ストーリーを教えてもらうスレ Part9

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1マロン名無しさん
暇がない、金がない、手に入らない等などの事情により読めない漫画のストーリーを教えてもらうスレです。
次スレは>>950か、容量が450を越えた時にお願いします。

前スレ:ストーリーを教えてもらうスレ Part8
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1092543120/

要望を出す前に既出かどうかをまとめサイトでご確認下さい。
過去ログ・リクエスト表もまとめサイトにあります。

まとめサイト
http://f30.aaa.livedoor.jp/~malon/
未解決リクエスト表
http://f30.aaa.livedoor.jp/~malon/mikaiketu.htm

【注意点】
・要望に出ている漫画のストーリーはどんどん書いて下さい。 
 ただ要望に出ていないものは敬遠される傾向にあります。
 レスは期待しないで下さい。それでも良いというならどうぞ。
・この板は一般板なので18禁の漫画のストーリーの要望、紹介はご遠慮下さい。
・名前欄に作品名を入れてもらえると、まとめやすくありがたいです。
・時間を置いて数回に分けて投稿する際には、最後に「続く」と御書き下さい。
 そうする事でストーリーの投稿の混交を防げます。
・これを書こう、と思われた際は「○○○○を書きたい」と意志表明し、予約していただけると、
 投稿の重複が防げて大変ありがたいです。
 また、書くのはよそう、と思われた時には面倒でも予約の取り消しを御願いします。
2マロン名無しさん:04/11/27 01:52:13 ID:???
2
3声:石田ゆりこ:04/11/27 06:43:16 ID:???
サン



これと耳すまの父親ばっかりは声優の方が良かったような。
4マロン名無しさん:04/11/27 07:23:15 ID:???
4様
5マロン名無しさん:04/11/27 10:57:00 ID:???
>>1
6マロン名無しさん:04/11/27 11:03:57 ID:???
日本国初代大統領 桜木健一郎 の続きやろうかな?
もう8ヶ月あいてるけど、続きからでいいよね?
7日本国初代大統領 桜木健一郎第:04/11/27 11:22:55 ID:???
前回(半年前)の大まかなあらすじやろうと思ったけど、最初から。

第一話(1/2) 最も不幸な大統領 

 20xx年、日本初の首相公選制を実施。
 実質的には「彼」は大統領と同様の限をもつ…その当選が決まる日…世界は軋みを始めていた。
 
 米大統領アレックス・キャラダインは国防長官からの報告を受けていた。
 朝鮮半島有事勃発が確実になった事を。
 キャラダインは大統領首席補佐官のジェファーソン・スパイダーに話し掛けていた。
「どんな男だ?君はミスター・サクラギとは昔、非常に親しい間柄だったと聞くが・・・正確には君のワイフが」
 
 当時の写真を見ながら語るスパイダー。
 日本国初代大統領桜木健一郎とキャラダインはスタンフォード大学時代に知り合い、キャラダイン大統領の
カリフォルニア州知事選の選挙活動のボランティアに参加したことが運命づけたのだと。
 キャラダインは「感傷はいいので政治的手腕はどうなんだ?」とたずねる。

 スパイダーは詫びつつも語るのであった。18年前、キャラダインがカリフォルニア州知事選で窮地に陥った時、
名演説を書き、一気に形勢逆転、当選に導いた東洋人の話を。彼こそ、桜木だったと。

 キャラダインは驚愕しつつ、「あの演説が私をどれだけ救ったことか」と語りつつ、「面白いとくと見せてもらおうか
一歩間違えば最初で最後の―そして、最も不幸な“日本の大統領”になるかもしれない男の政治手腕をな!」と
お手並み拝見を決め込んだのだった。

8日本国初代大統領 桜木健一郎第:04/11/27 11:43:17 ID:???
第一話(2/2) 

場面は変わって中華人民共和国 中南海・王首席公邸
(中南海は中国共産党高級幹部の居住区)

中華人民共和国首席、王龍民(ワン ロンミン)は桜木健一郎についてのレクチャーを
「日本のトップはコロコロと変わる。我々に恥をかかせなければよい」と無視。
 そこに、「北朝鮮が韓国へ向け軍事侵攻を開始、米国がこれを阻止すべく全艦隊を東シナ海に集結させつるあり」
という情報が飛び込んでくる。
 王首席は「朝鮮動乱が膠着状態に入るのを確認すると同時に台湾への侵攻」を命じ、特殊工作員に全ライフラインの
破壊を命じる。
 王首席は「いくらアメリカが優れた軍事力を有していても、同一地域での二つの戦争に同時介入するのは不可能」と
断じたのだった。
 彼は破綻状態の国内経済や内政の混乱により軍からの信頼を失いつつあったので
台湾を生贄にする事を思いついたのだった。

朝鮮半島38度線軍事境界線 狙撃される韓国軍兵士
東シナ海 北上するアメリカ第7艦隊

日本 桜木の当確を伝えるアルタビジョン。日本は大きく生まれ変わろうとしていた・・・(第二話につづく)

第一話の登場人物
日本:桜木健一郎:43歳 無所属 日本国内のアメリカンスクール卒業後、渡米、
            スタンフォード大において経営戦略を専攻、
            卒業後はワシントンポストで経済記者を十年勤務、34歳時に帰国、翌年政界出馬・
米国:アレックス・キャラダイン:大統領。カリフォルニア州知事経験者。
    ルイス・キングレイ:国防長官。黒人系。脇役。二度と出番が無い。
    ジェファーソン・スパイダ−:大統領首席補佐官。スタンフォード時代に桜木と知り合う。嫁の方が親しかった?
中国:王龍民:首席。
他:倒される韓国軍兵士
9oiu:04/11/27 12:25:28 ID:HZwCJR/u
iic
10マロン名無しさん:04/11/28 00:42:29 ID:???
>8

続きを楽しみにしてまつ
11マロン名無しさん:04/11/28 09:15:05 ID:???
「かりん」お願いします。
増血鬼のやつ。
12轟世剣ダイ・ソード 1:04/11/28 10:11:48 ID:???
某年1月25日、ごく平凡な中学校「九江州(くえす)中」の校舎は、そこにいた人間もろとも異世界へ飛ばされた。
校舎を貫通した巨大な剣によって、職員室に集まっていた教師は全滅。550人の生徒だけが取り残される。
そして、混乱の直中にあった生徒たちに、謎の怪物軍団が襲いかかった。
生徒の一人、1年の百地王太(ももち おうた)は、校庭で気絶していた異世界人とおぼしき少女を救う。
彼女から伝わってきた「心で剣を抜いて」という“声”に従い、巨大な剣に「剣を抜くイメージ」を重ねると
剣は突如として人間の形に変形。校舎を襲っていた怪物たちを蹴散らした。
「剣」は、自らを「ダイソード」と名乗り、王太と「7回の召喚に応じる」契約を結ぶ。
かつて、この異世界──“泡の中央界”──を支配する神に所有される武器でありながら、神に挑んで破れ
300年に一度、人間の下僕として7度の召喚に応える呪いに縛られた「神の剣」。
異世界人の少女、ユーリナは、故郷の魔導都市を襲う「北国」から都市を守るべく、彼女にとっての異世界である
地球を経由してダイソードに近づこうと図り、そして、侵入者封じの結界に九江州中もろとも捕まってしまったのだ。
ふたたび時空移動を行うには、魔導都市の賢者たちを頼る他ない。生徒会長の千導今夜(せんどう こよい)は
生徒たちを団結させ、魔導都市へ向かう計画を立てた。
異世界の物質として大地と反発するのか、地上数メートルで浮かんでいる校舎を「陸の船」として
校舎ごと魔導都市へ向かうというのがその計画。だが、現在地点は敵国である北国の領土の中であり
まず、敵国の領土を突破しなければならない。
後者が引っかかっている廃城の瓦礫を、火薬で爆破して取り除き、校舎を動かす用意が行われるが
作業が終わる前に、北国の第二次攻撃部隊が到着してしまった。
ダイソードを召喚し、敵の攻撃を退ける王太。だが、そこに油の雨が空から降り注いだ。
校舎に延焼する危険を恐れ、ダイソードの火炎魔法を使えない王太の前に、敵の切り札が出現する。
巨大スライム「ブロム」と、巨大な斧──北国が発掘した秘密兵器、ダイソードを含め8つあったという
神の武器のひとつ──“斧”のガバリオーグであった。
13轟世剣ダイ・ソード 2:04/11/28 10:12:22 ID:???
ダイソードとガバリオーグの戦いが始まった。だが、戦局はダイソードが圧倒的に不利。
油の雨とブロムで、ダイソードの長所である魔力と機動力を封じ、自分の得意分野である力の勝負に持ちこんだ
ガバリオーグに対し、戦いの経験が無い王太はただただ翻弄されるのみ。
そのとき、3年生の剣道部長、一峰が校舎から飛び出し、用意してあった火薬に火種を投じた。
瓦礫が爆破され、その勢いで滑り出した校舎がガバリオーグに激突する。
この思わぬ援護に力付けられた王太は、「おまえの今もっている力で戦え」というダイソードのアドバイスによって
得意のサッカーを応用した蹴り技を披露。ブロムを倒し、ガバリオーグを圧倒する。
何度目かの蹴りがガバリオーグの顔面にヒットし、相手のコクピットが剥き出しになったとき
王太がそこに見たのは、すでにミイラ化し崩れた死体だった。北国の王に操縦されているはずのガバリオーグは
自らの意志で動き戦っていたのである。
思わぬ反撃にてこずったガバリオーグは撤退し、九江州中は無事に移動を開始した。
山の斜面に沿って滑り、川辺へ出た九江州中は、ここで食料を調達すると同時に、布を縫い合わせて
校舎に帆をかけて移動する計画を立てた。大きな帆を立てるためのマストを立てるのに失敗を繰り返したあげく
「臨時の措置」として、校庭に突き立ったままのダイソードに帆をかけることに成功。校舎は風に乗って動き出した。
だがそのころ、北国首都に帰還したガバリオーグは、打倒ダイソードのための新たな作戦を立てていた。
すでに北国には、幾つもの「神の武器」が集められ、とうに死んでいる北国王の意志を騙って国政を牛耳り
自分たちが新たな神となる野望のために暗躍を始めていたのだった…。
【召喚消費1回(VSガバリオーグ) 残り召喚回数6(最初の一回は契約時のサービスとしてノーカウント)】
14轟世剣ダイ・ソード担当:04/11/28 10:20:14 ID:???
「ダイ・ソード」開始致しました。
注記。ダイソードとガバリオーグは、本来は
ダ・イスォウド(この世界の言葉で『主たる者の力』の意)とガ・バリュオーグ(同じく『狩り取る者』の意)
と表記されるのですが、本編中ではほとんどダイソード、ガバリオーグで統一されているため
本文中では解説無しで表記を統一しています。ご了承下さい。
しかし、8体の巨大ロボが、それぞれ3つの変形パターン(武器型、人型、獣型)を持つこの作品
文章のみで説明するのは、(今まで解説した長谷川作品と比較して)かなりやりにくいかも…。
15日本国初代大統領 桜木健一郎:04/11/28 13:01:54 ID:???
第2話 激動の当選日の登場人物

日本:桜木健一郎:日本初の公選首相。映画館に無精ひげのまま居る。
            その後、事務所帰宅中に朝鮮半島有事勃発を知り官邸へ急行。
    瑶子:銀座のクラブ「巽」のママ。桜木の熱い人?
    運転手:桜木の運転手。
    警護役:桜木の警護役。多分二度と出番なし。
    映画館のロン毛茶髪サングラス・山本秀基:映画の最中に桜木の当選を知り大騒ぎ。
    その彼女サナエ:桜木のファンになる。二人とも二度と出番なし。
    
米国:レイチェル・スパイダー:ジェファーソンの嫁。かつてのスタンフォード大のキャンパスクイーン。
                  エロいママン。今回はガウン姿。
    ジェファーソン・スパイダ−:大統領首席補佐官。夫。

第2話 激動の当選日 1/2
映画館。恋愛映画を見ながら泣くサナエ。ふと、隣を見ると、呆けた表情でボーっとしてる、サナエのボーイフレンドの秀基。
「ねえ!」聞いてるの?とたずねる秀基は、突然「やった!」と大声をあげる。彼の投票した桜木が日本初の公選首相になったのだ。
「ちょ、ちょっと秀基ィ!なに考えてるの?」確かに、映画館で騒ぐのは不謹慎だ。
「あのなぁ・・・」と今回のドラマチックな当選劇を語ろうとする秀基に、「シィ〜ッ!」と、話し掛けてくる、スーツ姿の中年。
「あのなぁ、オッサン、今回の選挙がいったいどれだけ・・・」と更に力説しようとする秀基に対して、
「シィ〜〜ッ!静かにしろって!今一番面白い場面なんだからッ!」というオッサン。
「やめなさいッて秀基!」「かーっ!誰もどいつもこつもなにもわかっちゃいないんだから!」と、落ち着かない秀基を
なだめるサナエは「オッサン」が微笑みかけてきたのに気づいた。

映画が終わって
サナエ:「オジさん、はなしがわかるぅ!ねえねえ今度また一緒に映画見に行かない?」
オッサン:「うれしいねぇ、こんな中年でも良いのかい?」
サナエ:「もっちろん、あたし、シブイ人大好き!」
秀基:(あいつ、あんな中年好みだったのか?)

そして、映画館から出た3人を待っていたのは、マスコミのフラッシュだった。
16日本国初代大統領 桜木健一郎:04/11/28 13:28:09 ID:???
追記:秀基はラジオを聞いてました。
当惑する秀基・サナエ。
マスコミ:桜木さん、首相決定おめでとうございます!実質的な大統領になったご感想を一言!
どこからともなく、オッサンに警護の人間が背後につく。
秀基は最初は自分に話し掛けられたと思い、謙遜するが、流石に気づいたようだ。
「あーっ!ウソーッ!でもまさかそんな!」

オッサン:「こんな所までやってくるとは…ったくどいつもこいつも無粋なヤツらばっかりだな」
サナエ:「えぇ〜〜こ・・・このオジさんが桜木なのォ〜!!」
秀基:「な、なんでこんなとこにィ〜!」

警備の「これ以上人が集まると危険」という進言を受けてオッサンこと桜木はマスコミを無視して車へと乗り込む。
乗る前に、秀基に「ありがとう、キミの一票は無駄にはしない!」と声を掛けつつ。
苦笑しながら見送る秀基とサナエ。

車内
 ヒゲをそりながら、警備から選挙事務所に行くよう促される桜木。当選したのに当人が事務所に居ないので、
大騒ぎになっているそうな。運転手が「では、選挙事務所でよろしゅうございますか?首相!」と聞くと
「首相じゃないヨ、まだ任命を受けてはおらんからな!」とトボけつつ、自動車電話(注)に手を伸ばす桜木。
「これ、国際電話できたっけ?」と聞く桜木に、「自動車電話は傍受される可能性があるので政治上の話は…」という警備。
桜木:「なぁに心配は要らん、友達だ!」

注:現在では自動車電話はほぼ廃止されてたかと。(第二話、もう少し続きます)
17日本国初代大統領 桜木健一郎:04/11/28 13:36:52 ID:???
真夜中の米国 大統領首席補佐官ジェファ―ソン・スパイダー邸
「Hello?」ガウン姿の妙齢の女性が電話を取ると、桜木の声で「あいかわらず艶のあるいい声だ」。
「健ッ!?」と聞く彼女に「健」は「かつてのキャンパスクィーンの面影は残ってるかい?レイチェル」と聞く。
「言ってくれるわね。そんな刈るグチを叩くために電話してきたんじゃないでしょ?選挙の様子はどう?」と聞くレイチェル。
桜木は「21年前…君の言った冗談が現実になったようだ…」息を呑むレイチェル。「…だから、誰よりも先にレイチェル、君に伝えたかった」。
少しの沈黙の後、レイチェルは一気にまくしたてた。「相変わらずね、そんなこと言って…その手で女を騙してるのかしら・・・」
ツッコミをいれる桜木に今から寝るところだけど、化エラ谷だけは木をつけてね、Mr.大統領(プレジデント)!と言って電話を切る
レイチェル。直後、スパイダーが帰宅。夫から桜木大統領の誕生を聞かされて涙ぐむレイチェル。
喜ぶべきなのか分からず、夫のジェフに問う。
スパイダーは…世界のルールが変わったのに自己変革しようとしなかった日本。彼の敵は国家を私物化する官僚や族議員であると。
そして、桜木ならば、日本を新しい世界のルールで生きる独立国家にできると信じよう、と。大学時代の3人の写真を見ながら言うのだった。

一方、日本の車中。
運転手と「補佐官の奥様でございますか?お懐かしゅうございましたでしょう?」「よせやい、まだそんな年じゃ」と言い合っているところに
電話が入る。

銀座のクラブ「巽」のママからだ。
瑶子:「ちょっとッツ!最近ご無沙汰過ぎるんじゃないの?」
大きな部屋に黒い下着でベッドの上に居る瑶子。
言い訳する桜木に、「じゃあ、これからはもっと忙しいんじゃないの?」と詰め寄る瑶子。
「今日こそきてくれるの?お店?それともここ?」と更に詰め寄られたところに、
運転手から、近くの電光掲示板を見るように促される桜木。
「朝鮮半島有事勃発」を知らせるものであった。即座に会話を切り上げ、電話を切る。

桜木は真顔に戻り、乱れていたスーツ威儀を直し、首相官邸へと行き先変更を命じる。

「戦前はイギリス、戦後派はアメリカの隷属国でしかなかった。これを機に、日本は真の独立の道を歩まねばならないのです!」(第3話に続く)
18日本国初代大統領 桜木健一郎:04/11/28 13:39:48 ID:???
正誤表
>>7
同様の限→同様の権限をもつ
>>8
させつるあり→させつつあり
>>17
化エラ谷だけは木をつけてね→身体にだけは気をつけてね

すみませんでしたorz
19日本国初代大統領 桜木健一郎:04/11/28 14:07:05 ID:???
第3話首相官邸への登場人物

日本官邸サイド:三枝(さえぐさ):官房副長官。桜木の官邸到着を阻止しようとするが、しくじる。
          大橋高廣:非公選最後の内閣総理大臣。メガネ。額にいぼ。
          望月太一:防衛庁長官。メガネ。少しデブ。          
          青木謙一郎:防衛庁防衛局長。まとも。
          内閣の面々:色んな意味で保身しか頭に無い終わった人たち。
  
日本桜木サイド:桜木健一郎:初代公選首相
          モリス・谷口:桜木健一郎の選挙対策本部渉外担当メガネ。
          恩田誠十郎:桜木健一郎の影の参謀。じーさん。塩爺に眼鏡かけてヒゲつけた感じ。メガネ。あごひげ。
          鯨井洋介:元外交官。隻眼で、眼帯を着用。あごひげ。桜木とは調布のアメリカンスクールで知り合う。
          脇役スタッフ:名前すらなし
          運転手:第二話同様。

日本他:マスコミ

今回は第3話に入る前に、背景説明を。これは今は亡きコミックBARTという雑誌に「公権力横領捜査官 中坊林太郎」とともに
連載されていたものです。連載は98年から2000年まで。雑誌の廃刊と共に終わりました。
全3巻ですが、その前に、「独立編」ではないものがあったようです。
3巻が異様に分厚いです。

1998年ごろ。日本では、中国分裂論や、日米ガイドライン、朝鮮半島危機、日本を見限った企業の海外流出、
さばかれることの無い、政治家、汚職官僚…どこまでも暗かった日本の先行き、という当時の世相を反映しています。
これを、「裁く」のを中坊が、「闘って作る」のを桜木が受け持っていたようです。
雑誌は、その後、迷走して消えました。
20日本国初代大統領 桜木健一郎:04/11/28 14:26:16 ID:???
第3話 首相官邸への挑戦 1/3

桜木の選挙事務所。
押し寄せるマスコミ。当選を決めた桜木の不在にいらだつマスコミを応対するのは、モリス・谷口。
桜木の選挙参謀である。
谷口はマスコミに説明を始める。
・桜木の支持層は、主に20〜30代であること。
・完全実施に踏み切ったインターネット投票、一週間に拡大された投票期間による高投票率。
・特に若者が投票率を押し上げた事。
前代未聞の出来事は、日本を変えるのだと。マスコミは矛先を収め聞き入る。

他の選挙参謀は感心しつつも、米大統領選やオリンピックを手がけたこともある米国最大の広告代理店の
元敏腕プロデューサーを桜木が引き込んだことを感心する。

そこに杖を持った老人が茶をすすりつつ言う。「引き込んだのではないぞ。惹き寄せたのだ。」
影の参謀、恩田誠十郎は、「人を惹きつける力」は政治家にとり、とても重要な素養であり、健一郎にはそれがある、という。

モリスは、限界を感じて引き上げてきたが、同じく桜木配下の鯨井が居ない事に気づく。
恩田は「ただ祝杯をあげにいったのではなかろう」と、テレビのチャンネルを変えるが、そこには「朝鮮半島有事」の画面が。
谷口:「あちゃぁ〜、こりゃ当分戻らんなァ ちくしょぉ〜ッ」

官邸へ向かう車中。桜木は官邸へと電話をかける。20分後に向かうという桜木に内閣官房副長官の三枝は、
大橋首相は午後から新橋に会食に出ているので待ってほしい、というが、
桜木は「もう一度申し上げる!20分後、桜木健一郎は大橋首相に面会すべく官邸へ向かう!」とだけ言って切った。

今一度「官邸で…よろしいですね?」と念を押す運転手に桜木は「会食は私に会わないための方便であり今ごろ閣僚と右往左往しているだろう」
という。
「右往左往、ですか・・・」という運転手に、桜木は、「91年1月17日中東の湾岸戦争勃発時に臨時国会も開かず、
ほとんどの議員が地元の後援者と新年会に興じていたのだ!」という。

続けて「こんな日本の政府当局者を世界がどう評価しているか?」と聞く。(つづく)
21日本国初代大統領 桜木健一郎:04/11/28 14:51:36 ID:???
第3話 首相官邸への挑戦 2/3
桜木:「五流以下の評価、だとさ!」。大橋内閣は派閥の論理だけで決まった稀に見る
政治・外交オンチの集まりであり、利権屋のアマチュア内閣であると断じる桜木は、
この有事で彼らの無知無能振りを世界にアピールさせたのでは日本の未来は無い。
朝鮮半島有事が日本に飛び火する前に、日本が戦場になる前に手を打ちたい、と語った。
 では、どうなされるのですか?と聞く運転手に、「今の私には何の権利も無い。
まず彼らの目を覚まさせることだ!」と言う。そう、桜木にはまだ何の権力も無かった。
 【首相官邸】
その内閣では、朝鮮半島有事を政府発表よりも先にスッパ抜かれた事の
責任のなすりあいが行われていた。
 大橋高廣内閣総理大臣は、望月太一防衛庁長官の責任を追及するが、
自分は地元に帰っていたので、と弁解する。大橋首相は、初動の遅れを野党がついてきたら
責任問題になるから、望月に責任を取ってもらうというが、

望月は「将来のために防衛庁長官を経験しておけといったのは大橋首相じゃないか」と反発。

それを仲裁する、どこかで見たようで見た事の無い閣僚が「日米ガイドラインに基づいて米国に同調するのが良い」と言う。
 大橋首相は、それに乗った。そこに桜木面会要求の伝令を伝えてきた者。(三枝さん?)

大橋首相は、若造が大統領気取りか、追い返せ、といえば、閣僚は景気回復に
不満を漏らすためのガス抜きだった、公選制の首相といえども、所詮は祭りの神輿であって、
担ぎ手が居なければ、ただの神輿、と揶揄する。

 そして、大橋首相は独白する。「桜木の圧倒的勝利は予想外だった。しかし、折りも折り、この朝鮮動乱は我々を見放していない。」
大橋:「取り消しだ・・・緊急有事特例を発動して今回の選挙結果の執行を停止する!」

 そこに立ち上がる官僚。防衛局長、青木である。そういうことよりも先に、
朝鮮動乱を論議すべきだと主張した。しかし、脇から掣肘して邪魔をする、望月防衛庁長官。
自分への矛先それたのだから、余計な事を言うな、と。
 閣僚はその間も謀議を続ける。派閥政治にとって桜木は危険だと。
 (つづく)
22日本国初代大統領 桜木健一郎:04/11/28 15:05:57 ID:???
3/3
自ら辞めるように持っていくべきだと。、一人の閣僚が主張する。
「まわりくどい事をする必要は無い。今回の選挙ではブリーフィング期間
(説明とか研修とか。どうやら任命はその後らしい)がある。
この間にスキャンダルをマスコミに流して失脚させればよい」。と。
マスコミは時代の寵児である、桜木の情報をほしがっている。
大橋は、この案にのり、具申した閣僚に次の組閣は楽しみにしておけ、という。

青木:なんてことだ、これが日本の現実だというのか…orz

場面は変わって国会前。強引に桜木の車の前に割り込む車。降りてきた眼帯をつけた男は、
鯨井洋介。元外交官である。警備のものが運転手に、桜木と鯨井の関係を聞くと、
運転手が「一度だけ鯨井に聞いた」と言いながら回想シーンに入る。
 調布のアメリカンスクールで帰国当初の鯨井は塞ぎこんでいた。国籍や言葉の違う
子供達と一緒だったからだ。そこに声を掛けてきたのが桜木。
 異国の土地で声をかけられるほどうれしいことは無い。そうやって元気になった子供は
数知れなかった。桜木に声をかけられた子供達は、帰国の際に泣いてすがられたのだと。
そこでは陽気に振舞う桜木だが、鯨井は一度だけ彼の涙を見た事があった。
「いったい、あと何回仲良くなったお友達と別れなくちゃならないんだろう?」
この時、「こいつとは長い付き合いになる」と思ったそうだ、と。
現代。
鯨井:「事態は緊急だ。北朝鮮の第8特殊部隊は38度線を越えて北側から韓国に繋がる
    26本もの地下トンネルで一斉突入を開始した!アメリカは国家緊急指令を発動したが
    現状ではソウル陥落はもはや時間の問題だ!」と。
    「数字で言えば、本日 日本から韓国への邦人出国者数は5817名…そのうち九州の
    修学旅行製が総勢543名いる!またソウル市だけで在韓邦人は10206名…さらに北朝鮮への
刊行入国者が186名いる!!
そして、未確認情報ながら、38度休戦ラインで観光客らしきもの43名が全員射殺された情報がある、と
聞かされた桜木は報道陣の詰め掛ける官邸前に車で突っ込むのだった。

鯨井:オレには聞こえる・・・地獄から救いを求める同胞の慟哭が!
桜木:…あぁ、オレにも聞こえてるよ!   (第4話 極東有事、在韓邦人全滅 へ続く)
23日本国初代大統領 桜木健一郎:04/11/28 15:10:28 ID:???
正誤表
>>17
そんな刈るグチを叩くために→そんな軽口を叩くために

>>22
刊行入国者→観光入国者
24轟世剣ダイ・ソード 3:04/11/29 10:00:30 ID:???
>13より続き
川沿いに下った九江州中は、河口にある「海辺国」にたどり着いた。ここは北国の属領だが
今後を考えれば、なんとしてもここで物資の補給をしておきたい。
千導会長は、校内の備品を異世界のお宝として売りつけようとするが、海辺国の王ジオナスは
さらりとその申し出をかわし「北の洞窟の怪物を倒せたら、同盟してやってもいい」と言う。
一方、学校では、実戦格闘技部キャプテン(要するに『番長』)の十勝が、校内のタカ派を束ね
ダイソードによる武力侵攻を主張。千導会長の退陣とダイソードの引渡しを訴えていた。
ジオナス王の依頼が、こちらの誠意を見るための狂言と読んだ千導会長は、二つの懸案を同時に解決すべく
自分と王太、そして生徒の中で一番魔法の上達した2年女子の二葉による「現生徒会チーム」と
十勝と子分たちのチームで同時に洞窟に挑む勝負を提示した。
このとき千導会長は、生徒会側のダイソードに対する十勝の掛け対象として「学校にこっそり持ちこんだエロ本」
を要求した。この妙な要求の真意は、後に明らかとなる。
洞窟はダイソードが入れない大きさのため、王太はダイソードとの契約の証である長剣だけを持ち
他のメンバーと洞窟に入った。洞窟内に住む生き物をなんとか片付け、一行は洞窟の奥の地底湖に着く。
だがそこにいたのは、二機の“神の武器”、すなわち“矛”のド・ライアムと“盾”のヨゴであった。
この依頼は、ダイソードのソウルマスター(乗り手)をダイソードと分断する罠だったのである。
陰湿な性格のド・ライアムに弄られ、一行は小さな横穴に追い詰められた。
千導会長は、一か八かの脱出計画として、一人が囮になる計画を示した。王太の持つ「ダイソードの剣」なら
神の武器と同じ材質だから、ド・ライアムに傷をつけることも出来る。これでド・ライアムを打ち
その隙に他の人間は脱出する…この危険な囮役を、王太は自ら買って出た。
油断していたド・ライアムは、飛び出した王太の一撃を目に食らって怯む。その隙に
他のメンバーたちは横穴を飛び出した。だが、王太はド・ライアムに振り落とされ、湖に落ちてしまう。
朦朧とする意識の中で、王太は誰かが呼ぶ声を聞く。「心でなら…どんな大きいものも…遠くのものもつかめる…」
そう王太が悟ったとき、洞窟の中に、爆音と共にダイソードが出現した。
25轟世剣ダイ・ソード 4:04/11/29 10:01:02 ID:???
ダイソードに乗りこみ、他のメンバーを救い上げた王太は、自分がダイソードを「操縦している」と言うより
ダイソードと感覚を共有しているのに気付く。今まで「魔法」に対して自分の常識が枷となり、力を縛っていたのに対し
死の危険を乗り越えたことで、王太の心は解放され、ダイソードとのシンクロ率も上がったのだ。
ド・ライアムと、加勢に入ったヨゴの二体を相手に、ダイソードは先の戦いで(王太の力量不足のために)
使えなかった高度な攻撃魔法を披露し、互角の戦いを繰り広げる。
洞窟は吹き飛び、3体の“神の武器”の戦いは、海辺へと戦場を移した。
“盾”であるヨゴの影に隠れ、こちらの隙だけを狙ってくるド・ライアムを攻めあぐねる王太だが
ダイソードは「“神の武器”は変形パターンによって能力値も変化する。二者三態、9のフォーメーションの隙を突け」
とアドバイス。王太は、武器型になって突っ込んできたド・ライアムを受けとめ、その穂先を
ヨゴが獣型に変形(攻撃力が上がるが、本来の長所である防御力が落ちる)したところへ突き立てた。
そのころ港では、海辺国の兵士が戦船を出していた。九江州中の生徒たちが、あのエロ本のヌード写真
──この世界の人間には脅威的なリアリティを持つ──で兵士を買収したのである。
それを見ていたジオナス王が何やら合図すると、隠れていた兵士たちが飛び出し、ド・ライアムを抑え込んだ。
したたかなジオナス王は、北国に恭順すると見せかけ、ちゃっかりと九江州中に寝返る用意をしていたのだった。
思わぬ伏兵の数々に阻まれたド・ライアムは、ダイソードに両断され、完全に破壊される。
一方、自己修復の魔法が使えるヨゴは再び立ち上がるが、もともと温厚な彼はダイソードに負けたことで
“納得した。ぬしの方がよほど強い。わしはぬしに従おう”とダイソードに恭順。九江州中の傘下に入る。
「迷宮に潜って出てくると、強力な武器が手に入る。まるっきりロールプレイングみたいだね」
“? オウタよ、おまえの言うことはときどき分からぬ”
かくして、海辺国との同盟は成り、学内紛争も十勝が自発的に退いて終息した。
専用マスト付きの帆と、量産型の人型兵器「ナマクラ」数機、そして航海士や魔法教師などの出向人員を加え
九江州中は、次なる目的地へ向けて海へと乗り出した。
26轟世剣ダイ・ソード担当:04/11/29 10:01:43 ID:???
補足。8体の“神の武器”は、それぞれが「武器型(長所が最大限に伸び、不得意分野が大幅に低くなる)」
「獣型(短所が増強される代わり、長所が低下する)」「人型(バランス重視の中間的形態)」
の3種形態を使い分けます。
防御力最強の“盾”が「武器型」で防御専念してしまえば、“剣”で斬ることは困難ですが
「獣型(ヨゴの獣型は『大ガニ』)」の時なら、攻撃力増加の代償に防御力が低下し、攻撃が通りやすくなります。
今回の戦いでは、勝ちを焦ったド・ライアムとヨゴが、攻撃力を最大化して突撃してきたところに
カウンターを入れることで相手の防御を突破し、勝利を得たと言えます。
27轟世剣ダイ・ソード担当:04/11/29 13:21:43 ID:???
テキスト追加。>25の末尾に以下の文を加えます。


【召喚消費2回(海辺国入国時のデモンストレーション/VSド・ライアム&ヨゴ)
 残り召喚回数4】
28マロン名無しさん:04/11/29 21:01:47 ID:???
ダイソード始まった!
がんばれー
29マロン名無しさん:04/11/29 22:14:45 ID:???
ダイソード乙です。コンプ休刊以降読んでなかったのですが、面白い内容ですね。
続き楽しみです。ガンガッテ下さい。
30マロン名無しさん:04/11/30 20:29:31 ID:???
宮脇朋子「保健室のオバサン」
樋口橘「学園アリス」お願いします。
31マロン名無しさん:04/11/30 21:34:15 ID:???
学園アリス知りたい
32マロン名無しさん:04/12/01 15:52:58 ID:???
未解決・途中作品リストがいつのまにかきっちり五十音順に並んでいる。
管理人の人乙です。
33まとめ”管理”人様へ:04/12/01 17:20:36 ID:???
http://f30.aaa.livedoor.jp/~malon/es.htm
この、惣領冬実の漫画は「E'S」ではなく「ES」です。
Eternal Sabbathの略です。
「E'S」という漫画は別にあるので紛らわしいかもしれません;
34マロン名無しさん:04/12/01 18:26:02 ID:???
>>33
あ〜でも惣領冬実のESも知りたい。
最近完結したばかりのはず。
誰か書ける人がいたらよろしくお願いします。

・惣領冬実『ES』
35Palm あるはずのない海 1:04/12/03 03:00:22 ID:???
1976年7月3日、L.A.
巡査のビリーは同僚とパトロール中、前方の車中で、少年が老人を撃ち、逃亡するのを目撃し、少年を追う。
少年は袋小路にビリーを誘い込むと、ビリーの腰から拳銃を取り、ビリーに当たらないよう、発砲する。
唖然としていると、少年はビリーの懐から手錠を取り、自らの手に填める。
少年はジェームス、車中の老人はエリー一家のボス、ロナルドであった。

5年後、1981年・ケニア。
アンディの父、サミーとライオンのジェイクには死期が訪れようとしていた。
サミーはこの後に及んでもジェイクに付きっきりのアンディを枕元に呼び、涙ながらにアメリカ行きを言い渡す。
「アメリカへ行って教育を受けろ。
そして誰でもいい!人間と付き合うんだ、わかるな、人間だ!
けだものじゃない…」

同じく1981年のL.A.では、愛人ビアトリスと朝を迎えたカーターの元に、はとこのシンが訪ねてくる。
シンは自分のアパートでは飼えなくなった「なんとかハウンド」のケントを厄介払いにやってきたのだった。
シンは失恋で荒んだ生活を送るカーターを心配しているふうを装いながら、強引に犬を置いていってしまう。

同日、昼。
不本意ながらもドッグフードを買い、友人の弁護士、ジョンと会ったカーター。
ジョンは医者を辞めてからフラフラしているカーターを心配し、本格的に探偵をやるよう、助手を雇う事を提案する。
「もう潮時だろう、カーター?今みたいな生活は為にならんぞ」
ジョンは渋るカーターを引っ張って、刑務所のジェームスを訪ねる。
ジェームスは少刑時代、エール大に特別入学し、大学院過程までを4年で卒業。
その頭脳を惜しむ教授連中がジェームス救済に動きだし、同じくエール大出身のジョンに相談を持ちかけたのである。
続く
36Palm あるはずのない海 2:04/12/03 03:43:18 ID:???
「探偵助手など雑用係だぞ。天才児に電話番をやらせるのか?」
「彼は君にとても興味を持ってるよ。君達はとても対照的だからな。君もきっと、彼を気に入るよ。
それに君は、荒っぽい連中を相手にする様な事には慣れてないだろ?彼はその点、頼れるぞ」

二人が刑務所に着いた時、ジェームスはムショ仲間のボアズ達に宇宙についての講義中だった。
ジェームスは彼等に、地球が人間を生み出す環境に敵した奇跡の星であると教え、仲間達は熱心に話に聞き入る。
人類が誕生して35億年。
「それを一年に置き換え、1月1日に生命が生まれたとすると、人類が地上に現れたのは…」
「12月31日の夕方だ」
カーターは講義に割って入り、ダーウィンの進化論など、高度な問答を交す。
ジェームスとカーターの顔には、互いに好敵手に出会った様な笑みが浮かんでいた。
ジェームスとカーター、ジョンは三人で個室に入り、話をする。
カーターはジェームスの様な優秀な人間ならば、他に色々と「引き」はあるだろうと思ったが、予想に反して2社から話があるだけだという。
実はジェームスには神経症の疑いがあり、毎年、発作と思われる何らかの身体的障害が現れるのだった。
そんな人間の面倒は見きれないと思ったカーターは、ジェームスを欲しがっている他の2社が、どちらも国家レベルの兵器を手掛ける巨大企業である事を知り、助手の話を断る。
「私は治療費まで面倒は見ない。君は二つの内、どちらかへ行くべきだ。
仕事の内容も手当ても、私の所の比じゃない」
「カーター、仕事の大小はどうでもいいし、大金は必要無いんだ。それに治療も。俺は病気じゃない」
「……ジェームス、気持ちはよくわかる。
誰でも神経症だなんて診断されたら、いい気はしないさ。
だが、それを認めるとこから治療が始まるんだ。お大事に」
こうして、二人の道は離れてしまったかに見えた。
続く
37Palm あるはずのない海 3:04/12/03 04:24:45 ID:???
その夜。
バカンスを娘のアンジェラと過ごす為に来米した神経系の専門医、バーンスタイン博士がカーターを訪ねてくる。
ジェームスが気になるカーターは博士に色々と尋ねてみるが、どうも神経症の症状ではない様な印象を受ける。

翌朝にはジョンがやってきて、分厚い封筒にいっぱいのジェームスの資料をカーターに押し付けて帰って行った。
カーターはそれを処分しようとするが、何となく出来ず、資料に目を通す。
アメリカに住む者なら誰でも知っているであろう、ジェームスの経歴。
誘拐犯からエリーに引き渡されたジェームスは幹部教育を拒否し、度々脱走を試みる。
約5年間、彼はテキサスの農場に監禁されていた。
15歳の時、エリーに連れて来られたロスで警官に発砲し、少刑に「逃げ込む」事に成功。

資料に当時の警官の名を見付けたカーターは警察署を訪ね、今は昇級して刑事となったビリー・トムソンと面談。
ビリーは「あいつは悪党になる為に生まれてきた様な奴だ」と言う。
「考えてもみろよ。
悪党の家に生まれて、悪党に監禁されて、悪党の共和国みたいな刑務所に逃げ込んだんだ。
生まれてこの方、悪党とばかり付き合ってきたのに、今更まともになれるか?」
「別に好きで悪党と付き合っていたわけじゃなかろう」
「じゃあ言っちまうがな。ここだけの話だが、奴は人を殺してる」
「まさか――」
ビリーは証明はできないと前置きして続ける。
「テキサスの農場に閉じ込められてた奴がロスの町中にいた。
それに、俺が見た時、エリーは耳を撃たれてた。どうして銃なんか持てたんだ?
あのな、あの日、マリブの浜にエリーんとこのチンピラの射殺体があがったんだ。
大方、裏切って消されたんだな。
俺の推理はこうだ。ブライアンは5年の間に何回も脱走しようとして捕まった。
それで、やり方を変えなきゃ駄目だと感づいたんだな。
奴は突然、組織に忠誠を誓った。その証にチンピラを始末したんだ」
「…彼が殺さなくとも誰かが殺した男だろう?彼の立場なら、私でもそうしたかもしれん」
「俺だってさ。でも、そのすぐ後で、奴みたいに涼しい顔はしてらんないよ。
だから血は争えない、と言ってるのさ」

続く
38Palm書き:04/12/03 04:27:16 ID:???
うーん、長い…
続きはまた今度に。
39マロン名無しさん:04/12/03 15:18:54 ID:???
遊戯王やらせていただきます。
まとめサイトに途中まで乗っているのですが、
あんな中途半端な終わり方だとちょっと困るので
最初から書いてもかまわないでしょうか?
40マロン名無しさん:04/12/03 18:06:43 ID:YmU2KgIo
かまへんかまへん。
41轟世剣ダイ・ソード 5:04/12/04 01:49:50 ID:???
>25より続き
大幅に戦力を増強した九江州中が次に向かったのは、海辺国の西に位置する“熱き島”アナ島。
ペンギンそっくりの亜人種「ボビー族」が住むこの島に居を構える工匠ガブ・マオリに教えを請うのが目的だ。
島を訪れた九江州中一行の前に、マオリ翁が自作の人型メカ「シャイニィ」に乗って姿を現す。
彼は、孫娘のツボカとともにこの島に逗留しながら、“神の武器”の研究をしている機械工だったのだ。
千導会長が求めていたのは、魔導都市への海路の途中にある「黒き嵐」の突破方法。
だが、マオリ翁は「黒き嵐」が、海流に沿って動く食人蚊の蚊柱であると語り、気候の変化を待つしかないと言う。
途方にくれる九江州中の生徒たちを、島に住むボビー族が襲撃してきた。
マオリ翁いわく、北国は配下の国や種族に、乙女の生贄を差し出すよう要求しており、その期日が近付いている。
生贄のノルマが厳しく、女性が減り過ぎてしまったボビー族は、よそ者の女を捕まえて生贄に当てようとしているのだ。
追われて逃げ惑う王太たち。そのとき、熱帯気候のこの島に、いきなり雪が降り始めた。
吹雪の中から現れたのは、マントを翻した新たな“神の武器”。北国からの使者だ。
王太はダイソードで応戦しようとするが、ダイソードはそれを止め、戦わないように警告する。
島に現れたのは“刀”のサン・ジュオウ。神代の戦いにおいて、唯一ダイソードが勝てなかった相手。
「今のおまえでは絶対に勝てない」と、ダイソードは逃げるよう指示するが、それでは学園が潰されてしまう。
王太はあえてダイソードの警告を無視し、ユーリナが操縦するヨゴと共に出撃した。
だが、サン・ジュオウの強さは王太の予想をはるかに越えていた。力、速度、そして魔力の全てにおいて
サン・ジュオウはダイソードを上回る。敵を殺すこと以外、一切の感情を否定しているサン・ジュオウの氷の魂が
ダイソードと王太の炎のごとき魂を凌駕しているのだ。
重傷を負い、意識もうろうとなった王太の前に、ヨゴに乗りこんでいたはずのユーリナがこつ然と姿を現した。
彼女は不思議な力で王太の傷を癒すが、もはやダイソードに反撃の機会は残っておらず
王太の目の前で、サン・ジュオウはダイソードのコクピットをえぐり、ユーリナを掴み出してしまう。
42轟世剣ダイ・ソード 6:04/12/04 01:51:01 ID:???
戦いは、ダイソードと王太の完敗だった。ツボカがシャイニィを使って、海の巨獣を島内に引き込み
サン・ジュオウをかく乱しようとするが、その騒ぎで海水がボビーの坑道に流れ込んで水蒸気爆発を起こし
島全体が崩壊を始める。火山が爆発し、海が渦を巻く天変地異の中で、皆を救ったのはダイソードだった。
彼が全魔力を放出して火山の噴火を抑え込んだのである。一同は、改めて“神の武器”の底知れぬ力に震撼する。
だが九江州中の被害は甚大だった。ダイソードとサン・ジュオウの戦いの一方で
別の敵が校舎を襲撃、校内の女生徒の大半(と、巻き添えを食ったごく一部の男子生徒)をさらっていったのだ。
さらわれた被害者の中には、サン・ジュオウに直接連れ去られたユーリナも含まれていた。
しかし、意外な利益もあった。アナ島の噴火で気流が変わり「黒い嵐」が途切れたのである。
ここで九江州中は決断を迫られる。残った生徒だけで魔導都市を目指し、確実な帰還の道を探すのか
それとも、危険を承知で北国に戻り、攫われた女生徒たちを救出すべきなのか。
千導会長は、残った生徒たちを体育館に集めて決を採る。結果は…ほぼ全員一致で、北国への転進。
マオリ翁とボビー族の協力を得て、地熱を利用した熱気球を造り、九江州中は北国への道を進み始めた。

一方、さらわれた生徒たちは、生贄の補充要員として北国首都に監禁されることになった。
生贄を集めるガバリオーグたちの目的は、この世界を去った“神”から、世界の支配権を受け継ぐ儀式を行い
自分たちが新たな神となること。だが、儀式の完成に腐心するガバリオーグたちに対し、サン・ジュオウは
あくまでダイソードとの完全決着にこだわる姿勢を見せる。
そのころ、ユーリナは他の生贄とは別に、サン・ジュオウの私室に軟禁され、多少の外出すら黙認されていた。
それは、どうやら彼女の不可思議な体質と関係があるらしいのだが…?
【召喚消費1回(VSサン・ジュオウ)  残り召喚回数3】
43轟世剣ダイ・ソード担当:04/12/04 01:58:12 ID:???
ライバルキャラ、サン・ジュオウ登場。召喚回数は半分切ってしまいましたが
ストーリー的にはまだ、全編の3割強というところです。
ちなみに、ガブ・マオリはボビーの同族なので見た目はペンギンそっくりなのですが
彼の奥さんは人間だったそうで、孫のツボカはクォーター・ボビーで外見は人間そのまま
(ただし、ペンギンに変身することが可能)です。…DNAとかは深く考えないように。
44マロン名無しさん:04/12/04 18:22:16 ID:???
ペンギンと交尾する女っていったい・・・
45マロン名無しさん:04/12/05 01:10:53 ID:???
学園アリス予約します
46Palm あるはずのない海 4:04/12/05 01:54:25 ID:???
続いてカーターは、ジェームスのサウスワース時代の友人であるワイエスに会う。
ワイエスはジェームスより7歳上で、研究所では普通の子供と同じように、様々な悪戯をして遊んだという。
ワイエスに「ジェームスを雇うのか」と聞かれたカーターは「彼がどういう人間か、よくわからない」と言う。
それに対するワイエスの答えは「それじゃ、奴を雇うんだな。
それでどういう人間かわかったら、後で俺にも教えてくれよ」
というもので、カーターは益々混乱する。
ビリーは悪党だと言い、ワイエスは普通のガキだと言う…

ジェームスが出所して何週間か経った頃。
ジョンの誘いで大学の同窓パーティーに出たカーターは、ジェームスと再会する。
彼は既に大企業であるファブリ・エレクトリックに就職していたが、
未だにカーターと働きたいと思っている様で、気は変わったかと聞いてくる。

「君、ファブリより私の所の方がいいのか?」
「ああ。あそこでミサイルの量産なんかしても、面白いわけがなかろう。
それに、あんたの方がファブリより俺を必要としてるからな」
カーターはそれを否定するが、ジェームスは「俺に興味があるから色々と調べたんだ」と、自信たっぷりに言う。
「何で私が君を必要とせにゃならんのだ!?」
「孤独だからだろ」
カーターは言葉に詰まり、苦い物を飲むように、カクテルを口に運ぶ。そして――
「明日、ファブリに辞表を出してきたまえ」と言った。

その足で二人はオーガス邸へ。
オーガス邸はカーターが叔父・レイフの死後受け継いだ、広くて美しい屋敷であったが、
カーターが医者を辞めてからの厭世的な生活で、荒れ放題になっていた。
居間に案内されたジェームスは、枯れたままの観葉植物の鉢や、薄汚れた床に目をやる。
「あんた、見掛けによらず無精だな」
部屋は余っているので、カーターはとりあえずジェームスと同居してみる事にする。
と言っても、先々の目処は、まるっきり立っていなかったのだが…
続く

注:Palmはゲイ話ではありません。
47マロン名無しさん:04/12/05 02:13:04 ID:???
孤独なら漏れみたいにぬこたんでも飼えばいいのに
48Palm あるはずのない海 5:04/12/05 02:45:52 ID:???
幾日か過ぎて。
カーターは、ジェームスとジョン、バーンスタイン博士と
娘のアンジェラ、そのBFであるノーマンと食事の機会を持つ。
高級レストランにノータイで現れたジェームスに、アンジェラはくってかかるが、軽くかわされる。
ジェームスはいつも黒い上下で、あまり服には拘わらない。
実母の古い友人である画家(後に『星の歴史』で登場)が、
彼に一番似合うのは黒だと言うし、言われるままにしているだけだ。

皆はカーター達の新しい門出を祝い、その席で博士はアンジェラのオーガス邸への下宿を提案する。
アンジェラは高校の寮に入っているが、気が強い為か馴染めず、一人暮らしをしたがっていた。
博士は昔から、カーターとアンジェラを結婚させたがっていて、
今は流石にそれは諦めたけれど、やはり女の一人暮らしは心配であるし、
自分が信頼する男の所で暮らしてほしいと思っているのだった。
しかしアンジェラはカーターを「ややこしくて暗い中年」と思っているし、
カーターも、彼女の辛辣ではあるけれど的を射た毒舌には閉口していた。
ジェームスが同居する事で二人きりではないし、と尚も言う博士にアンジェラは怒り、
彼女お得意の毒舌でブッた切ると、下宿話はお流れとなり、散会となった。

博士達と別れた後、溜め息をつきつつ、カーターはグチる。
「アンジェラはどうしてああスピッツみたいに噛みつくのかな。疲れたよ」
「じゃれてるだけだろう。可愛らしい生き物じゃないか」
「………え?アンジェラが?」
「小さくて、か弱そうだ」
「そりゃまあ、君に比べればか弱いかもしれんが…」
どうも本心からそう言っているらしいジェームスも、カーターには理解不能なのであった…。

続く
49轟世剣ダイ・ソード 7:04/12/05 02:49:24 ID:???
>42より続き
北国を目指す九江州中は、警戒の厳しい海岸線からの上陸を避け
東側にある強風続きの大峡谷「巨人のいびき」を通過するルートを選択した。
だが、難所に差し掛かった九江州中を、新たな“神の武器”、“篭手”のコ・ズー操る召喚獣が襲う。
ヨゴやシャイニィが出撃する中、王太は動かない…いや、動けないでいた。先の戦いにおいて
初の大敗を喫し、さらに学友たちを巻き添えにしかけたことがトラウマになって戦えずにいるのだ。
そんな王太に、激務がたたって病の床についていた千導会長は、自分の胸の内を明かす。
自分も、学校の代表として気負っていた面があったこと、自分の弱さを見とめて、かえって安心したこと。
弱いことは悪いことではない、その範囲の中でやれるだけやればいいという会長の言葉に、王太は力付けられる。
「おれは誰かにそう言ってほしかった。自分のもろさをみとめて…甘えさせてほしかった。
 でも、あなたがそう言ってくれたから…おれはもう負けません!」
意を決してダイソードに乗りこんだ王太に、それまで沈黙を守っていたダイソードが声をかけてくる。
ダイソードは、王太が自力でスランプを乗り越えることを期待し、あえて何も言わず待っていたのだった。
何体もの召喚獣に紛れて、コ・ズーが接近してくる。魔法戦に特化した分、身体能力に劣るコ・ズーは
策を弄し、ダイソードの動きを封じようとする。だが、生徒たちのチームワークによって、辛くもそれは阻まれた。
王太が念じると、ダイソードは宙に舞い上がり、今まで見たことのない変形パターンを見せる。
人間には制御できないとされ、これまで封じられていた第3の型…「飛竜」モードが発動したのだ。
空を舞い、魔力のブレスで攻撃するダイソードに押されたコ・ズーは、召喚獣を盾に逃走を図ったが
ダイソードの渾身の一撃は、召喚獣もろともコ・ズーを貫き、粉砕した。
勝利を得た王太は、残り少ない召喚回数を大事にしたいと考え、このままダイソードを降りずに
進むことを決め、歩き出す。だが、彼は二つのことを見逃していた。
一つは、左右一対で一機であるコ・ズーの右半身が、壊れ切らずに生き延びていたこと、そして
新たな刺客、“刺鉄球(モーニングスター)”のブロンブルが、すでに九江州中の追跡を開始していたことである。
50轟世剣ダイ・ソード 8:04/12/05 02:50:04 ID:???
「巨人のいびき」を抜けた九江州中は、その先にある巨大な洞窟「カラの神殿」へと進む。
マオリ翁いわく、この神殿には、“神の武器”の一機、“聖杯”のタ・カラが眠っているのだと言う。
かつてこの地を訪れたマオリ翁は、この地で得たデータを元にシャイニィを完成させたのだ。
気分転換に、ダイソードのコクピットを見学に来た千導会長と共に、王太は洞窟へ踏みこむ。
王太は、“聖杯”について知っていることはないかダイソードに問うが、なぜかダイソードはその問いをはぐらかす。
らしからぬダイソードの態度に疑問を感じつつも、王太は洞窟を進み、その最奥部…神殿にたどり着いた。
そこには、眠ったように動かぬ“聖杯”タ・カラの機体が、巨大な石像の美女に守られるように安置されていた。
だが、その石像を見た王太は驚愕する。石像の美女は、あまりにもユーリナに似過ぎていた。
「ダイソード…あんた、気が付いていたんだな?どういうことだ?答えてくれ!」
そのとき、地下洞窟を地震が襲う。ダイソードは、それを“刺鉄球”のブロンブルの攻撃と看破した。
地震による混乱の隙を突いて、ダイソードのコクピットを目掛け飛んで来る小さな鉄球…
広域破壊活動に特化しているため、“神の武器”同士の戦いには弱いブロンブルの切り札「自己縮小魔法」。
辛うじて鉄球を受けとめたダイソードの手の中で、鉄球は巨大な“神の武器”の姿に戻る。
「相手の体内に飛び込んでから元に戻り、内側から敵を砕く」という必勝パターンを潰されたブロンブルは
「地震魔法」に力を込め、洞窟を崩して九江州中を生き埋めにしようとし始めた。
校舎を守るため、ダイソードは洞窟の壁を破って外に飛び出し、ブロンブルもろとも崖を落ちていった。
気が付いたとき、王太のそばにはブロンブルも、そしてダイソードの姿もなく、ただ同乗していた
千導会長だけが気を失って倒れていた。
仲間と再会できるのか、そして、ユーリナは本当に“聖杯”…神代からのダイソードの敵のひとりなのか。
不安を抱えつつも、王太と千導会長は北国首都へ向け、ゆっくりと足を踏み出した。
【召喚消費1回(VSコ・ズー、VSブロンブル)  残り召喚回数2】
51轟世剣ダイ・ソード担当:04/12/05 02:56:32 ID:???
今回までのぶんで「コミックコンプ」掲載分は終了。
1994年10月号でコミックコンプが終了したため「ダイ・ソード」は中断され
3ヶ月後に少年キャプテン誌上で「轟世剣ダイ・ソード」として再開されました。
もちろんこの粗筋は3ヶ月待たせたりはしないのでご安心をw
52マロン名無しさん:04/12/05 11:56:57 ID:???
そういえばダイソードが「3ヶ月ぶりに召喚されたような気がする」とか言ってたな。
53マロン名無しさん:04/12/06 08:40:56 ID:???
『ときめきトゥナイト』行きます。最後まで、一気に。
54ときめきトゥナイト はじめに:04/12/06 08:42:29 ID:???
池野恋(イケノコイ)作 RMC『ときめきトゥナイト』は3部構成。
第1部「蘭世編」、第2部「なるみ編」、第3部「愛良編」と主人公が変わっていく。
一般的に人気が高いのは「蘭世編」であり、また多くの名作がそうであるように
この作品も巻数を重ねるごとにそのパワーダウンは否めない。
しかし、20代以上の女性の多くが読んで心を震わせたであろうことは間違いなく、
現在『ときめきミッドナイト』というパラレルワールドも好評連載中であるらしい。
なお、巻数が30+1と多い為、ここでは粗略を紹介し、詳細な場面設定やセリフは割愛する。
55第一部「蘭世編」1:04/12/06 08:52:10 ID:???
吸血鬼と狼女を両親にもつ江藤蘭世(エトウランゼ)は噛み付くとそのものに変身してしまう
モンスターのハーフ。異種族間の婚姻を認めない魔界を追われ、人間界に駆け落ちした両親と
かわいい弟の鈴世(リンゼ)と4人で平和に暮らしている。蘭世が成長した今では魔界とも和解し、
一家は魔界と人間界とをつなぐ扉の番人を仰せつかっている。魔界人は不老不死。
でも永遠の命なんていらないわ、普通の女の子みたいに学校に行って素敵な恋がしたいの。

けれど正体がばれてはまずいモンスターという身上。心配する両親を無理やり説き伏せ手に入れた、憧れの
学園生活でせっかく運命の人(真壁俊)を見つけたのに、ライバル神谷曜子に恋路を邪魔されるばかりか、
蘭世に想いを寄せる魔界の王子アロンが煩わしほど言い寄ってくる。
うまくいけば魔界の王家の親戚になれると母椎羅(シーラ)は大張り切り。
遂には大事な一人娘に悪い虫がつかないようにと真壁に刺客を送りつけ(未遂)、蘭世を慌てさせる。
父望里(モーリ)は娘の気持ちを察しながらもハラハラドキドキ右往左往するばかり。

蘭世の想い人真壁俊(マカベシュン)はボクシング部所属で少し陰のある不良。
看護士の母と母ひとり子ひとりの生活をしている。クラスメートもちょっと近寄りがたい一匹狼。
だけど蘭世はそんなこと全然気にしない。はじめは全く相手にされなかったけど、日々続けた
猛アタックが実りつつあって、ふたりの仲は少しずつ縮まっていく。
56第一部「蘭世編」2:04/12/06 08:53:32 ID:???
ちょうどその頃、望里と椎羅は魔界の大王からある指令を受ける。
「左腕に星型のアザが有る者を探し出して即刻抹殺せよ。」
他言は無用。大王直々の命令に望里は早速調査に乗り出すが、一向に見つからない。

ある日、蘭世は仲の良い死神ジョルジュの死亡予定者リストに真壁の名を発見する。
予定日当日はクリスマス。真壁に変調の気配はない。
が、突然、頭痛を訴えた真壁が昏倒する。意識がなく、息もしていない。パニックになる蘭世。
しかし、事態は思わぬ方向へ。真壁の体が見る見るうちに縮んでいき、なんと赤ん坊に。
真壁は覚醒したのだ。左腕には星型のアザが浮かび、蘭世たちは息を呑む。
それは魔界に不吉をもたらすと追放された双子の王子の片割れである証。
王子アロンの実兄である証。「真壁くんがもうひとりの魔界の王子様だったの?」
真壁の母華枝もまた、全ての記憶を取り戻していた。ターナという魔界人名、王妃であった過去も
息子もろとも忌む者として人間界に追放された怒りと悲しみも。

今を遡ること16年前。魔界に双子の王子が誕生した。
「双子の王子の誕生は魔界に滅亡をもたらす予兆となるだろう。」それは魔界に古からある伝説。
大王は一報を受けた瞬間から恐怖していた。己の治世で起こりうる悲劇を危惧し、それは我が力を
持ってしても不可避なのかと悩んだ。どうしたらいい?どうすれば防げる?
「(双子の)兄を退けよ。」魔界の掟は、大王に唯一光を与えたはずだった。大王は密かにふたりを
人間界に逃した。妻の記憶を消し去り、息子の能力が決して目覚めないことを心から祈りながら。
57第一部「蘭世編」3:04/12/06 08:54:42 ID:???
魔女メディウスは人間界に追放した王子の覚醒を既に予言していた。
間に合わなかった。あのとき情けなぞ掛けずにひとおもいに殺していれば、と頭を抱える大王。
もう殺すしか方法はない。魔界存続の為、大王は生まれ変わったばかりの真壁を執拗に付け狙う。
魔界に対する反逆罪とわかっていながら命を賭けて真壁を守り、逃げまどう蘭世たち。
しかし大王の放った刺客は徐々に蘭世たちを追い詰めていく。
一方で、赤ん坊だった真壁は加速度的に成長していく。幼年、少年、そして青年へと。
本来の姿を取り戻しつつある真壁に蘭世は想いを募らせる。「早く(元の姿の)真壁くんに会いたい。」

遂に大王以下魔界の刺客と対峙する蘭世たち。実の親子が繰り広げる骨肉の争い。アロンの剣により深手を
負った真壁の上に、大王は容赦なく岩の塊を降らせる。岩石に埋もれる直前、真壁は16歳の青年に戻り
蘭世の名を呼んだ。無数に落とされる岩の陰に真壁は消えていき、蘭世は泣き叫ぶ。
もう絶命したかに思われたそのとき、岩の破片が宙に浮く。そこには傷だらけの真壁の姿があった。

愛する息子を奪われたと思ったターナ(華枝)は夫に剣を向ける。目に溢れんばかりの涙をためて。
しかし真壁は生きていた。慣れない剣を持つ母を優しく諭す。大王とその妻、そして双子の王子たち。
そこは憎しみだけではない、別の感情が既に支配していた。突然、魔女メディウスは宣言する。
「なんということか。(私の水晶には)双子の王子の誕生は伝承されたような不吉なものではなく、
新時代への幕開けと出ている。」
58第一部「蘭世編」4:04/12/06 08:55:55 ID:???
双子の王子伝説。それは魔界に古くから伝わるもの。巧妙に仕組まれ、張り巡らされた罠。
新時代への幕開け。それは新たな闘いの序章。復活を目前に彼はニヤリと微笑む。
2000年の沈黙を破り、静かに闇が動き出す。彼は双子の誕生をずっと心待ちにしていたのだから。


16歳の姿に戻った真壁は蘭世の家に居候し、母華枝は大王と復縁、王妃ターナとして魔界の王家へ戻る。
ある日、真壁が最近奇妙な夢を見るという。蘭世は真相を突き止めようと夢の中に入り込み、
そこで真壁を王子と呼びかける声と見たことのない模様の十字架の存在を確認する。
蘭世はふっと現れた黒い影の手に手首を掴まれる。それは突然の出来事。恐怖に怯える蘭世。
驚いた真壁は目覚めてしまい、蘭世は中に閉じ込められる。そんなとき、夢の中で謎の男ダーク・カルロに
出会う。彼もまた、真壁と同じ夢に悩まされていた。同じ時間、違う場所で共鳴する2人の夢。
蘭世は2人の夢から夢へ瞬間移動していたのだ。

カルロはルーマニアに暮らすマフィアのボス。人間離れした超能力の持ち、権力を掌握し、裏社会を
のし上がってきた。己は明日の命さえ保障されない身。蘭世の能力を見たカルロは世継ぎのために
結婚して欲しいとプロポーズする。そして先祖代々伝わるという家宝の指輪を蘭世に与える。
蘭世は突然の求婚に戸惑いながらも、その外見や立ち振る舞いになぜか懐かしさを覚える。
59第一部「蘭世編」5:04/12/06 08:57:20 ID:???
魔界に不穏な空気が流れる。2000年の時を越え、大魔女ヘガーテが現れ「冥王によって再び歴史は
繰り返される」と予言したからだ。2000年前、一体魔界で何が起こったのか。誰も知る者はいない。
王家の者も。魔女メディウスでさえも。不安は妄想を作り上げ、無責任な憶測となって魔界全土に飛び火し
やがてもっともらしい言い伝えを伴って人々の間を駆け巡る。
そんなとき、蘭世と真壁が偶然目にした古い肖像画。そこに描かれた人物はふたりに酷似していた。
「一体、誰なの?」聞けば、2000年前に魔界の王になり損ねた男とそのフィアンセだという。
「真壁くん、私たちあのふたりにそっくりね。生まれ変わったみたいに……」

2000年前。双子の王子。魔界の滅亡。伝説。繰り返される歴史。冥王。侵略者?

