ネウロが2げっとしました
そろそろネウロ房うぜぇ
ネウロなりきり釣り師と嫌ネウロ厨がマジうざい
何この糞スレ
そのうち飽きるだろうから、気にせず続ければいいさ
ネウロ>>>>>>>>(超えられない壁)>>>>>
>>2-4 追放されても沈黙を保つネウロは大人
>>2-4は厨の手の上で遊ばれている雑魚www
図書館組紛争記
―いつもの放課後…
このか「おっまたせ〜♪ネギ君がまたアスナ怒らして大変だったえー!」
他3人「…」
このか「どしたんー?そんなしんみりしてー、悩みがあるならウチに言うてみー♪」
パル「…アンタ、そろそろウチらのグループにつくかアスナ達につくかはっきりしてくんない!?」
ゆえ「遊ぶ約束する時も誘っていいのかどうか迷うです」
このか「…へ…?そ、そんなん決めらんないよ…みんなウチの大切な友達やえ?」
パル「ハァ…天然ちゃんは気楽でいいねー、まぁいいや、今日は帰ろ…待ち疲れた」
のどか「そ、そうだよー!皆仲良しが一番だしー…あっ!昨日図書館でおもしろい…」
…
このか「……(グループとかそんなんどーでもええやん…)」
このかいじめに挑戦!
図書館組紛争記2
このか「ただいまー…」
アスナ「あ、おかえりこのかぁー。遅かったわね」
このか「ちょっと図書館組と本屋寄ったんや…」
ネギ「あ、このかさんおかえりなさいー、あれ、なんか元気ないですね…」
このか「そ、そんなことないえ☆ウチはいつだって元気満々やー」
ネギ「そうですか!ならいいんですがー…あ、アスナさーん!靴下は脱いだら洗濯機に…ウッ!臭い!」
アスナ「何臭い嗅いでんのよー!この臭いフェチがァーーッ!!」
このか「アハハ☆アスナのは特別臭いんやえ☆だからいつも別に洗濯せなあかんねん」
アスナ「ちょ!このかまで!あーっ!窓から捨てるなネギ坊主ー!!」
このか「…(やっぱウチ…皆と仲良くしてる方が楽しいえ…
グループがどうとか関係あらへん…明日パルに言うてみようっ…!)」
続く…
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
このスレは
|i | | | | | | i! i ,>ヘ
|! | | | | | !, :'‐'" ゙i,
fー--'‐┴‐'' '''"´ 〉
l ,ィ'"´ヽ
l! ,r<゙´ヽミ、 ミヽ
〉TT7―一''"´ ,r'ゝ、ミ ヾミt ミ !
t川f,ニヽ、 ,ノィ",9ノ\ミ ミミ l
ヾtリ丶9ンi, ヾ゙゙´ ヽ、川リ
ヾ:ゝ、 l ハ)ソ
`ヾ〉 | ,ノ Y`ヽ、
ヽ.└-;... ィ^ /リ /::::::i! `゙ヽ、、
>>1乙> 丶'`ニ゙´ /,-y/:::::::::l! `゙'ー- 、
, イ`゙f' ‐ ' / :lノ::::::::::::l
一'" /:ヽ::ゝr::''7 ,ィ::::::::::::::リ
ヽ:::丶i::::/ /::iシ::::::::ノ
入::::`i/ 7::::lロ-‐''"
r ''" r‐′(::, タヽ
l! ○r‐' 、 ヾ:fr'^)/
l! ノ 、. \ ヽ'"
「食の千年帝国よりも、ネギまいじめ」
ネウロの提供でお送りしました
15 :
保守:2006/06/07(水) 00:56:11 ID:???
クー「誰か強い奴はいないアルカ?」
超「じゃあこいつと…」
つ放射能
クー「ちょ、死ぬよーwww」
超「死ねばヨロシ」
クー「……」
中世の拷問部屋を模した様な薄暗い一室。そこに、その陰鬱な場には似つかわしくない数人の少女がいた。
そのうちの一人、桜咲刹那は衣服を全て脱がされた上に、天井から鎖で逆さに吊るされた形で拘束されている。
恐怖と羞恥の入り混じった表情の彼女を、さも愉快そうに眺める別の少女の姿があった。
「ははは、いい格好だな、刹那よ。さあ、私にあのような恥辱を味あわせた罪を贖ってもらうぞ?」
そう言い放った少女、エヴァンジェリンの表情と口調には、嬉々とした中に僅かながらも確かな怒りが含まれていた。
彼女が先刻受けた屈辱と言う名の耐え難い苦痛を、目の前のこの少女に何倍にもして返してやらねば気がすまない。
エヴァは哀れなこの獲物を徹底的にいたぶりつくすつもりであった。
「茶々丸」
「・・・はい、マスター・・・・・」
エヴァが合図を送ると、彼女のパートナーにして忠実な従者である茶々丸は手元にあるレバーを引く。
ジャラ・・・・
それに合わせて刹那の体を吊るしている鎖が巻き取られ、彼女の体は中空からその下の冷水の中へ降ろされていった。
刹那はとっさに息を止める。
ジャブ・・・・・
(つ・・・・冷たい・・・・・・っ)
真冬に井戸の水を浴びるかのような身を刺す冷たさに、刹那は一瞬息を漏らし、
うっかり鼻から少量の水を吸い込み咽返りそうになった。
刹那の体は腰の辺りまで水に浸かった所で止められ、そして、そのまま彼女はしばし放置される。
それから1分もすると息の出来ない苦しさに刹那は下半身をよじり、その動きは徐々に激しくなっていった。
逆さ吊りで、下半身に一糸まとわぬ状態の刹那のその姿は見ようによっては非常に淫靡で卑猥であった。
「アハハハ!なんと無様な格好だ、貴様もそう思うであろう?」
エヴァは大声で笑い、部屋の隅にいるもう一人の少女に同意を求める。
「せ・・・せっちゃ〜ん・・・・・・」
そこには目に涙を浮かべる刹那の親友、近衛木乃香の姿があった。
刹那が水に沈められてから2分が経過していた。激しかった彼女の動きは徐々におとなしくなり
とうとう、足をピンと伸ばしたまま硬直し、ピクピクと痙攣するようになっていく。
「は、はよ、出したって!、せっちゃん死んでまうぅ!!」
このかが泣きながら大声で哀願する。
「・・・・・マスター・・・・・」
茶々丸がエヴァに軽く視線を向けた。
「よし、あげろ」
ジャララッ・・・・・・
「げほっ・・・・・ゴホッ・・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」
窒息寸前でようやく水から引き上げられた刹那は激しく咳き込み、苦しげに息をしていた。
苦悶に満ちたその表情に満足そうな笑みを浮かべながら、追い討ちをかけるかのようにエヴァは言葉を放つ。
「くくく、貴様のダンスはなかなか見ものだったぞ?お嬢様も貴様の腰使いに感心なされていたようだ」
エヴァのその言葉の意味するものが一瞬わからなかった刹那だが、すぐに先程の自分の姿を想像し。
消え入りたくなる程の屈辱に涙を流した。
「・・・・うっ・・・・うぅ・・・・・ケホッ・・・」
そんな彼女を見たこのかもまた、なんと言葉をかけて良いのかわからず、いたたまれなくなり目を伏せる。
「さて、今一度見せてもらおうか・・・・・・」
くいっ
エヴァが茶々丸に合図を送った。
「茶々丸さん!やめてっ!もうせっちゃん苛めんといてぇ!」
このかは茶々丸に向かって必死に叫ぶ。
「申し訳ありません・・・・・マスターの命令ですので」
しかし、このかの訴えは聞き入れられず再び刹那の体は冷水の中に沈められる。
(これ以上・・・・これ以上・・・・・お嬢様の前で無様な姿は・・・・・・)
刹那は今度はどんなに苦しくとも先程の様な醜態を晒さぬつもりだった。
だが、1分・・・・2分と時が経過するにつれ、あまりの苦しさに彼女の体は意志に反し勝手に動き出していた。
見るに絶えず、このかは目を逸らすが、そんな彼女の顎をエヴァは乱暴に掴むと、もがき苦しんでいる刹那の方に向かせる。
「顔を背けるな、よく目に焼き付けるがいい。あのザマでお前を守ろうなどとほざく、あやつのマヌケな姿をな」
それから幾度となく刹那は水に沈められ、毎回あと数秒水中にいるのが長ければ気絶していたであろう、
失神寸前の所で水から引き上げられた。
「うえっ・・・・ごぼっ・・・・・・・・・ひゅー・・・・・・ひゅー・・・・・・」
もはや満足に呼吸をする体力すら失われ、消え入りそうなか細い息が刹那の口からかろうじて漏れている。
冷水と部屋の冷たい空気に容赦なく体温を奪われ、彼女は体をガクガク震わせ、
今の彼女はまるで、巣から落ちた上雨に濡れ、今にも死にそうな雛鳥の様であった。
「えっく・・・・エヴァちゃん・・・・もう許したってぇ・・・・・せっちゃんが可哀想・・・・・・うう・・・・」
(お嬢様が・・・・・・・泣いている・・・・・・・・私のせいで・・・・・・)
刹那は自分の不甲斐なさを呪った。こうなったのも自分のせいなのだ。自分の未熟さゆえに、
本来勝てる相手であった神楽坂明日菜に敗れ、結果、エヴァによってこの仕置きを受ける事となった。
それもこのかを巻き込んでである。
「お・・・・・嬢さ・・・・ま・・・・・げほっ・・・・・・泣かないで・・・・ください・・・・・・・
これは・・・・・未熟な私への・・・はぁ、はぁ・・・・・罰・・・・なのです・・・・・けほっ」
そこまで言い終えた時、刹那の体に一つの崩壊が起こった。
ぷ・・・・しゃああぁぁぁ・・・・・・
窒息寸前の苦しみで全身の筋肉が弛緩し、さらに体を冷やされた刹那は、息も絶え絶えながら搾り出すかのように
言葉を発した結果、あろうことか股間から小水を溢れさせのである。
逆さ吊りにされている彼女は当然の事ながら、自身の体に自身の尿を浴びせる結果となった。
「うっ・・・・げぼっ・・・・・いっ・・・・いやあぁ・・・・えほっ・・・・止まって・・・・・うぅっ・・・・」
顔にまで自分の尿が滝のように流れ、刹那は再びむせ返る。
「ふっ・・・・・ふははは!!実に笑わせてくれる!
これはもはや未熟とかそういう以前に、ヒトとしてどうなんだ?
おい、よく見ろ。こいつはこんなザマでお前を守るつもりらしいぞ?
人前で小便を漏らして小便まみれになっている奴に守られるとはお前も大変だな、ハハハ」
エヴァは腹を抱えて笑った。
その両横には少し影を含みながらも表情を変えない茶々丸と、泣きじゃくるこのかの
三者三様の表情があった。
「うわああああ・・・・!!せっちゃん・・・・せっちゃ〜ん!」
名を呼び続けるこのかに対し刹那の返事は無い。彼女は全身自分の尿にまみれながら気を失っていた。
初めて書いてみました。イジメとかあんま上手く書けそうにないので
ありがちなシチュで・・・・・・
っていうか内容の割りに文章が長すぎるな。
興奮したであります(`Д´)!
超グッジョブ
(;゚∀゚)=3
>前スレ956
チャチャゼロ残酷編5 深淵を覗き込む者は……
――時間は少し、遡る。
あやかが襲われた翌日の放課後。チア3人組の凄惨なケンカが起きた、少し後。
暗くなってきた空の下、森の中に建つ小屋を訪れる人物がいた。
「す、すいませ〜ん……。だ、誰かいませんか〜〜?」
ノックにも反応のない小屋の中を、恐る恐る覗き込む少女。胸に抱えた分厚い本。
宮崎のどか、だった。
この地上2階地下1階建てのログハウスも、初めてではない。勝手知ったるエヴァの家。
誰も居ないということは、みんな地下の『あの場所』に居るのだろうか……?
「……オイ、ヒトノ家ニ何ノ用ダヨ?」
「ひゃぁっ!?」
唐突に背後から声をかけられ、飛びあがるのどか。
咄嗟に振り返っても、相手が見えない。下に視線を下ろし、ようやく相手を視認する。
「ちゃ、チャチャゼロさん……!」
「ナンダ、読心術師ノガキカ。御主人ニ用カ? ソレトモ、ガキノ方?
悪イガ御主人ハ『別荘』ニ篭ッテルゼ。ボーヤニ頼マレテ、一緒ニナ。
何故カ知ランガ ココ数日、ヤタラト張リ切ッテヤガルンダ、アノガキ」
ケケケッ、と不気味に笑う魔法人形。そんなゼロに、のどかは怯えを隠し切れない。
相次いで生徒に犠牲者を出してしまったネギ。守りきれなかったネギ。
この時点では、裕奈とチア3人組の犠牲は認識していなかったが……それでも。
自責の念に駆られた彼は、今まで以上に熱心に、魔法の修行を重ねていた。
強くならねば。強くなってみんなを守らねば。強くなって犯人を捕まえねば。
……ネギはまだ気付かない。気付いていない。
『別荘』に篭り外界と遮断されたその間は、生徒たちの危機を感知すらできぬ事に。
悪意を持って彼の生徒を狙う『犯人』にとって、それがこの上ない好機である事に――!
「そ、そうですかー。ちょっとせんせーに相談したいことが、あったんですけど……」
「たいみんぐガ悪イナ。アト20分ハ出テコレネーシ、今カラ『別荘』ニ入ッテモナァ」
外の時間で1時間が、中の24時間になるエヴァの『別荘』。
便利な魔法の道具だが、しかし「中での1日単位でしか使えない」というルールがある。
このため、 こういう風に入る時間が大きくズレると、ちょっと困ったことになってしまう。
「ドウスル? ボーヤガ出テクルマデ、待ッテルカ?」
「い、いえー、べ、別に急ぐ用事でもないので〜。また明日にでも、学校で声かけます〜」
「ケケケッ。マ、好キニシナ」
のどかの言葉にチャチャゼロは軽く笑うと、小屋の中に消えて。
バタンと、扉が閉じる。ゼロの体格ではノブに手が届くハズもない扉が、勝手に閉じる。
小屋の外に1人残されたのどかは、閉まった扉をしばらく見つめていたが……
やがて、強い意志の篭った目で、抱えていた本を開く。
「せんせーは居ないけど、い、今が確かめるチャンスなのかも……!」
のどかの左手の上、フワリと空中に浮かぶ魔法の本。
ネギとの仮契約でのどかに与えられたアーティファクト、『いどのえにっき』――!
昨夜のどかは、深夜の病院でこの本を2回、使用している。
『記録』が残されたままのページを、彼女は改めて確認する。
対象の表層意識を絵と文章で写し取るアーティファクト、「いどのえにっき」。
それを用いて探った、入院中の犠牲者2人。
どちらも意識が朦朧としていたために、文章も絵もいまいちはっきりしない。
はっきりしないのだが……支離滅裂な文の上に描かれた、下手な絵には。
あやかの記憶の中にあった、子供と呼ぶことさえ躊躇われるほど小さな「犯人」の影。
亜子の記憶の中にあった、小さな翼を持ち高速で飛びまわる「犯人」のシルエット。
それぞれ単独では、何が何だか判じがたい。
判じがたいが、もしその2つが、同一の犯人の姿を断片的に捉えたものだとしたら。
のどかには、1人(?)心当たりがあった。思い当たる相手がいた。
――それは、他ならぬ、先ほど言葉を交わしたエヴァンジェリンの使い魔。
呪いの殺人人形、チャチャゼロだ。
その疑いを持った時点で、誰かに相談しておくべきだったのかもしれない。
ゼロが怪しいからみんなで調べよう、と周囲に呼びかけるべきだったのかもしれない。
けれど、臆病で引っ込み思案な彼女には。
陰口を叩くことさえ嫌う、平和主義者の彼女には。
これだけの断片的情報から、知人であるゼロを犯人扱いしてしまうのは、気が引けた。
ゼロが犯人だとは、のどか自身も信じたくはなかった。
ちょっと似ているだけの、無関係な『何か』なのだと思い込みたかった。
だから、彼女は。
疑惑を確実にするため、というより、疑惑を払拭するためにこそ……。
「ゼロさん……すいませんけどー、ちょっと心を読ませて下さいー。
私の思い過ごしであってくれれば、いいんですけどー……」
暗くなっていく空の下、のどかはゼロの名を呼んだ。『いどのえにっき』を発動させた。
本が淡く輝き、本に込められた魔力が発動する。
白紙のページに、文字が浮き上がって、家の中に居るはずのゼロの表層意識を――
「――な、何なの、これ?!」
そして、映し出されたページに、のどかは思わず驚きの声を上げる。
かつて見たこともないような魂の絵日記が、そこにあった――
5th TARGET → 出席番号27番 宮崎のどか ?
3倍ワクワクゥー
www
(`Д´)ノオモシロイッ!
英語のぢかん
ネギ「…それではテスト用紙を返却したいと思いますー」
ざわっ!
朝倉「いいんちょどうだった!?」
いんちょ「ぅー、ちょっと一箇所不安なところがありましたわ…」
朝倉「ヤター(゚∀゚)ついにいいんちょを抜かしちゃうかも!?」
美空「超りん、今回はどうだった?」
超「もちろんパーフェクトネ☆」
美空「…(ペッ!)」超「わっ!汚いネ!つば飛ばすナ…(くんっ…)くさッ!」
ざわざわ
ネギ「では明石さーん」(スッ…)
ゆーな「にゃにゃ!?62点!!そこそこいいよ!ネギ君のおかげだぁー」
ネギ「ゆーなさんはテストの度成績が良くなってますよー、グッジョブです!」
ゆーな「あははっ、ありがとにゃー」
ネギ「…朝倉さんー」
朝倉「やった!95点だぁ!」
ネギ「朝倉さんは問題無いですね(ニコッ)」
朝倉「いいんちょに勝ったねコリャ」
ネギ「ゆえさんー」
ゆえ「……」←85点
ネギ「やっぱりゆえさんはやればできるんですねー!(ニコッ)」
ゆえ「そ、そんなことないです!ネギ先生のおか、おか…!」(赤面)
ネギ「?和泉さーん」
つづく
亜子「はぁ……おっ!65点やんっ!」
ネギ「亜子さんも2年の頃と比べてだいぶ平均点あがりましたね!この調子です」
亜子「えへへー、ネギ君のおかげや☆」
ネギ「大河内さんー」
アキラ「……(88点!)」
ネギ「すごいですよーアキラさんっ!…クラスで5位ですよ(コソコソ)」
アキラ「…え?私が5位…(顔が近い…かわいい)」
ネギ「柿崎さんー」
柿崎「ぅお!78点!」
ネギ「柿崎さんも問題なしです!」
柿崎「いやぁーネギ君のおかげだよーこれは…」
ネギ「つ、次はー、えー…」
アスナ「…どーせまた赤点よ…」
ネギ「ア、アスナさん!は、はい…24点です…そ、それでも最初と比べれば…」
アスナ「いーわよ、どーせ私はバカなんだから…」
ネギ「…春日さん」
美空「おっ、60点!」
ネギ「ギリギリ60点ですが、美空さんもだいぶ点数良くなりましたね(ニコッ)」
美空「へ、い、いやぁー、そんなことあるよー」(赤面)
ネギ「えー次は…
………
……
…
そして返却終了…
ネギ「今回の平均点は76.8点!なんと学年でも1番です!皆さんよく頑張りましたねー」
「だってネギ君の教え方がうまいんだもーん!」「そうそう!」
「ほんまやー!」
皆、努力の成果に満足といった様子だ。しかし3名浮かない顔をしているものがいる…
アスナ「…(私…どうしてこんなに頭悪いんだろ…)」
くー「…(英語は日本語関係ないし…言い訳できないアル…)」
まき絵「…(楓が54点なんて…どうしよぉー…)」
キーンコーーン…
ネギ「ということで赤点の人は補習がありますので放課後残ってくださーい」
そして休み時間…
普通に考えたら明日菜って成績以外でもイジメられる要素が結構あるよな。
貧乏苦学生で、教師に好意があって(妙な噂が流され易い)、乱暴者、素直に話せる友人がそんなにいない…。
3−Aは度量が広いな。
俺の中学時代なんかいじめるかいじめられるかの修羅場だったよ。
イジメが原因の転校4人、登校拒否3人、自殺未遂1人
イジメの首謀者が翌日に掌返しでイジメられる側に回る事や
関わらないように中立を装ったがゆえに集中攻撃をくらったり。
まるで株価の変動のようにクラスの勢力図を常に読んで行動しなければならなかった。
やっぱアタマ悪いヤツっていじめられてたね
わいわい…
アスナ「………」
このか「なぁなぁアスナ…?そろそろ勉強したほうええんちゃう…?」
アスナ「わかってるわよ…」
このか「うちも協力するから…そろそろ進学やし…いくらエレベーター式
でもあんまりひどいと浪人てこともあるえ…」
アスナ「わかってるって!もう…ほっといてよ…」
一方くーふぇは…
ゆーな「バカイエロー!どーした!・いつになく落ち込んで!」
くー「…そ、そんなことないアルよー!(にこっ)」
朝倉「はっはは!バカレンジャーもいよいよアンタらだけになったねー」
ゆーな「もーバカトリオだね!ゆえはもとから頭良かったし、楓さんも
やればできる人だったし」
くー「にゃはは!バカトリオ集合ー!」
「おー!いいぞいいぞー!」「踊れーバカトリオー!」
まき絵「…やめてよ!」
亜子「まき絵…どしたんー…?」美空「びっくりしたぁ…」
まき絵「私達…バカにされてるんだよ…?なんでそんなにのん気なのさ…」
くー「まき絵…」
アスナ「ふんっ…」
しーーーん…
ゆーな「やだ…なんかしんみりしちゃった…」
柿崎「明るいのが取り柄だったんじゃないのー?」
桜子「ほぇーー…つまんなーーい」
4時間目、日本史のぢかん
新田「今回の平均点は75.2点…学年1位だ…、どうしたんだ?お前達…」
パル「いやいや当然ですよぉー」
ふーか「そそ!ボク達めんどくさいから今までやんなかっただけなんだよー!」
新田「…それにしても長瀬が1位とは…気味が悪い…」
楓「はっはっは…拙者が本気を出せばこんなものお茶の子さいさいでござるー♪」
くー「……(楓…ちゃんと将来のコト考えてるアルな…それなのに私は…)」
新田「まぁこれからもこの成績を維持できるように努力を怠らないように!…
赤点は放課後補習をする。わかってるとは思うが必ず来るように…」
キーンコーンカーーン…
新田「採点ミスあったら今日の放課後まで受け付ける、では以上!日直あいさつ!」
夏美「きりーーつ、礼!」
そして昼休みに事件は起こる…
(・∀・)イイヨイイヨー!!
続けて続けてー
ごめんなさい!風呂入ったら眠くなってきたので
続きは明日にでも…
∩_ _∩
( ゚∀゚) wktk!
ノ /
(つ ノ
(ノ
刹那はようやく鎖の戒めを解かれ、冷たい床に転がされた。
「・・・・・!!・・・・せっちゃん!!」
気を失っている彼女の元にこのかが駆け寄る。
刹那は全身をガクガク震わせ、普段の健康的な彼女からはかけ離れた死人のような顔色になっていた。
「あぁ・・・・酷い・・・・・こんなん・・・・・酷すぎる」
冷たい水に濡れた体は今も体温を奪われ続けている。
このかは上着を脱ぐと、それで濡れた刹那の体を拭き始めた。
「おや、いいのか?そいつの体は今、自分で出した小便まみれだぞ?」
このかはエヴァの言葉を無視し、震える刹那を抱きしめる。
(せっちゃん・・・・・・)
いつも自分を護ってくれた刹那。誰よりも強かった刹那が、自分の腕の中で弱弱しく震えている現実に
このかは再び涙が溢れてきた。
(せっちゃん・・・せっちゃん・・・・・・)
このかは冷え切った刹那の体を自らの体温で温めるべく、やさしく、だが強く抱きしめる。
刹那の小さく華奢な体が、今は殊更脆弱にそして愛しく感じた。
「ふん。微笑ましい光景だな。だが、そんな事をさせるためにお前を連れて来たわけではない、どけ」
「なっなんや・・・!まだせっちゃんに酷い事するつもりなん!」
このかは気絶したままの刹那をかばうようにエヴァと睨み合う。
「茶々丸、押さえてろ」
「ハイ、マスター・・・・失礼しますこのかさん・・・・」
羽交い絞めにされ身をよじるこのかであったが、彼女の腕力で茶々丸に抗えるわけがない。
「放して・・・・!これ以上せっちゃんに何するん!もうやめてぇ!」
「なぁに、随分寒そうだから暖めてやるだけだよ。まだまだコイツで遊ぶんだ。死なれてはつまらんからな」
エヴァは気絶したままの刹那を人形遣いの技術の糸で縛り上げると、
次にいつの間にか手に握られた大きな赤い蝋燭に魔法で魔法で火をつけた。
蝋燭は凄まじい勢いで燃え出しあっという間にポタポタと蝋が流れ落ちる。
そして、蝋燭を握ったその手は、床に転がっている刹那の体に近づけられた。
ポタポタ・・・・・・
「うああぁっ!!・・・・・・あ・・・・?・・・・あぁ・・・・・・?」
突如襲った、肌を焼く熱さに、気を失っていた刹那は意識を取り戻し、悲鳴をあげる。
「ようやく目が覚めたか?」
ポタッ・・・・・ポタタ・・・・・・・・
「うっ!・・・・・いやあぁ・・・・あっ熱い・・・・・!」
状況を理解できず、熱いロウを垂らされる苦痛に半ばパニックになり不自由な体をよじらせる刹那。
「ああっ・・・・!!せっちゃん!!」
その痛々しい姿にこのかがたまらず声を出す。
「・・・・・!!お・・・・お嬢様!・・・その格好は・・・・・」
下着姿で茶々丸に羽交い絞めにされているこのかに気づいた刹那は、彼女にまで手をかけたのかと抗議の声を挙げる。
「なっ・・・その手を放せ・・・お嬢様に何を・・・・・ぐああっ」
しかし、言い終わらないうちに大量のロウを全身に垂らされる。
刹那は、とにかくこのかの前では弱みを見せぬために、
今、この間も絶え間なく降り注ぐ熱いロウの雨に耐え、声を殺した。
ボタッボタッ・・・ボタッ・・・・・・・
「う・・・・うぐぅぅ・・・・・・」
魔力を使った蝋燭はいくら溶けてもなくなる事はなく、刹那の白い体を赤く染め上げていく。
「うっ・・・・・あううっ・・・・・・ああっ・・・・」
刹那は全身を襲う気も狂わんばかりの熱さに悲鳴をあげぬよう、必死に歯を食いしばって耐えた。
だがそれでも、きつく閉じられた瞼からはこらえようの無い涙が零れる。
「ハハハ、なかなかがんばるではないか。親愛なるお嬢様の前で。弱みは見せられぬと言う訳か?
しかし、貴様。何を今更体裁を取り繕っている?つい先程貴様は、幾度も卑猥な腰振りを披露した上、失禁までしたのだぞ?」
必死に忘れようとしていた事実を掘り返され、刹那は屈辱に、さらに涙を零した。
ああそうだ、なぜ、このかが上半身下着姿で、茶々丸に押さえられているかわかるか?」
「お・・・お嬢様に・・・・何をした?・・・・!!」
「勘違いするな、私たちは何もしていない。あいつが自分で服を脱ぎ、
濡れたお前の体を拭いてくれたんだよ。小便に濡れたお前をな」
その言葉は刹那にとってあまりにも衝撃的だった。
「え・・・・!?あぁ・・・うぅっ・・・嘘・・・・・お嬢・・・様・・・・・申し訳・・・・・ひいいっ!!」
嗚咽を漏らし、すぐさまこのかに謝罪しようとした刹那にさらにロウが降り注ぐ。
ショックから心のタガが外れた彼女は先程とは打って変わって、垂らされ続ける蝋燭の熱さと痛みに
泣き叫び、体を糸の拘束が許す限り、暴れさせた。
全身に熱いロウを垂らされ、もがきながら悲鳴を挙げる刹那を、最初のうちこそ楽しげに眺めていたエヴァであったが
いつしか、彼女の表情には不満と失望が浮かんでいた。
(・・・・・コイツはここまでつまらない奴だったのか・・・・?)
こんな仕打ちをしていながらも、エヴァはこの刹那の事を、実力、性格、素性全て含めてそれなりに認めており、気に入っていた。
基本的に人間、特に20年も生きていない若輩など下等な生き物としかみなしていない彼女にとって、刹那は特別な存在の一人であった。
しかし、アスナにも敗れ。さんざん醜態を晒した挙句、今もただ苦痛に喘いでいるだけの刹那の姿はただの人間と変わらない。
その事がエヴァには不愉快に思えてきた。
(少し試すか・・・・これでもしダメならその時は・・・・・・)
「・・・・・・茶々丸、手を放せ」
「・・・・ハイ、マスター・・・」
エヴァに命じられ、茶々丸が拘束を外すと、このかはすぐさまロウを垂らされ続ける刹那の元に駆け寄る。
「も、もうやめてや・・・・・きゃぁぁあっ!!」
このかは降りかかる蝋から刹那を守る為、彼女の上に覆いかぶさった。
下着姿のこのかの素肌の上に熱いロウが零れ落ち、彼女の白い肌を焼く。
「あぎっ・・・・・うぅ・・・・」
(いた・・・・・ぃ・・・こ、こんなんをさっきからせっちゃんは・・・・・・)
あまりの痛みに、このかはうめき声をあげると、そのまま刹那の体に突っ伏してしまった。
「!!・・・・・お・・・・・お嬢様っ!!」
次の瞬間、刹那はエヴァの糸を一瞬にして引きちぎり、片手でこのかの体を抱きかかえる。、
そしてそのまま反対の拳は目の前にいたエヴァの顔面を捕らえていた。
ぐしゃっ・・・・・
その一撃の威力は普段の彼女の剣技の奥義のそれを越えていたかもしれない。
エヴァは自分の顔面が崩れる感触を味わう事となったが、この空間は呪いの干渉を受けない彼女の別荘の一室。
殴られた衝撃で、壁まで吹き飛ばされるも、平然と立ち上がり、
そして吸血鬼である彼女の不死身の肉体は瞬く間に再生が行われ元通りとなる。
刹那と茶々丸、双方が完全に臨戦態勢の構えを取るが、その両者をエヴァは無言で制した。
「ふん・・・・完全に緩みきったわけではなかったか。その女を傷つけられてなお、何も出来ぬほど腑抜けていたのであれば、
二度と剣を握れぬ様にしてやるつもりだったが・・・・・貴様にはまだ虐めるだけの価値はあるという事だな」
エヴァの発言に刹那は唇を噛む、普段の彼女ならば、エヴァの言動は気持ちの緩んだ自分を諫めるため
などと好意的な解釈の一つもしただろうが、そのためにこのかを利用し、
傷つけた事は彼女にとって絶対に許せない事だった。
「・・・・これほどの辱めを与えてなお・・・・
貴女が私を苦しめ足りないというなら、どんな責め苦でも私は謹んで受けましょう。
・・・・・だが、そのかわりお嬢様にこれ以上の手出しは貴女と言えど決して許さない。
例え刺し違える形となろうと、私はお嬢様を御守りする」
刹那の発言に今度はエヴァは笑みを浮かべ答える。
「それは貴様が私のあらゆる陵辱、拷問に耐える代わりに、大切なお嬢様には手を出すな?と解釈していいのか?
まぁ、賢明といえる判断かもしれないな。この空間では武器も持たない貴様は決して私には勝てん」
エヴァの言っている事は、8割方的を射ていた。夕凪の無い刹那がエヴァと茶々丸に勝つのは不可能だ。
このかを守る為には今の刹那は出来うる限りの譲歩をするしかない。
しかし、それ以上に刹那は今までのわずかな時間に自分の未熟さが招いた数々の失態を自分自身で許せなかった。
ここで、このかを守るためにエヴァの虐待を受け続け、それに耐える事を彼女は自分への罰であり贖罪としようとしていた。
だから、次の言葉にも迷いはなかった。
「ええ、私は何日でも貴女の気が済むまでここにいましょう。ですからお嬢様は・・・・・」
「いやや!せっちゃんをこんなところに置いてけぼりにして。ウチだけ逃げるなんてでけへんよ」
刹那が言い終わらぬうちに、それまで黙って二人のやり取りを聞いていたこのかが口を挟んだ。
「・・・・お嬢様・・・・これは私自身が望む贖罪でもあるのです。
先程は私の未熟さゆえにお嬢様にお怪我を負わせてしまいました。
この事は償っても償いきれるものではありません・・・・・・・」
「そんなんウチはどうでもええよ!・・・・・それに、せっちゃんがいなかったら誰がウチを守ってくれるん?
ウチはせっちゃんと一緒じゃなきゃここから出んよ」
「お嬢様・・・・・しかし・・・・・!!」
言い合う二人に今度はエヴァが口を挟んだ。
「安心しろ。刹那、貴様が先程自分が言い出したように、貴様が私の拷問に耐えている限りは
お前の大切なお嬢様には手を出さんし、この別荘の中でも出来る限り不自由させないと約束してやる」
「本当・・・・ですね・・・・」
「ああ・・・・貴様の方が先に約束を破らぬ限りな(ニヤリ)」
こうして3人の意見は合致した。
(このような事になったのも全ては私が弱かったからいけないんだ・・・・・お嬢様申し訳ございません・・・・・)
(くくっ、こいつは馬鹿だ、文字通り鳥頭だ。こうも思惑通りに事が運ぶとは思わなかったよ。
それにこいつさっき少し私の事を「いいヒト」だと思っていたみたいだったぞ。
私が「いいヒト」のわけがないだろうが)
(せっちゃん・・・・今度はウチが・・・・・せっちゃんの事、絶対助けたげるから・・・・)
せっちゃん虐待イイヨイイヨー
わたくしの股間がムクムクと膨らんできましたよ
1000:ネウロ :2006/06/08(木) 09:57:43 ID:??? [sage]
アッー!!?
ネウロ人気ktkr
昼休み…
亜子「ふぁー!お腹すいたぁー♪」
ゆーな「あとは数学かぁー…でもちょっち自信あったりしてー」
アキラ「あ、私もー♪」
まき絵「…いいなぁ…私いまんとこ全部赤点…」
ゆーな「……仕方ないじゃん、あたしら勉強してるときに遊んでたんだから」
亜子「そろそろまき絵も進学のこと考えんとあかんてー」
彼女達は少しいらついていた。明るさが取り柄のまき絵にこうもうじうじ
されると、いくら親友でも文句のひとつを言いたくなる。
まき絵「だってだって!それなら一緒に勉強してくれたっていいじゃんっ!」
亜子「うち何回も誘ったやんー、そろそろ勉強しよーて」
ゆーな「そーそー、つかそろそろ受験生っていう自覚もちなよ」
まき絵「ぅ、うぅ…ぐすっ、どうせ…私はバカだもん…もういいよ!!」
そういうとまき絵は泣きながらどっかへ行ってしまった。
アキラ「ぁーあ…」
ゆーな「はぁ…、ほぉーんと…」
亜子「お子チャマやなぁ…」
いつもならアキラあたりがまき絵の後を追うのだが、誰も追うことは無かった。
こうも幼稚だと、もはや呆れて追う気にもなれない。
つづく…
一方くーふぇ。
くー「はぁー…(こりゃーヤバいヨ…母さんに怒られるネ…)」
彼女ももちろん全教科赤点である。
朝倉「あっはは!アンタもう将来水商売で生きてくしかないねーw」
超「いくら私でもバカにつけるクスリはつくれないネ☆」
超がくーふぇにのしかかってぺしぺしと頬を叩く。
言うことはキツいが、これも彼女達流の慰めであった。
しかし…
くー「し、失礼アルな!私はバカじゃないアル!!」どかっ!
超「キャッ」
手を払うつもりが、勢いあまってくーは超を突き飛ばしてしまった。
まぁこんなことは親友同士なのでふざけあってよくやるのだが
今回は当たり所が悪かったらしく、超の腕がみるみる赤くなってゆく。
朝倉「……アンタ…なーに怒ってんのさー」
超「ふーっ、ふーっ…、痕になったらどうするネこのバカゴリラ!」
くー「(カァッ…)バカじゃないアル…バカって言うほうがバカアルよ!!」
今にも取っ組み合いのケンカになりそうな勢いだ。
朝倉「ゴクリ…(ひぇー、こりゃスクープだ!!)」
超「……フンッ、やーめた、バカの相手はしてられないヨ…」
くー「…超っ!(…また、暴力ふるてしまたアル)」
朝倉「…なぁーんだ、つまんないのー!」
超と朝倉は呆れたように言い放つと、ハカセたちのいる
グループに入っていった。
くー「……もぐもぐ」
一人ぼっちになってしまったくーふぇは、すっかり冷めてしまった
肉まんを頬張った。
さすがY
リアルなイジメだな
52 :
マロン名無しさん:2006/06/09(金) 00:48:18 ID:Kfs2YqoL
GJ
GJ
GJ
GJ
GJ
GJ
GJ
GJ
GJ
GJ
GJ
GJ
GJ
GJ
GJ
GJ
GJ
そして悪夢の数学の時間が始まる。
数学教師「よーしではお待ちかね、テストの返却を始めるぞー」
ざわざわ!
「ひゃー、ついに来たかー!」「私自信あるなー」
「証明とか全然わかんなかったぁー!」「うわぁぁぁ(AA略」
数学教師「先に最高点と最低点を教えるぞー、最高がーなんと満点!」
朝倉「ぉおおお!当然私だな!」あやか「いいえ、わたくしですわ」
夏美「普通にハカセかちゃおりんだと思うよ」
数学教師「そして、最低がー、えーと、9点だな、赤点は2人だ。」
アスナ「!?(2人!?そんな!?)」
くー「……(ぅー、もう赤点は嫌アル…)」
まき絵「……(私に決まってる…)」
超「アハハ、そんなオバカサンなんているのかネ?」
亜子「ほんまやなー、ウチらあと3ヶ月もすれば受験やのにー」
数学教師「コラコラ、まぁ確かに今の時期でこんな点数を取ってるのも
問題だな、先生としてはガッカリだ、ちなみに平均点は67.8点
で学年4位。まぁまぁかな」
超「誰かサンが足引っ張らなければもっと高かったかもネー」
数学教師「はい、いいかな。では出席番号順にとりに来てください。朝倉ー…
…………
………
…
そして全員のテストの返却が終わった…。
果たして赤点は誰だったのか!?つづく…
>>51、52
ありがとうございます!
悪夢マダー?
数学教師「…ザジー」
ザジ「はい…」
数学教師「よくやったな、95点、クラス4位だ」
ザジ「……(ちうに自慢しよー♪)」
数学教師「よし、全員返却したなー、採点ミスはないかー?授業の終わりまで
受け付けるぞー」
わいわい…
アスナ「…(一人は当然私だとして、もう一人は誰なんだ…?)」
まき絵「ぁ…あ…」
風香「まき絵、どうだった…?」
まき絵「さ・さ…30点…!!」
風香「おーーっ!よかったじゃーん!!」
亜子「なんやー!!よかったなぁまき絵ー!赤点突破やー!」
円「がんばったねーまき絵!今夜は赤飯かぁーw」
まき絵「ひっぐ、やったぁ…これでもうバカピンクとは呼ばせないぞー!」
亜子「なに言うてんねん、まったく調子ええんやからー」
まき絵「アハハハハ!」
数学教師「そこうるさいぞー、では答え合わせをする。…一問目の<1>は…」
まき絵に笑顔が戻った。ぎりぎりセーフだったが、今まで全教科赤点の
彼女がこの点数、それも数学で取ったことは奇跡に近いことだった。
しかし、当然…
くー「…うぐーっ…(28点…あと、あと1問間違ってなければ…悔しいッ悔しいッ!)」
たった2点の差で天国と地獄である。テストでこんなに悔しい思いをしたの
は初めてであろう。
超「クク…」
(ノ-"-)ノ~┻━┻
自治スレでなんか怪しい動きが
うっさい自治厨カエレ
―帰りのHR
ネギ「それでは帰りのHRを終わります、赤点のあった人はちゃんと残ってくださいねー」
まき絵「はーいっ!」
ネギ「あれ?まき絵さん元気ですねー」
亜子「数学30点で赤点じゃなかったんやー」
まき絵「エヘヘー、すごいでしょー?」
ネギ「は、はは、そうですね…」
亜子「ホラ、先生困っとるやん…」
ネギ「い、いいんちょさん号令お願いしますー」
………
そして教室の掃除が終わるまで赤点組は廊下で待機。これでは自分が赤点だと言っているようなものである。
だが仕方がない…、こうしているしかないのだ。
まぁ彼女達にとっては恒例行事だったのだが…
……
くー「はぁーーー……今日は部活行けないアルな…」
まき絵「私はギリで行けるかなー♪一教科無いだけでだいぶ気がラクだー」
アスナ「ゔーー、帰りたーーい……」
いつもならいる楓と夕映がいない。『赤信号、皆で渡れば…』というヤツで
前はあまり危機感を感じなかったのだが、全教科赤点はクラスで2人だけ、
それもまき絵にまで抜かされたとなれば、かなりの屈辱である。
「じゃーねー☆」「帰りにスタバ寄ってかなーい!?」「ゴメン、今日はぐっすり眠りたいー」
「いやーようやく肩の荷が降りたわ」「遊ぶぞー!」
次々と自分の目の前をオリジナル笑顔が通り過ぎていく。
『あぁ、あの時もっと頑張れば…』なんていうのは後の祭りだ。
……
ネギ「…それじゃー、教室が開いたので入ってくださーい」
怒涛の補習が始まるッ……!
ゼロ氏、ミラー氏、超いじめ氏、◆lHX0woHpcE氏
肝井先生、腐女子パルいじめ氏、刹那虐待氏、ネウロ氏
待ってますよ…ウフフ
みんなも気軽に書き込んでね…!
パルいじめの中の人です。しばらく投下できずすみませんでした。
スローペースになりますがよろしくお願いします。
では投下します
―持ち物検査の日の帰り
その日の授業が終わり、皆それぞれ仲の良い友人と共に家路に着く。
太陽の光が消えかかった夕闇の中の群衆。
その内の一つに、ひどく、歪んだ会話で盛り上がる三人の姿があった。
美砂「てかあんなやつがまずクラスでやっていけてたのが信じられなくなーい?」
桜子「ほんとほんと。ねー円ぁ」
円「う、うん、そーだね」
桜子から同意を求められた円は伏し目がちに答えた。
美砂「でさぁ、ちょっと私考えたんだけど、ちょっと二人共耳貸して」
美砂から告げられた言葉は円の想像を絶するものだった。
桜子「やばっちょーうけるーwほにゃらば明日実行だねー」
後のことなど何も考えていないだろう桜子は、心から楽しんでいるようだ。
円「えっそれは…」
やっちゃいけない。今私が止めないと二人はどんどん暴走するだろう。
彼女達がどんな性格をしているかは3年間ずっと一緒に過ごしてきた私はよく知っている。
だめだ、そんなの…間違ってる。
美砂「円は乗り気じゃないの?」
円「乗り気じゃないとかじゃなくて…、やっぱそれは人間としてやっちゃだめだと思うから…」
桜子「いいじゃん、ゴキブリなんだから。私達ゴキブリきもいから潰すじゃん?それと同じ感覚だよ☆」
美砂「そうそう。今受験でストレス溜まってるし、いい玩具になるじゃん。」
円「でも…」
美砂「私達親友よね?円は一人だけいい子ぶっちゃったりは…しないよね?」
そんなものはストレス解消という名の下に許されるべき行為ではない。
そんなことは良く分かっている。でも…
円「うん…分かったよ…」
仲の良いこの二人の友人との関係を壊してまで反対することが私にはできない。
私は恐いんだ。私自身が仲間外れにされることが。
普段はリーダーぶってるくせに、肝心な時に二人を止められない。
こんな自分に嫌気がさした。
やっぱり私にはできない。だけど止める勇気も持つことができない。私は…どうすれば…
いつの間にかに日は完全に落ち、辺り一面闇に包まれていた。
ぶっちゃけパルはリアルでもいじめくらいそうだよな。
明るさが裏目に出てウザがられるタイプ。
レスをくれた方ありがとうございます。
今日続きを投稿しようと考えていますが。
内容が猟奇、グロとまではいかなくても
一部の人には受け入れられないかもしれないものなので
あまりにも痛々しいのは苦手、今まででも結構きつかったという方は
「虐待」あたりでNG登録してください。
密かに一番楽しみだったパルイジメが再会されたみたいで嬉嬉
>>67 + +
∧_∧ +
(0゚・∀・) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
「では約束どおり、貴様にはさらなる苦痛をあたえてやる。茶々丸、そいつは上に連れて行け。
これから私が刹那にする行為は、お嬢様育ちのそいつには少々刺激が強すぎる」
「ハイ、マスター・・・・このかさん」
茶々丸はこのかを促すが、彼女は刹那の側を離れようとはしない。
「ま・・・・まだ、せっちゃんに酷い事するん・・・・・?」
「お・・・・お嬢様・・・・私には・・・・・お構いなく・・・・」
「いややよ!そないな事言われたらますますせっちゃん置いて行くわけには・・・・」
しぶとくエヴァに食って掛かるこのかにエヴァは苛立ち、声を低くして言う。
「おい貴様、一体何様のつもりだ。お前になにが出来るというのだ?
約束をした手前貴様には今のところ手は出さないでおいてやるが、それも私の気分次第だという事を忘れるな。
私の機嫌を損ねれば、貴様も、そして刹那もさらに酷い目に逢うかもしれんぞ?」
エヴァにそう言われて、このかがこれ以上逆らえるはずがない。涙を浮かべ、唇を噛み、黙り込んでしまう。
そんな彼女に刹那は優しく言葉をかけた。
「お嬢様・・・・私にはお嬢様のお気持ちだけで充分です・・・・・ありがとうございます・・・・」
「うぅっ・・・・・じゃあ・・・・せめて・・・せっちゃんの傷を・・・ウチに治させて・・・・」
わずか数滴ロウを垂らされた自分の背中も未だじくじくと痛むのだ。
もはや肌の露出した面積のほうが少ないほど全身真っ赤なロウに覆われた刹那の痛みがどれほどのものかは想像に難くない。
「ふん、まぁそれぐらいは許可してやる、それが済んだらとっとと言うとおりにするんだな」
「ぐすっ・・・・せっちゃん・・・・ごめんね・・・・・ウチ・・・これぐらいしか・・・してあげられへん・・・・・」
このかは刹那のロウにまみれた体を抱き、彼女の治癒の力は
刹那の全身にまとわりついたロウの下の火傷とその心を癒してくれた。
(お嬢様・・・・・お嬢様のこの心遣いだけで・・・・私は救われます・・・
これからどんな事があろうと耐えられます・・・・・)
刹那もまた涙を流し、無意識のうちにこのかの身体を抱き寄せる。
このかは茶々丸に連れられ、上の階へと続く階段を登りながら思考をめぐらせていた。
(やっぱあのヒトは・・・・どうせウチには何もでけへんとだろうと思おとる
・・・・・ほなら・・・・・待っててやせっちゃん・・・・・絶対助けるから・・・・・)
茶々丸が戻り、3人きりになった拷問室。
刹那は全身にロウをこびりつかせたまま、硬いベッドの様な台に四肢を糸で縛り付けられる形で拘束された。
しかし、とりわけ手首から上の拘束が厳重である。
指の第一関節の部分にまで糸が幾重にも巻きつけられ、まさに指一本動かせない状態だ。
その意味をこれから彼女は知る事になる。エヴァの手には茶々丸に渡された鋭い針が沢山握られていた。
「くくく、これを今から貴様の体に刺す。どこに刺すかわかるか?」
エヴァは残酷な質問を刹那に問う。
彼女のやろうとしている事は刹那にもおおよその予想がついた。彼女は自分の爪と肉の間に針を突き刺すつもりなのだろう。
ささくれ立った木が、爪の間に刺さった事は道場などで何度かあるが、その激しい痛みはできれば味わいたくないものである。
だが、この程度の事をされるのは予想していたし、覚悟も出来ていた。
「くくっ・・・・覚悟はいいようだな・・・・ではいくぞ」
針の先端が刹那の右手の小指の爪と肉の間に触れ、覚悟はしていても刹那の全身には思わず鳥肌が立つ。
「くく・・・これが本当のトリハダという奴か?それ!」
ズブッ・・・・
「・・・・・・っ!!」
神経の集中している指先に走る激痛に、刹那は唇を噛み締めて悲鳴を押し殺す。
「ほう?声を出さんか。もっともこの時点で痛がっているようでは、とうていこの先耐えられないだろうがな」
ズブッ・・・スブッ・・・・
薬指・・・・中指とエヴァは次々と刹那の指に針を突き刺していく。
刹那の味わう痛みはその都度2倍、3倍と膨らんで襲ってくるが、まだまだ耐えられない程の痛みではなかった。
右手が終わると次は左手に、それが終わると、さらに針をもう一本ずつ突き刺し、
最終的に20本の針が刹那の爪の中に突き刺された。
「う・・・・・ぐうぅぅ・・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・」
全ての爪と肉の間に針を刺された痛みは相当なものであった。
刹那はなんとか悲鳴こそあげないでいるものの、目からは涙が零れ、全身は軽く痙攣を起こしている。
「フフフ、やはり根性はなかなかのものだな?だが、これでもまだ音を上げずにいられるかな?」
エヴァはそう言うと、爪と肉の間から飛び出ている針のうち数本を掴むと、それをぐりぐりと刹那の爪の中で掻き回し始めた。
「ひぃっ・・・うご・・・か・・・・さない・・・・で・・・・あぐうぅ・・・・」
これには流石の刹那も、懇願の声を出すがエヴァは意に介さず、その行為を続ける。
「辞めてほしければいつでも言え。だが、貴様は先刻自分の言った事を忘れたわけではあるまい?貴様は自分が守るべく
お嬢様のために私の拷問に耐える決意をしたのであろう?」
そう言われ、はっ、とした表情になり、再び口を紡いだ。
その態度を見て、エヴァは残酷な笑みを浮かべると、一度針から手を離し、
右手人差し指から出ている2本の針をゆっくり持ち上げる。
ぐぐぐ・・・・
「うっ・・・・!」
当然の事ながら、爪は徐々に指から剥がされていく事となった。
ぐぐっ・・・・ぺりぺりぺり・・・・・・・
「うああああっ・・・・・・」
生爪を剥がされる激痛に刹那は耐え切れず、再び悲鳴をあげる。
「くっくっく、残り9枚、まだまだ先は長いぞ?」
ぐぐっ・・・・べりっ・・・・・ぐぐっ・・・・・べりっ・・・・・・
「ぎっ・・・・・うぐうぅぅぅ・・・・・・うあああぁぁぁぁ・・・・・・」
次々と刹那の爪は剥がされていく。・・・・・そして・・・・・・。
「・・・・・・ようやく片方剥がし終わったか。面倒だ、こちらはいっぺんに剥がしてやろう」
エヴァは左手の指の針をまとめて掴むとそのまま力任せに上に引っ張った。
ぶちぶちぶちっ
「うぎゃあああっ!!!!」
つま先から頭のてっぺんまで駆け上がるような激痛。刹那は白目を剥き悶絶する。
先程すでに漏らしていなければ、失禁していたかもしれない。
「ちっ、綺麗には剥がれなかったか・・・・・・ふん!」
べりっ!
根元にかろうじてくっついた状態の爪をむしりとると、剥がれた爪に指の皮がくっついてきた。
「ひいいっ!!」
とうとう刹那の両手、十本の指全てから爪が剥がされる。彼女の細い指は幼い子供が母親のマニキュアで遊んだ後の
様に真っ赤に染まっていた。
「・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・・」
台の上で全身から汗を流し、呼吸を荒げている刹那。しかし、彼女にエヴァはさらに残酷な言葉を投げかける。
「まだ、終わりではないぞ、真の地獄はこれからだ」
(・・・・そんな・・・・!今でも・・・・死にそうなほど痛いのに・・・・・)
エヴァは刹那の爪の剥がれた右手の親指を掴むと、爪が剥がれて露出した赤く柔らかい肉に、彼女の尖った爪を突き立てた。
「・・・・・っ!!!!!・・・・・・・・ひぃぃっ!!!」
再び襲いくる凄まじい痛みに、刹那は目を見開く。
エヴァはさらに、突き立てた爪を力をいれたまま、ぐりぐりと肉の中でかき混ぜるように動かした。
「ぎっ・・・ぎゃあああああああっ!!!いだいっ!イタイ、痛い、いたいぃぃぃっ!!!!!」
もはや形容の仕様が無いほどの激痛。肉や血管と一緒に敏感な指先の神経がぷちぷちと引き裂かれていく痛み。
「ハハハハ、気丈に耐える姿も良かったが。やはり拷問に対する反応はこうでなくてはな!」
エヴァは右手の親指以外の4本の指にもそれぞれ一度に爪を突きたてる。
そして、骨まで達するかというほど深く爪を食い込ませた上で力を入れて・・・・・・・一気に引いた!
ずりゅっ・・・!!ぴちぴちっ・・・・
「っっっっっっっっ!!!!!!!!!」
もはや刹那の口からは悲鳴すら出なかった。
刹那の指の肉はいっぺんにえぐられ、中にはピンク色の骨を覗かせているものまである。
そしてエヴァの爪の中には、血にまみれた肉片が残っていた。
彼女は自分の指を口に持っていき、おいしそうにそれをしゃぶる。
「ちゅぴ・・・ちゅぴ・・・・おっと、待てよ?貴様の血など吸ったら鳥インフルエンザにかかりそうだな・・・・・
まぁいいか、さぁて・・・・反対の指も・・・・・・」
ここまで来て、とうとう刹那は耐え切れず叫び声を上げた。
「やっ・・・やめてぇ・・・・もうやめてっ・・・・・お願いします!痛い、痛いぃ!!」
「なんだ?とうとう音を上げるのか?それではこの続きはお嬢様に代わっていただくか?」
「・・・・そっ・・・それだけは・・・・・させな・・・・」
一度は糸が切れたかと思われた刹那の目に再び光が宿る。
「・・・くくく、そうか。そうこなくてはな、おい茶々丸!」
「ハイ、マスター」
茶々丸がエヴァに渡したのは、見るからに目の粗い紙やすりであった。
「うっ・・・そっ・・・それは・・・・」
刹那に凄まじく嫌な予感が走る。
「ふふふ、見当がついたか?貴様は頭は悪いが感は良いな」
エヴァは紙やすりを刹那の指先に押し付けると、それをゆっくり動かし始める。
ずりゅっ・・・・・ずりゅっ・・・・・・・
「・・・・・うあああああああ・・・・・・がががががが・・・・・・・・・」
先程、一気に肉をえぐられた時の痛みも筆舌に尽くしがたかったが、
じわじわとやすりで肉を削がれていく痛みもそれに劣らぬ地獄だった。
「ハハハ!どうだ?痛いか?痛いであろう?」
(ああああ・・・・・お嬢様・・・・・・・このちゃぁ・・・・あん・・・・・・・)
もはや、刹那の精神はこのかの事を思うことでかろうじて保たれている状態である。
この拷問は、左手の爪の下の肉がそぎ取られ、骨が露出するまで続いた。
「ふう・・・・私も疲れた・・・・今日はこの辺にしといてやるか・・・・」
刹那の地獄の時間はようやく終わった。もっともこれは一時の中断に過ぎないが・・・・・・
「マスター・・・・・お疲れ様です・・・・」
茶々丸に渡されたタオルで飛び散った刹那の血を拭うと、後始末を茶々丸に任せ、エヴァは自室に戻っていった。
(さぁて・・・・次はどうやって虐めてやろうか・・・・・・)
グロス
GJ!…だが指が痛くなってきたYo!
キャァァァァアァァ
>>26 チャチャゼロ残酷編5 後編
> 怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。
> おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた、等しくおまえを覗き返すのだ。
> ―― フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ 『善悪の彼岸』
ゼロの表層意識を読み取らんと、広げられたのどかのアーティファクト……。
薄暗がりの中、その異様な紙面に、のどかは息を飲む。
「――な、何なの、これ?!」
ページは、真っ黒だった。一見して、真っ黒だった。
絵日記形式の片鱗も残さず、グチャグチャと何かに埋め尽くされている。
……否、よくよく見ると。
確かに、それは絵日記だった。一応、いつもの絵日記帳の枠線も罫線も残っていた。
ただその枠線も罫線も全て無視し、紙面全てを埋め尽くさん勢いで文字が溢れている。
到底正気とは思えぬ「言葉の断片」が、縦横無尽に踊っている。
『殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ』『ロ兄』『<Who killed Cock Robin?>』『血マミレ希望』
『1.立ち止まれば斬る 2.歯向かったら折る 3.逃げたら吊るす 4.要するに殺す』
『T?ten sie! T?ten sie! 』『豆知識:人間の体重の1/13は血液』『獣ノ様ニ激シクSEX』
『魔法のプリンセス・ブラッディ★ゼロ! 変身! リリカル・トカレフ・キルゼムオール♪』
『赤い花咲いた 綺麗に咲いた』『magisterum magi chachazero』『……電波、届いた?』
統合失調症(古い呼び方では精神分裂病)の患者の一部が、時にこのような書き方をする。
紙の余白が許せぬのか、文字でびっしりと埋め尽くすまで書き続ける強迫的行動。
チャチャゼロの「表層意識」は、まさにその典型的な様相を呈していた。
こちらにまで「感染って」しまいそうな圧倒的な狂気に、のどかは激しい眩暈を覚える。
――ちょっと「普通」ではない絵日記帳の表示。
あるいは本当は、そこで本を閉じておくべきだったのかもしれない。
まだその時点なら、のどかは「引き返せた」のかもしれない。
けれど、彼女は。
「で、でも、これだけ『情報』があるんだから、どこかに手がかりがあるかも……!」
彼女はじっくりと読み込み始める。マトモな文章の体を成してない、文字の羅列を追う。
比較的意味の通る言葉を探し、1つ1つ確認していく。
『コレで6人か』『茶々丸の餌付けしてる野良猫ウゼー、殺しちまいてー』『満月マダー?』
『ツマンネェ御主人ガ丸クテツマンネェ下克上シテヤル』『アルベールにぞっこんLOVE』
『諸行無常』『『ケケケッ』と『キャハ!』、どっちが相手を追い込めるかナ。精神的ニ』
『うぜーうぜー、読心術者のガキうぜー。何がボーヤに用事だ、俺を疑ってるくせにヨ』
「……!!」
その一文に、のどかは思わず凍りつく。
バレてる!? チャチャゼロを疑っていることが、その本人にバレている?!
さらに文章は続く。珍しく長い文章。驚きつつもその続きを読む。思わず読み続ける。
『大体だな。読心術ってのは魔法においては基礎的な術に過ぎないんだよ。
確かにあのアーティファクトは使い勝手がいいけどよ、マァそれだけサ』
そう――確かに読心術というのは、実はあまり難しい魔法でもない。
実際に麻帆良学園にやってきたばかりのネギが使えたほど、簡単な術なのだ。
ただ通常は呪文が必要で、また額への接触も必須。これでは実戦に使えない。
そういう意味では、接触も呪文も不要なこの本は、極めて便利な代物なのだが。
『で、読心術は基本であるだけにな――それに対する対策ってのも、ちゃんとあるのさ。
例えば、無意味なコト・本質からズレたことを、ワザと思い浮かべたりだとか。
例えば、呪詛返しの要領で、相手に術を返したりとか――』
ネギが麻帆良学園にやってきたその日、タカミチが咄嗟に取った方法がまさに前者。
意識の表層に『ノーパン』などの単語を思い浮かべ、それ以上の侵入を阻止したのだ。
闇の世界で豊富な経験を積んできたチャチャゼロが、素直に心を読まれるはずもない。
『ケケケッ』
ざわり、とログハウスを囲む森が揺れる。風があたりを吹き抜ける。
どこかから、笑い声が聞こえる。耳障りな笑い声。いやこれは幻聴だろうか?
