賛成
新職人の投下にも期待
5 :
1:2007/06/02(土) 01:29:05 ID:???
今日の正午辺りに投下しようと想っていますが、
書き込むのはこちらで良いのでしょうか?
YES! YESYESYES!!
大人しく待ちまさぁ
半裸で
>>6 専用スレがあるのですから向こうで投下して下さい
無冥さんの名前が出てるスレの方を雑談・議論スレに使えばいいんじゃね?
お待たせしました。
続きです。
↓
*STARDUST¢FLAMEHAZE*
← REPLAYッ!
「上等、よッッ!! 」
フリアグネの悪意の叫びを開戦の合図だと解したシャナの右手が黒衣の内側に伸びる。
戦慄の美を流す大太刀、贄殿遮那を抜き放つ為に。
その刹那、
ズズズゥゥゥンッッッ!!!!
激しい爆裂音が真下から屋上全体に向かって鳴り響いた。
ついで巨大な何かが障害物に激突して爆砕したような重低音が轟き
破壊の余波が足元から伝わり靴の裏が揺れる。
(!)
シャナは反射的に自分の足下を見つめた。
その原因が誰なのかは考える間でもなかった。
”アイツ ”だ。
「あ……」
口元から思わず漏れた怒りや憎しみとは対極の感情が篭もった声。
アイツもいま、戦っている。
自分と同じように。
同じ場所で同じ相手と。
『自分と一緒に戦っている』
ただそれだけの当たり前の事実に、心で渦巻く幾重にも渡り複雑に絡み合った
負の感情にも勝るいとおしさを抱いたシャナは、一瞬安堵の表情を浮かべ、
口元にも笑みが刻まれる。
しかしそのシャナの様子を老獪に見据えていたフリアグネは、
すぐさまに冷徹な言葉を少女に向けて浴びせた。
シャナに味方するものは例え音ですら許さないとでもいうような、
DIOから譲り受けたドス黒い精神の残虐さで。
「おやおや? 下では随分派手にやっているようだな?
どうやら私は居る場所を間違えたようだ。早々にこのくだらないフレイムヘイズの小娘を
片づけてマリアンヌを迎えに行ってやらねばね……」
フリアグネはそこで言葉を句切り、さらに周到にも一拍置いて、
その表情を何よりも兇悪に変貌させてシャナに言い放つ。
精神的に限界に近い今の少女には何よりも残酷な言葉を。
「”白い巨星を鮮血の落日に染め上げる為に”あの方もお歓びになられる」
そう言ってフリアグネは心底愉しそうにクスクスと嗤った。
狂った光の宿るパールグレー流し目でシャナの一番純粋な部分を陵辱するかのように。
「!!!! 」
その言葉が終わるよりも速く、シャナの中で理性の箍が数十本まとめて弾け飛ぶ。
精神の最後の主柱が音を立てて崩れ落ちた影響で、
シャナの心の中で渦巻いていた様々な負の感情と同時に
それとは別に湧き上がっていた対極の感情とが混ざり合い、
正と負が煮え滾り心の局が無明の渾沌と化す。
「!!?? 」
その瞬間(とき)。
シャナの中でナニカが弾けた。
シャナ自身ですら自覚の無い、しかし少女の中で静かにその覚醒の刻を
待ち侘びながら胎動していた決定的なナニカが。
脳裏の中、その頭蓋の深奥で一瞬の閃光の後、
紅い光暈(こううん)が網膜全てを見たし、そして己が全存在を輝きながらも包み込む。
その刹那、シャナの灼眼に変異が起こった。
深紅の双眸に宿るいつもの燃え上がるように鮮烈な色彩は完全に消え去り、
代わりに熔解した灼紅の鋼を瞬時に凝結したかのような
超高密度な色彩へと変容する。
虹彩に宿る紅蓮の光はいまは完全に消え去り、
否、変異した瞳の発する引力によって光は全て外部には脱出出来ずに
吸い込まれ一片の光の存在すらも赦さない無限の虚空へと変貌した。
”トランス(逸脱)状態 ”
今のシャナの姿を言葉で現すのならその一言に尽きた。
その己の変貌に、張本人であるシャナだけが気づいていない。
しかしそれは当然と言えた。
”シャナ自身すら知ることの無い力だったのだから ”
今だ嘗て無いほどの激しい正と負の感情にその心身を灼かれ、
その他色々な要素が複雑に絡まり合って半ば偶発的に目覚めた能力なのだから。
「……………!!」
シャナの未だかつて見たことの無い変貌振りに、誰よりも少女を良く知る
アラストールまでもが驚愕の余り言葉を失う。
シャナ自身が知り得ない力の本質を一心同体であるアラストールも
また知りようがない。
突如訪れた特異点とでもいうべき、無常の不確定要素により
戦局は誰の予測も付かない事態へと陥った。
”ヤ・キ・ツ・ク・ス!!! ”
シャナは純粋に、ただソレだけを想った。
通常の彼女の灼眼を使命と闘志とに燃ゆる修羅の瞳と譬えるならば、
今のシャナの灼眼は破壊と滅亡とを司る羅刹の瞳。
(楽には……滅さない……! おまえの犯したその罪……!
私が灼熱の劫火で断罪するッッ!! )
何よりも強く心に誓い硬質な色彩を浮かべる無明の色彩を宿した
その真・灼眼でシャナはフリアグネを真正面から貫く。
(”アイツ ”には指一本触れさせないッッ!! おまえなんかに絶対にッッ!! )
無明の双眸と化したシャナの全身から発せられる、その存在自体が
圧搾されるような凄まじいプレッシャーにフリアグネは寒気を覚えながらも
「ほう? なかなからしい表情になったじゃないか?
少しは楽しめそう、かな? 」
そう言って聞こえるか聞こえないか解らないほどの薄い口笛を
奏でると純白の長衣を清廉に翻した。
(チッ……少し煽り過ぎたか……憤怒が回帰し過ぎて意識の円環を突き破り
ソレが精神の未知の部分を覚醒させて少し「冷めた」ようだ。
”あの方 ”から聞かされていた性格とは大分違うな。
こんなに激情家だとは想わなかった。
フッ……でもまぁ良い。予定と少々違っても『やる事は変わらない』
少しくらい力が上がろうと『私はフレイムヘイズ相手なら絶対に負けない』
そうだろう ?マリアンヌ? )
心の中でそう最愛の燐子の恋人にフリアグネは問いかけ、その口唇に
耽美的な微笑を浮かべると、いきなりその視線を矢を番えた弓の弦のように
キリリッと引き締め、左手で長衣を真一文字に大きく翻した。
純白の長衣が滑らかに空間を半円状に撫でるのと同時に、
シャナを取り巻いて数十もの薄白い炎が、広い屋上に次々と湧き上がった。
どうやら純白の長衣には召喚、或いは空間転移の自在法が編み込まれていたらしい。
その白い炎の内から武装した等身大のフィギュア達が姿を現す。
どれもシャナの2頭身以上の長身で全て少女型。ペット樹脂の上にクロームでメッキされた滑らかな身体のラインに、
目立たない形で関節が仕込まれている。
着ている服装は古今東西種々折々で、ストリート・ファッションからセーラー服、
アーミールック、ゴスロリ、デカダン調のドレス。更にブランド物のスーツ姿や
無意味に露出多い武闘着、更に浴衣や晴れ着など主の倒錯したセンスを象徴したかのような混沌振りだった。
それら、まさしく頽廃の趣味の産物が、可愛らしく描かれた笑顔のまま、
スチール製の関節を軋ませながらシャナに詰め寄ってくる。
「フッ……!」
己の自在法が正確に起動した事を確認すると、フリアグネは軽やかに背後へと
大きく跳躍し長衣を翻しながら屋上奧に設置された
固定梯子付きの給水塔の上へと着地した。
「クククククククク…………どうだい?ご期待に添えたかな? お嬢さん? 」
得意げなフリアグネの声が、その武装フィギュア達の包囲の向こう側、
そして頭上からシャナにかかる。
「良い趣味してるわ……!虫酸が走るくらいにね……! 」
吐き捨てるシャナにフリアグネは
「つれない感想だねぇ。せっかく記念すべき今日という日に備えて、
手によりをかけたというのに」
そう言って給水塔の縁に右足をダラリと下げ左膝を両腕で抱えて座り込み、
纏った純白の長衣の裾を頭上の封絶から発せられる白い気流に靡かせる。
「まぁ、良い。開戦の宣告にしては少々物足りないが、さぁッ!! 始めようかッッ!! 」
フリアグネは再びDIOが乗り移ったかのようなサディスティックな微笑を
口元に浮かべると、今度は長衣の裾を鋭く斜めに翻した。
その合図と同時に武装フィギュア達の盲目の瞳が白く発光し、
サーベルやレイピア、スティールウィップやライトスピア、
ジャベリン、クロスボーガン等の女性でも扱える軽量の、
しかし殺傷能力は充分の武器を携えたフィギュア達が、
シャナへの包囲網を徐々に狭めていく。
表面をクロームで覆われたフィギュアの群は、開かない口から
それぞれ同じ機械合成音のような無機質な言葉を
全く同調のトーンで口走りながらシャナに詰め寄ってきた。
「行かせない……」
「ご主人様を……」
「キズつけるものは……」
「誰一人……」
「どこにも……」
「ここから……」
「行かせない……」
「フレイム……」
「ヘイズ……」
「炎髪……」
「灼眼……」
「討滅の……」
「討滅の……道具……」
金属の関節の軋む耳障りな音がシャナの苛立った神経を更にささくれ立たせ、
その苛立ちが更に己の使命感と破壊欲とを激しく燃え上がらせる。
ようやく訪れた、約束の時。
フレイムヘイズの崇高なる使命を果たす事に胸が高揚した。
同時に目の前に存在する全てを粉々に破壊してしまいたかった。
そう、なにもかも。
恐らくは自分自身すらも。
そんな矛盾した心象を心の中で併せ持ちながらも戸惑いは微塵も感じなかった。
頭の中は限りなく透明に澄み切っていた。
心の中では草原を翔る清廉の涼風と廃墟で吹き荒れる破滅の乱風とが
同時に混在している。
「世界の果て」
今のシャナの心象の在り様を一言で言えばその表現こそが適当だった。
シャナは顔を俯かせたたまま、歯を食いしばらせそして黒い熱の籠もった声で呟く。
「冗談……じゃないわ……!どこにも……行かない……ッッ!!」
そう良いながらその細く可憐な手の先を黒衣の内側に入れる。
再び出てきた掌には件の妖刀、贄殿遮那ではなく
煌々と光る存在の灯火、”トーチ ”の塊が乗せられていた
決してフリアグネの挑発に乗ったわけではない。
ただ今の自分には炎が必要だった。
自分の心象の有り様を余す事なく顕現させる事の出来る紅蓮の炎が。
「例え一匹でも……この私が……おまえ達を放って……素通りすると思う……!?」
言葉の終わりと同時に掌のトーチが激しく渦巻く紅蓮の炎へと変貌する。
炎は自在法の練度が鈍っている為、制御を離れて気流に靡き、シャナの黒衣の
肩口をチリチリと焦がす。
シャナはそんな事など意に介さず黙ってこれから発動させるべき炎の自在法を
精神の中で編み上げ始める。
確かに自在法の練度は鈍っていた。
しかし『そんな事はどうでも良かった』
先程から自分の内部から絶え間なく沸き上がる、
得体の知れない黒い力。
心の深奥から滲み出て、神経を介して全細胞を駆け巡りやがて
雨露のように冷たく全身へと染み渡る。
その冷たく硬質で、しかし何よりも危険で甘やかなカオスの感覚が
シャナの心の中の弱みを一切残さず全て吹き飛ばした。
同時に上がる凛々しく猛々しい鬨の声。
「虱っ潰しよッ!! どけなんていわないッ!!
おまえ達を一匹残らず焼き尽くしてッ!!
私はアイツを討滅するッッ!! 」
シャナのその勇ましき喊声と同時に20を超える武装フィギュアが
一斉にシャナへと襲い掛かり、
更に十体以上が空中に飛び上がり頭上から襲い掛かってきた。
「せりゃああああああああッッ!! 」
シャナはまず跳躍のエネルギーを使い切り自由落下へと陥った武装フィギュアに
右の掌から無数の火炎の連弾を撃ち放った。
己の内で炎の弾丸を瞬時に量産し次々に射出するシャナの身体は
まるで戦闘機に搭載された機銃ように微細な振動を繰り返す。
射撃の精密性は無きに等しいが暴風のような炎弾の狂瀾に、
重力に縛られた空中での自由が利かないフィギュア達はまさに炎の篭に囚われた
雛鳥も同然だった。
鉄製の刺付いた鉄球を持ったブレザー、セラミックのメスを構えたナース服、
カスタムされたスタンガンを持ったゴスロリ等が手と顔面、ついでに胸と武器を撃ち抜かれ瞬く間にグロテスクなジャンクへと変わる。
「うりゃあああああああああッッ!!」
すぐさまにシャナは視線を前に移すと交差した左の掌で同じように炎弾の嵐を一斉放射し、チャイナ服やランジェリー姿等の殺戮兵器(キリング・マシーン)の群れを
蜂の巣にして爆散させる。
まるで炎髪の撒く深紅の火の粉の向こうに無数の機銃と副砲、
そして爆弾を搭載した重戦闘機のシルエットが視えるかのような
壮絶な姿だった。
武装フィギュアの斬り込み部隊を遍く炎弾の乱舞で即座に壊滅させたシャナは、
その虚空の視線で解れた包囲の空洞の横で二の足を踏む後方支援部隊、
そしてその奧で、給水塔の上で片膝を抱えて優雅に座っているフリアグネを鋭く貫く。
(おまえ?さっき言ったわよね? ”私の焔儀が見たい ”と)
硬質な無明の色彩と化した瞳が重く光る。
(みたい、の……?)
シャナは仇敵に言い聞かせるように心の中で小さく呟く。
「そんなに見たけりゃ魅せてあげるわッッ!! 」
そして激高したシャナは手の中のトーチを全て紅蓮の炎に換えた。
(おまえは一つ、大きな勘違いをしている……
私は炎の「自在法」が苦手なわけじゃない……)
やがて右手に宿った炎が火勢を弱め、その減った分の炎が左手へと移る。
(贄殿遮那で斬り倒した方が手っ取り早いから使わないだけよッッ!!)
開いた両手で炎を両脇の位置に抱えた少女は、心の中でフリアグネに
向けて叫んだ。
「はあああああああああああぁぁぁぁぁ!!」
猛りと共にシャナの両脇に広げられた手に二つの炎が
一切の過程を省いて瞬時に変容する。
右手に波濤が渦巻く業火の炎。
左手に静謐に揺らめく浄化の炎。
シャナはその二つの炎の塊が宿った掌を、固定されたリズムと軌道で
何度も何度も目の前の空間で撃ち合わせる。
静と動の火花が何度も何度もシャナの眼前で弾けて交錯した。
そして混ざり合った属性の違う炎はシャナの目の前で深紅の炎の球となり
宝玉のような神聖さで煌めきながら宙に浮く。
(恐悦の歓喜に咽び啼けッ!! おまえがッ!!
フレイムヘイズ炎髪灼眼最大最強炎術最初の討滅者だッッ!! )
渦巻く紅蓮の炎が心の内で顕現したかのような魂の慟哭。
シャナの誓い。
紅く輝く炎の球は、砕けた白刃のように凶暴な火走りの余波で
空間を切り刻みながら自身は静かに発動の刻(とき)を待つ。
(思い知らせてやる……!)
シャナの両手に宿った二つの炎は、その密度を薄めつつも
尚も激しく互いに炎の球に撃ち付けられ、その身を軋ませながら融合し膨張していく。
(フレイムヘイズをナメるとどうなるかッッ!!
私をナメるとどうなるかッッ!!それにッッ!)
シャナの脳裏に一人の人間の姿が浮かんだ。
揺るぎない己への信念と強靭なる意志によって磨かれた
水晶の瞳の輝きをその身宿す清廉なる正義の断罪者。
(モタモタなんかしてられないッッ!)
二日前に少女の心の中に宿ったまだ小さい、しかし他の何よりも
強い輝きを放つその存在の篝火が、少女を、シャナを、
己の黒い炎に呑み込まれるのをギリギリで踏みとどまらせていた。
「”アイツ”がッ!! 「下」でッ!! 待ってるのよッッ!! 」
己の決意をシャナが叫ぶと同時に、右と左、属性の違う炎が互いに混ざり合い
極限まで引き絞られた炎の球は眼前で生き物のように蠢き、そして胎動する。
まるで弾けるその時を待ちかねているかのように。
シャナは炎撃術発動の構えを緩やかな動きで執りながら、
巨大鋼鉄球を番えた大弩弓の弦のように尖烈な無明の瞳で
前方を射抜いた。
炎弾を警戒して寄ってこれないフィギュア達ではなくその奧にいる主、
殺戮の狩人、フリアグネを。
「くらええええぇぇぇぇぇぇッッ!!」
勇ましき掛け声と同時にシャナは両腕を撚りながら目の前で
素早く交差し、直角に折り曲げられた左肘に顔を埋めるようにして視線は
やや標的(フリアグネ)から降ろす。
そして交差されたシャナの腕の指先には、いつの間にか
仏教徒が結ぶ印のような不可思議な形が結ばれていた。
その動作に呼応するように今は無明の煌熱をその身に宿す、
カーディナルレッドの灼眼が初めてキラメキながら何よりも強く輝いた。
その輝きに同調(シンクロ)するかのように、
炎気を極限まで超圧縮して凝縮された高密度の真紅の球は、
周囲に火花と放電とを狂暴な音を立てて撒き散らしながら徐々にその身を
巨大な北欧高十字架(ケルティック・ハイクロス)の型に変容させていく。
シャナが執った術式は地上にまだ歴史が存在しない
悠久の遙か太古より紅世に伝わるフレイムヘイズ専用戦闘大系の中の一つ。
遍く幾千もの炎を集束して高め、そして爆発的な威力で刳り出す為にアラストールを
始めとする紅世の王達と優れたフレイムヘイズ達によって幾重にも渡る
淘汰と研磨による進化と深化の相剋の果てに創り出された究極の綜合汎用焔術自在法。
【紅堂伽藍拾弐魔殿極絶無限神苑熾祇
(ゾディアック・アビスティア・アヴソリュート・エクストリーム)】
その中の一体系、「流式(ムーヴ)」によって結合された反属性同士の炎はシャナの目の前でさらに激しく燻る。
「”紅蓮珀式封滅焔儀(アーク・クリムゾン・ブレイズ)” ッッ!! 」
己の執行する焔儀の御名を猛々しく叫んだシャナは、
八字立ちで指の印を振り解きながら交差した両の腕(かいな)に撚りを加えて
鳳凰の羽ばたきのように勢いよく大きく広げ全身から真紅の火の粉を撒くと、
「炎劾華葬楓絶架(レイジング・クロス・ヴォーテックス)ッッ!!」
絶叫した。
術式発動の言霊の叫声と共に閃光とスパークとに揺らめく火の粉を
花弁のように飛ばしていた灼熱の炎架は、
ドギュッッ!!という爆発的な加速音を立てて白い封絶で覆われた空間を駆け巡った。
狂嵐の焦熱地獄。
唸りを上げて武装フィギュア達に迫る灼熱の炎架はまるで錯乱した兇天使のように
縦横無尽に踊り狂い、誰の予測も付かないランダムな軌道で
高熱の巻き起こす余波と共に暴れ廻った。
ガジュウウウウッッ!!!
樹脂の灼ける音。
鉄の焦げる匂い。
内部に編み込まれた無数の操作系自在式によって空間に紅く精密な幾何学模様の軌跡を
描く「炎の高十字架(フレイミング・ハイクロス)」は防御も回避も、
視認すらも出来ないフィギュア達に情け容赦なく激突し、そして蒸散させていく。
シャナの内なる精神の火勢を代弁するが如く。
70体以上いた筈の武装燐子フィギュアは気がつけば残り僅か数体、
内無傷なものはたったの3体のみ。
残りは必殺の大太刀、贄殿遮那を温存したままの怒れるフレイムヘイズ、
炎髪灼眼の討ち手の凄絶なる焔儀によって全て焼き尽くされた。
術の反動、そして射出の勢いで宙に舞い上がったシャナは、
その身を中空で反転させ軽やかにコンクリートの上に着地する。
目の前の視界。
白い火花を放つ燐子の残骸がそこかしこに散乱した、
見る者によっては阿鼻叫喚の地獄絵図を想起させるような
惨々たる光景をシャナは無表情のまま、虹彩はいつもの深紅の煌めきをなくした
無明の双眸で見つめていた。
今し方発動した輪舞型の操作系自在式はあくまで
視界を明瞭にする為に編み込んだもの。
武装しているとはいえ燐子如きが何百体集まろうとシャナの眼中には
端からいないも同然だった。
そのシャナの脇に術者の命令を忠実に果たした紅蓮の炎架が
主を護るガーディアンのように静かに舞い降りた。
シャナはその一切の光を宿さない無明の双眸で、給水塔の上で
笑顔のまま拍手をしているフリアグネを冷酷に見据えると、
人間の関節可動域を完全に無視して複雑に絡められた、
自在式発動印が結ばれた右手を静謐に肩口に掲げ、
そして咎人を断罪する執行法務官のような清廉な動作で、
勢いよく印を振り解きながら真下へと振り下ろした。
その動作に合わせ炎架の内部に編み込まれた突貫型の操作系自在式が発動し、
炎架の中心部に埋め込まれた灼熱の炎玉がより紅く発光した。
「ッッッけぇぇッッ!!」
シャナの叫びが終わる前に深紅の炎架は迫撃砲が発射されたかような
爆裂音を轟かせながら超加速し、笑みを浮かべて拍手を続ける
フリアグネに向かって一部の狂いもない正確な命中精度で襲い掛かった。
(灰に!なれ!!)
空間に紅蓮の軌跡を残す火炎の疾走を見送りながらシャナは強く心の声で
「灰になれええええぇぇぇぇッッ!! 狩人フリアグネエエエエェェェェッッ!! 」
そして現実の声でそう叫ぶと、自分が認める二人の血統の男達と同じように
右手を素早く逆水平に構え標的を、フリアグネを射抜くように鋭く指差した。
←TO BE CONTENUED……
次回予告。
突如シャナの中で覚醒した能力、”真・灼眼 ”
その力の汎用性は炎術だけに留まる事のない
強靭無比な能力だった。
しかし、それすらも戦慄の狩人、フリアグネにとっては
掌中の権謀術数の一端にしか過ぎなかったのか?
そして窮地に陥ったシャナが取ったある意外な選択とは?
次回、連載コラボSS
ジョジョの奇妙な冒険×灼眼のシャナ
*STARDUST¢FLAMEHAZE*
【CHAPTER♯17 戦慄の暗殺者V 〜 Don't leave you〜】
御期待下さい……!
”一人じゃ、ないッッ!! ”
『炎劾華葬楓絶架(レイジング・クロス・ヴォーテックス)』
術者名−空条 シャナ
破壊力−A スピード−B 射程距離−B
持続力−A 精密動作性−B 成長性−C
能力−業炎と浄炎。異なる二つの属性の炎を自在式によって融合させ、
相乗効果によって増大した存在の力を高架型に変容させて
相手に撃ち込む炎の戦闘自在法。
高架に様々な自在式を編み込むことによって、
その軌道や属性を複雑に変化させる事が出来る剛柔一体の焔絶儀。
弱点は発動までの所要時間が長い事と、存在の力の消耗が大きいこと。
ここまで……です……
これで……精一杯……です……
では……ま……(ガクッ……)
色々あったがやっぱ無冥さんのSSは神!!GJ!!!超鳥肌たった!!
シャナカッコよかったぜぇ
GJ!!違ったらゴメンだけど俺はスーパークロス・ファイアー・ハリケーン・スペシャル的なものを想像してしまった
>>27 わ・・・わかったぞ、無冥氏!
おまえの命をふりしぼったSS投下ッ!
たしかに受け取ったぞッ!
GJ!やっぱ無冥さんのSSはスゲーおもしろい!
次もがんばってください!
>>27 無冥氏ッ!おまえの命がけのSS投下ッ!
ぼくは敬意を表するッ!
シャナがスーパーサイヤ人化しちまったな。
栗林のことかあーーー!!
シャナ滅茶苦茶強えええ!!!
この分じゃフリアグネもそれに見合った強さになるんだろうな
>>13 “シャナの中でナニカが弾けた。”
種割れ!?種割れなのか!!?
前スレで言ってた“真・灼眼”の片鱗がでたな
これって承太郎の時止めと同様、シャナの潜在能力なのかな?
いや〜、凄いことになってきたなぁ…。
GJです!次も頑張って下さい!!
GJ!
そしてそろそろ承太郎分が寂しくなってきた・・・。
シャナってクロスにゃとことん向いてないんじゃないかと思えてきた
それともうまい人が書けば面白くなるのだろうか
これ完結するのメロンパン何個目くらいかなぁ?
お楽しみはまだまだ残ってるしね
ヤ、ヤバイ
超書きたくなってきた・・・・・・しかも変なキャラチョイスでort
描けぇ!描くんだぁ!!
ためらうものなどなにもないッ!!
うっ・・・書きたい・・・・・・俺なんかが書きゃスレ汚しになりそうで・・・・・・でも、書きたい・・・・・・
45 :
マロン名無しさん:2007/06/03(日) 14:07:02 ID:y6Dwfb7e
かまわん。
書け。
ぃよぉぉっし!!書きます!!書かせていただきます!!
で・・・問題の主人公なんですが・・・・・・・吉良ということで!!
よろしくお願いします!!舞台は四部で!!
(あぁ〜・・・言っちゃったよぉぉ〜・・・・・・でもなんかスッキリ・・☆)
吉良が主人公か・・・・・
シャナや姐さんやヴィルヘルミナの手を狙ったりして・・・・・
>>46 吉良!新しい職人さんが来てくれて嬉しいです。
そして無冥さん今回もGJです。
49 :
ナナシ:2007/06/03(日) 16:19:00 ID:2bh/Unm5
吉良ってめっちゃシャナに追われる側じゃんw
>50
その絶望で「覚悟」を引き出して、キラー・クイーンが純粋に時間を戻す
能力を得ることだってありうる。
あ、
>>46です。今正に書いてる途中なんですが・・・・・・
何せスケールのちっさい男ですので完全に番外編的な短編って事で勘弁です・・そんな訳でシャナでません(オイ
ホント期待なさってた方申し訳ありません!
あ、でもちゃんとシャナサイドからはフレイムヘイズを一人だそうとオモテます。
え〜と・・・まだ一応秘密ということで・・・(←うわマジ何調子こいてんのよ
そ、そんな訳で一体どんなもんができるか見物です!(ネガティブな意味合いで
そ、それでは
>>52 書いてくれるだけでも、とてもありがたいです!
期待してますよ!
花京院で書きたい、かも……。
でもSSって難しそう……。どうしたものか
なんか真・灼眼だの紅堂伽藍拾弐魔殿極絶無限神苑熾祇だの一気に厨臭……いやなんでもない
ただ無為に、流れ行く日々。
テレビや新聞に目をやれば、不穏な事件というものはいくらでもあるが、
それでも彼の暮らす日常は、何が起きるというわけでもない、
ありふれた──決して満たされる事のない日常、だった。
花京院典明は既に気付き始めていた。その無為な日々が、しかし
失ってはならないと思っていた日常が、音も無く炎上しつつあることを。
「うっ……!?」
突然、炎が視界を満たした。
レストランや飲み屋の繁華街、
そこに流れ、花京院を混じらせていた雑踏、
全てを包んでいた血のように赤い夕日。
それが強く揺らいだかのような、澄みつつも不思議と深い赤の炎。
学校を含めた住宅地の対岸、大鉄橋で結ばれた市街地。
行きつけのCDショップで輸入盤のコーナーを一瞥し、
目当てのCDを買ったその帰りに、花京院の日常は崩壊した。
周りを壁のように囲み、その向こうを陽炎のように霞ませる歪みが、
足元に火の線で描かれる、文字とも図形ともつかない奇怪な紋章が、
花京院典明に警鐘を鳴らしている。
(……ヤバい。こいつは……!何か!ヤバいぞッ!)
と・とりあえず冒頭だけ書いてみました。
タイトルとかは未定というか、ちゃんと続き書けるかも不安ですが…。
ていうか、トーチの塊って何?
>>62 スクライドは厨ではなくDQNを究めたものだと思うのだが……。
まぁ初期ジョジョも厨ネーミングの嵐だったしいいじゃない
>>64 その時代のネーミングセンスを今の時代に使ってるから
厨だと言われるんだと思うが・・・
バオーメルテッディンパルムフェノメノン
バオーシューティングビースススティンガーフェノメノン
バオーリスキニーハーデンセイバーフェノメノン
あんまりシャナがパワーアップするのはどうかと
作者です。
皆様の感想レスに心から感謝致します。
では幾つか掻い摘んで返信を返そうと想います。
>>29 そうですねw
シャナにCFHを撃たせてみたいという作者の欲求が
こんな形になったという所ですw
>>31 ハイ。頑張ります。
頑張るなと言われても頑張ります。
>>35 そうですね。
彼(フリアグネ)は今のところ知能力がダントツです。
あとスッカリDIO様に心酔しているようで、
もう現世と紅世の支配闘争まで視野に入れている模様です。
タイプでいうと参謀タイプの人(?)ですかね。
>>36 その通りですw
イメージ的にはシン・アスカでw
作者の独創力が厨なのでSSにはあちこちからアイディアパクりまくってます。
シャナがDIO様に放った”螺旋の貫突”とかモロ『●ラッディー・●クライド』
ですしねw
>>37 今のところシャナ自身自覚の無い能力です。
シャナ本人は自分の瞳が変わっているという事にすら
気がついていません。
>>38 ハハハハハ。
原作ドン無視の無冥オリジナル設定ですからねw
一応イメージとしてはゾディアック〜(長い、なんでこんな名前付けたアフォ無冥)
が「武術」や「格闘技」と呼ばれるような大凡の概念で、
『アーク・クリムゾン・ブレイズ』というのが「空手」や「柔道」「剣道」と
言った流派のようなモノを示します。
何か良いアイディアがある方はカキコよろしくw←(厚かましい)
取りあえず姐さん(マージョリー)の流式(ムーヴ)『ダークブルー・〜・ブレイズ』
とかにしようかなと漠然と考えています。
>>39 ハイ。次回は出します。
作者もやっぱり承太郎書いてる時が一番愉しいので。
>>41 そうですねぇ〜。
シャナが寝込む位のパン数にならないと終わらないかもです。
>>52 楽しみにしています。
頑張ってください。
では次の投下でまたお会いしましょう。
それでは。
うわぁ・・・無冥さん来たあとかぁ・・・・・・。
ナンカキンチョースル・・でわ!一応出来たので投下させていただきます。
スレ汚しスンマセン・・・・・・↓
あ、あれ?変だな?ち、ちょっとお待ち下さい。
本当にすみません!
ありゃ(泣
エラーがでるぅ「長すぎる行がある」って
スンマセン!何分携帯からの投下でしかもこのヘタレ作者が2chほぼ初心者ときました(泣泣
どなたかアドバイスお願いします・・・・・・
>>72 私でよければ。
よほど文の量が多くない限り30行前後ならカキコ出来ます。
慣れない内は20行位で区切って何回かに分けて投下すると
良いと想います。
それでは。
・・・・・・あぁ越えてるすみません、わざわざ私なんかにレスありがとうございます!!
そして住人の皆さん!お騒がせしてすみません!
今少しお待ち下さい・・・・直してきます
「あぁ・・今日もいい天気だ・・お昼はどこで食べようか」
時刻は12時10分。街はレストランを探し歩く観光客や、昼休みのサラリーマンやOLで賑わう。
そんな人ごみの中で一人のサラリーマンが誰にも聞こえない声で、呟いた。
男の名は「吉良吉影」
男が住む町「杜王町」にあるチェーン店「カメユーチェーン」に勤務している。今は独身で恋人や親しい友人もなく、一日一日が植物の様に、静かに、平穏に過ぎていく。そしてそうやって過ぎてゆく時が、男にとって何にも変えがたい事であり、最高の幸福だった。
今日もいつものように、外回りに行く前の腹拵えのため、この町で人気のパン屋「サンジェルマン」へ男は向かう。
この時間の「サンジェルマン」は焼きたてのパン、そして人の流れが多くかなりいい立地条件のことも相俟ってかなり混み合う。
男は人ごみが嫌いだったが持ち運び易く、なにより焼きたてで美味いパンは魅力的だった。
(さて・・・・・・今日はどこで食べようか・・・・・・)
男が考えながら歩いていると目当ての「サンジェルマン」の看板が見えた。
毎度覚悟はしているのだがやはりいざこの光景を目の当たりにするとウンザリしてしまう。
そしてその嫌悪を押し殺して、店のドアに手をかける。
そしてその「瞬間」から男の奇妙すぎる体験は始まった。
「・・・・・・?」
ガラスばりのドアを開け店に一歩入ると同時に、男は妙な感覚に襲われる。
その場の空気の流れや、雰囲気、その他全てがいつも感じるそれとは違うものとなっていた。
(気のせいか・・・)
その考えもほんの刹那で吹き飛ぶ光景が飛び込んで来た。
「な・・・!?」
今その瞬間まで動いていた店の客、それも老若男女全てが「停止」していた。 (な・・・なんの冗談だ・・・・・)
そう 「停止」
男は近くにいた中年の男に顔を覗き込んだ。
「こ、こいつ・・・!呼吸をしていない!?ほ、他の奴らもかッ!??」
突如自分に降り懸かった非現実、非日常に男は平静を保つ事が出来ない。
そしてさらなる非現実、非日常が男を襲う。
ドズゥゥン・・・
不意に店の外からの大きな音と衝撃を、男は感じとった。
ただそれが一体何の音なのか?衝撃なのか?と、頭の中で思考する余裕は、今の男にはなかった。
いくら考えても今の自分の状態では答えを導きだせない。
そう結論を出した男は弾かれるように店から飛び出した。
「か・・・・・火事か?いや違う!!だ、だがこの火は・・・!?」
外にはおよそこの世のものとは思えぬ光景が広がっていた。人々は店の中と同じように「停止」し、空は紅く染まりきっている。眼前には炎に包まれた町が広がった。が、さらに奇妙な事に熱さは全く感じなかった。
この状況では男は自分の五感を疑いたくなった。 しかし疑う暇も与えられず男に次の非現実が襲いかかる。
音と衝撃の正体が男の目の前に飛び込んで来た。 3メートルはあるだろう巨大な「人形」が三体、何かを探す様に歩き回っていた。
本能的に見つかってはまずいと判断した男は「サンジェルマン」の裏手に回りこみ影からその様子を観察した。
人形のデザインは一貫して子供向けの玩具のようで表情には愛くるしさが感じられたが「逆に」男にはそれがおぞましさに感じとれた。
そしてその内の一体。短髪にTシャツに半ズボンという恐らく「人間の男の子」を象った人形が縫われた口もとを無理矢理開き話し始めた。
「ねぇ〜〜〜?ホントにここなのぉ〜〜?こぉんなに暴れてんのにぃ『あいつ』来ないよぉ〜?」
その人形の真後ろを歩く腰まで伸びている長髪にピンクのワンピースといった服装の「女の子」を象った人形が、同じく縫われた口もとを広げて返答した。
「そーよ。ここよ。間違いわ。いくら『あいつ』だからってあれだけ傷をおってちゃあまだ満足な戦えないはずよ。どっかに隠れながら見てるかもね♪だからもっと暴れましょ。そうすりゃと今に出てくるわ。」
見た目通りの幼女のような口調で人形は言った。
「わかったーー。んじゃ暴れるーーー♪」
返事と同時に男の子の人形は口を頬まで裂き火を、否、炎を吐き出しそれで人々を焼始めた。
その光景にまたも驚愕した男だったが、驚きもピークを越え男は徐々に冷静を取り戻しつつあった。 (・・夢か・・・現か) 男は自分の手の少し伸びてきた爪を見てあることを思い付いた。
(フフ・・・・よく漫画や映画じゃあこんな事に巻き込まれた奴は『痛み』を確認するよな・・・・・でもいざなってみると・・・・・ホントにやっちまうもんなんだな・・・)
そして男は右手の爪で左手の甲を引っかいた。薄い皮が破れ、命の赤が滲み出てきた。
男は爪についた血を舐めると口もとに笑みを浮かべた。 (痛いし・・・・・血も出た。夢じゃあないんだな・・・・・さてこれから一体どうするか・・・)
完全に調子を取り戻した男はさっき人形達がいた場所へ目をやる。そしてある変化に気付く。
(・・・・・む、一体減っている・・・どこだ?) 男の子の人形と女の子の人形。そして奥に隠れはっきりと姿は確認出来なかったが確かにもう一体いた。
今後もその調子で続けるなら書くのやめろ
この辺りは見通しもいいから見つけられないはずもない。
男は疑問に思った。そしてその疑問の答えは男の「背後」にあった。
「人・・・・間?」
不意に声。その声は男女のソプラノとテノールが乱雑に混ざり合う不快なものだった。
(なっ!?)
男は反射的に建物の影から飛び出した。だが男が導き出した「生物」としてのその危険回避行動は男をさらなる危険へと導いた。
「くッ・・・」
歩道へと出た男は自分に影がかかるのを感じた。
しまったと思った時にはもう遅かった。
「ねぇ!ねぇ!こいつ?こいつ?」
「馬鹿ね。ただの人間とフレイムヘイズの見分けもつかないの?」
先ほど自分が観察していた人形達に今度は自分が見下ろされ観察されていた。 (・・・成る程、一体は身を隠しながら目当ての獲物に近づき残りはその獲物の目を引く・・・か。
フ、狩りをする恐竜程度の知恵はある、という訳か・・・。)
男は動こうとはせず「考えて」いた。
そんな男に構わず、目の前の人形達は会話を続けていた。
「でもさぁ、ただの人間のくせに動いてるよぉ。『封絶』の中なのにぃ」
「あ!きっと宝具か何か持ってるのよ!やったわ!ラッキーよ!私達ラッキーなのよ!」
「え?ラッキー?やったぁ!ラッキーラッキー♪」 目の前の不気味な人形劇を他所に男の思考は完全に終了していた。 男は人形達の会話にちらほらと出てくる聞き覚えのない単語の所為で、いまいち内容を理解出来なかったが別にしようともしていなかった。
ただこの人形達と自分の関係が、完全に捕食者と獲物のそれであることは感じとっていた。
(・・・つまり、こいつらも私の今日の睡眠を妨げる『トラブル』であり『敵』というわけだ・・・・・なら・・・・・)
男はうす暗い笑みを浮かべながら、ゆらりと歩き出し前の人形達との距離を縮め始めた。
男に気付いた人形達は男の方へ振り向きなおす。
「あ!ほらぁ!来たわ!やっちゃいなさい♪」
女の子の人形が男を指差し隣の人形へ告げた。
「はーーい♪わガッッ・・・ガ・・・・」
その人形の言葉は中断された。男の背後から現れた純白の腕の鋭い拳撃によって。
男は迷いを無くしたドス黒い瞳に、同じくドス黒い光を宿し言った。
「君達を始末させてもらう」
「ガ・・・ガ・・・・」 ネコ科の動物の頭蓋骨のような、耳のある髑髏がデザインされた手甲の装着されたその右拳に、人形の口内は完全にブチ抜かれ、頬を突き破り人形の顔面はみるも無惨なものとなってしまっていた。
もう一体の女の子の人形の方は突然の事態に、男と距離を置くため後ずさりしていた。
そして今度は男が目の前の人形を指差しこう言い放った。
「君の『口』は厄介だからね、さっきの炎なんて噴かれたらたまったもんじゃあない」
「グ・・・グガ・・ガ」 人形は苦しそうに手足をばたつかせてもがいた。その姿は羽がちぎれ、飛べなくなった蛾が地を這いずる姿に似ていた。
「君には特に恨みらしい恨みもないからすぐ楽にしてやるよ」
男は感情を込めず言い放つと人形の口内を貫いていた腕が引き抜かれた。そして同時に男の背後からもう片方の腕が現れ人形の首目掛けて手刀を放った。
バギャァァッッ
大型車でも潰れたような、鈍い音ともに人形の首が根本から分断され地面に転がった。
「カ・・・ク」
転がった首は蚊のなくようなか細い断末魔を放ったが男には聞こえなかった。 そして頭を失った胴体はほぼ無傷のまま、よろけて建物にテディベアのようによしかかって動かなくなった。それを確認すると男は振り向き、もう一体いた女の子の人形に目をやった。
人形は声にならない奇声をあげながら男へと向かってきた。
(フ〜〜・・・初めの奴よりは少しは頭が回るかなと思っていたが、本当に「少し」だけだったな・・・) 男も露骨に呆れたような表情を浮かべながらがら人形の方へと歩みよる。
「ギィャャャャア!!!」 最早その表情にも、声にも先ほどの面影のカケラもない。完全にモンスターのそれだった。そしてその巨大な拳を男目掛け乱暴に振り下ろした。
「しばッ!」
バキャァァ
かけ声とともに先ほどの白い拳が、男のほんの鼻先まで来ていた巨大な拳を、アッパーカットで手首の部分を刺し貫いてとめた。
「ギ・・・」
人形の動きが止まる。男はすかさず人形の手首に撃ち込んでいた腕を引き抜き一気に間合いを詰めた。
(今、楽にしてやるよ) 先ほどと同じ要領で人形の顎下にアッパーカットを白い腕が繰り出した。だが今動いた男の運動エネルギーも上乗せされたそれは明らかに先ほどのものより強力だった。
グゥァシャァッ
そしてその凶拳が人形の顎下をブチ破り人形の顔面をひしゃげさせた。
やがて動かなくなった人形を一瞥すると男は残りの標的を探し始めた。さっきとは完全にその関係性が逆転している事は男も、残りの人形も肌で感じとっていた。
(・・・もう一体いたはずだ。私の背後へと回りこんでいた奴。姿はよく見えなかったが・・・さっきチラッと見た限りでは今の人形どもと同じ位のサイズだった筈・・・・)
男はさっき自分が不意をつかれた建物の陰を注意しながら覗いた。
(・・・いない?)
そこに人形の姿は見受けられなかった。男はまた人形を見失った。
(・・・・・・・・!!しまった!そこか!) 男は答えを出すと同時に右足を強く踏み込み後ろへ飛んでいた。そしてその瞬間、今男がいた場所に人形が轟音とともに着地してきた。
ゴゴォォン
(くっ・・・やはりこいつがこのなかじゃ一番マシのようだな・・・・・)
どこに隠していたのかその人形の手に男の背丈ほど斧が握られていた。
男が建物の上部を確認すると深い傷跡が見えた。恐らくこの手に持っていた斧を突き刺して隠れていたのだろう。
改めて見るとその人形の風貌は異様なものだった。 そのほぼ四等身の身体には不釣り合いなほど大人びた濃紺のタキシード。そして最も異様に感じたのは人形の「顔」だった。
ちょうど半分で区切られていて、右が男性、左腕が女性という魔物の形相であった。
人形が間接部分をギギという音をたてながら斧を持っている左腕を振り上げようとした。
(鈍い!亀のようだ!) すかさず先ほどと同じ要領で男は距離を詰め、そして二つの白い拳が人形目掛け打ち放たれる。
ガガァン
鈍い金属音がその場に響いた。
「!!」
人形の身体はへこみ傷すらつかなかった。男はそのまま走り抜け、少し進み人形に背を向ける形で停止した。
「硬い・・・な」
男の双拳に血が滲んでいた。
(動きは鈍いがさっきの奴らとはレベルが違うようだ・・・・・・・・が、もう関係ないか・・・・・) 男は人形に背を向けたまま歩き始めた。
「・・・・・?」
その行動は人形は一瞬戸惑った。
逃げている『つもり』なのだろうか。ならば何故もっと急がない?
だが人形はすぐ考えるのをやめた。何をこの人間が考えていようと、自分が少しじゃれてやればこいつはすぐに死ぬのだから。そう結論を出した。
人形は男が何秒かかけて歩いた距離を一歩で近付いて、手に持った斧の頭上高く振り上げた。
男は自分が影に覆われた事を感じたが、何事もないように歩き続ける。
そう、男にとっては「もう」それは何事でもなかった。
「・・・死ね」
人形は一気に斧を振り降ろした。斧は周囲の風を巻き込み、 ゴオっと音をたてながら断頭台のように男に迫った。
ボグォォォォン
その瞬間、轟音をとともに人形の体が大きくひび割れ、まるでマグマでも噴き出す火山のように内側から「爆発」し跡形も無く消し飛んだ。 斧は男のほんの数十センチ横から落ちて来て、コンクリートの地面をえぐり突き刺さった。
その斧にも目くれず男はさっきいた表参道を目指し歩き続けていた。この手の傷、人に聞かれたらなんて言えばいいかなぁとか男は考えていた。
え〜・・・とりあえずこれで終わりですが・・・
まずこの神聖なスレッドを汚してしまったことを心からお詫び申し上げます。
皆さん本当にすみませんでした。SSを書く事がいかに大変な事か身をもって知ることが出来ました。
では無冥さん、住人の皆さん。失礼します
なんで数行ごとに分けてるのか理解できない
明らかにレス量三分の一で済む
携帯厨か?
GJ。だがさすがに分割しすぎだな
封絶の中でもあくまで冷静かつマイペースに敵を始末してのける吉良GJッ!命懸けの投下、僕は敬意を表するッ!
それに比べて…
この厨二病共が オレをなめてんのかッ! 何回過疎りゃあ理解するんだコラァ!
>>1で投下には惜しみないGJを贈ろうとか書いときながら どうして1人しかまともにGJしてないんだ この...... ド低脳がァ――――!
>>105 このスレにマナーを求めるだけ無駄ッ!!
吉良の人自虐はよくないぜ
GJだから
無冥4個目スレでシャナ厨=月厨と誰か言ってるが
正直月厨以下じゃね?
あんまアンチを刺激するのはよそうぜ
某スレみたいに潰されるから
まぁ、待て
俺はシャナ厨だから言わせてもらうが
こんなオリ能力やオリ設定を受け入れる奴等はファンでは無いよ
しかし、このスレはちょっとひどい
ただ単純にgjを肯定する訳じゃないけどもうちょっとあるんじゃないか?
お、久ぶりに来たら更新&新職人が。
荒れっぷりも変わらずだが空気無視してGJ。
ジョジョのファンとしても、承太郎の意味不明なスタンドパワーアップはどうかと思う。
>>110>>112 なら来なくていいよ。荒れるだけだから。
新職人さん、GJです!
ただ、過去形(〜た)が多すぎ。現在形も混ぜた方がいいと思う。
>>102 携帯からお疲れさまでした。
面白かったです。
書き込みが細かくて、でもスゴク読みやすいですね。
続きに期待しています。
それでは。
>>108 月厨乙
前スレの荒らしと誹謗中傷は明らかにVIPの仕業
少なくとも月厨と違って、シャナ厨は他に迷惑かけてないし
あの便所のネズミのクソにも劣る月厨以下ってのは流石に有り得ない
>>110>>112 最低作家とその取り巻きに何を言っても無駄
嫌なら見なければいいが彼らの合言葉だから
痛いSSの特徴
・やたら活躍するオリジナルキャラ・オリジナル能力が登場する。
・作者が無駄に喋ったり返事したり自己弁護したり自虐したりする。
・コテハンが無駄に厨二臭い。
それでも面白い作品は面白いが、やっぱりこういう点は控えるのが美徳というもの。
痛いSSよりも信者が邪魔だ。
喧嘩っ早いのは荒れる元だって前々から言われてるのに。
>>115 最後らへんの荒れ方は通常住人の反乱じゃね?
>>116>>117 >>1の台詞も読めない粘着アンチが、なんかアッーアッーって吠えてるしw
注意事項が分からない馬鹿は作者のSSを読むことはおろか、スレその物に
来なくていいよ
スレの流れを悪くするのは作者信者云々、アンチの存在だしね
どんなSSでも面白ければそれでいい。その一言に尽きる。
俺たち住人にできる事はSSを待つぐらいだ。
>>120は完全に信者テンプレ
ここまでテンプレに合致している人間はいるはずがないと思うので、
>>120は我々の対立を煽る、煽り屋に違いない。
>>120がそうなのかはしらんが、煽り屋が暗躍してるのは間違いないな。
>>122 作者アンチ乙
自分がアンチだということを勝手に露呈してるしw
お前もその一人だと気づけよw
言ってもわからぬ馬鹿ばかり・・・・・
互いにスルーできないのか?
キリのない煽り合いなんぞやってるから本当の意味でスレが荒れていく
すでに荒れてるけど、黙ってSS待てよ
どうせもう便所の鼠の糞のよーに荒れてんだからこれ以上荒れようが五十歩百歩かと
だからって荒らしの免罪符にはならんわな。いや
>>126が荒らしって意味じゃないよ?
ま、VIPのお蔭でナーパスになってたんだろうけど
煽り耐性が無いトコとか隙が多いなぁ(ノ∀`)とは俺も思ったが。
ぶっちゃけ俺は作品が面白ければプロアマ問わず作家の人間性や為人なんざ興味ないけどね。
まあ無なんとかも哀れなと思えるところはあるよな。
一人しかいないから格好の攻撃(擁護)対象にされる。
ゼロスレみたいにSS書きで溢れていたらこうまで荒れなかったろうに。
ゼロスレでは逆に昨夜辺りから現れたローカルルール無視した自治厨が哀れなくらいだw
とりあえずDIOとの戦いはジョジョ3部のように苦戦苦戦で
最後に大逆転って感じが望ましい
もっと職人さん来て欲しいなぁ・・・・・
シャナってそんなにクロスオーバーが難しい作品なの?
