(o^v^o) ぱにぽに de 学級崩壊 (*゚∀゚*)8日目

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1マロン名無しさん
このスレはいじめやエログロなど、ぱにぽに及び関連作品のダークな話をするスレッドです。
不快感を覚えたり、キャラクターのイメージを損なう表現がある可能性がありますが、ご了解の上でご覧下さい。
殺伐とするのは作品だけにして仲良くしましょう。

【書き手の方へ】
ぱにぽにのダークな話であれば必ずしも学級崩壊にこだわらなくても結構です。
ただし露骨な性描写はまとめサイト収録時に修正されることがあります。
内容によってはエロパロスレへの投稿を検討してみて下さい。
なお、最初に「人死に・グロ・エロ」の有無を書いておくと喜ばれます。

【まとめサイト】
ttp://www.pphoukai-matome.com/

【前スレ】
(o^v^o) ぱにぽに de 学級崩壊 (*゚∀゚*)7日目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1166358660/
2マロン名無しさん:2007/04/21(土) 22:01:00 ID:RFTfdlJp
【関連スレ】
ぱにぽにエロパロスレッド6時間目  (21禁です)
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1161175457/

ぱにぽにだっしゅ! ハァハァスレ
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1120494001/

ぱにぽにサッカー
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1138623205/

ぱにぽにで1番かわいいの決めちまおうぜ
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1145874599/

ぱにぽに強さ議論スレ4
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1173312981/

ぱにぽに黙示録カイジ
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1150091764/

こちらスネーク、桃月学園に潜入した!2
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1158475275/
3マロン名無しさん:2007/04/21(土) 23:01:13 ID:???
>1乙
4マロン名無しさん:2007/04/22(日) 03:27:14 ID:???
>>1乙
5マロン名無しさん:2007/04/22(日) 12:52:43 ID:???
新スレ立て乙
6マロン名無しさん:2007/04/22(日) 15:09:11 ID:UDdhPsPq
あげとくお
7マロン名無しさん:2007/04/22(日) 21:03:31 ID:???
乙です
8マロン名無しさん:2007/04/24(火) 08:45:45 ID:???
新スレ保守
9マロン名無しさん:2007/04/25(水) 16:10:14 ID:???
保守
10Pani Poni HAZARD :2007/04/26(木) 23:36:02 ID:6zg/DZGo
保守ついでにあげときます
PCがぶっ壊れるとかもうやってられん
そろそろ投下しようかと思ってるので自分のこと覚えてた人は
待っててくれると嬉しいです、忘れてた人はなんとか思い出してください


11マロン名無しさん:2007/04/27(金) 02:44:01 ID:???
>>10
待ってます。
もう全裸でも寒くないし。
12マロン名無しさん:2007/04/28(土) 11:01:21 ID:???
保守
新作、前スレからの続きまだカナ?
13マロン名無しさん:2007/04/28(土) 11:33:45 ID:???
がんばります
14マロン名無しさん:2007/04/29(日) 08:59:50 ID:???
ganbarimasu...
15桃月コンフィデンシャル:2007/04/29(日) 20:44:08 ID:???
<4>

 都は予備校での講義を終えると、家路に就くために外を歩き始めた。駅までものの五分、いつもと同じ帰り道だった。
すっかり夜は進行し、街は人工灯の装いに活気付いていた。
味気ない喧騒が至る所で弾けるように生まれ、名も無い街の彷徨者たちは力なくその渦に巻き込まれる。都はその上を無関心の態度で滑っていく。

 駅の構内に入りかけたところで不意に後ろから声を掛けられた。
その日は存分に疲れきっていた都は、気怠げに声の方に振り向いたが、その段ではその声が誰のものであったか咄嗟には判別できていなかった。
だが、やがて眠たげな目の焦点が背後に満面の笑みで佇む懐かしい少女の姿に合わせられると、都はわずかな驚きとともに言葉と動きを失った。
 少女はくたびれた藍色のパーカーを上着に羽織り、棒切れのように細い、口の締まった薄色のジーンズを穿いていた。
膝小僧の布地が擦り切れていたが、それがそういう加工のものなのか、それとも疲弊のために破けてしまったのか、一目見ただけでは容易には判断がつきかねた。
肌の色は黒ずんでいて、不健康な艶が頬の上に乗っている。全体を見渡してもみすぼらしい、擦り切れた襤褸のような風体を思わせたが、殊にその目はくたびれ方が顕著であった。
まるで元気の無い、疲れきった様で、それにも関わらず無理して笑顔を作ろうとするので、痛ましいほどに哀れを誘うのである。

 彼女は――片桐姫子は、たった一人でそこに立っていた。
車道を背にして、ちっぽけなその身体を何とか立ち上がらせているような様子だった。都は無表情のまま彼女の顔を眺めていたが、やがてふてくされたように息を吐いた。
それはため息というにはあまりにも感情が無く、呼吸というにはあまりにも味気ないものだった。
「姫子じゃない。久しぶりね」
疲れを帯びた声で気怠げに口を開いた。本当はどうでもいいという声だった。
「久しぶり、都ちゃん。学校の帰り?随分遅いね」
「塾に行ってたのよ」
姫子はしばらく考えるようにして頭をもたげていたが、やがて都の方に近づきながら答えた。
「そっか。来年は受験生だもんね。最近どう?元気?」
都の少し手前で姫子は足を止めた。ポケットに両手を突っ込んだまま、背をひどく丸めている。
16桃月コンフィデンシャル:2007/04/29(日) 20:46:23 ID:???
「まあまあってところよ。あんたはどうなの?随分潮垂れてるみたいじゃない」
「そんな風に見えるかなぁ?私は何とか頑張ってやってるよ。他のみんなはどう?ベッキーとか元気にやってる?」
「宮本先生は最近随分おとなしくなったわよ。他のみんなもまぁそれなりに……」
 都は素っ気なく答えたが、姫子はそれを聞きながら、突然吹き出すようにして笑い声を立てた。
都は無表情のままその様子を眺め、首を傾げて訝しいふりをして見せた。
「何がそんなにおかしいのよ」
「だって、"宮本先生"なんて。なんか変なんだもん」
 姫子の態度にわずかばかりの苛立ちを覚え、都は言葉を浪費するのも億劫だといった口調で鋭く言い放った。
「みんな変わったのよ」
 姫子の笑い声が止んだ。都は相変わらず表情を変えなかった。
「……そっか。そうだよね。もう帰るの?」
「ええ、そのつもりよ。あんたはこれからどうするつもりなの」
「私もお仕事終わりで帰るところ。とっても疲れたよ」
「何の仕事だったかしら?」
「ウェイトレスだよ。ファミレスのね。ようやく仕事にも慣れてきたってところかな。いまだにお皿を割っちゃうんだけどね」
「ふうん。日勤なの?」
「週末は夜勤もあるよ。私は眠くて仕方が無くってさ。家に帰ったらもうわき目もふらずにバタンキューだよ。仕事って本当に大変だね。
お金を稼ぐってことが生半可じゃないってことがわかったよ」
「そうなの」
 都は逃げる機会を失って困惑し始めた。姫子は以前ほど饒舌ではなかったが、それでも話し出すと止まらないタイプの女だった。
心身に疲労が溜まっている状態では、相手にするのが面倒で仕方がない。
それでも彼女を振り切って逃げ出せるラインを既に通り過ぎていたことは明らかだった。
相手に振り回されるのは都の持って生まれた性格だった。どんなに冷徹非情を装っても、どんなに自助努力と独立心を主張しても、彼女はNOという言葉をどうしても言い切れない。
「ねぇ、都ちゃん」
「何よ」
「ちょっとだけ付き合ってもらえないかな」
「早く帰りたいんだけど」
都が言葉を濁らせるのにもお構い無しに、姫子は彼女の手を掴んだ。
「いろいろ話がしたいの。お願い」
17桃月コンフィデンシャル:2007/04/29(日) 20:48:41 ID:???
 姫子に手を曳かれるまま、都はやむなくその後についていった。
その手を振り払うだけの気力がそもそも残っていなかったし、久しぶりに会った友人の誘いを易々と断って気まずい思いをしたまま眠りにつきたくなかったからだ。

 二人はやがて誰もいない公園にやってきた。街の明かりが覆い被さるような植樹の影によって見えなくなっている。
かわりに公園の中に一本だけぽつんと立つ水銀灯の青白い強烈な光によって、二人はお互いの生気の無い肌色を見ることができた。
 公園の真ん中辺りまで手を引っ張ったところで、姫子は振り返って都の顔を眺めた。
都は無関心を装いながらその当惑を密かにした。
「玲ちゃんの話、聞いた?」
 姫子は唐突に口を開いた。
「玲?何かあったの」
「うん、聞いた話なんだけどね、最近玲ちゃん、病院に通っているって」
「病院?」
「そう。その、なんというか……薬物依存症の治療室だって。あの事件の後、もっとやばいクスリに手を出しちゃったみたいなの。
どうやら"冷たいの"みたいなんだけど、何かがマズくなって病院に駆け込んだらしいって。最近の玲ちゃん、そっちの筋の人とも付き合いがあるっていういやな噂も聞いたし、何か心配で」
「懲りてないのね、あの馬鹿は」
 都の冷たい一言に姫子は一瞬、非難がましい眼差しをあげたが、すぐに顔色を暗くして俯いてしまった。
「そうだよね。みんな馬鹿だよね。大馬鹿者だよね……あんなことが起きたっていうのに、全然自分の罪の実感がついてこないんだもん。本当に、どうしようもない馬鹿だよ」
「わかっているのならいいじゃない。あんたは私にどうさせたいわけ?慰めてもらいたいの?優しい言葉でもかけてもらいたいの?
私は今のあんたのことなんかどうとも思っちゃいないし、正直に言えばどうでもいいの。玲の事だって、私には関係ない。知ったこっちゃないわ」
 姫子の瞳がきらりと輝いた。涙の潤いがいっぱいに溜まっている。
都は心底嫌気がさして頭をもたげた。
「ごめん……ごめんね、都ちゃん」
「謝られる筋合いなんかないわ。あんたはもううちの学校の生徒じゃないし、私はもう赤の他人だからね。泣きたきゃ一人で泣きなさい、私を巻き込んで不愉快にさせようとするのはよしてよ」
18桃月コンフィデンシャル:2007/04/29(日) 20:50:24 ID:???
「本当にごめんなさい……あの事件のこと、6号さんや桃瀬君のことを怒っているんじゃないかって」
「あんたなんかに怒りをぶつけて何になるのよ。起こってしまったことはもうどうしようもないし、泣きごと言ったり謝ったりすればどうにかなるような問題じゃないでしょ?
大体、桃瀬君のことはあんたには関係ないでしょ。訳知り顔で首を突っ込むのはよして」
「でも、都ちゃん、落ち込んでいるんじゃないかって」
「あんたみたいな人間のクズに同情されるのは甚だ迷惑よ。自分の行動がどんな結果になるのかも予測を立てずに、好き勝手やって結局身動きがとれなくなって全部御破算にさせちゃうのよ。
周りの人間のことなんか考えず、辺りにあるもの構わず一緒に腐らせてしまう。それでもなお自分だけが周りから大切にされてしかるべきだと思って振舞っている。
そんないい加減なやり方しかできないような人間なんか――」
都が捲くし立てる途中で、ついに姫子は声を上げて泣き出した。
顔をくしゃくしゃにして、喉の奥から嗚咽を溢す。
 都は咳払いをして心を落ち着けると、さっと身体を翻した。
「とにかく、もう私は行くわ。今度街で見かけても、もう声をかけないでよね」
「待って、都ちゃん!」
姫子の大声に都は立ち去ろうとするのを制された。
「私のこと……」
「何よ」
「何でもない。ごめんね、引き止めちゃって」
姫子は俯いた。髪の毛が目を覆い、その表情をいっそう暗く見せる。
「くだらないわ。全部、何もかも」
そう言い捨てると、都は歩き出した。街の夜の闇に向かって、ひっそりと。

 「そういえば」
背後で姫子が呟く。
「何?まだ何かあるの」
「ちょっと巷に聞いた話なんだけどね、学校に関してよくない噂があるみたいなんだよ」
「噂?」
都の足が止まった。このところ耳に聞く噂にはろくなものがない。
19桃月コンフィデンシャル:2007/04/29(日) 20:51:14 ID:???
ここまで

>まとめサイト様

修正、どうもありがとうございました
20マロン名無しさん:2007/04/29(日) 23:05:22 ID:???
>>19

久々に正統派学級崩壊SSの予感
21マロン名無しさん:2007/04/30(月) 04:41:27 ID:???
>19
Otsu, GJ!
Confidential san, kongo mo kitai shite masu yo!
22今月のGFを読んで:2007/04/30(月) 23:12:52 ID:???
エロありグロあり人死にありです。
NHKで黄色いバカンス絶賛放送中。

いつもよりさらに趣味に走りました……
23今月のGFを読んで:2007/04/30(月) 23:14:21 ID:???
【む】 無惨! コンクリート詰めで餓死させられたちびっこ天才教師!
【け】 毛虫のように全身に針を突き立てられたベホイミの死体
【し】 硝酸に一年間漬け込んで熟成させたメディア
【み】 都殺戮遊戯

【その1】

 ドクロ仮面の上から無理矢理バケツを被せたら圧力で頭蓋骨が砕け、脳損傷でベホイミは死んだ。
「わ、私のせいじゃないですからねっ!」
 怪力でバケツに押し込んだメイドは当然責任の大部分を担っているだろうに逃げたのでマジカルシュート。
 そして未来は恋の終わりを感じたのだった。
 だが未来の人生は今始まったばかりなのだ。
「きっと新しい出会いもあるデスよ。例えば隣に浮かんでるキュートなオオサンショウウオとか……」
「……うん、そうだね…… 雅ちゃんのお兄さんもかっこいいし……」
「あと隣に浮かんでるイケてるオオサンショウウオとか」
「麻生先生の妹になりたいな……服もおそろいにしたりして」
「あと隣に浮かんでる角がかわいいオオサンショウウオとか」
 サラマンダーの肩を誰かが叩いた。振り向くとそこにはメソウサが立っていたのだった。
24今月のGFを読んで:2007/04/30(月) 23:15:43 ID:???
【その2】

「とおりゃあ!」
 空気を震わせるやや間の抜けた気合と共に最強の手刀が振り下ろされる。鈴音の最終奥義『鈴音チョップ』である。
 全てを切り裂く閃光の剣は南条のスカートの中から伸びた太い尾を切り裂いた、かに見えた。
『まあ……痛いですわね』
 切断面がブツブツと盛り上がったかと思うと、鋭い牙が飛び出して口になり、ドラゴンの頭になり、チョップの炸裂から一秒も経たないうちに鈴音の右手に噛みつく。
「痛いーよー」
 鈴音はこのまま右手を食いちぎられるのを覚悟した。
 が、その考えはあまりに甘かった。
 尻尾を覆う鱗の一枚一枚が銛のように変化し、鈴音を串刺しにしていく。急所を狙うとも避けるともせずに機械的に突き刺していく。
「鈴音! やめろやめてくれ動物女!」
 南条は乙女に微笑みと共に一礼し、尻尾のドラゴンで鈴音の死体にかぶりついた。むしゃむしゃとかみ砕き、ごくんと飲み込んだ。
『尻尾には普段味覚と嗅覚は持たせていませんの。もちろん持たせる事も出来ますけれど、獲物を食べる時にはあまり味わいたくないものですから』
 美食家で鳴らした彼女にとって、アンデッドや機械を味わって食べる事は耐え難い苦痛なのだ。
「鈴音えぇぇぇぇぇぇ……ッ!」
 絶叫する乙女の目の前に鈴音の鎧の一部が吐き出されてバウンドして転がって止まった。
25今月のGFを読んで:2007/04/30(月) 23:16:38 ID:???
 隙を付いてアイテムを盗もうと忍び寄っていた姫子だが、振り向きざまのノートゥングの一閃で縦方向に真っ二つにされた。
 自ら先陣に立ち敵軍を屠ってきた女帝の剣は確かであり、さらに聖剣の力も加わってシーフの回避能力などあってないようなものである。
「マホ」
 姫子の陰から綿貫が風車を全力で放っていたが、左手の手刀に叩き落とされる。
「かえるにょぱにぽに!」
 さらに玲がカエル爆弾を放ったが爆風は南条の髪を揺らすに留まった。
『可愛いカエルさんの命を弄ぶとは許せませんわね』
 南条の左目から暗黒の輝きが一条の閃光となってほとばしり、カエルの命を弄ぶ玲の胸を貫く。心臓を貫かれ玲の命の灯火はあっけなく尽きた。
 秘術により南条の影から出現し不意打ちを試みた一条も左手で頭部を握り潰されて悶死した。
『甘い……甘いですわね……うん?』
「『始原の劫火よ天壌を満たす炎よ天空の彼方より来たり我が仇敵を灼き滅し給え』スターライトフレア!」
 ベッキーは宇宙の彼方から恒星の炎を召喚して南条に浴びせる。結界魔法による空間隔絶を前提とした禁断の炎魔法である。
特にアンデッドに対しては絶大な効果を誇り、つい先程、由香と千夏を焼き滅ぼしたばかりだ。
 世界征服を唱えパシフィス、レムリアにベッキーのメガラニカや綿貫達のシャングリラ、いつのまにかティルナノーグも滅ぼした南条を討つべく
太陽都ヒラニプラに潜入した反帝国軍の精鋭だったが、ベッキー達の虐殺してきたモンスターを吸収して究極の獣帝へとクラスチェンジした南条に返り討ちとなった。
 全滅を覚悟した時に命懸けで逃がしてくれたのが『アトランティスの剣と盾』由香と千夏だった。
 巨大な顎でかみ砕かれる千夏に、尻尾で締め上げられて骨を砕かれる由香の悲鳴を聞きながらベッキー達は敗走した。
 二人がいなければ今こうして再び南条と戦う事も出来なかったのだ。感謝してもし足りない程の恩人の二人は
南条の僕として復活させられ、植えつけられた狂的な忠誠によって変わらぬ剣をベッキー達に振るわせられた。
「骨まで燃えちゅきりょ!」
 憤りの炎も威力に換えて全力で叩き込む。
26今月のGFを読んで:2007/04/30(月) 23:17:22 ID:???
 ……が、南条は涼しい顔であった。
 目の覚めるような瑠璃色のドレスの背中から真紅の翼が伸びると、炎はみるみる翼に吸い込まれてしまう。
『不死鳥は炎の中より蘇る……博覧強記で鳴らしたあなたなら御存知かと思いますけれど、レベッカ姫』
 翼に炎を揺らめかせ、またノートゥングに伝わらせて燃え上がらせながら南条操は微笑んだものだった。
 一応は人間の形を保っているものの、戦いの中で尻尾を現出させ、今また翼を伸ばした姿に、ベッキーはあの時の、最強の獣と化した南条を垣間見た時の戦慄を感じる。
「くっ……」
『私を倒したいというのならこの位はして頂かないと…… エトワールトロイメライ』
 南条の呼びかけに応じて、空間を越えて無数の恒星がベッキー達に降り注ぐ。
「うわああああっ!」
「ぎえーっ!」
「ぬるぽーッ!」
 次々に超新星爆発を起こす銀河の奔流の中でベッキー達は息絶えていくのだった。
27今月のGFを読んで:2007/04/30(月) 23:25:40 ID:???
【その3】

「あーっ! また全滅したー!」
 コントローラを座布団に投げ捨ててハルカはペットボトルから炭酸飲料をあおった。
 ライムベースのさわやかな味が大好評という触れ込みの、日本新発売の製品である。
 南条製薬が輸入発売しており、マーケティング戦略の成功もあって出足はなかなか好調のようだ。
 もちろん宮本病院の自動販売機にもばっちり入っている。
「げぶっ」
 勢い良く炭酸ガスを吐き出す。
「まあラスボス強くなるの知ってて強化条件全部満たしちゃったんだから無理ないか」
「おまえって」
 ハルカお手製のビーフシチューを食べながらその南条製薬の社長を務める南条つるぎがあきれたように言う。
「本当にゲーム好きだな。どこの世界に愛人にファミコン買いに生かせる女がいるんだよ」
「あんたが買いに行ったわけじゃないでしょ? どうせ秘書あたりに買いに行かせたくせに」
「俺は忙しいんだよ」
 最近は後発医薬品を優先して使用する傾向が強まっているのでネームバリューに胡座をかいてばかりもいられないのだ。
「家に帰る暇もないくらいにね。もっとも愛人宅に泊まる暇はあるみたいだけど……あとファミコンじゃありませんー」
 ハルカに非難のまなざしを送られてつるぎは頬を膨らませる。
「ふん……都にも雅にも言われたよ」
28今月のGFを読んで:2007/04/30(月) 23:27:41 ID:???
「そういえば雅ちゃん元気?」
「ああ、元気だよ」
「みたいね。メールの文面だと」
 雅にとってハルカは『お父さんの知り合いのゲーム好きなお姉さん』という認識なのだろう。
 一度ボーイズラブゲームの隠しキャラ攻略の相談に乗ったところ歳も四つしか違わないせいか信用を勝ち得たようで、時々両親にも内緒の事柄をメールしてくる。
 ちなみにハルカのゲーム機を買ってきたのも実は雅であり、南条家のコネを活かして早々に、
具体的には大作RPGの参入の翌日に自分の分は発売と同時に確保する約束を取り付けたのだが、『やはり発売日の午前零時を店頭で迎えてこそ』というポリシーに則って
秋葉原で徹夜したのだ。
 もっとも、雅を心配する親心から一番年若い女性秘書に同行を命じたので、秘書に買いに行かせたというのもあながち間違ってはいない。
「修君は?」
「今年受験だからな、大変だ」
 未成年でなければ雅には修を同行させたところである。
「そうね……くるみちゃんもでしょ?」
「……そうだっけ? ……来年じゃなかったか? いや済んでいたような気も」
「あのね、修君とくるみちゃんは双子のきょうだいでしょうに…… 酷い父親ね」
「家の事は都に任せてるからな。それにくるみは印象が薄い。地味だ」
「愛人の前で本妻の話をする? 全く……酷いパパでちゅねぇ」
 言ってハルカはおなかをなでた。慈しむように柔らかくたおやかに。
29今月のGFを読んで:2007/04/30(月) 23:28:37 ID:???
「……パパ?」
「綿貫産科で診てもらったわ。三十八週ですって」
「俺の息子か?」
「残念でした、女の子」
「あ……いや……」
「あなた以外の心あたりないもの。それにそういう契約でしょう? 私はあなたのもの、そのかわりあなた……南条製薬は宮本病院に便宜を図る」
「……あそこでおまえを見た時に感じるものがあったんだ。おまえは若い時の都に似ていた。今じゃ五十一のババアだが当時は輝いていたんだ」
 どこで見たのかは差し支えがあるのでここでは書かない。
「私、産むわよ。てゆーかもう堕ろせないし」
 中絶は建前上は二十二週までしか認められていない。
「ああ、いいよ」
 つるぎはあっさり言った。
「そう……ありがとう」
「名前はもう決めたのか?」
「いえ、あなたにつけてもらいたいと思って」
「じゃあ晶というのはどうだ? おまえに初めて買ってやったのがクリスタルガラスのグラスだった」
「うん、ちゃんと持ってるわ」
「子供が産まれたらあれでワインを飲もう。おまえの誕生年のやつをな」
「ええ」
 ハルカはうれしそうにおなかをなでた。そのおなかはぷっくりと膨らんで、南条操の秘書綿貫のようだった。
 つるぎはハルカのおなかに頬ずりしようとしたが強く止められたので涙を呑んだ。
30今月のGFを読んで:2007/04/30(月) 23:31:40 ID:???
【その4】

「というわけだ」
「もしも桃月学園が病院でもそんな展開にはならんだろ」
「いやわからないぞ。それよかジュゴン、ちゃんと救助よんでくれたかな」
 寝転んだまま小石を太平洋に投げてレベッカが言う。
「さあわかんねえなあ」
「先生……乙女さん」
 宮田は俯いた。
 この二人は、やめてくださいかわいそうですと叫ぶ宮田を暴力で黙らせて、ジュゴンを殺して食ってしまったのに、それも忘れてしまったらしい。
 乙女の渾身の一撃をもらった脇腹は今でも痛い。

(でも……おいしかったなぁ)
 ジュゴンの脂肪たっぷりの肉は空腹という事もあって美味しかった。
(また、食べたいなぁ)
 宮田の目には寝そべるレベッカ宮本と秋山乙女がなんだかジュゴンのようにも見えてきたのだった。
 宮田はいつのまにか棒を握りしめていた。
 『もすけて』と救援のメッセージを描いた時に使った棒である。
31今月の萌王を読んで:2007/04/30(月) 23:37:43 ID:???
【その5】

 コピー本の原稿をなんとか終え、念を押すように保存して片桐姫子は大きく伸びをした。
「さあネットでもやるか」
 以前のパソコンでは期待のギャルゲーにスペックが足りなかったので買い換えて以来、パソコンで原稿を処理する事も多い。
 原稿をやりながら散々ネットを覗き、『原稿の進行状況を語るスレ』のお世話になりまくって挙げ句新スレを立てたりしておきながらいまさらであるが、わざとらしく口に出してブラウザを立ち上げる。
 原稿に専念する為に三十分ほど前に画像処理ソフト以外のソフトは切ったのである。
 メモリは限界まで増設したので足りているが、作業中のBGMには携帯ラジオのアニラジや
(タイマー録音の待機中にはコンポが使えないし、トイレには携帯ラジオでないと持っていくのは難しい)
部屋のテレビでアニメを見る事にしており、パソコンのプレイヤーはあまり使わない。
32今月の萌王を読んで:2007/04/30(月) 23:39:08 ID:???
(なになに……『萌え萌え詐欺』? メイドや妹に扮しては金を騙し取る? ひどい話だなー)
 書き込みにはアップローダーへのリンクが張られており、一緒に取った写真がアップロードされていた。
 そんな女の顔を一目見てやろうとクリックするとブロードバンドの偉力素晴らしくすぐさま表示される。
 が、しかし姫子の脳が表示された画像とそれから導き出される事態を認識するまでにはしばらくの時間を要した。
33今月の萌王を読んで:2007/04/30(月) 23:40:59 ID:???
 目線は入っていたが生真面目そうな男と肩を組んで写っていたのは誰あろう、
三年前に高校を卒業して以来疎遠になってしまったが、今でも彼女の方では親友と思っている高校時代のクラスメイトの橘玲であった。
 姫子がコーディネイトした『白玲ちゃん』をアレンジした髪形とメイクで媚びた笑いを向けている。
 髪こそ染めていたが間違いなく玲だった。

 姫子はしばらく衝撃に打ちのめされたがのろのろと原稿を出力し、魂が抜けたまま面付して、コーヒーをあおってから家を出た。
 そして気がついた時には家に帰っていて紙を折っていたのだった。
(折りは明日にして今日はお風呂入って寝るつもりだったのになぁ……)
 思わぬ作業のはかどりにうれしくなった姫子は、すぐに玲の事を思い出して鬱になった。
34今月の萌王を読んで:2007/04/30(月) 23:42:59 ID:???
 数日後、被害者の一人と街で出会った玲は金を返還するよう求める被害者に侮蔑の言葉を浴びせた為、
彼が持っていたサバイバルナイフで刺し殺されてしまうのだがそれはまた別のお話。
35今月のGFを読んで:2007/05/01(火) 00:00:12 ID:???
以上です。
黄色いバカンスにあわせて急いで書き上げましたがおかげでなんとか四月中に間に合いました。
南条さん好きがあさっての方向に行ってしまいましたでしょうか、いろいろな意味でごめんなさい。

(私はムーンライト・ラブをリクエストしたんですけどね。
 それにしてもまさかNHKでぱにぽにの曲が聞けるとは。
 さらに新谷良子ちゃんが宮田やぱにぽにについて熱弁を揮って説明してたし。)
36マロン名無しさん:2007/05/01(火) 09:57:57 ID:???
GF氏GJ
相変わらずのカオス
37マロン名無しさん:2007/05/01(火) 11:21:24 ID:???
今月氏GJ!
待ってました!!
38マロン名無しさん:2007/05/01(火) 17:10:59 ID:???
おおお!!!!
って、ラジオ聞き損ねたorz
39マロン名無しさん :2007/05/02(水) 17:54:09 ID:VLmwal1J
まとめサイトの「'Round About Midnight、」が見れん。
40マロン名無しさん:2007/05/02(水) 18:40:46 ID:???
まとめサイトといえば、独白さんのヤツ、そろそろ
ひとつのコーナーにまとめたほうがいいんじゃない?
最後に全部つながるみたいなこと言ってたし。
41マロン名無しさん:2007/05/02(水) 21:13:28 ID:???
今気づいたんだが、前スレまだ生き残ってね?
42マロン名無しさん:2007/05/02(水) 21:49:46 ID:???
1000行くよ
43Pani Poni HAZARD :2007/05/04(金) 02:12:39 ID:???
久々に次行きます

「マホホ、マホホ、マホホ〜♪」
気が滅入る様なじめじめとした空気の中、こんな場所には不釣合いな声が鳴り響いていた。
「・・・おい、姫子」
「マホ?何かな玲ちゃん?」
「あのなあ・・・お前今の状況分かってるか?よくそんなお気楽気分で居られるな」
「う・・・ご、ごめんね玲ちゃんちょっと選曲がマズかったかな?」
「そういうことじゃない・・・全くお前って奴は・・・本当に羨ましいよ」
口ではこう言ったもののさてこれからどうしたものか、今のところの目標はベッキー達や他の生存者
を探すというところだ、しかし今自分たちは地面の上では無く下に居る、はたしてこのまま地下を進んで
生存者を見つけ出す事ができるのだろうか?それは玲にももちろん姫子にもわからない。
44Pani Poni HAZARD :2007/05/04(金) 02:13:34 ID:???
「マホ!玲ちゃん、見てアレ!」
「ん?なんだ?」
考え事をしながら歩いていた足を止める、玲たちの目の前には格子でできた扉が立ちふさがっていた
「なんだこりゃ・・・取っ手どころか鍵穴すら無いじゃないか」
「玲ちゃん。こっちにはもう一つ扉があるよ、ここは普通に開きそうだけど」
「嫌、待て、必ず何か有るはずだ・・・これは?」
それは扉のすぐ近くの壁にあった、調べてみると何やら丸いくぼみがある
「・・・??何かをはめるのか?」
「玲ちゃん見て!何か書いてあるよ?」
「本当だ、何々・・・「翼をここへ」?何だそりゃ?」
「マ・ホ???」
(待てよ・・・そもそもなんでこんなとこにこんなものがあるんだ?何かのアトラクションか?嫌そんなバカな・・・)
「玲ちゃん?」
「ん?ああ、すまん、何だ姫子?」
「とりあえずここは置いといて、こっちの扉に入ってみたらどうカナ?なにかあるかもしれないし」
・・・確かにその通りだ、ここから先に進むには何かがが必要なようだし、ここで頭を抱えても進展は無いだろう
玲はそう判断した。
「よし、行こう」
ドアノブをひねると扉はあっさりと開いた、電気は付いているようだ。
扉の先には同じような作りの下水路が通っていた。
「ここから違うところに行けるみたいだな、何が居るかわからん、用心しろよ姫子」
「了解であります玲ちゃん!!」
45Pani Poni HAZARD :2007/05/04(金) 02:14:29 ID:???
玲たちにしてもそうだが下水道に制服というのはあまりにも不釣合いなものである
そもそも下水道に似合う服など作業着ぐらいのものであろうが、ほんの少し前、
玲たちが通った道を進んでいる少女の格好もあまりにミスマッチだった。
しかしゾンビたちにとっては姿形背格好などどうでもよいのである、とどのつまり
美味ければいいのだ、汚水の中から起き上がった彼もその一人であり、その少女の
格好など気にすることもなくただただ少女を食らいに歩き始めた。
足を止めた少女は起き上がった彼にひるむ事も無く、逃げる事も無く
ただ当然といわんばかりに
手に持った銃を構え、引き金を引いた。
目にも留まらぬ速さで彼の体に鉛弾が打ち込まれ、そのまま彼は汚水の中に倒れた。
少女は彼が動かなくなったのを確認すると、再び歩き始めた。
46Pani Poni HAZARD :2007/05/04(金) 02:15:17 ID:???
「ハァッ・・・ハァ・・・」
「れ、玲ちゃん?大丈夫?ケガはない?」
「ああ、心配無い、助かったぞ姫子」
「マホホ・・・よかったよ・・・」
玲の人生で銃を撃ったのはこれが初めてだった、厳密に言えば撃たざるを得なかったという感じだが
手の痺れが否応にもその実感を体に伝える、これもそのうち慣れるのだろうか。
「まさか・・・ロッカー開けたら中に居るとはな・・・本当に驚いた・・・」
「オメガびっくりした・・・心臓が飛び出すかと思ったよ、マホホ〜」
事の始まりはこうだ、玲たちは扉の先の道を進んでいた、するとこの下水道の管理者の部屋にたどり着くことが
出来た、下水道の管理者というのならば当然ここのことは知り尽くしているはずである、ということはあの扉のヒント
があるに違いない、そう思った玲たちは直ちに手がかりを探すために部屋をあさり始めた。
しかし不運なもので、始めに調べようとしたロッカーの一番端の扉を開けた瞬間、見たくも無い腐った顔面が目に飛び込んできた上
襲い掛かってきたのだ、玲の絹を裂くような悲鳴とともに玲は床に押し倒されてしまった。
しかしそのままゾンビが玲の首筋に噛み付こうとしたとき、姫子の必殺、パイプ椅子アタックが炸裂しゾンビを引き剥がしたのだ。
体勢を立て直した玲は、迷うことなく銃を取り出し、ゾンビに向かって引き金を引いた。
これである、結果として玲の眼前には頭がはじけたゾンビの死体が転がっている、まさかと思ったがやはり頭を撃つのは
胴体を撃つよりも有効なようだった。
47Pani Poni HAZARD :2007/05/04(金) 02:16:01 ID:???
「ふう・・・もうこの部屋にはいないだろうな?もう二度とゴメンだ」
「うん、夢に出てきそうだよ・・・」
それにしてもいくら化け物相手だったとは言え、人間だったものを撃つのは若干嫌な気分だった。
もちろんそんなことを言ったところで何も始まらないことは玲自信分かっていた、しかし人間の感情というものは
理屈では片付けられないこともある――止めておこう、今はこんな事を考えている場合ではない、そう自分に言い聞かせた。
「さて・・・気を取り直して手がかりを探すか・・・大丈夫か?姫子?」
「うん、多分大丈夫カナ、ありがとう玲ちゃん」
部屋自体は広くない、まずはかたっぱしからロッカーを開けてみる、今度は腐った顔を見ずに済んだ、そのかわり何も無かったのだが。
次に机の上を眺めてみる―――何も無い、さて、次は・・・と思った時、姫子が声を上げた
「玲ちゃん!コレ見て!」
「!何かあったか?」
「うん、コレ!」
姫子が手渡してきた物は日記のようだった、ここの管理者のものだろう
「ほら、ココ!」
「なになに・・・」

今日はついていない、扉を開けるためのメダルを無くしてしまったからだ、まいった、あれが無いとお偉いさんにどやされる
多分部屋に戻るまでにどこかに落としたんだろう、早く探さなくては

「メダル・・・なるほどな、あのくぼみにそれを・・・」
「でもこの人、メダル落としちゃったって書いてるよ?探さなくちゃ!」
「しかし場所がわからんとなるとかなり大変だな・・・仕方ないか、よし、行こう姫子」
玲たちは日記を床に放り投げると一目散に部屋から出て行った。

「「翼をここへ」・・・何っスか、これ・・・」
48Pani Poni HAZARD :2007/05/04(金) 02:16:37 ID:???
ここまでです、なにかあったらどうぞ
バイオの魅力としてはやっぱこういう意味の分からない謎解きとか
律儀に手記やら日記やらを残してる奴らとか色々ありますね
ラクーンシティはそういう意味だととても貴重な町です
市長の像が回転してバッテリーが出てくるのはラクーンだけです

今月氏
GJです!!、そのカオスっぷりは見習いたいです
49マロン名無しさん:2007/05/04(金) 13:29:55 ID:???
>ハザード氏
乙、GJ!
バイオ世界とぱにぽに世界のうまい融合、流石です。
続き楽しみにしてます。
50マロン名無しさん:2007/05/04(金) 23:07:24 ID:???
前スレ1000行った!!
これって初めてじゃ?
51マロン名無しさん:2007/05/04(金) 23:08:17 ID:???
>>48
いいよーいいよー思わずおっきしたおーw
52マロン名無しさん:2007/05/04(金) 23:43:20 ID:???
このスレも1000を目指そうか
53マロン名無しさん:2007/05/06(日) 02:46:23 ID:???
もう無理かも知れんがインプランタとバトロワの続きマダー
54マロン名無しさん:2007/05/06(日) 03:33:02 ID:???
ハザード読んで、バイオ系のゲームやりたくなったが・・・


DSしか持ってませんorz
55マロン名無しさん:2007/05/06(日) 03:36:41 ID:???
>>54
DS持ってるんなら1の移植がありますよ
56マロン名無しさん:2007/05/06(日) 12:24:15 ID:???
>>53
俺は『誰か』氏も追加するぜ
5754:2007/05/06(日) 13:33:04 ID:???
>>55
探してみる。

けどDSとか携帯ゲーム機でプレイするより、
PSやwiiでプレイしたほうが迫力あるんだろうな、こういうゲームは・・・
58マロン名無しさん:2007/05/06(日) 15:16:50 ID:???
ぱにぽにゲーム化すればいいのに
59マロン名無しさん:2007/05/07(月) 16:49:03 ID:???
保守
60マロン名無しさん:2007/05/08(火) 01:01:46 ID:???
独白の人です。
都の独白の続きです。
61マロン名無しさん:2007/05/08(火) 01:02:42 ID:???
<上原都の独白:3>

既に高くなった南国の太陽が、窓越しに私たちを照らしていた。

午前中の調査に同行したハワイ大の院生のお勧めの、ケエアウモク通りの
ちょっと古びたダイナー。
マキキでのフィールドワークで疲れた私にはもう、伸びかけたサイミンを
最後まですする元気もなくなっていた。
エビのダシがよく効いたスープは確かにおいしかったけれど、なんだか
これ以上食べる気がしなかった。

「都君…どうした、浮かない顔して?」

「…ちょっと疲れただけよ。
 ご心配なく。」

「そうか…ならいいんじゃが、無理は禁物じゃよ。」

向かいでロコモコをぱくつく、Reyn'sのアロハシャツ姿の教授の言葉に私は答えず、
赤いビニール張りの座席の背もたれに上半身を投げ出す。

冷房にかなり長い時間晒されたビニールの、ひんやりした感触。
からん、と音を立てる、アイスティの氷。
近くの席でオックステールスープを食べながら談笑する、おそらく韓国系の
老人たちの話し声。

日系人の家庭での聞き取り調査という今日の体験は、私に父のことを
再び考えさせるのに、果たして十分だった。
ここで育ち、イラクで死んだ父も、あんな家に生まれたのだろうか。
銃弾が頭を貫いたその瞬間に、ここでの暮らしのことを思い出したのだろうか。
それとも、母や私のことを考えながら死んでいったのだろうか。
…なんだか、涙が出そうになった。
62マロン名無しさん:2007/05/08(火) 01:04:00 ID:???
教授は、何を思い、今回のフィールドにここを選んだのだろうか。
そういえば、私たちの最初のフィールドも、父との因縁深いバグダッドだった。
あのときはベッキーもメディアもいて、私はまだ何もできなかったけれど、
確かに私はあのとき、父の亡くなった土地へと足を踏み入れたのだった。

1回目は、偶然だと思うことができた。
何も考えていない風を装い、その場を楽しむフリくらいはできた。
でも、2回目となると、どうもそうは思えなかった。

私は、教授の無神経さに、アメリカ人ならではの傲慢さとも思える部分に、
静かに腹を立てた。
教授は、私に何をさせようとしているのだろうか。
何を、考えさせようとしているのだろうか。

「都君、レモンシフォンパイ食わんか?
 あの院生の…ナタリー君じゃったか、が言っとったが、ここのは
 とびきり美味いらしいぞ。」

「…いらない。
 なんかあまり食欲ないんだ。」

「お前さんくらいの歳の子は、ちゃんと食わんとダメだぞ。
 まあ、お前さんが食べなくてもわしは食うんじゃけどな。」

「そうやって食い意地張った人ばっかりだから、お宅の国は世界で一番
 ダイエット産業が流行ってるんじゃないの?
 クルマにばーっかり乗ってて歩かないし。
 おまけに、BSEで世界中大騒ぎしたのに、今でもみーんな平気で牛肉
 パクパク食べてるし。
 ホンっト、『繊細』って言葉とはほど遠い国よね、ここは。」
63マロン名無しさん:2007/05/08(火) 01:04:59 ID:???
「おいおい、今日は随分手厳しいな。
 昨日アラモアナセンターに寄らなかったから、怒っとるのか?」

「別に…ちょっと疲れてるって、私言わなかった?」

アラモアナセンターか…すっかり忘れてた。
American Eagle OutfittersとかHolistarとか、日本にまだ来てないお店が
いっぱい入ってるから、絶対寄ろうと思ってたんだっけ。
ワイケレで大分散財したけど、お小遣いにはまだ余裕があるもんね。

教授が、日系らしい、もう60近そうなウェイトレスさんに追加の注文を頼む声を
聞きながら、私は窓の外を眺めていた。
建物の影からちらっと見える、山側がまだ工事中のアラモアナセンター。
確かあそこには、今度Nordstromが入るって話だったっけ。

「…ねえ教授、やっぱりアラモアナ、寄ってもいい?」

「ああ、晩までもう今日は何もないからの。
 何じゃ、何だかんだ言って、本当はやっぱり行きたかったんじゃないか。」

「…まあね。」

私は、もう一口だけ、サイミンのスープをすすった。
ちょっとだけしょっぱい、エビのダシの効いたスープ。
もうぬるくなっちゃってるけど、そこそこ美味しいスープ。

アラモアナセンターで買い物したら、ホテルに帰ってシャワーでも浴びよう。
それで、ラナイでレッドブルでも飲んで少しボーっとしよう。
なんだか、考えることに、段々疲れてきた。
64マロン名無しさん:2007/05/08(火) 01:06:36 ID:???
窓の外は、相変わらずの晴天。
もう1時間もしたらスコールが降るかもしれないけれど、まだまだ、抜けるような空。
私は、また背もたれによしかかると、少し目を閉じた。
そっと、目を閉じた。
65マロン名無しさん:2007/05/08(火) 01:08:01 ID:???
以上です。
おやすみなさい。
66Pani Poni HAZARD :2007/05/08(火) 01:41:41 ID:???
次行きます

「メダル、メダル、メダル、メダル〜」
「くそっ・・・見つからないな・・・」
無い、あの格子の先に進むにはそのメダルは必要不可欠なものだった
しかし見つからない、当然だろう、この下水道で見た事もないメダルを探し出す
などというのは至難の業だ。
「あ〜もう、ねえ玲ちゃん、ココには無さそうダヨ?別のところに行ってみない?」
「ああ・・・そうだな、少し先に進んでみよう」
(ここの管理者はどこかから部屋に戻る時にメダルを落としたわけだから・・・
そのどこかに近づいていければ良いが・・・)
「ここカナ?よっと・・・」
もういくつ通った分からない同じ作りのドアを開ける、開いた先は今までのところよりもっと水がよどんでいた。
「うええ・・・きったない、もうヤダよ〜」
「弱音を吐くな姫子・・・私だって辛いんだ・・・しかしこれじゃ全く見えないな・・・まいった」
67Pani Poni HAZARD :2007/05/08(火) 01:43:43 ID:???
「ねえ玲ちゃん・・・ホントに入るの?ホントに?」
「う〜む、コレじゃ仮に入っても手探りで探す羽目になるな・・・仕方ない、私がやろう」
「マホッ!!玲ちゃん!男前!!頑張って玲ちゃん!応援してるよぉ〜!!」
「はいはい、調子のいい奴だな、よし・・・くうう・・・気持ち悪い・・・」
「頑張って玲ちゃん!!きっとメダルの奴はそこに隠れてるよぉ〜!!」
「分かったから少し黙っててくれるか・・・ああもう、何でったってこんなことに・・・」
「ファイトだよ玲ちゃん!!メダルはいつもそこにある!!」
「ああダメだ!!見つからん!!これじゃラチがあかない!」
「う〜どうする玲ちゃん?アレが無いとあそこから先にいけないし・・・」
「もういい、あそこは後回しだ、まずはこの道がどこに通じてるのか調べよう、何か手掛かりがあるかもしれないからな
もしかしたらこっちに出口があるのかもしれない」
「アイアイサー!じゃあ行こう!」
68Pani Poni HAZARD :2007/05/08(火) 01:44:58 ID:???
「ねえ玲ちゃん」
「なんだ?」
「ここってさあ、一体どこにつながってるのカナ?すごく広いし・・・」
「さあな・・・私にもよく分からん、けど確かにただの観光地にしちゃ変な島だな・・・」
「ココの島ってこんなになる前はどんなとこだったのカナ?」
「さあ、それもよく分からない、けどまあ、今の状況を見る限り・・・普通の島じゃなかったんだろう、南条の奴、この島の事を知らされてなかったのか?」
「南条さんたち何やってるのカナ?こんな事になってるんだからなんとかしてほしいんだけどなナ・・・」
(確かにな・・・本当ならこんなところ1分も居たくない)
「そう落ち込むな姫子、そのうち助けが来るさ」
「うん・・・そうだといいケド・・・」
「・・・来るさ、きっと」
「うん・・・ あ、玲ちゃん、また扉が」
「よし、行くぞ」
またドアノブに手を掛ける、いいかげんこんなところは飽き飽きしているのだがそうはいかない、玲たちは先に進まなければならなかった。
「マホ?なにここ・・・?」
「・・・?何だこりゃ?なんでこんなとこにモニターが?」
69Pani Poni HAZARD :2007/05/08(火) 01:45:39 ID:???

玲たちがたどり着いた場所は複数のモニターが設置されている部屋だった、そのモニターにはどこかの場所が映し出されている。
「これは一体・・・どこの映像だ?」
「!!玲ちゃん見て!人がいるよ!」
「何!?」
姫子の言葉に反応した玲はすかさずモニターをとらえた。
そのモニターには白衣を着た研究員らしき男が壁際に追い詰められている映像だった、男が何を恐れているのかは玲たちもわかっていた。
男は壁にすがり尽きながらなにやら叫び声を挙げている、しかしそんな声が奴らに響くはずが無かった。
モニターにゾンビたちの姿が映し出される、1,2,3,4,5,6,7匹、確認できただけでもそれだけの数が男に迫っていた。
男はなおも叫びながら壁にすがり続ける、男は信じていない神に祈った、死にたくない、助けてくれ、と。
しかし、この島に神などというものはいなかった。
ゾンビたちが泣き叫ぶ男に覆いかぶさっていき、残りのゾンビもそれに続いた、あっという間に男は血しぶきを上げ、死んでいった。
姫子はモニターを見れなかった。
玲はモニターから眼を離さなかった、いや、離せなかった。
70Pani Poni HAZARD :2007/05/08(火) 01:47:58 ID:???
「玲ちゃん・・・?大丈夫?」
「ああ・・・少し、気分が悪くなった・・・けど大丈夫だ、さあ、手掛かりを探そう」
「うん・・・」
ガン
「!?」
ガン
「れ、玲ちゃん・・・?」
「・・・姫子、こっちに来い・・・早く来い!!」
ガンガンガンガンガン
轟音とともに扉が悲鳴を上げ始めた。
玲の頭の中にはあの映像がこびりついていた、怖い、本当に怖い、手に持ったベレッタのグリップが汗で滑る。
一匹ならまだ何とかなる・・・だがそれ以上ならどうだ?切り抜ける自信は全く無い、ということは、あの男のように姫子ともども・・・
「死ぬ」
死という言葉がとても重くのしかかる、そう、奴らは化け物なのだ、話し合いも袖の下も全く意味を持たない、生き抜きたければ、殺さなくてはならない。
ガンガンガンガンガンガンガンガン
扉はもう壊れかけていた、姫子は玲の服を思い切りつかんだまま顔を伏せて震えている、心臓の鼓動が恐ろしいほど早くなっていた。
バン!!
勢いのよい音とともに扉が開かれた、開かれた扉の先には、5匹の飢えた化け物たちがたたずんでいた。
そして二つの餌を目標に、一斉に動き始めた。
71Pani Poni HAZARD :2007/05/08(火) 01:49:41 ID:???
「玲ちゃぁん・・・」
「いいか姫子!私が撃ったら隙を見て逃げろ!いいな!」
「え?だったら玲ちゃんはどうするの?玲ちゃんも逃げないと!」
「いいから私の言うとおりにしろ!!死にたいのか!!」
玲が必死に逃げるための作戦を考えている最中もゾンビたちは距離を詰めていた。
一匹のゾンビが玲に襲い掛かる
玲はメガネのレンズ越しに狙いを定め、頭目掛けて引き金を引いた。
パンッ
乾いた音が部屋に鳴り響く
「今だ!行け!」
玲の叫び声と共にゾンビの頭が大きく後方にのけぞる、しかし死んではいなかった。
姫子は銃声と共に出口に走り出していた、しかしゾンビたちがむざむざ餌を逃がすはずが無かった。
「きゃああああああ!!!!」
「!姫子!!」
姫子はあっという間に壁に押し付けられてしまった、女の子の力ではゾンビたちの怪力にはとても太刀打ちできない。
「今助けるぞ!!」
玲はゾンビの間を縫って動き、姫子に今まさに噛み付こうとするゾンビを思い切り蹴飛ばした。
「大丈夫か!?逃げるぞ!!」
姫子の手を握りしめ一目散に出口に向かおうとする、しかしその玲の足を掴むものが居た、奴らは玲たちを逃がすつもりなど毛頭無い
頭を9m弾で一発撃たれた程度では奴らは死なない、蹴飛ばされた程度では奴らは死なない
72Pani Poni HAZARD :2007/05/08(火) 01:50:39 ID:???
「こ・・・のぉっ!!!」
つかまれた足を必死に振りほどく、しかし敵は一匹ではないのだ、目の前にはすでに別のゾンビが立っていた。
そのゾンビは玲の肩をガッシリと掴むと、その口を大きく開け、生きのいい肉を堪能すべく食らいつこうとした、
「う・・・ああああああっ!!」
すかさず銃を構え、銃口を頭に向けると、引き金を引いた、その衝撃で腕が離れた。
「姫子!立てるか!?出口まで走れ!おい!」
「いやっ・・・やだよぉっ・・・」
さっきまで玲の足を掴んでいたゾンビは、目標を姫子に変更していた、腰の抜けた姫子をジリジリ追い詰めていく。
「こいつッ・・・」
玲も目標を変更し姫子を助けるべく這いずっているゾンビに銃を向け引き金を引いた、しかし弾は出なかった。
「・・・嘘だろう?」
その一瞬だった、頭に穴を開けたゾンビが玲に再び襲い掛かった。
口を大きく開け必死に食らいつこうとする
「くっ・・・やめろ!やめろぉっ!!」
決死の思いで振りほどく、しかしもう玲に対抗する手段は残されていなかった。
じりじりと迫ってくるゾンビたちに対して玲たちはまったくの無力なのだ。
気づくと二人とも背中には壁があった、そして目の前にはゾンビが居た、頭の中にこびりついたあの場面が今再現されようとしている
自分達が犠牲になって
もう玲は諦めていた、姫子を逃がす事も、ベッキーたちと再会するのも、生き延びる事すら、諦めていた。
73Pani Poni HAZARD :2007/05/08(火) 01:51:29 ID:???
その時、音が聞こえた、金属音だった。
「伏せるっス!!」
最後に残った判断力を使い、玲は姫子をかばうように伏せた。
すさまじい音と共にゾンビたちが血を撒き散らしながらバタバタと倒れていく、あっという間に立っているゾンビは一匹もいなくなった。
「な、何?どうなったの玲ちゃん・・・?」
「アァァァアアァア・・・・」
「ひいっ!!やだぁ!!」
その銃を撃った主はそのままつかつかと這いずっているゾンビに近づくと、脳天に鉛弾を打ち込んだ、ゾンビはばったりとその場に崩れ落ちた。
「お前・・・ベホイミ!ベホイミじゃないか!」
「へ・・・?ベホイミちゃん!?」
「うっス、大丈夫っスか?」
74Pani Poni HAZARD :2007/05/08(火) 01:52:23 ID:???
ここまでです
何かあったらどうぞ
やっぱり実際こんな状況になるとアイテムなんてモンはそうそう見つかるもんじゃないでしょうね
ゲームみたいに都合よく光ってはくれません。

>>独白氏
面白かったです、次も待ってます
75マロン名無しさん:2007/05/08(火) 10:48:15 ID:???
独白氏
バイオ氏
ぐっどだよ、ぐっーど
76マロン名無しさん:2007/05/08(火) 16:52:31 ID:???
独白大先生キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
バイオ氏もグッド
77桃月コンフィデンシャル:2007/05/08(火) 22:53:22 ID:???
<5>

 『桃月学園カクテル・パーティ事件』

 それは稀代の学生スキャンダルであった。
昨年の夏の終わり、残暑が退いて秋の涼しい風が肌にもうっすらと感じられるようになった頃の出来事である。
当時一年生だった一部の生徒たちが軽はずみな衝動と愚にもつかない好奇心とに誘われるがまま、若気の至りというにはあまりにもお粗末な"パーティ"を開催したのだった。
そしてそこで座の中心に据えられたカクテルが問題となった。
それはいくら高校生には手が出せないといっても、その気になれば近所のコンビニエンス・ストアでも手に入るようなアルコールよりいくらも問題があるものだったのだ。

 カクテル。それは色とりどりのカラフルな幻。時には赤く、時には黄色で、時には白く。さまざまな幻の横顔がそこに刻まれる。
それを口に含めば、その心は遥か地平の先にまで飛んでいく。ボロボロとなった身体を現実に置き去りにして。

 カクテル。またの名をエクスタシー。錠剤の中に凝縮されたほんのひとときの夢の残りカス。
生徒たちは興味本位でこの薬物に手を出し、そしてとうとう何人かは戻ってくることがなかった。
その魂を永遠なるところに残したまま、彷徨する空っぽの身体ばかりが無様にのた打ち回るのだった。

 「カクテル」という呼び名をはじめに使ったのはそれを持ち込んだ人間だった。
それが皮肉と自嘲を込めて名づけられたものなのか、それとも若者特有の単なるファッション感覚からくる隠語なのか、今となっては知るべく術もない。
ただ、その語感に込められた軽薄な調子は、それが導くことになる破滅へのステップを、明らかに見過ごしていたことが窺える。
 そのベホイミという偽名の少女はどこでどのようにして入手したのか、とても高校生の手には余るほどの大量のMDMA錠剤をばら撒き、この狂った少年少女たちのパーティに色を添えた。
それはけばけばしすぎるほどの原色の祭典であり、結局は灰色の上に重ねられた幻覚の色彩レイヤーであった。
まさに一瞬の夢のためにしつらえた虚構のパーティ会場であった。
78桃月コンフィデンシャル:2007/05/08(火) 22:55:21 ID:???
 事の概要は以下の通りである。
 当時桃月学園の一期生徒だったベホイミが、推定100錠前後のケミカル・ドラッグであるエクスタシーを海外から持ち込んだ。
ベホイミは普段からも不認可の精神安定剤などの薬物を不法に携帯していたという証言もあり、彼女が留学生であるということからも、これらの薬物を以前から密輸入していた疑いがある。
その辺りの詳細については捜査中の名目の下で衆目からは有耶無耶の雲の下に隠されてしまっている。彼女の犯行の背景、薬の出所については現在に至るまで全く何もアナウンスされていない。
 次に桃瀬修であった。彼が何らかの"はずみ"でベホイミの所有する大量のエクスタシーの存在を嗅ぎ付ける。或いは既にそれらのはしたの量の処分に困っていたベホイミが自分から修の方に話を持ちかけたのかもしれない。
実際の経緯については当事者の二人の行方がつかめない以上全く分からない。とにかくこの二人の間でいつしか"カクテル・パーティ"の案件が浮上する。
 二人とも普段は真面目で教師の言うことなどもよく聞く至って普通の生徒であった。
多少世間ずれしたところなどもあったが、それも愛嬌とばかりで、友達も多く、その信望も篤かった。
一端では、それがこの悲劇の被害を急激に拡大させる結果となってしまったのだった。

 その日、桃瀬修とベホイミに誘われたパーティの招待客は総勢で22人にのぼったという。
柏木優麻は桃瀬修の誘いに嬉々として応じ、馴れ合い好きの白鳥鈴音も修の一声でやってきた。
 当時、桃瀬修は上原都と友人関係以上の親しい仲にあるとされていたが、その都は折りしも海外に留学しており、彼女がこの事件の全容を知ることになるのは全てが荒廃の呈を示した後である。
修が何を思って優麻と鈴音を招いたのかは闇の中である。そしてその晩この三人の間でどのような関係が生じたのかも定かではない。
或いはそれは単なる友人同士の馬鹿騒ぎに過ぎなかったのかもしれないし、激しい幻覚トリップの中で海外の恋人への貞節をいとも簡単に破ってしまったのかもしれない。
大切な人の不在の寂しさを紛らわせるためか、それとも生まれついての好色のなせる業か、パーティが乱交遊戯へと変化していったと考えるのは全く不自然なことではなかった。
79桃月コンフィデンシャル:2007/05/08(火) 22:59:43 ID:???
 他にいたのが橘玲と片桐姫子、そして鈴木さやかである。
玲もまたどこからかこのパーティのことを聞きつけ、自ずからベホイミと修に接触した。その折に当たって姫子と鈴木さやかが便乗したという話が定説である。
この三人がどうしてパーティに乗じたのかなどという理由は全く知られるところではない。
おそらくは理由なんてないのだろう、当事者たちは誰もがその行為のいかに重大なることかなどということをこの時にはまだ察することが出来なかったのだから。

 そしてその事故が起こったのはパーティの始まって三時間ほど経過した後のことである。
時刻は午前二時に近く、消費されたエクスタシーの錠剤は40弱、食い散らかされたジャンクフードの山と、投げ捨てられたビールの空き缶、フィルターまで焦げきった煙草の吸殻が溢れ出す頃、突然鈴木さやかが奇声を上げて卒倒する。
煙たげな空気の漂う中、その声は部屋いっぱいに響き渡り、不確かな自己の世界に陶酔していた怖るべき子供たちは、その誰もが悲鳴とも破裂音ともつかぬ咆哮の元に眼を向ける。
ドスンと大きな音がして、細い体躯を弓なりに撓らせる少女の抜け殻が床の上でもがいていた。
その光景に誰もが挙動を忘れ、薬効で虚ろとなった意識のままじっと眺めつくすばかりだった。
 彼女が床の上で震えながら悶えていた十分あまり、誰一人として助けの手を差し伸べた者はいなかった。

 やがて少女は動かなくなる。時刻二時十五分、口から白い泡を吐き出し、飛び出すほどに大きく見開かれた瞳には充血線が迸り、顔色は限りなく蒼白である。
やっと意識を取り戻したベホイミ他数人が彼女の身体を持ち上げ、急いで病院に運ぶ。
その間も身体のおかしな震えだけは止まらない。

 病院到着。時刻ニ時四十五分、鈴木さやかの身体は急に一切の動きを見せなくなる。
その表情は鈍い鉛色のようであり、呼吸も浅い。項垂れたまま力が入らず、人形のようであったという。
ベホイミたちは事件の発覚を惧れ、彼女を救急病院のエントランスロータリーに放置、そのまま逃走する。
80桃月コンフィデンシャル:2007/05/08(火) 23:02:49 ID:???