来る危機に直面し混乱する魔界に、突発的に救世主復活の噂が広まる。それは2000年前に、
冥王(魔界を侵略しようと攻めてきた敵)を封印した勇者で、その復活には人間の魂が大量に必要だと
いうのだ。人間の魂は魔界に暮らす魔界人にとって必要不可欠な食糧。人々は日々少なくなる魂の供給に
文句を言いつつも、救世主の復活を待ち望んでひたすら耐えていた。

やがて全ての準備は整い、儀式を経て救世主は復活する。出てきた救世主はなんと女性。
その場に立ち会った大王とアロンは驚きつつもその美しさに心を奪われ、これで魔界も安泰だと歓喜する。
ターナだけがひとり浮かない顔をしている。
救世主はその名をゾーンといった。ゾーンはまず慢性的な食糧不足を解消する。
飢えて苦しんでいた人々は互いに手を取り合い喜ぶ。「ゾーン様は本物の救世主だ。ゾーン様、万歳!!」

ゾーンはその外見の魅力と的確なアドバイスにより、魔界を活性化させ、やがて人々を虜にしていく。
そして時は満ちた、とばかりに彼女は宣言する。
「魔界を侵略せんと企む者の名はカルロ。私はその者を再び封じ込めんと復活したのだ。」
60第一部「蘭世編」6:04/12/06 08:58:43 ID:???
魔界の現状は死神ジョルジュによって江藤家に伝わった。侵略者(冥王)の正体という衝撃発言と共に。
望里はおそるおそるカルロに問う。「君は本当に人間か?ゾーンは君が2000年もの間生き永らえ、
ずっと魔界の滅亡を狙っていたと言っているようだ」と。
カルロは呆れながら否定する。「私は、超能力は持っているが不老不死ではない。」

証拠を見せようと、カルロはみんなを代々の先祖が眠っているという霊廟に連れて行く。
カルロ家の霊廟は小高い丘の上にある。蘭世はそこから見下ろすのどかな街の風景に既視感を覚える。
真壁もまた蘭世と全く同じ感傷にとらわれていた。霊廟の中はひんやりとして霊気が漂っている。
初代の墓を望里らが開け、中を確認する。朽ち果てた骸骨と、細い冠。そして……
「きゃあ!!」蘭世が悲鳴を上げる。指輪の石が光り、棺にぼうっと浮かび上がる男女の霊を映し出した。
手を取り合って佇む姿はまるで真壁と蘭世の生き写し、以前見た肖像画のふたりだった。
「日の世紀の王子よ。我が血を継ぐ者よ。おまえたちふたりがここへ来るのを待っていた。」
真壁とカルロはお互い顔を見合わせる。蘭世は哀しい目をして微笑む自分と瓜二つの女に心を奪われる。
魔界を滅亡させようと企む本当の侵略者・冥王の正体とは。もう答えは出ていた。……ゾーン。
「偽りの姿に惑わされるな。そして封印を。」
霊廟の外へ出て、みんな一様に押し黙る。それぞれが今後のことを思案している。
望里がその沈黙を破る。「カルロ。こんな形で君の潔白が証明されるとは思ってもみなかったよ。」
61第一部「蘭世編」7:04/12/06 09:03:08 ID:???
カルロは以前書庫で発見した古書を望里に見せる。そこには両翼の竜、魔界の王家の紋章が記させていた。
本を開くと中身は真っ白。人間界では読めないようになっている。「魔界へ行って内容を解読しよう。」
望里は後日、本を携え魔界に足を踏み入れたが、既にそこはゾーンの手に落ち、その様相を変えていた。
大王とアロンは冥界に連れ去られ、魔界人の多くはその魂を抜かれていた。望里は何も出来ずに退散する。

救世主の存在を疑い、ゾーンに従わなかった少数の魔界人たちは扉を通って江藤家に転がり込む。彼らは
魂を抜かれずに済んだのだ。みんなは結束を固め、善後策を話し合う。以前、真壁とカルロの夢に出てきた
謎の十字架は冥王を封印したとき使った護符だった。カルロ家の領地内にある遺跡にも同じ十字架が存在
していた。その古代遺跡は冥王が封印された場所だったのだ。また、カルロは古い壺を先祖の遺品だと
持ってくる。中には石のようなものが入っていたが何に使用するのか全くわからない。望里は未見の古書を
空にかざしながらぼやく。「これを見ることができたらなぁ。きっとヒントがあるはずなのに。」
不意にアイディアが閃いた。夢魔(※)のサリにシナリオを書いてもらい、一大ロード・ショーをしよう。
カルロ家の遺跡にはゾーンが封印されていたのだ。あそこなら魔界の空気が流れているはずだ。
遺跡の中に入り、古書を開くと魔界の古代文字が次々と浮かび上がる。「見えるわ。はっきりと。」
サリは一字一句丁寧に、注意深く、原稿に書き写していく。みんな眠りについた。
(※夢魔とは…自分が書いたシナリオを他人の夢の中で映像として再現できるモンスターのこと)
62第一部「蘭世編」8:04/12/06 09:04:26 ID:???
『冥王の侵略』 夢の中で語られた史実は以下の通り。
世界は昔、ひとつだった。ある石を守り神として。ところが心悪しき者がその石を割ってしまった。
石は5つに割れ、世界も5つ(※)に分かれた。それぞれを天上界、魔界、人間界、そして日の当たらない
場所に飛ばされた世界を冥界とした。(※もうひとつは2部に出てくる妖精界)

今から2000年前、魔界に双子の王子が誕生した。性格は正反対でも非常に仲のよい兄弟で
いつも行動を共にしていた。名はジャンとアレン。
ある日、狩りに出かけたジャンは湖の畔で美しい少女(ランジェ)と出会う。一目で惹かれあうふたり。
ジャンは毎日のようにランジェに会いに行くようになり、アレンと過ごす時間はなくなっていく。
アレンは面白くない。いつしか嫉妬という醜い感情が生まれた。アレンの心に小さな闇が出来る。
ジャンはランジェと結婚するという。王家の大事な跡継ぎを身分の低い娘などと結婚させるわけにはいかん。
父の大王は反対する。ジャンは王位継承を弟のアレンに譲るという。大王は仕方なく折れた。
ジャンに王位を継いで欲しかったから。ジャンは愛する人と結ばれ、王位も継承する。
兄であるだけなのに。弟の自分には何もない。双子なのに。一体何が僕たちを分け隔てる?
アレンの心の闇は広がるばかりだった。

魔界を滅亡させたいと画策する冥王は、揺れるアレンの心の闇に付け込んで双子の王子を仲違いさせ、
戦わせようと仕向ける。作戦は成功。双子の王子は傷つけ合い、ジャンは何とか冥王を封印したものの
魔界人の能力を失ってしまった。王位を弟のアレンに譲り、ジャンはランジェと共に人間界へ。
ふたりが辿り着いたのはルーマニア。ランジェはそこで子どもを産んだ。子どもは魔界人だった。
その能力は人間と交じり合いながらも脈々と受け継がれていった。カルロはジャンの子孫だったのだ。
冥王は双子の誕生を待って復活を果たすはずだ。今度こそ魔界を、そして全世界をその手中に収める為に。
63第一部「蘭世編」9:04/12/06 09:05:42 ID:???
冥王との戦いの中で、カルロは散る。遺体は名誉の戦死として王家の墓に葬られる。
カルロが持ってきた壺の中身は花の種だった。それを魔界の想いが池の畔に撒くと、次々に花が咲き、
その香りで洗脳されていた魔界人たちは正気に戻ることが出来た。抜き取られた魂も冥界から魔界へ戻り、
元の器へ納まる。大王とアロンも回復し、少しずつ魔界に平和が戻る。

カルロを失いながらも勝利した蘭世と真壁。だが、この戦いで真壁は魔界人の能力を使い果たしていた。
2000年前の、ジャンと同じように。蘭世は真壁の変化に全く気づかない。
ただの人間になった真壁は蘭世の前から姿を消し、カルロの影武者として生きようとルーマニアに飛ぶ。
真壁の異変に気づいた蘭世は全てを承知の上で真壁と共に生きたいと願い、自ら人間になる決意をする。
2000年前、ジャンの後を追って人間になったランジェと同じように。
人間になる。それは限りある命を生きるということ。魔界人の家族と決別するということ。
蘭世の意志は固く、魔女メディウスは蘭世を人間へと変える。
真壁は蘭世の告白を受け入れ、「非力だが俺におまえを守らせてくれ」と抱きしめる。
しかし先の戦いから生きのびていた冥王が全世界を支配できるという「伝説の5つの石」を求め、
その1つを持つ蘭世と真壁に襲い掛かろうとしていた。
64第一部「蘭世編」10:04/12/06 09:07:05 ID:???
ある夜、カルロが蘭世の夢に現れ、ゾーンがまだ生きていることを知らせる。驚愕する蘭世。
「まだ、私たちは戦わなければいけないのね。」蘭世はみんなにカルロの言葉を伝える。
カルロが天上界にいること。天上界とは神に許された者しか住めないところだということ。
そしてもっとも重要な5つの石について。 5つの石にはそれぞれ意味(※)がある。
例えば、蘭世が持っていたのは“水”の石で海や川、雨などを司り、その力の源は愛情、というように。
他はそれぞれ“地”の石、“風”の石、“火”の石、“命”の石だと判明した。カルロは警告する。
“風”と“火”の石を決してゾーンに奪われてはならないと。それぞれの力の源は不安と憎悪なのだから。
(※水の石:愛情 地の石:信頼 風の石:不安 火の石:憎悪 命の石:希望)

人間界にある石を探しに地上に降り立つ冥王。蘭世の持つ石はその行動をいち早く察していた。
石は互いを呼び合い、人間界に落とされた石の在り処を指し示す。破壊行為を繰り返しながら冥王は
蘭世たちの出現を待つ。降りた場所はサハラ砂漠のど真ん中。石は大地の巨人の額にはまっていた。
石を手に入れるため蘭世と真壁は冥王と一戦交える。戦いの末、崩れ落ちる巨人の下敷きになり
仮死状態になったふたりは天上界へ呼ばれ、カルロやジャン、ランジェと会う。
そして彼らの計らいにより魔界人の能力を再び得ることが出来た。
65第一部「蘭世編」11:04/12/06 09:08:25 ID:???
アロンの次期王位認証式の日取りが決まる。急な出来事にアロンは焦り、時期尚早だと反対する。
だが、大王は決定を覆さない。心の中で秘めた決意があった。人間界での一戦の後、冥王は姿を
見せなくなった。しかしこれは嵐の前の静けさ、やがて冥王は現れるだろう、指輪の石の力を信じて。

認証式当日、冥王は現れる。魔界の支配者となるために。大王は、狙われた真壁を庇って命を落とす。
怒りに燃える真壁は冥王に立ち向かうが敵わない。蘭世はふとカルロの言葉を思い出す。
「愛情と信頼…そんな感情を知らないあなたに石の力が使えるはずないわ!」
カルロの助言に助けられたふたりは冥王を破り、主を失った冥界は消滅する。
大王はカルロらに導かれ、天上界へ。アロンは結婚し王位を継承する。魔界は今こそ新時代の幕開け。
66第二部「なるみ編」1:04/12/06 09:10:15 ID:???
市橋なるみはごく普通の人間の女の子。幼いころ病気がちだったなるみは、病院で知り合った
江藤鈴世に命を救われたことがあるが本人は全く知らない。ボーイフレンドの鈴世は何もかも完璧。
彼女のなるみに対しても紳士的で誠実で周りの嫉妬の目がなるみに向けられない日はない。
でも彼が狼男に変身するモンスターであることは彼の家族となるみ以外誰も知らない秘密。

鈴世の姉蘭世の結婚式に出席したなるみは花嫁のブーケを見事キャッチし、その花びらをおいしそうと
思わず食べてしまう。このブーケ、実は魔界の花で出来ていて人間が食べると超能力が身についたり、
分身が生まれたり、若返ったり。なるみにはモノと話せる超能力がそなわる。
鈴世にほんの少し近づけた気がして素直に喜ぶなるみ。しかし思わぬところにその噂は広まり、
よくない輩が鈴世の周りを嗅ぎ回るようになってしまう。
ある事件をきっかけに鈴世たちが魔界人であることが世間にばれ、一家は魔界に避難することに。
周りの人間が記憶を消される中、鈴世の言葉を信じてなるみはただひたすら待ち続ける。

何事もなく平和に過ぎていく毎日。何も変らないのに鈴世が傍にいない。寂しい。
そんなとき、なるみの父が再婚する。相手の連れ子マナは、くるくるカールのショート・ヘアが印象的な
キュートな女の子。実は母親と血のつながりはなく、壊滅寸前の妖精界から逃げてきた白妖精の生き残り
だった。鈴世たちが魔界から戻り、新たな戦いが始まろうとしていた。
67第二部「なるみ編」2:04/12/06 09:15:58 ID:???
今から約10年前、妖精界で黒妖精たちが反乱を起こした。どうにか絶滅を免れようと白妖精の王は
後継者の王子とその許婚をそれぞれ魔界と人間界に逃がしたのだ。

黒妖精の王ドゥーサはチップル(王子)とマナを殺そうと、彼らのエネルギー源である花々を
枯らし始める。なるみと鈴世はそれを阻止するために奔走する。
野望の一端を砕かれた黒妖精たちは、鈴世にある粉を吹きかける。それは相手を死に至らしめる毒薬。
昏倒する鈴世。心配するなるみを蘭世は優しく慰める。「大丈夫、鈴世は魔界人だから決して死なない。」
しばらくして目覚めた鈴世はなんと恋人なるみの記憶だけを失っていた。鈴世の冷たい視線や態度に
絶望を感じるなるみ。しかし周りの励ましに何とか立ち直り、妖精界再建の為に頑張ろうと決意する。

鈴世は記憶を失いながらもなるみと過ごすうちにその心の変化に気づき、戸惑う。「本当に好きならたとえ
記憶をなくしても、もう一度同じように恋に落ちるものよ。」鈴世となるみの間に二度目の恋が芽生える。
なるみたちの支えによって記憶を完全に蘇らせた鈴世は、みんなと協力して黒妖精と戦い、王ドゥーサを
改心させる。黒妖精と白妖精が和解した妖精界には平和が訪れ、チップルは新生妖精界の王となる。
68第三部「愛良編」1:04/12/06 09:22:41 ID:???
人間界で非科学的な現象が立て続けに起こる。巨大な彗星が空を駆け抜け、未確認非行物体が
地上にメッセージを描く。一方、魔界では1000年に1度しか咲かない予言花がその節目を待たずに
咲き誇りある予言を残す。まるでなにか吉兆を示すように。

ちょうどその頃、人間界で暮らす魔界人の一家にひとつの命が誕生する。
その小さな手に七色に光る石を握り締めて。娘の名は真壁愛良(マカベアイラ)。魔界の王族の父俊と
モンスターの母蘭世そして兄の卓、温かい家族に恵まれ、惜しみない愛情を注がれ、天真爛漫に育つ愛良。

ある日、叔父鈴世の彼女なるみが心臓病を再発させる。なるみは過去に一度、鈴世に命を救われている。
もともとはあの時点で消えるはずだった命。今また消えかかるその灯火を再び燃やすことは出来ないと
魔女メディウスは言う。しかし悲しむ鈴世を放ってはおけない。愛良は母蘭世やみんなと共になるみを
助けようと奮闘する。鈴世はなるみのために永遠の命を捨て人間になると決める。
愛良たちの尽力と鈴世の愛によりなるみはまた命を救われる。
69第三部「愛良編」2:04/12/06 09:24:01 ID:???
愛良は休暇を過ごす為に海の見える別荘へ行き、そこで水上開陸(ミナカミカイリ)と出会う。開陸は
あの七色に光る石のペンダントを持っていた。2つの石を合わせたとき、ふたりは奇妙な光景を目にする。

開陸が消息を断って数年が過ぎ、小学3年生になった愛良は新しい能力に目覚め、魔女になる為に修行を
開始する。愛良は開陸に会いたくてたまらない。しかし彼の居場所はどうしてもつかめない。
気を揉む愛良が、夢の中で再会した開陸はどこか見知らぬ世界の中に幽閉されていた。
そこは一度入ったら二度と抜け出せない“無の世界”。開陸はそこに父と妹と3人で閉じ込められている。
愛良は卓と共に魔界へ向かい、思いもよらない事実に突き当たる。開陸の父親が実は王家の側近をしていて
王子暗殺事件(未遂)に関わったとして反逆者の烙印を押され、無の世界に投獄されたというのだ。
しかし無実を信じる愛良は過去への扉を開き真実を見る。
冤罪を晴らした開陸たち親子だが魔界には戻らず、海外へ。愛良は開陸と再会の約束をして別れる。
70第三部「愛良編」3:04/12/06 09:25:41 ID:???
王家にとって13歳は発芽の年。今までの能力がより強くなったり、新しい能力が目覚めたりするらしい。
愛良は魔女メディウスの水晶に「右にでるもののいない大魔女になる」と予言される。
中学生になった愛良は、卓のサッカー部のコーチ新庄彬生(シンジョウアキラ・大学生)と出会うが、
第一印象は最悪。しかし次第に惹かれはじめる。
愛良を立派な魔女に育てたいメヴィウスは、恋をして魔力が失われることを心配し愛良に説教する。
しかし愛良にとって愛こそが魔力の源だった。それを証明しようとメヴィウスとの師弟対決に挑み、
見事戦いに勝利した愛良は新庄とも両想いになる。

高校生になった愛良は、新庄との交際も順調に幸せな日々を過ごしていたが、幼い日の開陸が現れた
暗示的な夢に胸騒ぎを感じる。ふとしたことから愛良は新庄に少年時代から以前の記憶がないことを知る。
好奇心も手伝って過去へと向かった愛良は衝撃の事実を目にする。なんと新庄は開陸だった。
海外に渡った開陸は水難事故によって記憶を失い過去にタイムスリップしてしまっていたのだ。
過去に行った愛良によって開陸の記憶は蘇り、同時に新庄は消滅する。外見も愛良と同じ高校生ほどに
幼くなった開陸の記憶に既に新庄はなく、愛良は悲しくなって泣き出してしまう。
しかし新庄はもともと時間の歪みが作り出した存在。開陸にはどうすることも出来ない。

愛良は新庄を想い悲しんでばかりはいられなかった。開陸の出自が判明したのだ。なんと彼は地球の
人間ではなく、また父の血を引く魔界人でもなく、破滅したスタリオン星という星の生き残りだった。
開陸の故郷を滅亡に追い込んだ彗星が地球に迫っているという。愛良は開陸と協力して地球を救う。
                                        <了>
71終わりに(補足を兼ねて):04/12/06 09:28:40 ID:???
今回『ときめきトゥナイト』を要約するにあたり、物語の本筋をより明確にする為にサイドストーリーは
ほぼ全て省略しました。例えば蘭世編での神谷曜子嬢の存在感は素晴らしく、その獅子奮迅の活躍ぶりは
『ときめき〜』になくてはならないスパイスでした。言葉でうまく表現できなくてすみません。
その他に削った部分は主に脇役の恋愛です。こちらは長くなるので止めました。
要約はシリアス調ですが漫画はコメディ・タッチですので男性でも読みやすいかと思われます。
興味をもたれた方は是非一度手にお取りください。(文庫版では全16巻)
72マロン名無しさん:04/12/06 09:39:19 ID:???
続いて『ES』行きます。こちらは途中まで。
セリフについて多少表現を変えたり要約したりしますが
基本的に作品に忠実に書いていきます。
その方がより作品の雰囲気を掴みやすいかと思うので。
73ES はじめに:04/12/06 09:41:03 ID:???
惣領冬実(そうりょう・ふゆみ)作 モーニングKC『ES』は全8巻。
タイトル『ES』とは、「Eternal Sabbath(=永遠の安息日)」の略。

最先端科学の名のもとに造り出された生命体、コードネーム<ES>。それは免疫システムが進化する
変異遺伝子(ES)を組み込まれ、誕生した人間の試作品。あらゆる細胞の異変や外部からの侵入者である
病原体に対して遺伝子自らが考え、変化し、鉄壁の防御システムを展開する完璧な生命。
不老不死への飽くなき憧れを持つ人間の願望をそのまま体現してくれる夢のような存在。
ヒトはどこまで神の領域に踏み込んでいくのか。<ES>を持つ生命体は2体。オリジナルとそのクローン。
クローンは宣言する。生まれながらにして定められた過酷な運命を甘んじて受けるわけにはいかない。
高慢で強欲な人間どもに大いなる鉄槌を、神の裁きを与えよう。
<ES>は思いがけない贈り物をふたりにもたらしていた。彼らは類まれなる生命力と同時に他人の脳に
潜入する能力を持っていた。反抗──それはまるでなついたペットが突然飼い主に鋭い牙を剥くように。
74ES 1:04/12/06 09:43:01 ID:???
この破片は僕の意識だ
もうすぐこの破片が集まり僕という人格が目覚める
だが誰も僕の存在を知らないし名前もあってないようなものだ
あえて名乗るとしたら……
──そうだな ES(それ)とでも呼んでもらおう

散り散りになっていた意識が戻ってくる
目覚める瞬間はいつもこんな感じだ

僕は瞬時に他人の脳(心)に進入することができる
そして相手のデータを読み取りプログラムし直す──自分に都合よく

彼は他人の心に入り込み、
少しだけ他人の記憶を改竄する。
しかしESに悪意はない。
ただ、心という不可視な世界で混乱と調和を弄ぶ。
これから始まるのは、
ESとしか呼ばれなかった青年・秋庭亮介と
東鵬医大の研究員・九條未祢の物語。
ここからESの物語は続く──。

現代科学の著しい進歩は
粒子の世界から広大な宇宙まで
多くの謎を解き明かしてきた
──だが ただひとつ
手つかずのまま残されている
大きな謎がある
それは私たちの脳であり
その高次の機能である心──
75ES 2:04/12/06 09:46:21 ID:???
脳生理学者の九條未祢(くじょう・みね)は、あるホームレス殴打殺害事件について奇妙な話を聞く。
事件の概要はこうだ。少年Aが幼馴染の少年Bを集団でいじめていたところ、止めに入ったホームレスを
殴って殺してしまい、その罪をそばで見ていたBに擦り付け、口封じの為に焼死自殺に見せかけ殺して
しまおうとした。ところがその計画は頓挫し、主犯格のAは出頭してきた。
なぜかAはこれといった外傷も見られないのに、火傷がひどくて苦しいと訴えているらしい。
未祢は検査の依頼を受け、警察病院を訪れて少年に当時の状況を証言させる。
「想像してた。人が焼かれるのってどんな感じだろうって…熱いのと痛いのとどっちが上かなとか
何分くらいで死ぬかなとか…そしたらよく観てたAVの女がオレに抱きついてきたんだ、フワーッと、
オレぽーっとしちゃって……そしたらその女が急に炎に変わってそれでオレに燃え移った」
「男が頭に浮かんだんだ、突然──全然知らないやつ。オレじゃない誰かがオレを冷ややかに見てた」
未祢が聴取を終え、病院の待合室で担当の堀田刑事と話していると、彼の部下が血相を変えて
駆け込んでくる。患者(少年A)の上半身に皮下熱傷が出たというのだ。それはまるで本当に炎に
包まれていたかのような症状だった。

未祢は学生時代の友人貴美子と食事を済ませた帰り、チンピラ男が金属バットで殴り殺される凄惨な現場を
目撃する。けれど未祢は別の男に目を奪われていた。叫び声が飛び交う中、目の前で人が頭を割られている
というのに平然とした顔つきで、忌々しそうにシャツについた血痕を一瞥して通り過ぎていく、
ひどく違和感のある男。まるで事件があの時あの場所で起こるのを知っていたみたいに……。
76マロン名無しさん:04/12/06 10:31:18 ID:???
御疲れー
そうでした、神谷さんはほんといいキャラだったよな・・・
懐かしい
77マロン名無しさん:04/12/06 16:27:33 ID:???
ときめきトゥナイト乙!!
自分もかなり神谷さん好きだったなーw
リア消リア中の頃の記憶を呼び起こしつつ楽しく読めました。
読まなくなってからけっこう凄い展開になっててビクーリ。
78マロン名無しさん:04/12/06 19:34:19 ID:???
ときめきトゥナイト、乙です。詳しくてうれしい。
ESが始まったところですが、E'Sをリクします。
できれば詳しくお願いしたいです。
79マロン名無しさん:04/12/06 20:16:23 ID:???
ときめきトゥナイトキタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!
大作乙!
しかし要約を見ると後半のグダグダ感がより一層際立ちますな…
ESも楽しみにしてます。惣領冬実はMARSしか読んでないけど
あれもたいがい暗かったな。
8039:04/12/07 12:59:34 ID:???
>40
ありがとうございます。
それでは遊戯王予約させていただきます。
今晩辺り、まとめて15巻分くらいをアップさせていただこうと思います。
81ベルセルク:04/12/07 17:39:34 ID:???
ここで法王庁の軍隊「聖鉄鎖騎士団」が登場する。主要メンバーを紹介しておくと、

団長ファルネーゼ・・・聖鉄鎖騎士団の団長は乙女が務める慣習で、それなりに美少女。
副長アザン・・・真面目で堅苦しいオッサン。
紋章官セルピコ・・・普段は軽いノリで、やる気なさげだが・・・

彼らは黙示録に従い探索を行っていた。そして預言書通り、蝕の跡――
血で染まり食い散らかされた死体の残骸が漂う“赤き湖”を発見した。
黙示録にはこうある。
「五度太陽が死せる時、新しき旧き名の都の西に赤き湖が現れる。
それはすなわち五番目の御使いが舞い降りし証し。
御使いは闇の鷹なり。罪深き黒き羊達の主にして盲目の白き羊達の主。
世界に暗黒の時代を呼ぶ者なり」
82ベルセルク:04/12/07 17:40:00 ID:???
あれから2年。ガッツは旅を続けていた。(その途中でパックとの出会い等もあった)
ある日森で遭遇したのは盗賊の一団と、それに攫われた少女ジル。盗賊と諍いになるが、
そこに邪教徒が人を打ち付けたという因縁ある木があり、その悪霊がガッツの生贄に反応、
木が怪物に変身する。逃げ出す盗賊達、いつものように戦うガッツ。
助けられたジルだが、なぜかパックを見て悲鳴を上げる。
一方逃げた盗賊達は霧の深い谷に踏み込み、そこで妖精のようなものに遭遇していた。

何だかんだでジルを村(近くらしい)まで送り届けることになったガッツ。
村はひどく寂れていた。家に帰ると、飲んだくれの父親がジルを虐待する。
制裁とばかりに栗を投げつけるパックだが、その姿を見るとジルの父親も仰天し、
村中が騒動になる。エルフをひどく恐れ、憎んでいるようだった。
村人に囲まれるガッツだが、とにかく人を斬りはしないで逃げる。
ジルは謝り、壊れた風車小屋に隠れていて、後で食べ物を届ける、と言う。
夜には悪霊に襲われるガッツは、来るなら明け方に来い、と注意する。

夜、父親の飲んだくれ仲間がジルを慰み者にしようとする。ジルは怯えて部屋に籠もっていた。
83ベルセルク:04/12/07 17:40:20 ID:???
明け方、食べ物を持って風車小屋を訪ねるジル。そこではガッツの周りに漂う悪霊が、
朝日に照らされて消えるところだった。ガッツは例によってそれと一晩戦い続け、
あちこちに傷を負って血を流し、ようやく眠ったところだった。
妖精を連れて自分の知らない世界から来たガッツに、憧憬を抱くジル。
夢魔に襲われてガッツが目を覚ますと、傍らでジルが眠り込んでいた。
その身体のあちこちには、虐待によるアザが。ガッツは妖精のことを聞く。
ジルによると、東に山を3つ越えたところに、1年中霧の漂っている「霧の谷」があり、
そこにはエルフが住んでいるという言い伝えがあると言う。だが数年前から、「エルフ」が
村を襲って作物を喰い荒らし、家畜を殺し、人をも殺し、子供達を攫っているのだと言う。
エルフがそんなことをするわけがない、と言うパックだが、その姿は小さな人型で
虫の羽のある、パックと同じような「まさしくエルフ」だと言う。
けれどジルも「どこか(エルフとは)違うと思う」と言う。
そこで烙印に反応を感じるガッツ。何かが大軍で飛来していた。

※この作中における「エルフ」とはトールキンの創作した人間大のものではなく、
 虫の羽のある小さな妖精。
84ベルセルク:04/12/07 17:40:44 ID:???
列をなして空を飛んでいく大群のエルフのようなもの。しかしガッツは烙印からはっきり
感じ取っていた。あれは、エルフなどではない。
それらは家畜を食い荒らしてあっという間に骨ばかりにし、家に押し入って人をも喰らう。
再び村にやって来たガッツはドラゴン殺しの一振りでエルフのようなものを何匹か
叩き潰すと、行き逢った両親を食い殺された少年トマスを囮にし、大軍をおびき寄せる。
ボロ小屋に逃げ込むと、追い詰めたと思ったか、エルフもどき達はハチの怪物に姿を変える。
だがガッツは小屋の壁と柱を切り崩すと、火薬の瓶を投げ大砲で撃って自身は小屋を飛び出し、
まとめてエルフもどきを焼き尽くすのだった。
そこにボス格らしい、人間大の少女の姿のエルフもどきが現れる。

その“エルフの女王”と交戦するガッツ。だが相手は高速で飛んでガッツの剣もかわし、
腕に(頭にある、蛾の口器のような部分で)一刺しを与えていく。
そこでパックが戦いを止めに入る。「思念を感じる。あれは人間の子供だ」と言うのだ。
しかし“エルフの女王”はパックを「仲間はずれの“ピーカフ”」と呼び、襲い掛かる。
迎え撃とうとするガッツだが、身体の自由が効かなくなる。相手の鱗粉によるもののようだ。
だがジルが「ロシーヌでしょ!?」と叫んで止めに入ると、相手はエルフもどきを連れて去った。

ジルはガッツに肩を貸し、助けようとするが、村人達はトマスを囮にしたことを責め立てる。
しかも折悪しくその時、死んだエルフもどき達が人間の子供の姿に戻ったのだった。
子供の焼死体の山を見て怯える村人達。ガッツはジルの首にナイフを突き付け、
人質に取って村を出る。酒乱のジルの父親は恐れて物陰から様子を見ているだけだった。
85ベルセルク:04/12/07 17:41:09 ID:???
村を離れてから「あの大きなエルフは昔行方不明になった私の友達かも知れないから」と言って
ガッツについて行こうとするジルだが、ガッツは突き放す。
夜になると、キャスカの産んだ異形の子が、さっき死んだ子供達の霊を連れてガッツの前に現れる。
一方ジルは既に「エルフの女王」に会いに行く決心を固めていた。
だが悪霊を斬りながら夜を過ごすガッツに再び行き会ってしまい、ガッツはジルをかばって
崖下に転落、そこで朝を迎える。ふとガッツはさっき聞いた「ピーカフ」のことを訊ねる。
ジルはそれに答えて、こんなおとぎ話を話す。

昔ピーカフという、赤い目を尖った子供がいて、そのためにいじめられていました。
両親が本当の親じゃないと思ったピーカフは、ある日妖精の住むという森に向かいました。
そして同じように赤い目と尖った耳を持つ妖精達に出会いました。けれど妖精は
「お前は私達の仲間じゃない。風に乗る羽がないじゃないか」というのです。
妖精の1人が言うには、昔人間の男女が病気で死にかけた赤ん坊を助けてもらおうとここに来た、
赤ん坊は妖精の魔法で助かったけれども、半分妖精達と同じような姿になってしまった、と。
ピーカフは慌てて村に帰ったけれど、その間に村では100年もの歳月が経っていました。
ピーカフは1人丘の上で赤い目を腫らして泣き続けました。

話し終えた後ジルは言う、ロシーヌ姉ちゃんはこの話が好きだった、
「私もピーカフと同じなんだ」と言ってた、と。
86ベルセルク:04/12/07 17:43:31 ID:???
更にジルが語るにはロシーヌは4つ年上、本当のお姉さんみたいに一緒に遊んだと言う。
森や川で遊び、生き物を捕まえたりするのが好きだったと。そんな中でも大切に持っていた
宝物、それは顔のようなもののある卵型の石だったとも。
けれどロシーヌの父は娘が本当に自分の子か疑い、虐待している様子もあった。
自分をピーカフになぞらえ、妖精の国に本当の両親がいると夢想していたロシーヌは、
ある日霧の谷へ行くと言って消え、そのまま行方不明になった。
数日後、両親も姿を消した。宝物の中から、あの奇妙な石もなくなっていた。

パックにベヘリットを見せられたジルは、確かにロシーヌの石と同じだ、と言う。
ガッツは推測する。ロシーヌは両親を生贄に捧げたのだと。
そして「これはガキのおとぎ話じゃねえ」と再び突き放し去るガッツ。
だが1人(正確にはパックもいたが)になったジルの前に、再びロシーヌが飛来した。
(続く)


久し振りになってしまいました。後半まとめ方が良くなかった気もしますが。
87マロン名無しさん:04/12/07 18:14:43 ID:???
乙。大変だね。
88遊☆戯☆王:04/12/08 00:15:29 ID:???
『千年アイテム』…それは古代エジプトから伝わっている七つの秘宝。
その千年アイテムの一つ、『千年パズル』
それは古代エジプトの王墓から発掘された秘宝。
けれどその発掘に立ち会った者は、今まで全員が謎の死を遂げていた。


「見えるんだけど見えないもの。それはパズル」
高校生の武藤遊戯は、幼い頃に祖父からもらった『千年パズル』を
8年もかけて組み立てようとしていた。
いつも途中まではできるのだが、決して完成することのないそのパズルは
組み立てた者の願いを一つだけ叶えてくれるという。
弱気でいじめられっこだった遊戯は、千年パズルに友達が欲しいと願っていた。
そしてある日、遊戯はついに千年パズルを完成させた。
逆ピラミッド型のそのパズルの最後のピースを組み立てた瞬間、
パズルが激しい光を放ち始めた。
次第に意識を失ってゆく遊戯。
そして次に遊戯が目を開けたとき、そこにはあの武藤遊戯の姿はどこにもなかった。
静かに佇んでいるその男は、武藤遊戯であって武藤遊戯でない存在…
闇の世界の番人・闇遊戯だったのだ。

それから闇遊戯は、遊戯がピンチになった瞬間に姿を現すようになった。
遊戯や、千年パズルが縁で親友になった城之内克也や本田ヒロト、
幼馴染の真崎杏子を傷つける者に闇のゲームを挑み、負けた者には
罰ゲームと称して制裁を加えていった。
89遊☆戯☆王:04/12/08 00:16:31 ID:???
やがて城之内達は少しずつ闇遊戯の存在に気づいていくことになる。
時々、遊戯が遊戯でなくなる。
「もう1人の遊戯」の存在のことを。

そして遊戯の方も、自分の記憶が時折抜けていることに気づいていた。
けれどそんなことを友達に言ったら嫌われてしまうかもしれないと思い、
自分の胸の内に秘めておくことにした。


ある日遊戯は、祖父に連れられて古代エジプトの秘宝展示会に行くことになった。
いろいろな発掘されたものが並んでいるその展示会で、遊戯は
一つのミイラを見て涙を流しているエジプト人の姿を見つけた。
そのエジプト人は手に変わった形の天秤を持っていた。
そしてそのエジプト人は、遊戯が千年パズルを完成させた少年だと知る。
『千年パズルは三千年の間、一度も完成したことがないと伝えられている。
そして千年パズルを解いた者には力が宿るという。確かめねば!この少年に力があるのかを!』
90遊☆戯☆王:04/12/08 00:17:50 ID:???
するとそのエジプト人は、首にかけていた金色の鍵のようなものを使い、
それで遊戯の心の中を覗き込んできた。
その鍵のようなものは、実は千年アイテムの一つ『千年錠』だった。
千年錠は、相手の心を覗くことができるのだ。
千年錠を使い、遊戯の心の中を覗くエジプト人。
彼は遊戯の心を覗いた瞬間驚いた。遊戯の心には2つの部屋があったのだ。
1つは武藤遊戯の心の部屋。おもちゃが散らばった無邪気な部屋だったが、
もう1つの部屋には先ほど見た少年と同じ顔をした、全く違う人間が立っていた。
「ほう…オレの部屋を訪れるヤツがいるとはな…」
不気味に笑う闇遊戯。彼はエジプト人を自分の心の中に招き入れた。
その部屋の中に入った瞬間男は絶句した。
闇遊戯の部屋は、床や壁や天井、いたるところに階段や壁がある迷宮だったのだ。
心の部屋はその者の性格を現している。
そこで闇遊戯はひとつのゲームを持ちかけてきた。
「この心の領域のどこかに『オレの本当の部屋』がある。それを探し
出すことができたらお前の勝ちだ」
男はその挑戦を受け、1つ1つ扉を開けてゆく。
だがどの部屋もトラップが仕掛けられているだけで、どこにも本当の
部屋は見つからない。
ついにはトラップで殺されそうになってしまうエジプト人だったが、
その寸前で闇遊戯に助けられる。
ゲームに負けたと判断した男はおとなしく心の部屋を出て行くことにした。

そして現実世界に戻ってきたエジプト人の男。男は遊戯にこう言った。
「キミはこれから成し得なければならないことがある…。それは
その『千年パズル』に秘められた真の力を解き明かさねばならない!
それがパズルを解きし者の宿命! …私の名はシャーディー。
他人に名を名乗るのは生まれて初めてのことだ…」

これがシャーディーとの出会い…そして、遊戯にとっての物語の始まりだった。
91遊☆戯☆王:04/12/08 00:22:03 ID:???
それからしばらくして、遊戯の住んでいる世界ではカードゲームが流行り始める。
カードの名前はM&W(マジック&ウィザーズ)。そしてそのM&Wで遊戯に勝負を挑んできた男がいた。
男の名は海馬瀬人。遊戯のクラスメートで、海馬コーポレーションの社長でもある男だ。
彼はM&Wに関しては全国大会のレベルの腕を持っている。
そして以前、遊戯にM&Wで負けた経験があり、今でも根に持っていたのだ。
突然海馬の弟・モクバに呼び出された遊戯と城之内。二人が連れてこられたのは
海馬の家で、そこで弟のモクバにゲームを持ちかけられる。
モクバとのゲームに勝利した遊戯と城之内は、今度は海馬が新しく建設した
「海馬ランド」というアミューズメントパークに連れてこられた。
そこで遊戯たちはDEATH-Tというアトラクションにチャレンジしろと言われる。
その場に居合わせた本田・杏子らと共にアトラクションを攻略していく遊戯。
そしてその途中、本田が犠牲となってしまう。
その瞬間遊戯の中に怒りが満ち溢れ、自分の中の何かを抑えることができなくなっていた。
そこで遊戯は、初めて城之内達に自分の悩みを打ち明けた。
「ボクの中に、ボクの知らないもう1人のボクがいるような気がするんだ…!!」
けれど城之内達は言う。「遊戯の中に誰がいたって、オレ達は友達だ!」と。
その言葉に背中を押され、遊戯は勇気を取り戻した。
「ボクはもう怖がったりしない…もう1人のボクを…」
そしてその日初めて、遊戯は自分の意思で闇遊戯と人格を交代させた。
「城之内くん!杏子!オレは絶対に勝つぜ!!」
城之内たちの前に始めて面と向かって姿を現した闇遊戯。
そして遊戯と海馬の決勝戦が始まる。

勝負は遊戯の勝ちだった。海馬には闇の罰ゲームが下された。
それはマインドクラッシュ…心の崩壊。
海馬は心をバラバラにされてしまったが、今、心の中でバラバラになったパズルをもう一度作り直しているのだ。
いつの日かそのパズルを解き明かした日、海馬はもう一度目覚める。そうモクバに告げた。
「オレいつまでも兄サマを待つよ…」モクバは涙を流しながらそう言った。
(続く)

思ったより長くなってしまいました…次からはもっとスッキリさせるように気をつけます…orz
92マロン名無しさん:04/12/08 08:22:40 ID:???
そこから先は延々とカードバトルなんだよな
93マロン名無しさん:04/12/08 13:19:24 ID:???
首斬り朝   原作・小池一夫 作画・小島剛夕

をお願いします。
ぐぐってもぐぐっても判らずもう疲れた。
ちょっとストーリーを知りたいだけなのに通販サイトばかり出てくる。
漫画の検索って難しいね。

ってことでよろしく。
94マロン名無しさん:04/12/08 22:18:46 ID:???
タイトル:キミの名を呼べば     作者:甘詰留太

一応第一話は読みました。
満子ちゃんがどうなってしまうのか教えてください。
95マロン名無しさん:04/12/08 23:26:38 ID:???
みつこ?
96マロン名無しさん:04/12/09 00:13:49 ID:???
未解決リクエスト表にある『バーコードファイター』、予約してもいいでしょうか。
別冊コロコロ掲載の番外編を除く事になりますが。
97マロン名無しさん:04/12/09 02:08:30 ID:???
>ちょっとストーリーを知りたいだけなのに通販サイトばかり出てくる

禿しく同感ですよ
このスレの書き手さん達にはほんと感謝ですよ
98マロン名無しさん:04/12/09 15:57:29 ID:???
藤子F不二雄「未来の想い出」
日高唯隆「電脳パラノイア」
これらを教えてもらいたいです。よろしくお願いします。
99マロン名無しさん:04/12/09 20:51:25 ID:xnL7X1rV
遊戯王グッジョブ。
100轟世剣ダイ・ソード 9:04/12/09 22:59:07 ID:???
>50より続き
辺境の小さな隠れ里に、川の上流から流れ着いた巨大な剣。伝説の“神の武器”だというそれを巡って
里は大きく揺れ動き、ついに裏切り者が里の情報を北国の侵略軍に売り渡す。
だが、どこからともなく現れた少年が剣をかざすと、巨大な剣は巨人に姿を変え、北国軍を蹴散らした。
言うまでもなく、巨大な剣は我らがダイソード、そして少年は、千導会長と共に北国首都を目指す王太である。
里を守る盲目の神官シズクは、救援の返礼として、この里が“聖杯”タ・カラを奉る里であることを明かした。
伝承によれば、カラは慈悲深い心を持ち、人々を慈しみ守ったという。
だが、王太は疑問を持つ。カラがそのような存在なら、神代においてダイソードが“神”の非道に怒りを発したとき
なぜカラは、他の“神の武器”とともにダイソードに敵対する道を選んだのか。
その疑問に答える知識はシズクにも無い。神殿の秘儀として、代々の神官の体に文様として記される
“歴史の記録”の解読法を知るのは、20年以上前に北国に拉致された大賢者デクショしかいないのだ。
ただ、カラの残した伝承は、一度はこの世界を去った“神”の再臨と、それに続く災いを予言している。
仲間との合流に加え、“記録”を解読し災いに備えるという新たな目的を得た王太と千導会長は
ダイソードを里に残し(召喚さえすれば距離に関係無く呼べるから)神官シズクと、その侍女クルリの二人を加え
北国首都への旅を再開した。
だが、荒廃した北国領の旅は予想以上に過酷だった。ダイソードの残り召喚回数はたったの一回。
決戦のときまで、この最後の切り札を使うわけにはいかないのだ。
サバイバル能力については大いに不安の残るこのパーティ、野生のモンスターに追われて大ピンチ。
危ないところを、亜人種「ニンジャ族(人間の倍はある巨体と、カタツムリのように突き出た眼球を持つ戦闘種族)」
の男、ウサゾに救われる。彼らは、北国に対抗するレジスタンスであった。
ウサゾの案内を受けて、王太たちはとうとう北国首都へと到達した。
101轟世剣ダイ・ソード 10:04/12/09 22:59:44 ID:???
北国首都を眺望する高台に出た王太たちが見たのは、海から攻め寄せる海辺国ら周辺諸国の同盟軍。
海辺国のジオナス王が、虐げられてきた小国をまとめ上げて北国に反旗を翻したのだ。
だが、彼らの前にはガバリオーグ、サン・ジュオウ、ブロンブルの三機が立ちはだかる。
無造作とも思える“神の武器”の攻撃の前に、同盟軍は一方的にダメージを受けるばかり。
同盟軍を助けたいという思いと、切り札であるダイソードをうかつに使うことは出来ないという計算の板ばさみで悩む
王太の前に、右半身だけが生き残ったコ・ズーが立ちはだかる。
不完全体とは言え“神の武器”に生身でかなうはずも無く、王太はダイソードとの“契約の剣”を奪われてしまった。
動きのとれない王太たちをコ・ズーがなぶり殺しにしようとしたとき、突如轟音と共に巨大な何かが
コ・ズーに激突する。ようやくたどり着いた九江州中が、王太たちの援護に入ったのだ。
シズクを人質にして逃げようとするコ・ズー。王太はそれを見て、ユーリナをさらわれた時の苦い記憶を思い出す。
そのとき、王太を中心に巨大な炎の嵐が巻き起こった。王太の執念が、魔法を発動させたのだ。
もとより、ダイソードと契約できた王太に魔法の資質が無いわけはない。だが、この世界で最初に得た魔法が
「ダイソード召喚」というあまりに大き過ぎる力だったために、彼は無意識に魔法を避けていたのだ。
だが、仲間を守りたいという強い意思が、自己に対する不安を上回った今、王太の力は爆発的に上昇した。
思わぬ王太の抵抗と、九江州中から出撃してきたヨゴ、シャイニィの二機に追い詰められるコ・ズー。
体が半分になった彼は、呪文のデータも頭の中で半分になっているため、呪文が読み出せないのだ!
人質を奪回され慌てたコ・ズーは、ブロンブルから習ったばかりの「自己縮小魔法」で逃げを打つも
今度は地上で待ち構えていた十勝たち不良グループに袋叩きにされる。
そこへ飛び込んで来たのは、山向こうの海岸で戦っていたはずのブロンブル。コ・ズーを抱え上げたブロンブルは
「愛しいコ・ズーの仇はわしがきっと取るぞ!」と爆弾発言を残して去っていった。
無事合流を果たしたものの、契約の剣は北国側に奪われてしまった。九江州中の次なる策やいかに?
【召喚消費1回(カラの隠れ里防衛戦)  残り召喚回数1】
102轟世剣ダイ・ソード担当:04/12/09 23:04:05 ID:???
召喚回数は残り1回まで追い詰められてますが、実はページ総量で言えば
やっと半分折り返し、という当りだったりします。
ところで、“刺鉄球”のブロンブルですが、絵がないので分からなくて当然ですが
胸と尻が強調された土偶そっくりの外見デザインで、実は人格も女性格だったりします。
103マロン名無しさん:04/12/10 01:48:43 ID:???
なーんだ。
>>101読んでウホッな話なのかと思った。
104マロン名無しさん:04/12/10 09:27:49 ID:???
な…なんかここ数日胸焼けするようなラインナップだな。

書かれた皆様乙。
105マロン名無しさん:04/12/10 20:49:25 ID:???
ハンター×ハンター

離島出身の田舎者主人公が失踪した親父を探すマンガ
106マロン名無しさん:04/12/10 21:27:59 ID:???
古いの新しいのが混ざってますけど、この作品のストーリーを教えてください。
よろしくお願いします。

山名沢湖 スミレステッチ
一智和智 ハルカミラクル
ふくやまけいこ 東京物語
あゆみゆい チムチムチェリー
107マロン名無しさん:04/12/11 02:39:24 ID:???
「放浪息子」
お願いします。
108マロン名無しさん:04/12/11 10:35:32 ID:???
>>93
簡潔に言うと、時代は江戸時代、
「首斬り朝」こと山田朝右衛門吉継(やまだ・あさえもん・よしつぐ)が主人公の話。
首斬り朝の仕事は、将軍が大名に賜わる刀や大名から献上された刀の切れ味を
死罪人の死体で試す「御様(おため)し御用」。それに死罪人の首を刎ねる死刑執行も。

朝右衛門に縁のある罪人、ワケありの罪人、色々と登場し、
他にも様々な騒動が起こったり江戸の町に生きる人々の各種事情・悲哀等があったり。
朝右衛門も色々な想いはありながら基本的にはハードボイルドに仕事をこなしていく。
109マロン名無しさん:04/12/11 11:45:31 ID:???
リク主じゃないけどトンクス
110愛してるぜベイベ☆☆1:04/12/11 12:56:08 ID:???
主人公は片倉家長男結平(きっぺい)とその従妹ゆずゆ。女好きの普通の高校生が5歳の幼稚園児を
世話する物語。ゆずゆがやってきたその日から女の尻を追いかける日々にさよならして幼稚園の送迎や
弁当作りと子育て中心の生活を送る結平。はじめは失敗ばかりだったけどいつしかおにぎりがにぎれる
ようになり、玉子焼きだって簡単に作れちゃう、今日はハンバーグに挑戦、とそれなりに充実した毎日。
なにより喜んでくれるゆずゆが可愛い。そんな従妹に寂しい思いをさせないように頑張る結平。
しかしそもそもゆずゆが結平の家に預けられたのはゆずゆの母親がエスカレートしそうな児童虐待を
何とか回避しようとしたから(自ら子どもを遠ざけるんだからまだ現実で問題を起こす母親より偉い)。
結平の姉鈴子(すずこ)は無理なダイエット(過食?拒食?)で妊娠のしにくい身体に。そんな経緯から
ゆずゆを置き去りにした叔母を許せない様子。なかなか男気のある性格の持ち主。
111愛してるぜベイベ☆☆2:04/12/11 12:57:21 ID:???
<暗くて鬱になる話>
・結平のストーカーが結平を独り占めしているゆずゆに嫉妬してちょっかいをかける。
・結平の彼女心(こころ)は父親が再婚して家に居場所がない。追い出されるように一人暮らし。
   学校では結平の知らないところでかるくレイプ未遂。基本的に無口な上にあまり他人に頼らない。
・ゆずゆの友達さくらぐみの翔太くんはどうやら母親に虐待されているらしく生傷が絶えない。
・ゆずゆの従姉(結平ら家族と面識がないことから父方の従姉?)登場。
学校でいじめを受け登校拒否。髪を赤くしてナイフを振り回す。家庭崩壊の危機。自殺未遂。

<明るい話>
・ゆずゆの幼稚園の運動会、プール開きなどのイベントにともなう結平の父親(?)ぶり。
・休園日のゆずゆが結平のためにお弁当を手作りして高校まで持っていく。
・母親との思い出が詰まっている幼稚園の制服とパジャマは変えたくないと泣くゆずゆ。
結平も母親代わりはできても本物の母親には敵わないとしんみり。

ラストは母親がゆずゆを迎えに来て、数年後、高校生になったゆずゆが当時を振り返り、結平に
お礼の台詞を(モノローグで)語って終わり。結平と心は片倉家にいることから結婚している?様子。

などなどストーリーは情報媒体で世間をにぎわせる社会問題のオンパレードでいつもそこはかとなく
淀んだ暗い雰囲気が漂っている感じ。ただ最終的にはハッピーエンド。アニメ化もされている人気漫画。
112マロン名無しさん:04/12/11 14:31:00 ID:???
>>107
女の子になりたい少年・修一と
男の子になりたい少女・高槻くんが主人公。
修一はセーラー服を、高槻君は学生服を着てこっそりデートをしたりする。
二人の秘密を知る不思議少女の千葉さん、
男装した高槻君にナンパしてきたオカマのユキさん、
女装した修一に一目ぼれをする瀬谷くんなども巻き込んで、
第二次性徴や世間の目に悩みつつ進んでいく話。
113東京物語:04/12/11 20:29:09 ID:???
舞台は昭和初期の東京浅草。
桧前平介は出版社の新入社員。
作家の元に原稿を取りに行った際、とある事件に巻き込まれる。
そこで平介が出会った青年・牧野草二郎が見事に事件を解決。
草二郎は町内で「草ちゃん」と呼ばれ親しまれ、どんな揉め事も片付けると言う有名人であった。
それが縁で、平介と草二郎は友人付き合いを始め、その後も様々な事件を解決していくことに。

しかし草二郎は幼い頃、崑崙の研究所で育てられ、ある「力」を持ち、日本に逃げてきたと言う過去があった。
物語は草二郎や研究所の謎を巡って展開していく。

主な登場人物:
 牧野草二郎:いつもどこかぼーっとしたマイペースな青年だが、頭は切れる。人当たりは良いがどこか偏狭な面がある。
 桧前平介:出版社の社員。好奇心旺盛で活動的な若者。草二郎に友情を感じている。

 フミ:明るく気立ての良い蕎麦屋の看板娘。草二郎の心の支え。

 方士:崑崙の研究所での草二郎の師。草二郎に日本に逃げるように促す。
 西王寺瞳子:西王寺家のお姫様。年を取らない体質。日本各地から子供を集め、自分と共に永遠に生きる者を探している。
 公邦:草二郎と同じ研究所で育った。瞳子に仕え、草二郎を狙う。研究所の中で瞳子と同じ体質の者は草二郎と公邦だけだったとか。

 黒須美也子:瞳子と同じ体質の娘。大人しい少女だが、第二の男性人格・都として西王子に復讐する。強盗・機械男爵の正体。
 三郎:美也子の元の家である津山家に仕えていた男。都に従う。
 黒須忠之介:美也子の父と共に飛行船の研究をしていた男爵。美也子を引き取り育てていた。

 松島響:横浜の活発な女性新聞記者。機械男爵の事件を追ううちに草二郎らと知り合う。平介に気がある?
114東京物語:04/12/11 20:30:57 ID:???
最終的に方士と再会した草二郎は、
方士が瞳子から同じ体質の子供を集めるよう命令されていたものの、
実際は難病にかかっていた子供を集めていたことを知る。
方士が子供達を助けようとしていたことを知って、安心する草二郎。
瞳子は昔、重症を負ったところを、旅をしていた方士の父に助けられ、このような体質になった。
瞳子は、平介にも草二郎にも共に生きることを拒まれ、元の体に戻りたいと方士に訴える。
方士は瞳子を試験体にした父の罪を償うために、瞳子を元に戻すための研究を続けていたのだった。
都は西王子に幽閉されていた実父と再会し、第二の人格であった「都」を黒須男爵に認められたことにより、復讐をやめる。

その後、草二郎は、公邦や瞳子と共に大陸に渡り、方士について薬の勉強をすることに。
草二郎からの手紙を受け取った平介は、自分たちの出会った事件を小説にまとめていた。
題は「東京物語」と。

115マロン名無しさん:04/12/11 22:14:15 ID:???
草二郎ってのは単にもめ事解決する有名人なだけ?
職業探偵ってわけじゃないのか?
116マロン名無しさん:04/12/12 03:31:01 ID:???
「とりっくトリップぱらパラだいす」
簡単な紹介を見て、もっと詳しく内容を知りたくなりました
誰かお願いします
117マロン名無しさん:04/12/12 12:52:40 ID:???
>>115
草ちゃんは職業探偵ではありません。
日々風来坊で、どっちかと言うとご町内の便利屋さんみたいな存在です。
ストーリー中盤からは黒須男爵から美也子捜索を依頼されて古本屋の2階に下宿したりしてますが。
118日本国初代大統領 桜木健一郎:04/12/12 23:01:36 ID:???
第4話 極東有事、在韓邦人全滅 の登場人物

日本側
 大橋高廣:日本国最後の議院内閣制選出の総理。有事立法を求められて思考停止。
 望月太一:防衛庁長官。上に同じ。
 大橋政権閣僚:上に同じ。
 青木謙一郎:防衛庁防衛局長。良識ある官僚。
 沢村哲蔵:自由憲政党(与党)幹事長 無能。

 赤井義一(よしかず):韓国駐在日本大使。正しい外交判断であったが、日本人難民を見殺しに。
 名前のある日本人犠牲者:久美子=ハネムーン客。夫と共に。
             達也=子供。コケる。かばって「私たちは日本人だ!」という両親と共に…
 
 桜木健一郎:日本国公選首相選出者。次期首相。
 鯨井洋介:元外交官。桜木のブレーン。
 日本マスコミ:居る意味なし。
 
米国側
アレックス・キャラダイン:米大統領。大橋総理に「有事立法」を要求。
ジェファーソン・スパイダー:大統領首席補佐官。桜木の助力をする。
119日本国初代大統領 桜木健一郎:04/12/12 23:08:04 ID:???
―韓国・ソウル 南大門前

南大門が破壊され、ソウルは焦土と化していた。
そこに到着した、日本の観光バス。
状況が把握できない一同に、添乗員は、日本大使館への避難を呼びかける。
そう、日本大使館は治外法権であり、両国軍共に手出しが出来ない地域だからであった。

しかし、そこに北朝鮮の戦車による砲撃が直撃。
生き延びた、ハネムーン客や親子連れを情け容赦なく射殺する、北朝鮮軍。

―韓国・日本大使館―
「もしもしッ もしもしッ もしもぉ〜〜〜しッ!」とカタカタと電話のフックを押しつづける姿。
日本大使館員がいくらやっても反応はなかった。
日本への緊急連絡回線も切られており、日本への連絡も不能だった。
「ど、どうしましょう?」と尋ねる館員に、少しダンディで口ひげの似合う男、
在韓駐日大使、赤井義一は答えた。
「たとえ連絡ができたとしても、現憲法下では、邦人救出の名目でも自衛隊の出動は認められては
 いない― 頼りになるのはアメリカのみだ!待つのだ。在韓米軍による救助を!」

そこに投石によって割られる大使館の窓。すわ、北朝鮮からの攻撃か?と慌てる大使館一同。
しかし、そこに居たのは、日本人、そう、韓国に取り残された日本人達の姿であった。
「我々は日本人だぁーっ!早く紋をあけて助けてくれぇーっ!」数十名以上は居るだろうか。
そこには老若男女、学生の姿もあった。

しかし、赤井大使の決断は、冷静ながらも残酷であった。
「開けてはならんッ 北朝鮮の秘密工作員は韓国に5万人以上いるという。この混乱に乗じて
 あの群衆の中に紛れ込んでいる可能性は十分にある。
 どうしてもと言うならパスポートを提示させろ。それが大使館(ここ)の規則(ルール)だ!」
大使館の外では日本人の、叫びが続く…
120日本国初代大統領 桜木健一郎:04/12/12 23:09:47 ID:???
―日本・首相官邸―
官邸を取り囲む、マスコミ。
マスコミ:カメラ回せェ!カメラ!
記者:はい!こちらは首相官邸前です!つい先程、公選首相選挙で次期首相に選ばれた
   桜木健一郎氏が突然ここ首相官邸に現れましたッ!

桜木:大橋総理に面会に来た!道をあけてくれないか?
と問う桜木に、入り口を守る機動隊は、
「おそれいりますが、どなたもお通しするなと命令を受けております。どうかお引き取りください。」
と、にべもない。
鯨井は「時間がないんだ!どけぇッ!」と掴みかかるが、桜木はそれを制止、車へと歩む。

どこかに自動車電話をかけながら「待ってろ!今 惰眠から目覚めさせてやるッ!」

―官邸の中―
大橋総理は日米ホットラインを掛けていた。
有事における米国の対応を褒めちぎる大橋総理に、
キャラダイン大統領は、「光栄ではあるがお世辞はホットラインは無用。要件は手短に」とそっけない。
大橋総理は、在韓米軍による朝鮮半島の在留邦人の保護を要請するが、キャラダインは、
大橋総理に、「新日米ガイドラインの追加項目をお忘れか?」と返したのである。

新日米ガイドラインの追加項目・・・それは、
『日米両政府は 自国民の退避及び現地当局との関係について各々の責任を有する…非戦闘員の
 退避に関して計画に際して調整し また実施に際して協力する』というものであり、
つまり、現段階では調整する余地はあるが、実施は非常に困難である。
そして、米国でも韓国絡みで非常事態なのだ!と。

また、米国側は日本に対して、決定的な要求を突きつけた。
「日米間で秘密裏に交わされた盟約に基づき即刻臨時国会を召集、今こそ『有事立法』を
緊急提案そして緊急可決の上、自衛隊を派遣せよ!」と。
121日本国初代大統領 桜木健一郎:04/12/12 23:13:53 ID:???
これは大橋総理には無理な話であった。彼の脳内には、
「日本国中の反感を買うこと必至な重大な決断などすれば自分の政治生命は一瞬のうちに吹き飛ぶ」とと
いう保身しかなかったからだ。だから、彼はこう返して、キャラダインの逆鱗に触れることとなった。
「日本政府は、91年の湾岸戦争の際には130億ドルを拠出したが、今回は極東有事の戦費協力として
 アメリカにそれ以上の額を準備できるかと」と。

キャラダインが机を叩いてブチ切れて、こう叫んだ時、大橋総理には事態が飲み込めてはいなかった。
「いい加減にしたまえ!日本はいつまでぬるま湯につかっている気だっ?それに今やことは朝鮮半島だけの問題ではないんだぞッ!!」
困惑する大橋総理に、朝鮮半島動乱に加えて、中台戦争勃発の可能性がかなり高いこと、
これが不幸にも現実となった場合、米国にとっては始めての2ヶ国同時戦争の対応に忙殺されることは
必至であり、日本人救出以前に、米国も自国民の命を守ることすら困難出ることを
理解してもらいたい、とキャラダインはまくし立てて、ホットラインを切ったのであった。

呆然と座り込む大橋総理。
防衛長官や閣僚は、日米安保やガイドラインは平時のアメリカに有利な不平等条約だ!と喚く。
そこに青木謙一郎防衛庁防衛局長は邦人を救うためには自衛隊の出動しか、と訴えるが
閣僚にそんなことをやれば内閣総辞職どころか、わが自由憲政党の存続すら危うい!と一喝する。
それでも「米軍による救出も 自衛隊の出動もないということは、今韓国に居る日本人全員を
見殺しにする気か!」と総理に食い下がるが…総理は
「げ、現法制下では、う・・・打つ手・・・なし・・・」と答えるのが精一杯であった。

そこに、桜木の到着に気づく防衛長官。「まだ帰ってなかったのか?」
「あのこわっぱめ、ますます騒ぎを大きくする気か?」とうろたえる総理に、
「私がヤツの鼻っ柱を折ってきますよ」と手を挙げたものが居た。
沢村哲蔵。自由憲政党幹事長である。
桜木に「よォこれはこれは桜木クン!マスコミの前に現れて早くも所信表明かね?ハハハ…」
と言うも、桜木からは「私が会いに来たのはあなたではなく大橋首相だ!」と無視する。
122日本国初代大統領 桜木健一郎:04/12/12 23:15:36 ID:???
ムッとした沢村は、「首相はキミとの面会を拒否しておる。サッサとこの取り巻き連中を
          引き連れて帰ってもらおう!現内閣はキミを認めてはいない…
          我々が営々と築き上げてきた自由権政党の歴史が貴様を許さんのだよッ!!」と桜木の肩に掛けて囁いた。

ドンッ!
桜木の返答は、マスコミの面前で沢村を吹き飛ばす事であった。
桜木は「私は日本国民の相違を託された『民の代理』である!それを現政府は認めぬといわれるのかッ!!」
沢村の答えは「ふっ・・ふっふざけるな1度の政党にもどの派閥にも属さぬ貴様ごときがこの国で何ができると言うのだ!?」
桜木はこれに平然と答えるのみであった。
「今の状況では何もできん。されど座して同胞の慟哭に耳を塞ぐ事は許さぬ!!」と。
マスコミは「同胞の慟哭?」「韓国の状況はそんなにひどいのか?」
詰まる沢村。そこに、運転手から自動車電話が掛かってきたという声がかかる。

桜木が電話を掛けた先は、スパイダーであった。
「さすがアメリカ指揮系統に無駄が無い。素早い対応を感謝する・・・・スパイダー」
スパイダーは「準備はすべてOKだ この電話を切り次第GOサインを出す!
       健!これは私・・・いや、アメリカ合衆国からのお前への当選祝だ礼はいらん!」
これに桜木は沈黙の後、「すまん」と言うのみであった。
123日本国初代大統領 桜木健一郎:04/12/12 23:17:22 ID:???
そこに冷静さを取り戻しつつ激昂した沢村が「桜木ィ 貴様オレにこんな無礼をはたらいてただですむと…」
と喚くのを遮り、完全に無視して叫ぶ桜木。

「官邸内の大橋首相及び閣僚の諸君ッ!…そして日本全国民にお伝えするッ!!
 ただ今よりグローバルネットを経由して アメリカ軍事衛星がとらえた韓国の
 日本大使館前の映像を全国に送るッ! 曇りなき目と心で現実を直視してもらいたいッ」

マスコミは「こりゃあ大変だぁ 報道各社に緊急報告だぁー!」と騒ぎ、沢村は「貴様ぁ」と顔を真っ赤にしてうめくだけ。

アルタビジョン前 テレビ局 定食屋 お茶の間 そして官邸が驚愕した。

大使館前に折り重なる死体。そして、入り口に詰め寄る群集の姿が、そこにはあったのである。
(第4話 了) 第5話「中台戦争ぼっ発、日本崩壊!?」へ続く。
124チム・チム・チェリー!:04/12/12 23:30:21 ID:???
書くひといないみたいなので私が。

(第1話)
舞台は19世紀末のロンドン。マクレガー夫妻が呼び寄せた乳母(ナニー)の少女チェリー。
10歳程度で初仕事ながら乳母の名門一族出身でやる気満々のチェリー。
世話をするのは赤子のロッテ、5歳程度の双子の姉妹メグとリズ、そしてチェリーと同年代のクールな少年ロビン。
ティータイムに早速お茶をふるまうとミルクを入れる論争からロビンに「乳母は不要だ」とまで言われ傷心のチェリーだが
オークの木からロビンのゆとりの無さを聞かされ、その心をほぐそうと真夜中のお茶会を計画する。
深夜に、世界童話百科(小さな鞄から取り出すと、両手で抱えるくらいの巨大なサイズになる不思議な本)から
豆粒を取り出して植えるとあっという間に雲の上までのびてゆく。
雲の上のお茶会できれいな景色を眺め朗らかな笑顔をみせたロビンに
「夢を、ゆとりを与えることができた」と手ごたえを感じるチェリーだった。
125日本国初代大統領 桜木健一郎:04/12/13 00:08:22 ID:???
>>122
正誤表。

沢村のセリフ:自由権政党→自由憲政党
         ふっふざけるな1度の政党にも→ふっふざけるな!どの政党にも

桜木のセリフ:日本国民の相違を→総意を

確認はしていますが、誤字、申し訳ありませんでした。
126マロン名無しさん:04/12/13 02:01:25 ID:???
>>113-114
文庫版が本屋にあったし、読んでみようかな・・・
127轟世剣ダイ・ソード 11:04/12/13 02:47:16 ID:???
>101より続き
決戦のときが近い。王太、千導会長、シズクを含む精鋭部隊は、旅芸人の一座に扮して北国王都に入る。
当然、すぐにスパイ容疑で捕えられ、魔法封じの施された牢に閉じ込められるが
電気製品や化学薬品が主武装の彼らには無意味。無線機を置いて牢内に拠点を築く。
一方、学校では、これまで集められた古文書の解析が進む。ダイソードを除く7機の“神の武器”に収められた“鍵”と
乙女の生贄によって築かれる“台座”を合わせる儀式によって、新たな神となる権利が得られる…古文書はそう語る。
だが、その記述は、神の再臨を警告するカラの伝承と矛盾する。そこから導かれる一つの結論。
ガバリオーグたちの目論む「儀式」こそが、神の再臨を実現するものではないか。
ならば「儀式」の成就は、世界の破滅を意味する。
そのころ、さらわれたクラスメート、そして大賢者の所在を求めて王城の地下に潜った王太とシズクは
女生徒の巻き添えでさらわれていたクラスメートの金子に再会。
彼の説明で、神殿に安置されていた“聖杯”カラの機体がすでに王城に運び込まれ、魔力を引き出す研究が
進められていること、また女生徒たちが地下の一角に閉じ込められていることが分かる。
金子の案内により、女生徒たちにはすぐに会うことが出来た。別の部屋にいたユーリナも、王太が来たのに気付いて
姿を現すが、自分とカラの関連性を尋ねられたユーリナは、何も知らないと言った風情で困惑するばかり。
そのとき、とつぜん転移魔法が発動し、王太、ユーリナ、シズクの三人は地下牢の最深部に引き込まれる。
そこにいたのは、大きな棺に封印された大賢者デクショだった。この地にカラゆかりの二人の娘が
集まることになると予測していた大賢者は、あえて捕まったままここで彼女たちを待っていたのだ。
この世界に対して異邦人である王太に、世界の命運を背負う覚悟があるのか問うた上で、デクショは
シズクの“記録”の読み解き方を示す。指示通りにユーリナとシズクが向かい合うと、二人の体が共鳴し始め
二人と、間に立っていた王太は、記録された歴史を“見て”いる自分に気付く。
“記録”の正体は、カラの“記憶”そのもの。王太はこの“記憶”の中で、ダイソードの主観を通して
歴史を実体験することになる…。
128轟世剣ダイ・ソード 12:04/12/13 02:47:48 ID:???
まだ“神”がこの世界に君臨していた時代。7機の“神の武器”は、地に破壊と混乱を撒く、ただそれだけのために
あるときは人間の町を襲い、またあるときは“武器”同士の戦いを繰り返していた。
“神”の命ずるまま、ただ淡々と破壊を繰り返していたダイソードは、ある日、一人の人間の戦士に出会った。
“冬の鳥”と名乗るその戦士に、わずかながら手傷を負わされたダイソードは、彼に興味を持つ。
彼の隠れ里に招かれたダイソードは、そこで思いがけず“聖杯”タ・カラと遭遇した。
治癒と復活の力を持つ故に、闘志ではなく慈悲心を抱いていたカラは、この里の人間たちを結界で守り
平和な暮らしを営めるように取り計らっていたのだ。
ダイソードは、自分に“勝った”冬の鳥の強さの秘訣を求め、たびたびこの地を訪れるうちに
今まで空しいだけと思っていた世界や人間の営みに、深い関心を抱くようになっていた。
だが、ある日隠れ里を訪れたダイソードが見たのは、焼き尽くされ、死に絶えた里の姿。
ド・ライアムとガバリオーグの姦策によって、里の裏切り者が内側から結界を砕いてしまった結果だった。
ダイソードの中で息絶え、炎に焼け崩れていく冬の鳥を見て、激しい怒りに襲われたダイソードは
ガバリオーグたちを殴り倒し、そのまま天に翔け昇って“神”を呼ぶ。
彼の呼び声に応え、“神”…“始めに立ちし者”が、その禍々しい姿を現した。
なぜ人間のささやかな生活をかき乱すのか、と問うダイソードに、全ては私が定めた世界なのだから
決定権は私にある、私以外の者が何かを築き上げることは許さない、と言いきる“神”。
その傲慢に怒り、“神”に刃を向けたダイソードの前に、他の“武器”たちが立ちはだかる。
最初にダイソードの前に立ったのは、意外にもカラであった。復活の力を本能レベルで持つ彼女は
“神”の意志に逆らって復活の力を止めることが出来ない。このままでは、“神の武器”は倒される端から復活し
永遠に戦いが続く。それを悟ったカラは、ダイソードの手で破壊されることを選んだのだった。
自らカラを手にかけ、狂乱のうちに戦いつづけるダイソード。気が付くと、すでに他の“武器”は全て倒れていた。
それを見た“神”は、たった今完成した新たな“武器”を掲げる。…すなわち“刀”サン・ジュオウ。
129轟世剣ダイ・ソード 13:04/12/13 02:48:20 ID:???
“神”とダイソードの間に立ちはだかるサン・ジュオウ。だが、ダイソードを驚かせたのは
サン・ジュオウの内にある魂が“冬の鳥”のものであったこと。村の壊滅がダイソードの手引きによるものと
誤解したまま死んだ彼を、“神”は冷酷なる復讐の剣士として拾い上げたのだ。
カラという犠牲を払ったが故に、止まることも出来ずサン・ジュオウと戦うダイソード。だが、一瞬の交錯の後
敗れたのはダイソードだった。その体をサン・ジュオウの刃に貫かれながら、それでもダイソードは戦おうとする。
ダイソード最後の一撃で、サン・ジュオウも“神”の体も吹き飛んだが、“神”は滅んではいなかった。
“神”はこの世界をしばし離れると宣言し、ダイソードに「300年ごとに人間の下僕となる」呪いを課す。
人間のために戦ったダイソードに、人間のおろかさを見せつけるための手段として。
一方、破壊された他の“神の武器”は、あちこちの大地に埋められ、自然回復を待つことになった。
元より復活をつかさどるカラは、そのなかでも最も早く回復したが、自分の力を戦いに利用されることを嫌い
自分を三つに分割した。すなわち「体」と、人間の素朴な生き方に憧れる「心」の化身、純精神体の「ユーリナ」
そして、神の再臨を警告する「記憶」の化身、記憶を記す土台として肉体を持つ「シズク」。
彼女たちは、カラとしての記憶を封じられながらも、“記憶”の読み解かれるときを待ちつづけていたのだ…

王太たちは、大賢者デクショによって皆の待つ牢へと戻された。
夜明けが…開戦のときが来る。「儀式」の時間が近付いている今、遅延は許されない。
王太は北国王城の奥に安置された、ダイソードの契約の剣の元へ向かう。そこにはガバリオーグが待ち構えていた。
王太が剣を手にする前に叩き潰そうとするガバリオーグ。だがその目論見は外れていた。
完全無欠と思っていたダイソードが、どれほどの苦しみを乞えて今に至ったのか、それを理解した今は
王太はただ念じるだけで、ダイソードを呼ぶことが出来た。ガバリオーグの待ち伏せを知った上でここに来たのは
ただ、敵陣のど真ん中にダイソードを召喚するため。ついに、決戦のときが来た!
【召喚消費1回(最終決戦開始)  残り召喚回数…ゼロ!】
130轟世剣ダイ・ソード担当:04/12/13 02:55:39 ID:???
多数の伏線が回収された過去編。北国との決戦開始も含めて
これで全編の七割強といったところです。
ちなみにクラスメートの金子(粗筋では触れてませんでしたが、これまでもちょくちょく出てました)は
「クロノアイズ」にも同じ顔と名前で出演しています。
「ダイソード」と「クロノアイズ」の金子が同一人物…というネタをふくらませたのが
長谷川先生の同人誌「大外伝」です。
131マロン名無しさん:04/12/13 14:00:52 ID:???
熱い! 熱すぎる!
132マロン名無しさん:04/12/13 22:00:40 ID:k8Idii7E
「機動戦士ガンダムSEED ASTRAY」
「機動戦士ガンダムSEED ASTRAYR」
「機動戦士ガンダムSEED XASTRAY」
をお願いします
133マロン名無しさん:04/12/13 23:38:22 ID:???
>>124
8行目からいきなりファンタジーな展開になったなあ
134チム・チム・チェリー!:04/12/14 03:53:33 ID:???
(第2話)
リズの様子がちょっとヘンなので心配のチェリー。メグ曰く「リズは恋をしてるの。お相手は夜になるとやってくる王子様」。
真夜中にリズを連れ出していたのはピーター・パン。リズにホレぐすりを使っていたピーターに「それは本物の恋じゃない」
と訴え、オトナにならないことを選んだ彼を刺激してしまったチェリー。ピーターが去っていったあと、やって来たのは彼の影。
昔と違い、オトナになりつつあるチェリーに置いてきぼりを食わされたと孤独を感じるピーターの気持ちをチェリー達に伝えに。
次の日の夜、世界童話百科でチェリーが生み出したのは鈴の音のような羽音をもつ妖精。
仲間とはぐれて一人ぼっちの妖精をずっと一緒にそばにいてあげて欲しいとの気持ちを込めてピーターに託す。
同じ境遇の仲間を得て旅立つピーターを見送る瞳に涙を浮かべるリズ。
別離の悲しさを理解できていないリズの涙をぬぐいながら「忘れちゃいけない 大好きって気持ち」と恋心の大切さを説くチェリー。


(第3話)
コウノトリがチェリーに届けてくれたママからの小包には「とってもハッピーな日にこの包みを開けること」のメッセージ。
しかし最近子供たちに「ないしょ」が多くて元気を無くしているチェリー。オークの木や小鳥に尋ねてもはぐらかされるばかり。
お世話も空回りして子供たちのまえで泣きべそをかくチェリーだが、そのとき庭のチェリー(桜)の花が咲くのを見て
パーティーの準備を始め「チェリーの誕生日は桜の咲くころかと思って」とロビン。笑顔で小包を開けるとポロロンの種が。
あたり一面に播くと歌を歌うナーサリーライムが咲きみだれる。バスデーケーキを作ってくれたメグとリズを抱き寄せるチェリー。
そしてチェリーの好きなものを図りかねたロビンが贈ったのはほっぺへのキスだった。
悲しくなる「ないしょ」はイヤだけど、こんな嬉しい「ないしょ」ならいいかもね。
135マロン名無しさん:04/12/14 11:21:43 ID:R+SCkZIw
なんちゅうか、ファンシーなお話やね
136マロン名無しさん:04/12/14 18:19:06 ID:???
懐かしい
チムチムチェリー好きだったよ。
しかし結構ストーリー忘れてたので嬉しい
137マロン名無しさん:04/12/15 13:22:50 ID:???
「最終機攻兵メタルスレイダー グローリー―エイミアの面影」
をお願いします。
古本屋で探しても見つからないんです。
なるべく詳しく知りたいです。
138マロン名無しさん:04/12/15 13:48:09 ID:???
よしみる☆氏(←うろおぼえ)が書いてたやつか。
なんか、ゲームに出てないキザな敵とか出てた。
けど、未完だったような・・・
139マロン名無しさん:04/12/15 13:49:38 ID:???
「爺さんと僕の事件帖」お願いします
140マロン名無しさん:04/12/15 16:52:37 ID:???
「ラジオコミック夢さめ戦隊」と
「イイナ Feel for love」お願いします。
141マロン名無しさん:04/12/15 18:34:50 ID:???
>139
「爺さんと僕の事件帖」は7ヶ月前にリクエストされています。
残念ながら、未だ執筆予約はありませんが。
142マロン名無しさん:04/12/15 20:11:09 ID:???
「宇宙皇子」お願いします。
昔、お正月休みとかによくアニメが放送されてましたが、〜編とか
何がどう繋がっていて結局どうなったのかサッパリ。
アニメでは角が生えた長髪のいい男が横笛振り回して戦ったりしてたような……
おぼろげな記憶では源氏物語を孔雀王っぽい世界でやってたような???
143マロン名無しさん:04/12/15 22:21:11 ID:???
宇宙皇子は小説じゃなかったか?
(コミック化されてたらスマソ)
144マロン名無しさん:04/12/15 22:43:12 ID:???
そのとおりでした。ごめんなさい_| ̄|○
いのまたむつみ画集のイメージがどっかにあったのかな……
板違い失礼しました
145マロン名無しさん:04/12/16 02:46:10 ID:???
>>144
板違いながらいっておくと、確か、第五部くらいまでの、50巻くらいまで出てました。
ライトノベル板のスレです。
宇宙皇子
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/976631406/
146マロン名無しさん:04/12/16 07:45:13 ID:???
>>145
横からだけど誘導サンクス。実は気になってたのよ。んでそのスレ読了。
どうやらほんとにいのまたむつみ氏のイラストのみで保ってた作品みたいですね。
それにしても1つのスレが丸々4年たっても埋まってない上に全巻読破した住民は3人もいないってのはすごいなぁ。
147146:04/12/16 07:48:57 ID:???
うは、ぜんぜん勘違いしてた読了20ってもろかいてあるし_| ̄|○
148145:04/12/16 18:05:10 ID:???
自分は、煉獄編(第四話)までで読むのを辞めた(というか第五部は手に入らなかった)「幸せもの」なので。
漫画にもあるかもしれないけど、小説にも「最後まで読まないほうが幸せ」なものもある、ということで。
そういう視点を字初めて知ったのが、あの小説。
板違い失礼。
149チム・チム・チェリー!:04/12/18 03:27:50 ID:???
>>135 なかよし増刊のるんるん掲載でしたからね。
     作者も70年代の魔女っ子ものアニメの影響が大きいとか書いてました。