その声に応じるように、日記帳の紙面が、紙面を埋め尽くす文字が、ユラリと揺れる。
そんな機能はないはずなのに。一旦書かれた文字は残り続けるはずなのに。
紙面に溢れる文字が次々にブレて、リアルタイムでどんどん書き換えられていく。
一体、何が起こっているのか。
魅せられたように見入ってしまうのどか。怖いのに、何故か目が離せない。
そして――のどかは、見た。見てしまった。
『好き好き好き好き好き好きネギ先生大好き』『ねこにゃにゃんの新作絵本まだかなぁ』
『現実ノ世界ヨリ本ノ世界ガ好キ』『夕映の飲んでるジュース、あれ美味しいのかな?』
『怖い。いろんなものが怖い。怖い』『本屋じゃないですー、本屋って呼ばないで下さいー』
『本に貴賎なしです』『キス。キス。キス。キス。大人のキス。ディープキス。フレンチキス』
『Celtic Moon』『魔法って凄いなぁ、魔法の本凄いなぁ、魔法使えるようになりたいなぁ』
「……!? こ、これって、ひょっとして私の……!?」
強迫的に埋め尽くす構成はそのままに、無秩序にあふれ出す『のどかの』精神。
普段『いどのえにっき』が映し出すのどかの表層意識とはまた違う。
もっとあからさまな、もっと露骨な、表層意識に留まらない、のどかの丸裸の魂。
『ハルナは正直苦手です、ってかお節介で煩くてズカズカ踏み込んできて鬱陶しい……』
『夕映はトモダチだけどトモダチって時々面倒だよね特に夕映は変に思い悩むんで』
『クラスの能天気な連中マジうざいみんなバカばっか五月蝿いぞ黙ってろこのバカども』
『嫌い嫌い自分が嫌いみんなが嫌い世の中が嫌い何もかも嫌い閉じこもりたい』
『前髪は心の盾。表情を見られなければ。何考えてても。バカどもに分かるはずないし』
『大人の男は嫌い不潔汚らわしいネギ先生は子供だから大丈夫子供だから子供だから』
『ククク、この本さえあれば。この本があればみんなの心が読み放題♪ アハハ♪』
「あ……? え……?!」
なんともえげつなく、赤裸々に晒される心の奥底からの声。蒼ざめるのどか。
激しい眩暈。貧血のあまり立っていられなくなって、その場に膝をつく。
膝をつきながら、しかし目だけは本から離せない。
もう読むのも苦痛なのに、視線を逸らすことができない。本を閉じることができない。
「あた、あたし、こ、こんなこと、考えてなんて……」
『いいや、これがお前の本心。これがお前の素直な気持ち。
欺瞞にまみれたお前の表層意識、一枚ひっぺ返せば醜く邪悪な心で満ちているのさ』
「これが、私……!? いつもの私は、嘘ってこと……?!」
ゼロの呪詛返しにより、逆に暴かれたのどかの精神。逆に操作されたのどかの本。
悪意と呪力を上乗せされた『えにっき』は、のどかの深層心理にまで踏み込んでいた。
どんな人間でも、心の底には邪悪な部分がある。親友にも不満はある。
ただ本当は、醜い部分も持ちつつ、でもそれだけではないのが人間なのだ。
醜さをも上回る優しさや自制心があって、それら全てひっくるめて1人の人間なのだ。
けれど、そういう醜い部分だけを切り出し、こういう形で晒されてしまえば……
のどかに、耐えられるはずがない。
ただでさえ自己評価の低い彼女に、反論できるはずがない。
ゼロの悪意に満ちた誘導、それに素直に乗ってしまう――
『世の中バカばっか。でも一番のバカは自分自身』
「わたし、自身……」
『みーんな気付いてないと思ってる。みんなをバカにしてること、バレてないと思ってる。
でも実際は、モロにバレバレ♪ みーんなちゃんと気付いてる♪』
「みんな……気付いてる……」
『恥ずかしいよなー。情けないよなー。ネギ先生だってちゃんと気付いてるぜ。
気付いてて、でも優しいから付き合ってやってるんだぜ。見てて哀れ過ぎるから』
「そんな……ネギせんせーも……?」
のどかは気付かない。気付く余裕がない。
いつの間にか日記帳の文面が、自分の精神からかけ離れてきていることに。
悪意をもった誘導と攻撃にすり替わってきていることに――
……エヴァのログハウスの前。すっかり暗くなった空。
呆然としたのどかが、本を抱えて座り込んでいた。
すっかり魂の抜けたような様子の彼女。表情を完全に隠す前髪。
ただ頬だけが、涙に濡れている。いつまでも枯れることなく、濡れ続けている。
「……あれ、のどかさん。どうしたんですか、こんなところで!?」
1日分の修行を終え、エヴァの小屋から出てきたネギが、彼女の背に声をかける。
ビクン! と震えるのどか。慌てた様子で立ち上がると、ペコペコとネギに頭を下げて。
「な、ななな、何でもありませんッ! し、失礼しますッ!」
「あ、ちょっ、の、のどかさんッ!? 危ないですよ、こんな時間に……!」
ネギの制止の声も届かない。のどかは逃げ出す。全速力でその場を逃げ出す。
とてもではないが、ネギのことを正視できない。
自分の顔も姿も何もかも、ネギに見られたくない――ネギ先生にだけは、見られたくない――!
「の……のどかさーん!?」
――かくしてのどかは、精神を犯された。
ゼロの悪意に満ちた読心術と暗示の前に、その魂を叩き壊された。
のどかは前髪を上げる勇気を失い、『いどのえにっき』を覗く勇気を失い、そして――
「――あれ? そういえば今日、本屋ちゃんは?」
釘宮円の新たな髪形に、ふと朝倉和美が呟く。
のどかがゼロの心を読もうとした日の、翌日の朝。
チア3人組の変化に気を取られ、クラスの大半が欠席者の存在を忘れていた。
クラスの中を見回して、事情を知ってるであろう人物を探し、声をかける。
「ねーねー、ゆえっち。本屋ちゃんどうしたか知らない?」
「のどかなら……昨夜遅くに帰ってきてから、ずっと様子がおかしいのです。
布団に潜り込んだまま、出てこようとしなくて……。部屋に引き篭もっているです」
和美の問いに、席から見上げる夕映は困惑も露わに答える。
親友である夕映にとっても、のどかの急な豹変はまるで理解不能だった。
何があったのか尋ねてみても、マトモな返答がない。夕映さえも避けるような態度。
気分が悪いの、と布団越しに応えた彼女を寮の管理人に任せ、出てきたのだが……。
「なんだ、本屋今日は休みなのか。……困ったな、ちょっと頼みたいことあったのに」
夕映と和美の会話を耳に挟み、呟いたのは長谷川千雨。
「用って何ですか、千雨さん」
「いや、ちょっと図書館島で調べたいことがあってさ。本探すの手伝って欲しかったんだ。
あのバカげた図書館、プロの手ェ借りないと使えねーしさ……」
「なら、代わりに私が手伝うです。のどか程ではありませんが、本の検索なら……」
のどかの話題から離れ、図書館の話に移る2人。
そんな2人をよそに、和美は腕を組んで考え込む。彼女の正義感が、刺激される。
「う〜ん……。襲われたのが2人に、同時期におかしくなったゆーな、本屋、チア3人……。
なんでまた、このクラスばっかり変なことが起きてるんだ?!」
NEXT TARGET → ???
>>80 修正:
『T?ten sie! T?ten sie! 』 → 『Toten sie! Toten sie! 』
ちなみに『 o 』 は本来はオーウムラウト(上に¨がつく)
相変わらずのレベルの高さに脱帽
ここの住人の数=職人の数
になってないよな?
GJGJGJ!
>>86 なんかもうすごすぎて感動ですね…
>>88なってそう…皆気軽にカキコんでね!
職人の方が割合多いスレなんて初めて見た
ゼロGJ!
>>91 流石にそんなこたぁないだろw 書き込まないROMはいるはずさ
ただ前に荒れたから住人は減ってるかもな
無駄な雑談で大量消費されるよりはいいかも
GJです!
それにしてもみんなすごいなぁ。
俺は書けないよ…想像力が貧困でさorz
なんか恥ずかしくなってきた……(;゚-゚)
バカレンジャイいじめとかもうねアホかと…もはやスレ汚し…
バカレンジャーいじめ、まだいじめ部分に入ってないよね?
>>95 んなぁーこたぁーない。ちゃんとwktkしてる人がいるから安心汁。
>>95 ちょっ、最初っからベクトル方向違うのに。バカレンジャイはバカレンジャイで楽しみ。
あとそういう言い方すると、言われた方も書きづらくなっちゃうと思うぞ?
ごめんなさい、がんばりますのでよろしくお願いします
間の文がどうしてもうまく浮かばないのですよ…
本は読んでるほうだと思うのですが…
100 :
ハルナ:2006/06/11(日) 00:30:52 ID:???
百合げっとー!!
3-A「わぁー!ゴキブリだぁーーー!逃げろー!」
パル「ひっぐ…あたしがなにしたってゆーのさ…」
のどか「パル、私がいるよー…もう泣かないで」
>>101 そのイジメ方って小学生じゃんw
だがそれがいい
ナツカシス
たつみー好きの俺には耐え難いスレだった
なんかキモいとか言われてたな、
「おぽぽぽぽぽぽーーーっ!!!」
>>85 チャチャゼロ残酷編6 『哂う人形』の闇
千雨が『それ』を初めて知ったのは、例によってPCの前に座っている時だった。
「……なんだこりゃ。『哂う人形』?」
クラスとは少し距離を置いている彼女だが、流石に級友が2人も襲われれば気にもなる。
そして気になって調べる先は、やはりネット。
何故かこの手の事件とは無縁な麻帆良学園。2人の女生徒の事件は当然大きな話題となる。
その情報の洪水の中に、千雨は少し気になるやりとりを見つけていた。
麻帆良学園ローカルの、匿名掲示板の片隅。
>これってさ、『哂う人形』じゃない? ほら、昔流行った七不思議の
>動かなきゃ切り刻まれて、戦えば折られて、逃げれば・・・・何だったっけ?
>うわ、分かる奴居たw あれって小学生の頃だっけ?
……これだけだ。千雨は腕を組み、しばし考える。
そもそも2つの事件は同一犯なのか別々の事件か、という話題で盛り上がっていたスレッド。
そこで唐突に出てきた、『七不思議』に『哂う人形』。
ほとんどの者はその話題を理解できない様子で、まるっきり無視扱いされていたが……
切り刻まれた亜子。全身の関節を折られたあやか。その一致に、千雨のカンが何かを告げる。
千雨は検索を始める。
『哂う人形』の話題を出した人物のIDを元に、その人物の書き込みを全て表示。
他のスレの書き込みを見るに、どうやら麻帆良工大の院生らしい。教授の愚痴などもある。
この人物がエスカレーター式で上がっていったなら、『小学校』とは恐らく麻帆良の初等部。
時代を考えれば……
「10年以上前……幅を取って、10年から20年前か」
しかし『笑う人形』『哂う人形』などで検索をかけても、あまりたいした情報は見つからない。
いや、唯一、使えると思われたものは。
「『麻帆良学園七不思議研究会』の会誌、か……十数年前の目次だけ載せられてもな……」
かくして千雨は、夕映と共に図書館島の一角にいた。
机の上に積み上げられたのは、『麻帆良七不思議研究会』の数十年分の会誌。
昔のモノは藁半紙にガリ版刷り、ホチキスで留めただけの見づらいものだが……
それでも、他にはない貴重な資料である。
「ありがとな、手伝ってくれて。……ああそうだ、学園史編纂室の資料も、場所を聞いておくか」
「それはいいのですが……何を調べてるですか? 千雨さんにしては珍しいのです」
図書委員としての仕事もサポタージュしたのどかの代わりに手伝いながら、夕映が問う。
確かに珍しいのだ。いつもパソコンを弄ってる彼女が、こんな所に来るのは。
「ああ――この『七不思議研究会』、自前のHP持ってるくせに、その内容が貧弱でさ。
まるで使い物にならなくてな……」
「いえ、そうではなくて――何故そんな調べものを? 何について調べているのです?」
夕映は千雨を見上げる。探るような瞳。千雨はぶっきらぼうに答える。
「学園七不思議の、8番目だか9番目だかに当たる都市伝説。『哂う人形』ってヨタ話さ」
七不思議。
どこの学園でも語られる罪のない噂であり、この巨大学園・麻帆良にも当然ながら存在する。
ただしこの七不思議というもの、結構いい加減な代物ではあるのだ。
不思議が6つだったとしても、『六不思議』にはならない。8つでも『八不思議』にはならない。
7という数が重要なのか、それとも『ナナフシギ』という音の響きがいいのか……
ともあれ、必ず『7つ』の不思議が選出される。
逆に言えば、数合わせにでっちあげられる『不思議』や、選から漏れる『不思議』もあるわけで。
そしてこの手の噂というのは、固定的なモノではない。かなり適当に、流動的に変化する。
7つの不思議、その上位3つ4つはほとんど変わらないが、下位のいくつかは時折入れ替わる。
時代により流行により、少しずつ入れ替わっていく。語る人によっても違いが出る。
麻帆良学園の七不思議の場合、『世界樹伝説』や『学園長のあたま』などはほぼ固定。
しかし下位の3つは語る人や時代によって大きく変動する、というのが実情だった。
この『学園七不思議研究会』は、そういった噂話の定点観測を行う稀有な団体だ。
毎年毎年、かなりの数の生徒からアンケートを取り、彼らの『知っている』七不思議を調査。
どんな『不思議』が『七不思議』の中に取り込まれているのか、などを研究している。
もちろん個々の『不思議』について、追跡調査するような活動もしているのだが……
「だけどお蔭で、普通は曖昧になっちゃうような都市伝説とかが、しっかり分かるんだよな」
のどかの具合を心配する夕映は既に去り、閲覧室に残された千雨は1人で呟く。
千雨は古い会誌をめくっていく。過去の「登場する不思議のランキング」を調べていく。
8番以降というのは、要するに「それを七不思議に加える人があまりいなかった不思議」だ。
七不思議の上位に食い込めず、時代と共に忘れられていくような、そんな噂話だ。
毎年の会誌を並べ、順に追っていけば、その噂がいつ登場し、いつ消えたのかが理解できる。
「しかしコイツら、HP持ってるんだからちゃんと電子化しておけよ……。手間かけさせやがる」
哂う人形。
その「不思議」が登場したのは、15年前だった。唐突に、突然出現した。
ある年に突然噂に登場し、いきなり七不思議の「6番目」くらいに入っている。
しかし次の年にはもう「8番目」くらいにランクダウンし、3年後にはベスト10から消えている。
噂の内容は、こんな感じだという。
『夜中の学園で、満月の夜に1人で歩いていると、耳障りな笑い声が聞こえてくる。
笑っているのは小さな呪いの人形。1人で会ってしまったら、助からない。
立ち尽くせば、切り刻まれる。
抵抗すれば、体中の骨を折られる。
そして逃げれば――』
『怪人赤マント』や『口裂け女』などの都市伝説に近い雰囲気の話だ。
あるいは『赤い紙・青い紙』のような『学校の怪談』か。
この『哂う人形』は、それらの麻帆良学園ローカルのバリエーション、と考えられないこともない。
だが……
「だけど……なんか引っかかるんだよな……」
千雨は考える。研究会の会誌とノートパソコンを前に、考え込む。
一見するとごく自然な都市伝説風の、『哂う人形』。
しかし、ネット上でこの手のフォークロアを色々見てきた千雨には、かなりの違和感を覚えて。
まず、その内容が独創的過ぎる。突飛過ぎる、と言ってもいい。
「○○すれば○○で殺される」といった条件が並ぶのは、確かに学校の怪談などの定番だ。
しかしそれは、『赤い紙を頼めば血まみれ、青い紙を頼めば血を抜かれて真っ青』のように、
話を聞く側が連想しやすい内容になっているのが普通だ。
留まると斬殺、抵抗すれば骨折とは、いったいどこから出てきた発想なのだろう?
また、この手の「間違えると殺される」話は、大抵「救済法」とセットで語られる。
示された選択肢の中に助かるものがあるだとか、難を逃れるための呪文があるだとか。
しかし、この『哂う人形』にはそれがない。遭遇した時点で死亡確定なのだ。
あまりに、救いがない。怪談としても投げっぱなし過ぎる。
最後に――噂の登場と退場が、あまりに早すぎる。急に出現し、すぐに忘れられた感じだ。
そこに何か、不自然なものを感じずには居られない。
「哂う人形」は、流行していた短い時期でも、七不思議の下位に留まったお話である。
だからだろう。七不思議研究会のメンバーたちは、あまりこの噂を重視してない。研究してない。
けれど、千雨は考える。
根も葉もない噂なら、こんな形にはならない。誰かの作為的な作話なら、こんなに広がらない。
「これは背後に根も葉もある、つまり、何らかの『事実』『事件』があるということなのか……?」
調べてみた千雨は、そして知る。『学園史編纂室』の会誌の中に、それを見つける。
15年前に起きていた、連続女子生徒暴行事件。迷宮入り扱いされた、古い事件を――!
「……やべ、すっかり遅くなっちまった。急いで帰って、サイト更新しないと……!」
気がつけば外はすっかり暗くなっていた。
明日は休日、だから生活リズムが崩れても別に構わないのだが、千雨には大事な仕事がある。
食事やら何やらはどうでもいいが、定時のサイト更新が遅れてしまうのは気に食わない。
「ったく、私は何やってんだ……! 意味のない調べ物にこんな時間かけて……!」
図書館島から寮に戻る道を急ぎながら、千雨は自らの気まぐれを呪う。
例の『哂う人形』が実際の事件と関係があるかどうかは、結局のところ分からない。
15年前の連続暴行事件も、確かに今回の事件と似た部分があった。
が、しかし、その時の事件も、都市伝説『哂う人形』と違い、死人は出ていない。
そして関係があったとしても、別に千雨が調べねばならない義理などなかったのだ。
誰に頼まれたわけでもない、犠牲者と特に親しかったわけでもない。
むしろ、本当に考えなければならなかったのは、自分が実際の事件に巻き込まれないこと。
あやふやな過去の事件や噂話ではなく、今現在進行している事件のこと。
こんな風に、日が暮れてから暗い夜道を1人で歩くような事態を、回避することで――!
「――――ッ!!」
ざわっ。
暗い森の中、駆け抜けた生暖かい風。思わず千雨は足を止める。
何かがいる。誰もいないはずの暗い道、しかしどこかに『何か』が潜み、千雨を見ている。
伊達眼鏡の下、千雨は表情を強張らせる。
「なんだ、この悪寒……まさか――」
『ケケケケッ』
ざわっ。
再び風が吹く。風に乗って、耳障りな笑い声が聞こえてくる。
千雨の背後に、巨大な刃物を担いだ、都市伝説の魔物のシルエットが、静かに忍び寄り――!
6th TARGET → 出席番号25番 長谷川千雨 ?
やったッ!第3部完ッ!ついにちうがッ!ビチグソにッッ!
>>111 こ…これはレベル高すぎ
すごいおもしろいです。GJ!
今度は都市伝説に学校の怪談かよ。いったいいくつ引き出し持ってるんだ
末恐ろしいですな
美砂、桜子、円の三人から少し離れた場所、ハルナ、夕映、のどかの三人がいた。
いつもはなんてことない会話に花が咲き、楽しい 帰り道もこの日は違った。
夕映「元気出すですハルナ。うちのクラスの連中のあのような行動はいつものことです。
きっと二、三日もすれば忘れるです」
のどか「そうだよハルナー。それに何かあっても私達がいるでしょ?あんまり頼りにならないかもしれないけど」
ハルナ「うん…ありがと二人共」
ハルナはできる限りの笑顔を作って答えた。
今の私はちゃんと笑えているだろうか。
いつもの私みたいに気丈に………気丈に?
私はそんなに強かっただろうか…。小学生時代の思いでがハルナの脳裏をよぎった。
いつも同じ光景しか浮かばない。クラスメイトに囲まれ、真ん中で泣いている自分。周りから聞こえてくる罵声。
何かしたわけではないのに引込思案でクラスメイトに馴染めないと言う理由で始まったいじめ。
初めは大したことなかったそれもだんだんとエスカレートしていった。
そうだった。最近では友人も増え、そんなこともなくなったから忘れていた。
気丈に振る舞っていた私は本物じゃない。つらい過去から逃れようとしていた虚像にすぎなかったんだ。中学に入ったら明るくなろう。そう思って無理矢理変えた性格。
でも、本質は何一つ変わっていなかったようだ。誰もいない教室、一人で泣いていた頃と変わらない。
本当に強い心を持たない私はいじめに立ち向かっていくことはできない。
ただ一つだけ…あの頃と違うところがある。
この二人の存在。初めてできた、本当の友人。
二人に心配かけさせるわけにはいかない。例え偽物の気丈さでも今はいい。明るく、いつも通りに。
ハルナ「もう全然平気よ。こんなんでへこんでて、同人作家がやっていられるかって話よね」
よし、大丈夫だ。うまく…、笑える。
夕映「そうです、それでこそハルナですよ」
のどか「確か今日〆切りだったよね?今日は朝まで手伝うよ」
ハルナ「じゃあとっとと帰るかぁ。あ、君達、今日はほんとに朝まで寝かせないからね」
今回のいじめはきっと簡単には終わらない。それにきっとエスカレートするだろう。
いじめを受けたことのある者の直感がそう言っている。
でも、もしかしたら乗り切れるかもしれない…。今度は独りじゃないから…
ハルナキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!
いえ違います。前々スレの最後の方のやつの続きです。
前スレでは一回も投下していないんで。
そーいや、ネギまでバトロワとかできそうだよな。
過去に例はなかったかな?
パル…僕が抱きしめてあげる…
>>121 ちょっとわざとらしいよw
もうちょっとうまくやろう
このかイジメの続きマダー?
図書館組紛争記3
次の日…放課後の玄関前…
パル「このかー、部活行こ…ってまた…」
このか「…あやー、アスナかばんのチャックあきっぱになってるえー」
アスナ「悪ィ!閉めて閉めてー」
刹那「あ、私が閉めてあげますよ」
このか「ほんにアスナはガサツやなー…」
パル「…チッ!行こっ!ゆえ、のどか」
ゆえ「はいです」
このか「ほなせっちゃんにアスナ、修行がんばってなー☆」
アスナ「このかも部活頑張ってねー」
刹那「また後で…」
このか「さーて…部活部活っと…パル達先に行ったんかなー…?」
よく考えたらせっちゃんって剣道部だったんだな
あんな達人(というか人外)が剣道部って
福原愛が高校の卓球部入ってるようなもんでは。
他は全員くーふぇ以下みたいだし。
☆ チン
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・)< 茶々零まだー?
\_/⊂ ⊂_)_ \_______
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
|  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :|
| .|/
☆ チン
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・)< Y太まだー?
\_/⊂ ⊂_)_ \_______
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
|  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :|
| .|/
木乃香続きマダー?
☆ チン
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・)< ハルナまだー?
\_/⊂ ⊂_)_ \_______
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
|  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :|
| .|/
☆ チン
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・)< せっちゃんまだー?
\_/⊂ ⊂_)_ \_______
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
|  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :|
| .|/
☆ チン
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・)< ネウ(ryまだー?
\_/⊂ ⊂_)_ \_______
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
|  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :|
| .|/
言うと思ったw
―――――――――――――‐┬┘
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____.____ | ☆/
| | ∧_∧ | | チンチンうっせーんだよ ゴルァ! :|\ \∧_∧
| | (# ´Д`)| | | \ (;・∀・)○
| |⌒ て) 人 / ̄ \ : \ ̄ ̄/| ○
| |( ___三ワ < > ====≡≡≡三三三三:| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ :| :|
| | ) ) | ∨ | みかん :|/
 ̄ ̄ ̄ ̄' ̄ ̄ ̄ ̄ |
ネウロなめんな
せっちゃんをストーキングしよう!
剣道部の練習を終えた後、刹那は辻部長(剣道部部長:コミックス10巻参照)に呼び出され
第二体育館裏に来た…。
「単刀直入に言おうッ!刹那、好きだ…俺と付き合ってくれ!」
……
「…あ…え…?私…(;゚▽゚)?」
人から告白などされたことの無い刹那は素っ頓狂な声を出した。
「ダメ…なのか…?」
「えーと、そのー…あー…」
気まずい沈黙が続く。
「…他に好きな男がいるとか…?」
「えー、あ、はい!好きな男の子はいます」
当然LOVEではなくLIKE。
「なに!?…それは、同じ剣道部の男か…?」
「いえ、違います、私のクラスの担任の…」
「刹那のクラスの担任…たしか、10歳のガキの…ってなんだと!?」
「はい、とってもかわいいんです」
「バカな!!あんなチビガキのどこが!あんながり勉のクソガ…ヒィッ!!?」
辻部長の喉元に夕凪が…
「ネギ先生の悪口は許しません。ということで失礼します。ごめんなさい」
……
…
「……フヒヒヒッ!ヒッヒヒヒッヒ!ヒヒヒヒ!ウケ、ウケコケコ…」
不気味な笑い声があたりに響く…
「俺はあきらめないよォォん!刹那、刹那俺の…かわいい刹那…ヒャァハハハ!!」
辻部長キタ━━(゚∀゚)━━!!
>>141 辻部長の最後のセリフがJOJOっぽくてヤバいwww
イカレ杉wwwwww
誤爆した…141じゃなくて139ねorz
>>111 チャチャゼロ残酷編6 後編
満月までもう少しといった感の、僅かに真円に足りぬ赤い月。
人の気配が全くしない夜道。ざわりと周囲の森を揺らす生暖かい風。
「な……なんだよ、こりゃ」
よく知るはずの学園内の道、それが急に何か、異世界にでも飲み込まれたかのような光景。
勘のいい千雨は、敏感に「日常」との差異を嗅ぎ取り、身構える。
周囲を見回しながら、ジリジリと動く。
立ち止まるのはマズい――しかし、慌てて逃げ出すのはもっとマズい――
根拠のない、しかし胸の奥より湧き上がる確信に、千雨の額に汗が滲む。
千雨自身も気づいていないことだったが、彼女の危険察知能力というのは、実はかなり高い。
一般人としては、破格のレベルにあると言っていい。
なんとなく全てを素直に受け入れてしまいがちな麻帆良学園にあって「常識」を失わない彼女。
その堅実な現実感覚が、「何かがおかしい」と告げる。「このままではヤバい」と告げる。
「逃げる……しかねェッ……!」
助けを呼んでも、誰にも届くまい。戦おうにも、千雨にそんな能力はない。
三十六計、逃げるに如かず。他の人々が居る場所まで、逃げ切れれば。
『ケケケッ!』
再び耳触りな哄笑。背後に出現した、何者かの気配。
千雨は振り返りもせず、相手の姿を確かめることすらせずに、全力で駆け出した。
「畜生ッ、何なんだよこれは……! 何なんだよ、コイツは……!」
駆ける千雨。距離を変えずに追いかけてくる気配。
振り返らずとも分かる、剥き出しの殺意。剥き出しの悪意。
そして――相手の気配の、小ささ。
そう。敵は小さい。信じられないほど小さい。まるきり子供、あるいはそれ以下の体格。
これではまるで――!
『 夜中の学園で、満月の夜に1人で歩いていると、耳障りな笑い声が聞こえてくる。
笑っているのは小さな呪いの人形。1人で会ってしまったら、助からない。
立ち尽くせば、切り刻まれる。
抵抗すれば、体中の骨を折られる。
そして逃げれば―― 』
「まだ満月じゃねぇだろッ! 何で出るんだよ、くそッ!」
千雨は毒づく。毒づきながらも走り続ける。
毒づいてから、改めて自分の頭をよぎった思いに気づき、怒りを覚える。
あんな都市伝説、そもそも真に受ける方が間違ってるじゃねーか!
単なる連続暴行魔なら、満月も何も関係ない。いつだって出現しうる。
そして逃げても無駄ということもあるまい。捕まらなければ、きっと大丈夫。
たとえこの犯人が、あの都市伝説と関係あったとしても――
「しかし……最初の2つは分かるが、3番目は何なんだ? 大体、逃げる奴をどうやって……」
千雨が、ふと疑問を持った、その瞬間。
駆ける彼女は、首に凄まじい衝撃を感じた。
見えない腕にラリアットされたような衝撃。フワリと浮く体。シュルリと何かが巻きつく感触。
「な――ピアノ線!? ワイヤートラップ!?」
気づいた時にはもう遅い。
肉眼視すら困難な、細く強靭な糸。千雨の逃げるルートを予測し、首の高さに張られていた糸。
それが生き物のように首に巻きつき、そのまま千雨の身体を持ち上げる――!
『 夜中の学園で、満月の夜に1人で歩いていると、耳障りな笑い声が聞こえてくる。
笑っているのは小さな呪いの人形。1人で会ってしまったら、助からない。
立ち尽くせば、切り刻まれる。
抵抗すれば、体中の骨を折られる。
そして逃げれば、 吊 る さ れ る ―― 』
「……ケケケッ。オヤ、紐ノ引ッ掛カリガ悪カッタヨウダナ。
ジタバタシヤガッテ、見苦シイゼ。ケケケッ!」
まるで絞首刑のように空中に吊るされ、両足をばたつかせて苦しむ千雨。哂うチャチャゼロ。
首を絞められ死に瀕する千雨には、足元のゼロを見る余裕などない。
本来首吊りは、上手く動脈を圧迫する位置にかかれば、ほとんど苦しまずに数秒で意識を失う。
それがこれだけ苦しんでいるというのは、少し紐のかかる位置が悪かったのか。
千雨は白目を剥き、舌を突き出して苦しむ。両足が宙を掻く。両手で首元を掻き毟る。
まあ、どっちにせよ、時間の問題である。
いくら首元を掻き毟ったところで、紐が解けたり切れたりするはずもない。千雨の苦しみは続く。
細く、強靭で、肉眼で視認することすら困難なヒモ。
それは、そう、人形使いエヴァンジェリンが使う、人形繰り用の糸であった。
千雨はピアノ線だと考えたが、実際にはそれよりもさらに細く、さらに強靭なもの。
ターゲットの逃亡に備え、予め張り巡らしたワイヤートラップ。それを扱うのは人形使いの技術。
そう――自身も人形であるチャチャゼロは、エヴァ同様、人形使いの技を身につけているのだ。
最大で300体の人形を操作できたエヴァ。しかしその全てを一箇所で操作しても意味は薄い。
「別働隊」が必要な際、その指揮を任されたのがエヴァ第一の従者であるゼロだった。
自律行動も可能な自動人形、チャチャゼロだった。
又の名をゼロ番目の人形、人形使いの人形、『マスタードール』チャチャゼロ――。
合気柔術。人形繰り。そして人形使いの技術を応用した、糸を使ったトリッキーな戦闘。
『闇の福音』エヴァンジェリンにできることは、大抵チャチャゼロにもできる。
吸血鬼としての肉体特性に依存する、再生や吸血などといった技以外は、一通りできる。
流石に本家本元のエヴァに比べれば数段劣るが、それでもその技術は十分に一流。
素人に過ぎない千雨に、避けられるはずがない。抜けられるはずがない。
いくら危険を察知できようとも、いくら勘が良かろうとも、それだけではどうしようもない。
足がつかない。首の皮膚が破け血が出るまで掻き毟る。
首が痛い。息が苦しい。意識が遠くなる。
苦しい。
苦しい。
苦しい
真っ赤に染まった、満月には少しだけ足りない月を見上げながら、千雨は最後に想う。
「やっぱり、あの都市伝説、関係あるんじゃねーかよ……。モロにコイツ、そうじゃねーかよ……。
根も葉もある事実なら、誰か、早く気づけよ。誰か居るんだろ、気づかなきゃならない奴が。
こんなのは、私なんかの役目じゃねーんだよ……! ったく、使えない奴らだ……な……」
何処の誰とも分からぬ人々を恨みながら。何処の誰とも分からぬ者たちに期待しながら。
千雨は、意識を失った。
意識を失っても、紐は緩まない。脳の酸欠が続く。血流が来ない。脳細胞が壊死していく……。
……動きを止めた千雨。
だらりと垂れ下がった腕から、ノートパソコンを収めた鞄が落ちる。
響く水音。完全に意識を失った千雨から、失禁した糞尿が滴る。
しばらく風に揺られる千雨の身体を見上げていたゼロだったが、溜息1つついて彼女を解放。
ドサリ、と地面に崩れ落ちた彼女の首元から、ワイヤーを回収する。
首元にくっきりと残った、ヒモの跡。
ゼロは倒れた千雨の胸に足を乗せると、乱暴にマッサージを開始する。
数度踏みつけられたところで、千雨は蘇生する。咳き込みながら、自発呼吸を再開する。
潰れた喉がヒューヒューと鳴って、彼女がまだ生きていることを知らせる。
けれども……おそらく、後遺症は残るに違いない。
脳というのは、極端に虚血に弱い臓器だ。特に人間らしさを司る高次の機能は相当に脆い。
たとえ意識が戻る日があったとしても、おそらく千雨の知性は帰ってこない。
動かぬ彼女を見下ろして、『哂う人形』は耳障りな声で笑い続ける――
『ケケケッ。オ前ガ逃ゲタリスルカラ、イケナインダゼ。
マ、何シタッテ酷イ目ハ避ケラレナインダガナ……。キャハハハハッ!』
NEXT TARGET → ???
☆ チン
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・)< チャチャゼロま・・・
\_/⊂ ⊂_)_ \_______
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| .|/
〃 ∧_∧
ヽ ___\(\ ゚д゚ )
\_/⊂ ⊂_)_
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| .|/
チン ☆ チン ☆
チン チン ♪
♪
♪ ☆チン .☆ ジャーン!
☆ チン 〃 ∧_∧ ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\( ゚∀゚ ) /\_/ < キタ━━━━!!
チン \_/⊂ つ ‖ \__________
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|  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :| /|\
| |/
せっちゃんをストーキングしよう!企画2
そして次の日の部活にて…武道室の一角の更衣室。
「アレ…?私の篭手(こて)が無い…?」
基本的に竹刀以外は更衣室におきっ放しにしてある。
「○○先輩(女)、私の篭手知らないですか?」
「んー、知らないなぁー、っていうか篭手は臭いからあんまり間違えないしーw」
「そうですよねー…仕方ない、部長に聞いて…って」
刹那は昨日のことを思い出し赤面した。
「どうしたの?せっちゃん顔赤いよ?」
「なんでもないです!すみません!」
「ふーん、まぁ今日は素振りでもやってればいいよ、練習試合はまだまだ先だし」
「そ、そうしますっ!」
…武道室の隅で素振りをする刹那。
「…刹那、今日は素振りしかしないのか?」
ソレを遠目に見ていた部長が話しかけてくる…。
「え、つ、辻部長!その…昨日はごめんなさい…」
「ははは…いやぁ、俺の方こそ突然すまなかった、そういえば君の
篭手が更衣室の前に落ちていたんだが」
「あ、本当ですか!?ありがとうございます!」
「気を付けろよ、防具は大事にしなきゃな」
「すみません、以後気をつけます!」
刹那は急いで防具を装着すると打ち合いの練習に入っていった。
「ククク…刹那のにおい…刹那の…刹那好きだよ…フヘヘエエヘ」
皆さんの刹那いじめ企画も随時募集中しています!
>>147 ぃやったぁぁ!ついにちうをしとめた!GJですッ!
>>149の最後、日本語オカしくなてマスね、募集中です!です
爪剥ぎはやりすぎたでしょうか…?
気分を害された方すみません。
昨日サッカーやってたら接触プレイで爪を剥がされた。
せっちゃん虐めすぎてバチが当たったんだろうか。
クソ、もうサッカーなんか嫌いだ。
やりすぎてないよ。GJです
ドSの集まりですね
>>152 次は真っ赤に焼けた鉄棒を大事なところに挿入するなんてどうでしょうか?
でもこんなことしたらバチが…w
>>156 馬鹿、そんな事を言ったら興奮するだろ!
もっとぉ、もっとお〜
鞭きぼん
普通のじゃなくて
先っぽに金属とか刃が付いているやつね
ここは超ドSなインターネッツですね
チャチャゼロマダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
千雨の失禁した糞尿ってなんか萌えないか?
(゜Д゜;≡;゜Д゜)
図書館組紛争記番外編(if…)
図書館島…。すでにパル達は地下探索に向かったとのこと。
このか「あやー、パル達まだ怒ってるんかなー…急いで合流せなー…」
そしてこのかは一人闇の中へ消えていった。
…10分後
パル「プククク☆本当に一人で地下行っちゃったー」
ゆえ「ちょっと気が引けるです…」
のどか「そうだよー、パル、ドッキリはもういいでしょー?そろそろ追っかけよう?」
パル「んー、そだね!さすがに迷子になられるとヤバいかー…よし!んじゃーレッツゴー☆」
……
…その頃
このか「いないなー…おーい!パルー!のどかぁーー!ゆえゆえーーー!」
しーーん……
…しかし返事は無い。このかの声はこだますることも無く闇に吸収されていった。
このか「…もうちょっと行ったら引き返そう…」
……
一方、パル達は…
パル「うそぉー…いない…いつもこのルートなんだけど…」
のどか「えぇー、ど、どうしようー…このか…迷子になったんじゃー…」
ゆえ「まずいです、ここで迷子になってしまったら脱出は不可能と言っていいです」
パル「このかぁーーーーー!!!!返事してぇーーー!!」
……
このか「!?いま、パルの声が…!?パルーー!」
そう言うとこのかは声のする方へ走り出そうとした…その時!!!!
ガパッ!!
初歩的なトラップである。本棚と本棚を結ぶ橋が突如開いた。
このか「しまっ…!!!」
気付いた時は既に遅く、このかは図書館島の深い深い闇にっ……!
このか「いやぁっぁああああ……!!!!!」
図書館組紛争記番外編(ちょっちグロ…)
のどか「!?いまなんか叫び声聞こえなかった?」
パル「んーん?聞こえなかったけど…」
ゆえ「私も聞こえたです…!もしかしたらこのかさんの身に何か…」
パル「やだなー二人とも…このかはベテランの探検員だよー?」
だがそういうパルの足はガクガクと震えていた…。
……
このか「あ…がぁ…が……ぐ…」
このかは何とか一命を取り留めていた…。
このか「がぁあぁぁ!!うぐぐぅー……痛い痛ぃ…!」
しかし獣のような唸り声を上げて地面を這いずり回っている。
それもそのはず、実に25メートルもの高さから落下したのだ。おそらく本がクッションになって助かったのだろう。だが足の骨は粉々に砕けてありえない方向に曲がっていた。両手首も手をついた時の衝撃で赤紫色に変色している。
ごぼっ……
このかは大量の血を吐いた…。着地した時の衝撃は骨盤を通して内蔵にも伝わっていた…。
……
ゆえ「もう、ネギ先生に連絡するです…!」
パル「…ダメ!もうちょっと…もうちょっと探してみようよ!」
のどか「もうそんなこと言ってる場合じゃないよーっ!電話する!」
バシッ!!ビシィッ!
パルはゆえとのどかのケータイを弾き飛ばした…。
のどか「ぁあ!ケータイが…」
ゆえ「なにするですか!!」
パル「…こんなこと…バレたら私達終わりだよ…?停学じゃすまされない…このかは…学園長の孫だし…」
のどか「なによ…それー…」
パル「…それに…このかが悪いのよ…勝手に一人でこんなとこ来て…こんなとこ一人で入って…大学生ですら大変なんだから…!
そうよ…私達を裏切ってアスナさんとばっか…
パシンッ!!
のどかはパルの頬を引っ叩いた!
のどか「パル…」
つづく…
このかktkr
のどかおkww
図書館組紛争記番外編if…3
パル「の…どか…」
のどか「どうして…皆で仲良くすればいいじゃない…いつもいつもグループとか…裏切った
だとか…もう嫌だよ…私は皆と仲良くしたい…」
パル「……」
ゆえ「…でも、私…パルの気持ち…わかるです…」
のどか「…ぇ?」
ゆえ「のどかは…知らないかもしれませんが…私達…実はいじめを受けていたです」
パル「ゆえっ!」
のどか「そ…、そんなこと一言も…」
ゆえ「当然です…あれはまだ中学1年の頃です…」
…そしてゆえは1年の時に受けたいじめの全てを話した…。首謀者は柿崎、彼女が中心に
なってパルを腐女子と呼び影でボコボコにしたこと…ゆえをチビゴミと呼びパシリに
していたこと…いずれも皆にばれない様な陰湿ないじめだった…。いや、皆気付いていたのに見てみぬふりだった。
のどか「…でも、今はそんな仲悪そうに見えないよー…」
ゆえ「…えぇ、仲直りしたですから」
のどか「それならっ…!」
パル「…そう簡単に許せると思う?1年間…私達は徹底的にいじめ抜かれた…
それを…ごめんなさい、…の一言で…」
のどか「ぁ…で、でも!このかは関係ない!」
パル「あの子は…誰とでもすぐ仲良くなれる…図書館探検部だって私が無理言って入ってもらった…」
ゆえ「…それが、許せなかった…私達は…こんなに苦労して…やっと親友を…」
のどか「……」
……
…その頃このかは
このか「けはっ!ヒュー、ヒュー……助け…て、パ…ル…」
このかそっちのけでワラタwwww
感想ありがとう!
>>147 チャチャゼロ残酷編7 善意の代償
最初の日の夜、和泉亜子の肌は切り刻まれた。
2日目の夕方、明石裕奈の魂は犯され、終わることなき自殺衝動に取り付かれた。
3日目の夜、雪城あやかは返り討ちに会い、両手両足をへし折られた。
4日目の夕方、柿崎美砂・釘宮円・椎名桜子は殺し合いを演じ、3人の仲は引き裂かれた。
同じく4日目の夜、宮崎のどかは怪物の心を覗き込んでしまい、心を病んだ。
5日目の夜、長谷川千雨は逃げ出そうとして、吊るされた。
ここまでで、8人。31人のクラスの、およそ1/4。
血と苦痛にみちた5日間のウィークデーが終わり、そして始まった土曜日の朝。
その日は未明から降り出した雨が、しとしとと降り続けていた。
分厚い雲が、朝日を遮る。
「…………」
麻帆良大学付属病院の、病室の一つ。
あの後、打ち捨てられていた所を巡回中の魔法先生に発見され、病院に収容された千雨。
懸命の治療により一命はとり止めたが、未だ彼女の意識は戻らない。
首にくっきりとヒモの痕を残す彼女。規則的な呼吸に、その胸だけがゆっくりと上下する。
「千雨さん……あなたは、何と出会ってしまったですか?」
見舞いに駆けつけた夕映は、呟く。小さな拳が、ギュッと握り締められる。
のどかのことが心配で、千雨に最後まで付き合わずに帰ってしまった夕映。
しかし結局のどかは心を閉ざしたままで、できることは何もなく。急いで帰るだけ無駄だった格好。
かつて裕奈が亜子に抱いたのと同様の罪悪感が、夕映の心を責め苛む。
「私が先に帰らなければ……私があなたと一緒に居れば、こんな事態は防げたのでしょうか」
夕映の問いかけに、応える者は誰も居ない。
眠り続ける千雨。単調な音を立て続ける医療機器。ベッドの傍に置かれた、千雨の荷物。
夕映はふと、その荷物に目を留める。正確には、カバンからはみ出したノートパソコンに……!
「…………」
同じ病院の、別の病室。
こちらの患者は、眠ってはいない。目を開けて、宙をみつめている。
ガラス玉のように生気のない目で、虚空をみつめ続けている。
ギプスや固定具で拘束された両手両足。ブツブツと何かを呟き続ける唇。
そんな彼女の手を、ぎゅッと握り締める手。見舞いに訪れていた明日菜だった。
「大丈夫、大丈夫だから、いいんちょ。ちゃんとリハビリすれば、動けるようになるって話だし」
まるで聞こえてない風のあやかに、それでも明日菜は微笑みかける。励まし続ける。
ここのところ毎日、朝刊配達が終るとあやかの病室を訪れていた明日菜。
しかしあやかの受けた精神的ショックは大きく、何を言ってもロクな反応がない。
手術によって修復され腱などを繋ぎなおされた手足は、確かに回復の可能性はあったが……
あくまでそれは、本人の意欲があればのこと。辛いリハビリに耐える意志があればのこと。
こんな様子では、治るモノも治らない。
すっかり魂の抜けた格好のあやかに、明日菜は目の端に涙を滲ませる。
「いいんちょ……しっかりしてよ……。アンタがそんなんじゃ、張り合いがないじゃない……!」
「…………」
同じく、同じ病院の別の病室。
入院当初は個室だった彼女も、だいぶ落ち着き状況も良くなり、一般病棟の大部屋に移された。
全身包帯で巻かれた格好の彼女。包帯の隙間から覗く両目は、あやかとは違う意味で虚ろだ。
ベッドの上に腰掛けて、降り続ける雨をぼんやり眺めている。
「何もなければ、明日にも退院だっけ? よかったねー」
寮で同室のまき絵が声をかけるが、しかし亜子からの反応はない。黙って雨を見つめている。
元々、亜子の傷は浅い。見た目は酷いが、命に関わるような怪我でもない。
当初のような狂乱が見られなくなった彼女は、通院治療に切り替えられることになっていたが……。
感情らしい感情の消失した親友の姿に、まき絵は困惑することしかできない。
「どーすればいいのかなー。私バカだから、こーゆーシリアスなの苦手なのに……」
朝からの雨は、巨大な麻帆良学園を等しく包み込む。
学園のはずれ、森の中に建つログハウスも、雨に濡れる。
しかしログハウスの地下、巨大なフラスコに封じられた『別荘』までは、雨も届かず……
南海のリゾートのような、青い空。青い海。
その只中に突き立てられた巨大な塔の頂上で、激しい戦闘が繰り広げられていた。
「ハハハ! どうしたボーヤ! そんな調子では、誰も守れはしないぞ!?」
「くッ!!」
笑いながら、無数の魔法の矢を放つエヴァ。急速に間合いを縮める茶々丸とチャチャゼロ。
息もつかせぬ攻撃を転がるようにして避けながら、ネギは3人を睨みつける。
「ラ・ステル マ・スキル マギステル 来たれ虚空の雷 薙ぎ払え 『雷の斧』!」
接近する2人の従者に向けて放たれる、巨大な雷の刃。散らばる2人。そして……!
「『雷の斧』を捨て技にこちらの連携を絶ち、バラけた所に各個撃破狙いの魔法の射手、か。
私の教えた連続技を逆に使うその発想は良かったが……一歩足りなかったようだな、ボーヤ」
「ふぁい……」
激しい実戦訓練が一段落し、倒れ伏すネギにエヴァンジェリンは微笑む。
狙いは悪くなかった。実に惜しいところだった。ネギの実力は、確実にアップしている。
茶々丸の拳を叩き込まれた頬を押さえたまま、ネギも頷く。
頬は大きく腫れあがり、言葉も聞き取りにくい。歯が折れたか、下手すれば骨までイッてるか。
「木乃香。コイツの怪我、治してやれ。……ああ、もうその『火』の維持訓練はいいぞ」
「はいな」
エヴァは闘技場の隣、屋根の下で観戦していた木乃香に声をかける。
木乃香もただ観ていただけではない。手にした杖の先に、魔法の炎を灯し続けていた。
基本中の基本の魔法とはいえ、一定の火力で長く維持するには少なからぬ技術が要る。
ネギが実戦訓練に励んでいる間、木乃香もまた、魔法の練習をしていたのだった。
「来たれ(アデアット)! ……ほいじゃ〜ネギ君、ちゃっちゃと治してあげるからな〜」
木乃香はアーティファクトを召喚し、扇を広げる。
心地よい風が吹きぬけ、傷が癒されていく。ビデオを巻き戻すようにネギの顔が治ってゆく。
「…………」
「ありがとうございます。……どうしました、木乃香さん?」
傷を治してもらったネギは、彼女を見上げてお礼を言うが……当の木乃香は、浮かない表情。
「……うちのまほー、あの3人には、役に立たへんのやな……」
「しつこいぞ、近衛木乃香。そのための特訓だろうが。焦っても得るものは何もないぞ?」
うなだれる木乃香に、エヴァは苛立ちも露わに声を荒げる。ネギもどう慰めていいか分からない。
木乃香は、2つの扇を握り締めたまま、顔を伏せる。
亜子の消せない傷痕。迂闊に治せないあやかの関節の損傷。
同じく簡単には治せない、たとえ治しても魂までは元に戻せぬという、千雨の脳細胞の損傷。
ネギの傷なら、こんなに簡単に治せるのに……どうして、あの3人には……!
そもそも、こんな朝から2人が『別荘』で特訓しているのも、一連の事件のせいだった。
3度までも生徒を守りきれなかった自分を責めるネギ。治癒術の限界に直面した木乃香。
2人はそれぞれに「今まで以上の力」を求め、エヴァの別荘を借りて特訓に励んでいた。
励んでいた、のだが。
まだまだ未熟な木乃香は、「治癒術の修行」の前に「魔法の基礎」を身につける必要があった。
そしてその訓練内容は、ひたすら地味な、治癒術とは無縁にしか思えぬ反復練習。
具体的で分かりやすい戦闘訓練に励むネギを横目に、木乃香の焦燥は募る。
いつまでこんなことを続けなければならないのか。いつになったら3人を救う力が手に入るのか。
そもそも、治癒魔法は苦手なエヴァの下で修行し続けて、意味などあるのか。
いつもはのんびり屋で楽天家の木乃香だったが、今は気持ちが空回りするばかり。
「よし。ではボーヤ、実戦訓練は終わりだ。次は基礎力のアップのトレーニングに行くぞ。
さっきの戦闘も、コンマ1秒詠唱が早ければ面白いことになっていただろうしな。
まずは呪文の連続高速詠唱から行こうか。魔法の射手を1本ずつ、199本連続詠唱」
「はいッ、師匠!」
「茶々丸、チャチャゼロ。お前たちはもういい。好きにしろ。
木乃香、今日はもう休め。基礎のできていないお前に、これ以上の練習はかえって有害だ。
下にでも下りて、勝手に休んでろ」
エヴァはぶっきらぼうに指示を飛ばす。エヴァとネギを闘技場に残し、解散する面々。
どうやらエヴァ自身は最後までネギの特訓に付き合うつもりらしい。
階下の居住スペースに向かいながら、木乃香はチラリと背後を振り返る。
……エヴァが、ネギの修行に掛かりきりになるというのなら――!
塔の奥。木乃香はキョロキョロと周囲を見回しながら、複雑に入り組んだ通路を進んでいく。
……大丈夫。誰も居ない。塔の掃除などを受け持つエヴァの人形たちも、どうやら居ない。
木乃香は明らかに挙動不審な態度を取りながら、塔の奥へと歩みを進める。
途中迷いながらも辿り着いたのは、エヴァの蔵書室。図書館島を思わせる大量の本。
木乃香は呪文書の一冊を勝手に抜き取り、ページをめくり始めて……
「――コラ! ソコ、何ヤッテル!」
「ひぁッ!?」
「……ナーンテナ。ケケケッ、ソンナニ驚クナヨ」
突如声をかけられた木乃香は、悲鳴と共に跳ね上がって。小さな影は、そんな彼女を嘲笑う。
振り返れば、そこにはチャチャゼロ。例の不気味な笑顔を浮かべ、木乃香を見上げる。
「見カケニ拠ラズ悪イ奴ダナ。御主人ニ見ツカッタラ、折檻程度ジャ済マネーゼ?」
「ううっ、そうなんやけどなー。あ、ゼロちゃん、お願いだからエヴァちゃんには言わんといて〜」
「ケケケッ、マアイイケドヨ」
木乃香の嘆願に、あっさりと頷くチャチャゼロ。ゼロにしては意外なまでに聞き分けのいい態度。
ゼロはそして、木乃香に逆に問いかける。
「デ、コンナ所デ何シテンダ、オ前ハヨ」
「こんだけ本があるんやから、何か無いかと思てな〜。ウチの魔力で、何とかなるような魔法とか」
木乃香は素直に告白する。
魔法使いの世界に入ったばかりで、未だ「何が可能で何が不可能なのか」実感のない木乃香。
彼女にはどうしても信じられないのだ。あの3人に対して、打てる手がないということを。
一般人の感覚を引きずる彼女にとって、まだ「魔法」とは「奇跡」と同義。
簡単かどうかは別として、できないことなど何もないはず……という思い込みを、抱いていた。
――実際の「魔法」というものは、現代科学とはまた異なる、1つの技術体系に過ぎないのだが。
「ウチがエヴァちゃんに怒られるくらい、どーでもええの。
ウチ自身が痛かったりとか苦しかったりとかは、いくらでも耐えられる。
けど、何もできんと見てるだけなんて、ウチ、耐えられんのや」
木乃香は涙ぐむ。
優しさと強さ、そして時に禁を犯してでもなんとかしようという、彼女の行動力。
そんな彼女を、チャチャゼロはつまらなそうに見上げていたが……
ふと、何かを思いついたのか、ニヤリと笑う。木乃香に問いかける。
「ソンナニ アノガキドモヲ救イテェノカ? ドーアッテモ救イテェノカヨ?」
「うん……」
「自分自身ガ本当ニ痛イ目ニ合ッテモ? 自分自身ガ本当ニ傷ツイテモ?
自分自身、取リ返シノツカナイ身体ニナッチマウ可能性ガアッテモ?」
「……ひょっとして、何かいい手があるん、ゼロちゃん!?
やっぱゼロちゃんてばいい子や! なあ、ウチ何でもするから、教えてぇな!」
木乃香の覚悟を問うチャチャゼロの言葉に、木乃香の表情がぱぁっと明るくなる。
それはつまり、方法があるということなのか。何か「使える」魔法があるというのか。
一気にやる気を漲らせる木乃香に対し、ゼロは邪悪な含み笑いを噛み殺すのに必死だった。
「ケケケッ、馬鹿ナガキダゼ。コノ俺ガ『いい人』ナ訳ガネェダロ……!」
7th TARGET → 出席番号13番 近衛木乃香 ?
キター!
マッテターヨ
このかたん…(´A`)
ヤッちまってくだサーイ(゚∀゚)!
そろそろ武道四天王も危険になってきそう
┗(^-^ )┓
木乃香が壊れたら確実に刹那も壊れるな
続きが楽しみですな。
続きが気になるですぅ
なんか超の靴隠したくなってきた…
本編の生意気な超をみてるといじめたくなるのも無理ないね
美空「やめて!髪は女の子にとって命みたいなもんなんだから!」
>>180 チャチャゼロ残酷編7 後編
――エヴァの家の地下に、閃光が満ちる。
『外』の時間で1時間。『別荘』内の時間で、丸1日。それが、『別荘』の使用単位。
フラスコに封じられたミニチュアを囲むように光が生じて、次々に人影が出現する。
ネギ。木乃香。茶々丸。チャチャゼロ。そして、エヴァンジェリン。
「……どうやら、まだ雨は降り続けているようだな。全く、鬱陶しい」
「こんな時間から修行に付き合ってもらってありがとうございました、師匠」
「ありがとな〜。次の集合はいつもどおり、夕方やったっけ」
「ああ。面倒くさいが、約束だからな。仕方あるまい」
一階への階段を上がりながら、エヴァとネギ、木乃香は言葉を交わす。黙ってついていく従者2人。
「ほなら、一旦解散やな〜。ネギくんはこれからどうするん?」
「僕はこの後、魔法先生と魔法生徒の会合があるんで、そっちに行かないと」
「ああ、そう言えばせっちゃんも言うとったな。お爺ちゃんに呼ばれとるて。
……ウチはな、この後、入院してるみんなのお見舞いに行こ思てるんよ」
「オ、イイナ。俺モ連レテケヨ。ボロボロニナッタガキノ姿、見タイカラナ。ケケケッ」
木乃香の言葉に、ゼロが下から声をかける。そんなゼロに困った様子を見せたのは、茶々丸。
「しかし私はこれから、ハカセの所で定期整備の予定があります。どうすれば良いのでしょう」
「あ〜、ならウチがゼロちゃん連れていくわ。頭の上に乗せるの、いっぺんやってみたかったんよ」
1人で人目のあるところを歩き回るわけに行かないゼロ。普段はその「足役」でもある茶々丸。
彼女に予定が入っていたことを「今初めて知ったフリ」をし、木乃香は微笑んだ。
「ほな、また夕方な〜」
「はい! では失礼します、師匠!」
雨の中、傘を差してログハウスから出て行くネギと木乃香。それぞれ別々の方向に歩いていく。
「……上手くいったなぁ、ゼロちゃん。あとはウチが頑張るだけやな」
「アア。案外悪ダナ、オ前モヨ♪」
降り続ける傘の下、木乃香と、その頭にしがみつくゼロは、互いにほくそえむ。
木乃香の肩から提げた鞄の中には、エヴァの蔵書からこっそり拝借した魔道書が1冊。
魔法の名は、『転呪移傷』……
――魔術の基本は、「類似」と「接触」の原理にある。
類似したモノは、互いに影響を与え合う。あるいは、互いに相手の代りになる。
接触していたモノは、物理的に引き離しても、魔法的には繋がっている。
この2大原則に「言葉」という人類の叡智を加えることで、魔法は飛躍的に発展した。
言葉は、それ自体がある意味で魔法的なもの。
例えば、杖とはまるで形の違う指輪。これに「杖」を意味する語を刻むことで、魔法の発動体になる。
ここまで分かりやすい例はそうないが、比喩や韻文を駆使すれば応用は果てしなく広がる。
呪文の丸暗記などより、こういう基本を認識することこそ魔法使いとして大事なことで。
「ソレデ、ダ……コノ魔法ハナ、消エナイ傷痕ヤ負傷ヲ、一種ノ『呪い』ト『見做す』ノガぽいんとデナ」
「『呪い』……」
「治癒魔術デハ扱イニ困ル状態モ、『呪い』ト見做セバ扱ウ方法モアルッテモノサ」
エヴァの蔵書室に忍び込んだ木乃香、その彼女にゼロが示した1冊の魔道書。ゼロは解説する。
本来、傷痕は「呪い」ではない。関節の怪我も脳の損傷も「呪い」ではない。
呪いではないのだが、それがもたらす苦痛と簡単には消えないという事実が、呪いと「類似」する。
「類似」していれば、同様のモノと「見做す」ことも「不可能ではない」のが魔法の論理だ。
……とはいえ「呪い」を完全に「払う」のは、極めて難易度の高い技。
それよりは「呪い」を「移し替える」方が、はるかに現実的。
人の身に降りかかった災いや不幸を人形などに託し、川に流す。あるいは焼却する。
それが本来持っていた魔法的意味が忘れられた今でも、日本や世界の各地に残る風習である。
このように、災いというのは他の「モノ」に移すことができる。少なくとも、そう信じられている。
ただし実は、人間という「生き物」から人形という「無生物」に厄を移すのは、簡単ではない。
このような風習が完成するよりも前。人間の命の価値が今よりもずっと低かった時代。
これらの災いは、生贄に、人身御供に移され、その上で殺された。
あるいは神官などの霊格の高い者に一旦委ねた上で、改めて問題の解消が図られた。
ヒトからヒトへ。その方が両者は「類似」しているのだから、術が簡単になるのも道理。
怪我や傷痕を「呪い」と「見做して」操作する術。
ただし実は、最初のその「見做し」自体、結構無理のある話ではある。
だから、100%の解決は見込めない。上手く行っても50%ほど。
また、最初の段階で無理があるので、解呪系魔法としては最も簡単な術しか使えない。
一番簡単な、対象から術者自身に移し替える技以外は、無理が多すぎて使い物にならない。
すなわち――対象の傷を、術者自身の身の上に「少しだけ」移し替える。
術者が一部を「受け持つ」ことで、対象の傷を軽減する。完全ではないが、治す。
それがこの自己犠牲的な「禁呪」、『転呪移傷』……!
