカブラ関係の、
あくまでもネタ話で怖がってる時の表情よりももっと本質的な怯え方、
というところじゃね?
33993:2007/11/22(木) 23:16:49 ID:???
乙です!
読者の我侭は理解しているが、もうちょっと多く投下して欲しい・・・
明日も期待しているよ!
340マロン名無しさん:2007/11/23(金) 00:47:55 ID:???
今日も夏美と朝倉(?)の話なかったか…
残念…まぁ乙
341マロン名無しさん:2007/11/23(金) 02:58:45 ID:???
30人前後いて順番もある。
思い通りの展開がないといちいち文句つけてるようじゃ親の躾が知れるw
342マロン名無しさん:2007/11/23(金) 04:47:53 ID:???
>>341
俺は君の躾がいちばん気になるな
343マロン名無しさん:2007/11/23(金) 07:00:24 ID:???
>>341
ヒキオタニートに躾とか言われたくないだろうな…
344マロン名無しさん:2007/11/23(金) 13:33:33 ID:???
もう少しスルーを覚えれ
345携帯まとめ:2007/11/23(金) 15:07:02 ID:???
スク宮の回をうpできたから、それでも見て落ち着きなさい
346マロン名無しさん:2007/11/23(金) 16:06:06 ID:???
うおっ全部うpられてる
携帯氏乙です。さっそく読まさしてもらいます
347マロン名無しさん:2007/11/23(金) 17:42:24 ID:???
携帯氏乙

ところで作者2って2部と何部書いてるんですか?
348マロン名無しさん:2007/11/23(金) 17:50:46 ID:???
このネギまバトルロワイヤルを書籍化しようと思ってる。
ネギまの方の許可は割りと簡単に落ちるんだがロワの作者全員の許可も必要なんだ。
1つ1つの書き込みなら構わないんだが作品になると了承がいる。
とりあえず10部〜15部分は載せれるんだが各作者の了承がいる。
今これを見てる作者で書籍化されても構わないという人はとりあえず書き込んでくれ。
書き込んでくれた作者の数(部数)により詳しい事を後に報告する。
349マロン名無しさん:2007/11/23(金) 18:15:45 ID:???
>>347
自重しろ
350マロン名無しさん:2007/11/23(金) 18:42:59 ID:???
>>349
お前がなw
351マロン名無しさん:2007/11/23(金) 18:57:01 ID:???
>>348 冬コミ? 出版社?
352マロン名無しさん:2007/11/23(金) 19:44:34 ID:???
>>351
出版社
353マロン名無しさん:2007/11/23(金) 19:56:50 ID:???
何かすごいね。
354携帯まとめ:2007/11/23(金) 20:06:57 ID:???
つー事は10部の保管を急いだほうがいい?
355マロン名無しさん:2007/11/23(金) 20:36:36 ID:???
何故?9部は飛ばすのか?
356マロン名無しさん:2007/11/23(金) 21:12:24 ID:???
今日の投稿まだ〜チンチン
357マロン名無しさん:2007/11/23(金) 21:17:28 ID:???
>>348
応援してる
358マロン名無しさん:2007/11/23(金) 21:23:23 ID:???
>>348
書籍化したら絶対買うよ
他の作者も許可してくれるはず
359マロン名無しさん:2007/11/23(金) 21:24:07 ID:???
>>348 がんばー
360マロン名無しさん:2007/11/23(金) 21:24:29 ID:???
何?泣ける2ちゃんねるとかスカッとした武勇伝とかの類?
361マロン名無しさん:2007/11/23(金) 21:34:03 ID:???
>>348
wktkしてる。
それより今日の投下まだ?遅くね?
362真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/23(金) 21:42:41 ID:???
お待たせしました。本日分の投下を始めます。

>>348
応援してますよ。
まだ半信半疑ですがこちらの作品が該当されれば許可出します。
363真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/23(金) 21:43:50 ID:???
21.一人ぼっち

ゲームが始まってからずっと一人ぼっち。まき絵は一人で途方に暮れていた。
とりあえず森を抜けて町に入ったまではよかった。
だがそこでも誰にも会うことなく、どこかの食品店に身を隠した。
武器は手榴弾。安全ピンがしているが恐ろしくなってデイパックからすべて取り出した。
誤って落としたら爆発しそうだったからだ。
殺し合いのゲームなのに、死因が自爆の自滅だったなんて笑いものだ。
結論から言ってまき絵には到底扱うことの出来ない代物だ。

「みんな……無事かなぁ……」
困り果てたまき絵は窓の外を見つめた。
誰もいない潰れた町並み。ここにかつて人が住んでおり、賑わいがあったのだろう。
その名残がこの食品店にもあった。
どうしてこんなことになったのか、気持ちの整理が付かずに落ち込むまき絵。
ちょっとした刺激で泣いてしまいそうであった。
「ゆーな、亜子、アキラ。みんな無事かな……」
どこかにいる友人の無事を願いながらまき絵は食品店を出た。
長居をすると見つかった時に逃げ道がないからだ。
「よいしょ」
デイパックの中に食品店で残されていた食料を貰っていく。
缶詰やスナック菓子もあった。しかも新品。
食料のサービスポイントになっているのだろう、大量に貰っていった。

「準備よし……あ!」
出て行こうとして扉に手をかけた瞬間、まき絵ははっとした。
364真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/23(金) 21:45:26 ID:???
奥に武器である手榴弾を置きっぱなしにしていたのだ。
慌てて戻ってデイパックに放り込むまき絵。
すると食料を入れすぎたせいか最後の1個がデイパックの隙間から毀れて地面へ吸い込まれていく。
「きゃあ!」
まき絵は体を捻って手を伸ばし、間一髪地面への直撃を免れた。
新体操で培った体の柔軟性が上手く生かされたのだ。
入れすぎない程度に荷物をまとめ直すと、まき絵は扉を開ける。

まき絵は直感的に町から離れようと思った。
町中を徘徊していれば誰かが来ると予想は出来るが、敵か味方か分からない相手をするのは気が引ける。
それに敵であった場合、武器の手榴弾を使わなくてはならないのだ。
爆弾の類なので一発の食らっただけで確実に命を奪える品物。
上手く避けきれたとしても、足くらいは持っていかれそうだ。
とりあえず、町を離れた場所への移動を決めたまき絵は扉を開き、そっと外へ出た。
「ゆーな、アキラ、亜子……」
もう一度だけ親友の名前を呟くまき絵。
早く親友に会いたい。あの頃の楽しかった日常に戻りたい。
だがそれ以上に、まき絵は生きている人間に会いたい。
まき絵はスタートしてから誰1人として出くわしていないのだ。死体にすら会っていない。
心ごと押しつぶされそうな孤独感と戦いながら扉を閉めた。

365真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/23(金) 21:46:47 ID:???

するとまき絵が出て行った扉が絞まると同時に、正反対の場所の扉が開いた。
「夕映、大丈夫?」
「大丈夫です、今度はここに隠れるです」
夕映とアキラがそこへ訪れた。
扉の鍵が開きっぱなしなのはどこも同じなのだが、ここは誰かがいた形跡を見つけて警戒をする。
しばらく店の中を探して誰もいないことを確認して、休息を取る2人。

今の2人、特にアキラはその瞬間まで誰がいたか分かっていない……。

【綾瀬夕映 まき絵とニアミス】
【大河内アキラ まき絵とニアミス】
【佐々木まき絵 武器・手榴弾 夕映・アキラとニアミス】
366マロン名無しさん:2007/11/23(金) 21:47:27 ID:???
やっと投下きたあああ
367真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/23(金) 21:48:15 ID:???
22.笑顔ガール

「ははは、やっちまったよ……私は完全に人殺しだ……」
木々が多い茂る中で、千雨は蹲って震えていた。
先ほどの放送で銃弾を放った早乙女ハルナの名が上げられた。
間違いなく自分が殺した。そう感じ取った千雨は二度と拭えない罪を追ってしまった。

「一番人気のネットアイドルちうが……『実は人殺しでした〜』なんて……笑えねぇよぉ!!」
自分の立場とやってしまった後悔から気に悩み、絶叫と慟哭を繰り返していた。
これをネギや他の連中が知ったらどうだろう。
きっと人殺しだと後ろ指を差され、永遠に恨まれるに違いない。
行き場の無い絶望感から立ち直る余裕すら与えてくれなかった。
悔しさと後悔が入り混じり、どうしようもない感情だけが千雨を包み込んでいた。
「ちくしょぉ……」
自然と涙が零れ落ちてきた。

どんなに謝ろうと思っても、もうハルナはこの世にいない。
一度奪った命を蘇らせることなど不可能。魔法を使っても人の命を救うことなどは無理だ。
現に担任のネギもエヴァも人を蘇らせる魔法など持っていない。
償いを今行えるなら今すぐしたい、ハルナに謝りたい。

そんな考えを巡らせる千雨の姿を認め、ゆっくりと近づく人影が一つ。
「千雨ちゃん?」
「うわあっ!?」
千雨は突如のことに気が動転してしまい、驚いて振り向いた。
次の瞬間、声に驚いた椎名桜子(出席番号17)も後ろに倒れこみ尻餅をつく。
368真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/23(金) 21:49:44 ID:???
「お、お前……」
「千雨ちゃん。わーい会いたかったよー!」
何と桜子は千雨に飛びついたのだ。
面識が無いわけではないが、何かにつけて千雨の近くや物事に桜子がついてまわる。
ネットアイドルの衣装でチアの衣装を拝借した時も勝手に部屋に入りそうになったりした。
チアの応援にちうとして出て行ったときも桜子は遊びに誘った。
もはや千雨と桜子は腐れ縁みたいな状態だ。
「千雨ちゃん。一緒に生き残ろう、助け合って生きよう」
「うるせぇ! 抱きつくな!!」
思い切り怒鳴りつけて拳骨をお見舞いする千雨。
頭を抑えて痛がる桜子は涙目で千雨に怒りを向けてきた。
「痛いよー! ひどいよ千雨ちゃんー!」

桜子が怒りを訴えてきても、千雨の心は晴れない。
人殺しであるが故に、また人を殺めてしまうかもしれないという恐怖心もある。
何より、こんな所でも明るい桜子にそんな話をすればきっと軽蔑するだろう。
だがこれでいいのかもしれない、千雨にははっきりとした友達はいない。
誰の心配もいらない。ここではっきりと別れておけば後腐れも無い。
たった1人で戦って生きるしかない。
ゲームに乗るという意味ではない、恐怖のあまり思わず引き金を引いて殺してしまったハルナの罪滅ぼしとして。
――実際、ハルナを殺したのは木乃香だということを知らずに……。

「私は人殺しだ。お前となんか一緒に居られない」
「え――」
桜子の表情は固まった。


【椎名桜子 武器・金属バット】
【長谷川千雨 呆れ顔】
369真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/23(金) 21:50:49 ID:???
23.クラスメイトとして、親友として

武器も何も無い、完全な丸腰状態で森を進む美砂とザジ。
役に立つものもなく、せいぜいザジの持っている植木鉢程度だ。
「ねぇ、これからどこに行こうか?」
「……」
ザジは何も言わずに首を斜めに捻る。
どうやらザジも何処へ向かっていけばいいか分からない様子だ。
互いを信頼し合っていくことは出来たが、その後のことは全く未定。
行き先も分からず、戦う武器も無いため逃げることしか出来ない。

険しい森の中で迷い込んだ美砂とザジはようやく辺りを見渡せる位置にやってきた。
敷地の広い元無人島。かつては人が住んでいたと思わせる住宅街。
こんな所で殺し合いを行うことに抵抗がある美砂だった。
何故こうならなければならないのか、唇をかみ締める美砂。
するとザジが美砂の服を引っ張った。
「どうしたの?」
ザジが指を差すと、その先に古びた診療所が見えた。
身を隠すには持って来いの場所であり、ひとまずその場に足を踏み入れた。

寂れてボロボロの診療所だが、ベッドや机は比較的使える方であった。
美砂はベッドに腰を下ろして軽く伸びをした。
ザジは植木鉢を日当たりのいい窓際の机の上に置いた。
仲間としての証。ザジは貴重な水をまた与える。
「さてと」
美砂はほんの僅かな休憩を取ると、立ち上がって診療所の中を物色し始めた。
370真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/23(金) 21:52:06 ID:???
流石に丸腰で戦うのは分が悪すぎた。
とにかく何でもいいから武器になるものを探すことにした。

診療所を物色してはや1時間。
「分かってたつもりだけど、全然ないなー」
寂れて施設としての機能を果たしていない診療所にはろくなものはなかった。
辛うじて見つかったのは先が折れた掃除用のモップと、道具箱の中から一つだけ出てきたハンマーだった。
他には空のビンと、封が開かれておらず中身はほとんど新品に近かったガーゼ。他はガス切れ寸前のライター。
こんな武器では太刀打ちできない。
「ねぇ、何やってるの?」
美砂はザジの行動を尋ねた。ザジは診療所にあるビン類を片っ端からかき集めて何かを混ぜている。
よく見るとそれはすべて薬用のアルコールだった。
ビン2本分集めてその中に、美砂が手に入れたガーゼを入れて完成。
「うまくいくかどうか分からないけど……」
どうやら即席の火炎瓶らしい、ライターのガスもほとんどなく試しも不可。
成功するかどうかは分からなかった。
「科学の実験とか得意?」
美砂の問いかけにザジは軽く首を振る。
とりあえず万が一のことを考えて蓋をしてデイパックの中へ入れておくことにした。

「柿崎さん、眠ってていいですよ……。私が見張ってます」
ザジは疲れ気味の美砂を案じて休むように言った。
昨晩の疲れも抜けきれてない美砂にはありがたいが、何だか気が引ける。
「悪いね。それじゃあ少し休むから、何かあったらすぐ起こしてね。
ザジもそっと頷く。
371真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/23(金) 21:53:10 ID:???
寝ている間に襲ったりするなどとは考えない。仲間と認めてくれた相手にそんなことを考えるのは失礼だ。
美砂はザジを信じて久しぶりの睡眠を取ろうとした。

「ねー」
美砂が寝るほんの少し前に口を開いた。
「?」
ザジが首をかしげてこちらを向く。
照れくさそうに、美砂は顔が見えないように寝転がった状態で言った。
「『柿崎さん』とかやめない? 折角仲間になったんだから……『美砂』でいいよ。その代わり、『ザジ』って読んでいい?」
仲間としての証を見せてくれたザジに対して、何もしてやれない美砂。
せめて呼び方くらいは、とザジに提案した。
ザジもまた綻んだ表情で応える。
「……はい、おやすみ美砂」
「おやすみ……ザジ」


【柿崎美砂 折れたモップ・ハンマー入手】
【ザジ・レイニーディ ガスの切れ掛かったライター・自作火炎瓶入手】
372真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/23(金) 21:54:17 ID:???
以上で本日の投下を終わります。
明日の土日はまた夕方くらいの投下となります。
373マロン名無しさん:2007/11/23(金) 21:57:52 ID:???
乙。
もしかして18氏ザジちうスレ好きなのか?
374マロン名無しさん:2007/11/23(金) 21:59:52 ID:???
乙。他の部でもよくあるけどバトロワを通じて仲良くなった相手にあえて名前で呼ぼうってのは読んでて恥ずかしいな。にやけてしまう。…いや、良い意味で。
375マロン名無しさん:2007/11/23(金) 22:01:06 ID:???
おつ。
ザジの行動や手製の武器とか言動が1部の楓みたいだな。

それにしても夏美まだー
376マロン名無しさん:2007/11/23(金) 22:19:09 ID:???
>>348
金の亡者みたいで悪いが利益はどこに入るんだ??
それで作者じゃなくて書籍化した人だけにいくならそんなバカげたことはないだろ
377マロン名無しさん:2007/11/23(金) 22:44:10 ID:???
>>348
ご指名を受けた作者の1人ですが、
あまりに情報が少なすぎてなんともコメントのしようがありません。

とりあえず、本当に本気なら、継続した話をするためにも便宜的にトリップをつけて下さい。
話はそれからかと。
正式に名乗るにしても、もうちょっと状況が見えてからにします。
378マロン名無しさん:2007/11/24(土) 00:19:14 ID:???
>>377は作者16と見たw

書籍化しても作者にはお金入らんよ
ほとんどが書籍化に伴いまとめた人(本の表紙に作者と記される人)に入る
379マロン名無しさん:2007/11/24(土) 00:44:15 ID:???
ぶっちゃけ書籍化は罠
金絡むとろくな事ないから止めて置いた方がいい
つか大手の講談社が許可だすはずないだろ…
380マロン名無しさん:2007/11/24(土) 00:50:19 ID:???
てか書籍化ってしたことあるの?
381マロン名無しさん:2007/11/24(土) 00:54:45 ID:???
マガジンの許可なら簡単におりるだろ
赤松も自分に金入るなら問題なさそうだしこのスレも見てるんだから良いんじゃね?
382マロン名無しさん:2007/11/24(土) 01:02:42 ID:???
書籍っていっても同人だろ?
赤字上等なら別にいいとオモ
実際に書籍化したどれロワやオリバトアンソロジーは相当の持ち出しだと聞いた
383マロン名無しさん:2007/11/24(土) 01:05:59 ID:???
赤松がこのスレ見てるってマジか?
384マロン名無しさん:2007/11/24(土) 01:16:48 ID:???
アクティブでそれなり以上に注目されている場所なら見るだろう
著作権を握っている以上タダでネタを振ってくれてるようなモノだからなw

同じジンマガなら赤松よりは仁丹がやりそうな気がするんだが・・・
385マロン名無しさん:2007/11/24(土) 01:33:11 ID:???
なんだよ ただの脳内ソースかよ
386マロン名無しさん:2007/11/24(土) 01:48:06 ID:???
>>376
利益が出るほど売れないから無問題
387マロン名無しさん:2007/11/24(土) 02:02:11 ID:???
いや俺の勘だと100万部行って映画化だな
ま〜ちがいない
388マロン名無しさん:2007/11/24(土) 08:55:28 ID:???
>>383
本編で奴隷になった連中の首輪に爆弾ネタから「ここ見てるんじゃねーの?」という噂が出た程度
389マロン名無しさん:2007/11/24(土) 16:18:56 ID:???
どう考えても首輪爆破はここじゃなく本家バトロワだろ
390真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/24(土) 16:44:49 ID:???
今日と明日は土日で夕方投下となりますので。
3話分の投下いきます。
391真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/24(土) 16:46:17 ID:???
24.坂道での戦い

静かな森の息吹を全身に受け止めながら、美空は次の相手を探した。
最初の放送でエヴァが死んだのは予想外だった。
戦いでの要注意人物として最有力だったのだが、こんなに早く死ぬとは思ってなかった。
だが美空からしてみれば、マークしていた相手が死んで好都合と言えるだろう。
これでメダルが手に入るならもっといい。

険しい坂道を駆け上がる途中で、丁度前方100メートル前後に木乃香が歩いているのを発見した。
明日菜は自身が殺している。きっと明日菜を失ってさらに落ち込んでいるはずだ。
これはまたとないチャンスと睨む。
美空はここまで冷酷な性格ではないはずだったが、戦いに奇麗事は意味が無い。
心を鬼にしてマーダーとして戦う道を選択した。
木乃香は温厚な性格で、誰とでも仲良くなれる。
出来るだけ刺激もせず怪しまれない程度に、あくまで最初はソフトに。

「木乃香ー。無事だったんだ」
声に反応して木乃香がこちらを向く。走りながら手を振って大丈夫だとアピールしていたが……。
ニタ〜っと木乃香の顔が歪んだのを見て急ブレーキをかけた。
次の瞬間、木乃香は銃を取り出して美空に向けて引き金を引く。
「うわっ!!」
急ブレーキをかけたのがよかったのか、弾丸が放たれた瞬間、後ろに向けて仰け反るようになって転んだ。
それが偶然にも美空の運命を分けた。美空の頬には縦に弾丸が掠めた傷が付いていた。
392真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/24(土) 16:47:37 ID:???
(は……はは……シャレになんないって……)
冗談にもならないことをしてくれた。もう仲良さげに話しかける必要は無い。
木乃香が死んだかどうか確認するためにこちらに近づいている。
「――――」
じりじりと足音が近づいてきた。
片手には銃、もし生きているならとどめを刺す気だ。
だが銃は倒れている自分自身ではなく少し下方向を向いている、撃つなら今しかない。
「ん?」
木乃香が美空の体を見下ろす瞬間、今しかないと感じて美空は体を勢いをつけて起こした。
そのままベレッタを構えて木乃香の胴体に弾丸を放った。

いきなりの強襲。死んだと思って近づいたら銃弾を食らってしまったのだ。
胸ポケットに大きな穴が開き、そこからメダルが何枚か落下した。
木乃香は驚愕の表情のまま坂道を転げ落ちていった。
何度も転がりながら、下の平らな道の真ん中で停止した。

「はぁ……はぁ……何とか勝った」
急いで体勢を立て直してこの場から逃げないといけなかった。
まずは武器とメダルの回収。平坦な道に下りる美空。
木乃香は全く動かない。
だが首輪のメダルが外れていない所を見ると、まだ死んでいない。気絶しているだけだ。
間違いなく左胸付近を直撃したはずなのに。
この時、木乃香はハルナを殺した時に奪った防弾チョッキを身に着けていた。
そのため一命は取り留めている。
393真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/24(土) 16:49:13 ID:???
とりあえず美空は木乃香が意識を取り戻す前に武器とメダルを奪い取ろうとする。
木乃香のポケットから落ちたメダルを2枚手に入れた。
血のついたメダルが一枚、これは刹那から貰ったものだ。
そしてもう一枚は『26』の数字が入ったメダル。
「まさか……」
信じられないが、この状況では木乃香がエヴァを殺して奪ったとしか考えられない。
とにかくメダルを2枚手に入れた美空。
これでメダルの数は4枚。
「あとは……」
残っているのは木乃香が持っているもう2枚のメダルと彼女が落とした銃だが……。

「落し物はこれか?」
「そうそう、それ……!」
美空の顔から余裕の表情が消えた。
木乃香が落とした銃はたった今、真名が手に入れたからだ。
しかも、その銃はこちらを向いている。


【春日美空 メダル2枚入手、現在4枚】
【近衛木乃香 メダル2枚紛失、現在2枚】
【龍宮真名 シグ・ザウエルP228入手】
394真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/24(土) 16:50:26 ID:???
25.3人のジョーカー

「流石に……分が悪いかなぁ」
銃を向けられた美空は流石に生唾を飲んだ。
こちらもベレッタを持っているにも関わらず、睨みつけられるだけで動きが半減状態だ。
それほど真名の持つ威圧感は強い。

「ぅぅ……」
次の瞬間、木乃香が起き上がってきた。
美空は驚愕の表情を浮かべた。出来ることならすべて回収し終えた後に木乃香を倒したかった。
なのに木乃香はこのタイミングで目を覚ましたのだ。
だが坂道での落下で脳震盪を起こしているのか視点が定まらず、ふらふらしながら立ち上がる木乃香。
「龍宮さ……」
木乃香が真名の声に反応するが、真名は視線を一回木乃香に反らしただけですぐ美空を見る。
「ちょっとこの銃を借りるぞ。後で返すから今は逃げろ!」
真名が叫ぶと、美空を一回睨みつけながらデイパックを拾い上げて草むらの奥へと消えていった。

完全に沈黙しきった中で、美空と真名は互いに銃を向け合って睨む。
「……」
美空も完全に無言となり、真名はいつでも撃つ体勢に入った。
だがこの時、真名は一つ疑問に思っていたことをぶつけた。
「お前、朝倉が生きていることを知っているな」
「何のことッスか?」
突然の発言だが美空も平然と知らない言い返す。
395マロン名無しさん:2007/11/24(土) 16:53:39 ID:???
支援
396真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/24(土) 16:54:01 ID:???
楓と少しの間会話していた時に出た言葉。楓も真名も引っかかっていたのが和美の死。
戦いに明け暮れた2人だからこそ、和美の死体を見た瞬間、ふとした違和感を感じた。
和美は確かに見た目上は確実に死んでいた、息もしておらず胸も上下していない。
だがやはり何かがおかしいと感じ取った。

「私は思ったんだ。朝倉は薬か何かで一種の仮死状態となっているんじゃないのかとな」
真名が唱える可能性。ひょっとしたら朝倉和美は死んでおらず生きているのかもしれない。
だがそうする理由は? 敵の目を欺いて何をするのか?
もう一つの可能性。このゲームが始まるきっかけとなった親睦会。
初めにそのことを伝えて誘ったのは和美だ。そう考えるなら、朝倉が刹那に続くマーダーだと。
あくまで真名の想像に過ぎないのだが、可能性は十分ある。
そして最後の、かなり有力な可能性。

「朝倉がいなくなった時、誰が最初に朝倉がいないと言った?」
あの時の教室は騒ぎが大きくなっていて誰が何と言ったのかは分からないほど混乱していた。
最初に和美がその場にいなかったことに気付いて言葉を発したのは……。
「私だけど」
美空である。
「何故知っていた」
「ただ単にいなかったから」
「違うな。お前は初めから朝倉がいないことを知っていたんだ。朝倉が死んだと錯覚させてゲームを混乱させる……。
 フッ、頭がいいな。誰がそんなことを考えたか知らないが」
核心を突く発言に、美空の目が少しだけ座り冷酷に真名を見つめている。
仮に朝倉がゲームに乗らなかったとしても、真名にとってある確証を手に入れる。
「ゲームに乗ったんじゃなくて……初めから乗っていたんだな」
美空はスタート前に指定した最後のジョーカー役であること。
397真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/24(土) 16:55:14 ID:???

「気のせいじゃない?」
「私の目は誤魔化せんぞ!」
真名が叫ぶと、美空は体を低くして銃を放った。
銃弾は真名の肩を霞め、真名も応戦に入る。
互いに全力で走りあい、森の木々に身を隠しながら銃を放つ。
静かな坂道の真ん中で激しい銃撃戦が始まった。

【春日美空 戦闘開始 現在4枚】
【龍宮真名 戦闘開始】
398真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/24(土) 16:56:34 ID:???
26.村上夏美の戦い 2

夏美は現在、理科準備室を越えて旧理科室に潜伏している。
虱潰しに探している男たちではあったが、旧理科室は完全に釘を打ち付けて入れない。
強引に開ければいいのだが、リーダー格の人間がむやみに壊すなと命令しているためそうしなかった。
男たちは向かいになる新理科室を探すが見つからない。
俗に言う『開かずの理科室』に隠れて行動する夏美はひとまず安心した。

「助かったよ。ありがとう」
――と夏美を理科準備室に連れ込んだ相手に礼を言う。
「ううん、こっちこそ」
あの絶体絶命のピンチに救いの手を差し伸べたのは朝倉和美(出席番号3)であった。
足が竦んで動けなくなった夏美を強引に引っ張りこんで、理科準備室に連れ込んだ。
夏美にとって和美は命の恩人だ。
ようやく落ち着きを取り戻した夏美は和美に問いただす。
「……ねぇ、一体何がどうなってるの?」
その問いに和美は口を噤んだ。
パパラッチの異名を持ち、いろんな情報を仕入れては皆に伝える報道記者。
その和美が真相を夏美に伝えるのを躊躇っていた。
「どうしたの?」
「村上、落ち着いて聞いて」

和美は事の真相を事細かに伝えた。
物事をまず一から整理すると……

・3-Aの生徒はすべて無人島に集められ、いきなり殺し合いのゲームに参加することが決まっている。
・首輪のルールで10枚メダルを集めるか1人になるまで戦わなければならない。
399真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/24(土) 16:57:44 ID:???
・その中で夏美だけが参加していない。
・軍の男たちは見つけ次第、ゲーム参加の意思を問いただす。
・拒否すれば待っているのは死。

このゲームに巻き込まれなかったのは、偶然にも荷台にの隙間に挟まって見つからなかった夏美だけであった。
「それじゃあ、朝倉はどうして無事なの」
「私は、ちょっとね。うまいこと切り抜けたの」
軽く舌を出して笑って見せた。
夏美はあまり強く追求はせず、これからどうするべきかを話し合った。
いつまでもこの理科室が安全であるはずがない、建物の中にいる以上、確実に調べが入る。
窓の外を見ると、武器を構えた兵士たちが何人も集まって見張りを続けていた。
あんな所へ出て行くと確実に蜂の巣にされてしまうことは目に見えている。
主催者に顔出しして「ゲームに参加するから殺さないで」と命乞いをするのか?
たった1枚のガラスの先が外なのに出られない。しかも出れば今度はゲームに巻き込まれるジレンマ。
どうするべきなのか夏美は悩んでいた。

「おい、こっちを探せ」
兵士たちが旧理科室の扉を開けようとしている。
震え上がる夏美。この場に隠れる場所は限られている。
すると和美が理科室の床の一部を外し始めた。
「こっから裏に隠れるよ」
「え、ここに!?」
こっちに来いと手を伸ばす和美。
もしこの場で見つかってしまえば嫌でもゲームに参加させられる。
そしてそこで拒否すれば……。
ほんの僅かな希望を和美に預けて、夏美は手を取った。

【朝倉和美 理科室に潜伏】
【村上夏美 理科室に潜伏】
400真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/24(土) 17:00:45 ID:???
以上で終了です。明日も同じようなタイミングで投下します。
ちなみに明日は2話と少なくなってます。勝手ですけど失礼します。
401マロン名無しさん:2007/11/24(土) 17:01:07 ID:y9XE9pGH
や は り 朝 倉 か !
402マロン名無しさん:2007/11/24(土) 18:31:46 ID:???
↑上げんなカス
403マロン名無しさん:2007/11/24(土) 18:59:26 ID:???

明日も夏美展開だと願ってwktk
404マロン名無しさん:2007/11/24(土) 20:26:43 ID:???
あっごめん誤爆
405マロン名無しさん:2007/11/25(日) 01:10:19 ID:???
うはwwwなんというwwwww
7部全部更新されたと思って読んでたらまだだったwww
なんという生殺しww携帯氏がんばってくれ!
406マロン名無しさん:2007/11/25(日) 10:05:48 ID:???
投下乙
舌出して笑うとか可愛過ぎるな
朝夏の活躍に機体
407携帯まとめ:2007/11/25(日) 14:30:22 ID:???
7部の保管完了。俺はやればできる子でした
つーわけで、今月の残りぐらいはモンハンやってて大丈夫――――…………やっぱダメか
408携帯まとめ:2007/11/25(日) 14:32:35 ID:???
連投スマン、司書氏、改訂版うpしてくれればすぐ修正する。あと、挿絵が残ってるならリサイズしてから飾っときやすぜ
409マロン名無しさん:2007/11/25(日) 14:33:55 ID:???
携帯さんマジで乙です
410真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/25(日) 16:41:02 ID:???
それでは今日の投下を始めます。今回は2話です。
411真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/25(日) 16:42:19 ID:???
27.力あるものの悩み

危険な場所は避け、かつ主催者と太刀打ちできる施設はないか探す聡美。
外には結界や禁止エリアの都合で一歩でも外には出られない。
だがそれは主催者も同じ。首輪がないとはいえ通信手段はあると考えた。
中にいつつ外に連絡を取る方法、聡美は地図の中にある小さなTV局を見つけた。
こんな小さな島にも情報を伝える場所が存在していたんだと感心する。
少々偏見だったかもしれないが、この島はそれほど閑散とした場所だったのだ。
おそらく現地住民がほとんどで、細々と目立つことも無いまま過ごしていたのだろう。

聡美の計画ではどんなに小さくてもTV局になら公共の電波を送れるだけの機材が存在する。
それを使って外部に助けを求めるか、首輪解除の方法を探し出す。
作戦会議をしながら小屋で見張りをする聡美と古。超は見張りの番を終えて横になって眠っていた。
2人を優先して眠らせたため、超は慢性的な睡眠不足になっていた。
交代するや、超はあっという間に夢の世界に旅立ってしまう。
布団も何も無い硬い地べたに寝っころがるだけの粗末なもの。
だが超はデイパックの荷物を抜いて、丁度いい高さの枕代わりとして使って寝ていた。
「ここから町までは結構距離があります。直線距離でもかなり歩くことになりますけど……」
「大丈夫アル。体力なら任せるアルよ」
力強く聡美を励ます古。
だが聡美はため息をついてしまう。
「それならいいのですけど、問題はTV局で誰かが占拠してないかですよ」
ビル1階のみ、スタジオも数える程度しかないながらも、町の中でも一番目立つであろうTV局。
当然隠れる場所や武器になるであろうこの場所を狙わないはずが無い。
もしも先にゲームに乗った人間がこのTV局を占拠していたら。
その場合、確実に戦わなくてはならない。
超や古はともかく、聡美が単独の時に出くわしたら……。
412真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/25(日) 16:43:31 ID:???
武器のショットガンの引き金を引けるだろうか?
もし引いて弾丸が相手に当たったとしたら。

威力の関係から、至近距離で食らえば即座にその場が大きく抉れてしまうだろう。
「これがゲームとかなら、頭を狙って撃ってたんだけど……」
某サバイバルホラーみたく、ゾンビの頭部をヘッドショットすれば頭が粉々に吹き飛ぶ。
同じ生徒で同じ理性を持つ人間相手にそんなことが出来るとは思えない。
「相手はゾンビじゃないもんね……」
未だに弾を一度も込めてないショットガンを見る。
いずれはこの武器を使って戦わなくてはならない。
成功するかしないかよりも、人を殺すことの重圧に負けてしまうことが怖かった。

「ハカセ……」
少し弱気になっている聡美を古は励ます。
古も己の拳が凶器となって誰かを傷つけないかとても不安なのだ。
武道四天王――古菲、刹那、真名、楓の一角の中では積極的に拳を使って戦うインファイト型。
それ故に己の拳が直接的な凶器になりかねない。
古とて人を殺したくて今まで鍛錬を続けたわけではない。
「出発はいつにします?」
聡美が尋ねると、古は超を見た。
まだ眠って十分程度しか経っていない。
寝不足だったこともあってかあっという間に夢の中へ旅立つ超の寝顔。
全く寝ていない相手を無理矢理起こして戦わせるのは酷な話だ。
その超頭脳が今2人の力強い味方だから、万全の体制で戦いたい。

「……超が起きるまでは待っているアル。それまでの間だけでいいから、色々考えておきたいアル」
古が椅子に腰掛けて釜に入ったご飯を食べる。
413真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/25(日) 16:44:35 ID:???
行動を開始したら嫌でも戦いのことを考えなくてはならない。
今だけでいいから、自分の思っていることを考えて気持ちの整理をつけたい。
聡美も頷いて初めてショットガンに弾を込めた。
皆でTV局に行くことが目的。
それまでの間に誰かに占拠されていないことを祈る2人であった。

【古菲 食事中】
【超鈴音 睡眠中】
【葉加瀬聡美 見張り中】
414真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/25(日) 16:45:42 ID:???
28.狂気の笑み

ふらふらと木乃香は前すら真っ直ぐ歩けないほどに傷ついていた。
銃弾は防弾チョッキで守られていたが、至近距離からの衝撃はかなり効いた。
食らった箇所が痛み、息もしにくかった。
武器の銃は真名が持っている、待っていてもいつ来るかは分からない。
メダルも2枚失って木乃香は気落ちしていた。
「せっちゃん……」
残っている武器は重くて使いにくい日本刀。
これだけて戦えるのかどうかも分からず、足がもつれて倒れてしまった。

「うっ……うぅぅ」
唯一の心のよりどころであった刹那は死に、明日菜も呆気なく死んでいた。
エヴァとハルナを葬っても、まだ見えない生存への可能性。
美空さえしとめればこんな無様になることはなかったはずなのに。
遠くから銃撃の音が聞こえてきた。きっと真名と美空が戦っているのだろう。
自分は何も出来ずに尻尾を巻いて逃げ出した。
悔しさのあまり、怒りをぶつけるようにして日本刀を大木に叩き付けた。
「せっちゃん……明日菜……」
悔しさとやるせなさが今更になって木乃香を包み込んだ。
そんな中で胸ポケットから落下したのは血のついたメダル。
刹那の番号『15』と記されたメダルだ。それを縋るように手にして強く握った。
最期の瞬間、刹那は言った「生きて……」と――。
「そうや……ウチは生き残らなあかん……絶対…!」
歪んだ感情が木乃香を覆ったその時、目の前に2人組が歩いているのを発見した。
415マロン名無しさん:2007/11/25(日) 16:49:25 ID:???
支援
416真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/25(日) 16:49:39 ID:???
2人組はどうやら鳴滝姉妹のようだ。
風香が史伽の手を引いて草をかき分けて走っている。
しばらく見ていると、大木に手を当てて2人仲良く休み始めた。
風香は手に血の付いた包丁を持っている。だが史伽は今のところ何も持っている様子は無い。
さらに言い換えれば、風香は人を殺している可能性が十分高かった。
つまりメダルを1枚以上は持っている。
チャンスと言えばチャンスだ。武器は同じく刃物だが、リーチの面ではこちらが上。
風香と史伽を始末して持っているメダルを手に入れれば、2人分のメダルと殺して手に入れたメダルを足して最低でも3枚。
少なくとも木乃香のメダルは一気に5枚に増える。
一気に奪われた分を取り返せる、刹那の約束を守れる。
「ふ………」
目が似やつき、口が三日月のように歪むと、木乃香は日本刀を構えた。

まだ双子は気が付いていない。じりじりと息を殺して近寄った。
風香は異様に警戒して不安そうに周り見つめるが、まだ木乃香の視界には入っていない。
風香と史伽、2人が同時に木乃香から見て反対方向を向いた瞬間が来た。
今がチャンスとばかりに木乃香は、まず包丁を持っている風香に狙いを定める。
足音に反応して風香と史伽が振り向くが、時すでに遅し。
木乃香は日本刀を振り上げて風香に襲い掛かった。


