ジョジョとシャナの奇妙な冒険 メロンパン二個目

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1マロン名無しさん
SSがメインですが、雑談もどうぞ。
荒しは封絶かスタプラで止めてください。
職人に感謝。

前スレ シャナが助けたのが空条承太郎だったら・・・
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1164087645/
2マロン名無しさん:2007/02/07(水) 20:19:19 ID:???
スレ立て乙
31:2007/02/07(水) 20:20:13 ID:???
このスレは常時sage進行でお願いします
4マロン名無しさん:2007/02/07(水) 20:21:07 ID:???
このスレを見る人へ

・意味のない強さ論議は禁止。
・煽り、荒らしはスルー推奨。
5マロン名無しさん:2007/02/07(水) 20:28:45 ID:???
>>3
だが断る
6マロン名無しさん:2007/02/07(水) 20:31:31 ID:???
>>5
甘ったれた事言ってんじゃあねーぞッ!このクソガキがッ!
もう一ペン同じ事をしやがったら、てめーをブン殴るッ!
7マロン名無しさん:2007/02/07(水) 21:15:05 ID:???
>>1
封絶ってなに?
8マロン名無しさん:2007/02/07(水) 21:20:04 ID:???
>>7
        ,.-─ ─-、─-、
      , イ)ィ -─ ──- 、ミヽ
      ノ /,.-‐'"´ `ヾj ii /  Λ
    ,イ// ^ヽj(二フ'"´ ̄`ヾ、ノイ{
   ノ/,/ミ三ニヲ´        ゙、ノi!
  {V /ミ三二,イ , -─        Yソ
  レ'/三二彡イ  .:ィこラ   ;:こラ  j{
  V;;;::. ;ヲヾ!V    ー '′ i ー ' ソ
   Vニミ( 入 、      r  j  ,′
   ヾミ、`ゝ  ` ー--‐'ゞニ<‐-イ
     ヽ ヽ     -''ニニ‐  /
        |  `、     ⌒  ,/
       |    > ---- r‐'´
      ヽ_         |
         ヽ _ _ 」

     ググレカス [ gugurecus ]
   (西暦一世紀前半〜没年不明)
9マロン名無しさん:2007/02/07(水) 21:26:22 ID:???
10マロン名無しさん:2007/02/07(水) 21:44:39 ID:???
職人さん投下マダー?
11 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/07(水) 21:52:36 ID:???
うお!?なんか次スレ立ってるし。
ンじゃ、投下いきまつ・・・・・・・('A`)
12 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/07(水) 21:57:33 ID:???
 続き

 不意に、背後で轟音。
 シャナに両断された首玉が、二つに分かれて砲弾のように飛んできた。
 振り向き様にスタープラチナとシャナの強烈な前蹴りが打ち出される。
 真反対からの強烈な刺突を受けた首玉は、あらぬ方向に弾き飛ばされた。側のレストランと携帯ショップを砕いて、まためりこむ。
 シャナは承太郎を一瞥すると、蹴りの反動で路面に刺さった軸足を抜き、濛々と土煙を上げるレストランに向けて歩き出す。
 承太郎は学ランのポケットから煙草を取り出して火を点けた。
 「わざわざ確認する間でもねぇんじゃねーのか?」
 「おまえは黙ってて。」
 シャナは背を向けたまま、すげなく言う。
 その背後から人影が飛んでくる。人影は承太郎の広い背を狙って手を伸ばす。
 シャナが振り向き様、刀を一閃する。
 承太郎の首筋すれすれを、横薙ぎの斬撃が通り過ぎる。
 これら四半秒もない時の流れの中で、誰かの悲鳴が上がっていた。
 「っぐぎ!ぐあぁっ!!」
 背後で何かが路面に落ちた。
 承太郎の足下に、女性のものらしい、切り落とされた腕が転がっていた。
 その腕はさっきの巨大な人形同様、薄白い火花となって消える。 
 更に上部で金髪の女性が目を見開いたまま空中で停止していた。
 その脇腹にはスタープラチナの裏拳が深々とメリ込んでいる。
妙に無機質な顔を苦痛に歪め、女性は路面に落下した。
 「フン、『逃げるにしてもせめて一太刀浴びせていく』ってわけか?」
 承太郎は銜え煙草のまま、 
 「こんな簡単に釣れちゃうと、返って拍子抜けしちゃうわ。」
 シャナは笑みを含ませて、傲然と言い放つ。
 「なかなか悪くねぇ「読み」だったぜ?『シャナ』」
 自分で言ったことだが、初めて面と向かって呼ばれた名前にシャナは、 
「うるさいうるさいうるさい。図体デカイから囮に利用しただけよ。」
 と、頬を紅潮させてそっぽを向いた。
13マロン名無しさん:2007/02/07(水) 21:57:50 ID:???
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +
14 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/07(水) 22:03:57 ID:???
 先程シャナは自分の意志を最大限、瞳に込めて承太郎を見た。
承太郎はその意図を一瞥しただけで理解した。瞬き一回に満たない、刹那の視線の交差。
 戦闘の天才同士のみによって可能な、高度なアイコンタクトだった。
「『炎髪と灼眼』・・・・・・アラストールの『フレイムヘイズ』か・・・・・・そ・・・・・・それに・・・・・・そっちの人間は・・・・・・
 まさか・・・・・・まさか・・・・・・!?『天目一個』!?馬鹿なッ!確か討滅されたはずッッ!」
 「もうしゃべるな。話が噛み合わねえ。」
 承太郎が吐き捨てる。
 「お、お前達・・・・・・!私のご主人様が黙っていないわよ・・・・・・!」
 陳腐な脅し文句に、承太郎とシャナは鼻で笑って返す。
 「フン、なるほどな。このフザけた玩具はその『ご主人様』とやらのもんか?
  だがもう二度と遊べないようにたたっこわしてやるぜ・・・・・・・・・・・・」
 承太郎は逆水平に構えた手で金髪の女性を指差す。
 「ご主人様の顔面の方をな・・・・・・・・・・・・」
 「でも、今はとりあえず、お前の断末魔を先に聞かせて。」
 シャナは片手で刀を大きく振りかぶった。
 「ぎゃああっ!!」 
 美女の絶叫が紅い空間に響き渡った。
15 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/07(水) 22:09:52 ID:???
 一切の躊躇もない、左の肩口から腹にかけての袈裟斬り。
 斬り裂かれて仰け反って倒れる美女、その火花散る中から、小さな人形が飛び出した。
 「ちいっ!」
 舌打ちするその人形は、茶色い毛糸の髪、青いボタンの目、赤い糸で縫われた口という粗末なもの。
靴も指もない肌色フェルトの脚が路面を蹴って、低く後ろに下がる。
 これを追おうとしたシャナと承太郎は、しかし、胸元のアラストールから叫びを受ける。
 「後ろだ!」
 背後で埋もれていた半分になった首玉が再び二人を狙って、瓦礫の奥から砲弾のように飛び出してきた。
 「オラァッ!!」
 「はあぁッ!!」
 一閃。
 神速の右ストレートと直突きが首玉を貫く。
 拳と剣に串刺しにされた首玉はしばらく生き物のように蠢いていたが、
やがて動かなくなり大量の火の粉となって爆ぜ、消えた。
 そしてこの間に、人形も何処かへと去っていた。
不意な静けさが、人々の小さな残り火と破壊の傷跡を残す街路に訪れた。
 それをシャナの声が破る。
 「あの『燐子』の言い方からすると、案外大きいのが後ろにいそうね。」
 それに答えるアラストール。
 「久々に『王』を討滅できるやも知れぬ。」
 「うん。それにしても、」
 承太郎は黙って二人のやりとりを聞いていた。
 聞きたい事は山ほどあったが、状況から判断して今、
その疑問を口にしてもきっと自分が満足するような解答は得られないだろう。
二人(?)の会話が一段落した後、アラストールに問いただすのが合理的なやり方だと思った。
「・・・・・・おい?おまえ?」
 いつの間にかシャナが目の前にいた。
 
16 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/07(水) 22:20:36 ID:???
 『本当に目の前にいる』
 その身体は宙に浮いていた。
 灼熱の光を点す瞳と髪が急に迫り承太郎の目に焼き付く。
 「アン?何か用か?」
 今更、特に驚く事でもないので承太郎は普通に返す。
 「気が進まないけど・・・・・・」
 シャナは小さく呟く。
 「アラストールが『見えるように』してやれって・・・・・・」
 頬も触れあうような、その近さ。
 シャナの視界の隅に承太郎の両耳のピアスの煌めきが映る。
 鼻にかかる、熱い火の香りと、仄かで柔らかな匂い。
 その小さな口唇がすぼめられ、承太郎に鋭く息を吹きかける。
 いきなり承太郎の全身が激しく燃え上がった。
 「・・・・・・!!」
 思わず声を上げそうになるが、熱さを全く感じないのでその必要がない事に気付く。
 火は消えていた。大事な制服には焼け焦げ一つ付いてない。
 しかし、その事を確かめた後に眺めた風景に、
 (・・・・・・なんだ?)
 ぽつん、と点る小さな光が紅い空間、元の街の中そこかしこに点在していた。
 蛍の光のような、しかし今にも消え去りそうな弱々しい色彩の光。 
 (・・・・・・人間?いや、人間の命の残り火・・・・・・か?)
 直感以上の確信。
 それを目の前の少女に訊く。
 「何しやがった?あっちこっちに妙な光が見えるぜ。」
 が、シャナはもう遠くの方に行っていた。
 
17 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/07(水) 22:25:01 ID:???
 「さっきの見た?あの『燐子』ちゃっかり手下が集めた分、持ってっちゃった。」
 それにアラストールが、嘆息混じりに答える。
 「うむ、抜け目のない奴だ・・・・・・が、あの者が『徒』に引けを取らない事が解っただけでも
よしとすべきだろう。討滅自体はいつでもできる。」
 「・・・・・・どうだか、ね。」
 シャナは呟いて右の人指し指を天に向けて突き立てた。
 周囲で光が弾け、承太郎は思わず身構える。
 路面にまばらに散っていた、まるで人々の名残のようだった小さな灯りが、
ふ、と幻が湧くように、人の形を取り戻していた。
 (無事だったのか!?)
 一瞬、希望を抱いた承太郎はしかし、棒立ちの彼らの胸の中心に、
先程の今にも消えそうな弱々しい灯りが点っているのに気付いて愕然とする。
 その灯りは、最初に怪物に人々が襲われた際、燃え上がった炎と同じもののように思える。
 (だが・・・・・・さっきは身体全体を包んでいた。
しかし、今は喰われた分減っちまったみてーだぜ・・・・・・)
 突然、承太郎の体をおぞ気が走り抜けた。
 理由は解らないが、その光に底知れない邪悪な意志を感じ取った。
 その存在。その概念に。
18 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/07(水) 22:28:53 ID:???
 「『トーチ』はこれでよし、と。『直す』のに何個か使うね。」
 「うむ・・・・・・それにしても、派手に喰いおるわ。」
  言う間に、幾人かが、再び一点に凝縮された。瀕死の蛍のようになったその灯は宙を流れて、
シャナの突き上げた指先に宿った。
 瞬間、灯は一斉に弾け、無数の火の粉となった。
 それらの火の粉は、この陽炎の壁に囲まれた空間の中に舞い散ってゆく。
怪物や自分によって壊された所に触れると、火の粉はそこから持てる暖かさを染み透らせるように微光を宿らせ、
周囲へと広げる。
 「・・・・・・!」
 承太郎が眺める先で、微光を宿した全ての箇所が、ゆっくりと、無音で、テープの逆回しのように、壊れる前の姿へと戻っていく。
 砕けた敷石がひびを霞ませ、割れたショウウインドウが張り直され、落ちたアーケードが持ち上がり、
折れた街灯が伸びる。黒い焼け跡や、薄く澱んでいた煙さえ、消えてゆく。
 修復の終わった場所からは微光が失せ、光景はどんどん元通りになる。 
 この空間に囲われた人々が、胸に灯を点した以外は。
 シャナの指先で火の粉となって散った人間が、欠けている以外は。
 やがて、修復が全て終わる。それは、時間にしてほんの十秒ほど。
 シャナが、おもむろに告げる。
 「終わり、と」
 光と衝撃が湧き起こった。 
19 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/07(水) 22:31:58 ID:???
 「・・・・・・!」
 承太郎は反射的に手で光を遮る。
 次の瞬間、承太郎は雑踏の喧噪に包まれていた。 
 視界を覆っていた手をどければ、そこには、血のように赤い夕焼けに染まる繁華街と、
ざわめく人の流れがあった。
 周囲を覆っていた陽炎の壁も、足下に描かれていた火線の紋章も、全て掻き消えている。
 異変が起こる前の状態に、完全に戻ったのか。
 (・・・・・・違う)
 承太郎は、その違いをはっきりと感じていた。
 自分と一緒にあの妙な場所に囚われた人々は、まだ弱く薄い灯を、胸の内に点していた。
 シャナの指先で火の粉となった人間も、いない。
 なのに、誰もそのことを言わない。当たり前のことのように、みな、気にしない。
 (・・・・・・いや、気付いてねーんだ。オレの幽波紋(スタンド)が他の人間に見えねーのと同じように・・・・・・)
 やがて、灯を胸の内に点す人々は、雑踏の中に、どこか弱々しい足取りで散っていった。
 「おい?ちょい待ちな。」
 承太郎は胸に薄い光を宿した若い男の肩を掴んだ。
 「・・・・・・・・・!」
 ゾッとするほど生気のない顔をしていた。目の前にいるのに存在感は虚ろそのもの。
意志も、感情も、気配すらも感じられない。
 男は承太郎と一度も視線を合わせずに背を向けて雑踏に消えていく。それが去るのを黙って見ていた承太郎は
自分の前にシャナが立っていることに、ようやく気付いた。髪と瞳は元の艶のある黒色に戻っている。
 そうやってシャナを見下ろしていた承太郎は、やがて自分こそが、周りの注目を集めている事に気づいた。
 視線がいつの間にか鋭くなっていたので、所謂『ガンをつけている』状態になっていたのだ。
 周囲の人間には大柄な男が少女に因縁をつけているように見えたのだろう。 
通り過ぎる人間が足早に去っていく。
 「フン・・・・・・」
 承太郎は鼻を鳴らすと学帽の鍔で目元を隠し、シャナと共に歩き出した。
20 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/07(水) 22:35:46 ID:???
 黄金色に輝きながら黄昏の終焉を迎えつつある繁華街で、派手な学ランに身を包んだ長身の美丈夫と、
黒寂びたコートを着た小柄な美少女の組み合わせは、その身長差も相まって恐ろしく目立った。 
 相乗効果によりその存在感が歯車的砂嵐の小宇宙と化した為、二人が歩むにつれて人込みが旧約聖書の十戒のように割れていく。
 周囲から無分別に寄せられる好奇の視線や言葉。中には映画か何かの撮影と間違えてテレビカメラを探し出す輩までいた。
それらを一切気にも止めず、承太郎とシャナは人の波を切り裂いていく。  
 「・・・・・・早いとこ説明してくれるのを期待してるんだがな」
 承太郎の呟きにシャナはいきなり冷淡に告げた。
 「アレはもう「人間」じゃない、ただの「物」よ」
 「・・・・・・なんだと?」
 再び視線が尖る承太郎にシャナは更に冷淡に告げる。
 「本物の『人間だった存在』は、『紅世の徒』に存在を喰われて、とっくに消えてる。
アレはその存在の消滅が世界に及ぼす衝撃を和らげるため置かれた『代替物』、『トーチ』なの」
 端的な言葉を、承太郎はその超人的な判断力ですぐさまに分析し、そして理解する。
シャナもそれを見抜いた上で話していた。 
 「トーチ?代替物だと?・・・・・・・つまりアレは喰われた人間の成れの果て、
『残り滓』ってこと、か?」
 追い討ちかけるようにシャナが続ける。
 「そうよ。理解が早くて助かるわ。周りにぞろぞろ歩いてるのも見えるでしょ?
そいつらもみーんな、喰われた残り滓。この近くに、さっきみたいに、
『存在の力』を集めて喰ってる『紅世の徒』の一人がいるのよ。その犠牲者ってわけ。
別に珍しくもない、世界中で普通に起きてることよ。」
 承太郎は今度は黙ってシャナの言葉を聞いていた。
 途中一度、周りの『トーチ』を見渡すと、視線を落として俯く。
 何も言わず、表情は伺えないが怒りに震えているのが解った。
21マロン名無しさん:2007/02/07(水) 22:37:06 ID:???
ええい!まとめサイトはまだか!?
22 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/07(水) 22:40:14 ID:???
 「そんな大事が起こってんのに誰も気がつかねーのは、さっき周りにあった赤い壁みてーなやつの所為か?
確かそこのジジイが『封絶』とか言ってやがったな?」
 そう言って承太郎は顎でアラストールを差す。
 「!?・・・・・・おまえ、意外と鋭いわね。」
 「・・・・・・我の事は『アラストール』で良い。」
 シャナが驚きの声を上げるのと、アラストールが珍しくムッとした声を上げたのはほぼ同時だった。
 「正確には、あの壁の中の空間。あそこは世界の流れ、因果から一時的に切り離されるから、
周りに何が起こったかを知られることはない。それに『存在それ自体』を喰うから、
喰われた人間は『いなかったことになる。』後には痕跡すら残らないわ。」
「誰にも見えねえし、解らねえか。その点じゃ幽波紋(スタンド)と殆ど変わらねえな。」
 シャナが立ち止まった。
 目の前にタイヤキの売店があった。
 シャナは店員に言って、ホットプレートの上にある分を全部買う。
袋に詰めてもらうのを待ちながら、世間話でもするように、軽く言う。
 「でも、ただ食い散らかしていると、急に存在の空白を開けられた世界に歪みが出る。
だから、全部は喰わずにトーチを残して、空白が閉じる衝撃を和らげるのよ。」
 シャナはタイヤキで一杯になった袋を受け取る。
 「・・・・・・・・・さっきテメーがやってたアレか?残された人間の光を使って壊れた場所を修復してたな。」 
 「当たり前じゃない。薪がなければ火は燃えないでしょ。元になる力が無いと、
物は直せない、人も治せない。」
 「・・・・・・そうだな・・・・・・」
 少し考えた後、承太郎は学帽の鍔で目元を覆いながら言った。
 「・・・・・・それだけ?おまえなら「直すのに人間を使うなんてフザけるな」とか言うと思ったけど?」
 それに対する反論はもう既に頭の中に出来ていたので、承太郎の意外な態度にシャナは肩透かしをくらったような気分になる。 
 「それしか手がねーんだろ?まさかブッ壊れたまま放っとくわけにもいかねーしな。
なら何も言いようがねぇ。テメーが殺したわけじゃあねーからな。」
 一度死んだ人間は、もうどんな能力を使おうと戻らねぇ、そう小さく呟いて承太郎は押し黙った。
23 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/07(水) 22:44:10 ID:???
 「フン、似たようなものよ。」
 なんだか擁護されたみたいで面白くないシャナはわざと突き放すような言い方をした。
 「あ、ちょうどいいわ。見なさい、おまえ。」
 シャナが空いた方の手で指差した。
 「今、正面から歩いてくるトーチ、もうおまえには見えるでしょ?」
 人込みに頼りない足取りで混じる、印象の薄い中年の男。その胸の内に、小さな灯がある。
それが、ふと、消えた。燃え落ちた。
 男もいつしか、消えていた。それがなんでもないことであるかのように。
 周りを歩く人々は誰も、そのことに気付かない。いや、気にしない。
承太郎も、言われなければ注意を払わなかったかもしれない。それほどに、男の『存在感は薄かった』。
 「今のが、燃え尽きるって事か?もうさっきの男の事を覚えてるやつは、オレ達以外、誰もいない?」
「そ」
 シャナは簡単に答えて、また歩き出した。袋からタイヤキを取り出す。
 やらないわよ、と横に鋭い視線で訴えるが、承太郎は何か別の思索に耽っていて自分の視線には気づいていないらしい。
 結果的に無視された形になったシャナは、なによ、とムクれてタイヤキの上半身に噛みついた。
 承太郎はスタープラチナで周囲を見渡した。シャナの言うトーチになった人々を探す。
・・・・・・・血のように紅い夕焼けに染まる人込みの中、弱々しい灯を内に宿す、その『人の代替物は』、
街中に嫌になるほど目についた。
 「!」
 その視界の端で、また一人、灯が燃え尽きた。
 ランドセルを下げた小さな子供が、消えた。
 傍らには、母親らしき中年の女性がいた。 
 しっかりと握られた二つの手。
 その目の前で、鞄も、服も、靴も、余韻すら残さずその子は消えた。
まるで宙をたゆたうシャボンのように。 
 しかし母親はその事に気づかない。 
 人込みは変わらずに、流れている。
 承太郎の犬歯がギリッと軋んだ音を立てた。
24 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/07(水) 22:50:32 ID:???


 母親を喰われた子供は、母の帰りをずっと待つのだろう・・・・・・
 子供を喰われた母親は、息子の帰りをずっと待つのだろう・・・・・・
 化け物に殺された娘や兄弟の帰りを、家族達はこれからもずっと待つのだろう・・・・・・
 『自分が待っているという事にすら気がつかないまま』・・・・・・・・


 爪が皮膚を突き破るほど、強く拳を握りしめた承太郎の心情を敏感に察知したアラストールが、
タイヤキを頬張り始めたシャナの代わりに言った。
 「・・・・・・そう憤るな。我ら『紅世の徒』の中にも、この世の存在を無闇に喰らうことで世界のバランスが崩れ、
それが我らの世界『紅世』にも悪影響を及ぼすかもしれぬと危惧する者が数多くいる。」
 承太郎はシャナの胸元で揺れるペンダント、アラストールを睨んだ。 
 「我ら?アラストール。テメーもそのグゼとかいう・・・・・・さっきの化け物共の仲間なのか?」
 「貴様が出会ったのは、『燐子』という、我ら『徒』の下僕に過ぎぬ存在だが、
まあ、人間の視点で言えばそのようなものだ。ともあれ、その災いが起こらぬように、
存在の乱獲者を狩り出して滅す使命を持つのが、我ら、『フレイムヘイズ』というわけだ。」
 声を発するアラストールの上でタイヤキを頬張ったシャナが年相応に目元を緩ませている。
 「・・・・・・やれやれ、それはまた随分と頼り甲斐がありそうだな。」
 その『フレイムヘイズ』の少女を剣呑な瞳で見ながら承太郎は言った。
 こんなに幼い子供が何故そんな異様とも言える戦闘組織に属しているのか、
気にはなったが承太郎は聞かなかった。無闇に他人を詮索するのは趣味じゃない。
 承太郎はシャナとアラストールの話した内容をもう一度反芻して理解した後、核心に入る。
 自分自身の、核心に。
 「最後の質問だ。」
 そう言って人差し指を立てた。
25マロン名無しさん:2007/02/07(水) 22:54:49 ID:???
>歯車的砂嵐の小宇宙
アバ茶吹いたww
26 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/07(水) 22:56:50 ID:???
 「テメーらが追ってるその『紅世の徒』とかいうヤツらと、『DIO』との関係は一体なんだ?」
 DIO。
 その名前に周囲の空気が一気に重くなる。
 重苦しい沈黙を破るようにアラストールが言った。 
 「・・・・・・我らにもあの男の概要はよく解らぬ。元は桁外れの器をその内に蔵していた人間であったらしい、
という事以外はな。ただ、最近『紅世の徒』の多くが彼の者の僕となった事が判明した。
世界の存在の強烈な『ゆらぎ』によって・・・・・・・・・・・・」
 シャナはその時の感覚を思い起こした。
 脳裏に最初に浮かんだ言葉は、魔王。
 しかしそんな陳腐な表現ではとても足りない、世界の要石に楔が穿たれたかような途轍もないプレッシャー。
その存在の力はかつて討滅した『紅世の徒』など比べものにもならない。
  それが、DIO。
 「彼の者はその強大な力を以て『紅世の王』にすら勝利し支配する。
その存在はまさに『王の中の王』。かつて己が潜血より数多の魍魎を生み出したという事から、
『幽血の統世王』と我らは呼んでいる」
 アラストールの言葉にシャナが補足した。 
 「それでフレイムヘイズとして王を討滅するなら、ジョセフと共に行動した方が良いってアラストールと相談して決めたの。
どうやらおまえの血統はあの男と関わりが深いようだしね。」
 「・・・・・・それじゃあ、さっきのもDIOのヤローの差し金か?」 
 「うむ。そうみるのが妥当であろう。我らの入国とほぼ同時に、この界隈で『封絶』が起こったからな。
偶然にしては出来過ぎだ。配下に敷いた『徒』から、我らが仇敵、ジョースターと盟を結んだ事は伝え聞いていようしな。」
 「悪党は悪党同士連みやがる、か」
 便所のネズミも反吐をブチまけるようなドス黒い気分が、承太郎の心の内に広がっていく。
27 ◆ktuOoSP9Ds :2007/02/07(水) 23:00:31 ID:???
 「残された時間は限りなく少ない。彼の者はこうしている間にも下僕を増やし、
人間を喰らい、その力を増大させている。現世の真の帝王となるためにな。
そしてその手始めとして承太郎よ。まずは貴様が狙われるはずだ。」
 脳裏に写真の男が思い浮かぶ。
 その視線。この世のどんな暗黒よりもドス黒い邪悪な眼光。
 その男のせいで関係のない人々が大勢死んだ・・・・・・
 何の脈絡もなく、唐突に、理不尽に、虫けらのように、
 何も、何もわからないまま・・・・・・
 その存在すら消し飛んだ。 
 「・・・・・・野郎・・・・・・DIO・・・・・・!」
 怒りで承太郎の眼輪筋が震え出す。
 空間まで蠢くようなその気配に、前方を歩いていたシャナが振り返った。 
 「おまえ・・・・・・?」
 (舐め腐りやがって・・・・・・!上等だッ・・・・・・!わざわざ待つ間でもねー。囲ってやがるその『徒』諸共・・・・・・
この空条 承太郎がじきじきに出向いてテメーをたたむッッ!!)
 倒すべき宿命。
 消し去るべき因縁。
 承太郎の碧眼に決意の炎が燃え上がった。
 熱く。激しく。燃え尽きるほどに。
28マロン名無しさん:2007/02/07(水) 23:04:07 ID:???
すごいぞー!かっこいいぞーー!!
29 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/07(水) 23:07:45 ID:???
終わったぁ〜〜〜〜・・・・・・('A`)
しかし長ぇな、オイ・・・・・・('A`)
やっぱ説明描写は苦手、バトルの方が100倍書きやすいわ・・・・・・('A`)
次はようやく花京院登場(予定)・・・・・・('A`)
早く日本出てぇ・・・・・・('A`)
ホンコンタワーでマージョリーとマルコシアスが呼んでいる・・・・・・('A`)
読んでくれた人thx!
それじゃ・・・・・・('A`) ノシ
30マロン名無しさん:2007/02/07(水) 23:09:19 ID:???
トーチが消える描写が上手いなあ
ディ・モールトベネ
31マロン名無しさん:2007/02/07(水) 23:21:17 ID:???
GJ!
しかしいっぱい書きためてたんだなぁ
待ったかいがあったってもんよ
32 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/07(水) 23:25:17 ID:???
オーーーっとバスが急ブレーキィィィィ!
肝心な事を忘れてたオレのド低脳・・・・・・('A`)
1さん乙!
33マロン名無しさん:2007/02/07(水) 23:37:08 ID:hnEog56w
すげぇ!GJ!
花京院と姐さんのコンボ待ってます!
しかし、この流れだと吉田さんの活躍はなさそうだな……
34マロン名無しさん:2007/02/07(水) 23:42:49 ID:???
承太郎の憤りの描写が解りやすく、すんなり同調出来た。GJ!

原作よりも強そうなDIO……手におえるのか?ww
35マロン名無しさん:2007/02/08(木) 00:58:35 ID:ZBy/K9QA
おおおおおお。
いい感じじゃないか。この調子でがんがってドクオちゃんw
36マロン名無しさん:2007/02/08(木) 06:17:06 ID:???
>>33
承太郎なら吉田さんに「やかましいぞ!足手纏いだ、付いて来んな!」って言って終わりだろw
体育教師に制裁与えるのは見てみたいが
37マロン名無しさん:2007/02/08(木) 07:35:04 ID:???
間違いなく蹴りだけじゃすまない
下手したら退学になるかもしれん
38マロン名無しさん:2007/02/08(木) 17:58:38 ID:???
DIO様って邪悪、邪悪って言われるけど、
チョコラータとかのほうが邪悪だよな。
39マロン名無しさん:2007/02/08(木) 18:24:11 ID:???
>>38
マッククイーン
40マロン名無しさん:2007/02/08(木) 18:33:02 ID:???
>>38
チョコラータは邪悪じゃなくてゲス野郎。
41 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/08(木) 18:46:59 ID:???
 皆様レス感謝・・・・・・('A`)
 『読んでもらう』だけでなんかしらんが書く気が湧いてくる・・・・・・('A`)
 露伴先生の気持ちがちょいと解る気分だぜ・・・・・・('A`)
 まるで『生命のガソリン』を身体に入れられたみたいだ・・・・・・('A`)
 だが!敢えて言おう!まぬけめ!>>31>>3うあなにをするだあせ・・・・・・・・ズッキューーーン!

 >>28
 それ、もしかして(海馬)社長か? 

 >>33
 DIO様倒しに日本出ちゃうからね・・・・・・('A`)
 まさかついて来させるわけにもいかんし・・・・・・('A`)
 次の花京院戦で出るかもしれないし、出ないかもしれない・・・・・・('A`)
 どうでもいいけど別スレでえらい叩かれてるね、この子・・・・・・('A`)

 >>34
 あぁ、そこらへんは大丈夫。オレジョジョで一番好きなの承太郎だから。
 その気になれば負債も真っ青の主役補正でDIO様も秒殺♪フッフッフ・・・・・・('A`) ←(ガオンッ!)
42マロン名無しさん:2007/02/08(木) 19:49:42 ID:???
良いこと思いついた。承太郎、俺の尻の中で小便しろ。
って冗談は置いといて吉田さん出したいなら家出少女を吉田さんにすれば良いんじゃないかな?
43マロン名無しさん:2007/02/08(木) 20:01:44 ID:???
だれか俺に【体育教師の話】についての詳細を教えてくれないか
44マロン名無しさん:2007/02/08(木) 21:08:00 ID:???
おおかたネチネチ厭味を言う能無しなんじゃね?で、承太郎に気合いを入れられて転校、と。
45マロン名無しさん:2007/02/08(木) 21:48:12 ID:???
>>36吉田さんっておとなしめだから承太郎の好みの性格だと思うんだけど
46マロン名無しさん:2007/02/08(木) 21:52:07 ID:???
>>43
無能体育教師が生徒を毎回ずっとマラソンさせて俺TUEEEEEEE!!
してるのをシャナが見て蹴り入れて退治したら吉田さんやクラスメイトが助けてもらったと勘違いして
今までシャナには寄りがたいオーラ出てたのが少し和らいだ事件

…わかりづらかったら誰か補足頼む
47マロン名無しさん:2007/02/08(木) 22:00:09 ID:vJriASsV
>>46
dクス
そーゆー話だったのか

俺はまたセクハラ教師の話なのかと思ってたw
48マロン名無しさん:2007/02/08(木) 22:01:43 ID:???
スマン、あげてしまったorz
49マロン名無しさん:2007/02/08(木) 22:02:50 ID:???
542: 2007/01/28(日) 02:09:49 ID:R3JeYFgR
>>541
ほんとに保守する気があるなら、総スレ数が760を越えたら毎日書き込みしてよ。
下手にageて上の方にあると、緊張感が薄れて落ちることも多いんだよね。
今回の圧縮でも、数日前にageたばかりなのになぜ落ちるんだと言う奴がいたが
dat落ちに上げ下げは関係ない。最終レスがいつかで決まる。
50 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/08(木) 22:06:17 ID:???
>>46
的得ていすぎてワロタ
相手が承太郎だったら殺されてるな。
その前に授業サボって屋上で一服してるだろうけど・・・・・・('A`)
51マロン名無しさん:2007/02/08(木) 23:59:40 ID:???
>>50
ありがたきお言葉w

そのシーン入れるつもりならかなり難しくね?
体育に出てる場面が想像出きん…

イギー出してー
あとシュドナイのおっさん(■∀■)ヘカテーハァハァ
52マロン名無しさん:2007/02/09(金) 00:05:43 ID:???
>>51

>>50
> ありがたきお言葉w

> そのシーン入れるつもりならかなり難しくね?
> 体育に出てる場面が想像出きん…

シャナの学校の屋上から運動場見えなかった?
53マロン名無しさん:2007/02/09(金) 00:14:28 ID:???
じゃあマラソンさせる→目に余る→教師に気合い入れ→吉田さんララララヴサムバディトゥナイ みたいな流れで惚れられるのかうわなにをするやめ
54マロン名無しさん:2007/02/09(金) 12:44:23 ID:???
>>52
いや、わざわざ校庭まで降りて行って懲らしめるってのが想像出来んwww
55マロン名無しさん:2007/02/09(金) 17:34:24 ID:???
>>33
吉田さんの活躍は◆Ea0R8d6UQA氏に期待すればいいじゃないか。
56マロン名無しさん:2007/02/09(金) 19:07:44 ID:???
むしろスタプラで石でも投げれば
57マロン名無しさん:2007/02/09(金) 22:40:12 ID:???
吉田さんにスタンド持たせようぜ

エンペラー持ってる吉田さん想像したら萌えた
58マロン名無しさん:2007/02/09(金) 23:15:30 ID:???
怖いってww
59マロン名無しさん:2007/02/09(金) 23:41:33 ID:???
吉田さんはやっぱあれだろう











アヌビス
60マロン名無しさん:2007/02/10(土) 00:44:21 ID:???
吉田さんが承太郎に惚れるかについて
61マロン名無しさん:2007/02/10(土) 13:08:11 ID:???
優しいとこ見せないと惚れないと思う
まあ承太郎はツンデレだから心配ないさ
62マロン名無しさん:2007/02/10(土) 13:32:46 ID:???
じゃあ初めは怖がる→ハイエロをキスで取り出す→ドッギューーーーーン
63マロン名無しさん:2007/02/10(土) 15:32:11 ID:???
>>56
それだと死ぬ可能性が……
64 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/10(土) 15:54:28 ID:???
 繁華街を抜け、承太郎とシャナは空条家へと続く長い坂を昇っていた。
 眼下で斜陽が市街地を紅に染めている。
 渇いた風がシャナの腰の下まである長く艶やかな髪を揺らした。
 凛々しい顔立ちと一点の曇りもない白磁のような肌の前で踊るその髪を、
シャナは慣れた仕草で伽き流す。
 互いに無言だった。
 最もそれは必要な事以外は口にしないという両者の性格によるものであったが。 
 沈黙の中、おもむろに承太郎が口を開く。
 本来なら一番最初に聞くべきことだが、立て続けに起こる超常的な出来事によって、
一般的な思考が麻痺していたのだ。
 「・・・・・・ところでオメーら、ウチのジジイとは一体いつ知り合ったんだ?場所はニューヨークか?」
 承太郎の問いに、シャナの小さな肩がピクッと震える。
しかし刹那にその動揺を表情から消し去り、落ち着いた口調で言った。
 「そうよ。ニューヨークで跋扈してた『紅世の徒』を討滅しにいった時にね。」
 「?」
 シャナの態度がやや不自然だったので承太郎は妙な違和感を感じた。 
アラストールも心なしか押し黙っているように見える。 
 「でも・・・・・・」 
 そう呟いて急にシャナが立ち止まった。
 俯いているのでその表情は伺えない。
 風に前髪がたなびいた。
 「どうした?腹でも痛てぇのか?」
 大漁のタイヤキで溢れかえっていた紙袋は、先刻中身をすっぽりシャナの小さな身体に納められ、
丸められてコンビニ前のダストボックスに投函された。
 「・・・・・・いずれ解ることだから、今いうわ。おまえ、『覚悟』はある?」 
65 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/10(土) 15:58:12 ID:???
 「なんだと?」
 予期せぬシャナの言葉に煙草を銜える仕草のまま、承太郎は訝しげに視線を尖らせた。
 「・・・・・・もう解ってるわよね・・・・・・トーチは紅世の徒に喰われた残り滓・・・・・・
でも『当面は人間の姿を保ったまま存在し続ける』」
 シャナはか細い声で言葉を紡ぎだす。
 「・・・・・・なんの話だ?」
 承太郎は煙草を指の隙間でくの字に折り曲げた。
それはすでに聞いた。わざわざ再確認するまでもない。
 「・・・・・・でも、その存在はいずれ消えて・・・・・・『いなかったことになる』
・・・・・・その光が・・・・・・もう今のおまえには見える・・・・・・」
 シャナは俯いたまま、承太郎と視線を交えずに続ける。 
口から出る言葉は先程話したものと全く同じ内容。詳細でも補足でもない。
 まるで心の下準備をされているようだ。
 おそらくこれから話す、『真実』の。
 「だからなんの話かと聞いてるんだぜ?」
 「ジョセフと初めて会った場所は、『ニューヨークの封絶の中』」 
 「!?」
 衝撃。
 シャナの言葉に珍しく、というより初めて承太郎の顔に動揺らしき焦りの色が浮んだ。
 胸元のアラストールがむぅと小さく呻く。
 「そう言えば・・・・・・少しは解る・・・・・・・?」
 シャナは承太郎を見上げるようにして視線を重ねた。
 微かに潤む瞳に、今まで少女が見せたことのない感情が宿っている。
 それは、悲哀と憐憫。
 承太郎の怜悧な頭脳は、シャナの瞳に映る色が意味する事実を残酷に割り出す。
 「・・・・・・だからジジイが・・・・・・どうしたんだ・・・・・・?」
 だが感情はそれを認められない。『認めるわけにはいかない』。 
66 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/10(土) 16:01:00 ID:???
 「・・・・・・・・・・・・」
 シャナは再び押し黙った。小さな顎が小刻みに震えている。
 それが意味すること、最悪の事態を予感した承太郎の背筋に戦慄が走った。
 「おい!テメー!いい加減に何があったのかいいやがれッ!
『ジジイがそこでどうなったんだッ』!」
 激高した承太郎がシャナの肩を掴んだ。 
 長い髪で表情は伺えない。シャナは顔を少し横に向けた後、静かに呟いた。
 「・・・・・・残念だけど・・・・・・私たちが駆けつけた時は・・・・・・もう・・・・・・」
 「何ィッッ!!?」
 驚愕にその美貌が歪む。
 同時に瞳が引きつった。
 形の良い口唇を起点に、やがて全身が震え出す。 
 承太郎の脳裏にジョセフの顔が浮かんだ。


 太陽のような笑顔。皺に刻まれた深い威厳。豪快な笑い声。
 記憶の中、昔撮られたモノクロームの写真も合わせて、
 祖父の過去と現在と未来が混ざり合う。
 そして、その記憶は今から消滅する。
 その存在すら消し飛んでしまう。
 心に去来する暗黒・・・・・・絶望・・・・・・
 「・・・・・・ジ・・・・・・ジジイ・・・・・・」
 承太郎の口からようやく漏れた声は、彼のものとは思えないほど弱々しかった。
67 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/10(土) 16:05:02 ID:???


 ・・・・・・
 「・・・・・・っくく」
 こらえるような笑い声。それはすぐに弾けた。
 「っあはははははは!!」
 無邪気で明るい笑い声が、風と共に夕焼けに響く。
 「アラストール!見た!?今のコイツの顔!」 
 心底嬉しそうにシャナは言う。
 「・・・・・・・・・・・・おい?・・・・・・テメー・・・・・・まさか・・・・・・?」
 半開きの口のまま呆然となる承太郎。
 「っはは、あはははは!!」
 シャナは笑いながら承太郎の背中を、といっても届かないので腰のあたりを何度も叩く。
 「ふ、ふ、ふ」
  いつのまにかアラストールまでが、忍び笑いを漏らしていた。
  ・・・・・・・それらが意味するものを理解した承太郎は、
 「てめえ!」
  と、スタープラチナと一緒に高速で拳を振り上げた。
 「あはははは!まぁ!ちょっと!待ってッ!うそ!うそ!冗談よ冗談ッ!『承太郎』!」
 シャナが笑いながら片手で承太郎を制する。痙攣で引きつるのか右手は脇に寄せられていた。
 「ふ、ふ、よもや貴様ほどの男がこうも簡単に掛かるとはな。あまり想定通りに行き過ぎると返って笑いが出るというものだ。
機はないと思っていたが、どうやらこの子は戦略の女神に祝福されているらしい・・・・・・ふ、ふ、ふ」
 ・・・・・・どうやら周到に準備していたらしい。
 自分を「クソガキ」呼ばわりしたのを相当根に持っていたようだ。
 アラストールにはアイコンタクトで『それらしく』黙っていろとでも言ったのだろう。
 タイムリミットは家につくまでの短い間というのにも関わらず、タイヤキでカモフラージュしながら綿密に策を練り、
自分からは話を振らずに承太郎が話しかけてくるのをジッと待っていたのだ。
話す口調に緩急を付けていたというのもまた狡猾な伏線だ。 
 今、目の前で笑う少女は、先程の戦闘のときとはまるで別人。
初めての悪戯が成功した子供のように無邪気に笑っていた。
68 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/10(土) 16:09:21 ID:???
 「・・・・・・こ、このガキ・・・・・・ただモンじゃねー・・・・・・」
 苦虫を50匹噛み潰した顔で承太郎は握った拳を震わせる。
 「まぁ堪えよ承太郎。暖気も時には必要だろう?それに自分の弱みを知っただけ、
利もあったではないか?肉親が絡むと冷静な貴様も我を失う。」
 アラストールの穏やかな言葉に、承太郎は不承不承握った拳を降ろした。
(うむ。しかしまさかこの子がこんな真似をするとはな・・・・・・
我も少々意外であった・・・・・・今まで人間と交わった事は数少ない、
故にコレがこの子の本当の姿なのか?
 或いはこの男、空条 承太郎との邂逅によりこの子、
シャナの中の何かが変わりつつあるというのか・・・・・・?)
 「安心なさい。ジョセフは無事よ。『紅世の徒』に存在を喰われたわけじゃない。」
 いつもの調子を取り戻したシャナが快活な声で言った。
 「ハモンっていうの?呼吸で血液の流れを操作して、太陽と同じ力を編み出す技は。
それの影響で存在の力が大きかったから、『封絶』の中でも動けたみたいよ。
逃げ足が速かったから、『燐子』も捕まえるのに苦労してたわ。」
 クソジジイ、と小さく呟いて承太郎は学帽の鍔を摘む。
 「うむ。しかしあれは戦略的撤退といった感じだったがな。彼奴の全身から迸る鮮赤の波紋、
燐子如きなら粉砕出来そうな力ではあった。」
 「それにしてもおまえ?意外と可愛い所あるのね?
そんなに『おじいちゃん』が心配だった?」
 ぷぷっ、とシャナが口元を押さえてまた笑う。
 「・・・・・・・・・・・・」
 (・・・・・・・・・このクソガキ・・・・・・あとでぜってーシメる・・・・・・!)
 学帽で目元を覆いながら心の中で毒づく承太郎の視界に、夕闇に染まる空条家の大きな門構えが見えてくる。
 その前にジョセフがいた。
 「おお!承太郎!シャナも一緒か!遅かったな!
今迎えに行こうとしていたところだ!」
 こちらに気づき手を振っている。 
 その胸元にトーチはなかった。
 「やれやれだぜ・・・・・・」
 承太郎は再び苦々しく呟いた。
69 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/10(土) 16:14:16 ID:???

 どもです・・・・・・('A`)
 今投下したのは前回のおまけ的エピソードです・・・・・・('A`)
 よって飛ばし読み可・・・・・・('A`)
 何分温度差が激しいので、前回は投下見送りますた・・・・・・('A`)
 ちなみにサブタイトルは『逆襲のシャナ』・・・・・・('A`)
 えぇ、えぇ、ガノタですとも、キモイですとも・・・・・・('A`)
70マロン名無しさん:2007/02/10(土) 16:24:17 ID:???
マジでジョセフが死んだかと思ったw
71マロン名無しさん:2007/02/10(土) 16:44:08 ID:onwPTHm1
こうゆうのもありだね
承太郎がツンデレだってことが改めて認識できましたw
バトルシーンはもっと期待してます
72マロン名無しさん:2007/02/10(土) 17:02:41 ID:???
ますます承太郎とシャナのフラグがうわ何をするそこは痛いやめ
73マロン名無しさん:2007/02/10(土) 17:27:15 ID:???
ジョセフが死んだかと思ったじゃねーかw
…生きててよかった
74マロン名無しさん:2007/02/10(土) 18:07:13 ID:???
乙っす
シャナ可愛いよシャナ
承太郎熱いよ承太郎
ダービー戦のアヴドゥルがシャナになるならジョジョ知らない人が見たらフラグが立ったように見えるね
75マロン名無しさん:2007/02/10(土) 22:26:10 ID:Z7szyW8o
シャナさん勘弁してくれよwww
マジでジョセフが死んだかと思ったじゃないか。
76マロン名無しさん:2007/02/11(日) 11:52:33 ID:???
悠二が嫌いで承太郎マンセーな俺にとってはこの展開は最高だ!
作者GJ!これからもガンガッテくれ
77マロン名無しさん:2007/02/11(日) 12:30:19 ID:???
承太郎ならお祭りの悲劇も起きなかっただろう
でも承太郎って友達居ない(作る気が無い)んだろうなぁ
78マロン名無しさん:2007/02/11(日) 14:20:04 ID:???
ジョジョ読んだ事なかったけど、ここ読んでから友達に第5部まで借りて読んだ。
ジョジョの面白さが分かりました。
職人さんありがとう。
79マロン名無しさん:2007/02/11(日) 16:47:02 ID:???
>>77
つ【花京院】
あと、祭りの悲劇についてkwsk
80 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/11(日) 17:08:35 ID:???
 >>77  
 
 つ【康一君】
 一匹狼っていうか、尊敬できる人間としか付き合わないんだろうね
承太郎は。だがそれが(ry
 あと祭りの悲劇オレも知りたい・・・・・・('A`)
 アンチ吉田さんスレで、この子がその件でメチャ叩かれてた・・・・・・('A`)
 
81マロン名無しさん:2007/02/11(日) 17:43:37 ID:???
思ったんだが、アブさんの役どころがシャナなわけだから
ポルナレフ初登場時はシャナが多分相手するんだよな。
もうそれだけでwktkできるぜ。

……あれ、ホルホースに……
82マロン名無しさん:2007/02/11(日) 17:58:00 ID:???
保健室で不良に愛称で呼ばれてた点を見る限り居るんじゃないの?
83マロン名無しさん:2007/02/11(日) 17:59:25 ID:???
>>82
あいつら友達か?
84 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/11(日) 18:03:55 ID:???
 >>81
 そのつもりなんだが、出来れば炎主体の戦いにしたい。
 でもオレ、シャナ二巻までしか読んどらんからシャナの能力
 炎の翼しかしらん・・・・・・・('A`)
 最新刊あたりじゃ、なんか派手な炎の技使ってる?
 あるなら参考にしたいのだが。
 まさかシャナに「クロスファイヤー・ハリケーン!」
とか言わすわけにもいかんしね・・・・・・・('A`)  
85マロン名無しさん:2007/02/11(日) 18:09:35 ID:???
祭りの悲劇って

吉田さんが悠二の正体を知って泣いて逃げていって、悠二はそれを追いかけようとするけど悠二と祭りを見に行くつもりだったシャナが悠二が吉田さんと一緒にいた事に嫉妬して引き止めて、悠二がブチ切れてシャナも泣いてしまうあの話?

なんかすげーめちゃくちゃな文になってしまった
86マロン名無しさん:2007/02/11(日) 18:12:38 ID:???
祭りってアニメでなら見たけど
簡単に言うと
・シャナ対吉田さん第二ラウンド
・吉田さんが世界とユウジの秘密を知りショックで闘争
・それを追うユウジと引き止めるシャナ
・ユウジとシャナ大喧嘩
・モブ女の告白
・姐さんの機転
87マロン名無しさん:2007/02/11(日) 23:38:06 ID:94soGlhf
>>84
そのシャナを想像して吹いたwww
最新刊では、
・紅蓮の炎弾
・紅蓮の大波の掃射
・全身に轟と燃える炎を纏い突進
・高熱による溶解と実体化による切断を行う灼熱の大太刀
という感じになってます。
現時点では必要無い力だと思うけど、ご参考までに。
88マロン名無しさん:2007/02/12(月) 05:55:18 ID:???
マライア戦でジョセフとくっつくシャナ・・・

「ああ・・トイレでの災難は私のイメージじゃない!!ポルナレフの役よ!!」
89 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/12(月) 10:14:02 ID:???
 >>87
 thx!
 そんだけバリエーションあるなら、なんとかなりそう、かな?・・・・・・・('A`)  

 >>88
 婆さんにシバかれてるジョセフを、そっと物陰から見守るシャナ・・・・・・('A`)  
90マロン名無しさん:2007/02/12(月) 14:35:58 ID:???
なぁ…シャナがアヴドゥルじゃなくイギーでも良いんじゃないか?
91マロン名無しさん:2007/02/12(月) 18:05:56 ID:???
いっそのことヴァニラをアブドゥルに
92マロン名無しさん:2007/02/12(月) 19:43:14 ID:???
ハイレグブルマ穿くアブドゥルは嫌だwwwww
93マロン名無しさん:2007/02/12(月) 22:00:19 ID:???
イギーを蹴りまくるアヴドゥルなんて想像できない…
ポルナレフを殺す気で襲い掛かるアヴドゥルも想像できん…
94マロン名無しさん:2007/02/12(月) 22:44:06 ID:???
ここは遊戯王風に考えるんだ。
シャナやアブドゥルやヴァニラ・アイスを融合のスタンドとか出して融合させる。
シャナドゥル・アイスの誕生だ。
顔はシャナで体はアブドゥル。ヴァニラのハイレグブルマを着る魔物の誕生だ。
95マロン名無しさん:2007/02/12(月) 22:49:10 ID:???
>>94
それ怪物じゃんw
あまりのキモさにDIO様負けちゃうwww
96 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/12(月) 23:07:51 ID:???
 >>94
 社長 「ずっとオレのターン!うわははははははは!」

 ダメだ最強杉・・・・・・・・('A`)  
 オシリスの天空竜でも敵わねぇ・・・・・・・('A`)  
97マロン名無しさん:2007/02/12(月) 23:48:38 ID:???
>>94見たくねえw
>>96ずっと俺のターン!っての何巻にあるんだ?
見たことない
98 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/13(火) 00:09:49 ID:???
 >>97
 
 社長が遊戯のジジイとやりあった時、ルール無視してブルーアイズ3枚連続で
場に出した事から派生したネタ・・・・・・('A`)
 まぁ、スレと関係ないけどね・・・・・・('A`)
 社長みてーなオリキャラ出してぇ 
 粉砕!玉砕!大喝采!・・・・・・('A`)  
99マロン名無しさん:2007/02/13(火) 01:07:33 ID:???
ずっと俺のターンの由来↓
53 :以下、VIP :2006/09/07(木) 18:23:27.49 ID:qzCbY1GZ0
──遊戯王4巻より──

双六「『青眼の白龍』カードを引いた このカードを場に出せば勝負は決まる!」

海馬「ならば…オレは その前にこのカードを場に出そう」←どう見ても双六のターン

海馬「次のターンでさらに…」←ターン終了宣言してないから双六のターン

海馬「さらにもう一枚!」←相手のターンにやりたい放題な社長


遊戯的ずっとオレのターン↓
http://www.youtube.com/watch?v=ZMeGnPJnqFA&eurl=
100マロン名無しさん:2007/02/13(火) 02:32:33 ID:???
わははははは!すごいぞー!!かっこいいぞおー!!
101マロン名無しさん:2007/02/13(火) 08:23:55 ID:???
承太郎がシャナにメロンパン買う展開キボンヌ
102マロン名無しさん:2007/02/13(火) 15:13:38 ID:???
承太郎は食い物に関して意外と優しいからなあ
ココナッツ買ったりチェリーあげたり
103マロン名無しさん:2007/02/13(火) 17:47:35 ID:???
何か色々と触発されたので、俺もSS書いてみようかな
でも、シャナはアニメしか知らない上に、それもうろ覚えだったり・・・
ジョジョも全巻読んでるけど、それだけであまり詳しくないし・・・
どうしようかな?
104マロン名無しさん:2007/02/13(火) 17:58:31 ID:???
例えば、こういう場面を想像してくれ。
君は今、エジプトでタクシーに乗っている。
人を追っているのだが、渋滞に巻き込まれて動けない。
ふと横を見ると、広い歩道がある。
十分に自動車が走れる幅だ。
君が生まれた時代には、馬車しかなかったかもしれないが、
この自動車というものは、燃える水で動き、馬の何百倍もパワーがある。
人がたくさん歩いているが、問題なく走れるだろう。
そこで君は、運転席の上院議員に こう言うはずだ。
「歩道が空いているではないか! やれ!」 と。

もう分かったな。君が頂点なのだ。君が法律なのだ。
「問題ない、やれ!」
105 ◆Ea0R8d6UQA :2007/02/13(火) 21:17:52 ID:???
お久しぶりです。続きです。

下校時刻。
結論から言うと、承太郎の願いは半分ほど叶い、半分裏切られた。
承太郎の取り巻きの少女たちを追い払い、念のために人通りの少ない裏門から下校しようとした、
その時だった。
突如、炎の渦が承太郎を襲った。といっても彼自身にダメージはない。その波紋のように広がる炎が示すのはただ一つ。
敵の襲来。

「やれやれ……ずいぶんせっかちな連中だな。何人か巻き添え食らっちまうじゃあねーか」
「ゴチャゴチャうるさい。来るわよ」

いつの間にか隣にはシャナがいた。その姿は炎髪灼眼、黒いコートに例の長刀を構えていた。
その姿はまさに美麗。小さな体躯には信じられないほどの圧倒的な存在感。
シャナの言った通り、陽炎のような空間の歪から敵と思わしき物体が三体、裏門の外側の道路に降り立った。
その姿はトランプのカードを巨大化させ、頭と手足をつけた
―――ちょうど、不思議の国のアリスにでてくるような、カードの兵隊だった。
彼らはシャナと承太郎を標的ととらえ、それぞれ微妙に違う構えをとる。
それに呼応するようにシャナらも構えをとり、一瞬緊張が走る。
シャナ、承太郎は同時に走り出した。

「私は右のと真ん中やるから、お前は左のやつやって!」
「ああ」

シャナの命令を承太郎は意外と素直に受け取る。
カードの兵隊が大量のトランプを打ち出す。
風を切る音とともに、それらは千本ナイフのごとく襲い掛かった。
106 ◆Ea0R8d6UQA :2007/02/13(火) 21:22:44 ID:???
>>105
「――やあっ!!」
「オラオラオラオラオラ――ッ」

シャナは斬撃、承太郎はラッシュでトランプを弾き落とし、
同時に間合いをつめて敵本体への攻撃を開始する。
シャナは斬撃で斬った構えのまま、逆袈裟に斬り上げる。
対する兵隊はギリギリでこれを避ける。その際間に合わず腕が片方飛ばされたが、
ダメージはないようで兵隊はそのままシャナとの距離を離す。
承太郎も昨日の様にはいかず、
スタープラチナの射程距離に届く前に後ろに飛び、距離を離された。
今回は二人のみが標的らしい。

「シャナッ!」
「うるさいっわかってる!」

シャナはこれを避け、前後の二体の気配を感じる。
しかし未だ余裕のある、好戦的な目つきでいた。
間をおかず、今度は最初に襲ってきた兵隊が炎弾を乱発する。
シャナはこれもくぐるように避け、さらにその勢いで兵隊に向かって間合いを詰め、
今度こそ渾身の一撃を見舞う。
火の粉を舞い散らせるそれは芸術とも呼べるような、美しく激しい刀さばき。
避ける間もなく兵士は真横一文字に斬られ、炎の塵と化した。
しかし、シャナの避けた炎弾は封絶に巻き込まれた数人の生徒へ向かっていた。

「まずいゼ……オラアッ!」

事態に気づいた承太郎は一時兵士を無視し、
スタープラチナで近くに落ちていた石を一つ拾い、思い切り炎弾へと投げつける。
107 ◆Ea0R8d6UQA :2007/02/13(火) 21:27:50 ID:???
>>107
「なにしてんのっ。それっぽっちじゃ……」

シャナが叫ぶ。無数の炎弾に一つだけ石を投げるという、その行動は明らかに無謀に見えた。
さらにその行動が生んだ隙を、承太郎と対峙する兵隊は見逃さずトランプ&炎弾を正確に撃ち込む。
承太郎はラッシュで弾き返そうとするも、完全には防げず炎に焦がされ、数枚のトランプが刺さる。

「ぬうっ!……いや、一発でいい。スタープラチナの目なら……一発で充分だぜ」

炎弾が生徒に激突するよりも速く、石は炎弾の一つを弾いた。
弾かれた炎弾は軌道を変え、別の炎弾を弾く。
さらに弾かれた炎弾は別のを弾き、その軌道を生徒から絶妙にずらす。
まるでビリヤードの達人技のように、炎弾は連鎖反応で生徒を避けて周囲に激突した。

無茶苦茶な光景に一瞬唖然とするシャナであったが、すぐに承太郎の援護に行く。
兵士はシャナに標的を変えようとしたが……

「てめーの相手は、俺だぜ」

すでに背後にはスタープラチナが立っていた。完全に射程距離である。

「やられた分は―――やりかえさねーとなあーッ。
オオオオラオラオラオラオラオラオラオラオラアアアアアアアッ!!!!」

兵士はまさに紙くずのようにくしゃくしゃに折られ、燃えながら粉々に吹っ飛んだ。
108 ◆Ea0R8d6UQA :2007/02/13(火) 21:33:27 ID:???
>>107

「……やれやれだぜ。また学ランを仕立て直さなきゃならねーな」

長ランの焦げた部分を見ながら、承太郎が言った。
結果的に援護の必要のなかった、シャナが言う。

「お前……なんて無茶するのよ。そんな怪我までして」
「別に、大した怪我じゃあない。バンソーコーでも貼ってりゃ治る。例のトーチもねえしな」
「なんで、そこまでする……」

言いかけたシャナは言葉を切り、彼らが出てきた裏門の方向へ鋭い視線を向ける。
裏門自体は戦闘のせいでボロボロになっていたが、それ以外変わった所は
ないように見えた。
「……連中の、ボスか」
「多分ね。気をつけて、さっきの雑魚とは比べ物にならない」