これは治癒魔法ではない。エヴァの不得手な、そして木乃香が得意な治癒魔法ではない。
呪いを操作する、解呪魔法の一種。解呪魔法の変種。
あまりに馬鹿らしく、あまりに効率が悪いため、魔法使いの世界では「禁呪」とされる魔法。
「デモナ、術式自体ハ難シクネーカラナ。素人同然ノ オ前ニモ使エルハズダゼ。
モットモソノ分、魔力以外ノ犠牲、自分ノ身体ヲ傷物ニスル覚悟ガ要ルンダガナァ」
「う……! で、でも、ウチに出来ることが他にないなら……!」
ゼロの恐るべき提案に、それでも木乃香は懸命に頷く。
何もできない自分への苛立ち。苦しみ続けるクラスメイトの姿。
それが木乃香を追いつめていた。自分の身体などどうなってもいいとまで、思いつめていた。
「ところで――なんでエヴァちゃんトコにこんな魔法があったん?」
「さうざんどますたーガ死ンダ後ナ。御主人ガ『呪い』ノ研究ニ没頭シテタ時期ガアルンダ。
奴ガ解呪シニ来レナイナラ、自分デ解コウッテナ。
結局無駄ダッタケドヨ、コイツハソノ頃ニ見ツケタ、おまけノヨウナモノサ」
登校地獄の呪いに苦しむエヴァが、ナギの死のニュースを聞き、慌てて始めた悪あがき。
結局のところ、登校地獄を解けないのは技術的問題でなく、単純な魔力の総量の問題であったのだが。
それでも、例えば「ネギの生き血を丸1人分吸い尽くす」という解決法は、この頃に見つけたもの。
この、いささか使い道のない禁呪も、その過程で手に入れたものだった。
……病院は、相変わらずの雨。お昼前ではあるが、まるで時間の感覚のない空の色。
木乃香たちが訪れた時、包帯で覆われた和泉亜子は眠っているようだった。
大部屋の一角のベッドの上、目を閉じ布団を被ったまま、ピクリとも動かない。
「ほな、さっそく……」
「かーてん閉メロヨ。ミンナニ見ラレチマウゼ」
いそいそと呪文書を取り出す木乃香に、頭上のゼロが小さく囁く。
慌ててベッドを取り巻くカーテンを閉める木乃香。これで、周囲からの視線を気にする必要はない。
改めて片手に初心者用の杖、片手に魔道書を広げ、杖を亜子の身体に触れさせる。
「プラクテ・ビギ・ナル……えーっと、我は生贄、贖罪の山羊、かの者の苦痛を我が身の上に……」
木乃香は小声で呪文を唱える。魔道書をチラチラ見ながら、上位古代語の文言を唱える。
ラテン語もギリシャ語も意味など分からぬが、とりあえず文字の読み方はエヴァに叩き込まれた。
英語以外のアルファベットは、基本的に表音文字。基本の読み方を抑えれば、唱えることはできる。
「これでええんかな? ……『転呪移傷』!」
自信のない様子を滲ませながらも、全ての呪文を唱え上げ。
木乃香は最後に、「力ある言葉」を口にする。
瞬間、杖が触れている亜子の身体が輝きだし、次いで木乃香の身体も――
「――痛ッ!? な、なんやの、コレ!?」
光に包まれた瞬間。右の鎖骨あたりに小さな痛みを感じ、木乃香は軽い悲鳴を上げた。
見れば、襟首から覗く鎖骨の辺りに、小さな傷痕が浮かび上がっている。ただし出血はない。
木乃香を背後から見守るゼロは、わざとらしく咳をすると、彼女に告げる。
「アー、ウッカリ言イ忘レテタガナー。ソノ魔法、使ッタ側ハ、対象ノ感ジタ苦痛ヲ追体験スルンダ。
マダマダ続クゼ。精神集中、乱スンジャネーゾ。下手スリャ全部ムダニナルカラナ♪」
どう考えても、「うっかり忘れていた」とは思えぬゼロの嘲笑。
しかし木乃香は脂汗を浮かべつつ、ニッコリ笑ってゼロに頷く。
「んッ、分かったで……ぎゃうッ?!」
再び悲鳴。今度は背中。巨大な刃に切り裂かれる感触を追体験し、木乃香は悲鳴を噛み殺す。
亜子の全身に執拗につけられた、数十の刀傷。
亜子自身は早々に気絶し体感せずに済んだその苦痛が、連続して木乃香の身体に襲い掛かる。
血こそ出ないものの、全身を生きたまま切り刻まれる痛みは本物そのものだ。
見えない刃に斬られる感触と共に、紅い傷痕が木乃香の白い肌に浮かび上がっていく。
少し薄れてはいるが、亜子の身体の傷と寸分違わぬ位置に生まれる傷痕。
傷痕が浮かび上がる度に、木乃香の身体が大きく震える。
「き、きついな〜、コレ……! でも亜子ちゃんのために、頑張らんと……!」
「ケケケッ。思ッタヨリ根性アルナー、コイツ」
ゼロは意外な木乃香の頑張りに、思わず呟く。
並みの術者なら、術の維持も困難なはずの激痛だ。術の維持自体、精神力を大きく削っていく。
この辺りが、術式自体は簡単であるにも関わらず「禁呪」の扱いを受けている所以。
しかし木乃香は悲鳴を押し殺しながら、延々と続く拷問のような苦痛に耐え続けて……。
――十数分後。
木乃香は床に両手を着き、荒い息をついていた。
亜子は相変わらず眠っている様子で。その傷は、全身に巻きつけられた包帯に隠れ見えない。
「ど、どうなったん……? まほーは成功したん……?」
「自分デ確認シテ見レバイイダロ」
木乃香の疑問をゼロは鼻先で笑い飛ばす。消耗しきった木乃香は、気力を振り絞り立ち上がる。
目を閉じたままの亜子の包帯をほどき、その下の傷を確認する。
「わ……! だいぶ薄うなったなァ……! まだちょっとは残っとるけど……!」
「マア、ソウイウ魔法ダカラナ」
「ゼロちゃんのお陰や〜。これで亜子がちょっとでも元気になってくれればええんやけど……!」
確かに前より目立たなくなった亜子の傷。本数や長さはそのままに、傷の色合いだけが薄れている。
木乃香の身体に浮き上がった傷と、ほぼ同じ程度。元の傷を、2で割って分け合ったような形。
木乃香は、自身も傷だらけの身体となった木乃香は、無数の刀傷の走る顔で微笑んだ。
木乃香は、知らない。
和泉亜子にとって、傷の「深さ」は、あまり意味がないということを。
「消えない傷が残ってしまっている」という事実こそが、亜子にとっては重要だということを。
多少傷痕が薄くなろうとも、傷は傷。亜子にとってのショックは、大して変わらない。
だから実は、この犠牲は無意味で無価値。木乃香の自己満足でしかない。
……そのことを見通しつつ、しかしゼロは悪意をもって沈黙を守る。
「ソレデ、ドースンダ? 結構辛イダロ、モウヤメトクカ?」
「ま、まだや。いいんちょと千雨ちゃんも、治してあげんと……!」
ゼロのさりげない挑発に、木乃香は立ち上がる。ゼロを頭に乗せなおし、亜子のベッドを後にする。
「次は――いいんちょやな」
「プラクテ・ビギ・ナル、我は生贄、贖罪の山羊、かの者の苦痛を我が身の上に……」
雪城あやかの病室。こちらは個室だから、同室の病人の視線を気にする必要はない。
あやか自身は目を覚ましていたが、しかし虚ろな目でブツブツと何事かを呟いている状態。
ゼロに「構ワネェカラ、ヤッチマエ」とそそのかされ、木乃香は呪文を唱え始める。
「いいんちょ、楽にしたげるからな……『転呪移傷』!」
あやかの身体が、光に包まれる。木乃香の身体も、光に包まれる。
……途端に嫌な音を立てて、木乃香の右手中指があらぬ方向に曲がる。
右手首が、右肘が、右肩が。それぞれ形を歪ませる。
「ぎひッ!? ……あ、あかん〜。杖が……!」
右手が歪んだのだから、当然、杖を握っていられなくなる。杖が手から離れれば、術は解ける。
木乃香は咄嗟に自分の身をベッドの上、あやかの身体の上に覆い被せ、その危険を回避する。
あやかの体の上に杖を置き、その上に壊れた右手を「乗せている」状態。これなら、大丈夫。
術はなおも続く。今度は左足のアキレス腱が断裂する痛みに、木乃香は悲鳴を上げた。
「へ、へへへ……! お、おしっこ、ちょっと漏れてもうた。でも、この程度……!」
「スゲーナ、コイツ。マジデ2人目モ最後マデヤリ通シヤガッタ。失敗スルト思ッタノニヨ」
両手両足がグチャグチャな状態になりつつも、笑う木乃香。呆れるゼロ。
見たところ、ベッドの上のあやかの状態は変わらない。元より外からはわかり難い怪我だ。
木乃香の献身にも関わらず、相変わらず虚ろな瞳でブツブツと呟いている。
あやかの場合、その精神的ダメージは「小柄な怪人」に対する完敗によるもの。
今さら手足の怪我が多少治ったところで、大した意味はない。
意味はないが、しかし木乃香は満足げだった。自力で立つことも適わぬ身体で、呑気に笑う。
「あと、1人……。千雨ちゃんも治してあげんと……。でもウチ、ろくに動けへん……」
およそ半分程度、とはいえ、両手両足の全関節がイカれているのだ。動けるはずがない。
だがゼロはそんな彼女の頭の上によじ登ると、なにやら細いヒモをヒュンヒュンと飛ばして。
「仕方ネーナー。俺ガ動カシテヤルヨ。ホレ、立ツゼ?」
「うわ、ありがとなー、ゼロちゃん。助かるわ〜」
ギクシャクと、壊れた関節を軋ませ、木乃香は立ち上がる。立てるはずのない身体で立ち上がる。
その手足には、人形繰り用の極細の糸。比喩でも何でもなく、文字通りゼロの操り人形状態。
ゼロに吊り上げてもらってようやく歩ける状態。一歩ごとに壊れた関節が動かされ、激痛が走る。
「ほんま、ゼロちゃんはいい子や〜。ウチ、本当に感謝やわ〜」
「…………ケケケッ」
苦痛の連続に霞む意識の中。思考力の低下した状態で、木乃香はそれでも礼を述べる。
しかしゼロが「いい人」のハズがない。邪悪な想いを短い笑いに押し隠し、ゼロは沈黙する。
「プラクテ・ビギ・ナル、我は生贄、贖罪の山羊、かの者の苦痛を我が身の上に……『転呪移傷』!」
昏睡状態の続く、千雨の病室。奇妙な足取りで、それでもやってきた木乃香たち。
ゼロの操り人形の木乃香は、それでも自分の意志で呪文を唱え、魔法を発動させる。
光に包まれる千雨の身体。光に包まれる木乃香の身体。
千雨が感じた苦痛そのままに、木乃香の首にヒモの跡が出現する。
「……ぐぇッ! ………! …………!!」
先ほどまでの2人とは、また異質な苦痛。木乃香は刀傷の浮かぶ顔を歪ませ、悶え苦しむ。
しかし、喉を掻き毟ろうにも、その両腕は自由に動かない。
虚空を見上げ、木乃香は苦しむ。息ができない。意識が遠くなる。
木乃香は舌を突き出し、白目を剥き、口の端から泡を吹きながら……
……窓の外に、雨が降り続ける。
単調な雨の音と単調な医療機器の音が、単調なハーモニーを奏で続ける。
病室の中には、意識を失った半死人が2人。片方はベッドの上、片方はベッドの傍に倒れ伏す。
どちらもピクリとも、動かない。
「本当ニ驚キダナ。コノ意志力、コノ根性。本気デ『偉大なる魔法使い』ノ素質アルゼ。
コノ調子デ成長シタラ、将来ハ……イヤ、モウ無理カ。ケケケッ!」
3人の入院患者に「禁呪」を施すという苦行を、最後までやり通した木乃香。
彼女たち3人の怪我は、ほぼ半分に軽減された。それぞれ、今後のリハビリなども楽になるだろう。
しかしその分のダメージは、全て木乃香が己の身で引き受けて。
特に最後、千雨の受けたダメージに関しては……!
脳に損傷を受ければ、当然精神も影響を受ける。魂も傷つく。
知性を失い、精神力を損なえば……当然、「魔法使い」としての能力も、傷を負う。
東洋随一の魔法使いに成れる素質を持っていた木乃香、しかし、その才能は永遠に失われた。
実のところ木乃香の自己満足、独り善がりに過ぎない自己犠牲のために……!
ゼロは、嘲り笑う。木乃香の努力と善意を、思いっきり笑い飛ばす。
「キャハハ。キャハハハハ。キャハハハハハッ!
馬鹿ダ、馬鹿ダゼ! コノ手ノ善人ハ、勝手ニ自滅スルカラ見テテ飽キネーナ! ケケケッ!」
木乃香は応えない。応えられない。
刀傷だらけの身体。へし折られた両手両足。そして、脳の障害。
自身も完全に入院必至の身体となり、意識を失ったまま動かない。
その片手に初心者用の杖を、もう片手に例の魔道書を握ったまま……!
NEXT TARGET → ???
なんてレベルの高さだ…
このちゃんのおしっこに…!
うっひゃ。報われねぇ
さーて、次の獲物はやっぱりせっちゃんか?
せっちゃん「アッー!」
てか、今のこのちゃん見せるだけで orz となって勝手に轟沈しそう>せっちゃん
風香いじめ
ジーー…ピコッ【録画モード】
朝倉「よしっ♪柿崎ー!カメラの準備はできてるよー」
柿崎「こちらも準備完了ー♪後はターゲットを待つだけデース!」
…時はさかのぼり、約6時間前…
ネギ「では、朝のHRを終わりますー。あ、風香さん?」
風香「ん?ボクになんか用ー?ネギ先生ー」
ネギ「い、いえ、なんでもないです!それでは…」
風香「なんだろー…?ま、いっか♪」
柿崎・朝倉「(ニヤリ…)」
―…廊下
柿崎「ナーイス!ネギ君♪」
ネギ「なんなんですかー?ただ風香さんの名前を呼べばいいってー…」
柿崎「いやいや、ほんとなんでもないの!そんじゃありがとねーん!」
―…教室
風香「はぁー、1時間目は数学かー…」
…ガサッ!!
風香「!?なんだろ、この手紙…ネギ先生からだ…」
つづく
風香いじめ2
わいわい…
風香「んー…『風香さん、大切な話があるので放課後体育館裏に
来てください、待ってます…ネギ』ってこれわぁーー!」
まき絵「どしたの、ふーか?」
風香「い、いやぁー!なんでもないよ!アハハハ!」
まき絵「へんなふーか…そんじゃ私は寝るとするか…数学だいっきらーい」
風香「アハハ、おやすみまき絵ーってこのDQNは!……にしても
呼び出しなんて…まさか…ボクのコト…」
柿崎「(ニヤリ…)」
つづく・・・
キタワァ(n‘∀‘)η
いいねえ
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・)
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
風香いじめインターバル
…昼休み
風香「ふんふふーん♪」
美空「んあー?ゴキゲンだねーふーか」
風香「いやーっはっはっは、ま、君たちも頑張りたまえーっ☆」
美空「なんかムカツく…」
美空なめんな
風香いじめ3
―そして時間は戻って放課後…1階玄関近くの女子トイレ
風香「…よしっ、リボンかえたの変だったかな…(なんだかドキドキしちゃう…ネギ先生…)」
鏡の前で笑顔を作る風香…。
朝倉「ターゲット、準備ができた模様です!では実況開始〜」
それを影から見ていた朝倉がトランシーバーで柿崎に連絡する。
柿崎「(ガガッ)ラジャー♪では桜子、Go!」
桜子「ほいほーい♪」
連絡を聞いた桜子が玄関を出てきた風香に突撃する!
桜子「おーい!ふーかぁー!」
風香「あ、どした?さくらこ」
桜子「んー、別になんでもないんだけどー。あれー?リボンかえた?」
風香「うん、変かな?」
桜子「いやいや、なんだか女の子っぽくてかあいーよ^-^」
風香「ホント!?えへへー」
……
朝倉「…こちら追跡班、ゲストに早乙女ハルナさんが来ています。いやー
あんな女の子らしい表情の風香さんはレアですねー?早乙女さん」
パル「そうですねー、これがドッキリと知った時のリアクションがかなり
楽しみになってきますねー!」
桜子「…んじゃーねー☆」
風香「うん、ばいばーい!」
……
桜子「(ガガッ)こちら桜子♪ターゲットはかなりゴキゲンな様子ですっw」
柿崎「(ガガッ)ナイスです♪それでは次、明石隊員!ハッピーレディゴー!」
ゆーな「(ガガッ)おーし!いってくるにゃ!」
…そして次はゆーなが風香に突撃する…。
ゆーな「おーっす!風香!ゴキゲンだね」
風香「あ、ゆーな。やっぱわかる?」
ゆーな「そりゃそんな顔してたら誰でもわかるよー!まるでネギ先生にでも会いに行くみたい!」
風香「…え?そ、そう…?」
…
朝倉「ブッハwww!これはかなりストレートです!バレたか!?バレたのかー!?」
パル「さすが明石隊員!ww」
…
ゆーな「ところで今日なんか用事ある?ちょっとそこの喫茶寄ってかない?
新しいスイーツが入荷したらしいよ」
風香「え?あ、う、うん!でもちょっと今日は用事があって行けないんだーまた明日ねー」
…
朝倉「ブーーーッwwバレてない…つかスイーツてwwもう腹が痛いw」
パル「明らかに話をはぐらかしてますねーww怪しすぎる!怪しすぎますぞー!w」
…
ゆーな「…それじゃ、また明日ー♪」
風香「ゴメンねー、じゃーねー」
…
ゆーな「(ガガッ)どうよどうよー?」
柿崎「(ガガッ)アホーッ!まぁおもしろかったよw」
朝倉「(ガガッ)…そろそろターゲットがそっち行くから準備してね!」
柿崎「(ガガッ)了解!w」
…
風香「…(あーっ、もう!緊張する〜っ…ヤバいヤバいー!)」
いじめ部分マダー?
悪戯感覚でやってたのが段々いじめになっていく… 少なくとも俺そうだった
え!?風香がドッキリにキレて朝倉達をいじめるんじゃないの?
ドッキリのネタに使われたネギがキレて生徒たちをボコボコにするんだろ
ドッキリとはなんの関係もなく明日菜が風香を腹パンすんじゃねーの?
イジメられてる風化を俺が助けてラブラブハッピーエンドじゃねーの?
……体育館裏
風香「…あれ…(まだ…来てないのかな…)」
…
柿崎「(いくよ…!)」
朝倉「(角度バッチリ!バッテリー残量よし!よし…!)」
ガサガサッ!!!!!!
風香「!?」
柿崎「じゃーーん!ドッキリでしたー!!」
風香「…!?な、なに!?みさ!?」
柿崎「きゃはは!だーかーらー!ドッキリ!」
風香「う、うそ…なんで!?ひっぐ…なんなの?うそ…!」
柿崎「(アレ、なんかヤバげ?)おーい!朝倉ー!」
しーーーん…
風香「…ちょっと!ネギ先生は…!?」
柿崎「まーまー…おーい!朝倉ー!説明してやってー!」
しーーーーん…
柿崎「のヤロ!逃げたか!?(くそー!撮るだけ撮って逃げやがった!!)」
風香「ふっ…ひっぐ…」
柿崎「あー!もー…ごめん風香!でもアンタらだってドッキリよくやってるから
おアイコ?よくわかんないけど!」
風香「ネ…ギ先生…ひっぐ…」
柿崎「あ、あのー、言いにくいんだけど当然あの手紙も私らが書いた偽物だったってワケ…!
だからね!泣かないで!ホラ!」
風香「ぅ…ぅわぁぁぁあああん……!」
柿崎「あー!!ごめん!私謝ったからね!もう知らなーい!朝倉が悪いんだからねー!」
そして柿崎は泣き喚く風香を置いて逃げ去っていった…。
朝倉「ブブッ!あの美沙の慌てぶり…腹痛いww」
「うっ・・・あうぅ・・・」
茶々丸は台に拘束されたまま、苦しげにうめく刹那を見下ろしていた。
「刹那さん、傷の消毒をします・・・痛いと思いますけど、我慢してください」
「やああっ!!」
ピンセットの先の消毒液を染みさせた脱脂綿が指の傷口に触れただけで、刹那の全身に電流が走るような激痛が襲い来る。
「いぃ・・・・痛い・・・痛い・・・」
涙を流しながら、いやいや、とかぶりを振る刹那。
「我慢してください・・・すぐ終わりますから」
茶々丸は一瞬悲しそうな顔をした後、いつもの表情に戻ると、ピンセットを動かし、傷に消毒液を染み込ませた。
「きゃぁぁあああーーーーーー!!!」
刹那のさらに大きく、高い悲鳴。
これ程の傷が化膿したり、感染症を起こしたりすれば、指が腐り落ちる事も、最悪破傷風などで命を落とす事も考えられる。
茶々丸の行為は善意こそあれ、これ以上刹那を苦しめるつもりなどないのだが、刹那にとっては拷問の続きに他ならなかった。
「きゃあああっ!!ひぃいっ!痛い!もう許してっ!!」
悲痛な悲鳴を聞きながら事務的に消毒を続ける茶々丸。彼女のその心を奥底を知るものは誰もいない。
その頃このかは、ただ一人、思考をめぐらせていた。
(せっちゃん・・・また酷い事されとんのかな・・・それならまたウチがなおしたげないと・・・
治療の呪文も練習したんや・・・今なら多分大きなケガも・・・!!ケガ・・・?
・・・そうや!・・・こんなことになって忘れてもーたけどウチらは・・・)
その時、このかは階下から姿を表したエヴァの姿を見つける。
思考は一旦中断され、このかはエヴァに向き合うと、怯えを含んだ震える声で彼女に問う。
「せっちゃんを・・・・・どーしたん・・・・・・?」
このかはエヴァに怯えているのではない。エヴァが刹那にした仕打ちがどんなものなのか知るのが恐ろしかった。
「貴様の目で確認してきたらどうだ?見ないほうが良いと思うがな」
そう言われれば、ますます確認せずにはいられず、足早に階段を降りるこのか。
ごめん…ひょっとして割り込んだ?
>>220 朝倉黒いなw
グッジョブ
>>せっちゃん
いいよいいよー
気にせず続き続き!
224 :
朝倉いじめ:2006/06/16(金) 23:06:57 ID:???
そして翌日の学校…
―3-A
ざわざわ…
美空「ふーか…目赤いけど大丈夫ー?」
史伽「お姉ちゃん…元気出して…」
風香「…うん…ありがと…」
バンッ!!
柿崎「ちょっと朝倉!昨日はどういうこと!?」
朝倉「ヘヘ!悪いねーちょっと急用がでk」
柿崎「嘘つくんじゃないわよ!あの後私達がどうなったかわかってんの!?」
ざわざわ…
「何ー?どうしたのアレ…?」「なんか昨日風香をドッキリにハメたらしいんだけど…」
ざわざわ…
朝倉「まーまー、面白い映像が撮れたからいいじゃん♪」
柿崎「許せない…もうアンタとは絶交だね!」
朝倉「はいはい♪絶交でも脱腸でも好きにしてくださ〜いっと♪」
柿崎「……ふんっ」
…
アスナ「ちょっと、何があったの…?」
柿崎「…昨日朝倉が考えたドッキリやるって話になったんだけど…」
…柿崎は昨日のことをアスナに説明した。もちろんそれに加担した
柿崎達も悪いが、朝倉がやったことはもはやいたずらの枠を超えていた…。
アスナ「うわ…最低…」
柿崎「うん…わかってる…風香には悪いことしたよ…でも…」
アスナ「朝倉はもっと最低ね…ちょっと引いたわ…」
つづく…
225 :
224:2006/06/16(金) 23:08:02 ID:???
>>222 ごめんなさい、気にせずやっっちゃって下さい!
>>221から続き
「・・・せっちゃん!!」
そこにはようやく拘束を解かれ、先程まで縛り付けられた台の傍ら、裸のままでうずくまっている刹那の姿があった。
「せっちゃん・・・だいじょぶ・・・?」
指先を集中して責められた刹那の身体には一見、これといった外傷は見えない。
だが、彼女の精神、肉体両方の激しい疲弊が表情に浮かび、その蒼白な顔から
彼女がどれほどの苦痛を味わったのかこのかは感じ取っていた。
「手ぇ・・・怪我しとるん・・・?」
このかのその言葉に刹那は身体を震わせ、背を向ける。
先程自分でも一目見て吐き気を覚え、後悔したほど激しく痛めつけられたその手の傷を、見せたくない。
優しい彼女の心が自分の手と同じくらい傷つく事が容易に予想できるから。
けれど、そうは思っていても、彼女は自分の体に触れるこのかの手を振り払う事はできなかった。
「・・・っっっっ!!・・・そ、そんな、酷いっ!」
爪が剥がされ下の肉から骨が除く、その残酷な光景にこのかは激しいショックを受け、思わず涙が溢れてきた。
「せっちゃん、痛かったやろ・・・痛かったやろ・・・」
このかは刹那の手を握り、治療の呪文を唱える。彼女の治癒能力は重症といえる傷まで治す事が出来るまでになったいた。
あるいは、彼女が人一倍強く思っている刹那に対してだから出来た事かもしれない。
しかし、彼女のこの力が後に刹那をさらなる地獄に突き落とす事を彼女はまだ知る由もなかった。
「・・・いくらなんでもこんなの許せんよ・・・なんで!なんでこんなにせっちゃんをいじめるん?
せっちゃんが何したって言うんよーーー!!」
このかは傍らに無言で立っている茶々丸を責める。
彼女の本位では無い事も、直接手を下したわけでも無い事は理解していたが、それでも許せなかった。
だが、さらに言葉を続けようとしたこのかの体は突然、真っ直ぐ「きをつけ」をした形で動けなくなる。
「なっ・・・なんや、これ・・・?」
「マスター・・・」
・・・・・部屋の階段の上にエヴァの姿があった。
このかの身体の自由を奪ったのは先程刹那を拘束していたのを同じ、彼女の人形操り用の糸である。
エヴァの顔は明らかな不快感が浮かんでいた。
「さっきからうるさい奴だ、まぁいい、これで声も出せんだろう」
「ふぐっ!」
エヴァは3人の元に降りてくると手にしていたタオルをこのかの口に突っ込み、さらにその上から糸で縛り、さるぐつわをした。
倒れそうなるこのかをあわてて支える刹那。
「お・・・お嬢様!」
「騒ぐな、何もしないさ。私の目的はあくまでお前だ・・・もうちょっと休もうかと思ったが気が変わった。また遊んでやる」
その言葉に刹那の表情が青ざめる。もう嫌だ。あんなに痛いのは。刹那は思わず手で顔を覆った。
そしてその仕草で、エヴァは刹那の傷が完治している事に気づく。
(剥がした爪が・・・?近衛 木乃香のアーティファクトは3分以内の傷しか治せなかったはず・・・
通常の治療魔法であれほどの傷が癒せるのか?試した価値があったな。
これならば、もう少しハードな責めも問題あるまい・・・ククク・・・)
「んーっ!んんー!!」
さるぐつわの下でこのかは『やめて』と叫び続けていた。
刹那は手を後ろに回され縛られる。しかし、それ以上は何もされる様子はない。
思いのほか軽い拘束にとまどいの表情を浮かべる刹那。
「ただ一方的にいじめるのもつまらんから、少し趣向をこらそうと思ってな・・・
私の攻撃を避けてみろ。この室内ならどこに逃げてもかまわん。茶々丸!鞭だ」
「ハイ、マスター。どれになさるのですか・・・?」
「そうだな、普通の革鞭を使おうと思っていたが変更だ。バラ鞭をもってこい」
「・・・ハイ、マスター」
茶々丸は部屋の奥にかかっていた鞭の一本をエヴァに手渡す。
鋭い棘が無数についたその威圧感漂う凶器を見て、刹那は全身から冷や汗を流し、
床に転がされたこのかは驚愕に目を見開いた。
「そ・・・それは・・・(いやだ・・・怖い・・・)」
「んー!んぅーー!!(あんなんでぶたれたら・・・せっちゃ〜ん!!)」
「ククク、マトモにくらえば肉まで裂けるぞ。なぁに、心配するな。避けきれればいいだけだ。
時間制限は、そうだな・・・この砂時計の砂が全て落ちきるまでだ」
鞭は茶々丸に用意させたのに、砂時計はピッコロさんのように何もない所から出すエヴァ。
その大きな砂時計から、砂がゆっくりパラパラと落ちる。砂が落ちきるまでは少なくとも30分はかかりそうだった。
「さぁ、いくぞ・・・」
エヴァがつめより、刹那はあとずさる。両者の距離が縮まり、鞭の間合いに入った瞬間エヴァは素早く鞭を振り下ろした。
バシィィィィッ!!
それを刹那は後ろに跳んでかわすが、このまま後退を続ければ壁際に追いやられるのは必至である。
エヴァが再び接近し振り下ろした鞭を、斜め前に飛び出し交わす刹那。
ヒュン!・・・・ビシィィィッ!!
鞭が頭部付近を霞め、パラパラと床に落ちる刹那の髪の毛。
緊張と恐怖から心臓の鼓動は強くなり、自分の耳に響いてくる。
後ろ手を縛られた刹那はそれだけで動きがかなり制限されており、バランスもとりにくくなっていた。
もし転んでしまえば打たれるのは確実。そうはならぬよう、エヴァの動きを読み、全神経を総動員してエヴァの鞭を交わし続ける。
「なかなかやるな、ではこれではどうだっ!」
ヒュンッ!
足を払うような低空の一撃。それをジャンプで避ける刹那。
避けた瞬間「しまった!」と思ったが、既に遅かった。
エヴァは横なぎの一撃からそのまま斜め上に鞭を振り上げ、その鞭は中空で身動きの取れない刹那にはかわしきれない。
バシィィィィッ!!
「うああっ!!」
とうとう、エヴァの鞭が刹那の体を捕えた。彼女の肌をいまだ覆っていた固まったロウが剥がされ、その下の皮膚も傷つけられる。
「あ・・・ああ・・・・」
想像していた以上の痛みに、思わず刹那は膝を突いてしまう・・・が。
ビシィィィィッ!!
「ひぐううううっ」
先程、刹那を打ち据えた一撃からそのままエヴァは手首を返し、振り下ろした一撃が再び刹那の、今度は左肩を直撃した。
重力に逆らった最初の一撃に対し、打ち下ろしの二撃目の威力はさらに強力である。
「さっさと立て、テレビゲームのようにダメージを食らった後の『無敵時間』は存在しないぞ。
すぐさま逃げねば、何発も連続で攻撃を受けるハメになる」
前半部分は意味がわからなかったが、後半部分は理解できた刹那は、痛みをこらえ、体性を立ち直しエヴァを見据える。
(うっ・・・うう・・・痛い・・・真剣で斬られたような・・・・)
「効くであろう?鞭打ちはその痛みでもって人間を絶命させうる。せいぜい死なぬよう気を強く持て・・・ハハハ」
「ん〜!!(そんな〜!せっちゃ〜ん!!)」
「うぎゃあああっ!!」
砂時計の砂が落ち始めてから約20分後。室内に響く、何度目かの刹那の悲鳴。
先程までは鬱陶しいと思っていた全身を覆っているロウが皮肉にも、刹那の痛みを多少なりとも和らげる役目を
果たしていた・・・が、それももはや大半が剥がれ落ち、それに反比例して、刹那の体には傷が刻まれ、再び全身を
赤く染め始めている。
もう見てはいられないと、このかは先程から目を逸らし続けていたが、刹那の悲痛な悲鳴からは逃れようがなかった。
「・・・はぁ・・・はぁ・・・うぅっ・・・」
「どうした?動きが鈍くなっているぞ?」
打たれれば打たれるほど、痛みで集中力が低下し、体の動きも鈍くなり、疲労は増す。
そうなるとますます打たれるという悪循環。それは打たれる刹那本人が一番理解していた。
動けるうちに可能な限り長く避けなければならない。おそらくあと十発もくらえば、痛みで殆ど動く事ができなくなるだろう。
そうなれば、残り時間ひたすら打たれ続けなければならなくなり、それは死すら予感させた。
しかし、そう考えていた直後、彼女を悲劇が襲う。
ずるっ
「きゃっ!」
床には、刹那の流した血や汗が大量に落ちていた。それに足を取られてしまう刹那。
普段の彼女ならこの程度でバランスを崩す事はありえないが、状況が状況である。
「うぐっ!!」
受身の取れない彼女は無様に前のめりに倒れ、なんとか顔面だけは打たぬよう、背を逸らせ腹で衝撃を受け止めたが
それが逆にまずかった。
バシィィィィィッ!!
「ああああああっ!!」
無防備になったその顔面を打ち据えるエヴァの鞭。
「・・・いやああああっ!!」
肉体的な痛みもさることながら顔を傷つけられたショックに今にも切れそうだった神経の糸が切れてしまった。
鍛錬を積んだ達人と言っても、彼女も多感な時期の少女。
立ち上がる事が出来ず、痛みと恐怖でパニックに陥いり、床を転げまわる刹那。
エヴァにとっては絶好の的だ。芋虫の様に這い回る刹那に、渾身の力を混め鞭を振り下ろす。
ビシィィィィッ!!・・・バシィィィィィッ!!・・・
「うあーーーーっ!痛い!痛い!やめ・・・うあぁっ・・・・・」
背中に、尻に、腹に、太股に、体中に鞭が飛ぶ。
次々と新しい傷が増える。
既に出来ている傷口をさらに深く、鞭が幾度も抉る。
刹那は自分の作った血溜まりの中で、まるで溺れているかのようにもがき続けるが、その動きも徐々に緩慢になる。
「マスター!」
惨劇は無言で見守っていた、茶々丸の突然の声で中断された。
「ん・・・なんだ?ああ、時計の砂が丁度落ちきったのか、残念、ゲームオーバーだ」
鞭打ちの拷問はようやく終ったが、刹那はいまだ全身を覆う激痛にもがき続けている。
「あ・・・が・・・・し・・・しん・・・じゃ・・う・・・・」
「んっんん〜!(せっちゃん・・・ごめんね・・・絶対助けるから、もう少し待っててよ・・・・)」
さるぐつわの下で嗚咽を漏らしているこのかの頭にはこの時、ある計画が浮かんでいた。
見苦しくなって失礼しました。
>>224続き楽しみにしてます!
>>232 いえ、いつも高クオリチーで感動しています。
でもせっちゃんが、せっちゃんがぁー!
そして昼休み。朝倉のウワサは瞬く間に広まっていた。
「聞いた?風香の話…サイテーやね…」「うん、さすがに不憫だよ…」
「前から朝倉のパパラッチ癖はちょっと過ぎたところがあったとゆーか…」
朝倉「おやおや♪なんの話してるのー?"和泉"ちゃん?」
亜子「わぁ!な、なんや?朝倉…さん」
朝倉「知ってるよー?アンタの背中の傷、小さい頃お父さんn
亜子「嫌ぁ…やめて!やめてぇーー!!」
アキラ「亜子…!朝倉!やめろ!」
朝倉「んー?何?なんか文句ある?アキラ、アンタも夜な夜なベッドの中d
アキラ「!!う、うるさい!あっちへ行け!」
朝倉「おー怖い怖い!アハハ〜♪スクープスクープっと♪」
……
昼休みが終わった時、朝倉はクラスから完全に孤立していた…。
朝倉「あちゃー、科学のプリント忘れてきちゃったぁ〜…いいんちょ」
あやか「……どうしました?」
朝倉「ちょろっと、見せてくれない?」
あやか「……嫌ですわ、あなたが風香さんに謝るなら考えてあげてもいいですけど」
朝倉「ふぅーん…いいんだ…"あの事"皆にバラしちゃっても」
あやか「なっ!?そ、それは脅迫ですか!?」
朝倉「いやぁー、いいんだよ、いいんちょがそう言うなら…みなさーん!」
あやか「わかりました!わかりましたわ!見せればいいんでしょう!?」
朝倉「ヘヘ♪サンキュ!いいんちょ!」
あやか「………」
つづく…
ヒル魔みたいな人になってる!
いじめられそうもない朝倉をいじめるというのが(・∀・)イイ!!
斬新で良いよな
>>232 読むと寒気がする
だがそれがいい
>>234 朝倉が龍宮に取り込まれるフラグ立ったw
パルって何のために呼ばれたんだ?
ただのゲスト?
何か朝倉に責任を押し付けられそうなんだが
なんでそこで龍宮が出て来るのか
龍宮って誰だったか
>>241 実はカワイイモノマニアで
淫乱ショタコン巨乳エロ尻ザーメン大好きのヤリマンガンマン
理解した
いつも調子乗ってる朝倉の動揺してる面を見たいなw
ま た 宣 伝 か !
別スレのネタをここに引っ張ってくんな
それくらいちょっと考えたらわかるだろうが
アホか
朝倉まだーヾ(`∀´)ノ"
糞種氏ね
251 :
マロン名無しさん:2006/06/17(土) 21:22:08 ID:pkooAH2v
>>197 チャチャゼロ残酷編8 見習い魔法使いの憂鬱
麻帆良学園に、雨が降る。連日の惨劇を洗い流すように、雨が降る。
朝から降り続ける雨の中、あえて出歩く者はほとんど居なかったが……
ここ、麻帆良学園の中心部、世界樹前広場には、何本もの傘が留まっていた。
「まだ同一犯だと決まったわけでは……! 全ての事件において手口が違うわけですし」
「しかし我々の目を欺けるような犯罪者が複数いるということの方が、信じがたい」
「犯人の数などどうでもいい! 重要なのは、生徒たちの安全確保です!」
降り続ける雨の中、傘を片手に議論を交わしていたのは、十数人の先生や生徒。
学園都市に点在する、様々な学校の制服。様々な先生。一見すると何の共通項もない顔ぶれ。
ただし、知る者が見れば分かる。個々の顔を確認していけば、おのずと分かる。
愛衣がいる。シャークティがいる。刹那がいる。高音がいる。そして、子供先生のネギもいる。
魔法の存在を知り魔法を使いこなし、学園を陰から守る存在。魔法先生と魔法生徒たちだ。
彼らの雨の中の会合の議題は、もちろんここ数日起こっている例の事件。
「……犯人が魔法に関わる存在か否か、という点の方が重要かと」
「うん、確かに。それによって我々の取るべき方策がまるで変わってくるんだよね」
刀子が口にした新たな疑問に、弐集院は腕を組んで頷く。
今のところ、相手が「単なる変質者」なのか、それとも「魔法的な存在」なのか判断つかない。
前者なら、いかに抜け目のない犯罪者でも魔法的な防護はない。見つけさえすれば後は簡単。
しかし後者なら、これは用心して掛からなければ。今まで出し抜かれてきたのも納得である。
この新たな疑問に対し、しかし刹那は不思議そうに問い返す。
「しかしその件は、エヴァンジェリンさんの『結界』に反応なし、で決着していたのでは?」
魔力こそ極端に抑えられているエヴァだが、その魔法の技術はなおも超一級。
その技を活かし、エヴァは学園を取り巻く形で魔法的な警報装置・「結界」を展開していた。
魔法的な存在、例えば妖精や魔物が侵入すれば、エヴァはそれを察知することができる。
エヴァが「侵入者なし」と報告している以上、そこは疑う余地がないはずであったが……。
「いや、その判断は早計だな。『闇の福音』の報告があっても、まだ可能性はいくつか残る」
「可能性、ですか?」
刹那の問いに答えたのは、魔法先生の1人、ガンドルフィーニ。
「まずは、魔法的な欺瞞技術が使われていた場合。この手の感知魔法には、対策もある。
エヴァンジェリンの技量次第では、偽装を施した侵入者を感知しそこなう可能性がある」
「…………」
ガンドルフィーニの、あまりにエヴァの能力を軽視した発言。刹那もネギも黙って睨む。
「次に、犯人がここ数日は『結界』を通過していない場合。通過しなければ、感知もできない。
既に何らかの形で学園に潜伏していたり、学園内で召喚されたりしたケースが考えられる」
ある意味で真相を言い当てていたこの言葉。しかし現時点では決め手に欠ける。
「最後に――『闇の福音』が虚偽の報告をしていた場合。
なにしろ賞金は取り消されたとはいえ、あまたの犯罪に手を染めてきた前科者だ。
再び悪の道に手を出す、あるいは悪しき存在に手を貸す可能性は、十分に考えられる」
「ガンドルフィーニ先生ッ!」
色眼鏡でモノを言うガンドルフィーニに、とうとうネギが声を上げる。刹那も顔を強張らせる。
2人の知るエヴァは、そんな人物ではない。が、魔法先生たちの態度は硬いままで。
「あくまで可能性だよ、ネギ君。我々は全ての可能性を考えに入れねばならないんだ」
「信じたくない、あるいは、望ましい展開ではない、というのは我々にとっても同じだがね」
「…………!」
敵意剥きだしの魔法先生たちに、ネギと刹那は怒りを隠しきれない。
現在タカミチは海外に出張中。学園長は歳のせいか体調を崩し、ここ数日姿を見せていない。
そしてこの2人を除けば、ほとんどの魔法先生はエヴァのことをあまり信用しておらず。
……まあ、これには不信のみならず、嫉妬のような感情も混じっているのかもしれない。
学園内の他の誰にも、エヴァのように大規模な「結界」を作る能力など無いのだから。
学園を守る気のない「悪の魔法使い」に、学園の監視を委ねなければならぬ自分だちの無力さ。
彼らの苛立ちは、心の奥底でくすぶり続けているのだった。
「……まあ、今の段階では、これ以上議論しても得るものはないようだ。
今日のところは巡回を強化するということで、新しいローテーションを決めて解散としようか」
雨の中、「教授」と呼ばれる魔法先生が、まとまらない議論をまとめようとする。
穏やかな微笑を崩さぬ若き教授、しかしその顔に翳りが見えるのは、一連の事件のせいか。
「そうですね……では」
教授の提案にとりあえず全員が頷こうとした、その時。
「…………待っテ」
唐突に、意外な人物が声を上げる。シャークティの陰に隠れるようにしていた魔法生徒・ココネ。
普段はほとんど口を利かない彼女が、先生たちに淡々と事実を告げる。
「瀬流彦先生カラ、念話。緊急連絡。コノエ コノカが、病院デ……!」
「これは……『禁呪』の魔道書……!」
「長谷川さんの病室でね、僕が彼女と共に見つけたんだ」
「このちゃん! ちょっ、このちゃんッ!」
雨の降り続ける病院。その一室に、無惨な姿となった木乃香が眠っていた。
白い肌に浮かぶ無数の刀傷。捻じ曲がった手足。刹那に揺すられても目を覚ます気配はない。
現代医学では何が起こったかまるで見当もつかぬ状態に、医師たちも対処に迷っていた。
会合の場から急ぎ駆けつけたネギと刹那は、その場に居た瀬流彦に事情を聞く。
「僕は、みんなが会合を開いている間の巡回を受け持っていたわけなんだけど……
ちょうどこの病院の近くを通った時に、強大な魔力が発動する気配を感じてね。
何事かと思って駆けつけてみたら、この状態だったんだ。
どうやら彼女はこの『禁呪』、『転呪移傷』を例の事件の犠牲者たちに使ってしまったらしい」
「そんな……!」
「せ、先生!? 禁呪とは何です? このちゃんはどういう魔法を使ってしまったんです!?」
衝撃を受けるネギ、西洋魔術への無知から、訳が分からず問い返す刹那。
瀬流彦は説明する。その禁呪の内容と、その意味を。
木乃香が覚悟し、体験し、そして耐え切った、その苦痛の概要を。
「こんな重大なこと、1人の判断でやって欲しくなかったんだけど……こうなった以上、仕方ない。
とりあえず病院関係者には緘口令を敷いて、この事実は一般には伏せることになるだろうね。
彼女は表向き病気で入院、面会謝絶、ってことにでもなるのかな。
和泉亜子と全く同じ傷痕を見られたら、一般生徒にも不審を抱かれるだろうからね……」
瀬流彦は淡々と、事後の処理について考えを巡らす。
今回の件は、連続暴行事件とは直接は関係がない。少なくとも彼らはそう考える。
そう考えるから、次に考えるのはこの事態の収拾だった。それが自然な流れだった。
しかしネギも刹那も、そう簡単には割り切れない。2人はそれぞれに、自分を責める。
「このかさん……そこまで、思いつめてたなんて……!」
「なんで自分は気づけなかった……!? このちゃんがそこまで悩んでたことを……!」
雨が降り続ける。彼らの後悔も無念も全て飲み込み、雨が降り続ける――
――その日の雨は、夕方になってようやく上がった。
濡れきった路面を、満月にあと1日だけ足りぬ月が、照らし始めている。
普段は学生たちが遅くまで出歩く土曜の夜だったが、しかし今夜は人の気配は少ない。
「やっぱ、例の事件のせいかね〜。みんなビビッてるのかなー」
「…………」
「まあさ、正直言って、私だってビビってんだけどさ。仕事じゃなきゃこんなトコ歩かないッスよ」
「…………」
「……ねえ、何か答えてよココネ。1人で喋り続けて、バカみたいじゃん、私」
「……うン、馬鹿みたいダと思ウ」
「ちょッ、そこだけ肯定かよッ!」
月の下、連れ立ってあるく修道女姿の2人組。思わずツッコミを入れる片方。
巡回に駆り出されていた見習い魔法使い、春日美空とココネのコンビだった。
本来、こういう危険な任務はまだ彼女たちの仕事ではない。
戦闘力のない2人組、仕事に出るにしても、上司のシャークティと共に行動するのが基本。
しかし……連日の事件を受け巡回を増やそうとすると、未熟な人材も使わざるを得ないのが実情で。
麻帆良学園の広さに比べ、どうしても魔法先生たちの数は足りない。こうでもしないとカバーしきれないのだ。
「まあ、この時間は刀子さんと教授も出てるって言うし?
いざという時は、ココネの念話でSOS求めりゃいいんだけどさぁ。
それって要するに、私ら逃げ足以外はまるで使えないってこと? ねぇ?」
「……でもソレ、真実……」
「かーーッ! そりゃそーなんだけどさー!」
ココネの的確な答えに、美空は短い髪を掻き毟る。何ともしがたい無力感。
「ああ、親の意向で嫌々魔法使いしてるとはいえ、こうなると普段の修行不足が恨めしいわ……」
「……ミソラ、ちょっとわざとらしい……。絶対、明日には忘れてる……」
演技がかかった美空の溜息に、ココネはまるで信用してない目つき。
殊勝なことを言ってても、真面目に修行に励むようになるわけでもあるまい。ま、いつものことだ。
春日美空。見習い魔法使い。
彼女の立場を例えて言うなら「知られざる伝統芸能を伝える一家に生まれちゃった」ようなもので。
彼女の意志も適性も関係なく、魔法使いに「ならなければならない」立場。これは正直、キツい。
とはいえ、運動が得意ならそれなりに、勉強が得意ならそれなりに、道があるのが魔法使いの世界。
従者として契約を結びアーティファクトを授かった美空は、体育会系魔法使いの道を歩んでいた。
複雑な魔法を沢山覚えて戦うタイプではなく、恵まれた体力をさらに強化して戦う路線である。
まあもっとも、修行に不真面目な美空は、ロクな戦闘訓練を積んではいなかったが……。
これが普通の伝統芸能や伝統工芸のように、一般にも認知される仕事ならまだ良かっただろう。
しかし、魔法使いというのはあくまで陰の存在。世のため人のため、陰の仕事をする者たち。
……言っていることは立派だが、そんな空気のような存在、フツーの中学生が望むものではない。
もっと社会に認められ賞賛を浴びるような、そんな仕事に憧れてしまうのも当然で。
「私も陸上競技やってるけどさー。でも、頑張ったところでオリンピックとかには行けないのよ。
まほーつかいが『表』の社会で目立つわけには行かない、ってさ。掟だとか何とか。
そりゃ『戦いの歌』とかアーティファクトとかってドーピングみたいなモンだから、反則だけどさ。
今の私だって、そーゆーの使って本気出せば、男子の世界記録抜く数字出せちゃうけどさ。
でも『素の私』でも、女子中学生の日本記録に近い数字出るんだよ? 学園で一番なんだよ?
それを、全国大会には絶対出るな、とかさ。仮病つかってサボれ、とかさ。
いっくら魔法使いだからって、そーゆーのストレス溜まるんだよねー、ったく……」
グチグチと愚痴り続ける美空。過去何十回目も聞かされた話を、黙って聞くココネ。
陰に徹することを強いる、魔法使いの掟。その影響は、こんなところにも現れる。
理屈抜きに走ることが好きな美空にとって、これは苦痛だった。
そりゃ、真面目に魔法使いやる気もなくすというものだ。サボりたくもなろう。
満月にほんの僅か足らぬ月の下、2人は濡れた道を歩き続ける。
一方的に美空が喋り続けて、時折ココネが毒のあるツッコミを入れる関係。
いつもの関係。すっかり馴染んだ、2人の関係。
「にしても、このかも案外熱血というか馬鹿というか……。あんな禁呪、私頼まれたってヤだよ?
大体どっから見つけてきたのさ、そんな貴重な呪文書。初心者が手にするもんじゃないよ?
やっぱアレかね、じじぃ関連かね。学園長なら、変な魔道書いっぱい持ってそうだし……」
「…………ミソラ」
喋り続ける美空を、ココネが呼び止める。服の裾をギュッと握り締める。
その彼女の緊張した様子に、流石の美空も表情を変える。
「なになに? どうかしたの?」
「今、何か、変な気配を感じタ……。ひょっとシテ……!」
ざわっ。2人を包む森を、湿った風が吹き抜ける。
どこかから見られているような感触。取り囲まれているような緊張感。
まさか、これは……!!
8th TARGET → 出席番号09番 春日美空 ?
―105号室(朝倉・春日)
…ガチャッ…
朝倉「たっだいまー♪」
美空「…おかえり」
朝倉「ふぁー、のど渇いたぁー!麦茶麦茶…」
美空「…和美、アンタ何考えてんの?」
朝倉「(ゴクゴク…)な、何って…別に?」
美空「ふぅーん、アンタ風香の件でクラスの皆から相当嫌われたよ」
朝倉「…いーよ。あんな連中から嫌われたところでなんともないしー♪」
美空「そっ、じゃ明日から私に話しかけないでね、てゆうか今から」
朝倉「何ムキになってんのー?美空ちゃぁーん小学校からの仲じゃなぁーい?」
美空「アンタにゃ愛想尽きたわ」
朝倉「あっ!しゃべったぁー!10秒も我慢できないんでちゅねー?」
美空「……」
朝倉「きゃはは!相変わらず馬鹿だなー…まぁあんな知恵遅れの双子と遊んでる
んだから仕方がないかぁw」
美空「!!そーいうこと言うなんて…サイッテーよ!!!」
バタンッ!
朝倉「びっくりしたぁー…、ま、いっか♪さぁて、ネタも集まったことだし
さっそくドッキリビデオの編集でもするか♪」
つづく…
ゼロ師だ!相変わらずおもしろいです!
感想書いてくれた方ありがとうございます(TT)
チャチャゼロ、朝倉イジメグッジョブ
期待してます
まさか茶々ゼロと朝倉いじめに普段空気扱いの美空がメインになる回が同時に来るとは思わなかった
そう言えば
確かにすごいことだよなw
美空はよくみたらかわいいし友達思いのいいやつなんです!!!
友達思いか?
美空フィーバー!!
_ ∩
( ゚∀゚)彡 朝倉!朝倉!
⊂彡
ネギがちびせつなを…編,撲殺天使このかちゃん,
ハカセいじりが発展、徐々にクラス内で地位が下がって…編,柿崎天罰編
楓ってなんかうざくない?
すみません途中で送信されました!
楓ってなんかうざくない?編です
ちょっと思いついたいじめをリストアップしてみました
美空なめ(ry
Y太のエーミッタムやセクまはいつの間にか終わっちゃったな…
>>270 Yです。ごめんなさい、打ち切りにしてしまいました…
セクまはまだなんとか書けそうです
僕 た ち の 戦 い は こ れ か ら だ
ご愛読ありがとうございました。
風呂賀Y太先生の次の作品にご期待下さい
打ち切り('・ω・`)
自分で堂々と打ち切り宣言されると逆にすがすがしいな。
ギャグ漫画ではわりとよく起こる現象だ・・・・
変態な主人公が周りを巻き込むハチャメチャコメディだったのだが
さらなる奇人変人が登場しまくったりまともだったはずのサブキャラが暴走し出した結果
主人公が驚き、突っ込み役になってしまう。
翔陽はワンマンじゃないと思う。
すみません。自分でも何が起こったのかわからないままWで誤爆してしまいましたorz
…翌日―3-A
わいわい…
朝倉「ちーっす!いいんちょ便秘は治ったかい?」
あやか「(カァァ…)なっ!?私は便秘などではありませんわ!」
朝倉は全く反省していなかった。
そうこうしているうちに朝のHRが始まる。
ネギ「連絡は以上です……それと朝倉さん、お話があります…
あいさつが終わったらちょっと職員室まで来て下さい…」
朝倉「ん?いーけどー」
ネギの顔からは笑顔が消えていた…。
だが朝倉はそんなの全然気にしてないと言いたげに授業の準備をしながら答えた。
風香「ざまーみろ…」
朝倉「プッw(ネギ君にゃー悪いけどあんな顔されても全然怖くないや)」
……
…ガラッ!
―5分後…案の定朝倉は平然とした表情で教室に戻ってきた。
朝倉「ブハッ!(ネギ君たら怒った顔もかわいーんだからw)」
風香「……」風香がものすごい形相で朝倉を睨み付ける…。
朝倉「フンッ!この知恵遅れが…大体アンタが悪いんじゃない…
冗談もわからないなんて本当幼稚園児ね?w」
風香「(プチンッ)許さないッ!」
ガタガタッ!朝倉に飛びかかろうとする風香を傍にいた釘宮とまき絵が取り押さえる。
朝倉「許さないのはこっちの方だね。ホーラ、すぐ暴力振るって…猿に訂正しておくわ」
円「風香!落ち着いて…!…朝倉?"言葉の暴力"ってのもあるんだからね…覚えておきな!」
朝倉「!!フンッ、んなこと知ってるっての…」
すずちゃんハアハア
朝倉いじめまだー(・∀・)
…昼休みになっても、相変わらず朝倉はしれーっとしていた。
朝倉「ふんふふーん♪(休み時間に早弁したからあんま腹減ってないしー暇だー)」
「ウチ今日弁当もってきたー♪」「あたしもー♪」
運動部四人は仲良くお弁当を広げだした。
朝倉「……ニヤリ」
胸ポケットから愛用のファインピクスを取り出し、不敵に笑う。
…パシャ!…パシャリッ!
「モグモグ…なんやアレ…うちらんこと撮ってるんちゃう…?」
「モグ…友達いないから嫉妬してるんじゃなーい?」
わざと大きな声でまき絵が言った。だがそんなことおかまいなしに朝倉は
シャッターを切る、切る、切る。
「モグ…ほっとこう」「そーだね、あんなヤツ」
とは言ったが…こうも堂々と写真を撮られると当然気になる…。
朝倉「ニシシ!……きったなぁーい…」
!!汚い…?なんのことだろうか…。
アキラ「まさか…」アキラは口を押さえた。
亜子「ど、どしたんや?アキラ?」
アキラ「アイツ…私達の口を撮ってたんだよ…!口に物が入っている時を
見計らってワザと注意を引くようなコトを…!」
まき絵「えっ…?ヤダぁ…」
さすがのまき絵も食べ物の入った口の中を撮られるのは恥ずかしい。
朝倉「ニッ…スプラピスプラッタスクープだよーん♪」
時既に遅し、朝倉は鼻歌交じりで教室を出て行った。
「信じられない…」
あの事件から3日…朝倉は風香にあやまる事もせず、むしろすっぱ抜きは加速する一方だった。
とは言っても3-Aは皆優しい子ばかり…。そんな彼女にもいつか反省する日が
来るだろうと目をつむっていた……が、ついに第2の事件が起こる…ッ!
わいわい…
下駄箱近くの掲示板が妙ににぎわっている。
【まほら新聞号外】
『3-A和泉亜子、背中に醜い傷!?』写真参照
『…である。幼少の頃、両親に虐待されていた彼女は現在関西に住む親戚…』」
「へー、亜子ちゃんそんな過去あったんだぁー…」「げぇーキモちわるぅー」
同情する声もあったが、大半はその醜い傷跡を気味悪がるものだった。
わいわい…
まき絵「…でねー、二ノ宮せんせが私のこと好…って何あの人だかり!」
亜子「…んー?なんや楽しそう♪ウチらも見に行こーっ♪」
亜子「な…なん…コレ…」
つづく…
水を差すようで悪いが、そんな堂々と記事にしたら教師サイドにモロバレじゃね?
あの内容じゃ一発で謹慎・停学もありうるぞ。民事訴訟コースとか
…それはそれで面白いかも知れないが、やっぱ自滅ってのは物足りないよーな…
>>284 感想ありがとうございます!軌道修正したいと思います^^;←マツケン風
>>284 魔法学校だから何でもありなのだよ
それにしても朝倉…なんてやつだw
朝倉のクズっぷりに嫉妬
アキラの口の中に萌え
>>257 チャチャゼロ残酷編8 後編
春日美空には、「覚悟」がない。
己の意志ではなく、親の圧力で入った魔法使いの世界。
「世のため人のため、人間社会を陰から守る」などという「建前」など、正直クソくらえと思っている。
いや、それが立派なことだとは分かってはいるが、「なんで私が……」という思いを捨てきれない。
良くも悪くも現代ッ子の中学生。裏方仕事に、魅力を感じられるものではない。
ましてや――そんなもののために、己自身や親しい相棒を危険に晒す「覚悟」など。
度胸はある。決断力はある。本人には自覚がないが、素質だって実は十分にある。
けれども、本人はこんな現状が嫌で嫌で仕方なくて……
だから、そんな無意識を反映したアーティファクトを得ることになった。反映した能力を得た。
彼女の無意識の願い、それは「こんな現実からいっそ逃げ出したい」、である。
ほぼ真円に近い月の下。修道女姿のココネと美空は、深い森の中の道で、周囲を見回す。
「ねぇココネ、本当に何か感じたの? 気のせいじゃなくて?」
「……気配消えタ……デモ、確かにさっき……」
雨に濡れた森の中を、湿った風が吹き抜ける。ザワザワと木々が揺れる。
何もなくても不気味な印象を受ける森。ココネの勘違いという可能性は、捨てきれないのだが。
「ん〜〜、とりあえずココネ、『乗って』。いざというとき動けるように、さ」
「わかっタ」
「救援呼ぶにしても、もうちょっと相手の姿とかを見極めたいしねぇ。
あ、そうそう、今のうちに……『来たれ(アデアット)』!」
美空に促されるままに、美空の肩の上に上るココネ。アーティファクトを召喚する美空。
履いていたハイヒールは魔法のスニーカーと「入れ替わり」、ココネを肩車した格好で周囲を見回す。
人間離れした脚力の美空が「足」となり、カンが鋭く念話に長けたココネが「頭」となる。
この肩車の体勢はこの2人の基本スタイルであり、本気の「戦闘態勢」だった。
……といっても、回避と逃亡を主眼に置いた、極めて後ろ向きな戦闘スタイルであったが。
それでも、この状態になれば、例え相手がドラゴンだろうと逃げ切れる。殺られはしない。
少なくとも、2人は確信していた。
「……どう?」
「殺気……。でも、どこから来てるか分からナい……。コレ……本気デ、やばイ……!」
目を閉じて、周囲の気配を探るココネ。覆面越しのその声が、小さく震える。
美空の顔に、笑みと共に脂汗が浮かぶ。ココネがこんな表現をすることは、めったにない。
どうやら本当に――ヤバいらしい。
「……了解ッ! 戦術的撤退するよッ! ココネは先生にSOS発信よろしくッ!」
美空の決断は、早かった。あっさり前言を撤回し、敵の把握も諦めて全力逃走に移る。
魔法のスニーカーと、魔力を上乗せした両足。大地を蹴れば、一足でトップスピード。
子供1人背負っていても、男子の世界記録どころかレーシングカー並みの速度。
ココネを乗せたまま大きく前傾し、一目散に、この場を離れるべく――
「――ミソラ! ちょっ、待っテ……!」
「へ?」
ココネの慌てた声が聞こえた、と思った、次の瞬間。
ひゅんッ、と、何かが美空の頭上を掠めて。
ふわっ、と、肩の上のココネの体重が少しだけ軽くなった気がして。
一瞬遅れて、バシャッ、と、何やら熱い液体が、美空の身体に降り注ぐ。
「……は?」
間抜けな声を上げ、立ち止まる美空。恐る恐る、頭上のココネを見上げようとした、その時――
何か丸いモノが。宙に跳ね上げられた球体が。彼女たちの目の前に落ちてくる。
未だ事態が理解できない美空は、呆けた表情で。その転がるスイカのような物体に目を向ける。
……そして、目が合ってしまったのは、ココネの虚ろな瞳。
「……え?」
美空は、まだ事態が飲み込めない。
頭上から降り続ける、熱い液体。鉄の錆びたような匂いの、ぬめる液体。
数秒の間を置き、肩の上のココネの身体が、力を失ってズルリと崩れる。
自ら美空の上に留まり続けることができず、立ち尽くす美空の背後にドサリと落ちる。
馬鹿みたいに口をポカンと開けたまま、美空はゆっくりと振り返る。
背後に落ちたココネの身体には――頭が、ない。肩から上に、何も、ない。
「……は? ……え? ちょっと……冗談、でしょ?」
ココネの血で全身を濡らしたまま、美空は何度も前後に転がる2つの「モノ」を見比べる。
前に転がる、ココネの生首。
後ろに転がる、ココネの首なし死体。
鋭利な刃物ですっぱり切り落とされたような、その断面。
最期の瞬間、ココネの驚きがそのまま張り付いたような、その表情。
間違いない。ココネは、死んでいた。見えない刃に首を刎ねられ、死んでいた。
「……あの、さ。こーゆーのって、無いと思うんだけど……」
なおもこの現実を受容できず、引き攣った笑みを浮かべ生首の方に一歩踏み出した、その時。
ヒュンッ、と音を立て、小さな風が、足元を駆け抜ける。何かが足に絡みつく。
『ケケケケッ!』
耳障りな笑い声。視認すら困難な速度で、踊るように煌く糸の輝き。
美空がその正体を見極めるよりも先に――今度は、美空の身体が、ぐらりと倒れていく。
「えっ、ちょっ、待ッ……!」
ドサリ。
どうしようもなく倒れてしまう、美空の身体。濡れた地面の土の匂いが、鮮烈に感じられる。
顔を上げれば、手の届きそうな所にココネの生首。
立ち上がろうとして、立ち上がれなくて、美空は匍匐前進のような姿勢のまま、振り返る。
……倒れてしまった身体をよそに、まだ立っていた。スニーカーを履いた2本の足が、まだそこに。
「あ……?」
断面から血を流しながら、まだ立ったままの自分の両足。血に染まる純白のストッキング。
それを視認して初めて、美空は自らの足に痛みを感じる。激痛が走る。
美空の両足は、どちらも膝上で断ち切られていた。すっぱりと、綺麗に斬られていた。
「うわ……あ……あ……あああああああッ!」
美空は、ようやくにして状況を理解し、叫ぶ。狂ったように叫ぶ。
ココネの生首を抱きしめ、2度と立ち上がることも叶わぬ身体のまま、叫ぶ。
こんなハズはない。こんなハズではない。こんなことになるなんて、思わなかった。
いつも無愛想で不機嫌で生意気な相棒ココネ、でも彼女は美空の大事なパートナーで。
身体と永遠の別れを告げた両足は、オリンピックなど行けずとも大事な彼女の生きる喜び。
覚悟などなかった突然の惨劇に、所詮は今時の女子中学生に過ぎぬ美空は、心砕け散る。
任務のことも襲撃者のことも全て消え失せ、ただただ、身体と魂の痛みに叫び続ける。
「――あああああああああッ!」
「……マサカ、首刎ネチマウトハナァ。素直ニ俺モ驚キダ。ケケケッ」
傷ついた身体で慟哭を続ける美空を物陰から眺めながら、チャチャゼロは笑う。
血に染まった極細のワイヤー、人形繰り用の糸を回収しながら、ゼロは笑う。
千雨の時と同様、標的の逃走に備え張り巡らせておいたワイヤートラップ。
しかし、そこに突入してきた標的の速度は、ゼロも想定すらしていない程のものだった。
前傾姿勢ゆえ、美空ではなくココネの首にかかったワイヤー。ケタ違いのスピード。
細く強靭な繰り糸は、そのとき、刃物と化した。幼い命を断ち切る、ギロチンと化した。
「御主人ノ命令ハ、『ぼーやのクラスに死人を出すな』ダカラナ。アッチノガキハイイハズダゼ。
シカシ……面白イ技、見ツケチマッタナァ。コイツハ使エルゼ♪ キャハハッ♪」
ヒュンッ。闇の中に、細いワイヤーが舞う。美空の両足を切断した、凶器が舞う。
標的が高速で突っ込んで切れるなら、繰り手側が高速で引いても切れるのが道理。
新たな「オモチャ」を手に入れた人形は、久しぶりの殺人の愉悦にいつまでも笑い続ける……!
