仲村佳樹の「東京クレイジーパラダイス」お願いします。
>>628 あれは主人公の違うオムニバスが延延と数十巻続くから・・・できるのか?
四ヶ月ぶりくらいで、顔を出すのも恥ずかしかったりするんですが
「レヴァリアース」続き投下させていただきます
異世界は一面、霧のかかった砂漠の様な場所だった。
見たことのない生き物が徘徊する世界に、ウリックは魔法陣の外へ出ようとするが、シオンが腕を引いて静止させる。
シオンはリンゴを魔法陣の外へ放り投げた。リンゴは一瞬にして溶けてしまう。異世界の大気は猛毒だった。
体に薄い結界を張れば、自由に異世界を動き回れる。ただし、制限時間は二つの月が離れる頃。
それまでにディアボロスとの戦いに決着をつけなければ、先程のリンゴのように溶けてしまう。
シオンは、ウリックとレムにオッツ・キィムへの帰り方を教える。
三人揃って元の世界に帰れる保証はないからだった。
魔法陣の外に出る三人。
ウリックの精神は、異世界の環境に対して拒否反応を起こしてしまった。嘔吐し、倒れかけるウリック。
そこに、異世界の魔物達が襲いかかってきた。
失いかける意識の中で、ウリックはザードに助けを求める。目を覚ますと、そこにはシオンの姿があった。
いつも助けてくれたのは、ザードではなくシオンだったと、ウリックは気付く。
異世界の魔物は、元々オッツ・キィムにいた魔物だった。
封印された魔物は異種再生を繰り返し、異世界の環境に順応していた。
人間が安易に訪れてはいけない世界。それを知っていたから、シオンは異世界に行くことを拒んでいた。
ずっと助けてきてくれたシオンに対し、隠しごとをしてきた自分に嫌悪し、
ウリックは嫌われることを覚悟して、自分が女であると明かす。
「それがどーした」何事もなかったかの様に呟くシオン。
混乱したのはレムの方で、シオンは最初からウリックが女だと知っていたのだった。
シオンがザードと会っていた件も、ウリックが女だということを前提に言わなければならないから、話をそらせてきた。
ウリックはシオンに、ザードのことを聞こうとした。途端苛つき、周りにいた魔物を一掃するシオン。
ザードのことしか口にしないから、シオンはザードに嫉妬していたのだと、レムが茶化す。
砂漠を歩く三人。シオンは自分の過去を語り始めた。
魔法を学ぶのが楽しくて仕方のなかった幼少の頃。ある日、シオンの魔力が暴走してしまった。
「知れば知るほど恐ろしくなる…なのに、僕は何故知りたいと思う…自分が…分からない…」
周りの僧侶達も国王も、シオンの考えを否定するだけだった。
「お前は、知るコトと知るために学んでいるのだな」城に訪れてきた男――ザードだけが、シオンを理解してくれた。
世間知らずのウリックを貶すが、シオンは自分も同じだと言う。
幼い頃から、城という森に閉じこもって、書物しか相手にしていなかった。
ザードがウリックを守ってやってくれと言ったのは、シオンを城から出したかったという理由もあった。
レムはウリックに、何故男の格好をしていたのか尋ねた。
もし自分が男だったら、ザードと一緒に旅ができた。
待っているだけの自分が嫌で、ウリックは名前も姿も変えて旅をしてきたという。
その理由を聞いて、レムは慰めるがシオンは呆れて果てていた。
ウリック一人が増えたところで、足手まといに他ならない、やるだけ無駄だとシオンは言う。
けれど、それがウリックの良いトコロだと、シオンは思った。
突如聞こえた心臓の鼓動のような音に、レムは震える。レムの言う方角に向かう三人。
「もし兄貴の敵討って、自分のコト許せたらさ。イリアに戻れよ」そして、また旅をしようと言うシオン。
進むたびに鼓動は大きくなっていた。霧で視界が遮られている。
霧が晴れ、目の前には城の様なものが建てられていた。
明らかに何者かの手が加わっている城。ここにディアボロスがいると、確信する三人。
シオンが壁を破壊、入口を作ってそこから進入した。
月は半分離れている。
シオンはディアボロスにザードが殺されるなんて、何かがおかしいと思っていた。
レムはふと何かを見付ける。それは氷付けにされた白銀の竜、ディアボロスの骸だった。
死因は幾多にも刻まれた剣の傷で、レムはザードが倒したんだ、と口にする。
信じきれずに走り出すウリック。その後を追いかけ、ウリックの手を捕まえるシオン。
あいつなりの理由があったんだ、とシオンは言う。
いつのまにか、三人は書架が並んだ空間にいた。椅子の様なオブジェに座っていたのは赤い仮面の男。
「また人間が殺されに来たのですか?」仮面の男は言う。ザードの剣を懐から出した。
ザードを殺したのは仮面の男、イールズオーブァだった。
兄の敵が目の前にいる。ウリックは我を忘れて、イールズオーブァに飛びかかった。
ザードとウリックは似ていないから気が付かなかった、とイールズオーブァは呟く。
「うるさい!たとえ…たとえ血がつながってなくれもザード兄さんはボクの兄さんだ!」