【近衛木乃香 武器・日本刀 現在2枚】
【鳴滝風香 木乃香の接近を許す】
【鳴滝史伽 木乃香の不意打ちを食らう】
417真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/25(日) 16:51:03 ID:???
以上です投下を終了します。ここ最近連投規制のせいで大量投下がしにくい状況です。
それともこの時間帯がそうなりやすいのでしょうか……。
418マロン名無しさん:2007/11/25(日) 17:00:50 ID:???
リアル遭遇キタコレ。自演野郎以来、来てなかったから今日今までの分、イッキ見しますた!!日の当たりにくいキャラがうまく描かれてて秀逸だね!!これからが楽しみッス。
419マロン名無しさん:2007/11/25(日) 18:04:42 ID:???
ただ荷台で見つからなかったキャラを何で夏美にしたのかな?運の良い桜子だったら展開の進め方がうまいとおもえたけど
420マロン名無しさん:2007/11/25(日) 20:49:04 ID:???
>>417
まだ木乃香の視界には入ってない じゃなくて 木乃香は だな。

後風香と史伽の接近を許すと不意打ちを食らうは逆だな
421司書 ◆diEk0iTtGI :2007/11/26(月) 04:02:05 ID:???
ttp://www.katsakuri.sakura.ne.jp/src/up29456.txt.html

携帯からです
携帯まとめ氏乙です
取り合えず修正版うpりました
絵は勘弁
422マロン名無しさん:2007/11/26(月) 08:06:16 ID:???
>>421
乙です。
が、大変言いにくいのですが、ヘンマンが直ってません><

・・・当時を思い出して、ちょっとにやにやしましたがw
423マロン名無しさん:2007/11/26(月) 09:46:52 ID:???
ていうか美空はなぜ坂でこのかの頭をうたなかったのか・・・
424マロン名無しさん:2007/11/26(月) 12:16:30 ID:???
木乃香は頭撃たれても死なないんだよ可愛いから
425マロン名無しさん:2007/11/26(月) 14:07:32 ID:???
書こうと思うんだけどどの辺まで参考にしてよくてどの辺からはパクリなのかな?
例えばバトロワにターゲット制を設けるやり方だとハンター×ハンターのパクリになっちゃう?
軽く構想練ってて2chで話題なってたからハンタ読んだら俺が考えてたのと8割型ルールが一緒だったから…(これまでハンタ読んだ事なかった)
426マロン名無しさん:2007/11/26(月) 16:53:06 ID:???
ハンターからアイデア拝借したのは他作者がやってるよ
つーか基本的に問題なのは『文章丸パクり』だけだと思うぞ
ロワスレ自体大量にあるから、ロワスレ間じゃ多少の発想被りは許容してる
既存のアイデアは昇華してなんぼだからな
「どんな作品を出してもパクりパクりと叩きたがるアホの子が居つき始めた」ということさえ理解して、ちゃあんとスルー出来るんだったら問題ない
427マロン名無しさん:2007/11/26(月) 17:17:44 ID:???
>>426
そうか。じゃぁ設定が被るくらいならセーフか。
まぁ叩かれたら嫌だから新たに考え直すよ。
428マロン名無しさん:2007/11/26(月) 18:00:58 ID:???
ステーキ用の肉でおいしいのってどこですか
429マロン名無しさん:2007/11/26(月) 18:27:33 ID:???
>>428
駅前の「ステーキ・ネギま」
430マロン名無しさん:2007/11/26(月) 19:54:35 ID:???
性転換スレ住人の俺はタン塩と答えておこう
431マロン名無しさん:2007/11/26(月) 20:54:20 ID:???
性転換スレの人ここに読んでよ
432マロン名無しさん:2007/11/26(月) 21:03:28 ID:???
性転換ロワでもやれと?
433マロン名無しさん:2007/11/26(月) 21:05:23 ID:???
確実に住人減るww
434真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/26(月) 21:35:38 ID:???
それでは本日3話分を投下します。

>>420
失礼しました。木乃香の部分はその表示の方が正しいですね。
435真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/26(月) 21:36:44 ID:???
29.いいんちょの意地

明け方になって行動を開始し、やっと町にたどり着いた千鶴とあやかは隠れる場所を探した。
住宅街に逃げ込めば何とかなるだろうと予想をした。
細心の注意を払いながら2人は一つの民家を見つける。
靴を脱いで入ると人が居ると分かってしまうため、当然土足上がり。

軽く腰を下ろして休める場所を見つけた。
「少し休んでいきましょう」
「えぇ……」
先ほどからあやかの返事に覇気が感じられない。
それも最初の放送で明日菜の名が呼ばれたからだ。
教室で毎日のようにケンカをして、それがもう3-Aの名物と化していた。
小さい頃からずっと一緒であった。口には出さないが、あやかと明日菜は言葉では言い表せないほど仲がいい。
ただそれを素直に表現できないだけ。たったそれだけなのだ。
それなのに突然の別れは急にと言っていいほど訪れてしまう。
「……何故、死んでしまったのです」
届きもしないことを呟くあやか。
表面上は認めて無くても、2人は親友同士なのだ。
明日菜の性格からゲームに乗って殺されたとは考えにくい。戦おうとして殺された、そう考えるしかない。
むしろそうであって欲しい。もしゲームに明日菜が乗って互いに戦えるだけの武器を持っていたら……。
名物のケンカはもうただの殺し合いになってしまう。
そんなことはしたくない。
明日菜のことを昔から一番側で、そしてよく知っているからそう考えられること。
「………っ」
潤み始める涙を必死で堪え、あやかは表情が千鶴に見えないように横に寝転がる。
436真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/26(月) 21:38:03 ID:???

「あやか……」
親友の死にショックを受けているあやかを見て千鶴は言った。
「あやか、しっかりしなさい。あなたがそんなんじゃ明日菜さんも喜びませんよ」
強い口調であやかを叱咤する千鶴。
今もこう手を拱いている間に、誰かが死んでいるかもしれない。
委員長であるあやかが立ち直れないとなると、あやかはそこまでの程度の人間なのか。
人一倍責任感が強い千鶴はあやかに奮起させるようにした。
「………」

するとあやかが体を起こす。
「ごめんなさい。そうですね、アスナさんもきっと怒ってますわね『何しょげてんのよ、バカいいんちょ』って」
立ち直り、クラスを総括する委員長の立場を重んじるあやかは武器のボウガンを拾った。
矢を装填していつでも戦える体勢になる。
「千鶴さん、一緒に頑張りましょう。今生き残っている皆さんを助けるのです」
「そうよ、それでこそ私のあやかよ」
千鶴もあやかの立ち直りに喜んだ。
委員長の意地として、親友の死を乗り越えるためにあやかは立ち上がる。
この殺し合いゲームから皆を救うために主催者側の人間と戦う決意をした。


【那波千鶴 民家に潜伏】
【雪広あやか 民家に潜伏・千鶴の叱咤により覇気回復】
437真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/26(月) 21:39:44 ID:???
30.ダブルジョーカー

「はぁ……はぁ……はぁ……」
完全に勝負あった。美空は肩に一発食らった衝撃で後ろに吹き飛んだ。
真名は美空の銃を奪い、デイパックも遠くへ蹴り飛ばした。
完全に武器を失った美空は上から乗りかかられて抵抗も出来ない状態だ。

「参った…参った。降参ッス」
だが完全に有利な体制をとった真名は美空を問いただす。
「言え、お前のほかに手を組んだのは誰だ!」
叫び声を上げて美空を目一杯脅し上げた。美空は強情で喋ろうとしない。
胸倉を掴んで強引に吐かせようとした。
「……自分で探して見たら?」
「あくまでも強情を張る気か?」
強気に出ている美空。普段から軽い感じで喋っているため、本気で責めないとなかなか吐かない。
真名は拳銃を突きつけて強引に吐かせようとする。
ゲームに乗るつもりは無いが、主催者側と手を組んでいる人間を野放しにすれば犠牲者は増える。
メダル目当てではないが、全てを吐かせれば始末するつもりだ。
銃口に僅かな怯えを感じている美空は、ほんの少しだけ視線を上に向けてまた戻す。
するとにやついた口元から言葉が出る。

「ヒントあげるよ。その木の上とかね!」
「何っ!?」
上を見上げる真名。正面の木々の中に一つだけ、赤い光を放つものが見える。
それは木ではなく……レーザーサイトの光。
438真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/26(月) 21:41:15 ID:???
真名の持っていた銃が真っ赤な血を撒き散らしながら空中を舞う。
肉眼でも見えるか見えないかぐらいの位置から真名は銃を握っている腕を狙撃された。
痛みを感じる間もなく、真名の手のひらに大きな穴が開き、指が2本ほど飛び散った。
その隙を狙い、美空は微かに自由となっている下半身を持ち上げて、真名の腹の下に来るようにした。
そして呟いた。

「アデアット」
「なっ!?」
次の瞬間、美空の足にシューズが付いたと思う間もなく、真名の腹に衝撃が走った。
上に弾き飛ばされるような力がかかり、真名の体はあっという間に上空へ飛んだ。
美空のアーティファクトは足が速くなるだけ、つまり逃げ足専用。
だが逃げ足と言っても地面を駆ける力は強い。美空はその地面を駆ける力を蹴りに応用した。
腹を直撃する圧迫感を感じる間もなく訪れる全身の無重力感。
ほんの数秒間の無重力を体験した後、真名の体は地面に激突した。
それも蹴られた拍子に前方に投げ出されるようになったため、前に半回転して頭の後頭部付近から落下する。
真名は気絶はしなかったが、地面に落下して止まるまでの間、後頭部から首全体にかけて骨が潰れる感触。
すべてが終わった時、真名は地面に大の字になりぴくりとも動くことは無かった。

「はぁ……はぁ……。流石にキツイッスね」
起き上がる美空だが、かなり体に負担が掛かっていた。
元々能力をすべて封じるための首輪。美空はマーダー役を買って出た時、それを緩和するように頼んだ。
ほんの僅かの間だがアーティファクトを使えるように。
その代償として大量の魔力を一気に使わないといけないため、極度の疲労感に襲われる。
ブレーキを少し踏みながら走る自転車のように、徐々にブレーキや車輪への負担は強くなる。美空はそれに似ている。
疲れた表情で立ち上がり、真名へ詰め寄る。完全な形勢逆転。
439マロン名無しさん:2007/11/26(月) 21:42:23 ID:???
支援
440真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/26(月) 21:42:40 ID:???
「………」
真名は後頭部から首にかけての骨が何本か砕けてしまっている。
もう戦うどころか、体を少しも動かすことすら出来ない。
声すら出せない真名は無言で眼球だけをこちらに向けた。
睨みつけ、必ず殺してやると訴えるような目つき。

美空はそんな真名の目つきを避けるようにして銃を向ける。
真名は自分の最期を悟ってそっと目を閉じた。
一発の銃声と共に、この時点で最強と思われた龍宮真名の命が呆気なく奪われた。
そしてほどなく木から降りてきた最後のジョーカー。
美空は傷を気にしながらも、結果的に助けてもらったその相手に向かい合った。


【春日美空 メダル入手、現在5枚】
【龍宮真名 銃殺】
【??? 武器・ドラグノフ(スナイパーライフル)】

――残り22人 
441真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/26(月) 21:43:58 ID:???
31.不協和音

信頼できる仲間。出来れば聡美や超がいいだろうがすんなり見つかれば苦労はしない。
とにかく今の茶々丸を理解してくれる人、茶々丸自身が理解出来る相手を探していた。
ゲームに乗ったマーダーが居る以上、安易に人は信じられない。
町に出て誰か信頼できる相手を模索していた最中のことだった。

「……?」
いつ殺されるか分からない非常時に、なにやら言い争いをする声が聞こえた。
下手に疑心暗鬼になるのは危険だし、何より茶々丸は一人でも多くの人間を救うと決めたのだ。
声のする方向へ向かうと、2階程度しかない小さなビル。
「違う! ウチやない!」
「でしたら、誰が盗んだというのです!?」
「やめてよ二人とも」
どうやら亜子と五月が言い争いになり、円が止めようとしていた。
茶々丸は武器を隠して3人の前に現れた。
「お取り込み中のところ申し訳ありませんが、ここで声を出すのは危険かと思われます」
いきなり乱入してきた茶々丸に驚いて言葉を失う3人。
茶々丸が仲裁に入った。事情を聞けばこうなる。

円のデイパックには水の入ったペットボトルが1つしかなかったのだ。
しかもパンにいたってはゼロ。食料が何一つ入っていなかった。
誰かが盗んだとしか考えられない。
442真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/26(月) 21:45:35 ID:???
唯一有力なのは、公園で円と五月がトイレに行ってきた時にデイパックを置いてきたことだ。
その際、武器を出すようにと言った円。
一緒に名簿も出しておいたし、移動まで時間が掛かったため円のデイパックはその1回以外は開かれなかった。
ようやく落ち着いて水とパンを食べようとデイパックを開いた時に異変に気が付いたのだ。

「釘宮さんの鞄を開いたのはあなたしかいません。こんなことを言うのは不本意ですが、あなたが一番怪しいのです」
「そ、そないなこと言われても……。なぁ、円は信じてくれるよな」
状況的に亜子が怪しいと思わざるを得ない五月。縋る様に円に助けを求める亜子。
亜子の悲痛な訴えをするも、円も亜子がやっていないという証拠を持っていない。
自分が亜子に荷物を預けたのは信頼できるから、だがその信頼が少しでも崩れたら?
他人任せにした挙句、一度も開かずに中身を確認しなかった円にもに非はある。
だがそれ以上にパンを盗んだという事実はもっと強い。
この場合、疑われて信じられなくなった人の負けなのだ。
この事実に気付いた瞬間、円も心のどこかで亜子を疑っていた。
「ひ、酷い……ウチはやってない……ウチはやってないんやぁぁぁ!」
こんなにも簡単に信用をされないことにショックを受けてとうとう泣き出す亜子。

「ま、待ってよ亜子。泣かないで、まだ亜子が犯人だって決まったわけじゃ……」
「私も……出来ればこんなことは言いたくないんです……」
円も五月もこんな形で仲間を疑いたくない、ならば一体誰が円のデイパックから食料を奪ったのか。
茶々丸は亜子を救おうと話しかけた。
「亜子さん。あなたが武器と名簿を出した時、食料はありましたか?」
「……っく……分からへん。あの時は気分も最悪やったから、武器を出すことしか頭になかった」
これでは亜子は疑われる一方だ。
443真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/26(月) 21:47:00 ID:???
やむを得ずこの問題は一旦置いておくことにした。
「私の鞄から食料を持っていってください。私は食事の必要がありませんから」
――とパン3つと水の入ったペットボトルを2本を円に差し出した。
唯一、冷却水用としてペットボトル1本を残している。

とりあえずこの場は一時的に収まったものの。
3人の間には言いようのない溝が生まれていた。


【和泉亜子 疑心暗鬼に陥る】
【絡繰茶々丸 食料を差し出す】
【釘宮円 茶々丸より食料入手】
【四葉五月 亜子を疑う】
444マロン名無しさん:2007/11/26(月) 21:47:26 ID:XAvOkzSt
リアル遭遇きた
くぎみーきたああああああああああああ
445真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/26(月) 21:48:07 ID:???
以上で終了です。明日も3話の投下になります。
446マロン名無しさん:2007/11/26(月) 21:50:02 ID:???
乙。
真名撃ったのだれだろう。
皆一通り登場してるよな。
ネギ・・・ではないよなまさかw
447マロン名無しさん:2007/11/26(月) 21:53:58 ID:???
真・作者18は場面転換が苦手なのかな?
448マロン名無しさん:2007/11/26(月) 22:04:30 ID:???
ジョーカーは刹那、美空、朝倉と思ってたら朝倉は違うのね
449マロン名無しさん:2007/11/26(月) 22:40:54 ID:???
スナイパーライフルを扱える人物・・・・
ジョーカーとして実力がある人物・・・・
隠密性に長けている人物・・・・


・・・・楓?
450マロン名無しさん:2007/11/26(月) 22:55:45 ID:???
実は真名だったり
やられた真名は魔法で記憶を消され真名の姿になった桜子
451マロン名無しさん:2007/11/26(月) 23:55:09 ID:???
大穴:さよ
452マロン名無しさん:2007/11/26(月) 23:57:46 ID:???
さよが木からかっこよく飛び降りてきたら吹くかも
453マロン名無しさん:2007/11/27(火) 00:05:18 ID:???
いや流石にそれはないだろwwwww
桜子があんまりだ

454マロン名無しさん:2007/11/27(火) 00:21:00 ID:???
チーム戦というのを思い付いたんだが、さすがにロワじゃないよね……
455マロン名無しさん:2007/11/27(火) 03:15:54 ID:???
>>454
すでにチーム戦出てるから有りだよ
456マロン名無しさん:2007/11/27(火) 03:17:01 ID:???
>>450
吹いたwwww
桜子かわいそすぎるwwww
457マロン名無しさん:2007/11/27(火) 10:01:06 ID:???
>>455まじか、じゃあ作者80くらいを目指して頑張る
458マロン名無しさん:2007/11/27(火) 12:18:59 ID:???
じゃあ俺は作者90!
459マロン名無しさん:2007/11/27(火) 13:06:35 ID:???
なら俺は95だな
460マロン名無しさん:2007/11/27(火) 13:08:19 ID:???
1 0 0 !
461マロン名無しさん:2007/11/27(火) 13:43:34 ID:???
司会者「へいへーい!まだまだあがるよ!!」
462マロン名無しさん:2007/11/27(火) 15:14:08 ID:???
じゃぁ一気に150!!
463携帯まとめ:2007/11/27(火) 18:07:28 ID:???
携帯からすまそ。7部の改訂済んだっぽいんで司書氏確認よろ。そういや俺も長編書いてたんだよな。この際だから作者一万と二千あたり目指すか
464マロン名無しさん:2007/11/27(火) 18:12:01 ID:???
携帯氏乙です。
第三のマーダーって誰だろ?
アキラ 桜子 夕映 あたりってもうでて来てたっけ?
465マロン名無しさん:2007/11/27(火) 18:33:42 ID:???
>>463
あなたとロワしたい

何話くらい書いてんの?
466マロン名無しさん:2007/11/27(火) 19:41:57 ID:???
八千年すぎた頃から名乗り出るわ
467携帯まとめ:2007/11/27(火) 19:45:12 ID:???
またまた携帯からすまそ(最近ずっと人大杉)。先月くらいに思い付いて、やっとこさプロットにまとまったくらいか
まあ、優先するのはモンhじゃなくてまとめの管理だから、投下はなさそうですわ
468真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/27(火) 21:31:35 ID:???
それでは本日分を投下します。
469真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/27(火) 21:32:49 ID:???
32.村上夏美の戦い 3

男たちの足音に神経を尖らせながら、2人は普段分からないような道を進む。
むしろ道ではなく、骨組みが見える裏側と言った方がいい。
起用に交わしながら2階へ向かう。
階段など無く、木の骨組み部分を使って上るちょっとしたアスレチック気分を味わった。
2階へ移動し終えた夏美は、そっと木の板を捲って外を確認する。
どうやら普通に階段を上がった時の先にある廊下だ。
盛り上がっているのが分かるか分からないか程度に開けると、廊下の先に兵士が何人も立っていた。
すぐに戻る夏美は和美に報告する。
「おそらくあそこがスタート地点、そしてその隣が中枢部分だと思うよ」
伊達に報道部員をやっていることだけのことはある。
和美も外を確認するとすぐに上の階へと目指した。

3階は比較的見張りが殆どいないに等しい。
1階が兵士たちが待機する場所、2階がスタート地点及び中枢部分。
残った3階は特に使うような理由も無い。
せいぜい1時間に1回くらいの見回りくらい、それも誰もいないこと前提のため結構いい加減だ。
夏美がいないことで警備が強化されるかもしれないが、まさかもう3階に移動しているとは気付かないだろう。
とりあえず時間稼ぎという意味でも、隠れるならここが一番安全。
また裏手から3階に上がると、どこかの一室に出た。
そこはどうやら女子更衣室のようだ。
散々裏を通ったせいで埃とくもの巣だらけになってしまう2人。
とりあえず安全な場所を見つけて一息つく夏美。
470真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/27(火) 21:34:00 ID:???
「でも大丈夫かなぁ……」
「大丈夫、安心して。まずくなったらまたこの下に隠ればいいだけだし」
呑気に返事をする和美だが、夏美はじっとこちらを見つめる。
「そうじゃなくて……朝倉が私みたいにいないのにいないから、向こうも全力で探すんじゃ……」
夏美の心配はそこだった。和美もまた夏美同様にゲームから外れている。
2人も抜けていたら、主催者が中止にして自分たちを全力で探すのではないか? ということだ。
「んー、大丈夫でしょ」
その気の抜けた返事に呆れていたその時、夏美の腹が音を立ててしまう。

「あ――」
音は和美の耳にも届いており、夏美は真っ赤な顔になって俯いた。
夏美はあれから一度も食事を取っていないのだ。
「食べる?」
すると和美は懐からパンを取り出して、夏美に渡した。
「これ、どうしたの?」
「村上に会う前に鞄が山積になってた所からちょっと貰ってきた」
その時、夏美は思った。それは貰ってきたんじゃなくて盗んできたものだと。
だが背に腹は変えられず、夏美はパンを頬張った。
それと同時にペットボトルに入った水も渡される。

「その鞄って何が入ってたの?」
「さぁ、万年筆が入ってたけど」
その意味が何なのかを知る由も無く、夏美はこれからどうするべきかも答えを出せずにいた。
しばらくこの場は安全だから、一旦留まって対策を練る。
2人はとりあえずパンを食べ終えてから考えることにした。

【朝倉和美 3F女子更衣室に潜入】
【村上夏美 3F女子更衣室に潜入】
471真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/27(火) 21:35:13 ID:???
32.孤独との戦い

真っ暗な深夜にスタートした時間と比べれば、美しい夕焼けの空。
こんな綺麗な風景なのに、ちっとも気分は晴れない。
どれもこれもこの人殺しゲームのせいだ。まき絵は空を眺めてそう考えていた。
もうすぐ日が暮れる、そのまま夜になれば1日目が終わる。

あれからまき絵はいろんなところを歩いた。仲間を求めて色んな所を彷徨った。
町を出て海沿いの道に出たが、出会うことが出来たのは夕焼けの空のみ。
少しの間その夕焼けを見つめると、森の中へ身を隠した。
所々で聞こえる銃声。
まき絵の歩みを止めてしまうほどの恐怖感を与えるが、今は仲間探した優先だ。
皆と同じく、仲間を見つけて何とかしてゲームから脱出する。
そのはずなのに……。

「寂しいよぉ……」
今の今までまき絵は誰とも遭遇できなかった。
銃声や放送の声は聞いたが、クラスメイトと鉢合わせになったことは一度としてなかった。
死体さえ出会うことが無いため、徐々に孤独感に苛まれるまき絵。
「ぐすっ、皆に会いたいよぉ……ゆーなぁ……亜子ぉ……アキラぁ……」
涙ぐみ、親友の名を呼び続けるまき絵。だが誰も助けには来てくれない。
声が届くことも無ければ、気付いてくれる人も誰一人いない。
ふらふらと森の中を彷徨うまき絵を見つけてくれる人はいるのだろうか。
472真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/27(火) 21:36:25 ID:???
「ん?」
ざわざわと音が立ち、森独特の不気味だがまき絵を包む。
孤独に負けそうな精神状態であるせいか、その恐怖心にくじけそうになる。

「怖いよぉ……ねぇ……誰かいないの……」
行く所すべて誰にも出会わない。
まるで何も無い真っ白な空間に、一人だけ放り出された感じだ。
帰ろうにも殆ど日が暮れている状態で、森の中は殆ど暗闇に近い状態だった。
そう思った瞬間、一発の銃声がまき絵の耳を突いた。
「ひぃ!!」
音の強さからこの場からそれほど離れていないことが分かる。
ゲームに乗った人間が近くにいるかもしれない……。
徐々に孤独と恐怖がまき絵の心を大きく揺さぶりだす。
恐怖のあまり叫びだそうとするが、それはぐっと堪える。
もし声を出せば、誰かが殺しに来る。
どんなに孤独に包まれてもまき絵は生きている。
そんなことで声を出して誰かに狙われたら命は無い。

「は、早く逃げよう」
まき絵は涙声で元来た道を引き返していた。
すると静かな森の中で、奥で誰かが会話をしている声が聞こえてきた。
後姿から美空の格好だということは分かる。もう一人は暗がりに隠れてよく分からなかった。
473真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/27(火) 21:37:34 ID:???
しかしよく見ると、その人物は美空に手当てを施していた。
もしかすると味方かも……そうまき絵は考えた。
思い切って近づこうかと思い、大木ごとに身を隠しながら進む。
「……え」
2人の会話が聞こえる範囲まで近づいたまき絵は、あるものを発見した。
それは真名の死体――。

【佐々木まき絵 ジョーカーに接近】
474真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/27(火) 21:38:44 ID:???
34.ジョーカー同士のやりとり

辛くも真名を葬った美空。
だが左肩の傷は深く、もう1人のジョーカーに手当てを受けてもらっている。
通常での使用ではある程度支障は無いが、武器を使って戦うのはほぼ不可能。
消毒を終えて包帯をしっかりと結び、治療は終わった。
「医薬品を持ってきてたなんてねー」
美空が尋ねると相手も不敵に笑う。

「助かったよ、ありがと」
「誰かが来るのを待ってたらあんたたちが来た……ってこと。偶然だよ」
だが九分九厘負けるのが濃厚だった所を救ってくれたことに素直に感謝する美空。
運命とか、偶然とは何とも恐ろしいものかと確認した。
「――といってもつい10分前のことだけどね。予想以上に出遅れちゃったしね」
もう1人のジョーカーはそう告げた。
「そりゃ仕方ないでしょ」
2人だけがその会話の真意を理解している。
それ以外の人間には何か分からない、“誰も聞いていないと思っている”からそう言える。
「助けてあげたのに、メダルはなし?」
「悪いけどトドメを刺したのは私だし、代わりにこれをあげるよ」
すると手渡したのは真名の持っていた銃、シグ・ザウエルP228であった。
さらには真名の持っていた食料と水、すべてその相手に手渡す。
「こんな腕じゃ二丁拳銃出来ないからね」
「ふーん」
もう1人のジョーカーはちゃっかりとしている美空を見つめる。
475真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/27(火) 21:40:16 ID:???
武器よりはメダルが欲しい。だがスナイパーライフルでは使う場所や手間がかかる。
出発前に簡単な使い方を教わり、ダミーを使っての試し撃ちも許可された。だが完全に使いこなせていない。
メダルは次の機会にして、美空の行為を素直に受け取ることになった。

真名の死体を見つめる2人のジョーカー。
美空は痛む左手で名簿を見た。それと同時にもう1人のジョーカーも名簿を見る。
当然だが、真名の欄に×をつけるためだ。
ただ他の生徒と違う部分、朝倉和美の部分に×が記されていないこと。
「まぁ、当然だよね。私たちがジョーカーなんて分からないッス」
美空がそのジョーカーに向かって意味ありげな笑いを浮かべる。
バツが悪そうな顔をするもう1人のジョーカー。

すると後ろから何かの足音が聞こえた。
素早く振り向くと、立ち聞きしていたまき絵が驚愕の表情で立っていた。
「まき絵……」
見つかってしまい「殺される」と悟ったまき絵は全力で逃げた。
美空は即座にベレッタを取り出してまき絵に向けて放つ。
すると銃声が二重に聞こえた。その音がやむ前に、まき絵はその場に倒れこんだ。
隣を見ると、もう1人のジョーカーがシグ・ザウエルP228を使っていた。
弾はまき絵の背中と足に命中。まき絵は痛みで声を上げられずに苦しんでいた。
「ここは譲ってあげるよ」
美空は銃を片付けると、デイパックを右肩に背負って歩き出す。
助けてもらったとはいえ、事実上ゲームに参加している敵同士。
今の状態でメダルの奪い合いになると不利になる。
何故なら美空は今メダルが何枚あるかを告げていないからだ。
1日で5枚も集めているのを知ったら、裏切って奪いかねないこともあるからである。
本心はメダルが欲しい。だがここは大人しく武器を渡し、メダルを譲ることにして立ち去ることにした。
476真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/27(火) 21:41:27 ID:???

「……うぅぅぅ……助けてぇ……誰かぁ……」
痛みで苦しむまき絵はその場で転がりながら助けを求める。
だが誰も助けになど来ない。
もう1人のジョーカーはまき絵を見下ろす形で銃をもう一度向ける。
まき絵はその顔をはっきりと見て、驚きの声を出す。
「嘘……。何で……なん―――」
その声が続く間もなく、まき絵は銃弾を額に食らってその場に倒れた。
今度はもう起き上がることは無かった。
もう1人のジョーカーはまき絵の武器と荷物を奪って森の中へ身を隠した。


【春日美空 現在5枚】
【佐々木まき絵 銃殺】
【??? 武器・シグ・ザウエルP228、手榴弾、メダル入手 現在1枚】


――残り21人
477真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/27(火) 21:42:45 ID:???
以上で終了します。
あと訂正箇所ですが、>>471の『32.』の部分は『33.』の間違いであります。
478マロン名無しさん:2007/11/27(火) 21:44:21 ID:???
乙。ジョーカーはアキラかなやっぱ
479マロン名無しさん:2007/11/27(火) 21:46:05 ID:???
アキラだと口調が違いすぎる
俺は裕奈とみた
480マロン名無しさん:2007/11/27(火) 21:53:06 ID:???
ゆーな死ななかったっけ…?
あれ 気のせいかな…
携帯版の過去作品とアタマがごっちゃになったかもorz
481マロン名無しさん:2007/11/27(火) 22:02:38 ID:???
>>475
行為じゃなくて好意じゃないか?
間違ってたらスマヌ
482マロン名無しさん:2007/11/27(火) 22:04:08 ID:???
裕奈は双子に殺されたはず。
483マロン名無しさん:2007/11/27(火) 22:09:06 ID:???
裕奈ほぼ確実に死んでいるし、アキラは夕映と行動中じゃなかったっけ? 楓、亜子も話し方で……。
ザジが寝ている間にコンタクトできる可能性ありの美砂あたりか?

読めん、だがそれがいい
484マロン名無しさん:2007/11/27(火) 22:15:28 ID:???
>>483 あり得るw
485マロン名無しさん:2007/11/27(火) 23:07:10 ID:???
一つ思ったんだが。
刹那の場合は木乃香がいたからこそジョーカー化したわけだよな?
んで、美空はまぁ魔法関係で分からなくもないんだが柿崎だと動機が薄くないか?

いやまぁ従わなきゃ殺されるって脅された、で済むのかもしれんがなんとなく気になった
486マロン名無しさん:2007/11/27(火) 23:15:13 ID:???
夏美のことからしてただ作者は今まで影キャラだった人を目立たせたいだけだろ
だから理由なんて適当なんじゃね
487マロン名無しさん:2007/11/27(火) 23:26:40 ID:???
好きなキャラがことごとくマイナーな俺としては真・作者18には期待してるんだけどな
488マロン名無しさん:2007/11/27(火) 23:30:42 ID:???
あと一人のジョーカーは大穴狙いで桜子とみたw
489マロン名無しさん:2007/11/28(水) 00:14:42 ID:???
もともと存在しなかったパン・・・。亜子・・・(涙)。朝倉ももう少し、考えて行動してほしーもんだ。ジョーカーはやっぱ柿崎か?
490マロン名無しさん:2007/11/28(水) 01:06:19 ID:???
美砂がジョーカーだったらとっくにザジは死んでるだろ。
>>474の口調や言動、美空の行動から夏美といる朝倉、もしくは参加してるほうのどちらかが偽者という可能性がある。

てか18部の鍵キャラは朝倉っぽい。
491マロン名無しさん:2007/11/28(水) 02:48:47 ID:???
だからやられた真名は真名の姿に変えられた桜子でジョーカーは真名。
そして実はロワの前日まき絵は真名といろいろあって親友になってた。だから嘘…なんで…の理由も頷ける。
と昨日の予想に付け加えてみた。
492マロン名無しさん:2007/11/28(水) 02:51:11 ID:???
ジョーカー達3人は朝倉が死んでないって知ってる。でも本部は朝倉が死んだと思ってる。
これって本部に刹那や美空は自分を売ったにも関わらず朝倉が生きてるって黙ってんの?
これちょっと矛盾だよな
493マロン名無しさん:2007/11/28(水) 16:59:12 ID:???
超暇だから携帯用まとめサイト俺も作って良いけど俺専ブラとか入ってないからスレ見れないんだよね
そういう場合どうすれば良いの?
494マロン名無しさん:2007/11/28(水) 17:19:02 ID:???
専ブラ無料だっけ?
495真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/28(水) 21:36:17 ID:???
それでは本日分を投下します。
今回は2話です。
496真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/28(水) 21:37:28 ID:???
35.悪夢の瞬間

楓はあれから川沿いの近くを歩き、仲間をずっと探していた。
分かれた真名は多分大丈夫だという核心の下、一人孤独な戦いを続けていた。
楓は抜け忍の身であるため、多少のことには動じない。

真名が味方になってくれたことも後押しとなったのか、こんな所で凹んでられないという気にさせる。
サブマシンガンは今だ引き金を一度も引いていない。
どんなに高性能な武器を持っていても、使わなければただの物でしかない。
「ふぅ……一息つくでござるか」
デイパックを草むらに隠して、楓は川に入った。
案の定、魚がいくつか泳いでおり、楓には捕まえることなど朝飯前の出来事だった。
あっという間に5匹は捕まえただろうか。
これだけあれば、後は独自の方法で火を起こして焼き魚にして食べる。
食料が満足に無い中で、いざと言う時の処方術は学んでいる。
むしろこういう展開ほど楓は強い。

「ついででござる」
楓は手で水を掬って一気に飲み干した。
喉越しのよい冷たい水が楓の口の中を潤す。
気持ちよさを感じながら、ペットボトルに水を注ごうとした時に違和感を感じた。
自分は口の中を切っただろうか?ならばこの口の中の血の味は何なのか。
口を切っているはずはない、それならもっと早くに自覚できている。
――となれば可能性は一つ。
恐る恐る楓は足元の水を見た。
497真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/28(水) 21:39:19 ID:???
澄んでいるはずの水なのに、水を飲めば飲むほど血の味がしている。
次の瞬間、楓の背中にとてつもなく嫌な予感が過ぎった。
頭の中でうるさく鳴る警告音は、今すぐにこの場から逃げるように言っている。
――そして絶対に振り向くなと。
だが楓はゆっくりと体を嫌な予感がする後方へと向けて……
「――――!!」

楓が声を出せずに慌てて川の中から飛び出した。
その視線の先に見えたもの、それは上流の木や岩に混じってハルナの死体が仰向けで晒されていたからだ。
脳天を銃で撃たれ、そこから血が出ていたのだ。
暗がりで気付かなかったが、そこは血が溜まっていた場所であった。
殆ど血が抜け切っており、真っ青となったハルナの死に顔。
銃弾で開いた脳天から微かに見えている人間の脳のかけら。
惨たらしいその顔を直視してしまった楓。
あまりのグロテスクさに耐え切れず、楓は草むらに隠れるように飛び込み嘔吐してしまった。
「む、惨い……」
あまりに衝撃的なものを見てしまった楓は中々そこから動けない。
先ほど胃の中の物をすべて戻したのに、吐き気が治まらなかった。
仲間を探さなくてはならない。
ハルナのように、悲惨な死に方をされる前に何とか探さないと。
特に風香、史伽の鳴滝姉妹だ。あの小さな体にこの大きな島はかなり負担が大きい。
何とかこちらが見つけるまで無事でいて欲しい。
楓はそう祈らざるを得なかった。
498真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/28(水) 21:40:49 ID:???