NEXT TARGET → ???
ココネが…死んだ(゚Д゚)まさか死ぬとは…
番外編も楽しみに待ってます!
うわぁぁぁぁぁぁあ(AAry
すごい!背筋がゾッとしました…。
クオリティ高いです!
( ´・ω・`)ココネ……
ココネ―――!!!!
「ブラックマジック」という言葉が頭に浮かんだ
ここで朝倉イジメ続き↓
「ひどい、ひっぐ、あんまりや…」
ボロボロと泣き崩れる亜子…。
本人が来た事に気付いた生徒達は蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
「亜子…あたし先生に言ってくる!!」
まき絵は掲示板に貼ってある新聞を引っぺがすと職員室へと駆けていった…。
―職員室
「ハァッ、ハァッ…ネギ君っ!」
「あ、まき絵さんおはようございますー、早いですねー」
「見て!コレ!!朝倉が、朝倉が…」
朝の職員会議が終わってのん気にお茶をすするネギの机の上に新聞を叩きつける。
「なになに…?…ふんふん…コレは…!ふむふむ…」
「ひどいでしょ!もう許せないんだからッ…朝倉のヤツ!」
「…え?良い話じゃないですか…?」
「何言ってんのさ!朝倉のヤツ…亜子の背中の傷をバカにして!」
「…違いますよー、よく読んでみてください。『もう二度とこのような被害者が
出ないようにするため、私はあえてこの記事を書いた…。虐待を受けた方は
隠していないで相談をしてなんちゃらかんちゃら…うんうんえらいなぁ朝倉さん…」
「な!?うそ…うそだよ!そんなの!!こないだだって…!」
「クラスメイトをそういう風に言っちゃだめですー!皆仲良く行きましょうよ?」
「…ぐすっ…もういい!」
まき絵はネギの机から新聞を取り上げると泣きながら職員室を出ていった。
「ポカーン…」
朝倉「ニッシッシ♪ちゃんと対策済みだもんねー♪」
だが、この新聞が引き金となってついに3-Aが牙を剥いたッ…!
―8時15分、次第に3-A教室内も賑やかになってくる…。別の意味で…。
だんっ!!!
「朝倉ァッ!!」
教室にブチ切れたゆーなの声が響く。
「あーうっさいなぁー…何?なんか用ー?」
「この新聞っ!!どういうこと!?亜子のキモチも考えないで!」
「おっ♪読んでくれたー?良いコト書いてるでしょー?w」
「…ぐぅっ…コイツ…!!」ゆーなが手を上げる。
「ひっ…!」
とっさに目をつぶる朝倉。だが張り手は飛んでこなかったようだ。
「フンッ、そんな安い挑発にいつもいつも乗ると思ってんの?
これナーンダ♪」
「わ、私のデジカメ…!!返せッ!」
なんと朝倉が目をつむった隙に、胸ポケットに入っているデジカメを抜き取ったのだ。
「やーだよ♪こんなもの…!!こーしてやるーっ!!」
そう言うとゆーなは教室の窓を開けて思い切りデジカメをブン投げた!!
「…あ…あぁ…私の…ファインピクスちゃん…!」
朝倉は窓から身を乗り出して、必死にブン投げられたデジカメの行方を追う。
「ふんっ……もうあんなことしちゃだめだよっ…!」
「あ…ああ………なーーんちゃって♪」
「…」
「プップクプー♪私がバックアップをとってないと思うー?あんなの家に帰ればまたカンタn」
「…悪いけどあんたん家のパソコンもブっ壊してあるから」
朝倉の言葉をさえぎるようにゆーなが告げる。
「え……ウソ…」 さすがの朝倉も顔面蒼白になる。
「ホレ、証拠の写メール」
そこにはパソコンにお湯をかける美空の姿が合った。しっかり電源を入れてから
かけたのか煙が出ている。解像度の低いケータイからでもブッ壊れているのは一目瞭然だった。
「あ……あ…」
今度は演技ではない。こんな顔を演技でできるのならアカデミー賞物である…。
302 :
299:2006/06/19(月) 22:50:14 ID:???
まさか本当に来るとは思わなかった。
反省はしていない
>>300 朝倉イジメグッジョブ!
早くも和解かと思って焦ったw
次から本番になりそうなのでwktkしてます
ゆーなの手回しの早さに脱帽
「何……してんのよぉーッ!」
我に返った朝倉がゆーなに飛び掛る。が、
「やめるでござる!」
そばにいた楓にすぐさま取り押さえられた。
「…はなせッ!この!…ハッ!みなさーーん!このデカ女は実は忍者なんですー」
強引に窓から身を乗り出して大声で叫ぶ。まだ登校中の生徒数名が気付いてこちらを向いた。
「こんな時代に忍者なんて時代遅れで気持ち悪いですよねー!!」
「…証拠は…あるでござるかな…?」
「!?ったり前よ!このデジカ…!!!!!」
急に朝倉の力が緩む。
「…ぐっ…うぐーっ……」
変なうなり声をあげる朝倉。
「…それが朝倉の本性ネ」
「…何?」
意外、いままで見ているだけだった超が口を開く。楓は朝倉の拘束を解いた。
「だからソレがお前の本性だと言ているヨ?二度も言わせるのカ?」
「…う、うるさい!…ちゃおり〜ん?アンタの正体…バラしちゃっていいのかなー?」
不気味な笑顔で超をにらみつける…。
「…ニッ、勝手にするがいいネ…」
「…ちょっとぉ、皆聞いてぇ?ちゃおりんって実は…」
一騒動している間に教室にはほぼ全員が揃っていた。皆の注目が朝倉に集まる。
「なんとぉー、未来人なのでしたー!」
つづく…
305 :
朝倉いじめ:2006/06/19(月) 23:16:03 ID:???
嗚呼…こんなの朝倉じゃないですね…
>「…証拠は…あるでござるかな…?」
>「!?ったり前よ!このデジカ…!!!!!」
>急に朝倉の力が緩む。
>「…ぐっ…うぐーっ……」
>変なうなり声をあげる朝倉。
夜神月を想像したのは俺だけか
乙!!!
朝倉が滑稽だな そしてネギありえねぇー
ハミられて陰湿かつ過激なイジメ受けて('・ω・`)な朝倉きぼん
ってかショボンな朝倉が見たい
―このか・アスナ部屋。
今日も刹那が遊びに来ていた。
「…刹那さん刹那さん♪あれ出してくれませんー?」
ネギが刹那にせまる。
「へ?ま、またですかぁー?仕方がないですねー…」
刹那はポケットから紙切れを取り出すとさらさらと文字を書き出す。
オンッ!!
みるみる紙切れが人型に変わっていく!
『…じゃーん♪ちびせつなとうじょ〜ぅってうわぁ!』
「わーーい♪ちびせつなさんだー!!ほんとかわいいですー♪」
ネギがちびせつなを抱きしめる。
「ネギ先生…まったくもう…(とは言っても私の分身をかわいいって言ってくれるなんてちょっと嬉しい☆)」
『ネギせんせ、苦しいよ〜っ』
「あっ、ごめんなさいー!…今日ちびせつなさんと一緒に寝てもいいですかー?」
「「ブッーーーッ!」」
ネギの無邪気で大胆な発言にその場にいたものが豪快に茶をフイタ。
「ちょっとネギー!なに考えてんのよー!」
「ネギ君大胆やなぁー…」
「そ、そんなんでよければいくらでもお貸ししますよ…(ネ、ネギ先生と一晩…ウヒウヒ)」
つづく…
刹那ww
>>306 そうです!ライトのパクリです!
>>308 すみません…朝倉のキャラが変わってきてしまいました…難しいです…
クラス全員でいじめさせようとしたのですが…
ちびせつなを虐待してみようと思うのですがどうでしょうか…
性的な意味で…はダメか。
かわいさあまって憎さ100倍状態になったちびせつなをネギが○○しちゃう話の予定です。
○○の部分を考えればきっとゼロ氏か刹那虐待氏が続きを書いてくれますw
>>311 ライトは故意かよw
確かに朝倉をイジメるのは難しいそうだ…
多少人格変わってもいいから続かない?
ちび刹那虐待は期待
>>311 朝倉、キャラ一部変わってもいいからやり遂げて欲しい。
まさにこれから、というところで打ち切らないで〜w
>>311 俺も続き待ってる!!昨日の流れからの軌道修正も完璧に処理してるし、
何よりここからが本番じゃないですか!!キャラ違うのはいじめやる以上仕方ないでしょうし
クギビンタ炸裂を予想してたけど、裕奈のスティールでしたかwGJです!
初期いじめスレでこのかいじめに突入した時を髣髴させる流れだな。
だが正直あの時は足りなかった。奴がせっちゃんや双子にした仕打ちはあんなもんじゃなかった。
てかいつも中途半端なとこで打ち切るくらいなら最初からやるなと(ry
>>293 遅レスだけど、ココネ逝ったー!?
酷い目に合っても人の死なない話だと思ってたからショックでけぇ
>>293 ココネは好きなキャラだったから逝ったのにはちょっとショック…
だがそれがいい!!
GJ!
ココネが〜(ノД`)・゚・
ここでネウロ登場↓
まだいるのか…。いい加減にしろ、ってこれ以上は荒れるので
↓ここで辻部長登場
↓
おらっしゃあ!!
∩∧ ∧
ヽ( ゚Д゚)
\⊂\
O-、 )〜
∪
┗('A`)┛
>>293 チャチャゼロ残酷編Ex 番外編 「悪の」魔法使いと、「善の」……
――夢の中に、あの日の炎が今も揺らめく。少女の心を、今もちろちろと焼き続ける。
――傷ついた身体が、大地に突きたてられた長い木の杭に括りつけられる。
破壊されつくした両足。立てるはずのない状態。無理やり立った姿勢にされ、縛りつけられる。
自白を引き出すために、当時正当化されていた「拷問」という手法。
全身に痛ましい傷跡を見せる半裸の少女。しかしその顔に、苦痛の色は見られない。
ただ、冷ややかな目で見ている。街の外れの丘の上、火刑台を囲む人々を見ている。
「……と交わった罪、畑の小麦を枯らした罪、疫病を流行らせ14名を殺した罪、家畜を……」
民衆の前で、司祭が罪状を読み上げていく。
少女の小さな身の上にかけられた数々の嫌疑。身に覚えなどない罪の数々。
要するにそれらは、この数年間この地域に起こった不幸のリストでしかなく。
彼らはこの10歳ほどにしか見えぬ少女に、全ての不幸の原因を押し付けようとしていた。
彼女を焼くことで、全てに決着をつけようとしていた。
「…………」
理不尽なこの仕打ちに、しかし金髪の少女は何も言わない。ただ不機嫌そうな顔で、沈黙を守る。
司祭は最後に「魔女の罪」「嘘つきの罪」「頑固者の罪」を告げ、その場を後にする。
最後の2つは、つまり少女が最後まで罪を認めなかったことを意味していた。
大人でも半日で音を上げる苛烈な拷問にも、最後の最後まで屈しなかったことを意味していた。
「魔女に死を!」「火あぶりにしろ!」「あたしの赤ちゃんを返して!」
「焼き殺せ!」「邪悪な魔女に正義の裁きを!」「地獄に落ちろ!」
これから始まる陰惨な処刑を前にして、民衆の間から熱の篭った声が上がる。
普段は善良で温厚な市民たち。親切で優しい、ごく普通の人々。
しかしそんな彼らも、教会の権威の下に許された悪趣味な残酷ショーに、興奮を隠しきれず。
少女は、そんな彼らを冷め切った目で眺める。縛られたまま、眺め続ける。
そういう時代だった、などと言う言い方をすれば、あるいはそれで終ってしまうのかもしれない。
中世ヨーロッパ暗黒時代、魔女狩りの季節。
十字軍と並んでカトリック教会が今も悔やみ続ける、古い時代の大きな過ち。
聖書に書かれた膨大な文章の中の、ほんの1文。「魔女を生かしておいてはならぬ」。
このたった1文が、文脈も何も全て無視し、一人歩きを始め。
異端信仰への弾圧が、いつしか魔女狩りへとすり替えられた、その時――
欧州は、血と炎の熱狂に、飲み込まれた。
理不尽な、集団ヒステリーとしか呼びようのない「魔女狩り」にむけ、突き進んだ。
魔女と認めてしまえば火あぶり。魔女でないと言えば、認めるまで延々と拷問。
嫌疑をかけられた時点で事実上の死が確定する、恐るべき宗教裁判――。
少女の足元に、木の枝が積み上げられる。燃えやすい乾いた薪ではなく、あえて生木の枝。
処刑役人が、少女の足元の枝に火をつける。
乾いた薪を使わぬのは、高温の炎で犠牲者が簡単に焼け死ぬのを防ぐため。
わざわざ低温の炎で炙り続け、最期の苦痛を引き伸ばすため。
水分を含む木の枝はむせ返るような煙を巻き上げ、これもまた火刑台の罪人を苦しめる。
足を包むように、ちろちろと炎が燃える。皮膚が焼け肉が焼け、しかし速やかな死すら許されず。
これまでも散々痛めつけられた身体に、さらに最期の苦しみが与えられる。
少女はしかし、苦痛を顔に出さない。炎の向こうに揺らめく市民たちを、冷めた目で眺める。
初めてこの街を訪れた夜、一夜の宿を貸してくれた親切な老婆。
頼んでもないのにいつもオマケで自慢のスープ(それもニンニク風味!)を出してきた、宿屋のおかみ。
彼女の欲する貴重な材料をいつもどこからともなく手に入れてくる、物静かな行商人の青年。
鬱陶しいほどになついていた、能天気で陽気な街の子供たち。
ほんの数年留まっていただけではあったが、それでも愛着が湧きつつあった街の人々。
それが今――誰もが魔女への怒りを露わに、彼女に罵声を浴びせかける。
じわじわと焼け死んで行く姿を期待して、目をギラギラと輝かせている――
ああ……いっそ、ここで死んだ方がマシなのかもしれない。
我慢して灰になるまで耐えれば、こんな自分でも死ぬこともできるだろう。
どこにも居場所のない自分。どこにも行き場のない自分。
ならばいっそのこと、今、ここで――
『ケケケッ。ラシクナイゼ、御主人。
ソノ気ニナレバ、簡単ニ脱出デキルハズダゼ? 何デ大人シク焼カレテルンダヨ?』
……ゼロか。そうか、まだ、お前がいたな。
私が『作った』、お前がいたな。
たとえこの世の全てが私の敵だとしても、まだ、お前だけは。
ならば――
火刑台の上。少女の瞳に、意志の力が戻る。
途端に、炎の中だというのに彼女の火傷が見る見る治ってゆく。拷問の傷が、見る見る治ってゆく。
『再生』。彼女の呪われた身体に備わった、呪われた力。ずっと我慢していた力。
どこかから飛んできた小さな翼の小さな悪魔がナイフを振るって、彼女を縄から解き放つ。
小悪魔そのものの乱入者のシルエットと、魔女そのもの少女の姿。
拘束から解かれ宙に浮かぶ少女の姿に、市民は恐怖する。逃げ出す者もいたが、もう遅い。
小さな魔女は、そして笑う。
市民と、司祭と、かつて世話になった街の人々を睥睨して、魔女は笑う。
半裸を晒したまま、凄惨な笑みを浮かべ、その小さな手にありったけの魔力を集めて――!
――その日。小さな街は歴史と地図の上から、永遠に消え去った。
跡形もなく、消え去った。
ただ、少女とその使い魔の、かすかな記憶にのみ姿を留め――。
――激しいノックの音に、彼女は目を覚ます。
何か、夢を見ていた気がする。遥か昔の、おそらくは思い出したくもないような昔の記憶。
胸の奥を焼き続ける炎の残りカスを振り払い、彼女は窓の外を見上げる。
だいぶ高くまで昇った太陽。のどかな空気。もう10時くらいにはなるだろうか。
……ああそうか、今日は日曜だったか。
同居人たちが朝早く出かけてから、彼女は休日の二度寝を堪能していたのだった。
ノックの音は続く。彼女は溜息1つつくと手早く身づくろいをし、玄関へと向かう。
「……誰だ。全く、茶々丸どもが居ない時に限って、鬱陶しい」
「……それは悪かったな、『闇の福音』。だが、我々も君の事情に構う余裕などないのだ」
扉の向こうに居たのは、浅黒い肌をした1人の教師。思わぬ珍客に、彼女の目が細められる。
「事件のことは、聞いているかな」
「大方のことは、ぼーやからな。じじいにはちゃんと報告が送られているはずだぞ」
「……近衛木乃香のことは? そして、昨日の夜のことは?」
「…………!?」
ピクリ。
ガンドルフィーニの言葉に、エヴァの表情が僅かに変わる。
ログハウスの前に、緊張が走る――
――昨夜。ココネと美空は、ココネの念話を受けて急行してきた刀子と教授に発見された。
大量の出血をしていた美空だったが、教授たちの素早い処置により、なんとか一命を取り留めた。
取り留めたが……しかし、断ち切られた両足は、絶望的だった。
あるいは、近衛木乃香が無事だったなら、ひょっとすれば繋ぎ直すこともできたかもしれない。
幸い断面は綺麗なものだ。彼女の膨大な魔力をもってすれば、傷痕も残さず治せた可能性はある。
だが、当の木乃香も、入院中。魔法使いとしては、既に死んだ身と言ってもいい状態で。
「……そうか、木乃香が、か。
私の蔵書が荒らされていたので、ボーヤか木乃香か、どっちの仕業かと疑っていたが……。
ったく、あの馬鹿者めが。あれほど焦るな、と言ったのに。自業自得だよ」
「結局、我々が魔法的な治療を諦め、近代医学に委ねた時には既に手遅れだった。
春日美空君は、もはや復活できまい。魔法使いとしても、陸上競技の選手としても。
そして、ココネ君については……!」
ガンドルフィーニの身体が、震える。怒りと絶望に、思わず震える。
魔法使い仲間の中では、別に親しかったわけでもない。正直、使えない生徒だと思っていた。
しかし、あんな姿を見てしまえば。虚脱状態となったシスター・シャークティを見てしまえば。
「フン。……しかし、それは奴らが未熟だったというだけのことだろう?
覚悟は、あったはずだ。いや、覚悟が無かったなら尚更悪い。
覚悟も無しにこんな事件に首を突っ込んだ時点で、死に値するよ」
「貴様ッ……!」
エヴァの言葉に、怒りを滲ませるガンドルフィーニ。鼻で笑うエヴァ。
「それで、何の用だ。また貴様の泣き言に付き合わせるために、私を叩き起こしたのか?
だったらもう帰れ。私はまだ眠いんだ」
「……悪いが、そういうわけにはいかない。いや、眠って貰うことにはなるのかな? 別の意味で」
背を向け戸を閉めようとしたエヴァに、ガンドルフィーニは低い声で告げる。
高まる緊張。エヴァは振り返りもせず、背後の気配を探る。
ガンドルフィーニの、さり気ない立ち姿。ポケットに突っ込まれた片手。
しかしその身体は臨戦態勢のような緊張感に包まれ、ポケットの中の手は、何かを握っている。
ナイフか、拳銃か。はたまた魔法のアイテムか。
「……何のつもりだ?」
「美空君の足を断ち切り、ココネ君を死に追いやった『犯人』。君は知っているのだろう、『闇の福音』。
君自身、木乃香君を罠に嵌め、犯人を手助けするような奴だと判明したわけだしな。
未熟な魔法使いに貴重な蔵書を荒らされる間抜け、というよりも、よほどその方が筋が通る」
完全に決め付けている。確認というより、断定し断罪するかのようなガンドルフィーニの口調。
「……知らんよ。それに、木乃香は」
「君が知らないはずがない。
逃げ足に長けた『あの2人』を仕留められるような使い手が、ただの変質者のはずがない。
と、なれば、君が学園長に提出した報告書が、偽りだった可能性が高い。
君が、悪意をもって悪しき存在を招きいれ、協力している可能性が極めて高いんだ。
いや、あるいは――君自身が、『犯人』なのかもしれないな。『闇の福音』」
「…………」
以前、ガンドルフィーニ自身がネギに語った3つの可能性。
その1つに過ぎない『エヴァの虚言説』だと決め付け疑わない、ガンドルフィーニの態度。
背を向けたまま、エヴァはどこか笑いを含んだ口調で問いかける。
「……どうやら、私の話を聞く気すら無いようだな。で? だとしたらどうする気だ、貴様は?」
「お前を、倒す。元賞金首の邪悪な魔法使いだ、後からいくらでも罪状は見つかるだろうよ。
我々にも『立場』があるのでね――せめて共犯者くらい挙げないことには、マズいのだよ」
いつの間に手にしたのか、黒光りする拳銃がエヴァの無防備な背中に向けられている。
必殺必中の間合い。力の篭る指。そのまま問答無用で、彼はエヴァを射殺せんと――!
「――ガンドルフィーニ。私が『悪の魔法使い』を名乗る訳が、分かるかい?」
「……?」
唐突に、エヴァが背後の彼に問う。魂も凍るような、冷たい声。
返答に詰まる彼に、エヴァがゆっくりと振り返る。
「それはな――数百年の長き生の中で、貴様らのような『正義』にほとほと嫌気が差したからさ。
貴様らのような存在が『善』だというのなら――私は『悪』で構わん。むしろ、『悪』の方がいい」
振り返った少女の口元に浮かぶのは、凄惨な笑み。
かつて火刑台の上で見せた、あのゾッとするような「魔女」の微笑み。
「――いいだろう、『正義の味方』。かかってこい。久しぶりに、戦ってやるよ」
EXTRA TARGET → ガンドルフィーニ先生 !?
GUNjwwwwwwwwwwwwww
何故だろう、ちうやこのかや美空がやられた時は痛ましかったりサドの心が目覚めたりしたのだが、癌ドルさんに関しては驚くほど何も感じないよw
むしろメッタメタのギッタギタにしちゃてくださいwwww
これ……ひょっとして、エヴァちんの方が主役?!
ガンドルフィー二が性的虐待を受けるんでつね!?
エウ゛ァ「ほらほら、ここがいいのか?」
ガン「アッー!」
さらばガンj…お前の事は忘れるよ
お前らヒドスwwwww
ガンドルが「やったか?!」と言うのに100ガンj
むしろ、一回ミスってマジで焼かれた(笑)エヴァ様の描写をもっとねちっこく。
辻せつ編(せっちゃんをストーキングしよう!企画3)
―ある日の剣道部…
「おい…また刹那は休みか?」
辻部長が今日も刹那が部活に来ていないことに気付く。
「なんか友達の修行に付き合ってるとか言ってましたけど…」
「友達…か。あの刹那がなぁ…」
「ははは、最近顔もおだやかになってきたし、なんていうか女の子ーって
感じでいいですよねー。あの子供先生のおかげかなぁ」
「何!?(あのクソガキ…俺の…ぼくちんのせつにゃんにィィ…許せんッ!)」
「?どうしたんです?辻部長?」
「ハッ!すまんすまん、練習に戻っていいぞ、悪かったな」
―数分後
「あれ?辻部長は…?」
「なんか腹が痛いとか言って帰りました」
「…刹那刹那刹那刹那刹那刹那刹那刹那ァァァ…ぼくちんのせつにゃん…」
じゃあ、ガンドルが「そんな・・・馬鹿な?!」と言うのに200ガンj
辻せつ編
「ハッ、ハッ…刹那…どこだ…」
辻部長は道着も脱がずに学園を走っていた…。
「いたッ!!」
そして走ること数十分…ようやく世界樹広場の隅で誰かと打ち合いをしている
刹那の姿を発見した。慌ててそのバカデカい樹の陰に隠れて様子を見る。
「…アスナさんっ、胴が甘いです!」
「はいっ!てやっ!」
もう一人、見たことの無い女だが、なかなか良い剣筋をしている。
だがそんなことはどうでも良かった。
「刹那…制服姿もたまらなく良い…。!!そんなことよりあのクソガキ…どこだ!?」
ジロジロと広場をにらみつける。
「…ギ坊主!上級者になると身体ではなく目線でフェイントをかけるアル!」
ちょうど彼の位置から死角になる所から打ち合いの音が聞こえる。
「はいっ、古老師!ハッ!フンッ!」
少し身を乗り出して見ると、そこには見慣れた中武拳部長とネギの姿があった。
「むっ、いたッ!あれはフェイ部長!!アイツ!フェイ部長にまで手を出していたのかッ!
くっ!フェイ…ぼくのフェイまで…だがッ…」
震える拳をぐっと抑えて、刹那ストーキングに集中する。
「ふーっ、少し休憩しましょうかーアスナさん」
「ネギ坊主、ちょと休憩アル」
つづく…
>>323 すみません、寝ていました…。
>>332 …(´A`)!ガンドルフィーニは大好きなキャラクターなので
楽しみにしています!
辻せつ編
「刹那…刹那…刹那…刹那…」
息をするように刹那の名前を呼ぶ辻部長…。もはやかつての面影はなく
完全にストーカーと化していた。
「…あっ!もうこんな時間!ごめん刹那さんバイト行くわっ!」
「わかりました、大変ですねー…」
慌しくアスナが走っていった。
「ったく下品な女だぜ…」
「ネギ坊主、私も店の手伝いがあるから帰るヨ」
「そうですかぁ…今日もありがとうございました!」
「ニョホホ、ネギ坊主は会う度強くなるから楽しいアル!」
「いえいえ!まだ全然ですよぉー…」
「強い男は大好きアルよ♪それじゃー、また明日ー」
「おっ、あっちも終わったみたいだ…ん?」
いつの間にか刹那がネギのそばに突っ立っていた。
「ネギ先生…?これからお暇ですか?ちょっと…ごにょごにょ」
「えーーー!?そんなぁ…刹那さんそういう趣味g
「ち、違いますよー!!もー!…ダメ…ですか?」
「いえー、もちろん良いですよ、それじゃ行きましょうか♪」
そして、世界樹広場から立ち去る二人…。
「!!!??刹那!刹那!!何を言ったんだ!?どこへ行く!?」
そして…辻部長はありえない真実を目撃する…つづく
辻のキモさっぷりにワロスwwwwww
今夜は誰のいじめかな〜
しーーん……
「…何よ!?スゴくない!?コイツ未来から来たんだよ!?ホントだって!
図書館島の地下にタイムマシ…!!」
タイムマシンと言いかけてようやく気付いた。自分に向けられている視線が怒りを通り越して
憐れみの目で見られていることに…。
「とうとうおかしくなっちゃったの…?"アレ"…」「"アレ"はもうダメだね…」
「キモ…必死過ぎ…」「あーもう死んでくんないかなぁー…」
もはや彼女を名前で呼ぶものはいなかった。
「…皆!今のは冗談だよ冗談ー!ねぇ?いいんちょならわかってくれるよね!?」
ふらふらといいんちょの手につかみかかる。
ベシッ!!!
「ひっ!触らないで!気持ち悪いですわ!!」
いいんちょは汚いものでも触れたかのように朝倉の手を払いのける。
「い、いいんちょ!……うっ…ひっぐ…うぐっ…」
ついに朝倉は泣き出してしまった。
「いいんちょグッジョブw」「やだ…鼻水出してる…」「うっさいなーアレ…」
だが、誰も朝倉をかばう物はいない。
「ぐすっ、ひっぐ…も゙う!!あやまるから許しで!」
351 :
マロン名無しさん:2006/06/22(木) 02:34:03 ID:2bzsSNUC
>>朝倉は自業自得だ、同情する気になれん!
うむ。だからこそ全力でいじめ抜いて欲しい
アレイジメグッジョブ!
続き書いてくれてトンクス
期待してます
朝倉キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
>>332 チャチャゼロ残酷編Ex 後編
……彼は、英雄に憧れていた。
幼い頃から、「正義の味方」に憧れた。悪を倒し世界に平和をもたらす、ヒーローになりたかった。
魔法使いの端くれとして、サウザンドマスターとその一行に憧れた。自分も、ああなりたかった。
ヒーローを目指し、魔法と戦闘の修行を重ねる青春の日々。
成長して、やがて彼は思い知る。
世の中には、「分かりやすい英雄」も「分かりやすい巨悪」もいないことを。
社会には秩序があり、ルールがあり、そしてルールを乱すささやかな小悪党がいるに過ぎぬことを。
伝説の「サウザンドマスター」のような破天荒な英雄など、なろうとしてもなれるものではないことを。
少年は青年になり、大人になり、そしていつしか、溜息と共にその事実を受容する。
自分はヒーローになどなれないのだ、と。
自分は既存の秩序に組み込まれた、ただの「大人」になってしまったのだ、と。
物分りのいいフリをし、本音を建前に隠し、言い訳を重ね、いつしか己の保身をも考えるようになり。
魔法先生として、陰から学園を守り続ける日々。「今、目の前」にある秩序を維持し続ける日々。
どこかで何かを間違った。時にそんな思いが頭をよぎるが、しかしでは一体どうすればいいのか。
子供先生・ネギの真っ直ぐな態度に眩しさを覚えつつも、もはや自分にはそんな生き方はできない。
落胆と。諦めと。それでも、学園を陰から守る「知られざるヒーロー」という役回りに、自分を慰めて。
自分を、誤魔化して。
それが「大人の生き方」なのだと、自分自身に言い聞かせて。
……だから、だったのかもしれない。だからこそ、珍しくこんな気紛れを起こしたのかもしれない。
独断で訪れた、エヴァの家。独断で決意した、学園にのうのうと居座る「巨悪」・『闇の福音』の成敗。
彼は――ガンドルフィーニは、「ヒーロー」になりたかったのだ。
――ログハウスの前に、張り詰めた空気が漲る。
笑みを浮かべ振り返るエヴァ。その小さな身体に拳銃の狙いをつけたガンドルフィーニ。
「いいだろう、『正義の味方』。かかってこい。久しぶりに、戦ってやるよ」
エヴァの自信に満ちた、凶悪な笑み。ガンドルフィーニの額に、脂汗が滲む。
600万ドルの元賞金首、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。
『不死の魔法使い』『人形使い』『闇の福音』……数多くの異名を持つ、恐るべき巨悪。
しかし彼女も、15年前にかのサウザンドマスターに破れ、この学園に封じられた。
強大な呪いをかけられ、魔力は極限まで封じられたと聞く。
現在、彼女がマトモに魔法を使えるのは、満月の時期くらいのもの。
その満月期でさえ、『魔法の射手』程度のちょっとした魔法にも触媒を要するという。
いや、触媒薬だけが方法でもあるまいが……ともかく、その魔力総量は見習い以下というわけだ。
運の悪いことに、今夜はちょうどその満月に当たる。しかし、まだ日が昇ってさほどしない時間。
相手が日光に耐性持つ『吸血鬼の真祖』(ハイ・デイライトウォーカー)だとしても、この時間なら。
彼女の能力は、ギリギリ押さえ込まれているはずだ。
見たところ手ぶらにしか見えぬエヴァ。魔法の触媒薬を隠し持っていても、たかが知れている。
一方の彼は、準備万端。
拳銃の中には、聖別された銀の弾丸。ポケットの中のナイフにも、銀のコーティングと魔法処理。
これらによってつけられた傷は、吸血鬼の『再生』では治りにくい。有効打になりうる。
密かに胸に下げているのは、邪眼避けの御守り。吸血鬼の眼力にも、耐えられるはず。
十字架もある。ニンニクも食べてきたし持ってきた。トドメ用の木の杭と木槌も用意してある。
着ているスーツにしても、裏地に魔法的な防護が張り巡らされた、一種の戦闘服のような代物だ。
さりげなく、しかし万全の装備を整え挑んだこの場。十分以上に勝算を確信して来たのだ。
なのに、何故だろう――まるで、勝てる気がしない。
こうして拳銃を突きつけているのに、逆に、刃物でも突きつけられているかのようで――
「――来ないのか?」
「!!」
どれだけの間、凍りついていたのだろう。エヴァの笑うような声に、ガンドルフィーニはビクリと震える。
その弾みで、力の篭る指。引かれる引き金。当然起こるべき銃声――
しかし、弾は発射されず、銃声は響かず。指がかかった引き金は、動かない。
「……は?」
「クックック……坊や、他人に銃を向ける時は、安全装置を確認してからにした方がいいぞ?」
なにやら奇妙な指つきで宙を掻きながら、笑うエヴァ。
見れば確かに、安全装置がかかっている。これでは撃てない。
しかし、いやまさかそんな。ガンドルフィーニも初心者ではない、こんな初歩的なミス、するはずが――
慌ててレバーに指を伸ばした彼は、その指先に何か触れるモノを感じる。
これは……糸? パッと見には見えないくらい、細い糸?
人形使いの……技術?! いったいいつの間に!?
「……予想外の事態に弱いのは、『貴様ら』の大きな欠点だ」
糸に気を取られた、その僅かな隙に。エヴァは一瞬で間合いを詰めていた。
この距離では拳銃はアテにならない。慌てて左手にナイフを抜き、下段から斬り上げる。
が、しかし、必殺の気合をこめたこの攻撃も、あっさりかわされる。
かわされたのみならず、ガンドルフィーニの身体に、ついっ、と小さな手が添えられて。
ほんの少し押されただけなのに、自分の攻撃の勢いで盛大にすッ転ぶ。無様に地面を舐める。
攻撃者の力と勢いを利用する、高度な合気柔術の投げ技の1つだった。
「悪いが、貴様の力にも人間性にも興味がないものでな。
立ち上がる隙もやらんぞ。呪文の1つも、唱えさせてやらん」
無様に大地に倒れ伏したガンドルフィーニを、エヴァは冷たい目で見下ろす。
再び宙を掻く指。舞い踊る糸。
ガンドルフィーニの手足に糸が絡みつき……たちまち、複雑な形に関節を極めてしまう。
全身に与えられる激痛が、彼の全意識を支配する。
エヴァンジェリンが、数ある格闘技の中から合気柔術を選んで習得したには、訳がある。
1つは、その技術体系が腕力や体格をほとんど要求しない種類のものであったこと。
そして、もう1つは――「痛み」によって相手を制する、関節技や押さえ込み技の数々の存在。
相手が抵抗し暴れる力さえも利用して、関節を極め、痛みを与える。
あるいは、押されれば激痛の走る「ツボ」をピンポイントで指圧し、痛みを与える。
そして、それらの痛みをもって敵の抵抗力を奪い、押さえ込む。
元々、刀を持つサムライを素手で制するための技術だ。サムライですら刀を取り落とす「痛み」だ。
そんな痛みを与えられたら、「魔法使い」が抵抗などできるはずもない。
ほんのデコピン1発で呪文詠唱が妨害されてしまう「魔法使い」。
そんな彼らを相手にするのに、これほど有効な技術体系はそうそう無いわけで。
さらにこれに、人形使いとしての超一級の技術を加えれば。
人形使いの糸は、言ってみればどこまでも伸びる第三・第四の「腕」。
両の腕でできることは、大概できる。両の腕でできる技は、大概再現できる。
これらの技術を駆使すれば、今のガンドルフィーニのように、触れずして関節を極めることも――
「なっ……!? 『魔法使い』の力も、『吸血鬼』の力も、使わずに……!?」
苦しい息の下、ガンドルフィーニは呻く。
もがけばもがくほど、絡まる糸。軋みを上げる関節。魔法のための集中など、とてもできない。
自分自身も「万能型」の「魔法使い」として、魔法のみならず射撃や格闘についても修行を重ねた彼。
その多岐に渡る経験が、揃って1つの結論を告げる。
「格が違う」、と。
この目の前の小さな怪物は、あらゆる意味で自分を上回っている、と。
体術も、戦闘の駆け引きも、引き出しの多さも。全て自分とはケタ違いで。
……その上で、全く何の慢心もなく、残酷なまでの完璧さで、自分を封殺しようとしている。
全く、容赦がない。全く、迷いがない。
「そうか――せめて『魔法使い』か『吸血鬼』に倒されたいか。いいだろう。
だが、貴様の血は臭い。『吸血鬼』としてはカケラも食欲をそそらん。
『悪の魔法使い』として、我が最大の呪文でトドメを刺してやる」
ガンドルフィーニの言葉に、彼女は笑う。片手で糸を繰り彼を封じながら、もう一方の手に魔力を集める。
「リク・ラク ラ・ラック ライラック 集え力よ 智の光よ 我が下に集まりて器を成せ……」
長い呪文詠唱が始まる。長い長い、普通ならとても実戦などでは使えるはずのない呪文。
魔力増幅の魔法。大掛かりな儀式魔法などでまれに使われる、複雑極まりない術式。
さらに、対象限定。効果範囲縮小および消費魔力軽減。障壁破壊。遅延呪文に発動条件設定。
矢継ぎ早に唱えられてゆく、数々の「魔法そのものを操作する系統の呪文」。
各種系統の中でも最も複雑で難しい、魔法操作系。西洋魔術のハイエンド。
1つでも高度なその技を、いくつも重ねていく。重ねることで、不可能を可能にする。
ガンドルフィーニは再び驚愕する。魔法使いとして、彼女の技術の高さに驚く。
魔法とは、これほどの可能性があるモノだったのか。これほどのことが、できるのか。
「契約に従い 我に従え、氷の女王。来たれ! とこしえのやみ、えいえんのひょうが!」
数分間にも及ぶ長い長い予備呪文を終え、エヴァの詠唱はようやく本文に入る。
本来は150フィート四方を覆いつくす、広範囲無差別殲滅呪文。
しかし今は範囲縮小の呪文を何重にも重ねられ、その効果範囲はほんの1.5メートル四方。
長さにして約1/30、体積にして2万7千分の1。消費魔力も減少し、今のエヴァにも扱えるレベル。
1.5m四方もあれば、地面に転がされた大人を包み込むには十分だ。
ガンドルフィーニの身体が、氷に包まれてゆく。絶対零度の絶対的な破滅に、飲み込まれていく。
「――貴様のように覚悟を持って挑んでくる者ばかりなら、むしろ私も楽なんだがな。
もうすぐ、『終わる』ぞ。最期に何か言い残すことはないか、『正義の味方』?」
「――ああ……。なりたかったな、『正義の味方』に――。
私も、いつか、『サウザンドマスター』のような、英雄、に……」
「…………」
「全ての命ある者に、等しき死を。其は 安らぎ也。――『おわる せかい』」
――あの日。揺らめく炎の向こうに、少女は探していたのだ。
彼女の処刑に、反対する誰かの姿を。体制と戦わんとする、誰かの意志を。
拘束など、いつでも解けた。拷問など、受けずに済ますこともできた。
けれど、ギリギリのその瞬間。逆らえば自らも「魔女」とされかねない、その状況で。
それでも、誰かが味方してくれると信じたかった。誰かが味方してくれる光景を、期待していた。
……いや、表立って戦えずともいい。そこまで強い「ヒーロー」でなくてもいい。
痛ましさのあまり、涙を浮かべて目を逸らす人が、1人でも居てくれたら。
彼女は、ただそれだけで、街の人全てを許せたかもしれないのだ。
たった1人で良かった。
孤独な彼女に手を差し伸べてくれる存在が、たった1人でも居れば。
彼女が「作った」人形たちは何があろうとも彼女の味方だが、しかしそれは実に虚しい味方。
人形たちは、彼女の一側面でしかない。彼女自身の延長でしかない。
無数の人形たちの中でも特別な存在、チャチャゼロであっても、また――
だから。
だから、彼女はあの日のあの手を、忘れられない。
あの型破りで自由で無茶苦茶な「ヒーロー」が差し伸べた、あの手の温もりを――
――麻帆良学園の外れ、森の中。
穏やかな午前の光に包まれたログハウスの前に、キラキラと光る欠片が舞う。
かつてガンドルフィーニだったモノ。絶対零度で凍結され、砕け散った、彼の残滓。
この世に居た痕跡すら残さず、塵となって消えた彼。
エヴァンジェリンは俯いたまま、呟いた。どこか寂しげな横顔で、呟いた。
「……馬鹿め。奴に憧れていたと言うのなら、何故、そんなつまらん『大人』になどなる。
お前と違って、奴はそんな『大人』じゃないぞ。わがままで、勝手で、ロクでもない奴なんだ――」
「……目標の消滅を確認。マスターの完全勝利です」
「ケケケッ。ダカラ言ッタロ。手ェ出ス必要ナイッテヨ」
遥か遠く。エヴァンジェリンの家を遠くに眺める、古い時計台の上。
一連の戦いを眺めていた、2つのヒトならぬ影があった。
エヴァの従者、ロボットの茶々丸。同じく従者の生き人形・チャチャゼロ。
朝から女子寮に出かけ、そして一悶着あった後、戻ろうとして――そして察知した、この戦闘。
咄嗟にエヴァを助けに飛びだそうとした茶々丸を留めたのは、ゼロだった。
「オ前ニハ、1度シッカリ見セテオキタカッタカラナ。本気ノ御主人ッテ奴ヲヨ。
覚エテオキナ。アレガ、本当ノ『エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル』ダ。
15年ノ学園生活デ腑抜ケタ奴ジャナイ、南海ノ孤島デ『正義の味方』ヲ狩リ続ケタ、『悪』ノ姿サ」
「はい、姉さん。メモリーに記録、認識を修正しておきます」
チャチャゼロの言葉に、素直に頷く茶々丸。
その顔に、表情はない。
普段から表情に乏しく感情の起伏の少ない茶々丸だが、今は奇妙なまでに表情がない。
……そんな「妹」をよそに、チャチャゼロは喋り続ける。
「デ、アアイウ奴ダカラナ。俺達ガ逆ラウノモ、簡単ジャネーンダ、コレガ。
オ前、御主人ガ魔法使エネー時期ナラ、楽勝デ勝テルト思ッテタダロ?」
「はい、姉さん。確かに私の見通しが甘すぎました。シミュレーションを再試行する必要があります」
「マダ、アレデモ見セテナイ技ガ幾ツモ残ッテルンダ。注意シロヨ」
まるでエヴァを敵に回すかのような会話を交わす、従者2人。
普段からエヴァをもからかうような言動をするゼロはともかく、忠実な茶々丸までもが。
ゼロの言葉に、生真面目に応える。無表情なまま、頷く。
「……はい、姉さん。
我々の完全勝利のためには、いくつかの準備と今しばらくの時間が必要かと思われます」
NEXT TARGET → ???
な、なにこの超展開
すごく…面白いです…
これその辺の小説よりレベル高いな
すごい…なんか考えさせられるSSだ…
なんだろう、攻め手のエヴァの方が痛々しいよママン
なんかどっかのバトロアスレみたいに作者のハードルがグンと高くなりそうだな
あまり高すぎると作者が減るから困る
気にせず他の作者も是非。
>>367 てか、レベル落とせとかレベル高いから出てけって意味に取られるぞソレ。そんなん望んどるんかオイ。
作者に文句つけるんでなく、他作者に応援レス積極的にするべき。てか俺も今からそうする
>>350 遅レスだが朝倉GJ! てか泣いたくらいで許すなよ、クラスのみんな!w
朝倉は泣くのが少し早く感じたな
あそこまで調子乗ってたんだからもう少し突っ張ってても良かった
しかしグッジョブ!
続きに期待
せっちゃん虐待を密かに待っている漏れがいる
おもしろい作品が増えるのはいいことだ!
372 :
マロン名無しさん:2006/06/22(木) 23:27:35 ID:FPwKgd/m
>>372 マルチしたのか?したんだな!?
荒れたらお前のせいだからな。氏ねじゃなくて死ね
VIPからきますたが帰りますね
377 :
マロン名無しさん:2006/06/23(金) 01:42:36 ID:1W+B+cFn
VIPからきますたが帰りますね
感想ありがとうございます!
朝倉いじめ作者ですが、殴ったりとか肉体的な制裁か、無視とか放置とかの
精神系制裁のどっちがいいでしょうか…
レス遅くてすみません
どっちも行けるクチだから、作者の自信ある方で
わかりました!
ではブチ切れ3-A'sがボッコボコリンチで行きたいと思います!
さっきまで『スケバン刑事』を読んでいたせいかもしれません
腹パン!腹パン!
382 :
朝倉いじめ:2006/06/23(金) 02:43:19 ID:???
…しーーん…
朝倉の必死の謝罪にクラスが静まり返る…。
「ちょっと…言い過ぎたかな?」
383 :
朝倉いじめ:2006/06/23(金) 03:03:02 ID:???
―8時30分…クラスの雰囲気は「お許しモード」になってきていた…。
「ひっぐ、ぐすっ(あとちょっと…耐えれば朝のHRが始まってなんとか…!)」
だが、神様はそんなことは許さなかった…!
―8時40分…朝のHRが始まる…。
「…では連絡事項は以上です。それと和泉さんはなんだか身体の具合が悪い
とのことで帰宅しました。なんだかすごく汗をかいていましたので心配です…。
皆さんも風邪には気をつけてください…。えーそれでは号令お願いします」
当然、風邪ではないことはネギ以外は気付いていた。
「亜子…!」「亜子…かわいそう…」「やっぱ許せないよアレ…」
朝倉の目論見は完全にツブされた。頼みの綱のあやかまでが
ものすごい形相で睨み付けている。
「どうやってツブす?」「やっぱ腹パンっしょ?」「サンドバックね、あんなの」
HRが終わる頃には3-Aの話題はどうやって朝倉を制裁するかで持ちきりになっていた…。
ネギまイジメ伝家の宝刀、腹パンが来るのか!?
地震があると「お前のせいだ!」とシバかれる本屋ちゃん
カエルを「ほ〜らアンタの好きなオジサマだよ!」と無理矢理抱っこさせられる本屋ちゃん
中の人が同じなだけの一行ネタでした
386 :
朝倉いじめ:2006/06/23(金) 15:08:54 ID:???
―そして悪夢の昼休みが始まる。
キーンコンーカーン…
「!!(逃げなきゃ…!!)」
チャイムが鳴ると同時に教室のドアに向かって走り出す朝倉。だが
「うひゃぁ!?」ずってーーん!!
盛大にずっこけてしまった。
「やだぁー…なにアレw」「だっせーw」「頭打って死ねばよかったのにw」
教室中に笑い声がひびく。
「イタタタタ…」
「朝倉?大丈夫か?(オホッ♪パンツ見えたww)」
「はい…大丈夫です…ハハハ(…風香!!)」
「そうか…なんだかしらんが気をつけろよ(これで1週間はオカズに困らないなw)」
逃げられないことを悟った朝倉は自分の席に戻った。
「…(こうなったら…何が何でも相手にしない…そうすればきっと飽きて…)」
昼休みはひたすら寝てるふりをすることにした。
387 :
朝倉いじめ:2006/06/23(金) 15:10:06 ID:???
―数分後…教室がやけに静かになっていることに気付く。
「…(何…?なんでこんなに静かなの…?)」
そっと顔を横に向けて確認したが、特におかしな動きは無い…。
「…(なんなの…?逆に気味が悪い…)」
そしてまた顔を腕の中にうずめた瞬間―
「わっ!!!」
「ひぎっ!?」
突然耳元で大声を出され飛び起きてしまった。
「おはよー、朝倉♪」
そこにいたのは風香だった。いままでの緊張が嘘に思えてくるような笑顔で
彼女は立っていた。
「お、おはよう…?(ひょっとして…悪い夢だったの…?)」
「よかったー起きて♪寝てたらいじめがいがないしー」
「…!!」
ズダーーン!!
風香がいい終えるか終えないかのところで朝倉は背中を思いっ切り
引っ張られて無様に床に投げ出された。
「!ゆーな…!!ひっ!?」
さらに身体の上にイスを置かれて身体の自由は奪われる。
「スクープスクープ♪ってか…フフ…今度はアンタが撮られるばんだにゃ」
オカズに困らない〜、って言ったのは風化なのか!?
朝倉ちゃんキター
>>388 4時間目の授業をしていた先生です…わかりにくいっすね…すみません
把握しました
>>385 それより、誰かの恨みを買ったイジメっ子を地獄送りにする役回りかと
ちゃおりんは未来から来たんだよ
\______________/
)ノ
∧_∧
( ´・ω・`) ∧_∧
/ \ (´Д` ) 死ねよカス
.__| | .| |_ / ヽ
||\  ̄ ̄ ̄ ̄ / .| | |
||\..∧_∧ (⌒\|__./ ./
||. ( ) ~\_____ノ| ∧_∧
/ ヽキモイな \| ( ´_ゝ`) 誰か警察呼べよ
| ヽ \/ ヽ.
| |ヽ、二⌒) / .| | |
.| ヽ \∧_∧ (⌒\|__./ /
刹那虐待氏さーーん!
395 :
朝倉いじめ:2006/06/24(土) 00:33:33 ID:???
「や、やめて…!!やめて!!」
完全に油断していた朝倉は動揺してつい懇願の言葉を漏らす。
「まだなんもしてないじゃーん♪ねーみんな?」ゆーなが馬鹿にした様に言う。
「ぁ…!!」
いつのまにか朝倉の周りに3-Aのもの達が集まっていた。
「無様ww毛虫みたい」「まるで腐ったパイナップルねw」「私の新技人間で試してみたかたアル」
「腹パンッ!腹ッパン!」「はやく脱がそーよーっ☆」「人体実験に使っていいですかー?」
それはもはや人間に向ける目ではなった。
「ぃゃ…!助けて!助けてー!!!」朝倉がじたばたと暴れだす。
「うるさいにゃー…とりあえず口ふさいどこっか、アキラー、ガムテ貸して」
抵抗する朝倉の頭をおさえつけると、しっかりと口をガムテープでふさいだ。
「ん゙ーーーっ!ゔーーっ!!!(苦しい!!苦しい!)」
暴れていたせいか、鼻だけで呼吸するのはかなり苦しいようだ。
「よーし、準備完了♪まずはさっきから興奮してるアスにゃんからいってみよーか☆」
「っぅおっしゃァァ!!腹パン伝説復活第一章!!ぴぴるぴるぴるイクゼェェェエ!マギィィィッ!」
アスナが猛る!今の彼女はまさに鎖から解き放たれた狂犬だった。…が
「…待つでござる!!」
「んむ゙!?」朝倉の表情が明るくなる。
「なにかにゃ…?楓さん、まさか今更止めようってわけじゃ」
「違うでござる。せっかくだから今まで朝倉に受けた嫌がらせを言いながら
シメた方がすっきりするのではござらんかな?」
「なるほど!それは良い案だにゃ!ではアスナ、行けー☆」
「ん゙ーーーーー!!!!(嫌ァァァッァァァッァァ!!)」
これ以降少しキャラが崩壊するかもしれません…
もうすでにネギまキャラ関係ないくらいほとんど原形のこってないし
いまさら言われてもって感じだから続けなよ
いじめスレ用に変換するだけで大概は別物になるからね。どんどん続けちゃって下さい!
「あ・・・あぁ・・・・」
血まみれで床に横たわる刹那と、それを見下ろすエヴァ。
「おい、いつまで寝ている気だ、さっさと立て」
そう言われても刹那は起き上がらなかった。いや、起き上がれなかった。
そもそもエヴァの言葉が耳に入っているかどうかもわからない。
「茶々丸。立たせろ」
「ハイ・・・マスター」
刹那を抱きかかえるようにして彼女を無理矢理立たせる茶々丸。
左顔面の額から瞼の上を通り頬まで走る、刹那の痛々しい裂傷に一瞬眉を歪めるが、同時に冷酷とも言える言葉を発する。
「刹那さん、しっかり立ってください」
しかし、刹那の足には全く力が入っていない。手を離されればその瞬間崩れ落ちるのは明白だった。
(痛い、苦しい、辛い・・・もう立てない・・・どうせ立ったってまた痛い目に逢うだけだ・・・・)
「チッ」
ビシィィィ!
エヴァは舌打ちをすると鞭で床を激しく叩く。そして、そのすぐ側にこのかの顔があった。
「んんっ!(ひぃっ)」
このかが猿轡の下でうめき声を上げる。
鞭の音にはもはや無反応だった刹那。しかし、このかの声だけは決して聞きのがさなかった。
「やっ・・・やめてください・・・お嬢様だけは、お嬢様だけは・・・」
呆けたような表情をしていた彼女の目に再び宿る光。
「ならばどうすればいいかはわかるな?いいか。面倒くさいから二度言わせるなよ。
貴様は私が少しでも満足するように精一杯機嫌をとるんだ。今度は当てるぞ」
ビシィッ!
再び、このかの眼前に鞭を振り下ろす。
「わかりました・・・わかりましたからぁ・・・」
茶々丸の腕を振り払うかのように、刹那は自分の足で立った。
(うぅ・・・このちゃん・・・ウチ負けないから・・・つよおなるって決めたから・・・)
全身を痛みだけではなく、凄まじい疲労感が襲う。あのまま寝ていられればどれだけ楽だっただろう。
しかし、今の刹那にそれは許されなかった。
自分の足で立ってこそいるものの、よろめき、今にも倒れそうな刹那。
「立っているのもやっと・・・と言った所か。今更また鞭で打ってもあまり楽しめそうにないな・・・・よし」
エヴァがそう言って人差し指を立てると、そこから噴水の様に水が飛び出てきた。
エヴァの意図がわからず、不安の目を向ける刹那とこのか。
「これはただの水ではないぞ?強い酸性を示す水だ。
とは言っても、普段なら肌にかかってもせいぜいヒリヒリする程度だろうが・・・今の貴様ならどうなるか想像はつくな?」
「ひっ・・・そんなのいやぁ!や、やめて!」
「むぐぅ〜!!(やめてぇ〜)」
そんなものを今の傷だらけの体にかけられたらどれほどの痛みが襲ってくるのか考えるまでも無い。
刹那は青ざめ、首を左右に振って拒絶する。このかも泣きながら、必死に『やめて』と訴えた。
「せいぜい逃げ回って私を楽しませろ」
砂時計が茶々丸の手で逆さまにされ、上に溜まった砂が再び落ち始める。
そして、エヴァの指先から水鉄砲のように、水が噴出された。
「ひっ!」
慌てて横に飛ぶ刹那。
「ほう、まだまだ動けるではないか」
愉快そうに笑い、刹那を狙って水を飛ばすエヴァ。
「やっ・・・!やめ・・・こ・・・怖いぃ・・・・」
あの水が傷口にかかれば恐ろしく痛い。という事は容易に想像がつくが、
その痛みが具体的にどれほどのものなのかは想像出来る範囲を超えていた。
先程、爪を剥がされた指を茶々丸に消毒された時の痛みが、既にこの世のものとは思えない、発狂しかねない痛みだったが
さらに刺激性の強そうな酸性の水を、指先のみならず全身くまなくつけられた傷に染み込まされたらどうなってしまうのか。
想像のつかない痛みには『覚悟』すら出来ず。その事は激しい恐怖となって刹那を襲った。
ぴちゃぴちゃっ!
「きゃああああっ!!」
刹那がかわした水が床に跳ね返り、数滴の飛沫が彼女の肌にかかる。
強酸性の水が傷口に染み込み、容赦なく刺激される痛覚神経。
(まともに・・・・浴びたら・・・し・・・死んじゃう・・・・!!)
刹那は苦痛と恐怖からますます顔を引きつらせた。
「う・・・・うぐぅ・・・・・!!」
傷口にレモン汁のような水が染み込む痛みは、徐々に強烈になる。
降りかかった瞬間の痛みも相当なものだが、その後の激痛はそれの比ではない。
「辛いか?私も吸血鬼らしい弱点のあった頃にはよく人間どもに聖水をかけられた。あれは痛かったぞ・・・・」
自嘲気味に笑った後、エヴァはさらに刹那に向けて放水を続けた。
刹那は必死に水を避け続ける。激しい動きのせいで、血が固まり、わずかにだけふさがりかけた傷が開かれ、
再び血が溢れてきた。当然苦痛はあったが、もはや気にならない。
傷口を焼こうとする水によってもたらされる苦痛と恐怖がそれをはるか上回っていたからである。
「ほらほら、逃げろ。足を滑らすなよ?下は水で濡れて大変な事になっているぞククク」
「ひっ・・・・うわぁっ・・・・・!」
幾度となく飛沫を浴び。苦痛の悲鳴を上げながらもなんとか直撃を避けてきた刹那。時計の砂も半分ほどなくなっていた。
なんとか逃げ切れるかもしれない・・・・そう思い始めた時、彼女を再び悲劇が襲う。
ドン・・・
「しまっ・・・・た・・・」
後ろの壁に退路を阻まれる刹那。その事は当然考慮していた彼女だったが、恐怖感からどうしても無意識のうちに
エヴァの水から少しでも多く距離を空ける形となり、それがこの結果を招いた。
咄嗟に横に飛び、なんとか水の直撃は避けるが、壁に当たった水は跳弾のように、
今までよりもさらに激しく刹那の体に降りかかる。
刹那の表情に絶望が浮かんだ。
「・・・!!!ぎゃああああ!!!・・・・!!!」
ワンテンポ遅れてじわじわと襲ってくる激痛。刃物を全身に突き刺され、体内でかき回されたかのような痛み。
反射的に肩を抱くようにうずくまってしまう刹那。そんな彼女にエヴァは容赦せず、次の一撃をお見舞いした。
びしゃびしゃっ・・・・
「・・・・・・・!!!」
刹那の全身に水が浴びせかけられ、激痛で思考力を失われていた刹那はその瞬間我に返った。
自分の身にとんでもない事が起こったのを理解したからである。
(え!?・・・・そん・・な・・・)
今でも痛い。死んでしまいそうに痛い。しかし、おそらく後一秒もすれば今を遥か上回る、
文字通り死ぬほどの痛みが自分を襲う事を理解した。
その一秒が長かった。こんな経験は以前にもあった。
今年の修学旅行をはじめ、これまでの彼女の人生で幾度かあった真剣勝負の死闘や命の危機。
その際、相手の太刀筋や、激しく動く自分の視界がスローモーションの様に展開され、
一秒の何分の一にも満たないであろう時間が異様に長く感じられたのだ。
この短い時間の中で刹那の意識に、今までの彼女の生涯が。そう長くはないがいろんな出来事があったその人生が。
これまで出会ってきた人々の記憶がフラッシュバックしてきた。
(お嬢様、ネギ先生、アスナさん・・・・・このちゃん・・・・!!)
楽しい事よりは辛い事の方が多かったかもしれない。でも幸せだった。そう、今の彼女は幸せだったのだ
(嫌だ、嫌だ、嫌だ、死にたくない、死にたくない、死にたくない・・・・・!!)