その力の大きさは承太郎も感じることが出来た。それほどの、大きな力……
先ほどの兵隊が出てきたように、空間が歪む。今度は薄い白色に包まれた男の姿が見えた。
長身で先の細い体つきに、白の上品なスーツを身にまとう。
顔から指先まで、妙に儚く耽美的な美しさがあるが、それの出す雰囲気は、異様な違和感。
それは戦闘時のシャナと似ているが、ベクトルは全く逆。
生気を吸い取るかのような気味の悪さだった。

「私の自慢のカードたちをこうもあっさり倒すとはね。思った以上の戦闘力だ」
「申し訳ありません、フリアグネ様。私も戦闘に参加していれば……」
109 ◆Ea0R8d6UQA :2007/02/13(火) 21:39:52 ID:???
>>108
男が抱える人形がしゃべった。見覚えのあるそのフェルト人形は、
昨日承太郎たちを襲ったあの人形だった。

「ああ、マリアンヌ。謝ることはない。むしろ私は安心しているんだ。
こんな危険な輩に愛しい君を二度と送らせるものか」

調律の狂ったピアノのように、奇妙な抑揚で話すその男はフリアグネと言うらしい。

「あの姿に油断するな。あれで幾多ものフレイムヘイズを殺してきた“狩人”だ」
「うん、わかってる」
「これはこれは、“天壌の劫火”アラストール。こんなところで会うことになるとはね。
それに“狩人”なんて、僕はただ純粋に宝具を集めているだけなんだけどね。
しかし貴方の新しい器……なるほど、噂に違わず美しいが少々輝きがすぎるね」

フリアグネは勝手にシャナを値踏みするように勝手に論評する。
言われたシャナは当然いい気はしない。

「それともう一つ、炎もまともにつかえないフレイムヘイズの噂は本当だったようだね。
ふふ、“天壌の劫火”もずいぶんと堕ちたものだね」

あえて逆なでするように仕向け、嘲笑混じりの表情を浮かべるフリアグネ。
痛いところを突かれたのか、シャナは一瞬悔しそうに唇を噛み、
それでも刀はギリギリで出さないようにしていた。
もちろん、ほんの一瞬でも隙をみせれば叩き込むつもりだった。
しかし戦闘の天才とも言える彼女にさえそれをさせないこの男が、
相当な手練であることを、この事態は示していた。

「おっと、そう身構えないでくれるかな。今日はただの偵察さ。やりあうつもりはないよ……それと」

フリアグネは芝居がかった動作でクルリと向きを変え、承太郎へと視線を変える。
110 ◆Ea0R8d6UQA :2007/02/13(火) 21:41:25 ID:???
>>109

「こいつがマリアンヌの言っていた『謎の力を使う人間』か。
ミステスでもなさそうだしとっとと殺してしまおう、ねえマリアンヌ」
「フリアグネ様。油断してはいけません。この人間、あの『くるみ割り人形』を粉々にしたのですよ」
「ああ、私の愛しいマリアンヌ。人間ごときが紅世の王に敵うなんて、
一体そんなことがありえると思うのかい?
人間は君へのエネルギーでしかないのにさ。まあ、今回はやめとくけどね」

見ている側がイライラしてきそうな芝居調の会話に満足したのか、
フリアグネは背をむけ、出てきたときと同じ白い炎の中へと向かう。

「それでは失礼するよ“天壌の劫火”とそのフレイムヘイズ。次会った時は……殺してやる」

調子のずれた、しかし最後だけ寒気を感じる狂気じみた声を残し、狩人は去ろうとした。

「まちな」

低く、大きくも騒がしくもないが、体の芯まで響きそうな声がした。
今まで押し黙っていた承太郎だった。しかしフリアグネは興味がないのか無視して歩き出す。
111 ◆Ea0R8d6UQA :2007/02/13(火) 21:48:04 ID:???
>>110
その時だった。
フリアグネの右頬を、何か鋭いものが掠めた。彼の頬に一筋の切れ目が走る

「――な、にっ!?」

さすがのフリアグネも手を頬に置き驚愕の表情で振り向く。
視線の先にはスタープラチナを出した承太郎。
 ・・・・・ 
「わすれものだぜ。フリアグネ」

二人の軌道上、フリアグネから斜め後ろの裏門の壁にトランプが一枚突き刺さっていた。
承太郎は獲物に標的を定めるように睨み付ける。
まさに“狩人”のように。

「……ふっ、ふふふ……はははははははっ!!はははははははは!!」

一瞬呆然としたフリアグネだが、その後狂ったような笑い声を上げた。

「思った以上に楽しめそうだな……人間のくせに」
「俺は承太郎だ、覚えときな……てめーはこの空条承太郎が必ずブチのめす」

今度こそフリアグネは白炎の中へと消える。
陽炎のように空間が揺れめき、そして跡形もなく消える。
同時に封絶が解ける。例によって世界に音や光その他もろもろが戻る。
後には戦闘の傷跡の残る裏門が残された。
突然の惨状に慌てふためく数人の生徒たちをよそに、
シャナと承太郎はその場に立ったままでいた。
112 ◆Ea0R8d6UQA :2007/02/13(火) 21:56:16 ID:???
>>111
「なに余計なことしてんのよ。ここで戦うことになったら間違いなく生徒が死んでたわ!」

もはや恒例になった、シャナの承太郎に対する怒りは、言葉そのものの意味と、
あれほど堂々と宣言したことをあっさり崩したことに対しての失望だった。

「……悪かったな。だがそんな奴だったらこんなセコい真似はしないと思ったんでな」

言葉の割には特に後ろめたさもなさそうに、承太郎は言った。
もっとも、彼の場合大体同じような調子でしゃべるので区別をしづらいというのもあった。

「いずれにせよ、今回の事件、フリアグネが絡んでるということがわかった。
奴もこれから本格的に攻めてくるだろう。討滅も近い、気を引き締めるのだな」
「うん、わかってる。……それと、おまえ」

アラストールの忠言を真摯に受け止め、肯いたシャナは、承太郎に目を移す。

「なんだ」
「さっき言おうと思ったんだけど、なんでわざわざ危険な真似してまであの生徒を守ろうとしたの。
下手したら自分もやられていたのよ? どうして……」

シャナは問いかける。それは昨日もした質問。
納得のいく答えが返ってくるとは思わなかったが、それでもせずにはいられなかった。
今まで見てきた人間より、遥かに強い意志を持つ、この男に。

「……さあな。助けられると思ったから、ぐらいしかよくわからん」
「……言うんじゃなかった」

実は無意識のうちに期待していたシャナは、本気で落胆した。
そしてそんな自分にまた落胆した。
しかし……
113 ◆Ea0R8d6UQA :2007/02/13(火) 21:59:35 ID:???
>>112
「……? こいつは……」

シャナの指先から炎が発せられる。
それは承太郎をそっと包み込み、学ランから怪我まですべて治していく。
炎が消えたとき、承太郎の学ランは新品同様にまで戻っていた。

「トーチがないとできないんじゃあないのか? 」
「そんなこと一言も言ってないわよ。自分の存在の力でも自在式は使えるのよ。
そもそもトーチを使うなんて最近出来た方法らしいし。
あんまし使うのはもったいないからおまえの体の修復だけするけど」
「……そうか、悪いな。感謝するぜ」
「なっ、うるさいうるさいっ。ほら、出来たわ。行くわよ」
「やれやれ、他のところは……まぁなんとかなるだろう。以前も問題なかったからな」

二人は騒ぎが大きくなる前に裏門から脱出した。
シャナは「以前」という言葉が気になったが言わないでいた。
114 ◆Ea0R8d6UQA :2007/02/13(火) 22:04:25 ID:???
ここまでっす。またしばらくこれないかも…orz
ではっ。
115マロン名無しさん:2007/02/13(火) 22:07:41 ID:???
乙!待ってたかいがあったってもんだ。
承太郎はやっぱこう決める所は決めないとな!
116マロン名無しさん:2007/02/13(火) 22:17:38 ID:c7aDFj5y
GJ!
一人ひとりの特徴がしっかり活かされてる!
申し遅れましたが、>>33の者です。
吉田さんの活躍を!活躍をー!!
117マロン名無しさん:2007/02/13(火) 22:19:29 ID:???
乙です!
承太郎がフリアグネの顔面の形を変えるの待ってます
それはそうと三部の承太郎って留年確実だよね
118マロン名無しさん:2007/02/13(火) 22:22:56 ID:???
最高にグッジョブってヤツだー!
119マロン名無しさん:2007/02/13(火) 22:23:42 ID:???
承太郎最後かっくいいww
フリアグネとのバトル期待してます。
120マロン名無しさん:2007/02/13(火) 22:26:52 ID:???
>>117
休校届け出したらOKなんじゃね?
121マロン名無しさん:2007/02/13(火) 22:43:40 ID:???
進級と母親の命だったら、間違いなく母親の命を取るだろ。
誰だってそうする。俺だってそうする。
122 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/13(火) 22:44:38 ID:???

 GJ・・・・・・('A`)b
 ビリヤードの玉か、そういう発想はなかった・・・・・・('A`)
 面白かったッス・・・・・・('A`)

 >>103
 是非やって戴きたい・・・・・・('A`)
 書くのは好きだが、読むのはもっと好きなんだ・・・・・・('A`)
 安心したまえ。オレなんてシャナ2巻までしか読んでない上に、
フリアグネなんかどんなヤツだったかも忘れてて、今読み直してる最中だ・・・・・・('A`) 
 メンドクセェから、次のSSの一行目でDIO様に美味しく喰われた後にしようかな?
マジで考えてる。まぁ、とにかく・・・・・・
 ('A`)<ガンガレ!ファイトッ!

 >>104
 何か言ってる事無茶苦茶だけどワラタ。
123マロン名無しさん:2007/02/13(火) 23:41:06 ID:???
この壮大なSSをより楽しむためにシャナ全巻購入した俺



後悔してませんっ!
職人さん達、頑張ってください!
124 ◆cVhWKV23rU :2007/02/14(水) 00:54:21 ID:???
>>103だけど、俺もSS書いてみることにします!
やっぱり◆Ea0R8d6UQAさんは素晴らしいし、◆u68XLQ0lCUさんもいいので
自分がスレ汚しになるかも知れないと不安ですけど、物書きが趣味な自分も
是非参加してみたいという欲求には、やっぱり勝てないです
とりあえず、内容は5部を題材にした外伝的なもので、ブチャラティを主役にし、
シャナに出て来たマジョリーと絡ませるオリジナルストーリーで行って見たいと思います
時間軸的には、ジョルノと出会うずっと前くらいな感じで
あと、トリップも付けときます
早ければ今週末には投下したいと思います
駄文になるかもしれないので、期待しないで下さいね
125マロン名無しさん:2007/02/14(水) 07:44:26 ID:???
ブチャファンの俺が来ましたよ
頑張れ!待ってるぜ
126マロン名無しさん:2007/02/14(水) 09:35:14 ID:???
早く吉田さんとマルコと出ないかなと思ってる
127マロン名無しさん:2007/02/14(水) 10:22:32 ID:???
悠ニとアヴさんのハートフルラブコメディを期待
128マロン名無しさん:2007/02/14(水) 10:30:59 ID:???
悠二とアヴドゥルのハートフルラブコメ想像して吹いた
129マロン名無しさん:2007/02/14(水) 20:15:19 ID:???
カーズ戦後、アメリカに戻る前(皆に死んだと思われてた時)のジョセフが
調子の詠み手と逢うみたいな話とか
130マロン名無しさん:2007/02/14(水) 22:23:27 ID:???
>>128
やべぇwww想像したら『アブひな』とかいうのが頭に浮かんでき吹いたw
131マロン名無しさん:2007/02/14(水) 23:23:34 ID:???
>>130
タイトル関係ねぇww
そして想像して吹いたw
132マロン名無しさん:2007/02/14(水) 23:41:52 ID:???
シャナ世界で承太郎に絞められそうなのは‥
狂師、マルコ、フリアグネ、佐藤、姐さん、教授、池、緒方
逆に気が合いそうなのは
シュドナイ、吉田さん、田中、アラストール、ヴェルヘルミナかな
そういや姐さんはポルポルと出身地同じだっけ
133 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/14(水) 23:49:47 ID:???
 >>124
 姐さんとブチャラティか。
 なかなか良いコンビになりそうだ。
 ブチャとマルコの絡みが楽しみだぁね・・・・・・('A`)
 無理にとは言わないけど、ナランチャ好きなので可能なら出してほしい。
 オレも投下は週末になりそうだぁね。
 まぁ、お互いに頑張りやしょーぜ・・・・・・('A`) ノシ
  
134マロン名無しさん:2007/02/15(木) 01:26:02 ID:???
初登場時のブチャラティの悪人っぽさは異常。
135マロン名無しさん:2007/02/15(木) 07:28:04 ID:???
初登場時のブチャラティの変人っぽさも異常。
136マロン名無しさん:2007/02/15(木) 09:47:10 ID:???
味も見ておこうだしな
137マロン名無しさん:2007/02/15(木) 09:58:22 ID:???
>>136
それは露伴先生
138マロン名無しさん:2007/02/15(木) 10:38:29 ID:???
>>137
あれ?汗の味を見たんじゃなかったけ
139マロン名無しさん:2007/02/15(木) 11:07:28 ID:???
>>138
確か嘘か確かめる為だよな?
あれは最初キメェと思ったw
140マロン名無しさん:2007/02/15(木) 11:16:21 ID:???
味も見ておこう
もちろんシャナの
141マロン名無しさん:2007/02/15(木) 11:18:16 ID:???
それは犯罪
142マロン名無しさん:2007/02/15(木) 11:20:46 ID:???
今更ながら職人さん達撃乙

まとめが欲しいな
143マロン名無しさん:2007/02/15(木) 11:22:35 ID:???
そういえば昨日はヴァレンタインだったよな
承太郎はチョコもらえたのかな
144マロン名無しさん:2007/02/15(木) 11:37:37 ID:???
ヴァレンタイン兄弟なら貰えました
145マロン名無しさん:2007/02/15(木) 13:45:20 ID:JH+GH242
良スレ
146 ◆cVhWKV23rU :2007/02/15(木) 19:03:32 ID:???
あれはある意味夢だった・・・とブチャラティは今でも思っている。


ブローノ・ブチャラティ、20歳
とある組織のチームリーダーであり、数名の部下を持っている
言わば、ギャングである。
彼と彼の部下には特殊なスタンドと呼ばれる力があった。
彼・・・ブチャラティはその力を“スティッキィ・フィンガーズ”と呼んだ。
“スティッキィ・フィンガーズ”とは、ジッパーで人体や物体を切断、接着し
中に空間を作る事が出来るスタンドなのである。


この話は、そんな彼がたまたま出会った、些細な出来事であり
彼にとっては夢のような・・・そんな取るに足らない出来事である。
147 ◆cVhWKV23rU :2007/02/15(木) 19:22:42 ID:???
ブチャラティは苛ついていた。
それは、観たかったテレビを見逃した。とか、さっき犬の糞を踏んでしまった。とか
そういった単純なことではなかった。
ブチャラティは、ある組織に属している。
それは父親を守るためでもあり、自らを守るためでもあったのだが、それでも
その組織に入ったばかりの頃は、自分のいる場所こそ正しい・・・
そう正義なのだと信じていた。
だが、その思いは皮肉にも組織によって、高いビルの屋上から落下した生卵のように
粉々に打ち砕かれた。
麻薬という禁じ手に、組織が手を出したのだ。
ブチャラティ自身、麻薬に手を出す奴は、勝手にやってればいいと思っている。
だが、その反面、それに組織が加担していることに、疑問を持っているのも事実である。
こうした矛盾した自分の中での葛藤が、ブチャラティを苛立たせていた。

なので、通行人の肩にぶつかったのを謝ることも忘れていたのだ。
「ちょっッと!!待ちなさいよっッ!!」
ヒステリックな女の声で、ブチャラティはようやく我に返った。
「ああ・・・すまなかったな。考えことをしていたものでね」
「フンッ!気をつけなさいよ」
そう言うと、女はさっさと目の前から去っていった。
「・・・観光客か。この辺では見ないな」
ブチャラティは普段はいちいち肩にぶつかった程度の縁の人など気にも留めないのだが
その女は、少しだけ気になった。
肩に百科事典程もある本を提げている観光客は、流石に珍しかったのだ。
だが、今のブチャラティには所詮それだけのことであった。
148 ◆cVhWKV23rU :2007/02/15(木) 19:35:25 ID:???
ブチャラティは近くのカフェで軽い昼食を取ることにした。
運ばれてきたパスタを片付け、食後のコーヒーを楽しんでいると
突然、奇妙な感覚に陥った。
それは、まるで上から誰かに押さえつけられたような・・・いや、圧し掛かられた
と言った方が正しかったのかもしれない。
「・・・ッッ!?何だ?」
ブチャラティは周囲を見渡した。
すると、不思議なことに、ブチャラティ以外の全員が、まるで蝋人形のように固まり、動かなかった。
まず考えたのは新手のスタンド使いが襲ってきたのか?ということだった。
だが、その考えはすぐに捨てた。
(時を止めるスタンド・・・にしては俺が動けては意味が無い。それに俺を狙う動機は?
何か・・・その何かが何かは分からんが、ただ言えるのはスタンドの能力とは
“何か”が違う!!)
すると、周囲を異質な何かが囲っていることに気がついた。
それは骸骨であった。
149 ◆cVhWKV23rU :2007/02/15(木) 19:37:09 ID:???
すんません、ちょっと事情があって、今はここで中断します。
明日には再開できると思うんで、待ってて下さい。

・・・しかし、不安だ。
ジョジョの5部を読み直したりしたけど、ブチャってこんな感じでよかったかなあ?
あと、シャナの部分はまるで自信なし・・・
でも続けますので、良かったら見てください・・・。
150マロン名無しさん:2007/02/15(木) 19:41:01 ID:???
乙です
151マロン名無しさん:2007/02/15(木) 19:46:31 ID:???
そんな感じでいいんではないかと。
ともあれGJです
152マロン名無しさん:2007/02/15(木) 19:47:07 ID:???
おそらくは携帯からの投下だと思うが(違ってたらスマン)、最後まで…もしくは区切りの良い所まで書いてから、コピー&ペーストで一気に投下した方が良いよ。

続きは素直に楽しみにしてる。
153マロン名無しさん:2007/02/15(木) 19:58:39 ID:drX1NvdB
相乗効果で良い職人さんが増えてるな。頑張ってくれ。
154 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/15(木) 20:09:37 ID:???

 >何か・・・その何かが何かは分からんが、ただ言えるのはスタンドの能力とは
“何か”が違う!!)

 この編の表現がジョジョっぽくていいね。
 GJ!・・・・・・('A`)b
155 ◆cVhWKV23rU :2007/02/16(金) 17:08:37 ID:???
(!!こ、こいつらは!!?)
突然現われた骸骨の軍勢は、骨が擦れあう不気味な音を立てて笑い出した。
ブチャラティは―――いや、ブチャラティに限らず突然のこの状況に
困惑しない人間はいないだろう。
だが、ブチャラティは考えた。
理解できるはずないこの状況を少しでも理解しようと考えた。
(これはッッ!?あの骸骨は・・・幻?・・・では無い。実体はあるみたいだ。
そして、こちらに近付いて来ている。やはり、スタンドでは無い・・・と思う。
どうしてかは分からんが・・・スタンドとは感じが違う、としか言えない。
これは感覚的なものだ。だが、俺以外のスタンド使いも同じ状況ならそう感じるだろう。
と、何故か俺の中で確信している・・・。
!そう言えば、いつの間にか、周囲の雰囲気も変わっている・・・!
さっきまでのティータイムにぴったりの昼下がりのいい天気とは打って変わって全然違う。
例えるなら、雨が降って欲しくない時に限って、どんより曇っている朝みたいな気分の悪い・・・ッ。
!?糞、体が重い!これは周囲の雰囲気が変わったことに関係があるみたいだな
何かのフィールドに包まれたと考えるべきか。誰かのテリトリーに入れられたってわけか。
しかし、これらは俺の憶測に過ぎない・・・。本当はどうなのかは分からん!
・・・ただ一つ確かなことは、目の前の奴らは俺の味方では無い・・・俺の“敵”だ!)
ブチャラティは自らのスタンド、“スティッキィ・フィンガーズ”を出し、構えた。
「どうやら、こんな悪条件でも、スタンドは出せるようだな。俺の体が動きにくい分
逆に、スタンドを動かす方がスムーズに感じるぜ」
ブチャラティは目の前に来た骸骨たちを攻撃した。
「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ!!!!」
“スティッキィ・フィンガーズ”の突き出す拳が次々と骸骨たちを打ち倒していく。
バラバラに砕けた骸骨は、そのまま動きを停止した。
「フウ・・・目の前のピンチはとりあえず凌いだか・・・」
ブチャラティはやけに重く感じる腕で汗を拭った。
156 ◆cVhWKV23rU :2007/02/16(金) 17:10:00 ID:???
「それにしても・・・だ」
(何者の仕業だ?そして、何が目的なんだ?ぶちのめす前に聞くべきだったか?
いや、奴らにそれを答える知能があったかどうかも疑問だ。ジェイソンに襲われたのに
何するんだ!?と聞くようなものだな・・・それならば、さっさと倒して正解だった。
と思うべきだろう。それに大して強くなかったしな。・・・だが、奴らを倒しても
さっきと状況が変わったようには思えない。相変わらず体は重いしな。)
ブチャラティは次第に落ち着きを取り戻していた。
自分でも、こんな状況でよく落ち着いていられるな、と不思議に思ったが
このまま突っ立っていても、何も変わらないので、とりあえず辺りを散策することにした。
「広場の辺りに行ったら、また何か違うかも知れない・・・」
そう思って、歩き出すと、広場の方が何か騒がしい。
「奴らか・・・!?」
ブチャラティは急ぎ足で、広場の方へと向かった。
すると、何やら声が聞こえてきた。
「ただの雑魚の徒のくせに、随分と楽しませてくれるじゃない!!」
「ケェーハッハッハ!!フレイムヘイズは殺ォォーーース!!」
(徒?フレイムヘイズ?)
聞き慣れない単語を二つも聞き取ったブチャラティは、この状況が自分の範疇の外にある出来事で、
自分がそれに巻き込まれたことを悟った。
「死ねEEEEEEEEEE!!」
まるで洞穴の奥から聞こえるような音―――それはもはや、声とは呼べなかった―――が上空から聞こえる。
ブチャラティが見上げると、そこには先ほどの骸骨より強そうな見た目をした骸骨と女が空に浮かんでいた。
「あれは・・・!!」
その女は、巨大な百科辞典ほどある本の上に、まるで魔法の絨毯のように乗り、
金色の髪を振りかざしながら、奇妙なエネルギーの塊のようなものを打ち出していた。
そして、その顔は、先ほどすれ違いざまに肩をぶつけたことに憤慨した奇妙な観光客のそれであった・・・。
157 ◆cVhWKV23rU :2007/02/16(金) 17:15:31 ID:???
とりあえず、ここまでにしておきます。
一応、昨日投下しようと思ってた分に色々と手を加えた次第でございます。
自分的には短いストーリーにしようと思ってたんですが、予想外に長くなりそうです。
相変わらずシャナの部分は自信無いので、徒とかもオリジナルで勝手に考えたんですが
そこはご了承下さい・・・。
次は何時になるかは、分からないですけど、すぐに投下したいと思ってますので
期待しないで待ってて下さい・・・。
158マロン名無しさん:2007/02/16(金) 18:00:08 ID:???
とても続きがきになる終わり方だw
wktkしてます
159マロン名無しさん:2007/02/16(金) 21:29:22 ID:???
姐さんktkr
160マロン名無しさん:2007/02/16(金) 22:18:37 ID:???
乙!でも、ブチャラティのキメ台詞アリアリの後
アリーヴェデルチ(さよならだ)まで言わせないのか?
161マロン名無しさん:2007/02/16(金) 23:05:17 ID:aK6CvaIu
>>160
最後の最後で使うんじゃね?
162 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/16(金) 23:14:04 ID:???
 
 乙・・・・・・('A`)b
 ところで姐さんはブチャの事なんて呼ぶの?
 個人的には「ブチャラティ」よりも「ブローノ」の方が良いキガス。
 まぁ、 ◆cVhWKV23rU氏の好きにするのが一番良いんだけどね・・・・・・('A`)
 
163マロン名無しさん:2007/02/16(金) 23:22:17 ID:???
乙。しかしここまで良スレになるとはな。
164マロン名無しさん:2007/02/17(土) 02:21:03 ID:???
乙ー。
>ブチャラティは苛ついていた。
>それは、観たかったテレビを見逃した。とか、さっき犬の糞を踏んでしまった。とか
>そういった単純なことではなかった。

こういった例えの表現がジョジョっぽくて良いね。
165 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/17(土) 13:24:40 ID:???
 >>68 続き

 その日、目覚めの一服の後、早朝のシャワーを浴び、愛用の学ランに袖を通して、
朝食の間に足を踏み入れた空条 承太郎は、表情にこそ現さないが、
スタンドも月までブッ飛ぶような衝撃を受けた。
 「Good−Morninge!承太郎!」
 パジャマ姿で新聞を両手に広げ、太陽のように明るい声を上げながら
こちらを見るジョセフの真向かいに、 
 「おはよう。遅かったわね」 
 綺麗に糊付けされたセーラー服を着たシャナが座っていた。
 凛々しい顔立ちを引き締め、腰の下まである長く艶やかな髪を背に流し、堂々と胸を張って承太郎を見つめている。
 朝食はもうすませたらしく、テーブルの上には何故か異様に甘い匂い
のする緑茶が置かれていた。
 椅子の脇に置かれている真新しい学生鞄には、
油性ペンで達筆に書かれた『空条 シャナ』というネームプレートが貼られている。
 「あら?おはよう。承太郎。どう?似合ってるでしょう?
シャナちゃんの制服。まるで昔の私みたいだわ」
 湯飲みと急須の置かれたお盆を運びながら、
うっとりとしているホリィを承太郎は一瞥すると、シャナに向き直った。
 「何でテメーがオレの学校の制服着てやがるんだ?」
 「おまえを狙う奴らを釣るには、やっぱりその近くにいた方がいい、ってアラストールと話したの。
ま、私もこういう場所には滅多にいかないから見物がてら、ってとこ。」
 怪訝な視線でこちらを見る承太郎に、素っ気なくシャナは言って
スカートの中で足を組んだ。
 
166 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/17(土) 13:28:38 ID:???
 「彼女はお前の従兄弟という事になっておる。
そのつもりで頼むぞ承太郎。新しい学校で不慣れな事もあるだろう。
色々と世話を焼いてやりなさい。」
 いつのまにか湯気の立つ湯飲みを片手に傍にいたジョセフが、
快活に笑い承太郎の肩を叩いた。
 「ボケたか?クソジジイ。転入手続きもしてねーのにンな事出来るわけねーだろ。
大体こいつはどう見ても17にはみえねーぜ。どう贔屓目に見ても中坊、
ヘタすりゃあ幼稚園児にみえる。」
 神速で飛んでくる中身の入った湯飲みをスタープラチナが受け止めた。
 承太郎は学帽の鍔を摘む。
 「可能なのだ。我が『自在法』を行使すればな」
 シャナの胸元で銀鎖に繋がれたペンダント、アラストールが答えた。
 「貴様も昨日、代替物、トーチが消滅する所をみただろう。
それはつまり、世界の存在に空白が出来るという事だ。
そこに存在の力を操る術、『自在法』を用いれば己が存在を
その空白に『割り込ませる』事も可能。最も過度の干渉は世界の存在の
歪みを増長させる事になる故、この子を貴様の縁戚という事にしたのだ。
それが歪みを最小限に食い止める方法だからな」
 「つまり『オレの学校で消えたヤツと立場を挿げ替えた』ってことか?便利なモンだな。」
 承太郎は剣呑な瞳でアラストールを見る。
 昨日の破壊された街を修復したシャナの能力を見ていなければ、
とても信じられない事だが、今は『そういうものだ』と納得するしかない。
 「フン、オレぁもう行くぜ。朝メシはいらねぇ」
 「あ、まちなさい承太郎」
 ホリィがそう言って承太郎に歩み寄る。
 「ハイ。いってらっしゃいのキスよ。チュッ♪」
 「このアマ〜。いい加減に子離れしやがれ」
 ハァ、と嘆息するシャナの下でムゥ、とアラストールが呻いた。
167 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/17(土) 13:36:12 ID:???

 穏やかな陽光が木々を照らし、小鳥達の囀りが閑静な住宅街に木霊する。
その中を承太郎はシャナと肩を並べて(?)歩いていた。
 出る家も行き先も同じなので必然的に一緒に登校する事になる。
 件の如くお互いに無言。
 歩幅の大きい承太郎に、小柄なシャナが汗をかくこともなく普通についてきているのが
奇妙と言えば奇妙であったが、それを除けば一応は同級生が一緒に登校しているように、
相当無理すれば見えない事もない。
 まぁ自在法の影響下ではあまり関係のない話だが。
 早朝の澄んだ空気の中に、承太郎の麝香の香水とシャナの洗い髪の残り香が混ざって靡く。
 承太郎の襟元から垂れ下がった黄金の鎖とシャナの胸元のペンダントを繋ぐ銀鎖の擦れる音も、
絡まり合って和音を奏でた。
 一羽の燕が身を翻して二人の前を横切る。
 そのとき。
 「あ、承太郎だわ!」
 一人の女生徒が黄色い叫声をあげる。
「え!?承太郎!」
 その声に登校途中の女生徒達が数十人まとめて一斉に振り向く。
 「ほんとだ!承太郎!」
 「おはよう承太郎!」
 「おはよう承太郎!」
 「おはよう承太郎!」 
 「おはよう承太郎!」
「おはよう承太郎!」
 若々しい少女達の歓声は核分裂の連鎖反応の如く、ネズミ算式に増殖していった。
 明るいそれらの声とは裏腹に、承太郎は苦々しげに学帽の鍔を摘んで舌打ちする。
 瞬く間に承太郎とシャナは数十人の女生徒達に取り囲まれ、
周囲に可憐な少女の環が出来上がった。
168 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/17(土) 13:43:38 ID:???
 「承太郎。4日も学校休んで何してたの?まさかまたケンカ?」
 気の強そうな視線の、ショートカットの女生徒が承太郎の腕に自分の腕を絡めた。
 承太郎は鋭い眼光でその女生徒を一瞥する。
 それにつられたのか隣で同様に何故かシャナも。 
 「ちょっとあなた!何承太郎にすりついてんのよ。
馴れ馴れしいのよ。はなれなさいよッ!」 
 髪の長いポニーテールの女生徒がムッとした表情でその腕を引き剥がす。
 「なによブス」
 「アンタに言われたくないわよドブス」
 二人の女生徒は同じ罵り言葉で口喧嘩を始めた。
 承太郎とシャナの歩く速度が速まる。 
 「あれ?この子、誰?」
 女生徒の一人がようやく承太郎の隣のシャナの存在に気づいた。
 4日振りに見た承太郎の存在に最高にハイになっていたのか、
その隣を歩く長い艶やかな黒髪を携えた凛々しい瞳の美少女の存在は
『見えていなかったらしい』。
 「やぁ〜ん。ちっちゃくてカワイイ〜〜♪人形みた〜い」
 「あなた見ない顔ね?もしかして転校生?」
 「何年何組?クラブは何に入るの?」
 「どこに住んでるの?帰りは電車?」 
 「そのペンダント良いデザインね?どこで買ったの?」 
 「・・・・・・・・・・・・」
 これら矢継ぎ早の質問の嵐にシャナは先程の承太郎同様、
目元を伏せて歯をギリッと食いしばる。
 「でも、ちょっと待って。承太郎と一緒に登校してるって事は・・・・・・」
 茶色いストレートヘアの女生徒が呟いた。 
169 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/17(土) 13:52:07 ID:???
 承太郎の隣で一緒に登校する事。
 それは多くの女生徒達の夢であり、その彼の傍らは彼女達にとって聖域、
或いは天国にも等しき場所であった。
 その場所に見ず知らずの美少女がいきなりちょこんといるのだから、
彼女達にとってはまさに青天の霹靂、驚天動地の出来事である。
 「もしかして・・・・・・まさか承太郎の彼女!?」


 女生徒の言葉に、周囲が一瞬静寂に包まれる。
 シャナは自分でも意外なほどに衝撃を受け、ハッと息を呑む。
 承太郎の目元は学帽の鍔で覆われているので表情は伺い知れない。
 渇いた風が一陣、女生徒達の前を通り抜けた。 
 嵐の前の静けさの如く・・・・・・
 そして、
 

 「ええ〜〜!?ウソでしょう!?」
 「確かにカワイイけど承太郎の趣味とは違うわよぉ〜!」  
 「もしかして承太郎ってマニア!?」
 「もう普通の女の子なんか飽きちゃって、ロリとかに目覚めちゃったの!?」
 「イヤァ〜〜ン!JOJO!」
 爆発的に弾けた。
170 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/17(土) 13:54:42 ID:???
 周囲の姦しい少女達の騒ぎに正比例して承太郎とシャナの額に、
青筋がびしびしと音を立てて浮かびあがる。 
 やがてそれは臨界を超え・・・・・・
 
 
 「やかましいッ!うっとおしいぜッ!!てめえらッ!」
 「うるさいうるさいうるさい!どっかに消えて!おまえたちッ!」
 

 凄みに満ちた怒声があがったのはほぼ同時だった。
 その声に周囲は一瞬静まり返るが、すぐに。
 「キャー♪あたしに言ったのよ!」
 「あたしよおー!」
 「何言ってるの私よー!」
 と、装いも新たにはしゃぎだした。
 ・・・・・・誠に、いつの時代も恋する乙女は無敵である。
171 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/17(土) 13:58:42 ID:???
 大名行列よろしく、後ろに女生徒の群れを引き連れて
通学路を歩く承太郎とシャナ。
 満面の笑顔で付いてくる女生徒達をシャナは一瞥すると、
 「大した慕われようね?おまえ。毎日こう?どこのアイドルかと思ったわ」
 皮肉たっぷりに言った。
 「ほざきやがれ。ウットーしいだけだッ」
 世の喪男達が集団自殺引き起こしそうな暴言を、
承太郎は学帽で目元を覆いながら苦々しく吐き捨てる。
 「それは同感。全く馴れ馴れしいったらありゃしないわ、コイツら」 
 シャナはキツイ目つきで後ろを睨め付けた。
 「うむ。構成を維持する力が、ちと甘かったようだな。
まだ定着には至っていないらしい。或いはあの娘共の情動がそれを上回った、か・・・・・・」
 シャナの胸元でアラストールが小さく呟く。
 女生徒達を隠れ蓑にして、その更に背後から一つの暗い影が迫っていた事を、
このとき二人はまだ気づいていない。 
 

 視界に神社の赤い鳥居が見えてきた。
 片手をポケットに突っ込んだまま石段を降りる承太郎。
その脇を同様のペースでシャナも降りる。その足が12段目に掛かった、
そのときだった。
 「!」
 「!?」
 突如全身を襲う怖気。
 次いで激痛。
 承太郎の左足がカマイタチにでもあったようにザックリと切れた。
 バランスを崩し大きく仰け反る承太郎。
 「なにイ!?」
 切られた衝撃でその巨躯が宙に舞い上がり、引力に引っ張られて落下していく。
172 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/17(土) 14:04:34 ID:???
 「承太郎ッ!」 
 シャナは反射的に小さく可憐な手の先を伸ばすが
長さがまるで足りない。
 「きゃああああーーー!承太郎ォーーーーーーッ!!」
 少女達の絶叫が背後で上がったのはその後だった。
 「チィッ!」
 肩から伸びたスタープラチナの腕が傍にあった杉の木の枝を掴む。
弾力で枝が大きく撓み、やがてへし折れる。
 承太郎は首筋を傷つけないように身を屈め、杉の葉と枝をクッションにしながら、眼下の石畳との激突に供えて肉付きの良い肩口を接触面に向けた。
 「ぐぅっ!?」
 身を捩るような衝撃。
 大量の呼気が意図せずに吐き出される。
 「た・・・・・・たいへんよーーーーーッ!承太郎が石段から落ちたわーーーーッ!」
 ようやく目の前の現実を認識した女生徒達が、一斉に承太郎の元に駆けだしてきた。
 シャナは承太郎が落ちた石段の上で静止している。
 付近を見渡して周囲を警戒していた。 
 承太郎は自分の足の怪我を確認する。
 骨までは達していないようだが、皮膚が真っ二つに断ち切られ、
バックリと肉が裂けている。
 生々しい傷口から大量の血が流れ出していた。
 (左足のヒザが切れてやがる・・・・・・木の枝?イヤ違う。
落ちる前に切れていた。『あの時』、石段の中から緑色に光る何かが見えた。
それに足を切られてフッとばされたんだ。)
 石段の最上部から、冷ややかな視線で承太郎を見下ろす一人の少年がいた。
 しかしその中性的な容貌と知性に磨かれた鋭利な瞳、
年齢に似合わない厳かな雰囲気から厳密には
「少年」という呼び方は似つかわしくない。 
 長身で細身の身体に、裾の長いトレンチコートのような学生服を着ていた。
 よく櫛を入れられ、手入れの行き届いた清潔感のある赤い髪。
 長い襟足の耳元で、果実をモチーフにしたデザインのイヤリングが揺れていた。
173 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/17(土) 14:09:15 ID:???
 「ほう・・・・・・なかなか鋭いヤツだな・・・・・・・頸動脈をカッ斬ってやろうとしたが、
寸前に幽波紋(スタンド)を使って身体を捻り、着弾地点を変えたか・・・・・・
それにあの幽波紋(スタンド)のパワーとスピード、精密動作性・・・・・・
あの方が始末しろというのも無理はない。しかし・・・・・・
僕の幽波紋(スタンド)の敵ではない。」


「大丈夫!?承太郎!」
 「大丈夫!?承太郎!」
 「大丈夫!?承太郎!」
 女生徒達は一様に同じ台詞で承太郎に駆け寄る。
 「来るなッッ!!」
 鋭く叫ぶ承太郎。 
 しかし女生徒達は一瞬怯んだものの、すぐに集まって承太郎を取り囲んだ。
 「大丈夫?承太郎。良かったわ。後15pずれてたら石段に頭をぶつける所だったわ」
 「この石段はよく事故が起こるのよ。明日から私と手を繋いでおりましょうネ。承太郎」
 心配そうな顔と大惨事ならなかった事への安堵の表情で、
交互に承太郎を潤んだ瞳で見つめる女生徒達。 
 「くっ・・・・・・!」 
 自分の傍にいれば、今度はこの女生徒達がさっきの攻撃に巻き込まれる。
 「チッ!」
 短く舌打ちすると、承太郎は立ち上がり目の前の林に向けて疾走を開始する。
無理に動かした為、傷口から血が噴き出したが無視した。 
 「あ!どこに行くの承太郎!病院に行かなきゃダメよ!」
 追ってこようとする女生徒達に承太郎は、
 「いいかッ!ついてくんじゃあねー!オレの言うことが聞けねぇのかッ!
センコーにオレは遅れるって言っとけ!頼んだぜッ!」
 振り返って早口で叫んだ。 
174 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/17(土) 14:15:41 ID:???
 女生徒達はポカンとした表情で立ち止まる。 
 承太郎が頼むと言った。
 『自分に頼み事をしてくれた』。
 少女達の黄色い嬌声を背後で聞きながら承太郎は走った。
 ちなみにその日、承太郎の通っている学校の職員室が、
始業前に駆け込んでくる女生徒達でパニック状態になったのは余談である。


 草の踏む音。
 木の葉のざわめき。
 神社の山裾にある林の中を疾走しながら、承太郎の鋭敏な頭脳は戦闘の思考を開始していた。
 (今のは間違いなくスタンドによる攻撃だ。『紅世の徒』とかいうヤツらじゃあねー。
感覚で判別出来るようになった。オレの脚が切れただけで吹き飛ばなかった事からすると
パワーはそんなに強くねぇ。遠隔操作型のスタンドだな・・・・・・)
 無数の石塔がそびえる、開けた空間に出ると承太郎は立ち止まった。 
高ぶった気分を落ち着かせる為、愛用の赤いパッケージの煙草を取り出して火を点ける。
 「なら「本体」を見つけだして叩きのめせばすむ話だな。どこにいやがる?
どっかでオレを見てるはずだ。遠隔操作のスタンドはスタンドに「目」がついてねーって
ジジイが言ってやがった」
 細く紫煙を吐き出しながら平静を取り戻した表情で承太郎は呟く。
 不意に右から強烈な気配と視線を感じた。
 身構えてスタープラチナに戦闘態勢を執らせるがすぐにその必要がない事に気づく。
 そこにいたのはシャナだった。
175 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/17(土) 14:23:20 ID:???
 どこから取り出しのたのか黒寂びたコートを身に纏い、その髪と瞳は焼けた鉄のように紅く染まっている。
 手には戦慄の美を流す大太刀、贄殿遮那が握られていた。 
 「不意打ちを食らったわりには、随分余裕じゃない。」 
 凛々しい灼眼でこちらを見る。
 「やれやれ、オメーか?シャナ。敵はオレを狙ってきた。わざわざ付き合う必要はねーんだぜ。」
 「うるさいうるさいうるさい。予定通りの行動よ。おまえを攻撃してきたヤツを捕らえて、
『紅世の徒』の事を洗いざらい吐かせるの!」
 相変わらず素直じゃない少女の性格に、承太郎は煙草を銜えたまま目を閉じ
口元に微笑を浮かべる。
 「フッ・・・・・・なら勝手にしな。敵は遠隔操作型のスタンドだ。今どっかに潜んで
こっちの隙を伺ってやがる。こういう場合は「本体」を見つけだして叩くのが一番手っ取り早い。
この林のどっかにいるはずだ。見つけだしてブッた斬れ」
 「了解!」
 歯切れ良くシャナは言うと足裏を爆発させて、その場から飛び去った。
 非の打ち所のない完璧な作戦に反発は起こり得ない。 
 それに承太郎の声はどこか人を鼓舞するような甘い響きがあった。 
 木立の間に紅い影が見える。 
 高い場所の方が「本体」を見つけやすいから木の上に昇ったのだろう。
 「さてと、シャナのヤツは動きながら本体を探す。オレはここで待ちながら本体を探す。
つまり、ハサミ討ちの形になるな・・・・・・」
 紫煙と共に承太郎は呟く。 
 二人の関係は十字軍の司令官と切り込み隊長のそれによく似ていた。
 根本まで灰になった煙草を承太郎は指先で弾く。
 「・・・・・・あ、あの、空条、君・・・・・・?」
 唐突な声。
 承太郎が振り向いた先に、控えめな印象の少女が真っ赤になった顔を
両手に抱えた鞄に伏せて立っていた。
176 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/17(土) 14:30:16 ID:???

 あぁ〜、疲れた・・・・・・ ('A`)
 取りあえず長いんで2回に分けます・・・・・・('A`)
 今日はここまで、後半は鋭意作成中・・・・・・('A`)
 吉田さん出すつもりなかったけどよ〜〜〜〜〜出しちゃったよ〜〜〜〜
オレ言う事とやる事が違うウソつきだからよ〜〜〜〜〜('A`)
177マロン名無しさん:2007/02/17(土) 14:33:24 ID:???
いや、もう出して正解だと思う。
うん、もう正直この後の展開がwktk
してしかたねええええ!GJ!
178マロン名無しさん:2007/02/17(土) 14:45:41 ID:17iMyFMT
吉田さんktkr
続きが気になってしょうがない。
脱字がいくつか見られたが、許容範囲。
ガンガレ!
179マロン名無しさん:2007/02/17(土) 15:00:57 ID:???
ディモルト素晴らしいな
何というか誤字脱字を無くせば出版可能な範囲じゃね
承太郎シャナVSDIO一味や承太郎シャナVSフリアグネ
どちらの展開ももの凄く良い
180マロン名無しさん:2007/02/17(土) 15:02:58 ID:???
悠二にイマイチ好感が持てない俺にとってこのスレはまさに神
181マロン名無しさん:2007/02/17(土) 15:07:04 ID:???
吉田さんの胸には何が詰まっているのやら
182マロン名無しさん:2007/02/17(土) 15:13:25 ID:???
花京院ktkr
183マロン名無しさん:2007/02/17(土) 15:17:25 ID:???
>>182
成程
吉田さんの胸には花京院が詰まっているのか
184マロン名無しさん:2007/02/17(土) 15:26:54 ID:???
夢と希望と明日と正義がつまっているに一票
185マロン名無しさん:2007/02/17(土) 15:41:16 ID:???
それなんて巴里華劇団?
186 ◆cVhWKV23rU :2007/02/17(土) 19:16:36 ID:???
◆u68XLQ0lCUさん、乙です!
そういや、承太郎は悠二と違って、最初からモテモテだから
吉田さんのことが意外と難しそうですね
187マロン名無しさん:2007/02/17(土) 19:26:10 ID:???
ためしにまとめつくってみました
ttp://www26.atwiki.jp/jojosyana/

@wiki使うの始めてで、とりあえずまだ開発途中です
188マロン名無しさん:2007/02/17(土) 19:56:49 ID:???
>>187
godJob
189 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/17(土) 20:00:28 ID:???
 
 >>187氏GJ!('A`)b
 ちなみに
 〜STARDUST・FLAMEHEZE〜のスペルは、正確には
 〜STARDUST・FLAMEHAZE〜ね・・・・・・・・('A`)
 オレが最初に間違ったばかりにもうしわけない・・・・・・・・('A`)
 直すのメンドかったらそのまま放置でいいッスよ・・・・・・・・('A`)
190マロン名無しさん:2007/02/17(土) 20:21:33 ID:???
職人さん乙です!
>>187
あなたも乙です!
吉田さん出てきて嬉しいけど旅に連れてく理由を考える必要があるね
191マロン名無しさん:2007/02/17(土) 20:52:06 ID:???
>>187
すいません勃起してしまいましたw
192マロン名無しさん:2007/02/17(土) 21:08:32 ID:???
やべぇ……神が次々と降臨している。
193マロン名無しさん:2007/02/17(土) 22:59:21 ID:???
ぎゃっはっはっはっ!
GJすぎんぜ大将!
194 ◆cVhWKV23rU :2007/02/17(土) 23:16:20 ID:???
>>187
GJGJGJ!!
神降臨ですねえ
195マロン名無しさん:2007/02/18(日) 15:35:03 ID:???
>>190
連れてくのは無理じゃないか?
196マロン名無しさん:2007/02/18(日) 17:01:25 ID:???
むしろ吉田さんにスタンド発現→命の危機だ!!→エジプトへ
こんな展開キボン
197マロン名無しさん:2007/02/18(日) 18:45:23 ID:???
吉田さんに他の部のキャラのスタンドを与えるとか?
198マロン名無しさん:2007/02/18(日) 20:01:08 ID:???
まとめは、絵はまとめないのか?
199マロン名無しさん:2007/02/18(日) 20:28:08 ID:???
>>198
絵?シャナや承太郎の絵を参考資料として載せろってこと?
200マロン名無しさん:2007/02/18(日) 20:43:07 ID:???
とりあえずキャラを見た事ない人のために

承太郎
http://imepita.jp/20070218/744710


シャナ
http://imepita.jp/20070218/744320
201マロン名無しさん:2007/02/18(日) 21:10:27 ID:???
ユウジ人気無いみたいだけど何で?
シャナはアニメ見てたけどそんな問題起こしてないような
202マロン名無しさん:2007/02/18(日) 21:21:44 ID:???
特に悪くもないが良くもないのがユウジ
203189 ◆G.Jo4hrQXg :2007/02/18(日) 21:31:24 ID:???
>>198
とりあえず今のところSSがらみで絵が出てきたらのせる予定ですが…

なんか意見要望がありましたら出来る限り反映いたします
204マロン名無しさん:2007/02/18(日) 21:48:59 ID:???
>>201
三角関係の驚異的な引っ張りようが原因だと思う。
205マロン名無しさん:2007/02/18(日) 21:55:12 ID:???
ユウジは典型的なラブコメ主人公

・たよりない
・クソ真面目
・ヤサ男
・優柔不断
・ムッツリ
206マロン名無しさん:2007/02/18(日) 21:57:32 ID:???
承太郎と佐藤は喧嘩したら仲良くなれそうだな
田中と池は康一君路線で
207マロン名無しさん:2007/02/18(日) 22:13:05 ID:???
>>200
承太郎知らん人がこの絵だけを見たら100%キャラを勘違いすると思うwww
208 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/18(日) 22:30:05 ID:???
 
 >>200
 ジョジョ28巻表紙みたいな構図にシャナ加えて欲しい・・・・・・・・('A`)
 後オレは22巻表紙の承太郎が一番カッコいいと思うので出来れば
それをベースに・・・・・・・・('A`)
 ちなみにオレのSSは15巻前後の絵柄の時の承太郎で書いている。
 まぁどーでもいい話だけどさ・・・・・・・・('A`)
209マロン名無しさん:2007/02/18(日) 22:33:00 ID:???
>>206
承太郎がスタンド使ったら佐藤死ぬぞ
てか佐藤って喧嘩強いのか?
210 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/18(日) 22:33:22 ID:???
 
 アンカーミスった・・・・・・・・('A`)
 オレのド低脳・・・・・・・・('A`)
 >>203氏へ、ね・・・・・・・・('A`)
211マロン名無しさん:2007/02/18(日) 22:41:10 ID:???
>>209
中学の時は田中と二人荒れてたらしい
あだ名は狂犬
親は有力者らしいが仲は悪い
212マロン名無しさん:2007/02/18(日) 22:50:30 ID:???
恋人編読んだんだけど承太郎かっこ良いよ
あ〜ジョジョの格ゲーやりたい
213マロン名無しさん:2007/02/18(日) 22:52:49 ID:???
格ゲーはスターフィンガーの引き付けが便利すぎる
まあ使用キャラは恐怖を乗り越えた花京院なんだけどな
214マロン名無しさん:2007/02/18(日) 23:27:07 ID:???
承太郎先輩とDIO

http://imepita.jp/20070218/843050
215 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/18(日) 23:30:54 ID:???
 
 誘惑に耐えきれず『未来への遺産』ネット通販で買っちまった。
 5000エソもボラれた、鬱・・・・・・・・('A`)
 でもまぁ、DIO様の新技「実に馴染むぞ!」
を聞けただけでも買った甲斐は充分あったかも・・・・・・・・('A`)
 出来ればマライアとか若ジョセフとかペットショップとかもDIO様で粉砕
したいんだけど、対戦モード以外じゃ不可能なのかね?・・・・・・・・('A`)
216マロン名無しさん:2007/02/18(日) 23:34:48 ID:???
>>215
何処に売ってたの?
217 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/18(日) 23:49:46 ID:???

 >>216
 駿河屋ッス・・・・・・・・('A`)
 ググりまくってそこでしか売ってなかった・・・・・・・・('A`)
 「他に安い場所あるよ!」とかいうレス止めてね・・・・・・・・('A`)
 もう買っちゃったし、余計鬱になるし・・・・・・・・('A`)
 さてDIO様でジョースター一行皆殺しにしてから寝るか・・・・・・・・('A`)
218マロン名無しさん:2007/02/19(月) 00:20:14 ID:???
>>211
だが身長差20cm近くある上に承太郎は肘打ち一発で
ラバーソール(黄の節制の人)の鼻と顎砕いてたが喧嘩して大丈夫なのか?
219マロン名無しさん:2007/02/19(月) 00:25:52 ID:???
なんせヤクザとか二十人くらい病院送りにしたしなぁ。
220マロン名無しさん:2007/02/19(月) 00:33:46 ID:???
承太郎はスタンド無しでも充分強いからな
ある意味反則な主人公w
221マロン名無しさん:2007/02/19(月) 00:43:29 ID:???
佐藤ってどうシャナと絡んでくるの?



教えて厨でスマソ
222マロン名無しさん:2007/02/19(月) 00:48:06 ID:???
佐藤はあれだろ?
承太郎にボロ負けするが根性見せて承太郎に敬意を評されるタイプだろ
223マロン名無しさん:2007/02/19(月) 00:53:31 ID:???
>>221
道で不良から逃げてるとこを姐さんに助けてもらう→姐さんのパシりになる→紅世に関わりを持つ
224マロン名無しさん:2007/02/19(月) 00:54:20 ID:???
じゃあ最初承太郎が気に入らないからボコろうと仲間数人集めて襲う→逆に返り討ちに合うが、根性見せて承太郎に認められるっつ流れかな。

我ながらベタ杉だなぁorz
225マロン名無しさん:2007/02/19(月) 00:54:40 ID:???
北斗で言うアインタイプだな
承太郎ってケンシロウ型の主人公っぽいけど何処か違う雰囲気もするよね
226マロン名無しさん:2007/02/19(月) 00:57:57 ID:???
>>223
トンクス
227マロン名無しさん:2007/02/19(月) 00:59:56 ID:???
つかシャナとまともに会話した事あるクラスメートてユウジ以外だと吉田さんくらいだよな
228マロン名無しさん:2007/02/19(月) 01:02:13 ID:???
>>224
実は佐藤も利用されていたオチ
シャナ曰く学校で一番スペック高いのは人間では田中らしい
229マロン名無しさん:2007/02/19(月) 01:04:40 ID:???
なぜタナカなんだろう

運動神経?人間性?
230マロン名無しさん:2007/02/19(月) 01:13:35 ID:???
人間性じゃね?
231マロン名無しさん:2007/02/19(月) 01:21:34 ID:???
>>229
運動神経

精神力は意外と弱いんだよな>田中
おがちゃんが封絶の中で潰されるのみてから紅世ともうかかわりたくないって言ってるからな
232マロン名無しさん:2007/02/19(月) 02:21:04 ID:???
え゛…
おがちゃん死ぬの?しかも田中の目の前で?

アニメじゃハッピーエンドっぽい感じだったのに…田中・゚・(ノД`)・゚・
233マロン名無しさん:2007/02/19(月) 06:37:41 ID:???
しかも粉砕したのは敵キャラじゃなく銀の炎見てバーサク化したマー姐の攻撃の余波によってです。
ほかにも数十名の生徒が粉砕されてえらいことになっとります。
ヴィルヘルミナさんが止めに来たのですがバーサク化したマー姐はすぐには止められず……。
234マロン名無しさん:2007/02/19(月) 07:33:38 ID:???
>>232
死んでないよw
封絶の中だから粉砕されてても復元できる
詳しい設定はここで↓
灼眼のシャナ&A/B用語大辞典http://www1.atwiki.jp/sslibrary/
職人さんもここを参考にしてみてください
235マロン名無しさん:2007/02/19(月) 07:45:37 ID:???
バーサーク状態になるって事は何かあるんだろうが、姐さん最低だな
佐藤・田中とは絶縁?
236マロン名無しさん:2007/02/19(月) 12:59:41 ID:???
>>233
それってアニメ?小説とは違うのか?
小説では、凄みをきかせてるモデル顔負けの美女が、
街の案内役を求めて佐藤・田中に声を掛けたことがきっかけだったけど。

>>235
佐藤・田中も姐さんの事情は心身共に痛感させられてるため、絶縁はしていない。
でも、田中は紅世関連から離れようとしている。
逆に佐藤は自分にも出来る事はないか模索し、それに向かって努力している。
対照的な二人を置くことによって、小説に膨らみを持たせてるわけだ。
さすが弥七郎!
237マロン名無しさん:2007/02/19(月) 13:02:39 ID:???
すまん。上のアンカーは>>223だった。
238マロン名無しさん:2007/02/19(月) 13:28:54 ID:???
>>237
この小説ではどうゆう風に登場するのかっていう話じゃね?
つまりネタ
239マロン名無しさん:2007/02/19(月) 14:29:37 ID:???
>>223は俺の下らない妄想ですorz混乱させてスマソ
240マロン名無しさん:2007/02/19(月) 15:04:24 ID:???
いや>>223はアニメだよ
241マロン名無しさん:2007/02/19(月) 15:11:48 ID:???
つけたし・アニメ第五話参照
242239:2007/02/19(月) 15:14:14 ID:???
>>223じゃなく>>224でした。ああもうなにやってんだ俺…。
243 ◆cVhWKV23rU :2007/02/19(月) 16:14:25 ID:???
ブチャラティにとって、大抵の不思議なことは不思議ではなかった。
それは自分自身、スタンドなどというこれ以上不思議とは言えないようななものを
持っているから、というのもある。
だが、流石にこの状況はブチャラティにとっても新鮮過ぎた。
(あの女ッッ!!確かさっきの!?それにあの骸骨・・・これは一体・・・?
ッッ!大体、骸骨はともかく、あの女は何で動ける!?・・・俺以外の奴は皆静止していた。
そこから考えれば、少なくともあの女がこの状況に何らかの形で関わっている・・・
ということになるが・・・しかし、空飛ぶ本・・・ふざけてるとしか思えないが―――)
ブチャラティがこの状況を彼なりに整理していると、その女と交戦中の骸骨がこちらを向いた。
「んNNNNNN?何で封絶の中で動いてる奴がいるんだァAAA?」
(ちっ!!気付かれたッッ!!)
だが、ブチャラティはスタンドを出して迎え撃とうとはしなかった。
(このまま奴をぶちのめすことは可能だろう・・・。だが、俺は敢えてこのまま何もしない!)
ブチャラティは出来るだけ観念した・・・という感じを出すように力を抜いて、その場に座り込んだ。
出来るだけ、こちらの情報は見せずに、相手を探りたかったのである。
骸骨は気色の悪い音をカゥタカゥタ鳴らしながら笑った―――ように見えた。
「よっしゃァAAAA!!ちょっと補給ゥUUUUUUU!!」」
意外なほど速く骸骨が迫ってくる。
ブチャラティはその骸骨の落ち窪んだ目の部分を睨みつけるように見つめ、目を離さない。
一応、いざという時のためにスタンドを何時でも出せるようにはしていたのだが、
その必要は無くなった。
「そこォォォォ!!」
金髪の女が何かを発した。
骸骨はそれをまともに食らい、吹っ飛んでいった。
女はブチャラティの元にスーッと近づいて来ると、憤慨した、というよりも興奮した感じで
畳み掛けるように喋りだした。
「アンタ、何やってるのッッ!?死にたいのッッ!?つーか、何で動けるのッッ!?」
あまりの剣幕に、流石のブチャラティも圧倒されそうになる。
(・・・・・・やはりヒステリックな女だな)
ブチャラティは今考えたことを敢えて口に出してみたら、どんな反応をするだろう?と
興味を持ったが、それをしてみるほど余裕があったわけでも無いので、止めておいた。
244 ◆cVhWKV23rU :2007/02/19(月) 16:15:53 ID:???