ウリックは泣きながら、イールズオーブァに殴りかかる。
幼い頃、ウリックの両親と本当の兄は、崖崩れで死んでしまった。
泣いている少女、そこに現れたザード。少女の傍には大きな岩と、下敷きになった人間が見える。
ザードは少女の頭をそっと撫でた。涙が溢れ、少女はザードに泣きついた。
ウリックの傍に、何も言わずにいてくれたザード。ウリックはイールズオーブァを睨み付ける。
「そんなものがなんだっていうのですか」イールズオーブァは冷たく言い、魔法を放った。
ウリックのロケットペンダントが切れ、イールズオーブァはそれを踏みつける。
イールズオーブァは刃向かってきた魔物を八つ裂きにし、オブジェとして飾っていた。
体中に針の様なものを刺された魔物が、血を流して恨みを呟く。
死にかけの魔物は、イールズオーブァによって掻き消された。
シオンは魔法を唱えるが、イールズオーブァは生きた鎧に守られる。
「ザード兄さんが勝てなかった相手に、ボクらが勝てるワケないじゃない」
ウリックは乾いた笑いを浮かべる。シオンはウリックの手を引き、走り出した。
戦いは命のやり取りだと知り、死というものを身近に感じた時、ウリックは戦いを恐れ、戦意を喪失してしまった。
シオンは、魔法で城の外に飛ばすから、オッツ・キィムに帰れと言う。
レムにウリックを任せ、シオンはウリックを抱きしめる。
「オッツ・キィムでまた会おう」
(続く)
孔雀色のカナリア
夜まで待てない
彼氏彼女の事情
をお願いします。
男尊女卑の時代に、職業婦人として女性の地位の向上に努めた卯乃と、
自分の知能と肉体を武器にのし上った女実業家の咲久子の話。
まだ本編は終わってませんが、朱雀編で出た粗筋。
作家の奥田永ノ助は中国で手に入れた「四神天地書」を和訳する。
かつては不思議な力を持っていたと言われるその古文書は、
和訳されても尚その力を留め、永ノ助の娘の多喜子を本の世界に吸い込む。
本の世界で「玄武の巫女」となった多喜子は、体のどこかに
星の名のアザを持つ「玄武七星士」を探す事になる。
玄武七星士を全員揃えると、玄武を呼び出しあらゆる願いを叶える事ができる。
苦難の末、玄武を呼び出す事に成功した多喜子は現代へ帰る。
しかし、玄武は願いと引き換えに多喜子の体を少しずつ喰らってゆく。
永ノ助は苦しむ娘に耐え切れず、娘を刺殺し、古文書を破壊しようとするが、
不思議な力によって破る事も燃やす事も出来ない。
永ノ助は友人の大杉に古文書を託し、娘を殺した罪の意識から自害した。
超能力を持つがために、母から忌み嫌われた王子は、
女を嫌悪し、同性の毛人に惹かれていく。
しかし毛人に「ホモキモ」と拒絶され、
知的障害の幼女を嫁にしいたづらするようになる。
幼女の顔には王子の母の面影がどこかにあり、
王子は母を嫌悪しつつも、母に執着しているのだと毛人は思う。
王子は何かをやっていないと生きている気がしないからと、
政治に打ち込むようになる。
中学生のメダカが転入した学校には、
幼女・猫・死神・犬などが通っていた。
しかも担任兼校長は顔が魚だった。
>>638 毛人って、名前?種族名とかじゃないよな
>>640 人名です。「えみし」と読みます。
蘇我の人です。馬子の息子でイルカの父。
とりあえず王子が「厩戸王子」という名前はだすほうが衝撃度があがるかも。
毛人は蘇我蝦夷のこと。
アライブ最終進化的少年をお願いします
表紙が綺麗ですね
タイトル、
○「日出処の天子」
×「日出処の王子」
ですよ。
>596より続き
ACT5:最初の戦争
先のグリーナム戦で中破したカロスの修理でタイキとアナが出かけ、一人店番をしていたヒルダの前に
毛皮ビキニな原始人ルックの大女が現れ、ヒルダを連れ去ってしまう。
辿り着いたのは20万年前のアフリカ。謎の女の正体はタイキ達の元同僚、エルザだった。
隣村との親睦の席で、隣村の村長の息子にお尻を触られ、腹を立てて隣村と喧嘩を始めようとしたところ
突然現れた時空犯罪者が隣村に居付き、村同士のケンカを妨害し始めたのだと言う。
目的不明な犯罪者の正体を探るため、ヒルダは隣り村の偵察を提案する。
だが、直情的なエルザは、村の男全員を引き連れて「偵察」に出た挙句、隣り村を見ているうちに
「やっぱりケンカしたくなった」と、総攻撃を開始してしまう。
そこへ現れた時空犯罪者のメカ。喧嘩している原始人たちを片っ端から捕まえ、暴れる気が無くなるまで
くすぐり倒すという妙な攻撃を仕掛けてきた。巻き添えで全身をくすぐりまわされたヒルダは
「こんなくだらないことする奴は、ぶっとばしてさしあげます!」と、敵メカのコクピットへ特攻する。
操縦席に座っていたのは、少年と言ってもいい年頃の未来人の学生。彼が言うには
歴史研究で、戦争の原因になる国家間の因縁をたどった結果、エルザが隣り村と起こすこの喧嘩が