そして彼女にとっては長く感じられた時間が終わり、「それ」がやってきた。
「・・・・・あ・・・・・ぐぎゃあああああああああああああああああ!!!!!!!!」
もう何がなんだかわからなかった。全身の皮を剥がれたような。自分の全身が溶けていくような。
自分の肉体と精神が同時に消滅していくような。そんな苦しみ。
びしゃびしゃびしゃ・・・・
水は刹那の全身に浴びせかけられ続ける。刹那はのた打ち回り、結果、ますます全身の傷口に水は染み込む。
「ぐうお・・・・ごおおおおおお・・・・・・!!!」
もはや獣すらあげないであろう、悲鳴ともうめき声とも形容のできない、搾り出すかのような声。
「ハハハ、まるでジャミラだな」
残酷に笑いながら、刹那に水をかけるエヴァ。
「うがあああああ・・・・・!!ごぼおっ!!」
刹那は胃液を逆流させ、口と鼻からそれを吐いた。
瞼の上に走った傷のせいで閉じられていた左目が目一杯開かれ血涙を流した。
殆ど空なはずの膀胱からは再び尿が漏れていた。直腸が空でなければ脱糞も間違いなくしていただろう。
程なくして、刹那は白目を剥き。完全に動かなくなった。
「気を失ったか・・・、それとも死んだか?」
「いえマスター・・・生体反応はあります」
「そうか、どっちにしろ汚いから片付けておけよ、そのボロクズを」
エヴァは刹那に非常な言葉を浴びせ、部屋を出る。
(・・・死なないさ、『人間』ならおそらく死んでいる痛みだろうが、人外の貴様はそう簡単には死ねん。
私もそうだった。炭になるまで焼かれようと心臓を串刺しにされようと死ななかった。死ねなかった。
・・・もっとも貴様は流石にそこまでされれば死ぬだろうがな・・・・)
目の前の光景にもはや、このかは怒りや悲しみを通り越した衝撃を受けていた。
(どうしよう・・・もう一日くらい待ったほうがええかもしれんけど・・・このままじゃ・・・・
せっちゃんが殺されてまうえ・・・・それに、せっちゃんだけやなく・・・)
もう一刻の猶予もないと感じたこのかは、賭けとなる行動に出ることを決心する。
待っててくれた人遅れてごめんなさい。そしてありがとう。
もっと…もっと……
GJ!!!そろそろ性器を責めて欲しいなんて…
410 :
朝倉いじめ:2006/06/24(土) 15:19:52 ID:???
>>395続き
「オラッ!立てやッ!!」
アスナが床に横たわっている朝倉の胸倉をつかんで持ち上げる。
「ん゙ーーーっ!んむ゙ーー!」
宙ぶらりんになった朝倉がクネクネと身をよじらせる。
「…ーらパン…!」「…はーーらパンッ!」「はーーるぁパンッ!」
誰が言い出したのか、自然と3-Aに腹パンコールが響く。
「ヒヒ…燃えてきたぜェ…!!」アスナの美しいオッドアイが鋭く光る。
「………!!!(ひぃぃぃぃーーー!狂ってる!!)」
「イックゼェェッェェエ!」アスナがゆっくりと右手を引き力を溜めた。
「んい゙ーーー!!(やだ!やだよぉーー!!)」朝倉が恐怖で身体を硬直させる。
ドボッッ!!!ガッシャァァァァンッ!
強烈な拳が下腹部にメリ込む!
殴ると同時に胸倉を掴んでいた手を離したため、朝倉の身体はフっ飛んだ。
「おおおおおおおお!!!!」教室に歓声が沸く。
「ん゙ッ!んぐッ!んぅぅぅぅ゙……」
鼻水をたらしながら床を這いずり回る。
この威力…トランス状態になったアスナは自然とカンカ法を使ってしまう。
よって彼女の力は通常の10倍以上に膨れ上がっていたのだ!
「ゲラゲラゲラ!っとそういえばお前に受けた嫌がらせねェ…あたしはぁ…
別にないや!ww」そう言うとアスナはからからと笑った。
「ちょっとぉーww」「まったくアスナったら天然ちゃんなんだからぁー」
朝倉は完全に殴られ損だった!だが誰も彼女を咎めるものはいない…。
NEXT EXECUTIONER→???
もっとつづき
>NEXT EXECUTIONER→???
ここウケタW
中の人同じ?
深夜。この時間帯になると余程の用でもないかぎり出歩く者はいない。しかしその夜は違った。
設置された街灯が頼り無げな光を投げかける道を、一人の少女が歩いている。
少女の名は和泉亜子。普段の彼女は極々普通の中学生なのだが・・・・・
今現在薄暗い夜道を歩く亜子は、普通ではなかった。いや、むしろ異常であった。
ぼさぼさの髪に、パジャマ。見るからに寝床から起き出してきたばかりの身なりである。
が、それだけなら何か急用でも出来たのかと思うぐらいだろう。しかし、問題はここからなのである。
何処を見ているのか分からない虚ろな目、おぼつかない足取り。そして、手には刃渡り20cm程の短刀。
真夜中、中学生の少女が異様な格好をして何をしようとしているのか、疑問に思う者は少なくはない筈だ。
しかし、その疑問は程無くして解決した。
亜子が歩いて行く先には、彼女より少し年上の少年と少女が並んで歩いていた。所謂カップルという奴だ。
亜子はその二人の姿を捉えると、短刀を構え、その場へと走っていった。
それまで二人で色々と話していた二人は、亜子の存在に全く気付いていなかった。そもそもこの二人こそ
こんな夜中に何をしていたのか甚だ疑問ではあるが、敢えてここでは言及しない。
初めに亜子の存在に気が付いたのは、少年の方であった。
がしかし、彼には全くもって状況が把握できなかった。いや、把握する暇が無かったのである。
「き、君・・・・どうし・・・うぐぅっ!」
突如自らのもとへ突撃してきた異様な格好の少女に、彼はなす術も無く短刀で腹部を刺された。
少年はそのまま地面へと倒れ伏し、動かなくなった。すぐ側で事の成り行きをただ見ていた少女も地面へ
倒れ、此方は気を失った。
「アハハハハハハハ!アーッハハハハハハハハ!」
少量の血を見るのも嫌うごく普通の女子中学生が、人を刺し殺しその返り血を見て狂ったように笑っている。
この異様な光景は、誰も見る者が居ないまま、しばらく続いた。
つづく
えー、これは昭和四十四年頃に作られた(一部の人に)有名な話のネギま!リメイク版のようなものです。
ひょっとしたら知っている人もいるかもしれません。いやそれよりも、この話はその三十年以上前の話の
登場人物にネギまのキャラを当て嵌めただけなので、違和感があるかもしれません。ご了承願います。
しかしこの話はスレの趣旨には・・・・どうなんでしょうか?「いじめ」というよりは「復讐」といった感じですかね。
とにかく、ご清聴(?)ありがとうございました。続きが書けたらまた・・・・・
鮮血の結末というよりは、我が子へ、か?
417 :
朝倉いじめ:2006/06/24(土) 20:33:47 ID:???
>>410続き
「おいっ!おいっ!おいっ!おいっ!」
3-Aは異様な熱気に包まれていた…。
床でのたうちまわる朝倉を囲んでわけのわからない掛け声で盛り上がる3-A…。
「次は誰かにゃー☆」
ゆーなのコールに反応して一人の少女がその輪の中に踏み出した。
「次はわたくしですわ」
「おぉぉおお!いいんちょキター!」意外な人物にまたもどよめきが沸き起こる!
「私はアスナさんと違ってうらみがいっぱいありますからね…」
「んぐーーっ!!」朝倉の顔がひきつる。
「さて、この腐れパイナポーをどう痛めつけてやろうかしら…」
あやかは床に転がるソレを一瞥する。
「私にはアスナさんのようなバカ力は無いですし…そうですわねー
電気アンマでいこうかしら☆」
「…ーンマ!はいアーンマ!はいアーンマ!」
またもや誰が言い出したのか、今度はアンマコールが始まる。
「千鶴さん?せっかくだから鳴き声が聞きたいですわ、ガムテープ剥がしてくださる?」
「オホホ、まぁあやかったら」
千鶴は手で口を隠して上品に笑いながら朝倉の口に貼られているガムテープを剥がした。
「…ぷはっ!!千鶴さん…!お願い!助けてぇ!皆おかしいよぉー…」
ガムテープを剥がした瞬間、朝倉は必死に懇願した、が
「オホホ、こんな楽しいショーなのに何言ってるんです?」
「そんnうわぁっ!!」
そんな朝倉の願いも無視してあやかが強引に両足をつかんだ。
「千鶴さん?そのまま手をおさえておいてくださいねー?」
「「「アーンマ!はいアーンマ!はいアーンマ!」」」
一層アンマコールが強くなるッ!!
電気按摩ktkr
419 :
朝倉いじめ:2006/06/24(土) 20:36:18 ID:???
うーん、なんだか下品になってきてしまいました…
(・∀・)イイヨイイヨー!!
電気アンマは下品な技だが、非常に効く。
電気アンマをされたせいでマゾに目覚めてしまった輩が出るほど強烈な技
423 :
マロン名無しさん:2006/06/24(土) 21:07:12 ID:bRD2KeFO
朝倉は魔法で胸を小さくされるのかな
>>361 チャチャゼロ残酷編9 姉妹間戦争
……少し、時間を遡る。
土曜の夜、美空たちが「破滅」と遭遇してしまっていた、ちょうどその頃。
暗い話題の続く麻帆良学園女子中等部の女子寮に、久しぶりに明るいニュースが飛び込んだ。
「亜子ちゃんが退院するですー!」
「明日の朝、寮に帰ってくるんだってー!」
騒ぎながら廊下を駆けてゆく小柄な姉妹。双子の鳴滝風香と、鳴滝史伽だ。
いつも陽気で、噂話も大好きな2人。この「明るいニュース」をみんなに伝えんと走り回る。
「あらあら、良かったわねぇ。あやかも早く元気になってくれればいいんだけど」
「……すまん、連日の『仕事』で疲れてるんだ。後にしてくれないか?」
「ふーん。良かったじゃん。亜子とはまたバンドやりたいな、美砂や桜子以外のメンバー探して」
「退院ネ……でも、西洋医学で何できるかネ? 匙投げただけと違うカ?」
「へー。ってことは亜子、月曜から学校に復帰するんだ。久々に明るい記事が書けるね〜」
千鶴が、龍宮が、円が、超が、和美が、話を聞いてそれぞれに答えて。
風香はちょっとだけ顔をしかめる。
なんだか、みんなの反応がちょっと鈍い気がする。普段ならもっと、底抜けに明るい反応が来るのに。
「ふふふ……私が亜子のこと待っていれば、そもそも入院なんて……」
「わーッ! ちょっ、ゆーな、手首切るのはやめー!」
裕奈は話を聞いた途端にその場でリストカットを敢行、史伽は大慌て。
他にも刹那は心ここに在らずといった風、桜子は不機嫌、ザジは相変わらず無言無表情。
史伽が話しかけた相手は、ことごとくこんな調子。せっかくのニュースにも全然明るくならない。
それでも、双子は挫けなかった。それでもこの一言を添えるのを、忘れなかった。
「明日の朝、寮に戻ってくる時間に退院記念パーティ開くからねー! ちゃんと来てよー!」
和泉亜子退院記念パーティ。
それは、委員長の雪広あやかが、自身が入院するよりも前に提案していた企画。
双子以外の誰もが、すっかりそのことを忘れていた。相次ぐ事件に、すっかり忘れていた。
覚えていたとしても、仕切り役のあやかの入院で「なかったこと」になったと思っていた。
しかし……
「寮の中庭の使用許可、貰ってきたよー!」
「さっちゃん、お料理お願いするですー! 予算はこれくらいでー、立食形式でー、」
案外きっちりと段取りを進めていく2人。細かい手配まで含め、そつがない。
あやかの片腕として、これまでも宴会やパーティの準備などをサポートしてきた2人だ。
お祭り好きの姉と、片付け大好きな妹。2人が揃えば、あやか抜きでも十分に。
「欠席確定なのが〜、いいんちょと、千雨ちゃんと〜、あと何でか知らないけど本屋ちゃん」
「連絡取れない人、結構いるです〜。このかさんと美空ちゃんの2人、どっか出かけたままですし〜」
……この日この時点では、一般生徒には木乃香の件も美空の件も明かされていない。
だから彼女たちの認識では、この2人は「入院中」でなく「行方不明」。
だがともかくにも、彼女たちは連絡のつく限り、全てのクラスメイトに計画を伝えて……。
翌朝。
朝早くから、寮の玄関にはクラスの仲間たちが集まっていた。
のどかは部屋に引き篭もっていたしエヴァはサボっているようだし、楓は修行中で連絡不能。
刹那などは木乃香の病室に泊まり込んだきり、寮に帰ってこない。
けれどそれ以外は、入院中の4名を除けば全員出てきていた。
どこか暗い表情のネギ先生も、エヴァの家から来た茶々丸もいる。茶々丸の頭上には、例の人形。
みんなで『亜子、退院おめでとう!』との横断幕を手に持ち、みんなでクラッカーを用意して。
「あ、来たよ来たよ!」
「寮の中に入ったところで、みんなで飛び出してクラッカー鳴らすです〜!」
病院まで迎えに行ったまき絵、その彼女と共にやってくる人影を見つけ、双子が指示を飛ばす。
待ち構える21人のクラスメイトと1人の子供担任。そして……
パン! パパパン!
「亜子、お帰り〜!」「おめでと〜!」「大変だったね〜〜!」
一斉に鳴るクラッカー。口々に語りかける面々。物陰から飛び出して、亜子を取り囲む。
みんな、笑っている。みんな、喜んでいる。みんなで、亜子が帰ってきたことを祝福する。
だが――当の亜子は。
「……見んといて。ウチのこと、そんなに、見んといて……!」
包帯の下から漏れる、か細い呟き。
クラスメイト総出の盛大な歓迎に、全身包帯だらけのミイラのような姿の少女は、身を強張らせ。
そのまま人の輪をくぐり抜け、自室に向けて走り出す。
みんなの視線の集中に耐えられぬとばかりに、逃げ出してしまう。
病院から亜子の荷物を抱えてきたまき絵は、クラスのみんなに申し訳なさそうな表情で。
「ごめんねー、みんなー。なんか亜子、パーティとかやるの嫌だ、とか言ってて……
……あ、待って亜子ー! 亜子ってばー!」
逃げ出した親友を追い、走り去るまき絵。
主役の早々の退場に、残されたクラスメイトたちは、しばし呆然。
「え〜っと……これ、どうしよう? プレゼントとか、会場とか」
「……あれじゃ、無理言うわけには行かないねぇ」
元気づけようと、お料理沢山作ったんですが。無駄になってしまいましたね。
「久しぶりに、明るい記事書けると思ったんだけどなー。こりゃボツだわ」
「誰よ、退院記念パーティなんて言い出したの……」
「ああっ、またゆーなが手首切ったー!」
暗いニュースが相次ぐ中、頑張って無理やり盛り上げたクラスの気分。
しかしその想いはすっかり裏目に出て。
双子は揃って、ショボンと黙り込む。
どこか遠くから、誰かが「ケケケッ」と嘲笑う声が聞こえてくる――
――結局、退院記念パーティは、そのままお流れとなった。
みんなで楽しんだ後ならともかく、こんなモノの後片付けは誰もやりたいものではない。
やりたくはないが――しかし、誰かがやらねばならない。
グズグズと泣きながら、たった1人で片づけをする史伽。
いや、食べ物関係は五月も手伝っていたが、しかし彼女の持ち場は主に厨房。
史伽は小さな身体をせいいっぱい伸ばし、1人で中庭に用意されていた飾りつけを外していく。
「う、うーん、と、届かないですー」
「…………私が取りましょうか、史伽さん」
唐突に背後から声をかけたのは、絡繰茶々丸。
頭の上に人形を乗せたまま、無表情でヒョイと手を伸ばし、史伽の取ろうとしていた飾りを取る。
「……片付け、お手伝いします。1人でやるより2人でやった方が早く終りますから」
「あ……ありがとうございますー。お姉ちゃんも逃げちゃって、ホントどうしようかと思ってましたー。
ひどいんですよー、お姉ちゃんってばー。いっつも片付け私に押し付けてー!」
ウルウルと目を潤ませ、感謝を全身で表現する史伽。微かに微笑む茶々丸。
2人は手際よく仕事を分担し、気の進まぬ後始末を手際よく終らせて――。
――つまらないのは、茶々丸の頭上に居る、「もう1人」だった。
「何、余計ナコトシテンダヨ? サッサト帰ッチマエバ良カッタノニサ」
「そういうわけにも行きません。大事なクラスのイベント、大切なクラスメイトなのですから」
「ケケッ。クソ真面目ダヨナー、オ前。ツマンネー奴ダゼ。
マァ、色々ト面白ェモン見レタカラ良カッタケドヨ。アノ亜子トカイウ奴トカ、裕奈トカイウ奴トカナ」
パーティの後始末を終え、寮から出た茶々丸の頭上で、チャチャゼロは笑う。
このところ茶々丸と行動を共にすることの多いチャチャゼロ。
そんなゼロの笑い声に、茶々丸はしばし、歩みを止める。
何かを思案するように、立ち止まる。
「……ン? ドウシタヨ?」
「……少し、お時間宜しいでしょうか? お話が、あります」
寮の裏庭。以前、チア3人組が血みどろのケンカを繰り広げた惨劇の場所。
チャチャゼロを頭に乗せたままやってきた茶々丸は、しばし沈黙する。
「……オイ、ドウシタッテ言ウンダヨ? 何ノ用ダ? 黙ッテチャ分カンネーヨ」
「すいませんが、一度降りて頂けませんか? この場所・この時間なら、誰の目もありません」
確かにゼロが茶々丸に乗って移動しているのは、人形が勝手に動く姿を一般人に見られぬため。
学園祭のような異常な環境なら、カラクリだとかロボットだとか誤魔化せるが、普段は面倒だ。
逆に言えば、誰かに見られる恐れのないこういう場所なら、別に気にする必要はないということだ。
ゼロは茶々丸の後頭部から飛び降りて、茶々丸を見上げる。
「デ、何ノ用ダヨ。ツマンネー用事ナラ、後デオ仕置キダゼ?」
ナイフをちらつかせ、恫喝めいた言葉を吐くチャチャゼロ。
しかし茶々丸は全く動じず。平坦な口調のまま、ゼロに問いかける。
「……この上なく大事な用件です。
チャチャゼロさん……貴方が、この一連の事件の、犯人ですね?」
ゼロが学校に行きだした日から始まった、一連の惨劇。
裕奈にかけたという催眠術と、唐突で不自然なリストカット癖の出現。
ゼロがエヴァの家に不在の時に限って起こる、数々の事件。
木乃香の一件の際、彼女と共に病院に向かった行動。
そして、クラスメイトの不幸に対してゼロが見せる、愉快そうな言動。
茶々丸には、確かに勘付く要素があった。
従者の動向など気にも留めないエヴァよりも、真実に近づく可能性を持っていた。
慎重な彼女は、それでも確信が持てるまで沈黙を守ってきたのだが……
「……非常に残念ですが、私の立場上、貴方の無法をこれ以上見逃すわけには行きません。
マスター、及びネギ先生に報告せざるを得ないかと思いますが……
何か、言っておくべきことはありますか? 反論や言い訳は、ありませんか?」
「……ケケケッ。気付クノガ遅ェヨ。モット早ク言イ出スカト思ッテタンダガナ。
大体ヨ、何デ俺ニソンナ話シテンダヨ。ソレモ、1対1デヨ。
本当ニ俺が犯人ナラ、無用心ジャネーノカ? ケケケッ」
茶々丸の追求に、しかしゼロは笑う。実に楽しそうに、嘲り笑う。
対する茶々丸は、どこまでも生真面目な表情で。
「何がおかしいのでしょうか、チャチャゼロさん。
満月直前でマスターの魔力は最大に近いとはいえ、貴方の運動能力は極めて低い状態です。
失礼ながら、貴方が逃げようと抵抗しようと、私に敵う可能性は概算で3%もありません」
「3%? 舐メラレタモンダナ。100%、オ前ノ敗北ハ決マッテルッテノニヨ。ケケケッ」
淡々と告げる茶々丸、なおも笑うチャチャゼロ。
他人行儀な言葉を選んで喋っているらしい茶々丸の顔を、ゼロは不敵な表情で見上げる。
「イイ機会ダ。『エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル』ガ従者2人――
ドッチガ格上カ、思イ知ラセテヤルヨ。
教育、シナオシテヤルゼ!」
凶刃を担ぎし、殺人人形。凶悪な近代兵器満載の、ロボット兵器。
もし戦えば互いに無傷で済むハズのない、人ならぬ「姉妹」の間に見えない火花が散る――!
9th TARGET → 出席番号10番 絡繰 茶々丸 ?
チャチャゼロキタワァ
姉妹間戦争って言うから鳴滝姉妹かと思ったらそうきたか。GJ!!
茶々丸がんばれーーっ!!
確かにこの2人、ガチでやったらどっちが上なんだ?
まあもう結果はでてるんだけどね
茶々丸が一番好きなキャラです('_')
>>415 もしかして元ネタってウルトラQの放送禁止になったやつですか?
ジャングル-ざまぁみろ-
もう茶々丸と戦うことになるとは思わなかった
できれば戦ってほしくなかったな
たつみーいじめを構想しているんだが如何か?
いいんじゃないか
難しそうだが
A story about criminal law Article 39 of episode 24 that was prohibited in it 〜 Episode 2
麻帆良学園都市内にも警察は勿論の事ながら存在する。
あの異様な事件から二ヶ月の間、特にこれといった事件が起こらず、警察内の人間は暇を持て余していた。
しかし、今日は違った。麻帆良大学附属病院の門柱の所に、一人の刑事が朝から張り込みをしていた。
この刑事は、名を朱川審という。麻帆良学園都市警察の中で、主に殺人事件を扱っている。
朱川は今日、とある用件があってこの病院の前で張り込み中なのだが、かなり長い時間見張っているのだろう。
彼の足元には短くなった煙草の吸殻が散らばっていた。
病院の入り口を見ていた彼は、また煙草が短くなったのに気付き、足元に捨てた。
「マッチ一本火事の素。煙草の吸殻に気を付けましょう」
突然、彼の前に一人の男がやって来た。男の名は高畑・T・タカミチ。麻帆良学園中等部の教師だ。
タカミチは今し方捨てられた煙草を刑事に渡した。
「ん?高畑じゃないか。こんな所で何やってるんだ?」
刑事は渡された吸殻の火を門柱で揉み消し、タカミチに言った。
「いやぁ、ちょっとね・・・・そういう審ちゃんも、ここで何を?」
「その呼び方は止してくれよ。で、俺は今日此処を退院す・・・・・」
朱川は病院の入り口の方をちらと見て、タカミチを引っ張って門柱の後ろへと隠れ、様子を窺う。
病院から、和泉亜子が二人の看護婦に連れられ外へ出てきた。今日は彼女の退院日なのだ。
「どうも、お世話になりました・・・・・」
「それじゃ、お元気で」
「はい・・・・・」
亜子はお辞儀をすると、外へ歩き始めた。その様子を見て、タカミチは朱川に言う。
「審ちゃん、もし後を追うつもりなら無駄だよ」
「いや、しかし・・・・」
「和泉君は治ったんだ。退院して当然さ」
タカミチの言葉に、朱川は納得できなかった。それには理由があるのだ。
「いや、しかしだね・・・・」
「事件当時、重症の精神異常者だった人間が、僅か二ヶ月で治るはずがない、そう言いたいんだろう?」
自分の言おうとしていた事をぴたりと言い当てられ、朱川は半ば驚きつつも返答した。
「あ、あぁ、そうなんだよ。だから俺は・・・・」
「でも、あの子が重症だったのも事実なら、全治したのも事実なんだ。ま、諦めるより他仕様が無いさ」
またしても納得のいかない事をタカミチに言われ、朱川は先程までより強い口調で反論した。
「だが高畑!あの子は殺人を犯したんだぞ!」
「そう、君の言う通りだ。そして連行され、取調べを受けた。しかし精神鑑定の結果、和泉君は精神異常者
であると断定された。刑法第三十九条、『心神喪失者ノ行為ハ之ヲ罰セズ』つまり、無罪。これぐらいは
君だって知ってるだろう?」
タカミチの言葉は朱川の倫理に反するものだった。しかし刑法と一刑事の倫理観を比較しても、どちらが
優勢なのかは朱川にはよく分かっていたので、彼は何も言わなかった。その代わり、彼は先程タカミチに
訊いて巧く誤魔化されてしまった質問をもう一度言った。
「さっきも聞いたが、高畑はここに何しに来たんだ?お前言わなかったじゃないか」
「いや、それを訊かれるとちょっと弱いんだけどね・・・・・」
「何だ、矢張りお前も気になってたのか?」
「そう言う事さ。まぁ、君とは違う理由だけれどもね」
タカミチは、朱川よりも亜子のことを知っているつもりだった。だから、彼女が何故精神異常者となり、
少年を刺殺したのか。それが知りたかったのだ。しかしだからといって面と向かって彼女に訊く訳にも
いかないので、退院した彼女をしばらく観察する事にしたのである。
「何だ。それならそうと初めから言ってくれれば良かったじゃないか」
「いやぁ、これは僕の独断だからね。学園長の許可とかも取ってないし。もし君に言ったら・・・・・」
「おいおい、そんな言い方は無いだろう。俺がそんなことすると思ったのか?」
「思った」
「・・・・・・・。ま、いいや。理由は違えど目的は同じなんだ。早速追跡調査といこうじゃないか」
二人は病院を出て、学生寮へと向かう亜子の後を追った。
事情を知らない人から見たら、まるでストーカーである。
つづく
どうも。また来ました。これを読んでピンと来た方も居るのではないでしょうか。
とにかく、まだまだ続きます。自分が死なない限り。
あと、一話のとき、題名忘れてました。(格好つけすぎですかね・・・?)すいません。
>>436 残念ながら違います。でも系列は同じですね。
「特撮」とか「放送禁止」とか。
狂鬼人間かな?
つまらないので死んで下さいね^^
447 :
朝倉いじめ:2006/06/25(日) 19:38:50 ID:???
>>417 「皆さーん?いきますわよーーっ☆」そしてクラスの興奮は最高潮に達した!
あやかが千鶴に朝倉のスカートをめくるように指示する。
そして右足を股間の上にセットした。
「うっ、ひっぐ、もうやめてぇ……」
先ほどのアスナの強烈な腹パンによってまだ下半身がしびれているため、抵抗できない。
「ホホホ頬頬ホホホホオホホホオくぁwせdrftgyふじこ!!」
ガガガガガガガガッガガッ………!
あやかの狂った様な笑い声と同時に股間にあてがわれた右足がマシンガンのごとく動き出すッ!
「うぐっ!うっぅぅぅぅ…痛タタタタタタタ…痛い!痛いっで!」
あやかの乗馬部で鍛え抜かれた足は、思った以上に強烈だった!
「ホッホホホ…!お次は雪広流・マタンキ潰しーッ!!」
今度は右足を引いて思い切り蹴りつけた!!
「いだい゙ィィィーーーーー!!」
朝倉が悲痛な叫び声を上げる…。
「ホホホッホオホホオオhッホひゃああがあががおあ!!」
それでもあやかはその美しい髪を振り乱しながらお構いなしに電気アンマを続けた。
あやか恐ろしいwww
449 :
朝倉いじめ:2006/06/25(日) 19:59:38 ID:???
―数分後
「…ヘェッェエィイイ!ネェェェエギせーーぇぇぇんせぇぇぇえぇカメナッ!!」
あやかは意味不明な言葉を発しながら右足を動かし続ける。
朝倉のパンツには既に血が滲んでいた…。
……
「…んぐっ、んぐっ!」
さらに続けること2分…朝倉の身体が大きく二回脈打った。
「…ちょっとヤバくない?」近くでカメラを構えていたパルが青くなる…。
「ホホホッホッホッホーパウッパパウ!!!」
ゆーなが完全にイカれてしまったあやかを強引にひっぺがす。
おそらく自身の足が起こす震動に脳が耐えられなかったのであろう。
「ああああああああ……」
あやかを引き離したというのに身体を揺すり続ける朝倉。
「うわー…痙攣とか初めてみたにゃ…ってなんだこれ!小便だにゃー!」
よく見たら足元が水浸しにたっている。朝倉は失禁していた。
「あらまぁ、目の焦点があっていませんね、オホホ」千鶴が顔を確認する。
クラスに緊張が走る…!
かなり下品ですね…、次回から軌道修正したいと思います
いやイイ!
実際、女性も股間は急所だからなぁ。痛いのみならず下手すれば命に関わるような。
最後の方は蹴りに近くなってたとしたら、十分死ぬ。死んでもおかしくない。
あやかwwww
パウッパパウwwww
もっときぼん
あやかすげぇwwwwwwwwww
股間を刺激されて痙攣して放尿した朝倉に不覚にも萌えてしまった
456 :
朝倉いじめ:2006/06/25(日) 23:49:58 ID:???
>>449 「バカいいんちょ!」「やばいよービクビクいってるぅー…」
「気持ち悪ぅー…」「次は私の番だたアルよー」
相変わらず好き勝手なことを言っている3-A。
「お嬢様、アレはどうしましょう…」刹那がこっそりとこのかに話しかける。
「ほないうてもウチアレに触りとうないしー…魔法もバレてまうえー?」
「そうですね、ほっとけば意識は戻るでしょう。天罰です」案外冷たい刹那であった。
「あっ、痙攣が治まったにゃ!」
そうこうしてるうちに本当に痙攣が止まった。だがまだ口から泡を吹いているので油断はできない。
なんとしてでも昼休みが終わる前に意識を回復させなければならないので(無論証拠隠滅のため)、とりあえず水をぶっ掛けてみることにした。
「…でも掃除大変じゃない…?」アキラがポツリと言った。
ということで女子トイレにあった雑巾を水に浸して朝倉の顔にかぶせる。
……10秒後…
「………ガハッ!…ゲホゲホゲホッ!臭…い…っ!?」
意識を取り戻した朝倉は慌てて顔にのっかっている雑巾を払いのける。
「目を覚ましたっ!」「よっしゃ!危うく私の番がなくなるトコだだアル」
「ひどいツラですー」「ぶっさいくだなー」またリンチができると喜ぶどうしようもない3-Aズ。
「……けぽっ、けほっ…痛っ、痛タタタタ!!」
股間に激痛が走る。それにお漏らしまでしていることに気付く。
「……ふっ、ひっぐ…ぐすっ…」
汗と涙で自慢の美貌は形無し、それに自分の小便で制服もパンツもぐしょ濡れ…。
自分のあまりの惨めな姿に涙を流す朝倉…。
「…それじゃ、掃除しておいてねー☆私達お昼ごはん食べにいくからー」
「あーん、私の番アルよー!」
「バカ、アンタのは傷が残るから…
そして彼女達は教室を出て行った。
―一人教室に残された朝倉は…。
「…うっ、うっ…うわぁぁぁ……」
NEXT EXECUTIONER→くーふぇ?
>ということで女子トイレにあった雑巾を水に浸して朝倉の顔にかぶせる。
ヒドス
だがそれが…イイッ
今いる3ーA生徒の中でいじめられるネタを書いてほしい人物って誰かな?
このちゃんとアキラ
木乃香
で、思い出したけど
>>172は終わったのかな
図書館組紛争記…4
のどか「…知らないそんなのっ、このかが死んじゃうよーっ!パル、ケータイ貸してっ」
パル「……」しかしハルナの返事は無い…。
のどか「…っ!もういい!」
ゆえ「あっ、のどか!待つですー!」
のどかは一人で走り去ってしまった…。
ゆえ「!!(ハッ!のどかはパクティオーカードでネギ先生と念話が…!)」
―…2ヶ月後、二人の少女の無残な遺体が図書館島で発見されたという…。
ゆえ「(私達のために…私達が電話をするのを待ってたですね…なのに私は…うぅっ…)」
THE ENDォォォッ!(打ち切り)
個人的にはパルいじめに期待…
のどかからメールきたので転載。
パルって1週間に1回くらいしかお風呂に入らないんだよー(>_<)
>>456 誰の台詞かわからん部分が多々あるんだが
そういうのは誰ともない台詞と言うことだよ
荒らしもほとんど消えたし、最近このスレは調子良いな
秋にはアニメ始まるらしいし盛り上がってくれることを祈る
しかし打ち切りの多さはなんとかならんかw
ってかまともに完結したのってアキラいじめだけじゃないか?w
アキラいじめの終わり方も打ち切りっぽかったがw
まぁ、もともといじめなんかそんなもんだよね。
いつの間にか終ってるか、いじめられてる側の人生の方が打ち切られるか
のどっちか。
>>469 すみません!wいつも長くなりすぎて収拾がつかなくなってしまうのです…
でも朝倉いじめはなんとか終わらせられそうですのでっ
関係ありませんがネギま関連でスレを建ててみました(;^ω^
>>469 Y氏、ネウロ
懐かしいな
ネウロについては今や荒らし扱いだもんなwww
朝倉いじめは続けてホシス
そのスレネタは悪くないけど、いじめスレ住人のようなエグイネタ好きにはそういうほのぼの系は合わないかもね。
いじめスレを陰としたら新婚スレは陽
このスレは、歪んだ愛の発露だから。ほのぼのはほのぼので別腹でいける
もうネウロでもYでも誰でもいいから続き書けば?
俺もいろんなスレに顔出したり投下してるから全然余裕
>>480 別腹でもイケるのは俺だけかと思っていたんだが、みんなそーなんだなw
485 :
マロン名無しさん:2006/06/26(月) 23:06:38 ID:jUg+6qg4
で、ネウロマダー?
今となってはネウロが懐かしい
ネウロめ
wikiで続き書くとか言っておいて
全く更新されないとはどういうことだ
どう考えても俺らのせいだろうが
491 :
ネウ口:2006/06/26(月) 23:39:41 ID:???
我が輩のことは気にするな。
貴様等は我が輩に構わずスレを楽しんでくれ
荒らしのネウロさんは、
もう二度とこのスレに来ないでください、
スレが荒れる原因です
493 :
ネウ口:2006/06/27(火) 00:07:02 ID:???
('・ω・`)
ネウロ我が輩とか貴様とか言わねーしwww
くだらねー会話でスレ消費するなよ。
あれ?ネウロの一人称は「我が輩」じゃなかったっけ?
497 :
朝倉いじめ:2006/06/27(火) 11:28:14 ID:???
>>456 キーンコーンカーン…
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
次々と3-Aの生徒達が教室に戻ってくる。
「…いやー汗かいたー!」「教室あっちー!」
「また新しい本見つけちゃったー」「よかったですね、のどか」
「!!アイツいない!」
だが、教室に朝倉の姿は無かった!
「あのお漏らし女!どこに行ったんだ!?」ゆーなが興奮する。
「落ち着いて、掃除は終わってるみたいだし保健室に行ったのかも」それを親友のアキラがなだめる。
―その頃朝倉は、廊下を走っていた…
「はぁっ、はぁっ(走るとお股が擦れて痛い…)」
アキラの言う通り、彼女は保健室へ行っていた。
いくらあやかの靴とはいえ、靴の裏はバイ菌だらけだ。
膿んだりしたら困るので恥を忍んで消毒液をもらいに行ったのであった…。
キーーンコーーン…
「まずっ!本鈴鳴っちゃった!」
498 :
朝倉いじめ:2006/06/27(火) 11:58:06 ID:???
>>497 『…今日は52ページからだな、日本の気候は6月から…』
ドア越しに先生の声が聞こえる。すでに授業は始まっていた。
「はぁっ、はぁっ…はぁ…」朝倉は少し呼吸を整えて、そろ〜りとドアを開けた。
ガラガラガラ…
「であるからしてー…ん?遅いぞー朝倉ぁ」
「すみません…ちょっと保健室に…」
「…ちょっとーなんか臭くなーい?」ドアの近くの席のまき絵だ。
「うん、なんかションベン臭ーい」風香がより一層大きな声で言う。
499 :
朝倉いじめ:2006/06/27(火) 12:09:04 ID:???
「…!(制服洗うの忘れてた…どうしよう…)」
…朝倉は小便漬けの制服のままだった。
「どーした朝倉、早く席に着けー(ウヘ、今日のかずみんはいつにも増して色っぺぇなw)」
モジモジしながら教卓の前を横切る…。
「うぅー…ほにゃらばアンモニア臭い…」「なんですの?この異臭…」
朝倉の席は窓側の一番前のため嫌でも前を通らなければならない…。
いいねいいね(゚∀゚)
朝倉の小便ハァハァ
オムあんこを消毒する朝倉ハァハァハァ
オムァンコw
つまりあずきクレープですね
実に股間を痛める朝倉に興奮した
これはマジで勃ち読みできる
誰がうまいことを(ry
506 :
マロン名無しさん:2006/06/27(火) 19:12:05 ID:1X1O58q6
うおおっ!なんだ!スレが落ちまくってるぞ。
ギリギリここは落ちなかった
507 :
マロン名無しさん:2006/06/27(火) 19:33:01 ID:/tuRwVfW
真名スレが落ちちゃったよ(';ω;`)
上げといた、まぁじきに直るだろ。
念のため自分のお気に入りのスレには書き込んであげといたほうがいいかも。
sageでおk
復活しましたね。
削除依頼出してくるか
朝倉(´・ω・) カワイソス
だがそれがいい
>>510 だから、上げといたしじきに直ると言っただろ
腹パンすっぞ!
すぐスレ立てするやつって何なの
どうですYのこの厨っぷり
ごめんスレ立てたの俺だな
ゼロ氏!ゼロ氏!
朝倉!朝倉!
刹那虐待氏…
>>429 チャチャゼロ残酷編9 後編
絡繰茶々丸。
学生として麻帆良学園女子中等部に在籍している彼女だが、その正体はロボット。
駆動系・フレーム・量子コンピューター、人工知能プログラム。光学兵器を含む、各種武装。
いずれも一般社会の常識を遥かに超えた、最先端科学のさらに先。
まだ専門の学会でも公表すらできぬ段階の実験的技術が、惜しげもなく注ぎ込まれた存在。
まさに科学の結晶と言ってもいい、彼女であったが……
たった1つだけ、「現代科学」では未だにクリアできない問題があった。
それは、動力源。
他のパーツはその人間並みのボディに収めきることができたが、動力だけはどうしようもなく。
何しろ、消費される電力が尋常でない。
バッテリーにしても内燃機関にしても、とても足りるものではない。すぐに尽きてしまう。
開発当初は外部から有線で電力供給していたが、しかしそれでは自由に動き回れない。
行き詰った開発陣。救いの手を差し伸べたのは、ある意味、科学とは対極に位置する……!
チャチャゼロ。
一般には「ただの操り人形」と見られている彼女だが、その正体は自動人形(オートマータ)。
ある意味ではゴーレムにも近い、魔法で創られ命を吹き込まれた、魔法生物の一種である。
その出来にもよるが、人間並み、あるいはそれ以上の知性を持つモノも存在する。
人格もあれば個性もある。この手の「無機物から産まれた魔法生物」としては、最高級の存在。
チャチャゼロの場合、元の素体が操り人形ということで、体格こそ恵まれぬモノではあったが……
それでも、エヴァの最高の技術を用い、数百年に渡って改良を重ねられた、自動人形の最高峰。
茶々丸が最新科学の結晶なら、ゼロは伝統魔術の結晶と言っていい存在だ。
エヴァの下に居る無数の人形たちの中でも、最新参の末妹と最古参の長姉。
科学の申し子と魔法の忌み子。優しきガイノイドと邪悪な殺人人形。忠実な従者と不敬な従者。
あらゆる意味で対照的な2人が、今、本気で向かい合う――
寮の裏庭で向き合う2人。しかし、茶々丸にはゼロの自信に満ちた態度が、まるで理解できない。
エヴァにかけられた登校地獄の呪いと、魔力を抑える学園結界。
この2つの呪いにより、ある意味エヴァ本人よりも割を喰ったのは、ゼロだった。
指一本動かすにも、主人のエヴァから供給される魔力に依存するその身体。
エヴァの魔力が月齢に従い移り行くのに合わせ、ゼロの運動能力も変化する。
月の半分ほど、新月に近い2週間ほどは、自力で歩くことすらままならない。
満月直前のこの時期は、ほぼピークと言っていいが……それでも、茶々丸には遠く及ばない。
「……貴方の考えは分かりませんが……失礼します」
軽く謝罪を口にし、茶々丸は大地を蹴り、抵抗力なきゼロに、その拳を……!
「…………!?」
拳がチャチャゼロの顔面に叩き込まれる、その寸前で。
茶々丸の身体が、不自然に動きを止める。
ギシギシと軋みを上げて止まる身体。茶々丸の脳内に、有り得ないアラームが鳴り響く。
「エネルギー供給、レッドゾーン!? ゼンマイ式動力ボックス、作動異常……!?」
唐突な、動力系統の異常。ブラックボックスから常に供給されている電力の激減。
咄嗟に茶々丸のシステムは、脳に相当する量子コンピューターへのエネルギー供給を優先。
結果としてボディを動かすパワーが失われ、このような急停止となる。
「ケケケッ。馬鹿ダナァ、オ前。俺ヲ疑ッテタ、ッテ言ウナラヨ……
何デ大事ナ『ぜんまいの穴』ガ有ル頭ニ、俺ヲ乗セテンダ? アンナ無防備ニヨ!」
笑うチャチャゼロ。
見ればその片手からは、細い細い、眼を凝らさねば見えぬような細い糸が伸びている。
裏庭の木の枝に引っ掛けて、迂回しつつもピンッと張ったまま繋がる先は、茶々丸の後頭部。
後頭部の、ど真ん中。
よくよく見れば髪に隠れるようにして、指1本分ほどの大きさの穴が開いていて。
その奥に、ゼロの手から伸びた人形繰り用の糸が伸びている……!
茶々丸の動力源、それは『ゼンマイ』。もちろんタダのゼンマイではない。
これは科学者たちに魔法使いエヴァンジェリンが提供した、魔法の力の篭ったゼンマイだった。
巻き上げることで魔法的なチャージが行われ、手を離せば信じがたい程の出力を発揮する。
自動人形の動力にも使われる、この魔法の道具。小型軽量、出力も一定。振動も音もない。
その科学的な原理が不明であることさえ棚上げすれば、工学的応用は十分可能。
ヒトの手でちょっと巻いてやれば平気で1日動き続けるのだから、便利なものだ。
……そのゼンマイであるが、どういう設計意図によるものか、後頭部に位置している。
後頭部に穴が開いており、巻く際にはそこに脱着式のハンドルを差込む形になる。
つまり、普段は髪に隠れる頭の後ろに、ぽっかり穴が開いているわけで……。
「オ前ノ身体ハヨ、俺ニトッテハ理解不能ナ超科学ノ塊ダケドナ。
『魔法のゼンマイ』ダケハ、俺モ良ク知ッテル代物サ。
ドコヲ弄レバイイカ、何ヲドウスレバ動カナクナルカ、知リ尽クシテルンダヨ。ケケケッ!」
ゼロは笑う。動けぬ茶々丸を見上げ、嘲り笑う。
こうして向かい合う前、茶々丸の頭の上に居た時、既に仕込んでおいた人形繰り用の糸。
ゼロの言葉どおり、勝負は既についていたのだ。100%、茶々丸の敗北は「決まっていた」のだ。
この狡猾な性格こそが、ゼロの最大の武器。この迂闊さこそが、茶々丸の最大の欠点。
実力を発揮する機会すら与えない、容赦のない『姉』。そしてまんまと嵌った『妹』――
「ダガナ――マ、コレジャァ、オ前モ納得デキネーダロ。ナァ?」
「……ギッ……ギギギッ……」
茶々丸の喉から、奇妙な音が漏れる。
ゼロの糸が絡まった魔法のゼンマイ。ゼロの糸繰りにより、最低限に抑えられた電力供給。
喋ることすら困難な茶々丸を、ゼロは見上げる。ガラス玉のような眼球が、茶々丸の目を見つめる。
「後カラ『卑怯だ』トカ『油断しただけ』トカ言イ出サレルト、面倒ナンデナ。
オ前ノタメニモ、『遊んで』ヤルヨ。 ――俺ノ眼ヲ見ロ、茶々丸!」
「―――――あ」
鋭い声と共に、チャチャゼロの眼が光る。乱れる視界。走るノイズ。そして――
「――え?!」
そして――茶々丸は、我が目を疑った。
いつの間にか立っていたのは、エヴァの『別荘』。巨塔の頂上、闘技場の上。
時刻は深夜。暗い海を、満月が照らしている。
静かな波音だけが、辺りを包み込む。実に穏やかな夜。
見れば自分自身も、先ほどまでの制服姿ではなくなっている。
戦闘を前提とした、見かけよりも遥かに動き易いメイド服。各種武装の使用を阻害しない設計。
いったい、いつの間に。
茶々丸は困惑しつつも、自分自身と周囲の状況をスキャンする。
「……武装オールグリーン……動力系異常なし……データ異常なし……。
いえ、これは……外部からのハッキング? エーテル波通信!? シミュレーション強要!?」
「幻想空間(ファンタズマゴリア)、ッテ奴ダヨ」
聞き覚えのある、嘲り笑い。茶々丸はハッとして頭上を見上げる。
――満月をバックに、小さな悪魔のシルエットが、そこに居た。
「オ前ニ効クカドウカ、心配ダッタンダガ……オ前、見タ目モ動キモ考エ方モ、人間ッポイカラナー。
『類似』シテレバ効果ガアルノガ、『魔法』ッテモノナノサ」
「……!」
高度な幻術。その幻術による、仮想空間。
言ってみれば確かにそれは、ハッキングされ、シミュレーションを強要されているようなもの。
しかし――それを認識したところで、術が解けるわけではない。
茶々丸は彼女独特の緊張表現、すなわち無表情な顔つきで頭上の『姉』を見上げる。
表情のエミュレートに使う容量すら勿体無い。全演算能力を動員し、ゼロの動きに備える。
「ソンナ顔スンナヨ。オ前ノタメダ、ッテ言ッタロ?」
「私のため、ですか?」
「アア。ココナラ、周囲ノ巻キ添エヲ考エズ、武器ヲ使エルゼ。みさいるモびーむモ、何デモアリサ。
アッチノ屋根ノ下ニハ、オ前ノ換装用パーツモ揃エテオイタ。好キニ使イナ」
「…………!?」
「モットモ――コノ空間マデハ、御主人ノ呪イモ届カナインデナ。
俺モ、全盛期ノパワーガ使エルワケダ。全力デ行カセテモラウゼ!」
茶々丸の見たことのない、チャチャゼロの「全盛期」。
彼女の知るゼロは、既に魔力を封じられたエヴァの下、不自由な体で軽口を叩くだけの存在。
『別荘』の中では自在に動いていたが、それでもこんな風に空を飛べたりはしない。
呪いの効果が無いというのなら、強敵なのは確かだった。
しかし――茶々丸の方にも、勝機は十分以上にある。そう思える。
無制限に許された兵器の使用。完璧に揃った換装用パーツの数々。見れば銃などの武器もある。
そしてコレが仮想現実ならば、「やりすぎても」ゼロを殺す心配はない。手加減をする必要がない。
言ってみれば、茶々丸もまた、自身も知らぬ「本当に本気の」戦闘ができるということだ。
現実世界では油断して一本取られてしまったが……今度こそ、負ける気がしない。
「……賭ケヨウゼ。
コノ戦イ、勝ッタ方ガ『エヴァンジェリン・A・K・マグダウェル』ノ『第1の従者』ダ。上位ノ従者ダ。
負ケタ方ハ、勝ッタ方ニ絶対服従。ドンナ命令ダロウト、必ズ従ウコト。イイナ?」
「……いいでしょう。
私が勝ったら、貴方にはマスターとネギ先生の前で、洗いざらい全てを喋って貰います」
負けるハズがはい。勝てるハズだ。
数百年前のカビの生えた魔法生物如きに、最新科学の結晶たる自分が負けるハズがない――!
淡々とした、しかし決意と自信を感じさせる茶々丸の言葉に、ゼロは気味の悪い笑みを浮かべる。
「ケケケケッ。確カニ聞イタゼ。 デハ――イザ尋常ニ、勝負!」
――満月の下。幻想空間の中のエヴァの『別荘』は、酷い有様になっていた。
ミサイルの流れ弾で破壊されたオベリスク。巨大な刃ですっぱり切られたような『門』への橋。
巨塔はその上部が半分ほど崩れ去り、眼下の砂の小島はもはや跡形もない。
まるで戦争に巻き込まれたような有様。とてもたった2人の「姉妹喧嘩」の痕とは思えない。
そんな中、未だ収まり切らぬ硝煙と土煙の中、相手を見下ろしていたのは――
「……シミュレーション・プログラムに細工でもしたのでしょうか。納得できません」
「イイヤ、残念ダガナ。幻術ッテヤツデモ、ソコマデ器用ナコトハ出来ネーンダヨ。
コイツハ正真正銘、俺トオ前ノ実力ヲ反映シタ、結果ナノサ」
崩れた塔の頂上。瓦礫に半ば埋もれるような状態の茶々丸。それを見下ろすチャチャゼロ。
ゼロの服には光学兵器に焼かれたのか破けた痕があったが、しかし身体の方は無傷。
一方の茶々丸は、実に酷い有様だった。
手も足も、それぞれ違う形で失われている。凍りついた右腕など、一体ゼロに何をされたのか。
矢尽きて刀折れ、いやミサイル尽きて手足折れ、もはや茶々丸に戦闘力は残っていない。
「今デコソ、妙ニ丸クナッチマッタガナ。
アノ『闇の福音』ガ、役立タズノ人形ヲ従者ニシ続ケルハズガナイダロ。
御主人ニ出来ル事ハ、俺ニモ出来ル。……『魔力』ガアレバ、ダガナ」
茶々丸は目撃していないが、実は最近一度だけ、チャチャゼロはこの力を発揮している。
修学旅行の戦い。
学園長の『尊い犠牲』により、一時的に学園から解き放たれたエヴァンジェリンと従者2人。
ゼロはその際、逃走した主犯格の天ヶ崎千草を、たった1人で捕縛している。
あの桜咲刹那も苦戦した、一流の呪符使い・千草。それをあまりにあっさりと、まるで子ども扱い。
相当な実力差でもなければ、ああは行かない。相当な実力者でもなければ――。
「……何故なのです?」
茶々丸が、敗北の確定した身体でゼロに問いかける。
トドメとばかりに振り上げられた巨大な刃が、一瞬止まる。
「何ガダヨ?」
「何故、あなたはマスターを裏切られたのです?
この戦いに『第1の従者』の地位を賭けるあなたが、何故マスターを裏切りこんなことを?」
「……裏切リ? 裏切リダト?!」
……それは、原初の記憶。何百年もの昔、生まれた瞬間の記憶。
暗がりの中、そして聞いた。綺麗な、しかし寂しげな、少女の必死な声。
『目を開けてくれ、『チャチャ』。私の人形。
……ダメなのか? やはり失敗なのか? どこか術を、間違えたのか?!
頼む、目を開けてくれ、チャチャ! 私にはもう、他に誰も――!』
無機質の肌に落ちる、熱い雫。
少女の感情がたっぷり詰まった、一滴の液体。頬を伝って、人形の口に入って……
そして、小さな悪魔は産声を上げる。魂を篭められ、自我を得る。
赤ん坊のような、騒々しくも心温まる泣き声ではない。まるで正反対の、嘲るような笑い声――
「先ニ裏切ッタノハ――『アイツ』ノ方サ!」
幻想空間の中。満月の下。
チャチャゼロの刃が、振り下ろされる。身動きできない、半壊状態の茶々丸に振り下ろされる。
血を吐くような、叫びと共に――!
……幻術が解ければ、そこは朝の光が遠くから差す、女子寮の裏庭。
刃を担ぎニヤニヤと笑うチャチャゼロの前に、茶々丸は、ゆっくりと膝をついて。
最大限の礼をもって、頭を下げた。
「……魔法先生たちも、本格的に動き出したようですね。
あのガンドルフィーニ先生の動きは、組織的なモノとは思われませんが……。
これからどうしますか、姉さん?」
「ソウダナ……。コリャ、オチオチ遊ンデバカリモ居ランネーナァ。
御主人ノコトモ有ルシナ……!」
寮の裏庭で行われた、静かながらも激しい姉妹の戦いの後。さらに一箇所寄り道した後。
古い時計台の上、エヴァとガンドルフィーニの戦闘を見届けた2人は、作戦を練る。
ここまで場当たり的に起こしてきた、チャチャゼロの凶悪な悪戯。
しかし流石にそろそろ、ゼロの方にも作戦が必要になってくる。
ゼロの方にも、準備やら何やらが必要になってくる。
「フム……。トリアエズ、オ前ガドノ程度『使える』ノカ、見セテ貰オウカ。
イザッテ時ニ使エネート、マジデ命ニ関ワルシナァ」
「……あれでも、まだ試し足りないのですか、姉さん……」
茶々丸の言葉が、少し震える。
仮面のように無表情な顔のまま、目からレンズ洗浄液がつぃっ、と溢れる。
固く握り締められ、微かに震える茶々丸の拳は――未だ乾かぬ血に、汚れていた。
人間の血ではない。血と共に付着するのは、茶・白・黒と、色とりどりの短い毛。
ネコの血液だった。茶々丸が餌付けし可愛がっていた、野良猫たちの血。つい十分前の惨劇。
あろうことかゼロは茶々丸の「忠誠」を試す踏み絵として、猫たちの命を要求したのだった――
そして、逆らうこと叶わぬ茶々丸は。
「ケケケケッ。野良猫ブチ殺サセタ程度ジャ、マダワカンネーカラナ。
次ハモウチョット厳シイ『踏み絵』ニ行クゼ? 一石二鳥ダシナ。ケケケケッ!」
NEXT TARGET → ???
こんな時間にチャチャゼロキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
覗いてみるもんだ…
茶茶丸(';ω;`)ウッ
ゼロかっけーー!!
茶々丸さん…僕と付き合ってください
掃除機で吸い込まれてしまうちびせつな
「ちょwwwガボボボネギせnシュボォー顔が」
「わぁー頭がちょうどいい太さですねw」
茶々丸が茶々ゼロにヤられてカワイソス
茶々丸が可愛がっていた猫がヤりたくもない茶々丸にヤられてカワイソス
茶々丸カワイソス
「やられて」の「や」をカタカナにすると、なんか卑猥な感じがするな
ねぇ…、あんたの中身見せてよ
ゼロ氏の頭の中身見たい
…日曜日のお昼過ぎ…
―ピンポーン
「ネギー!!出てーー!」
「は、はい?わかりましたー」せっせとロフトを降りるネギ。
珍しく自宅にいるネギをコキつかうアスナであった。
「はい?どちらさん…って刹那さん!こんにちはー♪」
「ネギ先生、ど、どうもこんにちは」
ドアを開けると刹那が照れくさそうに立っていた。
「あ、ごめんなさい、このかさんなら部活に行っちゃいました」
「い、いえ!このちゃ、このかお嬢様がいなくても…あの、その…」
何故か顔を赤らめる刹那。
「?でもせっかくだから家に上がってお茶でも」
「はいっ!おじゃまします!」
「あ、刹那さーん、いらっしゃぁーい」
部屋に上がるとベッドの中から気の抜けたあいさつが聞こえる。
1時も過ぎたというのにまだパジャマ姿である。日曜日のアスナはいつもこうだ。
「アスナさんどーも、またおじゃまします」
「いまおやつ出しますからー、冷たい麦茶とあったかいお茶どっちがいいですかー?」
「あ、おかまいなく!…強いて言うなら冷たい麦茶ですねw」
「はい、わかりましたー」
新しいの始まった?
「…おいしいですねーこのお菓子!」
「そうですねー日本のお菓子はよく研究されていておいしいです」
「……」
…また話が途切れる。刹那が家に来てからすでに30分は経つというのに
何一つまともな会話が無い。
「ゴホン、うーーん…」
わざとオーバーリアクションで寝返りをうつアスナ…。
『…刹那さんってほんと何しにウチに来るんだろ…正直剣の修行以外で
刹那さんと話すことなんてないんだよなぁー…。ネギもつまんないだろうし…
早く帰ってくんないかなー…』
そのやり取りを見ていたアスナは苛立ちを隠せないでいた。
「「あのっ」」
「あっ、どーぞ刹那さんから」
「いえ、ネギ先生の方こそ…」
そして気まずい沈黙が流れる…。
『…はぁーウザい…かーえーれ!かーえーれ!』
「クスッ…うふふふ」突然笑い出す刹那。
『ハッ!?今のどこが面白かったの!?キモい!キモすぎるー!』ブッ!
『やべー!思わず屁こいちゃった!聞こえてないよな!?聞こえてないよな!?』
油断したアスナは布団の中で屁をこいてしまった。
「どうしたんですー?刹那さん」
「クスクス、いえ、すみませんネギ先生」
『ホッ…刹那さんの笑い声のおかげでなんとかゴマかせたか…クソッ!許さん!あの鳥女!』
「それでなにがおもしろかったんですかー?」
「…ネギ先生?」急に真剣な顔つきになる刹那…。
「へ…?(なんだろー…ドキドキするぞ…)」
『屁!?』
「ほっぺにお菓子ついてますよー」
「!あうー、ほんとだーもー刹那さんたらー!」顔を赤らめるネギ。
「「あはははは…」」
>>540 訂正です!
アスナの
『ホッ…刹那さんの笑い声のおかげでなんとかゴマかせたか…クソッ!許さん!あの鳥女!』
のところは
『…クソッ!許さん!あの鳥女!』でした!前半の文必要なかったです。
すみません
誰をいじめるのかなwktk
アスナワロスwwww
>>540続き
『……キモーーーーーーーーい!!!!!さぶいぼたったよォォん』
「…刹那さん…あの、天気も良いことですしちょっとお散歩に行きませんか?」
「あ…はい!良いですねー行きましょう!」
『なんだと…!?ネギ!なぜそんな女と散歩に!?なにが楽しいんだ!?』
「アスナさーん?(なんだこの臭い…?)」
ネギが二段ベットのはしごから顔を覗かせる。
「何よ?なんか用?」アスナは不機嫌そうに答えた。
「ちょっと刹那さんと出かけてきますねー、夕ご飯までには帰ってきますからー」
「ちょ、ちょっと、なんで?」
「なんでって…楽しいからですよ?」
「何が楽しいのよ…、刹那さんと一緒にいたら疲れない?」
「そ、そんな!そんなことないです、なんか刹那さんを見てると…胸が…
いえ!ななななんでもないです!刹那さん待ってるんで!それではいってきまーす!」
そういうとネギは勢いよくあっけにとられるアスナ…。
「まさか…ネギのヤツ…でも…許せない…鳥の分際で…」
アスナは自分の心の奥に眠るドス黒い感情が湧き出てくるのを感じた…!
つづく
>>544 また訂正です!
そういうとネギは勢いよくあっけにとられるアスナ…。
ではなく
そういうとネギは勢いよく家を飛び出して行った。あっけにとられるアスナ…。
です!無駄にスレ消費すみません。
いいんじゃない
アスナ性格悪いなww
また刹那いじめか
おっきしてきた
>>545 文章の訂正が多いな
落ち着いて書いてくれ
もともと大した量ないのに、一レスにつき一訂正レスってアホか
推敲ってのを覚えてから書き込めよガキ
まあまあ、なんか事情があったのかもしれないし。
毎回やってるわけじゃないんだから、そんなことで怒るなよ
自分の作品が評価されず逆恨みできれてんじゃね?
>>551 君のレスもだいぶ無駄だよね
逆恨みは良くないよ
SS初心者なら、まずはメモ帳やワードなどで作って推敲してからコピペすることをお勧めする
今後の展開に期待なだけに、こういうツマラナイ言いがかりつけられないよう注意して欲しいな
>>555 書き込む前に確認、だけじゃやっぱダメ?
まず書いたやつをゆっくり三回読む。それから投下って感じで俺はやってる。
>>557 やっぱ間違えない人ってのはそれなりに見直ししてるんだな
SSにかぎらず基本だろ
このスレはドSが多いので気を付けてくださいね
というか後から気がつくくらいなら、
最初から見直しをしましょうって事だね。
俺は投稿する前段階では何度も書きながら推敲するけど
投稿しちゃった後はもう見返さないよ。
>>544<<<<<ネウロ<<<<(超えられない壁)<<<<<チャチャゼロ
ネウロにすら劣るwww
時間が無くて急いで投下したという可能性もある
まぁそんなうだうだ攻めなくてもいいんじゃね
なんか一匹暴れ出したな
お前らはなぜそう職人を叩くんだ
投下してくれただけでありがたいってのに
サドだからさ
サドじゃなきゃこんなスレ来てないしな
まさに外道!!
職人には敬意をしめすよ、ゼロ氏や刹那虐め氏とかね
だが
>>544はガキの落書きだろ?
>>544は実際には、まだ序盤だし、訂正レスが多かっただけで悪い出来では無いと思うが
荒らしの工作員が居るな
574 :
544:2006/06/30(金) 01:28:02 ID:???