 鈴木さやかが発見されたのはそれからしばらく経過した後である。
時刻三時十分、別の緊急患者を搬送してきた救急隊員が入り口のガラス扉に背を凭れる意識不明の少女を発見する。
時間にして三十分近く少女は凍える夜の外気の中に放置されていたことになる。
すぐに院内に収容され、蘇生措置が講じられる。
卒倒してから既に一時間が経過している。

 オーバードーズ。

 その後の警察の調べによれば鈴木さやかは友人の片桐姫子に唆されるまま大量のエクスタシーを一度に服用した事実が明らかとなった。
致死量には辛うじて到達せずもそのショックが身体に与えた影響は甚大で、急性薬物中毒状態になり意識を失ったものとされる。
その後、一命は取り留めたものの、神経伝達系に異常を生じ、下半身以下が慢性的な麻痺状態となって現在も医療施設でリハビリを続けているという。
事件は彼女の証言から明るみに出ることとなった。

 その後、事件に関わったとされる25人の生徒の放校処分が決定する。
その内、実際にエクスタシーを海外から密輸入した張本人と目されるベホイミは麻薬及び向精神薬取締法違反の嫌疑によって逮捕、やがて祖国に強制送還の措置を受ける。
何故そのような措置となったのか、また彼女の祖国がどこなのかは現在では誰ひとりとして記憶に留めてはいない。所詮どうでもいいことだ。その後、ベホイミの消息は完全に途絶える。
彼女が今どこで何をしているのか知る者はいない。
 退学となったその他の生徒たちの現在も不確かである。大抵は就職したか通信制の高校で勉強しているという。
だが、その中で修だけはここで特筆しておく。彼は事件の発覚後、姿を眩ませた。
書置きも何もなく、ただ桃瀬家の箪笥の中にしまわれた十数万円ほどの現金だけを持って失踪してしまったのである。
そして時を同じくして柏木優麻も姿を消す。二人が通じており、雲隠れの駆け落ちに走ったというのが最も自然な考え方だった。
このことについて何かを知っているような素振りを見せていた白鳥鈴音は、一切口を閉ざしたまま誰の質問にも答えようとはしないという。
全ては闇の中に消え去った。
81桃月コンフィデンシャル:2007/05/08(火) 23:04:39 ID:???
 後に残された者たちも悲惨だった。
兄弟に裏切られ、一人ぼっちで世間の冷たい眼差しに曝されることになった桃瀬くるみ、柏木優奈などはこのためにかなり傷をつけられた。
 だが一番悲惨だったのは当時桃瀬修と遠距離恋愛関係にあった上原都だった。
帰国と同時にこのおぞましい事件の顛末を聞かされることになった都は、それから向こう一ヶ月あまり、まったく廃人同然のようになったまま部屋に閉じこもってしまう。
自殺未遂も一回や二回で済むことではなかった。

 その他にも多くの人間がこの事件でショックを受け、激しい苦痛に苛まれた。
学校そのものの雰囲気も一変した。
理事会は揃って引責辞任、自由な校風は廃れ、管理的な私立高校としてより厳格な風紀の取り締まりが行われるようになる。
かつての桃月学園は完全に死に絶える。

 今でも学園に暗い影を落とすこの事件は、当時多くのマスコミの注目を集めることになったが、やがて何らかの報道協定か、或いは政治的外力に圧され、今では完全に忘れ去られつつある。
もちろん、それは渦中にあった当人たちを除いてのことである。
彼らは、たとえ忘れたくても決して忘れることの出来ない深い傷をその胸に刻み付けられたのである。
82桃月コンフィデンシャル:2007/05/08(火) 23:06:44 ID:???
とりあえずここまでです。
83動物園で爆発テロ 特別展に抗議か:2007/05/08(火) 23:09:24 ID:???
8日午後10時頃、東京都満弦ヶ崎市の南条動物園新館入場ゲート付近で爆発物によると見られる火災が発生した。
すでに閉園しておりけが人は出なかった。

この爆発について『わらうバケツマン』を名乗る団体より犯行声明のファックスが送付されており、悪質なテロと見られる。
犯行声明によると『わらうバケツマン』は南条動物園が12日より開催を予定していた『母子動物展』は
不妊に悩む女性達に対する侮辱であり社会に対する犯罪だとしている。
南条動物園では9日は臨時休園として対応を協議する。
84マロン名無しさん:2007/05/08(火) 23:25:47 ID:???
コンフィデンシャル氏、GJ!
しかし6号と都悲惨だな…

>83氏もそれらしくてGJ!
85マロン名無しさん:2007/05/08(火) 23:58:11 ID:???
初回からのくるみのDQNぶりに読んでいて少々いら立っていたが…
こりゃぐれるわな
納得した
86マロン名無しさん:2007/05/09(水) 00:01:40 ID:???
良いねー
わらうバケツマンww
87マロン名無しさん:2007/05/10(木) 21:37:36 ID:???
前スレにローマ字で「ハワイが・・・」とか書いていたのって
独白さんだったのかな?
88マロン名無しさん:2007/05/11(金) 00:41:28 ID:???
アニ2にもハワイで北米版DVDボックス買ったりアニメイベントに行った人の話が、
くるみスレにも英語で「地味少女、愛してるよ」みたいなことが書いてあったが
全部同一人物かもしれんw
89マロン名無しさん:2007/05/11(金) 02:13:41 ID:???
独白さんの書いてたダイナーってここか。
確かに旨そうだ。
「ピーチメルバ」もあるしw
ttp://www.hawaii-arukikata.com/gourmet/2003b/likelike.html
90『わらうバケツマン』笑えなかった:2007/05/12(土) 00:54:53 ID:???
11日午後10時頃、東京都江東区藍蘭島の南条動物園付属水族館で、2人組の女が爆発物のようなものを置こうとしていたところを警戒にあたっていた警視庁ファイアースクワッドが発見し、
練馬区すすきヶ原の金魚養殖業、出目金愛(でめきん・あい=25)と千葉県海鳴市無職、稲穂辺美恵子(いなほべ・みえこ=25)の両容疑者を爆発物取扱罰則違反などの疑いで逮捕した。
調べに対し、両容疑者は容疑を認めた上で、出目金容疑者は「江戸時代より南条家に金魚を納入してきたが、自分は金魚が嫌いだった。
金魚飼育をやめたかったが親が怖くて言えなかった。南条家を皆殺しにすれば金魚を飼わなくてもいいと思った」
稲穂辺容疑者は「バラム外国人部隊に所属していたがザナルカンド紛争で怪我のため妊娠できなくなった。以来母子連れに殺意を抱いていた。
爆弾製造技術はバラム時代に習得した。8日に満弦ヶ崎市で起こった事件についても自分達がやった。今は反省している」などと供述している。
南条動物園では12日より予定通り『母子動物展』を開催する。
91マロン名無しさん:2007/05/12(土) 02:22:25 ID:???
>90ワラタ
92マロン名無しさん:2007/05/14(月) 01:26:20 ID:???
ピーチメルバなんざどこにでもあるけどな
93マロン名無しさん:2007/05/14(月) 01:31:36 ID:???
カイジスレと強さスレが落ちてしまった
94マロン名無しさん:2007/05/14(月) 01:37:21 ID:???
カイジスレときどき保守してたのに…orz
95マロン名無しさん:2007/05/15(火) 15:18:45 ID:???
保守
96マロン名無しさん:2007/05/16(水) 22:52:03 ID:???
一条望

他の奴も新幹線から名前をとったらどうか

父:一条E1系Maxやまびこ
母:一条ひかりレールスター
長女:一条E4系Maxあさま
次女:一条のぞみ
三女:一条はやて

「一条E1系Maxやまびこさん(43)宅から出火し」
「遺体は一条さんと妻のひかりレールスターさん(39)、次女の」
「15歳になる長女が行方を」
「長女は自分の名前に不満を抱いており」

人名にアルファベットとアラビア数字は使えませんが何か

やっぱり移動は自動車に限るよなメイドが運転してくれたらなおいい←いまここ
97マロン名無しさん:2007/05/18(金) 13:41:25 ID:???
「のぞみ」ときたら、他は「ひかり」「あかつき」「興亜」「大陸」だろ常識的に考えて…。



すんません、自分戦前派鉄ヲタですw
98マロン名無しさん:2007/05/19(土) 00:16:01 ID:???
ぱにぽにで「ぼくらの」やれば面白いと思う
問題は十五人の選出だが…
99マロン名無しさん:2007/05/19(土) 00:28:19 ID:???
俺なら、この15人だ。
・ベッキー    ・芹沢
・姫子       ・来栖
・くるみ      ・犬神
・玲        ・乙女
・6号       ・雅
・都        ・修
・柏木姉     ・綿貫
・柏木妹


一条さんとか白鳥は、ああいうキャラだから外した。
100マロン名無しさん:2007/05/19(土) 01:03:18 ID:???
全員伊藤さんでイナフ
101マロン名無しさん:2007/05/19(土) 01:05:21 ID:???
ぱにぽにで「LOST」やれば面白いと思う
問題はソーヤーを誰が演じるかだが…
102マロン名無しさん:2007/05/19(土) 23:40:09 ID:???
>>97
貨物列車に忍び込んで南条財閥の秘密工場に潜入する藤宮円と
危機一髪無事生還した円の報告から推理する名探偵高見沢ハルカと
秘密工場で円と邂逅して友情を育み兄弟機や南条財閥と戦う事になるロボ子と
最後の最後で颯爽とあらわれいいところをかっさらう高瀬和也
を妄想した、貨物列車に萌える江戸川乱歩オタ
円はポケット小僧のイメージ。
103マロン名無しさん:2007/05/21(月) 14:22:19 ID:OkKhRWn1
ぱにぽにでひぐらしも面白いかもしれんな。

犬神→圭一
南条→魅音
メディア→レナ
ベッキー→梨花
くるみ→沙都子
修→悟史


てか、スレ違いか。
104マロン名無しさん:2007/05/21(月) 16:22:13 ID:???
時報が誰になるかだけ気になる
105マロン名無しさん:2007/05/21(月) 19:36:27 ID:???
>>103
常識的に考えて魅音は柏木姉妹だろ。
106マロン名無しさん:2007/05/21(月) 20:08:07 ID:???
投下がこないとネタに走るなこのスレw
107マロン名無しさん:2007/05/21(月) 22:44:49 ID:???
>>105
詩音の存在忘れてた
うん。魅音と詩音は柏木姉妹だよな
108マロン名無しさん:2007/05/23(水) 01:58:13 ID:???
僕は早乙女
フリーの体育教師さ
109マロン名無しさん:2007/05/23(水) 03:43:00 ID:???
はいはいひぐらしひぐらし

絵がキモイ、とか言われても刺さないようにw
110マロン名無しさん:2007/05/24(木) 03:40:51 ID:???
保守
111ぱに L O S T ぽに:2007/05/24(木) 16:03:04 ID:???
1.
「――ふあっ!」
……。
ここはどこだ。
視界は暗く、何も見えない。
「うう」
頭と……右肩が痛い。どこかにぶつけたのか?
頭に手をやると、ぬるりとした感触が……。
「……うわ」
血だ。
血の匂いがする。
それほど深くはないが、切ってしまったらしい。
右肩はズキズキと痛み、動かせそうにない。
「いてて」
私はなんとか身体を起こし、辺りを窺った。
「…………」
暗闇に目が慣れ始めたのか、ぼんやりと地面と伸び放題の草を視認できた。
ポケットから携帯電話を取り出す。
ディスプレイに表示されている時刻は22:22だった。
そうか、今は夜なのか。
空は星ひとつ見えない。雲のせい?
ここはどうやら外のようだが……野原のような場所だろうか? 何もないな。
そもそも私はどうして、こんなところで怪我を負っているんだ?

思い出せない。
思い出せるのは、名前だけ。
私は……『レベッカ宮本』だ。
112ぱに L O S T ぽに:2007/05/25(金) 00:21:38 ID:???

携帯電話以外に所持していたのは、赤のボールペンとハンカチ、そして飴玉一個だけだった。
私は、これだけの持ち物で一体何をしようとしていたのだろうか。
服装はカジュアルなもので、見覚えがある。最近、買ったものだ。
「…………」
ここが何処なのかもわからないし……。
とりあえずハンカチで頭部の傷を抑える。
既に血は止まりかけていたが、ばい菌が入るとまずいからな。
ふう。
どうしよう。これから。
周囲は暗く、とても静かだ。
やけに落ち着く……いや、待て。落ち着いてていいのか?
もう少し焦ってもいいんじゃないのか?
「……なんか変だ」
目が覚めたら、見知らぬところで怪我をしていて、たった一人……この状況は確かにおかしい。
が、本当におかしいのは……『私』のほうなんじゃないのか?
そうだ、これは変だ。
今、私が置かれている状況に、それほど恐怖を感じないのは何故なんだ?
私は……自分で言うのもあれだが、かなりの怖がりだった気がする。
なのに……

「……う〜」
喉が渇いてきた。うう。何か飲みたい。
とりあえずこの野原みたいな場所から出て、水を探そう。
いや、人だ。人を探そう。
人に会って保護してもらおう。ちょっと情けないが、それがいい。
怪我もしているしな。
「よし」
右肩の痛みも大分和らいできた。ていうか痺れすぎて痛みを感じなくなったのか。
まあいい、人を探そう。
私を助けてくれる人を……。
113マロン名無しさん:2007/05/25(金) 01:00:40 ID:???
>111-112
乙。
今後の展開楽しみにしてます。
114マロン名無しさん:2007/05/25(金) 17:10:55 ID:???
独白の人です。
久々に書き込みします。
115マロン名無しさん:2007/05/25(金) 17:11:52 ID:???
<新・橘玲の独白>

五香粉と豆板醤と、ゴマ油の匂い。
もう、私のカラダに染み込んで取れない匂い。
姫子がいつも、好きって言ってくれる匂い。
目覚めたらそこに漂う、中華料理屋の匂い。

今日も私は、この匂いに包まれながら学校への道を歩く。
何一つ変わったことのない、同じ道を。
平凡で、平和で、いつも通りの道を。
この、西口商店街を。

大嫌いだった家からボストンバッグ一つで逃げ出して、もうどれくらい経っただろう。
しばらく狭苦しいネットカフェで寝泊まりしてた私を、桃香飯店のオヤジさんが
拾ってくれたあの日から、もう何ヶ月経ったんだろう。
何だか、すごく長い時間がたったような気がする。
思えばあの日から、私の本当の人生が始まったのかもしれない。

生まれてから初めて味わう、ホントに自由な日々。
酒を飲んでは怒鳴り散らす父親からも、泣いてばかりの母親からも、解放された日々。
今日も自遊空間のナイトパック料金がちゃんと払えるかなんて気にしなくていい、
気楽な、あくせくしないでいい日々。
何も考えないでクラスの連中とバカやってればそれでいい、そんな日々。
父親はともかく、母親を見捨てたことには、ちょっと罪悪感もあったけれど。
116115:2007/05/25(金) 17:13:11 ID:???

「玲ちゃんオハヨー!
 あはっ、今日も中華屋さんのいい匂いー!」

「こ、こら姫子!
 朝っぱらから、天下の往来でいきなり抱きつくなっ!」

「えー、いーじゃん、減るもんじゃなしー。
 それとも、玲ちゃんには私の愛が伝わらないのカナー?
 私悲しいよ…。
 玲ちゃんの鬼!
 悪魔!
 銭ゲバ!」

「…なあ、そのアホ毛、今日こそ一思いに抜いてやろうか?」

「マ…ち、ちょっと玲ちゃん、勘弁してっ!」

「いや、ダメだね。
 何度言っても分からない奴には、カラダでしっかり分からせないとな。」

「カ、カラダって…わ、私の貞操を玲ちゃんに…そんな…女同士でなんて…
 でも、玲ちゃんなら私…。」

「何やってんだよ、さっさと学校行くぞ姫子。」

「むー、玲ちゃんのイジワルー…あ、イジワルとラジアルって似てるよね?
 玲ちゃんのラジアル!」

「いや…意味分からんし…。」
117115:2007/05/25(金) 17:15:10 ID:???
全く、姫子は相変わらず朝から元気だ。
この姿を見たら、この子が精神科に通ってるなんて誰が信じるだろう。
こんなに明るくて、バカばっかりやってて、いつもみんなの中心にいて。

勿論私にも、姫子にだって姫子なりの悩みがあるってことくらい想像はつく。
でも、私の前にいるこの元気な姫子の姿と、「精神科」という言葉は、私の中では
どうしても結びつかなかった。
この目で、姫子本人が精神科から出てくるところを一度見ていても、学校で何度も
噂を聞いていても。

今まで、姫子の口からは、私は何も聞けていなかった。
普段あんなにべたべたしてくる私にさえ、姫子は病院のことは何も言わなかった。
精神科に通ってるなんて大したことじゃない、と思っているのか。
それとも、姫子の中での私の存在が、その程度なのか。
そう思うと、なんだか、ちょっとだけ寂しかった。
ちょっとだけ、裏切られたような気持ちだった。

でも、私だって一時期ネットカフェで暮らしてたことは誰にも教えてないから、
お互い様なのかもしれない。
心を開いているフリをしながら本当は閉ざしている、本当は私たちは2人とも
そんな状態なのかもしれない。
私たちは2人とも、互いに仮面をつけて接しあっているのかもしれない。
いや、もしかしたら他の皆も、本当はそうなのかもしれない。
118115:2007/05/25(金) 17:23:09 ID:???
「あれ…玲ちゃん?
 どうしたのカナー、そんな難しい顔して?」

「あぁ…いや、何でもないんだ、何でも。
 ほ、ほら、早く学校行くぞ!」

「あっ、待ってよ玲ちゃん!!」

そんな姫子の明るい声がなんだか悲しくて、私はちょっとだけ足を早めた。

この、かりそめの平穏な日々は、見かけ上は退屈な日常は、いつまで続くのだろうか。
お互いに何かを隠しあって生きている、そんな日々は、いつまで続くのだろうか。

今日も、朝から太陽は眩しかった。
目にしみる光を浴びながら、私は学校へ向けて歩き続けた。
姫子の気配を背中に感じながら、一歩一歩、歩き続けていた。
119マロン名無しさん:2007/05/25(金) 17:25:18 ID:???
以上です。
それではまたそのうち。
120ぱに L O S T ぽに:2007/05/25(金) 22:44:42 ID:???
歩きながら、携帯電話をいじってみる。
それは、自分の持ち物とは思えないくらいダサい色の携帯電話だった。
ていうかこれ……本当に私のものなのか? 自分のセンスを疑っちゃうよ。
「…………うーん」
目覚めてからずっと頭がぼんやりしていて、名前以外確かなことが思い出せない私。
だからこの携帯電話が私のものだという確信がイマイチ持てなかった。
いいや、とりあえず中身を調べよう。
メールや着信履歴を調べれば、自分がどうしてこんな変な状況に置かれているのか、
そのヒントくらいは見つかるはずだ。

だが。
「なんで?」
ぴ。ぴ。ぴぴぴっ。ぴ……。
「なんで!?」
どういうわけか、携帯電話の中は……空だった。
電話帳の登録件数、0件。
受信メール、なし。
送信メール、なし。
着信履歴、発信履歴も何もない。メモ帳やデータフォルダも見てみたが、何も見つからなかった。
これではまるで新品のようだ……と思った。いや、もしかして新品なのか?
わからない。何がどうなっているのか……。
とにかく人だ。人に会いたい。
この気味の悪い感覚も、人に会えば解消されるはずだ。
私は歩く速度を上げた。


しばらく森のような場所を歩き続けていると、どこかから水の流れる音が聞こえてきた。
私はその音のするほうへ、駆け足で向かった。
「水! 水!」
そういえば、先ほどから喉が渇いていたな。
意識すると、無性に飲みたくなる衝動に駆られる。
そして私は、小さな川にたどり着いた。
121ぱに L O S T ぽに:2007/05/25(金) 22:45:45 ID:???
「は、はぁ……ははは」
やった。川だ。にへら〜。
川に両手を突っ込む。冷たい。気持ちいい。
「うぅ」
私はゆっくりと水を飲み始めた。
「ごくっ…………うぉ」
うまい。水ってこんなにおいしかったのか。

4分後。
「うっぷ……おぇ」
お腹が膨れるまで飲んでしまった。
「うー」
ちょっと気持ち悪くなってきたかも。って私は何をしているんだ……アホか。
とりあえず、横になろうかな……
そのとき、背後から物音がした。
「!?」
振り返ると、少し離れた位置に少女が立っていて、きょろきょろと辺りを見回していた。
「変だな。音がしたんだけど……」
と少女は呟いた。やけに可愛い声だった。
向こうはまだ私に気づいていないらしい。暗いから当然か。
「あ、ここです。ここにいます」
私はそう言って、彼女に向かって手を振った。
「うわ! ……え? 今のって」
と、少女は近づいてくる。
そして、私と少女の目が合った。
「え? あれ? あんた」
「あ、私、レベッカ宮本といって……自分でもよくわからないんだけど、その、迷っていて」
しどろもどろに説明する。
「嘘……ベッキー? 私よ! 都! 上原都!」
都……? って誰よ? と思う間もなく、彼女は私に抱きついてきた。
ぐええぇぇええ。苦しい。ていうか肩痛い! 頼むから離してー。
122ぱに L O S T ぽに:2007/05/25(金) 22:49:53 ID:???
次回からまとめて投下します

>独白さん
玲×姫子のカプ好きです。できれば二人の話をもっと書いてく(ry
123マロン名無しさん:2007/05/26(土) 22:10:48 ID:???
>122
楽しみにまってるお


しかし住人がむちゃくちゃ減ったのか何なのか知らんが最近全然書き込みないな
今月氏とかどうしたんだろうか
124今月のGFを読んで:2007/05/27(日) 00:47:17 ID:???
【な】 な……なんだあれは……
【な】 南条操は化物だ……
【ア】 アルファ小隊が5分で全滅だと!?
【て】 天罰……なのか……神様……みや(グチャッ)
125今月のGFを読んで:2007/05/27(日) 00:53:07 ID:???
 南条に渡されたカンガルー革の財布を持って道を歩いていると、もっともスカートの中では這っているのだが、
とにかく道を進んでいると向こうからおさげにメガネの女子高生がやってきた。
 挨拶をしようかと思ったが、世界最大の都市である東京で誰かとすれ違うたびに挨拶していてはきりがない。ではあるが南条と同じ学校の制服という事で無視するのも失礼であり、折り合いを付けて会釈する。
 と、女子高生はミアの襟首を掴んですごんだ。
「なんだまだ生きてたのか?」
126今月のGFを読んで:2007/05/27(日) 00:55:57 ID:???
「え?」
 突然の事で呆気にとられるミアの前で少女はブレスレットを使い変身した。
 変身後のピンク色の姿には見覚えがある。
 ミア……侵略のため地球にやってきたラミア族の戦士は出会い頭にこの女にボコボコにされたのだ。
 なんとか逃げ出したものの全身に火傷をおい怪我もひどくあのままだったら間違いなく死んでいただろう。
 女……ベホイミは高らかに宣言した。
「とっとと地球から出て行け! さもなくばおまえの仲間は私が皆殺しにしてやる!」
(私の仲間は……皆殺し……)
 ミアの心に南条やそのペット達が浮かんだ。
(あのひとたちを殺させるわけにはいかない)

 ロードローラーとタンクローリーに潰されて瀕死の状態になった彼女を拾って治療し、ラミアだからミアと簡潔明瞭で可愛らしい名前をつけてくれた南条操。
 優しかったり意地悪だったり照れ屋さんだったりした仲間のペット達。
 彼女達を守らなくては。
 ベホイミと戦った時の恐怖が蘇る。傷が痛む気がした。
 しかし退く気はない。
 たとえどんな結果になろうとも、彼女達を守る為に退く選択肢は有り得ない。
127今月のGFを読んで:2007/05/27(日) 00:59:20 ID:???
「やめてください、私はもう地球人に危害を加えるつもりはありません」
 説得を試みるがベホイミの答えはそっけない。
「誰が信じるか。二度と化けて出てこれねぇようにボコボコにしてやんよ」
 ベホイミはミアの右腕をひねりあげて無造作に力任せにねじ切って放り投げた。
「痛いっ! な、なにを……」
「心配するな、後で拾ってちゃんと捨ててやるから。おまえの仲間は私が皆殺しだ。何度かかってこようとな。
 お祈りは済んだか? ちゃんとトイレは済ませたか? 答えは訊い」
「させない」
「……あァ?」
 生体兵器として生まれ育ち、ヘビだけに冷血動物と揶揄されていた、そしてそれになんの感情も抱かなかった過去の自分。
 それが今では明日ご主人様が持ってきてくれる予定の生み立て卵を楽しみにしたり、
由香のポニーテールを追いかけたり、おつかいが一人で出来るかどきどきわくわくしていたりしている。
 そう感じる心をくれたのは、あのひと。
 守りたい。
 自分のすべてと引き換えにしてでも……
128今月のGFを読んで:2007/05/27(日) 01:00:26 ID:???
「させないッ! 私はご主人様達を守って見せるッ!」
 裂帛の気合と共に繰り出したミアの尻尾の先端がベホイミの右眼窩を貫いて脳を抉った。
「ぴゃか!(バカな!)」
 言いながらもベホイミは右手に装備したパーツからビームを放ち、ミアの左腹部は吹き飛んだ。
 衝撃と痛みで抜けそうになる尻尾を踏ん張ってなんとか保持し、構えて道路に叩きつけるとベホイミの頭は砕けた。
「はぁ……はぁ」
 荒い息で様子を睨むが再生してくる様子はない。
 勝った。
 戦力差は圧倒的だったが南条を守ろうとする愛の心がミアに超力を与えたのである。
(これでご主人様を守る事が出来たかしら…… 私がいなくなってもどうか幸せに)
 限界を大きく越えた力を出したミアの肉体はすでに使い物にならなくなっていた。激痛をこらえながらなんとか笑みで死に顔を作りミアは逝った。
129今月のGFを読んで:2007/05/27(日) 01:02:36 ID:???
 その頃南条操は広大な自宅の庭園で、一番新しいペットが買ってくる予定の食材に合わせてハーブを摘んでいた。
(思い詰めた様子だったら何かと思えばおつかいに行きたいだなんて、可愛いんだから。宮本先生にも見習ってほしいくらいですわね)
 彼女が無事帰ってくる事をわずかも疑う事なく。
130今月のGFを読んで:2007/05/27(日) 01:05:23 ID:???
>>124
「いやー、女子高生のメイド喫茶ですよ中佐殿!」
「こ、こんなものは子供だましだと思っていたがなかなかいいな!」
「俺なんか胸が七回も当たっちゃったぜ!」
「バーカ! それは当ててんだよ! あ、次自分に当ててください!」
「あ、あ、あてていますのよ……」
「あっ意外と小さいんですね胸」
「! な……っ! 失礼な!」
「あーあーあーっ! 自分もぶってください! 髭! 剃ってきましたから!」

「あ、あう、わ、きゃー! ごっ、ごめんなさいーっ!」
「はは、まったく晶ちゃんはどじっ子だなあ。いいよいいよ気にしないで」
「素であれだけのドジが出来るなんてさすがだね宮田さん」
「宮田の『足が滑ってプリンを頭にぶつけちゃいましたぁごめんなさいっ!』コースの人気があそこまでとはな……」
「呟いてねえで執事おまえも仕事しろ」
「ビンタもメニューに加えてみよっか?」
「思いつきで物を言うんじゃ無いのあんたも」
131今月のGFを読んで:2007/05/27(日) 01:07:44 ID:???
 以上です。
 ご心配をおかけしてごめんなさい、生きてます。

 女の子モンスターが可愛くて好きです。特にラミアは女性型モンスターの中でも特に大好きです。
 ドラえもんの『絵本入り込みぐつ』と『桃太郎印のきび団子』があったらRPGに入って飼い馴らして連れて来たいです。
 というわけでネタはラミアが登場した次のページを読んでいる時点で思いついてしまいましたが話はなかなか……もっと頑張らないとですね。
 そしてGFがどっか行きました。まだ全部読んでないのに。
132マロン名無しさん:2007/05/27(日) 01:23:11 ID:???
今月氏GJ!
独自の視点がたまらんです。
なんか光臨を要求したみたいですみません。
133マロン名無しさん:2007/05/27(日) 13:08:04 ID:???
今月さんはロープレ好きだな。間違いない。
134マロン名無しさん:2007/05/28(月) 05:18:03 ID:???
チョイ悪うさぎ
「くるみさん、今日も下着の色が上下違うっすねwどんだけ面倒くさがりなんすかwwww」
「一条さんの末の妹さん、二足歩行できるのに人語解せないってw知障すかwww」
「鈴木さん、パシられて帰ってくるとき、たまにショーツ食い込んでるんすけど感じてるんすかwww」
「玲さん、あんたチャイナ服で原チャリ乗って出前してますけど、どこのデリヘルすかwwww」
「姫子さん、別に無理して明るく振舞わなくてもwあんたがメンヘラだってみんな知ってますからwww」
「都さん、えーと特に何もないっすwwwwサーセンwww」
その後彼の姿を見た者はいない……
135マロン名無しさん:2007/05/28(月) 14:47:03 ID:???
>134
禿ワロタwwwww
136マロン名無しさん:2007/05/29(火) 23:48:56 ID:???
29日午後11時50分頃、東京都太田区桃月で桃月学園1年の女子生徒が保守をした疑いで一緒にいた同級生に乙された。
女子生徒は容疑を認めた上で、「私が保守しなければ落ちてしまうのではないかと思うと恐ろしかった。
自分の行動は正しかったと確信している」と供述しているという。
一方で乙した女子生徒は「小銭が余っていたので缶ジュースを買ったら当たってしまった。
鞄を軽くしたかった。誰でもよかった」と述べている。
137マロン名無しさん:2007/05/31(木) 22:22:34 ID:???
みんな続きマダー?
138マロン名無しさん:2007/06/02(土) 00:01:18 ID:???
独白はワンパターンだからもう帰ってこなくていいよw
ていうかこんなとこで書いてたら悪化するからさっさと鬱の治療に専念しろよw
139マロン名無しさん:2007/06/02(土) 00:14:45 ID:???
140マロン名無しさん:2007/06/04(月) 02:36:44 ID:e402KXVZ
続きがなかなか書けないので保守だけしときます
1ヶ月近く期間が開いてもログとまとめサイトがあるからいいでしょと達観した
そうでもないと書けん
141マロン名無しさん:2007/06/04(月) 02:37:46 ID:???
独白の人です。
夜更けに失礼します。
142マロン名無しさん:2007/06/04(月) 02:38:45 ID:???
<新・片桐姫子の独白>

朝の日差しが、静かに私のカラダを包んでいた。
柔らかくも優しい、初夏の日差し。
全てを忘れさせてくれそうなその明るさに身を預けながら、私はいつもどおりの
学校への道をただまっすぐに歩いていた。

人前で自分がいつも被っている仮面のことを考えなくてもいい、こんな一人の時間が
私は好きだった。
笑顔という私の顔に張り付いた仮面は、時に私を苦しめ、悩ませ、悲しませていた。
でも、それを皆に見せたくなくて、私は、一層深く仮面を被っていた。
いつも、ずっと、被り続けていた。

ADHD、注意欠陥多動性症候群、それが、私についた診断。
リタリンとカウンセリングのおかげで表面上は普通の生活ができているように感じていても、
やっぱり私は、普通とどこか違うということには変わりはないようだった。
私は自然にしているつもりでも、いつも玲ちゃんを、ベッキーを、6号さんを、都ちゃんを、
くるみちゃんを、一条さんを、そして皆を戸惑わせている。
それが、ちょっとだけ苦しかった。
普通になれない自分が、なんだか許せなかった。

でも、そんな姿は誰にも見せたくなかった。
大好きな皆に、心配はかけたくなかった。
ただでさえ皆、大変なことを抱えているのに、私のことなんかで心配をかけたくなかった。
だから私は、いつも笑顔というこの仮面を手放せないでいた。

前の方を歩く玲ちゃんの姿を見かけて、私は軽く足を速めた。
かすかに香る、中華屋さんの匂い。
その匂いが、私は好きだった。
別に私だっていつもお腹を空かせているわけじゃないけれど、でも、この匂いが
たまらなく大好きだった。
大好きな玲ちゃんの匂いだから、一層そうなのかもしれないけれど。
143142:2007/06/04(月) 02:39:35 ID:???
「玲ちゃんオハヨー!
 あはっ、今日も中華屋さんのいい匂いー!」

「こ、こら姫子!
 朝っぱらから、天下の往来でいきなり抱きつくなっ!」

「えー、いーじゃん、減るもんじゃなしー。
 それとも、玲ちゃんには私の愛が伝わらないのカナー?
 私悲しいよ…。
 玲ちゃんの鬼!
 悪魔!
 銭ゲバ!」

「…なあ、そのアホ毛、今日こそ一思いに抜いてやろうか?」

「マ…ち、ちょっと玲ちゃん、勘弁してっ!」

「いや、ダメだね。
 何度言っても分からない奴には、カラダでしっかり分からせないとな。」

「カ、カラダって…わ、私の貞操を玲ちゃんに…そんな…女同士でなんて…
 でも、玲ちゃんなら私…。」

「何やってんだよ、さっさと学校行くぞ姫子。」

「むー、玲ちゃんのイジワルー…あ、イジワルとラジアルって似てるよね?
 玲ちゃんのラジアル!」

「いや…意味分からんし…。」
144142:2007/06/04(月) 02:42:06 ID:???
玲ちゃんとのいつものようなこんな掛け合いが、嬉しかった。
いつもの仮面の笑顔じゃなくて、本当に、心から笑い合える時間。
一人の時間も好きだったけれど、この時間も私は好きだった。

でも、玲ちゃんが本当にお金で苦労しているってことも、それに親御さんとの関係が
あまりよくないらしいってことも、私は知っていた。
前には、あまり大声で言えないようなバイトを隠れてやってたって話も、玲ちゃんが夜、
家に帰らないで大きなカバンを持ってネットカフェに出入りするところを見たって話も、
私は何度も耳にしていた。

でも、どこまでが本当で、どこまでがタダのウワサか、それはわからなかった。
玲ちゃんには、そんなことは面と向かって聞くことはできなかった。
聞けば今の関係が壊れてしまう、それが怖かった。

そんな風に思い悩む自分を玲ちゃんに見せたくなくて、いつも私はつとめて明るく
玲ちゃんに話しかけていた。
中華屋さんのバイトを始めてから大分減ってはいたけれど、玲ちゃんの難しく考え込む顔を、
眉間に皺を寄せる顔を、私は見たくなかったからだ。
145142:2007/06/04(月) 02:43:31 ID:???
「あれ…玲ちゃん?
 どうしたのカナー、そんな難しい顔して?」

「あぁ…いや、何でもないんだ、何でも。
 ほ、ほら、早く学校行くぞ!」

「あっ、待ってよ玲ちゃん!!」

ちょっと早歩きの玲ちゃんを、私も早歩きでそっと追いかけた。
玲ちゃんの制服から漂ういつもの匂いを嗅ぎながら、ちょっとだけ急ぎ足で追いかけた。

今日も、いつもどおりの朝が始まる。
そう、これでいいんだ。
仮面を被りっぱなしでも、それで私がどう思おうと、何も起きないことが一番いいんだ。

"The God is in his heaven, and all's right with the world."
『天は神とともにいまし、世は全てこともなし。』

クリスチャンなんかじゃないけれど、私はその言葉を頭の中で反芻していた。
早足で歩きながら、ずっと反芻していた。
146マロン名無しさん:2007/06/04(月) 02:45:11 ID:???
以上です。
おやすみなさい。
147マロン名無しさん:2007/06/04(月) 12:57:42 ID:???
お疲れです。
最近投下が少ないな…
気長に待ってるので、未完作品の作者のみなさん頑張ってください。
148マロン名無しさん:2007/06/04(月) 13:52:00 ID:???
この空気で投下するのも辛い物があると思うが。
しかしこうも叩かれても投下できるって独白さん神経太いなー。
マジで感心するわ。
向精神薬のやり過ぎかもわかんないけど。
149マロン名無しさん:2007/06/04(月) 15:17:49 ID:???
ワンパターン乙wwww
またメンヘルネタかよwwww
この板だとsageで書くとID消えるから専ブラでも透明あぼーんできないから困るわwwww

ADHDってお前自身のことだろwwww
リタリンでヘロってんじゃねーのかwwww
150マロン名無しさん:2007/06/04(月) 22:12:30 ID:???
パキシルとドグマチールとリスパダールとリタリン飲んでる喫煙者か
151マロン名無しさん:2007/06/04(月) 22:42:27 ID:???
 || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
 || ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
 || ○ウザイと思ったらそのまま放置。
 || ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
 ||  ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
 || ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
 ||  与えないで下さい。                  Λ_Λ
 || ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて   \ (゚ー゚*) キホン。
 ||  ゴミが溜まったら削除が一番です。       ⊂⊂ |
 ||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_      | ̄ ̄ ̄ ̄|
      (  ∧ ∧__ (   ∧ ∧__(   ∧ ∧     ̄ ̄ ̄
    〜(_(  ∧ ∧_ (  ∧ ∧_ (  ∧ ∧  は〜い、先生。
      〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)
        〜(___ノ  〜(___ノ   〜(___ノ
152マロン名無しさん:2007/06/04(月) 23:21:27 ID:???
>>146
乙です〜
153マロン名無しさん:2007/06/04(月) 23:46:51 ID:???
荒らしになるならそれでもいいけど

"The God is in his heaven, and all's right with the world."
『天は神とともにいまし、世は全てこともなし。』

この訳おかしくない?
154マロン名無しさん:2007/06/05(火) 00:02:44 ID:???
前半は、「神は天にいまし」だなw
155マロン名無しさん:2007/06/05(火) 18:09:59 ID:???
独白先生嫌いじゃないけど細かい所が気になるんだよな
そこさえ直してくれればマシになると思うんだけど
156マロン名無しさん:2007/06/05(火) 18:33:18 ID:???
意味なく叩くのはアレだが、そういう建設的な話なら俺も知りたい
独白さんのに限らず俺や他の人が書いた文もみんなどう思ってるか気になるし
どうせならいい文書きたいもんね。

しかし独白さんに粘着してるヤツはメンヘラとか喫煙者に何か嫌な思い出でもあるのか?
それとも自分の好きなキャラを貶められたと思ってるのか?
157マロン名無しさん:2007/06/05(火) 21:17:57 ID:???
独白さんいつも最後の文をリピートするのが気になる
158マロン名無しさん:2007/06/06(水) 13:46:27 ID:???
残念ながら喫煙者は現代社会において害毒を撒き散らす社会の敵か
啓蒙すべき存在と位置付けられるだろうね
159マロン名無しさん:2007/06/06(水) 14:27:06 ID:???
ふーん。
あーアメリカンスピリット旨いw
160マロン名無しさん:2007/06/06(水) 20:57:28 ID:???
>>159
アンタも独白先生が大事ならそういう事すんなよ
161マロン名無しさん:2007/06/06(水) 22:04:06 ID:???
誰でもいいからとにかく誰かを叩きたい奴がいるようだな。
ここは自作小説のスレなんだから作品の良し悪しについてはいくらでも論じていいと思うが
喫煙者とかメンヘルとかの点で職人を叩くのは筋違いだぞ。

もう一度言う。
大事なのは作品で、職人の属性ではない。
お前が喫煙者やメンヘルに痛い目に合わされたとかそういうことはこのスレとは無関係だ。
大人になろうぜ。
162マロン名無しさん:2007/06/06(水) 22:17:44 ID:???
>作品の良し悪しについてはいくらでも論じていいと思うが
いや、それはやめた方がいい。
独白さんは叩かれるほうが嬉しいって言ってたけどその結果スレが荒廃してる訳だし。
少し位気になる所があってもそこは流していい所を見つけて褒めた方がいいだろう。
163マロン名無しさん:2007/06/06(水) 22:26:08 ID:???
柏木妹の乳でも触って落ち着け
164マロン名無しさん:2007/06/06(水) 22:34:16 ID:???
俺は鈴音がいいw
165マロン名無しさん:2007/06/07(木) 16:04:56 ID:???
この空気を吹き飛ばす新作SSキボンw
166マロン名無しさん:2007/06/07(木) 20:14:06 ID:???
五十嵐先生の太ももが最強という事でよろしいかな
167マロン名無しさん:2007/06/08(金) 01:37:51 ID:???
俺も喫煙者だがメンヘルと一緒にしないでほしい

なんかメンヘルの書いたものって読んでたら負の空気に引き込まれそうになるからイヤ

人の言葉や行動の裏を読んで勝手にうじうじ落ち込んでるのもキモい

関係ないが麻生先生ハァハァ
168マロン名無しさん:2007/06/08(金) 13:33:50 ID:???
麻生先生の顔見るとビンタしたくなるのは俺だけじゃないはず
169マロン名無しさん:2007/06/08(金) 21:56:35 ID:???
麻生先生をバカにするなー
170マロン名無しさん:2007/06/08(金) 21:57:53 ID:???
このスレではいじめいたぶりなぶり殺すのが愛だから問題ない
171マロン名無しさん:2007/06/08(金) 22:15:50 ID:???
じゃ独白さんも愛されてるんだw
172マロン名無しさん:2007/06/08(金) 22:20:27 ID:???
麻生先生はキャラ作ってる感じがしないでもない。
ブログとかで、生徒の悪口を書いて(ry
173マロン名無しさん:2007/06/08(金) 22:28:45 ID:???
>>171
納得した
174マロン名無しさん:2007/06/09(土) 02:07:55 ID:???
麻生先生は口の端がちょっと曲がってるのがなぁ
キャラ作るくらい腹黒くなきゃセンセイなんかやってられないだろうし
漫画好きってのはガチみたいだが
175マロン名無しさん:2007/06/09(土) 09:56:37 ID:???
腹黒くなきゃなれないのは代議士のセンセイだろw
176マロン名無しさん:2007/06/09(土) 14:13:04 ID:???
麻生先生は過去に苛められた経験アリ。
177マロン名無しさん:2007/06/10(日) 04:14:52 ID:???
愛する姫子と教職の二つを失うのなら、むしろすべてを失ったほうがいい。
だが、そのかわり、私の周囲のすべても亡びるべきだと、私は思った。
破局の元凶となった五十嵐よ、死ぬがいい。
私を弄んだ早乙女も死ぬべきだ。
母を死に追いやったお姉ちゃんも死ね。
そして、姫子も、恋する人を失った苦しみを知るがいい。
私はそう思い、自分に誓った。いつか、彼女等を殺してやると。
178マロン名無しさん:2007/06/10(日) 17:15:53 ID:???
(゚Д゚≡゚Д゚)エッナニナニ?
179マロン名無しさん:2007/06/11(月) 01:55:58 ID:???
また暗いのがきたよ
でもこれ独白の文じゃないな
特徴的な繰り返しがない
180マロン名無しさん:2007/06/11(月) 02:15:13 ID:???
姫子死ね!
181マロン名無しさん:2007/06/11(月) 02:28:34 ID:???
ただの改変です
182マロン名無しさん:2007/06/11(月) 20:51:16 ID:???
姫子、交通事故に遭う の巻
183マロン名無しさん:2007/06/11(月) 23:24:13 ID:???
184マロン名無しさん:2007/06/11(月) 23:41:41 ID:???
185マロン名無しさん:2007/06/12(火) 01:19:33 ID:???
186マロン名無しさん:2007/06/13(水) 00:21:43 ID:???
187マロン名無しさん:2007/06/13(水) 00:59:57 ID:???
188マロン名無しさん:2007/06/13(水) 09:50:44 ID:???
綿貫「ひ か わ き ら
氷川キラ
氷川=キラ!
つまりこれは(ry
189マロン名無しさん:2007/06/13(水) 21:56:02 ID:???
( ´_ゝ`)フーン
190マロン名無しさん:2007/06/13(水) 22:45:34 ID:???
ぱにぽに平家物語
191マロン名無しさん:2007/06/13(水) 22:54:51 ID:???
いづれの御時にか、
女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に
いとやむごとなき際にはあらぬが
すぐれて時めきたまふありけり


・・・平治9X年、世界は核の炎に包まれた。
192マロン名無しさん:2007/06/14(木) 01:02:40 ID:???
平治っていつだっけ?と思うオレ歴史ダメポ
193マロン名無しさん:2007/06/14(木) 01:36:54 ID:???
Pani Poni HAZARD の続きマダー?
194マロン名無しさん:2007/06/14(木) 14:57:57 ID:???
私的には宮田イラントの続きが気になるが…
195マロン名無しさん:2007/06/14(木) 18:44:26 ID:34ZK8LIp
源氏物語ならかなり勉強したんだが……大学で半年も研究したし


って平家かよ
196マロン名無しさん:2007/06/14(木) 19:38:58 ID:???
光源氏は平家の本拠だった福原京を一瞬のうちに消滅させた
源氏によって使われたピカドンの名前だよ
197マロン名無しさん:2007/06/14(木) 20:07:27 ID:???
紫上は萌える
198マロン名無しさん:2007/06/14(木) 20:48:14 ID:???
>>196
芦屋道満四天王の次峰の名前じゃなかったっけ
199マロン名無しさん:2007/06/14(木) 22:27:39 ID:???
壇ノ浦では光源氏と平清盛の一騎打ちが!!
200マロン名無しさん:2007/06/14(木) 22:36:29 ID:???
ちょwwwwおまいらいつからここは源平スレになりますたかwwww

ぱにぽにから離れ杉じゃねwwwww
201マロン名無しさん:2007/06/14(木) 22:47:59 ID:???
南条さんの父親は源氏ほたる、母親は平家雅尼
202マロン名無しさん:2007/06/14(木) 23:16:36 ID:???
それでも独白さんなら…独白さんならきっとなんとかしてくれる…
203マロン名無しさん:2007/06/14(木) 23:33:33 ID:???
覚えとけヨ

最初から天才は読み手にはいねーんだ

どんな奴でもリード&リードを重ねて、何年もかかって自分のノウハウを作っていくのヨ

ところが書き手はちがう。10年書いてうまくなった奴もいれば・・

鉛筆とって書き出したとたん上手い奴もいる

独白がそうだ

書き手に天才はいる

それは、文字と紙と点字の集合体でしかない作品に愛された人間だ
204マロン名無しさん:2007/06/14(木) 23:39:17 ID:???
独白乙。



関係ないけど、
綿貫にデヴって言いたい。
205マロン名無しさん:2007/06/15(金) 00:14:52 ID:???
>202-203は信者を装ったアンチだろ?
これじゃ本人光臨は望めないなw
206マロン名無しさん:2007/06/15(金) 00:41:10 ID:???
アンチじゃなくてネタ披露なだけな希ガス
湾ぱにスレでも似たの見たし
207マロン名無しさん:2007/06/15(金) 02:40:53 ID:???
柏木妹自殺してくれねーかなー
208マロン名無しさん:2007/06/15(金) 19:21:28 ID:???
桃月コンフィデンシャルまだー?
209マロン名無しさん:2007/06/15(金) 19:25:08 ID:???
優麻は一度痛い目に遭ったほうがいい
210マロン名無しさん:2007/06/15(金) 21:27:09 ID:???
アニメ2期キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1180973051/99
211マロン名無しさん:2007/06/15(金) 22:27:12 ID:???
優麻が痛い目に合うssをかけばいいのさ!
212マロン名無しさん:2007/06/15(金) 23:12:36 ID:???
優麻は足の小指をタンスにぶつけた
優麻は親指に割り箸のささくれが刺さった
優麻は爪を剥がされた
優麻はアイアンメイデンで串刺しにされた
優麻はミキサーにかけられてミンチになった
優麻は生きながらメソウサにかじり殺された
213マロン名無しさん:2007/06/17(日) 04:58:33 ID:???
優麻は謎の宇宙人に体を入れ替えられた
見るも無残な体になってしまった優麻
事情を説明しようとするも、何も知らない友達にはキモがられ、
石を投げつけられて接触すら図れない
他のぱにぽにキャラの体も狙う侵略者たちの野望を食い止められるのか?!
214マロン名無しさん:2007/06/18(月) 23:35:02 ID:???

