第一話
宮殿の奥に不思議な彫像があった
一人の夫人が優しい微笑を浮かべながら一個のオレンジを手に階段を降りかけようとする___
それはまるで今にも動き出しそうな彫像であった
これは・・・遠い昔語り部たちはただ天地の始まりを伝えるだけでその役目を終えるころの話・・・
現在に伝わる神話も伝説も歪められることなく現実であった時代
いわば神話世代に生きたひとりの少年の物語
ルーン国ワタンカ村を見下ろす山の上にあるお城では召使の女たちが騒いでいた。
ベッドで寝ているはずの皇子が飼い竜とすりかわっていたのだ、どうやらクルト皇子はワタンカ村で遊び呆けているらしい。
しかし王はよいではないかと笑い、家臣は王は少し皇子に甘すぎますと渋い顔をした。
金髪の少年が水遊びをしていた子供たちに呼ばれジャンプして飛び込んだ。
幸せなクルト・・・ワタンカの村人は時々見かける少年をそう呼んだ
村人が見る限り彼はいつも金髪を風になびかせ笑いながらそばをかけぬけていった
その微笑みはどの人間をも明るくした
しかも彼は人々の崇拝する善なる神アガナードのおくりものさえうけていた
クルトの横を通り過ぎた干草を山のように積んだ荷車が倒れそうになり少女が下敷きになりかけたが、
クルトはひょいと荷車を持ち上げ少女を助けた。
すなわちこの幼さにしてこの怪力である
だがそれを除けばワタンカ村のどの少年ともかわらないただの子供だった
幸福なクルトは一生をやさしさと幸福につつまれて育っていくはずだった
楽しそうに網を引っ張り魚を採って遊ぶクルトだが他人の母親を見るとき何故かさびしそうな目をする。
夕暮れになりこうもりが空を飛ぶころほかの子供たちには母親が迎えに来ているがクルトはおばばのところへ寄ってみるため
走り出した、森を抜け霧の立ち込める岩場を飛び越えて朽ちかけたつり橋を渡ると木の穴の中に鍋を煮る老婆がいた。
おばばは布で顔の半分を隠しているのでわけを聴くが教えてくれなかった、代わりに伝承を聞かせてもらうクルト。
「ねえおばば どうして僕には母さんがいないんだろう 父上にいつも聞こうと思うんだけど
ちょっとそんな話が出るだけで父上はとても悲しそうな顔をするし それを見ると胸の奥がとても変になって
ぼく いえないんだ・・・でもぼく・・・母さんが欲しい」
城に帰ると家臣にお小言を言われて徹夜で勉強することに、しかし習ってないところまでしゃべってしまい
村の語り部から学んでいることがばれてしまう、王は語り部から何かが漏れるのを恐れクルトにもう会わないよう言うが
クルトは言うことを聞かないのであかずの間で謹慎させることに、しかしクルトは暗闇と静けさに耐えられず暴れだす。
石柱をブン投げ壁を壊すと別の部屋が現れた、そこにはオレンジを持って階段を降りかける女性の像があった。
あれほど暗闇を恐れたクルトが何故か安心してしまうそれを見て王は何かを決意したようだった。
王はクルトに8歳の誕生日を済ませればどこに行ってもいいと言ったしかし今日明日の二日間は城に閉じこもっていろと命じるが
クルトは次の日も城を抜け出していた、友達とその父親がこうもりの巣を探すのを手伝うクルト。
くもの糸を頼りに崖まで来る三人しかしこのあたりにはほら穴なんてないはず。
そして友達の父親は形相を変え帰るぞと子供の手を引っ張りだす、父親は
「これには皇子様の命がかかっているんだこの岸壁のあたりを荒らせば国王様に罰を食らうぞ、それも重い罰を」という。
クルトは自分の命がかかっていると言う岩壁の向こうが気になりオノを借りると岸壁に切れ目をいれ手で左右に割り始めた。
クルトが力を入れると岸壁は轟音を上げて真っ二つに裂けた、中からこうもりが飛び出す。
裂け目の中には階段がありそれを降りていくと暗闇の中に何か無数の人影のようなものが。
「ああっ こ・・・これは これは・・・一体・・・」
5 :
マロン名無しさん:2005/09/05(月) 00:03:51 ID:CkU3ivT8
(^ω^;)つ んね
ああ、余りにも酷すぎて「ま」が抜けちゃった
なんか物凄く垢抜けない感じだ・・・
この人スケバン刑事の人だよね?
そのうちはっちゃけてくれるかなあ
荷車持ち上げたり、石柱ぶんなげたりはまだ許容範囲だが、
怪力だからって崖を開いちゃうのはやりすぎだろ。
おばばの顔の隠してる半分にはやっぱ、
火傷の跡かなんかがあるんだろうな。
ほのぼのファンタジーなのかな
絵は好きだ
たぶん、今はまだプロローグで、本編は数年後、クルトが
13〜15歳ぐらいになってからの話なんじゃないか?
これから何をするにせよ、主人公が8歳じゃ動きにくいよ。
行動半径もお城の近くに限られちゃうだろうし。
そこが魅力でw<垢抜けない
多分王道ファンタジーを行ってくれると思うので楽しみにしてみるテスト。
しかし題名のピグマリオって、ピグマリオンの事?
石像が人間になって嫁になるのかな?
原作好きだけど
文字にするとこんなにつまらない
もんなのかとちと驚いたw
スマソ…ルール分かってなかった。
12はスルーで
この人、王道ファンタジーってなにか描いた事あったっけ?
おどろおどろしい方面は良く描いてたけど。
子供主人公もなぁ、うまくやらないと、数回で
打ち切りくらうんじゃないか? クルトも少しあざとい面あるし。
この人の漫画結構エグいからなあ・・・・
今回は男主人公ってことで色々心配だ
ヒゲ熊さん、ファンタジーそのものはすごい好きで造詣も深そうだよね。
それが良い方に行くかどうかはわかんないけど。
そういや、クマさんの四季ってこの人だよね。
あれって確かほのぼのファンタジーでしょ。
ところで、クルトって8歳なの?
絵柄見る限りじゃ、もうちょっと年上に見えるけど。
>>17 厳密にはまだ7歳。
「8歳の誕生日を済ませれば」って王様が言ってるやんか。
新連載?
ファンタジーはあたらないからなあ。
打ち切りにならなきゃいいけど....
ちらっとしか読んでないけど第一部って銘打ってあったような?
だとしたら、打ち切りとしても子供時代をさっさとすまして第二部って感じ?
そういえば、予告漫画あったよね。
てことはスケバン刑事終わって次の、満を辞してってヤツなのかな?
予告漫画持ってる人いたら、あらすじキボン。
第二話
封じ込められた洞窟の中で見つけたのはおびただしい数の石像だった。
クルトを探していた家臣ダーレスは空を飛ぶこうもりを見て岩壁に急ぐとそこには皇子がいた。
「わがままは許しませんぞクルト皇子」ダーレスは鎖をクルトに巻きつけるとそのまま騎獣を走らせて城に連れ帰る。
友達の少年はクルトが皇子だったことにショックを受けていた。
城に連れ帰られたクルトは王に石像のことを尋ねたが王の怒りに触れ殴り飛ばされてしまう、クルトは真実を知るため
その夜おばばの元に向かった、そこでクルトはあかずの間にあった石像が母上王妃ガラティアであると知る。
洞窟にあったたくさんの石像は七年前石像に変えられたワタンカの村人で石像に変えたのは悪神ルイードの娘、
蛇の頭髪と見るものを石に変える邪悪な魔物「メデューサ」。
どうして?と聞くクルトに「妬みでございますよメデューサの」と答えるおばば、
「ガラティア様とメデューサは悪しくも同じ年同じ日髪の毛一筋の狂いもない同じ時に生を受けたと聞きます」
そしてクルトにそのことを隠していた理由は八年前王妃が石になったその日城にメデューサの使徒ドノマーガという魔物が現れた
兵士八人をいかずちで殺し「死んだ八人の兵士に免じて八年間の生命の猶予を与えよう」と言う
「八年後その子がメデューサ様に忠誠を誓えばよしさもなくば死出の旅に導く、よいな8歳の誕生式じゃ、その日私はまた来るぞ」
と言い残し黒煙とともに消えた、そのため王はメデューサの残した傷跡を息子に見せないようにした。
すべてを知りクルトはメデューサを倒す決意をする「どこにいるのメデューサは?」とクルト、
海の向こうの地の果てに住むと申します、海を渡っても数多くの山を越え川を渡り・・・人の足では幾年もかかる地の果てとか。
クルトはおばばに例を言い走り出した。
(メデューサ!メデューサ!まず誕生式にやってくるというお前の使徒ドノマーガにあってやる
そのあとでお前の所に行くぞ たとえどんなに遠くても ぼくはおまえを倒しにそこへ行く!
待っているがいい・・・悪神エルゾの娘メデューサ!)
皇子クルト___開けて8度目の誕生式をむかえる朝であった
>>18 そうだった。
いや、「8歳の誕生式」ってあるのを見て、8が頭に残ってたみたい。
メデューサってことは、ギリシャ神話がベースか。
つまり、クルトはペルセウス?
ずいぶん、神話とは違う設定になってるけど。
メデューサでかっ。
あんなのどうやって倒すんだ。
悪神ルイード?悪神エルゾ?どっち?
第三話
暗雲立ち込めるルーンの城兵士たちはあわただしく配置につき村の長老たちは不吉なものを感じ
ていた、そのころ城の中ではダーレスたちがクルトの行方を捜していたがまだ見つからない。
王ステファンは心配する「困ったもうすぐメデューサの使徒が来るクルトの口から忠誠を誓わせ
ねばあの子の命が危ない八年前は私がメデューサにはむかわぬと約束することで事なきを得た
が・・・だが今度は・・・今度こそは」。何故かクルトの儀式用の鎧や剣が見当たらないのを不
思議がる召使たち、そのとき城が地響きを立て揺れだすと城の中央から炎が吹き上がった、そし
て黒煙とともにメデューサの使徒ドノマーガが現れた、クルトはどこにいるのかとたずねると
天井の梁の上からクルトの返事があったステファンが降りるように言うとクルトは素直に降りて
くる、それを見たドノマーガは他愛のない子供だと思い手のひらに小さな小瓶を出現させた
「これはメデューサ様の血だよこれをお飲みそうすればお前の意思はメデューサ様の意思になる、
くくくいわば操り人形にな・・・飲めば命は無事・・・さあどうじゃ」ステファン王は苦渋の表
情を浮かべる、しかし素直にしていたクルトはいきなりドノマーガの手に噛み付きメデューサの
血を叩き返した「たとえ父上がどういおうと僕は母上を殺したものに服従なんかしない!ワタ
ンカの村を滅ぼしたメデューサに頭なんか下げない!帰れ」クルトは激しい口調で服従を拒否し
た、それを聞いたドノマーガは「良くぞ言った」といいクルト以外のものに目は見える耳も聞こ
えるが動けなくなる金縛りにかける、そして黒煙とともに竜のような大蛇に変身した、「くくく
驚いたか小僧」と笑うドノマーガだがクルトは「驚くというよりあきれた、今まで聞いたどの伝
承の怪物より 不様だ」。
抜かせ小童とドノマーガが口から火の玉を出してクルトを攻撃、クルトはこれを避けるがしっぽ
に巻きつかれてしまう、さらに止めを刺そうとかみつきに来たダーレスを逆にクルトのパンチが
あたり、ふっ飛んでしまう、その間に城壁の塔の中に逃げ込むクルト、ドノマーガの顔が塔の窓
を横切ろうとした時、剣を構えてジャンプした、そして見事首を真っ二つに切り落とす。
クルトはこの調子ならメデューサも倒せると思った、金縛りから解けたみんなに旅に出ること
を告げる「父上は臆病者だ!どうして母上が石にされた時すぐにメデューサを倒しに行かなかっ
たの!」
そのとき誰も気がつかないほどゆっくりとドノマーガの首がくっつきだしていた。
「ぼく父上が好きだった、だけど今は・・・嫌いだ!大嫌いだ」
首が元通りになったドノマーガが再びクルト意外に金縛りをかける、それに気がつかないクル
ト、それを知らせようとステファンは必死の思いで金縛りを破る。
「クルト後ろじゃ!」
父の叫びに後ろを振り返るクルト、その瞬間無数の稲妻がドノマーガの体を貫いた!
一撃で黒焦げになり骨と化すドノマーガ、その上空には金色の鷹が舞っていたそしてクルトを導
くように海のほうへ飛んでいく「あの鷹はぼくを呼んでる」そういい旅立とうとするクルトを
ダーレスは引きとめようとするが王ステファンがそれをやめさせる
「何者かに導かれておる、もはやわしらにはとめられぬ・・・運命(さだめ)じゃ」
父も民もお前を信じて待つ・・・そして祈る、見知らぬ土地の地獄を抜け明るい笑顔で帰ること
を、行くがいい後ろをふりむかず・・・そしていつか気づいてくれることを願う、お前の旅は・
・・そのまま将来 王となるための試練の道だということを・・・
断崖を上り崖を下り走り抜けついに海に出たクルト、船を見つけるとその上空であの金色の鷹が
旋回していた「この船に乗れというのか」 クルトはついに海へ出た。
なんかムカツク主人公だな。
スーパーパワーに頼って暴れてるだけで、
親の気持ちとか考えないし。
まあ8歳じゃしょうがないのかもしれんが
このままワガママ皇子だと共感できん。
> 28
だよなあ。
このテンションで突っ走られるとつらい。
ファンタジーだし「少年の成長」に期待。
作者が男のことを考えれば当然かもしれないが
少年漫画っぽい。直情的な主人公とかも。
そのお約束に従うと、旅の最中にいろんな仲間が増えるに違いない。
治癒魔法の少女とか太った同世代の少年とか剣の達人の青年とか。
治癒魔法かどうかはわからんが、美少女は鉄板やろw
美少女つーてもクルトの対になるなら
8歳かそれより下の年齢と言うことに。
幼女ジャン。
ヒゲ熊さん、それが描きたくて主人公8歳にしたんじゃねーの?w
そっか、子供部分は後一回ぐらいで終わって
13,4ぐらいにしてからヒロイン出すと思ったけど、
あんまりその世代のキャラ描いたこと無かったけ。
18ぐらいにしちゃうと冒険譚の主人公としては
トウが立っている印象になるし。
ぎりぎり16?
第四話
そして数週間、クルトはけっこう海のたびをエンジョイしていた嵐にあうこともあったが怖いも
の知らずのクルトは平気で眠っていた、たくましき旅人であった、そして船は不思議なことにい
つも西に向かっていた。
ある日眠っていると誰かに呼ばれたような気がしたクルトは甲板に出てみる、そこにはおばばが
いた、うれしくて抱きつこうとするクルトだがすり抜けてしまう、不思議がるクルトにおばばは
フードをとり隠していた顔半分を見せた、おばばは左半分が石になっていた。
「まさかおばばもメデューサに」そうですじゃと答えるおばばはそのときのことを涙ながらに語
りだした、おばばは王妃さまが石になったには自分のせいだと告白する、そして石になっても魂
は生きていますとクルトに教えた「思うにメデューサの妖力は濃い眠りの呪縛のようなものでは
ないかと・・・」
クルトはその言葉に希望を持つ「メデューサを倒せば母上は元に戻るかもしれない、母上だけじ
ゃない洞窟に封じられたワタンカの人たちもみんな、ありがとうおばば」
クルトがおばばの罪を許すとおばばは消えて行ってしまった、そこでハッと目が覚めるるクルト
夢だったのだろうかと疑いながら甲板に出てみるとそこにはおばばに杖があった「やっぱりおば
ばは来てたんだ」しかし「いいえあの人は死んだわ」と声がした。
周りを見てびっくりするクルト、何人もの女性が空中に浮かんでいる彼女たちは妖精で杖は彼
女たちが届けてくれたらしいしかもクルトの母親ガラティアの姉妹だと言う、そしてガラティア
の父、つまり善神アガナードが現れた。
アガナードはクルトにガラティアの唯一の形見である重そうな守護像を与えた、ガラティアの
ただ一人の妹に当たるという精霊が守護像には三つの力があると教えてくれる「それはそのまま
あなたの身を守ることになるのよ 天 地 人 でもその力を願ってはだめよ、願えばそれはた
だの人形よ」
クルトは頭に?マークを浮かべる、意味が良くわからないらしい、それでも母上のものだから大
切にすると誓った。
最後に妖精はクルトに自分の名前を紹介する「あたしの名は オリエ じゃねクルトいつかき
っとまた会えるわ」そして光となり空へ飛び去った。
妖精たちが去るのを海から何者かが見ていた(人間ふぜいにあの像はわたせん!)そして海中
から何かがいきなり飛び出す、船を粉々に破壊され転んだ拍子にクルトは守護像を海に落として
しまう、あわてて海に潜るクルトだが息が続かずさらに何かから攻撃を受ける、苦しくなりとう
とう気を失ってしまうのだった。
霧の中漂流するクルト、そして霧の向こうから何かの影がせまってきていた。
よく考えると、8歳のガキが1人で航海って
すごいことだよな。普通、死ぬよ。
このマンガがなんで花とゆめに連載されてるんだろう
ガラスの仮面読んだ後にこれ読むとスゲー違和感
39 :
あらすじ1:2005/09/08(木) 23:58:59 ID:???
第五話
クルトは母の守護像が海の奥深くへ落ちていく夢をみていた、それから目がおおきな化けもの
が迫ってくる夢もみていた、クルトは叫びながら飛び起きる。
暖炉の中で目を覚ますとそこには大騒ぎしながら飲んだり食ったりしているいかにも荒っぽそ
うな男たちがいた、目が覚めたことに気がついた青年に「おまえはだれだ」と聞くと「名を聞く
ならまず名乗ってからではどうだ?」といわれルーン国の皇子クルトだと名乗る、眼帯を付けた
老戦士が「皇子」を疑うので老戦士のアゴを蹴り上げる、青年はエカルドと名乗った。
老戦士はクルトを恨み半ば強引に決闘に誘う、それははるか高みにかけられた丸太の上でオノ
で戦うという荒っぽいものだったがクルトは老戦士を持ち上げ「まいった」をいわせた、しかし
空腹のため落ちそうになる、老戦士はあわてて助けた、しかしこのことでクルトはいっきに男達
に気に入られたようだ、サリィという女の子がクルトの世話係になった。
彼らは入り江の一族という船を操る一族で、何故か山の一族を嫌っていた、海の底のように冷
えきっていたクルトを助けたのは彼らたちだった、クルトは海の底に落とした守護像を取り戻す
ため潜水を教えて欲しいと頼む、老戦士ファーゴが教えることになり、まず素質を見るため潜ら
せる、真珠で出来た数珠で数を数えるファーゴだが・・・67,68・・・112,113と数
えるうち不安になる「初めてにしちゃ長すぎる」強情なクルトは石に抱きついたままおぼれてい
た。
クルトは三日後には700まで潜れるほど上達していた、ファーゴは厳しくも嬉しそうにクル
トを鍛える、クルトがもう少し練習したいというとファーゴは「唇を見せろ、まだ大丈夫かな、
よし鏡をやる唇の色が悪くなったら帰れ、すぐに帰るんだぞ」と心配した。
クルトが冒険心をそそられるような小さな洞窟を見つけたのはそれから少し後のことだった
40 :
あらすじ2:2005/09/08(木) 23:59:43 ID:???
海中の洞窟を抜けると井戸の底のような場所に出た、桶に結ばれた鎖を登るとそこは山の一族
のすみかだった、人が来たのであわてて樽の中に隠れるクルト、しかしその樽の中に海水を入れ
られふたをして倉庫まで運ばれた、人がいなくなってようやく樽を破壊し息をするクルト、早く
逃げようとするがファーゴにもらった鏡が光って見張りに見つかってしまう。
逃げるほどに騒ぎが大きくなるなかロミナさまと呼ばれる女性がかくまってくれた、兵士には
シャグというロミナの飼い犬が怪しい影の正体だと説明した、納得して退散する兵士、クルトを
うらむシャグ。
ロミナはクルトの話を聞いた、そして入り江の一族に興味を持ち、帰ろうとするクルトに自分
も連れて行って欲しいとお願いした、しかしクルトは「でもねそのかっこじゃすぐにバレちゃう
よ、色も白いし髪だってそんな長くて」といったんは断る、だがロミナは虫除け薬を塗り肌の色
を褐色にし、赤色狐の帽子に髪を押し込んで赤毛に見せた、面白くなったクルトは熊の毛皮で服
を作ってあげる、最後にベルトは、シャグの首輪を貸りた(シャグはいやがったがロミナに言わ
れるとガクッとなりあきらめた)
まったく別人に変装したロミナとクルトは塩の井戸から入り江の一族の住処へ行く、クルトを
見つけたファーゴが早く帰れといったろうが!と怒る、そして変装したロミナを見て自分の女に
しようと腕を引っ張ったがクルトの渡した壷でどつかれる、しかしこんどはエカルドの父である
族長が下品な言葉使いでナンパするがロミナはひっぱたいてこれを拒否する、だがその気の強さ
が逆に気に入った族長は「エカルドわしゃ決めたぞ、わしゃあの娘を女房にする」と宣言、思わ
ず食べ物をのどに詰まらせるクルトとロミナだった。
なんか、クルト、早くも本来の目的を忘れてるような気が……
42 :
あらすじ1:2005/09/09(金) 21:15:07 ID:???
第六話
クルトの潜水はかなり上達していたが真珠玉を千数えるほどになると目の前が真っ赤になる
と落ち込む、それを元気付けようとサリィは山盛りの食事をクルトに食べさせた。
そばをエカルドとチュチュという偽名をつかっているロミナが歩いていた、サリィの見立てで
はチュチュはエカルドに惚れているらしい。
海辺に来たエカルドはチュチュに林檎を上げるがチュチュは受け取り損ねて海に落としてしま
う、代わりをもらってこようとエカルドがその場を離れた間にチュチュは海に入っていた、それ
を追いかけるエカルドは塩の井戸に通じる洞窟を見つけ、好奇心から中へ入っていく。
山の一族の住処にたどり着いたエカルドはそこで水浴びをする美しい女性を見た、それは薬を
落とし白い肌に戻ったロミナだった。
彼女が山の一族の族長をお父様と呼ぶのを聞きその正体に愕然とする、そして村に帰っても彼
女のことが頭から離れないエカルドだった、エカルド様も好きなひとがきな人を見つけたのかも
しれないというサリィ、そしてサリィは自分にも大好きな人がいるとクルトに語った。
それから何日かたった夜、エカルドはチュチュに山の一族のところで見た女性の話をした、い
らい何に付けてもその娘を思い出すというエカルドに、それが自分だと気付かないロミナは泣い
て走り去った。
43 :
あらすじ2:2005/09/09(金) 21:15:43 ID:???
そのころクルトは、サリィを探して鍛冶屋の前を通っていたクルトは壁にかけられた大剣が気
になり、あの大きな剣はなあにと鍛冶屋に質問する
「あれか・・・あれはその昔わしが若気のいたりで鍛えたものじゃ
大きすぎ 重すぎ 誰も扱えるものがおらなんだ
威力の大きい武器を持てば強くなれるわけではない・・・という いましめにかざってある」
持ってみようかなというクルトに、持てるならくれてやると鍛冶屋は言った。
一方サリィは人目を忍ぶように森の中を歩いていた、そこでロードという山の一族の青年と逢
っていた、二人はお互いの一族の関係上ほんのわずかしかあえないらしい、月が高く登ったころ
にはもう別れなければいけない二人、そんな二人に、木々の間を、音を立て、何かが襲いかかっ
た。
翌日の朝、海岸に、無残に殺された二人が打ち上げられていた。
入り江の一族は山の一族の仕業だといった、サリィの死を悲しむクルトは鍛冶屋のところにあ
った身の丈超す大剣を背負い山の一族のもとへ単身突っ込むのだった。
「山の一族の村をつぶしに行くんだ、族長にそういっといて!」
ギリシャ神話の世界から一転してロミオとジュリエットかよ
怪力だからって、子供が自分よりでかい剣を振り回すってのは
あんまりかっこよくないなぁ。
あの鍛冶屋が、後でクルトに背丈に合った武器を作ってくれるのかな?
むしろ子供だからこそリーチを埋めるために
筋力が許すなら大きい(長い)武器の方が良い。
ビジュアルに不満なら槍なんかどうだろう?
47 :
あらすじ1:2005/09/10(土) 23:57:15 ID:???
第七話
クルトは超人的な力で砦を破壊しクルトの通った後はぺんぺん草も生えないほどの廃墟となっ
ていった、砦をすべて壊滅された山の一族は本格的な戦を決意する。
戦をやめさせたいロミナだが城の周りが警護で固められて外に出られなくなるが、シャグに協
力してもらい何とか外へ出る、しかし結局は警護の者たちにつかまってしまうが、そのとき、サ
リィを襲った「何か」がこんどはロミナたちを襲った。
入り江の一族も着々と戦の準備を進める中、エカルドはひそかに入り江を抜け出し例の井戸に
向かっていた、クルトを一足先に助け出すのが目的だと心に言い聞かせていたが、あの娘に会い
自分の心を確かめたいという思いがそれに勝っていた、それは自分でも制御できない、恋の衝動
だった。
クルトが山の一族の本拠地へ潜入したころ、山の一族ではサリィと似たような死に方をした兵
士が発見されていた、それを見て「またやられた、入り江の一族め」と言う、それを聞いたクル
トは不思議がる、そして近くの木にえぐられたような傷跡を発見した。
「ちがう・・・ちがってたんだ どちらの一族でもない・・・きっとこうやって二つの一族が戦
い憎みあうのを笑いながら見てるやつがいる」
殺されていた山の一族はロミナの警護兵だった、しかしロミナはいない、入り江の一族にさら
われたんだと考える山の一族、山の族長は「入り江の一族めこれほど卑怯な輩とは思わなかった
許せん 戦闘の準備だ!」
一方入り江の一族でも戦の準備が進められていた、クルトが砦を壊したことを知り準備を急が
せる。
48 :
あらすじ2:2005/09/10(土) 23:57:53 ID:???
そのころエカルドは塩の井戸をつかい山の一族の本拠地へ潜入していた、兵士たちの話し声を
聞いてロミナが入り江の一族にさらわれたと思い込む、そしてそんなことが出来るのはクルトだ
けだと考えた、そのとき偶然クルトとエカルドは出会った、ロミナをどこへやったと聞くエカル
ドはクルトに剣を向けた、その目は恋に狂ったそれだった、クルトはあんたもロミナも好きだけ
ど、もっと大切なことがあるんだ、とエカルドの剣を飛ばす、そしてクルトは行くが、エカルドは
山の一族に捕まってしまうのだった。
こうして戦いの場へと二つの種族は進んでいった 幾星霜にもわたる いさかい がついに爆
発しようとしているのだ。
クルトは森の中でかなりの数の木に付いた傷跡を発見していた、ずっと昔のやごく新しいのや
同じ傷跡がいっぱいだ、そして下が海になっている崖を発見した
「そうか、ひょっとして・・・サリィと山の人はここで殺されて・・・この崖から落とされた
としたら」
そのとき、黒く巨大な岩のような影がゆらりとクルトの背後に現れていた。
8歳の子供でも見抜ける陰謀に踊らされてる
2つの民はマヌケすぎる……
大人は建前で生きる生物だからだよ。
過去からの因縁含んじゃう時は
部外者の純真子供の意見が強いのかも
まあ、結局エルゾだかメデューサだかの陰謀なんだろうな。
52 :
あらすじ1:2005/09/11(日) 23:59:20 ID:???
第八話
山の一族の本拠地、その地下室では捕らえられたエカルドが拷問にかけられていた、ロミナを
どこへやったかと聞くが、エカルドは俺も知らない、俺が知りたいぐらいだと答える、それを白
を切っていると勘違いした拷問間はさらに拷問を苛烈にしていくのだった。
一方、クルトは海の上の崖で何か考え事をしていた、その時背後に何かの気配を感じたので後
ろを振り返る、しかしだれもいないので(気のせい・・・)と油断した、だが気のせいではない
黒い、砲弾のような物体がクルトめがけて飛んできた、一瞬気を失いかけるが何とか持ち直し砲
弾のような物体をキャッチするが、その勢いで海に飛ばされてしなう、落下したクルトは岩礁に
頭をぶつけ、朦朧とした意識のまま海を漂っていくのだった。
一方、山と入り江の中間点に当たる山の砦では嵐のような勢いで二つの一族がぶつかっていた
お互いの族長も積年の恨みを晴らすべく一騎打ちを始める。
また場面変わり、山の本拠地の地下室、エカルドはまだ拷問を受けていた、しかしクルトが拷
問間を倒し助けてくれる、クルトはエカルドに見せたいものがあるという、それは、とげが生え
た海亀に似た化け物だった、これがサリィとサリィの好きな人を殺したやつの正体だという、衝
撃を受けるエカルド、今までずっと、それこそ何十年も前からあれは山の一致族の仕業だと信じ
ていたのだ、クルトは言う
「きっとね、何十年・・・いや何百年も前の最初の誤解が、今日までの憎しみを作り上げたんだ
よ、でももう大丈夫だ、仲直りできるね、山も入り江も・・・」
しかし、山と入り江の最終戦争はすでに始まっている・・・そして、それを見つめる巨大な影
、山の様な大きさの海亀に似た化け物がうれしそうに戦いを見守っていた、そしてそのかたわら
には糸に絡め取られたロミナがいた。
53 :
あらすじ2:2005/09/12(月) 00:00:07 ID:???
二人は戦いを止めるため戦場に急ぐがクルトは途中、倒れこみ動けなくなってしまう、エカルド
のみ先に行かせるクルト。
倒れたまま動かないクルト、その時夜空から光が一筋クルトの元へ降り立った、それは母ガラ
ティアの妹、妖精オリエだった、彼女はクルトの傷を癒し彼が武器を欲しがっているのを察する
と、一瞬にして地の底・・・大地の女神ユリアナの居城へ連れてきた。
大地の女神ユリアナ・・・それは指を組んだ姿で半分大地に同化しているような、美しい女神
だった、ユリアナはオリエには優しいのだがクルトが人間だと知るとふきげんになる、しかしす
ぐにユリアナの機嫌が取れるクルト。
オリエはユリアナにあなたの剣を貸して欲しいとたのむ、ユリアナの傍らには、神々サイズの
巨大な剣があった、オリエがクルトに持てるぐらいのサイズに縮めてくれたが重さは変わらない
らしく、重みで岩にめり込むほどだった、ユリアナは人間には持てないと余裕だったがクルトは
持ち上げてしまう、驚くユリアナにオリエはクルトの正体を明かす、ガラティアと仲の良かった
ユリアナは思わず涙ぐむ、そしてクルトの持っていた剣と大地の剣を交換してくれた。
ユリアナは元の大きさに戻したい時は、善神アガナードと私の名を唱え、お前の名で命ずるが
いい、と教えてくれた。
クルトは目が覚めた、飛び起きて剣を確認する、そこには小さくなった大地の剣がある、ちな
みにユリアナのところに居たのはまばたきひとつの間で、戦いを止めるのはまだ間に合いそうだ
った。
一方戦場では、たどりついたエカルドが戦いをやめるよう説得を始める、そして山の一族と入
り江の一族双方を殺し続けた化け物がいることを話す、人質になるので停戦してくれというが、
山の一族は信じない、こんどは入り江の族長が自分が人質になるといいだした、これには停戦は
承知するが人質はいらんといわれる、にわかに停戦ムードになる戦場。
それを見ていた亀の化け物がついに動き出した。
「ええい若造め余計なことをしおって わしが出ねばなるまい 行けわが子よ存分に暴れまくれ
人間どもを皆殺しにしてやるがいい!」
大亀の甲羅の穴から砲弾のように小亀が飛び出した!
早くも最強武器?
こんなペースで話続くんかな・・・。
最強武器だけど、使い勝手が難しそうだな。
元の大きさに戻したい時は、命じれば大きくなり
普段は短剣にすればいい。
今回のような、体系にあった剣にするには、どうすればいいんだ?
なんでロミナは捕まえるだけで殺さないんだろう?
58 :
あらすじ1:2005/09/12(月) 23:57:15 ID:???
第九話
大亀から撃ち出された小亀たちが錐揉み状に回転、戦場にいる人間たちに襲い掛かった、
ずたずたにされ殺されてゆく人たち、その死に方はサリィそっくりであった。
人々が砦の残骸に隠れると、大亀が丘の上から姿を現した、
「山と入り江の一族よ聞け!山の娘は私が捕らえている、動くな!誰であろうと私のはむかえば山の娘の命はない、
すべて武器を捨てろ、そして出てくるがいい。」
動けなくなる人々、しかしクルトがロミナの救出に成功、ふたたびみんなで砦の残骸に隠れる。
そしてロミナ救出を喜びクルトをたたえた、ここでクルトは作戦会議を開く。
小亀の方は自分では飛べないので捕らえてしまえばいい、そして大亀の方は誰かがここから引きはなす・・・
その役をクルトがするといった、エカルドは反対するがクルトは言う、
「サリィもサリィの好きな人も二つの一族の憎しみあいが殺したようなもんだよ、
あの怪物はそれに付け込んだだけなんだ、だけど今は違う、そうだろ、二つの一族が争いを辞めるだけでなく
手を結べば・・・今よりもっと大きな力で守れるはずなんだ、戦うならみんなで力をあわせて、
サリィのようないい人が二度と殺されないようにみんなで戦って守ってあげてよ、
何百年も続いた争いがすぐにやめられるとは思わない、でも・・・今・・・このひと時だけでも・・・」
そしてクルトはモリを数本もつと行ってしまった、後に残った二人の族長は、いやそうな顔を
する、が、しっかりとお互いの手を握り合った。
「今だけは手を組む、敵味方の区別はない!一丸となってあの亀を!」沸き立つ両陣営。
59 :
あらすじ2:2005/09/12(月) 23:58:04 ID:???
クルトの大亀攻略はまず大きな岩を投げ甲羅の穴をふさいで大亀を挑発した、
そしてさらにモリを投げ大亀の左目を潰す、クルトは海へ逃げると、怒り狂った大亀はクルトを追い海へ飛び込んだ。
大亀がいなくなった地上では、兵士たちが鎖かたびらを脱いでいた、そして漁の得意な入り江の一族が
投網の要領で小亀を捕獲していく、捕らえた小亀を殺そうとするが、ロミナがそれをやめさせるのだった。
海の中、大亀はクルトの行動を不思議がっていた、海は大亀のテリトリー、わざわざ自分から
不利な戦場を選ぶとは、クルトはさらに沖へと逃げていく、そして大亀は気づいた(そういえば
息子たちの帰りが遅い、しまった、狙いは息子たちの飛ぶ力をなくすことか)「はかったな子わっぱ!」
クルトはそろそろ息が苦しくなってきた、息継ぎのため海面に出ようと泳ぐが、大亀のほうが
速い、間に合わない、そう思ったクルトは海面ではなく逆に大亀の方へ泳ぐ、大亀が巨大な口を
あける、クルトは大地の剣を構えて剣に命じた!
「善神アガナードとユリアナの名にかけてクルトが命ずる」
大亀がクルトを飲み込む
「大地の剣よ 今一度もとの姿に」 大亀、木っ端微塵!
信じられぬほどの大剣が内側から大亀を粉々にして姿を現す、あまりの大きさに海面から大きく
突き出し刀身がそそり立つほどだった。
血の海と化した海底には大亀の骨が、そこを泳ぐクルトに大亀の声が頭の中に聞こえた、大亀
の名は「ザクマ」クルトはザクマの頭蓋骨を発見、ザクマの目にはまだ光があった、骨になって
も生きているザクマにクルトは驚く、しかしもうすぐ死ぬらしい。
「わしの首から流れる赤い血の中に一条黒い血が見えるはずだ、これが妖力の源・・・神エルゾ
の娘メデューサより授かったものなのだ」
メデューサの名を聞き驚くクルト・・・そして・・・その光景をみている謎の黒マントがいた。
うわ、こんな剣の使い方ありかよ?
今後も巨大な怪物が次々と出てきて、そのたびに剣を元の
サイズにして倒す展開が続くのか……
しかし、精霊オリエが回復役か。オリエは少女って感じじゃないからなー。
同じ大人の女ならユリアナ萌え。
亀もなにやってんだか。
まだうまく立ち回って煽れば、山と入り江の対立を続けさせることも
できたろうに、自ら出ていき、あまつさえロミナを自分が捕まえてる
ことも宣言しちゃって。今までの苦労を自ら台無しにしたようなもんだ。
亀、焦ってたんだろうなぁ
64 :
あらすじ1:2005/09/13(火) 23:59:27 ID:???
第十話
大亀ザクマはメデューサの血を飲み妖魔と化したのだった、そのいきさつをクルトに語るザクマ。
「数百年の昔、私は野心に燃えていた、誰にも負けない力が欲しかったのだ、だが私は幼く小さな亀でしかなかった。
だがある日使徒と名乗るものがやってきて、私に黒い飲み物をくれた。」
それがメデューサの血だったのだ、メデューサの血を飲むと、すさまじい痛みとともに、体が醜く巨大化し、
そしてメデューサへ絶対的な服従もすることに。
それでも野心がかなえられたので満足だという、子供たちも醜い姿に変わったことをのぞいて。
ザクマはクルトに頼む、
「お前たちが捕らえた息子たちに生きているものがいれば助けてやって欲しい、
黒い血が私の中から完全に消えた時、息子たちはもとの姿に戻る・・ただの亀に戻る。」
クルトはすぐにザクマの頼みを承知した、自分の頼みを聞いてくれて衝撃を受けるザクマ。
「聞きとどけてくれるのか私の願いを、あれほど山と入り江の一族を苦しめたわしの願いを。」
クルトはどうしてそんなことを聞くのか不思議がる。
「戦いは終わったよ、後はみんなで幸せになるだけさ。」
ザクマは敗者の殺戮は勝者の特権だと思っていた、そしてその権利を自ら捨てるクルトの考えがわからない。
「私にはわからない」というとザクマの頭蓋骨は割れてしまった、そしてその中には光るガラティアの守護像が。
メデューサの命令で奪ったが、息子たちを助けてくれるといったクルトに返してくれたのだ。
(お前の考えは理解できない、だが私はお前と戦ったことを誇らしく思っている、むすこたちを・・・たのむ)
守護像を返してくれたザクマに礼を言うクルト、そして海面にもどっていった。
そして、その一部始終をみていた牛の骨の仮面に黒マントの男・・・名を アスナス といった。
65 :
あらすじ2:2005/09/14(水) 00:00:10 ID:???
アスナスの側にサロメという女性があらわれた、アスナスになぜクルトを逃がすのかたずねる。
「急ぐ必要もあるまい、大亀ザクマの願いは虫のいい頼みに過ぎない[敗者は何も得ることは出来ない]・・・これは鉄則だ、
だからこそザクマは残り力を振り絞り、頼みを断った瞬間クルトを噛み砕こうとしていた、
その心をクルトは簡単に打ち砕いてしまった、子供らしい素直さと王の寛大さで、
子供を助けられる喜びがザクマを[親]にもどした・・・いやおもしろい子だ」
感心するアスナスに怒るサロメ、クルトを倒すのがメデューサ様の命令だからだ。
しかしアスナスは、メデューサは私に命令できない、それに従う義務もない、と言ってのける。
そしてクルトという獲物をサロメに譲り、自分は見物しているといい消えるアスナスだった。
・・・ちなみに、サロメはアスナスに好意を抱いている様子。
一方、クルトは海底から生還、そこには山と入り江の一族双方がクルトの帰りを待ちわびていた、クルトの生還をみんなで喜ぶ。
山の一族と入り江の一族は見事に和解した、双方の族長があきれるほどに、
双方とも武器を携えていることに変わりはないし、小競り合いもあったが・・・「ひと時だけ和解」という意識が
大戦の前の小さないさかいなどばかばかしいと考えさせていた、
いずれ武器の必要性も・・・互いの村を訪ねたときの居心地の悪さも消えると思われる。
二人の族長がまるで昔からの喧嘩友達のように、言い合いながらも一緒に酒を飲む、
それをエカルドとロミナが並んで見ていた、二人の間の垣根も誤解も解けていっていた、そんな二人に、
クルトが見当たらないという報が入った、あわててクルトを探すが、クルトはすでに村のはずれの丘の上まで来ていた。
クルトは心の中でエカルドとロミナにさよならを言った、そしてサリィにも・・・
まるで母さんみたいだった・・・生きてる限り忘れないよと誓う。
空には金色の鷹が居た、また旅を続けろといっているみたいに、
クルトは再び西に向かって走り出した。
アスナスは嫁に食わすな
アスナスか。面白そうな男だ。
明日茄子。
ライバルキャラになるのかなぁ…
って、主人公子供だし、子供のライバルになるってキャラでもなさそうだし
微妙だな
クルトも血を飲んでいたら、醜く巨大になっていたのか。
飲まなくてよかったな。
メデューサの命令をきく義務がないってことは、アスナスは
メデューサに匹敵する力を持つ別のやつの部下なのかな。
メデューサ退治とか言ってるけど
アスナスがラスボスなんじゃないかな?
サロメと気楽に話してるから、あんまりラスボスって感じじゃないよ。
クルトにとってメデューサを倒すのは母を復活させるためだけど、
そのメデューサの部下ではないアスナスと戦う理由は今のところ
ないわけだし。
今後敵になるとしても、せいぜい中ボスぐらいでは?
なんかちょこちょこ現れてはクルトを手助けするポジションになる予感。
自分と対等になるよう序盤で手助けして最終的にやられるタイプ。
74 :
あらすじ1:2005/09/15(木) 00:00:10 ID:???
第十一話
クルトは金色の鷹に導かれて西へ西へと走り続けていた、
しかしそれが七日七晩休みなしで続くと、さすがにクルトも少し休みたくなる。
だが、金色の鷹はクルトにわずかの休憩も許さない、これにはさすがに怒ったクルト、一計を案じた。
クルトは崖に身を隠すと、クルトを探して崖の近くを飛ぶ金色の鷹、
走り疲れたので金色の鷹に西の果てまで運んでもらおうという作戦だった。
金色の鷹がクルトの側に来た瞬間、クルトは飛び移った。
鳥の足に捕まり空を飛ぶクルト、が、何か変だ、金色の鷹はクルトの「横」を飛んでいた、
クルトがつかまったのは見たこともない大きな黒い鳥で、そして雲よりはるか高みから汗で滑り落ちてしまった。
山に墜落し崖を滑走するクルト、そしてクルトは謎の池へと転落するのだった。
池に真逆さまに転落したクルト、その池の中身をすべて飲み干してしまい、そのまま眠ってしまう。
その周りには異様な姿をしたとかげ(?)が群れていた。
クルトは母の夢を見る、母に抱きつくクルト、しかしガラティアは石になってしまい、
それを突き破ってメデューサが現れる、一気に悪夢に変わりクルトはうなされだした、
そして目が覚める。
周りには二足歩行で鼻先に角があり血走った大きな目をした、とかげたちがいた。
とかげたちが言うにはクルトが飲み干したのは大事なお酒らしかった、
今夜までには池をお酒で満たさなければならないらしい。
それ手伝う、といったクルトに当たり前だ!と、とかげたちがつっこむ。
ただ一匹だけ、クルトを擁護してくれるとかげがいた、
その一匹だけほかのとかげより小さく四本足で、顔つきも違っていた、
名を レオン とよんだ。
75 :
あらすじ2:2005/09/15(木) 00:00:56 ID:???
レオンはお酒を用意する理由をはなした、それは、崖の奥に見える密林にすむ怪物への貢物だった、
さらに仲間を何匹か生贄にするという、そんな馬鹿な!と衝撃を受けるクルト。
その化け物は一つ目のものすごくでかいやつらしい、クルトはキュプルクス島の鍛冶の巨人みたいなやつを想像する、
そしてクルトはその怪物をやっつけると言った。
しかし、とかげたちは怪物にはかなわないと信じ込んでいるためだれも手伝おうとはいわなかった・・・レオンを除いて。
先ずは酒作りを開始、クルトの怪力で一気にぶどうを運ぶ、作業がひと段落するとクルトは、
レオンにほかのとかげに似てないことを聞いた、レオンには羽まであったのだ、
本当にとかげ族なのか悩んでいるらしい、しかしレオンの母親がそれをしかる
「お前はあたしの子さ、あたしがおなかを痛めて生んだ子だよ」そして母子で抱き合う、
しかしどうみてもレオンと、とかげ族は異種族だった、レオン父はみんな知ってるという、そしてレオン自身も、
分かってはいたが、レオン母の母性で本当の親子となっていたのだ。
その話で母のことを思い出すクルトは叫ぶような声を出して泣いた。
夜が更け、化け物が現れる時間になる、酒の池のかげで待ち伏せるクルトとレオン、
そしてシュウシュウという音が密林の方から聞こえてきた、化け物が姿を現す、
それは「目」に触手を生やしたような巨人というより原始生物をそのまま大きくしたような異様な姿をしていた。
クルト、思わず卒倒、レオン、冷水をかけ気付ける
「あーん誰も言わなかったぞ、あんなめちゃくちゃな怪物だなんて、作戦なしで勝てるわけないじゃないかーっ」
レオンは実は女の子だな
後に人間の姿に戻りこのものがたりのヒロインになるとみた
レオンかわええ
クルト、なにビビってんだ。
でかい目玉の怪物ぐらい、大地の剣を元の大きさに戻せば
簡単に倒せるだろ。
どうでもいいが、金色の鷹厳しすぎ。
7日間走らせっぱなしって、児童虐待じゃん。
レオンに羽って…ドラゴン?
目玉に苦戦するクルトを助ける為に、飛ぶと見た。
で、レオンは自分の正体に気づく。
お約束ってやつですな。
>>79 走り続けるクルトもクルト、丈夫すぎ(笑)
>どうみてもレオンと、とかげ族は異種族だった、レオン父はみんな知ってるという
トカゲ母、不倫疑惑w
「あたしがおなかを痛めて生んだ子だよ」
…あんたトカゲじゃないの?
マムシみたいに卵胎生なのかもしれない。
トカゲ親子の抱擁
めっさワロタ
87 :
あらすじ1:2005/09/15(木) 23:59:42 ID:???
第十二話
密林から現れたのはでかすぎる目だけの化け物だった、
あまりの規格外の姿をした化け物にクルトは化け物退治を投げようとする、
しかしレオンの名演技で何とか再びやる気を取り戻す、だが、あらためて見てもやはり対抗策が考え付かないクルト、
「どうすりゃいんだ」とよろける。
化け物は木の根のような「足」?をつかい、酒の池に近づく、そして手、手みたいに見える触手が口らしく、
それを池に突っ込んでに酒を飲みだした、手、いや口?がふさがれた事でクルトは、
これなら心配ないと、大岩を崖の上から化け物の頭上を狙って投げつけた、
しかし、飛んできた大岩にきずいた化け物は、後頭部?から六本の牙を出し岩を噛み砕いてしまう、
牙は再び体内に納められ岩の飛んできた方向を眼で確認する、あわてて隠れるクルトとレオン、
しかし化け物はすぐに酒を飲むのを再開した。
クルト「あるじゃないかでっかい口が」、レオン「目の後ろにあるなんて誰が考えるの!」
化け物は恍惚としたとろんとした目で酒を飲み続ける、ほぼ無警戒だ、
大地の剣を使えばいまならやれる、と考えたクルトは飛び込む呼吸を計る。
そして大地の剣を構えると化け物の頭上から飛び降りた、化け物はまだ酒を飲むのに夢中、「勝てる、つるぎの方が早い!」
クルトは大地の剣にもとの姿に戻るよう命じた。
・・・スカッ 「あれ?」
大地の剣は何も起こらなかった、短剣サイズの大地の剣を持ったまま崖に激突しつつ下まで落ちるクルト。
「いてて、剣が元に戻らないなんて・・・もどらない!?そんなばかな、い・・・いまさら」
シュウシュウと音を出し化け物がクルトに迫ってきた、気づかないクルトにレオンが「クルト後ろ!」と教える。
化け物の最初の触手攻撃はかわせたが、すぐに一本の触手の巻き付かれ捕まってしまう、
クルトは怪力を出すが逃れられない、大地の剣で触手を切る、この攻撃は効果ありに見えたがなんと、
触手はすぐに再生してしまうのだった、ついにクルトは崖に叩きつけられ、やられてしまった。
88 :
あらすじ2:2005/09/16(金) 00:00:31 ID:???
岩陰で、クルトはレオンに介抱され、なんとか気を取り戻す。
奴は?と聞くクルトに
「うまそうに酒を吸い上げているよ、でももうすぐ飲み干してしまう」
そして酒が終われば今度は生贄だった、もうあまり時間的余裕はない、クルトは作戦を考える。
それは密林に奴を誘い込むものだった、無茶だあそこは奴の住処だよ、と反対するレオン、
しかしクルトはそれを承知で立てた作戦だった
「奴の手の内だからこそ、ぼくが入り込めば追ってくると思うけどね、
ただ問題はあいつが挑発に乗らずにトカゲたちをたいらげてから追ってきた時のことさ」
しかしそれに関しては化け物はクルトを追うと保障するレオン、理由はクルトのほうがおいしそうだから。
ついに化け物はお酒をすべて飲み干した、今度は自分たちだと涙を流す生贄たち、
クルトはどうやって化け物を自分にひきつけるかまだ考えていた、しかし、池の酒を飲み干した化け物はすぐに、
そしてまっすぐにクルトに向かってきた、理由はわからないがとにかく密林へ逃げるクルト、作戦的にはまだ不安がある、
しかしクルトは「密林・・・奴のすみ家か・・・不利だ! だが・・・ままよ!」
クルト、密林の戦いへ。
とかげたちはクルトを追って化け物が去ってくれたことを喜んだ、
しかしすぐに絶望し、そして諦めるのだった。
「クルトもレオンも森の中へ入っていった、もう帰ってくるまい」
一方、クルトは反撃のチャンスもないまま、やられる一方の不利な戦いを続けていた、
化け物はトリモチのような粘着弾をうちクルトをからめようとした、
二つに裂けた崖の谷間でついにトリモチに捕まってしまうクルト、しかし反動を付けて逃げようとする、
化け物はクルトの反動を助けてくれる、さらに引っ張ってくれるとパチンとはなした、クルトは遠くにある崖まで飛ばさ
れ岩につかまる、しかし岩が崖からはずれてトリモチの反動でおもちゃのパチンコのようにクルトは空へと消えていった。
レオン「クルトは燃えつきて星になった」
89 :
あらすじ3:2005/09/16(金) 00:01:28 ID:???
クルトは沼に着水していた、トリモチは水で取ることが出来た、しかしすぐに化け物はクルトのところへ来る、さらに逃げるクルト。
クルトは変な塔へたどり着いた、顔のような物が三つありそのうち二つの顔の口からは水が出ていた。
どうも人間が建てたものらしい、何も出ていない顔の口の中は岩が詰められふさがれており、
そのあたりに何かこびりついている、なめてみたクルトは何か気づいたようだ。
塔の側には化け物がいた、しかしクルトを窺うだけで手を出してこない、なぜ?
これは化け物を恐れさせる聖地のようなものなのか?
クルトは自分の服にしみこんだお酒のにおいがあの化け物を呼び寄せていると気づく、
そして作戦を立てた、それはレオンがお酒のにおいがするクルトの服を持って逃げ化物を引きつけ、
そのすきにクルトがあるものを村から聖地へ運ぶことだった。
そしてレオンの鬼ごっこが夜の白むまで続いたころ、クルトが聖地に帰ってきた、酒壷をもって、
酒の誘惑で化物を誘うクルト、それに勝てず聖地に近づく化物、
クルトは聖地の塔の口を封印された顔を殴って割った、中から地下に眠る油が噴き出す、それを全身に浴びる化物、
しかしそれだけなら平気だった。
「思ったとおり油だけなら平気だね、それなら次は・・・火だ」
クルトは火のついたたいまつを投げる、火が油に触れた瞬間、油が一気に閃光した、
クルトは大地の剣を塔に突き刺すと元の大きさに戻すのだった、剣の鍔の上に乗り炎から逃げるクルトとレオン。
地獄のような業火に見舞われる化物が、断末魔の悲鳴を発す!
レオン「クルトは燃えつきて星になった」
クルトの方がおいしそうと言ったり、なにげに
怖いぞ、レオン。
なんで大地の剣が使えなかったんだろう?
あの目玉は実は、生態系の上で殺してはいけない生物で
あれを殺したことでもっとまずい事態になる。大地の女神
ユリアナはそれを知っていたから剣を戻さなかった、とか?
密林に炎が燃え移ったらどうすんだろ。
クルトが怪力で消してまわるのか?
>>90 クルト「誰が星になんかなるか!」
この二人、かけあい漫才みたいだね。
95 :
あらすじ1:2005/09/17(土) 00:09:52 ID:???
第十三話
業火に焼かれ悲鳴を上げながら体皮を溶かし、化物は倒れて死んだ、
喜ぶクルトだが、殺した悲しみからか暗くなってしまう。
そして空には鉛のように濃くどよりとした黒雲があふれ出し、空を満たし覆っていった、雲はすぐに大雨を降らせだした。
この雨によって確かに火勢は衰えかけていたが、雨は同時にとかげ谷に、もうひとつの脅威を
起こしつつあった、とかげたちは雨を浴びながら鳴き声をあげていた。
さしもの火勢も雨の所為か地下の油が薄れてきたためか、静かに収まって行った、
だがとかげたちの押し殺した悲鳴はいつまでも続いていた。
そして夜が明けた、大地の剣の上に避難していたクルトは、大地の剣に短剣になることを命じる、
大地の剣はいきなり短剣となった、瓦礫と焦土となった元聖地に落下したクルト、
短剣となった大地の剣を見つめながら、この間は失敗したのに今度はうまく言ったことを不思議がった。
そのころ、焦土の中で、卵の殻のようなものを割って、空飛ぶ目玉の化物が誕生していた。
クルトは大地に剣についてこう考えた
「剣にたよって願うんじゃだめなんだ、本当に必要な時でなければ・・・剣はぼくの願いに感応しないんだ」
ためしに剣に姿を変えるよう命じてみる、
すると大地に剣は剣の姿に、な・・・なんだなんだ、と不思議がるクルト、
その背後に目玉の化物が近づいていた、空を飛び襲い掛かる化物、クルトは化物を真っ二つにして倒す。
化物がクルトを襲ったのは、まだクルトの服から酒のにおいがするからだった、
執念深いお酒への執着力にクルトは脅威を感じた。
レオンはすべて終わったので、クルトにとかげ谷に帰ろうというが、クルトはこのまま西への旅を再会するといった、
そしてレオンに言った、
「君は自分が異種族だと知っているんだろ、自分の本当の仲間に会いたくない?本当のお母さんにも」
しかしレオンは一瞬考えて
「会いたくないよ・・・ぼくにはすばらしい母さんがいるもの」
クルトは余計なことを言ったことをわび、そして別れた。
96 :
あらすじ2:2005/09/17(土) 00:11:04 ID:???
二人が去った後、瓦礫と化した塔に上にサロメがあらわれた、サロメはクルトの戦いを見て、
何のことはない多少力の強いこわっぱだわと分析していた、
用心しろと言っていたアスナスは見込み違いをしていると思った。
そして、目玉の化物の死骸に注目した、あの旺盛な生命力が気に入ったらしい、
サロメは化物にもう一度生命を与え自分のしもべとした。
一方とかげ谷に帰ったレオンは、仲間のとかげたちを探すが、しかしぞろぞろと現れたのは人間たち、
状況がわからないレオンだったが、ひとりの人間の女性がいつも聞いている声で
「わからないの、お母さんだよ」と呼びかける、
隣にいる男性は父の声で「驚くことはない。呪いが解けて姿は変わってもお前の母さんだ」
レオンはようやく気づく、この人たちは元とかげ族なのだと、人間に戻った母に抱きつくレオン。
村の人たちは今まで呪いを掛けられていた、村人がまだ人間の姿をしていた時あの目玉の化物と戦っていると、
突如黒い雨が降り出した、その雨は村人の体を熱く焼き姿をすっかり、みにくいとかげに変えてしまったのだ、
この呪いは永遠に解けないだろうとあきらめていた、
しかし先ほどの雨を浴びたとたん、また焼け付くような痛みを感じたと思ったら、
すっかりとかげの姿を洗い流してくれたのだ。
みんなおまえとクルトのおかげよと息子に感謝する母、村長はみんなに村を立て直す号令を出す、
しかしレオン母がレオンが怪我をしているのに気づきみんなに「まって」と言った、
だが村長はトカゲの小さな傷にかまってる暇はないと言った、
その態度、物言いに腹を立てたレオン父が村長に食って掛かる、しかし村人は冷たく言う
「よしなよ、俺たちはもう人間に戻ったんだ、正直とかげのころの話は思い出したくない、わしらには悪夢の時代だったよ」
村長がさらに
「ま、事を荒立てることもない、あんたたちにもいずれ子供が生まれる、
レオンはそのときまで息子として飼っておけばいい」と言った。
レオンは人間の母の腕から、にげた。
97 :
あらすじ3:2005/09/17(土) 00:11:39 ID:???
人間の母は言う
「レオン心配しないで、この人たちは人間にもどれたうれしさに狂っているのよ」
しかしレオンはこう思う(自分たちがとかげでなくなったら今度は他人扱いか)そして叫んだ
「ちがう、やっぱりあんたは母さんじゃない、母さんはどこだ、ぼくの本当の母さんは。
もしあんたが好きだとしても、とかげ族には誰にも負けない誇りがある。
人間になど飼われてたまるか!」
翼をひろげ空へと飛ぶレオン、その姿に母がレオンの名を叫ぶ。
(さよなら母さん、そして父さん、ぼくがいると母さんたちが村から追われるよ、あの、自分勝手な人間どもに・・・)
レオンはとかげの鳴き声を上げた。
レオンの悲しい叫びはとかげ谷にいつまでもこだました、それは人々の胸を裂くような叫びだった。
一方クルトは、一人で野宿をしていた、一人でいることに寂しさを感じるクルト、
そしてレオンとの思い出をふっと思い出すのだった、でも、レオンに一緒に旅をしようなんて言えない、
レオンには家族がいて、幸せがあるのだから。
「火にあたっていい?」突然レオンの声が、
驚き振り向くクルト、そこには確かにレオンがいた、レオンに抱きつくクルト、レオンもクルトを抱きしめた。
涙を流すレオンに、何があったの?と聞いてみるが、理由は語らず、今は泣き続けるレオンだった。
こうしてクルトに旅の仲間が増えた。
そのころ、サロメは目玉の化物を生き返らせるのに成功していた、
しかも一匹ではなく、たくさん増殖している、サロメは化物に ギルガドール と名ずけた、
その一匹に乗りクルトが次に向かっている「セレネの都」に向かう、
サロメの手腕を影で見ていた牛骨の仮面アスナスがサロメのお手並みを拝見するため人間の姿に変身する。
仲間が出来た喜びに弾むクルトに・・・くらい予感が通り過ぎる、メデューサの使徒二人が牙
をむく明日が襲い掛かる前兆でもあったろうか、クルトの旅はセレネの都で新しい局面を迎える。
トカゲの村の人達、人間だったのかよ。
それならそうと、レオンやクルトに言っておけよ。
>>98 トカゲとして余生を過ごすつもりだったから
レオンとレオンのお父さんとお母さんカワイソス…。
火にあたっていい?のレオンは可愛いなぁ。
泣き続けても理由を聞かないクルトは優しい。
くそーあの恩知らずの村人どもめ!