>>136 私も久しぶりに読んで、新鮮な気持ちで書き込んでます。

(第4話)
天然モノの妖精を子供たちに見せたいと思案するチェリーのもとにやってきたのはシェリー。
チェリーの5番目の姉で、長いウェービーヘアが特徴的なお嬢様風で妖精にとても詳しい。
3日後の夏至に合わせて薬の調合をするシェリーが、ロッテが妖精と戯れているなか3人の子供たちに言う
「信じていてね。妖精はいるんだって。信じることが必要なの。決して妖精なんていないって言ってはダメ。
そう一言口にすると妖精が一人消えてしまうから」。その時に、また就寝前にシェリーの様子がおかしいことに
疑問を持つチェリー。完成した薬をまぶたに塗って妖精を見ることのできた子供たち。自分も薬を使おうと
しているシェリーの腕を掴んでとめるチェリー。乳母がこの薬を使えば二度と妖精に会えなくなってしまうから。
しかし子供の世話の最中に「妖精なんていない」と言ってしまい妖精が見えなくなってしまっていたシェリーは
薬を使い涙ながらに「いないなんて言って、ごめんね」と妖精に謝罪した。
チェリーに妖精大百科をあげて去っていったシェリー。しかし妖精たちを呼び寄せ、妖精大百科をシェリーに
届けるよう頼むチェリー。シェリーを助けられなかった自身の力不足に沈みつつも、子供たちから
「夢を沢山もってるチェリーが大好き」と慕われていることに少しだけ安心するチェリー。
「また妖精に会えました」とのシェリーからの手紙が届くのはそれからしばらくしてのことでした。
150轟世剣ダイ・ソード 14:04/12/18 12:39:58 ID:???
>129より続き
北国王城に降り立ったダイソードの前に、奇怪な蔦が姿を現した。地下牢の生贄を巻き込んだそれは
絡み合い、巨大な肉の柱となる。「儀式」の要、「血肉の台座」。ガバリオーグは台座の完成を誇るが
ユーリナ=カラはその本質を看破する。あれこそ再臨する“神”の依代、神の肉体なのだ。
儀式を阻止せんとするダイソードを遮るガバリオーグ、ブロンブル、そしてコ・ズー。ただサン・ジュオウ1機は
ダイソードと一対一の決闘を望み──ダイソードが三機を片付けて自分と決闘するのは決定事項だと言わんばかりに
──座したまま動かない。
だが、ガバリオーグたちも切り札を得ていた。“聖杯”の機体から直接引き出された復活の力によって
彼らの体は傷付く端から修復されてしまう。このまま持久戦に持ちこみ、人間である王太の消耗を待つ構えだ。
ここに至り、ユーリナとシズクはカラを目覚めさせることにした。そうしなければ復活の力は止められない。
それが、「ユーリナ」「シズク」個々の人格の消滅を意味することを承知で、二人は融合し、カラに還る。
その際、シズクはあるものを千導会長に託した。彼女に与えられていた肉体の正体…「カラの鍵」。
「鍵」が“神”の信奉者の手に渡るのを防ぐため、また“記憶”を記すための素体として、カラは鍵を巫女の肉体に変え
隠していたのだ。ガバリオーグたちの真意が、ダイソードを責めることで鍵を持つカラをおびき出すことにあると気付き
彼女は、鍵を千導会長に託したのである。
かくして“聖杯”タ・カラは立ち上がった。神代とは違い、ダイソードと共に在り戦うために。
その姿に対抗心を燃やしたコ・ズーが、その場でブロンブルに自分の想いを告白。バカップルぶりを見せ付ける。
リーダーのはずのガバリオーグの影は今やめちゃくちゃ薄いのだがそれはどうでもよくて。
コ・ズーが最大魔力解放の呪文を唱え、状況に気付いたヨゴは九江州中を守る全力防御の姿勢に入る。
そして、比喩抜きで天地を揺るがす爆発の中、2機と3機のシルエットが交錯する。──一瞬の沈黙。
そして次の瞬間、ダイソードが立ちあがって大きく胸を張ると同時に、ガバリオーグたち3機は粉みじんに吹き飛んだ。
ダイソードの勝利。…だが、それを見たサン・ジュオウがゆっくりと立ちあがる。
151轟世剣ダイ・ソード 15:04/12/18 12:40:30 ID:???
北国の半分が消し飛ぶほどの爪痕を残しつつ、戦いはまだ終わらない。
サン・ジュオウはガバリオーグの残した鍵を取ると、カラの鍵と共に隠れていた千導会長を引きずり出し
彼女を人質に取ると、7つ揃った鍵を起動させる。宙に放たれた鍵が台座の頂に達したとき、“神”が降臨するのだ。
世界の破滅すら、サン・ジュオウには復讐の手段でしかない。
あるときは武器に、あるときは2頭の龍に、変形しながらぶつかり合うダイソードとサン・ジュオウ。
その激しさは先刻の爆発に勝るとも劣らない。だが、復讐というモチベーションを持つサン・ジュオウがやはり押している。
そして、組み合いの中で人質の千導会長を突き付けられ、一瞬動きの止まったダイ・ソードに
サン・ジュオウの居合が炸裂し、その一撃はコクピットの王太に達してしまう。皆が見守る中で
地に伏したダイソードの体がゆっくりと「鎖に縛られた剣」の姿に戻っていく。乗り手たる王太が倒れたことで
7回目の…最後の召喚が終わってしまったのだ。
サン・ジュオウがダイソードを破壊して止めを刺そうとしたそのとき、九江州中が動き出した。
ささやかな装備、“神の武器”にとても勝てるとは思えぬ武器で、生徒たちがサン・ジュオウに向かっていく。
その頃、王太の元にカラの心の呼びかけが届いていた。カラは、自分の内にまだ分離している「ユーリナ」を切り離し
王太の治療に当たらせると宣言する。…だが、魂を再び半分に分ければ、“神”に逆らって力を止めることは出来ない。
また、神代のように、ダイソードに自分を討たせる業をもう一度背負わせるわけにもいかない。
ゆえに、カラ=シズクは、自らの意志と信念に従い、自爆して果てた。
自爆したカラの爆炎の中で、立ちあがる影がある。カラの支援と、復活した王太の意志の力を受けて
ふたたび立ったダイソード。意志の力が“神”の呪いを越え、ありえざる8度目の召喚を成し遂げたのだ。
呪いの激痛に耐えながらサン・ジュオウに向き合うダイソード。しかし、不利なはずのこの状況において
ダイソードはサン・ジュオウに拮抗し、王太は千導会長を取り戻す。愕然とするサン・ジュオウの体を
ダイソードの拳が、蹴りが、2度、3度と捉え、吹き飛ばされたサン・ジュオウは地に横たわる。
ついに、ダイソードはサン・ジュオウに勝利したのだ。
152轟世剣ダイ・ソード 16:04/12/18 12:41:04 ID:???
敗北したサン・ジュオウは、かつて隠れ里を壊滅させた密告者が、ダイソードではないと知っていたことを告白する。
仲間内から裏切り者を出したという事実に耐えられず、部外者であるダイソードを憎むことで心の平穏を保とうとし
ついには神の走狗と化してしまった…それが、サン・ジュオウの弱さ。どたんばで一致団結した九江州中の姿が
サン・ジュオウの氷の心を打ち砕いたのである。
だが、戦うべき相手はまだ残っていた。“鍵”は今まさに“台座”に達しようとしている。
「償いに…言葉は用いぬ!」立ち上がったサン・ジュオウとダイソードの前で、“台座”は大きく膨れ上がり
世界の創造者にして破壊者を名乗る“神”…“始めに立ちし者”がついにその威容を現した。
出現するなり、まず世界全ての命を回収し、世界を自分好みに作り直すと宣言する“神”。
その体から発せられる稲妻に当たったものは、命を吸い取られて石と化していく。
ダイソードは、サン・ジュオウと共に“神”に立ち向かうが、未だ解けてはいない“神”の呪いがダイソードをさいなむ。
“王太よ…かつてサン・ジュオウが人であったように、私も人間だったことがあると思うか?”
「ああ、あんたは人間だ、人間だったはずだ。あんたはおれが知ってる誰よりも人間らしいもの!」
“そうか…ならばできるはずだ。“神の武器”には無理でも、人間になら…与えられた戒めを解くことが、できる!!”
その言葉と共に、ダイソードは“神”の呪いの象徴、両手に穿たれた鎖をつかみ、おのれの腕もろとも引き抜いた。
だが、呪いを逃れたのと引き換えに、もはや自分に戦うだけの力が残っていないことも
ダイソードは気付いていた。その事実を王太に隠しながら、ダイソードは最後の攻撃を放つ。
“王太…全てをおまえに託す。どんなことがあっても、決してくじけるんじゃないぞ”
ダイソードとサン・ジュオウの最後の一太刀と、神の一撃が激突。その中で、すでに満身創痍となっていた
ダイソードは、頭部を粉々に砕かれ崩壊していった。
気がついたとき、王太たちは“神”によって荒野となった北国首都あとにいた。彼に残されたのは
大破して動かないダイソードとサン・ジュオウの機体。そして、ダイソードとの契約の剣は
中ほどからぽっきりと折れてしまっていた。
153轟世剣ダイ・ソード担当:04/12/18 12:45:53 ID:???
ラスボス“始めに立ちし者”登場。ここ以降のストーリーは
当時、誌上連載を終了した後、最終巻書き下ろしというかたちで発表されました。
前スレでの依頼者の方による「キャプテン掲載分以外」は、たぶんこの部分ですね。
おそらく次の投稿でエンディングまで持ち込めると思います。
154マロン名無しさん:04/12/18 14:39:09 ID:???
文化庁メディア芸術祭で受賞した「夕凪の街 桜の国」をお願いします
155西の善き魔女(2):04/12/19 17:08:03 ID:???
助けを求めて伯爵家のアデイルの許へ駆け込んだフィリエル。
その痛々しさに胸を打たれるロウランド家の兄妹は、彼女の保護を申し出るが
フィリエルが懇願するルーンの救出には難色を示した。
騎士であるユーシスにとって、異端の研究に手を染めたルーンの為に私兵を動かすのは
許されない事だからだ。
ボゥのおかみさんの追跡によってルーンが捕らわれている屋敷の場所を知ったフィリエルは、
伯爵家の力を借りずにルーンを救出に行く決意を固める。
ところが、その一途さに胸を打たれたアデイルが、なんとついてくる事に。

どうしてここまでしてくれるのかと訝るフィリエルにアデイルは、女王候補としての孤独を打ち明ける。
ユーシスは妹として大切にしてくれているが、それは伯爵家に預けられた女王候補の娘であれば誰であっても同じ事。
女王の血以外の存在価値のない自分にとって、同じ血を引きながら自由に生きるフィリエルの生き方に憧れるのだと。

屋敷の中に忍び込もうとした三人は、見知らぬ男達に取り押さえられる。
アデイルの身を案じてがむしゃらに暴れるフィリエルだが、男達の正体はなんと伯爵家の私兵。
フィリエルの腕を掴んだ男はユーシスだった。
ユーシスはフィリエルとの約束を守って、突入の機会を窺い屋敷を包囲していたのだ。
姫君自ら危険に飛び込もうとした勇気を知って、俄然やる気を出した兵士達。
ユーシス自ら正面突破の役を買って出て、出撃となった。
156西の善き魔女(2):04/12/19 17:09:32 ID:???
屋敷は星仙女王コンスタンスの唯一の男子、リイズ公の居城だった。
そこに異端の紋章を見つけ、訝しむユーシス。
ガーランド隊長の機転によってルーンは無事救出されたが、ルーンは
「捕まる相手が伯爵家になっただけで同じことだ」とユーシスを睨み付ける。
しかし、フィリエルの名を出すと一転して涙をこぼし、ひどい焼き印を押された事を彼女には
言わないでくれと懇願した。

ようやくルーンと念願の再会を果たすフィリエル。
だが伯爵その人が帰ってくるしというので難問は山積みだ。
伯爵にルーンを異端審問に突き出されては困る。
アデイルは博士とルーンの異端の研究が世界を変えるというのならそれほど価値のあるものを
伯爵が手放すわけがないというが、ルーンの頑固さでは伯爵家にも研究の秘密を明かすとは思えない。
それに伯爵はフィリエルの実の父と母エディリーン王女を幽閉した張本人だ。どんな顔をして会ったらいいのだろう。
ルーンに研究とは何かと尋ねると「天文歴だよ」と他愛のない返事が返ってきた。
どうしてそんなものが異端とされるのか、ルーンはそれ以上何も教えてくれない…。

思い悩むフィリエルをアデイルが乗馬に誘う。
初めての乗馬体験で笑顔を取り戻したフィリエルに、アデイルは
「一番大切なものが何なのか、貴女自身がわかっていれば」
そのままのフィリエルで伯爵と対峙できると励ました。
「ルーン、私、どんな事があってもあなたを守ってみせるわ!」
157西の善き魔女(2):04/12/19 17:11:05 ID:???
伯爵と対面するフィリエル。
「ルーンをこの先どうなさるおつもりですか」
フィリエルの物言いはエディリーン王女に似ているといい、伯爵は彼女の肖像画の前でしばし過去を語った。
次代の女王に相応しい姫君だったというエディリーン。
伯爵は彼女と兄妹の様にして育った。
ところがエディリーンはある時、異端の研究に手を染めたディー博士と出会い、博士が追放されるにあたって自分もともに逃げてしまった。
女王は二人を反逆者として死罪にするよう命じたが、それが出来なかった伯爵家は二人を荒野の塔に幽閉した。
「我々のした事を悪事だと思うかね?」
伯爵の問いにもフィリエルは無駄な憎しみを持たず「わかりません」と答えた。過去にとらわれる事のないフィリエルの真っ直ぐな瞳。
「私は、あの少年を組織からも異端審問からも守ろう」
伯爵は約束した。
その交換条件は、フィリエルがアデイルの側にいる事。
いつか彼女が王宮にあがる時は、フィリエルも共に…。

「私はフィリエルが来て下さると嬉しいわ」
アデイルは実は女王になる自信がない事を打ち明ける。
彼女の姉、もう一人の女王候補レアンドラは全てに優れ、類い希な美貌の持ち主。でも、
「悪魔みたいな人よ!」
領土拡張論者であるレアンドラが女王に選ばれればこの国は戦争になる。それを防ぐためにも、アデイルは女王にならなければいけない。
そばにいてくれと手にすがるアデイルにフィリエルは言った。
「私があなたのそばにいるのは、ルーンを守るための伯爵との取引だから。
でも、友達として約束できる。私はアデイルが好きよ。あなたに女王になってもらいたい
その貴女を裏切ることは決してしないつもりよ」
158西の善き魔女(2):04/12/19 17:12:30 ID:???
フィリエルの取引を聞いてルーンは「みすみす手駒になったのか」と皮肉る。
しかし伯爵の言葉によれば、将来アデイルが女王になれば彼女の名において法律を変える事が出来る。
異端の研究も続けられる様になるかも知れないのだ。
「そうなったら博士だって戻って来られるのよ!」
「僕の事はもう放っておいてくれ!」
誰よりも自由であって欲しかったフィリエルが、自分の為に自由を奪われていく。
ルーンの苛立った言葉に傷ついたフィリエルは、泣きながら飛び出していき、ユーシスに慰められるのだった。
暗い部屋から二人を見下ろすルーン。

回想。
反逆者として追われるディー博士と、王宮を飛び出したエディリーン王女。
「皆が私を希望と呼ぶけれど、私一人では終末への道を止められない。
あなたと出会って初めて絶望以外の運命が見えた。私ではないの。
光と闇から生まれた者だけが新しい変革をもたらすのです。
連れて行って、ギディオン」
博士は王女の手を取った。

二巻終わり。
159マロン名無しさん:04/12/19 19:00:29 ID:???
「銀の三角」、予約されているようですが
書き込みがないので代わりにやっていいでしょうか?
160マロン名無しさん:04/12/19 23:11:04 ID:???
>159
やりたきゃどうぞ
161轟世剣ダイ・ソード 17:04/12/20 02:46:18 ID:???
>152より続き。
友であり師でもあったダイソードを失い、子供のように泣き崩れる王太を叱咤したのは、大賢者デクショだった。
大賢者は戦いのどさくさで地下を脱出、さらにカラの魔力の余波を受け若返っていた。…若返り過ぎて幼女化していたが。
(ここで、デクショが女性であること、そして彼女がガブ・マオリ翁の妻であるという衝撃の事実が明かされる)
彼女のアドバイスにより、九江州中は南へ転進、本来の目的地だった魔導都市テルテ・ウイタスに向かう。
すでに旅を妨害するものも無く、一行は魔導都市にたどり着く。だが、都市の住人はみな石化していた。
“神”に先回りされかと心配するが、都市に残されていた伝言により、生贄にされぬよう自発的に石化したと分かる。
魔導都市の賢者たちは、“神”の再臨を予想しており、“神”の性質や対応策も研究されていた。
その対応策の一つが、ダイソードを分析し、量産する計画。…そう、都市の一角には、“神の武器”を複数体
搬入することも可能なほど巨大な鍛冶場が用意されていた。
名工マオリと賢者デクショ、ヨゴとシャイニィ、そして九江州中全生徒の力を合わせ、大破したダイソードを
サン・ジュオウの残骸を利用して修復する計画が立てられる。言わば、史上最大の刀鍛冶。
ユーリナが、カラ・レプリカであるシャイニィの機体を介して復活の力を使い、生徒たちが細部を修復する。
一方で、王太は小さな鍛冶場にひとり篭り、折れてしまった契約の剣を…その中で眠っているダイソードの魂を
再起させるための修復作業に挑む。それは、この世界に来てから彼がダイソードに導かれ、たどって来た
心の成長を見つめなおす作業でもあった。
決戦を前に、千導会長は「生徒全員をわざと“神”に取りこませる」作戦を立案する。これまでのデータから
彼女は、異世界人である自分たちの命は“神”にとって異物であり、吸収できないのではとの仮説を得ていた。
大量の異物を“神”に押し込めば“神”は消化不良を起こし、あわよくば弱点を剥き出しにするかもしれない。
そのとき、突如として大地が揺らぐ。“神”が、この魔導都市を目掛けて降臨してきたのだ。
だが、それはすなわち、“神”に抗しうる唯一の力──ダイソードの復活が成ったことを証明する
勝利の合図でもあった。
162轟世剣ダイ・ソード 18:04/12/20 02:46:56 ID:???
大鍛冶場で、復活したダイソードと王太は向かい合っていた。もはや神の呪いも無く、完全体のダイソード。
だが、彼はその上で、王太に「共に戦ってほしい」と申し入れる。王太がそれを断るはずは無かった。
九江州中に乗ったダイソードが“神”に突撃する。左手には盾たるヨゴを、右手にはサン・ジュオウの残りパーツから
削り出された刀を持ち、“神”のけしかける、量産型“神の武器”の群れを蹴散らして進んでいく。
サン・ジュオウの刀の一撃に、思いがけずひるんだ“神”の胸元に、九江州中校舎が全校生徒と共に飛び込んだ。
異世界人の生命を吸収できず、もだえ苦しみながら、なおも“神”は暴れ狂う。
ダイソードは“神”の周囲を縦横に駆け巡り、何度も“神”に斬りつけるが、“神”がダメージを受ける様子は無い。
そのとき、王太の頭にふとあるイメージが浮かぶ。生贄による仮初の体を持ち、生命そのものを食らう“神”とは
それ自体が純粋な精神体なのだ。肉体のどこを斬るかは無意味であり、ただその精神に対して
こちらの心を…魂の一撃を叩きつけるしかない。王太は、魔法を使う要領で深い瞑想に入り“神”の姿を追う。
王太の心に、“神”の魂が“見え”た瞬間、ダイソードは攻撃の姿勢に入る。
巨大な剣の型になり、“神”に挑むダイソードと、“神”に向けて剣を振り下ろす王太のイメージが完全に重なったとき
“神”は真っ二つに両断され、悲鳴を上げる。自らを至高の超越者と信じていた“神”が敗れたのだ。
自分が致命傷を受けたのが信じられない、という風情でなおも食い下がろうとする“神”を、ダイソードの右手が持つ
サン・ジュオウの刀が横薙ぎに薙ぎ払う。“神”は散り散りになり、後には九江州中生徒たちと、生贄として
取りこまれていた乙女たち、そして“神”がこれまで取りこんでいた命の光が放出されていく。
この世界は、永きに渡る“神”の支配から、完全に解放されたのだ。
163轟世剣ダイ・ソード 19:04/12/20 02:48:00 ID:???
戦いの後、九江州中生徒たちは英雄として称えられ、元の世界への帰還も賢者たちによって確約される。
幾人かの生徒が、帰らずにこの世界に留まることを選ぶ中、王太にも一つの別れが訪れた。
ユーリナは、“神”が死んだ後、行き場を失ってさまよう命のために、この世界そのものと一体化し
命の導き手となることを選択したのだ。今、それが出来るのは“聖杯”の生き残りである自分しかいないから。
王太の腕の中で、ユーリナは一度だけ王太にキスし──そして、舞い散る花のように消え失せた。
一夜開けて、帰還の用意が始まる。王太は、最後にダイソードに会って、元の世界に帰還する自分の意思を伝えた。
「ここにいてもいいのかもしれない──とも思うんだ。だけど、うまく言えないんだけど、今は前に進まなくちゃいけない、
 ここへ残るのは進むことじゃないんだって、そんな気がするんだ。じゃあな、ダイソード!」
“───王太よ、私はお前を誇りに思うぞ”

そして冒険の旅は終わり、学園は再びこの世界へ舞い下りた。消えてしまった者たち、砕けた校舎、
やがて明日から浴びせられるであろう幾多の質問に、答える彼らの物語は、誰一人として信じようとはしないだろう。
だが、その体に刻まれた傷に、胸にしまった思い出に──彼らの冒険は色あせることなく
生き続けてゆくことだろう────。




ちなみに、このあと王太はもう一度だけ、それもこちらの世界でダイソードに再会することになる。
だが、それはまた別の物語。またいつか語ることもあるだろう。
164轟世剣ダイ・ソード担当:04/12/20 02:55:55 ID:???
「轟世剣ダイ・ソード」全46話、これにて完結。
角川のコミックコンプ誌で単行本2巻まで出た後、掲載誌休刊に伴い
徳間の少年キャプテン誌で仕切り直しで全7巻完結(最終巻は書き下ろし)。
いずれも絶版となり、長く入手困難となっていましたが、03年末から04年初頭にかけて
講談社漫画文庫より全4巻で復刊。入手は極めて容易となりました。
粗筋で興味を持ったらぜひ本作品を読んでいただきたい、とはいつも紹介のたびに言っていますが
この作品は特に「変形メカアクション」なので、文章では伝えられないものが多過ぎます。
ぜひ実際に読んでいただきたい。
165マロン名無しさん:04/12/20 03:02:55 ID:???
西善きオツ。
このスレの書き手は、みんな文章能力があるね。
本物の小説読んでるみたいにワクワクする。

まとめサイトも楽しく読んでるよ。んでいくつか漫画も買った。
それにしても、途中までしか書かれてないやつとかあるんだけど
あれいつになったら完成するんだろ?続きが気になる。書き手頑張れ。応援してる
166マロン名無しさん:04/12/20 18:57:44 ID:???
ダイソード乙

長谷川作品は、遠い昔に置いてきた何かを思い出させるような気がする。
167マロン名無しさん:04/12/20 22:35:57 ID:???
地平球描いてくれた人いたら砂境城市もお願いします。
168マロン名無しさん:04/12/20 22:54:45 ID:???
>>160
予約した人が来るかもしれないので、一応年末まで待ってみます。
169マロン名無しさん:04/12/20 23:13:30 ID:???
ダイソード乙です。文章がお上手なので楽しく読ませてもらいました。
王道というか熱い漫画ですね。漫喫で探して読んでみます。
170日本国初代大統領桜木健一郎:04/12/20 23:16:39 ID:???
第5話「中台戦争ぼっ発、日本崩壊!?」登場人物
日本側
 大橋高廣:日本国最後の議院内閣制選出の総理。今度は…またも思考停止。
 望月太一:防衛庁長官。上に同じ。
 大橋政権閣僚:上に同じ。
 青木謙一郎:防衛庁防衛局長。良識ある官僚。 今回遂に動く。
 沢村哲蔵:自由憲政党(与党)幹事長 桜木の引き立て役
 
 桜木健一郎:日本国公選首相選出者。次期首相。
 鯨井洋介:元外交官。桜木のブレーン。
 モリス・谷口:ブレーン
 恩田誠十郎…桜木の参謀
 日本マスコミ:思考停止。大橋総理の追及を行う。
 
米国側
アレックス・キャラダイン:米大統領。今回、大橋総理に、とある知らせをもたらす。
中国側
王龍明:国家主席 今回。日本に通告を行う。
171日本国初代大統領桜木健一郎:04/12/20 23:17:30 ID:???
―韓国 日本大使館前―

大使館前に重なる屍…制服姿の女子高生、背広姿のサラリーマン風の男…
そして、その周囲で日本大使館の柵にしがみついて助けを求める多くの日本人の姿…
全日本、全世界に向け放送された映像。

「桜木ィ、なんてことを…」大橋内閣の面々、思考停止。
一方、官邸の外。うろたえ、本社の指示を仰ごうとするばかりのマスコミを見る鯨井。

鯨井は侮蔑的に「どうやら、ここにはジャーナリストと呼べる奴は居ないようだ、思考停止して本社に指示を仰ぐばかりで
        次期首相の桜木に取材を申し込む 肝の据わったヤツなど居まい。」とつぶやく。
桜木は、こんなところに長居は無用だ!と去ろうとするのだが、「待ッ待て桜木!!」
と背後から呼び止める声。自由憲政党幹事長の沢村である。
彼は小ゴマで「貴様、自分が何をしたのか分かっておるのか?暴挙だ!日本全土にパニックを引き起こすだけの軽挙妄動にすぎん!」
と叫ぶが、桜木も小ゴマでの一瞬の沈黙を経て一気にまくし立てた。
「ならば幹事長に問いたい、あなたはこの恐るべき事態を放置し、ひた隠し、情報を操作せよというのか?」
少したじろぐ幹事長。更に追い討ち。
「中東戦争での第一報を報じたのは、ひとりのアメリカ人ジャーナリストだった。しかしそのことで彼を非難するものは誰もいない。
むしろ私は尊敬する。私には朝鮮半島での事実を伝える責務があるッ!!そして政府も国民も、この事実を直視すべきなのだ!」
頭に青筋でてる幹事長を尻目に官邸前を去る桜木と鯨井。

大橋内閣の面々は、「あのバカヤローッとんでもないことやりやがって!間もなく日本は蜂の巣をつついたような大騒ぎになるぞ!」
と叫びうろたえるのみ。しかし、その背後では意味ありげに真剣な表情の青木謙一郎防衛庁防衛局長の姿があった。
172日本国初代大統領桜木健一郎 :04/12/20 23:19:45 ID:???
―翌日―
集英新聞1面タイトル:阿鼻叫喚!邦人全滅か?(写真は韓国・日本大使館前に助けを求める人々)
          他の見出し:「朝鮮動乱の巻き添え」「救出は不可能!?」

 国会前には、巻き添えになった邦人の助けを求める家族たちの慟哭で満ちていた。
―首相官邸―
震えながらコップの水を飲む大橋総理。記者会見のようだ。
マスコミ:「首相!!政府の邦人救出策はあるんですか?ガイドラインに沿った日米共同はどこまでなんですか?」
大橋:そ…その点につきましては早急に検討中でございまして…
としどろもどろになる大橋に、マスコミは早急にって言っても既に被害者が出ているのに政府は国民を見殺しにする気か?
米軍による救出や自衛隊の出動の有無などを問いただす。
大橋は、その点についても鋭意検討中なので、もうしばらくお時間を、と言いながら、考えていた事は全く違う事であった。
桜木への復讐。彼を必ず政界から抹殺する、ということを心に誓ったのであった。

―桜木健一郎事務所前―
住民の怨嗟の声で満ち溢れている。
「出てこい桜木ぃ!お前一体何考えてんだぁっ!」「独裁者に首相は無理だ!今すぐ選挙結果を取り消せ!」
「あんなショッキングな映像を無防備な国民に見せて不安を煽ってどうする気だ!」などなど。
 受付の電話も朝からパンク状態で仕事にならない、とは選挙参謀のモリス・谷口。
 平和慣れした日本人にはちと刺激が強すぎたかもしれんな…と瞑目する恩田誠十郎。
そこに、携帯で電話連絡をしていた鯨井に情報が入る。
 一言で要約すれば、台湾を挟んで中国側の第3、第7、第5艦隊vs中国側潜水艦フリゲート艦集結。
恩田翁いわく「二つの有事の状況下では米中どちらにとっても、日本はあらゆる事象の要となる」と。
173日本国初代大統領桜木健一郎:04/12/20 23:20:39 ID:???
桜木が「現内閣には乗り切れん。忙しくなるぞ!」こう言ったと同時に、アポなしで飛び込んできた者たちが居た。

そう、青木謙一郎防衛庁防衛局長が率いる若手官僚20名。抗議にきたのかと守口が止めようとするが、20名、土下座。
我ら官僚20名は公僕の良識に基づき、まずは現内閣の桜木議員への非礼をお詫びします、そしてあなた(桜木)とともに
新しい日本を創ることを誓いにきた、と。ひれ伏して顔を上げたまま言った。
 「私と?」問い返す桜木。
青木は言った。現内閣は緊急時のこの期に及んでも己の利権と保身のみに執着しており、これ以上こんな内閣や行政府には
ついていけないのだと。我々は民に使える公僕(パブリックサーバント)であり、その民に真の意味で選ばれた
桜木に使えることこそ我々の使命であると。
我々はこれまでの全ての概念をひっくり返してきたあなたに賭けたい!もはや国政の世代交代なくしてこの国の未来はない!
と訴えた。

桜木はこの熱い主張に冷静に切り返す。「ずいぶんと威勢のいいご口上だが、キミらは将来を失ってもいいのかね?」と。
青木はなおも熱く主張する。「我々は国民の将来のための奉仕者でありたい…国際情勢以上にこの世代間戦争は
              熾烈でしょう…」しかし、桜木とともに闘えるならば命をも賭ける、と。
額をポリポリと掻いた後、桜木は「いずれキミ達の力が必要となる。そのときは頼む」と手を差し伸べ、がっちりと握った。

そこに、中国が台湾へとミサイルを打ち込んだ知らせが届く。中台戦争の勃発である。
―首相官邸―
テレビでは米国メディア(GNN)が中台戦争についての王首席の公式発表の模様を伝えた。
要約すれば、「やむなく応戦=自分たちが戦端を開いたのではない」こと、「この内戦は<ひとつの中国>誕生のための
       産みの苦しみととらえ、一刻も早い終結を願う」というもの。
大橋総理はうろたえ、つぶやいた。これで、完全に米軍による邦人救出の目はなくなったと。
174日本国初代大統領桜木健一郎:04/12/20 23:21:15 ID:???
そこに電話が掛かってくる。王首席だ。
彼は大橋総理に、2ヶ国同時戦争によりアジア地区に百万規模の米兵が集結し巨大な戦争の引き金になる事を憂慮すること、
日本による米国への基地の貸与、自衛隊の派遣を厳に慎む事を伝えた。
大橋総理は日米ガイドラインにもとづく相互協力の項目があって自分の一存では答えられないと汗をかきながら答えた。
王首席は「我々には相応の覚悟がある。必要とあれば日本を焦土と化すことも辞さぬ!」と電話を切った。

閣僚には何も伝えず、何故自分の任期中にこんな事態になるのか、とうろたえていた時、再び電話が鳴った。

米国大統領、キャラダインである。「キャラダインだ。日本へ緊急に伝えなければならない事態が起こった…」
と話をはじめるキャラダイン。大橋の中国からの電話の件を話そうとするのを遮って
「ミスター大橋!落ち着いて聞いて欲しい」と話し掛けた。そして、更に話し続ける。
 5分前に中国北京北部の内蒙古自治区付近から、M−11弾道ミサイルが発射された。目標は
「東京」
現在の米国の技術では発車後3分を超えたミサイルを打ち落とす事は不可能…
「すまない…貴国の幸運を祈る・・・」大橋総理はこの時点で電話を取り落とし、閣僚の問いかけにも答えられず
震える。「とっ・・・と・・・・東京壊滅(長い間省略)!」「にっ日本は終わりだ!」

―東京・お台場―
カップルが遊覧船の上で写真を取っている。
男:ん?おい・・・今、空が光らなかったか?
女:え〜〜〜?ひょっとしてUFO?…なァんてね!!」
ボシュッ!(海に命中)ボッ(閃光)ズゴオオオ(ベイブリッジ脇に巨大な水柱が立つ)

第4話了 第5話日米安保破棄、日本独立!?に続く。(なお5話6話は長いので二回に分けます)
175チム・チム・チェリー!:04/12/21 03:30:08 ID:???
各話サブタイトルも入れてみました

(第1話)   ちっちゃな乳母(ナニー)がやってきた
(第2話)   恋しちゃったリズ
(第3話)   ハッピーは ないしょ ないしょ
(第4話)   シェリーと小さな友だち

(第5話)   真夜中のランデブー
大きなあくびをするロビンは最近不眠症。考え事をしていてよく眠れないロビンを寝付かせようと
ベッドに入ったロビンの手を握っておいてあげるチェリー。それでも寝付けないロビンが告白した理由は
新聞を賑わしている切り裂きジャックが怖いからだった。怖くて眠れないなら一晩中遊ぼうと
世界童話百科からユニコーンを取り出し、雲の上まで出かけた二人。雲のすきまから落下した
チェリーを救ったロビンに彼の臆病さや頼りがいをも知ることができたと喜ぶチェリー。
遊び疲れたロビンは「チェリーは乳母の手を持っている。それがジャックへの恐怖心を払ってくれた」
と感謝しつつ眠りに付いた。ロビンの布団をかけ直しながら
「ずーっとこの手でみんなを守ってあげるから ステキな夢をいっぱい見てね」と願うチェリーだった。

(第6話)   秋の日 ゆずり葉のお話
メグとリズが飼いたいとつれ帰ったのはヤマネ。ロビンの一言もあり飼うことになったがディディと名乗る
ヤマネに「助けてあげて」と頼まれたのはケガをしたツバメ。なんとチェリーのお話の先生だった。ディディを
親指姫に変身させて先生の治療をしてもらうと無事に回復、北の童話の故郷への渡りに失敗したと言う先生。
先生が全快するまで面倒を見るとチェリー。その日々でチェリーの乳母としての成長振りを嬉しく思っていた
先生はチェリーにゆずり葉の話をする。秋に葉が散る普通の木と違って、若い葉が出てくる春に場所を
ゆずるごとく古い葉が散るゆずり葉の話を。語り終えて自分の生命の限界を悟り別れを告げ逝った先生。
先生の回復を願っていた子供たち、そして先生自身の北行きの願いを叶えたいと、先生を世界童話百科の
中に招き入れるチェリー。「先生は夢の中で生きて。あたしたちが夢見られますように」と。そして、先生の
想いを継ぐべく、いつか子供たちにゆずり葉の話をしてあげようと誓うチェリーだった。
176マロン名無しさん:04/12/21 15:26:38 ID:tgAzJv54
ガラスの仮面の最新刊をおねがいします。
177マロン名無しさん:04/12/21 16:04:31 ID:???
>>176
ガラスの仮面は少女漫画板でプチ祭りになってたからそちらで聞いた方が
早くない?ネタバレはしてないのかな。
数年ぶりの執筆?だそうで…無事完結することを祈ります。
178赤ちゃんと僕1:04/12/23 04:37:31 ID:???
羅川真里茂(らがわ・まりも) 花とゆめコミックス『赤ちゃんと僕』 全18巻(文庫版全10巻)

<主な登場人物>
榎木拓也 榎木家長男。小学生。亡くなった母に代わり、家事に育児に奮闘する。
榎木実 榎木家次男。保育園児。泣き虫。ワガママ。拓也をとても慕っている。
榎木春美 拓也と実の父。システムエンジニア。由加子とは学生結婚。
榎木由加子 拓也と実の母。交通事故により若くして他界。

後藤正 通称ゴンちゃん。拓也の同級生で親友。明るく楽しいナイス・ガイ。実と年の近い妹がいる。
藤井昭広 拓也の同級生。クール。大家族。実と年の近い弟と妹がいる。本人は6人兄弟の4番目。


榎木拓也は小学5年生。母を交通事故で亡くし、保育園児の弟・実の世話に家事に忙殺される日々。
小学校には実と同じくらいの年の弟や妹を持つ友達もいて何かと力になってくれるけど、人一倍
甘えん坊で泣き虫の実に拓也や父春美(はるみ)も手を焼いている現状だ。
拓也は思う。友達は皆自由に遊んだり習い事をしたりできるのになぜ僕だけこんな窮屈でツライ思いを
しなくちゃいけないんだろう。実は可愛いけど時々疎ましいよ。実は僕の、君主じゃないんだぞ──。

ある日、実は母親に甘える友達をぶってしまう。拓也は亡き母を悪く言われ悔しくて思わず実に当たる。
しかし拓也はふと気がつく。実は母が恋しいんだと。「そうだ。実はママに甘えたことがないんだ…」

拓也は友人の玉館からクリスマスパーティーに招待される。泣いてすがる実を振り切って来たものの
なぜか少しもパーティーが楽しくない。頭の中では実の泣き顔がグルグル回り、胸がチクチク痛む。
結局パーティーを早退してしまう拓也。「なんか…分かんないけど…、違うカンジがする」
179赤ちゃんと僕2:04/12/23 04:38:33 ID:???
拓也は声変わりが始まる。喉の違和感とともに少しずつ大人になる自分に気恥ずかしさを覚える。
一方、実は拓也の手を借りずにひとりで着替えができるようになる。みんなどんどん変わっていく。
実の成長が嬉しくもあり、少し寂しくもあり。「実にはさあ、きっともう僕なんか必要なくなるんだよね」

実ご贔屓の『洗濯戦隊シャボンファイブ』がデパート屋上でショーをするらしい。ヒーローに会える
喜びと期待に胸躍らせる実。ところがなんとシャボンファイブには中の人が……!!衝撃の事実と
受け入れられない現実に実は落ち込む。拓也はそんな実を励まそうとシャボンファイブの人形を作る。
「お兄ちゃんはシャボンファイブいると思うよ」

榎木家の向かいに住む木村家に一人息子の成一が帰ってくる。6年前に高校を中退して家出したきり
姿を見せなかった問題児がきちんと職を得て妻子を連れてきたのだ。はじめは、過去のわだかまりが
あったものの無事仲直り。「クリスマスの夜に嫁と孫が一緒にできるなんて、こんな嬉しいことはないよ」

榎木家に成一が息子の太一を連れてやってくる。いつもは独占できる兄拓也と父春美を取れられて
ご機嫌斜めの実。しかしみんなに「おにいちゃん」と呼ばれ気分は一気に有頂天。それまでのやきもちも
吹っ飛び、甲斐甲斐しく太一の面倒をみる。僕は太一のおにいちゃん。その素晴らしい響きに照れる実。

おたふくかぜをひいてしまう拓也。なんとか忙しい仕事の合間をぬって看病を続ける春美だが、実も
順番にうつされてしまい、疲労とストレスはピークになる。精力剤を大量に買い込み、危機を乗りきる
春美。「こんな時…母親の存在の大きさを痛感するよ…。父親なんて…」
180赤ちゃんと僕3:04/12/23 04:39:22 ID:???
ある日、デパートで食事をする榎木一家。ふと気づくと周囲から注目されている実の食事マナー。
「見てよあの子、何なのあんな汚い食べ方、母親は何をしてるのかしらね」拓也はショックを受ける。
その一件以来どうしても実の食べ方が気になって仕方がない拓也。いつも通りの食べ方がなんとなく
汚く思えてしまう。実は突然厳しく躾けるようになった拓也に戸惑う。家族の団欒の場は一気に暗くなり
空気が張り詰める。そして今日もまたオカズをこぼす実を拓也は叱る。いきなり拓也の手に噛みつく実。
それは言葉がまだ上手に操れない実の精一杯の抗議。加えて拓也の期待に応えられない不甲斐ない
自分への苛立ちでもあった。拓也はあまりに神経過敏になり過ぎて実を追い詰めていたことを悟る。

実は春美に電動ミニ自動車を買ってもらいとってもご機嫌。ところがイヤイヤ貸した太一に大事な車を
壊され、実は大ショック。拓也は「お兄ちゃんなんだから我慢しろ」と言いつつも、奥歯をかみ締めて
こらえる実の姿に過去の自分をダブらせる。

両親が離婚し、父親と二人暮らしの宮前は同じく母親のいない拓也に友達になろうと誘いかける。
拓也は快く承諾するが「仲間意識が持てる」という宮前に何か言いようのない嫌悪感を覚える。
宮前と話すたび、その言葉の端々に自分への侮蔑が含まれているような気がして、気が滅入る拓也。
「お前のがずっと可哀相だよなー」
そんな折、拓也は塾講師の寛野と会う。拓也から相談を受けた寛野はまるでふたりのやりとりを
その場で見ていたかのように語り出す。友人関係にもメリットが必要なのだと。
「人間関係は案外些細な事で支え合っているのかもしれないよ」
181赤ちゃんと僕4:04/12/23 04:40:21 ID:???
宮前は突然振りかかった不幸から逃げるように自分と同じ、むしろ自分より可哀相な人間として拓也を
見ることで安心感を得るようになる。逆に、宮前に会うたびに精神的に苦痛を感じていた拓也はとうとう
耐え切れなくなり、極度のストレスと人間関係に対する不安感から倒れてしまう。
胃炎のため自宅で静養する拓也に寛野は手紙でアドバイスする。一方、宮前はどんなに自分と拓也を
比べても何処となく空虚で何かすっきりしない思いをもてあます。そんなとき藤井に心の弱さを指摘され
今まで避けてきた現実を見つめなおした宮前は、ようやく本物の安らぎを感じるようになる。
その日の夜これまでの非礼を詫びようと拓也の家をめざして駆ける宮前の姿があった。
「心の辛さを打ち明けるのと、言ってしまってカドが立つことは違うんだよ」

花見の席で偶然顔を合わせる拓也、ゴン、藤井、熊出、中西亜由子、深谷しな子、槍溝愛の男女7人。
女子3人の共通点は好きな人がみんな一緒だということ。既知のゴンと気づく藤井と気づかない拓也。
ゴンと藤井の会話をなんとなく盗み聞きし、思わぬ事実を知った熊出は嫉妬するあまり当事者たちの
目の前でその秘密を暴露してしまう。ここにいる女は皆――。
花見の一件以来、モヤモヤした気分がどうにも拭えない拓也。その最大の理由は初恋の相手だった
槍溝にふられた親友のゴンが真実を知っていながら、今まで通り自分に接していてくれたことにあった。
さらにゴンは槍溝の口から直接好きな人として自分の名前を告げられたのだと知ると、拓也の困惑は
槍溝への八つ当たりという形で現れてしまう。無神経だと槍溝を責める拓也にその場にいた深谷が
反論する。拓也が怒るのはただ自分が困っているからにすぎない、女の子の気持ちもわかってほしいと。
心の底を見透かされたようなその言葉を上手く受け止めきれない拓也は投げやりな言葉を残してその場
から逃げ出すことしかできない。「――僕…今は女の子の事なんて考えられない。面倒くさいよ!!」
182赤ちゃんと僕5:04/12/23 04:41:05 ID:???
お気に入りのクマのプリント服を汚くなったからと捨てられ、グズる実。翌日春美がクマの描かれた
新品を買ってくるが、成一に「女の子用の服だ」とからかわれ実は目に涙を溜める。実のいちばん好きな
クマさんを買おうと出かける拓也と実だが、なかなかいいものが見つからない。不機嫌になった実は遂に
泣き出してしまう。実は拓也がいくら宥めすかしても泣き止もうとせず、とうとう雑踏の中で立ち止まって
しまった。泣き声の音量はどんどん増すばかり。周囲から漏れるクスクス笑い。拓也はうんざりする。
結局嫌な思いをするのはいつだって自分。いいかげん実のワガママにつき合わされるのは御免だよ。
「じゃあ裸でそこにいれば?ばいばい、実なんか大っ嫌いだからねっ」
拓也は泣き喚く実を背にしてすたすたと先を歩く。拓也は知っていた。自分が怒ると実は一生懸命追い
かけてくることを。放っておいたって実はきっとついてくる…。
そのとき「ドンッ!」という嫌な音が背後から聞こえる。「子どもが轢かれた、救急車を呼んで」
そう叫び声が飛ぶ。恐る恐る近づく拓也は人込みの中に血だまりを見つけ、目の前が真っ白になる。
涙を流しながら横たわり動かないままのちいさな子ども――実の姿をそこに観止めたから。

病院に搬送された実は緊急手術を受ける。一報を聞き駆けつけた春美に拓也は抱きつき泣きながら謝る。
春美は泣き崩れる拓也を気遣いながら過去に思いを馳せる。5時間32分。手術に要した時間は長かった。
拓也は泣きすぎて頭が痛くなり安静室を与えられる。実の夢を見る。必死に自分の後を追う可愛い弟の姿。
手を伸ばしても決して届かない。実と距離が縮まらない。実が僕の名前を呼んでいるのに。どうして?
ねぇ、僕は実に最後なんて言った?「じゃあ裸でそこにいれば?ばいばい、実なんか大っ嫌いだからねっ」
ダイッキライダカラネ……
183赤ちゃんと僕6:04/12/23 04:42:05 ID:???
病院に成一夫妻が来る。成一は自分の軽はずみな一言が兄弟の喧嘩の発端になったのだと告げる。
春美は言う。「成一。こういう状態になると大抵の人が考えるんだ。どうしてあんな事を言ったんだろうと、
もっと色んなことをしてあげたかったと、もっともっと語り合えたはずだと」
病院の待合席で座り込む春美に担当の医師(春美の大学以来の友人)が話しかける。春美ははじめて
心の内を吐露する。「両親と妻を奪った交通事故が今度は愛息を奪おうとしている。なんでなんだ…!」
運命なのか……と口にする春美に医師は力強く語る。俺が信じるのは人間である運命なんだと。
人の生き死ににもし運命があるのならそれに関わっている医療は全ての運命の流れに抵抗している
ことになるんだよ。最後まで望みを捨てるな。俺はいつも思っている。生という思いにしがみ付いてくれ。
生きたいのなら最後の最後まで抗ってくれと。最後まで生きたいのなら抗って、抗って、闘って──。

手術から3日目、実の容態が悪化する。拓也はICUの外のソファに座りながらバタバタと慌しく走り回る
看護士らをまるで他人事のように感じる。実の顔や仕草をひとつひとつ思い起こそうとする。そんなとき
ふいに母の幻が浮かぶ。それは実が生まれたときの幸せな映像。病院の屋上にいる春美は亡き両親と
妻の幻影を見る。幻の父はなんとも穏やかな表情をしている。

ベッドの上で昏睡状態の実もまた母と会う。写真でしか見たことのない瞼の母。とてもとても優しい顔で
微笑んで、こっちよと手招きしている。「一緒にいるから元来た道に戻りましょう」
184赤ちゃんと僕7:04/12/23 04:42:57 ID:???
一方、現実世界では手術が佳境を向かえる。実の心拍が止まり、医師が家族を呼ぶようにと伝えたとき、
奇跡的に実の心拍が再び動き出す。手術が終了し、ICUの扉が開く。拓也と春美の前には目を開けて
拓也の名前を呼びながら泣いている実がいた……。
最後まで生きたいのなら抗って、抗って、闘って。忘れないで、自分の為と、そして待っている人の為に。

季節は巡り、新しい春がやって来る。実は事故の後遺症もなく元気だ。最近ちょっぴり大人になって
またすこしワガママに磨きがかかった。今日は拓也の中学校の入学式。真新しい制服に身を包む拓也。
慌しく出かける3人に天国の母からいってらっしゃいと声がきこえる。
                                              <了>

<おまけ>
本編中で削った主なエピソード。(順不同)
・クラス対抗野球大会。修学旅行。バレンタイン・デー。
・父春美と母由加子の馴れ初め秘話。春美のお見合い。
・大家族藤井家の行事(花火大会、クリスマス、大晦日、誕生日)。
・痴呆老人との交流。捨て犬コロ。育児ノイローゼの若妻。サラ金。銀行強盗。
185Palm あるはずのない海 6:04/12/23 05:23:13 ID:???
>>48から続き
その足でジェームスは刑務所時代から義務付けられている分析医のもとへ出向き、カーターもそれに同行する。
主治医であるディーマーはジェームスが神経症であり、その原因は義父・アーサーへの憎しみにあると決めつけてしまっていた。
実際にジェームスと接して、彼がそんなタマではないと思っていたカーターは納得出来ず、釈然とせぬまま帰宅する。

ある日、ビアトリスにパーティのエスコートを頼まれたカーターは偶然、会場でシンと会い、新しい助手に興味を持った2人は、パーティ後オーガス邸へおしかける。
家に入ると、床は綺麗に磨かれ、すっきりと片付いていた。
唖然とするカーターにジェームスは
「あんたが埃にまみれて厭世感を誇張するのは勝手だが、そういう自虐的な趣味は俺にはないぞ」
と言い、客の手前、カーターは怒る事も出来ず、彼を皆に紹介する。
まだ掃除の途中なのか、ソファには磨かれた写真立てがいくつか重ねられていた。
カーターの妹のジョイ、叔父のレイフ、そして感じの良い、優しそうな女性。
女性はジャネットという名で、カーターの元恋人だった。
今はペンシルバニアで結婚し、他人の妻になっているという…

翌日はバーンスタイン博士とアンジェラがオーガス邸を訪れ、博士は個人的興味からジェームスを嘘発見機にかける。
診断結果は、ジェームスがアーサーやエリーを憎んではおらず、とても素直で正直な人間である、と告げていた。
別室で博士と話したカーターは、ジェームスが神経症である可能性は殆んど無い、との結論に至る。
それでは何故、彼は毎年、体のどこかしらが麻痺するのか?
博士は「本人が気にしていないから、君も気にするな」とカーターに言う。
話が終わり、イギリスに帰国する博士を空港に送るカーター達。
去り際、博士はアンジェラに内緒で、彼女が来学期から退寮する手続きをした事を明かす。
早速今夜から入室出来なくなる旨を告げると、彼等が反論する間もなく、さっさとターミナルに入ってしまう。
続く
186Palm あるはずのない海 7:04/12/23 06:19:08 ID:???
カーターはアンジェラに、BFのノーマンの家に行ってはどうかと提案するが、彼も大学の男子寮(女人禁制)に入っているため、それは無理な事であった。
アンジェラがオーガス邸宿泊を拒んだので、せめて今夜だけでも男子寮へ忍びこむように言い、それぞれ帰途につく。
その夜。
アンジェラは発見され、男子寮の舎監に伴われてオーガス邸に連れてこられる。
ソファの端に気まずそうに座るアンジェラ。
気まずい沈黙。
アンジェラは立ち上がり「ここには居られない」と出て行こうとする。
カーターは厳しい顔をして彼女を座らせ、諭す。
「いいかね。私は君が嫌いなんだ。
それは、君がつっけんどんで、人の嫌がる事ばかり言うからだ。
君と暮らすぐらいなら、歩き回るサボテンか、ヤマアラシとでも暮らした方がまだしもだ。
だが、君のお父さんは私の大切な友人だ。そして彼は、君を愛してる。
だから私は、君に事故や事件にあったり、悪い男に引っ掛かったりしてほしくないんだ」
続いてジェームスに
「彼女は私の友人の娘だ。だから、仲良くしてくれなきゃ困る。
だが、仲良くなりすぎても困る。いいな?」
と釘を刺し、ソファの下から小型の銃を取り、アンジェラに差し出した。
「私か彼のどちらかが君の寝室に忍び込むようなら、これで撃ち殺すがいい」
「………
そんなもの要らないわ。土曜にでも荷物運んでくる。おやすみ」
と、アンジェラは奥の部屋へ引っ込んでいった。
カーターの逆らいがたい雰囲気を持った説得に聞き入ったジェームスは感心する。
「あんた、相当な弁士だな。あんな口うるさい女の子を説得するとは」
「自分でも、なんであんな事言ったのか解らんよ。
お陰でアンジェラと暮らすハメになった」
カーターは渋い顔で酒を飲む。

幾日か経ち。
ジェームスに付き添って、カーターはディーマーを訪ねる。
自分の診断を曲げたくないディーマーは、ジェームスに自白剤を使うと言い、カーターは強く反対するが、本人が了承しているからと押しきられる。
心配なカーターは診療に立ち会う。
続く
187Palm あるはずのない海 8:04/12/23 07:00:49 ID:???
横になったジェームスは途中で様子がおかしくなり、胸を押さえる。
質問が丁度アーサーの事だったので、ディーマーは、ジェームスが答えたくない為に変調をきたしたと思い、診療を続ける。
しかし、かつて心臓外科医だったカーターは異変が心臓発作だと気付き、診察を中断させる。
ジェームスは心停止に陥っていたが、すぐに集中治療室に運ばれ、助かる。
カーターは昔の同僚・レイモンドにジェームスの検査を頼み、彼を見舞う。
ジェームスはファブリ入社時の検診で、心臓はおろか、全身何の異常も発見されなかったと言うが、カーターは彼を入院させる。
帰宅すると、アンジェラが本格的な引っ越しを終えていた。
シンがやって来て、エリーが生前、遺産の半分を投げうって殺し屋を雇った、との情報をもたらす。

カーターはディーマーを連れてレイモンドと会う。
ジェームスに身体的疾患は無いと言うレイモンドの言葉に、ディーマーはやはり神経症の発作だと断定するが、カーターは声を荒げる。
「そんな事で心臓が止まるか!
君が今まで診た神経症の患者の中に、一人でも、自分の心臓を止めてしまう患者が居たか?」
「…いいえ」
カーターは、今度は冷静に聞く。
「ジェームス・ブライアンは神経症か?」
「……わかりません」
ディーターは頭を垂れる。
カーターは静かだが、力を込めて言う。
「出て行きたまえ。ニ度と私の助手につきまとうな」
その足でカーターは、退院するジェームスを迎えに行くが、彼の呑気な様子に呆れ、病院のソファに座り込む。
「助かったのは運が良かったからで、こんな事が続いたら、君はもたんぞ。
その上、殺し屋からも身を守らねばならんときている」
「何だって?」
「ロナルド・エリーが殺し屋を雇ってたんだよ!君を殺すために!」
続く
188マロン名無しさん:04/12/23 16:32:37 ID:???
Palm激しく乙。
でもだんだん何が本筋なのかわかんなくなってきた
キャラも多いし。
書き込まれるたびに読むんじゃなくて、完了してからまとめサイトで
全部いっぺんに読んだ方がいいのかな
189マロン名無しさん:04/12/23 18:58:26 ID:???
ドラゴンクエスト列伝ロトの紋章
を希望します。
190Palm書き:04/12/23 19:12:46 ID:???
>>187
ううっ…申し訳ない。
もう少しするとサクサクと進みますんで、お付き合い下さい。
今は壮大な前フリだと思っていただければ…
191マロン名無しさん:04/12/23 22:20:49 ID:???
ゾンビ屋れい子、半年以上経ってるから続き書いていいよね?
よければやります。
192マロン名無しさん:04/12/24 00:03:42 ID:???
赤ちゃんと僕の人お疲れ。
てっきり最後に実が死ぬかと思った。

>>191
お願いします。
193マロン名無しさん:04/12/24 01:02:29 ID:???
赤ちゃんと僕ってアニメやってたよね。
んで小橋賢児が主題歌歌ってた。
なんか時代を感じる。
まとめお疲れ様です。
ラストシーンは漫画で見るとさらに感動できそう。
・ゲームの「ドラゴンクエスト」を知っている方へ。
 舞台はゲーム「ドラゴンクエスト3」と「ドラゴンクエスト(1作目)」の間の時代と言う設定です。
 知らない方は知らないままでも特に支障はありません。


時をさかのぼること100年。魔王バラモス、大魔王ゾーマを倒した一人の勇者がいた。
その名はアレル。彼は勇者ロトの称号を授かり、地下世界アレフガルドへ留まった。
そして、いずれ現れるであろう闇の者に備え、二人の息子を地上へと送り返した。
二人の名はローランとカーメン。
彼らは父より受け継いだ「ロトのしるし」を二つに分かち、
それぞれ北のローラン王国と南のカーメン王国を興した。

これら二つの王国は、100年の間、共に豊かに平和に栄えていた。
南のカーメン王国では、国王カーメン4世が蛮族討伐に出陣していた。
王妃ローザは懐妊しており、神官タルキンから、まもなく誕生する子が
ロトのしるしを受け継ぐべき王子「アルス」であると告げられる。

カーメン四世は蛮族共を一掃するが、蛮族たちが立てこもっていた神殿で、邪神像を見つける。
その後、カーメン四世は人が変わったように荒れてしまった。
カーメン四世は、邪神に潜んでいた魔物に変わり身の術を使われ、入れ替わられていたのだ。
偽者のカーメン四世は、生まれてくる子にアルスではなく、「ジャガン」と名付けると言い張る。
「ジャガン」は闇の力が強く込められた魔性の名。
魔物の頂点に立つ存在である、異魔神(イマジン)は、生まれてくる王子を
ロトの力を魔の心をあわせもった「魔人王」として育てようともくろんでいた。
そしてその魔人王を思うがままに操り、この世を闇の世界にしようとしていたのだ。

カーメン王国では、王に信頼されていた軍団長ボルゴイと、神官タルキンが城外追放を命じられてしまった。
その10日後、新月の夜に王子が生まれる。
呪われた名を付けようとする偽カーメン4世だが、ローザ王妃が赤ん坊に必死で「アルス」と呼びかける。
王子はアルスと名付けられたことで光の祝福を得るが、ローザ王妃はバシルーラの魔法で異次元に飛ばされてしまう。

正体を現した国王にボルゴイは立ち向かうが、周りの兵士たちもモンスターに変えられており、歯が立たない。
ボルゴイは、娘のルナフレアにアルス王子を託し、城に留まる。
ルナフレアと神官タルキンは、何とか無事に落ち延び、砂海を仕切っているギランと、その息子キラに救われる。
一向はある仙人の隠れ郷へ向かい、そして更に10年が過ぎた――
10歳になるアルスは、親友のキラと共にルナフレアから剣を教わったり、
隠れ郷に住む導師タオから呪文を教わったりしながら、健やかに成長していた。

そして同じ頃、北のローラン王国では、「ジャガン」と名付けられた王子が
魔人王として即位すると言う噂が流れていた。
現在、異魔神に忠誠を誓う魔王は、獣王グノン、冥王ゴルゴナ、竜王の3名。
そして魔人王ジャガンが加わるのだ。
彼らは既に、地下世界アレフガルドへの侵攻も始めていた。

仙人の郷の結界もモンスターによって破られたことで、アルスは
ルナフレア、タルキン、ギラン、キラ、タオ、そして妖精のティーエと共に旅立つことになる。
一行は砂漠で巨大な竜に襲われるが、竜は人間の姿に変わった。
彼は大賢者カダル。
伝説の勇者アレルと共に大魔王ゾーマを倒した、3人の「聖戦士」の一人であった。
100年以上生きているはずなのに若々しいカダルに驚きを隠せない一同だが、カダルの持つ魔力に納得する。
カダルは、異魔神はこの世界とは全く異なる次元から来た邪悪な魔王だと言う。
アルス、そしてキラは異魔神に対抗するために、賢者だけが住めると言う蜃気楼の塔で修行することに。

蜃気楼の塔で修行したアルスとキラは悟りを開きつつ、見る見る強くなっていく。
しかし修行の最終段階で、アルスは「真実の森」で初めて父母と出会い、両親の暖かさを知る。
戦いを止め、両親と共に暮らそうとするアルス。
しかしロトの血の逆流により、アルスは過去の世界で勇者アレルになり、大魔王ゾーマと戦うことに。
ゾーマとの戦いの最中、先祖アレルの声を聞いたアルスは、己の弱き心を知り、父母が幻であったことに気づく。
勇者の証である、ライデインの魔法を会得するアルス。
カダルはアルスの勇者としての力を褒め称えるが、「ひどい」と泣きつくアルスに
アルスが10歳になったばかりの子供であることを思い出すのだった。
カダルはアルスたちと別れる際「3人のケンオウを探せ」と伝える。
100年前に交わされた、勇者アレルと共に戦った仲間たちの誓い。
「この世が再び邪悪に覆われた時、我らも勇者のもとに集わん」
戦士フルカス、武闘家フォン、そして賢者カダル。
彼ら3人がそれぞれ、剣王、拳王、賢王と呼ばれる聖戦士であるのだ。
ロトの子孫であるアルスが勇者として立ち上がったからには、聖戦士たちも集ってくるはずである。
カダルは役目を終えたとばかりに蜃気楼の塔と共に姿を消す。

その頃、闇の城となったローラン城では、
アルスと同い年の魔人王ジャガンが第四の魔王として戴冠していた。

(※現パーティ:アルス、キラ、ルナフレア、タルキン、ギラン、タオ、ティーエ)
アッサラームの町に辿り着いたアルスたち。
ルナフレアはそこで、恐ろしく腕の立つ剣士と渡り合う。
剣士は魔剣ネクロスを操る、魔王軍の刺客だった。
そして自らを剣王サーバインと名乗る。

ルナフレアがサーバインと戦ってる間、アルスたちは劇場で少女武闘家ヤオと出会い、襲ってきた魔物を撃退。
ルナフレアの身を案じたアルスたちは彼女を探す。
しかし、アルスが見つけた時は、既にギランとルナフレアが瀕死の状態になっていた。
二人が傷つけられたことで怒りを燃やし、サーバインに立ち向かうアルスとキラ。
そこにヤオもやって来て、サーバインを討とうとする。
ヤオは剣王サーバインに、故郷の拳王の里を滅ぼされ、両親や里の人々を無残に殺された過去があった。
「拳王ヤオが剣王サーバインを倒す!」 ヤオはサーバインに拳を向ける。
アルスとキラもヤオに加勢し、3人はサーバインと戦う。

剣王の里では、初代剣王であるフルカスが修行の旅で手に入れた武器や防具が数多くあった。
その中の呪われた武器を使いこなすため、フルカスは地上最強の剣法・幻魔剣をあみだしだ。
幻魔剣は歴代の剣王に伝えられていったが、魔剣ネクロスだけは呪いの力が凄まじいため封印されていた。
しかしサーバインは6歳の時、魔剣ネクロスに魅入られ、里の人々も両親も、生まれたばかりの弟も殺したと言う。

タオ導師は、ギランとルナフレアを治療しようとするが回復魔法も効かない。
自分が長くないと悟ったギランは、タオにキラの素性を語る。
13年前、密輸商人であったギランは、森の中でひどい傷を負った女性を見つけた。
女性は胸に抱いていた赤ん坊をギランに預け、呪われた剣を手にした剣士によって剣王の里が壊滅したことを伝える。
そしてその剣士がこの赤ん坊の兄で、自分の子であることを告げ死亡。
その時の赤ん坊がキラである。

キラとサーバインは生き別れの兄弟であった。
そのことを告げにきたタオに、サーバインもキラも動揺する。
魔剣ネクロスは魔物としての本性を現し、異魔神の命令でサーバインに取り憑いたことを明かす。
剣王としての心を取り戻したサーバインはキラに謝り、魔剣獣を取り押さえ、
共にアルスのライデインの魔法に焼かれる。
号泣するキラ。
ルナフレアとギランも重症の身であった。
アルスは涙を流し「強くなる。もう仲間が傷つくのを見るのは嫌だ」と決意する。
ルナフレアは最後の力を振り絞って礼拝堂へ行き、精霊ルビスに
「私の命と引き換えにアルスをお守りください」と祈りを捧げる。
ギランは、拳王の里に伝わる「気」の力により血が止まり、一命を取り留めることができたが、
ルナフレアは既に息を引き取っていた。

ルナフレアを埋葬し、カーメンを目指すアルスたち。ヤオも共についていくことになった。
完全に体が治っていないギランはアッサラームに残り、タオと、ヤオの師ファンが治療を続けることに。
キラは心の整理をつけるため、一度剣王の里に向かうことを決意し、必ずアルスの元に戻ることを約束する。

(※現パーティ:アルス、ヤオ、タルキン、ティーエ)
剣王と拳王は見つかったものの、残りの賢王の手がかりはない。
賢者カダルに子供はいないからだ。
しかし偶然に立ち寄ったエルフとドワーフのオアシスで、
ティーエが消えた賢者カダルの焼け焦げたサークレットを見つける。
サークレットを付けてみたアルスは、賢者カダルが流星になり、一人の少年にぶつかる光景を見る。
「ボ・ク・ハ・コ・コ・ニ・イ・ル」と幻の中でアルスに告げる少年こそが、賢王だと悟るアルス。

一方ヤオは、ドワーフのイカサマ師ピエタから、素早さが上がる星振る腕輪を譲り受ける。
ピエタは拳王に出会えたことに感激しエールを送るのだった。

やっとカーメン城に辿り着いたアルスたち。
しかしカーメン城には人の姿もモンスターの姿もなかった。
代わりにアルスたちを襲ってきたのは亡霊たち。
城への侵入者を許そうとしない亡霊たちの正体は、カーメンを必死で守り抜こうとした騎士たちの魂であった。
そこで、タルキンは軍団長ボルゴイと再会。
ボルゴイは魔王軍との戦いでただ一人生き残ったものの視力は失われており、亡霊たちと共に城を守っていた。
娘のルナフレアの死を知ったボルゴイだが、アルスが無事であったことに感涙する。

だが、カーメン城には既に魔王軍の冥王ゴルゴナの手が伸びていた。
ゴルゴナは遥か昔に滅びた魔王バラモスをゾンビとして甦らせ、カーメン城を攻撃させる。
アルスは、ルナフレアの残した光の指輪を使いながらバラモスゾンビと戦い勝利を得、
カーメン騎士たちの魂を昇天させた。

ボルゴイの話によると、カーメン城は100年前、バラモス城であった。
そして北の王国ローランは、竜の女王の城であったと。
勇者アレルは竜の女王から大魔王ゾーマを倒すために必要な光の玉を授かった。
また、現在、魔王として君臨している竜王は、竜の女王の子だという説もあると言う。
アルスはボルゴイから、カーメン城に伝わるロトの鎧のレプリカを授かりそのまま装備。
ボルゴイはカーメン城を守るために留まり、アルスたちは再び出発する。
道中アルスたちは、自称・伝説の遊び人のポロンと出会う。
ポロンははぐれスライム・暴れドラキー・見習いゴーストの
モンスターたちとパーティを組んでいる、お調子者の少年だった。

ポロンに道案内を頼み、テドンの村に辿り着く一行。
アルスはその村に見覚えがあった。カダルの流星が落ちたのがこの村だったのだ。
この村に賢王がいる!と希望を膨らませるアルスたち。
アルスは村で流星に撃たれた子供を探すが、その子供、ノロップは既に墓の中だった。
流星に撃たれて死んでしまっていたのだ。アルスたちは絶望する。

ノロップの祖父、船大工のカミーロの家に泊めてもらったアルスは、
夢の中で再び「ボ・ク・ハ・コ・コ・ニ・イ・ル」と語りかける少年と出会う。
少年はカダルの姿に変わり、カダルは「アリアハンへ向かえ。そこで聖戦士の誓いが果たされる」と告げる。
夢から覚めたアルスは、ノロップの墓を暴き、棺の中にノロップがいないことを確認。
孫が生きていることを知ったカミーロはアルスたちがアリアハンへ行くための船を作る。
船首像にルナフレアの面影を見たアルスたちは、この船をルナフレア号と名付けるのだった。
ルナフレア号に乗り、旅立つアルスたちだが、ポロンも面白そうだからと無理矢理ついてくる。
そして一行はアリアハンへ向かう。

(※現パーティ:アルス、ヤオ、タルキン、ティーエ、ポロン、はぐれスライム、暴れドラキー、見習いゴースト)
202マロン名無しさん:04/12/26 01:47:18 ID:???
一旦切ります。続きは後日。
203マロン名無しさん:04/12/26 07:16:23 ID:???
>>197
初代拳王の名前はファンじゃなかったっけ。
フォンって書いてあるときもあるけど、ファンって
書いてあることの方が多かった気がする・・・。
里帰り中だから確かめられないけど。
204マロン名無しさん:04/12/26 08:31:53 ID:???
>>202
乙。サーバインとか懐かしいな。結局この漫画最後どうなったか見れなかったし
205マロン名無しさん:04/12/26 15:28:35 ID:???
>>203
確認しましたが、初代拳王はフォン、ヤオの師匠の爺さんがファンです。
海上を旅するアルスたちに、異魔神は、海王リバイアサンを放つことにする。
海王リバイアサンは異魔神に逆らったことで今まで封印されていた。
リバイアサンの婚約者である海の精パールは、封印されていたリバイアサンを守り続けていたが、
竜王と冥王ゴルゴナにリバイアサンを奪われ、海に漂流する。
アルスたちに助けられたパールは、海と全世界に滅亡の危機が迫っていると告げる。
海王は神話の世界から中立を守り続けていたが、異魔神によって知性と理性を奪われ、化け物と化していた。

リバイアサンを止めるには、直接意識に訴えるしか方法はない、とパールは語る。
リバイアサンの核に飛び込んだパールたちは、リバイアサンに甲殻魔獣ダフォーラが巣食っていることを知る。
リバイアサンは、愛するパールに、これ以上罪を犯させないためにも、
海王を唯一死に至らしめる武器トライデントで自分を貫いてくれ、と頼む。
始めは戸惑っていたパールだが、意を決し槍を取る。
しかしダフォーラにそれをはばまれ、リバイアサンは自ら最期を遂げようとするが、
アルスに「最後まであきらめちゃだめだ」と、パールのためにも死なないで、止められる。
タルキンは、リバイアサンの志を無駄にしてはならない、とアルスを諭し、ヤオが槍を取るも失敗。
傷つけられた仲間を見てアルスは、もう迷わないと今度は自分が槍を取るがダフォーラに反撃され意識を失う。
しかし、同じく倒れていたポロンが急に起き上がり、
意識のないまま両手から呪文を繰り出し、ダフォーラの攻撃を跳ね返す。
いつの間にかダフォーラの甲羅が失われていたことに驚くアルス。
既にリバイアサンと一体になっていたパールは、「私達は死にません。別の形になって生まれ変わるのです」と
アルスを促し、アルスがトライデントの一撃を放ち、ダフォールと共にリバイアサンとパールも消滅。

荒れが静まった海上のルナフレア号で、リバイアサンとパールの転生した幼魚を見つけるアルス。
海の長老は、アルスの勇気に敬意を表し、海の魔物たちは決して
勇者アルスとその仲間の通行を妨げてはならない、と海のモンスターたちに伝える。
一方、アルスと別れた後、剣王の里へ辿り着いたキラ。
里には人一人いなかったものの、キラは生家で四代目剣王ロートシルト、そしてその妻へザーの画を発見。
キラの実の両親だ。

キラは剣王の里で一夜を過ごすが、目覚めた時には、キラは6歳の姿になっていた。
キラは、絵で見た両親、里の人々、そして兄サーバインに6歳の誕生日を祝福される。
最初は、これは幻術か何かで罠なのではないかと疑うキラだが、
父親から幻魔剣を教わり、また母親のぬくもりを知るたびに戸惑いが薄れていく。
サーバインもキラの良き兄であり、共に剣王としての修行に励む。
「これがおいらの本物の家族なんだ」と感激するキラ。

だがその夜、里の人々の態度が一変。サーバインは魔剣ネクロスでキラに傷をつける。
幻魔剣の傷は普通の治療では治らない。
キラが助かる方法は一つ、息のあるうちに幻魔剣を体得することだった。
幻魔剣の魔力は同じ幻魔剣士には通用しないからだ。
ロートシルトとサーバインはそろってキラを攻撃。
今までのことは全て魔王軍の策略だったのか、と怒りと悲しみで剣を振るうキラは、ついに幻魔剣を習得。
キラは真の剣王となったのだ。

元の年に戻ったキラは、黒い鎧をまとっていた。鎧は剣王の里に伝わる最強の鎧・ブラックシーザー。
キラの両親や里の人々は、キラに別れを告げる。やはり彼らは本物の両親だった。
サーバインが、キラに幻魔剣を覚えさせるため、そして家族の暖かさを教えてあげるために、
ほんの数日の間だけ両親や里の人々を甦らせていたのだ。
魔界に身をおいていたサーバインは、一時の間、冥界から復活する術を身につけていた。
天へ戻っていく両親や里の人々だが、サーバインの向かう先は他の者とは違う方向だった。
「死ぬなよキラ!」 兄の言葉を胸に、キラは一層強くなってアルスの元へ戻る決意を新たにする。
とうとう勇者アレルの故郷でもある、アリアハンへ辿り着いたアルス一行。
アリアハンは冒険者の聖地と呼ばれているが、町は寂れ、活気がなくなっていた。
アルスたちはとりあえず、冒険者の集うと言われる、ルイーダの酒場へ出向く。
ルイーダの店には、勇者アレルと仲間たちの絵が飾ってあった。勇者アレルは、この酒場で仲間を得ていたのだ。
店の5代目店主である女主人ルイーダは、今のアリアハン王が臆病者で、魔王軍と戦おうとしないため、
冒険者も寄り付かず、町は死んだ状態になっていると語る。

アルスたちと別行動を取り一人町をぶらついていたポロンは、マムルとアスリーンと言う幼い兄妹と出会う。
ポロンは自分が異魔神退治のためのパーティに入っていると二人に自慢するが、
父と母をモンスターに殺されたマムルは、ポロンに弟子にしてくれと頼む。
自分と同じ境遇の子であったマムルたちに同情したポロンは、それを承諾。

ルイーダは、アルスがロトの血を引く勇者だと知って歓喜する。
その時、マムルとアスリーンの祖母であるチノンばあさんが、
孫が遊び人ふうの少年と外へ行ったきり戻らない、と店に探しに来る。
ポロンのことだ、と思い当たったアルスたちは捜索に出かける。