四部は絡ませ易いと思う
冒険する他の部と違って、一つの街が中心だし
仗助を悠二ポジにしたら、億泰と康一は田中と佐藤ポジにできるし
池は億泰にしたら……ダメだ、吉田さんとかについて話すシーンがシュールすぎる
>>131 型月と同じで、設定に関してうるさい人がいるから。
短編ならともかく、長編はホントに辛いよ?
また、ジョジョは実力のすりあわせが難しい。勝ちが一部キャラ以外パターン化するから。
どうしても妄想する必要がある。その所為で最低臭がするだけだ。多少は仕方ない
もう終わったなここ
神父の祝福が無いからなここは
ここと比べてゼロスレ凄いよな
向こうでもキャラ改変とか普通にあるがそれにイチャモンを付ける奴は居ないな。
何故なら神父によるスレの加速が凄くて暴れ出せる空気じゃないから。
保守
クロスオーバーさせにくいしなぁ
141 :
マロン名無しさん:2007/06/07(木) 23:05:38 ID:YZcBQEij
もう片方が大雑把な設定の作品ならもっとクロスさせ易いんだが、シャナは設定が細かいからね。
まぁJOJOも実際は結構大雑把なんだが、神格化して細かいこと言う奴いるからなw
基本的にゼロの使い魔は分かりやすい設定だからな
魔法の理論とか型月みたく複雑じゃなくて厨房でも分かる感じだ
しかも召喚という無条件で直ぐ様クロスできるからな
既に死んだキャラも生死すら操る虚無の魔法で呼び寄せる事が可能というダメ出し
クロスさせやすい事この上ない
シャナも型月も専門用語が多いし設定も複雑だから書き手泣かせなんだよな
保守
無冥さんSSマダー?
保守
職人荒らしのせいでもう飽田んじゃね
職人がコテ付きで雑談してると自治厨が作者の人格攻撃まで始めるから
自重を憶えたのかもしれないんだぜ
>>145 どもです。
無冥です。(鳥変わってるかもしれないケド本人です)
お待たせしてすいません。
実は最近、我が愛機が逝ってしまい(サヨナラ、『Lavie・C』。今までお務め御苦労様)
今友人のPCから書き込みをしている状態です。
PCは今日新しいのを買ってきたのですが、到着まで1週間ほどかかるというので
しばらくは無冥が自宅か満喫で書いて、友人のPC経由でSS投下というカンジになりそうです。
一応投下予定日は今週(来週?)末を予定しておりますが、冨樫ウィルスレベル4の
作者ではどうなるか解りません。
でも、何とか精一杯頑張ってみようと想います。
それではまた。
PS シャナや姐さん(マージョリー)、もしくは承太郎や花京院の
「必殺技」みたいなモノのアイディアがある方は気が向いたら
書いてみたりしてください。
もしかしたらSS中に出たりするかもしれませんw
無冥は荒木先生みたいな緻密な駆け引きや頭脳戦は書けないので
どうしてもバトルが格闘ゲームみたいになるようです。
それでは本当に気が向いた方だけで良いのでちょっと考えてみてください。
それでは(2回目)
>>148 承太郎や花京院の必殺技は第三部格ゲーから出したらどうでしょうか?
承太郎はスターブレイカー。花京院はインディーズアームやハイエロファントフィニシュ等。
あと、アブドゥル好きな俺としては、シャナの技にクロスファイアーハリケーンを追加してくれると
嬉しいんですが・・・・・
>>151 シャナにクロスファイアーハリケーン使わせるなら、アブドゥルが現世の師匠としてシャナに教えたってな設定に
すればいいんじゃね?アブドゥルは、現世での徒との戦いで、姐さんやヴィルヘルミナとも旧知の仲ってなのもいいかも
ほかにも、シャナは、アブドゥルから対スタンド使いの戦法を教わったりして、自分の代わりにシャナをDIO討伐に向かわせたとか
まあ全ては無冥さんの判断次第だけど
ここで荒らしてるのって型月アンチか?
文句の言い方が似てるんだけど
粘着アンチがまだ居座ってんのかよ
いい加減しつこいぞ屑が
本当にうざいのはどっちだーつーの
勘弁してくれ
>>158 荒らしてるお前が言えたことかよ
身の程を知れ
160 :
マロン名無しさん:2007/06/12(火) 10:15:17 ID:BNAx2hNy
>>159 荒らしてるお前が言えたことかよ
身の程を知れ
ループって怖いね
そうだねプロテインだね
なあみんな。
一度冷静になって話し合ってみないか?
>>148をうざくないように書き直してみる
148 ◆u68XLQ0lCU sage 2007/06/10(日) 20:20:58 ID:???
>>145 お待たせしてすいません。
一応投下予定日は今週(来週?)末を予定しておりますが、どうなるか解りません。
それではまた。
これでどうよ?
作者が過度の自己主張をすると叩かれるよな
虎視眈々と隙を窺がってる連中もいるからねぇ
第五部IN承太郎スレ見たら、作者一切語ってないぞ
あれくらいの謙虚さで行こうぜ
投下しないのにコテハンで雑談する職人ってうざいね。
とこっちで愚痴ってみる。
職人カワイソス(´・ω・)
でも見てくれる人が居なかったら、どんなに良い作品書いても意味ないよな
HPの運営も同じ。どうしたって、読者>作者なんだよ
だが、読者を尊重しすぎるのもよくないぜ。
良作がアホな読者の影響で駄作化なんてのもよくあることだし。
あーんスト様の事かァーッ!
いや駄作にはなってないけどさ
>>173 作者側の考えはそれで良いが、読者が同じ様に考えるのも違うんじゃね?
客商売なんかでも『お客様は神様』と言うが、それを真に受けて自分を神様だと思う客はウザイだろ?
さじ加減は難しいと思うが。
SSの投下と感想以外は書き込むな、雑談するな、って自治厨には
「だが断る」とかネタで返せば良かったんじゃないかと
今更だが
シャナ第二期でフリアグネが復活すると聞いたんだが本当だろうか?
>>178 又聞きだから間違いかもしれないが、PS2やDSで発売されたゲーム版オリジナルの徒が関係してるらしい。
いくら作者が礼儀正しいやつであろうと何だろうと、さすがにこれはない
【紅堂伽藍拾弐魔殿極絶無限神苑熾祇
(ゾディアック・アビスティア・アヴソリュート・エクストリーム)】
吹いたわ
やっぱクロススレ荒らしてた型月アンチが混じっているな
叩き方がそっくりだわ
紅堂伽藍拾弐魔殿極絶無限神苑熾祇
ちょっと聞きたいんだがこれなんて読むんだ? 読めない・・・
>>182 ゾディアック・アビスティア・アヴソリュート・エクストリーム
じゃね?
クロススレってどこ?
>183
違う。日本語で言うとどんな感じかってこと。
>>185 こうどうがらんじゅうにまでんきょくぜつむげんしんえんしぎ
頭悪いネーミングセンスだよなw
ゾディアック・アビスティア・アヴソリュート・エクストリーム
効果:相手は死ぬ
「俺の名はゾディアック」
「アビスティア」
「アヴソリュート」
「エクストリーム」
「「「「血管針攻撃ッ!」」」」
自在法の漢字表記が長すぎるのはいただけないな。
読み辛いうえにくどいし、六文字位で端的に表すのが一番様になると思う。
ルビなら何振っても良いけど。
ゾディアックwwwwww
どこの連続殺人鬼だよwwwwwwwwww
痛すぎて見てられないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
関係ないスレで型月の話題出す奴ってバカなの?
ただ型月叩きたい奴が暴れてるだけだろ
スルーしとけ
>>192 wを連呼する奴は頭が悪いと気づいていたか?マヌケ
どのへんにゾディアックに対応する漢字があるのかさっぱり分からない。
長い呪文……たくさんの漢字……カタカナのルビ……どっかで見たような。
もしやバスタード!? ウルジャンつながりかッ!?
長期休載まで似ちゃ困りますよ作者さん(最近は復活してるけどさ)
>>196 黄道十二宮を意味する言葉だから、紅堂と十二にかかっているとみた
なんだ駄洒落か。
なんか暴走DQNとセンスが一緒だな
厨受けするという事はDQNとか厨二病患者に受けるって事さ。
そしてシャナはまさに厨向けの作品。厨の大好きな小難しい設定満載だ。
だから問題ナッシングw
もしシャナが助けたのがブチャラティだったら
フリアグネ「くらえッ!わが『ダンスパーティー』をッ!……何!?」
ブチャラティ「その宝具……この町のトーチを一気に爆発させるものだったのだろう…?
フリアグネ……。俺のトーチの灯はわずかだったが……お前の宝具を破壊することはできたようだな」
フリ「バカなッ!?こんなことがッ」
シャナ「そんな……ブチャラティ」
ブチャ「シャナ……君と出会ったおかげで、俺は残りの人生を有意義に過ごすことができた……。
幸福とはこういうことを言うのだろうな……だから気にするなシャナ……
元々行くべきだった場所に、もどるだけだ……」
なんかブチャがロリコンにみry
どんな設定にしても死んでいく姿しか思いつかない。
逆にry
本来の住人が既にここに来てない気がするんだが
このスレには悪いが書き手は来ない方が良いかもな
某スレにいた狂アンチみたく書き手を叩きまくって荒らすだけだし
久々に来たら…今どうなってんの?
作者も迂闊にオリジナル設定出さなければここまで噛み付かれなかったんじゃないかな
あのスレは派生元スレと同様にカオスだったよな
>>209叩く奴からすれば関係無いだろ
別の難癖付けて叩くに決まってる
>>209 オリ設定だけじゃここまで荒れないだろう
あのコテと長文自己主張、信者との馴れ合いがあってこそ
さらに言うならそれを押さえつけるほどの面白さがなかったことかな
他の職人がいないのもなぁ
作品の雰囲気に浸り込めば、オリジナル設定やら厨ネーミングも
「そういうものだ」と受け入れられなくもないのに、
作者が馴れ合い全開で語りまくるのがそれを邪魔するんだよなー。
現実に引き戻されるっていうか、一気に冷める。
最近は某スレで型月アンチが暴れなくなったな。
その代わり叩かれてた職人さんは作風が変わってしまったが。
まぁコテで馴れ合いはなるべく控えたほうがいいと助言してもらってたのにそれに対してなぜか逆ギレだからな
最終的にスレが荒れたのも自業自得
型月アンチを繰り返すおかしな人は何なの?
どーも、多分みんな忘れてますでしょうが、投下します
↓
前回までのあらすじ
・シャナというチビジャリを家に入れたらけんかになった
・うちがメチャクチャになった (承太郎の日記より抜粋)
***
「ん……」
シャナはまぶしい陽光に目を刺激され、目を覚ました。
(あれ……私……どうしたんだっけ?)
休止中の思考回路を徐々に働かせながら、シャナは自分が部屋の中、
そして布団の中で毛布に包まって寝ていたことに気づく。
(そうだ……あのデカブツが家に引き入れて、私は部屋、アイツは廊下で寝させるつもりだったっけ……)
シャナは横向きから仰向けに移行し、うっすらと目を空ける。
視界には雲ひとつない、スガスガしい蒼穹が広がる。
(綺麗な空……そら? あれ? ……なんで部屋の中なのに青空が……?)
それがキーだったのか昨日の惨劇が一気にフラッシュバックし、
シャナは布団から跳ね起きる。全て思い出したらしい。
部屋の有様は……とにかく酷い有様だった。
例の障子は全て粉々に破壊され、壁、床から押入れまで
台風が過ぎ去ったかの如くめちゃめちゃに切り刻まれ、
破壊の限りを尽くされていた。天井には一つ、何かが落下してきたようなぽっかりと丸い穴が開いていた。
正しくはスタープラチナが拳を突き上げた痕だったわけだが。
>>221 すいません、承太郎の日記は承太郎の『メモ』の間違いです。キャラ違う…
***
あの後……世にも恐ろしい大乱闘はアラストールの必死の説得と承太郎の
(まずい……これ以上やったら家が破壊されるッ!)
という危機感によって承太郎が一応折れ、形式上の和解でなんとか最悪の事態まで発展せずには済んだ。
しかし前述の通り室内はもはや廃墟同然だった。おまけに争った際、
シャナは封絶を展開しなかったため直すこともできなかった。
ここまで大騒ぎして今更別の部屋に移動するのも癪だと互いに思ったらしく
シャナは承太郎のジャージに着替えて(承太郎が小学生のころに着用していたものだったが、
それでもシャナには大きすぎてどう見ても着せられていた)
部屋の奥で布団に包まり、廊下と部屋の境目に突き刺された贄殿遮那(障子がふっとんだので一応)
を挟んだ廊下側で承太郎が寝袋を使って寝ることにした。
>>222 そして冷静さを取り戻したシャナ達は、この破壊活動で家の人々や野次馬が集まり
シャナの存在がバレることを危惧して脱出しようとしたが、
承太郎は「なあに、いつものことだ。どーせ誰も来やしねえ」とさらっと言ってのけ、
事実しばらくしても本当に誰も来なかったため流れで家にいることとなった。
修復等ややこしいことについてのことは後回しということで、とりあえず今日は就寝することにした彼らだが、
承太郎は毛布越しから伝わる殺気のせいで眠ることの出来なかった。
もっとも破壊された部屋のリフォームについてこいつらからどうやってリフォーム代を引き出すか
策を練るなど考えることはいくらでもあったのであまり苦にはならなかったが。
一方のシャナは、承太郎に裸を見られ、あまつさえ暴言を吐かれたことをまだ怒ってはいたが、
先ほどの戦闘に力を費やしすぎたのか、疲れが徐々に襲い結局一時間経つか経たないかのうちに眠ってしまった。
眠りに入る寸前、意外にも彼女が抱いた感覚は羞恥でも憤怒でもなく『温かみ』だった。
それは久々に温かい布団(奇跡的に無事だった)で寝たためか、
承太郎の手を介してもらったホットミルクの効果かは、定かではなかったが。
>>223 ***
「まぁ……元はといえばアイツが悪いわけだし、別にいいよね……アラストール」
「知らん」
さすがのシャナも少々罪悪感を覚えたのか独り言のようにアラストールに尋ねた。
アラストールの答えはシャナの求めたものではなかったが、シャナはそれを肯定と解釈し
さっさと布団を畳んで押入れ――と呼ばれていた戸棚にしまう。
ギシッという足音に振り向くと既に学ランをバッチリ着込んだ承太郎が立っていた。
シャナは表情から今の感情を読み取ろうとしたが常にポーカーフェイスな承太郎に対しては無駄なことだった。
「やっと起きたか……家の連中が来る前にさっさと失せな。
それと俺の周囲20m以内では絶対着替えるなよ。これ以上の破壊はうんざりだからな」
「あ、あんたが離れなさいよこの変態――ッ!!」
シャナはこの男に一瞬でも罪悪感を抱いたことを後悔した。
To Be Continued→
承太郎→部屋のほかに、コンポと久保田利信のCDが全て破壊されたことに再度激怒
部屋については修理工を呼んでリフォームさせる予定。代金はシャナらに弁償させる予定
シャナ→物的被害はないが、精神的被害を負い、ついでに承太郎との亀裂をを互いにさらに深めた
近所の住人→「また空条家のドラ息子が暴れてるよ」と我関せずな態度
空条家使用人→ほぼ上と同じ
ホリィ→プリンスの新譜を自室でヘッドホン大音量で聴いていたので存在に気づかなかった。
ここまでっす。次の回の最初のほう投下予定でしたが明日にしますすいません。
富樫病すぎて一スレに入れる量もイマイチうまくいかない。でも、まあいいや。では。
>225
お久しぶり。
ずっと待っていたんだぜ。
投下のペースはどうでもいい。
続けることが大事なんだ。
無事に完結することを期待させて貰う。
いよいよフリアグネ戦開始か?
>>225 あんたぐらいのサッパリ感が無冥にも必要だと思うんだ。
とにかくGJ
よかった。待ってた甲斐があった。
GJ!続きも楽しみにしてる。
>225
続けてくれればそれだけで充分です。
GJ
GJ!!
GJです
そろそろ無冥さんの投下が恋しいです・・・・・・
明日投下とか言いましたがやっぱ明日以降になりそうです、すいません。
なるべくSBRのように書き溜め→大量投下、でいきたいな、と思います。
無冥さんも楽しみです。どんな逆境でも、投下し続けていればなんとかなります。
投下しつづけているのだからな?違うかい?
…調子に乗りました。では。
おお!なんと久しい!
待ってましたなんだぜ!!
スレ復活や!
無冥さんも忠告は気にして荒らしは気にせず復活してください
無冥さんカムバック〜・・・・・・・・・
たった10日いないくらいでカムバックとか、どんだけだよ
投下予定日も過ぎてないし
ひさしぶりに見に来たら俺の好きな◆Ea0R8d6UQAが帰ってきてる!!
>>238 、--‐冖'⌒ ̄ ̄`ー-、
/⌒` 三ミヽー-ヘ,_
__,{ ;;,, ミミ i ´Z,
ゝ ''〃//,,, ,,..`ミミ、_ノリ}j; f彡
_) 〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡
>';;,, ノ丿川j !川|; :.`7ラ公 '>了
_く彡川f゙ノ'ノノ ノ_ノノノイシノ| }.: '〈八ミ、、;.)
ヽ.:.:.:.:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;)
く .:.:.:.:.:!ハ.Yイ ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~
):.:.:.:.:|.Y }: :! `二´/' ; |丶ニ ノノ
) :.: ト、リ: :!ヾ:、 丶 ; | ゙ イ:} 逆に考えるんだ
{ .:.: l {: : } ` ,.__(__,} /ノ
ヽ ! `'゙! ,.,,.`三'゙、,_ /´ 「それほど待ち遠しいんだ」と
,/´{ ミ l /゙,:-…-〜、 ) |
,r{ \ ミ \ `' '≡≡' " ノ 考えるんだ
__ノ ヽ \ ヽ\ 彡 ,イ_
\ \ ヽ 丶. ノ!|ヽ`ヽ、
\ \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__
\ `'ー-、 // /:.:.} `'ー、_
`、\ /⌒ヽ /!:.:.|
`、 \ /ヽLf___ハ/ {
′ / ! ヽ
書き忘れた
>>234 つ旦 黄金の精神に乾杯
安心してくれアバ茶じゃないシャ軟水だ
どもです。
無冥です(鳥変わってるかもしれない)
一応SSの投下は明日を予定しておりましたが、
すいません!
「繋ぎ」の予定だった『承太郎VSマリアンヌ』が
思いのほか膨らんでしまい、さらに内容も二転三転してしまい
作者も困惑しております。(ようやく最近まとまってきた)
やっぱり原作にないオリジナルは難しい……orz
あと私は「推敲」が済んだ後、必ず一日置くようにしているので
投下は来週いっぱいを目安にお待ちください。
それでは。
242 :
マロン名無しさん:2007/06/22(金) 19:17:01 ID:WDXwAVI0
来週って今さ
いやいや、貴方が納得できる確かなクオリティと完結する意思があれば問題無しッスよ〜!
なんつーか久々なかんじ
マリアンヌがオラオラ喰らって、フリアグネブチギレ間違いなし
保守。
シャナが承太郎にメロンパンあげる展開マダー?
もらっても食べないかもね。
ジョセフか花京院にあげちゃいそう。
目の前で潤まれたらヤレヤレ言いながら食べそうだけど。
イギーが横取りして食べそうだ。
エジプトには売ってないだろうけどな!
そうだ、メロンパンは日本にしか売ってないんだった。
じゃあ、香港行ったらメロンパンの件は出来なくなるな。
SPW財団という便利なものがあるジャマイカ
大変永らくお待たせ致しました。
続きです。
↓
連載コラボSS
原作 荒木 飛呂彦 高橋 弥七郎
Collaborated by 無冥 蹟怜
ジョジョの奇妙な冒険×灼眼のシャナ
*STARDUSTφFLAMEFAZE*
【CHAPTER#17戦慄の暗殺者V 〜 Don't leave you〜 】
中心に寄せたのになんでズレる……orz
欝……orz
「灰になれええええぇぇぇぇッッ!! 狩人フリアグネエエエエェェェェッッ!! 」
焼魂の叫びと共に逆水平に構えた手の指先で鋭くフリアグネを刺すシャナ。
その標的に向けて、”轟ッ!!”という凄まじい唸りを上げて迫る赤熱の
”灼炎高十字架(フレイミング・ハイクロス)”
「フッ……」
炎架の放つ凄まじい灼光にその耽美的な美貌を照らされ、
給水塔の上に片膝を降ろして座っていたフリアグネは、
口元に笑みを浮かべたまま拍手を止めると極薄の純白の長衣が
艶めかしく絡み合った女性のように細い左手をゆっくりと差し出すと
緩やかな動きで反時計廻りに動かしながら誤差一oの狂いもない円を空間に描き始めた。
そのピアニストのように細く艶めかしい指先が滑らかに時間軸の四半時間の点を
撫ぜる度に複雑に手の印が組み換えられる。
流麗な動作とは裏腹にその頭蓋の奥の神経が削られるような
精密な手技を執っているにも関わらずフリアグネは額に汗一つかかず、
口元の笑みも崩していなかった。
己の知脳力と技術力との研鑽に絶対の自信と信頼を持っている証だ。
そのフリアグネの手と指の回転運動に合わせ、純白の長衣と同色の手袋で覆われた
掌中から奇怪な紋字と紋様が薄白い炎と共に湧き水のように溢れ出した。
その白炎に包まれた紋様は即座に立体的に膨張し、
フリアグネの周囲に円球状に展開され、その華奢で長身の身体を覆い込む。
突如出現したその白炎障壁にシャナの放った炎架が真正面から激突した。
その刹那。
バシュッッッッ!!!
焦熱の ”灼炎高十字架(フレイミング・ハイクロス)”は
跡形もなく粉微塵となって消し飛んだ。
エネルギーの膠着も、拮抗も、対消滅も、『何も引き起こさずに』
存在の忘却の彼方へと吹き飛んだ。
白炎の紋様障壁に包まれたフリアグネの周囲を、砕けた紅蓮の炎架の飛沫が
余韻のように静かに靡く。
”あの時”と同じように。
フリアグネは口元を長衣で覆ったまま勝ち誇ったようにシャナを見下ろした。
「そ……そ……んな……!?」
シャナの一切の光の存在をも赦さない無明の双眸が驚愕で見開られる。
自分の、現時点での最大最強焔儀がいとも簡単に防がれた。
炎術の練度が鈍っていた等という些末な問題ではない。
自分は先刻の焔儀を刳り出す為に手持ちの存在の力の塊”トーチ”を
全て残らず消費した。
それに加えてその大きさに正比例して制御も難しくなる巨大な存在の力を、
己の精神力のみで強引に捻じ伏せて最高の威力を編み出した上で炎術を発動したのだ。
それなのに自分があれだけ時間と労力とをかけて造り出した攻撃型自在法を、
眼上の男はものの数秒でソレ以上の防御系自在法で封殺した。
消し飛んだ炎塊の余韻と共にフリアグネのパールグレーの前髪が
白い封絶の放つ気流に揺れている。
その余裕の表情は翳る事を知らない。
『極大魔導士(スペリオル・ウィザード)』
そんな突拍子もない単語がシャナの脳裏に浮かんだ。
しかし、事実、そう認めるしかない。
自分の最大焔儀『炎劾華葬楓絶架(レイジング・クロス・ヴォーテックス)』の
焦熱力は重さ一トンの鉄塊を蒸発させるくらいの熱量は確かに在った筈だ。
その上今までで最高の力を乗せて術を刳り出せた。
その力の結晶をいとも簡単に封殺されたのでは否が応でもそう認めるしかない。
「フフフフフフ……君のその姿に相応しい実に可憐な焔儀だったよ?お嬢さん?
しかしその威力も君の似姿と全く同じで脆く儚い存在だったようだね?
まるで野に咲き乱れる霞草のように。無人の荒野を狩る私にはただ
踏みしだかれるだけの脆弱な存在だったようだ。
”しかしだからこそ美しい”かな?フフフフフフフフフフフフフフ……」
フリアグネはそう言ってアイロニックな微笑をシャナに向ける。
シャナはそのフリアグネの微笑にキッとした鋭い視線で返す。
そして心の中の同様を悟られないように極力平静を装って言い放つ。
「流石に大口叩くだけの事はあるわね?”狩人?”超遠距離からの暗殺能力を得意と
するだけあってソレに対する防御対策も万全ってワケ?
でもそれは同時に接近されたら一巻の終わりって白状しているようなものだわ」
シャナの言葉にフリアグネはわざと同じように平淡な口調で応じる。
「フッ、その通りだよお嬢さん。私は荒事が嫌いでね。
この手では薄氷一枚砕いた事がない」
そう言って鈍い光沢のシルクの手袋で覆われたピアニストの
ような手を差し出してくる。
「愛するマリアンヌに無骨な手で触れたくはないからね。フフフフフフフフ」
己の弱点をアッサリと晒らけ出しながらもフリアグネはシャナを
挑発するように大仰に右手を振ってみせる。
「第一、戦闘者同士が暑苦しく近距離で押し合い引き合い一体
何が「美しい」と言うのかな?真の「美」とは一切の無駄を省いた所にこそ
初めて存在しえるのさ。そう、”あの方”のように、ね」
そう甘く呟いてフリアグネは言葉の終わりに軽く片目を閉じる。
人間には持てない幻想的な魅惑がそこには在った。
「さて、以上で前奏曲(プレリュード)は終了したようだね?
それでは私と君との”戦闘組曲第二楽章ッッ!!”
『IN MY DREAM(幻惑の中)』の開幕といこうかッ!!」
そう言ってフリアグネは再びその魔力の宿った純白の長衣を尖鋭に翻した。
瞬時にシャナの周囲を先刻同様薄白い炎が次々に浮かび上がって取り囲み、
頽廃のマリオネットの軍勢が先程以上の数でもって召喚される。
シャナは表情を引き締め鬨の声を挙げる。
「何かと想えば懲りもせずにまた燐子の召喚!?
この私に同じ手を二度使う時点で既に凡策よッ!!」
そう凛々しく叫びシャナは右手を素早く黒衣の内側に押し込む。
そこから握られて出てきたのは件の妖魔刀。
少女の名の銘でもある戦慄の美を流す大太刀。
”贄殿遮那ッッ!!”
「生憎だけどどんな強力な防御障壁を展開してもこの私には通用しない!!
編み込んだ己の自在法を増幅させ同時に触れた全ての自在法を虚無へと還す!
この”贄殿遮那”の前ではねッ!!」
シャナはそう叫んで掴んだ大太刀の柄を左斜めに鋭く薙ぎ払う。
己の迷いを全て切り捨てるかのように。
大気の斬り割かれる痛烈な斬切音と共に巻き起こった一迅の気流により
シャナの黒衣の裾が揺らめいた。
「それに!!”第二楽章”なんかじゃないッッ!!
これが”最終楽章!!”『DEAD END(討滅)』よッッ!!」
そう叫んでシャナ足裏に炎髪の撒く火の粉を集束して爆散させ、
石版を踏み砕きながら空間を疾走し前方右斜めの武装燐子フィギュアの群に
挑みかかった。
その胸元で突風に揺れるアラストールは心に浮かんだ一抹の異和感を
拭いきれずに長考していた。
(むう……先刻、この子、シャナの焔儀から彼奴の身を護ったのは果たして
本当に”自在法”だったのか?ソレにしては彼奴の自在式の執り方が
少々乱雑なフシが在ったが……)
「でやああああああああああぁぁぁぁぁぁぁッッ!!」
アラストールの懸念をよそにシャナは燃え上がる鬨の咆吼をあげながら、
黒衣を翻して武装燐子の群に向かって突貫した。
承太郎は階段を5段抜かしで疾風のように素早く二階へと駆け上がると、
素早く軸足をターンさせ、屋上へと繋がる中央階段の方向に向かって駆けだした。
今昇ってきた階段で3階まではいけるが屋上まではいけない。
マキシコートのように裾の長いSPW財団系列の高級ブランド
”クルセイド”特製のオーダーメイドの学ランが風圧で舞い上がり、
襟元から垂れ下がった長く軽いしかし頑丈なプラチナメッキの鎖が澄んだ音を立てる。
体温の上昇に伴う発汗の為に、一際高く香る蠱惑的な麝香が空間に靡いた。
今、その永い歴史によって受け継がれてきた誇り高き血統が司る、
気高きライトグリーンの瞳を携えた美貌には、今、明らかに焦燥の色が在った。
彼自身自覚のない、まだその理由さえも形になっていない
焦り、戸惑い、そして苛立ち。
深夜の街中でゴロツキ共と刃傷沙汰になった時も冷や汗一つかかなかった
承太郎らしくない焦りだった。
その鍛え抜かれた長い健脚で奇怪な紋章と白い陽炎とが揺らめく
非日常の場と化した廊下を疾走する学生服姿の端整な顔立ちの美男子。
その怜悧な光の宿った碧眼の端が一点何かを捉える。
承太郎はスタンドの「足」を使って摩擦熱を伴いながら急ブレーキをかけ、
それ自体は決して珍しくない、しかしその存在の「有り様」が実に異様な
ソレに視点を向ける。
中空に浮き上がり窓から漏れる白光に照らされ妖しく煌めく、
鋭いエッジを輝かせる「長方形」
くるりと軽やかに回って見せた図柄は、身の丈を越える大鎌を肩口に掲げる死神
”JOKER”
(トランプ……か……?)
その宙に浮く、一枚の薄いカードから、はらり、と、存在しないはずの二枚目が落ちた。
続けて三枚目、四枚目……月下の白光に酷似した光に反照するカードが次々と零れ落ち、
そして舞い上がり、どんどん増えていく。
トランプの規定枚数52枚を超えて増殖し、無軌道に宙を固まって
紙吹雪ように舞い踊るソレは、やがて徐々に速度を速めながら水流のように
渦巻いて承太郎を取り囲み、そしてその周囲半径5メートル以内を完璧に覆い尽くす。
現実性を完全に欠如した奇怪な、そして異様な光景。
まるで奇術師のいない悪趣味なマジックを見せられているようだった。
承太郎は周囲を警戒しながら静かに臨戦体勢を執った。
相手こそ人間(しかしコレ以上に恐ろしい存在が他にあるだろうか?)だが、
悪意と欲望、怒号と凶刃、呻吟(しんぎん)と血沫とが舞い踊り狂う
獣じみた凄惨なる地獄の修羅場を数多く潜り抜けた事により、
極限まで研ぎ澄まされた彼の全神経とその経験によって培われそして磨かれた
野性の直感とが如実に彼の精神に訴えかけていた。
”ナニカヤバイ”と。
(コレが……アラストールと花京院のヤツが言ってやがった
スタンドと同質の特殊能力を持つという道具”紅世の宝具”
とかいうヤツか?やれやれ全く薄気味悪いったらありゃしねーぜ)
心の中で愚痴りながらも承太郎は研ぎ澄まされた五感を総動員して
全てのカードの動きを追跡しながら集中力を徐々に高めていく。
突然、そのカードの群の軌道の一つが周囲から外れて
流れ始めたと思うと、一方を指向する。
承太郎の首筋、頸動脈の位置を。
続けて他のカードの群達もそれぞれ軌道を外れて各々の流れを造り出すと、
同じようにそれぞれの指向を刺し示した。
人体の急所、頚椎、眉間、鳩尾、背梁、脇影、聖門、手甲、
そして三陰(アキレス腱)を。
そしてギリシア神話に出てくる巨大な玖頭の蛇、ヒュドラのように鎌首を擡げ、
それぞれが差し示した死紋の致命点へと高速で同時に襲いかかってきた。
「スタープラチナァァッッ!!」
承太郎の「息吹」のような鋭い猛りと共に、
まるでストリートダンスの「フロア・ムーブ」のような
坐した体勢のままでの高速回転錐揉み状態で渦巻く白金の燐光と共に
出現した『幽波紋(スタンド)』『星の白金(スター・プラチナ)』が、
その高速回転運動の状態で前後と左右のあらゆる角度から
致命点へと襲いかかる死のカードの群に音速の手捌きで貫き手の乱撃を
夥しい数で射出する。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」
その流麗且つ壮絶な姿。
まさに輝く黄金の竜巻、否、煌めく白金の乱気流。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッッ!!」
自らの巻き起こした拳風によって周囲の空気を円環状に攪拌しながら、
同時に捲き上がった旋風と共に中空へと舞い上がり、
仄かな白金の燐光をと共に承太郎の前方右斜め1,5mの位地に着地した
承太郎のスタンド、スタープラチナ。
その交差された逞しい両腕の先端、極限まで鍛え抜かれ引き絞られた
両手の指の隙間にはそれぞれ一枚の誤差もなく同数のカードの束が
それぞれ挟み込まれていた。
タネも仕掛けもない、廉潔なる『幽波紋(スタンド)使い』『星の白金』
空条 承太郎の神業的な「幽波紋魔術(スタンド・マジック)」
スタンド本体の攻撃力(パワー)と瞬速力(スピード)精密動作性、
そして何よりもソレを操る宿主の適切な状況判断力とそれに
対応できる技術力(テクニック)加えて鋭敏な知脳と強靭な精神力とが
それぞれ融合して初めて繰り出す事が可能な超高度な戦巧技。
燐纏昇流。捩空(れっくう)の嵐撃。
流星の流法(モード)
『流星群漣綸(スター・スパイラル)』
破壊力−B スピード−A 射程距離−C(半径3メートル)
持続力−D 精密動作性−A 成長性−B
「オッッッッッラァァァッッ!!」
刃よりもキレのある咆哮と共に今度はスタープラチナが交差した両腕を
熟練した奇術師のような眼にも止まらない動作で払い合わせる。
先端のエッジが薄刃のように研がれた殺戮のカードの束は、
自身の刃同士で互いに互いを切り刻み、シュレッダーにかけられた薄紙のように
線切りにされて薄白い火花と共に白い陽炎の浮かぶリノリウムの床の上に
ヒラヒラと力無く舞い落ちた。
「フン、こんな子供騙しでこの空条 承太郎を仕留めようなんざ
随分と虫のイイ話だぜ」
承太郎は足下で動かなくなったカードの残骸を、
ドイツ製の革靴の裏で乱暴に蹴り払う。
そして、
「出てきやがれッ!!”いる”のは解ってるんだぜッッ!!」
承太郎は叫んで背後を振り向くと、誰もいない空間に向かって
その逆水平に構えた手の指先を鋭く挿し示した。
”流石ね……!『星の白金』……!空条 承太郎……!!”
開けた視界の中、誰も居ない筈の空間に若い女の声が木霊した。
日本人離れした長身を持つ自分には通常あり得ない位置、”頭上”から。
”いいえ……!我が主の名の誉(ほまれ)の為にこう呼ばせてもらうわ……!
『星躔琉撃の殲滅者』……!!”
仰々しい言い回しに承太郎は小さく舌打ちする。
”ご主人様自慢の”宝具”『レギュラー・シャープ』を
いとも簡単に封殺するなんて……!それでこそ私自身が
討滅する価値があるというものよ……!!”
「ケッ!余計な御託を並べてんじゃあねーぜ!勝手な「通り名」まで付けやがって!
とっとと姿を現しやがれッ!もう”そこ”に居るのはバレてんだぜ!」
”フフフフフフフ……光栄に想いなさい……!アナタの為にとびきり高貴な
真名を考えてあげたわ……!ご主人様の勝利の名誉の為に、ね……!”
声と共に放課後のような静寂に包まれた廊下の中央にいきなり白い炎が
濁流のように渦巻いたかと思うと、瞬時にそこに人型のシルエットが浮かび上がった。
余韻を残して余熱も残さずに立ち消えた炎の向こう側。
その膝下まで届く長い艶やかな髪にまるで砕け散った紫水晶の単結晶を
鏤めたかのような光沢を持つパールグレーのプラチナブロンドを携えた絶世の麗女が、
神秘的な雰囲気をその身に纏わせながら高級ブランド専属のスーパーモデルの
ように左腕をくの字に腰に当てて立っていた。
←PAUSEッッ!!
*STARDUST¢FLAMEHAZE*
真ん中に寄せたのにやっぱり寄ってない……orz
前は出来たのになんで?
とりあえずここまでです。
前半の前半の前半です……orz
盛り上がる前にアイキャッチいれてすいません。
この後が想像以上に膨らんで膨らんで20レス連続投下とかに
なりそうだったので自重しました(もう連投規制はイヤ)
今回の話は作者の脳内でMIHが発動しまくってる状態なので、
いつにもいつにも増して長くなりそうです……orz
なので通常の投下を30分アニメとするなら、今回は1時間の拡大ヴァージョンだと
ご了承下さい。(アイキャッチもあと2回、ヘタすりゃ3回入るかもです)
PCの故障で今まで書いたデータが全部仕様不能になってしまい
長らくお待たせして本当にすいません。
次はなるべく期間を空けないよう鋭意努力致します。
続きは来週中をめどにお待ち下さい。
せっかく話が膨らんだのでもう少し煮詰めてみたいと想うのです。
それでは。
んっんッ〜〜〜。
実にGJですねぇ〜〜。
アレだ。こうして見ても無冥さんの実力っつう奴は
まぎれもない本物のはずなんだけど、
流法に漢字を使ってしまうからどうも抵抗してしまうのも事実なんすよ・・。
後はアレだ。ジョジョのテーマともなっている『人間賛歌』。
アレがまだ足りない感覚がするような気が。
文章の懲り方からもすごくいい実力が見られるんで後はそれをこれから
どう魅せるかでこれからが決まると思います。
これからもめげずにがんばってくださいまし。
そこ、偉そうだって?オレは全然そう感じないねぇ〜〜。むしろいい気分だよ・・・。
では無冥さん!次回を待ってますぜぃ!
GJ!
やっぱ面白いぜ!これからも頑張れ!
GJ
乙ですGJです
ガンガッテ下さい!末永く応援させていただきます
ンッン〜実にGJってやつだなぁーーー!!
gj
まあ、なんだかんだで面白いのは事実。
がんばって続けてくれ
GJ!
イギーを連れてく時はコーヒー味のガムが必要だが、シャナを連れてく時はメロンパンが必要だな
この作者はトーチがどんな物なのかを勘違いしている気がしてならない
つまり
>>273が正しく「トーチがどんな物なのか」を表現したSSを投下すると。
挟み撃ちのかたちになるな。
>>273 そもそもトーチは歪みを誤魔化す道具というもので、自我がとても薄く人間として扱われないのが普通で、原作でもシャナは躊躇い無く修復に使ったりもしてる。
トーチの悲劇は紅世を知った人間の視点でしか重要視されず、殆どの討ち手や徒にとっては残滓か燃料扱いでしかない。
紅世を知るトーチである坂井悠二が居ない以上この扱いは仕方無い。
ただ、納得出来なくてもいいことだし俺の言い分とて絶対じゃないからなぁ。
>>275 そっちのほうかよ。俺が書き込んだ276が意味無くしちまったよ。
まあそれは全く持ってどうでもいい事だがそういや確かにおかしいな。
トーチは言うなれば人間型のデコイかカモフラージュだし、塊にした時点で
「トーチで作られた力の塊」
とでも書くべきだ。
というか懐から塊を出すとかって時点で屍拾いの二番煎だし、おまけに塊で保存してるからシャナ自在師の認定出来ちまう。そこは周囲数キロから一瞬で集めたとかが一番らいしだろ。
設定変更しても破綻してないからいいが。
もしかして無冥氏は存在の力≠フ名称をトーチ≠ニ思っているのか?
どもです。
無冥です。
皆様のレスに心より感謝致します。
ではいつものように幾つか掻い摘んで返信したいと想います。
>>264 お褒め戴きありがとうございます。
これからも精進致します。
>流法に漢字を使ってしまうからどうも抵抗してしまうのも事実なんすよ・・。
そうですねぇ。
こういう表現は受け付けない人はとことん拒絶反応が沸いてしまうんでしょうね。
私もラブコメ描写や男らしくない優柔不断なキャラには意味もなく
拒絶反応が沸くのでよく解ります。
あと、上でもちょっと書かれていましたが作者は萩原先生(主に演出描写)や
冨樫先生、車田先生、岡田(芽武)先生等の作品が好きなのでどうしても
漢字と英語(似非)を融合させるネーミングになってしまいます。
ソレが何より好きなので。
だから無冥のネーミングセンスに嫌悪感が沸くという方は寂しいですけど
仕方ありません。読むのをお止め下さい。
>後はアレだ。ジョジョのテーマともなっている『人間賛歌』。
アレがまだ足りない感覚がするような気が。
そうですねぇ。ジョジョのメインテーマである「人間賛歌」ですが、やっぱり難しいですね。
次回の話に少し盛り込もうと考えてますが結構苦労しています。
でも出来る限り頑張って少しでも納得のいく形に仕上げようと想います。
>>265〜
>>271 ありがとうございます。
その一言が貰いたくて書いてるようなモノです。
一纏めにしてすいません。
でも全員の方に同じくらい感謝しています
>>272 シャナ、イギー並ですか……w
DIO様も「力を与えよう」ではなくメロンパンで勧誘すれば
案外二つ返事で味方になってくれたかもですねw
>>278 取りあえず無冥の見解としては”トーチ”は「薄い存在の力」だと
解釈しています。だから塵も積もれば何とやらで沢山集めれば
それに比例した自在法が無償で使えると想っています。
確か2巻でマージョリーがトーチを集めて封絶や自在法を使っていた
記憶があるので。
他原作の設定と矛盾する所は「ああそんなの(ry」というカンジで
ご了承下さい。
承太郎の流法やシャナの流式で既に原作かなり無視してるので。
(でもそうしないととてもじゃないけどDIO様には勝てないし、何より
作者のデフォルトでそういう風にしか書けない……orz)
では次回の投下でまたお逢いしましょう。
それでは。
このスレ最高
285 :
282:2007/07/04(水) 02:45:32 ID:???
やっべ、アンカーミスったwww
>>280 がんばってくださいね、SS期待してます
('A` )
(⊃⌒*⌒⊂)
/_ノωヽゝ
大馬鹿なAAは置いといて、無冥さんよ。
灼眼のシャナ原作何処まで読み進めた?
まさかX巻の途中でまる投げのまんまとかいわんよな?
>>287 アハハ……
質問にお答えします……
すいません。現在X巻の途中で停止したままです……(ヴィルヘルミナバトル直前?)
一応七巻までは買ってきたのですが、
何でかしらないケド読む気がしなくて……(6、7巻冒頭の挿絵で心折れた……orz)
でもまぁ、まだフリアグネ戦だからそんなに焦らなくて良いかなぁ〜、
なんて想ってます(決してニコ動の『ゲームセンターCX』にハマってるわけでは断じてない)
本当にすいません。
「これからもコラボSS書いてくつもりならこの巻は絶対読んどけ!」
みたいなアドヴァイスを貰えると嬉しいです。
それでは。
>>289 やっぱそうなります?
シャナは好きなんだケド、悠の字がなぁ…… (4巻とかマジ頃したくなった)
すいません。
男らしくないヤツマジ嫌いなんです。
>>288 原作に敬意を払えよ
あと相変わらず自己主張多すぎ
>>290 俺は悠二は好きでも嫌いでもないけど、それでも
>(4巻とかマジ頃したくなった)
この表現は腹立つぞ
悠二が好きな人はもっと腹立つだろ
余計な自己主張でファンに喧嘩売るなよ
せっかく復活したのに、相も変わらず要らぬ事を口にしすぎだ。
何でそんなに地雷を踏みたがるんだ?
294 :
マロン名無しさん:2007/07/05(木) 02:01:36 ID:ZPF5+gwE
>>無冥さん
貴方も致命的なまでに学習しない人ですね。
ここは職人に優しくないスレでつね
>>290 ジョジョは好きなんだケド、承りがなぁ…… (15巻とかマジ頃したくなった)
すいません。
カッコツケ不良クンってマジ嫌いなんです。
まあ無冥さんはもう少し他人がどう思うかってのを、
考えてから書き込むべきだってことだね。
>>294 腐は
>>1じゃなくて職人だろ
このスレに職人は1人しかいないけどな。
◆Ea0R8d6UQAは腐女子じゃないやい!
>>288 X巻はシャナとヴィルがメインなんだから読み切ろうよ。
しかし、Y・Z巻冒頭の挿し絵で心折れるようなのは無いはず。もしかして口絵?表紙開いてすぐのカラー絵のとこ。
そこならわからなくもないな。でも教授の所行とその他でいい味でてるし、頑張って読み切ってくれ。
んで、読むべき所は
>>289の言う通りだ。当然悠二出てきてもな。
シャナ・悠二を始めみんな挫折し、苦悩を乗り越えて成長してる。
]V・]W巻の終盤では物議を醸しだしたしな。
兎に角早めに全部読み尽くすように。
>>288 Xは絶対読むべき
]がより面白くなる
Yはラストの引きが凄いしZ後半は個人的に凄く良かった
Xが読めないなら11〜13は苦痛かもね
14は良い意味で衝撃的
3部最後まで読んでない人に、承太郎を悠二に置き換えたシャナクロス書いてもらおう。
もちろん悠二はスタンドゲットして大活躍。DIOはザコ扱いで。
と、まあクロスで片方の作品に敬意を払わないとこういう事に。
レッスン1『(原作に)敬意を払え』
ドゥユアンダスタァン?
よくもまあ原作よく読みもしないでクロス書く気になったもんだ
>>290 楽しみにしてたけど、俺もお前のSS見ねえわ
お前等そろそろやめとけ、無明さんが可哀想だろ。
無明さんはなぁ、無職でパソコン買う金すら持ってなくて大変なんだぞ!
なのに職安に行く時間すら割いてこんなに素晴らしいssを俺達に見せてくれるんだぞ!
なのに……お前等ときたら……
男らしくないヤツマジ嫌いなんです(笑)
なんか、この流れが治まるまで出てこず、治まったら
何事もなかったかのように、同じことを繰り返しそうな気がしてきた
自分が悪いなんて欠片も思ってなさそう
自分と信者以外は全員荒らしだと思ってるんだよ。
不寛容過ぎるぞ。もっと大らかになれ。
イントレランスな奴は誰だっ
随分とカオスなスレだなw
ここまで読み手の反感を買う作者も珍しい
荒らしに嫌悪感が湧くという方は寂しいですけど仕方ありません。
2ちゃんをお止め下さいwww
無冥さん、俺はあなたのSSを楽しみにしてるし敬意を持ってるがこれは言わせてもらう
無防備すぎだぜ。質問に答えるのも立派だけど迂闊に答えるとマスゴミばりの言葉狩りを食らうのが2ちゃんだから
あと一部の馬鹿名無し。金取ってないんだから作者>読者だと思え
シャナファンの方はシャナベースの職人さんを期待すりゃ良いじゃん
無冥氏はもともとジョジョベースなんだから多少の乱れは仕方ない
また荒れとる・・・
言わせて貰うが、クロスもの書くなら両方の原作熟知しなきゃ展開的にも面白くないに決まってる。
あと、職人は目立ちたい気持ちも分かるが、自分語りしちゃ駄目だろ・・・
ここは個人サイトじゃなくて、2ちゃんなんだぜ?
別にいいだろ原作読まない位…
むしろ原作より無冥ちゃんのSSのがおもしれーよ。
◆Ea0R8d6UQA氏とかさ、この雰囲気じゃ続きを書いても投下できないんじゃないかと思うと悲しくて。
>>320 この状況でさらに拍車を掛けるようなことを言うなよwww
悠二マジ頃したくなったとか、7巻まで買ってあるけど読む気が起きないとか
そんなに気に入らないなら無理して読んだり書いたりしなくていいのでは?
合う合わないがあると思うし面白くないなら面白くないで仕方ない。
もし面白いんだったら「灼眼のシャナ思ったよりつまらん…」って感じの
雰囲気漂う書き込みは勘弁してくれ。
無冥のSSより無冥の自分語りと住人の反応の方が面白い件について
やはりジョジョ厨のオナニーSSでしかなかったか
SSなんてオナニーなもんでしょ。
すごい流れだなw
無冥さんて昔いた('A`)←このAAの人と同じ人?
明日は七夕絵と聞いてとんできました
ジョジョシャナって結構ムズくね?
ストーリーがシャナベースだと零時迷子が無いから
仮装舞踏会の連中が絡みにくそうだな
悠二=承太郎にするとシャナ14辺りの展開がヤバいなww
逆に考えるんだ、
悠二も出しちゃえばいいと考えるんだ。
むしろ死んだはずのキャラに零時迷子が入って復活してたとかはどうよ?
花京院とかウェザーとか
前から思ってたけどいちいち自分の要望を通そうと荒らしてるのって(一部の)シャナ厨だよな
悠二については出さないって話し合いで結論でたのにしつこいよ
正体を現したなw
>>335 あ、そうだったの?