サロメ、ギルガドールなんててなづけて、役に立つのか?
火に弱いって弱点はもう知られてるし。
乗り物として使うにしても、目玉だけの球体だから、なんか
乗りにくそうなんだけど。
思ったんだが、アスナスって人間体は格好いいんだが、「牛骨仮面」とか呼ぶと、
ゴレンジャーのギャグ怪人のようだ...
牛か?牛なのか?
バッファローとかそういうもんだとばかり…
かわいい女の子が出てくるのは
いつかなぁ。
>>103 じゃあ水牛骨仮面か
ところでレオンってメス? 一人称はボクだけど
106 :
あらすじ1:2005/09/17(土) 23:59:55 ID:???
第十四話
常夏の国セレネの都、都の中心には大きな宮殿があり、場面はその宮殿の王の謁見室。
大臣がこの国の王、アンダルシャ王に宝物を携えた商人を紹介していた、
恰幅のよい人のよさそうな王は、気に入れば言うだけの黄金と引き換えようと言う。
商人は黄金の鎧と剣をさしだす、美しいとうなる王、商人はさらに畳み掛ける
「美しいばかりではありません、ほかに並びなき不破の鎧、そして不折の剣、まさにその二品は王のために生まれたものでは・・・」
王は気に入った、と言い大臣に好きなだけ黄金を取らせるように言う、
しかし「待った」がかけられる。
この国の二人の姫、姉の メズリール姫 とクルトほどの年齢に見える妹 シェスタ姫 が現れた、
シェスタ姫は商人から不折の剣を受け取ると
「これがどんな力にも折れぬ剣か?」
と商人に聞くと、刀身の横腹を殴って曲げてしまう、不破の鎧は商人に持たせて正拳突きでぶちぬいた。
どちらも鉛細工に金箔を張っただけのまがい物だと見破ると、シェスタ姫は衛兵に商人の打ち首
を命じて連れて行った、贋物だったと知りがっかりする王。
そしてメズリール姫は商人を連れ込んだ大臣を責めて言う
「いずれにせよ二度と宝物の話など持ち込まぬよう、黄金はすべて国のため民のためにあるのです、
それなのにお前は宝物のためと称して民から税を取り立てているとか」
しかし大臣は、何かのお間違えでは・・・と言うが、その肩にシェスタ姫の剣がのる、
シェスタは
「お前が何かたくらんでいるのはわかっているんだ、何かあればその場で首をはねてやる」
と剣を振り回し、ザガ という従者を呼んで狩に出かけた。
大臣は二人の姫をいまいましく思っている、彼は、神エルゾへの忠誠を誓うことが目的だったのだ、そのために二人の姫が邪魔だった。
107 :
あらすじ2:2005/09/18(日) 00:01:31 ID:???
人間の旅人に変身したアスナスはセレネの都に入っていた、そばを高貴な「こし」が通る、
そこへ、一人の奴隷がアスナスに助けを求めた、救いを懇願しながらマントにしがみつく奴隷、
そいつを渡せ、と高圧的な態度の兵士達がアスナスを取り囲んだ。
一人の兵士がアスナスのむなぐらをつかみ上げ、
「気にくわん奴だな、逆らうとどうなるか教えてやろうか」と言うが、・・・しかしその兵士は動かない、
ほかの兵士がどうした?早く教えてやれよ、と言うがもはや首を切られ死んでいる。
その兵士が倒れ、ほかの兵士が、貴様!と叫びすぐに襲い掛かるが、
アスナスの手甲に仕込まれた短剣で返り討ちにあう、次に、槍でしとめろとそれを投げてくるが、
今度は手甲から鞭が出て飛んできた槍をからめると兵士たちの心臓に返した。
恐れた兵士たちの隊長は、おぼえていろ、と逃げようとしたが鞭に首を絞められた、
アスナスは隊長に言う
「私と戦う奴に捨て台詞は無用と知るがいい、ここで命を落とすか、二度と姿を見せぬか、どちらかを選べ」
首を絞められた隊長は後者を選び逃げていった、助けられた奴隷はアスナスにお礼を言ったが、
その奴隷は、アスナスに首の骨を折られて殺された「私は、弱い奴も嫌いだ」
108 :
あらすじ3:2005/09/18(日) 00:02:16 ID:???
そのころ森に出かけたシェスタ姫は狐狩りをしていが、打ちもらした手負いの白狐がなかなか見つからない、
ようやく見つけたときには変な旅人が狐を介抱していた。
シェスタ姫は旅人に狐をよこすように言ったが言葉が通じない、従者のザガがシェスタ姫の言葉を通訳すると、いやだ
と言って狐をかばった、旅人はクルトたちだ。
シェスタ姫は家来たちに狐ととかげを捕まえるよう命じると自分はクルトに切りかかった、
シェスタも強いがクルトに手首を叩かれると剣を落としてしまう。
しかしその間に、家来に追われるレオンと狐がピンチになっていた、
その姿を「いい気味」と笑うシェスタ姫のほほをクルトはぶった、そして大地の剣を元の姿に戻し、家来とレオンたちを分断する、
大地の剣にシェスタ姫は震えた。
狐は無事助かりクルトはシェスタ姫たちをおっぱらったが、彼女がこの国のお姫様と知り面倒なことになったと思った、
トラブルを避けるため夜のうちに都を抜けることにしたクルトたち。
そして、セレネの都に夜が来た。
昼間の一件がまだ収まらないシェスタ姫は、枕相手に八つ当たりをしていた。
そして姉のメズリール姫は「こし」から見たアスナスを思い出していた。
その背後から、メデューサの使徒サロメが忍び寄る、そして魔力でメズリール姫の体の自由を奪うと、
ナイフを取り出し姫の顔に切っ先を突き立てた、サロメは姫の顔をはがすと自分の顔に貼った、
そして服を換え、髪を整え、血を消しメズリール姫になる、
そして本物のメズリール姫はギルガドールの餌にした。
サロメの仕掛けた恐ろしい罠があるとも知らず、クルトは夜のセレネの都に入るのだった。
メ・・・・メズリール姫……
シェスタ姫は、ヒロイン確定だな。
高貴な出自で、主人公と同年代。気が強く、出会いは最悪。
でも相手が気になる。肉親(姉)が不幸なことになっている。
しかもそれは共通の敵のせい。フラグが立ちまくってる。
メズリールがアスナスの本性を知らずに惚れちゃって
ややこしいことになるのかな、と思ったら、そのヒマもなく
もう死んでるよ。作者なにか考えてんだ。
シェスタ姫と家来に脅された時には大地の剣元に戻ってたな。
うーん、どういう理由で言う事聞いたり聞かなかったりするんだろ。
王様駄目すぎ。
頼みの綱の姫の姉が死んだし、王国滅亡フラグかな。
シェスタもレギュラー化するな。
メズリール姫、意識があるまま顔の生皮剥がし…(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
和田さんって結構残酷描写厳しい時あるんだよなぁ。
しかし、セレネからはいくら血を消しても死臭がしてそうだ。
でもシェスタ、クルトに性格似過ぎてるよーな気も。
少年漫画ならそれありだけど、これ「花とゆめ」だから。
その割りにグロいけど。
クルトとシェスタだとあんま楽しくないなぁ、読んでて。
次回、にフォローが入るんだろうけど。
顔奪い取りって忍者漫画みたいだな
そいや明日香も時々忍者ぽいし
和田センセ、忍者好き?
>>116 忍者 飛翔を描くくらいなんだから好きだろう。
118 :
あらすじ1:2005/09/18(日) 23:58:57 ID:???
第十五話
静まりかえった夜のセレネの都をクルトとレオンは歩いていた、
しかしあまりのも静か過ぎて薄気味悪く感じ、早く通り抜けようと足を速めるのだった。
一方城では、シェスタ姫の部屋の明かりがまだついていた、
昼間のクルトとの一件が頭から離れないシェスタ姫はイライラしながら部屋の中を歩き回る、
しかしいくら歩いても腹の立つクルトの顔が頭に浮かんでしまい、ついに剣をつかむと衛兵を呼ばわりながら部屋を飛び出した。
そして王の部屋の前を通りかけた時、中から姉メズリールと父王アンダルシャの会話が聞こえてきた、
姉は父に大地の剣の話をしていた
「お父様はご存知かしら、一声呪文を唱えれば天にも届く巨大な剣となり、
その刃の美しさはあまたの宝剣をしのぐと言われる、大地の剣を」
父は知らない、聞いたこともない、と語る、そして
「ほしい・・・ほしいぞ、なんとしてもその剣が、どこにあるのじゃ」
とメズリール姫に聞くが、しかし答えたのは部屋に入ってきたシェスタ姫だった。
そして二人に昼間見た旅人と大地の剣のことを話す。
王はそのものたちを探せと言うと、シェスタ姫は
「あたしが行く、必ず見つけて奪って来るわ」
と部屋を飛び出そうとするが、王に呼び止められる
「誤解するでない、わしの名を告げてこの城に招待するのじゃ、戦闘服を着替えていきなさい」
いいな、わしは争いは好まぬ、奪うのではなく譲り受けるのじゃ、良いなと、王に念を押されると、
悔しさに歯噛みするシェスタ姫だった、ぶすっとしたまま部屋を出て行くシェスタ姫、
と、いれかわりにゲドウ大臣が入ってくる、メズリール姫はこのことを知らせてくれたのは彼だといい、
王はゲドウ大臣に礼を言う、しかしゲドウ大臣には身に覚えのないことだった。
腑に落ちないゲドウ大臣は姫に、これはいったい・・・とたずねる、
「どう、ゲドウ大臣、あなたあたしを花嫁にしたくない」
と返す姫を、おかしい、と感づくゲドウ大臣、
そしてメズリール姫は手に炎を出して自分が人間でないことを証明すると、メデューサ様の使徒サロメと正体を明かす、
サロメはゲドウ大臣に協力するよう要請した。
119 :
あらすじ2:2005/09/18(日) 23:59:50 ID:???
一方クルトはまだひろいセレネの都を歩いていた、そのとき建物の一つからひとが大勢出てきた、
それは奴隷と奴隷狩りの人たちだった、奴隷の一人が隙を見て逃げたが、
兵に見つかり背中を槍で貫かれ殺されてしまう。
もちろんこれを黙ってみていられるクルトではない、奴隷の人たちを助けようと走り出したが、
言葉の通じる青年に首根っこをつかみ上げられてしまう、青年はアスナスだった。
クルトはその手に噛み付いて離れるがその間に奴隷狩りたちは消えていた。
クルトはこの青年が気になったが、それより、シェスタ姫の乗った、こしがクルトの前に到着していた、
姫はきちんと礼服を着込み、かしこまってクルトを城に迎えに来たと告げるが、
クルトは旅を急ぐといったんは断る、しかしシェスタ姫に本当は怖いんだろう意気地なし、といわれ、
頭にきたクルトは、喧嘩腰で招待を受けるのだった。
その様子を見ていたアスナスは、いきなり後ろからロープを巻かれ体を縛られてしまう、
周りにはいつの間にか昼間見た兵士たちとその隊長がいた、隊長は形勢逆転だなと笑う。
アスナスは
「守るべきだったな、二度と俺の前に姿を見せ無と言う誓いを・・・負け犬の二度吠えは目障りだ、後悔は地獄でするがいい」
隊長はいかずちに打たれ死亡した。
アスナスを縛っていたロープも、何も触れていないのにぷつぷつと切れる、
アスナスの目がひかり兵士をにらみつけると、兵士たちは幻覚にかかったような表情になり、アスナスを丁寧に城へと案内しだすのだった。
城へつれてこられたクルトを二階の窓からサロメと大臣が見ていた、
そして遅れて人間の姿のアスナスも到着する、サロメは最初誰なのか分からなかったが、
アスナスから「やあサロメ」と呼びかけられアスナスだと気づく。
サロメはこの再会に、ものすごくうれしそうだった。
120 :
あらすじ3:2005/09/19(月) 00:00:34 ID:???
城の中では王に招待されたクルトが豪勢な食事をしていた。
王はクルトに大地の剣を譲って欲しいと頼んだがクルトは
「剣は武器だよ、眺めて楽しむものじゃない」
と断る、ゲドウが王に何か耳打ちすると、王は
「それなら、少しだけ持たせてくれないか?」
と聞くので、それくらいなら、と大地の剣を王に渡す、その瞬間、王は大地の剣を持ってすばやく逃げ出した、
そしてゲドウ大臣の号令のもと、一斉に衛兵がクルトにとびかかる。
しかしクルトの怪力で衛兵を投げとばし、大地の剣を追いかけようとした、
衛兵が何人ががりでもかなわないので不安になったゲドウ大臣はサロメに助けを求める。
サロメは手から一匹の毒蛇を出すとクルトに巻きつかせる、
しかし、それは毒蛇ではなく鎖だった、だが、ゲドウの目には確かに鎖が蛇に見えた、
これも力のうちか、と、うなるゲドウ大臣。
次にレオンも捕まりそうになるがこちらは逃れた。
サロメはトカゲには関心を示さずかわりにクルトのもっている精霊ガラティアの守護像を取り上げた、
ゲドウ大臣は、あれは宝剣よりも大事なのかと不思議がる。
その時、レオンが素早くサロメの手から守護像を取り返し、窓から飛び去っていった、
サロメの詰めの甘さに大笑いするアスナス、クルトも笑うがこちらはサロメに思いっきりぶたれた。
さて、場面は変わり、ゲドウ大臣は階段を下りて作業場のような場所に到着していた。
崖には足場が組まれ、何個もの釜から湯気が立ちのぼっている。
作業長とゲドウ大臣の話では、作業は順調だが、黄金が足りないらしい。
何を作っているかはわからないが、これが完成すれば、ゲドウ大臣はメデューサより力を授かるのだった。
そして、トカゲが持って逃げた袋の中身が気になるゲドウ。
木陰に身を潜めてクルトを心配するレオン。
そして、クルトは頑丈な手枷、足枷をはめられ、人々の押し込められた暗い部屋に連れてこられた。
王様……騙されやすいけど悪い人じゃない、と思ってたのに
客人の剣を強奪とは情けなさすぎ。
王国で大臣が悪人てのはよくあるパターンだけど、ゲドウとは
またそのものズバリなネーミングだな。
王様も王様なら、大臣も大臣、隊長も隊長、
王女以外ろくなヤツがいない国だな。
シェスタ姫も、勝ち気ってより性格悪いって感じ。
前に誰か言ってたけど、レオンが実は女の子でヒロインがいいな。
125 :
あらすじ1:2005/09/20(火) 00:00:24 ID:???
第十六話
クルトがつれてこられた場所、
そこはゲドウ大臣が新しい神殿を作るために、石を切り出す奴隷の作業場だった、
そこはまた「地獄の釜」と奴隷たちから呼ばれる恐怖の場所であった。
奴隷は飢えと疲れで次々と死んでいき、常に腐臭が漂っていた。
クルトもまたここで働かされていた、右手と左足に重い枷を付けられて・・・
枷の鎖を切ることは不可能ではなかったが、監視の厳しさに抜け出す機会を見付けられなかったのだ。
わずかなパンと一片の肉が食事のすべて、それすらも弱いものは強いものに脅し取られ、
弱いものは盗んで食べる有様だった、だが、盗んだ者はほとんどが、殺された。
人がすさんだ心を持てばどうなるか、クルトははじめて見たのだ。
一刻も早く抜け出したいクルトにとって、監視の兵に本当の力を知られていないのは救いだったのだが、
あるとき、アスナスの魔力によって故意に引き起こされた、落石事故が起こった。
クルトは例の怪力を使い、落石の下敷きになった男と老人を助けるが、
これにより監視たちに力がばれてしまい、枷はさらに大きく重い鋼鉄に変えられた。
そして、さらには、クルトの助けた奴隷を、怪我をして働けない奴隷は不要と、殺そうとするのを、
その人の分まで働くと言い、何とか助けるが、男は
「いいな、逃げようとしてみろ、あの爺を殺すぜ、何しろ俺の命がかかってるんだ、
お前はひたすら働いて、俺に飯を運ぶんだ」
と言う、それは新しい枷よりもはるかに重くクルトの心にのしかかっていった。
宮殿ではサロメがいつまでもレオンが持って逃げた守護像が見つからないため、いらだっていた。
それを見ていたゲドウ大臣は、あの守護像は相当な価値があるものなんだな、と思う。
シェスタ姫はそんな姉を、次第に不審に感じるようになっていた、
そして、父に会いに行こうとするが、なぜか途中衛兵に止められてしまい、ゲドウ大臣の許可がなくては通れないと言われる、
ほかの衛兵にも通すように言うが、もはや誰もシェスタ姫の言うことは聞かなかった。
そこへ現れたゲドウ大臣に、許す、道を開けて差し上げろ、と言われシェスタ姫は、ようやく父王の部屋に入れる。
126 :
あらすじ2:2005/09/20(火) 00:01:45 ID:???
父王に会うシェスタ姫、しかしそれは、正気を失い宝物を愛玩するばかりの、狂人と化した父王の姿。
シェスタ姫はゲドウ大臣に、どういうことかと詰め寄ろうとするが、
シェスタ姫は衛兵に槍を突きつけられ、ゲドウ大臣へ近づくことが出来ない。
ゲドウ大臣はいつの間にか、姉メズリールから、王の病気が良くなるまで、この国の一切を任されたというのだ。
「くれぐれも、面倒を掛けさせないでいただきたいものですな」
と、上から睨み付けるゲドウ大臣。
奴隷小屋ではクルトが食事を男に運んでいた。
食事と言っても一切れのパン、男はこれだけで足りるかと、おじいさんの分まで取り上げた、
仕方ないのでおじいさんには自分の分を上げた。
クルトは、男を恨まず、あの人もその内分かってくれる、と思いながらわらの中で眠る。
その様子を見ていた四人組の奴隷がいた。
最初は男の方を監視に密告しようかと言ったが、一人が、まてと言う、
「それよりどうだ、あの子の力を見ただろ? 俺たちの分まで働けるんじゃないのか、
あいつばかりにうまい汁吸わせる手はないぜ」
なるほど、と 奴隷たちが不気味に笑うのだった。
一方、レオンは、昼はやしの木に隠れ、夜になるとクルトを探しまくる毎日だった、
そして今夜も城の中へ潜入するレオン、まだ来た事のない中庭を発見したので入っていく、
そこで見たのは、とかげ谷で戦った、たくさんの目玉の化物の群れたちだった、
あわてて逃げようとするレオン、しかし間が悪いことに、曲がり角でシェスタ姫とぶつかってしまった、さらに誰かの足音が近づく。
ふたりはあわてて草むらに隠れる、足音の主はアスナスで、さらにサロメも登場、
アスナスは自分のマントをはずすと草むらに掛けた。
127 :
あらすじ3:2005/09/20(火) 00:02:30 ID:???
サロメは特に用事と言うわけではないが、たまには一緒に散歩などどうかと持ちかける、
そして、草むらに掛けられたマントを見て、「?マントどうしたの」とたずねる、が、
マントの下から物音が聞こえたような気がしたので、サロメはマントをどけてみる、しかし何もなかった。
草むらにいたはずのレオンとシェスタ姫は一瞬で別の場所に移動していた、
もちろん二人は訳が分からなかったが、とにかく助かったようだ。
クルトや奴隷たちが働く石切り場では再び事故が起きていた。
怪我をした奴隷たちに怒る監視たち、しかし、奴隷たちは事故の原因はクルトにあると言い出した。
クルトには分かっていた、けが人たちは、多くの血を流して痛みを訴えてはいるものの、
それはただ表面上の傷だけであることを。
(この人たちもいつか分かってくれる・・・)
クルトは仕事を四人分増やして、その代わり四人のけが人に食事を出して欲しいと、監視たちに頼んだ。
頼みは聞き届けられる、しかしその代償として、クルトはその日から食事なしになった、
その上、夜も休みなしで働くことになる。
いつかは分かってくれる、あの人たちも、いつかは・・・
と、心で叫ぶクルトの肩に石の重さが食い込む、飢えと疲れと悲しみが、生まれながらの力を失わせつつあることに、
クルト自身、まだ気づいていなかった。
ブラックすぎる・・・
ここまで描いていいのかってくらい重いな…('A`)
しかし、アスナスは何で助けてくれたんだろ。
前回といい今回といい、普通の人間の嫌らしさ全開だな
主人公をいじめるのは腹黒いやつだけにして欲しい
読んでて辛い・・・
時々思うけど、少女マンガって、少年マンガよりも、
妙にダークな描写あるよな。
いくらクルトが神の血を引く怪力でも、食事抜きで重労働じゃ死ぬだろ
アスナスは話を進めるための便利キャラだな。
しかしアスナスって萌えるな
135 :
あらすじ1:2005/09/20(火) 23:58:34 ID:???
第十七話
石切り場ではクルトの過酷な労働が続いていた、しかし、あの怪力は次第に消えて行き、
次第に普通の子供に戻っていくのだった。
それでも労働は容赦なく続く。
王宮では、サロメがまだ守護像が見つからない事に苛立っていた、
その様子を見て、姉の異常を確信するシェスタ姫、共同戦線を張ることになったレオンとともに、
クルトを探したいのだがまだ見つからない、しかしアスナスの
「サロメ、石切り場にいるクルトの様子はどうだ?」
の、一言で、サロメの正体と、クルとの居所が分かる、それにしてもアスナスは敵なのか見方なのか?
レオンはギルガドールは酒への強い執着心があるのを知っているので、それを利用し、
シェスタ姫と協力して、お酒でギルガドールの餌付けを開始、ギルガドールを味方に付けた。
そして、レオンは石切り場にいるクルトの元へ行くために、王宮から飛び立つ、
しかし、それを衛兵に見つかり追われてしまう、
シェスタは衛兵を止めようと口を開きかけるが、自分にはもうそんな力はないと、うなだれる。
奴隷小屋のなかでクルトとレオンはようやく再会した、
しかし、レオンは守護像を追いかけてきた衛兵に取られてしまったという、
そして、ここから脱出する計画を立てる、二人はそれを盗み聞く人影に気づかなかった。
作業場へ視察に訪れていたゲドウ大臣のもとへ朗報が入る、
あのサロメがこだわっていた守護像が手に入ったのだ、しかし現物を見て落胆するゲドウ大臣、
彼にはただの黄金の像にしか見えない、価値が分からなかったゲドウ大臣は、煮えたぎる炉の中へ入れてしまう、
サロメはそれを知りゲドウを怒る、だが後の祭りだった。
136 :
あらすじ2:2005/09/20(火) 23:59:25 ID:???
次の日、レオンの立てた作戦どうり、奴隷小屋から火の手が上がった、
この隙に足の枷をはずすクルト、そして、作業場から死角になっている崖を登り脱出を図るが、なぜかクルトの行動が
あらかじめ分かっていたかのように監視たちが・・・
肩に槍を突き刺され、崖から転落し捕まるクルトだった。
翌朝、高台に完成した神殿に運び込まれた鋳型から、メデューサへの貢物が姿を現す。
それは、純金で作られた、等身大の神像であった。
完成を祝いに、メデューサの使徒たちも現れ、そして、ぼろぼろになったクルトが引き出される。
さらに一人の老人の奴隷が引き出された、それはクルトが助けたおじいさんだ、
クルトとレオンの会話を聞いてしまい、パン一切れのために密告したと言うのだ。
サロメが老人の処刑を宣告する、助けて、これを何度も言う老人、クルトは処刑人に飛びかかろうとするが、
使徒たちが一斉に力をぶつけクルトを弾き飛ばす、その間に老人は、首をはねられてしまった。
サロメはクルトに、人間を恨みながら死んで行け、と言うが、クルトは反論する、その姿に「王」を感じるアスナス。
「そうやって憎ませてきたのは誰だ、僕は誤魔化されないぞ。
死と飢えの苦しみだけを教え、優しさと思いやりを忘れさせ、生き残ることだけにしがみつかせたのは誰だ。
ゲドウ大臣は手先に過ぎない、ゲドウの目的はお前たちの力を得ることで、奴隷たちを苦しめることではなかったんだ。
僕は騙されない、憎むべきは、ゲドウの欲望を、悪の心をそそのかした悪魔だ。
僕は人の心をそこまで追いやるお前たちを憎む。」
天高くから、神、それも邪神と呼ばれるものの声が聞こえてきたのはその時だった。
「元気の良い子だね、ガラティアの息子、クルト」
黒雲を割って蛇の群れが、その下の美しくも凍るような眼差しをした、女神の姿。
悪神の娘、メデューサ様、降臨!
クルト・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
俺は本当に感動した
どんな黒い展開が待っていようとこのマンガを最終回までずっと読み続けて行くことを今ここに誓うよ
うわあああ展開酷すぎじゃん…あの爺さんかよぉ…orz
でも、クルトは本物の「王」の道を歩んでいるんだね。
まだ子供なのにすごい洞察力だ。やはり善神の血筋!
少女マンガとは思えないぐらい熱い展開だ・・・
その分花とゆめでは浮いてるけどw
今までけっこうやなガキと思ってたけど、今回ばかりは見直した。
それにしても、あの巨大神像が全部黄金だとしたら、この世界は
地球よりも金が豊富なのかも。
(地球で有史以来人類が掘り出した金の総量はオリンピックの
プール2杯分だそうだ。)
守護像、一度も役に立たないうちに溶かされちゃったな。
そのうち黄金像から出てくるさ。
「フッ! 溶かされたのか皮一枚にすぎん!」
とか言って。
メデューサが来ちゃったな。どうすんだ、この状況?
クルトの力は衰えてて怪力は使えず、大地の剣も守護像もないぞ。
守護像を取り込んだ黄金像が代わりに闘う
まあピグマリオって第だから人形が活躍しそうだな
しかも人形って守護像しかでてないし
はっ、アレが巨大化してクルトが乗り込むとか
もしかしてライディーンとかのロボットものを少女漫画でやるなんて恐ろしい野望を和田センセは
もっているのか?
147 :
あらすじ1:2005/09/22(木) 00:00:23 ID:???
第十八話
メデューサ現る。
初めて見る本物の宿敵に向かってクルトは突撃するが、メデューサのわずか腕の一振りで壁に弾き飛ばされる。
サロメはこの主(あるじ)にクルト捕獲を褒められ、隣にいるゲドウを紹介。
純金の神像の貢物を気に入ったメデューサは、
このあたり一帯を治める王になりたいという野望を叶えてやるべく、黒い血をゲドウに与える。
そのころシェスタとレオンは宮殿にいた、クルトを救うには武器が必要と思い、父王の宝物庫にある大地の剣を取りに・・・
しかしシェスタにはもう、宝物番の兵士をどかせることは出来ない、
だから、彼女は剣で押し通ろうとするが、背中を斬られてしまう、そして危ないと思ったとき、
間一髪、レオンが連れてきたギルガドールの援軍によって兵士を倒し救われた。
宝物庫に入ったシェスタは餓死させられた父王を発見、
こんなことをしたゲドウ大臣と、姉の顔をした悪魔を許せないと、神殿に向かって走り出す。
黒い血を飲んだゲドウは、劇的な姿の変化を見せていた・・・トカゲの姿へと。
ゲドウがなったのは人の王ではなく、このあたりを治めるトカゲの王になったのだ、これに怒るゲドウ、
元に戻してくれ、とメデューサに言うが、まともに取り合ってくれない。
最後はサロメに踏まれてつぶれて死んだ。
そのサロメに、シェスタが剣で切り倒そうと飛び掛るが、サロメの力で触れることも出来ないうちに、
身動きの自由を奪われる、そして、サロメは面白い余興として、あの黄金の神像に乗り移ると、
クルトとシェスタをつれて奴隷たちがいる作業場へ来た。
そこで奴隷の殺戮を始めるサロメ、あるものは踏み、あるものは握り、岩をおとして人間を潰していく、
一人残らず殺していく黄金の神像。
148 :
あらすじ2:2005/09/22(木) 00:01:14 ID:???
気がつくとクルトとシェスタは神殿に戻っていた、しかし、今見たことは夢ではないとサロメ。
次に殺されるのはシェスタの番、サロメは雷を指先に集めるとシェスタを撃つが、クルトが盾となり、かばう、
これには使途たちも沈黙、だんだんクルトの執念が怖くなる。
サロメはクルトの一番の弱点をつくため、母、ガラティアの像を出現させる、そしてこれを破壊した。
粉々になる像、それを見て笑うサロメだが、ほかの使徒たちはあきれて帰りだす。
メデューサはサロメを叱る、彼女のしたことは、逆にクルトの心を燃やしてしまったのだ。
手錠が音を立て砕ける。クルト、怒りの復活。
神殿の柱を割り、ぶん投げて暴れるクルトに、サロメはもう一度黄金の神像の乗り移る、
しかし、黄金の神像の一部がまるで太陽のように明るく輝きだし溶け出した、
黄金の神像、その光の中心にはガラティアの守護像が。
熱さに焼かれ、燃えながら黄金の神像から出てきたサロメは神殿の床を転げ回る、
そして体の火を消し留めた時、シェスタの剣が胸に突き刺された・・・サロメ死亡。
シェスタに駆け寄るクルトだが、宝物庫の兵に受けた傷がひどく、クルトの腕からすべり落ちる・・・シェスタも死亡。
クルトはその後、駆けつけたレオンとギルガドール、そして大地に剣とともに
メデューサに挑みました。
結果は、クルトの最大の一撃が回避され、メデューサには逃げられてしまいます
影になったメデューサは、私に会いに来い、と
クルトは、おまえを倒しに行くぞメデューサ! といいました。
「善神アガナードと大地の女神ユリアナの名において、クルトが命じる、大地の剣よもとの姿に!」
ピグマリオ 第一部 完
第一部完はいいけど、打ち切りっぽい。続きは本当に始まるのか?
やっぱり少年主人公で人気無かったのかな。
ああ、でもスケ番刑事第二部は楽しみだ。
また、ガラ仮面との合作やったりして。
ガラティアの像を壊して気力を奪うなんてサロメは馬鹿すぎる。
壊されたのは幻影だと思うけど、作中でフォローして欲しかった。落ち着かないよ。
王様:餓死
第一王女:ギルガドールのエサ
第二王女:斬殺
大臣:トカゲ化・圧死
こうして一つの王国が滅びましたとさ。
サロメより有能そうな使徒が沢山出てきたな。
これから一人ずつクルトと対決していくのだろうか。
メデューサがラスボスなんだろうし。
トリトン?
いい最終回だった
散々既出の意見だけど・・・
これ本当に少女マンガ?
スケバン刑事よりは少女漫画w
>ピグマリオ 第一部 完
展開早いなあと思ってたら、これかい!
今の花とゆめは多分黄金期だな。
そろそろ白泉社も少年漫画雑誌を出してもいいんじゃないかな
ピグマリオの第二部ひっさげて
わたしは結構気に入った。(ショタ?w
メデューサを倒してガラティアが元に戻るのか?
アスナスは何者なのか気になる。
早く再開しないかなー
第二部やるとしたら、やっぱり成長させるんじゃないか?
「あれから数年後、クルトは」みたいな感じで。
本気で二部が始まると思ってる人いるんだあ....
スケバン刑事結構長いね、、
ピグマリオはやっぱあのまま終わりなのかな?^^;
スケバン刑事うまく終わったなぁ。このラストはすごいっ。
あの「みんな、あばよ!(セリフうろ覚え)」は
マヤちゃん並みにすごいタイミングで言ったに違いないw
でもこれだけ続くと、もう作者ピグマリオの方は忘れちゃってそうだなぁ。
165 :
あらすじ1:2005/09/23(金) 23:58:02 ID:???
昭和58年 花とゆめ7号
これは遠い遠い昔の話
語り部たちはただ天地(あまつち)の始まりを伝えるだけでその役目を終える時代
現代に伝わる神話も伝説も歪められることなく現実であったころの物語
これはそんな神話時代に生きた一人の少年の話
ピグマリオ 第二部
第十九話
霧の立ち込める森の中、妖魔の三兄弟が巨大な空飛ぶ猛魚を駆り、クルトを捜索していた。
妖魔の姿は、鳥のようなくちばしと、爬虫類を思わせるからだと尻尾、それに人間のように使う手足があった。
彼らの目的は、クルトをメデューサ様に差し出し、その褒美として「黒い血」を手に入れること・・・
兄弟の名は ゲオルグ三兄弟 といった、彼らは森の木々を薙ぎ、高笑いをあげながら霧の中へ消えていく。
霧の立ち込める森の中、クルトとレオンが道に迷っていた。
レオンがクルトに話しかけるが、クルトはなぜか気のない返事をする、元気がないね、と聞くと、クルトは
「そう?元気だよ、ぼく」
とレオンに笑みを見せてくれるが、それは無理をして笑っていることにレオンは気づいていた。
クルトは何故か、ここの所ずっと元気がないのだった。
クルトは人を発見する、それは捻じ曲がって成長した巨木の下で、鍋を煮る三人の黒いローブを頭からかぶった老婆たち、
クルトは近くへ行こうとするが、レオンは不気味だからやめようと止める、しかし、クルトは近づいた。
老婆たちは 迷い森の三人のおばば と呼ばれているらしい、
彼女たちの役目は、この森の奥底といわれるここまで迷い込んだ人間に、望みを叶えることだと言った。
それを聞いて、死んだ人も生き返るのか聞くクルト、しかしそれは無理だといわれる、
だが、昔の姿を見せることは出来るらしい。
クルトは即座に、母様に会わせて、とお願いする。
166 :
あらすじ2:2005/09/23(金) 23:58:55 ID:???
クルトは今まで口に出して弱音をはかなかったが、かつて、セレネの都でサロメに、
石にされた母を破壊されたことをずっと悲しんでいたのだ。
たとえメデューサを倒しても母様は帰ってこない、そう思うとぼく、体中から力が抜けちゃうんだ、
と告白するクルト、レオンもクルトの元気がなかった原因がこれで分かった。
おばばの一人が、キスをしてくれたら望むものを見せてやろうというと、かぶっていたローブをめくり、
沼の腐臭の染み付いた顔をみせた、クルトはちゃんとキスをしてあげる。
もう一人のおばばも同じようにキスの条件を出し、ローブをめくる、
それは蛆虫が体中に巣くった姿だったが、クルトはちゃんとキスをしてあげる。
最後のおばばは、少しはなれたところで一人、毒を煮込んでいる、彼女は腐れ病にかかっているという。
このおばばは、何も見せてやれん、といったが、クルトはローブをめくり、腐りかけた頬にキスをしてあげた、
おばばが、なにをする、お前にも病がうつるぞ、というがクルトは大丈夫と笑顔で言った。
「父様が言ってた、ぼくが元気になると城中のみんなが元気になるって、
だからきっとぼくの力が逆におばばに流れ込むよ、そしたら元気になるでしょ?」
おばばたちは、クルトの優しい心に免じてお前の母親を見せてやろう、と言った。
クルトは最初のおばばの差し出す水晶玉を覗き込んだ。
そこに映るのは、一人の若く美しい精霊と、その人を見つめる男性、そして二人は、万花の花びらが舞う中、
婚礼をあげる、二人は若き日の父様と母様だった。
場面変わり、父とまだ若かった家臣ダーレスが心配そうな顔で扉の前に立っていた、
この光景を見ているクルトは、何だろう?と思っていると、扉の向こうから元気な産声がきこえてきた。
急いで部屋に入る父、そこには赤子をだく母様がいた、父様も母様も赤子の誕生を心から喜ぶ。
「ぼくだ!ぼくが生まれたんだね!」
167 :
あらすじ3:2005/09/24(土) 00:00:22 ID:???
クルトとレオンは、ハッと目を覚ます、続いて二人目のおばばが水晶玉を焚き火にかざす。
そこは狂ったような豪風吹く村、かつてのワタンカ村の姿、そう、今、まさにメデューサが襲い掛かる場面だった。
クルトはオレンジを持って階段を下りようとする母を発見、何とか危険を知らせようとするが、
メデューサの瞳によって石となってしまう。
次に、ぼろぼろになったクルトと、サロメが現れる、
サロメは石に変えられた母を壊そうと指を母に向けた。
見たくない、ここから先は見たくない、とおばばに訴えるクルト、しかし、母が壊される場面を見せられるクルトだった。
見たくなかった、と涙を浮かべ目を覚ますクルト。
そして三人目が、わしも見せてやろう、と立ち上がる、もうこれ以上見たくないといい、
止めようとするクルトとレオン、しかしそれより先に、三人目のおばばが水晶玉の力を使った。
黒煙と光の中、ガラティアの石像が現れる、信じられない、という表情をするクルト。
しかしこれは現実だという、その証拠に、急に石像が無くなり大騒ぎになっているお城の中を水晶玉で見せてくれた。
間違いなく母だと知り、石像に泣きつくクルトだった。
クルトは三人のおばばにお礼を言うと、元気良く霧の中へ旅立っていく。
母の命が無事と知って、心の重荷がとれ、元のクルトに戻っていた、そして、三人のおばばも、
もとの姿に戻りましょう、といい、変身を解く、それは精霊たちだった。
しかも三人目のおばばの正体は、かつてクルトを助けたガラティアの妹、精霊オリエ だった。
きゃっきゃっと言いながらクルトのキスの話をする二人の精霊、力をあわせて像をルーンの国へ返しましょと言うオリエ。
168 :
あらすじ4:2005/09/24(土) 00:00:56 ID:???
霧の中から牛骨仮面に黒マントの男が現れたのはそのときだった。
石像を見に来ただけらしいが、邪魔をしたオリエを腕の一振りで吹き飛ばす、そして
「クルトに伝えよ、メデューサの城は遠い、心してかかれとな」
と、激励とも取れる謎の言葉を残し霧の中へと消えていった。
こんな強すぎる相手がクルトの敵だと知り、クルトを心配する精霊たち。
オリエは、無力で力になってあげられない自分を悔しがるのだった。
冒頭登場したゲオルグ三兄弟がこの光景を見ていた、が、石像に近づこうとした瞬間、
アガナードの落雷で瞬殺、白骨と化して退場。
母、ガラティアの像は無事ルーンの国へ返される、そしてクルトは森を抜け、金色の鷹を久しぶりに発見する。
沈む夕日を追ってクルトは西に向かう、目指す敵はメデューサ!
こうしてクルトの新しい旅が始まった。
第二部キター
待ち続けたカイがあった。
人間くさい精霊達にワロタ
第二部キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
これからはクルトの成長過程で恋愛も絡めていくのかな?
成長したクルト×精霊オリエのカップリングの予感
クルトは実はキス魔?
絵が変わったな。
クルト少しかっこよくなった?
今回は、第1部を読んでない新しい読者のための設定説明って感じだったな。
本格的に第2部の話が動き出すのは次回からか。
うん、絵がだいぶ変わったよね。さらにクルトが可愛くなった。
>>170 精霊オリエってクルトの母様の妹だよね。
それだと近親相姦にならないか?
いいかげん花ゆめの読者が一巡してるんじゃないか....
ほとんど、新連載同然だなあ。
178 :
あらすじ1:2005/09/24(土) 23:59:49 ID:???
第二十話
クルト去った後の迷いの森で、ゲオルグ三兄弟の命は尽きようとしていた、
しかし、 ドルバローム と名乗るメデューサの使徒が命を与える。
そして、一つの体に三つの首を持つ姿で復活すると、クルトを捕らえその腰にある守護像を奪えという命をうけ、
飛立って行くのだった。
場面変わり、ここはある町の中、「水晶の姫」と呼ばれる有名人がやって来るというので、
ちょっとしたお祭り騒ぎになっていた。
水晶の姫とは、あちこちの国から招かれる占いをする姫で、今まで占いがはずれたことはないらしい、
王族あこがれの美しい子供らしい。
その、姫の乗った輿がやってきた、そばにはかっ幅のよい首やら指やらにじゃらじゃら宝石を付けた母親がついていた、
しかし、母親の方はこの旅があまり御気に召さないらしい、西に行くんじゃなくて金持ちの多い南へ行こうといった。
だが姫は、どうしても西へ行かなければならないらしい。
姫の行列が進む中、一つの壷が道の真ん中へ転がってきた、中から話し声がする。
「動いちゃだめだよ」「だってクルトが尻尾ふむんだもん」
次の瞬間、空から大きな槍が降ってきた、あたりはたちまちパニックになる。
槍の一つが動く壷を直撃、中からクルトとレオンが出てきた、どうしよう、というレオン、
姿を見せている限り攻撃が続くので、行列の中に隠れようというクルト、二人は絨毯の中に隠れた。
そして、謎の攻撃が去り、場面はお城の中。
水晶の姫の母親が王の接待を受けている、そして箱いっぱいの宝石をもらうが、母親は一人になったとたん、
これっぽちのお宝で占ってやるものか、と舌を出す、かなりがめつい性格のようだ。
部屋に帰り、たまったお宝の山を見てうっとりとする母親、おおなんて美しいんでしょ、というと、となりで
うん、そうだね、とクルトが相槌を打った、一瞬凍りつく母親、そして、ドロボーと叫びだした。
クルトは荷物から出てきただけなのだが、人が集まりだしたので窓から飛び出して去っていった。
179 :
あらすじ2:2005/09/25(日) 00:00:29 ID:???
「あの窓はおよしなさい」
一人の女の子が止める声はクルトには届かなかった。
声の主は水晶の姫、クルトと同じくらいの年齢、長い黒髪に噂にたがわぬ澄んだ美しさをした少女。
クルトが飛び出した窓の下は崖になっており、クルトはまっ逆さまに墜落していた、そして、沼に頭から落下する。
そこでクルトは土蟹の怪物に襲われる、大岩をぶつけてやっつけるが、毒針を刺されていた。
毒が回り昏倒するクルト、レオンはこんなのがもう二、三匹いたら危ないと考え、
何とか沼から脱出しようとクルトを引っ張るのだった。
ちなみに土蟹の死骸はゲオルグ三兄弟が食べてしまった。
花の咲き乱れる丘の中、歌を歌いながら花輪作りをしているのは水晶の姫。
花畑の中でレオンと再会する、そして毒に犯されたクルトを救って欲しいとお願いした。
水晶の姫は快く引き受け、クルトに口移しで毒消しを飲ませたやった、
さらに、母親にクルトが良くなるまで面倒を見てやって欲しいとたのむ、しかし母親は冗談じゃない、という。
実は金持ちの南の国から占いの依頼があるという、急いで南へ行こうという母親、
しかし、水晶の姫は西にある「魔王の燭台」と呼ばれるところへ行きある人に会いたいらしかった。
母親はクルトを救う条件を出す、それは三日で魔王の燭台に行き、一日だけ「その人」を待つというものだった、
クルトの今にも死にそうな様子を見て、水晶の姫は条件を飲む。
そして、荷車の一団は西へと出発、寝床の中でクルトは毒消しの効いてきた体で水晶の姫にお礼を言う、
そういえば、まだ名前を聞いていなかった、
水晶の姫と呼ばれる少女が名前を教えてくれる、それは奇しくも良く知る精霊と同じ名だった。
「あたしの名? オリエよ」
ヒロインキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!
これヒロイン! 絶対ヒロインだよね。
つかこのコがヒロインがいい!
どうだろう。
ヒロインっぽいけど、それ言ったら、シェスタだってヒロインっぽかったからなあ。
彼女みたいに不幸な最期をとげたりしないといいが。
前回瞬殺のゲオルグ三兄弟なんて生き返らせても、役に立つのか?
ギルガドールを気に入ってたサロメといい、今回のドルバロームといい、
どうもメデューサの使徒はモンスターを見る目がないような……
オリエ、今はかわいくても、将来はあの母親みたいになるのか……
>これっぽちのお宝で占ってやるものか
プロ失格。
金額でサービスに差を付けるなら仕方がないが
やるべきことはやらなくては。
>181
でもさ、書き込みがやけに丁寧じゃない?
ヒゲクマさんかなり思い入れのあるキャラっぽ
私は精霊オリエが好きだけど、クルトと年の差があるし
こっちがヒロインかなぁ。
精霊と同じ名前って重大な意味があるのかな。
でも、精霊オリエと同名だからなあ。
どっちか死んで、その想いを...という展開にならないといいんだが
実は同一人物ってことじゃない?
髪型も髪の色も違うから、全くの別人じゃないかな?
この作者、同一人物は面影がだぶるように描くはず。
っていうか、別人の方がいいなぁ。オリエちゃん、もろ好み
一つの魂が分かれて二人のオリエになった
そのうち二人はメデューサの手下によって命を失うがクルトのもつ守り人形に二人の魂が吸い込まれる。
守り人形はクルトを守るため巨大な神像に姿を変え、クルトが乗り込む
「オリエ、二人とも乗り心地抜群だぜ!」クルトが叫ぶ
(スマソ、キーが滑った上一行削除)
なんて展開を経て巨大ロボットアニメ風になった挙げ句、巨大なメデューサを肉弾戦な取っ組み合いで倒す
などと妄想
ただクルトを引きつけるためのぷちドッキリだろ。
今回は毒で同行することになったが、
今後も簡単にはキャラバンから離れられなくなる、
今回の展開の中心人物には違いないだろうが、
レギュラー化すると紛らわしいからないと思う。
シェスタは一話完結ならまだしも、あんまり和田さんのヒロインぽくなかったからなぁ。
ヒロイン予定だったにしても読者受けしなかったみたいだし。
その辺で一部打ち切りきちゃったのかなぁ。
スケバンのヒットで好きなこと書かせてもらえたんだろうね。
「次、何書きますか?」
「しばらく休みもらいたい」
「いや、そんなこと言わずに連載しましょうよ」
「じゃあ……、ピグマリオの続き」
「え?」
「ピグマリオ第二部なら構想あるから、でもそれ以外は今は無理」
「わ、わかりました」
みたいなやりとりがあったと思われ。
でも、第一部と同じ轍は踏まないだろうから、
なんらかのてこ入れがあると思う。
それが健気でかわいいヒロイン投入ってのはある得ると思う。
編集部も192みたく簡単にオッケーは出さないだろうし。
ヒロインはレオン
最終回付近になって突然実は女の子なのクルト好きとか言い出すと思う
レオンが実は人間の女の子で
メデューサを倒したら元に戻ってクルトとハッピーエンド?
ファンタジーにはありがちだがいいかもしれん。
まあいまのところレオンが一番可愛いし
197 :
あらすじ1:2005/09/26(月) 00:02:58 ID:???
第二十一話
竜車の隊「キャラバン」は西へと進む。
毒に犯されていたクルトは、毒消しが効いたのか、一晩ぐっすり眠るとすっかり回復していた。
朝早くから隊の周りを走るクルト、オリエ様付きの召使いの男 オズマ も、
回復の早さにあきれていた、クルトは早速オリエに会いたいとオズマに頼むが、
オリエの母親 エバ に丸太で頭をどつかれオリエに近づくなと釘を刺される、
どうもクルトはエバに嫌われているらしい。
エバ以外はクルトに親切で、一緒に食事をしたり、川に潜ったりした、
クルトは川底から真珠石を見つけてきてみんなを驚かせる、クルトは楽しい旅を満喫していた。
そのクルトの声が、入浴中のオリエにも聞こえてくる、オリエは一緒に遊びたそうだが、
エバは当然許してはくれない、代わりにレオンを一緒にお風呂に入れてあげるオリエだった。
その夜、クルトはオリエの車へこっそりと遊びに行く、そして昼間川でとった真珠石をプレゼント、
でも原石のままではオリエには重たいので、大地の剣でスライスしてあげる、
真珠石はまるでカードのようになった。
クルトはオリエに旅の目的などを聞いてみる。
オリエは水晶を使った占いを、小さいころからしていた、それが良く当たるので、いつからか、
各国の王族から占いを頼まれるようになる、そしてあるとき、輝く星がまっすぐ西へ向かっているのが見えたという、
それは、自分の運命に大きくかかわる星であると感じたオリエは、その人と出会える「はず」の場所、
魔王の燭台へと向かっているのだった。
198 :
あらすじ2:2005/09/26(月) 00:03:37 ID:???
クルトは、もしオリエの探している人にあったら、オリエが合いたがっていることを教えてあげるよ、と
約束、オリエはありがとう、と言いお礼にクルトを水晶で占ってくれた、
しかし、水晶は輝くばかりで占いは失敗してしまうのだった。
この直後、エバが見回りに来てクルトとレオン間一髪逃げる。
それ以来、クルトは厳しい監視の目を潜り抜けて、オリエを訪ねては愉快にさせた。
ある時は、小さなピンポン球のような物を見せて、お酒を掛けて元のサイズに戻ったギルガドールを見せてあげると、
オリエは最初、驚いて気絶したが、良く見るとかわいい顔してるわ、と言いすぐになれた。
ある時は、雨で増水した川の向こう岸を鎖で引っ張って、岸をくっつけて渡れるようにした。
こうして旅は続けられ、そして、魔王の燭台へたどり着く。
魔王の燭台、まさに名前のとおり蝋燭立てに似た岩山、ただし、燭台の頂には雲がかかっているほどに高さだった。
オズマが足場を確かめるため、登ってみる、しかし何メートルか登った所で足場が崩れ墜落、
オズマは大怪我を負い、オリエは自分の願いが原因でオズマを傷つけたことに悲しむ。
クルトはオリエに、どうしても上に行きたいか、その決意を訪ねる。
いいの、もう、とこれ以上迷惑や傷つく人を増やしたくないオリエは言う、だが、クルトは
「登りたいかって聞いてるんだ」
とオリエに確認する、オリエは
「クルト、私一人でも行きたい、私の運命にかかわる星に・・・星の心を持つ人に会いたいの」
と言った、それを聞き、レオンがお酒を持ってくる、そしてみんなの前でギルガドールの目を覚ます。
ポウ、と音を立てギルガドール登場、みんな驚き、エバは泡を吹いて倒れる。
その間にクルトとオリエは魔王の燭台山頂へ向け出発、
雲を越え、下界を見下ろすはるか高みの山頂へ到着、オリエだけ下ろし、クルトとレオンは地上へと帰っていく。
魔王の燭台から降りるクルト、残るオリエ、夜のとばりが静かに下りようとしている
その闇の中に、不気味な気配が潜んでいることを、オリエもクルトも気がついていなかった。
酒でてなづけたとはいえ、もともと凶悪なモンスターだった
ギルガドールを安易に使って大丈夫なのか?
占い師って自分のことは占えないってよく聞くけどな。
結構オリエって頑なだなぁ。
オリエの運命にかかわる人って、実はオズマなんじゃね?
彼女の望みを叶えるために頑張ってケガしてるし。
いや、さすがにそこまで裏を掻いたりしないんじゃ....
飛翔じゃないんだからさ(w
でもゲストキャラなら運命の人はオズマ、新レギュラーなら運命の人はクルトって
ことかな。
運命の人は実は
レオン
わざわざ精霊オリエとおんなじ名前って露骨な伏線張ってんだからゲストキャラは有り得ないような
クルトとも同年代だしまあ普通にヒロインキャラなんじゃないかねえ
精霊オリエがヒロインだとPTAがうるさそうだしw
206 :
あらすじ1:2005/09/26(月) 23:57:50 ID:???
第二十二話
夜、魔王の燭台の上で運命の人を待つオリエは、こちらに向かって飛んでくる光を発見する、
もしや、あの光が待っていた星かと水晶に訪ねるが、水晶は無反応、そういえばあの光はなんだか禍々しい気がする。
光の主は、ゲオルグ三兄弟、魔王の燭台の麓にクルトを発見したので早速殺しに向かおうとしていた、
しかし、お腹に寄生していた土蟹が「喰いたい!」としつこくわめき出す。
土蟹は無理やり三兄弟の進路を変えると、燭台の上で一人いたオリエの元へやってきた、
オリエは護身用の短剣を出すが、ゲオルグ三兄弟の手で払われ短剣を飛ばされてしまう。
兄弟的にはオリエはどうでも良さそうだが、土蟹は「喰いたい」という呻き声をしつこく続けるので、
クルトを殺す前にこの少女で腹ごしらえをすることに、だが、水晶がオリエの姿を消してしまう。
オリエは助けを願った。
一方地上では、夕食の真っ最中。
エバ様は早く南へ行きたいとぼやきながら焼けた骨付き肉をムシャリ。
怪我をして動けないオズマには、クルトが食事を運んであげる、
そこでオズマは自分の代わりにオリエを上まで運んでくれたクルトにお礼を言い、そしてオリエの話をしてくれた。
オリエはいつも旅を続けているため、同じ年頃の友達が出来なかった、しかし、
星を占う巫女は本来、自分の運命は占えないのだが、ただ一度、8歳の誕生日にふいに自分の運命とかかわる星が、
水晶に見えたらしい、生まれてはじめて自分と心を通い合わせる人に出会えると知り、
嬉しさにオリエは涙を流したという。
夜空から、短剣が降ってきたのはそのときだった。
短剣を検めるとそれはオリエの護身用の短剣、オリエはこんな物滅多な事じゃ抜かないらしい、
上でオリエに何かあったのだ。
クルトはオリエの名を叫びながら垂直の崖を駆け上がる、が、当然雲より高い頂上に届くはずもなく、
途中で墜落、しかしレオンがお酒を準備していてくれたおかげで、ギルガドールを覚醒させクルトをキャッチ。
オズマは、これを持って行け、と槍を渡し、オリエ様を頼む、と頼んだ、それを力強く了解するクルト。
207 :
あらすじ2:2005/09/26(月) 23:59:37 ID:???
燭台の山頂では、姿を消したオリエと水晶が隠れていた、しかし鼻の良いゲオルグ兄弟と土蟹の食への執念で、
ついにオリエは見つかってしまう、もうだめか、と思われたその時、クルト登場。
クルトは飛び掛りざま、ゲオルグ兄弟の真ん中の首を槍で刎ねる、そして剣を取り出したゲオルグを、
槍で圧倒し始める、槍を振るうクルト、ゲオルグの左腕切断。
オリエはクルトの様子が違うことに気づく、今のクルトは王の星を体中に秘めた男の子に見える、
そういえばクルトは西へ旅を続けている、そして水晶の教えてくれた運命の人も西へ向かっていた。
オリエは運命の星の人はクルトではないかと考えだした。
ちなみに、ゲオルグ三兄弟とお腹の土蟹は槍で斬られて倒された・・・クルトノーダメージ。
危機は去り、オリエはクルトに近づく、オリエは自分の考えを言いたそうにもじもじしている。
一方、ゲオルグ三兄弟の命は消えようとしていた、今一度機会をお与えください、と
主、ドルバロームお願いする、その願いは聞き届けられ、ゲオルグ三兄弟、三たび復活。
急に黒雲が現れ、強風が吹き始めた、クルトとオリエは互いを見失う。
オリエは水晶に、星の人はクルトではないか訊ねるが、飛んできた石にあたり、水晶は粉々に砕けてしまう。
208 :
あらすじ3:2005/09/27(火) 00:00:14 ID:???
ゲオルグ三兄弟とお腹の土蟹は大きくなって復活していた。
いわゆるメデューサ サイズ。
しかしこれでも勝利には不安があるらしい、確実にクルトを殺すため、自分たちの生まれ故郷に誘いこむことに、
そのため、オリエを目玉のシェルに閉じ込め人質にした。
クルトに、この娘を助けたくば北へ来い、と言うと、ワハハと笑いながら遠ざかる。
クルトはゲオルグに槍を投げるが手ごたえがない、どうやら見えているのはただの影らしい、
しかし、ならば本体はどこに。
レオンが、地面にオリエにあげた真珠石のカードが落ちているのを発見、
クルトが地面を叩いて割ると、真珠石が地下へ向かって転々と落ちているのを見つけた、
地下からはゴゴゴと音がしている。
本体はここだ、チャッと音を立て大地の剣を構えるクルト。
クルトはレオンに、みんなに燭台から離れるよう伝えに行かせる、そして自分は地下に向かってダイブ。
善神アガナードと大地の女神ユリアナの名においてクルトが命ずる、大地に剣よ 元の姿に!
ゲオルグ兄弟、やっぱ役立たずだったか。
カニに乗っ取られるわ、クルトには勝てないわ。
オリエ、クルトに惚れた?
敵に捕まって主人公に助けてもらうのはヒロインの王道だな。
やはりオリエ、ヒロイン確定だ。
ゲオルグうざすぎ。
なんかまだ生きてそう。
213 :
あらすじ1:2005/09/28(水) 00:03:29 ID:???
第二十三話
背中から胸に掛けて大地の剣を突き刺したゲオルグが、魔王の燭台を崩しながら現れる。
何とか逃げるのに間に合ったキャラバンの一行は、その姿に慄き、そしてオリエ様を心配した。
ゲオルグ三兄弟は目から血を流し倒れる、そこへクルトが現れ、大地の剣を短剣の姿に戻した、
そして、ゲオルグの目の中に囚われたオリエのもとへ、途中ゲオルグ兄弟の首の一つが石になっているのを見た。
オリエを助けようと近づくクルト、その時、ゲオルグ兄弟の首の一つが動き、
クルトを岩ごと飲み込んでしまう、溶解液あふれる胃袋に送り込まれたクルトは気を失ってしまう。
ゲオルグ三兄弟は石になった兄弟を助けようと、キャラバンの人間たちを食べることに、
そして地響きを立て襲い掛かろうと歩き出した。
しかし、ゲオルグ三兄弟は途中で足が止まる、そして、残る二つの首も石になり始めた。
その石になった胸にひびが入り、心臓を突き破ってクルトが脱出、崩壊するゲオルグ。
クルトは寝具を積んだ竜車の荷台に飛び降り、それがクッションとなり大怪我を負わずに済む、立ち上がると、
すぐに崩壊しているゲオルグの中へ、そしてオリエの閉じ込められた球をキャッチ、オリエを無事助けた。
ゲオルグ三兄弟の死体は光りながら縮んで、骨だけの姿になって元の大きさに戻っていた。
クルトは飲み込まれた時、まだ二つの心臓の音を聞いたらしい、本当にしぶといやつだったが、
これで終わった、クルトはまた旅を続けるためオリエにお別れを言いに向かう。
しかし、実は、ゲオルグ三兄弟はまだ生きていた、ただ、もう三兄弟ではなくただの兄弟、
しかも二人とももうすぐ命が尽きようとしていた。
兄弟の一人が、もうだめだ、とつぶやく、もう一人が、それなら最後の力を使って俺の首を噛み切ってくれ、
と頼む、兄弟は言われたとおり首を噛み切ってやり、そこで力尽きる。
首を噛み切ってもらった兄弟は、口を開け、クルトに向かって飛ぶ、そして、クルトの腰に吊るされた、
守護像の入った皮袋をくわえると、北に向かって飛んだ、途中オリエの入ったシェルにぶつかって割り、
それでも最後の力を振り絞って、失速することなく空へ空へ。
214 :
あらすじ2:2005/09/28(水) 00:04:10 ID:???