延々と続く戦争と因縁の出発点になることを知って、この「世界最初の戦争」を止めに来たのだそうだ。
戦争が存在しない歴史が生まれる可能性があるなら、それを試してみても良いんじゃないかとヒルダは考えるが
ケンカでストレス解消するつもりのエルザは納得しない。
意見の分かれたヒルダとエルザの取っ組み合いで、コクピットは大破し、メカが暴走してしまう。
あわや村は壊滅かと思ったその時、飛び出したのはタイキとアナ、そして、機体と共に頭脳体アンドロイドを新調した
カロスの三名だった。エルザを追って応援に駆けつけたのである。
タイキの活躍で暴走メカは止まり、暴れてストレス解消したエルザもおとなしくなった。
時空犯罪の方も、まあ見逃してもいいか、ということで収まりそうだったのだが…
懲りない隣村の村長の息子が、カロスのお尻を触ったのがきっかけで大喧嘩が勃発。歴史は元通りになってしまいました。
ACT6:アナの素描
“千界の王”グリーナムを追い続ける「未来屋」の面々。だが、グリーナムの手掛りは少ない。
ヒルダは、アナがずっと昔にグリーナムに会ったような気がすると語っていたのを思い出し、アナの少女時代へ行って
グリーナムを待ち伏せる計画を提案する。
実のところ、そのアイデアはタイキ達も持っていた。しかし、グリーナムの正体を知ることについての
漠然と下不安感から、なかば意図的にそのアイデアを避けていたのだ。
やって来たのはアナが生まれ育った西部開拓時代の町。最初は、ジェーン=少女時代のアナに直接会うことなく
彼女を見守る予定だったのだが、村のごろつきに無鉄砲な喧嘩を売るジェーンを思わず庇ってしまったタイキは
「ジェーンの父親の知り合い」と名乗って、彼女の家に逗留することになった(もちろん偽名はクリント・イーストウッドだ)。
宿代代わりに、ジェーンの銃のトレーニングを引き受けることになったクリント=タイキ。
なかなか息のあった師弟振りを見せる二人に、思わずアナは少女時代の自分に嫉妬する。
そして5日目の夜。そろそろこの地を離れることを考えていたタイキの寝室に、なんとジェーンが忍んできた。
まさかジェーンに手を出すわけにもいかず、タイキはひたすら動揺し、外で見ていたアナは
過去の自分に本気で怒りを燃やす。そのとき、謎の侵入者があらわれた。
グリーナムの襲撃かと身構えるタイキだが、現れたのはグリーナムではなく25世紀から来たと語る女。
女性上位社会が成立し始めた25世紀では、カラミティ・ジェーンが「行動する女」のパイオニアとして
神格化されているらしい。この女は、本物のジェーンを教祖に迎えようとする狂信的時空犯罪者だった。
熱狂的だが底の浅い時空犯罪…と思いきや、後から現れた少女の姿を見てタイキは驚愕する。
その少女はパペッティアだった。もちろんタイキが過去に会ったパペッティアと同一人物であるはずはなく
“人形の巣”から放たれた同型のビメイダーである。歴史改変を目論んで時空犯罪に荷担しているのだ。
時空犯罪者たちがアジトにしていた汽車の屋根の上で、ジェーンを庇いつつパペッティアとにらみ合うタイキ。
その時、頭上に見覚えのある時空潜航機が現れた。ついにグリーナムがここに来たのだ。
タイキ達と、グリーナムの時空潜航機「ティアドロップ」との戦闘が始まった。
ティアドロップと戦う一方で、どさくさにジェーンを誘拐しようとするパペッティア達を相手にするうち
タイキはジェーンを庇って、パペッティアの攻撃をまともに食らってしまう。
負傷したタイキの姿を見て動揺し、ジェーンは足を滑らせて汽車から落ちてしまうが、アナがフォローに入って
ジェーンを無事受けとめた。だが、自分の手の中で気絶したジェーンを見て、アナは違和感を覚える。
「グリーナムはまだ出てきていない…なのに、もう“私”は気を失っている。“私”はグリーナムに会っていない。
…じゃあ、私の子供の頃の記憶はいったい?」
そのとき、グリーナム自身が姿を現した。だが、グリーナムはタイキの存在を意に介した様子もなく
パペッティアを攻撃する。彼の作品である“人形の巣”からの流出物、時空犯罪者パペッティアの処分こそが
グリーナムがこの時間に現れた理由だったのだ。
こちらのことを覚えていないのか、と詰問するグリーナムに、無表情のままグリーナムは答える。
「私がグリーナムになってから…会うのは初めてだと思うがな」
その直後、あっさりとパペッティアを仕留めたグリーナムは、やはりタイキ達を気に留めず去っていった。
倒れたパペッティアに駆け寄るタイキに、パペッティアはあるものを手渡した。彼女の故郷…“人形の巣”の座標データ。
自分を破壊したグリーナムの敵対者に、パペッティアは一縷の望みを託したのである。
一夜開けて、気が付いたジェーンが見たのは、全てが終わった荒野。「クリント」が死んだと思いこんだ彼女は
初恋の記憶を心の奥底に封じ、ひとり去っていった。