あんまスレ覗いてなかったんで知らなかったよ。
あともう一人職人が増えればバランス良くなって無冥氏アンチも消えるだろう
ゼロスレの星屑の人が来てほしい
速筆だし良いツンデレ書けるし、あの人の承太郎のキャラ好きだw
短いですが、投下したいと思います。
インドの西ベンガル州の州都、コルタカ。「喜びの都市」「宮殿都市」という愛称を持つその都市の市場を、一人の女性が歩いていた。
丈長のワンピースに白いヘッドドレスとエプロン。編み上げの長靴。いわゆるメイドと呼ばれる種類の服装を身に纏い、登山家が使うような巨大なナップザックを背負う女性。
嫌が応でも人目を引く格好だった。しかも、この炎天下の中中身のぎっしり詰まったナップザックを背負いながらも、彼女は汗一つ掻いていない。
彼女の側を通り過ぎる人々の何人かは、ちらちら振り返ってその姿を見ていた。
「そこの人、メロンパンはいかがですか?」
まだ幼さの残る声に呼び止められ、その女性――ヴィルヘルミナ・カルメルは足を止めた。メロンパンという響きに、今は遠い空の下にいる大切な一人の少女のことを思いだしたからだ。
食料品を取り扱っている店、らしい。店内(この国では珍しくもない、簡単なテント張りの店だ)の机の上には、缶詰、ドーナツ、酒の入った瓶が置いてあった。
ヴィルヘルミナはこの奇妙なラインナップには別段感想を抱かず、 店員の少女がにこやかな笑顔を浮かべて差し出してくるメロンパンを手に取った。
「メロンパン、おいしいですよ」
何処から仕入れているのか、日本製のものだった。「大きなメロンパン」。昔、ヴィルヘルミナがいつも買っていたメーカーのメロンパンだ。
いつも食べていた、とは言わないのはそれを食べていたのが彼女自身ではないからである。
この菓子パンを食べている時の、大切な少女の屈託のない笑顔が蘇る。不意に、息が詰まった。ヴィルヘルミナは自らの唇を噛み締め、目蓋の裏に込み上げる熱を無理矢理抑え込んだ。
様々な事情から彼女自身は認めたがらない、しかし、確かに存在する「親」としての感情が、ヴィルヘルミナを揺さぶっている。
あの方は、今頃何をしているだろうか。身体を壊してなどいないだろうか。言葉にすればそれだけの、当たり前の心配。
彼女には偉大なる"紅世の王"がついている。それに、「あの戦い」を通じて彼女はあらゆる意味で強くなった。あれからもう何年経ったと思っているのか。
彼女はもう立派なフレイムヘイズだ。自分が心配する時期など、もうとうに過ぎてしまっているではないか。普段のヴィルヘルミナなら、そう思っただろう。
しかし、この寂しさは時折やって来てはヴィルヘルミナの心を苛む。そしていつもそれと同時にやって来るのは、ある意味自分と同じ苦しみをあの娘に与えた
憎い男への怒りなのである。
店員の少女が怪訝そうな顔で自分を見ているのにも気付かず、メロンパンの袋を掴む手に力が入った。
ヴィルヘルミナの涙腺が、寂寥感と怒りで決壊しようとしていたその時。
「……ヴィルヘルミナ?」
――ヴィルヘルミナは、その憎い男と再会した。
>>338 ゼロスレはクオリティが高すぎるから困る
あのスレで好きな職人挙げたら軽く10人は突破してしまうし
頼むから誰か一人こっちに来てくれ
ヴィルヘルミナは基本的に無表情を崩さない。そのせいでかつての旅では、仲間のスタンド使い達に「機嫌が悪いんじゃあないか?」と誤解されたことも、しばしばあった。
そんな時は、一部の例外を除いて別に不機嫌だったわけではないのだ。ただ、ヴィルヘルミナが感情を表に出しにくい性質だったというだけだ。
かれこれ数百年以上付き合ってきたこの性質がそう簡単に治るとはヴィルヘルミナには思えなかったし、取り立てて治す気もなかった。
……隠し事が致命的なまでに苦手なところだけは何とかしたいと切に願ってはいたが。
そんな彼女は、錯覚などではなく今非常に不機嫌だった。対面に座る男とは目を合わせようとしない。
テーブルの上に置かれたインドのミルクティー「チャーイ」の入ったカップの水面を見つめ、不必要なほどぴしっとした姿勢でじっと座っている。そうすることで男にプレッシャーを与え、あわよくば押し潰さんと言わんばかりだ。
しかし、もちろん彼女の対面に座る男、かつての旅でヴィルヘルミナ達のリーダー的立場をつとめ上げ、史上最悪の吸血鬼を打ち倒した"最強のスタンド使い"空条承太郎は全く動じない。ヴィルヘルミナの放つ無言の圧力を柳に風と受け流し、口元でカップを傾けている。
あまつさえ、「冷めるぜ。ぼけっとしてないで飲んだらどうだ」などと言った。
「(なんという、嫌な男でありましょう)」
「(同意)」
意思を伝え合う自在法で、ヴィルヘルミナとティアマトーは無言の内に承太郎への文句を交わした。あの戦いから十三年。当時十七歳だったこの男も、今や而立の歳だ。
初めて会った時ヴィルヘルミナが感じた暴力の匂いも荒々しさも、今はない。それらは知性と物静かな風貌へと変化していた。
風の便りでは結婚して子供も持ったと聞いた。そうなれば年齢相応の落ち着きも出て来るというものだろう。あるいは、落ち着きが出て来たから家庭を持ったか。ヴィルヘルミナにはわからなかった。
伴侶を得て、子供を儲ける。その響きが思いもよらぬ棘となってヴィルヘルミナの胸を刺した。フレイムヘイズとは、"紅世の徒"と戦う力を得る代わり、その存在の全てを捨てた者。
その者の時は"紅世の王"との契約の時点で止まってしまう。子を宿すことも出来ない。人としての可能性を捨て去るとはそういうことだ。
だから、あの結果は仕方の無いことだったのだろう。まして、この男は人間。フレイムヘイズであるあの娘と同じ時を生きることなど出来はしない。自分だって反対していた。
ならば、今自分が今日この日まで抱えてきた感情は全く以って理不尽なものであるはずだった。しかし。だからといって。
「(割り切れるものではないのであります)」
「(同感)」
やり場のない鬱屈した感情を、チャーイと一緒に飲み下すように、ヴィルヘルミナはカップを傾けた。ミルクのまろやかさと、砂糖の甘さ、ほんのり感じるショウガの風味。
なるほど承太郎の言うとおり、なかなかの味である。それを認めるのは少々癪だったが。
>>335にクソワロタw
祐治出せってのはたったの一レスしかないの、しつこいよとかw
>>335には見えないものがみえてんのかw
三十路じょうたろう!!
投下しました。今回はここまでです。
うっかりタイトルを付け忘れてしまいましたが、タイトルは「星屑には手が届かない」ということでお願いします。
GJ!
把握……って言いたいんだけど、シャナのまとめって
トリップで分けられてるよね。
メニューにSSタイトルで追加してもいいのかな?
これで終わり? ポエミーすぎて意味わかんね
と思ったら続きがあったのか。期待してるぜ。
GJ!
やっぱ承太郎人気あるなw
ちょwwwもしかして星屑氏を召喚してしまったのかw
というか本当にスタンド使いですね貴方w
もしかしてシャナ承太郎にフラレちゃった?
そもそもくっつかないんじゃまいか。徐倫が生まれなくなるしな。
承太郎は人間で在ることを棄てないだろうから、遅かれ早かれ別れは必ず来る。
でも互いの間柄が愛情であっても友情であっても強い絆で結ばれてるのは間違いないから、惜しみつつも互いに笑いあって背を向けて歩むのが一番彼等らしい別れかた。
引きずって生きる事だけは有り得ないし、してほしくない。
まあ3部ラストみたいな別れ方がベストなのは間違いないわな
思ったより早く続きが書けたので、投下します。
十三年前、ヴィルヘルミナ・カルメルはある男を討滅するため、空条承太郎一行に同行してエジプトへ
と旅立った。その男の名前はディオ・ブランドー。百年間の眠りから目覚めた吸血鬼だった。
「"紅世の徒"にすら勝利して支配する吸血鬼がいる」。そんな話をフレイムヘイズの情報交換・交換支
援施設『外界宿』のニューヨーク支部で初めて聞かされた時のヴィルヘルミナの感想は、「信じ難い」の
一言に尽きた。吸血鬼だろうと、元は人間。こちら側の世界においては後の「神」の原型ともなった"紅
世の王"に勝てる力を持った存在など、同じ"紅世"の側にしかいる訳がないと思っていたのだ。
彼女が自身の見聞の狭さを思い知ったのは、それから程なくしてのことだった。
エジプトのカイロで、とあるフレイムヘイズと"紅世の徒"との戦いがあった。戦いの末に"徒"は無事討
滅されたものの、その被害は甚大。『外界宿』の協力による「後片付け」――具体的には、偽の原因や人
々が納得出来る嘘をばら撒くこと――が必要になった。
その陣頭指揮を執るために派遣されたのが、この筋では極めて有能と評判高いフレイムヘイズ『万丈の仕
手』ヴィルヘルミナ・カルメルという訳だ。
その仕事も終わり、滞在していたホテルをチェックアウトして、路地を歩くヴィルヘルミナの前に、
その男は現れた。
粗末な街灯だけがささやかな光をもたらしている人気のない路地で、その男は建物の壁にもたれかかり、
悠然とヴィルヘルミナを眺めていた。
見た者の心まで凍りつかせてしまうような、その冷たい眼差し。
砂金を思わせる美しい金髪。
白い肌は透き通るようで、男性女性問わず魅了するような、ぞっとする程の色気があった。
その男の姿を一目見ただけで、ヴィルヘルミナの戦闘者としての本能がかつてないほどの勢いで警鐘を
鳴らした。この男がディオ。『外界宿』で聞いた信じ難い話が現実だったことを悟り、ヴィルヘルミナは
肌が粟立ち、地面に足が縫い付けられるような威圧感を感じた。
『……君達"紅世"の住人は、"存在の力"とやらを操って、この世に在り得ざる不思議を起こすことが出来
るそうだね? ひとつ……それを私に見せてくれると嬉しいのだが』
語り掛けてくるディオの声には、心にやすらぎを与える危険な甘さがあった。
それに引き込まれてしまいそうになった次の瞬間、ヴィルヘルミナは"封絶"を展開すると同時に、無数の
リボンによる刺突をディオに繰り出していた。奴の言葉を聴いてはいけないという、強迫観念にも似た危
機感が彼女の身体を突き動かした。
桜色の曙光の中、戦闘が始まった。人を超えた者同士の暴風の如き力のぶつかり合いは、石造りの建物
という建物をなぎ倒し、道を抉り、凡そヴィルヘルミナの仕事の成果を帳消しにする程の被害を周囲にも
たらした。"封絶"を張っていなかったら、街の一区画が丸ごと地図上から消え失せていたに違いない程の
大被害だった。
それだけやっても尚、ヴィルヘルミナは惨敗した。フレイムヘイズ・"紅世の徒"の間で名を轟かす『万
丈の仕手』が、ほとんど手も足も出せずに敗北した。
何をされたかのすら、その時は理解できなかった。「気が付くとやられている」という全く以って理解不
能の現実と、満身創痍の状態で逃げるのが精一杯だったという屈辱的な事実だけが残った。
ディオ・ブランドーという男の力は、それだけ凄まじかった。この世の全てを喰らい尽くし、蹂躙し尽
くすことを、宿命付けられて生まれてきたような男だった。
加えて、ディオは引力のように逆らい難い「人を惹き付ける」カリスマを兼ね備えていた。
驚くべきことに、ディオは現代における最大級の"紅世の徒"の集団、[仮装舞踏会]を自らの軍門に下して
しまったのだ。数百年前からフレイムヘイズと戦い続けている、強大な力を持つ"紅世の徒"達が、"王"
でもないたった一人の吸血鬼に本気の忠誠を誓ったのだ。
悪夢のような事態だった。奴を放置しておけば、いずれ現世・"紅世"は共に奴に支配されてしまうとい
う自分の馬鹿げた考えを、ヴィルヘルミナを否定できなかった。
後日、ヴィルヘルミナは彼女の育てた『炎髪灼眼の討ち手』が空条承太郎らと共にディオの討滅に乗り
出したという情報を、『外界宿』を通じて知る。
ヴィルヘルミナは彼らに同行し、ディオを討滅するべくエジプトへ旅立つことになるのだった。
その一行の中心に居たのが、空条承太郎である。ヴィルヘルミナの彼に対する第一印象は、「冷淡で反
抗的で無関心な男」だった。
未成年の分際で酒と煙草をたしなみ、年上に対する礼儀も知らない。その上ヴィルヘルミナにとって何よ
りも大切な少女は、「クソガキ」「チビジャリ」呼ばわりだ。
はっきり言って、あの娘に近付けたい人種ではなかった。むしろその正反対だった。
ディオと同様に、"スタンド"なる不可思議な力を使えるとはいえ、所詮は人間。
元よりあの何もかもが規格外の化け物に太刀打ち出来る筈がない。早々に自分の無力さを思い知らせて旅
からリタイアさせてやろう、とまで思っていた。
しかし、ヴィルヘルミナにとっては甚だ不本意なことに、その評価は次第に覆されていくことになる。
今回も短いですが、投下しました。
それと、私はスターダストファミリアーの人ではありません。
さすがDIO様、やりたいほうだいだなw
この調子で頑張って下さい。GJっ
GJ!!!
なんという母性本能
やはりヴィルヘルミナはこうでなくてはな
久しぶりに投下
受けとってれ――――JOJOと書いてみんな―――ッ!!
***
その日は天気が快晴であった以外、特に変わったところはなかった。
授業も例によって生徒たちはギャンブル時のカイジの如く緊張感が張り詰め、承太郎だけが無敵のアカギ状態でいた。
ところがその奇妙な均衡は、四時限目になって崩れることとなった。
事件はシャナが来て初めての体育の時間に起きた。
話は変わるがこの学校の教師、特に承太郎のクラスで授業をする教師は大抵、『まとも』か『消極的』な態度をとる。
もし承太郎の機嫌を損ねるようなゲスな真似をした場合、承太郎の怒りの鉄拳を見舞うことになるからだ。
もちろん承太郎もそう何度も教師を殴っているわけではないし、『俺が教師たちを粛清しよう』と意気込んでいるわけでもないのだが。
ようはただでさえ不良のレッテルを貼られ、見下すような目つきで自分を見る教師に対して軽く敵対しているという下地があり、
そしてさらにその中にクズ野郎がいれば怒りが上乗せされてプッツンくる、というわけだった。
以前一度無能のくせに授業中はおろか校内でも風紀と言って気に入らない生徒を自分の都合で注意、
挙句には理不尽な理由で停学処置まで強行する教師がいた。
そんな教師が承太郎の素行と長ランに目をつけ、調子に乗って学帽を無理やり取ろうとしたのが彼の不運だった。
教師は今まで自分が承太郎の視界に入らなかったことがいかに幸運であったかを理解した。
無論その後教師は十分に気合を入れられ二度と学校に戻ってこれなかったのは言うまでもない。
というわけで承太郎を恐れる教師たちは少なくとも彼の見えるところでは極端な真似は避けて通っていた。
しかしそれは裏を返すと彼の見えないところではそういったことをしているとも取れるし、
実際そうしてる教師は少ないもののいた。
そもそも承太郎は不良なのでわざわざ自分の知らないところで起こった教師の不祥事には興味がない。
前述したが彼が教師を粛清させるのは単純に『気にいらねぇ』というただそれだけのシンプルな理由だった。
そこで今回の体育教師だ。
他の教師が承太郎に目をつけられないよう自粛してるなか、承太郎が毎回体育の授業を
サボっているのをいいことに彼だけは好き勝手にやっていた。
下手に権力を持った小市民ほど手に負えないものはない。
その教師も例外でなく、むしろ元から他の教師以上に臭いゲロのような性格でその日の気分で
意味もなく生徒を脅したり、女子生徒にセクハラ行為を行っていたりした。
自分だけが教師の権力を最大限に行使してると勘違いしているこのクズ教師は、
弱いものいじめを楽しむクソガキ共のように、
その横暴ぶりも日増しにエスカレートしていたのだった。
神や!神過ぎるぜあんたら!
おまんらよう見とけ!これがジョジョシャナスレの職人じゃぁー!!
***
その日、体育教師はある決意を持っていた。
最近やたら職員室を騒がせる存在、平井ゆかり。
特に注意人物というわけではなかったはずだが、そんなことは俺には関係ない。
他の教師たちは承太郎の時のようにただただ恐れているだけだが、俺は違う。
体育教師と言う権限を最大限に行使して、最近調子に乗ってる不良少女の鼻を明かしてやるぜッ
……クククク……ムハハハハ……
といった感じにのたまった彼が授業の最初に行ったことは、突然の無期限ランニングだった。
今までの記録やその一見華奢な体つきから、体力的に特に突出しているわけでもないこの少女に
精神面は太刀打ちできなくとも体力面なら圧勝できるだろう。
音を上げさせるまでやめねーッ! ヒャハハッハアア!
という安易な発想からの行動だった。
しかしどれくらい長期間走らせようとも、他の生徒がヘバるだけで肝心の少女は
息切れ一つ起こさず淡々とペースを保っていた。
速くも遅くもないが、素人目にもわかるほどの無駄のないフォーム。
恐らく秒単位で合っているだろうペース。
彼女は日夜徒と命がけで戦うフレイムヘイズである。当たり前と言えば当たり前だ。
教師が疑心を感じ始め、彼女にペースを上げるよう指示しても、結果は同じだった。
一緒に走らせられた他の生徒たちは、もはやいい迷惑を通り越して殺意が芽生えていた。
しかし理不尽なことに一番いらついていたのはこともあろうに教師本人だった。
(チクショオオオオォォォォ!! どおおなってやがんだああああ!? 平井ゆかりの記録は
どれもそんなに大したもんじゃあなかったはずなのによお――っ!
ガキのくせに余力のこしやがってクソがッ! 最初からクライマックスでいろ!
こおおおなったら意地でも泣きみせてやるッ!! 他の連中なんざどーなってもかまやしねええええ――ッ!!)
「コラアッ!! 遅えぞそこオオオォォ!! 休んでんじゃあねええッ!」
「……くっそ……あンの教師め……しまいにゃあ死者でるぞ」
10分たった時点で普段走りなれていない文化部やインドア派の生徒たちはペースが落ち始め、歩き出すものも多かった。
しかしそれを教師は許すはずもなく、必死に抗議するもいつもの横暴のこともあって彼らでは歯が立たなかった。
そして15分が経過するかしないかのころ、
一人の女子生徒が足元をふらつかせ、その場に倒れこむように
座り込んでしまった。体も慣れてないうちの突然のマラソンである。
その顔色は誰が見てもわかるぐらい真っ青だった。
「おいそこっ! 何してる! とっとと立てぇ!」
すかさず体育教師が上手くいかない状況への憤りもあって、八つ当たりに彼女を怒鳴り散らす。
女子生徒は既に限界ギリギリだったのか、肩で息をして答えられる状態ではなかった。
体育教師はそんなことお構い無しにずかずかと歩み寄り、強引に女子生徒の腕をつかみ上げる。
「根性が足りんぞおっ。立てッ!」
女子生徒は声にならない悲鳴を上げる。それを見た周囲の生徒たちが非難の声を上げるが、
興奮している教師には効果はなかった。むしろ火に油と言ったところである。
「おいアンタ! いきなりこんな走らせて、これもう体罰だぜ!? いいかげんにしろよ!!」
「やかましいッ!! 俺に指図すんじゃあねえ―――ッ!」
教師は耐えかねず抗議した細身の男子生徒を殴り飛ばした。近くの女子生徒たちが悲鳴をあげる。
「ええいうるさいッ!! お前らも気合が足りんからこうなるんだっ! さあ……お前も走れよオオオ!
さぼってんじゃあねええ――ッ」
「ひっ……嫌っ……やめ……」
腕を引っ張っても立ち上がれなかった女子生徒に教師は、
乱暴に髪を掴んで無理やり立ち上がらせようとした。
髪をおさえる女子生徒は、ほとんど呼吸音だけのか細い悲鳴をあげる。
「てめえ……いいかげんに……」
ついに堪忍袋の緒が切れた。先ほど殴られたハンサムな生徒と大柄な生徒が同時に駆け出す。
そして教師のツラに拳をブチ込むべく腕を引いた。
しかし、彼の出番は突如奪われた。射程距離に入ろうとしたその瞬間、
まるでトラックが衝突されたが如く、教師は弧を描いて飛んでいってしまったからだ。
「ゴフウウゥ!!??」
頭から落下した教師は妙な声をあげる。
あっけにとられた制と全員が顔を上げると、教師がいたところには、先ほど蹴り上げた足を見せたまま
女子生徒を支えている例の少女、平井ゆかりの姿があった。
***
シャナは息も絶え絶えな少女を抱えながら、教師に一応の質問をする。
冷めた少女と阿呆みたいに怒り狂う大の大人の対比は、ずいぶんシュールな光景だった。
「この授業、一体どんな意味があるっていうの? 答えて」
「きさまッ! きき教師を足蹴にしたなッ!!」
「聞いてるの? こんな単純運動を延々と続けることで何を教えるのか答えて」
「このクズがッ! 俺を誰だと思ってんだコラア!!」
「自分がやらせたことの説明もできないの?」
「わかってるのかッ! これは違反行為だッ!! 停学、いや退学にイイイイイイッ!!
しィてエェェやるぞオオオオオオオ―――ッ!!」
全く話が噛み合わない。シャナはこの激情に身を任す男の底を見た。
シャナの心情は単純だった……『不快』……ただそれだけの感情だったが
彼女の怒りをかうには十分な感情だった。
「き、き、ききさまはアアアアアッ ただじゃあすまさんぞォ――!! わかって……!?」
教師のわめき声が止んだ。教師は見た。無言で自分を睨みつける少女を。
少女は女生徒を先ほどの男子生徒たちに渡す。そしてゆっくりと教師に近づいた。
その華奢な外見からは想像も付かないほどの圧倒的な威圧感を。
教師は気づいた。なぜ他の教科の教師たちが彼女を恐れたか。
それは決して自分の不手際を的確に指摘されただけではない。
それだけなら逆ギレでもして黙らせることは容易だっただろう。
しかし彼女は違う。まるで戦場の兵士のような、
『ぶっ殺す』と言ったときには本来の意味で『殺している』であろう気迫。
蛇に睨まれたカエルのような、純粋な意味での恐怖。
「支援したッ!」
それらをこの教師は、本能で理解した。
(や、やべ――よコイツはよオオオオオオオオ! 不良なんて生やさしいもんじゃあねえ!
やられるッ! 殺されるウウウゥゥゥゥゥ!!!!)
「いいかげん、目障りなのよね……」
「ま、まてっ平井! やめとけ! 教師を殴ったら停学だぞ。
内申書にも影響が出るよォーッ!だからなっ落ち着いてそのコブシおろそうなっ、ねっ☆」
「うるさいッ!」
ズガン、と鈍い嫌な音が響いた。
シャナの拳は正確に教師の横っ面に打ち込まれた。
殴られた状態からきりもみ回転し、教師は再度地面に激突した。
***
先ほどの生徒――佐藤は面食らった様子で女生徒を受け取り、その洒落にならない様相にあせった。
「おおい田中、手伝ってくれ。吉田さんもう歩くのも無理っぽい」
「おう、まかせな……っておい」
「あ……」
歩くどころか立つことも難しくなった女生徒――吉田は、佐藤の腕をすりぬけて地面へ倒れこむ。
慌てて引き戻そうとする佐藤だが間に合わなかった。しかし、その時。
「……大丈夫か?」
力強く、しかし相手を傷つけないほどの優しい力によって、吉田の体は元に戻され支えられていた。
「……え?」
吉田は顔を上げた。その顔は逆光でよく見えなかったが、そのズ抜けた体格、
そしてどこで仕立てたんだと突っ込みたくなる長ラン。
男女問わず誰もが畏怖し、しかし心では憧れている男の腕に、彼女は抱かれていた(ような状態だった)
「な、なんで……お前が……?」
佐藤が困惑した様子で聞いたが、
「は、はうぅぅぅ……」
さっきまでの血の気の失せた表情とは逆に、
今度は蒸気が出そうなほど顔を真っ赤に染めた吉田が再度気を失った。
「……やれやれ、後は頼んだぜ」
「え、ああ? って吉田さん! 大丈夫!?」
吉田を今度は横にいた田中に渡し、承太郎は教師らのところへ悠然と歩いていく。
「承太郎……だよな、あいつ。何があったんだ?」
「さあ……でも、ひょっとしたら、ね……」
***
さすがにシャナも一般人に致命傷や後遺症を残さない良心はあったが、
それでもその一撃は間違いなく教師の顎を粉砕した。教師はうずくまったまま顎を押さえ、
なんとかシャナから逃げようと必死にもがいてた。
「ひいいいいい〜〜」
「ちょっと力が弱すぎたみたいね……一般人相手じゃいまいち力の加減に困るわ」
「(うっうううう〜〜〜っ。ちくしょう、人を殴るたぁなんて非常識なヤツなんだ、クソッ。
今は退散だッ。後で校長に訴えてやる! こんだけヒドイ怪我をさせたんだッ! 絶対退学にしてやるっ
いやそれだけじゃあ腹の虫が収まらん。退学にしたら毎日アイツん家に無言電話かけてやる!
精神的に追い詰めてェェェェそれから……)」
ズドン、という地響きが一つ。
教師は今までの罵倒も忘れた。恐怖で体が動かない。
「ま、まて……」
「まだ意識があったのね。今とどめをさしてやるわ」
「ヒイイッ、お、俺にちかよるなあああああああああ――!!」
シャナは油断していた。すでに負けを体で表している一般人相手なので
しかたないといえばそうであったが。
教師が無我夢中で手足を動かした際、偶然にも舞った砂がシャナの視界を妨げた。
「ッ!?」
(い、今だッ)
その一瞬の隙を、教師は見逃さなかった。
脱兎の如く、恐らく普段使われないエネルギーを含めた100%の全速力で、校舎側へと逃げ出す。
(チクショオオオオオオオオ!! 今は逃げるしかね――――ッ!!
だが平井ッ! この借りはぜってー返す。退学じゃあすまさん!
毎日無言電話をかけてカミソリとか送りつけてエエェェェ!
ついでに鳥瞰の四コマ漫画だけ切り取ったりして! 精神的に痛めつけてやるぜッ――ッ!)
そんなことを考えながら走っていたとき、
「!?」
突如差し出された棒のような障害物につまづく教師。
その勢いで、彼は再度宙に舞った。
>鳥瞰の四コマ漫画だけ
おまwwwwwwwwwwwww
「グベェ!! こ、今度はなんだ!?」
教師はふと
視界には、誰かの足。
ゆっくりと視線を上げる。長い脚、それを包むコートのようなものは長ランだと気づく。
「な、にぃ……」
さらに見上げる、その先には……奴がいた。
氷のように冷たい、貫くような視線。
この学校の、いや、この界隈の誰もが恐れるその男。
ケンカ最強、自由奔放。
誰にも飼われず、自分の意思のみで動く、無敵の白金。
「じょ、じょう……太郎……」
「やれやれ……ずいぶんと……楽しそうなことしてるな?」
「う、宇和わわああああああああああああああ」
教師は叫ぶが早いが人間の限界を超えた光速ダッシュで逃げ出した。
しかしッ。
「あ、あれ?」
確かに飛び出して、今は背後にいるはずの承太郎が何故か自分の前にいた。
「くそうっ!」
アキレス腱が破壊される覚悟でもう一度逃げ出す。だが。
「ぎゃにいいいいいい。な、なんでえええええええ!?」
再度承太郎が眼前に立ちはだかる。
(これは夢だっ! 幻覚だからどうってことないんだああうわははははあああああああああ)
「てめー、前から俺のいないとこで好き勝手やってたらしいな。
知らねえとでも思っていたのか?あ?」
「ひ、ヒイイ(ゆ、夢じゃないい!?)」
良いよ良いよ。狂師オモスレー
誤植 鳥瞰→朝刊です。いつもこうだorz
「本来ならおめーが二度と外へ出れねーくらい殴りつけるところだったがな……。
その傷じゃあ、弱者をなぶってるようでちょいと後味が悪い」
(な、なんで承太郎がこんなとこにいるんだああああああ? で、でも今の言葉ッ。
どーゆーワケか俺をかばったよなあ。あいつ、意外といい奴だったのかああ。
悪かったな〜承太郎。これからお前の言うこと何でも聞く犬になるぜ。フヘへへヘ――)
「と、言うわけでだ。後はあいつに任せるとするぜ」
「え?」
承太郎がアゴで指した先。圧倒的な存在が、もう一人。
「へえ、たまには役に立つじゃない」
いつも立ってるだろ、という突っ込みはしない承太郎だった。
「今回は感謝するぜ、平井……こいつをブチのめす口実ができたからな……」
「そう、それじゃ次で最後ね。覚悟はいい? センセイ……」
逃げ出そうにも自分より体格のいい承太郎がガッチリ捕まえているので逃げ出せない。
眼前には走ることで従来の破壊力からさらに加速を増やし、
自分のところへ突っ込んでくる少女。
この瞬間、教師は少女の動きがものすごくスローに見えたという。
だからと言って何の意味もなさなかったが。
「ヒィエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!」
今世紀最大級の拳が、教師に最後の打撃を与えた。
無重力状態の感覚と、薄れゆく意識の中教師は、この世にはどうしようもなく
恐ろしいものが少なくとも二つ存在したことを知り、
もう二度とこんな目に会うような行為も職業に就くこともしないと心に誓った。
体育教師→カワイソーなほど殴られ入院決定。再起不能(リタイヤ)
To Be Continude→
はいどうも、一応ここまでです。
次回はこの話のエピローグ&新章の予定です。いつになることやら。
文才0のくせに遅筆ってお前……
今回体育教師制裁編でしたがちょっとやりすぎたかなと思ったりまぁジョジョだし
こんぐらいでいいんじゃね?と思ったり。承太郎出番ほとんどないですね、ハハ。
でも次回は多分大活躍ですよ、きっと。
ああアニメ絶望先生面白い。ギャグマンガ日和以来だZE。関係ないですすいません。
今日はこのへんででは。
乙!
GJが止まらない
GJ!!!教師哀れwww自業自得だけどw
貴方の投稿をずっと心待ちにしてました。やはり承太郎だと止めたりはしませんね……。
むしろ積極的にブチのめす方を選ぶという。しかし、ザ・ワールドまで使うとは容赦ない……。
GJ!GJ!GJ!だぁ!
皆がのいぢ絵である中、一人だけ異様な図体の上体操着、しかもジョジョ絵というのを想像してしまった。
なにはともわれ
>>380、GJ!
例え遅筆でも投下もしないのにスレで駄弁ってる誰かよりはマシだと思う俺
とにかく
>>380 GJ!
荒れるようなこと言うお前よりは無冥氏の方がマシだよ
ただでさえ職人少ないんだから減らすようなこと止めてくれ
無冥氏とEa(ry氏が居ないこのスレは蒼天の拳とエンジェルハートが連載してないバンチみたいなもんだぞ
>>380 gj!
ラバーソウルみたいな状況の体育教師想像したwww
佐藤・田中のコンビもでてきたけど、やっぱり眼鏡の学級委員は居ないんだな。御愁傷様。
>>380 GJ!
お前さんのは自分に酔ってる的な文章が無くて、非常に読みやすかった。
392 :
マロン名無しさん:2007/07/10(火) 20:16:48 ID:Q2bDqdrM
>>391が無冥を貶す目的で書き込んでるのが明らかで吹いた
無冥さん可哀想だよ…
ぶっちゃけ俺は楽しみにしてる
>>386=
>>391=荒らし
無冥氏にも改善すべきところはあるが、読者の立場でぐだぐだしつこくうるさいお前もうざい
SS書くわけじゃねぇんだから黙ってろや
昔俺が居たSSスレもお前みたいなののせいで今や過疎スレだよ
GJ!!
シャナベースのあなたのSSも楽しみにしてるぜ!
無冥氏をフォローしてる振りして、けなしてる奴がいるぞ
どんな内容であれ職人さんには敬意を払おうぜ
大体たかが2chのSS書きに敬称つけるのが気持ち悪いぜ
無冥楽しみに待ってるよ
ここもまとめサイトに避難所作るべきじゃね?
いや、モニターの向こう側にも人がいるわけなんだし、礼儀正しくするのに越したことはない。
その方が作者方も気分がいいと思うし。
>>399 いや、避難所に毒吐きスレでも作ってそこで暴れてもらう方がいいと言いたかったんだ
>400
こちらこそごめん。
俺は>397のレスに返信し、ネットも人と人との集まりなんだから、基本的には礼儀を持った方がいいって言いたかっただけ。
俺も避難所に毒吐きは良いと思ったが、
某SSスレを見てると本スレに毒を吐く人は、避難所なんかの毒吐きには行かない。
僕はアンチも擁護も荒らしに同じと思っているので
誘導できる場所ができるだけましだと思います
でも避難所が立てられない僕の言えたことじゃあないですかね
すいません
>>401 あんまり持ち上げるから面白がってアンチ沸くんだよ
礼ってのはその場に合わせたもので言葉通りのことじゃない
先生面したかったら2chでやるべきじゃないと思うし
今ならmixiだってクロス掲示板だってあるんじゃないか?
やれ・・・やるんだ・・・◆Ea0R8d6UQA・・・
オレは・・・・・・お前を見守って・・・いるぜ・・・
個人的なことですまんが
どうせ言うならこれぐらいやってほしい
405 :
404:2007/07/11(水) 21:07:17 ID:???
すまん、やってほしいじゃあない、やりたいだったorz
ジョジョスレなんだから言ってもいいよね?
>>404 そのくらいならいいんじゃない?
あんまり強烈なことさえしなければ………応援を通り越して崇拝みたいにならなければ
そうするよ
>>406 しかし避難所か…某ゼロスレみたいにSS投下スレは作ってもいいかも
SSの続きが書けたので投下します
「星屑には手が届かないの作者」では長いので、今回からHNを変更しました。
"スタンド"に「強い」「弱い」の概念はない。ただ、使い方の「上手い」「下手」だけがある。
これが、"スタンド使い"との戦いを通じ、ヴィルヘルミナが学んできた教訓だった。
彼らとの戦いにおいて、フレイムヘイズとしての身体能力の高さや、身に着けた戦いの定石など、
アドバンテージの一つにしか過ぎない。それさえも状況次第で却って仇になることがあった。
髪の毛一本動かす力もない"スタンド"に仲間の命が脅かされたことがあった。
赤子の"スタンド使い"に夢の中に引きずり込まれ、命を落とし掛けたことがあった。
意思を持つ妖刀があの娘の身体を乗っ取り、一行を切り刻み掛けたことがあった。
賭けに負けた相手の魂を抜き取る"スタンド使い"に出会った時は、危うく全員魂を抜き取られるところだった。
状況次第・使い方次第で幾らでもそのアドバンテージを引っくり返し、追い詰め、殺すことが可能な能力。それが"スタンド"だ。
その点、空条承太郎は"スタンド"の使い方が抜群に上手かった。時には真っ向から殴り合って相手を捻じ伏せ、
時には自分の土俵に相手を引きずり込み、また時には"スタンド"をブラフに使い、相手を動揺させて心の隙を突く。
承太郎は自身の"スタンド"の強みと弱みを理解し、それを最大限活かす方法を心得ていた。そして、相手の能力を見極める観察眼
と冷静な判断力を持っていた。それは相手がDIOの命令を受け、一行を襲ってきた"紅世の徒"相手でも変わらなかった。
承太郎は人間でありながら、"徒"を相手に戦い、勝利してきたのだ。
ヴィルヘルミナは自他共に認める融通の利かない頑固な性格の持ち主ではあったが、道理の分からない石頭ではない。
旅を続ける中でそんな場面を幾度となく見れば、当初の自分の評価が誤りだったと、彼女は認めざるを得なかった。
……あの娘のいる部屋で堂々と煙草を吸い、酒をあおるのを見ると腹が立ってくるのは変わらなかったが。未成年自重しろ、
と何度も思った。特に煙草の煙は人体にとって猛毒なのだ。受動喫煙の恐ろしさを知らないのか。
大体、発がん性物質たっぷりの煙を、あの娘の前でくゆらせる神経がおかしい。
そう言った趣旨の小言を言うことが多くなり、時には「やかましいッ、うっとおしいぞォ!」と承太郎が怒鳴り返すこともあった。
そんな時は、決まってヴィルヘルミナのリボンと承太郎のスタープラチナが激しい攻防戦を展開するのだった。
煙草の箱やビール缶を巡り、突き出される無数の拳とリボン。決して渦中の品物が壊れなかった辺りが無駄にハイレベルだった。
ヴィルヘルミナが承太郎の実力を認めても、個人的には気に喰わなかった理由はもう一つあった。
その理由に比べたら他の事などほんの瑣末なことに思える位の大きな理由だった。よりにもよって、あの娘が空条承太郎に対して
好意を抱き始めたことだ。
前々から嫌な予感はしていた。フレイムヘイズになるべくして育ち、フレイムヘイズとして戦って生きてきたあの娘が、ありのままの自分
で接することの出来た初めての人間。それがあの男、空条承太郎。
お互い、媚びることもおもねることも知らない性格だ。衝突するのは必然と言えた。だが、承太郎とあの娘の間には妙な遠慮だとか、
後ろ暗い悪意だとかいったものが一切なかった。むしろ彼女達はそれを楽しんでいる風にすら、ヴィルヘルミナには見えた。
恐らく、彼女達は自分達が思うよりずっと似通った部分を持っていたのだろう。自身の中に揺らぐことのない信念を持っていることも、その一つだ。
似通っているからこそぶつかり合う。しかし、それを乗り越えた時にはより一層強い絆が生まれる。あの娘の気持ちが、かつてヴィルヘルミナが唯一人
の男に向けたそれと同じ物に変わっていくのも、無理からぬことだったのかもしれない。
だが、ヴィルヘルミナはどうしてもあの娘の気持ちを認めることが出来なかった。自分の育ててきた「理想的かつ完璧なフレイムヘイズ」が、
空条承太郎に出会ったことで変わってしまうことが許せなかった。
しかも、あの男は人間なのだ。過去、フレイムヘイズと親交を結んだ人間は無数にいた。愛し合った者達だっていた。
だが、その果てに待っているものは避けえぬ離別だ。あの娘にとっては辛いことばかりだ。少なくともヴィルヘルミナにはそう思えた。
……そして、多分、あの男はあの娘のことをそういう風には考えていない。戦友としての信頼はあっても、女として愛してはいない。
幸いな筈の事実が、重石となってヴィルヘルミナに圧し掛かった。
虹色の炎を背にした、亡き男の面影がヴィルヘルミナの思考を軋ませた。自分ではないただ一人の女を愛し、それ以外の何者にも目をくれず、
愛した女の誓いに殉じた男。何百年と共に過ごしながら、とうとう彼が彼女に捧げた愛の、ほんのひとかけらすら得ることが出来なかった自分。
同じ想いをあの娘にさせたくない、という気持ちがあった。避けられる傷をあえて受ける必要はない、と思っていた。
それが結局は自分の恐怖をあの娘に投影しているだけなのだと分かってはいても。
以上、投下しました。
避難所……あれば便利だと思います。毒吐きスレがあってもいいかもしれません。
>>412 おおGJ!!
切ないな。ヴィルヘルミナさん好きとしてはたまらん!
GJであります
じゃあ俺のコテはコンティオにしますね><
じゃあ俺はカイラスギリーにしますね
それほどのブツでないクセに何を言っているのか
SS書きはただ「投下」あるのみ。
今回は20レス連続投下です(連投規制?何ソレ?)
いっっっくぜぇーーーーーーーーッッ!!
*STARDUST¢FLAMEHAZE*
←REPLAYッ!
突如、承太郎の目の前に中世芸術彫刻のような白銀比の躰と、
艶やかな腰に届く以上に長いベリーロングの髪を併せ持つ幻想的な
雰囲気の美女が姿を現した。
否、躰は成熟しているが可憐な顔立ちをしているので
正確には「美少女」と呼んだ方が適切かもしれない。
透き抜けるような白い肌。露わになった艶やかな肩口と細い二の腕。
漆黒の、胸元が大きく開き右脚の部分に深いスリットの入った
サテンスカートのスレンダードレスにその身を包み、
更にドレスとは正反対に純白な、まるで天使の羽衣のような
超極薄の長衣(ストール)その身に纏っている。
足下には踵の高い、ドレスと同色の「十字弓(クロスボウ)」の刻印が入った
ヒールリング付きのミュールを淑と履いていた。
白い封絶の逆光に反照された月下美人と呼んでも差し支えない優麗なるその姿。
見る者が見ればきっとその彼女をこう評したであろう。
「闇夜ノ花嫁」と。
「………………」
承太郎は警戒と緊張とを崩さないまま、その幻想的な雰囲気を醸し出す
美少女を無表情のまま黙って見つめ状況を分析し始める。
そして同時に纏っている純白の長衣(ストール)が放つ神秘的な煌めきに
突如、全世界の波紋戦士直属の長である曾祖母エリザベスの、
その妖艶且つ威風堂々足る雄麗な姿を思い起こした。
目の前の少女は曾祖母に比べて妖しさと勇ましさこそ薄れるものの、
その様装は彼女の戦闘体系のソレに酷似していた。(更に付け加えるのなら
その全身に纏った清純な気は成長し女性として完成された
エリザベスにはないものである)
比較対象である曾祖母も「波紋」の鍛錬時には似たような神秘的な色彩を放つ
首帯(マフラー)をその身に纏っていた。
しかしその本質は決して装飾用のソレではない。
「使う者」次第によってどんな屈強な刀剣をも凌駕し、
そしてどんな頑強な甲冑すらも粉砕する超絶の波紋兵器だ。
似たような形状をしている以上、そして先程の奇怪なトランプの事も含めて
少女の纏う長衣(ストール)にも何らかの特殊能力が
付加されていると見るのが妥当だろう。
それならば衣擦れによって長衣(ストール)の微妙な動きをより正確に感知する為に
肌を露出しているのも頷ける。
曾祖母も戦闘訓練の時は常に軽装でしかも動きやすい薄手の服を着ていた。
仮に、ジョースターの血族であるエリザベスを光の麗女と喩えるならば、
DIOの使い魔である目の前にいる少女はその対極。
差詰め影、若しくは闇の隷女(スレーディ)
その闇の美少女が髪と同色の、まるで宝石のようなパールグレーの瞳で
真正面から承太郎の怜悧なライトグリーン瞳を鋭く射抜き、
そして彼に語りかける。
「それにしても……よく私の居場所が解ったわね?”星躔琉撃”
影も形も完璧に消し去った筈なのに」
その清純な見た目に相応しい静粛な声で美少女は承太郎に言った。
「そりゃそんだけ強烈な「殺気」を四方八方に無遠慮に撒き散らしてりゃあ、な。
マヌケな猫でも近寄る前に逃げていくぜ。
”ソイツ”の能力で透明になっても何の意味もねー」
そう言って承太郎は再び逆水平に構えた指先で、少女の胸元で気流に
サラサラと梳き揺れる極薄の長衣(ストール)を指差した。
承太郎の鋭い指摘に少女は一度ゆっくりと瞳を閉じ、そして静かな言葉で彼に返す。
「流石の洞察力ね?ご主人様から譲り受けたこの宝具
”ホワイトブレス”の特性を一目で見破るなんて」
純白の長衣(ストール)がその軽さ故にまるで陽炎のように
少女の周囲に揺らめいている。
その無軌道な動きに視覚を幻惑されないように
注意を払いながら承太郎は言葉を続けた。
「身内に似たようなモン持ってるのが一人いるんでな。
だが、その能力は”透明になる”なんてなチャチな代モンじゃあねーぜ。
本気で「使え」ばブ厚い鋼鉄の扉でもブチ砕いちまうからな」
承太郎は少し得意げに微笑を浮かべてそう目の前の少女に説明すると、
即座に表情を引き締めた。
「確かテメーは一昨日街中でオレにケンカ吹っかけてきやがったヤツの片割れだな?
悪趣味なマネキンの首玉ン中に潜んでやがった金髪の女。
見た目が少々変わっちゃあいるが声と雰囲気で解るぜ」
承太郎の問いに目の前で佇む異界の美少女は
その長く麗しいパールグレーの髪を一度たおやかにかきあげる。
フワリ、と舞い上がった髪がまるで絹糸のように優しく空間を撫でた。
「アナタの推察の通りよ。私は紅世の王”狩人”
フリアグネ様の忠実なる従者”マリアンヌ”」
マリアンヌと名乗った美少女の、その露わになった小さく形の良い耳元に
精巧な研磨技術で磨かれたアメジストのイヤーロブ・ピアスが
封絶の放つ光に煌めいていた。
「ご主人様、そしてそのご主人様が敬愛する”アノ方”の為にその命頂戴させてもらうわ!覚悟なさい!星躔琉撃!」
黒いドレスの少女はそう清冽な声で鋭く言いそして長衣(ストール)を先鋭に翻す。
見た目は少淑女といったような上品な佇まいだが、
仕える主を「ご主人様」と呼ぶ等使う言葉が所々妙に子供っぽい。
その懸隔(ギャップ)が見る者によっては抗いがたい強烈な魅力となるが承太郎は
その美少女の凛とした宣戦布告に剣呑な瞳と表情で応じる。
「やれやれ、見た目が変わろーがホウグとかいう「得物(エモノ)」持ってこよーが
結果は何も変わらねーぜ。また痛い目みねー内にとっととご主人様ン所に
ズラ帰えんだな?マリアンヌ」
少女の露わになった艶やかな白い肌とパールグレーの髪から立ち昇る、
アイリスやブルガリアンローズ等の高貴な花が絶妙にブレンドされた
世間一般の男ならその殆どが心を蕩かすであろうフレグランスの甘い誘いの香気に、
承太郎は眉一つ動かさず清廉に言い放つ。
その承太郎の言葉に紅世の美少女、マリアンヌは余裕の笑みで応じた。
「フッ、甘いわね?”星躔琉撃”
『今のこの「姿」こそがご主人様が私の為に創って下さった私の「完成体」なのよ』
「この前の」私と同じだと想っていたら痛い目を見るのはアナタの方だわ。
空条 承太郎」
己の主に対する絶対的な信頼がそうさせるのか、
マリアンヌは承太郎の言葉に一歩も引かず余裕を持ってそう返す。
そのマリアンヌの言葉に承太郎は淡い嘆息と共に、
ハンドマークのプレートが嵌め込まれた学帽の鍔で目元を覆う。
「やれやれ、そんな掴めば折れちまいそうな細腕で何言ってやがるんだか。
スタンドを使う間でもねぇ。「今」のテメーじゃ生身のタイマンでも楽勝だぜ」
そう呟き三度清廉に前に突き出した右の指先でマリアンヌを鋭く射す。
「女を殴る趣味はねぇ。最後通告だ。今すぐオレの前から消えろッ!」
曾祖母譲りの威風堂々足るその風貌。
しかし主譲りの老獪な観察眼で承太郎の言葉と瞳の中とに揺蕩(たゆた)う
微かな焦りと苛立ちを見抜いたマリアンヌは小悪魔的な微笑と共に
彼へと問いかける。
「ウフフフフフフ、一体何をそんなに焦っているのかしら?星躔琉撃?
「上」にいる炎髪の小獅子の事がそんなに心配なの?」
「…………!」
予期せぬマリアンヌのその言葉に、一瞬勢の虚を突かれたかのように
承太郎の視点が遠くなるがすぐに強靱な意志の力でその表情を引き締め、
「テメーの知ったこっちゃあねぇ話だ。アラストールのヤツも傍に居る。何も問題はねぇ。」
微塵の同様もなくそう言い放つ。
「フフフフフ『だから甘い』というのよ。空条 承太郎。
アナタは今、余計な事に意識が逸れていて目の前の存在の「本質」に気がついていない」
マリアンヌの、その明らかに含みのある言葉に承太郎が反応する。
「……だと?」
疑念をその瞳に浮かべた承太郎に、よく聞きなさい、
と前置きしてからマリアンヌは告げる。
「今の私のこの「姿」はアナタを討滅する為のモノではないし、
ましてや戦闘用のソレでもない。
もっと遠大なる「目的」の為に創られたモノ。
その「本質」を理解していないアナタに勝ち目はないわね。空条 承太郎」
「…………!?」
自信に満ち溢れたマリアンヌの言葉に困惑の表情を浮かべる承太郎。
しかし彼のその鋭敏な頭脳は、己の意志とは無関係に与えられた情報を演算し始め
「理」を模索する。
「戦闘用」では、ない?
なら、何故、この女はオレの前に姿を現した?
『オレを殺すこと事態が目的ではないのか?』
承太郎の脳裏に様々な疑問がランダムに点灯する。
その彼の困惑した表情に対して、口元に清らの微笑を浮かべて
魅惑的な甘い芳香を全身から靡かせながらマリアンヌは言葉を続けた。
「今のこの私の「躰」は”都喰らい”によって発生する膨大な量の
”存在の力”を注ぎ込む為に創られた、いわば聖なる「器」
そしてご主人様と共に永遠を歩む為に創られた悠久の「似姿」……」
マリアンヌは自信に満ち溢れた清冽な表情で、
白蛇のように長衣(ストール)が艶めかしく絡みついた
細い右手を左胸に当て自分自身の事を語らう。
「”都喰らい”……だと……!?」
しかし承太郎は彼女自身の事ではなく同時に語られた”別の事象”に
意識が向き、想わず疑問の声が口から漏れる。
その彼の声には気づかずに燐子の美少女、
マリアンヌは主譲りの麗らかな口調で言葉を続ける。
少女にとっては”都喰らい”と呼ばれるモノの事象よりも、
今の自分の「姿」の本質を承太郎に語る事の方が遙かに重要であるらしかった。
「だから今の私のこの「姿」はご主人様の私に対する想いの結晶。
フリアグネ様の永遠の愛が「形」となったモノ。
『故に他の全てを超越しているの』
『だから今のこの躰で私がアナタに負けるわけがない』
私とご主人様の「絆」に勝てるものなんてこの世界のどこにも存在する筈が在りは」
「おい!『そんな事ぁ』どうでもいい!」
マリアンヌの甘い熱の籠もった可憐な声で紡がれる言葉の最後は
承太郎の放つ怒声によって掻き消された。
自らの声で紡がれる甘美で艶麗なる真実に自ら陶酔していた少女は、
突如上がった承太郎の激しい怒声にまるで微睡みから覚めた仔猫のように
そのパールグレーの両目を大きく見開き、そして瞬かせる。
「その”都喰らい”ってのは一体どういう意味だッッ!!