「・・・・・・アンタ一体何なの?封絶の中で動けるなんて、よっぽどのことよ」
女は、多少落ち着きを取り戻したみたいだった。
「封絶?何だそれは?」
封絶とは、ここいら一体を覆っている変なフィールドのようなものだろうと
ある程度までは想像出来ていたが、それでも何も知らない素振りで聞いてみた。
「ここいら一体を覆っている変なフィールドみたいなもんよ!それだけ分かればいいでしょ!?」
自分の想像とそのまんま同じの答えが返ってきたことに、ブチャラティは多少失望した。
また、適当にあしらわれた感じが鼻についた。
「今度は私の質問に答える番よ!あなた、何で封絶の中で動けるわけ!?」
「自分でも分からないものを答えられるわけ無いと思うが」
ブチャラティは苛立ちながらも、素っ気無く答えた。
「ヒャーッハッハ、我が麗しの酒盃マージョリー・ドー!そりゃあ、そこのオカッパの言うとおりだぜ!」
急に、その女の所持している本が口悪く喋りだした。
普通なら驚くところだが、ブチャラティはそんなことじゃ驚かなかった。
だが、そのことがその女に疑問を抱かせたみたいである。
「こいつ―――ッ、何でこの状況でそんなに落ち着いていられるの?
第一、封絶の中でこうしてまともに動けるってだけでも只者じゃないわね
何なのよアンタは!」
見た目よりは鋭いな、とブチャラティは思った。
「まともに動けるわけじゃない。体がいつもよりは重い」
ブチャラティがそう返すと、女が苛ついたのが見て取れた。
「いちいち、下らない反論するんじゃないわよ!」
「ヒャーッハッハ、面白い奴じゃねーか!俺は気に入ったぜ!」
245 ◆cVhWKV23rU :2007/02/19(月) 16:17:37 ID:???
「五月蠅い!バカマルコ!!・・・兎に角!!」
漫才のような会話の後に、女はキツイ視線をブチャラティに向けた。
「得体の知れない奴・・・・・・どちらにせよ、徒ってわけじゃ無さそうね
徒ならば、さっきの奴がアンタに襲いかかろうとする筈が無いからね。
かといって、フレイムヘイズの類でも無し、それでいて完全に無害と言うわけでもない」
そう言うと、女の表情は更に険しくなった。
「こういうややこしい奴は、放っておいていいことがあるわけでもないしね
手っ取り早く消してしまおうかしら」
「何だと?」
ブチャラティは瞬時に臨戦態勢を取った。
女はそれを見ると、感心したのか、それとも馬鹿にしているのか、パチパチと拍手した。
「アンタ・・・随分と戦い慣れてるようね?一瞬で雰囲気変わったわよ」
この女、思ったより馬鹿では無いな・・・とブチャラティは思った。
ブラフだったのか、それとも本気で殺すつもりだったのかは分からないが、
それでも、この女の一言に妙な説得力があったのは事実で、思わず身構えてしまった。
少なくとも、敵を殺すことに対して、それ程抵抗を持ってはいないんだろう、
ということは察せられた。
あの骸骨と敵対しているようだが、だからといって、この女が自分にとって味方である保障はない。
ならば、今すぐにぶちのめした方がいいのか?
自分が只者ではないことは悟られていても、スタンドのことまでは知られていない。
ブチャラティは早急な決断を迫られていた。
246 ◆cVhWKV23rU :2007/02/19(月) 16:19:27 ID:???
>>156の続きです

今日はとりあえずこの辺りで・・・
247マロン名無しさん:2007/02/19(月) 16:23:31 ID:???
えっと銀って何?
ラスボスか何か?
248マロン名無しさん:2007/02/19(月) 16:33:03 ID:???
薔薇乙女の銀様ですよ
249マロン名無しさん:2007/02/19(月) 16:35:53 ID:???
>>246
乙です!
そういや今だにキングクリムゾンが理解できない俺って…
あ〜恋人編読んだらオラオララッシュ読みたくなってきた
250マロン名無しさん:2007/02/19(月) 17:18:14 ID:???
>>246
GJ!

>>247
親切にも>>234に用語集があるので、そちらを参考に。
251マロン名無しさん:2007/02/19(月) 18:36:02 ID:???
いいブチャラティですね、こりは。wktk
してまってるよ!
252マロン名無しさん:2007/02/19(月) 19:19:22 ID:???
マー姐さん・マルコが仲間になるならダービー戦(兄)が面白くなりそうだ
マー姐さん・マルコと絡んだら面白そうなのはジョセフと花京院かな
253マロン名無しさん:2007/02/19(月) 20:19:44 ID:???
やっぱり渋いなブチャラティ。ディモールト
254 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/19(月) 22:52:19 ID:???
>「自分でも分からないものを答えられるわけ無いと思うが」

 ワロタ。ブチャラティなら言いそうだね。
 乙&GJ!……('A`)ノシ
255マロン名無しさん:2007/02/20(火) 14:28:26 ID:???
キングクリムゾンの能力ってよくわからん
256マロン名無しさん:2007/02/20(火) 15:06:55 ID:???
夢遊病みたいなモンさ
意識はないけどいつのまにか歩いてる
みたいな
要するにザワールドの劣化版
作中では「発動から途中経過をすっとばし、結果のみ残る」って感じの事が書いてあった気がする
257マロン名無しさん:2007/02/20(火) 15:29:26 ID:???
未来予知もあるけどな
258マロン名無しさん:2007/02/20(火) 16:50:27 ID:???
それは頭についてるちっちゃい顔の方の能力じゃね?名前忘れたけど…
259マロン名無しさん:2007/02/20(火) 16:54:45 ID:???
エピタフだね。たしか
てか消しトバシよりもちっちゃい顔の予知能力のほうが
厄介な気がする
260マロン名無しさん:2007/02/20(火) 16:57:16 ID:???
消し飛ばしの方がやっかいだろ
消し飛ばし中のディアボロへの攻撃は全部無効になるし
261マロン名無しさん:2007/02/20(火) 17:19:12 ID:???
キンクリって未来予知と10秒時間を飛ばして結果だけを残すだっけ?
262マロン名無しさん:2007/02/20(火) 17:31:37 ID:???
エピタフ+キンクリはかなり厄介だぞ
エピタフで自分の死ぬ場面が見えたら速攻で時を飛ばせば無効に出来る
263マロン名無しさん:2007/02/20(火) 18:30:02 ID:???
これから投下されるSSでもやっぱ仲間から死人がでたりするのかな?
264マロン名無しさん:2007/02/20(火) 18:45:39 ID:???
まあ花京院はガチだからなぁ。


ところでシャナでも死人って出た?
265マロン名無しさん:2007/02/20(火) 18:50:57 ID:3LNsFFXc
花京院wwww
266マロン名無しさん:2007/02/20(火) 18:51:13 ID:???
ジョジョからのキャラは予定調和としてシャナからのキャラを殺すには職人さん次第じゃないかな?
個人的には
ヴェルヘルミナ辺りは死んでもおかしくないと思う
267マロン名無しさん:2007/02/20(火) 18:52:15 ID:???
たまにでも良いんでイギーの事思い出してやってください
268マロン名無しさん:2007/02/20(火) 18:56:50 ID:???
結果的に三部の主人公パーティーはジョセフ以外全滅だったわけだが
269マロン名無しさん:2007/02/20(火) 18:59:41 ID:???
シャナで死にそうなキャラって誰が居る?
270マロン名無しさん:2007/02/20(火) 19:01:09 ID:???
死ななくてもかなりの負傷により戦線離脱って方法もある
271マロン名無しさん:2007/02/20(火) 19:02:59 ID:???
死んだ
カール
ユウリイ

死んでもおかしくないと思う
ヴィルヘルミナ
吉田
272マロン名無しさん:2007/02/20(火) 19:05:30 ID:???
>>267
アニメじゃボコボコに蹴られた上にガオンで下半身を失ったイギーのことかーっ!
273マロン名無しさん:2007/02/20(火) 19:10:29 ID:???
姐さんは銀編まで生存が約束されてるようなもんだからなぁ
吉田さん辺りが承太郎を庇ってアボーン→承太郎、プッツンとかは?
274マロン名無しさん:2007/02/20(火) 19:16:27 ID:???
>>268
ポルポル・・・
275マロン名無しさん:2007/02/20(火) 19:25:21 ID:???
吉田さんってただの学生さんなのになんで死にそうなの?
276マロン名無しさん:2007/02/20(火) 20:31:45 ID:???
吉田さんはある意味最大の敵だから
277マロン名無しさん:2007/02/20(火) 20:31:45 ID:???
非日常に関わりすぎたから
278マロン名無しさん:2007/02/20(火) 20:35:50 ID:???
>>276-277
祝福する
279マロン名無しさん:2007/02/20(火) 20:43:13 ID:???
>>274
ポルポルくんは5部で死にました
280マロン名無しさん:2007/02/20(火) 21:09:10 ID:???
亀の中で生きてなかった?
281マロン名無しさん:2007/02/20(火) 21:09:56 ID:???
肉体は死んでしまったな
282マロン名無しさん:2007/02/20(火) 21:10:40 ID:???
>>268
孫と曾孫に先立たれたジョセフ……カワイソス
ポルポルと承太郎だけは殺しても死ななそうだったのに……
283マロン名無しさん:2007/02/20(火) 21:53:26 ID:???
承太郎はなぁ…。まあ黄金の精神は受け継がれたからいいんでねぇの。
284マロン名無しさん:2007/02/20(火) 22:05:36 ID:???
承太郎死亡を見たときはあまりにもあっけなく、また他のキャラも一気に死んだから
正直「へ…?何これ、死んだ?」って感じしかしなかった。
でも、あとで3部を読み直したら泣けてきた、「親になったから負けたなんてあんまりだ」と。
285マロン名無しさん:2007/02/20(火) 22:27:00 ID:???
>>269
吉田さんは現在、「死亡フラグ」と「フレイムヘイズ化フラグ」が立ってます。
一応、平井さんも犠牲者。マティルダ・サントメールも死んだし、ドレルも死んだな。ピエトロも死んだ。
XIV巻の展開を見る限りでは、悠二も死にそう。
286マロン名無しさん:2007/02/20(火) 22:30:27 ID:???
>>284
それが荒木クオリティ
287 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/20(火) 23:00:22 ID:???

 >>284
 承太郎LOVEのオレとしては、一巡後の世界も含めて
生きてると思ってる……('A`)
288マロン名無しさん:2007/02/20(火) 23:14:09 ID:???
>>285
 も死にそうとゆうか、存在感がほとんど無くなりそうだよな
今回は 頑張ってたけど
ところで って誰だっけ?
289マロン名無しさん:2007/02/20(火) 23:17:44 ID:???
>>287
そして第九部あたりで主人公になるんだな
290マロン名無しさん:2007/02/20(火) 23:25:16 ID:???
丞太郎死んだっけ…?
ストーンオーシャン?
291マロン名無しさん:2007/02/20(火) 23:38:29 ID:???
えーとですね、確かに死んでますがその後全部なかったことになってますんで、生きてます。で、以下ラスト。













ラストはアナスイとジョリンが承太郎&ママに会いに行く途中ヒッチハイクしてるウェザーを発見する所で終わり。って説明になってないっすねorz。オラオラされてきます。
292マロン名無しさん:2007/02/20(火) 23:40:15 ID:???
ジョリーン庇って記憶を奪われ、復活できたと思ったら
変な男に「お嬢さんとの結婚を許してください」とか言われ、
再びジョリーン庇って神父に真っ二つ→あっという間に腐る
しかも結局、ジョリーンもエンポ助けてバラバラに・・・

あの最強で無敵だった承太郎が・・・
普通の少年漫画だったら親子パワーでダブルオラオラッ!!
→神父撃破の流れになるのに・・・
まさに荒木クオリティ
293マロン名無しさん:2007/02/21(水) 00:47:01 ID:???
俺、シャナの吉田さんってあんまり好きじゃないんだよなあ
あの二人の空気を読んで一歩引いて健気な感じなら応援の一つもしたくなるけど
アニメと小説読んだ限りじゃ、何かむかつくというか
空気読めねーなー、って思ってしまう
294マロン名無しさん:2007/02/21(水) 00:52:55 ID:???
>>293
吉田さんは、良くも悪くも「恋愛至上主義」なんだよ。
295 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/21(水) 00:59:12 ID:???
>>292

確かにそうだけどね……('A`)
でも、エンポリオが神父倒した事でヤツの『やった事が全てなかった事』
になったわけだし、死ぬだけなら一度バイツァ・ダストで死んでるから
特に問題はないと思う……('A`)
だから承太郎は死すらも乗り越える!
オレ、ホント承太郎の事好きなんだな……('A`)
296マロン名無しさん:2007/02/21(水) 01:20:30 ID:???
>>294
承太郎だとライバル多過ぎだなwwwww
297マロン名無しさん:2007/02/21(水) 01:33:19 ID:???
承太郎は戦友になる前はシャナはうざそうだけど一度戦友になれば相性良さそうだと思う
逆に吉田さんは見た目は好みの日本人的女性だけど深く関わるとうっとうしいアマになるかも
298マロン名無しさん:2007/02/21(水) 01:38:03 ID:???
吉田に零時迷子のポジやれば修復要員に納まる
299マロン名無しさん:2007/02/21(水) 02:29:02 ID:???
承太郎は慎ましい女性が好みっぽいから、吉田さんみたいな
一歩間違うとストーカーまで発展しそうなタイプは合わないと思う
300マロン名無しさん:2007/02/21(水) 08:04:46 ID:???
承太郎の好みつうか許容範囲はヴェルヘルミナだけじゃね?
シャナ・姐さんはやかましいし吉田さんはサイコだし
301マロン名無しさん:2007/02/21(水) 08:32:10 ID:???
でも承太郎が結婚した相手は性格的な面で
日本人的な女性には見えなかったな
302マロン名無しさん:2007/02/21(水) 09:11:59 ID:???
どっちかっつうとシャナみたいな性格っぽかったような。
303マロン名無しさん:2007/02/21(水) 09:36:29 ID:???
理想と現実ってことか・・・。

離婚は家庭をほったらかしにしてる承太郎に辟易した奥さんから言い出したのか、
それとも、あまりにもDIOの手下に狙われるから「これはマズい」と承太郎から別れたのか?

そもそも承太郎は奥さんにジョースター家の因縁をちゃんと話したのだろうか。
304マロン名無しさん:2007/02/21(水) 10:14:35 ID:???
承太郎のことだから多分言っていないんだろうな。
305マロン名無しさん:2007/02/21(水) 16:37:04 ID:???
でも律儀にペンダントは送ってきたよな
306マロン名無しさん:2007/02/21(水) 18:03:13 ID:???
>>295
その通り!承太郎は死んでねぇぜ!
……いつまでも、そういつまでも俺達の心の中で生き続ける。
時が経ち、いつか記憶は色褪せるだろう。
それでも、ピンチな時こそ不適な微笑みが似合うヒーローがいたことを忘れたくないから。
             〜Fin〜
307マロン名無しさん:2007/02/21(水) 18:17:31 ID:???
承太郎……ムチャしやがって……。
308マロン名無しさん:2007/02/21(水) 18:22:31 ID:???
承太郎程、色恋沙汰に向かないキャラも無いな
実際問題、原作中も恋愛描写一切無かったし
肉親への愛、みたいなのは描写されてたケド
309マロン名無しさん:2007/02/21(水) 18:55:47 ID:???
承太郎は普段は皆を導く役だけど、己の恋愛に関しては受け身っぽい印象がある。
相手のことは好きなんだろうけど自分からはリアクションを起こさなそう。
こうしましょう、と言われたら、分かったそうしようって感じ。
310マロン名無しさん:2007/02/21(水) 19:06:46 ID:???
まとめサイトに絵板とかあれば良いな
311 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/21(水) 19:07:20 ID:???
>>307

だから殺すなっつーのに……('A`)
312マロン名無しさん:2007/02/21(水) 20:37:14 ID:???
本当にドクオ君承太郎好きなんだなw
313 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/21(水) 22:12:17 ID:???
 いきなりで申し訳ないのだが、シャナに関しての質問……('A`)
 『シャナってなんでフレイムヘイズに入ったの?』
 次のフリアグネ戦で会話イベント入れたいんだけど、
考えるのがマンドクサうあなにをするだあせ(ry
 もとい思いつかん……('A`)
 でもってンな体たらくだから気が向いた人教えてクレクレ ……('A`)
 まぁ、最悪ゲームのミドラーEDみたいにDIO様火病らせれば済むけどね……('A`)

DIO様「ジョセフの血はいらん……フリアグネ!貴様の血で充分だ!」


>>312

 フッフッフ……('A`)
314マロン名無しさん:2007/02/21(水) 22:28:04 ID:???
アニメだと天空城かなんかでフレイムヘイズになるための訓練をしてたけど、
そもそも何でフレイムヘイズになろうとしたのかは分からんなあ
315マロン名無しさん:2007/02/21(水) 23:52:28 ID:???
>>313
フレイムヘイズに入った≠チて表現はおかしくね?なった≠セろ。

シャナがその道を選んだ理由は、『この世のバランスを守る使命感』によるものかと。
フレイムヘイズは大抵、復讐を理由に契約するが(姐さんやカムシンもそれ)、
復讐を終えたら何も残らないため、自ら命を絶つケースも少なくない。
それを防ぐために、アラストールたちが使命感により動くフレイムヘイズの育成を行ったわけ。
シャナは、場合によれば『天破壌砕』を行使することも辞さない程の使命感を持っている。
それ以外に選択肢は無かったともとれるが、シャナは自分で選んだと言っている。

よく分からんが、カルメルさん曰く在るべくして在る者≠ネんだってさ。
316 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/22(木) 00:39:18 ID:???
>>314>>315

レス感謝……('A`)
そうか、最新刊でもわかっとらんのか。それじゃあフレイムヘイズの話はNGだね。
でもあの二人の共通の話題って思いつかNEEEEEEEE!WRYY(ry
しゃあない。やっぱフリアグネはDIO様の食卓に上ってもらう事にしよう……('A`)

あと確かに「入った」じゃなくて「なった」よね……('A`)
パッショーネじゃねーんだから……('A`)
これだからイヤよねジョジョ厨って……('A`)
317マロン名無しさん:2007/02/22(木) 00:55:57 ID:???
>>316
灼眼のシャナX巻を読めば、なんとなく分かるかと。
簡略化するのは難しいよ。
318マロン名無しさん:2007/02/22(木) 01:04:36 ID:???
フレイムヘイズという組織じゃなく、フレイムヘイズという存在だからな。
ディオが吸血鬼になるようなもんだ。

MEEELOOON!PAAAN!!!
って、フレイムヘイズになったわけでもないがな。
319マロン名無しさん:2007/02/22(木) 01:13:02 ID:???
メロンパンを食い続けるために人間やめたんだろう
320マロン名無しさん:2007/02/22(木) 01:18:14 ID:???
カムシンとその相棒(名前忘れた)はジョセフと相性良さそう
321マロン名無しさん:2007/02/22(木) 01:26:03 ID:???
>>316
ここを参考にしたら?大抵の事は載ってる
灼眼のシャナ&A/B用語大辞典http://www1.atwiki.jp/sslibrary/
322マロン名無しさん:2007/02/22(木) 01:26:07 ID:???
>>319
おまいは今までに食べたメロンパンの数を憶えているのか。
323マロン名無しさん:2007/02/22(木) 01:28:39 ID:???
>>322
13個
私は和食派ですわ
324マロン名無しさん:2007/02/22(木) 10:11:39 ID:???
俺は20個ぐらい
325マロン名無しさん:2007/02/22(木) 17:41:15 ID:???
ザ・ワールドの時止めはどうすんの?
封絶も時止めと余り変わらないような
326マロン名無しさん:2007/02/22(木) 17:42:38 ID:???
>>325
どうすんのって?
327 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/22(木) 18:12:56 ID:???
>>325
オレは

 ザ・ワールド>>>>>(決して永遠に超えられない壁)>>>>>封絶

って事にしてる……('A`)
封絶は大きくても街を一つ覆う位だけど、
DIO様は宇宙全体止めてると思ってるから……('A`)
328マロン名無しさん:2007/02/22(木) 18:15:28 ID:???
ザ・ワールドってメイド・イン・ヘブンやバイツァダストと同じ射程って考えでいいんじゃね?
キング・クリムゾンは射程10m程度らしいが
329マロン名無しさん:2007/02/22(木) 19:05:17 ID:???
封絶も時間を止めるがザ・ワールドは更にその時間すら止めるっことで良いんでね?
330マロン名無しさん:2007/02/22(木) 19:17:30 ID:???
世界は時の流れから自分だけ外れるんだよな。
だから、他の奴の時間は止まったように見える。
なら、封絶の中で使ったら、止まった時の流れの中に存在する、フレイムヘイズ達の時間の流れからも外れるってことか?
331マロン名無しさん:2007/02/22(木) 20:36:06 ID:???
そういう事になるな
332マロン名無しさん:2007/02/22(木) 22:06:22 ID:???
っつーか、封絶は時間は止めてないしね。
空間を隔離しているだけで、外部ではいつも通りの時間が流れている。
まぁ、世界にも封絶内での制約ぐらい付け加えたらいいと思う。
◆Ea0R8d6UQA氏みたいに(時止めの時間が通常より短い設定だったはず)。
333マロン名無しさん:2007/02/22(木) 22:32:29 ID:8PRgztTm
そこで気化冷凍法ですよ
334マロン名無しさん:2007/02/22(木) 22:35:26 ID:???
というよりも承太郎が止められる最大時間が5秒って絶対嘘だろ
335マロン名無しさん:2007/02/22(木) 23:48:56 ID:???
どう考えても5秒であの量の言葉は喋れないしな
336 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/22(木) 23:53:15 ID:???
>>334

5秒止めたのはプッツンした時だからアリだと思う……('A`)
花京院、イギー、アヴドゥル、ジョセフと数少ない友達と肉親が殺された後だからね……
それ以降は人の手に余る能力とか思って封印してたっぽい……('A`)
ちなみDIO様は倍の10秒止められるけど、『止められた時の中』では動けない
という弱点を持つ。
承太郎は数秒動く事が可能……('A`)
よってやっぱり承太郎が最強うあなにをするだあせ…………(バギャス!)
337マロン名無しさん:2007/02/22(木) 23:59:42 ID:???
1秒経過!2秒経過!3秒経過!
4秒経過!5秒経過!6秒経過!7秒経過!(ロードローラー持ってくる)
ロードローラーだッ!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
もう遅い脱出不可能よ!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァー!
8秒経過!ウリイイイヤアアアッー!ぶっつぶれよォォッ
オラアアッー!
9秒経過・・・・・!
338マロン名無しさん:2007/02/23(金) 00:02:46 ID:???
確かスタープラチナとザワールドの時の止め方は違ったような希ガス。
339マロン名無しさん:2007/02/23(金) 00:16:18 ID:???
六部のスタプラの解説はどうみてもおかしい
光速を越えることで時止めができるんなら光速移動できる吊られた男を斬った銀の戦車も時止めができることになる
340 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/23(金) 00:16:59 ID:???
ところでジョジョの歴代主人公で涙流してないのって承太郎だけなんだよね……('A`)
あと、脇を支える名パートナーがいないのも(しいていうならジョセフかね?)
オレのSSでシャナがそのポジションになってくれるとありがたいのだが
なかなか思い通りに動いてくれねぇ……('A`)
341マロン名無しさん:2007/02/23(金) 00:17:00 ID:???
チャリオッツは光の速さ超えてないだろ
342マロン名無しさん:2007/02/23(金) 00:26:16 ID:???
>>341
光速移動中のハングドマンを斬ってなかったか?
343マロン名無しさん:2007/02/23(金) 00:28:11 ID:???
>>342
軌道を呼んでそこを切っただけだったはず

メイド・イン・へブンも最終的には光速を超えるんだっけ?
344マロン名無しさん:2007/02/23(金) 00:33:27 ID:???
>>340
保健室での花京院戦で泣いてたよ確か。「この空条承太郎は…」辺り。
345 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/23(金) 00:33:47 ID:???
>>339

チャリオッツはハングドマンの軌道上に剣を構えて立っていただけ。
ハングドマンは光速の動きを持つスタンドだが、それは自由自在に動けるわけでは
なく『光が反射出来る場所だけ』というルールがある。
故にそれを見抜かれると軌道を読まれて強制的に移動させられてしまう為、
光速で自爆してしまうという弱点がある。
まさに長所と短所は表裏一体……('A`)
346マロン名無しさん:2007/02/23(金) 00:49:44 ID:???
弱点を見抜かれたらヤバイタイプと単純に強いパワータイプの二種類があるから
面白いんだよな
シャナでそういう能力はあるんだろうか
347マロン名無しさん:2007/02/23(金) 01:05:03 ID:???
俺はスタンドには最強は無く、要は相性と戦術だと思う
348マロン名無しさん:2007/02/23(金) 02:38:26 ID:???
ドラゴンズドリームって使いにくそうだな
349マロン名無しさん:2007/02/23(金) 02:42:17 ID:???
ちゃんと使えば事故に遭わなそうだけどな
350マロン名無しさん:2007/02/23(金) 09:57:35 ID:???
>>343
設定上は無限大まで加速できる
描写上でなら地球の寿命を半日程度で終わらせ一巡させたんだから
最低でも光速の280万倍以上というのが全盛期のVSスタンドスレで出された
351マロン名無しさん:2007/02/23(金) 10:03:26 ID:???
ttp://www.youtube.com/watch?v=6_OC8FsT78M
漫画だけでなくアニメの描写も入れたら良いと思うよ
DIOの声以外は
352マロン名無しさん:2007/02/23(金) 10:05:34 ID:???
>>348
身体能力が高い奴が使えばほぼ無敵に近いぞ
353マロン名無しさん:2007/02/23(金) 10:13:20 ID:???
>>351
アニメはなあ
もうちょっと尺を長くできれば良かったのにね
戦闘シーン自体は結構良かったし時止めのシーンも格好良かったし
まあDIO様の声についてはノーコメントで
ttp://www.youtube.com/watch?v=RO936-kaXx0&NR
354マロン名無しさん:2007/02/23(金) 10:29:11 ID:???
アニメ、新しい方は貼ってないよね
355マロン名無しさん:2007/02/23(金) 10:32:13 ID:???
新しい方は間違いなく駄目だろ
声優にスピードワゴン(芸人)起用とか何考えているのやら
356マロン名無しさん:2007/02/23(金) 10:38:58 ID:???
>>353
どうでも良いが虻さんがフレイムヘイズにしか見えない件
357マロン名無しさん:2007/02/23(金) 10:46:45 ID:???
GEレクイエムって敵意の無いロボットやトラップには無力なのかな?
358マロン名無しさん:2007/02/23(金) 10:52:33 ID:???
>>357
微妙なところだがジョルノに対する攻撃全てに反応するとも取れるんだよなあの設定は
359マロン名無しさん:2007/02/23(金) 10:53:53 ID:???
じゃあ何でGERはキンクリに反応しなかったの?
360マロン名無しさん:2007/02/23(金) 11:04:21 ID:???
>>359
時飛ばし中だったから
時飛ばしをしている間は相手からの干渉を一切受けないが自分も干渉できない
というのがキンクリの能力
血の目つぶしは血液とは自分から離れることによって別の物体扱いになるという荒木解釈で
ジョルノに干渉できた
しかし時飛ばし終了後に血の目つぶしを含め全ての動作が逆行したわけだから
GERはキンクリに反応しなかったわけではない
361マロン名無しさん:2007/02/23(金) 11:37:55 ID:???
>>355
いやOVAの新しい方
362マロン名無しさん:2007/02/23(金) 11:45:00 ID:???
>>361
そんなのあったk?
363マロン名無しさん:2007/02/23(金) 12:01:11 ID:???
なんだかんだいって格ゲーはけっこうはまってたよな
364マロン名無しさん:2007/02/23(金) 12:03:03 ID:???
じょたろは泣いてるよ
ポルポルくんとの別れで
365マロン名無しさん:2007/02/23(金) 12:11:08 ID:???
承太郎とシャナって最後は仲良くなるの?
366マロン名無しさん:2007/02/23(金) 12:13:33 ID:???
>>362
2000年に作られたやつ
花京院からハングドマンまでだったはず
格ゲーキャラ増やしてまた出してくれないかな
てか最近カプコン格ゲー作らなくなったね?
367マロン名無しさん:2007/02/23(金) 16:55:59 ID:???
さて週末ですよ
368マロン名無しさん:2007/02/23(金) 17:06:03 ID:???
週末はキンクリで吹っ飛ばされてる気がする
369マロン名無しさん:2007/02/23(金) 18:27:18 ID:???
ジョジョの格ゲーの神具合はこれ系の動画を見ればよくわかる
http://www.youtube.com/watch?v=Utygh9yTwSU
個人的にはOVAの小杉ボイス承太郎も嫌いじゃない
370 ◆cVhWKV23rU :2007/02/23(金) 18:27:52 ID:???
>>245の続きです。
371 ◆cVhWKV23rU :2007/02/23(金) 18:30:40 ID:???
マージョリー・ドーは苛ついていた。
その主な原因は、目の前の男であった。
細身にやや長身、オカッパ頭で、精悍な顔つきの男。
一見すると、ただの優男にしか過ぎないのだろうが、そうとは思わせない、何か不思議な雰囲気を持っていた。

彼女・・・マージョリー・ドーは『弔詞の読み手』という称号を持つフレイムヘイズである。
見た目こそ若い女性のそれで、文字通りの美人であるが、実は何百年も生きていて、
それだけ、彼女自身の中で様々な歴史を刻んで来ているのである。

「ヒャーッハッハッハ!コイツ、只者じゃないぜ!!なあ、我が愛しの淑女、マージョリー・ドー」
彼女の持っていた本が、下品な笑い声をあげる。
それはただの本ではなく、紅世の王・マルコシアスである。
真名は“蹂躙の爪牙”で、彼女にフレイムヘイズとしての力を授けている。

マージョリー・ドーには、果たさなければならない復讐がある。
自分から全てを奪った銀色の炎の徒・・・そいつを・・・殺す!!
その憎悪と執念は、数多くの徒を殺戮という名の炎の中に巻き込み、焦がし尽くした。
彼女の主な能力は、『弔詞の読み手』の名にふさわしく、『屠殺の即興詩』という詩を
歌うことで、自在法を縦横無尽に操り、炎の衣『トーガ』を纏う。
その強さは、正に“鬼神の如く”である。

そんな彼女が、目の前の男に対して、強い警戒心を抱いている。
それはマージョリーにとって、久し振りの感覚であった。
(何時以来かしら?この私が・・・目の前の男に対して、嘗めて掛からない方がいい
と思っている。それ程のに・・・徒でも、ここ久しくは会って無いわね)
マージョリーはその久し振りの感覚に、高揚などは感じず、寧ろ不快になった。
372 ◆cVhWKV23rU :2007/02/23(金) 18:32:47 ID:???
「俺がアンタに何かしたか?」
まるでそんなマージョリーの心を読んだかのように、目の前の男が聞いてきた。
「別にッッ!」
急に、目の前の男の何もかもが不快に思えてきた。
何よりも気に入らないのは、その目である。
何かを企んでいるような、それでいて、そのことを悟られまいとしている・・・そんな目。
―――この男は“何かを隠している”―――
それだけは、彼女にも察せられた。

マージョリー・ドーが、このイタリアに来たのは、何か特別な理由があったからではない。
いつものように、片っ端から徒を追っ掛けている。
その行動の途中に、イタリアがあった。ただ、それだけである。
とは言っても、せっかく来たのに、ただ通り過ぎるような真似も流石に勿体無いと、
多少の観光みたいな気持ちもありつつ、街中を見て回っていた。
その最中に、あの骸骨の徒と出会ったのだった。
所詮は、ただの雑魚の徒。それも、今まで出会ってきた徒の中でも、相当レベルの低い部類に入る。
確かに、封絶をいきなり仕掛けて来た割りには、その骸骨の徒は大して強いわけではない、
本当にただの雑魚であった。
強いてその骸骨の特徴を挙げるならば、その骸骨は異様に素早い。
こちらの攻撃をひょいひょいと馬鹿にしたように交わしていた。
だが、それだけ交わすということは、逆に言ってしまえば当たりたくはないと言ってるようなもの。
つまりは、こちらの攻撃さえ当たってしまえば、それで終わりだ。ということを意味していた。
そんな中、あの男の闖入に骸骨が気を取られた、その一瞬をマージョリーは見逃さなかった。
マージョリーの放った“歌”が骸骨に直撃し、そのまま吹っ飛んでいった。
一息ついた彼女は、そのまま男の元に近づいた・・・と、これが先ほどまでの顛末である。
373 ◆cVhWKV23rU :2007/02/23(金) 18:35:39 ID:???
目の前の男は尚も、その憎たらしい目をこちらに向けている。
まるでCTスキャンのように、外側だけでなく、内側まで観察されてるような気分に、
マージョリーはますます不快感を増していた。
そんな中、マルコシアスが先ほどまでとは打って変わった、落ち着いた声で彼女を呼んだ。
「おい・・・気をつけろよ。多分、さっきの徒はまだ死んでいない」
「!そう言えば、封絶がまだ解除されていない!」
マージョリーがそう言った矢先、彼女の足を何かが掴んだ。
気色の悪いゴツゴツした硬い感触・・・それは、手首から先だけの骨であった。
その骨は意外なほど力強く、キリキリと彼女の足を掴む。
「ちっ!」
マージョリーは掴まれていない方の足で、その手首だけの骨を踏み潰そうとしたが、
それより先に、骨は彼女の足を掬った。
バランスを大きく崩したマージョリーは、そのまま後方に仰向けの形で倒れた。
マージョリーが立とうとすると、いつの間にか足を掴んでいたはずの骨は、
彼女の首に手を伸ばそうとしていた。
「油断したNAAAAA!俺がただの雑魚だと思ったKAAAAA!?フレイムヘイズUUUU!!」
どこからか、あの薄気味の悪い“音”が聞こえてくる。
(ちっ、私としたことが、完全に油断してたわね!糞、これも全てあの男のせい!
あの男さえ・・・!!)
その時、彼女の首に手を掛けようとした骨が急に粉々になって吹っ飛んで行った。
一瞬、マージョリーは何が起きたか分からなかった。
ただ、その目に映ったのは、あの憎たらしい目をした男が、これまた憎らしげに、
助けてやったぞ、とでも言いたげな顔で、こちらを見下ろす、その憎らしい顔であった。
374 ◆cVhWKV23rU :2007/02/23(金) 18:38:19 ID:???
今回は以上です・・・。
シャナ分が少ないかな?と思って、マージョリー視点を追加してみました。
一応、自分なりのマージョリーさんなんで、こんなのマージョリーじゃない!
って思われても仕方のないかもですが、そこはまた追々ってことで・・・。
それでは・・・。
375マロン名無しさん:2007/02/23(金) 18:47:23 ID:???
徒が石仮面を付けてるみたいだなw
GJ!
376マロン名無しさん:2007/02/23(金) 19:23:56 ID:???
素晴らしすぎ
姐さん一体どうなるんよ
377マロン名無しさん:2007/02/23(金) 19:47:49 ID:???
ディオ様対承太郎・シャナ一行が読みたいです
378マロン名無しさん:2007/02/23(金) 22:41:23 ID:???
>>374超GJ!
ブチャラティとマルコシアスが大好きな俺にはたまらんね
379 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/23(金) 22:58:12 ID:???
>>377
すまんね……('A`)
花京院編は一応完成してるのだが、今までと内容が少々異質なので
今、推敲何度も繰り返してる最中……('A`)
決して「銀河漂流●イファム」のDVDにハマって、
シャロンタソ(*´Д`)ハァハァしてたわけでは断じてない……('A`)
あと思った以上に話が膨らんじまって長くなりそうだから、また2回に分ける予定。
前回、後半は次に投下すると言ったが……スマン、ありゃウソだった。
でもまあヘタレのオレが書いてるって事でさ……こらえてくれ……('A`)
ガンガレば明日辺りには前半投下出来るかも……('A`)
でもシャロンタソがオレを呼うあなにをするだあせ…………(メギャン!)

>>374
◆cVhWKV23rU氏モツカレ……('A`)
マージョリーのあのわけのわからん歌は『屠殺の即興詩』っていうのか……('A`)
酔っぱらいが好き勝手歌ってるだけかと思った……('A`)
380マロン名無しさん:2007/02/24(土) 00:18:40 ID:???
承太郎が悠二の立ち位置ならやっぱプール行くの?
381マロン名無しさん:2007/02/24(土) 00:38:27 ID:???
アニメのプールの回の予告を承太郎声でやるのを想像して吹いた
382マロン名無しさん:2007/02/24(土) 00:43:25 ID:???
>>380
お前あのジョースター一社交性の無い承太郎がクラスの連中とあんな賑やかな場所行って同級生と乳繰りするの想像できるかw?
383マロン名無しさん:2007/02/24(土) 00:46:16 ID:???
むしろシャナをダークブルームーンの海に
384マロン名無しさん:2007/02/24(土) 01:21:25 ID:???
承太郎だったら自分の頭の上で胸がぷるぷる揺れてて背中や頭に当たったらどうすんだろ
385マロン名無しさん:2007/02/24(土) 01:22:40 ID:???
で、それを助けに承太郎が海に飛び込む、と。
386マロン名無しさん:2007/02/24(土) 01:34:15 ID:???
>>384
「うっとおしいぞォ!」
387マロン名無しさん:2007/02/24(土) 01:50:31 ID:???
>380プール場で学ラン姿の承太郎を想像したよ
388マロン名無しさん:2007/02/24(土) 02:57:08 ID:???
>>379
俺はマキが好きだ。
389マロン名無しさん:2007/02/24(土) 14:07:21 ID:???
吉田さん、見た目は好みだったから初期は好きだったけど知れば知るほどサイコ女だとわかり恐くなった
下手したら由花子みたくなるかも
390マロン名無しさん:2007/02/24(土) 15:31:46 ID:???
>>374
GJ!
欲を言えば、マルコシアスのセリフをもう少し凝ってほしい。
「我が愛しの淑女」は、状況から考えて
「我が不機嫌の瘡腫」とか「我がふて腐れの悍婦」とかの方が良かった。
でも、面白いんでガンガってくれ。
391 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/24(土) 15:41:18 ID:???
>>175 続き

(コイツは……?)
 確か吉田一美という女生徒だった。
 クラスも違い特に目立つわけでもなく親しかったわけでもないが、かつて授業に託けて女生徒に
セクハラまがいの真似を働いていた体育教師を生徒の目の前で殴って顎を砕いた為「停学処分」になったとき、
『謹慎中全ての』授業ノートのコピーを停学開けの自分に渡してくれた。御丁寧にもキレイな付箋つきで。
(注:不良だが承太郎の成績は常にトップクラスである)
 それ以来誰のことも気にかけない承太郎だがこの少女の事だけは覚えていた。
 オレの傍に来るな、と言おうとしたとき、
「あの、こ、これ……」
 差し出された少女の掌には小さな包帯が乗せられていた。
 確かノートを渡された時もこんな風に真っ赤になって俯いていた。
「あの、わ、私、病弱なんでいつも、く、薬とか持ち歩いてるんです。そ、それに、転ぶことも多いから、
ほ、包帯とか絆創膏も、さ、さっき、転んでケガしたみたいだから、よ、良かったら、これ、
お、応急手当に使って下さい……!」
 転ぶという表現は些か適当ではないが、どうも妙な所で思考のピントがズレている。
「…………」 
 承太郎は黙って包帯を受け取った。
「それじゃ、お、お大事に、です」
 少女は一礼すると承太郎に背を向けて小走りで去っていく。
 その小さな背中によく通る声で承太郎は言った。
「待ちな!」
「ひやあっ!?」
 少女は縮こまってジャンプ、という器用な真似をした。
 恐る恐る振り返る少女に、
「ありがとよ」
 承太郎は指先で摘んだ包帯を軽く振った。
「……は、はい……!」
 言われた少女はパッと顔をほろばせた。
 野に咲く雛罌粟のような、見る者の心に安らぎを与えるそんな笑顔だった。
392マロン名無しさん:2007/02/24(土) 15:45:04 ID:???
支援
393 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/24(土) 15:45:22 ID:???
 承太郎は少女に背を向けると、慣れた手つきで傷口に包帯を巻きつけた。
 無理に動かしたため出血がひどいので念入りに巻き付けてきつく縛る。
(!?) 
 不意に背後から強烈な殺気を感じた。 
「何ッ!!」 
 吉田一美がネコの付いたシャープペンのその手に握り、その先端を承太郎の頸動脈に向けて振り下ろしてきた。
 承太郎は間一髪、素手でそれを受け止める。
 しかし少女の動きは完全には止まらず、強引に腕の隙間にシャープペンの先端をねじ込んでくる。
 それが承太郎の左瞼の下に突き刺さった。
「な、何だッ!この力ッ!?女のモンじゃあねえ!まさか敵のスタンド攻撃か!?」
「そのとおり」
 背後で澄んだ声がした。
「テ、テメーは!」
 振り返った承太郎の前にいつのまにかコートのような詰め襟の学生服を着た男が立っていた。
 美しい風貌をしているが同時に凍り付くような冷ややかな視線をこちらに向けている。
「僕の名は花京院 典明。初めまして空条 承太郎。そしてさようなら」
「ぐっ!」
 吉田一美の力が一段と強まる。
 「本体」と「スタンド」の距離が縮まった影響だ。
 少女のその瞳はマネキンのように無機質で虹彩がなく焦点を失っていた。 
 半開きの口の中に緑色のスタンドの頭部らしきものが見える。
「テ、テメーがこのスタンドの「本体」か!」
「その女生徒には僕の『幽波紋(スタンド)』が取り憑いて操っている……
僕のスタンドに攻撃を加える事は、その女生徒を攻撃するのと同義だぞ……」
 承太郎の質問には答えず花京院は冷たく言った。
「承太郎ッ!」
 木の上から紅い影が降ってきた。
 異変を感じたシャナが駆けつけてきたらしい。
 着地の衝撃で炎髪が大きく舞い上がり鮮やかに火の粉を撒いた。
394 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/24(土) 15:49:45 ID:???
「おまえは!?」
 予期せぬ乱入に花京院の視線がシャナに釘付けとなる。 
「こいつが!「本体」!」
 一瞥しただけで状況を把握し、紅い灼眼で花京院を鋭く射抜いたシャナは
流れるような動作で素早く刺突の構えを執る。 
 しかしシャナが足裏を爆発させて大地を踏み切る前に承太郎が叫んだ。
「そいつを攻撃すんじゃあねー!そいつは今ッ!この女を人質にとっているッ!」
「え?人質?」
 シャナが首だけで女生徒と格闘する承太郎に振り向き紅い目を瞬かせた。 
「この女の中に!そいつのスタンドが取り憑いてやがるんだ!
「本体」を攻撃しようとすれば中からスタンドで食い破るつもりだ!」 
「……くっ!卑怯なッ!」
 シャナは苦々しく歯を食いしばり刺突の構えを解く。
 花京院はゾッとするような暗い瞳でシャナをみた。
「……君のことは仲間達から伝え聞いている。我らが宿敵、ジョースターと同盟を組んだ『フレイムヘイズ』だな?僕達の間でも有名だよ……
ジョセフ・ジョースターを始末する為に送った仲間のスタンド使いを悉く闇に葬った『スタンド使い狩り(スタンド・ハンター)』。
紅い髪と瞳を持ち炎を自在に操るという事からまたの名を『紅の魔術師(マジシャンズ・レッド)』
……少し待っていたまえ。承太郎を始末したら次は君の番だ……」
「おまえなんかにやられてたまるかッ!」
 大刀を両手に構え、全フレイムヘイズに共通する猛々しい声でシャナが叫んだ。
「テ…テメーッ!一体何者だッ!」
 瞼の裏から吹き出る鮮血に頬を濡らし口元を歪ませてながら承太郎は花京院を睨む。
腕の中の少女の力は留まることを知らない。
「僕のスタンドの名は『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』。君の祖父、ジョセフ・ジョースターと同じタイプのスタンドだ……
『僕は人間だが、あの御方に忠誠を誓った』。だから!」
 花京院の指先がマリオネットを操るように艶めかしく動く。
「君を殺す!」
 花京院は両手を合わせて前に突きだした。
 それに合わせるように吉田一美が今度は両手でシャープペンを押し込んできた。
 眼窩に食い込み始めたシャープペンが再び暴れ出し鮮血が迸る。
395 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/24(土) 15:54:46 ID:???
「がッ……!ぐッ……!う……お……!!」
 承太郎もその小さな身体を引き剥がすよう掴んだ腕と肩に渾身の力を込めるが、まるで効果がなく血塗れのネコのシャープペンは
鮮血と共にゆっくりと、しかし確実に眼窩に埋没していく。
(『封絶』を起こしてこの女の腕を斬り落とす……!)
 冷徹だが戦闘では一番正しく合理的な方法をシャナは選択した。
 傷はトーチで修復出来る。
 封絶の中の空間は紅世に近い属性になるから、敵の幽波紋(スタンド)能力も増すことになるが
四の五の言ってる暇はない。
「!!」 
 シャナの足下の草むらに紅蓮の炎で出来た紋章が浮かび上がった。
 頭上に高々と掲げ上げられた指先に集まる無数の光を見て、
その意図を察した承太郎は怒気の籠もった声で叫ぶ。
「シャナ!余計なマネしてんじゃあねー!テメーはスッ込んでろ!こいつの相手はオレがする!」
 予想外の返答。明確な拒絶の言葉にシャナの思考が一瞬止まる。
 先程自分の戦意を高揚させてくれた同じ人物の言葉とは思えない。
無意識の内に生まれていた期待を裏切られ、空いた穴に怒りが流れ込むのを感じた。
「強がってられる状態!?おまえ!そのままじゃ目を潰されるわよ!!」
 怒鳴り声が木々の間に響いた。 
「フッ、甘いなマジシャンズ……『そんな程度ではすまさない』。このまま眼球を抉り取った後、眼窩を通して脳幹を串刺しにし、
更に中を掻き回してやる。イタリアンジェラードを作るように丹念にな……DIO様に逆らう者にはおぞましき死を!」
 花京院はその美しい顔に冷酷な微笑を浮かべ、艶めかしく指先を動かした。
「こ、こいつ!調子に乗ってくれちゃってぇ……!」
 シャナは花京院を睨み付けた。
 しかしそれは半ば八つ当たりに近い感情で、心の内は今の承太郎の言葉に対する疑問でいっぱいだった。
396 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/24(土) 15:59:11 ID:???
 出会ってまだ一日しか経ってないがその密度が大きかったので承太郎に対する大体の人格分析は出来ていた。
 その性格は徹底して冷静沈着。高い知能と深い洞察力を持ち、いかなる状況でも合理的、柔軟に対応する優れた判断力を備えている。
 だから今の彼の言葉はどうみても彼らしくない不合理な言葉だった。
 『こんなに感情的になる男じゃなかったはずだ』。
 その証拠に今だって目の前の女の攻撃をバカ正直に真正面から受け止めている。
 蹴り飛ばして引き剥がすなり、幽波紋(スタンド)で投げ飛ばすなりすれば良いのに一向にそうする気配はない。
 傷つけるのが嫌なのか?
 なら、さっき自分がやろうとしたように封絶の中でそれを行えば良いのだがそれも駄目だという。
 一体何がそんなに気に入らない?
 腕を斬り落とすといってもそれは一時の事。しかも意識が存在しないのだから痛みも恐怖も感じようがない。
 傷がトーチで修復できる事はもう承太郎は知っている。その事は「仕方がない」と昨日確かに承太郎は言った。 
 なのに今になって何故?
 目の前の少女を『攻撃する事自体』が承太郎は嫌なのか?
 だったらその理由は一体何だ?
 そして『なんで自分はその事にこんなに苛立っている』?
何故『承太郎の言葉なんか無視して』さっさと封絶を起こさない?
「うぐ……!!おおお……!!」
 承太郎の瞼の裏に冷たい金属の感触が混ざってきた。目元から流れる血が口に入って錆びた味が口の中に広がる。
 鍛え抜かれた膂力を脈動させてなんとか引き離そうと試みるが、吉田一美の力はそれに対抗するように強まるばかりだった。
 スタンドによって無理矢理限界以上の力を引き絞られている為、
少女の華奢な身体から関節と筋繊維の軋む音が聞こえてくる。
 このままでは自分の身同様彼女の身体も持たない。 
397 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/24(土) 16:03:30 ID:???
(!)
 血に染まる視界にスタープラチナの「目」がある変化を捉えた。
 眼前の少女の頬を返り血ではない透明な雫が伝っていた。
 虹彩を失った無機質な瞳から涙が止めどなく流れていた。
 幾筋も。幾筋も。 
 意識があるのかどうかまでは解らない。
 だが少女は泣いていた。
 承太郎の為に泣いていた。
 腕に力は籠もったままだったが、鬼気迫る表情だった承太郎の目つきがふと穏やかなものに変わる。
 そのライトグリーンの瞳に浮かんだ色は、彼の美貌に相応しい包み込むように強く暖かなものだった。
(なるほどな……解るぜ……気持ちはよ……あんなゲス野郎にいいように使われてるんじゃあな……
そりゃあ悔しいだろうさ……まってな……今おまえの中にいるスタンドを引きづり出してやるぜ……!)
「ぐ……!おおおおおおおおおおおお!!」
 再び鋭い目つきに戻ると承太郎は顔を引くのを止め、眼球が傷つかないよう角度を計算して『自分から』下向きに押し込んで
シャープペンの先端を固定すると、瞬時に覚悟を決め勢いよく横に逸らした。 
ブチッ!と耳障りな音がして、肉を抉りながらシャープペンの軌道が鮮血と共に赤い弧を描いて逸れる。
「!!」
 思いつきはしても自分では絶対に取らない選択を承太郎が実行した事に
シャナは驚愕しその紅い目を丸くする。
(どうしてそこまで……?何でそんな事が出来るの……?)
 シャナが考える間もなく、承太郎は瞬時に次の行動に移った。
 その行動はあらゆる意味でシャナを完全に裏切った。
398マロン名無しさん:2007/02/24(土) 16:06:46 ID:???
連投規制?
399 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/24(土) 16:09:24 ID:???
「オラァッッ!」
 猛りながら吼えるスタープラチナが承太郎に重なるようにして出現する。承太郎は折れそうな少女の首筋を掴むと
その小さく可憐な口唇に自分の色素の薄い端正な口唇を躊躇なく重ねた。
「!?」 
 強引で舐りとるような深い口づけだった。
 その眼前の光景にシャナの身体が硬直する。
 小さな口の中で歯がカタカタと音を立てていた。
「あ……あ……」
「どうした!戦闘中だぞ!」
 胸元でアラストールが何か言っている。
 でも頭に靄がかかっていて何を言っているのか解らない。 
 鼓動が早鐘を打ち、今まで経験した事のない全身の血が逆流したかのような異様で強烈な体感が身を包む。
 大太刀、贄殿遮那を握った小さな手が震えていた。
 寒くもないのに、身体全体が震えていた。
(……な……何で?……やだ……胸が……すごく痛い……苦しいよ……どうして……?)
 見たくないのに目を背けられない。
 目を閉じたいのに閉じられない。
 戦闘中だから?
 いやちがう、わからないけど、たぶん、そうじゃない……
400 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/24(土) 16:10:49 ID:???
 

 メキッ……メキッ……
 マキョマキョマキョ!!


 関節の軋む音、肉の擦れる音、何れかに似てはいるがそのどれでもないスタンド音を伴いながら
吉田一美の口から彼女を操っていた元凶が引きづり出される。
「!!」
 花京院のスタンド、『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』の頭部に噛みついた『星の白金(スタープラチナ)』が
少女の身体をスタンドの支配から開放した。
「この女をキズつけはしねーさ!こうやって引きづり出してみれば、なるほど。
取り憑くしか芸のなさそうなゲスな幽波紋(スタンド)だぜ。花京院!」
 自由になった吉田一美の肩を力強く抱きながら承太郎は凛々しい視線で花京院を見た。
401 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/24(土) 16:13:47 ID:???
取りあえずここまでッス……('A`)
後半はなるべく早く投下出来るようガンガりまつ……('A`)
シャナの心理描写がおかしいと思う人もいると思いますが
オレのSSではこんなカンジになりますた……('A`)
402マロン名無しさん:2007/02/24(土) 16:17:12 ID:???
ズキュウウゥン乙
403マロン名無しさん:2007/02/24(土) 16:19:06 ID:???
乙であります。
404マロン名無しさん:2007/02/24(土) 16:33:44 ID:???
乙です!!!!!!!!!
そういや花京院が死んだ事両親は知らないんだっけ?
405マロン名無しさん:2007/02/24(土) 16:57:07 ID:???
死に際に両親のことよりもザワールドの謎を解き
声が出ないと言っておきながら、「最後のエメラルドスプラッシュ……」
を放ち承太郎の勝利に繋げた花京院に献杯ッ!
406マロン名無しさん:2007/02/24(土) 17:29:15 ID:???
今更過ぎるがドクオ氏
>>24
>帰りをずっと待つのだろう・・・・・・
よくこのフレーズを持ってきた。そして
>『自分が待っているという事にすら気がつかないまま』・・・・・・・・
ここで俺は感動した。俺はあんたを尊敬する
407マロン名無しさん:2007/02/24(土) 18:09:29 ID:X/vTgRjC
ドクオGJだよ!吉田さんにキスした時に
シャナがパニくってるのがかわいかったっす。
ただアホなことですがキスする時ズキューーーーーン
の効果音がほしかったwwwww
いや、なんでもありません
408 ◆cVhWKV23rU :2007/02/24(土) 19:47:32 ID:???
いやあ、流石ですねえ
吉田さんを保険医(だったけ?)の代わりに使ってきましたか
シャナとジョジョの融合が上手いですねえ・・・
自分はシャナ分の薄さが自分でもダメだなあと思ってるんで
参考にしたいです
409マロン名無しさん:2007/02/24(土) 20:29:18 ID:???
ポルポルを庇ってシャナは一時期離脱するの?
410マロン名無しさん:2007/02/24(土) 21:09:20 ID:???
この組み合わせワロタ
411マロン名無しさん:2007/02/24(土) 21:30:58 ID:???
>>409
その後シャナが連れションするのか・・・
412マロン名無しさん:2007/02/24(土) 21:37:03 ID:Gs14BU+2
gj
ジョジョ分とシャナ分が交互に混ざるようにするといいんじゃないかな?
413マロン名無しさん:2007/02/24(土) 23:01:01 ID:???
女に手を出さないホルホースにとってシャナは相性最悪っぽいな
弾丸も炎で溶かせそうだし
414マロン名無しさん:2007/02/24(土) 23:03:03 ID:???
それ以前に、シャナのコートは弾丸を防ぐ程の強さがあったような
415マロン名無しさん:2007/02/24(土) 23:08:09 ID:???
ヒント:スタンドはスタンドでしか防御できない
416マロン名無しさん:2007/02/24(土) 23:42:51 ID:???
つーかおすすめ2ちゃんねるでシャナちゃん虐待スレとか入ってるのに吹いたw
お前はシャナ絡みのネタ端から端まで平らげるつもりかw
417マロン名無しさん:2007/02/25(日) 01:47:19 ID:???
磁石のスタンドの時、どうするんだ?
シャナと一緒に女子トイレ進入するのか?
418マロン名無しさん:2007/02/25(日) 09:14:44 ID:???
>>417
磁石は個人的にジョセフより承太郎とやってほしいんだけどな
いつもよりテンパってるシャナが見たい
419マロン名無しさん:2007/02/25(日) 09:16:45 ID:???
>>418
ジョセフが若返るのか!
420マロン名無しさん:2007/02/25(日) 09:59:05 ID:???
ギャグがギャグじゃなくなる予感
421マロン名無しさん:2007/02/25(日) 10:05:03 ID:???
>418承太郎がロリコン扱いされそうだ
シャナは高熱で磁力を無効化出来そうだから対応がわかれば勝てるな
422マロン名無しさん:2007/02/25(日) 12:44:58 ID:???
>421
対応がわかってもくっついていそうだがな
423マロン名無しさん:2007/02/25(日) 12:49:56 ID:???
>>422
424マロン名無しさん:2007/02/25(日) 13:20:23 ID:???
>422ついでに吉田さんも負けじとくっついて

「うっとおしいぞ!お前らぁ!!」と怒鳴られるのか
425 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/25(日) 14:28:04 ID:???
最近SS書いてる時は主に『SOUL'd OUT』を聞きながら書いてる……('A`)
故に『東京通信』に合わせて承太郎とシャナが街中歩いてるという象(ヴィジョン)
まで脳内に浮かび最早末期症状……('A`)
元々Hip-Hopはそんなに好きじゃなかったのだが、何でアルバムコンプリする位ハマったのかというと
ジョジョファンだったのね彼ら……('A`)
Youtubeに荒木センセと対談してる動画もみつけた……('A`)
何か運命じみたものを感じる今日この頃……('A`)
426マロン名無しさん:2007/02/25(日) 16:39:06 ID:???
遅くなりましたが乙
もう何も言うことはない
427マロン名無しさん:2007/02/25(日) 16:58:49 ID:???
承太郎って一巡した世界では家族仲良く暮らしてるのかな?
428マロン名無しさん:2007/02/25(日) 17:00:46 ID:???
さてなあ
仲良く暮らしていたらいたでちょっと気持ち悪いけどねw
429マロン名無しさん:2007/02/25(日) 17:12:42 ID:???
Q太郎だか愛太郎だかにはディオとの因縁にとらわれない人生をおくって
家族と幸せに暮らしててほしいな
430マロン名無しさん:2007/02/25(日) 17:16:22 ID:???
荒木「だが断る」
431マロン名無しさん:2007/02/25(日) 17:16:41 ID:???
承太郎が家族サービスw
432マロン名無しさん:2007/02/25(日) 17:26:18 ID:???
しかしながら修羅場修羅場だなw
シャナVS吉田さん
原作以上の戦いになったらどうしよう
433マロン名無しさん:2007/02/25(日) 18:04:46 ID:???
シャナと吉田さん
承太郎が選んだのは




























おがちゃん
434マロン名無しさん:2007/02/25(日) 18:07:52 ID:???
まったく関係ないアメリカ人女性
435マロン名無しさん:2007/02/25(日) 18:31:37 ID:???
理想は大和撫子だったのに何故アメリカンと結婚したんだろう
しかも年齢を考えると大学時代に知り合って学生結婚…やるな承太郎
436マロン名無しさん:2007/02/25(日) 20:32:50 ID:???
一巡した世界では無口で厳しいけど心の奥は優しい親父だと思う
437マロン名無しさん:2007/02/25(日) 21:09:47 ID:???
それは元の承太郎にも当てはまることだと思うぞ
438マロン名無しさん:2007/02/25(日) 21:30:45 ID:???
違いは家に居るか居ないかじゃないか?
439マロン名無しさん:2007/02/25(日) 21:48:33 ID:???
承太郎は家に居さえすれば良い父親になれたろう、多分
まあ、本人は平穏な家庭を築くことよりも家族の安全と世界の危機を救うことを選んだわけだけど
440マロン名無しさん:2007/02/25(日) 21:53:41 ID:???
ハードボイルド小説なんかだと、死んだ英雄より生きてるヤクザの方が女にとってマシ
だそうだが、承太郎は正にそれだな
家族にとっては家にいてくれるだけで良いんだよ…
441マロン名無しさん:2007/02/25(日) 22:00:37 ID:???
DIOの残党に狙われてるのに、なんで結婚したんだか…
できちゃった婚か?
442マロン名無しさん:2007/02/25(日) 22:14:13 ID:???
シャナ番外編のOVA見てEa0R8d6UQA氏に承太郎バージョン書いてほしくなったw
443マロン名無しさん:2007/02/25(日) 22:20:22 ID:???
>>442
俺が考えてた事をwww
実は今執筆してます
でもEa0R8d6UQA氏が書いたのも読んでみたいです
444マロン名無しさん:2007/02/25(日) 22:38:45 ID:???
承太郎がバスの中でシャナと吉田さんに板ばさみにされるのか
445マロン名無しさん:2007/02/25(日) 23:03:48 ID:???
446マロン名無しさん:2007/02/26(月) 00:01:48 ID:???
承太郎がサボらずに修学旅行ww
想像できんw
447マロン名無しさん:2007/02/26(月) 00:15:42 ID:???
>>446
仮に言ったとしても承太郎の性格的に真面目に寺とかに感心してそうだw
448マロン名無しさん:2007/02/26(月) 00:44:14 ID:???
シャナのアニメをようつべで見てきたけど、噂の吉田さんって相当アレだな
ジョジョで言うと、山岸由花子レベルのストーカーじゃねえか!
承太郎が一番嫌いなタイプだな、こりゃ
449マロン名無しさん:2007/02/26(月) 01:22:56 ID:???
承太郎が一番嫌いなのは喧しい女だろ
大人になって多少落ち着いても抑制できてないし
450マロン名無しさん:2007/02/26(月) 01:28:08 ID:???
そろそろ>>113の続きもみたい自分ガイル。

もう皆ガンガレ。
451マロン名無しさん:2007/02/26(月) 10:43:12 ID:???