ぱにぽに古今和歌集
215マロン名無しさん:2007/06/19(火) 04:02:02 ID:???
独白さんって学級崩壊じゃなくて個人崩壊って感じだよね
独白さんに一度初期スレのような学級崩壊風味のssを書いてもらいたいな
216マロン名無しさん:2007/06/19(火) 15:08:16 ID:???
個人崩壊ばっかのクラスは自然と学級崩壊しそうだな。とりあえず独白氏、新作希望です。
アンチとか気にしないで。
217マロン名無しさん:2007/06/19(火) 15:36:31 ID:???
>>215
初代スレって独白さんはコテでしたっけ?
218マロン名無しさん:2007/06/19(火) 18:41:07 ID:???
独白自作自演乙
219マロン名無しさん:2007/06/19(火) 20:43:48 ID:???
>>217
初代スレにはいなかった気がする
220マロン名無しさん:2007/06/20(水) 00:51:33 ID:???
柏木姉妹を苛める話。
今夜投下する。
221マロン名無しさん:2007/06/20(水) 14:45:18 ID:???
「柏木って臭いよねー」
「臭いよねー」
222マロン名無しさん:2007/06/20(水) 19:25:11 ID:???
>>221
ああ、臭い
淫売の臭いがぷんぷんとな!
223マロン名無しさん:2007/06/20(水) 23:13:19 ID:???
優麻の
224マロン名無しさん:2007/06/22(金) 15:06:39 ID:???
保守
225マロン名無しさん:2007/06/23(土) 03:25:50 ID:1uTLkmKM
ぱーにー
226マロン名無しさん:2007/06/23(土) 11:35:23 ID:???
ぽーにー
227マロン名無しさん:2007/06/23(土) 15:33:03 ID:???
えーっくす
228マロン名無しさん:2007/06/25(月) 00:58:18 ID:???
新作はまだか
229マロン名無しさん:2007/06/25(月) 01:02:21 ID:???
ちんちん
230マロン名無しさん:2007/06/25(月) 04:27:23 ID:Y+BzksfS
かもかも
231マロン名無しさん:2007/06/25(月) 19:47:29 ID:???
エロでもグロでもなくて、ダークで面白いのが過去にあったら教えて。
232マロン名無しさん:2007/06/25(月) 19:58:30 ID:???
伊藤さんの話読みたい




一度書いたけど失敗したから
誰か書いてほしい
233マロン名無しさん:2007/06/26(火) 02:23:42 ID:???
伊藤さんやズーラは難しい
234マロン名無しさん:2007/06/26(火) 23:45:58 ID:???
そろそろ新刊出るんだよな?
出ればまた何か書けると思うが今はネタがない
235マロン名無しさん:2007/06/27(水) 02:24:14 ID:???
荒らしも治まったところで何か書きたいのに、ネタが浮かびません。
感情も、何か全然動きません。
こないだパキシル増えたから?
236マロン名無しさん:2007/06/27(水) 02:27:16 ID:???
ほかの漫画ならネタ浮かぶのに
ぱにぽには・・・
ベッキー自殺させるくらいしかネタが浮かばん
237マロン名無しさん:2007/06/27(水) 17:25:43 ID:???
ベッキーを飼いたい
238マロン名無しさん:2007/06/27(水) 17:29:55 ID:???
ボダ風味の高見沢ハルカと共依存な高瀬和也の話を書きたい
でもネタが浮かばないんです誰かタスケテ
239マロン名無しさん:2007/06/28(木) 22:24:01 ID:???
高見沢はいじめっこだよな
240マロン名無しさん:2007/06/28(木) 22:31:56 ID:???
ぱにぽにでボーダーっぽいキャラっていったら誰だろう?
円あたりか?
241マロン名無しさん:2007/06/29(金) 01:01:15 ID:???
姫子も境界例の可能性が
242マロン名無しさん:2007/06/29(金) 03:29:43 ID:???
マホマホ言ってるもんな
243マロン名無しさん:2007/06/29(金) 17:58:25 ID:???
姫子のお姉さん
244マロン名無しさん:2007/06/29(金) 22:39:07 ID:???
片桐
245マロン名無しさん:2007/06/29(金) 22:52:11 ID:???
片桐姓といえば片桐はいり
246マロン名無しさん:2007/06/29(金) 23:33:44 ID:???
アニメ18話でメソウサに取り付いた時限爆弾を
「解除不能な上に地球を丸ごと吹き飛ばしてしまう位の強力な爆発力を持っている」事にして
最後の手段として桃月学園に現れた宇宙人が、メソウサを宇宙に打ち上げて何とか地球だけは救おうと提案するが
ベッキーはメソウサを犠牲にしようとするこの提案を断固拒否して
メソウサを連れて全世界を相手に二人きりの逃避行をする・・・

・・・という話を考えている
247今月のGFを読んで:2007/06/30(土) 23:10:20 ID:???
 世界の動物保護の為、全世界を周っている南条操は大統領官邸に向かうべくリムジンに乗り込もうとしたが、そこに全裸の女が駆けよった。
「エボン=ジュ様はおっしゃられた南条グループは世界を破壊する悪の組織だと南条操死ねしね氏ね」
「そこの女、近付くと撃つぞ。撃つぞ! はい撃った! ばーん!」
 ベホイミはSPによって射殺された。
 確かにこの国の経済は動物の密猟によって成り立っている部分もある。その為にも自分の活動が重要なのだ。南条操は嘆息した。
248今月のGFを読んで:2007/06/30(土) 23:14:10 ID:???
 好奇心からキノコを食べた一条は死に、怒りの都の手刀はレベッカの残したふざけた看板を叩き割った勢い余ってメディアの頭蓋骨を砕き脳をかきまぜた。
 横一文字に切り裂かれたおなかから来栖は内臓をポロリする。
 そして島……廃棄されて数年が経ちいろんな動植物が繁茂した南条グループのメガフロートの成れの果ては崩壊し、桃月学園1年女子は全滅したのであった。
249今月のGFを読んで:2007/06/30(土) 23:15:27 ID:???
「って話はどうかな?」
 作業をしながら千夏が言い、由香は作業の手を休めてボールペンの尻で千夏の頭を小突いた。
「そんなに行きたかったのかあんたは」
「う、痛いよ由香ちゃん刺さったよ」
「刺さってないわよ」
 一応手の中のボールペンを確認して由香が言ったところに扉が開き、みつあみを揺らして英理子が入ってくる。
250今月のGFを読んで:2007/06/30(土) 23:17:05 ID:???
「どう? 進んでるかしら?」
「あ、はい、あと1年生が半分くらいです」
「順調ね…… 少し休憩にしない?」
「そうですね、ありがとうございます」
 目の端で伺った千夏が頷いたので由香はありがたく申し出を受けた。
 英理子は隣の机の上に麦茶と袋入りのスティッククッキーを載せた皿を置いた。なんと氷が入っている。
 確かに職員室や家庭科室の冷蔵庫で氷は作られているが、生徒達の為に使われる事はあまりない。
 冷たい水が飲みたければ学食にあるし、自動販売機もあるから必要ないのである。
「あー、冷たーい」
「おいしいー」
 麦茶の冷たさにうれしそうなふたりに英理子は目を細め、自分の麦茶を一口飲んだ。
「悪いわね、せっかくの休日なのに」
「いえいえ」
「……そうだわ。これが終わったら甘いものでも食べに行かないかしら? みのり先輩がすっかり気に入ってしまったお店があるのだけれど。おごるわよ。委員会費で落ちるから」
「本当ですか? 行きます。ね、千夏」
「よろこんで」
「じゃ、残りを早く片づけましょう。私も手伝うから」

 由香はボールペンを手にした英理子をまぶしそうにみつめたが、それは太陽のせいではないだろう。
 その時はまだ、連れて行かれる先がメイドカフェだったなどと思いもよらなかったのである。
251今月のGFを読んで:2007/06/30(土) 23:22:29 ID:???
おしまいししまい。
10巻限定版のオハガキ大作戦も今日が締め切り。
今すぐ書いて郵便局に持ち込めば間に合うかも……
252Pani Poni HAZARD:2007/07/02(月) 01:28:50 ID:???
2ヶ月ぶりに次行きます

「―――危ないところだったっスね、無事で何よりっス」
「すまんなベホイミ・・・本当に助かった」
「ううう〜、怖かったよ〜、ありがとうベホイミちゃん・・・」
「礼には及ばないっスよ、さ、立てるっスか?」















253マロン名無しさん:2007/07/02(月) 01:29:59 ID:???
今月氏乙です。
相変わらずGJでした。
ユカチカモエスw
254Pani Poni HAZARD:2007/07/02(月) 01:30:34 ID:???
さっきまで死ぬような思いをしていた二人だが
颯爽と現れた救世主、ベホイミの姿に安堵の色を隠しきれなかった。
もしベホイミが現れなければ二人もまたあのモニターの男のように餌食になっていたことだろう
その事を考えると思わず震えが来てしまいそうだったが、現に二人は生きている
255Pani Poni HAZARD:2007/07/02(月) 01:32:06 ID:???
「しかし玲さんも姫子さんもこんなとこにいるとは思わなかったっスよ、会えて何よりっス」
「そりゃこっちのセリフだ・・・お前がいなけりゃ今頃私達はあいつらの腹の中だ」
「ホントだよぉ〜ありがとうベホイミちゃぁぁん・・・」
「あはは・・・とりあえずここから出ましょうか、ここも安全じゃ無いっスから」
「! しかしなベホイミ、お前ここに来る途中のもの、見たか?」
「もの?あの格子の扉の事っスか?」
「そうダヨ、あの扉を開けないと先には進めないみたいなんだ」
「で、その扉を開くためにあるものが必要なんだが・・・それが見つからないんだ」
「ものっスか?」
「そう、なんかメダルみたいな物らしいんだが・・・」
「これっスか?」
「そうそう、それそれ・・・・・・・!?お、お前、どうしてそれを?」
「普通に水の中で何か見えたから取ってみたんスけど・・・これっスよね?」
「さっすがダヨベホイミちゃん!!日本一!これでここから出られるね玲ちゃん!!」
「・・・」
「玲ちゃん?」
「・・・イヤ、いいんだ、これがあれば・・・先に勧める・・・」
「(あ〜)れ、玲ちゃん、人生七転びなんとやらダヨ、うん」
「・・・八起きだ、さあ、見つかったんならさっさと行こう・・・こんなところにいたら気分が滅入る・・・」
「な、なんか空気が重いっスね・・・ま、まあ急いで行くっス」
256Pani Poni HAZARD:2007/07/02(月) 01:33:46 ID:???
「これをここに・・・ホイっと」
姫子が問題のくぼみに鳥の翼をかたどったレリーフが彫られたメダルをはめた
「お、動いたぞ」
ガリガリと音を立てながら格子が動いていった。
「これでOKっスね、さあ行くっス」
「そうだ、ベホイミ」
扉を開けようとしたベホイミを玲が呼び止めた
「?どうかしたっスか?」
「お前、ここに来るまでに誰かウチの生徒を見つけたか?こうもみんな散り散りじゃあな・・・」
その玲の質問にベホイミは答えた
「すいませんっス、これといって誰も・・・」
「・・・そうか、ならいいんだ」
ベホイミも正直なところかなり動揺していた、飛行機の中で感じていたあの嫌な予感、それがこんな形で現実になってしまったのだ
なのでこの異常事態にも素早く対応できなかった、しかも相手は人間ではない、ゾンビという「化け物」なのだ、ベホイミといえどそんな
連中を相手にした事など当然無かった、せめてメディアがいてくれれば・・・そうは考えてもメディアとは混乱状態のどさくさの中はぐれてしまった
あのメディアが簡単にくたばるはずも無いが、やはり心配は隠せなかった。
「・・・でも心配はいらないっス、みんなきっと生きてるっスから、だからみんなでこんな島早く出て夏休みを満喫するっスよ」
「ああ、そうだな」
「そうだよね!さあ、みんなを探しにいざ行こう!よいしょっと・・・」
257Pani Poni HAZARD:2007/07/02(月) 01:34:42 ID:???
「しかしこの島は広いんだな、一日じゃ全域を把握し切れん、これじゃみんなかなり広範囲に散らばってるかもしれないな・・・」
「そうっスね、そうなると厄介っス、みんなまだ混乱してると思うっスから、ラチがあかないっスよ」
「早くみんなを見つけないとね」
「そういやここって、出口から出るとどこに出るんだ?結構歩いた気がするんだが」
「そういえばそうダヨね?どこにつながってるんだろう?」
「まあとりあえず当面の目的は生存者を探す事と脱出方法っスね、ですからなるべくウチの生徒がいそうなところに出て欲しいっスけど・・・
まあそんなの無理っスからね、とりあえず出てみるっス」
「まったくの手探り状態だな・・・仕方ないんだが」
「そうだね・・・よし、ここは一曲私が!」
「もういいっつうの・・・全くお前は・・・」
258Pani Poni HAZARD:2007/07/02(月) 01:35:39 ID:???
「あ、また扉っスよ」
「そうか、よっと・・・よし開いたな、ふう、いつまで歩きゃいいんだか・・・」
ぼやきながら玲は扉を開け歩き出した、それにベホイミ、姫子が続く
「マホホ・・・扉は閉めてっと・・・」
「待て」
「へ?」
「ベホイミ、あれを見てくれ、アレは一体・・・何なんだ?」
「・・・!な、なんっスかアレは・・・?」
三人の視界に入っているものはすぐ曲がり角になっている通路だった、今までとは作りが違う所からそろそろ出口が近いのではないかと感じさせる
ただ問題なのはその通路の突き当たり、丁度三人の視線が集中するところ、そこには何か異様な物が張り付いていた、毛だらけの・・・足、そう、足だ
その足はかすかに動いており、足の持ち主は意思を持っている事を嫌でも感じさせられる、そしてその足の持ち主はゆっくりと三人の視線の中へと
入ってきた、それと同時に三人は足の正体を否が応でも知らされることになった、普段はほとんど気にも留めることも無い存在、せいぜい大型のものが
家に侵入すると騒がれる程度である、しかし今三人が見ているものは普段見慣れているものとは大きくかけ離れた、「規格外」の大きさのものだった。
259Pani Poni HAZARD:2007/07/02(月) 01:38:32 ID:???
「マ、マジっスか・・・?」
「冗談だろう・・・あんな、あんな大きさの蜘蛛・・・普通じゃないぞ・・・」
「れ、玲ちゃん、ベホイミちゃん・・・」
「どうするんだベホイミ?」
「とにかく刺激しないように走りぬけるっス・・・じゃないと、襲ってきても何の不思議も無い・・・」
「もし襲ってきたら・・・?」
「・・・私から離れて欲しいっス、コレを使うっスから」
ベホイミの手にはマシンピストルが握られていた
「・・・わかった、姫子、いいな!・・・・・ッッ!!!」
「う、うん!わかった!」
「・・・姫子」
「え?」
「いいか、ゆっくりそこから離れるんだ、いいか、ゆっくりだぞ!」
「えっ・・・?玲ちゃん?何かあるの?ねえ玲ちゃん?」
「玲さん?何が・・・・!!!」
「ね、ねえ、ナニカナ?二人してそんな顔して・・・」
いつもマホマホしている姫子だったが、いざとなると人間どうなるか分からない物だ、姫子は自分で自分に言い聞かせていた
上を向いてはいけない、早くここから逃げなくてはいけない、しかし姫子はそれに従えなかった、そして姫子は玲とベホイミの忠告を無視し、目線を上に向けた
そこには規格外の生き物が居た、その化け物は、その八つの目で、確実に、姫子を捉えていた。
260Pani Poni HAZARD:2007/07/02(月) 01:41:36 ID:???
とりあえずここまでです
久しぶりに専ブラから書き込んだので読みにくいですが勘弁してください
まあ探してたアイテムを何食わぬ顔して持ってくるやつと言うのはアウトブレイクでよく見られる光景ですね
その逆もよくありますが

今月氏
GJです、エボン=ジュにワロタ
261マロン名無しさん:2007/07/02(月) 10:56:11 ID:???
ハザード氏GJ
ベホが万能すぎるがw
262マロン名無しさん:2007/07/04(水) 00:15:35 ID:???
HAZARD GJ

アウトブレイクはプレイしてないなあ…
263マロン名無しさん:2007/07/04(水) 12:41:12 ID:???
久しぶりに続きGJ。
マイペースでいいので頑張ってください。
しかし文章書ける人はいいね・・・
私も見てるだけでなく何か書いてみたいぜ・・・
264マロン名無しさん:2007/07/05(木) 04:52:23 ID:???
(* ´Д`)ハァハァ
265マロン名無しさん:2007/07/06(金) 17:07:26 ID:???
次こそ終わりだ。
私を苦しめる、苦しませ続けるあの男。
きっかけは単なる同情だったのか、こいつを利用してやろうという邪な思いだったのか、
それはもうどうでもいい。
今度会ったとき、そのときに全てを終わらせる。

ダイソーで買った、キッチンナイフ。
人前に出るのだけでも辛かったけれど、なんとか買ってきたキッチンナイフ。
赤い柄の、中国製のキッチンナイフ。
いつもカバンに入れてある、キッチンナイフ。

あっと驚く、あの男の顔。
肉の壁に、心の臓に突き刺さる、赤い柄。
黄色い制服とのコントラストを描きながら、リズミカルに噴き出す、どす黒い血。
そう、それで、全て終わり。

さようなら、T君。
さようなら、みんな。
さようなら、私。

                                   …高見沢ハルカの日記より
266マロン名無しさん:2007/07/07(土) 13:39:19 ID:???
>>265
独白さん・・・
267マロン名無しさん:2007/07/07(土) 16:51:22 ID:???
>265
これハルカが自分の胸刺すって宣言?
それとも「あの男」を刺すって宣言?
なんかホンモノが書いた文章に見えて仕方ないんだが、どこまでフィクションなのこれ?
268マロン名無しさん:2007/07/08(日) 01:03:09 ID:???
独白の人です。
>265の補足的にひとつ書きましたので、お目汚し失礼します。
269マロン名無しさん:2007/07/08(日) 01:03:56 ID:???
<新・高見沢ハルカの独白>

私は、ただ私自身を見ていてほしいだけだった。
私だけを、ずっと見ていてほしいだけだった。
誰にも、裏切ってほしくなんかなかった。
そして、私を利用しようとなんてしてほしくなかった。

自分の存在のちっぽけさが、ただただ、悲しかった。
涙が止まらなかった。
手首の絆創膏とその下の傷跡に染み込んだ涙が、なんだか痛かった。

「いいかげんにしてください!
 先輩にはもう付き合ってられません!
 俺には俺の都合があるんです!
 って言っても、今度は俺のせいで死にたくなったとかなんとか言って
 俺以外の誰かを振り回すんでしょう!?
 死にたかったら、勝手に死んでくださいよ!
 もう、金輪際俺にかまわないでください!!」

高瀬君は、確かにそう言った。
あの日、駅前のドトールで、二人だけで会ったとき。
私のことをずっと守ってくれるって、いつでも話を聞いてくれるって
私を抱きしめて言ったあの言葉が嘘だったように。
270269:2007/07/08(日) 01:04:42 ID:???
それを思い出すたびに、私はあの男に私の左腕の無数の傷を舐めさせたことが
なんだか気持ち悪くなって仕方なかった。
放課後の誰もいない部室で、ホテルで、あいつにカラダを許したことが
今となっては生理的に許せなかった。
いろんな秘密をあの男に話したことも、もう自分が許せなかった。
私を利用するだけ利用して見放すような最低な男に、私にいい顔をしながら
円とも人に言えないようなことをしていたような男に、そんなことをさせたことが
どうしても許せなかった。
私の全身は、いや、カラダだけじゃなく心も、もう、あの男のせいですっかり
穢れてしまっていた。

何であんな男と、夜が明けるまでずーっと電話で話すことなんかできたのだろう。
どうしてあんな男と、一緒にいろいろなところなんかに行けたのだろう。
何故、私はあんな男に何でも話してしまったりしたんだろう。

愛なんて、最初からなかったのだろうか。
あいつは最初から、私を利用するだけ利用するつもりだったのだろうか。
善人面して、部活中に具合が悪くなった私を介抱したあの日から、あいつはずっと
そんなことばかり考えていたんだろうか。
いや、きっとそうだったに決まっている。
私がしばらくカラダを許さなかっただけで、いや、体調がずっとひどく悪くて
それどころじゃなかっただけで、あんなに態度を豹変させるのだから。
辛いときはいつでも電話してください、なんて言ってたくせに、あの頃は
何十回鳴らしてももうちっとも出やしなかったんだから。
271269:2007/07/08(日) 01:07:16 ID:???
どうせ私なんか、万年生理不順のヒステリー女なんだ。
それを、口八丁手八丁で騙して利用したのはあの男なんだ。

私が、キレイなんかじゃないことは私が一番知っている。
ただでさえそうなのに、鬱で休学なんかしてた私に、あんな風に近づいてくるなんて
絶対裏があったに決まってる。
それを見抜けなかった私も、本当にお人よしで世間知らずだったんだ。

あいつは、死にたければ勝手に死ね、と私に言った。
だったら、思い通り死んでやろう。
どうせなら、あいつの目の前で死んでやろう。
手に入れたくても手に入らなかったモノが目の前で壊れていく様を、それであの男に
はっきり見せてやろう。
それが、あいつへの一番の復讐だ。

そう思ったら、なんだか、体中の血が沸き立ってきた。
早速、明日どこかで包丁でも買ってこよう。
血塗れになって倒れる私を、あいつがどんな顔で見るか、本当に楽しみだ。

さようなら、高瀬君。
さようなら、みんな。
さようなら、私。
272マロン名無しさん:2007/07/08(日) 01:08:57 ID:???
以上です。

なお、これはあくまでもフィクションです。
似た話を知っている、または体験された方がいらっしゃるかもしれませんが、
これは全く私の創作ですのでご了承願います。

それでは。
273マロン名無しさん:2007/07/08(日) 01:39:33 ID:???
追伸です。
オミットしたラブシーンをご覧になりたいという要望が多ければ
改めてエロパロスレに投下しますので宜しくお願いします。

暗い話しか書けなくてすみません。
274マロン名無しさん:2007/07/08(日) 02:43:45 ID:???
乙です。
鬱。
275マロン名無しさん:2007/07/08(日) 22:02:42 ID:???
鬱なのに癒されるのはなんでだろう・・・?
276マロン名無しさん:2007/07/08(日) 23:11:03 ID:???
>>275
独白さんがいつも通りに戻ってきたことが安心できるからじゃないのか?
277マロン名無しさん:2007/07/09(月) 03:14:57 ID:???
ぱ〜に〜ぽ〜に〜
278マロン名無しさん:2007/07/09(月) 20:42:18 ID:???
キーック!
279Pani Poni HAZARD:2007/07/10(火) 23:18:23 ID:???
次行きます

「姫子、いいか焦るなよ、ゆっくりこっちに来い!」
「れ、玲ちゃん・・・」
「姫子!上を見るな!早くしろ!」
しかし姫子は動けなかった、自分の真上に巨大な蜘蛛がじっとこちらを見ている
それだけでも姫子の自由を奪うには充分だった、蜘蛛はなおその目で姫子を捉えて離さなかった。
「姫子!」
玲の言葉が聞こえる、必死の表情で叫んでいる、しかし足が動かない
「姫子!」
行かなければ、今すぐここから逃げなければ、そうだ、ここにいてはいけない
ようやくたまらなく重かった足が動き始めた、しかし遅すぎた。
その瞬間蜘蛛は天井からその巨体を翻させ床に降り、逃げた獲物を仕留めるために動き始めた。
「どくっス!!」
すかさずベホイミが進行を止めるため巨体目掛けてマシンピストルの引き金を引いた
ベホイミの撃った弾は正確に蜘蛛に命中した。
鉛弾を全身に浴びた蜘蛛は体液を噴出し、千切れた足を躍らせそのまま息絶えた
「ベホイミ!」
玲の叫びにすかさずベホイミが反応する、先ほどの視界に入った蜘蛛もまた姫子達を獲物と判断したのだろう
壁を横走りしながら猛然と突進してくる、しかしベホイミはいたって冷静だった
「・・・!!!」
再び引き金を引く、その巨体はみるみるうちに体液を噴き出し、体の形を変え、そのまま床に嫌な音を立てて落ちた。
280Pani Poni HAZARD:2007/07/10(火) 23:21:33 ID:???
「ハァ・・・ハァ・・・これでOKっスね・・・」
「あ、ああ、助かったぞベホイミ」
「ありがとうベホイミちゃん・・・それからごめんね2人とも」
「いいっスよ・・・あんなのが頭の上にいちゃあ・・・仕方ないっスから」
「うん、ありがとう」
「おいベホイミケガはっ・・・?痛っ!なんだこりゃ?」
「これ・・・クモだよ!ちっちゃいクモだ!」
その通りだった、さっき撃ち殺したばかりの蜘蛛の腹から大量の子グモが這い出てきていたのだ、それもおびただしい数だった。
「これはまずいっスね・・・逃げるっスよ!」
「行くぞ姫子!」
「うん!」
蜘蛛の子を散らすように、厳密に言うと踏み潰しながら三人はそのまま走って行った
その途中に体液を吸い尽くされて見るも無残な姿となった綿貫響が転がっていたのだが、三人は知る由もなかった。
281Pani Poni HAZARD:2007/07/10(火) 23:23:37 ID:???
「!姫子さん!玲さん!見るっス!」
「あれはハシゴ・・・ってことは出口か!」
「マホーッ!やったね玲ちゃん!」
「長かったな・・・やっと外に出られる」
「よし!お外に向けてしゅっぱーつ!」
282Pani Poni HAZARD:2007/07/10(火) 23:25:21 ID:???
そもそもの事件の発端は「T」にある、この島に流出した「T」は生物を異常に成長させる作用がある、それは昆虫類などの実験投与により
実証されていることだった、その結果ケルベロスやゾンビ、リッカーなどを生み出してしまった、あの診療所で柏木優奈が見つけた
書類に書いて有るとおりである。
しかし実験で満足なデータが得られなかった実験生物達は廃棄処分にされた、なぜなら兵器としての運用が望めなかったからだ
だがそれはあくまで「兵器」として人間の益になるように考えた結果であり、その実験生物たちは「兵器」としてではなく自然界における
「強者」としては充分すぎるほどの生命体ばかりだった。
そして今その「T」はこの島に野放しになっている、ということはこの島にもともと住んでいた生物達は「T」の作用により変異を起こして
しまった、その産物の一つが今の蜘蛛である。
このようなことがまかり通る島なのだ、ということは何がいても不思議ではなくなるのだ。

283Pani Poni HAZARD:2007/07/10(火) 23:28:03 ID:???
突如希望の光であるハシゴの下部分が吹っ飛んだ、その理由は壁からの強力な力によるためだった
突然の事に三人は目を疑っていた、しかしそれよりも目を疑うものが目に入ってくることになるのだが。
壁は無残にも崩れ落ち大きな穴が開いた、そこから異様な物が這い出てきた、芋虫を思わせるような長く太い体をくねらせ
その先端にある異常なまでに発達した口を大きく開けながら。
三人とももう嫌と言うほどゾンビを見てきた、そして巨大な蜘蛛とも遭遇した
しかしこの島にはまだまだ三人の予想を超えた生物が居る
そのことを実感させられた。

「そんな・・・馬鹿な・・・どうなってるんだよ、この島は・・・」
「いや・・・ぁぁぁ」
その生物はゆっくり体をひねらせると、むき出しの口を大きく開け、三人を威嚇した。
ベホイミは銃を構える事も忘れ、この狂った島に来てしまった不幸を呪い、この狂気を生み出した者を呪っていた。



短いですがここまでです
なんかベホが主役化してるな
次回で玲ちゃんサイドを終わらせて地味子と番長コンビに移ろうと思います

蜘蛛は地味にバイオシリーズのお約束ですね
リメイク1のクモを見たときは卒倒しそうになりましたが
284マロン名無しさん:2007/07/10(火) 23:52:04 ID:???
ハザード氏GJ!
次回展開が気になる!!
285マロン名無しさん:2007/07/11(水) 10:26:56 ID:???
GGJ!


姫子死にそうなのは気のせいか…マホ
286マロン名無しさん:2007/07/11(水) 13:50:54 ID:???
グッジョ!
姫子は死亡確定かな?
…芋虫なって事はグレイブディガー(うろ覚え)か?
バイオVで出てきた……
それともヨーンか…
287マロン名無しさん:2007/07/11(水) 21:29:56 ID:???
>>272

>似た話を知っている、または体験された方がいらっしゃるかもしれませんが、

どういうこと?
独白さんの体験かな、やっぱり
それともこれから起こる(起こす)ことかな・・・
288マロン名無しさん:2007/07/11(水) 23:17:39 ID:???
>>287
こないだのハルカ姉の行動、どう見ても境界性人格障害のそれだろ?
ボーダーライン症候群とも言うけど。
詳しくはぐぐれ。

境界性人格障害者とのトラブルってけっこう聞く話だから、ホントに創作かもしらんし
独白さん自身の経験から書いたのかもしらんね。
もし経験からだとしても、独白さん本人がハルカ姉の側なのか高瀬の側なのか
どっちなのかはあの文章からは判断つかんな。

でも独白さんには一言だけ言っておく。
死ぬな。
死んだら負けだぞ。
289マロン名無しさん:2007/07/12(木) 00:31:20 ID:???
いや死は人間に最後に残された希望だよ。
死で全てを清算できるからこそ生きていける。
負けなんかじゃない。負けなんかじゃないんだよ。
290マロン名無しさん:2007/07/13(金) 01:08:11 ID:???
>>287
School Days
291Pani Poni HAZARD:2007/07/13(金) 01:21:22 ID:???
次行きます、これで玲ちゃんサイドは終わりです

姫子はもとより玲ですらもこの恐怖に飲まれていた。
本来なら一刻も早くここから逃げるべきなのだ、しかし怖い、怖い
姫子は必死に玲の腕を掴んで前を見ないようにしている
その姫子を励ますことは今の玲にできなかった。

ベホイミはどうすればいいのかわからなかった
こんな生物と対峙した事のある人間など私達だけだろう
この化け物をどうやって殺すのか
手持ちの火器、すなわちマシンピストルの残りの弾丸は非常に心もとなかった
これだけでこいつを殺せるのか?
こんな状況では、上官に言われたことも役に立たなかった
しかし、どうすればいいのか考えているうちにも、目の前の化け物は
自身の空腹を満たすため動き始めた。







292Pani Poni HAZARD:2007/07/13(金) 01:23:15 ID:???
化け物はゆっくりと三人をまるで値踏みするように、三人を威嚇し続けた
知らず知らずのうちに玲と姫子は後ずさりして距離を取ろうとしていた。
それがまずかったのかもしれない
化け物は突如その巨大な牙を開き鋭利な歯が並んでいる口を広げ、二人に襲い掛かった。
「うわぁぁぁぁっっっ!!!」
「きゃぁぁぁぁぁ!!!」

耳を突く絶叫がベホイミの耳に届いた
「・・・!危ない!!」
すんでのところでベホイミが二人にタックルをしかけた
2人はベホイミにはね飛ばされ事なきを得た、2人とも無事である
しかしベホイミは別だった。
「げほぉっ!!くぁ・・・や、やめろ・・・離すっス・・・」
化け物の攻撃をモロに受けてしまったベホイミは、人間をはるかに超える巨体に体当たりされた挙句
その牙に捕らえられてしまった、容赦なく化け物はベホイミの体を締め付けていく
「あ・・・ああああ・・・・あがっ・・・」
メシメシとベホイミの体が音を立てていく、手に持っていた武器は床に落ち、メガネは顔からずり落ちた
もう少し力を入れれば、ベホイミの体は藁のようにひしゃげてしまうだろう。
293Pani Poni HAZARD:2007/07/13(金) 01:24:54 ID:???
「・・・!ベホイミ!・・・くそ、くそっ!このっ・・・!!」
おもむろに玲は近くにあったコンクリート片を拾うと化け物の死体に投げつけた。
当然のごとくダメージは無いようだった。
しかし玲は悔しかった、目の前で同じ学園の仲間が死に掛けているというのに自分は何も出来ないからだ
こんな化け物に自分達の仲間をやらせるわけには行かない、その気持ちで一杯だった
それはとてもちっぽけな反撃だったが、攻撃目標を返させるには充分だったようだ。
化け物は牙をゆっくりと開いていった、ベホイミの体が床にずり落ちていく
まだベホイミの意識はあった。
今度は玲のほうを向くとその牙を大きく開き玲を威嚇した。
「なんだ、怒ったのか?単純な頭なんだな、このクソったれ!」
もしかしたら本当に怒っていたのかもしれない、化け物は今まさに玲を食おうとしていた。

ベホイミは朦朧とする意識の中あるものを見ていた
火薬の臭いでいっぱいだった戦場
初めてメディアと出会った戦場
(これは・・・走馬灯って奴っスか・・・)
初めて桃月学園に転校してきた時
新感覚癒し系魔法少女として活躍していたあの日々
「オメガダサくない?」
この言葉を真顔で言われた時
(そういえば・・・言ったのは姫子さんだったっスね・・・フフ・・・)
そして魔法少女を捨て普通に生きていく事を決めていたら
メディアが学園にやって来た
なんだかんだで色々あったが・・・桃月学園は、1年D組はベホイミにとってはかけがえの無い所になっていた
もういちどあの教室に帰りたい、地獄しか見えなかったあの戦場ではなく・・・あの仲間たちと、あの教室でもう一度話がしたい
だけどもう、それは叶わないだろう、じきに私は死ぬ、それだけはわかる、なら、やることは一つ
294Pani Poni HAZARD:2007/07/13(金) 01:25:55 ID:???
玲が危ない、不幸中の幸いと言う奴か、落ちたマシンピストルの銃口は化け物の方向に向いていた
(今助けるっスよ・・・2人とも!)
折れた腕を気合で動かし、なおかつベホイミは化け物に向かって引き金を引いた。
信じがたい事だった、しかし現にベホイミの撃った弾丸は化け物に命中していたのだ。

思わぬ反撃に思わず化け物は身をよじった、苦しんでいる、そしてそのまま元の穴の中に引っ込んでしまった。
「や、やった?」
「ベ、ベホイミちゃん!大丈夫?ヤダよ!死んじゃだめ!」
すかさず姫子が駆け寄る、しかし返事はとても弱弱しかった、ベホイミは最後の気力を使い果たしてしまった。
「姫子・・・さん、玲さんとここから逃げるっス・・・アイツは・・・また私を狙ってくるっスから・・・そのスキに・・・早く上に・・・」
「ヤダよ、そんなのヤダ!ベホイミちゃんを見捨てて行けだなんて・・・」
「お願いっス・・・私はもう・・・ダメっスから・・・2人、だけでも・・・」
「ベホイミ、お前・・・」
「ダメだよそんなの!そんなの・・・絶対ダメだよ!」
「ははは・・・いいから行って欲しいっス・・・魔法少女の・・・最後の、お願いっスよ・・・」
295Pani Poni HAZARD:2007/07/13(金) 01:28:32 ID:???
会話はそこまでだった、再び轟音と共に別の穴をぶち開け化け物が再び現れた
その牙はベホイミのほうを向いていた。
姫子が泣きながら何かを訴えていた、玲がその手を無理やり取り、強引にハシゴに連れて行った。
無理矢理姫子を上に押し上げ、姫子も玲もやがて見えなくなった。
ベホイミはそれを見届けると、静かに目を閉じた。
(あとは頼んだぞ、メディア・・・)


再び轟音がしたかと思うと、そこはウソのように静かになっていた
穴が開いた地下の通路、誰も居ない地下の通路
そこには持ち主を失った火器と、メガネがぽつんと置かれていた。
296Pani Poni HAZARD:2007/07/13(金) 01:29:44 ID:???
ここまでです
もうベホサイドでいいやもう
折れた腕で銃なんか撃てないと思いますがそこは勘弁してください
まあアウトブレイクはマグナムを片手で撃つ男がいますので・・・関係無いかもしれませんが
次は地味もといくるみと番長都サイドに行こうと思います
297マロン名無しさん:2007/07/13(金) 01:40:59 ID:???
>>290
となると…やはり高瀬か?
つ【ヒント・ドラマCD版高瀬の中の人】

>>296
タイムクライシス4に戦車用ライフルを片手で撃つ奴いたが…まあ関係ないけど
とにかくGJ!
298マロン名無しさん:2007/07/13(金) 06:41:11 ID:???
ベホイミー!!!

ハザード氏、朝っぱらからいいもの見せてもらいました!
超GJ!
299Pani Poni HAZARD:2007/07/13(金) 08:04:58 ID:???
訂正
拾うと化け物の死体に投げつけた。

拾うと化け物に投げつけた。
に訂正します、いつの間に死んだんだ
300マロン名無しさん:2007/07/14(土) 17:27:44 ID:???
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『おれはいままで化け物と戦っていたと
 思ったら化け物は死んでいた』
な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
はうはうだとかマホだとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
301マロン名無しさん:2007/07/14(土) 18:51:55 ID:???
>300
ゾンビなんだろw
302マロン名無しさん:2007/07/15(日) 16:10:54 ID:???
無人島でビーチバレーをして以来以来、乙女と仲良くなった南条
そんなある日、犬神と乙女が親しげにお互いを下の名前で呼び合っている所を目撃してしまう
2人は小学生の頃から少し前まで同じ剣道道場に通っていたので自然なことなのだが、
それを知らない南条は嫉妬と裏切られた感で半狂乱になる
ようやく落ち着くが、すでに南条の精神は取り返しのつかない領域に侵されていた
303マロン名無しさん:2007/07/17(火) 00:42:16 ID:???
修が猫神に話しかける。
「あんた、本当に神様なのか?」
「神様ですニャ」
「神様ならそれらしいことして見せろよ」
「ほい、キューピッドの矢ですニャ」
「あんた日本の神様だろ?ま、いいか。面白そうだし」
「ああ、元から自分を好きな相手には効果がな…、って行ってしまったニャ…」
30分後…
「上原と柏木姉妹と白鳥と綿貫と藤宮先輩に刺してきたけど何も変化なかったぞ?」
「死ねばいいのに」
304マロン名無しさん:2007/07/17(火) 10:53:32 ID:???
>303
ワロタ。
GJw
305マロン名無しさん:2007/07/17(火) 21:50:16 ID:???
矢で刺し殺しちゃうのかと思った
306マロン名無しさん:2007/07/18(水) 22:48:47 ID:???
そして幽波紋能力に
307マロン名無しさん:2007/07/19(木) 00:19:03 ID:???
独白さんがエロパロでも鬱ネタしてる件について
308マロン名無しさん:2007/07/19(木) 23:53:05 ID:sTOEuSHk
殺し屋1みたいなグロテスクでエロティックでラブコメ(笑)みたいなの書いてみようか…
…問題は誰をイチで誰がマー坊にするかだが
309マロン名無しさん:2007/07/20(金) 15:51:41 ID:???
ホムンクルスが見える都のネタもよろしこ
310マロン名無しさん:2007/07/21(土) 19:35:58 ID:???
バトロワネタ書こうとした
既出だった
泣いた
311マロン名無しさん:2007/07/21(土) 21:46:11 ID:???
(゚ε゚)キニシナイ!!
312Pani Poni HAZARD:2007/07/22(日) 08:35:12 ID:???
次行きます

夜のロックフォート島のどこか
ゾンビも居ない静かな道を2人の少女が歩いていた

「・・・ねえくるみ」
自慢のデコも輝きを失った少女、上原都
「んー?何?」
人生の窮地に立たされながらも目に力がある少女、桃瀬くるみ
「あんた・・・さっきから休まず歩いてるけど、なんかあてとかあるの?これからどうするのよ?」
「ん〜・・・コレと言ってアテは無いからなぁ・・・どうしようか?」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!私はてっきりアンタが何か考えてるのかと思ってついて来たって言うのに!」
都はまた怒り始めた、精神崩壊から立ち直ったのも少し前だが、むしろ精神崩壊していたほうが都には幸せ
だったかもしれない。

「まあまあ落ち着いてよ、冗談だから、ごめんごめん、ちょっと考えがあるんだけど聞いてくれる?」
「もう・・・何よ」
いつものごとく都をなだめ話を切り出していく、手馴れた物だった。
「あの、すいません・・・」
「この島って広いじゃない?」
「確かに広いけど・・・それが何よ」
「ていうことは闇雲に歩き回ってもいけないと思うの、だからある程度人が集まりそうなところに目星をつけて
そこに行ってみれば誰か居るんじゃないかな?」
「言いたい事は分かるけど・・・具体的にどこを目指すわけ?」
「あの・・・」
「私達が泊まる予定だったホテル、覚えてる?」
「そりゃ覚えてるけど・・・もしかしてそこに行くの?」
「ビンゴ、その通り」
「ビンゴって・・・でもホントに人が居るわけ?みんなどっか行っちゃってるから居るかどうかわかんないわよ?」
都の意見ももっともだった、しかしこのままアテも無く歩き続けるのも考え物だった。
「あ〜の〜」
313Pani Poni HAZARD:2007/07/22(日) 08:38:16 ID:???
「確かにね、でも、こんな時だったらいくら望みが薄くても実行してみなきゃいけないと思わない?」
「それは・・・そうだけど・・・」
「・・・ねえ都、不安なのは分かるけどさ、もう少し私を頼ってみない?」
「え?」
「不安だって言うのはわかるよ、こんな大変な事になってるんだからさ、私だって不安だよ、だけど都はもっと不安な
ワケでしょ?だから私は頑張らなきゃいけないって思うわけ、怖くてもいいんだよ、だからもう少しでいいから私を頼って欲しいの」
「くるみ・・・」
「実はさ、私も最初は凄く怖かったんだよね、本当に怖かったよ、だけどこんな時こそ頑張らなくちゃいけないんじゃ無いかって思ったの
怖いのはみんな同じなんだし、きっとみんなも必死で頑張ってるんだろうなって、だから私も頑張ろうって、みんなを助けてあげたいって
思ったの、だからこんなとこでじっとしてられないと思って、みんなを探し始めたの、だから私都を見つけたときは凄く嬉しかったもん」

「何よアンタ・・・あんなにはしゃいでたくせに」
「アハハハ、あれはちょっとね・・・安心しちゃって、つい・・・」
「わかったわよ・・・」
「へ?」
「私、アンタのこと頼りにするから、だから行きましょ、探すんでしょ、うちの生徒」
「都・・・ありがとね、私頑張るから」
「わかったってば・・・何よ、何でそんなにニヤニヤしてんのよ!」
「ううん、別に」ニヤニヤ
「ああ・・・早く行くわよ!もう!」
「はいはい(兄貴、大丈夫かな・・・無事でいてよ・・・)」
「もしもぉ〜もし」
「?ねえくるみ、何か言った?」
「?別に・・・どうかした?」
「何か声が・・・」
「あの、すいません、いいですか・・・?」
「・・・!ってあんたメソウサじゃない!何でこんなとこに!」
「はい・・・実は気づいたら道に倒れてたんです・・・ううう・・・」
そのとおりだった、彼はその辺をぶらぶらしている最中に巻き込まれ、飼い主であるレベッカ・宮本のもとに
たどり着く事もかなわずそのまま失神してしまっていたのであった。
314Pani Poni HAZARD:2007/07/22(日) 08:42:01 ID:???
「気づいたらって・・・」
「それで、ベッキーは?」
「すいません・・・それは僕にもよく・・・」
「そっか・・・仕方ないわね、でも無事で何よりだわ」
「そうだね、ケガは無い?」
「あ・・・ありがとうございます・・・(なんだか・・・2人とも優しい・・・)」
「じゃ、そろそろ行こうか、都・・・大丈夫か」
「何よ、大丈夫だってば!さっさと行くわよ!ほらメソウサ、あんたも早く歩く!」
「はい・・・!(この人たちと会えてよかったなぁ・・・)」

こうして2人と一匹は仲間達を救うべく進み始めた
お互い抱えた不安を抑え、支えあいながら、生き延びるために進んでいった。



ここまでです
とりあえず軽く行きました、規制うっとおしいなあ
くるみはいい子ですよいい子
都もいい子ですよいい子
メソウサは別にどうでもいいですが
315マロン名無しさん:2007/07/22(日) 08:54:31 ID:???
ハザード氏GJ!
次回展開に期待します

くるみいい子だよくるみ
都いい子だよ都
メソウサ報われないよメソウサw
316マロン名無しさん:2007/07/26(木) 01:04:43 ID:+sBktOTa
ageとこう
317名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 00:38:07 ID:???
独白さんはエロパロ行ったきりなんだろうか
学級崩壊じゃなくて演劇部崩壊でもいいからこっちで書いてくれよ
318今月のGFを読んで:2007/07/29(日) 01:52:30 ID:???
エロありグロあり人死にありです。

【ま】 丸焼きにしてやるぜ
【な】 納豆の海で窒息するがいい
【お】 踊り食い
【ま】 真ん中を貫かれて死にました
319今月のGFを読んで:2007/07/29(日) 01:54:09 ID:???
【その1】

「ふーんこれが宇宙の炎でスか。地球の炎とは違いまスね」
 何気なくベホイミのブローチにサラマンダーが触ると、炎の精霊の力に刺激されたブローチは激しく燃焼し
ベホイミを瞬時に焼きつくしさらにアパートを全焼させて鎮火した。
「危なかった……」
「でスね」
 耐火性能完備の宇宙服を着ていた神原と、そもそも炎には無敵のサラマンダーは顔を見合わせて言ったものである。
 夏だといっても火の始末には気をつけなければならない。花火や蚊取線香など気をつけましょう。
320今月のGFを読んで:2007/07/29(日) 01:55:16 ID:???
【その2】

 超重力に耐えきれずベホイミはつぶれて死んだ。
 みのりはまるでつぶれあんぱんだと思い、あんぱんを潰して食べたら美味しいのか考えた。
 はみ出るのはいかにも美しくないように感じた。
(それに……手に付くし)
 遠足で新聞紙を芝生に敷いて弁当を食べていたらアリにたかられたみのりであった。
 アリは美味しくなかった。
321今月のGFを読んで:2007/07/29(日) 01:57:38 ID:???
【その3】

『あなたの夢はなんですか?』

 大人から子供へ、同世代で。何度も繰り返されるこの質問。
 昔はいざ知らず……最近はこう答える事が多い。
『夢はお嫁さん』
 そんな事言うとみんな笑うけど。
 でもそれは、私にはかなわない夢。
 男だからなんて理由じゃなくて、生物学的にはXXの女だけれど、でも。
 子供の頃、テレビのニュースでよく見るひと達がうちに来るのは当然の事だと思ってた。
 みんなのうちにも行くものだと思って、子供なりの同情をしていたものだった。
 幼稚園に入って、それは当然なんかじゃないんだってわかった。
 日本の経済を牛耳り、国内外に大きな影響力を誇る南条一族の嫡子……それが私だった。

 私と縁談を望む家は多いらしい。今のところは家の者が私の耳から遠ざけてくれてはいるけれど。
 彼らは長年共にあった姓を、家を捨ててまで私の婿になりたいと思っているのだろうか?
 家の為に人身御供のように嫁いできた母や祖母のように。

 そんな事を考えていると。
 ホットドッグの着ぐるみを着た可愛い犬がやってきて、私の興味はそっちに移った。
 考えていても、しようのない事だから。
 私は、今を生きるだけだもの。
322今月のGFを読んで:2007/07/29(日) 01:58:57 ID:???
 以上です。
 文化放送でネコ神様キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!
 録音してなかったのが残念。
 メソウサやネコ神様など動物キャラが好きです。
323名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 07:00:38 ID:???
今月氏GJ
みのり…アリごと食うんかいw
324名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 14:21:59 ID:???
すんません…どの辺がエロなのか詳しくw
325名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 16:27:44 ID:???
やっべ抜いたGJ
326マロン名無しさん:2007/07/30(月) 20:32:36 ID:???
やっぱりスレは生き物だな
半年前のこのスレと全然空気違うやw
327マロン名無しさん:2007/08/01(水) 23:52:37 ID:???
みんな生きてるか?
絶望先生の方にでも行っちゃったのかw
328マロン名無しさん:2007/08/01(水) 23:55:49 ID:???
生きてる

まだGF買ってねえや
329マロン名無しさん:2007/08/02(木) 00:29:42 ID:???
みんな飽きちゃったのかなぱにぽにに
アニメ終わって随分経つし、本編も最近gdgdだし

誰か起爆剤になりうるスマッシュヒットなSS書いてくれないもんだろか
それともこのスレはこれで終わるんだろうか
330マロン名無しさん:2007/08/02(木) 00:31:34 ID:???
もうすぐコミケだから?
ぱに本も減ってるんだろうなあ
331マロン名無しさん:2007/08/02(木) 02:40:22 ID:???
このスレに、コミケ(売る側の)参加者が何人いるのだろうか・・・
332マロン名無しさん:2007/08/02(木) 20:18:19 ID:???
コミケなぁ
ぱにぽに本はまだいくつか出てるみたいだが、もう旬じゃないんだろうな
その分本当に好きな人が描いてくれてるんだろうけど
333マロン名無しさん:2007/08/02(木) 20:48:59 ID:???
白鳥鈴音の憂鬱
334マロン名無しさん:2007/08/03(金) 00:09:31 ID:???
さよなら天才先生
335マロン名無しさん:2007/08/04(土) 00:26:16 ID:???
くるみと!
336マロン名無しさん:2007/08/04(土) 11:56:20 ID:???
>>335
くるみ=よつば
修=とーちゃん
というのが浮かんだ

修「バケツマーン!」
くるみ「おー!バケツマン!またでたな〜!」
337マロン名無しさん:2007/08/04(土) 16:13:45 ID:???
地味少女

くるみ「いっぺん、消えてみる?」
338マロン名無しさん:2007/08/04(土) 16:18:26 ID:???
THE SCHOOL OF THE DEAD
339マロン名無しさん:2007/08/04(土) 17:24:12 ID:???
Bowling for Momotsuki

地味地味と言われ続けたくるみと凸だの蟲だの言われ続けた都が切れて起こした
桃月学園無差別発砲事件の真相を暴く体当たりノンフィクション
340マロン名無しさん:2007/08/04(土) 20:43:51 ID:???
さよなら独白先生
341マロン名無しさん:2007/08/04(土) 21:11:16 ID:???
独白無用!
342マロン名無しさん:2007/08/04(土) 22:49:12 ID:???
桃月MIDNIGHT
343マロン名無しさん:2007/08/04(土) 23:01:45 ID:???
>>340-341

テンプレにも仲良くしようってあるし、コテハンいじりはやめような

みんな独白氏のことあまりよく思ってなかったのかな?
ぱにぽにである必然性はなかったけど俺は心理描写とかが好きだった
344マロン名無しさん:2007/08/04(土) 23:45:17 ID:???
俺も好きだー
345マロン名無しさん:2007/08/05(日) 00:55:01 ID:???
もしかして全然人いない?
エロパロは何人かいるみたいだが
346マロン名無しさん:2007/08/05(日) 01:08:58 ID:???
エロパロのほうが人少ない気が…
347マロン名無しさん:2007/08/05(日) 08:47:14 ID:???
どちらにしてもSSスレは人少ないな
あまり重いのは受けなくなってきてるような印象がある
独白さん演劇部崩壊っぽい感じになってきて期待してたんだがもう投下してくれないのかな
348マロン名無しさん:2007/08/05(日) 14:50:32 ID:???
ドラッグマホドラグーン
人類に救いはあるのか……
349マロン名無しさん:2007/08/05(日) 19:28:23 ID:???
サンシュウロック
350マロン名無しさん:2007/08/06(月) 03:04:56 ID:???
PANTZ
351マロン名無しさん:2007/08/06(月) 13:43:39 ID:AFVoX0iQ
CSI:モモツキ編

大田区モモツキで起きる数々の殺人事件
それを科学的検証で天才・レベッカ宮本率いる科学捜査班が解決する

…捜査班達は事件の果てに何を見るのか?
352マロン名無しさん:2007/08/06(月) 19:16:10 ID:???
ぱにぽにの各キャラスレ、
荒れてるのか、あれが正常なのかわからんなw
353マロン名無しさん:2007/08/07(火) 15:38:13 ID:???
ここも最近流れが変わったのは荒れてるのか正常なのかわからん罠
ここんとこ誰もSSうPしないしな

でも綿貫・鈴音・ベッキーのスレは相変わらずだw
354マロン名無しさん:2007/08/07(火) 16:55:51 ID:???
今のところ、ここでSS書いてる人って何人くらいいるのかね?
2人?
355マロン名無しさん:2007/08/07(火) 18:26:49 ID:???
今月氏も来なくなっちゃったしな
ハザード氏と独白氏だけってことはあるまい
356マロン名無しさん:2007/08/07(火) 18:30:05 ID:???
今月氏はこないだ来たばかりじゃない?
てことは3人か
357マロン名無しさん:2007/08/07(火) 20:30:47 ID:???
そうだ、来てたわw
いつもより遅めの時期だったような気もしたが
ごめんなさい今月氏
悪気はないんです

アニメが終わって随分たつからなのか、みんな充電期間に入ったとかなのか
それとも単に飽きたかネタがないのか
このままスレが消滅しても、それが自然の流れかもしらん
358マロン名無しさん:2007/08/07(火) 21:44:53 ID:???
きっとこれは不死鳥期間その2だ
また鳥となって飛び立つまでの準備期間なんだよ
359マロン名無しさん:2007/08/07(火) 21:57:50 ID:???
とりあえずしばらくはHOSHUするか
どっかで再放送かかったりマンガが神展開すれば復活時の勢いも強まるんだが…
360マロン名無しさん:2007/08/08(水) 00:32:18 ID:???
>>358
その2って、その1はいつあったんだ。
361マロン名無しさん:2007/08/08(水) 01:02:18 ID:???
>>352-353
久しぶりにキャラスレ覗いたが、前と変わらん流れでわろたwwww
362マロン名無しさん:2007/08/08(水) 02:09:00 ID:???
>>360
アニメが終わった直後
363Paniponi Days@:2007/08/08(水) 02:37:26 ID:???


【AM8:05】
「早乙女先生ってさあ・・・好きな人いるのかなあ?」
「いないんじゃない? 恋愛とか興味なさそう」
「そう思う?」
「・・・なに? 優奈ちゃん、先生のこと好きなの?」
「え〜!? ちが、違うよー! そうじゃなくて・・・」
「怪しい。すごく怪しい」
「うう〜」
「いいわ。私に任せなさい。調べてあげるわよー! ふっふっふ」
「優麻ちゃーん」


【AM12:45】
「あ。ねえ、桃瀬くん!」
「あ〜?」
「早乙女先生ってどんな人?」
「は?」
「だからさ、隣のクラスの早乙女先生よ。桃瀬くん結構仲いいじゃん。教えてよ」
「は〜? “仲いい”ってなんだよ・・・誤解してね? 委員会でちょっと付き合いあるだけだし」
「教えてよー」
「んん・・・わりと面倒見のいい人だよ。体育の時はちょっとうざいけどな」
「ふうん。付き合ってる人とかいるのかな?」
「知らねえよ。つうかなんだよお前。先生好きなの? マジ?」
「違うわよ馬鹿」


つづく
364マロン名無しさん:2007/08/08(水) 03:29:31 ID:???
おお?新しい職人さん?
期待してます
365マロン名無しさん:2007/08/08(水) 03:44:44 ID:???
肉棒くるか!
366マロン名無しさん:2007/08/08(水) 04:42:29 ID:???
最近思うんだけどさ
現スレと初級スレからだいぶ空気変わってないか?
もはや学級崩壊って感じがしない気が

気にくわなかったらスルーしといてくれ
367マロン名無しさん:2007/08/08(水) 08:27:46 ID:???
何を今更w
368マロン名無しさん:2007/08/10(金) 01:23:44 ID:???
このスレは既に「学級崩壊」じゃない、ってのは定期的に出る話ですね。

もしも、ハルカやエロパロでやった高瀬の独白の続きで、演劇部・映研の崩壊が
描かれたら皆さんお読みになりたいですか?

人間関係のドロドロが苦手な方、濃厚なラブシーンが苦手な方が多ければ、書きながら
なるべく方向修正します。

また、「お前のはいらん」とおっしゃる方が多ければ自粛します。

以上、「さよなら」「無用」と言われながら来てしまう独白の人でした。
369マロン名無しさん:2007/08/10(金) 09:07:41 ID:???
読みたいノシ
370マロン名無しさん:2007/08/11(土) 03:14:39 ID:???
希望者ひとり、と

ここでどうするかが正念場
ヒヨって書かないか
それともたったひとりのためでもいいから書くか
そもそもそれを書ける実力があるのか

厳しいねエ、現実って奴は
371マロン名無しさん:2007/08/11(土) 16:16:09 ID:???
こんな過疎スレを荒らしてるヤツは何をしたいんだ?
ほっといてくれよw
372マロン名無しさん:2007/08/11(土) 16:52:28 ID:???
独白の人です。
予告どおり演劇部ネタでしばらく続けたいと思います。
まず円の独白から。
373372:2007/08/11(土) 16:55:30 ID:???
<藤宮円の独白>

あのとき私は、何を信じればいいのか、さっぱりわからなかった。
ハルカを信じればいいのか、高瀬を信じればいいのか、2人の言い分の
どっちがホントなのか、いや、どっちもホントなのか。
何がなんだか、全然わからなかった。
ただ言えたのは、今まで私が生きてきた世界が、ガラガラと音を立てて
崩れていったということだった。

2人の話の、大きな食い違い。
どっちもそれなりに説得力のある、よくわからない状況。
私は先にハルカの話を聞いてたけど、そうでなかったとしても、やっぱり
いつも理知的だったハルカのことを疑うなんて、私にはすぐにはできなかった。

バカでキザで、男前ぶってるくせにどこかマヌケで、なんかナヨナヨしてて。
何だかんだ言って、そんな高瀬が、私はやっぱり好きだったんだろう。
そうでなきゃハルカを疑うなんてこと、私にはできなかった、そう思う。
ハルカと高瀬と、どっちを取るかなんて決断は、そうでなきゃ私には
できなかったと思う。

休学が開けてからもときどき具合の悪くなってたハルカを、いつも気遣い、
いつも保健室に連れてったり横に座って何か話しかけたりしてた高瀬。
罪悪感を感じているような表情ながらも、まんざらでもなさそうなハルカ。
ハルカと高瀬が2人で出かけてるところを見たっていう、芹ちゃんの話。
それを裏付けるように、どんどん親密になっていっているように見える2人。
374372:2007/08/11(土) 16:57:28 ID:???
そんな2人の様子に、私はどこか嫉妬してたのかもしれない。
ハルカに高瀬を取られたような、そんな気持ちだったのかもしれない。
だからこそ、あの日、ドトールで高瀬の話を聞く気になったのかもしれない。
ハルカでなく、高瀬の言い分を信じる気になったのかもしれない。

悲しかった。
涙が、ただ流れていた。

親友を、苦々しく思ってた自分に気づいたとき。
休学からやっと戻ってきた親友を、信じてあげられなかったとき。
ハルカの行動のその訳を、理解してあげられなかったとき。
ハルカでなく、高瀬を、好きな男を取っていたとき。
そのときどきの私を、心の中で見つめているもう一人の私。

私の瞳にはもう、ティッシュでは拭いきれないほどの涙が溢れていた。
高瀬とハルカの言い分、どっちが真実だって、今となってはもう関係なかった。
私たちはもう、動き出してしまったのだから。
その方向はもう、変えられないのだから。
375372:2007/08/11(土) 17:00:29 ID:???
以上です。
お目汚し失礼しました。
376マロン名無しさん:2007/08/11(土) 17:16:55 ID:???
独白氏はこのスレ最後の希望
377マロン名無しさん:2007/08/11(土) 17:18:11 ID:???
最後の希望………
378マロン名無しさん:2007/08/11(土) 20:19:27 ID:???
空気悪いねー君達ーあんまり空気悪いんでじゃんがら食いに行っちゃったよ
379マロン名無しさん:2007/08/11(土) 22:04:04 ID:???
>>376
このスレ的には最高の絶望じゃないか?
380マロン名無しさん:2007/08/11(土) 22:57:59 ID:???
犬神「絶望した!過疎化が進むこのスレに絶望した!」
修「いきなりどうしたんだお前!?」
一条「桃色係長にとり憑かれているようですね」
381マロン名無しさん:2007/08/11(土) 23:02:31 ID:???
絶望した!
エロパロスレ見てないとさっぱりわけがわからんことに絶望した!
382マロン名無しさん:2007/08/11(土) 23:40:32 ID:???
学級崩壊じゃなくてキャラ崩壊が始まったことに絶望した!!
383マロン名無しさん:2007/08/12(日) 00:13:45 ID:???
>380
芹沢「このクニのヒトたちヤサシイ…」
384マロン名無しさん:2007/08/12(日) 00:14:31 ID:???
関内マリア太郎乙
385マロン名無しさん:2007/08/12(日) 00:19:46 ID:???
盛り上がっていると思ったら
386マロン名無しさん:2007/08/12(日) 00:41:50 ID:???
絶望した!
投稿されたSSと関係ないところで盛り上がってるおまいらに絶望した!
そして、そのせいでますます誰もSSを投下してくれなくなるんじゃないかってことに絶望した!
387マロン名無しさん:2007/08/12(日) 00:48:41 ID:???
なら俺が投下する!
388マロン名無しさん:2007/08/12(日) 01:33:04 ID:???
>>387
そう言う奴に限って投稿しないことに絶望した!