テメエ!アレだけ殺ってもまだ飽きたらず今度はこの街の
人間全員喰いやがるつもりか!?」
自らの「宿敵」空条 承太郎に最愛の主との「絆」を「そんなもの」
呼ばわりされた事に少女は、その宝珠のような綺羅の肌を微かに紅潮させて
ムッとなったが、すぐにその表情を引き締める。
”相手の感情を読み取りその「弱み」を利用しろ。
特に「怒り」は最も生み出し易く尚且つ利用し易い”
という主の言葉を思い出したからだ。
何より自分と主との何よりも光輝な「絆」は所詮人間如きには理解できるわけはない。
そう一人得心すると少女は再び気清らな微笑でもって承太郎に応えた。
「ウフフフフフ、コトはアナタが想っているようにそう「単純」ではないわ。星躔琉撃?」
そう言って焦らすように間隔を開けると、淡いルージュの引かれた
触れれば霞むような夢幻の色彩を持つ口唇で静かに告げる。
彼に、承太郎にとっては他の何より残酷な真実を。
「ご主人様最大の秘儀である究極自在法”都喰らい”の効力は
『人間だけには留まらない』この街に存在する全て、
草木や動物は勿論、花や虫、石や土、水や空気に至るまで
有機物無機物は問わずに文字通り「全て」よ」
「…………ッッ!!」
衝撃。
淑とした声で、しかし淡々と告げられた異界の美少女マリアンヌの言葉。
”都喰らい”
その本質。
そのまるで想定外の事実に承太郎は想わず絶句する。
名称から類推して漠然と大量殺戮のイメージを膨らませていたが、
その「本質」はそんな安易な想像とは比べモノにならない遙かに残虐な事実。
『死ぬ事よりも恐ろしい真実』だった。
マリアンヌはその承太郎の絶望の表情を愉しそうに一瞥すると、
声のトーンを高めて言葉を続ける。
「更に”都喰らい”発動の直後、膨大な存在の力へと還元された
『この街は最初から存在すらもしなかった事になる』
その痕跡すらも残さずに存在の忘却の彼方に掻き消えてね。
ウフフフフフフフフフ」
「……………………」
沈黙する承太郎にマリアンヌは尚も続ける。
「そ、し、て」
と、白い封絶の放つ光に妖しく反照する淡いルージュの引かれた口唇から、
ゾッとするほど甘く艶めかしい旋律で誘惑するかのように。
「この「器」をその存在の力で満たす事によって私はようやく「一個」の
存在としてこの世界に「自律」出来るようになる。
もうご主人様の御手を煩わせる事もなく一つの存在として
永遠にその傍らでお仕えする事が出来る」
そこでマリアンヌは一度言葉を切り、淡い吐息と共に呼気を吸うと
「そして今度は私が護られるのではなく
『私がこの手でご主人様を御護りするのよッッ!!』」
決意の叫びと共に純白の長衣(ストール)を鮮麗に翻した。
周囲を揺蕩う気流にすら靡く極薄の長衣が
まるで羽根吹雪のように空間を舞い踊る。
そして、
「アナタには解らないでしょうね?今の私のこの至上の幸福感なんて。
想像すらも出来ないでしょうね?「人間」のアナタには。
ウフフフフフフフフフフ」
癒しのような柔らかな声調と微笑でマリアンヌは承太郎に問いかける。
その瞬時には理解不能な言葉と単語の羅列。
あまりにも突拍子がなくまるで寓話の中の話でもされているようだった。
しかし、目の前の少女が2日前行った「行為」を思い起こせば
ソレが虚実か真実か等と問う事は愚問だった。
この目の前の異界の少女は”紅世の徒”は、やると言えば必ずやる。
一片の躊躇もなく、一筋の容赦もなく。
数十万単位という人間をまるで蟻を踏みつぶすように躊躇いなく葬り去る。
無邪気な幼子が残酷な遊戯に興じるように。
承太郎の口内で犬歯がギリッと軋んだ音を立てた。
しかしそれだけの大惨劇を企てているにも関わらず、淡い色彩のルージュが引かれた
可憐な口唇に清らの微笑を浮かべている目の前の美少女、マリアンヌ。
その神秘的に光るパールグレーの瞳には、その「行為」に対する背徳感も罪悪感も
微塵も感じ取れない。
それどころかその”都喰らい”という人間の、否、その「存在」事態の大消滅を
何かとても「崇高」なモノ、或いは他の何よりも「神聖」なモノ
とでも想っているようだった。
数十万単位の人間の「生命」が自分の「躰」に流し込まれる事にも
何の「恐怖」も「嫌悪」も感じてはいない。
「………………!!」
”人間では、ないのだ”
承太郎は否が上にもその残酷な事実を思い知らされた。
幾らその姿が人間のソレに酷似しているとしても。
少女とその主人”フリアグネ”とやらが絶対の忠誠を誓う自らの宿敵、
『DIO』も、かつて己が祖先に対する血染めの裏切りによって
人間の心を完全に捨て去った者。
全ての人間が生まれながらに持っている筈だった”ある感情”を
己がドス黒い意志と欲望とでその全てを潰滅させた真の邪悪。
目の前にいる少女は、その主、シャナとアラストールの口から語られた”紅世の王”は、
その……
DIOの使徒。
邪悪の信徒。
生命と精神の簒奪者。
「ぐっ……!ううぅっっ……!!」
怒りで身を震わせる承太郎の食いしばられた口元の隙間から手負いの野獣の
ような強暴な呻り声が漏れる。
承太郎のその様子にマリアンヌは一瞬驚いた表情を見せたがすぐに、
たおやかな微笑を浮かべて満足そうにその彼の様子を見つめる。
目の前で呻く男は、その強靱な精神力で必死に怒りを抑えつけようとはしているが、
あまりに怒りが強烈である為に抑制は上手くはいっていないようだった。
「フフフ……フフ……ウフフフフフフフフフ……ッ!」
淡いルージュの引かれた主譲りの耽美的な口唇から笑みが意図せずに零れる。
欣快(きんかい)だった。
2日前、アレだけの燐子の大群を前にしても掠り傷一つ負わず
更に自分を地に這わせる程の「屈辱」与えた男が、
今、ただの「言葉」で、コレほどまでに苦悶で顔を歪ませているという事実が。
がんばれっ支援……支援間に合ってなかったり?
規制だとォ――――ッ!?
m9(´・ω・`)
支援を頼んでからにしなよ…
マリアンヌにも承太郎のその反応は予想外だった。
しかし、だからこそ余計にソレが他の何にも代え難い
愉悦である事を深くその身に感じた。
更に『いま自分がこの男を苦しめている』といるというその事実。
自分の主には及ばないがよく見ればこの男は人間にしては
かなり美しい風貌をしている。
単に物理的な顔の造形の美しさだけではない、その躰の内に宿る
高潔で強靱なる精神の威光から清水ように滔々と沁み出流る天然自然の至純美。
その美貌が自分の紡ぎ出す言葉で苦悶に歪むその悦楽。
まるで至宝の芸術品を自分の感情一つで粉々に破砕するような
倒錯した破滅の享悦だった。
もっと目の前のこの男を苦しめてみたい。
肉体的にも、精神的にも。
もっと。もっと。
臍下(せいか)の深奥から湧き出てて全身を駆け巡る
何よりも甘美で危険な昏い熱を、その紫水玉のように艶のある肌に感じながら
マリアンヌは蕩けるような甘い微笑をその可憐な口唇に浮かべ、
「フフフフフフフフ。人間とは厄介なモノね?星躔琉撃?
『自分以外の人間が死ぬのがそんなに辛いの?苦しいの?』」
まるで恋人をからかうような甘い口調で承太郎に言った。
「滑稽だわ。自分達はありとあらゆる種類の生物を殺しておきながら
自分の「番」になると憤るなんて。随分身勝手な話よね?
そうは想わない?空条 承太郎?ウフフフフフフフフ」
「……………………ッッ!!」
マリアンヌの口唇から甘い吐息と共に漏れる清らかで静謐な美声が、
承太郎の頭蓋の神経に絡みつき更にその精神を蹂躙する。
そんな「理屈」は聞きたくもなかった。
自分は人という存在の在り方を探求する哲学者でもなければ
人類の罪深さを贖う聖職者でもない。
ただの、一人の、人間、だ。
例え普通の人間が持っていない異様な「能力」をその身に宿していたとしても。
その心は。
その精神は。
そして永い時間と空間の中で、数え切れないほど多くの人間達によって形創られ、
そして受け継がれ続けてきたジョースターの血統の「誇り」まで
幽波紋(スタンド)能力に売り飛ばした覚えはない。
そう、自分は『スタンド使い』である以前にジョースターの血統の「人間」
空条 承太郎。
シャナのような”世界の存在のバランスを保つ”という崇高な「使命」を
持っているわけでもなければ、DIOのように「神」に等しき万物の支配者に
なろうとしているわけでもない。
ただ、
『無抵抗の人間を虫ケラように嬲り殺すヤツらが絶対に赦せないだけだッッ!!』
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
436 :
エスターク:2007/07/15(日) 13:43:00 ID:???
グゴゴゴゴ
俯きその表情が伺えない承太郎の全身から、激しく渦巻く怒りと共に
放出される空間まで蠢くような途轍もないプレッシャー。
『ソレが目に視える形で放出される』
承太郎の全身から白金色に煌めくスタンドパワーが止め処もなく迸り出ていた。
臨界を超えた怒りと共に。
スタンドは人間の「生命」が創り出す力(パワー)在る映像(ヴィジョン)
そしてその「原動力」となるモノはソレを司る人間の「精神」
『故に「本体」である人間の精神力が高まれば高まるほど、
その存在の力は爆発的に増大するッッ!!』
熱く!激しく!燃え尽きるほどに!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
承太郎の全身から迸る白金のスタンドパワーが床を伝い、空間を伝い、
やがてマリアンヌの周囲を覆い尽くし露出した肌に濃霧のように絡みつく。
「………………ッッ!!」
「体感」は何もなかった。
熱さも冷たさも質量すらも感じなかった。
しかし、己の意志に、精神の深奥に直接触れられたかのような衝撃が
「実感」として在った。
その奇妙で不可思議な感覚に、マリアンヌは驚愕と共に歓喜でその身を震わせる。
そう、燐子造りの天才である我が主が創り出した、最高傑作である
自分の「躰」に注ぎ込まれる存在の力は何も有機物無機物には留まらない。
この世ならざる幻想の能力(ちから)『幽波紋(スタンド)』すらも
その範疇(カテゴリー)には含まれる。
その能力が自分の躰に注がれた時の事を想像して、「その後」の事を想像して
マリアンヌはその神秘的なパールグレーの双眸を煌めかせた。
「その為」にわざわざ自分は再三に渡る主の反対を押し切ってまで
危険な相手の前に再びその身を晒したのだ。
「ス、スゴイ……!コレが……アノ”天目一個”すらも凌駕する……
地上最強の”ミステス”……!『星の白金』……!その真の能力(チカラ)……ッッ!!」
この力を手に入れ、ソレを自分の主の為に役立てる事が出来たのなら、
その至福で自分は一体どうなってしまうのか?
湧き上がる期待と高揚で心が盪けそうになるのをマリアンヌはあらん限りの
自制心で懸命に押し止めた。
「……け……るな……!……れ…………う………」
目の前でその表情を歓喜で輝かせるマリアンヌとは正反対に、
顔を俯かせまるで夢遊病者の譫言ように一つの言葉を呟き続ける承太郎。
決意のように。誓いのように。
きつく握り締められた拳の中で、爪が手の平の皮膚を突き破り
流れ出した鮮血が冷たいリノリウムの床の上に染みていく。
挑発されているのは解っていた。
しかし、心の深奥から際限なく噴き上がってくる、
まるで熔解したマグマのように熱い途轍もない怒りは抑えようがなかった。
そう……当然、だ。
『こんな事を聞かされて頭にこないヤツはいないッッ!!』
承太郎の全身から、さらに膨大な量のスタンドパワーが湧き上がった。
彼の心の中の渇仰を代弁するが如く。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
承太郎の脳裏に一人の少年の姿が過ぎる。
2日前、血のように紅い夕焼けに照らされた黄昏の繁華街。
そこで、自分の母親の傍らで、存在の残滓すらも残さずに掻き消えた、
まだ、年端もいかない少年の姿が。
そして、同時に思い浮かぶかけがえのない者の消滅に気がつかない母親の姿。
紅い”封絶”の内(なか)最後の言葉を誰かに告げる事も出来ずに
死んで逝った数多くの者達。
その後に遺された、喪失の痛みを感じる事すらも赦されない家族達。
圧倒的で一方的な「悪」の前に無惨に喰い潰されていく事しか出来なかった
「力持たざる者達」の姿が閃光のように承太郎の脳裏を駆け巡った。
そして、それが、いま再び。
未だかつてない規模で執り行われようとしている。
「………………!!!」
不安、恐怖、怒り、絶望、承太郎の中であらゆる負の感情が堰を切って、
更に激しく噴き出し始めた。
確かに……DIOや紅世の徒のような強大な力を持つ者達からみれば、
スタンド能力を持たない生身の人間など取るに足らない脆弱な存在なのかもしれない。
そして、生物界の基本原則。「弱肉強食」の鉄則からすれば
弱い者は何をされても仕方がないのかもしれない。
しかし!
例え強い能力(ちから)を持たなくとも、強大な悪意の存在の前では
脆くも掻き消える儚い存在であったとしても、
『だからこそ』毎日を懸命に生きている人間の生命(いのち)を、
少しずつでも創りあげたそのささやかな幸福を、
『無惨に踏み躙る事が出来る権利など決して誰にも有りはしないッッ!!』
その人間の想いの全てを、その存在の全てを!
過去も現在も未来も、己が欲望の為だけにまるで嘲笑うかのように喰い潰し、
そして虚無の彼方へと消し飛ばしてしまおうとする異世界の住人。
”紅世の徒(ぐぜのともがら)!”
そして!その支配者DIO!!
赦すことは、出来ない。
赦せる筈が、ない!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
この街には……いま……
祖父であるジョセフがいる。
母であるホリィがいる。
そして、決して仲が良かったわけではないが同じ学園に通う生徒達。
いつもは非常に鬱陶しいが自分を慕い気づかってくる数多くの女生徒達。
そして、毛嫌いしていた教師や刑事の中にも、矛盾に満ちた社会に対する
わだかまりを発散するため日夜争いに明け暮れる自分の身を
真剣に案じてくれる者が確かにいた。
その彼らにもきっと、自分と同じようにその身を案じ
その帰りを待つ者達がいる筈だ。
それならばッッ!!
護らなければならない。
闘わなければならない。
誰もやらないならこのオレが。
”空条 承太郎が!”
この街の裏を統括する不良の「頭」として。
ジョースターの血統の「末裔」として。
何よりも一人の「男」として!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
人ならざる能力。
『幽波紋(スタンド)』
その力を持たない者達からすれば、懼れられ、そして蔑まれ、
疎まれ貶められるだけの能力(ちから)なのかもしれない。
そして目に見えない、同類以外誰にも解らないソレを自在に操る
超能力者『スタンド使い』は異分子として世界から淘汰される
存在でしかないのかもしれない。
血塗られた闇の歴史の中で、際限なく繰り返された幾千の悲劇のように。
しかし、それでも、この能力(ちから)に何か「意味」があるとするのならば。
この能力が生まれた「理由」が何かあるというのならば。
『こういう時の為に生まれた能力の筈だ』
ジョセフやエリザベス、そしてその祖先であるジョナサン・ジョースターの
『波紋法』が、呪われた「石仮面」によって生み出された「吸血鬼」や
その創造者である『柱の男』のような人智の及ばない人外の超生物から
人間を護る為に生まれた能力であるのなら、
自分の能力『幽波紋(スタンド)』は”紅世の徒”のような異次元世界の魔物から
何かを護る為に生まれた力の筈だ。
一時は望まない、別の誰かを傷つける事しか出来ない
不条理な「力」を無理矢理押しつけられた事に我が身を呪った事さえもあった。
しかし、全ては「この為」に在ったというのなら。
「この為」に『全てが定められていたというのならば』
例えこの先どんな残酷な「結果」が待ち受けていたとしても、
自分はその全てを受け入れられる。
その全てに満足する。
自分自身の「運命」に。
「……………………ッッ!!」
承太郎のその廉潔なる碧い双眸に、気高きダイヤモンドの輝きをも凌駕する
決意と覚悟の光炎が燃え上がった。
熱く。激しく。燃え尽きるほどに。
その栄耀なる双眸で承太郎は目の前の紅世の少女へと向き直る。
m9J´・ω・`レ
その少女、”紅世の徒”マリアンヌはその口元に翳りのない
清らの微笑を浮かべて立っていた。
心なしか頬と露出した肌に仄かに赤みが差しているように見えたが、
そんな事は別にどうでもいい。
「……………………」
「……………………」
沈黙と静寂の中、ライトグリーンとパールグレーの瞳に宿った
互いの精神の光彩が空間で交錯した。
最早互いに言葉は必要なかった。
所詮は「種」の違う生物同士。
故に解り合う事は不可能。
コレは「人間」と”紅世の徒”その両者の存在を賭けた戦い。
迸る白金のスタンドパワーを空間に漂わせながら承太郎はマリアンヌに向けて
開戦のその一歩を踏み出す。
マリアンヌ恐悦と歓喜でゾクゾクと身を震わせながら承太郎を見つめた。
”もうすぐこの力が自分のモノに、そして親愛なる我が主のモノになる”
という事実を深く実感しながら。
「スゴイ闘気ね……!?まるで空気まで震えるようだわ……!!」
おもむろに、マリアンヌは誰に言うでもなくそう呟く。
そして同時に心の中でもその静粛な声で呟いた。
(でも、まさかアナタ、ご主人様の「都喰らい」をくい止めようとでも言うの?
喜劇だわ。何故ならアナタはここで消滅する運命(さだめ)にあるのだから)
プラチナブロンドと同色のパールグレー瞳で鋭く承太郎を射抜きながら
マリアンヌも承太郎に向けて一歩足を前に踏み出す。
漆黒のミュールの踵がリノリウムの床の上に澄んだ音を立てる。
(アナタを討滅してその魂が肉体を離れた後、ゆっくりとその力の「源泉」を戴かせて
もらうわ。あの”天目一個”すらも凌ぐ地上最強の”ミステス”『星の白金』の力をね。
でも安心なさい。その力は私のご主人様の為に有効に使わせてもらうわ。
未来永劫永遠に、ね。
フフフフフフフ……
フフフフフフフフフフ……!
ウフフフフフフフフフ…………ッッ!!)
マリアンヌはその清らの微笑みを崩す事なくそして力強い口調で承太郎に宣告する。
「さあっ!!今こそ!一昨日前の恥を雪(すす)ぎ!その「力」頂戴させてもらうわッ!
「覚悟」しなさいッ!”星躔琉撃”空条 承太郎ッッ!!」
マリアンヌは清廉な声でそう叫ぶとミュールの爪先でリノリウムの床を蹴り付け、
宙に舞い上がると長衣(ストール)を羽を拡げた孔雀のように
扇状に揺らしながら承太郎に踊りかかった。
承太郎は頭上から迫る異界の美少女に向けて、その気高き光炎の宿った視線を向け、
そしてあらん限りの力を込めて吼える。
「やれるもんならやってみやがれッッ!!これ以上テメーらに誰も殺させねぇッッ!!
テメーの方こそ「覚悟」しやがれ!!この女(アマ)ッッ!!」
頭上で堕天使のように舞い踊るDIOの使い魔であり狩人フリアグネの
従者でもある紅世の美少女に向けて承太郎は勇猛果敢に右腕を翻し、
更にその脇で残像を残して高速出現した流星を司る幽波紋(スタンド)
『星の白金(スタープラチナ)』が逆水平に構えた指先で共に
マリアンヌを鋭く指し貫いた。
←PAUSEッッ!!
*STARDUST¢FLAMEHAZE*
取りあえずここまでです。
これで……これでやっと半分(しかも前半)ってトコだよ……!←(愚地 克巳風に)
イヤァ〜、今回苦手な説明描写心理描写の連続で書くのがメンドいのつまんないので
持病の冨樫病が二割り増しで発動しておりました。
次回はようやくバトルなのでもう少しサクサク書け(たらいいな)そうです。
それでは。
( ^ω^)乙っ乙っ乙
GJ!
マリアンヌが承太郎にどんな風に戦うか楽しみだ
GJ
449 :
マロン名無しさん:2007/07/15(日) 22:18:10 ID:Pn67KQ/n
マリアンヌのキャラが完全に変わってしまってるが、それでもGJ!!
「」の中のセリフ、2行目からは文頭にスペース入れてくれると読みやすいかも
あ、あと「」内で使ってる「」と『』と””の違いを教えてくれると読みやすい
乙ッス
やっぱヤベェ面白いッス
453 :
マロン名無しさん:2007/07/16(月) 13:47:01 ID:xj0ZZLHw
承るいつの間にミステスに……
>>453 徒側は、人間如きは一切の抵抗が出来ないと規定してる。
だがフレイムヘイズでない筈の承太郎は不可思議な能力で自分達を圧倒している。
なら承太郎は人間じゃなく、強力な戦闘用宝具を宿したミステスだ。
三段論法で説明してみたんだが、悪魔のような敵から怪物扱いされるとは。
まあ、これも主人公補正がもたらす業なんだが承太郎が不憫だ。
無冥さんの作品は初期のころからずっとファンです。
承太郎相手じゃマリアンヌも厳しいだろうとは思っていましたが、
かなり面白くなりそうな予感。続きを楽しみに待っています。
保守
TINコさん………続き……待ってます………
このスレに影響されて原作読んでから、悠二なしで話をシャナベースで進めることがどれだけ難しいかを理解した
というか不可能ってことを
458 :
マロン名無しさん:2007/07/19(木) 21:15:40 ID:RVgcuoG6
「『ヘブンズ・ドアー』!」
「な、何をする!」
「ははっ!これでわかるぞ!君と坂井悠二がどういう関係か。」
「辞めろ!言わないでくれ!」
「何々・・・あんな事やこんな事・・・etc・・ふむふむ君は坂井悠二の事が・・・―」
「お前それ以上言ったらどうなるか覚悟の上なんだろうな!」
「それが君の秘密を握ってる人間に大しての態度かな?」
「ぐぐ・・。」
ウホッな関係臭く思えた
>>457 確かに。
そもそもぶらり放浪生活してたシャナが悠二の街に留まる当初の理由が
「ミステスである悠二(しかも入ってる宝具は零時迷子)を宝具を奪いに来る徒から守ること」だから、
悠二がいないバージョンのクロスSSだとフリアグネを倒した時点で街に留まる理由が無くなってしまう
(フリアグネの目的は悠二と無関係だからここまでは普通に可能)
しかも敵である徒の方にも、確か「一回フレイムヘイズが来た街には危ないからしばらく寄り付かない」
っていう暗黙のルールがあるから(ラミーとか愛染みたいに例外はあるけど)徒が街に来る理由も無い
だからシャナの原作を踏襲しようとすると、フラグ云々の前に速攻で話が終わっちゃうという問題がある
職人が寄り付きにくいのも、クロスSSとして扱いが難し過ぎるってのがあるんだろうな……
無冥さん応援
たまにでいいから書いてくださいええ。
逆に考えるんだ
速攻で話が終わっちゃうなら短編にすればいいと考えるんだ
なるほど、ブチャラティの人みたいな感じの奴か
ブチャの人、今どうしてるのかな…
そういやシャナ原作T巻における学校での戦闘の後始末のくだり。
あの展開次第では悠二は復讐者になっても可笑しくないな。シャナは死にかけだからって、トーチでない人間を容赦なく犠牲にしようとしたし。
SS作者の気分次第でアヌビス引っさげた悠二がシャナに殺意と憎悪を叩きつけて襲撃してくる事も実現できるな。
アヌビスの支配を受け入れる動機も十二分で正当性もあり、その頃のシャナには有効な揺さぶりになる。
接近戦はアヌビスにより強く遠距離は使い勝手のよい炎弾がある。
シャナを軽く凌駕する感知能力で攻撃の予兆を、アヌビスの学習能力で攻撃を見極め回避。
持ち前の鋭い知性で戦術を構築し戦況を操る。
駄目押しで零時迷子持ち。
これなら排斥派も納得できるんじゃね?
>>465 別の意味で叩かれそうな気が・・・・・・
しかし、無冥氏が書いてるSSって相当難しい事になってそうじゃないか?
何せシャナの原作の方の敵(殆どの敵が吸血鬼とどっこいの身体能力プラス特殊能力)の大半がDIOの配下に入ってるって設定なんだからさ
愛染兄弟あたりならシャナを含めた承り一行でどうにかなりそうだけど、
シュドナイとかが来た日にはどうやって勝つんだ、とか思ったりしないでもない
マージョリーさんが一行に加わっていれば原作の流れでどうにか出来そうだけど
ま、何が言いたいかって言うと、難しいSS書いてる無冥氏頑張れ! ってことヨン
承太郎の身体スペックがOVA並ならどうにかなる…はず
生身でDIOのパンチをガードしてたし
それは演出で実際はスタンドでやってるんだが
承太郎一行の身体能力がOVA並なら問題無し
原作でもそれなりに高いし何より生命力の高さはジョジョキャラの売りだしな
>>460 教授のところの話まで進められたならシャナたちフレイムヘイズ側に街に留まる理由が出来るけど……そこまでどうやってもたせるか、だな
>>467 「吸血鬼とどっこい」ってのは言い過ぎじゃね?
確かにシャナとか愛染兄弟とかビルの上とか生身で飛び回ってたけど、
5巻の描写を見る限りシャナのジャンプ力は足の裏に溜めた存在の力を爆発させてるからだし、
愛染兄弟はティリエルのツタで飛び回ってるんだし。
まあ人間がどう頑張ってもたどり着けない領域の身体能力であることには間違いないけどさ。
>>467 原作にしろOVAにせよスタンドを使っての跳躍力の高さは異常。
軽く30m近く跳んでる。時には長時間浮遊したり、飛行じみたこともしているよ。
だからシュドナイとの空中戦闘もやろうと思えばできると思うよ。
OVAで承太郎がDIO様と川の上で空中戦してたしね。
OVAを見る限りでは、身体能力の面では決してひけは取らないだろう。
しかし、人間さえいれば怪我でも何でも回復可能なシャナサイドの敵はやっぱり厄介だろうな。
>>472 その空中戦の理屈が未だに分からん……。やっぱスタンドなのか?
変化して飛行してるシュドナイにはエメラルドスプラッシュも有効だな
シュドナイにとって射程距離100メートル以上で結界も張れる
承太郎一行で遠距離最強の花京院が一番厄介じゃないかな?
>>475 エメラルドスプラッシュの攻撃力は、あくまで石で出来た家屋破壊級。
きつくないかい?
OVAじゃ機関銃みたいだったよね
>>476 OVA版じゃとんでもない連射力だったし映像見るに塔とかも破壊してたから結構威力は高い。
だからシュドナイには大ダメージは無理でもじわじわ食らわせれるはずだよ。
少なくともマージョリーの炎弾よりは殺傷力あると思う。
ドミノ「教授の『我学』は紅世一ィィィィィィ!!」
シャナ11巻よんでみたらフィレスでちょっと話しつくってみたくなった。
そこで質問なんだが
・一部(もしくはSBR)のころってもうヨーハン零時迷子化してるのだろうか?
・そうだとしたらヨーハンのキャラがわかる話ってある?10巻飛ばしてしまったけど。
もしくはキャラを簡単でいいので教えて欲しい
なんかヨーハンばっかだ・・・まあまだ思いつきでプロットも何もないのでかるーい
気持ちでいてください。フィレスのキャラは12巻でつかめるの・・・かな?
実は無冥氏と雑談したいのは俺だけ?
うん
483 :
マロン名無しさん:2007/07/24(火) 00:23:45 ID:CRGrmcVr
「何だ!いつまでついてくんだ!」
いきなり知り合った髪の長い女と一つ屋根の下まで行くとは思ってなかったぜぇ〜
っつーかよぉ〜こいつ前までは髪が赤かったのにどうして今になって黒くなってんだぁ〜?
お前あれか?それはスタンド使いになった証拠か?それとも仗助みたいに切れて髪が変わったっつーのかぁ〜?
「スタンド?お前何の事言ってるんだ?」
「シラを切るんじゃねぇ!お前のその能力の事だよ!」
「それはこっちの台詞だ!お前の能力も何なんだ!」
「うっせぇ!質問を質問で返すんじゃねぇ!学校でそう習ってんのかコラッ!」
すると突然その女の子の胸のペンダントから声がした、言っとくが胸だからと言って
やましい感情はねぇぞ!俺はモテないからといってロリコンには興味はねぇからよぉ〜!
「教えてやれ・・・減るものでもない。」
やたらと渋い声がしたぜぇ〜何だこいつは?おいお前!そんな小っせぇ所で隠れて無いで
ちゃんと出てきやがれ!
「そんな事どうでもいい、それよりお前の事だ。」
だから何だっつーんだよ!はっきり言え!
「お前はもう死んでいるんだよ」
お前等信じられるか?いつものように下校した時に訳のわからん所に出て訳のわからん
化け物に襲われそうなったんだ、俺はスタンドがあるしよぉ〜別にこいつの力が必要じゃねぇし
礼何て言う必要無ぇもんだぜぇ〜。
「それにしてもお前驚かないんだな?」
ペンダントのヤローが答えた。
「だから言ったろ俺にはスタンドっつー能力があるんだ、今更驚きはしねぇよお前の
死んでるとか信用できねぇしよぉ〜。」
これは……億泰か!
ここより先ネタバレ有り。
特に読破するのが止まってる輩は注意せよ。
でも省略の調整の仕方知らんし、かなり見えるかもしれんが文句があると言うなら教えやがれゴラァ!!
>>480 ヨーハンの性格はロマンチストな哲学者といった所だな。
フィレスを甘い言葉で口説き落としたり、零時迷子制作時には彼女と踊りながら望む宝具の性質を詩のような形式で口ずさんだりもした。
聡明でもあり人の言葉や事象に対して良く考察し常に本質を見極めうとしてる。
自在師の才があり彼の作った自在式と効果を見ればその凄さがよくわかる。
フィレスの放蕩を止めず共に楽しむが、してはならない事はしっかり言い聞かせる分別を持ち、持ち出す理由も殆どが正しくフィレスは完全に信頼していてしっかり守り抜く。
容姿は金髪に緑の瞳でありきたりだが使い込まれた旅装姿の女装が似合う10代後半の優男。
炎の色はフィレスと同じ琥珀。
宝具制作時期は不明だが300年以上は経つはずだから一部やSBRでは、もうミステスになってるはずだ。でも10巻は話の中心人物も時代も違うから、一文字もでないのは確実。
詳しく知りたいならは12〜14巻にフィレスと一緒の描写もあるのでそちらをみてくれ。
しかし、ヨーハンも悠二と同系統だから嫌われたりしないだろうか?
>>480 全然関係ないけど、10巻を飛ばしたのは勿体無い。一番熱い話なのに。
第一部って19世紀だったっけ?
だとしたら、ミステスになったのは16世紀中頃だからもうなってる。
しかし、その当時はフレイムヘイズからも徒≠ゥらも相手にされてなかったので注意。
(フィレスの存在の力は零時迷子で供給されるからフレイムヘイズが討滅する理由が無い。徒としては零時迷子を狙おうにも二人は強過ぎるので、リスクの方がでかい)
487 :
マロン名無しさん:2007/07/24(火) 10:15:54 ID:CRGrmcVr
何かとんとん拍子で俺の家・・・というよりおんぼろ屋敷に出向いた謎の女と
奇妙なペンダント、ここはかなりのおんぼろだからよぉ〜悪い事言わねぇから
康一とか仗助の家に行った方がいいと思うぜ?
「そんな脅しが通用すると思ってるのか?」
こんな調子だぜぇ〜・・・・どうすりゃいいんだ?俺には親父の世話だって必要だし
よぉ〜・・・スタンド使いでもないこいつに見せられないしなぁ〜・・・。
「なぁお前等。」
俺がふと疑問に思った事を口にした。
「名前何っつーんだ?」
保守
いくら外伝だからといって続きものを飛ばして読む神経が理解出来ない
無冥さんマダー?
保守
この前ジョジョ9巻買ったんだがサイボーグ化したシュトロハイムは
指圧力ですら1950kg。
じゃあ肝心の握力の数値は一体・・・・・・
>>491 鋼鉄を生卵よりも簡単に握り潰すくらいじゃ?
222 :CC名無したん:2007/01/19(金) 00:25:47 ID:thUeligS0
アラストールが最初に言ってるセリフおぼえられねー!
223 :CC名無したん:2007/01/28(日) 11:36:37 ID:BMGCWWYYO
>>222 無限の時が鼓動を止め
人は音も無く炎上する
誰一人気付く者も無く
世界は外れ
紅世の炎に包まれる
ここまで分かりやすい邪鬼眼は呆れを通り越してイタい。
保守
よくもまあそんな過疎スレから引っ張ってきたもんだ
職人さんマダー?
保守
過疎ってきてるな・・・・・
保守
お待たせしました。
続きです。
12レス位だから援護は必要ない、かな?
↓
*STARDUST¢FLAMEHAZE*
← REPLAYッ!
承太郎の背後から瞬現したスタンド、スタープラチナが長い鬣に白金の燐光を散りばめながら
頭上から迫る紅世の少女、マリアンヌに向けて素早く対空迎撃の構えを執る。
「せぇいッッ!!」
「オラァッッ!!」
マリアンヌは清廉な声で眼下の承太郎に向けて、半身の回転による遠心力を加えた
打ち下ろしの長衣(ストール)の閃撃を。
承太郎は猛々しい咆吼で眼上のマリアンヌに向けて、片膝を落とした反動による捻りを
加えたスタンドの対空抉撃(けつげき)を同時に放つ。
閃撃と抉撃とがブツかり合う瞬間、承太郎は意図的にスタンドの拳を
逆回転して引き抜き、同時にその動作に連動したスタンドの爪先で
足下のリノリウムを罅割りながらバックステップで背後に高速で飛び去る。
「!?」
不意を付かれたマリアンヌが放った閃撃は、目標を失って宙を泳ぎ
最終的には硬く冷たい質感のリノリウムの床の上に着弾した。
ヴァガァァァァァッッ!!
リノリウムの床がけたたましい号音と共に爆砕され、
階下に突き抜けバラバラになった床の破片と粉々になった土台のコンクリート、
そして長衣(ストール)に編み込まれた不可思議な力によって合成が解除されたのか、
大量のコルクの粉塵が白い空間に舞い上がる。
承太郎はその目の前の怪異に意識を奪われず、冷静に状況を分析する。
(やっぱりな……曾祖母サン(こう呼ぶと怒るがな)の「首帯(マフラー)」と同じで
あの「長衣(ストール)」にはジジイの「波紋」みてーな何か妙な力が
滞留しているようだな。十分に水を吸わせた木綿の襷(たすき)は
撃ち方次第で丈夫な樫の木でも砕いちまうらしいがコレはそんなモンとは
レベルが違う……しかしどうやら威力がバカデカいだけで
”触れただけでどーこーなる”とかはなさそうだ。やれやれだぜ)
状況分析を終えた承太郎はフル稼働させた脳細胞と交感神経とを宥める為、
学ランの内ポケットから煙草を取り出して火を点けた。
昨日の花京院との戦いで承太郎はDIOの配下の者達の
戦闘に於けるその狡猾さに気がついていた。
それは、逆説的だが『自分が優位に立っていると想った時ほど危ない』という事だ。
現に昨日も、圧倒的優位に立っていた状況から、
花京院の必殺の流法(モード)輝く翡翠の魔連弾。
『エメラルド・スプラッシュ』によって戦況はいともアッサリと逆転したのだ。
”相手が勝ち誇った時、そいつは既に敗北している!”
何故か脳裏に昔ジョセフが自分に言った言葉が甦る。
(やかましい!テメーに言われなくても解ってンだよ!クソジジイ!)
その祖父の言葉に承太郎は心の中で毒づいた。
「以外に臆病なのね?星躔琉撃?そんなにご主人様の創造なされた”宝具”
が恐ろしかったの?」
その純絹のように艶やかな肩口を承太郎に向けながら、
マリアンヌは顔だけで振り向き横目で彼を見た。
「相手の能力も解らずに懐に飛び込むバカはいねーぜ」
承太郎はその挑発を意に介さず細い紫煙を口唇の隙間から吐き出す。
「テメーはオレの能力を知ってるがオレはテメーの能力を知らねーんでな。
でもまぁ良い。今ので大凡の事は解ったぜ。オレのスタンドとの「相性」は
そんなに悪くはねぇようだ」
「その憶測が正しいかどうか試してみるのね!」
「上等だッ!来なッッ!!」
承太郎は半ばまで灰になった煙草を吹き、マリアンヌに向けてスタンドを念じ、
そして繰り出した。
カタパルトで射出されたように超高速で自分へと迫るスタープラチナに、
「はあぁぁぁッッ!!」
マリアンヌは踏み込んだリノリウムの床にミュールの軸足を反転させ、
発生した遠心力を宿した煌めく長衣(ストール)の左廻しの一閃をスタープラチナの
側頭部に向かって鋭く撃ち出す。
「オラァッ!!」
足下でリノリウムを爆砕して踏み込んだスタープラチナは、
白金の「幽波紋光(スタンドパワー)」の燐光で覆われたその豪腕で閃撃を
廻し受けで素早く弾き飛ばす。
白金と白色の火花がバチッ!と互いの中間距離で爆ぜた。
(キレはあるが……定石(セオリー)通りの動き……
「競技」ならともかくな……ッッ!!)
承太郎目の前の状況を具(つぶさ)に分析しながら更にスタンドを念じ、
その精神の集中に呼応したスタープラチナはすぐさまに足下の床を蹴り砕いて
マリアンヌの懐へと飛び込む。
「!!」
その無駄のない、あまりの踏み込みの速さにマリアンヌはその双眸を見開く。
まるでその存在自体が巨大なプレッシャーの塊のような、
途轍もない威圧感を放つスタンドの両の眼が超至近距離でマリアンヌを傲然と見下ろす。
(「攻撃」はともかく「防御」がまるでなってねぇよ!
生身のタイマンじゃあ急所に一撃喰らっても
怯まず前に出てくる男(ヤロー)もいるんだぜ!
動けなくなった人間ばっか相手にしてやがる紅世の徒(テメーら)
には想像もつかねぇだろうがなッ!)
承太郎は心の中でそう叫ぶと
「オッッラァァッッ!!」
回避の予備動作は疎かガードすらも上げていないマリアンヌの無防備の「水月」に
目掛けてスタープラチナは瞬速のボディーブローを撃ち放った。
しかし、意外。
ソレが命中する瞬間、マリアンヌは変わらない清らの微笑を
その淡い色彩の口唇に浮かべた。
そしてその微笑みに呼応するように、長衣(ストール)が何かの引力に引っ張られた
かのように高速で動き、そしてスタープラチナの鋼鉄の鋲が無数に埋め込まれた
特殊な形状のオープンフィンガーグローブで覆われた拳を包み込んで衝撃を吸収し、
打拳の動きを停止させた。
再び火花が空間で弾け宙を舞う。
そしてその火花の飛沫すらもマリアンヌの躰に触れる瞬間、
長衣(ストール)が大きく扇状に拡がって全て吸収した。
(何……ッッ!?)
今度は承太郎がスタープラチナと同時にその双眸を見開く。
マリアンヌは別段何の動作も行っていない。
防御や回避の「初動」はどこにも見られなかった。
一度エリザベスに全身を微動だにせず強烈な一撃を放つ
帯術の極意を見せてもらった事があるが、ソレは曾祖母のような達人レベルの領域に
なって初めて使う事が出来る絶技だ。
防御の基本も出来ていない目の前の少女にそんな「能力」があるとはとても想えない。
(能力……?)
頭蓋の奥で閃きが走った承太郎は純白の衣が絡みついたスタンドの拳を強引に引き剥がし、スタープラチナを自分の傍まで引き戻した。
「テメーのその長衣(ストール)の能力……”透明になる”だけじゃあねぇな。
相手の攻撃に反応して「自動的」にテメーの身体をガードをしやがるわけか」
鋭い視線で承太郎はマリアンヌの躰を包む純白の長衣(ストール)
紅世の宝具”ホワイトブレス”を逆水平に構えた指先で差す。
「御明察の通りよ。フフフフ。ご主人様が攻撃強化の他に
様々な防御系自在法をこの長衣(ストール)に編み込んで下さったのよ。
他にも色々とね。この”ホワイトブレス”は様々な自在法を編み込んで
溜め込んでおく事の出来る、いわば超軽量のタンクのようなもの。
そして編み込む自在法によってその性質を千変万化させる事が出来る「宝具」よ」
そう言ってマリアンヌは一度言葉を切り、その麗しいパールグレーのベリーロングの
髪を清廉な仕草でかきあげる。
「ソレによって攻撃・防御・の二つを『同時に行う事』が出来る。
だから私は安心して攻撃だけに専念することが出来るというわけよ」
そう言ってマリアンヌは再び長衣(ストール)を大らかに構え直すと
「さぁッ!!この”ホワイトブレス”をさっきみたいに
封殺出来るのならやってみなさいッ!」
挑発的な笑みを浮かべてそう叫び足下のリノリウムの床を踏み切って、
真正面から堂々と承太郎の射程圏内へと飛び込む。
「ハアァァッッ!!」
「オラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」
一直線に突っ込んできたマリアンヌの直突の一撃をスタープラチナは紙一重で
避わすとその華奢な躰に向けて音速の多重連撃を一斉射出する。
「フフフッ……!おバカさん……!」
マリアンヌが微笑を浮かべると同時に純白の長衣(ストール)が先刻同様、
否、ソレ以上に素早く拡散して羽根吹雪のように捲き上がり空間を舞い踊って
スタープラチナの音速拳の連打を全て吸収、防御する。
「チィッ!「コレ」すらも防ぎやがるのか!」
音速の動きにすら対応する「宝具」の潜在能力に戸惑いながらも、
承太郎は反撃に備えてスタープラチナのバックステップで距離を取る。
しかし彼が背後に飛び去るよりも速く、マリアンヌの長衣(ストール)が再動。
(ッッ!!)
捲き上がって収斂し、正面のあらゆる角度から豪雨のようにスタープラチナへと降り注ぐ。
「クッ!」
承太郎は咄嗟に十字受けの構えでスタープラチナ防御体型を執らせ、
顔と首筋を腕の中に埋めさせると、やや前屈の構えで腹部の面積を減らし
更に左足を上げて脇腹を防ぐ。
ズギャギャギャギャギャギャギャッッ!!
流麗に煌めくその神秘的な外見とは正反対に、
まるで引き絞るように凶暴な炸裂音と共に
純白の長衣(ストール)から繰り出された多重閃撃が
スタープラチナの全身を撃ち抜いた。
「グッ!?」
苦痛に顔を歪める承太郎の脇をマリアンヌが白い封絶に煌めく
パールグレーの長髪を揺らしながら華麗に飛び去っていく。
連撃でガードを抉じ開けられさらに衝撃で背後に弾き飛ばされたスタープラチナと、
そのダメージの影響を受けた承太郎の学ランの両腕部がまるで鎌鼬にでも
遭ったかのように引き裂かれ同時に生まれた擦過傷によって鮮血が空間に飛び散る。
承太郎は自分とスタンドの蹴り足で何とか体勢を立て直し、
リノリウムの床の上に急ブレーキをかける。
しかしその眼前に再び微笑を浮かべたマリアンヌが長衣(ストール)を
巻き上がった気流にはためかせながら迫る。
(クッ!?向かえ討つのはマジィ……!アノ長衣(ストール)の「能力」で
こっちの「攻撃」が全部”カウンター”になっちまう……!)
「せえぇぇぇぇいッッ!!」
マリアンヌは手練の手捌きで閃光の三連撃をスタープラチナの
「聖門」「秘中」「水月」に向けて撃ち出してくる。
「オラオラオラァァァッッ!!」
スタープラチナはその精密な掌の動きでその閃撃を全て迎撃する。
急所に向かって撃ち出された長衣(ストール)はスタープラチナの胴体に
掠る事もなく全て撃ち落とされる。
(「コレ」は……見切れる……!)
「ハアァァァァァッッ!!」
地に足を着いたマリアンヌは、その直進の動作で発生した力を殺さずに
軸足を滑らかに反転させ、まるで円舞のように流麗な動きで身体を回転させながら
遠心力の乗った巻撃の連続攻撃をスタープラチナに向けて繰り出す。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」
その動作に妖艶な体捌きに幻惑される事なく攻撃にのみに集中力を研ぎ澄ました
承太郎はスタンドで次々に自分に迫る長衣(ストール)の側面を弾き
胴体と顔面に向かって放たれた攻撃を全て弾き落とす。
円を描く死の踏(ステップ)が12回転を終えた所でマリアンヌは演舞を終えた
巫女のように両腕を交差し片膝を床についてその顔を俯かせる。
舞い上がって散らばった煌めくパールグレーの髪が
静かに引力に引かれ周囲の空間を撫ぜる。
華麗さこそ極まるが戦闘中には完全に自殺行為と言って良いその無防備な挙動。
並の戦闘者なら「機」の誘惑に負けて反撃に撃って出るところだが、
承太郎はあくまで冷静に対処した。
(……完全に隙だらけ……!だが違う……!「罠」だ……!)
防御体勢を保ったままマリアンヌの目の前で停止するスタープラチナ。
その眼前で捲き上がって気流に靡く長衣(ストール)が一迅、
煌めきを増したかと思うと更に勢いをつけて再動。
マリアンヌが腕を動かしていないのにも関わらず、またも純白の長衣(ストール)は
ソレ自身が意志を持ったかのように拡散し、変幻自在の軌道で
高速でスタープラチナに襲いかかった。
(今はこっちから攻撃してねー……!「防御」にも反応しやがるのか……!イヤ……!)
瞬く間もなく襲いかかる白撃の乱舞に承太郎は思考は
中断するのを余儀なくされた。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」
再度羽根吹雪のように縦横無尽に舞い狂う長衣(ストール)の連撃を
スタープラチナは迎え撃つ。
その弾幕のような帯撃の一斉掃射をスタンドは精密な動作で対角方向に迎撃していく。
しかし。
死角の位置から両腕の隙間に、まるで絡みつくようにその鉄壁のガードの
内部に進入した長衣(ストール)の先端が、そこで一瞬力を矯めるかのように停止すると、
ズギャッッ!!
素早く発光して獲物に鎌首を擡げた白蛇のように
スタープラチナの左胸の位置に伸びて鋭く撃ち抜く。
「ガッッ!?」
再び背後に弾き飛ばされたスタープラチナと承太郎はリノリウムの床に足裏を
滑らせ派手なスキール音を立てながら片手を床につき前屈の構えで停止する。
革の焦げた匂いが周囲に漂った。
閃撃のダメージは左胸から背中にかけて突き抜け着弾箇所が熱を持って痺れている。
承太郎の口元から細く血が伝った。
(クソッタレが……ッ!あんな布っ切れが当たっただけなのに
まるで鉄のシャベルでも胸にブッ込まれたみてーだ……!!
オマケに競馬場のハズレ馬券みてーにヒラヒラ空中を舞ってやがるから
動きが読み難くてしょうがねぇぜ……ッッ!!)
心の中で毒づきながら承太郎は口元の血を拭う。
(アノ女の攻撃自体は見切れない動きじゃあねー……
だが、問題はその後の「追撃」だ……!)
不意を突かれた事に苛立ちながらも承太郎はその鋭敏な頭脳で戦況を分析する。
(アノ女の手の動きとは全く無関係に『長衣(ストール)自体』が動く……!
つまり攻撃の「起点」がねぇから『全部動体視力と反射神経だけで』
防がなきゃあならねー……!だが……ッ!
無数に撃ち出される帯撃の、その一発一発がとんでもなく速くて強ぇ……!)
異質な相手の能力に奥歯を食いしばる承太郎の、その10数メートル先で
悠然と校舎内に佇む異界の美少女。
紅世の王”狩人”フリアグネの従者、マリアンヌ。
その幻想的なパールグレーの瞳で静かに承太郎を見つめていた。
獲物をつけ狙うまさに”狩人”の僕そのままの視線で。
「ウフフフフフフ……!失礼。星躔琉撃?どうやら少々説明不足だったみたいね?」
調律の狂ったプリペアドピアノのような、奇怪なトーンの声が
人気のない廊下に木霊した。
「この”ホワイトブレス”に編み込まれた「攻撃」「防御」の自在法の中には
無数の「操作」系自在法が組み込んであるのよ。
自在法の名手として名高いご主人様御得意のね。
つまりアナタは今、私とご主人様の二人を同時に相手にしているようなモノ。
自分の置かれている状況がどれだけ絶望的か理解出来たかしら?
ウフフフフフフフ……!」
そう言って瞳を綺麗な笑みの形に綻ばせ口元を覆いながら頬笑む。
純白の、危険に煌めくその異界の長衣(ストール)で。
その背後に、彼女の最愛の主の嘲笑が透けて視えるような勝利を確信しきった表情で。
攻・防・技。神速の三位融合。
戦慄の”狩人”秘蔵の聖衣。
紅世の”宝具”
『ホワイトブレス』
創者及び法者名−”狩人”フリアグネ
破壊力−B スピード−A(自在法発動時) 射程距離−C(最大7メートル)
持続力−C 精密動作性−A(自在法発動時) 成長性−なし
マリアンヌの口から告げられた事実に承太郎の憤りはさらに激しさを増す。
(チッ……!”自在法”……!一昨日シャナがやってたヤツか……!