それを見届け、妙に明るい表情で帰還しようとするタイキを、アナが呼び止めた。
「この時代で私があったのは、グリーナムじゃなくておまえだった。…うすうす気付いてはいたんだ。
グリーナムはおまえだ、タイキ。あれはおまえの未来の姿なんだ」
その事実に気付いたから“人形の巣”でグリーナムについていったのだと、アナは自らの行動を推する。
それを知った上で、タイキは全ての決着をつけに“人形の巣”への再挑戦を決意した。
「自分ならなおのことだ。止めて…やらにゃあな。いくぜ!“人形の巣”へ!」
ACT7:果てしなき流れの向こうに
グリーナムとの決戦を前に、タイキ達はペルやクレオ、退屈丸といったかつての仲間たちに召集をかけた。
かねてよりの懸案“人形の巣”の掃討とあって、皆が協力を約束してくれる。
だが決戦前夜、早めに床についたヒルダが翌朝目にしたのは、鎖で縛り上げられた自分の姿。
タイキ達は、ヒルダを巻き込むまいと彼女を置き去りにしたのだ。自分が仲間と認められていなかった事を嘆きつつ
ヒルダは、今からタイキ達を追いかける手段を模索し始める。
その頃タイキとアナは“人形の巣”の中枢、グリーナムの玉座に辿り着いていた。
ちょうど、この世界の住人が「千界の王」の存在を知り、反撃を開始したのに便乗して、ここに到達したのだ。
戦いの中で、グリーナムはタイキに明かす。今のタイキが、時間分枝により生み出されたフェイクであるという事実。
かつて、グリーナムを同僚に迎えたあのときから、タイキ達の時間は分枝していたのだ。
その話と、西部でのグリーナムの無感動な態度を思い出して、タイキは一つの理解に至る。
西部であったグリーナム、あれは、「未来屋」に入る前の時間上のグリーナムだったのだ。
あそこで一度会った後、何らかの心境の変化で、グリーナムは「未来屋」就職という酔狂を思いついたのだ、と。
さらに、彼の心変わりの動機を推測するうち、タイキは一つの疑問点に気付く。
「アナはどうした…おまえがいるのに、アナがいないはずはねえ!アナをどこへやった!」
その途端、今まで冷静だったグリーナムが逆上した!周囲の建物ごとタイキを粉砕しようとする
グリーナムの苛烈な攻撃に晒され、タイキとアナは瓦礫ごと、グリーナムの居城の深部へと落ちこんでいく。
そこにあったのは、グリーナムの記憶データだった。
「正史」の西郷大樹は、“人形の巣”決戦で、最愛のパートナー、アナを失った。
それでも、彼は独り戦い続けた。あらゆる時代で、大勢の人を苦しめる時空犯罪と戦い
平和を取り戻す…だが、時間を超越した時空犯罪との戦いに、終りのときなど決してこない。
孤独な戦いのうちに西郷大樹は心をすり減らし…そして、絶望したのだ。自分の生き方が間違っていたという結論に。
そして彼は、あえて犯罪である「歴史改変」に手を染め、究極の平和の形を追い求める「千界の王」となった。
すべてを知ったタイキは、アナを残し、最後の戦い…グリーナムとの一対一の決闘に望む。
タイキは、グリーナムの攻撃の正体に気付きつつあった。自らの体を受信機として、別次元に預けた武器庫から
武器を転送してくることで、その場に即した武器を無限に取り出せる…そのシステムこそがグリーナムの武器なのだ。
だが、戦闘経験の差と、グリーナムの守護にまわるティアドロップの前に、タイキの攻撃は通用しない。
一方、後に取り残されたアナの前に、ヒルダが現れた。過去に知り合った侵略大帝、ナスターシャ(コミケ破壊指令)、
未来の学生ニンニ(最初の戦争)といった人脈をかき集め、二人を追いかけてここまで辿り着いたのだ。
皆の協力を得て、アナとヒルダは次元の扉をこじ開け、タイキを追う作戦を練り始める。
その間もタイキとグリーナムの戦いは続く。タイキは、アナの死因となった“人形の巣”を、グリーナムが自分の手で
創り維持するという矛盾を指摘するが、グリーナムは「世界を創ることを止めたら、アナが生き返るとでも?
最早アナの死も通過点でしかない、続けるしかないのだ」と一蹴する。
だがその結論は、少なくとも今のタイキに受け入れられるものではなかった。両者の決別を感じ取り
タイキとグリーナムは渾身の力を持ってぶつかり合う。二人が交錯し…そして、倒れたのはタイキだった。
「馬鹿め、オリジナルは私の方なのだ。勝てるわけがあるまい」
だがその時、次元の扉が開き、ヒルダの声がタイキに届いた。同時に、アナがクロノスーツから腕輪を外し
わずかに開いた扉の隙間から、タイキに向かって腕輪を投げる。その腕輪を取り、身につけた途端
タイキの動作が変化し、グリーナムの体に確実に攻撃が命中し始めた。
腕輪に込められていたのは、今までの戦闘で得たグリーナムのデータだった。タイキが戦っている間
アナは密かにデータを分析し、対グリーナム戦の必勝パターンを完成させたのである。
「おれ達は、あんたが思う以上にずるくてしたたかだ。おれは…もうおまえという“未来”の途中経過じゃない!