すみません、僕のせいでスレの空気を悪くしてしまいました…。
しばらく投下は控えますm(_ _)m
575 :
マロン名無しさん:2006/06/30(金) 01:47:32 ID:8x5sblIe
>>574 ('・ω・`)ショボーン
まぁ、またほとぼりが冷めたら戻って来てください。。。
そうだよ朝倉ちゃんは?
578 :
朝倉和美:2006/06/30(金) 11:18:39 ID:???
呼んだ?
>>574 いや投下は是非続けて下さいな。同じ過ち繰り替えさなきゃそれでOK
580 :
落書き:2006/06/30(金) 12:22:20 ID:???
「はー、麻帆良祭も終って暇よね。なんか面白いことないかしら。」
「じゃあ、誰かのノートにいたづら書きするってのはどう?」
「それいいかも。」
「明日菜さん、朝倉さん、そのような幼稚なマネはおやめなさい。」
「げ、いいんちょ、聞いてたの。」
「言ってみただけだよ。アタシらもう中学生だよ。」
「そう、それならいいんですけど。」
あやかは立ち去った。
「ふう、危ないところだった。ここじゃ誰かに聞かれるから屋上に行きましょ。」
明日菜と朝倉は教室を去り、屋上へ向かった。
「で、誰のノートにいたづら書きすんの?」
「もちろん村上よ。アイツ麻帆良祭の舞台で主役になったからって最近調子のってるからさ。」
「確かにね。で、なんて書くの?」
朝倉は明日菜に耳打ちをした。
「あんたも悪ね、朝倉。」
放課後、宿題をしようと夏美がノートを開くと、「ハニ丸王子」と見開きに大きく書かれていた。
「ひどい…。」
ハニ丸王子は昔TVで放送されていた人形劇アニメだ。
夏美は小学校の頃、ハニ丸王子に似てると言われいじめられていた。そのことが未だにトラウマになっているのだ。
翌日、夏美は学校に来なかった。
「あれだけのことで学校に来ないなんて、弱すぎよね。」
明日菜と朝倉はほくそ笑んだ。二人は卒業まで隠し通し、決して夏美に謝ることはしなかったという。
>>580 なにこれwwwワラタwww
グッジョブ!
>>580 落書きというからただのチラシの裏だと思って読んでみたら落書きを題材にしたSSなんだな
GJ!
いいよいいよ(・∀・)
夏美傷付きやす杉www
585 :
美空いじめ:2006/06/30(金) 21:20:05 ID:???
アスナ「このか〜お昼食べに行こ」
ドンッ
美空「痛っ!」
アスナ「あれ?なんかぶつかった?」
このか「何言うとんアスナ、何もないのにぶつかるわけないやんw
空気しかないえー」
アスナ「そりゃそーだよねw幽霊でも居たかな?wじゃあ行こっか」
このか「そやね〜」
美空「…」
さよ「呼んだ?」
キター
587 :
楽が木:2006/06/30(金) 21:27:40 ID:???
「あー、なんか面白いことないかなー…。」
「私は明日菜見てるだけで暇潰しになるけどなぁ。」
「ちょ、このか!どういう意味よ!」
「あははw冗談やて。じゃあ晩ご飯の買い物に行って来るわ。」
部屋を出て行くこのかを見送る明日菜。
ふと振り返ると机の上に一冊の黒いノートが置かれていた
「なにこれ?…でー…ち…のーと…?これ英語?」
ノートの表紙にはぶっきらぼうな文字でDEATHNOTEと書かれている。
「あれ?わたしこんな趣味の悪いノートなんか買ったっけ?」
普通の神経をしている人間ならDEATHNOTEと書かれたノートを見ただけで気味が悪くて使う気も失せるだろう。が、明日菜にはDEATHという単語の意味さえわかっていないようだ
「まぁいいか。ちょうどもう少しで数学のノート無くなりそうだし。」
明日菜は椅子に腰をかけると、机の上に転がっていた鉛筆に手を伸ばした。
「ただいまー明日菜…。明日菜?」
買い物袋をぶら下げ戸を開くと、部屋の中は漆黒が支配していた。
鍵はかかっていないはずなのでおそらく部屋にいるはずなのだが…。
どうせ暗闇のなかで私を驚かそうなどと魂胆をたてているのだろうと思い、あえてそれに乗るこのか。
「明日菜どこ行ってしまったんやろか…。」
このかはにやけながら心配しているような言葉を吐き、部屋の灯をつける。
部屋の灯が漆黒を照らし、部屋全体が明るくなる。
すると机には明日菜がすやすやと死んだように眠っていた。
それを見たこのかは明日菜の寝顔に笑いを堪えながらも寝ている明日菜に毛布をかけ、夕食の準備に取り掛かる。
しかしこのかもノートの背表紙に書かれた『神楽坂明日菜』という文字には気がつかなかった。
リューク「ちょwww俺より馬鹿wwwww」
ごめんなさい
ワラタwww
589 :
美空いじめ:2006/06/30(金) 21:58:46 ID:???
美空「最近なんか私の扱い酷いような…」
美空「私ちょっと目立ち過ぎてるから皆嫉妬してるのかな?w」
590 :
夏美の死:2006/06/30(金) 22:02:06 ID:???
おまけ
数日後、普通に夏美は学校に来ていた。
明日菜と朝倉は屋上に来ていた。
「ホントに夏美は心弱いよねー。」
「アキラや本屋ちゃんより弱いんじゃないの。」
「もう一回書いちゃおうか。」
「今度はなんて書くの。」
「『ハニ丸王子』で数日休むんだったら、『いいんちょの金魚のふん』なんて書かれた日には、自殺するんじゃないかな。」
「さすがに自殺はしないと思うけど。」
「じゃあ、書いてみる。」
朝倉は、夏美のノートに大きく「いいんちょの金魚のふん」と書いた。
翌日、千鶴が寮の部屋で夏美が首を吊ってるのを発見した。千鶴が夏美を下ろした時には、既に息をしていなかった。
明日菜は目を覚ました。汗でビッショリだ。
「夢か…。あのとき朝倉を止めといてよかった。」
夏美デリケートすぎwww
小動物かよwww
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーーーン
593 :
美空いじめ:2006/07/01(土) 00:32:17 ID:???
美空「ねぇーちょっと、双子ぉ」
ふみか「おねぇちゃん、楓姉のとこ行きましょう」
ふーか「そーだね。行こ行こ」
美空「あれ…ねぇってば」
双子「…」
594 :
美空いじめ:2006/07/01(土) 01:02:55 ID:???
〜昨日放課後…
美砂「ねぇ、ちょっと最近あれ、ムカつかない?」
アスナ「あれって?」
美砂「あれよ、あれ。ほら、あの空気。」
アスナ「あー、あれね。うん、それがなんだって」
美砂「あいつ空気の癖に調子乗ってない?」
このか「あ〜わかるえ〜。確かに最近目障りやね」
くぎみん「普段存在価値無いくせにねw」
アスナ「そうね…やっちゃう?w」
美砂「空気苛めたって罰は当たらないしねwいっちょやっちゃいますかw」
このか「それならまずは無視がいいと思うえ。ああいうタイプは構ってもらいたくてしょうがないタイプやから。」
くぎみん「でもあいつ気付くかな?ほら、大抵居ても居なくてもわかんないし。」
アスナ「それでも、居ないような扱い受けたら気付くでしょw
じゃあしばらくそれでやってみますかw精神攻撃w」
美砂「他のやつらにも伝えとかなきゃね」
このか「ワクワクするえ〜♪」
こうして悪夢が始まった…
うわ
無理やりの設定
つまんねー
(^ω^;)
ってかなんかすごい過疎ってんな
何かあったのか
あうう
土日はどこも過疎る
なるほど
600 :
自殺日記:2006/07/01(土) 22:40:53 ID:???
10/17
今日から日記をつけようと思う
別にとくべつ書きたいと思うこともないけど、もしかしたらの事を考えるとやっぱり書いておいたような気がして
取りあえず今日は筆始めとしてこのノートに相応しい題をつけようと思う。
『自殺日記』
これは私と奴等の戦いの記録となるだろう。
私の精神力が勝つのか奴等の残虐性が勝つのか
もし私が勝ったら
わからない。どうなるのだろうか
けど、私が負けたら私はこの世から消えなければならない。いや、多分自分で手を下してしまうだろう。
最後に、もしこの日記を読んでいる人がいるのなら一つだけ私の願いを聞いて欲しい。
このかといいんちょにヨロシク
601 :
自殺日記:2006/07/01(土) 22:44:50 ID:???
早乙女ハルナはノートを閉じると破れてしまうのではと思うほどギュッとノートを抱き締め、静かに目を閉じた。
ハルナの脳裏には明日菜の楽しそうな笑顔が写し出されている
しかしその笑顔はまるで早送りしたように変化し始め、向日葵のような笑顔は彼岸花のような淋しい笑顔に変わっていく
ハルナの目からは大粒の涙がこぼれ、ポツリポツリと雨のように地に落ちる。
ハルナは静かに立ち上がるとまるで何かに操られるように前に向かって歩いていく。
彼女の目の前にはずっしりとした細長い木箱が置かれている。
言うまでもなく棺桶だ。
ハルナはゆっくりと顔をあげた。
白と黄色の菊の花が明日菜の遺影を綺麗に囲んでいる
神楽坂明日菜は彼女の言う『勝負』に負け、散ってしまったのだ
彼女は酷いうつになりながらも必死に生き、この日記を書き続けた。
しかし必ず限界は来るものだ
追い詰められた姫は毒薬を飲み、ベッドの上で生き絶えていた。
…もしこのかやいいんちょが明日菜の自殺を知ったら私になんと言うだろう…
友を裏切り、見殺しにした私を…
ハルナは棺桶を開き、手に持っていたノートを入れ、静かに棺桶を閉めた。
「ごめんね…、明日菜。」
一言だけ呟くと、ハルナはもう一度だけ目を閉じた
「な、なんだ…これは…」
数時間後、ここを訪れた明石教授は口を開けたまま動くことが出来なかった。
紅く染まったステンドグラスが血を欲する堕天使を連想させる。
棺桶には『呪』という文字。
そして協会の壁には3ーAの生徒たちの写真が張られ、すべての写真の首にナイフが突き刺さっている。
ただその写真のなかにはこのか、いいんちょそして柿崎美砂の写真は見当たらなかった。
おもしろいです!楽しみにしています
「なんという過疎!こんなに人が来ないのは初めてだ!」
>>527 チャチャゼロ残酷編10 ヒトの手に余りしモノ
……広い空間。
どこかの建物の中なのか、ちょっとした体育館ほどもあろうかという四角い空間。
白い壁に囲まれ、明るい照明に照らされた中で……筋骨隆々たる1人の男が、銃を構えていた。
2mを越す長身目を隠すサングラス。腰のあたりからは、何故か太いコード類が壁に伸びて。
これもまた長大なライフルで狙うのは、なんと男と瓜二つの姿形をした人物。
逃げようともしない双子のような敵、しかし男は、何の感動もなく何の躊躇もなく、引き金を引いて……
室内に、爆発音が響いた。
爆発したのは、しかし銃で狙われていた方ではない。
なんと、ライフルを構えていた方が爆炎に包まれている。
ライフルの横腹から上がる白煙。銃を構えた姿勢のまま、吹き飛んで消滅した男の頭部。
銃の暴発。哀れ、鏡映しの兄弟を撃とうとした男は、自らの銃により、その短い命を――
「あー。またやっちゃいましたねー。どーにも安定しないですねー、これー」
なんとも呑気な声を上げたのは、白衣に身を包んだメガネとお下げの少女。
白衣のはだけた隙間からは、アインシュタインの顔のTシャツがおどけた表情で舌を見せる。
彼女の名は、葉加瀬聡美。
中学生でありながら、麻帆良大学工学部で数々の研究をリードする天才。
「やっぱり『結界弾』ってのは難しいですねー。どーも魔法ってのはブレが大きくて困りますー。
出力はアップしてるハズなんですけど……今度エヴァンジェリンさんに相談してみましょうかー」
白煙を上げ続ける男性型ロボット・T−ANK−α3(通称・田中さん)を見上げ、聡美は溜息をつく。
彼女の最近の研究テーマは、『魔法の工学的応用』。
今、「田中さん」2体を使って実験しているのも、魔法技術を応用した結界弾の改良の一環であった。
「ん〜。ライフル側の破損状況を見るに、打ち出す時に魔力が暴走してるんですねー。
この口径だとこのパワーは無理なんでしょうか……でも口径上げると今度は……
もうライフルの形は諦めてバズーカにする手も……ああしかし今度は弾数と射程が……」
壊れて沈黙する「田中さん」の前で、ボードを抱えブツブツと呟く聡美。
こうなると彼女は完全に「自分の世界」に入ってしまう。自分の思考に没入する。
背後から忍び寄る悪意の存在にも、まるで気付かない……
「ナカナカ派手ニヤッテルナ、相変ワラズヨー。ドンダケ予算アルンダヨ、オ前ラ」
「ハカセ、それ以上の実験は無意味に『田中さん』を消耗するだけかと思われます」
「……うわッ!? い、いつの間に?!」
嘲るような笑い声と、淡々とした忠告。思わず聡美は飛びあがる。
見ればこの、兵器評価用の耐爆実験室に、チャチャゼロを乗せた茶々丸が入ってきていた。
まあ、真後ろに立たれ声をかけられるまで気付かなかったのだから、どう考えても聡美が悪い。
「ロボ研の皆さんに尋ねたら、ハカセはこちらだろうと言われましたので」
「結界弾ノ実験カ? 面白イコトシテヤガンナー。非魔法的ナ方法デ威力増大サセヨウッテカ。
構ワネーカラ、モウチョット出力アゲテミナ? 今度ハ確実ニ暴発スルカラヨ。 ケケケッ!」
「もー、ゼロさん酷いですー。私、一生懸命頑張ってるんですよー?」
聡美は頬を膨らませる。恐るべき超兵器の開発をしていながら、その仕草は可愛いものだ。
天才の切れ味と、ちょっと抜けた性格。高速で回転する頭脳と、のんびりした口調。
危険極まりない実験の数々と、危機感なき態度。
相反するこれらの性質を矛盾無く持ち合わせたのが、葉加瀬聡美という人物であった。
彼女は信仰している。疑うことなく、信仰している。
科学は、ヒトを幸せにするモノだと。
科学の発達は、必ずや人間社会をより良いモノにするのだ、と。
そして科学は、常に発達し続けていかねばならないモノだ、と。
そのためなら――多少、問題のあるコトをしても、許されるハズだ。
後の歴史が、許してくれるハズだ。そう、信じている。
「……で、何の用ですかー? 茶々丸の定期整備なら、昨日やったばかりですけどー」
無事だった方の「田中さん」に、壊れたもう1体の片付けを命じて、聡美は2人に向き直る。
ゼロが聡美を訪ねる理由は、ちょっと考えられない。用事があるとしたら茶々丸の方だ。
このようにアポ無しで訪れる時というのは、何かトラブルでも起きたか、それとも。
「私自身の身体に、現時点では特に問題はありません。しかし……」
「茶々丸ノ戦闘力ヲ上ゲル相談ガシタクテナ。コイツ、弱クテチョット使エネーカラヨ」
「茶々丸のぱわーあっぷ……ですかぁ?」
ゼロの言葉に、聡美は首を傾げる。
実のところ、茶々丸という存在は、既に相当「完成された」代物だ。簡単に強化はできない。
外付けの追加換装パーツのプランはいくつかあるが、しかしそれにも限界がある。
「将来的に付けたいパーツはいくつもありますけどー、まだ信頼性低いんですよねー。
何か必要なオプションパーツがあるなら、すぐに作っちゃいますけどー……」
「イヤ、ソウジャナクテナ……。俺ガ指摘シタイノハ、コイツノ頭ノ中ノコトサ」
ゼロは、自分が乗っている茶々丸の頭をコンコンと叩いてみせる。無表情な茶々丸。
「こんぴゅーたートカ、俺ニハ良ク分カンネーンダケドヨ。
オ前ラ、コイツニ何カ変ナ『抑制』カケテルダロ?
禁止命令ナノカ、『呪い』ナノカ知ラネーガ。不自然ニ攻撃ニぶれーきヲカケル、何カヲヨ」
「ああ、そうですねー。強制力の強いコマンドとして、人命に関わるような攻撃を禁じてますー。
今の茶々丸の成長した自我プログラムなら、これ無しでも問題起きないとは思うんですけど」
かの「ロボット3原則」ほど単純ではないが、茶々丸の思考や行動には様々な制限がある。
この人命尊重のルールは、人間相手に深刻なダメージを与えることを禁じていた。
勢い、その攻撃は常に手加減の入ったものになる。
聡美の言葉に、そしてゼロは笑う。望み通りの展開に、もっともらしい言葉で誘導していく。
「ナラ――チョット試シニ、外シテミテクレネーカ?
何ダカヨ、戦闘訓練ノ時ニヨ、一瞬妙ナ動キスル時ガアルンダ。
実戦ジャ、コンマ1秒ノ躊躇ガ命ニ関ワルカラナ。――ケケケッ!」
10th TARGET → 出席番号24番 葉加瀬聡美 ?
ハルナ主役だと思ったらいきなり死にやがったw
ハルナの棺桶や写真のセットで既に怖いんだがマジで怖くなりそうな作品だな
('A`)
いま気付いたんだか
自殺日記の文構成がネ●●そっくりな件
…これ以上は何も言わない
>>609おそらく
α(?)→明日菜イジメスタート→このか、あやかの身に危機が…!→明日菜自殺→ハルナ死亡(?)→柿崎死亡(?)
だろ?
朝倉いじめ・刹那いじめ(
>>545)作者です。
投下してもよろしいでしょうか?
>>609 読み返して納得した
その通りだった
死んでたのは明日菜だけでハルナはまだ死んでおらんね
614 :
朝倉いじめ:2006/07/02(日) 01:21:32 ID:???
>>499続き…
3-A皆の失笑を買いながら朝倉は席に着く…。
「…(スカートがまだ湿ってて気持ち悪い…)」
彼女が着席すると同時に、左後ろの席の夏美がわざとらしくため息をついて窓を開けた。
ちらりと右を見てみると、あやかが迷惑そうにハンカチで鼻をつまんでいる。
「……(お前のせいだろっ…!)」
朝倉は心の中で突っ込みをいれる。
とは言ってもクラスの連中もひとまず落ち着いたようで、なにごともなく
授業は進んでいく…はずだった!
…授業も後十数分で終わるという頃、ソレはやってきた…。
「……(よし、後15分!終わったらソッコー着替えてとんずら!)」
ちらりと時計を見て、小さくガッツポーズをする朝倉。
「わっ…!楓…見て…」
突如、夏美が素っ頓狂な声を出す。
「どうした村上ー?」
先生が何事かと振り向いたがさすがは演劇部、普段から優等生を演じているため無事やり過ごす。
「…それで…なんでござるか?」楓が答える。
「パイナップルのイスの下…」
「あいあい…!!これは汚らしいでござる!」
なんと、朝倉のイスからポタポタと血が垂れているではないか…。
だが当の本人はカウントダウンに必死で気付いていない…。
「…♪(後10分!……アレ?先生が私の……机の下…を…)」
先生がいやらしい目つきで朝倉の机の下を凝視している。
「……(まさ…か…生…理…)」
血の気が引いていくとはまさにこのこと…朝倉は恐る恐る股の下を触る…。
朝倉グッジョブ!
先生はいつもやらしいなw
朝倉まだ初潮きてなかったのか
ハカセ(・∀・)モエッ
618 :
自殺日記:2006/07/02(日) 11:37:28 ID:???
ピリリリ〜♪ピリリリ〜♪
突然、教授の胸ポケットから携帯電話の電子音がなり、大袈裟に驚いてしまう教授
教授はその場で一回深呼吸をし、携帯を強引に取り抜き電話に出た。
「も、もしもし…」
「あ、明石教授ですか…。た、大変です!あ、あ、あ…」
「落ち着かないか!瀬流彦先生。」
瀬流彦のあの慌て方は明らかに異常である。
嫌な予感がした教授は電話を耳から放し、もう一度だけ息を深く吸い込んだ。
「で、どうしたんですか?」
唾を飲み、覚悟を決めた教授。
「…実は…」
向こうも覚悟を決めたようで、淡々と話しだした。
話によると瀬流彦は3ーGで授業をしていた所、突然耳に響くような悲鳴が聞こえ、授業を放り出して悲鳴の音源に向かって一目散に走り出した。
すると突然血の臭いが瀬流彦を襲い、嫌な予感と臭いによって起こった吐き気を必死で堪えながら、臭いの出所に向かう。
「ここだ…。」
3ーAと書かれた表札に窓にべっとりとついた血。
瀬流彦は震えた手を握り、ドアに手を伸ばす。
堀に手をかけることはできた。しかしどんなに頑張っても、ドアが重すぎて開くことが出来なかった。
619 :
自殺日記:2006/07/02(日) 11:38:58 ID:???
別に鍵がかかっている訳ではない。瀬流彦の精神がドアを重くさせてしまったのだ。
ついに瀬流彦はドアから手を放し、そのまま倒れるようにその場に崩れてしまった。
瀬流彦の精神力がこれ以上ドアを開くことを許さなかったのだ。
「無理しなくていいよ。後は私がやる。」
いつの間にか高畑が瀬流彦の横に立っていた。
高畑は微笑みながら優しく瀬流彦の肩に手を置く。
高畑は肩をポンポンと軽く叩き、そのままその手をドアの堀にかけ、開いた。
生存者は一人 柿崎美砂
他の生徒達はみなナイフが喉に突き刺さって絶命している。
この状況にさすがの高畑も思わず手で口を覆ってしまう。
高畑は額に脂汗をたらしながら一人一人死亡した生徒の顔を確認し、柿崎を教室の外へ出し、廊下にいた瀬流彦に
「柿崎を病院に連れて行ってくれ。それと入院中の近衛このか、雪広あやかの様子を覗いて来てくれないか。」
と、あくまで冷静に言い、3ーAのドアを閉めた。
柿崎は歯をガタガタと震わせずっと耳を塞いでいる。
瀬流彦はそんな彼女をただ見ていることしか出来なかった。
うそ…ほとんど死んでるじゃん…ゴクリ…
>>614 湿った股間から流血しながら小さくガッツポーズを取った朝倉想像してワロスw
楓の反応も見たかったが先生の反応には吹いたwGJ!
全員死んでちゃ話にならんから多分話が戻るんだろうな
それはそうとよく四天王を殺せたなw
>>616 いや、ただ先生が朝倉の股間から血が出てるのを、生理と勘違いしただけだろ?
>>622 確かに。
いや四天王以前にエヴァも殺ったのか?
さよは誰が何しようと無駄だろうけどね。
>>624 エヴァンジェリンはしぶといから何しても生きてそうな気がする
あと茶々丸を壊すのも大変そうだよな
さよはもう死んでるから手の出しようがないよな
627 :
自殺日記:2006/07/02(日) 22:03:31 ID:???
柿崎を病院に送った瀬流彦は高畑に言われた通り近衛このか、雪広あやか両名の病室を覗きにいく。もちろんお見舞いという形で会ってもいいのだが、担任でもない教師がお見舞いと言うのも変かと思った結果だ。
外から望遠鏡で近衛このかの病室と雪広あやかの病室を覗いている。
これでは変態かストーカーだ。誰かにこんな姿を見られたら間違いなく通報されるだろう。
二人とも起きてテレビを見ていたり、読書をしていたりしているようだ。
どうやら二人に害は及んでないらしい。
話は変わるが、彼女たちは神楽坂明日菜が自殺したことをまだ知らない。
教師一同、今の彼女たちの精神を考慮しての結果だ。
もし今知らせてしまったら、おそらく彼女たちの心に大きな傷をつくってしまうだろう。
しかし実際のところ、なぜ二人がこんな目にあったのか、なぜ明日菜が死んでしまったのか
色々と分からないことが多い3ーA
しかも担任ネギ、最強の魔女エヴァンジェリン失踪、そして今回の生徒惨殺
一体3ーAはどうしつこんなに荒れてしまったのか…
瀬流彦は彼女たちの様子を見て安心し、帰ろうと振り返ろうとする。すると
「あれは…。」
あやかの隣りの病室になにか見覚えのある人形が飾ってある。
瀬流彦の記憶が正しければ、その人形はエヴァンジェリンの人形『チャチャゼロ』であった。
628 :
朝倉いじめ:2006/07/03(月) 00:26:24 ID:???
>>614 「おい、朝倉…(ハァハァ…もうエッチしてもいいってことだよなァァァ)」
先生が"心配そう"に声をかける。
「うぅっ…ごめんなさいっ…!」
そう言って朝倉は勢いよく席を立つと、泣きながら教室を飛び出していった…。
「…ナニアレー?ついに気が狂ったぁ?」「スカートの尻の部分血で染まってたっていうことは…」
「つーか生理だよねアレw」「きゃはは…ダッサーいww」
教室がざわつき始める。ほとんどの者は、スカートの血を見てすぐにピンと来たようだ。
…先生が朝倉の去った後のイスを一瞥する。
「どうしたんだ…?イスに血がついているが…?なんなんだろうなーこの血は…
おい長瀬、この血はどこから出ていたんだ?(ぐひっひ…ついでに言葉攻めといくかw)」
当然、彼は変態教師なのでこの問いの答えは知っている…。あろうことかこの男、朝倉を利用して
"そういうこと"とは無縁そうな楓の反応を楽しもうとしている!
「…さ、さぁー…拙者はちょっと…」楓は顔を赤らめてうつむく…。
「ちゃんと答えてくれなきゃあ先生どうすればいいかわからんではないかぁー
(ハァハァ…かわいい…かわいいぞぉ…楓っち…キミは体は大人だけど心は純粋だからねェェ)」
「ス…スカートの中の…女の子の…ぶぶんか…ら」楓はもう耳まで真っ赤だ…。
「んー?聞こえんなぁー?」彼の興奮はマックスに達していた。その時ッ!!
「ま○こよ先生!…わかった!アイツいいんちょの激しい電気アンマで生理きちゃったんだわww」
アスナである…。このあまりにデリカシーの無い発言には先生どころか3-A全員が呆れた。
「ご、ゴホン…なんだね電気アンマとは!?まさかいじめかね!?(神楽坂はどうしようもないな…萎えた)」
「!!」アスナがハッと口を押さえる。
果たしていじめはバレてしまうのか!?
楓モエスwww
アスナバカスwwww
>>628 さすが馬鹿レッドだ
ボロ出しやがって
セクハラの対象に楓を選ぶとは先生もヤるなw
先生の萎えたにはマジで吹いたw
631 :
自殺日記:2006/07/03(月) 07:04:29 ID:???
コンコン
「どうぞ」
中から若い女性の声が聞こえてくる。
ドアを引くとそこにはやせ細った18歳くらいの少女が上半身を起こしてこちらをみている。
「ああ、瀬流彦先生でしたか。」
「あ…!きみは…」
瀬流彦は絶句した。そこにいた女性は瀬流彦の昔の教え子であった人だ。
しかしあまりの変わり振りに一目見ただけでは誰か気がつかなかった瀬流彦。
「…私あのころと変わっちゃいまして…」
彼女は作り笑いを瀬流彦に向けた。
向けられた瀬流彦はなんて彼女に声をかければいいのか分からず、戸惑っている。
「…フフフ…。無理しなくていいですよ、先生。もう大丈夫ですから。」
「あ、ああ。ごめんね!ハハハハ…!(ハァ…俺ってダメだな…)」
挙句の果てに気を使わせてしまったことに自己嫌悪してしまう瀬流彦。
「それはそうと突然どうしたんですか?」
彼女の言葉に用事を思い出した瀬流彦
「あ、そうだ。そこに置いてある人形なんだけど、どうしたの?」
「ああ、これですか?この前病院で散歩をしてたとき森のなかで拾ったんですよ。」
「森のなか…」
「森のなかで独りぼっちってもの可哀想な気がして…。」
よく見ると人形には所々に素人が裁縫したようなあとが付いている
632 :
自殺日記:2006/07/03(月) 07:07:35 ID:???
「もしかして…持ち主が…」
「え?い、いや大丈夫だよ。うん」
「そうですか…。でも見つかったらいつでも言ってください。やっぱりその方がこの子にとっても幸せだと思うから…」
彼女は人形の頭を軽くなで、ニッコリと微笑んだ。
彼女に別れのした瀬流彦はチャチャゼロが落ちていたとされる森の中へと入っていく。
微かだが血の匂いと油の匂いがする。
おそらく一般人が感じないほどの濃度。
もしものために周りを警戒しながら進んでいく瀬流彦
進むにつれて匂いは段々と濃くなっていく
しばらく行くと『これより先危険。立ち入り禁止』と書かれた立札が立っていた。
立札は木で出来ていたため所々にカビがはえ、字もどうにか読める程度に残っていた
教職員である瀬流彦でさえ知らない未開の地。
明らかにこれ以上進めば自らの命の保証はないだろう。
もはや瀬流彦は進むことも引くことも出来なかった。
瀬流彦から連絡を受けた明石教授は娘の死に悲しみを覚えながらも涙を必死に堪え、携帯を耳に当てる。
「もしもし。」
「教授、どうなされたのですか。」
「刀子さん…、今から大至急病院裏の森に向かってください。」
633 :
自殺日記:2006/07/03(月) 07:09:08 ID:???
「え?しかしあそこは立ち入り禁止区域で私もあそこには何があるのか…」
「…大至急です!!」
教授には珍しい怒鳴り声
刀子は一瞬でことの重要性を悟った。
「わかりました。」
「おそらく瀬流彦くんがいます。よろしくおねがいします…。」
電話を切るとこぼれそうな涙を袖で吹き、また電話をかけ始める。
「もしもし、高畑先生ですか。」
どうやら高畑と電話をしているようだ。
教師は時折悲しそうな表情をしながら電話を耳に当てていた。そして話が終わったのか電話を切ると、また電話をかけ始めた。
「もしもし。」
「シャークティさん。緊急です。今すぐ教会へ来てください。お願いします。」
「…わかりました。」
シャークティは一言だけ言うと、一方的に電話を切った
壁に刺さったナイフを抜き、一枚一枚写真を剥していく教授。
写真を取り終えた教授は、椅子に座り娘の写真をじっと見つめている。
「裕奈…、裕奈…。」
裕奈の写真の上に涙がこぼれる。
ふと前を見ると、目の前には大きな白い十字架が掲げられている
教授はその十字架に向かって熱心に祈り、一言だけこう呟いた。
『裕奈を…娘を…返してくだ…さい』
教会には男の泣き声が五月蠅いほど響き渡った。
シャークティがどう動くか楽しみだ
ハァ(゚Д゚)?
>>636 Yと間違われるなんて驚きだナw
どこらへんがYなのか教えてもらいたいところだwww
いちいち反応すんな
また荒れんだろ
過疎りすぎwww
なぁに夏休みになれば厨が溢れかえるさ
ちょっとネタ思いつきました!
麻帆良学園に悪魔の国の連中が襲ってくるっていうのはどうでしょう
しかも超のせいで
相変わらずサドスティックだなこのスレ
サディスティックだろ
いやサムスティックだよ
648 :
自殺日記:2006/07/03(月) 23:59:19 ID:???
数時間前
「駅はどうだ!?」
「い、いえ。それらしき人物はいません。」
「学園都市、世界樹公園は!?」
「こちらも同様です。」
「こちらもです。」
「じゃあ学園内、病院、図書館島内は!?」
「学園内、病院ともに発見出来ません。」
「図書館島、内部構造をねじ曲げる魔法と強力な魔法バリアがあるため確認が取れません!」
「なに!誰だ!図書館島にバリアなど貼ったのは!」
「おそらくサウザンドマスターかと…」
「ちっ…あの方も余計な事をしてくれる」
ここは魔法で出来た秘密の部屋 島監視連絡室
もちろん魔法教員の一部だけしかしらない秘密の部屋だ。
この部屋は島中に特殊な大気を流し、魔法により大気の変化を常時観察するという特殊な部屋である。
この装置を使えば人から発せられる振動、熱、波を検索し、人物の居場所を特定することが出来るのだが…
「どうしてひっかからない!もうすでに三日も経っているんだぞ!」
おそらくここの指揮官であろうガンフィールドが偉そうに怒鳴り散らしている。
彼が怒鳴ってしまうのも無理はない。
3ーA担任ネギ・スプリングフィールド 六日前に失踪した異例の子供魔法先生である。
649 :
自殺日記:2006/07/04(火) 00:00:37 ID:???
日本にはこんな言葉がある。
『目で見るのではなく、感じるのだ』
いわゆる『無我の境地』というものである。
この機械はまさにそれなのだ。監視カメラのように姿を写すのではなく、存在を示す。
これで見つけられない人はいない。おそらくガンフィールド達は驕っていたのかもしれない。
しかし実際は子供一人見つけられない無能。
信じていた魔法に裏切られた瞬間であった。
「仕方がない。私はこれから図書館島へ向かう。君達はこれまで通り捜索を頼む。」
ガンフィールドは後のことを諜報員に任せ、背を向けさっさと歩いていってしまった。
無我の境地と聞くとテニヌの王子様を真っ先に思い浮かべてしまうから困る
千鶴いじめられ→白葱老婆【シモニタ】発動→千鶴反撃
朝来て千鶴は机を見てまたしょげる。
千鶴の机にまたいたずら書きがされていた。
むしろ、最早書きではなく彫りだった。
【那婆】【鬼子母神】
懐の広い千鶴は初めのころは流していたが、
余りにもしつこい為最近眠れないようになって困っていた。
「はぁ、しつこいわねぇ・・・。」
「どうされました?千鶴さん?」
「あ、あやか?これ・・・。」
「・・・ごめんなさい、急用思い出しましたわ。」
そういうとあやかは走って逃げた。
「おかしいわね。」
千鶴は後を付けた。
休み時間ずっと尾行していたが、
昼休みにあやか、のどか、明日菜は体育館裏に行った。
追いかけた千鶴が見たのはあやかの優しい心だった。
「二人とも、もうやめてあげてください。お願いします!
千鶴さんが何をしたんですの?」
邪悪に支配されたような明日菜とのどかは鼻で笑った。
「別に。ただ、暇だから。」
「そうですぅ。それに胸ありすぎなのと、顔がばばぁですぅ。
名前は那婆のほうが似合っているですぅ。」
652 :
マロン名無しさん:2006/07/04(火) 01:37:58 ID:WF56QrUy
>>643 7月4日、晴れ。今日もいつも通り皆さんとの楽しい一日が始まるはずでした。
「…いやー今日も暑いですねー…日本の夏はいつもこんなに暑いんですかー?」
いつも通りの朝のホームルーム。ネギは世間話を交えつつ朝の連絡事項を伝える。
「それでは今日も暑いけど皆さん頑張りましょう!ではいいんちょさん号令をば」
あやかも元気よくそれに答えて返事をする…その瞬間!!
ドォォォン…バリーーーーンッ!
「ナニコレ…?血ぃ…?」「めだ・め…目玉……?」「ひゃっ!?なんか顔についた!!」
激しい衝撃音とともに窓が割れ、何かが顔に飛んできた。
なんだろう…窓側の席の少女達にびちゃりと付着した"モノ"。
「あ…あ……あぁ…夏美…殿…!!そんな…ッ」
もっともその"モノ"の付着が激しい楓が狼狽する…。あの楓が…。
だが、反応できているだけマシだったと言えるだろう…。
ほとんどのものがこの事態を理解できずにいた…。
なぜなら夏美が消えていたのだから!!
『ぐぇぇぇぇえっぇえええっへっへっへ!!人間だ!それも女の子!ァァッヒャッヒャ!』
気付くとそこ…夏美が座っていた場所には身長2mはあろうかという異形の人間?いや!悪魔がいた!
『ウヒヒレハイオ!…ン?勢イアマって一匹踏んづけちまっタ!チョメ♪』
床に血が広がってゆく…。
「「「「キャァァァァァァッァァァァァァッツッツツツ!!!」」」」
だんだんいじめじゃなくなってきたな。
まぁ面白いから別にいいけど。
>>654 今更それを言うか。
いじめスレではもはや号令だろ
ネギ「すべて―――平等に価値がない!」
657 :
自殺日記:2006/07/04(火) 16:21:47 ID:???
658 :
自殺日記:2006/07/04(火) 16:23:18 ID:???
ガンドルフィー二は図書館島へとむかう道を独り歩いている間、一連の不審な事件について考えていた。
近衛このか、並びに雪広あやかの事件。エヴァンジェリン、絡繰茶々丸、ネギの失踪。あまり知られていないが、あの古菲の退部。そして神楽坂明日菜の自殺。
全てが一本の糸に繋がれた事件のような気がしてならない。
「あ、こんにちはガンドルフィーニ先生。」
―え?
突然、聞き覚えのある少女の声が彼の耳に入る。
目の前にいたのは、問題の3ーAの生徒 桜咲刹那
そういえば彼女は烏族関係のことで京都の詠春の所へ出張に行っていたことを思い出したガンドルフィーニ。
「ああ、刹那くんか。いま京都から帰ってきたのかい?」
「はい。…先生は今からどちらに?」
「いや、ちょっと図書館島に…」
ガンドルフィーニは少し考え、なにかひらめいたようであまり見慣れない笑顔を刹那にむけた。
「刹那くん。訳はあとで話す。ボクと一緒に図書館島へ行ってくれないか?」
「え?図書館島ですか?………わかりました。…理由はともあれ、お困りならば。」
かなりの無茶な要望にに快く返事をする刹那。
659 :
自殺日記:2006/07/04(火) 16:25:48 ID:???
「それじゃあ行こうか。」
「はい」
刹那は歩いていく。今頃自分のクラスメートたちが惨殺されていることも知らずに
そして話は戻る
ひと通り調べ終わった高畑は教室を出て、一回だけ大きく空気を吸い込んだ。
懐から煙草を取り出し、煙草を一本取り出す。
「…!!」
煙草を口に運んだ瞬間、自分の手が思った以上に震えていたことに驚いてしまった。
煙草に火をつけ、煙を吐きだすと、高畑は思わず笑ってしまった。
「フーッ…、私も老いたな…。」
ふと昔の自分を思い出し、思わず手を震わせてしまった自分を失笑してしまう。
ブゥゥゥ〜♪ブゥゥゥ〜♪
高畑の携帯のバイブレーターが音を立てる。
高畑は煙草の火を消すと、懐から携帯を取り出し電話に出た。
660 :
自殺日記:2006/07/04(火) 16:26:47 ID:???
「はい、高畑です。」
「あ、高畑先生ですか!明石です。」
「ああ、明石さん。どうなさりました?」
「瀬流彦先生から話は聞きました。…私の娘は…。」
高畑の脳裏に生徒たちの死に顔が次々に浮かび上がる。
まるでなにかを確認するように…
「残念ながら…。」
「そう…ですか…」
明石教授がどんな心理状態なのか容易に想像できる。
「…それで、なにか判りましたか?」
あくまで冷静さを保っているが、明らかに動揺している。
まぁ自分の娘を殺されて冷静でいられるはずがないのだが…
「…はい」
高畑は自分が判る限りのことを全て彼に話した。
これが少しでも彼の役に立つのならば…
島島島島島島島島島島島島島島島島島島島
10/19
今日は朝、机の中に爆竹が仕掛けられた。
さすがに容赦がない。
でも今日は嬉しい事もあった。
このかやいいんちょ、のどかちゃんが私を慰めてくれた。ネギが奴等に怒ってくれた。
でも頼られてばかりじゃダメなんだよね
私、強くならなくちゃ
続きwktk
みなぎってきたGJ!
ニコニコせっちゃんかわいい
>>606 チャチャゼロ残酷編10 後編
ヒロシマのニュースを聞いたその時、彼はOh, weh!(ああ、何たることか)と呻いた。
彼があの時あの手紙にサインをしたのは、ニホンに原爆を落とすためではない。
ナチスが先に原爆を完成させることを恐れてのこと、だったのに――
彼の名は、アルベルト・アインシュタイン。
質量がエネルギーそのものに変換しうることを初めて世に示した人物。
舌を出したおどけた表情の写真で有名だが、しかしあの表情は普段の彼のモノではない。
たった1度きり、誕生日にしつこく言葉を求めた記者たちに対して向けた、珍しい表情。
本当の彼は、ヒロシマとナガサキの爆発に心痛め、平和運動に力を注ぐ真面目な人物。
科学の発達が必ずしも人類の幸せとはならぬことを、最も強烈に自覚した人物の1人。
彼のその小さな呻き声をもって、科学万能信仰は、トドメを刺されたのだ。一般的には。
……そんな彼を胸に抱くには、葉加瀬聡美は少し能天気過ぎたのかもしれない。
彼の嘆きを理解していれば、こうも無防備に兵器開発などには手を出さなかったろうに。
白衣の合間から、舌を覗かせたアインシュタインが笑う。
巨大なホールのように広く巨大な耐爆実験室。
その中央近くで、聡美は小型端末を片手に、「実験」の準備をしていた。
聡美の頭上には、しがみ付くようにして乗るチャチャゼロの姿。
「はい、では始めますよー。『田中さん』たちは、コッチで大まかな指示出しますねー。
今回は寸止めでなく完全破壊で。敵チームを抵抗不能にした方の勝利ですー。
では、『田中さん』vs茶々丸、戦闘開始ー!」
聡美の右の方には、臨戦態勢の茶々丸。左の方には、『田中さん』が5体。
まるで試合のレフリーのように、聡美が手を振り上げて……戦闘は、始まった。
片や、巨漢体型の新型機・T−ANK−α3が5体。片や、女性型で先行試作機である茶々丸。
数でも体格でも新しさでも、一見すると茶々丸の方が不利かと見えたが……
「田中さんビーム、一斉射撃!」
聡美の指示を受け、5体の「田中さん」が破壊的な閃光を口から放つ。
何本ものビームが茶々丸を包み込むように放たれ、上下左右どちらにも避ける余地はない……
……かに見えたが、しかし身をよじるようにして茶々丸は床を蹴る。
ジェット噴射で低空飛行。床と平行に飛ぶことで被弾面積は最小。ビームの嵐の中を潜り抜ける。
そのまま一気に距離を詰める。女性型ならではの、圧倒的な速度の違い。
「田中さん」たちが気付いた時にはもう既に、1体の懐の中。
「…………」
茶々丸は無表情なまま、「田中さん」に拳を叩きこむ。ゼロ距離でのロケットパンチの炸裂。
その硬い装甲を突き破り、茶々丸の拳が「田中さん」の腹部を貫通、1体を破壊する。
開始の合図からまだ数秒も経ってない。
仲間の「死亡」にも動じることなく残る4体の「田中さん」が反撃するが、これも掠りもしない。
また1体、今度は茶々丸の目から出たビームに頭部を貫かれ、機能停止する。
「す、すごい! 速度が格段に上がってます! チャチャゼロさんの予想通り!」
手元の小型端末にリアルタイムで出てくる各種データに、聡美は歓声を上げる。
今回「外してみた」茶々丸の「人命尊重の基本ルール」。
本来は、命に関わるような損傷・障害の残るような損傷を負わせぬための安全装置だったが……
このプログラム、実は戦闘の際にはかなり「邪魔な」ものではあった。
茶々丸の高度な人工知能が出した「行動予定」を常にチェックし、繰り返し再検討を要求する。
結果として反応は一瞬遅れることになる。その一瞬が、達人の世界では勝敗を分ける。
またこのプログラムは相手が「田中さん」のように「人間そっくりなロボット」の時にも邪魔をする。
相手が「人間ではない」と「分かっていても」、何度も再検討せずにはいられないのだ。
元々採算度外視の「茶々丸」と量産性重視の「田中さん」では性能差があったが……
それにしても、である。
「マア、当然ダナ。コレクライ出来ル能力ハ元カラアッタゼ。妙ニ甘イ所モアッタケドヨ」
聡美の頭上で、ゼロは笑う。
笑いながらも、しかし茶々丸の真の性能に、改めて驚かされていた。
武装こそ抑えられているが、下手すれば幻想空間での戦いの時よりもいい動きをしている。
プログラム的に「躊躇」や「罪悪感」に近い要素を「外す」だけで、これだけの怪物に化けるのか。
「……コリャ、魔力戻ラネェ限リ、現実世界ジャコイツニハモウ敵ワネーナァ」
ゼロは内心嘆息する。もう二度と茶々丸があんな隙を見せることはあるまい。
つくづく、あの場で決着がつけられたことに感謝する。
つくづく、あの場で茶々丸を「縛る」ことに成功したこと感謝し、改めてほくそ笑む――
「田中さん、ロケットハンドで捕捉を……ああ、だめですかー」
頭上のチャチャゼロの心も知らず、聡美は「田中さん」たちに指示を飛ばす。
しかしまるで効果がない。茶々丸の強さがケタ違いだ。
ビーム主体の戦い方からロケットパンチ主体に戦闘スタイルを変えるが、まるで捕らえられない。
1体がまた破壊され、残る2体ももうボロボロ。
それぞれ両腕を失った2体の「田中さん」が、軋みを上げて倒れこむ。
まだ完全機能停止とは行かないが、中破状態でとても戦えない状況。茶々丸の勝利だ。
「ここまでですかー。ま、いいデータ取れたから、良しとしましょうかねー。
あー、茶々丸ー、戦闘モードを終了して……」
「……T−ANK−α3の脅威度、いずれもレベル1に低下。
引き続き、脅威度が低いと判断し後回しにしていた対象への攻撃に移行します」
「――へ?」
茶々丸の無機質な言葉に、聡美は間抜けな声を上げる。
……次の瞬間、茶々丸の目からビームが放たれ……聡美の手元の小型端末が、貫かれる。
小さな、しかし強烈な爆発。端末を持っていた聡美の左手が、もろともに吹き飛ばされる。
「……え? は!?」
聡美は訳が分からないといった表情で、自分の左手を見つめる。
綺麗に手首から先が失われた左手。飛び散った肉片。メガネや白衣にも、赤い血が飛び散る。
痛みを感じるより先に、混乱が聡美の心を埋め尽くす。
ぼんやりと、「ああ、貴重なデータが入ってたのに……!」などと考える聡美。
まだ、自分が傷つけられたという事実そのものが、認識できない。
「――T−ANK−α3への指令ユニット破壊を確認。脅威度低下。
しかしまだ抵抗力を残している模様。戦闘を続行します」
「あ――!」
茶々丸の無機質な言葉に、聡美はようやく思い至る。
茶々丸から「外してしまった」人命尊重の上位コマンド。そして、模擬戦開始時の曖昧な指示。
『『田中さん』たちは、コッチで大まかな指示出しますねー』
『敵チームを抵抗不能にした方の勝利ですー』
要するに茶々丸は、聡美をも「田中さんチームの一員」「倒すべき対象」と見なしているのだ。
しかも一切の慈悲や躊躇を「外された」、狂った殺人機械の状態で。
聡美の表情に、ようやく恐怖の色が浮かぶ。
「ひッ……! ちょっ、茶々丸、緊急停止! ……って、ああッ!?」
慌てて聡美は茶々丸を止めようとするが……
その、万が一の時は緊急停止もできた小型端末は、既に自分の左手と共に木っ端微塵。
右手で何も無い空中を押す動作をして、初めてその事実に思い至る始末。
今頃になって、ようやく左手の痛みにも気付く。激しい激痛。溢れ出す血。
聡美は、リアルに己の死を直感する。
己が作った「兵器・茶々丸」を、初めて「怖い」と感じる。
核のような大量破壊兵器が、現実問題としての使用がまずありえない現在。
この茶々丸のような限局的な兵器は、世界を変えうる。
初めて聡美は、己が「開発してしまった」兵器の意味を自覚し、恐怖する――
「た、『田中さん』、茶々丸を止めて……! 誰か、誰でもいいから、茶々丸を……!」
「抵抗の意志を確認。攻撃を続行します」
聡美が震える声で呟くが、既に中破状態の「田中さん」に、茶々丸を止める力などありはしない。
そして暴走状態の茶々丸は、その聡美の声さえ聞き逃さない。
茶々丸の目が光る。ビームが放たれる。
咄嗟に聡美は身を捻って避けようとするが、しかし素人の聡美に避けきれる訳が無い。
身体への直撃はなんとか避けたが、またしても左腕をビームが貫く。
今度は上腕。肘と肩の中間あたりを光が貫いて、聡美の細い腕はあっさり千切れ飛ぶ。
手首がない腕が、ボトリと地面に落ちる。
ようやく聡美は、悲鳴を上げた。大きな声を上げた。
「い……いやぁぁぁ! 誰か、誰か助けて……!
お願いだから、何でもするから、お礼ならするからッ! だから、だから誰か、誰かッ……!」
聡美は半狂乱になって叫ぶ。
腰を抜かしその場に尻餅をつき、無表情で近づいてくる茶々丸に恐怖しながら、大声で叫ぶ。
……しかしこの部屋は、爆発をも伴う実験のための、耐爆実験室。
ちょっとやそっとの爆発では外部に影響が出ないよう、防音対策もバッチリだ。
たった1人で借り切って使っていた聡美の声を、聞く者はいない。
無表情のまま、迫る茶々丸。怯える聡美。
ゆっくりと伸びてくる関節剥き出しの手に、聡美は、死を覚悟して――
「――聞イタゼ。後カラ知ラネーッテ言ッテモ、聞カネーカラナ」
それは、唐突に。嘲りを含んだ耳障りな声が、聡美の耳を打つ。
同時に飛び出す小さな影。驚くほどの速度。
そのままシュルリと巻きつくように、茶々丸の身体を登って。
茶々丸の後頭部にくっつくと、そこで「何かを」素早く行う。
途端に凍りついたように動きを止める茶々丸。
「……『ゼンマイ』ニナ、チョット細工シタゼ。コレデモウ、コイツハ動ケネェ。
コノ『ゼンマイの穴』、改良ガ必要ダナ。ケケケケッ!」
チャチャゼロだった。
実験に熱中し、茶々丸の恐怖に呑まれ、すっかり聡美が存在を忘れていたゼロだった。
聡美は腕の痛みも忘れ、命の恩人を見上げる。魅入られたように、ぼんやりと見上げて――
――翌日。月曜日の朝、久しぶりに登校してきた3−Aの生徒たちは、驚いた。
欠席の多さに対して、ではない。また包帯でグルグル巻きの亜子の姿に、でもない。
それらについては既に知っている。彼女たちを驚かせたもの、それは――
「ちょ、ちょっとハカセ、その左手何なのよ!?」
「メカ!? ロボット!? 何それ、なんかカッコいいよー!?」
「アハハ……。ちょっと実験中にミスしちゃいましてー」
能天気なクラスメイトが騒ぐ中、聡美は力なく笑う。笑いながら、そのゴツい「左腕」で、自分の頭を掻く。
――そう、聡美の身体には、失われたハズの左腕がちゃんとあった。
ただし生身の腕ではない。聡美自身の腕よりも2回りほども太い、力強い機械の腕。
それが、左肩あたりから残された左腕の断端を包み込むようにして、身体に固定されている。
「昨日ですねー、ビーム兵器の実験中、左手無くなっちゃったんですよー。完全に私のミスでしたー。
それでー、片腕だと色々不便なんでー、研究中のサイボーグ技術を私の身体でですね……」
「は、ハカセ、それって大丈夫なの!? てか左手無くしたって……!」
「流石ハカセ、本物のマッドサイエンティストですー!」
本気で心配する明日菜、能天気に喜ぶ鳴滝姉妹。
クラスの面々も、心配する者が半分、ハカセの態度や技術に呆れつつ喜ぶのが半分、といった所。
――そんな中、聡美は自分を射るように見る視線に気付き、ビクリと身体を震わせる。
恐る恐る聡美が伺った、その先に居たのは……茶々丸と、その頭上に居座るチャチャゼロ。
茶々丸は相変わらずの無表情。ゼロは相変わらずの不気味な笑顔を張り付かせている。
「……どうしたの、ハカセー?」
「い、いえ、何でもないですー。
コレ、『田中さん』の腕を応急的に改造して作ったんですけどー、いずれ作り直したいですねー。
もうちょっと細い、女性型の腕にして、もう少し器用さ重視で。どうせだから、多機能搭載で……」
聡美は慌てて誤魔化す。
不審を抱かれてはならない。この「不用意に結んだ無期限契約」のことを、他者に漏らしてはならない。
それが、「何でもするから助けて」と言った聡美に対し、ゼロが命じた命令の1つだった。
言霊。
言った言葉は現実化する。口にした言葉には縛られる。そういう思想、そういう信仰。
魔法の基礎と言うべきか、魔法の原型とでも言うべきか。
呪文のような確実性や安定性は無いが、しかし状況次第では下手な呪文よりも強烈な「魔法」。
チャチャゼロはソレを最大限に利用し、聡美を茶々丸に次ぐ自分の「奴隷」と化していた。
死の恐怖に揺らいだ聡美の心の隙を見逃さず、深く深く、楔を打ち込んでいた。
たとえそれが、ゼロが描いた茶番劇であったとしても。茶々丸が演じた、茶番劇であったとしても。
あの時の聡美の恐怖と、あの時の聡美の感謝の気持ちは本物だったから。
ゼロが予想していたよりも遥かに「都合のいい」言葉を、勝手に聡美が口走ってしまったから……!
「……機械の腕、か。流石はハカセだな」
不意に、聡美の背後から声がかけられる。今まで話の輪に入ってなかった、ある人物の声。
聡美は作り笑いを浮かべたまま、そっちの方を振り返る。
「まあ、そういう研究もしてましたからー。丁度いい機会かな、って……って、あれ?」
「そのサイボーグ技術、腕以外もあるのかな? だとしたら――」
淡々とした言葉。聡美はゼロたちからのプレッシャーとは違う意味で、言葉を失う。
なぜなら、その人物の姿は、……
NEXT TARGET → ???
ワックワック(゚∀゚)!
龍宮かな!?
だ、誰だよ!?
続きwktk
673 :
自殺日記:2006/07/04(火) 22:42:08 ID:???
時々思う事がある。
このまま目が覚めずに死んでくれたらどんなに楽だろう。
やはり生きるという事はかなり大変だ。
私でもこう言うのだ。自殺者が年々増えていくのも納得してしまう。
「……ナ……ア…な…。」
ああ、もう楽しかった時間が終わる。同時に…
「あ………す…。」
今日はどんな事されるんだろう…。あんまり痛いのは嫌だな…。
「あす…あ…な…。」
どうか神様…夜が早く来ますように…
「アスナ〜、もうそろそろ起きんと遅刻するで…。」
木乃香が眠い目をこすりながら、明日菜の体を強く揺らし、モーニングコールをしている。
木乃香としても明日菜をこのまま寝かせてあげたいとは思ったが、彼女たちの命令には逆らえない。逆らえばその瞬間、クラスの敵になってしまうのだ。
彼女が明日菜を起こせと言えば、毎日無理にでも起こす。彼女が明日菜を学校に連れて来いと言えば、尻を叩いてでも連れて行く。
木乃香は身のために明日菜を売った最低な女だ。
それを自覚していた自分自身も自分が大嫌いだった。
「んー?」
「あ!明日菜やっと起きたんかいな〜。早く朝ご飯食べて学校いこう。」
674 :
自殺日記:2006/07/04(火) 22:43:06 ID:???
私には学校へ行かなければいけない理由がある。
前に一度だけ熱を出して休んだ時、木乃香は泣きながら部屋に帰ってきた。
どうやら明日菜を連れてこなかった責任と言って暴力をふるわれたらしい。
木乃香は自分の様に腕力もなければ、図々しさも持ち合わせていない。
明日菜なら殴られたら有無も言わず殴り返すが、木乃香にはそんな事が出来るはずがない
なら私が木乃香の盾になればいい。
私が学校へ行けば、木乃香が傷つくことはない。
なら私は喜んで学校へ行く。
まぁ、そんな理由だ。
朝食を食べた二人は学校の準備をし、あのころより三本早い電車に乗って学校へ行く。
ネギはいない。朝は古菲との武術の練習だ。
実を言うとネギは明日菜がクラスで苛められているのを知らない。
おそらくまだ子供だからだろう
そこら辺の事情に疎いのだ。
それに明日菜も子供のネギに助けを求める気はさらさらなかった。
さすがに子供に助けを求めるほど、明日菜は墜ちていない。
明日菜のせめてのも意地であった。
学校につくと、私にはまずやらなければいけないことがある。
それは上履きのなかに入っている物に気をつけることである。
675 :
自殺日記:2006/07/04(火) 23:03:58 ID:???
よく昔の漫画でバレリーナの練習靴のなかに画鋲を入れるというイジメがあるが、彼女のときはそんな生温い物じゃない。
最初に入れられたのはたしかガラスの破片であった。
明日菜は知らずのうちに、靴を履く時は必ずなかの砂や小石を叩き出す癖があるので、大概こういう罠にはひっかからない。
しかしガラスの破片は靴の生地に深く絡み付き、なかなか靴を叩いても落ちてこない。
明日菜はまだ破片が残っているのを知らずにその靴を履き、足に大けがをおってしまった。
それ以来彼女は靴の中を何が入っているか確認してから履くようにしている。
すると奴等は案の定、靴の中に蜘蛛やらサソリの尻尾やら平気で入れて来るようになった。
(ちなみに後で調べたのだが、サソリの尾にはまだ毒が残っていた。)
明日菜はいつものように上履きの中をそっと覗いて見る。
「あれ…?」
なんと今日は珍しくなにも入っていない。
明日菜は安心して、上履きを履く。
しかし隣りにいた木乃香は何か嫌な予感がして仕方がなかった。
ガラッ
明日菜が教室に入るとクラスにいる全員が一斉にこちらを見て、まるで興味のない物を見てしまったように、冷めた顔で目線をそらす。
676 :
自殺日記:2006/07/04(火) 23:05:24 ID:???
これはいつものことでもう慣れた。
明日菜は自分の席に座ると、数学の教科書を開き、勉強をし始める
少しでも孤独感から目を逸らすためだろう。
しかしこういう時でも奴等からは平気で野次は飛んで来る
「あれ〜?バカレッドが勉強してる〜。」
「しょうがないよ。だっていい点取らないと、ネギ君にシカトされて相手にされなくなっちゃうもん。」
「まじキモイな。ショタコン。早く学校辞めて幼稚園児でもストーキングしてろよ。」
「馬鹿は勉強しても時間の無駄。見苦しいんだよ!」
明日菜にわざと聞こえるように飛んで来る奴等の罵声。
だが今は相手にするのも馬鹿らしく思えてくる。
スッ…
「…?」
突然、背後から誰かが明日菜の机のなかに何かを入れてきた。
明日菜がそれに気づき後ろを振り向くと後ろの席で春日がニヤニヤと気味の悪い笑顔を浮かべている。
「明日菜!危ない!」
「えっ…?」
振り返った時にはもう遅かった。
パンッ!
え…?
パンッ!パンッ!パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ!!
キャアアアアアア!!
明日菜の悲鳴とともに何かの破裂音が教室を支配する。
ハハハハハハハ!!
それに続くように奴等が大声で笑いだす。
これまたおもしろい!GJ!
大作の予感
期待
大作過ぎて今度も未完の悪寒
今回の茶々ゼロは葉加瀬が悪いと思うんだけど皮肉な話だよな
そうですね…今回はハカセが悪いでしょう
人は気持ちで動いているんだということを知って欲しいです
てかいろんなバリエーション繰り出してくるのがすごい
誕生日ネタは楽しみだったんだが、さすがに今回は無いか…orz
―3-A、朝のホームルーム
「…以上です、今日はいいんちょさんのお誕生日ですねー!おめでとございますー!皆さん拍手ー☆」
ぱちぱちとまばらな拍手がなる。皆興味も無いといった様子だ。
「!まぁぁぁあぁネギ先生からお祝いしていただけるなんて…!
もうこの雪広あやか、いつ死んでも悔いはないですわーーーーーー!」
あやかがあまりのうれしさに興奮する。実にかわいらしい!
「…じゃあ死ねよ」ぼそりと誰かがつぶやく。
「え…あ…」あやかがあえぐ。
「どーせ私達なんてどーでもいいんでしょ。金持ちだし。ネギから祝ってもらって良かったわねー」
アスナがさらに追い討ちをかけた。
「そ、そんな…こと…」言葉に詰まるあやか…。
「金持ちは皆死ねッ!(タムケン風)」「誕生祝に死をプレゼントしてやろうかww」
「いーーね!いくら金持ちでも死は買えないだろうしww」
まことしやかにとんでもないことを言い出す生徒達。
「み、皆さん!そんなこと言うのはやめてください!!」
ネギが大きな声で訴えるが静まりそうにない。
「ネ・ネギ先生…私…うぅ…」
あやかは今にも泣きだしそうだった…。今まで他人に強いことを言われたことの
無いあやかは意外に打たれ弱い。
「ひっぐ…ネギ先生…私…どうしたら…」
「…じゃあ死んでくださいー。あうー」
あやか誕生日記念fin…
超グッジョブ!
オチにワラタw
>>685 お約束な展開ながらマジで吹いたw
GJ!
>>685 誰だ!タムケン風に言った奴はwwwwwGJ!!