ブッ壊れた街と人間を元に戻したのにも驚かされたが……
「戦闘」に「使う」となるとこんなに厄介な代モンはねーぜ……ッ!)
衝撃の余波で裂けた額から伝う血を手の甲で拭う。
(それにその”操作の自在法”とやらをあの”ホワイトブレス”とかいう
長衣(ストール)に練り込んだ”フリアグネ”とかいうヤロー……
花京院のヤツの云う通りそーとー「良い」性格してやがる……!
多量の目眩ましの帯撃の中に「本命」の一撃を紛れ込ませる……!
それも意識が前方に集中している相手(オレ)からは完全な「死角」の位置から……!
幾らスタープラチナの「眼」でも『見えてねぇ部分』には
その精密動作も空回りするしかねぇ……!)
心の中で毒づきながら承太郎は口に溜まった血の混じった唾を廊下に吐き捨てる。
しかし苛立ちは持続せず、すぐに彼は彼本来の冷静さを取り戻す。
無益な愚行と周囲には想われていた幾多の争いの日々が、
彼に合理的な戦闘の思考を密かに育んでいたのだ。
そして、目的を持たない暴力の無意味さも虚しさも同時にまた。
(さて……どうする……!?)
自分が護るべき人間。
スタンド能力を持つ『自分にしか護れない』多くの人間の姿を
脳裏に浮かべながら承太郎は次に打つべき「手」を模索し始めた。
(理想としてはこのまま攻防を繰り返すとみせかけて防御と牽制とに徹し、
あの長衣(ストール)の内蔵エネルギーを無駄遣いさせて
切らしちまうってのが上策のようだが……)
彼の脳裏にふと一人の少女の姿が浮かぶ。
黒寂びたコート。
文字通り燃えるような炎の髪と同質の色彩を携えた真紅の双眸。
その中に燃え上がる灼熱の使命感。
そして、その小さな肢体の左胸に照準を合わせる、死神の弾丸が装填された
”フレイムヘイズ殺し”の「拳銃」
(……やれやれ……どうやらグズグズしてる暇はねぇみてぇだぜ……!)
戦法を長期戦から短期戦へと移項し承太郎の頭脳は
新たな戦略を生み出すために始動を開始する。
脳裏で紡がれる幾つもの布石の中、承太郎は先程からのマリアンヌの
「行動」から類推出来る彼女の戦闘パターンを解析した。
(アノ女はさっきからスタープラチナにばかり意識がいっていて、
「本体」である「オレ」は眼中に入ってねぇ……
このオレをスタープラチナの「付属物」或いは「消耗品」だとでも考えていて
「司令塔」だとは想ってもいねぇみてぇだ……
つまり……『人間の力を侮っている』)
その事実に怒りが再び内部から迫り上がってきた。
一応支援
(舐め腐りやがって……!そうやって人間を軽くみてやがるからその生命も
虫ケラみてーに簡単に喰い潰すことが出来るってわけか……!いいだろう……
紅世の徒(テメーら)が甘くみてやがるその「人間」の力……!
この空条 承太郎がテメーに思い知らせてやるぜ……ッッ!!
マリアンヌッッ……!!)
決意と共に心の中で叫び承太郎は襟元から垂れ下がった長鎖を
腕から滴ってきた血で塗れた右手で力強く掴む。
承太郎が攻撃してこないのを諦めと受け取ったのかマリアンヌは
「どうやら万策尽きたようねッ!ではコレで終劇とさせてもらうわッッ!!」
そう叫びミュールの軸足で足下のリノリウムを踏み切り長衣(ストール)を揺らしながら再び真正面から突っ込んできた。
華麗なるその容貌と手にした宝具の背徳からまるで死の天使の如く
承太郎に迫るマリアンヌ。
(勝負は……一瞬……!)
スタンドを正面に出現、配置させ、同時に「覚悟」を決める承太郎。
ソレが彼の神経を極限まで研ぎ澄ました。
「コレでお別れよッッ!!”Au revoir(オ・ルヴォワール)!!”
空条 承太郎ッッ!!」
最後の言葉と共にスタープラチナの顔面に向けて
白く煌めく閃撃が鋭く撃ち出された。
そのとき。
「オッッッラァァァッッ!!」
激しい喚声が挙がった。
スタープラチナではなく『承太郎自身の口から』
突如その声の方向から真横に延びるように撃ち出された
白金に輝く閃光がマリアンヌの手を、艶めかしく絡みついた純白の長衣の上から
打ち据える。
「…………痛ッッ!?」
ソレによって閃撃の軌道が逸れ長衣(ストール)はあさっての方向に流された。
いつのまにかスタープラチナの左斜めの側面、接近しているマリアンヌからは
完全に死角の位置から承太郎が攻撃を放ったのだ。
その手に握られた、普段は学ランの襟元から垂れ下がり済んだ音を奏でている
白金の鎖(プラチナ・チェーン)によって。
「ま、まさか!?ひ弱な「人間部分」が攻撃してくるなんて!?」
マリアンヌは驚愕でそのパールグレーの双眸を見開く。
その刹那。
雷・光・疾・走(はし)るッッ!!
『攻撃したのが承太郎なので”ホワイトブレス”の「攻撃目標」は
「自動的」にスタープラチナから空条 承太郎へと変更される』
その情報の変遷によって一時停止状態に陥る宝具ホワイトブレスの、
その一瞬の間隙を縫ってスタープラチナが乾坤一擲の一撃を
マリアンヌのその麗しい顔に向かって発射する。
人智を越えた超常の力を携える、波紋戦士やフレイムヘイズを初めとする「超能力者」
のなかでも『スタンド使い』にしか使えない
「幽波紋(スタンド)」と「本体」による超高速連続攻撃融合技。
名付けて。
【タンデム・アタックッッ!!】
承太郎のライトグリーンの瞳とマリアンヌのパールグレーの瞳が重なる。
ゼロコンマ一秒の世界で、互いの思惑が交錯した。
(このチェーンはオレのケンカの奥の手だ……
多人数に囲まれた時と相手が光モン抜いた時しか使わねーがな……)
(そ、そんな……!?”宝具”でもないただの「鎖」がなんで……!?)
(『ただの鎖じゃあねーんだよ……』曾祖母サンから貰ったコレには
特製の「波紋」が練り込んである……ついでにジジイのヤローも
騙くらかして波紋込めさせたから相乗効果で強度が半端じゃあねー事に
なってんだよ……オメーの一撃程度なら弾き返せる位にな……)
(ただの人間が……!!紅世の徒であるこの私の動きに着いてこれる筈が……!!)
(昔、ガキの頃曾祖母サンに帯術の基本だけ教わった……ジジイには秘密でな……
テメーの得物(エモノ)は威力こそデケーがその使い方がまるでなっちゃいねー……
スピードとキレはあるがその軌道は直線的だ……
曾祖母サンの帯捌きに比べれば止まって見えるぜ……ッッ!!)
(ク……ッッ!!)
(スタープラチナにばかり目がいって本来一番警戒するべき人間!
この空条 承太郎から意識が逸れたのが敗因だったな!
マリアンヌ!オメーの負けだぜッ!!)
承太郎のそのライトグリーン双眸が何よりも気高く輝き、
マリアンヌのパールグレーの瞳を鋭く貫いた。
熱く。激しく。燃え尽きるほどに。
←PAUSEッッ!!
*STARDUST¢FLAMEHAZE*
取りあえずここまでッス。
続きはよしなに。
あと書き込みの時はセンタリング(中央よせ)って出来ないんですかねぇ。
それだけが唯一心残り。
それでは。
GJでした。
承太郎に修行つけていたとき、リサリサ90歳半ばくらいだよねぇ。元気。
GJ
承太郎とマリアンヌの戦いも次で決着みたいだし、この後は花京院のパートかシャナのパートに移るのかな?
ざっと呼んだけどセンタリング使わなきゃならんところは無かった
まあ2chでどうしてもやりたきゃスペース入れて調節すればいい
センタリングとか右寄せとか見づらいしうざいから俺は見ないけど
GJです。やっぱ承太郎のバトルパート最高でつね
まさかタンデムアタックが出るとは・・・・
無冥さんGJ!!
第三部格ゲー好きな俺には感涙のサービスシーンだなw
無冥氏GJです
ジョジョ的な表現、頭脳戦、あとタンデムアタックが出たところが良かった
無冥氏乙ッ!
無冥氏乙!
無冥氏は格ゲーでタンデムアタック使う派だったんですか
俺は使わない派なんですが役に立ちますか?
タンデムアタックは以外と難しいんだよなぁ・・・・
>>480 亀レスだがヨーハンがジョナサンやツェぺリさんなどの第一部のキャラと絡むのか?
ご主人様が創造した、とか言ってるけど宝具ってのは徒と人間両方が望んで初めて出来る
アメトークきたー!!
スピードワゴンはクールに保守るぜ
正直中川いらなかったなぁ
>>524 宝具ってのは人間・徒問わず存在の力を行使する者ならば創り出すことができる。
贄殿遮那や零時迷子のような強力無比な宝具を創るのには、人間・徒双方の協力が不可欠だが大抵は人間が一人で創ることが多い。
人間が単独で創れるならば逆に徒が単独でも創ることが出来るという可能性も十分ある。
例え宝具でないとしても自在式を打ち込んだ物体ではあるだろうし。
なんか頂のヘカテーたん見てたら思いついた。後悔はしてない。
というか途中からシャナ入ってない。ところどころギャグマンガ日和なのは仕様orz
もしDIO一行と仮面舞踏会が一緒のとこにいたら
(何故か手のひらサイズに小さくなったヘカテー)
DIO「ふむ、我がヘカテー……わたしの頭の上に乗るのはいいが、少々読書の邪魔だ。
頭を固定するのも大変でな、どうせならこのDIOの懐に……」
ヘカテー「うっ」
ベルペオル「おや、どうしたんだい?」
ヘカテー「ここ、なんか海藻くちゃい」
DIO「……な、なにイイイイイイイイイイイイイイ。こ、このDIOが、このDIOがぁ、
海藻臭いだとオオオオオオオオオオォ――――――ッ!!」
ヴァニラアイス「ディ、DIO様お気をしっかり」
ベルペオル「ああ、やっぱり」
DIO「嘘を吐くな……確かにこのDIO、100年間海底に一人寂しくジョナサンとの
青春を解雇したり自作の歌を作ってたりして潜んでいたが……
地上に出てからの体のケアは毎日欠かさず行ったはず!一体どこがどう臭いというのだッ」
ヘカテー「(ジョナサンの)体はくちゃくないけど……頭が『くさや』くちゃい」
DIO「(パワーアップしてるだとッ!?)ば、馬鹿な……そんなはずはないのだ。
この髪も毎日世界が嫉妬する髪になるべく毎日あのシャンプーで洗ってるというのに……」
ヴァニラアイス「そうですよDIO様。貴方様は臭くなんかありません。むしろフローラルな香りが
漂っています」
DIO「そ、そうだよなヴァニラアイス。ほれほれぇ、臭くないだろ、私は
臭くなんかないだろう?フローラルなナイスガァーイだろう!?」
ヴァニラアイス「ああっDIO様そんな頭押し付けちゃあ私ぐうぅ!!?…………ハハ」
――――ヴァニラアイスは決して「臭い」とは言わなかった
――――しかし人は時として言葉に出さずとも物事を明確に伝えるのである
DIO「うおあああああああああああああああああああああああああ」
ヴァニラアイス「ああDIO様何処へ!?」
DIO「私って……臭かったんだ……」
シュドナイ「フッ俺はそういうのも嫌いじゃないぜぎゃあああああああああス」
DIO「……まずい。カニの食べられないとこみたいな味がする」
こうしてDIOはジョースター家との因縁に決着をつけることを決意した。
了
>>528 宝具を作れるのは「この世の側の存在の力を行使できる者」という記述があった……はず。
よって、徒だけで宝具を作るのは不可能かと。
まぁ、無冥氏はまだシャナ全巻読んでないから仕方ないと言えば仕方ないよね。
出来れば早いとこ読破してほしいが。
>>532 承太郎の頭の帽子の上で「うるちゃい」を連呼して承太郎に「やかましい!うおっとしいぜッ!」
と言われるシャナタンが脳内にイメージされたww
DIO様あのシャンプーなのかwww
GJ!
>>533 灼眼のシャナタンの奇妙な冒険ってタイトルで脳内妄想されたw
花京院と一緒にレロレロするシャナタン
537 :
マロン名無しさん:2007/08/04(土) 05:53:54 ID:iLX3frQB
ジョジョサイド
時止めて
オラオラッシュ
これで死亡
SS
封絶
あとは刀でひたすら細切れになるまで斬斬斬斬斬斬
封絶といて終わり
弱点
ジョジョ
時止めの時間の短さ
SS
近接なら無理
保守
>>533見たらまた思いついてしまった。後悔はないぜ
『学ランのジョジョたん 学帽編』
花「承太郎、ちょっとした好奇心で聞くけど……その髪と一体化した学帽……
どう言うわけでそうなったんだい?」
承「ああ、コレか。実はな……」
***
(あの時以来、なぜかちっちゃくなったシャナは俺の頭の上でメロンパンを
食い続けていた)
シャナ「カリカリモフモフカリカリモフモフ……」
承「おいシャナ、俺の頭の上に乗るんじゃあねえ。そして菓子パンくってんじゃあねえ!
カスが頭にかかる!!」
シャナ「うるちゃいうるちゃい。そんなことゆーならハゲちゃえじょーたろー。
ぬいちゃえぬいちゃえハゲちゃえハゲちゃえ(以下くり返し)」
承「痛ッ!おいてめぇやめろシャナッ!! じじいもハゲてねえうちからおいこらっ」
(そして困った俺は一晩寝ずに考えたあげく『学帽を被る』という発想に至った)
花(一晩考えてそれかよ……)
シャナ「お前、いったい何人の人間を
その『都喰らい』のためにトーチにした!?」
フリアグネ「君は今まで食べた『メロンパン』の個数を
おぼえているのか?」
(しかしそれで解決はしなかった……)
承「やれやれ、これで一件落着ってやつだぜ」
シャナ「むうう〜。こんなぼーし!やぶいちゃえ!やぶいちゃえ!
にえとののしゃな―――っ!!」
承「何ィ!うおおっ」
(こーして学帽をいくら変えてもやつの刀で破られ結局抜かれていった)
花(もっと根本的な解決策があるような気がするのだけど……)
その晩
承「くそう……一体どうすればいい……このままハゲるのがジョースター家の
運命なのか……?いや、違うぜ……運命ってのは自分で切り開くもんだ。
『方法』は必ず存在するはずだぜ!なあ……死んだ花右京……」
花(僕死んでませんよ!!いやよく見たら『花右京』だったッ!メイド隊!?)
(そして30分の精神集中のあげく、俺はある一つの『方法』を思いついた)
シャナ「きょーもじょーたろーの頭の上にいるもんね。
むっまたぼーし被ってるなあ!やぶっちゃえやぶっちゃえ!……あれ?」
承「どうした……シャナ。破るんじゃあないのか……学帽をよ……」
シャナ「えっえっあれえ?ぼーし……じゃなくて髪の毛。じゃぬいちゃえ。
でも、ぼーし。あれ、あれれれえ??????」
(そう、俺は学帽と髪の毛(後ろ髪)を一体化させることでシャナを混乱させる
ことに成功したッ。この状態なら髪と認識してもぬけず、帽子と認識しても
破くことができないッ。まさに矛盾。たとえるなら「クレタ人はみんな嘘つきだ」
とクレタ人が言った、というヤツかね……)
シャナ「うわああああん、わかんないいいいい。もー知らない。ぐすん」
承「やれやれだぜ」
***
承「こうしてこの学帽はこんな感じになったと言うワケだ。そういうワケだ、花京院」
花「……………………そう」
了
ちょwwwそんな逸話ありですかwww
GJ!ww
俺の腹筋痛ぇwww
確かに承太郎の帽子と髪は一体化してるなww
帽子と髪を判別できず混乱しているシャナタンに萌えw
>>543 『髪の毛だから破れない。帽子だから抜く事が出来ない』
C−MOON戦のメビウスリング並に理不尽な解釈だなw
だがそれがイイ!GJ!!
つまり、帽子状のカツラと認識していいんだな。
で、頭はカツラとシャナのせいで、とっくに禿げてしまったと。
>>549 残った地毛を波紋で伸ばして学帽を編み上げたんだよ。
これからコック帽みたく縦に伸びていくのか、
円環状に残った髪の先に学帽付けて毛先だけ半端に纏めた落ち武者みたくなるのか。
どっちにしろ剃った方がマシ。
腹筋がブッコワレタwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
明日には精肉場に送られる豚を見る目をしている花京院が目に浮かぶwwwwwww
553 :
マロン名無しさん:2007/08/07(火) 22:07:06 ID:/77HUVqC
カーズ「という訳で釣りに来たのだ」
プッチ「こんなに暑い日に外出など・・」
DIO「ルールはこの釣り堀の魚をより多く釣った者の勝ちでいいな。」
吉良「さっさと始めてさっさと終わらせてくれ。
猫草が魚の匂いを嗅ぎつけて興奮している」
ディアボロ「まったくだ。俺は六畳一間でゲームの続きをしたいのに」
吉良「・・・(貴様と一緒にするな、この露出狂が)」
Dio「開始の合図は、ディオからのワン切りだ。
早く始めるも何もn」
ドッピオ「とおるるるるるるるるるるるるるるるるるるうるるるるるるんッ!ブチ。ツー、ツー、ツー」
Dio「(しまっ・・)」ビュン
びゅん。びゅん。びゅん。びゅん。
吉良「・・」びゅん。
ポルポル「姐さんハァハァ、カルメルタンハァハァ」
とりあえず、ディオ様さえ活躍すれば
383 マロン名無しさん sage 2007/08/08(水) 21:39:04 ID:???
カーズ「このカーズの体の一部でできたミミズなら魚も沢山寄ってくるのだ」
DIO「さっき使ってみたらよってきた魚を食い破ったぞ!どんなミミズだ!」
ディアボロ「キング・クリムゾン!餌をとられるという『結果』だけがのこる・・・」
プッチ「このちっぽけな引きこもりがああああああああああ!!」
ディエゴ「恐竜の動体視力で直接捕まえれば・・・!」
ドッピオ「まるで鮭をとる熊みたいですね・・・」
吉良「騒がしくて静かに釣りもできないとは・・・私はいったいどうすればいいのだろう・・・」
そろそろ読みたいな
祭りの悲劇マダー?
>>558 承太郎がトーチじゃないと知ったら吉田さんもパニクることはないと思う
シャナに誤解されても承太郎なら上手く誤解を解きそう
あと下手したら承太郎は吉田さんをこっちに引きずり込んだカムシンを殴りそうだ
まだあったのかこのスレ
保守
五部の格ゲーやりたい
保守
投下マダカナ?
あと3日以内に必ず投下します。
もうしばしお待ちを。
wktk
30分後くらいに投下致します。
何か長いので援護出来る方がいたらお願いします。
投下……ッッ!!
せずにはいられない……!!
ではどうぞ。
↓
*STARDUST¢FLAMEHAZE*
← REPLAYッ!
「オッッッラァァァァッッ!!」
その長い鬣を揺らし廻転させた下半身の動きによって舞い上がった腰布を
渦巻く気流に靡かせながら連動して射出された、唸りをあげてマリアンヌの
正中線最上部に向かって迫る、流星を司る「幽波紋(スタンド)」
『星の白金(スタープラチナ)』の戦慄の豪拳。
「ホワイトブレスッッ!!ダメ!!間に合わない!!」
マリアンヌは手から防御式最優先の自在法を長衣(ストール)に送り込んだが
既にして状況は絶望的だと細胞が解し、その躰は意思に反して硬直する。
「……………………ッッ!!」
最早出来る事は瞳を閉じ、顔を俯かせて木偶人形のように
スタープラチナの豪拳を喰らう事だけだった。
(申し訳ありません……!!ご主人様……ッッ!!)
「死」を覚悟したマリアンヌは、その今際の際の刻まで主、
フリアグネの事だけを想っていた。
…………
……………………
……………………………
しかし、何時まで経っても来るべき筈の衝撃が来ない。
自分は、痛みを感じるまもなく首でも刎ね飛ばされ、絶命したのだろうか?
目を開けるのは恐ろしいが閉じているのはもっと怖い。
恐る恐るマリアンヌがそのパールグレーの双眸を見開くと……
「………………」
マリアンヌの眉間の手前でスタープラチナの白金の燐光を放つ豪拳が停止していた。
巻き起こった風圧でそのパールグレーの前髪が捲れ上がっている。
沈黙の空間に花々の芳香が気流に捲いて一迅靡いていた。
その先。
剣呑なライトグリーンの瞳で自分を見下ろしている忌むべき宿敵。
『星の白金』空条 承太郎。
「どうして……私に……止めを刺さなかったの……?」
鋼鉄の鋲で覆われた煌めく白金の鉄拳の照準を眉間に当てられたまま、
マリアンヌは己の意に反して震える躰と口唇とを努めて抑えながら承太郎に問う。
「言っただろう……?女を殴る趣味はねぇ……「オレ」がテメーの一撃を
弾き飛ばした時点でもう既に「決着」は着いていた……だからオレは「拳」を止めた……」
血に塗れたその手に握られている波紋入りの「白金長鎖(プラチナ・チェーン)」を
制服の襟元の留め金に繋ぎ直しながら静かに承太郎は答えた。
例え敵であっても。
殺し合いという凄惨な極限の戦闘状況下であったとしても。
高潔なる人間の心は失わない。
かつて、多くのジョースターの血統の男達がそうしてきたように。
その男達と共に戦ってきた、数多くの戦友(とも)達がそうしてきたように。
その、気高き人間の魂。
その、崇高なる黄金の輝きは運命(さだめ)の如く承太郎に
受け継がれ精神の深奥に確かに宿っていた。
「甘い……のね……」
マリアンヌは瞳を閉じ、微かに俯く。
「それが……「人間」なんだよ……オメーに言っても解りゃあしねーだろーがな……」
承太郎はそう言って静かにスタープラチナの拳を引く。
その刹那。
「その「甘さ」がアナタの命取りよ!!」
マリアンヌのそのパールグレーの瞳が妖しく反照し承太郎に
向けて白い閃撃を撃ち出してくる。
「………………」
そのマリアンヌの行動を予め読んでいた承太郎は両目を閉じたまま
スタープラチナのバックステップを使い余裕で避けて跳躍し、
マリアンヌから約10メートル離れた位置に靴の踵を鳴らして着地する。
「私はッッ!!もう敗けるわけにはいかないのよッッ!!
私自身の為に!何よりもご主人様の御為に!!」
そう叫んで己を包んでいる懼れを吹き飛ばすように純白の長衣(ストール)を
尖鋭に翻すマリアンヌ。
それとは対照的に承太郎はあくまで冷静な視線でマリアンヌを見据えた。
「やれやれ、往生際が悪ぃぜマリアンヌ。オメーのその長衣(ストール)の能力は
もうオレには通用しねーぜ」
そう静かに告げ、鮮血に塗れた手で制服の内側から煙草を取り出して口に銜え、
その脇でスタープラチナが五芒星の刻印(レリーフ)が刻まれた
銀無垢のジッポライターで煙草の先端に火を点ける。
色素の薄い、磨かれた石英のように端麗な口唇から紫煙が細く吹き出され、
二人の中間距離で舞った。
「一度ホワイトブレスを破った位で良い気にならないで!
同じ手は二度通用しない!今止めを刺さなかった事を後悔させてあげるわ!」
確信していた勝利が露と消え、更に承太郎の余裕の態度に苛立ったマリアンヌは
純白の長衣(ストール)を大きく両手に構え、躍進する為に素早く前傾姿勢の構えを執る。
主から譲り受けた宝具を侮辱される事は、主自身を侮辱されたように
彼女には感じられたのだ。
「今度はホワイトブレスに編み込まれた全ての攻撃型自在法を全開放して
”アナタ”に撃ち込んであげるわッ!幾ら強力なミステスと言っても
所詮は生身の人間!「宝具」の一斉攻撃を受ければ跡形も遺らずに粉々よッ!!」
そう叫んでその足下の漆黒のミュールが鋭くリノリウムを踏み切る瞬間
「オメーの長衣(ストール)に仕込まれた、その”操作系自在法”とやらには
『発動条件』が在る」
「……………………ッッ!?」
驚愕。
紫煙と共に承太郎の口からついて出た予期せぬ言葉にマリアンヌは絶句する。
同時に身体が硬直して全ての攻撃予備動作はキャンセルされた。
「ソレは『必ず”初撃”はオメー自身が撃たなきゃいけねー事だ』マリアンヌ」
そう言って承太郎は火の点いた煙草の穂先を静かに自分に向けてくる。
チリチリと焦げるチャコールフィルターに、マリアンヌはまるで
自分の心を炙られているかのような錯覚を覚えた。
そして。
その想像を超えた分析力に。
洞察力に。
マリアンヌの躰は静止することを余儀なくされる。
その彼女の様子を承太郎は一瞥すると銜え煙草のまま自分の言葉を補足した。
「その証拠にオメーはさっきから長衣(ストール)から一度も手を放してねぇ。
オレの射程圏内からは距離を取り、安全地帯から飛び道具のように
投げて使えば良いのにも関わらずオメーはわざわざ危険を冒してまで
「近距離パワー型」であるオレのスタンドの射程距離にまで踏み込んで攻撃してきた。
ソレは『そういう風にしか使えないから』だろ?」
「……………………ッッ!!」
戦慄。
承太郎の言葉は、自分の「宝具」の能力の本質を、更に言うならば
その「弱点」までも正鵠に見透していた。
たったの数合攻防を繰り返しただけで。
初めて見る筈の紅世の宝具の能力を。
紅世の”王”でもないただの人間が。
そのライトグリーンの瞳に宿る怜悧な光がまるで心の内の深奥まで
照らし出す水晶のように静謐に煌めく。
承太郎は根本まで灰になった煙草を足下に落とし、
そして靴裏で念入りに揉み消した。
「どんな優秀な精密機械だろうがスイッチがONにならなきゃあ作動はしねー。
ネタがワレた以上もうオレとスタープラチナには通用しねーぜ。
今度は「一撃目」から「掴む」事に専念させてもらう。
生身の人間のオレに見切られるスピードと技で果たして
スタープラチナの「眼」が欺けるかな?
破滅願望でもあるんなら試してみな」
そう言って顔を上げた承太郎のライトグリーンの瞳が
マリアンヌのパールグレーの瞳を真正面から鋭く射抜く。
(………………クッ!?)
その威圧感にマリアンヌの足が意図せず一歩背後へと下がった。
戦うことは怖くなかった。
死ぬことすらも怖くはなかった。
最愛の主の為ならば、自分の命など惜しくも何ともなかった。
しかし。
このままでは自分は主の身を危機に陥らせる事になる。
人間の身でありながら、その鋭敏な頭脳で紅世の宝具の性質を余すことなく看破し、
さらに携えたその途轍もない能力(ちから)で封殺するような、
想像を絶する強大な存在の力を持つ男を我が最愛の主の元へと行かせる事になる。
多くの紅世の徒達を震撼させた、アノ”天目一個”をも超える地上最強の”ミステス”
皮肉にも自分がその存在に至当する真名の名付け親になってしまった
『星躔琉撃の殲滅者』を。
「ご主人……様……」
力無く呟いたマリアンヌは、袋小路に追いつめられた獲物のように力無く後ずさった。
同時に全身を駆け巡る、生まれて初めて感じる感情。
恐怖。
凄むわけでもなく威圧するわけでもなく、ただ悠然と自分を見つめている、
静かな承太郎の立ち振る舞いが更にその感情を煽った。
(だ、ダメッッ!!)
寒いわけでもないのに震える自分の躰を、
マリアンヌは懸命に意志の力で諫めた。
だが。
躰の震えは止まっても心の震えまではどうしようもない。
それでもマリアンヌは後退しようとする躰と停滞しようとする心とを
精一杯の意志で押し止めた。
宝具と自在法の加護がなくなり、剥き出しの生身で向き合わざる負えなくなった今、
ハッキリ言って目の前のこの男は途轍もなく恐ろしい。
こうして対峙しているだけでも躰が意に反して震え出して止まらない。
足下の感覚もまるで現実感がなく、自分がどう立っているのかすらも
彼女には曖昧だった。
しかし、それはある意味当然と言えた。
あの時。
承太郎が。
心を憎しみに呑まれたまま拳を撃ち抜いていれば、
マリアンヌは確実に死んでいたのだから。
でも。
逃げることも立ち止まる事も彼女には赦されなかった。
何があってもそれだけはしてはいけなかった。
なぜならば。
『最愛の主を傷つける事になるから』
他の誰でもない、この自分自身が。
ただただ、己の主に付き従う事をのみを至上の悦びとする”燐子”の本能。
故に。
ソレだけが何よりもマリアンヌには恐ろしかった。
ソレだけが何よりもマリアンヌには怖かった。
震える躰を長衣(ストール)の絡みついた細腕で懸命に自らを掻き抱いている
マリアンヌを黙って見据えていた承太郎はやがて淡い嘆息を口唇から漏らした。
その様子はまるで激しい雨の中、ずぶ濡れで足元にすり寄ってくる
仔犬のように弱々しかったからだ。
その彼女の様子に承太郎は学帽の鍔で苦々しく目元を覆う。
(やれやれ、これじゃあどっちが悪役か解らねーな。
動機はどうあれ弱い者イジメみてーで気分が悪いぜ。
そのテメーのご主人様とやらに対する気持ちをほんの少しだけでも他の人間に
くれてやればこうはならねー筈なんだがな。ままならねーモンだぜ。全くよ)
心の中で苦々しく舌打ちし、そして承太郎は足を踏み出す。
「オメーの負けだ。マリアンヌ。もうこれ以上続けてもオメーに勝ち目はねぇ。
潔く認めて道を開けな」
そう言って悠然と自分に向かって歩いてくる承太郎にマリアンヌは
そのパールグレーの双眸をきつく結んだ。
(ご主人……様……)
その脳裏に、翳りのない主の姿が鮮やかに甦る。
(ご主人様……!!)
窮地にあっても、最愛の主は、心の中で微笑っていた。
いつでも。
いつまでも。
その姿が彼女の心に巣くった恐怖を全て吹き飛ばす。
「ご主人様の元には!!絶対に行かせないわッッ!!」
閉じていた双眸を開いたマリアンヌはそう叫んで長衣(ストール)を先鋭に翻す。
純白の衣が弧を描いて空間を扇ぐと同時に中に編み込まれた召喚系自在法が発動。
承太郎の前方に数十もの薄白い炎が封絶の光に照らされる廊下に
所狭しと湧き上がった。
その内からマリアンヌと着ているものと同じデザインの、
漆黒を除いた色とりどりのドレスに身を包んだフィギュア型の燐子、
承太郎の言葉で言えば悪趣味な動くマネキンの群が
形状もまちまちな細身の武器を携えて現れた。
それを微塵の動揺も表さずに静かに見つめていた承太郎は
「無駄だぜ……雑魚を何匹掻き集めようがこの空条 承太郎と
スタープラチナの敵じゃあねぇ……」
と同じく静かな声でマリアンヌに告げた。
(……………………ッッ!!)
ソレは解っていた。
そんな事は解っていた。
天目一個以上の強力なミステスに低級の燐子が何匹集まろうが
砂上の楼閣にもならない事は。
そして、自分の宝具の能力(ちから)が通用しない以上そんな相手に
戦いを続ける事は無謀以外のなにものでもないと。
『言われるまでもなくそんなことは解っているのだ』
なら、何故?自分はこの男と戦いを続けるのか?
それは。
ほんの僅かでも良い。
『可能性があると想ったのなら』
万が一、否、億が一でも構わない。
『自分の主の危機を救う可能性が少しでもあるというのなら』
引くわけにはいかない。
否。
違う。
引かないのではない。
『引けないのだ』
何が在っても絶対に!
少女は己の決意を強く胸に誓い、そのパールグレーの双眸にも決意の光が宿る。
それは、承太郎の瞳に宿る光にすらも全く引けをとらない精神の輝き。
「!」
承太郎はそこで初めてマリアンヌに、紅世の徒に、憎悪以外の感情を抱いた。
事の善悪は抜きにして、彼女もまた、別の誰かの為に戦っていた。
『大切な何かを護る為に』
その一点だけは、自分と何も変わりはしなかったのだ。
(やれやれ……オレが想像していた以上に厄介な相手だったのかもな……
紅世の徒(テメーら)を赦す気は全くねーしブッ倒す事をカワイソーだとは
微塵も想わねぇが……窮地にあってもご主人様とやらの為に
ヘコたれねぇその精神にだけは敬意を表すぜ……マリアンヌ……)
承太郎は互いの中間距離で足を止め、その背後からスタンド、
スタープラチナを静かに出現させる。
己の全力を持って戦い、そして倒すべき相手だと承太郎自身が
マリアンヌを認めたのだ。
そして、静かにその口を開く。
「どうやら何が在っても引く気はねぇみてぇだな。なら今度はもう拳は止めねぇ。
「覚悟」してもらうぜ。マリアンヌ!」
承太郎は静かに、だが有無を言わさぬ強い口調でそう言い放ち
逆水平に構えた指先で無数の武装燐子達の先にいるマリアンヌを指差す。
(……………………ッッ!!)
とうとう本気にさせたという事実を実感しながら、
再び迫り上がってきた脅威と畏怖とでマリアンヌの足は
また無意識に後ろに下がろうとするが紅世の少女は己の主、
フリアグネに対する想いが産み出す強靱な意志の力でそれを押し止め、
逆に強く一歩前に踏み出した。
支援
さるった?
(ご主人様……どうかマリアンヌに……勇気を与えてください……!)
そう心の中で主に呟き、マリアンヌは開いたドレスの胸元から取り出した
神秘的な輝きを放つメビウスリングを模した鎖の刻印が入った金貨を手に握ると、
封絶の光で静謐に煌めくその鏡のような表面に主の面影を想い起こした。
そして一度、その金貨に淡いルージュが引かれた可憐な口唇で静かに口づけると
「さあ!!行きなさいオマエ達!!ご主人様を傷つけようとする者を討滅するのよ!!」
マリアンヌの叫びと共に長衣(ストール)の絡まり合った右腕が
尖鋭に振り下ろされる。
それを合図に四十を超える燐子の大群の目が薄白く発光し、
陣形などはお構いなしで承太郎に真正面から十数体まとめて襲いかかった。
ある者は関節に仕込まれた機械部品を軋ませ、
またある者はペット樹脂の肢体に互いの身体と武器とをブチ当てながら
自虐的な斬撃を承太郎とスタープラチナに向けて振り下ろす。
煩雑な軌道と剣速だが、しかしその凶悪さと凄惨さは一層にも増して
自分に一斉に襲いかかる兇刃の剣林を承太郎は眉一つ動かさずに見据えると
「スタープラチナァッッ!!」
清廉な声で叫ぶと同時に力強く右腕を真横に薙ぎ払った。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァーーーーッッ!!!」
その動作に同調したスタンド、スタープラチナが猛りながら引き締めた拳の嵐撃を
目の前の無数の斬撃に向けて繰り出す。
数こそ多いが、どんな状況でも冷静に対処出来る精神力を持つ人間、空条 承太郎と
音速のスピードとそれに対応する動体視力を携えるスタンド、スタープラチナの
前ではその兇刃の乱撃すらも端から止まっているも同然だった。
ドグッッッシャアアアアアアアッッ!!!!
衝撃と共に強烈な破壊音を伴って砕けた、夥しい数の刃の破片と
フィギュア達の残骸が瞬く間に空間へと散乱した。
肉眼では判別不能の速度で繰り出される、スタープラチナの白金のスタンドパワーが
乗った豪拳に触れたものは、刃だろうがフィギュアの本体だろうが
内部に組み込まれたスチール製の骨組みだろうが文字通り触れた先から
朽ちた枯木のようにバラバラに粉砕された。
そして余波によって生まれた旋風がマリアンヌに叩きつけられる。
「………………あうっ!!」
長いパールグレーの髪が舞い踊りストールが激しくはためき、
ドレスの裾が捲れ上がってその艶麗な白い脚線美が露わになる。
「フン、敵とはいえ女の姿をしたモンを殴るのはちょいと心が痛むが、
テメーらは放っておきゃあ他の人間を襲い出す。悪いが全部まとめて
ブッ壊させてもらうぜ」
そう言って不機嫌そうに承太郎は一度微かに口唇を歪めると、
スタープラチナと共に変わらぬ平静な表情で周囲を囲む武装燐子の集団など
まるで存在しないかのように悠然とマリアンヌとの距離を詰めてくる。
先刻の攻撃。
たったの一合しただけで全戦力の三分の一以上がアッサリと持っていかれた。
廊下にはバラバラに砕けた大量の燐子の残骸が薄白い残り火を
上げながら爆ぜている。
焦燥がマリアンヌの胸を突いた。
先程の言葉通り、今度『星の白金』の射程圏内に入られたら、
もうあの男は容赦はしないだろう。
それだけの「凄味」がもう今のあの男にはある。
『今度あの男を射程距離に近づけたら確実に自分はやられる』
(違う!)
マリアンヌは心に浮かんだ己の感情を即座に否定した。
『そんな事』はどうでも良い。
自分がやられればこの危険極まりない男を最愛の主の元へと行かせてしまう事になる。
『だから自分は死ぬことすらも赦されないのだ』
そのことだけを強く胸に刻みながらマリアンヌは残った全ての燐子に
内に編み込まれた動作自在式発動の自在法を長衣(ストール)を翻して放った。
「ま、まだ終わりじゃないわ!行きなさい!オマエ達!
『私じゃなくて』ご主人様を御護りする為にッッ!!」
その言葉に華美なドレスをその身に纏い、凶悪な剣をその手に携えた
「殺戮操り人形(キリング・パペット)」の群が全て縦横無尽に廊下全体にひしめき
多重方向から再び承太郎に襲いかかってきた。
しかし。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァーーーーッッ!!!」
再度廊下全体に響き渡る人型「幽波紋(スタンド)」
『星の白金(スタープラチナ)』の咆吼。
強力な紅世の宝具『レギュラー・シャープ』の速度と複雑な軌道にも
対応出来るスタープラチナのスピード能力の前では、幾ら背後から
襲いかかろうとも真正面からの超低速(スローモーション)と全く同義。
先刻の場面をリプレイするが如く、武装燐子の群は風の前の塵に同じく
バラバラに分解爆裂させられて空間にジャンクの残骸を振り撒いた。
(……………………ッッ!!)
マリアンヌの目の前で、白い炎に包まれ次々と無惨に砕かれていく、己の同胞。
自分と違って意志こそ持たないが、最愛の主の御手から産み出された
同じ”燐子”であるという事は自分と全く変わりはなかった。
その自分の「同類」が跡形もなく眼前で、何の抵抗も出来ず
毛ほどの傷も付けられないままに砕かれていく。
白金色に輝く、美しさと畏怖とを併せ持つ超絶の弾幕の狂嵐。
”星躔琉撃”に。
悪夢のようなその光景にマリアンヌは思わず目を背けそうになるが、
主に与えられた意志の力で懸命にそのパールグレーの双眸を見開いた。
何も出来ないのなら。
犠牲になる事を承知で自分が呼び出したのなら。
せめて最後まで主の為に戦おうとした名もなき燐子達の姿を
その目に焼き付けておかなければならないと想った。
(ごめんね……お願い……もう少しだけで良い……ご主人様の為に耐えて……
ほんの一瞬だけで良い……『あの男の意識が私から逸れるまで』……!)
胸元で金貨を強く握りしめながら、心の深奥から沁み入ずる
まるで聖女のようなマリアンヌの祈り。
その紅世の少女の願い。
それは彼女の予期せぬ形で唐突に訪れた。
(…………………!?)
空間に散らばる無数のフィギュアの残骸とその内部に組み込まれた数多の機械部品。
一瞬。
本当に神の気まぐれのような一瞬だったがソレが承太郎とマリアンヌとの間を覆った。
承太郎からはマリアンヌが。
マリアンヌからは承太郎が。
完全に互いの視界から消え去る。
さらに砕けた刃の破片とフィギュアの表面に塗られていた塗料とが
封絶の光を反射して効果をその増大させた。
(今だ……!!ここしかない……!!ご主人様……ッッ!!)
マリアンヌは生まれて初めて神にその事を心から深く感謝し、
手にしていたチェーンレリーフの金貨を素早く長衣(ストール)の先端に
忍ばせると渾心の力を込めて閃撃を撃ち放った。
支援する
「せやああああああああぁぁぁぁぁッッ!!」
視界の向こうから突如上がった清冽な掛け声に承太郎は視線を向ける。
(完全に射程距離外……フェイントか……?それにしちゃ雑な……)
その刹那。
「!?」
その射程距離外から撃ち出された筈の長衣(ストール)から、
煌めく金色の鎖が追伸してスタンドの周囲を取り囲みその全身を
幾重にも複雑に巻き絡めた。
「捉えたわよッ!空条 承太郎!これで今度こそアナタの敗北は決定的だわッ!」
撃ち出した長衣(ストール)の裾をきつく引き絞りながら、
紅世の美少女マリアンヌはその淡いルージュの塗られた清怜な口唇で
歓喜の嬌声を上げる。
純白の長衣(ストール)の「内部」からまるで手品(マジック)のように
金鎖が延びている為その重量は関係ないのか、それとも長衣(ストール)を
引き絞る力がそのまま金鎖にも連動しているのか、ともあれ白い肩の露わになった
陶磁器のように艶めかしいマリアンヌ細腕でも金鎖には万力のような
力が込められスタープラチナの全身を引き絞る。
「こ、これはッッ!?」
スタンドと本体との因果関係により承太郎自身の身体も見えない力で引き絞られ、
圧力が獣の牙のように身体に食い込み前衛的なデザインの学ランの形が歪み出す。
先程マリアンヌの纏う長衣(ストール)の中に仕込まれた鎖の紋様の入った
刻印の金貨は、彼女の閃撃に同調して瞬時にその姿を黄金長鎖の形に変容させ、
帯撃と共に承太郎とスタープラチナに向けて射出されたのだ。
二つの宝具を結合(ドッキング)させて射程距離を伸ばし、
そして背水の陣を覚悟して放ったまさにマリアンヌ執念の一撃。
魔装封殺。簒奪の縛鎖。
”紅世の宝具”
『バブルルート』
操者名−マリアンヌ
破壊力−なし スピード−A(変異速度) 射程距離−C
持続力−A 精密動作性−C 成長性−なし
「ウフフフフフフフ!捕らわれの雛鳥になった気分はどう!?星躔琉撃!?
両腕を封じられてはアナタ御自慢の殲滅の琉撃も型無しねッッ!!」
不安、恐怖、安堵、歓喜、様々な正と負の感情が綯い交ぜとなって
混沌となり、その黒い熱に浮かされたマリアンヌは頬を桜色に染め、
そして小悪魔的な微笑を口元に浮かべる。
幾ら鋭敏な頭脳を持つ承太郎でも『確認していない能力』までは
予測しえない。
先刻の一瞬。
ほんの瞬き程の一瞬だったが、目の前を覆う残骸の所為で自分は
確かにマリアンヌから意識を逸らした。
その一瞬の隙が、今スタープラチナを捕らえている能力の
基動を捉え損なったのだろう。
その偶発的な事象にも支えられた、殆どマグレに等しい戦闘上のミスだが、
歴戦の修羅場を潜り抜けてきた承太郎は厳しく己を諫めた。
「調子に乗ってンじゃあねーぜ。こんなチャチな鎖でこの空条 承太郎を
捕らえたつもりか?ナメんなよこの女(アマ)」
己の甘さに苛立ちながらも承太郎はスタンドに絡みついた金鎖を
スタープラチナの怪力で引き剥がそうと渾身の力で念を集中する。
しかし、近代建造物のコンクリートすらも内部に仕込まれた鉄筋ごと破壊する筈の
スタープラチナの剛力でも、金の鎖は軋むだけでほんの僅かな隙間すらも
抉じ開ける事が出来ない。
その様子をみつめていたマリアンヌが
「無駄よ無駄無駄。いくらアナタが天目一個以上のミステスだったとしても、
ご主人様秘蔵のもう一つの宝具「武器殺し(キリング・ブレイド)」
『バブルルート』を砕く事は決して出来はしないわ!
どんな業物の刀剣、仮に炎髪灼眼の”贄殿遮那”でも絶対にね!」
金の鎖に繋がれた純白の長衣(ストール)の端を逆くの字に折り曲げて
自分の側に引き込みながら主の宝具を誇る。
その宝具、白い封絶の光で幻想的に反照する「黄金長鎖(ゴールド・チェーン)」
『バブルルート』がまるで熱帯の密林に潜むおぞましき大蛇のように
スタープラチナを圧迫し更に恐ろしい力でその全身を引き絞った。
「グッ!!オオオオオオオオオオオオオォォォォォォ!!」
身体を空間に束縛する圧力が強まり、次第に呼吸もままならなくなってきた承太郎は
その物理法則に反抗するかのようにスタープラチナと共に喚声をあげ、
スタンドの全能力を開放してバブルルートを引き千切ろうとした。
白金の膨大な量のスタンドパワーがその互いの全身から迸る。
しかし先刻のマリアンヌの言葉通りスタープラチナの全力を
持ってしても頑堅無双の強度を誇る「武器殺し」専門の宝具
『バブルルート』はビクともしない。
それどころか力を込めれば込めるほどその反動で鎖は食い込んでいった。
「ウフフフフフフフ。往生際が悪いわよ。星躔琉撃?もうアナタの敗北は決定されたの。
やっぱりアノ時私に止めを刺しておくべきだったわね?」
完全に立場が逆転したマリアンヌが先程の承太郎をトレースするように
言葉を告げ、勝ち誇ったように微笑う。
「こちらの燐子もだいぶやられたけど」
そう言って周囲を見渡すマリアンヌ。
40体以上いた筈の武装燐子は、今は僅か7体のみ、
内無傷なものはたったの2体だけだった。
他は腕なり足なり顔面なりを打拳の嵐によって半分以上吹き飛ばされ、
金属の関節を軋ませながら敗残兵のような惨めな姿を晒していた。
あと、ほんの数秒バブルルートを発動するのが遅かったのなら、
戦況は全く別のものになっていた事だろう。
それらの燐子を労るように一瞥したマリアンヌは
「でも『動けないアナタ』を討滅するだけならこれで十分過ぎるわね」
そう言って生き残った燐子に一斉攻撃をしかけさせる為に
長衣(ストール)の絡みついた左腕を処刑執行者(エクスキュレイター)のように
高々と掲げる。
「アナタの忠告に従い一番危険なアナタから先に討滅させて戴くわ。
「覚悟」は良い?空条 承太郎?フフフフ」
「……………………」
妖しく冷たい死の光をその双眸に称える、マリアンヌのパールグレーの瞳の
眼光をその真正面から受け止めながらも、承太郎のライトグリーンの瞳に宿る光は、
断裁処刑される寸前の絶望に支配された囚人のそれではなかった。
そして彼の分身であるスタンド、スタープラチナも決して諦める事はなく
最後まで紅世の宝具、バブルルートとの無動の戦いを繰り広げていた。
金の鎖が絶え間なく軋み上がり、澄んだ音が空間を錯綜する。
(やれやれ、こいつはマジに頑丈な鎖だ。単純な腕力だけじゃあ
いつまで経っても破壊は出来そうにねぇ。逆にオレのスタンドのプライドって
ヤツが粉々にブッ壊れそうだぜ)
その承太郎の周囲を、凶悪な殺戮の光を放つ砕けた白刃を構えた
ボロボロの燐子達が取り囲み、ジリジリとその包囲網を狭めていった。
数多くの同胞を皆殺しにした、承太郎とスタープラチナに
最も残虐な死を与える為に。
だが、承太郎はそんな復讐の念に燃える燐子達などには目もくれず、
その先で冷たい微笑を浮かべているマリアンヌに向かって呟いた。
(だが……マリアンヌ……人間じゃあねぇオメーに言っても
解りゃあしねーだろうが……この世に特別なモンなんてありゃしねぇのさ……
紅世の徒だろうが……DIOだろうが……何一つな……!)
その言葉の終わりに、承太郎の高潔なる碧眼に決意の炎が燃え上がる。
同時にスタープラチナの白金の双眸も鋭く発光した。
「オォォォォォォォォォォラァァァァァァァァァァッッ!!!」
空間を劈くような喚声でスタープラチナと承太郎は共に鬨の声をあげる。
(突破口は……必ず……どこにでも在る……ッッ!!)