死んでたまるか、黒い血を飲み、強い力を手に入れるまで・・・戻るんだ、北の自分の国へ、
もはやこの執念のみで飛び続けるゲオルグ、クルトはその速さに追いつけないのだった。
オリエ無事生還、エバはじめ、キャラバンのみんなが喜ぶ。
よかったよかったと言いオリエを抱きしめるエバ、その目には涙が。
母さん・・・とオリエも感動、しかしエバ、
「とにかくこれで、南の国との約束に間に合うってもんだ」
オリエ、ガーンとした顔に、心配していたのはそれ!?エバはすぐに出発の支度をみなに命じる。
そこへクルトが帰ってきた、守護像は取り戻せなかったことを話す。
オリエは、どうするの?と訊ねる、クルトは断腸の思いで西への旅を選択、
母の形見より、一刻も早くメデューサを倒す方を選んだ、ただしクルトは物凄く苦しい表情。
その時、空が唐突に明るくなる、見上げると金色の鷹が現れ、そして北へ向かって飛んでいく、
クルトはそれを見て、北へ行くことを決意した。
オリエはクルトが行ってしまう事を寂しがる、そして魔王の燭台の上で考えたこと、
クルトが星の人なんじゃないか、とクルトに話す。
そこでクルトは今まで聞いたオリエのことを思い出す、
オリエの寂しさ、ずっと続いている旅、オリエがどんなに星の人と出会いたがっているか・・・
クルトは答える、ごめん違うよ と。
215 :
あらすじ3:2005/09/28(水) 00:04:49 ID:???
オリエはショックを受け、車に戻ると泣き出してしまう。
クルトはオリエに近づこうとするがエバに止められてしまい、車の外からオリエに別れを言った。
オリエの涙は止まらない
「クルトも行ってしまう、初めての友達だったのに。
輝く星の人なんて初めからいなかったんだわ、私と心を通じ合える人はこれからも出て来やしない。
クリスタル言う事なんてもう信じない。」
割れた水晶から音がした、見てみると水晶が宙に浮き、くっついて元に蘇生する、
そして、水晶に中にひときわ輝く星が見えた、その光は真っ直ぐ「北」へ向かっている、
クルトも確か、北へ行くと言っていた。
オリエの「星の人」は「クルト」だったのだ。
走る車から身を乗り出し、クルトを探すオリエ。
すでにそこにはクルトの姿はない、ただ崩れ果てた「魔王の燭台」と、
遥かに霞む北の山脈が、オリエの視界を閉ざしていた。
三兄弟合体するわ、巨大化するわ、首だけになって飛ぶわ・・・。
黒い血が欲しいとか言ってたけど、もう黒い血飲んでるんじゃねえの?
オリエ、クルトが運命の人ってことはまた出てくるんだろうけど、
この展開じゃ再会はしばらく先だろうな
218 :
あらすじ1:2005/09/28(水) 23:59:17 ID:???
第二十四話
クルトとレオンは北に向かってもう三日走り通していた。
金色の鷹もいつの間にか見失うし、のども渇いたので、少し休憩するとこにする、
緑豊かな土地なので、どこかに水があると思うのだが。
そこへいきなりクルトに向かって、何かが投げつけられる、驚いてキャッチしてみると、それは美味そうな林檎。
レオン、すぐに林檎を食べる。
木の上から林檎を投げたのはセレネの都で出会ったアスナスという青年だった、
彼は確かメデューサの使徒、サロメとなにやら親しかったはず。
林檎を食べてはいけない、とレオンが警告。
しかし、よく話を聞いてみるとサロメもメデューサも知らない、ただの旅人だと言う、
彼は今、北へ向かって旅をしていた。
アスナスは指笛を鳴らすと トマ と言う耳の長いシマウマに似た騎馬を呼び、これにまたがる、
クルトがトマを珍しそうに見ると、アスナスは、乗りたいか?と聞く、クルトは首を縦に振った。
アスナスとクルトとレオンをのせたトマは風のような速さで、北へ向かう。
トマの速さを無邪気に楽しむクルト、ニヤッと謎の笑みを浮かべるアスナス。
雲の上、善神アガナードとその娘たち「精霊」が住まう場所 天宮。
クルトが北へ向かいだしたことで、精霊たちが騒いでいた。
精霊オリエにこの事を教えたいのだが、実は精霊オリエは人間の子供(クルト)に力を貸したのが、
父アガナードにばれて、光の檻 の中へ封じ込められていた。
謝ってしまえば、精霊オリエに甘い父のこと、許してくれるのだろうが、
精霊オリエはあえて出ようとはしなかった、彼女は迷いの森で出会った牛骨仮面の圧倒的過ぎる力を思い出す。
「クルトにはあんな大きな妖力を持った敵がいる、いいえ、メデューサを倒そうとする以上敵は数限りなく
それなのにあたしは・・・
困難な道を選んだクルトを、守るどころか力を貸すことも出来ない・・・あたしは微弱な精霊でしかない」
219 :
あらすじ2:2005/09/29(木) 00:00:07 ID:???
そんな精霊オリエにクルトが北へ向かっていることが告げられる。
北は悪神エルゾの領域、精霊オリエはすぐにクルトを止めて欲しいと姉たちに頼む、しかし、
精霊は北へ行けば力を失うばかりか、命さえも危ないと言う、
精霊オリエは、あたしが行きます と姉たちに言う、困る姉たち。
「あたしが行く・・・ここから出して・・・」
ついには光の檻の中でぽろぽろと涙をこぼす精霊オリエ。
光の檻から出すには、父アガナードの持っている鍵が必要、それはアガナードの耳の中にあるらしい。
姉たちが父の様子を窺うと、ちょうど好いことに父はお昼寝の最中だ、耳に入り鍵を取ってくる、
そして、精霊オリエを光の檻から出すのに成功、精霊オリエは姉たちにお礼を言うと天宮を後にした。
精霊オリエが去った後、さてどうしよう、と青ざめる姉たち、
「とりあえずみんな内緒ね」
しかしそれを影からアガナードが聞いていた。
精霊オリエ「このまま北に向かっても、エルゾの聖域に入ればあたしは無力、
クルトになのもしてあげられない、あたしには力が足りない、どうしたらいいの」
どうすればいいか、考える精霊オリエは、ユリアナの元へやって来ていた。
そこで精霊オリエからクルトの事情を聞くユリアナ。
精霊オリエ「大地の女神ユリアナ、クルトはガラティア姉様の忘れ形見、何とかお力を。」
ユリアナ「ガラティアは確かに私の腹心の友、それにあの子は私も気に入っている
・・・でなければ、どうして大地の剣を与えよう。
だがオリエ、私に出来ることはそこまで、後はクルト自身の力でやらねばならぬ・・・」
・・・クルトのことを思うと精霊オリエの目に涙が。
220 :
あらすじ3:2005/09/29(木) 00:00:44 ID:???
ユリアナ(この精霊はまさか、あの人間の小さな子に・・・恋をしている!?)
精霊オリエにクルトが好きなのか訊ねるユリアナ、ええ、と答える精霊オリエ、
ユリアナはその理由を聞く、
精霊オリエ「敬愛するガラティア姉様の血を分けた子供ですもの」
ユリアナ(オリエ自身も、まだ気がついてはおらぬのか・・・)
ユリアナは、半分大地と同化している右腕を思いっきり引っこ抜くと、そこに穴が封印されていた、
そして、自由になった右腕で精霊オリエをつかむと穴に投じ、ふたたび腕と大地を元に戻した。
気を失っていた精霊オリエが、ユリアナの声で目を覚ます、そこは岩だけで出来た荒野、
地の底にある、黄泉に近い死者の世界。
そして、周りをよく見てみるように言われる、そこには何千何万もの醜い姿をした亡者たちがいた。
ユリアナ「そやつらは地上世界で罪を犯し、体は死んでも魂は死にきれず地の底深くさまよって、
再びよみがえることに焦がれる亡者ども。
亡者の進む先を見るがいい、何がある?」
はるか彼方の山の頂に、剣がひとふり突き立てられていた。
ユリアナ「あの剣を手にした亡者は罪を許され、再び地上によみがえることが出来る、
だが、まだ剣を手にしたものはいない。
亡者どもはたった一本の剣を奪い合って互いに引きずり落とし蹴落とそうともがくからだ。
それでも一本の剣を狙って何万の亡者があの山に登っていく。
オリエよ、あなたもその手で剣を奪い取っておいで」
一刻も早くクルトの元へ行きたい精霊オリエはユリアナに抗議する、しかしその声は聞いてもらえず、
ユリアナからすべての精霊の力を奪われる、そればかりか、この岩だらけの荒野で靴まで奪われた。
精霊オリエは裸足となり、亡者の群れに混じりながら苦痛の一歩を踏み出すのだった。
アガナードでかっ
耳の穴だけであの大きさかよ?
ユリアナって実は、冥界神の性格(神格というべきか)も持ってたのか。
まあ、大地母神と冥界神は実は表裏一体だったりするが。人は死ぬと
肉体は土に還るから。
神様系は巨人なのだな。
ギリシャ神話だったらゼウスとか出てくる前の時代だな。
アスナス…。
悪神の領域にクルトを引き込もうとしている?
精霊は力を殺がれてしまうそうだけど
クルトの力ってエルゾの領域ではどうなっちゃうんだろう。
225 :
あらすじ1:2005/09/29(木) 23:56:41 ID:???
第二十五話
ゲオルグに奪われた母の守護像をとりもどすため、北への旅を続けるクルト、
同伴する事となったアスナスの騎馬トマに乗ったまま、新たな都に入っていた。
しかし、立派な都にもかかわらず、人影がまるで見えない、しかし廃墟ではない証拠に、
ちゃんと手入れをされた果樹園などがある、なのに人の気配はまるでないのだった。
そんな誰も居ない都のなかでクルトとレオンはトマから落馬してしまう、
それに気づかず風のような速さで去っていくアスナス、仕方なく徒歩で都を歩くクルトたち。
クルトたちは、神殿に囲まれた丘の上に、たくさん剣が刺さっているのを発見、
そこで初めてこの都の住人に出会った。
近づくと、クルトぐらいの背格好の男の子、この国の王子 パルパオ と名乗った。
そしてすぐさまクルトに喧嘩を売り、クルトもこれを買う、
なんとパルパオはクルトとほぼ互角の怪力だった、岩の投げ飛ばしあいはまだ二人にとって序の口、
すぐに神殿を潰しあい、ぶつかり合うような、激しい喧嘩となった。
クルト「止めないでレオン」 レオン「止めない止めない」
離れた場所からそれを見ていたアスナス、彼は一人この都の神殿深くに入っていく、
彼には何やら、ここでやらねばならぬ用事があるらしい。
神殿の奥には海神「ネプチューン」の飾りがおいてあり、アスナスは床を見る、
「・・・とすると、これか」
床石の一つに波の文様が彫られたものを発見、妖力でもちあげ石をどかす、
そこには水が湛えられていたが、アスナスは躊躇せず中へ、中には食虫植物の化物のようなやつが、
うようよいたが、アスナスはじゃまだと言い、追い払う、そして底へたどり着いた。
海神の力で封印されていた水の部屋の中心に置かれていたのは、小さな壷、
この葡萄一粒ほどの大きさしかない蓋の付いた小さな壷を手に入れると、アスナスは大事そうに見つめるのだった。
226 :
あらすじ2:2005/09/29(木) 23:57:19 ID:???
クルトとパルパオの喧嘩は夜まで続いたが、さすがに両者、もうお腹が減って動けないらしい。
パルパオがめしにしようとクルトたちを案内すると、そこにはテーブルいっぱいの温かい御馳走が。
誰が作ったのか、いぶかるレオン、クルトのほうは喧嘩疲れのためか、お腹いっぱいになると、
すぐに眠ってしまう。
そして、誰もいないはずなのに食事の乗っていたテーブルは綺麗に片付いているのだった。
翌朝、クルトは北へ旅立とうと都を後にしようとした、しかしここに残れとパルパオはわがままを言う、
再び始まる二人の喧嘩、しかし今度はクルトの勝ち、パルパオは剣と神殿で出来た檻の中へ閉じ込められてしまう、
その隙に旅立つクルト、パルパオは、行くな!と叫ぶがクルトをとめることは出来ない。
はるかに離れると、クルトは岩を投げパルパオを閉じ込めていた神殿を壊して外に出られるようにしてあげる、
しかしクルトはもう遠くへ行ってしまった。
また一人ぼっちとなり座り込むパルパオ、ずっと座り込み・・・そしてワーと泣き出した。
その時、パルパオの姉の姿が見えた、いや父も母も、すべての人が急に見え出した。
クルトは遠くからこの光景を見て不思議がる、それに答えるアスナス。
あの王子は生まれ付いての乱暴者で都の住人はおろか、家族にも恐れられるほどだった、
そのため王子の目から逃れるためにみんな姿を消して生活してたのだ、
パルパオは心を閉ざし、俺は一人だ、と今まで自分に言い聞かせていた。
しかしクルトとの別れで「寂しさ」を感じ、心を開いた、そして再びみんなの姿が見えるようになったのだった。
・・・アスナスの解説終了、クルトは「ん?」と何かを思い出す。
そういえば冒頭、アスナスに振り落とされて落馬しなければ、こんな騒動に巻き込まれることもなかったのに。
アスナスは「乗れよ」とクルトを誘うが意地を張って乗らないクルトであった。
姿を消せる国民、さりげなくすごいぞ。
パルバオも神様の孫だったりするのか?
アスナスって不可思議な男だ。
あの小さい壺(?)何が入ってるんだろ?
こうやって各地を旅しながら、世の中のこと知っていくのかな。
次は戦闘シーンがメインの話になる予感。
パルバオは普通の人間なのか。
なんの説明もなく退場して良いのか。
再登場ある?
第二十六話
北の果て、険峻な岩山が連なり、降り積もる雪は強風に押し付けられ、
氷となり、春になってもなかなか溶けない、そんな厳しい寒さを湛えた国、
それがゲオルグの故郷だった。
当然この国の住人は人間ではなく、みなゲオルグにそっくりな姿、
しかしゲオルグ三兄弟を輩出した国とは思えないほど平和で、
いつもは見張りも退屈のあまりあくびをしてしまうほどだったが、今は珍しく見張りたちが騒いでいる。
騒ぎの原因は、川の上流から流れてきた大きな氷の塊、いや、ただの氷ならこれほど騒ぎにならなかったろう。
氷は網によって捕縛され、すぐにこの国の王 イシダリ王 に献上される、
ただの氷に何を騒いでおる、と氷を見てみるイシダリ王、そして王は息を呑んだ。
氷の中にはゲオルグ三兄弟の長兄の生首が皮袋を口に挟んだまま凍っていた。
昔はこの国でも乱暴者だったゲオルグだが、亡くしてみれば寂しいものよ、
と丁重に墓室に葬ってやるよう言い渡す、平和が好きな優しい王のようだ。
そしてゲオルグ入りの氷は地下深くの墓室へ、ここは氷も溶けぬほど常に冷気が充満していた、
周りにはずらりと木乃伊化したお仲間が・・・氷を運んできた兵士たちは不気味になって、
墓守と見張り一人を残し、酒と食料を置くと逃げるように去っていった。
残された二人は、寒さを和らげるため火を焚き、酒を飲んだ、そして二人はいつしか眠りこけてしまう。
酔いつぶれた二人は、ゲオルグの氷が少しずつ溶けているのに気がつかないのだった
夜、イシダリ王の寝室では王がうなされていた、そして目が覚めてしまう、
そばには王のペット ヌー(小さくてちょっとリアルな感じのピカチューのような姿を想像してください)
が心配そうにイシダリ王を見ていた。
その時、王のシーツの中で何かが動く、王は何だ?とシーツをめくると、
氷漬けにされていたはずのゲオルグの生首が王の首に噛み付いた、鳴き声を出し騒ぐヌー。
その騒ぎを聞いた衛兵が駆けつける、王にどうしました、と聞いてみるが、何でもないと言う返事、
しかしいつもとちがう雰囲気を感じた衛兵は中へ入る。
そこには血まみれの夜着を着たイシダリ王がいた、いきなり入った無礼をわびる衛兵、
そして血の理由を聞いてみると、王はシーツの中からヌーの死骸を出す、
「あまりうるさく騒ぎ立てるので首をねじ切ってやったのじゃ」
そしてイシダリ王は立ち上がると、戦装束をもってこい、と命じるのだった。
一方クルトは、パルパオの国から四つも国を越え、さらに北へやってきていた、
そしてレオンと二人で珍しくボケッと足休めをする。
そこへ空飛ぶ魚が現れ、そして北のほうへ去っていく。
何やら胸騒ぎを覚えたクルトはすぐに北への旅を再開した。
そしてこの日クルトはひときわ険しい山脈を越えた、
その山脈が一つの境界線でありエルゾの聖域に近づきつつあることを彼は知らなかった。
そのころ北の国では黒い旋風のような軍団があちこちの国に戦いを仕掛けていた、
彼らは不意に村や都に現れて家を焼き、殺りくと収穫と品物の略奪を繰り返していた、
ある時は空から、ある時は地中から迫ってくる黒い一団を誰も止められなかった。
そしてまた一つの都が犠牲になる、容赦なく行われる皆殺し、
道に出てきてしまった、ようやく立てるぐらいの幼子も、馬のひづめに轢かれてグシャリと殺される。
この軍団を指揮するものはもちろんイシダリ王・・・いやイシダリ王に成り代わった
ゲオルグにまぎれもないのであった。
ゲオルグって、故郷でも嫌われ者だったのか。
ゲオルグって、本来の目的忘れてねえか?
まあ、せっかく王様に成り代わったから、権力使ってやりたい放題ってのは
いかにもゲオルグらしけど。
ヌーが…ヒドス orz
王(の性格)が変わったからって、殺戮や略奪って、
家来とか兵士までいきなり変わりすぎじゃないか?
ゲルググ
クルトが強すぎるために、権力じゃないと太刀打ちできないのか。
1部の最後のシリーズ思い出すなあ。
こんな展開が続くならちょっと嫌だなあ・・・。
しかし、ゲオルグネタ引っ張るね。
クルトにはほとんど認識されてないという哀れな存在なのに
イシダリ王国って、王が争いを好まないだけで
本来は好戦的な国なのかもね。
今まで王がそれを抑えて平和維持していたけれど
ゲオルグに取り憑かれた事で家来たちも
「やったー、これで略奪できるぞ!」
だったりして。
243 :
あらすじ1:2005/10/03(月) 00:00:17 ID:???
第二十七話
ひときわ険しい山脈をこえ、新たな国へ入ったクルトとレオン、さっそく鳩の群れが二人をお出迎え、
と思いきや、レオンがその鳩の群れにふらふらと付いていってしまう、
もちろんクルトはレオンを呼ぶが、レオンは何故か戻ろうとしなかった。
レオンを追うクルトは巨大な滝に差し掛かる、そしてどこからか笛の音が聞こえてきた、
笛の音に気をとられた瞬間、クルトは足を滑らせ滝壷に落ちてしまう、
滝の底で巨大な人面岩が何体もあるのを発見、しかし流れが速くすぐに過ぎ去る、
どんどん流されるクルト、笛の音が近くなったような気がする。
流されるクルトは不意に鳩たちに救われる、そして一本の笛を持った女性の前で下ろしてくれた、
クルトを助けてくれた張本人は彼女らしい、お礼を言うクルト、
そして彼女のそばにレオンが呆けた様な眼差しでいるのを発見、頬を叩いて正気に戻した。
笛吹きの女性は、おかしいわね、と言う、さっきの笛の音は鳥にしか話しかけていなかったのだ、
彼女はレオンに本当にトカゲなのか聞いた、レオンショック。
レオンはかなり深刻に悩みだす、クルトが行こう、と誘ってもいやがった。
それを見ていた笛吹きの女性、名を ル・ルージュ ここ聖ザドスの巫女を務めていて、
悩みを聞くのも務めだから、とレオンを預かることに。
クルトはぶつぶつ文句を言いながら、先に聖ザドスの町に向かおうとした、
しかし街を見て驚く、戦火らしき炎と黒煙が上がっていた。
そこへ一人の男が走ってくる、そしてル・ルージュに町が黒い騎士団に襲われたことを報告、
その後を追うように、騎馬に乗った武装集団が現れ槍を男めがけ投げつける、
しかし槍は男の顔、一寸手前で止まる。
槍を止めたのはクルト、槍を片手でつかんだクルトは前に出る。
騎馬兵は今度はクルトに目掛けて来るが、クルトに吹っ飛ばされてやられる。
クルトは倒した兵の覆面を剥がして驚く、それはゲオルグだった、しかしほかの兵もゲオルグだった、
混乱するクルト、そこへル・ルージュが教えてくれる、これはもっと北の種族だと。
ゲオルグの国が近いと知りちょっと喜ぶクルト、
そして周りじゅうの国で暴れているゲオルグの仲間を許せないと思うのだった。
244 :
あらすじ2:2005/10/03(月) 00:00:52 ID:???
町では惨い殺戮が繰り広げられていた、胸を貫かれる男、腹に槍を串刺される女、火をつけられる家。
黒い騎兵団に向かい、やめろー!と叫びながら突撃するクルト、大地の剣を短剣から戦いの剣へ変身させる、
そして向かってくる騎兵を片っ端からなぎ払って行った。
少々の数では敵わないと考えたのか、騎兵の一人が笛を吹いて仲間を呼ぶ、
道から家から壁の上から、ぞろぞろと黒い騎兵団登場、クルト、この状況で叫ぶ
「こんなにいたのか・・・おもしろい、やってやる!」
しかし戦いの最中、急に濃い霧が立ち込める、それになにやら地響きも聞こえる。
クルトは視界を閉ざす霧のため、何がどうなっているのかさっぱりだが、周りではしきりに叫び声が聞こえてくる、
そして、霧が少し晴れてきたときクルトは笛の音を聞き巨大な黒い巨人を見た。
霧が晴れたとき、あちこちに無残な姿に変えられた黒い騎士団が転がっていた、
そして、地下に非難していた人々が姿を現す、クルトはル・ルージュによって恩人として紹介された、
みなから歓迎されるクルト。
しかし、この光景を建物の影から見ている黒い騎士団がいた。
地下の避難所、謎の霧と巨人、剣で戦う少年、等この国の情報が足りないと思った騎兵は、
逃走中みつけた女性を拉致して去っていった。
クルトは恩人として聖ザドスの中心の地下にある大きな祭殿へ案内された、
そこで巫女の礼装を着たル・ルージュ登場、クルトはきれいだと言い、ル・ルージュを喜ばせる。
ル・ルージュは唯一、巨人 ゴレム を動かせる笛を吹ける一族の人だった、
しかしその力も神エルゾによってもたらされたもの、と説明する。
祭殿の奥には怖い顔の神像が祭られていた、これがこの国の神さま エルゾ神だと言う。
・・・エルゾ、どこかで聞いたような、エルゾ、悪神・・・エルゾ、!悪神エルゾ!!
レオンの正体の伏線キタコレ
鳥とトカゲをあわせたキメラか何かだろうか?
ル・ルージュ、オリエに代わる新ヒロインか?
ル・ルージュは人間で美人だから珍しいキャラだな
エルゾの領域って、つまりエルゾが信仰されている
領域って意味だったのか。
249 :
あらすじ1:2005/10/04(火) 00:00:28 ID:???
第二十八話
ここは聖ザドスの都、北から来た黒い騎士団の襲撃があった翌日、
朝からクルトはこの都にある広場の石柱の上から、みんなの行動や日常の営みを観察していた。
しかし、これといって不思議なところは発見できない。
ルーンの国と変わらない、そう思うクルト、しかしこの国ではルーンの国で悪神と教えられたエルゾが、
善神であり、逆にアガナードは悪神あつかいだった。
混乱し頭を抱えるクルト。
一方、レオンはル・ルージュのおじいさんで大神官の老人に体を検査される、
レオンは、ぼくトカゲじゃなくて蝙蝠かも、というと大神官は大笑いした。
レオンは寂しげにとぼとぼと帰りだす、その後ろでいつまでも馬鹿笑いを続ける大神官。
ル・ルージュが怒ると、大神官は、よいよい、と言う、
何やらレオンには「兆し」が現れて、そろそろ自分の正体に気がつくらしい。
その夜、レオンは家出をしたままクルトの元へは戻ってこなかった、
しかし二人ともお互いを思いながら眠りにつく。
クルト「レオン・・・」 レオン「クルト・・・」ぐすっと涙が出る。
そして場面はゲオルグの国からさらに北へ行った高山、猛烈に吹雪いている山奥。
そこにゲオルグが「使い」を出していた、二名の防寒着を着た使いはある洞窟の前に来る、
洞窟の入り口には馬車の車輪に似た頑丈な封がはめ込まれている。
二人の話では二百年前に国から追放されてここに閉じ込められた人物がいるらしい、
いや、いるらしい、は間違いだろう、生きているわけないのだからいるはずも無い、
そんな気持ちで中へ呼びかけてみる、「おーい、生きてるか」
250 :
あらすじ2:2005/10/04(火) 00:01:06 ID:???
「生きてるよ」
なんと中から返事が返ってきた。
中から現れたのはゲオルグと同じ種族の老人、名は妖術使いの オズ と言った。
使いの二人は、王がお呼びだ、今、封を開けて上げるからと言ったが、オズは必要無いと言う、
こんな物いつでも壊せたのだ、今まで出てこなかったのは、自分を「必要」とされなかったから、
しかし、時が来た様だな、というと封を吹っ飛ばす、あわてて逃げる使い。
オズは空を飛び、わしは先に行く後から来るがよい、というと、
流れ星のような速さで去っていくのだった。
中身がゲオルグになったイシダリ王は「喰いたい」と繰り返される強烈な思念で目が覚める、
そしてふらふらと拷問の塔へとやって来た。
ここには聖ザドスから拉致してきた女がいる(二十七話参照)
イシダリ王はじきじきに調べると言い、他の者を下がらせ女に近づいた。
女は鎖で両手を吊るし上げられ、手を上げた状態で立っている、服はかなりボロボロに裂け、
そこから覗く足や手や顔まで傷がついていて、今まで続いた拷問の苛烈さを想像させた。
「喰いたい!」
土蟹の気持ちが止められない、思考が吹っ飛んだイシダリ王は女をガツガツと食べてしまいました。
王が心配になって入って来た兵士と目が会うと、イシダリ王はこの兵士まで殺してしまう。
フォッフォッ、とどこから笑い声が聞こえる、伝説の妖術師オズ登場。
王に、面白い趣味をしとるな、と言い力を貸すことを約束する。
翌朝の聖ザドス、同じベッドで寝ていたクルトとル・ルージュは家を壊すほどの竜巻の来襲で目を覚ます、
竜巻から逃げる二人、しかし自然の竜巻と違い、ル・ルージュ「だけ」追いかけてくるようだ。
そして竜巻から声がした、お前かザドスの笛吹きは、ザドスの秘密はお前にあると見た、そう聞こえると、
竜巻の中から黒い紐のような大蛇たちが伸びてきて、ル・ルージュの体に何匹もからみ付く。
ル・ルージュの体を縛り上げる蛇たち。
クルトは助けようとするが一足遅く、ル・ルージュを連れ去られてしまうのだった。
ゲオルグはいったん首だけになったのに
まだカニがついてたのかよ?
いつでも出られるくせに必要とされてないからって理由で幽閉先を
動かなかったオズって、単なる横着者なんじゃなかろうか。
またグロでた _| ̄|○
土カニの伏線を随分引っ張るねー
どうなるのか楽しみだけど、グロ多すぎ('A`)
やっぱり花とゆめからは浮いてる感じ
>同じベッドで寝ていたクルトとル・ルージュ
をを!!
という展開じゃねーな。orz
オズって二百年間、あんなところで何食って生きてたんだ?
257 :
あらすじ1:2005/10/05(水) 00:00:44 ID:???
第二十九話
連れ去られたル・ルージュを追って、北へ進むクルト。
その行く手にある険しい山も、旅慣れた足で軽く越えて行く、しかし足手まといが一人いた、
それはレオンではなく、ル・ルージュのおじいさんである、大神官だった。
ちなみにレオンはまだ家出中。
大神官はもうかなりの年らしく、一つ山を越えるだけでひいひい言うほど体力が無かった、そして
案の定、足を滑らし崖へ転落しそうになる、クルトが何とか髪の毛をつかむが、
大神官は痛いから放せ、とか、いや絶対放すな、とか騒いでる、ほんと足手まといだ。
しょうがないので、最後はクルトが背負ってやる事になる。
クルトと大神官は大きな地響きを感じて足を止めた。
周りを見ると、霧の中から聖ザドスで黒い騎士団をやっつけた ゴレム と呼ばれる巨神が、
三体も歩いて来た。
ゴレムが動いていると言うことは、誰かがあの笛を吹いてるんじゃ?、と言うクルト、しかし大神官は違うと言う、
あの笛が吹けるのは聖ザドスの神官のみ、つまりル・ルージュ自身しかゴレムは動かせないのだ。
どんな事情でゴレムを動かしたかは分からないが、私事でゴレムを動かしてはならない、と言う掟を破った罪は重い。
大神官がついて来てるのもそのあたりの事情らしい。
一方、レオンは、鳥の一族のところに行き、仲間に入れてもらおうとするが、何だお前はあっち行け、
と追い払われてしまう、次にトカゲの一族のところへ行くが、やはりここでも、向こうへ行けと追い払われる、
次に、蝙蝠の一族の元へ・・・以下同文。
レオンは、
「ぼく・・・いったい何なんだろう、ぼく仲間が欲しい・・・」
寂しさと自己への悩みが募るレオン、そして咽が痛み出す、レオンは最近一定期間ごとに咽が痛むようになっていた。
咽も気になるが、そう言えばさっきからレオンの周りがシーンと静まり返っているのも気になる、
レオンが他の動物たちを探そうと森に向かいかけたその時、大蛇が現れレオンを襲った。
ひええ、と泣きながら逃げまくるレオン。
258 :
あらすじ2:2005/10/05(水) 00:01:52 ID:???
北の果て、イシダリ王国。
王に成り代わったゲオルグが塔を見上げて笑っていた、
そこではル・ルージュが肌の露出が多い拘束具のような衣装をまとって、ゴレムを操る笛を吹いていた。
ゴレムが来るという事は、途中にある国々はゴレムに踏みつけられると言うこと、
つまり簡単に近隣の国々を弱めたり打ち壊したりできるのだ、王は喜んだ。
そんな時、王の部屋の机が壊れる、見てみると引き出しを突き破って、奪ったクルトの守護像が床へ落ちていた、
王は守護像を拾うが、気のせいか大きくなった様に見える、オズはその守護像を見て、手放すよう薦める、
しかし、これを「ネタ」にメデューサ様に取り入ろうと企んでいるゲオルグはそれを言下に断った。
そしてゴレム到着、王はすぐさまル・ルージュに、逆らう国はことごとく叩き潰せ、と命じる、
それを焦点のあっていない、ぼんやりとした表情で聞いているル・ルージュ。
ゴレムたちは王の命令のまま、向きを変えて歩き出す。
突然オズは、来る、と言い空を飛んで消える。
そして守護像は王の手の中で、ズシッとまた大きくなるのだった。
大神官を背負ったまま、魔物が巣くう魔の谷、そして魔の森を激走するクルト、
あっという間に二つの難所を走りぬける、そこへオズ登場、
彼が「来る」といっていたのはどうやら大神官のことらしい。
大神官はクルトにル・ルージュを見つけたら笛を取り上げて欲しい、それが出来なければ、
ル・ルージュを殺してくれ、と頼む。
259 :
あらすじ3:2005/10/05(水) 00:02:30 ID:???
そんなこと・・と戸惑うクルトの背中を押して無理やりイシダリ王の国へ向かわせる大神官、
そして草原真っ只中でオズと大神官はお互い杖を構え対峙した。
大神官「また封印されぬうちに雪山へ帰れ」
オズ「あの時のままと思うなよ、二百年封じられていた魔力、どう変わったか見せてやるわい!」
一方、そのころレオンは、まだ大蛇から逃げ回っていた。
逃げる途中、洞穴を見つけそこに入るレオン、大蛇は追ってこない、ふう助かった、と思いきや、
そこは大蛇の巣穴、何十匹もの大蛇がうごめいていた。
あわててユーターンしようとするが、今度は入り口から、今までレオンを追い掛け回していた大蛇が入ってくる、
巣穴の奥へと逃げるレオン、しかしついには追い詰められてしまう、絶体絶命のピンチ。
何十匹もの大蛇が一斉に口をあけ、レオンを襲う、レオンは叫んだ、叫んで、そして。
ゴオオオオオオ
炎に焼かれる大蛇たち、そして大蛇は焼け死にばたばたと倒れる。
それを、え?と見つめるレオン、その口から、ボッと炎が出るのだった。
そうか、レオンはゴジラだったんだ!
オズと大神官が二百年前の因縁の対決ってのは燃えるな。
王への助言とかから見てもオズは有能そうだし。
大神官は体力的にはかなり衰えてるみたいだし、苦戦しそうだ。
ル・ルージュを殺してくれって子供のクルトに言われても…
いやんクルト、子供のくせに
死んじゃう、ルルージュ死んじゃう
朝からなに書いてるんだオレ
264 :
あらすじ1:2005/10/05(水) 23:58:21 ID:???
第三十話
一人、イシダリ王の国へ到着するクルト、しかし見覚えのある霧がクルトを包む、
そして地響きが近づき、見上げると聖ザドスの守り神、巨神ゴレムがクルトに襲い掛かるのだった。
ゴレムは大きい、大きい相手を倒すには・・・考えるクルト、そして。
大地の剣をひっくり返し、刃のほうをつかむクルト、そしてゴレムに向かって助走をつけ、
大地の剣よ元にもどれ、と命じながら剣をゴレムに投げた。
元の大きさの大地の剣を胸に突き刺すゴレム、しかしゴレムは倒れない、それどころか、
大地の剣を抜いて、それでクルトを切ろうと襲い掛かる。
クルトは大地の剣を短剣に戻し取り戻すが、戦いは徐々にクルト不利になっていった。
一方レオンは、火を噴く能力の理由を知るため聖ザドスに帰るが、
そこにはクルトもル・ルージュも大神官も居ない、みんな北のイシダリ王の国へ行ったとのこと、
急いで追いかけるレオン、そんな時だった。
大地がひび割れ、地中から二つの光が飛び出し、激しくぶつかり合う、
それは大神官とオズの大魔法対決。
そして決着がつく、杖が折れ地に墜落し負けたのは大神官の方だった。
オズが飛び去りあたりが静かになると、レオンは大神官の元へ駆け寄った、
そこでレオンは大神官から自分の正体を教えてもらえた。
「お前は、正当な血筋の竜(ドラゴン)だ」
竜の体はあらゆる動物の骨を持っておりル・ルージュの鳥笛に反応したのもそのためだという、
そしてクルトにル・ルージュのことを頼むと伝えてくれ、というと大神官は事切れてしまった。
265 :
あらすじ2:2005/10/05(水) 23:59:44 ID:???
イシダリ王の国へ帰るため空と飛んでいたオズは、大神官の死を感じていた。
二百年このために修行していたのに、いざ達成されると寂しさを感じるオズ、
そこへ牛仮面アスナスが現れた、二人はよく知った間らしい、親しく話しだす。
途中アスナスは何か感じたらしく、先に城へ行くと言い飛んで行った。
そしてアスナスはイシダリ王の城の壁を突き破って守護像のある王の部屋へ行く、
そこには2mを越えようかという大きさまで成長した守護像と、その周りでうろたえるだけのゲオルグ。
アスナスはいらだった調子で、どけ!というと、パルパオの国で見たものと同じ小さな小瓶を取り出す、
そして、行け封じられていた妖(あやかし)ども、その力で守護像の力を抑えろ、というと中から、
煙とも液体ともつかない軟体のものが飛び出し、アスナスの命令通り守護像を元の大きさに戻すのだった。
元に戻り、ほっとするゲオルグ。
そしてこの守護像騒ぎの間にゴレムの力で捕らえることに成功したクルトを見に行くことに、
がはは、と笑いながら去っていくゲオルグ。
あまりの小物っぷりに、あの俗物かオズの肩入れしているやつは、と呆れるアスナス。
266 :
あらすじ3:2005/10/06(木) 00:00:27 ID:???
王が去った後、遅れて到着したオズはアスナスに何故ここへ来たのか尋ねると、
アスナスは王が捕らえた子供、つまりクルトにあると答えた、
あの子にこれ以上「北」へ行かれては困る、と言うアスナス、しかし、
「行かせてもみたい・・・と言うわけで」
と、アスナスの心を読むオズ、見通されたアスナスは、その力つくづく惜しいぞオズ、と褒めるのだった。
オズ「しかし相手が子供とは?」
フフフと笑うアスナス「子供だから困るのだ」
ゴレムとの戦いで傷つき何重にも鎖を巻かれ捕らえられたクルト、その周りで飛び跳ねて喜ぶゲオルグ、
そのゲオルグに向かって、ゲオルグ!、と正体を言い当てるクルト、イシダリ王に成り代わったため、
誰にも正体はばれていないはずなのに、何故クルトには自分がゲオルグであると分かったのか。
しかしこれはゲオルグ心配しすぎ、実はクルトはこの国の種族がみんなゲオルグに見えるだけだった。
そこへ牛骨仮面に黒マント姿のアスナス登場、ちなみにクルトはこの人は初見。
手っ取り早く首をはねることだ、と言うアスナスの忠告を無視して、
ゲオルグは時間を掛けてクルトをなぶり殺すことに決める、そして良いアイデアが浮かんだ。
「よし、その小僧を闘技場に引き出せ、面白い見世物にしてやる!」
ゲオルグはサロメ並の馬鹿キャラだな。
なんでオズはこいつに従うんだ。
もっとも賢ければクルトが殺されてしまうが。
オズはきっと、1番よりナンバー2という哲学なんだろう。
誰かに必要とされるまで幽閉先から出ようとしなかったぐらいだから
根っからの補佐役なんだ。
ドラゴンって、子供の時にはこんなに小さいものだったのか。
守護像が巨大化したのはエルゾの領域であるのと関係あるのかな。
アスナスの「子供だから困るのだ」 がキーワードっぽい。
アスナスは順調に謎の美形(?)キャラの役割を推進しているな。
アスナスって、ラスボスか最終寝返り味方キャラのどっちかかな?
なんとなく精霊のオリエとひっついて欲しい気もする。
アスナスってムウ・ミサっぽくね?
神はどこだ!
274 :
あらすじ1:2005/10/06(木) 23:59:38 ID:???
第三十一話
イシダリ王国中心部にある「闘技場」、何万の観客を収容できる円形建築物で、
その観客席は三、四階造りの大掛かりなものだった。
そこへ鎖を体に巻かれたクルトが登場、クルトが周りの観客席を見るとそこは、
この国の種族で満員状態だった。
みんなこれから始まるクルト処刑ショーを楽しみに集まったらしい、そして正面の貴賓席には、
イシダリ王の姿がある、イシダリ王はクルトに向かって、
「クルト、いい気味だな」
と口を滑らせてしまう、この国でクルトはまだ名乗っていない、なのに名前を知っていると言う事は、
やはりあの王の姿をしたやつがゲオルグか、とクルトは見破った。
そして処刑ショーの始まり、闘技場の門が開き、中から戦闘魚と呼ばれる空飛ぶ魚が十匹ほど出てきた、
クルトは怪力を出し、まず体に巻かれた鎖を引きちぎる、そして戦闘魚に向かって戦いを挑んだ。
戦闘魚を次々に倒すクルト、慄く観客、怯える王、冷静なのはオズ一人ぐらいだった。
闘技場から少しはなれた宮殿の屋上では、ル・ルージュがゴレムを操る笛を吹いている、
そこへ近づこうとするアスナス、当然、王の命令無くば通せない、と衛兵に止められるが、
アスナスは力を使いル・ルージュのもとへ行く。
アスナスは一目見ただけでル・ルージュが操られている事を見抜く、
もちろんオズの仕業だと言う事も見抜いた。
そしてル・ルージュの意思を奪っていた拘束着と額の宝石を魔力で打ち砕くと、
巨人を操るザドスの笛を奪うのだった。
275 :
あらすじ2:2005/10/07(金) 00:00:51 ID:???
何も身に着けていない姿になったル・ルージュ、まるで夢から覚めたかのようにふらふらと歩き、
そしてバランスを崩すと宮殿の屋上から転落してしまった。
アスナスはそれを見て、ザドスの笛に向かい、これからは私に従え、と命じる。
笛は笛から剣に姿を変えアスナスの手に収まるのだった。
闘技場では、ほぼすべての戦闘魚がクルトに倒されていた。
ゲオルグに向かって守護像を返すように言う、怯えるゲオルグはオズの後ろに隠れた、
しょうがないので代わりにオズが言う、
「守護像は返せない、お前は今捕虜の身、捕虜に脅されて渡したとなれば一国の王としての威信が揺らぐ、
だから国を挙げてこの守護像を守る、すべての兵士が倒されるまでな」
オズはクルトに挑戦を受けろ、それに勝てば守護像を返す、こちらも面目が立つ、
無事戦い抜いたらザドスの笛吹きの娘も返してやろう、と条件を出した、それを受けるクルト。
闘技場に苔むした岩壁が出された、壁には鎖がついておりそれにクルトの手が繋げられる、
しかしこれくらいの鎖なら何とか引きちぎれる自信がクルトにはあった。
そしてオズはクルトに短剣を向けると、クルトの腕に小さな傷をつける、
そこから流れる血をグラスに受け止め、そして溜まった物を壁に流し込んだ。
周りにいた闘技場の兵士が一斉に走って離れる、観客もざわめくがクルトには訳が分からなかった。
276 :
あらすじ3:2005/10/07(金) 00:01:25 ID:???
様子がおかしい、とにかく鎖を切ろう、そう思うクルトの繋がれた壁から一斉に触手が湧き出し、
クルトに絡み付く、この壁は毒ヒルと呼ばれるワームの巣だったのだ。
血を吸われ、毒を流し込まれて見る見る弱体化してしまうクルト、
それを見て文字通り小踊りする王、オズを褒めてやるが、オズは王よおろかな事を言わぬがよい、と戒めた。
そしてオズの次の一手、魔獣召還。
ジャミーと呼ばれる戦闘魚すら丸呑み出来そうな大きさの多眼に大山椒魚に似た化物を呼び出す。
「あの子の目の輝きに恐れを覚えませぬか、これくらい弱めておかねば王の勝ちはありませぬぞ」
そこへ兵があわてた様子で王のもとへ、どうしたと聞くと、巨神の様子がおかしいのですと報告した。
なんと巨神たちは「イシダリ王の国」の砦や街を破壊しつつこちらに向かって来だしたのだ。
ル・ルージュはどうした!?と取り乱しぎみの王。
巨神暴走の原因はアスナス、
彼はザドスの笛の剣を使い、イシダリ王の国ごとクルトを葬る事に決めた。
「クルト、やはりお前を北へやるわけにはいかぬ、この国ごと巨神ゴレムの生贄になるがいい」
オズって、ゲオルグにはもったいない有能な部下だな。
威信の話なんか、もっともな正論だし。
ル・ルージュすっぽんぽん (*´д`*)ハァハァ
けど屋上からフライング Σ(゚д゚lll)ガーン!
戦闘魚って、どういう原理で飛んでるんだろう?
280 :
あらすじ1:2005/10/08(土) 00:00:07 ID:???
第三十二話
イシダリ王の国を破壊しながら進む巨神ゴレム、
それを操るアスナスはザドスの剣をクルトのいる国の中心へ向ける、そして巨神たちはアスナスの命令通り、
国を破壊しながらクルトの元へ集合していくのだった。
場面変わって、王宮にある酒蔵。
ここで久しぶりにギルガドール登場、
実は小さくなって眠っていたギルガドールはゲオルグのくわえて来た守護像の入った皮袋に一緒に入っていたのだった、
その後皮袋から出るとずっと酒蔵に篭り大好きな酒を飲んでいたらしい。
そのギルガドールが藁葺き屋根を突き破って降って来た裸の女性を発見、その女性はル・ルージュ、
屋根の藁がクッションがわりになったおかげで、気を失ってはいるが命の別状はなさそうだった。
一方、クルトの処刑が行われている闘技場ではほとんどの観客が避難するか巨神と戦うかで出払っていた、
まだ残っているのは王とオズぐらい、オズは宮殿に戻り守りを固めるよう勧告するが王は聞き入れない、
どうしてもクルトの最後をこの目で見たいと言う。
そのクルトは毒ヒルにたかられもう動けないでいた、
そこへジャミーが口をあけクルトを壁ごと飲み込もうとしたその時、
「クルトー!」
空飛ぶ小さな「ドラゴン」、レオンが助けに現れた。
ジャミーの鼻先を飛び自分に注意をひきつけるレオン、食事の邪魔をされ怒るジャミー、
ここでレオンVSジャミーの一戦が開始される。
281 :
あらすじ2:2005/10/08(土) 00:00:51 ID:???
灰埃舞うイシダリ王の国を、大地の剣を杖代わりに歩くクルトがいた。
側にはレオンもいる、もちろんクルトを助けたのも、大地の剣を届けたのも、ジャミーを黒焦げにしたのも、
みんなレオンの働き。
そして、ここイシダリ王国はもう終わろうとしている、ゴレムたちの破壊は誰にも止める事は出来ないようだ、
近隣の国々を巻き込んで破滅の坂を転げ落ちるイシダリ王国。
クルトはフラフラの状態ながらも守護像の事が気になっていた、そして途中宮殿に逃げ込むゲオルグ発見、
クルトはそちらに向かう。
レオンはクルトがいなくなった事に気づき、あわてて探す。
自分の部屋に帰ってきた王は落ち着くどころか、クルトに殺されるクルトに殺される、と
繰り返すのみで、とても兵に指示を出せる状態ではなかった。
見かねたオズが、守護像をあの子に返そうと提案する、しかし王は、
「だ・・だめだ、だめだ・・・わしがあいつを殺さぬ限り・・・わしはあいつに殺される!」
パニックの頂点に達した王は、部屋にあった槍をとると、その切っ先をオズの背中に突き刺した。
部屋に報告に来た兵士が、この光景を見てあっと息を呑んだ。
王「もう逃げられん、わしは自害する、おまえはその道連れだ」
オズ(これがわしの選んだやつ、わしの運命、良き王に出会えぬ運命がわしを妖術使いで終わらせた・・・)
282 :
あらすじ3:2005/10/08(土) 00:01:57 ID:???
クルトが王の部屋に着くと、兵士が慌てふためきながら部屋から出てきた、
そして、大変だ、王が自害なさった、と叫ぶ。
あわててクルトが部屋を覗くと、そこには胸に剣を突き刺した王と側で殉死しているオズを発見、
クルトが脈を診るが確かに死んでいる。
第一発見者の兵士がクルトに手を合わせ、私を殺さないで、とお願いする、
もちろんそんな事はしないクルト、それよりもゲオルグが死んだ事で守護像の場所が分からなくなってしまった、
悩むクルト、その背後から、聞き覚えのある「かに」の声、
「喰いたい!」
あわてて振り返るクルトに剣を振り下ろすゲオルグ、なんと死んでいたのは服を取り替えた兵士、
クルトが自分の種族の見分けがつかない事を利用した作戦だ、クルトを追い詰め最大のチャンスを迎えたゲオルグ。
しかしここへ来て誤算が出る、なんと土蟹の思念が予想以上にふくれあがり、
ゲオルグの意思では止められなくなってしまった。
喰いたい!喰いたい!喰いたい!!
283 :
あらすじ4:2005/10/08(土) 00:02:32 ID:???
ゲオルグの体はみるみる醜く膨れ上がり、土蟹の化物に変身してしまうのだった。
土蟹と戦うクルト、そして土蟹の足の間をすり抜けつつ大地の剣を甲羅に突き刺しこれを撃破、
砕け散る甲羅の中から、ゲオルグの首が飛び出す。
ゲオルグは、死にたくない、と逃げ出す、しかし今度はクルトも逃がさない、
大地の剣を投げると、カッとゲオルグに命中させた、壁に刺さりビィィィィンと振動する大地の剣。
そのゲオルグの首から赤い血に混じって黒い血が流れる。
驚くクルト、それ以上に驚くゲオルグ
「メデューサ様の黒い血とは一体なんだったんだ、何度も死に何度も生き返った挙句、
俺は何をしていたんだ」
ゲオルグの目から涙が、
「兄弟たちよ・・・おれは、おれたちは・・・」
そして砕け散るゲオルグ、その砕けた後からガラティアの守護像が現れる。
クルトはようやく見つけた守護像に手を伸ばそうとするが、毒ヒルの毒が完全に体に回り倒れてしまう。
一方、レオンは必死にクルトを捜索していた、その時、地震に似た地響きが徐々にこちらに来ているのを感じる、
窓から外を見てみると、巨神の群れがこちらに向かって来ていた。
そして次第にその輪を縮めて近づく巨神たちの足音は、
イシダリ王国崩壊とクルトを押しつぶす予告状であった。
クルトの行くところ、殺戮と滅びあり
そのうち貧乏神あつかいされそう
びーんびーん、びん、びんぼー♪ ってそれを言うなら厄病神でんがな。>284
土蟹の食欲恐ろシス。つか、土蟹最強だな。
オズあっさり死んだー
ゲオルグは最期までカニにたたられたな。
オズは、惜しいキャラだった。
あーん!オズ様が死んだぁ くすん・・・妖術師い薄命だ・・・
うっうっう・・・ ひどいよぉ・・・ ふえ〜ん
この間「今時代はオズだ!」の葉書を出してまだ2週間じゃないですか!
どーして、どーして? あれでおわり? 嘘でしょ?
信じられないよおっ あんなゲオルグごときにやられるなんてっ!!
大神官と差がありすぎるわっ!! 生き返りますよね? ね? ね?
・・・泣いてやるぅ 私はあのおそろしく有能な彼が
(例え仕える相手を見る目がなくてもさっ!ヘン!)
大好きだったんですよぉっ!!
オズ様ぁ!! 死んじゃいやだああぁぁぁぁ!!
先生のカバッ!! え〜ん
オズこんな終わり方でいいのかよ
メデューサの血飲んでおけば…
291 :
あらすじ1:2005/10/09(日) 00:01:06 ID:???
第三十三話
ゴレムによるイシダリ王国の破壊は、ついに国の中心である王宮にまで達していた、
王宮に群がるゴレム、当然酒蔵も危なくなり、ギルガドールはル・ルージュを連れて空へ逃げ出す。
風に当たり目を覚ましたル・ルージュはゴレムの暴走を目撃しショックを受けた。
一方レオンはようやくクルトを発見、しかしいくら呼んでも起きる気配が無い、
それどころか心臓の音がみるみる弱くなっている。
そんなクルトを巨神にみつかり、岩の床ごと手ですくわれ持ち上げられる、
そこにはアスナスが待っていた、そして剣をクルトに突き刺そうと振り上げるが、
その手に触手が巻きつき剣が振る下ろせない。
現れたのは、使徒ドルバローム、クルトは自分の獲物だと言い張りクルトを強引に奪った、
しかし新たに現れた他の使徒にさらに奪われる、しかし他の使徒にさらに奪われる、
そしてさらに・・・結局セレネの都に現れた使徒四人全員が集まり、
クルトの奪い合いを始めるのだった。
アスナスは使徒たちにいらついた様子で、
「馬鹿者ども、争っている場合か、殺せ!」
と剣を投げるが使徒が邪魔してクルトに刺さる前に跳ね返り、ザドスの剣は下に落ちてしまう。
今までイシダリ王国を破壊していた巨神たちは、アスナスがザドスの剣を手放した瞬間から、
ばらばらに歩き出す、しかしアスナスは、クルトが力を無くしている以上もう必要ない、と執着しなかった。
292 :
あらすじ2:2005/10/09(日) 00:02:09 ID:???
この時かすかな異変に気づいたのは、わずかにアスナスだけだった。
その異変ははるか彼方から輪を縮めるようにイシダリ王国に迫っていた、
ゲオルグの黒い騎士団に襲われ、戦火に焼かれ、いまだ恐怖に怯える人々の上に、
北の国々の外からうちに向かって、その異変は起こりつつあった。
アスナスは珍しくあせった表情で異変の元を探る、異変の中心は城のようだ、
そして城に向かって急いで飛ぶ、その手にはあやかしの封じこめられた小さな壷が五つも握られていた。
そしてすべての壷の封を開けあやかしを城の中へ飛ばすと、そこには十メートル以上に成長した守護像がいた。
あやかしは守護像に近寄るが、守護像から発する光に触れただけで消滅させられた。
ル・ルージュはレオンと再会していた、ゴレムを止めようと笛がどこにあるか聞くが、
わからない、それに・・・遅い、遅すぎるよ、とレオンに言われる、反論できないル・ルージュ。
ル・ルージュはレオンと別れた後、剣を見つけるとそれを使って「責め」を負う事を決意、
剣を首に当てると、善神エルゾにゴレムを止めて皆を守ってください、と祈ると剣を引き首を斬る。
その剣はザドスの笛が姿を変えた剣だった。
城が、カッとひかり破裂する、いかんと言い青冷めるアスナス。
クルトは光に守られながら、光の中心に引き寄せられる。
光を浴びたゴレムたちが、ただの土くれにかえり崩れはじめる。
そして使徒達は光に縛られ動けず苦しみだすのだった。
293 :
あらすじ3:2005/10/09(日) 00:02:54 ID:???
クルトはその時、体から抜け出し暗闇の中にいた、あれほど苦しかったのが嘘のように楽になっている、
そして暗闇の奥へ進みだした。
クルトはしばらく進むとオズと出合った、
オズが寒そうなので心配すると、やさしいのう、とその心遣いに感謝した、
「お前のような子につけばわしの魔術も生きたろうに、だがこれも運命じゃ、
わしはあいつを最後まで導いてやらねば・・・」
なんと、側にはゲオルグがいた、しかしクルトが目に入らないのかぶつぶつ言うばかりで何の反応も無い。
オズはクルトに
「おかえり、お前はまだここに来るべきじゃない」
と言うが、クルトは、
「ううん行くよ、だってここはとても気持ちがいいんだもん」
生と死の狭間で死の世界に向かうクルト、はたして復活はあるのか?
そしてついに力を発動させた「守護像」・・・次回ついにイシダリ王国編完結!
クルト、三途の川渡るなよ
オズは死後までいいキャラだな。
仕える相手さえ間違わなければ、名軍師兼宰相になれたものを。
手柄争いでクルトのとどめをさせない使徒たちはマヌケすぎだぞ。
チームワークのかけらもないな。
297 :
あらすじ1:2005/10/09(日) 23:59:07 ID:???
第三十四話
北の国を外から覆いつくした厚い雲の下・・・守護像から発した光の輪はイシダリ王国を中心に、
大きく、さらに大きく広がっていった。
その光は、力を失って倒れるゴレムの群れを。
崩れ行くイシダリ王の城を。
イシダリ王の国を取り囲む切り立った山々を。
そして北の国々のほとんどを照らし出した。
北の人々はその脅威にただ圧倒されて立ち尽くすのみ、成り行きを見守るしかなかった。
光の中で、メデューサの使徒達が脱出できず苦しんでいる、
そして イリューズ という名の女性使徒の顔にひびが入り、悲鳴を上げる、
一人の使徒が助けようとするが、光に縛られ近づく事すら出来ないのだった。
この状況でクルトに注目しているのはアスナスだけ、彼だけ何故かこの光の中でも平気なようだった。
「守護像め、クルトをどうするつもりだ」
光の球に守られたクルトの側に、光る女性が現れる。
アスナスはそれが精霊に見えたが、ここエルゾの領域に精霊がいるわけが無い、
・・・とういことは、あれはまさかクルトの母ガラティア?
298 :
あらすじ2:2005/10/10(月) 00:00:22 ID:???
そのころ、クルトの精神世界にも変化が現れていた。
オズに帰るよう説得されたにもかかわらず、あいかわらず暗闇の中を進むクルト、
今度は後ろの方からクルトを呼ぶ声がしてくる、振り返ってみてみると、遠くに金色に光る子供がいて、
その子がしきりにクルトの名を呼ぶ。
しかしクルトは、後ろに戻る気はないと、呼び声に答えようとしない。
そこへ、またまたオズが現れる、オズはクルトを光る子供の方に突き飛ばした、
「これでわしも・・・ひとつ、よい事をした・・・」
光る子供の方へ飛んでいくクルト、そこに居た光る子供はなんとクルト自身。
二人のクルトはくっつくと光を放ちながらひとつになった。
クルトを見守っていた光る女性は、クルトが「帰ってきた」ことを感じたようだ。
そして、お行きなさい、と光の球を北に飛ばす、それからレオンとギルガドールも同じように北へ飛ばされた。
クルトが北へとばされるのを見てあせるアスナス、使徒たちを縛る光の中から一人去っていくのだった。
アスナスがいなくなり追い詰められたのは使徒たち、
もう個人の力では脱出不可能と判断して、みなで力をあわせる事にするが、一寸遅かったようだ。
ドルバロームが震えだし、そして四つ目に六本足の巨獣に姿を変えた、いや変えたのではなく、
光の力で無理やり本来の姿に戻されたのだ。
最後の力で守護像に一矢報いようと襲い掛かるドルバロームだが、守護像の発する雷に打たれ死んでしまう、
他の使徒達はこの間に何とか脱出できたが、イリューズの仮面が壊れ、早く水のあるところへ連れて行ってと苦しみ出す。
逃げるようにこの場から去っていく使徒たち。
299 :
あらすじ3:2005/10/10(月) 00:01:04 ID:???