案の定、強いモンスターに襲われていたポロンたち。
ポロンは逃げようとするが、マムルは両親の仇を討とうとあくまで戦おうとする。
ポロンは一度はマムルたちを置いて逃げるものの、見捨てることができず、仲間のモンスターと共に戦いに戻る。
「オレはどうなってもいいから誰かこの子達を助けてやってくれ!」
ポロンが強く念じた時、ポロンの体から強い光がほとばしる。
ポロンは己の内から己自身の聖なる意志の声を聞く。
「戦うのだノロップ。右手をかかげ思うままに念ずるのだ」
ポロンの右手からバギ、右手からギラの魔法が発され、強力な合体魔法によりモンスターは倒される。
アルスたちが駆けつけた時、ポロンは意識を失い倒れてしまった。
ポロンの顔から遊び人のメイクが落とされ、ルイーダの店で見た、
若い頃の僧侶時代のカダルにそっくりな素顔が表された。
目覚めたポロンは、自分がモンスターのことを倒したことを全く覚えていなかった。
ポロンにカダルの身につけていたサークレットをつけるアルス。
ポロンは、自分が流星に撃たれた時のことを思い出す。
流星に額を貫かれたポロンはカダルと出会っていた。
次に気づいた時は棺の中だったポロンは、口うるさい祖父から逃げるために
このまま死んだことにしよう、と、こっそり棺の中から脱出。
名前もノロップではなくポロンと変え、遊び人になったのだ。
生まれ変わったポロンは、何故か動物やモンスターの言葉がわかるようになっており、
出会ったモンスターを仲間にした。

その話を聞いたアルスは、ポロンは遊び人ではなく、賢者の王たる賢王であると告げる。
とても信じられないポロンは頑なに否定するが、サークレットはポロンの頭から取れなくなっていた。

その夜、ポロンは亡き両親の過去を見る。
ポロンの父・僧侶ボルクと母・魔法使いレナスは共にカダルから教えを受けた。
既に生まれていたボルクとレナスの息子ノロップは、モンスターとも仲が良い不思議な子。
カダルはボルクとレナスに、ノロップに賢者としての才能を引き出してくれ、と頼む。
その後テドンの村に落ち着いたボルクとレナスは、ある日モンスターから町を守るために戦うも、
マジックパワー(MP)が尽き、最後の手段である自己犠牲呪文・メガンテによって町を守った。
幼いポロンは他人のために死んでいった両親のことがわからず、何ものにもとらわれない遊び人を目指したのだが、
マムルやアスリーンを守りたいと願ったことにより、両親の気持ちを理解する。
父と母、そして大賢者カダルの意志を強く思い知ったポロンは、賢王となることを決意。
改めてアルスたちは賢王ポロンを迎え入れる。

(※現年齢:アルス12歳、キラ15歳、ヤオ13歳、ポロン10歳)
魔王軍でも、アルスたちがアリアハンへ着いたことが知れる。
一方、地下世界アレフガルドを攻めていた竜王は、ラダトーム城に強力な戦士がおり、
その者がアルス、ジャガンに継ぐ、三番目のロトの子孫ではないかと報告する。
驚く魔王たちだが、ジャガンは、ロトの子は自分とアルスの祖先であるローランとカーメンの二人だけだと主張。
獣王グノンは、必勝の策があると、勇者アルスへの戦いの許可を異魔神に取り、出撃の準備をする。
ラダトーム攻略に手こずり、グノンから蔑まれた竜王は屈辱を受ける。

魔法の修行をタルキンとチノンばあさんから受けるポロンだが、簡単な呪文もまるっきり使えない。
そこに、10万の獣兵を率いたグノンが登場。
グノンはアリアハンの人々に、「助かりたければロトの子孫アルスを差し出せ」と告げる。
10万の兵に囲まれた人々は恐怖に怯え、躍起になってアルスを探そうとする。
ルイーダはアルスをかくまおうとするが、アルスは隠れてなどはいられなかった。
姿を現したアルスは「魔王軍に立ち向かうんです!」と人々に訴えるが、アリアハン王が登場。
王は、アルスにこの町から立ち去れと命令する。
アルスは小さな子供から「お兄ちゃんが勇者なら父ちゃんを生き返らせて」と訴えかけられる。
今しがたやってきたモンスターに殺されたのだ。
アルスがこの町へやってきたせいである。
それを思い知ったアルスは、たった一人で10万の兵と戦うことを決意。
死地へ赴くアルスに、石を投げつけるアリアハンの人々。
それを嘆くタルキンたちはアリアハンの地下牢に取り押さえられる。

アルスは、一人で獣王グノン、以下モンスターたちと対峙。
「守るべき人間どもに裏切られた気分はどうだ?」と嘲り笑うグノン。
アルスは「人の心をもてあそびやがって!」と呪文と剣技を繰り出し、獣兵団と戦う。

地下牢に捕らえられていたタルキン、ヤオ、ポロンをルイーダたちが救出に来る。
アリアハン王に見つかってしまうが、魔王軍はアルスを恐れているからこそ勇者を引き渡せと言ってきたのであって、
アルスを倒したら何の心配もなくこのアリアハンへ襲いかかってくるはずだ、とルイーダは主張。
タルキンたちは、誰にも止めさせはしない、とアルスの加勢に向かう。
たった一人で戦っていたアルスも、数が違いすぎて敵わず、ついに倒れてしまう。だがそこに懐かしい声が響く。
「戻ったぜ親友!!」 幻魔剣を習得したキラが戻ってきたのだ。
タルキンたちも駆けつけ、アルスに回復魔法をかける。

(※現パーティ:アルス、キラ、ヤオ、ポロン、タルキン、ティーエ、はぐれスライム、暴れドラキー、見習いゴースト)

アルス、キラ、ヤオは、それぞれ獣兵団の強力な将軍と戦い勝利を収めるが、
魔法の使えないポロンはまるで役に立たない。「オレにはできない」
自信を喪失するポロンだが、タルキンは「大切なものを守りたいと思った気持ちを思い出せ」と諭す。

四天王であった将軍も倒されたグノンは、ついに総攻撃を開始。
必死で敵の数を減らしていくアルスたちだが、既に誰もが限界だった。
ポロンは「これ以上みんなが傷つくのを見ていられない!これ以上仲間を死なせるなよ!!」とモンスターに訴える。
もちろんそれで攻撃をやめるグノンではない。
タルキンは、最後の方法を一つだけ思い出す。
「アルスを頼んだぞ」
そう言い残し、タルキンはアルスを孫のように育てた今までの過去に思いを馳せ、まっすぐにグノンの元へ。
ポロンはタルキンの様子に、亡き父母の最後の戦いを思い出す。
「じいさんやめろ!それだけはやっちゃいけねぇ!!」
ポロンは必死で叫ぶが、タルキンは自らの命と引き換えに、メガンテの呪文を放つ。

タルキンを失ったことで、悲しみにくれるアルスたち。
しかも、モンスターどもはタルキンの犠牲により一掃されたものの、グノンはまだ生きていた。
アルス、キラ、ヤオはグノンへ攻撃をしかけるも、既に体はボロボロである。
ポロンの仲間である、はぐれスライム、暴れドラキー、見習いゴーストのモンスターも
グノンへ立ち向かうが、獣王グノンに敵うはずはなく、無残に殺される。

ポロンはそこでカダルの声を聞き、サークレットがはずれ、額に第三の目が現れる。
「どこまで命をもてあそべば気が済むんだ!」
賢王ポロン、覚醒。 ついにアリアハンの地で、勇者と三ケンオウが揃ったのだ。
大賢者カダルの力を全て受け継いだポロンは、攻撃・回復魔法を共に最強まで使いこなせるようになった。
合体魔法により、その威力は倍以上にもなる。
夜が明け始め、アリアハンの人々は、勇者を魔王軍に差し出したことを悔やみ出していた。
アリアハン騎士団も王に出撃を願う。王は、アリアハンの者全員で勇者の救援に向かう、と決意。
アリアハンの人々は一つになり、アルスの名を叫びながら勇者の元へ。
人々から勇気を得たアルスだが、グノンは変身し、更に強大になる。
ポロンはアルスに、ミナデインを使え、と言う。
ミナデインは人々の魔法力を集めて放つ勇者にしかできぬ技。
ポロンは集まった人々の魔法力を集め、アルスはミナデインの魔法でグノンを倒す。
ミナデインの直撃を食らってもまだ立っていたグノンだったが、グノンは立ったまま死んでいた。

アリアハン王は勇者一行に跪き、敬意を表する。
タルキンの葬儀は、英雄として盛大に行われた。
ポロンは死んでいった自分の仲間のモンスターも英雄だと言い、共に弔う。

葬儀の最中、地下世界アレフガルドのラダトームが落城したとの知らせが入る。
竜王がついにラダトーム城を攻略したのだ。
地下世界への旅の扉は閉ざされており、アルスたちは行くことができない。
しかし、1年以上もラダトームが持ちこたえていたことの方が奇跡だ、と言うキラたちに
アリアハン王は、ラダトーム王家は地上界のローランとカーメン両王家と共に、
今もなおロトの血脈が続いているからだ、と話す。
ラダトーム城には、アルス、そして魔人王ジャガンに続く、第三のロトがいるはずなのである。

(※現パーティ:アルス、キラ、ヤオ、ポロン、ティーエ)
ラダトーム攻略を異魔神に報告した竜王は、獣王グノンがアルスたちに敗れた知る。
グノンの敗北にも、自分の勝利にも少しも心が動かされた様子がない異魔神に、
竜王はいつか自分もグノンのように犬死にするのでは、と不安を覚える。
そこに現れた電撃魔法ライデインを放つ一人の人物。
竜王と堂々と渡り合うその人物は、自らを
「ラダトームの第一王子にしてロトの子孫、勇者アステア」と名乗る。
アステアは、いつかラダトームを解放する日までこの城を預ける、と竜王に言い残しその場を去るのだった。

竜王はラダトーム城でロトの系譜を見つける。
ロトの子供は、ローランとカーメンの他に、長女フローラがいたが、死産だったと記されている。
しかしアステアこそが、死産されたと偽られたフローラの子孫に違いない、と竜王は確信する。
人々の希望であるロトの血を、何故隠さなければならなかったのか?
竜王はラダトーム城にはとてつもない秘密が隠されているのでは、と城をくまなく捜索。
城の地下には、モンスターを寄せつけないように守護された、闇のオーブが安置されていた。


一方魔人王ジャガンは、グノンが殺されたことによりロトの血のすさまじさを知り、単身でアルスの元へ。
ジャガンはアリアハンの人々を眠らせ、アルスと二人で戦うためのファンタム・ゾーンを形成。
アルスとジャガン、二人の持つロトの紋章が呼び合ったことにより、ジャガンに会いに出向くアルス。
「勇者ロトの名誉を汚すお前などに負ける訳にはいかないんだ!」アルスはそう言いジャガンに戦いを挑む。
しかしジャガンは、もともと呪われた名「ジャガン」を与えられるアルスの方だった、と語る。
赤ん坊の頃、ルナフレアやタルキンによって落ち延びさせられたアルス。
その後、竜王はローランに目をつけ、ジャガンの名を王子に与えた。
もしかしたらアルスとジャガンの立場は逆だったかもしれないのだ。
だがジャガンはむしろ、魔神の力を与えてくれたことに感謝する、と言い放つ。
アルスはジャガンが心から世界の征服を望んでいるのならばその野望を砕く、とジャガンと戦うが、
ジャガンの放つ黒い稲妻エビルデインに、アルスのライデインが押され、アルスは不利に。
更にジャガンは、勇者ロトの武器・防具であった光の鎧・王者の剣・勇者の盾を呼び出し、自らに装備する。
ロトの装備は代々、ローランに受け継がれていたのだ。
しかし本来は青であったはずの鎧は真紅に染まっていた。
勇者の装備をジャガンが身につけたことにアルスは絶望。
完全なロトの装備、それに剣に魔法、強さの面でもジャガンに敵わないアルス。
恐怖に怯えたアルスは、身も心も、ジャガンの前に敗北してしまう。

アリアハンの人々は依然眠り続けていたが、ポロンが眠りの状態から覚醒魔法ザメハを唱え、
三ケンオウとティーエはアルスを助けに向かう。
しかしアルスはジャガンに斬られた後。
ポロンは合体魔法オクルーラでアルスとティーエをルイーダの酒場へ送り返す。
キラ、ヤオ、ポロンは3人でジャガンと戦うも、ジャガンは余裕で3人に反撃。
更にロトの紋章が、ジャガンの身を守っている。
ケンオウたちに止めを刺そうとするジャガンだが、異魔神が現れ、戦いを止めさせる。
ジャガンの持つロトの紋章の共鳴は止んだ。アルスが死んだのだ。
異魔神はアルスを葬ったジャガンに魔王の第一称号を与え、ラダトーム城へ行くよう命令する。

ラダトーム城へ赴いたジャガンは、地下の闇のオーブを取ってくるよう言われる。
聖なる光に守護された闇のオーブを手にするには、魔族ではない、ロトの血を引くジャガンが必要なのだ。
聖なる守護はジャガンの魔の心に反応するも、ロトの血の力により、闇のオーブを手にすることに成功。
異魔神にその闇のオーブを献上するも、闇のオーブは偽物だった。
本物の闇のオーブには、異魔神の真の力が封印されているはずなのだ。
闇のオーブは、アステアが持ち去ったに違いない、と言う竜王。
フローラの子孫は、闇のオーブを守り通すために、ロトの血脈を隠してきたのだろう、と。

ジャガンは、聖なる結界が魔王軍で自分にしか破れないことから、
異魔神がロトの血を引くアルスや自分を魔王軍に引き込もうとした理由に気づく。
ならばそれを利用させてもらうまで、とジャガンは、
異魔神もいずれは足下に跪かせてやる、と笑むのであった。
死亡したアルスにはもう回復魔法も効かず、キラを始めとする皆は号泣する。
チノンばあさんは、勇者ロトの時代には世界樹と言う伝説の樹があり、その木の葉を使えば
死んだ人間を生き返らせることができる、と語る。
すると蜃気楼の塔が現れ、賢者カダルが世界樹の位置を示してくれた。
世界樹を探し当てた三ケンオウだが、木は枯れ果て、葉っぱは一枚もなかった。
アルスを救う手立てはもうないのか、と絶望するケンオウたちだが、
ティーエが世界樹にアルスを助けるために、と心から祈った時、世界樹が甦った。
世界樹の葉を取ってアルスに使うも、傷は癒え、生命力は回復したはずのアルスは目を覚まさない。
チノンばあさんは、アルスは心が死んでいるのだと判断。
ジャガンに打ちのめされたアルスは、生きる気力を失っていたのだ。

アルスは、死の世界の前に立っていた。
目の前の大きな河を渡ろうとするアルスだが、そこに「来てはならない」と声が聞こえる。
河の向こう側にいたのは、ルナフレア、そしてタルキンの姿だった。
「お前にはまだやらねばならぬことがある」「帰りなさい」と言うタルキンとルナフレアだが、
アルスはルナフレアやタルキンと共にいることを望む。
「怖いんだ本当は!」 アルスはずっと戦いを嫌っていた。
しかし自分がいなければ全世界が魔王軍に踏みにじられてしまう。そう思うからこそ必死に戦ってきたが、
ジャガンへの完璧な敗北と、家族のように慕っていたルナフレアとタルキンに再会したことで、アルスは戦う心をなくす。
アルスの苦しい胸の内を聞いたルナフレアは、アルスに手を差し出す。「誰もアルスを責められないよね…」
ルナフレアの手を今しも取ろうとするアルスだが、
ルナフレアの死、タルキンの死、魔人王ジャガン、3人のケンオウ、それらの全てに思いを馳せたアルスは、
ぎりぎりでルナフレアの手を取ることを踏み止まる。「自分だけが戦ってるんじゃない」と。
ルナフレアとタルキンはアルスを誇りに思い、アルスを見送る。
生きとし生ける者はいつか必ずここに来るのだ。
「いつかあなたが年を取って、あなたの世界を離れる時が来たら、その時にきっとまた会えるわ…」
葬儀の最中に生き返ったアルスは、ジャガンに勝つためにはもっと強くならねばならない、と
一から修行することを決意。
剣は剣王に、魔法は賢王に教わるのが一番だ、と蜃気楼の塔で修行する勇者パーティ。
ポロンも塔で悟りの書を見つけ、賢王の力を完璧に習得。
カダルはポロンに、もう私は姿を見せることはない、と言う。

アルスたちが修行に励んでいる間は、アリアハンの人々によって新たな旅の準備が進められていた。
ロトの武器である王者の剣は黄金の国ジパングの刀鍛冶によって作られた。
再び王者の剣を作ってもらえないか、とアルスたちは目的地をジパングに定める。
旅立つ前にアルスはロトの父親のオルテガの剣、ティーエはタイターンの針など装備を整え、
アルスたちは王やルイーダを始めとするアリアハンの人々に見送られながら、ジパングへ出航する。

アルスたちが旅立った後、地上界に辿り着いたアステア。
アステアはアリアハンへ出向き、勇者アルスが獣王グノンを倒したと言う話を聞き、驚く。
ルイーダからアルスの行き先を聞いたアステアもまた、ジパングへと向かうことに。
どことなくアルスに似た雰囲気を持つアステアに、マムルやアスリーンはアルスの友達か、と尋ねるが
アステアは「遠い遠い兄弟さ」と答えるだけだった。
アステアが地上へとワープしてきたことは魔王軍も感知し、
異魔神は三魔王に、アステアを探し出し、闇のオーブを見つけよと命を下す。
217マロン名無しさん:04/12/27 00:50:55 ID:???
乙、ロトの紋章読ませてもらってます
ジパングに辿り着いた一行。
女王に謁見を申し出るアルスたちだが、神官オモカネが女王は病気でふせっていると代わりに用件を聞く。
オモカネの話によると、王者の剣の原料である超金属オリハルコンは、ジパングの北にある洞窟に、
勇者ロトが退治したヤマタノオロチの御霊を鎮めるためにオリハルコン製のドラゴンの彫像が祭られていると言う。
オリハルコンの聖なるオーラを浴びたら、女王の病気もよくなるはずだ、とオモカネは
アルスたちに像を取ってきてほしいと頼む。女王の病気が治ったらオリハルコンの像もあげる、と。
しかし、オモカネから怪しい気を発していたことに感づいたヤオは罠だと言うが、
いずれにしても手がかりをつかむためには行くしかない。

洞窟の中を捜索するアルスたちは、オリハルコン製のドラゴンの像を見つけるが、
そこにジパングの女王イヨが現れる。
イヨはオモカネこそ魔物の化身で、ジパングを乗っ取ろうとしていると語る。
既にドラゴンの像を取ってしまったアルスたちは、何とヤマタノオロチの封印を解いてしまっていた。
ヤマタノオロチはロトが退治したものの、仮死状態で100年眠り続けており、
イヨたちはオロチが地上に出てこないよう、オリハルコンで作った聖像で結界を張っていたのだ。
王者の剣を作った伝説の鍛冶屋ムラクの子孫・錬金術師リハクに出会ったアルスたちは、
オリハルコンで王者の剣を作ってほしいと頼むが、リハクはヤマタノオロチを倒せと条件をつける。

ヤマタノオロチの封印を解いたのは自分たちの責任でもある、とアルスたちはオロチ退治に向かう。
リハクの一番弟子イズナは、女王イヨの命令でアルスたちに力を貸すことに。
イズナはジパングに伝わる「神仙術」の使い手。イズナの持つ神仙術は人や物、自らを浮かし動かすことができる技だ。
イズナの神仙術やポロンがドラゴラム×2の合体魔法で双頭竜に変身したりと、オロチを追い詰めるものの
全員で攻撃しても再生してしまうオロチ。どさくさでオモカネもオロチにやられてしまう。
ヤマタノオロチは、腹に呑み込んだオリハルコンのドラゴン像によって、再生力が高まっていた。
アルスは、ティーエの持つタイターンの針で、オリハルコンに命を与えてみることを提案。
タイターンの針は物に刺すと命を吹き込む効果がある。
しかし、そのためにはティーエがオロチの腹の中に飛び込まなければならない。
だがアルスを慕うティーエは、快く承知。「アルスを信じる!」
アルスとティーエはイズナの神仙術によりオロチの腹の中へ。
ティーエがタイターンの針でオリハルコンのドラゴン像に針を刺すと、像は聖なる龍となり、
ヤマタノオロチの体は溶けていってしまう。聖なる龍は元の像に戻った。

その頃ジャガンは、モンスターからジパングでアルスを発見したと聞き、驚愕する。

リハクは約束通り、勇者アルスに王者の剣を作ることを承諾する。
その夜はオロチを倒したことにより、宴が開かれる。
女王イヨに気に入られたアルス。そのことに不機嫌なイズナ。
いつの間にかかわいいガールフレンドを作ってるポロン。
キラはヤオに以前からの想いを告白しようとするが、最後までは伝えられない。

和やかな宴の夜が続く中、突如現れたのは怒りに燃えた魔人王ジャガンだった。
アルスは「ジャガンだけはぼくが戦うべき敵だ」と他者の介入を拒む。
以前の戦いとは比べ物にならないほど強くなったアルスにジャガンは終始押されてしまう。
ジャガンは感情の高ぶりにより、剣を鈍らせていた。
「今のお前じゃぼくには勝てない!」アルスは言い放つ。
アルスの持つ愛や友情といったものを嫌悪するジャガンは、自らの血塗られたロト伝説を語り始める。
13年前、呪われた名「ジャガン」を授かった日より、ジャガンの宿命は決まっていた。
魔人王となるため、幼き日から毎日のようにモンスター相手に剣の稽古を積んできたジャガン。
ジャガンを育てていた冥王ゴルゴナは、心を失ったローラン騎士たちをジャガンの相手にさせる。
ローランの剣術はロトの剣仕込み。始めは甘く見ていたジャガンも、騎士たちの前に惨敗する。
修行を続け、何とかローラン騎士たちをも打ち倒すようになったジャガンだが、
どうしても人間に止めを刺すことはできなかった。
ジャガンの中では、魔人の力とロトの血が、絶えず激しく衝突していたのだ。
そして、10歳になったジャガンは、魔人王として戴冠するために一人の戦士と対決することに。
ロトの剣術を使うその人物は、非常に腕が立ち、ジャガンは苦戦する。
戦士はライデインを放ちジャガンは直撃を受ける。戦士に剣を突き立てられたジャガンは
「忌まわしきロトの血など一滴もいらぬ!」と剣を抜き、黒い稲妻エビルデインを放つ。
戦士はジャガンの言葉を聞き戸惑いを見せ、エビルデインは戦士に直撃。
「魔人の力がロトの血を支配した!」 ジャガンは戦士に止めを刺す。
そこに異魔神が現れ、ジャガンに真実を突きつける。
「その男はお前の父ローラン四世だ…」
ローラン四世の身につけていたロトの鎧は、鮮血で真紅に染まっていた。
真紅の鎧はジャガンに装備される。
魔人王ジャガン、誕生。
父を殺したジャガンは、大きな声で高笑っていた――

父から受けたライデインの刻印は、ジャガンの体に残っていた。
魔人の刻印を表したジャガンは、魔人王となったアルスの姿の幻を本人に見せ、
アルスを魔に染めようとするも、既に迷いのないアルスのロトの血はジャガンの魔を凌駕する。
何故最強の魔人の力を持つ自分がアルスに負けるのか、ジャガンは剣を取り、アルスと最後の勝負をする。
「別の出会い方をしてたら、ぼくたちは友になれたか?」と問うアルスに
ジャガンは笑みを浮かべ「かもしれぬ」と答える。
最後の一撃は、アルスの勝利だった。

アルスはジャガンを呪われた血から解放しようと止めの剣を向けるが、
二人の持つ紋章が、新たな共鳴を始める。
アルスとジャガン、二人の前に現れた人物は、第三のロト、アステアだった。
「私は悲しい」 アステアは、地上界でのロトの血脈との出会いを嘆く。
アルス・ジャガン・アステア、勇者ロトの子孫が勢揃いしたのだ。
なおもジャガンに止めを刺そうとするアルスをアステアは止める。
「お前たちは忘れてしまったのか?勇者ロトの遺志を」 アステアは説く。
勇者ロトが長男ローランと次男カーメンを地上に送り出したのは闇の世界を阻むためだったはず。
その血を受け継ぐアルスとジャガンが、なぜ殺し合いをしなければならないのか、と。
アルスはアステアに、ロトの遺志は守りたいが、この場でジャガンを倒さなければまた新たな悲劇が生まれる、と反論。
アステアは涙を流す。地下世界アレフガルドは魔王軍に占領されてしまっているのだ。
「地上界にいる兄弟たちなら手を貸してくれると思ったのに…!」
ジャガンはアステアを拒み「今さら貴様らと同じ勇者の道を歩む気はない!」と言い放つ。

しかし、アルスとジャガンの持つロトの紋章、そしてアステアの持つ赤い宝石――第三のロトの紋章が一つになる。
ラダトームに伝わる伝説では、三つに分けられし紋章が再び一つになる時、大いなる希望が甦る、と語られている。
そして勇者アレルことロトが3人の前に現れた。
3人が見ているのは、ロトの過去の姿。ロトは子孫たちに、力を合わせて共に戦え、と言う。
そして異魔神を倒すための最強の武器、
一万二千年前の戦いで、精霊ルビスが用いた超魔法・オメガルーラの呪文を授ける。
オメガルーラはルビスが異魔神の精神を次元のひずみの宇宙へと追放した、大転移魔法。
オメガルーラは、ロトの紋章を通して発動するのだ。そのため、勇者3人が揃わないと使えないようになっていた。

全てを伝えたロトは消えるが、一つになったロトの紋章はオメガルーラを発動させる。
オメガルーラはジャガンの魔人王の血に反応するが、発動は不完全で、ジャガンは地上のどこかへ飛ばされてしまう。
紋章は再び、3つに分かれてしまった。
ジャガンは自らを嘲り笑う。
「どこまでいってもこの俺は弾き飛ばされてしまうというわけだな… 全世界からも、ロトの遺志からも…」

(※現年齢:アルス・ジャガン・アステア共に13歳)
222マロン名無しさん:04/12/27 10:20:56 ID:???
ロトの紋章、3分の2くらいまで終わりました。
また続きは後日。
223きせかえユカちゃん1:04/12/27 21:01:13 ID:???
作者  東村アキコ
掲載誌 クッキー(集英社)

登場人物 湯川ユカ、緑川みどり(久木居小6年)
     真澄(隣町の桂木小6年)その他各人の家族、教師、その彼氏等

ユカは見た目はキレイな高校生、中身はおバカな小学6年生(お洒落好きで大食)。
同じクラスで古着屋の娘みどりちゃん(見た目幼稚園児)と一緒に毎日お洒落に
励んでいる。傍若無人で周りの人々を振り回す、あるいは振り回されるユカ。しかし
隣町の洋食屋ジャイアンツの息子・真澄(クールな美少年)に懐かれるなど、楽し
い日々を送っている。

ユカの姉ユミ(ダサカワ美大生)とその彼氏(弁当屋の息子)は倦怠期カップル。
ある日ユカが彼氏の髪型をアフロにしたことと、彼氏に迫るボイン(偽)が現れ
たことから二人に溝ができ、別れに至る。がいまいち吹っ切れていない様子。

224きせかえユカちゃん2:04/12/27 21:20:51 ID:???
ユカの担任教師貞子(本名貞岡)は美人で独身。ある日大学時代の元彼スグルが
彼女の部屋に転がり込んでくる。挙句マウンテンバイクを盗んで失踪するが、
あっさりユカ母により見つかる。スグルは貞子に一目ぼれした真澄の父(ヤモメ)
と時折火花を散らしつつ、とりあえず定職につくことを夢見る。

現在6巻まで発売中。掲載誌では(最近読んでないのであやふやですが)ユカ達が
真澄の小学校の教師 薄田先生の組むアマチュアバンドを手伝い、ついでに学校
から追い出しその後釜にスグルが収まる…という展開(完全にサイドストーリー)。

()書き多くてすまぬ
   
225マロン名無しさん:04/12/28 02:26:20 ID:???
なんだか混沌とした内容の漫画だな
226ユカちゃん訂正・追加:04/12/28 10:01:06 ID:???
ストーリー進行的にはユカ→貞子→お姉ちゃん

貞子の苗字は定岡。真澄の苗字は増田。お姉ちゃんの彼氏はシゲ。

今月号を確認したらみどりママが二人目を懐妊していました。
ギャグ漫画です。


227マロン名無しさん:04/12/28 13:38:27 ID:???
ちなみにユカ父は今の所出てきてません、失礼しました、ゼイゼイ。
228マロン名無しさん:04/12/28 13:50:43 ID:???
ユカちゃん、サンキュ。
集英社HPで試し読みしてから気になってた。
うん、今度買ってみるよ。面白そう
229マロン名無しさん:04/12/28 14:37:12 ID:???
ちょっと待て。ユカ父はちゃんと出てきてるって。記憶違いじゃなければ。
230マロン名無しさん:04/12/28 16:06:24 ID:???
>>229
ごめんよ間違えた...
本スレによると最初の方に出てきてるようです。
沖縄に単身赴任中?そのへん確認できなくて、ゴメン

231マロン名無しさん:04/12/28 16:11:27 ID:???
天原ふおん「カタリアツメベ探訪談」をお願いします
232AKIRA:04/12/28 16:43:01 ID:???
「軍」の超能力者を人為的に生み出す計画途中に「アキラ」が東京を消す。
「軍」は、アキラの超能力を恐れ、アキラを封印する。
数年後、ネオ東京で一人の不良が「軍」に連れ去られ、超能力者にされる。
だが、不良(鉄雄)の超能力は暴走をはじめる。

最後はアキラが暴走した鉄雄を消しておしまい。
233マロン名無しさん:04/12/28 20:29:52 ID:???
おお、わかりやすいのお…
234マロン名無しさん:04/12/28 22:00:19 ID:???
どなたか「忍空」をお願いします
235マロン名無しさん:04/12/29 01:25:35 ID:???
「シャドウ商会変奇郎」と「ブラック商会変奇郎」をお願いします
236マロン名無しさん:04/12/29 10:06:12 ID:???
>>235
それタイトルが変わっただけで同じもんでしょ。
237マロン名無しさん:04/12/30 14:22:03 ID:???
このスレのストーリーはおおまかに三つにわけられますな。

1、一話一話、非常に丁寧に書かれているもの(会話とか)

2、教える側の主観により、ある程度簡略化されているもの(3〜5レスくらい)

3、めちゃくちゃ簡略化されているもの(数行のもの)

知ってるのが出たらストーリー書こうと思うんだけど、どれがいいのかね?
やっぱ1とかかな?
238マロン名無しさん:04/12/30 14:48:57 ID:???
>>237
贅沢を言えば登場人物の簡単な紹介と大まかな粗筋の後、
詳細なストーリーを書いてもらうのが一番だろうけど
まあ教えてもらえるだけで有難い人が大勢だと思うから
あまり気にしなくていいんじゃないかな。
239マロン名無しさん:04/12/30 15:15:47 ID:???
俺は詳しいだけ詳しい方がいいんだけど、
長いと読む気がしないって人もいるみたいやね
240マロン名無しさん:04/12/30 15:31:22 ID:???
2かな?
見せ場(重要な場面)は科白もそえて、分かりやすく詳しく書いてほしい。
どうでもいいのは省いたりとか簡潔にしてくれるといいな。

ちなみに以前も書き込みしたけど、輝夜姫の話が一番面白く読めた。
分かりやすい分かりにくいは抜きにして。

たぶん真面目に説明するところと手を抜いて説明するところが
両方あったからだと思う。
241マロン名無しさん:04/12/30 17:00:58 ID:???
メリハリがきいてると言い給え。
242240:04/12/30 17:14:11 ID:???
>241
あーそうそれそれ。言いたかったことはそれだ。
やっぱこのスレは文章能力のある人が集まってるねぇ
243マロン名無しさん:04/12/30 20:48:54 ID:???
猫部ねこの「6年まんぐーす組」希望です。
コミックス収録されてないのでどんな話なのかずっと気になってます。
244マロン名無しさん:04/12/31 16:51:18 ID:???
別冊ヤングマガジンの森繁拓真の連載漫画。
6月ドライブと学園恋獄ゾンビメイト(?)希望です。
知ってる人いたらよろしくお願いします。
245アラベスク第一部 1:05/01/01 12:42:32 ID:???
すいません、ずっと前に予約していながら忘れていたアラベスク、今更ながら投下させて頂きます。
                  
アラベスク第一部
*甘ったれバレエ馬鹿の主人公が、才能を見いだされ厳しい指導によってスターとなっていくスポ根話。

ノンナ・ペトロワ:主人公のバレエ馬鹿。
ユーリ・ミロノフ:ソビエトバレエ界のスター。当然カッコいい。ノンナの教師となり鍛えまくる。
アーシャ:バレエ学校でのノンナの同室生徒。物静かで優しい。地味だが美しい踊りをする。
ライラ:早くからバレエの天才少女と呼ばれており、かなりの自信家。派手な性格。
ソビエトのバレエ学校:10〜18歳までバレエの指導を受ける。かなりの難関でバレエ生徒達の憧れの場。
           卒業するとバレエ団に入る道が開けるので皆必死。

−バレエにおいてもっとも美しいポーズ それをアラベスクという
 自らをのりこえ 無限なるものへのあこがれを示す動き それがアラベスク−

キエフにあるバレエ教室の家の次女、17歳の少女ノンナ・ペトロワ。
母は優等生の姉イリーナに期待をかけており、トロいノンナは落ちこぼれだった。
ある晩テストを控えノンナが一人練習していると、不意にパートナーが現れノンナを素晴らしく踊らせ姿を消した。
次の日、ノンナは夜練なんぞしたため寝坊してしまい、パートナーは別の人と踊ってしまう。
レニングラードの劇場から視察団もきている中、イリーナは美しい演技を見せノンナは賞賛を送りつつも
自分との差に涙する。そしてラスト、トロい上パートナーもいないノンナを母は一蹴するが、
そこに視察側からパートナーの名乗りをあげた青年がおり、ノンナは急遽踊れることになった。
昨日の人だ、とノンナは気づき、母親はノンナがいつもと違う踊りをすることに驚く。
それもそのはず、ノンナのパートナーとなったのはバレエ界の金の星、ユーリ・ミロノフだった。
後日、バレエ学校から生徒の入学を希望する連絡がくる。しかしそれは姉ではなくノンナだった。
完成した演技より未完の大器を、と言うバレエ団とミロノフは、待っていると告げレニングラードに帰っていった。
母は自分に分からない何かがあるのだろうと言い、イリーナは悲しみを秘めつつノンナを送り出す。
246アラベスク第一部 2:05/01/01 12:46:12 ID:???
レニングラードのバレエ学校についたノンナはミロノフに歓迎され、新環境に胸を躍らせる。
しかし着いた途端グラン・フェッテ・アン・トールナン(片足あげて32回転。「黒鳥」で有名)という高度な大技を
披露するよう求められ、ノンナは必死で回るも途中で尻餅をついてしまう。泣きべそをかくノンナ。
派手な転び方に大笑いする生徒達だが、その中には顔色を変える面々がいた。
ライバルとなるマイヤ、同室で親友となるアーシャ。そしてほくそ笑むミロノフ先生とお偉方達。

そのうち、キーロフ劇場で新作公演「アラベスク」(アリババと40人の盗賊の話)を行うという情報が
公開される。今までとは違う試みで、正式団員の他にもバレエ学校から生徒を出して公演するらしい。
選ばれればバレエ団に入団決定も同然。生徒達は群舞の一人にでも滑り込もうと沸き立つ。
人ごとのように「いいなあ〜」などと呑気なノンナ。

その後早々に、周りの生徒達の巧さに尻込みするノンナにもレッスンが始まった。
ミロノフ先生に猛特訓され、落ち込みまくり厳しい特訓に泣きながら耐えるノンナ。
たまに上手くいっても先生は滅多に誉めてくれずひたすら基礎練を繰り返す毎日。
自分にばかり厳しい先生にキレたり、それをアーシャにフォローされたり、
先生が夜中練習しているのを見て己の甘さを痛感したり、とノンナは日に日にバレエ馬鹿になっていった。
冬休み、家に帰る気満々だったノンナだったが未熟な彼女には帰ることは許されず、毎日レッスンを
見学させられ年末も一人寂しく泣いていた。ミロノフ先生はノンナを実家に連れて帰り、
ノンナは新年をミロノフ一家と過ごすことになって喜ぶ。
そして先生はノンナを誘い新たな踊りを練習させる。二人は踊りながら年越しをした。
247アラベスク第一部 3:05/01/01 12:57:34 ID:???
年明け、「アラベスク」にアーシャ、マイヤは群舞のメンバーとして選ばれる。
主役のアリババはミロノフ先生、ヒロインのモルジアナ役はマイヤの先生のコルパコワと豪華キャストである。
しかしマイヤは踊りのアクが強く群舞では浮いてしまい、結局役を降ろされてしまう。
スランプに陥る中、マイヤは基礎特訓を受けていたノンナのレベルアップに驚き、己の素質に思い悩む。
さらに不意に現れた少女ライラにキャラクターダンサーに向いている、という評価を受けショックを受ける。

*ここで注釈。バレエは
1.プリマ(第一舞踊手すなわち主役) 2.群舞(その他大勢) 3.キャラクター・ダンサー
に大別される。プリマは当然バレエにおいての花形。キャラクターダンサーは個性的な踊りのため
プリマにあてはまらないことが多く、民族舞踊など踊ることが多い。が、名キャラクターダンサーに
なることはスーパー難しいといわれている。モルジアナ役はキャラクターダンサー要素が強い役である。
 
とうとう「アラベスク」の最終メンバーが公表されたが、その直後ノンナはいきなりミロノフに呼ばれる。
新作発表で控えるマスコミの前に現れたのはアリババの衣装を纏ったミロノフ先生。
そしてモルジアナ役に抜擢されたノンナだった。怯えるノンナを連れ、ミロノフはマスコミに踊りを披露する。
学生を主役にあてるという異例の事態に話題沸騰の報道陣。
ノンナは夢のような事態に呆然とするが、これからが試練の始まりだとミロノフは厳しく呟いた。

バレエ団の面々は冷たいが、ノンナは地道に練習を重ね着実に成長していく。
迎えた公演で大成功を治め、ノンナは一躍スターになりアラベスクは映画化が決定された。
劇場側は映画をレニングラードとボリショイの合同という形をとる予定であり、
レニングラード側からはミロノフが選抜された。しかしここでヒロインモルジアナ役で論争が起こる。
ボリショイ側は天才少女・ライラを抜擢する予定だったのだが、大成功を治めたノンナを外すことも難しく、
ノンナとライラのバレエ対決が行われることになったのだ。
ボリショイ劇場の定期公演「瀕死の白鳥」に二人は出演することとなり、その実力を比較されることになった。
ノンナの自信ナッシングの状況下で、モスクワで公演は始まってしまった。
248アラベスク第一部 4:05/01/01 13:00:57 ID:???
交互に踊る二人だが、ノンナに対する評価は今ひとつ。それでもノンナは徐々に役をモノにしていくが、
ライラの脅しに屈し最後はヘタレに終わってしまった。
モルジアナ役はライラに決まり、居場所を失ったノンナは故郷のキエフに癒しを求めて帰ろうとする。
しかし尊敬するプリマ・タヤーキナの「ベストを尽くせ(てなこと)」を話しているのを聞き、帰れないわと
いきなり逃避行(アホ)。見知らぬ駅で彷徨い途方に暮れる。
ノンナは無愛想だが親切なバレリーナのおばちゃん・オルガに助けられ、ノエラと名前を偽って
オルガの家に住み込みし、バレエ劇場でバイトすることになった。
真夜中にバレエシューズを盗み履き踊るノンナと、それを覗き見て笑むオルガ。
一方ミロノフは行方不明のノンナを案じつつライラと撮影に励んでいたが、二人の天才ノンナとライラの違いを
徐々に思い知り、モルジアナ役にノンナを求めるようになっていた。

オルガは公演で「ジゼル」を踊っており、ノンナはオルガに諭されてバレエの情緒の世界とやらに気づいていく。
そしてある日、オルガは公演中に足を痛めてしまう。しかしオルガは傲慢な代役女を下ろしノンナを指名する。
ノンナはジゼルを踊り始めるが、パートナーは代役女と結託しノンナを陥れようとした。
ブチ切れたノンナはパートナー要らずの踊りを見せつける。
それを偶然見ていたタヤーキナはノンナの正体に気づき、ミロノフに連絡を取った。

その頃やっぱノンナでないとダメだわと珍しくも主張していたミロノフは、連絡を受けノンナを迎えにやってくる。
ノンナはオルガに感謝し、ミロノフに連れられ帰っていった。
そして闘争心メラメラのライラと踊り勝負するが、情緒の世界とやらに気づいたノンナ、敵なし。
ライラは逆ギレし辞退、モルジアナにはノンナが選ばれた。
さらにライラはもーやめたとバレリーナから女優へと転向してしまった。天才のくせにずるいと怒るノンナだが、
ノンナ自身は永遠に続く苦難のバレエの道というマゾ道を選んだことを指摘されるのだった。

映画も大成功を治め、ノンナとミロノフはパリ・オペラ座に客演招待され、舞台はパリへと移る。
249アラベスク第一部 5:05/01/01 13:02:36 ID:???
新キャラ
マチュー:パリ・オペラ座の花形舞踊手。貧乏で大勢の家族を養っている。
     真面目でよく出来た人間。病気のことを隠している。
ロベール:同上。マチューに惚れている。イイ奴。

初めて見るモダンバレエに感嘆するノンナ。二人はパーティでオペラ座の第一舞踊手・マチューとロベールを紹介される。
二人が踊るモダンバレエ「ミラージュ」と「アラベスク」を4人混合で踊るという試みが行われ、
パリでもノンナ達はレッスン漬けであった。
そんな中、ミロノフがマチューに妙に優しいことにノンナとロベールはやきもきする。
なんとなく波乱含みだが、4人合同の公演がスタートした。
しかしマチューは踊り終えると倒れてしまい、ノンナはマチューが白血病であることを知る。
入院したマチューは死期を悟り、ノンナに自分の想いを託した。そして公演中マチューは危篤となる。
ノンナはマチューの心をロベールと踊り、マチューは逝った。

悲しい思い出を抱えソビエトに戻った二人だが、祖国ではアーシャの結婚、
ミロノフのソ連邦人民芸術家の賞授与、ノンナのウラノワ特別賞受賞、とハッピーなことが連続であった。
家族や友人達、恩師らに見守られ、ノンナはミロノフとアラベスクを踊り出す。

  ー彼女は踊る 栄光の舞台目指してー

                            第一部 完
250マロン名無しさん:05/01/01 14:10:41 ID:???
新春お年玉企画(笑)、「ピグマリオ」全編を一挙投稿致します。
まず最初に、1レスで全編の粗筋を投稿し
その後に続けてより詳細なストーリーを投稿します。
有史以前の神話の時代、東の国ルーンの皇子クルトは八歳の誕生日に、死んだはずの自分の母親が
妖女メデューサに石にされていたこと、また母が善神の娘たる精霊であり、自分が精霊の血を引いていることを知る。
祖父である善神アガナードにお守りの守護像を託され、クルトはメデューサを打つべく西の果てへ向け旅立った。
彼の道連れとなったのは、幼竜レオン、酒好きの妖魔ギルガドール、そして美しき星占師の少女オリエ。
旅の途中でさまざまな人物、そして神々に出会いながら、クルトは多くの絆を結び、そして王としての器量を磨く。
その一方で、ガラティアの妹、精霊オリエや、メデューサの実兄である風来坊の妖魔アスナスのように
人間以外の種族で、クルトを通して人間の生き様に魅せられる者も現れる。
やがて厳しい戦いの中で、クルトは仲間たちとも一人また一人と別れていき
最後には、最愛のパートナーであった少女オリエとも死に別れ、ひとりで宿敵メデューサの城へ乗りこむ。
彼の戦いは世界中の知るところとなり、メデューサを倒すことを望む人間たちの間で皇子クルトの名は
国や民族を超えた旗印として輝くようになっていた。
メデューサとの最終決戦において、クルトはメデューサとガラティアが、前世ではひとりの人間であり
二つに分かれて対極の存在に転生したこと、またガラティアの血を引く自分が、神々の時代が終わるとき
新たな時代を創り出す創世王「ピグマリオ」の宿命を持つことを知る。
ピグマリオとして覚醒したクルトは、すべての神々の力を受けメデューサを圧倒するが、母の半身たる
メデューサにとどめを差すことをためらう。だがメデューサは、自分は「乗り越えるべき母」の象徴だと語り
自分を倒して王の証を立てよと宣言。クルトはその言葉に従い、メデューサを倒した。
数奇な偶然に助けられ、母ガラティアの命を取り戻したクルトは、最後に大地の女神の助力を得て
黄泉の世界に入り、少女オリエを現世へと連れ戻し、彼女を伴侶として王となる。
彼の冒険は、伝説として広く語り継がれ、それが神話となり、長い時を経た現代に至っても
断片化して語り継がれている。石像の乙女に恋をした王が、女神の力で人間となった石像の乙女と結ばれる
ギリシャ神話の「ピュグマリオン伝説」もそのひとつである。
252ピグマリオ:05/01/01 14:12:46 ID:???
これは遠い昔の話、語り部たちはただ天地の始まりを伝えるだけでその役目を終える頃の話
現在に伝わる神話も伝説も歪められることなく現実であった時代を生きた、一人の少年の物語…

東の国ルーンに、一人の少年がいた。国王の一人息子、王子クルト。
天真爛漫な性格と、人間離れした怪力を持ち、明るく誰からも好かれる子。ただ、母親の名も顔も知らず
生まれてこの方、母のぬくもりを知らぬことが、わずかながら彼に陰を落とすのみであった。
だが、8歳の誕生日を前にして彼は真実を知る。彼の母は、善神アガナードの娘、精霊ガラティアであり
クルトを生んで間もなく、悪神エルゾの娘、妖女メデューサによって石にされてしまっていたのだ。
誕生日の式典に現れたメデューサの使徒を返り討ちにしたクルトは、メデューサを倒して母を元に戻すことを誓い
メデューサが住むという西の果てへと旅を始めた。
旅立ったクルトの前に、彼にとっては祖父であるアガナード神が、ガラティアの妹、精霊オリエと共に現れた。
アガナードはクルトに、小さな黄金の守護像を託した。オリエはその像について
「守護像には三つの力が宿っている」と告げ、像を持ち続けることが身を守ることにつながると説明する。

アガナード紳と別れたクルトは、小船で海を進むが、何者かに襲われて像を海に落としてしまう。
漂流の果てに、クルトは近くの海岸に居を構える「入り江の一族」に助けられ、彼らの客人となった。
「入り江の一族」は、山の上に住む「山の一族」と長い間争いつづけているという。
ふとした偶然から、山の一族の族長の娘とも知己を得たクルトは、二つの部族の奇妙な誤解に気付き
やがて、二つの部族を争わせていた黒幕、メデューサの下僕たる大亀ザクマの存在を知る。
戦う力を求めたクルトは、オリエの紹介で大地の女神ユリアナに会い、彼女の持つ巨大な剣を譲り受けた。
合言葉によって、短剣にも元の巨大な剣にもなる「大地の剣」を得たクルトは、大亀ザクマを倒し
二つの部族を和解させ、ザクマが手に入れていた守護像をも奪い返す。
だが、そんなクルトを見ている者がいた。メデューサの使徒サロメと、謎の男アスナスである。
253マロン名無しさん:05/01/01 14:13:00 ID:???
バレエ馬鹿ってw
254ピグマリオ:05/01/01 14:13:21 ID:???
旅を続けるクルトは、知恵あるトカゲ達の住む谷に迷い込む。彼らは、巨大な一つ目の怪物に脅かされ
酒と生贄を捧げ続けていた。この谷で、拾われ子のトカゲ、レオンと親しくなったクルトは
彼と協力して酒好きの怪物を倒す。すると呪いが解け、トカゲ達は人間に戻った。
トカゲのままなので疎外感を感じるようになったレオンは、谷を去ってクルトの旅に同行することを決める。
一方、クルトを追っていた使徒サロメは、怪物を蘇らせ、ギルガドールと名付けて自分の部下にした。

使徒サロメは先回りをして、セレネの都に入った。いささか愚鈍な王を、賢明な二人の王女が支える国。
だが都に忍び込んだサロメは、姉王女を殺してその顔の皮をはぎ、姉王女に成りすますと
密かにエルゾ紳を崇めていた悪徳大臣を抱きこみ、国を牛耳り始める。
何も知らず都に入ったクルトは、大地の剣と守護像を奪われ、奴隷の身に落とされる。
奴隷としての荒んだ環境で、今まで知らずにいた人間の醜い面を見せ付けられたクルトは、次第に弱り
その怪力を失っていった。
弱らされたクルトは、クルトの最期を見届けに来たメデューサとその使徒達の前に引き出されたが
人間を憎み、絶望するよう仕向けるサロメの言葉に乗せられることなく
「憎むべきは、欲望をそそのかすおまえたちだ」と一喝。脇で見ていたアスナスは、その言葉に王者の器を見る。
業を煮やしたサロメは、石像と化したクルトの母をこの場に呼び寄せ、それを打ち砕くさまを見せ付けるが
これは逆効果。怒りで本来の力を取り戻したクルトは戒めを破って暴れ出し、油断したサロメは
姉の敵討ちを誓ってクルトに協力していた妹王女と相打ちになり死す。
大地の剣を取り返したレオンと、彼が酒で味方につけたギルガドールの助力を得たクルトは
メデューサに剣を突き付けるも、メデューサは影だけを残して去ってしまう。
消え行くメデューサの影に、クルトは必ず復讐を果たすことを誓うのだった。
255ピグマリオ:05/01/01 14:13:52 ID:???
旅の途中、森の奥に住む三人の魔女に、サロメが壊した石像が単なる幻に過ぎず
本物の母ガラティアの石像の無事な姿を見せられたクルトは、旅を続ける意欲を取り戻す。
このとき、クルトの後を付けていたアスナスもガラティアの姿を見た。これが、後で大きな意味を持つことになる。

次の国で、クルトは一人の少女と知り合った。精霊オリエと同じ名を持つ、占師の少女「水晶の姫」オリエ。
西の方角に、自分の運命にかかわる人物がいるとの神託を得て、西へ向かう途中だという。
母親に猫かわいがりされ、同世代の友人がいない彼女に、クルトは親しく語りかけるようになる。
だが、クルトとオリエの前に新たな敵が現れる。死してなお渦巻く執念を認められ、使徒ドルバロームの手により
妖魔として生まれ変わったリザードマン、ゲオルグ三兄弟。
オリエを人質に取ろうとするゲオルグを、辛うじて倒すクルトだが、骨だけになってなお動くゲオルグ長兄は
頭蓋骨だけとなってくるとの守護像を奪い取り、自分の故郷である北の国へと逃げていく。
クルトがオリエと別れ、ゲオルグを追って北へ去った直後、「運命の人」の星が北に動くのに気付いたオリエは
彼こそが自分の「運命の人」だったと気付くが、そのときにはふたりはもう遠く離れていた…。

故郷であるリザードマンの国へたどり着いたゲオルグの首は、国王のイシダリを殺して王に成りすまし
周辺諸国への侵攻を開始する。
一方、ゲオルグを追ってきたクルトは、ザドスの国に入る。この国は、代々の神官が
聖なる笛で、岩の巨人兵ゴレムを操ることによって侵略を退けていた。
だが、その秘密を知るイシダリ王国の妖術師オズによって、神官の少女ル・ルージュはさらわれ
クルトは、ル・ルージュを救い、守護象を取り返すためにイシダリ王国へ向かう。
256ピグマリオ:05/01/01 14:14:24 ID:???
王に成りすましたゲオルグは、妖術師オズにル・ルージュを操らせ、巨人兵で他国を攻める作戦を立てる。
イシダリ王国に乗り込んだクルトも、大地の剣すら効かない巨人兵によって捕えられてしまう。
闘技場に引き出され、怪物の餌にされそうになっていたクルトの元に、レオンが駆けつけた。
自分がトカゲではなく、竜の幼生であることを知ったレオンは、炎を吹いて怪物を倒しクルトを救う。
思わぬ反撃に怯えたゲオルグは、降伏を勧めるオズを殺し、自らクルトをだまし討ちにしようとするが失敗。
守護象を取り返されてしまう。しかし、オズの策によって毒を受けていたクルトは、ここで倒れてしまった。
一方、成り行きを見守っていたアスナスは、ル・ルージュから笛を奪い、巨人兵のコントロールを得る。
クルトを北へ行かせたくない様子の彼は、巨人兵でイシダリ王国を取り囲み、クルトを殺そうとするが
そこへドルバロームをはじめとするメデューサの使徒たちが現れ、クルトをしとめる手柄を巡って争い始めた。
その最中、雲が渦巻き地響きが起きる。守護像が、悪紳エルゾの領域であるこの地に反応して
三つの力のひとつを発揮し始めたのだ。
アスナスや使徒たちは逃げ出すが、ゲオルグに力を注いでいたドルバロームだけは、守護像の力に
抗う余力が無く、その力の本流に呑みこまれて死ぬ。
その一方で、クルトの元にあらわれた精霊のごとき影が、クルトを癒し、北へと送り出していた。
エルゾの領域であるこの地で、精霊が力を振るえるはずは無いのだが…。

イシダリ王国を呑みこんだ光が消えた後、人々がそこに見たのは、ただ凍りついた湖と荒野のみ。
かつてそこにあったはずの王国は、その痕跡まで消え失せていた。
辛うじて助かったル・ルージュは、ザドスの災いをその身に退きうけて戦ってくれたクルトの無事を
ただただ祈るばかりであった。
257ピグマリオ:05/01/01 14:15:02 ID:???
イシダリ王国からさらに北に飛ばされ、吹雪渦巻く「死の山」にたどり着いたクルトは
山の王、大猪のゼオと戦い、これを倒す。ゼオは亡くなる前に
「わしの右の牙を、北の荒地の“糸つむぐおばば”に届けてくれ」と言い残し、クルトはそれを引受けた。
この山で、クルトは精霊オリエと再会する。イシダリ王国でクルトを助けたのも彼女だった。
彼女はクルトを支えるために、大地の女神ユリアナの試練を受け、中立なる「白い力」を得ていたのである。
北の荒地に入ったクルトは、メデューサの使徒の妨害を受けながらも“糸つむぐおばば”の元に着いた。
ゼオの信頼を得たクルトをおばばは歓待するが、彼女の正体はなんと、メデューサの元乳母であった。
驚くクルトの前に、メデューサがおばばに会うため姿を現す。おばばはクルトを庇って隠そうとするが
母の仇を目の前にして、クルトは怒りのあまりメデューサの前に飛び出した。
だが、本気になったメデューサの力は圧倒的だった。地を覆い尽くすほど巨大な蛇の姿となったメデューサに
クルトは大地の剣を振り下ろすが、大地の剣は堅いうろこに阻まれて折れてしまう。
戦うすべを失い、殺されるのを待つばかりのクルトを庇ったのは意外にも“糸つむぐおばば”であった。
おばばの必死の嘆願を受け、メデューサはクルトを見逃してその場を立ち去る。
入れ替わりに現れたのはアスナス。おばばが子供に甘い事を知っている彼は、口封じにおばばを斬り
おばばはクルトに「おまえの額にある“星”を大切にしなさい」と言い残し息を引き取った。
さらに、おばばは死ぬ間際に一つの幻を見せた。虹の掛かる美しい谷にたたずむ一人の美女と
「ピグマリオ」という謎の言葉。力を使いすぎて消耗した精霊オリエと別れ、クルトは西への旅を再開する。

再び西を目指すクルトの前に現れたのは、“銀騎士”マリウス。人間でありながら「メデューサの息子」と呼ばれる男。
まだ子供の頃、死病に苦しむ妹エルザのため、メデューサの直轄領に入り込んだ彼は
その剣技の才能をメデューサに認められ養子となった。メデューサは死んだエルザを蘇生させ、マリウスにも
自分の血を飲んで不死を得るよう勧めるが、彼は人間としての強さを極めてから血を飲むと宣言し
メデューサの側仕えとなったエルザと別れ武者修行の旅を続けているのである。
258ピグマリオ:05/01/01 14:15:35 ID:???
火山のふもとにある「火の国」で、クルトはこの国の少年ユタと、その母ベルマと親しくなる。
だがこの国でくつろぐクルトの前に騎士マリウスが現れ、クルトに勝負を挑んできた。
二人が戦っているとき、突然火山が爆発し、火口から火を吐く怪物が現れてふもとの村を襲う。
ベルマはクルトを庇って死に、それを遠目に見ていたユタとマリウスは
「クルトがベルマを見殺しにして自分だけ助かった」と誤解してしまう。
ユタとマリウスがクルトを見捨て、ふたりで怪物と戦う算段を始める一方で、己の無力を痛感したクルトは
折れたままの大地の剣を修復するため、大地の女神ユリアナの元に向かう。
ユリアナから、大地の剣を鍛えた火の神ペレを紹介されたクルトは、怖い顔の割にお調子者のペレをおだて上げ
剣を修復してもらうが、そのとき「お前に問う。この世で一番美しい女は?」と尋ねられ「母さま」と即答したクルトに
ペレは「まだ子供だ。だが先が楽しみでもある」と言って笑うのだった。
修復された剣を携えたクルトは、怪物と戦うマリウスとユタに加勢。怪物を倒し、ユタの誤解を解く。
マリウスはクルトの人間性に興味を持ち、しばらくクルトと戦わずに彼を追うことにした。

火の国を去り、たどり着いた別の国でクルトは、占師の少女オリエと再会する。
幾つもの国の災いを、占いによって見抜き取り除いてきた彼女は、世界の騒乱を望むメデューサ一党から
敵視され、追われるようになっていた。
オリエのキャラバンにふたたび同行したクルトは、その途中で謎の語り部の老人に会い
メデューサの弱点について聞く。それは、メデューサの父神エルゾの凍てつく魂「エルゾの鏡」。
100片以上のかけらに分割され、強力な妖魔の体に埋め込まれて隠されているそれを集めることができれば
メデューサと戦うときに切り札となる、と語り部は言う。
同時に、語り部はオリエにも新たな占いの力を授けた。彼は、オリエがクルトの旅に同行する決心を固めていると
見抜いていたのだ。そして彼は、オリエを見て「クルトは母親に出会う」という奇妙な予知を得る。
実はこの語り部、クルトを心配して降りてきたアガナード神の化身だった。二人に助言を授けた彼は
帰り際、天界に何か変事があったことに気付く…。
259ピグマリオ:05/01/01 14:16:07 ID:???
クルトを密かに監視しつづけていた謎の男アスナスの正体は、窮屈な地位を嫌って出奔した
元エルゾの後継者、メデューサの実兄である。人間界に居城を持ち放浪していた彼は
ガラティアの石像を目にして以来、その美しさに心引かれ、像の複製を作ることを思いついた。
人間の名彫刻家バッコスを拉致してきて像を彫らせるが、完成品はことごとくアスナスの気に食わない。
「これは、一度実際に精霊を見なければ」と一念発起したバッコスは、虹を継ぎ雲を削って橋を作り
天界に入り込む。そこで運良く、精霊オリエに行き会った彼はオリエの姿を目に焼き付け
その記憶を元に、アスナスを納得させるほどの見事な石像を完成させる。
このとき、バッコスは天界で、それと知らずに重要な一つの封印を解いてしまった。解かれた封印の奥から
謎の光球が幾つも飛び出す。ほとんどは精霊達に回収されるが、一つだけ回収を逃れ人間界に降りていった。

キャラバンを離れた少女オリエと共に旅を続けるクルトの元に、天界から降りてきた光球が現れ
夢を通じて、古い神殿と石像のイメージを伝えてくる。
人に話を聞き、近くの湖に沈んだ神殿の遺跡が、1年に一度浮かび上がってくると聞いたクルトは
その湖を訪れるが、そこにメデューサの使徒グルトリアが現れた。
彼の目的はクルトとオリエではなく、メデューサの勅命により、ここにある聖像を壊すこと。
出くわして戦いとなるクルトたちとグルトリアの前に、湖底から神殿が姿を現した。
クルトの前で、聖像が輝き、像に母ガラティアの姿が重なる。
ガラティアは「虹の谷を探し、そこへ行く旅の中で、お前の星を輝かせてくれる人を探しなさい」と告げた。
その直後、聖像はグルトリアに破壊され、クルトはグルトリアと戦ってこれを倒す。
死んだグルトリアの体内から、クルトは「エルゾの鏡」のかけらの幾つかを回収するが、残りのかけらは
近くで成り行きを見守っていたアスナスの手に渡る。彼もまたかけらを集める者だった。
母の残した言葉を胸に抱き、クルトは旅を続ける。
260ピグマリオ:05/01/01 14:16:38 ID:???
一方、銀騎士マリウスは旅の途中、グリーンノアの国で病に倒れていた。
彼の従者、雌竜のシルヴァーナが彼を介抱しているところへ、黒衣の美女が現れる。
マリウスはその正体を見抜いた。マリウスを心配したメデューサが、お忍びで彼の元に現れたのだ。
村の納屋を借りて静養するマリウスの元に、この国の国王が訪れ、自分に仕えろと命令してきた。
強引な話だがそれには理由がある。隣りの大国との仲がこじれたため、この国は強い戦士を欲しているのだ。
マリウスに成り代わり、メデューサが王に会い、彼の困り事を解決していくが
やがて国王は、メデューサの正体を知らぬまま彼女に恋心を抱くようになる。
メデューサもそんな彼を憎からず想うが、「私の子を産んでほしい」という国王のプロポーズの言葉に
彼女は泣きながらその申し出を拒む。妖魔である彼女は、子を産むことはできないのだ。
未練を断つため、妖女の姿をあらわして国王を脅すメデューサだが、国王はそれを見てなお彼女に手を差し伸べる。
そんな国王を石に変え、打ち砕いたメデューサは、マリウスに伝言だけを残して寂しげに去っていった。

西への旅を続けるクルトとオリエは、とある村で、怪物に生贄の乙女を差し出すところに遭遇する。
クルトは怪物退治を、オリエは生贄の身代わりになって怪物を片付ける役目を、それぞれ個人的に引受けた。
出発する二人は、それぞれの依頼人から、この村の名物「夢の実」を預けられる。これを子供が食べると
しばらくの間だけ大人になってしまうのだ。これを食べて、生贄の乙女と、それを助けにきた恋人に成りすました
オリエとクルトは、互いの正体を知らぬまま、相手の姿を見て胸が高鳴る自分に気付く。
怪物が倒され、騒ぎは終わるが、生贄の儀式の夜に出会った相手の正体を気付かぬままに
クルトとオリエの関係は微妙な変化を遂げる。
261ピグマリオ:05/01/01 14:17:09 ID:???
海辺の村にたどり着いたクルトたちだが、西の海は大荒れで旅を続けることができない。
仲の悪い双子の海神、ネプチューンとポセイドンが喧嘩をすると、海が荒れるのだと聞いたクルトは
「ぼくが喧嘩を止めてやる」と持ち前の真っ直ぐさで飛び出していった。
だが、すでに海には使徒イリューズが策をめぐらしていた。クルトに成りすまして海で大暴れしたイリューズのせいで
クルトを共通の敵とみなしたネプチューンとポセイドンは、飛び込んできた本物のクルトと大喧嘩。
その戦いでクルトは、海の平和のシンボル「真珠の塔」を破壊してしまい、海底の牢獄に捕えられてしまう。
悪いのは海神の方だと意地になるクルトに代わり、少女オリエは素潜りで真珠を探し、集めはじめる。
だがそこに、真珠の塔に封印されていた海魔を解き放ったイリューズが襲いかかった。
真相を理解し、オリエに犠牲を強いた自分の過ちをクルトが理解したとき、大地の剣はふたたび彼の手に戻り
海魔もろともイリューズを吹き飛ばす。
海神たちはイリューズに止めを刺そうとしたが、そこに現れたもう一人の使徒タロスがそれを阻む。
イリューズの正体が、双子の海神の喧嘩の巻き添えで一族を殺された小魚であることをタロスは告げた。
己の喧嘩の実害を目の当たりにした双子の海神は、イリューズを殺さず見逃し、大いに反省する。
そんな海神に、クルトは妥協案を出す。それぞれが海の暖流と寒流に乗って海を見まわり
たまに顔を合わせたときだけ、海の住人に迷惑をかけない範囲で喧嘩をすればいい、と。
双子の海神はこのアイデアを受け入れた。しかも、たまにしか会わなくなったせいでかえって仲が良くなり
海流が出会う海域で顔を合わせると、仲良く宴を開くようになった。現在でも、暖流と寒流の出会う海域が
豊かな漁場になるのは、このためであるという。

さて、双子の海神の元を旅立ったクルトたちは、海神の遣わしたクジラに乗って海の旅を続けていた。
そこへ海神の使者が現れ「虹の谷を見つけた」と告げる、だが、二人の使者はそれぞれ別の「谷」を見つけたらしい。
二つの「谷」がそう離れていないらしいと知ったクルトは、とりあえずその方角へ向かうことにした。
262ピグマリオ:05/01/01 14:17:40 ID:???
海神の使者に案内され、まず一方の「谷」を目指したクルトたちは、なんと精霊オリエに出会う。
彼女が一行を導いたのは、蓮の花が咲く池と、大きな虹の掛かる美しい谷。
ここは、精霊が生まれる聖地であると精霊オリエは語る。
この谷で、クルトは精霊オリエの姉、戦いの精霊マルスから「精霊オリエは、お前を愛し始めている」と打ち明けられる。
だが、クルトは自分の精霊オリエに対する感情が、恋愛感情ではないと気付いていた。
彼女の気持ちに答えることはできないクルトは、あえてこの谷を出て去っていく。
もう一方の「虹の谷」に向かうことにしたクルトたちは、その途中銀騎士マリウスと遭遇した。
アスナスから、クルトがここに来ると聞かされて待っていたと言う。
「虹の谷」に長く住む「谷のヌシ」大蟹アブアブ=アズナブールに導かれ、クルトとマリウスは
最初の谷以上に厳重に監視された不気味な谷に入った。溶岩の池に大きな虹が掛かる谷。
そしてここは、妖魔が生まれる谷だった。妖魔はここで生まれ、一度悪神エルゾの世界に連れていかれて
邪悪な心を吹きこまれるのだ。それを知ったクルトの額に、一瞬だが星のような光が浮かぶ。
クルトは、悪神の力が広まるのを止めるために地面を打ち、妖魔の谷を打ち砕くが
その途端、なぜか離れた場所にあった精霊の谷までが崩壊し始めた。
崩れ行く谷と共に、大蟹アブアブは沈んでいき、その直前クルトに「お前はメデューサの息子だ」との言葉を残す。
アブアブの最期の言葉、そして、母ガラティアや“糸紡ぐおばば”の言葉は、どのような関係を持つのか。
マリウスと別れ、オリエとレオンと西へ向かう旅に戻ったクルトは、多くの謎を抱えつつもメデューサの城を目指す。
263ピグマリオ:05/01/01 14:18:11 ID:???
クルトの旅も佳境に入り始めたその頃、妖魔たちの世界で大きな動きが起き始めた。
全ての妖魔の父、悪神エルゾが、正式に後継者としてメデューサを指名したのだ。
だが、その前に片付けるべき禍根としてエルゾはクルトの名前を挙げ「実の子は手にかけられぬか」と責める。
メデューサは苦悩し、その一方で、メデューサの側近として仕えていたマリウスの妹エルザは
クルトがメデューサの実子なら、養子である自分やマリウスの立場が無くなると考え、クルトを憎むようになる。
エルゾはその一方でアスナスの元を訪れ、アスナスが「エルゾの鏡」を集めている事実を指摘。
アスナスに反逆の兆しありとして彼の魔力を取り上げ、人間に変えて追放してしまった。

旅の途中、地の底に住む小人族を助けたクルトは、彼らからメデューサの城へ向かう道について情報を得る。
メデューサ城は、強大な妖魔の三姉弟が創り出す“ゆがめられた西”によって守られており
ただ進んでも、その“ゆがめられた西”にはまって迷うばかりでメデューサ城にはたどり着けないと言うのだ。
クルトは、小人族の守護神…すなわち大地の女神ユリアナの助けを受けて西へ進むことになる。
その際、ユリアナはなぜか少女オリエだけを呼びとめ、彼女に何事かを教えた。
一方、クルトの前には火の神ペレが現れ、クルトに再び「この世で一番美しい女は?」と問うが
今回は、クルトは答えることができず戸惑う。それを見てペレは「なるほど、大地の剣を使いこなせるようになるわけだ」
と笑い、それとは別にレオンにだけ何事かをささやいた。

小人たちの助けを受けて、“ゆがめられた西”を生む迷いの霧を抜けたクルトたちが見たものは
空に浮く巨大な城塞。西を守る「キメラ三姉弟」の末弟、ギャルガ王の城であった。
姉のキメラを敬愛するギャルガは、クルトの接近を知り、姉を煩わせることなくひとりでクルトを討とうと決心する。
だが、オリエの魔法で姿を隠し、空中城塞に忍び込んだクルトは、迷いの霧を作っている呪術師の部屋にたどり着き
それと知らず呪術師を倒す。これによって迷いの霧が消え、霧の中に閉じ込められていた
メデューサ討伐を願う各国の軍隊や戦士たちが、西に向かって正しく歩み始めた。
264ピグマリオ:05/01/01 14:18:41 ID:???
空中城塞に詰める妖魔軍と、迷いの霧から解き放たれた人間の戦士たちが戦い始めた。
その中で、姉のために手柄首を求めるギャルガは、単身クルトの前に立ち、クルトを倒そうとする。
クルトはそれに立ち向かうが、倒しても倒してもギャルガは影のように復活し、手応えを感じさせない。
一方的に手傷を受け、ついに倒れるかと思ったそのとき、クルトの額にふたたび星が輝き始めた。
同時に、守護像の二つ目の力が解放され、天から星が弾丸のように空中城塞に降り注ぐ。
それによってギャルガの正体も暴かれた。城塞に偽装された巨大な昆虫、それがギャルガの本体だったのだ。
最後に降り注いだ巨大な星によって、ギャルガは打ち砕かれ死亡する。
異変に気付いて、地上に降りてきた精霊オリエが見たのは、精霊像の攻撃に巻き込まれそうになったオリエとレオンを
庇って傷付いたクルトの姿と、勝利したクルトに、次の城へのヒントを与えるギャルガの亡霊だった。
ふたりのオリエはクルトを助けようとするが、クルトの傷は深い。助ける方法を模索するうちに
少女オリエは、以前食べた「夢の実」で一時的にクルトを大人にすれば、体力がついて助かるのではと提案。
精霊オリエが、レオンと共に夢の実を採りに行くが、夢の実がある村はとても遠い。
この窮地を救ったのは、意外にもクルトの様子を探っていた使徒イリューズとタロスだった。
この近くに夢の実があると知っていたイリューズは、こっそりと夢の実を少女オリエに届け
「クルトがこのまま死ねば好都合だろう」と言っていたタロスも、なんとなくそれを黙認してしまう。
夢の実によって大人の体になったクルトを、少女オリエは自分も夢の実を食べて大人になり
自分の体温でクルトの体を温め、辛うじてクルトを回復させることに成功した。
誰が助け舟を出してくれたのか知らぬまま、精霊オリエは天界に戻り
クルトとオリエは、ギャルガの遺したヒントを元に、さらなる西に向かって歩み始めた。
265ピグマリオ:05/01/01 14:19:13 ID:???
その頃、人間にされたアスナスは、放浪の果てにとある村にたどり着き、リシェンヌという少女に救われる。
衰弱していたアスナスを看病し、その無理がたたって倒れてしまったリシェンヌのために
日雇いの鉱夫として働くアスナス。苦しい生活の中で、彼は今まで気付かなかった人間の側面を学んでいく。
そんな彼を救ったのは、マリウスだった。アスナスの苦境を知ったマリウスは、母を頼らぬという信条を曲げて
メデューサにアスナスを助けてくれるよう嘆願。メデューサは自ら人間界のアスナスの元を訪れ
彼の妖力を元に戻した。
ふたたび強大な妖魔となったアスナスは、リシェンヌの元に戻り、妖力で彼女の病を取り除く。
借りを返して去ろうとするアスナスに、リシェンヌは自分も一緒に連れていってほしいと申し出た。
アスナスはそれを聞き届け、リシェンヌはアスナスの城で働くことになる。

アスナスの元を去ったメデューサは、マリウスに報告するため彼を探しているうちに
偶然、ひとりで散策していたクルトと出くわしす。
クルトはメデューサの正体に気付かず、メデューサもクルトに正体を打ち明けるわけも無く
共に歩いているうちに、クルトは我知らず自分の母に対する思いをメデューサに打ち明け
メデューサも、息子が自分の手元にいない不安を口に上らせる。不倶戴天の敵同士のはずの二人は
いつしか、本物の親子のように抱きしめ合っていた。
眠ってしまったクルトを後に残し、メデューサは何事か思いついた様子で去っていく。