不投稿ですよ!
今流行りの!
そんな心の病が充満する歪んだ現代社会に絶望した!
389マロン名無しさん:2007/08/12(日) 02:09:40 ID:???
>>387
いやいや!俺が投下するよ!
390マロン名無しさん:2007/08/12(日) 07:09:12 ID:???
>>388
いやだなあ
不投稿なんてあるわけないじゃないですか
ただのアク禁ですよ
391マロン名無しさん:2007/08/12(日) 23:21:11 ID:???
学級崩壊というスレタイと離れてようと何だろうとどーでもいいから
絶望的で破滅的で破壊的なSS新作キボン
職人のマニアックさが溢れたオナニー作品だろうと誰でも書けそうな
お約束な作品だろうとかまわない
「独白氏は最後の希望」は言い過ぎだと思うがこのままの状況で
職人居着かんとこのスレ自体崩壊しかねないしどんな作品も貴重だ
392マロン名無しさん:2007/08/12(日) 23:41:55 ID:soAS77oI
>>391
必死だな
と言いたいところだが同意
このままじゃいかんね
393マロン名無しさん:2007/08/13(月) 00:25:01 ID:y4SUNgrn
つか実際ここの住人は何人いんのよ
ヒトケタしかいなかったりしてw
つか自作自演して必死にレス増やす奴がいたりしてw

あ、俺はチガウヨ、ということを示すためにID出してみるw
394マロン名無しさん:2007/08/13(月) 02:16:15 ID:???
ID変えられるし
395マロン名無しさん:2007/08/13(月) 02:46:31 ID:???
日付変わった時点でそんなものなんの意味もなさない。
大体PCを複数持っているやつやPCと携帯使って自演する奴結構いるし
396 ◆US2VTGbXvQ :2007/08/13(月) 02:47:01 ID:lCXz4zPD
だな
397 ◆US2VTGbXvQ :2007/08/13(月) 02:48:56 ID:F/ecVAWv
こんなふーに
398 ◆US2VTGbXvQ :2007/08/13(月) 02:49:45 ID:z48tty6n
ID変えられちゃー意味ねえもん
399マロン名無しさん:2007/08/13(月) 02:54:36 ID:???
SS書くには書いても、自分で読んでみてあまりの文章力の無さにゴミ箱にポイしちゃうんだよな、毎回。
ネタもありきたりだし。
400 ◆US2VTGbXvQ :2007/08/13(月) 02:58:56 ID:???
ありきたりでもいいのにー
401マロン名無しさん:2007/08/13(月) 18:05:42 ID:y4SUNgrn
みんな最初は下手なんだからいいんだよ
書いてるうちに書けるようになるもんだし、みんな暖かく見守ってくれる
自信なくても変な煽りは入らないから安心して投稿してくれ
402マロン名無しさん:2007/08/13(月) 23:56:50 ID:???
バトロワネタで書こうしたら、まとめにもうあったんだ。
だから投下できないでいる。
このもしスレが「私は既出ネタでも一向にかまわん!」なスタイルならば、書きたいと思ってる。
403マロン名無しさん:2007/08/14(火) 00:50:01 ID:dB+9+fo4
昔のネタと被ったっていいじゃん
自分の思う「面白さ」を本気で伝えようとしてれば

より面白ければよりウケるし、今なら新作ってだけでチヤホヤされる可能性大だぞw
新規参入にはかなり美味しい時期だw
404マロン名無しさん:2007/08/15(水) 11:49:18 ID:R3sc+zJk
で、投下マダー?
405マロン名無しさん:2007/08/15(水) 16:35:43 ID:???
>>404
投下を待つだけの存在にはならないでもらいたい。
406マロン名無しさん:2007/08/15(水) 16:40:08 ID:vGy+oHKc
>>404
がんがれ!
407マロン名無しさん:2007/08/15(水) 19:23:03 ID:???
>>404なんだけどなんで俺?
期待されても困るぞw
408マロン名無しさん:2007/08/16(木) 00:54:57 ID:???
「投下を待つだけの存在にならないでもらいたい」と言ってるヤツ、
おまえは書いてるのか?
「ガンバレ」と言ってるヤツ、言うだけなら誰でもできるんだが、
おまえは頑張ってるのか?

皆で書こうぜ。
俺も書く。
409マロン名無しさん:2007/08/16(木) 00:57:19 ID:???
じゃあたまには企画モノでも
410マロン名無しさん:2007/08/16(木) 01:03:40 ID:???
じゃみんなでリレー小説でもやるか
デウス・エクス・マキナ的なキャラがいるから、GDGDになっても話はまとまるw
411犬神の見た夢:2007/08/16(木) 04:16:01 ID:???
>>408に「お前は書いてるのか?」と聞かれたので書いてみた。
書いてる内に訳分からなくなった。ではどうぞ。

犬神「絶望した!正体を隠して生きる人間達に絶望した!」
修「いきなりどうしたお前は…」
一条「桃色係長にとり憑かれているようですね」
くるみ「正体を隠してって、どういうこと?」
犬神「考えてもみてください、今のこの世の中、誰もが本当の自分を隠して生きているはずです、まるで仮面を被るように」
都「まあ、分からなくもないわね…」
犬神「友人と話していて思ったことはありませんか?"こいつは本当に自分のことを友人と思ってるのだろうか"とか」
来栖「それってただの被害妄想なんじゃ…」
犬神「相手の正体が分からないからそういう不安に駆られるのですよ! 普段あまり喋らない彼はとんでもないことを考えているかもしれない! クラス一の美人でおしとやかな彼女が裏ではやることやってたり!?」
柏木姉妹「だからそれは妄s(ry」
犬神「だから私は、世の中の全ての正体を暴くことにしました」
一条「それは名案ですね」
犬神「手始めにそこの彼女、二階堂光さん」
光「へ?私?」
犬神「あなた達は彼女の正体を知っていますか?」
412マロン名無しさん:2007/08/16(木) 04:19:16 ID:???
犬神「彼女は、18禁雑誌で働いてます」
光「ギャァァァァ!止めてぇぇぇぇ!」
来栖(私は知ってたけどな…)
犬神「これであなたは正体に怯えられることもありません、これからは堂々と生きてゆきましょう二階堂さん(笑顔)」
来栖「彼女なら泣きながらどこかに行っちゃいましたよ」
修「ひでぇ…」
犬神「他にも有名な例を挙げると、こんな人が正体を隠していますね」

・アポロンの正体
・マイケルの正体
・小倉ゆうこの正体
・赤い○星の正体
・タキ○ード仮面様の正体
・月○の騎士様の正体
・ジャスラックの正体
・おならの正体
・犯人は○ス

都「後半は人間じゃないし!」
玲「それにタ○シード仮面と○影の騎士は同一人物じゃないか?」
犬神「この調子でドンドン正体を暴きましょう!」
一条「私もお供しましょう!」
413マロン名無しさん:2007/08/16(木) 04:23:31 ID:???
一条「そのお弁当、自分で作ってきてますね」
じじい「グフゥゥゥゥ!」
犬神「あなた実は童t(ry」
早乙女「オレは悪くないんだぁぁぁぁ!」

三時間後・・・

犬神「ふ〜、暴いた暴いた、これで学園内の人間の正体は全て暴きましたね」
一条「いえ、まだ残っています」
犬神「どなたがです?」
一条「私です……」
そう言うと一条は、自身の背中のファスナーを下げ始めた。
一条「これが私の……」
犬神「あ…、あぁぁ……」
犬神は戦慄した。一条の背中から這い出てくる黒い何者かに目が離せずにいた。
一条「これが私の正体デス……」
黒い何者かは次第にその闇を広げていき、犬神はそれに飲み込まれた。

気がつくと、犬神は宇宙にいた。
そこには自分しか居らず、周囲には無数の星の海が広がっていた。
犬神は地球を見つめた。地球は蒼かった。
そこで、犬神は気付いたのだ。
犬神「あぁ、私は何を小さいことを気にしていたのだろう……」
犬神は眼を閉じた。宇宙の流れに身を任せる。
その心地よい無重力を楽しむように。
そして、犬神は考えるのを止めた。
414マロン名無しさん:2007/08/16(木) 04:30:42 ID:???
犬神「はっ!?」
犬神が飛び起きると、そこは自分の部屋だった。
カーテンの隙間から気持ちよい朝日が差し込んで、犬神の部屋にひだまりを作っている。
犬神「ゆ、夢か……」
犬神は、寝起きの重い体を起こし、机に手をついた。
犬神「まさに悪夢だ、目覚めが悪いな……」
時計を見ると、既に7時半を過ぎていた。
犬神は急いで登校の準備する。
犬神は考えていた。本当にあれは夢だったのだろうか?
やけにリアルだったし、あの無重力の感覚も未だに覚えている。
しかし、夢とは得てしてそういうものなのだろう。
もう悪夢は終わった。もう考えるのはよそう。
そう思い、犬神はドアノブに手をかけ、扉を開けた。

そこには・・・

一条「おはようございます」

犬神「え……」

一条「今日は誰の正体を暴きましょうカ?」

一条は口の端を耳につかんばかり引きつらせこの世のものとは思えない声で笑い出した。

一条「グゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲ」

犬神は、絶叫した。

415マロン名無しさん:2007/08/16(木) 05:03:18 ID:???
GJ!
だっしゅ+久米田風味って感じだなw
416マロン名無しさん:2007/08/16(木) 09:31:47 ID:???
おもろかったぜ!GJ!
417マロン名無しさん:2007/08/18(土) 00:26:55 ID:C8Z8LjaR
あげ
418マロン名無しさん:2007/08/20(月) 00:04:22 ID:???
GJ!
419マロン名無しさん:2007/08/20(月) 05:26:42 ID:???
411だが、SS書くのってなかなか難しいな、自分で書いてみてよくわかった。
職人が少ないのも頷ける。
よっぽど好きじゃないと書けないね。
420マロン名無しさん:2007/08/20(月) 09:33:17 ID:???
愛です。
愛ですか?
愛かもしれません。
421マロン名無しさん:2007/08/22(水) 23:14:29 ID:???
独白さんまた綿貫スレに書いてるな
ここに書けばよかったのに
422マロン名無しさん:2007/08/23(木) 00:25:29 ID:???
一度間が開くと書き込みづらいのもあるのかもしれませんね
423マロン名無しさん:2007/08/25(土) 15:25:23 ID:???
らきすたde学級崩壊
424マロン名無しさん:2007/08/25(土) 23:52:05 ID:???
らき☆すた厨がこんなところにもw
この状況を打開する新作キボン

俺も書こうと思ってるのだが、シュミ丸出しの痛いのしか書けんので困ってるw
425マロン名無しさん:2007/08/25(土) 23:53:42 ID:???
俺の場合、他の作家さんのネタにかぶってしまいそうで。。
426マロン名無しさん:2007/08/26(日) 03:41:49 ID:???
高瀬を徹底的に苛めたい。いい意味で
427マロン名無しさん:2007/08/26(日) 13:37:12 ID:???
じゃ独白さんに続き高瀬が酷い目にあいつつ美味しい目にも合うやつうp汁
428マロン名無しさん:2007/08/26(日) 14:26:11 ID:???
高瀬って誰だっけ?
429マロン名無しさん:2007/08/26(日) 16:07:15 ID:iHso1bDi
演劇部の2年の男
3年の部長がパシリにしてるが悪くは思ってないみたい
430マロン名無しさん:2007/08/26(日) 22:05:37 ID:???
>>428
桐青高校のエースピッチャー…嘘です嘘つきました
ホントは>>429の言ったとおりです

追記するなら演劇部のクールキッドで、プライベートではネカ(ryな男子
未確認情報だが可愛い妹がいるらしい
431おおきくぱにぽって:2007/08/27(月) 04:43:32 ID:???
【ダイジェスト版】

「野球やろうぜ!」
そんなベッキーの誘いに乗った私は、この後、とんでもない事件に巻き込まれることに―――

             ■

「姫子〜バット持って来て〜」
「マホ〜」
「あの馬鹿、雑用でよくね」
「ちょっとひどくない?」
「いいんだよ。あの馬鹿、ああ見えてドMだから」

             ■

「桃瀬と犬神、罰として坊主な。逆らったら下の毛も剃る。女子の前で」
「ひでえ」
「鬼だ」

             ■

「くるみ、サード守れよ」
「ええ〜、ピッチャーがいい」
「ピッチャーは柏木だろ…常識的に考えて…」

             ■
「ベッキ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
「いい仕事したぜ……ちびっこなりに」


近日投下予定!
432マロン名無しさん:2007/08/27(月) 11:32:19 ID:???
「おおきくぱにぽにって」
の方が語呂が良い気がする
433マロン名無しさん:2007/08/27(月) 12:02:11 ID:???
柏木ってどっちだよ。

まあ、優麻だとはわかるが。一応な。違和感が・・・。
434マロン名無しさん:2007/08/27(月) 19:23:00 ID:???
ぱにぽには、
バスケ編が一番面白かったと思う
435マロン名無しさん:2007/08/27(月) 22:14:16 ID:???
もえたんde学級崩壊(* ´Д`)ハァハァ
436マロン名無しさん:2007/08/28(火) 01:36:01 ID:vfY2a9zU
こんばんは、独白の人です。
演劇部モノの続き、投稿させていただきます。
今回はハルカ視点です。
437マロン名無しさん:2007/08/28(火) 01:38:05 ID:???
<高見沢ハルカの独白:Revisited>

蝉の声が消えて、もう何日たっただろう。
入道雲が見えなくなって、どれくらい経っただろう。
日中のうだるような暑さと、夕方の涼しさの差がどんどん大きくなって、
日の入りが、目に見えてどんどん早くなって。

夏の盛りが終わった物悲しさと、抜けるような空の高さと比例するような
何ともいえないわびしさと。
毎年秋の入り口になると、何故か私はそんな気持ちに襲われていた。
特に今年は、あんなことがあったせいか、もう涼しくなってきた風が、
そして夕日が、やけに目に染みた。
目に染みて、目に染みて、いつしか私の頬には一筋の涙の道が
しっかり跡を付けてしまっていた。

わけのわからない、不安と焦燥。
朝起きられなくなって、新聞も読めなくなって。
何時間パソコンに向かってもシナリオがちっとも書けなくて、
いつも面白かったテレビも何だか見る気がしなくなって。
胃まで痛くなって病院に行って、原因がストレスらしいと心療内科に回されて。
休学しろって言われて。

元々、私は感情を内に閉じ込めるタイプだった。
そしてそれを、誰もいないところでこっそり発散するタイプだった。
私の理想の人生を、夢見る生活を、現実とはかけ離れた世界を、何かに書き留めたりして。
そうやっているうちに、どんどん物書きに没頭するようになって。

そして、何かの間違いで入った演劇部でアイツと出会って。
円のオモチャになってるアイツに、いっつもクール気取ってるクセにちょっぴりバカな、
でもちょっぴり優しいアイツに、私より小柄なアイツに、何だか惹かれていって。
篠原君と話すときとアイツと話すときとでちょっぴり違う自分の感情に、
私はいつしか気づいていて。
438マロン名無しさん:2007/08/28(火) 01:39:13 ID:???
でもアイツは、円ばっかり見てて。
私とデートしてるときにも、円の話ばっかりして。
親友のことを好きでいてくれるのは嬉しかったけれど、それが、同時に何だか悲しくって。
アイツはアイツなりに私との共通の話題を探してたんだろうって、
私はいつも無理に思おうとして。
でも、やっぱりそうは思えなくって。

悔しかった。
アイツを、私だけのモノにしたかった。
しょっちゅう具合の悪くなってた私を、いつもしっかり見ててくれたアイツを、
アイツの視線を、私だけに集めたかった。

アイツを私に引き止めるためには、私は何だってできた。
どんな恥ずかしいセリフも、まるでシナリオを読むように、何でも言えた。
「昼は淑女のように夜は娼婦のように」なんて、陳腐な表現だけれどそんなことだってできた。
中学のときの彼氏の部屋でこっそり読んだエロマンガみたいなことだって
私には何だってできた。
439マロン名無しさん:2007/08/28(火) 01:43:47 ID:???
でもアイツは、円を選んだ。
私ではなく、円を選んだ。
そうなっても、そうなってしまっても、「私を見て」という一言がどうしても言えなかった。
他のことなら何だってできても、それだけはどうしてもムリだった。
淫乱な痴女にだって、絵に描いたような悪女にだって、何にだってなれたのに、
その一言だけはどうしても言えなかった。
活字にしたらたった4文字なのに、言うことができなかった。

ビルの隙間から、14番目の月がいつしか私を照らしていた。
あとはしぼむだけの満月になる、その一歩手前の、大きな月がぽっかりと
空に浮かんでいた。

私たちの関係も、あの月のようだったらよかったのに。
あとは壊れていくだけの満月を過ぎた関係になる前の、未来のある関係が
ずっと続いてればよかったのに。
少しだけ片思いの、私がアイツに頼るばかりの、そんな関係で
時が止まればよかったのに。

私は、少し腫れた目で、すっかり温まった駅前のベンチを立った。
ちょっと秋の香りがする風が、一筋、桃月の街を抜けていった。
誰かが落としていったアイスのパッケージを巻き込みながら、さっと流れていった。
私の、首までの髪を揺らして、そっと流れていった。
440マロン名無しさん:2007/08/28(火) 01:46:53 ID:???
以上です。
次は映研の方に焦点を合わせたいと思います。
おやすみなさい。
441マロン名無しさん:2007/08/29(水) 00:29:01 ID:TAhX4bOF
うはっwwww誰もレスしてねえwwww乙wwww
442マロン名無しさん:2007/08/29(水) 04:31:57 ID:???
レスしてなくても、読んでる人はいるもんだよ
俺とか
443マロン名無しさん:2007/08/31(金) 02:56:11 ID:???
ttp://www.uploda.org/uporg993785.jpg
じゃーんベッキーダヨー
444マロン名無しさん:2007/08/31(金) 07:28:21 ID:???
死んだベッキーの皮を姫子が被るヤツか
テラキモス
445マロン名無しさん:2007/08/31(金) 23:28:26 ID:???
そうゆうことを言うのはよくないと思うゾ
446マロン名無しさん:2007/09/01(土) 00:24:30 ID:???
キモさというかキッチュさもこのスレの持ち味だと思うが
447マロン名無しさん:2007/09/01(土) 14:23:04 ID:???
ベッキー、ちんこ好きか?
448マロン名無しさん:2007/09/02(日) 15:08:49 ID:???
ベッキー愛してる
449マロン名無しさん:2007/09/05(水) 00:38:06 ID:93gV0Ca+
ほす
450マロン名無しさん:2007/09/05(水) 02:53:16 ID:???
こんばんは、独白の人です。
住人もめっきり少なくなってしまったようですが、演劇部ネタ、再度投稿させていただきます。

今回は、芹沢の独白です。
芹沢の語り自体は、今までエロパロで何度か傍観者として使わせてもらいましたが、
今回は割と事件の当事者に近い立場にいます。

それでは、お楽しみください。
451450:2007/09/05(水) 02:56:07 ID:???
<芹沢茜の独白>

もう、誰も信じられなかった。
見るもの聞くもの全てを、私は否定したかった。
この世の中なんてなくなってしまえばいいなんて、そう思った。
雨が全てを洗い流してくれればいいなんて、そう思った。

そう、その原因は高瀬先輩だった。
休学から帰ってきたばかりのハルカ姉さんともなんだかいい雰囲気だったし、
部長とも凸凹コンビって感じでいつもバカなことやってて、ホント誰とでも
仲良くなれる人なんだと思ってたけど、その先輩が、あんな人だったなんて
私知りたくなかった。
信じたくなかった。
でも、ハルカ姉さんの言うことに間違いはないんだろうし、部長の態度からも
それはどうやら本当のようだった。

私は、もっと早く気づくべきだったんだろう。
こんなことになる前に、気づいておくべきだったんだろう。
そうしたら、ハルカ姉さんがあんなに傷つく前に、私も何かできたんだろう。
きっと、何かできたんだろう。
兆候は、きっとあったはずだ。

いつも、具合悪くなったハルカ姉さんに付いて、屋上や校庭に出てた先輩。
私の着ぐるみの手入れを、汗かきながら手伝ってくれた先輩。
背はそんなに高くないけれど、センスだって悪くないし、優しかった先輩。
その先輩がハルカ姉さんにあんな仕打ちをするなんて、にわかには信じられなかった。
そんな裏切りを高瀬先輩がするなんて、思いたくなかった。
高瀬先輩だけは、私信じてたのに。
そんな人だなんて、思ってもみなかったのに。
452450:2007/09/05(水) 02:57:42 ID:???
いつも高瀬先輩と2人、身体はまだ辛そうだけど、幸せそうだったハルカ姉さん。
人が変わったようになってたのに、またすっかり明るくなって、いろいろ私に
楽しそうに話してくれたハルカ姉さん。
だから、安心してたのに。
また最近あまり具合がよくないみたいだったけど、高瀬先輩がいれば、
ハルカ姉さんも大丈夫だと思ってたのに。

なのに、高瀬先輩はあの笑顔の裏で、人の弱みにつけこみながら
こっそり裏切ったりなんかしていて。
人の感情を、うまく利用なんかしていて。

怒りを通り越して、やるせなかった。
感情を、どこに向ければいいのかわからなかった。
皆を、ハルカ姉さんを、私をだましていた先輩が、どうしても許せなくて。
全てを知っていながら、当事者でありながら、黙っていた部長に腹が立って。

ハルカ姉さんの話は、確かに、にわかには信じがたかった。
部室で、ハルカ姉さん自身と愛し合ったその場所で、高瀬先輩がこっそり
部長とも愛し合っていたのを見た、なんて。
高瀬先輩が、ハルカ姉さんと付き合いながら、影で部長とも付き合ってたなんて。

それなんてエロゲ、なんて、正直最初は思った。
本当に、まさか、という気持ちしか、最初は出てこなかった。

でも、ハルカ姉さんの目は、ウソなんか付いてる目じゃなかった。
ハルカ姉さんはシナリオは書けるけど演技はグダグダだし、だいいち
そんなウソついてハルカ姉さんに得になることなんて、何もあるわけもなかった。
あの映研のドジラの正体が本当は来栖ちゃんだってわかったときだって
あんなに優しく慰めてくれたハルカ姉さんが、ウソで人を困らせるなんて
そんなこと、あるはずはなかった。
453マロン名無しさん:2007/09/05(水) 02:59:28 ID:???
今朝の部長の態度も、その話が真実であることを雄弁に語っていた。
ハルカ姉さんへの、高瀬先輩への、部長のあの眼差し。
それは、お気に入りのオモチャを取られた子供のようにどこか寂しそうで。
それでいてどこか、2人だけの秘密を共有している嬉しさらしきものが
なんだか隠れていて。
言われたら気づく、っていう程度のものだったけど、それは確かに感じられて。

そうやって3人の間の事情を確信したら、何だかもう何も考えたくなかった。
授業中ボーっとしちゃって、ジイさんにチョーク投げつけられたりしたけれど、
それもよける気持ちにもならなかった。
お気に入りのロボ子スーツも、なんだか着る気持ちにならなかった。

いつまでも変わらないと思ってた、日常の風景。
自分から壊したくなくて、壊れてほしくなくて、ずっとそうであってほしくて。
でも、そうではなくって。
自分の思いさえガマンすれば何も起きないと思ってたのに、そうではなくって。

そう、私も、高瀬先輩が本当は好きだったんだ。
ハルカ姉さんの手前、何もできなかったけれど、何も言えなかったけれど、
本当は好きだったんだ。
なのに、なのに…こんなことって…。
こんな結末を迎えるなんて…ホント、神サマは非情だよ…。

秋の雨は、まだ降り続いていた。
もう日も変わったけれど、まだ、ちっとも止みそうになかった。
私の涙と同じく、まだまだ止みそうになかった。
窓の外のプラタナスの木から、一枚の葉が今、ぱさっと落ちた。
雨の音にかき消されそうだけれど、静かに、静かに落ちた。
454450:2007/09/05(水) 03:04:18 ID:???
以上です。
>453、名前欄入れ忘れましたすみませんw

正直、芹沢は動かしにくいです。
大好きなキャラの1人ではあるのですが、どうも行動がいまいち読めなくて…。
もっと芹沢の切なさとキャラの魅力を引き出せれば、と思うのですが、
どうもエロパロ方面でないと引き出せないところに私の目の曇りがあるようでw

なお、今回の芹沢の話は、ハルカ寄りの話です。
エロパロで一部書かせてもらいました高瀬寄りの話を掘り下げると、もう少し違った事情が
出てきます。
その辺、今後書かせていただきますので宜しくお願いします。

以上、独白の人でした。
455450:2007/09/05(水) 03:08:32 ID:???
追伸です。
そういえば前、「今後は映研の方に焦点を当てる」って言ってましたね(汗
すいません、それは忘れてくださいw
こちらも骨子は固まってるんですが、ディテールのアイディアが固まってきた順に、
思いが向くままに書いてますのでw

誰か一人でも、誰も見ててくれてなくてもいいです。
書かせてください。
書きたい衝動を、誰か、受け止めてください。

ご迷惑でなければ、宜しくお願いします。
おやすみなさい。
456マロン名無しさん:2007/09/05(水) 18:59:57 ID:???
そんな時間誰もいない上に次投稿も遅いとは。

「マホー!困ったもんだね、玲ちゃん!」
「私は後ろに赤い塊がたくさんなことに困ってるんだが・・・。」
「3倍?」
「・・・いや、もういい・・・。・・・ぜんぜん良くないが・・・。」
457マロン名無しさん:2007/09/05(水) 19:09:00 ID:???
「マホー・・・。何でこんなことになってるのかなあ・・・。」
「有り得るのはくるみの巻き添えくらいだな・・・。」
「・・・・・・。」
「どうした?突然黙って?」
「マっはっは。玲ちゃんは勘違いしているのカナー?」
「何を突然・・・。」
「こんなことをする通り魔がいるはずがない・・・。
そう!コレは私の陰謀なのだー!」
「・・・お前黙っとけ。」

でも独白さんには乙なのです。
458マロン名無しさん:2007/09/05(水) 20:38:41 ID:???
>>455
ちゃんと読んでるから心配しなくて いいのよ
でも以前のを読んでないからつながりが分からないんだよねー
459マロン名無しさん:2007/09/05(水) 21:27:04 ID:???
俺も読んでる
最近独白さんっぽい人のHPを発見したよ
460マロン名無しさん:2007/09/06(木) 01:42:38 ID:???
独白乙
しかし何故高瀬関連の独白はスクイズ風になるよねー
461マロン名無しさん:2007/09/08(土) 00:42:00 ID:???
こんばんは、独白の人です。
演劇部ネタ、再度投稿します。

今回は高瀬の独白です。
スクールなんとかとは全く関係ありませんのでご了承くださいw
462461:2007/09/08(土) 00:43:45 ID:???
<高瀬和也の独白: 雨の降る深夜>

雨の降る深夜、俺はテレビを見ていた。
ちっとも進まない宿題を片付ける手を休めて、ボーっと見ていた。

画面の中で、デンゼル・ワシントンとトム・ハンクスが、激しくやり合っていた。
なにやら、裁判ネタの映画のようだった。
『フィラデルフィア』、'93年のアメリカ映画。
新聞の番組欄には、そう書いてあった。

よくある勧善懲悪モノの話だろう、そう思っていた。
厭な現実を忘れるにはちょうどいい、そう思っていた。
だけど、物語は俺の想像とはちょっと違う方向に、どんどんズレていって。
いつの間にか、トム・ハンクスの病気の話になっていって。

気づいたら俺は、すっかり画面に見入っていた。
愛する者がいる身でありながらの、たった一度の過ちからの、死の恐怖。
打算にまみれた人間関係と、大勢に囲まれての絶望的な孤独。
共に死線を乗り越える中で浮き上がる、友愛と恋愛の境界線。
なぜだろう、俺は、画面の中のトム・ハンクスに、いつしか自分自身を
重ね始めていた。
俺の状況の方が、映画の中のトム・ハンクスよりよっぽど安全なのに。
生死に関わるような状況では、決してないのに。

でも、「たった一度の過ち」というには、俺の過ちはあまりにも多すぎた。
不安定だったハルカ先輩に、なぜだか惹かれていって。
そのままずるずると、関係を持ってしまって。
そのくせに、自分まで引きづられそうになったら、さっさと逃げて。
その清算もそこそこに、今度は部長とも成り行きで関係を持ってしまって。
463461:2007/09/08(土) 00:45:33 ID:???
最初は、ハルカ先輩へのただの同情だったんだろうか。
俺がいないとこの人はダメになる、という、俺の思い上がりだったんだろうか。
セックスという餌に釣られただけの、はかない関係だったのだろうか。
そして今の部長との関係も、俺の心の隙間を埋めるためだけの関係なのだろうか。
部長は俺にとって、欠けてしまったハルカ先輩というピースの代わりに
すぎないのだろうか。

もう俺には、何が何だかわからなくなっていた。
人として俺は、もう軸がぶれてしまったのだろうか。
理性で抑えようとはしていても、生物の本能としての性衝動に左右されるだけの、
それで追い込まれた状況に震えているだけの、そんなへタレとしか言い様のない人間に
なってしまったのだろうか。
芹沢のあの日の目には、俺を蔑むような目には、その答えは映っていなかった。
あの青みがかった、憂いを帯びた目からは、俺には何もわからなかった。

映画は、いつの間にか終わっていた。
机の上に山積みの宿題は、まだまだたっぷり残っていた。
今からじゃ、徹夜しないと片付けられそうになかった。

俺はテレビを消すと、ベッドに体を投げ出して、目を閉じた。
刹那、雨音と、ひんやりした肌掛けの感触に、俺は包まれた。

まだまだ降り止まなそうな、激しい雨。
窓を叩く、大粒の雨。
誰もが眠る、深夜の雨。
それは、俺の気持ちとは関係なく、降り続いていた。
ぶれ続ける俺を叩くように、ただ降り続いていた。
464461:2007/09/08(土) 00:47:10 ID:???
以上です。

私のプライベートを、詮索しないでくださいw
ここは、出島ですw
私は、個人的に鎖国してるんですw

それではおやすみなさい。
465マロン名無しさん:2007/09/08(土) 08:58:28 ID:???
絶望した?人間社会に絶望した?
でも僕はあなたに絶望してませんよー。
つー事で乙。

時間が時間だなー。誰も書き込みが・・・。
466マロン名無しさん:2007/09/08(土) 11:17:42 ID:???
>>464
ウザイけど、乙
467マロン名無しさん:2007/09/08(土) 17:32:16 ID:???
独白さん、乙!

独白さんっぽいページ、消えてた
本物か、それとも無断転載か
468マロン名無しさん:2007/09/08(土) 18:10:51 ID:???
>467
KWSK
469マロン名無しさん:2007/09/11(火) 19:42:37 ID:???
kwskと言われても・・・
見つけたというか、よく見に行っているHPに独白さんの書いたものが掲載された
おれはその人のことはよく知っているわけではないが、
同じ子みゅに入っているから何となくどんな人かは知っていた
それが独白さんかどうか
470マロン名無しさん:2007/09/12(水) 00:12:12 ID:???
子みゅ?
みくし?
471マロン名無しさん:2007/09/12(水) 19:49:52 ID:dV+c23zN
期待age
472マロン名無しさん:2007/09/12(水) 23:25:17 ID:???
こんばんは、独白の人です。
芹沢の独白の続きです。
コミック8巻のシーンに繋がるようにしてますが、時系列的に演劇部騒動の前か後かは
読者の方の想像にお任せしますw
473472:2007/09/12(水) 23:26:19 ID:???
<芹沢茜の独白:2>

夢。
私は、夢を見ていた。
夢の中の、秋の高い夕焼け空が、なんだか悲しかった。

夢の中の私は、現実の私よりも、ちゃんと女の子らしくて。
眉も、キレイに揃えられていて。
いつもボサボサの髪も、ちゃんと整えられていて。
フェミニンな白いワンピとグレーのカーデに、身を包んでいて。
私の前には、困ったような笑みを浮かべる高瀬先輩がいて。

でも、何かが足りなくて。
見慣れた桃月の街だけれど、どこか、現実感に欠けていて。
幸せだけれど、どこか空虚な、そんな気がして。
何か大切なものを置き忘れてきたような、そんな感じがして。

それが悲しくて、私は、高瀬先輩の胸で泣いていて。
何だかわからない不全感に、感覚は支配されていて。
暖かい西日に包まれていても、心は落ち着かなくて。
先輩の、ひんやりした手で優しく髪を撫ぜられても、それは変わらなくて。
先輩に何度「芹沢」と呼ばれても、私を抱きとめる手がきつくなっても、
涙は溢れ続けて。
過ぎ行く雑踏の音に混じる先輩の声は、いつまでも続いていて。

「芹沢…芹沢!」

先輩の声は、どんどん大きくなって。
それでも私は、どうすることもできなくて。
474472:2007/09/12(水) 23:29:14 ID:???
「芹沢!」

先輩は、私を呼び続けて。

「芹沢っ!」

私は、泣き続けるしかなくって。

「芹沢さん!
 芹沢さん、起きてくださいまし!
 芹沢さんッ!」

ん…いつの間にか先輩が南条に?
え…?

「芹沢さん、もう次の授業が始まりますわよ!!
 もう、授業中から机にしがみついて寝ちゃうなんて、親の顔が見たいですわっ!」

「うわっ!
 い…い、今何時!?」

がばっと飛び起きたいつもの私の目の前には、むくれる南条がいて。
西日に染まるその姿は、外見といい動作といい、私にないものを
たくさん持っていて。
何か、女の子、って感じがして。
ガサツな私とはちょっとタイプが違う、繊細な雰囲気に溢れていて。
475472:2007/09/12(水) 23:32:06 ID:???
「何時って…そんなにぐっすり寝てらしたんですの?
 まぁ、演劇部っていうのは、本当にハードなんですのね!」

こんな皮肉を言われたせいもあったけど、なんだか、そんな南条に
ちょっとイタズラしてやりたくなって。
そんな気持ちが、むくむくと首をもたげてきて。

「なー南条、ちょっといいか?
 …お前さぁ、最近なんか…ちいさいな?」

「何様!?」

「ちげーよ、オーラっつーか、態度つーかな…。」

「え?
 ああ!!
 そうかしら!!」

「おいおいー、犬神に、しつけられちゃったかー?」

「な!!」
476472:2007/09/12(水) 23:35:13 ID:???
そう、これでいいんだ。
これが、私なんだ。
これが、芹沢茜という人間なんだ。

顔を赤くしてわーわー言う南条を続けてからかいながら、
私はそんなことを考えていた。
愛だの恋だのにうじうじ悩んで、ずーっと泣き続けるなんて、
そんなの私じゃないんだ、って必死で思いながら。

でも、なぜだろう、ちょっとまだ目が潤んでる。
そんなこと認めたくないのに、まだ涙が残ってる。

私は、そんな気持ちを振り払うように、南条をからかい続けた。
やりすぎだったかもしれないけど、今の私にはそれだけが
いつもの私に戻るための手段だった。

ちょっとからかいすぎて南条が泣き出しちゃって、ベッキーに大目玉くらって、
その後トイレでいろいろ大変なことになったのは、また別のお話。
477472:2007/09/12(水) 23:36:23 ID:???
以上です。

よその話なんてどうでもいいじゃないですか。
私は私です。

それではおやすみなさい。
478マロン名無しさん:2007/09/12(水) 23:51:30 ID:???
どうしたの独白先生
らしくないな
479472:2007/09/13(木) 01:00:59 ID:???
私らしい、っていうのは何なんですか?
どんな要素が、私を私たらしめているんですか?

世間の思う私と、本当の私は、きっとどこか違います。
そして、同じところもきっとあるはずです。
でも、どちらも私です。

それだけです。
480マロン名無しさん:2007/09/13(木) 01:08:07 ID:???
>>479は独白氏らしい
481マロン名無しさん:2007/09/13(木) 01:34:47 ID:???
独白の人です。
もう一丁行きます。
なんか書けてしまいましたw
482481:2007/09/13(木) 01:38:44 ID:???
<五十嵐美由紀の独白:眠れない夜>

金曜の、夜だった。
眠れない、本当に眠れない夜だった。
あまりの眠れなさに、私は一人、ガレージからMGを引っ張り出して
もう戻れないあの頃の私を探しに出ることにしたのだ。
今の私を、この私を、ちゃんと見つめなおすために。
もうあの頃とは違うって、自分で自分を納得させるために。

深夜の首都高。
ウィンドシールドの端から轟々と吹き込む風で、薄着の肩がせつなかった。
やっぱり、ミリジャケか何かでも、羽織って来ればよかったかもしれない。
あの時の、そう、あの頃の私も、そうだったのかもしれない。
心が風邪をひかないように、なんとかしておくべきだったのかもしれない。

車窓を流れていく照明と、どんどん明け行く暁の空が、私をつかの間、
あの頃に戻した。
少女、と言うにはムリがあるけれど、あの頃の私に戻した。

7年前の私。
少し大人ぶってた、背伸びしてた、あの頃。
それでいて、世の中の理を、何も知らなかったあの頃。

それは、言葉じゃなくて。
理屈、でもなくて。
傷つくことを予感していても、破局が見えていても、私の想いは
誰にも止められなくて。
暴走する感情は、あの頃の私には、どうしようもできなくて。

私、そんなに、強くなかったのに。
今のように、いや、今も大人になりきれてるなんて思ってないけれど、
距離をおいてなんてあの人を見ることなんて、できなかったのに。
483481:2007/09/13(木) 01:39:51 ID:???
同じこの道を、あの人と一緒に、笑って駆け抜けたんだったっけ。
あの人のヒーレーで、あのクリーム色のヒーレーで、私を英国車の世界に
案内してくれたあの人と、2人で走ったんだっけ。
手を伸ばせば届くくらいの過去だけど、もう戻らないんだって判ってるけれど、
そんな時もあったんだっけ。

もうFMも、ブレイクに入っていた。
私は、PAにMGを停めると、ブラックストーンを咥え、長年使ってるジッポで
そっと火をつけた。

鼻腔をくすぐる、甘い、フルーティーな煙。
それを深く吸い込むと、私は目を閉じた。

もう今は、何もかもリセットできそうだった。
距離を置いて、彼のことも、見ることができそうだった。

うん、大丈夫。
また、ちゃんと生きていける。
あの頃とはもう、私は違うんだ、そう思えた。
潮風の匂いにあの人がよぎってくけれど、もう、あの人は過去の住人なんだ。
私も、あの頃の私じゃないんだ、そう思えた。

私はダッシュボードの灰皿でブラックストーンをもみ消すと、深く息を吸った。
新鮮な、海の香りを含んだ酸素が、私の肺を満たした。

そろそろ、夜が明ける。
私は再び、MGのスターターを捻った。
高まるエンジン音とともに、私はギアをローに入れてアクセルを踏み込んだ。
明け方の街へ、MGは走り出した。
484481:2007/09/13(木) 01:41:25 ID:???
以上です。
今度こそおやすみなさい。
485マロン名無しさん:2007/09/13(木) 17:51:54 ID:???
お前達は考えた事があるか?
実は独白が二人、否、複数居るというトゥルーをっ!
486マロン名無しさん:2007/09/13(木) 18:04:21 ID:???
ああ、そうなんだ。
やっぱりそうだったんだ。
487481:2007/09/13(木) 18:46:07 ID:???
>485
根拠は?
複数の文体を使い分けるなんてある程度技術があれば簡単だぞ
488マロン名無しさん:2007/09/13(木) 18:58:57 ID:???
つまり独白氏と皆は考えてる事は同じと言うことか

ビバ人類皆兄弟www
489マロン名無しさん:2007/09/13(木) 20:24:28 ID:???
自演くせーな
490マロン名無しさん:2007/09/13(木) 20:59:17 ID:???
そんなことより独白さんが複数いるってのが気になる。
そうだとしたらそれ自体が鬱なんだが。
まあこれだけ反響があればコピーライターが出て来てもおかしくはないが…メリットなくね?
491マロン名無しさん:2007/09/13(木) 21:27:15 ID:???
メリットなんてないだろ
する意味が無い

複数って騒いでる変なのは一人じゃねえの?
492マロン名無しさん:2007/09/13(木) 21:53:54 ID:???
>>490
アニメの脚本も何人もいたわけだが
493マロン名無しさん:2007/09/13(木) 21:54:08 ID:???
独白の人です。

SS投下以外は必要以上にこのスレにコミットすべきでないと思ってましたが、
おかしなことになっているのでちょっとだけ言わせていただきます。

私という人間は一人です。
少なくとも「独白の人」と名乗って書き込みをしている私は一人です。

私の中の別の顔とか、皆さんが思われる私と私が思う私の違いという意味での
複数の私というのは否定しませんが、少なくとも書き込みをしている人物としての私は
この私だけであると明言しておきます。

もちろん、トリップ等をつけていない以上、偽者が登場する可能性は捨て切れませんが
少なくとも今までは出ていません。

また、>487はコテハン消し忘れて私自身が書き込みましたが、それ以外は
自作自演はしていません。

たまたま一日に2つ投下しただけでそういうことになるとは、予想外でした。
誤解を与えてしまったことをお詫びいたします。
494493:2007/09/13(木) 21:59:49 ID:???
あと、ちょっとだけでいいんです、私自身でなく、内容の話もしてくれると嬉しいですw
495マロン名無しさん:2007/09/13(木) 22:06:09 ID:???
>たまたま一日に2つ投下しただけでそういうことになるとは、予想外でした。

誰もそんなこと言ってないぞ
そう考えること自体自演の証拠だと勘繰っちゃうけど
496マロン名無しさん:2007/09/13(木) 22:13:51 ID:???
>>470
そう
497マロン名無しさん:2007/09/13(木) 22:20:57 ID:???
独白さんがかわいそうになってきたぞ…
498マロン名無しさん:2007/09/13(木) 22:35:34 ID:???
自分で思ってるほど人はあなたのことを気にしていない
499マロン名無しさん:2007/09/13(木) 22:40:11 ID:???
某殺し屋7みたいな鬼才SSが見たいな
500マロン名無しさん:2007/09/14(金) 02:41:27 ID:???
つまり内容は語るに値しない、ってことですね。

私のようなものがスレを汚し、申し訳ありませんでした。
また、コメントを下さった方々、ありがとうございました。




501マロン名無しさん:2007/09/14(金) 19:04:06 ID:???
語るに値しないってことは無いと思いますよ。
内容が個性的過ぎて取っつきにくいだけ何じゃないかと。
演劇部っていう、本編であまり出番がないキャラなのも原因のひとつだと思う。
502マロン名無しさん:2007/09/14(金) 19:16:42 ID:???
地味っていうなー
503マロン名無しさん:2007/09/14(金) 21:04:52 ID:???
面白かったとしても感想を文章にできないゆとり世代
504マロン名無しさん:2007/09/14(金) 21:35:40 ID:???
内容を語るに値しないなんて誰も言っていないのになぜそう考えるのか
長くはないけどみんな感想とか乙とか反応はあるだろう
作品が面白ければその作者にも興味は行くのは当然だし
みんなは作品を含めて独白さんのことが好きなんだよ
505マロン名無しさん:2007/09/14(金) 21:39:11 ID:???
一人二役だろうが二人一役だろうがどんな変態でもどうでもいいし気にしないけど
>>467が本当だったらそれだけは気になる
いきなり閉鎖することはないんじゃねえの?
506マロン名無しさん:2007/09/14(金) 22:32:32 ID:???
本人かどうかも分からないし、そんなの管理者の勝手じゃね?
507マロン名無しさん:2007/09/14(金) 22:46:19 ID:???
ミクシィで独白らしい奴を見つけて、それでそいつが退会してたってことじゃないか
508マロン名無しさん:2007/09/14(金) 22:50:31 ID:???
  独白さんは一人だよ派

  独白さんは二人いるよ派

  独白さんは複数人いるよ派
509マロン名無しさん:2007/09/14(金) 23:30:51 ID:???
ミクシィやってんのかww
510マロン名無しさん:2007/09/15(土) 00:23:03 ID:???
その人退会してないけど、独白さんの書いたものが載ってた日記は消えてた
511マロン名無しさん:2007/09/15(土) 00:33:15 ID:???
コテハンのことあまりほじくり返すのよくないと思うのは俺だけ?
夢見たいじゃん書き手に対してもさ
512マロン名無しさん:2007/09/15(土) 00:48:39 ID:???
ちょww

もうコミックス出てんの?www
513マロン名無しさん:2007/09/15(土) 03:16:41 ID:???
独白の人です。
ウザいコテハンになりたくなくて、必要以上にはコミットしないつもりだったけど、
一言二言言いたくなりました。

自己満足のために書き始めて、負の感情と趣味を文章にぶつけて、そんな文章が
いつしかいくらか溜まっていて。
それがこのスレにおける私という存在です。
それでいいじゃないですか。
ヨソでの私なんてどうでもいいじゃないですか。

別に脚光を浴びたいとかチヤホヤされたいなんて思ってなかったはずなのに、
いつの間にかそれを求め始めてしまったのは自分でも予想外でした。
また、このスレで一部に私自身へ関心をもたれた方がいたのも予想外でした。

私自身でなく文章へのコメントらしいコメントがないのも無理ないです。
その要因は、私の題材がぱにぽにSSのメインストリームでない方面に行ったことも、
皆さんと私との細かな趣味の違いということも、他にも色々あるかと思います。

ですが、私の文章は元々うっぷん晴らしのためにここに書き始めたものですので、
どうしても私自身に馴染み深い方向に話が向いてしまうのは仕方ないとも思います。
被害妄想的な、悲観的なレスを返してしまうのも、どうしようもない私の性癖です。

文章で
514マロン名無しさん:2007/09/15(土) 03:26:11 ID:???
失礼しました。
途中で切れてましたね。

文章で、レスで、皆さんに不快な思いや違和感を与えてしまってるのは、無論私自身も
重々承知しています。
しかし、それが私なのです。
お嫌かもしれませんが、今暫くお付き合い願えれば幸いです。

今後はなるべく不快感を与えないよう、文章投稿以外の書き込みは極力控えるように
致しますので、どうか今後とも生暖かく見守ってくださればと思います。

言いたいのは以上です。
おやすみなさい。
515マロン名無しさん:2007/09/16(日) 05:00:24 ID:???
投下!
できる雰囲気じゃないな
516マロン名無しさん:2007/09/16(日) 19:01:11 ID:???
無駄に雰囲気なんか読むな
517マロン名無しさん:2007/09/16(日) 20:27:34 ID:???
投下すれば自然と投下しやすい雰囲気になるさ
みんなも帰ってくるよ
518マロン名無しさん:2007/09/16(日) 20:31:39 ID:???
ここがこんな風になったのは独白のせいかもな
こういうこと書くとますます書き込みが減るかもしらんがw
519マロン名無しさん:2007/09/16(日) 20:56:04 ID:???
そんなこと言うなよ
520マロン名無しさん:2007/09/16(日) 21:11:41 ID:???
じゃ他にどんな理由が考えられるんだよ?
皆ぱにぽにに飽きたとでも言って欲しいのか?
521マロン名無しさん:2007/09/16(日) 21:21:16 ID:???
飽きたと言うよりも、旬が過ぎてにわかファンが去ったというべきか

そんなに興奮するなよ。
気長に待ってれば投下する人たちも来るって。
522マロン名無しさん:2007/09/16(日) 21:28:56 ID:???
>>518みたいに、こういう空気わざと作る奴はスルーすれば良いと思うよ。
とりあえず投下待ち。
523マロン名無しさん:2007/09/16(日) 21:51:10 ID:???
そういうこと言ってるから独白がのさばるんだよ

あいつは神か?
大先生か?

メンヘルの言うことなんて気にしてられるかっつーの
どうせ大部分被害妄想なんだろうからさ
524マロン名無しさん:2007/09/16(日) 22:04:22 ID:???
スルーライフ
525マロン名無しさん:2007/09/16(日) 22:10:06 ID:???
         ,,
       ,, ,;;;;;,
      ;,,;;;,;;;;;;;;,,
        ;;;;;;;;;;;,,  ,.-- 、
         ;;;;;;;;;;;;,/_- .,|
           ;;;;;| ゛' .!゛
           _ ;;;;;, .(__
         .r''フ .i,/ ./ ヽ
         | | ,, - ,, !_i  |
         | i"     | .|
         | |     ,| |
         |/,,i-i,,__ /.| |
         .{!       | |
        . ||  ::   { }
         |   |!   .|
    ____.|   |.!   t -'' - ,
 ___"==-   !、 ,,-!,  ,/""----、___
"=-   __  ゛ "  ゛‐"  ,-.、__,,―― "
゛ ――"   ゛ー――″""""
526マロン名無しさん:2007/09/17(月) 22:43:03 ID:???
スルーライフ
527マロン名無しさん:2007/09/17(月) 23:30:14 ID:???
今までで一番面白かった、印象に残ったSSとかってある?
528 ◆/OfhyTnxv2 :2007/09/17(月) 23:41:14 ID:???
他漫画のssスレならいくつかある


ここでは自分の投下するだけして、
ほとんどスレ見ずに去ってるから…


529マロン名無しさん:2007/09/18(火) 02:43:39 ID:???
独白さんの五十嵐一発目
やけにリアルだった
独白さんの名前出すと荒れそうだが
530マロン名無しさん:2007/09/18(火) 08:28:21 ID:???
「ぱにぽにDEハブル崩壊」が良かったなあ
1990年代初頭にタイムスリップしたベッキーがあらゆる手段で日本の暗黒時代の到来を防ぐため叶わぬ努力をするが最後は志半ばで倒れるの
531マロン名無しさん:2007/09/18(火) 08:30:20 ID:???
「ぱにぽにDEバブル経済崩壊」が良かったなあ
1990年代初頭にタイムスリップしたベッキーが日本の暗黒時代の到来を防ぐため叶わぬ努力をするが最後は志半ばで倒れると言う
532マロン名無しさん:2007/09/18(火) 12:28:35 ID:???
>>530-531
それなんて「バブルへGO!」?
533マロン名無しさん:2007/09/18(火) 15:04:38 ID:???
バブルでgo観たかったなあ


事故らなければ観れたのに
534マロン名無しさん:2007/09/18(火) 19:10:52 ID:???
「ぱにぽにDEローマ帝国崩壊」に出て来たローマ皇帝は嫌な奴だった、そんな皇帝に忠誠を誓うスティリコ将軍は良い人だったけど皇帝の刺客から一条を守る為に死ぬなんてなあ
535マロン名無しさん:2007/09/18(火) 19:31:08 ID:???
どうやらこのスレには既知外とメンヘルしかいないらしいw
536マロン名無しさん:2007/09/18(火) 20:49:13 ID:???
俺はぱにぽにハザードさんのが好きだな
537マロン名無しさん:2007/09/18(火) 20:51:13 ID:???
そういや今月は今月氏こないな
538マロン名無しさん:2007/09/19(水) 00:42:26 ID:???
>>528
もしかして
バキスレで書いてません?
539マロン名無しさん:2007/09/19(水) 08:02:19 ID:???
スクイズがorz
540マロン名無しさん:2007/09/20(木) 00:26:18 ID:???
青臭い「漢」の友情モノが見てみたいな
もちろんただの友情じゃなく漢二人が悪の道に染まりながらも己の道を突き進む話…

ナレーション付でwww(田中信夫)
541マロン名無しさん:2007/09/20(木) 04:11:57 ID:???
ひさしぶりにまろまゆ
読んだ


店長で一本書こう
542マロン名無しさん:2007/09/20(木) 18:23:51 ID:???
俺はッッ

ベッキーをッ!!

殴りたいッッッ!!!!!
543マロン名無しさん:2007/09/20(木) 18:43:50 ID:???
>>542
ハ外道!
544マロン名無しさん:2007/09/20(木) 20:48:55 ID:???
>>543
マルコム・外道?
545マロン名無しさん:2007/09/20(木) 21:11:42 ID:???
ゲドーを待ちながら
546マロン名無しさん:2007/09/21(金) 01:13:23 ID:???
上の方にバブルへGOの話が出てるが、私も最近見たので、パロネタ考えようとしたが、どう考えても、学級崩壊とか、人死に欝展開とかにならない。
547マロン名無しさん:2007/09/21(金) 01:28:34 ID:???
タイムスリップか

マサチュー大学時代のベッキーに姫子が会いに行く。
実はマサチュー大学で苛められていたベッキーを姫子が助ける話。


って助けちゃ駄目だな・・・
548マロン名無しさん:2007/09/21(金) 01:48:29 ID:???
MITで外人相手に女王様やってるベッキーの写真を発見してしまう姫子。
興味を持って修とヤンキーを下僕にしてみるが、あまりにも板についた修に戸惑う姫子。
そこに網タイツで鞭を盛ったくるみの登場。
549マロン名無しさん:2007/09/21(金) 21:00:02 ID:???
生き急ぐ 行き着く果ての 逝き仏 千代に苔の むす墓穴
550マロン名無しさん:2007/09/21(金) 22:49:48 ID:???
>>537
パソコンが壊れてしまいました。

書き上げて、帰ったら投稿しようと思って出かけて帰ってきたらぶっ壊れてました……
551マロン名無しさん:2007/09/22(土) 08:07:27 ID:???
新刊の無人島話で「蠅の王」のパロディが出来るかどうか考えてるけど
どうしても鬱になったり学級崩壊っぽい話が思い付かない
552マロン名無しさん:2007/09/22(土) 22:24:32 ID:???
独白の人です。
新刊を読んでいたら創作意欲が沸いてきました。

演劇部モノはあまり評判がよろしくないようなので、途中になっていた
都の独白の続きをやりたいのですが、いかがでしょうか。

もう皆さん憶えていらっしゃらないと思いますので、これまでの話を説明すると、
都と教授がハワイに行き、都が父の面影を感じつつハワイをフィールドに選んだ
教授の意図についてあれこれ思い悩むという感じです。
オリジナル設定で、都の父はハワイ出身の日系人で、都の母とお腹の中の都を残し
湾岸戦争で戦死したことにしてあります。
553マロン名無しさん:2007/09/22(土) 23:04:08 ID:???
どぞどぞw
554マロン名無しさん:2007/09/23(日) 00:14:44 ID:???
再び独白の人です。
一本目、いきたいと思います。
555554:2007/09/23(日) 00:15:56 ID:???
<上原都の独白:4>

テーブルに所狭しと並んだ蒸籠から、湯気と食欲をそそる香りが漂っていた。
大根餅、小籠包、鶏の脚の甘辛炒め、エビ蒸し餃子、カニ焼売。
特に最後の一つは、姫子がここにいたらきっとこの店の在庫を全部一人で
食べつくしてしまうに違いなかった。
それくらい、魅力的に見えた。
でもやっぱり、なんだかあまり箸をつける気持ちになれなかった。

チャイナタウン・カルチュラル・プラザの、飲茶のお店。
ローカルと観光客でごったがえした店内を、ワゴンを押して回る小姐たち。
窓から見えるヌウアヌ川の、きらきら光る流れ。
正直言って、こんな精神状態じゃなかったらきっと食欲ももっと沸いただろう。

私は、向かいの席で肉粽をぱくつく教授を、恨めしげに見た。
人の気も知らずに、よくそんなに次から次へと食べられるものだ、そう思った。

この空気を、なんとかして変えたかった。
ホノルルに来てから4日間、どうすることもできなかったこの空気を。
私は、意を決して口を開いた。

「ねえ教授、今回の旅のことだけど…その、ねえ、どうして今回はハワイなの?
 単に学術上の興味だ、なんて言わないわよね?」

「…こないだユカタンにムリヤリ連れて行った埋め合わせでリゾートに
連れて来てやりたかったんだ、なんて言うとも思ってないんじゃろ?」

「そりゃね…こんなことばっかりやってると、勘だけは鋭くなるから…。
 ズバリ言うけど、父のことと関係はあるんでしょう?」

そう言うと、教授は無言で箸を止め、ゆっくりと私の方を見上げた。
そして、何度も頷きながら、教授は声を潜めながらこう言った。
556554:2007/09/23(日) 00:18:56 ID:???
「…ああ。
 お前さんの父親のことでな、ちょっと気になることがあったんじゃよ。
 …バグダッドに行ったのは憶えとるよな?」

「憶えてるも何も、教授と初めて会った場所を忘れると思う?
 それに、父が…撃たれた場所だし…。」

「声が大きいぞ、都君。
 あのときわしは、バベルの塔の調査で行ったんじゃが…、いや、
そういうことになってたんじゃが、お前さんの父親の話に若干の
疑問を感じておってな、実際に調べたいとも思ってたんじゃよ。」

「それって…。」

「…湾岸戦争の停戦協定発効は1991年の4月11日じゃが、正式な戦闘は
3月3日以降一回も行われていないんじゃ。
 じゃが、お前さんの父親が撃たれたのは4月27日、妙だとは思わんか?」

「それは…戦後の混乱の中で、残存勢力に撃たれたって…。」

「…それは表向きの理由じゃよ。
 いつの時代も、我が軍の連中はいろいろ隠すのが上手と見える…。」

「…!!」
557554:2007/09/23(日) 00:20:22 ID:???
「わしはバベルの塔の調査の傍ら、現地に慣れとるメディアにいろいろと
 お前さんの父親のこと、それから所属部隊のことを調べさせてたんじゃよ。
 そうしたらな、面白いことがわかったんじゃ。」

「…それは、どういうことなの?
 ねえ、どういうことなのよ!?」

「焦る気持ちはわかるが…ここは人が多すぎるんじゃよ。
 『壁に耳あり障子に目あり』って日本のことわざがあるじゃろ?
 とりあえず、ここを出てから話すことにしようかの…。」

寝耳に、水だった。
父の死に、一体何が関わっているというのだろうか。
そして、いつもマイペースで飄々とした教授のあまりの変わりように、
私は、内心戸惑いを感じていた。

私は会計を済ませた教授に続いて、店の重い扉を開けた。
チャイナタウンを抜ける風が、私の髪を揺らした。
それは、これから聞かされる真実を象徴しているような、そんな気持ちがした。

教授の後について、私は歩き出した。
静かに、だが一歩一歩、真実に向けて歩き出した。
558554:2007/09/23(日) 00:21:30 ID:???
今回は以上ですが、続きます。
おやすみなさい。
559マロン名無しさん:2007/09/23(日) 10:22:46 ID:???
独白さん乙
続きが楽しみ
560マロン名無しさん:2007/09/23(日) 20:58:43 ID:???
独白の人です。
都ネタの続きです。
561560:2007/09/23(日) 21:00:03 ID:???
<上原都の独白:5>

「中國城停車場」と中国語で併記されたパーキングから出たトレイルブレイザーは、
マウナケア通りからヴィンヤード通りを抜け、パリ・ハイウェイを走り出した。
でも相変わらず、ハンドルを握る教授は、ただ無言だった。

「あの…。」

「…まだじゃ。
 着いてから話すよ…このクルマも、安全とは言い切れないからの。」

「って…まさか…。」

「…まあ、多分お前さんの思ってる通りじゃよ。」

「…。」

盗聴、されている?
このクルマが?