こうしてメデューサの使徒達は守護像の恐ろしさを身をもって知るのだった。
その後、守護像の発した光は衰えることなく北の国々を照らし続けたが、ある日ふと消えて、
まばゆい光の代わりに静寂が訪れた。
不審に思った人々があちこちの国から、光の中心であるイシダリ王国に向かってみると、
そこには大きく広がる凍りついた湖が広がるばかりだった。
もう何一つそこに「国」があった形跡すらない氷の世界。
聖ザドスから来た捜索隊はここで倒れていたル・ルージュを発見。
彼女は自害したはずだが、善神に生かされたようだ、
そして手にはいつの間にかゴレムを操るザドスの笛があった。
ル・ルージュは、そういえばクルトは?レオンは?とみんなに聞くが誰一人見たものはいないという。
(操られていたとはいえ、私の笛が犯した罪をクルト一人に背負わせてしまった・・・クルト生きていて・・・)
クルトー!レオーン!
ル・ルージュの二人を探す声は、凍った湖に響き渡るのでした。
国崩壊。
サロメ編を彷彿させるよ。
シェスタと違ってル・ルージュが生きてたのが救いだな。
というか一部と比べてグロさ加減が減ってるよな。
スケ番刑事2部で暗いこと色々描いて満足したか
読者層を考えて上のてこいれの一種なのかどっちだろ。
読者層を考えての事だったら声の高いほうが勝つな
ってことで「占い師のオリエ、カムバーーック!」
クルトがやって来る
方に翼を持ったトカゲを乗せ
死と滅びをひきつれやって来る
オズ、なんていいヤツなんだ。
なんで200年前、こんないいヤツが幽閉されたのかわからん。
>>303 幽閉というか自らヒッキーになってたよなw
あの精霊、ガラティアじゃなくて、
パワーアップしたあの人じゃね?
306 :
あらすじ1:2005/10/11(火) 00:00:11 ID:???
第三十五話
クルトとレオンとギルガドールは光の球に守られ、たどり着いたのは猛吹雪が荒れる山腹、
そしていつの間にか守護像と大地の剣が元に戻っていて、これでようやくメデューサ退治の旅が再開できる。
しかしここは見たこと無い場所だったが、例の金色の鷹が現れ、導くように飛び去ってくれた。
きっとあっちが「西」なんだ。
そう思ったクルト一行は進みだすが、クルトの足はいつもより遅い、
まだ体が完全に良くなった訳ではなさそうだ。
そのクルトたちを山の高みから見下ろす者がいた。
名を 死の山の王「ゼオ」。
姿は大きな猪だが、王と呼ばれるにふさわしい貫禄が五体からあふれている、
そしてその周りを 雪姫 とよばれる半透明の女妖精たちが飛び回っていた。
死の山に勝手に入ってきたクルトに自ら戦いを挑もうとするゼオ、
しかし雪姫たちはそれをとても心配して、ゼオを止めようとするが、
ゼオに一喝されてしまい、泣きそうな顔で飛び散る雪姫たち。
クルトとレオンは吹雪の中、なかなか進まぬ足で歩いていると、
一人の氷漬けにされた、美しい女戦士を発見、
よく見てみると周りにはたくさん氷漬けにされた人たちがいた。
しかも何故か、みな戦士の格好をしている、クルトが不思議がっていると、
現れた死の山の王ゼオがそいつらはわしを倒しに来たやつらだ、と教えてくれた、
そして問答無用でおそいかかる。
クルトは戦いたくなかったが、体が弱っている今は手加減する余裕が無い、
そしてついには大地の剣でゼオを斬ってしまうのだった。
ちなみにレオンはゼオの鼻息で一発KO・・・。
307 :
あらすじ2:2005/10/11(火) 00:01:02 ID:???
倒れ、命を終えようとするゼオは、これでよかったのだ、と呟く、
しかしクルトは、
「よくない!ぼく・・・ぼく・・・あなたとやりあう気なんか無かった!」
と、その目に涙をにじませ叫ぶんだ、ゼオはクルトを苦しませた事を謝る。
そして王は話し出した。
ある都で死の山を司る王「ゼオ」の首に賞金が掛けられ、それ以来挑戦者が何人も登山してきた、
しかしそれを、ゼオはむしろ喜んで挑戦を受けてやる。
何人も何人も戦士を倒したころ、一人の女闘士が挑戦に来た。
女は今までのどの戦士よりも良い戦いを見せたが、やはり結局はゼオに敗れてしまう、
そしてゼオはその戦いぶりに免じて生かしてあげた、がしかし女はこれを屈辱と受け取ったらしい。
それ以来女はしつこくゼオのあとを付け、チャンスがあると戦いを挑んだ、
しかし常に吹雪きが舞う死の山、体力を否応無く奪い取り女はついに倒れてしまう。
ゼオは女の顔をみて異種族にもかかわらず美しいとおもった、
そして何故か倒れた女の「風よけ」になってやり、女が凍死するところを助けてやる。
なぜ助けてやったのか、訳が分からず自分自身に腹を立てるゼオ。
この山にはゼオとゼオに仕えてくれる雪姫しかいないが、彼は王であることに誇りを持っていた、
だが違う種族から見ればゼオはただのけものに過ぎない。
ゼオはそれを恨めしく思う自分に、なお腹が立った。
308 :
あらすじ3:2005/10/11(火) 00:01:41 ID:???
ある時、また女がゼオを追いかけ近づいてきた。
ゼオはうろたえ、今まで感じた事の無い感覚が体中に走るのを感じた、
そしてゼオは雪姫たちに、女を氷漬けにするように命じた・・・たちまち氷の彫像と化す女闘士。
その日からゼオを悩ました感覚は消え、そのかわりに心が凍てついた、
女は自分の剣を遠くに置き去っており、ゼオと戦う気は無かったとあとで知った。
最後にゼオはクルトに、右の牙を「糸つぐむおばば」に届けてくれないか、と頼んだ。
その人はどこにいるのか聞くと、お前たちの向かっていた「北」の方角、北の荒地に住んでいる、
と教えてくれた、クルトは金色の鷹が西ではなく北へ導いていたと分かりショックをうける。
そしてゼオの革で服を作り、胸の肉を食べ、左の牙も持っていけ、という、
左の牙を見せればどんな吹雪もやみ、雪姫たちも道を通してくれるとおしえてくれた。
その夜、クルトはレオンと二人で穴を掘りそこで野宿する事に、
そこへゼオの死を知った雪姫たちがやって来た、ゼオの仇を討とうとする雪姫に牙を見せるクルトだが、
雪姫たちはクルトたちを氷漬けにするのだった。
泣きながら牙と毛皮を持ち去っていく雪姫たち。
ゼオが死んだ・・・私たちの王が死んだ・・・悲しい・・・悲しい・・・
金色の鷹に方向音痴疑惑。
ゼオって、別に黒い血を飲んでたわけじゃないのか。
この世界は、普通の動物にも知性があるの?
レオンは動物や鳥やコウモリとしゃべってたけど。
神話の世界だから
>309
それより、クルトが右と左の区別がつかない疑惑が....
牙の右側と左側なんて、見分けつくのか?
自分だったら×印付けそうだ。雪姫には怒られそうだが。
314 :
あらすじ1:2005/10/11(火) 23:59:33 ID:???
第三十六話
精霊の光がひとつ、エルゾの領域である、ここ死の山を飛んでいる。
その光の正体は精霊オリエ、彼女は雪姫たちに氷漬けにされたクルトたちを発見すると、
その氷を溶かして助けようとするが、それを雪姫に邪魔されてしまう。
そして精霊オリエもクルトたちを凍らせたブレスを浴びせられるが、精霊オリエには効かない、
雪姫たちはゼオの仇の仲間を倒す事が出来ず、悲しみ、そして去っていった。
あらためてクルトとレオンの解凍をはじめる精霊オリエ、
そして氷が溶けたクルトは精霊オリエをみつけると、嬉しさのあまりその胸に抱きついた。
きゃっと言い顔をあからめる精霊オリエ、そしてクルトの無事を喜んであげた。
反対にレオンは氷から出してあげてもぼけっとしている、
急に寒くなったので半冬眠状態になったらしい。
そして精霊オリエはどうしてこんな事になったのか、クルトから事情を聞くが、
クルトはふて腐れた表情で、わかんない、でもゼオが悪いんだ、と答えた。
ゼオの話では左の牙を見せれば雪姫たちは攻撃してこないはずなのに、
話と違い、雪姫たちから襲われてしまった。
精霊オリエはしばらく考え、クルトに右と左を間違えなかった?と確認する、
クルトもしばらく考え、そして、サーと青冷める、どうやらクルト、見せる牙を間違えたらしい。
クルトは牙を取り戻しに、雪姫たちのところに行こうとする、
そして右の牙を取り戻せたら北の荒地に向かうというが、北へ行く事に反対する精霊オリエ。
実はイシダリ王国でクルトたちを救った光る女性は精霊オリエだった、
しかしクルトたちを西へ飛ばしたはずなのに何故か北へ飛ばされていたのだ。
これ以上北へ行って欲しくない精霊オリエ、しかしそれ以上の頑固さで北へ行くと言い張るクルト、
そして精霊オリエの制止を振り切ってクルトは雪姫たちのもとへ出て行ってしまうのだった。
精霊オリエ 「ね、すぐに西へ向かいなさい、王の牙はあたしが届けてあげてもいいわ」
クルト 「だめ!ぼくゼオと約束したんだ!」
315 :
あらすじ2:2005/10/12(水) 00:00:09 ID:???
クルトが雪姫たちの所へいってしばらくがたち、精霊オリエは帰りの遅いクルトを迎えに行った。
そこで見たのは、残された雪姫たちが寂しくないように、雪でゼオの雪像を作ってあげるクルトの姿、
そして雪像の仕上げに、ゼオの話に出てきた女闘士を側においてあげる。
雪姫たちは感謝し、ゼオの毛皮で作った服と手袋と、
とねりこの木で作った左の牙を飾った杖を贈ってくれた・・・あと雪姫たちのたくさんの別れのキスも。
精霊オリエはクルトの首根っこをつかみ上げキスの途中で連れ出す、
そして心配なのでこれからは私もついていく、とクルトに告げた。
ついていく、つれていけない、でしばらく言い合うふたり、
結局精霊オリエが手の平に乗るほど小さな姿になってレオンの背中に乗ってしまい、
強引に旅に同行する事となった。
三人旅となったクルト一行。
死の山を北に進むが、猛烈な吹雪は容赦なく、山の傾斜は旅人を拒むがごとく傾いている。
それにそろそろお腹が減ってきたクルトとレオン、今日は岩の陰で野宿する事に、
・・・でも食べるものも、火をたく薪もない。
しかし精霊オリエが活躍、とねりこの杖に魔法をかけ、枝と木の実を生み出してあげる。
これで暖かい火とみずみずしい果物の夕食が手に入った。
クルトはあらためて精霊オリエに旅に同行して大丈夫なのか、天界の家族が心配してないか聞いてみた。
「心配しているでしょうね、でも一緒に行くわ」
今までに無い「強さ」を感じさせる精霊オリエ、そういえば腰に見たこと無い剣が下げられている。
剣の事を聞くクルトに、この剣であたしは変われた、と話し出す精霊オリエだった。
精霊って、パーティーに1人いるとすごく便利だな。
オリエの格好寒そう
雪姫たちは、ゼオの毛皮で服とか作るのはいいのかよ?
クルトも、今はありがたがっていても、どうせ暖かい土地に
戻ったら着なくなるぞ。
ゼオの友が寒い地域を乗り切るのが重要なんじゃないか。
形見として肌身離さず持って欲しいとまでは思ってないよ。
届けてくれって頼まれたのは右の牙だけど、
毛皮も左の牙もおばばに渡すんじゃないか?
ゼオは死んじゃったんだし。弔ってとか言って。
321 :
あらすじ1:2005/10/12(水) 23:58:38 ID:???
第三十七話
精霊オリエは何故、エルゾの領域にいるのに力を失っていないのか?
そこで話を一旦戻し、精霊オリエがユリアナによって亡者あふれる地の底で与えられた「試練」の話をしたい。(第二十四話参照)
精霊オリエが送り込まれた地の底では、地上で罪を犯した人間たちが亡者となり、その罪を許され再び地上に戻るため、
たった一本しかない「剣」をめぐり、争い、蹴落としあっていた。
・・・だがこの争いも仕方の無い事なのかもしれない、何故なら剣は「ひとつ」限りであり、地上に戻る方法はそれしかないのだから、
まさに、人間の本性むき出しの世界である。
精霊オリエも亡者にまじり、剣を目指して山を登ろうとするが、容易には近づけない。
亡者たちは先にいる者の足をひっぱり、倒れているものは容赦なく踏み付けられた、それと同じことを精霊オリエもされる、
そんな光景は山に近づくほど、そして剣に近づくほど増えていく。
山頂付近の争いは凄まじかった、剣に手が届く距離に来た亡者たちはまず他の者たちを蹴落とすのに懸命になる、
しかしすぐに他の亡者がそれに取って代わり、代わった亡者は後から来るものを蹴散らそうとする。
争いは果てしなく続き繰り返される、そして剣には誰一人手をかけられなかった。
争いに敗れた亡者がかつぎ上げられ、山の向こうに投げ飛ばされる。
山の向こうは切り立った崖で、その下には赤く燃える谷が炎を上げていた、そしてその谷に落ちていった亡者たちは二度と這い上がってくる事は無かった。
精霊オリエは赤い谷の正体に気づく・・・「黄泉」だと・・・
精霊オリエはそれから何度も登っては落とされまた登る、を繰り返す、それも何千回、何万回と、
手はとうにしびれ、足の感覚はなくなっている、爪ははがれ固まった血が割れて新たな血が流れ出していた。
いつになったらあの剣にたどり着けるのだろう・・・絶望しかけた時クルトのことが頭に浮かぶ精霊オリエ。
そんな時、一人の小さな亡者が目に付いた、その亡者も精霊オリエと同じように何度も山に登っては他の亡者たちに突き落とされている、
精霊オリエの目にはその小さな亡者が、メデューサの使徒に囲まれた皇子クルトに見えた。
322 :
あらすじ2:2005/10/13(木) 00:00:24 ID:???
その小さな亡者が、あと少しで剣に手が届くところまで来ていた、しかし他の亡者に見つかり、乱暴に排除されてしまう、
突き落とされた小さな亡者を受け止めて助けてあげる精霊オリエ、
しかし小さな亡者は感謝するどころか精霊オリエの手を払いのけるとすぐに剣に向かいだす、だが剣の近くでは自分より大きな亡者が暴れている、
また近づいてもまた落とされるのだろう、小さな亡者の目に涙が浮かぶ。
その時、小さな亡者のお尻を押してくれる手が・・・精霊オリエだった、彼女は小さな亡者を励ます。
「お行き・・・剣を手にかけて、生まれかわりなさい・・・」
丁度ほかの亡者たちは喧嘩し合っていて、今なら剣に触れるかもしれない、
剣に近づく小さな亡者。
その背後から悲鳴が上がった、何人もの亡者に襲われている精霊オリエ、
その姿を見て、小さな亡者は、精霊オリエを助けるため亡者たちに飛び掛る、そして、争いに負けた小さな亡者は、黄泉に投げられてしまった。
赤い谷へ落ちていく小さな亡者、その姿に向かって怒る精霊オリエ、どうして剣にさわらなかったの、と。
そして涙、あとすこしであなたは生まれかわる事が出来たのに・・・
323 :
あらすじ3:2005/10/13(木) 00:01:16 ID:???
谷底へ消えた小さな亡者、そこに光が生まれる、そして産声も。
光の中には人間の赤ん坊がいた、あの小さな亡者が生まれかわった姿だ、でも剣には触れていないはずなのに、何故。
そして赤ん坊は自分を生んでくれた両親に会うため、天に向かって上がってゆく。
その光景を見ていた他の亡者たちが精霊オリエに先を譲る、するとその亡者たちも赤ん坊に生まれかわるのだった。
亡者たちはそれぞれ蹴落としあい邪魔し合っていたから誰もこの剣に触れなかった、お互いの手を差し出せばこの剣に触れるのはたやすいのだ、
この剣はその優しさを、人として再び生まれかわるための優しさがあるかどうかを見定めるための剣だったのだ。
ユリアナは剣を手に入れた精霊オリエを地の底から呼び戻す、そして精霊オリエに善にも悪にも染まらない 白い力 を得た事を教えた。
さあ行くがいい、と送り出す大地の女神ユリアナ、その精霊オリエの腰には新しい 剣 があるのだった。
そして場面はふたたび死の山を越えようと奮戦中のクルトたち、
精霊オリエのアドバイスでゼオの牙を使い吹雪を鎮めることに成功すると、ついに死の山越えを果たす。
その青空広がる眼下には都があるのだった。
>何度も登っては落とされまた登る、を繰り返す、それも何千回、何万回と、
仮に、登って落とされるのを30分に1回と仮定する。
精霊だから不眠不休で続けることができるとして、1日に48回だ。
何万回、という表現を、少な目な見積って2万回としよう。
そこまでやるのに、1年と50日以上かかる。
オリエとろくさそうだから2分に1回くらい突き落とされてんじゃね
ユリアナのところに行ってる間は一瞬だったと
いつもいうから次元のゆがみでもあるのかなぁ。
善にも悪にも染まらない白い力…大地女神の世界と
善と悪はトライアングル状態の力関係なのだろうか。
ユリアナの巨乳 (*´д`*)ハァハァ
なんか今回は、仏教説話みたいな話だったな。
329 :
あらすじ1:2005/10/13(木) 23:58:26 ID:???
第三十八話
死の山の麓に栄える都では、道に人々があふれ、所狭しと露店が並んでうるさいくらいに売り子の声が響き渡り、
まさに活気に満ちた賑やかな都である。
この都でもっとも頻繁に売り買いされている商品は武具のようだ、それ以外にも美味しそうな食べ物も売っている。
剣を担いで歩き売りしている男もいる、その男が屈強そうな男に剣を売ると、交換に金の粒が渡された、
どうやら此処では金の粒が貨幣代わりのようだ。
その剣売りの男が今度はクルトに剣を売ろうと話しかけるが、交渉するより先にクルトのお腹が、グーと鳴ってしまう、
クルトが腹をすかせていると分かった男は、
「今日は収入も良かったし、よし、ついといで」
と、クルトを食べ物屋に誘ってくれた。
男の名は、剣売りの スカルマン その名のとおり顔が骸骨のようだが悪い人ではなさそうだ。
店でクルトとレオンに食べ物を頼んでやったスカルマン、自分にはお酒を注文した、
そしておいしい料理で餐宴とまではいかないが、おいしい食事を楽しむ。
クルトはスカルマンに、この都の賑やかな理由を聞いてみた、
「ああ、十年前、王様が死の山のゼオの首に莫大な賞金を掛けてからだ。
それまでは兎に角さびれてて貧しい都だったんだが、賞金目当てにさまざまな国から人が集まった。
だが、ゼオは強くて誰も倒せなかった、だから勇士たちはこの都で武具をあつらえ、
体調を整えて機会を狙うようになった。
こうして市が立ちにぎわっているのはそのせいさ、このわしも昔は食うや食わずだったが、
今じゃ剣の商いで、こうして一日の渇きを癒せるぐらいの金の粒は稼げる。
もっとも剣売りになるまでの貧しさで骸骨のようになったこの顔だけは元に戻らんよ。
・・・ところで、お前はどこから来たんだ?東からか?西からか?」
「あっち」と言って死の山を指差すクルト・・・このことがこの後、大騒動の原因になってしまう。
330 :
あらすじ2:2005/10/13(木) 23:59:09 ID:???
クルトの着ている服は、見れば確かにゼオの毛皮、それにゼオの牙の付いた杖、
周りにいた男たちがクルトを取り囲みだす、スカルマンは
「じょ・・冗談にきまってまさぁ・・・見ればまだ子供・・・」
と、男たちを冷静にさせようとするが、一人の男がクルトの毛革を「よこせ!」と言って引っ張った。
クルト、その男の腕をつかむと派手に投げ飛ばした・・・当然周りはヒートアップ「こ!このやろう!」
こうして喧嘩の火は広がり、クルトが一通り男たちを倒した後には、店は半壊状態になっていた。
ちなみにレオンと精霊オリエはわりと冷静に静観していた。
あと、この騒動の合間にスカルマンに糸つむぐおばばの情報を聞く、北の門から出てすぐの荒地に住んでるそうだ。
こうしてクルトが暴れた後、スカルマンはクルトに、後の面倒は引き受けるから急いで逃げろ、と言う、
そのスカルマンに精霊オリエはお礼として、手のひらに山ほど金の粒をあげるが、しかし
「いらねえ・・・こんなにいらねえ、こんなにあったら一年中朝から晩まで酒を飲んでなきゃならねえ」
と言って一粒だけもらうスカルマン。
そして北の門までクルトたちを案内すると、別れ際、
「ほんとに行くのかクルト、この国の英雄になるチャンスなのによ」
しかし旅立つクルト、
「バカだよ・・・おまえって」
クルトは途中、振り返るとスカルマンに笑顔を見せ、さよならを言った。
こうしてゼオを倒した少年は北の荒地に消えて行くのであった。
331 :
あらすじ3:2005/10/13(木) 23:59:47 ID:???
剣を担ぎ、都に戻るスカルマン、そして死の山を見上げた。
もう、そこにゼオはいない、この都の賑わいも今日までか・・・
そのスカルマンの元に噂を聞きつけた男たちが押し寄せる、
「ゼオを倒したと言うやつはどこへ行った!」
スカルマンはそれを聞くと笑った、大いに笑った。わはははははっ
「いつもの与太話でさぁ・・・ゼオってのはそんなにやわじゃないね、今までいろんなやつが挑戦したがみんな涙を飲んであきらめた」
なーんだ、いつもの与太か、とスカルマンの話を信用して安心した男たちは散っていった。
スカルマンは剣を担ぎ直すと、いつもの売り文句を言う、
「剣だよ、剣はいらんかねーっ。
よっそこの兄さん!そんななまくらじゃゼオは倒せないよ」
一方クルトは、北の荒地に続く石畳の上を歩いていた。
そこを小さな蜘蛛が通り過ぎる、その後をちょっと大きな黒い蜘蛛が追いかけ襲い掛かった、
クルトは黒い蜘蛛を捕まえると小さな蜘蛛から引き離し、小さな蜘蛛を助けてあげる。
精霊オリエは不安になる、もしこのあたり蜘蛛が多かったら・・・実は彼女、蜘蛛が苦手なのだった。
そして荒地の道を抜け、森に入ると、一軒の小屋があり、そこで糸をつむぐ老婆を発見した。
この人が糸つむぐおばばだろうと思い、ゼオの右の牙を渡す、しかし老婆は興味なさげに投げ捨てた、
そして次の瞬間、老婆は口から糸を吐き出しクルトを縛める、クルトはとっさにレオンのケツを蹴飛ばし逃げさせた。
小屋に引き込まれるクルト、戸が閉まると小屋は溶け出し、そして老婆の体が割れると、中から大量の黒い蜘蛛があふれ出した。
クルトの悲鳴が溶け出した小屋の中から・・・精霊オリエはついに「剣」を抜くのだが・・・以下次号
スカルマン良い奴だな。
奢ってくれたり、眺めようとしてくれたり、逃がしてくれたり。
で、この人、人間?
× 眺めよう
○ なだめよう
糸つむぐおばば、これはいかにも偽者だろう。
本物のおばばは捕まってるのかな。殺されてたりしないだろうな?
ゼオが死んでるの知ってるのに戦士たちをたきつけてるよ。
今後、ゼオを倒そうと山に向かって雪姫たちに凍らされる犠牲者が
出たら、スカルマンのせいじゃん。
まさに死の商人! 骸骨顔は伊達じゃないぜ。
こういう短編もたまにはいいね。パルパオの時も思ったけど。
ゼオ退治に来る人たちが落とすお金に依存してる都市というのが
そもそも問題だなぁ……。
たとえクルトにやられなくてもいつかはゼオも死んでいたわけだし、
ゼオに頼らない何らかの産業を育成しないといかんぞ。
ゼオが人前に姿を現すことはないんだし、
どのみちそう長くはないだろうね。
339 :
あらすじ1:2005/10/14(金) 23:56:41 ID:???
第三十九話
北の荒地の森の中、糸つむぐおばばだと思った老婆に捕まり小屋に閉じ込められたクルト、
そして、その小屋はどろどろと形を崩して溶けていった。
外にいた精霊オリエはクルトを助けるため、力を使ってどろどろをどかすが、そこにはゼオの杖しかない、
よく探そうと近づいてみると、溶けた小屋がまるで生き物のように精霊オリエを襲うが、
地の底で手に入れた新たな剣の一振りですべて蒸発させた。
でも、クルトは一体どこへ。
黒い蜘蛛が一匹、巣穴へと入る。
複雑に入り組んだ巣穴をどんどん降りていくと、人骨の満ちた広い空間に出た、
そこには剣を持った一人のメデューサの使徒と、宙吊り状態の白い繭があった。
使徒はサロメやドルバロームの教訓を活かし、手間をかけず、すぐ殺そうと剣を繭に突き刺す、
しかし、柔らかい子供の肉を突き刺す感触ではなく硬い手ごたえとともに剣が止まる、
そして中からクルト脱出、使徒の剣はゼオの牙に当たっていたのだ。
クルトは相手が糸つむぐおばばではなく、メデューサの使徒だと分かると戦闘開始、
剣の勝負はクルトの圧勝だったが、使徒が黒い大蜘蛛の本性にかえってクルトの上にのしかかると、
使徒の方が体格差があるため、クルトを押し始めた。
あと少しで大蜘蛛に噛み付かれる、という所でクルトは大蜘蛛に蹴りを入れて、複雑に入り組んだ巣穴へ逃げる事が出来たが、
しかしそこは迷路のように入り組んだ場所であった。
精霊オリエとレオンは森の中でクルトを探している。
その背に白い蜘蛛がそっと乗るのに、二人は気がつかなかった・・・ちなみに精霊オリエは蜘蛛が大嫌い。
340 :
あらすじ2:2005/10/14(金) 23:57:42 ID:???
蜘蛛の巣穴を這い回り、脱出路を探すクルト、しかしどうしても逃げるルートが見つからない、
それどころか移動するたびに塞がっている穴が増えているような気が・・・いや、気のせいではない、
実は大蜘蛛がクルトの先回りをして穴を塞ぎクルトの逃げ場を奪い追い詰めようとしていたのだ。
行き場をなくし途方にくれるクルト、そこへ、ここへ来る途中助けた小さな白い蜘蛛がやってきて、
糸を伝って上へ登らせて助けてくれた。
クルトが行き着いた先は井戸のある大きな木の上、そこには、糸車を回すおばあさんがいた。
そのおばあさんにゼオの右の牙を見せると、おばあさんの糸車が止まる。
「おまえ、死の山のゼオを倒したのかい」
クルト、うなずく。
そして自分のことを信用し左の牙も与えた事などを話すと、おばあさんはすべてを察したように、
右の牙に向かって、ご苦労だった・・・といい、永遠に、そして安らかに休めるよう、牙を天に帰してあげるのだった。
井戸から音がする、あの使徒が糸を上って来たのだ、剣を構えるクルト、しかしおばあさんが、
わたしに任せてごらん、と言うと、井戸に向かって天の水を汲んできておくれ、とたのんだ。
井戸がぐんぐん伸び、天まで伸びる。
使徒の登る音がクルトのすぐ側を通り過ぎ、そして上に伸びた井戸の中を登る音だけが遠くへ去っていった、
メデューサの使徒「はあ、はあ、やけに遠いな」
341 :
あらすじ3:2005/10/14(金) 23:58:21 ID:???
おばあさんは、クルトをお茶に誘う。
クルトが連れが心配だと言うと、おばあさんは二本の糸を渡しこれを引っ張るように言う、
ここでおばあさんが自己紹介。
「わしの名は オーラ (糸つむぐおばば)と呼ばれている」
糸を引っ張りながら「ぼくの名はクルト」
森の中から精霊オリエとレオンが糸に引っ張られ飛んできた、
クルトの引っ張った糸と二人の背中にくっついていた蜘蛛が結ばれていたのだ、
この時自分にくっついていた蜘蛛の存在に気づき、悲鳴を上げて逃げる精霊オリエ、
そしてお湯が沸き、お茶の時間が始まろうとしていたのだが、森の木々が異様な揺らめきをはじめる。
糸つむぐおばばが、これはめずらしいメデューサ様がいらっしゃる、と発言。
「メデューサ!?なぜメデューサがこの森に!」
「わしはもともとメデューサ様の乳母だったのじゃよ」
近づく鳴動!セレネ以来の悪の波動!来る!メデューサが来る!!・・・以下次号
オリエは可愛いなあ
乳母?
それじゃメデューサにも子供の頃ってあったんだ?
妖魔って、どうやって生まれてくるんだろう。
てか、クルト早くもラスボス戦か。謎がいっぱい残ってるのに!
大丈夫。
第3部やるから。
クモを助けたことが伏線になってたんだな。
って、今度は芥川龍之介かよ?
虫大嫌いなのである意味残酷描写より読んでてキビシス…
すぐに殺そうとしたり、逃げ道をふさぐ辺り
これまでの敵と違って賢いな。
殺さず、糸つむぐおばばに助けられたのは、
今後もいろいろ使い道があるキャラなんだろう。
洋の東西を問わず、権力者の乳母ってその権力者に対して
影響力あるんだよな。
単に授乳するだけでなく、幼少の頃の教育係でもあるから、
実の母親よりも慕われてたりする。
日本では、徳川家光の乳母の春日局とか、鎌倉二代将軍
源義家の乳母の比企一族とかがそう。
>メデューサの使徒「はあ、はあ、やけに遠いな」
こういう和田さんのギャグ妙に好きw
にしてもまさか打ち切りの危機? 今メデューサ出してどうするんだろう。
ってか、メデューサってあのでっかいサイズで生まれたのか?
ここはいくらなんでも最終決戦じゃないだろ。
なんか「ジャックと豆の木」っぽい感じがする。空の上だからかな。
351 :
あらすじ1:2005/10/15(土) 23:57:37 ID:???
第四十話
北の荒地に姿を現すメデューサ
使徒に取り立てられようと群れる下等な獣たちを石に変える非情の神
ここへはエルゾとアガナードの境界線の歪みの理由を確かめに来たという
一方クルトは宿敵の接近に今までにないほど熱くなる
それはレオンと精霊オリエの目には見境の無い暴走を続ける歯止めの利かない子供に見えた
ついには血迷い糸つむぐおばばにまで剣を向けるクルト
仲間二人に落ち着けられようやく冷静さを取り戻す
そこへメデューサの先鋒が現る
クルトたちをかくまうおばば・・・そして・・・ついに「あの方」の登場
禍々しい黒雲が激しい風を作り木々を捻る
人ならば髪の生えるべき頭には毒蛇の群れが
ものを見つめるべき瞳には氷のような冷たさが
悪神の娘 見るものを石に変える悪魔 悪行を重ねる使徒たちの将
・・・そして クルトの敵
メデューサ
352 :
あらすじ2:2005/10/15(土) 23:58:22 ID:???
この後、メデューサに滅ぼされた湖の国 アステシア の王子と姫の兄弟が鏡の盾を装備して、
無謀にも、メデューサに挑んでしまいます。
クルトは王子たちを見て飛び出そうとしますが精霊オリエに硬直する魔法をかけられ動けなくなります。
湖の国の王子と姫は意外と、と言えば失礼ですが鏡の盾の効果もあり善戦します・・・しかしそれはメデューサが本気を出すまでの話、
そして二人は石に変えられ打ち砕かれてしまいます。
魔法によって固められ動けないはずのクルトが震えだします、そして
「メデューサぁあ!!」
グワッとかくまわれていた場所をブッ壊し!クルト怒りの見参!
何か今までの書き込みと違うような気が…同じ人?
メデューサと2度目の対面か。
マジに第2部完かもな。
イリューズ!
そのタロスは別人だ!
顔が違う。
356 :
あらすじ1:2005/10/16(日) 23:58:20 ID:???
第四十一話
クルトの登場に驚くメデューサ。
「お・・・おまえはクルト」
はじめてクルトをみるメデューサお付の使徒たちも驚く。
「クルト?」「クルト?」「ク・・クルトだと」「あのクルトか」「メデューサ様がこだわっているただ一人の人間」
精霊の血を受け継ぎ、大地の女神ユリアナから剣を授かったという・・・
今まで何人もの使徒達があの子に倒された、そして今エルゾとアガナードの境界線を歪めたという、あのクルトか。
あの小さな子供が、東の国ルーンの皇子クルトか。
使徒たちの注目が集まり震えてしまうレオン。
クルトは真っ直ぐメデューサを睨みつける。
「メデューサ、ようやくお前に会えた、セレネの国でお前が消えたあの時から母様とお前の夢を見ない日はなかった。
もう夢なんか見たくない、
ここで会えたのは母様の導きだ!メデューサ、逃げるなよ、ぼくの前から!」
クルトの口上に笑みを浮かべ笑い出すメデューサ、周りの使徒たちも追従のため主に続いて笑い出す。
唯一イシダリ王国の惨劇から逃げてきたタロスとイリューズのみは、
「みんなクルトを侮りすぎるわ」
目の中に戦いの炎を燃やすクルト、止める精霊オリエ。
「だめよクルト、メデューサは今のあなたじゃ敵う相手じゃないわ」
使徒の一人、襲い掛かる。
「おもしろい、このゾルデが小童の力、拝見するぞ」
357 :
あらすじ2:2005/10/16(日) 23:59:30 ID:???
タロス、止める。 「やめろゾルデ」
クルト、走り出そうとする、守護像の入った皮袋を引っ張りブレーキを掛けようとするレオン、
「だめだよクルト、あぶない」
しかし袋の紐が切れてレオンしりもち。
精霊オリエは初めて生で見るメデューサに震えている、
「あれがメデューサ、悪神エルゾの娘、ガラティアお姉様を襲って石にした妖女。
精霊のあたしなど及ぶべくも無い強い妖力だわ、その体から発散する妖気だけであたしの体がすくむ。
クルトはその体の中に精霊の血を受け継いでいる、エルゾの妖力はその血の力を蝕むはずなのに・・・
それなのに何故戦えるの、人間の心ってそんなに強いものなの?」
レオンは眠ったギルガドールを持って糸つむぐおばばに、
「このままじゃクルトがやられちゃう、ね、おばば、お酒無い?ギルガドール起こさなきゃ」
・・・おばば、ノーリアクション。
レオン「だめだこりゃ」勝手に戸棚を探ってお酒を探し始める。
突撃するクルト。
「善神アガナードと大地の女神ユリアナの名においてクルトが命ずる、大地の剣よ戦いの剣に!」
ズバッ!
ゾルデ、右腕切断、胴体半ばまで縦に裂傷、そして首切断・・・死亡。
他の使徒たち、
「人間の分際でよくも!」
クルトを引かせようとする精霊オリエ、
「クルト逃げるのよ、敵の力が大きすぎるわ」
しかし精霊オリエの制止を聞かず、クルト跳躍、使徒たちを殺しながら踏み台にして上に上がっていく。
タロス 「使徒たちを倒しながら上に昇ってくる、メデューサ様、何故あの小童を石にしてしまわないのですか」
メデューサ 「私に命令するな、余計なお世話だ!」
358 :
あらすじ3:2005/10/17(月) 00:00:31 ID:???
クルト、一人の使徒の背に乗ると剣を首に突きつけ。
「さあ飛ぶんだ、メデューサに向かって!」
青ざめ、メデューサに向かって飛ぶ使徒。
「も、申し訳ありませんメデューサ様! 私は生命が惜しい! 私の生命は後一つしかないのです」
クルト 「あとひとつ?」
メデューサ、目から石化光線を出す。 「痴れ者めが」
クルトは逃げたが使徒は石になり壊れ去った。
「メデューサ!」
落下するクルト。
そのクルトにメデューサの頭にいる蛇の群れが焔の息を浴びせる。
悲鳴を上げ逃れようとするが、しつこく何度も焼かれる、ついにはクルトのからだが燃え出した。
精霊オリエが力を使いクルトの火を消して助ける。
「クルト・・・勝ち目は無いわ、それなのに何故がむしゃらに戦おうとするの」
「わからない、そんな事考えてない、ただぼくの手が、ぼくの心が、ぼくの体中が・・・
どうしようもなく疼くんだ、石にされた人たちの事が心をかすめる度に、ぼくの体を揺り動かすんだ。
倒せ!
メデューサを倒せって!」
クルト、剣に旋風をおこし振り回す、さらに二人の使徒を撃破。
359 :
あらすじ4:2005/10/17(月) 00:01:10 ID:???
精霊オリエ、腹を決める。
「クルト、あなたメデューサに突っ込むつもりね・・・いいわあたしも行く。
メデューサの側まであたしが守ってあげる」
「だめ」
「どうして?」
「ぼくオリエを巻き込みたくないの」
「なぜ?」
え?という困惑顔になってしまうクルト、そこへレオンとギルガドール登場。
「遅れてごめん、ようやくお酒が見つかったよ」
今度は三人でメデューサに挑む。
メデューサの蛇が再び炎を吐く、レオンも炎を吐いて対抗、レオンの炎が勝利、黒こげになる蛇。
「すごいわレオン」
「ふん、ドラゴンが蛇に負けてたまるか」
しかしメデューサまだ焦らず。
「お話し合いは終わったかい? お遊びはここまでにしようね坊や」
クルト、セレネの時を思い出す(メデューサ、また逃げるつもりか!)
「いくよギルガドール、全力で体当たりだ」
「ここまでよく旅してきた、褒めてやるよガラティアの息子!」
メデューサ、外套を翻し嵐を起こす
うわ、こりゃ次回最終回?
メデューサ、余裕ぶっこいてるけど、大地の剣で真っ二つか?
インフレが激しいな。メデューサの使徒がただの踏み台に。
362 :
あらすじ1:2005/10/17(月) 23:59:27 ID:???
第四十二話
岩の嵐を巻き起こすメデューサ、それに押しつぶされ、やられそうになるクルト。
「クルト、手を!はやく!」
精霊オリエが間一髪、クルトの手を取り助けてくれる、
そしてそのままメデューサの頭上に移動、クルトはメデューサ目掛け落下、そして大地の剣を元に戻した。
精霊オリエの助けもあり大地の剣はメデューサの肩に命中、そのまま腕を切り落とす。
絶好のチャンス到来に、第二撃を与えたいクルトだが、大地の剣は蛇の群れに封印されて動かせなくなった。
その間にメデューサの腕、完全再生。
異変がおこる。
精霊オリエが急に震え、動けなくなり彼方へ飛ばされる、使徒たちもバチッと弾かれ飛び消える。
乳母の糸つむぐおばばだけ、何が起きたのか理解した。
「メデューサ様がお怒りになった・・・本気でお怒りになられた・・・」
大地が割れだす、あちらでもこちらでも、そして遥か向こうでも。
地中から現れたのは神々サイズの巨大な蛇の胴体、それらがそろって動いてる・・・そう、これらの蛇は「一体」の蛇の姿。
メデューサが自分の剣を装備、その胴体は「蛇」であり、先ほど説明した蛇と繋がっている。
そう、これこそが、真なるメデューサの姿。
想像を絶する正体に、さすがに驚愕するクルト
「つ・・繋がっている、全部繋がっているんだ・・・これがメデューサの正体か!!」
うわ、メデューサの正体、でかすぎ。
石化能力を別にしても、地上に出るだけで大災害だな。
大地の剣も通用しないとなると、もうどうしようもないな。
どうするんだよ、この状況?
クルトやられちゃう??
こんなの倒せるの?怪力だけじゃどうにもならん。
大地の剣使ったってどうかなぁ…キビシス。
367 :
あらすじ1:2005/10/18(火) 23:57:27 ID:???
第四十三話
ズズッ
「わああっ」
ドドドドド
「なんという強い力、今のメデューサはクルトやあたしが考えていたようなメデューサじゃない、あれは黄泉の世界の怪物だわ」
「他の使徒達は?」
「半数は弾き飛ばされたわ、あたしたちもこれ以上近づけない」
「あれがメデューサ様の本当のお姿だ」
「お側に使える使徒から聞いてはいたけど、なんという・・・青黒く光る鱗に全身を包まれ、赤く燃える瞳、裂けた口、
長く伸びたその体は山を一巻きにするという噂は本当だったんだ」
「メ・・・デューサ」
グ!
「おまえを倒すために、長い旅をしてきたんだ」
ズズズズズ!!
「わあっ」
ガッ
「わああっ」
バッ
「大地の剣だ!大地の剣よ戦いの剣となってぼくの手に」
カッ
「メデューサめ、叩き斬ってやる!」
うおおおおお
ガキーン
「!」
ビュルル・・・ザッ
「・・・大地の剣が・・・折れた!」
368 :
あらすじ2:2005/10/18(火) 23:59:03 ID:???
ズズズズズ
「くく・・・」
ガラン
「う・・・うわあぁ わあああっ あああ・・・ わあああ たすけてぇ 母さまぁぁ
ドドドドドド
「クルト?」
ガガッ ガガッ
「母さま たすけて たすけてぇ わあああっ」
ゴゴゴ ズズ・・・
(母さま 母さま・・・)
ズズズ・・・!
「わああああああ」
「メデューサさま! お願いでございます、どうかその子を許してやってくだされ。
お心はようく分かります、じゃが・・・なにとぞ・・・なにとぞ・・・
このおばばに免じて、その子を許してやってくだされ」
ビシッ! ビシッ!
「メデューサさま、どうか・・・お聞き入れください・・・
生命の火が残り少ないおばばの、無理を承知の願いでございます」
リーーーン
リリーーーン
「あれは何?」
「・・・あれは?」
「なんだ?」
369 :
あらすじ3:2005/10/18(火) 23:59:46 ID:???
リリーーン
リリー−ン
「あれは昔のおばばの姿か?」
「いや、俺はおばばの昔を知ってる・・・あれは違う・・・ちがうぞ」
「なんて美しい、精霊」
「なんて美しい、人でしょう」
オオ・・・・ォ
「何故?メデューサが剣を引いた?」
「メデューサ様 メデューサ様」
ポウ・・ ゴゴゴゴゴ・・・
「メ・・・メデューサが消える」
「お前たち残ってクルトを見張れ」
「うむ、わかった」
(何故メデューサ様はクルトに止めを刺さなかったんだ)
フッ ホーッ
「クルトは!?」
「クルトー」
「クルトッ 大丈夫?」
ダッ!
「クルト!」
ダダダダダ
(クルト・・・)
(・・・大地の剣が・・・折れてる・・・)
「ようやくメデューサを見つけたのに、メデューサには敵わない! ぼくはどうすればいいんだ!?」
うわああああっ
おばばに助けられるとは思わなかったよ。
それにしても、なんかいろいろ伏線がはられてるな。
昔のおばばか、いや違うと言われた謎の女性の姿とか。
大地の剣が折れたな……
やっぱ、大きすぎてマンガ的に使いにくいから、
別の剣に変えるのかな……
>「なんて美しい、精霊」
>「なんて美しい、人でしょう」
これどういう事なんだ?
373 :
あらすじ1:2005/10/19(水) 23:59:25 ID:???
第四十四話
さて、今回の話を分かりやすく箇条書きで説明してみますと。
1 クルトはメデューサにかなわない
2 精霊オリエの誤算、クルトは強い子だと思い込んでいた、子供だと言う事を忘れていた
3 糸つむぐおばばはメデューサ様の倒し方をうっかり伝えてしまいそうなほどにクルトに同情しはじめる
4 北の荒地に残っていた使徒、おばばが独り言でいったメデューサの倒し方を聞いてしまう
5 この時おばばの台詞は・・・となっており読者にはまだ秘密らしい
6 箇条4の使徒はおばばの極秘機密を聞いた罪で逃亡中アスナスに口封じ(つまり殺されたわけです)
7 クルトが本気で泣くと湖が出来ます
8 クルトは心配して抱きついてきたレオンをどさっと落とします
9 精霊オリエ、クルトをギュッ(レオンと扱いに差があるような・・・いや独り言です)
10 レオンの提案で糸つむぐおばばの所へ戻ることに、忘れ物の守護像をクルトに渡す
11 そういえばクルトの危機にお姉様の守護像は何故助け無かったのだろう、また一つ謎が・・・
12 瀕死状態のおばば発見、第一発見者はクルト、凶器はアスナスの剣
13 怪我の治療よりも昔話を優先させるおばば(いいのか?)
14 おばばは昔、子蜘蛛をたくさん抱える母蜘蛛で、子蜘蛛の餌として人間の赤子を狩っていた
15 ある日、赤子を大量発見したのでさっそく皆殺し、こんなに餌が手に入るなんてラッキー
16 巣に帰ると子蜘蛛が居ない事に気づく母蜘蛛、いつの間にか赤子は自分の子蜘蛛にかわっていた
17 母蜘蛛が後悔していると、天から声が聞こえ、さらに罰として子供たちの乳母となる事に決定
最後はおばばのラストメッセージでお別れです。
「額にあるその星を・・・大切にするがよい・・・探しても見つかりはせん、
その星が・・すべての人に見えた時・・・メデューサさま・・・は・・・」
ガクッ 糸つむぐおばば 死亡。
新しい試みですな
涙で湖ってすごすぎ。
体積の何十倍の水出すんだよ。
仏教説話。恐れ入谷の鬼子母神だな。
クモが乳母になれるのか? ミルクが出るのか?
うっかり下っ端の奴が重要機密を知っちゃいかんな。
速攻口封じされるだけだわ。
379 :
あらすじ1:2005/10/20(木) 23:58:19 ID:???
第四十五話
北の荒地に糸つむぐおばばのお墓をつくるクルト、墓標の代わりにおばばがいつも使っていた糸車を置いた。
おばばを殺したのは誰か、そしてどうして殺されなくてはならなかったのか、気になるクルト。
その時、糸車の上に小さな白い蜘蛛がふわりとおりた。
クルトは精霊オリエにこのあたり一面にお花を咲かせてとお願いすると、
それを了承してくれて、力を使い辺りを花で咲き乱れさせた。
花をおばばの墓前に供えるクルト、精霊オリエとレオンも供える、お墓の前は花でいっぱいになると、
クルトは墓前でおばばに話しかけた。
「おばば、メデューサの敵である僕にどうして優しくしてくれたのか分からない・・・
でも僕もおばばを嫌いになれなかった。
もう行かなきゃならない、僕やっぱり母様を助けるためにメデューサを探して西へ行くんだ。
僕が行っちゃうと一人ぼっちでさびしいでしょ・・・ごめんね。
こんな荒地で、ほかに何もして上げられない・・・おばば、せめて花の中で静かに眠って」
そしてさよならを言い、去ろうとするクルトの背後で、糸車の上の白い蜘蛛が涙を流した。
クルトがお墓から離れようと歩き出した時、北の荒地に地震のような地響きが起こる、そして地面が割れだした、
しかし不思議な事にクルト達のいるおばばの墓の周りだけ崩れない、ここだけゆっくりと下がっている。
様子を見ていたアスナスは、まずい!と言うと愛刃を呼び寄せクルトの前に現れた。
どけ!と言うアスナス、クルトが邪魔な様子、しかしクルトはおばば殺しの下手人がこいつだと分かり掴み掛かる。
アスナスは糸車の上にいる蜘蛛が気になる様子、正直今はクルトにかまっている場合じゃないが、クルトに殴られ蜘蛛に近づけない。
アスナスはイシダリ王国で見せた守護像騒動以来のあわて方をする。
「このままでは「谷」が・・・荒地で封じこめられていた「谷」が」
380 :
あらすじ2:2005/10/20(木) 23:59:58 ID:???
なんとしてもおばばの行動を止めようと、白い蜘蛛に向かって剣を飛ばすアスナスだが、その剣は精霊オリエによって弾かれる、
アスナスの前に立ちはだかる精霊オリエ、彼女はクルトとおばばのためにアスナスの相手を引き受けるつもりだ。
精霊ごときが、と怒るアスナス、そのおばばの血を吸った狂剣で精霊オリエに斬りかかる、精霊オリエも白の剣で応戦。
心配するクルトだが、以外にも精霊オリエとアスナスはほぼ互角の勝負をしている。
精霊オリエの強さに驚くアスナス。
この間にも荒地の崩壊は続いている、そして、荒地の下から思いもよらぬ風景が現れだしていた。
アスナス「しまった・・・谷が・・・もう止められない」
そして標的を精霊オリエからクルトに切り替え襲い掛かる、しかしここでも精霊オリエに邪魔され、
ついにアスナスは奥の手「封じられた妖」を精霊オリエに使うのだった。
荒地が崩れ、おばばの墓とともに下に降りて来たクルトとレオンは幻想的な光景の中にいる。
落ちる何本もの滝、神殿のような建物、咲き誇る若葉、瀑布は霧をつくりそして印象的な「二重の虹」を架けていた。
旅でいろいろ見て来たクルトたちだが、こんなに綺麗な場所は初めてだ。
そして、音がする、「リリーーン」鈴の音、だろうか?
音は霧の中どんどんクルトたちに向かって近づいて来て、そして、一人の女性が現る。
黒真珠を思わせる豊かな黒髪、上質な白磁のような透き通る肌、そしてすべてを包み込みそうなけがれない微笑、
しかし女性はクルトたちが分からないのか、そのままクルトたちの方へどんどん進み、そしてクルトの体をまぼろしの様に通り抜けた。
「ピグマリオ」
はっとするクルト、見渡すとそこはおばばの墓のある北の荒地、あれほど崩壊したはずなのに周りには地割れの痕さえない、
今のは何だったのか訳が分からないクルト。
381 :
あらすじ3:2005/10/21(金) 00:00:39 ID:???
精霊オリエが今見てきたことを心に刻みなさい、とクルトに教える、
それは、おばばが見せてくれたメデューサと悪神エルゾが隠してきた秘密だという。
そこまで言うと精霊オリエは苦しそうに膝をついてしまった、先の戦いでかなり傷ついたようだ、そして精霊オリエは天界に一度帰ることにした。
精霊オリエはクルトに大切な事を教える。
「メデューサに敵わないと知ったあなたには、今までよりずっとつらい旅になるでしょう・・・それでも行くの?」
うんと答えるクルト。
天に昇る精霊オリエは言った。
「今のあなたはルーンの国を旅立った時のまま、これからの旅はあなたにとってさらに大切な旅。
目を開き、耳を澄ませて西へ向かいなさい。
それがあなたの星に繋がる道よ、クルト」
精霊オリエは天界へ帰っていった、再びクルトとレオンの旅が始まる、いくつものメデューサの謎を抱えたまま。
クルトは今、その旅の重さを感じていた。
谷で出会った女性と重なった時、確かに頭に聞こえた・・・あの言葉。
今はまだ意味は分からないが、いつか重要な鍵になる気がする・・・
精霊オリエや糸つむぐおばばが命を賭けて見せてくれた謎の谷、謎の女性、そして謎の言葉・・・「ピグマリオ」
クルトはその意味が分かる日が来るのであろうか、そしてメデューサと三たび戦える日は来るのか、クルトの新たな旅が始まる。
北の荒地編 完
そうえば、今までタイトルに何の疑問も持ってなかったが
作中でこの言葉が出てきたの初めてだな。
しかし、謎の言葉か。
モデルは間違いなくギリシャ神話のアレだよな。
母の名前ガラティアといい。
もちろん、そのまんまではなかろうが。
アスナスって敵なのは間違いないな。メデューサ側陣地に属してるのも
間違いなさそうな感じだけどメデューサの部下だとは思えない。一匹狼の風来坊。
やっぱラスボスだろうか、オリエに勝てないけど。
これからパワーアップイベントがあってさらなる暗黒面におちるのか?
オリエがクルトのパーティーがから離れてしまった。
回復役がいなくなってさらに大変そうだ。
しかしオリエ具合が悪そうだが大丈夫だろうか。
謎は増えるばかりだな。
ちゃんと最終回までに伏線全部回収してくれるんだろか?
とりあえず、続きそうなので一安心(w
388 :
あらすじ1:2005/10/21(金) 23:59:34 ID:???
第四十六話
新たな町に到着したクルトたちは鍛冶屋を巡っていた、それは折れた大地の剣を直してくれる人を探すため、
しかし行く先々で断られる、どうやら難しい折れ方をしているようだ。
ついに最後の鍛冶屋に入る、ここの親方は大地の剣を火に入れた。
今までの鍛冶屋と反応が違うので一瞬喜ぶクルト、しかし親方は火から出した大地の剣をクルトに見せ、
これは「ひと」の作ったものではないね、と見破る、実は大地の剣は「火の神 ペレ」が鍛えたものだ。
親方から、これは人間の手で鍛えなおす事は出来ない、と言われ落ち込むクルト。
そして、クルトとレオンは街中を歩いていると小さな女の子(クルトよりももっと小さな、幼稚園児ぐらいの黒髪の女の子を想像してください)
がとことこと近づき、いきなりレオンの尻尾をつかんだ、どうやら生き物の尻尾が好きらしい、なかなか放そうとしない。
女の子の名は ジル
クルトとレオンは仕方ないのでジルを家まで送ってあげる、ジルの家は宿屋を営んでおり送ってくれたお礼に一晩とめてくれる事に。
クルトはここでメデューサの話を聞く、ルーンの国以外にも石にされてしまった国があるそうだ、
また、メデューサ避けのお守りに「鏡」を用いると良いらしい・・・という「うわさ」もあるそうだ。
クルトがそんな話を聞いている時だった、突如家の外で地鳴りがする、家の外を覗くと竜が暴れ家を壊していた、
ジルのお母さんの話では竜は王様のペットで、ある理由があり、暴れるのも仕方ないと言う。
理由を聞くクルト。
それはあの竜が王様の地位を示す宝石を飲み込んでしまい、それが体のどこかにひっかかり、その痛みのため時々暴れだすのだと言う、
しかも王様は竜を可愛がっており、竜を殺さなければ宝石は取れないと診断されると、竜のためにそのままにしてやる事にしたのだ。
ふうん、と思いながらその夜は床につくクルト。
389 :
あらすじ2:2005/10/22(土) 00:00:46 ID:???
そして翌日、久しぶりにベッドの中でさわやかな朝を迎えるクルト、心地よい目覚め、のはずが地鳴りと悲鳴で目が覚めた。
外に出るとジルが竜に襲われ、尻尾で弾き飛ばされる、落下するジルをクルトが何とかキャッチして助け、
そしてこの性悪ドラゴンを退治しようと、そばにあった槍をつかむが、町の人全員が「クルト」を止める。
何故、と聞き返すクルト、町の人たちは竜の飼い主である王様を恐れて遠慮しているのだと思った、
だが違った、みんな王が好きだから竜が暴れても我慢していたのだ。
その時、レオンが竜にパクッと食べられる、クルトが素早く竜の足を踏み付け竜の口を開ける、
レオンは口の奥に何かあるのを発見、そして間一髪竜の口の中から脱出した。
なおもレオンを狙って口を開ける竜に、クルトはお酒の入った壷を竜の口に投げ込み、中のお酒を無理やり飲ませた。
さらに二つ目の酒壷を飲み干した竜は、さすがに目を回し倒れてしまうのだった。
城の兵がやってきて王様の竜を傷つけた罪でクルトを捕らえ城に連行する、そして王様の前へ連れてこられた。
ジルのお母さんがクルトのことを弁護するが、王様は宝石の痛みでかわいそうな竜を傷付けた事は許せんと言うと、
クルトは、もういい!と言い、掛けられていた縄を引きちぎった。
390 :
あらすじ3:2005/10/22(土) 00:01:26 ID:???
クルトは王様に言う。
「町の人はあなたを敬っている、竜を可愛がっているのも知っている、だから竜が暴れても家が壊されても、ジルのように怪我を負わされても、
じっと我慢している・・・あなたを怖がっているわけじゃない、あなたを王として愛しているからだ。
あなたは竜の苦しみは感じても都の人の苦しみは分かろうとしないの?
みんな王の地位を示す宝石が無くてもあなたを王と認めている、そんな人たちの気持ちを何故分かってあげないの」
その時竜が目を覚まし再び暴れだした、この光景を見た王様は、竜のために領民に犠牲は出せんと竜を殺す命令を出す、
しかしクルトがそれに待ったを掛ける、そして竜の尻尾をつかむと城壁に投げ飛ばした。
バンと壁に叩きつけられた竜は、衝撃で口から王の宝石を吐き出した、ちょっと荒療治すれば取れたと説明するクルト。
こうして竜は元気になり、クルトのおかげですべては丸く治まった。
クルトに感謝した王様を含める町人全員でクルトを見送り、クルトたちは再びメデューサを目指し西へ旅立つ。
「いこ!レオン」 タッと駆け出すクルトであった。
ん〜素敵だクルトw
確実に「王の道」を歩んでいるよな。
この国ではメデューサは悪いヤツという認識だな。
ってことは、エルゾの領域から普通の国に戻ってきたのか。
竜とドラゴンは違う生き物なのか?
動物と話せたレオンも、この竜とは話せないっぽい。
基本的にハ虫類系の動物はレオンと話すほどの知能ないのかな。
レオンはヘビにも食われそうになってたし。
まあ中には、文明持ってるゲオルグの種族みたいなのもいるけど。
>>393 そういえばクルトも竜を最初ペット&乗り物にしてたな。
言葉を話せる、話せないで変わるのじゃ無いか?
やっぱり種単体で文明を持てるほど知能が有れば会話が可能だとか。
一口に「竜」と言っても、人間と猿の違いくらい幅広い種族がいるんじゃないの?
なんか、水戸黄門みたいな展開だな。
398 :
あらすじ1:2005/10/23(日) 00:45:10 ID:???
第四十七話
久しぶりに自分の居城にもどったアスナス。
留守にしている間、彫刻師に彫らせてあったクルトの母ガラティアの石像を見るが、気に入らん、と言い破壊する。
自分の部屋で横になるアスナスは目を閉じると・・・なにをやってるんだ、と頭を抱えた。
一方クルトとレオンは奇妙な人面岩の立ち並ぶ砂漠を横断中。
その途中、彼方から気を失った女の子を抱える黒装束の巨人が飛んできたが、レオンが無理やりクルトを引っ張り、
接触することなく通り過ぎた。
レオン「見なかった!」 クルト「でも・・」 レオン「何も無かった!」 クルト「でも・・・」
面倒に巻き込まれたくないレオンはクルトを引っ張って先にある湖を目指す。
先ほどクルトたちとすれ違った黒い巨人が、女の子を抱えたまま砂漠の地下へ下りていく、
そこには黒装束姿の死してなお己の欲望に執着してモンスターと化したアンデットたちがいた。
そしてその砂漠の地下では十三人もの処女が集められている。
彼女たちを拉致したアンデットたちが怪しげな儀式のため大きな水晶に向かって祈りだすと、そこにはクルトが映し出されていた、
どうやら彼らの神はクルトを生贄に要求したようだ。
場面、再びアスナス城。
ここへ大きな空飛ぶドラゴンとその背に立つスーツメイルで完全武装した騎士が来城。
騎士は礼儀正しくアスナスとの面会を求める。
「アスナス殿がお帰りと聞いた。 銀騎士 マリウス が訊ねてきたとお伝えください」
ちなみにマリウスは人間で、しかも長い金髪をした美男子。あと分からないのは何故かメデューサを慕っている様子・・・謎の新キャラ登場。
そのころクルトとレオンは砂漠を抜け、湖で遊んでいると、砂漠で見た黒い巨人におそわれ、クルトは捕まってしまう。
そして空を飛んで再び砂漠へ戻されるクルト、
その先にはアンデットが待ち構え、生贄じゃ、血の儀式の始まりじゃ、と喜こんでいた。
うわ、いかにも少女マンガの読者が好みそうな新キャラ。
どうでもいいが、よく中世の騎士がああいう全身鎧着てたと
勘違いしてる人がいるけど、ああいう鎧が登場するのって中世も
終わった15〜16世紀頃だよな。
アスナス、なにやってんだ……。
かっこいい敵から、しょーもないヤツに転落のヨカーン
やっべ、マリウス激萌
かっこいいキャラはマリウスに移行。
アスナスはすっとこキャラに決まった。
なんか、最終回まで生き残れなさそうなキャラキター
アスナスかクルトかばって死亡だな。
404 :
あらすじ1:2005/10/24(月) 00:00:53 ID:???