つまらん
452マロン名無しさん:2007/02/26(月) 12:03:56 ID:???
今更だが ◆u68XLQ0lCU 氏のSSはアニメを参考にしていたのね
さっきアニメ全巻見たから一応
453マロン名無しさん:2007/02/26(月) 19:10:49 ID:???
まあ、シャナや吉田さんがどんなに頑張ろうと、承太郎と結ばれることは
絶対に無いわけで
454マロン名無しさん:2007/02/26(月) 19:46:38 ID:???
つーか結ばれたらイヤだw
455マロン名無しさん:2007/02/26(月) 20:11:57 ID:???
■ おすすめ2ちゃんねる 開発中。。。 by FOX ★
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456マロン名無しさん:2007/02/26(月) 20:12:37 ID:???
俺はシャナと結ばれたら面白いと思う。
457マロン名無しさん:2007/02/26(月) 21:13:32 ID:???
そしたらジョリーンはどうなるw
458マロン名無しさん:2007/02/26(月) 21:18:14 ID:???
シャナがいればDIOの残党相手にも危険が無いので一家揃って幸せに暮らせます
ジョリーンは刑務所に行かないので6部は消滅しますw
459マロン名無しさん:2007/02/26(月) 21:35:00 ID:???
承太郎の家族仲が悪かったのは「弓と矢」を捜索してたせいなわけだが
460マロン名無しさん:2007/02/26(月) 21:44:37 ID:???
DIOとの因縁(ようは残党)に巻き込まないためじゃなかったっけ?
461マロン名無しさん:2007/02/26(月) 23:29:38 ID:???
第三部の数年後には承太郎は結婚して子供がいるってことになるんだよな
462マロン名無しさん:2007/02/26(月) 23:33:41 ID:???
シャナは歳取らないから子供作れないよな
463マロン名無しさん:2007/02/26(月) 23:59:48 ID:???
>>462
だよね。二次性徴迎える前にフレイムヘイズ化しちゃったから。
464マロン名無しさん:2007/02/27(火) 05:31:56 ID:???

なにこのキモイスレ
465マロン名無しさん:2007/02/27(火) 10:31:42 ID:???
>>457
つ空条徐那(くうじょうじょな)

こんなんでいいんじゃね。子作り云々は荒木クオリティで何とかなるだろ
466マロン名無しさん:2007/02/27(火) 11:14:32 ID:???
承太郎って歴代ジョジョの中で一番モテ描写が多いな
同級生、スチュワーデス、観光客、家出少女、ミドラーとモテすぎだろ!
やはり西洋と東洋のハーフだからなのか……
467マロン名無しさん:2007/02/27(火) 11:21:46 ID:???
>466別の漫画の人気投票にランクインしたりと読者にも人気あるよな
468マロン名無しさん:2007/02/27(火) 11:39:06 ID:???
フレイムヘイズは一度契約したら人間に戻れないの?
469マロン名無しさん:2007/02/27(火) 13:11:26 ID:???
立場的にはアヴドゥルポジと結婚する承太郎
470 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/27(火) 17:09:50 ID:???
>>400 続き

 花京院の『幽波紋(スタンド)』、『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』の全体が完全に少女の表に出た。 
 承太郎の『幽波紋(スタンド)』、『星の白金(スタープラチナ)』に頭部を鷲掴みにされたその姿は未来人、或いは異星人のような
異様なフォルムに甲殻類が身に纏うようなプロテクターを局部に装着していた。そして鮮やかなエメラルドグリーンの、
その全身は深海生物のように発光を繰り返している。
「花京院!これがテメーのスタンドか!緑色でスジがあってまるで光ったメロンだな!」
 承太郎は目の前のスタンドを睨め付ける。
「引きづり出した事……後悔するぞ……空条 承太郎……!」
 脳を圧迫する苦痛に堪えながら、花京院は歯をきつく食いしばって言った。
「けっ!強がってんじゃあねー。額に指の痕がくっきり出てんだよタコ。このまま……テメーのスタンドのド頭をメロンのように潰せば
テメーの頭も潰れるようだな。ちょいと締め付けさせてもらうぜ。気を失ったところでテメーをオレのジジイの所へ連れて行く……
DIOのヤローの事を洗いざらい喋ってもらうぜ。テメーが望もうと望むまいとな!」
 そのときスタープラチナが目の前の異変を捉えた。
 花京院のスタンド、『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』手の平から緑色のオイルのような液体が絶え間なく溢れだしていた。
「花京院!妙な動きをするんじゃあねえ!!」
 頭部への圧迫を強めようとスタープラチナの手に力が籠もる。
 そのとき。 
「かはッッ!!」
 突如、承太郎の腕の中の吉田一美が口から血を吐いた。
 返り血が承太郎の顔にかかる。
「!?」
 その事に承太郎は一瞬、呆けたような顔になりスタンドは完全な無防備状態になる。
「くらえ。我がスタンド、『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』の……」
 艶めかしく動くスタンドの手の間で緑色の液体がうねるように集束していく。
それはやがて硬質な結晶と化し眩い輝きをもって弾けた。

471 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/27(火) 17:15:57 ID:???
「エメラルド・スプラッシュ!!」
「!! 前をみなさいッ!承太郎ッ!」
 花京院と同時に我に返ったシャナが叫んだ。
 しかし二人の声はどちらも承太郎には届かなかった。 
 スタンドの重ね合わせた両手から射出されたエメラルドの波に覆われる光り輝く無数の光弾。
 それが棒立ちになっているスタープラチナの胸を深々と刺し貫いた。
 直撃を受けたスタープラチナの胸部が抉れて膨張し引き裂かれ、そして爆散する。
 衝撃で背後に弾き飛ばされたスタープラチナとその影響で引っ張られた承太郎は、
木々を何本もへし折りながら樹齢700年の大木に激突してようやく止まった。
 巨木の幹から力無く崩れ落ちる承太郎の口から大量の血が吐き出される。
 更に胸部にもスタンド同様裂傷が浮かび上がり生暖かい鮮血が勢いよく噴き出した。
「……な、なんて威力……私が手こずった『星の白金(スタープラチナ)』をたったの一撃で……
それにあんな複雑な構成を一瞬で編み上げるなんて……」
 花京院の華麗かつ壮絶な流法に驚愕の声をあげるシャナ。
「……むぅ。この者、人の身でありながら『王』に匹敵する力を携えている……」
 右腕を前方に水平に構えて差し出し威風堂々と屹立する花京院を見たアラストールは、敵とはいえどその清廉な姿に思わず声を漏らした。
「エメラルド・スプラッシュ。我がスタンド、『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』の体液にみえたのは『破壊のエネルギーの象(ヴィジョン)』……
君のスタンドの胸を貫いた……よって君自身の内蔵はズタボロだ。そして、その女生徒も」
 花京院が指差した先、前方の地面に仰向けに倒れていた吉田一美が再び喀血した。
「あ……あ……!」
 声にならないか細い悲鳴を上げ意味なく空に伸ばした手が、やがて糸の切れたマリオネットのように弧を描いて地面に落ちる。
 土の上に口から流れ出る少女の血が染みていった。
472 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/27(火) 17:19:55 ID:???
「いったはずだ。僕の『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』に攻撃を仕掛ける事は、その女生徒を傷つけることだと……
僕のスタンドは君より遠くまで行けるが広い所はきらいでね。必ず何かの中に潜みたがるんだ……引きずり出すと怒ってしまう……
だから喉内部あたりを出るときキズつけてやったんだ……君が悪いんだぞ?空条 承太郎。君の責任だ。これは承太郎……君のせいだ。
君がやったんだ。最初から大人しく殺されていればこの女生徒は無傷で済んだんだ……」
 花京院はその怜悧な美貌を歪め忌々しそうに吐き捨てる。
「くっ!おまえぇぇ!!」 
 あまりにも身勝手な花京院の理屈にシャナの怒りが燃え上がった。
灼眼の煌めきが増し、炎髪が鳳凰の羽ばたきのように火の粉を振り撒く。 
 その花京院の言葉に承太郎は無言で立ち上がった。
 俯いている為表情は伺えない
 しかし全身から血を流しながらも重い足取りでゆっくりとこちらに歩いてくる。
 彼の足跡には無数の血の痕が残った。
「ほう、立ち上がる気か?愚かな……ただ殺される為だけに死力を尽くすとは。
大人しくしていればこの僕に奥の手を使わせた事に敬意を表し、楽に殺してやったものを」
 シャナが紅い灼眼でキッと花京院を睨むが、すぐに敗残兵のようにボロボロな姿の承太郎に向き直って叫んだ。
「承太郎!おまえはもう戦える状態じゃない!後は私に任せなさい!この男、『法皇の緑』は私が討滅する!」
 しかしシャナの声はもう承太郎には届かない。
 もう誰の声も彼には届かない。
 承太郎は地面の上に倒れている吉田一美の傍まで来るとそこで足を止めた。
 血を流す承太郎の身体から『幽波紋(スタンド)』、『星の白金(スタープラチナ)』が静かに抜け出る。
 その腕が吉田一美の華奢な身体を抱きかかえた。
473 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/27(火) 17:24:07 ID:???
 歩きながら半透明のスタンドの手が口元の血を拭い、野生の花が群生している草むらにそっとその身を横たえる。
 もう決して誰にも触れさせないように。
 もう決して誰にも傷つけさせないように。
脳裏に少女の笑顔が甦る。
 名も無き花に囲まれた少女は、本当にただ眠っているようにみえた。
 

 彼女に一体何の「罪」があったのか?
 少女はただ、承太郎の為に行動しただけだった。
 彼女なりに精一杯、自分に出来る事を考え、一生懸命それを実行しただけだった。
 しかし……その少女は今……いま……
 
 
 ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
 ゴゴゴゴゴゴゴゴ!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!


 空間が蠢き空気まで震えるような途轍もないプレッシャーが承太郎の全身から発せられる。
 顔を伏せたまま承太郎は徐に口を開いた。
 「…………このオレ、空条 承太郎は……いわゆる不良のレッテルをはられている……ケンカの相手を必要以上にブチのめし
いまだ病院から出てこれねえヤツもいる……イバルだけで能なしなんで気合を入れてやった教師はもう2度と学校へ来ねえ。
料金以下のマズイ飯を食わせるレストランには代金を払わねーなんてのはしょっちゅうよ!」
 承太郎は口の中に溜まった血を吐き捨てた。
 ビシャッと草むらが鮮血で染まる。
474 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/27(火) 17:28:03 ID:???
「だが!こんなオレにも!吐き気のする「悪」はわかる!!」
 承太郎が血塗れの手で拳を握るのと同時に横でスタープラチナも力強く拳を握る。
 その拳は光に煌めき放つ光はダイヤモンドよりも気高く輝いていた。
 「「悪」とは!テメー自身のためだけに!弱者を利用し踏みつけるやつのことだ!!」
 承太郎がいきなり顔を上げた。
 「!?」 
 完全にキレタその風貌は歴戦の『フレイムヘイズ』であるシャナでさえ気圧される程のものだった。 
「『ましてや』女をーーーーーっ!!きさまがやったのはそれだ!!ア〜〜〜〜〜ン?!
テメーのスタンドは被害者自身にも見えねえし!わからねえ!だから!」
 学帽の鍔に走らせた二本の指が光の軌跡を描く。 
「オレが裁く!」
 怒りは臨界を超え運命を司る感情、『正義』となって昇華した。
 その気高い光が承太郎の瞳に宿る。
 熱く。激しく。燃え尽きるほどに。
 その瞳で自分を見る承太郎に花京院は穏やかな微笑で応えた。
「フッ……それはちがうな。「悪」?「悪」とは敗者のこと……「正義」とは勝者のこと……生き残った者のことだ。過程は問題じゃない。
敗けた者が「悪」なんだ。君が言っている事は弱者の遠吠えに過ぎない」
 そう告げると花京院は再び先程同様、両手を艶めかしく動かした。
 連動してスタンド、ハイエロファント・グリーンも同じように動く。
「さらばだ、空条 承太郎。くらえ!とどめのエメラルド・スプラッシュを!」
 再びハイエロファント・グリーンの両手に緑色の光が集束する、そして開いた両手から無数の光弾が
先程以上の輝きを持って弾けた。
「スタープラチナァッ!!」
 承太郎の猛りと共にスタープラチナが疾風迅雷の如く身体から飛び出した。
475 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/27(火) 17:37:51 ID:???
 その余波で周囲に旋風が巻き起こる。
 木々を揺らし、木の葉がざわめくほどに。
 スタープラチナは十字受けの構えを執り軸足を大地が陥没するほど強力な踏み切りをつけると、
カタパルトで射出されたように『エメラルド・スプラッシュ』に音速で突撃し緑の光弾を真正面から受け止めた。
 スタープラチナは軸足で踏ん張ったまま流法『エメラルド・スプラッシュ』に気圧される事なくその場に立ちふさがり、
やがてエネルギーは膠着状態に陥る。
「こ、こいつ!どこにまだこんな力が!?それにこのパワー!」
 花京院の顔が驚愕で引きつる。しかしすぐに動揺した自分諌めてその表情を引き締めた。
「フッ……いいだろう。真剣勝負というのも嫌いじゃない。パワーだけが『スタンド使い』の
絶対的戦力差でないという事を教えてやる!」 
 花京院が熟練したピアニストのように指先を動かしながら何度も腕を交差させると、ハイエロファント・グリーンの盲目の瞳が発光し、
流法『エメラルド・スプラッシュ』の後押しをするように両手から光の波が放出された。 
 それに対抗するように承太郎の身体からも白く輝くスタンドのエナジーが迸りスタープラチナに注入される。 
 二つの強力なスタンドパワー同士が真正面から激突し空間が飴細工のようにぐにゃりと歪んだ。
「うおおおおおおおおおおおおおお!!」
「はああああああああああああああ!!」
 承太郎は両手をポケットにいれたまま、花京院は右腕を水平に構えたまま互いに猛る。 
 力が拮抗している以上勝敗を決するのは互いの精神力。
 相手の気迫に一時でも気圧された方が敗北する。
 空条 承太郎と花京院 典明。
 特異な才能を持つ二人の『スタンド使い』の力は完全に互角だった。
 しかし。
 そのとき。
 『起こり得ない事態がそこで起こった』
476 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/27(火) 17:41:22 ID:???


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!


「オォォォォラァァァァアァァァァーーーーッッッッ!!!」
 魂の慟哭ような咆吼を上げる承太郎。
 その声に呼応するように白金色に輝く光がスタープラチナの全身から発せられた。
「うぅっ!」
「むぅ!」
 光に照らされたシャナとアラストールが同時に声をあげる。 
 スタープラチナから発せられた光は白夜の太陽よりも明るく周囲を照らし、電磁波のようにバリバリと音を立てながら
爆ぜ激しくスパークした。
「な、何ィ!?」 
 花京院の放った必殺の流法『エメラルド・スプラッシュ』はその光に呑まれ徐々に力を失っていく。
「うぅ……!目…目がくらむッ!限界なく明るくなるッ!何!?この光は!?」
 光に目をやられないように黒衣の袖で視界を覆ったシャナに、
「むう!馬鹿な!信じられん!彼奴の存在の力が増大している!」
 胸元のアラストールが叫んだ。
「ウソでしょ!?アラストール!怒って強くなれるなら誰も苦労なんてしないわ!」
 眩い光に照らされシャナの炎髪と灼眼も白く染まった。
「うむ。確かに通常の理ではそうだ。戦闘中に我を失う等愚の骨頂……
だが思い出して見ろ。彼奴は何の戦闘訓練も受けていないにも関わらずお前と互角に渡り合った。
人間の身でありながら『封絶』の中で動き、数多の『燐子』をたった一人で粉砕した。
そして現に今も、手練れの能力者を相手に全く引けをとっておらん」
477 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/27(火) 17:46:38 ID:???
「そ、それは……」
 鋭敏な頭脳を持つ彼女も理から外れた事象に対しては押し黙るしかない。 
「お前には黙っていたが我には初めから解っていた。彼奴の器は常人のそれではない。彼の者、
『幽血の統世王』と全く同じなのだ」
「え!?」
 予期せぬ言葉。
 承太郎とDIO。
 光と闇。
 星屑と世界。
 バラバラの記号がランダムにシャナの思考の内に点灯する。
「俗な言い回しになるが今はこういうしかないだろう……『例外』或いは『特異点』と…………」
「ッオラァッッ!!」
 交差した両腕をスタープラチナが音速で押し広げた。
 ズン!!という重低音と共に輝くエメラルドの光弾は全て粉微塵になって消し飛んだ。
 砕けたエメラルドの飛沫が煌めきながら空間に散華する。
「バ、バカな!?『エメラルド・スプラッシュ』を『パワーのみで全て消し去る』とはッ!……ハッ!?」
 驚愕の表情を浮かべる花京院の目の前に白金色に輝くスタープラチナが音より速く迫っていた。
「は、疾い!うぐうッッ!?」
 神速のスタープラチナの右拳がハイエロファント・グリーンの顔面に撃ち込まれる。 
そのスピードが衝撃を上回った為、本体とスタンドは一刹那遅れて後方に弾き飛ばされる。
『しかしそれより疾く』再びスタープラチナが花京院の眼前に迫った。
「敗者が「悪」か!それはやっぱり!テメーの事だったようだな!花京院!」
 承太郎が逆水平に構えた右手で花京院を指差し、叫ぶ。
 MAXスピードに達し、最早見えなくなったスタープラチナの超速の拳が
ハイエロファント・グリーンに全弾総射された。  
478 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/27(火) 17:52:00 ID:???
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!」
 白金に輝くの拳の狂嵐により『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』の全身に隈無く拳型の刻印が撃ち込まれる。
「がッ!?ぐッ!?ぐはッ!?うぐッ!?ぐうッ!?」
 花京院の身体にもそれに連動して刻印が刻まれていく。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」
 承太郎の脳裏に少女の姿が浮かんだ。
 淀んだ「悪」に、無惨に踏みにじられた何の罪もない少女の姿が。
 それが火勢を煽りスタンドはさらに加速していく。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!裁くのはッ!!オレのッッ!!スタンドだあぁッッッーーーーーーーー!!!!」
 承太郎の決意の叫びと共に摩擦熱で火を噴いたスタープラチナの渾身の右ストレートが、撃ち下ろし気味に
ハイエロファント・グリーンの左胸に撃ち込まれる。
 ズギュンッ!という全身が痺れるような振動波を感じる間もなく花京院はスタンドと共に後方に神速で吹き飛んだ。
 先程の承太郎をトレースするように木々を何本もへし折った花京院の身体は、梵字の刻まれた石碑に激突し亀裂の走った石面に縫いつけられると、
全身から血を噴いた。まるで磔刑にかけられた殉教者のように。
「な……なんて……凄まじい……スタンド能力……!見事……だ……空条……承太郎………………」
 肉体は疎か精神と五感まで破壊された花京院は、声にならない声でそれだけ呟くと意識を闇に呑みこまれた。
 承太郎はスタープラチナと同じ撃ち下ろしの構えのまま大地に屹立していた。
 俯いたまま全身を朱に染め、(よく耳をすまさなければ聞こえないが)獣のように息を荒げている。
 血に塗れ全身傷だらけのその無惨なる姿は、木々から漏れる陽光の下なぜかシャナの胸を打った。
 まるで紅世の聖堂に飾られている一枚の絵のように美しく荘厳に感じられた。
「……あいつ……すごい……」
「おそるべし……『星の白金』……空条 承太郎……」
 あらゆる感情が綯い交ぜになり言葉もないシャナの胸元でアラストールが小さく呟いた。
479 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/27(火) 17:56:33 ID:???


「シャナ。オメーに頼みがある」
 血塗れの花京院を片手で軽々と抱え上げ、地面の上に降ろした承太郎がシャナに言った。
「う……う」
 花京院はかろうじて死を免れたようだ。額から断続的に血を流し呼吸音も微かだが死んではいない。
「オメーが昨日やってたそのジザイホーとやらで、この女の「傷」と今の「記憶」を消せ」
 花京院から少し離れた位置で意識を失っている吉田一美を承太郎は指差した。
「不可能よ」
 シャナはゆっくりと首を振った。
「昨日のは封絶内だったからトーチで修復出来たの。コイツが傷を負ったのは
因果閉鎖空間ではない現実世界。トーチなんかじゃ治せない」
 その答えをあらかじめ予想していたように承太郎は落ち着いた口調で言った。
「誰も残り滓を使えとは言ってねぇぜ。『オレのを』使え。その、『オレ自身の存在の力』とやらをな」
「バ、バカ!そんな事したらおまえ!」
 自らの存在の力を消費する事は体力の消耗というよりも怪我に似た形で現れる。
体調が万全の状態でもその「痛み」は相当なものだ。
 それなのに負傷したこんな状態でそれを行えば、後の事は想像するのも恐ろしい。
「うむ。確かに貴様自身の存在の力を使えば不可能ではない」
「アラストール!?」
 信じられない、と言った口調のシャナの代わりに胸元のアラストールが応えた。
「しかし『フレイムヘイズ』でない者がそんな事を行えばどうなるか我にも解らぬ。貴様、死ぬかもしれんぞ」
「ナメんなよ。ンな事でビビり上がるようなシャバイ気合いじゃ、「不良」はやってられねーぜ」
 微塵の動揺もなく承太郎は言い放った。
480 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/27(火) 18:00:42 ID:???
「記憶の操作もまた問題だ。自在法はそう都合良くは出来ていない。この娘の記憶を弄るという事になると、
『反作用によって貴様の存在はこの娘から完全に消える事になる』。貴様を軸にして起こった出来事を消すという事だからな。
良いのか?それで?」
「好都合だ。やりな」
 これにも承太郎は即答した。
 あまりにも明確な答えに微かな異和感を感じたアラストールがムゥと小さく呻く。
 承太郎の胆力と覚悟の程を試す為に多少事実を誇張して言ってはみたが、予想に反して承太郎が全てをあっさりと受け入れ
全てをあっさりと差しだしてくるので、不意に老婆心に近い感情が『紅世の王』、『天壌の劫火』の心の内に沸いた。
「……貴様?本当にそれで良いのか?『この娘にとってそちらの方が残酷だとは、」
「同じ事を二度いう必要はねーぜ……」
 アラストールの言葉が終わる前に承太郎は学帽で目元を覆いながら言葉を遮った。
 「オレの傍にいれば必ずまた同じ目に会う。ロクでもねぇ事に関わって死ぬこたぁねー」
 傍を渇いた風が通りすぎシャナの黒衣の裾を揺らす。
 承太郎の目元は学帽の鍔で覆われているのでその表情は伺えない。
 だが感情も目も言葉もいらなかった。
 その存在だけでアラストールには充分だった。
 承太郎の全てが伝わった。 
 その想いも、何もかも。
 無言の男の詩と共に。 
「……うむ。ならばもう何もいうまい。貴様がそれで良いというのなら……」  
 明らかに含みのある言葉でアラストールが言った。
 『男同士にだけ』解る事があるのだろう。 
 シャナは胸元のアラストールを見つめる。
 アラストールには一体何が解っているのだろう?
481 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/27(火) 18:07:45 ID:???
 シャナは承太郎の前に立ってその凛々しい灼眼で承太郎のライトグリーンの瞳をみた。
「いいのね?言っとくけど半端じゃなく痛いわよ」
 「痛い」という部分を強調してシャナが言う。
「くどい……とっとと始めろ」
「手ぇ出して」
「…………」
 シャナは差し出された承太郎の血に塗れた手に、少し赤くなって自分の小さな手を重ねて繋ぐと
瞳を閉じて自在式を編む為に精神を研ぎ澄ました。
「はああぁぁ」
 鋭い声と共にシャナの足下に封絶の時とは違う火線で描かれた紋章が浮かび上がる。
 それと同時に繋がれた手から承太郎の白金色に輝く存在の力が流れ出した。
「!」 
 自分を……体などではなく、自分そのものを削るような薄ら寒い喪失感。
 その感覚が全身の傷の至る所に絡みつきやがて悲鳴を上げ始める。
 全身を蝕むようなその痛み。 
 まるで同じ箇所を何度も何度も切り刻まれているようだった。
「……う……ぐぅ……」
 全身を生き物のように這い回る苦痛に思わず呻き声が漏れそうになるが、承太郎は耐えた。
 耐えなければならない理由があった。
 目の前で横たわる少女はもっと苦しかったはずだから。もっと辛かったはずだから。
 シャナが振り子のように何度も指を振り翳すのと同時に、承太郎から抜け出た白金色の光が煌めきながら
吉田一美の華奢な身体を螺旋状に包んでいく。
 優しく、そっと、スタープラチナの腕がそうしたように。
 そして、やがて、靡きながら消えていく。
 制服の血糊も、身体の傷も、涙の痕も、悪夢の記憶も、承太郎への想いも、全て。
 輝く白金の光に包まれて……
482 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/27(火) 18:08:54 ID:???
「空条……君……」
 漏れ出る光が消え去る寸前、吉田一美の口から声が漏れた。
 閉じた瞳から涙が一筋流れ落ちる。
 最後の涙。
 承太郎の存在が宿った最後の雫。
 その声に承太郎が、本当に小さく呟いた。
 風に消え去りそうな、小さな声で。 
 あばよ、と。
 その独り言がシャナには聞こえた。
 シャナにだけ、聞こえていた。

←To Be Continued……
483 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/27(火) 18:22:03 ID:???
以上ッス……('A`)
最初は原作トレースしてみたけど、何か上手くいかないんでスタプラハイパー化させてみますた……('A`)
(レッチリ化ともいうね……('A`) )
発動条件は「キレる」。以上。
取りあえずオレのSSでは吉田さんこれでフェードアウトッス……('A`)
再登場の予定は全くもって未定……('A`)
『スタンド使い』にしようとも考えたけど、
弓矢がねぇ、石仮面もねぇ、なによりオレが考えるのがマンドクセェうあなにをするだあせ(ry
ってなわけで御退場願いますた……('A`)
さて次はフリアグネか。DIO様はどんな調理法がお好みかしら……('A`)
484マロン名無しさん:2007/02/27(火) 18:36:30 ID:???
キレて強くなるのはジョジョでは良くあることだが光るのはちょっと……
485マロン名無しさん:2007/02/27(火) 19:59:28 ID:???
シュトロハイムが戦死だなんて信じられない
冬将軍にやられたならまだしも
486マロン名無しさん:2007/02/27(火) 20:00:56 ID:???
>>483
乙です
487マロン名無しさん:2007/02/27(火) 20:14:14 ID:???
>>483
承太郎マンセーし過ぎ。アラストール驚き過ぎ。シャナ空気過ぎ。





でも俺は好きだからGJ!!
488マロン名無しさん:2007/02/27(火) 20:25:22 ID:???
俺も好きだ、◆u68XLQ0lCU氏の世界にどんどんハマってくよ
承太郎マンセーにマンセーだ!!
489 ◆cVhWKV23rU :2007/02/27(火) 20:28:37 ID:???
>>483
GJです!完全に承太郎マンセーじゃないですかww!!
ただ、承太郎はそこまで不良ってことを押してなかった気もしますが
面白いのでいいです

自分は次の投下にまだもう少し時間が掛かりますねえ・・・
構成の練り直しをしているので・・・
490マロン名無しさん:2007/02/27(火) 20:36:40 ID:???
      ノミYゝ ミ\
   /ミ;三ミ|ミへノノ'ミノ
    lミノ  _ノ  ヽ、`_ \
  /レo゚((●)) ((●))゚o \  ほんとは平穏な生活を送りたいんだお・・
  |  ヽ  (__人__)' /   |
  \  |  `⌒´   |  /



      ノミYゝ ミ\
   /ミ;三ミ|ミへノノ'ミノ
    lミノ  _ノ  ヽ、`_ \
  /  o゚⌒   ⌒゚o  \  でも綺麗な女の人の手を取るのが好きだから殺人で警察に追われちゃうお・・
  |  ヽ  (__人__)' /   |
  \  |  `⌒´   |  /




      ノミYゝ ミ\
   /ミ⌒ミ|ミへ⌒'ミノ
    lミノ(◎)  (◎)\
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   だからスタンドで証拠無くすお!
  |  ヽ  |r┬-|  /  |
  \  |   `ー'´   | /
491マロン名無しさん:2007/02/27(火) 21:00:14 ID:???
今気付いたんだが、白金色って銀色だよね?
悠二の炎の色は銀色……。
なんという偶然の一致!!
492マロン名無しさん:2007/02/27(火) 21:04:13 ID:???
>>485
多分T−34あたりにでもに轢かれたんだろ
493マロン名無しさん:2007/02/27(火) 21:10:54 ID:???
>>483
GJ!ちょっとジョジョ寄りだが、十分楽しめた!
ところで、◆u68XLQ0lCU氏のSSにはフリアグネ以外にシャナの敵は出て来るのだろうか?
個人的には愛染≠ニか壊刃≠ニかも出て欲しいんだが、読んでなきゃ知らんよなぁ……。
494マロン名無しさん:2007/02/27(火) 21:15:35 ID:???
>>491
つポルナレフ
495マロン名無しさん:2007/02/27(火) 21:23:18 ID:???
アラストールの中の人(CDドラマ版)がアブドゥルの中の人(CDドラマ版)と同じだったわけだが
496マロン名無しさん:2007/02/27(火) 22:14:01 ID:???
>495
名前も似ているな。
アラストールが人の姿を取ったら、アブドゥルさんに似ていたりして。
実はこのスレのシャナは、アブドゥルと同じ顔だったりして。
497マロン名無しさん:2007/02/27(火) 23:06:09 ID:+GPcHncc
今更だが、なんでシャナキャラは
スタンド見えてんの?
498マロン名無しさん:2007/02/28(水) 00:02:49 ID:???
これは神だ
499マロン名無しさん:2007/02/28(水) 01:23:13 ID:???
承太郎をマンセーし過ぎ。しかも光るとか目茶苦茶だし。













なのになんでこんなに惹かれるんだろうな。
500マロン名無しさん:2007/02/28(水) 03:34:50 ID:???
ツンデレが多いな
>>483
GJ!
アラストールが人型だったら間違いなく、無意識に敬礼のポーズをとってたな
501マロン名無しさん:2007/02/28(水) 08:26:28 ID:???
それがマロンクオリティ
502マロン名無しさん:2007/02/28(水) 09:19:53 ID:???
>>495
    ,,-‐、______,-''三ヽ     中
   ( ミ,,-――――――-- 、丿     の
   /::/   U        `ヽ     人
  /:/   (;;;;;;;;;)ノ ハU(;;;;;;;;;)U ヽ    な
 /:/ U  i||| -     l - lli   i     ど
 |;|         、__丿     U i   い
 ||      U   ,ニ,ニ、      i.    な
 |::|   U     | |  ̄ | |  U <三三 い
三三>       U l iエエ,i      人    !!!
 |:::::::::ヽ、______ー___,,-'':::::
 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
503マロン名無しさん:2007/02/28(水) 15:34:56 ID:???
DIO様にデコピン一発で弾かれたエメラルドスプラッシュが凄い強そうに見えるな
504 ◆u68XLQ0lCU :2007/02/28(水) 23:01:12 ID:???
私事でいきなり申し訳ないが劇場版ジョジョの主題歌、『SOUL'd OUT』の『VOODOO KINGDOM』がマジヤバイ……('A`)
歌詞がDIO様の視点で書かれててジョジョの要素が満載。ジョナサンに対するディオ様の倒錯したツンデレっぷりも
堪能出来る逸品……('A`)
DIO様好きな人は絶対聴いて損はない。興味のある方は下記のサイトで試聴してみて ……('A`)

 ttp://socapture.hp.infoseek.co.jp/

あとついでに『SOUL'd OUT』のPVも貼っとく……('A`)

 ttp://www.youtube.com/results?search_query=SOUL%27d

メンバーの人が荒木センセと親交が深いらしいから、楽曲はジョジョファンの精神に実に馴染むと思う……('A`)
お勧めは『ALIVE』、『東京通信』、『Starlight Destiny』、『1,000,000 Monsters Attack』etcetc
それじゃ……('A`)ノシ
505マロン名無しさん:2007/03/01(木) 14:31:50 ID:???
荒木はソウルドアウトでは「エコーエコー」ってコーラス入る曲好きだって言ってたな。
どの曲かわかる奴いる?
506マロン名無しさん:2007/03/01(木) 17:07:19 ID:+mNseyPu
すたーらいとでぃすてにー

ってやつだと思う

うろ覚えすまん
507 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/01(木) 17:23:53 ID:???
>>505
『Starlight Destiny』だと思います。
なんかグイグイ引っ張られていくカンジが『メイド・イン・ヘブン』みたいでオレもスゲー好き……('A`)b
荒木センセも好きなのか……('A`)
何か嬉しい……('A`)
508 ◆cVhWKV23rU :2007/03/01(木) 19:44:20 ID:???
ブチャラティは自分の取った行動に、少しだけ驚いていた。
ついさっきまで、自分を殺そうかと思案していた女を助けたのだ。
無意識に体が動いた、に近いのかも知れない。
(つい、スタンドを発現させてしまったが・・・)
スタンドは通常、普通の人間には見えない。
無論、種類によっては人の目に見え、触れることも出来るスタンドもあるにはあるが、
ブチャラティの“スティッキィ・フィンガーズ”は前者のタイプである。
つまり、普通の人間には見えないはずなのだが、目の前の女はおそらく、いや、
ほぼ確実に“普通の人間”ではない。
こういうタイプの“人間”に会うのは、ブチャラティとしては初めてのケースだったので、
ブチャラティは、見た目とは裏腹に内心緊張していた。
(もしも・・・、もしも俺のスタンドがこの女に見えていなかったのならば、その時は、
自分の首を絞めていた手首が粉々になってふっ飛んで行ったという疑問に対して、
ある程度説明しなければならないだろうが・・・、それでもまだ誤魔化しようはある。
問題なのは・・・、俺のスタンドが見えていた場合の方だ!
もしも見えていたら、色々と面倒くさいことになる・・・)
ブチャラティは女の目を再び見た。
(どっちだ!!!)
女は、首を擦りながら、ゆっくりと立ち上がると、口を開いた。
「・・・何をやったかは分からないけど、とりあえず助けてくれたことには感謝するわ・・・。
・・・本当は、今すぐそのしてやったり顔を一発殴ってやりたいくらいだけどね!」
(見えていない・・・のか?)
だが、この女なら見えていたのに、それを敢えて口に出していない、という可能性もある。
(取り合えず、今すぐにスタンドのことを説明する必要は無さそうだ・・・。それに・・・)
ブチャラティはすぐに周囲に気を張った。
(あの骨野郎はまだ死んでいない・・・。この周りのフィールドがまだ解けていないことが
それを証明している)
ブチャラティはふと何かを考えた。
509 ◆cVhWKV23rU :2007/03/01(木) 19:46:50 ID:???
「おい、女」
「・・・何よ?」
「おやおや、随分と素直じゃねーか、我が沈黙の火山、マージョリー・ドー!!」
女はこの状況下で、ブチャラティや本の発言にいちいち突っかかることはしなかった。
「あの骨は何なんだ?簡単に説明しろ」
「あの骨は“徒”と言って・・・」
「俺は“そんなことを聞いているんじゃあない!!”」
「じゃあ、何を聞いてるのよ!!」
流石に女も、これにはイラッと来たようだった。
「あの骨は、“殺せるのか?”・・・いや、普通ゾンビ映画だと、ああいった類の奴は
殺しても死なないのが定石だからな」
「!!・・・・・・ええ、殺せるわよ。奴はただ骨の形をしているだけで、
何かが生き返ってるワケでも、ましてやゾンビなんかでもないわ」
「それだけ聞ければOKだ。もうそれ以上聞くのはご免だ。俺はお前らともうこれ以上、
関わり合いたくないんでね」
そう言うと、ブチャラティは軽く空を仰いだ。
先ほどまでの、ランチタイムにぴったりな、いい天気の空・・・とはまるで何もかも違う、
まるで煉獄のような色合いの空。
(もうこの空を見ているのは、流石に飽きたな・・・)
ブチャラティはこの茶番を終わらすことを決心した。


その時、正にその一瞬を狙っていたかのように、骸骨が現われ、何かを発した。
突然の攻撃に、流石のブチャラティも対応が遅れた。
ブチャラティは光に飲み込また。
やがて、光が消えると、ブチャラティもその姿を消した。
後に残るのは、骸骨の耳障りとしか言えないような、腹の底に響く高笑いだけであった。
510 ◆cVhWKV23rU :2007/03/01(木) 19:51:29 ID:???
それは本当に一瞬の出来事であった。
先ほどまで、自分を偉そうに見下ろしていた男が、徒の放った謎の光を受けると、
まるで最初からいなかったかのように消えてしまったのだ。
「奴は一体何をしたのっ!?」
「さあな!だが、あの光は食らっちまうと不味いみたいだぜ!」
「そんなの、言われなくても分かってるわよ馬鹿マルコ!!」
マージョリーは完全に、相手の徒を雑魚と見くびっていたらしい。
そのことが生んだ油断・・・、そのせいで僅かだが体が遅れ、奇襲を防げなかった。
「グアーーーハッハッハッハAAAAAAAA!!やった、やったぞOOOOOOOO!!」
骸骨の気味の悪い笑い声が響き渡る。
「食ってEEE、食ってやりたかったがAAA、あんなムカツク奴UU、消してやったぜEEE!!」
マージョリーはすぐに歌を放つとそれは、骸骨に直撃しふっ飛び、バラバラになったが、一瞬で元の姿に戻った。
「なっ!?」
「無駄無駄無駄AAAA!!!!お前じゃ俺を殺し切れねEEEEEYO!!」
「・・・やるじゃない、久々に本気でやりたくなったわよ!」
マージョリーはそう言うと、一瞬で炎の衣『トーガ』を纏った。
「灰にしてやる!!!」
マージョリーがそう言ったのか、マルコシアスがそう言ったのか、どちらともつかない声が響くと、
強力な炎のようなエネルギーの塊を放出した。
しかし、徒は俊敏な動きでそれを避けると、先ほどあの男を消し去った光を放った。
「食らうかッッ!!」
見た目より俊敏な動きで、マージョリーはその光を交わす。光が当たった地面は一瞬の内に沸騰し、爆発した。
マージョリーは、徒を真正面から見据えた。
「捉えた!!死ね!!!」
「ま、待てEEE!!俺はお前の知りたいことを知ってるUUU!!いいのかAAA!?
お、俺を殺せば、それが聞けなくなるZOOOOOOO!!」
「なっ!?」
その言葉で一瞬、マージョリーの反応が遅れると、それを見逃す徒ではなかった。
「KAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」
「!!しまっ!!」
徒の放った光がマージョリーを飲み込んだ。
511 ◆cVhWKV23rU :2007/03/01(木) 19:53:50 ID:???
「・・・生きてる?」
マージョリーは体が動くことを確かめると、ゆっくりと上体を起こした。
すると、目の前にあの徒が気味悪い音を漏らしながら、こちらを見下ろしているのが見えた。
「ヒャーハッハHAHHAHHA!!傑作だZEEEE!!」
「くっ」
「フレイムヘイズにこんな手が通用するとはなAAA、やってみるもんだNAAAA!
お前は馬鹿だなAAAA、ハーッハッハHAHAHA!!」
マージョリーは自分でも、馬鹿だと思った。
徒を見た目で雑魚と判断し、おまけに囚わた復讐のせいで墓穴を掘る。これが馬鹿でなくて、何と言うのだろう?
マージョリーは、いっそのこともっと笑って欲しかった。もっと惨めになりたかった。
一瞬、あの偉そうな男の顔が浮かんだ。
(アイツなら・・・、きっと私をもっとむかつかせるようなことを言ってたでしょうね)
いつの間にか、『トーガ』が解除されていて、マルコシアスも何処かに消えていた。
マージョリーは、吐き捨てるように言った。
「何故、殺さないの?」
徒は即答した。
「俺はなあAA、甚振るのが好きなんだよOOO!!特にお前みたいなのをOOO!!
甚振って甚振ってEEE、陵辱して陵辱してEEE、それから殺してやるよOOO!!」
「本当に心の底から見下げた下衆野郎ね!」
マージョリーは、何とか反撃の機会を探したかった。
今殺されるわけにはいかない、しかもこんな奴に殺されたくは無い、
そんな思いが、窮地に立たされた彼女の心を支えていた。
「とりあえず、その顔OOOO!そこから甚振ってやるUUUUU!!」
徒が襲い掛かって来るのに、マージョリーの体は動かない。
(糞!!ここまでかっ!?)
そう思った瞬間、再び“それ”は起こった。
「な、なあああAAAAA、またかAAAAAAA!!?」
徒はそう言うと、目の前から数メートルをバウンドしながらふっ飛んでいった。
(な、何が起きたと言うの!?)
マージョリーは、その時奇妙なものを目にした。
それは、自分の腹がパックリと裂け、そこからあの憎らしい程偉そうな男が身を乗り出す、
その姿であった。
512 ◆cVhWKV23rU :2007/03/01(木) 19:55:39 ID:???
本日はここまでです・・・。
何か、前に書いたのと同じような展開っぽいですねえ・・・。
それと、マージョリーさんがあまり上手く使えてないです・・・。
もうそろそろクライマックスなので、頑張ります。
それでは。
513マロン名無しさん:2007/03/01(木) 19:57:39 ID:???
GJっす!
514マロン名無しさん:2007/03/01(木) 20:19:29 ID:???
乙。
この徒の力やら目的やらの描写もあったらもっと良い。
515マロン名無しさん:2007/03/01(木) 22:04:42 ID:???
ブチャかっけえええ
GJ!
516 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/01(木) 22:43:34 ID:???
GJ……('A`)b
でも終わっちゃうの……?('A`)
スンゲー残念……('A`)
517マロン名無しさん:2007/03/02(金) 15:38:54 ID:???
518マロン名無しさん:2007/03/02(金) 22:02:16 ID:???
サンドマン(´・ω・`)
519マロン名無しさん:2007/03/02(金) 22:03:33 ID:???
誤爆った
520 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/02(金) 23:18:55 ID:???
いきなり質問……('A`)
承太郎に「オラオラ」DIO様に「無駄無駄」があるように
シャナがラッシュかける時に合う掛け声ってあるかね……('A`)
何か良いアイデアがあって気が向いた人レス頼む……('A`)

>>518
オレも今日読んだ……('A`)
さよならサンドマン……(ノД`)・゚・。

521マロン名無しさん:2007/03/02(金) 23:31:15 ID:ZBAe/PEw
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリィィィッッ!!!!

モフーべデルチ(さよならだ)



すまん逝ってくるorz
522マロン名無しさん:2007/03/02(金) 23:43:01 ID:???
1『うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさぁーーーーい!』
2『うるちゃいうるちゃいうるちゃいうるちゃいうるちゃいうるちゃいうるちゃぁーーーい!』
3『うるさいうるさいうるさいうるさいうる……(舌かんだ』

どれ?
523マロン名無しさん:2007/03/03(土) 00:20:07 ID:???
やるならうるさいうるさいだな
524マロン名無しさん:2007/03/03(土) 03:09:42 ID:???
>>520
別に掛け声なんて無くてもいいんじゃない?
そこまでジョジョ色に染める必要も無いだろうし
ジョジョとシャナはあくまで別世界と分けた方が、色々と
対比があって面白くなりそうだと思うんだが

まあ、決めるのはドクオさんだけどね
525マロン名無しさん:2007/03/03(土) 10:16:33 ID:???
言っちゃあ悪いだろうけど、その喋り方に不快感を覚える
何を思ってそういう喋り方してるのかは知らないけど、
あんたの小説面白いんだからもっと堂々と喋ってくれ
526マロン名無しさん:2007/03/03(土) 13:25:40 ID:???
>>525
同意だが、お前の偉そうな話し方も不快だ。
527マロン名無しさん:2007/03/03(土) 17:39:23 ID:???
>>526
同意だが(ry
528マロン名無しさん:2007/03/03(土) 22:37:06 ID:???
>>527
同(wry
529マロン名無しさん:2007/03/04(日) 09:00:31 ID:???
>>528
(wry を見てDIO様を想像してしまった
URYYYYYYYYYY!!
530マロン名無しさん:2007/03/04(日) 17:33:41 ID:???
もし二部の若かりしジョセフとシャナが会っていたらシーザーとシャナで
二人の良ツンデレに囲まれていたんだよな
531マロン名無しさん:2007/03/05(月) 17:27:44 ID:???
1番合わないのがジョルノなんだよなぁ。
532マロン名無しさん:2007/03/05(月) 21:11:27 ID:???
汐「た、大変だ!」
シャ「?」
汐「『黄金体験』!…体の足りないパーツを作りました」
シャ「別にケガなんて…」
汐「さあ、胸を出してください。ガオンされた乳房を埋め込みます」
シャ「ぶち殺すぞ」
533マロン名無しさん:2007/03/05(月) 21:58:56 ID:???
シャナに乳房などない
534マロン名無しさん:2007/03/06(火) 00:30:00 ID:???
そろそろ落ちそうなのであげときますね
535マロン名無しさん:2007/03/06(火) 07:43:55 ID:???
>>520
原作ではシャナがラッシュかけるとこ見たことないなぁ
シャナは大出力で一気にかたをつけるとか、相手の隙をついて切り返すタイプだからな
まぁ強いて言えば、
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ――!!!」
とか
536マロン名無しさん:2007/03/06(火) 13:16:33 ID:???
>>532 汐がシャナに一瞬見えた
ジョルノはマージョリーあたりでテンションの対比が面白いかも

>>520 刀使いだからな…ジョジョでもポルナレフの掛け声とか特になかったし…
別になくてもいいかと思う
537マロン名無しさん:2007/03/06(火) 15:00:43 ID:???
>>535
アニメではあったよ。ブヨブヨした体の燐子を斬り刻むときに、
「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!」
って言ってたやつが。
538マロン名無しさん:2007/03/06(火) 18:42:58 ID:fL8vAUBG
良スレage
5391部映画は許可しないィィィ:2007/03/06(火) 23:07:43 ID:???
ここはラッシュじゃなくて
ジョナサンみたいに一撃必殺的なほうがいいんじゃないか?
承太郎との対比っぽくして

>>530
露伴先生がいるじゃあないか
540マロン名無しさん:2007/03/06(火) 23:39:23 ID:???
シャナが助けたのがマウンテン・ティムだったら・・・
541マロン名無しさん:2007/03/06(火) 23:50:09 ID:???
ベッドの上で死ぬなんて期待してなかったさ オレはカウボーイだからな
帰る所が欲しかっただけさ………… 旅に出たら帰る場所がな…………
542マロン名無しさん:2007/03/07(水) 04:13:28 ID:???
シャナ「何言ってんの?」
ティム「あれ!?生きてる」
という展開ですか?わかりません><

でも斬撃はORMでかわせるよね
543マロン名無しさん:2007/03/08(木) 01:30:37 ID:???
SW財団って何であんな金あるんだっけ?
スピードワゴンって1巻に出てきたチンピラだったよな?
544マロン名無しさん:2007/03/08(木) 01:35:31 ID:???
油田を発見してたような気がする
545マロン名無しさん:2007/03/08(木) 01:37:26 ID:???
>>543
2部嫁
546マロン名無しさん:2007/03/08(木) 17:48:33 ID:???
アレッシーによって幼児化されるシャナ…あ!もともとガキか
547 ◆cVhWKV23rU :2007/03/08(木) 19:25:59 ID:???
>>511の続きです。
548 ◆cVhWKV23rU :2007/03/08(木) 19:30:05 ID:???
「な?な?な?ナンダAAAAAAAA!?テメェェェェEEEEEEWAAAAA!!!?」
突然の事態に骸骨が狼狽した。
ブチャラティは、女の中から抜け出すと、地面に突っ伏した骸骨を見下ろした。
「な、ナ、NA・・・テメ!!ど、どうやったAAAAA!?た、確かNI・・・」
「確かに消滅させたはず・・・か?」
「だはぁAA!?」
「貴様の能力・・・敢えて能力と言わせて貰おうか。つまり、あの光は浴びせたものを
まるで電子レンジのように急激に温めるものらしいな。まあ、完全にそれと同じ原理では
無いのだろうがな。そして、光を集約させればより早く温めることが出来るようだ。
流石にさっきの光は、いきなりだったので、俺も完全には交わせなかった」
そう言うと、ブチャラティは僅かに火傷を負った手を見せた。
「だが・・・、いくら何でもあそこまで範囲を広げた光じゃ、一瞬で、人を完全に消滅させる
ってところまでは行かないみたいだな。せいぜい、この火傷で精一杯ってとこか。
まあ、長く浴びていたら、どうなったかは俺にも分からんが・・・。
なので、この“スティッキィ・フィンガーズ”の力でこの女の中に隠れさせてもらって
貴様がノコノコ近づいて来るのを待たせてもらったぞ」
ブチャラティは自信たっぷりの表情で、骸骨に近づいていった。
「どうした?殺したと思ってた奴が実は生きていたことが、そんなに驚くことか?」
ブチャラティは、最初にこのフィールドに閉じ込められた時に感じた体の重みを、
最早微塵も感じていなかった。
この時、ブチャラティが思っていたのは、早くこの面倒くさいことを片付けて、
カプチーノでも楽しもう。ということだけだった。
549 ◆cVhWKV23rU :2007/03/08(木) 19:32:16 ID:???
「行け、“スティッキィ・フィンガーズ”」
ブチャラティのスティッキィ・フィンガーズは地に伏した骸骨目掛けて拳を次々と振り下ろした。
すると、骸骨は見る見るうちにバラバラになっていった。
「!!?・・・・・・HYAAAAHHAHHAHHA!!そんなことしても無駄だと言ったろおおおおがAAAA!!
・・・・・・アレ?」
元に戻ろうとした骸骨は、急な違和感に戸惑った。
「な、なんだAAAAAAAAこれはAAAAAA!!?」
いつの間にか、バラバラになった骸骨の体の至るところに、ジッパーが出現していた。
「俺の“スティッキィ・フィンガーズ”はジッパーで人体や物体を切断、接着し
中に空間を作る事が出来るスタンド・・・どうやら、他人の能力が干渉すると
いくら貴様でも、簡単には元に戻れないみたいだな」
「グググググ・・・ガガガGAGAGAGA・・・」
「貴様みたいな心底下衆な野郎なら、例え落とした財布を拾ってくれたとしても、
殺すことに、何のためらいもいらないな」
「や、やME!!」
「安心しろ、徹底的に粉々にしてやる」
「UWAAAAAAAAAAAA!!!!」
「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ!!!!!」
“スティッキィ・フィンガーズ”は繰り出す拳でバラバラになった骸骨を、さらに細かく、文字通り粉々にした。
「アリーヴェデルチ(さよならだ)」
ブチャラティがそう言うと、粉々になった骸骨はそれっきり、一切の活動を停止した。
やがて、ブチャラティの目に、あの清清しいまでの青空が戻ってきていた。
550 ◆cVhWKV23rU :2007/03/08(木) 19:36:41 ID:???
「ふう・・・本当に体が軽くなったな・・・」
青空はまるで今までのことが嘘のように澄み切っていて、心地の良い風が吹いていた。
ブチャラティは各筋肉を誇張させ、体のあちこちをパキパキと鳴らした。
その後、何かを思い出したように振り向くと、倒れたままの女に手を差し伸べた。
「・・・フン」
女は不満そうにブチャラティの手を取ると、何とか立ち上がった。
その様子をやれやれといった感じで見ていたブチャラティは懐から、何かを取り出した。
「お前のものだろ・・・返すぞ」
「うえぇぇぇ、てめえ!もっと大事に扱いやがれ!!」
それは、女が持っていた喋る本であった。
「マルコ・・・!」
「お前があの骸骨にだまし討ちされた瞬間にな・・・。ほらっ」
ブチャラティは本を女に投げ渡した。
「・・・・・・」
女は敵意を持った目でブチャラティを見つめていた。
「・・・アンタ、一体・・・」
「それ以上はストップだ」
ブチャラティは女が何か言おうとしたのを止めた。
551 ◆cVhWKV23rU :2007/03/08(木) 19:42:44 ID:???
「俺はもうこれ以上、お前らとお前らのいざこざに、関わりあいたくはない!
こっちだって、色々と面倒くさいことをいくつも抱えているんでね・・・。
それに、こんな目に遭ったのは初めてだが、どうもお前らがこの街に来たのが主な原因みたいだ。
奴の・・・あの骸骨の目的はよく分からんが、どうもお前らを追っていたってのは間違いない。
つまり、お前らさえいなくなれば、もうこんな目に遭うことは無い・・・。
少なくとも、起こる可能性自体は低くなる筈だ。今までのようにな。
俺はもうお前のことを知りたくも無いし、お前も俺のことはこれ以上知らない方がいい。
お互いのためにな・・・」
そう言うと、ブチャラティは女に背を向けた。
女は何か言いたげ感じだったが、ブチャラティが振り向くと既に女の姿は無かった。
まるで、最初からそんな女などいなかったように。
ふと、自分の手を見てみると、いつの間にか火傷が消えていた。
だが、ブチャラティはもうそんなことは気にしていなかった。
今、ブチャラティが気にしていたのは、食事代を払わずにあのカフェから出てしまったこと、
それだけであった。


ブチャラティの奇妙な“ユメ”・・・・・・END


「我が悲しみの百合、マージョリー・ドー、今日はいいとこ無しだったじゃねえか」
「・・・フン」
「しっかし、奴は一体何だったんだろうな?」
「・・・あの、人型の“何か”・・・只者じゃないわ・・・。でも、もういいわ。もう会わないもの」
「ハーッハッハッハ、そうだな!・・・で、次は何処へ行くんだ?」
「“屍拾い”のいる場所へ・・・」
552 ◆cVhWKV23rU :2007/03/08(木) 19:45:32 ID:???
取り合えず、ブチャラティの話はここで終了です。
何か終わりが急ぎ足名感じがしますが自分の拙い構成力では、これが限界です・・・。
終わりの会話は、何か足りなかったんで書き足したんですが、蛇足だったかも知れません。

次は、ナランチャとシャナを組み合わせてみたいなあ・・・とか思ってます。
それではノシ
553マロン名無しさん:2007/03/08(木) 20:33:20 ID:???
乙でした!
続編も楽しみにしてます。
554マロン名無しさん:2007/03/08(木) 21:41:20 ID:???
GJです! アリーデヴェルチ!! やっぱり五部主人公はブチャry
過度の肩入れをせずクールに去るブチャがかっこいいです
次回作も楽しみです。ナランチャとシャナ…ショタとロリ…最強じゃあないかッ!!
555 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/08(木) 22:33:49 ID:???
お疲れさまですた。続きに期待してまつ。(ナランチャ大好き♪)
556マロン名無しさん:2007/03/08(木) 23:17:06 ID:???
ブチャラティかっこいいねー
GJ!
557マロン名無しさん:2007/03/09(金) 01:58:06 ID:???
>>544>>545
全部3回以上読んだはずだが全く覚えてないw

よかったら教えてくれ
558マロン名無しさん:2007/03/09(金) 11:47:10 ID:???
17でショタなナラン茶カワイソス
559マロン名無しさん:2007/03/09(金) 13:26:28 ID:???
>>557
あなたはりっぱだ
自分の方から覚えてないから「教えてくれ」なんてなかなか言えるもんじゃあない…

つ2部の冒頭
560マロン名無しさん:2007/03/09(金) 13:30:16 ID:???
ていうかいま持ってないという?
561マロン名無しさん:2007/03/10(土) 17:51:16 ID:???
>>558しかも結構身長高かったきがする
562マロン名無しさん:2007/03/10(土) 17:59:42 ID:???
確か扉絵だと170くらいだった。
ジョルノと同じくらいで吹いた記憶がある。
でもなんか行動とかショタっぽい
563マロン名無しさん:2007/03/10(土) 20:35:24 ID:L48359rg
荒木の絵はピカソ。わかる人にだけわかる
564557:2007/03/10(土) 23:36:45 ID:???
全部ブックオフだ

あんなたくさん買う金なんてねーよぅ…

565マロン名無しさん:2007/03/11(日) 20:02:09 ID:???
良スレだ
566マロン名無しさん:2007/03/11(日) 20:08:28 ID:???
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1173608790/l50
このスレ立てたのここの香具師だろw
567 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/12(月) 16:24:25 ID:???
続きでござる。
568 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/12(月) 16:30:38 ID:???
 腕の良い庭師の職人の手が行き届いた池泉回遊式庭園。
 琳とした空間に鹿威しの澄んだ音が響き渡る。
その池にかけられた橋の向こうで淑女が可憐な鼻歌を奏でていた。
「カモン♪ベビィ♪ドゥーザ♪ロコモーション♪」 
 皺一つ無い真珠のような艶やかな肌に、母性に満ちあふれた女神のような美貌。ふくよかな体つきのハリウッド女優顔負けのスタイル。
客観的にはとても195pの身長を誇る、長身の美丈夫の息子がいる一児の母には見えない。
「あ!」
 その淑女、空条・ホリィ・ジョースターは脳裏に走った直感に思わず床の間の机の上に置かれた写真立てへ視線を向けていた。
 その中に映った最愛の息子は口元に穏やかな微笑を浮かべ、凛々しい視線をこちらに向けている。
「今、承太郎ったら学校で私のこと考えてる……♪今……息子と心が通じ合った感覚があったわ♪」
 そう言うとホリィは家事の手を一時休め、写真立てを大事そうに胸の中に掻き抱く。
「考えてねーよ」
「学校行ってないものね」
「残念だったな奥方」
 いきなり上がった三者(?)三様の声に
「きゃあああああああ!」
 と淑女は驚愕の叫びを上げた。
 写真立ての中とはうって変わって最愛の息子は仏頂面でこちらを見ている。
 その肩の上にはコートのような学生服を着た全身血塗れの少年が担ぎ上げられていた。
「じょ……承太郎……それにシャナちゃん……が……学校はどうしたの?そ……それにその、その人は!?血……血が滴っているわ。ま……まさか……あ……あなたがやったの?」
 その質問には答えず承太郎はホリィに背を向ける。
「テメーには関係のないことだ。オレはジジイを探している……広い屋敷は探すのに苦労するぜ。茶室か?」
「え、ええ。そうだと思うわ」
 確認すると承太郎は血だらけの少年を担いだまま檜の床を踏み鳴らして行ってしまった。
569 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/12(月) 16:35:09 ID:???
 ホリィはその背中を心配そうにみつめる。だからシャナの視線に気づいたのはその後だった。
「な、なぁに?シャナちゃん?」
 幼い外見に不相応な凛々しい顔立ちと視線だが、何分長身のホリィからすると小さいのでどうしても子供に話しかけるような口調になってしまう。
何よりその瞳に宿る色が昔の承太郎を思い起こさせたせいかもしれない。
「ごめんなさいね。新しい学校だもの。一人じゃ心細いわよね。学校には私の方から連絡を入れておくわ。今日は家でゆっくりしていて。
お昼は何が食べたい?何なら昨日みたいに外に行きましょうか?パパと承太郎も誘ってね」
 ホリィの言葉を聞くだけ聞くとシャナはおもむろに口を開いた。
「他人の家族の事に口出しするのは趣味じゃないんだけど」
 とまず前置きをし
「ホリィはこの件に関わらない方が良い。冷たい言い方になるけど出来る事ないと思うから。信じられないかもしれないけど、あの血だらけのヤツは私と承太郎を「殺し」にきたの。
承太郎やジョセフと同じ能力を持った人間。だから死にたくなかったら何も知ろうとしないことが得策よ。アイツもそれで何も言わなかったんだと思うし」
 ホリィは黙ってシャナを見つめていた。「殺す」という言葉に驚かなかったと言えば嘘になるが目の前の圧倒的な存在感の小柄な少女は、
彼女なりに自分の事を気づかってくれているらしい。不器用だがそのやり方が承太郎と似ていたので思わず口元に優しい笑みが浮かんだ。
「ええ。解ってるわ。あの子は本当はとても優しい子だもの。今回の事だって何か理由があっての事なのよ。母親の私が信じてあげなきゃね」
「優しい、ね」
 何故かシャナはその言葉に素直に同意出来ない。脳裏に見ず知らずの女生徒の為に全身血塗れになりながら花京院と闘った承太郎の姿が浮かんだ。
苦痛に耐えながら女生徒のために存在の力を削ぎ取っている姿も。
 血糊はトーチで消したので今愛用の制服は新品同然になってはいるが、その傷痕はまだ生々しく残っている筈だ。
570 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/12(月) 16:37:42 ID:???
「おい」
「はい?」
 中庭に設置された花壇を挟んで振り返った承太郎が鋭い眼光でホリィを見る。
「今朝はあまり顔色がよくねーぜ。元気か?」
「…………」
 その言葉にホリィはまるで初恋の少女のように顔を赤らめて胸に両手を当てると、
「イエ〜〜イ♪ファイン!サンキュー!」
 と笑顔で可愛く手の平を広げたピースサインで応えた。
「フン」
 鼻を鳴らして再び背を向ける承太郎を後目に、
「ほらね♪」
 と、ホリィは笑顔でシャナに向き直る。
「まぁ、そういう事にしておくわ」
「我は奥方の賢明な育て方の賜だと」
 短くホリィに答えると同時に何故か上がったアラストールの声にシャナがペンダントに視線を向ける。
「あ、いや、うむ」
 少し熱くなったペンダントの中で紅世の王、天壌の劫火は咳払いをして押し黙った。
「オイ!シャナ!モタモタしてんじゃあねー!後で文句垂れても聞いてやらねーぞ!」
 遠くになった承太郎が振り向いて叫ぶ。
「うるさいうるさいうるさい。誰の所為だと思ってるの!」
 シャナは床を鳴らして踏み切ると軽々と中庭を飛び越えた。
571 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/12(月) 16:41:52 ID:???