楓の祈りは果たして通じたのだろうか。
息を荒くして血だらけとなった腕、もう片方の手には包丁。
顔や制服を血に染めたお団子頭がトレードマークの妹がそこにいた。
ツインテールの姉は腹に刀が刺さっており、とっくに事切れていた。
特徴的だったツインテールの片方は、無残にも刀によって失われていた。
そして、二人を襲ってきた木乃香は……血溜まりの中でたった今命を落とした。

お団子頭の妹は、完全に事切れた姉の元へと向かった。
惨たらしく死んでしまった姉を見て、妹は涙に暮れた。


【近衛木乃香 出血多量死】
【鳴滝史伽 ―― 】
【鳴滝風香 ―― 】

――残り19人
499真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/28(水) 21:42:03 ID:???
36.マイフレンド

あれだけ言ったのだから怖がって近寄らないと思っていた。
現に人殺しだと伝えて平然としている人間などいない。
だが、この人物は違った。
「おい」
「何?」
「お前なんで付いてくる。私は人殺しだぞ」
自分が人殺しだと言うことは伝えたはずだ。なのに、桜子は付いてくる。
怖いとかそんなことは感じないのか?
「そんな……嘘でしょ。千雨ちゃんが人殺しなんて……」
どうやらさっきの発言を本気に捉えていないようだ。
そうでなければただのバカか、脳が破壊的に能天気かのどちらかか……。

「放送聞いただろ」
「うん、信じられないよ。もし次で円や美砂が呼ばれたら……」
チアガールの仲間である美砂と円。
今も島のどこかで彷徨っているかもしれない。
「その中に、早乙女ハルナがいただろ。あれは私が殺したんだ」
「そ、そんな。千雨ちゃんまた……」
桜子の表情がまた凍りついた。
千雨は先ほどの考えを撤回した。どうやら本気に捉えているのではない。
そんなことはないと考えているようだ。千雨からすれば鬱陶しい。
「こいつで早乙女を撃った。これは事実だ、こんなもの手にしたせいで私は――っ!!」
コルト・ガバメントを思い切り地面に叩きつける千雨。
ちなみに銃の安全装置は入っているため暴発はしない。
「千雨ちゃん……」
500真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/28(水) 21:43:10 ID:???
人を殺したことを大いに後悔し、悔しがる。
殺したいことなんてちっとも思っていない。だが恐怖のあまり引き金を引いてしまった。
千雨はあの時、恐怖に負けてしまった。そのことが腹立ただしい。
「で、でも千雨ちゃんは殺したくて殺したんじゃないんでしょ。だったら――」
「だったら何だ、死んで償えっていうのか?」
銃を拾って今度はこめかみに押し当てた。
安全装置に手をかけて、いつでも撃てるようにした。

「だ、駄目!」
「じゃあどうすれば償える。言ってみろ」
だが桜子は答えられない。あまりも重過ぎる問題。
人を殺した償いをどうすればいいかなんて、ただの女子中学生には分かるわけが無い。
ゲームに独房なんてない。残された方法は死んで償うくらい。
それも駄目ならどうすればいい。千雨は答えを見つけられなかった。
「こんな私と一緒にいられない。じゃあな」

桜子に背を向け、今度こそ立ち去ろうとした。
だが桜子はまた千雨を追い抜いて前に立ちはだかる。
「どけよ」
千雨はぶっきらぼうに言い放つが、桜子はどかない。
「駄目だよ。みんなで協力して脱出しよう。それからでも償いは出来るよ!」
桜子は皆と共に生き残り、その後に償いをさせようというのだ。
その優しさが、千雨には逆に神経を逆撫でされる気分だ。
「うるさい。同情なんかされたくない、どっか行け」
「いやだ! 千雨ちゃん本当は怖かったんでしょ、私がいるから大丈夫」
「もう平気だ」
千雨はまた振り払う。
だがそれでもまた桜子は追いすがってくる。
501真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/28(水) 21:44:40 ID:???
「何でだ! 何でそこまで優しく出来る」
「千雨ちゃんが困ってるんだもん、私たち友達でしょ」
その発言を聞いて千雨は呆気に取られた。
「はぁ!?」

千雨からしてみれば勝手な友達宣言。
桜子とは友達でもなんでもない。桜子はいつも誰かと一緒にいて笑っている。
楽しそうに……。千雨とは正反対の人間だ。
だが何かにつけて桜子と千雨は一緒になったり、話をしたりする機会が多い。
何の因果かは知らないが、千雨が桜子を引き寄せているのか逆なのか……。
こんなゲームにまでそれがまとわりついてきたようだ。
「友達ぃ? んなわけあるか!」
「ひどいよぉ、千雨ちゃん」
とにかくしつこく付きまとう桜子。何だか逆に相手をするともっとしつこくなる。
それにこのゲームは下手に信じて殺されるかもしれないという緊張感と戦わなくてはならない。
なのに桜子は人殺しだと宣言した千雨に食い下がって協力しようと言って来たのだ。
「いい加減にしろ! いつ友達になった!」
「たった今から。だって千雨ちゃん友達いないみたいだから、私がちゃんとした友達になってあげるよ」
もう深く考えているのも疲れてきた。

502真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/28(水) 21:46:05 ID:???

「………あー、もう!」
岩に腰掛けて大きくため息をついた。
そして桜子を睨んで告げる。
「いいか、誰かに襲われたら問答無用でお前を盾にするからな。それでもいいなら勝手にしろ!」
ぶっきらぼうに言ってまた立ち去ろうとする千雨。
「うん、分かった。勝手にしちゃうよー」
今度も桜子が後ろから付いてくる。だが今度は振り払うことは無かった。
超がいくつも付くほどのお人よし桜子を引き連れることになった千雨だった。

そしてもうすぐ、1日目の終わりを告げる定時放送が始まる……。

【椎名桜子 千雨と(勝手に)友達宣言】
【長谷川千雨 呆れ顔】
503真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/28(水) 21:47:21 ID:???
以上で終了です。
あと30日の金曜日ですが、用事が入ったためその日はお休みさせていただきます。
504マロン名無しさん:2007/11/28(水) 22:01:03 ID:???
更新乙
マーダーは誰なんだろうな?……ん?そういや小夜は?
505マロン名無しさん:2007/11/28(水) 22:16:53 ID:???
ならその分明日の投下量増やして
506マロン名無しさん:2007/11/28(水) 22:56:28 ID:???
これはいい生存フラグktkr

507マロン名無しさん:2007/11/29(木) 00:14:39 ID:???
乙!!木乃香と姉妹に何があったんだろうか
508マロン名無しさん:2007/11/29(木) 00:48:40 ID:???
死んでるのは確実らしいのに【風香 ○○死】とか書いてないのが気になる。
こんな極限状況で一度変装の為編み直した髪をまた元に戻したりする余裕が
あるものだろうかつまr(ターン
509マロン名無しさん:2007/11/29(木) 02:28:14 ID:/EYjl1bh
風香に変装してた史伽が死んだんだろ。
てか木乃香が襲った描写から間を書かずいきなり木乃香死んで双子の片方も死亡かよww
510マロン名無しさん:2007/11/29(木) 02:29:05 ID:???
悪い。ageてしまった。

てか明後日休みなら明日は4話か5話投下してくれ。
511マロン名無しさん:2007/11/29(木) 02:35:00 ID:???
携帯まとめ氏って専ブラ何使ってる?
512携帯まとめ:2007/11/29(木) 07:45:09 ID:???
また携帯から推参。専ブラは入ってないっす。まあdatさえあれば何とかなるし、専ブラ欲しくても今は無理っす……

今日の午後から9部の保管を開始します、と宣言して自分を追い込む試み
513マロン名無しさん:2007/11/29(木) 10:39:14 ID:???
乙!専ブラなくても見れるのか?
てかdatって何?モリタポとかいうの使ってるの?
514マロン名無しさん:2007/11/29(木) 13:58:41 ID:???
http://imepita.jp/20071129/502530

思い出したのは俺だけじゃないはず
515マロン名無しさん:2007/11/29(木) 17:49:30 ID:???
従わなかった場合は……
516マロン名無しさん:2007/11/29(木) 17:51:24 ID:???
バアアアン
とてつもない音に皆黙りこむがそれをいち早く理解した円が叫ぶ
「桜子おおおおおおおぉぉ!」
517マロン名無しさん:2007/11/29(木) 18:06:48 ID:???
>>514-516
吹いたwwww
桜子の扱いwwwwwww
518真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/29(木) 21:38:04 ID:???
それでは投下します。
明日が休みになるので4話の投下とします。
519真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/29(木) 21:39:07 ID:???
37.2日目突入

スタートから早1日が経過。
夕映とアキラは町の食料品店にずっと隠れていた。
誰かがいたような形跡があったがもぬけの殻。
食料もいくつか持っていかれているため、ろくなものがない。
だがそんな中で新品のリンゴがあるのを発見した。
アキラがリンゴを拾って洗うと、カッターを取り出して皮をむき始める。
カッターナイフがこんな時に役に立つとは思わなかった。
リンゴを切り終えると、小皿を見つけてそれに乗せる。
一緒に隠れている夕映に差し出した。
「一緒に食べよう」
「ありがとうです」
リンゴはそこそこ引き締まってとても美味しい。
こんな人殺しゲームが無ければきっとさらに美味しく感じれたはずだった。

『みんな元気か? 定期放送の時間だ』
突如流れ出てた放送。アキラも夕映もリンゴを食べることを忘れて名簿を取り出した。
今度の犠牲者は? 禁止エリアは? 知りたくないのに、知っておかないと命が危ない。
(もう、誰かが死ぬのはごめんです……)
すでに親友2人が殺されてしまった夕映にはとても辛いことだ。
アキラも重い表情で夕映を見る。
『まずは犠牲者の発表だ。2番、明石裕奈君。13番、近衛木乃香君。16番、佐々木まき絵君。18番、龍宮真名君。23番、鳴滝史伽君。
 以上5人だ』
520真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/29(木) 21:40:21 ID:???

アキラは愕然とした。
前の放送では2人の親友を失って慟哭する夕映の後姿を見た。
今度はアキラが親友を2人失ってしまったのだ。
「ゆーな……まき絵……」
ペンを落として溢れ出そうな涙をぐっと堪えた。
夕映が親友を失ったときのように、次はアキラの番。
常に明るくて笑顔を振りまいていた元気一杯の少女。
父親である明石教授が大好きで、弱いバスケチームにいながら健闘を続ける裕奈。
新体操部でバカレンジャー。ムードメーカーとしてはこれほどもないほどの明るい性格のまき絵。
4人で楽しく過ごしていたあの日を思い浮かべる。亜子を残して2人とはもう会うことは無い。
もう彼女には永遠に会えない。最後の別れさえ出来ない。
会ったとしてもそれは裕奈やまき絵ではなく、その人の形をした死体でしかない。

悔しい思いと、誰が殺したんだという怒りがこみ上げてくる。
夕映もその気持ちを痛いほど分かっていた。
「しっかりするです。2人が天国でも悲しむです」
親友を2人を失っているはずの夕映なのに慰められた。
辛いのは夕映も一緒。その行為にアキラは辛い気持ちを押さえ込むことにした。

【綾瀬夕映 アキラを慰める】
【大河内アキラ 気落ち】
521真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/29(木) 21:41:52 ID:???
38.満を持して出撃

しばらく何もしない時間が過ぎていたと思えば、もう1日経過していた。
今も殺し合いは続いているが、ここは相変わらず平和だ。
つくづく思う、自分たちは今何をやっているんだろうと。

「ハカセ、そろそろ超を起こした方がいいアルよ」
古がそう告げる。もう待つことは出来ない。
1日目の放送終了時点ですでに10人もの人間が命を落としている。
クラスの3分の1が減ってしまった。
大切な仲間、親友。
バカレンジャーとして過ごしていた明日菜・まき絵が帰らぬ人になっていた。
テストの後は恒例の補習。毎回同じ面子で逆に顔なじみとなっている。
さらに真名の死も衝撃を与えた。
刹那の場合と違い、純粋にこのような場面では確実に生き延びるだろうと考えていた真名。
古も実力はよく知っており、武道四天王として仲間意識はあった。
その一角の刹那がスタート前の死、明日菜も最初の放送で死が伝えられ、そして真名も……。
徐々に実力のある人間が命を落とし、自分も生きられるのかと不安に駆られた。

「エヴァさん……」
エヴァンジェリンの死は、聡美の心にも衝撃を与えた。
茶々丸を製作。その茶々丸は意思を持ち、エヴァの従者として従うようになった。
エヴァは茶々丸を気に入り、マスターとして茶々丸いつも側に置いていた。
マスターを失い、指示をする聡美は茶々丸の側にいない。
茶々丸もう自分の意思で動くしかない。
エヴァの復讐のために戦うのか、それとも人々を守るために戦うのか。
茶々丸の技能は超の未来の技術も生かされている。
それ故に未知数の部分も多く、聡美にもすべてを理解できる分けではない。
522真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/29(木) 21:42:57 ID:???
一番重要なのは人工知能。
一体この状況で茶々丸はどのような反応をして、どういった行動を取るのか?
指示する人間がいない上に、こんな特殊な状況での茶々丸がどんな反応をするのか分からない。
マスターに忠実な分、仮にエヴァが死に間際に「お前は生き残れ」と言った場合どうするだろうか。
当然マスターの「生き残れ」という言葉を忠実に守るために、ゲームに乗って戦う。
茶々丸のことはよく分かっているはずなのに……こんな時になって茶々丸を信じきれない。
もどかしい時間だけが過ぎていく。

「……何を辛気臭い顔をしてるネ」
ようやく超が目を覚ましてゆっくりと体を起こす。
左右を確認して寝ぼけてないかよく考えた。
「大丈夫ですか?」
「たっぷり寝ておいたヨ。1日くらいの徹夜は平気ネ」
聡美に自信たっぷりで微笑む超は、気力、体力が有り余るほどに回復していた。
地図を取り出してここから目的地までの場所を聡美と相談する。
「早く行くアルよ」
「そうネ……それじゃあ町を目指すヨ」
武器を片手に3人は小屋を飛び出した。


【古菲 TV局を目指して森の中を前進中】
【超鈴音 TV局を目指して森の中を前進中】
【葉加瀬聡美 TV局を目指して森の中を前進中】
523真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/29(木) 21:44:23 ID:???
39.楓の焦り

死亡者の放送は、楓の心に大きな衝撃を与えた。
あの放送で、真名と史伽が死んだことが伝えられた。

「そんな……」
真名が死ぬとは思えなかった。
あの時、互いに無事で再会できることを願って分かれた真名。
きっと戦い抜いてくれると信じていた気持ちはもろくも崩れた。
互いに互角に戦いあい、その実力は楓も太鼓判を押すほどのものだ。
武器がスタンガンだったことを考えれば、相手が銃だったりすれば……。
だが相手は真名だ。そう簡単に倒されるなどとは未だに信じられない。

もう一つは史伽の死。
遂に探すことも叶わぬまま史伽の死が伝えられた。
大人しくて可愛げのある史伽。おてんばな姉は今どうしているだろうか……。
悲しさに暮れながら、楓は焦る。今も生きている風香が心配だ。
史伽が死んでいるのが放送で伝えられた以上、風香もそのことを知っているはず。
一刻も早く風香を探し出し、守らなくてはならない。
風香1人見つけられないもどかしさと己の怒りが募るばかり。

「ひあああああああああああっ!!」
楓の耳を突く絶叫。この森の中で誰かが叫んだのは明白だ。
それに共鳴していて分かりにくいが、この独特の高い声は……。
524真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/29(木) 21:45:30 ID:???
「風香殿!」
放送で史伽が死んだことが伝えられたなら、この甲高い声は風香しかない。
もしや放送のことを受け入れられずに絶叫したかもしれない。
それもこの場から聞こえるということはかなり近くにいないと分からない。
皮肉なことに、史伽が死んだという放送のおかけで風香が近くにいると感じ取れたのだ。
それほど遠く離れていることは無い。そうすればあとは根気と勘の勝負。
反響が大きい森の中、全力で声のする方向を予想して突き進む楓。

もう殺させない。誰も死なせない。
真名と風香を失い、その気持ちがさらに大きくなる楓は風香を必死に探す。
頼む、無事でいて欲しい。そしてこの悲鳴を聞いて誰も来ないで欲しい。
楓は必死になって声のする方向へと走る。
そして、見つけた。

風香ではなく史伽の姿を――。


【長瀬楓 鳴滝史伽を発見】
525真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/29(木) 21:46:36 ID:???
40.大ピンチ

「ふぅ……」
随分時間が過ぎたようなそんな感じだった。
そもそもこんな特殊な環境で、武器なしの状態でよく生き残れたと思った。
強運それとも悪運か……。
二人はまともとはいえない乏しい武器を手に入れて戦うしかない。

ザジと互いに診療所でずっと待機している。
誰の命令もなくただぼんやりとこれからのどうするべきか。
もう1日以上は経過している。少なくとも残りの2日足らずを生き残れるか心配だ。
戦うのか、それともこのまま時間切れまでじっとしているのか。
答えは出ずに、結局何も出来ない。主催者に喧嘩を売ることも出来ない。
自分たちは無力で何も出来ないちっぽけな存在でしかないことをまざまざと見せ付けられた。
「……美砂?」
ザジが不思議な顔で見つめてくる。
やっと分かり合えたのに、何もしなければあと2日足らずで嫌でも別れることになる。
美砂は考えた。もしも時間ギリギリで最後の2人になった場合、残された1枠が余っていたら……。
折角仲間と認め合った仲のザジと戦うことになる。
そんなのは嫌だった。
「うぅん。折角分かり合えたのに、何も出来ないなぁって……」
気を落とす美砂にザジは肩に手を置いて微笑んだ。
「大丈夫……私たちは何も出来なくない……」
この笑顔がもう別れに近いと感じるとなると、折角励ましてくれてるのに素直に笑えない。
ザジの顔を見れずに少し視線を下に落とした。
526真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/29(木) 21:48:18 ID:???
「……?」
ふと気が付いた。視線が下に落ちたとき、何か赤い点状の光がゆっくりとザジに当たっている。
それはゆっくりと上昇して肩を上り、ザジの頭部へと……。
ザジは気付いていない、音も無く赤い光はザジの頭を静かに差す。
「危ない!!」
咄嗟に美砂は叫んでザジに飛びついた。ザジはいきなりのことで驚いている表情だった。
次の瞬間、破裂音と共に弾丸が美砂の肩付近を掠めていった。
「美砂!」
床に伏せた状態でザジは弾丸が飛び出した方向へと向く。
赤い光が木の上から狙っていた。間違いなく狙撃体制。

「ちっ!」
暗がりの中、舌打ちする音がしたと思うと、診療所に何発もの弾丸が飛ぶ。
向こう側が銃を取り出して乱射してきたようだ。
ガラスが割れる音と物が壊される音が診療所を包む。
「顔上げちゃ駄目!」
美砂がザジを抱きしめるようにして必死に庇う。
その時、ザジが友情の証として窓際に置いてあった植木鉢に弾丸の一発が命中。
派手な音を立てて2人の目の前で粉々に砕け散った。
「あぁ……」
ザジは悲痛な声を漏らしてその植木鉢を見る。
それと同時に、何か黒い石みたいなものが窓に放り込まれた。
その独特の形と、フォルム。手榴弾だった。
527真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/29(木) 21:49:36 ID:???
「逃げて!!」
「――!!」
2人は手を取り合って全速力で部屋を飛び出した。
裏手の扉を開けた瞬間、2人のいた部屋は鼓膜が裂けるほどの轟音を発した。
物色したときにアルコールや医薬品が気化していたこともあってか、2人は部屋もろとも炎に包まれた。


【柿崎美砂 火に包まれる】
【ザジ・レイニーディ 火に包まれる】
【??? 狙撃失敗、手榴弾1個消費 現在1枚】
528真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/11/29(木) 21:50:45 ID:???
以上で終了します。
明日は休みで明後日にまたお会いしましょう。
529マロン名無しさん:2007/11/29(木) 22:23:27 ID:???
実はジョーカーはネギだったりw
530マロン名無しさん:2007/11/29(木) 22:46:49 ID:???
なんか文章力落ちたな
531マロン名無しさん:2007/11/29(木) 22:55:38 ID:???
ネギがあんな口調だったり
木からかっこよく降りてきたら
さよより吹くんだが
532マロン名無しさん:2007/11/30(金) 03:18:48 ID:???
ザジ達を打ってきた奴がメダル1枚持ってるって事は…?
今メダル1枚だけ所持してるのって誰だっけ?あんま覚えてないや…
533マロン名無しさん:2007/11/30(金) 03:21:55 ID:???
携帯氏が9部の保管始めてる。乙!
9部保管したら全まとめサイト合わせて後何部と何部と何部がまだなのか?
534マロン名無しさん:2007/11/30(金) 08:00:16 ID:???
まき絵殺したやつじゃないの
535マロン名無しさん:2007/11/30(金) 13:00:07 ID:???
メダル1枚しか持ってないのはまき絵を殺したもう1人のジョーカー。
そのジョーカーに対してまき絵は「えっ…嘘でしょ…」と言ってる事からまき絵と仲良い人。
でもゆーなは既に死んでるし亜子、チア、いんちょは他の人といるし誰だろ…
536マロン名無しさん:2007/11/30(金) 13:02:10 ID:???
美空ともう1人のジョーカーは朝倉が生きてるって知ってて名簿に×してないんだよね?
ならなんで本部は朝倉を殺そうと探してるの?矛盾多くて分かんない…
537マロン名無しさん:2007/11/30(金) 15:07:26 ID:???
伏線使ってるなら使うでいいけどあまりに謎すぎる伏線を多くつかわれたら頭ごちゃごちゃする
538マロン名無しさん:2007/11/30(金) 15:12:05 ID:???
ちょwwwおばあちゃんが天井に張り付いて離れないwwwww
539マロン名無しさん:2007/11/30(金) 15:26:03 ID:???
ごめん。誤爆。
540マロン名無しさん:2007/11/30(金) 18:55:20 ID:???
>>533

そのまとめサイトどこなんですか?
541マロン名無しさん:2007/11/30(金) 20:02:48 ID:???
542マロン名無しさん:2007/11/30(金) 20:21:40 ID:???
>>541

ありがとうございます!
543マロン名無しさん:2007/11/30(金) 20:27:34 ID:???
どういたしましましまして
544まとめ4:2007/11/30(金) 21:38:42 ID:???
15部の保管を最後数話残して完了させました。ちょっとその部分だけ持っていないので、提供待ちです。
また、携帯まとめ氏のサイトをまとめサイトからリンクさせていただきました。
545暗黒史作者 ◆FPyFXa6O.Q :2007/11/30(金) 21:39:24 ID:???
こんばんわ、楽しませてもらってます。

>>417
私もよそのスレで引っ掛かったばっかなんですけど、
最近やたら規制厳しい時ありますね

ネギロワは大好きですので、いつか作者1万年と2千年辺りでこっちに登場出来ればいいのですがw

では、続き楽しみにしてます
546マロン名無しさん:2007/11/30(金) 22:19:44 ID:???
>>544
乙!13部〜15部まで読んでなかったんで嬉しい限りです!
誰か提供してあげて下さい
547マロン名無しさん:2007/11/30(金) 22:21:31 ID:???
>>545って作者1?
他のスレでも盗作してんだw
548マロン名無しさん:2007/11/30(金) 22:29:20 ID:???
>>547
あほ
549マロン名無しさん:2007/11/30(金) 22:30:33 ID:???
>>547
どこどうしたら作者1になるんだ。アホか?
550マロン名無しさん:2007/11/30(金) 22:45:00 ID:???
じゃぁ暗黒師って誰?
551マロン名無しさん:2007/11/30(金) 23:15:50 ID:???
>>550
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1192008977/

まあ無闇やたらとコテで書き込んだことにも問題はあったかもしれないけどね
552マロン名無しさん:2007/11/30(金) 23:16:19 ID:???
暗黒しと黒歴史を間違えたってww
553暗黒史作者 ◆FPyFXa6O.Q :2007/11/30(金) 23:46:24 ID:???
>>551
ごめんなさい、その通りです。
ちょっと規制の話のつもりで来たのですが、軽率でした。
雰囲気悪くしてすいませんでした。
554マロン名無しさん:2007/12/01(土) 01:06:07 ID:???
>>553
誤る必要ないよ。>>547が馬鹿なだけだから。
555マロン名無しさん:2007/12/01(土) 02:14:44 ID:???
>>548=>>549=>>553=>>554

自演乙w
556マロン名無しさん:2007/12/01(土) 08:47:05 ID:???
>>555
失敗は誰にでもあるんだからそんな顔真っ赤にすんなよ>>547wwww
557マロン名無しさん:2007/12/01(土) 10:37:06 ID:???
>>555
別に誰もおこってないしねw




今日は投下あるんだよな?
558携帯まとめ:2007/12/01(土) 12:15:43 ID:???
そろそろ専ブラ欲しい……
質問があるんだが、自分は観光業界で働く人間のため、これから殺人的な忙しさになってくる前に10部まで保管しようと思ってる。
んで、その後の方針はどうすればいい?2〜5の保管か、それとも11以降か、はたまた短編拾うか。極力このスレの意向に従いたい
559マロン名無しさん:2007/12/01(土) 13:00:02 ID:???
激しく乙です
自分的にはPCまとめサイトにない部をまず載せてくれたら嬉しいです。
560マロン名無しさん:2007/12/01(土) 13:04:50 ID:???
短編でお願いします
561真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/01(土) 17:11:04 ID:???
それでは本日分を投下します。
562真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/01(土) 17:12:57 ID:???
41.診療所にて

長時間移動をしたせいか、足が痛くて腰を下ろす千雨。
隣の桜子も疲れているため即座に座り込んだ。

「あー。くそぉ……」
どんなに行動をしてもどうすれば生き残れるかの方法が思いつかない。
その気持ちは徐々に桜子にも感染しだす。
「疲れたよー。眠たいよー」
「うるせぇぞ!」
勝手についてきて我侭まで言う桜子に千雨は怒りを感じて叫んだ。
千雨からすれば鬱陶しい相手に過ぎない。せいぜいただの盾程度だと思っていた。
人を殺した罪を償わせるために、一緒に協力して脱出しようと言ってくる桜子。
一人を好む千雨には少々酷なパターンかもしれない。
「腹が減った」
デイパックを開いてパンを1個取り出す千雨。
このパンでは今日一杯でなくなるだろう。食料の問題も解決しないといけなかった。
「やっぱ、これっぽっちじゃ足りねぇな……」
「食べる?」
桜子の手にあったのは子供が喜びそうなキャンディだった。
満面の笑みでそれを千雨に手渡した。
「そんなもん、どこで手に入れた」
「千雨ちゃんと会う前に、小さな家で置いてあったの」
563真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/01(土) 17:14:22 ID:???
どうやら食料のサービスポイントで手に入れたらしい。
だがそれは食料と言うよりは駄菓子類だ。

「いらないの?」
「いらねぇよ」
桜子を突っぱねてぼんやりと日付の変わった暗い空を眺めていて、千雨は一つの小さな疑問を感じていた。
(このゲーム自体は漫画だと思ってたことがそのまま出た。だけど……)
そっと首輪に手を当てた。
首輪についているメダル。何故こんなシステムが組み込まれたのか。
生存人数を増やすためなのか? それなら単純に助かる生存枠を3つに増やせばいい。
だがそうしなかった。その理由が何となく知りたいと思ったのだ。
察するに、何か特別な仕掛けやペナルティなどの意味ではなく、もっと単純な意味で……。

しばしの休憩の後、小さな診療所が目に入った。
「あの診療所で休むか」
千雨が指差したのは小さな診療所。
やっとまともに休める場所を見つけられたと感じる2人。
だがその瞬間、その診療所の外から銃弾が飛ぶ音がする。
「うわっ!」
窓ガラスが容赦なく割れ、誰かの叫び声が聞こえてきた。
思わずその場に伏せる2人。程なく銃声が止み、低い姿勢で離れようとした。
すると――。

大轟音と共に診療所の部屋が真っ赤な炎に包まれて炎上した。
爆風はこちらにまで飛んできており、熱気と風にその場で硬直した。
564真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/01(土) 17:15:32 ID:???
「まずい、逃げるぞ」
だが桜子はその場から動かない、何かを見つけたようだ。
「千雨ちゃん! あれ!!」
炎に包まれた診療所から何と2人が飛び出してきた。
制服に火が燃え移っており、熱さとパニックによりその場に転がった。

「み、美砂!!」
桜子の目の前で転がった1人はチアガールとしての親友の美砂であった。
制服の上着は徐々に火が強くなり、髪の毛も徐々に先が焦げ付いていた。
隣ではザジがいち早く燃えかかっている上着を脱ぎ捨てて、美砂の制服に付いた火を消そうとした。
上から乗りかかり体全体を使って何とかして火を消した。
「美砂、しっかりして」
「早くしろ、こっちだ!」
千雨と桜子は2人を助けると、急いで森の中へ隠れ全速力で走った。

【柿崎美砂 上着焼失、火傷】
【椎名桜子 美砂、ザジを救出】
【長谷川千雨 美砂、ザジを救出】
【ザジ・レイニーディ 上着焼失、火傷】
565真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/01(土) 17:16:53 ID:???
42.入れ違いの双子 前編

だがその時には、双子の片割れはすでに死んでいる状態だった。
「……風香殿」
楓の目の前に変わり果てた姿で史伽が現れた。血濡れの包丁片手にふらふらとこちらに歩いてくる。
倒れている風香はボロボロのツインテール、血で汚れた制服、どんな目にあったのか容易に想像できた。
風香の近くには『23』のメダルが転がっていた。
つまり、そこに倒れているのは風香の姿をした史伽。

「かえで姉ぇ……」
虚ろな瞳で痛々しい姿を晒している史伽の側まで近寄る楓。
全身脱力し力なく楓の胸の中に収まった。
「史伽が死んじゃった……ボクだけ……」
「申し訳ないでござる! 拙者が不甲斐ないばかりに……!」
「泣かないでかえで姉……、ボクは大丈夫だから……」
口ではそう言っても、その格好は見るに耐えない。
楓は顔や体についた血痕をふき取り、優しく撫でて綺麗に整えた。
見栄えがしっかりとした風香に楓はもう一度抱きしめた。

「これからは拙者が風香殿を守るでござる。絶対に……!」
もう風香を一人ぼっちにしない。妹を失って傷ついている風香を大切にしたい。
守れなかった史伽の分まで楓は風香を守ろうと誓う。
「ねぇ……かえで姉。ボク守ってもらわなくていいよ。自分で戦える……」
その言葉に驚く楓。
風香のような小さな子が人殺しの道を進ませるのは反対だ。
「ほら見て」
566真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/01(土) 17:18:06 ID:???
両手に出されたメダル、全部で6枚。
楓はその様子に愕然とした様子で風香を見ていた。
「最初はね……本屋だったんだよ。ボクが早とちりしたせいで、本屋ちゃんが……」
他にも『2』『13』『14』『15』のメダルが手元にある。
これだけの人数が失われ、風香の手に収まっていたのだ。
「何と言う……」
こんな小さな風香が人殺しの道に進んでしまったことが、楓にとってはショックだった。
「ボクは約束したんだ……2人で生き残ろうって……でも駄目だった」
そんな風香を大切に、そして力強く楓は抱きしめた。
「ふ、風香殿っ!」
立つ力も無いほど弱弱しい姿。楓の目にもうっすらと涙が浮かぶ。

「拙者が守るでござる。もう風香は戦わなくてもいいでござるよ!」
楓はこの弱弱しい風香を全力で守ろうと誓う。
自分がもっと早く見つけられなかったばかりに、風香は人殺しになり、妹の史伽は命を落としたのだ。
一緒にいる機会が多いため、双子のことは誰よりも知っていたはずだったのに。
運命はそう簡単に事をうまく運んでくれなかった。
「………ありがと、かえで姉」
ゆっくりと微笑む風香は、楓の背中に手を回して生きていることを喜び合う。
今度こそ守るべきものを見つけた楓はその気持ちに対し、涙を流す。
その中で風香はさらに小さな声で呟いた。
「でもね、もういいんだ」
「!?」
だがその時、楓が感じたのはドス黒い殺気。
567真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/01(土) 17:19:16 ID:???
抱きしめられた故に、風香は両手が自由の状態。
そして、それまで小さくぼそぼそと喋っていたことで気付きにくいこと。
耳元で聞いた時に感じた風香とは違う声の質。
その意味を理解した時には……

「ま、まさか……お主はふみ――」
「かえで姉。……メダル頂戴」
その小さな手に込められた力のすべてを使って、楓の首に包丁を突きたてた。

【長瀬楓 首筋損傷】
【鳴滝史伽 武器・包丁 現在6枚】
568真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/01(土) 17:20:18 ID:???
本日は2話になります。
12月に入って急に忙しさが増えたので、定期的な時間で投下できるか心配です。
明日は6〜7時くらいの投下になりそうです。
569マロン名無しさん:2007/12/01(土) 20:50:41 ID:???

ザジ美砂生きてたか

≫558
短編読んでみたい
570マロン名無しさん:2007/12/01(土) 21:10:31 ID:ePDK7ZVi
>>558
優先すべきはうpられてない部数
571マロン名無しさん:2007/12/01(土) 21:18:02 ID:???
……主催者が首輪つけた時には、双子はちょうど、既に、「入れ替えごっこ」してたわけか。
572マロン名無しさん:2007/12/01(土) 21:39:20 ID:???
ただ、ふみかだったから別にどうってわけもないよな
573マロン名無しさん:2007/12/01(土) 22:14:59 ID:???
一応、メダルのルールは、ジョーカーの3人が生き残れる余地を作り、
ジョーカー同士を対戦させずに殺しの効率を良くさせるというのが、
主催者の狙いってとこか?
574マロン名無しさん:2007/12/01(土) 22:44:26 ID:???
つまり…ゲーム前に入れ替わってた二人がゲーム始まった後入れ替わって元通りに、ってことか?

それにしても楓が気付かないもんか…?
とにかく乙

575マロン名無しさん:2007/12/01(土) 22:55:05 ID:???
>>573
それだとゲームする意味まったくない気がする
576マロン名無しさん:2007/12/02(日) 03:16:12 ID:???
ふみがふーでふーがふみでふみがふーでふーがむーでむーが…頭爆発しそう
577マロン名無しさん:2007/12/02(日) 03:45:07 ID:???
578マロン名無しさん:2007/12/02(日) 03:50:54 ID:???
579マロン名無しさん:2007/12/02(日) 09:38:48 ID:???
>>575
単に美空と??のやり取りで、生存枠が最大で3つあるから、
美空と??が食い合わずに各々メダル回収に動けるなだなーという
意味合いだよ。生存枠少なかったらジョーカーも食い合うでしょ。

主催者としてはジョーカーの食い合いは避けたいところであり、
ルールでうまく回避してるんだなーと・・・
ストーリー的にはジョーカーが生き残るとは思わんが・・・
580マロン名無しさん:2007/12/02(日) 12:55:30 ID:???
>>579
どっちにせよ殺し合う意味はなくないか?
主催者側からすりゃジョーカー三人が生き残るのは当然なんだろうし、結果想像できたらなんの楽しみもないじゃないか。
581マロン名無しさん:2007/12/02(日) 15:31:13 ID:???
♪♪♪
582真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/02(日) 18:24:49 ID:???
それでは本日の投下をします。
連投規制に対応するため本日も2話となります。
583真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/02(日) 18:26:08 ID:???
43.双子の悪夢

そもそもの悪夢の始まりは、あの瞬間に訪れた。
木乃香が日本刀を構えて飛び込んできたのだ。
風香は包丁を持っている腕を切り付けられ、後ろに弾き飛ばされた。
これで武器を持っているものはいない。次は史伽だ。

姉を呼び、自らの命の危機に怯える史伽。
弱いものいじめはいけないこと。だが今の木乃香にはただのメダルのための標的でしかない。
目が血走り、口が三日月形に歪んだ木乃香はもうあの近衛木乃香の面影を残していない。
完全にゲームによって狂わされてしまったのだ。
「やめろぉ!!」
史伽を守るために傷ついた腕で木乃香に体当たりをする風香。
木乃香は鬱陶しそうにして風香を振り払おうとするが、必死に食い下がる。
日本刀を振り回して何とかした。
体のいたるところが切れ、ツインテールの片方が無残にも切り落とされてしまう。
それでも傷ついた体で史伽を守ろうとする風香は、必死に「逃げろ!」と叫ぶ。
史伽は何とか逃げようとするが、一瞬背を向けたとき。
何か嫌な音が、史伽の耳に届いた。

「―――!!」
史伽の目の前に、自分の姉の腹に日本刀が突き刺さっているのが見えた。
あまりの光景に史伽は言葉を失ってしまう。
今度こそ、史伽を殺そうとする木乃香。
「!?」
584真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/02(日) 18:29:21 ID:???
だが、風香はまだ死んでいなかった。
日本刀の刃先を片手で握って体から抜けないようにした。
木乃香は必死に日本刀を引っ張り、強引に引き剥がそうとする。
風香の体が揺れるたびに、傷口と口から大量の血が飛び散っていく。
「ふ……み………逃げ―――」
妹のために、人殺しとなってでも守りたい妹のために風香は命を落とした。
力が抜けた風香の体は突如支えるものがなくなり、腹から日本刀が勢いよく抜けた。
「あっ!」
それまで力を込めて引っ張っていた木乃香は後ろに向かって倒れてしまう。
丁度、史伽の目線が合う位置に。

「――――ひっ!」
目が合うと、木乃香はまたも三日月の形に口が歪む。
その先に風香が力なく倒れこみ、その周りの地面を大量の血痕で汚した。
木乃香は、近くに落ちていた包丁をつかみ出す。
史伽は確実に死ぬと感じてその包丁を使わせないようにして上から掴む。
「使わせへん!」
互いに包丁の奪い合い。
必死の抵抗の末――史伽が引っ張られた瞬間、包丁の刃先が木乃香は首筋を傷つけた。
それも首をざっくりと切り裂いたのだ。

その瞬間、動脈を傷つけたのか大量の血が噴水のように飛び出た。
「ああああああああああああっ!! 助けてせっちゃん、せっちゃあぁぁぁぁぁぁん!!」
今は亡き親友を叫びながら、半狂乱でその場にのた打ち回る木乃香。
出血は史伽の顔や制服にも大量に降りかかる。
「せっちゃん……せっ…ちゃん……せ…っ…ちゃ……」
親友の名をうわ言のように呟きながら、狂ったように転がり込む木乃香。
もう命の終焉は近い。助かることは無い。
585真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/02(日) 18:30:26 ID:???