第四十八話
砂漠の地下に作られた神殿では、今まさに邪悪な儀式が執り行われようとしている。
最後の生贄、クルトもここへ連れてこられて、痺れ薬を飲まされてしまう、朦朧とする意識の中クルトはアンデット達に問うた。
クルト「何のために僕たちを生贄に」
アンデット「呼ぶためじゃよ、われらを永遠の地へ導いてくださるお方、メデューサ様を」
思わぬところでメデューサの名を聞いたクルトは驚くが、さらに詳しく聞くより先に、痺れ薬の効果で眠ってしまうクルト。
準備が万端整ったアンデットたちは、だんびらを抜くと儀式をはじめる。
黒い巨人に拉致されたクルトを追っていたレオンだがなかなか見つからない、そんな時偶然大人のドラゴンと遭遇する。
初めての同属対面に抱きついて喜ぶレオン・・・相手はちょっと迷惑そうだが。
実はこのドラゴン、先刻アスナス城でマリウスを騎乗させていたドラゴン、名を シルヴァーナ と言った。
背には当然銀騎士がおり、レオンが、友達が黒いやつらに砂漠へ連れて行かれた、と話すと、
すぐに、心当たりがあるのでついて来い、と砂漠へ向かって飛び出すのだった、マリウスは物凄く「親切な人」のようだ。
一方、儀式は進み、祈りの時間が終わる。
今度は額に一角を生やした子馬を切り、生きた肉からその心臓を取り出すと乙女たちに血を浴びせる、
目を覚ましたクルトにはグラスに並々と注がれた生き血を「飲め」と口に押し付けた。
その時、神殿中央に安置された水晶から影が立ち上り、魔神メデューサの影の様な姿が現れた、身の丈10mぐらいの黒い姿。
神の御来光にうやうやしく跪くアンデットたち、始めて見るメデューサ様に恐れと敬いを感じているようだ、だが、クルトだけは違う。
「ホンモノ」がどんなにすごいか、「ホンモノ」がどんなに圧倒的か、身を持って知っているクルトは、
こいつがメデューサの姿を借りた偽者であるとすぐに見抜いた。
クルトは水晶から現れた影に向かって言う。
「メデューサなら知っているだろう、ルーンの国の皇子、クルトだ!」
405 :
あらすじ2:2005/10/24(月) 00:01:26 ID:???
焦る偽者、一人の乙女をつかむと、もと来た水晶へ帰って行った、それを追い、同じく水晶の中へ入るクルト、
それを見ていたアンデットたちは、われもわれもと水晶に群れるがもう水晶には入れなかった。
悔しがるアンデット、しかし前向きに考えもう一度儀式をする事に、
ここのはまだ十二人も乙女がいる・・・こいつらを全部殺してでもメデューサ様を再び・・・
アンデットたちが乙女たちの胸にだんびらを突き立てようとした、まさにその時、天井を突き破ってシルヴァーナ登場。
銀騎士マリウスが悪行を重ねるアンデットたちを叱り、そして剣の成敗をはじめる。
次々にアンデットを土に返すマリウス、そして乙女たちを繋いでいた鎖を切り解放すると乙女たちを背にかばい言う。
「逃げるがいい、娘たち」
おのれマリウス!と今度は数で圧倒しようとするアンデットだが、「すぐ」やられる。
とにかく強くてカッコイイ銀騎士、あのクルトを拉致した黒い巨人も一刀両断でたおすのだった。
レオンは神殿内をくまなく探すがクルトがいない。
実は銀騎士、ここでようやくレオンの友達が崇拝するメデューサ様の敵、クルトだと気づく。
そこへシルヴァーナがマリウスに水晶が怪しいと教える、
見てみるとその中には一人の娘を拉致する黒いメデューサの影と、それを追うクルトの姿があるのだった。
クルトは果たして水晶の中で戦いに勝てるのか!? そして早くも邂逅してしまうのか?クルトとマリウス・・・次回につづく。
うわー、マリウス、さっそくおいしいところをもってくなあ。
さすが美形キャラ。
407 :
マロン名無しさん:2005/10/24(月) 09:23:08 ID:rH55eCvr
ベルセルクの作者がインスパイアされた作品とのことで探して買ったよ。
面白かったのはもちろんだけど、1970年代にRPGの要素を確立してるね。
今読めば何でもないことなんだけど、RPGの先入観がない当時は画期的なストーリーだったのだろう。
あとFF5のギルガメッシュってアスナスがモデルちゃう?
408 :
マロン名無しさん:2005/10/24(月) 11:45:40 ID:knXNyKFQ
メデューサの倒し方
其の壱 より目で戦う
其の弐 眉間、もしくは鼻の頭を見て戦う。
其の参 よそ見をしながら戦う
とりあえずここまで。
ちなみに、野球選手はピッチャーがボールを投げる瞬間、ピーッチャーを直視しない人もいる
らしい。全体をボーっと見た方が、体が上手く動くらしい。そうゆう感じで。
オリエに家庭教師やってもらいたかった。
>>408 なんとか湖の王子たちが鏡の盾持って、目をそらして闘ったけど石されたよ。
410 :
409:2005/10/24(月) 18:07:48 ID:knXNyKFQ
そうなんだ。ありがとう。
まあ、そうゆうかんじでさ
色々ためしてみたいコトあるんだよね。
例えばビデオカメラのファインダー越しに
戦ったらどうなるんだろうとか。
411 :
あらすじ1:2005/10/24(月) 23:59:52 ID:???
第四十九話
「クルトがクリスタルの中に!」
驚くレオン、銀騎士マリウスも水晶を覗くと確かにその中にはクルトがいた、
レオンは大声を出してクルトを呼んだり、爪で引っかいたり石で叩いたりするがクルトには伝わってない様子。
泣いて途方にくれるレオンだが、マリウスの方は逆に落ち着いている。
シルヴァーナが主マリウスに、どうしましょう?と聞くと、マリウスは言った。
「入ったものなら出て来るさ、しばらく様子を見てみよう、そしてあの子が本当にルーンの国の皇子、クルトなら・・・この場で命をもらおう」
水晶の中ではクルトとメデューサの偽者の追走劇が続いている。
ここは水の中か空中の様に飛ぶように移動できる世界らしい、クルトは偽者の前に出ると、掴んで来た娘さんを放せと言った。
偽者はクルトを見て言う。
「ガラティア様に、似ている」
意外な言葉に驚くクルト、そして偽者はまとっていた黒い影を剥がし、その正体をクルトに見せた。
白い両翼の羽、獣毛を生やした下半身、そのお尻には先に房のある尻尾があり、
そして上半身は獣のような模様はあるもののたしかに大人の女性の体をしていた。
化物は自分の姿を良く見るようにクルトに言う。
「神アガナードによって黄泉に堕とされ、天使(エンジェル)になってしまった私の醜い姿をごらん」
その天使がなぜ母ガラティアのことを知っているのか訊ねるクルト、それに答える天使。
「私の名は ミュラ かつては天界で一番美しいと言われた精霊」
ミュラは自分が何故、今のこの状況になってしまったのかを語った。
彼女はかつて精霊だったころ地上に降りて、そこで人間の若者に恋をしてしまった、それを善神アガナードが「天界の掟」を破ったとして、
ミュラを現在の姿に変えて黄泉に追放したのだ。
同じく人間と恋をしたガラティアは罪を受けず、自分「だけ」このような目に・・・だからアガナードとガラティアが憎い!
いや、ミュラにはもう一つ憎いものがあるらしい。
「こんな醜い姿に・・・天界一美しいと言われた私が・・・だからすべての美しい娘は目障りだ!こうしてさらって喰ってやる」
つまり、あのアンデットたちは美女集めのために利用していただけらしい。
412 :
あらすじ2:2005/10/25(火) 00:00:35 ID:???
そしてミュラは憎いアガナードの孫にあたるクルトに、お前から食べてやる、と襲い掛かった。
ミュラは爪でクルトを切り裂こうと攻撃するが、髪の毛に掴まり避けられる。
クルトはミュラに待ってと言うが聞いてもらえなかった。
さらに暴れるミュラ、クルトはついに振りほどかれ今度は羽に掴まる、するとミュラは急に苦しみだした・・・ここが弱点なのだろうか?
苦しむミュラの顔に、一瞬、精霊ミュラの顔が重なって見える、そしてクルトの頭の中に声が聞こえた。
「折って、この羽を折って」
クルトは誰の声なのかは分からなかったが、とにかく言われたとおりに怪力で羽を根元からちぎった、
痛みに悲鳴を上げる天使ミュラ、思わず生贄の娘を放してしまう。
そのミュラの顔半分が天使の獣じみた顔から、精霊の顔に変わっていた。
そしてまた、クルトの頭に、羽を折って、と懇願する声が・・・クルトはわかったよミュラ!と叫ぶとミュラに飛びつき、
残った羽をメリッ、バキッ!と折ってちぎった。
絶叫する天使、その体から煙が出て、その煙が消え去ると、そこには天使は消え代わりに身長10mほどの大きいが美しい精霊がいた。
(ミュラの姿はゆるく波打つ長い金髪と意志の強そうな瞳をした、大人のおねえさん、の姿を想像してください、服装は精霊オリエと同じひらひらのドレスです)
クルト「ミュラ、あなたがミュラだね」
ミュラ「そうだよ、ガラティアの息子・・・クルト、実は神アガナードが悪い訳じゃないの、掟を破ったガラティアも同じように一度は黄泉に堕ちたのだから」
クルト「母さまが黄泉に!?」
ミュラ「ただガラティアには、お前の父がいた。
私の愛した男は私の差し出した手を取ろうとはしなかった・・・だから天使はこうして何時までも彷徨い続けるのだ。
だが、うれしい、羽はなくなり命は失うけれども。
もとの姿に戻れた・・・ああ、精霊だったころのように」
413 :
あらすじ3:2005/10/25(火) 00:01:10 ID:???
綺麗だよ、とミュラに精霊姿の観想を言うクルト、微笑むミュラ、そしてクルトに帰り道を教えてくれた。
大きな精霊ミュラはクルトを手で包むとお別れのキスをした、そして暗い帰り道を最後の力で輝かせてくれるのだった。
クルトと娘さん、水晶から帰還成功。
いきなり水晶から出てきたクルトたちに驚き、喜ぶレオン。
クルトは周りにアンデットたちがいない理由を聞く、それにレオンが答えるより早く、アンデットを全滅させた本人、銀騎士マリウスがクルトの前に現れた。
マリウスはクルトに、ルーンの国の皇子クルトに間違いないな、と言うといきなり剣を抜き、私と立ち会え、と決闘を申し込んだ。
止めるレオン、クルトも今は戦う気分じゃないので逃げる事にする。
クルトは壁を殴り、砂漠の地下の神殿に亀裂をいれた、そしてすぐに崩壊が始まる。
娘さんを連れて逃げるクルトとレオン、マリウスはシルヴァーナに乗って空へ逃げた。
外はすっかり夜の砂漠。
マリウスから逃げたクルト一行、歩き疲れた娘さんがヘタッと座ってしまう、湖の先の都まで連れて行って欲しいとレオンに頼むと。
レオン「いいよ、通り道だから、ね、クルト」
しかしクルトは星に向かって考え中
「人間を愛した精霊は黄泉に落とされ天使になる、母さまも黄泉に落ちたという。
どうして母さまはミュラの様に変わらず父さまに助け出されたんだろう・・・」
クルト、満天の星空の向こう、はるか天界にいる精霊オリエの名を叫んだ・・・しかし、いつまでも精霊オリエからの返事は返ってこなかった。
精霊オリエのことが心配になるクルト、美しく輝く星々が空を覆う、そんな夜のクルトだった。
よくわからんが、クルトのオヤジはガラティアを本当に愛していて、
ミュラの相手はそうじゃなかったってことか?
でもそれでミュラが罰せられるってのも、なんか納得がいかんが。
黄泉に落とすのはともかく、羽根をつけて性格変えちゃうってのも
よくわからん刑罰だな。天界の規則違反したやつを、わざわざ
もっと悪いヤツにしてどーすんだ?
もしかしたらミュラのは
「自分は天界一綺麗なんだから、男の方が自分に惚れていないはずない」
みたいな思い込みで、自惚れを戒めるために姿変えられたのかもよ?
だが得てしてこういうタイプは反省しないでもっとひねくれる。
417 :
あらすじ1:2005/10/25(火) 23:58:54 ID:???
第五十話
湖の向こう側の国、メリウェザー城は、今、華やかに賑わっていた。
この国の姫、フローラ の17歳の誕生日。
その日を明日に控えて国を挙げて祝っているのだ。
17回にわたる誕生日でもひときわ賑やかなのには訳がある、なぜかこの国の姫は生まれてから一度も国民にその姿を見せた事は無く、
ただ、その美しさだけが語り伝えられていた、それが初めて明日の17歳の誕生日に国民の前に姿を現すのだ、ある催しとともに・・・
広場に立てられた御札の前で人々が賑やかに話し合っていた、
御札に書かれた内容は、フローラ姫の結婚相手を明日の「御前試合」で決めると言うもの、
その参加者を募る告知だった。
群衆の一人が、俺も出てみようかな、などど言うとみんなから笑いが起こっていた。
とにかくこのお祭り騒ぎに国をあげて盛り上がり、楽しんでいるようだが、そこを、くだらん、と吐き捨て歩いている男が一人、
青年姿のアスナスだった。
たまたま側にいた酔っ払いの男がアスナスに話しかける。
「ヒック!よっ旅の人、あんたも試合に出るつもりで来たのかい?」
興味なさげに酔っ払いを無視するアスナス、しかしなおも酔っ払いにからまれる。
「俺も出るんだよ、腕に自信はないけどな、ないけどさあ試合場にはいりこみゃ一度も見たことのない姫の顔を見れるわけさ・・・あんたもそのつもりなんだろ?」
その時酔っ払いの男にぶつかる男がいた、
酔っ払いは威勢良く怒るが、相手が2メートル近い大男、暴れ者の アルゴス だとわかると大人しくなる。
酔っ払いはアスナスに向かって助けてくれ、見捨てないでくれー、と頼んだ。
アスナスはこの騒動を無視して去ろうとしていたが、アルゴスの鞭がアスナスの首に巻きつき締め上げる。
418 :
あらすじ2:2005/10/25(火) 23:59:52 ID:???
アルゴス「待てよ、お前の友達を見捨てるつもりか?それとも俺様が怖いのか?」
アスナスは物凄くうざったそうに振り返ると首を絞めている鞭を掴み、そしてグイッと引っ張ってアルゴスを水飲み場の噴水にぶつけて倒してしまう。
アスナス「口ほどにも無い」
助けてもらった酔っ払いは手を叩いてアスナスに、あんたなら優勝するかもな、と言った。
アスナスはくだらんと言い捨てまた歩き出す、しかしその足が大聖堂前で止まる。
大聖堂の門にはフローラ姫が「17歳ぐらいに成長すればこのようなお顔になるだろう」と宝石工が特別に彫った彫像盤が飾られている、
それから目が離せなくなるアスナス、彼は思わずガラティアの像を思い出していた。
気が変わったアスナスは酔っ払いの男の家に泊めてもらうことにする、
目的はガラティアに似ているかもしれないフローラ姫の顔を確認する事。
アスナスはさっそく家をぬけ、メリウェザー城に忍び込む、
そこで妖力をつかい城を壊し姫の顔を拝んでやろうとするが、
何故か途中で妖力を使うのをやめてしまう。
独り言を言うアスナス。
「気が変わった、人間の姫の顔見たさに妖力を使うなど、私らしくも無い、くだらぬ事だ」
その日はそのまま大人しく部屋に帰るアスナス、
しかし姫の顔がよほど気になるのか、フローラ姫17歳の彫像盤を部屋に呼び寄せそれを眺めるアスナスだった。
そのころ、なんとクルトたちも、ここメリウェザー城に来ていた。
クルトたちがあの、砂漠のアンデットたちから助けてあげた娘さん、
名を ネリア がこの城のお姫様、つまりフローラ姫の召使をしていたのだ、
助けてくれたお礼のため城に案内し、フローラ姫に合わせてくれる。
姫はクルトに明日は私のお祝いだからくつろいでおいでなさい、と歓迎してくれた。
特別に姫と食事を共にするクルト、そこで姫が何故17歳まで人前に出ないのか訳を聞いてみる。
それは予言が始まりだった、姫はあまりにも美しく成長するため、
姫を奪い合う戦争が起こりこの国はそれに巻き込まれ滅びると、
それを防ぐのは、姫がその「婿」を決めるまで人々に姿を見せない事、だった。
419 :
あらすじ3:2005/10/26(水) 00:01:24 ID:???
翌日。
メリウェザー城では、華やかに御前試合が繰り広げられていた。
そこには各地より集まった選りすぐりの猛者が集結していたが、
その中でもダントツの強さで勝ち進む黒い甲冑の騎士がいた。
それを観覧席から見物していたクルトとレオン、
しかしクルトは浮かない顔で黒騎士の戦いを見つめていた、
レオンがどうしたの?と心配すると、クルトは言う。
「剣が使えるってすごいんだね、今まで考えた事も無かったけど、
剣が強くなるって殺し合いが上手になるためじゃなくて、相手の攻撃をかわして殺さなくても勝を得る事が出来るんだ・・・
あの黒騎士すごいよ・・・僕がもっと剣をうまく扱えたら、大地の剣も折れずに済んだかもしれない」
黒騎士が一息つくため兜の面をあげると、そこにはアスナスの顔が・・・目が点になるクルトとレオン。
そしていよいよ御前試合も決勝戦。
勝った方がフローラ姫の婿となる、
一方はもちろん黒騎士アスナス、対戦はこちらも圧倒的な強さで勝ち上がってきたアルゴス。
アルゴスは昨夜の事をかなり根に持っている様子、
ぎらぎらした目つきでアスナスを睨み付けるが、アスナスの方は、なんだ昨日の男かとさらり。
そして試合開始。
420 :
あらすじ4:2005/10/26(水) 00:02:02 ID:???
摺り足よせ、間 に入ると面を打つ、が切り返されさらに足搦をかけられ体制を崩したところへさらに体当たりで突き飛ばすアスナス。
一瞬の休みもなくアルゴスは打ち掛かるが、アスナスの技の方が冴えを見せる、相手の動きを読み体力を無駄なく使い思うがままに進退駆引を行う。
隙無く構えるアスナスに、無闇に打ち込んでくるアルゴス、不撓不屈の精神は次第に削がれ手は重く足は萎え、自らの精神を叱咤することのみで動いている。
「アスナスがんばって」
クルトが余計な事に、試合中のアスナスへ声を掛けた、試合中だというのにそれに気をとられるアスナスもアスナスだが。
隙が無い相手に隙が出来た、一瞬だが、これを逃す手は無い、アルゴス起死回生の一撃はわずかに急所をそれ、アスナスの黒い兜をはじくのみ、
二メートル近い偉躯が試合で溜まった鈍りを忘れ矢のように奔る、面頂戴。
しかし勝負というやつ、簡単ではない、
勝者はアルゴスの最後の一撃を交わしアルゴスの手甲を砕いた「アスナス」。
戦士は、身ごなし巧者であることが第一の条件だが、如何に身の軽捷な者でも試合に臨んで全勝を得るのは難しい。
先手をとって勝つのでもない、後の手を取って勝つのでもない、柔剛いずれによって勝つのでもない。
戦いには四つの病あり、驚き、恐れ、疑い、惑い、である、この病が一つでもある時は十全の勝機はつかめない。
この病を除き、思慮を絶した境地にいたり、無分別となってはじめて全勝をえるのである。
クルト「勝っちゃたよ、アスナス・・・どーすんだろ?」 レオン「結婚するんじゃない?」
アスナスほんと何やってんだorz
まさか最終回でいきなりクルトの親父になったりは……
ア○○ス、情けなさすぎだよ、ア○○ス
王様も安直だなあ。もしアルゴスみたいのが勝っていても
大事な王女の婿にする気だったのかよ?
フローラ姫全然ガラディアに似てないじゃん。
顔見たらアスナスどんな反応するんだろ。
とりあえず、このエピソードはクルトが剣術に興味を持つ
きっかけになったようだな。
きっとこれからいい師匠に巡り会って、剣の奥義を
学ぶんじゃないか。
426 :
あらすじ1:2005/10/26(水) 23:58:49 ID:???
第五十一話
勝者アスナス。
勝ち名乗りを受けて、フローラ姫直々に王冠を授与、受け取りに行くアスナス。
その背後から勝負に負けたアルゴスが往生際の悪い事に、星型鉄球のフレイムを振り上げアスナスの頭を砕こうとした、
だが、鉄球が頭に当たるより早くアスナスの妖力が起こしたつむじ風により、アルゴスは彼方へ飛ばされてしまう。
邪魔するものも消え、改めて戴冠式を開始、フローラ姫がみなの前に姿を現せた。
アスナス(・・・ちがう)
アスナスはフローラ姫の顔を見ると王冠を受け取る事を拒否、そしてさらばと言い残すと城壁を飛び越え去っていった。
皆、この事態に唖然、そして勝者が消えた事で場は混乱を極める、中には剣を抜き戦いを再開する者までいた、
それほど皆を狂わすほどの美貌をもった姫ということか、そして奇しくも予言は当たったことになる。
アスナスは旅人の姿に戻り、大聖堂の前を通る、そこには例のフローラ姫17歳の彫像盤がある。
これに気をとられたばかりに無駄な事をしたアスナス、あとは知らぬとばかり去りかけるが、
「・・・しかし寝覚めが悪いな」
そう言うとアスナスは妖力を人を含めメリウェザー城すべてに掛けた。
湖の向こうの国メリウェザー城は今華やかににぎわっていた。
この国の姫フローラの17歳の誕生日。
その日を「明日」に控えて国を挙げて祝っているのだ。
国中が姫の誕生日の「前夜祭」を大いに盛り上げている、その夜空にはこれから起こる素敵な誕生祭を祝うため盛大な花火が打ち上げられていた。
花火に照らされるメリウェザー城を後にするアスナスは何故か笑ったような顔で城に一瞥を向けこの国を去るのだった。
427 :
あらすじ2:2005/10/26(水) 23:59:38 ID:???
場面変わり、マリウス登場。
ドラゴン「シルヴァーナ」に乗り、クルト捜索を続ける銀騎士マリウス。
クルトのいるメリウェザー城の近くを飛ぶが、マリウスは騒がしいのは嫌いなので素通りする、
シルヴァーナの背でクルトが見つからないのを悔しがるマリウスだが、これでは見つかるはずも無い、探索能力は低いのかもしれない。
そしてこの日は、静かな森の中で野宿する事に。人がいないと落ち着くマリウス、シルヴァーナにも変身してくつろぐように言う。
ポムッと音を出して変身したシルヴァーナの姿は、家ほどの身長がある髪の長い女の子、
服は精霊のドレスに似ているがこちらの方が圧倒的にスカートの丈が短い、足がほとんど見えていた。
森で獲物を捕らえて来てもらい腹を満たすマリウス。
武者修行中は食事をするにも自給自足が原則だ、ある意味「餓えない」ことが修行を続ける条件だとも言える、
道場でどんなに強くても自分で獲物を取れないものは餓えに負けてしまい、武者修行を断念する場合もあるのだ。
コンビニなどない世界では旅をしているというだけで、人間離れした強者と思ってよいのだろう・・・マリウスもその一人だ。
話すのに首が疲れるのでシルヴァーナに人間サイズになってもらうマリウス。
そのマリウスに、そっと近づく下等妖魔がいたが、マリウスの持ち物を盗もうと手を伸ばした瞬間、棒手裏剣が飛び妖魔の胸にトンと刺さる。
シルヴァーナ「何者でしょう?」
マリウス「狙いはこれだ」
取り出したのはメデューサの黒い血が入った瓶、シルヴァーナは首をかしげ、どうしてメデューサ様より黒い血を賜ったのか訊ねると、
マリウスは一拍考え、自らの昔語りをはじめた。
428 :
あらすじ3:2005/10/27(木) 00:00:17 ID:???
「私にはたった一人の妹がいた、すでに両親は無く妹と二人で小さな貧しい村に生活していた。
お互いがいたから生きていけたようねもの、もし一人だったら・・・どちらも黄泉への道を選んだだろう。
そんなある日、妹が熱病で倒れた。
村人は言う、この子はもう助からない、この病にかかって助かったものはいないと。
もちろん妹は死んだりしないと反論した、だが村人の言う事が正しいとわかっていた。
『好きなものを食べさせてやりな、黄泉への道にひもじさを連れて行かんように』
と村人に言われた時、覚悟を決めた。
妹に何が食べたいか聞くと、神の山にあるという果実を食べたい、と言った。
高くそびえる神の山、その山には恐ろしい怪物が潜み守っているという、私は剣を携えてそこに踏み込んだ。
神の山は険しかったが求める果実の木が生い茂る場所はすぐに見つかった、この世のものとは思われぬ甘い香りが漂っていてからだ。
だが私が果実をもぎ取ったとたん、恐ろしいうなり声とともに魔物たちが襲い掛かってきた。
私は果実を手に一心に戦った、妹にそれを食べさせるために走った、しかし戦い走りつづけるうち果実を一つまた一つと落としてしまい、
手に残った果実は残り一つとなってしまった。
死んでもこれは渡すわけには行かなかった。」
ここまで語り、自らの手を見つめるマリウス、火をはさみ、向かいにおとなしく座るシルヴァーナは次の言葉を静かに待つ。
「そのたった一つの果実をもって村に走る私の前に、今まで倒した魔物とは比べ物にならない怪物が・・・立ちはだかった」
いや、王女の美貌のせいというより、それは副次的なもので
王女の婿(つまり将来の国王)の地位というのが争いの
原因だと思うぞ。
マリウス、栄養バランス悪いな。
そんな食生活してると、痛風になるぞ。
これは、マリウスが黒い血を飲んで、化け物化してしまう伏線なのか?
マリウスは正当派の騎士道いってる感じだから
黒い血を飲むかどうか葛藤する時がいずれ来そうだ。
神の山なのに怪物が跋扈する地域。
やはり、エルゾ=メデューサの神域なんだろうなあ。
434 :
あらすじ1:2005/10/28(金) 00:00:07 ID:???
第五十二話
妹の望む「神の山の果実」を採りに山へ出かけたマリウスは村へ帰る途中魔物に襲われていた。
襲い掛かる魔物の群れを剣で撃退しながら走っていたが、もうすぐ山から出られる、という所で今迄で一番大きな魔物に襲われた。
マリウスは何とかこの魔物を剣で倒すが、ほっとした瞬間、手に持った最後の果実の中からグジュッと小さな魔物が出てきて、
果実から生まれた魔物はキャハハと笑いながら空へ飛んでいく。
「愚か者!」
何者かの声と同時にその魔物が突如空で爆発し砕けてしまった。
魔物に食い荒らされた最後の果実を抱き泣くマリウス、そこへ泣くのはおやめと声を掛けるものが現れた。
振り返るとそこには蛇の髪をはやした山のように大きな神の姿がマリウスを見下ろしている。
「私の名はメデューサ、お前がもぎ取った果実は私の咽を潤すためのもの」
マリウスは驚き、そして果実をもいだ事を神にわびる。
そして妹のことを語ると、この神はマリウスの手にいっぱいの果実を与えてくれたので、
神にお礼を言うと、それをもって妹の待つ家へ急ぐマリウス。
しかし、家に着くとそこには暗い顔をする村人と、そしてすでに冷たくなった妹エルザが目を閉じていた、
妹を抱き泣くマリウス、兄弟二人きりにしてあげようと家を出た村人はそこで天を突くほど大きなメデューサに出会う。
恐れて逃げようとする村人を石に変え砕いてしまうメデューサ。
場面、家の中のエルザのベットの前。
「マリウス」
マリウス「その声は、神の山の・・・」
メデューサ「泣いているのかマリウス、何故泣いている?」
マ「エルザは死にました、せっかくいただいた実も食べられず・・・妹は・・・」
メ「そうか、間に合わなかったのか・・・マリウス、私が妹の命、よみがえらせてやろう」
マ「ほんとに!?」
メ「出来る、見ているがいい」
ポウッとマリウスの前にメデューサの黒い血が入った瓶が現れる。
メ「その中身を妹の口に注ぐが良い」
言われたとおりにするマリウス・・・そして妹の目がパチッと開いた。
エルザ「お兄ちゃん」
エルザを抱きしめ喜びあう二人、そしてマリウスは妹の手を取り家の外に出る、そこにはメデューサの姿が。
435 :
あらすじ2:2005/10/28(金) 00:00:43 ID:???
場面、家の外。
マ「ありがとう妹を生き返らせてくれて」
エ「有り難うございます、メデューサ様」
メ「・・・・・マリウス、神の山での戦いぶり見事であった、今まで見たどんな人間よりもお前は心優しく強い。お前は私が怖いか?」
マ「いいえ!」
メ「マリウス、私はお前が気に入った・・・・私の息子にならないか?」
マ「僕があなたの息子に?エルザどう思う、僕たちにお母さんが・・」
メ「エルザはすでに私の子供だ」
エ「はい、メデューサ様」
マ(・・・エルザ?)
マリウスの前に黒い血が現れる。
メ「私の子になるならばその血を飲み干すがいい」
マ「これを飲むとどうなるのですか?」
メ「人間でお前に敵うものはいなくなる、いや妖魔ですらお前の前にひれ伏すだろう」
マリウスは黒い血をメデューサにさし返す。
マ「これはお返しします」
メ「何故、私の子になるのがいやなのか」
マ「私はもうあなたの子です。
でも僕は自分の力で強くなりたい、旅にでて腕を磨いてどんな人間にもどんな妖魔にも負けない強い男になりたい」
メ「わかった、マリウス私の息子よ、お前の好きにするがよい。
いつか力が欲しい時がくるまでその血はもっているがよい」
マ「大切にします」
メ「私はお前を誇りに思う、わが息子マリウス」
エ「メデューサ様、私をお側においてください。お兄ちゃんが旅に出ている間あたしはメデューサ様のお側で待ってる」
ふわりと浮かびメデューサの元へ飛んでいくエルザ。
エ「強くなってね、お兄ちゃん」
こうしてマリウスは人間の身のままメデューサの息子となり、そして妹エルザはメデューサとともに去っていった・・・もう十年近く前の話。
一方、クルトの話に戻す。
クルトとレオンはメリウェザー城を後にし、ふたたび旅を再開していた。
大量飲酒をしてダウンしたクルトを乗せ、ギルガドールが「西」へ飛んでいく。
いくらファンタジー世界とはいえ、さすがに8歳で
飲酒はいかんだろ、クルト。
小さい魔物は、泥棒に果実を渡さないようにしただけで、いわば
職務に忠実なだけだったのに……カワイソス
この過去のエピソードはマリウスが語ってるわけだから、
村人がメデューサによって石にされたこともマリウスは
知ってるってことだよな? いいのか、マリウス?
>>437 守らずに食べちゃったから
お仕置きされちゃったんだよ。
>>438 まぁたった二人で生きてきて、妹を失って絶望した時の記憶だから。
しっかりしているようで幼いが故にメデューサの洗脳にあったようなもんで。
しかし、マリウスのいた村はそうするとアガナードの領域だったのかな?
ところでシルヴァーナはエルゾ側と理解してマリウスに使えてるのだろうか。
エルゾの領域で産まれたドラゴンなのかな?
442 :
あらすじ1:2005/10/29(土) 00:00:04 ID:???
第五十三話
西へと旅を続けるクルトとレオン。
歩きながら今までの事などを話していると、話題がクルトがどれくらい旅しているのかになった、クルトは指折り数え、
もう2年も旅を続けている事に気づく・・・本人も気づかないうちに10歳になっていたようだ。
・・・ちなみに身長はこの2年でほとんど変わっていない、本人もそれは気にしている様子。
岩が歩いていた。
いきなりこんな書き出しでは訳が分からないでしょうが、とにかくそう書くしかない・・・むりやりでも大きな岩が歩いている姿を想像してください。
クルトとレオンはギルガドールに乗り、空からこの岩を観察。
亀かも、いやヤドカリかも、と予想するがどうみても「岩」、しかもかなりの距離移動したらしい、岩の歩いた「跡」がはるか彼方まで続いていた。
妖魔の気配もない、だけどただの岩が動くわけがない・・・しかし目の前で実際「岩」は動いていた。
岩の上に降り立つ二人は岩に呼びかけた。
クルト「おーい岩!どこへいくの?」 レオン「どうやって動いてるのー」
・・・いつまでたっても岩から返事なし、ただ夕日だけが沈んでいった。
岩の上で夜を迎える二人、この間も動き続ける岩。
クルトは岩の周りに気配を感じていた、警戒する二人、そこへ暗闇から何の警告もなしに矢の攻撃を受ける、
下を見るとそこには二足歩行の騎竜に乗った武装集団がおり、クルトたちを岩を盗み国に損害を与えた犯人だと言ってきた、
もちろん身に覚えのないクルトたちだが、問答無用で戦闘が開始される。
岩にかぎ爪をかけ岩に昇ってくる武装集団、クルトたちを見ると。
「なんだ子供じゃないか、どうやって岩を動かした?妖力か?
・・・いや、そんなことはいい、お前たちのせいでわが軍は甚大な被害を受けたのだからな・・・死ね!」
剣を抜き斬りかかる男に対し、クルトキックを放つ、岩から蹴り落とされた男は地面に激突しグシャッと目玉を飛び出させて絶命。
さらにクルトパンチで他の男の首をバキッと折ったり、騎竜を騎手ごと持ち上げ岩の下へ投げつける。
射殺せ、と撃ちこんだ矢にはレオンの炎で応戦、矢は途中で燃え尽き射撃手も燃え死んだ。
こうして岩が通った跡には数多くの死体が転がることとなった。
443 :
あらすじ2:2005/10/29(土) 00:00:45 ID:???
武装集団の襲撃を退け、岩の上で休むクルトたち、その時、先ほどはありがとう、と岩がしゃべりだした。
驚く二人、岩は自分はただの岩で、何でもない普通の小さな村にいたと言う。
しかしある時、遠い国の石工がやってきて、この岩を国まで運び砦の礎にすればビクともしない頑丈な砦が出来ると、
沢山の人夫を使い、はるか遠い国まで運んだ、そこは岩のいた穏やかで平和な村とは正反対な世界、
悪意と喧騒、そして血塗られた武器、城を埋め尽くす軍勢・・・
岩の歩みが少し遅くなった。
岩はクルトたちに語る。
「わしは帰りたかった、村を見下ろす丘の上に、穏やかな風景の中に・・・」
岩の歩みがさらに遅くなる。
「わしはもどりたいのだ
・・・もどりたいのだ・・・
もどりたい・・・」
岩の歩みが、止まりそうになる。
「あの風景の中に・・・もどりたい
・・・もどり・・・たかっ・・た・・・」
岩の歩みは完全に止まり、クルトたちの呼びかけにも答えなくなった。
クルトは故郷に帰りつく前に命が尽きた岩の無念を察する。
そして再び武装集団が、いや、武装「軍団」が地平線を埋め尽くすほどの大軍で岩を取り戻しにこちらへ向かっていた。
もちろん岩がやつらに渡れば、岩はふたたび引き戻され、戦場の砦に使われてしまうだろう。
・・・だから、クルトは岩を砕いた、粉々に・・・
・・・・・・
クルトたちは、おだやかな風景が広がる、なんでもない、ごく普通の小さな村に到着していた。
柔らかな風が花びらを舞い上げる。
その村では若者が結婚式を挙げており、皆に祝福されていた。
クルトは抱きかかえていた「石」を村を見下ろす丘の上に、そっと置いた・・・
風が、花びらを舞い上げていた・・・
石にも意志があるのか。
岩に乗ってただけでいわれのない仕打ちでカワイソス。
岩が兵士に対して何も言わんからこじれるんだ。
クルトは石の遺志を継いだんだね。
なんか、なんというか、面白かった
付喪神だな。
きっと村の人にとっても馴染み深い岩だったろうに。
しかし旅立ってから2年も経ってたのか。
マンガの主人公は連載長くなると、視覚的に丸くなったり縮む事がよくあるが
クルトの外見的成長遅過ぎ。
でもクルトでショタに目覚めつつあるから、このままでも…ww
最初にこの岩運んだ時は何人がかりだったんだろう?
ものすごい労力だと思うんだが。
>>447 やっぱり奴隷が使われて運ばれたのかな…('A`)
>>448 最近では、農閑期の失業対策って説が有力だったりして。
450 :
あらすじ1:2005/10/29(土) 23:59:12 ID:???
第五十四話
メデューサのもと、遥か遠くへ旅を続けるクルトとレオン。
西へ西へと、ある時は山を越え川を渡り、難所を乗り越えさらに西へ。
そして二人は「火の国」と呼ばれる国へ足を踏み入れた。
そこはまさに火山地帯、地面はすべて固まった溶岩で出来ており、植物は一本も生えていない、
そして川では水ではなくドロドロに溶けた溶岩が沸々と煮立ちながら流れていた。
ひええっと怯え、早足で通り過ぎようとする二人、バックでは火山が火を噴き上げていた。
いきなり、レオンの頭に縄のついた石が命中、気を失ったレオンを連れ去られそうになるが、
クルトが岩を投げ、誘拐犯の逃走路を塞いで捕まえる、犯人はまだクルトと同年代ほどの子供だった。
しかしここで一つ誤解が、子供はレオンを誘拐したのではなく、食べるために「狩った」のだ、
レオンを取り戻したクルトに対し、一切れでいいから分けてくれよ、と頼む子供。
・・・子供の名は ユタ ちなみにレオンが人語をしゃべる事に始めて驚いたキャラ。
ユタはクルトを村に案内した、そこは岩をくりぬいた家が建ち石畳が整備された人口何百人ぐらいの村、
ここでユタの母親とも知り合う、ユタの母はクルトを客人として泊めてくれる親切な人、そしてユタとにぎやかに喧嘩する元気な人のようだ。
クルトはユタの母を見ているとルーンの国で自分だけ母がいなくてさびしかった事を思い出していた。
そしてユタの家へ案内される、中は「石綿」が敷き詰められ意外と涼しい、
それから晩御飯をご馳走される・・・が、メニューは「虫の煮物」・・・固まるクルトとレオン(食べたかどうかは不明)
その夜クルトは排煙で曇った夜空に向かい母を思い出していた、それをユタの母に見つかり、子供は夜ふかしするんじゃないと、
強引にベットに寝かされる、そのかわりクルトが眠れるように添い寝をしてくれるのだった。
451 :
あらすじ2:2005/10/30(日) 00:00:04 ID:???
翌日の朝、クルトは火山から出る排煙で曇った太陽を見た。
この村の長老に、あの山はいつも火を吹いてるの?と聞くと、そうだと答えてくれる、そして、
火を噴いてもらわねば困る、火が止まれば火の川が流れ出し村が滅びる、かつてそれが起こり村は一度滅びた、と教えてくれた。
クルトは率直に聞いた。
「他の土地に行こうと思わなかったの?もっと暮らしやすい土地に」
その質問に対し、どうしてかな・・・と長老は答えた。
クルトはユタを含む子供たちに呼ばれ火の山へ鳥狩りへ出かけた。
山の麓で鳥を獲っていると、クルトは山に半分埋められた人面が掘られた奇妙な石版を発見した、
ユタにこれは何かと聞いてみると火の山を封印しているものと教えてくれた、昔、火の川が流れた時、空から降って来たらしい。
へー封印ね・・・と感心するクルト。
クルトは強烈な危険を感じ「はっ」と背後を振り返る、
そこには砂漠の地下神殿で出会った銀騎士が立っていた。
クルトは大地の剣を抜こうと剣に手を掛けるが、大地の剣は北の荒地で行われたメデューサ戦で折れてしまった事を思い出す。
先にレオン対シルヴァーナの戦いが始まった、二人は炎のブレスを吹きかけあう、すると周りは見る間に灼熱の炎に包まれだし、
そして炎はあたりのものを・・・封印の石版もすべて焼きはじめる。
マリウスは丸腰のクルトに斬りかかるが、クルトに避けられる。
クルトは岩を投げつけるが、マリウスは真っ二つにしてこれを退けた。
ユタがクルトに槍を貸し、自らもクルトの助太刀に入った、戦いは激化する、しかしここで異変が。
二人のドラゴンの炎を浴びた石版にひびが入っていた、そしてそれと関連するかのように火の山の火口から化物が姿を現そうとしていたのだ。
クルトはマリウスと、そして火の山から現れた化物と「大地の剣、ナシ」の状態でどう戦うのか!?・・・次回を御期待ください。
はい、今回の事件の発端はマリナスにあります。
虫の佃煮…食べただろうなクルトは義理堅いから
レオンは分からんけどw
石綿をしきつめた住居か。
なぜだか知らないが、俺は住みたくない。なんでだろ?
石綿→石綿つき金網→化学で成績が悪かったことを
連想するからかな。
石綿か…どっちにしろ住民は…
村を支える食糧となるほど虫がとれるなら、その虫のエサとなる
植物も豊富でなきゃおかしいと思う。
石綿って燃えないだけで断熱効果はないぞ?
>454のトラウマになってる石綿つき金網なんかみれば、
一目瞭然だ。
石綿って…アスベスt……
この頃はまだ危険意識が低かったんだなorz
確かにこの村の人の平均寿命は短そうだww
正々堂々、真正面からぶつかってきてるのにその結果、テラ迷惑なマリウス。
ふつうなら格好良い役所なのに、お間抜けちゃんな印象だ。
きっと、この世界の石綿と現実の石綿は違うんだよ。
クルトたちの世界じゃ単に燃えにくい綿状の素材なんじゃ?
マリウスほんとに迷惑な奴だな。
悪い人間ではなさそうなんだが。
460 :
あらすじ1:2005/10/31(月) 00:00:07 ID:???
第五十五話
火の山から現れたのは、炎の体を持つ東洋の龍に似た体型をした化物、
大きさは象ぐらい丸飲み出来そうなほど巨大な姿を想像してほしい。
そして化物は火の山の周りにある、封印の石版を次々に目から出す光線で破壊した。
ここは危険と子供たちは村へ逃げ出す、クルトとマリウスも休戦を余儀なくされた。
化物は自ら封印をとくと、今度は村を狙って飛び立つ、
それを見て、母ちゃんが危ないとユタは足を速めたが、しかし途中岩につまずき、
足をくじいてしまう。
ユタは一緒にいたクルトに、
「俺の代わりに母ちゃんを頼む」
と頼み、クルトを先に行かせた。
村では鳥獲りに出かけていた子供たちが合流、急いで避難を始めるが、
その中にユタがいないのをユタの母親が心配した。
そして母はユタをむかえに火の山の方へ走り出す。
クルトは全力で村へと走る、ユタのお母さんを守るため、ユタとの約束を守るため、
その途中、クルトは何故かユタの母と会う。
何故こんなところに、早く逃げなくては、ここは危ない。
説得するクルトだが、ユタのお母さんはユタが心配だから、ユタの元へ行こうとした、
その時、黒煙を割ってあの化物が向かって来た。
何も出来ないクルト・・・大地の剣は使えない。
化物は炎の光線をクルトたちに発射、ユタの母はクルトを突き飛ばし、
自分が光線を浴びてしまう、体に火がつくユタの母、悲鳴を上げ大地に転がる。
そして黒焦げになって見えなくなった眼でクルトを見ると、ユタかい?と言った、
何も返せないクルト、ただ手だけを出すしかない。
461 :
あらすじ2:2005/10/31(月) 00:00:48 ID:???
「ユタ・・・お前が無事で・・よかっ・・た・・」
クルトの手を握り、最後まで子供のことを考えながら、ユタの母は、死んでしまった。
この光景をユタは遠くから見ていた、
そして母に近づくとクルトに恨みを言う、おまえが母ちゃんを殺したのだと。
同じくこの光景を見ていたマリウスも、
クルトは助かるために、ユタの母を突き飛ばし、自分だけ逃げたように見えた、と言った。
クルトをかばうレオンだが、クルトはこれ以上自分を正当化しようとはせず、
歩いてユタとマリウスの前から消えていった。
化物はその後、光線で村を焼いた・・・跡も残らぬほど完全に。
ユタは母の仇を討つことを誓った。
クルトは自分の力の無さに悔いを感じながら歩いていた、
力があれば、ユタの母は死なずにすんだかもしれない、大地の剣が使えれば助けられたかもしれない。
クルトは天に向かって精霊オリエの名を叫んだ。
すると、光が二つ、クルトとレオンのもとへ、しかしそれは精霊オリエではなくオリエの姉たちだった、
クルトは、精霊オリエは?と聞くが、姉たちは何とか言って詳しくは教えてくれなかった。
クルトは姉たちに頼んだ、大地の女神ユリアナの所へ連れて行って欲しいと・・・
火の山の化物によるユタの母の死という悲劇・・・クルトはこれを乗り越えられるのか!・・・次回を御期待ください。
あれれ、なんかマリウスが、どんどんいやなキャラになってるよ。
本人は悪気がないのが、またなんとも……
しかし何でまたこんなトコに住むんだろ('A`)
先祖代々とはいえ最初に住み始めた理由がワカラン
マリウスいい加減なことを言うな氏ね
>>463 周囲の国々で、征服されたり迫害されたりした民族とかが
逃亡してきたんじゃないかな。
あと、なにか輸出できるような資源があるのかも。
466 :
あらすじ1:2005/10/31(月) 23:59:03 ID:???
第五十六話
地の底にある大地の女神ユリアナの居城に連れて来てもらったクルトだが、
そこは今まで無いほど、風が荒れ吹いていた、どうやらユリアナは物凄く機嫌が悪いらしい。
あまりの風の荒れ方にこれ以上進めなくなる精霊の姉たち、
仕方ないのでクルトとレオンだけで岩を伝いながら進んだ。
そしてユリアナの前にたどり着いたクルト、しかし言えなかった、大地の剣を折ってしまったとは、
ユリアナの顔を直視できずうつむくクルト。
ユリアナはそんなうじうじした態度をとるクルトを厳しく叱り付けた、話がある時は私の目を見て話せ!
クルトは顔をあげ、大地の剣の一件を話した。
「旅を続けるうちに、僕が大地の剣を使えたら助けられたかもしれない人間がたくさんいた・・・
たった今、火の国でも。
こだわっている場合じゃなかった、僕の旅は戦わなきゃ前へ進めない旅なんだ。
大地の剣はただの剣じゃなくて、僕の手なんだ・・・どうしても一緒に前へ進まなきゃならない、僕の体なんだ。
ユリアナ、大地の剣を僕に、もう一度使えるようにして!」
クルトの話を聞き終えたユリアナ、しかしユリアナは厳しい顔を崩さない、
ユリアナは大地の剣を北の荒地で折ったと聞くと、たわけ者!!とクルトを激しく一喝、
精霊オリエの命が危ない今、よくも私の前に出てこられたな、とクルトに言うが、クルトは「?」とした表情をする、
姉たちはあわてて、その事はまだ内緒なんです、とユリアナに告げる。
クルトは精霊オリエの事をユリアナから聞こうとするが、ユリアナの吹く風により「火の神ペレ」のもとへ飛ばされた。
467 :
あらすじ2:2005/11/01(火) 00:00:02 ID:???
一方、火の国では、復活した化物が村を焼き、火の湖とでも呼ぶべき光景を作り上げていた。
ユタは母の仇を討とうと飛び出しかけるがマリウスに止められる、ユタは叫ぶ。
「それじゃあんたなら勝てるのか!」
ユタの目を見つめマリウスが言う。
「わからない・・・だが、勝てるかもしれん。 お前が手伝ってくれればな」
シルヴァーナにも手伝うように言うマリウスは、対、火の山の悪魔、を決意した。
マリウス(見捨てては・・・おけないのでな・・・)
ユリアナの風により、火の神ペレのもとへやって来たクルトとレオンと精霊たち二人の計四人、
クルトはゴチッと頭をぶつけ着地、レオンは空中で一回転してトッと綺麗に着地、精霊の一人はでんとお尻で着地した。
「わしが火の神 ペレだ」
牛の顔、堂々とした体格をした男性の肉体、全身は黒く、腰布一枚の姿、
そしてメデューサやアガナードと同じく神々レベルの「大きさ」をしている火の神登場。
いきなりだが、クイズが始まってしまう。 ちなみに答えられないと火の中に入れられ死刑にされる。
第一問 「この世で最も強い男はだれだ?」
相談タイム。
「だ、だれだろ?」「強い神はたくさんいるけど比べた事は・・」「人間界は?」「エルゾの妖魔とか」「そんなめちゃくちゃな」
468 :
あらすじ3:2005/11/01(火) 00:00:49 ID:???
さあ時間だぞ、答えろ!と言うペレにクルトが代表して答える。
クルトの解答「火の神 ペレ!」 ぴしっとペレを指差し答えるクルト。
みえみえのゴマすりに青ざめる姉たち、ペレはしばらく「・・・」としていたが、次の瞬間、
「おおあたりっ!」と巨大な銅鑼を鳴らした。
その後、第二問「この世で一番頼もしい男は?」第三問「この世で一番美しい男は?」を次々に連続正解を出すクルト、
ついに大地の剣を直してもらえる事となった。
ペレは最後に「この世で一番美しい女性は?」と問題を出すとクルトは「母さま!」と即答する。
子供らしい素直な答えにガハハハハハ!と豪快に笑うペレであった。
火の神の居城からの帰りがけ、クルトは精霊の姉たちに、自分を天界に連れて行った欲しいとたのんだ。
一旦は渋る姉たちだが、ユリアナが「クルトは行く必要がある」と言い、
クルトは精霊オリエに会うため天界へ行く事となった。
精霊オリエの命が危ない・・・この事態に天界へいそぐクルト・・・はたして精霊オリエは助かるのか?・・・つづく
「火之神に頼んでやらんでもない。
しかし!それは、オリエの命が危うい今
素知らぬ顔でおめおめと私の前に顔を出した
お前の心の卑しさに免じてだ!」
クルトが卑しいから協力する?
どうゆうこと?
昔、ペレってサッカー選手いなかったっけ?
あージャミラの人だね
>469
ペレの所にいってもそんな心根じゃ剣はなおしてもらえないだろう、
そこに気がつけ! 炉にくべられて反省しる! ってところかも。
怒ってても、自分で気がついてほしい親心?
とりあえず、ユリアナが出てきたときはやることにしてる。
ユリアナの巨乳 (*´д`*)ハァハァ
火の神に頼むのと
卑しさを咎めるのは
別件にした方が良いよなあ。
ペレってホントは邪神なんじゃないのか?
アガナードやユリアナは人間の顔なのに、こいつは牛の顔だし。
もともとはエルゾの部下だったのを、その冶金の能力を見込んだ
アガナードが、お世辞を言って自分の陣営に引き抜いたとか。
火=聖なるものってイメージあるから、
ペレは元々善神の一員なんだと思う。
けど、顔だけ見ると邪神っぽいよね
まさか、アガナードのお世辞のせいで「この世で一番美しい男」が
自分だと思い込んでるんじゃ…((;゚Д゚)ガクガクブルブル
エルゾも人間顔。恐いけど。
火は再生も司るとか聞いたことがあるなぁ。
まぁ、顔と邪せいを求めるのは別件じゃね?
とりあえず、俺は何かペレが好きだ
>>476 ペレのなぞなぞは当たりはずれは関係なさそう。
相手が動揺するのを楽しんでるんだと…思いたい。
480 :
あらすじ1:2005/11/01(火) 23:59:49 ID:???
第五十七話
天界、そこは文字どうり空の上にある雲の大地と、大理石で出来た荘厳な神殿が建ち並ぶ、
善神アガナードと、精霊たちの住む世界。
そこへクルトが飛び込んできた、おくれてレオンも登場、周りにいた精霊たちは人間の侵入に驚いていた。
クルトは驚く精霊たちに、精霊オリエはどこか聞き出すとそちらへ向かって走り出す、
はっとようやく事態がわかってきた精霊たちはこの不埒な侵入者のことをこの天界の守護者「マルス」に報告した。
マルスとは戦闘に特化した精霊、金属の兜と布と革の戦闘服、それに光の矢を放つロングボウを装備しているのが特徴、
この天界の番犬がクルトに攻撃を仕掛けた。
ロングレンジから矢の攻撃をかけるマルス、それに対し神殿を壊しその柱などを投げつけ応戦するクルト、
しかし最後はマルスの「光の檻」につかまってしまう。
クルトは抗議した。
「オリエの所へ行きたいだけなのに、何故邪魔をするんだ!」
オリエの名前を聞いたマルスたちは、この人間はオリエと関係があるのか調べるため、
精霊オリエの所までクルトを光の檻ごと連行していった。
そのころ、火の国、ユタのいた村は、すでに怪物によって溶かしつくされてその姿を失い、
赤黒く光る溶岩の湖は怪物にとって住み心地の良い第二の住処と化していた。
そして今怪物は、第三の住処を作るべく動き出していた。
一方、マリウスとユタは、シルヴァーナのドラゴンの炎で鉄を鍛え、鋼鉄の矢を作っていた。
同じく弓もその弓に張る弦も鉄製、あまりの重さにユタには扱うことは出来なかったが、
マリウスにはこの鉄の弓を引き絞ることができた。
ぎりりりりっと弓を引きながらマリウスは言う。
「この矢はシルヴァーナの炎で鍛えた、あの怪物の火にも溶けはしない・・・これを奴に撃ち込む!」
481 :
あらすじ1:2005/11/02(水) 00:00:35 ID:???
天界の奥の間では精霊オリエが寝かされていた、その生命の火は今にも消えそうなほど弱まっている、
クルトは光の檻の中から精霊オリエの名を呼んだが、いくら呼んでも反応は返ってこなかった。
ここでようやく周りの精霊がクルトのことを、ガラティア姉様の子だと気づく・・・が、厳格な性格のマルスは、
クルトを「天界に人間が入ってはいけない」掟を破った罪で裁くため、善神アガナードのもとで処罰を受けさせようとする。
マルスが光の檻を運ぼうとした、その時、隠れていたレオンが現れマルスの顔にへばりついて邪魔をする、
そしてレオンの炎でクルトは光の檻から脱出。
精霊オリエの側へ行くクルトはその顔をのぞきこむ、この間レオンが炎でマルスを牽制、
しかし光の矢を連射され、レオンは押されてしまう・・・そしてその矢の一本が、精霊オリエの寝台の脚を消してしまった。
傾く寝台、落ちかける精霊オリエ、バランスを崩すクルト・・・すべての偶然が重なり・・・
クルトは精霊オリエの唇に、キスをした。
はあはあと、疲れきったオリエの姉たちが、クルトが来たでしょ?と精霊オリエの眠る部屋へ入ってくる、
そこで姉たちはマルスと対面、クルトを連れて来たのがばれてあーんと泣き出す。
「マルスに折檻されちゃう〜っ」
それを笑顔で見つめる精霊オリエとクルトたち・・・精霊オリエが起きてる!?
驚く姉たち、まだ起き上がるほど回復はしていないがあの今にも死にそうな状態だったのが信じられない、奇跡だった。
あのマルスもこの奇跡に特別措置をとる。
「クルトよ、地上に戻るがよい、今回のことはオリエのことに免じてマルスの胸に収めてやる」
こうしてクルトとレオンは精霊とマルスに見送られながら地上へと送られた。
火の国に戻ったクルトは、ユタの村へ帰り、あの化物と対決すると言う、
ユタになんと言われようとも、やらなくちゃいけない・・・そう決めたクルト。
しかしその時、大地に地鳴りが起こり、地面から火が噴出し始めた。
精霊オリエの命を救い一安心のクルト、しかし早くも火の山の化物が来るのか?まだ大地の剣が無いクルトはどうなる?・・・つづく
オリエが現れないのは重傷だったから→キスで目覚めた
いいのかこんなんで
新説・白雪ちゃん=オリエ
眠れる美女だから、オーロラ姫の方だったかな
なんかこの世界ではドラゴンの炎ってのはすごい威力らしいな。
それで造った武器まで強くなるってのは、温度が高いから?
剣の達人マリウスもあんな溶岩の化け物に接近戦をする愚は
さすがにおかさないか。弓矢の腕もいいのかな。普段弓は
持ってないみたいだけど。食糧を得るための狩りもシルヴァーナに
任せてたし。
なんかあれだな
大ムカデの眉間に矢を打ち込む話思い出した
〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) はいはいインスパイヤインスパイヤ
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
俵藤太秀郷の大ムカデ退治なんて、今時、誰も知らないヨ。
打つ前に唾をつけたら確定
精霊はどうやら女しかいないようだな。
女性だけの職場か。
考えただけで寒気がするな。
492 :
あらすじ1:2005/11/03(木) 00:02:24 ID:???
第五十八話
地を割り、溶岩を噴出しながら現れたのは火の神ペレだった。
ペレはクルトに待たせたな、と言う。
大地の剣が鍛えあがったと知り喜ぶクルト、だがペレは指を一本たて。
「第一問、本物の大地の剣は一体どれだ?」
と問題を出すと同時に、十本ほどの剣をクルトに投げた、見た目はどれも同じに見える。
クルトは大地の剣に命じ、僕の手にもどれ、と唱えた、すると一本だけ姿を変えクルトの手へ、
そして大地の剣で偽者の剣をすべて切り落とす、それを見てわはは見事だ、とペレは褒めてくれた。
ペレは去り際にもう一問、この世で一番優しい男は?と問題を出すと、クルトはすかさず、
「火の神 ペレ」
と答えた・・・もちろん正解、ペレは嬉しそうにワハハハハハハッと豪快に笑いながら地の底へ帰って行った。
(ほんとにありがとう、ペレ)
心の中でお礼を言うクルトだった。
一方、火の山の化物は自分のテリトリーを拡大するため、新たな村を襲っていた。
目から光線を出し、逃げ惑う人々を焼き殺す化け物、男の人も女の人も子供も老人も、赤子を抱いた母でさえ、
無慈悲に殺す化け物、その化物を山の上からユタが歯軋りしながら見ていた、そして側にいるマリウスを見る。
マリウスは言う。
「辛いだろうが待て、やつは必ず近くまで来る」
とユタのはやる気持ちを抑えた。
493 :
あらすじ2:2005/11/03(木) 00:03:23 ID:???