一夜開けて旅を再開し、ヒントにしたがって第二の城、二人目の将ネイアスの城にたどり着いたクルト。
だが、そこで彼が見たのは、城中の妖魔が石化し、沈黙している風景だった。
メデューサは、ネイアスの城の住人をことごとく石化してしまうことで、次の城へのヒントを絶ってしまったのだ。
266ピグマリオ:05/01/01 14:19:43 ID:???
第二の城の城主ネイアスは、城の住人を見捨ててひとりで逃亡していた。
彼は長姉のキメラを頼るが、キメラは城を捨てたネイアスを軟弱ものと罵り、追い出した。
ネイアスはキメラを恨み、彼女が城内に封印していた怪獣ザムザを奪って逃走する。

そのころ、ネイアスの城で立ち往生していたクルトは、以前に小人から貰った魔法の指輪で、この地方の小人族を呼び
隠された抜け道から、第三の城へ向かう道に入る。
その途中、クルトに一つの別れが訪れる。キメラ城へ向かう街道の途中に、竜族の住む“竜の谷”があり
レオンが、その谷から流出した竜王の卵であったことが判明したのだ。
クルトと別れがたいレオンをあえて振りきり、クルトは彼を竜の谷に残して旅を続ける。
友のためとはいえ、辛い別れを経験し落ちこむクルトを、卑劣なるネイアスの罠が待ち構えていた。
街道筋の村人に、怪獣ザムザの生んだ卵を寄生させ、怪物化してクルトを奇襲させるネイアス。
ザムザをけしかけ、クルトの苦戦を高みの見物と目論むネイアスだが、オリエはネイアスの存在に気付き
ネイアスに一騎討ちを挑んだ。相手を見下していたネイアスは、オリエの渾身の一撃で致命傷を負う。
だが死ぬ間際、苦し紛れのネイアスの一撃が、オリエに致死の猛毒を打ち込んだ。
毒を打ち消せる薬は、第三の城キメラ城に住むキメラが持っていると告げ、ネイアスは消える。
毒が回って死ぬ前に、キメラ城を落とし薬を手に入れなければならない。駆け付けた精霊オリエの力によって
一時的に少女オリエは封印されるが、猶予は1日だけ。翌日の夜明けまでに薬を手に入れねば少女オリエは死ぬ。
あまりに無謀な戦いに、クルトは挑まねばならなくなった。
267ピグマリオ:05/01/01 14:20:13 ID:???
メデューサ城を守る最後の城、キメラ城に挑むクルト。今や唯一残った旅の友、ギルガドールと共に
クルトはキメラ城に乗りこんで大暴れするが、迷宮化された城に苦戦する。
そこに現れたのは、ネイアスの指揮を失って暴走する怪獣ザムザだった。元々キメラ城生まれのザムザは
帰巣本能にまかせて、迷宮を食い破りキメラ城の本丸に向かう。それに気付いたキメラはザムザを殺すが
一足違いで、キメラ城の本丸は暴かれ、クルトはそこに突撃した。
城の危機を知って、キメラは本来の姿、人面獣身のスフィンクスの姿になってクルトに挑む。
戦いの中、ギルガドールは力尽きて倒れ、クルトも追い詰められる。そのとき、地平の彼方から
幾つもの巨大な人影が近付いてきた。守護像の最後の力が呼び出した「アガナードの黄金兵」の軍勢である。
思いがけぬ援軍と、オリエを救わねばならぬ決心に後押しされ、ついにクルトはキメラを倒した。
死ぬ間際、亡霊となったキメラは乞われるままにクルトに「薬」を手渡す。
だが、その「薬」の正体は、メデューサの黒い血であった。口にすれば、いかなる生き物も
妖魔としての新たな命を得て蘇るという、闇に生きる者たち垂涎の至宝。それがネイアスの毒の唯一の治療法。
もちろん、これを使うということは、人間としてのオリエが死に、メデューサの下僕たる妖魔になることを意味する。
ここに至って、クルトは自分が少女オリエを誰より愛していることに気付き、たとえ妖魔になっても生きていてほしいと
黒い血を飲むように嘆願する。しかし、オリエはそれを拒んだ。
彼女は、女神ユリアナから告げられていた。このままクルトと旅を続ければ、間もなく自分は死ぬという運命を。
その上で彼女はこの道を選び、クルトを愛する人間の少女のままで死ぬことを決めたのだ。
彼女の決断をクルトもついに受け入れる。オリエは息を引き取り、クルトは黒い血を使うことなく捨てた。
偶然、その場に居合わせることになった銀騎士マリウスは、かつてメデューサが妹エルザを蘇生させたことを
思い出し、その真相をメデューサとエルザに直接問うべく、これまでの信念を曲げてメデューサ城を目指した。
そして、クルトも歩み始める。旅の友を全て失い、ただ一人メデューサ城へと。
268ピグマリオ:05/01/01 14:20:42 ID:???
キメラ城に残されていた門を通じ、ついにクルトはメデューサ城にたどり着いた。
自分と同じくメデューサを倒しに来たという魔法使いの少年、ジャジャと行き会った彼は、共に城へと乗りこむ。
そのころ、魔界も人間界も大きな変化が起きていた。メデューサ城の奥では
メデューサがついに悪神の座を受け継ぐべく、瞑想の儀式に入り、一方人間界では
メデューサ城を守る“ゆがめられた西”がすべて砕かれたことで、各国がメデューサ討伐に立ち上がる。
使徒を含めた妖魔たちが人間の軍勢に相対するが、その人間たちに、ついに決起した竜族や
火の神ペレ、海神ポセイドンとネプチューンなど、クルトを知る神を皮切りとして全ての神々が力を貸し始める。
今や、人間界全てが妖魔と戦うべく集い、その中で、メデューサと戦いつづけてきた少年クルトの名は
高く掲げられ「皇子クルトの元に集え」という言葉が、国や民族を超えた旗印として叫ばれていた。

人間たちと戦うため、使徒のほとんどが出向いて閑散となったメデューサ城でクルトを迎え撃ったのは
鎧に身を固めたエルザ。メデューサの実子と呼ばれるクルトに敵愾心を燃やす彼女は
クルトの前で巨大な妖魔の姿に変身した。やはり彼女も、黒い血によって妖魔と化していたのだ。
その変身を見てしまったマリウスは、ショックで逃げるようにメデューサ城を去り、エルザも妖魔の姿を
兄に見られたことを恥じて戦いを止め、逃げ出してしまう。
続いてクルトの前に立ったのは、もはや後が無いイリューズとタロスの二人。
タロスは捨て身でクルトを抑え込み、自分もろともクルトを殺せとイリューズに告げるが、イリューズは
それをためらってしまい、ジャジャの魔術に討たれた。そしてタロスも、クルトの剣に倒れる。
もはや自分たちが助からぬことを知り、タロスはクルトに、メデューサの所在を教えた。
イリューズが死に、その正体である小さな魚に戻ると。それを見届けるのを待っていたように
タロスも死ぬ。後に残ったのは一匹のカブトガニ。小さな美しい魚に恋焦がれ、彼女のために
力を欲したタロスの、それが正体であった。
269ピグマリオ:05/01/01 14:21:13 ID:???
その頃、苦悩するマリウスはいつしか天界に迷い込み、アガナード神の前に引き出される。
妹を元に戻す方法は無いかとマリウスは問うが、仮に妖魔から人間に戻しても、死を打ち消すことはできず
本来の死者が残るのみと告げられる。ただ、来世でも兄妹として生まれ変われるよう取り計らうという
アガナードの約定を慰めとして、今一度エルザと話し合うため、マリウスはメデューサ城に引き返す。
その際、精霊オリエはマリウスと共に、クルトのいるメデューサ城へ向かうことを欲した。
精霊が人間を愛することは禁忌、クルトの母ガラティアは例外中の例外。それを知った上で
オリエははっきりと、自分がクルトを愛していると告白する。他の精霊たちもオリエを応援し始めた。
もはや、世界の動きはここ天界をも揺るがしているとアガナードは気付き、オリエの出陣を黙認する。

メデューサ城に舞い戻ったマリウスは、クルトを再び襲撃しようとするエルザと向かい合う。
兄さまも黒い血を飲んで妖魔になり、この城に住めばいい、メデューサの子が妖魔なのは当然と語るエルザの言葉を
どうしても受け入れられないマリウス。業を煮やしたエルザは妖魔の姿に変わり
無理やりにでも黒い血を飲ませてやると、涙を流しながらマリウスに襲いかかった。
妖魔エルザの巨体に打ちのめされ重傷を負うマリウス。だが、最後の一合で、マリウスの渾身の剣が
エルザの胸を貫いた。エルザが倒れると、後に残ったのは子供の頃のままの小さなエルザの屍。
エルザの蘇生は、やはりまやかしでしかなかったとマリウスは慟哭する。

一方、オリエの前にはアスナスが現れ、オリエに協力を持ちかける。
アスナスは、大広間にある巨大なハープ「ゴーゴンの指輪」を示し、これがメデューサの切り札だと告げる。
このハープは黄泉のそこにまで通じ、メデューサの使徒が集めてきた負の想念を集めて醸成し
悪のエキス…メデューサの黒い血を生み出すのだ。これによってメデューサは新たな妖魔を次々生み出し
また、自分の体にも常に黒い血が注がれることで、メデューサは不死身の強大な妖魔でいられる。
そして、アスナスいわく、これを壊せる可能性があるのは精霊オリエだけなのだ。
270ピグマリオ:05/01/01 14:21:44 ID:???
ここでアスナスは、善神と悪神、精霊と妖魔にまつわるある秘密を打ち明ける。
精霊と妖魔は、一対の「虹の谷」を通して、常に同じ数になるよう生まれるように調整されている。
善と悪の力がまともにぶつかり合えばとてつもない対消滅を起こすため、一方だけが勢力を増さぬよう
二柱の神アガナードとエルゾの間で密約が交わされ、勢力のバランスがとられているのだ。
だが、悪神エルゾは野心を抱き、娘メデューサを通じて「黒い血」を生み出し、虹の谷を介さず妖魔を増やし始めた。
このままメデューサが新たな悪の神となれば、悪の圧倒的優位が固定されてしまうのだ。
それを止めるため、アスナスは一つの策を授ける。中立の「白い力」を持つ精霊オリエが「ゴーゴンの指輪」に入り
黄泉の底に降りて精霊の力で「指輪」の中枢を破壊する。精霊がエルゾの領域では力を使えないと言うのは嘘だ。
善悪の激突による対消滅で爆死するのを防ぐため、無意識に力を制限してしまうだけなのだ。
己の死さえ覚悟すれば、とてつもない力でメデューサの力の源を粉砕することができる、と…。
オリエはこの策に乗った。相手は妖魔アスナスだが、彼が人間に引かれ、変化していることに気付いたから。
彼女はアスナスの手引きによって黄泉の底に降り、「ゴーゴンの指輪」の中枢たる大妖魔を道連れに爆死する。
クルトの助けになれたのだから悔いは無い、と消え行こうとする彼女の魂を、女神ユリアナの放った
一欠けらの水晶が受けとめる。それは、ユリアナが留めていた少女オリエの魂だった。
彼女たちは一つに結びつき、黄泉の底へと消えていく。

メデューサ城の最深部、メデューサが神となるための瞑想を続ける場に、エルザの屍を抱えたマリウスが現れる。
自分は人であることを誇り、人のまま死ぬ、とメデューサに討ちかかるマリウスを石に変え、砕くメデューサ。
だが、マリウスを砕きながらメデューサは泣く。母親としての彼女も決していつわりではなかった。
そしてメデューサは、エルゾ神をあえて無視して瞑想を中断し、唯一最大の懸案、クルトの存在に
自らの手で決着をつけるべく動き出す。
271ピグマリオ:05/01/01 14:22:18 ID:???
最後の戦いが始まった。あえて神となる儀式を中断し、姿を現したメデューサと妖魔の軍勢に対し
クルトの元には、各国から集った人間や竜の連合軍が味方する。
そして、思いがけぬ再会。魔法使いの少年ジャジャの正体は、成竜となって人間変身の術を得たレオンであり
また、彼によって蘇生したギルガドールもレオンと共に戦列に加わる。
自らの城を砕き、味方の妖魔を巻き添えにすることもいとわず暴れるメデューサに対して
クルトは、自分とレオン、ギルガドールの3名のみで、メデューサと決闘することを申し入れた。
メデューサはこれを受け入れ、妖魔も人間も外へ吹き飛ばし、選ばれたメンバーのみの対決に入る。

そのころ、悪神エルゾの元には、アスナスが現れ勝負を挑んでいた。
悪神の後継者の器を持ちながら、他者に与えられる地位を嫌い、独自に力を蓄えていたアスナスは
計画をことごとく破られ、エルゾが動揺した隙を突いて彼の懐に潜りこんだのだ。
だが、彼の力も今1歩エルゾには及ばず、打ち倒され力尽きるアスナス。そのとき彼は、自らの腹を裂き
自分に埋め込まれていた「エルゾの鏡」のかけらを解き放つ。
飛び出したかけらは、クルトの元に集まり、鏡にも盾にも似た巨大な結晶と化した。これこそ「エルゾの鏡」。
エルゾの鏡を突き付けられたメデューサは、力を奪われ縮み始める。
彼女に無限の力を与えていた「ゴーゴンの指輪」もすでになく、メデューサは着実に追い詰められていた。

時を同じくして、神々の間にも戦慄が走る。これまでけして動かなかったアガナードの「天界」が動いたのだ。
そして、神々の間で「ピグマリオ」の名がささやかれだす。それは、新たな時代を創る「創世王」。
激動する原初の自然を治める存在だった「神々」に代わり、人間の時代の到来を告げる存在。
クルトを良く知る火の神ペレは、クルトこそピグマリオと確信し、神々を取りまとめてクルトを支援しようと考えていた。
272ピグマリオ:05/01/01 14:22:48 ID:???
天界の進撃を前に、アガナードはかつて一度バッコスが開いてしまった封印を改めて解き放った。
そこから飛び出した光球は、メデューサに石にされ、肉体からはじき出されたところを保護されていた魂。
消え行く天界と心中させるわけにも行かず、アガナードはこれらの魂を解放したのだ。
だが、アガナードはその魂の中に、クルトの母ガラティアの魂がないのに気付く。以前封印が解かれたとき
捕まらずに下界に下りていった一つの光球こそガラティアの魂だったのだ。
だが全ては過ぎたこと。今はアガナードは、エルゾとの激突に全力を注ぐ。
自爆覚悟で進む天界のアガナードと精霊たち、全妖魔を盾に生き残りを図るエルゾ。
そして、ついに動いた大地の女神ユリアナ。この星(世界)の意志として、善悪の戦いを見届ける役目の彼女は
善悪両神の激突に供え、大地とその地に住む民を守るべく動いたのだ。
そして、二つの力は激突。全ては消滅し、巨大な爆発となって地を揺るがす。

両神の消滅は、クルトとメデューサの決闘にも影響した。エルゾの死によってエルゾの鏡は消滅し
メデューサは力を取り戻す。エルゾの被造物である自分が消滅せずに力を誇り存在しつづけているのは
今や自分が新たな神となったからだ、と誇るメデューサ。
そして彼女は告げる。自分とガラティア、そしてクルトに繋がる因縁を。彼女とガラティアは
本来、創世王ピグマリオを生むための存在、ひとりの女性「母なる人」であった。
ピグマリオの存在が神々の時代の終わり、神々の消滅を意味すると知るエルゾによって「母なる人」が暗殺されたとき
その魂は二つの星となって降り、一方は精霊ガラティアに、もう一方は妖女メデューサに転生した。
二者はやがて出会い、自分たちの出自を知るが、精霊も妖魔も、自分で子を生むことはできない。
同じ喪失感を持つ二人は友となるはずだった。だが、ガラティアはクルトの父との恋を経て人間となり
皇子クルトを出産。それを知ったメデューサは、自分だけ母となる喜びを知ったガラティアを憎み、石に変えた。
だが、彼女はクルトを殺すことだけはできなかった。あるいは自分が生むかもしれなかった赤子を前に
彼女は、クルトを殺さず、今日この日の戦いを招いてしまったのだ。
273ピグマリオ:05/01/01 14:23:22 ID:???
メデューサは、ガラティアの石像をこの場に呼び寄せる。石像を守るアガナードの加護もすでになく
石像はメデューサの手で砕かれてしまう。だがクルトは泣かない。今や彼が背負うものは個人の因縁だけでなく
全世界の希望なのだから。そのとき、今までもたびたび輝いていた彼の額の星──王の星がひときわ強く輝き
その光が世界全ての人と神々の目に届く。ピグマリオとして覚醒した彼の元に、神々の力が注がれた。
体はメデューサと比肩するほど巨大化し、その体はガラティアの守護像が変じた黄金の鎧に包まれる。
左手には、少女オリエの祈りが込められた水晶の手甲、右手には今や創世王の剣と化した大地の剣。
もはやメデューサの魔力もクルトには通じず、クルトの勝利は目前。だがクルトは「母の半身」を殺すことをためらう。
だが、そのクルトを叱咤したのは他ならぬメデューサだった。
「私を倒せ、クルト。母を慕い、母を思いやるも子の運命、しかし乗り越えねばならぬ母の存在もあると知れい!
 戦わねばお前は子供のままだ、母に呑みこまれて生きる者に王たる資格はない!
 ガラティアがお前の光の母なら、私はお前の闇の母…私の命を取って、王たる証を見せてみよ!
 この戦いの意味がわかるなら……母を倒して見せよ!!」
その言葉に奮起したクルトは、創世王の剣でメデューサを貫く。ついにメデューサは致命傷を負った。
その傷から流れ出たのは、妖魔の黒い血ではなく、人間の赤い血。それを見てクルトは気付く。
メデューサがエルゾの死後も存在しつづけたのは、彼女が神になったからではない。
グリーンノアの国王と恋をしたとき以来、彼女は限りなく妖魔から人間に近付いていたのだ。
ガラティアと違い人間との恋を拒んだ臆病さ、マリウスとエルザを我が子として愛しつつ、それを口に出せぬかたくなさ。
敗因が己のうちにあったことを認めて、メデューサは消滅する。
274ピグマリオ:05/01/01 14:24:00 ID:???
戦いは終わった。メデューサに石にされた人々は元に戻ったが、ガラティアは石と化した肉体を砕かれ
またその魂も、ずっと以前に人間界にさまよい出て、今は寄る辺なく消滅してしまったはず。
もう母と会うことはできないのだ…落ちこむクルトの前に、やはり人に引かれることで人間として生き延びていた
アスナスが現れ、自分が所有していたガラティア像のレプリカをせめてもの形見として譲ろうと申し出る。
だがそのとき、ただの石像のはずのアスナス城の像が、ゆっくりの生身の姿に戻り始める。
彫刻師バッコスが全身全霊を込めて彫った石像は、本物の肉体に代わって魂の座となりうるほどの
完成度を有していたのだ。そしてクルトの前で、ガラティアは人間に戻り、クルトを抱きしめた。
最後に、女神ユリアナはクルトに一つの贈り物を渡す。それは、生身で黄泉に入り込む権利。
黄泉の旅路は本来なら辛いものになるはずだったが、精霊オリエの死ぬ間際の力によって
花に満たされていた静かな黄泉の世界で、クルトはすぐに少女オリエを見出す。
そしてクルトは、黄泉から連れ出したオリエと共にルーンの国に帰還した。
以後、成長して王となったクルトは、神々なき時代を導く創世王ピグマリオとして世界を導くことになった。
その傍らには、常に美しい王妃と、友なる竜がいたと伝承は伝えている。
彼らの物語は長く語り継がれ、その正確な形が忘れ去られた現代にあっても、断片的に記憶されているのだ。
石像の乙女に恋した王が、女神の力で人間になった石像の乙女と結ばれるギリシャ神話の
「ピュグマリオン伝説」もまた、その一つである……。

エピローグには、パラレルワールドとしての「もうひとつのピグマリオ」が収録されている。
アスナス、メデューサ、ガラティア、オリエの四兄妹が人間である世界。メデューサはグリーンノア王に嫁いで
二人の子をもうけ(もちろん子供の名前はマリウスとエルザだ)、ゆえになんの確執も災いもない世界。
このエピソードで、少女オリエがルーンの国出身であり、生まれたそのときからクルトのそばにいたという
裏設定が開かされている。
275マロン名無しさん:05/01/01 14:29:38 ID:???
「ピグマリオ」以上にて完結。
原作は1978年から90年まで、「花とゆめ」誌にて中断と再開を繰り返しつつ連載されました。
白泉社からのコミックス単行本全27巻は現在絶版となり
現在はメディアファクトリーから愛蔵版全12巻として発売されています。
276マロン名無しさん:05/01/01 15:54:28 ID:???
乙! エエ話やん。ハッピーエンドで。
277東京クレイジーパラダイス 1/5:05/01/01 17:28:14 ID:???
結構長いので概要をざっと。
                          
東京クレイジーパラダイス
全19巻 花とゆめ 仲村佳樹

紅月司(こうづき・つかさ):主人公14歳。犯罪から危険回避すべく男として育てられたが実は女しかも巨乳。
              警察官の息子(娘?)であり4人兄弟の3番目。バトルキング。熱い女。
白神竜二(しろがみ・りゅうじ):関東の大ヤクザ九龍組の3代目組長。14歳。冷静で超無表情。エロオヤジ臭い。
守門朝来(すもん・あさご):九龍組分家の一つ銀竜会の守門組組長の娘。竜二の許嫁。キツい性格。
カモさん:本名鴨島。竜二の側近であり育ての親。子煩悩。
伝説の聖妻:ヤクザの世界で伝説の存在となっている、戦いの女神と称される女。
      宝豪組(ほごう)というヤクザの第二夫人。故人。
東京:狂都市。犯罪だらけ。

ヤクザ同士の抗争で警察官だった両親を亡くした司達。
路頭に迷った司は、幼なじみであるが親の職業上犬猿の仲であるヤクザの竜二にたかることにする。
丁度その頃、竜二も親父である先代組長を暗殺され犯人を捜していた。
司は竜二のボディガードになり、犯人を捕まえることになる。
側にいるうちに徐々に交流を深める二人。
司は竜二の不器用な生き方を理解するようになり、竜二は司の真っ直ぐな生き方に憧れていた。
さらに竜二は幼い頃から司が女であることも知っており彼女に惚れていたようだ。
結局司と竜二の親殺しは同一の犯人であることが分かる。
犯人は九龍組の対抗組織である氷崎組と、九龍組の分家の一つであった。
司の活躍により犯人達を捕らえ事件は解決するが、竜二の家で飲み食いしまくった司の兄弟達は
借金をこさえており、借金返済すべく竜二は司にボディガードを継続させる。
ここから二人の長い付き合いが始まった。
278東京クレイジーパラダイス 2/5:05/01/01 17:31:16 ID:???
その後、司を手放したくない竜二は借金を次から次へと増大させ、司は生活苦に喘ぎつつ竜二のガードを勤める。
(この後、各章ごとにライバル組織、人身売買組織、闇格闘組織など九龍組絡みの戦いが展開される)
司は竜二の借金攻撃に怒りつつも、竜二が自分の前以外では心を許さず組長の顔しかしないことに気づいていた。
そして組長として誇り高く筋を通す竜二に対し信頼感を抱くようになっていき、二人は友人だと自負するようになる。

一方、竜二の許嫁で、九龍組の聖妻候補である朝来は、ある事件で司が女であることを知る。
彼女は竜二が司に好意を寄せていることも感じ取り、竜二から司を引き離すよう躍起になる。
朝来が自分と竜二の仲を疑っているために、竜二との友情がうまくいかないと知った司は、
朝来に対しタンカを切り、竜二とは一生友達の誓いを立て、朝来は司と竜二が仲直りすることを許す。
しかしその直後、仲直りが嬉しくて本音全開の笑顔を見せた竜二に、友達宣言をしたはずの司はときめいてしまう。
それから司は事あるごとに竜二を意識してしまい、朝来と竜二の婚約発表も素直に喜べなかった。

そんな恋愛模様混線の中、九竜組は坂祝組(さかほぎぐみ)という別のヤクザの抗争に巻き込まれる。
坂祝組の組長の息子が、ある日ヤクを戯れに盗んだところとんでもない代物だったらしく、
坂祝の組員が何者かに次々と消されるようになっていったのだ。
ヤバイと思った坂祝組長は、関東最大のヤクザ九龍組の傘下に入ることを頼んできた。
しかし密会していた竜二と坂祝組長は、そのヤクで超人となったジャンキーに歯が立たず攫われてしまう。
朝来と司は組員を率いて助けにいくが、朝来はジャンキーに右腕を切り落とされてしまった。

右腕を失った朝来は人工義手を付けるが、聖妻に相応しくないと他の分家に追いつめられる。
聖妻を賭けて勝負するが、思うようにいかず半ノイローゼ。そんな時に、人に弱みをみせず
息もつけない戦いをする竜二を、司は癒したいと思うようになりとうとう自分の想いに気づく。
司は敢えて朝来にそのことを告白することで彼女の闘争心を煽り、朝来は聖妻候補に返り咲いた。
しかし司の気持ちを知った朝来は司に、もし竜二に手を出したら兄弟を殺すと脅すようになる。
279東京クレイジーパラダイス 3/5:05/01/01 17:35:11 ID:???
その後何もない風に振る舞っていたものの、アクシデントで司は竜二に自分の想いを知られてしまう。
しかし竜二は司の気持ちと組の安泰のことを考え、何もないこととして耐えて処理することにした。
一方、朝来の方は完璧な聖妻を目指す自分自身に追いつめられ、考えすぎて日に日に憔悴していく。

3者3様にギリギリである状況の中、竜二と朝来の婚約披露が行われる。
司の変化を敏感に感じ取るカモさんは、司に竜二の第二夫人にならないかと持ちかけるが当然拒否。
しかし竜二は司にキスしてしまい、均衡は崩れる。司は竜二の元を去った。

彷徨う司は、街で例のヤクに関する情報を得て、警察で友人のアキラに協力してある島に潜り込む。
また、竜二の方もヤクの情報を得て、別ルートでその島に入り込んでいた。
そこで竜二達はヤクの元締めこと黒幕に襲われ、銃撃戦が展開されるが、
朝来は竜二が自分を妹として見ていたことに気づき、ショックで戦えなくなってしまう。
そして戦えない朝来をかばい、竜二は銃弾に倒れた。
竜二が撃たれたのを見た司はマジギレで態度豹変、鬼のような強さを披露する。
その鬼神のごとき姿にヤクの黒幕・シバはかつての伝説の聖妻・若桜(わかさ)をダブらせる。
過去に若桜と絡みがあったらしいシバは、今後司をストーキングするようになる。

竜二は一時的に植物状態となるが、司は今後竜二の側を離れず守り抜くことを誓う。
シバは手下を使い司を攫わせ竜二を殺そうと画策するが、ピンチにおいて竜二は目覚めた。
シバは司が紅月の家族ではないことをバラし、ではまたと去っていった。
司の兄・託間(たくま)は真実を話し、司が伝説の聖妻・若桜から託された子供であることを告げる。
さらに若桜は、ヤクとその中和剤の隠し場所に通じる「鍵」を司に隠していた。
かくしてシバの率いる牙流会(がりゅうかい)との「鍵」を巡る戦いが始まった。
280東京クレイジーパラダイス 4/5:05/01/01 17:36:55 ID:???
牙流会は目障りな存在を潰すため、ヤクを一般人にばらまき九龍組を襲わせる。
カタギには手を出さないという竜二のポリシーの元、九龍組は甚大な被害を受けた。
司は傷ついた竜二を癒し、その姿にカモさんは司が九龍組の聖妻として相応しいことを確信する。

その頃、朝来は自分のせいで竜二が撃たれたため茫然自失、病院から抜け出し自殺場所を求め彷徨っていた。
しかしそこで不良警官・宗方に出会い、初めて自分自身を認めてもらうことで解放される。
ふっきれた朝来は、聖妻候補からは外されるが前向きに進み出し、宗方に好意を抱くようになる。

とうとう牙流会との全面戦争が始まり、竜二は決戦の場の国際空港へと向かう。
しかしそこではヤク漬けとなった一般人が戦闘態勢で待ち受けていた。
司はシバの狙いが自分であることを知り、自分と一般人を引き替えにして戦闘を回避。
竜二とキスを交わし、シバの元へと下った。(今後竜二はホモ組長と噂される)
その後潜入した竜二と宗方、朝来達により司は奪還、シバも九龍組へと捕縛することに成功した。

しかしシバの仲間は牙流会の人間兵器を持ち出し、九龍組を壊滅させようと仕掛けてきた。
牙流会の最終目的は、例のヤクを使い全身武器で超人となった人間兵器を作り上げることだったのである。
5体の人間兵器と九龍組は激しく戦うが、圧倒的な力を持った彼らの前に苦戦しまくる。
司は組員を率い、人間兵器と戦うことで己の力量を組員や果ては朝来にまで認めさせていく。
そして竜二と共に戦い抜くことを誓い、生涯の約束(に似たようなもの)を交わす。
竜二の幸福でアタマ一杯のカモさんは、そんな二人の姿を見て竜二の将来を安堵するのだった。
281東京クレイジーパラダイス 5/5:05/01/01 17:41:36 ID:???
激化する戦いの中、竜二の不安は空しく適中し、カモさんは竜二を庇って死亡する。
親同然のカモさんを無くした竜二は組員の前では普通に振る舞うが、
司はそんな竜二に自分の前では本音を見せるよう慰め、竜二はカモさんを想い涙を見せた。

最後の人間兵器・フライアと司は一騎打ちで戦い、胸丸出しとなった司は皆に性別バレまくる。
また、組員達は鬼神のごとき司の姿に、伝説の聖妻の姿を投影する。
司はボロボロになりながらも勝利し、戦いは九龍組の辛勝で幕を閉じた。

戦いの中で傷ついた宗方を庇い脱出した朝来は、宗方に告白し二人は付き合い出す。ハッピーライフ朝来。

ラスト、九龍組から警察へ「鍵」の受け渡しの時、潜伏していたシバが騒ぎを起こし鍵を持って逃走。
追いかけた司はシバの復讐満ち満ちの過去を聞く。
宝豪組の次男だが病弱だったシバは、跡目の兄の影に隠れて人生を送っていた。
さらに若桜まで兄に奪われたシバは、復讐を果たすため敵対組織の牙流会に入り、兄と宝豪を壊滅させた。
最後は若桜とシバは刺しちがえ、若桜は死んだ。シバは別人の脳にコピーされ今まで生き続けてきたのだという。
司はシバに、若桜から鍵とともに託されていたメッセージを見せた。
それは、若桜がシバを最後まで愛していたという画像だった。それを見たシバは憑き物が落ちたかのようになる。
そしてコピーされた自分を消し体を元の持ち主に返すといって、「鍵」を司に返し去っていった。

全て事件は解決し、司は組員に「若桜の娘」ではなく「紅月司」として認められていることを知る。
(ここでほぼ司が「聖妻」を受け入れたも同然の状態と思われる)聖妻でもま、いっかーみたいな司。
しかしカタギの兄弟と別離することを恐れる司の心境を見抜いた竜二は、司の家族に前もって話に行き
(殆どお嬢さんを下さい状態と思われる)、兄の託間は建前ダメ本音ヨシのような台詞を述べる。

二人ずっと一緒に生きていこう、というノリで終り。
                                       終了

282クレパラ書いたヤシ:05/01/01 17:43:46 ID:???
すんまそんどこに重きをおいて書いたらいいかわからなかった。読みにくくてスマソ。
283男の華園:05/01/01 18:50:25 ID:???
男の華園
希望大学に受かった麻生縁は文芸部に入部し小説を書きまくるオタク生活を
夢見ていたが、すごい反射神経を発揮している所を好きな女の子・雪野の兄・渚とその仲間、
梓、汐里、円、愛に目撃され、渚の脅しにより男子新体操部に入部することになってしまう。
最初は相当に嫌がっていた縁だが、合宿、正月、バイト、学祭などの青春なイベントに参加したり、
ホモ哲やそのシンパにつきまとわれるなど暑苦しくも楽しい学生生活をすごし、新体操への意欲も
次第に強くなっていった。雪野への告白も3年目の冬にしてやっと成功する。

しかし、永遠に賑やかな生活が続くはずもなく、先輩達の卒業の時期がやってきた。
渚は函館で教師になり、梓は実家の果樹園を継ぐ。
汐里は卒業目前でバイト先のカウンター嬢と駆け落ちし、円は同じくバイト先の未亡人を追って
彼女の実家の近くに住む。愛は九州の研究室に就職する。
男子新体操部は縁独りになってしまったので近くの大学に出張って練習する。
体操も小説もへぼいままだけど、まだ両方とも続けている。雪野とも仲良くやっている。

でも、時々部屋を出ようとするとき、去年まで自分の部屋を我が物のように荒らしまわっていた
先輩達の残像が見えるようで、縁はまるで楽園のようだった3年間を思い出したりする。
284マロン名無しさん:05/01/01 19:56:38 ID:???
皆さん、新年から乙乙乙。
白泉社作品オンパレードですね。
ピグマリオは長くて立ち読みできなかったのでここであらすじわかって嬉しい。
ローラン城に戻ったジャガンは、異魔神にアステアのこととロトの語ったオメガルーラのことを報告。
しかし命令を無視し、アルスとの単独決戦に向かったジャガンは謹慎される。
悔しさに涙を浮かべるジャガン。

ジャガンが去った後は、ジパングも落ち着きを取り戻していた。
キラは祭りの時に言えなかった想いをヤオに告げようとするが、ヤオはそれを止める。
今はアルスと一緒に魔王軍と戦うことしか考えられない、と。
「魔王軍を倒して世界が平和になったその時は…」と言うヤオに、キラは言葉を続けられなかった。

一方アステアは、ラダトーム城から持ち出した闇のオーブを、
一刻も早く地上の聖域に安置しなくてはならなかった。
闇のオーブには異魔神の肉体が封印されており、肉体が再生すれば、
オメガルーラで宇宙の彼方に飛ばされた異魔神の魂の受け皿となってしまうのだ。
(※現在の異魔神は実体がないため、念像投影器を使って現れている)
闇のオーブは聖なる守りの加護がなくなってきている。
それを聞いたアルスは、アステアと共に聖域へ行くことに。
ずっと一人で戦っていたアステアは、誰かを頼ることには慣れていなかった。

冒険者の集まるアリアハンで、聖域に行ったことのある者を探し、
移転魔法ルーラで一気に飛んでいこうとするアルスとアステア。
幸いにも、チノンばあさんが聖域レイアムランドへ訪れたことがあった。

一方、ジパングでは、女王イヨが王者の剣の精錬所であるエッゾの魔州湖まで共に行くと宣言していた。
イヨの教育係でもあるリハクは止めようとするが、イヨは聞かない。
ジパングでは最高の貴族であるイズナはイヨの婚約者でもあるが、イヨがアルスに好意を持っていることに不安を抱く。
イヨはリハクに「もう少しだけ普通の女の子でいたい」と心情をもらした。

(※現パーティ1:アルス、アステア、チノンばあさん
  現パーティ2:キラ、ヤオ、ポロン、ティーエ、イヨ、イズナ、リハク)
レイアムランドに辿り着いたアルス、アステア、チノンばあさん。
だが、モンスターとの戦闘の衝撃で、闇のオーブが発動しかけてしまう。
このままでは異魔神が完全に復活し、世界は滅亡してしまう。
アルスとアステアはロトの紋章を使い、闇のオーブの発動を食い止めようとするが、
ジャガンの紋章もなければ、完全には止められない。二人にも危機が迫る。
「地上界の兄弟を決して死なせたりはしない!」
アステアは果敢に立ち向かおうとするが、そこに、ロト伝説に登場する、聖双生児が現れた。
彼女たちはレイアムランドで不死鳥ラーミアの卵を守る、ミルフィーユとメルヴェーユ。
聖双生児の力を借り、アルスとアステアは何とか闇のオーブの発動を止めることに成功した。

闇のオーブはラーミアの神殿に置かれ、聖双生児が守ることになる。
地上界で闇のオーブを聖域に移したアステアは、
地下世界アレフガルドに戻りレジスタンスを組織することを決意する。
別れの握手の手を差し出すアルスに、アステアは抱きつく。
「地上界での兄弟が君で…本当に良かった…」
アステアは、自身のロトの紋章をアルスに託す。紋章なしでも戦える勇気を、アルスにもらったと。
これで、ジャガンの紋章が加われば、ロトの紋章は完全な形を取り戻すのだ。
アルスとアステアは、再び会う約束を交わし、別れるのだった。
エッゾへ向かったジパング組は、モンスターとの戦いで、ティーエ、
それにイズナとイヨがパーティから離脱してしまう。
イズナとイヨは冥王ゴルゴナと対峙。ゴルゴナの見せる幻術にイズナは苦戦するが、
レイアムランドから戻ったアルスが助けに来た。
アルスから闇のオーブの居場所を聞き出そうとするゴルゴナは、ゾンビを操りアルスたちを攻撃。
ひとまず撤退したアルスたちは、先に魔州湖へ到着。

一方ティーエは、モンスターとの戦いで飛ばされた先で、コロポックルと呼ばれる種族の妖精たちと出会う。
コロポックルは、聖域である魔州湖を守る存在。ティーエはコロポックルたちに魔州湖へ案内してもらう。

残りのキラたちも魔州湖に辿り着くものの、リハクがモンスターとの戦いで負傷してしまった。
リハクは、一番弟子であるイズナに「わしの代わりに王者の剣を鍛え上げるのだ」と命を下す。
まだ若いイズナは躊躇するものの、王者の剣を練成するために魔州湖の中心部に渡ることを決意。
王者の剣を作るためには相槌を打つ相方が必要なので、イズナにはアルスが同行。
他のメンバーはリハクを守るためにその場へ残る。

(※現パーティ1:アルス、イズナ
  現パーティ2:キラ、ヤオ、ポロン、ティーエ、イヨ、リハク)

イヨとのことから、アルスに対して複雑な思いを抱いているイズナだが、
二人は協力して、見事な王者の剣を練成する。

しかしキラたちの元には、冥王ゴルゴナが攻撃をしかけてきた。
ゴルゴナの前に押されるキラたちだが、王者の剣を装備したアルスがやってきてゴルゴナを攻撃。
しかし王者の剣の一撃を食らっても倒れないゴルゴナは、アルスたちを冥界に引きずり込もうとするが、
そこに、アルスとキラにとって懐かしい人物が救援に駆けつける。
アッサラームの町に残っていた導師タオであった。

(※現パーティ:アルス、キラ、ヤオ、ポロン、ティーエ、イヨ、イズナ、リハク、タオ)
288マロン名無しさん:05/01/01 20:19:30 ID:???
test
タオとゴルゴナは旧知の仲であった。
ゴルゴナの正体は、冥界の主の大蜘蛛と7人の研究者たちが合体した姿。
ゴルゴナは自分が助かりたい一心で、合体していた仲間たちを見殺しにし、冥界の主である大蜘蛛を自身から分離。
しかしそれが裏目に出て、ゴルゴナは力を使えなくなり、タオの手によりあっけなく消滅した。

王者の剣を得たアルス一行は、ジパングを発つことに。リハクの傷は大分良くなった。
イヨはイズナに、歴代女王の誰よりも立派な女王になる、と誓う。
アルスのことは憧れだと言い、イズナにも未来のジパングの王として共に働いてほしいと約束させる。
とりあえず尻に敷かれることが確定したイズナ。

(※現パーティ:アルス、キラ、ヤオ、ポロン、ティーエ、タオ)
タオは船上で、アルスたちに一万二千年前の出来事を語り始める。
超古代の大陸には、現在の時代とは比べ物にならないほど高い文明が栄えていた。それがムー帝国である。
タオは、太陽王の称号を持つムー帝国の支配者だった。
タオと、タオの弟であるゴルゴナは、魔導研究所で不老不死の研究を行っていた。
研究は失敗に終わったが、研究により偶然生まれた人工生命体に、ゴルゴナが召喚魔法を使い魂を吹き込んだ。
不滅の精神と不滅の肉体が一つになった存在。それが異魔神である。
異魔神は人間が生み出した存在であった。
ムー大陸の生き神となった異魔神は、次第に増長し、暴走を始め、ムー帝国は滅亡した。
ゴルゴナは異魔神と、全世界を征服した暁には世界の半分をもらう約束をしていた。
弟に失望したタオは、ゴルゴナを滅びゆくムー大陸にそのまま見捨てる。
生き残った人々は小さな島に不時着し、再び国を建て直そうとした。それが現在のジパングである。
十数年は何事もなく過ぎていったが、再び異魔神は現れ、精霊ルビスが、オメガルーラの魔法で異魔神を宇宙に追放。
ルビスは、いつか異魔神が復活する時まで長き眠りにつくようタオに言い渡した。
ゴルゴナもタオ同様に封印されていたが、大魔王ゾーマが精霊ルビスを捕らえ石の像に変えてしまった時、
共にタオとゴルゴナは目覚める。ゾーマが倒された後に、ゴルゴナは再び異魔神を呼び戻したのである。
そしてタオは仙人の郷でアルスと出会うこととなる。
タオは己の犯した罪を嘆き、アルスこそが一条の光だと、涙を流し語り終えた。

ゴルゴナの死を異魔神に伝える竜王。
竜王は次第に、異魔神に対する不信が募り始めていた。

ジャガンは、闇のオーブの居場所に検討をつけ、ラーミアの神殿に出向く。
魔人王でありながらも聖なるロトの血を引くジャガンは、結界を突破。
ジャガンは闇のオーブを見つけるも、聖双生児に阻まれる。
が、王者の剣の力により、闇のオーブを入手。
ジャガンは聖双生児に、闇のオーブを発動させるつもりはないと語る。
ジャガンは異魔神に弄ばれた人生に我慢がならず、闇のオーブを使い、異魔神に復讐することを決意していた。
聖双生児は、ジャガンの怒りと悲しみに狂った魂の救いと、全世界の運命を祈る。
(※現年齢:アルス15歳、キラ17歳、ヤオ16歳、ポロン13歳)

アルスたちは、ついに魔王軍の本拠地であるローラン城へと辿り着いた。
ヤオやポロンの力で城内への潜入は成功。

レイアムランドから戻ってきたジャガンは、アルスたちがやってきたことを知るが、
異魔神との決着を先につけることに。
ジャガンは闇のオーブを異魔神の前に差し出し、望みを言う。
「貴様を俺の足元に跪かせる!」
己の運命を勝手に決められた屈辱を異魔神にも味わわせようと、ジャガンは闇のオーブを打ち砕いた。
しかし、闇のオーブは異魔神の肉体を封印する器に過ぎなかった。
闇のオーブが壊された今、その封印は解かれ、ジャガンは異魔神の肉体に取り込まれてしまう。
異魔神がジャガンを魔王にしたわけも、ジャガンの身に流れるロトの血を取り込むための作戦であった。
異魔神が、今、完全に復活する時が来たのだ。

アルスたちは城内で、モンスターである、リルパットのリルパに出会う。
リルパは「勇者の皆様にある人に会っていただきたい」とアルスたちを案内する。
アルスたちが案内された先には、地下牢に幽閉されていた、ローラン王妃フレイアがいた。
ジャガンの実の母親である。
15年前に生まれたばかりの赤ん坊を奪われたフレイアは、ジャガンを守れなかった責任は自分たちにあると言う。
アルスはフレイアに、「もうジャガンと戦うつもりはない」と語る。
ジャガンとの戦いの中でアルスは、彼の中に流れる勇者の血脈が生きていることを知ったのだ。
ロトの血は、魔の力に身を委ねようとすることを許さない。
ジャガンは逆流するロトの血を無理矢理押さえ込むことで生き続けているのだ。
ロトの血はジャガンを苦しめているが、その苦しみを含めて、それこそがロトの血脈なのだと、
同じロトの血を引くアルスは思うのであった。

アルスとの語らいで勇気を得たフレイアは、共に戦うことを決め、地下牢から脱出。
リルパは王妃によくしてもらった恩によりフレイアを救出したが、元々魔王軍に身を置いているため、そこで別れる。
一方ジャガンは、既に異魔神にロトの血を吸収されていたが、ロトの紋章の力が
ジャガンの身を連れ去り、ロトの装備と共にジャガンは鎖に繋がれる。

アルスの持つ紋章は、ジャガンの紋章との共鳴が消えてしまい、
フレイアたちはジャガンの死を知ってしまう。

最後の魔王となった竜王は、アルスたちを迎え撃つ。
フレイアの力も借り、竜王と戦うアルスたち。
タオは竜王に「お前にも母親がいた」と竜の女王の話を語る。
もともと竜の女王の城であったローラン城で、勇者ロトは竜の女王から光の玉を授かった。
再びロトが城を訪れた時には女王の姿はなく、一個の卵が残されていた。
その卵から生まれたのが竜王だ、とタオは断言。
竜の女王は世界を守る竜神の末裔。つまり、竜王も聖なる血を引く者である、と。

竜王がジャガンに呪われた名を与えたように、竜王も異魔神に本来の光の血を奪われ、
魔王となるよう仕向けられたのだ、と竜王と言葉責めにするタオ。
今までの異魔神に仕えてきた過去と、タオの語る言葉に、竜王は激しく混乱し、
自我のない獣に落ちてしまう。
異魔神はジャガンに加え、自我を失った竜王をも吸収しようとするが、
竜王はなんとかそれを逃れ、元の姿に戻り、城は決壊。
そこに、鎖につながれたジャガンが現れる。
ジャガンの姿を認めたフレイアは、意識のなくなったジャガンを抱きしめ、子守唄を歌い始めた――

ジャガンは、大きな河の前にいた。
河を渡ろうとしたジャガンは、向こう岸に、自分が殺した実の父親・ローラン四世の姿を見る。
ローラン四世は息子に語りかける。
「戻るのだ、息子よ… お前の世界に戻って友とともに戦え」
ジャガンは、アルスたちが必要としているのは自分ではなく紋章の片割れだ、
世界がどうなろうと知ったことではない、と反発。
そこに、フレイアの子守唄が聞こえてきた。
「お前はお前を愛する者の存在を知らない… お前は真にお前を必要とする者のために生きよ!」

フレイアは、生命の秘術をジャガンに与える。
それは術者が自らの命を死んだ者に分け与える奇跡の技であった。
目を覚ましたジャガンは、目の前にいる母親の姿に驚愕する。
消えゆく命の中で、フレイアはジャガンに語る。
「あなたの本名はジャガンではないわ… あなたの名前はアラン…」
フレイアはジャガンに、ロトの血を引く勇者として生きることを願い、ジャガンの腕の中で消滅。
しかしジャガンに残されたのは、絶望であった。
「また俺が殺してしまった… 父だけでなく今度は母親まで。どうして…どうして俺はいつもこうなんだ!!」
ジャガンの復活を見届けた竜王は、異魔神に真実を問いかけるために撤退。
ジャガンは、アルスに最後の決着を挑む。それを受けて立つアルス。
キラやポロンは止めようとするが、ヤオは
「アルスはジャガンの悲しみの最後のかけらを受け止めようとしている」と二人の戦いを見届けることを促す。
アルスはジャガンに、自分が勝ったらフレイアの言い残した言葉を守るよう約束させる。
ジャガンは全力でアルスにエビルデインをぶつけるが、アルスは引き下がらない。
「ジャガン… 今度こそその呪われた血から解放してやる…!」
アルスの右手に膨大なエネルギーが高まる。
アルスはジャガンに、勇者最強の呪文・ギガデインの一撃を放った。

ジャガンは、再び大きな河の前で両親と出会う。光の道を歩くには汚れすぎたジャガン。
「だが約束は守ろう… あなたのために」
ローラン四世は、ジャガンに手を広げた。
「アラン… この父ローランの名においてお前を許す…」

目覚めたジャガンは、アルスもアリアハンで死にかけた時に、同じ河へ行ったことを知る。
すべての生ある者はその命を終えた時にその地へ行くのだと。
ジャガンの目に涙があふれる。
「俺はジャガンじゃない!」
ジャガンの装備していた真紅に染まった鎧は、本来の鮮やかな青色に変わっていった。
「俺の名はアラン… 覚えとくんだな!」
ジャガンは、勇者アランとして生まれ変わった。
だが基本的に性格の変わっていないアランに、少し呆れるアルスやケンオウたち。

(※現パーティ:アルス、アラン、キラ、ヤオ、ポロン、ティーエ、タオ)
295マロン名無しさん:05/01/01 20:30:40 ID:???
ロトの紋章、ひとまずまだ続きます。残りがコミックス3〜4冊くらいです。
思ったよりも長くなってしまったので、1レスにまとめた簡略バージョンのあらすじも最後に投下します。
296マロン名無しさん :05/01/01 22:36:38 ID:???
クレパラ読みやすかった。乙!
297マロン名無しさん:05/01/02 04:40:49 ID:???
クレパラ3巻くらいまで読んだことあるけど、朝来腕切られちゃうのか。スゲーな。
竜王は、己が何者かを問いかけるために異魔神のもとへ出向く。
だが、完全復活へ向けて異魔神は、多くの配下のモンスターを吸収し、竜王をも取り込もうとした。
自分が今まで信じていた異魔神の道具に過ぎなかったことに、絶望する竜王。
だが、竜王の体は突如飛ばされる。

異魔神の完全復活の前兆により、闇のオーロラが全世界を覆いつくし、
ジパングではイヨたちが、アリアハンでは王たちが、カーメンでは義勇兵を募ったボルゴイが、
アッサラームではギランにファン爺たちが、海からは成長した海王二世・シーザリオンが、
次々と最後の戦いへ赴くための準備を進めていた。

アルスやアランたちは異魔神と対峙するものの、異魔神の体は世界樹のエキスより抽出した細胞でできており、
攻撃しても何度でも肉体を甦らせることができる。
ロトの紋章を3つ揃えたアルスは、異魔神を封印するための大移転魔法オメガルーラを発動させようとするが、
紋章だけ揃っていても、3人目の勇者・アステアが不在のため、発動は不完全。
異魔神の肉体は完全に完成してしまう。
その頃、地下世界アレフガルドでは――
勇者アステアの率いる反乱軍は、遂にモンスターたちからラダトーム城を奪還していた。
竜王は、ラダトーム城の地下の聖域に飛ばされていた。
聖なる結界に足を踏み入れる竜王。竜王は結界を突破し、己の身に流れるのが聖なる血・竜神のものであることを確信する。
竜王の前に、かつて竜の女王が勇者ロトに託した光の玉が現れた。
光の玉を手にした竜王は、その暖かな光に母のぬくもりを覚えるのだった。
そこに現れたアステア。アステアにとって竜王はラダトーム城を奪った宿敵である。
覚悟を決めた竜王は、アステアに最後の戦いを挑む。
だが、竜王の体は既にボロボロで、戦える状態ではなかった。
竜王はアステアに止めを刺されることを覚悟するが、アステアは竜王に回復魔法をかける。
「誰であれ傷つき打ちひしがれた者に向ける拳は持たないからこそ… ぼく達は人間なんだ」
アステアの言葉に、竜王は涙を浮かべる。「俺の負けだ」
竜王はアステアに、アルスとアランが地上で待っていることを告げ、光の玉をアステアに渡した。
アステアは竜王を解放し、モンスターたちの元へ返す。
人間も魔族も関係なく、異魔神は地上の生ある者全ての敵だ、との認識を新たにして。


完全復活を果たした異魔神は、かつてムー帝国の首都を一瞬にして壊滅したと言う
重力制御を行う高密度魔法言語を唱えた。あまりにも次元の違う魔法。
アランが味方全員を鉄の塊にするアストロンの魔法を使い、一同はなんとか命を助かる。
しかし、異魔神の力を目の当たりにしたポロンは、「勝てるわけねえ」と戦う気力を失っていた。
タオは「もともとこれはわしらの戦いじゃ」と今まで共に戦ってくれたことに礼を言う。
アルスは全員に告げた。「ここでパーティを解散しよう」
勇者や聖戦士の宿命など、異魔神の前には全てが無意味だ、と。
それでも異魔神との戦いへ赴こうとするアルスとアラン。
「僕もアランも失うものがない。それだけのことさ…」
最初は反対していたキラとヤオも「愛する人のために残された時間の中で幸せに過ごしてほしい」と言われ
アルスを追うことができなかった。

(※現パーティ:アルス、アラン、ティーエ、タオ)
アルスと別れたキラとヤオは、ヤオの故郷・拳王の里へ来ていた。
歴代の拳王と違い、勇者と出会い聖戦士の宿命を全うできたことは幸せだったかもしれない、と語るヤオ。
ヤオはキラに問う。「私と二人でここで暮らす?それともアルスと一緒に行きたい?」
キラは、アルスがパーティを解散しようと言ったのは自分たちを死なせないためだ、と理解していた。
「一緒に来いって言うんなら喜んでそうしたさ!」
後日、キラとヤオは二人きりの結婚式を挙げる。
しばらくの間、穏やかな暮らしを続ける二人だったが……。

ポロンは、ジパングでのガールフレンド・サクヤを連れて、故郷のテドンの村へ帰っていた。
故郷では死んだことになっていたポロンは、祖父のカミーロからどやされるが、
村で一生、祖父やサクヤと共に暮らそうと決める。だがサクヤの顔は浮かなかった。
ある日ついにサクヤは、ジパングに帰してほしいとポロンに訴える。
「イヨ様たちは異魔神と戦うために出撃されたのに」と言うサクヤに
ポロンは反発する。「滅びると決まった世界で好きな人と過ごしたいと思うことのどこが悪いんだ?」
ずっとポロンに憧れていたサクヤは「そんな風にあきらめてしまうポロン様なんかに会いたくなかった!」と
ポロンの元を去っていった。
サクヤに去られ、ますます気力をなくすポロン。その上、祖父のカミーロが倒れてしまう。
カミーロはポロンに「悔いを残して死を迎えるな」と言い残し目を閉じた。
ポロンは村を飛び出し、自力で蜃気楼の塔を呼び出す。「オレはやるぜ。悔いの残らないようにな」
…だが、カミーロはポロンに踏ん切りをつけさせるために死んだフリをしていただけだった。
ポロンは蜃気楼の塔で、大賢者カダルがついに完成させられなかった究極魔法・マダンテの呪文に着手する。
異魔神は地上を徘徊し、次々と町を壊滅させていった。
国を滅ぼすごとに「幻の月」を出現させる異魔神。

地下世界を解放したアステアは、アルスとアランに合流するためにローラン城に来ていたが、
既にローランは異魔神により壊滅した後で、そこにあったのは荒廃した土地だけだった。
しかし、リルパ率いる以前から異魔神に不満を持っていたモンスターの一団がアステアを待っており、
竜王のためにも共に戦う、とアステアについていくことに。
ジパング組もアステアに合流。
ムー帝国の残した飛空艇でアルスの元へ向かうジパング組は、死者を甦らせる世界樹の木が、
幻の月に照らされ新芽を出していることを発見していた。(※アルスが生き返った時は葉を一枚蘇らせたのみで沈黙した)
リハクは、幻の月は異魔神が死者の魂により作っているもものと推測。

また、海王シーザリオンは異魔神に戦いを挑むも無残に敗れてしまう。
次々と人を、町を、そして海王をも滅ぼしていった異魔神に、アルスは激しい怒りを燃やし、戦いを挑もうとする。
アランは、アステアと合流し勇者が3人揃うまでは異魔神に手を出してはいけないとアルスを止めるものの逆にアルスは反論。
オメガルーラは本当に異魔神に効くのか? もし効いたとしても、再度復活する危険がなくなるわけじゃない。
もうオメガルーラには頼らず、たった今目の前にいる敵と全力で戦う、と。
「それが勇者としての僕のやり方だ!文句は言わせん!!」
その時、オメガルーラを発していないのに、ロトの紋章が一つとなり、アルスの鎧へと装着する。
紋章が真の勇者を選んだのだ。
タオは地下世界のラダトームに伝わる伝説を思い出す。
「三つに分けられし紋章がひとつになる時、大いなる希望が甦る」
この言葉の意味はオメガルーラのみを示すものではなく、真の勇者の誕生であったのだ。
アルスとアランは、二人で同時に勇者最強の呪文・ギガデインを連続して放つ。
そこにやっと、ジパングの飛空艇に乗ってやってきたアステアが現れた。
アステアは異魔神を守る闇の衣を光の玉の力で剥ぎ取る。遂に結集した三勇者。

(※現パーティ:アルス、アラン、アステア
  補佐?:ティーエ、タオ、イズナ、イヨ、リハク、他ジパング人、リルパ、他モンスターたち)
アルス、アラン、アステアはトリプルギガデインを放ち
異魔神は沈黙させ、三勇者はオメガルーラを発動させる。
今しも封印されようとする異魔神はあがきながら、聖なる血が足りぬ、と勇者たちに手を伸ばすが、
とっさにアランがアルスをかばい異魔神に捕らわれた。
アランはそこで、宇宙が誕生する前の混沌の世界を垣間見る。
異魔神の目的は全てを無に帰す混沌の世界なのである。
気力を取り戻したアランは、以前に異魔神に取り込まれた自身のロトの血を逆に吸収し、復活。
異魔神は、オメガルーラにより、闇のオーブに再び封印された。
アルスたちは勝利したのだ。
闇のオーブは海の長老によって、海の聖域へ置かれることになった。

しかしまだ謎は残っていた。幻の月のことだ。
飛空艇の中でそのことを語り合う3人だが、急にアランが倒れてしまう。
アランの肉体機能は停止し、仮死状態となってしまった。
世界樹に新芽が出ていたという話を聞いたアルスたちは、アランを助けるために世界樹へと針路を転換させた。
303マロン名無しさん:05/01/03 23:54:35 ID:???
ロトの紋章、続く。あとコミックス1冊半ほど。
304マロン名無しさん:05/01/04 11:02:42 ID:???
>>283
男の華園、雪野の友達で胸がでかい女の子はどうなったんでしょう?
ユカリのこと好きでしたよね?ちがったっけ。
305マロン名無しさん:05/01/04 12:49:50 ID:???
>>304
雪野の友達・空美は最初はユカリのヘタレっぷりが気になってたが、
後にユカリに片思いしているホモ哲に惚れる。
ユカリにふられた哲をなぐさめてなんだりして外国に留学したホモ哲を
追っかけるまでの仲になった。(付き合ってはいない)
306マロン名無しさん:05/01/04 20:35:58 ID:???
ピグマリオ、前から興味あったんだけど
こういいう話だったのか…。
あらすじだけですごく感動した。泣きかけた。

書いてくれた人乙。
307チム・チムチェリー!:05/01/04 22:33:08 ID:???
(第7話)  メリー・メリー・クリスマス
賛美歌を歌いながら笑顔でクリスマスのしたくをするチェリー。練習して美味しいケーキを作ってと
考えているときにやってきたキャリー。チェリーの一つ上の姉でパンツルックでボーイッシュながら
カワイイもの好きでお料理上手、そしてチェリーは今ひとつウマが合わないと感じている。
子供たちの世話がうまくいかなくて飛び出してきたキャリーがしばらく居ることになり、2人でそれぞれ
ケーキを作ることに。料理の苦手なチェリーは悪戦苦闘して沈んでしまうがメグとリズに励まされ、
なんとか形になった。2人のケーキの出来具合は大きな差があったが子供たちはチェリーのケーキを選び
「見栄えは悪いけどチェリーのケーキって ほわっとハッピーな気分になれるんだ」とロビン。
自分の負けを認め、子供たちに慕われているチェリーを羨ましく思いつつキャリーも自分の子供たちへ
ケーキを食べさせてあげたくなったと戻っていった。
料理が下手で落ち込んでいるチェリーも、大好きなみんなが揃ってハッピーなクリスマスになりました。
308304:05/01/04 22:33:42 ID:???
>>305
ありがとー!
ホモ哲ってライバル校の選手だよね?
桑田さん好きです。
拳王の里で二人静かに暮らしていたキラとヤオだが、キラはアルスと共に育った過去を思い返していた。
ある夜、二人の住む家に一人のエルフが紛れ込む。
それは以前、砂漠のオアシスでヤオに星振る腕輪を譲ったピエタだった。(前にドワーフと書いてしまいましたがエルフの間違い)
ピエタはヤオに再び会うために手がかりを求めて拳王の里を訪れたのだった。
ヤオが戦いをやめたことを知ったピエタ。
「伝説は終わらせちゃいけねぇ!おいらの中ではあんたが唯一の聖戦士なんだよ」
ピエタの言葉がきっかけで、キラは決意を固めた。「行こうぜヤオ」
キラはもともと、一人で戦いへ赴くつもりだった。
しかしヤオはキラの言葉を待っていたとばかりに、以前から旅の支度を既に整えていた。
「オレたちは夫婦の絆の前に聖戦士という絆で結ばれているんだ」
キラとヤオは、アルスの元へ戻るために旅立つ。

世界樹へ向かう飛空艇の中で、ティーエはジパングのコロポックルたちからもらった世界樹の札を取り出す。
その札は、勇者ロトの王者の剣を練成した伝説の鍛冶屋ムラクが伝えた札。
タオはその札を見て驚く。そこには古代ムー大陸の文字が書かれており、神々の系譜が記されていた。
タオやアルス、アステアは精霊ルビスと世界樹の関係を探る。
ルビスが大魔王ゾーマに石像にされたことにより、タオとゴルゴナの封印が解け、
タオは目覚めた後、ルビスに何が起こったのかその行方を追った。
それは同時に、勇者アレルことロトの足跡を辿る旅になった。
世界中をめぐり、地下世界アレフガルドへと赴こうとした時、突如地下世界へと続くギアガの大穴が閉ざされ、
地下世界への通行を妨げた。
それはゾーマの最期を示す出来事であった。ルビスの封印も解かれ、世界は平和になった。
しかしその後すぐにゴルゴナが異魔神の精神を召喚し、ルビスは再び姿を消した。
そして、世界樹を枯らしたのもゴルゴナである。
世界樹が枯れたせいでルビスが消えたとなると符号する。
だが、異魔神が作り出している幻の月の光は、世界樹を復活させているのだ。
それは即ち異魔神の宿敵であるルビスの復活にもつながる。異魔神のしていたことは一体何だったのか?
世界樹に辿り着いた一行は、世界樹に青々とした葉が茂っているのを見る。
やはり異魔神の作り出した幻の月が木の生長を早めているのだ。
世界樹の葉を取り、アランに与えるアルス。
しかし目覚めたアランはアランではなく、異魔神であった。
アランが異魔神からロトの血を吸収すると同時に、異魔神の魂もアランの体に入り込んでいた。
オメガルーラで封印した異魔神は、抜け殻であったのだ。
アランの肉体を借り、異魔神は闇のオーブを持ち去ってしまう。
アランがいなくてはもうオメガルーラは使えない。アルスは今度こそ、異魔神を完全に消滅させることを決意。
アルスとアステアは先に異魔神を追いかけるが、アランの肉体は攻撃できない。

世界樹に残されたタオたち。突然ティーエが世界樹を指さし意識を失ってしまった。
すると世界樹に光があふれ、精霊ルビスが出現。
ルビスは、世界樹を破壊してください、タオに頼んだ。
異魔神は世界樹と同質の存在であり、この世界を司る聖なる力の源・聖核を持っていると言うのだ。
幻の月の光により聖核は成長し、エナジーを増大させ、世界樹と異魔神の聖核が共に臨界点に達した時、
核は引き合い融合し、莫大なエネルギーを放出させ、世界は始まりの終わり・混沌へと戻る。
つまり、異魔神はこの宇宙そのものを消し去ろうとしている、と。
聖核を破壊すれば崩壊はまぬがれるが、世界樹を消し去ればルビスもまた消えてしまう。
決断を迫られたタオは、世界樹を破壊。
目覚めたティーエは呆然とする。

空にロトの紋章が現れ、ルビスの声が響き渡った。
「世界中のすべての戦士達よ。この紋章のもとに集いなさい――」

世界樹に集え、との異魔神の言葉通り、世界樹へ戻ったアルスとアステア。
タオから話を聞いたアルスは、世界樹がなくなったことにより、正面切って異魔神と戦えることを知る。
やってきた異魔神は世界樹が消滅したことに怒り、その場で闇のオーブの封印を解き、
本来の魔界での肉体をもってアルスたちの前に現れる。
今までの巨大な姿とは異なり、人間サイズになった異魔神だが、強さは変わらない。
異魔神から切り離されたアランは自力で回復。
真の最終決戦が始まった。
三勇者は、トリプルギガデインの連続で異魔神に攻撃するも、幻の月が異魔神へ生長促進を与えており、
ダメージを与えても回復してしまう。ロトの紋章をも吹き飛ばしてしまう異魔神。
イヨ、イズナ、リハクも援護するが、異魔神の力の前に次々と倒され、息絶えていってしまう。
だがアルスたちの闘志は消えていなかった。ギランとファン爺を始め、勇者のために人々が集っていく。

キラとヤオ、ピエタも到着。
アルスは驚くも、キラたちは「仲間として最後までアルスと一緒にいたい」と共に戦う決意を語った。
しかし、キラとヤオの必殺技も異魔神には傷を負わせられない。
そこに、究極魔法マダンテを完成させたポロンがやってきた。
マダンテはその魔力が絶大ゆえに、一歩間違えれば命と引き換えになる。
マダンテを放つには時間がかかると言うポロン。キラとヤオは、時間稼ぎを引き受ける。

(※現パーティ:アルス、アラン、アステア、キラ、ヤオ、ポロン 他多数)

ケンオウたちを異魔神を相手どってる間、タオはティーエから預かった世界樹の札を使いながら
異魔神へのダメージを回復させてしまう幻の月を消すことに専念。

ポロンはマダンテを放つ準備を整えるが、今のままではキラとヤオも巻き添えになってしまう。
しかしポロンは意を決し、最期の力で、究極の合体魔法、極大五芒星・マダンテを放ち異魔神を追い詰める。

タオが幻の月を消滅させたことにより、回復もままならない異魔神。
異魔神は戦いを終わらせるため、高密度魔法言語を唱えた。
無数の隕石が降り注ぎ、人々は倒れていく。
その中で立ち上がったのは、アルスだった。
残った人々は、アルスに回復魔法を送り続ける。
駆けつけたアリアハンの人々、カーメンのボルゴイたちもまた、アルスへ力を送る。
異魔神はアルスを前にして、初めての恐怖を思い知る。
アルスは全ての人々の思いを受け止め、勇者の技・ミナデインを放った――
アルスの王者の剣は折れ、異魔神は倒れた。
「余が本当に願ったのは自らの崩壊かもしれぬ… そして破滅…」
異魔神の最期の言葉を聞き、アルスは異魔神の核を破壊。
異魔神は、滅びた。そして――

世界樹の札が破れ、その中から、世界樹の種が出てきた。
種は芽を出し、またたく間に木になり、花が咲き始めた――

―エンディング―

異魔神との戦いで倒れた人々は、舞い散る世界樹の花びらにより次々に目覚める。

イヨを抱きしめるイズナ。キラとヤオ。
海中の海王シーザリオンに海の長老。
第三の目が消えたポロン。
アステアの手を取るアラン。

半壊した飛空艇とリハク。ギランにファン爺。
目に光を取り戻したボルゴイ。
アリアハン王。ルイーダ、チノンばあさん、マムルにアスリーン。

そして、世界樹の根元には、アルスが。
笑顔でアルスに駆け寄り抱きつくアステア。その様子を見守るアランやケンオウたち。

空に光に包まれたルビスが現れる。昇天していくタオ。
ルビスの手の中に包まれるティーエ。


地上に永遠の平安を

to be continued
―ラストエピソード―

子供たち(門下生?)に剣を教えている逞しく成長したキラ。
ヤオがキラを呼び、ギランやファン爺と共に一行は出かけていく。

地下世界アレフガルド。
ラダトームに共にいるアランとアステア。地下深くには光の玉が安置されている。
アランとアステアが遠く見つめる先の城の中には、魔物たちを従えている竜王がいた。

アリアハン。成長したマムルとアスリーン、あまり変わってないチノンばあさんにルイーダ、アリアハン王。

ジパング。うまくいってるらしいイヨとイズナ。リハクも健在。

カーメン王国。
城に戻ったカーメン四世とローザ王妃。すっかり白髪になったボルゴイ。アルスの姿は見えず。

とある教会に集まった一同。
花嫁の衣装を身にまとったサクヤ。カダルそっくりに成長したポロン。
だがポロンは正装のまま、慌てた様子で逃げ出してしまう。
一同はポロンを追いかける。

その時、丘の上に見覚えのある人影が現れる。
そこに見えたのは、勇者アルスの姿であった。

ロトの紋章は、何処とも知れぬ沼地に静かに眠っている――

おわり

※エンディングとラストエピソードには台詞がありません。
 ポロンが逃げ出した理由、アルスは今までどこにいたのか、等は謎。
314おまけ・ロトの紋章Returns:05/01/04 23:18:59 ID:???
「Returns」は、本編で描かれなかった穴埋めエピソード。要するに外伝。

第1話(主人公:アステア)※時系列は本編ストーリー16(>>213)あたりの話
竜王が地下世界アレフガルドを攻めていた時、ラダトーム城では、
勇者ロトの血を引く王子アロイスが人々を率いて戦っていた。
アロイスの妹である王女アステアは、自身も戦いたいと兄に願うが、
亡き両親から妹のことを託されていたアロイスは、アステアのことを守るためそれを承知しなかった。
だがアステアはアロイスの思惑とは別に、強く賢く育っていた。
しかし、長い間守り続けられていたラダトーム城も、竜王の策により遂に陥落する。
戦いに敗れたアロイスは、アステアに三番目のロトの紋章を渡し、全てを託して息を引き取る。
ラダトーム城を後にしたアステアは、長い髪を切り落とし、第一王子として兄の遺志を継ぐことを決意。
第三のロト、勇者アステアの戦いが始まった。

第2話(主人公:ジャガン)※時系列は本編ストーリー5(>>197)あたりの話 本編ストーリー22(>>220)の裏話でもある
魔人王として完全に即位する前のジャガンは、獣王グノンにも歯が立たなかった。
ジャガンは養育係のリルパにしか心を開かず、親というものがわからない。
ある日ジャガンはゴルゴナから、3日後に一人の戦士と戦い討ち果たしたら正式に魔人王として認める、と告げられる。
同時にゴルゴナは、幽閉中であるジャガンの父・ローラン四世に、
ゴルゴナが育成してきた新たな魔王と戦い、勝てば王妃フレイアを解放する、と約束する。
ゴルゴナにある仮面をつけさせられたローラン四世の目には、ジャガンの姿がおぞましいモンスターに見えていた。
戦いの中、ジャガンの剣により仮面が取れたローラン四世が最期に見たものは、息子が自分を斬る光景だった。
夫の敗北を聞いたフレイアは、我が子を救うまでにはどんなことがあっても生き抜いていく、と決意を固める。
魔人王となったジャガンは、既に、グノンと竜王の二人がかりを相手にしても引けを取らぬほどに強くなっていた。
ジャガンは魔人王の力をかみしめながら、いつかこの苦しみを与えた奴等を全て踏みにじってやる、と夜空を見上げる。
315おまけ・ロトの紋章Returns:05/01/04 23:20:08 ID:???
第3話(主人公:カダル)※100年前の勇者アレルの戦いの直後の話
大魔王ゾーマを倒した後、世界は平和になったが、
大賢者カダルはゾーマの残した不吉な予言を案じ100年先の未来を覗いてしまう。
そこでカダルが見たものは漆黒の闇、そして宇宙の消滅だった。
カダルは妻のマナに、自分が賢者としての能力を引き継がせる者を探し出すまで生き続けていかねばならないことを語る。
そんな時、邪悪な瘴気が森全体を襲い、カダルは全く呪文の効かないモンスターに苦戦を強いられる。
しかしカダルはマナと同時に攻撃呪文を放ち、融合させ、強力な合体魔法を完成させる。モンスターは倒された。
しかし瘴気の森を抜けてきたせいか、マナは急激に老化し、命の灯火が消えかける。
カダルは呪文でマナの時を戻そうとするが、マナは死にゆく運命を享受し、カダルに看取られ息を引き取る。
アープの塔の異常は、冥王ゴルゴナが異魔神を召喚しようとしていた前触れだった。
だが合体魔法を完成させたカダルがゴルゴナを撃退。
ゴルゴナは逃がしたものの、カダルはマナが与えてくれた合体魔法を賢者最強の技に昇華させることを心に決める。

追記:ロトの紋章Returnsはここで一区切り。
   現在、ヤングガンガンにて「ロトの紋章」から25年後が舞台の
   「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 〜紋章を継ぐ者達へ〜」(タイトル長い)が連載中。

追記2:同作者の「ドラゴンクエスト エデンの戦士たち」は
    ゲーム「ドラゴンクエスト7 エデンの戦士たち」が原作ですが、
    オリジナル要素も強く入っており「ロトの紋章」とも所々リンクしています。
316ロトの紋章・簡略バージョン:05/01/04 23:21:26 ID:???
異世界から召喚された異魔神という化け物が世界を闇に染めようとしていたが、
勇者ロトの血を引くカーメンの王子アルスが勇者として立ち上がり、
ロトと共に戦った3人のケンオウ(剣王・拳王・賢王)の力を受け継ぐ仲間たちと共に戦うことになる。
さまざまな人の助けや犠牲を経て、成長していくアルス。