「…そうじゃ、お前さんにも渡しておこうかの。
 グローブボックスの中のものを、持っておくといい。
 …もしかしたら、そいつを使わなきゃならんかもだ。」
562560:2007/09/23(日) 21:01:00 ID:???
嫌な予感はしたが、言われた通り、グローブボックスを開けてみる。
ホルスターに入った、梨地の、黒い拳銃。
"G26"と刻印されたそのボディと、一緒に置いてある替えのマガジンが
太陽に反射して、怪しい、鈍い光を放っていた。

…こんなものまで?
いったい、父の死には何が関わっているというの?
命に関わるほどの、何を父はやったというの?

「…確実にしとめるには、必ず、二発づつ、撃ち込むようにするんじゃ。
 護身用にこういうものを持つのは、この国では割と当たり前のことじゃから
憶えていて損はないぞ。
 そいつはポリマー製で軽いから扱いやすいし、ホルスターから抜いて
引き金を引けるまでの速度が世界一速い得物じゃから、いろいろ安心じゃろ。」

淡々と言う教授を見つめる私の顔は、おそらく蒼白だったに違いなかった。
確かに、銃に触るのは、初めてではなかった。
確かにそうだけど、それを撃つのも、人に向けるのも、そんなことを
考えたこともなかった。
人を、これで撃たなければならないなんて、私に、そんなことができるなんて
とても思えなかった。
563マロン名無しさん:2007/09/23(日) 21:02:52 ID:???
「これを…使えと言うの…私に?
 私、普通の高校生なのよ?
 そんなに、危険なことなの?
 ねえ!」

「…残念ながら、そうだと言わざるをえんな。」

「!!」

「この国はな、完全に民主的な法治国家とは言い切れない側面もあるんじゃよ。
 超法規的措置が取れる集団というものも、それを私的に操れる者というのも
存在を否定できないんじゃ。
 じゃから、用心にこしたことは…おっと、ここで右折、と。」

クルマは側道に入ると、木立の中を抜け、駐車場へと乗り入れた。
それまでの鬱蒼とした茂みとは一転して、南国の太陽が、窓越しに
私たちを貫いた。

"Nuuanu State Park: Pali Lookout"、看板にはそうあった。
1795年、オアフ軍とカメハメハ軍が、ハワイ諸島の覇権を巡って争った古戦場。
一年中風の強い、峠の中腹の展望台。
ガイドブックには、そう書いてあったはずだ。

「ここなら、邪魔は入らないじゃろ?
 さ、外で話そうかのう。」

エンジンを切ると、教授はこっちを向いてウインクしながらこう言った。
ドアを開けると、海風と緑の匂いが混ざった風が、車内に吹き込んできた。
564560:2007/09/23(日) 21:06:18 ID:???
今回は以上です。
また明日投稿できれば投稿します。
565マロン名無しさん:2007/09/23(日) 22:47:46 ID:???

明日待ってる
566マロン名無しさん:2007/09/24(月) 22:22:07 ID:???
独白の人です。
お約束どおり、続きを投稿します。
567566:2007/09/24(月) 22:23:45 ID:???
<上原都の独白:6>

風の音に包まれた、昼下がりのヌウアヌ・パリ展望台。
遠くには、カネオヘやカイルアの街並みと、チャイナマンズ・ハット島。
真下には、パリ・ハイウェイのトンネルを出入りするクルマの列。
そんな景色に感動するよりも、今は父のことが、その死の背景が知りたかった。
ただの戦死ではない、という、その背景が知りたかった。

苦虫を噛み潰したような表情の教授は、やっと重い口を開いた。
強い太陽光線にも関わらず、背筋が、うすら寒かった。

「…さて、どこから話したらいいものかのう。
 お前さんの父親が、補給大隊での派遣だったことは知っとるじゃろ?」

「ええ…そうだったらしいわね。」

「…そこで、言いにくいんじゃが、どうやらお前さんの父親は裏で物資の横流しを
やってたらしいんじゃ。
 それも…あまり大声では言えない種類の物資のな…。」

「父は、それで軍に消された、って言うの?
 そんな映画みたいな話を、信じろって言うの?」

「…まあ、最後まで聞いてくれ、都君。
 その横流しというのは、どうやらある程度上層部の作為的なモノだったらしいんじゃ。
 他国からの援助を引き出すために戦況を混乱させる、というな。」

「だったら…。」

「そう、半ば軍公認の横流しだったんじゃよ。
 お前さんの父親は、上官に説得され、義務感からその仕事を引き受けたらしい。
 まさに、日系人らしい話じゃな。」
568566:2007/09/24(月) 22:26:38 ID:???
「父が、そんな任務を…。」

考え込む私を背に、教授は、シグ・ゼーンのアロハシャツのポケットから
USAゴールドを取り出し、風除けに手を被せながら、ライターで火をつけた。
煙が、風に舞った。

「…その物資というのは、ある薬物なんじゃが、これがかなり危険な代物なんじゃ。
 『レッドアイ』というのは、聞いた事があるかのう?」

「ビールを、トマトジュースで割ったカクテルよね?
 それが何か関係あるの?」

「そういうコード名で呼ばれている薬物があるんじゃよ。
 目薬のように目に差して、神経系に作用する、な。
 目が充血して赤くなることから、そう呼ばれているそうだ。」

「それを、父が流していた?」

「そうじゃ。
 …この『レッドアイ』は、人間の闘争本能を刺激する。
 同時に、神経伝達を加速させ、知覚が敏感になるんじゃ。」

「…戦力増強に繋がる、というわけね。」

「そうじゃ。
 副作用はかなり酷いが、短期的には効果が大きい。
 米兵の、『湾岸戦争症候群』の原因の一つとも言われておるそうじゃ。」

「でも、軍公認の横流しだったんでしょう?
 だったら、何故?」
569566:2007/09/24(月) 22:27:55 ID:???
「…お前さんの父親は、正義感が強すぎたんじゃ。
 前線にほど近い位置にいすぎたのも、問題だったのかもしれん。
 …戦争が長引くことで、本来死ななくてもいい民衆が傷つく姿を見すぎたんじゃろう。
 それで、この薬を流すことの是非を巡って、上官と、口論になったらしいんじゃ。
 そして、その結果…引き金を引いたのは上官だったそうだ。」

「!!」

「どうやらな、お前さんの父親は、そのことをマスコミに垂れ込むつもりだったらしい。
 お前さんの父親がその辺の事情をメモしていたノートを現地協力者に預けていたのを
 メディアが見つけてきたよ。」

「父さん…!」

「わしもな、お前さんに言うべきか、正直迷ったんじゃ。
 ただ、その当時上官だった人物が、今は引退してハワイにいる、それが判ってな。
 そいつがどんな奴か、何を考えていたのか、それが知りたかったんじゃよ。
 …戦争を長引かせる薬を流させ、その結果、身重の女性とお腹の中の子を残した
父親を殺すことになった人間の、その実像をな。」

「ここに…その上官がいるの!?
 私の父を殺した…人間がいるの?」

「…そうじゃ。
 カハラに屋敷を構えているところまでは掴んでおる。
 もっとも、先にこっちに来て情報を集めていたメディアと合流したら、
さらに詳しいことが判るかもしらんがな。」

「メディアが…。」
570マロン名無しさん:2007/09/24(月) 22:29:31 ID:???
「…ここから先は、お前さん次第じゃ。
 わしもメディアも、お前さんの選択を信じるし、力も、貸せるだけ貸す。
 それが結果的に、アンクルサムにケンカを売ることになってもな。」

教授は、そう言いながら、二本目のUSAゴールドに火をつけた。

「…なぁに、別にMIT以外でも研究はできるさ。
 だからお前さんは、余計なことは何も考えなくていいんじゃよ。」

「…メディアも、ここにいるのよね?」

「ああ、そうじゃ。
 今日、接触することになっとる。」

「…少し、考えさせてもらってもいいかしら?」

「もちろん、これは都君の問題じゃからな…。
 さ、あまり体を冷やしたらまずいし、そろそろ戻らんとメディアとの約束の時間が
来てしまうから、もう戻ろうか。」

「…うん。」

私は、教授の後についてクルマまで歩きながら、父の元上官のことを考えていた。
571566:2007/09/24(月) 22:30:40 ID:???
父を殺した相手が、ここにいる。
リスクの大きい仕事に手を染めていた父を、それに罪悪感を覚えていたであろう
父を殺した相手が。

それは、危険な考えだった。
顔も知らない、素性も知らない相手だけれど、その相手を問い詰めたかった。

…でも、それは国家権力に対する、教授の裏切りを同時に意味していた。
私のために、教授の身を危険に晒すことに、私はためらいを感じていた。

一台の、グレーのクラウンビクトリアが駐車場に入ってきたのは、ちょうどそのときだった。
クルマは、ハザードを炊きながら、駐車場の入り口に停車した。
572566:2007/09/24(月) 22:33:16 ID:???
今日は以上です。
おやすみなさい。
573マロン名無しさん:2007/09/25(火) 21:19:31 ID:???
独白の人です、こんばんは。
今日も続きをUPします。
誰も読んでてくれなくても、とりあえずこれは終わらせますので
今しばらくお付き合いくださいませ。
574573:2007/09/25(火) 21:20:50 ID:???
<上原都の独白:7>

再びパリ・ハイウェイをマカイ方面に、トレイルブレイザーは走り出した。
昼下がりの空いた道は、極めて快調に流れていた。

単調な直線の、自動車専用道。
POWER FMをかけっぱなしのカーステレオからは、Ne-yoの"Because of You"。
いろいろ衝撃的なことを聞かされた後だけれど、なんでもない一日に、
なんだかまた戻れたような気がした。

だけどそれは、一瞬のことで。
教授が無言で指差したルームミラーの、その指の先には、さっきのグレーの
クラウンビクトリアが映っていて。
ハンドルを握る、サングラスをかけた白人の男と、助手席の黒人の男は、
なにやら耳にイヤホンマイクのようなものを付けていて。
何度か車線を変更しても、そのクルマはぴったりと私たちのクルマに付いてきていて。
CIAかNSAか知らないけれど、何か普通とは違う空気を纏っていて。

もう、日常には戻れないのだろうか。
父の死の真相を知った今、あの日常は、魅力的な日常は、私にはもう
遠い存在になってしまったのだろうか。

だけど教授が、隣の席でハンドルを握る教授が、危険を冒してまで
私に伝えてくれた真実は、もはや変わらなかった。

私の父の、死の真相。
湾岸戦争を長引かさせるための工作に、父が関与していたこと。
それを告発しようとして、父が消されたということ。
父を消した人間が、このハワイにいるということ。
それはもう、変わらない事実だった。
私の父の犯した罪と、その父自身による断罪が中断されてしまったことを、
私は受け止めなければならないのだ。
575573:2007/09/25(火) 21:22:09 ID:???
考えているうちに、クルマはいつの間にかホノルルの市街地に入り、
カラカウア大通りからハワイ・コンベンション・センターの駐車場へと乗り入れ、
やっと止まった。

「メディアとは、ここで会う約束だったんじゃよ。
 でな、ちょっと特殊な場所じゃから、この服を都君にも着て欲しいんじゃ。」

そう言いながら教授は、リアハッチを開けてスーツケースを取り出し、白と黒の、
二着の上着を取り出した。

教授にぽんと手渡された、黒い上着…なんだかどこかで見覚えがあるような…?
カラーが立っていて、金色のボタンがいっぱい付いていて…。

「…ってこれ、長ランじゃないの!?」

「いいから、黙って着てくれ、な。」

「何なのよ…もう…。」

訳が、わからなかった。
何でハワイくんだりまで来て、長ランなんか着なければならないのか。
教授も、白衣なんか着ちゃってるし。
でもその疑問は、階を上がってコンベンションホールに来たところであっけなく解決した。

"KAWAII-CON 2007, Hawaii's Very Own Anime Convention and Conference"
と書かれた垂れ幕。
メイド服だの、「亀」マークのドラゴンボールの服だの、セーラー服だのを着た、
よくわからない外人さんたちの集団。

…アニメのイベント会場?
そりゃ、メイドと会っても不自然じゃない場所って言ったら、そうなるのか。
ってことは…。
576573:2007/09/25(火) 21:25:27 ID:???
「教授、都さん、お久しぶりです。」

ぺかー、という擬音が聞こえてきそうな笑顔で、メディアはそこにいた。
いつものメイド服も、いかにも東欧系の白人な顔も、この会場だと
なんだかあまり浮いてないような気がした。
…晴天の屋内なのに、傘を持っていることを除いては。
577573:2007/09/25(火) 21:28:05 ID:???
とりあえず今日は以上です。
おやすみなさい。
578マロン名無しさん:2007/09/25(火) 22:31:13 ID:???
読んでるよ
579マロン名無しさん:2007/09/25(火) 23:19:37 ID:???
いいよー
580マロン名無しさん:2007/09/27(木) 02:19:17 ID:???
独白の人です。
コメントありがとうございます。

コメントを強制するようなことを書いてすみません。
思わせぶりで嫌なヤツですよね、きっと。
ウザいと思われる方もいらっしゃるでしょうね。

趣味に走って書いてますので、こんあの面白くないと思われる方も、
いないかもしれないけれどぴったりフィットされる方もいらっしゃると思いますが、
なんとかオチまでつなげたいと思っています。
数々の香港ノワールとか、最近の作品だと"Black Lagoon"とか、そんな感じに
なってしまうと思いますが、今しばらくお付き合いください。
581マロン名無しさん:2007/09/27(木) 05:41:55 ID:???
ブラックラグーン、まだ途中までしか観てない
582桃月コンフィデンシャル:2007/09/27(木) 06:11:55 ID:???
PCのファイルを整理していたらまだ投下していない文章を見つけてしまったので久しぶりに持ってきました。
ただ、既に最後の投下から結構経っているのと色々な事情から今後完結させられる確証はないということからあまり期待はなさらないようにしてくださると気が楽です。
とりあえず古い作品ですが残りを落としてみます。
583桃月コンフィデンシャル:2007/09/27(木) 06:14:05 ID:???
<6>

 くるみは夜の街を疾走していた。
跨った50ccのエンジン音をバックコーラスに、鋭く吹き荒ぶ寒風の中を一人駆け抜けていく。
一度事故を起こした後、しばらくバイクに跨るのを控えていた時期もあるが、やがて彼女は再び足を手に入れた。
それはあまりにも速く、あまりにも非情な足だった。

 ひょっとしたらまた事故が起きるのを期待していたのかもしれない。
より壮絶で、より悲惨な事故が起こるのを待ち望んでいたのではないか。
彼女は死にたかったのかもしれない。いっそ何かに強烈に身体をぶつけて、衝突死してしまいたかったのかもしれない。
弾丸のように駆けていく中で、ほんの些細な自殺願望だけはちゃんとそのスピードに追いついてきている。
もどかしい。他のものは全て遠く背景に置き去りにしてきてしまったというのに。

 やがて商店街を抜け、幹線道路に合流した。
車通りは相変わらず多く、街灯の下を曲面の鉄塊が飛ばしてくる。
アクセル、エンジンの昂り、不健康なエグゾースト・ノートを燻らせ、不気味なブラスバンド隊が大通りを抜けていく。
時々カーステレオから漏れてくる重低音が囁き声となり、クラクションは締めのシンバル代わりだ。
車列は無意味に、滑稽な様を呈しながらのろのろと進んでいく。
 くるみは車列の蛇腹の隙間をするりするりと抜けていった。
自由に道路の合い間を縫っていく少女のバイクに、身動きを封じられた車の運転手たちは恨めしそうな眼差しを向ける。
くるみは決して振り返ることなくその中を進んでいく。

 長い艶やかな髪の毛が、風に揺らめいて颯爽と駆けていくのが眼の端に入った。
対向車線にほんの僅かの残像ばかりを残して、その髪の持ち主はすぐに背後に消え入った。
「優奈!?」
 くるみは思わず呟いた。あの妖艶な髪の色は優奈に違いない。
スロットルをかけたまま、くるみはふっと首を廻して振り返る。
そして彼女を乗せた車の姿を確かめ、苦々しく舌打ちをする。
 臙脂色のSLK。今日はバリオルーフを全開にしている。だから優奈の髪の毛が風に靡いたのだ。
「何よ、もう!」
584桃月コンフィデンシャル:2007/09/27(木) 06:17:00 ID:???
 くるみは急いでハンドルを切った。
右側に沿い、中央分離帯の切れ目を見つけてそこで転回する。

 迂闊だった。優奈の長い髪の陰に隠れて運転席の人間の顔を直接見ることが出来なかった。
だが、あんなセンスの悪いシルクを、おまけにトップを下して街を走れるような下卑た神経の持ち主はあの男の他にいない。
しかしだったら何故そこに優奈が乗っている?
 くるみはさらにいやなことを思い出した。
来栖だ。あの時は来栖が乗っていたじゃないか。
そして今度は優奈だ。これはいよいよ具合がよろしくない。
二人とも普段は気が弱い。そこにつけ込まれたのかもしれない。
別にだからどうだということでもないが、そういう真似をしているところを、現に目撃してしまった以上見て見ぬふりをして好き勝手させるのは何とも腹立たしいことだ。
自分の眼の前で、そういった不正をあそこまで堂々とやられたのではこちらの面子の問題にも関わってくる。
セクハラが昂じて女子生徒のセックスを漁るような不埒な人間を野放しにしておいて、腹の虫が収まるわけがない。
これは感情の問題だ。とにかくむかつくのだ。あの男を見逃してやるということが!

 くるみは追跡を続けた。
車はまるで彼女に気がつく素振りも見せず、案の定繁華街外れのファッションホテルに入っていた。
けばけばしい張りぼての造形は古代ギリシア建築風だが、おそらく設計者は資料なども一切見なかったに違いない。
雰囲気すらも滅茶苦茶で、見覚えのある石柱やヴィーナス像の脈絡もなく貼り付けられたファサードが唯一その設計意図を汲み取らせるばかりである。
それにしても、わけのわからない電飾を悪趣味全開に散りばめているためにこの手のホテル特有のグロテスクなほどのチープさばかりが全面に目立っているのだ。
 ホテルはモーテル式で、車はそのまま地下のパーキングの入り口に飲み込まれていった。
くるみはしばらく道の向かい側から様子を窺っていたが、やがてバイクを路上に止めて中に入っていった。
彼女の頭の中でもう一つの仮説が生じ始めていた。
あれは優奈ではなかったのかもしれない。ひょっとしたら、あれは優麻だったのではないかという疑念であった。
そう考えれば運転席にいたのが南原ではない可能性も生まれてくる。
585桃月コンフィデンシャル:2007/09/27(木) 06:19:32 ID:???
そんなことを望みながら一方で、あるとてつもない不安に駆られていた。
だったら、運転していたのは誰か、ということだ。

 もちろんそれが修であるなどということは考えにも及ばなかった。
犯罪で身を持ち崩してどこかに逃げ出すような腑抜けが、無免許でベンツを転がせるような大層な身分になれるとは到底思えない。
だが、もし助手席に乗っていたのが優麻なら、修の行方について何かを知っているかもしれない。
そればかりの儚い望みのために、くるみは危険な魔の巣へと足を踏み入れるのだ。
 もし修の行方が聞き出せて、奴の居場所がわかったのなら、くるみは真っ先にその顔面に強烈な一撃を食らわせてやろうという心積もりだった。
だがそれからのことは大して考えてもいなかった。
別に全く兄妹の縁を切ってしまってもよかったし、よりを戻してまた同じ屋根の下で暮らすようにしてもよかった。
どうでもよかったのだ。とにかく一発、あのバカ男の顔を殴ることさえ出来れば。

 二人の男女は寄り添うようにして並んで歩いていった。
くるみは監視カメラの動きに注意しつつ、その後ろを自然な風を装ってついていく。
男の後姿は南原のように見えるが、いかんせんロビーが暗いので何とも言えない。
宿帳に書かれた名前などは当てにはなるまい。
くるみはフロントを無視して進んだ。仮に従業員に呼び止められてもデリヘルのサービスだと言えば誤魔化せるだろう。
 男の方が壁のパネルのボタンを押した。すっと明るいパネル表示の蛍光灯が消える。
二人が立ち去ったのを確認し、くるみはパネルの前に駆け寄った。
部屋は三階、悪趣味な内装はアラビア風らしい。ギリシアじゃなかったのか?

 くるみは階段の方から三階へ登っていった。
入ってすぐに飛び込んでいくべきではない。男の方はおそらく警戒しているはずだ。
たとえ女の方が優奈であろうと優麻であろうと、彼女をここに連れ込んだ以上は違法行為なのだ。
もうしばらく待って警戒を解かせたほうがいい。
できることなら、服を脱がしてしまうまで待った方がいいのだ。
どうせその頃には少女を犯すことしか頭になくなっているはずなのだから。
586桃月コンフィデンシャル:2007/09/27(木) 06:22:17 ID:???
 くるみは廊下の植え込みの陰に隠れてしばらく時間を潰していた。ここなら監視カメラの目にも触れないし、他の部屋からの出入りにも簡単に気がつくことが出来る。
問題はどれだけ待つか、ということだった。
むしろ性行為の現場を押さえてしまう方がいいのかもしれない。
別に優奈(或いは優麻)の貞操を守ってやる義理などないのだし、事前に飛び込んで未遂の言い逃れをさせるよりは、脛に自傷するまで気長に待っているほうが確実だ。

 十分経った。待っているのは柄じゃないが張り込みというのも重要な仕事ではある。

 二十分経った。そろそろいいだろう。靴を脱ぎ、右側のニーソックスを脱ぐ。植え込みの中から砂利石を掴み出し、ゆっくりとその中に入れていく。ずっしりと重さが感じられるところで口を縛り、ニ、三度振り回してその威力と耐久性を確かめる。

 三十分経った。レディ・トゥ・ブレイク・スルー。扉の前に駆け寄る。覗き窓を手で押さえ、チャイムブザーを押下する。どちらが出てくるか、おそらく男のほうだろう。だったら一瞬で勝負を決めなければならない。

 扉の前に誰かが立つ気配がした。
板一枚挟んで二人は対峙する。
くるみは丈の長いブラック・ジャックを構え、相手が顔を出すのを待つ。
うまく扱わないと梁にぶつけて威力を失くす。奇襲に失敗したらいささか厄介なことになる。
ここは落ち着いて、慎重にやらねばならない。
 男はおそらくいぶかしんでいるのだろう、扉の向こうでがさごそと音がする。覗き窓をいくら覗いても外の様子が分からない。
さすがにもう一発はヤった後だ、気が緩んでいるに違いない。きっと奴は扉を開ける。そして――。
 くるみは勢いよくブラック・ジャックを振り下ろす。
強烈な棍棒の一撃が相手の顔面に激突する。
メガネの砕ける音がして、相手はその場に倒れこんだ。
顔面から血が溢れ出す。構わず次の一撃を食らわす。鈍い音が何度もこだまする。
相手が誰だろうと構わない。とにかく今は殴り続けるばかりだ。顔を確認するのはその後でもいい。顔が原形を留めていればの話だが。
587桃月コンフィデンシャル:2007/09/27(木) 06:27:20 ID:???
 突入してからどれほどの時間が経っただろうか。
相手は身動き一つしない。死んでしまったのか。
いや、呼吸音は僅かに聞こえる。喉に詰まった血が泡立つ音だ。
男は気を失っているのだろう、その顔をよく確かめてみるとやはり生活指導の南原に相違なかった。
 くるみはその場に倒れこむ男が学校の教員であることを確かめると、ほっとひと安堵のため息をこぼして、その顔を思い切り蹴飛ばした。
そして立ち上がると血だらけのブラック・ジャックを引きずりながら部屋の中に入っていった。

 テレビがついていた。いかがわしいアダルトビデオが放映されていた。
その目前のソファの背もたれにはスーツが掛けられ、サイド・テーブルの上にヘネシーの瓶と半分ほどまで琥珀色が注がれた寸胴のブランディ・グラスが載っていた。
おそらく男はここに座っていたのだろう。
行為をひと段落つけてビデオ鑑賞とは実に優雅な話だ。
 奥に入っていくとベッドがあった。アラビア風とは名ばかりの、あまりにもお粗末な天蓋つきのオモチャであった。
乱れたシーツ、男の身体から発せられるあの気味の悪い匂いを幾分にも増幅した空気が漂っている。
吐き気がする。胸糞が悪い。照明はうす暗く、静かな呼吸音だけが耳に障る。
 ベッドの上の少女は身動き一つしなかった。眠っているのか、それとも突然の闖入者に顔を背けているのか、今ひとつ判然としない。
くるみはランプの傍に寄って照明を上げた。少女の白い身体が淫らな光の下に浮かび上がった。
くるみはゆっくりとベッドの方に歩み寄り、そこに腰を下した。
スプリングの軋む音がして、少女の身体が震えた。
「それで」
くるみは口を開いた。視線は天井に向けたままだった。
「あんたは誰だい?あの男とはどんな関係にあるのさ」
少女は答えない。予想していた通りだ。面白くない。
「優麻か」
「優奈よ」
か細い声が答えた。意外に折れるのが早いな、とくるみは思った。
「優奈か。ヤられたの?」
「自分で望んだことだから」
「そんなことはどうでもいいさ。何があった?」
「私はアイドルなの」
588桃月コンフィデンシャル:2007/09/27(木) 06:30:55 ID:???
くるみは視線を下し、優奈に振り向いた。彼女は背を向けたまま身動きもしない。
「知ってるよ。それがどうかしたの」
「だから南原先生の目に留まったの。先生は、あれでいて“桃組っ!!”に結構熱をあげていたのよ。馬鹿みたいだよね」
優奈の口元が歪んだ気がした。ここへきてこんなボヤキを聞かされる羽目になるとは。
「ああ、馬鹿だね。アイドルと寝たらヤケドするってそんな当たり前のことも知らなかったとはね」
「でもそのせいで来栖ちゃんも……」
「来栖は関係ないでしょ」
「ほら、あの子ツバサちゃんに似てるから」
「なるほど。じゃああのちっこい爆弾娘も狙ってスリーカードと決め込むつもりだったわけか」
「あの人が狙っていたのは私たちの身体。役にはこだわったけどカードの真贋には無頓着だった。だけどね、私たちはずっとエースを狙っていたのよ。間違いのない、本物のエースを」
「手札がエースばかりじゃ役は揃わないぜ。四枚揃えりゃ立派なものだが五枚も揃えたらそれは単なるイカサマだ」
「私は……所詮イカサマの手札に過ぎなかったのよ。アイドルだなんて言ったって、本当の姿はこんなものなのよ。成績が欲しくて、進級の単位が欲しくて、それでこんな惨めな真似をして。何がエースを狙え、よね。とんだジョーカーだわ」
「無理して自分を貶めることはないさ。カードを切った段階でもう間違っていたんだ。あんたはそれに釣り上げられたに過ぎない。自分の間違いに気がついただけでも前進だ。後はそこから抜け出す勇気が必要なんだ」
優奈は顔を上げてくるみの顔を見据えた。胸元に飛び散った忌むべき遺伝子の乾いたカスの悪臭が鼻をつく。無表情な優奈の顔に不安の色が過ぎる。くるみはじっとその瞳を見つめ返した。優奈は唇を震わせながら訊ねた。
「あの人は?」
「死んじゃいない。今のところはね。私はあんたがこの煉獄から抜け出すためのきっかけをつくってやったに過ぎない。これからどうするかはあんた次第さ。このままもう一眠りするのもいいし、とっとと着替えてここから逃げ出すのもいい。
この部屋には盗撮カメラもあるだろうけど、どうせ警察沙汰にはならないはずよ。ここはどうにも居心地が悪くてね。私はそろそろ退散させてもらうよ」
「助けに来てくれたんじゃないの?」
589桃月コンフィデンシャル:2007/09/27(木) 06:35:08 ID:???
「あいにく私は天使でもお姫様のナイトでもないんでね。厄介ごとに巻き込まれるのはもうこりごりなんだ。あんたを助けようと思ってこんな馬鹿な真似をしたわけじゃないし、正直に話せばあんたが何をしようと興味すら無いの」
「じゃあどうしてこんなことをしたの」
くるみは息を呑んだ。そして、ゆっくり、手探りで闇の中を進んでいくような覚束なさを込めた調子で答えた。
「自分のためさ。そう、自分が気に入ったようにしたいんだよ。むかつく奴は殴りたいし、いやなことからはさっさと逃げ出したい。あんたは確かに偽りのエースかもしれないが、ジョーカーじゃない。
ジョーカーというのはこの私のことなんだよ。自分勝手で、いつも正攻法の流れを断ち切ってデタラメに走るんだ。そうしなくちゃ生きていけない、もともと生まれついての性分なんだよ」
「確かにそうかもしれないわ」
優奈は目を伏せた。一瞬のためらいが表情に出た。
「だけど、あなたは一つ見過ごしていることがあるわ」
「ほう、何だい」
「ジョーカーは一組のデッキに二枚あるってことよ」
「だが二枚もあっちゃ切り札にはならない」
「もう一枚のダークホースがきっとあなたに牙を剥くわよ」
「勝手にほざいてろ」
 くるみは立ち上がって寝室を飛び出した。ビデオがまだ回っている。
さっきと同じシーンだ。リピート再生になっているのだろうか、くるみは何の気もなしに画面に近寄って行った。
 画面の中で少女が泣き叫びながら性行為を強要されている。レイプものか。倒錯的でいかにもあの男らしい。
くるみは呆れ果てて電源を消そうとした。
 突然画面にふわりと金色の髪の毛が舞う。
どこかで見覚えのある少女の顔がそこに浮かぶ。嘘だろう?まさか……。
「畜生め」
 くるみはすぐにビデオを止め、ディスクをプレーヤーから取り出した。
振り返るとテーブルの上にプラスチック・ケースが載っている。
手にとってラベルを確かめる。

『N証拠 / マスター / 4月30日』

 くるみはビデオ・ディスクをしまうとそれをポケットの中に落とし、すぐに部屋を後にした。
590桃月コンフィデンシャル:2007/09/27(木) 07:00:47 ID:???
とりあえずこんな具合で。
残りは折を見て投下するかもしれません。
それでは失礼しました。
591マロン名無しさん:2007/09/27(木) 12:37:27 ID:???
>590
GJ!
シリアス続きでいい感じだ
592マロン名無しさん:2007/09/27(木) 19:28:31 ID:???
こんばんは、独白の人です。
今日も投稿します。
593592:2007/09/27(木) 19:32:19 ID:???
<上原都の独白:8>

コスプレイヤーで溢れた、アニメイベントの会場。
テレビや何かで見たことはあったけれど、こんなところに来るのは
私には当然初めてのことだった。
ましてや、ハワイでなんて…ちょっと前までは想像もつかなかったとしか
言いようがなかった。

こんなところで全く浮いてないメディアと教授もすごいけれど、教授が用意した
私の服も相当なものに違いない。
案の定、メディアも興味を示してきた。

「都さん…かわいい番長さんですねー。」

「番長言うなー!!
 だいたいこれは教授が…。」

「よく似合ってますよ、都番長♪」

「殺す、絶対2人とも殺す!」

「えー、そんな照れなくてもいいじゃないですかー。
 かわいいですよー、都さん♪」

「…命乞いするような死に方しろー!!!」

そんな軽口を叩きながらも、メディアは表情を変えず、教授の方に向き直った。

「で、教授、都さんが一緒ってことは、例の話はもう…。」

「ああ、迷ったんじゃがな…。」
594592:2007/09/27(木) 19:33:47 ID:???
「…そうですか。
 とりあえず、準備は全て整ってます。
 ホテルは足がついていると思いますので、別の宿を用意しました。
 得物は、SA91を2丁、お部屋に置いてあります。
 あ、弾丸は、グロックと共用していただいて構いません。」

と言いながらメディアが差し出した手には、シェラトンのマーク入りの
カードキーとクライスラーのマーク入りのキー。

「それから、今までのクルマには盗聴機が仕掛けられてる可能性が
充分にありますので、ここでクルマを換えてください。
 2階の、一番アラワイ寄りの列に停めてある白い300Cがそうです。
 今までのクルマは…私が返しておきますね。」

「うむ…すまんのう。
 やっぱりお前さんに頼んでおいて正解だったわい。」

と、キーをメディアと交換する教授。

「…ちょっと待って教授、得物って…まさか…。」

「…もしかしたらお屋敷に押し入らないといけないかもしれませんからねー。」

「メディア…私、何かするなんて一言も…。」

「都さん、最後まで聞いてください。
 …相手が、こっちをどうにかしに動く可能性もありますから。」

「…。」
595マロン名無しさん:2007/09/27(木) 19:35:17 ID:???
「ご決断は、都さん次第です…それは、教授からもお聞きになってますよね?」

「う、うん…。」

「さ、あまりのんびりしてると奴らがこっちまで出てくるかもしれん。
 メディア、後を頼むぞ。」

「はいー。」

「ちょ…教授…!」

「忙しくなるぞー。
 ホテルに戻って荷物まとめて別のところに移るんじゃからな。」

「ちょっと…待ってよ…ちょ…教授!」

"Hello, pretty girl!
What charactor do you play...or, is this costume something for religion in Japan?
I guess you should play Eureka from 'Eureka Seven' better than the..."

「うるさい!!」

"Ouch!"

私は絡んできたビル・ゲイツの30年前みたいな白人の男を一蹴して
教授の後を追いかけた。
覚悟を、決めながら。

もう私は、後には戻れなかった。
私は、歩き出してしまったのだから。
父を殺した相手と会って、顔を合わせて、何かをしなければならないのだから。
メディアと教授に流される形だけれど、歩き始めてしまったのだから。
596592:2007/09/27(木) 19:36:37 ID:???
今日は以上です。

コンフィデンシャルさん、お疲れ様です。
あまり期待しすぎずにお待ちしてますw

では。
597マロン名無しさん:2007/09/27(木) 21:27:19 ID:???
レベル高いのばっかだから、投下をためらってもいいよね?
598マロン名無しさん:2007/09/27(木) 21:39:07 ID:???
>>597
レベルなんて全然問題ナッシングねー
迷わず書けよ、書けばわかるさ
599マロン名無しさん:2007/09/27(木) 21:40:34 ID:???
そもそも、ぱにぽににレベルを求めることなんてないからw
600マロン名無しさん:2007/09/27(木) 21:47:44 ID:j3nt//wV
はえーレスはえー
とりあえず頑張ってみるよ
601マロン名無しさん:2007/09/28(金) 00:02:44 ID:???
独白の人です。
再びこんばんは。

このあとの都の行動ですが、悩んでいます。
少しお時間をいただくかもしれませんが、アイディアが出たらどんどん
書き進めていきますので、もう少し見守っていてください。

また、高瀬ネタと似ていると言われた『School Days』を11話まで見てみましたが、
複数の女性とアレなことになって揉めるところしか似てないじゃないですかw
あの程度で似ていると言われるのは心外ですw
それと、高瀬は優柔不断で流されやすいだけで、誠ほど悪くありませんw
今後書く続きで、ケジメは付けさせる予定ですのでよろしくお願いします。

では。
602マロン名無しさん:2007/09/28(金) 00:43:48 ID:kD6Rlko8
あげ
603マロン名無しさん:2007/09/28(金) 00:54:07 ID:???
そういえば、さっき誠がついに死んだな
604マロン名無しさん:2007/09/28(金) 01:10:10 ID:???
独白さんちょっと失礼だよ
スクイズが好きな人もいるってことを忘れないで
605マロン名無しさん:2007/09/28(金) 01:54:05 ID:???
誠氏ね
606マロン名無しさん:2007/09/28(金) 02:23:15 ID:???
独白の人です。

誤解を与える書き方をしてしまい、『School Days』ファンの方にはお詫びいたします。
申し訳ありませんでした。

『School Days』、あれはあれで深い作品だと思いますし、キライではないのです。
アニメ版と違う展開になるゲーム版、今後やってみたいゲームの一つとなりました。

ただうちの高瀬は、成り行きでハルカと円と関係を持ってしまってはいても、
芹沢がひそかに思いを寄せていても、かならずどこかでケジメを付けさせる予定です。
むしろ『School Days』を見ておいたおかげで、ここでやってはいけない方向性が
わかりました。

とりあえず高瀬には、ハルカか円、どちらかをはっきりきっぱり選ばせる予定ですので
あそこまでの泥沼にはさせません。
希望が多ければ考えますが。

では。
607マロン名無しさん:2007/09/30(日) 01:17:25 ID:???
こんばんは、独白の人です。
今日も一本投下します。
608607:2007/09/30(日) 01:19:48 ID:???
<上原都の独白:9>

海からの風が、私の髪を揺らしていた。
ダイヤモンドヘッドの登山コース、その頂上に私はいた。
正確には、私と教授、メディアはいた。

双眼鏡を手にした教授の視線の先には、カハラの一軒の屋敷。
その白亜の豪邸に、プール付きの豪邸に、その男はいるはずだった。

Samuel E. DeLorean大佐、それがその男の名前だった。
中西部出身のフランス系アメリカ人で、湾岸戦争で活躍の後、
退役してカハラで隠居しているというその男が、私の父を殺した上官だった。

憎かった。
その男が、私は憎かった。

母子家庭で育ち、父の顔を直接見たことはなかった私。
写真でしか、父の顔を知らない私。
片親だということで、それも沖縄からの移住者ということで、いろいろと嫌な目にも
合ってきた私。
そんな私を作ったのは、その男だった。
ときおり見せる母の悲しそうな顔の元凶も、その男だった。
そうとしか、考えられなかった。
今の私は、そうとしか考えられない状態に追い込まれていた。

「…都君、どうやらヤツが出てきたようじゃよ。」

教授のその声に、私は首から提げていた双眼鏡を両目にあてがった。
ぼやけていたピントを合わせ、私は目を凝らした。
609607:2007/09/30(日) 01:21:21 ID:???
屋敷から出てきた、口髭を蓄えた初老の白人。
上等そうな白いオックスフォードシャツを着込み、カーキ色のチノパンを履いた
その男が、ブロンドの髪のその男が、DeLorean大佐、その人だった。
写真で見たほどは、冷徹そうな光はその瞳には感じられなかったけれど、
間違いなく、その男が大佐だった。

次の瞬間、私は息を呑んだ。
男に続いて出てきたのは、見たところ20そこそこの、若い女性だった。
風に揺れるブロンドの髪が印象的な、彫りの深い、美しい女性。
ダメージジーンズの上にライトブルーのチュニックを着たその女性は、
大佐の愛人か、娘か。
どちらにしろ、その女性と大佐との関係は、かなり濃いもののようだった。

大佐はその女性とキスを交わすと、敷地に停めてあった、赤い、トップを下ろした
サンダーバードに乗り込み、颯爽と走り出した。
クルマは、ワイキキ方面へと走り出した。
立ち木に遮られ、それ以上はよく見えなかったけれど、クルマはスピードを上げて
走っていった様子だった。

「…どうやら、ヤツはちょくちょく一人で外出するようじゃの。」

「そうですね…これなら、彼をどこかで止めることもできそうです。
 都さん…勝算は充分ありますよ。」

メディアの声に、私は双眼鏡を下ろした。
610607:2007/09/30(日) 01:22:49 ID:???
「そうね…これなら、父の死の真相を、大佐から直接聞き出せそうね。」

「じゃが、相手は退役したとはいえ、元軍人じゃ。
 奇襲でいかないと難しいかもしれんな。
 得物がSA91じゃなくてSA391なら、かなり勝ち目はあるんじゃが…。」

「勝算は、あるんでしょ?」

「あちらの火力にもよりますが…まああの様子だとせいぜいダッシュボードに
拳銃でも入れてあるくらいだと思いますよ。
 最も、教授に付いていた尾行のように、数名の護衛が付いている可能性も…。
 だとしたら厄介です。」

「私と教授、メディアで別れて、2方向から当たるべきかしら?
 護衛のクルマが1台なら、足止めできるかもしれない。」

「都君…お前さん、変わったな。」

「…おかげ様でね。」

「まああれだけ危ない目に合ってればな、ははは…。
 アマゾンで大分鍛えられたじゃろうて。」

「笑い事じゃないのよ?
 ちょっと前までは普通の高校生だったはずなのに、いつの間にか
誰かさんのおかげでこんな風になっちゃったんだから。」

「まあ、私やベホイミちゃんと比べたら…まだまだですよ?
611607:2007/09/30(日) 01:24:25 ID:???
 私は、13歳のときからいろいろやらせてもらってましたから…。」

「あんたが言うとシャレにならないのよ、メディア。
 だいたいあんた、今いくつなのよ…?」

「…都さん、折りますよ?」

「はっはっは…。」

「もう…2人とも…ぷっ…くくく…。」

なんだか、私まで可笑しかった。
それまでの緊張の糸が切れたかのように、私まで吹き出さずにはいられなかった。
それは、ハワイの空気のせいかもしれなかった。
久しぶりに、私は笑った。
思い切り腹筋を揺らして、私は大笑いした。
これからやる大仕事の前に一生分笑い尽くすように、大声で笑っていた。
612607:2007/09/30(日) 01:25:45 ID:???
本日は以上です。
また近いうち続きを投下します。

ではおやすみなさい。
613マロン名無しさん:2007/10/02(火) 04:25:09 ID:8B4+2WWS
捕手
614マロン名無しさん:2007/10/02(火) 18:52:42 ID:???
探偵事務所桃瀬
ってのを思いついた
615マロン名無しさん:2007/10/02(火) 22:36:55 ID:YD/rvAiQ
河川・湖沼・ダム板からきますた
616マロン名無しさん:2007/10/02(火) 23:40:31 ID:???
独白の人、いちいち自己主張激しすぎ。
荒れる元になるから自重した方がいい。

そしてまた荒れる様なこと言った俺も自重。
617マロン名無しさん:2007/10/03(水) 01:50:58 ID:???
受信日時:10/02(火)11:50
発信者;レベッカ宮本
件名:(無題)
―――――――――――――
ごめん」


























さよならだ」
618マロン名無しさん:2007/10/03(水) 02:49:48 ID:???
ここは本気で欝な話とかもOKですか?
619マロン名無しさん:2007/10/03(水) 02:53:07 ID:Bd314qre
620マロン名無しさん:2007/10/03(水) 03:01:52 ID:???
>>619
まとめサイト見たら、最後はハッピーエンド的なものが多かったので。
思いっきりハード路線でもいいのかなと
621マロン名無しさん:2007/10/03(水) 03:38:21 ID:???
>616
1:作品内での自己主張・趣味の反映の多さ
2:作品外のレス・書き込みでの自己主張
3:その両方

という3パターン考えられるけど、どれでしょう?
1・3なら今後作品投下を自重します。
2なら作品投下以外一切何も書きません。

もう来るなと言われれば来ません。
叩かれるのにはそれなりの理由があるのでしょうから、きっと。
不快な思いをさせるのはイヤですので。
622マロン名無しさん:2007/10/03(水) 05:32:44 ID:???
>>621
1は無いにしても、2はあると思う
他の職人さんよりも、独白さんは、それがちょっと多いとは思う。
自分は、別にいいけど、それをうざったく思う人もいるだろうし
623マロン名無しさん:2007/10/03(水) 17:54:08 ID:???
独白氏書いてくれ


つーか>>617って独白氏が書いたんじゃないのか?
624マロン名無しさん:2007/10/03(水) 19:06:32 ID:???
>>621
2番が当てはまる

というか、いちいちそんなこと書くから・・・
625マロン名無しさん:2007/10/03(水) 21:45:08 ID:???
>>617って単にスクイズネタだろよw
過剰反応しすぎw
626マロン名無しさん:2007/10/03(水) 23:01:47 ID:???
こんばんは、独白の人です。
余計なことは何も言いません。
作品だけ見てください。
627626:2007/10/03(水) 23:03:49 ID:???
<上原都の独白:10>

対向車もまばらな、夕方のカハラ通り。
雑音をたてるインカム。
左手には、もう3年も使ってるSWATCH SKINとグロック26。
運転席の教授は、さっきから黙ったままだった。
でも、教授が緊張しているのは、誰の目にも明らかだった。

300Cの助手席で、私はじっと時を待った。
今頃、別働隊のメディアが、護衛のクルマを止めているはずだ。
その時刻まで、あと少しだった。
前を行く赤いサンダーバードを止めて、大佐に父の死の背景を問いただす、
その時は、まもなく来るはずだった。

大丈夫、全てうまく行く。
私は、自分にそう言い聞かせていた。
不思議な高揚感に脳から流れ出るアドレナリンを感じながら、そう言い聞かせていた。

銃の撃ち方も、何度も練習した。
万が一教授が負傷した場合のための、クルマの運転だって憶えた。
緊急時の止血法も、一通り身につけたはずだった。

そう、すべてはこのときのためだった。
教授と世界中を回ってたときに、あのときはそんなこと考えてもいなかったけれど、
教授は前もってこの準備をしていたのだ。
ベッキーのことや、地球環境の話なんか持ち出したりしてごまかしてたけど、
全てはこのときのためだったんだ。
私は、そう確信していた。
628626:2007/10/03(水) 23:06:22 ID:???
"ザザ…教授、都さ…ザザ…制圧、完了しました…。"

インカムが、沈黙を破った。

「オーケイ、じゃクールにいこうか!」

教授はアクセルを踏み込んでクルマを加速させ、前のサンダーバードに割り込んだ。

きしむタイヤ。
激しい、2つのスキール音。
サンダーバードは、私たちの300Cの右サイドまであと2メートルくらいで急停止した。

ドアを開け、飛び出る大佐。
何やらわめいているが、それは耳に入らない。
…私の、緊張のせいだろうか。

永遠にも感じられる一瞬の沈黙の後、銃を手に飛び出す、教授と私。
グロックの照準を、大佐に向ける私。
サイレンサーをつけたSA91を正確にサンダーバードのタイヤに向け、発砲する教授。
タイヤの破裂する音に、さすがの元軍人も、一瞬狼狽した。
私は空中に向け、グロックの引き金を引いた。

「動かないで!
 …DeLorean大佐、Inouye軍曹を覚えているかしら?」

「…何のことだ?
 お前たち、何が目的だ?」

「とぼけないで!
 あなたがバグダッドで父を殺したのは、わかってるのよ!
 2丁の銃があなたを狙ってるんだから、何をすればいいかわかるでしょ!?」
629626:2007/10/03(水) 23:07:51 ID:???
「知らないな…日本人のお嬢さん。」

「何ですって!?」

「…いちいち殺した相手のことなんか覚えてるもんかね。
 大体我が軍がイラクじゃ何人殺してると思ってるんだい、お嬢さん?」

「ふざけないで!
 …あなたにも妻と子がいるんでしょ?
 父親を、夫を奪われた、娘と母親の気持ちが、あなたはわからないの?
 あなたたちが横流ししていた薬のせいで死んでいったイラクの人たちの気持ちが、
兵隊の気持ちが、あなたにはわからないの?」

「…そうか、あんたは、沖縄に残してきたっていうInouyeの娘か。
 あんたこそ、私の気持ちがわかるとでも言うのか?
 そりゃ、妻を子を養うために、食うために何だってやったさ。
 だがねお嬢さん、私だって命令を実行しただけなんだよ。
 私は、そりゃポーンじゃないかもしらんが、チェスのコマに過ぎん。」

「…何が言いたいの?」

「私をどうこうしても意味がない、ってことさ。
 アンクルサムという大きな権力機構の中で、私はその末端にいるだけなんだ。
 君の父親…Inouye軍曹は、それにたてついた。
 だから、消さざるを得なかったんだ…。」

「あなたに命令を下したのは誰?
 父を殺すことを、いえ、薬を流すことを決めたのは誰?」

「最終的な責任者のことなら、私だってわかるもんか!
 途方もなく上から、としか言えるわけがない!」
630626:2007/10/03(水) 23:10:18 ID:???
「…この銃がこけ脅しじゃないって証明してあげましょうか?
 あなたも軍人なら、わかるわよね、この意味が。」

「…何を言われても無駄さ。
 あんたたちが望むようなことは、何もわからんよ。」

「…そう。
 じゃこのメモの内容を公表するしかないわね。」

「…何だそれは?
 Inouyeが、何かメッセージを残していたと言うのか?」

「そういうことじゃ。
 お前さんたちがやったことは、全部わかってるんじゃよ、わしらにはな。
 このメモの写しをマスコミに届ければ、お前さんも、家族もお仲間も、
このままエデンの園で暮らし続けるようなわけにはいかないじゃろうよ。」

「…ははは、そういうことかい。
 つまりあんたらは、私たちの尻尾をつかんだと、そう思ってるわけだ。
 …無駄だよ。
 私もInouyeも、すぐ上、Moters将軍からの指令で動いていた。
 それ以上のことは、何もわからないんだ。
 …だから、そのメモの範囲以外のことは何もしようがないんだよ、あんたらはな。」
631626:2007/10/03(水) 23:11:39 ID:???
「…何ですって?」

「私を撃ちたければ、撃つがいいさ。
 だけどそれでは何の解決にもならないし、そのメモを公表したところで
すぐラングレーの連中が握りつぶすに決まっている。
 …最も、個人的に父親の仇を晴らしたい、というだけなら別だがね。」

私は、大佐の言葉に狼狽した。
父の死の背景の複雑さと、その直接の引き金になった陰謀の、途方もない大きさ。
それが命取りだった。
私のその一瞬の隙をつき、大佐が自分の上着から銃を抜いたのだ。

"Bang!"

1発の銃声が、夕暮れのカハラに響き渡った。
その光景は、スローモーションのように、私の目に焼きついた。
倒れ行く教授と、噴出す赤い血が、それだけが私の目に焼きついた。
632626:2007/10/03(水) 23:13:39 ID:???
今日は以上です。
続きます。
633マロン名無しさん:2007/10/03(水) 23:19:52 ID:???
634マロン名無しさん:2007/10/03(水) 23:25:24 ID:???
おつ
635マロン名無しさん:2007/10/04(木) 19:36:38 ID:???
乙!
636マロン名無しさん:2007/10/04(木) 19:37:29 ID:???
おっさんでス
637マロン名無しさん:2007/10/05(金) 12:26:41 ID:???
投下しようとしたら、アクセス規制だった。
俺は泣いた。
638マロン名無しさん:2007/10/05(金) 18:23:49 ID:???
オレも泣いた
639マロン名無しさん:2007/10/05(金) 18:29:40 ID:???
みんなの涙でこのスレはできているのです
それが学級崩壊スレなのです
640マロン名無しさん:2007/10/05(金) 18:37:57 ID:???
まとめサイトでベッキーをいじめる話ってありますか
641マロン名無しさん:2007/10/05(金) 18:44:43 ID:???
ベッキースレ行けば、毎日苛められてるよ
【ぱにぽに】ベッキー応援スレpart10
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1188207091/
642マロン名無しさん:2007/10/05(金) 21:11:33 ID:???
>>641
あれは可愛がられてるというんジャマイカ?
643マロン名無しさん:2007/10/05(金) 21:22:29 ID:???
こんばんは、独白の人です。
続きを投下します。
644643:2007/10/05(金) 21:25:17 ID:???
<上原都の独白:11>

コンクリートの路面に、倒れた教授。
Kamehamehaのアロハシャツとチノパンを染める、教授の鮮血。
弾き飛ばされた、教授が右手に握っていた血塗れのSA91。

「…!!」

私は、もう無我夢中で。
こちらにベレッタを向ける大佐が、スローモーションのように見えて。
母の悲しそうな笑顔が、一瞬ちらついて。
ベッキーが、姫子が、玲が、みんなの顔が、走馬灯のように私の視界を駆け巡って。

勝負は、一瞬だった。
何も、考えられなかった。
私は反射的に、左手の人差し指をいつしか引いていた。
グロックのトリガーを、いつしか引いていた。

"Bang Bang!!"

その場に崩れ落ちたのは、大佐の方だった。
私は、肩で息をしながら、左手を静かに下ろした。
私は、父を殺した相手に勝ったのだ。
この手で、この指で、父の仇を取ったのだ。
少なくとも、直接手を下した人間を、私は倒したのだ。
645643:2007/10/05(金) 21:28:41 ID:???
…そうだ、教授!
私は教授に駆け寄った。

「教授!
 教授!」

頬を叩く。
軽く、呻く教授。
息はある…はっきり生きてる。
…よかった。
外傷は…出血はかなり派手だけど、ちゃんと貫通しているようだ。
でも、早く止血しないと…。

なんだか、力が抜けた。
私は、パンツが汚れることを考える余裕もなく、その場にへたり込んでしまった。
だから、気づかなかった。
大佐が、まだ生きていることに。
ベレッタが、再びこちらを狙っていることに。
呆然とした私は、ただ空を見ていた私は。

"Bang!"

銃声の音に我に返った私の目に入ったのは、再び崩れ落ちる大佐。
眉間から血を流し、倒れこむ大佐。
そして、その後ろに立つメディアの目。

はっきりと見開いた、それまで見たことのないような表情のメディアの目。
猟犬のような、メディアの目。
それは、ある種の狂気を宿していて。
前に何気なくテレビで見た『さよならなんちゃら先生(タイトルは忘れた)』の
オープニングでの目のような、鬼気迫る光を帯びていて。
646643:2007/10/05(金) 21:31:18 ID:???
メディアは、すぐいつものような柔和な表情に戻ると、こう言った。

「都さん…そろそろ警察も来る頃です。
 早く、教授をお連れして身を隠しましょう。
 でなきゃ、派手なケチャップを演じなくちゃならなくなりますからね。」

私は、何も言えなかった。
ただ無言で、メディアの目を見つめ返すことしか、私にはできなかった。
何も、私にはできなかった。

                  <>

"…取材班のキャッチした情報によりますと、この退役米軍将校への一連の銃撃事件は
国際テロリスト・'オリュンポスの猟犬'一味によるものとして当局による捜査が目下
進行中、とのことです。
 中核メンバーとされる東欧系女性と米国籍男性のほか、実行犯の中には
東洋系の少女もいる、との未確認情報もありますが、詳細につきましては
今後取材を重ね、続報が入り次第お伝えいたします。
…さて、東京のインターナショナルジャッ…"

付けっぱなしのCNNが、どこかで聞いたようなニュースを延々がなりたてながら、
昼なお暗い酒場の一角を照らしていた。
飲みかけのメコンの水割りを入れたグラスの氷が、からん、と音を立てた。

この店の、煙幕のように満たされたタバコの煙にも、やっと慣れてきた。
ナンプラーと排気ガスの香りに満たされたタイの街角も、どうにかこうにか
ようやく私のものになってきた、そんな気がした。
647643:2007/10/05(金) 21:32:38 ID:???
「…また、偽造パスポートを入手しなきゃならんのう。」

「そうですね…まあここなら1人頭500US$もあれば…。」

喧騒の中から聞こえる、教授とメディアの話声。
他にも、耳をそばだてるとそこかしこで交わされている密談。
昔見た『カサブランカ』の劇中の、「リックの店」みたいだ。
何度ここへ来ても、そう思えた。
それが、正直な感想だった。

これで、よかったのだろうか。
父を殺した相手―あのDeLorean大佐―を、その相手に命令を下した人間を、
さらに上の人間を、芋づる式に追い続けて。
何人も、何人も殺め続けて。
数ヶ月前まで、普通の高校生だった私は、いつの間にかこんな風になってしまって。
メディアと教授にサポートされながらだけれど、アンクルサム相手に大立ち回りを
演じるような、そんな人間になってしまって。

いや、考え続けても意味がないのかもしれない。
私たちから父を奪った偽善を、巨悪を、偽りの平和を、それを壊すことだけを
心に抱いていればいいのかもしれない。

私は、残りのメコンの水割りを一気に飲み干した。
その味は、苦くて、甘くて、そして、切なかった。
その後味は、ひどく切なかった。
648643:2007/10/05(金) 21:34:12 ID:???
以上で都編は完結です。
皆様ご愛読ありがとうございました。

次回作は演劇部編の続きにしようかと思っていますが、『スクールデイズ』を見た後だと
なんか被ってしまうところもあるのでどうしようかと思っています。
おっと、余計なこと書くとまたウザがられてしまいますねw

それではまた。
649マロン名無しさん:2007/10/06(土) 01:20:02 ID:csjv4yIb
独白乙

そんな事より学級崩壊スレの住人たちよ、ちょいと聞いてくれよ。スレと関係ないこともないけどさ。
昨日、近所の独白らしい人のミクシィのページ見たんです。ミクシィのページ。
そしたらなんか日記が「友人まで公開」になってるんで見れないんです。
で、よく見たらなんか趣味以外の個人情報が全部非公開になってたんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、ここのスレに書いてる職人のページ如きで普段来てないページに来てんじゃねーよ、ボケが。
ここのスレに書いてる職人のページだよ、ここのスレに書いてる職人のページ。
なんか親子連れとかもいるし。一家4人で独白らしい人のミクシィのページか。
おめでてーな。
よーしパパマイミク申請頼んじゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、マイミク申請なら俺がしてやるから荒らすのやめろと。
独白らしい人のミクシィのページってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
境界例やら創価学会からのストーカーの話振った奴といつ喧嘩が始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。
で、やっとマイミク申請通って日記見れたかと思ったら、隣の奴が、早乙女乙女の続きで、
とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、早乙女乙女の続きなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、早乙女乙女の続きで、だ。
お前は本当に早乙女乙女の続きを見たいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、早乙女乙女って言いたいだけちゃうんかと。
学級崩壊スレ通の俺から言わせてもらえば今、学級崩壊スレ通の間での最新流行はやっぱり、
姫子、これだね。
玲姫子鬱。これが通の頼み方。
姫子ってのはADHD気味でリタリン飲んでる。そん代わりヤンキーとセフレ。これ。
で、それに玲鬱。これ最強。
しかしこれを頼むと次からまとめサイト管理人にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前らド素人は、自分でいろいろ考えてSS書いてみるってこった。
650マロン名無しさん:2007/10/06(土) 01:26:17 ID:???
???????