「だめだな、これは」
 ジョセフは茶室の畳の上に寝かされた花京院を見下ろした。
「手遅れじゃ。この少年はもう助からん。あと数日のうちに死ぬ」
「死ぬ」という言葉に承太郎の視線が尖った。
「承太郎……お前のせいではない……見ろ……この少年がなぜDIOに忠誠を誓いお前を殺しに来たのか……?その理由が……」
 ジョセフはいきなり花京院の前髪を手で捲り上げた。
「ここにあるッ!」
 花京院の額の表面に異様な物体が蠢いていた。
 弾ける寸前の木の実のような形をしているが、まるで生物のように脈動を繰り返している。
 その触手らしき部分が花京院の額に埋め込まれ一部は皮膚と癒着していた。
「なんだ?この動いているクモみてーな肉片は?」
「それは彼の者の細胞からなる『肉の芽』、この小僧の脳にまで達している。
この『肉の芽』は生物の精神に影響を与えるよう脳に打ち込まれているのだ」
 承太郎の問いにアラストールが答える。
「つまり「コレ」はコイツを思い通りに操る装置なのよ」
 シャナが腕組みをしながら言った。
「常に脳に刺激を与え続け、自分を心酔し続けるように精神操作を行ってるの。コイツの養分を吸い取りながら動いてるから殆ど永久機関と変わらないわね。
時間をおけばおく程効果は倍増していって、最終的には自分の命令を麻薬のように追い求める奴隷の一丁上がりってわけ」
「手術で摘出しな」
 シャナの説明に承太郎が短く簡潔に応える。
「それが出来たら苦労しないわ。これは脳の中の一番デリケートな部分に打ち込まれてる。
摘出する時ほんの僅かでも触手がブレたら脳は永遠にクラッシュしたまま再起動しなくなるわよ。
外科医は封絶の中じゃ動けないしね。そこまで計算して『アイツ』はこれを生み出したのよ」
「アイツ?」
 思わぬシャナの言葉に承太郎の瞳が訝しく尖る。
572 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/12(月) 16:46:24 ID:???
「どういう事だ?まるで会ったみてぇな口振りだな。あの男……『DIO』のヤローによ」
 承太郎の言葉にシャナは俯いて言葉を閉ざす。
「承太郎よ……こんな事があった」
 シャナの代わりにアラストールが語り始めた。
「四ヶ月ほど前……我らは北米の地で、彼の者『幽血の統世王』と邂逅したのだ」
「何だと?」
 アラストールの言葉に承太郎の視線がますます尖った。
 追憶の欠片が脳裏に甦る。 
 シャナは思い出していた。
 自分の受けた「屈辱」を。


 それはニューヨークのスラム街で犯罪者の魂を好んで喰らう
紅世の徒を討滅した帰りの事だった。
 売店でクレープを買い目元と口元を綻ばせながらジョースター邸への
帰路についていたシャナの前にその男はいきなり現れた。
 まるで定められた運命であるかの如く。
 人気のない路地、煌々と点る夜の街灯の下にその男は背を持たれ
両腕を組んで静かに立っていた。
 心の中心に忍び込んでくるような凍りつく眼差し。黄金色の美しい頭髪。
透き通るような白い肌。男とは思えないような妖しい色気が首筋に塗られた
香油によって増幅されている。華美な装飾はないが良質な絹で仕立てられた
古代ペルシアの王族がその身に纏うような衣服を着ていた。
 シャナはすぐに解った。すでにジョセフと知り合っていたので
こいつが大西洋から甦った男、DIOだと。
 月影に反照し官能的に光る口唇をおもむろに開くと男は静かに
シャナに向かって話し始めた。 
573 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/12(月) 16:51:35 ID:???
「古き友を訪ねてこの地に来たが……まさか君と逢えるとはな……
初めまして『紅の魔術師(マジシャンズ・レッド)』……いや……
『炎髪灼眼の討ち手』と言ったほうが良いかな……?」
 その男を本当に恐ろしいと思ったのはその時だった。
 その男が話しかけてくる言葉は心が安らいだ。
魔薬のように危険な甘さがあった。しかしだからこそ恐ろしかった。
「全く驚いたよ……私の配下の『幽波紋(スタンド)使い』達を始末した
魔術師が、まさか本当にこんな可愛らしいお嬢さんだったとは……」
 DIOの言葉が終わる前にシャナは足裏を爆発させて跳んでいた。
 刹那に身を覆った黒衣の内側から抜き出した大太刀、
贄殿遮那が空気を切り裂く空中で髪と瞳が炎髪灼眼に変わる。
「でやぁッ!」
 DIOは至近距離で唸りを上げながら迫る大太刀の一閃を余裕の表情でかわす。
「性急な事だ……」
 滑りながら道路に着地したシャナの黒衣の裾が舞い上がり、
真紅の髪が火の粉を撒いた。
「こいつ……『こいつがッ』!今!目の前にいるこの男がッ!」
 その男はシャナが想像していたよりもずっと美しい風貌をしていた。
 だが、その男の顔の裏側はどんな罪人よりもドス黒く呪われていた。
その瞳の奥はこの世のありとあらゆる邪悪を焼きつけ、
王族のように艶めかしい指は数え切れないほどの人の死と運命を弄んできた。
 何年も。何年も……
 何人も。何人も……
 そしてその存在が世界の歪みを増大させている。
574 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/12(月) 16:55:46 ID:???
「私の目の前にいるこの男がッ!」
「馬鹿な……」
 胸元でアラストールも動揺を押し隠せないらしい。
 多くの紅世の徒、例え王であったとしても自分の存在は
なるべく隠そうとするのが普通だ。自由に好き勝手に行動を続けていれば
すぐに自分達フレイムヘイズに居場所を察知され、残らず討滅されてしまうからだ。
『封絶』も『トーチ』もその事を回避する為に生まれた術。なのに目の前のこの男は、
自分を追っている天敵の前にあっさりとその身を現した。
「この者が……幽血の……統世王……!」
「DIOッ!!」
 シャナは大刀を両手に構え、大地に屹立した。
燃え上がる灼眼は鋭くDIOを射抜いている。
「封・絶!」
 その小さな口唇から勇ましい猛りが上がると共に、
シャナの足下から火線が走り道路の上に奇怪な文字列からなる紋章が描かれた。
 シャナとDIOを中心として紅いドーム状の陽炎が形成される。
「『封絶』……因果孤立空間か。なかなか面白い能力を持っているね?
君達『紅世の徒』は。ひとつ……それを私に見せてくれるとうれしいのだが」
 穏やかな声に心臓の凍る思いがした。
しかし同時に心の一部分がその声に強く惹かれ形を蕩かす。
 刹那とはいえ心を魅入られた自分自身に凄まじい、
まさに燃えるような怒りを感じ、風に靡く黒衣にそれを纏わせた。
(この男が全ての元凶!多くの王を下僕に誣いた全ての根元!)
 燃え上がる使命感にDIOを見つめる瞳が灼熱の煌めきを増し、
髪から鳳凰の羽ばたきのように火の粉が舞い上がる。
(討滅!討滅する!!)
575 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/12(月) 17:02:06 ID:???
 足元のコンクリートを鋭く踏み切り、紅い弾丸のように飛び出したシャナは
DIOの首筋に向けて空間に残像が映るほど高速の袈裟斬りを繰り出した。
 周囲の空気を切り裂きながら星形の痣が刻まれた首筋に迫る白銀の刃。
 意外。
 DIOはそれをあっさりと右手で受け止めた。
 戦慄の美で光る刀身が手の平の肉を音もなく切り裂き、骨に食い込む。
「っ!?」
 驚愕。 
 全身が燃えるように猛っていてもシャナの頭の中はクールに冷め切っていた。
 まさか『手で』受け取めるとは思わなかった。当然避けるものと考えていた。
 その後の攻防の応酬果てに必殺の一撃を頭蓋に叩き込もうと
脳裏にもう数十手先の動きまで構築していたというのに最初の一撃で
全て計算が狂った。
 速度はあったが様子見程度の撃ち込みだったので
手は切断されず中程まで食い込み刃はそこで動きを止める。 
 今までこんな敵はいなかった。
 どの紅世の徒の中にも。王の中にも。 
『贄殿遮那の一撃を真正面から素手で受け止めた相手は』
(こ、こいつバカ!?このまま刀を引き抜いたら、)
 考えるのとほぼ同時に身体が動く。刀を掴んだDIOの手を支点にして
一瞬の躊躇もなくシャナは素早く柄を引いた。
 だが。刀身は動かなかった。
 まるで『その場で凍りついたように』動きを止めていた。
「貧弱……」
 DIOの美しい口唇に絶対零度も凍り付く冷酷な微笑が浮かぶ。
 貴公子の仮面に罅が入り残虐な本性がその姿を垣間見せた。
「貧弱ゥゥッ!!」
 いきなり周囲に白い膨大な量の水蒸気が暴発したボイラーのように巻き起こった。
 
576 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/12(月) 17:04:54 ID:???
 大太刀『贄殿遮那』の刀身を掴んだDIOの手から肘の辺りまでが
いつのまにか超低温に冷やされた鋼のような質感に変わっていた。
 その腕から発せられる冷気に周囲の全てが凍り付く。
 大気が凍り大地が凍り、贄殿遮那が凍った。封絶すら凍った。
「こ、凍る!?」
 冷気が刀身を伝達して柄を握るシャナの手にまで侵蝕してくる。
「『気化冷凍法』。使うのは実に100年振りだ。
『波紋使い』以外に使うこともないだろうと思っていたが」
 DIOは渦巻く冷気よりも冷たい微笑を浮かべてシャナの灼眼をみつめる。
 冷気が柄を越えシャナの腕にまで達し熱疲労でその皮膚が引き裂かれる瞬間、
「ムゥンッ!」
 胸元のペンダントを中心にして巻き起こった柔らかな炎が
一瞬でシャナの身体を包み込んだ。冷気で柄に張り付いた皮膚を、
アラストールが『浄化の炎』で解き剥がす。
「!」
 アラストールに意識がそれたDIOの手から刀身を引き抜くと、
シャナは腕の温度の上がった部分を足場にし身軽に宙返りをして距離を取った。
「ありがと。アラストール」
 水滴に濡れた手を黒衣で拭い、同じく水で濡れた大刀を
構えなおしながら短くシャナは言う。
「今のが彼奴の身体を流れる幽血の一端か。油断するな。
まだどんな力を隠し持っているのか予測がつかん」
「解ってる」
 シャナは短く言うと刀身に付いた水滴を一振りで全て叩き落とした。
577 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/12(月) 17:09:19 ID:???
「……ククク、100年も眠っていたので忘れていたよ。
己の力を存分に開放する事の出来るこの得も言われぬ充足感。
久しく戦いから離れていたので血が滾るというやつか?フフフ……
凍てついた私の血も君の炎に炙られてどうやら融け始めたようだ」
 DIOはその悪の華と呼ぶに相応しい美貌に邪悪な微笑を浮かべる。
「もっとくべてくれ。私の凍てついたこの心に。君の炎を。君の熱を」
 そう言うとDIOは超低温の冷気に覆われた両手を前に差し出し、
緩やかに構えを執る。
 その構えは華麗にて美しくそして流麗な力強さを併せ持っていた。
 そしてそれに劣らぬ畏怖も。
 それはシャナの両手に握られている贄殿遮那と全く同じ戦慄の美。
否、威圧感だけならそれを上回った。
「さあ!手合わせ願おうかッ!!」 
 そう叫ぶとDIOはいきなりアスファルトが陥没するほど
地面を強く蹴りつけ、一瞬でシャナの眼前に迫った。
「UUUUUUURYAAAAAAAAッッ!!」
 周囲のガラスに罅が走るような奇声を上げながら
シャナの身体に向け凍った掌で貫き手の連打を繰り出してくる。
 着痩せして見えるその身体からは想像もつかない、
途轍もない怪力の籠もった強い撃ち込みだった。
 だが砕く事を目的とした動作ではない、
明らかに掴む事を念頭においた撃ち方だ。
 どこでもいいからシャナの身体の一部を掴み、
先程の冷気で全身を凍りつかせる為に。
578 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/12(月) 17:14:02 ID:???
「っくう!」
 素早く複雑な軌道を描く精密な足捌きで身体を高速で反転させながら
DIOの暴風のような撃ち込みをかわすシャナ。
だが、同時に舞い上がる黒衣の裾にまで気を配らなければならないので
避けづらい事この上ない。
「フハハハハハハハハ!!どうした!どうしたぁ!!
自慢の炎は出さんのかッ!逃げてばかりでは永遠に私には勝てんぞッ!
もっと私を楽しませろッ!
UREEYYYYYYYYYYYYYYYーーーーーッッ!!」 
 更にDIOの心理状態が微塵も読めないので次の攻撃が全く予測出来なかった。 
 紳士然としていたかと思うといきなり何の脈絡もなく狂戦士のような風貌に変わる。
 こんな異常な心理を持つタイプには今まで遭遇した事はない。
「こ、この!誰が逃げてなんか!」 
 負けず嫌いの性格故に思わず声が口をついて出るが、
確かにDIOの言うとおりだった。でも攻撃は出来ない。
どんなに鋭い斬撃だったとしてもこの男は躊躇せずにまた
それ掴んでそこから冷気を送り込んでくるだろう。
『浄化の炎』があるにはあるが同じ手が二度通用するとは思えない。
それに次は恐らく胸元のアラストールの方が先に凍らされる。
 しかし今のままだと防戦一方なので永遠に勝機は訪れない。
時間を置けば置くほど回避によって神経がどんどん摩耗していき
最終的には僅かに生まれた隙に全連撃を一気に捻じ込まれる。
(それなら……)
 決意の光が灼眼が煌めく。
(『遅かれ早かれ擦り切れるなら!』)
579 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/12(月) 17:18:11 ID:???
「はああぁっ!!」
 鋭い猛りがシャナから上がる。 
 過負荷により神経の電気伝達がショートし目の中で火花が弾けた。
 だがその甲斐はあった。
 贄殿遮那の刀身が渦巻く紅蓮の炎で覆われていた。
 火炎が刀身を焼き焦がし発する熱気が周囲の冷気を全て弾き飛ばす。
 すぐさまに横薙ぎの一閃がDIOに向かって放たれた。
 ガギュンッ!!と鋼鉄の城塞に灼熱の破城鎚でも撃ち込んだかのような
異様な音と共に重い手応えが柄を握るシャナの手に跳ね返ってくる。
「美しい……これが君の生み出す炎か。マジシャンズ!」
 胴体に向けて放たれた炎刃の一撃を先程同様凍った掌で受け止めた
DIOは炎に照らされた微笑でもって応える。
 その手の中で冷気と熱気が音を立てながら互いに弾けた。 
 炎と氷の混ざり合った靄がDIOの内なる火勢を更に煽る。 
 かなり無理をしたがシャナのやった事は功を奏した。
 受け止められはしたが今度は冷気が身体に廻ってこない。
 これでようやくこちらからも攻撃出来る。  
「おまえを討滅する!幽血の統世王!!」
 シャナは凛々しく激しい瞳で眼前のDIOを射抜いた。
 湧き上がる熱気と共にその全身が火の粉を撒く。
 DIOは精神の高揚で牙が飛び出した口元に笑みを浮かべると
大刀を掴んだ手を振り払った。
 怪力によって飛ばされたシャナは空中で体を返し軽やかに着地する。
「やあああァァァッッッてみろおおおォォォーーーーー!!
青ちょびた面のガキがあああァァァーーーーッッッ!!」
 理性の仮面が完全に破壊されこの世のどんな暗黒よりもドス黒い
本性を剥き出しにした邪悪の化身、DIOは、
凍りついた両腕を広げ殺戮の歓喜に身を震わせながらシャナに向かって叫んだ。 
580 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/12(月) 17:23:16 ID:???
ハァ、長い……orz
しかもまだ半分も終わってない……
今宵はここまでにしとうございます。
元々花京院治療のシーンはカットする予定だったのですが、
DIO様出したくて書いちゃいました。
何もかも『VOODOO KINGDOM』が神過ぎるのが悪い。
途中脱字多くてすいません。以後気をつけます。
581マロン名無しさん:2007/03/12(月) 17:27:31 ID:QAuOOhUo
お疲れ様。気化冷凍法が出てきたのは以外だった。
DIO様がなんか最初のほうだ某吸血鬼にみえたのは俺だけ。
GJ!
582マロン名無しさん:2007/03/12(月) 17:44:10 ID:CzE97d/e
俺も某吸血鬼にみえたwww
ちょっとDIO様っぽくないとこもあったかもね。
でも気化冷凍法が出てきたから許すw
早く肉の芽抜いてあげてください。
583マロン名無しさん:2007/03/12(月) 17:48:05 ID:???
GJ DIO様かっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!そこにシビれるあこがry
>更にDIOの心理状態が微塵も読めないので次の攻撃が全く予測出来なかった。
なぜかこれにワロタ 確かに読めねぇww
584マロン名無しさん:2007/03/12(月) 20:29:11 ID:???
DIO様怖カッコイイ…!
てか、気化冷凍法を三部のDIOが使う……




うん、誰も勝てないね
585マロン名無しさん:2007/03/12(月) 20:49:26 ID:???
このDIO様とんでもなく強いんじゃ……
これからどうなるんだ?
続き待ってます。
586マロン名無しさん:2007/03/12(月) 21:31:28 ID:???
気化冷凍法が使えるってことは…
目から体液打ち出すやつにも期待がもてますな
587マロン名無しさん:2007/03/12(月) 21:58:43 ID:???
なんというDIO
この作者は間違いなく神(AAry
588マロン名無しさん:2007/03/13(火) 02:00:36 ID:t0dboZig
              . -―- .      やったッ!! さすが ◆u68XLQ0lCU !
             /       ヽ
          //         ',      おれたちにできないことを
            | { _____  |        平然とやってのけるッ!
        (⌒ヽ7´        ``ヒニ¨ヽ
        ヽ、..二二二二二二二. -r‐''′     そこにシビれる!
        /´ 〉'">、、,,.ィ二¨' {.  ヽ     _ _      あこがれるゥ!
         `r、| ゙._(9,)Y´_(9_l′ )  (  , -'′ `¨¨´ ̄`ヽ、
         {(,| `'''7、,. 、 ⌒  |/ニY {               \
           ヾ|   ^'^ ′-、 ,ノr')リ  ,ゝ、ー`――-'- ∠,_  ノ
           |   「匸匸匚| '"|ィ'( (,ノ,r'゙へ. ̄ ̄,二ニ、゙}了
    , ヘー‐- 、 l  | /^''⌒|  | | ,ゝ )、,>(_9,`!i!}i!ィ_9,) |人
  -‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ  !‐}__,..ノ  || /-‐ヽ|   -イ,__,.>‐  ハ }
 ''"//ヽー、  ノヽ∧ `ー一'´ / |′ 丿!  , -===- 、  }くー- ..._
  //^\  ヾ-、 :| ハ   ̄ / ノ |.  { {ハ.  V'二'二ソ  ノ| |    `ヽ
,ノ   ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<.  /  |.  ヽヽヽ._ `二¨´ /ノ ノ
/    <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ  \ `丶、  |、   \\'ー--‐''"//
\___,/|  !  ::::::l、  \  \| \   \ヽ   / ノ
589マロン名無しさん:2007/03/13(火) 09:31:29 ID:???
シャナが恐れるのも解るなw
本当に何考えてるかわからないもんDIO
590マロン名無しさん:2007/03/13(火) 18:57:46 ID:???
http://www.youtube.com/watch?v=hp3VaEcLTqs
中盤目茶苦茶カコイイな
591 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/13(火) 23:56:40 ID:???
>>590
thx!
保存しました。
592マロン名無しさん:2007/03/14(水) 23:34:02 ID:???

593マロン名無しさん :2007/03/15(木) 10:55:09 ID:spC/BBCQ
ちなみに「空裂眼刺驚」の登場はありですか?
594マロン名無しさん:2007/03/15(木) 11:01:53 ID:???
>5933部の格ゲーでDIOが使ってるから問題無し
595マロン名無しさん:2007/03/15(木) 11:11:03 ID:???
>>590
すげーかっこeeeeeeee!!

しかし、プロシュート兄貴になんかされたのかってくらい承太郎の顔が老けすぎw
596マロン名無しさん:2007/03/15(木) 20:00:29 ID:???
>>113続き しばらく投下してなかったので鳥あってるか不安だ

「本当に……なんなのよ……アイツは……」

時刻は夜。承太郎の家のちょうど頂上の位置に、シャナは座っていた。
夕方ごろから小雨が降っているのだが、雨はシャナの周りをドーム上に避けて落ちていった。
小雨のドームの中、シャナはひざを抱えて独り言のようにポツリと言った。
もう一体何度目の台詞かもわからないが、人格者なためちゃんと聞いてあげているアラストールは、
しかしその妙に湿っぽい口調に一瞬「その手の感情を抱いたか」と不安がよぎったが、次には

「アイツ絶対おかしいわ! やっぱり人間になりすました徒なんじゃない?ねえアラストール」

と叫ぶのを聞いて杞憂であったことを知った。
そこまで言ったときシャナの方は、いつの間にか自分がアラストールと会話をするのが
当たり前のような状況と思っていたことに気づいた。

「あ……えっと、今……」
「そこまで気になるのか? あの男が」
「あ、当たり前でしょ。大体あいつ人間の癖にシャリシャリ出てきて、
勝手にダメージ食らってそのくせ徒に啖呵切って、それでヤレヤレとか変に落ち着いてるのよ。
なんて変な、じゃなくて、その……いやな、嫌な奴!」
597 ◆Ea0R8d6UQA :2007/03/15(木) 20:05:18 ID:???
>>596

シャナの一方的な言いがかり的文句を聞いたアラストールは、しばしの沈黙の後に、

「ふむ、確かにああいった人間に出会うのは我もお前も初めてだからな。混乱もするだろう。
あやつは確かに奇妙な能力を持っているが……お前が言うほど酷い男でもないと思うがな」
「そんなことないわっ。だってアイツ見た目から不良だし、それに……えっと、デカイし……」

悪口を言う割には、具体的な部分が出てこないシャナに、人知れず苦笑したアラストールは言った。
                         ・・・・・・・・・・・・・        
「お前の苛立ちは、あの男そのものではなく、あの男が我々の世界に入ってきたことが原因ではないか?」
「えっ……」

物心ついた頃からの親代わりの存在の思いもよらぬ言葉に、シャナは刹那、言葉を失った。

「違うか?」
「…………」

シャナの苛立ちの原因。承太郎を気に入らないと思っていた理由。
シャナはフレイムヘイズとなるため、それだけのために育てられ訓練を受け、アラストールと契約を結んだ。
その他のフレイムヘイズとはまったく違う、純粋な戦士としての存在だった。
シャナ自身それを誇りに思い、戦場こそが自分の生きる場所とし、徒との戦いに明け暮れる日々を日常と信じた。
そこにはもちろん使命感や正義の精神があった。そしてその中に『自分が特別な存在である』という自負もあることに、
シャナは自覚的だった。事実そうであるし、そう思うことに誰も文句は言わないだろう。本人もそれでいいと思っていた。

自分とアラストールとの『日常』には誰も立ち入ることができない。そう思っていた。
598 ◆Ea0R8d6UQA :2007/03/15(木) 20:08:21 ID:???
>>597
しかし、そいつはシャナの知らない普遍的な日常から、シャナしか知らない『日常』へいともあっさりと入ってきてしまったのだ。
日常から非日常へ。
非日常から日常へ。
フレイムヘイズになるため、非日常の世界で使命を果たすために捨てていったもののなかにいながら、
そこに交わると軟弱と化すであろう場所にいながら、その男は赤子の手を捻るが如く燐子を倒した。

その姿に、シャナはまるで日常をすべて捨てた自分が日常にいるその男に負けているような劣等感を抱いていたのだった。
一見単純ながら実はそんな複雑な思いを内包していたことに、シャナは気づいた。

「……私、何も知らないあいつが徒を倒していくのが悔しかったのかも。
何も知らないのに怖がらないし、むしろ自分から立ち向かってるみたいだったし……」
「安心しろ。だからといってお前が弱いという理由にはならん。そうだろう?」
「うん。もちろんよアラストール。でもあいつ、一体何があってあんな……」

言い終わる前に物音がした。シャナは敵襲の場合に備えて構えをとる。
視線の先には屋根の縁に捕まった手。
そして次に髪の毛と同化した学帽が現れたので、シャナは警戒を解いた。

「うわさをすればなんとやらね」
「一体何があったかあやつに聞くか? 」
「……やめとく」
599 ◆Ea0R8d6UQA :2007/03/15(木) 20:09:13 ID:???
>>598

そんな会話をしている間に、承太郎は屋根の緩やかな坂を上ってきた。
雨はまだ降っているが傘は差さず、学ランが濡れるのもおかまいなしといった様子だった。

「やっぱりてめーらか。何してんだこんなとこで」
「あんたには関係ないでしょ……何でここがわかったの? 」
「封絶といったか? あれが発動したときと同じ気配が上からしたんでな。
念のために上ったらおまえらだったって話だ」

承太郎の言葉にもう封絶の気配を感じ取れていることに心中で驚く二人だった(厄介なので顔には出さない)

「ふん、そう。フリアグネがおまえも標的にしてるっぽかったから、念のためいるのよ。
それより私たちは忙しいんだから、用が済んだならとっとと引っ込んでて」
「忙しい……ね。そうは見えねーがな」
「何よ、文句あんの? 」
「別にねーがよ、ついでにお前らに聞きたいことがあってな」

言いながら承太郎は先ほどから左手に持っていた魔法瓶のふたを開け、裏返してホットミルクを注いだ。
それをずいと無遠慮にシャナに差し出す。

「飲みな、春先とはいえまだ冷える。まあ、フレイムヘイズとやらが風邪を引くのかどうかは知らんがな」

真顔で差し出されたそれを、特に断る理由もなかったので素直に受け取る。無論、感謝の言葉はない。
久しぶりにシャナは手と手の交差を感じた。承太郎の手は、大きくてゴツい割に、温かかった。
600 ◆Ea0R8d6UQA :2007/03/15(木) 20:10:27 ID:???
>>599

程よく温かい牛乳を飲みながらシャナが言う。

「で、なによ。聞きたいのならとっとと言って」

感謝どころか余計に投げやりな対応だが、それを気にする承太郎ではない。
むしろどんな事実であろうと一切の慰めもごまかしもせず、率直に言い放つ彼女の態度には敬意さえ抱いていた。
と言っても今回のことは元々屋根の上に封絶の気配があったので確かめに行っただけであって、
ホットミルクも実は自分で飲むために用意したのをついでに持っていったものだった。

「結局スタンド使いと紅世の連中の関係でわかったことはないのか? 」

おもむろに承太郎が聞いた。もっとも納得のいく答えを期待している風ではなかったが。

「昨日の今日でわかるわけないでしょ」
「……我が同胞の話だが、数十年ほど前、やはりお前のように封絶内で動き、さらに徒と互角に渡り合った男がいたらしい。
ただその男はお前の背後霊のようなものではなく、手から太陽のようなエネルギーを流して戦ったと言う。
名前もあったそうだが少なくともスタンドという名前ではなかった。何と言ったか……。ひょっとしたら関係があったかも知れぬ」
「そんな話初めて聞いたけど」
「昔、ヴィルヘルミナが一度だけした話だ。我もつい昨日記憶の隅から掘り起こしたばかりでな」
「その男の話も興味深いが、今は関係なさそうだな。……ところで、だ」
601 ◆Ea0R8d6UQA :2007/03/15(木) 20:11:39 ID:???
>>600

承太郎は少し間を置いてから、訝しげな表情で言った。

「おまえらがうちの屋根にいられちゃあ、おちおち安眠もできねえ。平井ん家にでも帰るか家に入ってくれ」
「おまえの知ったことじゃないわ。でも、アラストール? 」
「ふむ、襲撃の際は双方近くにいたほうがなにかと有利だ。しかし……」
「どうした?」
「お主、妙に女に淡白な様子だったがまさかその手の趣味が――「ねぇよ」」

承太郎の的確な突込みが小雨の降る空に虚しく響いた。
602 ◆Ea0R8d6UQA :2007/03/15(木) 20:14:58 ID:???
ここまでッス。遅くてすいません。今なら富樫の気持ちがわかるorz
次回からは速くします、はい。
関係ないですがヴードゥーキングダムのかわりにヴードゥーチャイルドを流してたり。


今回はアラストール過保護度40%+でお送りしております。しかし承太郎持ち上げすぎかな?
アラストールの話のあれは、いつか番外編を書こうかなとか思ってます。何時になることやら

というわけで次回はお楽しみのうわやめあwせdrftgyふ
603マロン名無しさん:2007/03/15(木) 21:03:27 ID:???
GJ!
ジョセフktkr

ゆっくりじっくり書いてください><
604マロン名無しさん :2007/03/15(木) 21:05:01 ID:knYH3DUu
 承太郎の在り方に戸惑い困惑するシャナが可愛いです。
承太郎はあらゆる意味で「強い」男ですからね。シャナがそうなるのも無理ないと思います。
彼なら紅世の王の一人や二人軽く倒せそうな気がするから凄い……。
 アラストールのいう「手から太陽のようなエネルギーを流して戦った男」というのはやはりジョセフ?
ヴィルヘルミナと協力して従と戦ったりしたんでしょうか? 
本編の続きが気になりますが、番外編も楽しみです。

    
605マロン名無しさん:2007/03/15(木) 21:07:13 ID:???
実はストレイツォ
606マロン名無しさん:2007/03/15(木) 21:26:47 ID:HdlEi/z1
いやここは若き日のトンペティ師匠で
607マロン名無しさん:2007/03/15(木) 21:36:43 ID:???
シーザーかな?
608マロン名無しさん:2007/03/15(木) 21:37:27 ID:???
シャナに承太郎のことジョジョって読んでほしい
609マロン名無しさん:2007/03/15(木) 21:39:07 ID:???
意表をついてマリオとか
610マロン名無しさん:2007/03/15(木) 22:02:36 ID:???
承太郎とシュドナイにはがちで殴り合いしてほしい
611 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/15(木) 22:13:17 ID:???
>>602
お久しです。
乙でした。
ほのぼのして面白かったッス。
オレもほのぼの書きたいけど今戦ってるのDIO様。
無理ってか絶対不可能…… orz
あと別に持ち上げすぎとは思わなかったです。
オレの承太郎マンセー、DIO様マンセーに比べれば……
でもこんなもんじゃあねぇ、
まだまだ持ち上げ足りねーぜ!うあなにをするだあせ…………ドッグオオオン!



>「お主、妙に女に淡白な様子だったがまさかその手の趣味が――「ねぇよ」」

ここスゴイ良かった。
オレの場合だと「叩っ壊すぞ!クソジジイ!」ってカンジになりましたけど。
承太郎とアラストールは仲良くなって欲しいのでカットしたけどね……
612マロン名無しさん:2007/03/15(木) 23:33:49 ID:???
つ【ブルりん】




ムシャクシャして言った。反省はしていない。
613マロン名無しさん:2007/03/15(木) 23:46:37 ID:???
GJ!
dio様は本当にラスボスにふさわしいな
シャナの台詞が実にいい 続きを期待しています
614マロン名無しさん:2007/03/16(金) 00:01:23 ID:QEPrvpi6
自分のホットミルク上げたんだな
承太郎はなんてツンデレなんだw
お疲れ様&GJ!
615マロン名無しさん:2007/03/16(金) 00:02:34 ID:???
DIOと承太郎はマンセーしといた方が(俺のw)ウケが良いと思う
616マロン名無しさん:2007/03/16(金) 00:54:59 ID:???
承太郎は舌打ちや嫌そうな顔はするけど面倒見良いからね
シャナが頼めばウォーターランドも連れてってくれるんじゃないか?
承太郎の海パン姿想像したら吹いたw
身長195とかさ
617マロン名無しさん:2007/03/16(金) 00:59:28 ID:???
でも学生だから体操服着たりするんだよなw
さぼってたら単位もらえないし
618マロン名無しさん:2007/03/16(金) 01:15:29 ID:???
承太郎って82キロしかないんだろ?脱いだらモヤシなんじゃないか?ww
619マロン名無しさん:2007/03/16(金) 01:27:31 ID:???
かなりムキムキみたいだからモヤシじゃないだろwww体脂肪率低いんだろうなぁ。
620マロン名無しさん:2007/03/16(金) 02:00:54 ID:???
アングロサクソンの体型なんだろ
621マロン名無しさん:2007/03/16(金) 20:19:09 ID:???
バダ・ハリ 身長197cm 体重97kg

承太郎 身長190cm? 体重82kg

細っ!承太郎細っ!
622マロン名無しさん:2007/03/16(金) 20:26:00 ID:/1SlnWGK
ほしゅ
623マロン名無しさん:2007/03/16(金) 21:05:25 ID:???
承太郎は195cmで82kgだぜ、意外とひょろい
624マロン名無しさん:2007/03/16(金) 22:55:36 ID:???
承『身体測定ごまかしました』
シャ『あんた女子高生?』
625マロン名無しさん:2007/03/16(金) 23:14:59 ID:???
ジョナサンはラグビー選手
ジョセフは格闘家

承太郎は………モデルww
626マロン名無しさん:2007/03/17(土) 00:06:43 ID:???
BMIだと標準ぽいね
だが本当はもっと重いに一票!
承太郎先輩はムキムキなくらいがいいw

627マロン名無しさん:2007/03/17(土) 00:09:37 ID:???
手首とか足首見ると細そう
628マロン名無しさん:2007/03/17(土) 00:14:30 ID:???
俺は承太郎って絵柄のせいかもしれないがスマートなイメージがある、無駄がなく引き締まってる感じ
高校生で学者なんだからこのくらいでちょうど良いだろう、普通の人間から見たらジョセフともかくジョナサンの体型は化け物に近いw
629マロン名無しさん:2007/03/17(土) 01:41:32 ID:???
バトルが波紋からスタンドメインになってから体を鍛える必要が無くなったしな
3部以降の主人公は筋肉質がいないし
630マロン名無しさん:2007/03/17(土) 01:55:04 ID:???
http://www.youtube.com/watch?v=sMvZAvljHaE
↑承太郎、こいつらより7〜8`近く体重が低い。

着てる服の上からでも胸板が判る筋肉質を考えると
たとえば骨がカルシウムではなくてFRP製とか・・・・・
受け継がれた波紋パワーで自然と盛り上がってるとか・・・・・
他人に比べて水の摂取が1/5くらいで済むとか・・・・・
631マロン名無しさん:2007/03/17(土) 08:09:22 ID:???
あの筋肉は演出です
または服のサイズが合ってなかったのです
と冗談はおいといて、4部からの承太郎ってすらっとしてるよな
だから見た目も知性的に見えた
632マロン名無しさん:2007/03/17(土) 12:26:40 ID:???
まあ高校生だし
633マロン名無しさん:2007/03/17(土) 14:05:11 ID:???
承太郎って六部で何で仗助とかに援軍頼まなかったんだろ
634マロン名無しさん:2007/03/17(土) 15:19:42 ID:???
だって露伴先生とか呼んだらほとんどの敵が雑魚になるし
635マロン名無しさん:2007/03/17(土) 15:21:53 ID:???
露伴先生のスピードなら加速したプッチ神父にもついていけそうだな
636マロン名無しさん:2007/03/17(土) 15:22:13 ID:???
>>634
承太郎「助けに……来てくれないか?」
露伴先生「だが断る」
637マロン名無しさん:2007/03/17(土) 17:23:39 ID:???
太郎「絶対に来るなよ?絶対に来るなよ?」
先生「だが断る」
638マロン名無しさん:2007/03/18(日) 18:25:29 ID:???
保守
このスレがきっかけでシャナ読んでみたいと思いましたよ
作家さん方 続き期待してます
ttp://wing2.jp/~orz_rakugaki/cgi-bin/src/rakuup0034.png
639 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/18(日) 18:51:08 ID:???
続きでごわす
640 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/18(日) 18:53:11 ID:???
 シャナは刹那に戦闘の思考を開始し撃つべき術を展開した。
「はぁっ!!」
 刺突の構えで足裏を爆散させ、紅蓮の炎に覆われた刃で
真正面から高速でDIOに突貫する。
「マヌケがッ!!そんなねむっちまいそうなスッとろい動きで
このDIOが倒せるかァーーーーーー!!」
 邪悪な声で猛りながらDIOは距離、スピード、タイミング共に完璧な
芸術的とも呼べる神速のクロスカウンターをシャナに向けて撃ち出す。
「UUUUURYAAAAAーーーッッ!!」
 全体重を乗せた輝く拳が顔面に命中する寸前に、
シャナは身体を捻って突進する力の矛先を換え唸りを上げて
迫る氷の拳を交わした。
 身体の前を冷気の塊が弧を描いて狂暴な速度で駆け抜けていく。
 余波で黒衣に白い結晶が張り付いた。
「やあぁッ!!」
 そのまま勢いを殺さずに体幹を軸にして中空で身体を反転させたシャナは、
生まれた遠心力で周囲の空気を巻き込みながらDIOの後頭部に向けて
渦旋の一撃を放った。
「フンッ!」
 DIOは鼻で笑うとガゼルのように素早く滑らかに膝を落とし、
ボクシングのダッキングの要領でその一撃を交わす。
 相当訓練されてれている動きらしく一切のムラがなく
空間にブレた残像が映った。
 着地とほぼ同時にシャナは贄殿遮那を黒衣の内側に押し込むと
片膝を落として居合いの構えを執り、抜刀術の如く黒衣の中から
紅い一撃を繰り出した。
「せぇいッッ!」
「無駄無駄無駄ァァァ!!」
 DIOは余裕の表情を崩さずスウェーバックで空間を疾走する紅蓮の刃を避けた。
641 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/18(日) 18:58:37 ID:???
 刹那に駆け抜けた刀身が、ガオッと炎の軌跡を空間に描く。
 しかしシャナは既にその動きは読んでいた。
 空を斬った刀身が軽やかに反転したシャナの手首の動きで再び戻ってくる。
 その軌道は完全にDIOの死角。
 狙いは最初からこの一撃。
 十字斬り。
 しかしその刀身は肩口に呑み込まれる前にピタリと止まった。
 DIOが凍った指先で紅蓮の刃を受け止めている。
 その指の隙間で熱気と冷気が輝きながら互いに燻っていた。
「無駄だ」
  刃に視線は全く送らず傲慢な笑みを浮かべてDIOはまっすぐ自分を見ていた。
  直感で見切ったとは思えない。
 おそらくDIOにそうしたように自分の動きもまた読まれていたのだろう。
 刀身に冷気を送り込まれる前にシャナは刃を回転させて振り解き、
再びバックステップで距離を取った。
(小細工は通用しないか。流石『統世王』の名は伊達じゃないわね。
力もスゴイけど頭のキレが半端じゃないわ。狡猾が服着て歩ってるようなヤツと
知恵比べで勝負するのは得策じゃない。なら、)
 炎刃と化した贄殿遮那を握る手に力が籠もる。
(出たとこ勝負ッ!)
 シャナは構えを解き、静かにそして悠然とDIOに向かって歩を進めた。
 全身から立ち上る炎の燐光が空間を灼き焦がす。
「ほう?向かってくるのか?炎を遠隔操作で撃ち込むことをせずに。
我が流法『気化冷凍法』も甘くみられたものだ」
 傲然と自分を見下ろすDIOにシャナは堂々と返す。
「仕方ないわ。近づかなきゃおまえを完全に討滅出来ないから。
この辺りの建物って視界が悪いのよ。炎幕に紛れて逃げられても困るしね」
 地の利がありながら敢えてそれを捨て、
わざわざ相手の射程距離に自ら飛び込む。
 よほどの愚者か自分の力に自信のある者しか撃てない術。
642 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/18(日) 19:05:04 ID:???
「フン、なら十分近づくがよい」
 そう言うとDIOは白い冷気の立ち上る指先で手招きし、自分もシャナに向かって
邪悪のオーラが生み出すドス黒いプレッシャーを放ちながら歩み寄った。
 シャナとDIO。
 両者の放つ巨大なプレッシャーによって封絶に囲まれた紅い空間が歪み始める。
 

 ドドドドドドドドドド!
 ドドドドドドドドドド!!
 ドドドドドドドドドド!!


 シャナの黒衣の裾が靡く衣擦れの音。
 DIOの耳飾りが揺れる金属音。
 その音が互いの耳に届き、そして両者の射程距離にまで間合いが詰まる。
 その刹那。
「ッシィッ!!」
「WOOOORYAAAAAAAーーーー!!」
 交差した腕から繰り出された上半身の回転運動のみによって放たれた右払いの一閃。
 身体を覆う黒衣を利用した為、予備動作が完全に消えた虚空の一撃とほぼ同時に、
激しい叫声と共に軸足で足下のコンクリートをドリルのように抉り、
テコの原理で跳ね上がった足から繰り出されたDIOの狂速の廻し蹴りが
シャナに向けて撃ち出された。
 シャナ、DIO、両者の攻撃は共に空を斬る。
 しかし威力で勝ったDIOの廻し蹴りによって巻き起こった旋風により、
シャナの黒衣は音を立てて引き裂かれた。 
 余波で間合いの空気が切り裂かれ一方は爆散する。
 千切れた黒衣の切れ端がシャナとDIOの眼前で舞い踊った。
643 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/18(日) 19:09:34 ID:???
「動作を消しても殺気を消さなければなんの意味もないぞ。マジシャンズ。
貴様の気配は100q先からでも察知出来るほど強烈なモノだ。
その巨大な存在故に今までお前は多くの敵に勝利してきたのだろうが、
同時にまた『それ故にこのDIOに攻撃を当てる事が出来ない』
……フフフ、まさに長所と短所は表裏一体。ままならぬものよ」
 DIOは目を閉じて腕を組み口元に不敵な笑みを浮かべた。
「講義は終わり?100年も海の底の下で会話に飢えてるのは解るけど、
あいにくおまえの話し相手になる気も暇もないわ」
 感情を込めずにシャナが返すとDIOは目を開き剣呑な瞳でこちらを見つめる。
「フン、口の減らない小娘だ。いいだろう。
くだらん挑発に乗ってやるとしようかぁ!!」
 DIOは再び残虐な笑みを口元に浮かべると、
氷拳の冷撃を左右ほぼ同時に繰り出した。
(乗ってきた!)
 シャナはその拳に向けて全く同じ速度の斬撃を放つ。
「はあぁぁッ!!」
 高速で正面衝突した炎刃と氷拳は煌めく燐光を伴いながら互いに弾け飛ぶ。
「フッ!」
 シャナは空気を一息吸い込むと、呼吸を止める為に口元をきつく結ぶ。
「どこを見ている!?マジシャンズ!KUAAAAAAA!!」
 奇声を発しながらDIOがシャナに向けて全急所を狙った
無数の冷撃を撃ち出した。
(これから先はもう息を吸わない!アイツを八つ裂きにしてその身が灰燼と
化すまで!もう私は決して止まらない!)
 心に強く誓うとシャナは視界に存在する全てを斬り裂くが如く、
瞬速の斬撃を繰り出した。
 ガギュッ!!
 再び超高温と超低温が高速で正面衝突し、DIOの放った冷撃が紅く輝く
無数の閃光によって弾き飛ばされる。
 シャナはその事実を認識する間もなく視界に存る全ての存在に向けて、
斬鬼の如く縦横無尽に斬撃を撃ち出した。
644 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/18(日) 19:13:42 ID:???
「せやああああぁぁぁぁッ!!」
 鋭い掛け声と共に袈裟斬り、逆袈裟、右薙ぎ、左払い、正面斬り、
半面斬りとありとあらゆる斬撃技が凄まじい速度で繰り出される。
 DIOはありとあらゆる角度から自分に迫る紅い斬閃を前に
余裕の表情を崩さずに応えた。
「フン、連打(ラッシュ)の速さ比べか?無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」
 そう叫ぶとDIOも同じく無数の打撃技からなる氷拳の連撃を全身から射出した。
 目の前で星の数ほどの炎撃と冷撃がブツかり合い、光を放って対消滅を引き起こす。 
 シャナは視点をDIOの眼に固定したまま腕からはやや意識を逸らし、
己の身体能力のみに全てを委ねた。
(防御は考えない!目の前に存在する全てを斬る事が出来るなら必要ない!
思考と視界の死角を突いてこようとも関係ない!
『それすらも斬る!なにもかも斬り倒す!』)
 回転が上がるに連れ斬撃の速度は歯車的に加速していく。
 シャナの灼眼が煌めき無呼吸で繰り出される数多の真紅の斬撃が
空間で爆裂炎上した。
 DIOの悪魔の瞳にも暗黒の光が宿り、氷拳の冷撃が空間を彷徨う死霊のように
狂った速度で跳梁跋扈する。
「はあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「UUUUUUUUUURRRRRRRRRRYYYYYYYYYY!!」
 シャナはその勇ましき喊声で、DIOはその狂った叫声で互いに猛る。
 紅い斬撃と蒼い打撃が目の前で無数に何度も何度も何度も弾け、
炎刃と氷拳のキラメキが空間に散華する。
 炎と氷。
 かつてジョナサン・ジョースターとディオ・ブランドーとの
間に同じような壮絶な戦いが繰り広げられた。
 それが、いま、100年の時を経てここで再現される。
645 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/18(日) 19:18:10 ID:???
(くうッ!ここまでついてくるなんてッ!予測じゃもう「良いのが」
5、6発は入ってるはずなのに!)
 スピードには絶対の自信を持っていた事と、接近しての乱打戦なら
小回りの利く自分の方が有利だという戦術が外れた事にシャナは焦れる。
「ククククククク、どうした?顔色が悪いぞマジシャンズ!
どうやら無呼吸で連打を繰り出せる時間はそんなに長くはないようだな!
時間はあとどれだけ残っている?3分か?それとも1分か!」
 冷静に状況を分析しながらも口元にサディスティックな笑みを浮かべ、
DIOはシャナを睨め付ける。
「実に残念だ!こんなに楽しい時間がもう終わっちまうとはな!」
 そう言いながらもDIOの連撃の速度は一向に緩まない。
それどころか冷撃の手数は増える一方だった。 
(この……!うるさいうるさいうるさい!!)
 シャナは心の中で毒づいた。
 だが確かに残された時間は少ない。
 1分どころか持って後、せいぜい30秒といった所だ。
 だがシャナはDIOのプレッシャーに気圧される事なく、その悪魔の瞳を
凛々しい瞳で睨み返した。
(でもおまえは気づいてない。『私の本当の狙いは連撃の速さ比べじゃない』
それはただのカモフラージュ!)
 シャナの黒衣の袖口から火の粉が幾筋も贄殿遮那の柄を伝って刀身に伸びていた。
(私は今、この瞬間も炎を編み込んで刀の中に送り込んでる。
ソレは内部で凝縮を繰り返しながら貯蔵されてる。
もうおまえの全身を焼きつくす位の力は溜まってるはず。
その炎の塊をおまえの身体に一気に送り込んで爆裂させれば、)
 DIOの瞳を見つめる灼眼が鋭く煌めいた。
(それがおまえの最後!)
646 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/18(日) 19:28:05 ID:???
 シャナは左手を前に差しだし素早く貫突の構えを執ると、
渾身の力を込めて柄を起点に刀身を規則的に回転させた
貫撃をDIOに向けて撃ち出した。
「りゃああああああああああ!!」
 紅い螺旋の炎刃が周囲の空気を撹拌しながらDIOに迫る。
 目を慣らさせない為に斬撃技だけで連打を行っていたのは
全てこの一撃の為だった。
「無駄だあああァァッッ!!」
 DIOは凍った掌で真正面からその一撃を受け止める。
 弾丸のように回転しマズルフラッシュを放つ紅い刃が、鋼鉄のような質感の
手の平の肉を抉り刃先が手の甲の側から皮膚を突き破って飛び出した。
 DIOは空洞の開いた右手でそのまま刀身を掴む。
 贄殿遮那はそこで螺旋と前突の動きを封じられ停止した。 
(そんな事は予測の範囲内!どこだろうがおまえの身体に
刀が触れてればそれで構わないッ!)
 シャナは贄殿遮那の内部に宿っていた炎の塊を全て、
圧縮してDIOの手の傷口から一気に流し込んだ。
「はああああああああああッッ!!」 
 猛りと共に紅蓮の炎がDIOの腕の中で激しく渦巻いて凍った皮膚と肉を引き裂き、
龍のように暴れ回りながらDIOの腕を伝って胴体へと駆け上っていく。
「弾けろッ!!」
 シャナは凛々しい瞳でDIOの悪魔の瞳を射抜いた。
「UREEEEEEEEYYYYYYYYYYY!!」
 DIOは腕を昇ってくる炎に向かって叫声をあげた。 
 だが意外、絶望の表情を浮かべると思いきやDIOは口元をより
邪悪に歪ませて笑った。
 まるで目の前の状況を愉しんでいるかのように。
「くだらんッ!!貧弱!!貧弱!!貧弱!!貧弱ゥゥゥゥ!!」
 贄殿遮那を掴んでいたDIOの手が蒼い光を放ち、そこを起点に冷気が
拡散してDIOの右腕全体をダイヤモンドのような輝度で凍りつかせる。
 身体を駆け上っていた紅蓮の炎はその蒼い冷気によって一瞬で凍りつき、
刹那の形も止めず粉微塵になって消し飛んだ。
647マロン名無しさん:2007/03/18(日) 19:28:39 ID:???
連投規制って奴か?
648 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/18(日) 19:31:45 ID:???
 砕け散った炎の飛沫が空間を靡き冷気の余波で吹き飛ばされる。
「うそ……」
 想定外の事態に余りにも平凡な言葉がシャナの口から漏れた。
 認識するには目の前の出来事はあまりに現実感がなく、
まるで夢を見ているようだった。
 シャナの鋭敏な頭脳により綿密な計算と緻密な構成の元に
構築された戦術は、皮肉にもパワーという実に単純なしかし圧倒的な
真実の一撃の前に跡形もなく崩れ去った。 
「賢しいだけの小娘が!!貴様の青ちょびた炎などそんなもの!!」
 貫かれた手から発せられる絶対零度の冷気によって贄殿遮那を覆っていた
紅蓮の炎もまとめて消し飛ぶ。
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァ!!!!」
 勝ち誇った表情でDIOは嗤い、サディスティックに
猛りながらシャナの精神を蹂躙した。
「トドメだッ!!」
 DIOはもうシャナに興味を失ったのかその視線を目の前の
小さな影に送る事はなかった。
 蒼く輝く冷気が刀身を掴んだ右手に集束していく。
 その光が紅世の彼方まで浮遊していたシャナの意識を
無理矢理現実世界に引き戻した。
(アレを……をやるしかない……)
 即座に覚悟を決めたシャナの炎髪が火の粉を撒き心の中の絶望を吹き飛ばす。
(アレをやるしかない!!)
 灼眼に決意の炎が再び燃え上がった。
649 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/18(日) 19:34:46 ID:???
どもです。
「シャナちゃんとDIO様」
「DIO様大暴れの巻」第二回です。
思った以上に長くなったので2回に分けます。
後半はもう書き上がってて、もう少し推敲繰り返せば投下出来ると思うので
いましばらくお待ち下さい。
それでは。ノシ