戦いの途中で、先祖のロトから、異魔神を倒すためには3つに分けられたロトの紋章と
それを受け継いだ3人の勇者が必要なことが明かされる。
最終的に、
呪われた名をつけられ魔に染まりグレまくっていた魔人王ジャガン改め勇者アランと
地下世界に隠されていた第三のロトである勇者アステアも
アルスと共に異魔神に立ち向かい、色々と波乱万丈なことがありつつも、力を合わせ、
異魔神を滅ぼすことに成功。世界に平和が戻った。


補足・主要登場人物のストーリー上の変遷

アルス:勇者ロトの血を引くカーメンの王子。生まれたばかりの頃、魔王軍の手から落ち延びる。
   親代わりであったルナフレアやタルキンの死など乗り越え、勇者として成長していく。
   初期は明るく素直な少年であったが、成長するにつれ強い意志を貫きまくる孤高の勇者道一直線な男になった。
   旅立ちが10歳、最後の戦いでは15歳。
317ロトの紋章・簡略バージョン:05/01/04 23:22:41 ID:???
キラ :聖戦士の一人・剣王。仙人の郷でアルスと共に育った幼なじみで親友でもある。
   兄である剣王サーバインとの出会いにより、己の出自を知り、剣王の名を受け継ぐ。
   性格は豪放快活で情に厚い。物語終盤で同じ聖戦士のヤオと結婚。

ヤオ :聖戦士の一人・拳王。キラの兄・剣王サーバインに拳王の里を滅ぼされた過去がある。
   アルスたちと出会った後はそのまま勇者パーティに加わり共に戦う。
   しっかり者で勝気な少女、だったが、戦いの中で落ち着きある女性へと成長した。

ポロン:聖戦士の一人・賢王。初めは遊び人だったが、大賢者カダルにその内なる力を見出され、賢王を継ぐ。
   勇者パーティの中では最年少。一番自分の感情に素直で、言いたいことははっきり言う性格。
   カダルから受け継いだ合体魔法を駆使する。戦いの後は賢王の証である第三の目が消えた。

アラン:アルスと同じく勇者ロトの血を引くローランの王子。生まれた頃に呪われし「ジャガン」の名をつけられ、
   長い間、魔人王ジャガンとして魔王軍に属していた。父を手にかけさせられたり異魔神に吸収されたり不幸の連続だったが
   母の命を与えられ勇者アランとして覚醒。ひねくれた性格は変わらずもアルスの頼れる(ロトの血を引く)兄弟となる。
   オリジナルのロトシリーズ武具装備。

アステア:地下世界アレフガルドのラダトーム王家の血筋。隠された第三のロトの血を引く勇者。
    性格はかなり生真面目。ラダトームを奪還するものの、宿敵である竜王は生かした。
    第一王子と名乗っていたが実は王女。戦いの後はラダトームでアランと共に暮らしている様子。

ティーエ:いつの間にかアルスを慕ってパーティについてきた妖精の少女。唯一、最初から最後までアルスと行動を共にした。
    本人に自覚はなかったが、その正体は世界を守護する女神・精霊ルビスの魂が宿ったルビスの化身。
    戦いの後はルビスが復活したため消息不明。(本編でははっきり明かされない)
318マロン名無しさん:05/01/04 23:23:52 ID:???
ロトの紋章終わりです。長々と失礼しました。
319マロン名無しさん:05/01/05 15:26:03 ID:???
お疲れ。最後の方見逃してたんでありがたかった
320マロン名無しさん:05/01/05 23:51:12 ID:???
>>315
「森」というのと「アープの塔」というのがわからないんですが
321マロン名無しさん:05/01/06 02:58:43 ID:???
>>320
一度ざっと書いてから削ったから訳が分からなくなったようだスマソ
森はそのままカダルの住んでる家近くの森。死霊使いのゴルゴナが術使ったせいで瘴気が覆った。
塔はゴルゴナが異魔神召喚させようとしてた場所。カダルが事前に予言で見てた。
322マロン名無しさん:05/01/06 17:42:27 ID:???
予約を半年以上放置してる、ということで(確認したら去年の5月)
「オリスルートの銀の小枝」、書いちゃってもいいかな?
323マロン名無しさん:05/01/07 00:04:50 ID:???
ゾンビ屋れい子投稿します。
まとめサイトに載っている分からの続きです。
324ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編:05/01/07 00:10:29 ID:???
黒須市――かつて隠れキリシタンの拠点であったこの市で一人の女が世界征服に向けて動き出していた。
女はかつてれい子との戦いで死んだはずのリルカで、かつての部下Dr.零の子、白栄と志呂子の二人を部下に
兵隊を増やしていた。
白栄は死にかけていたリルカを治療し、素質がある者を撃たれた瞬間に見ていた人間に絶対服従する怪物に変える
「運命の弾丸」を作り、志呂子と共に次々に黒須市の人々を撃っては怪物を生み出していた。

一方、れい子もリルカが生きていることを双子の繋がりによって感じ取り、黒須市にある聖黒須学園に転校する。
クラスメートになった岩田豪人は前回のリルカとの戦いで死んだ流動と雄貴の知り合いで、ゾンビ召喚の使い手であった。
(ちなみに前回の戦いの時はケンカで少年院に入れられていたので行けなかったらしい)
二人の仇を討とうとリルカの居場所を探っていた豪人だが、彼が雇った探偵はリルカがとあるレストランに入ったのを
追って行ったきり消息を絶つ。豪人はれい子と共に仇を討つことに。

黒須市に一人の男がやってきた。
彼はスター・コレクター(以下S・C)と言い、他人のゾンビ召喚の星をそこから召喚されるゾンビごと奪い、自分の物に
する能力を持っていた。これまで数多くのゾンビ召喚の使い手から星を奪い、彼等を殺してきたS・Cは、星の持ち主が
大勢いる黒須市に狙いを定めたのだ。
S・Cは早速出会った星の持ち主で、これまたれい子のクラスメートのラファエル・シムシュタインと、豪人の幼なじみで
彼に思いを寄せる雨月竹露(うげつちくろ)の二人から星を奪おうとする。
竹露はまだ能力が開花しておらず、召喚は出来ない。
ラファエルはゾンビ「キルド・メイデン」を召喚し、なんとか逃げることが出来た。
325ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編:05/01/07 00:15:48 ID:???
リルカは白栄に連れられ兵隊達を見るが、撃ったのがリルカでないため、誰もリルカに従わない。
リルカは自分の兵隊を増やすために弾丸を作らせたのに、何故お前を通すような回りくどいマネをするのかと
白栄に詰め寄る。
白栄はかつての部下が全員死亡しているからだと言い、もう少し慎重であれば死ななかったものもいるはず、
だからリルカが慎重にならざるを得ないよう、兵隊を動かすには自分か志呂子が必要になるようにしたと話す。
リルカは「志呂子には生きててもらいましょう。おまえはもういい」と白栄の首を斬る。
帰ってきた志呂子が見たのは兄の首を踏みつけている血まみれのリルカだった。
「志呂子…おまえは私と同じ種類の人間だ。誰の死に対してもスリルと興奮を覚える。もっとそれを味わいたいのなら
おいで…。イヤなら普通の生活に戻るがいい」

探偵が消息を絶ったレストラン「ギャザリング」を貸切にしてリルカは志呂子や兵隊達とパーティーを開いていた。
そこにれい子と豪人がやってくる。リルカは兵隊達を差し向けるが、サキのほうが圧倒的に強く次々と倒されていく。
女王の私をがっかりさせたから死んでわびろと志呂子に言うリルカ。するといきなり豪人がリルカに頭から酒をぶっかける。
「なァ〜にが「女王」だアホボケカス。そんなメルヘンチックな貴族制度は日本にゃねえんだよ」
さらにマヨネーズまで頭にかけられ、リルカは激怒。翼竜のゾンビを襲いかからせるが、豪人は鉄パイプであっさり撃退し、
リルカはもちろん、れい子も唖然とさせる。
最後の兵隊もサキに倒され、残るはリルカと志呂子のみ。そこに三人の星を奪うべく、S・Cが現れた。
彼が召喚したゾンビの流した毒ガスで動きを封じられたれい子とリルカは、あっという間にS・Cに星を奪われてしまう。
S・Cはさっそくサキを使いれい子を殺そうとするが、志呂子が銃でゾンビがガスを流していた香炉を壊し、破片が右目に
刺さったS・Cは精神集中が途切れてゾンビをコントロールできなくなる。
豪人は今は勝ち目が薄いと、こいつのせいでゾンビ屋廃業なのよと倒れたS・Cを蹴っているれい子を引っ張って逃げる。
リルカ達も退散し、一人残されたS・Cは怒りに震える。
326ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編:05/01/07 00:17:41 ID:???
志呂子は星を奪われたリルカに世界征服をあきらめるよう進言する。
リルカは私は無力な存在だと言いたいのかと怒りだすが、志呂子は彼女にQUEENのMDを見せる。
「これ…なんて読むかわかりますか?」「…えーと…キュ…「キュエーン」…?」
「ぜんぜんダメじゃないですか〜〜〜〜ッ!! 無力な存在どころか…今のリルカ様は学校もろくに通ってない、ただの17歳
じゃないですか〜〜!」
それどころか運命の弾丸を唯一作れる兄さんも殺したじゃないですかと言う志呂子に、リルカは大笑いしだし志呂子を
武器庫に引っ張っていく。
殺されるのかとびくつく志呂子だが、そこにいたのはリルカにゾンビ化され、運命の弾丸の研究・改良をさせられていた白栄。
志呂子は大笑いする。
そしてついに被弾した人間を100%怪物化させる運命の弾丸・究極バージョンが完成した。

ホテルに戻ったS・Cは新しく仲間に加わったサキや他のゾンビたちも交えてリルカとれい子を殺す作戦会議を始める。
そこへ情報収集に行っていたゾンビ、スパイダーが戻って来るが、スパイダーはすでにリルカに運命の弾丸を撃ち込まれ、
化け物と化していた。
リルカの命令に従い、S・Cを殺すべくスパイダーは仲間のゾンビを倒していく。S・Cは召喚解除をしようとするが、すでに
ゾンビとは別物になってしまったスパイダーには効かない。
サキも両腕を切り落とされ、S・Cは彼女に助けられ逃げのびるが、リルカの恐ろしさにただ震えるしかなかった。

リルカの屋敷で、銃に弾込めをする志呂子。「私ね…どうしても一人だけ撃ってみたい奴がいるんですよ」
そういう志呂子に化粧をしながら撃ってやればいいじゃないと言うリルカ。
「で? 誰を撃ちたいの? クラスメート? 学校の先生?」
その質問に志呂子は「おまえだよ。「女王(キュエーン)」…」リルカは志呂子に額を撃ち抜かれた。

つづく。
327マロン名無しさん:05/01/07 01:24:04 ID:???
>>322
いいんでない?ルールに沿ってるし。

>>ゾンビ屋れい子
お疲れ〜
328オリスルートの銀の小枝 1/5:05/01/07 05:03:15 ID:???
オリスルートは、二大国カラマスルートとラバンサラの間にある小国である。
対立する二国の折衝のため、両国の王子二人により建国されたこの国は、現在もその理念を継ぎ
種々の問題を解決する人材の育成に力を注いでいる。この国のシルヴァン学院はそのための学舎であり
卒業の証である金の樫の枝を模したブローチから、この学院出身のエージェントは「金枝の使者」と呼ばれる。
学院の生徒、美形ながら気配り上手で同性受けもいいフェンネル、官僚の家出身で生真面目なヴィンセンス、
そして、学科は最悪だが開けっ広げで誰とでも仲良くなれるアリアンの三人はある日、学院長から
「さる姫君を学院まで招く使者を務めてくれ」と言われ、見習い使者の印として銀の小枝のブローチを授けられる。
言われた通り湖を訪れるが、それらしき人物はいない。しかたなく湖のほとりで野宿した三人だが
夜中に、金髪と炎に絡まれる夢を見たアリアンが目を覚ますと、彼の身体は金髪の美少女に変わっていた。
フェンネルとヴィンセンスは話を聞いて「ロスマリン姫の伝説」を思い出す。ラバンサラの後宮から国を牛耳り
乱行の果てに火あぶりで殺され、墓がどこに立てられたかも忘れられた美姫の伝説。
これが「姫君を招く」ことだと推した三人は、女性化したアリアンを守って帰途に着く。
途中、アリアンは火を見てパニックを起こすようになり、旅路は困難の伴うものになるが
三人は助け合ってアリアンに宿るロスマリン姫の亡霊を鎮め、無事に学院に帰還した。
姫の亡霊を探す手掛りを求めていた学院長は、亡霊そのものを連れ帰った三人の無謀に驚きあきれつつ
姫の霊を霊廟に安置する。彼女自身も黒魔術に操られた被害者であり、その知識が必要とされていたのだ。
 
三人組の一人、フェンネルは、ラバンサラの魔術を継ぐ家系の出である。と言っても魔術師というわけではなく
凶悪な黒魔術の霊を封じるため、魔力に目覚める18歳になる前に結婚して子を設け
霊を封印しつづける家系なのだ。彼が学院に入ったのは、問題を先送りするだけの家のしきたりに疑問を持ち
黒魔術にまけない精神と知識を求めるためでもあった。
だが、18の誕生日を前に、彼の周囲にはロスマリン姫事件をはじめとして変事が続く。
学院長は彼に、学院の黒魔術に関する文献を授け、親友のヴィンセンスにも理解を促す。
329オリスルートの銀の小枝 2/5:05/01/07 05:03:51 ID:???
ある夜、ロスマリン姫の霊が学院の教授達に警告を発した。彼女を操っていた黒魔術の悪霊
「仮面の王」の復活を感知したのだ。学院は「王」の過去の手口から、ラバンサラ後宮を警戒すると共に
カラマスルートの後宮にも調査のため、フェンネル、ヴィンセンス、そしてロスマリン姫の憑いたアリアンを派遣する。
おりしもカラマスルートでは、国王の退位を前に、王子に側室を世話しようと言う話が持ち上がり
王宮は揺れていた。ロスマリン姫の「黒魔術に操られるのは心に傷のある人、苦しみや悩みを抱える人」
という言葉を手掛りに、三人は現王の側室で、王子の側室選びを通じて権力を維持しようとする
エレンディラとバーベナの二人の妃、そして側室候補として召し出された少女フィオリナなどに狙いをしぼる。
女性化して王宮に入り込んだアリアンが、側室候補に選出されるハプニングも起きたりするが
それを利用しつつ調査は続く。だが、黒魔術に操られている人物はなかなか見つからない。
そんな折、フィオリナに惹かれ、彼女の前で自分を偽ることにアリアンが罪悪感を覚えたことで
ロスマリン姫の憑依の魔術が解けてしまい、行き場所を失ったロスマリン姫がヴィンセンスに憑いてしまった。
さらに、女性化したヴィンセンスを見た王子がその姿に一目惚れしてしまう。
他の側室候補が意外にあっさり引いていき、「黒魔術の被害者」候補が減っていく中、フェンネルは
王子の腹違いの弟、レグラス大佐に疑いの目を向けていた。
フェンネルの読みは当たっていた。レグラス大佐は忠実な臣下として振舞っていたが、その心の奥底に
後宮の権力争いで死んだ母親の恨みを引きずっていたのだ。その心の傷を突かれ「仮面の王」に操られた大佐は
ヴィンセンスと共にいた王子を襲撃する。駆け付けたフェンネルとアリアンは、王子に大佐を呼ぶよう促した。
弟を取り戻そうと「そなたが望むなら、国も王位も譲ろう」と言う王子、それこそ「王」の計略だった。
王子の発言を契約として、大佐を介して国を支配するという黒魔術の呪縛。だが、王子は「王」を一喝する。
王子が真に弟の身を案じていることを知り、大佐は自らに剣を突きたて呪縛を絶った。
「王」は逃走し、大佐は一命を取りとめて事件は終結した。
三人は、自分自身の意志で他人と結ぶ絆が、黒魔術を破る力を持つのだと感服する。
330オリスルートの銀の小枝 3/5:05/01/07 05:04:30 ID:???
学院の新学期が来た。成績優秀で上級に進学したフェンネルとヴィンセンスは
「黒魔術対策のプロである『金枝の使者』オリアスの助手を務めよ」という課題を与えられた。
無論、魔術の専門家に同行する経験が彼らに役立つだろうという学院長の配慮である。
学院長が引き合わせた「使者」オリアス・フレイと共に、二人は「仮面の王」を追ってラバンサラ国境に向かう。
一方、学院に居残っていたアリアンは、謎の使い魔に襲われそうになったところを、ディアナ・オリアスと名乗る女性に
救われた。彼女が「金枝の使者オリアス」だと信じたアリアンは、学院長からフェンネルとヴィンセンスが
「オリアス・フレイと旅立った」と聞かされ、まさかオリアスの偽者が出たのかと二人を追って飛び出した。
フレイと二人に追いついたアリアンはディアナの話をするが、学院長の引き合わせで会ったフレイが偽者のはずはない。
ディアナの方が偽物ではないかとヴィンセンスは考えるが、なぜかフレイはその話題を避ける。
国境近くの遺跡で、フレイと三人は、遺跡を調査していたディアナと遭遇した。彼らに気付いたディアナは
フレイとごく親しげに口喧嘩を始める。フレイとディアナは「オリアス」の名を共有する二人組の「使者」だったのだ。
フレイとディアナは、白魔術の家系に繋がる幼馴染みでもあった。金枝の使者を志したフレイの後を追って
ディアナも学院に入り、使者となったのだが、フレイは未だに「ディアナ」をパートナーではなく庇護の対象として
見ている、とディアナはこぼす。

学院に帰らず国境までついてきたアリアンと共に、使者一行は近くの村に滞在する。
村では冬を控えた村祭りが始まり、冬の終わりを告げる「死の馬」の像が引き出されていた。
その夜、病気の子供の看護に駆り出されたフェンネルは、本物の「死の馬」が病気の子供を迎えに来たのに気付く。
子供を死なせたくない一心で、フェンネルは自分の力を使い、死の馬を村祭りの木馬像に封印してしまった。
死にかけていた子供は助かったものの、死の馬の力を封印した像が残された。
フレイはこの像を隠し、学院から回収係を回すよう手配するが、この騒ぎを「仮面の王」が察知したことに
誰も気がつかなかった…。
331オリスルートの銀の小枝 4/5:05/01/07 05:05:00 ID:???
学院長の元に、調査を続けるオリアスからの凶報が届く。フェンネルが謎の失踪を遂げたのだ。
学院長は、アリアンにはこの報せを告げるまいと考えるが、その夜、アリアンの元に
フェンネルの幻が現れ「ロスマリン姫と一緒にファローの村へ来てくれ」と告げる。
その幻の不自然さに気付かぬまま、その身に姫の霊を憑かせて旅立ったアリアンだが
彼の前に、邪悪に歪んだ「死の馬」が現れ、姫の霊だけを引き剥がして連れ去ってしまう。

一方、フェンネルの行方を追うオリアス達とヴィンセンスは、西の城の城主、ラウル男爵に出会う。
人探しに協力を約束してくれた男爵だが、実は彼こそがフェンネルをさらった本人だった。
病弱な彼は、死神に扮して彼の元に現れた「仮面の王」と取引し、健康と美しい花嫁を貰う条件で
「王」の言うままにフェンネルを拉致監禁し、、街外れの遺跡の祭壇に彼を置き去りにする。
男爵と入れ替わりに現れた「王」は、さらってきたロスマリン姫をフェンネルに憑かせた上で
彼の記憶を奪い、花嫁として男爵に引き渡した。「花嫁」とフェンネルが同一人物とは知らぬまま
男爵は彼女に偽造された「思い出の品々」を見せ「君は私の婚約者、ユーレリアだよ」と教え込む。
健康さえ手に入るなら、花嫁など余禄でしかないと思っていた男爵だが、あまりに美しい「ユーレリア」に
彼は深く魅せられていた。だが、そんな男爵に「王」は、もうひとつの契約条件を突き付ける。すなわち
花嫁との最初の一夜を「王」に譲ること…。

調査を進めていたフレイは、国境の村の木馬像が消失していたことを知り「王」が死の馬の魔力を
使役していることに気付き、「王」がすでに陰謀を張り巡らせていることを察する。
一方で、アリアンと合流したヴィンセンスは、男爵の城で出会ったユーレリアにフェンネルの面影を見て
ユーレリアの正体がロスマリン姫の憑いたフェンネルではないかと推測するが
警戒心を強めた男爵や、「王」に阻まれて確認することはできない。
やがて、黒魔術の痕跡を追っていたフレイとディアナは、男爵が利用していた遺跡の祭壇に
魔術儀式の痕跡を見る。男爵の一族の中に、我欲から黒魔術の儀式を行い
封じられていた「王」を呼び出して破滅した者がいたのだ、と彼らは知った。
332オリスルートの銀の小枝 5/5:05/01/07 05:05:42 ID:???
フレイとディアナは、送還の儀式を行い「王」を冥界に戻そうと試みる。
だが、「王」は、フレイがディアナを庇護対象と見ていることに気付き「儀式を強行するとこの女が死ぬぞ」と脅迫。
惑わされたフレイは儀式を中断してしまった。その間に、男爵とユーレリアの婚儀は終了する。
ユーレリアが、男爵の孤独を知って、彼に慈悲を注いでいるのだと知った男爵は、己の欲望を恥じて
彼女を解放しようとするが、「王」は男爵をもとの病人に戻すと、自ら男爵の姿に化けユーレリアを連れ去る。
アリアンとヴィンセンスが彼女を見つけたとき、すでに「王」は彼女の胎に宿っていた。
このまま子が生まれれば、その子は「王」に加え、ロスマリン姫とフェンネルの霊の力も所有する。
それを防ぐ方法は、生まれる前に母体もろとも殺すしかない。
ヴィンセンスは、親友としての責任故にユーレリア=フェンネルを殺す役割を引き受けるが
アリアンは、生きて希望を探そうと言ってヴィンセンスを止める。そのとき、死の床についていた男爵が声を上げた。
彼は、自らの死をもってユーレリアとの婚姻解消を宣言したのだ。結婚の誓いでユーレリアを縛っていた「王」は
ユーレリアからはじき出され、直後、ひしゃげ潰される。フェンネルに宿っていた黒魔術の霊がついに目覚めた。
「彼女」は、自分や「王」が、不幸な死の後も魔術に悪用され、世界を憎むに至った死者だと語り
周りのもの全てに復讐を遂げんと荒れ狂う。だが、ロスマリン姫がそれを止めた。
彼女は、憎しみや苦しみを無理に忘れるのではなく、自ら不幸にしがみつくのを止めようと説く。
姫と、意識を取り戻したフェンネルの説得によって、ついに「彼女」は鎮まり、フェンネルも元に戻る。
事件は終わった。「仮面の王」も、フェンネルに宿る「彼女」も封じられた。最後に、亡くなった男爵の墓前で
彼の冥福を祈るフェンネル達の前に、死の馬に導かれ昇天する男爵の姿が現れ、そして消えていった。

冬が開け、アリアン、ヴィンセンス、フェンネルの三人は今回の功により、史上最年少の
金枝の使者となる(ただし学科単位の足りないアリアンは当分、金枝を預かられる身の上だ)。
同じ席で、互いの理解を深めたフレイとディアナの婚約も発表される。
三人はこれから立派な「使者」になるに違いない。…まだまだ時間はかかるだろうけど。
333オリスルートの銀の小枝:05/01/07 05:10:32 ID:???
作者:紫堂恭子 角川あすかコミックスDX 全4巻
この作者の作品としては、当スレで「辺境警備」「グラン=ローヴァ物語」がガイシュツですが
「小枝」はこれらの作品とはリンクしておらず、独自の世界観を構築しています。
作中では、魔術のことを「技(アート)」と呼び、黒魔術は「ブラック・アート」と称されます。
334ピーチガール 1:05/01/07 08:48:57 ID:???
上田美和(うえだ・みわ) 講談社 別冊フレンド 『ピーチガール』 全18巻

<主な登場人物>
安達もも(あだち・もも)……ゴツイ外見とそれに似合わずピュアな心の持ち主。
岡安浬(おかやす・かいり)……幼い頃海で溺れももに救助されて以来、再会を夢見てきた。
安芸操(あき・みさお)……ももたちの高校の養護教諭。以前に涼の頼みでカイリの家庭教師も。
東寺ヶ森一矢(とうじがもり・かずや)……ももの想い人。巻き込まれた恋のトライアングルはアリ地獄?
柏木さえ(かしわぎ・さえ)……可愛くて儚げな印象とは裏腹に一癖も二癖もある性格。策略家。
岡安涼(おかやす・りょう)……カイリの兄。仲が悪い。操とは同級生。さえと手を組む危険人物。

<恋愛相関図>
とーじ→←もも→←カイリ→操→涼←さえ

<ストーリー>
水泳で鍛え抜いた逞しく引き締まった身体と黒い肌に塩素で痛んだ赤い髪。超コギャル風の
ももはその外見で誤解されることも多いけど本当は純粋で素直で優しい女の子。ずっと前から
とーじ(東寺ヶ森)に片思い中。もものお気に入りならなんでもほしくなる真似っ子さえは小柄で
華奢で色白、言い寄ってくる男は数知れず……ももの不幸が蜜の味の(自称)友達。今まで
さんざんさえにいいようにやられてきたけどとーじだけは絶対譲れない。ももはさえにだけは
とーじを好きな気持ちを悟られまいとひたすら隠してきたけど、ある日思いがけずとーじから
告白を受ける。ももはうれしくてたまらないがさえがなんとその現場を目撃していた。
ももとさえのとーじ取り合い合戦勃発。
335ピーチガール 2:05/01/07 08:49:37 ID:???
ももはさえの罠にはまって美形モデルにホテルに連れ込まれて処女喪失の危機になったり、
いきなりとーじから別れを告げられたりする。
ももはとーじと辛い別れを経験。その一部始終をずっと見守ってくれたカイリに心惹かれる。
愛される喜びも癒される心地良さもキスをする楽しさも、みんなカイリが教えてくれた……。
「カイリのコト、いっぱい知りたい」それなのにカイリの二股が発覚。なんとカイリの本命は
年上養護教諭の操ちゃん。予想もしない裏切りを問いつめるももにカイリは「ごめん」とただただ
繰り返すだけ。どんなに憎もうとしても思うそばから涙が溢れてくる……。どうしても断ち切れない
カイリへの想い。「2番目でいい、そばにいたい!」ももの捨て身の告白でふたりは元サヤに。
とりあえず一安心のもも……だったが。
「セフレ上等!!」とまで言い切ったももだけど操ちゃん(本命)へのカイリの想いに複雑な心境。
一方、カイリは操ちゃんに告白して見事に玉砕。ひとり傷心旅行に旅立つ。ももととーじはカイリ
不在の中、大接近。「信じて帰りを待ってる」とカイリに誓った想いはとーじの思わぬマジ告白で
揺れ動く。そしてカイリが帰ってくるはずの日。ももは約束の場所に急ぐが当のカイリは現れない。
トラブルに巻き込まれていたカイリの事情を知らぬまま、ももはついにとーじと結ばれる。さえの
仕組んだ罠による色々な誤解もとけてとーじと晴れて両思いになったもも。幸せ絶頂の彼女に
「未練がましくてごめん」と泣くカイリ。あの日あの場所にカイリが来なかったことでこの恋に決着を
つけていたももは未練の意味も涙の理由もわからず混乱する。とーじとこんなに幸せなのになぜか
胸が苦しくなる。……結局最後はカイリを選んでハッピーエンド。とーじへのフォローは一切無し。
336マロン名無しさん:05/01/07 23:49:38 ID:???
涼というやつはでてこないんだねw
337マロン名無しさん:05/01/08 00:00:33 ID:???
見たところ全18巻を2レスでまとめてるからかなり省略してるんだろう。
恋愛相関図もかなり濃いね。つーかとーじが不憫だわ。まとめお疲れ様。
338鋼鉄のガールフレンド2nd(3):05/01/08 08:09:51 ID:???
朝、シンジが目覚めると珍しく母のユイがいた。
昨日自分がEVAに搭乗した事を父ゲンドウは何と言っていたかと尋ねると「シンジが選択したことだ」との答え。
どうしてそんなに他人事なのか、どうして母の事も自分の事もほったらかしで、自分の事ばかりなのか。
憤るシンジはユイに食ってかかるが、アスカが迎えに来た事でご破算に。

教室に着くとシンジは猛烈に不安になる。昨日の戦いにまきこまれて、級友の誰かが怪我をしたんじゃないかと…。
「皆いるよシンジくん」笑顔で迎えるカヲル。
「大丈夫、いつも通りだよ」照れてぶっきらぼうに囁くアスカ。
レイの包帯以外は何も変わらない朝だ。

下校途中、一同は河原にピクニックに。
シンジとケンスケはふざけて土手から落ちたり、女の子達はヘアスタイルを変えて楽しんでみたり、楽しいひとときを過ごす。
シンジはカヲルに、定期演奏会に一緒に出ないかと誘われる。
断るつもりが、レイがひどく楽しみにしている様子なので言い出せなくなってしまう。
ヒカルとの仲をひやかされたトウジが、逆にアスカを挑発し、追いかけっこの末アスカは川に落っこちてびしょ濡れに。

翌日、演奏会の日。
アスカは昨日のずぶ濡れがたたって熱を出してしまう。
学校も休み、つきっきりで看病してやるシンジ。
演奏会会場ではカヲルがシンジを待っているが、事情を知っているので半ばあきらめ顔。
ドレスアップしたレイが到着するが、アスカの看病でシンジは来られないと聞いてがっかり&イライラ。
「あなたがもっと食い下がれば、シンジくんの気が変わったかも知れないじゃない」
「いやだよ、シンジくんを困らせるのは本意じゃない」
大道寺知世ばりの深い愛を見せるカヲルだが、レイは諦めきれない…。
339鋼鉄のガールフレンド2nd(3):05/01/08 08:11:05 ID:???
ミサトは加持の陣中見舞いに訪れる。
それまでの経歴がまるで不明という謎の少年・渚カヲルに関する調査ははかばかしくない。
たまたままぎれこんでいた20年前の生徒名簿に婿入り前のゲンドウと、ユイの名前を見つけはしゃぐミサト。
ところがその名簿に何故か「渚カヲル」の名前が…。

NERVのユイとゲンドウ。
「まさか本当にEVAを使う日が来るなんて…あなたの言ってた通りになったのね」
「私が言ったのではない」
ゲンドウの胸に残る20年以上前の言葉。…「君はこの世界を守れるかい?」
「約束を果たす為だ。その準備をしたまでだ」
どこか悄然としたゲンドウの手を、ユイの手がそっと包む。

演奏会の後、レイはシンジに電話をかけて呼び出す。
様子がおかしかったのが気になったシンジは、眠るアスカを置いて駆けつける。
シンジの顔を見て決意したレイは、強引に彼を連れ出して海辺のデートを敢行。
人為的に適格者を養成できるかどうかの実験材料だった自分はこれまでずっと一人だったこと
シンジや皆に会えてよかったと思っていることを打ち明け、シンジへの思いを伝える。
「好きよ シンジくん」

その頃、シンジがいなくなった事を心配したアスカはふらふらと外に出て倒れてしまう。
居合わせたケンスケがおぶってつれて帰ってやった。マンションの入り口でアスカを呼び止めるケンスケ。
「好きな奴いる?」「俺じゃダメ?」
340鋼鉄のガールフレンド2nd(3):05/01/08 08:12:53 ID:???
シンジも、アスカも、受けた告白には何も答える事が出来ず、夜が明けた。
浮かない顔のシンジを案じたカヲルが、彼を屋上に誘う。
「どうしていいのかわからない。変わりたくないよ」
シンジの悩みを聞いて、カヲルはレイを責める。「シンジくんはあんな事望んでない」
逆ギレしたレイは、カヲルに詰め寄る。「それはあなたの理想の世界なんじゃない?」
決裂する二人。

アスカはケンスケに正式に告白された。
その事をシンジに伝えると「僕が口挟んでいい事じゃないし」と煮え切らない返事。
「バカ!!」
飛び出していってしまうアスカ。

そして再び使徒が第三東京市にあらわれた…。

第三巻・終わり。
341マロン名無しさん:05/01/08 17:01:29 ID:???
ずいぶんケンスケがいい役だな
342マロン名無しさん:05/01/08 21:42:39 ID:???
ラ、ラブコメになってる・・・
343マロン名無しさん:05/01/08 21:57:54 ID:???
西川魯介「屈折リーベ」お願いします。
344マロン名無しさん:05/01/09 01:10:12 ID:???
まほろまてぃっくお願いします
345うさぎ月夜に星のふね 1:05/01/09 05:14:40 ID:???
山のお寺に一人ぼっちで孤独に住む和尚。
そんな和尚の元に、ある夜、二人の小さい女の子が現れる。
その女の子たちは、「ずっと前にオショさんに助けてもらった双子のたぬきだ」と自分たちの正体を明かし
和尚に恩返しをするために子供の姿になってやってきた、と告げる。
最初は半信半疑の和尚だったが、名前がないと言う二人に
昔の想い人であったトメ・ヨネと名づけ、二人を可愛がる。

トメちゃんとヨネちゃんは、幼い外見ながら、近くにある高校に通うことを希望し、
トメちゃんの計り知れない頭脳とヨネちゃんの驚異的な運動能力により、それを許される。
一方、二人の入ったクラスには、もう一人転入生がいた。
田中太郎と言う、物腰柔らかな美形の少年である。
クラスで不良と噂されている伊集院優花は何故かトメちゃんとヨネちゃんに気に入られる。
優花は、売れない小説家の父親と水商売をして稼いでいる後妻の義母と折り合いが悪かった。

学校初日から帰ったトメちゃんとヨネちゃんは夜、銭湯から帰る途中にUFOにさらわれてしまう。
そこで無残に扱われていたロボットを救出し、なんとか脱出するトメ&ヨネ。
家に戻った二人は、和尚と一緒にそのロボットの話を聞く。
自分たちの星ではすべてラピウム・エネルギーなるものがあり、それなしに生存は不可能であったが、
十数年前に使い果たしてしまったそうだ。
その後、次期皇帝であったサラマージュは、惑星ルマという星も征服し、ラピウム・エネルギーを抜き取り、
今度は地球のラピウム・エネルギーを狙っている。
しかし、惑星ルマの女王が生まれたばかりの子供を一人だけこの地球に逃がし、
その子が「ロイラ」と言う不思議な石を手にすれば星を生き返らせることができるのだと言う。
皇帝サラージュは、その子を探し出して息の根を止めようとしているらしい。

トメちゃんはロボットをパンダ型に改造し、ツルちゃんと名づけ、
二人は一緒に惑星ルマの生き残りと「ロイラ」を見つけようと決める。
トメ・ヨネの不思議な超能力を見せられた優花もなりゆきで協力。
一同は、惑星ルマの生き残りが太郎ではないかと検討をつけた。
ロイラの外観も当てた太郎。不思議な力を使う太郎は、昔の記憶が曖昧だと言う。
一方、優花は太郎に惹かれはじめていた。
346うさぎ月夜に星のふね 2:05/01/09 05:15:40 ID:???
一方、ロイラは和尚が持っていたことが判明する。
和尚の初恋である、トメとヨネという美しい二人の女性が、
お世話になったお礼にと置いていったものだと言う。
だが、ロイラは太郎に反応しなかった。太郎が惑星ルマの生き残りではなかったのだ。
動揺した太郎は瞬間移動で消えてしまう。
その後、太郎は一同の前に戻ってくるも、人が変わったように冷たくなってしまっていた。

トメちゃんとヨネちゃんと銭湯へ行った優花は、二人の体に奇妙なあざを見つける。
二人のあざを合わせるとルマ星人が体のどこかに持っているというマークになった。
驚いたトメちゃんとヨネちゃんが固く抱き合うと、
ロイラが二人のところへ飛んできて、二人は死んだように眠ってしまう。
惑星ルマの生き残りは一人だったはずなのに、何故二人なのか。
トメちゃんとヨネちゃんが死んだと思い込み、優花は激しくショックを受けるが、
その時にどさくさで父母と和解。
また、世界各地でサラージュの力によって石にされていた人々が、元に戻る。
すると、トメちゃんとヨネちゃんは目を覚ました。
トメちゃんとヨネちゃんがロイラを手にしたため、サラージュに対抗できるようになったのだ。

昔、和尚のもとでお世話になっていたトメとヨネは、ルマ星の王と王妃だった。
ルマ星人は、地球上では形をもつことができず、二人は最初に見た地球人をモデルに変身していたのだ。
そしてトメちゃんとヨネちゃんは、和尚が「こんな子どもがほしい」と願って作った人形をモデルに変身した。
トメちゃんとヨネちゃんは未熟だったので、二体の人形を見て、二人の体に分裂してしまった。
347うさぎ月夜に星のふね 3:05/01/09 05:16:52 ID:???
全てが明らかになった時、一同はサラージュのUFOに連れ去られる。
そこにいたのは太郎=皇帝サラージュだった。
サラージュも地球では肉体を形成することができない。太郎はサラージュの入れ物だったのだ。
サラージュは太郎の肉体で地球上のデータを記憶し、分析していたが、
太郎として活動している間は、サラージュとしての意識は眠り、太郎は独自の人格を持っていた。
優花は、太郎を返して、とサラージュを責め立てる。
サラージュも既に、己のバランスが取れなくなってしまっていた。
「感情」を持ってしまったサラージュは、トメちゃんとヨネちゃんにルマ星の種と水を与え、消滅する。
だが、「太郎」の肉体と感情は残った。
一同はサラージュを失い爆発するUFOから脱出。

地上に戻った一同は、サラージュが渡した種を植える。
すると、見る見るうちに大きな木が生え、木は、星の船になった。
トメちゃんとヨネちゃんは、和尚や優花との別れに涙しながらも、
ルマ星に帰るために船に精神を乗せ、発っていく。
優花は家に帰り、太郎は和尚の寺にそのまま住むことになった。

トメちゃんとヨネちゃんがいなくなり、気落ちする和尚。
だが、トメちゃんとヨネちゃんは戻ってきた。
トメちゃんとヨネちゃんは、今度は3人に分かれ、3人目をルマ星に戻したのだ。
和尚とずっとここにいる、と言うトメちゃんとヨネちゃん。
船は、もうすぐルマ星に着こうとしていた。

おわり
348マロン名無しさん:05/01/09 08:58:14 ID:???
ええ話や
349チム・チム・チェリー!:05/01/10 01:59:05 ID:???
(第8話)  テディ・ベア パニック!
添い寝をねだるロッテに付き合い最近寝不足ぎみのチェリー。ディディの提案により
ロッテが寂しがらないようにとテディ・ベアを作ろうとするが裁縫の腕前に自信が無かった。
そこで世界童話百科からふたりの妖精を呼び出し、テディ・ベア作りを頼むチェリー。
部屋にこもって三日三晩ずーっと切って縫っての音を響かせていたが、家の中のあちこちの
布地がなくなり心なしか作業部屋のドアがふくらんでいる。おそるおそるドアを開けてチェリーが
テディ・ベアの山に埋もれてしまうが沢山のテディ・ベアのなかからお気に入りを見つけ微笑むロッテ。
そしてほかのテディ・ベアも空飛ぶキャンディとポロロンの花でロンドンじゅうの寂しい子たちに届けた。
その夜、テディ・ベアを抱きしめて幸せそうに眠るロッテに満足するチェリー。
350マロン名無しさん:05/01/10 02:49:22 ID:???
きんぎょ注意報!が予約から半年経ってるのでやります。
351きんぎょ注意報!:05/01/10 02:50:17 ID:???
※基本的に短編オムニバスなので主要な話をピックアップしてやります。
※コメディです。ギャグです。

わぴこたちの通う田舎ノ中学校はもうすぐ廃校。
そんな時、都会ノ学園から転校してきた藤ノ宮千歳。
千歳は事業家だった父が亡くなり、家が貧乏になったため、田舎ノ中に転校してきた。
残った財産はピンクの金魚一匹。
お嬢様育ちの千歳は最初はわぴこたちに反発するもなんだかんだ言って仲良く(?)なる。
ついでに、弁護士の田中山が隠していた亡き父が残していた財産も取り返す。
一気に金持ちに返り咲いた千歳は、新田舎ノ中学校を設立することを決意するのであった。

新田舎ノ中の理事長となった千歳。
新しい学校に牛小屋等を作ろうとするわぴこたちに千歳は猛反対。
都会ノ学園に負けない優秀な学園を目指す千歳は、優等生の秀一に
生徒会の副会長になってほしいと頼むが(生徒会長は千歳)、
わぴこと仲の良い友人である秀一は「わぴこも入れてやってください」と条件をつけた。
色々あり、結局、牛小屋を設立するはめになった新田舎ノ中。
他に適任者もいないので、仕方なくわぴこと、その友人の葵も生徒会に入ることになるのだった。

新学期。はかったように同じクラスになったわぴこ、千歳、葵、秀一。
千歳の宿命のライバルである都会ノ学園の生徒会長、菅平由梨香は
中央委員会の加藤高弘と千歳から解雇された弁護士の田中山をスパイとして派遣する。
だが、高弘ことタカピーはわぴこに惚れたりなんだりして、あんまり役に立ちませんでしたとさ。
352きんぎょ注意報!:05/01/10 02:51:17 ID:???
登場人物紹介

わぴこ:新田舎ノ中学校2年生。セーラー服少女。学級委員。生徒会書記。いつもノー天気で明るい。たまに鋭い。
藤ノ宮千歳:新田舎ノ中学の理事長兼生徒会長。通称ちーちゃん。職権乱用しまくり。プライドが高く素直じゃないお嬢様。
葵 :生徒会会計。仕事をしてる姿はない。通称葵ちゃん。金髪・サングラス。バーゲン大好き。わぴこの扱いに長ける。
北田秀一:学級委員。生徒会副会長。通称秀ちゃん。生徒会の仕事をしてるのは彼だけ。医者の息子。基本的に真面目。

ぎょぴちゃん:千歳のペットのピンクの金魚。マニアの間では時価数億円らしい。マスコット的存在。
       最初はただの金魚だったが飛んだりぽてち食ったりわけがわからなくなった。わぴこになついている。

校長:新田舎ノ中の校長。頭に触覚を持つ謎の人物。お気楽極楽。
溝口先生:わぴこたちのクラスの担任。ノー天気クラスを一手に引き受ける苦労人。
353きんぎょ注意報!:05/01/10 02:52:28 ID:???
都会ノ学園に遠足にやってきたわぴこたちのクラス。
そこで千歳は昔ちょっといい仲だった浅羽と再会するが、浅羽は過去、貧乏だというだけで千歳をあっさり捨てた。
もう貧乏じゃなくなった千歳に、都会ノ学園に戻ってきてほしいと言う浅羽だが、
千歳はそれから逃げるために葵を彼氏と偽る。千歳→葵のフラグ発生。
また、由梨香も葵に惚れてしまった。ちなみに浅羽はこの話限りの使い捨てキャラ。

タカピーは新田舎ノ中で出会ったわぴこのことが忘れられなかったが、
両親から見合いをすすめられる。
見合いをやめるために、田中山のアドバイスでわぴこに告白しに行くタカピーだが、
わぴこには全く伝わっておらず、両親には牛が交際相手だと勘違いされてしまった。
そして、タカピーの出番は今後一切ない。

新田舎ノ中の2年生、民子は、夏休み前に不良牛に絡まれていたところを秀一に助けられ好きになる。
民子は、生徒会主催の合宿の場所を、親戚が経営している海の家へと誘う。
そこで積極的に秀一にアプローチする民子。だが海の家の、民子のいとこの次郎(小6)が民子に惚れており、
秀一もなんだか態度があいまいなため、特に二人の仲が進展することはなかった。
354きんぎょ注意報!:05/01/10 02:53:03 ID:???
しばらくバカをやってて忘れていたが、千歳は新田舎ノ中を、都会ノ学園に負けない名門校にしたかった。
そこに現れた筆銀(ぺんぎん)学園の生徒会長、北条高明は、名門校ばかりのP学園連盟の会長でもあった。
新田舎ノ中にもP学園連盟に入ってほしいと言う北条に、千歳は即OKしようとするが、
警戒した秀一により、なりゆきで都会ノ学園と勝負して勝ったらP連盟に加入できることになった。
ついでに、葵に恋する由梨香のせいで、葵を賭けた勝負にもなってしまった。(葵は知らない)
しかし千歳は部活動などに全く無関心だったため、新田舎ノ中にはろくな部活がなかった。
唯一まともな演劇部で勝負することになった新田舎ノ中。
だが部長のマイケル(わぴこたちと同じクラス)はつぶらな瞳の変な奴。部員は全員、牛。
と言うわけで、わぴこたちもその場しのぎで演劇部に入ることに。
新田舎ノ中は、花さかじーさん……を大幅にアレンジした劇を演じきった(?)ものの、
審査員長の「真の芸術に勝ち負けはない」というふざけたオチで勝負は引き分け。
ちなみに、北条は何かを企んでたらしいが、それが明かされる機会は連載終了までなかった。

三室万理と和宮奈々子はK女学院に通う中1の幼なじみ。
クラス委員で優等生の万理と違って、奈々は奔放でわがままな性格。
奈々に振り回される万理は、ある日ついに切れてしまうが、お互いぶっちゃけたことで二人は仲直りできた。
で、奈々が最近憧れている他校の生徒に会いに行く二人だが、奈々の憧れの君は千歳であった。

K女学院の学園祭で、奈々と万理のクラスがミスコンを開くことになった。
奈々たちは新田舎ノ中からは千歳、民子、音楽の小里先生、都会ノ学園からは由梨香をスカウト。
そこに突然、外国へ行っていた千歳の母が現れる。
ほがらかな千歳母に新田舎ノ中の面々は好意的だったが、千歳は母を大の苦手としていた。
千歳母は意味ありげに「私だったらこの学校を立派なものにできる」とか言い出すが、
ミスコンでいつの間にかグランプリをかっさらってしまうと、とっとと去っていった。
355きんぎょ注意報!:05/01/10 02:53:55 ID:???
登場人物紹介

海野民子:新田舎ノ中2年生。かわいいがどこかズレた子。秀一が好き。
マイケル:わぴこたちと同じクラスの演劇部長。目がでかい。ハハハハハハハの笑いが特徴。
小里かおり:新田舎ノ中の音楽教師。美人。溝口先生が片思いしている。

菅平由梨香:都会ノ学園の生徒会長で、千歳の宿命のライバル。葵に激しく恋してる。後半になるとあまり出番がない。
田中山:悪徳弁護士だったはずだが、由梨香の手下(パシリ)になっている。

北条高明:筆銀学園生徒会長。つかみどころがなく怪しい。メガネ。元は同作者の「ペンギン探偵団」に出演。

和宮奈々子:K女学院1年生。わがままで少々ぶりっこだが悪気はない美少女。千歳を「おねえさま」と慕う。
三室万理:K女学院1年生。奈々の親友で、しっかり者の優等生。クラス委員。

千歳の母:人当たりは良いが千歳にとっては恐ろしい母。常に何か企んでいる様子。
356きんぎょ注意報!:05/01/10 02:55:54 ID:???
ある日、秀一のゲタ箱に入っていた一通のラブレター。
それは新田舎ノ中の牛の一員、ウシ美からだった。
内緒にしていた秀だが、千歳や葵によって学校中に牛にラブレターをもらったことが伝わってしまう。
ウシ美の想いの深さに感動した千歳たち女子一同はウシ美を応援。
ウシ美はついに直接、秀一に告白する。が、ウシ美に憧れる不良牛たちに絡まれ、秀一は散々な目に遭う。
わぴこ、葵、クラスメートの文太の助けで何とか逃げ出すが、学校生活に危うさを感じた秀一は、
不良牛たちの前できっぱりとウシ美を振る。とりあえず良いお友達でいることにした秀一とウシ美だが、
いつか秀一にふさわしい女の子になろうと決意するウシ美だった。


登場牛紹介(※新田舎ノ中において牛は全員、生徒扱い。普通に二足歩行でしゃべる)

ウシ美:シャイで一途な牛女子生徒。秀一に夢中。同じ秀一に片思いしてる民子とは後に仲良くなる。
ウシ子:ウシ美の親友。
ウシ代、ウシ恵:牛女子生徒の一員。かしまし娘。
不良牛:生徒から購買のパンをカツアゲしたりするのが日課。ウシ美をアイドル扱いしている。
357きんぎょ注意報!:05/01/10 02:59:14 ID:???
千歳の職権乱用ぶりは日に日に増していき、クラスの中では千歳に対する不満が溜まっていた。
そんな時に帰ってきた千歳の母は、いいように皆を言いくるめ、千歳をだまし、自分が理事長になってしまった。
理事長になった千歳の母は、成績順によるクラス替えを決行。
学年トップの秀一、それに千歳と民子は同じクラス。わぴこや葵やぎょぴちゃんはそのままのクラスだった。
成績優秀なクラスに力を入れようと言う千歳母だが、
わぴこは「ちーちゃんと同じクラスでなきゃ嫌だ」と訴え、一時はほだされる千歳だが、
葵が千歳と決裂したために、クラス替えはそのまま。
成績優秀なAクラスでガリ勉させられ、やつれていく千歳。
わぴこたち元のクラスの皆も、千歳のことが恋しくなっていた。葵たちはAクラスをつぶす計画を立てる。
テスト当日。何故かAクラスに所属していたマイケルのせいで、Aクラスはめちゃくちゃ。
秀一も、いつもの(騒がしい)環境に慣れていたので、集中できずに悪い点数を取り、Aクラスは崩壊する。
元のクラスの皆は千歳に謝り、とりあえず仲直り。千歳は理事長に返り咲く。
千歳の母は、千歳のためにあえて悪役に徹していた、と都合のいいことをぬかし、また外国へ帰って行った。
358きんぎょ注意報!:05/01/10 03:00:19 ID:???
バレンタインデーが近づき、民子とウシ美は二人で秀一にチョコを渡す計画を立てる。
だが、千歳がバレンタイン禁止令を出す。義理チョコだのなんだのが気に入らない、と言う千歳に、
民子は「女子は本命チョコ1個だけ、男子も1個だけしか受け取れない」ようにすればいいと提案。
毎年、全員にあげていたわぴこは「葵ちゃんにあげようかな」発言をして千歳を戸惑わせる。
この頃既に葵が好きだと自覚していた千歳はわぴこがライバルかとショックを受ける。
わぴこはチョコをぎょぴちゃんにあげようとしていたが、千歳がぎょぴちゃんにあげるなら葵にしようかと
思っただけだと話す。ひとまず安心する千歳。
で、当日。それぞれ思い悩む生徒たち。(葵は何も考えてない)
調理実習でチョコレートケーキを作ることになるが、民子とウシ美は二人で秀一への合作を作る。
千歳はというと、乱入してきた男子たちにより、作ったケーキが台無しに。
それを見たわぴこは「今年はちーちゃんにあげる」と自分の作ったこげこげのケーキを千歳に渡す。
こげこげケーキは、千歳とわぴこから、と言うことで葵とぎょぴちゃんに渡された…。

ちょこっぴ王国の王子が日本に留学したいということで、
新田舎ノ中に王子を入れてほしいと筆銀学園の北条から連絡が入る。
王族が学校に来るということで、即OKする千歳。
しかし、それを聞きつけた都会ノ学園の由梨香が王子を脇からさらっていってしまう。
都会ノ学園に王子を取り返しに行く千歳一同。
しかし、王子の顔はマイケルくりそつだった。思わず放心する千歳だが、王子には変わりない。
どちらの学校も選べない、と言う王子。王子の頼みごとを聞いてくれた方の学校に入ることになり、
このあたりの中学に通ってる生き別れの兄を探して欲しい、と言われる。
と言うわけで、マイケルを連れてきて王子と再会させようとする千歳だが、
王子は似ても似つかない葵が兄だと主張するのだった。この際、誰でもいいといことでうやむやに終わる。

これが連載最後の話で、とくにまとめや最終回的な話はなく、終わり。
この後、番外編も数本発表されるが、特筆すべき点はなく、終わりは終わり。
359マロン名無しさん:05/01/10 06:00:32 ID:???
きんぎょ注意報乙です。
投げっぱなしなとこが多い話なんですね。
なんかタカピーって人がかわいそうだ
360マロン名無しさん:05/01/10 18:02:33 ID:???
きん注の人乙
アニメで見て大体は知っていたが、中途半端だなぁ
千歳と葵の関係が気になってたのに……
361炎のロマンス 1:05/01/10 19:52:04 ID:???
亜樹は少し泣き虫だが明るい普通の平凡な高校生。
転校生の須田くんはひとつ年上で、少し変わったところが多かった。
ある日突然須田は、亜樹の親友のしっかり者のまゆみに結婚を申し込む。
須田はまゆみを愛してはいないが尊敬しており、しっかりした女性を妻にしなければいけない理由があるらしい。
亜樹は他に好きな人がいたが、次第に須田に惹かれていき、告白する。
須田もまゆみへのプロポーズは撤回しないものの、内心では亜樹の方が好きになっていた。
偶然から、亜樹は須田が金髪碧眼であることを知る。
亜樹は驚くが、今度からそのままの金髪で学校に来てほしい、と須田に言い、須田はそれを承知するが、
翌日から彼は学校に来なくなってしまった。
亜樹は須田の消息を追う途中で、何者かにさらわれ、船に連れ込まれてしまう。
そして、亜樹が目覚めるとそこは、南の島、コーラル王国だった。
しかし亜樹は信じられない。何故なら、島の人々は皆、容姿は外国人ながらも、日本語を喋っていたからだ。

亜樹はコーラルの王子ルイに結婚を申し込まれる。
この国では、王位を継ぐ者は日本人の女性と結婚するのが掟だった。
七百年ほど前、一人の日本の女性とヨーロッパ人を乗せた船がこの島にたどり着いた。
初代国王に選ばれた青年はすぐに事故で亡くなり、代わって妻の日本人女性が治めることになり、この島は繁栄した。
二代目の王の時代には島は大飢饉にみまわれ、再び別の黒髪の女性が女王になり、島は生気をとり戻した。
この頃、伝説が生まれた。この島を守れるのは黒髪の女性だけなのだと。
この島の人々にとっては、黒髪の女王は神と同じ存在なのである。

しかし亜樹は好きな人がいる、とルイとの結婚を断る。
すると、日本で失踪したはずの須田が亜樹の前に現れた。
須田の正体は、もう一人のコーラル王国の王子レドビィで、ルイとは従兄弟同士であった。
362炎のロマンス 2:05/01/10 19:53:30 ID:???
亜樹は、須田ことレドビィがまゆみに求婚したわけを知り、
自分ではレドビィの花嫁に相応しくなかったのだ、と思い込む。
しかしレドビィは、亜樹を国の争いごとに巻き込みたくなかったので、日本から連れてこなかったのだ。
ルイの婚約者となり、すぐにも結婚させられそうになった亜樹は、
自分はまだ日本人であると主張し、日本の法律では16歳にならないと結婚できない、と結婚を延ばす。
亜樹は3ヶ月経たないと16歳にならなかった。
レドビィは亜樹の身を案じ、亜樹を日本に逃がそうとするがルイに見つかり失敗。
次期女王を逃がそうとした罪で、死刑を求刑されるレドビィ。

前国王であったレドビィの父は既に亡く、亜樹はレドビィの母である王妃に
争いをやめさせるよう頼むが、王妃は亜樹の要求をのみ、実の息子であるレドビィの死刑を早めた。
この国に争いごとが起きるのは、王子が二人いるからである。
ルイは、レドビィか国民か、どちらかを選べ、と亜樹に迫る。
また、ルイの依頼で、王妃は実の息子の死刑執行と警備総指揮官を引き受ける。
一時の面会を許された王妃とレドビィ。レドビィは母に、決して死ぬことなく、亜樹を見守り、
ルイが王として間違った道を歩まぬよう導いてほしい、と頼む。
レドビィを国のことを第一に考えるよう育ててきた王妃。王妃はレドビィを誇りに思う。

レドビィの死刑が執行されようとしたその時、亜樹が体を張って止めに来る。
追い詰められた亜樹は、女王として初めて命令を下す。
レドビィの死刑を中止し、まだ若いルイの片腕としてレドビィを補佐にする、と。
亜樹の強さを思い知ったレドビィ。だが、それはレドビィにとっては死ぬよりも辛い試練であった。

死刑執行前に、ひどい怪我を負ったレドビィ。
だがコーラル王国には医者がおらず、祈祷と薬草だけで病気や怪我をやり過ごしていた。
亜樹は改めて、コーラル王国が未開の地であることを知り、愕然とする。
363炎のロマンス 3:05/01/10 19:55:05 ID:???
またコーラル王国には、亜樹以外の黒髪の人間は誰もいないはずだったが、
ある日亜樹は、水浴びをしている美しい黒髪の女性を発見する。
亜樹はその女性を見つけ出し、ルイと結婚させればいいと思いつく。
しかし島のどこを探しても黒髪の女性はいない。改めて亜樹は日本が恋しくなり、母親を思い出し涙する。
亜樹のその姿を見て、レドビィは亜樹を何としても日本に帰したいと思い、
一時期留学していたタヒチから、友人のハルウが呼び寄せる。ハルウは黒髪だった。
レドビィは亜樹を日本に帰すために、ハルウを協力者として呼んだのだ。

日本に帰れる、と喜ぶ亜樹。亜樹はレドビィと一緒に日本に帰るつもりでいた。
しかしそんな時、亜樹はルイから過去のいさかいを聞く。
ルイの父とレドビィの父は双子の兄弟だったが、レドビィの父である兄王子は体が弱く、
日本へ花嫁を探しに行けなかった。ルイの父の弟王子は、兄のために花嫁を日本から連れてきたが、
既にレドビィの父は現王妃と愛し合っており、ルイの父も連れてきた日本人の娘・奈津子と愛し合うようになった。
同じ頃にそれぞれ男児が生まれ、レドビィとルイはそれなりに仲良く暮らしていたが、
前国王の死により、世継ぎであった兄王子派と、黒髪の女性を妻にした弟王子派とで、次期国王を巡り国に争いが起きた。
ルイの両親が国から逃亡しようとして、レドビィの両親に殺された、とルイは主張。
ルイは子供の頃からサモイという祈祷師にレドビィへ復讐するよう育てられていた。
その手始めが、レドビィの愛する亜樹を奪い取り、自らが国王となるというものだった。
王妃はルイの両親を殺したという話は否定。しかし、ルイは寂しいだけなのだと王妃は言う。
364炎のロマンス 4:05/01/10 19:56:47 ID:???
ルイと亜樹の結婚式が翌日に迫り、ついに黒髪の女王が誕生すると喜ぶコーラル国民たち。
ハルウやルイは亜樹を日本に逃がそうとするが計画が失敗し、黒髪のハルウは殺されてしまう。
ハルウは、タヒチの人間ではなく、この島の民、ダビという娘の兄であった。
代々、黒髪の女王がいれば、直系か子孫に黒髪の子供が生まれることもある。
だがコーラル王国では、昔、黒髪の女性たちが王位争いをし国内が乱れ、
それ以来女王以外の黒髪の人間は生きることを許されず、殺されるか島流しになっていた。
ハルウを埋葬し、逃走を続ける亜樹とレドビィ。
何とか日本へ向かう船へ辿り着くが、レドビィは国を見捨てることはできず、
思いあまって亜樹に「この国の女王になってくれ」と頼む。亜樹がルイと結婚しても、生涯守り続ける、と。
しかし亜樹は、愛してもいないルイとは結婚できない、と船に乗る。

愛するレドビィと別れる亜樹。だが、自分が去ったところで、ルイはまた黒髪の娘を連れてきて亜樹の二の舞になる。
それに、自分を逃がしたレドビィは死刑になるに決まっている。
そのことに思い至った亜樹は、船を南に向けるよう指示した。
亜樹は日本の両親へ、元気でやっている、とだけ手紙を書き、コーラルに戻る。
亜樹は女王として生きるためにルイと結婚する。
365マロン名無しさん:05/01/10 19:59:55 ID:???
炎のロマンス、まだ続きます。
366ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編:05/01/11 00:10:47 ID:???
怪物化したリルカは何故か志呂子に従わず彼女に襲い掛かる。
リルカは撃たれた瞬間、志呂子ではなく手鏡に映った自分を見ていたので従わなかったのだ。
そこへマシンガンが乱射され志呂子は死亡。リルカは弾を受けたが無傷だった。
撃った女は雪女(ゆきな)と名乗る、政府直属の生物兵器研究班に属する軍人で、前々から運命の弾丸に
目をつけており、それを奪いに来たのだ。
雪女はリルカをサンプルとして連れ帰ろうとしてリルカに襲われるが、冷凍弾を撃ち込みリルカを凍らせる。
「「FREEZE」という言葉を知っているか?「動くな」って意味と…「凍らせる」って意味さ…」
だが搬送中のヘリが聖黒須学園上空に来たところで、リルカは自ら熱を発して冷凍状態を解き暴れだす。
やむなく雪女はリルカを外に蹴落とし、リルカは学園のプールに落ちる。
雪女は応援部隊を呼び、学校を封鎖してリルカを回収、目撃者が出たら軍事機密を見たとして殺すことにする。

その頃学校には、豪人に護身術を教えてもらっていたれい子と、竹露、ラファエルの他に何人かの教師が残っていた。
一人トイレに行っていたラファエルの前にS・Cが現れ、れい子に星を返したいから仲介役をしてほしいと頼む。
リルカの恐ろしさにびびったS・Cは、れい子と手を組むことにしたのだが、先に事情を知らないれい子に会ってしまい
ボコボコにされる。そこへリルカが上空から落ちてくる。が、冷凍を解くのに体力を使ったリルカはまったく動かない。
何も知らない竹露は「あの人手当てしたほうがいいんじゃない?」と言い出し、豪人とれい子にきつく叱られる。
関係ない竹露を巻き込まないための気遣いだったが、怒った竹露は竹刀で豪人をひっぱたき帰る。
再びプールに目をやると、リルカがいない。S・Cはれい子に星を返すことも忘れ逃げ出し、豪人とれい子は後を追う。
一人残されたラファエルの背後から、ナイフを構えた雪女が近づいていた。
367ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編:05/01/11 00:13:49 ID:???
雪女たちに見つからないうちに逃げようとするリルカだが、まだ体力が回復しておらず倒れる。
通りかかった竹露は、れい子達の言いつけを破り保健室にリルカを運んでしまう。
その行為を「偽善」と言うリルカだが、竹露はまったく動じない。
竹露は子供の頃、捨てられていた犬猫を拾っていたことで同じように「ギゼンシャ」といじめられていたことを話す。
ある日竹露は捨て犬を見つけるが、いじめられるのが嫌で無視して帰ってしまう。翌日、子犬たちは人間に虐待された
無残な姿で死んでいた。
「だからその時あたし決心したの。何もしない善人よりも、何かをするギゼンシャになろうってね」
「…………チッ」

ようやくS・Cに星を返してもらったれい子。ふと男子トイレの窓に血がついているのを見つけた豪人は、調べに行って
中にラファエルと三人の教師達の惨殺死体を見つける。殺した張本人である雪女と出くわし戦いになるが、豪人は
撃たれて倒れる。
突然聞こえた銃声に驚くれい子だが、今度はS・Cが額を撃ち抜かれ死んでしまう。応援部隊が到着したのだ。
校内に戻ったれい子はすっかり回復したリルカに遭遇。リルカは現れた応援部隊から思いがけずれい子をかばう。
彼らを蹴散らしたリルカは、竹露を脱出させる自身がないから決着はおあずけだと宣言しれい子を驚かす。

豪人を殺した雪女だが、何故かまだ人の気配がするような気がしてしょうがない。
すると突如背後からもう一人豪人が。雪女が倒したのは彼が召喚した変装を得意とするゾンビ「オルタナティブ」だった。
豪人は雪女達が全員を殺すつもりだと知り激怒。一度は形勢逆転されるがフェイント技で何とか雪女を倒す。
368ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編:05/01/11 00:15:44 ID:???
雪女を拘束したれい子達は彼女から情報を聞き出そうとするが雪女は何も答えない。
ならば殺してゾンビ化してから聞き出すとサキを召喚。腕がないサキだが足でナイフをふるって雪女を脅す。
雪女は連絡が三十分途絶えたら部下が総攻撃をかける手はずになっていると笑い、外からプラスチック爆弾を
くくりつけられた犬が入ってくる。だがそれは雪女の上官、銀(しろがね)少尉が彼女もろとも彼等を吹き飛ばそうと
差し向けたものだった。
見限られたことを察し雪女は絶叫。爆弾が爆発し、れい子達は逃げ出せたが豪人が竹露をかばって怪我をしてしまう。
リルカに豪人を任せ、竹露は手当てのための道具を探しに行く。その時リルカの額から運命の弾丸が落ち、リルカは
普通の人間に戻ってしまう。

銀は回収した運命の弾丸は全て制作途中のものだったと、部下にリルカの額に埋まっている弾丸を取りに行くよう命じる。
中に入ると廊下にはラファエルたち四人の死体が並べられていて、傍にれい子が立っていた。
れい子はゾンビ化の呪文を唱え四人を蘇らせると、彼等に兵士達を襲わせる。その声は外にあるS・Cの死体にも届き、
銀は彼に襲われる。部下は全員殺され、奥の手の爆弾犬もやられてしまう。
助けたのはあの爆発を生き延びていた雪女だった。だが自分が彼の策略で解任されたことを知った雪女は、怒りと憎悪から
れい子達におまえ達はもちろん、家族も全員皆殺しにすると宣言。見せしめとして銀を文字通りズタズタにする。
「オラァ歯向かってみせろよ少尉!!テメー軍人だろうがよ!!男なんだろうがよ!!私はもう軍をやめた素人!!それも女だよ!!
そいつにおまえはズタズタにされてんだよバ〜カ!!」
もはや鬼女と化した雪女にぞっとする一同。サキや他のゾンビ達もダメージがひどく、頼みの綱のリルカももう怪物ではない。
れい子達は学校から脱出することにする。

瀕死の銀を引きずり、校内に入った雪女の前に彼女に殺された四人のゾンビが立ちはだかる。
「また私に殺されたいか?クズ肉どもが…」
369ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編:05/01/11 00:19:05 ID:???
襲い掛かってくるゾンビを次々と倒す雪女。ラファエルのゾンビがキルド・メイデンを召喚したが、雪女は銀の体を
盾に使って攻撃を防ぐ。
「ああっ銀少尉!!私をかばって死んでしまった!!なんてこと!!」「さらにその上…まだ立ち向かって行くとは!!」
雪女は銀の体ごと彼の手榴弾をラファエルに投げつけ、ゾンビは全員倒される。

れい子達は外で兵士が乗ってきたジープを見つけ、竹露は豪人から護身用にと残っていた銃を渡される。
しかしいざ逃げようとしたその時雪女が襲い掛かってきた。れい子はサキを召喚するが雪女に粉々に吹き飛ばされる。
雪女は最初にリルカを殺そうとする。竹露は絶対に助けると自分が持っていた銃をリルカに投げるが、受け取ったのは
雪女。怒るリルカは雪女に撃たれた、と思った瞬間銃が暴発し雪女は重症を負う。竹露が銃口に飴玉を詰めていたのだ。
「…また、おまえに助けられたわね」
「「絶対助ける」って言ったでしょ?あたし友達に嘘はつかないの」
リルカは初めて友達と呼ばれたことに動揺。今までそんな人間はリルカの近くにはいなかった。れい子はリルカが変わって
来ていることを感じ取る。
しかし雪女はしぶとく立ち上がり、隠し持っていた志呂子の銃を取り出す。銃には自分の姿を見るための鏡がついていた。
雪女はそれで自分を撃つと怪物化。逃げようとするれい子達だがリルカは雪女を挑発し、校内へとおびき寄せる。
目当ての物を探して理科準備室に来たリルカだが、雪女に捕まりボコボコに。後から飛び込んできたれい子達に助けられ
リルカは中で液体窒素を探し出す。れい子達は必死で戦うがやはり怪物化した雪女には敵わず全滅寸前。
リルカはアルコールランプを手に、雪女を実験室の中へと誘う。
370ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編:05/01/11 00:22:05 ID:???
ランプを投げようとしてリルカは雪女に刀で腹を貫かれる。ランプは床に落ち、その煙でスプリンクラーが作動し始めた。
「雪女。たった今おまえの死は決定された」
リルカの狙いは雪女を水で濡らし冷気を吸収しやすい状態にすること。リルカが手にしている瓶が液体窒素だと気づき、
雪女はリルカに襲い掛かるが凍らされてしまう。
「"FREEZE"と言う言葉を知っているか?「動くな」って意味と「凍らせる」って意味よ…!」
リルカは腹の刀を引き抜き雪女を砕く。雪女はついに死んだ。

ようやくダメージが回復してきたれい子達は実験室の中へ。散らばった雪女の破片の中でリルカもまた、息絶えていた。
大泣きする竹露を見ながら、れい子は思う。
(これでよかったのかもしれない…竹露にとってはつらいだろうけど、リルカは竹露の友達として生きていくにはあまりにも罪を
重ねすぎた…!!)