?????????



?????????????????????




マジで意味不明。mixiやってへんし
651マロン名無しさん:2007/10/06(土) 01:39:35 ID:ozCbhGvy
なんか自演くさいがマジレス
吉野家コピペでググッとけ
652マロン名無しさん:2007/10/06(土) 01:48:14 ID:wjIpNflQ
吉野家コピペなのは分かるが、mixi知らないから意味分からないし、内容が不愉快極まりない。
653マロン名無しさん:2007/10/06(土) 01:48:53 ID:solm+o34
もう、何がなんだか・・・
654マロン名無しさん:2007/10/06(土) 07:21:04 ID:???
絶望した!>>649に絶望した!
もうおしまいだ!(>>649が)死んでやる!
655マロン名無しさん:2007/10/06(土) 12:35:43 ID:???
>>649
よくマイミク申請通ったな
そこまでやる奴はマイミク申請されても通さなそう
656マロン名無しさん:2007/10/06(土) 15:20:29 ID:???
学級委員の>>649です
ネタでした
ネタでしたか?
ネタだったかもしれません
657マロン名無しさん:2007/10/06(土) 17:18:26 ID:???
どうせ>>694は独白の自演だろ
658マロン名無しさん:2007/10/06(土) 17:21:58 ID:???
まあまあまたーりしようぜ
659マロン名無しさん:2007/10/06(土) 17:53:58 ID:???
正直独白さんは可哀想だけどもう来ない方がいいと思う
荒れる原因にしかもうならないから
660マロン名無しさん:2007/10/06(土) 18:37:48 ID:???
そうですか。
じゃ、さよならですね。

今までありがとうございました。
これからも皆さんで楽しいスレを作ってください。
本当にありがとうございました。本当に、本当にありがとうございました。
661マロン名無しさん:2007/10/06(土) 18:52:22 ID:???
またかまってほしくてそういうこと書いてるんだろ?
独白さんやめないでって誰かに言ってほしいんだろ?
そういうのキモイよ
マジでウザいよ
みんなが独白をウザがってるのはそういうとこが嫌だからだ
どうせ今度はエロパロスレかキャラスレで粘着するんだろ?
一度来ないと言ったんだから絶対二度と書き込むな
ここ以外のぱにぽに関連スレにも絶対もう来るな
662マロン名無しさん:2007/10/06(土) 19:32:02 ID:???
独白氏、トリつけたら?
663マロン名無しさん:2007/10/06(土) 20:15:49 ID:???
どのレスが独白さんか分からなくなった
どれも独白さんが一人で書いているように見える
664マロン名無しさん:2007/10/06(土) 21:51:19 ID:???
もう独白さんなんて元からいないってことで良くね?
あるのはたまに笑える微妙な作品だけ。
665マロン名無しさん:2007/10/06(土) 22:02:36 ID:???
ok
666マロン名無しさん:2007/10/06(土) 22:03:44 ID:0r95HXDp
どこまで自演?
667マロン名無しさん:2007/10/06(土) 22:11:46 ID:???
>>666
ご想像にお任せしますよ。
668マロン名無しさん:2007/10/06(土) 22:15:06 ID:7Pe0MTwd
わけわかんねえ
669マロン名無しさん:2007/10/06(土) 22:44:28 ID:???
推測だけど660は独白さんっぽくない?
他の叩いてる書き込みは全部、自演臭120%だ。

まぁ、ただ一つ確かなのは、1人の職人を叩きまくって追い出すようなこのスレに書きたがる職人は、誰もいないだろなぁ…
いつまでもこの状況が続くようなら、マジで消えちゃうよ?このスレ

みんなで幸せになろうよぉ
670マロン名無しさん:2007/10/07(日) 00:47:43 ID:???
俺はメンヘルのかまってちゃんが嫌いなだけだ
他の職人さんにはずっといてほしいね
ウザくなければ作品のレベルは問わないし叩くつもりもない
ただメンヘルはいらんというだけだ
671マロン名無しさん:2007/10/07(日) 00:51:47 ID:d0bN4mOC
メンヘルぶってるだけかと思ってたんだが・・・真性なのかな
672マロン名無しさん:2007/10/07(日) 00:55:51 ID:???
>>649-671
このss面白くないし、ぱにぽにじゃない。
673マロン名無しさん:2007/10/07(日) 00:57:11 ID:d0bN4mOC
はぁ・・・
674マロン名無しさん:2007/10/07(日) 01:02:55 ID:???
こうして学級崩壊スレは本当に学級崩壊してしまいましたとさ。
おしまい。
675マロン名無しさん:2007/10/07(日) 01:10:43 ID:d0kxhB6U
>>670
学級崩壊スレでメンヘルって…
大抵の作品が病んでるのにそんなこと言われても、その…困る…
それに職人なんて殆どかまってちゃんなもんだよ?
感想もらえないと生きていけない人種なんだよ?
このスレの住人って、「乙」とか「GJ」ばっかりで、全然内容に触れた感想書こうとしないよね?
職人と読者の繋がりが全く感じられない。
こんななら、VIPでSS書いてるスレのがまだ平和的で利口だよ。

マジでこのスレ終わったな…
好きだったのに…
676マロン名無しさん:2007/10/07(日) 01:39:15 ID:???
もうぱにぽに自体「旬」ではないんだろうなぁ
そこにメンヘルの痛い行動とその叩きコメの嵐が加わったらそりゃもう終わりだわな
独白さんは元々病んではいたんだろうが、乙やGJ以外のコメがなくて寂しかったのもきっとよけいに病んでしまった原因なんじゃないかと思う
このスレをかきまわすだけかきまわして一緒に持っていっちゃったんだな独白さんは
677マロン名無しさん:2007/10/07(日) 01:46:24 ID:???
乙もGJもいいものだと思うがね
それで満足できないのは贅沢だ
678マロン名無しさん:2007/10/07(日) 01:50:18 ID:???
                         _, ‐─- ,__
                         ,r '''´ : : : : : : : : : `'' 、
                         〃: : /: : : : : : : : : :、: : : \
                   /: :/: : /: :/ f : : l : : i: : : : : 、ヽ
                    / 〃 : : ,ィ‐'TフT'、 ! : : } i: : : : ', :',
                  /: : l: : : : l/,,リ_ ∨ハイ丈メ、.l : : l: :',
                      ノ : : ハ: : : :lv´ ̄`  ,r‐-、 } / : : l: :/  死ね
               ∠ - ,_ ヽ_\__>     、   Y : : //
             /     ヽート、    /` ー,  ∠__/
            /|       |.:〈 `-r、 i   /  ノl
           / l  i 〉   `ヽ,.:.:l  / ト- ニ´ - ": ::l
         //: :! >f    _込_|/ ノヽ.:.:l ヽ: : : :|
        /: :/: .:{  弋 r一´ 、 __/   l.:.:l.  |: : : :|
        /: :/: :,i'___ /´  ヽ  〉 く ヽ  l.:〈 / : : : |
       ./: :/: : :|.:.:.:.:.:.!L__\_ノr´ ̄_〕 !  l.:.:lj : :l : : |
      〃 /: :l: :|` ー込.:.::`ー´¨l ̄}.  ノ /:.:.:l : :ij: : |
      ll l : : l: : |    ヽ,.:.:.:.:.:.:.|.:.:.l_/./:.:.:/: :/ l: :|
      l| |: : l: : 」_r'ニヽ`ー‐┴‐'ヤ二___:メl: :/ l: |
      リ l: : l マニニ`   ` ー- -- ┴'⌒ヽ /.:/.  レ´
          |: :/ `ー―-ュ_         ノ.:/

                            / ̄ ̄ ̄\
                          / ─ 独白─ \
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                         |    (__人__)    |
                         \    ` ⌒´    /
679マロン名無しさん:2007/10/07(日) 01:52:09 ID:???
                         _, ‐─- ,__
                         ,r '''´ : : : : : : : : : `'' 、
                         〃: : /: : : : : : : : : :、: : : \
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                    / 〃 : : ,ィ‐'TフT'、 ! : : } i: : : : ', :',
                  /: : l: : : : l/,,リ_ ∨ハイ丈メ、.l : : l: :',
                      ノ : : ハ: : : :lv´ ̄`  ,r‐-、 } / : : l: :/  ウザキモイ
               ∠ - ,_ ヽ_\__>     、   Y : : //
             /     ヽート、    /` ー,  ∠__/
            /|       |.:〈 `-r、 i   /  ノl
           / l  i 〉   `ヽ,.:.:l  / ト- ニ´ - ": ::l
         //: :! >f    _込_|/ ノヽ.:.:l ヽ: : : :|
        /: :/: .:{  弋 r一´ 、 __/   l.:.:l.  |: : : :|
        /: :/: :,i'___ /´  ヽ  〉 く ヽ  l.:〈 / : : : |
       ./: :/: : :|.:.:.:.:.:.!L__\_ノr´ ̄_〕 !  l.:.:lj : :l : : |
      〃 /: :l: :|` ー込.:.::`ー´¨l ̄}.  ノ /:.:.:l : :ij: : |
      ll l : : l: : |    ヽ,.:.:.:.:.:.:.|.:.:.l_/./:.:.:/: :/ l: :|
      l| |: : l: : 」_r'ニヽ`ー‐┴‐'ヤ二___:メl: :/ l: |
      リ l: : l マニニ`   ` ー- -- ┴'⌒ヽ /.:/.  レ´
          |: :/ `ー―-ュ_         ノ.:/

                            / ̄ ̄ ̄\
                          / ─独白─ \
                         /  <○>  <○>  \. 
                         |    (__人__)    |
                         \    ` ⌒´    /
680マロン名無しさん:2007/10/07(日) 01:57:23 ID:???
       ´ \  ヘ } /,、   /        /
   /    /_>- 、{⌒)斗_─ヘ        /
.  /       /-‐ 7¨⌒¨、‐-ミぃ \      /
 /      、.′/ /  |  い ヽヽ`ヽ   ヽ   .′
  !    i.`メ、/  l |! l '. ,!
| |    j厶≠ミ、イ  i! |-匕丁:|   i
| |  |   ,仏ノ  | :!_jL.f´,小 ! :!  ! | もうこのスレ
| |  |  ,小.    |    |´ } }{.|    | 終わりですね
| |  |  | | ヽ-‐ '      ゝ、ノ V!   | |  |
. ヽj | i |"""           """}|  | |  |
   \   ト . ,. ─- 、  _ . イ|  ! | <
.     >、i|{ヽ二ニT 、¨´    ̄¨ヽ,、 ||  !
   /  ヽ! ト   __{|  \       V!/  |
 /      ∨/ヽ}   \         |
/¨丶、      マ  .   /ヽ        l
`丶、 \     ヘ /  ,/ / ヘ       ',
681マロン名無しさん:2007/10/07(日) 01:59:05 ID:???
           ,  ´   ‐…-、 ヽ,
          /    /   , へ   `…-、
        /     '   /   ヽ,ヘ   ヽ
         /   / \/       ヽ    }
.        /   / ̄ ̄/   ̄\     / , ィ l
        '   /   /    ィ=rzヽ.  v'_レ /l :l
      i   :l  j :,'    〃l:::{_j `  トイ{//
      |  ::l ,イ /   ̄ヽゝ‐'  _ヒソヽ
      丶  | :{ レ   (___ノ `ヽ_ノ
        \| :|ゞ        __  '
       -…'l,ハ-      /   .'
       フ _≦| \  (_ / /           独白もそれを叩いてるヤツもキモい
        フ´ ¨ ´ヽ    ー┬  ´
       /ヽ     \−、  :|`¨ヽ、
      /   \     \  ハ !    l
     |       \     ヽ|:::l!     ト、 
     |    ' ,  \     ',:::|     l
      '     ヽ、 ∧___∨ __| ヽ
     〈       Y  ヽ   ∨   ∧  \
     '.        |   > −}{- <  l    ` _
     |         :|   ー−´ `一 /        ヽ
     |         :|      /    ,イヽ        l l…-、_
     |         :|     / /   .'  `      //  ',ィl
     |       ヽ     /   l       ̄ ̄ヽ_  {ノ
682マロン名無しさん:2007/10/07(日) 02:00:10 ID:???
              \, 、
  _、- 、/  / ,        ヽノ、´ ̄ ̄ >
 l_>:-‐/‐-/、/ |       ∨\   ヽ
 |  /  / /!  |  __| l.   ∧  ヽ } ̄
 j,ィ千¨示v'| ′ /ヽl!     }   ∨
〃     }  リ_/lr=く| /|    .
代>   /     /   }l|//:!    ′          不幸ですか?
 |` ー ′   ん _,/ l!/    /
 |、  ,. _   `ー`  |  |  /
/|! l`r、_  ’   __ イ | .′
  | |// ̄ 丁   ヽ! / /
__  `´    |    j /|/
\} , -、    !     ′
\l二ニニ!  ,′
       /
683マロン名無しさん:2007/10/07(日) 02:01:30 ID:???
(もう完璧に、投下できる空気じゃない?)
684マロン名無しさん:2007/10/07(日) 02:07:20 ID:???
あまりやりすぎるとアク禁食らう件について






AA貼ってるのが独白自身だとしてもそうでないとしても、このままだとこのスレもうなくなっちゃうね
終わったないろいろと
685マロン名無しさん:2007/10/07(日) 03:58:08 ID:I9ZqKE0g
ちょっと投下できる空気じゃねえなコレ・・・酷い
686マロン名無しさん:2007/10/07(日) 10:05:04 ID:???
スレを読み直してみたんだが、強烈に独白さんを批判している奴って
独白さんの自演じゃないかって思う
687マロン名無しさん:2007/10/07(日) 10:17:20 ID:???
>>686
もうその話はよそうぜ!
誰か!お客様の中に流れを変えてくれる職人はいらっしゃいませんか!?
688マロン名無しさん:2007/10/07(日) 11:31:10 ID:???
職人が来るまで好きな食べ物でも挙げてこうぜ
689マロン名無しさん:2007/10/07(日) 11:45:05 ID:???
いまどき吉野家コピペかw
690マロン名無しさん:2007/10/07(日) 14:04:13 ID:???
>>688
牛丼
691ぱに☆ぽに:2007/10/07(日) 14:10:31 ID:???
「臭いよねー」
「ねー」
「ベッキーって何か臭いよねー」
692マロン名無しさん:2007/10/07(日) 15:11:35 ID:???
ベッキーは年下なのにあんなにふんぞりかえってて、
リアルなら絶対いじめられる設定だと思う。
693マロン名無しさん:2007/10/07(日) 16:28:36 ID:???
リンチにあうわな
694マロン名無しさん:2007/10/07(日) 16:58:54 ID:???
くるみが上手くやってんだろ。

それにしても毒吐く・・・。
695マロン名無しさん:2007/10/07(日) 19:58:39 ID:???
アニメでは可愛く描かれすぎ
696マロン名無しさん:2007/10/07(日) 23:24:02 ID:???
独白氏はVIPでやれ
697マロン名無しさん:2007/10/07(日) 23:59:17 ID:???
くるみ「あっちゃ〜、傘持ってくるの忘れてたわ〜、誰か途中まで入れてってくれない?」
都「はぁ?今何か聞こえなかった?」
6号「何も聞こえませんでしたよ、プークスクス」
姫子「玲ちゃーん、傘忘れちゃったから入れてってよー」
玲「ったく、しょうがないな…ほら」
一条「くるみさんは雨に濡れてく方が好きなんですよね?」
くるみ「…………」
698マロン名無しさん:2007/10/08(月) 16:17:01 ID:???
>>697
都「まったく、どこのどいつよ、文化祭で演劇やろうなんて言い出した奴は」
玲「本当にこんな脚本でいいのか?」
くるみ「おっけーおっけー!(みんなからの同情を集めて存在感UP!)」
699マロン名無しさん:2007/10/08(月) 18:46:50 ID:???
なにその最低限文化的な文化祭
700マロン名無しさん:2007/10/09(火) 02:14:15 ID:???
都「玲ってさ、ワリカンを絶対に認めないよね」
くるみ「うん、絶対姫子か6号に出させてるよね。なんだかんだ理由つけて…、ねぇ?」
6号「わ、私はその…べ、別に気にしてませんよ(キョロキョロ)」
くるみ「子供向けのサービスしよーぜって頼みに行ったときも、
    第一声が『いくら出す?』なんだよ? ありえないね」
6号(いづらいよぅ…でも、トイレはさっき行ったし、ジュース買うの頼まれるから帰れないし)
くるみ「ん? あ、乙女からメールだ。ちょっとバスケしに行ってくるわ」
くるみが宮本研究室を出ようとすると、玲、姫子の2人が入室してきた。
玲「おー、くるみ、もしかしてまた乙女と勝負か? …B組相手に何か賭けて勝負しないか?」
くるみ「んー、今日はそんな疲れたくないしいいや。また今度な〜」
玲「さて、さっき一条が犬神と南条の会話に割り込んでいた」
都「空気読めばいいのに」
姫子「でも、一条さんも犬神くんのこと、結構好きみたいじゃん?」
都「だからってTPOをわきまえて行動しろっての」
玲「恋の勝負には南条が勝つだろうな。たとえ一条が先に付き合い始めても、
  南条が本気になれば犬神は落ちる。
  あいつ、家の財力のある方に転ぶよ。私ほどじゃないけどがめついから」
姫子「出たコレ! 自虐ネタ来ました!」
都「そーいやさ。くるみ、鈴音が修と付き合ってるってまだ知らないのよね。
  結構ブラコンの気があるから気づいたら大騒ぎだと思うし。
  乙女と響が気を利かせてバスケで交流させてるの気づいてないw」
姫子「鈴音ちゃんは昼はくるみちゃんと遊んで、夜は修くんと遊ぶ。双子丼って事だね!」
玲「いや、あの1人はすげー清純なお付き合いをしてる。びっくりした、私も」
都「マジ?」
玲「カラオケで夜通し歌っても何もしないで帰る。手くらいはつなぐけど」
都「ガキかっつーの」

ベッキー(何でこいつらはその場にいないというだけで人の悪口を平気で言えるんだろう…)
ベッキーは、ベッドで昼寝をしてるふりをしつつ、ちゃっかり女子の雑談に耳を傾けていた。
6号(あ、もっかいトイレに行きたくなってきた…)
701マロン名無しさん:2007/10/10(水) 00:36:53 ID:cMNpaJge
おーなんか初期スレみてえ
嫌な感じでいいね
702マロン名無しさん:2007/10/10(水) 21:57:33 ID:???
覚えてる人がいるのかわかんないけど、以前にバトロワネタで書きたいって言ってた者です。
投下するのは二度目だけど、読みにくかったらごめんよ。
下手だけど、読んでもらえると嬉しいです。
703マロン名無しさん:2007/10/10(水) 22:01:01 ID:???
冷たい空気に身体を冷やされ、片桐姫子は目を覚ました。
「うぅん……、ここは?」
その部屋は暗く、起きたばかりの姫子の目には、自分の手元しかハッキリとは見えなかった。
ズキズキと痛む頭を片手で抑えながら、手探りで辺りを調べる。
偶然にも近くにあった壁に、姫子は倒れこむようにして背中を預けた。
突然の出来事。何も見えない閉塞感。自分がどこにいるのかさえも分からない恐怖。
パニック状態になりかけ、荒くなっている自分の呼吸を整える頃には、目も暗闇になれてきたのか、次第に辺りが見えてきた。
薄暗く、十数人も人間が簡単には入れてしまうような広い空間。
そこには、何人もの人間が倒れていた。ザッと部屋を見回すだけでも、20人以上はいる。
驚いたのは、倒れている人間全員が、桃月の制服を着ていることだった。
その中には、自分のよく知る人物もいたことに、姫子はさらに驚いた。
姫子の頭に率直な疑問が浮かぶ。
「みんな生きてる、……よね?」
急に不安になってきた姫子は、確認も兼ねて、一番近くに倒れている人物を起こしてみることにした。
その人物の肩に手をかけ、揺すってみる。
「ん……、姫子……?」
姫子が起こしたのは、同じクラスの友人、橘玲だった。

704マロン名無しさん:2007/10/10(水) 22:04:35 ID:???
玲は体を起こして辺りを見回すと、その不可解な状況に深いため息をついた。
「玲ちゃん!よかった〜てっきり死んじゃってるのかと」
「目覚めていきなり、そんな縁起でもないこと言われたのは初めてだ」
こんな時でも、玲は、姫子の物騒な発言に冷静に対処する。
玲も姫子と同じように、頭に痛みに耐えながら、傍に落ちていた眼鏡をかけて姫子の隣に座り込む。
「で、これはいったいどういうことなんだ? また一条の仕業なのか?」
毎度、一条のエキセントリックな行動や、その周りに起きる不可解な現象に頭を悩ませていた玲は、理解不能な状況になると、先ず一条を疑うようになっていた。
「分からないけど、一条さんもそこで倒れてるヨ……」
姫子の指差す方向には、確かに倒れている一条の姿があった。
だが、彼女以外にも、見知った顔がいるのに玲は気づいた。
橘玲はやり手の新聞部員だ、その実力は、他のクラスから、【C組の魔女】の二つ名で恐れられる程だった。
学園内の情報の殆どを彼女は握っていると言っても過言ではない。
それこそ、何の根拠も無いゴシップから、教員達の秘密までもだ。
その上、桃月学園の生徒達は、皆、個性的な面々ばかり、玲に顔を知られていない生徒などは、まずいなかった。
「A組の柏木姉妹に、B組の綿貫に秋山、あっちにはD組の犬神?」
「玲ちゃんが生きてたし、多分みんなも大丈夫だよね?」
「おそらくそうだろうな、そんなことより―――」
705マロン名無しさん:2007/10/10(水) 22:07:01 ID:???
突然、部屋に光が入り込む。部屋の壁一面に取り付けられた機械が起動したのだ。
光は、それの大型のディスプレイによるものだった。
いくつものディスプレイが、暗かった部屋を照らしていく。
やがて、ぼんやりとだが視覚できるようになったその部屋は、まるで―――
「まるで、司令室ってかんじカモ……」
【司令室】、そんな日常生活では全く使わないような言葉がすぐに出てくるのは、姫子ならではといったところか。
それを聞いて、玲は素直に感心してしまった。
姫子は、普段は何も考えずにただ遊んでいる様に見えるが、時々、鋭く的を射たことを言う。
姫子のそういう部分に関しては、玲は口には出さないが、高く評価していた。
「司令室ねぇ、なるほど、言えてるかもね」
「けど、これはさすがに変だよね」
姫子は、まるで閉じ込めるかのように、自分達をとり囲んで張り巡らされている金網に触れながら言った。
「謎の部屋に、この金網、状況から察するに、私達は何者かに捕まって、ここに閉じ込められているってとこね」
自分達の置かれた状況を、冷静に推測する玲。新聞部としての探究心が働いた。

「おめでとう、橘、その考えはハズレてはいないよ」
男の声が部屋に響いたその時、【司令室】の扉が開き、次々と大勢の武装した人間が進入してくる。
それまで静かだった部屋が、一瞬にして騒がしい足音に支配された。
部屋に明かりが灯り、急に浴びた光に玲達は、思わず眼を瞑る。
次に眼をあけた時には、既に金網の周りは武装した集団によって埋め尽くされていた。
そして、その集団のあとに続いて入ってきた、その見覚えのある人物に、玲達は驚愕とした。
「さ、早乙女・・・!?」
「五十嵐先生やジジイもいるよ!」
早乙女が指を弾く、それと同時に集団が動き出す。早乙女の指示で、手際よく部屋を改造してゆく。
大きなPCの置かれたデスクがいくつも設置され、その他にも様々な装置が取り付けられてゆき、そこは、ますます【司令室】と呼ぶに相応しくなった。
「さぁ、みんな!起きろ!HRを始めようじゃないか!」
早乙女は、嫌らしいほどに清清しい笑顔だった。
706マロン名無しさん:2007/10/10(水) 22:09:07 ID:35nov3qh
新作キター!!
期待age
707マロン名無しさん:2007/10/10(水) 22:13:19 ID:???
いいよーいいよー
708マロン名無しさん:2007/10/10(水) 22:13:30 ID:???
早乙女が話し始める頃には、既に他の生徒達も、目を覚ましていた。
皆、一様に、何が起こっているのか状況を掴めづに戸惑っていた。
「突然だが、みんなにはこれから殺し合いをしてもらう」
その言葉に、一同はさらに困惑した様子になり、ざわめき立つ。
「ほらほら、みんな落ち着け〜、今からルールを説明するからな」
早乙女が手を叩いて、全員の注目を集める。
部屋の正面に取り付けられた超大型のディスプレイに、地図が表示される。
周りを海に囲まれた、島の地図。
「え〜、この地図に描かれている島が、今、我々がいる場所だ。この島で、みんなには殺し合いをしてもらう
 先ず、各人に一つづつディバッグを渡す。その中にはいくらかの食料と水、それに武器が入っている
 その支給された武器を使って、殺し合いをしてもらうわけだが……」
早乙女は、まるで生徒を威嚇するように見つめていたその視線を、五十嵐へと移す。
「期限はどの程度にしますかね? あまり長引くのもアレだし……」
「私に聞かないでよ、今の責任者はあなたでしょうが」
「あ〜、じゃあ、二日間ということで、二日以内に最後の一人になるまで殺しあってもらう」
709マロン名無しさん:2007/10/10(水) 22:15:55 ID:???
そんな、緊張感のない彼らの会話を目の当たりにしても、玲には、早乙女が嘘を言っているようには見えなかった。
ここまでの機材やら人員を用意して、「ドッキリでした」ではないだろうし、何より早乙女の目と表情は本気だ。
玲は、隣でワケがわからず震えている姫子を見ると、肩に手を置いて言った。
「怖いのか? いつものお前なら、こんな状況楽しむ位なのにな」
「玲ちゃん……、そ、そうだよね、こんなの冗談に決まってるよね?」
明るく振舞う姫子だが、その声は裏返っている。
姫子は本能的に感じているのだ、この状況が冗談などではないことを。
「最後の一人になれば、家に返してやるからな、心配するなよ」
生徒の中に、怒りに肩を震わせている少女がいた。
上原都は、今すぐ早乙女を殴り倒してやりたかった。
勝手によく分からない島に連れてきて、勝手にとんでもないことを口走るこの男を殴ってやりたかった。
だが、周りには大きな銃で武装した集団がいる、迂闊な事はできない。
都は、その強く握った拳を下げるしかなかった。
しかし、中には我慢できない者もいる。
「ふざけんな!」
そう叫んだのは、秋山乙女だった。
710マロン名無しさん:2007/10/10(水) 22:18:02 ID:???
「お、乙女……」
白鳥鈴音が、立ち上がり勇んで叫ぶ乙女の腕を掴み、止めようとするが、乙女はそんな制止などものともしなかった。
「ふっざけんなよ早乙女! つまんねぇ冗談言ってないでさっさと私達を家に返せよ!」
「まぁ、落ち着け乙女……」
部屋突き破って、外へ届かんばかりの声で叫ぶ乙女に、早乙女も少したじろいだ。
「随分と手の込んだことしやがるな、四月バカはとっくに終わってるんだよ! わかったら―――」
乙女の言葉は、突如響いた破裂音によって、かき消された。
「・・・・・・・っ!?」
乙女は、しばし呆然とした。辺りは恐ろしいほどの静寂に包まれていた。誰もが、己の目にしたものが信じられなかったのだ。
一番初めに我に帰ったのは、柏木優奈だった。彼女の耳を劈くような悲鳴が、止まっていた時間を動かす。
その悲鳴に呼応するように、他の生徒達も、次々に悲鳴をあげる。
「あ……、あぁぁ……」
床に赤い雫が、一滴落ちる。銃弾は乙女の左頬を掠めた。乙女は、恐怖のあまりその場にへたり込んだ。
一方、その銃弾を放ったのは、五十嵐だった。彼女が手にした拳銃の銃口からは、硝煙があがっている。
711マロン名無しさん:2007/10/10(水) 22:20:03 ID:???
「あれ?外したか……、当てるつもりで撃ったんだけどな」
「五十嵐さん、指示していないのに勝手に発砲しないでいただきたい」
「あなたが不甲斐ないから、アタシがかわりにやってあげたんでしょうが」
早乙女は、頭を抱えてため息をつく。
「まったく……、しかし、これで信じてもらえたかな?」
生徒達が落ち着きを取り戻したのを見計らって、早乙女は語りだす。
「ルールはさっきも言った通りだ、キミ達には、最後の一人になるまで殺し合いをしてもらう
 その為の武器も支給するし、生き残れば家に帰れる。簡単だろう?」
その様子を淡々と見ていた犬神つるぎが、重い口を開いた。
「理由はなんなんだ? なぜそんなことをさせる?」
「理由?」
途端に、早乙女の目が冷たく、そして鋭くなる。
「お前らがその理由を知る必要は無い」
犬神は、聞いても無駄と判断したのか、それ以上は発言しなかった。
「さて、それではみんなにはスタートまでもう一眠りしてもらうことにする
 キミ達が次に目覚めた場所、そこがスタート地点になる」
早乙女がそう言いながら、デスクのキーボードを叩くと、部屋にガスが放射される。
突如、床下から噴射されたガスを、玲は不意を突かれ思い切り吸い込んでしまう。
ガスの効果は絶大だった。次第に思考が働かなくなり、体が麻痺して動かなくなる。
どこに用意していたのか、早乙女達は、何時の間にかガスマスクを装着していた。
「それじゃあみんな、おやすみ……」
薄れ行く意識の中、玲には早乙女達の会話が断片的に聞こえた。
「……らに、……薬、…規定……移送」
もっとも、今の玲には、それが何を意味するのか考える余裕は無かった。
712マロン名無しさん:2007/10/10(水) 22:24:18 ID:???
とりあえずここまで
本文が長すぎますって言われちゃって、不自然に分けてしまったけど
気にしないでほしいです。
ちなみにタイトルはまだ考えてない
713マロン名無しさん:2007/10/10(水) 22:25:17 ID:???
ぐっどじょぶ
714マロン名無しさん:2007/10/10(水) 22:25:47 ID:???
これは期待できる
715マロン名無しさん:2007/10/10(水) 22:29:19 ID:???
新作やったー!
待ってました
716マロン名無しさん:2007/10/10(水) 22:43:27 ID:???
>712は焼け太り
717マロン名無しさん:2007/10/11(木) 02:52:50 ID:???
バトロワ系は好きなんで期待
完結まで頑張ってください
718マロン名無しさん:2007/10/11(木) 20:35:59 ID:???
これはひさしぶりにwktk
719マロン名無しさん:2007/10/12(金) 04:35:14 ID:???
まわるーまわってくー
720マロン名無しさん:2007/10/12(金) 14:12:21 ID:???
あいあいあー
721マロン名無しさん:2007/10/12(金) 20:19:03 ID:???
独白の人です。
先日は大変失礼いたしました。

私の作品への、私自身への否定の書き込みは、お察しの通り私自身によるものです。
あのAAも私です。
どうしても私自身を否定したくなる瞬間が、どうなってもいいやと思う瞬間が
時々私を襲ってくるのです。
どうしようもなくなってしまうのです。
この場を破壊するような行いは、決して褒められたものではないということも
わかっています。
皆様には大変な不快感を与え、本当に申し訳なく思っています。

メンヘルぶってると言われてもいいです。
既知外と言われてもいいです。
私以外の住人による、「ときどき笑える微妙な作品」という正直な言葉をいただけたので
表面的な「GJ」や「乙」よりよっぽど有意義でした。

病状が好転してきた一方で、いや、そのせいでなのかもしれませんが、自分でも面白いと
思える作品が書けなくなって来ていますので、今後投稿およびコメントを自重いたします。
このスレが私自身の自傷行為の場となることは、皆様にとって非常に不快なことだと
思いますので。

今後のこのスレの発展および、皆様のご健勝をお祈りいたしております。
それでは失礼いたします。
722マロン名無しさん:2007/10/12(金) 21:52:14 ID:???
>>721
マジで独白本人? 何でトリ付けないんだ?

つーか、>>721で言ってることがマジなら二度と来るなよ。つーか失せろゴミ
723マロン名無しさん:2007/10/12(金) 22:11:01 ID:???
ついに一線を越えちゃったな。
それだけは絶対やっちゃいけない事だよ。
724マロン名無しさん:2007/10/13(土) 02:47:46 ID:???
待て。慌てるな。
これは独白氏の罠だ
725マロン名無しさん:2007/10/13(土) 23:07:50 ID:???
やっぱり自演だったか・・・
ショックだよ
信じてたのに
726独白の人 ◆8b12JG2dzo :2007/10/14(日) 01:31:30 ID:???
独白の人です。

傷つけたかったのは自分だけだったのに、結果的に皆さんを傷つけてしまいました。
それは、決して許されることではありません。
卑怯で汚くて、自分勝手で、面白くなくて、それが私なのです。
失望されましたよね。

こんなことを繰り返したくないので、もう二度とここには書き込みません。
エロパロにも書き込みません。
もう書き込みませんが、偽者が現れないように、トリップをつけておきます。
トリップなしで「独白の人」を名乗る書き込みが今後ありましたら、それは偽者です。

皆様、本当にありがとうございました。
そして、本当に申し訳ありませんでした。

さようなら。
727マロン名無しさん:2007/10/14(日) 01:37:34 ID:???
サイナラー ノシ
728マロン名無しさん:2007/10/14(日) 02:45:25 ID:???
>>726
二度とくんな
729マロン名無しさん:2007/10/14(日) 08:05:29 ID:???
きっと今でもROMってる気がする今日この頃。
今度は違う名でキャラ変えて書き込みする気か?

あー、返答はいらないから。
730マロン名無しさん:2007/10/14(日) 08:33:33 ID:???
>>726
書き込みしてもいいと思うが自演して荒らすことだけはするな
731マロン名無しさん:2007/10/14(日) 10:58:37 ID:???
自演ってそんな嫌われるものだったんだ
732マロン名無しさん:2007/10/14(日) 11:05:58 ID:???
本当に独白さんなのか?
トリップつけたっていってもこれまで一度もつけてなかったから証明にはならないぞ。
733マロン名無しさん:2007/10/14(日) 11:53:54 ID:???
偽者本物ではなく『独白』=>>660>>678-682>>721>>726の『書き込みをした人物』を表しているわけだから
別に上のが別な人物であろうと関係がない。
要するにこのスレにはもう『独白』と名乗る人物が出ないことを願っている人物が多いわけ。

もう『独白』は一人の人物を指しているわけでない気がする今日この頃。
返答なんて望んでないから二度と現れるな。

>>702=>>712には期待してます。
734マロン名無しさん:2007/10/14(日) 12:34:45 ID:???
>>733こそ独白氏じゃないのか?
自作自演や荒らし行為は残念だったが皆が皆独白氏の作品が嫌いだったわけじゃないだろうと思うんだが。
なんか怪しい。
735マロン名無しさん:2007/10/14(日) 12:52:21 ID:???
つか比較的酷い事言ってるレスが自演であるかのような錯覚に陥るぜ
736733:2007/10/14(日) 13:34:54 ID:???
うわー言われると思ったよ。j自分で書いてるとき思ったもん。
>>729>>733は俺な。でも自虐や叩きに喜ぶ独白と一緒にせんでほしい。
それに独白(のセリフ)うざいであって作品投下に関してはちゃんと乙って言ってたのに
妙な言動とるからこんな展開になっているわけで。

・・・後の人、ごめん。投下よろしく。
737マロン名無しさん:2007/10/14(日) 17:19:15 ID:???
>>734こそ独白さんだと思う
738マロン名無しさん:2007/10/14(日) 17:48:04 ID:???
荒れる原因にしかならないし、もう独白さんの話題は、今後一切ナシにしないか?
739マロン名無しさん:2007/10/14(日) 18:04:23 ID:???
次スレ立てるときテンプレに追加しようぜ

【NGワード】 独白
740マロン名無しさん:2007/10/14(日) 18:04:45 ID:???
だな
741マロン名無しさん:2007/10/14(日) 18:34:47 ID:???
我思故我有
自分の書き込みだけを信じましょう。
742マロン名無しさん:2007/10/14(日) 19:58:48 ID:???
>>738-741のレスも独白な予感。
743738:2007/10/14(日) 20:24:36 ID:???
>>742
そういうこと言い出すとキリがないから提案したんだけどさ?
なんで分からないかな?
744マロン名無しさん:2007/10/14(日) 20:43:44 ID:???
>>742
NGワードです
745ぱにロワ:2007/10/14(日) 23:18:36 ID:???
空気読まずに続き投下してみる
タイトルは適当に考えたけどこれでいいっすかね
746ぱにロワ:2007/10/14(日) 23:21:10 ID:???
島の中央に位置する配電施設。早乙女達は、そこを改修し、自らの拠点に使っていた。
施設の一室、以前この場所で働いていた職員達の憩いの場であったであろう休憩室も、今は早乙女達が使用していた。
室内は割と広く、バルコニーへ続くサッシュからは、明るい日差しが差し込んでくる。
施設は、島の高い位置に建てられている。バルコニーからの眺めもなかなかのものだった。
部屋の中央に長方形のテーブル、それを挟むように、黒いソファーが二脚ある。
早乙女は、そのソファーに座り、一息ついていた。
「まさか、ただの配電施設の休憩室がここまで豪華だとは」
早乙女は、部屋を見回しながら言った。
「冷暖房完備に、テレビあり……」
さらには、隣室には給湯室もある。くつろぐには最適の環境だった。
早乙女が、暖かい日差しに体を包まれ、うとうとしていると、突然部屋のドアが乱暴に開けられた。
「三河屋でーす! コーヒーお持ちしましたー!」
「なっ!?アイタッ!」
早乙女は、驚きのあまり飛び上がった拍子に、テーブルに脚をぶつけてしまう。
「何やってんの早乙女くん?」
騒々しい訪問者の正体は、五十嵐だった。
脚を押さえてもがいている早乙女を、怪訝そうな顔で見
747ぱにロワ:2007/10/14(日) 23:27:22 ID:???
脚を押さえてもがいている早乙女を、怪訝そうな顔で見ている。
「何じゃありませんよ!ビックリしたじゃないですか!」
「アッハハハ! まあまあ、お茶淹れてきてあげたから許しなさーい」
五十嵐はテーブルにコーヒーカップを2つ置くと、早乙女と反対のソファーに座った。
カップからは淹れたてのコーヒーのいい香りと、湯気が立ち込めている。
「しかし、珍しいですね…、五十嵐さんがご自分からこういうことをしなさるなんて」
「なによ、私がコーヒー淹れてあげたのが気に入らないの?」
「そういうわけでは……、後が怖いんだよなぁ……」
「何か言った?」
「いえ、何も!」
五十嵐の鋭い眼光が早乙女を突き刺すが、早乙女は目をそらして華麗にスルーした。
748ぱにロワ:2007/10/14(日) 23:31:57 ID:???
そんな二人のちょっと気まずい空気を読んだかのように、休憩室のドアが開けられた。
「あら、おじいちゃん」
入ってきたのは一人の老人、桃月で教師を勤めていた3人の内の一人だった。
「キミのおじいちゃんになった覚えはないんじゃが
 早乙女君、今回の実験の被験者の名簿、及びその詳細なデータじゃ、目を通しておいてくれ」
早乙女は、彼が差し出したファイルを、一言、礼を言ってそれを受け取るとすぐに読み始めた。
「参加者25人ですか……、主任は一体何をしているんだか」
早乙女は呆れ顔でため息をつきながら、コーヒーを一口、口に含んだ。
「あの人にも、あの人なりの考え方があるんじゃないの?
 私たちはそれに従うだけよ」
「そうじゃな、それよりも例の二人じゃが、どうやら投薬を免れたようじゃ」
それを聞いて、早乙女はファイルを読む手を止めた。
「やはりそうでしたか、しかし、イレギュラーは多い方が、"観客"も喜ぶでしょう」
早乙女は余裕の笑みを浮かべる。
「全て想定内というわけか、よかろう任せるよ」
そう言って老人は振り返った。
しかし、すぐに早乙女に呼び止められる。
749ぱにロワ:2007/10/14(日) 23:36:32 ID:???
「ちょっと待ってください!どういうことですかこれは!
 規定の投薬量の倍の被験者が数人いるようですが?」
早乙女が老人に食ってかかる。
その姿は、まるで、予定を狂わされた几帳面な人間が怒っているようだった。
「それは五十嵐君の指示じゃよ」
コーヒーを持ってきた時点で感じていたが、早乙女の嫌な予感は見事的中してしまった。
早乙女が、視線を移すと、そこにはニコニコ笑う五十嵐がいた。
「なんでそんなことを!」
「早乙女くんも言ったじゃない、イレギュラーは多い方が"観客"も喜ぶって
 なにより私も楽しいし」
「ですが……」
「それに予想外に良いデータが採れるかもしれないわよ」
早乙女はそれ以上言葉を出せなかった。
「ちょっと、どこいくのよ?」
「戻ります、そろそろスタートの時間ですので」
溜め込んだものを吐き出すように、乱暴にドアを開けると、早乙女は部屋を出ていった。
「やっぱり怒らせたか」
「その考えも一理あるが、やはり謝った方がいいと思うぞい
 彼は責任感が強いからなおさらじゃ」
「はーいはい、わかってます」

残り25人
750ぱにロワ:2007/10/14(日) 23:38:44 ID:???
やっぱり、携帯から書き込むもんじゃないな・・・orz
失礼しました
751マロン名無しさん:2007/10/14(日) 23:39:14 ID:???
いいよー続きまってるよー
752ぱにロワ:2007/10/14(日) 23:59:35 ID:???
もう一つ書き込むの忘れてました。

-----

参加者名簿

1. 秋山 乙女 2. 犬神つるぎ 3. 上原 都 4. 柏木 優奈 5. 柏木 優麻
6. 片桐 姫子 7. 北島 由香 8. 来栖 柚子 9. 佐藤 千夏 10.白鳥 鈴音
11.鈴木 さやか 12.ズーラ 13.芹沢 茜 14.橘 玲 15.南条 操
16.二階堂 光 17.ベホイミ 18.宮田 晶 19.レベッカ 宮本 20.メディア
21.桃瀬 修 22.桃瀬 くるみ 23.ヤンキー 24.綿貫 響 25.一条

以上25名
全員の素性は調査済み
現場調査員との定時連絡は、5時間ごとに行うこと。
なお、今回の実験の責任者は、副主任であるが、主任からの直接の連絡、指示があった場合は、そちらの指示を優先させるものとする。
753マロン名無しさん:2007/10/16(火) 23:25:59 ID:ZQYwIpl2
全力保守
754マロン名無しさん:2007/10/17(水) 07:22:11 ID:k5AcV7gL
完結を待ってます。
755マロン名無しさん:2007/10/17(水) 18:07:55 ID:???
>>754
もしかして、前にぱにぽにバトルロワイアル書いてた人?
756ぱにロワ:2007/10/19(金) 00:13:07 ID:???
続き投下します。
完結はさせるつもりだけど、長くなりそうだなぁ
757ぱにロワ:2007/10/19(金) 00:19:43 ID:???
#1『橘玲』

-----

玲は、見知らぬ森の中で、一人たたずんでいた。
起きたばかりの体で、足元も少々ふらついている。
二度も強制的に眠らされたせいか、いまだ意識はハッキリしていない。
無気力な表情のまま、玲は空を仰いだ。
揺れ動く木々の葉の間から差し込む木漏れ日が、レンズ越しに玲の眼に突き刺さる。
玲は、眼を瞑り、深呼吸をする。
目の前に広がる自然から供給される空気が、徐々に自分の肺を満たしていくのを感じた。
その空気が肺を通り、血管を通じて、体中を駆け巡る。
玲は、朦朧としていた意識を集中させ、ゆっくりと眼を開けると、先ほどから聞こえてくる"音"に、耳をかたむけた。
「始まった……、のか?」
特徴的なリズムのそのクラシックは、「ラデツキー行進曲」だ。
玲が、その曲に妙な懐かしさを覚え、聴き入っているところで、唐突に音が止む。
『どうやら全員起きたようだな、それではこれから詳しい説明を始める』
玲には嫌な予感はしていたが、やはり聞こえてきたのは、早乙女の声だった。
玲は、ため息をつきながらも、その放送を聞き続けた。
『基本的に反則は無い。民家から武器等を調達しても、寝込みを襲っても、徒党を組んでも構わない。
 とにかく最後まで生き残った1名のみが優勝者となり、家に帰る事が出来る。』
「なるほど、となるとやっぱり仲間を作った方が有利か・・・」
口ではそんなことを言ってみた玲だが、他の生徒達がこの戦いに乗るとは思えなかった。
(と言うよりは、信じたくないだけなんだろうな……、私は……)
758ぱにロワ:2007/10/19(金) 00:26:47 ID:???
『君たちの近くには、水色のディバッグが落ちているはずだ。
 その中には、少しの食料と水、それに地図、方位磁針、時計、懐中電灯、そして武器が入っている。』
玲は、自分の右肩のディバッグに視線を落とした。
「あれ? いつの間に……?」
自分自身、いつ担いだのか分からないそれを地面に置いてバッグを開けた。
手際よく、一つづつ中身を確認していく。
その中には、確かに早乙女の言ったとおりの品が入っていた。
『武器についてだが、これにはアタリとハズレがある。
 ハズレを引いてしまった場合は、まぁ、残念だったな、ハハハ』
妙に鼻につく早乙女の笑い声だったが、玲は気にしないことにした。
「さてと、コレはアタリなのかな、それともハズレなのか」
バッグを開ける前から顔を覗かせていたそれを握りしめてみる。
日の光を浴び、ギラギラと輝くそれは、80cm程の長さの硬式用の金属バットだった。
重さは600g程だが、表面の銀色と黒のカラーリングが、さらに重厚なように錯覚させる。
扱いづらそうではあったが、もし危険になったら、コレを使わざるを得ない。
今のうちに慣れておくべきだと、玲は判断した。
「試しに振ってみるか」
そう言って、玲は、バットのグリップを握りなおす。腕にズシリと重みが伝わってくるのがよく分かった。
日々のバイトで鍛えられていた玲は、力には少しばかり自信があった。
しかし、それでも、振り上げるのには少々体力を使う。

バットを構え、木と向かい合う形になる。
玲は、勢いよくバットを振り下ろした。辺りに鈍い音が響く。
そんな音とは裏腹に、バットの先端は木の表面を少しだけ削り取ったに過ぎなかった。
むしろダメージが大きかったのは、玲本人で―――
「フフフ、頭では分かっていたんだがなぁ、馬鹿か私は……」
玲は、涙目になりながらその場にうずくまると、痺れた自分の手を見ては、情けない気分になるのだった。

【残り25人】
759マロン名無しさん:2007/10/19(金) 06:33:14 ID:???
乙。
続き期待してるお。
760マロン名無しさん:2007/10/19(金) 11:17:00 ID:???
期待してます。
関係ないが、硬式用バットで600は軽すぎでは?
特に作品に関係ないが言ってみたかっただけ。
気にしないで。続きまってる。
761ぱにロワ:2007/10/19(金) 12:54:07 ID:???
適当に調べたのがマズかった。
600だと軟式ですかね?
そのへんは皆さんで補完お願いします。

あと、トリップつけた方がいいですか?
付け方よく知らないけど
762マロン名無しさん:2007/10/19(金) 14:45:15 ID:???
軟式少年用だね。


気にしないで。
物語は面白いから。
トリップは…
誰か教えてあげて
763マロン名無しさん:2007/10/20(土) 00:24:52 ID:???
>>761
トリップのつけ方は…

まず名前の欄に名前を入れ、その後に半角で「#」を入れる
で、「#」の後ろに適当な数字や文字を入れればOKだ
つまりこんな感じになる


「ぱにロワ◆○○○○○○○○」

トリップテスト板がどこかにあるからそこで適当に練習してみても良いかもな
764マロン名無しさん:2007/10/21(日) 01:24:35 ID:???
まとめサイトが、7月の終わりから全く音沙汰が無い件について
765マロン名無しさん:2007/10/21(日) 08:21:37 ID:???
でもそんなの関係ねぇ
766マロン名無しさん:2007/10/23(火) 13:21:06 ID:???
保守
767ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2007/10/24(水) 11:07:35 ID:???
>>763
分かりやすい説明ありがとう
てなわけで短いけど続き
768ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2007/10/24(水) 11:09:09 ID:???
#2「戒め」

-----

「それじゃあ、もう一度確認するぞ」
ベホイミの言葉を聞いて、メディアはうなずく。
メディアは、自分のディバッグの中から地図を取り出して、目の前に広げた。
その地図に描かれた島には、いくつもの赤いラインが刻まれている。
ベホイミはそれを、指でなぞりながら話し始めた。
「この縦横8本ずつに引かれたラインを見ればわかるが、この島は、全部で49のブロックに分けられている」
「そして、おそらく今私たちがいる場所がココですね」
メディアが指差した場所、それは島の中心の北端だった。
そこには、丸い印に"start"とだけ書かれている。
もちろん、起きたばかりのベホイミ達に、現在位置が分かるはずもない。
それは、早乙女側が記したものだった。
それだけに、信憑性は薄い。
「禁止エリアとか言ってたな?」
「ええ、これから数時間毎に増えていくらしいですよ?
 既に島の中心、私たちが最初に連れてこられた場所、彼等の本拠地の周りは禁止エリアです」
「その禁止エリアに入ると、これが……」
ベホイミは、自分の首にはめられたそれに触れた。
「ドカンといっちゃいます」
「笑いながら言うな……って、いつも笑ってるか」
ベホイミ達の首にはめられた、その首輪には、小型の爆弾が仕掛けられている。
もし、禁止エリアに足を一歩でも踏み入れたが最後、内部のセンサーが反応し、爆弾が爆発する仕組みになっている。
小型と言えども爆弾は爆弾、ましてや、首輪に仕掛けられているのだから、人一人を死に至らしめるには問題ない威力があった。
それに加え、参加者達には伝えられていないが、首輪には盗聴器も仕掛けられている。
参加者が結託し、反旗を翻したり、不穏な行動を防止するためのものだ。
参加者が強行に出た場合でも、早乙女側には様々な対策が用意されている。
参加者が抵抗しようにも、常に監視されている。
まるで、間接的に縄で縛られているかのように。
参加者にとって、この首輪は"戒め"を具現化した物なのかもしれない。
769ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2007/10/24(水) 11:14:20 ID:???
「"無駄な抵抗はするな" か……」
ベホイミは虚空を見つめながら、早乙女が言っていたことを思い出し、独り言の様に呟いた。
「反抗しても対策はあるような口振りでした
 ただのハッタリとは思えません」
「今のところ、打つ手無しか」
ベホイミは、軽くため息をついてうなだれる。
そんなベホイミを見て、メディアは何とか元気づけようと、話を別の話題に移した。
「お、お互いのスタート地点が近くてよかったですね! 割とすぐに合流できて!」
「あぁ、そうだな……」
「えぇと……、あ〜! 支給された武器がなんなのか見てみましょうよ! ね?」
「え? あぁ、そうだな」
言われて、ベホイミはすぐに担いでいた自分のディバッグを降ろす。
「ちなみに、私はコレでした〜
 ある意味ピッタリの武器かもしれません」
メディアはそう言って、派手なメイド服を揺らしながら包丁を振り回す。
「ほぅ、そうかそうか」
ベホイミはそんなメディアの様子を、恨めしそうに見ていた。
「そっちはなんだったんですか?」
と、メディアは悪意の無い笑顔をベホイミに向ける。
ベホイミは、自分に支給された"武器"をメディアに向かって放り投げた。
メディアは、難なくそれをキャッチして、タイトルを読み上げる。
「"週刊 楽しい監獄ライフ"?」
770ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2007/10/24(水) 11:15:50 ID:???
「よりによって雑誌とはな……」
呆れて薄ら笑いを浮かべるベホイミ。
それを、同情の眼差しで見つめるメディア。
「そんな目で見るなぁ〜!」
「で、でも面白そうですよこの雑誌?」
「殺傷力の無い物が武器と呼べるのか!」
「呼べませんね」
メディアは、アッサリと答える。
「もしかして、奴らは私たちの正体を知ってるんじゃないか?
 だからこんなハンデじみた武器を……」
「そんなわけありませんよ
 私たち偽装は完璧です」
「そ、そうだよな……、はははは」
「そうですよ〜、ふふふふ」
二人は声を出して笑い合う。
しかし、唐突に笑うのをやめると、二人は密着して小声で話し出した。
「ま、まさかな……」
「まさか……、かもしれません」
苦笑いの二人の額に汗が伝う。

そんな何気ない振る舞いの中にも、常に臨戦態勢。
数多の修羅場をくぐり抜けてきた、戦闘のプロの彼女達だからこそ、その音に気づけたのかもしれない。
「パキッ」、と小枝の折れる音が辺りに小さく響いた。
「誰だ!?」
ベホイミが声を張り上げ振り向くと、音の正体は、樹の陰からゆっくりと姿を現した……。

【残り25人】
771マロン名無しさん:2007/10/24(水) 20:32:00 ID:6YRMDsL+
乙!
時間はどれだけかかってもいいから次もよろしく!
772マロン名無しさん:2007/10/25(木) 03:44:06 ID:???
おもしろい!
続きが気になります!
773今月 ◆7EfP.aFrDg :2007/10/26(金) 22:24:33 ID:???
エロなしグロあり人死にありです。

【う】 うどんで絞め殺された姫子
【ひ】 ひつまぶ死した都
【う】 梅干しに押しつぶされて死にゆく都
【た】 タラコ食って劇症アレルギーで憤死玲
774今月 ◆7EfP.aFrDg :2007/10/26(金) 22:26:12 ID:???
 鈴原未来がふと物陰を見ると、そこに全裸にゾウのマスクをかぶった青年が卑猥な微笑みを濫べて立っていた。
「……きゃー」
思わず叫び声を上げると、「どうしたの、鈴原さん」犬神雅の声がしたので未来は応える。
「今ゾウのかぶりものをした変なひとがわたしに!」
「ゾウ? ゾウなんていないけど……」
「犬神さんには見えないの? うわあっ!」
 しかしゾウ野郎はひたひたと近づいてくる。とても落ち着いてなどいられない。
 未来は反射的にゾウ野郎を突き飛ばし、ゾウ野郎は頭の上に星を飛ばして気絶した。
「怖かった……犬神さんは大丈夫?」
 だが犬神の姿はいつのまにか見えなくなっていて、未来がどんなに呼びかけても、雅がそれに応える事はなかった。
 未来は飼育委員の鮮血で染まった手を振り回して帰って来る事のない呼びかけを延々と繰り返し、
親しげに声をかけてきた近所のひとや警官を虐殺しまくり、自衛隊の銃弾を跳ね返した。

 サラマンダーはため息を吐いた。
 敵を不気味なモンスターに見せて闘争心を引き出すシステムだが、
未来にはさして効果がなかった上にバグってしまったらしい。
 きっと今の未来は街ゆく無辜の市民が化け物に見えている事だろう。
(しょうがない、次を探そう、かわいそうだけど)

 サラマンダーは自分に被害が及ばないうちに未来を可愛い子猫ちゃんに変えて立ち去った。
 可愛い子猫は南条さんちのライオン太郎にいたぶり殺された。
775今月 ◆7EfP.aFrDg :2007/10/26(金) 22:33:04 ID:???
以上です。
お久しぶりです。パソコンなおりました。
まあ枯れ木も薪くらいにはなるかなと……