>>638氏、GJです!
650マロン名無しさん:2007/03/18(日) 19:42:22 ID:???
>>649GJ!
我が流法『気化冷凍法』にワロタ
651マロン名無しさん:2007/03/19(月) 21:42:32 ID:???
GJっす いいなあ…俺もこれぐらい描写力があればなあ…
しかしDIOつええええええええッ!!
652マロン名無しさん:2007/03/19(月) 22:07:40 ID:LlK+OxQz
DIO様はザ・ワールド使わないのか、まぁ使ったら余裕だからなw
653 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/20(火) 16:48:43 ID:???
続きでございます。
654 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/20(火) 16:50:02 ID:???
「はあああああああああッッ!!」
 掛け声に合わせ紅い双眸が一際強く煌めく。
 DIOは刀身を凍りつかせていた冷気を一時止め、再びシャナに視線を戻した。
 口元によりサディスティックな微笑を浮かべながら。
 悪足掻きをするなら敢えてそれを実行させ粉々に踏み砕き、
その絶望の果てに地獄へと叩き堕とす。
 それが殺戮の快楽。狂気の愉悦。
 シャナはこれから払う「代償」の為に奥歯をギリッと噛みしめた。
 身を掘削するような痛みと共にシャナの全身から湧き出した
真紅の存在の力。
 それがまるで鮮血のように艶めかしく腕へと伝い前方に突き出された
贄殿遮那の刃の中に呑み込まれていく。そして剣先から紅蓮の火の粉が一挙に
捲いて一つの流れを形成していった。
 やがて火の粉は宙を舞い前へ前へと膨らんでいく。膨らむにつれて火の粉の
密度は薄れ、形作るもののを輪郭を立体的に巡った。
 突如、シャナとDIOの頭上に全長5メートル以上はある巨大な腕が出現した。
 鉤爪を指先に尖らす、鎧とも生身ともつかないフォルムの手の中に
同じく巨大な火炎で出来た剣が握られている。
 しかし、それは、「剣」と言うにはあまりに大きすぎた。
 大きく、熱く、重く、そして凄絶すぎた。
 それはまさに熱塊だった。
「…………」 
 DIOは呆気に取られたような表情で、巨大な炎で形作られたその腕と剣を
剣呑な瞳で興味深そうに見つめている。
 意識は完全にシャナから逸れた、というより身を犠牲にして放ったシャナの絶技の
方に興味が移ったという方が正しい。
 その刹那。
「そうりゃあああああーーーーーッッ!!」
 シャナの激しい喊声と共にその炎の巨腕が唸りを上げて動き、
紅蓮の大剣がDIOに向かって断頭台のように振り下ろされた。
655 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/20(火) 16:56:26 ID:???
 ガギャッッ!! 
 巨大なる炎刃により贄殿遮那を掴んでいたDIOの蒼く輝く右腕が、
鋼を斬り裂いたような音を立て真っ二つに両断される。
 空間を紅蓮の軌跡が渦を巻いて踊り狂った。 
 『気化冷凍法』により体温が極度に低下している為、炎が身体を廻っては
いかないがシャナは冷気の呪縛からは完全に解放された。
「ほう……」
 DIOは顔に苦痛の色を全く表さず、斬られたその鏡のように滑らかな断面を
不思議そうに見つめていた。
 高温で傷口が灼かれているので血は一滴も噴き出ない。
「だぁッ!!」
 間髪入れず刀身に残った手を振り飛ばし、転がりながら
DIOの死角に回り込んでいたシャナは素早く刺突の構えを執り、
足裏を爆散させてその影からDIOに向けて突貫した。
 狙いは正中線の最上部。
 眉間。
 いくら不死身の化け物でも脳を破壊されて生きていられる道理はない。
 その瞬間。
 シャナは視ていた。
 眼前の変異を。 
『フレイムヘイズ』『炎髪灼眼の討ち手』として驚異的に研ぎ澄まされた
少女の動体視力は、その様子をまるでディスクのスローモーションのように
精密にソレを捉えていた。
 DIOの斬られた腕の切断面。 
 その骨の部分がいきなり伸び硬質な音を伴いながら一瞬で指先まで再生すると、
すぐにその周りに神経が絡みつきさらに血管と筋繊維が後を追う。
その上が真新しい皮膚で覆われるまで1秒も掛からなかった。
 完全再生されたその腕が突貫するシャナに向けて突き出される。
(何か来るッ!)
「無駄ァァッッ!!」 
 邪悪な笑みを浮かべ突き出されたDIOのその掌の中心がバックリと裂け、
口の開いたそこから超高圧力で噴出された真紅の血がシャナに襲い掛かった。
656 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/20(火) 17:00:48 ID:???
 開いた疵痕がマズルフラッシュを放ち、反動でDIOの身体はマグナム弾でも
発射したかのように蠕動する。
 直感によって咄嗟に身体を左に捻り間一髪避けたシャナの脇を、
紅い液体がレーザーのように通り過ぎ余波が黒衣を引き裂いた。
 その背後で爆音が轟く。
 シャナの後ろにあった鉄筋コンクリート製のビルが
一階部分から斜めに切断され、積み木崩しのように上階部分が滑り落ちていた。
 呆気に取られたシャナは、このとき一つのミスを犯していた事に気づいていなかった。
 闇夜の帝王、ヴァンパイアの超絶的な再生能力とその攻撃能力を
目の当たりにしては無理のない事だが、シャナはこれでDIOの攻撃が
終わったと思ってしまった。
 相手が並の『紅世の徒』や『スタンド使い』であったのなら
その判断は正しかったのかもしれない。
 しかし目の前にいる相手は紅世の王さえ下僕にする地上、否、『史上』最強の魔皇。
 幽血の統世王。
 『そんな事が有り得るはずはなかった』
 DIOは両腕を交差してだらりと下げ、前屈の構えを執ると
その動作で舞い上がった美しい金髪がいきなり増殖するコンピューターウィルス
のように伸び出した。
 煌めきを放ち生き物のように空間を踊り廻るその髪が
シャナの腕に、足に、胸に、腰に、首筋に、そして大刀へと絡みつき
空間にその小さな身体を拘束する。
「な!?」
シャナが驚愕の声を上げる間もなくその髪から黄金に輝く光がバリバリと
音を立てながら発せられ、髪を通してシャナの身体に流し込まれた。 
「WWWWWWWWWWRYYYYYYYYYYYーーーーーーッッッッ!!」 
 空間が爆砕するかのような狂声と共に、髪は強化セラミックに酷似した
滑らかな質感に代わり光の伝導率が増強される。
「くああああああああああぁぁぁぁッ!!」
 身体を引き裂かれるような凄まじい衝撃がシャナの全身を隈無く駆け巡った。
657 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/20(火) 17:06:25 ID:???
 その間にも光は輝きを増し続ける。
 やがて光が発する高温に髪自身が耐えられなくなり中部分から切れ始めた。
 しかし千切れた髪にも光が滞留しており美しく輝く黄金の欠片は、
衝撃で空中に縛り付けられたシャナの身体を執拗に蝕んだ。
 まるで高圧電流に感電したかのような激痛をその翡翠のように艶やかな肌に
感じながら、シャナは背後のビルの残骸の中に弾き飛ばされた。
 交差した両腕を下げて前屈の構えのまま首を下げているDIO。
 その身体の周りには黄金の火花がバチバチと音を立てながら弾けていた。
 その火花の正体はかつて己を追いつめたジョナサン・ジョースターの
『波紋法』から学習し、そしてそれを応用して得た新しい能力。 
 人間には体内に微量ながらも電気を持つ特性がある。
 DIOはその特性を石仮面によって得た全ての人間を超越する能力で
爆発的に強化し、属性の違う体内電流を瞬時に生み出すと同時に
変質した髪を通してそれをシャナの身体に叩き込んだのだ。
 攻防一体。超絶の魔技。
 幽血の流法『邪揮深劾双雷流(エレクチオン・デプス・オーヴァーロード)』
「ぐ、う……」
 仰向けに倒れたシャナは倒壊したビルの瓦礫の中から身を起こした。
 大太刀を杖のように瓦礫の上に突いてもたれかかる。
贄殿遮那を手に入れて以来、初めての使い道だった。
「…………」
 その胸元で揺れるペンダント、紅世の王、天壌の劫火、アラストールは
道路を挟んで屹立する男のあまりにも圧倒的な力に驚愕を禁じ得なかった。
 元は人間でありながら紅世の王さえ下僕に誣いた事実から
その力の強大さは理解していたつもりだったが、
本当に「つもり」に過ぎなかった事を思い知らされた。
 まさかここまで一方的な展開になるとは想像すらしていなかったのだ。
「ま……だ……まだ……」
 電流の高熱で焼き焦がされ無数の白い煙が音を立てながら昇る黒衣の中で、
シャナが譫言のように呟く。
 だがその瞳は闘志を失わずボロボロの身体とは相反して、
遠くで立つ幽鬼のように虚ろで堕天使のような壮絶な存在感の男を鋭く射抜いていた。
658 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/20(火) 17:12:23 ID:???
 その男、邪悪の化身DIOは両腕を組んだ余裕の表情のまま
右手の指を哲学者のように持ち上げる。
「動かない方が良い。いま君の周りを私のスタンドが取り囲んでいる。
操作は『遠隔自動追跡』になっているから射程距離に入れば
私の意志に関わらず攻撃にかかる。命が惜しければジッとしていたまえ」
 思う様シャナに破壊欲求を吐き出し一通り満足したのか
口調は紳士のそれに戻っていた。
 その言葉にシャナは思わず意識を大刀から逸らし周囲を警戒する。
 最早完全にDIOのペースに呑み込まれていたが、
もうそこまで気を廻す精神的余裕は砂漠の砂一粒ほども残されていなかった。
 シャナは電流に灼かれた全神経を無理矢理フル稼働させて
周囲360度に向けて研ぎ澄ました。
 自分を取り囲む全ての存在を、五感を総動員して微塵の誤差もなく感じ取る。
 背後の瓦礫の質量。封絶の放つ火の香り。DIOの微かな衣擦れの音。
気流の流れ、空気の淀みまでも全て感じ取れた。 
 だが、それ以外何もない。
 音も聞こえない。気配すら感じない。
「ハッタリを!」
 一歩踏み出したシャナの脇を、背後を、正面を、足下を、頭上を、
煌めくナニカが通り過ぎた。
 ドグシャアッッ!! 
 何の脈絡もなく上がった破壊音。
 それが自分の身体から発せられたものだと察するまでシャナは数秒要した。
 黒衣に覆われた華奢な身体に巨大な拳型の刻印が無数に穿たれている。
 全方位から微塵の誤差もなく均等にダメージを与えられた為、
身体は一oも動かずその場に縫いつけられた。
「あ……」
 小さな口元から血が細く伝い、足を支える力が抜けて膝が
アスファルトの上に崩れ落ちる。
「『WORLD21』……我がスタンドの「原型(プロトタイプ)」とも
言える姿だ……お気に召したかな……?亜光速のスタンドの動きは……」
 耳元で掠れるDIOの声を聞きながらシャナはアスファルトの上に倒れた。
659 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/20(火) 17:16:41 ID:???
 何も見えなかった。解らなかった。どこから攻撃されたのか。何をされたのかすら。
 感じたのはただ痛みだけ。残ったのは攻撃されたという結果だけ。
(疾い……なんてもんじゃない……!『見えない』!)
 絶望的な思考が頭の中で演算されながらも、シャナの身体は
心を無視して立ち上がろうとしていた。
 戦いの申し子。フレイムヘイズの本能。
 そのシャナをDIOは口元に悪魔の微笑を浮かべて見つめる。
「もう止めたまえ。私は君が気に入った。どうだね?私と友達にならないか?
君にも私と同じ永遠の力を与えてあげよう。きっと今以上に強くなることが出来る」
「フザけるなッ!」
 シャナは鋭く叫び悪魔の誘惑を刎ねつけた。
「フザけてなどいない。本当の事さ。『殺す気ならとっくにそうしていた』
今のスタンド攻撃、まさか本気で撃ったと思っているのか?
それが解らない君じゃないだろう?マジシャンズ」
「……く……!」
 それは解っていた。
 露骨に手を抜いていた。
 屈辱感に怒りが燃え上がる。
「っこの、舐めるな……痛っ!」
 そのまま走ろうとしたが、体中を走る激痛に思わず膝をつく。
 穏やかなDIOの声が、優しく子供に言い聞かせるように甘く耳に届く。 
「無理はよくない。これから私に仕える大切な身体だ。
それに君は何か勘違いをしている。『私に敵わないからといって
それは決して君が弱いという事ではない』寧ろ敬意を表したい位だ。
私の腕を斬り落とした人間はジョナサン・ジョースター以外では君が初めてだからな」
 DIOは女神さえも下僕に傅かせるような甘い微笑を口元に浮かべると、
澄んだ音を響かせながら柏手をシャナに送った。
 追いつめられた精神に魔薬のような声と魔皇の賛美が同時に響き
一片の容赦もなく心を蕩かす。 
「……誰……が……お……まえ……なん……かに……う……ぅ……」
 そんな自分自身を呪いながらもシャナは戦闘の思考を止めていなかった。
660 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/20(火) 17:21:10 ID:???
(アイツの幽波紋(スタンド)の動きは悔しいけど見切れない。
今度攻撃されたら終わり。でも、なら、『使わせなければ良い』
あれだけ疾いならきっとその操作も難しい筈。接近すれば、
近距離で使えば自分も攻撃に巻き込まれるから使えない。)
 シャナは今までで最大の速度でDIOの懐に飛び込もうと足裏に火の粉を集め始めた。
(アイツは今、私を格下だと思って油断してる。構えも解いてる。やるなら今がチャンス)
「ほう?窮地にあっても闘志を失わないその瞳。我が肉体、
かつてのジョナサン・ジョースターのそれにうり二つだ。実に良い。
ますます君が欲しくなった」
 DIOは拍手を止めると口元に笑みを浮かべたまま
ゆっくりと両手を前に差しだした。
「いいだろう。君には特別に見せてあげよう。我がスタンドの」
 DIOの悪魔の瞳がシャナの灼眼を真正面から鋭く射抜く。
 「『真の能力』を」
 その声と共に全身からオーロラのように立ち上る、
無限とも思える莫大な量のスタンドパワー。
「あ……あ……!」
 その輝きにシャナは戦闘中という事も忘れて呆然となった。
 自分を追いつめた先程の能力は本当に男の言葉通り「原型(プロトタイプ)」
その一端にしか過ぎなかったらしい。
 剣技で言えば実戦では使用しない演武のようなもの。
 今からから見せるその力こそ真の本質。
 だが、それを見た自分は、一体どうなる?
 黄金に輝くスタンドパワーがDIOの両手の間に集束していく。
 もうここまでくると考えるまでもなくバカでも解った。
 次に繰り出される攻撃は今までのうちで最大の速度と最大の強さと最大の流法で
もって繰り出される。
 否、それはもう「攻撃」などという領域に留まるものではないかもしれない。 
 黄金に輝くスタンドパワーがやがて手の中に一つの象(ヴィジョン)を創り出した。
661 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/20(火) 17:26:18 ID:???
 その中に映ったモノ。
 その象(ヴィジョン)は。

 
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!


 この世界の根源。
 全ての根源。
 数多の銀河と夥しい星雲から構成される。
 『宇宙』


 DIOの背後に一切の過程を消し飛ばして巨大な人型の
スタンドのフォルムがいきなり現れた。
 その両腕が高々と天空に向けて押し広げられる。
「…………よ…………れ…………ザ……」
「逃げろオオオオオオォォォォォォッ!!」
 アラストールの叫びにDIOの言葉は掻き消された。
 そしてアラストールが叫ぶよりも前にシャナは足裏を爆散させて
高速で宙に飛び去っていた。
 ビルの壁面を蹴り、眼下に輝くネオンを抜け、そして封絶を突き破る。 
 最早戦おう等とは考えなかった。
 ただ逃げ切る事のみを考えていた。
 誇り高きフレイムヘイズにとって討滅すべき相手を前に、
背を向けて逃げる等という行為は正しく死にも匹敵する屈辱だった。
 事実シャナは己が使命を果たす為なら死をも厭わないという
高潔な覚悟をその身に秘めて今日まで戦ってきた。 
 しかし、今は、それを上回る感情がシャナの心を支配していた。
662 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/20(火) 17:30:04 ID:???
 太古より人間を蝕み続けてきた心の深奥に巣くう根治不能の病魔。
 誇りを、尊厳を、死すらも凌駕する精神の暗黒。
 その名は「恐怖」
 シャナは視界に存在する全てのものをがむしゃらに足場にしてDIOから距離を取る。
 その胸元でアラストールがようやく口を開いた。
「我は……今まで……「恐怖」というものを感じた事がなかった……
これが……これが「恐怖」なのか……?これが……!」
 紅世の王、天壌の劫火の胸の内に感嘆にも似た感情が走る。
「……彼の者の力……決して侮っていたわけではないが……
お前に討滅出来ぬわけでもないと思っていたのもまた事実だ……
まさか……まさかあれ程とは……赦せ……あのような者の前に
お前を立たせてしまうとは……出会ってはならなかったのだ……
今は……まだ……」
 アラストールは悔恨を滲ませてシャナに言う。
「いいの……アラストールの所為じゃない……」
 寒いわけでもないのに震える全身を黒衣で抑えながらシャナは言った。
「それに解った……今のままじゃアイツに勝てない……
それにアイツ、実力の1%も出してなかった……猫が鼠を食べる前に弄ぶように
……遊んでた……今こうして生きてるのが不思議な位……」
 勝てない。解らないけどあの光の前では何をやっても全て通用しない。
 そう、何もかも。
『天破壌砕』さえも。
「あの光の本質が何であるのか想像もつかぬが……
力の是非などという些末なものでない事は確かであるようだ……
仮に我が顕現したとして果たして通用するか否か……それだけの畏怖を感じた……」
 DIOの真の能力。
 『世界(ザ・ワールド)』の本質をこの時二人はまだ理解していなかった。
 が、シャナ、アラストール両者の考えは偶然かそれとも運命かその本質を
正鵠に射抜いていた。
 そして同時に『解ったところでどうしようもない』という絶望もまた。
 どんな強大な力も。例え天を割り空を引き裂く力だったしても。
『届かなければなんの意味もなさない』という事を。
663 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/20(火) 17:33:57 ID:???
 シャナの眼下でニューヨ−クの夜景が煌めきながら輝いていた。
 数q先で起こった悪夢など意に介さぬといったように。
 諦めたのか、それともいつでも捕らえる事が出来るという自信なのか、
DIOはシャナを追ってこなかった。 
 ビルを足場にしながら天空を駆けるシャナの眼前に
夜空を切り刻むようにしてそびえ立つ摩天楼が迫る。
 そのハレーションがシャナを白く照らした。
 シャナはそこで初めて後ろを振り返った。
「アラストール!」
「むぅっ……!」
 背後で人間の目には見えない黄金の光が紅い封絶から
月に向かって立ち昇っていた。
 その圧倒的な存在感により大地から月にかけて黄金の階段が出来たようだった。
 それを行っているのは言うまでもなくあの男だ。
 この世界の存在全てに自分の力を誇示する為に。 
 世界の頂点に立つ者はただ一人。そしてほんの僅かな恐怖をも持たぬ者。
 運命の半身とも言うべき、この世で最も憎み最も愛する者の肉体を手に入れ、
この世ならざる力の中でも最強の能力を手中にした男に最早不可能はない。
 そしてそれを止める事が出来る者もまた。
 それが出来るのはDIO自身か、或いは全くの同じ次元の存在だけだ。  
 シャナはエンパイアーステートビル最上部のアンテナを強く蹴りつけ、
火の粉を撒きながら星空へと舞い上がった。
その紅いシルエットに一筋の流星が重なる。
 その背後で黄金の光は、ただ月へと向かって立ち上っていた。
 静かに、音もなく。
世界の終焉を告げる篝火のように。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
664 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/20(火) 17:37:41 ID:???
『DIO(幽血の統世王)』
『幽波紋(スタンド)』
●不明 
『原型(プロトタイプ)』
●WORLD21
破壊力−A スピード−A 射程距離−B
持続力−B 精密動作性−B 成長性−A
能力−DIOのスタンドの雛型とも言える存在。射程距離は20〜30メートル。
領域に入り込んだ異質な存在を亜光速で「自動追跡」し無差別に攻撃する。
弱点は命令に忠実過ぎる為、接近されると本体も攻撃に巻き込まれる事。
『流法(モード)』−「幽血(吸血鬼のEXTRACTによって変質した血液)」
●気化冷凍法
=己の肉体を自在に操れる吸血鬼の能力により、体表の水分を気化させ瞬時に凍らせる。
自分以外の生物も触れた状態なら気化させ凍りつかせる事が出来る。
●空烈眼刺驚(スペース・リパー・スティンギー・アイズ)
=体液を圧縮し眼から高圧力で噴出する。厚さ30oの鋼板を貫通する威力がある。
融合したジョナサン・ジョースターの肉体の影響で手や足などの
末端部分からも射出する事が可能となった。
●邪揮深劾双雷流(エレクチオン・デプス・オーヴァーロード)
=体内で造り出した数十万ボルトの電流を髪などを通して相手の身体に流し込む。
 本来は波紋法と同じく打撃を介して撃ち込む技。
 気化冷凍法を使った状態で繰り出すと超伝導状態を引き起こす事が出来る為、
威力が爆発的に上昇する。
 殺害討滅共に現時点では不可能。
 完全無敵。
 君臨。


 ←To Be Continued……
665 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/20(火) 17:40:11 ID:???
 以上であります。
 ハイ……皆まで言わずとも解ります……
 どうみてもDIO様マンセーです。本当に(ry
 あとシャナが色々カワイソーな目に逢ってますが、
 一応ラスボスなんでシャナ好きな人ご容赦下さい。
 善戦させると威厳がなくなっちゃうし、勝っちゃうと話終わっちゃうし。
 腕一本斬り落としただけでもよくやったと褒めてあげて下さい。
 次はフリアグネなので活躍させてあげたいと思います。
(その前に典明君の肉の芽抜いてやらんとね……)
 さて書いた自分が言うのもなんですが、DIO様無敵過ぎますね。
 今なら四部クライマックスの時の荒木先生の気持ちが解る。
 どうやって勝つんだ?こんなのに?
 作者にも解りません!>< 

p.s 今回出てきたDIO様のオリジナルの能力はゲームのDIO様の必殺技を
参考にしました。名前が厨っぽいのは作者の仕様です。それでは。ノシ   

666マロン名無しさん:2007/03/20(火) 17:41:09 ID:???
バオーダークブレイクサンダーフェノメノンktkr
667マロン名無しさん:2007/03/20(火) 17:46:08 ID:???
GJ!
WORLD21の射程長すぎワロタ
668マロン名無しさん:2007/03/20(火) 17:51:56 ID:???
ただでさえ強いDIO様がますます凶悪にw
でもDIO様はそのぐらい強いのがいいね
669マロン名無しさん:2007/03/20(火) 18:18:55 ID:???
WORLD21は3部格ゲーのシャドウDIOが使ってた奴みたいなイメージか
670 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/20(火) 18:54:25 ID:???
>>669
そッスね。
アレを参考にってか殆どまんまです。
アレがエコーズみたいに成長して生まれたのが「世界(ザ・ワールド)」だと
自分は解釈しております。
671マロン名無しさん:2007/03/20(火) 19:59:53 ID:???
即逃亡したアブドゥルと違い
追いつめられるまで逃げないのがシャナらしくていいw
672マロン名無しさん:2007/03/20(火) 21:47:58 ID:???
DIO強っ!
見ててニヤニヤしてしまう
673マロン名無しさん:2007/03/20(火) 22:44:26 ID:???
この勢いだとヴァニラ・アイスも尋常じゃない強さになりそうだw
674マロン名無しさん:2007/03/20(火) 23:35:41 ID:???
あれ?肉の芽は?
675マロン名無しさん:2007/03/21(水) 09:26:57 ID:???
>>673
同意wガオンはどうなるのか気になるぜ
676 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/21(水) 22:16:31 ID:???
ただ今シャナの3巻読了致しました。
なんか敵キャラ全員、承太郎にブッ飛ばされそうなヤツばっかですね。
もし出すとしたら承太郎と戦うのはシュドナイとかになりそうです。
あと、吉田さんちょっとコワイ……
追いつめられた時の爆発力がジョナサンみてぇ……
こりゃヘタしたらホントに山岸由花子みたいにうあなにをするだあせ…………ドグッシャアッ!
てなわけで資料が尽きたので明日シャナ買いに逝ってきます。
鬱……orz
でもこれもSSの為だ。
覚悟しよう……
677マロン名無しさん:2007/03/21(水) 22:46:24 ID:bPU+lhGZ
作者さん頑張ってください(>_<)
マァヂ応援してます!
678マロン名無しさん:2007/03/21(水) 22:47:00 ID:???
>>675
破壊力‐A スピード‐A  射程距離‐A
持続力‐A 精密動作性‐D 成長性‐E
こんくらいになるんじゃね?
679マロン名無しさん:2007/03/22(木) 12:06:35 ID:Ubyoq7yI
こんな強いDIOにスタープラチナだけの承太郎が勝てるのか?
680マロン名無しさん:2007/03/22(木) 12:47:31 ID:???
知恵と機転とちょっとした勇気で何とかするのがジョースターの伝統。
681 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/22(木) 17:03:38 ID:???
>>679
その点は承太郎大好きなオレの、負債も真っ青の主役補正で
DIO様を秒殺うあなにをするだあせ…………ズギャンッ!
とまぁ冗談はさておき、スタンドに流法(モード)を使わせるという
厨設定を持ち込んでなんとかバランス取ろうと思います。
ゲームみたいに『流星指刺(スターフィンガー)』以外の
技を現在開発中です。
取りあえずそうしかないとこのままじゃ承太郎がマルコシアスに
焼き殺される ((((;゜Д゜)))
682マロン名無しさん:2007/03/22(木) 17:59:03 ID:bfF2YHZB
スターブレイカーはありだと思うんだ。
微妙にVSサン戦でも使ってたし
683マロン名無しさん:2007/03/22(木) 19:32:42 ID:???
DIOは承太郎が止めた時の中では動けないんだよな
684マロン名無しさん:2007/03/22(木) 23:46:35 ID:???
違うよ
685 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/22(木) 23:53:29 ID:???
喋る事は出来るけど、動いたり攻撃したりは出来ないってカンジっすね。
自分の力に絶対の自信を持ってて、まさか承太郎が時を止めるなんて
想像すらしてなかったんでしょう。(訓練すれば動けた可能性は大)
まぁ!DIO様ったらいけない(ry
686マロン名無しさん:2007/03/23(金) 03:33:52 ID:???
確かDIOと承太郎の時の止め方が違うからだったような。
ってかDIOのスタンド能力ってジョースター家のスタンド能力を使う事ができる奴じゃなかった?
解りにくくてスマソ。
687マロン名無しさん:2007/03/23(金) 10:18:21 ID:???
これからエジプトへ話が進むとやっぱシャナ勢からも死人が出るんだろうけど
死にそうなのは姐さん辺りかな
688マロン名無しさん:2007/03/23(金) 10:28:47 ID:???
DIOが承太郎が時止めたときに動けなくなったのは、9秒までしか動けないのに
そこから更に承太郎が時を止めたからだろ?
普通の状態で止められたら動けるんじゃないの?
689マロン名無しさん:2007/03/23(金) 11:10:17 ID:???
>>686
全然ちがうよ
690マロン名無しさん:2007/03/23(金) 11:32:13 ID:???
>>689
そうだって聞いたが違ったか。
691マロン名無しさん:2007/03/23(金) 11:34:15 ID:???
DIOがハーミットパープル使ってたし、違うと言い切れないような
692マロン名無しさん:2007/03/23(金) 12:05:21 ID:???
別スレの受け売りだがDIOはジョースター家の能力が使える予定だが変更されたらしい
693マロン名無しさん:2007/03/23(金) 12:22:21 ID:???
でも根拠はあるよな。実際に、首から下はジョナサンの身体だし。
694マロン名無しさん:2007/03/23(金) 12:55:41 ID:???
確認してわけではいので確かとはいえないが、
ジョジョアゴに「世界」はDIOのスタンドで、ハーミットパープルっぽいのは
ジョナサンのスタンドという説明があったみたい。

でも>>692の考えもワクワクするな。ジョナサンなら「世界」使えそうだし
695マロン名無しさん:2007/03/23(金) 14:42:53 ID:???
ハーミット=DIOのスタンド
世界=ジョナサンのスタンド
696マロン名無しさん:2007/03/23(金) 15:03:27 ID:???
つまりジョセフはDIO様のうわなにをするやめ(ry
697マロン名無しさん:2007/03/23(金) 16:41:31 ID:???
昔、一部でスタンドが使用されてたらってのを考えたことあるけど
ジョナサンがパープルもどきでDIO様世界だったら
絶対勝てないという結論を出した。
だが>>695の考えなら……
ジョナサン「DIO?……あぁ、あの茨使いね。―死んだよ」
698 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/23(金) 16:43:56 ID:???
>>696
何だその本当っぽい妄想はw
699マロン名無しさん:2007/03/23(金) 21:53:29 ID:???
自分も描きたくなって来たなぁ・・。
第五部を舞台に描いてみようかやめようか。
700 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/23(金) 22:24:26 ID:???
>>699氏よ……
SS書きならよぉ、『描きたいと思った時は既に描いているんだぜ……』
すんません調子に乗りました。プロシュートの兄貴3番目に好きなもんで。
是非描いて下さい。自分は読みたいであります。
701 ◆CR2IDhbEVw :2007/03/23(金) 22:34:33 ID:???
私も五部の敵でランキング作ったら
一位にプロシュートの兄貴ランクイン確実です。

ストーリーはブチャラティが幹部になるあたりはほぼ忠実にストーリーに則り、
ペリーコロからディアボロの指令を聞いたあたりからルート変更…の予定。」
今の予言を外しても、「ああ、そんなのあったね(笑)」で。
702マロン名無しさん:2007/03/23(金) 23:48:42 ID:???
>>700
意外!それは誤字!
『SS書き』でありながら
なんで「描く」になるんだこの……
ド低能がァ――ッ
703 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/24(土) 13:43:17 ID:???
>>701
面白そうッスね。
シャナのキャラは誰が出るんですか?
個人的に5部は好きなキャラが多いのでガンガって下さると嬉しいです。ノシ
(死ぬほどどうでも良いけどオレは承太郎の次にディアボロが好き)
704マロン名無しさん:2007/03/24(土) 14:07:55 ID:???
ここで発想を変えて今までの人とは違う作品を
書こうと思う。なにも灼眼のシャナの登場人物は
シャナだけじゃないんだぜ?もうちっとまってくれ
705 ◆CR2IDhbEVw :2007/03/24(土) 21:38:39 ID:???
でもシャナを登場させる予定。
また、 ◆u68XLQ0lCU氏の世界と多少被せてしまうかもしれません。
他の登場人物はあまり決めていませんが ◆u68XLQ0lCU氏が
ヴィルヘルミナを出したらコロッセオでポルナレフの車椅子を押して、
顔に傷を追った彼女が出てくるかもしれません。
706マロン名無しさん:2007/03/24(土) 23:49:04 ID:???
>>704
つまりシャナの代わりに、アブドゥルをシャナの世界に召還するってことか。
707マロン名無しさん:2007/03/25(日) 02:49:53 ID:???
のいぢ絵のアブドゥル・・
708マロン名無しさん:2007/03/25(日) 06:46:50 ID:???
想像すらつかんのだがw
709マロン名無しさん:2007/03/25(日) 08:16:58 ID:???
表紙は舌を出してベーをしたアブドゥルが描かれてるのか
710マロン名無しさん:2007/03/25(日) 09:12:38 ID:???
きめぇwwwwwwwwwwww
711マロン名無しさん:2007/03/25(日) 09:20:22 ID:???
てっことはポルナレフが長門か…確かに本屋だもんな……
712マロン名無しさん:2007/03/25(日) 10:41:01 ID:???
コブラチーム製作のジョジョなど許可しないィー!
713マロン名無しさん:2007/03/25(日) 13:08:53 ID:???
Qあなたにとってアヴドゥルって何ですか?
714マロン名無しさん:2007/03/25(日) 13:57:33 ID:???
萌うええキャラ
715 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/25(日) 16:31:07 ID:???
続きダス。
716 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/25(日) 16:32:42 ID:???
 部屋に重い沈黙が降りた。
 アラストールの言葉を通して語られたDIOの途轍もない存在に
全員が感応し、その場にいた者全てが言葉を閉ざすことを余儀なくされる。
「あの日……君がズタボロの姿で帰ってきた夜……そんな事が有ったのか?
強敵だったと言っていたが、その相手がまさかあの、DIOだったとは……」
 動揺を隠せない表情でシャナを見るジョセフ。
「すまぬな。隠すつもりはなかったのだが、
機が来るまで黙って置いた方が良いと我が言ったのだ」
 承太郎は鋭い眼光でシャナの胸元のアラストールを見る。
「なるほどな。この空条 承太郎に喧嘩を吹っ掛けてくるだけあって、
なかなかヤりやがるみてーだな。そのDIOのヤローはよ」
 取りようによっては傲慢とも受け取れる承太郎の言葉に、
いつもならここでシャナのツッコミが入る所だが今少女に承太郎の
言葉は届いていなかった。
(逃げた……私は逃げた……!)
 屈辱が胸の内に甦り、全身が怒りで燃え上がる。
(アラストールのフレイムヘイズであるはずのこの私が……!)
 肩を震わせるそのシャナの心情を敏感に察知したジョセフが
小刻みに揺れるその小さな肩にそっと自分の手を乗せた。
いつもの凛々しさは影を潜め、シャナは今にも泣き出しそうな
瞳でジョセフを見る。
 その視線を黙って受け止め、ジョセフは静かに穏やかにそして優しく言った。
「シャナ。逃げた事を恥じる必要は全くない」
 顔に刻まれた、巨木の年輪を想わせる深い皺の数に
裏打ちされた重く威厳のある声。
「ワシもかつて若き頃、神に匹敵する強大な力を手に入れた
究極生物と戦わねばならなかった時、最初は逃げた。
相手の正体も解らない、能力も解らないでは勝機はゼロに等しいからだ」
 そう言うとジョセフは何かを思い出すように顎髭に手を当てて少し俯いた。
717 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/25(日) 16:34:29 ID:???
 そのまましばらくして顔を上げると
「『人間の偉大さは恐怖に耐える誇り高き姿にある』」
 と一息に言った。
 言われたシャナはキョトンとなる。
「ギリシアの史家、プルタルコスの言葉だ。古き戦友の受け売りだがな」
 そう言うとジョセフは自嘲気味に笑う。
 その男はもう此処にはいない。
 今は此処とは違う別の世界で、”JOJOのヤロー、オレのセリフで
カッコつけやがって”とでも言っているのだろう。
「君は「恐怖」を知った。あとはそれを乗り越え、「成長」に変えていけば良い。
それが「生きる」という事だ。ワシも『アイツ』もそうやって強くなっていった」
「アイツ?」
 シャナの質問にジョセフは穏やかな微笑で応じる。
 その瞳には微かに切なげな色があった。
 もしアイツが今、この場所にいたら何と言っただろうか?
 ”マンマミヤー!可愛らしいお嬢さん!貴方が御無事で本当に良かった。
安心してください。私が貴方を全力でお守りします”
 とでも言ったのだろうか?
 もっと共に生きていたかった。
 自分の孫を見せてやりたかった。
 そして、最近出来た紅い髪と瞳を持つ心底負けず嫌いなもう一人の孫も。
 そのもう一人の孫にジョセフは言う。
「大丈夫じゃ。君ならその敗北を糧に今よりもっと強く「成長」する事が出来る。
ワシが保証するよ」
 シャナのその小さな姿に、かつて偉大なる「風の戦士」に啖呵を切った
若き日の自分の姿が折り重なった。
718 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/25(日) 16:37:14 ID:???
(乗り越える?「成長」?)
 身体の「生長」が止まったフレイムヘイズの自分にはいまいちピンとこない話だった。 
 だが、奇妙な説得力が実感としてあった。
 その自分の心情を知ってか知らずかジョセフは
その春の陽光のような優しい微笑みを自分に向けてくる。
「得体の知れぬそれも「あの男」を相手に、
よくたった一人で孤独に闘ったと思うよ。その小さな身体でな。
シャナ、ワシは君を誇りに思う」
ジョセフの穏やかな言葉にシャナは何故か目頭が熱くなった。
 反射的に俯いて目蓋の裏に力を込める。
 自分も含めて今まで逃げた事を罵るフレイムヘイズはいても、
褒めてくれる者など決して誰もいなかった。
 そしてそれは当たり前の事だと思っていた。
 今でもそう思っている。
 ではなんなのだろう?いま心の中を流れるこの暖かな気持ちは?
 不意に頭の上に熱を感じた。
 承太郎が自分の頭にポンッと手を置いている。
「良かったじゃあねーか。死なずにすんでよ」
 剣呑な瞳で自分を見つめながら承太郎は静かにそう言った。
 ぶっきらぼうな言い方だが手の平から伝わる熱からは
本当に自分の身をいたわり、自分の無事を喜んでくれているのが感じ取れた。
 感情を無闇に表現しないという性格は、同時に己の感情を偽らない
という事にも繋がる。
 苦しんできた者には慈悲を。
 傷ついてきた者には慈愛を。
 差し伸べずにはいられない。
 その行為が例え終わりのない悲劇の始まりだったとしても。
 何度も。何度でも。 
 それが、ジョースターの血統の男。
 それが、何百年にも渡り受け継がれてきた『黄金の精神』
719 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/25(日) 16:41:57 ID:???
「ヤローの腕一本ブッた斬ったんだろ?なかなか大したもんだぜ」
 変わらぬ静かなトーンで承太郎は言った。 
 慰めなのか称賛なのか或いはその両方なのか、それともそのいずれでもないのか。
ともあれDIOにも勝る甘い響きでシャナの耳に届く承太郎の言葉。
 手から伝わる暖かな熱。水晶のような静謐さと気高さを併せ持つその怜悧な美貌。
陽光に煌めくライトグリーンの瞳と両耳のピアス。仄かに香る麝香の匂い。
(……………………え!?う、うそ、やだ!ちょっと待って!?)
『星の白金』の真名に恥じないそれら全ての要素に、浄化の炎を遙かに
凌駕する温もりを感じ蕩けた心に不覚にも涙腺が決壊しかけたシャナは
神速で部屋を飛び出した。
 顔を見合わせる承太郎とジョセフの耳元に洗面所の方から
勢いよく流れる水の音が聞こえてくる。
 しばしの間。
 アラストールに渇かしてもらったのか水滴一つ無い顔で、
檜の床を踏み鳴らしながらゆっくりと戻ってきたシャナは
承太郎をキッと睨み付けると件の如く
「うるさいうるさいうるさい!」
 と遅いリアクションを返した。
 灼眼でもないのに目が微妙に赤いのが気になったが
ジョセフも承太郎も何も言わなかった。
「しかしまさに九死に一生とはこの事だった」
 何事もなかったかのようにアラストールが話を続ける。
「あのまま彼の者との戦いを続けていたらこの子、シャナもまた
この小僧のように「肉の芽」で下僕にされていただろう」
「そしてこの少年のように数年で脳を食い尽くされ死んでいただろうな」
 ジョセフは憐憫の表情で仰向けで畳に横たわる花京院を見つめる。
「死んでいた?ちょい待ちな」
 承太郎がジョセフを真正面から鋭く射抜き、それからシャナを一瞥する。
720 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/25(日) 16:44:52 ID:???
「この花京院のヤローはまだ」
 承太郎の背後からスタンド、スタープラチナがその獅子の鬣のように
雄々しく長い髪を揺らしながら勢いよく出現した。
「死んじゃあいねーぜッ!シャナ!」
「了解!」
 承太郎が屈んで両手で花京院の頭部を固定するのとほぼ同時に、
シャナの髪と瞳が炎髪灼眼に変わる。
 その身体をフレイムヘイズの黒衣が広がって包み込んだ。
「オレのスタンドでこいつの「肉の芽」を引っこ抜く!」
 承太郎は簡潔に言うと、スタープラチナの手が素早く精密な動作で
花京院の額に埋め込まれた「肉の芽」に伸びた。
「早まるな!承太郎ッ!」
 ジョセフは驚愕の表情で承太郎を見る。
「騒ぐんじゃあねーぜ!ジジイ!気が散るから静かにしてろ!
こいつの脳をキズつけずに「肉の芽」を摘出する……オレのスタンドの指先は
目の前で発射された弾丸を一瞬で掴み取るほど精密な動きが出来る!」
 承太郎は集中力で研ぎ澄まされた碧眼で「肉の芽」を見るとスタープラチナの
指先が躊躇なくそれを摘んだ。
「やめろッ!その肉の芽は生きているのだ!!なぜ肉の芽の一部が
額の外に出ているのかわからんのか!すぐれた外科医にも摘出できない
わけがそこにある!」
 外部からの刺激に反応した「肉の芽」が、一度生々しく蠢くと
露出した触手が毒蛇のように高速で頭部を固定する承太郎の手に伸びた。
「摘出しようとする者の脳にそれは侵入しようとするんじゃああああああ!!」
 ジョセフの慟哭の叫び。 
 その触手が孫である承太郎の手に突き刺さる瞬間、
それは音もなく真っ二つに両断された。
「何!?」
 ジョセフは目を見開く。 
 斬られた触手はその驚異的な再生能力で瞬時に元に戻り
再び承太郎の手に潜り込もうとする。
 が、それより速くその切れ端が『燃え上がりもせず』蒸発した。
721 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/25(日) 16:48:28 ID:???
 いつのまにか承太郎の真横にシャナが剣を片手に構えて立っていた。 
 その手には溶鉱炉の中で融解した鋼のような色彩の刃が握られていた。
 刀身の周囲に揺らめく陽炎が舞い踊る灼紅の烈刃。 
 それはDIOとの戦いによって己の未熟さを悔いたシャナの、
血の滲むような鍛錬の結晶の末に生み出された新しい炎刃の形。
『火炎そのもの』ではなく、熱をより強力に円環状に集束させ、
加粒子に近い状態で刃に宿らせる。
 その為に持続力は低下し、存在の力も多く喰うが威力は飛躍的に上昇した。 
 強靭無比。閃熱の劫刃。
『贄殿遮那・煉獄の太刀』
 本能的に危機を察知したのか「肉の芽」は、皮膚と癒着していた
触手を全て剥離させ、本体を摘出しようとする承太郎の手に一斉に襲い掛かった。
 しかしそれは全部まとめて紅蓮の劫刃に両断され、そして蒸発する。
「UUUUUUUUUGYYYYYYYYYYYYYYY!!」
 スタープラチナに掴まれている「肉の芽」の本体は
奇声を上げて蠢き再び触手を量産し始めた。
 ものの数秒で先程の数の倍はある触手が再生を完了し、
死体に群がる禿鷲のように大挙して承太郎の生身の手に襲い掛かる。
 しかしそれすらも瞬時に空間を疾走する灼熱の斬撃に斬り落とされた。
「その調子だ!「肉の芽」の触手を一本たりともこっちによこすんじゃあねーぜ!」
「うるさいうるさいうるさい!誰に向かって言ってるの!」
 出会って一日の二人がまるで十年来のパートナー同士のような
優れた連携を見せつける。
(いかせるわけないでしょ……おまえの所になんか絶対に!)
 シャナは胸に強く誓った。
 不意に閉じていた花京院の目が開く。
 その視線が真正面から承太郎の碧眼を捉えた。
「……空……条……お……まえ……」
「ジッとしてな花京院。動けばテメーの脳は永遠にお陀仏だぜ」
 承太郎はそれだけ告げると、全身の神経が指先で一体化したかのような
精密な動きで、微細な振動すら起こさず「肉の芽」の本体を抜いていった。
722 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/25(日) 16:50:53 ID:???
 ジョセフは目の前で行われている壮絶な光景に思わず息を呑む。
(ワシの孫、いや、孫『達』は全くなんて奴らだ。承太郎は熟練の外科医でも
不可能な「肉の芽」の摘出手術を行っているにも関わらず冷静そのもの。
本体もスタンドも震え一つ起こさず機械以上に正確に力強く動いているッ!
対してシャナは微塵の誤差もなく触手のみを切り裂き、承太郎の
身体数oの位置まで正確に探知している。なのに承太郎本人には
キズは疎か焼け焦げ一つ付いておらんッ!)
「………………………………………………」
「はああああああああぁぁぁぁぁッッ!!」
 静と動、二つの絶技が半径3メートルにも満たない空間の中で交錯する。
 シャナは胸が奇妙な高揚に満たされているのに気がついた。
 自分は今、使命以外、戦い以外の事で贄殿遮那を振るっている。
 戦う為にではなく、誰かを護る為に、助ける為に。
 今までの使命とは全く違う剣の使い方。
 しかし悪くない。
 悪くは、ない。
 口元にいつしか微笑が浮かんでいたのにシャナは気づいていなかった。
(悪くない)
 胸の奥、体の芯、足の底から力が叫ぶように湧き上がっていた。 
(悪く、ない!)
 灼紅の大太刀に灼眼が映え、笑みが頬に強く刻まれる。
 それと同時に斬撃の回転が加速度的に上がった。
(ここだッ!)
「肉の芽」の本体が花京院の額から半ば出た所で承太郎はその下部から
伸びている骨針が脳の致命点を通り過ぎた事を確信する。
「ッオラァッッ!!」
 音速の手捌きで素早く「肉の芽」の本体を花京院の額から摘出すると、
スタープラチナは両手で触手を掴み、その怪力でバラバラに引き千切った。
「コオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
 その背後でジョセフが既に波紋の呼吸を練り始めていた。
723 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/25(日) 16:54:41 ID:???
(驚いてばかりもいられんッ!ワシとて歴戦の『波紋使い』!
まだまだ若いモンにゃあ負けはせん!)
 煌めく山吹き色の生命光がその手に集束していく。
「50年振りに行くぞぉぉぉッ!!太陽の波紋!
山吹き色の波紋疾走(サンライトイエロー・オーヴァードライブ)ーーーッッ!!」
 ジョセフの叫びと共に高速の掌打が撃ち落とし気味に本体に叩き込まれ、
「肉の芽」は鉄扉に流弾がブチ当たったかのような音を立て、瞬時に蒸散した。
「な……?」
 血が伝うこめかみを手で押さえながら花京院は呆然と承太郎を見る。
 承太郎はまるで何事もなかったかのように立ち上がると
花京院に背を向けて歩き出す。
 その背に向けて花京院は動揺を隠せない表情で言った。
「空条 承太郎。何故君は……敵である筈の僕を、自分の身の危険を冒してまで助けた?」
「さあな……そこのところがオレにもよくわからん」
 承太郎は花京院に背を向けたまま答えた。
「空条……」
「あとこいつのサポートがなけりゃあできねー芸当だったぜ。後で礼いっときな」
 承太郎はシャナの紅い頭をむんずと鷲掴みにすると、部屋を出ていった。
 真っ赤になったシャナが黒衣を翻して後を追う。
「こら!待ちなさい!おまえ!」
「褒めてやったんだがな」
「うるさいうるさいうるさい!やり方が問題大なのよ!おまえの場合!」
 徐々に茶室から遠くなっていく二つの声。
 それを聞く花京院の瞳に微かに光るものがあった。
 ジョセフはそれから目を逸らすと静かにそこから立ち去った。
 庭で鹿威しの音が静寂した空間に響き渡った。


 ←To Be Continued……
724 ◆CR2IDhbEVw :2007/03/25(日) 16:56:41 ID:???
リアタイ乙です!

うおっ回想でシーザーが登場した!
725 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/25(日) 16:57:13 ID:???
以上で御座います。
今回出したシャナのオリジナルの能力は空条家を火事にしない為、
作者が苦肉の策で出したものです。なので当然厨っぽいのも仕様です。
悪しからず。(本当は「封絶」の描写書くのがマンドクサかったうあなにを(ry)
次回はフリアグネが出てくるまで間があるので、少しほのぼのした話を
書こうと思います。
それではノシ

726704:2007/03/25(日) 17:27:22 ID:???
>>706
返事おくれちったぜ。
ちょっとちがうよ。悠二に出会ったのがうるさいうるさいうるさいって
言うアブ君が出てくる話さ。需要などないがなwwww
でもマジ激務なためにおくれてしまっているけど許して
>>725がんばってください。ほのぼの編もきたいしてます
727マロン名無しさん:2007/03/25(日) 18:17:30 ID:P9ZBra0G
>>725
乙!これで花京院も加わるのか。
728マロン名無しさん:2007/03/25(日) 18:24:35 ID:sCd2dqsD
>>725
乙!このコンビマジでいいなw
729マロン名無しさん:2007/03/25(日) 19:33:53 ID:???
シャナがレロレロに対してどういうリアクションを抱くのか気になる。

っていうか、原作の『うむ』で一蹴のシーンが気になるww
730マロン名無しさん:2007/03/25(日) 20:18:38 ID:???
乙! 黄金の精神に感動したッ!! シャナの成長も上手くかけててすごいなぁ
俺も早く続き書かねば…
731マロン名無しさん:2007/03/25(日) 22:28:30 ID:???
やべ、シーザーのくだりで泣きそうになったw
とにかく、◆u68XLQ0lCU氏おつ!ほのぼの話たのしみにしてるわw

シーザーが生きてたらシーザーの孫と承太郎とコンビ組んだりしたんだろうか
732マロン名無しさん:2007/03/25(日) 23:34:36 ID:???
ホルホースってリアルタイムで読んでた頃は味方になると思ってた
733マロン名無しさん:2007/03/26(月) 09:13:39 ID:???
SPW以下の臭いがプンプンするからな
734マロン名無しさん:2007/03/26(月) 18:48:46 ID:???
個人的にはシャナにも敵を倒して欲しいな
ポルナレフを乗っ取ったアヌビス神とか
735マロン名無しさん:2007/03/26(月) 19:26:55 ID:???
>>734
いやいや、そこはシャナとポルポルを絡ませておいてポルポルのドジのせいで
偶然、アヌビス神をシャナが抜いてしまう。当然ポルポルじゃ勝てない
そこで承太郎に助けを求める、ただでさえ強敵でその上シャナを殴るわけには
いかないため承太郎は苦戦を強いられるってのが見たい
736マロン名無しさん:2007/03/26(月) 20:09:22 ID:???
アヌポルとポルポルの肌の色が違うのはなんでなんだぜ?
737マロン名無しさん:2007/03/26(月) 21:32:21 ID:???
シャナinアヌビス神
「うるさい…うるさいうるさいうるさい、うるっ〜〜〜〜〜〜〜〜
 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜さいィィィィー―――――っ!!」
738マロン名無しさん:2007/03/26(月) 21:34:37 ID:???
で、刃から炎を出して取っておきのダメ押しという奴か
739マロン名無しさん:2007/03/26(月) 23:25:14 ID:???
アヌビスは強いけどドジッ娘だから終盤でうっかりが発動しそうな予感
740 ◆CR2IDhbEVw :2007/03/27(火) 00:11:20 ID:???
まとめサイト見ましたが、 ◆u68XLQ0lCU氏の
話のGとHの間に空白が出来てますので修正を依頼します。
741マロン名無しさん:2007/03/27(火) 08:44:35 ID:???
むしろ承太郎がアヌビス神に乗っ取られて・・・誰も勝てないか
742マロン名無しさん:2007/03/27(火) 09:25:44 ID:???
>>734
亀だけどペット・ショップと空中戦を繰り広げるシャナとか
743マロン名無しさん:2007/03/27(火) 09:26:29 ID:???
>>741
案外ジョセフか花京院なら倒せるかもしれない
744マロン名無しさん:2007/03/27(火) 09:30:34 ID:???
スタプラの速さでアヌビス神を操るんだよな?
テラツヨスヤバスwwww
745マロン名無しさん:2007/03/27(火) 09:42:28 ID:???
シャナVSペットショップは良いかもな
炎VS氷の対決だし
746マロン名無しさん:2007/03/27(火) 09:44:57 ID:???
個人的に見てみたい対決はシャナVSアレッシー
セト神で縮められ精神的にも幼女に戻るシャナが見たい
747マロン名無しさん:2007/03/27(火) 09:46:07 ID:???
ポルナレフと一緒に立ちションしゅるシャナ
748マロン名無しさん:2007/03/27(火) 09:46:50 ID:???
それだけは勘弁w
749マロン名無しさん:2007/03/27(火) 09:49:43 ID:???
当面はシャナVS悪ナレフとフリアグネVS承太郎・シャナになるのか
750 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/27(火) 19:51:11 ID:???
>>749
そっスね。
その後はホンコンで姐さんと対決と、
そこくらいまでのプロットは大体出来ております。
今書いてるのが終われば次はフリアグネだぁーーーー!
原作トレースすればいいだけ!ラクが出来るぞぉーーーー!!うあなにをするだあせ(ry
それじゃSSの意味がないからやっぱ多少アレンジ加えなきゃ
ダメよね…… ('A`)←(ドクオクン復活)
751マロン名無しさん:2007/03/27(火) 20:52:00 ID:???
ところで



アヴドゥルは?
752マロン名無しさん:2007/03/27(火) 21:15:16 ID:???
キャラ被るからクビ
753 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/27(火) 21:48:00 ID:???
>>752
Exactly!(そのとおりでございます)
あとシャナはポルナレフと絡ませると結構
面白い話が出きるようなキガス。
754マロン名無しさん:2007/03/28(水) 16:24:38 ID:???
つまりポルポルとシャナがギャグ担当になるのか…
755 ◆cVhWKV23rU :2007/03/28(水) 16:28:29 ID:???
結構このスレから遠ざかってましたが、久し振りにまた新しいのを書こうかな?
と思ってます
一応、内容は以前に冗談半分で言ってたシャナとナランチャの話で行こうかな?
と思ってますが、予定は未定で変わっちゃうかもしれませんw
一応、4月には投下出来ると思います
756マロン名無しさん:2007/03/28(水) 18:30:40 ID:???
            ,.-、 、、,、、、 , __       _______________
            i: :ミ、l: : :彡ィ'´: :ヲ   ./JOJOのお母さん…ホリィさんという女性は.\
             l: :f‐'-r 、彡: :三彡  | 人の心を和ませる女性ですね…     . |
          . i: ハ 'ヒrェ''"_)、ィノ   . | そばにいるとホッとする気持ちになる  |            .n「i「「hnゥ
             l:.iヽ__  ノli: : l   <                            |            ./ヘ(Z_n久
            ヾ ,匸,ィ__,.ィl:リ    | こんなことをいうのもなんだが        |          ._,.rl(Tトtrァハl〉
           /::/::ロ:::::::::ノ::l     . | 恋をするとしたら / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\   .,r=''"¨7(x).{  ̄lL!
            /:/::`:ー=‐"::ヽ!.   ..| 守ってあげたい .|    .ヽ   i          .> /'" /T/l (o).、 'ヲ´
          ノ:io:::::::::::::::::::::::::::i、   .\元気な 温かな..|   .`¨ヽ ¨す¨ ヽ        .|    ./ \\ (x)-¨\
          r'/::::::::::::::::::;.ィ'⌒゙ヽ      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |     ノ  L ..ノ          .|   ./ /  \\\ヽソ、
 _r 、      //:::::::::::::::/:::::::::::::::::::)             .| いよいよ出発のようだな.  |   .i ./     \丶`__i、iニfト、
 ヽ\゙t-、 ,、/:::i:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::ノ                ..\__________/    .i       ,.フ'´  `ヽY
  ,.r\ ヽ i:::::::::::l:::::::::::::i:::::::::::::::::::::::/                                    .  l      /      l.l
  ヽ)く ノ::::::::::::;!:::::::::::::l::::::::::::::::::::/                                   .  . l     i       ノl
757 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/28(水) 22:57:53 ID:???
>>755
ガンガッてくだされ。
新作も期待しております。
ナランチャすごい好きなんでw
オレもガンガりまつ。
758 ◆Ea0R8d6UQA :2007/03/28(水) 22:58:06 ID:???
遅れてすまない、続きですよ。
759 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/28(水) 22:59:10 ID:???
>>758
な、なんだってぇーーーーーーーー!?(AAry
760 ◆CR2IDhbEVw :2007/03/28(水) 23:01:55 ID:???
かぶってしまうなら第二部に変更します。
761 ◆Ea0R8d6UQA :2007/03/28(水) 23:05:28 ID:???
***

「悪い……どーも耳が遠くなったようでな。もう一度言ってくれ」

承太郎の部屋は、ただでさえ馬鹿みたいに広い空条家の敷地内の離れにある。
正しくは離れすべてを承太郎が一人で所有していて、ハウスキーパーの人以外母親でさえ立ちいえない。
(というより母の過保護から逃れるべく、この離れに住み着いたといったほうが正しい)

「だからこの部屋で寝るっていったでしょ」

家の人にシャナの存在を知られないよう、伸張に離れまで移動した一行。
承太郎は自室から少し離れた空き部屋にシャナを泊まらせる予定だったが、

「敵に備えて一緒にいるのに、何で別の部屋にいなきゃいけないのよ?」
「……てめーら。帰ってくれ、平井ん家に……今スグだッ!!」

承太郎は必死の抵抗を試みるも

「あきらめておとなしく寝ろ」

の言葉で退かざるを得なかった。承太郎といえども、人間の一生をはるかに凌ぐ時間
を過ごしたこの年長者には、そうそう簡単に逆らうことは出来なかった。
承太郎にそう命令したアラストールのペンダントを、シャナはすでに敷いてあった布団の下に押し込んだ。
762 ◆Ea0R8d6UQA :2007/03/28(水) 23:06:20 ID:???
>>761

「何してんだ」
「着替えるから見えないところに言ってもらったのよ。お前もそうして」
「そういう決まりなのだ。貴様も早くどこかへ潜り込め」
「モグラか、俺は」

周囲に承太郎が身を隠せるほどのスペースはなかったので、
障子越しの廊下で背を向けて座ることになった。

「(出てこうとしたら入れと言うし、入ったら追い出しやがって……なにがしてーんだ、てめーらは)」

とぶつくさ文句を言いながらもなぜか素直に従った承太郎だった。

「のぞいたらぶっとばすからね」
「のぞかねーし見たくもねーがな」

その後しばらく黙っていると、障子越しに衣擦れの音が聞こえてきた。
ふと疑問に思い承太郎が聞く。

「そういやお前、荷物はどうし―――」
「のぞくなって言ったでしょ!!」
「しねーよ。着替えとかの荷物はあんのかって聞いてんだ。特に持ってるように見えなかったが?」
「大体のものは、黒衣の中に入ってる」
763 ◆Ea0R8d6UQA :2007/03/28(水) 23:07:53 ID:???
>>762
「黒衣……? ああ、あのコートのことか。刀なんかもか?」
「そう」
「寝巻きは?」
「ないわ。替えの下着があるだけ。体の汚れはアラストールが清めてくれるから、本当は必要ないんだけど」
「やれやれ……ずいぶんと便利なものをもってんだな」

幾多ものスタンドに出会ってきた承太郎にとっては、
その程度の某四次元アイテムは特に驚くべきことでもなかった。

「確かタンスの一番下の段にガキのころ使っていたジャージがあるはずだ。それを使え」
「……わかった」

簡潔な返事を聞いた承太郎は立ち上がってまた続けた。

「今から空き部屋にある布団かなんかとってくっから、それまでに着替え終わらせてろよ。
つーか俺のスペースとっとけよ」
「何言ってんの?」
「……あ?」

予想外の答えに承太郎の動きが止まった。同時に嫌な予感も走る。
764 ◆Ea0R8d6UQA :2007/03/28(水) 23:08:55 ID:???
>>763

「お前はそこの廊下で寝てもらうから。まあ別に布団敷くのは勝手だけど」

そのあまりにも身勝手な言い分を完全に理解するのに数秒かかった。
次にプッツンするのにはコンマ一秒もかからなかった。

「てめ―フザけんじゃあ―――」

そうして勢い任せに振り返ったのが不運だった。
振り返りざま、思いのほか障子に近かったため腕が障子に激突、
元々立て付けの悪かった障子の戸はバランスを崩し、シャナのいる部屋側に倒れていく。
中では、恐らく着替え途中のシャナがいる。こういったケースの場合、大抵男側が不利なようにできている。

危機はフリアグネ率いる徒の軍団だけではない。
もっと身近の、一見味方と思えるものにこそ本当の危機は隠れていたのだ!