おれはもう、きさまじゃなーーいっ!!」
予想外の反撃に、慌てて次の武器を取り出そうとするグリーナム。だがその瞬間、タイキの突き出した拳銃が
グリーナムの体に…彼が開いた、武器庫との扉にめり込んだ。タイキが引き金を引くと、その一撃が
武器庫に誘爆し、武器庫の爆発と共にグリーナムは吹き飛ぶ。千界の王が敗れたのだ。
すべてを終えたタイキの元に、アナとヒルダ、大帝たち、そして外で敵兵力を引き受けていたペルたちが集まる。
千界の王が倒れ、この世界の人間とビメイダーの戦争も終結した。“人形の巣”は解放されたのだ。
だが、皆が喜びにわく中、辛うじて生きていたグリーナムとティアドロップは逃走を図る。
もはや彼には誇りも名誉もなく、ただ究極の平和の完成という目的まで生きつづけるという執念しかない。
タイキとアナが乗るカロス、そしてヒルダを含めた他のメンバーたちが乗るペルセディアがグリーナムを追うが
もともと5次元移動用でないペルセディアはグリーナムに引き離されていく。
タイキは、ペルに敵残存勢力の掃討を任せ、自分たちでグリーナムを追うと宣言した。また自分を置いていくのかと
泣くヒルダに、タイキは「ボロボロになって帰ってくるだろうおれたちに、うまいスープでも作っておいてくれ。
これはおまえをのけ者にするわけじゃない、役割分担だよ」と告げて、5次元の彼方に去っていく。
そしてヒルダは、ひとり未来屋に帰った。二人の帰還を信じ、3人分の料理を用意し続ける彼女。
そしてある雨の夜、ついに二人は帰ってきた。
…タイキが言うには、結局グリーナムは取り逃がしてしまったらしい。だが、タイキの顔は晴れやかだった。
「奴が千の世界を創るなら、おれはその千の世界を修理して歩く。けして立ち止まりはしない」
グリーナムの存在を知っている限り、そして、仲間がそばにいてくれる限り、自分が「千界の王」になることは
無い、そう確信しているから。
そして、未来屋の事業も新たなステップに入った。“人形の巣”から得られた多額の報酬によって事業を拡張。
大帝、ナスターシャ、ニンニの三人を正社員として迎え、グランサーの活動はさらに進んでいく。
──東京某所にある、「目」の形をした不思議な看板を目にしたら、ぜひ一度お立ち寄りください。
永遠の流れをやぶに睨んで、未来屋は今日も、時を刻んでゆきます──
「クロノアイズ・グランサー」」(長谷川裕一/講談社マガジンZKC)全3巻、終了です。
結局、宿敵グリーナムとの決着はつかず、アナの失われた記憶の詳細や、ティアドロップの出自など
未消化の伏線もあるのがいささか残念なところですが…。
(これの終了直後、アニメとのタイアップで『鉄人28号』が始まったため、『鉄人』の企画のために
『グランサー』を打切ったんじゃないか、という見方が強いようです)
ちなみに、グリーナムは白髪になってたり、肌が黒くなってたりはしません。アホ毛は無くなってますが。
…さて、次は「轟世剣ダイ・ソード」行ってみましょうか?リクエストはキャプテン移籍後からのストーリーということでしたが
全くの未読者の存在も想定して、1話からやったほうが良いと思うのですが。
クロノアイズ乙。
補足。
>>649 「「世界を創ることを止めたら、アナが生き返るとでも? 」→「世界を創ることを止めたら、【私の】アナが生き返るとでも?
【私の】アナは死んだのだ!」
ダイソードより、とべイサミをやってほしい
クロノアイズ、お疲れ様でした。
ダイソードを依頼した者です。
「キャプテン収録部分以外を詳しく」とリクエストしましたが、全部書いて頂けるならその方がありがたいです。期待しております。
>>653 イサミか。手元に全巻と、イサミダッシュ(3巻)があるにはあるが…
アニメとはストーリーが違うね。
656 :
651:04/11/25 01:19:14 ID:???
>654
うお、失敬しました。キャプテン収録部「以外」だったのね。ということは「コミックコンプ掲載分」および
「書下ろし完結分」ということになるかな?…まあ、全編書かせていただきますが。
クシャナがナムリスの首根っこを掴むとナムリスの首はちぎれてしまう。
首だけになったナムリスを片手にクシャナは甲板へと出る。さらにガンシップもナウシカに近づく。
巨神兵がガンシップを攻撃しようとしたのでナウシカが止めると、巨神兵は敵を殺せないのは嫌だと言い、
苛立ってビームを乱射する。ナムリスの首を放り投げ、クシャナは巨神兵を破壊できないなら船ごと爆破して
腐海に落とすと言うが、ナウシカは巨神兵と共に墓所の扉を閉めに行くと告げる。
ナウシカの命令を受けた巨神兵は背に光輪を出現させシュワへと飛び立った。
その衝撃で甲板から落下してナムリスはあぼーん。ガンシップも巨神兵を追うがとても追いつけない。
高空の薄い空気と巨神兵の発する毒の光(放射線?)に体力を奪われるナウシカ。休憩しようとひとまず着陸するが、
途端に巨神兵が倒れてしまう。体組織が不完全なまま起動したため、体が腐りかけているのだ。
ナウシカは思う。この子の死を願っている自分の心を知ったらどれほど傷つくだろうか。
その頃、すぐ近くで国境警備に出されていたトルメキアの第一・第二王子が巨神兵を発見していた。
しかし近づいてくる兵達を巨神兵は攻撃し始める。何とか止めるが兵達は既にほとんど皆殺し。
嘆きながらもナウシカは巨神兵に言う。私のいいつけを守り立派な人になって欲しいと。