とりあえずトリップをつけましたが、
皆さんがGFや萌王をお読みになって感じたり妄想したものを
『今月のGFを読んで思ったんだけど……』
のようにお書きになるのを妨げるものではありません。
776マロン名無しさん:2007/10/27(土) 14:31:27 ID:mgtZNCd8
GJッッ!
777マロン名無しさん:2007/10/30(火) 19:03:44 ID:I+P9Xd/P
保守
778マロン名無しさん:2007/11/03(土) 03:08:11 ID:???
書かねばならんと思いつつ、メモ帳を開くと頭の中が真っ白になるだよ
779マロン名無しさん:2007/11/03(土) 04:55:21 ID:???
>>778
俺も俺も
780マロン名無しさん:2007/11/03(土) 07:59:21 ID:???
>>778
それあるわー
寝る前とかすごい思いつくのに紙とペン用意するあいだに忘れちゃうんだよな
781マロン名無しさん:2007/11/03(土) 11:08:43 ID:???
俺も。
俺は夢で思いつく事が結構多いんだけど、
目覚めた途端にてのひらの水のようにこぼれ落ちていく。
782マロン名無しさん:2007/11/03(土) 12:52:42 ID:???
>>780
それは、>>778とは違う気がするけど・・・
単に記憶力が(ry
783マロン名無しさん:2007/11/04(日) 20:53:52 ID:???
書きたいのに時間が無い。
誰か俺に精神と時の部屋をくれ。
784マロン名無しさん:2007/11/04(日) 21:40:47 ID:???
>>783
それはそれで羨ましい俺ナサケナス
785マロン名無しさん:2007/11/07(水) 02:31:30 ID:???
ロワの続きはまだかいな〜と
786マロン名無しさん:2007/11/07(水) 03:07:08 ID:???
>>785
ちょっと停滞中
>>771の言葉に甘え過ぎてた
週一ペースで投下できたらいいな
とか思ってます。

何でSS書かないでアニメ見てんだろ、俺……
787マロン名無しさん:2007/11/08(木) 21:28:53 ID:???
最初は私もイヤでした。
いえ、いまでもイヤです。
辞められるなら今すぐにでも辞めたい。
でも、それは許されないみたいです……
全てはあの日の、くるみさんの一言から始まりました。

放課後の教室、いつものC組メンバーで集まって談笑していた時でした。
「学園祭でバンドやることになったんだけど、誰かボーカルやりたい人いない?」
―――無言。
「なんだよなんだよ、誰もいないわけ?」
そこで変な気を起こさなければ、今頃……
「あの、くるみさん」
私は、いつもの親切心から、思わず挙手してしまったのです。
「お、6号やってくれるの!?」
正直、不安でした。人前で歌うのは恥ずかしいと思ったけど、でも、ちょっと興味があったんです。
「お役に立てるかはわかりませんが……」
「いやー、助かった! メンバーがあと一人足りなくて困ってたんだよー!」
「そ、それはよかったです」
「それじゃ、早速練習行こうか!」
くるみさんは私の手を引くと、音楽室へと駆け出しました。
「くるみさん、そういえばバンドって、どういう歌を歌うんですか?」
あんまり激しいのじゃなくて、かわいいのだったらいいな。
「あれ?言ってなかった?」
くるみさんが音楽室の扉を開くと、耳を破壊されるような騒音が廊下に響き渡りました。
「デスメタルだよ」
私の願いは、儚くも散った―――
788マロン名無しさん:2007/11/08(木) 21:32:07 ID:???
「アタシは地獄のテロリスト! 昨日は母さん犯したぜ! 明日は父さん掘ってやる!」
私のバンドは「デトロイトメタルシティ」
今日もこのクラブハウスには、たくさんのファンが集まっている。
「SATUGAIせよ! SATUGAIせよ!」
私は、ギター・ボーカルのロクラウザー二世。
「SATUGAI! SATUGAI!」
インディーズシーンで圧倒的人気を誇る、悪魔系デスメタルバンドだ。
「あばよ! 来週クアトロで会おう!」
「キャー!ロクラウザー様! ジャルミ様ー!」
でも……、楽屋でカツラとメイクを取ると……
ただの鈴木さやか、16歳だ。
「わはははは! 今日のライブも最高だったじゃん、6ラウザー様!」
くるみさんが上機嫌で話しかけてくる。
「その名前で呼ばないでくださいよっ!」
「ごめんごめん! でもホント、ライブの時は人が変わるよね、6号は」
自分でも信じられないけれど、ライブになると体が勝手に動き出す。なんでなんだろう。
「一条さんも、ドラムさらに上達したんじゃないの?」
「ありがとうございます」
一条さんはさっきから、ソファーでお茶を啜っている。
「私は本当は、もっとポップでカワイイ歌が歌いたいのにっ!」
「おいおい、そんなことプロデューサーの前で言わないほうがいいよ? 何されるか分かったモンじゃ―――」
その時、楽屋のドアを開けて、五十嵐先生が入ってくる。
「ゲッ! 噂をすればPだ!」
「ヒャーハッハッ! イカしてたわよライブ! ファッキンクレイジーガールズ!DMC!」
「あざーす!プロデューサーさん!」
「もう最高! 前も後ろもビショビショよぉ〜!]
ううぅ……、まさか五十嵐先生がこんな人だったなんて……
「あ、くるみと一条はもうアガっていいわよ、ごくろうさん」
「よっしゃー、一条さんみんな誘って夕飯いこーよ!」
私を置いて、二人は出て行ってしましました。酷いです……
789マロン名無しさん:2007/11/08(木) 21:34:16 ID:???
「さてと6号ちゃ〜ん!作詞の方は順調かしら?」
き、きた!今日はこれを待ってたんだ!
「そ、そのことについてお話があるんですけど」
そう、これは第一歩なんです。私が目指すバンドへ近づくための第一歩!
-----
フロントフリルの 大きな胸 性格おっとり
ふわ揺れワンピと キュートな足 うるつやヘア・ケア

潤んだ瞳に 長いまつ毛 誰もがうっとり
ピンクのショルダーに ミニデニム
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「何それ、キモイ」
エェェェェー!私の自信作なのに……
「そんなんじゃ全然興奮できないわよ!」
-----
メタルモンスターの 大きな爪 性格残忍
揺れる目玉と 太い脚 飛び散る手や・毛や

淀んだ瞳に 鋭いまつ毛 誰もが失禁
真っ赤なショルダー 豚の血さ
-----
「こうよ!」
エェェェェー!かなり無理がありますよそれ!
「黙りなさい! それにしてもなかなか良い詩ができたわね、次はこれで行くわよ!」
「イヤァァァァァァァァァ!!!!!!」
私はいったいどうなってしまうんでしょうか……
790マロン名無しさん:2007/11/09(金) 01:13:16 ID:???
ロクラウザーさんで不覚にも吹いたwGJ
791マロン名無しさん:2007/11/09(金) 02:16:01 ID:???
ああ、ホント……
ぱにロワの続き書かないで何書いてんだろね俺は……
DMC読んでたら急に思いついたもんだからさ
ちなみに、こんなん書きながらカーペンターズ聴いてたのはヒミツさ!
あと、別に中川翔子は嫌いなわけではありません。
むしろ好きです。
792マロン名無しさん:2007/11/09(金) 12:26:44 ID:???
ぱにロワの人かよ。
ロワ書いてと言いたいが、DMCネタGJ。
面白かった。
でも学園祭でDMC演奏したら、即効止められそうだな。
ロワは自分のペースで頑張れ。
793マロン名無しさん:2007/11/10(土) 15:34:24 ID:???
>>771・・・俺じゃん。
DMCネタとかわかんないや。でもおもしろかった。
ほのぼのーと頑張って下さい。
794マロン名無しさん:2007/11/12(月) 17:49:12 ID:???
保守
このスレ、何日くらいカキコないと落ちるの?
795マロン名無しさん:2007/11/12(月) 23:43:19 ID:???
一週間だったかな
796マロン名無しさん:2007/11/13(火) 19:04:26 ID:L5WrADv1
age
797マロン名無しさん:2007/11/17(土) 20:14:31 ID:???
ほsh
798ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2007/11/18(日) 01:14:05 ID:???
続き
ここから、「グロありゲロあり人死にあり」
受け付けない人は注意してください。

遅筆ですみません。
自分の語彙の無さに悲しくなりつつも頑張りたいと思います。
799ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2007/11/18(日) 01:17:06 ID:???
#3「鈴木さやか」

-----

島の形状は中心に近づく程、その高さを増していく。
いくつもの大きな山のような隆起が、島の形を歪なものにしていた。
その中でも一際大きな、早乙女達の本部もある山の中腹、そこに一件の小屋がある。
そこで、"鈴木さやか"こと6号は、じっと身を潜めていた。
「ここ、一体どこなんだろう……」
6号は誰に言うでもなく、一人呟いた。
「……」
当然、返事など返ってくるはずもない。
室内に響くのは、森で活動している野鳥の鳴き声と、室内を照らす光が差し込む窓から聞こえる空気の漏れるような音、そして、6号の息づかいのみだった。

小屋の中は驚くほど殺風景で、水道も通っていなければ、ガスすらも無く、全く生活感が感じられない。
唯一通っている電気も電球一つと、なんとも頼りないものだった。
おそらくこの小屋は、山を登る人の為に作られた休憩所の様な場所のようだ。
本当は他にも色々な設備があったのだろうが、早乙女達の手が入れられているであろうということは、今の6号にも理解できていた。
800ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2007/11/18(日) 01:18:20 ID:???
(このまま、ずっとココにいる訳にも……)
6号はおもむろに立ち上がると、窓をのぞき込んだ。
しかし、そこから見えるものは木々ばかり。
見通しも悪く、全然状況が把握できない。
それがより一層、6号の不安をかき立てた。

6号は、先程の早乙女の放送を思い出していた。
ゲームスタートの合図。
もう既に、他の生徒達も動き始めているだろう。
バッグの中に武器が入っているらしいが、6号はまだ開けてすらいなかった。
最初から、戦う気などさらさら無い。
6号は不戦を決め込んでいたのだ。
だか、彼女はまだ気づいていなかった。
この戦いのルールの意味を。
801ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2007/11/18(日) 01:21:30 ID:???
6号が元の位置に戻ろうとした、その時だった。
山中に破裂音が響き渡る。
野鳥たちは一斉に飛び上がり、木々がざわめきたつ。

ざわ…ざわざわ……

6号はよろめいて壁にもたれかかった。
「な、何? 今の音……」
辺りはすぐに静寂を取り戻した。
が、同時に緊張に包まれる。
6号は小屋のドアに手をかけた。
音の正体を確かめに行こうとしているのだ。
(意外と近くで聞こえた……)
もちろん、6号は恐怖を感じていないわけではない。
ただ、それ以上に、好奇心と使命感が働いたからである。

6号はバッグを担ぎ、小屋の外に出た。
正午の生ぬるい風が、肌を舐める。
夏というには時期は過ぎたが、この島は依然として高めの気温を保っている。
そんな気温と緊張により、沸々と浮き出る汗に不快感を感じながらも、6号は音の聞こえた方向へ、一歩ずつゆっくりと歩き出した。
(あの音、どこかで聞いたような……)
6号は曖昧な記憶の中で、その音を探した。
しかし、なかなか記憶の糸はその音には結びつかない。
それどころか、ここに連れてこられた時の記憶も鮮明には思い出せない。
度重なる異常な事態にパニックになり、6号は記憶が混乱していた。
802ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2007/11/18(日) 01:23:49 ID:???
6号は、冷静に一つ一つ記憶を整理していった。
この島に連れてこられた時から、今この瞬間までの記憶を。
(そう、この音は確か……)
6号はこの時点で言い知れぬ恐怖を感じていた。
この音を、6号は確かに聞いていたのだ。
「そうだ、五十嵐先生が銃を……」
"銃"、その単語を口にした瞬間、6号の動きは止まった。

「銃……声……?」

記憶の糸は繋がった。
6号の額からは、大粒の汗が滝の様に流れている。
6号は途端に、引き返したい衝動に駆られたが、歩みを止めるわけにはいかなかった。
既に小屋は遠い。戻ったところで、銃を持った相手と出会ってしまったら勝ち目は無い。
説得するにしても、発砲するような人物を相手に、冷静に話し合える度胸など6号にはありはしなかった。
他の生徒達がこの戦いに乗るなど、本気で思ってはいなかったのだ。
全てが、甘い考えだった。
803ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2007/11/18(日) 01:26:12 ID:???
五十嵐が発砲した時の記憶が鮮明に蘇る。
頭の中でその映像が何度も繰り返されていた。
次第に呼吸も荒くなり、6号は既に前に歩くことしかできなかった。
「そんな、こんなことって……」
6号は立ち止まり、膝に手をつきつつも、汗を服の袖で拭いそれを見つめた。

人が一人、倒れていた。
その体は大きいが、桃月の女子制服を着ている。
制服の胸には、いくつかの真新しい銃創。
そこからは、いまだおびただしい量の血液が、噴水の様に噴き出している。
6号は、その人物に駆け寄る。
「ど、どうしよう……」
初めての出来事に取り乱す6号。
「とにかく、血を止めないと!」
だが、今の彼女にはその手順や方法など頭に入る訳もなく、ただ慌てふためくばかりである。
その間にも、血は地面を濡らしてゆく。
「ダ、ダメッ! これ以上は!」
6号は傷口を両手で強く押さえ込む。
しかしその抵抗も空しく、無情にも、血は指の隙間から溢れ出てしまう。
掌から伝わってくる、血の流れる感覚が酷く気持ち悪い。
だが、6号には、目の前の消えゆく命を放っておくことなどできなかった。
804ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2007/11/18(日) 01:28:13 ID:???
その時、倒れている人物が、6号の制服の袖を掴んだ。
袖に滲んだ汗が血と混ざり合い、その赤を広げてゆく。
「げ……て……」
「ダメです! 喋っちゃ!」
6号の声はうわずっていた。
恐怖と、目の前の命を救えない自分の無力さに悲しくなり、いつの間にか泣いていた。
「逃げ……て」

袖を掴んでいた腕が、力無く地面に落ちる。
それは、彼女が息を引き取った合図だった。
「あ……あぁぁ……」
6号は傷口から手を離した。
既に血は、止まっていた。
805ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2007/11/18(日) 01:30:26 ID:???
6号は悔やんだ。
初めから自分には、何もしてやれない事は分かっていたのに手を出した事。
彼女は、助けられなかった自分を恨んではいないかと。
ただ悔やんでいた。
だからせめて、彼女の最後を看取ってやれたと思い。
自分の心の負担をごまかした。

6号は、また一人きりになった。
目の前に転がっているのは、既に人ではなく、只の肉の塊。
見下ろした先にある自らの両手は、深紅に染まっている。
落ち着きを取り戻した6号を待っていたのは、赤い海と、そこに漂う血の臭い。
緑に埋め尽くされた中で、一際目立つ赤い空間。
やがて、島を赤が満たしてゆくのを想像して、6号は再び恐怖した。
「気持ち……悪い」
既に体中に染み着いた血の臭いに、6号の鼻腔が刺激される。
そして、先ほどの、掌を血が流れていく感触を思い出した時、6号は激しい吐き気に襲われる。
「う、うぅ……!」
思わず口を手で抑えるが、その手にも臭いは染み着いている。
抑えた口の周りにヌルッとした生暖かい血がつき、更に激しくなる吐き気。 不快の連鎖。
6号はたまらず、樹にもたれかかるようにして嘔吐した。
「うぇぇ! うげぇぇぇ!」
806ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2007/11/18(日) 01:33:10 ID:???
そんな6号をよそに、早乙女達による最初の定時放送が流れ始めていた。
美しいクラシックの後に、早乙女は語り出す。
『みんな元気か? 最初の定時放送だ、これからも定期的にあるから、よーく聞いておけよ?
 まず初めに、死んだ者の名前を挙げていくぞ? いや、しかし幸先が良いな、もう脱落者が出るなんて
 これからもこの調子で行けば、早めに家に帰れるぞ? 頑張れよー!
 それじゃ、最初の脱落者だが、12番 ズーラだ
 残念だなー、もっとできるやつだと思っていたんだが……
 まあ、みんなはこんなことにならないように、バリバリ殺し合ってくれ!
 それでは、次は禁止エリアについてだが―――』

「うぅぅ……」
6号は思い知った。
これは、夢でもなんでもなく、現実だということを。
そして、既に戦いは始まってしまったということを……。

12、ズーラ死亡
【残り24人】
807項羽とUFO:2007/11/18(日) 01:59:06 ID:???
あらすじ

時は秦の末期。
猛将項羽が鬼神のごとき力で・・・そして、UFOが未知のテクノロジーで関中一番乗りの功名を争っていた。
突然現れた侵略者の前に・・・秦朝は、なすすべもなかった
808マロン名無しさん:2007/11/18(日) 09:08:42 ID:???
807にポカーン。
>>799->>806乙。
809マロン名無しさん:2007/11/19(月) 00:10:07 ID:???
>>806
GJ
最近このスレ、投稿減ってるから、書いてくれる人、非常にありがたい。
引き続き頑張ってくれ。
810マロン名無しさん:2007/11/20(火) 06:31:26 ID:???
最近、複数のぱにぽに系スレでのここの評判が悪いな
あのスレの奴らは性格悪そうとか病んでるとか
まあ806みたいなSSがあっちゃあ、否定もできなさそうだが・・・
複数つっても、俺が見たのは2スレだから、書き込んでる奴は同じっぽいけどな
811マロン名無しさん:2007/11/20(火) 08:12:06 ID:WLgHEhQ6
独白か・・・あいつまだ活動してたんだ・・・
812マロン名無しさん:2007/11/20(火) 09:34:28 ID:???
そうだね独白が全部悪いんだね
都合の悪いことは全部独白のせいにできるもんね
813マロン名無しさん:2007/11/20(火) 10:48:02 ID:???
>>811
NGワードにしてんだからその単語を出すなよ。
814マロン名無しさん:2007/11/20(火) 23:21:02 ID:???
>>812がNG
815マロン名無しさん:2007/11/25(日) 12:59:51 ID:???
>>1
DoAの「愛してるって 言わなきゃコロス」ってところが潜在的幼児性暴力癖を誘発
816マロン名無しさん:2007/11/28(水) 15:34:07 ID:???
保守
817マロン名無しさん:2007/11/29(木) 23:54:07 ID:???
    /::::i::::、:::ヽ、:::::\:ヽ:\::::::ヽ:::、::ヽ::、:',
    /::i|::l::ト、ヽ::、:::ヽ:、::::::\::ヽ::::l::::ヽ::i:::i:::!
   /:/:!:::!:|::ヽ:\ヽ::::、:\::::ヽ:::ヽ!::::::i::|:::!::!
   !ハ::|::::i::l:|心、:ヽ::\:ヽ_\、\:::ヽ:::|!::|:|i
    i、:!:|:、N{、ヒjヽゝ\ヾイ ヒj >、ヽi:、|!:|:l
     ヽ:!::トヽ ̄ l! `  ` ̄´ |::l::|:|j:,!:!  駄目だこいつら
      ト、::! u         j |::/lj:::!リ
        ヾ、  丶 -    u リイ:|リ     早くなんとかしないと……
        リヽ ‐、ー- 、_   /イ:::i
       rー'"ト:l゙、   ̄   ./  , |::!
      / ヘ ヾ ヽ、 _,. '   / |:'
818マロン名無しさん:2007/11/30(金) 21:59:05 ID:???
投稿ないねorz
ズーラが女の子っぽくなりたくて悩むのとか、磯部がみんなに冷たくされて落ち込むのとか読みたいw
819マロン名無しさん:2007/11/30(金) 22:28:34 ID:???
ズーラは十分女の子らしいよ
820マロン名無しさん:2007/12/02(日) 01:19:03 ID:???
ぽにぱにに出てた萌えズーラはよかったw
821マロン名無しさん:2007/12/03(月) 21:18:16 ID:???
がぁぁぁぁぁぁ!!!
ネタはそれなりにあるのに、文章が浮かんでこないぁぁぁぁぁ!!
822今月 ◆7EfP.aFrDg :2007/12/03(月) 23:21:45 ID:???
暇つぶしの箸休め程度に……

エロありグロあり人死にありです。
823今月 ◆7EfP.aFrDg :2007/12/03(月) 23:23:23 ID:???
1219年
 メディア、源実朝を暗殺するも雪の中行方不明に。
1565年
 綿貫響、松永弾正の強襲にて畳に潜んでいたところ足利義輝により刀を突き刺されて死亡。
1600年
 関ヶ原の戦い。桃瀬くるみ特に戦功なく戦死。
1687年
 生類憐みの令発布。メソウサ京都所司代に任ぜられる。
1703年
 忠臣蔵事件。上野助が見つからずしびれを切らせた玲が火を放ち後に本所大火と呼ばれる死者八万人超の惨事に。
1827年
 鈴木さやか誕生。
1837年
 大塩の乱。大塩邸跡から塩漬けになったオオサンショウウオの遺体が発見され美味しく頂かれた。
824今月 ◆7EfP.aFrDg :2007/12/03(月) 23:24:58 ID:???
1867年
 秋山乙女、坂本龍馬を暗殺するも反撃により受けた傷が元で死亡。愛刀は七尺あまりある長大なものであり、家屋内での戦闘に不向きだったのが災いしたと言われる。
1869年
 上原都、函館五稜郭の生体ユニットとして戦闘するも朝比奈英理子の死亡により電力供給を失い機能停止、連動システムの作動によって自爆消滅。
1923年
 関東大震災。白鳥鈴音、浅草凌雲閣を支え倒壊を防ぐが力尽きて死亡。その表情はまさに悪鬼のようであったという。
1935年
 海軍メイドさん事件。
メイド服着用を拒んだ犬神つるぎ、奮戦するが桃瀬修が死亡、自身も左肩に銃弾を受け投降を潔しとせず自刃。
1945年
 南条操、本土決戦にあたり人間の肉体を捨て魔獣と化して戦うが核攻撃の前に力尽き自爆。爆発により消滅したムー大陸はマリアナ海溝とオセアニア各島となる。
825今月 ◆7EfP.aFrDg :2007/12/03(月) 23:29:14 ID:???
1956年
 政令指定都市発足。瀬奈雪絵、横浜の指定を不服としてクーデターを起こすが半日で鎮圧される。
1986年
 南条操によって召喚された彗星爆弾やっと到着。人類存亡の危機であったがレベッカ博士の特攻により人類は救われた。セレス消滅。
1989年
 ベルリンの壁崩壊。犬神つるぎの死体が発見される。
1996年
 東京国際見本市場閉場、有明に東京国際展示場として移転開場。
 8月に片桐姫子、年齢を偽って18禁本を買いまくりさらにそれを持ったまま隣接イベントに迷い込み、
 重さに耐えきれず紙袋が破れてぶちまけ、つまみ出される。
2000年
 ロボ子、Y2K問題で廃棄処分。
826今月 ◆7EfP.aFrDg :2007/12/03(月) 23:34:17 ID:???
以上です。
失礼しました。
827マロン名無しさん:2007/12/03(月) 23:35:36 ID:???
>>826
今月氏乙!
828マロン名無しさん:2007/12/04(火) 00:47:59 ID:???
こういうのいいな
829マロン名無しさん:2007/12/04(火) 04:11:06 ID:???
11月発売Gファンはぱにぽに休載じゃなかった?
830:2007/12/05(水) 14:49:36 ID:rZiV0Fg7
最強萌え漫画は?『ぱにぽに』『トリコロ』等多数候補に
http://news.ameba.jp/weblog/2007/12/9141.html
831マロン名無しさん:2007/12/06(木) 10:43:36 ID:???
平成18年度 現代メディア学科 卒業論文

タイトル:
ACG文化におけるポストモダニティと「第三の場所」としてのウェブ掲示板
―『ぱにぽに』/『ぱにぽにだっしゅ!』の事例より―
査読期間(予定):
2007年12月3日〜21日

要約:
 現代ACG文化は、「『大きな物語』の消失」により「『萌える』キャラクターのデータベースとし
ての作品」を多数輩出し、二次創作やインタラクティブメディアによる双方向の情報交換により作り
手と受け手の境界が曖昧化するという、極めてポストモダン的状況を呈している。その事例として、
マンガ作品『ぱにぽに』及びそのTVアニメ版『ぱにぽにだっしゅ!』について、両作品の購読・視聴、
両作品に関する2chスレッドへの参与観察および書き込み内容の計数的分析に基づき考察した。
 その結果、1)アニメ化に際し旧来のようなストーリー性は追求されにくく、各話におけるストーリ
ーの連続性はさほど重視されないこと、2)原作で既にある程度色分けされているキャラクターの個性
がアニメ化に際し再編集され、独自の「萌え要素」の追加や全体的な「セクシーさ」の強調が行われ
ていること、3)ウェブ掲示板の書き込みや二次創作、アニメ版、原作が互いに影響しあっており、原
作からアニメ版や二次創作、ウェブ掲示板の書き込みへ情報が流れる単核メディア形から、各要素が
双方向に情報伝達しあう多核メディア形への移行がみられること、4)3)において、特にマンガ/アニ
メ作品制作の電子化に伴う即時化によって、視聴者の「第三の場所」としてのウェブ掲示板の情報が
ほぼリアルタイムで反映されていること、の4点が明らかになった。

キーワード:
ポストモダニティ、ACG文化、多核メディア化、第三の場所、『ぱにぽに』、『ぱにぽにだっしゅ!』
832マロン名無しさん:2007/12/06(木) 12:59:37 ID:???
平成18年度 大学院現代メディア学研究科 修士論文

タイトル:
ウェブ2.0時代のACG文化における擬似レギュラシオンの発生
―2ch「綿貫スレ」と『ぱにぽに』『ぱにぽにだっしゅ』を事例に―

査読期間(予定)
2007年12月25日〜2008年1月11日

要約:
 「ウェブ2.0」の進展の中で、特にACG文化等のサブカルチャー分野においての作り手・受け手関係の
一体化あるいは文化的逆流現象が進行している。本研究ではその中でも主にウェブ掲示板等から
「原作」たるマンガ・アニメへのキャラクター像およびストーリー面でのフィードバックの発生に着目し、
2ch上の「綿貫響スレッド」から原作マンガ『ぱにぽに』およびアニメ版『ぱにぽにだっしゅ』へのキャラ性の
フィードバック現象について考察した。
 その結果、作り手・受け手の関係の緊密化に伴い、作り手側の意図を受けて側が拡大解釈した
「悪乗り」的書き込みが作り手側に濃厚な影響を与えていること、またそれにより擬似レギュラシオンが
ウェブと作り手の間に発生しており、現在のACG文化の作り手と受け手の間には不完全ながら
時間・場所・立場の壁の消失が見られていることが明らかになった。

キーワード:
ウェブ2.0、ACG文化、作り手・受け手関係、擬似レギュラシオン、『ぱにぽに』、『ぱにぽにだっしゅ』、綿貫響、妊婦、ピザ
833マロン名無しさん:2007/12/08(土) 11:48:55 ID:4zGqN/6o
何か似たようなのを綿貫スレで見たような……
834マロン名無しさん:2007/12/08(土) 11:53:04 ID:???
これネタなのか?
ごく普通の論文に見えた。
835マロン名無しさん:2007/12/13(木) 14:37:25 ID:obI1XYTE
保守
836小ネタ:2007/12/18(火) 00:07:05 ID:???
「人、いないね…」

「まあ、この時間だしね、くるみちゃん…」

「あ…店長さー、こないだ来たメガネの子いたでしょ、凸キャラの」

「あー、あの子ね、なんか頭よさそうな
 あの子がどうかしたの?」

「店長のことね、ちょっとカッコいいってさ
 中身教えたらかなり引いてたけどw」

「ちょwwwwおまwwww」

「えー、だっていつもエロゲーがどうしたとかそんなことばっかり言ってるじゃん、店長w」

「だからってまたあることないこと言いまくったんでしょ、くるみちゃんOTL」

「あることないことって何よ?
 私はウソなんかついてないもんねw」

「いや、だってくるみちゃん、1あったことを100くらいにして言うでしょ?OTL」

「ひどーい、私そんなウソツキじゃないもん!
 店長が悪いんじゃない、いっつも変なことばっかり言ってさ!
 おかげで私までマニア扱いなんだよ、学校で!」

「…ボクっ子好きのクセにw」

「…何か言った?」
837小ネタ:2007/12/18(火) 00:07:46 ID:???
「い、いや、別に…しかしお客さんこないね…」

「店長が悪いんだ…w」

「なんでだよw
 つか看板娘が機能してないのが悪いんだよw」

「変な萌え喫茶とか目指してるのが悪いんだって、絶対w
 フツーにしてればフツーの喫茶店なのにさ、変なことばっかり言ってるから
 お客さん引いてるんだよ、絶対w」

「いいじゃん、棟梁なんか毎日来てくれてるじゃんか」

「あの人は特殊だから…ていうか水ぶっかけたりクッキーぶつけたりしたのに
 あれだけ来るのがわかんないけどさ」

「…僕にもかけたじゃん、水」

「アレは変なこと言うからでしょ、店長が
 私はともかく兄貴をバカにするのは許さないよ、私」

「…バカにしたっていうか、萌えを追求してるだけだよ僕は
 求道者というか…」

「求道者、ねえw
 じゃまた頭剃る?」

「くるみちゃんと剃毛プレイならしたいけどな」

「…また頭剃らなきゃいけないようにしてあげようか、店長?」

「ちょwwwwその皿ロイヤルコペンハーゲンだからやめてwwww」
838マロン名無しさん:2007/12/18(火) 13:43:42 ID:???
学級崩壊とか関係ないけど、GJ。
しかし作品投下少ないな…このスレもヤバイな…
839マロン名無しさん:2007/12/18(火) 19:55:30 ID:njtr/0cO
ちょっと来ないうちにだいぶ過疎ってるな
840マロン名無しさん:2007/12/19(水) 20:18:42 ID:???
さあ、みんな
暖めていたSSを投下する作業を開始するんだ
841マロン名無しさん:2007/12/19(水) 21:18:56 ID:???
ち び っ 子 は 辞 め ろ ! 
 辞 め な い な ら ま ● こ 見 せ ろ !


黒板に大きく書かれていた言葉を見て足を止めた。
また今日も・・・。
私は俯きながら教室に入った。


「おせーよちびっ子。遅刻すんなよ。仮にも教師だろ」
「また徹夜したのカナー?」
「徹夜でナニしてたのベッキー?」
「オナ●ーだろ。なあ、ちびっ子」
「本当にエロガキだな〜ベッキーは〜」

クラスにいる全員が嘲笑する。
私は震えながらその笑い声を聞いていた。

「おい、さっさと出欠取れよ」
「授業始まるよ〜?」
「マホー」

「わ、わかったよ」
くやしい・・・! でも・・・!
「おいおい、なに泣きそうになってんだよ」
「また漏らすなよベッキー」
「あはは〜」
「宮本先生はお漏らし先生オブジイヤーです」

842マロン名無しさん:2007/12/20(木) 18:24:56 ID:???
>>841
このスレらしいSSで。GJ。
ところでSSって、同人用語でショートストーリーって事だよね?ちょっと気になって。
843マロン名無しさん:2007/12/20(木) 18:53:48 ID:???
ショートショートだと思ってた
844マロン名無しさん:2007/12/20(木) 21:24:40 ID:???
>>841
これはすごいオブジイヤー
845マロン名無しさん:2007/12/20(木) 22:09:49 ID:???
サイドストーリー
846マロン名無しさん:2007/12/20(木) 22:39:33 ID:???
特に決まってなくて、色々な解釈があるって聞いたけど
847マロン名無しさん:2007/12/21(金) 20:14:58 ID:???
地球最後の女オメガマホ、というのを思いついた
アイアムレジェンド見たから
848『地球最後の女オメガマホ』予告編:2007/12/21(金) 21:21:14 ID:???
目覚ましの音で、片桐姫子は目覚めた。
今日もまた、孤独で憂鬱な一日が始まった。

30分後、姫子は落ち葉と紙クズの積もった無人の桃月駅前に自転車を止めた。
京浜東北線も東海道線も、赤錆の浮いたレールの上に停まったままだった。

片手に持つ地図の一角に赤いマーカーで×印をつけると、姫子は自転車のカゴに入れたデイパックの中から
烏龍茶のペットボトルを出して一口飲んだ。

「やっぱりここにも、誰もいないのカナ…」

姫子は、誰にというわけでもなくひとりごちた。

そう、姫子はひとりだった。
この3年間、昼間の街のどこにも、動くものの影さえ見ることができなかった。
そのときまでは。

姫子の表情が、とっさに変わった。
そして、背中に下げていた猟銃を構えると、あるビルの2Fの窓に向かって2発打ち込んだ。

発射音とガラスがこなごなになる音以外は、風の音しか聞こえなかった。
気のせい、だったのだろうか。
一瞬、『奴ら』が昼間も活動しているかも、という不安がよぎる。
それは、恐ろしい想像だった。

生き残りの誰かがいるのかも、そうも思えた。
でも、それもありえないことだった。
でなければ、この3年間ひとりで過ごしてきた自分の生活が否定されたような、そんな気がした。

ありえない、そうだ、そんなことはありえないんだ。
姫子は自分の中に浮かんだそんな考えを全力で否定した。
そして、再び自転車にまたがると、誰もいない街を走り出した。
849マロン名無しさん:2007/12/25(火) 00:24:40 ID:???
スレの時が…、止まった…
850マロン名無しさん:2007/12/26(水) 05:51:13 ID:???
ぱ〜に〜ぽ〜に〜・・・・・・
851マロン名無しさん:2007/12/28(金) 13:42:04 ID:/3POYQb3
保守
852マロン名無しさん:2007/12/30(日) 08:03:12 ID:???
職人光臨はまだか
853マロン名無しさん:2007/12/30(日) 09:25:01 ID:???
年末だし、みんな忙しいんだろう
854マロン名無しさん:2008/01/04(金) 14:49:30 ID:???
まほ
855マロン名無しさん:2008/01/04(金) 14:52:00 ID:???
詠んでない分がそうとう貯まってるから俺はまだいいや
856マロン名無しさん:2008/01/06(日) 23:06:18 ID:???
そろそろ欲しいぞ、新作が
全然職人さんいないの?
それともみんなエロパロに行ってるのか?
857マロン名無しさん:2008/01/07(月) 17:39:17 ID:???
Σ( ゚д゚ )゚д゚ )
  /  つ  つ 
  (_(_  ノ ノ
  し∪ ∪
早乙女とベッキー
858マロン名無しさん:2008/01/11(金) 23:28:45 ID:???
ワロタ
859マロン名無しさん:2008/01/16(水) 02:40:15 ID:7ohpyqgM
保守
新年最初の作品投下はまだか。
860マロン名無しさん:2008/01/16(水) 04:35:58 ID:???
ぱにロワの者ですが
落ち着いたら投下しまーす
正直言って、前回のでドン引きされたような気がして控えてたけど、そろそろスレがヤバそうだ……
861マロン名無しさん:2008/01/16(水) 14:48:09 ID:7ohpyqgM
>>860
ドン引きなんかしてないから。楽しみにしてるぜ。
862マロン名無しさん:2008/01/16(水) 16:28:06 ID:???
>860
楽しみに待つ
がんがって書いてくれ
863マロン名無しさん:2008/01/20(日) 11:28:49 ID:Y07pa22J
保守
>>860マダー
864860:2008/01/22(火) 06:15:36 ID:???
まさか本当に釣れるとは
トリップ無いんだから分かるだろ・・・
本格的に職人不足だな
865マロン名無しさん:2008/01/22(火) 17:43:56 ID:???
「C組の片桐が死んだらしい」
「あのマホマホ言う子?」
「私あまり好きじゃないんだよねーあの子。たまに臭うから」
「女子は酷いな・・・」
866マロン名無しさん:2008/01/22(火) 22:21:55 ID:???
どんな臭いがするんだw
867マロン名無しさん:2008/01/26(土) 14:51:49 ID:???
秋葉原のにおい
868ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/01/28(月) 18:15:47 ID:???
書き始めた以上、最後まで書くべきなのだろうが
ちょっとやる気が
でない
869マロン名無しさん:2008/01/28(月) 20:07:09 ID:???
姫子死ね
870マロン名無しさん:2008/01/28(月) 21:59:39 ID:dfaT4ou+
>>868
他に書き手居ないんだ。
待つから書いてくれ。
頑張れ。
871マロン名無しさん:2008/01/29(火) 03:44:00 ID:???
職人よ、速くssを投下しないとマイケル様の怒りをかうぞ
872マロン名無しさん:2008/01/29(火) 20:47:17 ID:???
書きたい時に書きたいように書けばいい
873マロン名無しさん:2008/01/29(火) 20:52:01 ID:???
今書いてます
874マロン名無しさん:2008/02/04(月) 02:01:24 ID:???
1年もブランクが開くと難しいのう
875マロン名無しさん:2008/02/06(水) 00:36:33 ID:???
大田区の私立高校に女性の白骨遺体
黒板の裏から発見

東京都大田区の私立高校の教室で、10代半ばから20代の女性とみられる白骨遺体が発見され、警視庁が
殺人・死体遺棄事件として捜査していたことが、5日、明らかになった。
遺体が発見されたのは一年生の教室の黒板の裏で、授業中に異臭に気づいたクラス担任の教員が遺体を
確認し、通報した。
警視庁によると、遺体は死後まもなく何らかの薬品により白骨化されたもので、先月から行方不明に
なっている同高校の女生徒(15)のものである可能性が高いとして、現在DNA鑑定が行われている。
遺体を発見した同高校の教員は、「遺体を白骨化させて教室に隠すとは、生徒や遺族の心を傷つける
酷い行為。一日も早く事件が解決することを祈ります。」と述べた。
876マロン名無しさん:2008/02/08(金) 23:27:21 ID:???
大田区の白骨遺体事件
被害者の身元判明

警視庁は7日、大田区桃月の私立高校の教室から発見された女性の白骨遺体のDNA鑑定結果について、
先月から行方不明になっている同高校の生徒・綿貫響さん(15)のものである可能性が非常に高いと
発表した。
綿貫さんは生徒会役員として情報処理を担当しており、行方不明になる直前は業務により帰宅が
遅くなる日が続いていた。
クラス担任の男性教員(27)は「綿貫さんは責任感が強く、生徒会の仕事に一生懸命打ち込んでいた。
こんな結果になったことが非常に残念。一日も早く犯人を見つけてほしい。」と述べた。
877マロン名無しさん:2008/02/10(日) 15:14:36 ID:???
大田区の白骨遺体
農薬による毒殺か

警視庁は9日、大田区桃月の私立高校から発見された同高校の生徒・綿貫響さん(15)と思われる
白骨遺体の死因について、有機リン系農薬・ジクロロボスによる中毒死の可能性が高いと発表した。
ジクロロボスは劇毒指定を受けた除草剤で、「デス」の商品名で一般販売されている。
警視庁では、綿貫さんが何者かに毒殺され、その後遺体処理のため白骨化されたものとして捜査を
進めている。
878マロン名無しさん:2008/02/11(月) 21:34:31 ID:???
綿貫さん殺害事件
容疑者は同学年の少女

警視庁は11日、大田区桃月の私立高校で白骨遺体で発見された綿貫響さん(15)の殺害および死体損壊・
遺棄、また器物損壊の容疑で、同高校の同学年で別のクラスに通う少女(15)を複数の証言および自白に
基づき書類送検したと発表した。
少女はクラス委員を務めており、成績も比較的上位にいたが、最近奇行が目立っていたと複数の教員
および生徒が証言している。
少女は捜査員に対し、「農薬を手に入れて、誰かで試してみたくなった。担任教員のペットのウサギで
まず試したが、次は人間で効果が見たかった。」と述べたという。
879マロン名無しさん:2008/02/11(月) 22:10:32 ID:???
綿貫w
880マロン名無しさん:2008/02/11(月) 23:54:50 ID:???
一条何やってんだ
881マロン名無しさん:2008/02/12(火) 13:59:13 ID:???
やりかねないな。
882マロン名無しさん:2008/02/12(火) 20:15:10 ID:???
綿貫さん殺害事件
同高校の化学教師も関与か

大田区桃月の私立高校で白骨遺体で発見された綿貫響さん(15)の殺害および死体損壊・遺棄について、
警視庁は12日、遺体の白骨化にあたって容疑者の少女(15)が利用した硫酸の入手に際し、同高校の教員
(28)が関与していたとみて任意同行を求めたことを明らかにした。
同教員は化学を担当しており、綿貫さんが行方不明になった前後の時期に大量の硫酸を業者に発注していた
ことが明らかになっていることから、捜査線上に浮上した。
また同教員は速度超過等、道路交通法違反で頻繁に処罰を受けており、その他余罪および高校側の管理責任
についても追及される見込みである。
883マロン名無しさん:2008/02/13(水) 14:40:47 ID:KiEXRfNp
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亀田右翼の正体在日


884マロン名無しさん:2008/02/13(水) 23:30:31 ID:???
綿貫さん殺害事件
高校の化学教員が共犯を自供

大田区桃月の私立高校で白骨遺体で発見された綿貫響さん(15)の殺害・死体損壊・遺棄事件について
警視庁は13日、同高校の化学教員・五十嵐美由紀容疑者(28)が共犯を自供したと発表した。
五十嵐容疑者は、殺害および死体遺棄については関与を否定しているが、死体損壊について、大量の
硫酸を用意し、綿貫さんの遺体を処分しようとしたことを認めている。
犯行の動機について五十嵐容疑者は、「転校してきたばかりで周囲に馴染めなかった少女から相談を
受け、放ってはおけなかった。硫酸で遺体を完全に溶かしてしまえば証拠は残らないと思った。綿貫
さんと遺族には申し訳ないことをした。」と述べている。
885マロン名無しさん:2008/02/18(月) 06:14:38 ID:???
「乙女ちゃんおはよ〜!」
「片桐か、おはよう」
「おはようございま〜す」
「晶ちゃんもおはよ〜」
その日,たまたま片桐姫子,秋山乙女,宮田晶の3人は校門前で出会った.
たまたまのついでに,途中まで一緒に行くことにした.
下駄箱の前――
「クスクス…あいつらっていつも追試受けてるよね〜」
「え〜マジ? あは、ホントだ〜」
「入学以来追試完全制覇だって,まじで受けるんだけど」
心無い女子のグループにたまたま出くわし,嘲笑の対象になった.
3人は黙って教室のある廊下へと歩み去った.
「…怒らないんだ.乙女ちゃん」
「……うん」
「…いつもなら食って掛かっていくイメージがあったから,意外だったよ」
「お前もそうだろ? 『ひどい!』とか言って反論するかと」
「あ,D組の教室はここだから,それじゃー私は失礼しますね」
晶は話題に加わることなく立ち去った.
そして,姫子と乙女も,その後はとくに会話をするでもなく別れた.

その様子を,たまたま下駄箱のすぐ近くでだべっていたベホイミとメディアが見ていた.
「どう思う? メディア」
「人が他人より劣った部分で笑われる対象になるのは世界中どこでもあることです.
親しい人間が笑われるのを良しとしない私たちも,TPO次第で人を笑うことがあるはずで,
それは今笑われて嫌な気持ちになっている彼女たちだって同じはずです」
「それはそうだが,ダブスタを承知で友達が笑われているのはいい気分じゃないな」
「ですね.妥当性の問題と実際に自分がどう思うかは別の問題ですから」
886マロン名無しさん:2008/02/18(月) 06:15:45 ID:???
「…それで,どうしよう?」
「どうもしなくていいと思いますよ」
「それもそうか.ハイスクールの学生の問題に私らが介入するのも大人気ない」
「そうじゃありません」
「は?」
ベホイミは,メディアの見る方向を自分も見た.
「なるほど,そういうことか.でも,これはこれで私たちが介入しなくちゃいけないかもしれないな」
「ですね.若い子って加減を知らないから」
2人の視線の先で,長身長髪の少女が,意味ありげに笑っていた.

C組教室――
「くるみ,悪いんだけど化学の教科書貸してくんねー?」
乙女が来ていた.
「別にいーけどさ.鈴音に見せてもらえばよくね?」
「2人で1個の教科書じゃ勉強しづらいだろ」
「それでいーじゃん.2人とも別に」
「……?」
「お前ら,どうせ授業中は寝てるんだろ?」
「どういう意味だよ」
「鈴音はどうせ睡眠学習だし――」
くるみは鼻で笑って言った.
「お前はいつも赤点じゃん」
「――!!」
乙女は若干イラついていた表情から一転,絶句した.
「……ムカついた?」
「…いいから,貸して」
「『ムカついた?』って聞いてるんですけど〜」
くるみはニヤニヤし始め,乙女は顔が赤くなり,若干震えていた.
887マロン名無しさん:2008/02/18(月) 06:17:37 ID:???
「――っ!」
「あ,おい?!」
乙女は,くるみの手から教科書を奪い取ると,そのまま走って出て行った.
「いじめすぎたかな?」
くるみは都に向かって言った.
「知らないわよ.ま,本当のことにしても,言いようはあったでしょうね」
「今日は朝から人に物を貸してばっかでさ.ちょっとね」
「…しょうがないでしょ.玲が今日に限って来るのが遅いんだもの」
「私のノート,見やすい?」
「……………」
都は答えずに黙々とノートの内容を書き写していた.
「…いけないと思うな」
「は?」
思わぬ所から声がしたので,くるみは驚いた.
「今なんか言ったの,姫子だよな?」
「……………」
「世界史の資料集貸してやってるんだからさ,質問には答えような?」
「…うん,何か言ったの私だよ」
「ふーん」
くるみはそれ以上姫子を問いただすでもなく,そのまま自分の机に戻っていった.
姫子は,しばらくくるみの様子を伺っていたが,くるみがケータイを弄り始めたのを見て,視線を机に戻した.
姫子は,この間授業でやったばかりの,大航海時代に関するページから選んで,赤い色で書かれた単語をいらないプリントの裏に書き込んでいた.
「ムカついた?」
「――何が?」
くるみのつぶやきにも近い言葉に,姫子は返答した.
「ぷっ,即答か.やっぱ自分の事だってわかるんだ?」
「……だから何が?」
「さっき私が乙女をからかったので,あんたもムカついてるんでしょってさ」
「だから何で?」
「あんたも赤点の仲間じゃん」
少しも悪びれずに答えたくるみに姫子は一瞬怯まされた.が――
「だから,そういう風に人をバカにしないでよ!」
888マロン名無しさん:2008/02/18(月) 14:13:30 ID:???
久々に新作が。
続き楽しみにしてますよ。
889マロン名無しさん:2008/02/18(月) 18:35:47 ID:???
いい感じに嫌な感じだな
初期のSSみたい
890マロン名無しさん:2008/02/18(月) 19:46:49 ID:???
綿貫さん殺害事件
共犯の教員が自殺

警視庁は18日、綿貫響さん(15)の殺害・死体損壊・遺棄事件について、死体損壊の共犯を自供した
私立高校教員・五十嵐美由紀容疑者(28)が拘置所内で自殺を図ったことを明らかにした。
五十嵐容疑者は17日未明、独房内の洗面所の蛇口にかけたタオルで首を吊っているところを看守に
発見され、応急処置を受けたが、まもなく死亡した。
独房内の机に残された遺書には、「前途ある若者の未来を、教育者である自分が奪った罪は重い。
自分には死んで詫びることしかできない。」と書かれていたという。
警視庁では今後、綿貫さん殺害の容疑で収監されている少女(15)に再度事情聴取を行うとともに、
死亡した五十嵐容疑者が綿貫さんの遺体を処理した過程について検証する予定である。
891マロン名無しさん:2008/02/18(月) 21:53:58 ID:???
今月も休載……
892マロン名無しさん:2008/02/19(火) 17:56:42 ID:???
綿貫さん殺害事件
容疑者の少女の精神鑑定へ

警視庁は19日、大田区桃月の私立高校で白骨遺体で発見された綿貫響さん(15)の殺害・死体損壊・遺棄事件について、
被疑者の少女(15)の精神鑑定を近日中に行う見込みと公表した。
少女は、「綿貫さんは宇宙人の子供を身ごもっており、宇宙からの遺伝子を残すのは人類存亡の危機につながるため、
綿貫さんを殺害するしかなかった。そうするように一条祭からの指令があった。」等、意味不明の供述を繰り返している。
893マロン名無しさん:2008/02/20(水) 20:42:42 ID:uR5cUlUs
「早乙女ぇ、なんで死んじゃったんだよぉ!
 なんで、どうしてお前が死ななきゃいけなかったんだよぉ!」

すすり泣きの混ざった少女―秋山乙女―の声が、葬儀場に響いた。
背の高い少女―白鳥鈴音―は、自分の目も涙でいっぱいにしながらなお、乙女の背中に手を回して、
ただ黙り込んでいた。
別の少女―綿貫響―も、大柄な外国人の少女―ズーラ―も、口をへの字にしながら、ただ、黙ったまま
葬列に加わっていた。
同僚の教師たち―レベッカ宮本と五十嵐美由紀―も、涙をこらえながら参列していた。

早乙女が死んだ。
27歳だった。
自殺だった。

何故早乙女が死ななければならなかったのか、それは参列者の誰も知らなかった。
その日、早乙女はいつものように家を出て、何を思ったか職場に「少し遅れる」と電話をし、再び
家に戻ってきたという。
家人が次に早乙女を発見したときにはもう、早乙女はこときれていた。

あまりにも早い死だった。
若い、前途ある早乙女がなぜ死を選んだのか、知るものは誰もいなかった。
894マロン名無しさん:2008/02/20(水) 20:55:17 ID:uR5cUlUs
やる気に溢れた教員だった。
放課後も休日も、教案の整理や委員会の業務を精力的に片付けていた。
行事のときは、進んで担当を引き受けていた。
父兄からの評判も悪くなかった。

友人も多かった。
大学時代から早乙女と親しかった友人たちの中には、早乙女に背中を押されて頑張る気になったことが
一度や二度ではない、という者も多かった。

その早乙女が死んだ。
しかも、自ら命を断った。

誰もがその死を信じられなかった。
皆、悪い冗談だと思っていた。

だが、目の前の事実は変わらなかった。
祭壇の遺影は、まぎれもなく早乙女の笑顔だった。
棺の中には、早乙女のなきがらが入っていた。

誰もが、目に涙を浮かべるか、必死に感情をこらえていた。
皆が、早乙女の死に必死に向き合っていた。

何が早乙女を死に追いやったのか。
どうして早乙女は死ななければならなかったのか。
それは誰も知らなかった。
早乙女は、何も残さないでこの世からいなくなってしまったのだ。

目の前の事実は、残酷だった。
早乙女が死んだことはまぎれもなく事実だった。
それだけだった。
895マロン名無しさん:2008/02/21(木) 19:14:10 ID:???
なんかのドキュメンタリー番組みたいだな
896マロン名無しさん:2008/02/23(土) 22:00:40 ID:???
  そだ  |------、`⌒ー--、
  れが  |ハ{{ }} )))ヽ、l l ハ
  が   |、{ ハリノノノノノノ)、 l l
  い   |ヽヽー、彡彡ノノノ}  に
  い   |ヾヾヾヾヾヽ彡彡}  や
  !!    /:.:.:.ヾヾヾヾヽ彡彡} l っ
\__/{ l ii | l|} ハ、ヾ} ミ彡ト
彡シ ,ェ、、、ヾ{{ヽ} l|l ィェ=リ、シ} |l
lミ{ ゙イシモ'テ、ミヽ}シィ=ラ'ァ、 }ミ}} l
ヾミ    ̄~'ィ''': |゙:ー. ̄   lノ/l | |
ヾヾ   "  : : !、  `  lイノ l| |
 >l゙、    ー、,'ソ     /.|}、 l| |
:.lヽ ヽ   ー_ ‐-‐ァ'  /::ノl ト、
:.:.:.:\ヽ     二"  /::// /:.:.l:.:.
:.:.:.:.:.::ヽ:\     /::://:.:,':.:..:l:.:.
;.;.;.;.;;.:.:.:.\`ー-- '" //:.:.:;l:.:.:.:l:.:
897マロン名無しさん:2008/02/23(土) 23:58:07 ID:???
綿貫さん殺害事件
被疑者の少女措置入院へ

警視庁は23日、大田区桃月の私立高校で白骨遺体で発見された綿貫響さん(15)の殺害・死体損壊・
遺棄事件について、被疑者の少女(15)を精神鑑定の結果措置入院に処することを明らかにした。
少女の供述には「宇宙人」「一条祭からの指令」等意味不明な部分が多く、統合失調症の可能性が
きわめて高いという。
なお、死体損壊の共犯として拘留されていた高校教諭・五十嵐美由紀容疑者(28)も既に自殺により
死亡しており、本件の真相については詳細不明のままとなっている。
898ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/02/24(日) 22:27:11 ID:???
気分が乗ってきた
書く

ホント今更だけど、読んでくれたら嬉しいです。
899マロン名無しさん:2008/02/24(日) 22:29:50 ID:???
うほっ
900ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/02/24(日) 22:33:58 ID:???
#4「再会」

-----

もうどのくらい歩いたのだろうか。
辺りには、緑ばかりで先ほどとなんら変わらない光景が続いている。
いまだに森から抜け出せずにいた。
長時間の慣れない山道の移動に加え、この島特有の蒸し暑さに、6号の体力は徐々に奪われていた。
歩く度に、生い茂る草木に制服を噛まれ、6号は精神的にも外見的にもボロボロになっていた。
「喉、乾いたなぁ……」
6号の頬を、汗が伝う。
ここにくるまでに大分汗をかき、水分を消費している。
6号は、ゴクリと唾を飲む。
ディバッグの中には水が入ったペットボトルがある。
喉が乾いたのならば、それを飲めばよい話だ。
もちろん、そのために用意されているのだから。
しかしながら、6号はその水に手をつけずにいる。
それには理由があった。
数時間前の、ズーラが死んだ時の血の汚れを落とすのに、大量に使ってしまったのである。
そのため、このまま普通に飲んでいては、すぐに底をつくだろうことを予想していて、手を出せないのだ。
死んだズーラの荷物には水が入っていったので、そこから調達する選択肢も、あるにはあったのだが、6号にはそんなことはできるはずもなかった。
「…………」
6号は歩き続けた。
無心のまま、何も考えずに歩き続けた。
901ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/02/24(日) 22:37:39 ID:???
-----

風が止まり、音が良く通るようになる。
しばらく、静寂に耳を傾ける。
その静寂の中に、わずかな空気の振動を感じ取った。
その方向に睨むように視線を移す。
微かに伺える人影。どうやら一人だけのようだった。
(森の中を通らないで、舗装された山道を歩いてる?
 誘っているのか、それとも油断しているっていうの……?)
バランスを崩さないように、慎重にその場に屈み込む。
流石に、樹の上からの眺めは良かった。
姿を晒すことにはなるが、逆に敵を見つけ出すのも容易だった。
(どちらにしても、やるしかない……)
そう決断すると、腰に力が入る。
両手に武器を構え、静かに獲物が近づくのを待ち構える。
右手にはコンバットナイフ、左手にはイングラム。
先にこちらから撃ち込めば、早々にカタがつくかもしれない。
しかし、見たところ相手は武器を携帯している様子は無い。
弾を無駄にしない為にも、ここは一気に接近して、ナイフで仕留めることにした。
人影が、一歩、また一歩と 近づくにつれて、自らの鼓動も早くなる。
大粒の汗が流れ出る。
呼吸が荒くなる。
902ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/02/24(日) 22:42:26 ID:???
(今しかない……!)
人影が真下に来たのを確認すると、それに向かって飛びかかった。
「……ぁ!?」
作戦通り、相手の不意をつけたようだった。
相手は驚いた顔のまま、その場に棒立ち状態だ。
こちらの渾身の体当たりに、相手はなすすべなく吹き飛び、近くの樹に叩きつけられた。
(やった!これならいける!)
この機を逃すわけにはいかない。
すかさず相手の上を取る。
こちらの両脚を、相手の両腕に絡め押さえつけ、武器を使えなくする。
コンバットナイフを相手の首元に突きつけ、イングラムの銃を頭に突きつけた。
相手の不意をついた一撃から、迅速に相手の自由を奪う。
完璧な奇襲だった。
ナイフを振り上げて、最後の仕上げに移る。
「都……さん?」
「え……っ!?」
唐突に相手に名前を呼ばれ、都は振り上げたその手を止めた。
「6号?」
「都さん!やっぱり都さんだ!」
「ちょ、ちょっと!? きゃあ!?」
いつの間にか拘束していた力が弱まっていたのか、6号はのしかかっていた都を軽々と押し倒し、抱きついた。
903ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/02/24(日) 22:43:43 ID:???
「都さん!都さん!都さぁん!」
6号は都の胸に顔を埋めながら、都の名前を呼び続ける。
(いったいなんなのこの子!?どうしたっていうのよ!?)
「私、寂しかったです! 知り合いに全然会えなくて!」
だからといって、都は理解できないでいた。
知り合いとはいえ、ついさっきまでナイフと銃を突きつけていた相手に、こんなことをする6号を。
「うぅ…、うぇぇぇん」
緊張の糸が途切れたのか、6号は急に泣き出してしまった。
「あぁぁ、もぉぉぉ!」
都は、どうしようもない状況にイラっときたが、6号を見ていたら、そんなことはどうでもよくなってしまった。
「まったく……、何やってるんだろ、私は……」
都は、静かに6号の頭を撫でた。