しかし、このような緊急事態において、承太郎は慌てなかった。
よくあるラブコメ主人公のようにうろたえることもせず、呼吸一つ乱さなかったッ!
なぜならッ! 彼には最強のスタンド『スタープラチナ』があったからである。
まだ障子の倒れる角度が30度に入る前に、スタープラチナの正確無比な高速動作は障子を支え、
元の位置に押し込むことに成功したのだ。

「ちょっとお前っ! なにしてんのっ!これだから男は―――」

もはや弁明するのも馬鹿らしく思ってきた承太郎は、乱雑に固定させた障子戸ごしに騒ぐシャナの
罵詈雑言を無理やりねじ伏せる。
765 ◆Ea0R8d6UQA :2007/03/28(水) 23:10:23 ID:???
>>764
「ええいやかましいッ! それよりもだ、てめーらこそ押しかけてきた分際で俺の部屋をひとりぬくぬく使うったあ
どういう了見だ!?  てめーらがここで寝ろ、さもなくば帰れッ!!」

命を懸けたポーカーの前でさえ冷静沈着だった承太郎の、普段絶対見せないようなヤケッパリぶりだった。
シャナも負けてはいない。

「あんたが自分から引き入れたじゃない。私たちは一度も入りたいなんていってないわよ。
お前が承諾したんだから、どう使おうと私たちの自由でしょ」
「……一分だけ待つぜ。お前が今すぐ元の格好に着替え、そこから出て行くまでの猶予期間だ。
でてこなけりゃあ、問答無用でつまみ出すからなッ!! クソッッ!!」

承太郎は廊下側に振り返って、怒り任せにスタンドでない拳で柱を殴った。
大した威力ではないが、周囲に振動が充伝わるパワーだった。

元々立て付けが悪いおまけに、承太郎の乱雑な立て付けでさらに悪化した
障子戸を再び倒すには充分すぎるほどの。

承太郎がパタンという音に気づいて振り返ったとき、すでに時は遅かった。
時を止めるスタープラチナといえど、一度過ぎてしまった時を戻すことは不可能だ。
廊下と部屋を遮るものがなくなった今、着替え途中で口論に集中したせいで半裸状態のシャナと、
完全に向かい合う状態になってしまった。
766 ◆Ea0R8d6UQA :2007/03/28(水) 23:11:13 ID:???
>>765
清らかな小川の如くつややかな黒髪にそぐわったその肢体は、まるで芸術品。
不埒な想像を与える隙もなく、ミケランジェロの彫刻のような神々しささえ漂っていた。

もっとも、承太郎にしてみればそんなことは足の指の間のカスよりもどうだってよいことだった。
目の前の芸術品なんかより、この重苦しい沈黙とその後の惨劇。
そして自分の怒りをぶつける対象についてのことのほうにのみ思考を働かせていた。
眉一つ動かさず、停止したままの承太郎。

対するシャナは、あまりにも想定外の事態に思考が間に合わずきょとんとしていたが、
状況がわかるにつれその顔が周知に真っ赤に染まり、そのベクトルが怒りに変換されていくのに
時間はかからなかった。
767 ◆Ea0R8d6UQA :2007/03/28(水) 23:14:29 ID:???
>>766

「こ、こ、この…………」

噴火寸前の活火山の如く、全身を震わせてありとあらゆる殺気を視線の先の人物にあてているシャナ。
そよ風一つの刺激でも大爆発しそうな危険爆弾と化した彼女に、
やれやれと肩を落とした承太郎がダメ押しの一言。

「とっととその貧相な胸を隠せ。ションベン臭えガキが」

プッツンという音を、承太郎は確かに聞いた。

「この大バカ―――――――――ー!!!!!!!」
「上等だッ!! うおおおおおっスタープラチナ――ッ!!」




さすがのアラストールも、この不毛極まりない死闘を止める術はもちえなかった。
768 ◆Ea0R8d6UQA :2007/03/28(水) 23:16:00 ID:???
>>767
ここまでです。私流のコメディ展開のはずですが……まぁ、そゆことです。
眠いので細かい感想は次回。では ノシ
769 ◆CR2IDhbEVw :2007/03/28(水) 23:18:59 ID:???
乙です。
いつかこんな日が来ると信じて疑わなかった…。(T∀T)
770 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/28(水) 23:21:42 ID:???
>> しかし、このような緊急事態において、承太郎は慌てなかった。
よくあるラブコメ主人公のようにうろたえることもせず、呼吸一つ乱さなかったッ!

>>「とっととその貧相な胸を隠せ。ションベン臭えガキが」

やった!さすが承太郎!他のラブコメキャラに出来ない事を平然とやってのけるッ!
そこにシビれる!憧れるぅ! (AA略
リアタイ乙+GJ!
やっぱ承太郎はサイコーだわww
771マロン名無しさん:2007/03/28(水) 23:41:25 ID:???
ああヤベェw もう承太郎のラブコメが最高っすぎるw
つーかもう面白すぎて言葉が見付からねぇw
772 ◆cVhWKV23rU :2007/03/29(木) 00:29:39 ID:???
ジョジョでラブコメ・・・、
まさかこの水と油をここまで上手く料理するとは流石!
贅沢を言えば、承太郎はもう少し冷静沈着でいても良かったと思いますね
まあ、4部以降の承太郎は案外3部の時ほど完璧でも無かったから
その承太郎だと思えば、そこまでの違和感は無いですが
773マロン名無しさん:2007/03/29(木) 01:03:36 ID:???
3部時の完璧さは主人公補正
774マロン名無しさん:2007/03/29(木) 02:13:38 ID:???
読み返してみると、3部でも完璧って程冷静沈着って訳じゃないよな
775マロン名無しさん:2007/03/29(木) 09:06:42 ID:???
>>726
遂に書くのか!!!!!!
776マロン名無しさん:2007/03/29(木) 10:44:39 ID:???
作者さんGJ!マジで昨今のヘタレラブコメ主人公と比べ物にならないな
しかし承太郎が主人公ならここまで変わるとはw
あ、一ついうなら羞恥が周知になってましたよ
777マロン名無しさん:2007/03/29(木) 11:23:26 ID:???
このスレの作者さん製の新技を見ているとどこぞのスレであった
承太郎が波紋を覚えて放つ白金色の波紋疾走を思い出しますね
778マロン名無しさん:2007/03/29(木) 16:41:29 ID:???
承太郎www
779マロン名無しさん:2007/03/29(木) 17:21:47 ID:???
何やってるんだよ承太郎w
780マロン名無しさん:2007/03/29(木) 17:23:51 ID:???
>>774
あいつの場合焦っても全く顔に出ないからな
781マロン名無しさん:2007/03/29(木) 17:28:57 ID:???
シャナのタイプは理想を持ち、包容力があり、図々しくなく、有能な人。
全体重を乗せてよりかかってくる所を重いと感じず、優しく受け止め、
なおかつ相手には一切の重みを感じさせないそんな男のはずだった…
782マロン名無しさん:2007/03/29(木) 18:07:09 ID:???
つまりジョルノか
783 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/29(木) 19:00:19 ID:???
>>781
主人公サイドの殆どのジョジョキャラに当てはまりますな。
強いてあげるなら「バオー来訪者」の「橋沢 育朗」ですかね?(ジョジョじゃねぇwww)
あれだけ過酷な運命の中で不平も不満も漏らさず哀しみを押し込め、
ひたすら正義の道を突き進んでいる誇り高い姿に、
なんか涙が止まらなかったよ… (ノД`)・゚・。
784 ◆Ea0R8d6UQA :2007/03/29(木) 21:26:01 ID:???
>>781 ジョナサンがドンピシャだな。まぁ先客がいるのだけれど。

ども、みんな感想トンです。色々調子に乗ってみちゃったんですが、結構評判よい
みたいで安心しました、ハイ。
◆u68XLQ0lCU 氏のSSはいつ読んでもすごいですね。描写力がハンパねえッ!!
毎回毎回参考にさせていただいてます。いつもレス返せていないのでこの機会に。
しかしDIOかっけーなー。自分もオリジナル?なスタンドとか出してみたいです。

あと毎回遅筆ですいませェん。今更ハマッたアイマス(箱買ってないので動画)の真がかわいいんですも…いや、ほんとすいませェん。
そのくせ誤植あったりとかもう…◆u68XLQ0lCU 氏や◆cVhWKV23rU 氏の良質なSSがなかったら落ちてたかもわかりませんね。
まああんまり卑下しても仕方ないので地道にコツコツ書いていきます。シャナ9巻以降も読まなきゃ。あと外伝も。

>>445のOVA見ました。今回みたいなノリ+バトル展開で良いのなら書いてみたいですね。
いつになるかはアレですがね。ではノシ
785マロン名無しさん:2007/03/30(金) 08:46:04 ID:???
心から応援しております
SS職人様方に神のご加護がありますように
786 ◆cVhWKV23rU :2007/03/30(金) 18:17:20 ID:???
>>781
ある意味DIO様にも当てはまる気がする

理想を持ち=ジョースターの血統を絶つこと
包容力があり=忠実な部下には優しい
図々しくなく=慎ましい時代もあった
有能な人=言わずもがな
全体重を乗せてよりかかってくる所を重いと感じず、優しく受け止め
=ロードローラーだッッ!!(これは違うか)
787 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/30(金) 18:22:21 ID:???
>>784
◆Ea0R8d6UQA氏ありがとうございます。
お褒めいただいて光栄であります。
でも◆Ea0R8d6UQA氏のSSも大したものだと思いますよ。
ごちゃごちゃ余計な事は書かずに面白い点だけを
抜粋して描写してるので解りやすくて読みやすいと思います。
オレなんて色々余計な事書き過ぎて昨日書いた分の大部分がボツに
なったしね……('A`)
あくまで自分のペースで良い作品に仕上げる事を第一に御自愛下さい。
(まぁオレに言われるまでもないけどね……('A`))

>>◆u68XLQ0lCU 氏や◆cVhWKV23rU 氏の良質なSSがなかったら落ちてたかもわかりませんね。

いや、◆Ea0R8d6UQA氏のSS読まなかったらオレ書いてすらいねーしww
あくまで◆Ea0R8d6UQA氏あってのこのスレだと自分はそう思っとりまつ。
勿論読んで下さる住人の皆さんの応援もあっての事ですけどね。
788マロン名無しさん:2007/03/30(金) 18:42:02 ID:???
>>785
シャナ風に言うなら、「SS職人様方に天下無敵の幸運を」だな
789マロン名無しさん:2007/03/31(土) 01:08:22 ID:UxTn4JBU
丈助がJOJOの中で一番好きだけどシャナとは絶対そりが合わないなw
髪型指摘されたら一発だしwww
790マロン名無しさん:2007/03/31(土) 10:45:15 ID:???
むしろ一番シャナに合うのは康一くんだったりして
791マロン名無しさん:2007/03/31(土) 11:16:30 ID:???
そりゃあジョジョキャラの中で一番ギャルゲの主人公っぽいのは康一君だけどさ……
792マロン名無しさん:2007/03/31(土) 11:34:28 ID:???
次は五部の康一君でお願いします
793 ◆u68XLQ0lCU :2007/03/31(土) 11:42:46 ID:???
>>790
狂おしいほど同意。
しかもキメる時はメチャメチャかっこいいしね彼。
4部じゃ康一君が一番好きだ。
「お前はバカ丸出しだ!」はジョジョ屈指の名台詞。
そういや背丈も殆ど変わらないなw
794マロン名無しさん:2007/03/31(土) 12:44:53 ID:???
じゃあ何だ、吉田さんのポジションは由花子か。
血の雨が降るぞ。
795gfdgfdhgfxじぇ:2007/03/31(土) 16:45:43 ID:UxTn4JBU
>>794
間違いなく修羅場となるなwwwwでも康一とは4部で両思い(?)
関係になったからやる前から勝負は決まってるな。
796マロン名無しさん:2007/04/01(日) 17:17:25 ID:WvjEUCCK
保守
797 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/01(日) 17:21:59 ID:???
康一君がちっちゃいので思い出したが、
SBRの5歳のDIO様の可愛さは鬼。
798マロン名無しさん:2007/04/01(日) 20:27:32 ID:???
>>797
ようこそ男の世界へ
799マロン名無しさん:2007/04/01(日) 20:52:43 ID:???
シャナにかなり萌えてきたんだが、主人公ヘタレなんでしょ?
なんか手が出ないなぁ。
800マロン名無しさん:2007/04/01(日) 21:06:07 ID:???
>799
だからこそこのスレの
承太郎版の人気が出るのかもしれない…。
801マロン名無しさん:2007/04/01(日) 21:33:55 ID:???
             __ __ _
.        _ , '"´  ,. _ ___`丶、
       / ` /  /´-‐ァー-ヽ \
.      / /下7 ..///.:.::/ .:.:ト、 ヽ     ただの人間には興味ありません。
      / └イ_j/ .://;へ、/!.:.::/:.}ヽ ',
     ,'  ///!l .::j.:lイ仔くヽ/,.イ,.ム:.', l
    ,   '〈/f`| l ::l`' ゞゾ '´ rャjノ::.l:. |     この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者、
    |  l:l :!:{、| l ::|        マソハ: |:: |     波紋の戦士、スタンド使い、サイボーグがいたら
    |  l:l::i个| l ::l!     l⌒ヽ′} .:}:.l:: l     私のところに来なさい。
    |  lハ:l::{::', ::::{、   ヽ.ノ  /.:/::.l:: l
    l !:|:::',::',::ヽ:::ヽ\._    /.:/::::/l::;!
.     ',::{:{、:::ヽ\:\;ゝ `「:フ´!::::/;:::/ 〃
.     ヾハj>''´ ヽ ト、_..上くイ::::{ {::{/              |ヽ |     |_    「 〉
    /⌒ヽ、\ ` \-ー ̄\ヾ                 ⊥ 人_  _|_    |/
   /     ヽ \\    \´ ̄`ヽ、                            O
.   l     ',  \\   \  __| \
.   |      ',   \`ヽ、  ∨n| } ト、
802マロン名無しさん:2007/04/01(日) 21:34:48 ID:???
承太郎より2部ジョセフのほうが好きだ
803マロン名無しさん:2007/04/01(日) 21:37:48 ID:???
>>799 でもラブコメ系主人公の中では一番がんばってる部類に入るよ
話が進むごとにすこしずつ成長してるところが好きだな
それに比べると承太郎は…反則だよなw
804マロン名無しさん:2007/04/01(日) 21:49:21 ID:???
おそらくツンデレ殺しとしては最強クラス
805マロン名無しさん:2007/04/01(日) 22:44:53 ID:???
というか承太郎自身がツンデ(ry
806マロン名無しさん:2007/04/01(日) 22:48:52 ID:???
承太郎はツンデレだよなぁ、27巻のポル君に言った
「俺は放っておけと言ったんだが〜」みたいな台詞に吹いたもん
807マロン名無しさん:2007/04/02(月) 13:24:50 ID:???
承太郎みたいなヤツが主人公のライトノベルは無いものか?
スレ違いスマソ
808 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/02(月) 19:46:12 ID:???
>>804
「ツンデレ殺し」www
言い得て妙ですね。
809マロン名無しさん:2007/04/02(月) 21:07:41 ID:???
承太郎は存在自体がツンデレ
810マロン名無しさん:2007/04/02(月) 21:17:09 ID:P7C3OP9w
承太郎は主人公として完璧すぎるからなw
つか3高を所有してるんじゃね?背高いし頭いいしジョセフ家って結構名家だし。
811マロン名無しさん:2007/04/02(月) 21:23:29 ID:???
ついでに言えば
顔もいい、性格も(友人にするなら)いい、強く正義感溢れるツンデレ

なんだこの主人公ww
812マロン名無しさん:2007/04/02(月) 22:11:34 ID:P7C3OP9w
ジョセフ家じゃなくジョースター家だったw
813マロン名無しさん:2007/04/02(月) 23:49:12 ID:???
運動能力とか頭のキレも凄いしな
後娘思い
814マロン名無しさん:2007/04/03(火) 10:47:46 ID:???
あらためて>>482あたりを読み返したんだが、ホント美しいラストだな。まさに神だよ。
つーか承太郎のカッコよさは異常。
815マロン名無しさん:2007/04/03(火) 14:41:04 ID:???
あの最強無敵なDIO様に勝てたというのが一番凄いぜジョウタロウは
漫画では二巻使い 頭脳バトルしていたからな 満身創痍で大苦戦したあげく最後のDIO様への
渾身の一撃が最高にイイ
816 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/03(火) 17:40:14 ID:???
続きであります。
817 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/03(火) 17:42:25 ID:???
「御休みのところ失礼致します」
 野太い男の声が豪奢な装飾品で彩られた空間に響く。
「入れ」
 その空間に相応しい王者の風格に満ちた声がそれに応えた。
「失礼致します」
 男は両開きの重いドアノブに手をかけ中に入る。
 傍でアンティークの振り子時計が微塵の狂いもなく規則的に時を刻んでいた。 
「何用だ?ヴァニラ・アイス」
 部屋の中心、艶めかしいシルクのシーツで覆われた木製の
天蓋付きキングサイズベッド。
 その上で邪悪の化身、DIOは半裸の姿で精巧なデザインの
ヴェネチアングラスに注がれた鮮血のように紅い液体を口元に傾けていた。
 天井から垂れ下がった北欧風のシャンデリアの光に照らされたその身体の造形は、
まさに生きた芸術品とも言うべき運命の形をその身に内在した絢爛たる永遠の姿。
 手元には中世の教戒師によって書かれた訓戒録の原本が置かれている。
ヴァニラ・アイスと呼ばれた褐色の肌の大柄な男は足音を立てる事もなく静かに
DIOの傍まで近寄ると忠誠の証しを示すために片膝をつき頭を垂れた。
「ご報告致します、DIO様。花京院 典明が空条 承太郎に戦いを挑み、
そして敗れたそうです」
 ヴァニラ・アイスは短く完潔に己が全存在を捧げた絶対の主に告げた。
 その眼光は強靭な意志によって戦刃のように鋭く強暴に研ぎ澄まされ、
極限まで鍛え上げられ筋肉が膨張したその身体は大腿部が完全に露出した
レザーーウェアとジャケットで覆われていた。
 背に掛かるアッシュブラウンの長い髪、開けた額にハートを象った
サークレットが繋がれている。
 剥き出しの右肩には鏃をモチーフにしたタトゥーが刻まれていた。
 その男の言葉に微塵の動揺も示さずDIOは応える。
818 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/03(火) 17:44:33 ID:???
「ほう。あの花京院がか。私の配下の『スタンド使い』の中でもかなりの
手練だったはずだが」
 本から視線を逸らさずDIOはグラスの中の蠱惑的な香りを放つ紅い液体を口に運ぶ。
「はい。私も耳を疑いました。花京院は生まれついての『スタンド使い』
その経験と技術は第一級のもの、なにより才能がありました。それが数日前
スタンド能力に目覚めたばかりの、『スタンド使い』とも呼べぬ小僧に敗れるとは」
「流石はジョースターの血統といった所か。一筋縄でいかない所は変わっていない」
 ヴァニラ・アイスはそこで初めて顔を上げ、DIOの顔を見た。
「DIO様。畏れながら申し上げます。どうかこの私にジョースター共の
討伐を御命じ下さい。我がスタンドで必ずやジョースターにまつわる全てのものを
根絶やしにして参りましょう」
「だめだ」
 DIOはすげなく告げた。
「DIO様……」
 微かに落胆した声でヴァニラ・アイスは応える。
「お前の他に私の護衛が務まる者がいるのか?お前のスタンドは
我が『世界(ザ・ワールド)』を除けば最強のスタンドだ。そしてそれを操るお前は
最強の『スタンド使い』。戦闘技術や思考は元よりその強靱な精神力がな」
 そのDIOの言葉をヴァニラ・アイスは瞳を閉じて静かに受け止める。
「有り難きそして勿体なきお言葉。しかしこのままジョースター共を
捨て置くわけには……空条 承太郎、放っておけばいずれ恐るべき
『スタンド使い』に成長する可能性が御座います」
「フッ……それはそれでまた見てみたいという気持ちもあるがな」
 王者の余裕を崩さずにDIOは言う。
「しかしDIO様、あの『スタンド使い狩り』
『紅の魔術師(マジシャンズ・レッド)』が空条 承太郎と
接触したという情報も入っております。もし奴らが共闘を組むような事態になれば
少々面倒な事になると思いますが」
 冗談に気づかず生真面目に応じる部下にDIOは笑みを浮かべた。
819 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/03(火) 17:46:04 ID:???
「アイス?お前は忠誠心に厚いが堅物過ぎる所が玉に疵だ」
 心を蕩かす甘く危険な悪魔の微笑を浮かべてDIOは言った。
「申し訳御座いません」
 その誘惑をヴァニラ・アイスはその強靭な精神力で抑え表情を一切崩さず
生真面目に応えた。
「いい。あとそれについては無用の心配だ。すでに手は打ってある」
 そう言ってDIOは本から手を放し顔の前で指先を立てた。
「『スタンド使い』では無理だったのなら、『そうでない者』を使う。
「ヤツ」の王足るその力、存分に示してもらおう。真名『狩人』の名と共にな……」
「まさか、あの者を?」
 心に生まれた嫉妬を精神の力で押さえつけ、ヴァニラ・アイスは言った。
「『スタンド使い狩り』と『フレイムヘイズ狩り』、
狩人(ハンター)対狩人(ハンター)。なかなか面白い戦いになりそうだとは思わないか?
ヴァニラ・アイス」
 DIOの口元に再び悪魔の微笑が浮かんだ。
「はっ。あの者なら必ずやDIO様のご期待に添える事でありましょう」
 ヴァニラ・アイスは努めて平静を装いDIOに答える。
 しかしその内ではドス黒い嫉妬の炎が渦巻いていた。
(良い気になるなよ……フリアグネ……DIO様には深いお考えがあっての事。
決して貴様を信頼しての事ではない。それを忘れるな!)
 ヴァニラ・アイスの琥珀色の瞳に狂信者の炎が燃え上がる。
 それを愉しむように一瞥したDIOはヴェネチアングラスの中の紅い液体を見つめた。
(さて、「あの子」はあれから一体どれくらい成長しているのか?
私の期待を裏切ってくれるなよ。そうでなければわざわざ生かしておいた意味がない)
 グラスの中の紅い液体に、DIOはかつて自分に一矢報いた少女の姿を思い起こし
その紅い瞳に微笑みかけると中の液体を一気に飲み干した。
820 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/03(火) 17:47:51 ID:???


 その日、池に囲まれた空条邸の広い庭での早朝鍛錬の後、檜造りのこれまた
広い浴槽でゆったりと朝風呂につかった空条 シャナ(仮名)は
湯上がりのホコホコ顔でリビングに戻ってきた。
 鍛錬に付き合ったジョセフは情け容赦なく撃ち込まれた木の枝で赤くなった顔を
冷やしたタオルで押さえながらソファーの上でグッタリとしている。
 一応承太郎にもジョセフと一緒に声をかけたのだが、
ドア越しの「かったりぃ」の一言ですげなく却下された。
 シャナが文句を言うと声の代わりに部屋の中からステレオの脇に設置された
スピーカーの大音響が返ってきた。
 HIPHOPの舌を噛みそうなキレのあるリリックに声を掻き消され、
頭にきたシャナは装飾の入った分厚い木製のドアに後ろ廻し蹴りをブチ込んだ。
 ムクれたまま2階の窓から庭へと飛び降り、靴を忘れた事を
承太郎の所為にしながら羊毛でフワフワのスリッパで玄関へと舞い戻り、
そして現在へと至る。
「パパ、シャナちゃん、お疲れさま」
 二人を笑顔で迎えるのは演奏旅行中の夫に代わり現在家の中の全てを取り仕切る、
空条邸事実上の主。
 母性に満ち溢れた女神の美貌、壮年の淑女、空条 ホリィ。 
 手にしている青いトレイには、良く冷えた自家製の
グレープフルーツジュースと同じくホリィお手製のクッキーがキレイに並べられた
花の紋様入りの白い皿が乗せられていた。
 それがソファーの前の大理石製のテーブルに静かに置かれる。
「シャナちゃん。たくさんあるから足りなくなったら遠慮なく言ってね」
 ホリィはそう言ってシャナに笑顔を向けてくる。
 つられて笑いそうになるがそこは抑えて
「うん」
 とシャナは短く答えた。
821 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/03(火) 17:49:54 ID:???
「おいおい、ホリィ。それじゃあ朝食が食べられなくなるじゃろう」
 ジョセフは娘に向かって言う。
「あら、大丈夫よパパ。甘いものは入るところが違うもの。ね?シャナちゃん?」
そう言ってホリィは再びシャナに笑顔を向ける。 
「そうなの?」
 シャナは真顔でホリィに聞き返した。
 どこぞの殺人鬼が聞いたら”質問を質問で返すなぁーーーーーっ!!”
と怒り狂いそうだがそれはまた別の話。
 そのホリィの様子にジョセフは深い溜め息をついた。
 愛娘は昨日から、正確には一昨日前の夜からまるで新しい娘が出来たかの
ように終始上機嫌だ。(ちなみにその日の夕食は晩餐会を彷彿とさせる
豪華絢爛たるものだった)
 確かシャナがジョースター邸に住み着いた最初の頃、妻のスージーも
同じような感じだった。
 血は争えないといったところだろうか?
 ジョセフはいつしかホリィが”男の子もいいけどやっぱり女の子も
欲しかったわねぇ〜”とこぼしていたのを思い出した。
 しかしスージーにしろホリィにしろシャナに対し少々過保護が過ぎる。
 確かにシャナは、その妖精のように可憐な見た目は勿論の事、
誇り高い凛々しい瞳と甘いものを口にした時の幸せそうな表情、
加えて卓抜した知識と判断力、更に妙な所で世慣れない面を見せる点など
色々相まって途轍もなく可愛らしいが、それはそれ、これはこれだ。
 仮にも一家の主であるなら子供の前では威厳のあるところを
示さねばならん責任があるという事がわからんのか、と心の中で愚痴をこぼす。
 そのジョセフの前にシャナがトレイの脇に添えられた一流レストラン並に
磨き込まれた二つのグラスにジュースを注ぎ、一つをジョセフに渡してきた。
「おお、すまんな。シャナ」
 ジョセフはグラスを受け取るとそれを口元に運ぶ。
 シャナもそれに習って二人、朝の陽光に反照する爽やかな香りと味の
淡黄色の液体に喉を鳴らした。
822 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/03(火) 17:51:17 ID:???
「しかしワシも年だのぉ。もう少しいけると思ったがな」
 赤くミミズ腫れになった痕をさすりながらジョセフは言う。
「痛かった?ゴメン」
 ジョセフの真横に座り、承太郎の前では決して見せない心配そうな
顔と素直さでシャナは言う。
「いやいや、訓練にならんから本気で来いと言ったのはワシの方じゃ。
それにこんなもの昔の修行に比べれば痛くも痒くもない」
「ハモンと幽波紋(スタンド)使えば良かったのに、わぷっ!?」
「いやいや、可愛い孫にそんなものは向けられんよ」
 ジョセフはそう言いながらシャナの頭をくしゃくしゃになるほど
撫で回し快活に笑った。
”言ってる事とやってる事が違うじゃあねーか。ボケジジイ”
という承太郎のツッコミが聞こえて来そうな猫可愛がりっぷりだった。
「孫……」
 頭を撫でられながらその言葉にシャナは顔を赤くして俯いた。
 ジョセフはその様子を頬ずりしたい程可愛いと思いながらグラスを口元に運ぶ。
”その暑苦しい髭面ですり寄られる方の身にもなりやがれ。クソジジイ”
という承太郎の声が以下略。 
「ねぇ、ジョセフ」
 顔を赤くしたままシャナはおもむろに切り出した。
「なんじゃ?」
 ジョセフは左手で頭を撫でながら、右手でグラスを口元に運びながら
シャナに視線を向ける。
「一つ、訊きたいことがあるの。昨日自分なりに考えてみたけど、答えは出なかった」
「ほう?君でも解らない事か。果たしてワシに答えられるかのう」
 出会って以来シャナの見かけに似合わない知識の豊富さには驚かされっぱなし
なのでジョセフは少々自嘲気味に顎髭を触った。
 その少女の口からかつて偉大なる「風の戦士」との戦車戦をも制した、
歴戦の波紋使いにも予想だにしえない爆弾が急転直下で投下される。
「キスって、どんな意味があるの?」
823 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/03(火) 17:53:30 ID:???
「!!」
(な!?)
 ジョセフが音を立てて霧状になったジュースを噴き出すとほぼ同時に、
制服の胸元に下げられたアラストールはその強力な自制心を発揮して、
なんとか発声を押し止めた。
(なななななななななななななななな)
 以降は大いに心乱していたが。
 ジュースが気管に入ったのか噎せながらジョセフは波紋の呼吸法
を利用して息を整える。
「これは、また、随分唐突な問いじゃのう」
 口元を手で拭いながらジョセフは言った。最初は承太郎が何か妙な事を
吹き込んだのではないかという懸念が浮かんだが、それは孫の性格上天地が
ひっくり返ってもありえないので考えからは除外された。
 まぁ、その懸念は当たらずとも遠からずといった所だったが。
「あ、ほら、ホリィが何かあるとすぐに承太郎にしてるでしょ?
昨日寝る前にもしてたし、どんな意味があるのかなって」
 自分の隣に腰掛けていたホリィが私?といった表情で自分を指差す。 
 実は本当の理由は別にあったがそれは口に出したくなかった。
 昨日承太郎が自分を慰めてくれたのは嬉しかった。
 承太郎と一緒に花京院を助ける為に共闘したのは楽しかった。
 だから余計に「あの場面」が脳裏に焼き付いて離れない。
 胸の痛みは時が達つ事に強くなっている。
 その所為で昨日はあまりよく寝られなかった。
 その一部始終を傍で見守っていたアラストールは心の中で激しく毒づく。
(むうううう、おのれ『星の白金』空条 承太郎。全く余計な真似をしてくれおって)
 無論、承太郎に疚しい気持ちなど欠片もある筈もなく、「あの場」は『ああする』
しか手がなかったのだが、そんな理屈はいま炎の魔神、天壌の劫火の頭の中からは
紅世の遙か彼方まで吹き飛んでいた。
 アラストールの放った壮絶な呪いを受けて、今2階の自室でリリックとグルーヴの
たゆたうエコーの海の中、現世と夢の狭間で微睡んでいる紅顔の美男子が呻いた……
かどうかは定かではない。
824 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/03(火) 17:54:52 ID:???
「う〜む。どんな意味があるか……か?簡単なようで難しいのう」
 ジョセフは心底困ったという表情でシャナを見る。
 そんなジョセフをシャナはその凛々しい瞳で真剣に見つめる。
(くれぐれも良識的な回答を頼むぞ!我が盟友(とも)
『隠者の紫』ジョセフ・ジョースター!)
 アラストールの強烈な信頼を背負って、ジョセフは静かに口を開いた。
「考えた……という事はそれが『どういうものなのか』知ってはいるのじゃな……?」
 何故か頭に若き頃親友と共に挑んだ『地獄昇柱(ヘルクライム・ピラー)』
の試練を思い浮かべながらジョセフはおそるおそる話を切り出す。
 その顔は冷や汗でいっぱいだ。
 ”こんな時に『アイツ』がいれば代わってもらうのになぁ〜”等と
情けないことも考えていた。
「うん。前に本で読んだ事あるからどんな対人作法かはしってる。
その……見た事もある」
 昨日の光景が脳裏に浮かび、胸がズキンッと痛む。
 すぐさまに目を瞑ってその光景を振り払った。
「ならば小説とかに似たような場面が出ておらんかったか?」
「個人の主観が入っているものは、適格な分析と思索の役に立たない、って
アラストールが言ってたから、重要文献を丸暗記しただけ。考察の対象に
したことない」
 読んだ事があるのなら「それをもう一回読み直してみなさい」と言って話を
切り上げるつもりだったジョセフの目論見はものの見事外れた。
(やれやれ、我が盟友(とも)らしい石頭な教育法じゃのう)
とジョセフは頭の中で苦笑混じりに呟く。 
「では映画とかで見たことは?」
「映画は見たことない」
「そうですか……」
 にべもなく即答するシャナにジョセフは口を開けたまま苦笑する。
 そのまま少女の胸元のアラストールへと視線を送った。
825 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/03(火) 17:56:43 ID:???
(むう?)
 アラストールはジョセフの視線に気づいた。
 いま、己の全てを託した信頼の絆で結ばれた掛け替えのない盟友は、
いま、露骨に苦々しい顔で自分をみている。
 その顔にはっきりと「おとうさん、それはマズイよ」と書いてあった。
(き、貴様!何だその顔は!何故そんな目で我を見る!?我の情操指導に
何か問題があるとでもいうのか!)
 今にも灼熱の炎の衣を纏って顕現しそうな勢いでアラストールは
ジョセフに心の中で怒鳴った。
(う〜む。困ったのぉ。本当に何と言ったものか)
 説明するにも何か取っかかりがないと正確に理解させるのは難しい。
 しかし事が事だけに誤った解釈を与えるのは実に危険だ。
 年頃の少女であるだけに。
 両腕を組んで考え込むジョセフを後目にシャナは質問の相手を変えた。
「ねぇ、ホリィはどうしていつも承太郎にキスするの?」
(それは我も彼奴に嫉妬の情を禁じ得、あ、いや、うむ)
 アラストールは心の中でコホンと咳払いをした。 
 清楚に両手を組んでシャナの隣に座っていたホリィは
少し顔を赤くして困ったように首を傾げた。
「そうねぇ。特にはっきりとした理由はないわねぇ。ただそうしたいから
しているだけで」
 とおっとり答える。
「ふぅん」
 特に理由はない。
 なら自分の胸の痛みもただの気のせいなのだろうか?
 ただ初めて見たから驚いただけで。
「ふむ」
 ジョセフはようやく考えがまとまったのか組んでいた両腕を解いた。
 その瞳に何故か決意めいた光が宿っているのが奇妙ではあったが。
826 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/03(火) 18:00:16 ID:???
「ところでシャナ?君は先程の訓練もそうだが、戦闘の技術(ワザ)を修得しようと
する時、本を読んだだけでそれが即実戦で使用出来ると思うか?」
 突然話題が変わったが何かの喩えだと解したシャナは質問に答える。
「まさか、それで強くなれるなら誰も苦労しないわ。知識は大事だけど
それを戦闘で運用出来るようになるには、実戦を想定した反復練習を何度も
繰り返さないと」
 その言葉にジョセフはいきなり手を打つと、鋼鉄の義手で真っ直ぐシャナを指差した。
「その通りだ!だから今の君の問いもそれと全く同じ!理解するには
百の言葉よりも実際に自分で試してみるのが一番良い!」
(な!?き、貴様!いきなり何を言い出す!?気でも違ったか!
ジョセフ・ジョースター!)
 盟友(とも)の想定外の言葉に胸元のアラストールは大いに憤慨する。
「へ?試すって?私が?誰に?」
 シャナはキョトンとした表情で自分を指差す。
「決まっておるだろう!今2階でスヤスヤ寝とる『我がもう一人の孫に』だ!
今なら誰の邪魔も入らん!殺るなら今がチャンス!」
 そう言ってジョセフは手を逆水平に構えバシッと決めた。
「………………」
「………………」
「………………」
 3者(?)の間に静寂の帳が舞い降りた。
 部屋の中なのに何故か渇いた風が一迅傍らを通り過ぎる。
「そ……そ……!!」
握った拳をブルブル振るわせ羞恥と怒りでシャナの顔がみるみるうちに
噴火寸前の活火山のように真っ赤に染まっていく。
 全身から立ち昇る紅いプレッシャーからは”ゴゴゴゴゴゴ”という
幻聴が聴こえてきそうだ。
827 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/03(火) 18:03:15 ID:???
「君は次に”そんな事出来るわけないでしょ!このブァカ!!”と言う!ハッ!?」
 昔の癖でつい口走ってしまった台詞にジョセフは自分自身が唖然となる。
 そこに間髪入れず
「そんな事出来るわけないでしょッッ!!このブァカぁぁぁぁーーーーーッッ!!」
「はぐおあぁぁッッ!!」
 ジョセフの顎に唸りを上げて迫るシャナの高速の左アッパーが炸裂した。
衝撃でジョセフはソファーの後ろにもんどり打って転がり落ちる。
 色々考えてはみたが結局は良い答えが思いつかなかったので、
ジョセフはお茶を濁して誤魔化す事にした。 
 ジョースター家に伝わる戦闘の思考最終奥義、「逃げる」である。
 ジョセフをKOしたシャナは拳を振り上げたまま心の中で激高する。
(な!?なんで私がアイツにそんな事しなきゃいけないのよ!アイツの所為で
安眠妨害までされてるっていうのに!さっきもせっかく誘ってやったってのに
寝ちゃうし!あんなヤツ大キライ大キライ大キライ!!)
 惨劇の場と化したリビングでホリィだけがあらあらと口元を押さえて笑っていた。
 流石に承太郎の母親だけあってその器の大きさは桁外れのようである。
「訊いた私が間違ってた!ジョセフのバカ!もう知らない!」
 シャナはそう言ってプイッとそっぽを向いた。
(むう……これでまとまったのか?これで良かったのか?取りあえず
当座の危機は去ったようだが。一応身体を張ったその覚悟に敬意を表しておこう。
我が盟友(とも)『隠者の紫』ジョセフ・ジョースター。因果の交叉路でまた逢おう)
 アラストールは背後で死の淵に瀕している掛け替えのない盟友に合掌を送った。
 そこに第三者のクールな声が割り込む。
「おいジジイ……?テメー朝っぱら何やってんだ……?アホか?」
 ソファーの後ろの開いたドアからいつのまにかそこにいた
シャナの葛藤の張本人が、襟元から黄金の鎖が垂れ下がり二本の革のベルトが
交叉して腰に巻き付いた愛用の学ランをバッチリと着こなし、
仄かな麝香を靡かせながら床で仰向けに寝そべるジョセフを
澄んだ視線で見下ろしていた。
828 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/03(火) 18:05:26 ID:???
「ようアラストール。早ぇな」
「うむ」
 短く朝の挨拶を交わし承太郎の怜悧な光の宿るライトグリーンの瞳をみた
アラストールは、
(まぁこの男ならシャナに妙な真似はしないだろう。思いつきすらせんかもしれぬな)
と一人得心した。
「おまえが遅いのよ!バカバカバカ!」
「?」 
 先程の事をすっかり忘れている承太郎にシャナは殊更にキツイ口調で
吐き捨てるとホリィと共に朝食の間へと歩き出す。
「ぐはあっ!?」
 途中でジョセフを踏んづけたが少女は気づかなかった。
 朝から最高に不機嫌なシャナの、その理由がまるで理解不能な為、承太郎は
「やれやれだぜ」
 とプラチナメッキのプレートが嵌め込まれた学帽の鍔を摘んだ。
 その足下で涙に濡れるジョセフは
(シーザー……ワシ……これで良かったよな……?)
 と心の中で呟く。
 しばらく口をきいてもらえないかもしれないが、シャナの為を思えば
致し方ない。
 それが、ジョースターの血統の男。
 それが、何百年にも渡り受け継がれてきた『黄金の精神』
 閉じた瞳の中、最愛の親友は優しく自分に微笑みかけてくれていた。
 ジョセフ・ジョースター。
 かつて「光」「炎」「風」を司る太古の最強種全てに打ち勝ち、
「神」となった究極生物にも見事勝利を掴み取った伝説の男。
 幽波紋(スタンド)は遠隔操作型スタンド『隠者の紫(ハーミット・パープル)』
 フレイムヘイズの少女、『炎髪灼眼の討ち手』怒りの鉄拳のもと儚くここに散る。
 しかしその顔は穏やかであったという。 


←To Be Continued……
829 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/03(火) 18:08:15 ID:???
どもです。取りあえずここまでっッス……('A`)
シャナとジョセフを絡めようと思って書いてたら
何をどうトチ狂ったかラブコメ話になっちまいますた……orz
(しっかりしろオレ……('A`))
しかもこれが今までで一番難しいときた……('A`)
 
あ…ありのまま起こったことを話すぜ……
シャナとジョセフの話を書いていたと思っていたらいつのまにか
ラブコメ展開になっていた……
何を言っているかわからないと思うがオレも何がおきたかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
厨思考だとかオタ属性だとかそんなチャチなもんじゃ断じてなかった…
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……(AA略

すんません。今回はあくまで「繋ぎ」という事で泣きを入れさせてください。
こういう展開が嫌いな方はスルーして下さると有り難いです。
でも何とか形付けようと自分なりに藻掻いてみました。(でもこの体たらく……orz) 本当に書きたい話は次回の分なので今回の分も含めて気合いを入れようと
思います。それではノシ

ps ちなみにオレのSSでは承太郎は『SOUL'd OUT』が好きって事になってます。
『久保田利伸』じゃシャナの声に負けると思ったのでw
多分2階で寝てた時は『VOODOO KINGDOM』でも
聴いてたんでしょうねぇ〜♪←(敵の歌だっつの!)
830マロン名無しさん:2007/04/03(火) 18:11:51 ID:???
GJ!ジョジョシャナのコラボは世界一チイイイイ!! 
831マロン名無しさん:2007/04/03(火) 18:26:45 ID:???
ジョセフとシャナがラブコメだと!?バカな!!
GJ!!!
832マロン名無しさん:2007/04/03(火) 18:50:34 ID:???
ジョセフwwwwwそれはねーよwwwww
こういう展開を待っていたぜッ!
それにしても上手いなあ〜〜〜見習いたいっす。
おまけに速筆ときてこれはもう……神かッ


ソウルドアウトよりヴァニラアイスが先に脳内にかかってしまったのは内緒よン♪
833マロン名無しさん:2007/04/03(火) 19:06:31 ID:???
ヤベェレベル高けぇよ
つーか最初はこのスレ見付けた時はラブコメはないんだろうな、って思ってたから大歓迎ですよw
834マロン名無しさん:2007/04/03(火) 19:10:19 ID:???
自分でハッて言ったら駄目だろジョセフw
GJ!
835マロン名無しさん:2007/04/03(火) 20:32:46 ID:J0OZjeT8
お、おもしれぇ・・・・・・
836 ◆Psycho.t/I :2007/04/03(火) 21:14:26 ID:??? BE:645278494-2BP(0)
>>829まで面白ェェェ!
おまいッすごいよッ!
837マロン名無しさん:2007/04/03(火) 21:40:04 ID:???
GJ!!
これだからこのスレの定期チェックはやめられない!!
ジョセフがめっさ輝いて見えるし、アイスの嫉妬が生々しく出てました。

でも「あれ?エンヤは?」とか、「アラストール、キャラ違うぞ」とか
屁理屈も言ってしまう俺は間違いなく三流プギャ。
838マロン名無しさん:2007/04/03(火) 22:17:58 ID:???
>>829
おもしろい!そういやヴィルヘルミナも出るのかい?
839 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/03(火) 23:06:08 ID:???
何か……
思っていたより概ね好評で戸惑っておりまつ……
(流石に今回ばかりはイタイだのキモイだの叩かれると思った…… )
皆様のレスに心より感謝致します。(リンゴォ風に)
そしてこれからも読んで下さる方が一人でもいる限りガンガろうと思いまつ。

>>838
一応出す予定です。(まだシャナ4巻までしか読んでないけど)
ポルナレフと色々絡ませたいと思います。
その他は未定ですが最後のプロットだけは出来ております。

840マロン名無しさん:2007/04/04(水) 01:57:52 ID:???
ジョセフどんだけシーザーのこと引きずってんだよと思った

だがしかしアラストールかわい杉ワロタ
841マロン名無しさん:2007/04/04(水) 14:11:14 ID:???
たまにはシュトロハイムのことも思い出してあげてください。
842マロン名無しさん :2007/04/04(水) 20:03:46 ID:Y7StuLtv
>>829

 シャナのツンデレっぷりが素晴らしい回でした。
 それにしてもアラストールは人妻好きなんでしょうか? 千草にもやたら好意的だったし……。
843マロン名無しさん:2007/04/04(水) 21:54:10 ID:???
シャナの台詞予測したジョセフに笑太
シャナが苦戦しそうなスタンド使いはやはりアヌビスだろうか?
学習能力が凄すぎるから剣使いは苦戦するよなあ・・。
844マロン名無しさん:2007/04/04(水) 23:32:04 ID:???
>>841
ヒント:ジョセフの中では生死不明
845マロン名無しさん:2007/04/05(木) 11:13:23 ID:???
零時迷子はこの先絡むの?
846マロン名無しさん:2007/04/05(木) 12:27:04 ID:???
ヘカテー達はDIOに従う立場なの?
それとも面識無し?
847 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/05(木) 17:47:39 ID:???
>>845
今の所は絡まない予定です。
この先シャナ読み進んでいけば展開は変わるかも知れませんが。
というか『零時迷子』の機能がいまいちよくわからん……('A`)

>>846
そこはまだ4巻までしか読んでないので、何ともいえない状態ッス。
彼女のキャラが自分の中で白紙の状態なので。
でもシュドナイ達の悪行を見る限り、承太郎にゲンコツ貰いそうな子っぽいですね。
目的の為には手段とか選ばなそう……
一応シュドナイ他2人はDIO様に忠誠(アイスとは違ってあくまで「力」に)
を誓ってて予定ではインドネシア辺りで出てくる予定です。
ソラトとティリエルはシャナと一緒に共闘させて、
シュドナイとはサシでガチに殴り合わせたいですね。
848 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/05(木) 19:54:08 ID:???
間違えたオレのド邸脳……('A`)
インドネシアじゃなくてシンガポールですね。
849マロン名無しさん:2007/04/05(木) 19:58:11 ID:???
九垓天秤の皆さんの出番は流石に無理かな…
ってまだ四巻までしか読んでないんでしたっけか。

関係ないけど悠二と条太郎のコンビてのも見てみたい気がする。
何気に天然策士な悠二ってジョジョ敵に強そうだ。
850マロン名無しさん:2007/04/06(金) 09:28:51 ID:???
ジョジョ四部の早人ポジションになれそうだな
851マロン名無しさん:2007/04/06(金) 14:29:56 ID:???
>>847
零時迷子の効果は夜中の12時になった瞬間に宿主の存在の力の回復するというもの。怪我や疲労も無くなる。
時の事象に干渉する、と言われていることから察するに、宿主の体の時間を戻しているのだと思われ。
宿主は年を取らなくなるっぽい。
852マロン名無しさん:2007/04/06(金) 18:09:04 ID:???
>>851
また、『戒禁』がかけられていたりと危険な代物でもある。
しかし、これを出すと確実に『約束の二人(エンゲージ・リンク)』も絡んでくるので
出さない方が無難かと思われ。
853 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/06(金) 18:36:40 ID:???
>>851
>>852
情報トンクス!でありますノシ

ところでシャナに詳しい方に質問です。
『アラストールの顕現』って何か発動条件みたいなものがあるんですか?
それとも彼が顕現しようとしたら自由に発動できちゃんですか?
今書いてる分の中に承太郎とシャナの会話イベントがあって話題は
「フレイムヘイズ」の事にしようと決めたので気が向いた方レスおながいしまつ。
854マロン名無しさん :2007/04/06(金) 20:31:35 ID:yRXIU4ta
 >>853

 多分、以下の状況が発動条件になっていると思います。

@シャナが死亡する

 通常、フレイムヘイズ側の“紅世の王”が顕現するのは、器であるフレイムヘイズが死亡した時です。その場合は暴走という形で顕現した後、存在の力が尽きて
消え行く運命にあります。ただし、ドレルがシュドナイに殺された時ハルファスの顕現が起こらなかったように、王がそれを望まなければ顕現は起こりません。
その場合、顕現しなかった“紅世の王”は紅世に帰るようです。

Aシャナあるいはアラストールが顕現を望む

 二巻の終盤でマルコシアスが巨大な狼の姿をとって大暴れしていた例があるので、シャナあるいはアラストールが顕現を望めば不可能ではないと思います。
顕現するだけの存在の力は必要になると思いますが。

B天破壌砕を使用する

 アラストールだけが使用できる秘法、天破壌砕。これを使って顕現した場合、アラストールは通常の“紅世の王”を遥かに凌ぐ力を持って顕現できます。
恐らくは、放埓側の“紅世の王”と同じように顕現することも可能になります。原作では使用者の存在の力を使わない代わりに“紅世の徒”を生贄に捧げなければ
なりませんでしたが、アニメ版ではその制約がありませんでした(顕現と天破壌砕をアニメスタッフが混同していたため?)。
使用者はおろか周囲にいた者まで巻き込まれて死亡する恐れが高いという相当危険な秘法ですが、アニメではシャナがアラストールの存在を受け止めきれるだけの
器の持ち主だったということで彼女は死にませんでした。ちなみにその時一緒にいた悠二も火除けの指輪『アズュール』のおかげで無事でした。
 ……『アズュール』便利過ぎでしょう。常識的に考えて。

 長文失礼しました。

855マロン名無しさん:2007/04/06(金) 20:34:14 ID:???
アラストール顕現は可能。ただし、シャナが死んでしまう可能性が極めて高い。 詳細は5巻を読めば分かる。
ちなみに1巻でのトリガーハッピーによる顕現とは別物。アラストールの強さも段違い。
856マロン名無しさん:2007/04/06(金) 20:50:33 ID:???
>854
二巻のマルコシアス顕現は力の暴走による擬似的なものと全テに書いてある。
正真正銘の顕現はいくら双方が望もうと、存在の力が足りていようと不可能だと思う。
フレイムヘイズが死なない限りは。
857 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/06(金) 22:29:01 ID:???
皆様のレスに感謝致します。
アラストールもDIO様に匹敵する位の厨設定ですねw
はっきりいって強すぎ。
でも我らがDIO様はそんな天壌の劫火すらも時を止めて
気化冷凍法無駄無駄ラッシュで爆砕うあなにをするだあせ……バッグオォォン!
858マロン名無しさん:2007/04/06(金) 22:49:20 ID:???
>>854
さらに詳しい補足。
『器』の死亡に伴う紅世の王≠フ顕現は、それ相応の存在の力が必要になるので、アラストール程強いと数秒が限界。
紅世の王が、契約者の死後の顕現の後に死ぬのは、世界に対する誤魔化しである契約者という『器』が無いため。
T巻ではシャナが砕けなかったので、アラストールの顕現も問題なく出来、シャナの中に戻れたと思われ。
ただし、『天破壌砕』の様に他の徒を生贄にする事で、自分の力を使わなくても神としての力を行使できるという機能は無い。
あくまでフリアグネに撃たれる前に残された力での顕現。
859マロン名無しさん:2007/04/07(土) 22:31:43 ID:???
本当に突拍子もなく思ったのですが、
ソラトへの止めをオラオラでさしてほしいと思いました…

妹の兄を思っての犠牲もなんとも思わない下衆っぷりは
承太郎をプッツンさせるには十分すぎるな〜と思いまして…。
なんか勝手言ってすいません。('A`)
860 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/07(土) 23:15:08 ID:???
>>859
確かに……
シャナの敵キャラは承太郎をプッツンさせるヤツが多すぎる……('A`)
取りあえずフリアグネとシュドナイはオラオラ確定でしょうね……('A`)
この調子だとヘカテーとかもそうなんだろうなぁ……
でもまぁ女子供に手を挙げる承太郎はあんまり書きたくないので、そこら辺は
シャナにバッサリやってもらおうと思いまつ。
861マロン名無しさん:2007/04/08(日) 00:49:23 ID:???
シュドナイ……

ポルナレフの串刺しの刑もイイナァ……(つ∀`)
862マロン名無しさん:2007/04/08(日) 00:56:22 ID:???
承太郎に続きDIOもロリ(ヘカテー)に目覚めないか不安だ
863マロン名無しさん:2007/04/08(日) 03:35:49 ID:???
三柱臣は承太郎にボコボコにされそう。教授もボコボコにされそう。棺の織手もボコボコにされそう。
ウコバクもボコボコ(ryアナベルグも(ry
確かにボコられそうなやつ多すぎだなwまあ、教授はうまいこと逃げるだろうが。
864 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/08(日) 07:48:34 ID:???
承太郎は何の罪もない人間を虫けらのように
殺すヤツはどんな理由があろうと絶対許さないという
正義の人ですからね。
でもそこに痺れる憧れ(ry
865マロン名無しさん:2007/04/08(日) 12:30:55 ID:???
866マロン名無しさん:2007/04/08(日) 13:35:22 ID:???
>>862
DIOから見たら女全部ロリじゃね?と思う。

でも逆に考えると、ヘカテーがDIOと同じかそれ以上の年齢でも
おかしくないと考えられる。
867マロン名無しさん:2007/04/08(日) 13:39:46 ID:???
DIOの息子たちの母親の顔を見てみるとDIOってかなり雑食っぽい
自分以外の人間はみんな同じジャガイモ顔に見えるのかも
868マロン名無しさん:2007/04/08(日) 14:08:29 ID:???
多分美人ばっか相手にするうちに別方向も試してみたかったんだろうな。
てことはシャナもヘカテーも……
869 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/08(日) 14:31:48 ID:???
>>868
そ、そんな……
まさかウチのDIO様に限って……
まぁ、>>868ったらいけない(ry
870マロン名無しさん:2007/04/08(日) 14:38:22 ID:???
506 :名無しんぼ@お腹いっぱい :2007/04/08(日) 13:27:41 ID:ED0Nkj360
ttp://www.youtube.com/watch?v=XYNaaO0tukY
ttp://www.youtube.com/watch?v=F10LKbmhDOc&NR
英語版ジョジョ
871マロン名無しさん:2007/04/08(日) 14:48:38 ID:???
>>870
グロ貼ってんじゃねーよ


……イギー!!。・゚・(ノД`)・゚・。

声が合ってるな
3部ではみんな英語を喋ってるだろうからこんな感じなのか
872マロン名無しさん :2007/04/08(日) 17:56:33 ID:???
吉田さんがエジプトまで行ける方法を思いついた

吉田さん+アヌビス神(スタプラ+シャナの戦闘能力学習済み)
873マロン名無しさん:2007/04/08(日) 19:33:03 ID:???
女に暴力を振るわないホル・ホースなら吉田さんでも勝てるよ、多分。
良く考えたらジョースター一行に女性がいたらどうするつもりだったんだろ……?
874マロン名無しさん:2007/04/08(日) 20:27:10 ID:???
たらしこむかティムのようにあぼん
875マロン名無しさん:2007/04/08(日) 21:17:28 ID:???
@jojoで見つけたSOUL’d OUT × 荒木飛呂彦

荒木: (中略)あ……そうだ。今度ぜひ、SOUL'd OUT の曲名をスタンド名にさせてくださいよ。
Shinnosuke: 本当ですか!? それ、すごいうれしいなぁ。
荒木: 何がいいかな……「TOKYO通信」とか?
Diggy-MO': それはいいなぁ。
Shinnosuke: スタンドに日本語が入るのは珍しいですよね。
荒木: でしょう? だれも思いつかない。印象に残りますよね。SOUL'd OUTの曲は印象的なのが多いんだな。


TOKYO通信よりブードゥーキングダムってスタンドで、やって欲しいんだが
それかそのままソウルドアウトとか
876 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/08(日) 22:30:01 ID:???
>>875
ヤベェwww
SBRのDio様の新能力の名前がそれだったら
絶対萌え死ぬwww
Dio様は最後絶対マンハッタンのギャングのボスとして君臨して欲しい♪
877マロン名無しさん:2007/04/09(月) 01:05:16 ID:???
さ、流石にギャグ……だよな?
でも荒木先生の事だから……いやしかし……
878マロン名無しさん:2007/04/09(月) 01:11:07 ID:???
たとえそれがスタンド名に日本語が入ってたと言うことであろうと、
どんな事が起きてもおかしくない。

それが荒木クオリティ…コワイヨ。
879 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 17:37:04 ID:???
;゚д゚)<続きらしいよ Σ(゚Д゚;エーッ!!
880 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 17:40:19 ID:???
 ジョセフを欠いた3人で一つのテーブルにつき朝食をすませた承太郎とシャナは、
ホリィの満面の笑顔に見送られながら学校に行く為空条邸を後にした。
 朝の街路に承太郎のマキシコートのように長いオーダーメイドの学ランと
シャナの綺麗に糊付けされたセーラー服の裾が翻る。 
 昨日の行動をトレースするように互いに無言。
 朝の風に麝香の香水と椿油の洗い髪の匂いが混ざって空間に靡いた。
 そしてちらほらと登校途中の他の生徒が見えだした頃、いきなりシャナが
周囲を警戒、否、威圧し始める。
 今はまだ来ないが昨日のように女生徒達が大挙して自分達に群がってきたなら、
今日はフレイムヘイズ自慢の虹彩を射抜くような鋭い眼光で
追い払ってやろうと考えていた。
(ちょっとでも私たちに近づいたら……殺る!)
 そう強く胸に誓いシャナは全神経を研ぎ澄ますと、周囲360度全てに
己の「殺し」を張り巡らせた。
 隣にいつの間にか居た、雇った覚えのない小さな用心棒の先生の
有り難い(?)その御心には気づかず、護られる立場の当の本人は道を外れて脇に逸れた。
「おまえ?どこに行くの?学校はそっちじゃないわ」
 問いかけるシャナに
「今日は気が乗らねぇ、フケるぜ」
 と短く承太郎は告げ、潰れた学生鞄を脇に抱えたままスボンのポケットに
片手を突っ込んで学校とは正反対の方向に行ってしまった。
「もう!」
 自分の行為が徒労に終わった事に苛立ったシャナは地面を蹴ってその後を追う。
「おい?何付いてきてんだ?「不良」でもないのにサボってるんじゃあないぜ」
 残像を映して自分に追いついてきたシャナに承太郎は視線を合わせずに静かに言う。
「うるさいうるさいうるさい。何の為に私がおまえの傍にいるのか忘れたのッ!」
 そう言ってシャナは承太郎の隣についた。
(むう。此奴、昨日の「あの事」を気に掛けているのか。
自分が接触する事で「あの娘」の記憶が戻る事を……
確かに強引な記憶の操作だった故その可能性は無きにしも在らずだな)
 シャナの胸元で揺れるアラストールは小さく心の中で呟いた。
881 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 17:43:22 ID:???
 再びお互いに無言のまま10分ほど歩き、見えてきた自然公園のベンチに
承太郎は腰を降ろす。シャナも必然的にそれに習った。
 承太郎はベンチにゆったりと背を預け、両腕を縁に大きく広げてもたれかかった。
 身体が大きいのでシャナの座るポジションは必然的に脇の方に移る。
 だがこちらは身体が小さいのそれでも十分過ぎる程のスペースだ。
 足を大股に開いて座る承太郎の横にスカートの中で足を組んで
ちょこんと大人しく座っている。
 承太郎はそのまま黙って空を眺めていた。時折思い出したように煙草を取り出して
火を点けそれが吸い終わると足下で吸い殻を揉み消し、
再び空を眺めながら時折考え込むように俯く。
(こいつ……空見るのが好きなんだ……!)
 シャナは承太郎に自分と同じ嗜好が在った事に驚き、更に少し嬉しくなる。
 つられて自分もその無限へと続く広大な蒼の空間へ視線を移した。
 そして”こいつにならいつか自分の大好きな景色を見せてやっても良いかな……”
と密かに思った。
 空と大地、その水の鏡に同じ色彩が映った特別な景色を。
(喰われそうだな……)
 その水晶のように静謐で気高いライトグリーンの瞳に、広大なスカイブルーの
光景を映しながら承太郎は心の中で呟いた。
 巨大な雲海が形を少しずつ変えながら緩やかに流れていく。
 その今にも落ちてきそうな空の下で承太郎は学帽の鍔で目元を覆い瞳を閉じた。
 シャナは承太郎が微睡みの世界に落ちた事に気づかず、そのままベンチの縁に
両手をついて無言で空を見つめていた。
 そしてしばし、時が流れる。
 公園の花壇に設置された花時計の針は気がつくともう10時を指していた。
 承太郎の足下の吸い殻は既に十本以上になっている。
 沈黙の中シャナがおもむろ口を開いた。 
「さてと、いつまでも此処で空見てても仕方ないし、昼食の買い出しにでも行くわ」
 そう言って鞄を手に取りベンチから腰を浮かせる。
「おう、行ってこい。ついでに煙草も頼むぜ」
 心底無関心な口調で承太郎は両足を大股に開いたまま
両手をレザー製のズボンのポケットに突っ込み、俯いたまま言った。
882 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 17:47:37 ID:???
 シャナが消えるので、この後は久しぶりに雀荘にでも行くか。
それともバカラにするか。午前中からでも酒を飲ませてくれる
BARは近くにあったか。等と健全な不良に相応しい思考に耽っていた
承太郎の襟首がいきなり強い力で掴まれ無理矢理ベンチから引き起こされる。
「!」
 一瞬の浮遊感の後、黒いレザーの某有名ブランド製の靴の踵が
足下のアスファルトの上に接地するのとほぼ同時に
「何言ってるの?おまえも来るのよ」
目の前でシャナが澄ました表情で言った。


 外資系の企業がスポンサーとなって設営された巨大なアメリカン・スーパーマーケット。 
 早朝セールが終わった後なので広い店内は今は閑散としている。
 静かに開いた自動ドアから中に入ったシャナは青い網の目状の買い物カゴを
手に取ると、目の前の生鮮食品には目もくれず、通常の買い物の順路を無視して、
その中心辺りにあるお菓子売り場に向かった。
 その中からスナック類などは度外視してチョコレートのクッキーや
カスタードクリームの入ったマドレーヌなどを手当たり次第に手にして
カゴの中に入れている。 
「………………」
 その様子をしばらく黙って見ていた承太郎は、やがてやれやれと軽い溜め息をつき、
傍にあった冷蔵庫から良く冷えた緑色のビールの缶を取り出して
何本も無造作にカゴの中に放り込んだ。
「真っ昼間からお酒飲むの?おまえ?」
「あまり感心せんな」
 ジト目でこちらを見るシャナとアラストール(?)に、
「不良だからいいんだよ……」
と滅茶苦茶な論法で返す承太郎。
 シャナは脇に設置された冷蔵棚から子供用の甘いコーヒー飲料を取りカゴに入れた。
 承太郎はビニールでくるまれたブルーチーズをクラッカーと一緒にカゴに放り込んだ。
883 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 17:50:02 ID:???
 いつしか大量のお菓子と少量の食品で一杯になった買い物カゴを
ちゃっかり承太郎に持たせたシャナは、最後にレジ近くの棚でパンを選ぶ。
 何故かその視線を釘付けにしているのは、メロンパンだった。
 紅くはないがまるで戦闘中のような真剣な表情で、
何種類もあるメロンパンを、慎重に吟味している。
「………………」
 甘いものが嫌いな承太郎には永遠に理解不能の感情だった。
 そのシャナの真剣さにつられたのか承太郎は何となくメロンパンの
入った袋を一つ手にとり新種の海洋生物でも見るようにしげしげと眺める。
「こんなモンの一体どこが美味ぇんだか?果汁入り、ね……」
 その承太郎の呟きにいきなりシャナが立ち上がって、
胸を張ったままこちらに凛々しい視線をブツけてくる。
 今にも髪と瞳が炎を撒いて変質しそうな勢いだ。
「メロンパンってのは、網目の焼型が付いているからこそのメロンなの!
本物のメロン味なんて、ナンセンスである以上に、邪道だわ!」
 突然の大声と主張に、周囲の買い物客たちからも、おお、と声が漏れる。
「やれやれだぜ……」
 承太郎は学帽の鍔で目元を覆い、苦々しく呟いた。
 結局、厳選の作業には、それから十分の時を要した。


 商品を選び終わり買い物カゴをレジに持っていた時、
シャナが絶妙の間とタイミングで
「今日はありがとう、『お兄ちゃん』」
と言った。
 声色を使い、顔に年相応の無邪気な笑顔を浮かべて(無論演技である)
 その所為で周囲の注目を浴びたので空気的に代金は承太郎が払う事になった。
(このクソガキ……!長生きするぜ……)
 心の中で毒づきながら承太郎はシルクリンクの金色のウォレット・チェーンで
繋がれた、蛇革のパイソンの財布から黒いクレジットカードを取り出して
レジ係の中年女性に渡した。
884 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 17:52:15 ID:???
 日用雑貨からは個人専用のジェット機まで買えるSPW財団特性のものだ。
 ナリは不良でもその風貌と風格は永い歴史を持つ貴族のそれであるので
承太郎がブラックカードを所持している事に特に違和感はない。   
 女性は目を白黒させてカードと承太郎を何度も見たが、剣呑な表情を
崩さない承太郎に気圧されてカードを素早くCAT端末のスリットに通した。
 支払いを終え、備え付けの台の上でそれぞれの品物を店のロゴが
プリントされたビニール袋に入れる。
 承太郎はビールとチーズとクラッカー、それと店内に出店していたS市杜王町を
本店とする某有名店のパンしか買ってないのでものの数秒で作業を完了する。
 シャナは慣れた手つきでお菓子やパンを袋の中に入れているが
その量が膨大に及ぶので全体の作業工程はまだ半分と言った所だ。
「ぼさっとしてないで手伝いなさい」
 荷物持ちに加えて代金まで払わされ、その上に最後の手伝いまで強制される
筋合いは全くないのだが承太郎は昨日の自在法と花京院の件の礼だと割り切って、
この小さな暴君の命令に黙って従った。
「やれやれだぜ……」
という苦々しい呟きは抑えられなかったが。
 店を出るとき互いの手から下げた買い物袋は、何故か自分の買った品物ではなく
相手のものだという奇妙な構図ではあったが、ともあれスタンド使いにも
紅世の徒にも襲われる事なく二人は無事に買い物を完了した。
 さて、次なる問題は「一体どこで食べるか?」という事だった。
 先程の公園でも別に良いのだが二人で居るとただでさえ目立つ上に、
平日の昼間に潰れた学生鞄を持った派手な服装(ナリ)と容姿の男がベンチに
腰掛けて酒を飲んでいたら良識ある御夫人方にまず間違いなく通報されるだろう。
 おまけにその脇には大量のお菓子を抱えた自分と同じくらい目立つ存在感の
美少女が居る。
 警察官に職務質問を受けたら最悪、幼児誘拐だという疑いを掛けられかねない。
 なので承太郎は仕方なく「学校」に向かった。
885 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 17:55:52 ID:???