・・・そして・・・待ったかいがあった・・・やつが来た、射程内!
「ユタ、矢だ!」
大鉄弓を構えるマリウスは矢を番えた、化物向けて鉄の弦を引く。
第一矢、発射、化物の左アゴに命中!
「ユタ!次の矢を!!」
化物がマリウスたちの方をにらみ、怒りに吼えながら突進してきた。
ぎりりっと弓を軋ませながら限界まで引き絞るマリウス、そして撃つ!ビュッと轟音たて矢が飛ぶ。
「次の矢!」
化物の顔に「ドッ!」と刺さる。
「次の矢!!」「ドッ」「次の矢!!」「ドッ」「次の矢!!」「ドッ」「次の矢!・・・」
ドッ! ドッ! ドッ!・・・
ついに顔中、鉄の矢だらけになった化物が飛ぶ力を無くし地に落ちていく、
クルトや生き残った村人たちもそれを見ていた。
そして大地にのびきった化物の側へ人々が集まりだす、そこへユタが人垣を掻き分け登場、
化物の頭に上ると、母ちゃんの仇と言いながら槍でメッタ刺しを始めた。
しかし化物が目を覚ます、化物はユタを乗せたまま飛び立った。
近くまで来ていたクルトがこれを見ていて、ユタを助けるためギルガドールに乗る。
マリウスもシルヴァーナでユタを追い、ユタに飛び移れと言うがユタは母ちゃんの仇は俺が取る、
と意地を張り言う事を聞かない。
クルトはユタを助けるため化物の頭に飛び移りユタに言う。
「早く離れろ」
494 :
あらすじ3:2005/11/03(木) 00:04:03 ID:???
ユタはクルトに言いかえす。
「うるさい、卑怯者! お前なんかの指図は受けない!」
クルトはわからずや!と言うとバキッとおもいきりユタの頬をなぐる、ユタも反撃しようとするが、
足を滑らせ化物の頭から落ちてしまう。
ユタは腰に吊るしていた、鳥獲り用のひも付きの投石をクルトに投げる、クルトは投石の石をキャッチ、
ユタはなんとかひもに掴まった状態。
そのユタの後ろにレオンとギルガドールが回りこみ、ユタこっち!、と誘導するが、ユタは手を離さない、
しかし汗で手がすべり、ひもを放してしまう、だが空中に投げ出されたユタをギルガドールが受け止めて助けてあげた。
マリウスにより矢傷をうけた化物が向かう先、それは火の山だった。
そして火の山で化物は光線を火口に放ち、火口を大爆発させる。
ぐわっ!と噴射音をたて、火の川の奔流が流れ出た。
人々は「早く避難を」と言うが、長老は
「火の国は終わりだ、あの流れは国を出る前に押し寄せる・・・」
と逃げる事をあきらめる。
だが、あきらめていないものがいた・・・クルト。
「この鉄の矢は化物の急所を貫いているはずなのにこいつは死んでない、こいつをやっつけるには・・・
そしてあの火の川の流れも止めなければ・・・」
クルトは何か「策」を考え付いたようだ、化物の頭からギルガドールに戻ると、化物の前へ回るように言う、
もちろんそこは化物の光線が飛ぶ「もっとも危険な場所」だがクルトは行った。
「行くぞ!!」化物の前に出るとチャッと大地の剣を構えるクルト・・・はたして。 つづく
マリウス…待っていたかいがあったって…
…その間に女も子供も人いっぱい死んでますけど。
なんつーか戦術として正しいといえば正しいけどさ、
クルトの無鉄砲の方が好感を持ってしまうのよね…。
まあ、でも、マリウスって妖力とか持ってない普通の人間だからな。
普通に剣で戦える相手になら強いだろうけど、ああいう巨大サイズで
しかも光線とか出してくる怪物相手に、よく善戦した方だろう。
どうでもいいけど、ペレ、こんな時にまぎらわしい登場のしかたするなよ。
ギルガドールなにげに格好いいぞ
マリウスもやっぱりいいやつだな
499 :
あらすじ1:2005/11/04(金) 00:00:23 ID:???
第五十九話
火の山に封じられていた、灼熱の体と熱光線を撃ち出す瞳をもった、
東洋風ドラゴンに似たボディラインをした「火の山の化物」
この化物の封印をクルトとマリウスが決闘の最中に壊してしまい、化物を外へ解き放ってしまう。
自由を得た化物は人間たちに悲劇をもたらした、村を破壊し人を焼いた・・・その中にはユタの母もふくまれる。
クルトは願った、もう一度大地の剣を扱えるようになりたいと。
今、目の前では「火の川」が麓の人々へ向かって猛烈な速さで押し寄せる・・・触れれば燃える死の流れ、
このままではすべての人が危ない。
ギルガドールに乗るクルトは化物の正面へ行く、化物はクルトたちを飲み込もうと口を開けた、
絶体絶命のピンチ、だがクルトは「これ」を待っていた。
化物の口中へ飛び込むクルト、その手には大地の剣が握られている、そして命じた!
大地の剣が「もとの姿」に戻る。
口の中へ巨大な剣を突っ込まれ、二つに裂ける化物、
もとの姿の大地の剣は十字架のように地に突き刺さり、口角から体の半ばまで裂かれた化物は火の山の麓に倒れた。
山を取り巻くように倒れた化物の体は火の川の流れを村からさえぎり堰き止める。
火の川は、化物の体のおかげで村人へは届かなかった。
マリウスはシルヴァーナの背の上で大地の剣を見上げていた、
そして火の川が化物の体で堰き止められているのを見た、これをすべてクルト一人がやったのだ。
マリウスはだまって麓にいる助かった人々を見ていた。
500 :
あらすじ2:2005/11/04(金) 00:01:06 ID:???
大地の剣の上にいたクルトがギルガドールの上に戻る、そこにはレオンとユタがいる、
ユタはクルトをにらみながら。
「ちくしょう、お前なんかに母ちゃんの仇を・・」
そう言うとクルトに掴みかかり、狭いギルガドールの上で喧嘩を始めるのだった。
麓では、人々が大地の剣を驚きと感謝で見上げていた、長老が言う。
「神のお力に違いない、ありがたい事だ・・・だが神のお力にすがってばかりだはおられん」
そして皆に、岩を積んで「せき」を築こう、と呼びかけた、皆おおと賛同し、全員で岩運びが始まった。
空の上ではクルトとマリウスが対面していた。
マリウスは言う。
「お前がいまさら偽善めいた手で村を助けてもユタの母親を見捨てた罪は変わらない。
降りて来い、火口で待っている」
マリウスの挑戦を受けると決めたクルトに、ユタは、本当にお前は俺の母ちゃんを見殺しにしたのか?と聞いた、
クルトは言う、ユタの母は優しかったと、ユタや通りがかりのクルトにさえ優しかった、
そんなユタのお母さんを助けられなかった・・・そんな人を助けられなかった僕自身が悔しいんだと言うと、
ばっとギルガドールの上から飛び降りるクルトだった。
時刻は昼、場所は火の山火口付近。
先に待っていたマリウスが剣を構える、遅れてきたクルトが大地の剣を呼び寄せ、そしてクルトも剣を構える。
方や人間最強を目指すメデューサの息子、方や善神アガナードの親族、王ステファンとガラティアの息子。
マリウスとクルトの対決が、今、始まる。
501 :
あらすじ3:2005/11/04(金) 00:02:19 ID:???
一方、ユタは地上に降りると、クルトたちの方ではなく村人がいる方へ行くと決める。
ユタはレオンに伝言をたのんだ、母ちゃんの仇をとってくれて、ありがとう、とクルトに伝えてくれ、と言うと、
村人たちのいる方へ走り出すユタであった。
ユタは村人たちのところへ戻ると、長老に。
「長老、村へ帰ろうよ。
化物に火の海にされた村もこれで冷えて固まる、そしたらまた新しい村を作ろう」
これを聞き、ユタの肩に手を置き褒める長老、人々はこうして復興の活力を取り戻していくのだった。
長老は堤防を築き村を作るために働く村人たちを見て、昔を思い出す。
火の国は昔もこのように滅びた事があった、しかしそのたびに。
「もう一度村をあの場所に、もとのあの場所につくろうよ」
と言い出すものが現れ、村は今まで続いてきたのだ・・・今回はユタがその者になった・・・不思議な事だ・・・
幾度火の川が流れようと
幾度村が埋もれようと
こうして村は次の世代に引き継がれていく。
以前クルトがこう訊ねた「どうしてもっと暮らしやすい土地に移らないの?」と、
復興を続ける人々を見ているとその答えが判るような気がしてくるのだった。
502 :
あらすじ4:2005/11/04(金) 00:02:58 ID:???
火花を散らし剣激音が響く、クルトとマリウスの鍔迫り合い。
精緻な技巧を凝らす技のマリウス、対して今日までの日々で鍛え上げられたクルト、
その差は、マリウスをよく見ているシルヴァーナにしか判らないほど、ほんの些細な差だが・・・クルトの方が押していた。
その時、地面から火の山の化物の「目玉」が二つ飛び出し例の光線を撃ちだした。
クルトはすかさず状況を判断し目玉の撃退を開始、すぐに一つを破壊した。
それに比べてマリウスは目玉の光線をくらい、火達磨になってしまう、しかしクルトが迅速に火消しを行ってくれたため、
ユタの母のようにはならずに済んだ。
そして二つ目の目玉もクルトが撃退、こうして火の山の怪物は完全に退治されたのだった。
負けたマリウス。
焦げたマントと黒く汚れた鎧すがたで座り込んでいた。
火傷の痛みと戦いの疲れで立てないのだろうか。
クルトは大地の剣を短剣の形に戻すとレオンと合流、ユタの伝言を聞くとそのままギルガドールの上にのり西へ旅立った。
マリウスは慌てて言った。
「待てクルト!何故私に止めを刺さない!お前に哀れみを掛けられてまで生き恥をさらしたくない!
止めをさしていけ! クルトー!」
火の国編 完
だから何で子供の言うままに元の場所に戻るよ?
島国根性にもほどがあるだろ。
マリウス、この戦いを機に
メデューサから貰った黒い血を飲むんじゃね?
何か、強くなれるそうだし………
ッても、前に黒い血を飲んだどっかの大臣は蜥蜴になったんだよな…
本当に強くなれるのか、あの黒い血を飲むと
>>504 あの大臣の場合、金の像造って捧げた功績でもらったわけで、
いわば金で黒い血を買ったというか……能力を認められて
もらったのとはちょっと違うからなぁ。分不相応だったんだろう。
マリウスみたいに能力を認めらてもらった場合は、その資質を
パワーアップさせてくれるんじゃないかな。
いかにクルトに怪力という有利さがあるとはいえ、剣の技量は
マリウスの方が上だと思うんだが……クルトが旅に出て戦うように
なってまだ2年。人間でたぶん最高レベルの剣士のはずの
マリウスが押されてどうするんだ。
>>503 子供はただのきっかけ。子供よりむしろ大人の方が、いままで
慣れてきた生活習慣が変わってしまうような別の土地への
引っ越しは、なるべくならしたくないものだ。
まぁあんな甲冑着てたら視界が悪いわな。一騎打ちにはいいけど。
>>505 あの大臣は黄金の像を造れるほどの圧政・搾取の能力を
見込まれたのではないのか?
>>508 神話の世界であんな近世風の全身鎧まとってるのが
そもそも場違いだがな。
でも、自力で再建するならまだ、いいじゃないか。
どこぞの村民にも見習ってほしいものだ。
と思う俺は人非人ですか?
512 :
あらすじ1:2005/11/05(土) 00:00:05 ID:???
第六十話
火の国の一件以来、らしくないほど荒れているマリウス、地面を殴って悔しがっていた。
そこへアスナスが現れる、面白そうにマリウスに荒れている理由を聞き、
そして聞き終わると笑い出す。
「はははっ クルトが友達の母親を犠牲にして自分は逃げただと・・・クルトにそんなまねが出来るわけが無い」
今度はマリウスが理由を聞いた。
アスナスはクルトの旅の理由、メデューサを敵とする理由、
そしてクルトにとって「母」とはどんなウエイトを支配しているかを聞かせた。
アスナスは旅人の姿から牛骨仮面の姿に変身すると。
「クルトの戦いは生き抜いてメデューサに一歩でも近づくためだ・・・
ただ勝負を競うためだけに剣の腕を磨くお前にはわからないかも知れないが、
ま・・・お前にもその内わかるさ」
そう言うとビュウウと飛び去っていくアスナス、そしてその言葉の意味を考えるマリウスであった。
火の国からさらに「西」へ行ったところの、ある森の中、女性が水の入った水桶を持って歩いていた。
「水運び?手伝ったげる」ひょい。
たまたま通りがかった少年が桶を代わりに持ってくれる、
少年はクルト、友達のレオンとともに西へ旅をしていた。
女性の名は マール
マールは水を運んでくれたお礼に一晩の宿を母さんに頼んであげる、と家まで案内してくれた。
そこは森の中にある一軒家、家にはおばあさんが一人いて、
ただいまお母さん、と家に入るマールに、おそい!どこで道草喰ってたんだい、と厳しい口調でしかりつけた。
そこへ魚屋が大きな魚を配達に来る、マールはお茶でもてなそうとするが、おばあさんの方は。
「うちの息子が帰ってくりゃこんなのよりもっとすごいのを獲ってくるさ」
と魚屋をけなし、さっさと帰らせようとする。
魚屋はおばあさんの息子について何か言いたそうだったが、何故か、ぐっと口を詰まらせ帰って行く。
クルトはおばあさんに、
「息子さんってどこかへ行ってるの?」
と聞くと、おばあさんは嬉しそうに延々と息子自慢をクルトたちに聞かせるのだった。
513 :
あらすじ2:2005/11/05(土) 00:00:56 ID:???
夜、皆が寝静まったころ、窓を静かに叩く人がいた。
マールが起き出し、窓を開けるとマールの「お母さん」がそこにた。
「話は聞いたよ、相変わらずお前に辛く当たっているんだろう?帰っておいで・・・家へ」
涙を浮かべて心配するお母さん、しかしマールは私は幸せと安心させようとした、
そしてお母さんは、いつでも帰っておいで、と言うと夜の道を帰っていくのだった。
マールが窓を閉め自分の寝台に戻ろうと振り返ると、クルトが起きていて、
さっきの人がマールのホントのお母さんなの?と聞いた、マールはクルトにすべての事情を話し出した。
マールには幼いころから仲の良い男の子がいた、名を ゼルド
ゼルドは青年に成長すると旅へ出ることとなる、そして旅から帰ってきたらマールと結婚する約束をした。
しかし、ゼルドはもう戻ってこない・・・戦場で命を落としたと言う知らせが村へ届いたのだ。
マールはゼルドの母親である、あのおばあさんの所へ訃報を知らせに行ったが・・・言えなかった。
言えないマールはそのままこの家でゼルドの母と一緒にゼルドの帰りを待つ生活を始めたのだ。
マールはクルトに言う。
「ゼルドの死を知らないお母さんの側にいると、私も信じていられるのよ・・・ゼルドは生きている、
明日にも元気な顔で笑いながら帰ってくるって・・・」
翌朝、早くからマールは家事仕事をしていた、
その後ろからゼルドの母が、仕事が遅い、早く床掃除をしな、と怒鳴り散らしていた。
それに対し言われたとおりに働くマール、そのマールの手が暖炉の上の煙草入れの所で止まった、
パイプを握ると肩を振るわせるマール・・・ゼルドの思い出の品なのだろうか。
514 :
あらすじ3:2005/11/05(土) 00:01:33 ID:???
クルトはこの奇妙な家庭を見ていると悲しくなってきた、
いままでずっとあんな生活を続けていたのか、と、そしてこれからも・・・
そこへ魚屋の男が泡を食って駆け込んできた、
そして息もきれぎれの状態で朗報を話す。
「ゼルドが帰ってきた!」
驚く二人、そして母はマールに息子を迎える役を譲る、マールは魚屋と村の入り口へ走り出す。
家に母とクルトたちだけになると、母は告白した、実は息子の生存を自分は信じてなかったと、
実はもうあきらめていた・・・だけどあの娘だけは信じて待っていた。
「私は思い出の中で息子を愛したけど、マールは息子が生きていると信じて愛し続けたんだからね。
だから息子を迎えるのはマールにゆずらにゃなるまいよ」
クルトは母の懺悔を聞くと、その首に抱きつき別れの言葉を言った。
「さようなら、おばあさん」
そして走りだすクルト、その道の途中、マールとその隣に立つお似合いの青年がいた・・・おそらく彼がゼルドだろう。
クルトは速度を緩めずマールの隣を走り抜ける。
「さよならマール、幸せに。 おばあさんが待ってるよ」
クルトはそのままの足で村を出て、そして西へ向かった、頭の中に故郷ルーンの国が甦る、
別れてしまったたくさんの人々の顔を思い出す・・・クルトが帰る日を待っている人たちのために、
クルトは走り続けるのだった。
鬼姑の嫁いびりをいさめる話かと思ったら、きれいに落としたな。
ゼルド帰って来るのは都合よすぎだけど。
アスナスええわ〜。
クルトを見ているからこその迷いのないフォロー。
マリウスがウザキャラになりかけてたけど
イイキャラになってくれそう。
そういえばマリウスも実の親の愛ってのをほとんど
受けてないはずだよな。ほとんど妹の親代わりで。
メデゥーサの息子って立場をどう考えているのだろうか。
518 :
あらすじ1:2005/11/06(日) 02:14:30 ID:???
第六十一話
さて、お話はメデューサの城がある「西の果て」から始まります。
この西の果てを説明したいのですが、どうにも常軌を逸した世界で言葉に困ります。
とりあえずは想像できる限り最大級の「ハリケーン」等に、雨の代わりに「水晶」が飛んでいる・・・
そんな絵を頭に描きながら読み進めてください。
西の地。
その果てでは大気が怒号の声を上げている。
この嵐の遥か向こう、天と地の交わり始める、濃い雲の渦の中に・・・メデューサの城がある。
一人の使途がメデューサ城へ降り立ち、中へ入る。
城の奥ではこの城の主、メデューサが、娘エルザ(マリウスの妹、子供ではなく立派に成長した大人の姿)
の奏でるハープの音色を楽しんでいた、目の前には使徒達が集まっている。
2ページぶちぬきで、玉座にすわるメデューサの姿、今日のお姿は胸元がセクシー
使徒達が順に「戦果」の報告を始めた、使徒はまず集めた「たましい」の球を見せる。
メーサという使徒が両手をあげ、そこに大きな魂の球を出現させてメデューサに献上する。
メデューサはその球を見て喜んだ。
「ほう、これは・・・見事に輝く魂の火。
聞こえる、聞こえる、何千人もの人間のうめき声・・・憎悪、苦しみの声。
・・・血の香り・・・腐肉のにおい」
使徒メーサはメデューサに説明する。
「ある大国を一つ、王位を巡っての内乱で滅ぼしました。
仕掛けは簡単、のぼせ上がった二人の王子に父王を殺させるように仕向けたのです。
父王の死は、まず城の兵を二派に分け、続いて領民もが二人の王子について、それぞれが互いに憎しみあい、
やがて国を挙げての戦いになりました。
戦いは二年の長きにわたり、草一本にいたるまで焼き払われて終わりました。
その戦いでの人間どもの地に満ちた苦しみの声、悲しみの叫び、そして殺戮に流された血、
それらすべてを吸い上げてまいりました」
519 :
あらすじ2:2005/11/06(日) 02:15:13 ID:???
メデューサは大変満足し、そして側にある、耳が長くとがった裸婦像が彫られた巨大なハープに、
その魂を吸わせた。
ハープの名は「ゴーゴンの指輪」メデューサお気に入りの一品。
そして娘エルザにハープを弾くように言う(エルザが弾くのは人間用の物)
エルザがハープを奏でると、それに共鳴してゴーゴンの指輪から美しい音色が響きだした。
「音色が一段と艶を増したわ」
と、喜ぶメデューサ。
その後、次々と使徒たちの「報告」が行われ、そして最後のひとりとなった。
だが最後の使徒は何だか苦しそうに、ひざまずいてる、と言うよりうずくまっている、
そして仲間の使徒に促されてようやくフラリと立ち上がり、その使徒は驚くべき報告を始めた。
私が捧げるのはこれです、と言って手から出したのは小さな・・・林檎の実ほども無いような小さな魂の火。
「私の企ては・・・たった一人の「星占い師」によって妨げられました・・・
お怒りは覚悟してまいりました・・・これは私の命の火です・・・メデューサ様、お受けとり下さい」
自分の命を捧げた使徒は死んでしまう、しかしメデューサは鬼の形相で。
「みすぼらしい命を近づけるな!ハープの音が濁るわ!」
そう言うと小さな生命の火を消し去る、そしてその「星占い師」を見せろと使徒たちに命じた。
イリューズが水鏡をだして話題の星占い師の映像を出した。
そこへ映し出されたのは、人々から「水晶の姫」と呼び親しまれる、小さなオリエ の姿であった。
エルザは他にもこの星占い師によって企てが妨害された使徒達がいると言い、
その使徒の名をメデューサの前で挙げる・・・名を挙げられた使徒はメデューサ様より怒りのこもった石化をくらい殺される。
しかしこれ位では怒りの収まらないメデューサは全使徒に命を下す。
「その占星術師をつれてくるがいい!ここへ! 私の目の前に!」
使徒達があわてて城から飛び出す、イリューズのみクルトを担当する事に。
メデューサは怖い顔で、一つだけ疑問を感じていた事を考える。
(何故人間の子供が、エルゾ界の・・私たちのことを見通せる?)
こうしてメデューサに目を付けられてしまった小さなオリエ・・・すべての使徒に狙われる事となったが、はたして。 つづく
機嫌次第で部下を石化するような上司だと、部下もつらいわな。
オリエに計画を阻止されたことをせっかく隠して、一応別の功績も
立ててきた使徒たち、カワイソス。
オリエ久しぶりにキター!
マリウスの妹エルザキタコレ
マリウスの妹なだけあって、結構な美人だなーエルザ。
でもエルザと聞くと枕詞に 野生の が浮かぶ…
チラシの裏だね、ゴメソ。
エルザとエルゾって一字違いだね。
エルザは黒い血飲んで生き返ったけど人間型のままだね。
…まさか仮の姿じゃないとは思うけど。思いたい。
メーサカワイソス
あれだけの功績があったのに
エルザは完全に妖魔の価値観に染まってるみたいだな……なんかメデューサの避暑っぽい立ち位置だし。マリウスとはかなり開きがある気がする。
>511
火の村がどこかの国の領土で、税金納めてたら復興支援要求するかもな。
エルザってかなりオイシイ立場じゃね?
機嫌次第で部下を殺す権力者の、お気に入りの側近だろ。
エルザのところには、「この話はどうかメデューサ様にはご内密に」
とか「メデューサ様へのおとりなしをお願いします」とか言って、
使徒たちが賄賂をどっさり持ってくることになるぞ。その時に
ついでに情報も集まるんだろう。
オリエによって失敗したヤツを正確に知ってたのなんか、そのせい
としか思えん。
ここで、オリエが出てくるって事は、やはり、
真のヒロイン?
>527
まあ、一回目はともかく、2回目以降は別の場所に作れって事だよな。
530 :
あらすじ1:2005/11/07(月) 00:00:48 ID:???
第六十二話
雲を突き抜けるほどの高山にハニカム構造の砦があった。
そこに陣取るのは河馬と人間を掛け合わせたような姿をした妖魔たち、
戦闘的な種族らしく、ほとんどのものが亀の甲羅を加工した甲冑と武器を装備している。
その砦に使徒イリューズが訪れ、この種族の大将 ガチャチャガ に面会、
クルトを見かけなかった?と訊ねると。
「あのルーンの皇子か?知らんな、知っていたとしてもお前に教える義理は無いぜ」
とガチャチャガは答える、それに対しイリューズは静かに伏せた顔で
「手柄をどうこうするつもりは無いわ・・ただ、下手な隠し立ては・・」
イリューズは顔をあげ、ガチャチャガに威圧感たっぷりの目をむけ言う。
「・・メデューサ様のお怒りを受けるだけと、いうことよ・・」
イリューズに圧倒されたのか、メデューサの怒りを恐れたのかは判らないがガチャチャガは青くなる、
そしてイリューズにクルトを見かけたら教えてやると約束する。
それを聞くとイリューズは「じゃ。」と言い砦から去っていった。
雑草しか生えていない広大な地をクルトとレオンが西へ向かっていた。
二人ともかなり空腹らしい、クルトはたまらず地面に生えてる雑草をもぐもぐと食べてみる、
レオンが「どお?」と聞くがクルトはたまらず泣きながら吐き出してしまう、空腹にも勝てないくらい不味いらしい。
二人の目の前にはお城が見えている、そこまで辿り着ければと這って進むが、
途中斜面になっており二人は滑って、国の入り口のぬかるみにはまってしまう、
そこをたまたま馬車に乗って通りかかった王様が、クルトたち乞食の子を哀れみ(王様は誤解しているようです)従者に言う。
「物乞いか、見ればまだ年端も行かぬのに・・・不憫な。
よし、城へ連れて行って何か食べさせてやれ」
従者は泥だらけのクルトたちをつまみ上げ、よろしいのですか?と王様に再確認するが。
「いいの、わし優しい王様」
こうしてクルトたちは王様に拾われ、城に連れていかれる事となった。
531 :
あらすじ2:2005/11/07(月) 00:01:31 ID:???
お城に連れてこられたクルトは裸にされ風呂に放り込まれる、
メイドさんたちに洗われるとすっかり汚れの落ちたクルトの姿が現れ、この国の王子のお古の服を着せられる。
なんとなくクルトに「気品」を感じるメイドたち、しかしクルトたちがガツガツ食事を食べ始めたためぶち壊しになる。
そこへこの城の王子様が登場。
クルトと同年代ぐらいだろうが、かなり肥満体型、あと、顔のことを言うのは悪いが、ちょっと河馬に・・似てるかも。
しかし王子としてのプライドはかなり高いらしくクルトに気品があると言うメイドたちに。
「気品というのは、生まれで決まる!
所詮 乞食は乞食、私と比べるな!」
と叱りつけた・・・困った顔で怒られるメイドさんたち。
王子様はクルトを連れて城を自慢して回る。
宮殿の調度品、駿馬、力自慢の角力たち、宝剣、これらをクルトに見せ悦に浸る王子様、
しかしクルトにはあまり通じていないらしく、最後までクルトの頭の上には「?」が浮かんでいた。
「王子様!星占い師の姫が見えましたよ」
メイドの呼ぶ声に窓の外を見ると、荷台を運ぶ翼竜の集団がお城へ着陸しようとしていた。
お妃さま(つまり王子様のお母さん)が、早く着替えてらっしゃい、と王子に言う。
王子は。
「だって鎧つけるの面倒なんだもん」
と頭をかきながら嫌がったが、お妃は笑って、仕方ないわ、礼装だから、と王子を促した。
王子様はじっとこちらを見ていたクルトに自分のお古の礼装を貸してやり、いっしょに姫のお出迎えに出席する事を許した。
たくさんのメイドの手を借りて礼装に着替える王子様、それに対し一人で着替えるクルト。
レオン「身に着けるの速いねー」
クルト「礼装と言っても戦闘服だからね、一人で素早く着るようにってダーレスがうるさかったんだ」
532 :
あらすじ3:2005/11/07(月) 00:02:07 ID:???
お城の広間では、星占い師の姫の歓迎式が始まった。
城の者みんなで歓迎の礼をとり姫を迎える、王様が作法どうり姫の手を取り歓迎の意を表す、
それに姫も作法どうりの礼の言葉を返す。
クルトは星占い師の姫をみて「あっ」と叫ぶ、星占い師もクルトに気づき・・・そして涙を浮かべた・・・
クルト「オリエ!」
(おぼえているでしょうか?以前クルトと旅をした精霊オリエと同じ名を持つ星占いの少女 オリエ)
オリエ、クルトに礼を返す。
オリエ「クルト!」
そしてクルトに駆け寄り抱きついた、喜び合う二人、
乞食の子と姫が何故こんなにも再会を喜び合っているのか訳が分からない他の人々。
しかしゆっくりと再会を確かめる暇も無く危機が迫っていた。
柱の影に邪悪な者が潜んでいるのをオリエが察知、見破られた使徒は巨大化(2〜30mぐらい)
頭に牛のような角と犬のような顔をした半人半獣の使徒は「オリエ」に用があると襲い掛かってきた。
王子様が角力たちに姫を助けるために使徒と戦わせるが、使徒は指でピンッとはじいて角力をあっさり倒す、
次に王子様の構える宝剣も使徒に指でつままれ曲げられると、王子は厩舎小屋まで飛ばされてしまい、
そこで自慢の駿馬の背に落ちてしまうが、馬は迷走するばかりで役には立たなかった。
レオンが羽で飛び、使徒の顔に炎を吹く。
クルトはオリエを背にかばうと、
「何者だ、何故オリエを狙う!」
と詰問、しかし使徒は分身をしながら言った。
「邪魔をするなこわっぱ!この国潰してでもその娘もらっていくぞ」
オリエと再開キター!
この国の王は自分を優しい王様とか言ってるけど、あやしいもんだな。
まあよくて、善人ぶった行為で自分が偉いと酔いしれてる偽善者ってとこか。
息子もろくなもんじゃないし。
このマンガの男性の王族(国王や王子)って、クルトと
クルトの父親以外、ろくなのがいなかったような気がする。
宝物に執着して、大臣にだまされてた王様とか。
乱暴者すぎるので国民が姿消しちゃうような王子とか。
自分の娘の婿を、武術大会で決めるような王様とか。
あ、入れ替わる前のイシダリ王はいい人(?)だったな。
お妃様はあんなに美しいのに王子は…。
王様にそっくりって訳でもないのに不思議な。
このカバ王子溺愛されて育ったっぽいなぁ。
>>536 礼装を 「仕方ないわ」 で済ますあたりにそういうとこ出てるね。>溺愛
こういう絵で見せる対比が好きだ。
クルトにお古がサイズぴったりってことは王子も昔はクルトと同じ体型だったのか…。
昔は 「こういう(品のある)顔」 だったのか?
この国の王様は少なくとも国民に親しまれているんじゃ?
妖魔の事以外では問題もなさそうだし。
国民にとって住みやすい国づくりさえしていれば
偽善だろうとなんだろうと、いい王様なんだよね。
もとは平和で、争いとは無縁の国だったのかも知れない。
この国の王様は人が良過ぎてちょっぴりおバカ、なタイプじゃ無いかな。
きっと今まで苦労なんてした事無いんだろうな。
だから他人が困ってる時、本当はどうして欲しいのか理解出来ないとみた。
>537
自分も思った。>王子も昔はクルトと同じ体型
栄養与え過ぎで成人病まで持ってたらどうしようww
馬や剣は華麗にスルーしたクルトが、王妃様に合ってはじめて羨ましそうに顔に……
541 :
あらすじ1:2005/11/08(火) 00:01:29 ID:???
第六十三話
「よしよし、そのまま下へ!」
竜車を運ぶ翼竜を誘導し、監督するのはオリエの母、エバ。
この人の気の強さと強欲さは相変わらず・・・あるいはパワーアップしているようで、
この国の騎士団長に使用人と間違われただけで「帰る」と大騒ぎしだした、騎士団長は丁寧に事情を説明する。
「この国をぐるりと取り囲む壁が見えますでしょうか?
何年か前までは商人が行きかう交易の地だったのですが、
ある時からこの国から旅立つ者、この国を目指し向かって来る者が、次々と姿を消す様になったのです、
正体を確かめようと何人も壁の外に向かいましたが、誰一人帰ってきません・・・」
エバは、あたしたちは入ってきてるじゃないか、と自分たちを指差すと、
騎士団長はただ一つ出入りする手段があると、翼竜たちを見た、
この国唯一の侵入手段が「空」からの往来ということらしい、カラカ鳥 と呼ばれる翼竜にのって入国したのはそういう訳だった。
騎士団長は、このままでは国が滅びてしまいます、と訴えたが、エバは「はんっ」と言い出した。
「それがどしたい、あたしの知ったこっちゃ無いわさ。
さあみんな、竜車をもう一度その化物鳥へ繋ぐんだよ!」
と、この国を見捨てて帰ろうとする、騎士団長はあわてて、占いでこの国が救われたらお約束の礼とは別に、
お妃さまの「宝石コレクション」の中からお好きな物を差し上げる、と言ってました、と言うと、
エバはようやく・・・そういうことなら、少しは考えてやろうかな・・・と言い、騎士団長をほっとさせた。
エバと騎士団長が城へ向かうと中から巨大化した妖魔がグワッと飛び出してきた。
「な、なかなか凝った趣向だね」
しかしこれは出し物ではなく、本物の妖魔、逃げるエバと騎士団長。
542 :
あらすじ2:2005/11/08(火) 00:02:17 ID:???
城の中では分身した妖魔とクルトが戦っていた、が、きりが無いと判断したクルトは、
オリエをギルガドールに乗せ、外で決着を着けようとする。
妖魔がオリエに手を伸ばすと、クルトは大地の剣を短剣から戦いの剣に変えその指を切り落とす、
切り落とされた指がゴロッとこの国の王子の目の前に転がり、王子を驚かせた。
外へ出たクルト、それを取り囲む妖魔、クルトはギルガドールの上で剣を持ったまま体を回転し始め、
ジャイアントスイングの要領で「もとの姿」に戻した大地の剣を振り回し、妖魔たちの首をすべて切り落とした。
首から「黒い血」を流しながら妖魔は湖に落ち、そのまま完全に息絶えるのだった。
戦いが終わったのは丁度夕刻どき、
クルトとオリエとレオンとギルガドールの目の前に赤い夕日が地に落ち、今日の一日が終わろうとしていた。
クルトは夕陽に向かって言う。
「日が沈む、過ぎていく僕の一日をあざ笑っているようだ・・・
西の果てにメデューサがいるんだ、いつになったら辿り着けるんだ、僕は今日何をしていたんだ。
毎日走って走って、走り続けて来たのに、まだまだメデューサの所へは行き着けない。
遠い・・・遠すぎるんだ!・・・」
クルトは涙が出てきた、側にいるオリエは何か言葉を掛けようとするが、言えない、そっとしておく事しか出来ない、
オリエは抱きかかえる大事な水晶を見つめると、それを振り上げ、下の湖に投げ込んだ。
びっくりするクルト、わーと叫び慌てるがもう遅い、水晶はもう湖に落ちてしまった、クルトはオリエにどうして?と聞く。
「この国の星を占うのは明日の夕方よ、それまでにあの湖に水晶を探しに行きましょう、一緒に。」
にこっと微笑むオリエ。
543 :
あらすじ3:2005/11/08(火) 00:03:01 ID:???
湖の底では、ある者が先ほどクルトに倒された妖魔の死骸に近づき、馬鹿め!と吐き捨てた。
「下僕にすら劣る輩よ、ドルベス!」(ようやくこの妖魔の名前が判りました・・・もう死んでますが)
この、謎の新キャラ(まだ後姿しか描かれていません)が、オリエの水晶を発見、
そこへ無数の、一つ目のカブトガニのような生物が群れでザワザワと水晶を取り囲みだす、
しかし水晶に触れると痛いと判ると、またザワザワと散りだすのだった。
謎キャラ「フム・・?」
お城ではクルトがエバに頭をど突かれていた。
「またしてもこの子はオリエにちょっかい出して!」
オリエは母にクルトは自分を助けてくれた事、
そして水晶を湖に落としたので明日クルトと一緒に探しに行きたい事を話した。
もちろんエバは最初許さなかったが、明日は大事な「お妃さまのお宝チェック」がある、
仕方が無いのでしぶしぶ許すエバだった。
レオンはクルトに。
「オリエ変わったと思わない?以前はお人形さんみたいだったのに」
と話した、しかしクルトにはあまり判らないようである。
544 :
あらすじ4:2005/11/08(火) 00:03:43 ID:???
一方、この国の王子様は一人部屋に閉じこもり、落ち込んでいた。
「みんな最高だと思っていた、馬も剣も闘士も・・・
クルトのとかげは火を吹くし、剣は大きくなる、おまけにあんな怪物を自分の力でやっつけた・・・
・・・はずかしい
・・・自分がなさけない」
挫折を味わう王子様であった。
翌日、クルト達は水晶を探しに湖へ。
クルトは真っ裸になると得意の潜水で水晶をすぐに見つける、これでご用は済んだのでオリエも服をすべて脱ぎ、
クルトと泳いで遊びだした、意外と泳ぎが上手なオリエ。
レオンとお付のオズマは木陰でお昼寝、クルトとオリエもひとしきり遊んで岸の岩の上で体を乾かす。
オリエはクルトに向かって言う。
「クルト、こんなことしてていいの?早く西へ向かわなきゃいけないんじゃない?」
クルトはちょとうつむき、分かってる、でも・・・と言う、
オリエはそんなクルトを真っ直ぐ見据えながらはっきりと言った。
「本当は、西へ行きたくないんじゃないの?」
全裸で泳ぐのが普通だなんて
すばらしい文化だ。
ちょっと待て。カラカ鳥による飛行以外の手段での連絡が絶たれてた国に
よそ者のクルトがやって来た時、みんななんで不思議に思わないんだよ?
>>545 まあ、現実世界で水着なんてものができたのは、19世紀ぐらいだからな。
なんかちょっといいやつだな、王子。調子こいてるが、性根は腐ってなさそうだ。
>546
前回、王様に拾われたときに「外からきたのかもしれません」「まさか」みたいなやりとりがあったぞ。
549 :
あらすじ1:2005/11/08(火) 23:59:21 ID:???
第六十四話
オリエ「そうよ、クルトは西へ行くのを怖がっている、だからこんな所でぐずぐずしてるのよ」
クルト「ぐずぐずしてるわけじゃないよっ!」
全裸のまま激しく言い合う二人。
オリエ「メデューサが怖いくせに向かって行くふりをする、クルトは格好だけよ」
クルト「やってみなきゃわかんないだろ!メデューサは物凄く強いんだ、勝てるかどうかなんて誰にも分かるもんか!」
オリエ「じゃ戦ってみるといいわ、戦って、殺されて・・・お母様は石のまま、ワタンカの人たちも。
そしてあなたを失くしたお父様もルーンの人たちも悲しんで泣くわ・・・
私も・・・泣くわ」
涙を見せるオリエ、その気まずい空気のまま昼食をとる。
レオンがどこからか木の実を取ってきた、しかし味見をしてみるとひどい味で食べられない、
せっかく採って来たのに、とレオンは木の実を全部火の中へ捨てる、
すると木の実は火の中でボンボンと破裂して、周りにいたクルトやオリエを灰だらけにしてしまった。
酷い目にあったお互いがお互いを見て、そして笑いあった、今までむっつりしていたクルトとオリエが笑いあう、
レオンがクルトにだけ「良かったね」と言った、クルトはレオンが気を使ってくれたんだと気づき、レオンに言った。
「レオン、言ったよねオリエが変わったみたいだって、僕もそう思うオリエはとても素敵になったよ」
その夜、オリエの占星術が行われ、この国は無数の凶星に囲われており、南の山にいる元凶を取り除くよりない、
と占われる。
オリエは占いが終わると疲れのため立ち眩みを起こし、奥の部屋へ運ばれた。
その、みんなの目がオリエに向いていると時、窓の外から入った侵入者がクルトとレオンに眠りの粉をふりかけ、
眠ったクルトだけ連れ去っていく・・・その誘拐犯のシルエットはまるで直立した「かば」のようだった。
550 :
あらすじ2:2005/11/08(火) 23:59:55 ID:???
奥の間のソファに寝かされるオリエに、この国の王子様が浮かない顔でそばにいた。
オリエ「心配しないで下さい、オルレアン王子 」
オルレアン王子はオリエに今の心境を語った、クルトを見てから自信を無くした事を、王子は言う。
「私がクルトよりも、いや、すべての人間よりも小さく思えて仕方ないのです・・」
オリエは王子に教えた、クルトは生まれながらに王の星を持っている、そしてあなたも、と。
「クルトがあなたの目に大きく映るならば、それはクルトが自分で選んで王の道を歩んでいるから、
そしてあなたも同じ道を進みたいと思い始めたから。
王の道は与えられるものではなく、自分の中にある物を磨いていく・・・そういう事なのでしょう」
・・・今からでも、遅くはない、それを教えてもらったオルレアン王子だった。
レオンがクルトがさらわれた事をオリエに報告、オリエが水晶をのぞくと占いにでた元凶がクルトをさらったと分かった。
オルレアン王子はそれを聞くと何故か走り出す、どこへ行くのだろう?
オリエも行動開始、礼服の長い裾と袖を破り、身軽な格好になるとカラカ鳥の頭へ飛び乗り、
南へ飛んでくれるようお願いする、分かってくれたカラカ鳥は飛び立つった。
「姫、僕も行きまーす!」
甲冑を着たオルレアン王子がジャンプ、カラカ鳥の足の爪の先に抱きつく。
カラカ鳥はオリエとレオンとそしてオルレアン王子をつれて南へと飛んだ。
ちなみにお城の中ではエバが「オリエがいない」と大騒ぎ。
551 :
あらすじ3:2005/11/09(水) 00:00:30 ID:???
クルトを連れ去った「元凶」とはガチャチャガの事だった。
クルトを鳥かごのような檻に閉じ込め酒を飲みながら暴れるクルトを鑑賞している、
だが、取り上げた大地の剣と守護像の事は「みすぼらしい、そんなのほっとけ」と部下に言う。
一方パチンコ玉のように小さなギルガドールはころころと酒壷の中へ移動。
檻に手を掛け、力を込めるクルト、普通なら簡単に壊れるはずがこの檻は壊れない、ガチャチャガは教えた。
「無駄だ、その檻はエルゾ神の呪文を封じた鋼で出来ておる」
言うとおり、クルトがいくら力を込めてもびくともしない檻であった。
オリエとレオンはガチャチャガの砦の入り口の近くまで来ていた、しかし見張りが多くてこれ以上は近づけない。
見張りが来る、音を立てないで岩陰に隠れるオリエとレオン・・・
しかし兜をかぶったオルレアン王子がガララッと派手な音を立て岩の「上」に堂々と昇り中の様子を見ていた。
当然の事だが、オルレアン王子は妖魔の見張りに見つかってしまう。
焦るオリエとレオン、こちらに向かってくる妖魔の見張り、そして岩の上の王子様・・・・どうなる。つづく
クルトのあの怪力でも壊れない檻すごいな。
さすがはエルゾの力。
オルレアン王子は活躍するのか?
このまえはへたれだったけど。
554 :
マロン名無しさん:2005/11/09(水) 14:49:14 ID:5BDulcJV
クルトの怪力はアガナードの血だから
エルゾの力で封じた鋼にはきかないのか。
この相反する力って後々の戦いにも影響しそう。
眠りの粉を使って寝ている間に拉致したり、エルゾの呪文を封じた檻を
用意したり、頭脳派の敵だな。
カバみたいな外見とふざけた名前の割に、意外に強敵か? ガチャチャガ。
何故だろう。
王子と妖魔の見張り、お友達になれそうな気がする。
>>556 つーか次週の冒頭、
それ以外に思いつかないw
次回、オルレアンの出生の秘密が明かされたり……しないよな?w
王子は陽動を買って出てるのか、天然なのか・・・
天然なんだろうなあ。
560 :
あらすじ1:2005/11/09(水) 23:58:41 ID:???
第六十五話
オルレアン王子は敵のアジトのすぐ近くで不用意にも物音をたて妖魔に見つかる。
しかし妖魔は「同族」と勘違い、王子は助かった。
「不用意に音を立てるな!まったく、しっかり見張ってるよ」
王子を見張りと思い、容赦なく叱りつける妖魔。
オリエとレオンは水晶の力で透明化、中に潜入、クルトを発見。
クルト、ガチャチャガに檻ごと水に浸けられ、そこで「ゴダ貝」の群れに襲わせる。
ゴダ貝とは、一つ目のカブトガニのような生物。
大地の剣があればクルトは脱出できるかも、と考えたオリエ、レオンに水晶を渡す。
姿を現したオリエは側にあった短剣でガチャチャガを脅迫、
「みんな動かないで、さあその檻を水から上げるのよ!」
水から上がったクルトの体には生気を吸い取るゴダ貝が集っている、クルトかなり弱体化。
オリエ隙を衝かれ短剣を取り上げられる、しかしもともとガチャチャガの体には剣が刺さらなかった。
「わしには刃物は利かんのだ」ぐぐっと自分で自分の胸に短剣を刺す、
しかしボヨンッと短剣は跳ね返る、無傷。
レオン、オルレアン王子の助けで大地の剣、発見。
561 :
あらすじ2:2005/11/09(水) 23:59:11 ID:???
ガチャチャガは酒をガブ飲むとオリエの私刑を始める、
まずはオリエを石床に思い切り投げつけ、弱って立てないところをゴダ貝に集団で襲わせる、
生気を吸い取る口が刺さり、肉が貫かれる痛みに悲鳴を上げるオリエ、
物凄い数のゴダ貝がオリエに群がり、オリエの姿がゴダ貝に見えなくなるほどだった。
オリエはゴダ貝に覆われたまま、次第に動かなくなる。
「オリエ!オリエー!!」
エルゾの鋼で出来た壊れない檻の中でクルトが叫ぶ、
一瞬、クルトの額に一点、光が輝く。
侵入者とばれて追われているレオンとオルレアン王子がクルトとガチャチャガのいる部屋に逃げてきた。
「!」皆が驚く。
檻が メリッ! と音を立て、曲がりかけている、
「ばっ 馬鹿な!」
メリッメリッメリッ! 溶けた飴のごとく引き千切られ破壊されたエルゾの檻、中からクルトが出て来た! つづく
オルレアン、カバに似てたのはやっぱり意味があったのか。
オリエ、まさかここで死んじゃうんじゃ……
ないとは思うけど、この作者だと絶対ないとも言い切れないんだよなぁ
オルレアン王子役だってよかったじゃんwww
そういえばギルガドールその辺で酔っぱらってない?
ギルガドールは酒樽を渡り歩いているに1000はらたいら。
でもオリエの惨状見たら、ルルージュのときのように助けに来るかな。
>生気を吸い取る口が刺さり、肉が貫かれる痛みに悲鳴を上げるオリエ
これ、なんてエロゲ?
567 :
あらすじ1:2005/11/11(金) 00:02:42 ID:???
第六十六話
「うおおおおおっ!」
エルゾの鋼を引きちぎり、檻から脱出するクルト、捻じ曲げられた檻の残骸が床に散らばる。
この光景にガチャチャガやその部下たち、そしてオルレアン王子・・・レオンまでも、引いていた、
クルトの切れ方はそれほど尋常ではなかった。
クルトはゴダ貝に飛びかかると掘り起こすようにオリエを救い上げる、
まだ息のあるオリエ、ここでようやくいつものクルトの顔がもどった、特に目つきが戻る。
ガチャチャガは呆けている部下に言う。
「貴様たち何をしている、さっさと取り押さえろ!」
はっとわれに返った妖魔たち、レオンもこれでわれに返りクルトに大地の剣を渡す。
クルトと妖魔の戦闘開始、しかしクルトの方がかなり強い、雑魚敵はすぐに蹴散らされる、
ガチャチャガは仕方ないので「奥の手」を出す、すーと息を吸い込みと体が大きくなった。
ガチャチャガはクルトに言う。
「かかって来い、相手になってやるぞ」
クルトは大地の剣をガチャチャガに突き刺すが、ぼよんと跳ね返るのみで傷を負わせられない、
ガチャチャガは痛くも痒くもないらしい、そしてクルトを叩き潰そうと手を伸ばす、
クルトは攻撃をかわす事しか出来ない。
レオンはさっきからギルガドールを探しているのだが見つからない、
守護像は見つかり、大地の剣も見つかったのだからギルガドールもここに居るはずなのだが、
レオンは革袋を逆さまにして言う。
「おかしい、ギルガドールがいない」
オルレアン王子が辺りにある酒壷を確認すると、
「酒ったって酒がめはどれもからっぽだよ」
「酒がめがからっぽ?・・・まさか」
レオンは戦闘中のクルトにギルガドールの名前を呼んでくれる、と頼む、
理由が分からなかったがそのとおりにするクルト、ギルガドールの名を叫んだ。
すると、ガチャチャガの体が丸く膨れる、どうやらギルガドールはガチャチャガの「お腹の中」らしい。
568 :
あらすじ2:2005/11/11(金) 00:03:46 ID:???
丸くなったまま、ふわふわと浮かぶガチャチャガ。
どうしようかと話し合い中のレオンの背にゴダ貝が生気を吸おうと飛び掛かる、
レオンはとっさに口から炎を出しゴダ貝を焼いた、意外なほど簡単に燃え尽き死んでしまうゴダ貝、
どうやら「火」がこいつらの弱点らしい。
そして、オリエが、重要な事に気づいた。
「あら?ガチャチャガがいないわ」
ガチャチャガは夜空にいた、ふわふわと空高く消えてしまう。
オリエ 「ギルガドールが行っちゃう」
レオン 「クルト、呼んで」
クルト 「ギルガドール!」
・・・・・パンッ
ギルガドールが帰ってきた、目が点になるクルトとレオンとオリエとオルレアン王子。
四人の心の声(ガ・・ガチャチャガは・・?)
オリエ 「いけない!そう言えばガチャチャガが言ってたわ、ゴダ貝が城を襲ってるって」
男子 「なんだって!」
そのころ城ではゴダ貝の襲撃に、人々は大恐慌に陥っていた。
城壁をよじ登り、どこからでも侵入してくるゴダ貝、何万何十万のゴダ貝に城の兵も次第にやられていく。
オリエの母エバは泣きながら逃げ回っていた、オズマがなんとかエバを守っている。
城のバルコニーではお妃さまとメイドさんたちがゴダ貝に追い詰められていた、逃げ場はない、
絶望の表情を浮かべるお妃さまたち、そこへレオンを装備したオルレアン王子が登場。
「父さま!母さま!もう大丈夫だよ」
レオンの炎でゴダ貝を駆除するオルレアン王子、
さしもの凶悪なゴダ貝の大群も、この王子の活躍にあっけなく焼き尽くされ全滅した。
見違えるような王子のめざましい働きに、父王やお妃をはじめ、家臣一同大喜びだった。
569 :
あらすじ3:2005/11/11(金) 00:04:24 ID:???
あれから何日かたった、気持ちのいい天気の朝。
オルレアン王子は家臣と話していた。
「商隊たちがたちよるようになったって?
歓迎してやれ、広場を開放して市場にするんだ」
この姿を見ていたオリエとクルトは、きっといい王様になるよ、と微笑みあった。
クルトはオリエにあの喧嘩のことを話した。
「オリエ、僕が西へ向かうのを怖がっていると言ったね・・メデューサを恐れているって。
その時僕ものすごく腹が立った、どうしてこんなに腹が立つんだろうと思うくらい。
・・・きっと、心の底で思ってた事を言い当てられたからなんだ。」
オリエはクルトを見つめて言う。
「よかった、クルトがそう思ってくれて。
クルトは石にされたお母様を助けたい一心で旅してきた、でも、今のままではメデューサに辿り着くだけで終わるような気がするの。
クルトの旅にはもっと、何か、別の道が隠されているような気がするの・・
メデューサと戦うにはその道を旅しなければ・・私はそう思うの。」
クルトは西へ、そしてオリエのキャラバンもたまたま次の目的地が西、
こうしてクルトとオリエのキャラバンは再び一緒に西へ旅立つ事になった、
エバはそりゃもう超大反対をしたがオリエが笑顔のまま「頑固」を発動したので渋々クルトも同行させる事に。
オルレアン王子が見送りに来た。
「また遊びに来てくれよ、きっといい国にして見せるから・・クルト、水晶の姫・・」
別れる友達に、「元気でねー」と叫ぶ王子であった。
ゴダ貝やっつけたのは実質レオンなのに、オルレアンが英雄扱いかよ。
これだから王族ってやつは……
ガチャチャガあんな終わり方で良いのか。
カワイソス
妖魔を殺し続けてきたクルトでも目が点になるわ。
ガチャチャガ……このマンガでかつてこいつほど情けない
最期をとげた敵がいたろうか?
オリエが…オリエが現実から目をそらした!
ギルガドールが以前凶暴だったの忘れてた…
>570
まあ、別にオルレアンひとりが英雄扱いされたとも書いてないし。
頼りなかった次期国王が、今までと比べて段違いの働きをしたんだから、喜ぶのは仕方なかろう。
576 :
あらすじ1:2005/11/11(金) 23:59:50 ID:???
第六十七話
アスナス城。
久々にこの城の主が帰城していたが、すぐに旅立つと山椒魚に似た執事に言う、
執事は、それでは困ります、と主に訴えるが人の言う事は聞かないのがアスナスだ。
アスナスは執事に、彫刻は出来たか聞くと、執事は言う。
「やってます、閉じこもりきりで。
あのバッコスという人間も捕らえられて来たというのに・・のめりこむタイプですな」
アスナスはバッコスに与えた仕事部屋に行き、出来たか? とバッコスに聞く、
すると自信ありげに笑い、仕事部屋の中へアスナスを案内した。
「さあ、いかかです」
バッコスが見せたのは30体以上ありそうなガラティアの石像、バッコスは言う。
「同じ彫像でありながら同じではありません、少しずつ印象を変えてあります、
世界中の美女のエッセンスを一体ずつに彫り上げました。
如何にアスナス様といえど、お心の中のイメージにピッタリ一致する彫像があるはず。
さあ、お確かめを。」
しかしアスナスは全体殴り壊すと。
「では出かける、後を頼んだぞ。」
と執事に言い残し飛び去っていった、バッコス号泣。
夜の厨房で落ち込むバッコスに執事がお酌をして慰める、
「まあ、そう気を落とすな、お前さんは良くやってるよ」
しかしバッコスは、描きうる全てのイメージを彫りつくしたよ、と弱音を吐く、
執事は酒を注ぎ足してやりながら言う。
「わしも何か知ってりゃアドバイスするんだがアスナス様は何も話してくださらんし・・・
・・・「精霊」なんて見たこと無いしな・・・」
バッコス「なに?」と顔を上げる、ここでようやくガラティアは精霊だと知らされる、
アスナスはそんな事一言も言わなかったのだ。
577 :
あらすじ2:2005/11/12(土) 00:00:26 ID:???
怒ったバッコスが次にとった行動は、簡単な荷造りをして、ちょっと精霊を見に旅に出かけることだった。
もちろん執事は怒って止める。
「馬鹿かお前は、自分が捕らわれの身なのを忘れとる!逃がしたらわしが怒られる」
しかしバッコスは「逃げる」のではないらしい。
「わしは帰ってくる、アスナス様との約束を果たしにな、彫刻師バッコスは嘘は言わん」
そしてアスナス城にロープを垂らすとするすると地上に降りてしまうバッコスだった。
地上に降りたバッコス、天界へ行く方法を考えながら道を歩くと、なんでもない農村の何でもなさそうな岩崖に目を留める、
片方は垂直の崖、反対はなだらかな坂になっている。
その崖の上でバッコスは仕事道具をだすと、崖をコンコンと彫りだした、近くにいた農夫が何をしているのかたずねると、
ちょっと天界まで、と答えるバッコス、当然農夫から「変な人」と思われた。
バッコスは執事の言った通りのめりこむタイプなのでそのまま昼夜もぶっとおしで崖を彫刻する、
しかし、崖の形はほとんど変わっていない。
ある時、さすがに空腹になったバッコスは近くの農夫の所へ食事を分けてもらいに行く、
そして出された食事を平らげ、ミルクのお代わりをもらおうとするが、それが最後の一杯だと言われた。
バッコスは何故?と問う、この家には立派な牝牛が居た筈。
実は牝牛は子牛を病気で亡くして以来乳を出さなくなったという、バッコスはそれは可哀想にと木で子牛を彫ってあげると、
それを牝牛に与えてあげた、牝牛は子供だと思い元気を取り戻す。
それからさらに時間は過ぎ、バッコスは相変わらず崖を掘り続けているが、近所の住民はだれもそれが何であるのか予想もつけられない、
崖は垂直部分が刃物のようになり、坂の部分は斜面が急になっていた。
578 :
あらすじ3:2005/11/12(土) 00:00:59 ID:???
ある時農婦がバッコスに、魚をみんな食べてしまう困った大亀について相談した。
バッコスはそんなの簡単と、中を空洞にした木彫の魚を大量に作り大亀の巣に浮かべた、
すると作り物の魚を本物と間違えた大亀が全部食べてしまう、すると大亀は浮かんだまま潜る事が出来ない。
バッコスは笑いながら言う。
「中ががらんどうの木の魚を腹いっぱい食べたんだ、風船を体に詰め込んだようなものさ、沈むわけが無い」
こうして大亀はバッコスの働きで退治された。
亀退治が終わるころ雨が降り出し近所の住民と雨宿りをする、住人はバッコスに、良かったらこのままここに住まないか?
と聞いた、しかしバッコスは天界に行くと言う、農夫が無理だよと止めるがバッコスは言う。
「天才バッコスに「不可能」はない! がはははははっ」
そして雨が上がりだした、バッコスは荷物をまとめだす。
「さてそろそろ出発するか」
「どこへ?」
「天界へ」
「またァ」
バッコスが向かうのはあの、ずっと彫刻をしていた崖、そこへ「虹」が降りてきて、
そして虹の端がバッコスの彫った崖と繋がる。
農夫をはじめ皆おどろいた、バッコスが作っていたのは「虹の端っこ」だったのだ。
そしてバッコスは虹に乗ると歩いて虹の橋を渡り出す、しかし虹は天界まで通じているわけではない、農夫がどうするのか聞くと。
「なあに空の上までいきゃ雲があるさ、雲を積み上げどでかい橋を彫り上げてやるさ」
そうして虹が消えるまでの間、空の上からはバッコスの笑い声が明るく響いていました、
村人たちはただあっけにとられて見送ったと言う事です。
バッコス「わーっはははははっ」 つづく
バッコスって彫刻師、すでに神の領域に達して無いか?