そしてナウシカは巨神兵に名を与える。「私は風の谷の族長ジルの子ナウシカ。そなたはナウシカの子オーマ」
その瞬間、巨神兵は急に流暢な言葉を話し始めた。「オーマは光輪を帯びし調停者にして戦士なり」
そして巨神兵――オーマは再びシュワに向けて飛び始めた。
ただの兵器なら知能は邪魔のはずだが、オーマには人格すら生まれかけている。
巨神兵はもしや、兵器ではなく文字通りの神として……まさか……
後からは第一・第二王子達が付いてくる。オーマは重コルベットの頭を押さえ強引に着陸させた。
ナウシカは2人の王子と顔を合わせる。皇帝は死に戦争は終わった、シュワの墓地の扉は自分が閉じるから
国に帰るようにと促すナウシカ。王子達は全て父王の命令だったと言い、王が先にシュワに向かった事を告げる。
疲労で倒れてしまうナウシカを王子達は船に乗せ、オーマには毒の光を浴びせぬよう離れて飛ぶように言う。
とりあえずは従ったオーマを連れて艦隊はシュワに向かう。紳士的にふるまう王子達だったが
オーマは小心で姑息な王子達の本性を全て見透かしていた。オーマはナウシカに言う。自分は調停者にして戦士、
そして裁定者。裁きを行う者と。
ミトとアスベルはガンシップに乗り、蟲使い達と城オジ達を置いて来た所に戻っていた。
急いでナウシカの後を追おうとするミト達に、蟲使い達は自分達も生きたいと頼む。彼らを信用しきれない
ミトは荷物が多過ぎると言って諦めさせようとするが、蟲使い達は大事にしている蟲を殺し、
背負った全財産を捨ててまで荷物を減らしてみせる。蟲使い達のナウシカへの想いを理解したミトは
一緒に行く事を許した。アスベルは自分もクシャナも土鬼も全てをまとめ上げたナウシカの偉大さを
改めて思い知り、死なせてたまるかと決意を新たにするのだった。
所変わって先程までの地に留まったクシャナ達。ナムリスの亡骸を見つけて土鬼の族長達に見せると、
彼らは古い土着の教典を唱えてナウシカを――白き鳥の使徒を讃え始めた。
クシャナはシュワに行くので船を借りたいと告げるが、ナウシカの名を騙ってシュワを狙っているのではと
思われ、簡単にはいかない。武力で強引に借りようとするクロトワを嗜め、クシャナは黙って待つ事にした。
他の僧会の者達と共に船室に閉じ込められていたチャルカに、サパタの人々は知恵を貸して欲しいと頼む。
マニ族の戦士達がトルメキアを皆殺しにすると言っているがこれ以上血は流したくないと。
しかし僧会の僧兵達が協力するから武器をくれと言うのでまた論争に。頭を抱えるチャルカ。
夜。相談の結果を待つクシャナの元にマニ族の女達が食料を分けてほしいと訪ねてくる。
食料庫を解放してやるが、ケチャによると爆弾を持って船を爆破するための罠だと言う。
さらにマニ族の戦士達も闇に紛れ近づいてくる。感づいて密かに迎撃準備を整えるクシャナとクロトワ。
互いに最後の一人まで戦い憎悪の繰り返しに終止符を打つだけとクシャナは覚悟を決め、最前線に立った。
ユパは船内の女達を説得するが、まるで聞いてくれない。さらにクシャナの部下がケチャを人質にして火に油を注ぐ。
ついに投げられた一発の手榴弾。ユパは左腕を犠牲にして爆発を抑え、双方を落ち着かせた。
王子達の戦艦で眠りから覚めたナウシカ。テトはいつの間にか息を引き取っていた。
迎撃準備を固めるクシャナ達だが、さあ攻撃という所で前に立ったユパに止められる。
マニ族の方も他のサパタの人々が前に壁を作って攻撃できない。皆戦を止めたいと願っているのだ。
「憎悪に目の眩む者がいたとしても、この人々は滅亡の淵をさまよう人間そのものだ。
人間を相手に軍が戦うは、取り返しのつかぬ修羅への道」
「お言葉いちいちもっとも。退けるものならいつでも退く。
だがすでにわが道は血の海。取り返しなどとうにつかぬわ」
しびれを切らしたマニ族の戦士達は人の壁を乗り越え、クシャナに突撃した。静かに剣を抜くクシャナ。
しかしその前にユパが立ちはだかった。マニ族の攻撃をその身に浴び、無数の銃剣が突き刺さる。
その瞬間、ユパの体が光り輝きマニの僧正の姿へと変わった。恐れおののく戦士達。
遠く離れたナウシカもユパの死を感じ取っていた。「すすめ。いとしい風よ」ユパは伝える。
倒れ付したユパは傍らのクシャナに語りかける。「血はむしろそなたを清めた。王道こそそなたにふさわしい……」
それがユパの最期の言葉となった。うなだれるクシャナにチククは言葉をかけ、手を差し伸べる。
「チククとクシャナ、友達になろう」
テトを埋めたいので船から出して欲しいとナウシカはオーマに言う。言われるままに船の外壁を引き裂いて
ナウシカを掴むオーマ。行くなら我らも共にと王子達が訴えると、オーマは王子達もつまみ上げる。
さらにもう付いて来る理由は無いと言って、船団をビームで脅して帰してしまう。
王子達は覚悟を決めてシュワへ連れて行って欲しいと言う。やはり紳士的な善人の演技は崩さない。
オーマは大きな廃墟の上を飛ぶ。樹があるのを見てナウシカは降り立ち、テトを埋めた。
そこへ通りがかる不思議な男。オーマが再び倒れてしまったのを見て、男はケストという名の山羊(ヤックル)
を呼んで王子達を運ばせ、ナウシカも連れて行った。ナウシカは男から母の香りを感じていた。
男が入って行った廃墟の中には立派な畑と素朴な型の風車、それに多くの動物達がいた。
薬草の湯に浸かり、ケストの渡してくれる服を着てナウシカは食事についた。