そう心の中で叫び、スタンドの足裏の踏み込みを利用して生まれた
最後の力を渾身の勢いを込めて紅世の宝具『バブルルート』に向けて降り注いだ。
支 援
その承太郎の一心不乱な様子にマリアンヌはやや白けたような表情を浮かべ、
冷たく見下ろすようにして両腕を束縛されたままの前傾姿勢で猛る彼を見つめる。
「無様ね。空条 承太郎。まさか追いつめられて自暴自棄になるなんて。
もう少しマシな男だと想っていたけれど。生憎だけれどアナタが
力を込めれば込めるほど『バブルルート』はアナタの身体に
より深く捻じ込まれていくわよ」
そのマリアンヌの言葉を無視して承太郎はスタンドを念じ続ける。
「オッッッッッッッッラァァァァァァァァァァッッッ!!!」
スタープラチナは自分を螺旋状に絡みついて拘束し、尚も屈服させ続けようとする
異界の金鎖『バブルルート』の、そのありとあらゆる箇所を己の宿主である
承太郎譲りの鋭い眼光で微細なく睨めつけ、同じく宿主の強靱な精神の力で
極限まで鍛え抜かれた剛腕で内側から金鎖を圧搾し続ける。
幽波紋(スタンド)と紅世の宝具とが、その強力な力で互いに擦れ合い
軋み合う音が間断なく白い陽炎の舞い踊る封絶空間に鳴り響き続けた。
「………………この男ッッ!!本当になんて諦めが!!」
自分が起死回生で放った、正に乾坤一擲の一撃だった筈なのに、
その事をまるで意にも介さない承太郎の態度に苛立ったマリアンヌは
「いいかげんになさい!『何が在ってもこの鎖は絶対に破壊出来ないわ!』
もう無駄な悪足掻きはお止めなさい!大人しくしていれば苦しみを与えずに
楽に死なせてあげるわ!」
怒気を含んだ声でそう叫んだ。
そのマリアンヌの申し出に承太郎は微塵の動揺もない表情で
微笑を返した。
「悪、足掻き、ね、さて、それは、どう、かな?」
「何を」
「この世に」
マリアンヌが何か言う前に承太郎の言葉が割り込む。
「絶対なんてモンは……『絶対にねぇんだぜ……』」
そのとき。
ビギッ……!!
次の瞬間。
ビギビギビギビギ…………ッッ!!
(ッッ!!)
微かな。
しかし、確実に。
マリアンヌのアメジストのピアスで飾られた耳元に届いた罅割れる金属の破壊音。
「ま、まさか!?『そんなこと』在り得る筈がッ!?」
今日何度目か解らなくなった驚愕の表情を再びその優麗な顔に
浮かべるマリアンヌ。
ビギ!!
ビギビギビギビギビギビギビギビギッッ!!!
バギッッ!!!
その間にも、まるで薄氷を踏み砕くような破壊音は鳴り続け、
次第にその音響を断続的に上げていく。
そして、その無敵の強度を誇る筈の宝具『バブルルート』の、
鏡のように研磨された鎖面に夥しい無数の亀裂が浮かび上がっていた。
「そんな!バカな!『そんな事絶対に在り得ない!!』」
想定外の事態にその白い素肌をより白く青ざめさせるマリアンヌに
承太郎が変わらぬ静かな言葉で告げる。
「フッ、人間じゃあねぇテメーに言っても解りゃあしねーだろーが、
冥土の土産に教えてやるぜ」
宝具本体のダメージによりその圧迫が弱まってきたのか、
承太郎は顔に赤味が戻った表情でマリアンヌに告げる。
「どんな強固な物質だろうと、その分子レベルでの結合は一定じゃあねぇ。
必ず目には見えない細かな「疵」や結合の緩い「歪み」が存在する。
宝具だか秘蔵だか知らねーが
『物質で在る以上その法則(ルール)からは逃れられねぇのさッ!』」
そう言って承太郎は再び仄かな微笑をその口元に浮かべた。
「オレはスタープラチナの「眼」でその部分を見つけだし!
更に!
『そこにだけ集束して力を込めていた!』」
スタープラチナの白金の双眸が一際強く光る。
バギバギバギバギバギバギバギバギバギバギバギバギバギッッ!!!!
そして。
極寒の湖の湖面に張った分厚い氷が一斉に砕けたかのような、
より強烈な破壊音がマリアンヌの鼓膜に飛び込んできた。
「そ、そ、そ、そんなッッ!?まさかッッ!?」
目の前の現実を受け止められず、
動揺するマリアンヌに尚も冷静に承太郎は言葉を続ける。
「この鎖、頑丈だがどうやら相当な年代モンらしいな?
スタープラチナの「眼」でその「歪み」を見つけだすのは難しくはなかったぜ。
後はその小さな「疵痕」をスタンドの力で抉じ開けるだけさッッ!!」
「オッッッッッラァァァァァァァァァァァッッ!!!」
承太郎の言葉の終わりとほぼ同時に猛々しい咆吼と共にその長い鬣を
激しく振り乱し、軸足の反転によって発生した気流に纏った腰布を
勢いよく靡かせながら廻転して捺し拡げられたスタープラチナの両の腕(かいな)
ガギャンンンンッッッッ!!!!
繋ぎ目が集束した力に断砕され、二つに割かれて輝く破片と共に
スタープラチナから弾き飛ばされた紅世の金鎖『バブルルート』は、
行き場を失った「力」をその内部に宿らせて空間を狂ったように暴れ廻り
傍にいたフィギュア達を巻き込んで爆削させた。
そして、一方は3体の燐子を絡み込んだまま窓ガラスをブチ破って
噴水のある中庭の方面へと飛び消え、もう一方は同じく燐子の上半身を
容易く千切り飛ばして2−4の教室の壁面にメリ込み、教室の内と外とに貫通して
ダラリと力無く垂れ下がった。
その、凄まじいまでの破壊劇の原動力となったスタンド能力。
超至近距離で接触した対象を、スタンドの冠絶した暗視能力を駆使して
「瑕瑾箇所(ウィーク・ポイント)」を高速スキャンし、
そして分子レベルで破壊する。
極点滅壊。星眼の裂撃。
流星の流法(モード)
『流星眼破砕(スター・アイズ・クラッシュ)』
破壊力−A スピード−E 射程距離−E(接触膠着状態のみ)
持続力−A 精密動作性−A 成長性−B
「ご主人……様……」
己の最後の切り札すらも、その圧倒的な精神の力で完殺した承太郎を目の前に
マリアンヌは虚ろな瞳で力無く主の名を呟く。
そして黄金の縛鎖から完全に自由を取り戻した承太郎とスタープラチナが
「さぁ?お祈りの時間だぜ?マリアンヌ」
甘く女の心を蕩かす静謐な声でマリアンヌに告げ、
逆水平に構えた指先で共に燐子の恋人を指差した。
←PAUSEッッ!!
*STARDUST¢FLAMEHAZE*
フゥ……
取りあえずここまでです。
これで承太郎のパートは一時中断で、
次回からはシャナのパートに移ります。
ン?
誰か忘れてるような……
それでは。
GJ!
ついに決着か
>>597 花京院のことかぁー!!
ともあれGJ!
600ゲット!
そして無冥氏乙!
無冥氏GJ!
ところでこれからの展開で屍拾いのラミーは出ますか?
>>597 今回もSSおもしろかったです
次回も楽しみにしてます
マリアンヌが原作以上に掘り下げられてていい感じだ
GJ!
承太郎は女は殴らないって言ってるけどハイプリの歯を全部へし折って
ミドラーの顔を見れたもんじゃなくしたんだよな(ポルポル談)
顔は女の命なのに。承太郎はいざとなったらマジで容赦しない男。
無冥氏GJです
マリアンヌが黄金の意思に目覚めたとこが良かった
ミドラー戦見てると承太郎は本当の意味で男女平等主義者だと思う
だけど全体を見ると「ましてや女をー」や「女の子には」とか言ってたし
康一くんの安全第一を考えたりしてたから「弱者」を守る、みたいな精神なんだろうね
>>601 『紅世の徒』殺戮マンセーの2巻の頃の姐さんの話にはラミーは必需かもしれん
全ては無冥氏次第だが
ラミーに「抱き寄せてキスの一つでもしろ」と言われてラミーを素手でボコる承太郎
アニメ版シャナの平井さん消滅が切なすぎる
承太郎があれ見たらプッツンするな
>>609 承太郎なら消滅した平井さんのことを物のように扱ったシャナに殴りかかると思う。
そして平井さん消滅の原因を作ったフリアグネは数ページに渡るオラオラの洗礼を受けるな。
この間シャナ5巻読んでウィネの悲惨さに思わず同情した
ヌケサクほどじゃないが扱いヒドス
>>611 確かになw
敬愛してたベルペオルに名前すら忘れられていた上に裏切られた挙句
天目一個の餌にされたからな・・・・
でもフレイムヘイズを10人自力で倒してたし、イェーガーとしても優秀で
シュドナイからも評価されてたりなど以外と有能な徒なんだよな
一説では高橋はシャナキャラでウィネがお気に入りなんだとか
5巻と言えばオルゴンの噛ませっぷりも見逃せない
出て来た当初はヤバ過ぎる戦争屋とウィネに言われてたが
天目一個にぶった切られるわペルソナ状態のヴィルヘルミナに軽くあしらわれるわ
最後にメリヒムの虹天剣で跡形もなくぶっ飛ばされるわ本当いい仕事し過ぎだろ
>>613 オルゴンは本当は強いんだよ・・・・
ただ相手と状況が悪かっただけなんだ・・・・・
あと逆ギレしたりウィネに利用されるなど性格が以外と単純なのも原因だった
アウトローをいくつも潰してるしな>オルゴン
だが過去の功績が大きければ大きい程かませ度が・・・ブワッ(´;ω; `)
>>615 強い奴ほどアッサリ殺られる。
ここが『ジョジョ・クオリティ』に似ているな。
>>強い奴ほどアッサリやられる
これを読んだ瞬間アヴドゥルさんの勇姿が脳裏に浮かんだ
>>601 一応出る事になっています。
承太郎とラミーは意外に気が合うかもしれませんね。
ラミー「さて、どう見る?『星の白金』?」
承太郎「強ぇ、な。アノ女の全身から発する雰囲気が半端じゃあねぇ。
シャナが前みてーに真正面から勝負を挑めば確実に負ける」
というようなやり取りとかやらせてみたいです。
出会いのシーンでは敵の”徒”と勘違いして「表出ろ!クソジジイ!!」
とかになるんでしょうけどねw
他の皆さんも応援ありがとうございます。
なるべく2週間以上期間を開けないように頑張りたいと想います。
それでは次回の投下でまたお逢いしましょう。
hoshu
>>621 期待してます
無理はしないでくださいね
第2巻ラストで顕現したマルコは途轍もなくデカイんだよな?
承太郎はどう挑むのだろうか
アヌビスシャナに期待
とりあえず妹のティリエルの死を省みもしなかったソラトは承太郎の怒りに触れて
オラオラの餌食
>>626 承太郎はシュドナイと戦うんじゃなかったっけ?
まとめサイトの無冥氏のやつが一話分抜けてる件。
【紅堂伽藍拾弐魔殿極絶無限神苑熾祇
(ゾディアック・アビスティア・アヴソリュート・エクストリーム)】
の話ね。
>>626 今からでも考え直してもらえないかなあ…。
できれば最終的にそうなってほしい。
どうしても譲れない場合はポルの針串刺しの刑でもかまわない…。
無冥氏、どうにかできませんか?
>>629 作者さんに「この後の展開は〜にしてください」とか言うのはマナー違反だと思うぞ?
作者さんも困るだろうしな
>>629 針串刺しの刑やったら下手すりゃシュドナイ死んじまうw(人間形態の時)
このあとでもシュドナイ戦あるかもしれないのに
それでVS愛染兄弟+シュドナイの時の花京院とジョセフは誰と戦うんだろ?
研究のためなら世界のバランスを崩すことや大災禍を起こすことも平然とできる
教授はある意味、チョコ先生より危険な存在
>>632 でも教授とチョコ先生は会ったら互いに意気投合しそうだw
お互い、好奇心のために行動してる訳だし
>>629 そう言えば俺も兄を思っての妹の死を何とも感じず自分の欲望のことしか考えないソラトは
同じく妹を持っていたポルナレフをブチ切れさせて、針串刺しの刑に処せられると
思ってた
でも無冥氏に予定の変更させるほど無理強いはさせたくないな
無冥氏のSSは無茶苦茶面白いし
>>626 >>629 >>634 アハハw
なんかソラト随分嫌われてますねw
(でも言われてみれば確かにポルナレフは怒りそう)
一応この先の展開としては「全ては流れのままに」とだけ申しておきます。
何故なら作者自身もストーリーの展開に全く予測がつかない状況だからです。
一応、シュドナイ戦までの大まかなプロットは出来ているのですが、
実際に書いてみると予定に反して話が違った方向へと流れ出し、
全く別の形になってしまったりするからです。
例をあげますと最近投下した(無駄に長い)「承太郎VSマリアンヌ」ですが
当初の予定では「人形」のままのマリアンヌが『レギュラーシャープ』か
『バブルルート』で承太郎に不意打ちを食らわせるというだけのものだったのですが、
実際は何故かあのようなオリジナル色の強い展開になってしまいました。
なのでこの後のSSの展開は加速した『メイド・イン・ヘブン』の如く
どうなるかは作者自身にも解りません。
なのでアフォ無冥のヘタレSSだと割り切って気長に気楽にお読み下さい。
それでは。
PS 最近では承太郎とシャナとの関係は、下記のゲームに出てくる
レイジとシャオムゥ(最初に出てくる2人ね)みたいな関係が良いかなぁ
等と漠然と考えております。
(実はこのゲームにハマっててSS書くのが遅れうあなにを(ry)
↓
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm755793
無冥氏いつも乙です
>>635 無冥氏……出しゃばっちゃ駄目だよ。
637みたいな奴だっているんだからさ。
でも、俺は応援してますよ。
シェリーの事もあるし、ソラトを処刑するのはポルがベストかめ分からんね
でもそうするとシャナの出番が無くなるから・・・
そうだ!
もういっその事愛染兄弟は出てこなければいいんだ!
そしてシュドナイはホルホースとGガイルのコンビの護衛を
エンヤ婆の要請dうわおまえなにをするやめrヤッダーーバアアアアア!!!
>>635 確かにナムカプはスゲー面白いですねw
マジでナムカプ2でないかなぁ・・・・・・
普通に考えて良作なのに
無冥氏はコテで書き込むたびに自重自重言われてるのに、なんで何も考えないで発言するの?
馬鹿なの?
>>639 無茶しやがって・・・・・・・・(AA略
ええっと久々に着たけどすごいアホが沸いてるでFA?
他人の作品に、口出ししまくるわ盛大にファビョッてるのみたいだな
無冥氏がんば
>>639 予想すんのは自重しとけw
でもシャナ原作のストーリー進行がジョジョ3部とはかけ離れてるだけに、
無冥氏のSSの今後の展開は確かに気になるとこだな
自分としてはバル・マスケがDIOに協力する理由が個人的に一番気になる
@フリアグネみたいに単純にDIOを崇拝してるから
ADIOに協力することで「祭礼の蛇」絡みでバル・マスケにとってメリットがあるから(頼ることは必須ではない)
BDIOに頼らなきゃならないほど組織の運営がまずくなってきているから(頼ることが必須)
個人的には、ベルペオルが謀略大好きなキャラなだけにAを期待したい
あと前の作者の発言からして、DIOはヘカテーにとっての教授みたいなもんになるんだろうか
とにかくwktkして待つのみだ
>>646 バル・マスケが紅世の徒でもスタンドを持てるようにDIOに協力することで『矢』の
ことを教授に研究させる(もちろん教授はスタンドについて興味津々)
そしてザ・ワールドが時の事象に関係する『零時迷子』と何らかの関係を持っているのを知り
さらにDIOが存在の力や宝具のことに興味が湧き、双方に利害の一致が合っての協力とか
っと、妄想自重だな
無冥氏のSS、期待して待ってます
そういえば零時迷子が承太郎の中に入ってるわけでもないから、
フィレスとサブラクの立ち位置もまたシャナ原作とは変わってくるよな
サブラクはDIOに雇われたってことにすればいいけど、フィレスは難しいな。
DIOが零時迷子を求めるってことになれば、承太郎側に協力するって形で参加できるけど。
当たり前だがベルペオルは表面上、DIOに従ってるだけな感じだな
裏では自分の計画のためにDIOを利用してそう
(当然、DIOもベルペオルを信用してない。同じく利用)
フィレスが姐さんやヴィルヘルミナに続いてポルポルに口説かれる様が浮かぶ
>>649 サブラクの卑劣な性格は承太郎の怒りを招きそうだ
しかし原作での異常な耐久力には流石の承太郎も手を焼きそうだが
それ以前に独りでひたすらブツクサしゃべくってるサブラクに「やかましい! うっおとしいぞッ!」だろw
サブラクに関しては原作で初めて出て来た時、あまりのうっおとしさにドン引きしたよ
黙ってればかっこいいのにさ
全部あの独り語りで損してると思うんだ
あと思い付いたのが、いっそのことヨーハンが存命していてもいいんじゃないかってこと
無理にジョジョキャラに零時迷子を絡めるのも厄介だろうから、
現在進行形でヨーハンとフィレスを追っ掛けてるサブラクに承り一行が巻き込まれるとか、
その後利害関係の一致で承り一行にヨーハンとフィレスがときどき協力するとか
そういうのもアリだと思うんだよ
フィレスを口説いてヨーハンにボコされるポルポル君
>>653 >独りでひたすらブツクサしゃべくってる
ジョジョの敵キャラにぴったりの性格だな。
>>655 ジョジョの敵は聞いてもいないのにベラベラと自分のスタンド能力を自慢しながら
説明してくれるからな・・・・・・
ヴィルヘルミナが聞いたら呆れそうだ
まあそれほど自分の能力に自身を持ってる証拠だけどな
そしてそのほとんどの敵が自分の能力の自惚れと油断等でやられていくのが
ジョジョキャラの宿命
>>656 アレは読者向けの台詞だろ。荒木は状況説明もキャラの台詞でやったりするし。
まあリゾットとかは自惚れといわれてもしょうがないが。DIO戦じゃ能力不明のまま一人死んだし。
最近は全く喋らないから困る
特に六部あたりから
小説とマンガの違いもあるし、説明台詞もまあ仕方がない。
SBRではリアル路線に入ったのか、能力にあまり説明付けないからどういう能力だかいまいちはっきりしない。
鉄や爆弾のスタンドなんか名前すらわからずじまい。いつかわかる日がくるんだろうか。
>>657 リゾットとか初登場のあのポーズからして相当な自信家というかナルシストだろう
実際スタンド能力も五部では五本の指に入るしさ
まあだからこそ「さて・・・これからオレはどうするべきかな・・・」とかブツブツ言っちゃうわけだが
とにかくリゾットは、最もサブラクに近いタイプかも知れんな
お待たせしました。
続きです。
ちょっと長いので援護出来る方いましたらよろしく。
では。どうぞ。
(注:シャナ「原作」重視の方は読まない方が良いかも)
↓
*STARDUST¢FLAMEHAZE*
←REPLAYッッ!!
「でやああああああああああぁぁぁぁぁぁぁッッ!!」
紅い弾丸のような突貫の圧力で巻き起こる気流に黒衣を靡かせながら
空間を疾駆するシャナ。
そして大上段に構えた戦慄の美を流す白刃が唸りをあげて、
サムシング・ブルーのウェディングドレスをその身に纏った一体の武装燐子の
頭蓋に向けて振り降ろされる。
ギィィィィンッッ!!
「!!」
しかし、今度呼び出された武装燐子は先程のものをより強力に
改造(カスタマイズ)したモノだったようだ。
高速で繰り出されるシャナの斬撃に反応した。
大刀と細剣(サーベル)とがブツかり合い金属の軋る音が空間に鳴り響く。
だが。
「だああああああああああああああああああッッ!!」
即座にシャナは槌落の斬撃を武器破壊の斬撃へと変換し、
全身の膂力を利用して搾力を贄殿遮那の刀身へと捻じ込む。
その影響で強度で劣る燐子の白刃はやがてバラバラに砕け散る。
すぐさまにヴェールを被った無防備のその頭蓋に贄殿遮那の本刃が叩き込まれた。
音もなく斬り裂かれていく燐子の身体内部で斬撃が音速に達した為、
次の刹那衝撃波が巻き起こり真っ二つに両断された燐子が爆風で跡形もなく吹き飛ぶ。
その後で到来した炸裂の破壊音が紅世の王”狩人”フリアグネが言う処の
戦闘組曲第二楽章開幕のベルだった。
大刀を振り下ろしたままの体勢で俯くシャナの背後から、
すぐさまに様々な色彩のウェディング・ドレスを身に纏った燐子7体が一斉に
細剣(サーベル)を振り上げて襲いかかる。
ガギィィィィッッ!!
今度はシャナが背後から襲いかかる無数の武装燐子の斬撃の剣林を、
背を向けたままの姿勢で左手を大刀の峰に押し当てて全て受け止める。
そして。
「ぜえぇぇぇッッ!!」
息吹と共に全身の筋力と更に体内のソレまで使って生み出された、
その小さな躰からは想像もつかない程強烈な灼熱の剣気がシャナの全身と
贄殿遮那の刀身から喚き起こる。
吼えるフレイムヘイズ、炎髪灼眼の討ち手灼熱の剣気を武器を透して
そのクローム樹脂の身体に叩き込まれた武装燐子の群は、
まるで破壊振動波を喰らったかのような衝撃をその身に受け
全て後方に弾き飛ばされた。
すぐさまに後方に向き直ったシャナは、右手の柄頭を基点に大刀を円環状に
回転させ自分の上半身の周囲に遍く無数の剣輪を河面に浮かぶ波紋のように造り出した。
周囲に鋭い剣の旋風が巻き起こり、その動作を警戒した強化型武装燐子達が
二の足を踏む。
その敵に対する威嚇と同時にその回転運動によって生まれた遠心力を
肩と肘とに集束させ、少女は素早く大刀を返して揺らめく炎髪と共に背に流す。
そして執るその構えは左肩をやや前面に押しだし、
後ろ足を斬撃と同時に送り出す古流剣術で言う処の「車の構え」
ソレを己の超人的な身体能力に合わせて特化(カスタマイズ)
したフレイムヘイズ炎髪灼眼の討ち手専用「斬刀術」
「ッッだあぁぁッッ!!」
掛け声と共にシャナは瞬時に己の足下のコンクリートの床を踏み切り、
罅割れたコンクリートに半月状の足痕を残して、背後に弧を描く軌道で
跳ね飛ばされた武装燐子達の脇を彼女(?)達が
地面に着地するより素疾く駆け抜ける。
舞い上がる黒衣。
火の粉を撒く炎髪。
まるでDVDのコマ送りのように不穏な動作一つなく前方に
一時停止したシャナの手の内で、大刀は既に全力で振り切られていた。
その背後で、7体の燐子が疾走った斬閃に斜めに両断され、
空中からその上半身をコンクリートの地面の上に落下させる。
その、余りの疾さに、血の変わりに吹き出す白い火花の
間歇泉までもが一刹那遅れた。
疾風烈迅。断空の穿牙。
『贄殿遮那・火車ノ太刀』
破壊力−A スピード−A 射程距離−B(最大25メートル)
持続力−E 精密動作性−B 成長性−B
大刀を振り下ろしたままの体勢で足を止めたシャナの、
その背後から3体の燐子が一組になって襲いかかる。
そこに
「ッッシィッッ!!」
白い項が微かに露わになる程度に首を動かし、
流し目で燐子を睨め付けたシャナの交差した右手の指の隙間から瞬速で放たれた
紅蓮の刃が、人体の急所に当たる燐子達の喉元と眉間とに突き刺さって、
そして尚その着弾箇所周囲全体を紅く燃え上がらせた。
炎髪の撒く遍く炎気を、指の透き間に収斂させ瞬時に手裏剣状に変化させて
敵の急所に撃ち込む。
穿たれた紅蓮の硝刃は、対象に喰い込んで尚も燃え続け標的を内部から蝕む。
華麗さと凄絶さ、二つの顔を併せ持つ、
フレイムヘイズ炎髪灼眼の討ち手専用、対中間距離用打剣術。
『蓮華(れんか)』
破壊力−C スピード−シャナ次第 射程距離−シャナ次第
持続力−A 精密動作性−シャナ次第 成長性−A
顔面と喉元とを焼かれた燐子3体が、力無くその場に崩れ落ちるより速く、
シャナは躰を90°反転させすでにそこから真横に飛び去っていた。
高速で黒衣をはためかせながら鋭く中空に舞い上がるシャナ。
そして光彩を無くしたその無明の双眸を微かに煌めかせながら、
全身から際限なく湧き上がってくる、未だかつてない力の存在を静かに実感した。
(スゴイ……!理由は解らないけど躰がスゴク軽い……!
それに信じられないくらいよく旋廻(まわ)る……!
「今」ならきっと……!誰にも負けない……!アイツにも……!アノ男にも……!
誰にも……ッッ!!)
その少女の期待に呼応するかのように全身から鳳凰の羽吹雪のように
大量の火の粉が発せられ空間を灼き焦がす。
(今ならきっと……アレが出来る……!一度修得しようとして出来なかったアレが……!)
脳裏に浮かび上がる新しい炎刃のカタチを想い浮かべながら、
シャナは斬撃で開いた隙間から武装燐子の包囲網を抜け出した。
着地と同時に革靴の裏がキュッと微かに鳴る。
そして、その前方から関節を軋ませながら向かってくる、
個々の力では太刀打ち出来ないと判断し人海戦術に撃って出た
武装燐子の大群に向けて口元に微かな笑みを刻み
「無駄よッ!」
凛々しく清廉な声で叫んだ。
「はあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
大刀の腹を真横にして中段に構えた刀身の内に左手を宛って炎気を込め、
更に柄を握る右手からも波長の違う炎気を込める。
やがて贄殿遮那の内部にて相乗作用を起こした炎気が全体に集束していき、
刀身が真紅の火の粉を振り撒きながら焼けた鉄のような朱煉の紅に
染まっていく。
「りゃあああああああああああッッ!!」
叫びと共に大きく振りかぶった深紅の大刀を前方に勢いよく撃ち出すシャナ。
その高速で振り抜かれた刀身から、具現化した紅い斬撃が追進して勢いよく飛び出した。
余波である直線状の火走りをコンクリートの上に吹き上がらせ、
高速射出された実体の在る斬撃の紅い牙が前進してくる
武装燐子達を持っている武器ごと左斜めに寸断し、更にその背後の青いフェンス
までも突き破って彼方へと消える。
掌に集束した炎気の塊を贄殿遮那を通して増大させ、
カマイタチ状に変化させて射出するフレイムヘイズ専用「斬撃術」
斬光裂閃。紅蓮の闘刃。
『贄殿遮那・炎妙ノ太刀』
破壊力−B スピード−B 射程距離−B(最大30m。以降は全ての能力が著しく低下)
持続力−B 精密動作性−B 成長性−B
たったの一撃で十数体の武装燐子達を斬り飛ばしたシャナを懼れた燐子達は
すぐに前進の動きを止めて左右に方向転換を始め、遠距離攻撃を警戒してか
今度は拡散して飛び上がりシャナの頭上から襲いかかった。
上空に広く散開すれば先程の斬撃の威力を分散出来ると判断しての事だった。
しかし、長い戦いの経験で培われた鋭敏な戦闘思考能力を持つ少女は
すぐさまにその事態に対応する。
「馬鹿ねッ!それじゃあわざわざ自分で逃げ場を狭めたのと同じ事よ!」
シャナはそう叫んで大刀を両手で構え高々と頭上に掲げた。
その両の手の平から湧き上がる無数の火の粉を刀身内部に送り込みながら。
「やああああああああぁぁぁぁぁぁぁッッ!!」
喊声と共に贄殿遮那の刀身中央部が赤く発光し、
そして刀身から圧搾された炎塊が弾けて放射線状に全方位に向けて疾駆する。
その張り詰めた鋼線のような赤い光が、上空の重力に縛られた回避不能の燐子
の身体のありとあらゆる箇所に着弾してその全身を貫いた。
その、一発一発の破壊力は低いが、広範囲を一度に攻撃出来る
炎の放射系戦闘自在法。
光塵乱舞。閃華の赤裂。
『贄殿遮那・火足(ひたり)ノ太刀』
破壊力−C スピード−C 射程距離−C(半径15メートル)
持続力−C 精密動作性−C 成長性−A
シャナの周囲、円周上にスクラップとジャンクの残骸が白い火花と共に
五月雨のように舞い落ちる。
その様子を給水塔の上のフリアグネは立ち上がって両腕を組み、
純白の長衣をパールグレーの前髪と共に封絶の放つ気流に靡かせながら
先刻までとはまるで違う引き締めた真剣な表情で見つめていた。
(強い……先程の常用型の量産タイプとは違う
”フレイムヘイズ討滅”を目的に創り上げた私秘蔵の強化型燐子達を
こうもあっさりとはな……)
戦況的に追い込まれたわけではないが、愛着の深い秘蔵のコレクション達が
その価値の解らない第三者に身も蓋もなくバラバラにされていくのを
目の当たりにし、偏狂人形師(カルトモデラー)の誇りが著しく傷つけられた。
(流石はアラストール秘蔵のフレイムヘイズといった処だな……
単純な戦闘能力だけでいえば「彼」を倒した『星の白金』以上、か……?)
フリアグネはその数々の宝具の検分によって研ぎ澄まされた尖鋭な審理眼で
冷静に状況を分析しながらも、そこで初めてその耽美的な美貌を怒りで微かに歪ませた。
その脳裏に一人の人間の姿が過ぎる。
その瞬間フリアグネの引き締められた表情が本人の自覚のないままに
ふと切なげなモノに変化した。
(「君」は……いま……何処かに身を潜めて……
先の戦闘の傷を癒しているのだろう……
敗北の苦悶と屈辱とにその躰と心とを蝕まれながら……)
そう心の中で呟きながらフリアグネはその壮麗なパールグレーの双眸を
静かに閉じる。
(大丈夫だ……何も心配する事はない……安心したまえ……
今回の「戦果」は私と君との共同戦線という事にしよう……
ソレならばあの御方も君を咎めたりはしない筈だ……)
そう心の中でシャナに対する悪意の言葉とはまるで
正反対の純麗な言葉でそう「彼」に告げる。
何百年もの永きに渡り今まで蔑み続けてきた取るに足らない脆弱な存在。
「人間」
その中の、ただ唯一の例外。
己の「友」に。
(大丈夫……すぐに終わらせる……そして……共に還ろう……
完全な「一個」の存在となったマリアンヌと私と一緒に……
唯一全能なるあの方の許へ……!)
そう強く胸に誓い、決意と共に再び見開かれたそのパールグレーの瞳を
鋭く尖らせると眼下で勇敢な闘いを繰り広げたシャナを傲然と見下ろした。
シャナもその視線を真正面から凛と受け止め言葉を返す。
「どうしたの?あまりの事に声も出ない?おまえの大切なお人形達は
もう半分以下になったわ。何か自在法で援護をするなら今の内よ。
次の一合で全滅させるつもりだから」
その紅い無明の双眸でシャナはフリアグネを見据えそして微笑を向ける。
己の勝利を信じて疑わない凛々しき表情で。
「勇猛果敢な事だね。お嬢さん?確かに『戦闘能力だけなら』
君はこの私すらも凌ぐだろう」
「ハッ、まさか此の期に及んで命乞い?聞く気はないけど」
「フッ、コトは君が想っているほどそう単純ではないという事さ。
古来より「戦果」とは「武力」の大きさだけで決するモノではないのだよ」
そう俯いて自嘲気味に微笑み、顔を上げたフリアグネは
「その事実。私が教えて差し上げよう。あの御方の忠実なる僕(しもべ)ッッ!!
紅世の王!この”狩人”フリアグネがな!!」
そう叫んで長衣を翻し鮮烈な声でシャナに宣告する。
「だったらとっととそこから降りて来なさい!
ザコが何匹集まっても私には通用しないわ!」
叫ぶシャナにフリアグネは
「イヤ『その必要はない』」
と静かに告げた。
「…………!?」
意外な応えに瞳を丸くして沈黙するシャナに、次の瞬間フリアグネは
その耽美的な美貌を何よりも邪悪に歪ませた。
まるで己が使える主の空身(うつせみ)であるかのように。
そして。
「何故なら……君は……」
ゾッとするほど静かな声で、フリアグネは冷酷な微笑を浮かべてシャナを見下ろす。
「もう!私の能力で!「始末」されてしまっているのだからッッ!!」
「!!」
そう叫んだフリアグネが邪悪に顔を歪ませたまま纏っていた純白の長衣を素早く
弧を描いて引き放つと同時に、シャナの周囲で無造作に転がっていた夥しい数の
燐子の残骸が蠢き、そして宙に浮かび上がって全方位から襲いかかってきた。
「ッッ!?」
驚愕の事実に、シャナの反応が一瞬遅れる。
ソレが、もう既にして致命的損失。
しかし少女を責めるのは酷というモノであろう。
動く「残骸」の大群は周囲360°全てから微塵の隙間もなくシャナに
嵐のように降り注がれたのだから。
どんな強者も、降り落ちる雨の雫を全て避ける事など絶対に不可能なのだから。
「な!?」
自分が斬り倒した、夥しい数の燐子の手が、足が、胴体が、そして首が、
シャナの黒衣を掴み、或いは接着し、更に首が裾に噛みついてシャナの全身を
覆っていく。
「くぅッ!!ナメるな!!こんなものォォォォッッ!!」
体内の中心部に炎気を集め、一気に爆裂させてまとわりついた
全ての残骸を吹き飛ばそうとシャナは全細胞の力を限界まで引き絞る。
支援?
しかし。
「え!?」
いきなり、シャナの膝の力が抜けてコンクリートの上に力無くコトリと落ちた。
己自身の躰の、その予期せぬ突然の造反にシャナの頭の中は一瞬真っ白になる。
そこに降り注ぐ”狩人”の声。
「フッ……!当然だろう?お嬢さん?ソレだけ途轍もない「力」をペース配分もせず、
セーブもせずに『常時全開放して』動き廻り全力の攻撃を繰り出し続けていれば
力尽きるのは当たり前さ!熱に浮かされて自覚は無いようだがな!」
フリアグネはそう言って勝ち誇った表情でシャナを見下ろす。
「だから!次の私の攻撃を!防ぐことも不可能だッッ!!」
フリアグネが再び弧を描いて純白の長衣の帯撃を滑らかに前方に撃ち出すと
ほぼ同時に、長衣の中の操作系自在法が発動して奇怪な紋様が
シルクの表面に浮かび上がりそして発光した。
ソレと同時に周囲13体の燐子達が武器を投げ出して次々にシャナに群がって
抱きついてくる。
その重量でシャナはコンクリートの地面の上に無理矢理引き吊り倒された。
「あうぅッッ!!」
コンクリートの上に頭を打ちつけられ、ボヤける視界のまま仰向けで
封絶で覆われた空を仰ぐ形なったシャナの視界に無数の燐子の顔があった。
その貌は敬愛するべき主の為にその身すら捧げることを厭わない
狂気の笑みを全てに浮かべていた。
シャナの全身に走る、穢れた、しかし圧倒的な数の力でもって
己の存在を蹂躙される原始的な恐怖。
その先で敗者見下ろすような冷たい視線でシャナを睨め付ける紅世の王
”狩人”フリアグネ。
「どうもありがとう『爆発させやすくしてくれて』」
「!!!」
邪悪そのものの声だった。
しかし、信じ難いほど甘い響きがそこにあった。
そのフリアグネの狂気にギラついた視線を真正面から受け止めながら、
シャナは自分が完全に”狩人”の魔の掌中で踊らされていた事に気づいた。
必要以上にアラストールを侮辱したのも。
そして自分を挑発し続けたのも。
『全ては怒りで我を喪失わさせ、そして力尽きさせる為の「布石」だったのだ』
更に、今自分の内から湧き上がるこの新たな能力(ちから)さえも
この「結果」の為の「伏線」
『自分自身で自分を捕らえる「罠」を自分の周囲にバラ撒いていたのだ』
意気揚々と、得意気に。
微塵の疑いすらも抱くことなく。
最も憎むべき相手の策略を自ら掻き抱いていた。
その残酷な「事実」が優秀な戦士である少女の「誇り」を
一片の容赦も無くズタズタに引き千切る。
そこに間髪いれず紅世の王の言葉が舞い降りた。
「さあぁぁぁッッ!!いまこそ魅せてあげよう!あの御方の忠実なる「暗殺者」!!
この”狩人”フリアグネ最大最強焔儀をッッ!!」
そう言ってその身に纏った純白の長衣が艶めかしく絡み合った両腕を
身体の前で十字型に交差し、その指先に不可思議な自在式印を結んで
清廉に”流式”の構えを執る。
「そして捧げよう!!この「勝利」を偉大なるあの御方にッッ!!」
そう叫ぶフリアグネの右手にいつの間にか神秘的な輝きを放つ
麗美な造りのハンドベルが握られていた。
ソレは、己の使役する燐子を「爆弾」に変えて「自爆」させる事の
出来る能力を持つ背徳の魔鐘。
紅世の宝具『ダンスパーティー』
その能力と己が自在法を結合させて編み出された
「宝具」と”自在法”の高等融合焔術儀。
「くらえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!フレイムヘイズ!!炎髪灼眼ッッ!!」
その”流式”の魔名がフリアグネの耽美的な口唇から高々と発せられる。
魔焔鏖殺。寂滅の煉劾。
”簒奪の流式(ムーヴ)”
『邪裂爆霊傀儡殺(スレイヴィング・エクス・マリオネーション)ッッ!!!!』
破壊力−A(燐子の数により無限に増大) スピード−A
射程距離−A(燐子の数により無限に増大)持続力−A(燐子の数により無限に増大)
精密動作性−A 成長性−A(燐子の数により無限に増大)
「さああああああぁぁぁぁぁぁぁッッ!!弾ッッッけろォォォォォッッ!!!
アアアァァァーーーーーーハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」 」
狂ったように嗤いその全身から纏っている長衣よりも白い
存在のオーラを立ち昇らせながら、フリアグネの交差した腕の右手に
握られたハンドベルが緩やかに空間を流れ、そして清らかな音色がを奏でられる。
その音に同調(シンクロ)するかのように、シャナの身にまとわりついた
残骸と、抱きついてその身を拘束する武装燐子全てが「爆裂」の為に
その身を歪ませて凝縮し始めた。
「むうぅッッ!!イカンッッ!!」
その瞬間、シャナの胸元のアラストールが、深紅に発光する。
その時、シャナは、目の前の事実よりもまるで別の事を考えていた。
”狩人”フリアグネが言った、たった一つ言葉、を。
『弾けろ』
確か、自分が言った言葉だ。
いつ、だったか?
そう、だ。
アノ時、だ。
アノ時、自分が言った、言葉、だ。
誰、に?
そして、その後、どう、なった?
シャナの脳裏に、一人の男の姿が浮かぶ。
その、黄金に輝く、この世の、何よりも、ドス黒い、闇黒の、瞳。
そして。
そし、て……
「ジョ……」
その言葉が口唇から紡ぎ出される前に、シャナの視界が白く染まった。
ヴアァァッッッグゥオオオオオオオオオオオオオォォォォォォッッッッ!!!!!
鼓膜を劈くような大爆裂音。
巻き起こった真空波の影響で校舎の窓ガラスが全階まとめて砕け散る。
そして給水塔の上で静かに佇む殺戮の”狩人”フリアグネの
パールグレーの瞳の眼前で爆破炎蒸する巨大な垂直ドーム状の火柱。
その激しく渦巻く白い爆炎の中心部に浮かび上がる、
コートを纏った制服姿の少女のシルエット。
そのスパークする爆炎光に全身を白く染められながら
「REQUIEM……FINALE……(討滅完了)」
己の仕える主譲りの、まるで悪の華のように危険な微笑みを浮かべた口唇を
フリアグネは純白の長衣で静かに覆いながら呟いた。
←PAUSEッッ!!
*STARDUST¢FLAMEHAZE*
ここまでッス。
ハイ、皆まで言わずとも解ります。
「原作」と全然違いますね。
シャナはこんな「技」使いませんね。
フリアグネもこんな「術」は使いませんね。
オマケにまたシャナがやられてしまいましたね。
しかも無冥が(勝手に)造った厨能力で。
でもあんまりあっさりシャナが勝っちゃっても面白くないと想うので
どうか御容赦下さい。
それだけDIO様やフリアグネが強いという事で。
仮にも何百年にも渡って幾多のフレイムヘイズを相手に勝利してきた”王”ですからね。
幾らシャナが強くてもそう一筋縄ではいかない相手だという事で(亀の甲より年の功)
それではまた。
(でもまさか、ホントに死んでないよね?シャナ)←おまえが「爆破」したんだろッ!
GJ!
今回も楽しく読ませていただきました。
実際フリアグネは近代では五指に入るほど強い"王"らしいから、これでいいと思う。
無冥氏乙です!
やっぱりフリアグネ強いですねw
原作でフリアグネは実力のほとんどを発揮できず死んでしまったからな・・・・・・
無冥氏のSSでその真の実力を遺憾なく発揮してほしいな
SS内でフリアグネが言ってる「君」は花京院のことかな?
花京院が承太郎側に居ることを知ったらフリアグネ切れるなw
フリアグネ「ゆるさんッ!君は今ッ!
私の心を『裏切った』ッ!」
GJです!!いやぁフリアグネも、ぃ〜い具合にジョジョ色に染まってきましたねwww
劇場版シャナの『赤い涙』を聞きながら今回のSS見たら切なくなってきた・・・・・・
ともあれ無冥氏GJです!
皆さん応援ありがとうございます。
それではレスを返していこうと想います。
(礼儀、礼儀、あくまで礼儀。決して無冥が雑談したいわけではうあry)
>>679 ほほぉ、フッ君(失礼)そんなに強かったんですか?
承太郎や花京院と戦ったらどっちが勝つんでしょうね?
>>680 強いですねェ(しみじみ)
流石、見た目が渚 カヲルに似てるだけの事は在うあなにを(ry
>>681 そうですね。随分アラストールにあっさりやられちゃいましたからねw
マリアンヌが自分にとってどれだけ大事な存在だったかもう少し詳しく
語って欲しかったです。
今回のSSはフリアグネ好きの俺にとってサービス満点だったなw
無冥氏感謝します!
>>ほほぉ、フッ君(失礼)そんなに強かったんですか?
確か二巻で、現代では相当厄介な王だの何だのとマルコシアスが言ってたよ
まあそれはさておき、シャナ完全敗北っぽいな
原作でシャナがこっぴどくやられるのはvsマージョリーが初めてだった気がするけど、
ここでそれをやるってのは何かの伏線なんだろうか
この後の承太郎の逆襲が恐ろしいことになりそうだw
フリアグネの『顔面変形フラグ』が立ったw
でもフリアグネの都喰らいを阻止する役はシャナにやって欲しい俺
トリガーハッピーを潰すかダンスパーティを潰すかの二者択一を即決したあのシーンはシャナにとって大事な見せ場だからさ
承太郎が無意識の時止めに目覚めてシャナを撃とうとするフリアグネの腕を潰す
>>692 見せ場を失ったアラストール涙目wwwww
承太郎がトリガーハッピーの銃口を向けられたらある意味危険
承太郎は弾丸などの飛び道具は大抵スタプラで摘んだり、弾いたりするから
トリガーハッピーの弾丸が無い事に気づかず、射線上にいると必ず食らってしまう
トリガーハッピーってフレイムヘイズにしかきかないんじゃなかったか?
>>695 人間が食らったら「存在の力」を奪われるんだったはず。
連続で食らい続けると消滅してしまうかもしれない。
虫食いのラットの時みたいになるのかな?
698 :
マロン名無しさん :2007/09/05(水) 12:27:02 ID:/nzMISHa
下がってるな。
保守のついでにageとこう。
無冥氏ガンバ。
保守
>>693 宝具の効果がはっきり判らないうちは本体もスタンドも射線上から避けてるだろうよ。
>>696 人間に使った場合の結果はどこで明言されてるんだ?
原作ではないし、単行本化してないエピソードとか?
>>700 俺の知る限りでは、原作にそんな設定は無い。
あれは、あくまで対フレイムヘイズ用の宝具であってフレイムヘイズ以外に効果は無いはず。
でも、スタンド又はスタンド使いに対しては効果があるという設定にすれば無問題。
>>700の一つ目のアンカーは、
>>694だから訂正したい。
>>701 戦闘用宝具はほぼ全てが“紅世の徒”か、フレイムヘイズが対象だし。ごく稀にしか居ないスタンド使いにも効果有りはちっとやりすぎじゃないか?
トリガーハッピーの効果対象を広げるよりは、フリアグネが考案中の対スタンド使い専用の宝具か自在式を急遽投入したとした方が回収はし易いかな。
無冥氏を初め書き手の方々次第だけど。
んでこの案を採用される奇特な方が居るならなら原案を一つ出してみるが、
基本原理が判れば比較的簡単な領域内封殺系が実用的だと思うがどうだ?
>>700>>701 アニメ版で悠二がフリアグネに撃たれて存在の力を奪われて存在していられる時間が
短くされていた
でも零時迷子でノープロブレムだったけど
>>703 それなら俺も観たが撃たれたんでなく、フリアグネ自身にすぐに消滅しない程度に力を奪われたからでなかったか?
マリアンヌの仇討ちとかで、悠二の存在の力を奪って起動したトリガーハッピーでシャナを殺すと悠二に言っていたような気がするし。
悠二が胸を押さえてたのは命を削られるような悪寒に襲われていたからだろ。
変わって大本の話になるが、ここの二次創作に出る『力』は二種類。
活性化した生命力から生まれる『波紋』、更に強靭な精神力との融合で生まれる能力『スタンド』。
対して、現世側に属するあらゆる者と物が当たり前のように持つ『存在の力』。
いうなれば『命の可能性』と『総ての根元』という所か。
これらは近しいようだが「似てるモノ」は「永遠に別物」とも言い換えられ、故に紅世の住人とスタンド使いの力も根本から別物。
躯が二つに物理的手段で亡き別れとかなら設定広げてもいいが、確定した原理に添う限定的一撃必殺が似て非なるモノにも使える、とするならもうそれはフレキシブルじゃなく駄目な御都合主義でしかなくなる。
長くなったがトリガーハッピーはスタンド使いにゃ効果ない方がいいってことを言いたいだけなんだが
単純にスタンドが徒に効くなら、徒の攻撃も人間に効くで良いじゃん
これだから原作を読まない奴は
トリガーハッピーはフレイムヘイズが内包する紅世の王を強制的に顕現させる道具
でも大概のフレイムヘイズは紅世の王が顕現するための器として不十分なので顕現の状態を維持できない
なのでトリガーハッピーで撃たれたフレイムヘイズは紅世の王の強大な存在の力のために内側から爆散
顕現した紅世の王も顕現状態を維持するための存在の力が無いのですぐに紅世に帰るしかない
多少うろ覚えだけど、こういう流れがあるから
トリガーハッピーはフレイムヘイズに対しては一撃必殺の武器になり得たんだよ
つまりフレイムヘイズキラーってことか
フレイムヘイズ殺しがこの系統の宝具に対する総称だ。
ドラゴンキラーのノリで名付けないでくれ。
保守
711 :
マロン名無しさん:2007/09/14(金) 02:01:47 ID:WCd5rIut
保守
お待たせしました。
続きで御座います。
↓
*STARDUST¢FLAMEHAZE*
← REPLAYッッ!!
「さぁ?お祈りの時間だぜ?マリアンヌ」
鋭く構えた逆水平の指先で自分を指差し、やや気怠げな視線と口調で
承太郎の端整な口唇から零れた甘い声がマリアンヌの清らかで艶やかな躰に
恐怖と陶酔との入り交じった異質な体感を駆け巡らせる。
(ま、まだ、何か手があるはず、高速接近してくる『星の白金』に
巧く”バブルルート”を合わせられれば!「金貨」の状態で指先から弾けば死角から
”星躔琉撃”「本体」攻撃出来る!)
「せめて苦しまねぇように、一瞬で終わらせてやる、ぜ」
承太郎の甘い言葉と共に白金に煌めく「幽波紋光(スタンドパワー)」が
スタープラチナの右手に集束していく。
(勝負は、一瞬よ!マリアンヌ!)