史伽は何とか勝つことが出来た。
だがその両手は風香と同じように、真っ赤に汚れていた。
姉の死と引き換えに手に入れたのは、己の命と人殺しという汚名でしかなかった。

【鳴滝風香 腹部裂傷、大量出血死】

――残り20人
586真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/02(日) 18:31:34 ID:???
44.入れ違いの双子 後編

ゲーム前。催涙弾で眠らされた生徒たちは即座に首輪を取り付けられた。
数日前から厳選なる抽選で麻帆良学園中等部3-A組の参加が決定している。
そのため全生徒の名簿も即座に取り入れられた。
1人ずつ顔を確認して出席番号通りの首輪を取り付ける兵士たち。

だが鳴滝姉妹だけは違った。
「どっちが妹だ?」
「分からん、身元を証明するものはないのか?」
軍服の男たちは困り果てた。何しろ両者とも容姿が全く同じであるからだ。
催涙ガスで眠る直前に2人は風香になりきって遊んでいた。
そのため両者風香の格好なのだ。
生徒手帳は教室に置いたまま、無理矢理起こして確認することも出来ない。
つまり今の段階でどちらが風香と史伽なのか区別をつけられなかったのだ。

流石に名簿を見ながら一人一人確認していても、瓜二つの姿だけはどうしようもなかった。
やがて生徒を運び出す時間になる。
「仕方ない、とりあえず取り付けておけ」
結局身元が分かるものを持っていなかった双子は、そのまま首輪を取り付けられた。
目覚めた時になってようやく史伽は元の髪型に戻す。
首輪には『22』の数字が入っていた。当然、姉の風香には『23』。
結局、首輪が入れ替わったままの状態でゲームは始まってしまった。
587真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/02(日) 18:33:01 ID:???
「お姉ちゃん……お姉ちゃん……」
木乃香を殺してしまった史伽は悲観して泣いていた。
自分もまた姉と同じように人殺しとなってしまったのだ。
両手が真っ赤になってしまった史伽は嘆き悲しみ、死んだ姉に涙した。
もうまともな思考すらままならない状態で、定時放送の声が史伽の耳に届く。

「え――」
何を言っているのか分からなかった。
放送でははっきりと『鳴滝史伽』と呼ばれたのだ。
すると、自分は史伽ではなく風香ということになる。
全く理解が出来ない。放送をする人がミスをするはずがないと思う。
では今ここにいる自分は一体誰なのか?

――人を殺して生き残ると誓った姉の風香が実は史伽であった?
――そんなことはない。自分は史伽のはずだ。
――では何故こんなにも手は血で汚れているのか。
――史伽の手は誰も殺さず、綺麗な手であったはず。
――真っ赤に汚れた手。自分は木乃香を殺した。
――史伽は殺しをしない。こんなことできるはずが無い。
――なら……自分は史伽ではない。
――現に一回入れ替わって裕奈を殺した。あれこそが本来の姿?
――目の前で自分と同じ格好をした人物が人を殺していた。
――分からない。自分が何者なのか分からない。

単純に首輪が入れ替わったことに気付くことがない史伽は、もう一度自分の血に染まった手を見た。
事切れた風香と木乃香の死に様を目の当たりにして――。
「ひ、ひあああああああああああああっ!!」
史伽は絶叫した。肺が潰れるほどに声を出して、大声を上げて絶叫した。
588真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/02(日) 18:34:09 ID:???
自分は史伽ではない。人を殺して手を血で真っ赤に染めた風香だったのだ。
何ともおかしいことだ。目覚めた時に自分は史伽だと思い込んでいたのだ。
それが正しいと思い込むしかなかった――。


「が……ご………ふ……か……」
気付いた時には完全に首筋の奥深くに突き刺さった包丁の刃。
史伽を突き飛ばすが、同時に包丁が首から抜けた。
するとその場におびただしい量の血が飛び出した。
完全な致死量。ものの数分もしないうちに出血多量で死ぬ。
「ごめんねかえで姉。ボク、生き残らなきゃ……死んじゃった史伽のために、絶対生き残るんだ」
楓がすべてを悟った時には手遅れであった。
「お……ぁ………ぃ……は……」
徐々に抜け出る血液。たとえ鍛えられた忍者と言えど、これではなす術が無い。
思考するだけの血まで抜けていき、目の前が真っ暗に暗転する楓。

何故こんなに史伽は変貌してしまった。
嘘だと信じたい。こんなのは嘘だ。史伽のようなか弱い娘が平気で人を殺すなんて……。
己の未熟さに後悔の念を混ぜ合わせたような思考が切れた中で、楓は二度と動くことは無かった。
『20』のメダルを奪い、楓から食料や武器を奪う。
「あはは、いい武器が手に入っちゃった」
嬉しそうにして武器を手に取る史伽は、もはや史伽でなくなっていた。、


【鳴滝史伽 『22』の首輪をつけてゲーム参加中 イングラムM11、メダル入手 現在7枚】


――残り18人
589真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/02(日) 18:35:20 ID:???
以上で終了です。明日はいつものように夜の3話分投下になります。
590マロン名無しさん:2007/12/02(日) 20:31:31 ID:???
乙です。
50話くらいで折り返しってとこかな?
591マロン名無しさん:2007/12/03(月) 01:30:48 ID:???
作者18は場面転換が苦手なのかちょっとgdgdだったな
まぁ、乙
592マロン名無しさん:2007/12/03(月) 01:47:29 ID:???
100話くらいあるんなら3話ずつ投下して欲しい
593マロン名無しさん:2007/12/03(月) 03:11:45 ID:???
一日二回投下は厳しいのかな?
二話ずつでも夕方・夜(もしくは夜・深夜)の二回投下ならボリュームもあるんだけど
594マロン名無しさん:2007/12/03(月) 07:53:32 ID:???
前の人たちみたいに毎回八レス投下希望
595マロン名無しさん:2007/12/03(月) 14:15:42 ID:???
よし!俺今日から書くよ!
新年までには書き終える!応援してくれ!!
596マロン名無しさん:2007/12/03(月) 17:39:11 ID:???
いやだと言ったら?
597マロン名無しさん:2007/12/03(月) 18:57:55 ID:???
泣き喚いた末に首を吊る
遺書には>>596の名前が…
598真・作者18携帯:2007/12/03(月) 19:47:59 ID:???
真・作者18です。
ただいまPCが致命的なクラッシュを起こして修復中の身です。
ロワを書いたデータ自体は無事だったのですが、今日1日は投下が無理みたいです。
明日、4話分に増やして投下しようと思います。
599マロン名無しさん:2007/12/03(月) 21:21:58 ID:???
ん〜残念!
でもしょうがない!
明日楽しみにしてます!
600マロン名無しさん:2007/12/03(月) 21:23:28 ID:???
なんでSS書きの人のPCってのは必ずクラッシュする事になってんだ…orz
601マロン名無しさん:2007/12/03(月) 22:23:15 ID:???
そりゃ執筆の時間稼ぎのためだろう
602マロン名無しさん:2007/12/03(月) 23:20:20 ID:???
致命的なクラッシュしてファイル無事ってなぜわかる
603マロン名無しさん:2007/12/03(月) 23:24:29 ID:???
ディスクにでも保管してるんだろうか
604マロン名無しさん:2007/12/03(月) 23:46:58 ID:???
だから今必死にry
605マロン名無しさん:2007/12/04(火) 00:39:57 ID:???
携帯氏最初の態度からすぐ投げ出すと思ったらかなりハイペースで更新してくれて感動した
606マロン名無しさん:2007/12/04(火) 00:42:16 ID:???
ミスでもあったんだろう
今頑張って書き直してるから応援してあげよう
そもそも1日でPCが直(ry 無事だとわk(ry
607マロン名無しさん:2007/12/04(火) 03:39:38 ID:???
大人の事情・・・。ということにしとこうや。あまり、作者をイジめてはいかんよ。
608マロン名無しさん:2007/12/04(火) 03:41:02 ID:???
漫画雑誌の作者急病みたいなもんだな
609マロン名無しさん:2007/12/04(火) 12:47:44 ID:???
今夜18がどんないいわけをするかwktkしてる
610マロン名無しさん:2007/12/04(火) 17:03:59 ID:???
>>602
完成宣言しておいてバックアップも取らない作者は、それこそ叩かれても仕方ない。
611マロン名無しさん:2007/12/04(火) 22:21:55 ID:???
あれ?今日の投下もナシだっけ?
612マロン名無しさん:2007/12/04(火) 22:41:27 ID:???
おまえらがイジメるからだろ…
613マロン名無しさん:2007/12/04(火) 22:55:23 ID:???
夕方ごろからしばらく、鯖の工事関係で漫画サロン板ごとアクセスできなかったから。
作者18が書き込もうとしてできなかった可能性はある。
あんま深夜には出没する人でもなかったし、明日まで来ない可能性は十分ある。
邪推とか抜きにしても
614マロン名無しさん:2007/12/05(水) 19:31:38 ID:???
age
615携帯まとめ:2007/12/05(水) 21:14:12 ID:???
9部の保管完了しました。報告が遅れて申し訳ない

投げ出すにしても、せめて10部まではやりきりますよw
616真・作者18(携帯):2007/12/05(水) 21:40:55 ID:???
PCの修理は完了しました。
ですがホスト全規制(O○N)を食らって投下ができない状態です。
メールを使って本文を作り携帯に送り、携帯でこの文章とアドレスを使って投下したいと思います。

45話〜48話分 パスはrowa
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org7627.txt.html
617マロン名無しさん:2007/12/05(水) 21:46:55 ID:???
まとめ4にある避難所に投下のほうがいいんじゃね?
618マロン名無しさん:2007/12/05(水) 22:09:37 ID:???
つーか二日分投下してよ
619マロン名無しさん:2007/12/05(水) 22:28:45 ID:???
>>615
そんな事言わず全部保管しちゃいなよ☆
620マロン名無しさん:2007/12/05(水) 22:33:43 ID:???
今日は4話だけなのか?
まぁ乙

携帯まとめ氏も乙
621代理投下ね:2007/12/05(水) 23:05:59 ID:???
45.2人は走る

放送での死亡者がついに10人になった。
これからあと何人が消えていくのかと思うと、徐々に焦りがあやかと千鶴を襲いだす。
「あやか、どうするの?」
これからのどう手を打つか全然いい案が浮かばないからだ。
手を取り合って生き延びようとするのだが、誰を信用していいのか分からない。
元々発言力のある委員長をやっているあやかなのだが、この状況ではその立場も無い。
むしろ仲間を探して声を出せば、ゲームに乗った人間のいい的だ。

「とりあえず、この場から離れて信用できる人を探しませんと……」
このままじっとしていれば命の危険は低い。
だがそれは同時に何もせずに時間だけを浪費するに過ぎない。
今だ放送でも呼ばれていない夏美のためにも、今ここで行動を起こさなければいけない。
「夏美……」
千鶴にとって可愛い妹みたいな存在の夏美。
今もきっと何処かで泣いているに違いない、千鶴は焦るばかりだ。
同じく焦っているのはあやか。
もうすでに10人がこのゲームで消えており、残りはさよを除くと19人。
たった1日で10人のクラスメイトの尊い命が奪われたのだ。
責任感の強いあやかが黙っていられるわけが無い。
ネギがこの状況に気付いていない以上、今どうすればいいかを考える。
立ち上がると、あやかと千鶴は地図を取り出してゲームを何とかして止める方法を模索する。
手遅れにならないうちに出来るだけ短時間に、出来る限り成功率が高い方法を。
622代理投下ね:2007/12/05(水) 23:08:04 ID:???
「まずはどうするの?」
「何とかして外に連絡をする方法……」
しっかりと計画を練っていないと計画倒れになる。
たった1度の真剣勝負、失敗すれば命は無い。
地図を取り出して現在位置を確認する。幸い町の仲間では禁止エリアにはなっていないようだ。
じっくりと地図を見てある一つの場所を認める。
「TV局……ここですわ!」
小さいながらもTV局になら外部に電波を飛ばせる方法がある。
何とかしてこの島からSOSを発すればいいのだ。
そうすればネギや他の先生たちも気がついてくれる。

「それほど離れていませんわね」
「なら急ぎましょう」
膳は急げ。荷物を持って走る2人。
問題は自分たちがこの機械を操作できるかということ。
だが今はそんなことを気にする余裕が無い。とにかく何とかしなければいけない。
それは人一倍責任感が強い2人がもつ使命感。
常に委員長の立場として、先頭に立って指示を行うあやか。
スタイル的、精神的に一番大人の雰囲気を出している千鶴。
2人とも付き合いは同部屋からずっと。互いの気持ちは同じだ。
(ネギ先生、私たちをお守りください)
あやかはそう心の中で祈った。
今の武器で頼りになるのはあやかのボウガンのみ。
威力はあるが、銃と相手になるとやや不利に見える。
町角や誰かが隠れていそうな場所に注意をしつつ、2人はTV局を目指して走った。


【那波千鶴 TV局を目指して前進中】
【雪広あやか TV局を目指して前進中】
623代理投下ね:2007/12/05(水) 23:09:41 ID:???
46.裏切り

見た目には小さなビル。その中に誰が隠れているかはわからない。
真名を倒し、メダルを手に入れて意気揚々とする美空はしばしの休息を取った。
残りの数のメダルを見つめながら美空はあることに気付いた。
どうやらその上の階に誰かが数人いるようだ。
声の感じから足音を凝らして聞くと数人はいる。
これはチャンスだと踏んだ美空は、休憩を切り上げて音のする方へと向かった。

「それじゃあ私は茶々丸さん呼んでくるから」
円は武器になりそうな鉄の棒を持って外に出て行く。
前の番だった五月は、無口のまま床に体を休めた。
亜子は部屋の端っこで2人が見える位置にいる。だが会話はほとんどない。
あのパン騒動のせいか3人は疑念だけを植えつけられ、互いを完全に信じなくなった。
そして仲裁に入った茶々丸は3人がいる場所の近くを定期的に歩いて見張りをしている。
円は階段を下りて、茶々丸を2人の下へと戻そうとした。
出会ってからずっと見張りをさせている茶々丸に悪いと思ってのことだ。
「茶々丸さん、交代しよう」
「分かりました。……!?」
茶々丸が振り向いて武器を構える、誰かが来たようだ。
624代理投下ね:2007/12/05(水) 23:11:20 ID:???
すると美空がフレンドリーな態度で2人の前に現れた。
「やぁ、釘宮さん。生きてたんだ」
「か、春日さん!?」
鉄の棒を構える円であったが、左肩の怪我を見て驚く。
「大丈夫なの春日さん!」
銃弾を食らっており、誰かに教われたように見えていた。
包帯や傷口の応急処置は済んでいるため、ひとまず安心の様子だ。
澄ました顔で円を安心させる美空。
とりあえず今は傷ついたクラスメイトを装って円に近づくことに成功した。
その左手にはこっそりとナイフ、右手はとりあえず手を振っているがすぐに銃を持てる体勢になっている。
つまり円をこの場で撃とうと思えば出来るのだ。
傷ついている美空を何とかしようと、介抱する円は。
「あのビルの2階に亜子と四葉さんがいるの」
ビルに亜子と五月がいる居場所を教えた。
「茶々丸さん、お願いします」
「はい」
美空を抱えてビルの中へと消えていく茶々丸。
いきなり人を疑うわけではないが、あれだけの傷をしたものを放っては置けない。
とりあえず一時的に介抱する形でビルに案内したつもりであった……。
625代理投下ね:2007/12/05(水) 23:13:08 ID:???
「誰や」
2階の扉を開けるや、亜子がそう切り出した。
「春日さんです。傷ついているので保護しました」
「………」
茶々丸は弁解をするが、亜子も五月もそれ以上喋らない。
怯えているような、それでいて極端に疑いをかけている亜子目つき。
おそらく何があったのかは予想も出来ないほどのことが2人の間にいただろう。

「何があったの?」
「説明すると難しいのですが……。――――ということがあったのです」
とりあえず美空に何があったかを伝えるのだが、亜子は「余計なことを言うな」という視線を投げかける。
五月は一応話は聞いているようだが、それでも疑っていることに変わりは無い。
美空はここでの長いは禁物だと感じ取った。演技でも傷ついているものにそれほどの視線を向けられるのは厳しい。
ここは一気に短期決戦に持ち込むことにした。
小さく精神集中して茶々丸の持つデイパックを睨む。
筒のような太い銃身が見える。これが普通の銃よりもはるかに威力の強い武器であることが分かる。
茶々丸がその異変に気づいたときには遅かった。
626代理投下ね:2007/12/05(水) 23:13:48 ID:???
「アデアット」
そう告げると、美空は茶々丸に向けて特大の蹴りを食らわす。
壁側にすさまじい衝撃を食らい、茶々丸は一瞬機能が一時停止してしまう。
「茶々丸さん!」
五月が立ち上がる瞬間、美空は銃を向けて銃弾を放つ。
次の瞬間、五月の体は大きく跳ねてそのまま吹き飛んだ。


【和泉亜子 驚愕】
【春日美空 武器・M79グレネードランチャー入手】
【釘宮円 外で見張り中】
【四葉五月 銃殺】


――残り17人



627代理投下ね:2007/12/05(水) 23:14:28 ID:???
47.炎の悲劇

その瞬間、茶々丸は何が起きたが理解できなかった。
美空が自分を蹴り飛ばすや、銃を取り出して五月を撃ちぬいたのだから。
面を食らった五月は一瞬の内に後方へ飛ばされてしまう。
亜子の近くに飛ばされた五月の顔は硬直し、もうこの世の存在で無くなった。

「ひ……」
血を見るだけで気絶する亜子はあまりの出来事に言葉を失い、気を失いそうになる。
だがそれをぐっと堪える。今堪えなければ殺されるからだ。
「美空さん!」
吹き飛ばされていた茶々丸が立ち上がり、美空を止めようとした。
だが美空は茶々丸から奪ったグレネードランチャーを起用に取り出す。
すでに弾は込められていたため、それを茶々丸に向けて放った。
左手に負担をかけないようにして撃ったため、照準が茶々丸に届くことは無かった。
だが近くで大爆発を起こされた茶々丸は爆風に飲み込まれ、窓ガラスを突き破って地面に落下した。
機械の壊れる音が窓の外で空しく鳴り響いた。
「あ……あぁ……」
火に包まれた中で美空は銃を亜子に向けて構えた。
亜子に逃げ場は……なかった。

最初の銃声が円がいたビルで起きたのは確認できた。
あの中に拳銃を持っている人物はいない。
ならば美空? 円は急いでその場を引き返してビルへと向かう。
「亜子! 四葉さん!」
絶叫して2人の名前を叫ぶ、すると轟音と共に窓ガラスが割れた。
そこから炎が飛び出し周りを明るく照らす。
それと同時に茶々丸が2階から落下してきた。
628代理投下ね:2007/12/05(水) 23:15:39 ID:???
ショックのあまり、円はそれ以上言葉を発することが出来なかった。
茶々丸は横たわったまま体を動かすことが出来ない。
体の至る所では機械部分がはみ出ており、どこかを動かすたびに鈍い機械音が聞こえてくる。
それでも手足の一部を僅かに動かせる程度で、体を起こせずにいた。
「茶々丸さん……な、何が……亜子と四葉さんは……」
茶々丸は苦しみながらも顔を円に向けて、あの場で起こったことを告げた。
美空が五月に対して銃を放ち、自分も武器を奪われこの様である。
他人を迂闊に信じてしまったから、傷ついたという容姿を利用して近づいて殺した。
円は急いで燃え盛るビルの2階へと飛び込んだ。
五月がやられてもまだ亜子が残っている。
何とか助けたいと熱くなった扉を蹴って強引に開ける。

「亜子……」
その場に美空はいなかった。変わりにいたのは銃弾に倒れた亜子の姿。
近くには同じく銃殺された五月がいる。
2人とも首輪の後ろについていたメダルは奪われ、美空はどこかに逃げてしまったようだ。
「……ごめん、2人とも……ごめん……」
悔し涙と何もできずに見殺してしまった自分を責め立てた円はその場で泣き続けた。
炎の熱さと気が済むまで2人の死体を見続けた後、円は2階から急いで避難した。
そして茶々丸のそばに来て、もう一度声を上げて泣いた。

【和泉亜子 銃殺】
【春日美空 メダル入手 現在7枚】
【絡繰茶々丸 銃弾及び落下の衝撃により各機関にダメージ】
【釘宮円 慟哭】


――残り16人
629代理投下ね:2007/12/05(水) 23:17:32 ID:???
48.村上夏美の戦い 4

3階にはほとんど誰もいない。兵士たちからすればどうでもいい場所なのだ。
誰もいないこと前提で動くため、警備もいいかげん。
懐中電灯の光で無人の部屋を確認するが、適当に見て回る程度。
足音が聞こえなくなったのを確認して2人は隠れた場所から出てきた。

「ね、うまくいったでしょ」
「そうだね」
夏美も和美もずっとこの場に隠れていた。
まるでかくれんぼみたいな感覚だ。
このままどれくらいここに隠れればいいのか想像が付かない。
隠れてばかりでは何も出来ないし、何かをする力もない。
「夏美、あんたはどうしたいの」
和美が話しかけてきた。
「……分からないよ。どうしたらいいの」
夏美は悩み、行く道を見出せずにいた。

「このゲームを止める方法があるよ」
「え?」
この状況下で、驚くべきことを和美が口にした。
たった2人で2階の中枢部に乗り込んでゲームを止めるのだ。
夏美からしてみれば自殺行為にも等しいことだ。
「嫌ならいいよ、私だけでやるから」
「何で……そこまでしなくていいでしょ」
和美はたった1人でも戦おうとしていた。夏美は制止するが和美には譲れないものがある。
「私が親睦会を進めたんだよ……。こうなったのは私のせい、私だけでも何とかするよ」
「朝倉……」
ゲームが始まるきっかけの場所を選んだのは他ならぬ和美だ。
親睦会の情報を仕入れ、3-Aの生徒に喜びながら伝える様子が思い浮かべる。
その時には他の生徒もこんなことになるなんて思ってもみなかっただろう。
和美の覚悟に夏美の心は揺れ動く。、
630代理投下ね:2007/12/05(水) 23:18:34 ID:???
「こんな私でも手伝えることってある?」
「……夏美」
役に立つとは思えなかった。武道四天王のように強くもない、和美のように情報通でもない、バカレンジャーのように強烈な個性もない
同部屋の千鶴のように大人びたスタイルでもない、あやかのような金持ちでもない。
どこからどう見ても、ただの普通の子。
こんな異常な場所にいること自体が場違いに等しい。
だが、普通の子なら普通の子の意地だってある。このまま殺されてやるつもりもない。
こんなゲームを作った連中に一矢報いたい気持ちだってある。
自殺行為に等しく、生きて帰れる保障できない。

「覚悟を決めてよ夏美、一度動いたらもう後戻りできないよ」
「うん……」
2人の女子中学生の無謀な挑戦が始まった。


【朝倉和美 女子更衣室に潜伏中】
【村上夏美 女子更衣室に潜伏中】
631マロン名無しさん:2007/12/06(木) 08:23:31 ID:???
何だかなぁ
何で18はいっぺんにその程度しか投下できないんだ
632マロン名無しさん:2007/12/06(木) 11:54:56 ID:???
前も携帯厨の作者がいたけど、18より少なくなかったか?投下してくれるだけでもとりあえずありがたいんだからあんましイジメんなよ
633マロン名無しさん:2007/12/06(木) 12:06:14 ID:???
>>632
15のこと?
彼は書き終わってなかったから仕方ないよ。

16や17のようにいっぱい投下してほしい。
634マロン名無しさん:2007/12/06(木) 13:19:43 ID:???
我が儘な奴らばっかだな
635マロン名無しさん:2007/12/06(木) 13:26:33 ID:???
ここ最近の民度の低さは異常

13部から14部の約半年間の頃の民度の高さも異常
636マロン名無しさん:2007/12/06(木) 13:35:51 ID:???
0部の作者さん戻ってきてー
637マロン名無しさん:2007/12/06(木) 14:34:54 ID:???
時間差的に自演かな
638マロン名無しさん:2007/12/06(木) 15:43:43 ID:???
相川さよが好きな俺にとって
ネギロワに幽霊という事で出てこないのは(零部除く)
ちょっと悲しい。
639真・作者18(携帯):2007/12/06(木) 18:30:33 ID:???
640マロン名無しさん:2007/12/06(木) 18:33:07 ID:???
>>639
とりあえず乙
641マロン名無しさん:2007/12/06(木) 18:50:24 ID:???
最後の茶々丸の台詞……
お前がいうなとおもうわ
642マロン名無しさん:2007/12/06(木) 18:58:14 ID:???
作者18を悪く言うわけじゃないが確かにそうだよな
お前の場合体だけだろ茶々丸www
643マロン名無しさん:2007/12/06(木) 22:12:30 ID:???
18氏、以前からおもってたが荒らしや中傷はともかく指摘をスルーは作者としてどうかとおもうぞ
644マロン名無しさん:2007/12/06(木) 22:19:44 ID:???
>643
荒し乙
645マロン名無しさん:2007/12/06(木) 22:48:25 ID:???
>>644
何が荒らし?
646マロン名無しさん:2007/12/06(木) 23:51:55 ID:???
>>643
こんな自演可能な場で言われてもな。多分お前の言ってることは指摘じゃなくていちゃもんだよ。
647代理投下:2007/12/06(木) 23:53:09 ID:???
49.2人と2人

診療所を爆破され、火傷を負った美砂とザジ。
武器のための火炎瓶に薬用のアルコールを使っていたことが幸いした。
それを使って火傷をした箇所にガーゼを押し当てる。
「くぅ……」
傷口にきつく染みて苦しそうに声を出す美砂。
「大丈夫、しっかりして」
ガーゼとアルコールだけで治療するという粗末なものだが、ないよりはマシだ。

火傷の治療を終えた美砂とザジは改めて、千雨と桜子に向かい合う。
あの炎の中で生還して、さらに親友ともめぐり合えた奇跡に感謝する美砂。
笑って抱きしめあい、互いの無事を確認する。
「よかった美砂……本当によかったよぉー」
「うん……桜子。あなたこそ無事でよかった」
チアの仲間として、そして個人的な親友として出会えたことに感動する2人。
美砂と桜子が互いの無事を分かち合っている最中、この2人だけは違った。

「……」
「……」
千雨とザジ。無言で見つめあい、何かを起こすことも無い。
「おい、お前何か言えよ」
「……」
千雨は不機嫌そうにザジに話しかけるがやはり無言。
助けてあげたのに何も言わないなんて失礼にもほどがある。
少々手荒かもしれないが、きつめに問い詰めた。
648代理投下:2007/12/06(木) 23:54:05 ID:???
「黙ってないで何とか言えよ!」
それでもザジは何も喋らない。
喋った所を見たことが無い千雨にとって、ザジは何を考えているか分からない存在だ。
ましてや珍しく協力しようとしているのに。
ザジはそのままの足取りで美砂の元へと向かう。
「美砂、……この人うるさい」
「んだとぉ!!」

流石に頭にきたのか、千雨が大声を出してしまう。
それも美砂相手にだけ言葉を発したことも怒りの材料となる。
「まぁまぁ……。ザジだってそんなにきつく言われちゃそうなっちゃうって」
「ちっ」
バツが悪そうになった千雨はそっぽを向いてしまう。
そんな千雨の横から飛び出してきた桜子はザジにキャンディを手渡す。
「はーい。千雨ちゃんと仲良くしてねー」
どうやら千雨と仲良くしてほしいがために色んな手を使ってくる桜子。
当然千雨は怒り奮闘だ。
「何やってんだお前!」
「だって、千雨ちゃんのために友達を増やしてあげようと……」
「余計なことするなぁ!」
怒鳴りつける千雨に対して桜子は困った表情で見つめている。
千雨はそんな桜子を無視して3人とは少し距離を置いた位置に座ることにした。
生き残り、殺したと思っていたハルナの償いをしなくてはならない。
人殺しである以上、余計な人物を相手にしたくない。
真実を知ればきっと同情の目で見られる。
1人でいることを好む千雨にとって、そういった行為は苦痛に等しい。
だがそんな千雨をよそに、美砂と桜子はさらに意気込む。
649代理投下:2007/12/06(木) 23:55:54 ID:???
「よーし、みんなで力を合わせて生き残ろー!」
「おー!!」
美砂も桜子も、この非常時に呑気に声を出して健闘を称え合う。
「おー」
ザジも桜子に合わせて、棒読みに近い感じで返事をした。
どうやらザジも同じ意見のようだ。
「けっ! やってらんねぇぜ」
乗り気じゃない千雨は一番最後尾で、しかも少し離れた位置で歩くことになる。

桜子はまだ千雨が人殺しだということを美砂とザジに伝えていない。


【柿崎美砂 親友とタッグを組む】
【椎名桜子 親友とタッグを組む】
【長谷川千雨 乗り気ではない】
【ザジ・レイニーディ 一応タッグを組む】
650代理投下:2007/12/06(木) 23:57:50 ID:???
50.裏切られた者

「そこです……そのボルトを緩めればカバーが外れます」
「これでいいかな?」
傷ついた茶々丸は円に連れられ、別の場所に隠れることになった。
するとそこは工事中の施設であったためか工具箱があった。
円はそれを使って茶々丸の指示を通りに損傷箇所を修理している。
だが機械操作などなれていない円はなかなか思い通りにいかない。

「うわっ!」
小さなスパークが起きて驚きのあまりスパナを落としてしまう。
ほとんど寂れた工事現場だったためか、六角レンチやスパナのような単純な工具のため適材適所にあったものが全く無かった。
それでも、修理すれば何とか動ける茶々丸。
亜子や五月もこんな風に治して命を取り留めればどんなによかったことか……。
(駄目だよそんなこと考えるなんて……茶々丸さんに失礼だし)
人間は工具で直ることはない。人と機械の絶対的な境界線だ。
ちょっとでも機械として生まれた茶々丸の気持ちを軽視して、心の中で後悔する。
工事が中止になり、そのままの状態で放置された施設の中で黙々と修理をする円。

『みな元気か? 丁度ゲームも半分まで来たぞ』
またも聞こえる定時放送の音。
うんざりするようにして名簿を取り出す円。まだ茶々丸はまともに動けない。
『それではまず死亡者の発表です』
指が止まる。たぶん呼ばれるであろう人物の名をじっと待つ。
『5番、和泉亜子君。13番、近衛木乃香君。20番、長瀬楓君。30番、四葉五月君。以上だ』
651代理投下:2007/12/06(木) 23:58:34 ID:???
「私のせいで亜子と四葉さんが……」
美空を迂闊に信じたばかりに亜子と五月は帰らぬ人となってしまった。
悔しさと自分自身に対する怒りが円を包み込んだ。
茶々丸は首をゆっくりと動かし、円を慰めた。
「落ち込まないでください……春日さんを信用して連れて行ったのは私なのですから」
本来人を超えた力を持つ茶々丸が簡単に騙されてしまった。
子猫に餌をあげる心の優しさが逆に仇となってしまった結果だ。
結局このゲームでは騙したもの勝ち。正攻法もへったくれもない。

円の頬を伝う涙が茶々丸のカバーの開いたボディに落下し、熱により蒸発する。
涙が止まらず、その場で嗚咽を漏らしながら顔を抑え泣き崩れた。
茶々丸は円の涙が自身の体に当たる感覚も感じることないまま、かける言葉すらなく無言のままだった。
(どうして争いあうのでしょうか……私には、人間の心が分かりません……)


【釘宮円 慟哭】
【絡繰茶々丸 現在もまだ動けず】
652代理投下:2007/12/07(金) 00:00:22 ID:???
51.決意を込めて

先ほどの放送でまた親友が死んだ。夕映は木乃香を、アキラは亜子を失った。
図書館探検部も運動組み仲良し4人組も自分たちを残して全滅。
友を失い、互いに心に大きな傷を持ってしまった夕映とアキラ。

「……」
どうすればゲームを止められるか、そしてどうすれば皆が助かるのか。
どんなに考えても、答えは出てこない。それでも何もしないことがもっといけないこと。
2人は町を離れて、仲間を探すことにした。

「残りは16人。次の放送で誰が呼ばれるか分かりませんが……とにかく行くです」
夕映がそう促すと、アキラもまた無言で頷く。
2人は何をするべきか今一度考え直した。
まず仲間を見つけること、これは永遠とくどいくらいに考えた。
ならばどうする? もし相手がゲームに乗っていたら?
残りの人数的に乗っているか乗っていないかの予想を立てるのがむずかしい。
アキラも夕映も信用できそうな人数が限られる。
そんな中で、夕映はアキラに告げた。
「もし、この場にアキラさんの親友を殺した人が現れたらどうします」
夕映が聞いてきたことに、アキラはすぐに返答できなかった。
アキラは本来争いごとを嫌うため、もし戦いに巻き込まれたときのことを考える。
そしてその相手が、裕奈やまき絵たちを殺したのであれば……。
「……分からない。もしもただ殺すことを目的にしてみんなを殺したなら……その時は許さないと思う」
653代理投下:2007/12/07(金) 00:01:24 ID:???
武器になっているカッターナイフをもう一度見直すアキラ。
アキラといえど、単純にゲームに乗った人間が相手なら殺すことも辞さない考えだ。
それでも、殺すことに対しては大きな抵抗感がある。
「私は……心のどこかで、もうなりふり構わないと思っているです。もしのどかやハルナを殺した人がいたならその時は……」
「夕映……」
夕映はたった1人で考え込み、もはや手段は選んでられない考えにたどり着く。
武器はソーコムピストル。その気になれば相手を簡単に殺すことができる。
親友の敵討ちという見た目は格好いいかもしれないが。やっていることは人殺しに過ぎない。
「……できれば、その機会がこないことを祈るです」
皮肉めいた笑いを浮かべる夕映。
何もしないうちに、このゲームに徐々に毒されていきそうな気分だった。

「じゃあ私からいい? この場でメダルが10枚手に入るとしたら……どうする?」
アキラは夕映に持ちかけてきた。
このゲームは最後の1人になるまで戦うのとは他に、メダルを10枚集めれば助かる方式がある。
「助かれるのなら貰いたい。でも、誰かを殺して奪い取るのだったら……私はいらない」
助かれる最大のチャンスに対し、アキラは無関係な人を殺すくらいなら受け取らないことを決めている。
復讐と助かるための戦いとは意味合いが違う。
「夕映は?」
アキラがそっと投げかけた。

「私は……半分でいいです」
「半分?」
夕映がアキラを見上げて言った。
「そうです、もう半分をアキラさんにあげるです。そうすれば助かる可能性があがるです」
夕映は戦いで親友を3人失った。それはアキラも同じこと。
654マロン名無しさん:2007/12/07(金) 00:06:33 ID:???
投下数あと一話くらい増やせないかな?理由があるならいってほしいんだよ俺としては。
655代理投下:2007/12/07(金) 00:14:18 ID:???
その中でアキラは夕映を不安にさせまいと、寡黙のアキラは無理に話しかけてきた。
何度も話しかけ、絶対生き残ろうと励ました。
徐々にアキラに対して、図書館探検部の親友とは違った友情を感じ取っていた。
それは楓と真名の間に対する戦友というものだろうか。
「……その後、1枚もメダルが見つからなかったとしても後悔はしない?」
「しないです。何とかして2人、そしてみんなで一緒に麻帆良へ帰るです」
しっかりとした目つきで前を見る夕映に、アキラは微笑んだ。
「うん」

2人は町外れの森を目指し、走った。


【綾瀬夕映 町を離れる】
【大河内アキラ 町を離れる】
656マロン名無しさん:2007/12/07(金) 00:16:20 ID:???
>>654
なんでお前の都合で投下数を増やしたり減らしたりしなけりゃならねーんだよ。
理由が知りたい? 毎日投下してくれることがどれほどありがたいことか知れよ。
657マロン名無しさん:2007/12/07(金) 00:36:00 ID:???
別スレでたまに長めのSSを投下してるんだが、投下ってかなり面倒かつ時間取られるんだぜ?
俺だったら間違いなく全文を一気にロダにあげて終わらせてる。
毎日小出し投下でやってる此処の作者達は本当に偉いと思うよ。
658マロン名無しさん:2007/12/07(金) 02:57:42 ID:???
アキラとゆえの会話感動した
659マロン名無しさん:2007/12/07(金) 06:48:27 ID:???
>>656
敵意むきだしにされても。ただ18に聞いてるだけだろ。
660マロン名無しさん:2007/12/07(金) 09:44:30 ID:???
マナーの悪い奴が居るからだろ
別にお前がマナー違反っていってるわけじゃないけど、マナー違反者が多いから同じにみえたんじゃない?
661真・作者18(携帯):2007/12/07(金) 18:27:35 ID:???
662代理投下:2007/12/07(金) 22:16:06 ID:???
52.負傷

超たちがようやく町が視界に入ってきた時、昼をかなり過ぎた頃であった。
森の中を失踪して時折休息を取り、そしてまた走った。
かなりの距離を走ったにもかかわらず、誰とも会わなかったのは幸運だった。
だがそれでも時間を食ってしまったことに変わりは無い。

もう2日目。残り時間は1日と半日未満。
一刻も早くTV局に行って救助を要請する方法を見つけなければならなかった。
急いで突き進むも、体力的に不利な聡美が遅れだす。
「ま、待ってくださいー。流石に……疲れちゃって……」
「しっかりするネ。あと少しヨ」
長距離をわずかな休憩を挟みながらほとんど止まることなく走った。
古菲や超はまだ走る気力があるが、聡美はもう体力の限界だった。
何とか激励するが、やむを得ず長めの休息を取ることになる。
「……本当にうまくいくアルか?」
古は不安そうに町を見つめる。
たとえTV局に入れたとしても、うまく機械を操作できるだろうか。
超や聡美のような天才なら何とかなるだろうが、自分は何か役に立つか?
もしも失敗したらどうしようと考えたりと、古は徐々にマイナス思考に入っていた。

「とりあえず向こうに行くことが先決ネ」
超はそう言って奮起を促す。もう時間がない、早期解決が急務なのだ。
すると古は体力を使い果たしてバテている聡美を見た。
「……?」
聡美の体に不思議な赤い光がすぅっと近づいていた。
その光はしっかりと聡美を狙い、古は超にそのことを伝えた。
――まずい。
663代理投下:2007/12/07(金) 22:24:17 ID:???
聡美は完全に休息の状態であるため、全く気づいていない。
すべてを悟った超は全身で危険を感じ取た直後叫んだ。
「逃げるネ!!」
「え!?」
叫んだ瞬間に超が飛び込み、同時に銃声が鳴り響いた。

銃声と同時に超が聡美を押しのけた瞬間が、スローモーションに見えたような気がした。
「超さん!!」
弾丸が当たる瞬間、聡美を突き飛ばした超。その体勢でさらに自身も弾丸をかわす。
だが完全には避けきれず、超の右の二の腕に命中していた。
二の腕に強い力がかかって、超はその場に転がり込んだ。
「超!」
古と聡美が駆けつけるが、苦しむ超の右腕からはおびただしい量の血が溢れ出ていた。
いったい誰が、肉眼から確認が難しい距離を撃ちぬける武器を持っている人物がいたか?
音がした方向を見て、木の裏側に隠れたその相手に古は驚愕する。
僅かながらに見ることのできたその相手は……。
「に、逃げるアル!」
意外な人物を見てしまった、古は慌てて立ち上がる。
古は超を担ぎ、聡美は古に引っ張られながらデイパックを2人分担いでその場から逃げた。


【古菲 ???の姿を確認、超を担いで逃げる】
【超鈴音 右腕損傷、出血中】
【葉加瀬聡美 2人と共に逃げる】
【??? 狙撃失敗(2回目) 現在1枚】
664代理投下:2007/12/07(金) 22:26:15 ID:???
53.RUN!