「三人とも何やってんの?私はこっちなんだけど」
霊になったリルカは自分が死んだと言う自覚がなく、倒れた自分の姿を見つけて混乱。
そこへ同じく霊となった志呂子が、リルカを地獄に迎えに来た。背後の穴から見える地獄には、これまでリルカが殺した者や
かつての部下達がいてリルカを恨めしそうに見つめていた。リルカは自分が死ぬことを悟り、れい子達に声をかける。
「れい子……わたしは一足先に地獄行きみたいだわ。おまえとの決着はいつかあっちでつけよう…だからなるべく早く死ね」
「豪人、おまえは絶対戦いの途中で死ぬと思ってたんだけど、予想が外れたわ」
「竹露…おまえはいまいち自覚してないようだが…おまえには「ゾンビ召喚」の素質がある。れい子や豪人のような…自分の
身を守ってくれるゾンビをおまえは呼び出せるのよ。もし将来おまえが危険な目にあった時は…このリルカがいたことを
思い出せ。その時は、この私がおまえを守ってやる…!!」

こうしてリルカは地獄へ旅立ち、聖黒須学園の悪夢の一夜は終わりを告げた。
371ゾンビ屋れい子 運命の弾丸編:05/01/11 00:28:15 ID:???
事件は新聞やテレビで大きく取り上げられ、当然だが雪女たちが所属していた特殊部隊は違法組織だったため
国会やワイドショーで激しい論争が繰り広げられた。
殺された人たちは皆荼毘に付され、リルカの遺灰はれい子が引き取り海に散骨することに。
リルカが両親を殺した以上、同じ墓に入れるわけにはいかないという判断からだった。
ジャスミンも立ち会うが、リルカとの戦いに誘われなかったことで少々不機嫌。
駆けつけた竹露が灰を撒くと、風が吹きつけれい子に灰がかかってしまう。だが竹露はまったく気づかない。
「ずーっと忘れないよリルカ!!いつまでも!!永遠に!!」


その後。
妻が突然謎の自殺を遂げた資産家の下に、れい子がやってくる。
死者を蘇らせ、彼らしか知りえない情報を聞き出すことで報酬を得る「ゾンビ屋れい子」が。

運命の弾丸編 おわり


*なんとなく最終回っぽい感じですが、まだ続きます。
372マロン名無しさん:05/01/11 00:42:44 ID:???
ストーリー書いてる人、お疲れ。
373マロン名無しさん:05/01/11 10:10:02 ID:???
凄い話だな炎のロマンス。
ググッて画像を見てさらに衝撃を受けた。
374マロン名無しさん:05/01/11 11:12:18 ID:???
>>373
1970年代の少女漫画ですから…。
はっきりいって矛盾点やツッコミ所も多いのですが、
この作者はその場の勢いとノリとドラマチック展開を重視するので
あまり気にしてはいけません。

というわけで炎のロマンス、一気に最後までいきます。
375炎のロマンス 5:05/01/11 11:12:58 ID:???
女王となった亜樹は、ルイに「女王となるために島に戻ってきたが、あなたの花嫁になる気はない」と告げ、
レドビィを呼び、共にコーラル国の歴史や風習の勉強を始めた。(要するに体は許してない)
ルイの育ての親である祈祷師サモイは、亜樹を思い通りに動かそうとするが、亜樹は意のままにならない。

ある日亜樹は偶然、ルイが黒髪であることを知る。
以前、亜樹が見た黒髪の女性(亜樹は女性だと思い込んでいた)は、ルイだったのだ。
ルイは今まで黒髪であることを金髪のかつらをかぶって偽っていた。

王妃は、新しい女王が誕生したので、国王代理の役目は済んだと、城を出て行く。
レドビィに連れられ、樹海を抜け、王妃の住む村に行った亜樹は驚く。
村の人々は皆、黒髪だったのだ。ここは役人の目を逃れて逃げ込んだ人々が住む黒髪村。
王妃はこの村で生まれたが、運良く金髪に生まれ、前王に見初められた。
王妃は黒髪村の人々をいつか明るい外界へ連れ出したいと思っていたが、
それが及ばなかった今、亜樹は王妃の意志を継ごうと決意する。

亜樹は国会へ出す審議案を作る。
黒髪の女王を亜樹の代をもって廃止すること、女王以外の黒髪の人々にも生きる権利があること、
自由結婚制度(コーラルでは国王が国民の結婚相手を決める)、学校を作ること――
しかし、レドビィは急な革新には反対。今までの制度にも全て理屈はあったからだ。
黒髪の女王でない代は不幸が続き、島の人口が少なかった頃は近親婚が続いたため障害児が多く生まれ、
それを阻止するために国王が血の繋がりがない者だけに結婚を許していた。
亜樹は、一番反論が少なさそうな学校を作るという案だけを国会に通す。
376炎のロマンス 6:05/01/11 11:13:39 ID:???
コーラルに学校が設立されたが、サモイが裏で手を回し、教師が一人も来ない。
亜樹とレドビィも子どもたちに教師として教えることになる。
そんな時、レドビィと亡くなったハルウの妹・ダビの結婚命令書が提出される。
亜樹は結婚命令書へ捺印しようとしなかったが、言うことを聞かない女王にサモイがついに刃を向け、
それをかばったルイが負傷してしまう。
自ら育てたルイも手にかけようとするサモイに、亜樹はレドビィとダビの結婚命令書を受理する。
だが何も知らないレドビィはそれを破いてしまう。
次々と、他の若者たちも決められた結婚制度に反対し、彼らに猶予が与えられた。
サモイは結婚の自由を認める代わりに条件を出す。
それは、足を踏み入れると神の怒りを買うと言う神の山に、祭殿を造れ、というものだった。
レドビィと彼を信じる男たちは神の山へ行くことを決意する。

神の山へ行ったレドビィを信じて待つ亜樹。
しかし、ルイが亜樹に愛の告白をする。レドビィを忘れて本当の妻になってくれるならば、亜樹に協力する、と。
亜樹はルイのことがもう嫌いではなかったが、愛しているのはレドビィ一人だときっぱり言う。
ルイはレドビィを一層憎むが、亜樹の心が自分を受け入れてくれるまで待つことにする。

レドビィのいない間、女性の服装の改善や、学校の教育に力を注ぐ亜樹。
そんな時、日本の旗を掲げた船が島にやってくる。女王以外の黒髪の者が島に入ってきては殺されてしまう。
亜樹は島に上陸しないうちに女王として船に挨拶をしに行く。
その船の人々は日本人ではなかったが、船の主が日本人だった。
主は亜樹と同じ年頃の少女・朱里。朱里は小さい頃日本にいただけで、国は香港だと言う。
船は食料や水を詰め込むと、島から去って行った。
377炎のロマンス 7:05/01/11 11:14:17 ID:???
学校で子供たちに勉強を教える亜樹だが、サモイがそれを妨害。
亜樹は改めて、女王としてはサモイの操り人形に過ぎないことを思い知らされる。
亜樹はルイに、あなたの妻になる、と宣言しルイの助力を請う。
初めて愛し愛される者ができたと喜ぶルイ。

亜樹は国会で、黒髪村の子供をかばったことがあることを問い詰められる。
事実を認めた亜樹は、1ヶ月間の謹慎処分を受けそうになるが、ルイがかつらを取り、黒髪をあらわにした。
ルイは黒髪のままで国中を回り、無事に戻れたら黒髪の人々に生きる権利を認めさせようとする。
黒髪の子供を殺された国民はルイに対して怒りを見せるが、亜樹は二度とそのような過去を繰り返さないためにも、
国会で黒髪制度を廃止させるよう国民を扇動し、ついにサモイたちに女王以外の黒髪の者が生きる権利を認めさせた。
ルイは、今まで欺いてきた国民に償うためにも、立派な国王になろうと決意する。
そして亜樹の夫としてふさわしい人間になろうと。

そこに、以前に未完成のままだった、ルイの母親・奈津子の肖像画が完成したという知らせが入る。
それを亜樹と共に見に行ったルイだが、亜樹はルイの母が自分の母親だと言う。
名前も同じ奈津子で、亜樹は母親から、ルイの母が持っていたものと同じブレスレットをもらっていた。
ルイは奈津子が死んだと思い込んでいたが、日本に落ち延び、亜樹を産んでいたとしたら、
ルイと亜樹の二人は兄妹である。
生まれて初めて愛した女性が妹かもしれない、と激しくルイは動揺する。

ルイはことの真実を確かめるため、奈津子のことをよく知る王妃のいる黒髪村へ亜樹と共に行く。
しかし王妃は病で伏せっていた。
一方レドビィは、黒髪村の人々の力を借りながら、順調に神の山に祭殿を作っていた。
病床の王妃は、奈津子が日本から持ってきたアルバムを取り出し、ルイに渡す。
アルバムにある写真は、間違いなく亜樹の母親であった。
ルイと亜樹が兄妹だと判明し、レドビィは亜樹をお嫁にくださいとルイに頼むが、
ルイはレドビィにだけは亜樹は譲らないと宣言。
しかし、この国では近親婚は最も罪が重い。レドビィは亜樹を城に戻さないようにするが、
ルイは愛する亜樹がレドビィを選んだと思い、一人で城に帰る。
378炎のロマンス 8:05/01/11 11:14:55 ID:???
サモイは亜樹が行方不明になったのをいいことに、国民に女王が日本に帰ったと告げる。
サモイの陰謀だと気づいた人々は亜樹を探し始めるが、サモイは1週間以内に亜樹が見つからなければ
次の女王は自分が選ぶと決める。
適当な黒髪の娘を探すためにタヒチに出向いたサモイは、以前、コーラル王国を訪れた朱里と出会い、
彼女を女王とすることに決める。
朱里は密輸団の首領の娘で、コーラルの島の秘宝と引き換えに女王となることを承諾する。

亜樹はルイのためにも城に戻ろうとするが、レドビィは今戻ればサモイに殺される、と亜樹を止める。
サモイにとってまだルイは実権を握るための道具であるから、ルイに手出しはしないだろう、と。
亜樹はルイの妹として、日本と国交を結び、ルイと母を会わせてあげようと決める。

神の山の祭殿は完成した。
亜樹は、黒髪制度は廃止になったのだと、黒髪村の人々を外界へ連れ出そうとするが、
黒髪村の人は皆、外界や女王を憎んでいた。亜樹は村の人々に監禁されてしまう。

そのことを知らないレドビィは一足先に城に戻っていたが、朱里が新女王となるために到着していた。
しかし亜樹を忘れられないルイや、国民は、朱里を受け入れようとはしない。
ルイはレドビィと語り合い、レドビィが亜樹の幸せを常に考え行動していたことを思い知る。
ルイは亜樹への愛から、レドビィに亜樹と結婚しろと言う。
また、亜樹のいる樹海に火をつけられたことから、ルイは火を消し亜樹を助ける代わりに朱里との結婚を承諾。
379炎のロマンス 9:05/01/11 11:15:29 ID:???
監禁されていた亜樹は以前助けた黒髪村の子供によって脱出させられる。
亜樹は村に残っていた王妃も連れて行こうとするが、王妃の体は一層悪くなっていた。
しかし、息も絶え絶えに王妃が呼ぶ名は、実の息子のレドビィではなく、ルイであった。
王妃は亜樹にルイの両親のことを語る。
平和を愛した弟王子と奈津子は、王位争いが起きた際に日本に行こうとしたが、
弟王子は殺され、奈津子は崖から身を投げ出し、ルイだけが残った。
ルイは連れ去られるが、その後、サモイの養子として再び姿を現す。
サモイはルイが黒髪であることを盾に、王と王妃に地位と富を要求。
また、サモイは両親を殺したのが王妃たちだとルイに言い聞かせ育ててきた。
しかし、ルイが黒髪であることをばらすと脅された王妃は、今まで真実を告げることができなかった。

その上、新たな真実が明らかになる。レドビィとルイは、生まれた時に入れ替わっていた。
黒髪のルイを産んだ王妃と、それを知った奈津子が、二人の子を入れ替えたのだ。
金髪のレドビィはこの国でも生きていけるが、ルイは生きていけない。
奈津子は王妃の子のルイと共に日本に帰ろうとしていたのだ。
実の母親を親の仇と今まで信じていたルイ。そして、兄妹だったのはレドビィと亜樹だった。
380炎のロマンス 10:05/01/11 11:16:20 ID:???
真実を胸に城に戻る亜樹。だが、既にルイと朱里の結婚式が終わった後で、
国に女王が二人という状況になってしまった。
サモイは病気の王妃を見て、王妃と亜樹がコレラだと偽り隔離させる。
未だ王妃を親の仇と思っているルイは、サモイから渡された薬を王妃に飲ませてしまう。
薬はコレラそっくりの症状が出る、というだけのものだったが、王妃は時を置いて死亡。
しかし、朱里のいた船にいた医者の診断では、王妃の死因は熱帯性熱病の心臓発作であった。
ルイの飲ませた薬がもとで死んだのではなかったが、発作の原因自体は薬のせいである。

親の仇を討った、と思い込むルイの胸には空しさが残った。
亜樹はたまらず、ルイと王妃が実の母子であったことを告げてしまう。
それをレドビィも聞いてしまった。入れ替わりの真実を知ってしまったレドビィとルイ。
ルイは実の母である王妃を殺したショックにより、精神が幼児のように退行する。
そんな時、島の人々が次々に熱帯性熱病で倒れ、国が混乱。
だが、亡くなった王妃に、国のため国民のためを第一に考えるよう育てられてきたレドビィは、
亜樹と兄妹だったことにも動揺を見せず、ひたすら冷静に振る舞う。

熱病にかかった人々を救う薬を手に入れるため、タヒチに向かったレドビィと亜樹。
何もかも捨て女王になった亜樹だが、兄だとわかったレドビィへの愛は、未だ捨て切れなかった。
だが、レドビィは今まで母と信じてきた王妃が母ではないと知っても平然としている。
亜樹はそんなレドビィに憤りを感じる。
だが、実の母のことを思い涙するレドビィの姿を見た亜樹は、彼こそコーラルの国王に相応しいと思うのだった。
381炎のロマンス 11:05/01/11 11:17:25 ID:???
亜樹とレドビィは薬を持って島に戻るも、もうじき亜樹と朱里のどちらが女王になるかの選挙が行われようとしていた。
だが、亜樹は正気を失ったルイを連れて日本に帰ることを決めていた。
選挙が不利だと判断した朱里は、サモイから夫婦であったルイと亜樹が兄妹であったことを聞き、
国民に知らせようとする。戸籍上はルイが奈津子の子であるのだ。
しかし、日本から取り寄せた亜樹の身許証明によると、亜樹の実の母親は死んでおり、
コーラルから逃れた奈津子が亜樹の父と再婚し、二番目の母親となったことが明かされる。
亜樹と奈津子に血の繋がりはなく、従ってレドビィとも兄妹ではなかった。

勝ち目がなくなった朱里は国を出ることに。亜樹はサモイの国外追放の刑を下す。
そして、亜樹は自分の代で黒髪の女王制度を廃止することを宣言。
亜樹とレドビィの間で、どちらが国王になるかの国民選挙が行われる。
選挙は僅差でレドビィの勝利に終わる。
亜樹はレドビィに王位を譲り、ルイと共に日本へ帰ろうとするが、
逆上したサモイが亜樹に斬りかかってきた。それをとっさにルイがかばい、ルイは死亡。
ルイは天の上で、やっと実の母子として王妃と会う。

今度こそ亜樹は、朱里の船に乗り、日本に帰ることにする。
今まで亜樹を犠牲にしてきたレドビィは、亜樹の幸せを考え、自由にしてやろうとする。
だが、直前でレドビィは、亜樹を追いかけ、王子としてではなく初めて一人の男として亜樹へ想いをぶつけた。
亜樹は死んでいったルイのこともあり躊躇していたが、この国を愛していたルイのことを思い、
レドビィと共にこの国を守っていこうとする。
数日後、亜樹はレドビィと結婚式を挙げた。

4年後。亜樹とレドビィは日本へ里帰りし、
亜樹にとっては育ての母、レドビィにとっては実の母である奈津子と再会した。
その翌年にはコーラル王国と日本の間に国交が成立する。

おわり
382マロン名無しさん:05/01/11 13:53:28 ID:???
>>371
>妻が突然謎の自殺を遂げた資産家の下に、れい子がやってくる。
>死者を蘇らせ、彼らしか知りえない情報を聞き出すことで報酬を得る「ゾンビ屋れい子」が。

これ1話だよね。ここで終わればパイナップルアーミーみたいだけどまだ続くのかー。
楽しみ。
383マロン名無しさん:05/01/11 14:30:12 ID:???
サモイは結局どうなった?
384マロン名無しさん:05/01/11 19:07:23 ID:???
「宇宙おてつだい☆やよいさん」
誰か教えてください。よろしくお願いします。
385マロン名無しさん:05/01/11 20:09:35 ID:???
>>383
サモイはルイと刺し違えて死にました。
ルイの死がクローズアップされてたのでサモイが死んだことに気づいてませんでした。_| ̄|○

最後の「ルイは死亡」の箇所「ルイはサモイと刺し違えて死亡」ってことで…。
386銀の三角 1:05/01/12 18:24:54 ID:???
第一部
1.いのりのあさ
美しい黒髪をターバンに隠した楽師ラグトーリンは歌う、銀の三角の歌。

遠い遠い昔、銀の三角と呼ばれた星があった。その星はいつも闇に覆われていた。
朝が近づくと、人々は婚礼を支度を始める。
まつりが始まり、楽師たちが音楽を奏でるとそれをめがけて朝が訪れる慣わしであった。
しかしその年はいくら祈っても朝が来なかった。
そこで村で一番の楽師が夜を割り朝を呼び込むことになった。彼は新しい歌とその身を神に捧げた。
 神々よ いますこしこちらに目を向けておくれ
 夢のまひるに金銀の四角三角 六角無限角 恒久沙角…
彼の犠牲のおかげで朝は訪れ、人々は新たな子孫を作ることができたのだった。


2.チグリスとユーフラテスの岸辺
人類はその版図を宇宙の広範囲へと広げていた。
進んだ科学力で社会の安定と長命を得た人々の暮らす中央星系(セントラル)に住む青年・マーリーは
友人ジェイフからもらったカセットテープに入っていた激しく原始的な歌声に惹かれ、
歌声の主・エロキュスのコンサートのために政情不安な辺境惑星へ向かう。
コンサートの最中に暴動が起こり、マーリーは暴徒の中からエロキュスを救い出すが彼女は義足をもがれ重傷を負っていた。
川を下る小船の中で、エロキュスはかつてセントラル向けの音楽をやっていた頃に休暇で出かけた高地で見たという幻について語る。
虹彩の細い少年と、彼に向かって歌いかける黒髪の少女の幻を見て以来、
中央向けに調整された音楽をやめ、より原始的な音楽を始めたのだと彼女は語った。
そして彼女は死に、マーリーは遺体を中央の再生センターに送る。遺体の脳から抜き取られた彼女の記憶と意識は
「機械の体に記憶を移し再び中央向けの歌手として再生するか」と問われるが、彼女は再生を拒否する。
387銀の三角 2:05/01/12 18:25:41 ID:???
3.ミューパントーの歌
マーリーはエロキュスが見たという少年と黒髪の少女について調査を開始。
辺境音楽を研究するブールマン博士に尋ねたところ、黒髪の少女は実在の吟遊詩人・ラグトーリンで
かつて博士のもとを訪ねてきたことがあるという。ラグトーリンもまた、虹彩の細い人種を探していた。
その人種は、3万年も前に滅びたはずの「銀の三角人」だった。
ガスに覆われた「銀の三角」の星では定期的にガスを晴らし、光を浴びて発情し交配を行う人々が住んでいたのだという。
銀の三角人はは予知能力を持っていたため、他の星系の人々に狩られ数を減らし、
やがて星系間の戦争に巻き込まれ死に絶えたのだという。


4.ラグトーリン迷路
マーリーはエロキュスが歌っていた歌に近い音楽がある辺境星系「赤砂地の国」を見つける。
政情不安で危険な場所に向かう前の常として、記憶を記録し再生センターに送ったマーリーは
エロキュスの遺品の琴を持って旅立った。
赤砂地に着くと、中央からの客人としてリザリゾ王に迎えられる。
ちょうど生まれたばかりだという長子の名づけ親になってくれと王はマーリーをその子と后の下へ案内するが、
生まれた子は細い虹彩を持つ王子であった。リザリゾ王は「魔性の子を殺せ」と命令する。
388銀の三角 3:05/01/12 18:26:15 ID:???
5.風 水 時の流れ
マーリーは、王宮で出産に関して不吉な予言をしたために追放処分となった老いた予言者ペシャに会い、
「楽師を探すなら西の高原に住む「音の老サ」に会え、しかし行けば人死にがあるだろう」と教えられる。
言われた通りに西の高原の遊牧民の村にやってきたマーリーだが、そこで
「音の老サは昨年亡くなったが、マーリーが4年前に来た時に探していたラグトーリンという娘がちょうど20日前に村にやってきた」
と教えられる。だが、マーリーは今まで一度も赤砂地に来たことはない。
マーリーは4年前に誰か自分の名を騙った者がいるのか、といぶかしみつつもラグトーリンに会いに行く。
ラグトーリンのテントの中で彼女と二人きりになったマーリーはエロキュスの話をするが、
彼女はエロキュスの名前すら聞いたことがない、と言う。
マーリーは、追悼のために何か弾いてくれとエロキュスの遺品の琴をラグトーリンに手渡す。
彼は実は、ある音に反応し爆発する熱弾を琴に仕掛けておいた。ラグトーリンを殺すつもりだったのだ。
曲が佳境に差し掛かったとき、熱弾が爆発しラグトーリンを殺した…はずだったが、
気付くとマーリーはラグトーリンに再びエロキュスの話をしていた。
時間が巻き戻っていると気付いたマーリーに「私を殺しに来たのか」と問うラグトーリン。


6.消失と再生
マーリーは慌てて彼女に銃を向けるが、逆に殺されてしまう。
物音に気付いてテントに入ってきたラグトーリンの恋人・タカオは、マーリーの遺体を運んで密かに荒野に埋める。
タカオは「二人で遠くへ行こう」と誘うが、ラグトーリンは彼を残し一人消えてしまう。

その頃、中央のマーリーの属するセクションでは、マーリーの体内に埋め込まれた生体反応板から
送られてくるはずの反応波が9日前から途絶えていることが問題になっていた。
生体死を表すゼロ波すら送られてこない異常事態に、セクションの責任者チェッカー(注:人名)は
消失したオリジナル(マーリー1)を諦めクローン再生を許可する。
予め用意されているクローンの体に、赤砂地に向かう前にマーリーが記録しておいた記憶を注入するのだ。
最後の記憶が記録されてからクローンのマーリー2が目覚めるまでの間はわずか12日。
何も問題はないはずだった。
389銀の三角 4:05/01/12 18:27:28 ID:???
第二部
1.マーリー2
マーリー2再生プロセスで事故が起こり、
たまたま記憶箱の隅に残っていたエロキュスの記憶も一緒にマーリーの頭脳へ注入されてしまった。
二人分の記憶を注入された人間は記憶喪失や人格分裂を起こしやすい。
チェッカーはクローン再生後のリハビリ中のマーリー2に面会するが、案の定マーリー2は記憶喪失を起こしており、
以前のマーリーとは全く違い不安げな表情を浮かべた子供のようになってしまっていた。
チェッカーは新たなクローン作成を指示したが、クローン体完成までに1年はかかってしまう。
マーリーが何のために赤砂地に向かったのかは依然謎のまま。チェッカーは焦る。
リハビリを終えて家に戻ったマーリー2は、自分が何者なのか一人悩む。


2.安定指数セクション
チェッカーはマーリーの友人ジェイフに接触し、表向きはフリーライターだったマーリーは
実は中央の保安機構の一員だったことを明かす。
中央の長命の人々のために安定した社会を実現する保安機構とは、
様々なデータを収集し安定指数を割り出しては不安要素を取り除く機構である。
マーリーは社会の変動を予知できる超能力を持っていたため、保安機構で安定指数のスペシャリストとして働いていたが、
赤砂地で行方不明になる前から異常な行動が目立っており、思考判断が狂えば殺人を犯す可能性もある、
とチェッカーは漏らす。
それを聞いたジェイフはエロキュスを殺したのはマーリーではないかと怪しみ、マーリーの家へ向かう。
しかし実はチェッカーは嘘をついていた。マーリーは本当は安定指数セクションの暗殺者だったのだ。
マーリーには、チェッカーの許可なしに不安要素を排除する権限が与えられていた。
チェッカーは、赤砂地で行方不明になったマーリー1の行動をジェイフを利用して探らせるつもりだった。

マーリーの家を訪れたジェイフは、家のそばの湖で水蛇とともに泳ぐ黒髪の少女の姿を目にする。
ラグトーリンと名乗るその少女と記憶喪失のマーリー2を残し、ジェイフはマーリー1の追跡調査に出かける。
彼女は何も覚えていないマーリー2に、かつてマーリー1が時空的に4年後の村にいたラグトーリンに
時空を飛び越えて会いに来たことを話し「また赤砂地に来て、今度は殺さないから」と言い残し消える。
390銀の三角 5:05/01/12 18:28:35 ID:???
3.影日
ラグトーリンの言葉に誘われ、再び赤砂地を一人で訪れるマーリー2。
赤砂地の国はちょうど「影日」と呼ばれる月食の夜であった。
宙港で入国手続きをしている最中、連絡を受けた荒地の城主ガルガがやってきてマーリー2を密かに連れ出す。
ガルガによると、王子の不吉な出産に立ち会ったものは王により全て殺されて清められ、
唯一生き残ったペシャとマーリーを王が血眼になって探している最中なのだという。
反乱を計画しているらしいガルガは、遠まわしにセントラルの助力を請うが
何も力にはなれないとマーリー2は答える。
影日の祭りのために楽師たちが高原に集まっていると聞いたマーリー2は
ラグトーリンに会えるかもしれないと期待し、ガルガに頼んでヘリコプターを借りて高原へ向かう。


4.高原幻想
高原に一人降り立ったマーリー2はラグトーリンを探すが見つからず、
代わりに「音の老サ」に会い「時期が来ればラグトーリンと会えるだろう」との予言をもらう。
その後、遊牧民の少女に手を引かれ、王から逃れ高原に来ていた予言者ペシャの元へ案内される。
ペシャのテントには、王宮で生まれた虹彩の細い赤子がいた。それは殺されたはずの王子だった。
この王子は何度殺されても死なず、最後は井戸に放り込まれたがそれでも死ななかったので
王宮の予言者の一人が密かにペシャに託したのだ。
ペシャは「王子を星から連れ出して助けてやってほしい」とマーリー2に王子を渡す。
断ろうとしたその時、胸に剣を刺される瞳の細い少年の姿とともに「引き受けて!マーリー」という声が心に響き、
つい王子を受け取ってしまう。
迎えのヘリに乗り込みながら、記憶もなく自分の身すらもてあますマーリー2は頭を抱える。


5.バリエーション
マーリー2はヘリのパイロットに直接宙港へ向かうよう指示。
ヘリの中で彼は赤砂地から逃れられず王に捕らえられてしまうという予知夢を見る。
彼は何度もパターンを変えて脱出の予知を試みるが、どんな方法を採っても最後には王に捕縛されてしまう。
多重予知夢に絶望し、時空の狭間に落ち込んでしまうマーリー2。
そこにラグトーリンが現れ、王子の運命は赤砂地に深く縫い付けられており
どうしても助けることができないのだ、と告げる。
391銀の三角 6:05/01/12 18:29:25 ID:???
6.歪んだモザイク
ラグトーリンは、王子とマーリーは時空人なのだと言う。
時空人は体内に時間軸を持ち、予知・予言のみならず、時間と空間を移動し過去・未来に干渉することが出来るのだ。
彼女はマーリー2に15年後のリザリゾ王宮で起こる出来事を見せる。
そこでは、成長した王子=ル・パントー(小さな銀の三角人、の意)が王の前で兵士達に剣で何度も刺され苦しんでいた。
目も見えず耳も聞こえず一人では何もできないル・パントーだが、彼は時空人だったために
肉体が死ぬと体内の時間軸が死ぬ前の体を持ってきてしまい、何度殺されても死ねないのだ。
そして15年後のその日、とうとう王自身が剣を取り、ル・パントーを突き刺す。
王である父親に刺される瞬間、ル・パントーは自分が父に殺され続ける運命から逃れられないことを予知し絶望、
異形音を発して体内の時間軸を破壊する。そしてル・パントーは王の剣によって死ぬ。

ラグトーリンは、ル・パントーの発する異形音を止めたいのだと言う。
その異形音は彼の体内の時間軸のみならず、この宇宙を構成する時空の結晶のモザイクをも破壊してしまい
世界を歪ませてしまうのだ。
ラグトーリンは歪んだ未来とたわんだ過去を見、そしてあらゆる時空の中ル・パントーを探し続けていた。
彼女はル・パントーが過去に未来にと飛ばした夢の跡を辿り、ようやくル・パントー本人を見つけ、
彼が異形音を発しないように様々な方法で彼を救おうとしたが
彼の運命は赤砂地の上に深く縫いこめられており、どうやっても引き剥がすことができない。
彼を助けるためにマーリー2の助けがいるのだ、とラグトーリンは話す。
392銀の三角 7:05/01/12 18:30:36 ID:???
第三部
1.交錯
ラグトーリンは「あなたはル・パントーを救う音楽を知っているはず。あなたのもう一つの名は?」との問いを残し消える。
マーリー2が我に帰ると、人気のない夜のガルガ城にまだ赤子のル・パントーを抱いて座っていた。
空の月の欠け具合から、数日かあるいは数ヶ月時間移動したことを知る。
彼の隣には、成長した姿のル・パントーの夢の影が座っていた。

マーリー2が再び赤砂地で消息を絶ってから1年後、中央ではマーリーの新たなクローン・マーリー3が目覚めた。
今度は完璧にクローン再生されたマーリー3は、マーリー2の再生の失敗は仕組まれたものに違いないとしてチェッカーに調査を依頼。
リハビリを終え自宅に戻ったマーリー3のもとに、1年間の追跡調査を終えたジェイフがやってくる。
マーリー3はジェイフの誘導尋問にひっかかり、エロキュスを殺したことを知られてしまう。
エロキュスの歌は変動指数が高く、中央の安定のためには排除するしかなかったとマーリー3は言い訳するが、
怒ったジェイフはマーリー3に銃を向ける。
393銀の三角 8:05/01/12 18:31:31 ID:???
2.糸をほぐす名前
ジェイフが引き金を引こうとした瞬間、突然マーリー3とジェイフの間に「エロキュス」という名に惹かれたマーリー2が
時空を移動して現れる。その手には、マーリーが爆弾を仕掛けたエロキュスの琴が。驚くマーリー3。
マーリー2が琴の弦をはじき琴が爆発したかと思われたが、一瞬の後マーリー3はラグトーリンとともに時空の狭間に漂っていた。
ラグトーリンはマーリー3に事の次第を説明する。

反乱を企てたガルガ一族が鎮圧された後に無人となったガルガ城にいるところを
マーリー2とル・パントーは捕らえられた。
それからというものル・パントーは毎日のように王に殺される日々を送ることになり、
そして15歳で異形音を発して死んでしまうのだ。
ラグトーリンは、赤砂地に固く縫いこめられたル・パントーの運命の糸のほつれを探し
ル・パントーが生まれてからの一日一日を丹念に辿ってみた。
ル・パントーが4歳の頃、彼女が小さな村にいるところにマーリー1がエロキュスの琴を持って4年の時空を超えて現れ、
マーリー1の話を聞いて初めて彼女はエロキュスの存在を知った。
ラグトーリンはマーリー1を殺してエロキュスを探しに出掛け、そしてエロキュスを見つけた。
彼女が見つけたエロキュスは、セントラルで歌う歌手エロキュスでもなく、暴動に巻き込まれて死にゆくエロキュスでもなく、
遠い遠い昔、惑星地球の古代、葦の茂る川辺で一生を過ごす歌人エロキュスであった。
もし、このエロキュスを強引にル・パントーのいる時代に転生させれば、
本来の場所から引き離された彼女の回帰願望のエネルギーがパントーの運命の糸を解す力になりはしないか、と
ラグトーリンは思いつき、それを実行に移したのだ。
転生しセントラルの歌手となったエロキュスに一節の音楽を聴かせれば彼女は目覚め、
赤砂地のル・パントーの元へたどり着くはずだった。
…マーリーがエロキュスを殺しさえしなければ。

一方、マーリーの家から再び時空を移動しリザリゾ王宮に戻っていたマーリー2は、
自分の名前が「エロキュス」であることを思い出し
「いつかあなたを救う歌を思い出したら、二人で私のふるさとの岸辺へ帰ろう」とル・パントーに語りかける。
394銀の三角 9:05/01/12 18:32:37 ID:???
3.異郷
ラグトーリンは何度も過去に干渉してみたが、どんなパターンを試してもマーリーはエロキュスと出会い彼女を殺してしまう。
そこでラグトーリンは、エロキュスを手に入れるために彼女の記憶をマーリー2に注入したのだ。
もう邪魔されたくはないのだ、と言うラグトーリン。
彼女に捕らわれそうになったマーリー3は時空の狭間から逃げ出す。

気付くと、マーリー3はところどころに大岩のそそり立つ台地に横たわっていた。
近づいてくる人影に驚いて身を起こすと、それはジェイフであった。
三日前にこの場所に飛ばされてきたというジェイフによれば、
ここは誰もセントラルのことなど知らないとんでもなく辺境の惑星らしい。
マーリー3もジェイフとともに旅人として近くの町に身を寄せることにする。
マーリー3とジェイフは町で自分達以外にも異星人の客がいるとの話を耳にし、
会いに行ってみるとそこにいたのは、細い虹彩を持つ銀の三角人の青年であった。


4.空白の岸辺
彼らが出会った銀の三角人の青年・ディディンは、
銀の三角人の滅亡を惜しむパヴァーという名の研究者と子孫を作る契約を結び、
星々を転々として様々な星の女達と交配を繰り返していた。
マーリー3はその話とパヴァーの家にあるレリーフから、自分達が3万年の時空を移動し
最後の銀の三角人=ミューパントーが死んだという惑星・プロメにいることを知る。
ラグトーリンがいったい何を画策しているのか、
何とかエロキュスを排除し元の時空へ戻れないものかとマーリー3は考えをめぐらせる。
395銀の三角 10:05/01/12 18:33:27 ID:???
5.夢籠
リザリゾ王宮では、ル・パントーは地下に幽閉され、毎日のように王に殺され続けていた。
最早記憶も定かではないマーリー2は王の慰み者となっていたが、頭が少しおかしいというので城や城下に出入り自由の身となり
町に下りては楽師たちに音楽を聞き習い、城に戻って囚われのル・パントーに歌を聞かせていた。
しかし歌を聞かせても何の反応もしないル・パントー。かつて見たル・パントーの精神の幻=夢の影すら現れない。
マーリー2は、幼い王女をさらってル・パントーを助け出す計画を練るが、中庭で遊ぶあどけない王女の姿を見て諦める。
しかし忌むべき姿を王女の前に晒したことが王に知れ、マーリー2は王の兵士達に叩きのめされ道端に捨てられてしまう。

道端にたたずむル・パントーの影に誘われ瀕死のマーリー2を見つけたのは、かつてラグトーリンの恋人であったタカオであった。
タカオはマーリー2を連れ帰り手当てをする。その横には、マーリー2を見つめ静かに涙を流すル・パントーの幻があった。
ル・パントーの夢の影がマーリー2を助けたのだ。
タカオに名を聞かれたマーリー2は、自分は歌い手エロキュスだと名乗る。
時がたち、いくらか傷の癒えたマーリー2にタカオがラグトーリンが置いていった琴を差し出す。

一方、3万年前のプロメで、マーリー3はディディンが殺される予知夢を見る。
ラグトーリンの計画の裏をかきたいマーリー3は、夢を無視しディディンを助けないことにする。
そして夜、宇宙船に乗った海賊が街を襲う。
396銀の三角 11:05/01/12 18:34:03 ID:???
6.ノヴァ
ディディンの元にかけつけたマーリー3とジェイフは、海賊に殺されたディディンとパヴァーの遺体を見つける。
しかしまだ残っていたディディンの意識が精神感応でマーリー3に話しかけてきて
パヴァーがディディンにやると約束していた小さな惑星へ連れて行ってくれと頼む。
「これもラグトーリンのプランのうちか」と怪しみながらも
マーリー3はディディンの遺体を海賊から奪った船に乗せ、その惑星へと向かう。

赤砂地では、マーリー2が毎日のようにル・パントーの夢の影に歌を聞かせていた。
ル・パントーの夢の影は、地下に幽閉され動けない彼自身に音楽を運んでいるようだった。
その頃城下町を疫病が襲い、幼い王女までもが亡くなってしまう。
王は影日の日に災厄の象徴であるル・パントーを自ら殺す儀式を行うことを決める。
マーリー2はタカオに誘われ、影日の祭りのための蛍木(ケイボク・明かりを発する木)を集めに森へ向かった。

ディディンの遺体を小さな惑星に降ろした直後、突然超新星爆発の光が空に満ち溢れる。
消えかかったディディンの意識がマーリー3に葬送のいのりの歌を歌うよう促す。
ディディンの意識の歌うままに後に続いて歌うマーリー3。
 「神々よ いますこし わたしたちに目を向けておくれ…」
それはかつてエロキュスが歌っていた歌、エロキュスの見たラグトーリンの幻が歌っていた歌だった。

マーリー2は影日の暗闇の森で迷ってしまう。
森の中から聞こえてくる聞き覚えのある歌に惹かれ、マーリー2が向かった先にいたのはマーリー3とディディン。
3万年の時を一気に超えて現れたマーリー2=エロキュスにマーリー3は銃口を向ける。
397マロン名無しさん:05/01/12 18:35:05 ID:???
7.夢狩りの夕べ
とうとうル・パントーを救う歌を見つけたマーリー2=エロキュス。
「ようやくあの子を連れて岸辺へ帰れる…」マーリー2がつぶやいた瞬間、マーリー3はマーリー2を撃った。
3万年の時を隔てた赤砂地では、リザリゾ王がル・パントーの胸を貫いた。

マーリー3は突然世界が揺れ動くのを感じ、暗闇の中で沢山の銀の三角人たちの幻を見る。
幻たちは音楽を奏で踊り歌いさざめきながらマーリー3とマーリー2=エロキュスを取り囲み、
そしてエロキュスの中へ吸い込まれるように消え、エロキュスの姿もまた暗闇の彼方へと消えていった。

エロキュスが目覚めると、そこはふるさとの岸辺であった。
パントーの名を呼ぶエロキュスに、ラグトーリンが「彼はもういない」と告げる。
エロキュスがその歌を見つけル・パントーを結び付けていた糸をほどいて彼を救い、
ル・パントーはエロキュスを故郷の岸辺に送り、
そして結び目は全てほどけたためにその結び目自身だったル・パントーも消えてしまったのだ。
結び目のほどけた世界では、異形の王子ル・パントーは生まれず、
セントラルの歌手エロキュスも生まれず、銀の三角という星もなかった。
ほどけた結び目は全てエロキュスの中に入ってしまい、今はただエロキュスの中にだけ存在する夢となったのだ。
どうかあの子を消さないで、あの子を戻して、と静かに涙を流しラグトーリンに懇願するエロキュス。
しかし「あなたは消え去った夢の結晶体として永遠にこの時空に存在するだろう」と言葉を残し、
ラグトーリンは川辺を去った。
398銀の三角 13:05/01/12 18:36:06 ID:???
時空の狭間から岸辺に帰っていくエロキュスの様子を見ていたマーリー3の元に、ラグトーリンがやってくる。
本当はラグトーリンが狩り食べるはずだった銀の三角の夢。
エロキュスは不安な夢・育たない夢=銀の三角の夢の結晶体であり、彼女が死ぬとまた夢が散じてしまうので
彼女は永遠に生き続けると語るラグトーリン。
地球にいけば自分のクローンであるエロキュスと会えるのだろうかと言うマーリー3に
ラグトーリンは微笑を浮かべ「また殺す?」と答える。

そして気付くと、マーリー3はジェイフとともに再び時空を移動し自宅に戻っていた。
そこは銀の三角は最早存在しないが、元いた世界と大して変わりない世界だった。
だが、エロキュスが死んだ惑星の神殿には何故か彼女の義足が飾られており、
惑星プロメの遺跡からはジェイフの落書きが発見されたりもする。
マーリー3は思う、いつか地球に行ってみようと。
そうすれば川辺でエロキュスに会えるかもしれない。
この感じ病みやすいこの空間が狂い出すまで、不安な夢狩りの歌を歌い続けようと。
399マロン名無しさん:05/01/12 18:36:36 ID:???
すいません、>>397は「銀の三角 12」です。名前欄入れるの忘れました。ごめんなさい。
400 ◆ncXKkmcQGA :05/01/13 03:07:22 ID:???
ご無沙汰してますまとめサイト管理人です。
更新に使ってたPCが調子悪くて修理に出したのでしばらく更新できません。
いま使ってるこのPCでやれないことはないんですけど、ftpのパスとか全部
修理に出したほうに入ってるので…。そういうわけなのでトリップ間違ってるかも。

スレのログ自体はとって置けるので遠慮せずばんばん書いていってください。
401マロン名無しさん:05/01/13 03:52:54 ID:???
お疲れさまです。このスレを楽しみにしてるので今年もどうかよろしくお願いします。
402マロン名無しさん:05/01/13 15:46:52 ID:???
マーリー1がエロキュスを殺した理由は>>392で中央の安定のためだったとわかるけど、
>>388でラグトーリンまで殺そうとしている理由も同じなの?
それと、ラグトーリンの正体は結局何なの?
403マロン名無しさん:05/01/13 17:01:56 ID:???
>>402
>>388の時点では説明はなく、>>392で判明するのです
ラグトーリンの正体も明かされません。
宇宙規模でマーリーと同じことをやってる、という想像はできますが。
404マロン名無しさん:05/01/14 01:33:38 ID:fpeGbNHV
立原あゆみ「すーぱーアスパラガス」
お願いします。
405ホットロード:05/01/15 17:29:48 ID:???
紡木たく(つむぎ・たく) 『ホットロード』 全4巻(文庫版全2巻)
85年12月〜87年4月、「別冊マーガレット」にて連載。

主人公宮市和希(14)は親の愛に恵まれずに育った。彼女は母親の誕生日に不良になると宣言。
万引きをし、髪を脱色し、腕に愛する人の名前を彫り、家出もし、学校にもろくに通わず、暴走族の
世界に堕ちていく。和希は暴走族<NIGHTS>の切り込み隊長春山洋志(16)と出会い、やがて
同棲を始める。春山は総頭になるが、新宿の暴走族<漠統>との抗争に巻き込まれ、トラックに
撥ねられて危篤状態に陥る。その事故をきっかけに族を抜けた和希は、一命は取り留めたものの
左半身に麻痺が残った春山と一緒に生きていく決意をする。
406ホットロード1:05/01/15 17:30:29 ID:???
夜明けの 蒼い道
赤い テイル ランプ
去ってゆく 細い うしろ姿

もう一度 あの頃の あの子たちに 逢いたい

逢いたい……

宮市和希(みやいち・かずき)、14歳。中学2年生。父は和希が2歳のとき他界。母子家庭の彼女の家に
亡き父の写真はない。両親は愛のある結婚ではなかったから。35歳の母には恋人がいる。妻子持ちで
現在離婚調停中の男。高校の同級生だったふたりは、互いに別々の人と結婚しながらもずっと関係を
続けていた。和希はたったひとりの肉親からも満足に愛情をもらえない。どうしようもない孤独を持て余す
和希は母の誕生日に初めて万引きを決行、横浜からの転校生でクラスでもなんとなく浮いていた絵里に
誘われるまま夜の湘南に出かける。連れてこられたのは暴走族の集会。和希は春山という少年に出会う。
春山は初対面の和希に向かって臆面もなく言い放つ。「おまえんち、家テー環境わりいだろ?」

互いに勝気なふたりは出会い頭から口喧嘩を始める。散々な出会い。最悪な第一印象。ところが、族の
仲間たちは皆、「口は悪いが女には滅法優しい」と春山を評する。和希にはそれが信じられない。春山は
その後も和希にだけ執拗に絡んでくる。あるとき春山は和希に「オレの彼女になれ」と言いだす。あまりに
唐突な物言いにむっとする和希。春山には忘れられない女がいると聞いていたのに。一方で和希はまだ
「愛」がどういうものなのか分らない。「愛してるって、どんなふーに?」
407ホットロード2:05/01/15 17:31:25 ID:???
春山が所属する暴走族<NIGHTS>の集会には、和希と同じように、ひとりでは抱えきれない孤独感や
閉塞感を胸に秘めた少年たちが集まってくる。テイルランプに染まる真夜中のストリート「ホットロード」。
そこを走っているときだけは自由になれるような気がするから、この光の先にここではないどこかがある
ような気がするから、彼らは己の命を削るようにして夜を駆け抜ける。和希は暴走する単車を巧みに操る
春山の背にしがみつき、夜の湘南海岸道路を赤く埋め尽くすテイルランプの帯の一部となりながら思う。
「こんなキレイなものはきっと他にない」

ある日、和希と絵里は江ノ島近くの堤防で他愛もない話をする。和希と春山の距離は以前に比べぐっと
近づき、族の仲間も公認の仲になっていた。そこで和希を春山の彼女だとからかう絵里に対し、和希は
思いつく限り春山の悪口を並べたてる。「わがままでお天気やで、きげんの悪いときはひとをキズつける
よーなことヘーキでいう……」ふいに和希はそんな春山がひどく母に似ていることに気づいて愕然とする。

和希の中で春山への想いが次第に大きく深くなるにつれ、「愛を満足にくれなかった」母への攻撃性は
日に日に増していき、和希は感情を上手くコントロール出来ずに苦しむ。ある日、和希は「なぜ学校を
サボった」と叱る母と口論になり、逆に堂々と不倫を続ける母をひどくなじる。母の実家は中途半端に
名家だったために好き合っていた同級生と結ばれなかった。そんな過去を涙ながら訴える母を凝視し、
和希はただ「きたない(=不潔の意)」と思う。「…いらない子だったら生まなきゃよかったじゃないか」
和希はそう言い捨て家を飛び出す。愛されずに死んでいった父も愛されてない自分もなにもかも悲しい。
408ホットロード3:05/01/15 17:32:05 ID:???
家出した和希を春山は受け入れようとしない。複雑な家庭問題を抱え、中学卒業後すぐ家を出てひとりで
生きてきた春山にとって、目の前にいる和希はいつかきた道に等しかった。家出はそんな甘いもんじゃない
戻れるうちに戻った方が賢明だ。そう諭す春山に和希は反発し友人宅を転々とするがそれも長くは続かず
和希は「仕方なく」春山と同棲する。一緒に暮らし始めた当初、春山は和希に「やらせろ」と迫るが和希は
それを一切拒む。「何だよ、俺のこと好きじゃねーのかよ」「お前が、お前が私のことを好きじゃないから
嫌なんじゃないかよ」そう言って肩を震わせて泣く和希には、まだ愛が信じられない。

しかし慣れない生活の中で、未熟なふたりは自然に魅かれあい、和希は不器用に春山を愛し始める。
満たされた幸せも束の間、族の切り込み隊長をする血気盛んな春山は異例の抜擢で<NIGHTS>の
総頭を継承。春山はそれにかかりきりになり、和希はまた少なからず孤独を感じる。やりたい放題に暴れ
対抗する族から狙われはじめる春山。<NIGHTS>の武勇伝を聞かされるたびに和希は生きた心地が
しない。「夜の爆音と光がいつも春山をつれていってしまう」

和希は苦い記憶を蘇らせる。以前、春山が新宿の暴走族<漠統>の呼び出しに応じて、茅ヶ崎近くの
駐車場に単身乗り込んだときのことだ。必死に止める和希や仲間を振りきり出かけた春山は、全身に
ひどい傷を負いボロ雑巾のようになって帰ってきた。「族の世界は思ってたよりもずっとこわかった」
あんな思いは二度としたくない。和希は時々そんなふうにムチャクチャな行動をとる春山を見つめながら
痛感する。自分を傷つけることは自分を愛する人をも傷つけることに繋がるのだと。
409ホットロード4:05/01/15 17:32:44 ID:???
一方で春山もふと心に湧いた葛藤を抱え苦しみだす。和希は知らず知らずのうちに春山のブレーキに、
何もいらない、命さえいらない、ただ暴れ回りたいと思う春山を押し留めようとする存在に、なっていた。
春山は総頭として滾る情熱をぶつけたいと願いながらも大切な和希を想い、その狭間に揺れ困惑する。

春山は決別を選択する。「おまえみてっとイライラする。おまえといるとオレ、ダメんなる。別れようぜ」
春山は和希を想い、和希の人生を考え、危険な己から敢えて遠ざけようとする。その言葉の真意を
和希は読み取れず、傷つき苦しみ泣きながらも悲壮な覚悟を決める。怖い思いをするかもしれない、
もっと泣かされるかもしれない、それでも最後まで春山についていこうと。

和希と春山はふたりきりで互いの家族について語り合う。春山が自身のプライベートについて和希に
明かすのはそれが初めてだった。和希のような妹が欲しかったと言って笑う春山に対し、和希は上手く
話すことが出来ない。未だに消化しきれないモヤモヤした思いが心の内にしこりを作っていた。思えば、
母といたときも、ひとり寂しいときも、家を飛び出して友人といたときも、春山と寄り添っている今でさえも
和希は母の影に囚われていたのだ。
410ホットロード5:05/01/15 17:33:39 ID:???
春山の誕生日。和希は春山に付き添われて家に帰る。ずっと母に問いただしてみたかった。でも辛くて
怖くてずっと聞けなかった。あたしのことすき?本当に必要?和希の涙ながらの問いかけに泣きじゃくって
言葉にならない母。するとそれまで玄関口で和希らに背を向けて黙っていた春山が痺れを切らせて問う。
「おばさんこいつのこときらいなの?…もしそーならオレがーもらってっちゃうよ」
母は春山をきっと見据えながら答える。「あ…あげ…ないわよ…だれにも…あげないわよ…親が…親が
自分の子をきらいなわけないじゃないの。きらいなわけ…ないじゃない…のぉ…」
それは和希が物心ついた頃から求めていたもの。本当は信じたくて、欲しくてたまらなかった母の愛。

家に戻った翌日、和希は春山と会う。喧嘩なんか行かないで欲しいと懇願する和希に春山は少し間を置き
そして毅然として答える。「オレがいなきゃなんにもできねーよーな女になるな。俺のことなんかいつでも
捨てれる女になれ」春山は既にひとつの暴走族を束ねる総頭となり、和希の手の届かないところにいる。
春山は和希を家に送り届けた後、一ヶ月ほど消息を絶つ。和希はなにか恐ろしくて連絡を取れない。

そして一ヶ月後。春山は久しぶりに和希の前に姿を見せるが、族同士の抗争中に起こった事故に巻き込まれ
走行中のトラックに撥ねられる。意識不明の重態に陥る春山。駆けつけた病院の廊下で「いっしょに死ぬ」と
取り乱す和希を必死に止める母。和希はそのとき初めて母に愛されていると感じる。奇跡的に春山の意識は
戻り、一命は取り留めたものの、左半身麻痺という後遺症が春山に重く圧し掛かる。
411ホットロード6:05/01/15 17:35:27 ID:???
あのときは 何もみえなくて
人キズつけても 自分の体キズつけてもヘーキで
かっこいーとも思って
悪いことしてもぜんぶ人のせいにしてた
でも 自分がやったことは いつか自分にかえってくる
もし このこと知ってて あの頃にかえれるなら

春山の事故をきっかけに和希は「だれかが事件おこしてつれてかれたり、死んじゃったり、そーゆーのきく
たんびに胸がつぶれそーに痛い」思いをする族を抜け高校に入る。春山が鑑別所を出てからの9ヶ月間、
ふたりは何度か訪れた別れの危機をなんとか乗り越えている。先の見えないリハビリが続く春山とそれを
支えようとする和希。やがていつの日かふたりを繋ぐ絆が強く太く確かなものになれたら…。

今日であたしは17才になります 今までひといっぱいキズつけました
これからはその分 人のいたみがわかる人間になりたい
この先もどうなるか ぜんぜんわからないし 不安ばっかだけど 
ず―っとず――っと先でいい いつか 春山の赤ちゃんの お母さんに なりたい…
それが 今のあたしの だれにもいってない 小さな夢です

春山洋志 16―18  宮市和希 14―17
あたしたちの道は ずっとつづいてる
                                         <了>
412マロン名無しさん:05/01/15 21:23:40 ID:???
銀の花びら
バナナブレッドのプディング
水色時代
この三作のストーリーを教えてください。
413マロン名無しさん:05/01/16 00:06:13 ID:???
ホットロード乙、なんかせつない話だわ。
暴走族かぁ…80年代のかほりがする……。
414マロン名無しさん:05/01/16 02:13:17 ID:???
剣勇伝説YAIBAのアニメ化されてない話(かぐや編以降?)を教えてください
415マロン名無しさん:05/01/16 02:43:58 ID:???
小坂理絵の
セキホクジャーナル
ヒロインを目指せ!
トップ・オブ・ザ・ワールドな人たち
をお願いします。
416PEACE MAKER 導入部:05/01/16 17:04:58 ID:???
PEACE MAKERは主人公・市村鉄之助が新撰組に入り
「池田屋事変」が終わるまでのストーリー。(全6巻)
入隊後かなり詳しくオリジナルストーリー混みで池田屋をやっている。
鐵はその続編で現在連載中。

登場人物紹介1
市村鉄之助・・・鉄。15歳。見た目幼い。剣の才能はあり。二刀流。単純熱血タイプ。
市村辰之助・・・鉄の兄。辰兄。実父にそっくり。神経性胃炎持ち。極度の心配性。
*****

元治元年(1864年)弥生三月、京都。
新撰組隊士募集の立て札を見た市村鉄之助は屯所門前で隊士と言い争っていた。
入隊したいのに入隊させてもらえないのだ。
この鉄之助、年齢は十五なのだがどう見ても十二くらいにしか見えない少年である。
その姿は本人には大きなコンプレックスになっており
門番の言った「チビ」という禁句に切れた鉄之助は
既にソロバン隊士として採用されている兄・辰之助が止めるのも聞かず
禁句を吐いた彼に一撃を食らわし騒動を起こしそうになるのだった。

結局隊士になるチャンスさえなく、(´・ω・`)ショボンヌな鉄之助。
一方、辰之助は「新撰組はただの人斬り集団」「自分はお金のために働くだけだ」
と言い切る。辰之助は弟が新撰組に入りたがっていることを心配しているのだ。
417PEACE MAKER 導入部:05/01/16 17:07:28 ID:???
鉄之助が新撰組に入ろうとするのには理由があった。
両親のことである。

鉄之助・辰之助の父親は、生前英語の勉強をしたり、この時代の人間にしてはグローバルな
平和主義的考え方を持つ変わった人だった。(鉄之助の回想)
鉄之助に「ピースメーカー」になれ、お前はデカイ男だとよく言っていた父親。
そしていつも優しい母親。
(↓これはもっと後に語られる話だけど分かりやすくするためにここで入れます)
しかし二年前に両親は殺された。
辰之助は不在で、両親と鉄之助のいる家に入ってきた男に殺されたのだ。
そのとき、一人押し入れに隠れていた鉄之助はただ震えていただけだった。
両親を殺した男は、なぜか鉄之助の存在に気付いていながらも、彼を切ることなく家に放火。
その後、帰ってきた辰之助が自宅の異変に気付き、燃える家から鉄之助を助けたために無傷。
両親を失い、家を失い、色々な仕事をしてなんとか弟を食べさせてきた兄・辰之助(=辰兄)は
過保護とも思えるほどの心配性で、突拍子もない行動をする弟にいつも胃をキリキリさせている。
しかしそんな兄の心配も無下にしても、鉄之助は仇を討つためにどうしても新撰組に入りたいのだ。

彼の父は斬られる直前、現れた人物を「さては長人だな!!」(※長州藩士)と言っていたのだ。
418PEACE MAKER (ACT.1-2):05/01/16 17:11:51 ID:???
鉄之助は、町でとある優男と知り合う。
「自分は新撰組には仲良しの人がいるから掛け合ってあげます」という彼。
連れられた新撰組の道場で、その「仲良しの人」が近藤勇局長だと知り唖然とする市村兄弟。
「総司に勝ったら一番隊隊長にしてもいい」と言う局長の前に現れた沖田総司は
他でもない、町で知り合い局長に便宜を図ってくれた男だった。
総司に挑むも軽くあしらわれた鉄之助は、二刀流や定石に嵌らない型で攻め
なんとか攻撃の糸口を見つけるものの、本気になった総司に吹っ飛ばされてしまう。
実は手加減がとても下手な総司。諦めない鉄之助にマジモードで竹刀を振り下ろそうとしたところ
副長・土方歳三が現れ、総司を諌めるのだった。

近藤局長は鉄之助の根性の良さを気に入り入隊させようとするが、土方はそれを一蹴。
「新撰組では仇討ちの剣なんぞ身につかねぇ」
と心の内を指摘され、落ち込む鉄之助。
本気モードの切れた目をした総司に、鉄之助は両親を殺した男を重ねて見ていたのだ。
強くなりたいと切に思う鉄之助はもっと強くなって新撰組に戻ってくることを考える。
「仇を討つ、その為になら人すら捨てられますか、鬼すら恐れませんか」
「・・・鬼すら倒してみせます!」
総司は鉄之助に土方の姿を重ねるのだった。

総司の入れ知恵で、色町である島原の遊郭に深夜潜む鉄之助。
そこに現れたのは遊女を連れた土方。お色気満点のムードの中現れたのは数人の刺客。
土方は、遊女をグルにした暗殺計画に巻き込まれていたのだ。
しかし全く動揺することなく、刺客を切り捨て、助けを求める遊女も無慈悲に惨殺する土方。
新撰組が付く頃には全て終わっていた。事前にバレていた計画だったのだ。
返り血を浴び、血の海と悲惨な死体の群れに唖然とする鉄之助に土方は言った。
「新撰組で身に付くのは鬼のなり方だけだ」
その言葉に総司の質問の真意を知った鉄之助。
現実を重く受け止めつつも、鉄之助は翌朝、雨の中屯所前に佇み
「鬼すら恐れません。俺を鬼にしてください。」と真剣な眼差しで言った。
その姿にとうとう折れる土方。
「お前総司に似てるな。総司に免じて採用してやろう」
そうして、ようやく鉄之助の表情が緩むのだった。
419PEACE MAKER (ACT.3-):05/01/16 17:26:54 ID:???
登場人物紹介2
沖田総司・・・優男。新撰組一番隊隊長。にこやかだがクール。
近藤勇・・・新撰組局長。作中では優しげでややニブイ。
土方歳三・・・新撰組の副長。鬼と言われる。冷酷。

山崎歩・・・屯所に住み込み働いている女性。料理は絶品。
山崎烝・・・新撰組監察方。隊内でも謎の人物扱い。無口。
永倉新八・・・二番隊隊長。隊内でも有数の剣士。頭も良い。
原田左之助・・・十番隊隊長。大男。豪快で物事をあまり考えない。
*****

入隊して大食する鉄之助。
料理番の山崎歩、通称"アユ姉"は隊士達の姉的存在。
忍たまの食堂のオバちゃんを若く綺麗にしたような人である。
そこへ現れたのは、鉄之助に興味を持った原田左之助と永倉新八。
隊長(副長助勤)の二人に対しても、礼儀や節度を見せない鉄之助だが
そこが良かったのかもしれないと言う永倉。

鉄之助に任せられた仕事は、土方副長の小姓。
お茶も満足に運べない鉄之助だが、なんで小姓なのだと総司に不満を漏らす。
「君だからできるんです」という総司。鉄之助の不満は溜まる一方。
屯所で寝泊りすることになった鉄之助。
当然寝るのは大部屋だが、皆の寝静まった深夜こっそり押入れを
開けようとするところを中から辰兄が出てきて入れと言う。
実は鉄之助、両親を殺された時のショックで押入れじゃないと眠れないのだ。
そのときのことを忘れるように言う辰之助だが、鉄之助は上手く答えられない。

眠ろうとしたとき、外に潜む人影を見た鉄之助はその後を追う。
追った先は土方の部屋。部屋からは先日調べた件がどーだのと怪しい話が漏れ聞こえ。
土方に報告していた人物は、山崎烝という監察だと後から歩に教えられる。
420PEACE MAKER (ACT.-4):05/01/16 17:35:51 ID:???
仕事内容は所謂「密偵」。
その話を聞いて、監察という仕事に興味を持つ鉄之助。
辰兄は歩の態度から、山崎烝が彼女の弟だと察する。

翌朝、土方の指示を待つ烝の前に現れた鉄之助。
勝手にライバルに設定し、挑発的な鉄之助にも烝は完全無視。
土方からいくつかの店を調べるよう指示を受け、美しい女性に変装する烝。
その姿にただ只管感心する鉄之助。
自分の本来の目的を思い出すと、自分も女装し(・・・)後を追うのだった。
指示された最後の店である「枡屋」へ来訪した烝(女装版)。
以前にも出入りしていたらしく、親しげに番頭と話す烝。
そこへものすごい女装姿の鉄之助が現れ、烝は結果的に仕事を邪魔されてしまう。

路地裏で引っ叩かれた鉄之助は、反応の薄い烝に暴言を吐き、
「いい加減にしろ。お前の力じゃ・・・なんも出来へん」と言われてしまう。

通りがざわつき、見ると枡屋の前で少女が三人の浪人に囲まれていた。
彼女は枡屋の客で買い物帰りだったところ、カツアゲされそうになっている。
やめるように言う番頭も止めることが出来ず、手を出せないと怯える衆人。
鉄之助は一人で彼らに立ち向かうのだった。
421PEACE MAKER (ACT.5-6):05/01/16 17:53:16 ID:???
総司・左之助・新八の三人は町で浪人にくってかかってる少年がいると聞きつけ、
左之助・新八は正義の浪士に扮して長人を倒すが、鉄之助と少女を逃がした総司は
鉄之助が自分の名前を呼んだのを浪士の一人に聞かれ口封じに殺してしまうのだった。

実は枡屋は長人の溜まり場になっていて、その内偵のために烝は派遣されたのだ。
今回のカツアゲ三人衆も長州訛りの男達。
この騒ぎのせいで、少なからず枡屋に潜む長人に警戒心を抱かせてしまった。
少女を助けたことで気楽なことを言う鉄之助に、とうとう烝はブチギレて
鉄之助の頬には真っ赤な手形が。

烝の悪口を言う鉄之助に、総司は騒動の背景を語る。
その話の中から、あの騒ぎで総司がカツアゲ男の一人を殺したと聞き驚く鉄之助。
「新撰組の人間だとバレたら、枡屋に潜む長人に逃げられてしまう」
そんな理由で殺したのかと訝る鉄之助に、総司は自身を鬼と言い、局中法度を見せた。
新撰組隊士として刀を抜けば、相手か自分かどちらかは死ぬ。
殺さずにすむのが小姓なのだと教えられ、烝の不可解だった態度の理由を知るのだった。

事件報告を聞いて、通報もしない枡屋への疑惑を確信に変える土方。
カツアゲなんてするバカな長人は、田舎から出てきたばかりの無知な人間だと言い
枡屋を寄り所に長人をどんどん上京させていると考える。
なにか裏に大きな計画があると踏んだ土方は、まだ乗り込まずに引っ張るつもりだ。

一方、枡屋では生き残った二人の長人が「処刑だ」と言われ殺されてしまう。
その男は吉田稔麿。吉田松陰の弟子である。
422PEACE MAKER (ACT.7-8):05/01/16 18:07:24 ID:???
登場人物紹介3
吉田稔麿・・・京での長州藩潜伏活動の黒幕。放火好きのイカレ男。
        作中では土方歳三とそっくりな容姿で色男。
*****

鉄之助は屯所前で枡屋で助けた少女に会う。
少女・沙夜が話せないことを知る鉄之助。
しかし全く気にする素振りのない鉄之助に、微笑む沙夜。
鉄之助は昔、「強くなれますように」と願ったことを思い出し、両親のことを沙夜に話す。
そして沙夜の両親も殺されてしまったことを知る。
鉄之助は、ずっと仇を討ちたいと思ってきたけれど、実際人を殺せるのか悩んでいる。
自分の甘さを皆が知っていたからこそ、おのおのに忠告されたと。
沙夜は鉄之助に「変わらないで」と(文字で)言うが、鉄之助は人殺しは嫌だが強くなりたい。
それに怒った沙夜は泣きながら帰ってしまうのだった。

屯所内首脳会議では、山崎からここ最近の放火に関する調査を聞き、
土方は吉田稔麿が事件の裏に潜んでいることに察しをつける。
そして近藤局長は鉄之助に隊服と差し料(※自分が差すための刀)を与えると言う。
それに対して微妙な表情の土方と総司。

道場に現れた総司は、鉄之助と打ち合う。
自分の心の迷いを漏らす鉄之助は、総司になんで強くなろうと思ったのか聞くが
「私の答えはあなたの答えにはなりません」
と総司は言い、結局鉄之助の気が済むまで稽古は続いた。
「何のために強くなるかは人それぞれだから」存分に悩むように言う総司。
しかし話し途中で鉄之助が眠ってしまい、呆れながらも「(土方に)似てる」と口走る。

なんの為に?
「言ったらきっと笑われちゃいますよね?土方さん・・・」
総司は虚ろにぼやくのだった。
423PEACE MAKER (ACT.9-11):05/01/16 18:20:59 ID:???
一連の騒動で焦りを感じていた烝はこのままではラチがあかないと
土方に進言して、吉田稔麿の寝首をかく為に、深夜忍装束で枡屋に現れる。
そこに現れたもう一人の忍は長州側につく女の忍だった。
技で勝る彼女に烝は負け、怪我を負わされ追い払われてしまう。

その様子を見ていた吉田稔麿とその小姓である北村鈴。
慎重に動くように言う忍に、わざと派手に振舞っているのだと吉田は言う。
新撰組がギリギリまで大きく動かないと言うことは、逆に言うとそれまでは自由に動ける。
計画の実行は大博打。
楽しそうに話す吉田稔麿に忍は寒気を感じる。
彼女は幕府に恨みがあるだけで、特に長州と関わりや結びつきがあるわけではない。
吉田の小姓である北村鈴は、兄の仇を討つために吉田について上京。
復讐の相手は新撰組。形見である刀を手に、気を高ぶらせるのだった。

烝の報告を受けて、吉田が博打をしてることを知る土方。
今後の枡屋に関する仕事は"髪結いの弓"に任せると言う。
吉田の暗殺に失敗した烝は切腹をしようとするところを姉・歩に止められる。
「あんたは武士とは違うんよ。"忍"なんよ。勘違いしたらあかんよ」

一方、いつものように鉄之助をからかう左之助と新八。
三人の前に現れたのは遠地から戻ってきた藤堂平助と山南敬助だった。
山南が副長と聞いて、土方を偽者かと勘違いする鉄之助に
辰兄は、副長が二人いて新撰組の意向は三人で決めていることを説明する。
鉄之助は「鬼副長の独断に見える」と率直なことを言い
山南は一瞬暗い表情を見せるが「山南さんだけが副長なら良かった」と
またも子供らしい感想を言って、山南は「勇気が出た」と笑い屯所内に戻るのだった。
どうやら副長二人の間には大きな確執があるらしく、
現在、実質新撰組の権限を握っているのは土方なのだ。
立場の弱くなっている山南を三隊長(左之助、新八、平助)は心配している。
424PEACE MAKER (ACT.11-12):05/01/16 18:40:40 ID:???
登場人物紹介2
風魔のくのいち・・・徳川に恨みを持つ風魔一族の末裔。
北村鈴・・・吉田の小姓。兄の仇を討つため上京。剣の腕はすごいらしい。
山南敬助・・・新撰組の仏の副長。実質名前だけの副長なので暇らしい。
藤堂平助・・・八番隊隊長。お調子者で口が悪い。隊長の中では最年少。
*****

鉄之助を正式に隊士にすることを決めた近藤は、隊服や何番隊に入れるかなど
現実的なことを口にするが、そこへ怖い笑顔で現れる山南。
殺伐チックになり「あんな子供に人殺しをさせたいのか」と
土方を責め、結局鉄之助の入隊はうやむやになって小姓継続になった。
今回隊士にすると決めたのは自分で、土方は鉄之助に刀を握らせたくないらしいと
後から近藤に聞いた山南は、勘違いを恥じる。

暗い顔の土方を連れ出した総司は、どうやら先ほどの話を盗み聞きしていたらしい。
「本当に鉄クンのことを話してるのは近藤さんだけだ」と言う総司。
十五のガキだから刀を握らせないと言う土方に、自分は九つだったと矛盾を指摘。
「・・・つまりこういうことですか。私の二の舞は御免ですか。」
結局、土方も山南も鉄之助に総司を重ねて見ていたのだ。

土方の前に現れた歩は、料理の方はしばらく休む、本業を頂きに来た、と告げる。
鉄之助は刀屋で大刀の値段の高さに驚く。
同じく訪れていた北村鈴と口喧嘩になり、鉄之助は鈴を怒らせてしまう。
鈴は他の客まで巻き込み大騒ぎになるところに、辰兄が仲裁に入り上手く回避するが
市村兄弟のやり取りに暗い気持ちになった鈴は、何も言わず立ち去るのだった。
425PEACE MAKER (ACT.13-14):05/01/16 18:57:09 ID:???
登場人物紹介5
明里・・・島原で働く遊女で山南の恋人。鈴と吉田の来訪を厭う。
*****

吉田稔麿は桂(小五郎)から計画をやめるよう書かれた文を見て、
吉田は桂を腰抜けと言い、その文を笑って燃やしてしまう。
猟奇的な吉田に枡屋の主人・古高は恐怖を覚えるものの、計画実行に向け動く。

鉄之助は沙夜と喧嘩別れになってしまったことを気にしている。
三隊長は彼が恋煩いをしていると勝手に解釈し、その話を漏れ聞いた山南は
鉄之助と非番の平助を島原(色町)に連れて行ってしまった。
三人が訪れたのは、山南の恋人・明里のいる置屋。
そして明里の後ろにいた少女こそ、鉄之助の探していた沙夜だった。
「友達になってよ」と言う鉄之助に仲直りする二人。

山南と楽しく過ごす明里に、「どうしても明里でないと駄目だ」と言う客の来訪が伝えられ
その客の特徴を聞き、動揺する明里。
「・・・嫌な客なのかい?」
「そうやね。山南さんと比べたら他はみーんな嫌な客かもしれへんね(はぁと」
結局断るように言う明里。その客とは北村鈴であった。
「空くまで待つ」と鈴。
表ではクールな態度を装っていても、内心こんな仕事をさせられているのが不満な鈴。

その正面の部屋では、偶然にも鉄之助と沙夜が目隠し鬼をして遊んでいた。
鉄之助は鈴と再会し、最初は嫌味を言い合いながらも徐々に仲良くなっていく。
鈴の癖から、彼が小姓であることを見抜いた鉄之助。
立場上どこの小姓かは隠しながらも、お互いのことを話す二人は、親近感を感じる。
鉄之助は鈴のようには主人を好きになれないと言うが、鉄之助の話を聞いた鈴は
「"小姓"として(鉄之助を)雇っているというより"預かっている"みたいだ」と指摘する。
426PEACE MAKER (ACT.15-16):05/01/16 19:07:38 ID:???
登場人物紹介6
沙夜・・・両親を失い、置屋で小間使いとして働く少女。口がきけない。
*****

山南が置屋に鉄之助を連れて行ったと新八らから聞いた辰兄は
置屋の入り口で弟に取り合うよう騒いでいた。
そこへ現れた吉田稔麿は辰兄の顔を見て目を剥く。

明里は山南がすっかり寝入ったのを見計らい、ハナから
断った客(北村)の特徴を聞き直し、別に右前髪を垂らした色男(=吉田稔麿)
がいないか聞くと、ちょうどそんな人物が来たところだとハナは答える。
そこに北村の言動から、明里を怪しく思う長人が乗り込んだが
いつの間にか起きていた山南が追い払う。
助けてもらったことにほっとしながらも、気まずくなる明里だが
山南は事情も聞かず明里の膝枕で寝入ってしまうのだった。ラブラブ。

辰兄はようやく鉄之助に会い、過保護っぷりを沙夜や鈴にまで披露し、恥ずかしい鉄之助。
鈴はどこか羨ましそうである。
そんな和やかムードの中、彼らの前に現れたのは幽霊のような表情をした吉田。
「鈴、ソレ(鉄之助)から離れろ、穢れる。」
どう見ても瘴気を放ってるのは吉田のほうなのだが
吉田の狂気の表情は皆を凍りつかせ、その姿が鉄之助に強く過去の両親を殺した犯人を
フラッシュバックさせてしまう。

以降篭ってしまった鉄に、山南はオロオロ。バカ三隊長は全く見当外れな見解。
事情を聞かれ誤魔化す辰兄。
鉄之助は彼があの時の犯人ではないかと思っているのだ。

総司は辰兄が全てを忘れて平和に暮らそうとしていると言う。
それが悪いのか、と言い返す辰兄に、「あなたが忘れようとしても鉄クンは忘れない」と総司。
強くなってもどうにもならないと嘆く辰兄の言葉に、総司は少し動揺し、咳き込む。
忘れようとしても、心の傷は治らないんじゃないかと総司は言う。
427PEACE MAKER (ACT.16-17):05/01/16 19:14:32 ID:???
丸一日食事を取っていないと聞いて、鉄之助を心配する歩。
今日は久々に歩の料理。普段は「飯時逃すは食うべからず」のアユ姉だが
今日は皆に食べてほしいのだと言う。
いい加減お腹のすいて仕方の無い鉄之助は、鈴を見つけ出して事情を聞こうと決意。
ようやくヒッキー状態から出た鉄之助は、外で山崎烝の女装姿そっくりの女性を見る。
それは烝ではなく歩だった。
その瓜二つっぷりに、「烝はアユ姉の顔目指して作ってるんだ」と言う鉄。
落ち込む事情を話さない鉄之助にも優しく慰める歩を、"姉ちゃん"って感じ、と鉄。
無邪気なその姿に、歩は烝の幼い頃を思い出す。
歩は鉄之助に「あの子と仲良うしたって」「嬉しいこと楽しいこといっぱい教えたって」
そう泣いて頼むのだった。

一方、会津藩本陣の光明寺に赴いた近藤勇は公用方の外島喜兵衛と会う。
会津藩士と長人の切りあいや、長人の放火が目立つのを憂える外島に
近藤は「手は打っています」と言う。

歩を心配する鉄之助は烝に歩の今の仕事を聞きに行くが、冷たい言葉を返されるだけ。
鉄之助は歩の言う「あの子」が烝で、弟なのだと知っていた。
「仕事なのだから例え死んでも止める道理はない」と言う烝に鉄之助は切れるが
烝は苛立ちを隠しきれず、鉄之助を放り投げる。

歩は「髪結の弓」として枡屋を訪れ男に取り入り、情報を引き出そうとしていた。
しかし「野郎と情報食うために来る泣き黒子のええ女」と情報は筒抜けになっており
歩は一人の男と情を交わした直後に長人に一斉に囲まれてしまう。
その「泣きボクロの女」は本当は烝なのだが、歩はわざと自分の口元の黒子を隠し
泣き黒子を化粧したのだ。
428PEACE MAKER (ACT.18):05/01/16 19:28:25 ID:???
鉄之助は、烝をどうにもできないことに無力な自分を感じる。
雨の中、屯所に男に集団で暴行されている女の通報が入り、
歩ではないかとぎょっとする鉄之助。

枡屋では手首を縛られ、血だらけの歩がいた。
それを見た番頭は驚き、枡屋の主人・古高に彼女を殺さないよう懇願するが
歩は爪に隠していた凶器で手首の縄を切ると懐刀で古高に襲い掛かり、
苦無を主人の腕に放って怪我を負わせるも、後頭部に一撃をくらい捕まるのだった。
放たれた苦無を見て、先日の忍びもこの女だと古高は言い、
先生(吉田)に指示を仰ぐまでもない、と処分を命じる。
ふっと最後に微笑む歩。最後の反撃は忍を自分と見せかけるためだっだ。

烝は鉄之助の前に怒りを隠せない。鉄之助のせいでこんな思いをするのだと言う。
鉄之助は、歩のところに行くよう言うが烝は取り合わない。
姉だと思ったことはないと言う烝。
「お前が言ったらエエやろ、泣かれて遺言聞いた仲や」
鉄之助はどしゃぶりの地面に烝を叩きつけ、殴りかかる。
「・・・アユ姉はなぁ、俺になぁ、"弟"のこと頼むって、お前のこと頼むって言ったんだよォ・・・!」
泣きながら去る鉄之助。目を見開く烝。
新撰組は通報を受けて枡屋を強襲するが、すでにそこはもぬけの殻だった。
残されていたのは、血まみれの歩の着物だけ・・・。

  なんちゅう顔してんの
  泣いたり笑ったりする忍びがどこにおんの
  まだ怖いだの恥ずかしいだの言うとんの
  はよ捨てなそんなん
  あんたの周りは誰もおらん
  一人で全部出来なあかんよ
  あんたは武士とは違うんよ
  "忍"なんよ
  ウチのこと姉とは思わんでエエ
  こっちも、弟とは思っとらん
429PEACE MAKER (ACT.18-19):05/01/16 19:37:12 ID:???