そう強く己を鼓舞してマリアンヌは交差手法(カウンター)に備えて
長衣(ストール)を前方に突き出しやや前傾姿勢の構えを執る。
だが、このとき、マリアンヌは目の前の承太郎に意識が
集中し過ぎていた為に気がついていなかった。
その白金に煌めく「幽波紋光(スタンドパワー)」が、スタープラチナの
『ケリ足であるスタンド右脚部にも同時に集束していた事を』
そして。
次の瞬間。
目の前の「スタンド」スタープラチナは「本体」である空条 承太郎と共に
音もなく目の前から消えていた。
「ッッッッッッッッッッラァァァァァァァァァァァッッッッ!!!!」
「!?」
気づいたのはその声の「後」だった。
自分の視線の遙か先、20メートル辺りの部分で砕けたリノリウムの破片が
中空に舞っていた。
そして、マリアンヌの、その可憐な見かけと細身の躰にはやや不釣り合いな、
美しい造形のふくよかな左胸に半透明のスタープラチナの右拳の寸撃が
いつのまにか叩き込まれていた。
防御と回避を犠牲にし、代わりに攻撃力とスピードを極限まで
高めた必殺のスタンド攻撃。
強靱無双。戦慄の轟撃。
流星の流法(モード)
『流星弾轟衝(スターブレイカー)』
流法者名−空条 承太郎
破壊力−A スピード−A 射程距離−B(最大25メートル)
持続力−D 精密動作性−B 成長性−A
「あっ……」
痛みも衝撃もまるで感じず、まるで一切の「過程」を消し飛ばして
「結果」だけがいきなりマリアンヌの目の前に現れたようだった。
貫通はさせずに、その驀進拳撃の威力が全てマリアンヌの躰内部に叩き込まれた為、
内部で夥しい数の破壊衝撃波が波紋を引き起こし滅砕振動波と化した
攻撃エネルギーがマリアンヌの躰を微塵の隈もなく音速で駆け巡る。
まるで全身の血液が沸騰したかのような異常な感覚。
そして高圧電流が全身を駆け廻るような強烈な体感。
その二つの衝撃が声を上げる間もなくマリアンヌの全身で激しく渦巻く。
そして、次の刹那、マリアンヌの躰はそのダメージにより存在の形を
維持出来なくなったのか、白い人型の炎の塊と化しまるで宵闇前の夜霧のように
空間へ霧散した。
残された純白の長衣(ストール)が宙に靡き、一枚の金貨がリノリウムの床の上に
落ちて澄んだ音を立てる。
「フッ……やっぱ ”ハリボテ” かよ?」
初めからその全てを見越していた承太郎は口元に微笑を浮かべて
己の推理の正しさを静かに実感する。
「くぅッッ!!」
霧散する白炎に紛れて本当に悔しそうな声を上げて、宙に浮いた一体の人形が
空間をバランスを崩した軌道で飛び出した。
そこに。
「おっと!」
白炎の中、自分の死角からからいきなり伸びてきた、
鍛え抜かれ引き絞られた「人間」の腕がマリアンヌのフェルトの躰を
素早い手捌きで掴んだ。
「な!?」
予想外の事態にマリアンヌは驚愕の声をあげる。
「この空条 承太郎に、同じ手が二度通用するなんて思い上がるのは、
十年早いンじゃあねーか?マリアンヌ?」
口元に仄かな微笑を浮かべて、承太郎は手の中のマリアンヌの顔を
怜悧なライトグリーンの双眸で覗き込む。
「こ、この!離しなさい!空条 承太郎!」
「フッ……!」
承太郎の手の中でマリアンヌは抗議の声を上げる。
口調と声色は変わっていないが、何分見た目がさっきとはうって変わって
随分可愛らしくなっているので意図せずに承太郎口から笑みが漏れた。
「わりーがソレは出来ねー相談だな。このままオメーを連れて屋上に行き、
それをダシにオメーのご主人様とやらには無条件降伏と洒落込ませてもらうぜ 」
「な!?」
再びマリアンヌはその愛くるしい表情は変えないままで驚愕の声をあげる。
「あんまり気が進まねー手だが、他の生徒やセンコー共の生命には代えられねぇんでな。
ま、仕方ねぇ。堪えてくれ」
承太郎はその怜悧な美貌に少しだけ邪な笑みを口唇に浮かべ、マリアンヌにそう告げる。
「ひ、卑怯よ!星躔琉撃!男なら正々堂々私のご主人様と勝負なさい!」
激高したマリアンヌがその(本当に)小さな躰を動かしながら承太郎の
手の中で抗議の声をあげる。
「ハッ、紅世の徒(テメーら)にだけは死んでも言われたくねぇ台詞だな」
事実上、もうこの戦いは「結末」を迎えたも同然なので、
やや気分が弛緩した承太郎は左手で制服の内ポケットから煙草を取り出し
口唇の端に銜える。
「まぁ安心しな。別に命までは取らねーよ。その代わりメキシコに在る
SPW財団秘匿の地下隔離施設で一生「柱の男」と仲良く暮らして貰うがな。
人間じゃあねぇ紅世の徒(テメーら)に人間の法律は通用しねぇし、
かといって黙って放置しとくにゃ危険過ぎる存在だぜ。紅世の徒(テメーら)はよ 」
傅いたスタープラチナにライターで煙草に火を点けてもらいながら承太郎は
手の中のマリアンヌに銜え煙草で静かにそう告げる。
「その紅世の徒とやらも”アラストール”みてぇなヤツばっかなら話もラクなんだがよ、
ホントにままならねーモンだぜ。現実ってヤツはよ」
「……い……一体……な……何を……言ってるの……かし……ら……?
アナタ……解らない……わ……」
その大きな赤いリボンのついた背に流れるチャコールブラウンの毛糸の髪に、
艶のある大粒の冷や汗の珠を一つ浮かべ、余りにも想定外の事実を承太郎から
告げられたマリアンヌ頭の中は主の操る炎以上に真っ白になる。
いきなり押し黙ってしまったマリアンヌに、このままでは ”ご主人様” との
「取引」が円滑に進まなくなると想った承太郎は
「よぉ?どうした?起きてッか?マリアンヌ?」
人形を掴んだ右手を軽く揺すってみる。
その承太郎の呼びかけにハッ、と我を取り戻したマリアンヌは
「こ、この!離せ!離せ!エイ!エイ!」
手のない肌色フェルトの腕で薄く血管の浮いた承太郎の右手を
ポカスカやり始めるが、無論象と蟻の戦力差なのでまるでお話にもならない。
「この!卑怯者!離せ!離せ!離せェェェッ!」
「あぁ〜あ、うるせぇうるせぇうるせぇ 」
この2日間、野別幕なしで本当に「うるさい」ほど散々聞かされた為に
いつのまにか移ってしまった「誰か」の口癖でボヤきながら
承太郎は学帽の鍔を正し屋上に向けて歩き出した。
その彼の脳裏でその張本人は「なによッ」という表情でムクれていた。
その刹那。
清らかな鐘の音色が空間を流れた。
次の瞬間。
いきなり周囲に散乱していた武装燐子達の残骸が次々に膨張して膨れあがり
承太郎の周囲で無数の爆発が巻き起こった。
ズッッッッッッッッッッガァァァァァァァァァァァァァッッッッ!!!!
「ッッ!!?」
同時に頭上から途轍もない大音響の爆裂音が鳴り響き、衝撃の伝播で
頭上の蛍光灯が次々に割れて周囲にガラスの豪雨が降り注ぐ。
更に破壊の轟音と白い爆炎の嵐で承太郎の周囲30メートルは
瞬く間に純白の白炎が司る破壊と頽廃の地獄と化した。
「チィッ!」
咄嗟にスタンドを出現させて、反射的に足下の床を爆砕させて踏み抜き、
ソレによって生まれた運動エネルギーによってスタンドと共に防御体勢を
執ったまま学ランの裾を靡かせて素早く後方へと飛び巣去り白炎の爆破圏内から
脱出を図る承太郎。
「クッ!」
しかし、その規模が余りにも巨大過ぎた為その行動は直撃を避けるだけに
終わり、結果激しい爆破衝撃と爆風、さらに爆砕の余波によって承太郎は
スタープラチナと共に大きく上空へと弾き飛ばされ、天井の板をその身で打ち砕き
更にその内部に組み込まれていた鉄筋に背からブチ当たってようやく
その直線軌道を変え、着弾軌道に対して直角の降下軌道を描きながら
勢いよくリノリウムの床の上に大の字の体勢で仰向けに叩きつけられた。
「がはぁッッ!!」
全身を劈くほどの落下衝撃。
気が緩んでいた時に突如到来した想定外の惨劇に、
さしもの承太郎の口からも苦悶の叫びが生温い鮮血と共に
吐き出される。
「ぐっ……うぅ……な……何……だ……?今の……爆弾みてぇな……
モノ凄ぇ能力は……!」
血の伝う側頭部を右手で押さえ、グラつく視界を精神の力で強引に
繋ぎ直しながら承太郎はよろよろと身を起こす。
その表情は不意打ちを喰った事に対する己への戒めと、
大事な愛用の学ランがボロボロにされた事に対する両方の怒りで歪んでいる。
(クソッタレが……ッ!アバラが何本かイッちまったかもしれねぇ……!
オマケに大事な制服もズタボロにしてくれやがって……!
やってくれたな……! ”ご主人様” よ……ッッ!)
その周囲は先刻の大爆発現象の余韻である、白い炎があちこちで燃え上がり
通常の物理法則を無視して至る処に類焼していた。
(マリアンヌの仕業じゃあねぇ。もしこんな芸当が出来るンなら
さっきとっくに使ってた筈だ。コレがそのご主人様とか抜かす紅世の徒
”フリアグネ”というヤツの真の能力か?確かに花京院のスタンド能力
『エメラルド・スプラッシュ』と較べてもまるで引けを取らねぇ、
恐ッそろしい能力だぜ)
心の中で先刻の能力の解析を終えた承太郎は、裂傷によって口内に
溜まった大量の血をリノリウムの床の上に吐き捨てる。
ビシャッッ!と白い封絶の光で染められた廊下が、
無頼の美貌をその身に携える貴公子の鮮血で染まった。
「ッッマリアンヌ!?」
承太郎は咄嗟に自分の右手に視線を送った。
先程しっかりと握っていたはずの肌色フェルト人形が、
いつのまにか手の中から消えていた。
突然の爆破衝撃で思わず離してしまったのだろうか?
だとしたらあの白炎の業火が渦巻く焦熱地獄の中に放り出してしまった事になる。
寒気に似た体感が承太郎の背に走った。
「クッ……マズったか……!命まで取る気はなかったんだがな……
しかし……いくら敵とはいえその相手を味方もろとも始末しようなんざぁ
とんでもねぇ下衆ヤローだな……!そのフリアグネとかいうヤローはよ……!」
憎むべき敵とはいえ、正々堂々と勝負を挑んできた
そのマリアンヌの悲劇的な最後に対し承太郎は苦々しく歯を軋らせる。
「敵は取ってやるぜ。マリアンヌ……!」
そう強く心に誓い胸の前で強く拳を握った承太郎の前方から
「私のご主人様を悪く言わないでッッ!!それと勝手に殺さないでッッ!!」
聞き慣れた清廉な声が返ってきた。
『誰もいない空間から』
そして、その何もない空間にいきなり純白の長衣(ストール)が弧を翻らせて
出現し、その中から人形姿のマリアンヌが口元を笑みの形で曲げたまま顔を出した。
「私は無事よ!掠り傷一つ負ってない!ご主人様が現在お持ちの最大「宝具」
”ダンスパーティー”を発動された時には
『最優先で強力な防御型自在法を発動させて私の身を護るように』
”ホワイトブレス”に操作系自在法を編み込んで下されていたの!
この戦いが始まるよりもずっと前からね!」
そう叫んで必至に己が主の名誉を弁解するマリアンヌ。
「それに大体今の爆発はアナタを狙ったモノじゃないッ!
だからご主人様が私を巻き込んでアナタを討滅するなんて事自体がありえないのよッ!」
目の前で愛狂しいその表情を崩さないまま、まるで最愛の恋人を侮辱でも
されたかのようにヒステリックな口調で自分に怒鳴り続ける喋る人形。
その彼女(?)無事な姿に承太郎は複雑な感情を抱きながらも
己が疑問をマリアンヌに投げかけた。
「今のが、オレを狙った遠隔能力じゃあねぇとするなら、一体何だってんだ?
もしかしてシャナのヤツがもうオメーのご主人様をヤっちまったのか?」
「縁起でもない事言わないで!今のはおそらく炎髪灼眼に向けて放った
ご主人様最大焔儀に対する単なる余波よッ!」
「何ッ!?」
心に走った衝撃により頭蓋へのダメージで鈍っていた思考回路がようやく
その機能を回復し始める。
そうだ。
何故「その事」を考えなかった?
先程、マリアンヌに問いかけた疑問とは「逆」の事実を。
「ッッ!!」
その、あまりに強烈過ぎる存在感から心理の盲点になっていたのか?
いくら強力な戦闘能力をその身に宿していたとしても、
まだ年端もいかない「少女」である事には変わりがないのに。
「覚えておきなさい!星躔琉撃!アナタなんか!アナタなんか!
私のご主人様には!「絶対」に敵わないんだからァァァァァッッ!!」
涙ぐんだ声で強烈な捨て台詞を残しながらマリアンヌは中身が空になった
”ホワイトブレス”を宙に残し、まるで妖精のように白い燐光を
靡かせながら割れた窓ガラスの隙間から外に飛び出して上へと消えていった。
大事な人質にまんまと逃げられてしまったが、承太郎の思考はいま
「そんな事」とはまるで別の方向、否、正確には脳裏を駆け巡った衝撃に
より再び思考停止状態に陥っていた。
そして、耳障りなほどに激しく脈打つ心臓の鼓動音と共に、
ゆっくりと一つの言葉が甦ってくる。
”フリアグネの必勝の秘密は彼の持っている「銃」にある ”
先刻の花京院の言葉。
”その銃で撃たれた”フレイムヘイズ”は全身が己の炎に包まれて灰燼と化すらしい”
今のが、その銃に装填された弾丸がシャナに着弾した結果起こった現象なのだろうか?
それとも、仲間であった花京院ですら知らない全く別の能力。
何れにしても、あの「爆発」の後では、余波ですらあの凄まじいまでの破壊力を
引き起こす能力の「直撃」を受けてしまっては。
もう。
もう……
最悪の事象が、静かに、承太郎の頭の中で形造られていく。
しかし、彼の意識は、頑強にその形成に叛逆した。
そんな筈は……ない……
そんな筈はない!
今朝まで、否、ついさっきまで自分の傍にいてやかましく騒いでいたのだ。
まだ年端もいかないその小さな身には不釣り合いな、
凛々しい瞳と腰の下まである艶やかな黒髪をその身に携えた
”フレイムヘイズ”の少女、が。
この世ならざる空間 ”封絶”
その中で今日まで勇敢に戦い続け、数多くの人間の生命を護ってきた紅い髪と瞳の少女。
誰に称えられる事なく、誉められる事もなく。
人外の怪物達を相手に文字通り傷だらけ、そして血塗れで闘ってきた筈の少女。
何れその命尽きる時も、誰に知られる事もなく戦場の荒野で散っていく事のみを
定められた悲憐の存在。
その事自体に自分が言うべき事は何もない。
その事はきっと、少女自身が決めた事の筈だから。
少女が自分自身が選び取った「戦場」の筈だから。
その事に自分が言える事はなにもない。
だが。
しかし。
そんな戦の申し子のような暮らしを続ける修羅の少女にも、
微かではあるがようやく「救い」が訪れる筈だったのだ。
戦い続ける運命(さだめ)は変わらないだろう。
これからも彼女は戦場で血を流し続けるのだろう。
でも、そんな少女にもようやく『帰るべき場所』が出来る筈だったのだ。
心も躰も傷だらけでも、その身を癒す場所とその身を労ってくれる者が居る処、
「家族」の居る場所が。
ようやく。
ようやく。
自分の祖父 ” ジョセフ・ジョースター ”との出逢いによって。
闘う以外、何も知らない少女。
本来闘いには向かない「女」であるのに自ら”フレイムヘイズ”という過酷な
道を選んだ少女。
でも、ようやく、これから始まる筈だったのだ。
少女の。
シャナの。
”人” としての「生」が。
それが。
それ、が。
こんな。
こんな死に方。
在り得る筈がない。
在って良い筈が、ない!
『何人もの人間の生命を救っておきながら
自分自身は最後の最後まで救われない結末など!』
「シャ……ナ……」
承太郎の震える口唇から意図せずに少女の名が漏れる。
その脳裏に過ぎる黒衣を纏った紅蓮の姿。
そう。
少女には、祖父と出逢うまで「名前」すら無かったのだ。
「シャナァァァァァァァァァァァァァァッッッッ!!!!」
白い封絶で覆われた空間に承太郎の彼女の名を呼ぶ絶叫が響き渡った。
しかし。
還ってきたのは、残酷な、
静寂のみだった。
←PAUSEッッ!!
*STARDUST¢FLAMEHAZE*
ここまでです。
取りあえずここで一回切ります。
実は今回で【CHAPTER#18】終わらせる予定だったんですが、
この後が無冥の当初の予測に反して暴走してカオスってますので
ほぼ9割方書けているのですが、もう少し推敲を繰り返そうと決意しました。
(量も一回の投下じゃ持たない位ありますし)
一応、原作のシャナ一巻の内容をベースにはしておりますが、
その実体は「原作」とはまるで別モノと言って良いほど違います。
例えるなら、
『3部の承太郎の序盤と終盤のキャラデザッッ!!』
『劇場版新エヴァンゲリヲンのラミエル戦ッッ!!』
『SOUL'd OUTの新曲”MEGALOPOLIS PATORL”のCD版とDVD版ッッ!!』
という位違います。
以上の事を踏まえどうか興味の在る方だけお読み下さい。
(原作重視の方は不快になるだけの内容だと想いますので。
アラストールも(現時点でのプロットでは)顕現しません)
続きはなるべく早く、一週間或いは10日を目安にお待ち下さい。
(無論、ドアフォ無冥が書いてるので予定をオーバーする可能性は多分に御座います)
それでは。
GJ
アラストール涙目wwwwww
そして未だに姿の見えない花京院が気になって仕方がない
無冥氏乙!
そして『スターブレイカー』キターーーーーーーーー(゚∀゚)!!!
>>722の文章がとても心に響いた・・・・・・
無冥氏のSSはやっぱスゲーわ・・・・・・・・・
GJ!
もうフリアグネへのオラオラが楽しみのあまり待ちきれないっすよ。
それ以上にポルナレフの登場をマッククイーンの真似しながら待ってます。
乙!!
ついに承太郎プッツンか
フリアグネもマリアンヌの事でプッツンしそうだけど
プッツン承太郎
VS
プッツンフリアグネ
になるのかな?
何にしても続きが楽しみだ
サンタナと一緒で永遠に閉じ込められるマリアンヌ・・・・・・・
GJ!
アラストール唯一の見せ場カットですかwww
個人的には入れてあげて欲しいけど、とにかく続き待ってます。
無冥氏GJです
承太郎の手の中で暴れるマリアンヌに萌えwww
まさか花京院が出てこないのは燐子100体以上と戦ってる最中にフリアグネの
『スレイビィング・エクス・マリオネーション』で反応した燐子100体以上の爆破に巻き込まれて爆死したから
なんてことは・・・・・ハハハ・・・・無いよね?・・・・・無冥氏・・・・・・・・
住人の皆様応援レス感謝致します。
では幾つか掻い摘んでレスを返したいと想います。
(コレが愉しみでSS書いてるようなモノですwイヤ、ホント)
>>725 アハハ。
まぁアラストールはコレ以降に活躍してもらうという処でw
大人の器で今回は若い者に見せ場を譲って戴きましょうw
あと花京院は今、一階で燐子達を相手に孤軍奮闘している筈です。
彼も承太郎もシャナもケータイは持ってないでしょうから、連絡取れないん
でしょうね。
>>726 流法(モード)はこれからもたくさん出していこうと想っています。
無冥自身がそういうの大好きなものでw
でも花京院とポルナレフのスタンドの概念からすると、
「法皇」の流法(モード)とか「戦車」の流法(モード)になるんですかね?
ちと微妙な気もしますが……
>>727 そうですか。
ソレは良かった。(ホントに)
こーゆーシーンはスベったらただイタイだけの描写になりますからね。
小説を書いてて一番怖くて難しい処です。
最初は感動できてても何度も何度も修正、推敲を繰り返してるうちに
感覚が麻痺しちゃって何が良いか悪いか判断出来なくってきますからね。
>>728 あぁ〜、ソコなんですがねぇ……
無冥も最初は彼(フリアグネ)は承太郎にフルボッコにさせる
予定だったンですが……
何か、書いてる内に、その、「好き」になっちゃいましてw
(アノ性格の「邪悪」さは何かどうしても他人の気がしない……)
出来れば……
こ、殺したくなぁーーーーーーーいッッ!! (ノД`)・゜・。
でも無冥がトチ狂って「仲間」にでもしたら絶対話が破綻する事は
解ってるので(しかも絶対「今」より弱くなる)断腸の想いで
華々しく散らしてあげようと想っています。
>>729 プッツン、というよりは純粋にシャナの事が心配なんでしょうね。
空条クンはあぁ見えて結構フェミニストですからw
>>732 アハハw
ソコは私も自分で書いて自分で萌えてましたw←(ドアフォと呼ばれる所以)
マリアンヌは書いててかなり楽しかったですねw
「ホントにご主人様想いの良い子だなぁ〜」と。
「人型」も「人形」も両方私は好きです。
>>733 アハハw
多分大丈夫だと想いますよ。
あくまで「標的」が「シャナ」だったので射程距離はそんなに伸びない
と想いますし。効果が二階までイっちゃったのは、
つい勢い余っちゃったんでしょうねw
格闘技なんかだと最大の威力が出る技は、余程の力の差がないかぎり
クリーン・ヒットはしませんから。ソレに滅多に使わない「術」だから
フッ君もテンション上がってたんでしょうねw
あとフッ君の最大焔儀がDIO様の流法(モード)と
名前が似てるのはソレだけ彼がDIO様をリスペクトしてるという証です。
(解りにくいですけどw)
それでは次の投下でまたお逢いしましょう。
(たまに名無しで雑談に参加してるかもしれませんが)
では。
無冥氏乙だぜ
そういや無冥さん。
仮装舞踏会の『三柱臣』とDIO様の関係については一応言っていたけど盟主についてはどうなのよ。
まさか、どこぞの背番号がごとく永久欠番か、DIO様が新たな盟主、とか言うのか?
>>738 バル・マスケそのものがDIOの配下になったんだからDIOが新盟主になることは無いんじゃない?
あと盟主の正体についてはシャナ原作ですらまだよく明らかになってないんだし
>>739 確かに正体不明な所が多いからこれを聞いたのは早計か。
でも盟主はDIO様と対等な立場だとしか思えないんだ。
盟主は絶対勝てないからDIOの軍門に下ったというより。
自身の望みを叶える近道になるからあえて配下となった。
DIOが障害となるならば即刻[仮装舞踏会]は離反、ていう気がするし。
741 :
マロン名無しさん:2007/09/19(水) 12:19:03 ID:NuyRfNV6
なんか見てたら投下したくなってきた
とりあえずオープニングだけ投下
続きは明日
(シャナ側のキャラの人格が変わっていたらすいません
742 :
NuyRfNV6:2007/09/19(水) 12:24:08 ID:NuyRfNV6
風の邂逅 オープニング
アメリカ フロリダ州 そこで二つの風がであった
一人は『彩瓢の風』フィレス
一人は ウェザー リポート
共に大切なものを探すものどうし 一体何を思うのだろうか………
……短すぎだろ。
後、sageろ
NuyRfNV6さん頑張ってください。
楽しみにしてますw
えーと続きの投下です
第1話
フィレスは歩いていた。
ここはのどかな公園、道ゆく人々の顔も朗らかだ。
が、フィレスにとってはそんなものはどうでも良かった。
最愛の存在であるヨーハン、彼の行方が分からなくなってずいぶんとたつ。
四六時中彼の事ばかり考えてはいるのだが、もしヨーハンがこのまま見付からなかったら
そのことで気持ばかり焦っている。
地道に探していくしかないのは分かっているが、やはり一刻も早く会いたい。
なによりヨーハンとの誓いを律義に守っているせいで、自分に残っている存在の力は僅かだ。
一刻も早く見付けなくては その思いだけが募っていく。
「はぁ………」
ため息が口を出る。と、そのとき
「すまない」
男の声が聞こえてきた
フィレスは振り返った。
そこにいた男は青い独特のデザイン(自分も他人のことは言えないが)の服。
そして四角く金色の髪に(固めているのだろうか?)小さな角。
………角?
と、徒かと思い身構える。
特に他の王と対立した覚えは無いが、怨みを買うような事なら山程した。
となると今の私の状況を知った奴が怨みを晴らしにきた………
「何を身構えているんだ?」
男は言った、と何かに気づいたようだ
「この角は帽子だ。」
と、取った。本当に帽子のようだ。
「何のようなの?」
気を取り直して聞いてみる
「いや、これを落したぞ」
と、言って何かを出してきた。
「!」
それは宝具『ヒラルダ』とっさに焦りから男の手からひったくった。
と、同時に自分の迂闊さを悔やむ、普段ならばこんなことにはならない。
やはり自分はかなり焦っているようだ。
「ありがとうございます」
返事もつい邪慳になる
男は少し戸惑っていたが、
「すまない。そんな大切な物とはしらなっかたんだ」
「………」
男は少し困ったような顔だった。と、男が口を開いた。
「ずいぶんといら付いているようだな」
「それがどうかしたの?用が終ったならさっさといってよ」
「………」
「なによ」
「いや、なんだか俺とよく似た空気を持っていると思ってな」
「あなたに私の何が分かるの?」
自分らしくない、普段ならもっときっぱりとする。
こんなだらだらと話は続けない。
男が口を開いた。
「……おまえは何か大切なものを探している。違うか?」
「!」
「なによ」
いらいらする。 何なのだろうこの男は。
「………立ち話もなんだ、近くに喫茶店があるはずだからそこで話さないか?」
「……………」
普段ならば絶対に断るだろう。
が、この男への興味が湧いているのも事実だ。なら………
「あなたがおごってくれるなら」
男は少々困った顔をした
「あまり金は無いんだ」
「………分かったわ。ワリカンね」
「すまない。そういえば、名前を聞いてなかったな」
「フィレス」
「そうか、俺はウェザー・リポートだ」
to be conteniued………
下手ですねぇ………なんかもう色々すいません そんな気分です。ハハ
次の投下予定は未定です!
まぁ、気長にしてください。
待たなくてもいいけど
なにより先に GJ! と言わせて貰います。人物の性格等もちゃんと捉えていますしもっと自信を持ちなさいな。
完結させてくだされば書く早さも、出来の良し悪しも問いませんから頑張ってください。
乙です
ところでこのウェザーは一巡後のウェザーなのかな?
お疲れ様です。
次も頑張ってください。
シャナ二期が始まりますね
夜勤で見れないから携帯で見ようと思うけど知ってるサイトがうpしてくれるのかが気掛かり>シャナU
30分後位に投下しようと想います。
人生80点主義←(?)
何か20レス以上あるので支援して戴けたら嬉しいです。
では、後ほど。
*STARDUST¢FLAMEHAZE*
← REPLAYッッ!!
『邪裂爆霊傀儡殺(スレイヴィング・エクス・マリオネーション)ッッ!!!!』
何よりも邪悪な笑みをその耽美的な口唇に浮かべ、
白い存在の闘気(オーラ)を全身から迸らせながら魔性のハンドベル
”ダンスパーティー”を手にした両腕で鋭く十字型の構えを執る
紅世の王”狩人”フリアグネ。
その動作に呼応して奏でられる、澄んだ鐘の音。
その神聖な音色は、何よりも残虐な破壊の大惨劇を学園の屋上で引き起こした。
ヴァッッッッグオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォッッッッ!!!!
途轍もない破壊力の大爆裂音が屋上、否、学園全体に轟いた。
巻き起こった破壊衝撃破で屋上のコンクリートの石版が夥しい数で
まとめて捲れ上がって吹き飛び、更に周囲を囲っていた網の目状の青いフェンスが
爆風で歪んで押し倒される。
その凄まじいまでの破壊惨劇の中心部。
垂直ドーム状で激しく天空へと駆け上っていく白い火柱の真柱部に彼女はいた。
そして、渦巻く白炎の嵐の中でその躰を灼かれながら、
少女の瞳はもう輝きを無くしていた。
その精神活動すらも、完全に停止していた。
最早己の躰を灼き焦がす苦悶すらもどうでもよかった。
『本当にどうでもよかった』
ただ、一つの、残酷な事実だけが少女の胸中を支配していた。
”終わった” と。
そして大爆裂の破壊衝撃破によってフリアグネが屹立する給水塔以外の
全てが破壊され、蹂躙の限りを尽くされて瓦礫の海と化した屋上の残骸の水面の上に
シャナは激しい落下音と共に着弾した。
その小さな躰が着弾衝撃で一度大きくバウンドし、反動で砕けたコンクリートの
飛沫が巻き上がる。
もう、落下衝撃を分散する「体術」すらも使わなかった。
否、使えなかった。
白炎の焦熱によりボロボロに焼け焦げた黒衣とその中の真新しいセーラー服。
裾が引き千切れたスカートと爆炎でズタズタに引き裂かれた黒いニーソックス。
戦意を完全喪失し、まるで糸の切れた操り人形(マリオネット)のような表情の
少女の躰の上に自分の身と一緒に巻き上がったコンクリートの飛沫と土砂とが
豪雨のように降り注ぎその身を汚していく。
そんな中、少女の超高密度の灼硬の色彩の双眸、 ”真・灼眼” がゆっくりと
元の色彩に戻っていった。
しかし、その内に最早元の燃えるような灼熱の使命感も闘争心も微塵も存在せず、
無限の虚空のみがただそこに在るだけだった。
全ての望みを跡形もなく砕き尽くされた「絶望」の表情と共に。
その白磁のように清冽な素肌すらも、白炎の高熱で灼き焦がされたその無惨なる姿は、
普段の冷たい清水で磨かれた名刀のように鮮烈な少女の印象と引き較べてみれば、
まるで折れたまま戦場に打ち捨てられ、永い風雪に寂びて朽ち果てた剣を想わせた。
これ以上無いという位の完璧なタイミングとキレとスピードで
完全に極まった紅世の王”狩人”フリアグネの最大最強焔儀。
『邪裂爆霊傀儡殺(スレイヴィング・エクス・マリオネーション)』
その ”王” の真名に恥じない、途轍もない威力の爆炎儀だった。
その白い神聖な気に身を包んだ紅世の王が、自分が今まで立って給水塔から
瓦礫の海と化した屋上へと純白の長衣をフワリと揺らして静かに舞い降りる。
勝者の微笑をその耽美的な口唇に浮かべて。
種々の花々が調香された芳香を破壊の乱風に靡かせながら。
ゆっくりと、ゆっくりと、シャナに歩み寄る。
「ほう?5体満足で焼け残ったか?まぁ少々加減したからね。
咄嗟に「結界」を張ってくれたアラストールに精々感謝する事だな」
頭上から忌むべき男の声がする。
その全身から発せられる香水の香りがシャナの周囲に靡いていた。
「彼」のつけているモノとは全く対照的な香り。
”キモチガワルイ”
種々の花々の高貴な香りも、今のシャナにはそう感じられた。
「まぁ腕でも脚でも焼き落ちてくれていれば、悲愴感が倍増して良かったかな?
アァァァァハハハハハハハハハハハハ!!」
再び頭上で調律の狂った弦楽器のような声が聞こえる。
勝者の声。
そう。
自分は、敗者。
また、負けた。
しかも、最も憎むべき「アノ男」の奴隷に過ぎない者に。
『アノ男の存在に二度負けたも同然だ』
「貴様……!」
シャナの胸元のペンダント、紅世の王”天壌の劫火”アラストールは、
何よりも何よりも大切に育てた愛娘に等しい存在を惨たらしく蹂躙した
男に対し悔恨を滲ませた言葉で呟いた。
その言葉を意図的に無視したのか、或いは端から聞こえていなかったのか、
フリアグネは口元に笑みの余韻を浮かべたまま純白のシルクの手袋をはめた右手の拳、
その握り込んだ親指を勢いよく上に向けて弾いた。
ピィンッ。
手袋で弾いたとは想えないほど、澄んだ音色を響かせて、宙に舞った一枚の金貨。
その金貨は、回転運動を続けて廻りながら残像を残してどこまでも上がっていく。
次の刹那。
その残像に向けて手練の手捌きで真一文字に薙ぎ払ったフリアグネの手の中に、
煌めく金の残像がしなやかな鎖となって瞬現した。
”狩人”フリアグネ。
この男もまた、シャナとは対極の領域に位置する同格、否、それ以上の存在の魔術師。
『白炎の魔導師(マジシャンズ・ホワイト)』
「君にはまだ死んでもらっては困るのだよ?」
ペルシャ猫のように瞳を細め、甘い口調と吐息でフリアグネは
問いかけるようにシャナにそう告げる。
「君とは戦闘の「相性」が実に良かった。無論、私自身にとっての話だが
君のような近接戦闘を得意とする「刀剣使い(ブレイダー)」に
とって私のような「幻影暗殺者(インビジブル・ナイトレイダー)」は
まさに「天敵」と言っての良い存在だからね。更に性格の「相性」も実に良かった」
そこでフリアグネは一度言葉を切り、純白の長衣を大仰な手捌きで緩やかに翻す。
「感情を露わにして戦う者はその戦闘殺傷能力こそ凄まじいまでのモノが
あるが、同時にまたその「弱さ」をも剥き出しにする。
勢いに任せて戦い過ぎるあまりその動作は単調になり
さらに我を失っている為に自分の身体の状態すらも満足に認識する事が出来ないんだ。
今、君が、身を以て知っている通りだよ」
フリアグネは涼やかな声で先刻のシャナの敗因を静かに反芻する。
シャナの心の疵を、さらに切り刻むように。
何度も。
何度も。
抉り込むように。
そして言葉を終えるとフリアグネはもう一度長衣を真一文字に翻す。
「だが、もう一人の「標的(ターゲット)」『星の白金』は話が別だ」
そう言ってフリアグネは今度はその耽美的美貌を引き絞られた
強力な弓矢の弦のように引き締める。
「本来在り得ない事ではあるが、私が崇拝するあの御方が唯一懼れる程の強力な存在。
更に私と互角の能力を持つ筈の私の「友人」を相手に戦闘経験値、技術値で遙かに劣る
立場でありながら勝利するほどの相手に真正面から勝負を挑むのは得策ではない」
『星の白金』 スタープラチナ。
「彼」の事、だ。
”指一本触れさせない”と己に誓った。
”こっちは任せて”と彼に誓った。
だが、しかし、「現実」は、
何よりも、何処よりも、
遠くなる……!!
悔恨で悔しさで瞳に涙を浮かべるシャナを後目にフリアグネは意気揚々と
言葉を続ける。
「だからこの鎖、宝具”バブルルート”で君を縛り、そして、そうだな。
アノ給水塔の上にでも括りつけて獲物が誘き寄せられるのを待つ。
そしてヤツが来たのなら、コレ」
シルクの手袋に包まれた左手に金の鎖を携えたまま、
純白のスーツの内側に右手を潜り込ませたフリアグネのその右手に、
クラシックなデザインのダブルアクション方式のリヴォルバーが握られて来た。
その「銃」の本質は”フレイムヘイズ討滅(フレイミング・キラー)”のみを
目的に創りあげられた戦慄の拳銃。
焔塵殲滅。完殺の魔弾。
”紅世の宝具”
『トリガーハッピー』
破壊力−A(フレイムヘイズのみ) スピード−B 射程距離−A
持続力−A(フレイムヘイズのみ) 精密動作性−B 成長性−なし
「”フレイムヘイズ殺し”の能力を持つこの銃で君を撃つ。
我が愛銃『トリガーハッピー』の”装填されない”「弾丸」は全てのフレイムヘイズの
内部に宿る”王”の休眠を強制解除する効果がある。
つまり、いつでも、私の気分次第でこの屋上全体を先刻以上の紅蓮の劫火の地獄に
出来るというワケさ。「器」を破壊されて暴走したアラストールの劫火に焼かれては
アノ方が唯一懼れるというさしもの『星の白金』も一溜まりもあるまい!
そして、紅世ではない現実世界ではその存在を維持できないアラストールは
私に復讐することすら出来ずにそのまま紅世に還るしかない!つまりは!
もう既にして私とあの方の完全勝利というワケさ!
アアアアァァァァァァハハハハハハハハ!!!!」
白く神聖な存在のオーラをその身を覆い、何よりも邪悪な笑みをその
耽美的な口唇に浮かべてフリアグネはシャナにそう言い放った。
そして。
鋭いエコーの残響を鳴り響かせる、狂った弦楽器の勝利の歓声が
白い封絶で覆われた屋上全体に響き渡る。
「貴様……!何たる卑劣な……!敗者に鞭打つばかりかその身を灰燼に帰して
「罠」に変えようとは!」
激高したアラストールの声をフリアグネは愉しむように受け止め
その邪気に充ち溢れた微笑を己が同胞である”天壌の劫火”へと向ける。
「これはこれは、天壌の劫火の御言葉とは想えない発言だな」
気怠げな甘い声色でそう言い放ち、慇懃無礼を絵に描いたような大仰な振る舞いで、
純白の長衣が絡みついた右腕を清廉に前に差しだし深々と頭を垂れ最上級の
一礼をアラストールに向けて捧げる
「戦いとは須く「結果」のみが全て。敗者は勝者に何をされても仕方がない。
その鉄の掟をお忘れか?君の言ってる事は、敗者の遠吠えに過ぎないよ」
そう言ってフリアグネは純白の長衣で邪の微笑を浮かべる口元を上品に覆い
「それとも、まさか、 『星の白金』 に何か ”特別な感情” でもお在り、でも?」
瞳を妖しく細めてアラストールを真上からの視線で睨め付ける。
「!」
想わぬフリアグネの言葉にアラストールは、一刹那口籠もるが
「戯けた事を……」
そう言って押し黙った。
「ふぅん」
フリアグネは蕩けるような甘い声で一言呟き、幻想的とも呼べる
悩まし気な流し目でアラストールを見つめた。
紅蓮と白蓮。
二人共強力な紅世の王ではあるが、その言葉遣いや立ち振る舞いは
まるで対極だった。
「…………」
「…………」
両者の間に沈黙の帳が舞い降りる。
フリアグネはまだ己の戦果について話したりない様子だが、
ソレを見越してアラストールは小康状態維持を選択した。
全てはシャナの回復の時間を図る為。
そして、間に合うかどうかは解らないが「あの男」の到着を待つ時間を
少しでも稼ぐ為の選択だった。
かつて、この世界の致命的な危機を二度も救った偉大なる血統の末裔。
そして、今再びその世界の存在全てが「幽血」の脅威に染まりつつある
この世界唯一の希望。
煌めく白金、そして遍く星々の存在の力をその身に携える救世者。
『星の白金』
空条 承太郎、を。
「イヤ、それにしても正直、君の焔儀には肝を冷やしたよ」
アラストールが喋らないのでジレたのか、フリアグネは右手で
絡まった純白の長衣を滑らかに梳き流しながら、同じく純白のシルクの手袋で
包まれた左手を露わにした。
その左手薬指に精巧な彫刻の入った純銀の台の上に、
同じく精巧な研磨技術でカットされたであろう神秘的な輝きを宿す
紺碧の宝玉が嵌め込まれた指輪が在った。
”あろう”というのは今はその神秘的な光を灯す宝玉には、
惜しむらくかな、その頂点部分から細かな亀裂が走っていたからだ。
「まさかこの火除けの指輪。 ”アズュール” に罅が入るとはね。
もう二、三発同じ焔儀を撃たれたら危ない処だったよ」
そう言ってフリアグネはシャナをからかうようにそのアズュールが嵌められた
指先を艶めかしく振ってみせた。
「貴様。やはり先刻この子の最大焔儀を防いだのは”自在法”ではなかったのだな?」
そのフリアグネの防御の本質を見抜ききれなかったアラストールは
口惜しく歯噛みする。
「フッ、己のキリ札は決して敵に晒すな、さ。私がフレイムヘイズの焔儀に
対して絶対の防御式自在法を持っていると相手に「錯覚」させておけば、必ず相手は
武器を持っての近接戦闘を仕掛けてくるだろう?後は適当に使い捨ての燐子に相手を
させて私の最大最強焔儀『邪裂爆霊傀儡殺(スレイヴィング・エクス・マリオネーション)』
の布石を造ってもらうだけさ。他でもない『フレイムヘイズ自身』に、ね」
そう言ってフリアグネはアラストールに向けて艶麗な仕草で
片目を瞑って魅せる。
「コレが、私の「必勝の秘密その2」 さ。そう言えばこの事は「彼」にも話して
なかったな。実際に魅せて説明しようとしたのだが仇となったか、次はここまで
完璧に極まるかどうかは正直自信がないよ」
そう言ってフリアグネは目の前で横たわるシャナに、長衣で口元を覆って
クスクスと微笑って見下ろす。
シャナの存在の全てを嘲笑うかのように。
「彼?彼の者 『幽血の統世王』の事か?」
「君には関係のない事さ。ソレに、幾ら時間稼ぎをしても
もうこの子は起きそうにはないよ」
「!!」
いつかは見抜かれると想っていたが、こうも早く感づかれたのは誤算だった。
否、寧ろ最初から見抜かれていて、ソレを承知でフリアグネが喋っていたと
考えるのが妥当、か。
その悪魔の狡猾さと王の老獪さでシャナは敗れたのだ。
「……………………………………………………………………………」
その ”狩人” 傍らで、無限の荒野と化した絶望の瞳で
完全に戦意を喪失した少女が頭上の空を見上げる形で仰向けに倒れていた。
その少女に、二人の声は、もう、届かない。
瞳にも見上げる空は映っていない。
白い封絶に囲まれた大破壊現象が起こった屋上で、
少女の時間(とき)は完全に停止していた。
その心の内では、自虐的な自問自答が終わる事なく延々と繰り返されていた。
自我のフィルターが消失した、生の本音の言葉で。
次々に湧き起こる真実の言葉の羅列は、皮肉にも絶体絶命の窮地陥って
初めて少女の心の底から静かに滔々と湧き出した。
私は……一体……誰……?
私は……紅世の王……天壌の劫火……アラストールの……フレイムヘイズ……
でも……もう……私に……その資格は……ない……
こんなに……弱い……フレイムヘイズ……
こんなに……弱い……炎髪灼眼の討ち手……
敵わないと知ると……逃げる……臆病な……戦士……
フレイムヘイズの……面汚し……
こんな私を……認めてくれる者なんて……もう……この世界の……
何処にも……いない……
この……私……自身……すら……も……
ソレ……なら……いっそ……
いっそ……
それならせめてアラストールの名誉だけは護りたい。
過去に深く刻まれた心の疵痕(トラウマ) だが、何人かの人間との関わりにより
最近ようやく癒えだしたその全く同じ箇所に再び悪意の刃が情け容赦なく抉り込まれ、
少女の、シャナの心は今限りなく死に近い状態にあった。
幾ら五体満足でも。
心が死んだ者はもう戦えない。
戦場とは、そのような絶対零度の雰囲気(オーラ)で満たされた
冷酷非情の場所。
シャナの脳裏に、一人の人間の姿が浮かんだ。
「?」
何でこんな時に「彼」の事が思い浮かぶんだろう?
でも、自分が生きていればきっと「彼」を窮地に追い込む事になる。
『自分が原因で追い込むことになる』
初めて、自分の存在を認めてくれた人。
初めて、フレイムヘイズとしてではなく、一人の少女「シャナ」として
自分に接してくれた人。
同じような存在の力をその身に携えた「対等」の立場の人。
勝利の手合わせが楽しいと教えてくれた人。
意外な表情を引き出すのが面白いと教えてくれた人。
切なさという感情を教えてくれた人。
強さに対する脅威と敬意を教えてくれた人。
麦酒(ビール)の苦さを教えてくれた人。
メロンパン以外のパンの美味しさを教えてくれた人。
共に闘う事が嬉しいと教えてくれた人。
他の誰かを護る事が素晴らしいと教えてくれた人。
ほんの二日前に出逢ったばかりだというのに、その想い出は尽きる事がない。
手のひらの温もりを、教えてくれた人。
大切な、人。
そう。
時間なんて、関係ない。
何よりも誰よりも「大切」な人だから。
もう。
その事に気がついてしまったから。
少し、遅過ぎたのかも、しれないけれど。
霧が晴れるようにシャナの脳裏に一つの「真実」が
浮かび上がってきた。
どうして?人は?自分の本当の気持ちに素直になれないのだろう?
どうして?何もかもどうしようもなくなってから、
本当の気持ちに気がつくんだろう?
一番、大切な、人ですらも。
「承……太郎……」
か細い声でその人の名を呟く。
自然と涙が、瞳から溢れる。
構わない。
いっそ、涸れるまで流れ落ちてしまえば良い。
全てが灰になってしまうまで……
全てが終わってしまうまで……
今まで……
ずっと……一人で良いと想っていた……
人と関わらず……交わらず……
街路で楽しそうに言葉を交わす多くの人々を後目に……
永遠に死ぬまで孤独でも構わないと……
でも……
本当は……
本当、は……
”今まで誰かに傍にいて欲しかった……ッッ!!”
そのシャナの脳裏に、己の内に宿る紅蓮の劫火に覆われる彼の姿が過ぎる。
「……イ……ヤ……」
か細い呟きが少女の口から漏れる。
「ソレ……だけ……は……絶……対……イヤ……」
シャナの震える手がゆっくりと傍に転がっている贄殿遮那に伸びる。
その意図を解したフリアグネは黙って腕組みをしながらその様子を見つめていた。
(ほう?生き恥を晒す事を嫌い自ら死を選ぶ、か?幼いながらも骨の髄まで
フレイムヘイズのようだな。まぁ、それもよかろう。生きていようが死んでいようが
『それらしく』見えれば問題はない。自在法でマリオネットのように操れば
良いのだからな。寧ろ口を塞ぐ手間が省けるというもの)
身の丈を超える大刀を自在に操る、可憐な少女の「自決」というのも
そう滅多に見れるモノではないので、背徳的な嗜好を持つフリアグネは興味深そうに
その様子を見つめていた。
やがて。
シャナの手が、弱々しくも贄殿遮那の柄を掴む。
(私の……承太郎……は……)
脳裏に浮かぶ彼の姿。
その存在が躰に微かに遺った最後の力を呼び熾し、灼熱の決意と共に強く大刀を握る。
(私が護る……ッッ!!)
この生命に換えても!
絶対に!
そのとき。
猛々しい咆吼が。
シャナの真下から轟いた。
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァーーーーーーッッッッ!!!!』
激しい破壊音と共に2階のコンクリートの爆砕する強烈な音がシャナの身に響く。
特に、想う事は、何もなかった。
ただ ”アイツ” だ。
そう想った。
そこに届く耳慣れた響きの高潔な声。
「シャナッッ!!聞こえてンだろッッ!!返事はいらねーから聞けッッ!!
いいか!!ソイツの持ってる「銃」には当たるんじゃあねー!!
当たればテメーの身体は着弾箇所がどこだろーと爆弾みてーに木っ端微塵に弾け飛ぶ!!
相手に距離をとらせんな!!一気に接近してブッた斬れ!!」
「……フ……フフフ……フ……フ……」
その声を聞いたシャナは、ただ、安らかに、微笑った。
切なさよりも儚く。
愛しさよりも尚強く。
満身創痍の身体からか弱い微笑みが涙と共に力無く零れる。
ひとり、いた。
いて、くれた
何が起きても、何が在っても、絶対自分を見捨てない「人間」が。
誰かが傷つけば傷つくほど。
失敗すれば失敗するほど。
躍起になって必至になって、まるで当たり前の事のように全身ズタボロに
なってでも助けようとする、底無しに甘い「大バカ」が。
シャナがそう想う間にも声は尚猛々しく響き渡る。
「あとソイツの持ってる「鐘」は周囲のマネキンの起爆装置だ!!
今こっちでも確認したから間違いねー!!『音自体が射程距離だから』
爆発は防ぎようがねぇ!!だから人形に「形」を残すな!!
昨日の「あの剣」で跡形もなく蒸発させろッッ!!」
的確な指示と、正鵠な忠告。
そして、本当に本当に自分の身だけを心の底から案じてくれているその「優しさ」
その全てが緩やかな雨露のように静かに傷ついた躰に温かく沁みいってくる。
頬を伝う透明な雫をその肌に感じながらシャナは笑みを浮かべて頷いた。
何度も。
何度も。
何度も。
傍に、いてくれなくても良い。
ただ、この世界のどこかに生きて存在さえしてくれていれば。
ただ、
それだけで、
(嬉しいッ!)
「この階にいる人形を全部ブッ潰したらオレもそっちにいってやる!!
それまでやられんじゃあねー!!死んだら殺すぞッッ!!じゃあな!!」
革靴の踵が鳴る足音と長鎖の擦れる澄んだ音の残響が聞こえる。
ソレと同時に何かが爆砕したかのような強烈な破壊音。
「邪魔すんじゃあねぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーッッ!!
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァーーーーーーーーッッ!!」
「………………………」
階下から聞こえるスタープラチナの咆吼に合わせ、シャナの小さな口唇も微かに動く。
そしてその胸の中では先刻の彼の言葉を何度も何度も反芻していた。
(勝手な……こと……言って……くれちゃってぇ……アレ……は……”煉獄”……は……
存在の……力を……大きく……消……耗……する……上に……集中……力を……
極限……まで……研ぎ……澄まさ……なきゃ……いけない……から……持続……力が……
スゴク……短い……のよ……昨日……アノ……後……私……が……どれ……だけ……
疲れた……か……お……まえ……は……知ら……ない……くせ……に……)
でも、力が、湧いてくる。
黄金の輝きを放つ無限の精神のエネルギー「勇気」が。
アイツが、たったいま、与えて、くれた。
(だけど……おまえの……御陰で……ひとつ……良い手を……思い出したわ……
イヤな……思い出が……あるから……アレ……以来……封印……してた……
けど……四の五の……言ってる……場合じゃない……要は……使い要……
よ……ね……)
「そ……う……で……しょ……?」
剣を杖代わりにして立ち上がる。
「承……太郎……ッッ!!」
そして。
二人で共に見た空に彼の姿を重ねて問いかける。
”一人じゃない”
その事実をシャナは今何よりも強く実感した。
そう。
いま。
自分は。
決して。
”一人なんかじゃない!!”
ただそれだけの当たり前の事実がシャナの心に巣くった
呪いのような精神の絶望を全て跡形もなく吹き飛ばす。
そして、シャナのその虚空の瞳に再び灼熱の炎が、何よりも熱く
何よりも激しく燃え上がった。
(逢いたい、な)
穏やかな微笑をその口唇に浮かべ、灼きつく躰を無理矢理引き起こしながら
シャナはただ純粋にそう想った。
まだ、さっき別れてから、1時間も経ってないけれど。
でも、逢いたい。
いま逢いたい。
すぐ逢いたい。
因果の。
交叉路の。
真ん中で!
「うぅっ!」
全身を蝕むダメージにより気持ちとは裏腹に膝を支える力が抜けてシャナは
もう一度抉れた地面にヘタリ込んでしまう。
その様子を心の中のもう一人の自分が激しく叱咤した。
(バカッ!立つのよッ!立ちなさい!シャナ!