「大丈夫アルか!?」
しばらく長距離を走った古はそこでようやく超の安否を確認する。
聡美は自分の身代わりに撃たれたことにショックを受けているようだ。

「大丈夫ヨ……ちょっと撃たれただけ」
「ちょっと所じゃないアル!」
制服を脱がして、撃たれた右の二の腕を確認する古。
弾丸の跡がくっきりと残っており、そこから未だに出血が続いている。
撃たれた箇所から下は完全に血で真っ赤に染まっていた。あたりに血の生臭い匂いが漂っていた。
「ど、どうしようくーさん」
「止血アルよ!」
頭がいい聡美だが、それは科学専門で医療のことは専門外。
武道の道を進む古は即座に止血を指示。傷ついたときの応急処置はしっかりとしていた。
古も上着とシャツを脱ぎ、シャツを力任せに破き超の右腕に巻きつけた。
たったそれだけの処置ではあるが、効果的に止血は出来る。
ただしそれは一時的なもの、早く医者を呼んで適切な治療を受けさせなければいけなかった。
「どうしよう……」
医者を呼ぼうにも今は人殺しのゲームの真っ只中。
医者がいるはずもなく、自分たちは医療の知識などない。
古の取った行動はあくまで応急処置、早期の治療が急務だ。

「TV局にいくアル、早く救助を呼べば超は助かるアルよ!」
早くTV局に行ってSOSを出して超を助けなければならない。
665代理投下:2007/12/07(金) 22:37:06 ID:???
このまま放っておいては超の命が危ない。
聡美を励ましつつ、町までの残りの距離を全力で駆け巡る。
超は古に担がれた状態で揺られている。
古の口には自分の武器を咥えており、万が一の時はいつでも発射できるようになっている。
中学生1人分を背負って走っている古が聡美以上に体力を消耗していた。
その証拠に、古は走るたびに息が上がっている。
「私は大丈夫ネ……だから……」
超は降りて自分の足で走ろうとした。
「駄目です! 傷口に負担をかけたら危ないです」
聡美が必死に制止してしまう。古もそれに応えるように何度も頷いた。
聡美も盾になってしまった超に負い目を感じて、デイパック2つ分を抱えた状態で走っていた。
もう疲れたなどと口にはしない。
そのせいで超が傷ついたのだから。

町まではあと僅かというところまで来た。


【古菲 武器・S&W19(コンバットマグナム)】
【超鈴音 応急処置も出血は僅かながら続く】
【葉加瀬聡美 武器・フランキ SPAS-12(ショットガン)、釜】
666代理投下:2007/12/07(金) 22:43:56 ID:???
54.募る焦り

簡単に敵は見つからない、そう感じ取っているのは分かっているはずだった。
だがここまで相手が見つからないのも珍しいと思った。
「……誰もこない」

最後のジョーカーはまき絵を殺してメダルを1枚入手した。
ところが2日目に入って誰とも遭遇しなくなったのだ。
目ぼしい場所を見つけては見に行くものの、誰もいない。
このままでは1日終わる前にメダル2枚目を手に入れれるかどうかも怪しい。
最後の1人になるまで戦う選択も残っているが、遭遇しなければ相手が分からない。
タイムリミットまで相手が見つからなければそれこそ意味がない。
だがそのタイミングはようやくやってきた。

「見つけた」
超と古と聡美の3人組であった。
又とないチャンス、メダルの数を一気に4枚に増やせる。
スパイパーライフルのスコープを双眼鏡代わりにして見ると、聡美が疲れているようだった。
今なら狙撃して注意をひきつけた隙に2人にお見舞いすれば勝てる。
即座に弾を込めると、木の裏側から姿勢を低くして狙った。

だがここでまたもレーザーサイトの光に気づかれてしまった。
引き金を引いたときには、超が飛び出して聡美を庇っていた。
667代理投下:2007/12/07(金) 22:59:20 ID:???
武器を変えて出て行こうにも、相手はリボルバーの357マグナム、そしてショットガン。
スナイパーライフルは射程外からピンポイントで狙うため、位置がばれたら不利。
だからといって今の拳銃では相手の武器に勝てそうにない。
それに肉弾戦となると、古を相手にしなければならない。
やむを得ず、武器を片付けて逃げるしかないジョーカー。

「くっ……」
獲物が見つからないというのに、ようやく見つけたターゲットも逃げてしまう。
ジョーカーは徐々に焦りを見せだした。
「美空は……」
ジョーカーはやむを得ず、もう一度美空に会うことにした。

【??? 美空を捜索】
17 :真・作者18 ◆iENNpAl3Xs:2007/12/07(金) 18:24:40 ID:XKwtrb/.0
今回が本日分です。盛り上がり前の展開のために少々ボリューム不足気味ですがご了承を。
しばらくはこのくらいの+αの流れで3話の投下となります。

あととても重要な訂正点が見つかりました。
翌日の投下分のチェックで美空のメダルの数が1枚多くなっていることに気づきました。
それまで間違ったまま投下していたので、明日菜死亡以降の表示していた数-1でお願いします。
668マロン名無しさん:2007/12/08(土) 11:22:46 ID:???
代理投下乙
669マロン名無しさん:2007/12/08(土) 17:32:20 ID:9H1tdhCy
これは素晴らしいエロでつねw
http://4server.sakura.ne.jp/newcomics/pc/img.php?src=../src/685-2.jpg
他にもぷるんがあたよ
670マロン名無しさん:2007/12/08(土) 18:26:10 ID:???
最近定期的にあげるこの馬鹿なんとかしろ
671作者18:2007/12/08(土) 18:58:12 ID:???
無理でござるよぉ
672真・作者18(携帯):2007/12/08(土) 19:41:26 ID:???
本日投下分です。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8740/1196932535/18-26

代理投下の方、いつもありがとうございます。
673代理投下:2007/12/08(土) 20:34:52 ID:???
55.ジョーカー美空

こっそりと隠れてアーティファクトを使った分の疲労回復に勤める。
首輪の効力を考えると、相当無茶をやってしまったのは明白だ。
しばらくの間はアーティファクトは使えない。使えたとしてもまた一瞬だ。

やむを得ず、美空はしばらく動くことをやめた。
ここは下手に動かず、体力と魔力回復に専念する。
4人で行動している美砂たちは森を闇雲に進むしかなかった。

この間に今現在のメダルの状況を確認する。
「ふぅ、あと4枚か」
明日菜を殺して奪った1枚目、木乃香から奪ったメダルが2枚。真名を殺して奪った4枚目。
そして亜子と五月を殺して6枚目に入った。
怪我をしているとはいえ、何とかここまで戦えた。
だが残りの時間、最後まで戦えるものか心配は消えない。
「下手したら本当に殺されるかもしれないもんね」
少々力を使いすぎてしまったためか、まだ本格的に動けるのに時間がかかりそうだ。
ぼんやりと空を眺めて考える。
自分は軍と魔法の取引としてジョーカーとなった。
ジョーカーになったからと言って命が保障されるわけではない。
あくまでもゲームの駒であり、死ねばそこでおしまいなのだから。

「さてと……」
まるで撃墜マークのように並べたメダルを回収して、銃を確認する。
674代理投下:2007/12/08(土) 20:56:42 ID:???
ベレッタの弾丸はまだ少々余裕がある。
左手の状態はあまりよくないが動かせないわけではない。
痛みが酷くならない程度に動かして、銃の手入れをした。
茶々丸から奪ったグレネードランチャーも弾を込めておく。
これでいつでも発射できる体勢となった。
「行くか」
美空は立ち上がった。
ジョーカーとして戦う意味もあるが、本当の意味は生き残るために。
残り4枚さえ手に入れれば無条件でゲームから降りられる。
運がよければ3日目に入るくらいでさっさとこの島からおさらばできるからだ。
美空は次の獲物を求めて歩みを進めた。


【春日美空 次のターゲットを模索 現在6枚】
675代理投下:2007/12/08(土) 20:59:23 ID:???
56.メダルの真相

どんなに進んでもあるのは木々のみで、どこへ進めばいいか分からず途方にくれる。
「ねー、どっちー?」
「どっちかな〜」
地図を見て行き先を決める美砂と桜子。
後ろからザジもそっと眺める。
「ザジ、どっちがいい?」
「美砂の行きたい方向でいいよ」
ザジの発言に、美砂は町に近いほうの道を選んだ。

「ねーねー、美砂。いつの間にザジちゃんと仲良くなったのー?」
考えればそうである。
美砂とザジにはまったくと言っていいほど接点はないし、学園でも話すことはなかった。
それがここにきて名前で呼び合い、意見を交わしているのだから。
「んー。最初に出会ってずっとだったからね」
美砂はただの成り行きだったと語るが、それだけでは言い表せないものに結ばれていると感じている。
ザジも同感だ、きっと別の人でもっと好戦的であれば、ここまで仲良くないだろう。
「そうなんだ、これからも美砂と仲良くしてね」
桜子はザジに笑いかけると、ザジも笑顔で返してきた。
なんとも珍しい光景なのかもしれない。
676代理投下:2007/12/08(土) 21:00:18 ID:???
だが千雨は2人とはやはり離れた位置で見守っているだけであった。
(何だよ……おめでたい連中ばかりだな)
人殺しゲームであることを忘れそうなほど能天気に会話する3人。
そもそも厳選なる抽選で選ばれたとはいえ、明らかな人選ミス。
3-Aの生徒ほどバカ正直で平和ボケした連中も珍しい。
ゲームが始まっても、一度出会うと協力して脱出しようという人が過半数。
乗ったとしてもごく僅か。
こんなお人よしのクラスではゲームが成り立たないんじゃと思い始める。
「円は大丈夫かなぁ〜」
「大丈夫、きっと見つかるよ」
励ましあっているのか、あまり深く気にしていないのかよく分からない会話となるチアの2人。
この明るさが取り柄といえば取り柄だ。
(しかしこんなんじゃ、誰も戦わないんじゃ………まさか…)
首輪についているメダルの意味が、何となく感づき始めていた。

千雨は考える、もしも自分がチアの中でこの中にいない釘宮円を殺してメダルを持っていたとしたら……。
たとえ桜子でも親友を殺されたと知れば怒るに違いない。
口で殺したといっても、従来のルールであれば嘘をついてもそれを証明する物がない。
だが殺したと同時に10枚のメダルを手に入れる方式は、裏を返せば誰を殺したかが分かる。
たとえばAがBを殺してメダルを手に入れる。だがその後AはCに殺されてしまいBと自分のメダル奪われる。
そしてCが次に出会ったDは平和主義で、同じ意見を持つBの大親友。
この場合、CはBを殺してはいないがメダルを持っている以上、CがBを殺したと思わざるを得ない。
Dは怒り狂い、Cを殺してしまう。殺しなどしたくないと思っても親友の仇として。
こうすればたとえ平和主義の面子でも、戦いに向けされられる。
メダルに数字を入れ込んだのはこのことだったのかと感づき始めた
677代理投下:2007/12/08(土) 21:32:49 ID:???
(だから、私はメダルを持っていないから人殺しだと言っても信じないんだな)
あまりにも単純明快でとても分かりやすいことだ。
これだけのお人よしを一気に戦わせるには、それなりの工夫も必要であった。
そう考えている千雨は前方3人が立ち止まっていることに気づく。
よく見れば、その相手はチアの最後の1人、円であった。


【柿崎美砂 円と遭遇】
【椎名桜子 円と遭遇】
【長谷川千雨 メダルの意味を理解】
【ザジ・レイニーディ 円と遭遇】
678代理投下:2007/12/08(土) 21:38:23 ID:???
57.vs史伽

町を離れてあえて森を進む道へと決めた夕映とアキラ。
今のままでは無力に等しい。
何とかして仲間を見つけて脱出する方法を見つけなければいけなかった。

森をある程度進むと、ようやく待望の相手が見つかった。
夕映とアキラからすればお互いを発見して以来のことだ。
2人の先に俯いたままの史伽がよろよろと歩いてきた。
風香の姿で、虚ろな瞳でゆっくりと動くその姿は元気だった史伽とは別人である。
こちら側は、風香が首輪の入れ替わった史伽だということを知らない。
ましてや、混乱し自分が風香と思っているのだから判別など不可能だ。
「風香さん、大丈夫ですか?」
「……」
無言でこちらを見つめる風香の姿をした史伽に、夕映は違和感を覚えた。
これだけ黙りきった風香はない。ましてや史伽でもここまでこない。
「夕映……何かおかしいよ」
「……」
夕映もアキラも俯いた風香の姿をした史伽の様子に徐々に不信感を募りだした。
下を向いたままブツブツと何かを呟いているようにも見える。

「返事をしてほしいです」
あまり刺激をしないようにして話す夕映だが、史伽は何も応えない。
だがその瞬間は突如として訪れた。
「ふふふ、2人。ここで2枚手に入れれば……後1枚だぁー」
679代理投下:2007/12/08(土) 21:44:40 ID:???
そして手に持っていたのは、楓を殺した際に奪い取ったマシンガン。
引き金に手を当てるや、夕映とアキラは話し合いの余地はないと判断した。
「逃げて!」
夕映の手を取って全速力で逃げるアキラ。
後ろから激しい連射音と共に、無数の弾丸が飛び込んできた。
「うわああああああっ!!」
アキラは思わず声を上げて、茂みの中へと飛び込んだ。
足や腕に何発か掠ったような感触が飛び交うと、その場がズキズキと痛み出す。
だが相手も続けて攻撃はしてこない。
どうやらマシンガンの反動に史伽のような小さな体が簡単に扱えるような代物ではなかったようだ。
ようやく立ち上がり、マシンガンを見境なく向けてブッ放してくる。
これで史伽は完全な敵であることが分かる。
史伽は走って茂みに隠れた2人を追いかけるが……。
「ちえっ、逃げちゃった」
アキラの身体能力に追いつけず、取り逃がしてしまった。
史伽は残念がって武器をしまうと、別の相手を探して立ち去った。

「大変です。今のまま野放しにしたら……」
逃げている最中、史伽のように狂ってしまった相手を野放しにしては危険だと感じる夕映。
最悪、足を傷つけてでも狂った行動を止めさせなくてはならない。
危険を避けようと逃げたアキラも、夕映の気持ちを悟る。
680代理投下:2007/12/08(土) 21:46:39 ID:???
「分かったよ。でも万が一命が危ないと分かったら……」
殺すことも辞さない、それは自分たちの命が危ない場合のみ。
それ以外で人を殺すことは許されないとアキラは思う。
たとえ甘い考えだと言われようと、これだけは譲れない。
争いごとが嫌いなアキラの性格を理解してか、夕映もうなずいた。
「分かっているです」
ソーコムピストルが自分の意思で手に握られた。
史伽を何とかするため、一度逃げた道を引き返した。
殺すためではなく、救うために。


【綾瀬夕映 史伽を追う】
【大河内アキラ 史伽を追う】
【鳴滝史伽 獲物を探す 現在7枚】


26 :真・作者18 ◆iENNpAl3Xs:2007/12/08(土) 19:35:32 ID:6RvHrx0.0
今回はこれで終了です。
最近のスケジュールの都合で投下の時間が土日問わず、かなり不定期になりそうです。
681マロン名無しさん:2007/12/08(土) 22:02:06 ID:???
代理投下乙

何か急にレス少なくなったな…
682マロン名無しさん:2007/12/08(土) 22:17:51 ID:???
作者18氏と代理投下乙です。
そろそろ収束に向かい始めているね。
結構引っ張っている内容とかは、期待感が強くなっているからね、
うまいこと処理しないとgdgdになりかねないが、
作者18氏はうまいこと処理していることを期待しているよ。
683マロン名無しさん:2007/12/08(土) 22:46:59 ID:???
18氏も代理投下も乙
今のとこ死亡率100%の4人が全員生き残ってるんだな
684マロン名無しさん:2007/12/09(日) 00:40:53 ID:???
あと何人生き残ってるんだっけ?
685マロン名無しさん:2007/12/09(日) 00:43:17 ID:???
すでにgdgdな気がする
だが誰が???なのか気になる
686マロン名無しさん:2007/12/09(日) 00:45:00 ID:???
16人だな
687マロン名無しさん:2007/12/09(日) 01:05:56 ID:???
>>685
作品のメリハリの都合もあるかもしれないから、
今の時点で断言するのは早計だよ。
評価は話が終わるまで待ってからでも十分だよ。

ところで死亡率100%の4人って、だれだっけ?
688マロン名無しさん:2007/12/09(日) 01:10:45 ID:???
アバズレ、キャラ薄、がり勉、そばかす
689マロン名無しさん:2007/12/09(日) 01:31:11 ID:???
キャラ……薄……?
690マロン名無しさん:2007/12/09(日) 01:36:11 ID:???
ザジ?
691マロン名無しさん:2007/12/09(日) 01:39:13 ID:???
美砂、ザジ、葉加瀬、夏美だったようなキガス

だが>>688
貴様は俺を怒らせた、表に出ろ。
美砂はアバズレなんかじゃない、淫乱だ
692マロン名無しさん:2007/12/09(日) 02:02:11 ID:???
ザジは薄くない。あの登場数を考えたら濃い。とマジレス
693マロン名無しさん:2007/12/09(日) 12:35:45 ID:???
ザジはどっちかと言うと、無言かな?素直にピエロでいいんだけど。
無口はアキラ。
694マロン名無しさん:2007/12/09(日) 16:56:27 ID:???
柿崎は第1部で生き残ったはず、
生き残れなかったのは風香か椎名か早乙女のはず
695マロン名無しさん:2007/12/09(日) 17:00:33 ID:???
>>694
ちげーよばか
一部の生存者は数に入ってないんだよ
696マロン名無しさん:2007/12/09(日) 17:24:15 ID:???
そーなのか
スマン知らなかった。
ペコッ
697マロン名無しさん:2007/12/09(日) 17:52:56 ID:???
ちなみに椎名桜子は17部で生き残った
698マロン名無しさん:2007/12/09(日) 18:08:31 ID:???
やっぱ来たばっかで
読み残しがあるうちから書き込むのはまずかったな!
(一部読めないのが有るのが残念だけど)
あといつの間にか夏美は超に何度も殺されてるイメージがある
699マロン名無しさん:2007/12/09(日) 18:32:43 ID:???
>>696
そんなペコッてされたらこっちまでペコってしたくなるだろうが
ペコッ
700真・作者18(携帯):2007/12/09(日) 18:36:16 ID:???
701マロン名無しさん:2007/12/09(日) 19:19:32 ID:???
機会の音で実写思い出したwwww
702マロン名無しさん:2007/12/09(日) 21:15:21 ID:???
携帯からだとそのサイトかなり見づらいな
作者18はどうやってんだろ…
まぁ代理投下待つか
703マロン名無しさん:2007/12/09(日) 21:25:37 ID:???
704マロン名無しさん:2007/12/09(日) 23:00:07 ID:???
さんきゅ
てか何話完結なの?
705マロン名無しさん:2007/12/10(月) 00:50:21 ID:???
携帯まとめ氏の意見箱に「喉かわいた」って送ってみた
706マロン名無しさん:2007/12/10(月) 08:26:52 ID:???
どんな返信来るんだろう
とりあえず つ旦~
707マロン名無しさん:2007/12/10(月) 11:36:51 ID:???
>>705
面白いつもりでやったのか知らないけど、
最高につまんないよそれ
708マロン名無しさん:2007/12/10(月) 14:13:46 ID:???
いや、俺は吹いたwww
709マロン名無しさん:2007/12/10(月) 15:58:44 ID:???
>>707
ちったぁ空気読もうぜ
710マロン名無しさん:2007/12/10(月) 16:05:11 ID:???
一番空気読んでないのは>>705だけどな
711マロン名無しさん:2007/12/10(月) 17:10:29 ID:???
>>707=>>710かw
なんでそんなに>>705が嫌いなんだ?
712マロン名無しさん:2007/12/10(月) 18:49:03 ID:???
嫌いとかじゃなくてつまんないんだろ
まぁ空気よめてないとこは同意だが
713マロン名無しさん:2007/12/10(月) 20:49:12 ID:???
レスも適当だったしなw
714マロン名無しさん:2007/12/10(月) 20:56:14 ID:???
バトロワ関連の絵を描きたいから18氏が感動シーン出してくれるの期待
715マロン名無しさん:2007/12/10(月) 21:05:11 ID:???
18は感動とおもって投下しても「?」っていう反応しかもらえなそう
716真・作者18(携帯):2007/12/10(月) 21:34:43 ID:???
717マロン名無しさん:2007/12/10(月) 22:43:53 ID:???
不覚にも目が潤んだじゃねえか
チクショウ・・・

18氏GJだぜ。
718マロン名無しさん:2007/12/10(月) 22:55:13 ID:???
最後に銃は誰がうったの?
719マロン名無しさん:2007/12/10(月) 23:55:15 ID:???
>>717
自演乙!
720代理投下:2007/12/10(月) 23:58:53 ID:???
58.TV局での攻防

TV局に入り込んだあやかと千鶴は即座に機械室に入り込んだ。
埃を被って何度も咳き込むが、比較的中身は無事のようだ。
電気も繋がっているものの、機器類はあちこちが使えない状態。
これほど大掛かりな機械の予備知識も無い2人に扱えるか心配であった。

武器はボウガンのみで、万が一襲われれば危険なのは変わりない。
あやかとて、3-Aのクラスメイトに向かってボウガンを使いたくない。
だがそれがここの占拠だとしたら……。
意地でも守らなくてはならないし、ここが陥落すればもう外部に伝える手段はない。
「どうですか千鶴さん」
「駄目だわ。こんな機械全然分からないもの」
千鶴は即座に白旗を上げた。
何とかして外部に通信が出来ればと思うが、これでは何のために来たのか分からない。
マニュアルか何かあればいいのだが、そんなものが都合よくあるはずがない。
途方にくれたあやかと千鶴は力を抜いてその場に座り込んだ。

「あやか……夏美は無事かしら……」
千鶴は今も放送で呼ばれなかった夏美の安否を気にした。
スタート時に存在が確認できず、放送でも呼ばれていない。
生きているのかどうなのかも分からないことに不安を感じていた。
「大丈夫ですわ、きっと生きていますよ」
「ありがとう、あやか」
気落ち気味の千鶴を激励して、あやかはもう一度操作の手がかりになるものがあるか探した。
721代理投下:2007/12/10(月) 23:59:32 ID:???
その時、入り口付近で何か扉を開く音がした。
何者かが乱入してきたことは即分かり、ボウガンを用意するあやか。
千鶴はその様子に、戦う時が来てしまったと悲観する。
「千鶴さんはどこか安全な場所に、出来れば穏便に事を済ませたいのですが……」
誰も好き好んで人殺しなどやりたくはない。
だがそうしなければ自分たちがやられてしまう。あやかの苦渋の決断だった。
「お願い、絶対帰ってきて」
千鶴はあやかの手を掴んで祈るようにして頼んだ。
「分かっていますわ」
あやかはボウガンを片手に、ゆっくりと入り口に向かった。

静まり返ったTV局は深夜の学園内と同等に不気味な雰囲気が漂っていた。
それまで2人で行動していたため、いざ1人になるととても怖いものだ。
入り口方向から声が飛び交っていたため、相手は少なくとも2人以上。
ボウガンで立ち向かえるか心配であった。
そして入り口にたどり着く、入り口は異様な静けさで沈黙していた。
あやかはゆっくりと周りを確認しながら近づく。
さっきまでいたはずなのに、急に人気がなくなっていた。
風か気のせいか、だが足元には血痕が残っている。
相手は怪我をしているのかと思う間もなく、横の扉が勢いよく蹴り飛ばされた。
あやかは素早くそれに気づき、身を翻しながらその相手を見てボウガンを構えた。
同時に相手も銃を向ける。

その数秒間、物事を理解するかのように固まってしまう2人。
互いの顔にはボウガンの矢と銃口が大写しになっていた。
722代理投下:2007/12/11(火) 00:00:16 ID:???
即座に相手を確認すると、緊迫した状態でのやり取りが始まった。
「古菲さん、戦う意思は……」
「ないアル。いいんちょは……」
「ないですわ」
次の瞬間、その緊張が解けた。
お互いに戦う意思はなく、再会を喜ぶあやかと古。
「ハカセ、大丈夫アル。いいんちょは味方アルよ」
古に合図されて、聡美が飛び出した扉から出てきた。
その後ろには、腕を撃たれ、何とか止血している超の姿もあった。

「グッドタイミングですわ」
「ほえ?」
古はあやかがなぜそう言えるのか理解できなかった。


【古菲 あやかと遭遇】
【超鈴音 微量ながら出血は続いている】
【那波千鶴 機械室に隠れている】
【葉加瀬聡美 あやかと遭遇】
【雪広あやか 古と遭遇】
723代理投下:2007/12/11(火) 00:01:44 ID:???
59.分裂 前編

はじめは機械の音で気がついた。
傷ついた茶々丸が円の肩を借りて一緒に現れた。
「美砂、桜子……」
それはようやくと言っていいほどの再会だった。
真名、楓などの力のある者が次々と命を落とす中、チア3人組は全員無事だったのだ。
うれしさのあまり、涙ぐんで再会を喜び合う3人。

一歩引いた場所から千雨、ザジ、茶々丸がその光景を見つめた。
あれが本来の親友の姿。これで殺しあうなど悲劇でしかない。
「よかった」
ザジがまるで自分のように喜んでいた。
千雨からすれば、ザジに友達はいないようにも見えた。
なぜそこまで喜べるのか、千雨には理解できなかった。
円の後ろには、応急修理で何とか動けるようになった茶々丸の姿。
よく見れば、円の手は傷だらけでところどころ火傷の跡まである。
「円、よかったよ〜」
桜子が涙ぐんでいた。美砂も喜びで笑いながら涙を見せていた。
「桜子、美砂、その2人は……?」
円が千雨とザジについて尋ねた。

「あぁ、ザジは私の大事な仲間。信用できるから安心して」
「……そう」
普段なら美砂に続いて笑っているはずの円が笑っていなかった。
それが不思議に思えているチアの2人。
724代理投下:2007/12/11(火) 00:03:39 ID:???
「で、桜子は?」
「千雨ちゃんは私の友達だよ。大丈夫だって」
またも出た千雨は友達発言。当然千雨は激怒する。
「テメェ、また友達かよ。いつお前と友達になった!」
千雨は勢いで桜子にヘッドロックをお見舞いした。
苦しそうにしている桜子だが、即座に弁解する。
「えぇ〜。友達じゃないのー」
「勝手に決めんな!」
頭を固定した状態で何度も頭をぽかぽか叩く千雨。
すると円が飛び出して、千雨を引き剥がした。
「ちょっと、やめなさいよ!」
「ちっ」
舌打ちする千雨。このとき、親友を茶化されているとはまた別の何かを千雨は感じていた。
何か、腫れ物にでも触るような感じで見られている感覚だ。
思いつめている表情の円は千雨をけん制した。

「千雨さん、ちょっとやりすぎなのでは……」
茶々丸が千雨に意見をした。
「あぁ? こいつちょっと病気なんだよ、これくらいが丁度いい」
「うぅ〜。ひどいよー」
大粒の涙で訴える桜子だが、千雨は全く動じない。
なぜだか微笑ましい光景だ。現にザジや美砂はその光景を笑ってみているのだから。
725代理投下:2007/12/11(火) 00:05:06 ID:???
だが円だけは表情を硬くさせたままだ。
その敵意むき出しの顔は、まるで親友の2人以外を信じていないようにも見える。
「ねぇ、一つ聞いていい?」
「んー。何?」
円がまた尋ねた。
「誰も、殺しとかやってないよね」


【柿崎美砂 円との再会に感激】
【絡繰茶々丸 かろうじて稼働可能】
【釘宮円 千雨をけん制】
【椎名桜子 円との再会に感激】
【長谷川千雨 桜子の友達宣言はちょっとした病気扱い】
【ザジ・レイニーディ 千雨と桜子の光景に微笑む】
726マロン名無しさん:2007/12/11(火) 00:06:14 ID:5iuX5hVr
60.分裂 後編

円の発言にほんの一瞬、沈黙が訪れた。
ここは殺し合い場所、再会を喜んでいる余裕はない。
即座に現実に戻された4人に浮かれている気分が吹き飛んだ。
「そんなはずないじゃん、ザジだって最初にすぐ会ってからずっと一緒だったし、ねっ」
「うん、逆に殺されそうになった」
美砂とザジが弁解する。上着がない上に、シャツもあちこち焦げ付いている。
さらに2人の火傷の治療跡から、ほぼ信憑性はありと見て間違いない。
続いて桜子側を見る。

「私も全然やってないよ、武器だって1回も使ってないし」
デイパックから金属バットを取り出して見せる。
全く使った形跡がない。完全な新品の状態だった。
「そうだよね、桜子が殺しなんかしないし」
円もここは桜子を信頼するようにした。
そして最後は千雨だった。
「ねぇ、あんたはどうなの」
「……」
千雨は答えられなかった。
ゲームが始まってすぐに、恐怖のあまりハルナに向けて銃を放ってしまったのだ。
この時点では死んでいなかったのだが、後に木乃香が来てハルナを殺した。
メダルも何も持っていないとはいえ、千雨は放送で自分が殺したと思っているのだ。
「待って、あのね円……」
「桜子は黙ってて。ねぇ、殺してないなら殺してないって言えないの!」

桜子の言葉を制止させ、円は声を荒くして千雨に詰め寄る。
そしてしばしの沈黙の後、反らした視線のまま千雨の重い口が開いた。
「やったよ……早乙女だ。恐怖のあまり、引き金を引いてしまった。この罪は消えないよ」
ハルナの一件以来、一度も使わなかったコルト・ガバメントを取り出す。
727代理投下:2007/12/11(火) 00:06:49 ID:???
「そんな……」
美砂も驚愕の表情を浮かべた。
それまで千雨は人など殺したとも一切伝えてないのだから。
千雨が白状したことで桜子は慌てて弁解する。
「ま、待ってみんな、話を聞いて。千雨ちゃんは……」
「桜子!」
円の怒号が静寂な森を包み込む。
いつも笑顔を絶やさなかった桜子が、怯えにも似た表情を浮かべた。
「どういうこと。あんた人殺しと一緒に行動してたわけ!?」
桜子が返答できるはずがない。
メダルを持っていないとはいえ本人が言っている以上、それを認めざるを得ない。
千雨は人殺しで、桜子はそれを知って美砂やザジに隠して行動していたのだ。
「それを黙ってたことは……謝るよ、ごめんなさい。でも千雨ちゃんはゲームに乗る気なんかなくて……」
必死の弁解も、円は冷たい視線を送るしかない。
さらにザジ、美砂でさえも今までより距離が離れていた。
突如として、桜子も千雨も白い目で見られ孤立してしまいそうだった。
「お願い、千雨ちゃんは悪い人じゃないんだよぉー」
それまでの涙とは全く別の意味の涙が桜子の目から流れた。
「それなら、長谷川と一緒に行動するのをやめて」
円が提案した内容に桜子は凍りついた。
728代理投下:2007/12/11(火) 00:08:26 ID:???
それまで友達だと勝手に決めて笑おうとしていた相手と縁を切れというのだ。
そんなことを簡単に出来るはずがない、千雨はそう思ってなくても桜子にとっては友達なのだ。
「私たちよりもそいつにつくなら一緒にいられない」
鋭い目つきで桜子をにらみ付ける円。
亜子を信じられずに五月と共に失い。その要因は傷ついた美空を助けようとして騙された。
円からすれば、もう易々と他人を信じられなくなっていた。
それがたとえ親友でも、一緒にいる相手が信用ならないなら……。
この心境の変化に、茶々丸ですら意見を出す余裕すら失っていた。

「そうだな、それが妥当な判断だ」
突如千雨が口を開いてデイパックを肩にかけた。
「待って、どこ行くの!?」
「お前らのいない所だ。お前の考えていることが大甘だってことが分かったろ」
人を殺しておいて桜子はそれでも仲間として迎え入れた。
もしもこれがゲームに乗ったとしても同じ結果だろう。
おそらく、桜子のこの甘さを利用してここにいる連中を皆殺ししかねない。
気が狂いそうなほどの気分だったが、人殺しは憎まれる運命なのだと再確認した。
美砂やザジも驚いた顔で見ている、それまでの千雨に対する笑いかける表情ではなくなっていた。
これが正常。これがまともな連中の反応。
桜子は頭の中が平和すぎたのだ。笑いを絶やさずにいる性格が逆に大きな弱点だ。

「じゃあな」
千雨は背を向けて立ち去った。
「待って、千雨ちゃん!」
「行かないで! 私たちよりそんな奴選んだら、もう親友だなんて思わないから!」
729代理投下:2007/12/11(火) 00:09:19 ID:???
桜子が止めようとするが、円が制止する。
今までチアがここまで分裂しそうになったことがあっただろうか。
人殺しの特殊な環境は友情さえも無常に破壊してしまう。
森の中で複雑な思いのまま、皆は立ち尽くす。
桜子は無言のままでその場に膝をついて涙に暮れた。


【柿崎美砂 言葉を失う】
【絡繰茶々丸 言葉を失う】
【釘宮円 千雨を追い出す】
【椎名桜子 涙に暮れる】
【長谷川千雨 チア組みから離れる】
【ザジ・レイニーディ 言葉を失う】
730代理投下:2007/12/11(火) 00:10:20 ID:???
61.大切な友達 前編

千雨にとって、人殺しという汚名を始めて責められた気がした。
あの時は恐怖のあまり、突発的に引き金を引いてしまった。
殺すつもりはなかったが、その瞬間の自分はもう制御らしい制御が効かなかった。
そんなことは言い訳に過ぎない、そのはずだ。

「くっ!」
怒りに身を任せて側の木を力任せに叩いた。
こうなることは目に見えているはずだったのに、こうも気分が晴れないのはなぜか分からない。
たった1人でいることが普通であったはずだった。
魔法を知ったり、自分は特殊な環境にいることになってしまったことも認めている。
それでも1人でいることのスタンスは変えてないつもりだった。
なのになぜこんなにも苛立っているのだろうか。

「千雨ちゃーん」
始めに聞いたとき、それは幻聴だと思った。
だが二度三度と声が続いたため、千雨は振り向いた。
あの時、完全に別れを告げていたはずの桜子がこちらに向かって走ってきたのだから。
「ば、バカ野郎! 何で来たんだ!!」
千雨が思い切り桜子を怒鳴りつけた。
その瞬間、桜子は驚いて足が止まったが、もう一度千雨の元へ歩んだ。
「千雨ちゃん……私は信じるよ。千雨ちゃんは好き好んで人なんか殺さないって、そのために生き残って罪を償うって」
「お前……」
桜子は怒鳴られることを覚悟で千雨の元へと向かった。
いつの間にか桜子は千雨にとって大事な友達の1人となっていた。
731代理投下:2007/12/11(火) 00:10:51 ID:???
人を殺したと思い込み、苦悩する千雨と一緒にいることで千雨の人格を理解した結果だ。
だがそれで素直に迎え入れる千雨ではない。
「ふざけるな! さっさと戻れ!」
当然だが、ぶっきらぼうに突っぱねてしまう。
「無理だよ。今更戻っても、もう友達と思ってくれないよ」
「土下座でも何でもしてこい!」
桜子をチアの元へ戻そうと必死になるが、桜子も食い下がる。
「じゃあ千雨ちゃんに土下座するから一緒に行こう!」
「ざけんな! 戻れっつってんだろ!」
「いやだ!」
「この野郎!!」