今日は自殺日記ないんだね
キーーンコーーンカーーンコーーン・・・・
「朝のHR始まりますわ!皆さんネギ先生を困らせないために迅速にかつ静かに席に着くのですわよ!」
「いいんちょネギ先生のことそんなに好きなの?」
「もちろん!誰にもこの愛は負けませんのよ!」
ガラッ!!
「あネギ君おはよーっ」
「んまああネギ先生おはようございますですわーーー」
ピシャンッ
「え?ネギ坊主・・・怒ってる・・?」
「あ”!?」
生徒一同ビクッ
「ネギ・・・あんたどうかしちゃったの?」
「おうこら神楽坂ァ・・・敬語使えやボケ!オレはおめえらより立場うえなんだよ!」
「ひい・・・」
「ちっどいつもこいつも・・・ブツブツ・・・出席とるぞコラ」
「相坂」「明石」・・・・・・「四葉」「ザジ」「以上だな・・・」
「あ・・あの・・・ネギ先生・・?」
「なんだ雪広」
「わたくし呼ばれてませんわ・・・」
「いちいちうっせーな・・・」
休憩中
「ネギ君おかしいよ!」「あやかだいじょうぶ?」
「いいんちょ・・・」「みんなでネギを元通りにしよう」
「どうやってよ?すんごい怖かったじゃない・・」
「・・・」
「ひそかに反抗するとか」
「あ、いいかもーー」
こうして微妙にネギイジメフラグがたちましたとさ。
イイ(・∀・)!
いいんちょ萌えになりそうだ…w
ってかネギイジメかよw
出席無視と腹パンはイジメスレ伝統だな
でたwキチ○イネギw
前に、スリップノット好きのネギとかいたよなwww
あれはマジで面白かったwww
466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2005/08/04(木) 11:44:19 ID:Ps83oFkw0
〜次の時限 英語の授業中
ネギ「…Oh,please touch my hips…えーと、この英文をですね、えへへ、桜子さん訳してください」
いいんちょ「ネギ先生、それはセクハラだと思います」
ネギ「あー…バレましたか…じゃあいいです…えーと今教科書何ページでしたっけ?」
いいんちょ「不思議の国のアリス の最初のページです」
ネギ「あ、夢オチですよこれ、夢オチ。ぶっちゃけアリスが起きて終わりです。
どうせみなさんはハンプティーダンプティーしか覚えませんし、今日は特別教材として
僕も大好きなスリップノットの歌詞カードを印刷してきました。これを訳していきましょう」
いいんちょ「先生、日本語訳も一緒に印刷してあります。訳してないのはタイトルのIOWA だけですが」
ネギ「…」
ネギの沈黙がいいw
>>670 チャチャゼロ残酷編11 加速する惨劇
……少し、展開を急ぎすぎたかもしれない。
次の事件を語るには、月曜の朝、葉加瀬聡美が機械の腕と共に登校する前。
日曜日の午後に、話を戻す必要がある。
――女子寮の食堂の厨房の一角。
その日彼女は、夕方にもなろうかという頃、ようやく己の仕事を終らせた。
「すまないねぇさっちゃん。でも、本当にいいのかい?」
せっかく作った料理ですから。食べて貰えない方が悲しいです。
「それもそうなんだけどね」
食堂のおばさんの問いかけに、ニッコリ笑って応えたのは、四葉五月。
ふくよかな体型をした、3−A最高の料理人だった。
その日の食堂のメニューは、ちょっとばかり豪華な品揃えで。
一品料理からデザートに至るまで、普段は出てこないメニューがいくつも並んでいた。
空振りに終った、和泉亜子の退院記念パーティ。
その際、食べられることもなく余ってしまった沢山のご馳走。
五月は料理人として、その大量の料理を無為に捨てることができなかった。
そこで、無理をお願いし、食堂の料理として寮の住人に出すことにしたのだった。
もちろん、無償。金を取ればかなりのモノになる品々だったが、五月の主眼はそこにはない。
せっかくのご飯を無駄にしたくない、ただその一心。
そして料理が全てはけるまで、無償で食堂で働き続けて……
ある意味、1人で会場を片付けた史伽より、大変な仕事だっただろう。
けれども彼女はその疲れも見せずに、ニッコリと笑う。
四葉五月。「さっちゃん」の愛称で親しまれる、心優しい料理人。
あの「超包子」の人気も、五月の腕とレシピがあってこそのものだ。
美人とか美少女とかからは程遠い彼女だが、しかし彼女を嫌う者は1人も居ない。
誰からも愛される麻帆良の「おふくろさん」、それが五月だった。
太陽が沈む。太陽と入れ替わりに、綺麗な満月が顔を覗かせる。
麻帆良学園の広い道には街灯が灯り、しかし人気はまばらだ。
昼のうちに仕入れを済ませておきたかったんですけどね。
早く帰らないと。最近は色々と物騒ですし……
五月は呟く。その手には野菜が大量に抱えられ、肩にはクーラーボックスまで下げている。
明日も朝から「超包子」の面々で売るつもりの、肉まんの材料だった。
素材に拘る彼女は、自分で仕入れを行う。
それもできるだけいい物を求めていった結果、学園外にも買出しに行くこともしばしばだった。
今日も、退院記念パーティの残り物の処分を終えた後、買出しに出たわけだったが……
暗い道を、1人で歩く五月。
ふと彼女は、道の先に誰かが立っているのに気付く。
黒いマントに顔と姿を隠した、長身の人物。五月の側からは、その正体は分からない。
「それ」は五月が叫び声を上げる間もなく、恐ろしいほどのスピードで距離を詰めて……!
ごッ。
茶々丸が素早く振り下ろした手刀の一撃で、四葉五月は、あっさりと意識を失った。
周囲に散らばる野菜。ドサリと崩れる、太めの身体。
満月だけがその光景を見下ろしている。どこかから、耳障りな笑い声が聞こえてくる……。
夜は、まだ始まったばかりだ。
11th TARGET → 出席番号30番 四葉五月
NEXT TARGET → ???
さ…さっちゃ〜ん!!
さっちゃんはやめて〜!!
俺を身代わりにしてくれぇ!!
さっちゃんを狙うとは…
ゼロ殿、お主も悪よのぅw
どうでもいいけどまたwiki荒らされてんぞ
Yなんとかしてくれ
もうまとめサイトに移転するか
本当によく荒れるスレだなw
まあ一部の人間にしか理解されないスレだからな
>>656 それは、朝のホームルームでぽつりとネギがつぶやいた意味深な言葉…。
「ネギ先生…どうして…あんなことを…」
食事がのどを通らない。昼休みになってもあやかはまだ考えていた。
『All―――Equality worthless…』
「いいんちょーっ?何ぼーっとしてんのよ?」
アスナが呆れたような声で話しかけてくる。
「アスナさん…最近ネギ先生に変わった様子はありませんでしたか?」
「ん?…そぉねー…変わったトコ…変わった…カワカワカワカワ…」
「ア…アスナさん…?」
アスナが壊れたテープレコーダのように語尾を繰りかえす…。
「カワカワカワカワカワカワカワカワカワ…ガガガガッ…ピーーーーーッ」
電子音とともにアスナの動きがピタリと止まる…。そう…まるで"電池の切れた人形"のように!
「な…なんなんですの?…バカにしているのですか…?」
「いっただきまーーすますますますますますます…」
「ちょっとー!それ私のハンバーグバグバグバグバグ…」
「ほにゃらばカラオケオケオケオケオオケオケオケ…」
一斉に他の生徒もカエルの共鳴のように、語尾を繰り返しだす…。
「い…嫌ぁ…なん…なんですの…?コレ…」
「「「「「ピーーーーーーッ」」」」」
日記マダー?
「うぅっ…!?」
教室に電子音が鳴り響く。とっさに耳をふさぐあやか。
「皆さん…?こ…これは…?」
同時に教室―いや、外からも全く音が聞こえてこないことに気付く…。
「ちょっと…皆さん!!どうしたんですの!?」
片っ端から声をかけるあやか…。だが誰一人反応があるものはいない。
「ウソ…ですわ…こんなこと…!!」
『すべて―――平等に価値がない』
「ネギ先生…そう…ですわ…ネギ先生に…!」
フラフラと教室を出て行くあやか…。
709 :
自慰日記:2006/07/06(木) 22:49:34 ID:???
●月●日
また今日もネギでオナニーしてしまった
おかげで、新聞配達のバイトにも遅刻した
最低だ……私。
●月●日 ●
本当に性欲が抑えられない
オナニーが止められない
私は、ショタコンじゃないのに
●月●日 ●●●
もう、一ヶ月以上連続してオナニーしてる
誰かとSEXすれば止められるのかな
●月●日 ●●●●●●
もう、何も覚えてない。
オナニーが止められなくなってからどれくらい経ったのだろう
もう、何でも良いや
710 :
自慰日記:2006/07/06(木) 22:50:07 ID:???
●月●日 ●●●●●●●●●
オナニーだけでいい
●月●日 ●●●●●●●●●●●
ネギ オナニー
●月●日 ●●●●●●●●●●●
葱 オナニー
●月●日 ●●●●●●●●●●●
葱 自慰
●月●日 ●●●●●●●●●●●
葱 自慰
自慰
葱
自慰
葱
自慰
葱
自慰
葱
とにかく自慰
711 :
自慰日記:2006/07/06(木) 22:51:12 ID:???
自慰。
自慰。
自慰。
自慰。
自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。
自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。
自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。
自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。自慰。
自慰。自慰。自慰。自慰。自慰―――――――――――――――――――――
ザジちうスレからのレベルの低いパクりはヤメろ
人のを真似た
反省はしてない
その日記ぢゃねーよー
自殺日記マダー?
元ネタをしらない俺は結婚この流れ面白かったぞ。
716 :
マロン名無しさん:2006/07/07(金) 00:11:49 ID:BmuMYf5f
バイオの日記だな
717 :
自殺日記:2006/07/07(金) 00:21:46 ID:???
「キャアアアアアだってw頭おかしんじゃねーの?」
「キャアアア。助けてネギ先生。」
「ハハハ!さすがショタコン。キモー」
奴等はここぞとばかりに一斉に明日菜に攻撃を仕掛ける。
しかしそんな罵声も今の明日菜には聞こえていない。
彼女の耳は例の爆発音が今もこだまするように鳴り響いている。
明日菜は泣いていた。
今までどんな事をされても拳を握り耐えてきた彼女が今、大粒の涙を流している。
「ハハハハ!うわぁ泣いてるよ〜!」
「あのぐれーで泣くなよ、木偶の坊。マジ愉快www」
彼女たちは明日菜が泣いているのがよっぽど愉快だったのか。本気で大笑いをしている。
バンッ…!!
え?
突然、重く渇いた音がクラス中から沸いて出てくる笑い声をいつの間にか打ち消していた。
それは間違いなく明日菜の背後で生まれた音であった。
明日菜は潤んだ目でゆっくりと背後を覗くと、私に爆竹を投げ付けた美空が、雪広あやかによって思いっきり地面に投げつけられていた。
教室はまるで大気が無くなったかのように静けさを取り戻していた。
おそらく奴等にも予想のつかないことであっただろう。
まさかドブ犬に手を差し延べる人間がいるとは…
718 :
自殺日記:2006/07/07(金) 00:22:38 ID:???
「ちょ、いいんちょう。美空なんて投げ飛ばしてもつまらないじゃん。投げ飛ばすんだったらそこの馬鹿を…。」
「お黙りなさいっ!!」
せっかくの裕奈のフォローを蹴り倒すような怒声。
あやかは本気で怒りに震えていた。
「あなたたち!自分がなにをしているか分かってるんですか!?いつからこのクラスは一人を多勢で囲うなんて卑怯なクラスになったのですか!
いいですか!あなた達は今、最も人の道に外れた行為をしてるんですよ!」
あやかが明日菜を庇うなんて今まで何度あっただろうか。
あやかは本気で奴等を睨み付けている。
おそらくこんなあやかは二度と見る事が出来ないだろう。
「あのさー、だから 何?」
「え?」
そこに出てきたのは、明日菜が泣いていた時、最も楽しそうに。そして最も見下すように罵声を浴びせていた柿崎美砂だった。
他に笑っていた奴等はあやかの怒声にすっかり萎んでしまったが、彼女だけはおもちゃを壊された子供のような目であやかを挑発している。
「なに今頃正義のヒーロー気取ってんの?あのさー、今まで傍観者だったくせに少しやり過ぎたからってコロッと態度変えちゃって…。
あんたさ、そんなにネギ君に嫌われたくないの?」
719 :
自殺日記:2006/07/07(金) 00:24:50 ID:???
「え?」
「だってさー、もうそろそろホームルーム始まんじゃん?そんでネギ君が来たらどうせこの馬鹿チクるんだから、私達全員共犯だよねー。」
「…はっきりと言ったらどうですか…?」
「てめー、共犯の汚名から逃げるために自分だけ逃げやがって…
バンッ…
今度は投げ飛ばした訳ではない。
柿崎の頬に一発の平手打ち。
叩かれた所がヒリヒリと赤くなっている
「…っ痛ってーなぁ!」
頭に血が上った柿崎は本気で顔面にパンチを放つ
しかし…
バンッ…
あやかが叩いた頬にもう一度、平手打ちが入る。しかし放ったのはあやかではない。
「このかさん…。」
なんとあの木乃香が柿崎に平手打ちを放ったのだ。
これには柿崎もどうしていいのかわからず、 訳の分からないまま、赤くなった頬を擦りながら木乃香を見つめている
「いいんちょうの言う通りや…。あんたら明日菜に謝れ。そんで皆も…私もいいんちょうも…皆で謝ろ…。」
木乃香の目からは涙がながれていた。
流れた涙は頬を伝い、足下へ落ちていく。
まるで今までの臆病な自分を削ぎ落とすかのように…
「ごめんなぁ明日菜…。うち…今まで怖くて何も出来んかった。でも…これからはうちが明日菜の味方になる。」
720 :
自殺日記:2006/07/07(金) 00:27:44 ID:???
木乃香は明日菜の手を握り、強く握り締める。
そんな光景を微笑みながら見ていたあやかは、ふと真面目な顔をして柿崎のほうを向いた。
「柿崎さん。あなたが言ったように私は今まであなたが明日菜さんにしてきた事をとやかく言う事はしませんでした。
それは私はあなたを心の内で恐れていたからです。でもわたしはもう逃げません。どんなことがあっても…。」
自信満々の笑みを柿崎に向け、自分の手を明日菜と木乃香の握られた手に軽く手を置くあやか。
これは奴等に対する先生布告である。
「ふ、ふざけんな!お前ら三人で何が出来んだよ!」
あやかに投げ飛ばされながらも負け犬のように野次を飛ばす美空。
しかしそんな小さな反抗も長くは続かない
「さて問題です。種類は違うけど、同じ唯一神だからいいよねと言い、龍宮神社のお供え物やら賽銭やらを盗んで私腹を肥やしていたエセシスターはだ「え?あ!あーあーあああーあー!!!」
突然背後からのどかがなにかを言おうとすると、内容を隠す様に大きな声で歌いだす美空。終いには自らの耳を塞いで急いで教室から出て行ってしまった。
もちろんこの後彼女は神社の神主の娘によって半殺しにされるのは言うまでもない。
721 :
自殺日記:2006/07/07(金) 00:34:12 ID:???
「おはようございます。…ってあれ?」
「「え?」」
突然、ネギの声が生徒たちの耳に入る。
生徒たちは一斉に時計に目を向ける。
時計はいつの間にか七時四十分を指していた。
当然普段ならばホームルームの時間だ。
が、そんな事を頭の中に入れていた生徒など誰一人いなかった。
あやかの予想もしない叱責のおかげでいつの間にか頭の中から消えていたのだ。
もちろん教室には爆竹の火薬臭が鼻を指し、おまけに明日菜と木乃香が涙を流しているという言い逃れが出来ない状態にある。
どう言い訳しても、もう逃げる事すら出来なかった。
あやかとの事情聴取により、大体の事情が読み取れたネギ。
ネギはあやかを席に帰し、ネギは教壇に立つ。
クラス全体がネギに注目するなか、ネギは生徒達に一言だけ言った。
「はい、それじゃあホームルーム始めます。」
普段同様、ネギはにこやかな笑顔でこう言った。
これにはあやかも木乃香も、そして柿崎でさえも驚いてしまった。
「ネ、ネギ先生。あの方たちの処分は…。」
あやかが当然のように意義を立てる。
「え?なんで柿崎さんたちに処分しなくちゃいけないんですか?」
しかしあやかの思いとは裏腹に、ネギは柿崎を裁く理由がないと言う。
722 :
自殺日記:2006/07/07(金) 00:39:00 ID:???
ますます訳が分からなくなるあやか
だいたい、爆竹を投げ付けるなんて下手をすれば明日菜の顔に傷がついたかもしれないのに、なぜ許すことが出来るのか
ネギが語り始める
「いいですか?たしかに柿崎さんのやった事はいけない事です。本当は罰を与えるべきなのかもしれません。しかし罰を与えて、終りでいいんでしょうか?
僕はこう考えます。『疑うよりまず信じろ。』僕の姉が言っていた言葉です。僕は柿崎さんを信じてみようと思います。なにも罪ばかりが反省の形じゃありませんから」
ネギはそう言うと、これ以上この件に関しての話をすることはなかった
帰り道、誰もいない通りを明日菜、あやか、木乃香の三人が並んで歩いている。
三人とも何を思い並んで歩いているのかは誰にも分からない。
ただ一つだこわかる事がある。
「いいんちょう、木乃香…ありがとう。」
明日菜は二人に感謝しているということだ。
「明日菜。」
「明日菜さん。」
二人が明日菜に手を差し延べる
「うん。」
明日菜は笑顔で二人の手を優しく握り、三人手をつないで仲良く帰っていった。
久しぶりに見せた笑顔はどこか太陽に似ていた
こうして波乱の一日が終りを告げた。
しかし彼女達は後に知ることになる。
もしあの時、あやかが叱
>>722 訂正
帰り道、誰もいない通りを明日菜、あやか、木乃香の三人が並んで歩いている。
三人とも何を思い並んで歩いているのかは誰にも分からない。
ただ一つだこわかる事がある。
「いいんちょう、木乃香…ありがとう。」
明日菜は二人に感謝しているということだ。
「明日菜。」
「明日菜さん。」
二人が明日菜に手を差し延べる
「うん。」
明日菜は笑顔で二人の手を優しく握り、三人手をつないで仲良く帰っていった。
久しぶりに見せた笑顔はどこか太陽に似ていた
こうして波乱の一日が終りを告げた。
しかし彼女達は後に知ることになる。
もしあの時、あやかが叱責していなかったら。
もしあの時ネギが柿崎に処分を加えていたら、あんな事にはならなかったかもしれない。
途中で切れるのは携帯の宿命か…
しかしグッジョブ!
暗いイジメだな…だがそれがいい
おもしろい!文章うまくなりましたねー!
そして最近あやかがかわいい…
最初に柿崎は除外されてたのにイジメの中心人物?!先がまったく嫁ねー!まさにwktk!
泥棒していた美空に吹いたw
ネウロ乙
柿崎はもういじめの代名詞だな、
逆にせっちゃんがいじめをする話は見たことがない
てか想像できない
せっちゃんは影薄いからどっちも当てはまらない
刹那は木乃香に命じられて仕方なく、というのしか見たことがない
刹那はイジメられる痛みを知るキャラだからな。本編設定のレベルで。
刹那「お嬢様の苦しんでいる顔が見たい…ハアハア」
>>698 チャチャゼロ残酷編12 魔弾と魔眼/凶刃と狂犬
……満月の下、歩く影が2つ。
片方は、バイオリンケースを片手に提げた、長身の人物。
片方は、学生服に身を包んだ、小柄な帽子の少年。
龍宮真名と、犬上小太郎だった。
「あーあ。何で2人で行動せなあかんのや。俺、1人の方が動き易いのに」
「本音を言えば私もそうだし、君も1人で大丈夫だろうとは思うがな。
依頼主の指示となれば、仕方ないさ。これも雇われの身の悲しい定めって訳でね」
ぶつくさと呟く小太郎に、真名はフッと笑みを浮かべる。
先日、美空とココネが返り討ちにあって以来、魔法先生たちの巡回はその体制を変えていた。
元々半人前の美空たちのみならず、1人でも十分な戦力となる先生たちも2人1組にしたのだ。
こうするとチーム単位の戦力は上がる一方で、巡回しきれぬ隙はさらに大きくなる。
その分を、魔法先生たちは「傭兵」たちを増強することで、フォローしようとしていた……
つまり、真名や小太郎といった「一応は部外者」の「雇われ人」たちの負担が増えることになる。
龍宮真名。学園都市内にある龍宮神社の1人娘でありながら、凄腕のスナイパーにして傭兵。
「報酬さえ貰えれば何でもするし誰にでもつく」と公言し、魔法先生たちに雇われることも多い。
犬上小太郎。今でこそ千鶴たちの部屋に「飼われている」身だが、元々は裏の世界の人間。
その幼さに見合わぬ豊富な実戦経験を持つ、優れた戦士だった。
2人はこの状況下において、貴重な戦力としてカウントされていた。
自身は魔法こそ使えぬものの、しかし戦い方次第では生半可な魔法先生よりも強いこの2人。
ある意味、最強のタッグと言ってもいい。果たしてこの2人に勝てる者が、どれほど居るだろうか。
月の下、2人は並んで歩く。
人気がほとんど無い他は、実に穏やかな月の夜。満月にうっすらと雲がかかる。
「しかし、やっぱ西洋魔術師はダメやな〜。いくら見習い言うたかて、あんなあっさり……」
小太郎がバカにしたように言うのは、美空とココネの2人のこと。
流石に真名も、眉を寄せる。
「そういう言い方は良くないぞ? むしろ敵の方をこそ手強いと見るべきところだ、そこは」
「せやけどな……」
「?!」「!!」
突然、会話の途中で、2人の顔は強張る。一瞬で仕事モードの顔つきになり、視線を前方に向ける。
いつの間にいたのか――そこには、1つの人影の姿。
黒いマントに身を包んだ、長身の人物――
「敵か!?」
「いや、あれは……」
身構える小太郎、相手を見極めようとする真名。
そんな2人の緊張にも構わず、その黒マントの人物は、ゆっくりと歩み寄って……
ハラリと、顔を隠すフードを外した。
「あれ、アンタは……!?」
「お仕事ご苦労様です。龍宮真名さん、犬上小太郎さん」
なにやら長い鞄を担ぎ、丁寧に2人に対してお辞儀をしたのは。
真名の同級生にして、エヴァンジェリンの従者の1人。
絡繰茶々丸だった。
「……追加の任務、だと?」
「はい。魔法先生たちの依頼に加えて、私からお2人に依頼をしたいのです」
満月の光の中、茶々丸の唐突な申し出に、真名と小太郎は顔を見合わせる。
2人の困惑をよそに、茶々丸は淡々と説明を続けていく。
曰く――
どうやら魔法先生の一部が、エヴァンジェリンに嫌疑を抱いているらしい。
魔法先生の一部が、学園長の許しを得ずに動く可能性すらある。
この事態は、エヴァンジェリンの従者である茶々丸としては看過できない。
そこで、茶々丸もまた、独自の判断で犯人を追うことにした。
真犯人を捕まえ、その正体を暴くことで、エヴァの嫌疑を晴らしたい。
しかし、相手は只者でないことははっきりしている。茶々丸1人では困難が予想される。
ならば、誰かと協力すればいい。それもできれば、元々犯人と事を構える覚悟のある連中がいい。
巡回に参加し、しかしエヴァへの先入観のない、雇われ人2人ならなおのこといい―ー
「ただ――私の関与が知れると、せっかくの『犯人』も納得してもらえない恐れがあります。
疑い深い魔法先生たちは、我々がニセの犯人を用意する可能性すら考えるでしょう。
無駄に話が拗れる原因は、作りたくありません」
「……そりゃ、ちと考えすぎと違うか?」
「かもしれませんが、根拠のない話でもありません。
実例を挙げるのは控えさせて頂きますが、過去にも何度か似たようなトラブルがありましたし」
「ふむ。つまり――茶々丸に協力して貰っても、そのことを誰にも話すな、と?
成功しようが失敗しようが、お前とは最初から遭遇すらしなかったことにしろ、と?」
「龍宮さんは理解が早くて助かります」
つまり、茶々丸の「お願い」とは、こういうことだ。
今後、真名と小太郎の巡回チームに、茶々丸自身も加えて欲しい。
そして、茶々丸が関与したことについては、決して口外しないで欲しい――
「お支払いするお金は、依頼料というより、口止め料ということになるのでしょうか。
実際に犯人の捕縛に成功すれば、成功報酬も払わせて頂きます」
「こちらとしては戦力が増えた上に、収入も増えるというわけか――どう思う、コタロー君?」
「なんか複雑に考えすぎやと思うけどなー。でもま、金も援軍も、あればあるだけ助かるしな」
2人は頷く。
実際、茶々丸の示した報酬の額は、2人にとっても無視できない金額。
これなら多少面倒な守秘義務がついても構わない、そう思える。
「もっとも、我々は既に結んだ契約のせいで、規定の巡回コースからあまり離れられない。
犯人に遭遇せずに終る可能性の方が、高いかもしれない――それでもいいな?」
「はい。私としても、駄目で元々と思っていますから。それで構いません」
契約、成立。仕事人である真名たちが約束した以上、生半可なことでは裏切ることはない。
「では――この武器を、龍宮さんに預けておこうと思います」
「何だ、これは?」
「特殊な銃です。私が使うつもりで持ってきたものですが」
茶々丸は肩から提げた細長い鞄を差し出しながら、淡々と語る。
言われるままに、真名は鞄の中を確認する。出てきたのは、長大なライフルのような銃。
「工学部の開発した、最新の結界弾ライフルです。これで『犯人』を拘束するつもりでした」
「へえ。コレってアレか? スクナに使ってた、アレの改良品か?」
「はい。非魔法的な処理によって出力を増し、標的の脱出を困難にしてあります」
「かなり重いな。私になら使えないこともないが。……しかし、何故お前自身が使わない?」
「チームで行動するのなら、私は前衛に回った方が適切だと判断しました。
私の身体なら、絞首紐も関節技もほぼ無効です。斬撃に大しても強い強度を持ちます。
そして万が一壊されても、私の身体ならば取替えが効きます。修理できます。
ならば、この銃は龍宮さんに預け、狙撃に専念してもらうべきかと」
「なんとも冷静な判断だな――お前が味方で、本当に良かったよ」
かくしてチーム内の役割分担が決まる。
犯人と疑わしき相手と遭遇した場合、最前衛は茶々丸。最後衛は真名。
茶々丸が相手の攻撃を全て受け、あるいは押さえ込み、真名が結界弾を叩き込む。
小太郎は臨機応変に距離を変え、2人をそれぞれフォローする役割だ。
「それにしても……お前は味方としても『やりにくい』奴だな、茶々丸」
「どういう意味でしょう?」
「人間と気配が根本的に違うんだ。緊張や感情が、表情や気配からはまるで分からない」
「あー、それはあるなー」
「申し訳ありません。戦闘時には表情などの感情表現を抑え、容量を節約しているもので」
3人は巡回を続ける。森の中の道を歩きながら、話題はチームの新入り・茶々丸自身に及ぶ。
真名の言うことは実際一理あった。達人クラスともなれば、敵味方の「気配」が重要な要素になる。
しかしその中で、茶々丸1人が「異質」なのだ。ヒトの生理的な数々の反射を起こさぬその身体。
真名の「魔眼」をもってしても、茶々丸の真意が見抜けない。味方と分かっていても、その意図が読めない。
「まあ、コイツが『いい奴』であることは、よく知ってるがな……」
茶々丸の横顔をチラリと見ながら、真名は自分に言い聞かせる。
僅かな迷いが、戦場では命取りにもなりうるのだ――
「!?」
「どうした、コタロー君? 何か異常でも?」
「……血の匂いがする」
突如、足を止める小太郎。周囲を探るように鼻をヒクつかせる。
狗族とのハーフである彼は、並の人間よりは遥かに鼻が利く。その嗅覚が、異変を捉える。
クンクンと周囲を見回した後、顔を向けたのは、森の中。
「……あっちの方や。血の匂い以外、あまり何も感じへんけど……」
「――急ごう。既に犠牲者が出てしまったかもしれん」
真名の言葉に、頷く2人。まばらに藪が生える中、しかし何の苦もなく3人は森を駆けた。
――森の中。
ぽっかりと木々の開けた空間の中、その少女は倒れていた。
意識は無い。意識は無いまま、口から血を溢れさせていた。他に外傷らしい外傷はない。
時折、ゴフゴフと咳き込む様子を見せる。少し太めの身体が、ピクピクと震えている。
「な――」
「出席番号30番、四葉五月さんと確認。どうやら口腔内に何らかの損傷を受けている模様」
「ともかくうつ伏せにしてやろう。このままでは、自分の血に『溺れて』死ぬぞ」
驚く小太郎、淡々と対処に入る2人。
茶々丸が五月の身体を腹ばいに横たえ、血が自然に口の外に流れ出る姿勢にする。
真名が五月の口の中を覗き込み、眉を寄せる。
「……舌が、無い」
「はぁ!?」
「鋭利な刃物で切断されたようだな。
抵抗の跡がないのを見ると、意識を奪ってからわざわざ舌を切り取ったようだ」
「ひ、ひでぇ……てか、そんなんして何が面白いん!?
あやか姉ちゃんもそうやったけど――抵抗できん奴痛めつけて、何が楽しいんや!?」
裏の世界で色々と酷いモノを見てきたはずの小太郎が、怒りの声を上げる。
真名の表情も険しい。ただ1人、茶々丸だけが相変わらずの無表情。
舌を喪った五月、それはこの若き天才料理人にとって、才能の死を意味していた。
「――誰か居ます」
茶々丸が、淡々と告げる。森の奥、深い闇の中を見据えて、「それ」の存在を告げる。
はッと顔を上げる2人。こんな場所に居る「誰か」、それはもう決まっているようなものだ。
小太郎の鼻が、再び血の匂いを感じ取る。深い闇の向こうに、微かな匂いを感じ取る。
真名の魔眼が、深い闇を射抜いて標的の影を捉える。ボロ布のような装束を纏った、小さな影。
それは間違いない、五月の舌を切り取った犯人。連続暴行・殺人事件の、犯人の姿――!
それを見る茶々丸の表情は、全くの無表情だ。
12th TARGET → 出席番号18番 龍宮真名 ? 犬上小太郎?
ついに武道四天王が(゚o゚;)!!
…お昼休みですか?
すごい戦闘が見られそうな予感
ワクテカ
たつみーは読んでたが、コタローも!?
ココネが死んで小太郎が生き残ることが許されるだろうか、いや許されない!
小太郎はいいよ別に死んでも
むしろ小太郎は死ね
ヒドスww
茶々丸の銃に仕掛けがあって、それを龍宮が使って、まずい事になる
っていうのは無しだよね。
結界弾の新型銃って、ハカセ編で暴発してなかったか? 撃った方の田中さんの頭吹っ飛んでたぞ
龍宮はプロだから、人の銃は使用しないよね?
752 :
自殺日記:2006/07/07(金) 23:32:03 ID:???
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「瀬流彦先生!」
「あ、刀子さん。すいませんなんか…。」
「いえ、しかたがありません。ここから先は私も知らない未知の領域ですので。」
二人は老化した縄を跨いで奥へ奥へと進んで行く。
進むに連れて、油の臭いが強くなっていく。
いつ何者に襲われてもおかしくない状態。しかも、周りは森に囲まれ、伏兵が現れれば圧倒的に不利になる。
すでに真冬だというのに瀬流彦の額からは汗が滲む。
「あれは…。」
刀子は何かを発見したようだ。
思わず、全てを忘れて独り走って行ってしまう。
「え?あ…待ってくださいよ!」
瀬流彦も刀子を追いかけようと走り出そうとした。が、
「(え?)」
一瞬、なにかこの森には場違いな物を見てしまい、走るのをためたらった。
「(…何かがおかしい。)」
突然目に入ってきたので、どこに違和感があるのかは分からない。が、何かが確実におかしいのだ。
瀬流彦は森の真ん中で、刀子の事も伏兵の事も忘れて、ひたすらその違和感があった場所を探し続けた。
一方その頃刀子は…
「やはり…。所々に戦闘の後が…。」
左の木には刀傷が、右の木には焼け焦げた後が、そして地面には道標のように血痕の線が出来ていた。
刀子は血の線を頼りに奥へと進んでいく。
奥に行くほど戦闘の傷跡が強く残っている。
しばらく進むと、何かが倒れている事に気がつく。
753 :
自殺日記:2006/07/07(金) 23:34:44 ID:???
刀子はそこに駆け寄ると、若い状態の亡骸がそこにはあった。胸と腹部に5センチ程度の穴。おそらくこれが致命傷になったのだろう。
顔を見るとどうやら日本人ではないようだ。
そしてまだ血痕の道標が消えていない事からまだ先に人が死んでいるかもしれないという事を仮定させる。
遺体を調べた所、腐化が始まっていない事から死後それほど経っていないことがわかる
最も死後解剖すれば正確な結果が出るのだが
「瀬流彦先生、ここは一旦この亡骸を運んで…、え?瀬流彦先生?」
ここでようやく瀬流彦とはぐれてしまったと気付く刀子。しかし時既に遅かった。
「まずい…。こんな時に襲われたら…。」
刀子は急いで辺りを見回したが、瀬流彦の気配を感じとる事は出来ない。
彼女は大事なヒントを手に持ったまま途方にくれてしまった。
「え?」
何故か木の中心に5センチ程度の穴が空いている。
それも一本だけではない。
その後ろの木も、その、その後ろの木も全て丸い穴が開いている。
しかも面白いことにその穴はこの遺体を結び、直線上に空いているのだ。
刀子には一つだけ心辺りがあった。
あれはたしか麻帆良祭が始まる少し前、ロボット工学研究会で起きた。ロボットの暴走事件。
刀子はその時、その場にはいなかったが、青白い光が空を走った事は今でも覚えている。
そしてその暴走したロボットと言うのが…
死体や木に綺麗に空いた穴。
これならば説明がつく。そしてこの穴をたどって行けば自然と答えが出て来るだろう。
刀子は穴を頼りにまた森の奥へと進んで行った。
ザジ?
朝倉いじめは打ち切られたのか?
>>756 Yがネタ切れしたってwikiで言ってた
このスレもうだめぽ
759 :
朝倉いじめ:2006/07/08(土) 16:56:28 ID:???
>>628 「おい…神楽坂…いじめってなんのことだ?かず、朝倉はいじめられたのか?」
「…え!?そんなこと私言った!?言ってないよねー♪あははは」アスナの顔が引きつっている。
「…。一応ネギ先生に報告してお」
「ややわー、センセ…こんなん女の子に言わすなやぁ♪」このかが先生の言葉を遮る。
「近衛、どどどどういうことかね!?(お・お嬢様ぁぁ)」
その瞬間、彼の興味は完全にこのかに向いた。
「"月経"や"月経"…あん、言ってもーた…恥ずかしいえ…」このかが顔を赤らめる。
「(おぽぽぽぽぽ!!ぬっぺぇぇ)そそ、そうか!それなら仕方がないなー!!」
先生は完全に朝倉のことを忘れていた…。もはや彼の頭の中はこのかの妄想でいっぱいいっぱいだった。
―キーーンコーーンカーーン…
タイミングを見計らったかのようにチャイムが鳴る。
「よ、よし!今日の授業はコレまで!日直!」
日直が号令をかけて授業は終わった。先生は妙に前かがみになって教室を出て行く。
「いやぁー!危なかったわ!このかナイスフェラー♪…あれ?ファ、フィローだっけ?」
わざとなのか、あまりのバカバカしさに誰も突っ込まない。
「"フォロー"や、アホ…この借りはきっちり返してもらうえ…」
このかがニヤリと笑った…。
お嬢様ぁぁぁぁぁぁあぁぁぁwwww
最近せっちゃん虐待来ないえ
サドじゃなくなったのかな…
ここ最近の盛り下がりはひどい
何故急に…
>>739 チャチャゼロ残酷編12 後編
「……龍宮さんを狙うのですか?」
「アア。今ノウチニ潰シテオカネート、厄介ダカラナ」
――聡美の腕を奪った、その後。工学部棟の一角で。
サイボーグ手術のために運ばれていく聡美を見送った2人は、今夜の作戦を練っていた。
「今夜ハ満月。俺モ最大ノぱわーガ出セルガ……明日カラハ、ドンドン弱ル一方ダ。
今ヲ逃セバ、倒スノハ難シクナルカラナ」
「……しかし、何故、龍宮さんを」
「神鳴流剣士ハ御嬢様ガ壊レテ一緒ニ壊レタヨウナモンダシ、巨乳忍者ハ留守ダシナ。
ぼーやニツイテハ、後回シニスルトシテ……
確実ニ敵ニナル奴ラノ中デ、アノすないぱーガ一番危険ナンダヨ。
魔法先生タチニモ、毎晩雇ワレテルヨウダシナ」
月の満ち欠けに応じて上下するエヴァの魔力。その影響をモロに受けるチャチャゼロ。
最大の能力が出せる今夜、厄介な、そして確実に敵対する相手を沈めにかかる。
ゼロはあくまで、冷静だ。
残虐を楽しみつつ殺人を楽しみつつ、なお、冷静な判断力を失っていない。
「幾ツカ準備ヲシテオクゼ。トリアエズ、アノ銃ヲ失敬シテイコウ」
「姉さん、あれは明らかに不良品だと思われますが。危険です」
「イインダヨ。不良品ダカラ、イインダヨ。コノ場合ハナ」
ゼロが指差した先は、聡美が開発中だった新型結界弾ライフル。
威力を上げようとしたら暴発が頻発するようになってしまった、危険過ぎる欠陥品……!
――満月に照らされた、森の中の小広場。
木々の向こうに見えた「敵」らしき影。逃げ出す素振りを見せる「影」に、3人は瞬時に動き始める。
茶々丸が駆ける。先頭きって駆ける。大地を蹴り、ジェット噴射で突進する。
小太郎も駆ける。木々の枝を蹴りながら空中を駆ける。駆けながら、手の中に「気」を溜める。
真名は、その場を動かない。素早く武器を取り出す。茶々丸から渡された鞄を開きかけて……
「……いや、やめておこう」
一瞬の躊躇の後、細長い鞄を脇に置き自前のバイオリンケースを開け、愛用のライフルを構える。
その場に片膝をつき、茶々丸たちの肩越しに標的を狙う。
スコープの向こうに、黒いボロ布のような影が見える。逃げ出そうとしているのが見える。
身に纏っているボロ布のために、身体の輪郭もそのサイズもはっきりしない。
はっきりしないが、しかし動き回るソイツに狙いを定め、引き金を引くタイミングを計る。
「狗神・疾空黒狼牙!」
距離を詰める小太郎の手元から、闇が生まれる。闇のように黒い獣たちが飛び出していく。
10匹ほどの『狗神』が、円弧を描いて「敵」に襲い掛かる。進路を遮るように襲い掛かる。
手数が多い割に、直撃はない。咄嗟に動きを止めた「敵」の周囲に、次々と着弾。
――それで、構わなかった。中距離担当の小太郎の狙いは、最初っから足止め。その間に……
「ターゲット捕捉。攻撃を開始します」
茶々丸が一気に間合いを詰める。拳を握り締める。
小太郎が止める。茶々丸が殴る。そしてその後のフォローは、真名のライフル。
受け持ち距離を決めただけで、ほとんど作戦らしい作戦を決めてなかった3人ではあるが。
しかし熟練の3人は阿吽の呼吸で最善の手を選んでいた。最高の連携を決めていた。
――仲間の1人が、実は最初っから裏切っていたことさえ除外すれば。
「……プランA失敗」
「見リャ分カル」
茶々丸の拳が「敵」を捉える一瞬、交わされる短い会話。後ろの2人には聞こえぬ声。
そのまま殴り飛ばされる「敵」。あまりに軽く、遠くに飛ばされた以外、違和感は何もない。
――ゼロの立てた作戦は、お粗末な……いやシンプルなものだった。
「銃ヲ暴発サセルンダヨ。イヤ、暴発スル銃ヲ渡シテオク、ッテ言ッタ方ガイイカ」
ライフルに限らず、銃という武器が抱える根本的なリスクが、暴発である。
確率的には極めて低くはあるが、しかしどこまで行ってもゼロにはなりえないその危険。
ましてや、その銃が最初から欠陥品だったなら。
「見タ感ジ、コイツノ出力上ゲテヤレバ、ホボ100%暴発スルヨウニナルゼ。
アノ眼鏡ハ暴発サセナイ方法デ苦労シテタケドヨ、逆ニ スルヨウニ仕込ムノハ簡単サ」
「しかし、どうやってこの銃を彼女に持たせるのでしょう。容易ではないと思われますが」
「ソコハ オ前ノ仕事ダロ。オ前ハ俺ト違ッテ、信用アルシナー」
そうして用意された、「必ず暴発する」結界弾ライフル。
もうほとんど爆弾のようなものだ。引き金を引かずとも、ちょっとした衝撃で破裂しかねない。
そんな代物を涼しい顔をして渡したのだから、茶々丸の演技力も大したものだ。
いや、この場合「演技力」という言い方は適切ではあるまい。
真名が指摘したように、茶々丸が人間とは根本的に異なる存在だからこそ、成功した詐術。
たとえ緊張しても、人間のように汗が滲むわけでもない。視線が泳ぐわけでもない。
戦闘モードで表情表現を省略した状態では、とてもその嘘に気付くことなどできない。
普段の茶々丸の生真面目さも、この場合幸いした。
……だがしかし、真名はその死のライフルを手に取らなかった。愛用のライフルの方を構えた。
別に茶々丸を疑ったからではない。結界弾ライフルを信用しなかったからでもない。
ただ単に、新しく手にしたライフルを試射する暇もなかったというだけだ。
どんな銃にも避けようもなく備わっている、銃ごとの「クセ」を把握してないことを嫌った彼女。
あるいは真名1人だけだったなら、連射しながら着弾のブレを確認し、修正を図ったかもしれない。
が、仲間と戦いを共にするこの場においては、一発の無駄が前衛の命に関わる。
威力よりも何よりも、信頼性と命中精度の方が大事、と判断したのだ。
小太郎の『狗神』で足止めされ、茶々丸の拳を受け、吹き飛ばされた「敵」。
自ら飛んだから実質のダメージはないが、しかし空中では自由が利かない。
偽装のボロ布が、風にはためく。そんな影に向け、真名のライフルが容赦ない追撃をかける。
飛来する弾丸を、辛うじて空中で弾く。構えたナイフと弾丸がぶつかり合い、火花が散る。
「へッ、やるやないか! せやけど……その状態でコレは避けられんやろ!」
空中で身体が泳いだ「謎の敵」に対し、今度は小太郎が突進する。
木々の間をジグザグに、『瞬動』の連続で距離を詰めながら、両の掌を向かい合わせる。
両手に『気』と『狗神』を溜めてゼロ距離で炸裂させる必殺技、『我流犬上流・狼牙双掌打』の構え。
臨機応変にやれと言われていても、やはり小太郎の本分は接近戦。迷うことなく距離を詰める。
「あやか姉ちゃんの、仇ッ……!」
森の中、地面に墜落した「敵」に向け、小太郎は逆巻く『気』の塊を渾身の気合と共に叩き付け――
――ようとして、唐突に姿勢を崩した。
「なッ!?」
崩れる足元。落ちていく身体。単純ながらも完全に予想外の罠に、小太郎は成す術もない。
落とし穴。かつてサウザンドマスターに痛い目に合わされた、ゼロたちにとっては因縁の罠。
その気になれば子供でも作れる簡単な罠だが、使い方次第では達人さえも手玉に取れる。
いくら小太郎が経験豊富でも、まさかこんな所にこんな仕掛けがあるとは思わない。
茶々丸と「敵」が実はグルで、わざと落とし穴の直前に向け殴り飛ばしたなど、分かるはずもない。
「うおッ!!」
そして穴の底に待ち受けていたのは、ネギやニンニクの海などではなく、命を奪う凶悪な――!
乱暴に言ってしまえば、犬上小太郎の存在が、ゼロたちの計画を狂わせたと言っていい。
巡回体制が変わったために加わった、予想外の戦力。想定外の存在。
小太郎が血の匂いに気付かなければ、もう少し五月の発見も遅れただろう。
発見が遅れれば、真名は結界弾ライフルの試射くらいしていたかもしれない。
試射し、暴発し、そこで決着がついていたかもしれない。小太郎の存在は、実は大きい。
……しかしその彼も、ゼロが「念のために」「第二の策として」用意しておいた罠に飲み込まれる。
ゼロの準備が、用意周到さが、小太郎の存在を上回ったのだ。
「な――!」
唐突に大地に飲み込まれて消えた小太郎に、ライフルを構えていた真名も息を飲む。
真名の位置からは、何が起こったのかよく分からない。藪と下草に隠され、直接は見えない。
ただすぐに直感したのは、この場所が既に敵の掌中にあるということ。
「そういえば五月の荷物も足跡もなかった……迂闊ッ!」
真名は己の判断ミスを呪う。呪いの言葉を吐きながら、狙撃体勢を解いて周囲を見回す。
森の中にぽっかり開いた小広場、そこに倒れていた五月。
しかし考えてみれば、五月がこんな場所に来る理由はない。襲われたにしては持ち物もない。
他の場所で襲われ、無力化され、ここに運ばれてきたと見るのが妥当だ。
……何のために? 決まっている。真名や小太郎のような巡回中の「誰か」を惹きつけるためだ。
罠に誘う、餌とするためだ。
準備万端整えて誘い込み、巡回の者たちを返り討ちにするためなのだ。
ここに居続けるというのは、どう考えてもマズい。真名の顔が、蒼ざめる。
「一旦引くぞ、茶々ま――!」
撤退を叫びかけた真名は、そして咄嗟にその場を飛びのく。
一瞬遅れて飛来する、幾本もの銀色の光。真名の身体を掠める刃。
黒いボロ布に身を隠す「敵」が、閃光のように投げナイフを放ったのだ。
様々なナイフを自在に使い分けるゼロにとって、スローイングナイフもまた持ち技の1つ。
何本ものナイフが真名を捉え損ね、ドスドスと地面に突き刺さる。そしてその内の1本は……
「……しまったッ!」
バチバチと音を立てる、細長い鞄。結界弾ライフルに突き刺さる、小さなナイフ。本命の1本。
引き金を引けば暴発必至の危険な銃は、そして、その場で爆発を起こした。
真名の視界が、閃光に真っ白に染まる。一時的にではあるが、閃光に視力を奪われる。
何も見えない世界の中、悪意の気配が接近する。――ということは、茶々丸も倒されたのか?
慌てて拳銃を抜く真名、しかし何も見えぬ今の状態では、間に合わない。
薙ぎ払われた凶刃が真名の顔を捉え――白一色の世界は、闇に閉ざされた。
永遠の、闇の中に。
……満月の下。
横たわり気絶したままの五月。ようやく口からの出血は止まったようだ。
大の字に横たわり、天を見上げるような姿勢の真名。こちらもピクリとも動かない。
そんな広場に、茶々丸がゆっくりと近づいてくる。
「ターゲットの逃走を確認。単独での追撃は不可能と判断。我々の、完敗です」
「……茶々丸は無事なのか? コタローは?」
「私も片腕を失いました。出血しない自分の姿に、混乱した模様です。
小太郎さんは…………死亡を、確認。落とし穴の中で、全身バラバラにされていました」
淡々と茶々丸は報告する。見れば確かに茶々丸の左手は途中からない。
途中からないが……しかしそれは実は、ロケットパンチのワイヤーを切って外しただけ。
ダメージなどと呼べるような怪我ではない。なんともおざなりなダメージの偽装。
しかし今の真名には、それすら確認できはしない。なぜなら、真名の傷は……
「そうか……。コタロー君には悪いことをしたな。彼こそ生き残るべきだったのに」
真名は諦めきった態度で、溜息をつく。
無防備な大の字で寝ていたのも、「殺したいならさっさと殺せ」という「敵」へのメッセージ。
にも関わらず、「敵」は真名にトドメを刺さずに立ち去った。
見逃してくれたのか、それとも生かしておいた方が残酷だと思ったのか。
真名の両目は、横一直線に走る刀傷によって、2つとも潰されていた。
結界弾ライフルの爆発に乗じて接近したゼロの、横薙ぎのナイフの一閃。
鋭い視力は、スナイパーの命。真名の最大の武器・『魔眼』の力の源でもある。
もう、彼女は再起不能だろう。高位の治癒術師だろうと、『魔眼』までは治せまい。
危険な仕事をあえて続けていた以上、いつかはこうなる可能性も覚悟の上だったが……
「……『彼』の顔をもう見れないことだけが、心残りだな」
真名は、胸元のペンダントを握り締める。その中の失われた顔を、思い浮かべる。
満月の下、龍宮真名は、己の敗北を、自分たちの完敗を受け入れる――
「……機械の腕、か。流石はハカセだな」
「まあ、そういう研究もしてましたからー。丁度いい機会かな、って……って、あれ?」
「そのサイボーグ技術、腕以外もあるのかな? だとしたら――」
――月曜日の朝。
ロボットの腕を装着して登校してきた聡美に、声をかけたのは。
両目を覆うように包帯を巻いた姿の、龍宮真名だった。
何も見えないであろうその状態で、しかし机などにもぶつかることなく、ごく自然に歩いてくる。
「だとしたら、『目』とかも作れるのかな。急に必要になってしまったわけだが」
「た、龍宮さん! それ、どうしたの!?」
「仕事で少し、ヘマしてしまってね。結局、両眼球摘出だよ。
医者は入院しろとうるさかったんだが、出てきてしまったよ。クスリだけ貰ってね」
なんてことないかのように、微笑んでみせる真名。周囲のクラスメイトたちは、しかし言葉もない。
一方の聡美は、機械の腕を顎に当てて考え込む。
「ん〜。実は感覚器って難しいんですよねー。生身の神経に伝える部分の変換が面倒で……。
例えば茶々丸みたいにー、全部機械だったら簡単に常人以上の視力作れるんですけどー。
特に目については、空間的余裕もないですし、脳神経に直接接続しなきゃなりませんし。
今のところまるで目途立ってない状態ですー。今後の課題ですねー」
「そうか……まあ、どうせ『魔眼』は戻らんしな」
聡美の説明に、あっさり諦めてしまう真名。
彼女くらいの達人になると、周囲の「気配」を察知することで、日常生活くらいは苦もなくこなせる。
せいぜい、黒板や教科書が読めずに授業で困るくらいか。
これにしたって、クラスメイトの助けを得ればなんとでもなる……。
裏の社会の仕事人・龍宮真名は『死んだ』が、3−Aの一員としての真名は、普段のままだ。
「あー、みんな聞いてー!
1限目のネギ君の授業、休みだってさー! 何か、緊急の職員会議があるとかで」
「えー!? ネギ君だけが今日は学校に来る楽しみだったのにー!」
日直の円が伝えた急な自習の知らせに、まき絵が不満げな声をあげる。
もうちょっと大騒ぎになってもいいこのニュースに、しかしクラスの反応は鈍い。
亜子は全身包帯グルグル巻きの格好で、自分の席に黙って座っている。
裕奈は何があったかまたも手首を切ろうとして、アキラに羽交い絞めにされて暴れている。
事件の被害者であるあやかと千雨は、未だ入院中。まだ退院の目途も立たない。
入院患者のリストには、美空と木乃香、五月が加わっている。いずれも詳しい説明はまだされていない。
のどかは今日もサボリ。カーテンを閉ざした暗い部屋に、引き篭もっている。
刹那は木乃香の病室にずっと泊まり込んだまま、授業にも出てこない。
それぞれ顔に傷を負ったチアの3人は、未だに冷戦状態が続いていて。険悪な空気を漂わせている。
千鶴と夏美の2人は入院中のあやかに加え、昨夜から「行方不明」の小太郎が心配で仕方ない様子。
そして、片腕がメカと化した聡美と、両目を失った真名。
エヴァは例によってサボリだろうか。にしては、茶々丸は人形を頭に乗せ教室に残っているが。
31人のクラスのうち、欠席8名。何らかの傷を負っている者7名。間接的影響もかなり大きい。
週末の土日の間に、倍ほども増えてしまったゼロの犠牲者。
一週間の間に豹変してしまったクラスの雰囲気に、和美は眉を寄せる。
ジャーナリストとしての直感が、「何かがおかしい」と彼女に告げる。
このクラスだけに、これだけ不幸が集中するのは、明らかにおかしい。絶対に偶然ではない。
……と、そんな和美の隣で小さな呟きが上がる。
『……なんか、この雰囲気、覚えがあるような気がします。前にも見た気がします』
「さよちゃん?」
『いつだったかな……昔、ずいぶん昔、同じようなことが、あったような気が…………』
それは、3−Aの教室にずっと存在し続けた、最古参の生徒の呟き。
幽霊・相坂さよは、そして遠い目のまま、額に手を当てる。彼女の輪郭が、少しだけ揺らぐ――
NEXT TARGET → ???
773 :
自殺日記:2006/07/08(土) 21:43:27 ID:???
その頃
「やっぱりおかしいなぁ…。」
刀子に置いてきぼりにされた憐れな瀬流彦は、刀子が進んでいった道とは違う道を進んでいた。
時折立ち止まっては、腕時計をカチカチいじり、また進んで行くという理解不能な行動をとっている。
しかし瀬流彦の顔からは揺るぎない自信のようなものが見え隠れしている。
瀬流彦は足を止めると、狂ったように辺りを注意深く辺りを調べ始めた。
すると、微かだが木の根元の草に霜が降りていた。
たしかに今は冬だが、真昼に霜が残るなんてことはまずない。
もし残るとしたら周りの温度が極端に低い。それ以外にはありえない。
現に瀬流彦のデジタル腕時計は7℃と表示され、微かだが瀬流彦の吐く息に白みがかかっている。
そして何かを発見したようで、急いでそっちに向かって走っていく。
「すごい…。」
瀬流彦は思わず息をのんだ。
瀬流彦の目の前には木、草、大地が残す所なく凍っている。
まさにそこだけが時間が止まっているのではないかという錯誤さえしてしまうほど、目の前には『動』というものがない。
774 :
自殺日記:2006/07/08(土) 21:44:53 ID:???
瀬流彦は氷の世界を一歩一歩歩いていく。
ここ一面に氷の世界を造ってしまうほどの実力者。
これほどの事が出来る人物にはかぎりがある。
瀬流彦の予想が正しければおそらく彼女がなんらかの形で関わっていることは確かだ。
滑る足下に気を払いながら、一歩一歩確実に歩いていく瀬流彦。
すると微かだが、氷の森の奥で噴煙が上っている。
瀬流彦は嫌な胸騒ぎを感じた。
場所は変わり教会へ…
一人の女性が教会へと入っていく。
女性は壁に掲げられている十字架に片膝をついて深く祈りを捧げる。
「美空君…かい?」
後ろで椅子に座っていた男が尋ねた。
女性はその問いに何も答えず、冷めた目で男を見ている。
「ハハ…、笑えないねぇ…、まさか大量殺人なんて。」
男は立ち上がると女性の隣りへ歩み寄っていく。
「中等部の荒れ模様は異常です。なかにはショックにより倒れた生徒も数名います。早急に手を手を打たないと学園中に混乱が広がります。」
「学園長は?」
「緊急職員会議に出席中です。」
感情の籠っていない会話が紅く染まった教会に淋しく残る。
「仕方がない。君はこの教会をどうにかしてくれ。手段はなんでもいい。こんな状態を生徒にでも見られたとしたら…。」
775 :
自殺日記:2006/07/08(土) 21:46:54 ID:???
「神楽坂明日菜の遺体は?」
「出来ればちゃんと告別をしてから火葬したかったが…、君に任せる。」
「教授はどちらへ?」
「私は気になる事が出来た。少し外れる。」
男は煙草を一本取り出すと、火をつけ、煙草を吸い始めた。
「私は今日ほど運命や神を呪ったことはないよ…。私の娘は神の逆鱗に触れる事をしてしまったと言うのか…。」
男はそれだけ言うと、女性に背を向けて歩いていってしまった。
男は普段から煙草を好き好んで吸う人ではないことを知っていた女性は、男が煙草を吸っていた事に胸を撃たれる思いがした。
「美空…、あなたは神の逆鱗に触れるような行為をしてしまったのですか…?」
自分の部下には神の加護がなかった。
そう思うとシャークティは余計悲しくなってしまった。
所変わって小等部校内
「1/2と0,5の計算ですが…。」
混乱する中等部とは裏腹に小等部は普段と変わらず授業が行われている。
それはこのクラスとて例外ではない
クラスの窓側で授業も聞かず、空をぼーっと眺めている生徒がいる。
彼の名は犬上小太郎。
ヘルマンとの一件で成り行きで転校してきた狗族の少年で、ネギの唯一のライバルだ。
776 :
自殺日記:2006/07/08(土) 21:49:06 ID:???
と言っても学問には微塵も興味がなく、強い奴らがいるからという理由で転校してきた少し異質な少年なのだ。
もちろん勉強などする気も起きないので、授業中は空を眺めながら考え事をするのが日課になっていた。
彼は最近元気がない。
理由は三つ。同居人であるあやかの入院とネギの失踪、そして神楽坂明日菜の死だ。
一部の人間にしか知らされていないのだが、実は一か月前雪広あやかは謎の集団によって拉致されたのだ。
そしてその三日後、何事もなかったかのように帰ってきたあやかは、突然気分が悪いと言い入院してしまった。
医者の話によると、どこにも異常はなく、恐らく精神を病んでいるのだろうと話していた。
結局、誘拐犯も捕まえる事が出来ず、あやかに聞いても話をはぐらかされ、何も解決しないままこの事件は幕を閉じた。
そういえば、あやかの見舞いには神楽坂明日菜しか来なかったのは今でも疑問に思えてしまう。
小太郎は何度か同居人である千鶴や夏美を誘ったのだが、話をはぐらかされて、結局いつも小太郎ひとりで行くことになる。
最初は友達がいないのかと思っていたが、彼女の性格上、そんなことはない。
777 :
自殺日記:2006/07/08(土) 21:52:11 ID:???
小太郎が知る友達がいないタイプの人間は麻帆良祭でネギと一緒にいた丸眼鏡の女のようなやつだ。
では何故皆、あやかの見舞いに行きたがらないのだろうか。
小太郎は不思議でならなかった。
あやかの入院とともに小太郎の頭を悩ますのがネギの失踪だ。
今、やっと魔法教員が重い腰を上げて捜索を開始したのだが、なんの成果も挙げられないまま、膠着状態が続くばかり。
ガンドルフィーニがなにかやっているようだが、余り期待は出来ないだろう。
小太郎は当初、あやかのように誘拐されたのではないかと思っていたが、あのネギがまさかと思い、誘拐説は一分もしないうちに小太郎の頭から消えた。
話は戻るが、実は小太郎はあやかが自己流の合気柔術を極めていたことを知っていた。
実力がどうこうとまでは知らないが、おそらく中途半端に鍛えている男くらいのレベルならば悠々勝つことが出来るだろうという確信を小太郎は持っていたのだ。
しかし結局はどこの誰かも分からない奴等に誘拐される始末。
案外ネギも、と思ってしまうのは当然である。
ネギの件については小太郎には何も出来る事が無く、ただ指をくわえて待っていることしか出来ないのだ。
778 :
自殺日記:2006/07/08(土) 21:55:06 ID:???
小太郎はそれが一番悔しかった。
三つ目、明日菜の自殺である。
これについても謎が多い。
色々悩みはあるだろうが、小太郎の知っている明日菜はそんな小さな事を気にするような繊細な神経の持ち主ではない。
これも当初は近衛木乃香が自殺したことと関係があるのかと思っていたのだが、なんで近衛が入院したら明日菜が自殺しなければならないのかという結論に至り、結局また一分もしないうちに小太郎の頭から消えた。
取りあえず、今この三つの問題が小太郎の頭を悩ませ、学園を混乱させている。(あやか誘拐事件は学園は雪広家から資金援助を受けているため。)
しかも、この三つともどうしても解決出来ない謎が残り、魔法教員達もその謎に四苦八苦してしまう。
小太郎はその謎の後ろにはなにかどす黒い影が隠れているような気がして背筋が寒くなった。
「……くん、……うくん。」
「(ネギ…。どこ行ってしもうたんや…。)」
「…ろうくん、……のかね?」
「(あやか姉ちゃん…、なんで何も話してくれんのやろ…。…水臭い。)」
「…いるのかね!…ろうくん!こたろうくん!」
「あー!うっさいなーあんた!なんやねん!…あ!」
>>772 コタローのトコで涙出そうになった…GJ…
780 :
自殺日記:2006/07/08(土) 22:05:36 ID:???