この場所にある動物や植物は全て絶滅したはずのものだった。美しい風景の中で安らぐナウシカ。
ふと耳を澄ますと音楽が聞こえてくる。辿り着いたのはオルガンと本棚の置かれた部屋。
演奏していたのはあの第一・第二王子だったが、すっかり毒気を抜かれたような穏やかな表情で
初めて見る楽器と過去に生み出された音楽に夢中になっていた。音楽を聞きながらナウシカは
とっさにテトとオーマの事を思い出す。何故忘れていたのか。戻ろうとするが動物達が邪魔してくる。
何とか屋根伝いに逃げようとするが、屋根の上から見た畑で働いているのはなんとヒドラ。
その上空をガンシップが通りかかるが、音がせずそのまま気付かずに行ってしまう。外からは見えないのだ。
ミト達には何も見えていなかったが、蟲使い達がナウシカの声に気付く。さらにオーマの足跡を発見。
ガンシップは先行してバージに乗った蟲使い達がナウシカを探す事に。
ナウシカは入口に辿り着いたがあるのはただの壁。強引に出ようとすると壁が消えて入口になる。
そこにあの不思議な男が現れた。母の幻覚を見せて引き止めようとするがナウシカには通用せず。
母を思い出したのは男に母と同じ死の影があったからとナウシカは気付いていた。
男は言う。200年前にもナウシカのような少年が訪れた。彼は人類を救いたいと残してヒドラを連れ出したという。
その少年こそが最初の神聖皇帝。人間は飽きる事なく同じ道を歩み続けると男はつぶやく。
そのような業や全てを断ち切り、あの王子達のように安らぎを与えてくれるのがこの場所なのだという。
先行したガンシップはシュワに到着。既にヴ王率いるトルメキア軍が攻撃中で、
オーマもボロボロになりながらナウシカを置いて到着していた。
男の言葉に心を折られそうなナウシカ。しかしそこにセルムの念が現れナウシカを立ち直らせる。
セルムによるとこの男もヒドラで1000年は生きているという。シュワに送られた森の人の
中にもここに着いて出られなかった者が多数いるらしい。何を守っているのかとセルムは問いただすが、
男は余裕顔で言う。セルム達は腐海が尽きる所に住めない理由を知っていると。
腐海の尽きる場所に辿り着いた者は皆血を吐いて死んだ。人間の体も他の動植物も、全ては汚した世界に
合うように変質してしまったのだ。だから瘴気にもわずかなマスクだけで耐えられる。
この庭の大気も汚れていないため甘くて強い。ナウシカも男が肺に手を加えて耐えられるようにしたのだ。
衝撃的な話を聞かされるナウシカ。しかし動揺しない。実験で清浄な地下水では生き物が育たない事を知っていたのだ。
さらにナウシカは人間や動植物が自然に変わったのではなく人為的に変えられた事にも気付く。
世界の汚染が取り返しの付かない状態になったとき、人間や動植物を作り替えた者達がいた。
同じように地中の有毒物質を結晶化させる生態系として腐海も造られた。
ナウシカは決意する。こじ開けてでも墓所にある真実を見極めると。
残酷だが優しい男はナウシカを殺せず、ナウシカは入り口から壁を抜け去って行った。
壁の外では城オジ達と蟲使いが待っていた。オーマが先に行ってしまったと知りナウシカは気持ちを焦らせる。
クシャナと城オジから服を借り、蟲使いと共にナウシカはシュワへと急ぐ。
時間は少し戻って場面はシュワに。皇帝を失い烏合の衆となった土鬼を蹴散らしヴ王は瞬く間にシュワを制圧。
街の中心部の黒い建物――墓所にも砲弾を撃ち込むが全く歯が立たず、反撃のビームで追い返される。
さらにオーマとアスベル、ミトもシュワに到着。オーマが撃ったビームの余波を受けガンシップは
制御不能になり、墓所の上に不時着する。
肉が腐りボロボロになったオーマはヴ王に退却するよう促すが、ヴ王は動じず墓所の主との話し合いを望むと言う。
ヴ王を連れオーマは墓所の前に立つ。墓所を封印してやるとオーマが告げると、返事代わりに特大のビームが。
オーマも負けじとビームを撃ち返し、お互いに甚大なダメージを受ける。
ナウシカに巨大な亀裂が入った墓所の映像を送り、オーマは墓所を取り囲む側溝に落ちて行った。
映像を受け取ったナウシカ達の上をトルメキアの貨物船が通りかかるが、先程のビーム合戦で出た衝撃波で
傷ついていたらしく墜落。生存者を探すが皆死んでおり、うなだれるナウシカの側で蟲使い達は
犠牲者の持つ貴重品類をあさり始める。死者を辱めるなとナウシカは怒鳴るが、死者の尊厳という概念のない
蟲使い達には理解できず、怒りを鎮めようとナウシカに献上しようとする。彼らの価値観を無視した物言いをナウシカは恥じる。
食料のパンを配りながらナウシカは蟲使い達に話す。腐海は大地の毒を吸収しており、いつか世界は清浄になると。
しかし今の人間の体が清浄な世界に耐えられない事は告げず、いつか明るい世界が迎えてくれると偽る。
墓所について得た知識を蟲使い達に語り、ナウシカはシュワに向けまた足を進める。
一方、墓所の前。ヴ王はオーマの腕に守られて何とか生きていた。シュワの都は廃墟とすら呼べぬような
荒野に変わり果て、生存者はヴ王と、王に付き添っていた道化師(前からちょこちょこ出ていた)のみ。
2人の前に墓所の中から「教団」と名乗る人々が姿を現す。墓所の主の知識を得るべくヒドラとなり
何百年も生きているらしい。土鬼帝国なき今新たな協力者が必要と語り、彼らはヴ王を墓所の中へと導く。
その様子を墓所の上からアスベルが見ていた。腐海の毒による病でもう動けないミトを残し、アスベルも墓所の中へ入った。