その瞬間、千雨は返答代わりに一発の弾丸を桜子に向けて放った。
桜子が大きく息を飲んだ。弾は大きく反れて近くの木に当たっている。
ハルナを撃って以来だが、意外なほど冷静に引き金を引けた。
「次は本気で当てる。だから戻れ」
「………嫌。友達を簡単に見捨てられないよ」
それでも桜子は拒否した。
「私はお前の友達なんかじゃない、いつもいるあいつらだ。だから行け」
「嫌。それだったら千雨ちゃんに友達だって認めてくれるまで動かないから。たとえ殺されても!」
頑として千雨の意見を取り入れない桜子。
脅しのつもりで銃を放ったつもりだった。これで桜子は諦めると感じていた。
だが桜子の気持ちは変わらない。とても根の強い人間だった。
「…」
「千雨ちゃん……」
「……」
何も発することないまま、千雨は銃を降ろした。
桜子の気持ちの強さに千雨が折れた瞬間だ。
「お前、根性あるな」
「これでもチアだからね。ちょっとやそっとのことじゃ諦めないよ」
732マロン名無しさん:2007/12/11(火) 00:43:19 ID:???
どうした?連投規制か?
733マロン名無しさん:2007/12/11(火) 00:49:13 ID:???
この投下数、完全にさるさだ。
解除まで戻って来られませんね
734規制されてた:2007/12/11(火) 01:55:58 ID:???
自分の命の危機がちょっとやそっとのことかと感じるその神経がすごいと感じる。
おそらく、芯の強さはきっと千雨以上。

「フン……」
少々照れくさそうにした千雨は結局桜子をまた連れて行くことになった。
「これからもよろしくね千雨ちゃん」
「そうだな、せいぜい盾役として頑張ってくれ」
相変わらずの口の悪さだが、いつの間にか元の千雨のノリが戻っていた。
始めてあった時もそうだった。錯乱していた自分を落ち着かせてくれたのは桜子だ。
悪ふざけも自然と出ていた。知らず知らずの内に桜子を受け入れていたのかもしれない。
「ひどいよー。千雨ちゃんどうしたら私を友達って認めてくれるのー」
「さぁな」
駄々をこねる子供のように桜子は叫ぶが、千雨はそんな桜子を横目で見つつ楽しんでいた。
きっとこのくらいがいい、自分も桜子にとっても。
千雨の顔が綻んでいると、また桜子が声を出そうとしていた。
また茶化してやろうと思っていると、突如桜子は千雨に向かって飛び込んできた。
「逃げてぇー!」

次の瞬間、派手な銃声が当たりに響いた。


【椎名桜子 何かを発見】
【長谷川千雨 桜子を迎え入れる】
735規制されてた:2007/12/11(火) 01:57:16 ID:???
62.大切な友達 後編

水を差すというのはこのことだろう。
それまで茶化して悪ふざけをしながら、残りの時間をとにかく戦おうと思っていた瞬間に来たのだから。
弾丸の雨があたりを戦場に変えてしまう。
そして桜子は千雨を庇うようにして背中に無数の弾丸を浴びた。

「桜子ぉーー!!」
千雨の叫びと共に、桜子は彼女に向かって倒れこんだ。
顔を上げると後ろに向かって倒れた史伽が立ち上がろうとしていた。
「あはは、また2人みーつけた。今度こそメダルを手に入れなきゃ」
狂った笑いを浮かべた史伽がマシンガンをこちらに向けていた。
「このぉ!」
コルト・ガバメントを取り出して史伽に向けて放った。
それまで恐怖のあまりの突発的、桜子を追い返すためにあえて銃を使ったこと。
決して殺す意思がないとは言いがたいが、はっきりしたことが一つある。
千雨は史伽に向けて戦う意思をはっきりと見せて銃を放ったのだ。
今更1人殺そうが2人殺そうが関係なかった。
「ぎゃあ!!」
放った何発かは反れたが、内2発が史伽の肩と腹に命中し倒れこんだ。
反対に千雨もコルト・ガバメントを持った手を銃弾を食らってしまう。
腕は血に染まり、銃は飛んでいってしまった。
だが今の千雨にはそんなことを気にする余裕はない。

「おい、しっかりしろ!」
桜子を抱きかかえる千雨は必死に呼びかけた。
「……けほっ……千雨…ちゃん、私のこと……初めて……名前で呼んで……」
736規制されてた:2007/12/11(火) 01:58:39 ID:???
思えばずっと桜子のことを『お前』呼ばわりで、名前で呼んだのはさっきのが初めてだた。
桜子の背中は、無数の弾丸を受けた箇所からの出血が酷く、ほとんど助かる見込みはない。
抱きかかえた千雨の手が赤い血の色に染まっていた。
「何でだよ……なんで私なんか」
「……だって、盾になるんでしょ私」
千雨の顔が強張っていた、桜子は千雨の言うことを守っていた。
万が一の時は問答無用で盾にするということを。
「ば、バカ野郎! 本気にするんじゃねぇよ」
「あれぇ……嘘だったの……ひどいなぁ……」
徐々に弱くなっていく吐息が桜子の命の終焉を告げていく。
千雨に出来ることは、とにかく話しかけることだった。
好き放題やって、冗談を本気に受け止めた桜子を見捨てられなかった。
「早く逃げて……また襲われちゃう……私を置いて――」
「行けねぇよ!!」
桜子の言葉を遮断するように千雨が叫ぶ。その目は涙で溢れ、声も震えていた。
そんな状態で、千雨はそっと桜子に囁いた。

「友達は……簡単に見捨てちゃいけないんだろ……そう言ったのお前だろ」
口に出した瞬間、千雨の中でもやとなっていたものがようやく現れた。
きっと友達だと認めることが恥ずかしかった。
自分を心配して追いかけてきた瞬間、内心嬉しかった。邪険になど出来るはずがない。
桜子はその言葉を聞いて、涙が伝う千雨の頬を撫でた。
「ありがと…ぅ……すごく嬉し……」
「――――っ」
今の千雨に言葉を出すことなど不可能だった。
伝う涙を渾身の力を込めて防ごうとするが適わず、大声を出したい気持ちを歯を食いしばって耐えた。
自分のために涙を流して悲しんでくれた千雨に喜びと感謝の気持ちを込めてもう一度桜子は微笑む。
737規制されてた:2007/12/11(火) 01:59:45 ID:???
もう喋る気力もない桜子が見せた最後の笑顔。桜子はその笑顔のまま、ゆっくりと目を閉じた。
千雨の頬に触れていた手がぱたりと地面に落下する。
「………」
もう、桜子は二度と微笑むことはない。力を失った首から、小さなメダルが落下した。
『17』と刻まれたメダル。これが桜子が死んだ証。

「うぅぅ……痛い、でもボクは勝たなきゃ……」
史伽は苦しみながらもマシンガンを拾い、千雨に焦点を合わせる。
千雨は桜子の亡骸をそっと地面に置いた。そして撃たれれない方の手が桜子のデイパックに伸びる。
その手に握られていたのは金属バット。
コルト・ガバメントを拾っている隙はない。
桜子が息を引き取るまでずっと無言だった千雨だったが、史伽が生きていると分かるや。
「うぉああああああああああああああああああああああああっ!!」
金属バットを構えて、悲しみと怒りの咆哮を上げて史伽に飛び込んだ。


【椎名桜子 銃殺】
【鳴滝史伽 腹と肩に被弾】
【長谷川千雨 右手に被弾 武器・金属バット】

――残り15人
738規制されてた:2007/12/11(火) 02:00:21 ID:???
63.お前のために……

森の沈黙を切り裂く千雨の雄叫び。
傷ついた史伽目掛けて血濡れの右手と共に金属バットを振り上げた。
「ぐっ!」
史伽はそれに対抗するべく、マシンガンを構えて乱射しようと引き金に力を入れる。
「うおおおおおおおおおおおおおっ!!」
だが千雨はそれよりも早く史伽に接近して、マシンガンを持った手目掛けてフルスイングした。

斜め上から叩き落すかのように史伽の右腕を殴りつけ、マシンガンを地面に叩きつける。
今度は痛みに歪む史伽の顔面目掛け、下からアッパースイングで叩き上げた。
史伽が軽々と後方へと吹き飛び、千雨の手に握っていたバットが宙を舞った。
右手からの出血の影響で非常に滑りやすくなっていたため、手から離れてしまったのだ。
「はぁ……はぁ……」
さらに史伽の足元に転がっているマシンガン。
それでとどめを指そうと涙を浮かべた表情で飛び込んだ。
これで桜子の仇を取れる。他人のために戦ったことなんてなかった。
千雨にとって友達など不必要な存在でしかなかったのだ。
自分は一人ぼっち。それでも千雨を仲間だと、友達だと認めてくれたのはたった1人。
バカ正直で超がいくつあっても足りないほどの能天気で明るい桜子。
失ってみて初めてその大切さに気がついた。
こんな思いで戦うくらいなら、はじめから友達なんかいらなかった。
生き残って互いの生存を喜び合いたかった。
今の千雨は友のために涙を流し、自分の危険を承知で戦っている。
739規制されてた:2007/12/11(火) 02:00:51 ID:???
「うぅぅっ!!」
歯を食いしばって史伽がマシンガンを奪われまいと抵抗して腕を伸ばした。
だが千雨のほうがワンテンポ速い。
体育系統は苦手だが、史伽のような小さな体に負けるほど弱くはない。
このまま力で奪い取って弾丸を至近距離で浴びせる。
そう考えていた、だが――。
「――――」
「……ふ」
史伽の不適に笑った。千雨のマシンガンを握った左手には、史伽が持っていた包丁が突き刺さっていた。
「ぐああああああああっ!!」
叫び声を上げてのた打ち回る千雨。
両腕が使い物にならなくなり、もう銃を持ったり武器を手にして戦えない。
そう感じて立ち上がろうとした瞬間。

――千雨の目の前に広がったのは弾丸の雨と、史伽の歪んだ笑みだった。

体に無数の弾丸を浴びた千雨の体は支えきれなくなり、その場をふらふらと周り続けた。
――まだだ、まだあいつの仇を取ってな……。
とてつもない後悔だった。
視界が己の意思とは関係なしに上下左右にふらふらと切り替わる。
もう立つことも歩く力も失った千雨の体は、地面へと倒れこむ。
最後に視界に写ったのは、桜子の安らかな顔。

――ごめん桜子。私は……お前のために何も……出来なかった……大馬鹿野郎だ……。
体と頭が地面に落下し桜子の顔も見えなくなった瞬間、全身の力が消えて視界は完全に暗転した。
740規制されてた:2007/12/11(火) 03:23:18 ID:???
46 :真・作者18 ◆iENNpAl3Xs:2007/12/10(月) 21:31:50 ID:oBKkLmXA0
【鳴滝史伽 重症、メダル入手 現在9枚】
【長谷川千雨 銃殺】

――残り14人






以上で投下分を終了します。
クライマックスまではもう少々話数がかかります。
741マロン名無しさん:2007/12/11(火) 04:01:22 ID:???
作者18氏と代理投下乙。
桜子に泣いた。
742マロン名無しさん:2007/12/11(火) 04:18:55 ID:???
ちょっと展開はやかったかな。
まぁ、乙
743マロン名無しさん:2007/12/11(火) 09:10:42 ID:???
桜子と千雨に感動した
でも史伽は誰かに殺され史伽所有の9枚+史伽自身の合わせて10枚で史伽を殺した人が生き残るって展開になりそうだな
744マロン名無しさん:2007/12/11(火) 17:31:53 ID:???
お前ら感動しすぎだから
あ、みんな自演か
745マロン名無しさん:2007/12/11(火) 17:45:36 ID:???
いや今回の話は素直に感動した
746マロン名無しさん:2007/12/11(火) 20:28:12 ID:???
18自演しすぎ。
あんな程度で感動なんてせんわ。
747マロン名無しさん:2007/12/11(火) 20:58:04 ID:???
えっ?俺は感動したけど?
748マロン名無しさん:2007/12/11(火) 21:01:43 ID:???
面白いひとも面白くないやつもいる
人それぞれってことでいいじゃないか


まぁベタな話だから俺はプ(笑)ってかんじだったが
749マロン名無しさん:2007/12/11(火) 21:11:56 ID:???
確かにお約束な展開だが
そこまでひどく言う事はないんじゃないか?
750マロン名無しさん:2007/12/11(火) 21:16:40 ID:???
>>744>>746>>748って同じ人だろ
どうして作者18が嫌いなの?
751マロン名無しさん:2007/12/11(火) 21:40:26 ID:???
ただの荒らしだろう。スルーでおk
752マロン名無しさん:2007/12/11(火) 22:01:24 ID:87NuxYwX
今日の登校まだー
早く寝たい…
753真・作者18(携帯):2007/12/11(火) 22:02:51 ID:???
754748:2007/12/11(火) 22:16:49 ID:???
>>750
ちげぇよ。
自演決め付け厨は18氏側でもアンチ側でも消えろ。
755マロン名無しさん:2007/12/11(火) 22:29:46 ID:87NuxYwX
>>754
お前も作者18に自演て決めつけてるじゃんw
とりあえずイタイからROMって空気読めるようになろうぜ
756マロン名無しさん:2007/12/11(火) 22:43:46 ID:???
作者18に聞きたいけど
結局パンを盗んだのは誰だったの?
757マロン名無しさん:2007/12/11(火) 22:44:14 ID:???
荒れてるな
とりあえず18乙
758マロン名無しさん:2007/12/11(火) 23:31:27 ID:???


>755
決めつけてなくないか?
759マロン名無しさん:2007/12/11(火) 23:32:45 ID:???
>756
多分朝倉ってかいてた
けどどうやってかはまだ書いてない

連騰スマン
760マロン名無しさん:2007/12/11(火) 23:46:14 ID:???
死んだフリしてた朝倉がゲーム開始前にコッソリ拝借。
つまり始めからバッグにはパンは入ってなかったのだ。
761マロン名無しさん:2007/12/12(水) 00:30:42 ID:???
64.村上夏美の戦い 5

今の状況、朝倉和美と村上夏美の2人のみ。
ただの女子高生が武装した軍隊にどうすれば立ち向かえるか、真剣に考えた。

まず真っ向勝負は避けるべきだ。武装もしないで正面突破は1秒で却下である。
ここは回り込んでの奇襲を仕掛ける方法だ。
だが率直な考えとして、奇襲をしたとしてどうやって助かるかということだ。
奇襲と特攻は意味が違う。
「どうしよう……」
「私たちが3階までこられたんだから、裏から入ればいいじゃん」
簡単に言う朝倉だが入るタイミングが違えばあっという間に射殺だ。
だが他に方法がない。今は和美の情報網だけが頼りなのだから。

「ねぇ、あれ何?」
夏美が指差した先にあったのは軍服の男たちが守っている謎の大きな扉。
丁度、スタートする出入り口とは反対側に位置しているため、なかなか確認しにくかった。
大きく閉ざされた扉がとても重要な役割なのではないのかと考えさせられる。
「あれはね、この島と本国を繋ぐ道なんだよ」
「道?」
和美が言うにはあのルートから生徒たちは運ばれたそうだ。
他にも地下通路はいくつか存在しているらしいが、半数以上が閉鎖。
僅かに生き残っているのはこの部分とほとんど使われないところが数箇所。
762マロン名無しさん:2007/12/12(水) 00:31:13 ID:???
その数箇所も入れないようにされているため、現時点で使えるのは学園近くの地下通路のみだ。
「車が入れるんだからかなり大きいんだよね」
自分たちが積み込まれたトラックが入ってこられたのだから、それなりの大きさであることは間違いない。
しかし、目の前の自由へと扉へ行きたくても厳重警備の中では行くことが出来ない。
なんとももどかしい気分になってしまう。

「そろそろ準備したほうがいいね、時間は次の警備が来た直後」
そうすれば次の警備までは3階は一時的にガラ空きとなる。
2人は息を潜めて待ち続けた。


【朝倉和美 女子更衣室に潜伏】
【村上夏美 女子更衣室に潜伏】


763マロン名無しさん:2007/12/12(水) 00:32:02 ID:???
65.立ち上がる先生

スタート時に高畑は「ネギはこのことを知らない」と告げている。
果たしてそうなのかと言うと、返答は「NO」である。

麻帆良学園全体はいつもの楽しい笑い声も、生徒の声も一切しない。
学園全体は、物々しい雰囲気で3-Aの生徒たちを殺し合いゲームに巻き込んだ軍隊が取り囲んでいた。
個々の教室に生徒が何人か押し込められ、その先には小型の爆弾が置かれていた。
学園全体と生徒全員が人質となって下手な行動が取れない。取れば生徒全体の命が危ない。
魔法先生らはゲームに参加することを強制されてしまったのだ。
ネギとて例外ではない。
首には魔法を制御する首輪を取り付けられ、犬上小太郎と共に縛られていたのだ。
ゲームが始まっていることをネギは把握しているが、生徒全体を人質に取られて動きが取れない。
少しでも抵抗すると爆弾を爆破させると言われて手も足も出なかった。
自分たちの大切な3-Aか、それとも麻帆良学園全体か。
その迷いが払拭できなかったせいで、軍隊に押さえ込まれてしまいこの有様だった。

しかし、この最悪の状況は別の方向から助けが入った。
突如、麻帆良を包み込むように魔法防壁が張られたかと思うと、軍服の男たちが次々と倒れたのだ。
いきなりのことに何が起こったのかあっけに取られるネギやほかの生徒たち。
その後、短時間で制圧された麻帆良学園に救援を送ったのは……。
764マロン名無しさん:2007/12/12(水) 00:33:47 ID:???
「あなたは……」
縛られた状態で全く動けないネギの前に現れたのは木乃香の父、近衛詠春であった。
遥々京都から関西呪術協会を引き連れての大掛かりなものであった。
「久々とはいえ、戦闘については支障はなかったよ」
縄と首輪をはずされたネギは、いち早く3-Aの生徒と学園町の安否を気にした。
だが詠春は俯き加減で顔を反らした。
「お義父は……亡くなってたよ」
「え――」
ネギは言葉を失う。学園長、近衛近右衛門はすでに亡くなっているのだ。
詠春が直接学園長室へと飛び込んだときには、銃殺されていた後だった。
死後2日前後。3-Aの生徒たちが行方不明となって大騒ぎになっていた頃にはすでに死んでいたようだ。
その後、軍隊は一斉に学園を占拠した。
ネギは膝を突いて何も出来なかった自分を責めた。

「ネギ……気を落としとる場合やない。まだ3-Aの生徒も残っとるやないか」
小太郎が声をかける。まだ3-Aの安否が分かっていない。
「だけど、こんなことに巻き込まれていたら……」
最悪の状況がネギの脳裏を掠める。
今まで自分の居場所のようなものであり大切な生徒あった3-Aが今も生死不明なのだから。
「そのことだが、目ぼしい場所がある」
詠春は地図を出すと、麻帆良を離れた小さな小島を指差す。
かつてここはレジャーランドを建設予定しており、宿泊施設も兼ね備えた場所であった。
その先駆けとして町がごっそりと移動した経歴もあった。
だがその後の経営がうまくいかず、数年前にすべては破棄された。
現在は無人島となり、無人島と本国を結ぶ地下通路だけを残している状態だった。
「何者かがここから救援を送っている、爆弾の解除は私の部下に任せて私はそこへ乗り込む」
詠春が立ち上がって行こうとした瞬間、ネギが一緒に立ち上がる。
765マロン名無しさん:2007/12/12(水) 00:35:16 ID:???
「僕も連れて行ってください……」
小さな沈黙と共に言いようのない雰囲気が漂っていた。
「いいのかい。とても辛い悲劇しか待っていないのだよ。私も木乃香が最悪の事態になっているかもしれないという覚悟で向かうのだから……」
「行きます。僕の大切な生徒なんですから……すべて受け入れます」
ネギがそう決心してはもうちょっとやそっとで動かすことは出来ない。
詠春は軽くため息をつくと、一緒にその島へと向かうことにした。

「急ごう、この状況だと他の先生たちには義父さんが死んでいることは伝わってないはずだ」
「そうですね、急ぎましょう」
「待ってやネギ、俺もいくで!」
詠春、ネギ、小太郎は急いで用意された車に飛び乗って、地下通路のある場所へと向かった。
766マロン名無しさん:2007/12/12(水) 00:36:42 ID:???
66.友情崩壊

しーんと静まり返った森の中。
桜子はただ一言、『ごめん』と言い残して皆から姿を消した。
3人でいることが当たり前だった桜子が抜けてしまった。
深い沈黙と悲しみだけが美砂と円を包み込んでいた。

「……」
親友として、そして人殺しだと宣告した千雨を遠ざけようとして言ったことが逆に桜子を遠ざける結果となった。
美砂にとっても辛いことだが、円はそこから追い討ちをかける。
「美砂……ザジさんと離れて」
いきなり言われて美砂は理解が出来なかった。
それまでずっと一緒に行動していたザジと縁を切れと言うのだ。
ザジは不安そうな顔で美砂を見る。当然だが承服できるはずがない。
「何言ってるの、ザジさんが信じられないの!?」
「そうじゃないよ……でも、私誰を信じていいか分からないの」
パンがないことが原因で亜子と五月との間が険悪になってしまい、挙句にその幕引きをしたのは美空だった。
その美空は怪我人だということを利用して近づいた。
茶々丸も騙されてしまい武器を奪われた。
応急修理が完了したとはいえ、依然としてむき出しの機械部分は異音を放っている。
早く聡美か超に出会って本格的な修理をしてもらわなければならなかった。

「だからって……私が保障するからザジを捨てるなんて言わないで」
必死に食い下がる美砂だが、円は疑心暗鬼になっているらしくザジを本気で信じられない。
「ごめん……美砂の言うこと……聞けない」
767マロン名無しさん:2007/12/12(水) 00:37:35 ID:???
茶々丸やザジには驚くべき光景だった。
それまでの友情が簡単に音を立てて崩れていく様を見ていくのだから。
「分かった……。ザジ、行こう」
必死に食い下がっていた美砂は俯き加減のままザジのいる方向へと向かった。
これはもはや決別に近い。
今度は逆に円が美砂に詰め寄った。
「ちょっと待って、私よりザジさんを選ぶっていうの!?」
「そうだよ。このままザジを信用できないなら、私も円を信用しない」
今までの楽しかった瞬間が徐々に『ただの思い出』になっていく。
記憶にとどめておく大切な親友との思い出は、もう他人と過ごしただけのものになりそうだった。
桜子の一件で言い様のない溝が美砂との間にも出来てしまったのだ。
「何で! 桜子は私たちより人殺しの長谷川を選ぶし、美砂も何でそんな奴を選ぶの!」

その瞬間、乾いた音が静かな森の中に小さく響いた。
円の頬を美砂が叩いたのだ。
「……『そんな奴』って何。ずっとクラスメイトだったんでしょ。あんたザジのことそんな目で見てたの!」
親友だからこそ出てしまった失言だったかもしれない。
だが、笑って済まされることと済まされないことだって存在する。
円がザジを『そんな奴』と呼んだのは、美砂にとって侮辱の何ものでもなかった。
「……そんなこと……」
ないと言い切れないと思ってしまうのは自信の心の迷いだった。
軽々と相手を信用しない考え方が、逆に美砂の逆鱗に触れてしまった。
「もう円を信用できない……悪いけど」
美砂はザジの手を引っ張った。
あの発言の瞬間、少なからずザジの心にも深く突き刺さった。
結局自分は他所の人物で、偶然ではあるが美砂と共に行動した。
768マロン名無しさん:2007/12/12(水) 00:38:30 ID:???
結果的に美砂から親友を奪うことになることになっても……。
「………ごめん、美砂」
「ザジが謝ることなんてない!」
怒りが収まらない美砂は思わずザジにも強い言ってしまった。
美砂はそのままザジを連れて森の奥深くへと消えていく。

円は言葉を失い、追うことも引き止めることも出来ないまま立ち尽くしていた。
茶々丸はもはやただ突っ立っているだけでしかなかった。
千雨も美砂も何も言えずに、ただ決別する瞬間を見届けるだけだった。
(なぜ……人はこうも傷つけあわなければならないのですか……マスター)
やるせない思いは茶々丸の機械の心にも突き刺さっていた。


【柿崎美砂 円と決別】
【絡繰茶々丸 円と行動】
【釘宮円 美砂と決別】
【ザジ・レイニーディ 美砂と行動】
769マロン名無しさん:2007/12/12(水) 02:58:03 ID:???
>>759
朝倉は本部にいるのにどうやって亜子円五月組のパン盗むんだよww
770マロン名無しさん:2007/12/12(水) 05:06:50 ID:???
消えない名前があるか〜ら〜ほ〜り〜ないと!
771マロン名無しさん:2007/12/12(水) 08:06:00 ID:???
>>769
支給される前に取ったんだろ
772マロン名無しさん:2007/12/12(水) 09:26:44 ID:???
打ち間違いとは思うけど…3-Aは中等部だから皆中学生だよ
773真・作者18(携帯):2007/12/12(水) 18:31:01 ID:???
本日投下分です
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8740/1196932535/55-63

>>756
31話、村上夏美の戦い3(>>469-470)を参照です
774マロン名無しさん:2007/12/12(水) 19:21:08 ID:???
じゃぁ朝倉のせいで何人も死んだんだ…
775マロン名無しさん:2007/12/12(水) 19:26:32 ID:???
乙。
美空空気卒業したなw

まぁ誤字とかは大目にみたとして、何か茶々丸キャラがちがう・・・。
776マロン名無しさん:2007/12/13(木) 00:07:24 ID:???
掲示板、アクセスできないんだが・・・。誰か代理投下してちょ。
777マロン名無しさん:2007/12/13(木) 03:08:28 ID:???
俺も繋がらない…
代理投下まだー
778マロン名無しさん:2007/12/13(木) 03:57:33 ID:???
交流所をみる限り、したらば全般に繋がらないみたいだな
779マロン名無しさん:2007/12/13(木) 17:46:53 ID:???
第3のジョーカーが拾った7枚って
美空、円、エヴァ、木乃香、明日菜、五月、亜子だっけ?
てか茶々丸…えぐい……
780真・作者18(携帯):2007/12/13(木) 18:20:16 ID:???
781マロン名無しさん:2007/12/13(木) 21:27:27 ID:???
67.再戦

友情がこうも簡単に脆いものだとは思わなかった。
どうしてこうなってしまうのか分けも理解できずに途方にくれる円。
円からしてみれば失いたくない親友のために言ったことが逆に失言だった。
桜子も美砂も自分の元を離れて行ってしまった。
こうしていく内にまた森のどこかで銃声が聞こえてきた。
「……」

またどこかで殺し合いが起こっているのかと思うが、円にはどうでもいいことだった。
「茶々丸さん、私は嫌な女なのかな……」
「え……」
傷ついた茶々丸に円はそう告げた。
よく考えれば円にも守りたい人はいた。
機械でありながら純粋な心を持った茶々丸は、もうプログラムでは理解できないほどの感情を持っている。
茶々丸に対して『そんな奴』と呼ばれた場合、円はどう思うだろか。
「私は……仕方のないことだと思います。釘宮さんに起こったことは私にしか分かりませんから……」
「……いいよ、気を使わなくても。それでも私は2人を止められるはずの立場だったんだから」
円とてそんな暴言は許されない。
だが『そんな奴』と言っても、茶々丸は所詮機械でしかない。
感傷的になっても、『機械相手に何を言っているんだ』と馬鹿にされかねなかった。
オーバーテクノロジーで作られた茶々丸の立場が、円の気持ちに足枷となってしまったのだ。
「ですが……」
「いいよもう! 亜子も四葉さんも、桜子も、美砂もみんないなくなっちゃった……もっとうまくする方法くらい考えられたはずなのに――」
どうしていいのか分からず怒鳴り散らす円。
自分で自分が嫌になってきた。
782マロン名無しさん:2007/12/13(木) 21:28:20 ID:???
頭を抱え込んでしまう円の後ろで誰かが歩んでくる音が聞こえた。
ひょっとしたら美砂か桜子が帰ってきた? 微かな希望を持って振り向くが……。

「…………」
「怖い顔してるね、当然だろうけど」
暗闇の中から現れたのは銃をこちらに向けた美空だった。
こちらには武器は万年筆と双眼鏡とハリセン。ほとんどないようなものだ。
一気に周りの空気が変わり、殺気があたりを包み込む。
当然だ、円の心境を極端に変える結果を作った張本人が側にいるのだから。
「体勢を立て直すのに少し時間がかかったけど、ようやく見つけたよ」
「あんた……」
殺気ついた目で美空を睨み付けた。
美空はベレッタを構えたままずっとこちらに照準を合わせている。
下手に動けば命はない。
茶々丸の修理は完全ではない。突発的な動きはまず不向きだ。
せいぜい人を超えた力で振り回すくらいが精一杯。
その前に茶々丸が撃たれて壊れたら何の意味もない。

「さぁ、大人しく殺されてメダルをよこすことだね」
「くっ……」
美空は武器と間合い、そしてアーティファクトの力を持って絶対有利な体制にいる。
円と茶々丸には飛び道具はない。
(……!)
否、一つだけあった。それにいち早く気づいたのは他ならぬ茶々丸本人。
円に照準が向かい、動きがのろいこちらを後回しにしたのがチャンスだ。
「覚悟するッス!」
円が悔しさを滲ませて目を硬く閉じる。同時に引き金に力が入る美空。
「釘宮さん!!」
783マロン名無しさん:2007/12/13(木) 21:29:12 ID:???
【春日美空 ベレッタを掴まれる】
【絡繰茶々丸 ロケットアーム射出】
【釘宮円 美空にタックル】

68.円、その想い……

激しい体当たりを食らった美空は円と一緒にもんどりうって地面に倒れた。
その瞬間、美空が持っていた6枚のメダルがすべて飛び、同じく地面へと落下する。
ベレッタが手元にない、茶々丸が放ったロケットアームの手のひらに収まっていた。
円がうつ伏せのまま立ち上がろうとするが、隠し持っていたサバイバルナイフを円の背中に突き刺す。

「あああああああっ!!」
深々と刺さったナイフを引き抜くが、急所からは外れていたため死ぬことはなかった。
だがこれで一気に優位に立つ。
「春日さん!」
円の瞬間を見た茶々丸は銃の引き金を引こうとした。
だが美空はデイパックからグレネードランチャーを取り出して茶々丸に向ける。
「アデアット!」
逃げ足専用のアーティファクトを使ってするどいステップで弾丸を交わす美空。
その間にグレネード弾を茶々丸の近くにお見舞いした。
地面に当たった弾は大爆発を上げて茶々丸ごと後方へと吹き飛ばす。
倒れた隙にアーティファクトで近づいてベレッタを奪い返して茶々丸に向けた。
「―――」
「終わりッス」
機械といえど大切な頭脳を壊されては茶々丸といえどひとたまりもない。
何も役に立てずに倒されると思った茶々丸だった。
すると後ろから美空を覆いかぶさるようにして突進する影。
「逃げて茶々丸さん! 早く!」
もう立ち上がるはずの力は残されていないはずだった。
しかし最後の仲間、茶々丸を守るために円が最後の力を振り絞って美空を後ろから押さえ込んだ。
「しかし」
「早くぅーーーーーー!!」
784マロン名無しさん:2007/12/13(木) 21:29:55 ID:???
そう叫んだのを最後に円の声が途切れた。
美空がベレッタを後ろに向けて円の叫び声を上げた喉元向けて弾丸を放ったのだ。
円の顔が弾丸を通ったために歪み、脳天を破壊していく瞬間を茶々丸は正面で見てしまった。
一生消えることのない、人間で言うトラウマとも言っていい映像が茶々丸の頭脳に記憶される。

「あ、……あぁ……」
絶望が茶々丸を包み込み、自分が狙われていることも忘れて円を見る。
徐々に茶々丸の中に、助けることとは正反対の感情が生まれてきた。
「覚悟は出来た?」
美空がグレネードランチャーを取り出した。
ベレッタで頭脳を破壊してもよかったが、念には念を持って粉々に破壊するつもりだ。
「釘宮さん……」
すると首輪のメダルが外れて『11』のメダルが落下する。
茶々丸は血塗れたそのメダルを取ろうとした。
「おっと、それは渡してもらうよ。後で全部回収しないと」
弾を込める美空は当然それを目当てで動いている。
「………」
だが茶々丸が拾ったメダルは1枚ではなかった。
その下に美空が落としたメダルの1枚がさらに落ちていたのだ。
その数字は―――『26』。


【春日美空 メダルをばら撒いてしまう】
【絡繰茶々丸 心境変化】
【釘宮円 銃殺】

――残り13人
785マロン名無しさん:2007/12/13(木) 21:30:26 ID:???
69.暴走……そして復讐

茶々丸の中で何かが壊れてしまうような感覚があった。
自分はただの機械。何の役にも立てないつまらない存在だった。
何が『多くの人間を守る』だろうか……。誰1人守れていない。
それどころかこんなくだらないゲームに自分から加勢する愚か者まで出ている。
――くだらない。くだらない。くだらない。
茶々丸からすればマスターであるエヴァンジェリンを殺した相手がそこにいるのだ。
実際は木乃香が殺し、そのメダルを奪っただけに過ぎない。
だがメダルの数字と美空の行動から、美空がエヴァンジェリンを殺したと確証する。
茶々丸の頭脳が体のリミッターをすべて解除する。それは力の加減も何もしないアンリミテッドの領域。

美空がグレネードランチャーを構えるが、茶々丸はそれより先に動きそれを奪い取った。
「なっ!?」
驚愕の表情を浮かべる美空。鋭い無機質となった瞳に慈悲の心はない。
次の瞬間、右腕を掴み上げ雑巾絞りをするようにねじり上げた。
手首が360度回転し、美空は声にならない悲鳴を上げた。
「が!?……あ?!……ぁ……!?」
途切れ途切れの絶叫にならない声が茶々丸の耳に届く。
粉々に手首を粉砕した。もう武器は握れない、だが逃げ足がある。
「あ……アデアッ……」
だがそれよりも早く、茶々丸が動き今度は全力の蹴りを美空の膝にお見舞いした。
美空のアーティファクトを生かすための足。
垂直に食らった美空の左膝は、普段曲がるはずのない方向へ呆気なく曲がった。
皮膚が裂け、そこから砕けた膝の関節が飛び出してきた。
「ぎゃあああああああああああっ!!」
体の自由を奪われた美空は倒れこみ、今度は痛みで絶叫した。
茶々丸はそれでも表情を崩さずゆっくりと美空へ歩み寄る。
その無機質な表情は、学園で見せる表情とは比べ物にならないほど威圧的で殺意を感じる。
容赦のない攻撃に恐怖を覚える美空。
「ひ…ぃ……来ないで……く、来るなぁ!」
腕と膝を壊された美空だが茶々丸は容赦はしなかった。
786マロン名無しさん:2007/12/13(木) 21:32:20 ID:???
「ふぐっ!? ぐ、ごぉぁ…・・・」
首を掴み上げて万力のように力を込めだす。
息が出来なくなり美空は力の入らない左手で何度も殴るが、反対側の手で掴まれる。
そしていとも呆気なくその拳を砕いた。
「――――――………!!」
もう声も出ない美空は泡を吹いてしまう。
体は所々痙攣を起こし、もう抵抗も何も出来ないはずだった。
だが茶々丸はそのまま力をさらに込める。
首が徐々に異音を発し、最後には首の骨そのものが砕けてしまう。
強く握った美空の首は、人の首とは思えないほどにえぐるようにして潰された。
そしてとどめとばかりに茶々丸は美空の頭を岩にぶつける。
何度も――。何度も――。何度も――。何度も――。
最後に腕の力のみで投げ飛ばし、美空の体は大木に激突した。
不自然に折れ曲がった腕と足を振り回しながら地面に落下したときには、首輪のメダルはすでに外れていた。
それまで刺殺や銃弾で死んだ人と比べれば、身の毛もよだつほどの残酷な現場となる。
手足と首は砕かれ、頭は裂けて血の泡を吹いて死んでいる美空。
無言で茶々丸はデイパックを拾うと、円に一言別れを告げる。
「釘宮さん。安らかにお眠りください」
そして美空が落とした武器ともはや形見となった円と五月の武器を拾うと、ぼんやりと虚空を眺めた。
茶々丸のセンサーが何かの救援を求める電波を察知したのだ。
「この方角からですと……町のTV局のようですね」
ベレッタとグレネードランチャーを片手で持つと、そのまま町へと消えていった。
地面に散らばったメダルには1枚も触れずに……。

「――なんてこと……」
その一部始終をスナイパーライフルのスコープから覗いていた最後のジョーカーはただ絶句するだけだった。
何とかしようと美空を探していたところ、おぞましいまでの残虐行為を働く茶々丸。
茶々丸が立ち去ったその場は、血と死体という地獄の光景に等しかった。
「……」
軽く息を呑み、美空の変わり果てた姿に耐える。
だがその見返りとして、最後のジョーカーは茶々丸が手をつけなかったメダルを手に入れた。
787マロン名無しさん:2007/12/13(木) 21:33:07 ID:???
【春日美空 両手複雑骨折、左膝複雑骨折、脳挫滅】
【絡繰茶々丸 ベレッタM92F、サバイバルナイフ、M79グレネードランチャー、双眼鏡、万年筆入手】
【??? メダル7枚入手 現在8枚】

――残り12人

70.最後の戦いへ

「とりあえず救援信号は送りました……。ただ成功しているかどうかは保障できません」
TV局に隠れている聡美たちはあやかと千鶴を組み、救援を送っていた。
「大丈夫ヨ。きっとこの信号を受け取ってくれる人がいるネ」
聡美がようやく出来た通信で救援信号を発した。
だが送信専用で、いくら救援を送ったとしても受け取る相手がいなければ意味がない。
いったい誰が受け取るかの保証もない、これが精一杯だった。