あー、こういう豪快な話好きだな。
これぞファンタジーって感じ。
よく○○バカみたいなキャラってあるけど
バッコスは彫刻バカなんだなwゲージツ家ってヤツだ。
クルトは? オリエは?
彫刻家の話にどうからむんだろう。
話に聞いただけで、なんでガラティアの像をあそこまで
似せて作れるんだ。それだけでもバッコスすげーよ。
上にいる間に虹が消えたら、真っ逆さまに落ちることになるんじゃ……
>>583 モデル見せないで製作を命じるアスナスの神経もすごい
虹の端がおりてくる。虹を登って雲を彫る。
ファンタジーって奔放だよなー
こういうの好きだ
>>585 あのフローラ王女の石版は見せたかも。
あれはもう返したかな?
扉絵の隅を歩いてるおっさん、いったい何かと思ったらこんなオチだったのか。
>583>585>587
いっしょうけんめい口で説明したか、下手くそな絵で描いたとか、自分でポーズとってみせたとか……
なんか、俺の中でものすごい勢いでアスナスが3枚目になってる。
589 :
588:2005/11/12(土) 17:30:01 ID:???
あ、『口で説明』ってのは見た目に関してのことね。
しかし、人間と精霊とでそんなに変わるもんなのか……?
なんか、前に人間だか精霊だかわかんないキャラが出てきてたし、それほど差があるように思えないんだが。
>589
その微妙なところにこだわるのが芸術家って奴だろう。
591 :
あらすじ1:2005/11/12(土) 23:59:32 ID:???
第六十八話
小さなオリエを運ぶキャラバンとクルトが共に「西」へ旅をしていた、というのは覚えているでしょうか。
その旅も終着点に着き、再びクルトとオリエは別れる事になります、名残惜しそうなオリエ。
キャラバンが動き出すのは三日後、出発はその日でも良かったのですが、
エバはクルトをさっさと追い出したいためすぐに送迎会を開催。
その夜はキャラバンの人間全員が飲んだくれました、クルトにも送別の酒を酌みます、静かなのはオリエくらい、
エバはお酒が回ると何故か周りの食器を集めだします、それを見たキャラバンの男が、
「エバ様昔を思い出してるぜ、身に付いてしまっているんだな「クセ」が」
しかしその男は周りにいたキャラバンの連中にあわてて口を塞がれました・・・クルトは「?」となっています
クルトは酒場の隅の席で話している旅の男たちが「メデューサ」と口にするのを聞き、その席へ飛んでいきます。
「今、メデューサって言ったよね?」
しかしメデューサに詳しいのはこの人たちではなくここから山五つ越えた所の湖の向こう岸にいる「語り部」
と呼ばれる人物だそう、クルトはそのまま語り部に会いに走り出します。
オリエは悲しそうな顔をしました、とぼとぼと自分の車に戻る途中、
頼んでおいた「旅の服」がもうすぐ完成します、と教えられるのですが今はただ落ち込むばかりです。
オズマはオリエが旅の服を必要とする理由を察しました、そして悩むオリエに。
「オリエ様・・考えている事をおやりになればいいんです」
とオリエを励ましました。
オリエとオズマがクルトのことを話していると、汗びっしょりのクルトが帰って来ました。
「ぜえ ぜえ よ、よく考えたら ぜえ オリエにまださよなら言ってなかった ぜえ ぜえ
山二つ越えた所で引き返してきた ぜえ ぜえ ぜえ・・」
クルトはあらためてオリエにお別れを言うとまた走って山へ向かいました。
上空からマリウスとシルヴァーナが再び走り出したクルトを監視していました。
シルヴァーナ 「マリウス様、もうあの子に関わるのはよしましょうよ」
マリウス 「私は結構この旅が気に入っているのだが」
シルヴァーナ 「そうですか?ろくな事がありませんわ、こないだなんか膨らんだ河馬が目の前で破裂するし・・」
592 :
あらすじ2:2005/11/13(日) 00:00:40 ID:???
いのししの如く、真っ直ぐ走り続けるクルトにレオンが、前!前!と注意します、しかしクルトは、
「何だってー?」と振り返りますが足は止めようとしません、
そしてクルトは大木に顔面を打ちつけようやく止まりました、大木は衝撃で折れて倒れてしまいます。
いててと痛がるクルトの前には湖が広がっていました、湖は向こう岸が見えないほど広大です。
レオン 「もう夜だよ、一眠りしてからにしようよ」 クルトは猛スピードでイカダ作りを開始。
クルト 「僕イカダ作るから、出来るまで寝てなよ」
レオン 「そう?それじゃそうさせてもらおうかな」
クルト 「できたよ、出発しよ」 ・・・寝てる時間なんてないじゃないか!突っ込むレオン。
イカダに乗り湖を渡るクルトとレオン、もう真夜中なのであたりは真っ暗、静寂が二人を包みます。
湖の半ばまで来た時、水面が光っている場所を発見、
なんだろう?と水の中を覗くと、魚の尾びれが水面に現れます、しかしそれは一瞬ですぐに二人は見失いました。
どこへ行った?とさらに前方の水を覗き込む二人、
しかし次の瞬間、後ろに回り込んだ何者かがイカダを破壊しクルトとレオンは湖に投げ出されます。
水の中、そこにいたのは半女半魚の「人魚」、上半身の「女」の部分は胸の双丘もあらわなかなりの美女、
かつて使徒ドルベスを叱責したのはおそらくこの人。
クルトは水の中で大地の剣を人魚に向かって構えます、しかし人魚は戦おうとはせず、
水鏡でたくさんの妖魔がオリエのところへ進攻しているのを見せます。
593 :
あらすじ3:2005/11/13(日) 00:01:16 ID:???
なぜオリエがメデューサの使徒に狙われるのか訊ねるクルト、
人魚の話でメデューサの命令でオリエを狙っていると知ります、しかしクルトにはもう一つ疑問が。
「なぜ僕に知らせた?お前はメデューサの使徒だ、そんなにおいがする」
人魚は長い髪をなびかせ微笑みかけると、クルトに言います。
「なんとなくお前が好きだから」
クルトはすぐにはメデューサの使徒を信用しません・・・しかししばらく人魚の目を見た後、
「わかった、僕オリエのところに行く、知らせてくれてありがとう」
水面のイカダの残骸にいたレオンのもとへクルトが戻ります。
クルトがオリエのところに戻ると言うとレオンが、もどる?と不思議がりクルトに教えます。
「向こう岸はすぐそこだよ、ほら、あそこに明かりが見える」
クルトは悩みましたが、引き返すことを決意。
クルトが引き返すのを見つめる人魚、そして人魚は水中で「クルト」に変身するのでした、
岸へ上がる偽クルト、そこには巨石古代祭壇を思わせる岩の窟が・・・
クルトに化けた人魚は言う。
「さてクルトに代わって語り部とやらに会いに行くか」 つづく
最悪!
スケバン刑事でもあったが、
こうゆう偽物で誤解される展開は大嫌い。
でもいつもより少女漫画っぽい気はする。
ガチャチャガはマリウスたちの目の前で破裂してたのか。
マリウス、意外にすぐそばにいたんだな。
語り部ってのは、糸つむぐおばばみたいな老婆かな。
何か重要なことを知ってるんだろか。
マリウスとシルヴァーナ、グロ見たんだorz
マリウスの方が平気なのはメデゥーサの息子の器だから?
>>597 長年剣士なんてやってりゃ、戦った相手の脳みそが飛び散ったり
はらわたが飛び出たりなんてことは見慣れてるだろう。
しかし、マリウスは驚いただろうなぁ
600 :
あらすじ1:2005/11/13(日) 23:59:59 ID:???
第六十九話
まるで巨人がふざけて、岩で積み木遊びをした様な原始的な雰囲気をかもす語り部の住処。
人魚が化けた「偽クルト」が戸をノックすると、中から入れ、と声がします、
招きに応じて中へ入る偽クルト、そこには荷造りをしている語り部がいた。
語り部の容姿は褐色の肌をしたおじいさん、首から上は全ての毛が抜け落ち、ただ飄々とした深いしわが刻まれている、
身に付ける衣は、粗末な片肩掛けの一枚布のみ・・・例えを上げるならインドの老僧のような人物。
偽クルトが何故荷造りしているのかを訊ねると、語り部が言う。
「クルトがここにこないのでわしが行くのじゃ」
偽クルトがその必要は無い、僕がクルトだ、と言うが語り部は無視して「クルト」のもとへ行こうとする、
コケにされた偽クルトは剣を抜き、脅してでも語り部をこちらに振り向かせようとするが語り部は、
背中を向けたまま、青い青い、と手を振った。
ついに偽クルトが剣を語り部に突き刺そうと走り出す、語り部はそうなる事を知っていたのか、それとも背中に目があるのか、
くるりと偽クルトのほうを振り返ると、手のひらをばっと突き出した。
語り部の掌の中の渦に巻き込まれる偽クルト、渦に巻かれ、そしてそこから出てきたときには、
ただの魚に姿を変えていた、語り部は笑いながらこの場を後にする。
(よ、妖力が使えない、使徒の姿に戻れなくなった・・何故あの語り部はこんな力を)
ただ跳ねる事しか出来ない無力な魚となってしまった。
一方クルトはもと来た道を引き返し、オリエのもとへ向かっていた。
そしてオリエのいる城まであと少し、という所で夜空に流星のごとき速さで飛んでいく使徒の群れを見る、
その数、少なく見積もっても百はありそう。
その使徒の群れから一人進行を変えてクルトの方に向かって来る者がいた、
それは使徒タロス、がっちり体型と戦斧がトレードマークの男。
「久しぶりだなクルト、小娘とクルト、一緒に倒せるとはついてるぜ」
とタロスは言うと、戦斧をクルトに振り上げ問答無用で斬りかかる、クルトはレオンだけオリエのもとへ向かわせた。
全力で飛ぶレオン、しかし使徒たちの飛ぶ速度を見て言う。
「ス・・スピードが違う、使徒たちに追いつけないよ」
601 :
あらすじ2:2005/11/14(月) 00:00:38 ID:???
「小娘はあの城だ!急げ、メデューサ様がお待ちかねだぞ!」
オリエを手に入れるため進む使徒たち、その前に立ちふさがるように、金色の光が浮かんだ、
なんだ?といぶかる使徒たち、しかし進攻速度を落としているわけではない、
あっという間に金色のひかりのすぐ側まで来て、正体が見えた。
「金色の鷹だ!」
使徒達がそう叫んだと同時に鷹は ピカッ! と猛烈な光を放つ。
光を浴びた使徒達は、体を溶かし、そして「全滅」した。
離れた場所でクルトと戦っていたタロスだけが生き残る、戦いを捨て戦友の元へ走る、
仲間たちの骸の中で必死に仲間の名を叫ぶタロス・・だが返事はない。
タロスは仲間の一部を拾い上げると胸に抱きつぶやく。
「みんな・・死んでしまったのか・・あの鷹もクルトの味方か・・くそ!」
金色の鷹はオリエのいる城へ入っていく、それを追うクルト、
城壁を駆け上りバルコニーを飛びわたり、必死に追うがオリエの部屋の直前で見失ってしまう。
その時オリエの部屋から笑い声が聞こえてくる、ひょいと顔を覘かせるクルト、
そこにはオリエと部屋の中心に置かれたクッションに座る「あの」語り部の姿があった。
クルトはとりあえずオリエの無事にほっとし、そして訊ねた。
「無事だったんだねオリエ・・・その人は? それと金色の鷹を見なかった?」
しかしオリエは鷹は見ていないと言う、そして語り部に、クルトに会いにいらしたのよ、
と語り部を紹介する、しかしクルトは不審な目を語り部に向け、オリエをかばうように背中に隠した。
クルトは語り部から「人間の気配」が感じられないと言い警戒する、
しかし語り部はそんなクルトの髪を笑いながらなでてやり場の空気を柔らかくした。
語り部はクルトに説明する。
「わしは長く長く生きておる、人間である事など忘れてしもうたわい。
世を捨て、天と地の始まりから現在までの語りを繰り返すうち、
気は鋭くなり、居ながらにして地平を見通せるようになる・・・それが語り部じゃ。」
602 :
あらすじ3:2005/11/14(月) 00:01:13 ID:???
クルトとのお話を邪魔してはいけないと退出しようとするオリエを止めて、
語り部はクルトのもっとも知りたいことを語りだした。
「クルト、お前が知りたいのはズバリ、メデューサを倒す方法じゃろう」
レオンが北の荒地で見たメデューサを思い出し、あの怪物を倒す方法があるの!?と驚く、
語り部は、倒せる、と断言、しかし「ある物」を手に入れられればの話と言う。
クルトは語り部の話を反芻し、そして一瞬の間ののち、わーっとオリエに抱きついた、
嬉しい嬉しいと繰り返すクルト、真っ赤になるオリエ。
一方マリウスはクルトを見失い湖の上を飛んでいた。
突然マリウスが怪訝そうに耳を澄ます、誰かが呼んでいるようだ、声のするほうへ向かう、
そこには魚に変えられた人魚が地面の上でピチピチ跳ねていた。
魚はメデューサ様の黒い血を一滴下さい、と言う、母の使徒とわかり助けてやるマリウス、
魚は黒い血を体に吸うと美しい人魚の姿に戻った。
お礼を言う人魚、訳を聞こうとするマリウスだが人魚は恥じて話そうとしない、
そして人魚は苦しそうに、水際まで連れて行って欲しいとマリウスに頼んだ。
うむ、と承知して人魚の細い体の下に手を入れようとするが、
先に大きな女の子に変身したシルヴァーナに担ぎ上げられ、ブンッと湖に投げ飛ばす。
人魚 「らっ乱暴ね!」
シルヴァーナ 「言われたとおりにしてあげたのよ、文句無いでしょ、使徒風情がマリウス様に近づくんじゃないよ」
あっかんべーをするシルヴァーナ、後ろで困ったように腕組するマリウス。
そしてマリウスは再びクルトを捜索するために旅立っていった。
「エルゾの鏡・・?」
その名をつぶやくクルト、これこそが宿敵メデューサを倒す唯一の物、語り部は言う。
「この世でただ一人メデューサが恐れ敬うものが居る・・・メデューサの父、エルゾじゃ、
闇の支配をメデューサに預け、エルゾは今、黄泉の闇にその姿を没している」
クルトは核心を聞く、エルゾの鏡って一体・・?
「エルゾの鏡とは、メデューサを恐れさせた父エルゾの凍てついた魂そのものなのじゃ」
「みんな…死んでしまったのか」
にちょっと涙腺がゆるんだ。
そうだよな、妖魔だって仲間を思う気持ちはあるんだろうな…
いい奴だ…タロス、このまま重要キャラになる予感
ひょっとしてクロコダイン系?
語り部のじいさんつえー!
と思ったら、金色の鷹はもっとつえーっ!!
とりあえずこれからは、まずそのエルゾの鏡ってのを探すたびに
なるわけだな。
しかし、メデューサの使徒はガンガン死んでるな。
クルトが直接倒した使徒なんてほんの数人なのに、メデューサ自身が
機嫌をそこねて石化したり、今回の金色の鷹による大虐殺。
これじゃ、いくら見込みのある動物や人に黒い血を授けて使徒を増やし
てもおいつかないだろ。
ファンタジーものでは、謎のじいさんばあさんは重要キャラだな。
金色の鷹(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
こんなこと知ってる語り部のじーさん何者だよ。
味方?敵?
味方だと思って痛い目見るんじゃないでしょうね、クルト
クルトは一度金色の鷹にとびつこうとしたことあったよな……
もしあの時成功して鷹を怒らせていたら……
マリウスとあの人魚、フラグ立ったか?
シルヴァーナの行動も可愛いな。
ただ、あかんべしているところは左右の瞳孔の大きさが違いすぎて絵的に怖い……
613 :
あらすじ1:2005/11/14(月) 23:59:32 ID:???
第七十話
天界ではマルスたちが緊急出動していました。
現場に着くとそこには「下界」から続く雲の橋がここまで架けられています、
誰かがこの橋を使って天界に侵入したと考えるのが定石です、たいへん!あわてて侵入者捜索を開始するマルスたち。
そのころ、雲の草原をバッコスが歩いて「精霊」を探していました、
丁度道を歩く娘さん達がいたので、精霊に出会うにはどこへ行けばいいのかな、と質問すると、
娘さんたちは「キャー!人間よ!」と騒ぎ出したので、バッコスは急いで逃げます。
草陰に隠れたバッコス、しかしここでも一人の娘に見つかってしまいます、それは精霊オリエでした、
何かに痺れるように精霊オリエから目が離せなくなるバッコス、しかし追っ手が迫りやむなく再び急いで逃げるのでした。
再び場面は、語り部がクルトを訊ねてきたお城の一室。
語り部からエルゾの鏡を手に入れられればメデューサを倒せると聞き、何としてもそれを手に入れるというクルト。
それはどこにあるの?とクルトは語り部に聞きました。
語り部 「エルゾの鏡は百近い欠片に砕かれ、メデューサの使徒の体に埋め込まれている」
クルト 「それじゃ今まで僕が倒した使徒の中にも・・」
語り部 「気に病む必要は無い、倒された使徒の体から欠片を全て手に入れているやつがいる・・・
封じられた使徒からもな」
クルト 「僕とは別にエルゾの鏡の欠片を集めているやつがいる、そいつはだれだ!・・何の目的で!?」
その時、窓から雪崩の如く使徒の一群がオリエを狙って攻めて来ました。
クルトたちがいる城から少し離れた山中からタロスがこの第二陣の戦攻突撃の様子を観察していました、
しかし冷静な戦力分析ができるタロスはこの「攻め」が失敗に終わると推測できました。
そこへイリューズが合流、クルトとオリエが一緒にいるのが不安だと言います。
とりあえず新たに手段を練り直して出直すことにする二人でした。
614 :
あらすじ2:2005/11/15(火) 00:00:16 ID:???
クルトとレオンは使徒たちと激しく戦っていました、語り部のおじいさんとオリエは背後にかくまっています。
クルトが戦いに夢中になっている最中、語り部は笑いながらオリエに話しかけます。
語り部 「オリエ・・クルトを頼むよ」
オリエ 「えっ? あたしがクルトと一緒に旅に出ようとしているのを知ってるんですか」
語り部は、ああとうなずくとさらにオリエに言います。
「お前には苦しい旅だろう、しかしきっと良い事があるよ・・・そして・・!?・・そして・・クルトは・・
・・・・・・クルトは「母親に会う」?!?・・こ・・これはどういうことなのじゃ」
途中から様子がおかしくなった語り部、しかしオリエにはそのわけも、その言葉の意味も今はよく判らないのでした。
一方天界では、マルスの人間捜索がまだ必死に行われていました。
一般の精霊たちもこれに興味が津々らしく、仕事の手を止めほとんどの精霊が出払ってしまいました、
残ったのは精霊オリエぐらいです、まじめにお仕事をしていると、そこへ渦中の人バッコスが現れました。
バッコスは自分は怪しい者ではなく彫刻師で、精霊を見に来ただけと説明。
その時、再びがやがやと騒がしい娘さんの一団がやってきたので、慌てて隠れるバッコス、
精霊オリエの前でわいわい、そして一団は再びがやがやとどこかへ向かって消えていきました。
精霊オリエは今のがすべて精霊ですよ、と教えてあげます、そして今なら逃がして差し上げられるわと言いますが、
バッコスは精霊オリエに、あなたを彫りたいと頼み込みます、必死に頼み込まれ精霊オリエはついに折れてしまいました・・精霊オリエは押しに弱いようす。
仲間に見つからない奥の部屋でデッサンモデルをしてあげる精霊オリエでした。
615 :
あらすじ3:2005/11/15(火) 00:00:54 ID:???
バッコスは納得のいく収穫を得てついに天界を去ることに。
今度は雲でハシゴでも作るかな、と歩いていると、地面に金色に光る砂が撒かれていました、
さすがは天界、道まで美しい、と歩き出すと砂が大爆発。
実はこの砂、対人間用爆発系捕獲捜索型兵器、といった物らしいのですが、しかしあまりに過激な設計思想なため、
父アガナードの留守の時にしか使えないらしいです。
しかしここでマルスに戦術想定外の事態が生じます、バッコスが計算より足が速いのか、砂の爆発の起爆が遅すぎるのか、
バッコスを父アガナードの「聖殿」とよばれる天界の中心にあるひときわ巨大で荘厳な建物へ逃がしてしまいます、
この聖殿内にはマルスですら入れないらしいのです。
それを知らないバッコスはマルスたちの目から逃れようと奥へ奥へと進んでいきました。
そしておそらく最深部に到着、階段の一番下には大きな扉がありその扉には厳重な封がしてありましたが、
地上に戻りたいバッコスは封をはずしてしまいます。
そしてバッコスは「扉」を開けるのですが、次の瞬間、中から物凄い数の「光」が飛び出して来たのでした。 つづく
そういやバッコスのことすっかり忘れてたよ。
天界に来てもマイペースなおっさんだな。
船乗ってるときのレオン可愛い
>「エルゾの鏡は百近い欠片に砕かれ、メデューサの使徒の体に埋め込まれている」
いいねえ、そういう設定。これからそれを集めていくわけか。
そういう展開のマンガを、なんとかなやつらだとか、なんとか1/2だとか
ドタバタコメディーばかり描いてる某売れっ子マンガ家にも描いてほしいよな。
アガナード父様お留守とな?
なんとなくユリアナと密談でもしてるのかと勘ぐってみる。
アガナードが天界を留守にしてるってことは、まさか地上界に?
だとしたら、メデューサが正体現した時に匹敵する大惨事だぞ。
なんせ、耳の穴だけでも洞窟ぐらいの大きさなんだから、とにかく
でかすぎ。地上にただ降りるだけでも、ものすごい惨事になる。
エルゾの状態がよくわkらんが、
魂が肉体にないみたいだから、
黄泉で植物人間のような状態なのかな。
オリエとガラティアは似ているからこれで成功するのかな
エルゾの鏡、いわゆる、26個あるのか、52個あるのかわからないってやつだな(w
624 :
589:2005/11/15(火) 23:09:55 ID:???
ますます精霊と人間の違いがわかんなくなってきた……単純に本人のふいんき(なぜか変換できない)の問題なのか?
考えてみりゃ、アスナスが作らせてるガラティアの像だって、人間になった後の姿だもんなぁ。
それにしても、雲の橋までわざわざ飾りつけたバッコスは神すぎる。
帰ってきたアガナードに気に入られて、そのまま天界に住む許可もらったりして。
625 :
あらすじ1:2005/11/15(火) 23:59:43 ID:???
第七十一話
アガナードの聖殿奥の扉から一斉に飛び出したのは何十何百という「光」。
光たちはまるで天界から地上へ逃げるかのように物凄いスピードで飛んでいく。
それを追うマルスたち、彼女たちは光に追いつくため シャア と呼ばれる海豚に似た天界の騎獣に乗り、
光を次々に捕らえていった。
一方、クルトは妖魔の第二波攻撃を防衛し終わり、部屋の中には妖魔の死骸で埋まっていた。
クルトは語り部に、こいつらは下僕ではなく使徒だと思うと話す、どうやって見分けた?と聞く語り部に、
まったく気配が違う、と答えるクルト。
語り部はそれで良い、とうなずきクルトに言った。
「鼠と獅子の違いが分かるなら獅子と獅子王の違いも分かるじゃろう」
その時、使徒の死骸の中から狸寝入りしてチャンスをうかがっていた使徒が起き上がり、
クルトに襲い掛かった、クルトは大地の剣でこれを倒す。
語り部のおじいさんは、この使徒に向かって剣をかざしてみよ、と言うので言われたとおりにするクルト、
「何も起こらない・・」
言いかけるクルトだが、途中で止まる、使徒の体から小さな赤い結晶のようなものが現れたのだ、
これがエルゾの鏡、血の様に赤い結晶、エルゾの鏡の欠片。
語り部はそのエルゾの鏡の欠片を大地の剣の「つか」の部分に仕舞ってみせた。
それからオリエのクリスタルを壊し、その「水晶の力」だけ、オリエの髪飾りの石に移してあげる、
この方が旅しやすかろう、と言った。
何も壊す事はないのに、と壊れた水晶の欠片を拾うクルトに、キャラバンで守られながら旅するならばな、
と言う語り部、そしてオリエがクルトに一緒に旅をすると告げた。
626 :
あらすじ2:2005/11/16(水) 00:00:17 ID:???
オリエの言い方は希望を語っているのでもなく、思いを告げているのでもなく、
かなり「はっきり」と決定した事実のみを言う感じ・・・微塵の迷いもないオリエ、
クルトはもう何を言ってもオリエはついて来ると悟った。
語り部はクルトの肩をぽんと叩き言う。
「オリエの決心は変わらぬ、一緒に行くがいいクルト。
・・・お前の歩む道は正しい、真っ直ぐ進むがよい。」
そう言い残すと語り部は常人離れした跳躍を見せながら城から跳び去っていく、その頭上には金色の鷹が飛んでいた。
あっという間に城から遠く離れた場所に来た語り部は、
「二つ星は出会った、メデューサの歯噛みする顔が見えるようじゃ」
と嬉しそうに笑っていた、しかし今度は難しそうな顔に変わる。
「それにしても不思議なのは先ほどの「予感」・・・クルトは母親に、出会う・・」
そして語り部は、善神アガナードの姿に戻った。
「わしの知らない間に、天界に何か起こったと見える」
マルスたちの光の捕獲が終わりかけていた、しかし、最後の一つを逃してしまうが、
地上に近すぎるのと、父アガナードがもうすぐ帰ってくるのでこれ以上の追走はあきらめる。
マルスたちの捕らえられなかったその輝きは、地上へ地上へ、まっしぐらにある場所を目指して降りていった。
神様のアガナードも所詮はただのジジババと同じか…
孫、可愛いんだ
金色の鷹はクルトが迷わないようにアガナードがつけてたんだな
つーか、黄金の鷹もアfガナード自身なんじゃね?
語り部のじいさん=黄金の鷹=アガナード
まあ、なんにせよ、道理で強かったわけだ、語り部。
ただのジジィではないと思ってはいたが、まさかアガナードとは。
娘は一杯だけど、血を分けた孫は一人だもんね。
そりゃかわいいだろうw<ただのジジババと同じ
後は神様同士で争うと地上がめちゃくちゃになるので、エルゾを倒すのを
クルトに任せたんじゃなかろうかとも思う。
(いわゆる使徒、使者みたいなもんで)
つまり、クルト対メデューサの使徒の戦いは、直接戦争したら核兵器で
地球がめちゃくちゃになってしまうアメリカとソ連の代理戦争だった
朝鮮戦争やベトナム戦争みたいなもんか。
632 :
あらすじ1:2005/11/17(木) 00:00:51 ID:???
第七十二話
クルトの故郷、ルーンの国では珍しく嵐が吹き荒れていた。
王ステファンは石にされた妻の前でわが子クルトの無事を祈っていると、
空から光が飛んできて城に侵入させてしまう、家臣ダーレスが体を盾に防ごうとするが、
光はダーレスを傷つけることなくただ体の中を「通り抜けて」しまった。
そして光はついにガラティアの像の部屋まで来てしまう、今度はステファンが剣を抜き、
おのれメデューサの手先か、と光の前に立ちはだかる、ぶつかるステファンと光・・そして・・
・・・ステファン・・・
一日たりとも、この声を忘れた事はない、
この声を聞けなくなって幾日幾年経過したろう
胸の中の空虚を埋めることが出来る、唯一の存在、かけがえのない者・・・ガラティア・・・
光は・・いや、ガラティアは自分の石像の周りを飛ぶと、窓から出て行き、
そしてどこかへ向かい、去っていくのだった。
一方、キャラバンでは大騒動中。
オリエがクルトと旅立つのをエバが許そうとしないのだった、ただしオリエも決心を変えようとしない。
エバは脅したり泣きついたり怒ったり情に訴えたり、まあ、あらゆる「手」でオリエを引きとめようとする、
キャラバンの男たちはエバに眠り薬を飲ませてようやくオリエを連れ出せた。
633 :
あらすじ2:2005/11/17(木) 00:01:36 ID:???
オズマ 「こうでもしないとオリエ様を放さないでしょうから」
みんなの助けで旅の用意が出来たオリエがクルトの前に現れた。
オリエの新しい格好は、旅をしやすそうな短い服と短いスカート、腰にはポーチがついており足は膝下までのブーツ、
一番変わったのはやはり三つ編みされたその黒髪だろう。
こうしてオズマはじめ、キャラバンの人間全員に見送られながらクルトとオリエは旅立って行くのだった・・エバを除いて。
エバが目を覚ましたのは三日後だった、キャラバンの男たちが眠り薬を飲ませたとわかると、
剣を抜いてテントから出てきた、しかし外に居たのは「盗賊姿」の男たち、
武装したオズマがエバに向かって、首領!仕度は出来てますぜと言う、思わず眩暈を起こしそうになるエバ。
実はキャラバンはオリエと占いの旅をする前は「大盗賊団」だったのだ、そしてエバはそれの「首領」
手際の良いこの「盗賊団」が娘を奪ったのだ、返ってくるはずはない、「こいつら」の腕は首領が一番良く知っている。
エバは首領として皆に命令した。
「仕度が出来てるならすぐ出発だ!さあ、盗みまくるよっ」(オリエ、いつかまた会えるよねぇ、親子だものねぇ・・)
634 :
あらすじ3:2005/11/17(木) 00:02:10 ID:???
場面、アスナス城。
ここに久々に主が帰城していた、が、眉間のしわがいつもより深い・・・不機嫌モードのアスナス。
いつものように執事に「あれの」経過報告を聞いた。
アスナス 「バッコスは?」
執事 「お帰りなさいませアスナス様、やつは「相変わらず」ですが・・・」
近くにあった城の調度品をズガッと殴り壊すアスナス。
アスナス 「「あいかわらず」か!」
仕事場の部屋の前まで来るといらだった様子でダンダンダン!とドアをノックするアスナス。
バッコス 「おおアスナス様」
アスナス 「出来たか?」
腕組したまま不機嫌を隠そうともしない顔で聞くアスナス、それに対してバッコスは落ち着いた様子で言う。
バッコス 「なにがでございますか?」
アスナスはバッコスの胸倉を掴んだ、しかしバッコスは静かに一つのシーツのかかった像を指差す。
アスナス 「ほう、たった一体か、この間のように何十体も作る時間は無かったようだな」
バッコスは、そっと、ノミと槌をアスナスに差し出し言った。
バッコス 「お気に召さなければ壊していただいてもけっこうです、しかしバッコスはこれ以上のものは彫れません」
アスナスがはっとした表情になり、そして急いで像のシーツをバッと奪った。
アスナス 「おお!」
石像を見て、驚きと感動を覚えるアスナス・・・アスナスはこの像を、壊す事が出来なかった・・・
アスナス 「バッコス・・」
バッコス 「良い仕事が出来たと、自分でも思います」
アスナス 「何でも望むが良い、お前の希望は全てかなえよう」
バッコス 「この像が彫りあがった時に思いました・・そして像を見ていただいた時のアスナス様の表情を見ていっそう強くなりました」
「ああ、この仕事をやってきて良かったと・・・この道は確かに私の道なのだと・・・」
「私をもとの家に帰してください、請け負っていた仕事がそのままになっております」
「私は死ぬまで、この仕事を続けます」 第七十二話 終わり
バッコスカコイイな。
本当に職人だわ。
最後の台詞、無理矢理連れてきたアスナスに
ちょっと嫌み入ってる?w
エバ様、素敵ww
こういう人好きだなー
どうもガラが悪いと思ったら、エバは盗賊上がりだったのか。
どうでもいいけど、一服もっただけで3日も眠っちゃう眠り薬って
ヤバくね? ちょっと分量間違えたら、そのまま永眠しそうなんだが。
バッコス成功オメ!
等身大の全身像って(テヌキでなく、魂のこもった芸術作品として完成
しようと思えば)1体彫り上げるのに何ヶ月もの時間がかかると思うんだ
が……バッコスにかかればあっという間だな。
しかし、バッコス自身も今回の件は
結構勉強にナタだろうなぁ。
スピードだけではなくて、魂の込めた像を造ったって言うのは
にしても「よい仕事が出来たと思います」
は名セリフだと重う
642 :
あらすじ1:2005/11/17(木) 23:59:52 ID:???
第七十三話
ルーンの王城を飛び出した光は西へ西へと向かった。
一方クルトとレオン、それに新たに加わったオリエたちは雨に降られ雨宿りをする事に。
丁度雨が防げそうな横穴を発見したのでクルトはそこに入る、が一緒にいたはずのオリエとレオンがいない、
二人は一足先に火をつけるための木を集めに行っていたのだ・・・オリエは気が利く子のようだ。
クルトとオリエは濡れた服を脱ぐと、熾した火で乾かし始める、
クルトは旅に溶け込んでいるオリエを不思議そうに見つめた、クルトはオリエに言う。
「まるで僕たちとずっと一緒に旅をしてきたみたいだ」
それにこう答えるオリエ。
「じゃ、きっとそうなのよ」
なんだかオリエに謎をかけられたような気分になるクルトだった。
その夜はそのまま横穴の中で野宿する三人、すっかり熟睡しているころ、
夜空からあの光が飛んできた。
あまりの明るさに目を覚ますオリエ、目の前でクルトが光に包まれていた、
しかしまがまがしい気配は感じられない、むしろ気高く美しい光だった。
オリエは水晶の力を転写した髪飾りを装備、クルトと光を覗いて見た。
クルトは夢の中で母ガラティアに再会していた。
とても嬉しそうで、そして幸せいっぱいの笑顔をみせるクルトは、母に触れようと腕を伸ばすが、
母はすぐに遠ざかってしまう、追っても追っても母から引き離されるクルト。
そして、母の姿は消え、代わりに宝冠と槍と盾をつけた女性の石像が現れる、その周りには朽ちた神殿が見えた。
光がクルトから離れると夢は終わった、光はそのままどこかへ去っていくと、
まだ眠たそうだがクルトが目を覚ます、水晶の力で一部始終を見ていたオリエは夢は光のメッセージだとクルトに教え、
あの夢に出てきた石像の場所を探しましょうと言った。
643 :
あらすじ2:2005/11/18(金) 00:01:02 ID:???
翌朝さっそくギルガドールに乗り空から石像探しを始めるクルトたち、
さっそく一軒の家の天窓から夢に出たのとそっくりな「木像」を発見、もっとよく見ようと屋根に降りてみるクルトたちだが、
罠に掛かり捕まってしまう、そこへ現れたのはこの家の主らしき男、クルトたちを「珍しい精霊」と勘違いしていた。
しかしクルトたちをただの人間とトケガだと分かるとすぐに解放してくれた、男は言う。
「人間に用はねえ、とっとと失せろ、俺が捕まえたいのは精霊だ」
クルトは男に木造の事を聞いた、すると男はあれは精霊の像だと教えてくれる、自分で彫ったそうだ。
実は、男の話によると、精霊というのは物凄く「働き者」らしい、文句も言わずよく働き晩酌も上手に注ぐ、
捕まえたのは偶然らしいが、精霊の額のバンドと腰のベルトを取り上げると泣いて返してくださいと懇願してきたので、
返してやる代わりにそれに等しい分だけ肉体労働で返してもらうことにした、等価交換だ。
その日から精霊は男の代わりに働いた、荒れ地を耕し井戸を掘った、畑仕事から森の伐採、
食事の用意、服の繕い、夜は酒の相手をさせた。
幾日も休まず、季節が変わり辛い冬が訪れても精霊のベルトはまだ返してもらえなかった、
男は酒に酔うと精霊に「返して欲しけりゃさっさと働け」と暴力を振るう事もあった。
しかし、ある日精霊は男が居眠りをしている隙に隠しておいたベルトを見つけ天界に帰ってしまった・・・めでたしめでたし。
男は言う。
「惜しい事をした、もっと見つからない場所に隠しておくべきだった」
レオンがベルトはどこに隠しておいたの、と男に聞いた、男は後ろの大きくてやや豪華な櫃を指差す、
レオンは男に注意した。
「いかにもって感じじゃない、あれじゃすぐ見つかっちゃうよ」
とにかく、男は精霊像をつかい、今も後釜の精霊が捕まるのを待っているらしい。
その時、周りに生臭い気配が家を取り囲むように集まっていた、男とクルトはそれに気づき戦闘体制にはいる、
家の周りに集まっていたのはドクトカゲ、1メートルから2メートルくらいの大きさで、名前のおとり牙には毒がある。
644 :
あらすじ3:2005/11/18(金) 00:01:36 ID:???
この化物のせいで住人は皆引越し、今残っているのはこの男一人になってしまったと言う、
その男が、ドクトカゲに噛み付かれた、クルトとレオンがトカゲを追い払い、オリエが介抱してあげたので、
なんとか大事には至らずにすんだ。
男は以前にも同じようにドクトカゲの毒で重体になったことがある、その時精霊は逃げもせず男を看病し続けた、
実はこの時男は精霊にベルトを返してあげ、天界へ帰してあげていたのだ。
オリエは男にその時の事を思い出すように言う、その時の精霊の様子を。
オリエ 「あの箱に入ったベルトは見つけようと思えばすぐに見つけられた、でも精霊はそうしなかった、
見つければ天界へ帰らなければならなかったから」
男 「仕方なかったんだ、おれはベルトを盾にあいつを縛り付けておく自分に嫌気がさしていたんだ、
あいつが天界に戻っちまっても、それはそれでいいと思っていた」
クルト 「でも、待ってるんだね・・精霊と一緒に暮らしたここで、もう一度帰ってくるのを」
クルトは像が見える天窓の扉を閉めた、男が何をする、と言った、クルトはこれは必要ないという、
そして、精霊がこの家の入り口に立っていた、抱き合う男と精霊。
精霊はまたこの家においてください、と男に頼むのだった。
その後男の話で精霊像のモデルは西に行ったところにある年に一度湖から浮かび上がる「ムウ神殿の像」
と呼ばれるものだということが分かった。
男に情報提供の礼を言い、旅立つクルト。
オリエとレオンは明るい顔で男と精霊が幸せそうなのを喜んでいたが、クルトだけ浮かない顔だった。
「この事をアガナードお爺様が知ったら、あの精霊は黄泉に落とされる。
何故人間と精霊は愛し合っちゃいけないんだろう・・・」
そして教えられた湖に到着するクルトたち・・・ここで何が起こるのか、まだクルトたちは知る由も無い・・・つづく
取り持ちに引っかかるドジ精霊モエス
前に出た、人間と恋した精霊の話って伏線だったのか。
クルトも疑問に思ってるけど、なんでダメなんだろ。
とりあえず、あのトラップを精霊ホイホイと名付けよう。
まぁこの男の言った精霊虐待はほとんど嘘…だろうな。
最初はそっけなく迷惑そうだったんだろうけど
不器用なりにかいがいしく世話を妬いたのだろう。。
そうでなければ精霊が惚れない。…ドMでなければ。
ドMだったりしてw
…あの木造は誰が作ったんだろ。
精霊が間違えるくらいだから相当精巧に出来てるに違いない。
こんなところにもバッコスの作があったんだろうか(だったら報酬は何だろう〜)。
それともこの男の精霊を取り戻したい一念で彫り上げた執念の作とか。
いや、疑似餌はぱっと見似てるって程度でも良いんじゃないか?
気になって様子を見に来ればokなんだから。
常人の彫刻家でも出来ると思う。
ムウ神殿に行くまでが大変そうだが。
651 :
あらすじ1:2005/11/19(土) 00:00:28 ID:???
第七十四話
湖畔に朝日が差し込む。
雲を照らし地平に光を当てる太陽、その光を浴びる木々の葉には宝石のような朝露が転がり、
目を覚ました小鳥たちが朝ごはんを食べに元気良く巣から飛び立つ、そんなさわやかな朝。
オリエとレオンが目を覚ました、側には腕組して微動だにしないクルトが起きていた、いや、
起きていたというより、寝なかったらしい、夜通し湖に神殿が現れるのを監視していたのだ。
オリエが監視の成果を聞くがクルトは何の変化も発見できず苛立ち、
いつものクセでクルトは突っ走りだした。
ぼく調べてくる、と言いのこすとクルトはダッと湖に飛び込んだ、
オリエは心配するが、レオンはあーあと呆れ顔。
湖に潜ったクルト、しかしいくら潜ってもなかなか底に辿り着けない、湖の中では今までで一番深いだろう。
ここに精霊像が・・そんな考え事をしながら潜るクルトは石に頭をぶつけてしまう、ようやく「底」に辿り着いたようだ、
クルトは頭を痛がりながらも周りを見てみる、そこにはたしかに「人工」の石建築の跡のようなものが、
しかし光があまり届かないのと、泥が流れているのか底の水の透明度はあまり高くなく全体像までは把握できなかった。
クルトは汚れた装飾壁の一つを手でこすると、汚れの下から女神の彫刻盤を発見する、
どうやらここが湖の神殿、と言う事らしい、とりあえずここで水面にもどることに。
クルトは岸に戻ると、神殿の跡らしいのは見つけたけど、泥を厚くかぶって像はどこなのか分からない、
とオリエとレオンに教えます。
レオン 「神殿が沈んでいるなんてすごく深いんだね」 クルト「うん」
オリエ 「それにとても広いんでしょ?」 クルト「うん」
レオン 「どうしてそんなにでかい神殿が一年に一度湖から浮かび上がってくるのさ」 クルト「・・・」
もう一度調べてくる、と言い終わるより早く再び湖に飛び込むクルト、
オリエたちも何か手がかりはないか湖の周りを調べてみる事に。
652 :
あらすじ2:2005/11/19(土) 00:01:06 ID:???
湖底に辿り着いたクルト、神殿のあちこちから「泡」が湧いているのを発見、
その一つに近づくと、泡は神殿の床石の隙間から出ていた、クルトはその隙間に入ってみる、
そこは神殿の中の部屋らしい、そして部屋の天井の一角に泡が溜まっていたのでクルトは顔を出してみる、
息が出来る、どうやらこれは空気らしい。
空気の泡はこの部屋のさらに下から出てきる、クルトは泡の出所を調べようとさらに下へ潜った。
クルトは神殿の最深部までやってくる、しかし泡はさらにこの床下から出ていた、
クルトは床石の一つを引っこ抜いてみた、すると水が抜けた穴に流れ込み、クルトは床石もろとも流される。
そこは神殿の下にある地下空洞だった、空洞は半分は空気半分は水という状態、クルトはその天井からおちてきたのだ、
どうやらこの空気が溜まる事によって神殿を浮上させる、という仕組みらしい。
クルトは床石を天井に開けた穴に差し込み蓋をすると、泡の出所を追ってさらに下に潜った。
陸で捜索中のオリエたちは古い石版を発見、古い文字らしいがオリエは少し読めるらしい、
オリエはレオンに読んであげる。
「昔このあたりの国を妖魔が襲った時、風の精霊がその妖魔と戦い打ち破った、
しかし精霊はその戦いで力尽き死んでしまった。
人々は自分たちを救ったその美しい風の精霊をしのんで、湖の小さな島に神殿を建てた・・・」
レオンは聞き終わると、こんな石版がもっとあればいろいろ分かるね、と空から捜索するため飛びだった。
一人になったオリエ、その背後から足音を忍ばせ近寄る不審な男に、まだ誰も気づいていない・・・
クルトは底に辿りつく、そこには泡を湧き出す穴が何個も開いたいた、しかし泡がぴたりと出なくなる、
今度は水を「吸い」込み始めた、クルトは穴に吸いこまれてしまった。
一方レオンも地上で風を吹き出す穴を発見していた。
653 :
あらすじ3:2005/11/19(土) 00:01:44 ID:???
オリエの前に現れたのは牛骨仮面姿のアスナスだった、オリエはアスナスと初対面、
しかしアスナスはオリエの事を良く調べているようだった。
オリエ 「あなたはメデューサの手先?」
アスナス 「私が・・・? お前にはどう見える?」
オリエはアスナスを「視る」とそのイメージを語った。
オリエ 「あなたは大きな星を背負っている、とてもとても大きな・・・
それはあなたのすぐ近くに輝く大きな凶星と同じくらい、大きく赤く輝く星・・・」
アスナス 「さすがにメデューサが気にかけるだけの事はある、
それにしてもクルトといいお前といい、何故子供なのだろう・・?」
そこへレオンが帰ってくる、しかしオリエが振り返ったときにはアスナスは姿を消していた。
レオンはオリエを風の穴のところへ案内する、そこへクルトが穴から風に運ばれ出て来た。
クルトはどうやってここまで運ばれたか二人に説明する、オリエの推測ではこの穴は風穴で、
自然の力により空気が神殿の下に送られているらしかった。
しかしそれじゃどうやって像に会えばいいのか悩むクルト、そこへ変な気配が近づいてきた。
空を覆うほど大きなメデューサの使徒が接近・・
・・・困ってしまいました・・・こいつをどう文章で説明したもんか・・・おそらくこのお話に出てくる使徒の中でも一二を争うほど規格外のモンスターです
とりあえず色は黒を想像してください・・それから顔は白、そう、ちょっと道化っぽい感じで・・鼻は無く、目には白目の部分がありません、
口は口角が鋭く裂け、中には尖った歯があります・・耳は先のほうがとんがり、頭には二本の角?がはえています・・・
そして体の大きさは・・・えーと・・大きいです、でっかいです、とにかく雨雲のように地にかぶさる使徒をがんばってイメージしてみてください・・・
使徒の名は グルトリア メデューサの側近です、次回こいつとクルトが戦いますんでお楽しみに
オリエは子供なのに博学だな。
自然の風力で送り込まれる空気に頼ってるのなら、1年に1度
きちんと定期的に浮かび上がるか?
新キャラでかすぎだろww
浮いてるから巨大大地の剣でも届かないしどうやって戦うんだ。
普段どうやって生活してるんだコイツ。
ダークグリーンの1巻の最後の方に出てくる
超巨大な奴を思い出した。
657 :
あらすじ1:2005/11/19(土) 23:59:17 ID:???
第七十五話
天に渦巻くメデューサの使徒にして側近、グルトリア、
クルトとオリエを見つけると空から雷の雨を降らせ攻撃する、
雷一本だけでも木々をふっ飛ばし粉々に焼き尽くしてしまうほど攻撃力は高い、
それをまるで猫が鼠をいたぶるが如く二人の子供たちに降り注がせた。
オリエが湖に転落してしまう、それを追いかけ湖に飛び込むクルト、自分は水の中でもまだ平気だがオリエは苦しそうになる、
しかし今は上陸できない、そこでクルトはオリエをつかむと「下」へ潜っていった。
空ではグルトリアがクルトたちを見失っていた、まだ遊び足りないと余裕の様子。
そこへアスナスが現れ何故メデューサの側近のお前がここへ、と質問し、それにグルトリアが答える。
「この地に来たのはメデューサ様のご命令、
星が一つこの地に流れた、それもアガナード聖域から、その星はこのあたりのどこかにある神殿の聖像にその姿を隠したという、
メデューサ様はこの地全てを焼き払ってでも、その像を見つけて壊せと、私に直命を下されたのだ」
アスナスははじめて聞く話に疑問を感じた、メデューサは何故そんな物にこだわるのか、
そして、クルトやオリエはそのおまけと言い笑うグルトリアにアスナスは暴言を吐きハハハと去っていった。
頭に来たのはグルトリア、さっきまでと違い怖い表情に変わると、
さらに破壊力をアップした雷をまるでスコールのように地に降らせ始めた。
クルトとオリエは水の中を泳いでいた、オリエがとても苦しそうになりクルトが潜行速度を上げる、
そして神殿内の空気の溜まった部屋にオリエを連れてきた、ようやく一息つけたオリエ、
クルトはここで待ってて、と言うとグルトリアの待つ陸を目指して泳ぎだす。
しかし途中ギルガドールがクルトを引っ張りたくさんの壷が収められた蔵のような部屋に連れてくる、
クルトが一つの壷の中身を味見してみるとお酒だった・・・なるほど。
他の壷も全部お酒が入っているのか調べてみるクルト、しかし何個かは中が「油」だった、
何か作戦を閃くクルト。
658 :
あらすじ2:2005/11/19(土) 23:59:54 ID:???
クルトは油の壷に鎖をつけると水中でギルガドールに乗り壷を引っ張って水面を目指す、
そして湖面を割って空に出るとグルトリアの体に壷を投げつけた、油がグルトリアの体に飛び散る。
クルトは隠れていたレオンを呼び寄せ、木に火を点けさせるとそれを特大のマッチがわりにしてグルトリアの体に投げつける。
火は油を触媒にグルトリアの全身に燃え広がった。
グルトリア 「火が・・・面白いことをする子だ」
レオン 「わっ 空が燃えてる」
クルト 「レオン早く湖に飛び込め、火のついた油が降ってくる!」
体に火を点けられたグルトリアは怒りのこもった笑顔を浮かべると、
湖の中へ逃げたクルトたちに向かって「指」を伸ばした、指はゴムのようにどこまでも伸び、
その先にグルトリアそっくりの剣士を出現させ水の中のクルトを追わせた。
ギルガドールで神殿まで逃げようとするクルト、そこへ黒い弾丸の様な人間のおとなぐらいの大きさの指の剣士が襲い掛かる、
剣士は全部で十人、連携は取れている上に、一人一人が速くて強い、クルトは苦戦した。
そのころアスナスは文字通り、高みの見物 をしていた、
グルトリアを見て「馬鹿な奴・・」とか何とか言っている、しかし去る気にはなれない、
むしろこの地が気になる、もう少しここにいることにしたアスナスだった。
そのアスナスが見下ろす湖の周りの破壊された森たち、
そこにあった数多くの風穴はグルトリアの暴挙によってそのほとんどが壊され、塞がれていた、
そして、止められた風が、湖の底である変動の原因となっていた。
水の中ではまだ指の剣士との戦いが続いていた、レオンの息がそろそろ限界に近い、その時。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
水がゆらぎ、神殿が揺れ始める、神殿に残したオリエが心配になり「オリエーッ!」と叫ぶクルトであった。
油をつけて火を放つより、ギルガドールで飛んで大地の剣で斬った方が
どう考えてもいい攻撃だよな……。
クルト、頭使えよ……。
しょせん子供ですから┐(´∇`)┌
アスナスがまた思わせぶりな。
どうせおまいは家では彫刻ながめてニヤニヤしてるんだろ。
かっこつけんな。
662 :
あらすじ1:2005/11/21(月) 00:01:31 ID:???
第七十六話
神殿が浮上し始めた、水は嵐のように暴れ、積もった泥は湧き上がる黒雲のように湖に舞う。
グルトリアは様子がおかしい、と指の剣士を戻す、アスナスも湖に何が起こったのか理解できなかった。
そして。
湖面を突き破り「神殿」が姿を現す、建物の上を大雨で氾濫した川のように流れる水は、
時間と共に少しづつ治まり、今まで見えなかった神殿の全貌が見えてくる。
クルトとレオンは無事で、オリエも無事だった、オリエがクルトにあれを見てと指差すのでそちらを見ると、
夢に出た像がそこにあった、三人はギルガドールに乗り側で確かめたが確かに違いない、この聖像だ。
グルトリアもこの聖像を見つける、腕を伸ばすと今度は腕を体から切り離し、
二体の小型グルトリアを召還した、しかしこれでも2、30メートルはある姿、そして手にする武器は、
牧草などを刈る農耕用鎌を思わせる巨大鎌を装備していた。
グルトリアの分身はメデューサの命令どおり聖像を破壊しようとする、それと戦うクルト、
レオンも炎で援護、オリエはギルガドールにおねがいして分身の横に立っていた石柱に体当たりしてこれを壊し、
倒れる石柱を分身にぶつけた、しかしオリエの普通の女の子の体はこれだけでぼろぼろになっていった。
「つまらん」
アスナスは白けていた、聖像がどんなものか期待していたが、どうみてもただの石像、
踝を返し帰ろうとするが・・・
クルトチーム対分身グルトリアの戦いは激化していた。
最初に脱落したのはオリエ、オリエはギルガドールの神殿体当たり攻撃の連続で傷つき、
ついにギルガドールから落ちてしまう、それを走ってキャッチして助けるクルト、
その隙に一体のグルトリア分身が鎌を振り上げ、聖像を薙ぎ斬ろうとする・・・だが!
663 :
あらすじ2:2005/11/21(月) 00:02:11 ID:???
カッ!
突如、鎌を振り上げた分身が爆発、炎上して死んでしまう、死んだ分身の先にいた者を見てみると、
そこにいたのは、アスナス。
もう一体がアスナスをにらみつけるが、こちらにもアスナスはカッと力をぶつける、
それをくらい、グズズッと体が壊れ崩壊する分身。
クルトはアスナスの行動が理解できない、グルトリアもアスナスが理解できない。
その時、レオンがあわててクルトに聖像の顔を見るように言う、
クルトは聖像を見てみるとそこには、母の顔がだぶってみえた。
一方、アスナス対グルトリアの本格的な戦いが開始されていた。
それは今までの戦いが「ほんのお遊び」と思えそうなほど激しく壮絶なもの、
グルトリアが地形が変わるほどの爆雷を一度に何十と聖像に降らせるが、
しかしアスナスは半球状のバリアを張り聖像は無傷、クルトは飛び散る石の破片からオリエをかばうので一杯の状態。
グルトリア 「貴様、あくまで邪魔するつもりか!」
アスナス 「グルトリア! この私が聖像には一指も触れさせん!」
アスナスはどうしてしまったのだろう?そして「母」とだぶる聖像・・・これらが意味するものは?! つづく
アスナスどうしたんだ。なんかヒーローっぽいぞ。
しかしこんなことをすると、いくらなんでもまずいんじゃないか。
アスナスはバッコスの彫像が原因で
彫像フェチになっちまったんじゃないだろうか?
それともこれは『クルトは俺が倒す』の複線か?
いや、そうしたらマリウスの立場が…
>>665 いや、きっともともと彫像フェチだ。
気に入らない彫像は認めず、ぶっ壊すが、気に入ったものはとことん愛でる。
フィギュア好きのオタクが、できの悪いフィギュアはバカにして、好きな
フィギュアは大事にする、そんな感覚だろう。
アスナス…だめぽorz
668 :
あらすじ1:2005/11/21(月) 23:59:39 ID:???
第七十七話
突然のアスナスの「反逆」にとまどうグルトリア、しかしアスナスはメデューサに逆らった気など無い、
そう、はなからメデューサの駒になった覚えなど無いのだ。
アスナスはグルトリアを恫喝、格下扱いされたグルトリアも喧嘩を買う、
そして二人の戦いが始まった。
湖から浮上した、朽ちた神殿の聖像、この像に今、何かが宿っている。
クルトはその宿った何かが、何であるか本能的に勘付いた、聖像に訊ねてみる、母さま・・なの?と、
そして聖像から母の声がクルトの心に響いた、母はわが子、クルトの名を呼ぶ。
今すぐ母に触れ、抱きしめられたいクルト、しかし、それはまだ出来ない、
母のこの姿は聖像の力を借りた「仮の姿」。
そして母はクルトにある場所の名を聞かせた・・・「虹の谷」そこへ行きなさい、
そこへつくまでの間にお前の星を輝かせる人を見つけなさい、それがお前の道を開き導く事になるでしょう、
それを聞き、そこへ行く事を母に誓うクルト。
クルトは母さまの声が聞け嬉しくもあるが、それ以上のことは出来ない歯痒さも感じていた、
思い焦がれた母さまがそこにいるはずなのに・・・
そして母ガラティアも息子と同じ思いを感じていた、母と子はそれぞれの名を呼び合い、涙を流した。
グルトリアの胸に飛び込み至近距離から力を炸裂させるアスナス、グルトリアは痛みに歪んだ顔をする、
アスナスは詰めの甘い男ではない、死に掛け始めたグルトリアにさらに強烈な一発をあたえる。
グルトリアは死に行こうとしている自分に驚いていた、そしてこんな事が出来るアスナスは一体何者かと思う、
少なくともメデューサ様の使徒ではない、しかし敵でも無い様だが・・・
とにかく今はアスナスが何者なのかはどうでもいい、それより命が尽きる前にメデューサ様の命令である、
聖像破壊を実行しなくては。
669 :
あらすじ2:2005/11/22(火) 00:00:20 ID:???
クルトと母の会話は終わろうとしていた。
クルトがはっと背後を振り返ると、そこにはあのグルトリアが体当たりで聖像を壊そうと迫ってきている、
アスナスも追うがグルトリアのほうが速い、止められない。
クルトは大地の剣を抜き母を守ろうとするが、母から最後のメッセージを聞かされ、動きが止まってしまう。
「ピグマリオを・・・」
その隙にグルトリアは聖像に体当たりしこれを粉々に打ち砕いた。
砕けた母さまの宿っていた聖像の上で、クルトが叫ぶ、「大地の剣よ、もとの姿に!」
大地の剣はアスナス戦で弱りきったグルトリアの体を完全に砕いて滅ぼした、ただ、勝っても嬉しくないクルト、
母さま・・と聖像の側でうつむいていた。
グルトリアの死、その跡に赤い小さな凶星が三つ現れ大地の剣のつかに吸い込まれる、
クルトはエルゾの鏡を三つ手に入れた・・いや、もう一つあるようだ。
その一つはなんとアスナスの手に、アスナスとクルト、お互いにエルゾの鏡を集めあう事に驚いていた、
アスナスは笑い出すとマントを翻し黒雲と共に消えてしまった。
670 :
あらすじ3:2005/11/22(火) 00:00:53 ID:???
その後、しばらく砕けた聖像のそばで落ち込むクルト、オリエがなぐさめ、
そしてあらたに「虹の谷」を目指す旅に行こうとクルトを励ます。
レオンが虹の谷がどこにあるのかオリエに占ってもらったら、と提案するが、クルトは確信をこめて
「西」を指差した、そこには沈み行く夕陽と、金色の鷹が舞っていた。
クルトたちが神殿の島を離れ湖の岸に着くと、島は沈み始めた、おそらく溜まっていた空気が無くなったのだろう、
そして水に沈む聖像の残骸、クルトは聖像が完全に水に没すまで見つめていた。
クルトたちが去り、誰もいなくなった湖の水面が輝き、あの光が現れた、光はどこかえへと飛んでいく。
西へ、その先にあるはずの虹の谷へ旅立つクルトたち・・クルトの母は死んでしまったのだろうか、
いや、きっと生きているはず、何故ならクルトと母は強い星の光で結ばれているから、
もしその光が断ち切られたならクルトにそれが分からぬはずはない。
母は最期に「ピグマリオ」と言い残した、聞き覚えのあるその言葉も、今のクルトにはまだ深い謎だった。
風の神殿から飛び出したその光は、どこへともなく消えていった。
母の声が告げた虹の谷をめざしてひたすら西に向かうクルトはそれに気付く事も無い、
だが、母の面影はクルトの心に強く刻み込まれ、西へ向かう足取りをさらに確かなものにしていた。
風の神殿編 完
もしやアスナスはエルゾの分身?