アイツが「勇気」をくれたんだから!それを無駄にするのは私が赦さない!)
「ッッ!?」
その、自分の「背後」に、もう一人の自分がいた。
脳へのダメージによる影響が生み出す幻覚なのか?
それとも自分の心理の中のなにかを無意識の内に存在の力で
投影しているのか?とにかく陽炎のように朧気だが確かな存在感を持ってそこに居た。
まるで”アイツ”の『幽波紋(スタンド)』と同じように。
灼眼ではない黒い瞳と炎髪ではない黒い髪、そして今自分が着ている
制服とは違う白い半袖のセーラー服。
「なんで……立つ、の……?」
再び無理に躰を引き起こしながら、その答えの解りきった質問を、
シャナは背後の、もう一人の自分に問いかける。
(そんなの……決まってる……)
静かに答えて、自分が自分に歩み寄る。
そして同時に口を開く。
(アイツが)
「アイツが」
「「待ってるからッッ!!」」
二人の自分の声が重なった。
同時に沈黙していた贄殿遮那の刀身が激しい紅蓮の炎で覆われる。
炎刃合一。灼熱の紅刃
『贄殿遮那・炎霞ノ太刀』
破壊力−A スピード−シャナ次第 射程距離−C
持続力−A 精密動作性−シャナ次第 成長性−A
「私は、一人じゃない!!」
一際強くそう叫び、もう大刀の支えも必要とせず、シャナは凛とした表情で
力強く立ち上がった。
そう。
死しても再び紅蓮の炎の中からより強くより美しい姿で甦る不死鳥のように。
その全身から火の粉が鳳凰の羽ばたきのように一斉に舞い上がり空間を灼き焦がす。
フリアグネはその様子に一瞬そのパールグレーの双眸を丸くするが、
すぐに己を諫めてその表情を清廉に引き締める。
「ほう?満身創痍のその状態でまだ立ち向かう気かい?
一体何がそこまで君をそうさせるのかな?」
問いかけるフリアグネに。
「それは 」
一瞬、口ごもるがすぐにその必要がない事にシャナは気づく。
そう。
自分の本当の気持ちに口を閉ざす必要なんか全くない。
「それは。私が。アイツの『星の白金』の「片割れ(パートナー)」だから!」
右手を黒衣の左胸の位置に当て、微塵の違和感も感じない言葉が
自然にシャナの口をついて出る。
無論、アイツの了承はまだ取ってない。
でも。
もう決めた。
いま決めた。
アイツが望もうが望むまいが。
もう絶対完全決定事項。
殴ってでもそうさせる。
今までは、フレイムヘイズの「使命」の為に剣を振るってきた。
でも、これからは、 ”アイツ” の為に剣を振るっていきたい。
ソレがきっと、何よりもかけがえのない、黄金に輝く運命の 『正義』 に
繋がっているはずだから。
「フッ……腐ってもアラストールのフレイムヘイズ。腐っても炎髪灼眼の討ち手と
いう事、か。哀れな。これ以上続けてもただ苦しみが増すだけだというのに 」
そのフリアグネの皮肉めいた物言いをシャナは甦ったその紅蓮の双眸で
凛と受け止める。
そして、同じように口元にも凛々しい微笑を浮かべ、
「そう。私はフレイムヘイズよ。でもおまえ?
私の ”もう一つの名前” は知らないでしょう?」
何よりも強く己を誇り、シャナはフリアグネにそう告げる。
「もう一つの、名前?」
微かに眉を怪訝に顰めるフリアグネにシャナは
「教えて、あげる!」
そう叫び、その紅蓮の灼眼でフリアグネのパールグレーの光彩を鋭く
真正面から射抜く。
まるで己が全存在を刻みつけるように。
「 ” 空条 シャナッッ!! ” 叉の名を!」
言葉と同時に左手が鋭く真一文字に薙ぎ払われる。
「 『紅の魔術師(マジシャンズ・レッド)ッッ!!』 」
シャナはそう叫んで黒衣を靡かせながら紅蓮の炎で覆われた
贄殿遮那を火の粉と共に鋭く前に突き出した。
「フッ……だが、しかし、そのダメージだらけの躰では、ね。
最早私が相手をするまでもあるまい。お前達 」
微かに俯いた表情でそう静かに呟き、フリアグネは小気味よく指を鳴らす。
その合図に合わせてフリアグネの周囲にいた武装燐子達が剣を両手に携えて蠢き出す。
シャナはその燐子達になど目もくれず、あくまで王、フリアグネのみを
鋭く射抜いていた。
その紅蓮の炎が宿る、誇り高き灼熱の灼眼で。
そして。
止まった瞬間(とき)が、刹那(いま)動き出す。
シャナは右手に握っていた大刀をそのまま宙に軽やかに放った。
宙に放たれた身の丈に匹敵する大刀が軽やかに反転して紅蓮の弧を描く。
そして自分の目の前に来た大刀をシャナは素早い手捌きで逆手に掴み直すと、
「オオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォッッッ!!!」
逆手で大刀を前に差し出したシャナの口唇から勇ましく猛々しい
灼熱の息吹が湧き上がり、同時に炎髪が大量の火の粉、否、
炎気を撒き熾し空間を縦横無尽に灼き尽くす。
” 炎妙ノ太刀 ”の要領で柄頭を透して刀身内部に炎気を込め、
そして同時に剣気と闘気とアイツから貰った何よりも大切な「勇気」を込める。
そしてシャナは武器を逆手に携えたまま、居合い斬りの要領で
腰を拈りながら落とした構えを執り、同時に左手は絡めながら前方に押し出し
そしてやや捻る。
揺らめく炎の陽炎に紅蓮の刃の残像が映るかのようなその無駄のない動作に
呼応するかのように贄殿遮那に集束した三種の「気」の融合体がやがて
周囲の分子の配列を変異させて紅い放電現象を引き起こし始める。
その。
戦慄の美を流す大太刀、贄殿遮那の中で。
いま。
『スタンド使い』と”フレイムヘイズ”
『星の白金』と”炎髪灼眼の討ち手”
その二つの存在の力が一つとなる。
星炎融合。流星の灼撃。
『贄殿遮那・星屑焔霞ノ太刀』
使い手−空条 シャナ
破壊力−A+ スピード−A+ 射程距離−B(最大20メートル)
持続力−A+ 精密動作性−B 成長性−A+
「オッッッッッッッッッッッッッラァァァァァァァァァァァァァッッッッ!!!!」
その背後にアイツの持つ幽波紋(スタンド)のように最愛の者の存在を、
逆水平に指を構えたその高潔な姿を強く感じながら、シャナは乾坤一擲の一撃を
渾心の力を込めて全力で撃ち放った。
駆け声と共に音速で刳り出された抜刀斬撃術の、
その紅蓮の真空波が瞬時に具現化して焔の烈刃と化し、
贄殿遮那の刀身から唸りを上げて途轍もない存在の猛威となって飛び出し、
標的に、紅世の王”狩人”フリアグネに向けて縛鎖を引き千切った魔獣のように
襲いかかる。
「何ィッッ!?」
前方の燐子6体を瞬断した紅蓮の焔刃に、フリアグネは咄嗟に長衣を前に突き出し、
その三日月状の紅蓮の烈刃を真正面から受け止めた。
奇怪な紋章と紋字の浮かび上がった、白い円球ドーム状の防御障壁が
瞬く間の無くフリアグネの前に出現している。
しかし。
その三日月状に音速発射された紅蓮の討刃が放つ衝撃の余波である、
紅い放射状の閃光により射程距離外の燐子達が側部から、そして背後から、
否、ありとあらゆる角度から撃ち抜かれまとめて爆散する。
更に、炎の攻撃に対してはありとあらゆるモノに対抗出来る筈の
絶対防御の「宝具」”アズュール”ですらもその紅蓮の討刃の突進を押し止めただけで
その「本体」の消滅させる事は出来なかった。
「効果」は確実に出ている筈だった。
フリアグネの前方で紅蓮の烈刃は巨大な岩石に圧し当てられた鎖鋸(チェーン・ソー)
のように、けたたましい摩擦音と狂暴な火花を夥しく散らして、徐々にその先端から
刃全体の絶対量を減らして来ている。
だが。
しかし。
討刃自体があまりに巨大過ぎるのと、その磨耗の速度が致命的に遅かった。
そう。
遅過ぎた。
そし、て。
ピシィッ、
火除けの指輪”アズュール”のその魔力の核(コア)である紺碧の
宝玉が官能的とも言える澄んだ音を立てて砕け散り。
ピキィィィィィィィィ。
煌めく貴石の破片が空間へと散華する。
「ア、アズュールがッッ!? バ、 」
フリアグネの驚愕の声とほぼ同時に白炎の防御障壁は音もなく霧散して立ち消え、
代わりに火除けの結界が消えた瞬間それまでその位相空間に滞っていた破壊衝撃波が
全部まとめて前方へと弾き飛ばされ、シャナの放った紅蓮の討刃を爆発的に
後押ししてフリアグネの胴体を音よりも疾く斬り飛ばす。
「バ……カ……な……!」
同時にその切断面を起点にして紅蓮の炎が燃え上がり、
二つに別れたフリアグネの上半身と下半身を刹那に覆い込んだ。
更にその紅蓮の討刃はフリアグネの背後にあった給水塔の土台のコンクリートに
叩き込まれて抉り込まれ、コンクリート内部で爆破、粉砕、融解を繰り返しながら
最終的には激しく爆裂する。
瞬時に土台全体に夥しい数の亀裂が刻み込まれ、その前方の瓦礫の大地の上に
二つに別れて燃え上がりながら横たわる純白の貴公子の上に倒壊を始めた
残骸が嵐のように降り注ぐ。
まるで、墓標のように、破滅の墓碑銘をそこに刻む。
ズンッッッッ!!!!
そして給水塔本体が積み上がる残骸の最上部に突き刺さり、
その事を確認したシャナは
「私達二人は最強よ!! 絶対誰にも負けないッッ!! 」
手にした紅蓮渦巻く大太刀を勢いよく足下の瓦礫の上に突き立て、
黒衣を先鋭に揺らしながら再び右手を逆水平に構えて
目の前の破滅の墓標を鋭く指差した。
そのシャナの燃え上がる紅蓮の双眸に、無限の精神の輝きが生み出す黄金の光が宿る。
熱く。激しく。閃光のように。
何よりも気高く、少女の歩み出した「運命」の道を照らしていた。
←TO BE CONTENUED……
次回予告。
遂に、決着を迎える紅世の王”狩人”フリアグネとの死闘。
その白き波濤の果てに彼らは果たして何を視るのか?
承太郎は。
シャナは。
花京院は。
そして。
『DIO』は。
次回
連載コラボSS
ジョジョの奇妙な冒険×灼眼のシャナ
*STARDUSTφFLAMEHAZE*
第一部最終回
【CHAPTER#18 戦慄の暗殺者FINAL 〜LAST IMPRESSION 〜 】
ご期待下さい……!
””オラオラオラオラオラオラオラオラオラァァーーーーーーーッッッッ!!!!”””
お疲れ様
ここまでッス。
どもです。
「原作破壊人(クラッシャー)」で毎度おなじみ、萌え、ラブコメが全盛の
現在のラノベ業界を(脳内で)日夜ディスっております無冥 蹟怜です。
何やら青春真っ只中みたいなコッ恥ずかしい展開になっておりますが。
(無冥はそのPNが示すとおりダーク系の話が得意です)
無冥は(永続)ラブコメアレルギーなので何とか純愛漫画風に
仕上げてみたのですが、どうでしょうか?(どうでもいいかそんなコト)
あとヤッちまいますた。
シャナ徐倫化w
しかも撃った「技」がどう見ても「●バン●トラッシュ」です><本当に(ry
でもまぁ承太郎の従兄弟なんでOKでしょう(自在法上での話だけど)
あとまさかシャナがこんなに承太郎に惹かれていたとは正直作者もビックリです。
まだ序盤なのでそんなに二人の距離を縮める気は殆どなかったのですが。
(しかも出逢ってまだ2日よ?この二人。実は一目惚れか?シャナ?)
ここに来ていっきにシャナが作者の静止も聞かずに、
オマケに「水月」に一発入れて一人突っ走っていってしまいました。
何度も何度も「ちょwwシャナwwまだ「序」www自重ww」
と言ったんですが作者の言うことききゃあしません。
脳内で「創聖のアクエリオン(
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm1049012)」でも
鳴ってたんでしょうかねこのクソガうあなにを痛せめて峰(ry
キャラは作者に似ると言いますがホントですねコレ。
もう「原作」と全然ちゃうよ。ま、いっか。(無冥的に)面白ければ。
エヴァもアニメと漫画じゃシンジのキャラが全然違うしね♪←(?)
まぁそれだけ空条クンが「ツンデレ殺し」だという事でw
あと最近ようやく無冥のSSに於けるシャナのキャラが定着してきました(今頃?)
どうやら承太郎の事は大好きみたいですが、DIO様の事は大ッ嫌いみたいですね。
フッ、あの方の魅力が解らないとは所詮はガうあ熱熱利き腕はやめ(ry
さて、何やらストーリーが色々カオスってきて無冥好みの展開となってきましたw
ジャンプ系要素とラノベ系要素の集合体と言ったカンジですね。
(必殺技連発とかモロにジャンプの要素よね)
良いモノですねwこの「世界の中心で核爆裂兵器でも造っているような」カンジw
あとSS読んでれば解ると想いますが、結構誤解されてる方がいるようなので
正体バラしますが無冥は氷炎将軍フレイザードと死神キルバーンが禁呪法で
合体したようなヤツなので(「女が戦場に出てくンじゃねぇ!」(ジュッ)は
何度ヤりたいとうあry)基本的にはヤなヤツですw
(バーン様(老)に仕えたいなぁ)
だから「普通の人(普通が一番)」じゃありません。
「悪役(ヒール)」です。「悪漢(ピカロ)」です。「邪悪の化身」です。
シャナよりもフッ君の方が好きです。(決してシャナが嫌いなわけではない。
ってゆーかフッ君立ってくれぇぇぇぇーーッッ!!)
まぁ、無冥がどんな人間だろうと住人の皆様にはどうでも良い話ですけどねw
でも知っておいてもらったほうが行き違いも少なくなるのではないかと。
では。
M
J
無冥氏のSS投下の速さにGJ!
乙!
次回で決着ですか!
期待してます!
無冥氏のSSの質の高さのレベルに脱帽。
これはもう、無冥氏プロの小説家にでもなればいいんじゃないの?
>>783 >>784 シャナが顔真っ赤にしてお約束の台詞を連呼しながら無冥氏をぶちのめしてる姿が
脳裏に浮かんだwwwww
ともあれ、これからも無冥氏のSSと今後のシャナと承太郎の関係の進展を期待します!
GJ!
レベル高いなぁ、ホント。
アズュールが壊れたってことは以後使う気はないってことかな?
黄金の意思に目覚めたシャナかっけぇ・・・・・・・・・・
誰か今回のSSの挿絵書いてくれる人いないかな
相変わらずのキモさ…リアルで友達いないだろ
今回のSSはめちゃくちゃクオリティ高いな・・・・・・・・・
シャナに対するジョジョの代名詞である『人間賛歌』が非常に前に出されてたわ
無冥氏超GJだぜ
荒らしウザイ
空気嫁
>>791 確かに今回のSSの挿絵は見たいなw
過去にいた絵師さんがまた来てくれるとうれしいな
ついでに無冥氏乙
次回で第一部終了か
第二部は遂にエジプトへの旅立ちかな?
この先のシャナVS悪ポル、承太郎&シャナVSマージョリー&マルコシアス、承太郎VSシュドナイが
楽しみでならない俺
マルコと姐さんは戦力としちゃ実質一つだから不利すぎるな
時間停止できない承りではシュドナイにフルボッコにされるのが目に見えてる
というかフルボッコになるしかないと思うんだ
四巻ではマージョリーさんから逃げたけど、あの時は零時迷子の戒禁で腕をもがれた+マージョリーさんの不意打ちだし、
仮面舞踏祭会の三柱の一角なんだから時間停止できない承りではまず勝てない
というか勝って欲しくない
>>801 神鉄如意まで持ってたらさすがに無理だよなぁ。
愛染も種が割れなかったらヤバイ相手だし、この先不安。
あと、仮面舞踏祭会じゃなくて仮装舞踏会ね。
個人的には、徒&スタンド使いVS承太郎チームも見てみたいところだ。
主役補正と時間停止とったら勝てそうも無い設定の奴シュドナイ含めてゴロゴロしてるぞ。
サブラクとかチートかよって感じ。
アニメ版シャナとOVA版ジョジョ見比べてみたがジョジョ勢のほうが戦闘力上だった
>>801 スタプラのスピードは超音速以上でスタンドを使っての跳躍力は軽く70メートル以上。
ダイヤモンド並みの硬さの歯だろうが巨岩だろうが容易に粉砕できる。
ハイエロファントは射程距離100メートル以上でエメラルドスプラッシュは少なくてもマージョリーの炎弾よりは
殺傷力があってOVA版じゃ機関銃以上の連射力だった。+結界が張れる。
シルバーチャリオッツは超音速の斬撃が出来て精密性はスタプラには及ばないがそれでもスタンドの中では
上位クラス。鋼鉄も両断できて26巻のポルナレフがブチ切れて無闇やたらに切りまくった時の周囲の被害は
凄まじい物だった。
ぶっちゃけジョセフ以外ならシュドナイにも対抗できるし承太郎なら勝てると思う。
>>806 OVAでジョセフのDIOへの攻撃でハーミットパープル+波紋の破壊力は結構凄かったぞ
何故か波紋流れてるのにDIOは効いてなかったけど
808 :
マロン名無しさん:2007/09/24(月) 09:05:10 ID:5GbRNvao
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>>783 雑談するなとは言わない。だがラノベヲタ丸出しの痛い表現はやめてくれ。
必要のないカタカナを乱用するな。(語尾やッ等)
()を乱用するな。
痛いギャグはやめろ。
痛い自分ツッコミはやめろ。
皆が何も言わないから好かれていると思うな。
無冥氏の小説はすばらしいのに雑談見るとゲロがでそうになる。
なにが「いくつか掻い摘んでレス」だよ。何様だよ。
全レスする必要はないが何故そんな偉そうなんだよ。
>>804 ほぼ不死身+サブラクから受けた傷が時間とともにガンガン広がる+ヴィルヘルミナさんのリボンの槍衾を剣二本で凌ぎ切る技術
正直こんなヤツに狙われたらもう助からんな
>>805 演出の違いってやつ・・・分かるかな?
>>806 威力がどうのこうのの前にシュドナイの炎弾はスタンド使いでは防げんよ
だってアレ、着弾と同時に爆発するんだぜ?
ジョジョに置き換えて考えるならスタープラチナが棒立ちでガード体制とってて
キラークイーンの着弾点火タイプの空気弾を防げるかどうかって話だよ?
どうかんがえても無理だ
しかもキラークイーンの場合は空気弾がスローだからまだいいが、
シュドナイの場合はそれが砲弾並みの速度で山ほど飛んでくるんだぜ?
あと自分のダミーを作ってそれを囮にしたり(マージョリーさんでも見切れなかった)とか
全身を亀の甲羅で覆って攻撃を防いだりとか平気でやるのがシュドナイ
よって承りでは炎弾で弾幕張られて近づくことも出来ない
だがスタプラの脚力で逃げ回るくらいはできるはず
ポルでは瞬殺される
炎弾は普通の炎とは全く違うからアヴさん相手にやった方法はとれない
花京院も無理
ハイエロファントグリーンでは弾幕張れても自分の身を全く守れない
そこをどうにか考えて近づくのがジョジョ連中じゃないか
相性の比較でなんとかなる連中じゃないだろ
どっちが強い論は荒れるから止めろ
まぁ職人さんにもジョジョベースとシャナベースのストーリーの違いがあるから、職人によって強さランキングは変わるでしょう
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頭を使って敵を倒すのがジョジョキャラの醍醐味じゃないか
愛染兄弟はまだしもやっぱシュドナイは強敵か
どう近づくのかが問題だよな
ジョジョキャラの弱点はスタンドの戦闘力云々以前に本体が生身の人間であること
いやジョースター一行の身体能力と生命力は十分、人外レベルだけどさ
OVA版ならほぼ超人クラス
直接戦闘に持ち込めば何とかならないかな
無冥氏のSSではソラトは贄殿遮那よりミステスである承太郎のスタープラチナを欲しがりそう
つうか、そんくらい敵が強い方がいい。
承太郎一人で勝てない相手なら、仲間と共に戦えばいいじゃないか。
>>811 スタプラの目の良さと精密性なら砲弾程度の炎弾はオラオラで弾いたりかわすのにわけない。
そもそも近距離パワー型は総じて超音速反応レベルだしスタプラに至っては極音速以上。
それに亀の甲羅程度じゃオラオラやスターブレイカーには耐え切れんぞ。
空飛んでもOVA版の空中戦もある。
シルチャリは空気の溝を作って炎切断や跳ね返しをできるし炎弾がでかくても
超音速斬撃で細切れにできる。甲冑脱げば残像が出るほどのスピードで炎弾を連射しても
クロスファイアーハリケーンスペシャルを切断したように円陣を組んで難なく切断。
シュドナイの炎弾がアブさんの炎ほど威力や規模もでかいとも思えない。
つうかスタンドであるアブさんの炎を切断出来るのにシュドナイの炎は切断できない理由がわからない。
いずれの炎も物理法則じゃねーし。
ハイエロファントとは飛び道具の速度と連射力で既に負けてる。
あの図体じゃスプラッシュはまずかわせんしOVA版見れば削り殺される。
飛んでも図体が原因で狙撃の格好の的。結界張られた所に踏み込んだら一瞬で蜂の巣になる。
動きが大雑把な姐さんのトーガの打撃すらかわせないシュドナイじゃ
スタープラチナやシルチャリの斬撃やエメラルドスプラッシュなんてまず到底かわせん。
でっていう
全ては無冥氏次第だろ
作者のさじ加減で強さなんていくらでも変わる
DIOやフリアグネだって原作以上の強さなわけだしな
状況やスタンドの使い方次第でどんな敵だろうと倒せるのにね
強さ議論とかどうでもいい
>>823 DIOは原作でも充分強いけどな
フリアグネはアニメ第二期で復活するとの噂があるから一期で出し切れなかった
実力はそこに期待
マリアンヌは出てこないらしいけどな
あとフィレスとゲームオリジナルのメアという美少女の紅世の徒が出る
SSとはまるで関係ないが二期だとゆうじは強くなるんだろうか
>>827 やったこと無いけどシャナのゲームはおかしいところがある
時期的には既に討滅されているはずのフリアグネ&マリアンヌ、愛染兄弟
しまいにはウィネや天目一個、メリヒムまで敵として出てくる
メリヒムのしつこい性格には承太郎は『うっおとしいぜッ!』と思うだろうな
でもマティルダ姐さんとの誓いを守りぬいたその精神には承太郎も敬意を表するだろうが
>>829 マジで?
姐さんとも戦えるというのは聞いたことあるけどこれはシャナとは犬猿の仲だし
単なる揉め事で戦いに発展したという理由ならわかるけど
流石にフリアグネやメリヒムとかはなぁ・・・・・・・・・・
>>830 もしそれだけならそこらの燐子レベルか。
>>819 おまwwwよく読めwwwww
三巻でのマージョリーさんvsシュドナイを見る限り
シュドナイは自分が撃った炎弾が着弾と同時に爆発するように自在式を組んでる
それを
>>811はキラークイーンの着弾点火空気弾に例えたわけだ
スタプラがシュドナイの炎弾を弾こうとしたならその瞬間に爆発
爆発もビルの外壁をたやすくぶっ飛ばすだけの威力、つまりキラークイーンの爆発とどっこいぐらいの威力があるので
爆発に巻き込まれたら重傷は確実。悪くすれば死ぬ
ポルに関しても同じだろう。炎弾を斬ろうとした瞬間に爆発でアウト
それに炎弾は燃やすんじゃなくて破壊するのが主だ
二巻でマージョリーさんが美術館ごとラミーを殺そうとした時、美術館はズタボロになっても燃えたりはしなかったからな
あと何を勘違いしたかは知らんが四巻でシュドナイがマージョリーさんに遅れをとったのは
戒禁のダメージとマージョリーさんが死んだものと思ってたからだぞ
外伝読めば分かる話だがマージョリーさんはガチでシュドナイとやり合っても勝てないし
別に炎弾を弾く必要無いんだけどな
スタンドを使っての俊敏性でかわせばいいだけのこと
OVA版のジョースター一行の身体能力はシャナ達熟練のフレイムヘイズと
比較しても引けを取らない
承太郎に至ってはもしくはそれ以上
ぶっちゃけOVA版なら無問題なんだけどな
原作なら即死していそうなダメージもほとんどノープロブレムだし
いい加減シュドナイ持ち出してくる厨房もその他強さ議論する奴もウザイ
強さ加減なんて全て無冥氏次第だろう
大人しく無冥氏のSS待ってろよ
>>838 承太郎のこと言ってるんだと思うよ
勢いのある回し蹴り食らって海面に叩きつけられてさらに大型のクルーザーを直撃させられて
100メートル以上の高さからぶっとばされて地面に叩きつけられても死ななかったし
DIO様のパンチを生身でガードしたしなw
>>829 それはゲームオリジナルの敵の能力。夢をどうこうするって感じだった。
この敵との戦いは夢として扱われており、誰も覚えてない。原作でも実は戦ってるが省略されている。
サブラクと知り合いらしい。
フリアグネは劇場版で本来の力発揮してたから満足だ。
灼眼のシャナタンシリーズの吉田さんは由花子に匹敵するほどのサイコ女
>>819 荒れるから黙ってろ
ジョジョ厨が痛いとされるのはお前みたいなののせいだよ
シャナ厨も煽んな
結局幾ら議論しようと漫画や小説のキャラなんて作者には勝てないんだからさ
漫画界最強は悟空、ラノベ界最強はハルヒって決まってるのに
サバイバーが発動してるな
>>843 以上、過去レス相手に必死な中二病の妄言でした
お前らモチツケ
>>844 最強議論スレ行ってこいよ
いずれも上には上がいるぜ
>>833 今現在は封絶、炎弾、身体強化と基礎ばかりだけど、最弱の部類とはいえ単独で徒を全滅させたし見込みは充分。
技能面はヴィルヘルミナ、人格面ではアラストールや教授曰わくの“奴”も認めてるしさ。もうヘタレとか要らない子じゃありません。
>>853 悠二はバル・マスケの盟主である祭礼の蛇になったんじゃなかったっけ?
劇場版シャナ見に行った人に聞きたいんだがフリアグネは劇場版オリジナルの宝具や自在法を
使ったの?
無冥氏が今、最低でもシャナ原作10巻以上持ってることを祈る
>>854 俺は原作でフレイムヘイズ兵団VS弔いの鐘のところまでしか持ってないんだが
悠二が敵になるの?
>>852 ぶっちゃけ2chの議論なんて信憑性0だけどな
最強議論スレのランクなんて真に受けんほうがいいぞ
ドミノ「教授の『我学』は世界一ィィィ!
できんことはないイィィーーーーのですゥーーーーーーッ!!」
ジョセフ「!?ッいつぞや、似たような台詞を聞いた覚えが・・・・・・・・」
>>855 使ってないよ。
でも姐さんとシャナの二人掛かりでもかなり苦戦してた。
>>857 敵になる。
「零時迷子」「吸血鬼(ブルート・ザオガー)」「アズュール」
駄目押しで「鋭敏な知覚」と最終ボスらしいスペックを引っさげて。
最終的には蛇から色々と学習してパーフェクト悠二になって帰ってきそう。
野朗・・・・・・・・悠二ッ!
863 :
855:2007/09/24(月) 20:14:22 ID:???
>>860 サンクス
フリアグネ好きな俺にとってTV版より活躍してくれたら感無量
それにしてもあの優柔不断なヘタレがラスボスとは・・・・・・・・
一巻のフリアグネ瞬殺同様、本当に高橋は荒木並に予想を裏切るのが上手いな・・・・・
最初、フリアグネはシャナの宿命のライバルか、ラスボスに近い位置になる存在だと
思ったのは自分だけではないはず(遠い目)
>>859 吹いたwww
つーかジョセフ、シュトロのこと忘れんなよw
仮にも自分の危機を救ってくれた男なのにw
>>863 「あの優柔不断なヘタレ」は某ジョースターさんのようにボディを祭礼の蛇に乗っ取られました
なので厳密には「あの優柔不断な(ry」はラスボスじゃあないんだよ
あと「あの(ry」の零時迷子の中に何かヤバイ物が入ってるっていう描写は11巻か12巻あたりから出てたはず
>>866 乗っ取られたという表現は少し違うな。
あれは悠二の同意があってのことだろう。
>>867 なんだってー(AAry
悠二は望んで祭礼の蛇を受け入れたのか
あのド腐れスカタン野朗が・・・・・・・・
>>868 日頃の優柔不断さとナヨナヨ感以外で悠二を嫌う理由が一つ増えたなw
そんなこと言ってあげるなよ……ああ見えて康一君並の成長度なんだぜ悠二はよォー
昔、悠二と広一君は似ているという話があったが黄金の意思を持つ広一君をあのヘタレと
一緒にするなって結論が出たな
まあ悠二はやるときゃやる男なんだけどな
時々あいつの心境に感情移入したこともあった
でもあの朴念仁ぶりは少々むかっ腹が立つw
幾らなんでも悠二と比べるのは康一君に失礼だろ・・・・
>>870 いや、きっかけ一つでサイヤ人になれる康一君の方が、
使い物になるまでの成長に半年近くもかかる悠二より成長速度は速い
>>871 シンデレラの時の康一君はまぎれもなく漢
シャナキャラごときをジョジョキャラに比べないでくれよ
ジョジョに失礼だ
シュドナイ?承太郎に瞬殺だろ
>>872 悠二の朴念仁っぷりは愛すべきところでもあるんだぜw
でも度が過ぎれば罪悪とも言うしな
>>871 確かに似てるな。
悠二のポジションを康一君にしたら第4部のクロスSSが出来そうだ。
>>878 広一君が主人公になるSS前にあったよ
何故かプロローグだけで終わったけど
復帰して続き書いてくれるか、誰か新しい職人さんが来ればいいんだけどなぁ・・・・・・
>>878 しかしそうなると由花子さんが出てこれないな
・・・何故かってことは言うまでもあるまい
>>879 変なのが粘着してるから誰も来ないだろ。
来ても叩くだろうし。
>>878 >>悠二のポジションを広一君に
零時迷子+スタンド+黄金の意思
tueeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!
>>880 由花子→殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺→シャナ、
由花子→泥棒猫の匂い→吉田さん
だからか?
>>883 広一君に弁当持ってきた時点で即、抹殺リストに入るぞwww>吉田さん
このスレこんなに活気あったっけ?
いつももっと過疎ってるじゃん。
>>884 そうだ!悠二はただの広一の友人という扱いで悠二を吉田さんと組っ付ければいいんだ!
そうすれば吉田さんは由花子に狙われずに済む!
スルーしてくれて構いません
>>875 ジョジョ厨ってみんなこんうなのか?
もしそうならこのスレ終わりだな
一方の作品がもう一方の作品を見下してる時点でクロスなんて無理
>>886 つまり・・・杜王町と御崎市を合体するわけか?
俺の勘違いかもしれんが、ありそうでなかった発想だな
>>887 たまに沸くんだよ、こういうの
>>875=887
自演乙
なりすましてんじゃねーよ
>>887 >>みんなこんうなのか?
お前日本語が不自由なのか?
>>874 命懸けの戦いの中の一分一秒は修行数週間分に匹敵するらしいから、サイヤ人みたいでも成長性は康一のほうが上とは言い難いさ。
実力に合わせて段々格上の徒と戦ってれば、悠二も早く強くなってたかもしれないし。
このスレが気持ち悪いのは事実だけどな
たかが誤字一つにこの食いつき…
自演か?
空気悪いね。みんな仲良く
だから止めろって。
スレが荒れるだけで誰も得しない。
確かにむかつくけどさ。
>>893 と、鏡を見れない粘着引きこもりなキモオタが申しております
まだサバイバー発動してるな…
お前らこのスレに粘着してる
>>893みたいなアンチに釣られすぎ
マジで落ち着け
流れを変えるために無冥氏早くSS投下してくれーーーーーー
って、無理か。昨日投下したばかりなのに。
ジョジョという作品は神格化されてるから扱いが大変なんだよね。
一方シャナは設定が細かすぎて扱いにくい。しっかり把握しないと矛盾が生じる。
クロスには向かない両者をここまで組み合わせている職人がどれだけ頑張っているか分かる。
戦闘面でしか物が見られない奴はクロスの楽しみをわかっていないよな
>>903 ジョジョは昔に比べてそれほど神格化されてないと思う
それにジョジョのクロスオーバーは本スレ以外にもかなりあるぞ
ジョジョのクロスが大好きな人もいるし、クロスしやすい部類だろ。
設定も動かし易いし、本体が生身な御陰で、スタンドの厨スペックがかなり緩和出来る。
○○はこんなキャラじゃない! って批判も、相当逸脱してない限りは無いし。
何より俺解釈入れやすい作品だからな。
無冥様ゎ神なンだから他のクソカス共ゎ黙ってろよ?
いつの間にやら900レス………
無冥さんの作品でもりあがってますな
さ、ひっそり俺も投下する(ガォン!
第2話
ウェザーにつれて来られた喫茶店は落ち着いた感じの店だった
店内はすいている。客は大学生ぐらいに見える少年が三人いた。
日本人のようだ。
一人は小さめの男の子
もう一人は………モヒカン……だろうか。「オクヤス」とかいう名前らしい
最後は………リーゼント?
「変な店ね……」
「おい、こっちだ」
三人の少年に気をとられているうちにウェザーが席をとったようだ
店員がやってくる
「ご注文は?」
「コーヒー。ブラックだ。お前は?」
「紅茶」
「かしこまりました」
「そういえば、あなたさっき私が大切なもの探してるっていったわよね」
「あぁ」
「あなたはどうなの?」
「俺が探しているのは………記憶だ」
「記憶?」
記憶喪失と言うことだろうか。
「あぁ」
考えを読まれたようだ。
「昔の記憶が一切無いんだ」
「ふぅん」
「お前は何を探しているんだ?」
「恋人」
「募集中なのか」
「違うわよ」
「冗談だ」
「そういう冗談は好きじゃないのよ」
「行方不明………か」
「えぇ」
「だがなぜ焦っているんだ?いなくなるのにはそれなりの理由があると思うが」
「………」
ここでヨーハンがいなくなった本当の理由を話すかどうか……
……一部だけ話そう。
そう決めた自分にフィレスは驚いた。
いつもの自分ならまずしない。
やはりこのウェザーとかいう男のせいだろうか
フィレスは徒のことは伏せて説明を始めた
「なるほど。その敵から逃す時にはぐれたのか」
「えぇ」
「お前はその恋人が敵に捕まっていないか心配していたと見ていいのか?」
「えぇ」
少し違うがあながち間違いでもない。
「だけどな」
「?」
何をいうのだろうか?
「そんなに焦って何になるんだ?」
「!」
「焦ったところで見付からないものは見付からない……」
「あなたに私の何が分かるの!」
つい怒りをあらわにする
驚いた大学生たちがこちらを見る
「何を見ているんだ?あっちへいけ。蹴り殺すぞ」
ウェザーがすごむと悪態をつきつつ外へ出ていった
「私が…私がどれだけ後悔したと思っているのよ!」
「あのときああしていれば、もしあそこであの選択をしなかったら
どれだけ悔やんだかあなたには分かるの!?」
そうだ、ずっと悔いていた。
自分をせめてせめて責め続けた。
あのときに、楽しかったあのときに戻れたらと何度も思った
それなのにこの男は………
「すっきりしたか?」
「え?」
「ずいぶんと耐えていたみたいだな。少しはガス抜きをしたほうがいい」
この男は分かっていてわざと?
だが頭では理解しても体が止まらない
「でもねっ!」
「おまえはまだいい」
男が言葉を遮った
>>NuyRfNV6
つまんないからもう止めなよ。見苦しい。
「お前はいい。てがかりがあるからな。
だが俺には無い。何一つ無いんだ。
思いでも、家も、仕事も、友達も、いたかもしれない恋人も」
「………」
思いもよらなかった。
この男は自分以上の苦しみを背負っているのだ。
もし、自分の記憶が無くなったら
あの楽しかったヨーハンとの日々も
ヴイルヘルミナと過ごした日々も
何もかも無くなるのだ。
「ごめん………」
「べつにあやまってもらう必要は無い。こっちも分かっていたが失礼なことを言ったしな」
to be continued・・・
あぁなんか単調だなぁ
すいません 後少ししたら変化つける予定なんで
やっぱバトルシーンは書かないといけないよなぁ
>>915みたいなのがいるから新しい職人が来ないんだよな。
NuyRfNV6氏GJ!
康一君達はもしかしてアメリカに留学してるのか?
再登場も有り?
新しい職人が来るのは大歓迎だが、こうレベル低いのが来ると…
>>919 小説家も漫画家も最初からレベル高い奴は全体の一割
>>919 無理してGJと言う必要はないけどスルーするくらいの度量は持とうぜ。
本当に無冥さんしか職人いなくなっちゃうぞ。
他の2人はスルーですかそうですか
◆Ea0R8d6UQA氏と◆cVhWKV23rU氏…
もう帰って来ないのかな…
そういえばちょっと前にヴィルヘルミナさんで書いてた人もいたな
まあこの人のも今のウェザーの人と同じで淡々としてて話に起伏がなかったけれども
あと無冥氏のSSって何か読みにくい気がするのは俺だけ?
色々と回りくどい表現を使うのはシャナから踏襲してるものなんだろうけど、それを差し引いてもなんか読みにくい気がするんだ
俺は承太郎が熱血漢になってるのに違和感
熱さは内にもっててほしい
それ以外は無問題、好きだ
>>926 作者が自己陶酔して書いてる文というのは大抵こんなもん
>>927 熱血漢はどちらかというとポルポルのポジションだからな
>>927 さぁCDブックを聞きに行くんだ。
多分違和感どころじゃないと思う。
あれはちょっと……
CDブック?聞いたぜw
承太郎の声若いなーwと吹いたが考えてみれば
まだ17歳だったと気付いてまた吹いた
最終戦の熱さもあれはあれで良いと思う、最終戦だし
承太郎は走馬灯見てるしDIOは目からビームやってくれるし
あえていえば「イギーの分、アヴドゥルの分、花京院の分、ジジイの分」
まで言ったらポルの分までやったれとは思ったが
無冥氏のは必死感がする
承太郎に叫びや「〜!!」は似合わない気がするんだ
ま、あくまでも主観なので気にしないでくれ
目ビームは赤くなるとガード不可なんだぜ!
タンデム中にやろうとしたら失敗したぜ!
DIOとの最終決戦でもそうだったけど、何も言わずにブチ切れるのが承太郎なんだよな
ジョセフがDIOに致命傷を食らったときも大声でブチ切れるようなことはしなかったし
まあある意味、言葉よりも行動の方が先に出るタイプとも言えるかも
よく考えたら最期の時しか叫んでないよな
>承太郎
つ貴様がやったのはそれだ!!ア〜〜〜〜〜〜〜ン!!
つ「キャラが決まってなかった」
または
つ「身内(親しい人)が傷つけられるのは許せない」
最期も娘を見て「うおおおおおお」って叫んでたし……
でもジョセフの時は叫ばなかったよね
つ「こんなことを見せられて頭に来ねえヤツはいねえ!」
そもそも3部の動機は母ちゃん助けるためだしな
情が厚いよ承太郎
「オラオラ」言ってるのは承太郎なの?スタプラなの?
両方。
承太郎はツンデレ
クーデレだろ
励ましてくれる人もけなしてくれる人もありがとう!
続きの投下です
第3話
落ち着いたフィレスはふと疑問を口にする。
「あなたはやはり記憶を取り戻したいの?」
「あたりまえだろ」
「でも………嫌なことも思い出すかも………
それにあなたの記憶には絶望しかなかったら?
記憶を取り戻すのは恐くないの?」
ウェザーは少し静かになった。そして顔をあげた。
「もし………そうだとしても俺は恐れない」
「………」
「確かに絶望しかない記憶かもしれない。
だけど今の俺は何も見えない暗闇の中なんだ」
ウェザーの声が少し熱くなっている。
「今の俺にとっては記憶を取り戻すことが希望なんだ」
「希望………」
希望
自分が忘れていた言葉だ
私には絶望しかないと思っていた。
でも、私にも希望は、ある
ヨーハンと再会すること
ヴィルヘルミナとまた会うこと
そう、それだ。
もう迷わない
この希望があればたとえどんなに時間がかかろうともきっと大丈夫だ。
もう見失わない
大切なもの 大切な思い
「ありがとう」
「?」
いきなり礼を言われてウェザーは困惑していた。が、何かを理解したらしく、
「助けになれたなら嬉しいな」
そう、言った
「ご注文の品です」
そうウェイターが言った。
「ありがとう。なぁ、こんなしみったれた話はここらで止めて世間話でもしないか?」
「そうね」
「あの………チップ………」
それからは世間話をした。
と、いっても話していたのはほとんどフィレスだった。
当り前といえば当り前だろう、記憶のないウェザーは話すことなどほとんど無い。
よってフィレスが自分の事を話すしかない。
が、フィレスも徒のことを話すわけにはいかず、話しは途切れがちになった。
それでも楽しい。
それがフィレスの感想だった。
ヨーハンがいなくなってからこんな楽しい時間は初めてだ。
まるでそよ風のような男だ。
相手のことを気遣い、しかし深くは聞かず、ただ穏やかな時をつくり出す。
基本的に優しい男なのだろう。
きっとこんな自分の相手をしてくれているのはその優しさからだろう。
「雨は空気中の水蒸気が、飽和した時にだな………」
天気の話をしているウェザーを見て彼女は思った
そういえば、ウェザーは天気の話しかしゃべっていない。
何故だろう。もしかしたら彼の記憶の断片なのかもしれない。
そういえば、もう一つ気になることが………
「ねぇ」
ウェザーの話をさえぎる。
「なんだ?」
「何故あなたはウェザーってなのってるの?」
「………」
かなり戸惑っている、そして今まで見たことが無い程困っている
困っている?仮の名前になぜそんな表情をするのか………
「なにか聞かれたら困るの?」
「それは………」
明らかに態度がおかしい。
もっと問い詰めてみよう
彼女は彼女本来の好奇心から聞こうとした。 と、そのとき
世界が止まった
封絶!?
こんなときにタイミングが悪い。
敵はいったいどこから来………
「おい、これはなんなんだ?」
「!?」
ウェザーが、動いていた。
to be continued・・・
見て分かる通りバトルシーン入ります
………入っちゃった………
どーしよ
最強説すらあるウェザーを戦わせていいんだろーか
もうウェザーが徒をフルボッコする構図しか思いつかねぇ………
乙です。
ウェザー、優しくてカッコいいなw
やっぱジョジョキャラはこうでないとw
GJ
ウェザー好きの俺にはこの先の展開が楽しみですw
GJ
炎弾は空気の層で軌道をそらしてお終いだし、
肉弾攻撃は空気摩擦で燃やして逆に相手にダメージ
パワーに関しては風圧パンチがガードした腕をぶち抜くほどの威力だし、
そもそも近距離では必殺の落雷攻撃があるというチートぶりだからな
並の徒では手も足も出ずにウェザーに負けてしまいそうだ
もう一人の巨匠マダー?
今度の土日で落ちそうだな
一気にラストまでいってみせる!
まぁ投下です
第4話
「あなたはなぜ動けるの………?」
信じがたい光景だ。普通の人間が封絶内で動いている。宝具を持っているのかと思ったが違うようだ。
「フィレス……これについて何か知っているのか?」
「………いいわ。時間がないから手短に言うけどよく聞いて」
フィレスは話した。徒の事、封絶の事、フレイムヘイズの事。
「なるほどな………。敵が来ているかもしれないと言うわけか」
「えぇ………」
「そうと分かれば話しは早い。外に出よう。敵を迎え打つ」
ウェザーは外に向かう。
「でも………」
ただの人間のウェザーが徒と戦うなどできない。そう言おうとしたときだった。
「ウェザー・リポート!」
ウェザーがそう叫ぶとウェザーのそばに何かが現れた。
その何かは雲でできた人の形をした何かだった。
「それは………?」
「スタンドとかいう超能力の一種だ。俺はこいつをウェザー・リポートと呼んでいる」
ウェザーの説明によると精神エネルギーがつくり出す形あるヴィジョンだという。
一般人には見えないらしいが、どうやら自分が徒だからか、それとも封絶の影響か今は見える。
「そして、スタンドは必ずなにか特殊な能力を一つ持っている」
「あなたの能力は?」
「天候を操る能力だ。それよりも敵の数がずいぶん多いな」
見まわす。徒の姿は一つも見えない。これがウェザーの能力の一つなのだろうか?
「空気の動きで探っている。北に1匹、北東に2匹、西に1匹、南に1匹。
ぜんぶで5匹いるな。南の敵が一番近い」
南を見る。と、同時に徒が出てきた。西洋画の悪魔のような恰好だ。
「俺の接近にきづくたぁやるな。だがこれで終りだ!」
炎弾が数発襲いかかる。が、すべてあらぬ方向へと飛んでいった。
「空気の層をつくって軌道をそらした。この程度か?」
徒はなにごとかわめいて突っ込んで来る。が、体が燃え始めた。
「な!?」
「空気摩擦を知らないのか?なかなか速いが、その速さが命とりだったな」
「ギ……………」
「2匹目が来たか………」
こんどはマネキン人形のような敵だ。
「イヒヒ……さっきのはみせてもらったちょ。これならどうだい!?」
とんできたのは無数のナイフ。
「あの数どうするの!?」
「問題ない。風で押し戻す」
言葉通りのすさまじい風が吹いた。ナイフはやはり無数に散らばる。
が、徒がすぐそばまで来ていた。
「さっきのナイフはおとりさ!死ね!」
そしてナイフが振り降ろされる。
「ウェザー・リポート!」
今度はスタンドが直接殴る。一瞬二つの腕が交差し………
「ギャス!」
勝ったのはウェザーだった。
「休ませてくれる暇もないな。次が来た」
今度の2匹は……犬の化物と猫の化物。そんな印象だった。
「あの二人やられてるよ!人間如きにさ!弱っ!」
「油断するな。それだけ奴が強いということだ」
猫はヒステリック、犬は冷静なようだ。
二匹は互いにウェザーをはさむように移動する。
「はさみうちか………」
「私も手伝う?」
「いや、俺一人でいい。それに………もう勝っているしな」
「?」
二匹が同時に襲いかかる。ウェザーも必死に防御したが2対1、防ぎ切れるものではない。
既に数箇所傷を負っている。
「あれあれぇ?このまま勝てんじゃないのぉ?」
「油断はするな………次できめる」
「あぁ、きまるだろうな………お前たちの敗北が、だがな」
「なーーーーにをいってんだよ!負けんのはてめーだっ!」
そして二匹が踏み出し、何かに刺さった。
「氷柱!?」
「少し時間がかかったがな。どうだ?その足で勝てるか?」
「く………くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
襲いかかる。が、
「ウェザーリポート!」
雷が2匹を貫いた。
「あと一匹……」
最後のひとりが現れた。こいつは人間にそっくりだ。ナポレオンを彷彿とさせるような服を着ているが。
「あいつらを一瞬で倒すとは………なかなかだな」
「褒めてくれて感謝する」
「だが、お前は私には勝てない」
そういうと一瞬で間合いを詰める。いつだしたのか手には剣を持っていた。
胴を狙う。ウェザーはなんとか避ける。続いて刺突。鋭い。避けるが右の甲を切られる。
次々と鋭い剣がウェザーを襲う。必死でウェザーも避けるがこのままでは負けるのは目に見えている。
こいつ………強い………
ウェザーは思った。
その間にも激しい攻撃は続く。と、突然徒が炎弾で吹き飛ばされる。
「フィレス………」
「いまのうちよ!さっきの雷を!」
炎弾を打ち続けながらフィレスが叫ぶ。が、
「本当におまえが彩瓢か?まるで力が無いぞ」
徒が既に二人の後ろに回っている。
やはり存在の力をながく食らっていない影響だ。
「おまえは後でいいな。人間!死ね!」
一瞬で間合いを詰めウェザーに剣を振り降ろす。そして、
「幻!?」
「その通り。それは蜃気楼だ」
「くそっ!ぐふっ………」
スタンドの拳が徒を貫く。
「いつのまに………」
「はっきりいってまずかった。あのままなら負けていただろうな。
だがフィレスが時間をかせいでくれたからな。じゃあな」
そして徒が崩れ落ちた。
「少しは恩返しできた?」
「あぁ、おお助かりだ」
エピローグ
その後フィレスが修復をおこない、二人は近くの公園に来ていた。
「おわかれね」
「あぁ」
「久しぶりに楽しかったわ。ありがとう」
「こっちもだ」
「記憶、見付かるといいわね」
「お前も恋人と再開できるといいな」
「えぇ、さよなら。ウェザー」
「さよならだ。フィレス」
二人は互いにべつの方へ歩き出した。
それぞれの希望を胸に。
二つの風は運ぶ
運命を
眠れる奴隷たちの目を覚ます
目覚めの風となって………
完
終りました!
もうこんな下手な作品ですいません。
励ましてくれた人!けなしてくれた人!両方ともありがとう!
こんど会うときはもっとうまくなって会いたいです。
では!