「少し休んでいってください、ここは私が引き受けましたわ」
あやかが出てくると、聡美は疲れた様子で椅子に腰掛けた。
出会ってからずっと機械いじりを続けてたせいか手が痛くて仕方がない。
疲労感も漂い、ぐったりとした様子だ。
超も疲労感はある。銃弾を受けた右腕の様子は思わしくない。
徐々に指先に力が入らなくなり、最後は左手一本で操作していた。
「千鶴さんが食事を作っています。そちらへ向かってください」
「すまないネ、いいんちょサン」
聡美をつれて超はあやかにその場を預けて千鶴のいるところへ向かう。
現在入れる箇所は通信室とメインスタジオ、そして休憩所とトイレ。
他は入り口に近いこともあってバリケードを作って入れないようにしていた。

「おー、待ってたアルよ」
休憩所に入ると千鶴が作ってくれた食事をしている古と出会う。
すでに千鶴の作ってあった食事を先に食べていた。
「口に合うかどうか分かりませんが」
超と古が最初の潜伏先で持ってきた食料と合わせて作った簡単な食事。
788マロン名無しさん:2007/12/13(木) 21:34:25 ID:???
パンと比べると遥かに質は上がっていた。
それに家庭的な千鶴の料理の腕、まずいはずがない。
「……あっ」
超がスプーンを落とす。左手一本での食事は不慣れだった。
千鶴はそれを拾うと、自分の分を差し出し、落としたほうは流し台で洗った。
「すまないネ……」
「あらあら。気にしないで、私はとっくにすませているから」
残り少なくなって千鶴も数少ない理解者と出会い、喜んでいる。
また確証があるわけではないが、この人たちとなら皆で脱出できる。
そして、まだ見ぬ夏美に出会うためにもここで笑顔を絶やすわけにはいかなかった。

「古。ちょっときてほしいネ」
腕を押さえてトイレの方向へと向かう超。
すぐに何が起きたかを察して、それまで大量に食べていた食事を放り出してトイレへ走っていった。
「どうしたのかしら」
「超さん……」
千鶴やあやかには撃たれただけで命に別状はないと伝えてある。
だが、それはあくまで今の状態だ。
超の傷は動脈を傷つけ、未だに出血が収まっていない。

「くっ!」
右腕をきつく縛っていた布を剥ぎ取って便器の中へと放り捨てた。
布が水の中へと浸る瞬間、重いものが沈むようにして水しぶきを上げた。
出血による血液が布全体を覆っており、吸うところがなくなって腕が重くなっていた。
「これくらいでいいアルか」
すぐさま別の布を取り出して超の腕に巻きつけた。
結び目を作ってこれでもかというほどきつく縛り上げる。
すると右腕から出ていた出血が瞬く間になくなり、痛みに耐えていた超は深く深呼吸をした。
789マロン名無しさん:2007/12/13(木) 21:35:32 ID:???
「……行くヨ。皆に心配はかけられないネ」
「超。無茶だけはやめるアルよ、このままだと超の腕が……」
その冷たい右手をそっと掴んで古は言った。
すでに血の巡りがほとんどなくなり、徐々に色が変色し始めた右腕。
この状態がさらに続くと、細胞が壊死して右腕を切断しかねないことにもなる。
「大丈夫……私は未来人ヨ。このくらい脱出しても間に合うネ」
「………超」
痛みで軽く脂汗をかく超は無理をしてでも古を励まし、心配させまいとした。
「じゃあ先に行くアル」
古は先にトイレから出て行く。
その様子を見届けながら、血で汚れた箇所を軽く洗った。
「さて……あとどのくらいもつカ……」
腕をタオルで拭き終わると、制服を羽織り千鶴たちの所へ戻った。


【古菲 止血作業を手伝う】
【超鈴音 止血作業を終える】
【那波千鶴 食事を製作】
【葉加瀬聡美 食事中】
【雪広あやか 見張りを交代】
790マロン名無しさん:2007/12/13(木) 21:36:03 ID:???
支援
791マロン名無しさん:2007/12/13(木) 21:36:23 ID:???
71.手遅れの救済

狂った風香(史伽)を何とかして助けようと、突き進む夕映とアキラ。
派手な銃声がしたことで、誰かが戦っていると思わざるを得なかった。
「大丈夫、まだこっちには何も起きてない」
「風香さんはどこです」
立ち上がってあたりを見渡すが、見えるのは暗闇と木々のみ。
史伽はどこかへと消えてしまい。足跡すら分からない状況だ。
こんなところでうろうろして、誰かに狙われたら元も子もない。

「こっちから火薬の匂いがする……」
アキラでなくてもはっきりと分かる火薬の匂い。
この近くで激しい撃ち合いがあったのだと思われる。
「夕映、気をつけて」
「分かってるです」
どこかに隠れているのかもしれない、そう考えると下手な動きは禁物。
夕映とアキラは姿勢を低くして茂みの中を突き進んだ。
ある程度進むと火薬の匂いとは別の何か嫌な異臭がする。
「……この匂い」
鼻を押さえてゆっくりと進むアキラ。
これは火薬でもなければ薬品の匂いでもない。
言うなれば人が死んだときの血生臭い匂いだ。
「――!!」
夕映もアキラもその場で絶句した。
茂みを抜けた場所に現れたのは、桜子と千雨の死体。
2人とも体に無数の弾丸を浴びてすでに死んでいた。
口元を押さえて喉奥からこみ上げてくるものを必死に押さえ込む夕映。
人の死体を見るのは初めてだった。
「あはは、みーつけた」
792マロン名無しさん:2007/12/13(木) 21:37:10 ID:???
そのさらに奥に見える大木にもたれかかるようにして立っている史伽。
笑い声を上げながらマシンガンを2人に向けた。
「どっちかでいいんだ、あと1人でボクは助かるんだぁー!」
風香の死の影響と首輪の入れ違い、そのせいで完全に自分は風香だと思っている史伽。
狂った笑いを浮かべて夕映とアキラに照準を向けてマシンガンの引き金を引く。

だが何発が発射されるがすぐに弾切れを起こしてしまう。
その数発の弾丸の反動にすら耐え切れず、史伽は腰から折れて尻餅をついてしまった。
当然だが姿勢を低くした夕映とアキラには一発の弾丸も当たっていない。
「ぐふっ……弾……弾……」
史伽が軽く血を吐いてデイパックを漁ろうとした。
そこにはマシンガンの予備の弾丸。
アキラはその鍛えられた身体能力で飛び込み、史伽の武器が満載したデイパックを奪い取った。
その瞬間、デイパックの小さなポケットから何か銀の小さなものが飛び出す。
「あぁ……メダルが……」
そこから飛び出したのは人を殺した際に手に入れるメダル。
9枚すべてが近くに散らばってしまい、夕映が足元のメダルを見た。
「………!」
その時、夕映が言葉を失った。
夕映の足元に散らばったメダルは『27』だった。


【綾瀬夕映 メダル入手 現在1枚】
【大河内アキラ 日本刀、包丁、イングラムM11 入手】
【鳴滝史伽 メダル紛失】
793マロン名無しさん:2007/12/13(木) 21:38:51 ID:???
72.連鎖

「どういうことですか……風香さん」
拾い上げたメダルは夕映の親友だったハルナとのどか。
さらにアキラの親友である裕奈のメダルもある。
図書館探検部と運動部4人組が自分たちを残して全滅してしまった今、皆の分まで生きることだけを考えた。
だが幸か不幸か、その相手を殺した相手に出会ったのだ。

「どうしたの?」
乾いたままの笑いで夕映を見つめると、夕映はメダルを見せた。
「あぁ……本屋はボクが殺したよ。史伽が早とちりしたせいで殺しちゃったんだ……」
史伽はまるで他人事のように話し出した。
自分が恐怖のあまり、助けを求めたのどかに抵抗した。
それを見た風香はのどかが襲われたと勘違いして包丁で刺し殺したのだ。
「のどか……」
のどかの死の真相を知った夕映はやるせない思いをメダルを握り締めることで示した。
悔しさで涙が毀れそうだった。
「次に殺したのは……ゆーなだったなぁー」
「――!」
今度はアキラが驚く番だ。
「ゆーなはね、史伽に変装したボクを殺そうとしたんだよ」
「う、嘘だ!」
ゆっくりと話す史伽の言葉をアキラは信じることが出来なかった。
寡黙なアキラにとって裕奈はまき絵と並んで積極的に喋る友達だった。
常に明るく、時にトラブルメーカーにも成りかねない積極さはアキラにはない特徴だった。
そんな裕奈が人殺しゲームに参加するなんて信じられなかった。
楽しい思い出が音を立てて崩れてしまった。
散らばったメダルの中に、『2』のメダルが殺されたことを証明していた。
794マロン名無しさん:2007/12/13(木) 21:39:34 ID:???
ショックのあまり膝をついてしまう。
「!」
するとアキラは足元にあったメダルを拾い上げた。
「何ですか、そのメダルの数字は何ですか!」
のどかを殺された悔しさと怒りを抑えながら夕映はアキラに問いただす。
アキラの手元には2枚のメダルが握られていてそれを見せようとはしない。
「何でも……ない……」
「数字は何ですか!!」
怒号を上げた夕映。
もうこの時点で怒りすら抑え切れていなかった。
それでもアキラはメダルの数字を言おうとしない。
だが史伽から見ればアキラの持っている数字が確認できた。
「あぁ……だから言わないんだ。教えてあげるよその数字は……」
「言うな!!」

アキラが手にしたメダルの数字は、メダルは史伽自身が殺した『13』のメダル。
そして木乃香が殺して間接的に手に入れた『14』のメダルだった。


【綾瀬夕映 慟哭 現在1枚】
【大河内アキラ メダル入手 現在2枚】
【鳴滝史伽 丸腰】
795マロン名無しさん:2007/12/13(木) 21:40:05 ID:???
72 :真・作者18 ◆iENNpAl3Xs:2007/12/13(木) 18:16:47 ID:XIKzDMCA0
以上で終了です。
前日の投下で修正前のバックアップの方を投下したので一部訂正が入ります。

>「なっ!?」の次の行に↓挿入。
「あなたを破壊します」

>地面に散らばったメダルには1枚も触れずに……。
「マスター、私は戦います」
そう告げて、エヴァのメダルを手に取り、それ以外のメダルは全く手をつけずに……。

>【絡繰茶々丸 ベレッタM92F、サバイバルナイフ、M79グレネードランチャー、双眼鏡、万年筆入手】
【絡繰茶々丸 ベレッタM92F、サバイバルナイフ、M79グレネードランチャー、双眼鏡、万年筆 メダル入手 現在1枚】
です失礼しました。
796マロン名無しさん:2007/12/14(金) 02:55:07 ID:???
嘘だッ!
797マロン名無しさん:2007/12/14(金) 20:30:09 ID:???
あら?まとめサイト1こ消えた?
798真・作者18(携帯):2007/12/14(金) 21:29:13 ID:???
799マロン名無しさん:2007/12/14(金) 21:51:05 ID:???
73.2日目終了

『定時放送の時間だ。すでに2日目が終わった、残りは1日だがんばってくれたまえ』
気がつけば2日目に入っていた。
この2日間、どんな気持ちで過ごしてきたことか……。
何もなく普通に過ごして、授業が終われば部活、そして寮へ帰って1日を終える。
そんな単純な日常があっという間に壊されてしまった。
今の自分たちは武器を取って、非日常の生活を送っている。
あと少し、あと少しでこの狂ったゲームも終了する。
TV局に潜入している面子はそう感じ取っていた。

『それでは死亡した人の発表だ。9番、春日美空君。11番、釘宮円君。17番、椎名桜子君。22番、鳴滝風香君。25番、長谷川千雨君。以上だ』
徐々に×をつけた箇所が増えていく、もう残りは僅か11人だ。
もしももっと早くこの行動が出来ていたら、合流して山の道を進まなければ遠回りにならずにすんだはず。
「……超さん」
「気にするな、私たちは精一杯のことをしたヨ」
超も左手で印をつけていく。
タイムリミットは24時間。その間に助けが来なければその時点でアウト。
この集団で殺しあうことはありえないため、時間切れと同時にみな全滅だ。
『なお、1名メダルを10枚集めたことでゲームクリアした人間がいる。他の皆は頑張るのだな』
放送を聴いて一同は驚きの顔をした。
予想していないといえば嘘になるかもしれない、1人くらいはいると予想していた。
誰かがこのゲームに乗って殺しを働き、生き残ったようだ。
「ふざけてますわ! 人の命の何だと……!」
あやかが机を叩いて怒りを露にした。
ゲームの性質上、10人は確実に殺さないと脱出できない。
それまでクラスメイト、しかもクラス全体が顔見知りに近い状態で殺しをしたのだ。
800マロン名無しさん:2007/12/14(金) 21:56:25 ID:???
名簿を見るあやか。
この中でまだ呼ばれていない面子は限られている。
綾瀬夕映。大河内アキラ。柿崎美砂。絡繰茶々丸。村上夏美。ザジ・レイニーディ。
殺すかもしれないと思える人間は限られてくる。
だがどう見ても10人を殺しそうな人柄とも思えない。
何よりクラスの委員長で付き合いが長いあやかには誰が生き残ったのか予想できなかった。
だが10枚を集めた人間がいるのは事実。


「さて、誰が生き残ったと思うヨ?」
超が名簿を覗きながら予想を立てた。
この中で積極的に殺しそうな人間は人柄的に限られる。
たとえば争い事が嫌いなアキラは除外候補1号だ。夕映も積極的に動いて殺すようなタイプではない。
「夏美を入れないで、あの子が人殺しなんてするはずないわ!」
千鶴が夏美を必死になって候補からの除外を進めた。
あの夏美が人殺しをするはずがない、それくらいなら自殺していまいそうだ。
あやかもそれに賛成した。同じルームメイトであるため夏美をよく知っている。
残りは美砂、茶々丸、ザジ。
「茶々丸……今、何をしているカ?」
「茶々丸……」
超、聡美が茶々丸のことを想う。
エヴァが死んで、マスターとなる人物を失っている状態だ。
どんな行動に出るか予想出来なかった。
だがそれは思いがけない所から現れた。
801マロン名無しさん:2007/12/14(金) 22:27:10 ID:???
「……ちゃ、茶々丸さん!!」
あやかが指差した先に見えたのは、窓の近くをうろうろとしている茶々丸。
どうやらTV局に入ろうとして出入り口が塞がれて困っているようだ。
「茶々丸!」
聡美が茶々丸を呼びつけると、すぐに反応してこちらに来た。
「ハカセ、ご無事で」
「茶々丸、大丈夫なの!? ボロボロじゃん!」
美空との戦いの影響であちこちがボロボロになっている茶々丸。
腕や足の一部が欠けてそこから機械部分がむき出しになっている。
そこから聞こえる駆動音も、聡美からすれば辛そうな悲鳴に聞こえてきた。
「とりあえず中に入って、すぐにメンテナンスをするから。超さん来てください!」
超を呼び出し、千鶴やあやかも駆けつける。

ただ1人、古菲だけは名簿を睨んでいた。
古はこの名簿に記されていた印に重大なミスがあることに気がついた。


【絡繰茶々丸 故障気味 現在1枚】
【古菲 名簿を睨む】
【超鈴音 茶々丸を連れ込む】
【那波千鶴 茶々丸を迎える】
【葉加瀬聡美 茶々丸をメンテナンス】
【雪広あやか 茶々丸を入れ込む】
802マロン名無しさん:2007/12/14(金) 22:37:08 ID:???
74.最初の生還者

「あはは……私って馬鹿なのかなぁ……」
放送の結果が残酷にも伝えられた。
円に会うまで楽しく喋っていた桜子と千雨。そして喧嘩別れした円までが死亡の通告をされたのだ。
千雨が人殺しだと分かって円が強引に分かれるように告げた。
桜子は孤立することを覚悟で千雨の元へと向かった。
そして円はザジと別れるように告げたことでこちらから決別した。
桜子も円の所にも行けず、ザジと孤立してしまった先に待っていたのは、他をすべて失った悲しさだった。
たった2人。あの短時間でそれだけの人数が消えた。
もしかしたら助けられたかもしれない命。桜子も千雨も、円さえも見捨ててしまった最低な人間に思えた。
そんな美砂をザジはただ慰めるだけでしかない。
美砂は慰めるザジの制服を強く掴んで涙に暮れた。
右も左も分からない森の中で後悔にくれる美砂をザジはただ慰めるしかなかった。

そこへそんな気持ちを断ち切るような轟音が響く。
「―――っ! 何っ!?」
2人が見上げると、派手な音を立ててヘリコプターが近くの広場へ着陸していた。
一体何が起こったか分からず、逃げるべきか行ってみるかで迷う美砂とザジ。
ゲームは終了していない、まだ2日目だ。
その状況で考えられる可能性は1つ。
「行ってみる?」
「……」
ザジが頷くのを確認して美砂は涙を拭いてヘリの降りた場所へと向かった。
そこは物々しい雰囲気で軍服の男たちが何人も降りていた。
そしてその中に見えたのは夕映の姿。
803マロン名無しさん:2007/12/14(金) 22:37:43 ID:???
「ゆ、夕映!?」
美砂が声を出すと、兵士たちはその声に反応してライフルを構えた。
2人は驚いて両手を上に上げて無抵抗をアピールした。
隊長格の男がすぐに合図をして止めさせると、夕映をヘリへと乗り込ませた。
「これはこいつが持っていたものだ、持って行きたければ持っていけ。受け取ってすぐ変な気は起こすなよ」
男の一人がデイパックを投げ渡した。
その中にはパンと水、そしていくつかの武器が入っている。
もはや夕映が10枚のメダルを集めてゲームをクリアしたとしか考えられなかった。
「そんな……夕映」
鏡越しに見える夕映の顔。俯き加減の顔と虚ろな喪失感のある瞳、やや半開きな口元。
もう学園で見る夕映の様子とはかけ離れた姿。
まるですべてを失って廃人になっているような顔だ。

その顔をゆっくり見る間もなく、ヘリは飛び立ちどこかへと行ってしまった。
呆然とした表情でその様子を見る美砂とザジ。
その中から聞こえる3人目の足音、視線を感じて振り向く2人。
そこには木にもたれかかったアキラの姿があった。
遠くへ行くヘリの音を聞きながら見上げるアキラの瞳もまた、すべてを失ったような喪失感のある目であった。
「ねぇ、何があったの……」
「………」
アキラはゆっくりとその状況を話し出した。


【大河内アキラ 喪失感の瞳】
【柿崎美砂 ロープ、H&K Mk23(ソーコムピストル)入手】
【ザジ・レイニーディ イングラムM11、包丁入手】
804マロン名無しさん:2007/12/14(金) 22:39:21 ID:???
78 :真・作者18 ◆iENNpAl3Xs:2007/12/14(金) 21:22:51 ID:3pLocp8g0
75.BAD END

「えーと、木乃香は完全に狂ってたよ。史伽を殺したんだ、だからボクは……」
夕映はもう何も思考が出来なかった。
図書館探検部の3人はすべて目の前の風香の姿をした史伽に殺されたのだ。
それまでの理論派の思考も何も役に立たない、理解できずに悔し涙を流した。

それまで言おうとしなかったアキラも、夕映の辛そうな顔を見て自分のように悔しがる。
「ハルナは、木乃香――」
「もういい! 言わないでよ」
アキラが声を荒々しくして史伽の声を遮った。
もう聞きたくない、せっかく友となった親友殺しの自慢なんか聞きたくない。
夕映もアキラも耐え切れるわけがなかった。
下を向いたまま、夕映はアキラが握っていたメダルを見つめると、その場に落とした。
ゲームの悲しい被害者であり、助かるかどうか分からないが何とか助けようと誓った夕映とアキラ。
だがその先に待っていたのは親友をすべて殺した相手を見つけたに過ぎなかった。
「………」
言葉を失って夕映は何も出来なかった。
史伽は血だらけの腹を押さえながら、2人を見て笑い続けた。
もう戦うだけの体力は残されていない、ここで死ぬしかなかった。
アキラはそんな史伽に対して無言で立ち上がると、デイパックを肩にかけて立ち去ろうとした。
「……どうしたの? ボクを殺さないの?」
「………」
静まり返った森に小さく小さく突き刺さる沈黙。
アキラは振り向くことなく、じっとその場で立ったまま小さく告げた。
「殺さない。その傷だと助からないから、私は何もしない」
805マロン名無しさん:2007/12/14(金) 22:39:58 ID:???
79 :真・作者18 ◆iENNpAl3Xs:2007/12/14(金) 21:23:52 ID:3pLocp8g0
アキラは最後まで史伽を助けようとした。
だがもう手遅れなら親友の仇として、何もせずにその場で野垂れ死にさせようとしたのだ。

「なぁーんだ…ゴホッ……。痛いし……辛いし……」
「そんなに死にたいなら、望みどおりにしてやるです!!」
夕映が立ち上がり、ソーコムピストルを取り出して史伽に向けた。
もう夕映にはゲームによって狂わされてしまった史伽を助ける理由はない。
ただ親友の仇のために夕映は銃を初めて向けた。
「夕映!」
後ろ向きのままアキラは夕映に声をかけた。
銃身が震えたまま夕映は硬直する。
「行こう。もう風香は助からない、手を汚す必要もない!」
荒々しくさせたアキラの声は、普段のアキラとは別人だった。
これ以上史伽の発言で神経を逆撫でられると、アキラとて何をしでかすか分からない。
まだ理性が自分を抑えている間にここを立ち去りたかった。
「……うぅ…」
史伽に銃を向けたままの夕映は、ゆっくりと腕を下へと下ろす。
顔を反らして辛いことから逃れるように……。
「何だ……夕映も殺さないんだ……誰も助けてくれないんだね」
「黙れ!」
アキラがまた叫んだ。
それと同時に思い浮かぶハルナ、のどかとの楽しい日々。

「ぅぐぅぅぅ……っ……」
涙ぐみ、下がっていた腕を上げてまた史伽に向ける。
天国でのどかがこの光景を見てたらどんな心境だろうか。
きっと魂だけになってでも銃身を押さえて敵討ちなんてやめるように叫ぶだろう。
ハルナだってそうだ、今の夕映にはハルナとのどかが必死に止めるようにしている幻聴まで聞こえ出す。
806マロン名無しさん:2007/12/14(金) 22:40:38 ID:???
80 :真・作者18 ◆iENNpAl3Xs:2007/12/14(金) 21:24:31 ID:3pLocp8g0
またも銃が下へと向き、夕映が史伽から視線を反らした。
理性と、復讐と、怒りの葛藤。
「あぁぁぁぁぁぁっ!!」
森の中で大声を上げる夕映。
すべての気持ちを払拭するように叫んだ。
これ以上声が出ないほど叫ぶと、銃を下げて首も垂れ下がる。

「行こう夕映」
「………」
アキラは後ろを向いたまま何もしない、ただ待ち続けていた。
夕映が何もせずに自分の元へとくることを信じているからこそ何もしないのだ。
ここで復讐のために引き金を引けば、夕映もその程度の人間ということだ。
「生き残りたかったなぁ……ゲホゲホッ…」
史伽の口からまた血が漏れる。もう10分と持つことはない。
夕映は銃を下げたままアキラの背中を見た。
アキラは夕映を信じてじっと後ろ向きのまま待っている。
一緒に生き残ろうと、史伽を救うために誓い合った大切な仲間。

無言で夕映は史伽を見ると、1歩だけ近づく。
「………お姉ちゃ――」
目の色が徐々に史伽へと変わっていく。
だが夕映にはその瞬間を見届けられなかった。
夕映の頭の中で図書館探検部の面子が浮かぶが、夕映を除いて粉々に砕け散った。
そして2歩目を踏み込む前に、夕映のソーコムピストルが火を噴いた。

銃声と共にアキラの背中がほんの一瞬、震えるように見えた。
それと同時に赤い血があたりを汚して史伽の体が地面へと倒れた。
807マロン名無しさん:2007/12/14(金) 22:46:14 ID:???
やはり俺が予想した通り史伽は奪われ別の人がクリアか。
多少矛盾点があったが今回は感動した。作者18GJ
808マロン名無しさん:2007/12/14(金) 22:54:46 ID:???
作者18乙!!!
古は何に気が付いたんだろ?
809マロン名無しさん:2007/12/14(金) 23:17:20 ID:???
夕映が史伽の所へ完全に近づくころには2発の弾丸を放ち、近づいてさらに4発。
弾がなくなるまで史伽の体に弾丸を食らわせ続けた。
「………」
互いに背を向けたまま呆然と立ち尽くすアキラと夕映。
夕映は虚ろな瞳のまま史伽の死体を見つめ、アキラは硬くその目を閉じたままだ。
その直後、アキラは咄嗟に手に入れた日本刀を手にしたまま夕映を置いて歩き出す。
「メダル……いらないんですか?」
夕映が一言だけ告げるが、アキラは何も返答しなかった。
そして一度も立ち尽くす夕映に一度も振り向かず立ち去った。

その後、ヘリの音でもう一度だけ夕映の所へ向かったのはそれからである。


【綾瀬夕映 メダル10枚入手 ゲームクリア】
【大河内アキラ 夕映から離れる】
【鳴滝史伽 銃殺】


――残り10人(ゲームクリア1名)
810マロン名無しさん:2007/12/14(金) 23:35:29 ID:???
てか第3のジョーカーまだー
811マロン名無しさん:2007/12/15(土) 00:09:28 ID:???
乙!
途中若干ダレた感はあるが、後半に向けていい感じに盛り上がってきた。
最後まで期待しているよ!
812マロン名無しさん:2007/12/15(土) 00:28:28 ID:???

このスレの動画が出てるww

http://www.nicovideo.jp/watch/sm1775089

813マロン名無しさん:2007/12/15(土) 03:14:06 ID:???
ちょww
これはGJwww
よくやったwwwww
814マロン名無しさん:2007/12/15(土) 03:55:45 ID:???
誰だこんなの作ったのww
BGMに小田和正は偉いb
815マロン名無しさん:2007/12/15(土) 13:06:34 ID:???
ニコ動から来ました
うpされてたのが気になってまとめサイトの読んでたら昼すぎてしまいました
他のも読みたいので今日は部活休みます
816マロン名無しさん:2007/12/15(土) 13:54:02 ID:???
大抵のロワは、殺し合いという特殊な状況下で、
心がつながり、育まれる友情というのが見せ場の一つではあるが、
作者18氏は、どちらかと言うと、特殊な状況下での友情の決壊の方に
ウエイトを置いているように見える。
これはこれでなかなか面白い。
817マロン名無しさん:2007/12/15(土) 13:57:02 ID:???
1週間かけてやっと3話できましたよ
818マロン名無しさん:2007/12/15(土) 16:58:08 ID:???
>>817
全部書き上げるのに半年くらいかかるか?
頑張って完成させてくれ。
819マロン名無しさん:2007/12/15(土) 17:00:39 ID:???
誰か絵上手い人ネギロワの絵描いてみないか?
820マロン名無しさん:2007/12/15(土) 18:44:00 ID:???
うまい下手はともかく、最近まで他ジャンルのイラストサイト運営してた。
けど、ペンタブの先のところがおかしくなってとりあえず分解しようとしたら壊れた
821マロン名無しさん:2007/12/15(土) 19:18:53 ID:???
>>820
おぉ!最近過疎気味だし誰かがニコニコにこのスレの動画を作ったのは良い事だと思うんだ。
更に誰かが絵を描いてうpると更に盛り上ると思う。よければ描いてみてくれ。
822マロン名無しさん:2007/12/15(土) 19:48:12 ID:???
それ、いいね。
823マロン名無しさん:2007/12/15(土) 20:27:54 ID:???
youtubeに誰かうpしてくれたら嬉しい
824マロン名無しさん:2007/12/15(土) 20:36:07 ID:???
>>821
しかしペンタブがないとマウスで書いたらスタイル良い美砂やいいんちょうのボディがふにょふにょになること間違いないよ。
825マロン名無しさん:2007/12/15(土) 20:49:06 ID:???
半年……か。
もう書き始めて一年経とうとしてる俺もいるんだぜ?

平日に書く時間なんてないさorz
826マロン名無しさん:2007/12/15(土) 20:52:39 ID:???
>>823
何故ニコニコで見ないww

>>824
普通の紙に書いたのスキャンでも良いじゃないか
827真・作者18(携帯):2007/12/15(土) 21:43:05 ID:???
828マロン名無しさん:2007/12/15(土) 23:15:20 ID:???
誰かジョーカーの招待分かった?
朝倉も夏美も無理くね?
朝倉がさよに頼んだって事?それとも千鶴といんちょに言うなって言ったから夏美?
829マロン名無しさん:2007/12/15(土) 23:56:30 ID:???
正体は分かっていない。分かるだけの情報ってあったっけ?

話の流れ的に順当に行けば朝倉のようなのだが、
そうなると朝倉が3人(死体は偽者らしいが)いることになるな・・・

最近は描写がないが、朝倉も元々千鶴やいんちょと仲のよいキャラだから
夏美じゃなくて朝倉でも同じことが言えるよ。
830マロン名無しさん:2007/12/16(日) 00:35:52 ID:???
何かわけわからなくなってくるな。
831マロン名無しさん:2007/12/16(日) 01:13:52 ID:???
とりあえずアキラに感動した
832マロン名無しさん:2007/12/16(日) 02:37:35 ID:???
え・・・・
833マロン名無しさん:2007/12/16(日) 02:49:49 ID:???
俺わかった!
ジョーカーも朝倉の死体の意味も


ヒントは時系列
834マロン名無しさん:2007/12/16(日) 07:15:27 ID:???
>>833
分かったんなら言えよw
本当は分かってないんだろww
835マロン名無しさん:2007/12/16(日) 09:14:45 ID:???
言っていいもんかどうか・・・


※ヒント注意
   ↓












【ヒント】
・夏美と朝倉の行動中の島での時間はいつなのか
・五月のパンはいつ盗まれたか
・朝倉の死体は本物かフェイクか・・・・・もし本物なら・・・
836マロン名無しさん:2007/12/16(日) 09:16:37 ID:???
>>834
833が本当に分かったかどうか置いといて、
投下前にネタばらしをやっちゃだめっていうのは作者に対する
最低限の礼儀だぞ。
837マロン名無しさん:2007/12/16(日) 09:26:36 ID:???
>>833の予想はおそらく分かったが、
もしそうだったら、ちょっと無理あるなー
あと、最初のヒントくらいでやめとけ。
838マロン名無しさん:2007/12/16(日) 09:28:40 ID:???
あっ、俺も分かってしまった。
839マロン名無しさん:2007/12/16(日) 09:50:38 ID:???
何?じゃぁ、朝倉と夏美の話はバトロワ前の事なの?
でも兵士が見つけ次第すぐ参加させろとか言ってなかった?
840マロン名無しさん:2007/12/16(日) 10:03:46 ID:???
アキラ死んじゃったら読む気が薄れる…
841マロン名無しさん:2007/12/16(日) 10:27:37 ID:???
アキラは生きる。信じるえ。
842マロン名無しさん:2007/12/16(日) 10:31:20 ID:???
いくら何でもそりゃないだろ
矛盾点がたくさんある
843マロン名無しさん:2007/12/16(日) 10:39:59 ID:???
ニコニコ動画から来ました
良スレですね^^
844マロン名無しさん:2007/12/16(日) 11:04:00 ID:???
NA☆TU☆MI

夏美みたいな彼女欲しい…
845マロン名無しさん:2007/12/16(日) 13:31:25 ID:???
まあ、作者18氏は最初の方で、
ちゃんと収拾がつくのかワクワク感を持たせるために、
何話くらいになるのか公表しないとか言っていた。

きちんと収束させる自身があると思われる。
先を楽しみに待とう。
846マロン名無しさん:2007/12/16(日) 14:32:03 ID:???
小田和正のライヴはマジで涙するべ
847マロン名無しさん:2007/12/16(日) 17:14:33 ID:???
すまん。誤爆してた。
848マロン名無しさん:2007/12/16(日) 17:28:02 ID:???
暇だったから携帯まとめで7部読んでたんだが
円が星空見上げて人は死ぬと星になると信じてた事がある〜みたいな事言ってるんだけど
他の漫画かドラマで似たようなシーンなかった?
いや、パクリとか言うわけではなくただそのシーンに凄く感動した記憶があるんだが思い出せないので誰か教えてくれないか?
849マロン名無しさん:2007/12/16(日) 17:29:51 ID:???
>>848
うーん、よくある台詞だからどのことを言っているのかわからんなぁ
850マロン名無しさん:2007/12/16(日) 17:41:29 ID:???
>>849
なんでも良い
知ってるやつあげてくれ
どうしても思い出してもう1度見たい…
851携帯まとめ:2007/12/16(日) 19:02:13 ID:???
ニコニコの影響か、閲覧者の数が一気に増えましたよ
ところで、10部の保管完了したんだが次はどうすればいい?本編の更新を優先するけど、過去か最近か
852マロン名無しさん:2007/12/16(日) 19:08:04 ID:???
8部と11部みてみたいんだけど駄目?
853マロン名無しさん:2007/12/16(日) 19:09:38 ID:???
いつも乙です。やっぱり過去を優先でいいんじゃないかな。
初期から一気読みしたい新規の人の為にも。順調なら、いずれは現行ロワに追い付くでしょうし。
854マロン名無しさん:2007/12/16(日) 19:30:11 ID:???
新参の自分はまとめサイトにある分全部読んで携帯氏がきて7〜10部読まさせてもらって16、17部がまだです
ニートでサーセンwww
ただ順番は気にせず読んでいます
855マロン名無しさん:2007/12/16(日) 20:54:57 ID:???
携帯まとめ氏乙です。
次の保管は「魔法先生ロワ」をリクエストします。
856マロン名無しさん:2007/12/16(日) 22:40:00 ID:???
今日のは〜?
85718氏じゃないけど:2007/12/16(日) 22:58:17 ID:???
858マロン名無しさん:2007/12/16(日) 23:20:04 ID:???
>>835で合ってるような気もするけどさ…時系列、ってだけで留めとけよ
デイパックの描写とかで薄々分かるようにはなってたんだろうけどさ

魔法先生ロワはつなぎの短編だしな…
ここは本編を優先するべきじゃないかと俺は思う
859マロン名無しさん:2007/12/16(日) 23:20:14 ID:???
thx
860マロン名無しさん:2007/12/16(日) 23:20:27 ID:???
>>857と18氏
861マロン名無しさん:2007/12/16(日) 23:29:51 ID:???
8が気になる…携帯氏頼む
862携帯まとめ:2007/12/16(日) 23:32:03 ID:???
おけ、んじゃあ旧まとめが消えないうちに2〜5を保管して、先生ロワを発掘してから16以降(12?)の保管でいきます
でも、今年は仕事がアレなんでマトモな更新は微妙ですサーセン……
863マロン名無しさん:2007/12/16(日) 23:37:21 ID:???
>>861
8はパクリだから無理
864マロン名無しさん:2007/12/17(月) 00:23:21 ID:???
いつもアキラだけが良心だな…
865マロン名無しさん:2007/12/17(月) 00:36:09 ID:???
俺が今書いてるロワはアキラがまき絵を含む5人も殺すぜww
866マロン名無しさん:2007/12/17(月) 00:38:15 ID:???
今俺が書いてるロワはアキラがタカミチに鼻もいでちくびもいでちんこもぐぜ
867マロン名無しさん:2007/12/17(月) 01:18:00 ID:???
俺が書いてるロワはアキラが本部を食べ始めるぜ
868マロン名無しさん:2007/12/17(月) 01:42:50 ID:???
パクリであっても
新規読者としては
読んでみたいという気持ちもある。
(先にまとめでも読めない15後半〜17も読んでみたいが)
869マロン名無しさん:2007/12/17(月) 02:01:25 ID:???
作者17氏は今2作目書いてるのかな?また投下して欲しいな!
870マロン名無しさん:2007/12/17(月) 02:10:39 ID:???
第3のジョーカーて誰なん?
頭悪いけわからん
871マロン名無しさん:2007/12/17(月) 02:16:00 ID:???
>>868
パクられた野球ロワの人に失礼
だから隠れて自分の力でログとか探すべ
872マロン名無しさん:2007/12/17(月) 02:54:46 ID:???
そんな難しい事できへん
873マロン名無しさん:2007/12/17(月) 03:21:15 ID:???
874マロン名無しさん:2007/12/17(月) 03:27:45 ID:???
な…なんて、動画だ(゜_゜)
875マロン名無しさん:2007/12/17(月) 08:47:19 ID:???
>>372
何でやねん
876マロン名無しさん:2007/12/17(月) 12:31:53 ID:???
>>375
ちゃうちゃうちゃうちゃいんねん
877マロン名無しさん:2007/12/17(月) 13:18:51 ID:???
今頃気づいたのだが、今回禁止エリアがないのな
878マロン名無しさん:2007/12/17(月) 14:13:37 ID:???
>>877
>>126参照
18氏が使わないだけである事はある
879マロン名無しさん:2007/12/17(月) 14:27:12 ID:???
18氏どんまい!
880マロン名無しさん:2007/12/17(月) 16:36:34 ID:???
これもワクワク感をもたせるためであとでうまくまとめてくれるさ
881マロン名無しさん:2007/12/17(月) 17:25:07 ID:???
お前らバカだなー
伏線マスターの18だぞ。禁止エリア出さないのも伏線だ。
楽しみにしとけ、すんげぇ伏線で皆驚くから。
882マロン名無しさん:2007/12/17(月) 17:55:01 ID:???
お前ら期待しとけよw
883マロン名無しさん:2007/12/17(月) 17:55:54 ID:???
アキラが死んじゃった…
884マロン名無しさん:2007/12/17(月) 18:22:26 ID:???
ハードルあげんなww
885マロン名無しさん:2007/12/17(月) 18:55:27 ID:???
アーニャがまだ出てないのも伏線?
886マロン名無しさん:2007/12/17(月) 19:34:21 ID:???
質問厨は本当にうざい
887マロン名無しさん:2007/12/17(月) 19:35:08 ID:???
ふみかと風香が入れ替わってたことに、だから何?と思ってるやつら。あとから驚く結果に
888マロン名無しさん:2007/12/17(月) 19:37:06 ID:???
↑こいつ作者18?
889マロン名無しさん:2007/12/17(月) 20:16:51 ID:???
そうで〜す
890マロン名無しさん:2007/12/17(月) 20:49:16 ID:???
>>887
非常に思った
じゃあ驚きの展開に期待するか
891890:2007/12/17(月) 20:53:19 ID:???
安価ミス。>>887じゃなくて>>888
892マロン名無しさん:2007/12/17(月) 21:00:26 ID:???
だが俺は確かに>>887のことも思った。
驚きの展開wktk
893マロン名無しさん:2007/12/17(月) 21:50:54 ID:???
俺は>>890だが>>891ではないぞ
>>887に同意
894マロン名無しさん:2007/12/17(月) 21:53:40 ID:???
>>891が作者18なんじゃね?ww
895マロン名無しさん:2007/12/17(月) 22:01:03 ID:???
18氏は今必死に風香と史伽の話をつけくわえています
896真・作者18(携帯):2007/12/17(月) 22:07:48 ID:???
本日投下分です。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8740/1196932535/99-108
エピローグを合わせて全96話の物語ももうすぐ終わりを迎えます。

後、あまり変な期待をしないほうがいいです。
試行錯誤の末に思いついた内容なので特に褒められるようなことはないと思われます。
897マロン名無しさん:2007/12/17(月) 22:08:00 ID:???
今日は投下ないん?
898マロン名無しさん:2007/12/17(月) 22:16:05 ID:???
なるほど。超と古があやかといんちょに黙っとくようにしたのは夏美がジョーカーだからではなく朝倉がジョーカーだとしたら夏美がすでに殺されてる事になるから黙るようにしたのか
899マロン名無しさん:2007/12/17(月) 22:22:27 ID:???
18乙。夏美…
900マロン名無しさん:2007/12/17(月) 22:23:05 ID:???
>897だが被ったorz
やはり何時間か前の出来事だったんだww
てかまだこのスレに投下できないの?
901マロン名無しさん:2007/12/17(月) 22:26:43 ID:???
夏美、散々引っ張ったわりにはあっけなく片付けられたなww

てか作者19まだー
そろそろ完成しそうな人いる?
902マロン名無しさん:2007/12/17(月) 22:32:04 ID:???
>>898
違うんじゃない?
夏美に変装した朝倉だったから言えなかったと思う
903マロン名無しさん:2007/12/17(月) 22:34:35 ID:???
完成しそうだけどあくまでもしそうなだけ
904マロン名無しさん:2007/12/17(月) 22:41:05 ID:???
>>903
後何話で完成?
905マロン名無しさん:2007/12/17(月) 22:43:25 ID:???
>>904
多分、10話くらい
だけどゆっくり書く時間がとれるのは一週間後(クリスマス暇なのかよ…と思ってもいわないで)
906マロン名無しさん:2007/12/17(月) 22:44:45 ID:???
>>902
変装じゃないだろ
今日の投下の話は千鶴が打たれた時夏美に打たれたと思って(この時相手の顔は見えてないが消去法で夏美と考えてた)でも自分の前に姿を表したのは朝倉だった
って話だろ。変装なんてどこにも書いてない
907マロン名無しさん:2007/12/17(月) 22:46:00 ID:???
>>905
がんばれー
908マロン名無しさん:2007/12/17(月) 22:46:16 ID:???
>>905
ならそこまで待たずに済みそうだな。乙。
(大丈夫。彼女と過ごした後書き終えるんだと解釈したから。)
909マロン名無しさん:2007/12/17(月) 22:47:19 ID:???
やはりニコニコ動画に出てからスレが盛り上がってるな
うp主には感謝だ!
910マロン名無しさん:2007/12/17(月) 23:03:50 ID:???
クリスマス、聖なる夜が最終話ですか?
911マロン名無しさん:2007/12/17(月) 23:24:25 ID:bsGvi6Yr
>>908の優しさに>>905と同じ近況の全俺が泣いた


朝倉はなつみが変装してんのかとおもってた……
912マロン名無しさん:2007/12/18(火) 00:18:18 ID:???
15氏の時もこうだったな…
結構(ストーリー的に)長く持った割にはただの犬死にか…
913マロン名無しさん:2007/12/18(火) 02:26:22 ID:???
そういや俺がこのスレにきたのは15部だったな…
ROMばっかだったけど最近人が増えてきたからまた書き込む回数が増えてきたよw
914マロン名無しさん:2007/12/18(火) 03:20:34 ID:???
某サイトの動画うpした人マジGJ!!ぜひぜひもっと沢山の人に読んでもらいたい!!