「もうちょい大きゅうなったら、ウチに化けて仕事するんやで
 そうしたら
 万一失敗しよっても、あんたは生き残れる」


泣きながら雨の中、屋根を這い、ようやく烝が姉と呼んだのは
引き摺られ、斬られ、四肢をボロボロに折られた歩の死体だった。
「無能なあんたが死ねば良かったのよ」
現れたくのいちが烝を忍失格だと言った。
「身代わりにした女を助けに来るなんて中途半端じゃないの」
烝はただ茫然自失になり、膝をつくのだった。

屯所内での葬儀が行われ、その場で近く出動があることを土方は告げる。
葬式の場でのそんな言葉に、山南は土方を不信がるが、
総司は土方が悲しみにくれていることを察して「あなたのせいじゃない」と言う。

鉄之助は烝に、アユ姉の最後の飯を全部食べなかったことを後悔しているのだと言う。
話しながら涙が止まらなくなる鉄之助に、烝も涙を誘われようやく思い切り泣くのだった。
鉄之助に慰めてもらったと感じる烝。
鉄之助は去る間際に彼を初めて"烝"と呼ぶのだった。
「・・・俺はなァ!友達は名前で呼ぶ主義なんだよ!」
それを聞いて驚き、赤くなる烝だった。

                                            <続く>
430マロン名無しさん:05/01/16 20:14:32 ID:???
ヤヌスの鏡
お願いします。
431マロン名無しさん:05/01/18 16:42:07 ID:???
LIFE:ERRORS書きたいのですが…何スレ目でのリクでしたっけ?
432マロン名無しさん:05/01/18 19:06:04 ID:fxx/w0vH
h
433マロン名無しさん:05/01/18 20:59:27 ID:???
何スレ目でもええやん
434チム・チム・チェリー!:05/01/18 22:24:17 ID:???
(第9話)  メグとリズ乳母になる
チェリーの顔をまじまじと見ながら「将来はチェリーみたいな乳母になる。面白そうだから」とメグとリズ。
2人の仲の良さは認めつつも、妹であるロッテの面倒を見ないことに不安をいだくチェリーは
2人に乳母になる練習として、ロッテを裏の公園に連れて行くように言いつける。
「ロッテの手を離さないように、3人仲良く、塔の鐘が3つ鳴ったら帰ってくること」と言い渡して。
そのままにはできずロビンやディディとこっそり後からついて行くことに。
子守に飽きて退屈する2人と、むずがるロッテ。しかし「泣いちゃダメ」とロッテをギュッと抱きしめる。
しかし大きな犬を見つけ、ひとり歩み寄るロッテ。怯えながらもロッテを守ろうと石を投げつける2人だが
却って犬を刺激してしまう。結局、ディディが犬に耳打ちしてその場は収まった。3つ鳴る鐘の音を聞いて
家に戻る3人。何食わぬ顔でお茶のしたくをしているチェリーに約束を守れなかったと告白する2人。
「乳母にはなれない」とがっかりする2人に「ロッテをなぐさめ、犬からかばった。それだけできれば
ロッテの優しいお姉さんにはなれる」と励ますチェリーだった。
435マロン名無しさん:05/01/18 23:35:55 ID:???
リク主さんが見てるかどうか分からないので迷ってたんですが
何スレ目で出たリクエストなのかを気にしなくてもいいんなら
「緋翔伝 幾千の月のかけら」
を予約します。
過去ログ読んだら、ストーリーの本筋部分は丁寧に
枝葉の部分は簡潔に紹介するのがイイ!みたいなんで
そういう紹介文が書けるようにがんばってみます。

今から読み直すので、UPまでちょっと時間がかかるかもしれません。
436日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/19 00:12:31 ID:???
>>174のつづき
第5話「日米安保廃棄、日本独立!?」登場人物(今回は長いので前後編に分けました)
日本側
 大橋高廣:日本国最後の議院内閣制選出の総理。
 望月太一:防衛庁長官。今回はただの背景。(後半のみ登場)
 佐藤省ニ:内閣官房長官。大橋にとある提案をする。(後半のみ登場)
 大橋政権閣僚:上に同じ。 (後半のみ)
桜木サイド: 
 桜木健一郎:日本国公選首相選出者。次期首相。
 鯨井洋介:元外交官。桜木のブレーン。
 モリス・谷口:桜木ブレーン(後半のみ)
 恩田誠十郎…桜木の参謀(後半のみ)
 日本マスコミ:思考停止。今回も大橋総理の追及を行う。(後半のみ)
 池上正臣…元三住商事中国駐在員。桜木ブレーン(後半のみ)
 渡辺周三…元官邸記者。桜木ブレーン(後半のみ)
 古之川元久…大学教授。桜木ブレーン(後半のみ)
 鷲尾星ニ…米国戦略研究所元首席研究員桜木ブレーン(後半のみ)
米国側
アレックス・キャラダイン:米大統領。今回、大橋総理に、助け舟を出すが…?
ダイアン・クラムスキー:国務大臣(国務長官のことか?)セリフは一言だけ。
ジェファーソン・スパイダー:米大統領首席補佐官
サミュエル・セビル:ホワイトハウス報道官
ランドハンセン:GNNの黒人記者。

ロシア:チェリノデスキー:ロシア大統領。
中国側王龍明:国家主席 
437日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/19 00:14:22 ID:???
GNNのランドハンセン記者が東京で4月22日にに行われた史上初の首相公選制で無所属の
桜木が当選した事を伝えている。この選挙が初のインターネット投票により行われ投票率は88%を超えたこと。
桜木が、アメリカンスクールを出た後、スタンフォード大経由でワシントンポストの記者を十年やった事、
など「アメリカンエリートが日本式大統領に就任した」と印象を伝え、同時に起きた朝鮮動乱、
中台の軍事的緊張や、首相公選制の導入での国内の政治的混乱も含め波乱含みだと伝えた。

 銀座での街角の声:肯定派は指導力のあるリーダーがようやく生まれた、若さが武器になる、
          期待するのは指導力、戦後初めての政治システム改革であり憲法を改正してまで
          導入した公選制だから気合を入れろ、
          独身でハンサムで背が高いのでサミットに出ても引けをとらなさそう、
          気になるのは日本式大統領制の施行にまで時間がかかること、就任式も
          だいぶ先なので、現政権からの移行をスムーズにやってほしい。
          反対派は料理職人が「あんな若造に何ができるんだ、日本の政治はやっぱり
          自由憲政党だよ」と述べたのみ。(どうやらGNNは桜木よりのようだ。)

ランドハンセンがまとめた後、スタジオから、北による韓国侵攻と中台の軍事的緊張についての
ホワイトハウス報道官サミュエルセビルの記者会見のコメント:
 「北朝鮮軍内部の反体制派による反乱が今回の事態の原因かと考えられ、南北朝鮮軍はソウル市内で銃撃戦を
 繰り広げて10万人規模の死傷者が出ていること、在韓米軍は北のスタミナ切れを待っていること、
 台湾に関しては、中国に圧力をかけると共に中国が介入を始めたら合衆国全軍が攻撃を用意しないといけない」
を伝えた後に、臨時ニュースが飛び込んだ。

―合衆国・国防総省(ペンタゴン)―

緊急報告が繰り返される。早期警戒衛星がミサイル発射衛星を確認、中国の北京北部の内蒙古自治区より
日本へ向けて中距離弾道ミサイルが発射されたこと、東京が最大目標で、時間的に迎撃は不可能…核の
搭載も不可能との絶叫が繰り返されていた…
438マロン名無しさん:05/01/19 00:14:47 ID:lLlb1IGt
「漫画の題名・作者名がわからない★質問スレ12 」でこちらを紹介されて来ました。
祥寺はるか先生のデビュー作、「メディカルファイト」のストーリーをご存知の方がいらっしゃいませんでしょうか。
初出以外、単行本・同人誌に全く収録されておらず、読めないのです。
ご存知の方、どうかお願いします。
439日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/19 00:15:56 ID:???
―合衆国・ホワイトハウス―
 キャラダインは着弾時間は弾道弾であるため最大15分であること、日本国内の米軍基地が臨戦体制に入った
ことなどの報告を受けたと同時に、対処を命じ、全軍の緊急有事体制を命じた。
国務大臣のダイアン・クラムスキーに中国への攻撃意図の確認と場合によっては北京への報復核攻撃を行うと
伝えるように命じた。

 大統領から話を向けられたスパイダーは、「現時点では中国の内部統率が十分ではないこと、軍の暴走なのか
政府内の混乱なのかは不明だということ」を挙げた上で…
「そして、ひとつだけ確実なのは【これまでの日本は確実に粉々に砕け散る】ということ」と述べた。
 大統領は同意した上で、盟友(=大橋)に最後のはなむけとして事実を伝えようと述べるとともに、
スパイダーに電話を差し出した。意図が読めないスパイダーに大統領は、こう言った。
 「中国の切ったカードが【ジョーカー】だった場合、キミとワイフにとっては親友との「永遠の別れ」になるのだから!」と。

―横浜・山下公園―

 携帯をとり、スパイダーから全てを知らされる桜木。「なっ!なんだとォ!」と叫んだまま心臓の鼓動を
一気に高鳴らせて思考をめぐらす桜木。
桜木の思考:「中国から中距離弾道ミサイル…! 着弾まであと2分…! 核弾頭搭載の有無は不明……!」
スパイダーが「健ッ!聞いてるのか健ッ!!」と叫ぶ。

桜木は冷静に言い放った。
桜木:なァスパイダー 久し振りに賭けをしないか?そうだなァ…ワイン!それも俺の生まれ年の「シャトー・フィジャック」でどうだ?
焦りまくってるスパイダー:冗談を言ってる場合か!私は親友の静止を賭けにするほど悪趣味じゃないッ!
桜木:ブラフ(「おどし」とルビ)だ!
まだ焦ってるスパイダー:た、確かに中国お得意の二枚舌かもしれんッ・・・しかし・・・
桜木が「現在の世界情勢から見て中国が世界から孤立する道を選ぶとは思えない、断言する!核ミサイルの可能性はゼロだ!」
と言い放つと、スパイダーは落ち着きを取り戻して「大した自信だな。お前ほど意志の強い日本の政治家に会った事はない」
・・・そして、付け加えて、こう言った。「どうやら日本人は正しい選択をしたようだ・・・」と。
440日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/19 00:16:57 ID:???
―横浜・港の見える丘公園―

桜木はスパイダーに語りかける。
 「俺は今、横浜港を一望できる丘の上にいる。俺の大好きな場所だ。日本は1854年に日米和親条約により
  200年に及ぶ長き鎖国を解き、さえらに5年後 この地で結んだ日米就航通商条約にもとづきここ横浜を開港した。
  近代日本はまさにここから生まれたのだ!」
と。そして、こう続けると、桜木は、携帯電話を空高く持ち上げた。
  「日本の命運がかかったこの瞬間に新生日本を託された俺がここにいる・・・これも天の思し召しってやつかもしれん・・・」
  空高く突き上げながら、桜木は携帯に向けて、こう絶叫した。
 「スパイダーッ!そのまま電源を切らずに待てッ!!もし核爆弾であったなら核特有の高周波でこの通話は切れるッ!
  真の親友(とも)としておまえの耳で確かめてくれッ!」スパイダーは目を見開いて「健ッ」と言った。

50秒前・・・受話器を汗だくになりながら持ちつづけるキャラダイン、降下を始めるミサイル。
43秒前、ホットラインを取り落とす大橋総理。
32秒前、脂汗を流す大橋総理。
19秒前、加速するミサイル。
5,4,3・・・学生時代の3人で取った写真を見つめるスパイダー。
2秒前、キラッ、と光る空、携帯をかざす桜木・・・1秒前。
轟音を立ててレインボーブリッチ脇に命中し、巨大な水柱を立てるミサイル。
絶叫する大橋総理、苦悩の表情のげなキャラダイン・・・そして、不敵な笑みを浮かべる、王首席。
441日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/19 00:18:06 ID:???
時計を見て、スパイダーは懸命に呼びかけた。「健ッ!!健ッ!!頼むッ応えてくれッ!!」

しばしの沈黙のあと、受話器から声が聞こえてきた。「どうやら俺の勝ちのようだな」「健ッ!」
桜木:時代は大きく動き始めた そしてそのとてつもない大きな波に日本は飲み込まれようとしている
   創ってみせる・・・どんな荒波にも負けぬ新しい日本国を!!

無表情になり、ネクタイを締めなおすとスパイダーはこう言って、電話を切った。
「健闘を祈る(グッドラック)・・・健!! それから・・・シャトー・フィジャックだが、当分奢れそうにはないようだ・・・

えっ?と聞き返す桜木だったが、通話は切れ、「どういう意味だ?スパイダー」と空を見上げるばかりだった。

ホワイトハウス・・・キャラダイン大統領は遂に、中国が二世紀の長き眠りから覚め、世界を震撼させ始めたこと、
         我々はアジアにおける彼らの目指すアジア一国支配の野望を断固阻止すべきである事・・・世界のため、祖国合衆国のために。
と述べ・・・宣言した。「ではこれより対アジア戦略の最終シミュレーションに入る!」
(後編に続く。後編は王首席の会見からはじまります。後編は近日中に。)
442マロン名無しさん:05/01/19 02:21:43 ID:???
さとうだいすけ「25M」を、詳しくお願いします。
ジャンプの読み切りらしいです。
443マロン名無しさん:05/01/19 15:30:35 ID:???
「コゼットの肖像」と「鉄人28号皇帝の紋章」をお願いします
444マロン名無しさん:05/01/19 19:33:07 ID:???
「トッペンカムデンへようこそ」おねがいします
445マロン名無しさん:05/01/20 01:11:39 ID:???
世紀末プライムミニスターお願いします。
446マロン名無しさん:05/01/20 01:27:40 ID:???
バスタードがよくわかりません。最新刊までのおおまかなあらすじキボン
447マロン名無しさん:05/01/20 01:35:51 ID:???
>>446
理解するにはある程度の宗教の知識が必要です
448マロン名無しさん:05/01/20 21:23:27 ID:???
>>429
こんなグロい話だったのか。
449日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/20 23:41:57 ID:???
>>439
焦りまくってるスパイダー:冗談を言ってる場合か!私は親友の静止を賭けにするほど悪趣味じゃないッ!
                              ↓
焦りまくってるスパイダー:冗談を言ってる場合か!私は親友の生死を賭けにするほど悪趣味じゃないッ!

第5話後半の登場人物
第5話「日米安保廃棄、日本独立!?」登場人物(今回は長いので前後編に分けました)
日本側
 大橋高廣:日本国最後の議院内閣制選出の総理。 歴史的で重大な決断を行う。
 望月太一:防衛庁長官。緊急連絡を入れてくる。(後半のみ登場)
 佐藤省ニ:内閣官房長官。大橋にとある提案をする。(後半のみ登場)
 大橋政権閣僚:無能 (後半のみ)
桜木サイド: 
 桜木健一郎:日本国公選首相選出者。次期首相。
 鯨井洋介:元外交官。桜木のブレーン。
 モリス・谷口:桜木ブレーン(後半のみ)
 恩田誠十郎…桜木の参謀(後半のみ)
 日本マスコミ:思考停止。今回も大橋総理の追及を行う。(後半のみ)
 池上正臣…元三住商事中国駐在員。桜木ブレーン(後半のみ)
 渡辺周三…元官邸記者。桜木ブレーン(後半のみ)
 古之川元久…大学教授。桜木ブレーン(後半のみ)
 鷲尾星ニ…米国戦略研究所元首席研究員桜木ブレーン(後半のみ)
米国側
アレックス・キャラダイン:米大統領。今回、大橋総理に、助け舟を出すが…?
ジェファーソン・スパイダー:米大統領首席補佐官

ロシア:チェリノデスキー:ロシア大統領。
中国側:王龍明:国家主席 
450日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/20 23:54:37 ID:???
日本国首相官邸   

総理・閣僚達が王龍明・中国国家主席の会見に見入っている。

アナウンサー:「ただ今、中国国営放送による王首席の公式発表が入った模様です!」

王首席:本日 東京に落ちたわが国のミサイルは日本へ向けて放ったものではない!

狼狽する日本官邸一同。王首席の演説は続く。

王首席:ミサイルは台湾上空を無許可で飛行している米軍偵察機の発着する日本にある米軍基地に発射したものである。
     今後 わが国の台湾海峡における問題に対して日米両国が完勝するようであれば

場面はアルタビジョンで固唾を飲んで見入る日本国民。そして、王首席が次のセリフを放った時、驚愕の表情浮かべる。

王首席:・・・我々は第2第3のミサイル攻撃も辞さないだろう それが核ミサイルでない・・・とは確約できないッ!

―翌日―
各社新聞・・・集英新聞:東京にミサイル攻撃 東京湾お台場に巨大水柱!中国・・・核弾・・・  
社名不明:A紙:震撼  B紙:中国、日本の米軍基地を攻撃 朝鮮動乱、中台戦争に日本も巻き込まれるおそれ
       C紙:中国、日本からの米軍撤退要求 問われる日米安保

在日米軍基地前にはプロ市民やそうではない皆さんが集結して、いつものシュプレヒコールのようなやる気の無い
気炎ではなく、文字通り激昂していた。のぼりには「安保廃棄」「米軍反対」「米軍はいらない」「平和」「守れ日本の平和」
等とかかれていた。                                   
451日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/21 00:07:29 ID:???
「緊急討論番組 日米安保を問う」という液晶をバックにしたテレビの風景

みんな顔色が真っ赤だ。

安保廃棄派:米ソ冷戦が終わった時点で日米安全保障条約はもはや不要だった
        日本にミサイルが撃ち込まれてもアメリカは何もしてくれないじゃないか
        アメリカに基地を提供してるだけじゃなく年間4千億円もの駐留費を負担しているにもかかわらず、だ。
        こんな意味の無い不平等条約は今すぐ廃棄すべきだ!(注:現在は、この思いやり予算は減っています)

安保堅持派:冗談じゃない!そんなことしたら中国のおもうツボだ!!日本は攻撃されたんだぞ
         自衛隊は米軍と行動をともにして中国に対抗すべきだ!
         それにもし、安保を廃棄した場合、日本の船舶の安全を保てなくなる。これまでは米国の艦船による
         保護があったからこそ安全に後悔が出来た。(シーレーンの問題)、空路も同じ。
         食糧や石油の大部分を輸入に頼る日本は米国との関係を悪化させると、とんでもないことになる。

が、今度こそミサイルを打ち込まれるぞ?という問いに「じゃあ、どうすればいいんだ!」というだけで結論は出なかった。

―首相官邸前―

プラカードやハチマキやゼッケンを身につけた数多くの人々が、ほとんど暴動に近い騒ぎで「日米安保廃棄」と
叫んでいる。どうやら、大規模な組織がきわめて短時間に結成されたようですね。

官邸内では、暴動に近いじゃないか、危険だ、という閣僚、防衛長官の望月や幹事長の沢村は総理に
「戒厳令を出して鎮圧すべき」と詰め寄る。大橋は「何故私が総理の時に次から次へ・・・」と頭を抱えたが、
外務大臣らしき人物へ怒鳴りつける「おいっ!国連への提訴はどうなったんだ?」 しかし、返答はつれない。
懸案事項として取り上げられただけで、一切動きが無いのである。国連は世界政府ではないので頼るだけムダなのだ。
首相自らが会見wの開くべき、といわれ、大橋は官房長官と二人きりになることを希望した。
452日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/21 00:42:22 ID:???
二人になった大橋と官房長官・佐藤。
大橋は佐藤に、下手を打てばわが内閣の命取りとなる・・・君の意見を聞かせて欲しい、と問いかけた。

佐藤は、アメリカ政府も時代が変わり、基地や安保に対する考えが変わってしまった。もはや日米関係は
      爛熟期すら過ぎてしまったのかもしれない・・・そして、こう付け加えた。「これは考え方によっては
      チャンスではありませんか?」と。大橋が意外そうな顔で振り向くと、佐藤は続けた。

中国という国は金を受け取らない者を信用しない国であり、大橋派は現中国政府から多年に渡って資金援助を
受けてきた。アメリカに今以上の協力が望めないならば、アジア共同体としての未来を考えたほうが日本には
得なのかもしれない・・・大橋はこれを聞くと一気に脂汗を滲ませつつ「まっ、まさか!」と聞き返した。

佐藤は、大橋派のもつ中国政府とのパイプを使って日米安保に変わる、【日中安保条約】の締結の交渉を提案した。
呆然とする、大橋にこう言い放つと、佐藤は出て行った。
「飽くまでもアメリカとの交渉を優先させるべきです。これはあくまで万が一のため、【最後の切り札】です。
 交渉はわが派閥の外務大臣と二人で隠密に進めますが、場合によっては総理 あなたと心中するかもしれない」と。

後には、目を見開いて脂汗を流す大橋総理の姿があった。

―東京・虎ノ門―

国際政治研究センタ―、それは桜木ブレーンの集う場所。遅れて到着した桜木は隻眼眼帯の鯨井に迎えられた。
桜木政権結成時の外交スタッフ12名が集まっていたのだ。桜木は報告を受ける。

池上正臣によれば、「中国国内ではここ数年中規模数千名単位の暴動が激化しており その鎮圧のため軍部は
            非常に神経質になっている。【すべては王首席の弱腰政治にあり】と軍部は王首席の政治手腕に
            露骨に不満をもらしており、王首席は軍の機嫌を取るために強気に出る必要があった。     
            そんな時に、偶然起きた朝鮮動乱に乗じて台湾を威嚇、日本へミサイル攻撃をしたに過ぎないのだと。
雅野学園高等部に入学した香月礼弥(あやみ)は、
人とかかわるのが苦手なため帰宅部を希望する。
友人の御子紫百合(クールな秀才)は演劇部に、
近原深雪(明るいスポーツ少女)は運動部を五つかけもちする予定。
しかし雅野学園の生徒は必ず部活に所属しなければならず、
また部活の掛け持ちも禁止されていた。
「部活強制なの!?あたし団体活動ぜんぜんダメなのにー!」
「かけもち禁止!?あたしに五つのうち四つを捨てろと!?」
発狂寸前の二人。一人動じない百合。
礼弥は渋々、人が少なく男子生徒のいない華道部に入ると決めた。

二人に付き添ってもらい、礼弥は入部届を出しにいく。
そこへ、作り物の翼を背につけた鳥人間(のようなもの)が空から現れ礼弥に直撃。
鳥人間に潰され茫然自失としている礼弥の前に数人の男子生徒が現れ、
「きみたちは飛行妨害の責任上、チャレンジ部に入部してもらう」と一方的に告げた。
ぶつけられたこちらが被害者なのになんで責任を取らないといけないんだと百合は怒る。
「こちらがぶつかった代償としては、きみたちに好きな時に好きな部員を
 コマしていいことにする。男ばっかりだから選び放題」
そんなもんいるかと百合は言うが、問答無用で三人はチャレンジ部部室に連れて行かれる。

チャレンジ部は世界一を目指す部。
ジャンルを問わず出来そうな事になんでもチャレンジして
ギ○ス(作中では版権上の問題のためネッシーと表される)記録に載るのが目標。
見かけからして濃いチャレンジ部の人たちに礼弥は引きまくるが、
百合と深雪は面白そうだから入部すると言う。
二人が入るのに鳥人間とぶつかった張本人である礼弥が入らないわけにはいかない。
三人はチャレンジ部に入部した。

翌日チャレンジ部の部室へ行く礼弥。百合と深雪は用事があってこれない。
どうやって部室に入ろうかと礼弥が悶々としていると、
「どうした 鍵開いてない?」と後ろから声がかかった。
振り向いた礼弥は、声の主の男子生徒に一目ぼれをする。
すみません、割り込んでしまった。
455日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/21 00:59:14 ID:???
>>452の続き

鯨井が池上の元商社マンの情報収集能力は日本の在外公館よりも凄い、と感心していると渡辺周三と古之川元久が
大橋内閣の対応について述べた。

渡辺曰く、まっ先に国連に対して国連軍の派遣を要請した。
古之川は「おろかなことだ、常任理事国の中国が拒否権を発動すれば終わりじゃないか」と続けて国連について語った。

国連はその結成からして平和の殿堂ではなく、それぞれの国が伝統的な外交方針をすりあわせる交渉の場に過ぎない。
確かな外交方針も持たず、すべてを他国に委ねて助けを乞うばかりではいつまでたっても世界の笑いものだ、と。
モリス・谷口が「まるで世界の属国だな」と呟いた。そこに、気になる報告がある、と報告書が桜木に提出された。

この5年間、日本企業の中国進出が活発だが、これに最も熱心だったのが現政権最大派閥の大橋派である、と。

鯨井は、つまり、大橋派はアメリカと同盟関係を堅持する一方で、中国と限りなくグレーな関係を持っているということか。
危険だ・・・と述べたのだが、次の桜木の言葉に注意を引きつけられた。

桜木はアメリカはミサイル攻撃のあと、全く動きを見せていない、と延べ、モリスは世界の警察を自認するアメリカに
しては大人しすぎる、と述べ、鯨井は確かに、と述べた。そこに発言を求めたのは鷲尾星ニ。アメリカを知り尽くした男。

鷲尾は桜木はアメリカをよく知っている、と褒めた上でまくし立てた。
「アメリカ政府はいわば【銃を持ったセールスマン】なのであり、軍事行動を起こす裏には必ず経済活動が潜んでいる。
ズバリ アメリカの世界での目的は― 
【ドル外交支配!!! ドル経済体制拡大のためならアメリカはいかなる作戦も考える国なのです!!】
このアジアの緊急事態ですら、水面下では自国の国益を考えるのがアメリカ、と聞きつつも、桜木はスパイダーの
言葉を思い出し、「上等だ!」と決意し周囲に命令した。

【至急 アメリカ政府要人のここ最近の外交接触をつぶさに調べ上げてくれ! 公式 非公式も含めてだ!】と。
456日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/21 01:00:19 ID:???
>>454
あ、大丈夫。気にしないで。
457日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/21 01:19:40 ID:???
―国会前―
もはや集団ヒステリーと化した群集は国会前だけではなく、日本中にあふれかえっていた。
彼らの主張は「一刻も早く安保を廃棄しろ」「現政府は日本を焦土と化す気か」「日本を守らないアメリカは米国に帰れ」
「安保さえなくなれば日本の平和は取り戻せるんだ」

無精ひげも生え追い詰められた表情の大橋総理は「まだ米大統領との会談はセッティングないのか、と
外務省北米課長を怒鳴りつける。が、彼からは「数日前から連絡がつかない」とつれない返事。
そこに伝令が入り、ホワイトハウスからキャラダイン大統領との電話対談を行う、と連絡がついた、と。

日米会談が始まった。必死な大橋総理に対し、大統領はイスに座ってゆったりとくつろぎながら喋る。
大橋は現状を説明し、助けを求める。「アメリカのご英断なくして日本はこの難題を乗り切ることは不可能であり、
日本単独ではこの有事には対応不可能なのだ」と。

キャラダインは心中察するといいながらも、現状が続けば中国は確実に次なる軍事行動に出る、と現状分析。
 大橋総理は、机をツメでかきむしりながら「これ以上の軍事威嚇が続けばわが内閣・・・いや、日本が完全に崩壊する!」
瞑目するキャラダイン。号泣しながら助けを求める大橋。そして、大統領は言い放った。

「ミスター大橋!我々は長きに渡って良きパートナーであった。アメリカ合衆国ははこれ以上盟友の苦痛を
無視する訳にはいかない 米軍を撤退しよう 日米安全保障条約を廃棄したまえ!」と。

大橋は驚愕しながら「あ・・・安保廃棄ィ〜〜!」と絶叫する。キャラダインはアジアにおける基地を失うのは
損失だが日本国にとってはそれが1番の効果を生むかもしれない、と返した。
大橋はこれまでのアメリカとの友好は・・・というがキャラダインは畳み掛ける。
「まずは アジア危機を終結させることです。すべてが終わった時には【新たな】友好関係を考慮しましょう」と。
大橋は歓喜しつつ、感謝します!さっそく国内をまとめてその方向でいかさせてもらう!と言ってホットラインをきった。
 切れた電話を見ながら、キャラダインはクックック・・・と笑い、こう述べた。「つくづく日本という国には外交能力が無いッ
シミュレーションどおり安保廃棄の勧めをありがたく受けおったわ」 スパイダー以外の閣僚は爆笑した。
458日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/21 01:31:48 ID:???
―官邸前―

マスコミは昨夜緊急召集された臨時閣僚会議がたった今終了したことを継げていた。
たかまる世論に押され、ついに安保廃棄が閣議決定されたのだ。

桜木事務所ではモリス谷口の声が響き渡っていた。
「バッバカなッ!どうしてこの重大事に日米安保を廃棄するんだッ 日本は再び『鎖国』をやるともりかッ!?」

ガタッと音を立てて席を立ちながら桜木は考えながら思考していた。
 安保廃棄のデメリットは安全保障問題や食糧危機ではなく国際情報の不足である。日本は国家レベルの情報の
 ほとんどをアメリカ政府・軍・企業から入手している。通信衛星を経由してくる情報をストップされただけで日本は
 大損害をこうむる。ましてこのアジア危機を情報なしでどう乗り切るつもりだ!?
と。桜木の参謀の恩田誠十郎が重い口を開いた。

「茶番じゃな・・・何よりも国益を重んずるアメリカがアジアの経済基地である日本からこうもあっさりと撤退するとは
 合点がいかぬ・・・陰で糸を引いとるのは間違いなくアメリカじゃ!!」と。桜木は切迫した表情で鯨井に言った。
「鯨井さんアメリカ側の例の分析を急いでくれ 一刻も早く彼ら(アメリカ)の真意をさぐらねば
 日本は取り返しのつかないことになりかねんッ!」と。

翌日・国会では賛成355票反対145票で安保廃棄が可決された。号外は「日米安保廃棄、申請日本の誕生」
大橋首相の会見で大橋は誇らしげに語った。アメリカに安保廃棄を通告した事、在日米軍は準備が都と西台撤退すること。
今後は周辺諸国及びアメリカとの友好なる関係維持を未来永劫続ける覚悟である、と。
459日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/21 01:49:07 ID:???
テレビ:中国共産党は安保廃棄を評価すると発表。これによりミサイル攻撃の可能性はほばなくなったと言えるでしょう!
    また安保廃棄により米軍に負担していた「思いやり予算」はなくなり基地周辺の住民の不安も解消!
    英断を下した大橋内閣の支持率は急激に高くなっています!(映像は祝安保廃棄に沸く人々)

―沖縄・嘉手納基地―

大橋首相による日米安保廃棄宣言からまだ12時間しか経過していないにもかかわらず、日本各地の港湾や
米軍基地から撤退が始まった。東シナ海に展開中の戦闘機及び戦艦を除くほとんどの輸送機や輸送船が
日本から立ち去っていったことを、テレビは伝えた。(注:戦艦という艦種は数十年前から存在していません)

一方、桜木事務所では桜木が首をかしげていた。まるで大橋総理が安保廃棄を言い出す前から準備していたかの
周到さだ、と。そこに鯨井が報告書をもって現れた。そして、桜木は驚愕した。

―赤坂9丁目・防衛庁―
米軍撤退後、自分たちは暇になるだろう、と言っていた偵察レーダー室では、米軍の輸送機の進路のおかしさに
気づいた。撤退先はハワイであったはずなのに、進路がおかしいのだ。報告は上にあげられた。

―首相官邸―
米軍基地撤退の『式典も無事終了、どのマスコミも大橋を戦後最高と褒め称えており、内閣支持率も最高をマーク。
「アジア危機サマサマってところだなフォッフォッフォッ」と祝杯をあげているところに防衛庁長官からの報告。
祝杯を挙げに誘う首相に無視して長官は報告。自衛隊のレーダーが確認。撤退中の米軍部隊が大きく進路を変えた、と。

桜木事務所では鯨井が携帯で連絡を受け驚愕しつつ報告した。撤退中の米軍部隊は急遽北に進路を変更したのだ。
そして桜木は気づき、述べた。
調査報告書に有るロシア高官とのひんぱんな密室会談という証拠を。そう・・・アメリカは冷戦時代の仇敵、
ロシアと手を結ぶ気だ!と。そして、撤退中の輸送隊の目的地は・・・と(千島を指さした)。
アメリカは今なお開拓者精神を忘れていない。米国は日本を見限り、「完全なるアジア制覇」に向け始動した!
新たな西部開拓史の始まりだ!と。ホワイトハウスでは米ロ首脳の緊急記者会見が開かれていた。(第5話 了)
男子生徒の名前は剣崎。顧問の父親に無理矢理入らされただけで、
いつもやる気がなくボーっとしている。

その他のチャレンジ部部員

菫谷   ゴツいオカマ。剣崎にベタ惚れ。
道明寺 鳥人飛行でギネス記録を目指す。
天根   顔が白塗りで髪はオールバック。深雪は歌舞伎先輩と呼んでいる。
工藤   板前みたいな顔。
内田   目立たない人。途中で顔がものすごく変わる。
速水   生徒会長。女子生徒に人気がある。
堀    目つきが鋭い。ツッコミ役。
長尾   顔が黒い。深雪は湘南と呼んでいる。

礼弥は部員たちと共に断食合宿を行ったり(暑さと空腹でみんな発狂)、
ドミノ積みにチャレンジしたり(ギ○ス記録を破るものの、崩れてしまう)する。
しかし剣崎との仲は縮まらず、剣崎の捨てたテストの答案や
剣崎の触った部のボールペンを盗んだりとストーカーまがいの事をする。
呆れた百合は、入部する時に言われた「コマし権」を利用して
既成事実をつくり、ストーカーから足を洗って彼女にでもなれと言う。
半ば強制的に礼弥はコマし権を使う事になる。
部員たちは、子供をつくって出産記録の世界記録を目指せとはやしたてる。

カラオケボックスに閉じ込められた礼弥と剣崎。
そこで剣崎は、小学五年生の時に円周率暗記でギ○スに載った事があると言う。
ギ○スマニアの父に言われてやった物の、次の年には100桁ほどの差で破られた。
抜き返せと言われたが無理で、それ以来無気力になった。

話すうちに二人の間に良さげな雰囲気が漂うが、空気の読めない部員たちに妨害される。
礼弥は剣崎の使ったストローをさりげなくパチり、百合に「進歩がない」と怒られた。
実績がないためにチャレンジ部の部費が60%も減少した。
一刻も早くギネスに載らなければ、廃部の危機さえある。
留年をかけたテストを前に道明寺が死にかけなため、鳥人飛行はできない。
その他の部員たちはそれぞれギ○スに載ろうと様々な事にチャレンジする。
日本人らしく巨大折り鶴をつくろうと深雪が提案。
現在の記録の巨大折り鶴は16m。
それを超えるために部員たちはいらないノートやプリントを集め、
でんぷんで張り合わせて巨大なひとつの紙にしようとする。

以前より積極的になった礼弥に誘われ、剣崎も珍しく部活動に参加する。
紙を集めるため書道部に強奪に行ったり焼却炉からかき集めたりしている所へ、
テストが終わり晴れ晴れとした顔の道明寺が「これも使え」と100点のテストを差し出した。
部員たちが紙を集めている一方で、浪人生なみに勉強した道明寺は留年を免れた。

試験期間中、数学の問題用紙が一枚紛失した。
人気のない時間に、紙を集めに職員室のプリント類を漁るチャレンジ部員が目撃されており、
留年直前の道明寺が100点を取ったのは、問題用紙を盗んだためではないかと疑われる。
道明寺が努力していた事を無視して、最初から疑ってかかる顧問との口論の末、剣崎は部活に出なくなる。
礼弥は何度か剣崎を呼びに行くが、剣崎は部室に来る事を拒む。
沈鬱としながらも巨大折り鶴の作成に励む部員たち。
しかし、でんぷんをつくる鍋の不始末で折り鶴ごと部室が燃えてしまう。

「試験問題の件すら解決していないのにボヤまで起こすとは何事だ!
 チャレンジ部は本日を持って廃部にする!
 だいたいギ○スに載るというのがはじめから無謀だったんだ!」
理事長の言葉にギ○スマニアの顧問は怒り狂う。
「いいでしょう!載ってやりますよギ○スに!
 もし十日以内に達成できなかったら、あんたの言うとおり廃部で結構だ!」
部員たちは卵一気飲み、片足立ち、耐久しりとりなどでギ○スを目指すが、上手くいかない。
期限はあと三日。
破られたとはいえ一度ギ○スに載った事のある剣崎にも参加してもらおうと礼弥は説得する。
しかし剣崎は嫌がる。感情的になった礼弥は泣きながら剣崎を怒鳴り、勢いで好きだと打ち明けてしまう。
「……やっぱり一回の高校生がネッシーに載ろうなんて最初から間違いだったのか……?」
「……そんな 最終回にきてすべてを根底から否定するような…」
今日で十日の期限が切れる。どんよりとした雰囲気が漂うチャレンジ部。
礼弥は勢いで告白してしまった事で一際暗いオーラを纏っている。
そこへ理事長がやって来て、これでもうチャレンジ部は廃部だと告げる。
「やだっ!まだ今日は終わってないもん!まだ六時間ぐらい残ってるもん!!」
礼弥が泣き叫んでいると「……六時間…なんとか間に合うな…」と言いながら剣崎が現れた。
剣崎は世界記録の一桁上の、四万二千百九十六桁の円周率を暗記してきたのだ。
まわされたビデオカメラの前で、剣崎は円周率を暗唱する。

「救世主さまー!」「ケンちゃんステキー!」興奮するチャレンジ部一同。
12時直前に、剣崎は四万二千百九十六桁の円周率をいい終えた。
世界記録を達成したからと廃部は取り消しになった。
連日ギ○スに挑戦していた部員たちは疲れのためその場で眠りに落ちる。
起きていた剣崎は、同じく剣崎への気まずさで眠れずにいる礼弥にキスをした。

翌日、円周率暗唱のために回っていたビデオカメラが、暗唱の後も回され続けていた事が発覚。
ビデオテープを見られたら礼弥と剣崎のキスも知られてしまう。
剣崎は証拠隠滅のためにビデオテープをぶっ壊し、円周率暗記の記録も消えてしまった。


――チャレンジ部の戦いの日々は終わらない。


綺麗で賢い百合は男子生徒に人気があるが、百合自身は男嫌い。
番外編「百合のキモチ」

しかし一人だけ嫌悪感を持たない男性がいる。それはオカマの菫谷だ。
「あれは反則だろう…」「たしかに男の人だけど…」
なんでよりによって菫谷なんだと納得できない礼弥と深雪。

ある日チャレンジ部に女子生徒の白石が訪ねてくる。
彼女は先週の金曜日に、なんでここまでというほど豪快に
クラス全員分の資料を廊下にぶちまけてしまった。
その時通りすがりの男子生徒が、何も言わずに黙々と資料を集めてくれた。
白石は彼に一目ぼれをして、彼を探して部室を歩き渡っているのだ。
その男子生徒とは菫谷だった。
菫谷は拾わなければ廊下を通れなかったから手伝っただけだが、
白石はすっかり菫谷を男らしい素敵な人だと世紀の勘違いをし、
菫谷を慕ってチャレンジ部に入部した。
せっかくの新入部員を逃がしてはいけないと、
白石がいる時は、オカマっぽい言動を慎むよう菫谷は強制される。

意地でも男言葉を使いたくない菫谷は部室では無口に無愛想に振る舞い、
白石は「シャイでカッコイイ人」だと菫谷への憧れを益々強くさせる。
それを見ても百合は何もできずにいる。
連日オカマな言動を出来ず、抑圧された菫谷は剣崎に襲い掛かる。
それを目撃した白石は「オカマならオカマでわかりやすいようにしとけ!」
と泣き叫びながら退部。
恋愛感情は抱けないものの、あまりにもよく慕ってくる白石を
妹のように思い始めていた菫谷はショックを受け、
オカマと書かれたタスキを肩にかけて落ち込む。
「なにもそこまでわかりやくしなくても…」
部員たちは励まそうとするが菫谷は完全にへこんでいる。

百合は菫谷のために、礼弥から徴収した剣崎の使用済みストロー、
おはし、空き缶、ハンカチ、髪の毛、ちょっと危ない写真などを差し出す。
興奮して鼻血を流す菫谷に百合は言う。

「本当はこんなもので元気出してほしくなかった。
 剣崎先輩の物なんかじゃなくて…駄目ですか?あたしじゃ」
女なんて論外よと答える菫谷に、そう言うと思ったと百合は穏やかに笑う。

「いい? あんたオカマに血迷うなんてこれで最後にしなさいよ。
 ちゃんとしたいい男みつけて結婚してそれで幸せになんなきゃ。
 あんた たぶん女にしては上等な方なんだから」
菫谷はそう説教し、しばらく百合とくだらない話をする。
雑談をしながら、この先菫谷と別の場所で生活するようになっても、
菫谷が今日の事を思い出してくれる日があればいいなと百合は思った。

<完>
>>463は一行目と二行目が入れ替わってました。修正お願いします。
466マロン名無しさん:05/01/21 13:11:51 ID:???
真崎守の「ジロがゆく」をおねがいします
467マロン名無しさん:05/01/23 04:13:25 ID:???
『夕凪の街 桜の国』やります。
作者のこうの史代は広島県出身。
自身は被爆者でも被爆2世でもないけれど、
避けて通る事は出来ない問題であるとこの作品を描いた、との事。

初刷 2004年10月20日
双葉社より800円+税で発売中。
468夕凪の街 桜の国:05/01/23 04:28:41 ID:???
大まかなあらすじ

『夕凪の街』と『桜の国』の二部構成。

『夕凪の街』は、原爆投下より10年後の広島が舞台。
父を亡くし、遠く茨城に弟を養子に出し、母と二人暮らす平野皆実(みなみ)を軸に描かれる、被爆の悲しみ。

『桜の国』は現代が舞台。
皆実の弟・石川旭が広島に戻り、被爆した女性と結婚。
一男一女に恵まれるが、被爆2世という事が、彼等の恋愛に暗い陰を落とし…という話。
469夕凪の街(1):05/01/23 05:23:49 ID:???
原爆投下から10年後、昭和30年の広島。
建設会社の事務員・平野皆実は貧しいバラック小屋で母と二人暮らし。
茨城に養子に出した弟に母を会わせる為、交通費を捻出しようと
娘らしいお洒落もせず、節約生活を送っている。
同じ会社の営業・打越といい雰囲気であるが、なかなか素直になれない。
ある日の会社帰り。
女物の洋装店を覗く打越を見掛けた皆実は
「好きな人にあげるんじゃが、見立ててくれ」と言われ、
「ふられてつっ返されても、これで泣きゃええが」と、レースのハンカチを選ぶ。
店を出て、打越から「返さんでくれ」と、
そのハンカチを渡された皆実は、照れながらも受取る。
河原を歩きながら、皆実は打越に体をもたせかけ、キスを交す。
瞬間、彼女の脳裏には10年前に目の前の川が焼死体で埋まっていた光景が広がり、
「ごめんなさい」と打越を振り払って走り出す。

10年前の8月6日。
皆実は原爆で父と妹を亡くした。
救護所で丸く膨れた母を見つけ、姉の霞とも落ち合った。
あまりの惨状に感覚は麻痺し、死体を平気でまたいで歩くようになった。
腐臭に苛つき、橋の上から姉と一緒に川に溢れる死体に石を投げつけた。
やがて姉も、被爆症で紫のシミだらけになって死んでいった。
自分は、幸せになってはいけない人間なのだ…
そんな想いが、皆実を頑なにさせていた。

翌朝。
会社で打越と挨拶を交した皆実は、彼に
「うちは、この世におってもええんじゃ、と教えて下さい」と
10年前の体験を話して聞かせる。
打越は理解を見せ、「生きとってくれて、ありがとうな」と、優しく皆実の手を握る。
470夕凪の街(2):05/01/23 05:50:49 ID:???
その翌日から皆実は疲れからか、体がだるくなり、寝込んでしまう。
見舞いに来た打越は帰り際、『月がとっても青いから』と鼻唄を歌う。
それを見送りながら、皆実も続きを歌う。
♪月がとっても青いから 遠回りして帰ろう
もう今日限り逢えぬとも 想い出は捨てずに
君と誓った並木道 二人きりで さぁ帰ろう♪
夕凪の、幸せな風景。
翌朝には皆実の足腰は立たなくなり、夜遅く、真っ黒な血を吐いた。
被爆症が今になって発症したのだった。
友達や会社の同僚が見舞いに訪れるが、皆実の症状は急激に進み、目も見えなくなった。
(皆実モノローグ)
黙って手を握る人がいた。知っている手だった。

痛い。喉をまた生ぬるいかたまりが通ってくる。
もう、ただの血ではなくて、内臓の破片だと思う。
髪も抜けとるのかも知れんが、触って確かめる気力もない。
明日にしよう…明日…

嬉しい?
十年経ったけど、原爆を落とした人は、私を見て
「やった!また一人殺せた」と、ちゃんと思うてくれとる?
ひどいなぁ。
てっきり私は、死なずにすんだ人かと思ってたのに。

ああ、風…
夕凪が終わったんかねぇ…

そして、いつかの河原に座り込む打越の横を、剥がれた
『原水爆禁止世界大会』のポスターが風にあそばれてゆく。
皆実の手には、打越に貰ったハンカチが、力無く握られていた。
(終わり)
471マロン名無しさん:05/01/23 10:39:50 ID:???
お、重い
472マロン名無しさん:05/01/23 10:51:25 ID:???
やたら新聞とかでも評判になってたから気になってたけど、やっぱ原爆物だけあって重いねぇ。
473マロン名無しさん:05/01/23 18:33:19 ID:???
>471-472
漫画が柔らかい絵柄なだけに、悲壮感更に倍、みたいな…
モノローグの場面は背景無しの白いコマに延々と書かれていて、心に迫ります。
後半の『桜の国』は少し希望のある感じです。
夜に書きます。
474PEACE MAKER (ACT.20-21):05/01/23 18:51:37 ID:???
>>429 の続き

一八六四年、六月五日早朝。
物音を、吉田の帰宅だと思い玄関に赴いた古高が見たのは
殺した筈の歩(本当は扮装した烝)だった。
悪趣味だと言い逃れようとするも、腕の怪我を指摘され青ざめる古高。
そこに新撰組が現れ、捕り物が始まる。
逃げる古高に、烝は大男を両手に持ちながら静かに歩の死に様を語る。
殺気を感じた古高は、殺されるよりは捕まったほうがマシだと外に逃れようとするが
「・・・ホンマは殺ったらあかんのやけどなぁ カンニンなぁ」
そう言って烝苦無を振り下ろすのだった。
「もう忍にはなれへんのや」

捕り物が全て終わった後、烝を心配する鉄之助が駆けつける。
烝は「手加減できなかった」と、思い切り殴った拳を見せた。
殺すつもりだったのに最後まで中途半端だと言う烝に、自分もアユ姉も嬉しいという鉄。
しかし吉田稔麿は枡屋には居らず、取り逃がしてしまった。

屯所に戻る途中、鉄之助は鈴と再会する。
鉄之助を狙う鈴に、怒る鉄之助。鉄之助は刀を避け、鈴の苦しそうな顔を見る。
そこに現れた吉田稔麿。鈴の行動は彼の命令によるものだったのだ。
鉄之助を殺そうとする吉田を、鈴は堪りかねて止めようとする。
一方、鉄之助の方は過去の恐怖が先行して逃げることしか出来ない。
パニックを起こし、空き家の押入れに隠れる鉄之助。
吉田はその家に放火すると、鉄之助の潜む押入れを開け喉元に刀を突き立てた。
恐怖に怯え、失禁する鉄之助。
そこを鈴が止めに入り、泣きながら吉田に殺さないよう頼むのだった。
人が集まりだし火の回りも早いことから、吉田は鈴と共に燃える空き家を後にする。

両親の墓参りをしていた辰之助は、立ち上る煙を見て、嫌な予感を巡らせる。
火事の現場に走り、勘違いでありますように・・・と祈りながら押入れを開けると
そこにはもう一歩も動けず蹲る鉄之助がいた。
475PEACE MAKER (ACT.22-23):05/01/23 18:56:35 ID:???
完全に正気を失い、押入れに閉じこもってしまった鉄之助。
散々引っかかれた辰之助は、総司に押入れを開けないように言う。
もう誰が誰かなど認識できず、ただ押し入れで毛布に包まって怯えているのだ。
両親が死んでから、全く鉄之助は成長しなくなったという。
総司の自分の心の傷について咳き込みながら考えるのだった。

先日捉えられた古高は、土方にひどい拷問を受けていた。
ふと歩のことを口走る土方。
吉田の行動にしては、歩を殺したのはおかしな行動だと土方は言う。
それまでギリギリの均衡を保ってきた両者。その均衡を簡単に崩してしまった。
その言葉から、自分の独断で歩を始末したことが裏目に出たと気付く古高。
専属の忍を持ちながら、なぜ吉田らだけ逃げてしまったのか。
古高は吉田に見捨てられたのだ。
それまで黙秘していた古高は、土方に吉田の姿を重ねとうとう口を割ってしまうのだった。

「御所の風上から火をかけ京を火の海にし、その混乱に乗じて親幕派を暗殺、
帝を救い長州へ連れて行く」というのが吉田の計画である。

古高の土蔵から武器一式が奪われ、状況は一変する。
枡屋の一件で、善後策を講ずる会合が開かれると踏んだ新撰組は活動を開始し
午後六時、東には土方・原田ら24名が、西には近藤・沖田・永倉・藤堂ら10名が御用改めへ。

土方の頼みで押入れを開けようとする烝。
野生動物のように気を立たせていた鉄之助も、烝の説教で少しずつ正気を取り戻す。
烝は鉄之助に隊服と差し料を渡した。
辰之助は「勝手な真似をするな」と烝に怒りをぶつけるが、烝は彼の過保護に釘を刺すのだった。
鉄之助は決意し、先に出発した新撰組の後を追う。
476PEACE MAKER (ACT.24-26):05/01/23 19:06:25 ID:???
池田屋で会合を開く長州藩士達。二日後に計画を実行しようと吉田は言うが
宮部は古高を気にかけない吉田に異論を唱える。
しかし吉田はどうしても早く計画を実行したいらしい。(鉄之助の存在が原因?)

新撰組の動きを嗅ぎつけたくの一は池田屋へと急ぐが、途中烝に足止めをくらう。
池田屋についたのは近藤ら、少ない面々であった。
逃げ回る長人達を容赦なく斬る近藤・総司・永倉・藤堂。
数的優位にも関わらず、長州側は混乱し不利な状況に立たされていた。
裏口に脱出口を確保し退避を促す吉田に、宮部は同意せず切り殺されてしまう。
それを見た吉田は全てご破算になったことを悟り、自嘲気味に笑い池田屋に戻るのだった。
そこへ謹慎中だった鈴が、吉田を心配し駆けつけ自分も戦うと言う。
吉田は長州藩邸へ援兵を頼むようにと命令を与えるが
それは鈴を池田屋から遠ざけるためで、援兵が来ないことを吉田は知っていた。

槍を持ち店内に戻る吉田。藤堂が不意打ちを仕掛けるも寸でのところで外し
逆に頭部を突かれそうになるところを永倉に助けられるが額に重症を追ってしまう。
くのいちと対峙する烝は自分が力しか上回らないことを考慮し、至近距離での勝負に持ち込み
隙をついて発光弾を打ち上げた。

吉田を蹴り飛ばした総司が刀を突き立てようとしたその時、鉄之助が到着し
名前を呼ばれ振り向いた総司の隙をついて、吉田は瓦礫を吹き飛ばし、総司は倒れる。
吉田は総司には目もくれず、現れた鉄之助に焦点を定める。
恐怖に、またも押入れに逃げ込んでしまう鉄之助。総司は吉田を追い止めようとするが
それでも吉田の眼中には鉄之助しかない。
総司は吉田の左腕に一撃を入れ、優勢になったかと思われたが、その時激しく咳き込んでしまう。
力の入らなくなった総司は刀を落とし、窮地に陥る。
鉄之助は押入れから一部始終を見ていた。
そして、自分が強くなりたかったのは、殺すためではなく大事な人を守るためだと思い至る。


※宮部=宮部鼎蔵
477PEACE MAKER (ACT.27-29):05/01/23 19:16:09 ID:???
土方らは、池田屋に急ぎかけつける。
忍同士の戦いも終わり、二人は別れを告げる。忍の女は金髪の異人だった。
鈴は長州藩邸前で援兵を叫ぶが、誰も応答することはなく、涙を流す。

池田屋では鉄之助が吉田に立ち向かっていた。
吉田に突進し、足に刀を突き刺す。立ってはいても吉田の両足そして左腕は
ほとんど使い物にならなくなっていた。
残った右腕も切り落とされ倒れた吉田に、鉄之助は二年前になぜ自分を殺さなかったのか聞くが
吉田からは「なんのことだ。」という答えしか返ってこなかった。
トドメを差さない鉄之助に吉田は刃物を咥え、鉄之助の喉に突きたてる。
殺さないと殺されると分かっていても、鉄之助は吉田を慕う鈴のことを思うと動くことが出来ない。
刀が刺さるその直前、総司は吉田の首を刎ねるのだった。

騒動の後、会津藩から手柄を横取りすようとする連中が現れるが、土方・近藤らが追い払う。
総司を心配する土方は、総司が咳き込んでいるのを見て驚くが、総司は全部返り血だと嘘をつく。
土方に初めて優しくされ喜ぶ鉄之助は、置き去りになっていた刀を回収しているところを
空ろな表情で池田屋に戻ってきた鈴に見られるが、鉄之助は鈴に気付かずにその場を後にする。
呆然として吉田の死体に話しかける鈴。
凱旋の列の中、総司は土方に「鉄クンは自分のようにはならない。強い子だから大丈夫」と言う。
その列とは一人逆方向、吉田の首から滴り落ちる血の筋を道に作る鈴がいた。

こんな大事件がありながら、祇園祭は敢行され新撰組もお祭りムード。
祭りに出かけた鉄之助、烝、辰之助だが、辰之助の表情は暗く、
気まずい鉄之助は明るく振舞いながらもずっとお面を被ったままである。
刀を握ることをまだ反対する辰之助に、それでは鉄之助が可哀想だと烝は言うのだった。
祭に沙夜を誘いに来た鉄之助は、明里が寝込んでしまったため沙夜は看病していると聞く。
窓越しに沙夜と会った鉄之助は、刀を握っても人は殺さないと誓った。

それぞれの隊士達が祭りの夜を穏やかに楽しみ、池田屋事変は静かに幕を閉じるのだった。

                                                  <終>
478マロン名無しさん:05/01/23 19:30:17 ID:???
一応これで終わりです。
謎は謎のままで終わりという・・・
続編の「鐵」は連載中なので続きはそちらでどうぞ。
479桜の国(1):05/01/24 00:04:22 ID:???
17年前の東京。
祖母(皆実の母)、父(皆実の弟)、弟と団地に暮らす
石川七波(ななみ)は、男子に混じって草野球のショートを守る、活発な小学5年生。
名字が石川だからという理由で「ゴエモン」と呼ばれている。
母は既に亡く、連絡帳に書く事はいつも決って
「おばあちゃんは、弟と病院です。お父さんは、会社です。」
その後は、隣の一軒家に住む同級生、利根東子(とうこ)と遊んだ事か、野球の練習に参加した、と続く。
春のある日。
いつもの様に野球の練習をしていた七波は、シートノックの球を顔面に当ててしまい、鼻血を出す。
監督に休んでいる様に言われた七波は暇になり、
辺りに散った桜の花びらを集めると、グラウンドを抜け出す。
駅で偶然、ピアノのレッスン帰りの東子に会った七波は運賃を借り、
彼女と一緒に、弟の凪生(なぎお)が入院する総合病院へと向かう。
ここへは、祖母も通院している。
病室に着いた東子は、喘息で腕に点滴を付けた凪生に同情したのか、
自分のピアノの楽譜を破り、自分が一番好きな曲だと渡す。
七波は凪生のベッドに立ち、桜の花びらを上から降らせる。
「凪生が休んでるから、小学校の桜の出前に来たんだよ。」
興が乗った東子もどんどん楽譜を破り、小さく千切ると、花びらの様にワッと空中に散らす。
そこへ検査を終えた祖母がやって来て、七波は大目玉をくらう。
祖母に伴われて利根家に謝罪に行き、帰宅した七波は洗濯物を干す。
ベランダからはピアノを弾く東子のシルエットが見えた。
互いに即興で口笛とピアノを合わせ、楽しい気分になる七波だったが、
ふと振り返ると、室内では帰宅した父に、祖母が検査結果の封筒を渡しているところだった。
翌朝。
登校時に赤い目をして現れた東子に、七波は昨日の事で叱られたのかと心配するが
東子は夜中まで宿題の作文「将来のゆめ」を書き直していたのだという。
日々の慌ただしさに紛れ、七波は東子の夢を聞きそびれてしまった。
その夏には祖母が亡くなり、秋には凪生が通院する事になり、
病院の近くに引っ越したので、東子とも、何と無く疎遠になっとしまった。
七波の夢は「東子ちゃんの様におとなしい子になる事」だったが
転校先でも相変わらずお転婆で、やっぱりあだ名は「ゴエモン」になった。
480桜の国(2):05/01/24 01:03:18 ID:???
2004年、夏の東京。七波は28歳で会社員。
父は仕事を退職し、凪生は努力の末に医学部に入り、今は研修医になっていた。
凪生は病院で、偶然にも看護婦になっていた東子と再会し、親しくしている様だ。
そんな話を聞き流した七波には、父・旭の事が気掛かりだった。
最近自宅の電話代が跳ね上がり、旭は散歩と称して出かけては、
二日間帰ってこなかったり、という事がままある。
凪生は宿直で家を空ける事が多いのであまり判らないが、
七波は父がボケたのではないかと心配しているのだ。
ある週末の夜、買い置きしていた桃が無くなっているのを、
七波は旭に「食べたのか」と聞く。
旭は「食べたかも」と答え、散歩のついでに買ってくると外出。
心配になった七波は跡を追う。
帰宅していた凪生にそう告げると、関心無さそうに「いってらっしゃい」と言われ、こちらも何かおかしい。
一方旭は、自転車の籠に隠してあったリュックを背負い、何故か駅へ。
七波が妙な散歩だと跡をつけていると、突然「七波ちゃん」と呼び止められる。
17年ぶりに見る、変わらない東子の顔。
彼女に何をしているのかと聞かれた七波は、まさか父のボケが心配で
とも言えず、「家庭の事情で尾行などを」と言葉を濁す。
前方に旭を発見した東子は、さり気ないふうを装ってその後ろに付くと、
彼が買った切符と同じ切符を2枚買い、少々強引に七波と行動をともにする。
旭は東京駅で降り、広島行きの高速バスに乗ろうとする。
たいしたお金も持たずに出てきた七波が諦めかけると、
東子は「貸すわよ」と、バスの切符を2枚買い、またも強引に七波に渡す。
乗り込む前には自分の上着と帽子を七波に被せ、とっさに変装させるという機転まで見せる。
二人は難無くバスに乗り込み、旭から離れた席に座る。
何とはなしに気まずい七波は、看護婦になったという東子に凪生の話をふる。
凪生は皆に可愛がられていて、やはり「ゴエモン」と呼ばれているらしい。
「よく似てるからすぐ分かった」と言う東子。
七波は気が詰まり、「見付かるといけないし、もう寝よう」と東子に背を向ける。
窓に映る東子を見つめながら、七波は秘かに「会いたくなかった」と思う。
「この人の、顔といい、髪といい、
あの桜並木の町の、日溜まりの匂いがする」
481桜の国(3):05/01/24 02:01:23 ID:???
まだ祖母が生きていた、あの頃。
もう寝たきりになって、ボケていた祖母は、七波を娘の友達だと勘違いし、よく
「なんであんたァ助かったん?どこへ居りんさったん?」と聞いてきたものだった。
(娘は、もう帰ってこないのに)その事は今も、苦い記憶として七波の胸に残っている…

広島に着いた二人は、少し離れて旭を尾行する。
彼は七波の知らない年輩の婦人を訪ね、玄関先で何か話をしては、同じような年の婦人達を何軒も訪ね歩く。
進展の無い尾行に飽きてきた様子の東子に観光を勧め、七波は一人で旭を追う。
やがて旭は平野家の菩提寺を訪ね、リュックから出した桃を墓に供える。
平野の墓には、旭の実父と三人の姉、そして実母(七波の祖母)が眠っている。
旭は疎開先の茨城の親戚宅で終戦を迎え、その後も大学まで広島に帰らず、その家の養子になった。
彼は「ヒロシマ」を知らない。

寺を出た旭は川沿いに出、そこで待ち合わせをしていたらしい老人と河原に座って長話をする。
この河原は、かつて戦争スラムと呼ばれ、バラック小屋が密集していた場所だった。
皆実が暮らした場所。今は整地され、美しい緑野が広がる。

退屈になった七波はふと思い立ち、東子に連絡を取ろうと、借りっぱなしになっている上着のポケットを探った。
別れ際に渡された東子のケータイ番号のメモと、前から入っていたらしい手紙。
それは、凪生から東子に宛てたものだった。
『利根東子様
今日、ご両親がみえて、もう貴方に会わない様に、と言われました。
僕は、祖母や父や姉に大切にされて、今まで生きてこられました。
東子さんのご両親だって、同じだけ東子さんを大切に思ってこられた筈ですよね。
だから、その人達を裏切ったり、悲しませたりする権利は、僕にあるとは思えない。
ただ、僕の喘息ですが、環境のせいなのか、持って生まれたものなのかは判りません。
今はすっかり元気です。
姉は今も昔も元気です。
さようなら 石川凪生』
おとなしい筈の東子の強引な様子に思い当たった七波は、
そのまま父の背中を眺めながら時を過ごす。
老人と別れた旭も、じっと河原に座り、過去へと想いを馳せていた。
482桜の国(4):05/01/24 03:16:13 ID:???
(旭の過去)
広島の大学に入学した旭は、実母と暮らす様になる。
洋裁の仕事で生計を得ていた母は、近所の戦災孤児の女の子に裁縫を教えたりしていた。
よく来ていたのは中学生の兄と暮らす、「少し頭が足りない子」だと評判の京子だった。
手先が器用な京子は裁縫の上達は早く、母は彼女を娘の様に可愛がっていた。
自然、旭とも親しくなり、彼女の身の上話を聞いたりもした。
「うちねぇ、赤ちゃんの時、ピカの毒に当たったん…
ほいで、足らんことになってしもうたんと」
「誰が言ったの?」「みんな言うてじゃ」
「先生も?」「うん」
「…すぐ原爆のせいとか決めつけるのは、おかしいよ」
旭は京子の勉強をみてあげる事にし、暇を見ては、彼女と過ごした。
京子は旭が標準語を喋るのを聞いては「東京におるみたいじゃ」と嬉しがった。

(現在)
昼を大分過ぎ、七波は、平和資料館を見てきたという東子と落ち合う。
東子はおかしな様子で、暫く黙っていたかと思うと、突然吐いて、うずくまってしまう。
その間に旭は宮島行きのバスに乗って行ってしまう。
気分の悪そうな東子をほっておく訳にもいかず、七波はラブホテルで休憩する事に。
部屋に入ると、東子は七波に謝り、自分は看護婦失格だと言う。
「あれが家族や友達だったら、と思っただけで、もう…」
「関係ないよ。その方がまともなんだよ、多分」
そう慰めると、東子の吐いた物での汚れた服を洗おうと七波は洗面所に立つが、その間の服をどうしようかと途方に暮れる。
東子は備え付けのガウンを勧め、ドライヤーもあるから、と慣れた様子で指示を出す。
ポケットの手紙を思い出し、凪生と来たのだろうか、と下世話な想像をする七波。
ホテルを出、旭を見失ってしまった事を謝る東子に、七波は宮島には叔父が居るから心配はない、と言う。
483マロン名無しさん:05/01/24 03:17:15 ID:???
すんません。続きは明日…
484マロン名無しさん:05/01/24 19:37:48 ID:???
そろそろ次スレの季節ですね・・・
485マロン名無しさん:05/01/25 06:49:08 ID:???
>>442
さとうだいすけ 「25M」

25Mが泳げない小学4年生のまもる。いきなりまもるの前に現れたあつし。
まもるは親友・あつしに励まされ徐々に泳げるようになっていく。

実はあつしは未来からやってきた少年だったのだ。
そしてあつしには重要な使命があった。
あつしがいた未来の地球は人の手によりめちゃくちゃに破壊されていたのだが
その悪い未来を変えるための条件が「まもるが小学四年生の時25m泳げること」だったのだ。
まもるに25M泳がせること、それがあつしの使命。

もしまもるが25M泳げるようになってしまえば,歴史が変わりあつしの存在は消えてしまう。
もちろんそんなこと、まもるに言ってもまともに信じてくれない。
あつしも自分が存在できなくなるということを承知しながら、それでもまもるを応援する。

ついに主人公は苦手な水泳の時間に25メートルを泳ぎきる。
その瞬間、あつしの存在は消え、あつしに関する記憶も消えてしまう。
と同時にまもるはふと、とても悲しい(寂しい?)感情がこみ上げてくるのだった。

さいごはまもるが周りに「やったじゃないか」とか言われながらも
あれ?という感じで「でも、なんか・・・」と言いながら涙を流しEND。
486マロン名無しさん:05/01/25 07:22:38 ID:???
まとめサイト、「BLACK CAT」はもう連載終了してますよ。

最後は主人公のトレインがラスボス・クリードの
精神を具現化した武器を砕き(つまり相手の心を砕き)勝利。

その後は今まで通り掃除屋(スイーパー)として
自由気ままに生きていきましたとさ。おしまい。
487桜の国(5):05/01/25 07:29:16 ID:???
夜になり、高速バスの乗り場で変装して旭を待っていた七波と東子は
彼とは別のバスになり、拍子抜けしながら変装をとく。
動き出したバスの中、東子は原爆ドームを見ながら口を開く。
「七波ちゃん、私ね、夕べはある人に会いに行く途中だったの。
でも、勇気が無くて、七波ちゃんについて来てしまったの。
でも、ここに来られて良かった。今度は両親と来るわ。
来れば、きっと二人も広島を好きになると思うから…」
それきり目を閉じると、東子は眠ってしまった様だった。
七波は問わず語りに
「母さんが38で死んだのが原爆のせいかどうか、誰も教えてくれなかった。
おばあちゃんが80で死んだ時は、原爆のせいなんて言う人はもういなかったよ。
なのに、凪生も私も、いつ原爆のせいで死んでもおかしくない人間とか、決めつけられたりしてんだろうか。
私が、東子ちゃんの町で出会った全てを、忘れたいものと決めつけていたように…」
と話す。聞いているのかいないのか、東子は少し微笑んだ様に見えた。
七波はバスのトイレに入り、携帯電話で凪生に連絡を取る。

東京駅に到着し、東子の住む新井薬師まで送ってきた七波は、昔遊んだ公園で二人、ブランコに乗る。
そこへ、呼び出された凪生がやって来る。
驚く凪生と東子を置いて、七波は二人に背を向ける。
しかし「辞表出して、家にも帰らずにどこ泊まってたんだよ」
などと、東子に下らない事を言う凪生に肚が立ち、落ちていた松ぼっくりを彼の頭に投げつける。
今言うべき言葉は他にある。
二人を置いて、かつて暮らした町を七波は一人歩く。
昔の通学路の歩道橋に差しかかり、東子の上着を借りっぱなしなのに気付いたが、今度会う時に返せばいい、と微笑む。
七波はポケットから凪生の手紙を取り出すと、細かく千切り、手をかざす。
「母さん…
見てるんでしょう、母さん」
手紙は風に乗り、桜の花びらの様に舞った。
遠く、広島の空の下、旭が京子にプロポーズをしたのは、桜舞い散る春だった。
488桜の国(6):05/01/25 08:17:51 ID:???
(旭と京子)
兄が結婚し、京子も独立を考えていた。
『求む!お針子さん 住込み可』の洋装店の張り紙を見ていた京子の横を、旭が通りかかる。
(ここが打越がハンカチを買った店だったり…細かい伏線)
大学を卒業し、社会人になっていた旭は、「うちで母の仕事を手伝えばいい」と京子を誘う。
旭の気持ちに気付いた母は、京子のいない時、
「あんた、被爆者と結婚する気ね?
何のために疎開さして、養子に出したんね?
石川のご両親にどう言うたらええんね?」
と彼を責める。旭は意外に思うが、その後の母の言葉を重く受け止める。
「なんで、うちは死ねんのかね。
うちはもう、知った人が原爆で死ぬんは見とうないよ…」

何年か後の春、東京に転勤が決まった旭は京子を呼び出し、母と一緒に嫁も連れて行きたい、とプロポーズする。
その頃には、母も「同じ心配するんなら、離れてするより、そばに居た方がいい」と言ってくれていた。
そうして、東京での暮らしが始まった。

そんな風景を、七波は知っている様に思う。
母親から聞いたのかもしれない。
しかし、それは生まれる前の記憶で、確かに知っていると思えた。
この町で、この歩道橋で、桜の花びらの中、幸せそうな二人を見て、「このふたりを選んで、生まれてこようと決めたのだ」と。

帰りの電車。ずっと尾行に気付いていたらしい旭は、七波の隣に座る。
彼は姉の皆実の五十回忌に合わせ、広島で皆実の知り合いに昔話を聞いてきたという。
凪生と東子との事を聞いた旭は、「お前の方が心配だよ。28にもなって…」と、ふざけて泣き真似をする。
旭は七波が皆実に似ていると言い、
「お前が幸せになんなきゃ、姉ちゃんが泣くよ」と呟くのだった。
(終わり)
489マロン名無しさん:05/01/25 15:37:30 ID:???
マイネリーベ永遠なる夢想曲お願いします。
490マロン名無しさん:05/01/25 17:23:03 ID:???
夕凪の街、桜の国乙。
いい話だった。タフな時に原作読んでみる。
491マロン名無しさん:05/01/25 17:25:59 ID:???
ピースメーカー、乙。
なんか全然画を知らないから、全ての人物がNHKの某大河になってしまったよ。
特に山南と明里が……。
492マロン名無しさん:05/01/25 17:26:25 ID:???
和深ゆあなの「空夢のかなた」と、喜多尚江の「空の帝国」をお願いします。
493赤ちゃんと僕、リク主:05/01/25 18:53:55 ID:???
>178-184
まさかネト落ちした直後に書いて頂けていたとは。
超超遅レスですが、あらすじありがとうございました。
494マロン名無しさん:05/01/25 19:39:24 ID:???
>>485
地味に泣ける
495マロン名無しさん:05/01/25 19:43:50 ID:???
>1
>容量が450を越えた時
今の容量=491 KB
次スレ立ててくる。
496日本国初代大統領桜木健一郎:05/01/25 19:48:00 ID:???
ストーリーを教えてもらうスレ Part10
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1106649935/
どうぞ
497マロン名無しさん:05/01/26 15:08:01 ID:???
時間モノはタイムパラドックスのことを考えると
途端に泣けなくなるなあ。俺は汚れてしまった。orz
498マロン名無しさん:05/01/26 16:32:05 ID:???
歴史が改変されたとたん平行宇宙になると考えればパラドックスは解決。
499マロン名無しさん:05/01/26 20:29:31 ID:???
>>498
なるほど!
何かYU-NOとか思い出したよ。
500マロン名無しさん:05/01/26 21:57:10 ID:???
元ネタはラリー・ニーヴン「時は分かれて果てしもなく」です
501500:05/01/26 22:11:02 ID:???
おっ、キリ取ってたのか。

つうかエヴェレットの多世界解釈だけどな
502桜木健一郎担当
>498-501
クロノアイズ、ですな。
そういえば、同作者のイサミダッシュ、書こうと思った時期もありましたが、桜木がまだ2冊730ページも残ってるから
無理だなあ。