【残り24人】
904ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/02/24(日) 22:46:36 ID:???
相変わらず短くてごめんなさい。
また今度続き書いて投下しますね。

何か文章おかしかったりしたら教えて欲しいです。
905マロン名無しさん:2008/02/24(日) 22:47:44 ID:???
いいよーいいよー続き待ってるよおおおおおおお
906ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/02/24(日) 22:52:01 ID:???
訂正
×イングラムの銃を頭に突きつけた。
○イングラムの銃口を頭に突きつけた。
907自治スレにてローカルルール議論中:2008/02/28(木) 19:39:02 ID:???
みんな職人さんにはレスつけてあげようぜ
でないとまた誰も書き込まないことになるぜ
908自治スレにてローカルルール議論中:2008/02/28(木) 21:53:00 ID:???
単に人がいないだけのような気もするけどなぁ
909小ネタ:2008/03/02(日) 00:28:14 ID:???
「それにしても、最近の連載ってなんでこんなにベホちゃんの話ばっかりなんでしょう?」

「宮本先生、出番なくてすっかり拗ねちゃってるんスよ。だからその分私が頑張るっス。」

「…それって逆効果なんじゃ?」
「じゃどーしろって言うんスか!? 出てきてくれないものをどう進めろって!?」

「ベホちゃん、そんな怒鳴らないでください。少なくとも楽しみにしてる読者はいるんですから。」

「そうは言ってもねー、こっちもツライんスよ。話はグダグダだし進まないし。あーもう私もストでもするっスかね?」

「そんな…ベホちゃんまでいなくなっちゃったらこの連載どうなるんですか!?」

「さあ、まあ何とかなるんじゃね? 知らんけど。」

「そんな無責任な!」

「しょうがないっスよ、描いてる人間も無責任だし。東鳩のアンソロの頃からそうだったじゃないっスか。」

「いやそんな身も蓋もないことを…。」

「あーもうダルいっスねー。誰か死なないっスかね、この漫画で。」

「ちょっとベホちゃん、それはないんじゃないですか? いくらなんでも…それに宮本先生も前に同じこと言って…。」

「あーもういちいちウザいっスねえ! もう私も知らん!」

「あーちょっと待ってくださいベホちゃん、どこ行くんですかー!? ベホちゃーん!」
910自治スレにてローカルルール議論中:2008/03/03(月) 22:46:18 ID:m65lNsYG
「死ねばいいのにね。」
彼女はそう言った。
だから、僕は死にます。
今までありがとう。
そして、さようなら。
911マロン名無しさん:2008/03/06(木) 13:07:47 ID:j+hMBcuh
保守
912マロン名無しさん:2008/03/10(月) 12:39:22 ID:???
エロパロスレもそうだけど、書き手不足は深刻だな
913マロン名無しさん:2008/03/10(月) 21:08:36 ID:???
姫子しぬぇ
914ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/03/12(水) 14:56:16 ID:???
絶望した!
4と5の間に話入れようとしたけど、あまりの難しさに絶望した!
ホンマ柏木姉妹は扱いづらいで!
どっちがどっちかわからんし!
俺も、都の胸に顔をうずめたいもんですまったく。
もう少し待ってください。
他のスレでも書いてたりするもんで……
915マロン名無しさん:2008/03/13(木) 13:33:36 ID:RqGcjrqi
>>914
期待してる
頑張って
916マロン名無しさん:2008/03/15(土) 23:10:59 ID:???
絶望先生エロパロスレが学級崩壊スレ化している件について
917マロン名無しさん:2008/03/16(日) 01:34:24 ID:???
やっぱり客層同じなのか
918マロン名無しさん:2008/03/18(火) 22:32:17 ID:yZIz5k6X
保守
919マロン名無しさん:2008/03/21(金) 21:08:49 ID:???
ここは寂しいな
久々にGファンにぱにぽに掲載されたんだから誰か何か書かないか?
920マロン名無しさん:2008/03/21(金) 21:10:35 ID:???
まだ買ってないんよ
921マロン名無しさん:2008/03/21(金) 23:19:03 ID:???
発売日に投下しちゃってもいいの?
ネタバレになるかと思って
922マロン名無しさん:2008/03/22(土) 11:49:31 ID:hTRR7MmG
ネタバレなんてキニシナイ
書きたかったら書けばいいのさ
923マロン名無しさん:2008/03/22(土) 17:10:48 ID:???
お、もしかして今月氏?
924マロン名無しさん:2008/03/22(土) 17:27:29 ID:???
トラックから脱走のゴリラ
都内の私立高校に逃げ込み生徒が死傷

警視庁は22日、都内を移送中のゴリラが脱走し、大田区の私立高校で
同高校1年の来栖柚子さん(15)を殺害したほか、数人の生徒に重軽傷を
負わせたと発表した。
ゴリラは都内の南条わくわく動物ランドへの移送中にトラックから脱走し、
同高校に逃げ込んでいた。
来栖さんは教室にいたところをゴリラに捕まり、体を握りつぶされるなどして
救急車で搬送されたが、病院で死亡が確認された。
また、来栖さんを助けようとした同高校1年の桃瀬修さん(15)・芹沢茜さん(15)が
腕や足の骨を折るなどの大けがを負い、二階堂ヒカルさん(15)も腕などに軽い
けがを負った。
ゴリラは緊急出動したSATによりその場で射殺された。
警視庁では、注意義務を怠ったとして南条わくわく動物ランドの管理責任について
近く追及する見込み。
925今月 ◆7EfP.aFrDg :2008/03/25(火) 01:04:29 ID:???
エロなしグロあり人死にありです。
926今月 ◆7EfP.aFrDg :2008/03/25(火) 01:06:19 ID:???
【その1】

 鈴木さやかはレベッカの頭に南条文房具の巨大三角定規を振り下ろした。
 鋭利な定規はレベッカの頭に突き刺さり薄くピンク色がかった灰色の脳を砕いて抹殺した。
 青春の熱い情熱は赤い三角定規となりレベッカの太陽がくれた季節は来る前に終わった。
 夕暮れ時の用具室には青春の夕日が差し込みはじめていた。
927今月 ◆7EfP.aFrDg :2008/03/25(火) 01:09:46 ID:???
【その2】

「あなた、ちょっとくせっ毛だけどいい色合いの御髪をお持ちですわね」
 南条の白魚のような、しかし肉食動物を思わせるしなやかさも持ち合わせた指が都の髪を梳く。
「そう?」
 都は微かに快感をにじませた声で聞き返した。南条に髪を触られるのは気持ちいい。
 なでられてよろこぶのは彼女のペットと同レベルのようで少々癪ではあるが気持ちよく感じる気持ちには逆らえない。
「ええ、太陽を思わせる赤銅色の……ライオン太郎にそっくり」
「それってほめてないと思うんだけど」
 そう言いつつもつい見てしまったライオン太郎は、佐藤千夏の振るホウキにじゃれついている。
 揺れるたてがみの加減は確かに少し都の髪に似ていなくもなかった。
「何故ホウキ……」
「猫じゃらしに似てるから。あ、由香ちゃん危ないよ。ポニーテール揺らしてるとおそわれるよ」
 由香は高速で後ずさって髪を解き、ミックスベリーの香りが舞った。
928今月 ◆7EfP.aFrDg :2008/03/25(火) 01:11:30 ID:???
「このクラスもまるで動物園だな」
 トイレから帰って来た犬神が、入り口から教室内を覗いて呆れたように感想を述べ、授業終了まで他の所で過ごす事に心を決めて歩み去った。
 確かに教室内は動物に満ちあふれていた。
 そのため教室の外でメソウサと戯れていたゴリラ一郎が、レベッカに呼ばれていなくなったメソウサ恋しさに校内見学を始め、見つけた来栖柚子を思わず握りしめてしまった事に気づくものはいなかった。

 ライオン太郎から伝え聞いた話によれば、御主人様はこうやって人形と遊んでいた時代があったらしい。
 きっと可愛いだろうなあ、今は綺麗だけど、とゴリラ一郎は無邪気に思ったが、少し力を入れ過ぎていたようで人形は壊れてしまっていた。
929今月 ◆7EfP.aFrDg :2008/03/25(火) 01:24:57 ID:???
以上です。

久しぶりにぱにぽにで書きましたが、やっぱり楽しいですね。
今月号を読んですぐに書きたくなりました。
一応発売日から一週間空けましたが……

それではお目汚し失礼しました。
930ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/03/25(火) 17:47:04 ID:???
>>929
今月さん乙です。
その文章力がうらやましいです。GJ!
エロパロスレでもゴリラネタにされてて吹いた。

投下しようと思ったら、PCがアクセス規制中
携帯だと、前みたいにミスりそうで怖い・・・
931マロン名無しさん:2008/03/27(木) 00:00:44 ID:???
へっきーエロ同人描いてたんだな
それが一番のショックだ
このスレのどのSSよりも
932マロン名無しさん:2008/03/27(木) 02:36:42 ID:???
そんなんでショックとは、ピュアだなあ
エロ同人描く漫画家なんてごまんといるのに
933ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/03/27(木) 19:28:05 ID:???
アクセス規制?
ホスト規制

投下します。
グロあり人死にあり。
934ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/03/27(木) 19:30:53 ID:???
#5「好意と殺意」

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6号は喉を軽く枯らすまで、ひとしきり泣いたあと、ようやく落ち着きを取り戻した。
「落ち着いた?」
都は囁くように、優しく6号に問いかける。
すると6号はゆっくりと顔を上げて、いかにもすまなさそうな顔をしながら、都を見上げた。
「ごめんなさい、取り乱しちゃって」
(う……、こ、これは……)
上目遣いで顔を紅潮させながら、更に涙目の6号に、何かときめくものを感じながらも、都は冷静に対象する。
とりあえず、長い間不安定な体制で胸を貸していたせいか、背中が痛くなってしまった。
「そろそろ、離れて欲しいんだけど……」
6号は一瞬呆けた顔をすると、すぐにハッと何かに気づき、都から離れようとした。
その時、偶然にも、ついた両手が都の胸を掴んでしまう。
「ちょ!ちょっと!ど、どこ触ってるのよ!?」
「きゃあ!すみません!」
自分が何をしたのか理解できていないまま、都の勢いに押され、6号は後ろに倒れてしまう。
「いたた……」
しりもちを突いて、お尻をさすっている呑気な6号を横目に、都は大きくため息をついた。
「どうしてくれるのよ、コレ」
そう言いながら、都は自分の制服の端を指で摘んで持ち上げる。
その制服は、6号の涙でなかなかに大きなシミが出来てしまっていた。
6号が押し付けるように顔をうずめてきたおかげで、下に着ている物まで濡れていて、都は、少し気持ち悪かった。
「ごめんなさい! ごめんなさい!」
「あんた、さっきから謝ってばっかりね……」
都はクスクスと笑いながら、6号を指差した。
6号は何故笑われているのか理解できず、怪訝そうな顔で都を見る。
「それに、目真っ赤」
「わ、笑わないでください!」
935ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/03/27(木) 19:32:45 ID:???
しかし、顔では笑っているが、先程から6号にペースを乱されてばかりで、都は内心、面白く思ってはいなかった。
何故あんなことをした自分と、こんなふうに話せるのか。
6号のナチュラルな対応なのか。
それともこれは、6号の作戦なのか。
そればかりが、都の思考を支配していた。
この島では、自分以外は皆、敵なのだ。
たとえどんな相手であろうと油断はできない。
常に疑うことを忘れてはならない。
それが、都の考え方だった。
6号の本心を探るためにも、都は試してみることにした。
「ねえ、6号?」
イングラムの銃口が、6号の頭を捉えた。
6号はたじろいだが、すぐに視線を都に戻す。
「あんた、おかしいと思わないの?」
都が問うが、6号は視線を都から外さずに、じっと見つめている。
都は、そんな6号の態度に苛立ちながらも、無表情のまま話を続けた。
「この状況、ナイフと銃突きつけられて、怖くなかったわけ?」
都は6号の頭を銃身で小突く。
すると、6号はその重い口を開いた。
「確かに怖かったですけど、それよりも、知ってる人に会えたことが嬉しくて……」
都は呆れていた。
死への恐怖よりも、そんなものが優先されるはずは無い。
しかし、ここまでは予想の範囲内の返答だった。
「今、この引き金を引けば、あなたは死ぬわ」
そう言って、都は引き金にかける指に力を込める。
たが6号は、それでも静観したまま、抵抗の素振りも見せようとはしなかった。
936ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/03/27(木) 19:34:49 ID:???
「抵抗しないの?」
「できません……」
都の鋭い眼光に、ついに6号は視線を外す。
ハッキリしない6号に、都の苛立ちも増すばかりだ。
「どうしてよ!? 殺らなきゃ殺られるのよ!? それでもいいっていうの!?」
それ故に、つい口調も荒くなる。
「それでも、友達を、人を傷つけることはできません!」
6号も負けじと、口調を強くして言った。
その6号の目には、強い意志すら感じられた。
「呆れた……、本当に良い子ちゃんなのね」
都は大きく肩を落とし、深いため息をつく。
「でもね、私は違うわ……」
言い終わるやいなや、都は6号を突き飛ばして、上にまたがった。
鋭いナイフが6号の頬を掠めて、地面に刺さる。
「自分が傷つくより、自分が人を傷つける方が怖いです!」
「私はアンタとは違う! 傷つく方が怖いのよ!」
都は、地面から引き抜いたナイフを構えなおす。
「死にたくないの! 生きたいの!」
ナイフの表面を照らした光がギラリと輝き、6号の瞳を灼いた。
「そのためには、たとえアンタだって……」
都は、6号の首元にナイフを振り下ろした。
その瞬間、6号は死を覚悟して目を瞑ることしかできなかった。
937ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/03/27(木) 19:36:35 ID:???
一瞬の静寂。
それは6号にとっては、とても長い時間に思えた。
しかしどういうことか、首に痛みは感じられなかった。
それどころか、肌を伝うのは血ではなく、別の何か。
6号は恐る恐る、瞼を上げる。
「都……さん?」
6号は目の前の光景に驚愕した。
都が、泣いていたのだ。
肌に感じたものは、都の顔からこぼれ落ちた涙だった。
「なんで……、なんでよ!?」
都の手は震えていた。
コンバットナイフは、6号の首元で止まっている。
しかし、都の手の震えも相まって、今にも刺さりそうだ。
まるで、ナイフが生きていて、獲物を前に、今か今かと舌なめずりをしているかのように。
「何で、後少し振り下ろせないのよ! 何で、手が止まるのよ!」
それは恐れからか、はたまた、良心の呵責からか、都にはそのナイフが振り下ろせなかった。
元々、常識人の都は、島に連れて来られたこの状況が理解できなかった、怖くてどうしようもなかったのだ。
この様な行動に走るのも、仕方のないことだったのかもしれない。
一部例外もあるが、本来、動物が同じ種の動物を殺めるのは異常なことで、危機的状況でなければ有り得ないことだ。
今はまさに、その危機的状況にある。
都の行動も、ある意味常識的ともとれる。
しかし、その状況を作っているのは早乙女達だ。
都はまんまと、早乙女達の手のひらの上で踊らされているのだ。
このような心理も、早乙女達の実験を円滑に進める、一つのファクターにすぎない。
「それは怖くて泣いてるんでしょう!? それが普通なんですよ!都さん! 怖くてあたりまえなんです!」
6号はナイフを持つ都の手を、自分の両手で包むように握った。
(手が冷たい、緊張してるんだ……)
その手の暖かさが、温もりが、凍り付いた都の心を溶かしていく。
「怖いの? 私は……」6号が都の手を横にずらすと、都はナイフを落とした。
「6号……、私……」
都の瞳から溢れる涙が、6号の頬にだが、零れて、傷口に染み込んだ。
6号は、静かに微笑んだ。
938ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/03/27(木) 19:39:26 ID:???
その時、空気の揺らぎが感じられた。
都は6号の体の上かた飛び上がって、辺りを見回す。
「都さん?」
「早く起き上がって! 静かにしてるのよ?」
都は、6号の手を引いて半ば強引に引き起こした。

わずかに感じとれる、人の気配。
それは自分や6号ではない、他の誰かの物に間違いはなかった。
瞬時にして、回りはピリピリと緊張した空気に包まれる。
森を流れる風が草木を揺らす。
草木が擦れ合い、ざわめき立つ。
その中に、都は違和感を感じ取ったのだ。
6号を自分の後ろに回らせ、辺りを睨むように見回しながら、静かに武器を拾い、戦闘態勢に入る都。
「何か変です、誰かに見られてるみたいな……」
一足遅れて、6号もその違和感を感じ取る。
「誰かいるんでしょう!? 出てきなさいよ!」
言って出てくれば苦労はしない、そんなことは都も重々承知していた。
もちろん、相手からの返答などありはしない。
それに答えるのは森の声だけだ。
「…………ッ!?」
刹那、殺気の様なものが、都の背中を振るわせた。
即座に、6号を樹の後ろに押し込んで、そこに自分も隠れる。
けたたましい破裂音。
次の瞬間、常人の目には捉えられるはずもないスピードで、弾丸が寸分違わず先ほどまで都たちの立っていた場所を貫いていった。
「ひっ……!?」
(なんて正確な射撃! もう少し動くのが遅かったら……)
そんなもしもの最悪の結果を想像して、ゾッとしない都。
相手の位置が特定できない上に、一方的に狙撃されては、こちらは圧倒的に不利であることは明白だ。
瞬時に様々な思考を巡らせて、都は生き残るための最善の選択をする。
939ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/03/27(木) 19:41:34 ID:???
(こっちは姿を見られてる。拓けた道を行くのは危険だ。)
そう思い、都は舗装された道を避けて、森の中へと入ってゆく。
しかし、それこそが敵の思惑通りなのだった。
「キャッ!?」
突然、6号の横に立つ樹の表面が爆ぜる。
「また狙撃された!?」
初めの銃撃の方向から、反対側に逃げたはずなのに、またも狙撃される。それも、正面から。
しかし、いくらなんでもそれはありえないことだ。
初弾を避け、逃げる選択をしてここまで、数十秒と立っていない。
こんなに早く回り込んで銃撃するなど、通常では考えられないことだった。
狼狽する都たちを追い詰めるかのように、一発二発と、銃撃が加えられてゆく。
だが、そのどれもが都や6号に命中するでもなく、地面や樹にそれていった。
(どういうこと? 最初の一撃の正確さはまぐれ?)
考えながらも、都たちは動き回った。
しかし、横に走れば横から、後ろに走れば後ろから銃弾が飛んでくる。
相手の異常なまでのスピードに、都は見事に翻弄されていた。
銃弾が都のディバッグを掠める。掠めた部分は見事に飛び散った。
段々と射撃の正確さが増してきていた。
次に攻撃を受けるとしたら、おそらく直撃をもらうだろう。
だがこの時、6号は相手の姿を、その目に捉えた。
「あ、あの人……」
「6号!こっちよ!」
生い茂る樹の中でも、一際大きなものを見つけた都は、6号と共にその陰に身を隠した。
二人とも、荒い息を整える。
「都さん、私見ました! あの人、A組の柏木優麻さんです!」
柏木優麻、都にとって、A組は桃瀬修という知り合いがいるため、その人物を知らないわけではなかった。
940ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/03/27(木) 19:44:41 ID:???
衣装部所属で、優奈といううりふたつの妹も、同じA組だ。
その時、都は背筋に電流が走るかの様な感覚に襲われた。

それは、一瞬のひらめき 【姉妹】 この言葉で、都の疑問が解けだした。

「なるほど、そういうことね」
都のその言葉に、6号は訝しげな顔をする。
「柏木優麻は、妹と一緒に攻めてきてるのよ。 それなら、あの高速移動にも納得がいくわ」
「でも、私が見たのは左おさげの優麻さんだけでしたよ?」
柏木姉妹は、そのあまりにもうりふたつな容姿から、見分けるために、お互いに左右反対におさげをしている。
その他にも見分ける方法はあるが、一番特徴的なのは間違いなくおさげだろう。
「バカね、そんなの一緒にしちゃえば分からないでしょ?」
あ、そっか、と呆けた顔をする6号に情けなくなりながらも、都は作戦を考える。
(トリックが分かったところで、相手の位置がわからないとどうしようもない
 近くにいるなら、撃ちまくればあたりそうなものだけど、かといって、弾を無駄にはしたくないし)
「6号、あんた武器は何?」
「じ、実は、まだよく見てないんです……」
都は6号からディバッグを受け取り、中を開けた。
水と食料を掻き分けて、武器を探す。
「あった、これだわ」
取り出したのは、無骨な鉈のような刃物だった。
いや、正確には軍刀、【マチェット】である。
(これなら重そうだし、ナイフよりも殺傷力は高いはず、一気に近づければあるいは)
941マロン名無しさん:2008/03/27(木) 19:46:33 ID:fGgQF+7D
「6号、確かに人を傷つけるのは怖い、だけどやっぱり、私は死にたくない」
「え……?」
「だから、アンタにも協力してもらう」
都は6号の肩を掴んだ。
掴んだその手は力強く、6号の肩をギリギリと締め付けた。
痛がる6号をよそに、都は話を進める。
「今はあいつらの位置を特定する必要があるから、アンタにはオトリになってもらうわ」
そう言う都の目は鋭く、殺意がこもっていた。
一度は溶けかかった都の心は、またも凍りついてしまった。
何者も寄せ付けない冷たさで。
「都さん……、怖い……」

ドンッ

と、背中を押されて、6号は身を晒す位置に放り出された。
即座に、柏木姉妹からの銃撃が6号を襲う。
「い、嫌……」
「走って! 直線的に逃げなければ大丈夫よ!」
都に言われるがまま、6号は一目散に走り出した。
銃撃は予定通り、6号を標的にしている。
(あとは、敵の位置が分かれば!)
6号の逃げた方向の反対側を、目を凝らして見つめる都。
マチェットを握る手に、汗が滲む。
次の瞬間、都の視界に閃光が走る。
近くの茂みが光を放ち、ざわめいたのだ。
それを眼に焼き付けると、都は地面を蹴って飛び出した。
942ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/03/27(木) 19:49:01 ID:???
「ったくもう! 何で当たらないのよ!」
柏木優麻は、茂みの陰で、中々当たらない自分も射撃に苛立っていた。
「途中から一人になったみたいだけど、もう一人は逃げたの?」
手に持った黒い銃は、ごく普通のオートマチック拳銃。
ディバッグの中に、付属の説明書はあったものの、よく理解できなかったため、習うより慣れろの精神を発動させた結果だった。
「優奈ちゃんも、てんで駄目じゃないの」
姉妹でうりふたつという特徴を生かした作戦。
最初はよかったものの、攻撃が当たらなければ意味がないというものだ。
優麻は自分の射撃の腕の悪さを嘆いた。
「このままじゃ、無駄に弾使うだけだし、優奈ちゃんと一緒に、一旦下がるか」
優麻は、あらかじめ優奈に伝えておいた、撤退の合図を送った。
それは、優奈の一番近い場所にある樹を2発撃つというものだった。
これまで優麻たちは、都たちを狙う際に、一発づつしか弾を撃っていない。
初めから、"そういうこと"にしておいてあるのだ。
「よし、これで優奈ちゃんがこっちにきてくれるはず……」
しかし、この時の射撃が仇となる。

優麻は、自分の視界が影がかかったように薄暗くなったのに気づいた。
943ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/03/27(木) 19:51:45 ID:???
「えっ……?」
優麻が振り向いた時、もうすでに都は右腕を高らかに振り上げ、マチェットは振りおろされる寸前だった。
「うあぁぁあぁ!」
当然、避け切れる距離ではない、マチェットの刃が優麻の右手を牙をむいた。
しかし、当たりは浅く、致命傷には至らない。
だが、攻撃の衝撃で、優麻は持っていた銃を落とした。
これこそが都の狙いだった。
これでもう反撃される心配は無い。
「痛いっ! 痛いぃぃぃ!!!」
当たりが浅かったとはいえ、マチェットの斬撃を食らった優麻は、右手を押さえたまま動けない。
都はその隙を逃しはしなかった。
容赦なく二撃目を振りおろす。
「しまっ――――」
「しまった」、そういい終える前に、マチェットは優麻の首に喰らいつく。
都の手に、ズシリと重い衝撃が走る。
それと同時に、肉を引き裂く感触も伝わってくる。
その気持ち悪さに、都は思わずマチェットを引き抜いた。
944ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/03/27(木) 19:52:46 ID:???
飛び散る鮮血。

首から血を吹き上げながら、優麻は力なく倒れた。
「優奈ちゃ……、ごめ……ん」
血の噴水は、しばらく止むことはない。
徐々に、優麻の瞳から精気が消えていくのを眺めながら、都は一人肩を抱いて震えた。
「や、やった・・・」
「都さーん!」
森の奥から、6号が駆け寄ってくる。
銃撃が止んだため、様子を見に戻ってきたのだ。
「駄目、今は来ちゃ駄目!」
都の怒号に、6号は驚きすくみあがった。
何故近づいてはいけないのか、それは離れた場所から見ても、6号にはすぐに理解できた。
「6号……、私、もう戻れないよ……」

泣きながら6号にそう言う都の姿は、赤く染まっていた。
945ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/03/27(木) 19:53:26 ID:???
優麻が都に切り裂かれるところを、優奈は近場の樹の陰から見ていた。
優麻の合図に気がつき、合流しようとした矢先の出来事だった。
初めて生で見る、人が死ぬ瞬間。
優奈はその光景に恐怖した。
「優麻ちゃん、優麻ちゃん、ごめんなさい……」
気がつけば、優奈は走っていた。その場から逃れるように。
頭の中で、優麻の断末魔が反芻する。
今の優奈の胸は、優麻への自責の念でいっぱいだった。
今や、自分がどこを走っているのか、見当もつかない。
突如、開けた場所に出た。
地面がしっかりと舗装された広めの空間に、軽トラックと小さな白いプレハブ小屋。
だが、今の優奈には、そんなものは目に入らなかった。
ただ、その場から離れたい一心で、優奈はまた走りだした。

【残り23人】
946マロン名無しさん:2008/03/28(金) 12:56:49 ID:y0IZN0tM
>>945
GJ
都カッコイイヨ都。


ところで、次スレどうする?
947マロン名無しさん:2008/03/29(土) 09:13:39 ID:???
スレ進むの遅いし、980くらいが建てるんでいいんじゃない?
立てたところで、職人さん全然いないけど・・・
948マロン名無しさん:2008/03/29(土) 10:33:12 ID:dFkAMQg3
次スレもまた過疎りそうだね…
マジ今居る書き手さんには感謝だね。
949マロン名無しさん:2008/03/29(土) 12:41:23 ID:???
大田区の私立高校で射殺のマウンテンゴリラ
日本動物愛護協会が抗議

東京都大田区の南条わくわく動物ランドへの移送中に脱走し、同区内の
私立高校で数人の生徒を死傷させたマウンテンゴリラを緊急出動したSATが
射殺した事件について、日本動物愛護協会が警視庁に動物愛護の観点から
抗議を行っていたことが28日、明らかになった。
日本動物愛護協会は「死傷した生徒さんたちには深く哀悼の意を表するが、
SATがマウンテンゴリラを射殺したのはいきすぎ。生け捕りにするなど他の方法も
あったのでは。」との声明を発表している。
一方で管理責任を問われている南条わくわく動物ランドは、「今回のようなケースは
非常に稀。通常通り安定剤を投与した上での移送を行ったが、ゴリラの体重に
見合った量の安定剤が投与されていたかどうか現在確認作業を行っている。」と発表した。
950マロン名無しさん:2008/03/30(日) 20:50:21 ID:???
普段スクリーントーンを切り出すのに使っているカッターの刃を、少女は自らの傷だらけの左腕に軽く当てた。
そして、少しの力をこめてすっと引いた。

ほどなく、筋状に浮き上がる鮮血。
傷口に感じる、ほのかな暖かさ。

生きている、自分は生きているんだ。
この体には、熱い血が流れているんだ。
そう思えた。
流れ出す血を見ていると、どこか落ち着くような、そんな気持ちになった。
私は生きている、そんな気がした。

「晩ご飯できたわよー!」

階下からの母親の声に、少女ははっと我に返る。

「うん、今行くカナー!」

答えながら少女は、慣れた手つきで絆創膏を傷口に貼る。
そして、カッターの歯をティッシュで軽く拭うと、勉強机の引き出しに仕舞う。

この行為は、少女の秘密だった。
冬服の期間だし、まだ、誰にも気づかれていないはずだった。
人に腕の傷のことを聞かれたら、飼っている猫にやられたと言うつもりだった。

少女はカッターの刃を拭いたティッシュを丸めると、屑籠に放り込んだ。
そして立ち上がってドアを開け、階段を下りていった。
家族のいる、ダイニングキッチンに向かって。
一番違い、「外」に向かって。
951950:2008/03/30(日) 20:53:44 ID:???
一番下の行、「一番違い」は「一番近い」の誤りでした。
お詫びして訂正します。
952マロン名無しさん:2008/03/31(月) 14:04:12 ID:???
よかった
「縦」じゃなくて本当によかった
続きモノですか?
953950:2008/03/31(月) 19:45:53 ID:???
>952
多分続きません。
単発でいろいろなキャラを描いていくつもりです。
954マロン名無しさん:2008/03/31(月) 21:17:32 ID:???
うほっ
955ある少女の記録:2008/04/01(火) 22:53:36 ID:???
少女は、何不自由なく育てられた。
欲しいものは、何でも与えられてきた。
好きな動物だって、それらを入れるための檻だって、何だって買ってもらえた。
だが、少女にはどうしても手に入らないものがあった。
あの人の心だけは、好意だけは、どうしても手に入れられなかった。

あの人のことを考えると、何だか胸がシクシクした。
どこかキュンとなるような、締め付けられるような、そんな気がした。
こんな思いは、少女にとって初めてのものだった。
誰かのことを考えると止まらなくなるなんてことは、これまで一度もなかった。

今までは、望むことは何でも、父親によって叶えられてきた。
しかし、こればかりは父親に頼る訳にはいかなかった。
何より少女には、家を守るために決められた許婚が用意されていた。
それを裏切ることは、父親に背くことは、少女にはできなかった。父親に引かれたレールの上しか、少女は知らないのだ。
そこから外れることは、少女には一種の恐怖だった。

少女は、自分の身上を呪った。
もっと普通の家に生まれたかった。
自分の未来を自分で決められるような、そんな人生を送りたかった。

豪華な寝室で、少女はひとり絶望していた。
八方塞がりの人生に。
ひとりでは、何もできない自分に。
956マロン名無しさん:2008/04/02(水) 00:56:50 ID:???
GJ
切ないけど、南条ダメダメだな……
957ある少女の記録:2008/04/03(木) 15:00:10 ID:???
少女は、行き詰まっていた。
進路のことを考えると、どうしようもない虚脱感に襲われた。
今の自分の偏差値では、希望する大学・学部の受験は厳しかった。

勉強をしていないわけではなかった。
むしろ、勉強に当てる時間は多い方だと自覚していた。
コンタクトをやめて眼鏡にしたのも、そのためだった。

だが、結果にはそれが現れていなかった。
時間をかけても、集中して勉強することができなかった。

進路指導教諭は、どこに行くかより何をするかの方が重要だ、と言っていた。
勉強だけでなくコミュニケーション能力も大事、と言っていた。

だがその言葉は、かえって少女を追い詰めていた。
自分には、勉強しかなかった。
友人も多い方ではなく、決して人付き合いが得意だとも思わなかった。
そんな少女には、コミュニケーション能力等という言葉は、どこか彼岸の事のように聞こえた。

もうすぐ始業式が来る。
嫌でも進級しなければならなくなる。
少女には、それが怖かった。
刻々と迫り来る受験は、次の年は恐怖だった。
958マロン名無しさん:2008/04/07(月) 18:22:42 ID:???
GJ!
しかしレス無いな・・・
このスレ見てるやつ他にいるのか?
959マロン名無しさん:2008/04/07(月) 19:00:51 ID:???
俺は見てないぜ
960マロン名無しさん:2008/04/07(月) 19:20:11 ID:???
見てるじゃねーかw
961マロン名無しさん:2008/04/07(月) 20:39:32 ID:???
俺は台湾から見てる
日本人だけどw
962マロン名無しさん:2008/04/07(月) 21:02:33 ID:???
俺も毎日巡回なんかしてないしな
963マロン名無しさん:2008/04/09(水) 19:38:41 ID:0fqafk25
保守
964マロン名無しさん:2008/04/09(水) 23:37:05 ID:???
Pani Poni HAZARDさん・・・
Tウィルスにでも罹ったかな?
965マロン名無しさん:2008/04/10(木) 00:43:33 ID:???
>>964
俺かなり好きだったのになぁ・・・
また続き書いてくれないかな・・・
966マロン名無しさん:2008/04/13(日) 23:28:37 ID:???
大田区の中華料理店で店主に暴行
毒餃子やチベットの人権弾圧への抗議と容疑者は主張

警視庁は13日、大田区桃月2-6の中華料理店で中国籍の店長・王八蛋さん(58)、
店員の橘玲さん(15)に対し殴る蹴るの暴行をした容疑で、同2-14で喫茶店を
経営する男(28)を逮捕したと発表した。
王さんは頭部や腹部に全治3週間のけがを負い、また男を止めに入った橘さんも
腕などに軽いけがを負った。
男は、「王さんの日ごろの言動が癇にさわり、また毒餃子事件やチベットでの
人権弾圧の報道から、中国人に対して怒りを覚えていた。ふとした王さんの言動から
ついかっとなって暴行してしまった。」と容疑を認めている。
本件に対し中国大使館は「わが国人民に対し、このようなヘイトクライムが起きたことは
大変遺憾。日本政府にはこのような事態を防ぐ責任があり、真摯な対応が求められる。」
と不快感を表明した。
967マロン名無しさん:2008/04/14(月) 17:18:05 ID:???
大田区の中華料理店での暴行事件
3月中から容疑者が嫌がらせ

警視庁は14日、大田区桃月の中華料理店で店主の王八蛋さん(58)とアルバイト店員の
橘玲さん(15)が喫茶店経営の男(28)に殴る蹴るの暴行を加えられた事件について、
事件前から男が王さんの店に落書きなどの嫌がらせをしていたことが明らかになったと
発表した。
男は「北京五輪はチベットの血で汚れている」「毒餃子販売中」「FREE TIBET」
「中国の侵略者は日本から出ていけ」「南京大虐殺は中国のでっちあげ」などの文を
王さんの店のシャッターや外部の壁面に油性ペンやスプレー塗料などで書いたり、
王さんの店に無言電話を数十回にわたってかけるなどの嫌がらせを3月中旬から
繰り返していた。
捜査員に対し男は「自分の店は流行らないのに王さんの店は繁盛しており、そのことを
王さんにからかわれたりするなどして腹を立てていた。また毒餃子やチベットの
問題についてインターネット上で中国人と口論になるなどして、王さんだけでなく
中国人全体が憎らしいと思った。自分の怒りをぶつけたくなって犯行に及んだ。」と
容疑について自白している。
中国大使館は一連の事件について「日本人が歴史問題について反省しておらず、
発展を続ける中国や中国人への嫉妬からこうした事件が起きたのは日本政府にも
責任がある。中日友好の推進のためには日本側の一層の歩み寄りが必要。」との
談話を発表した。
968ある少女の記録:2008/04/16(水) 00:43:38 ID:???
地下鉄のホームに、少女はたたずんでいた。
少女は、死ぬことを考えていた。
電車が入ってきたら線路に飛び込もう、そう思っていた。

「いい子」を演じ続けることに、少女は疲れ果てていた。
嫌みを言われてもわからないフリをするのも、もう限界だった。
単に憧れているだけの女教師とのレズ疑惑まで出されて、少女は穴があれば入りたい気持ちだった。

胃がシクシクした。
何も食べたくなかった。
実際、少女は先月から3キロも体重が減っていた。

体がフラフラした。
それも無理がなかった。
朝からソイジョイ一本と牛乳一杯しか口にしていなかった。

電車が近づいてくる、と案内放送が言った。
流れてくる風で、少女の二つのお下げがパラパラと揺れた。

今しかない、少女は思った。
今線路に飛び込めば楽になれる、そのはずだった。

だが、いざとなると足がすくんだ。
体が前に出なかった。
そうこうするうちに、電車はホームの中ほどを過ぎ、少女の目の前を通り過ぎて、止まった。

また、死ねなかった。
やっぱり、死ぬことは怖かった。

少女は一人、ホームで泣いた。
声にならない声で。
顔をくしゃくしゃにして。
969マロン名無しさん:2008/04/16(水) 02:14:57 ID:z3uNDZjS
まとめてGJ!
970白熱の愁傷:2008/04/18(金) 07:07:40 ID:???
その日、ベホイミが登校すると、D組はすでに壊滅していた。
机やイスが倒れていて、素材のパイプもありえない方向に曲がっていた。
窓ガラスはほとんどが割れていて、窓際にはガラス片が飛び散り、その近傍には男子生徒が数名倒れていた。
(伴に……磯部か……)
ベホイミはその中から見知った者を数えた。
そして、全体を見渡した後に、教室へと足を踏み入れた。
罠がないことは確認するまでもなかった。
――引き戸すら、全て破壊されていた。
「ベホイミさん……?」
「南条さん、それに……」
犬神だった。
南条が、気絶した犬神を抱き起こしていた。
「応急処置はできてるようっスね」
ベホイミは何が起きたのかを聞かなかった。
「ええ、さっきまでかかりましたし、あせりましたけどできましたわ」
「じゃあ、私はむこうの連中に応急処置をしてくるっス」
「……ええ」

「ベホイミさん?」
ベホイミが磯部や伴たちの介抱を終えると、南条が言った。
「何っスか?」
「何があったか、聞かないの?」
「…………」
ベホイミはほんの数秒どう答えるか迷った。
ほんの数秒ではあるが、とても長く感じた。
そしてこんな風に真剣に物を考えるのは久しぶりだなとも感じた。
「わかってるから。それに南条さんもつらいでしょう」
「……わかっていたの?」
「こんな事ができるの、1人しか知らない」
「そう、昔からのお知り合いですものね」
971白熱の愁傷:2008/04/18(金) 07:09:46 ID:???
「他の人たちは逃げたんスよね?」
ベホイミは話題をそらした。
「ええ、職員室まで何人か避難してますから、特別教室にでもいるのかも。
私にはわかりませんわ。犬神くんがメディアさんに立ち向かっていった時に離れたっきりで……」
南条はそこまで言うと、何かスイッチが入ったかのように震え始め、口を閉ざした。
「…………」
ベホイミは何も言わない。
「……ご、ごめんなさい。ごめんなさい、ね」
南条は、本当に悲しい顔で、若干涙ぐみながら言った。
震えは収まるどころかどんどんひどくなっていった。
「い、い、今になって……こわ、くなっちゃうなんて……。
だって、メディアさんが、そんな、いきな、り、あんな風に暴力を振るうなんて、あ、わたし、思わなかった」
「救急車は呼んだ?」
ベホイミが、南条の両肩に手を置き、目を合わせて言った。
「……あ、他の人が呼んだかもだけど、わたしの携帯電話でも、呼びました、わ」
「落ち着いて。大丈夫だから、深呼吸して」

ベホイミが丁寧に語りかけた結果、南条はショック状態からだいぶ立ち直れた。
「ありがとう。なんとか震えが止まりましたわ」
「救急車が来たら、南条さんも病院へ行った方がいいっス。
カウンセリングを受けて、少しでも後遺症を避けるっス」
「…………」
南条は何か言いたげだったが、何も言わずにベホイミを見つめるだけだった。
「……私も、まともな世界に戻ってきてしばらくは、カウンセリングを受けた。
いわゆる普通の感覚を取り戻してからの数日間は地獄だったけど、
こうやって皆さんと過ごせるようになれたのも、あの時間があったからだと思う」
「……そうなんですの」
「……ありがとう」
「私は何もしていませんわ」
「気を使わせたみたいだから……それじゃ、私は行く」
972白熱の愁傷:2008/04/18(金) 07:23:05 ID:???
「あ…………」
どこへ行くの? 何が目的で、何をするために行くの?
聞きたいことは多かったが、南条は、今度こそ何も聞けなかった。
ベホイミも応じなかった。
そのまま、D組の教室に背を向け、立ち去っていった。
(まずはメディアを探さないといけないな)
ベホイミは今後のことを考えていた。
メディアの問題である。
彼女が突如D組の面々に牙をむき、犬神ふくむ男子達に傷を負わせて立ち去った。
D組の教室ももはや昔日の姿をとどめていない。
(メディアを探すにしても、心当たりはない。
学校で会ったり私の家で会ったり、外で待ち合わせしたりはしたが、私はあいつの家を知らない)
ベホイミは歩みを止めた。
(そもそも、私はあいつがこんな血迷った真似に出た理由さえわからない。
実感だって沸いてない。D組の教室を出たのも、
ただあの場所にいることがいたたまれなかったからだけなんだし)
「誰かに、話を聞かなきゃいけないかもな……」
「おい、ベホイミ! 一体どーいうことだ。説明しろ!」

「あの……授業は?」
ベホイミはレベッカ宮本に宮本研究室へとつれて来られた。
「今日は中止だよ。まだ正式に決まっちゃいないけど、
権限は握ってるくせに事なかれ主義のオッサン教師連中がこのまま通常通り授業をさせるとは思わないし」
「まあ、それはそうっスね……」
「それでだ、本題に入るぞ」
「メディアの動機については心当たりがないっス。そもそもこんな事をする理由もわからない。
私自身、今日D組へ足を踏み入れて初めて知ったことっスから」
「……お前もわかんないのかよ」
「ごめんっス」
「お前が謝ることじゃないだろ。さっきから思ってたけど、お前さ、今日はおかしいな」
「おかしいっスか?」
「ああ、深刻に思いつめた顔してる。だから、最初はお前が共犯なんじゃないかと思ったよ」
973白熱の愁傷:2008/04/18(金) 08:02:31 ID:???
「共犯か……」
ベホイミは遠い目をした。
「最初はそうかと思ったけどな。お前を見てると思いつめてるのはただ混乱してるだけなんだってわかった」
「その考え、そんな間違ってないっスよ。私は共犯みたいなもんっス」
「は?」
「あいつが何かしでかすとしたら、それを未然に止められるのは私だけだった。
でも私はそれができずに、起こってしまって初めて気づいたんだ」
「おい……?」
ベッキーは、かつてなく深刻になったベホイミを見て不安になった。

「今回の件に関しては、誰のせいでもないさ」
「玲!」
「諜報部も私も奴のことを不審に思っていながら今回の件を予測できなかったんだ。
一番の友達づきあいをしていたベホイミが気づけなくても仕方ないよ」
いつの間にか橘玲が姿を見せていた。
「お前なー、何か報告があるまで教室で待機してろって言ったろ」
「私以外は待ってるからいいのさ。くるみはバイト先に行っちゃったけど」
「ま、姫子が来ないんなら私としてはいいや」
ベッキーはあっさり納得した。
「で、諜報部もこいつらの事を調べてたのか」
「ああ、留学生の過去の経歴くらいはな。
2人とも完璧な足跡こそわからなかったものの、一部の地域では指名手配も受けているような元傭兵だった。
だから、万が一の事があっても責任の取れるジジイのクラスに入ったし、
諜報部幹部の秘密裏の追跡調査も行われた。
ただしベホイミはアホの姫子に魔法少女を否定されただけで泣くし落ち込むしで、
諜報部の調査対象としての重要度は日に日に下がって、今ではほとんど調査されてない。
でも、メディアは違った。いつも本心を見せないし、学外では絶えず不審な行動をしていた。
それでも先週までの定期報告では『不穏な行動はなし』となっていて、
要警戒対象ではあっても、危険人物の烙印は押されていなかった。
あ、そういや、くるみはこの烙印押されてたな。無免許バイク事故起こしてるから」
「学園側でも、メディアを危険人物とは認識できていなかった、というわけか」
ベッキーが言った。
974白熱の愁傷:2008/04/18(金) 08:31:43 ID:???
とりあえずここまで
あんまりキリがよくなくて申し訳ないです
頑張って続けるのでよろしくお願いします
975マロン名無しさん:2008/04/18(金) 10:38:42 ID:???
ダンクーガ吹いた
976マロン名無しさん:2008/04/18(金) 15:45:00 ID:5U6TSVJQ
支援age
977マロン名無しさん:2008/04/18(金) 16:11:07 ID:???
GJ!イイヨイイヨー
978マロン名無しさん:2008/04/19(土) 05:43:05 ID:CnQN8m0W
>>974GJ

続き待ってるよ


ところで長くなりそう?
長くなりそうなら次スレで書いてはどうだろうか。
979『女たちの挽歌』予告編:2008/04/20(日) 00:06:45 ID:???
ベホイミは夢を見ていた。
夢の中、AK47を抱え、こっちに走ってくるメディア。
その表情は固く、唇をへの字に曲げ、必死だ。

響く銃声。
打ち抜かれたメディアの胸から飛び散る鮮血。
頭からその場に倒れ込むメディア。

「メディア!」

ベホイミはぱっと飛び起きる。
額から汗が滝のように流れる。
そして、それが夢だったと気づく。

いつもの、アパートの部屋。
カーテンを閉めた窓の外から聞こえてくる、電車が通り過ぎる音。
煎餅布団は、汗でじっとり湿っていた。

ベホイミは立ち上がると、カーテンをと窓を開け、深呼吸をつく。
いやな予感がした。
平和な日本にいるはずなのに、メディアの身に何か起きるのではないかという不安が頭をよぎった。
何も、起きなければいいのだが。

ふと、時計を見る。
やばい、このままだと遅刻だ。
ベホイミは慌てて制服を着込み、カバンを抱え、つま先を靴に引っ掛けドアを開けた。

閉まるドア。
鍵がかかる音。
枕元に忘れられた携帯が、揺れるカーテンの隙間から差し込む光をきらきらと反射していた。

<<『女たちの挽歌』近日公開 請うご期待>>
980マロン名無しさん:2008/04/23(水) 00:31:47 ID:???
大田区の中華料理店
暴行男逮捕後も営業妨害が続く

警視庁は22日、店主の王八蛋さん(58)とアルバイト店員の橘玲さん(15)が喫茶店経営の男(28)に
殴る蹴るの暴行を受けた大田区桃月2-6の中華料理店に対し、事件後も営業妨害が多発しているとして、
付近のパトロールを重点化する旨を発表した。
具体的には、店外に飾られた中国国旗に逆卍のマークが書き込まれる、出前用のスクーターのタイヤの
空気が抜かれる、水道の元栓が閉められる、シャッターにダライ・ラマ14世の写真が貼られる、外壁に「赤子スープ販売中」などの
落書きがされるなど、被害は多岐に渡っている。
一連の事件に対し中国大使館は「北京オリンピックの聖火リレーを控え、日本には一部に反中国的な
反動分子が多数潜伏していると思われ、今回の事件は氷山の一角。一時の感情に流され反中国的行動を
行わないよう日本政府は日本国民に周知徹底すべき。」との談話を公表している。
981マロン名無しさん:2008/04/25(金) 00:12:14 ID:???
桃月駅西口商店街の火災
火元は中華料理店
発生時刻ころに乱闘騒ぎも

23日未明に発生し、大田区桃月2丁目の商店・住宅など10棟が全焼、3棟が半焼した火災について
警視庁は24日、火元は同6番地の中華料理店「桃香飯店」前の路上と思われると発表した。
同店は3月中旬から落書きなどの嫌がらせの被害にあっており、また4月に入ってから店主で中国籍の
王八蛋さん(58)、アルバイト店員の橘玲さん(15)が殴る蹴るの暴行を受ける事件も発生していた。
火災発生時刻ころに数人が争うような物音がしたとの証言もあり、警視庁では事件性が高いと見て
今後捜査を進める見込み。
982Pani Poni HAZARD:2008/04/25(金) 22:52:56 ID:???
8ヶ月ぶりくらいか?続きいきます

夜の暗闇に包まれた島を歩く人影が二つ、その後ろに小さな影が一つあった

「けどくるみ、ホテル行くって言ったって・・・あそこ大丈夫なの?」
都が問う
「大丈夫なわけないじゃないの、危険なのは百も承知!」
くるみが答える
「・・・・・・」
そしてメソウサは特に話す事がなかった

「そういえばさぁ、都はなんであそこにいたの?」
「え?えっと確か・・・私そのへんをぶらぶらしてたのよ、そしたらなんか騒ぎになってるところがあって・・・」
「ふんふん」
「なにかなーと思って行って見たら・・・」
言い終わる前に都は顔面蒼白になっていった
「・・・いたの?あいつらが?」
「・・・・・・」
くるみの問いに都は無言でうなずいた
「それで無我夢中で走って・・・」
「あそこに着いたんだ」
そう、と都は小さく言った
「そっか・・・」
「くるみ、あんたはどうなのよ、今まで何やってたの?」
「私?私も同じようなもんだよ、ただ私は逃げてる最中に・・・」
そう言うとくるみは手に持った武器を強調するように言った
「「コレ」を見つけられたの、信じられる?これ喫茶店のカウンターの下にあったのよ」
なんて物騒な島だ、信じられないと都は思った、もっともこの島において銃程度で物騒と言って良いものではないが
「・・・・・・」
メソウサはやはり会話に参加できなかった
983Pani Poni HAZARD:2008/04/25(金) 22:53:30 ID:???
「ここ・・・よね?」
「うん、確かにここ」
「・・・・・・」
そうこうしているうちに二人と一匹は目的の場所へと辿り着いた、ホテルはくるみたちを見下ろすようにそびえ立っている

「ようこそ!全てにおいて最高のサービスをあなたに・・・だってさ」
「冗談じゃないわよ、こんなのがサービスなわけ?」
ありふれたキャッチフレーズに毒づきながらも、二人は正面玄関に向かった
「そういえばさ・・・都の部屋って私達と同じよね?何号室だっけ?」
「確か・・・301号室だったわよ、そうだ、確かパンフレットが・・・」
都は持ち物をゴソゴソと確認した、しかしパンフは出てこない
「しまった、部屋だわ・・・」
「あちゃ〜でも都、大体道は覚えてるわよね?」
「え、そりゃまあ少しはね・・・でも部屋の場所くらいしかわかんないわよ」
「じゃあとりあえず部屋に行ってみる?都なんか使えそうなものとか荷物に入ってないの?バットとか」
「あたしゃ野球少年か!あるわけないわよそんなの・・・」
「う〜ん・・・じゃあとりあえず入りましょ!何とかなるわよ!」
「はぁ?もうアンタ・・・そんなキャラだった?」
「キャラって何よキャラって、まずは行動あるのみ!行くわよ都!」
くるみの眼はギラギラと輝きを増していた、これには流石の都も苦笑い

ドアが音を立てて開き、くるみ達は中へと踏み込んだ
984Pani Poni HAZARD:2008/04/25(金) 22:54:26 ID:???
「うっ・・・」
都が思わず後ずさりした
本来なら多くの宿泊客が訪れるロビーは、床には何やらよく分からない肉塊が転がっており、上半身だけが床に突っ伏して倒れていた
受付は血だらけになっており、宿泊名簿はインクをぶちまけたように一面真っ赤なサインで染まっていた
「ひどい・・・」
隅のほうでは頭の無い死体が壁に寄りかかっており、壁や床には無数の弾痕、観葉植物の近くには千切れた腕があった
これらのものは、ここで人間がゾンビに対して必死の抵抗を試みた結果だった

「ごめんくるみ・・・あたし・・・ちょっと無理・・・」
そう言うと都は口を押さえたまま、ロビーの隅に走った
「都・・・」
くるみも都を気遣い、背中をさすってやった、くるみも今にも吐き出しそうだったが必死にこらえた

「げほっ・・・ありがと、くるみ、もう・・・大丈夫」
「そう?無理しないでよ都」
「大丈夫よ・・・それより、これ・・・」
「うん・・・多分、生き残りの人たちが・・・」
くるみの言うとおり、ここでは生き残りの人間がホテルから逃げるための血路を開く戦いがあった
結果として人間が無事脱出できたのかどうかは分からないが、相当激しい戦いだったのだろう
床に落ちた武器と死体がそれを物語っている
「・・・助かったのかしら」
「・・・わかんない」

くるみは落ちた銃を拾うと、弾を確認した
「都、これ・・・」
「いらないわよ、私、そんなもの使えない」
銃を手渡そうとしたくるみに都は言った
「じゃあ、持ってるだけでいいから、いざと言う時・・・危ないよ」
「・・・わかったわ、貸しなさいよ」
都はくるみから銃を受け取ると、静かに両手で銃を握り締めた

その時だった、異変に気づいたのはくるみだった
985Pani Poni HAZARD:2008/04/25(金) 22:55:32 ID:???
「・・・都!」
ちょうど階段のほうから音がしていた、間違いなく人か、もしくはゾンビが歩いている音、そして何やらよく分からない音
「くるみ・・・」
「都、私の後ろにいて」
くるみは都をかばうように立つと、音のする場所を正面に見据え、銃を構えて臨戦態勢を取った
くるみは神経を尖らせ、機会を待った、姿が見えたと同時に、撃つ、そう肝に銘じていた
そして、くるみの視界に、階段を降りてくる何者かの姿が見えた
「!!」
くるみの指がトリガーを引くその瞬間、その姿はくるみの視界から姿を消した
(えっ・・・)
そして派手な音を立て、階段から落ちた
「・・・宮田?」
都が静かにつぶやいた
「ううううううう・・・痛いよぅ・・・怖いよぅ・・・」
「・・・宮田ちゃん!大丈夫だった!?」
くるみが駆け寄り、宮田を起こす
「あ・・・!桃瀬さん!それに上原さん!ううう・・・怖かったですぅ・・・」
むせび泣く宮田をよそに、自分が呼ばれていないことにメソウサは少しショックを受けた

とりあえずここまで
宮田関連の呼び方がよくわからんので指摘お願いします
久々に書いたんで色々変かも
986マロン名無しさん:2008/04/25(金) 23:40:28 ID:???
桃月駅西口商店街の火災
発生時刻ころに少女らの乱闘騒ぎ

23日未明に発生した大田区桃月2丁目の火災について、発生予想時刻の前後にアニメキャラクターの
扮装をした3人の少女らによる乱闘騒ぎがあったことが明らかになった。
目撃者の証言によると、アニメキャラクターの扮装をした3人の少女らが棒のようなものを持って
激しく殴り合い、その際爆発が起き、付近の商店に引火したという。
少女らの扮装はいわゆる「魔法少女」かそれに類似したもので、3人はそれぞれ別の扮装をしていた。
また、乱闘時に数回爆発が起きたことから少女らは何らかの爆発物を複数所持していたものと思われ、
警視庁はこの少女らの行方と爆発物の入手経路について捜査するとともに、3月中旬ころから付近の
中華料理店に対して行われていた嫌がらせとの関連についても捜査を進める見込み。
987マロン名無しさん:2008/04/26(土) 09:54:30 ID:wEeqITMK
>>985
久々ですね。GJ
これからもマイペースで頑張ってください。


そろそろ次スレカナ。
誰か頼む。
988マロン名無しさん:2008/04/27(日) 00:45:10 ID:???
桃月駅西口商店街の火災
焼け跡から多数の人骨
中には子どもの骨も

23日未明に発生し、10棟が全焼した桃月2丁目の火災現場から、多数の人骨が発見されていたことが
26日、明らかになった。
人骨はいずれも同6番地の中華料理店の敷地内からばらばらの状態で発見されており、幼児・嬰児の
ものも多数含まれている。
中には調理の痕跡らしきものが残った人骨もあり、警視庁では死体損壊・遺棄事件の可能性が高いと
して、同店店主の中国籍の男性(58)及びアルバイト店員の少女(15)に任意同行を求めている。
989ぱにロワ ◆34mPg6sAmI :2008/04/27(日) 07:16:41 ID:???
1000なら俺のSSが無事に完結する
990マロン名無しさん:2008/04/27(日) 15:40:03 ID:???
ちょwww
991今月 ◆7EfP.aFrDg :2008/04/27(日) 19:08:54 ID:???
1000だったら俺の原稿は誤字脱字がなくなって整合性も完璧になる
992マロン名無しさん:2008/04/27(日) 19:38:29 ID:???
なんだこのながれww
993マロン名無しさん:2008/04/27(日) 21:55:34 ID:5QiRbrXA
ちょw
もっとやる気出してwww
994マロン名無しさん
絶望した!
誰も次スレ立てない、しかもやる気ない1000取り合戦に絶望した!

いや俺も携帯だから立てられないんだけどさw