 ギギ……ギギギギギギ……
 表面の塗装が剥がれた木製のドアが重苦しい音を立てる。
 承太郎とシャナは近々取り壊される予定の木造旧校舎3階、化学実験室に来ていた。
 荒れた外見とは裏腹に中は意外と片づいている。
 埃が綺麗にふき取られ、ゴムチューブで繋がれた錆びたガスバーナーが
二つ並ぶ中型の机の上には海洋生物や遺跡、哲学書などの無数のジャンルの書物が
幾つも無造作に置かれていた。
 元は2,3年の(進学校にありがちな陰湿なタイプの)不良グループが
たむろしていた場所だが偶然迷い込んだ承太郎に、人数と所持していた武器の虚勢と
他の女生徒達からの承太郎に対する人気への嫉妬も相まってよせばいいのに
薄ら笑いと薄汚いガンツケを浮かべながら絡み初め、その後全員まとめて
顎を砕かれその他色々潰されて血祭りに上げられた為、それ以降は
誰も此処には近寄らなくなった。
 なので承太郎が学校での自分専用の個室(というには少々大きすぎるが)に
してしまったのである。
 かったるい体育の授業や無能なボンクラ教師の授業をサボる時には
大概ここに来て、煙草を吸うか本を読むか机の上で寝るかしている。
(サボリ場所の定番、保健室でも別に良いのだが仮病を装って隣で寝よう
とする女生徒達が大挙して押し寄せるのでウットーしいのである)
 ちなみに取り壊しの具体的な日時が決まっていないので一応水や電気も通っている。
 旧式の黒いスイッチを入れると黒カーテンに包まれた空間に灯りが灯った。
 先刻、承太郎とシャナは学園の裏口の高い壁をスタンドと
フレイムヘイズの力を使って軽々と飛び越え、非常用の螺旋階段を
使って非常口からここに侵入した。
 当然、新校舎の方はまだ授業中なので周囲は静寂に包まれている。
 グランドの方からは球技でもやっているのか生徒達の遠い歓声が聞こえてきた。
886 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 17:58:25 ID:???
「やれやれだぜ……」
 と承太郎は呟き、大量の甘さのみを追求したファンタジーにでも出てきそうな
お菓子の山が入っている袋を机の上に置くと背もたれのない年期の入った
直方体型の椅子に腰を下ろしその長い足を組んだ。
 シャナも若干の食品と缶が入った軽い袋を机に置くとその真向かいに座る。
「まさか「学校」とはね。おまえ?教師に見つかったら色々面倒じゃないの?」
「ブッ壊される予定の校舎だから誰もここにはこねーよ。
まぁ来たところでセンコーの一人や二人軽く撫でてやるがな」
と承太郎はシャナに簡潔に答える。
「ふぅん。ま、邪魔が入らないなら私はなんでも良いけどね」
 承太郎はクラシックなタイプの不良なので基本的に彼の生き方のスタンスは
ロックでストイックな反体制である。
 まぁ彼がそうなった理由は肩書きだけの無能教師があまりにも多過ぎた
という事実も多分にあるのだが。
 自分の周囲にいる人間はジョセフやホリィ、祖母であるスージー、
更に齢100歳を越える超高齢にも関わらず女神のような若さと美貌を誇る
『最強の波紋使い』曾祖母エリザベス等あまりにも偉大過ぎる人物が
多過ぎるので、どうしても肩書きだけで無能のくせに知ったふうな講釈を垂れ、
そのくせイジメや差別等を見て見ぬフリをしているサラリーマン教師が
どうしようもないただのアホにみえるのである。
 承太郎は袋から緑色のビールの缶を、シャナはイチゴミルクの缶を取り出し
無論乾杯などはせずにタブを捻ってそれぞれの口元に運んだ。
 一息で半分以上飲み干した承太郎は、袋からブルーチーズを取り出し
机の上に放られていた刃渡り15pの良く磨かれたジャックナイフで
ビニールを切り裂きそれをまな板代わりにしてチーズを切り、ナイフの先端に
それを刺して口に運ぶ。何度か噛んで独特の味と香りを楽しんだあと、
クラッカーの袋を破り数枚まとめて口の中に放り込んで一緒に咀嚼した。
 そのまま後を追うようにビールの缶を手にして残りを一気に呷る。
 淡い吐息が短く承太郎の形の良い口唇の隙間から漏れた。
 シャナはメロンパンを取り出して袋を開け、両手で持ってぱくついた。
 相当に美味しいのか顔が綻び容姿が見かけ通りの年齢に戻る。
887 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 18:01:45 ID:???
 承太郎は2つ目のビールの缶を手に取り、袋からはビニールに包まれ
金色の紐で先端を結ばれたホットドッグを取り出した。
 紐を解き本体に囓りつくと先程と同じようにビールの缶を口に運ぶ。
「?」
 小気味よく承太郎の喉を通り過ぎる泡立つ黄金色の液体の音にシャナが反応した。
 綺麗な焦げ目がついたソーセージに露で濡れたレタスとスライスされたオニオンが
挟まれたホッドドッグに囓りつきながらあんまり美味しそうに喉を鳴らしているので、
なんとなく興味が湧いたシャナは承太郎の袋の中から緑の缶を一つ手に取りタブを捻る。
「おい?」
「こら……」
 剣呑な視線を自分に送る承太郎とその行為を窘めるアラストールを
無視して蓋の開いた缶を口元に運ぶ。
 その直後。
「ーーーーーーーーーーーッッ!!!!????」
 今だかつて経験した事のない途轍もない苦さと筆舌につくし難い異様な味。
鼻に抜ける発酵した麦の匂いと口内を流法の如く暴れ回る刺激に中身を吹き出したい
という欲求が耐え難く迫り上がってくる。
 が、そこは誇り高きフレイムヘイズ、炎髪灼眼の討ち手。
 顔をしかめ目元をいっぱいの涙で滲ませながら、口の中の液体を無理矢理嚥下する。
 小さな喉が液体の通り抜ける音と共に微かに動いた。
「くはァッ……!!ハァ……ハァ……」
 ある意味DIOとの戦い以上の死闘になんとか勝利した少女は、
心に溜まった憤懣やるかたない幾つもの感情を
八つ当たり気味に(最も完全な八つ当たりだが)承太郎にブツけた。
「スッッゴクスッッゴクマッッッズイッ!!信じらんないッッ!おまえ!
よくこんなもの平気な顔して飲めるわねッ!」
 目元に涙を浮かべたまま真っ赤になって抗議の声を上げるシャナに承太郎は
「ガキに酒の味は解らねーよ」
と目を閉じ缶を口元に運んだまま普通に返す。
 ”天道宮”時代のシャナの養育係がみたら
「ご自身の失態の結果であります」
と評しそうな、いっそ清々しいくらいの逆ギレっぷりだった。
888 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 18:05:21 ID:???
 目元の涙を拭いムクれたまま口直しにシャナは袋からチョコスティックの
入った箱を取り出す。
 そのシャナの前にそれとは別の箱が差し出された。
「……?」
「酒は口に合わなかったみてーだな?ならこっちはどうだ?試してみな」
 承太郎が表情を変えないまま袋に最後に残ったボックスのサンドイッチ
を取り出して目の前に突き出していた。
 半透明の容器の中に、白いパンに挟まれた綺麗に揚がったチキンカツ、
照りのある焼き色の付いたローストビーフ、艶めかしい色彩の
スモークサーモン等がバリエーション豊かに並んでいる。
 特に断る理由もないのでシャナは左端のカツサンドを手に取って口に運んだ。
「……!?」
 柔らかいパンの感触にこんがりと揚がった香ばしい衣が調和し、特製の
ソースが脂の乗った肉と歯応えが良い野菜に絡みついてパンと融和する。
 久しぶりに(初めて?)甘い物以外に美味しさを感じ、
「お」
 と思わず本音が口を付いて出そうになるが、そこは誇り高き(天の邪鬼なとも言う)
フレイムヘイズ、炎髪灼眼の討ち手。
「ま、まあまあねッ!」
 そっぽを向いて残りを口に運んだ。
 ちゃっかり左手で2切れ目を取りながら。
 承太郎はホットドッグの残った切れ端を口に放り込むとそのまま2本目を
飲みきってしまう。袋の中の新しい缶に手を伸ばす前に承太郎はシャナの目の前で
放置されている中身が殆ど減っていないタブの開いた缶を手に取った。
「あ……ちょ、ちょっと」
 その緑の缶を口元に運ぼうとしていた承太郎をシャナの声が制する。
「アン?」
 承太郎は缶を口に持っていく仕草のままでシャナを見る。
「その……だ、だから……」
 そう言ってシャナは口籠もる。
 口の中で何かごにょごにょ言っているが言葉になっていないので判別不能だ。
 しきりに承太郎の色素の薄い口唇と開いた缶の飲み口を気にしていた。
889 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 18:08:42 ID:???
「やれやれだぜ……」
 その意図を解した承太郎が目を閉じて静かに呟くと、
その背後でスタンド、スタープラチナが音も無く背後から出現した。
 そして人差し指を立て厳かに構えると、
「オラァッ!」
 掛け声と共にその指先が鋭く缶の底辺部を刺し貫いた。
 あまりの速さとキレに中の液体も一瞬反応が遅れ、凹凸が全くない綺麗な円状の
空洞から泡立つ黄金色の液体が湧き水のように流れ落ちる。
 承太郎はその放物線の下で口を開くと、所謂ショットガン方式で
喉を鳴らしながらその液体を一滴残らず全て飲み干す。
 そして中身が全て無くなった缶を手で潰すと微かな音を立ててシャナの目の前に置いた。
「これでいいんだろ?」
 件の如く剣呑な瞳でシャナを見る承太郎。
「う、うん……」
 力無く頷いたシャナを一瞥すると承太郎は袋からまた新しい缶を取り出した。
 そのまましばし無言のままお互いの食事に専念する。
 何故か2つ目のメロンパンを口に運ぶシャナの手つきは辿々しかった。
「よぉ?」
「ひゃわッ!ななな、なに!?何か用!?」
 ビールの缶を口に運びながらおもむろに口を開いた承太郎にシャナが過敏に反応する。
「オメーが属してるとかいう戦闘組織……その”フレイムヘイズ”っつーのは
一体何なんだ?」
「な、何でいきなりそんな事聞くの?」
 まだ動揺が収まらないシャナが聞き返す。
 どこぞの殺人鬼が訊いたのなら”質問を質問で”以下略。
「さぁな。ただ何となく興味が湧いただけだ。ジョースターの血統の男は昔から
妙な事に首を突っ込みたがる性質があるようでな。オレもその血を引いてるって事だろ……」
 ビールの缶を口元に運びながら承太郎は他人事のように言った。
890 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 18:11:10 ID:???
「ま、言いたくねぇんなら無理には聞かねーがよ」
 そう言いながら4本目を空にすると承太郎は制服の内ポケットから
赤い煙草のパッケージを取り出し、中から一本引き抜いて口に銜えると
ジッポライターで火を点けた。
 端正な口唇の隙間から紫煙が細く吐き出される。
 シャナは煙草は味(無論未経験故の独断)も匂いも死ぬほど嫌いだが、
何故か承太郎が吸っている仕草には嫌悪感が湧かない。
 未成年が煙草を吸うのは堕落した行為の筈だが、承太郎の煙草を吸う仕草は
不自然なほど自然に感じられた。
 なのでシャナは素直に問われた質問に答える。
「“紅世の徒”によって世界が歪んでしまうのを防ぐために“徒”と戦う者達。
世界の歪みを憂い、同族を倒す決意をした“紅世の王”をその身に宿す事によって
不老の肉体を持ち、死ぬまで”紅世の徒”との戦いを続ける使命を負った者」
 胸に手を当てて動揺を抑えたシャナは可能な限り簡潔に
”フレイムヘイズ”の概念を承太郎に説明する。
 承太郎はその説明を鋭敏な頭脳で即座に呑みくだすと、口唇の端に
煙草を銜えたままでシャナに聞き返す。
「その中の一人がオメーか。シャナ」
「そう」
(…………)
 承太郎は灰皿代わりのビールの空き缶に煙草の灰を慣れた手つきで落とす。
「”王”を『その身に宿す』っつーことは、そのペンダントはアラストールの「本体」
じゃあねーのか?」
 それにはシャナの代わりにアラストールが答える。
「うむ。これはこの子の内に蔵された”紅世の徒”たる我、その意思だけをこの世に
顕現させる、”コキュートス”という神器だ」
 承太郎は二本目の煙草に火を点けながら静かに呟く。
「コキュートス……嘆きの川、氷縛の巨人、か……なかなか洒落が利いてんな……
炎の魔神さんよ……」
 承太郎は細く紫煙を吹きながらアラストールに言う。
「博識だな。貴様」
 アラストールは承太郎の年齢に似合わない造詣の深さに素直に感嘆の意を示す。
891 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 18:13:45 ID:???
「別に。サボって暇つぶしに読んだ古典の受け売りだ」
(ダンテの『神曲』……第九圏……裏切者の地獄……)
 承太郎の呟きに昔アラストールに内緒で”天道宮”の書庫で読んだ
古典文学の原本の事をシャナは思い出した。
 承太郎の自分に匹敵する知識の量にシャナはワクワクする気持ちを押し隠しながら、
出来るだけ平淡な声でアラストールの説明を補足する。
「つまりアラストール本人は契約者である私の中にいて、
このペンダントはその意思を表に出す仕掛けってことよ」
「契約者……ね……それで王と契約した者が特殊能力を持った
”フレイムヘイズ”になるってわけか」
 ビールの空き缶の中に煙草の吸い殻を捨てる承太郎にシャナは
「その通りよ」
と言って思わずニッコリ微笑みそうになるが、そこは強靭な意志で言葉と表情を押し込める。
「じゃあオメーは元は人間なのか?シャナ?」
 剣呑な瞳で自分を見てくる承太郎にシャナはキョトンと返す。
「何だと思ってたのよ?」
「紅ぇ目と髪のうるせーガキ」
「こ、こいつ!」
 シャナは握った拳を振り上げた。
「冗談だ」
 承太郎は再び袋から取り出したビールの缶のタブを捻りながら
落ち着いた声でシャナを押し止めた。
「まぁ大体の所は解ったぜ。要するにシャナ、オメーが「本体」で
アラストールが「スタンド」みてーなもんだな」
 そう言って承太郎は緑の缶の中身を呷る。
 そこにシャナの怒声が
「ぜッッッんぜん違う!」
と轟いた。
892 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 18:16:12 ID:???
 あながち間違いではない独特な解釈なのだが、シャナはそこは強く否定する。
 そしてアラストールが承太郎の結論に付け足した。
「まぁ、この子はフレイムヘイズの中でも少々異質な存在でな。
フレイムヘイズの大半は紅世の徒に恨みを持ち、「復讐」を
戦いの動機と目的とする者が多いのだがこの子は違う」
「ほう。じゃあこいつの「家族」とかは別にあのバケモン共に喰い殺されたって
わけじゃあねーんだな?」
「家族」と言う言葉にシャナの小さな肩がピクッと反応する。
 その反応が少々過剰だったので失言だと判断した承太郎は、
「あぁ、そいつぁオレの知った事じゃあねー話だな。わりーが忘れてくれ」
と静かに自分の言葉を取り消した。
(此奴……)
 承太郎の仁の情に心の中でほんの少しだけ笑みを浮かべたアラストールは
厳かに話を続ける。
「この子は幼き頃からフレイムヘイズになるべくして養成された子。
”在るべくして在る者”とでも今は言っておこう」
 そのアラストールの言葉に承太郎はビールの缶を口に運びながら静かに言った。
「”在るべくして在る”、ね。オメーらしいな。シャナ」
 そう言って剣呑な視線を向けてくる承太郎にシャナは
「な!?お、お、お、おまえなんかに私の何が解るっていうのよッ!」
 予期せぬ言葉に紅潮させて怒鳴る。
「さぁな。会ったのはほんの2日前だがオメーが悪いヤツか
そうじゃあねーか位は解る。悪いヤツならわざわざ身体張ってバケモン共と
戦おうとはしねーだろ。ガキで女のくせによ」
 間接的にだが”お前は良いヤツだ”と言われた事にシャナは心の底から
嬉しかったが口から出る言葉は何故かそれとは裏腹なものになってしまう。
「うるさいうるさいうるさい!ガキっていうな!」
「ガキはガキじゃあねーか。嫌なら”お嬢ちゃん”とでも呼んでやろうか?」
「うるさいうるさいうるさい!もっとイヤッ!」
 一瞬、承太郎の甘い声でそう呼ばれる事を想像してしまったシャナは
再び頬を紅潮させて否定した。
893 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 18:19:00 ID:???
「やれやれわがままなヤローだ」
 そう言いながら承太郎はビールの缶を口に運んだ。
 終始承太郎のペースに乗せられたまま会話が終了してしまい、面白くないシャナは
捨て台詞のようにそっぽを向いて言った。
「おまえに私たち”フレイムヘイズ”の事は解らないわよッ」
「オメーにもオレ達『スタンド使い』の事ぁ解らねー」
「………………」
「………………」
 折り重なった二つの言葉。 
 振り向いた自分を剣呑な瞳で見ている承太郎。
 そして奇妙な沈黙。
「ククッ」
「フッ……」 
 その事にシャナは思わず吹き出し、承太郎の口元にも微かな微笑が浮かんだ。
 そのとき。
 世界が裏返ったかのような異様な体感が二人の身体を貫いた。
「!!」
「!?」
 弾かれるように二人で同時に窓へと向かって飛び出す。 
 窓の手前で勢いよく停止したシャナの脇で承太郎が両手で黒のカーテンを
掴み引き裂くように左右に開いた。
 黒カーテンの開けた先。 
 薄白い炎が奇怪な紋様を浮かべながら承太郎とシャナの頭上でドーム状に広がっていた。
 いつか見た光景。
 悪夢と絶望への地獄門。
 因果孤立空間、”封絶”
 それが新校舎を中心に学園全体を覆っていた。
894 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 18:21:36 ID:???
「来やがったな……!」
 歯をギリッと食いしばった承太郎の碧眼に決意の光が宿る。
 同時にシャナの髪と瞳が炎髪灼眼に変わりその紅い虹彩の奧に使命の
炎が燃え上がった。
 華奢な身体を黒衣が舐めるように足下から迫り上がり絡まり合って
その身を覆っていく。
 そして全身から鳳凰の羽ばたきのように火の粉を振り撒くと、
勇ましいその声で開戦の始まりを宣言した。
「さあッ!始めるわよ!承太郎!」
「上等だッ!行くぜッ!シャナ!」
 承太郎は猛る闘争心を言葉で吐き出し、そしてその背後から
流星を司る『幽波紋(スタンド)』、『星の白金(スタープラチナ)』が
勢いよくその長い鬣を揺らして白金色の燐光を放ちながら高速出現する。
「オラオラオラオラオラオラオラァァァァァッッ!!」
 すぐさまに繰り出されたスタープラチナの音速の多重連撃が
目の前の窓硝子を粉々にブチ破り、衝撃でミクロン単位にまで爆散したガラスが
煌めきながら余波で空中へと舞い踊る。
 素早く窓の珊へ同時に足を掛けた承太郎とシャナは、学ランと黒衣の裾を
靡かせながら砕けたガラスのシャワーの舞うキラメキの中、スタープラチナの放つ
白金の燐光と炎髪の撒く真紅の火の粉を一緒に振り捲きながら共に
空中へと舞い上がった。


←To Be Continued……
895 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/09(月) 18:23:29 ID:???
ここまでッス。
ダメだ。
やっぱシャナの方の展開になるとどうしても話がラブコメっぽくなる……orz
そしてそのラブコメから最も遠い位置にいるのが
我が愛しの聖杯(クラウン)空条 承太郎。
この水と油をどう調理するかがこれからの難題だと思いまつ。
まぁ、ぶっちゃけオレの腕が足らないだけなんだけどね……('A`)
兎に角、悠二みたくはならないよう、承太郎はクールに男らしく描写していこうと
思います。(別に悠二が悪いと言ってるわけではない)
まぁ、熱いときはメチャ熱いけどね彼(承太郎)……
なんとく浮かんでるヴィジョンは『バオー来訪者』の「育朗」と「スミレ」みたいな
関係ですかね。
あとシャナが承太郎に惹かれていくのはストーリーの進行上
ある程度しょうがないのかなぁ……('A`)
そりゃあれだけカッコよければ女キャラなら誰でも惚れる……('A`)
でもそれだとツンデレじゃなくてデレデレになる恐れがある(承太郎に欠点がないので)
オレとしては「恋人」というよりも「戦友」みたいなカンジで書きたいのですが。
まぁ色々課題はありますが一つ一つクリアしていこうと思いまつ。
取りあえず承太郎とシャナの買い物シーンが書けて良かった。
それではノシ

PS 相も変わらずの承太郎マンセーは作者の仕様です。
”好きなキャラはとことん補正掛けて持ち上げる”
それがオレのSS哲学。文句あっか?うあなにをするだあせ(ry)
あと良い子の住人の方々は解っていると思いますがお酒は二十歳に
なってから><しかも午前中から飲むのはお勧めできません。
それをやっていいのは承太郎とDIO様だけです><
896マロン名無しさん:2007/04/09(月) 19:14:21 ID:???
いつもながらgjです。

>「恋人」というよりも「戦友」みたいなカンジ

俺は萌えよりも燃えを求めてるので、この方が良いと思うな。
承太郎の場合、恋人よりも戦友のポジション方が絆が深い感じがするし。
897マロン名無しさん:2007/04/09(月) 20:44:52 ID:???
GJ!
な、なんだこの新感覚のシチュエーションは…。
そして次回はついにお待ちかねのバトルですなウヒヒ。
898マロン名無しさん:2007/04/09(月) 21:00:11 ID:???
どうしてもラブコメに引きずられるようならいっその事、
悠二かそれに類するキャラを用意して恋愛はそっちに任せるのも手かもね。
承太郎はそれを見守るお兄さん的ポジションで。

個人的には現状の承太郎×シャナ展開も好きだけど、確かに承太郎にラブコメは似合わんもんなー。
899マロン名無しさん:2007/04/09(月) 21:13:32 ID:???
GJなんだが…

>空洞から泡立つ黄金色の液体が湧き水のように流れ落ちる。
>承太郎はその放物線の下で口を開くと、所謂ショットガン方式で
>喉を鳴らしながらその液体を一滴残らず全て飲み干す。

(;^ω^)アバ茶おいしいお

ごめん忘れて
900マロン名無しさん:2007/04/09(月) 21:27:06 ID:???
今回モ楽しめマシタ GJ!もーこのスレのチェック日課でつ・・・
901マロン名無しさん:2007/04/09(月) 22:51:45 ID:???
GJッス!
次回は狩人の登場ですね。ガンガレ!
902マロン名無しさん:2007/04/10(火) 15:46:32 ID:???
ラブコメも好きだしバトルも好きなので、そこは職人にお任せしたいが
「今にも落ちてきそうな空の下で」のフレーズで湧いた感慨を返せ!>>899!!
903マロン名無しさん:2007/04/10(火) 17:37:11 ID:???
>>898
>個人的には現状の承太郎×シャナ展開も好きだけど、確かに承太郎にラブコメは似合わんもんなー。


だがそれがいい。…悠二=オラオラですかぁですよ、でも…
康一くんなら承太郎も許すだろう。アレ由花子さんどうかしたんですグヘェ(ry
904 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/10(火) 18:19:35 ID:???
皆様のレスに心より感謝致します(クルッ、バタムッ!!)
オレなんかのSSでも応援してもらえると本当に力がでます(イヤ、マジで)
承太郎にラブコメ展開が似合わないっていうのが今の所のネックですが、
そこは彼のキャラが壊れないように慎重に書こうと思います。
にしても、シャナの事は本当にどう思ってるんですかね?彼?
どうやら嫌いじゃあないみたいですけど……
作者にも解りません!!><

あとシャナが承太郎に惚れて惚れて困る……('A`)
ケンカの一つもさせたいのですが、シャナの言うことは
全部彼が流しちゃうのでどうしてもそういう方向に持っていけないんですよねぇ。
何か冷たくすると泣くし(シャナ)……('A`)
っていうかそもそも女の子にそういう事しないし(承太郎)……('A`)
なんか何言ってるか意味不明になってきたので今宵は此処までにしとう御座います。
では。ノシ
905マロン名無しさん:2007/04/10(火) 20:52:22 ID:???
>>904
つ祭りの惨劇を参考にすると良いよ
906マロン名無しさん:2007/04/10(火) 21:05:45 ID:???
>>899
その描写だけだと、承太郎がシャナの黄金水をお召しなっているようだ。
907 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/10(火) 22:51:22 ID:???
やっぱそう思う……('A`)
オレも書いててこの描写ある意味スッゴクヤバイいんじゃあないかと思った……('A`)
でも違う!ビール!ビールなのッ!
そんな事言う>>899>>906なんてキライッ!
まぁオレの腕が拙いのが悪いんだけどね……('A`)
908マロン名無しさん :2007/04/11(水) 14:55:35 ID:57n7WTqk
確かに承太郎にラブコメは似合わないさ
だがそれがいい
909マロン名無しさん:2007/04/11(水) 16:11:16 ID:???
毎度おもしろいです!承太郎にはシャナの兄のようなポジションで居て欲しいな。
910マロン名無しさん:2007/04/11(水) 21:23:01 ID:???
シャナと承太郎はブリーチの一護とルキアみたいなポジションか
恋人ではなく信頼しあえるパートナーなら
911マロン名無しさん:2007/04/11(水) 21:39:25 ID:???
あるとしても父や兄に対する思慕に近いと思う。ほら、ジョリーンもツンデレだったし。
しかし承太郎がいるとアラストールがキャラ食われt(自主規制
912マロン名無しさん:2007/04/11(水) 22:07:24 ID:???
第三部のOVA見たが承太郎がかっこよすぎw花京院死ぬところには泣けた。

シャナって以外にポルナレフと仲良くなれるんじゃね?
913 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/11(水) 22:31:52 ID:???
>>912
シャナとポルナレフは色々絡ませたいですねぇ。
まぁ、喧嘩友達みたいな関係になるんでしょうけどw

ポ「シャッターボタンのように君の心も押して、押しまくりたいなぁ〜♪」
承太郎「やれやれだぜ……」
シャナ「バカッ!」

のようなカンジでw
914マロン名無しさん:2007/04/11(水) 23:09:34 ID:???
ポルナレフはそんなロリじゃないです
915 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/11(水) 23:13:30 ID:???
>>914
ちゃうちゃうw
承太郎を逆ナンしてきた女性観光客に対する
「やかましい!」の後のポルナレフの女性観光客に
対する応対。
ちなみにジョジョ14巻。
916マロン名無しさん:2007/04/11(水) 23:18:18 ID:???
そういえば承太郎が劇中で「やれやれだぜ」と言ったのは、
それが最初じゃありませんでした?
917マロン名無しさん:2007/04/12(木) 12:21:17 ID:???
つーかスタンドとは別に波紋覚えさせないと、
承太郎はここのDIOには勝てないんじゃないの?
918マロン名無しさん:2007/04/12(木) 12:42:37 ID:???
火葬できないか?
919マロン名無しさん:2007/04/12(木) 17:06:10 ID:???
基本的にポルナレフは誰とでも仲が良い
920マロン名無しさん:2007/04/12(木) 18:42:14 ID:???
悠二を出してシャナとの恋愛方面を任せるのを希望。
零時迷子や戒禁についての設定は変えればなんとかなるかと。
戒禁から入りますが、無意識での戒禁強制発動による攻撃・吸収が、蔵した宝具の効果と誤認してる設定に。零時迷子本来の効果は強制発動の不具合で発揮されないか、効果が小さくなっている設定に。

シャナや承太郎との出会いは、新たに街に現れた気配を探るが避けられ続けたシャナが癇癪起こして張った封絶の中で対峙するが、和解し協力関係になる。
この場合の悠二はある程度の戦歴を持った戦士とゆう位地付けで。

ただ希望するだけの奴の戯れ言だとして無視しても構いませんよ。
921マロン名無しさん:2007/04/12(木) 19:10:45 ID:???
作者に任せるしかないな
だが個人的には裕二はいらない
シャナの片思いで、承太郎はあくまで戦友と進展しない、その後はご想像にお任せします終わらせれば恋愛展開嫌いな人も納得するんでね?
922マロン名無しさん:2007/04/12(木) 19:25:03 ID:???
承太郎には徐倫がいてほしいから
シャナと・・・ってのは個人的には嫌だな

戦友としてなら大歓迎だ
923マロン名無しさん:2007/04/12(木) 19:27:41 ID:???
作者任せなら仕方ない。
恋愛展開無しでもいいがあの3人の掛け合いは見たいな。
キツい物言いをするシャナ、それを聞いて言い返す悠二、それを傍観しながら呆れ顔の承太郎。
番外編とかならあり得るかな?
924マロン名無しさん:2007/04/12(木) 20:05:13 ID:???
ぶっちゃけて言えば、他のフレイムヘイズとジョナサンの絡みも見てみたい。
シャナはアニメしか見てないからよく分からんがな。
925マロン名無しさん:2007/04/12(木) 20:32:12 ID:???
>>921
ほぼ同意悠二 (゚听)イラネ 。だが、承厨な俺としては承太郎ともっと絡んで欲しい
終わり方はやっぱセイバールート的な笑顔で別れる爽やかなのが
三部的に、また二人にとっても、最も似合うと思うね。
926マロン名無しさん:2007/04/12(木) 20:48:33 ID:???
悠二は要らないかなぁ
適度に絡んで戦友として仲良くなって欲しい
927マロン名無しさん:2007/04/12(木) 20:51:23 ID:???
悠二はアブドゥルと組ませればOK
928マロン名無しさん:2007/04/12(木) 21:05:06 ID:???
>>927
ヴァニラ・アイスとかと組ませようぜ。悠二は敵側の方が絶対面白そうだし
それにシャナさんがいるのでアヴさんはどうやら潜水艦を
買ってきてくれるだけの親切な石油王なチョイキャラになってそうなんでねw
929マロン名無しさん:2007/04/12(木) 21:11:04 ID:???
あの屈強な面々に悠二いてもなぁ、活躍の場面ないし。

930マロン名無しさん:2007/04/12(木) 21:16:47 ID:???
ヌケサクと悠二がチェンジか?
931マロン名無しさん:2007/04/12(木) 21:30:24 ID:???
>>925
余りこの板で型月の話題出さないほうが良いべ
932 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/12(木) 21:37:15 ID:???
作者です。
カラオケハウスで飲んだ(大量の)赤ワインの所為で今の今まで寝てますた……orz
スマソ……('A`)
取りあえず悠二を出す予定は今のところありません。
悠二のキャラにイラついて「もっと男らしくしろよッッ!」と思いながら
書いたのがこのSSなので……('A`)
シャナが承太郎に惹かれていく描写が気にくわないという人はスルーして戴けると幸いです。
一応自分のSSのテーマの一つに『スタンド使い』と”フレイムヘイズ”との
「恋」をテーマにすると面白そうだというのがあるので。

あくまで『パラレルワールド』の話なのでジョジョ、シャナ共に原作とはわけて考えて戴けると嬉しいです。
あと、オレのSSのシャナは原作の『シャナ』ではなく『空条 シャナ』なので
キャラも性格も全く別人でつ。
そう考えて戴けない方は、読んでもムカつくだけだと思うのでもう見ない方が良い思います。

……何か結構キツい事言ってる気がしますがすいません。
こういう風にしか言えないし、SSも自分が「正しい」と思った風にしか書けないんです。
でも、それが「フザけんな!!」という人がたくさんいて、
応援してくれる人が一人も居なくなったらしかたありません。
書くのを止めようと思います。
以上……かな……

PS カラオケで歌ってきたけど『VOODOO KINGDOM』難しすぎ!><
  あとイメージ映像にガンギレ。DIO様の御歌なのになんか
  フツーのサラリーマンとか映ってたし!
  テメーの一体ドコがDIO様だ!マジザケんなッ!!
  あと本人映像が探してもなかった事に更にマジギレ。
  以上チラ裏ですた。  
933926:2007/04/12(木) 22:00:28 ID:???
>>931
すっかり忘れてたorzここはマロンだもんなスマソ
>>932
悠二のキャラにイラついて「もっと男らしくしろよッッ!」と思いながら書いた
(・∀・)人(・∀・)ナカーマ
悠二好きには悪いが俺は嫌いなんだ。なんであんなのをシャナが好きになったんだか…
SSの承太郎なら惚れるのも頷けるんだがな、まぁ人それぞれってことで





俺的に鳴海孝之と同列の存在 それが悠二
934マロン名無しさん:2007/04/12(木) 22:10:35 ID:???
>>932
とんっ〜〜〜〜〜〜・・・・・・でもないッ!!
ホンットいつも楽しみにしてます!!
これからもガンガってください!!
(ぁとオリもSOUL'd OUT好きだなぁ〜、ジョジョ読みながら聞くバナナスプリットとか最高ぉ・・・知ってます?(笑
935マロン名無しさん:2007/04/12(木) 22:35:11 ID:???
>>934
To All Tha Dreamersとか
四部のエピローグとかの時に脳内で流してるわw
936マロン名無しさん:2007/04/12(木) 22:41:03 ID:???
>>932
考えを言ってくれたのでこちらは退こうと思います。
作品は良い出来なのでこれからも執筆頑張って下さい。
937マロン名無しさん:2007/04/12(木) 23:03:06 ID:???
>>932
俺も悠二はどうも軟弱者イメージが強くて好きではなかったw
あなたが独自に書くシナリオが好きなんで、これからも頑張ってください。
938マロン名無しさん:2007/04/12(木) 23:03:37 ID:???
>>935
合うよね〜〜・・・JOJOとSOUL'd OUT(とぉ〜い目)
939マロン名無しさん:2007/04/12(木) 23:11:37 ID:???
>>932
俺は貴方の書くストーリーが好きなんでいつまでも応援しますぜ

ところれこのストーリーはシャナの世界をジョジョの世界とミックスして、悠二の存在を承太郎に置き換えたifストーリーだと捉えておkなんだろうか
940マロン名無しさん:2007/04/12(木) 23:16:52 ID:???
少なくとも私はそう受け取っております。
で、◆u68XLQ0lCU 氏はジョジョ重視のストーリー、(ラスボスがDIO)
で、◆Ea0R8d6UQA 氏はシャナ重視のストーリー(ラスボスが三柱臣?)
と言った感覚でしょうか。
941マロン名無しさん:2007/04/12(木) 23:36:33 ID:???
ゆうじはゆうじでも、このスレに合うゆうじは勇次郎しかいないっしょ。
ジョジョとシャナとバキ。
見事に合う気がするのは俺だけか?
942マロン名無しさん:2007/04/12(木) 23:44:20 ID:???
オーガにシャナが種付けされるのか
943マロン名無しさん:2007/04/12(木) 23:44:28 ID:???
悠二はヘタレだが、そのヘタレが恐怖と戦いながら成長してゆく様は好きかな
なんつーかポップ系というか横島系というか。
11巻以降だととてもヘタレとは呼べなくなってきてるし。
最新刊に至っては成長しすぎてアレになっちゃったけどw
944マロン名無しさん:2007/04/13(金) 15:54:12 ID:???
トーキングヘッドとかジェイルロックハウスを食らったシャナが見てみたい13日の金曜日
945マロン名無しさん:2007/04/13(金) 17:39:35 ID:???
>>944
>ジェイルロックハウス
ジェイル・ハウス・ロックだ。
946マロン名無しさん:2007/04/13(金) 17:53:16 ID:???
>>944
二度と間違えるなーーっ!
ですか?
947マロン名無しさん:2007/04/13(金) 20:27:00 ID:???
>>944

シャナ
「ジョルノ!2+2は5よッ!3×3は8ッ!
 わかる?おまえなら私の言いたいことわかるでしょ!?
 サメは植物!富士山は世界一高い山!私は男!マージョリーも男!
 トリッシュも男!メロンパンは空を飛んで今日の天気は雨が降ってるわ!
 メロンパンの色は黒!雪も黒!私の髪も黒……の時もあるわッ!」

ジョルノ「シャナ……キミ、大丈夫ですか?」

シャナ「うるさいうるさい大丈夫に決まってるでしょ!! ……違う!違う!違うッ!」
948マロン名無しさん:2007/04/13(金) 20:47:14 ID:???
ヤバイ萌えてきたw
ジョルノとシャナも意外といいかもな
949マロン名無しさん:2007/04/13(金) 22:07:59 ID:???
終わりのないのが『終わり』
それが『零時迷子』
950マロン名無しさん:2007/04/13(金) 22:59:16 ID:???
ジョルノ「同じことを何度も言わなきゃならないってのはそいつの頭が悪いからです」
シャナ「っ!うるさいうるさいうるさい!」
ジョルノ「無駄だから嫌いなんだそういうのは…無駄無駄無駄」
シャナ「うるさいうるさいうるさいうるさい!!」
ジョルノ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」
シャナ「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!」
アバッキオ「…………」

ジョロ ジョロ ジョロン

シャ・ジョ「!!!」
アバッキオ 「まあ二人とも…落ち着いて…お茶でも飲んで……話でもしようや……」
951 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/13(金) 23:30:54 ID:???
そろそろスレ落ちるッスね。
投下は次スレになるのかな?
あと次の話は今までよりちょっと遅れると思いまつ。
最近遊びまくっててあんまり書いてないんでww
なんとか来週中には投下出来るようにガンガリまつ。
ではノシ
952 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/13(金) 23:44:04 ID:???
肝心な事を忘れてたオレのド低脳……('A`)
上で応援してくれた方に心より感謝致します。
光の道の加護があらん事を……
オレは自分が一番面白いと思うようにしかSSを書けないので
時には読んで下さる方の期待を裏切ってしまうかもしれませんが
(吉田さん然り、スタプラハイパー化然り)
もうここまで書いてしまったからには何とか最後の
DIO様との決戦まで描き切ろうとおもいます。(ヘタレの覚悟だからあんまアテにはうわなにを(ry)
それではノシ(2回目)
953マロン名無しさん:2007/04/14(土) 00:29:11 ID:???
>>950
アバ茶吹いた
954マロン名無しさん:2007/04/14(土) 03:31:00 ID:???
>>952
了解、いつまでもまってるぜ
だがアバ茶はほどほどに
955マロン名無しさん:2007/04/14(土) 09:03:40 ID:???
>>950
ちょっち待てwジョルノが飲んでもGEで大丈夫だが…
シャナが飲んだら…アラストールに浄化してもらえばおk!
956 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/14(土) 10:15:17 ID:???
>>955
というかその前にお父さん(アラストール)に焼き殺されるだろアバが……
うはwwwジョジョ第五部オワタ\(^o^)/
957マロン名無しさん:2007/04/14(土) 20:48:25 ID:???
本当に突拍子もなく申し訳ないのですが
原作版「灼眼のシャナ」4巻を読んだ方に質問を。

悠二がシュドナイを騙すために「天目一個」と
名乗ったシーン(挿絵あり)の話なんですが、
これを承太郎に脳内変換した時に・・・。








完全にジョジョ立ちになってるのは俺だけでしょうか・・・?

958マロン名無しさん:2007/04/14(土) 20:57:49 ID:???
ジョジョなんだからジョジョ立ちすんのはあたりまえだろ
959 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/14(土) 21:07:22 ID:???
>>957
オレのSSでは、承太郎は悠二のようにシュドナイを騙す必要がないので、
というか橋の上のシーンに行くまでの過程で、シュドナイの悪行にもう完全に
キレかかってると想うので、二人銜え煙草のまま接近して
そのままガチでタイマンという流れにしようかなと思っておりまつ。


承太郎  「テメーは許さねぇ……刻む……!!」
シュドナイ「フン、やってみるがいい。たかが人間風情がッ!」
960マロン名無しさん:2007/04/14(土) 21:26:46 ID:???
今後の流れは、

フリアグネ戦⇒旅立ち⇒グレーフライ(タワーオブグレー)戦⇒

ポルナレフ戦⇒マージョリー戦⇒偽キャップテン・テニール

(ダークブルームーン)戦⇒フォーエバー(ストレングス)戦⇒

呪いのデーボ(エボニーデビル)⇒ソラト・ティリエル兄妹&シュドナイ戦

と言ったところでしょうか?
961マロン名無しさん:2007/04/14(土) 21:52:22 ID:???
家出少女vsシャナか
962マロン名無しさん:2007/04/14(土) 21:58:06 ID:???
ソラトの事だからむしろスタンドの方欲しがりそうだな
963マロン名無しさん:2007/04/14(土) 22:12:32 ID:???
楽すぃむぃ〜〜
964 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/14(土) 23:16:28 ID:???
>>960
概ねそんなカンジッスねぇ〜。
偽キャプテン戦はカットして「力(ストレングス)」に行こうと
思ってますが。
『暗青の月(ダークブルー・ムーン』は姐さんの異名とかにしようと
思いまつ。
ヴィルヘルミナは〜ラヴァーズとかになるのかなぁ。(良いアイデア浮かんだ人は書いてみて)
あとエボニーデビルと戦うのはシャナになると思います。

>>961
家出少女は出ないと思います。(特に思い入れがあるキャラでもないので)

>>962
なんか十二分に有り得そうッスね……('A`)
ティリエルも「お待ちなさぁい”ミステス”」とか言いながら承太郎を追ってきそう。
個人的にソラトは自分が悪だと気づいていない最もドス黒いうあなにを(ry
965マロン名無しさん:2007/04/14(土) 23:22:28 ID:???
てことはもうアブドゥルは出ないのか・・・
966マロン名無しさん:2007/04/14(土) 23:26:00 ID:???
>>964
え・・。
偽キャプテンを嵌めるシーンを見たシャナをずっと
楽しみにしていたのに・・・。


でもダメならダメでいいっす。
967マロン名無しさん:2007/04/14(土) 23:45:43 ID:???
アブドゥルの最後みたくシャナが死んだら俺はたぶん発狂する。
968マロン名無しさん:2007/04/15(日) 00:15:59 ID:???
悠二と出会ったのがシャナではなく、フレイムヘイズとなったアブさん。
しかも、アラストール付きだった場合の展開が面白そうだと思うのは俺だけ?
969マロン名無しさん:2007/04/15(日) 00:19:31 ID:???
シュドナイもヘカテーのためってのがあるから死ぬ間際の最後は通じるものがあるかもね
970マロン名無しさん:2007/04/15(日) 00:40:51 ID:???
>968アブドゥルのキャラがシャナだとギャグにしか見えない
971マロン名無しさん:2007/04/15(日) 00:46:18 ID:???
アブさんと悠二のシリアスな話は想像が着かないのか。
972 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/15(日) 00:51:40 ID:???
>>967
それは流石に無いと思いますが。
一応ポジション的にはアブさんの場所ですが
あくまでアブさんじゃなくて「シャナ」なので。
あとポルナレフは当初は殺す予定でしたが
ヴィルヘルミナの存在をしってからは徐々に予定と変わってきています。

何度も言いますが両原作とは「別物」のド素人が書くパラレルワールドを舞台にした
ヘタレSSなので原作で死ぬ筈のないキャラが死んだり
死ぬ筈のキャラが生きていたり、存在するはずのない能力をあるキャラが
持っていたり、原作と繋がらないラストになったりするかもしれませんが
それら全て含めて作者の仕様です。
悪しからず。

でもこっちが好き勝手に書いてる分、当たり前のことながら読んで下さる皆様が
叩くなり貶すなりするのは自由です。
「つまんねーだよ!テメーの小説!氏ね!止めろ!」
くらい言われる「覚悟」は毎回背負って投下してます。
ガクブルもんでね……('A`)
973マロン名無しさん:2007/04/15(日) 01:11:09 ID:???
>968
974マロン名無しさん:2007/04/15(日) 01:12:47 ID:???
>973書き込み途中で送信してスマヌ
975マロン名無しさん:2007/04/15(日) 01:21:47 ID:???
>>972
でもそれが楽しすぃ(ry
976 ◆CR2IDhbEVw :2007/04/15(日) 01:28:38 ID:???
つまりどんなエンドを迎えてもおかしくはないと言う事ですね。
身の回りの物事に整理がついたら以前言ってた第五部のIFストーリー書きます。
考えられる未来の中で、承太郎、シャナ、ポルナレフ、ヴィルヘルミナが生存と言う設定で、
一番需要がありそうな戦友エンドを迎えて12年後・・。

と言う設定で。こちらも好き勝手描きますよ。もしかしたらフーゴも加えて
全員が裏切るかもしれないし、ミスタが死んで、ナランチャが生きるかもしれないし、

教授がDIOを蘇らせるストーリーかもしれないし・・・。未定です。
977マロン名無しさん:2007/04/15(日) 01:45:58 ID:???
バックミュージックに「Get Back」が流れながらバン!で互いに背を向けて別れられるようなラストならどんなものでも構わない
978 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/15(日) 19:34:04 ID:???
>>939
亀レスですいませんが、シャナの世界観ではそう考えて戴いて結構だと思います。
オレのSSでは悠二の立場に居るのが承太郎なのでシャナが彼(承太郎)に惹かれていくのは
やはりある程度は仕方がないと想うのです。
取りあえずそこは原作沿って於かないと、話が破綻して恐ろしく不自然な展開になったり、
先に進まずに詰まってしまったりのです(結局のオレの腕がヘタ(ry)
後、自分の傍に承太郎クラスの魅力的な男性が居て、その人が自分を護ってくれたり
力になってくれたりした場合、その男性に少女が恋愛感情を抱く事は至極自然な事とも
考えます。

あと、勢いついでに言ってしまいますがハッキリ言ってオレ「悠二」が嫌いです(好きな方すいません人それぞ(ry)
原作を読んでいて「貴様!なんでココでそんな行動を取る!?」「そんな台詞を言う!?」
「男ならもっとビシッと決めんか痴れ者がぁ〜〜〜〜!!」
というツッコミを何度心の中で叫んだ事か……('A`) (その所為で拒絶反応が起き、どうしてもシャナを読み進めるのが滞る)
なのでカッコイイ男(オレ的に)をシャナの世界のキャラと絡ませてみたいというのが
今のSSを書く強い動機になっています。
なのでオレのSSは本当にシャナの原作が好きな方、悠二が好きな方、
あとジョジョの世界観を大事にしたい方等にはあまりお勧め出来ません。
なので不愉快な想いをする前に読むのを停止した方が良いと思います。
長文になってしまいましたが、何だかんだでこれからもガンガろうと
思ったので自分のSSに関する考えみたいなものを書いてみました。
それではノシ
979マロン名無しさん:2007/04/15(日) 20:32:03 ID:???
しかしここまでシャナとジョジョの相性が良いとは思わなかった
異能モノだが全然違うと感じていたけどそれがこうなるとはgj
980マロン名無しさん:2007/04/15(日) 20:33:35 ID:???
むしろジョジョが異能系の基本みたいなものだから
981マロン名無しさん:2007/04/15(日) 20:38:28 ID:???
醤油みてーなもんか
982マロン名無しさん:2007/04/15(日) 20:42:58 ID:???
むしろソース
983マロン名無しさん:2007/04/15(日) 20:45:55 ID:???
そろそろ次スレか
984マロン名無しさん:2007/04/15(日) 20:56:53 ID:???
ジョジョ厨のオナニースレ発見
985マロン名無しさん:2007/04/15(日) 21:26:59 ID:???
お前はどっかの刑務所のトム・クルーズ似の看守だな
986マロン名無しさん:2007/04/15(日) 21:27:37 ID:???
次スレまだぁ〜?
987マロン名無しさん:2007/04/15(日) 23:13:23 ID:???
次スレはテンプレにまとめサイトも入れた方がいいんじゃね?
988マロン名無しさん:2007/04/16(月) 01:31:36 ID:???
>>978
最新刊の悠二はカッコよかったと思う。心も体も随分と成長した。
だから頑張って読んでくれ。
989マロン名無しさん:2007/04/16(月) 05:25:07 ID:???
うーん、確かに悠二については最新刊まで読んでから判断して欲しいかも。
(いや、別に作者さんを批判するつもりはないですよ)
実は俺も最初は奴が嫌いだったけど、途中から好きになったってか徐々に成長して行く姿が好ましくなっていった口だし。
ま、最後まで読んでそれでも悠二が嫌いって人も居るし、それはそれで全然構わないんだけど、
どちらにせよ悠二ってキャラは成長過程が売りだと思うから、最後まで読まないとそのキャラの価値は解らないと思うんだよな。
990マロン名無しさん:2007/04/16(月) 06:09:00 ID:???
990なら1000は◆u68XLQ0lCUになる
991マロン名無しさん:2007/04/16(月) 12:06:24 ID:???
作者が意見をはっきり示してくれてる訳だし、引き下がるべきだと思うが

>>978
亀レスでもありがてーです

>オレのSSでは悠二の立場に居るのが承太郎なのでシャナが彼(承太郎)に惹かれていくのは
>やはりある程度は仕方がないと想うのです。
それがifストーリーの面白いところだぜフゥハァハァー
992マロン名無しさん:2007/04/16(月) 17:36:57 ID:???
次スレ立てといた
ジョジョとシャナの奇妙な冒険 メロンパン三個目 で検索ヨロ
ってことで埋め開始
993 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/16(月) 17:40:58 ID:???
>>990
オイオイ、良いのかよ?
本気にするぜww
994マロン名無しさん:2007/04/16(月) 19:23:02 ID:???
よし踏み台作るぜ!!1!
995マロン名無しさん:2007/04/16(月) 20:59:47 ID:???
995ならレロレロ
996マロン名無しさん:2007/04/16(月) 21:41:51 ID:???
>>996はクールに去るぜ
997マロン名無しさん:2007/04/16(月) 21:59:51 ID:???
な、何をするだァーッ!ゆるさんッ!!!
998 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/16(月) 22:06:48 ID:???
もうすぐ1000だ。
覚悟はあるか?オレは出来てる。
999 ◆CR2IDhbEVw :2007/04/16(月) 22:09:01 ID:???
>>999スレ経過!ロードローラーだっ!!
1000 ◆u68XLQ0lCU :2007/04/16(月) 22:09:04 ID:???
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァーーーーーーッッ!!
10011001
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