と執筆がちっとも進まない俺が通りますよっと。
915マロン名無しさん:2007/12/18(火) 03:26:57 ID:???
俺も構想練りだしたのが半年前で先週から書き始めてまだ7話…
916マロン名無しさん:2007/12/18(火) 08:00:31 ID:???
そういや今日はオービタルピリオド!
917マロン名無しさん:2007/12/18(火) 17:18:39 ID:???
誤爆か…
オービタルピリオドで検索したらorbital periodって出てオリコン1位だった
918マロン名無しさん:2007/12/18(火) 17:41:04 ID:???
BUMP OF CHICKENだっけ?TV出ないけど良い曲作るよな。
スレちなんでここまでにしとこう。
919マロン名無しさん:2007/12/18(火) 17:46:07 ID:???
大好きだけどバンプは厨二病ご用達な感じ
920マロン名無しさん:2007/12/18(火) 18:12:25 ID:???
http://p2.ms/01o8x

授業中に下書きかいてみた
初めてだからあれだけど、反応みてネギロワの絵の練習をはじめようとおもう
921マロン名無しさん:2007/12/18(火) 18:16:49 ID:???
何年かかったら直視に耐えうる絵になるかな
922真・作者18(携帯):2007/12/18(火) 18:25:59 ID:???
923マロン名無しさん:2007/12/18(火) 18:31:20 ID:???
今まで投下してきた人よりは良い線いってんじゃない?
せっちゃんだかまき絵だかの死に掛けかいた人は上手かったよね。
924マロン名無しさん:2007/12/18(火) 19:01:01 ID:???
>>919
ニコニコ見たけどアンチのが中二って感じ
必死になりすぎて恥ずかしい。ファンは最近普通だよ。
925マロン名無しさん:2007/12/18(火) 19:02:30 ID:???
>>920
十分うまい!今後も期待!
是非19部や20部には絵を描いてくれ!
926マロン名無しさん:2007/12/18(火) 19:36:47 ID:???
OCN規制解除されたな。
…本当に今回の規制は長かった。
927マロン名無しさん:2007/12/18(火) 20:51:29 ID:???
今までできなかった分も乙!
928マロン名無しさん:2007/12/18(火) 22:29:33 ID:???
ニコニコのやつ見てROM専が多い事が分かった


書き込めコラw
929マロン名無しさん:2007/12/18(火) 22:45:47 ID:???
>>928
サーセンww

じゃあ絵でも描くよ
・・・小説とかは書くの苦手だから
930マロン名無しさん:2007/12/18(火) 22:46:05 ID:???
ダメだよ和美
最後の最後で気抜いちゃ
こーゆーのは最初優勢になった方か、余裕ぶっこいた方が負けるって相場が決まって(ry
931マロン名無しさん:2007/12/18(火) 23:10:00 ID:???
今一部読み直したけどさぁ、
何で楓ナリナリいってんの?
932マロン名無しさん:2007/12/18(火) 23:30:26 ID:???
>>929
絵はマジでwktk
1人投下しだしたら連鎖するからなww楽しみb

>>931
まだ2005年だったから曖昧なとこが多いんだろ
呼び方も昔はいいんちょが多かったが今はいんちょのが多いし
933マロン名無しさん:2007/12/19(水) 00:39:07 ID:???
原作でも一回くらい言ってた気がする
934マロン名無しさん:2007/12/19(水) 01:13:09 ID:???
やばい、俺が今書いてるロワって神かも
お前ら期待しとけ!今4話書き終えたb
935マロン名無しさん:2007/12/19(水) 01:21:45 ID:???
期待できない
不思議!!
936マロン名無しさん:2007/12/19(水) 01:56:55 ID:???
朝倉って夏美のメダルを千鶴に渡さなかったら10枚だったんじゃね?
なんでわざわざ自ら9枚になったの?
937マロン名無しさん:2007/12/19(水) 01:58:50 ID:???
つか朝倉マーダー多いなww
俺は朝倉を活躍させてやるぞ!書く気ないけど…
938マロン名無しさん:2007/12/19(水) 06:22:37 ID:???
個人主義的でドライな奴はマーダー化させやすいからね。
朝倉、超、千雨、龍宮、最近では美空あたりね。
ザジも殺し合いに参加するパターンは多いのだが、
殺されるのも早い方だからマーダーなイメージはあまりないかな?

龍宮は、川田・桐山ポジションが圧倒的多いね。
939マロン名無しさん:2007/12/19(水) 11:48:05 ID:???
川田、桐山っていたっけ?
940マロン名無しさん:2007/12/19(水) 12:14:16 ID:???
本家バトロワにな、主人公を導くナイスガイと最凶マーダー。どちらもたつみんが適役
941マロン名無しさん:2007/12/19(水) 12:16:13 ID:???
本家バトロワってあのなんか血の文字の表紙の本?
漫画?小説?グロくないなら読んでみようかな…ガンツくらいグロかったら読まないけど……
942マロン名無しさん:2007/12/19(水) 12:42:44 ID:???
泣ながら脳味噌だか心臓だかかき寄せるシーンがある
943マロン名無しさん:2007/12/19(水) 13:50:45 ID:???
じゃぁやめた。グロいの苦手だし…
このスレのグロですらたまに気持ち悪くなるもん
944マロン名無しさん:2007/12/19(水) 15:58:19 ID:2CXbJQcD
>>943
じゃ漫画は100%だめだな
意外と小説は淡々と殺るのでいけると思う
945真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/19(水) 18:12:41 ID:???
規制が解除されたようなので、こちらに久々の投下となります。
946真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/19(水) 18:13:42 ID:???
88.最後のメッセージ

呪文回路を発動したが、それでも状況は一転しない。
兵士の数はまだ何十人と外に待機している。
あやかは車でゲーム生存者として連れて行かれてしまった。
残っているのは残りの人間を亡き者にしようとしている外道だけだった。

スタジオに隠れても、いずれは集団で押し寄せてくる。
逃げ場もなければ今ある武器で対抗できるかどうかも分からない。
茶々丸に任せれば何とか対抗できるだろうが、聡美が抵抗する。
「私は……茶々丸を殺人マシンにするために作ったんじゃない」
そう告げているせいか、茶々丸は必ず抵抗不能状態で寸止めの攻撃しかしない。
そのためグレネードランチャーもわざと外して使っている。
せいぜい足止めと盾程度。本気で戦ってはいない。
「超、超。しっかりするアル」
古がつれた超はもう息も絶え絶えだった。
あれだけ赤い炎に包まれたにも関わらず、超の体は恐ろしいほど冷たい。
目に生の灯火すらない。
ただ生きているだけの肉体になりかけていた。

逃げ道はない。このスタジオもじきに制圧される。
超の言葉が正しければ首輪は茶々丸がいれば外すことが出来る。
だが茶々丸は最前線で応戦中。しかも1人の首輪を外すには3分のハッキングが必要。
947真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/19(水) 18:15:05 ID:???
すべて外す前に制圧されるのは目に見えていた。
「駄目です。これ以上は……」
物量で攻め立てる兵士たちに茶々丸も徐々に押され気味になってきた。
「美砂……」
「私たち……もう駄目なのかな……」
ザジも美砂も徐々に絶望の二文字が見え隠れしていた。
ここにいる誰もがジリ損の戦いを強いられている。
「駄目アル。希望を捨てちゃ駄目アルよ!」
必死に励ます古だが、彼女にも徐々に焦りの色が出ていた。
聡美は超の側につくと、そっと話しかけた。
「これがすべてなのですか超さん……これがこのゲームの結末ですか」
涙を流し、ほとんど無反応の超に告げた。
散々抵抗し、決別した先にあるのはただの殺戮でしかない。
絶望が他の皆全体を包み込む。
だがその瞬間、超の顔がこちらを向いた。
超の左手がゆっくりと聡美の手に伸び、自身の武器が握られる。
「超さん!? これは……」
弾が半分しか入っていない銃を受け取り、超のメッセージを受け取った聡美。
「お前たちに………未来を……託す……ヨ」
もう一度だけ聡美に笑いかけると、超は動かなくなってしまった。
瞳の色も完全になくなり、何度ゆすっても何の反応もない。
「超さぁぁぁん!」
嘆き悲しみ、悲観する聡美。その様子はなれない手つきで応戦する古や美砂、ザジにも届いた。
「超ー!」

「もう駄目です。突破されます!」
948真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/19(水) 18:16:12 ID:???
手榴弾が投げ込まれ、横の壁が破壊されてしまう。
爆風に飲み込まれ、美砂、ザジ、古、聡美、茶々丸もすべて端へと追いやられてしまった。
全体を囲まれ逃げ道なし。茶々丸がすぐにリミッターを外して戦ったとしても遅すぎる。
もうどうすることもできない。

「―――超さん」
超の体だけ別の場所に転がっていた。
その超の体を見つめ、聡美は武器を取り出す。
「ほう。まだ抵抗する気か?」
余裕を見せる兵士たちはすぐさま武器を構えた。
そして銃弾の雨が降り注ぐ。


【柿崎美砂 銃弾を受ける】
【古菲 銃弾を受ける】
【超鈴音 呪文回路使用による衰弱死】
【絡繰茶々丸 応戦 現在1枚】
【葉加瀬聡美 S&W M19(コンバットマグナム)入手 応戦】
【ザジ・レイニーディ 銃弾を受ける】

――残り5人
949真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/19(水) 18:17:15 ID:???
89.茶々丸出撃

絶望的な状況になってしまった。
銃弾の雨によって聡美は倒れ、茶々丸は聡美の命令でリミッターを外す。
皆が残した武器をすべて抱え、次から次へと殺戮を繰り返す茶々丸。
グレネードランチャーを取り出し、車で撤退しようとする人間も容赦なく撃ち落した。
爆弾が落ちたように崩壊するTV局。
今、この場にいるのは茶々丸と聡美しかいなかった。

「茶々丸……」
「ハカセ」
銃弾を食らい、完全に致命傷となった聡美。
もう長くは持つことはない。
「申し訳ありません。私がリミッターを自分の意思で外していればこんなことには」
謝罪する茶々丸に聡美はそっと手を置いた。
「いいよ。私は人を殺す機械を生み出すために茶々丸を造ったんじゃないよ」
咳き込み、口から血を吐く聡美。
銃弾を受けながらも、マシンガンを拾い最後の抵抗をした。
弾は何人かの兵士に命中し、少なくとも4人は倒した。
「日本の法律では……3人以上殺すと死刑だったよね……」
「ハカセ!」

茶々丸が必死になって話しかけるが、もう超と同じように終焉のときは近づいていた。
「……茶々丸。私のメッセージを受け取って」
もう声を出すのも苦しい聡美は茶々丸にすべてのことを伝える。
自分自身でハッキングして首輪の機能を外す茶々丸なら戦える。
950真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/19(水) 18:18:40 ID:???
「ごめんね……あなたに殺しを命令するなんて……茶々丸は機械だって思いたくないのに……」
立派な心を持つ茶々丸を大切に思っている聡美。
ただの機械なんかじゃない、茶々丸は立派な3-Aの生徒だ。
「行って。主催者のいる学園を、…押さえて首輪を……管理している機械、すべてを……」
血に濡れた手で必死に手を握る聡美。
製作者として、茶々丸の親として死ぬ直前に最後の命令を下した。

ずっと楽しい日々が続くと信じていた。
エヴァやネギ、すべての生徒が楽しく過ごせる毎日を夢見ていた。
それは機械が生み出すプログラムではなく、人としての感情。
硬い表情しか出せない茶々丸は聡美の死にエヴァと同じように涙する。
マスターを失い、自分の意思で戦う決意をした。
仲間のフリをしてに裏切られ、せっかく歩み寄った友を失った。
怒りに身を任せてリミッターを外し、残酷なまでの殺戮を行った。
この特殊な状況の中に、茶々丸の感情プログラムが異常なほどの発達をした皮肉。

「ハカセ、行ってきます。あなたのためではなく、みんなのために戦いために」
聡美が下した命令は、主催者がいる学園の制圧。
TV局と違うのは、今ここにいるのが茶々丸だけということ。
守るものもない、自分だけの孤独な戦い。
だが茶々丸はもう決意した。
皆が残した武器を手に、ブースターを発動させ出撃する。


【絡繰茶々丸 武器・フランキ SPAS12、イングラムM11、ベレッタM92F、S&W M19、H&K Mk23(ソーコムピストル)入手 現在1枚】
【葉加瀬聡美 出血多量死】

――残り1人
951真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/19(水) 18:19:45 ID:???
90.ゲーム終了

茶々丸にはもう迷いはない。
全速力で飛び込み、一気にこの場を制圧する。
禁止エリアも何も関係ない。すでに茶々丸の首輪はハッキングにより解除されているからだ。
聡美の最後のメッセージ。それを守るために戦う。
スタート地点の学園まであと少し、傷ついた体を押して突き進む。

学園が視界に入る。茶々丸はグレネードランチャーを構えて狙いを定める。
ある程度の距離まで迫るや、引き金を引いた。
3階の壁が爆発を上げて崩れ落ちる。茶々丸が入るには十分な形だ。
爆発音に驚いて茶々丸を迎え撃つ兵士たち。
一気に7、8人くらいの人間が取り囲むが茶々丸には関係がない。
すぐにロックオンすると迷いもなくマシンガンを取り出して乱射した。
右手でマシンガンを乱射し、左手でショットガンを使って1人ずつ狙い打つ。
それこそ一瞬でその男たちを蹴散らすと、表情を押し殺して教室を移動する。
廊下を堂々と歩く茶々丸の前に、またも兵士がアサルトライフルを構えている。
「撃てー!」
何人もの男たちが逆に乱射してきた。
顔や体に何発もの弾丸が当たるが、茶々丸は構わず廊下を進む。
顔や腕、胸の装甲が傷つき、機械部分が見え始めた頃には男たちに恐怖の色が見え始めた。
何しろ何発うっても倒れないのだから。
「邪魔です」
ゆっくりとマシンガンを構えてフルオートのまま発射。
前列の人間はそれで呆気なく蹴散らした。だがそれで弾が完全に尽きた。
茶々丸はベレッタでけん制しつつ、前列に倒れた男たちのアサルトライフルM4カービン。
それを拾ってまた乱射する。
952真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/19(水) 18:20:46 ID:???
弾が尽きれば死体から弾を奪い、それも尽きればライフルを捨てて殺した相手からまた奪う。
ただの殺戮マシンになった茶々丸はすべてをぶち壊した主催者に復讐の意味も込めて銃を放つ。
近距離に持ち込めばコンバットマグナムとベレッタを乱射。

教室に隠れ、死角から攻撃しようとする者もいる。
だが茶々丸はグレネードランチャーでバリケードを立てた教室の扉を破壊。
「無駄です」
乗り込むと至近距離でM4カービンを発射させた。
狂ったように踊りだして死に絶える男たち。
弾切れになったライフルを投げ捨て、また別のライフルを奪いまた進む。
邪魔な存在を殺し、2階へ降り立った。
またも銃弾の雨が茶々丸を直撃するが、やはり無表情で構わず包む。
制服は上半身がボロボロで見る影もない。弾が当たって機能に使用が出て警告メッセージが出ても構わない。
アサルトライフルで次々となぎ倒す茶々丸。ついには降参して両手を挙げるものまで現れた。
だが茶々丸はソーコムピストルで容赦なく撃ち抜く、倒れて痙攣を起こす体にさらに3発は浴びせた。
「うおおおおおおおおおおおおっ!」
手榴弾のピンを抜いて特攻するものも出てきた。
それでも茶々丸は全力の蹴りを浴びせた。蹴りにより腹にめり込んだ手榴弾。
遠くへ飛ばすとグレネードランチャーを発射する。
茶々丸の真後ろで大爆発が起こるがそんなものには目もくれず主催者がいる教室を探す。
それは初めてスタートをした地点だ。
「……?」
グレネードランチャーを構えた左手が言うことを利かない。
どうやら相次ぐダメージで故障してしまったようだ。
953真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/19(水) 18:21:51 ID:???
「くそぉ!」
銃を取り出すリーダーの男は飛び出していった。横で高畑は小さく呟いた。
「……終わったな」
突撃するリーダーの男だがそんなもの邪魔でしかない。
右手でショットガンを取り出し片足を吹き飛ばす。
「ぐわあああっ!」
何とか一撃を加えようとするが今度は手のひらに銃身を押し付けられさらに1発。
銃を持っていた手のひらが一瞬でなくなった。
「私たちの日常を奪った償いをしてもらいます」
「こ、この殺人ロボットめ!」
機械の茶々丸にこれでもかという罵声を浴びせた。
茶々丸のしたことはただの殺戮だった。だが茶々丸は構わずショットガンを頭に添える。
「いいですよ殺人ロボットでも、私は冷たい鉄の部品で作られた機械です」
この事実は永遠に覆ることのないこと。
ただの機械がここまで出来るかどうかはわからない。背負っているのは3-Aの意思。
「ですが……あなたのように人の命をゲームに使う外道と一緒にしないでください」
その一言を最後に、リーダー格の男の頭が吹き飛んだ。

教室に入り込むと、そこには高畑が待っていた。
「来たか」
「……」
茶々丸は無言でショットガンを構えた。
「言い訳はしない。すまなかった」
高畑は小さく呟くとそっと目を閉じた。
自分たちがいながらこの有様。不甲斐ない結果への罪滅ぼしをしたい。
「――さよなら」
954真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/19(水) 18:22:57 ID:???
ショットガンの引き金を引いて高畑を倒す茶々丸。

返り血で真っ赤に染まった体を揺らし、操作する機械を見る。
グレネードランチャーの弾丸を込めてそれに構えた。
目の前の画面が何度も歪む、警告を無視して進んだせいであちこち故障しているようだ。
だが後はグレネードランチャーの引き金を引く力さえあればいい。
機械が機械を破壊するという皮肉に軽く笑い、引き金を引いた。


【絡繰茶々丸 故障多数 学園制圧】


ゲーム終了
955真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/19(水) 18:24:00 ID:???
以上で終了です。
エピローグ含め残り6話。後2日の投下となります。最後までお付き合いを。
956マロン名無しさん:2007/12/19(水) 18:29:27 ID:???
やっと規制解除されたのか、乙
死亡表記されてないけどザジ美砂古死んだのか?
957マロン名無しさん:2007/12/19(水) 18:35:23 ID:???
誰かスレ立てて!
てか明日の投下こっちにしたら次スレに最終話投下する事になんね?
958マロン名無しさん:2007/12/19(水) 20:12:33 ID:???
乙。もうすぐか。スレ立つまで書き込み自重すべき?
959マロン名無しさん:2007/12/19(水) 20:22:49 ID:???
立ててやるよ
あと十五分ぐらい待ってな
960マロン名無しさん:2007/12/19(水) 20:56:36 ID:???
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1198065247/1-100

ほらよ
十五分経っても忘れてたww
961マロン名無しさん:2007/12/19(水) 22:23:52 ID:???
スレ立て&18氏乙
962マロン名無しさん:2007/12/19(水) 23:36:25 ID:???
とりあえず作者18氏乙。

ラストエピソード待ってます。
963マロン名無しさん:2007/12/20(木) 02:17:54 ID:???
ねぇ朝倉って夏美のメダルを千鶴に渡さなかったらもう10枚じゃん
なんで渡したの?
964マロン名無しさん:2007/12/20(木) 02:24:21 ID:???
茶々丸がリミッターあって人殺せないなら美空は?
965マロン名無しさん:2007/12/20(木) 02:31:45 ID:???
乙。てか古、ザジ、美砂はいつ死んだんだ?
966マロン名無しさん:2007/12/20(木) 02:55:16 ID:???
さすがに犬死が多すぎるな・・・。いんちょも夕映も流れで生き延びただけだし。
しかし、茶々丸を主役に据えた展開は素直に面白いと思ったよ。
967マロン名無しさん:2007/12/20(木) 17:15:55 ID:???
・朝倉は夏美のメダルを渡さなければ即脱出だったのに何故自ら千鶴に渡したのか

・古、美砂、ザジはいつ死んだのか

作者18、どうなんだ?
968マロン名無しさん:2007/12/20(木) 17:25:43 ID:???
>>848
ライオンキング
969マロン名無しさん:2007/12/20(木) 19:47:46 ID:???
>>968
それ知らないから違うと思う。どうしても思い出せない。
970真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/20(木) 20:32:42 ID:???
本日の2話で本編の投下は終了となります。

>>967
・朝倉は〜
朝倉のメダルはその時点で9枚(夏美・明日菜・真名・まき絵・五月・亜子・円・美空・アキラ)なので脱出できない。
夏美の死を証明するのはメダルのため投げ渡し見せた。
後に千鶴を殺してメダルを奪うつもりだったがいいんちょと千鶴に返り討ちに合ってしまった。

・古、美砂〜
死んでません。
971真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/20(木) 20:33:44 ID:???
91.茶々丸のメッセージ

地下通路を車を使って疾走するネギ一行。
時間的には3日目。最悪のケースを想定しても何人生き残っているか想像つかない。
ネギにとって大切な生徒であり、皆がとても仲のいい生徒。
だからそんな生徒たちが殺し合いをしてしまうなど考えられなかった。
「そこだ!」
詠春が指を指すと、そこには頑丈そうな巨大な扉。
ネギは屋根の上に飛び乗り、呪文を唱える。
「ラス・テル・マ・スキル・マギステル」
風と雷がネギの周りを包み込み、一気にその力を放出する。

大爆発と共に地下通路を繋いでいた扉が破壊された。
車が飛び込んだとき、目の前に見えたのは熱風と異様なまでの暑さだった。
薄暗いその天気の中に一部分だけが明るく、熱気を帯びていた。
「何なんだこれは……」
詠春ですら言葉を失う。
目の前にあった学園が真っ赤な炎を上げて燃えていたのだから。
一体どんなことをすればこんなことが起きるのか。
詠春、ネギ、小太郎は状況が理解できずにその場に立ち尽くした。
「そうだ! みなさんは!?」
ようやく正気に戻り、3-Aの生徒が生きているか確認するネギ。
どこに誰がいるかなんてわかるはずがない。
この島を1人で虱潰しに探すしかないのだ。
「待てネギ。あれ……」
小太郎が何かを発見して燃え盛る校舎を指差す。
972真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/20(木) 20:34:51 ID:???
1階から3階まで真っ赤な炎に包まれた校舎の中から人影が出てきた。
こんな中で平然とした顔で出てこられる人物……。
「茶々丸さん!」
左手は損失しており、上半身は弾丸でボロボロとなっている。
顔も半分機械むき出し状態、制服も焼け焦げた姿となって現れた。
「ね…ギ……せん…se…」
機械音を発しながら出る声は、茶々丸の声の面影しか残していなかった。
まともに歩くこともままならず、膝の機能が故障し始めて倒れてしまう。

「茶々丸さん!」
ネギは急いで茶々丸を連れて行く。
ボロボロの茶々丸はもはや機能停止寸前だった。
「しっかりしてください! 皆さんは大丈夫なんですか!」
茶々丸を心配しつつ、ネギは他の生徒も気にしていた。
「……ネギ…セ…んせi……超さんと…ハカセの………メッセージ……」
動くことも出来ない茶々丸はネギに今の知りうる情報すべてを話した。
生き残っているのはメダルを集めた2人と……。
「……これが……2人のメッセージ………」
小さく口元が動くと、茶々丸は超と聡美の残した最後のメッセージを発した。
これで思い残すことはない、ロボットである以上魂など存在するはずがない。
だが、自分は死んだらどこへ行くのだろうか……。
そんな下らない不安を胸に秘めて、茶々丸は亡きマスターの顔を思い浮かべた。
「マスター……私ハ……皆サンのタメni……戦ッ…――――――」
目の前のモニターも何もかもが完全に停止した。

「―――」
ネギは何も言葉をかけることが出来ず、涙に暮れる。
973真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/20(木) 20:35:58 ID:???
「……そうか分かった」
小さく呟くとネギに報告した。
「我々の仲間の連絡だ。君の生徒が2人、別所で保護したそうだ」
「……行きましょう」
ネギは茶々丸のメッセージを信じて、島をすぐに去ることを決めた。
茶々丸はここに生徒は1人も生存していないと告げたからだ。


【絡繰茶々丸 機能停止】
974真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/20(木) 20:37:09 ID:???
92.学園への帰還

詠春の仲間たちに保護された夕映とあやかは別の車に乗せられて学園に向かっていた。
ようやく見ることの出来る麻帆良学園。
だが今更帰ったところで生き残ったのは実質2人。
2人にはもう3-Aの生徒として帰ることは出来なかった。

学園の敷地内に入ると、出迎えたのはネギと小太郎だった。
「いいんちょさん、夕映さん……」
「あやか姉ちゃん」
殆どの生徒が死に絶え、まともな生還者は夕映とあやかのみとなった。
悲劇が重なり、夕映はまともな反応すら返せない。
死んだ目をしたまま言葉を発することが出来なかった。
あやかも何とか言葉を返せる程度だが、それでも心に負った傷は大きかった。
「……来てください」
ネギは2人を連れてある場所へと向かった。

壮大な敷地に見られる世界樹。
芝生や川があり、立派といえる自然が有り触れた何のことはない場所。
「何をするのですか……」
だがネギは何もしない、いやする必要がない。
「するというよりも、起こるのです」
「?」
975真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/20(木) 20:38:20 ID:???
じっとその場を見つめるその先には世界樹しかない。
時計を見る詠春はそっと呟く。
「もうすぐだ」
時間が来た時、茶々丸が残したメッセージの意味がようやく分かる。
突如その場に3つの光が現れる。
眩さに何が起こったか理解できずに驚く一同。
特別何か仕掛けもなければCGを使っていることもない。
何もない虚空の場に3人の姿が現れたのはそれからだった。

「…あれ、私たちどうなったアルか?」
最初の第一声を発したのは、あの絶体絶命の中にいた古であった。
さらに美砂、ザジと火傷と怪我を負っているものの両者共に無事である。
「え? どうして私たちここに……」
それも当然である。美砂たちが最後に見た光景はTV局のスタジオに突入して追い込まれた瞬間なのだから。
そしてアサルトライフルの弾丸が火を噴いた瞬間、聡美がこちらに向けてコンバットマグナムの引き金を引いた。
何を血迷ったかを思う間もなく、3人は弾丸を食らってしまい……。
気がつけば麻帆良学園の敷地内に飛ばされていたのだ。

呪文回路を発動した超。
弾が入ってないコンバットマグナムに自分の弾丸を込めていた。
それこそ時間跳躍弾、B・C・T・Lであった。
掠ればたとえエヴァでも回避は不可能といわれる強力な弾丸。
だがそれは世界樹の強大な力を借りて放てる時間、期間共に限定される品物である。
それを超は単身で呪文回路の力のすべてを弾丸に注ぎ込んだ。
976マロン名無しさん:2007/12/20(木) 20:40:34 ID:???
支援
977真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/20(木) 20:40:55 ID:???
魔法を放ち、さらに弾丸に魔力を込めたことで超の命はこの一瞬すら生きられないほどに削られる。
それと引き換えに3発ながらB・C・T・Lの発動をさせることに成功した。
この絶体絶命の状況で開放できるのはもはやこれしかない。
すべての未来をその3発の弾丸で飛んでいく生徒に託した超に、後悔の色はなかった。
しかしこの作戦には一つだけ大きな欠点がある。
たとえ時間跳躍が成功したとしても禁止エリアの都合で跳躍と同時に首輪が爆発してしまう。
その場合、首輪を管理している所を跳躍時間までに押さえなければならない。
聡美はすべての真意を悟り、自身も残って茶々丸にすべてを伝えた。
リミッターを解除して戦わせれば、たとえ大人数でも戦える。
茶々丸の生みの親たる聡美の苦渋の決断であった。
タイムリミットは3時間後。それまでに首輪の管理をしている場所を破壊する。
茶々丸は時間内に成功し、すべては終わりを告げたのである。

「おかりなさい……」
ネギの一言にようやくゲームは終わったことを伝えられる。
小太郎ですら涙ぐみ、生還を喜ぶ。
「助かったの? 私たち……」
震える声でもう一度だけ美砂はネギに尋ねた。
これが夢だとは思いたくない、現実だと思いたい。
「はい……そうです」
膝をついて涙に暮れる美砂。
ザジが横から現れて微笑む。その顔もまた涙に濡れて……。
「ザジ、助かったんだよ。私たち助かったんだよぉー!」
「うん……うん……」
抱きしめあい、生還を喜ぶ美砂とザジ。
人目を憚らず大声で泣き、そんな美砂をザジが慰める。
古もまた涙に暮れてこの異常なゲームの終焉を喜んだ。
978真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/20(木) 20:42:05 ID:???
「よかったですわ……本当に……」
全員の生存はないと思っていたあやかも涙を流して喜んだ。
絶望的な状況から喜び、消えそうになっていた瞳にも感情がよみがえった。
「……」
夕映は受けた心の傷が大きすぎたが、それでも笑っていた。
ここにいる生徒がすべての終焉を喜び、泣いた。


【柿崎美砂 B・C・T・Lにより時間跳躍】
【古菲 B・C・T・Lにより時間跳躍】
【ザジ・レイニーディ B・C・T・Lにより時間跳躍】

【最終生還者】
出席番号4、綾瀬夕映
出席番号7、柿崎美砂
出席番号12、古菲
出席番号29、雪広あやか
出席番号31、ザジ・レイニーディ
979真・作者18 ◆iENNpAl3Xs :2007/12/20(木) 20:42:58 ID:???
以上で投下を終了します。
残り4話がエピローグなので次スレに投下といたします。
980マロン名無しさん:2007/12/20(木) 21:02:02 ID:???
すごい、とは思ったが良いところでの脱字にはちょっと吹いた
981マロン名無しさん:2007/12/20(木) 21:03:57 ID:???
乙、よかったよー
982マロン名無しさん:2007/12/20(木) 22:13:44 ID:???
乙、です。
後はエピローグを楽しみにしてます。
983マロン名無しさん:2007/12/20(木) 23:08:44 ID:???
>>970
でも後1人ってなってるぞ。作者18のミスか?
984マロン名無しさん:2007/12/20(木) 23:25:37 ID:???
>>983
一応解釈によってなんとでも受け取れるのでね?
重箱の隅をつつくような突っ込みは無粋と思うぞ。
985マロン名無しさん:2007/12/20(木) 23:28:29 ID:???
>>983
演出?かな。
バトロワ本編でもこんな演出はあったよ。
986マロン名無しさん:2007/12/20(木) 23:44:34 ID:???
そろそろ埋め
987マロン名無しさん:2007/12/21(金) 00:00:27 ID:???
>>986
無理に埋めなくて良い
自然に1000いこう
988マロン名無しさん:2007/12/21(金) 00:11:18 ID:???
自然に埋め
989マロン名無しさん:2007/12/21(金) 00:29:22 ID:???
乙!!
ただ生存率0だった美砂とザジの特別な活躍がなかったなぁというのが残念。
元々何回が生き残ってるキャラならまだしも生存率0のキャラを何の活躍もなしにってのは嫌だな。
990マロン名無しさん:2007/12/21(金) 00:32:46 ID:???
でも今回のベストオブほのぼのだったと思うけどな。
991マロン名無しさん:2007/12/21(金) 00:50:53 ID:???
18から読み始めた自分は生存率とか知らんから普通に楽しめました
作者乙!
992マロン名無しさん:2007/12/21(金) 02:17:32 ID:???
>>991
ニコニコから来た人かw
俺もそうなんだがまとめサイトの他の部読んでみ
特に1部〜4部最初に読むと流れ分かりやすい。
俺はニコニコで知って1週間でもう6部まで読んだww
993マロン名無しさん:2007/12/21(金) 02:28:09 ID:???
>>989
美砂は1部で生き残ってるやん
てかそういやザジ生き残るて新鮮www
994マロン名無しさん:2007/12/21(金) 02:38:02 ID:???
>>993
新参乙
995マロン名無しさん:2007/12/21(金) 02:41:45 ID:???
1部と8部は野球ロワの丸パクリが発覚し、黒歴史扱いとなっている。
存在を抹消された作品だから生存率等の集計にはカウントされてないんだよ。

……そろそろ黒歴史についての説明もテンプレ入りした方がいいかもな。
996マロン名無しさん:2007/12/21(金) 03:40:36 ID:???
ここまできて1000GET狙わないのも珍しい
997マロン名無しさん:2007/12/21(金) 09:43:07 ID:NnW7pQwa
パクリトカいってる厨房は馬鹿?
そもそもバトロワ自体・・・・
998マロン名無しさん:2007/12/21(金) 10:41:12 ID:???
それは言おうと思ったけどあえて黙ってたぞ
アホらしいので
999マロン名無しさん:2007/12/21(金) 10:48:46 ID:???
一部良かったのにな
1000マロン名無しさん:2007/12/21(金) 11:15:20 ID:???
初1000ゲト
10011001
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。