凍てついた魂を取り戻してかつて自分になるため
エルゾのかけらを集めているとか。
精霊のフィギュアにエルゾの魂入れて、
動くお人形さんゴッコ!とかは無しにしてくれよ。
なんかアスナスのイメージが妙な方向に…orz
クルトもやるべきことが多くなってきたな。
エルゾの鏡も集めなきゃいけないし、虹の谷ってのも目指さないといけないし、
ピグマリオって謎のキーワードについても調べないと……
なんつーかアスナスって…必死だな orz
めっさ強い孤高の妖魔だったのに。
俺はむしろもっと人間くさくなって欲しい
とりあえず、彫像なのか人妻なのかはっきりしろ。
と思ったが、前回いっぺん見捨てかけてるんで、ただのフィギュアフェチではなさそうな予感>アスナス
アスナスは人妻スキーだとか……
それもちょっと嫌かも。
678 :
あらすじ1:2005/11/23(水) 23:59:44 ID:???
第七十八話
これはまだ世界が神話に包まれていた時代、ある、お酒が大好きな怪物のお話。
西へ旅する旅人に目玉のような怪物がくっついて、一緒に旅をしていました。
でも、ある時、旅人が大きな大きな崖を、トカゲといっしょに女の子を運びながら登っていると、
旅人は手を滑らせブラーンと逆さまになってしまいました。
目玉の怪物は「ぽろり」と落ちてしまいます。
しかし旅人はそれに気付きませんでした、さあたいへん。
しかし目玉の怪物のほうも眠っていたので夜になって目を覚ますまで落とされた事に気がつきませんでした。
目が覚めた怪物は一生懸命、一緒に旅をしてきた旅人を探します、ですがなかなか見つかりません。
そんな時、怪物はどこからか漂ってくるお酒の香りを嗅ぎつけます。
お酒が大好きな怪物は旅人の事を一時忘れて香りのするほうへ向かいました。
そこには怯える小さなお猿さんと、それを取り囲む大きなお猿さんがいました、
お酒の香りは小さなお猿さんの背後の木の「うろ」の中から漂ってきます、
怪物はお猿さんたちはひとまず置いといて、先にうろの中のお酒を飲み干してしまいました。
ゴクゴク ブワッ
怪物はお酒を飲むと体が大きくなりました。
大きなお猿さんが怒って怪物に襲い掛かります、怪物はこの大きなお猿さんを食べてしまいました。
これを見た大きなお猿さんは蜘蛛の子が散るように逃げてしまいます。
小さなお猿さんはこうして怪物に助けられたのでした。
そして助けてもらったお礼をするため、怪物を自分たちの集落へ案内しました。
そこにはたくさんの小さなお猿さんがいました、小さなお猿さんは怪物にお酒をあげます、
怪物と小さなお猿さんたちとの楽しい酒宴が始まりました。
679 :
あらすじ2:2005/11/24(木) 00:00:19 ID:???
小さなお猿さんは音楽や踊りをやりました、怪物もそれに合わせて体をいろいろな形に変えて皆を楽しませました。
しかし夜が明け、太陽を見ると怪物は西へ旅していた旅人のことを思い出します。
怪物は小さなお猿さんたちとお別れをしました。
怪物が西の空へ消えた後、それを待っていたかのように大きなお猿さんが小さなお猿さんの集落を襲いました。
大きなお猿さんは小さなお猿さんの貯蔵していた食料を持ち逃げしました。
大きなお猿さんは小さなお猿さんの虐殺をはじめました。
大きなお猿さんは小さなお猿さんの住居を破壊しました。
怪物は旅人を探していましたが、やはりなかなか見つかりません。
怪物が川に来たとき、川の色が赤く染まっていました。
上流に向かうとあの小さなお猿さんの亡骸が、たくさん、たくさん、たくさん流れてきます。
不吉な予感を感じた怪物は小さなお猿さんの集落へ引き返しました。
そこで怪物が見たのは、もう滅ぼされてしまった小さなお猿さんの集落。
怪物は小さなお猿さんを滅ぼした大きなお猿さんの所へ行き、これと戦い、大きなお猿さんを全て殺して、
小さなお猿さんと同じ目にあわせました。
怪物は戦いが終わると、再び旅人をさがしましたが、途中で眠たくなったので寝てしまいます。
そこへ旅人が怪物を探しに引き返して来てくれました。
ぐっすり眠った怪物を見つけた旅人は、怪物を拾い上げ、再び一緒に西へ旅立つのでした。
怪物恐えー!
胴体復活しとるがな!
あれだけ怒ったのは過去にないだろうな。
何かサイレントなのに(サイレントだからこそか)
ギルガドールの心情が伝わってきて
泣きそうになった。
うわー、ちょっと目を離して酒飲まれたら、何しでかされるか
わかったもんじゃねーな。悪気はなくても町の一つくらい
壊しかねないぞ。
情って移るもんなのね…ホロリ・゚・(ノД`)ノ・゚・ロリ
トリモチと外殻はなくなったんじゃなかったんだー。
宴会芸目茶ワロタw
一見ほのぼのとした話なんだが、なんで双方虐殺なんだよorz
686 :
あらすじ1:2005/11/25(金) 00:01:04 ID:???
第七十九話
吹きすさぶ怒号の嵐、渦巻く雲・・・ここは西の果て、メデューサの城。
娘エルザをはじめ、城の使徒たちはこの城の主を探し回っていた、しかし城のどこにもその姿は無い、
エルザは使徒たちに平静を装い、騒がずいつもどおりにしてなさい、と指示を出す、
しかし使徒たちは大人しくエルザの言う事は聞かなかった、エルザが消えると、
密かにメデューサ様の行く先を探せ、隠れて出かけるには何か訳があるはず、と良からぬ密談を交わしていた。
エルザも一人になると、母メデューサが自分にすら相談無く出かけたことに不安を感じていた、
きっと外の世界にお母様の心を揺るがす何かがあったのだわ・・そう自分に言い聞かせるエルザであった。
一方、クルト達は虹の谷を探す旅の途中、坂で立ち往生していた荷馬車を押してお手伝いをしていた、
そして坂の上まで押してあげると荷馬車の所有者の男がお礼にお昼ご飯をご馳走してくれた、もちろん大喜びのクルト一行。
食事中、クルトは虹の谷の事を聞いてみた、すると、知ってるよと地図を見せてくれる、
クルトは地図にびっくりして、へー便利だなぁと感心しきり、どうやらクルトは地図という物を知らなかったようだ。
男は地図に書き込まれた虹のマークを指差してクルトに場所を教えた、場所の名はグリーンノアの国。
グリーンノアの国、岩山の山頂に建設されたいかにも堅牢そうな城砦、
そこから見下ろす領地には川があり、森があり、そして豊かな農地が広がっていた。
ただ、城には騎士たちが忙しそうに出入りしている、戦争を商売としている者が活発なのに領民は不安を感じているようだ、
それから向かいの国では戦仕度が始まっているとの噂もあった、この国の若い王様はどうするつもりだろう?と話し合う領民。
しかし話は変わるが、この村の納屋に最近若夫婦が越してきていた、
その奥さんの方が今、裏の林に畑を作るのを手伝っていると言う。
やっ!の掛け声で大きな切り株が空を舞う、次に男三人が「てこ」を使い掘り返そうとしている切り株に近づき、
これも一人で引っこ抜き、やっ!と投げ飛ばす女がいた。
女の正体は農婦姿のシルヴァーナ。
687 :
あらすじ2:2005/11/25(金) 00:01:44 ID:???
農場主はシルヴァーナに手伝ってもらって大助かりだと言う、普通なら一ヶ月掛かるところ三日で終わったらしい、
そして報酬としてたくさんの食材をあげる、農場主はシルヴァーナに言う。
「あんたみたいな奥さんを持ってご主人も幸せ者だ」
シルヴァーナ 「奥さん!? 奥さん・・・く〜いい響きだわ」
シルヴァーナは物凄く喜んで鼻歌を歌いながら元気良く納屋へ帰る、
しかし納屋の外まで来るとおしとやかに身を整え中へ入った、中には病床に臥すマリウスの姿があった。
シルヴァーナ 「お加減いかがですか?」
マリウス 「今日は少しいいようだ・・・ごほっごほっ」
シルヴァーナ 「あ、ダメです無理しちゃ。
ようやく熱が下がったばかりなんですから、今無理したらまた・・・
ここは私の任せて元気になるまでゆっくり休んでください。
今おいしいもの作ってきますから、寝ててくださいよっ♪」
マリウス 「・・シルヴァーナ・・」
シルヴァーナ 「は?」
マリウス 「世話をかけてすまない」
シルヴァーナ 「いいえ」首を横に振りもう一度「いいえ」
マリウスは病と闘いながら側にある「メデューサの黒い血」の入った瓶を見つめた。
その夜、この村にメデューサが訪れた、しかしすぐに姿を消し代わりに、闇のような黒髪の女がマリウスのいる納屋を訪れる、
シルヴァーナはこの人が誰か分からなかったがマリウスはすぐにベッドから下り最上礼をした。
黒髪の女はマリウスの母、メデューサだった。
688 :
あらすじ3:2005/11/25(金) 00:02:16 ID:???
シルヴァーナは殺されるかも、と思いがたがた震えだす、しかし逆にメデューサからお褒めの言葉をもらう、
力が抜け座り込むシルヴァーナ。
マリウス 「母上、このあたりの国々に何か御用がおありなのですか。
母上が城から出るとはよほどのことが起きたのですね・・
各地を旅して知りました、母上は恐れられているけれど伝え語りばかりでその姿を見たものは実はほとんどいない、
めったに城から出られぬからでしょう。
しかし母上の御用がこの近くでよかった、おかげでこうして母上に会えましたからね」
メデューサは今までの物語中、一度も見せた事が無いようなやさしい表情になり、
用があるのはこの納屋だけじゃ、と息子に言った。
こうしてこの日から納屋に住人が一人増えたのだった、
メデューサは近隣の住人と普通にふれあい、普通に生活を送り、だれにも「悪神の娘」とは気付かれなかった。
そんなある日、この国の王とその側近がマリウスのいる納屋を訪ねた、側近は高圧的な物言いで。
「お前は今日からこの国の剣士だ!王じきじきにそう望まれたのだ!忠誠を誓え!」
マリウスは即座に断る、しかし王はそれを許さず無理やり連れ出そうとした、
まだ病の癒えないマリウスには抵抗する事が出来ない。
その時、ドアからメデューサが風と共に中へ入り、いきなり王をぶった、
王の側近は騒いだが、メデューサが風をおこすと一撃ですべての側近が半死半生の重症を負って倒れた。
メデューサは、その美しい目で王をにらみつけ言う。
「人間!この愚かしい生き物め、お前たちには虫唾が走る!」 つづく
あーあ、知らないとはいえメデューサを怒らせるとは
この王様、もう死んだも同然だな。
やっぱ善悪二元論で語っちゃダメだな
宗教の恐いところだ
マリウスには優しいのに…なんでクルトには…
メデューサの人間の姿、糸紡ぐおばばの時の美女の幻にちょっと似てる?
地図に驚くのが、なんつーか、神話的世界の住人としてリアルでいいな。
近頃のファンタジーものでは、キャラの持つ知識や常識が現代日本人
そのものなのが多くていけない。
今回はマリウスにメデューサの残酷さを知らしめるための
話しかな。いい母と思っていたマリウスもメデューサの敵になるとか?
しかし王様のせいで石になる国民、カワイソス(´・ω・`)
熟女メデューサ(;´Д`)ハァハァ
クルトの旅に付き合うのってそんなに大変なことだったのか…。
もしやオリエの方が丈夫だったりしてw
696 :
あらすじ1:2005/11/26(土) 00:02:23 ID:???
第八十話
グリーンノアの国では、マリウスが療養している納屋に毎日この国の王が訪問するようになっていた、
その納屋ではメデューサが薬草を煮込んでいる最中、シルヴァーナは不思議がり、
病なんか妖力でパパッと治せばいいのに、と言うと、それではマリウスが喜ばぬ、と妖力での治療は行わなかった。
メデューサは煮込みこんだ薬をお椀に注ぐとマリウスの枕頭にもっていきそれを飲ませた、
マリウスはそれを大人しく飲む、シルヴァーナは薬をこっそり味見してみたが悶絶するほど苦かった。
そこへ王の一行がやって来た、メデューサが対応に出る、
マリウスはまだ動けないと告げるとそのまま薬草採りに行くメデューサ、王は家臣に先に帰れと命じるとメデューサについて行った。
ふくらはぎまで水につかり水辺に生える薬草を摘むメデューサ、その額には汗をかいている、
王はそんなメデューサに先日の無礼をわびた、隣の国との争いで気が立っていたのだと言う。
王 「隣の国から使者が来た、隣の国の姫と私の弟の婚儀を申し入れてきた」
メデューサ 「それはめでたい、これで平和になる、マリウスも静かに療養できる」
王 「弟がやっと12になったばかりの子供でもか?
婚儀は表向きの事で、実質上は弟を向こうの国に「人質によこせ」と言っているのだ」
メデューサ 「断ればそれを理由に攻めてくる、話を入れたとしても人質がいて手を出せぬのをいい事に、この国は服従を強いられる」
王 「・・ほう・・良くそこまで読んだ。
向こうの国は強大だ、悔しいが力では負ける、しかし弟を人質に出すわけには行かぬ
明日、正式な使者が来れば返事をせねばならん、戦になって村人やお前たちを巻き込むかも知れぬ」
メデューサ 「それは困る」
(マリウスはまだ身動きできる体ではない・・・)
「明日の朝もう一度来るがいい、知恵を授けよう」
697 :
あらすじ2:2005/11/26(土) 00:03:04 ID:???
そして翌朝、王はメデューサを信じ納屋へ一人やって来た、そこでメデューサは王に薬を渡し、
これを弟に塗るように言う、くわしく薬の効能を喋らないメデューサ。
薬を受け取った王にメデューサは美しい目を向け言う。
「王よ、私の言う事をそのまま信じているが・・良いのか?」
王はメデューサからもらった薬壷を抱き馬に乗ると。
「お前の言う事でなければ即座にこの壷叩き割っておるわ」
と言い、笑いながら城へ帰っていった、それを見送ったメデューサも思わず笑みをうかべるのだった。
城に隣国の使者が来た、もちろん用件は「弟君婚礼」の件、
王はその申し出をあっさりと「受ける」と答える、使者は弟君の顔は知っているので替え玉は無用ですぞとニヤリと笑う。
王はその使者を城の奥へ案内する、しかし宮殿の方ではなく暗い隔離室の方へと、
通りすぎるメイドたちはみな一様にマスクをしている、そして王は使者を弟の待つ部屋へ入れた、
そこに寝かされていたのは全身黒く膿んだ男の子。
使者A 「げえっ、これは黒死病だ!一度伝染すれば一国を滅ぼすと言う・・・」
使者B 「仮病では・・無い・・弟君に違いないな?」
使者C 「た・・確かに」
王 「使者殿、婚礼の日取りを決めてもらいたい、ごらんのような事情で一日も早くな」
使者ABC 「馬鹿な!わが国に黒死病を持ち込む気か!」
この話は無かった事に、と言い残すと使者は逃げるように去っていった。
使者が去った後、城にメデューサが招待された。
王はメデューサのおかげでうまくいったと感謝する、そのそばには皮膚こそただれた「様に」見える弟君がいたが、
いたって元気そう、メデューサは弟君に三日ほどして真水で洗えば元に戻ると教えてあげた。
王は礼としてマリウスの療養に城の一室を使うように言うと、
メデューサは何故か包帯をしている王の手をつかみその包帯を解く、その手は弟の体のようにただれていた。
「フフフ 結局私を信用しきれず弟に塗る前に試してみたか クク・・まあ良い・・
家臣ではなく自分の体で試した事で許してやろう・・マリウスの件、ありがたく受けよう」
こうしてマリウスとシルヴァーナ、そしてメデューサは城へ越して来たのだった。
698 :
あらすじ3:2005/11/26(土) 00:04:37 ID:???
メデューサが見るかぎり王は王としての仕事をよくしている、たまたま王とメデューサ二人きりになった時その会話になった。
王 「何か言いたそうな顔だな」
にっこりと笑顔のメデューサ 「別に・・意外とよい王様ぶりではないか」
王 「家臣どもは忠義者ぞろいだが頭は頑固で古い、いつまでも父王の時代と同じでは困るのだ」
メデューサ 「お前はよくやっている」
王 「いや、王としての資質は弟の方が備わっている。
私の母は弟が幼いころ亡くなったのだ、母は私に、くれぐれも弟を頼むと言い残して息を引き取った、
今は亡き父からこの国を受け継いだがいずれ弟に王の座を譲ろうと思う」
メデューサ 「母のためにか?」
王 「そうだ、一国を率いて生きてゆく弟を見れば、母は空の上から私を褒めてくれると思う」
うつむくメデューサ 「母というのは・・・母というのはそんなに子に慕われるものなのか?」
王 「お前だって慕われているではないか、あのマリウスという息子に・・
マリウスの目は弟の目と同じだ、母を強く慕う目だ」
メデューサはハッと気付かされた顔になり、そして考え、最後はうれしそうな喜んだ表情になった。
王 「メデューサ、私の目を見ろ。
私の目は弟やマリウスの目とは違うぞ、私の目にはお前はただの女だ、知的で聡明な・・・一人の女性として見えるだけだ」
王の告白にメデューサは返答できず、ただその場から逃げる事しか出来なかった。
699 :
あらすじ4:2005/11/26(土) 00:05:11 ID:???
隣の国の軍勢が動き出した、どうやら密偵が入り込んでいたらしく弟君の件が知れたらしい、
戦争は避けられそうに無かった。
王は出陣前、メデューサに会おうとするが、メデューサは会いたがらなかったので、そのまま戦争の事などは知らせず出陣した。
しばらくしてシルヴァーナが血相かえて部屋に入ってきて、隣の国の軍の事や戦争の事、
そしてすでに出発した王の事などをマリウスとメデューサに知らせた。
マリウスは病の体をおこし、戦場へ助太刀に行こうとする・・このままでは王の軍は壊滅させられ王は死んでしまうからだ。
(あの男が・・・死ぬ)
メデューサが何かに突き動かされ始めた、マリウスの兜を持つとメデューサは息子に言う。
「休んでおれマリウス、私が代わりに行く! 鎧と剣を借りるぞ、ついて来いシルヴァーナ!」
言い終わるより速く、すでに黒い風のように走り出す美しい女、メデューサ・・・果たしてどうするつもりなのか つづく
シルヴァーナは(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブルだな
なんとなく恐い
メデューサの料理w
メデューサが普通のつか、カッコイイ女の人に見えてきた。
ホントにあの悪心エルゾの娘のメデューサ?
マリウスよか漢だし。
これは意外な展開。前回、てっきり王様殺されると思ったのに。
これからどうなるんだ?
メデューサは人間嫌いなくせに、人間に効く薬草よく知ってるな。
薬草の効能は人間でも妖魔のたぐいでも同じなのだとしても、
黒い血飲んでる使徒は病気に縁がないわけだし、マリウスが
いなかったら無駄な知識だ。
よく考えると、メデューサの家庭環境って父親がいて、義理の娘息子が
いることしかわかってないんだよな。
もしかして恋の予感?
706 :
あらすじ1:2005/11/27(日) 00:01:38 ID:???
第八十一話
グリーンノアの国境では隣の国との合戦が始まっていた、情勢はグリーンノアの圧倒的「不利」・・そもそも数の力、物量が違う、違いすぎた、
お互い正攻法で戦うなら、そして似たような装備で戦うなら、勝敗を決めるのは「どれだけ人を集められるか」という徴兵力。
グリーンノアの若き王 グリフォス王はそれでも善戦しているが、陣は何壁も崩され、もう本陣のすぐそばで合戦しあう音が聞こえる、
敵がここまで来るのは時間の問題だろう。
その時、太陽に隠れ隣の国の本隊に急襲をかけるドラゴンに乗る者が現れる、それは銀騎士マリウス、彼は一人で敵陣を駆け邪魔するものを薙ぎ、
一人で敵陣に「道」を作ってしまう。
グリフォス王はチャンスが訪れた時それを逃がすような鈍らな王ではなかった、この時とばかりに兵を鼓舞し、前進を命じた、グリーンノア軍に流れが訪れる。
ついに隣の国の王は逃げ・・いや戦術的「撤退」を始めようとするが、遅い、側まで来ていたグリフォス王に飛び掛られ二人とも落馬し、
王同士、地面を転がりながら格闘による決闘を始める、グリーンノアの兵が自分たちの王に加勢しようとしたがそれをマリウスが止めた。
隣の国の王がグリフォスのマウントを取り鎧通しを突っ込もうとするが、グリフォスが相手の手首を掴みディフェンス、
そして足をからめ時計回りに体を回しながら、マウントを取る相手の重心をずらし体に隙間を作ると一気に相手ごと体を反転させる、
上下が返ったところで体を離してはいけない、足をつかい乗馬の時馬の腹を絞めるが如く相手の体をはさむ、これは相手を寝技から逃がさない基本技、
最後にグリフォスは鎧通しを敵国の王の頚動脈に刺し死闘に決着をつけた。
「敵の王は倒したぞ! 敵は浮き足立っている!いっきに追い落とせ!」
707 :
あらすじ2:2005/11/27(日) 00:02:23 ID:???
この後は、あっけないほどに敵は敗走し、グリーンノアに勝利をもたらした。
こうしてグリーンノアを勝利に導いた銀騎士を兵士たちは熱狂的な歓呼の声で迎えた、その声はなかなか鳴り止まず、
しょうがないのでグリフォス王は銀騎士を天幕の中へ引かせた。
そこで王は素早く銀騎士の兜を取り上げると抱き寄せ、銀騎士「メデューサ」の唇を強く吸った、
唇を解放した後、一目で分かったどんなに姿を変えようとお前は俺のメデューサだ、と言うグリフォス王、
メデューサは兜をかぶり逃げるようにシルヴァーナに乗ると、息子の待つ城へ帰るのだった。
城では、母の早い帰りに勝ち戦と読むマリウス、しかし母の顔は暗い、その理由を察したマリウスは母が多くを語る前に、
この城を出ましょう、と母に持ちかけた、すべてを分かってくれる息子に感謝してメデューサたちは静かに城を後にした。
メデューサとマリウスは国境の山の小さな森に落ち着いた、何日かが過ぎてマリウスも快方に向かい始めたが、メデューサは何故か元気が無いようだった。
そんなある日、いつものように薬草を摘むメデューサの前にグリフォス王が現れた・・いや、側近もつれず王冠も無い、なにより「平民」の服を着ている、
ただの男・・グリフォスとなって現れた。
メデューサ 「王!なぜここにいるのだ・・本当に・・王か・・?」
グリフォス 「もはや王ではない、王位は弟に譲った、家臣たちも分かってくれた」
メデューサ 「城を捨てたのか?王位を・・私の、ために・・」
メデューサはグリフォスの胸に飛び込んだ、そしてその胸で涙を流す。
メデューサ 「私も捨ててもいい、このままお前とこの地で共に生きて行けるなら」
グリフォス、愛する女をぐっと抱きしめる 「生きていこう」
708 :
あらすじ3:2005/11/27(日) 00:02:57 ID:???
時間が流れる、日は沈み夕暮れを迎え、陽の光は去り夜が訪れ、ただ虫の鳴き声だけ・・・
そんな夜の森に二人きり、メデューサはなかなかマリウスの所へ戻ろうとしなかった、この事をどう話そうかと考えているらしい。
グリフォスは寄り添うメデューサに自分の子を産んでくれ、と頼む、しかしメデューサの様子が変わった、グリフォスから離れ、
私は子が産めぬと涙を流し言う、グリフォスはメデューサに許せと謝るがメデューサは次の瞬間、蛇の頭髪をした「妖魔メデューサ」の姿に戻った。
ちっぽけな人間を見下ろすエルゾの娘、人間はおろか妖魔にすら恐れられる恐怖の女神。
メデューサ 「教えてやろうグリフォス、これが私の本当の姿だ。
どうした、私の姿が恐ろしいか、足がすくんで動けぬか・・・・どうした・・・何故逃げぬ!」
グリフォス 「メデューサもどれ、私のところへ・・共に生きようと誓ったではないか、俺はそんな姿にだませれぬ、お前は俺の手をとったメデューサだ。
もどれ!もどって来いメデューサ!」
巨大な妖魔、メデューサに手をさしだす人間、グリフォス・・・メデューサは苦悩する・・そして、グリフォスを石に変えた、
メデューサに手を差し出したポーズのまま石になったグリフォスはそのメデューサによって砕かれてしまう。
砕かれた石の破片がメデューサの大きな手のうえに飛んできた、それは小さな破片で、メデューサの手からすれば砂一粒ほどもない、軽いはずの石の破片。
その手が、重たいのだろうか、わからない、だが・・メデューサは、うつむいていた。
そのメデューサの元へ使徒が現れる、どうやら一部始終を見ていたらしい、下品な笑いを浮かべ、ま、われわれの胸のうちにとどめておきますが、
と主の弱みを握ったつもりだ、メデューサはもちろんこの場の使徒すべて死刑、そして天に向かって泣いた、大きな声でいつまでも。
その後メデューサは「影」だけの姿で息子に別れを告げた、もう城へ帰るという、その消えかけた母に向かってマリウスは聞いた。
「何故母上はクルトを憎むのです?クルトは何故母上の敵なのです、母上!」
しかしメデューサはそれに答えることなく去ってしまった・・ただ、悲しみの気配が辺りに満ちている事をマリウスは感じていた。 つづく
・゚・(ノД`)・゚・。
なんとなく、アガナードの罰を受けたミュラの姿とダブる。
結果は全然違うが、テラセツナス…
メデューサってもしかして
本当は妖魔の王女になんて生まれたくなかったんじゃないだろうか
にしても、グリフォス王……
そう言えば最近、クルトが主役の話しが遠のいたが
これもこれで
子供が産めないってのでこんなに反応とは。
アスナスも言ってたけど「子供」ってのは
メデゥーサの弱点のキーワードになるのかな。
わざわざ人間の子供だったマリウスを息子にしたし。
愛し合っていても、人間とメデューサはやはり相容れない定めなのか。
だとすれば、マリウスとの母子の情も今後どうなるかわからんな。
まあ、エルザのようにマリウスも黒い血を飲めば丸くおさまるんだろうけど。
グリフォス、破壊しなければ元に戻す方法があったかもしれないのに…
グリフォスに真の愛を見た。
俺ならほれ女の髪が蛇になったら冷める。
ガラティアだって本当は子供が生めないはずなのに
人間になってクルトを生んだんだよね。
似たような立場のメデューサだって恋をして子供を生めたって
いいはずなのに。なんだかメデューサが可哀想。
アガナードやエルゾの娘が人間と結婚するのは、大事(おおごと)なんだろう。
それをすると、ガラティアやメデューサ自身が、ただの人間になってしまうとか。
何この恋愛絵巻
719 :
あらすじ1:2005/11/27(日) 23:59:58 ID:???
第八十二話
虹の谷をもとめてグリーンノアの国を訪れたクルトたちですが、見つけたのは虹の掛かったただの水のみ場、
どうやらここは虹の谷ではないらしいと分かりガックリします。
そこへ村娘姿のシルヴァーナが登場、クルトたちと関わりになりたくないのでそっと通り過ぎようとしますが、
レオンに正体を見破られシルヴァーナはドラゴンの姿に戻りました。
クルトたちが「虹の谷」を探していると言うと、シルヴァーナはそれらしい場所を教えてあげ、
さっさとクルトから別れてしまいます。
マリウスの待つ家に帰るとそこには、すっかり旅仕度をおえたマリウスがシルヴァーナの帰りを待っていました、
シルヴァーナは今の生活が終わるのを残念がりましたがマリウスの決意は変わりません、
二人はクルトを探し、旅立つのでした。
クルトたちはシルヴァーナから得た情報を頼りに岩山の山頂にやってきます、
そこで見たのは空に掛かる上下逆さまの二重の虹、クルトはもっと近くで確かめようとギルガドールに乗りそばへ行こうとしますが、
岩山の山頂からわずかでも移動すると虹は消えてしまいます。
博識なオリエはこれが「蜃気楼」だと気がつきます、ここには無いもののどこかにきっとこの映像の元となる場所があると分かり、
再び虹の谷捜索の意欲が湧いてくるクルトだった。
それからグリーンノアを旅立ったクルトたちを待ち受けていたのは激しい砂嵐、
もはや徒歩では前に進めないと判断したクルトはギルガドールで砂嵐の「上」に出ようとします、
しかしお酒の入った水筒を風で飛ばしてしまい、ギルガドールはオリエだけを乗せたままどこかへ飛んでしまいます。
地上に置いて行かれたクルトたちは、オリエはきっと追いついて来る、と信じ先に進み始めるのだった。
720 :
あらすじ2:2005/11/28(月) 00:01:57 ID:???
ここから物語りはクルトパートとオリエパートに分かれながらも同時に進んでいきます、
分かり難いかもしれませんが二人の話を並べてお話しましょう。
クルトの場合 オリエの場合
クルトは砂漠を抜けた先にある村の、医者の家に寝かされ看病されていた。 オリエは砂漠を抜けた先にある村で、ギルガドールの上から、
どうやら砂漠を抜けたところで力尽き、この村の人に助けられた様子。 クルトを探していました。
クルトが目を覚ますと側でレオンが心配していました、そして今までの経過を その途中、家の外から中を覗いている気になる子がいたので、
話します。 ギルガドールの上から、こんばんは、と話しかけました。
その時、俄かに医者の家が慌しくなります、どうやら急患のようす。 女の子は空から話しかけられたのでびっくりします。
運ばれて来たのは トニオ という青年、しかしかなりの重症らしく、 女の子は最初オリエを警戒しますが、いい人と分かると、
頭に巻かれた包帯から血がにじんでいる、そして足は骨折していた。 姉が今年の「生贄」に選ばれてしまった事を話します、
トニオは周りの制止を聞かず、行かなきゃならない、と叫びます、 オリエは詳しい事情を尋ねました。
721 :
あらすじ3:2005/11/28(月) 00:02:56 ID:???
どうやら マリア という恋人を救うため今すぐ動けなきゃならないらしい、 「お姉さんには恋人がいるの、強くてやさしいいい人なの、
しかしもちろん骨折した足では一歩も歩けない。 母さんが死んでから姉さんはその代わりに家族の面倒をみて苦労ばかり
クルトが医者にこの事態の訳を聞きます。 それが、やっといい人と結婚して幸せになれると思ったのに・・・
「今年の生贄が決まってな、 姉さんが生贄に決まっちゃったんだ」
山に住み着いてる怪物に一年に一度娘を差し出さなきゃならないんだ、 女の子はお姉さんの不幸に涙を流しました、
さもないと田畑の収穫がふいになるような砂嵐が町を襲うんだ。 そして「計画」をオリエに話します、
その今年の生贄が、あいつ(トニオ)の恋人なんだ」 それは自分がお姉さんの身代わりになり、お姉さんを救うというもの
オリエは驚きながらも冷静に現実的に女の子を諭します。
町の人たちは何とかしてやりたいと話し合うが、 女の子はオリエの話を聞くと、でも、でも、と涙を見せます。
だれも前向きな意見は出さない、そこでクルトが自分がその怪物をやっつける、 それを見たオリエは代わりにあたしが行ってあげる、と女の子と約束
と言います。 「少なくともあなたよりは怪物に慣れているから、
町の人たちは最初クルトをただの子供だと思い、相手にしませんでしたが、 そのかわり剣を一振り手に入れてね・・でもばれるかしら、
722 :
あらすじ4:2005/11/28(月) 00:04:04 ID:???
クルトが広場の彫像を軽く持ち上げ怪力を見せると、どんと胸を叩き、 あたしの背じゃ」
怪物退治を任せるようもう一度言います。 家の中を覗くと、そこにいたお姉さんは大人の女性だった、
もちろん今度は何の異論もなく承知する町の人。 しかし、それなら大丈夫と、女の子は一粒の実を取り出します。
医者はクルトに、それならもう一つ頼みがある、と言います、 「まあ、綺麗な葡萄色の実・・・これは?」
それはクルトに「トニオの代わり」を演じて欲しい、というものです、 「うん、夢の実っていうの」
しかしクルトは子供、トニオは大人、どうするのさ、と医者に聞くと、 それは博識なオリエでも始めて聞く実の名前でした。
クルトに葡萄そっくりの実を一つ与えます。 女の子はそれをオリエに食べてみるよう勧めます、
クルトは手渡された実をみて、これは何かと訊ねます。 じつは女の子が使おうとこの村の長老の所から、
「夢の実と言ってこの村に古くから伝わる不思議な実だ、 こっそり持ってきたものらしい、オリエはそれをパクッと口に入れます
子供にしか食べられないけどな」 「これはこの村に古くから伝わる不思議な実よ」
クルトは夢の実を食べます、「でもどこが不思議なの?」 おいしそうに実を食べるオリエ、「でもどこが不思議なの?」
「その実を食べると、しばらくの間だけ・・・大人になれるんだ」 「その実を食べると、しばらくの間だけ・・・大人になれるのよ」
クルトは体が焼け付くように熱くなり、その体が変化して行くのを感じた。 オリエは体が焼け付くように熱くなり、その体が変化して行くのを感じた。
工夫してくれたのはわかるんだが……俺の画面だと改行されちゃって
すごく読みにくいよ。
あまり関係ないけど、虹って、本来円形なんだよな。地面に隠れて
下半分が見えないだけで。
ごめん、私も読みづらい^^;
IEを全画面表示でやっと読みました。
オリエがエロくなるのか・・・
もしや精霊オリエと神の色以外そっくりになるとか?
どっちにしろ今後の重要な伏線になりそうだな。
727 :
あらすじ1:2005/11/29(火) 00:00:41 ID:???
第八十三話
町外れの森の奥にある、丸太造りの祭壇、ここで毎年怪物に娘を生贄に出している、
そして今年の生贄に選ばれた マリア がここへ運ばれてきた、運んできた村人はすまんマリアと懺悔すると逃げるように去っていった。
ベールをかぶったマリアは静かに怪物が現れるのを待つ、そしてしばらく後、ついに怪物がその姿を現した。
それは歳を重ねて妖力を得た大蛙の怪物だった、大蛙はマリアを飲み込もうとその大きな口を開け、襲い掛かる。
マリアは用意していた一振りの剣を使おうとしたが、転倒した隙に岩の裂け目に剣を落としてしまう、
絶体絶命に思わず悲鳴を上げるマリア、そこへ一人のたくましい青年剣士が現れマリアを抱き上げると、大蛙から距離をとった。
マリアは青年に、トニオなの?と聞くと、青年はそうだよ、と答えた、
そしてトニオは勇敢にも大蛙の怪物へ戦いを挑む、トニオはよほど怪物と戦い慣れているのだろう、
大蛙の攻撃を避けると死角から大蛙の頭に飛び移り生物共通の急所である脳幹に杭の一撃を見舞うと、大蛙は人ほどの大きさの中蛙に縮んでしまう。
中蛙は、長くて唾液でぬめる触手のような「舌」でマリアを絡めるとその女体を縛り上げる、
悲鳴を上げるマリア、そこへトニオが剣で舌を切り、返す刀で怪物の額に剣を突き刺す、
中蛙は再び縮みだし、今度は普通の蛙の大きさに戻るとそれっきり動かなくなってしまう、どうやらこれで蛙の怪物をやっつけたようだ。
これで生贄騒動もおわり、君も無事でよかったとトニオは言い、恋人マリアと共に歩いて町に帰り始めた。
マリアは助けてくれたトニオにどきどきする。
728 :
あらすじ2:2005/11/29(火) 00:01:57 ID:???
その夜は、やけに雲の多い夜だった、だから満月だと言うのに辺りは暗い、トニオとマリアは手を取り合うほど近くにいるのに、
お互いの顔を見ることが出来なかった・・だが・・この夜、一瞬だけ、月が二人の姿を照らし出してくれた。
マリアは見る、そこに立っていたのは長い金髪を伸ばす凛々しい青年、広い胸板、大きな手、太い肩、逞しさと気品を併せ持った男。
トニオは見る、そこに立っていたのは長い黒髪を伸ばす清らかな女性、白い首筋、細い指、華奢だが女性としての曲線に満ちた女。
・・・漫画の中では二人の姿が月に照らされた時点で「ネタバレ」してるので、あらすじでもここでばらしましょう、二人はなんと大人になったクルトとオリエなのです。
クルトとオリエはお互いの事に気付かず、勘違いしたまま、お互いの姿に今まで感じた事の無い「新たな感情」を芽生えさせてきた、
特にクルトはオリエの大人の体に興味津々、唇や胸元をちらちらと見て、どきどきします、しかし何故どきどきするのか分からないクルト。
クルトは心の中で自分に問いかける。
(どうしてしまったんだ、母さまよりも美しい人はいないと思っていたのに・・・)
そして二人は村の近くまで帰ってきました、本来なら喜ぶところだが、二人はこれでお別れと思うと悲しくなってくる、
クルトは、この手を離したくない!と強く心の中で思った。
729 :
あらすじ3:2005/11/29(火) 00:02:30 ID:???
オリエも同じ気持ちのようだった、その目に涙を流している、しかしクルトより自制心が強いのか、
「もう行かなきゃ・・あたし行くわ。
今夜は助けてくれてありがとう・・・感謝の・・キスを・・」
オリエは目を閉じると体を近づけ、あとは男を待った。
月が、再び明かりを灯してくれる、クルトはオリエの腰と背中に手を回し、胸の中にそっと抱き寄せると、感謝を表すための・・永いキスをした。
その夜、クルトはレオンの待つ医者の家に戻ると何故か泣いた、レオンがどうしたの?と訳を聞くが、クルト自身にもこの感情が何なのか、今は分からないようだった。
そして朝、町を歩いているとクルトとオリエがばったり再会する(もちろん子供の姿で)
しかし再会の喜びが無い、二人ともなにか呆けているよう。
そのとき広場の方から「英雄トニオとマリアの凱旋だ」と声が聞こえると、そちらへ走り出すクルトとオリエ、
そこで本物のトニオとマリアを見た二人は、お互いにあの夜見た人と違う事に気がつく。
しかし二人とも、あの夜、初めての胸の高鳴りを感じた人が隣にいるとは気がつかなかった・・そして気付くことなく、再び旅を再開するクルトたちだった。
夢の実は一夜の夢を見せただけなのかもしれない、だが、その夢でクルトとオリエは、お互いに「一つの季節」を終えた。 つづく
代理を立ててたトニオとマリアは、後で話のつじつまを
あわせるのが大変だろうな。
村人とか、武勇談を聞きたがるだろうし。
つーか、少なくともトニオはホントのこと言えよ。
人の手柄を自分のものにしちゃうなんて、褒められたことじゃないぞ。
一応みんな知ってるけど、マリアには言わないであげような、となってると思うw
少なくともトニオ側は、医者とか町の人みんな知ってるわけなので。
でも恋人が助けに来てくれた方が嬉しいやんw(マリア替え玉だけど)
733 :
あらすじ1:2005/11/30(水) 00:00:29 ID:???
第八十四話
片時も忘れた事は無い、母ガラティアからのメッセージ。
「クルト、虹の谷へお行き・・そこにつくまでの旅の間にお前の星を輝かせる人を見つけなさい・・
それがお前の道を開き、導く事になるでしょう・・そして、「ピグマリオ」を・・」
だが、クルトはまだその意味を理解していない、ピグマリオの意味も分からなければ、虹の谷もまだ見つけていない、
そして星を輝かせる人もまだ・・・クルトにそれらが分かる日が来るのだろうか。
舞台は「海」それも大きな海原から話は始まる。
時刻は夜、気象は嵐、波高し、その海面を割って大きな「神」が姿を現す、そしてその向かいに前に立つ神と瓜二つの姿をした神が現れる、
海に現れた二人の神、どうやらこの海の神は兄弟らしかった。
しかし兄弟神の仲はかなり「悪い」ようだ、顔が合うなり言い争い、そして取っ組み合いの喧嘩を始めた。
兄神の名は ポセイドン 弟神の名は ネプチューン
大海に面した漁師町ではこの海神の喧嘩により漁が中止になっていた、その漁師町の一軒にクルト達一行がたまたま居合わせ、
嵐が過ぎるのを待っていた。
734 :
あらすじ2:2005/11/30(水) 00:01:15 ID:???
イリューズとタロスの使徒コンビもたまたまこの海の近くに来ていた、ただこちらも仲が悪い。
イリューズ 「どこまでついてくる気!?あたしの後をつけないでよ!」
タロス 「だ!誰がお前の後なんか・・だいたいクルトを倒すにはお前の力では無理だ」
イリューズ 「ほっといて!どうしてあたしに口うるさく付きまとうのよ」
その二人の前に突如メデューサの「影」が現れた。
メデューサはイリューズに、クルトが谷に近づく前に倒せ、と命じる、そしてそれだけ言うとメデューサは消えた。
イリューズ (メデューサ様の「直接命令」・・何と言う事、あたしがあの子を手にかけるとは・・)
タロス 「イ・・イリューズ、あの子は只者じゃないぞ、あいつの力はそれを目の当たりにした俺たちが他のどの使徒よりもよく知っている・・・
よ・・よければ・・お、おれが・・手伝おう・・・・・か?」
イリューズ 「私を見くびるな、あの子の魂は私が奪ってみせる!」
イリューズがクルトの所へ向かい、その後をタロスが追った後、岩陰からアスナスが現れ、飛び去る使徒二人を馬鹿にしたように含み笑う、
どうやら先ほどの「メデューサ」はアスナスの見せた幻影らしい。
しかし、どうしてこんなまねをするのかという、アスナスの真意までは今は分からない。
漁師の家ではクルトが嵐を起こす海神を、ぼくが何とかしてあげようか?と吹いていた、漁師の夫婦は笑って取り合わない、
それにクルトはカチンと来た、味方だと思っていたオリエもおよしなさい、などと言う、クルトは言う。
「あーオリエも無理だとおもってんだ」
しかし冷静で博識なオリエは、海神は嵐の後必ず大漁を約束してくれる、神も反省している、とやさしく教えた。
そのオリエに対し、クルトは立ち上がるなり思い切り怒鳴りつけ、オリエより自分の方が正しいと主張するのだった。
735 :
あらすじ3:2005/11/30(水) 00:01:50 ID:???
海の底に消えない「光」がある、海神の王国のシンボル「真珠の塔」だ。
ポセイドンとネプチューンの兄弟が喧嘩別れした今でも、それぞれの城と暗い海底を優しく照らしていた。
喧嘩を終え、自分の城に帰ったポセイドン、しかし半魚人の家来が慌てて、城に岩が飛んできて城がめちゃめちゃだと報告する。
喧嘩を終え、自分の城に帰ったネプチューン、こちらも城に岩が飛んできて城は破壊されてしまった。
どちらもこんなまねをするのは海に一人しかいない、と兄弟のところへ向かう、ふたたび海神の兄弟は取っ組み合いの喧嘩を始めた。
その様子を陰で見ていたのはイリューズ、彼女は「クルト」に変身して海神兄弟の前に姿を現すと、
岩を妖力で飛ばし、海神の城をさらに破壊した。
偽クルト 「ポセイドンもネプチューンも自分が海の王だと大口を叩く割にはだらしない バカ だな」
(漫画上の表記では、バカ の部分だけ文字が大きくなっています)
海神兄弟 「何だと小僧!さてはわしらの城を壊したのは!?」
偽クルト 「へー城だったのか、目障りな岩の塊があるので片付けるつもりだったんだ」
海神兄弟 「ぬ・・っ わしらにそんな口を利くお前は・・何者だ」
偽クルト 「ぼくを知らないの、善なる神アガナードの孫、ステファンとガラティアの息子、ルーンの国の皇子、クルトだ!」
貴様たち二人を退治に来た、と海の神に向かいタンカをきるイリューズ・・・果たしてどのような「策」をクルトに仕掛けようとしているのか!? つづく
うわあ、嫌な展開だ……。
偽物の製で本物がこまるのって、あんまり好きじゃないな。
この手はアガナード(語り部)の時にも使って失敗してるよな。
ポセイドンとネプチューンも神様なんだから、一発で見抜かれるんじゃないの?
それにしても、海神の名前がギリシャ神話とローマ神話そのまんまだな。
アガナードやユリアナやペレはオリジナルっぽいのに。
つーか、ローマ神話の神はギリシャ神話の神の名前だけ変えたものだから、
同じ神じゃん。
739 :
594:2005/11/30(水) 21:36:20 ID:???
語り部の時に来なかった誤解ネタが今使われたか。
先想像するだけでストレス貯まるわ。
740 :
あらすじ1:2005/12/01(木) 00:00:53 ID:???
第八十五話
海神達に、お前たちを「退治」に来た、と挑発する偽クルト。
怒った海神はマグロなどの魚たちにこの子を懲らしめさせようとするが、
しかし逆に魚たちは妖力で生きたまま分解され殺されてしまう、
後に残るのはまだピクピクと動く、内臓などを出したままの魚たち。
本気で怒った海神の兄弟は三又の槍を装備、偽クルトと戦闘に入った。
海神の本気の戦闘が始まったため、海も陸も大荒れに荒れていた、
漁師やオリエは無事、嵐がやむように願っていたが、
一人クルトだけは腕を組み、嵐の海をにらみつけていた。
海の中では海神が偽クルトに押されていた。
自分たちの神を助けようと半魚人が加勢に入るが、半魚人の大半は返り討ちにあい殺されてしまう。
偽クルトは海神たちに言う。
「さあどうした、鈍間で愚図の海の王たち!こんなに海の民が苦しめられているのに手も足も出ないのか。
死んで行く魚たちを見るがいい、それはそのまま愚かなお前たちの行く末だ。
この海は、ぼくが支配するぞ!」
この言葉を聞いて、海の神の兄弟は「力を合わせて」偽クルトに体当たりの攻撃をした。
陸では特大の地響きと津波の嵐が発生する。
741 :
あらすじ2:2005/12/01(木) 00:01:25 ID:???
クルトはもう我慢できない、と言うとギルガドールに乗り沖へ向かう。
海の中では偽クルトが逃げ回っていた、さすがは「神」、兄弟そろえばその戦闘力は使徒より遥かに上らしい、
偽クルトはぐずぐずしてるとこちらが危ない、と思った。
そこへ本物のクルトが登場、偽クルトは素早く小魚の姿に変身すると、
海神から救って下さいとクルトに助けを求めた。
小魚の話を信じたクルトは海神をますます許せなくなる。
その時、海神の三又槍がクルトを捉え、海面の上まで吊り上げられた。
クルトと海神の話は食い違い、双方関係が悪くなる、そこへオリエとレオンが戻ってきたギルガドールに乗り、
海神とクルトに争いの訳を話して欲しい、と頼みに来る。
海神はオリエと話し合う冷静さがあったがクルトにはそれが無かった、
クルトは自分を捕らえる海神の手を蹴り上げるとさらに追い討ちのパンチを見舞う。
海神のピンチに家来の半魚人が群れで来た、
クルトはその群れに向かって大地の剣を元の大きさに戻したのだった、
・・・これが、後にどのような事態を招くのか、この時のクルトは考えもしなかったのである・・・つづく
なんか、わざわざニセクルト作戦をしなくても
同じような展開になったんじゃねーの?
ちょっとクルトにドキュソ臭を感じてしまった…
子供だからしょうがないんだけど…
相手は神様だし、オリエには甘えているように見えるし…
偽クルト、むちゃくちゃ強いじゃん。
神様とタイマン張って勝てるのかよ!
いや、三つ叉の矛を押し返しただけだろ。それはそれですごいけど。
あとはだいたい雑魚。メデューサの使徒なら不自然な強さじゃない。
まともに闘ったら勝ち目はないだろう。
746 :
あらすじ1:2005/12/01(木) 23:59:54 ID:???
第八十六話
クルトの命令により、巨大な姿に戻る大地の剣。
大地の剣は海底を照らしていた、海の王国の象徴とも言うべき「真珠の塔」を跡形もなく破壊し、
それを形作っていた真珠は広く四散した。
ポセイドンとネプチューンは飛び散る真珠を見て青冷める。
大地の剣は、平穏な海底を切り裂き、跡形もなくその地形を変え、
海の生き物を巻き添えにした。
クルトは余りの惨状に腰を抜かす、海底は見るも無残なほどに斬り壊され、水は汚く濁り果ててしまった。
海神はまず海の濁りを吹き飛ばし、水だけは綺麗にする事が出来た、ただその他の物はもう戻らない、
そしてこの悲劇の主犯であるクルトを岩で出来た檻に封じた。
海神は海をめちゃめちゃにしてくれた剣がユリアナ所蔵の大地の剣だと気付く、
海神は大地の剣にクルトを封じるよう命じた、クルトの入る岩の檻に張り付く大地の剣。
そして海神はクルトの額に海でも呼吸が出来る、海の鱗、というアイテムをさずけた。
大地の女神のために、クルトを殺しはしない、そのかわり終身刑を言い渡す、残る一生その岩の隙間で暮らすがよい、
とクルトに海神の判決が下った。
被告人クルトの自己弁護の一部を記載します。
「そっちが仕掛けてきたんじゃないか!いきなり大勢で襲い掛かってきて。
そりゃこんな事になるなんて思わなかったけど・・・仕方なかったんだ!!
僕にはやることがある!一生ここで暮らすわけには行かないんだ、出せっ!」
クルトの旅の同伴者オリエが海に潜りクルトに言います。
「理由はともかく、大地の剣を使わず話し合う事が出来たはずよ・・
それをしなかったのはクルトがいけないわ」
どこまでも優しく心配するオリエ、そのオリエにたいしクルトは。
「ちがう、ぼくは悪くない!向こうが悪い!」
と、心配して来てくれたオリエに向かって怒鳴り散らし、わめき倒し、
一方的に海神の方が悪いと聞くに堪えない暴言の連続を続けるクルト。
747 :
あらすじ2:2005/12/02(金) 00:00:34 ID:???
クルトが側にいてはまともに話も出来ない、
海神はオリエを息のできる海面へつれてきて、そこで話を聞いてあげた。
オリエからクルトの旅の理由などを聞いた海神、しかし許せぬ、と告げる、
なぜなら海の平和にとって一番大事な「真珠の塔」を破壊してしまったからだ、
この真珠の塔の「抑え」が効いて海魔も好きに出来ずにいたが、それがあの子に破壊されてしまった今、
海は再び暗黒の時代を迎えるやも知れない。
クルトの罪の重さにあらためて震えるオリエ、しかし勇気を振り絞り、
クルトの代わりに私が罰を受けると、身代わりを海神に持ちかけるが、海神の答えはノー、
それなら真珠を集め、塔を元に戻しますとオリエは言った、その目には涙があった。
海神は再びオリエを連れて海に潜った、そして荒れ果てた海底の世界を指差して言う。
「この広い海の国のどこに散ったか分からない、あの無数の真珠をお前が探し出すと言うのか!」
オリエは海神を見つめ、やります、とはっきり答えた。
海神はオリエを放し、不快そうにオリエを睨み付け言う。
「海上の人間はなんと・・子供ですら口が達者だ。
あきれ返ってものも言えぬわ・・さっさと海上へ戻れ」
そらから何日かたち。
海の世界では、海の王と海の住人との復興作業が続いていた、
海神の力でも城の修復だけでもいつまで掛かるか分からない、それに怪我人の看護もある、
海がもとの姿に戻るにはまだまだ時間がかかりそうだった。
そこへ報せが海神の耳に入る、なんとあの「真珠」が丘の上に集まりだしていたのだ、
まさかとは思うが・・あの口の達者な人間の女の子が気になる海神。
真珠を集めていたのはオリエだった。
オリエは広い海の底をひたすら真珠を探して潜り続けた、
息がつまり目がくらむ、それでもなお潜らなければ真珠を見つけることは出来なかった。
一粒、そしてまた一粒。
オリエは顔が海水の冷たさに真っ青になってもクルトの名を唱えながら潜っていった。
その努力する姿を笑うものがいる、
メデューサの使徒イリューズ・・クルト幽閉の仕掛け人、彼女に手には例の「真珠」があるのだった。 つづく
確かに安易に戦って大地の剣を使ったクルトが悪いな。
しかし、子供にあんな強力すぎる武器を与えたユリアナにも
責任の一端はあるような。
これがもとで、海の神々と大地の神々の仲がこじれたりとか
するのかな。
クルトよ、お前はそんな奴だったのか? 幻滅したぞ。
でも、頭に血が上ると回りが見えない性格は公式設定っぽいからなあ。
今回はそれが最悪になったパターンだな。
しっかりしてるし、いろんな経験積んできてるけど、まだまだ子供だしねえ。
それを言うなら、オリエの方が大人だよね。
751 :
あらすじ1:2005/12/03(土) 00:00:33 ID:???
第八十七話
海の底の底、光も届かない海底深く、オリエは真珠を探しに潜っていた。
子供の身には限界に近い深度、いや限界を越えているかもしれない、
そんな死すら予感させる危険な深さ、しかしオリエは真珠探しのダイビングをやめようとはしなかった。
海面に戻った時オリエはレオンに語った、クルトのために何かしてあげるのが嬉しい、と、
ちなみにレオンは海に潜ることが出来ないようだ。
オリエは休憩とも言えないほどのささやかな時間、ギルガドールの上で過ごすと、
再び真珠を探しに海に潜った。
オリエは疲れていた、眠る時間も惜しんで海に潜る、それがもう何日も続いていた。
それでも水晶の力に真珠の場所を教えられると、少しでも早くたくさんの真珠を、と、
息の続く限り懸命に探すオリエだった。
オリエの様子を半魚人が見ていて、主である海神に報告した。
一方、クルトは大地の剣に封じられた岩檻の中で、海神に逆恨みの言葉を吐き捨て暴れていた、
そこへオリエが面会に来る、そのオリエにクルトは性懲りも無く。
「オリエ、ここから何とかして出られないかな、ぼくはこんな所で捕まっている訳にはいかないんだ。
旅を続けなきゃ・・ねぇ、大地の剣はずせない?この岩どこか崩せないかなぁ・・中からじゃびくともしないんだ」
そんなくだらない長話に律儀に付き合う優しいオリエ、自分はクルトと違い息が苦しいのにクルトの心配ばかりをしていた。
オリエは暴れるクルトに自分の気持ちを分からせようと手を伸ばすが、
クルトは汚い豚でも見るかのようなさげすんだ目でオリエをにらみつけると、
さわるな!の怒号とともに例の怪力でオリエの手を容赦なくひっぱたく・・だがこの程度で今のクルトの暴力癖は治まらない、
最後はオリエに背を向け、息が苦しいのに必死にクルトにメッセージを伝えようとがんばるオリエをわざと無視してやったクルト。
オリエが去った後、もはや信用できない愚図なこの女の子に恨みの言葉をぶつぶつとつぶやくクルトだった。
752 :
あらすじ2:2005/12/03(土) 00:01:11 ID:???
「勝手な事いって!、ふんっオリエには分からないのさ、レオンと海の上で待ってるだけだから・・
ぼくがこんなひどい目にあってても平気なんだ。」
実はこの様子を海神たちは見ていた、そしてオリエの献身の理由が理解できなかった。
一方イリューズは手に入れた真珠を砕き、海魔と呼ばれる化物を呼び覚まし、自らの下僕としていた。
クルトは半魚人から、オリエが真珠を集めているという話を聞いた。
その時、海神のもとへ、海魔がよみがえりこちらに向かっている、との報告が入った、
すぐに迎撃体制に入るよう半魚人にスクランブルを発令する。
そういえば、この時オリエはどこにいたのだろう・・そういえば海魔が蘇った場所とあの子がいた場所は近かったはず、
もしや、クルトを助けるためオリエが真珠を砕き海魔を差し向けたのでは・・?
海神の兄弟がオリエを疑っていた、その時、何故かクルトを封じていた岩が砕け散り、
中からクルトが出てきた、そして涼しい顔で海神兄弟の一人を投げたおす。
クルトは小さくした大地の剣をつかむと、海のどこかへと泳いで行った。
そのころオリエはイリューズに捕まっていた。
イリューズは海魔の上でポセイドンとネプチューンの殺害を予告する。 次回へ続く
うわー。クルトひどすぎ。
いくら子供とはいえ、主人公がここまで嫌なヤツになるのも珍しい。
クルトは当分閉じこめとけ!と思ってしまった。
でも、そうするとオリエが大変なんだよな('A`)
しかし、ポセイドンもネプチューンも、そんな大事な塔なら城ほっといて先に真珠集めりゃいいのに……
オリエひとりにやらせんなよ
保守
すごいところで次回へ続くだなw
保守保守。
あれ?
作者急病?
きっと取材旅行中なんだよ。
作者の身になにか不幸でも起こったのかもしれん
1部から2部の間に比べたらこのくらいどうということはない。
WJならもう復帰せんだろうが。
保守
保守2.
_,,,.,、、、、、、...,,_
.,,-‐'^ ̄ .´¨'''¬ー----、、.,_
.,,r'″ ¨┐
../ (,
,r′ ,ノ‐'^゙¨'v .r冖''''''''''''v .}
オオクワの小説はオンディケンゴル・ゾーナマハ・ソルツ・クェックェッテル・ガンデニオン
./′ .| ゙l | 〕 }
ヽv.,_ .ノ ,,v-| ″ }, ..r> .} .}
¨'''':i(,., ,/ \ _/゙'-、.,__ ,,/ ーーーー┐ .}
.) .¨''ーv,_「 .¨'''.¨ア¨^''-、 `¨′ .___,,,,,,.〕,、、、v-ト冖'^¨
.| ..|^'‐、, | } ヾ⌒ .} .|
._ ( | .¨′ \..../ ----厶、、....i|,_
´¨^^''''∨ー─┼v、 〕 .| ,厂
\ .ノ .| .^'''ーv. ノ ノ
._,ェ、レ‐ ‐------─------- .,ノ゙'ーvr′
,.-'''^″ エ .,/′.,/ .¨''ー-
┘ ¨¬<ェミエ7'''''^^^^^¨¨¨¨¨¨¨¨¨'リ7ァz(″
⌒^'''〜-------ー冖¨′
ビューンは今頃どこで何してるんだろうな。
気になるところで続くになってるな
バッコス最強
768 :
マロン名無しさん:2006/01/05(木) 03:50:21 ID:EbtXPMUe
保守あげ
アスナスはエルゾの分身
当たったら神扱いしてくれ