気づいた時にはもう遅く、教員がすごい形相で小太郎の前に立っていた。
「(あっちゃー…ヤバッ…)」
「こたろうくん。わるかったねぇ、せんせいのじゅぎょうつまらなくて。」
「い、いえ…そんなことは」
「いやいいんだよ。べつにおこってないから。そうだ。おわびにきょうはきみのためにほしゅうをしてあげるよ。」
怒ってないという割には、とても酷い顔をしている。
「(そんなんやってられんわ!)あの…今日は用事があって…「来なかったらお前留年な」
その場で頭を下げ必死で逃げようとするが、問答無用で原爆をする教員
「り、留年ー!そんなことやってられんわー!」
「だったら補習に来い。」
それだけ言うと、ほくそ笑みながら教壇に戻っていく教員。
『おーほほほほ!さすがは大草原のお猿さん。あなたもどっかのお猿とあまり変わりませんねぇー。』
『ごめん、馬鹿とは友達になるなってお姉ちゃんが…』
『やったー!私より馬鹿がいたー!』
『生きてて恥ずかしくないん?』
『こんな問題、私でも解けます。やはり狗族は筋肉馬鹿しかいない部族なんですね。』
自分の周りにいた奴等が皮肉を言っては小太郎の前から消えていく
ゴゴゴゴゴ…
『小太郎君。なにこの点数は?』
そして、一番現れて欲しくない人物が登場してしまった。
781 :
自殺日記:2006/07/08(土) 22:07:02 ID:???
『仕方ないわねー♪私が嫌でも勉強する体にしてあげる♪』
『な、なんで勉強するのに長ネギなんか…』
『さぁ、覚悟してねー♪』
『ち、ちづねぇ、ちょっ、やめぇぇぇぇ』
『それー♪』
『ギャァァァァァァー!!』
「(い、嫌や…、留年したくない。)』
とんでもない妄想が小太郎の思考を支配し、絶対留年したくないと誓う小太郎。
果たして小太郎は無事に中等部へ行けるのだろうか
少年が留年するかどうかはまた、別の話
両者GJだが、連打されるとコメントつかんな
>>ゼロ氏、自記氏
乙&グッジョブ!
これでスレが少しでも活気づいてくれれば良いんだが…
784 :
自殺日記:2006/07/08(土) 22:49:31 ID:???
>>778 訂正
これも当初は近衛木乃香が入院したことと関係があるのかと思っていたのだが、なんで近衛が入院したら明日菜が自殺しなければならないのかという結論に至り、これもまた一分もしないうちに小太郎の頭から消えた。
785 :
自殺日記:2006/07/08(土) 23:04:22 ID:???
♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀
10/20
今日は珍しく奴等は何もして来なかった。
やはり昨日の事が効いているのだろう
取りあえず今日は私の勝ちだ
それはそうと
最近、ハルナの様子がおかしい。
私と目が合うと、意識しているかのように目を逸らしてくる。
少し寂しいな
もし、私があいつらに勝ったら、また一緒にどこかへ遊びに行ったり
なんか暗くなっちゃった
また明日も木乃香やいいんちょうと仲良く出来ますように
いいんちょとアスにゃんのコンビかわいすぎる…
いいんちょいい娘(*´Д`)
保守じゃ保守
ネタが、ネタがぁ
盛り上がらないなぁ…
何故?
ゼロの感想出る前に自殺日記が来たからな。
で、銃の暴発予測してた奴らどこ行った
茶々ゼロは職人殺しだな
他の職人が萎縮して書けなくなるってか?
そりゃねーと思うが。
自殺日記はゼロ前座www
[チャチャゼロ] 攻撃:77 素早さ:62 防御:90 命中:30 運:74 HP:146
[自殺日記] 攻撃:36 素早さ:71 防御:74 命中:43 運:74 HP:204
チャチャゼロ vs 自殺日記戦闘開始!!
[自殺日記]の攻撃 HIT [チャチャゼロ]は1のダメージを受けた。
[チャチャゼロ]の攻撃 HIT [自殺日記]は82のダメージを受けた。
[自殺日記]の攻撃 HIT [チャチャゼロ]は1のダメージを受けた。
[チャチャゼロ]の攻撃 HIT [自殺日記]は78のダメージを受けた。
[自殺日記]の攻撃 HIT [チャチャゼロ]は1のダメージを受けた。
[チャチャゼロ]の攻撃 MISS [自殺日記]は攻撃を回避した。
[自殺日記]の攻撃 HIT [チャチャゼロ]は1のダメージを受けた。
[チャチャゼロ]の攻撃 HIT [自殺日記]は56のダメージを受けた。
[チャチャゼロ]が[自殺日記]を倒しました(ラウンド数:4)。
>>792 俺は内容の感想を言ったつもりだったんだけど
そういう意味で職人殺しと言ったんじゃないよ
厨はスルーでよろ
各キャラの一番大事なモノ壊してく感じか
>>795 そういうことすんじゃねーよw
自記憐れwww
自殺日記もクオリティ高いが
ほかのさくひんとくらべるのはやめましょう
>>800 ゼロも自殺もミステリアス系の同じジャンルだから
比べられるのは仕方ないと思うが
ああそうか、どっちもミステリーの文法を転用してるのか。
ゼロは犯人サイド視点の倒叙形式、自殺日記は倒置使いまくり時系列弄りまくりか。
どっちも「読者への挑戦」がありえん形式だから言われるまで気づかんかった
ただやっぱり方向性が全然違うよねぇ
面白けりゃそれでいい
自殺日記→かなりこのスレの趣旨に忠実=純粋にいじめ好きにはたまらん
ゼロ→いじめとは少し違うが残虐性高し=バトロワ系好きにはたまらん
比べるのは職人に失礼 それぞれがそれぞれに楽しめるからそれでイイ
805 :
マロン名無しさん:2006/07/09(日) 23:08:58 ID:oabdprNK
なんか目が見えない龍宮が海坊主に見えてきた
キーンコーンカーン…
ネギ「…では授業を終わります!それと…今日ノートを回収したいと思うのですが…」
あやか「ネギ先生!私が放課後までに回収してもって行きますわ!」いの一番にあやかが挙手する。
ネギ「いいんちょさん…ありがとうございます!」ネギがにこりと笑って感謝の言葉を言う。
あやか「ネギ先生…礼には及びませんわ!…?ん?」
ふと後ろを振り返ってみると、教室は静まり返っていた。
ネギ「は、はは…それでは失礼します」ネギはそそくさと教室を出て行った。
あやか「?どうしたんですの、皆様(゚-゚)?」
「ネギネギネギネギって…いい加減にうぜーんだよ…」
あやか「…え?」
柿崎「いい加減にしてよ…毎回毎回キンキン声でネギ先生ネギ先生って…」
桜子「ほんっと…もう頭痛いよ…」
あやか「……あ…の…」
このか「次ネギ先生ってゆうたら…わかるよなー?いいんちょ」
あやか「このかさん…な、何を言ってるんですの…?」
808 :
自殺日記:2006/07/10(月) 09:52:38 ID:???
「…すな、あすな…」
私はいつもこの瞬間が大嫌いだった。
一日で最も安心できる安眠の時間。
しかしそれをいつも決まった時間に妨げてくる少女がいる。
私は学校が嫌いだ。なんで私が辛い思いをして学校へ行かなくちゃならないのだろうと時々思う事がある。
いっそこの学園から消えて自由にお金を稼いで、結婚して、子供たちと幸せに暮らした方がどんなに楽か。
昨日までは…そう思ってた
私には仲間が出来た。私と一緒に戦ってくれる大切な仲間。
「あ!明日菜。やっと起きたん?早く仕度しないと遅刻するで。」
だからもう私は何も恐れる事はない。何も…
「私って弱いんだなぁ…。」
同時刻、早乙女ハルナはベットの上で横になりながら昨日起こった事件を頭の中で映画のように映しだしていた。
泣く明日菜。笑う柿崎達。叱責するいいんちょう。一緒に泣く木乃香。喚く美空を一蹴したのどか。
そしてそんな時に前に出る事が出来ず、ただ見ていただけのハルナ。
「ハァ…」
自分の情けなさに呆れてしまう。あののどかさえ前に出たのに…私だって明日菜の友達と呼べる存在であったはずだ。
なのに…
「ハァ…」
また溜め息をついてしまった。
809 :
自殺日記:2006/07/10(月) 09:54:44 ID:???
「…なにやっているのですか、ハルナ。」
そんな情けないハルナを呆れて見ていた夕映。
明らかに夕映は引いている。
しかし普段なら反撃の言葉が出てきてもいいのだが、相手にするのが面倒臭かったのか無視してしまった。
夕映もそれ以上何も言ってはこない。
何故かは分からない。まぁ夕映なりに空気を読んでいるのだろうと思うのが妥当だろう。
…まあどうでもいい事だが
場所は変わり学校…
「さ〜よちゃん。あれ?」
誰もいない朝の3ーAの教室。
そこには朝倉が独り言をブツブツと呟きながら教室をうろうろと徘徊していた。
「おっかしいな。最近全く姿表さない。」
彼女がしきりに口に出していた『さよ』というのは3ーAの生徒である。
といっても自縛霊なのだが…
どういう訳か朝倉だけに彼女の姿が見えるようになり、今ではすっかり友達になってしまったという訳だ。
しかしここ最近、朝倉はさよを目にする事は無くなってしまった。
何故かは分からない。別に怒らせるようなことをした覚えもない。
ならば成仏したのか。彼女は認めなかった。
突然、自分に何も言わずに消えるなんて事はありえない。そんなことは彼女自身が信じたくなかった。
810 :
自殺日記:2006/07/10(月) 09:56:08 ID:???
だから彼女は必死になって探しているのだ。
彼女の大切な友達を…
「やあ、朝倉さん。朝からご苦労様だネ。」
突然入ってきた声に慌てて振り返ると、そこには超鈴音が立っていた。
「なんだ、超か。驚かせないでよ。」
「いやーすなまいネ、朝倉サン。許してほしいヨ。」
「い、いや、別に…」
まるで奥が読めない笑顔。麻帆良祭の時もそうだったが、はっきり言うと朝倉は正直超が苦手であった。
「あ、そうだ!忘れてたネ。朝倉サンに頼みがあるヨ。」
「え?」
超からの突然のお願い。しかし朝倉は知っていた。
超のお願いは大概ろくな事がない事を。
そしてもう一つ
顔は愛らしく笑っているが、目は全く笑っていない事を。
私は夏目漱石の『こころ』が大好きだ。
そういえば麻帆良祭の時に『こころ』を例えてネギ君に三角関係の説明をしたような…
いや、そんなことじゃなくて…
もしかしたら私とKは似ているのではないかと思ってしまう。
Kはお嬢さんが好きだと先生に告白するが、結局先生が先にお嬢さんと婚姻の話を決めてしまい、Kは自殺。
昨日の事を『こころ』で当てはめると明日菜がお嬢さん、木乃香といいんちょうとのどかが先生。そして私がK。
811 :
自殺日記:2006/07/10(月) 09:57:11 ID:???
木乃香たち(先生)は明日菜を助け(婚姻の話を取り決め)、私(K)は前に出る事が出来ず、逃げた(自殺)。
一回、授業で『こころ』をやった時に、手を上げさせられたのを覚えている。
内容は『お嬢さんは先生とK、本当はどちらが好きか。』
私はどちらも好きではないに手を挙げたが、実際は先生が好きのほうが正解であった。
つまりKの恋は片思いで、先生の恋は両思いなのだ。
もしさっきの様に当てはめると、私は明日菜の事を友達と思っているが、私の事などなんとも思ってなくて…
独りぼっちなのは明日菜ではなく、実は私だったのだ。
「深く考えすぎです。」
「え?」
ガタガタと電車が揺れる。
私は電車の席にのどかと夕映に挟まれる形で座っていた。
夕映は私に一言だけそう言うと、後は何も話そうとはせず、電車の窓から映る景色を感情の籠っていない目で眺めていた
自殺日記キタ━━━(・∀・)━━━
iiyoiiYO!!
>>807 このか「ま、えーわ…あーのどかー!昨日借りた…」
意味深なことを言ってこのかは行ってしまった。
あやか「…」
―放課後…
ノートを提出して、帰り道を歩いているあやか…。
あやか「…ネギ先生♪ネギ先生♪」
昼間にこのかに言われたことも忘れてゴキゲンである。
あやか「…あら?なんですの?あの煙…」
寮の近くの公園の隅から煙が立っている。…だが火事にしては量が少ない…。
近寄ってみるとなにやら話し声が聞こえる。
あやか「…?あ、あなた達は!!」
覗き込んでみると、なんと柿崎と釘宮がいた!!
あやか「そ、それは、た、煙草…あなた達…」
柿崎「やべぇ!バレた!」
釘宮「あちゃー…やっぱこの時間は危ないって言ったっしょ!」
あやか「……」無言で携帯を取り出すあやか。
柿崎「ちょーっとちょとちょと!はいはい落ち着いて!ねー?いいんちょ!」
釘宮「そそ!落ち着いて落ち着いて!」サッとあやかから携帯を奪う釘宮。
あやか「…言い訳は聞きませんわ…あなた達には失望しました」
柿崎「は、ははは!違うって!これはちょっとした出来心であって…」
釘宮「堪忍してよぉー、もうしないからさぁー」ヘラヘラと笑う二人…。
あやか「……いいから携帯を返してください」
釘宮「チッ…あんま調子にノンなよ…?お前」ケータイをあやかに投げつける釘宮。
柿崎「フッ…行こ、円」
あやか「(ゾク…)…な」言い知れぬ恐怖に襲れるあやか…。
GJ!
なかなか良いよ
―寮部屋
あやか「ただいまー…」
千鶴「ホホホ…小太郎ちゃーん待ちなさーい」
小太郎「ええって!風呂くらい一人で入るわー!」
夏美「ちづ姉〜!私のパンツどこぉー?」
あやか「…もう」
相変わらず騒がしい部屋…。だが、そんないつもと変わらない彼らが今日は愛しく感じる…。
小太郎「ん?くんくん…なんや煙草臭いなぁー…」
千鶴「(ドキッ…)あらあら…誰かしら…」
あやか「(?いま千鶴さんの顔が…?気のせい?)…わ、私ですわ、先ほど寮の前で
柿崎さんたちが煙草を吸っていたんですの…多分その時臭いがついたのですわ」
小太郎「まだ未成年やんか」
夏美「…まぁ美沙達はしょっちゅう吸ってるしね」
千鶴「さ、そんなことより小太郎ちゃん、お風呂入るわよぉ」
夏美「そうそう、パンツパンツっと…」
また騒がしさが戻る部屋…。
あやか「(そんなことって…みんなクラスメートじゃない…)…」
やっぱチア=いじめっ子なんだな
煙草か…ま、知らない所で吸ってるものらしいし。
妙にリアリティがあるね。
学校の不良は煙草を吸うことがメリットと思っているから困る
(`
'´  ̄ ヽ
|!|((从))〉
'(||" -、リ カチッ アホ面下げて下品な笑みを浮かべる
(),; しか脳の無い、三下の中の三下
|E|
(`
'´  ̄ ヽ
|!|((从))〉プハァーー
'(||" Д"リy~~~ 対して、最大級の派閥を有する
ヒロインの中のヒロイン、私のどか
(`
'´  ̄ ヽ
|!|((从))〉 ま、大船に乗ったつもりでいてください
⊂'(||" 3 "リつ━・
/// /_/:::::/ ばかでかい口だけが取り柄の女から
|:::|/⊂ヽノ|:::| /」 一切の笑顔が奪われる日も近いですぅ
不覚にも(ry
823 :
マロン名無しさん:2006/07/11(火) 10:13:02 ID:X5TImY46
のどかおりものくさい
>>817 ―翌朝、3−A。
教室に入るとなぜか桜子の周りに人だかりができている。
桜子「へへへ…♪いいでしょ〜?」
美空「まじいいなぁ〜私もやろっかなぁ〜」
柿崎「アンタ足速いから向いてるよぉー?」
どうやら桜子の自慢話のようだ。
あやか「おはようございます、桜子さん」
柿崎「げ…桜子?」目で桜子に合図を送る柿崎。
桜子「あ、うん、おはよー☆」
あやか「あら、随分高そうなお財布ですわね…ヴィ○ンですか」
桜子「うんうん!さっすがいんちょ!よくわかるねーっ☆」
あやか「フフ…私もヴィト○のお財布を使ってますのよ」
柿崎「さっすがいいんちょー♪やっぱ財布はヴ○トンだよねー!」
財布の話で盛り上がる一同…。
過疎です…
刹那たちがエヴァに監禁され、丸一日が経とうとしていた。
拷問部屋から出た別荘の野外で、一人物思いにふけるエヴァ。
(さて・・・そろそろ丸一日か・・・もう溜飲も大分下がったが奴らをどうするか・・・)
その彼女の元に、フラフラと近寄ってくる影。それは、全身血に塗れたこのかだった。
彼女の血ではない。再び刹那を治癒した際ついたものだろう。
「エヴァ・・・ちゃん・・・」
うつろな目のまま消え入りそうな声で話しかけてくるこのか。
「ん・・何だ?(ひぃっ・・・・こわっ・・・・・!)」
平静を繕い、威圧的な態度を崩さず答えるエヴァ。すると。
「・・・お願い・・・こっから・・・出して・・・」
予想外とも予想通りとも言える言葉が、彼女の口から出てきた。
「・・・なぜだ?貴様は先刻、刹那と一緒でなければここを出ないと自分で言っていたではないか。
奴を置いて一人逃げ出したくなったか?」
(ちゃう・・・うちはせっちゃん見捨てたりなんか・・・・)
エヴァのその言葉に反論したかったこのかだが、これからの事のためにあえて口を噤んだままでいる。
「・・・まさか奴を助けるために、なにか良からぬ事をたくらんでいるのか?」
自分の考えが見透かされたのか。と、このかは焦りを表情に出さぬよう必死に努めた。
「・・・・まぁ、無駄だがな。この空間では私は無敵だ、何人助けを呼んでも余計な犠牲者が増えるだけだぞ?
それに刹那がこの中に人質としている以上何もできまい」
続くエヴァのその発言は結果助け舟となる。
「うぅ〜・・・」
突如、このかは呻くように泣き始めた。
「もう・・・いやや・・・こんなん耐えらないよぉ・・・気が狂いそぅ・・・」
糸が切れたように泣き続けるこのか。
「いや・・・いやなんよ・・・・・うぅっ・・・・いやぁ・・・」
彼女はただ『いや、いや』と連呼し泣き続ける。
関西、ひいては東洋最強の魔力を持つやもしれない者とは思えぬ、無力な一人の少女の姿がそこにはあった。
その姿にエヴァは少々不快そうに眉を顰めたが、それは一瞬の事であり、次の瞬間に彼女は軽く笑みを浮かべる。
(あぁ・・・そうか。私が気に入らなかったのは・・・この・・・)
エヴァが刹那に対して過剰ともいえる怒りをぶつけていたのは、ただ恥をかかされたからではない。
自分と同じ人外ゆえの孤独と強さを共有していたはずの刹那が、人間と馴れ合い、
あらゆる意味で「人並み」になっていくのが許せなかったのだ。
だが、それも終わり。この二人の情など脆弱な人間が保身と自己満足のために創り上げた上辺だけのものと証明された。
そう考えるともう、怒りも消えていた。
「まぁ・・・・いいだろう。では、最後に刹那に一言挨拶をしに行くか・・・・」
皮肉を込めた口調でエヴァはそう言い。このかはそれに黙ってうなづく。
中に戻るとそこにはいつも通り無表情の茶々丸と、同じく表情を失っている刹那がいた。
身体の傷は先程このかの魔力で治癒されたが、心の傷と疲労は短時間では癒されようが無く、
冷たい床に裸のままただ座り込んでいる。
そんな刹那に追い討ちをかけるように、言葉を放つエヴァ。
「お前の大切なお嬢様はお先にお帰りになられるそうだ。もうここに来る事もあるまい。
茶々丸、私はすぐに戻るがそいつの世話を任せたぞ」
「ハイ、マスター」
無表情だった刹那の顔がこわばる・・・が次の瞬間には安堵の表情が浮かぶ。
「・・・・・お・・・嬢様・・・・良かった・・・・・私のせいで・・・申し訳ありませんでした・・・」
刹那の言葉は本心であった。自分が原因であるこの事態からこのかが開放された事に対するこの上ない喜び。
しかし同時に、彼女自身も気づかぬ深層心理ではそれ以上の悲しみと無気力感に襲われていた。
過酷な拷問の中において、刹那はこのかを思う事、同時にこのかもまた自分を思っていてくれる。と信じる事。
それが彼女の支えとなっていた。
支えを失った彼女の精神はさらに追い詰められていく。
それでも、このかはそんな刹那の方を見ようとせず、無言で目を伏せたままだった。
その両者の姿を見て、エヴァは自分の考えに確信を持つ。
(所詮こんなものだ。こいつらの馴れ合いなど。苛立ちもするがもういい。今となっては逆に怒りも沸かぬわ)
「さぁ・・・行こうか・・・お嬢様?」
エヴァ達が去り、再び二人きりで残される刹那と茶々丸。
「・・・この・・・ちゃん・・・・」
誰にも聞こえぬ小さな声で刹那はそうつぶやいた。
「開門!」
(ドクン・・・ドクン・・・)
二人はエヴァの別荘から、彼女の自宅の中に出る。
(ドクン・・ドクン・・ドクン・・)
このかは自分の心音が聞こえて来る中、汗に塗れた手の中の「それ」を強く握っていた。
(ドクンドクンドクンドクンドクンドクン)
「さぁ、貴様の用は済んだ。とっとと・・・・」
そう、エヴァは振り返りながら言おうとしたが
・・・・ゴチンッ!!
次の瞬間エヴァの脳天に走る衝撃。
このかの手に握られている鈍器。カナヅチだった。
「き・・・貴様・・・・なぜそんな物を・・・いや、それよりよくも・・・」
ゴチンッ!!
再び頭を激しく殴られ、エヴァの意識は闇に沈んでいく。
「はぁー、はぁー・・・・や、やった」
このかは刹那から聞いていた。満月を過ぎた時のエヴァの身体は常人以下である事を。
ならば別荘から外に出さえすれば、自分の攻撃でもエヴァを気絶させるに足るであろうことを。
とはいえエヴァにわずかでも警戒心があればこの奇襲は成功しなかっただろう。
なので、このかは心身ともにこの上なく無力な女子中学生を演じた。
途中何度も『自分は逃げるのではない』と声に出して叫びたくなった。悲しげな刹那を見て、抱きしめたくもなった。
それでも、この時のため、そうする事は出来なかった。
「はぁ、はぁ・・・・待っててや・・・せっちゃん・・・・・」
呼吸も落ち着くと、彼女は足早にそこから立ち去る。
だが、本当に刹那の身を安ずるなら、ここで彼女はエヴァを徹底的に打ちのめすべきだっただろう。
しかし、このかはそこまで残酷にはなれなかった。
最悪、怒りが自分に向いてくれれば刹那は助かる。そのようにこのかは考えていた。
だが、これは結果的には彼女「達」にとってより最悪の結果を招く行動となるのだった。
それから一時間、別荘の中の時間でさらに一日が過ぎようとしていた。
すぐ戻ると言ったエヴァが帰らない事を危惧した茶々丸は刹那を部屋に監禁したまま一人別荘を出る。
「・・・・マスター!」
そこには頭から血を流し、倒れているエヴァの姿があった。
「マスター、しっかりしてください」
茶々丸に気付けをされ、目を覚ましたエヴァ。彼女は瞬時に状況を理解する。
「大丈夫ですか?・・・血は止まっているようですが、今手当てを・・・」
茶々丸の姿など目に入らない様子でエヴァは、笑った。
「くっくっく・・・・はっはっは・・・・・・」
出し抜かれた。千年を生き、知恵と研鑽を積んだ自分が極めて若輩の部類に入る人間風情に。
「・・・・なめやがってあのガキ!ゆるさんぞぉー!」
堀川りょうヴォイスになりながら、激昂するエヴァ。頭の傷の手当てをしようとする茶々丸の制止を振り切った彼女は、
自分を殴ったこのかを探しにではなく、再び別荘の中。刹那のいる拷問部屋へと向かった。
部屋に続く階段の扉が開かれる。その下にはあれから丸一日経った今も床に座り込んだままの刹那の姿があった。
「・・・こーどくなーはねをさらしてー♪」
彼女は呟くように唄っていた。孤独と不安と退屈を紛らわすためか、それとも精神が少しずつ崩壊しているのか。
その歌詞はまるで自分自身の境遇を唄っているかのようであった。
エヴァはその痛ましい姿にも意に介さず刹那の髪を掴み無理矢理立たせる。
「いっ・・痛・・・」
無表情だった刹那の顔が苦痛と恐怖で歪む。
「貴様には少々説教をした後、帰してやるつもりだったのだが・・・・」
エヴァは力任せに叩きつけるように刹那の身体を壁に押し付ける。
「気が変わった!心身ともに徹底的にぶち壊してやる!」
そう言うと同時にエヴァの拳は刹那の身体に食い込んでいた。
ドスッ!
「えほっ!」
むせ返る刹那。彼女が肺の空気を吐き出した瞬間に、間髪いれず次の拳がうちこまれる。
「うぐっ」
呼吸が出来なくなり、胃液が逆流してくる感覚が襲ってきた。
「げほっ」
吐き出された胃液を避けようともせず、エヴァは刹那を殴り続ける。
「くっくっく、・・・・はっはっはぁーー!」
ドスッ!ドスッ!ドスッ!
「がっ・・・げほっ・・・・やめっ・・・・」
殴られ続ける刹那の吐き出す胃液には血が混ざり始めていた。
ドスッ、ドスッ、ドスッ、ドスッ、ドスッ、ドムッ、ドムッ、ドムッ、ドムッ、ドムッ
殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る。
殴り続けた。刹那の身体は徐々に水枕のように柔らかくなり、身体を殴る音と感触が徐々に変わってくる。
肋骨が砕かれ、その破片が周辺の肉や臓器を傷つけながらミックスされているのだ。
このまま殴り続ければ体内で肉骨粉のようなミンチが出来上がる事だろう。
「げっ!がほっ・・・・ごほっ・・・・・ごぽぽ・・・・・」
刹那が吐き出しているのは血の混じった胃液から、胃液の混じった血に変わっていた。
大量の返り血を浴びながらそれでもまだエヴァは殴るのを辞めない。
「マスター!おやめください。死んでしまいます」
後を追ってきた茶々丸の制止の声でようやく我に返るエヴァ。
「・・・・・こひゅー・・・・こひゅー・・・・・げぼっ・・・・・がぼっ・・・・」
明らかに異常な呼吸を不定期にしながら、刹那は血を吐き続ける。
彼女の胸一面は毒々しい紫色に腫れあがっていた。
「これは・・・やりすぎたか・・・このままでは少々マズイ・・・私は治癒魔法は苦手でな・・・・
だが、安心しろ『ギリギリで』なんとか死なない程度には治す事はできよう・・・・ククク」
掴んでいた髪をようやく離されると、瀕死の刹那はそのまま崩れ落ちた。
エヴァは数十本もの刹那の抜けた髪の毛が絡みついた自分の手を見ながら、いっそう笑みを強くした。
(近衛木乃香・・・またここに戻ってくるつもりなのだろう?
その時、貴様の中途半端な真似がどれほどの愚行だったかを思い知らせてやる・・・)
間が大分空いてしまってごめんなさい。自分探しの旅に出てました。
>>833 乙!
もう来ないのかと思った…
せっちゃぁん!(⊃Д`)
うぉ〜せっちゃん復活だぁ〜!
でも実はエロティックないじめが大好きだw
>>772 チャチャゼロ残酷編13 既に振るわれし刃
『いつだったかな……昔、ずいぶん昔、同じようなことが、あったような気が……』
「……さよちゃん?!」
月曜日の朝。
学園に呪縛された地縛霊・さよは、その身を震わせる。
相次いでクラスメイトに降りかかる事件。傷ついていく身体と才能――
さよは、額に手を当てる。その顔が、僅かに歪む。
『頭が、痛い……』
「はあッ!? ちょっ、さよちゃん、頭が痛いって……!?」
さよの漏らした呻き声に、和美は思わず聞き返す。
幽霊のさよが、痛みを訴える? そんなことが、果たしてあるのだろうか?
クラスで唯一さよと常時コンタクトの取れる和美でも、さよが「頭痛に苦しむ」姿など初めて見る。
さよの輪郭が、わずかにブレる。襲い来る激しい頭痛に、とうとう両手で頭を抱え込む。
思い出してはいけない。思い出してはいけない。思い出しては、いけない。
さよの心の中で、何かが叫ぶ。
得体の知れない恐怖を覚えながら、しかしさよには、記憶が溢れ出るのを止められない――
……相坂さよは、何十年もその席に座っていた。
新たなクラスメイトが入学し、成長し、卒業していくのを、何度も何度も繰り返し見守ってきた。
幽霊である彼女は、全ての人に見えるわけでもない。全ての人に声が届くわけでもない。
それでも、30人も生徒が居れば、霊感の強い少女の1人や2人はまず居るものである。
どの時代においても、彼女は誰かしら「友達」を見つけ、そして仲良く学園生活を送ってきた。
当初の相坂さよは、決して「誰にも見えない幽霊」などではなかったのだ。
――そんな彼女の目の前で、ある年、事件が起こる。
麻帆良学園は、実は不思議なほどに事件がない。
これだけの巨大学園だ、普通ならばある程度の事件・事故は起こって当然。
ケンカやイジメ、そこから発展する陰惨な事件や自殺なども、普通にあってしかるべきだ。
けれども――不思議と、麻帆良にはそれらがない。
学園祭で、その規模とバカ騒ぎの割に深刻なケガ人や死者が決して出ないように。
麻帆良学園はその日常においても、深刻なケガ人や死者は、ほとんど出ないのだ。
出ない、のだが……
その年には、その年に限って、実に不可解な、そして明らかに悪意に満ちた事件が起きていた。
女子生徒が、日の暮れた学園内で襲われる事件が頻発したのである。
金や持ち物が奪われることはなかったし、性的な暴行も受けていない。
犯人の動機は、さっぱり分からない。まるで生徒を襲い、ケガを負わせること自体が目的のような。
そして、狙われたのは何故か決まって麻帆良学園女子中等部の生徒だけ――
なお、この年の事件においては、別に特定のクラスが狙い打ちされるようなことはなかったのだが。
それでも、相坂さよが憑いている3−Aのクラスでも、被害者は続々と出ていた。
まるで生徒の特技を狙い撃ちしたような、悪質な被害が相次いでいた。
例えば――
油絵で数々の賞を取っていた絵描きの少女は、両目を潰された無残な姿で発見された。
演劇部をいくつも掛け持ちし常に主役を張っていた花形女優は、その顔を切り刻まれた。
天才と呼ばれたピアニストの少女は、その10本の指を全て切り落とされていた。
「遠当て」の秘技を使いこなす空手家少女は、返り討ちにあい両手両足をへし折られた。
学園でも有名な歌手だった女の子は、首を絞められ喉を潰され、その美声を奪われた。
ソフトボール部期待のエースは、ピッチャーの命である右腕を、折られ捻られ徹底的に破壊された。
さらにはこれと同時期に、急に行方不明となり、説明もなく姿を消した生徒が2名。急な転校が1名。
クラスの雰囲気は、一気に沈鬱なものとなっていた。
『私が犯人を捜してきましょうか……? 私が犯人を見て、皆さんが先生とかに伝えれば』
さよがそう言ったのは、自分にも何かできることがないかと思ったから。
その年、クラスに2人居た霊感少女たちは、しかしそんなさよを引き止めた。
それはちょっと危ないよ、と。もし襲われても、さよちゃんじゃ助けも求められないじゃん、と。
親友たちの気遣いに、しかしさよは笑った。
『でも、私もう死んでますから。そもそも触られることもないですし、私の姿も見えないかと……』
その日は、満月の夜だった。
親友たちには笑って答えた彼女だったが、夜の闇を1人で歩くのはやっぱり怖い。
ビクビク震えながら、彼女はそれでも勇気を振り絞って夜の道を歩く。
たまに暗がりで足元がよく見えなくて、すっ転んだりもしたりしたが。
相坂さよは、事件の犯人と遭遇できることを期待して、学園の中を歩き回る。
そんなさよの耳に――ふと、悲鳴が聞こえた気がした。
誰かが助けを求める声が、聞こえたような気がした。
さよは走る。さよは飛ぶ。木々の間を抜け、犯人を、犠牲者を見極めんと――
そして、彼女はたどり着く。そして、彼女は見てしまう。
月に照らされた、丘の上の噴水公園。不思議なほどに人の気配がない広場。
そこに力なく横たわる、血まみれの少女の姿。赤く染まった、麻帆良学園中等部の制服。
そしてその少女の背の上、巨大なナイフを担いだ、歪な体型の小さな影――
思わず息を飲んださよの方を、その小さな影はゆっくりと振り向き、そして笑う。
ガラス玉のような2つの眼球が、霊能力者にしか見えぬはずのさよの姿を、しっかりと捉える。
「……ケケケッ。今夜ハ大漁ダナァ。飛ンデ火ニ入ル夏ノ幽霊、ッテカ? キャハハッ!!」
15年前の、ある満月の夜のことだった。
13th TARGET → 出席番号01番 相坂さよ?
せっちゃんいじめはいじめの描写は怖いけど堀川亮ボイスのエヴァを想像したら吹いたw
さよキタコレ!
さよはスルーキャラかも、と思ってたが登場して嬉しい
ゼロ氏は普段何をしている人なのかめちゃくちゃ気になる。
この人を惹きつける文章からして、只者ではないような気がする。
せっちゃんきたー!
・・・てか、これマジでヤバくね? あとこのちゃんこの後どうするん?!
ゼロきたー!
・・・てか、ゼロ昔も同じことしてんのか。未来ある才能狙って潰す殺人人形怖ぇぇ
この人気の無さはある意味いじめ
このスレ最高
( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )
846 :
自殺日記:2006/07/12(水) 23:36:38 ID:???
今日の3ーAは比較的落ち着いていた。
明日菜が登校しても、陰口すらたたく者もおらず、明日菜にとっては過ごし易い環境であろう。
しかしそんな落ち着いた環境には不釣合いな人物もいた。
一人は春日美空。
昨日の事で顔面には所々どす黒い痣が出来ている。
美空は暇な時を見つけてはのどかをキツイ目付きで睨み付けている
が、睨み付けられたのどかは美空のねちっこさに呆れ、相手にするのも馬鹿馬鹿しいと思ったのか、まるで美空という存在を否定しているように無視している。
一人は朝倉和美
彼女は何故か知らないが最近元気がない。
と、周りのクラスメートからはそう思われている。
しかし実際は相坂さよが突然目の前からは消えた精神的ショックが原因である。
相坂さよと朝倉は今までずっと苦楽をともに過ごしてきた。
麻帆良祭のときに出会った幽霊は今や朝倉には欠く事が出来ない最高のパートナーとなっていたのだ。
さよが朝倉に何も言わず突然消えたことは、 今までさよを友達と呼んでいた自分自身を否定されたみたいで、心が締め付けられたかのように痛かった。
一人は早乙女ハルナである。
彼女は明日菜達を意識しながらも、それでも勇気が出ず、逃げる事ばかり考えてしまう自分に自己嫌悪している。
現にハルナはじっと明日菜を見つめ、目が合うと咄嗟に逸らしてしまう。
そして頭の中で自身を罵倒する声を永続的に流し続け、自分は愚かだと言う。
しかしそれは自身に反省している振りをして、何かやった気になっているだけなのだ。
847 :
自殺日記:2006/07/12(水) 23:37:19 ID:???
言われてもいないのに彼女は私が嫌いだといい、何もやっていないのにやって失敗したように自己嫌悪している。
結局は何の努力もせずに既に諦めてしまっている愚か者なのだ。
だからこそハルナはそんな自分が嫌いなのだ。
何もしていないのに、すぐ諦めてしまう自分を。
そしてそれを分かっていながら、何も出来ない自分を…。
「おはようございます。」
「あら、ネギ先生!今日もいちだんと凛々しいお姿で!」
「はいはいわかったからさっさと号令しなよ。い・い・ん・ち・ょ♪」
「まあ、桜子さん。あなたに言われなくても今言うところでしたわ!」
久しぶりに在るべき姿が帰ってきたような気がする。
黄色い声を上げるいいんちょう。それに突っ込む周りのクラスメート達。
今の明日菜にとってこれほど居心地のいいクラスは他にはなかった。
「えーと…出席を取ります。」
出席表を開き、一人一人に出席のチェックを入れていくネギ。
しかしある所でネギの手が止まり、空席に目を向けるネギ。
「五月さん…、どうして学校に来てくれないんだろ…。」
ネギの目の先にある席は四葉五月。
まさか五月なんてマイナーなキャラが来るなんて
おいこら、さっちゃんは重要キャラだぞ!?
だが確かに驚いた。いきなり空席かよ、と
五月キターーーーーー
空気ですから
五月「あれ?私学校来てるんだけど…」
それは美空。
お前らネギまに美空ありだってのになんてこと言うんだ!
ナイツいじめ
855 :
自殺日記:2006/07/13(木) 07:47:46 ID:???
何故か一週間前から無断欠席。
ネギが三日前に部屋を尋ねてみたのだが、結局無断欠席の理由は話してもらえず、ネギの悩みの種の一つになっている。
しかし実は五月の無断欠席の理由を知らないのはネギだけであって、3ーAの生徒全員は欠席理由を知っている。
元を正せば五月の無断欠席から、全てがおかしくなったと言っても間違いではない。
だから生徒達はネギにその事を打ち明けずにいるのだ。
打ち明けたら、奴等に何をされるか分ったものじゃないからである。
もちろん言うまでもなく五月の事にも奴等は一枚噛んでいる。
といっても別に奴等は五月を潰そうとか考えていた訳じゃなく、簡単に言えば巻き添えを食らったのだ。
だいたいクラス内の空気が安定している今、そんな嫌な始まりを自ら進んで語ろうと思う奴などこのクラスには一人もいなかった。
「それじゃあこれでホームルームを終わりにします。」
ネギは一礼して教室から出ていってしまう。
しかしその直後、ネギは慌ててクラスに戻ってきた。
「あ、そうだ。昨日2年生の財布が知らぬ間に盗まれるといった事件がありました。皆さんもスリには気をつけてください。」
ネギはそう言うと、慌てて教室を出ていった。
856 :
自殺日記:2006/07/13(木) 07:48:28 ID:???
「…で、なんであんたの顔は痣だらけなの?」
美空の机の周りには、柿崎やら裕奈やらが美空を軸にして囲んでいる。
美空は隙間からちらっと龍宮の顔を見たが、瞳孔の開いた目に睨まれ、すぐに目を逸らしてしまった。
「…い、いや、…ちょっとね…。」
あくまで作り笑いで誤魔化そうとする美空。
しかし彼女たちはそこまで馬鹿ではなかった。
「あんたさぁー、宮崎になんか弱み握られてんの?」
美砂の言葉に一瞬自分の耳を疑った美空。
マズいと思ったのか、心のなかで必死になって自分を落ち着かせている。
そして美空は、一言だけこう言った。
「ぅえ?…な、何の事?」
どう見ても動揺しています。本当にありがとうごさいました。
美空は言うべきか言わざるべきか必死で悩んでいる。
彼女たちは既にのどかをボコる気マンマンだ。
しかし、のどかにはあのアーティーファクトがある。
あれを使われたらどんな危ない狂犬でも、一瞬で猫のようになってしまうのは目に見えている。
しかしそんな事を言ってしまったら、下手したらオコジョ行きになってしまう。
「(面倒くせぇ…、逃げよう…。)」
857 :
自殺日記:2006/07/13(木) 07:50:13 ID:???
これ以上、のどかに関わりたくなかった美空は、適当に理由をつけて早退してしまった。
キーンコーンカーンコーン…
放課のチャイムが校内に響き渡り、教室から生徒達がぞろぞろと出て行く。
「のどか。ちょっと話があるです。」
「え?」
突然後ろから夕映に声をかけられ、鞄を机の上に置くのどか。
「どうしたの?」
のどかが尋ねると、夕映は急に辺りを気にし始め、
「ここじゃちょっとまずいです。人気のないところに。」
と、のどかの耳元でそっと囁き、のどかの手を引張って教室から出て行ってしまった。
普段はあまり利用者が少ない女子トイレに駆け込む二人。
夕映はのどかをトイレのなかに入れると、辺りを気にしながら静かにドアを閉めた。
「ど、どうしたの…夕映?」
突然人気のないトイレに連れて来られたのどかは、いつもとは違う強引な夕映に少し怯えている。
夕映は静かに口を開く。
「のどか…。もう明日菜さんと関わるのは止めるです。」
「!!」
親友が放った衝撃的な一言。
夕映は大切な仲間である明日菜を見捨てろといったのだ。
「な…んで…。」
思わずのどかの目から涙がこぼれそうになる。
ショックだった。
( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )
( ゚д゚ )
860 :
自殺日記:2006/07/13(木) 07:51:43 ID:???
パシッ
渇いた音がトイレのなかで虚しく響いた。
のどかは感情的になり、気づいたら夕映の頬をひっぱたいていたのだ。
夕映は赤くなった頬を擦りながら、のどかを真っ直ぐな目で見続けた。
まるで自分が正しいとでも言うように…
「明日菜さんと関わる事は危険すぎます。」
そう言うと、今度は夕映がのどかの頬をひっぱたいてしまう。
「あなたは昨日、美空さんにアーティーファクトを使いましたね?なんであんな所でアーティーファクトなんて使ったのですか!下手したらあなたオコジョですよ!」
夕映はのどかに本気で怒っていた。
夕映は夕映なりにのどかの事を考えていたのだ。
「…んでって…。」
「え?」
「なんでって何!」
のどかがキレた。
のどかの目はもう夕映を友達として見てはいなかった。
「なんで!?じゃあなんで夕映はあの時何もしなかったの!?」
「…そ、それは…。」
「心痛まなかったの!?明日菜さんが泣いてる所見てて!?何も出来なかったくせに…、逃げたくせに!」
夕映はのどかの言葉に思わず胸を押さえこんでしまった。
全てが夕映の胸を激しく、そして重く叩いていく。
「私はそんな夕映知らない。つまらない理由つけて友達を捨てる夕映なんて知らない!」
のどかは目に涙を溜めて、トイレを出ていった。
「のどか…。」
夕映は後悔した。
自分はなんて傲慢な事を言ってしまったのだろう。と…
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーーーン
ヽ( ・∀・)ノ●ウンコー
ひどいな
本屋がオコジョ?
ねーよwwwwwwwwww
ゆえひどい
866 :
自殺日記:2006/07/13(木) 13:09:43 ID:???
>>864 のどかがオコジョねぇ…
本当におかしいなw
やっぱり見直ししとけばよかった
後で訂正しますんで
いや、ゆえやのどかが「勘違い」してたということでいいと思うよ
それでも直すなら自分たちのせいでネギ先生が、という感じか(従者の責任は主人の責任)
スレ内で訂正かよ
くだらん
訂正しないなら、開き直るorガン無視? どっちも最低だろうがよ
日本語でおk
どうせ書いてるのネウロだし
流れにワラタ
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーーーン
( ゚д゚ )( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/
\/ /
>>838 チャチャゼロ残酷編13 後編
――幽霊とは、本来「あってはならぬもの」だ。この世の理に反するモノだ。
魂というものは、肉体と共にあるのが「あるべき姿」。肉体無き精神は、いずれ消滅するのが道理。
その世界そのものの「基本ルール」に反して存在し続けるためには、「拠り所」が要る。
怨念や未練など、この世に留まらねばならない理由。
執着ある物体や場所など、あの世に去るわけにはいかない理由。
それらがあるから、幽霊たちは「こちら側」に留まることができる。
逆に言えば、これらを失えば彼らは「こちら側」に留まる「拠り所」を失い、いずれ消滅する。
いきなり消滅まで行かずとも、やがて自我を失い姿形を失い、「特定人物の幽霊」では居られなくなる。
漠然とした亡霊、悪霊、あるいは残留思念のレベルに堕ち、その存在が根本から変質してしまう。
生前の姿と自意識を残したままこの世に留まり続けるのは、実は非常に難しいことなのだ。
そういう意味では、相坂さよは極めて特殊な「幽霊」である。
己の死を覚えていない。己がこの世に留まる理由も覚えていない。地縛霊にしては、行動範囲が広い。
もうそれだけで、実は幽霊として標準から大きく外れている。
実際、霊能力者にも視認が困難で存在にすら気付かれないというのは、もう「幽霊」ではない。
姿形を持たぬ、残留思念に近い存在だ。
近いのだが――しかし見えないとはいえ、さよは確固たる姿を持つ。確固たる自我を維持している。
相坂さよは、基本的な霊の分類からは大きく外れた存在なのだ。
とはいえ、彼女も最初からこんな珍しい霊だったわけではない。
「あの時」までは、ごく普通の幽霊だったのだ。
霊感少女たちとごく普通に交流し、ごく普通に会話を交わし、色んな意味で「普通の幽霊」だった彼女。
自分がこの世に囚われている理由も自覚していた。自分の死の状況も覚えていた。
――あの、満月の夜。さよとはまた違う意味で、この世の理から外れた怪物と遭遇するまでは。
『ひッ……!』
――満月の下。
血まみれの少女を踏みつけ、血に濡れた凶器を担いで笑う、歪な体型の人形。
さよは、直感する。
「これ」が、犯人だ。一連の事件の、犯人だ。
そして――コイツが次に狙っているのは、間違いない。誰にも触れぬはずの――
『い……いやぁぁぁッ!』
さよは、逃げ出す。
今そこで虫の息になっていた犠牲者を救うためではない。
自分自身が身の危険を感じ、恐怖に駆られてその場を逃げ出す。
既に死んでいる自分が、害を成されるハズなどないのに――
「ケケケッ。ツレナイナ、オイ!」
背後から耳障りな声がかかる。肉の塊を蹴り飛ばし、恐るべきスピードで迫る気配がする。
全速力で宙を飛ぶさよは、振り返り、そして見る。
不気味なほどに開かれきった、人形の目。振り上げられた、巨大な刃。
ぶん、とその大きなナイフが振るわれて――
『ああああああッ!?』
背中に走った熱い感触に、さよは悲鳴を上げる。
……幽霊なのに、熱い?
そう、熱かった。そして痛かった。まるで己の存在そのものがごっそり削られたような感触。
『い……痛い? 痛い! 痛い痛いいたいいたいいたいですッ!!』
「ケケケッ。『死んで』以来、初メテ感ジル痛ミカナ? 貴重ナ体験ダ、ジックリ味ワイナ!」
数十年来感じたことのなかった『痛み』に、さよはその場でのたうちまわる。
さよの背中には、セーラー服もろとも切り裂かれた大きな傷口。
底なしの穴のような傷口から、何やら青白い光のようなモノが、まるで血のように噴出する。
幽霊を構成する非物理的な霊的媒体。それが、さよの存在からこぼれ落ちていく。
肉体のみならず、精神をも切り裂くチャチャゼロの呪いの刃――
それは、亜子のように犠牲者の精神を傷つけるのみならず、霊体に対しても殺傷力を持つ。
裏の世界で様々な敵と対峙してきた、『闇の福音』エヴァンジェリン。
その豊富な経験の中で、彼女は時に、同じく闇に属する者たちとも敵対したことがある。
そんなとき彼女が苦戦したのが、実体を持たないゴーストの類だった。
この手の実体なきアンデットに対しては、聖別した武器や聖なる力を扱う魔法が最も効果的。
しかし自身も吸血鬼であるエヴァに、この手のモノが扱えるハズもない。
そしてこの手の対抗策が封じられれば、下等な亡霊の類であろうとも、実に危険な敵となる。
そこで彼女は、自らの従者にそれらの対処を任せることにした。
聖なる力が使えぬのなら、相手の呪いをも上回るさらに強力な呪いの武器をもってこれを破る。
しかも間違ってもエヴァ自身が呪いに捉われぬよう、エヴァではなく従者に持たせる形で。
ゼロにとっては過酷なこの対策に、しかしゼロは笑って応えた。
「ケケケッ。ソイツハイカニモ『悪』ッテ発想デ良イナ。面白イ、喜ンデ呪ワレテヤルゼ、御主人。
タダシ――人ヲ呪ワバ、穴2ツ。セイゼイ御主人モ気ヲツケロヨ。ケケケッ」
こうしてゼロのナイフには呪いがかけられ、殺傷力が高められ、霊体への攻撃力を得て。
そのナイフを使いこなすために、ゼロはナイフ格闘術の達人となった。
エヴァの劣化コピーであり時間稼ぎの壁役でしかなかったゼロが、エヴァにはない、確固たる能力を得たのだ――
――満月の下。
さらに数度斬りつけられ、その輪郭すら危うくなった相坂さよ。
もはやのた打ち回る力さえ失い、霊力を失い、幽霊から姿無き残留思念に堕ちる寸前。
彼女を見下ろし、ゼロは笑う。
「……ヘェ、案外丈夫ナ幽霊ダナ。面白イ、コノ場デ滅ボスノハ、勘弁シテヤルゼ。
ソノ代ワリ……!」
ゼロは呪いの刃を振り上げて、「ある約束」を強要する。呪いを込めて、さよの胸に、その刃を……!
それから、15年。
相坂さよは誰にも気づかれることなく、年月を過ごした。
かつて彼女の身を心配した霊感持つ親友たちは、「急に消えた」さよを心配しながら卒業していった。
その後に入学してきた生徒たちの中にも、彼女の存在に気付く者はいなかった。
ただ漠然と、「その席に座ると寒気がする」という程度の感触を覚えるだけ。
誰も、さよの姿を見たり、言葉を聞いたりすることはできなかった。
ゼロの呪いの刃に切り刻まれたさよの霊体は、消滅寸前まで痛めつけられていた。
ほぼ全ての力を失い、自分自身の姿を維持できなくなり、記憶の大部分を失い……
ほとんど残留思念のような形になって、彼女はその場に残り続けた。
これが麻帆良学園でなければ、彼女はそう遠くないうちに、本当に消滅していただろう。
元々、肉体無き霊体はダメージの回復が遅い。遅いというより、ほとんど回復しない。
肉体さえあれば、その新陳代謝に合わせ霊的な部分も回復するのだが、霊体にはその肉体がない。
ここまでダメージを受けてしまうと、普通は霊体の回復よりも自然崩壊が先に訪れるものだ。
すなわち、幽霊としての『死』が待っている。
ただ幸運なことに、ここは麻帆良だった。世界樹に抱かれし聖地・麻帆良だった。
年一回、学園祭の時期に満ち溢れる世界樹の魔力。不可能を可能にする不可思議の力。
それが、さよの回復を助けていた。さよの傷を癒していた。
自身も気付かぬうちに、毎年毎年少しずつ、失われた姿と力を取り戻していく彼女。
そして22年に一度の世界樹大発光が巡り来た、この年。
相坂さよは、ほぼ完全に回復を遂げていた。ほとんどのものを取り戻していた。
未だ記憶の一部は戻らなかったが、ようやくにして彼女の傷は癒えていた。
あまりにもゆっくりした回復のペースに、彼女自身、全くそんな自覚は持てなかったのだけれど。
だが……。
「――よちゃん! さよちゃんってば!」
場面戻って、2003年の3−Aの教室。
頭を抱える幽霊の親友・相坂さよに、朝倉和美は必死に呼びかける。
これが普通の人間なら、すぐにでもその身を抱きかかえただろう。その背を撫でさすっただろう。
しかしさよに伸ばした和美の手は空を切って、ただその名を呼びかけることしかできない。
さよの身体が光る。さよの身体が揺らぐ。
15年の時をかけ、やっと取り戻したさよ自身の姿。それが揺らいで、消えようとしている。
自らの身体を抱くようにして苦しむさよの、胸のあたり。
ゆっくりと、傷口が開く。セーラー服が裂け胸の皮膚(?)が裂け、青い光があふれ出す。
まるで古い傷が今になって突然開いてしまったかのように――
あの夜、人形は言った。「忘レロ」と。「俺ノコトヲ思イ出スナ」と。
あの夜、人形は言った。「語ルナ」と。「俺ノコトヲ誰ニモ喋ルナ」と。
あの満月の夜、人形はさよの胸にナイフを深々と突き立て、呪いをかけた。
「オ前ガ約束ヲ破ッタソノ時、コノ傷ハ再ビ開クダロウ」と。
15年越しの呪い。
15年前の満月の夜、ゼロが「条件」を提示しながら刺し入れた最後の1太刀。
思い出してしまったさよの耳に、あの笑い声が聞こえる。耳障りな嘲笑が蘇る。
斬られたことすら忘れていた、遭遇したことすら忘れていた、あの夜の記憶。
それが一気にあふれ出し――同時に、その古傷が開く。
全てに気付いた時には、もう遅い。さよの存在自体が、見る見るうちに失われていく。
この事実を、誰かに伝える間すら与えられない。
……元々、それを意図してのゼロの「呪い」だったわけだが。
「さよちゃん!」
『朝倉さん……たぶん、私、ダメです……』
「だめって、どういうこと!? ちょっと、ねえ!」
胸から血を噴き出すような格好で少しずつ消えていくさよに、和美は大声で叫ぶ。
元々さよを見れない級友たちが、そんな和美を不思議そうに見つめるが、それどころではない。
消えていくさよは、苦しそうな表情の中、それでも懸命に言葉を発する。
和美に対して、それでも伝えねばならない言葉を、必死で口にする。
『15年前……よく似た事件……満月の夜……』
もはやはっきりした文章すら口にできない。ほとんど見えなくなった姿で、さよは最後に、微かな声で。
『大きな、ナイフ……笑う、にんぎょ……』
最後まで言い切ることができず、そして、相坂さよは、それっきり姿を消した。
後には数粒の光の粒が、宙を舞うだけ。
まるで状況を理解できないクラスメイトの視線にも構わず、和美は、やがて大声を上げて、泣き始めた。
訳も分からないまま、恥も外聞もなく、泣きじゃくった。
(朝倉さん……泣かないで……。私は、ここに居ますから……)
誰かが、すぐ傍で呟く。けれど残留思念に過ぎぬその声は、今度こそもう誰の耳にも届かない。
名もなく、姿もなく、力もない、ただ、そこに遺されているだけの、想いの欠片。
「それ」が再び「相坂さよ」の姿まで回復するのに、今度は何年かかるのだろう。何十年かかるのだろう。
「それ」はそして目の前で泣いている彼女の名前さえも思い出せなくなって、やがて考えるのをやめた。
何十年もの間そうしてきたかのように、ただ、そこにいて、皆を見守る存在となった。
居ても居なくても、全く何も変わらない、そんな存在に堕ちた。
どこか遠くで、誰かが笑っている。
穏やかな陽光が、前列窓際の空席を、静かに照らしている……。
NEXT TARGET → ???
さよちゃーん(ノД`)
うわぁぁぁぁ(ノД`)
やばい、泣いた。まじで
さよたん関係はなんでいつも泣けるんだ
888 :
自殺日記:2006/07/14(金) 13:04:05 ID:???
訂正&続き
「あなたは昨日、美空さんにアーティーファクトを使いましたね?なんであんな所でアーティーファクトなんて使ったのですか!下手したら魔法がばれてしまう所だったのですよ!そしたら…そしたらネギ先生はオコジョにされて…強制送還されてしまうのですよ!」
のどかは走る
夕映が言った事全てを忘れるために。
自分が言ってしまった事を忘れるために。
自分が夕映をひっぱたいてしまった事を忘れるために。
全てを忘れるために…「ハァ…ハァ…。」
どのくらい走っていたのだろうか。
気づいた時には世界樹公園の真ん中で独りたたずんでいた。
のどかは静かに目を閉じる。
消えて。消えて。消えテ。消エテ。キエテ。キエテ、キエテキエテキエテキエテキエテキエテ…
今ののどかには、夕映もネギもどうでもよく思えてしまう。
今はただ、明日菜を本気で助けたいと心から願った。
まるで明日菜と昔の自分を重ねるかのように…
のどかは静かに記憶の門を閉じる。
「へぇ…、本屋ちゃんでもたそがれるなんて事あるんだー。」
「え?」
目を開くと桜子が向こうから歩いて来る。
889 :
自殺日記:2006/07/14(金) 13:05:37 ID:???
「や!元気?」
「は、はい。どうしたんですか?こんな所で」
それを聞いた桜子は呆れたように溜め息をつく。
「お気楽すぎ…。本屋ちゃんに忠告があってね。」
「え?」
「美砂が駅前であんたを待ち伏せしてるよ。美空の報復だって。くだらないよね。美砂はただあんたをボコしたいだけなのにさ。」
桜子は暇そうにのどかの周りをグルグルと回っている。
「何故そのことを私に?」
「ん?ん〜…強いて言えば…なんだろ?特に理由はないなぁ…。」
「はぁ…。」
桜子の足が止まる。
「でも、今の美砂ってさ。なんか付き合いにくいんだよね。なんか憎しみっていうかさ。暗いていうかさ。一緒にいても楽しくないんだ。」
桜子が一瞬見せた笑顔は今まで見てきた笑顔よりも少し色あせて、ぼやけて見えたような気がした。
「じゃあね。一応忠告はしたから。」
桜子はのどかに背を向け、歩いて行ってしまう。
「桜子さん!」
気がついたらのどかは桜子を引き止めていた。
「大丈夫です…。きっと元に戻りますよ。柿崎さんも…。まぁ保証はないですけど。」
「ハハ。あんたも黒くなったね。」
こうして桜子はのどかの前から去っていった。
お互い本音を覗かせながら…
さよぉぉぉぉッ!
……密かにゼロへの逆襲のキーを置いていった?
各キャラのいろんな特性や設定を利用してのストーリーの運び方にただただ脱帽。
さよちゃんが消えてしまったから俺はマタンゴ喰ってキノコになるわ(古)。
さすがゼロ
腕、人気とも高いね
自記もスレついてないけど挫けず頑張れ
スレついてないってなんですかw
正直自記は前置きが長くてレスしようがない
ネウロが書いてるから
つ( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )
ザジちうスレで……
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーーーン
はかせ誕生日ネタきぼんぬ
葉加瀬誕生日スルーされてカワイソス
905 :
ハカセ記念:2006/07/15(土) 00:53:55 ID:???
―7月15日
ネギ「…ずずっ…はぁー」
朝の職員室…職員会議が終わってつかの間の休憩…。
ネギ君はお茶をのんでいます。
ネギ「ナーンカ忘れてるよーな…」
ふと机の卓上カレンダーを見ると『7/15…ハカセさんたんじょーび!』の文字が。
ネギ「なんぷぅ!」盛大にお茶を吹くネギ。
―朝のホーッムルーム
ネギ「……あーっと、えーなんと昨日、ハカセさんのお誕生日でしたー!」
連絡が終わったあと、気まずそうに付け足すネギ。
超「げ、私も忘れてたヨ…」どうやら超ですら忘れていたようだ。
当然…クラスのみんなも覚えているはずはない。
ハカセ「……」
ネギ「はいっ!はくしゅーー!」
「お、おめでとーハカセ!私は覚えてたよー!」「お、おめでとー!」
「ごめんねー!昨日ちょっと疲れててー!」
言い訳をしながらハカセを祝う3−Aズ…。これならずっと忘れられていた
ほうがよっぽどマシだ。
ハカセ「あ、うん、ありがとうございますー…」
―学校が終わり家につくと一本の留守電が…
『7月15日、メッセージが一件…再生します…:さ、さとみ〜元気かいー?お母さんだよー!
あの、お誕生日おめでとー、お母さんちょっと忙しくて昨日hプチッ
すみません、急いで考えたのですがこのくらいしか…
906 :
ハカセ記念:2006/07/15(土) 00:55:19 ID:???
>>905 7/15× 7/14○ です。失礼しました
>>905 急いでかいたわりには秀逸
ってかワラタ
これもある意味いじめ
ハカセ(';ω;`)ウッ
(^ω^;)
ゼロ氏だ!!勉強になりました…!
教科書がネギま!だったら勉強する気になるんだけどなー…
『超の一目でわかる量子力学』『ネギの楽しい英会話』『くーふぇの古武術入門』
『楓の始めてみようサバイバル生活』etc…
他のスレまで来て宣伝じみたレスしてんじゃねぇよ
巣から出てくるな
ゼロ氏だ!!勉強になりました…!
教科書がネギま!だったら勉強する気になるんだけどなー…
『超の一目でわかる量子力学』『ネギの楽しい英会話』『くーふぇの古武術入門』
『楓の始めてみようサバイバル生活』etc…
他のスレまで来て宣伝じみたレスしてんじゃねぇよ
巣から出てくるな
(^ω^;)
>>909ー912
つガガガSP
つNO PLAN
つSOUL`dOUT
(・∀・)ニラニラ
>>914 あなた猫みないな顔してますね
猫アレルギーなんで帰ってください
( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )
エヴァ「wryyyyyyyyyyyyyyyy」
(・∀・)
<⌒/ヽ-、___
/<_/____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
なんだこの流れw
改めて携帯厨の無力さを知った
また厨か