アスベルを見届けたミトは余力を振り絞ってガンシップの砲弾を取り出し、再生しつつある墓所の亀裂に砲弾を押し込もうとする。
墓所に入ったアスベルが見たのはまるで内臓のような通路や部屋。その中を探索していると
ヒドラ化した教団員に見つかって追いかけ回される羽目に。
一方ヴ王、アスベルに遅れてナウシカも蟲使い達と共に墓所内に参上。アスベルが戦う音を耳にするが、
それは無視して先に進む。王でない者は進むなと教団員に止められるが、迫力で黙らせる。
透明なエレベーターに乗って降りた先には無数の文字が刻まれた巨大な肉塊があった。
一足先に着いていたヴ王はこれが墓所の主と聞かされ、ふざけるなと教団員達に銃を乱射。
それを止めるナウシカに、ヴ王はこの文字を解読した結果が帝国の技術だったと語る。
あくまで墓所の主の偉大さを語る教団員達をヴ王が罵倒し、ナウシカが肉塊を見ていると
肉塊から突如幾筋もの光が放たれ、同時に外の亀裂や入り口までも閉じ始める。
ナウシカ、ヴ王、道化師の頭の中をスキャンするように照らされる光。それが一層強くなり、
やがて光の中から無数の人々の幻が姿を現す。世界の再建のためにこの墓所は造られた、やがて世界が清浄になり
再建の日が来ると人々は語るが、既に世界中の生物が作り替えられている事を知ったナウシカは
幻を振り払い、墓所の主に問う。汚染した大地と生物を全て取り替える計画なのだと何故語らない。真実を語れと。
ナウシカに応え、墓所は道化師の口を借りて再度話し続ける。汚染に適応した人間を元に戻す技術もここに記されている。
交代は緩やかに行われ、人類は穏やかな種族として新たな世界の一部となると。
ナウシカは反論する。清浄と汚濁こそ生命。苦しみや悲劇や愚かさは清浄な世界でも中ならない。
それは人間の一部だから。だからこそ苦界にあっても喜びや輝きもまたあると。
ナウシカの言葉に、友好的だった墓所の主は敵意を見せ始める。
「お前にはみだらな闇のにおいがする。
多少の問題の発生は予測の家にある。私は暗黒の中の唯一残された光だ。
娘よ、お前は再生の努力を放棄して人類を滅びるに任せるというのか?」
「その問いはこっけいだ。私達は腐海と共に生きてきたのだ。滅びは、私達の暮らしのすでに一部となっている」
「種としての人間について言っているのだ。生まれる子はますます少なく石化の業病からも逃れられぬ。
お前達に未来はない。人類は私無しには滅びる。お前達はその朝を越える事はできない」
「それはこの星が決めること……」
「虚無だ! それは虚無だ!」
「王蟲のいたわりと友愛は、虚無の深淵から生まれた」
「お前は危険な闇だ。生命は光だ!」
「違う。命は闇の中のまたたく光だ! 全ては闇から生まれ闇に帰る。お前達も闇に帰るが良い!」
ナウシカの言葉を聞き、ヴ王は笑い声を上げ、墓守にはならない、自分の運命は自分で決めると宣言。
交渉決裂と見た墓所の主は道化師から離れ、出口を塞いであの光を放ち始める。
脳を照らされ自我を破壊されそうになるナウシカ達だが、精神離脱したセルムが駆けつけて防御。
さらにミトがようやく砲弾に着火する事に成功し、墓所の亀裂部を爆破。衝撃で墓所の主の攻撃が途切れる。
この隙にナウシカはオーマを呼ぶ。墓所の側溝に落ちていたオーマは力を振り絞り墓所にビームを放つ。
墓所の主は苦しみながら叫ぶ。
「やめろ闇の子!世界を滅ぼした怪物を呼び覚ますのはやめろ!
お前は悪魔として記憶される事になるぞ。希望の光を破壊した張本人として!」
「構わぬ。そなたが光なら光など要らぬ。
巨大な墓や下僕などなくても私達は世界の美しさと残酷さを知る事ができる。私達の神は一枚の葉や一匹の蟲にすら宿っているからだ。
オーマ、私達にかまうな。ここへお前の光をおくれ!」
ナウシカの呼びかけに応え、オーマは墓所を破壊し、自分の体もちぎれながら主の部屋に向かう。
その途中にあった卵のようなものをオーマが潰すと、墓所は嘆き悲しみ出す。
それは清浄な世界に戻った時の人間の卵。穏やかで賢い人間になるはずの卵。
ついにオーマは主の部屋に到達。オーマに握りつぶされ、肉塊は凄まじい光を放って弾け散る。
光からナウシカを守ったのはヴ王だった。ナウシカをかばいながらヴ王は笑みを浮かべる。
「気に入ったぞ。お前は破壊と慈悲の混沌だ。ハハハ、もっと前に会いたかったぞ!」
全体から血を吹き出し、墓所は内部から崩れ出す。アスベルはナウシカを迎えに向かう。
クシャナ達を乗せた空中戦艦がシュワに近づく。チククとクロトワは一足先に飛行ガメで墓所に向かう。
ナウシカが目を覚ますと、死に瀕したオーマがその体を横たえていた。オーマを誇り高き汚れない心の
勇敢な戦士、そしてとてもやさしい子とナウシカは讃える。そのままオーマは息を引き取った。
間一髪で到着したアスベルに連れられ、ナウシカは主の部屋を出る。墓所の上にいたミトもクロトワに助けられた。
シュワに着いたクシャナ、チャルカらの眼前で墓所が崩れて行く。煉瓦状の肉塊の山となった墓所の中から、
カプセルに乗ったナウシカが姿を現す。ナウシカの服は王蟲の血よりさらに青く染まっていた。
ナウシカはクシャナをヴ王に会わせる。ヴ王はクシャナに王位を譲ると宣言し、トルメキアの再建を任せ
そのまま事切れた。クシャナは王にはならないが王道をひらくために帰ると宣言する。
王蟲の体液と墓所のそれとは同じだった。しかしそこから行き着く事はセルムと2人だけの秘密とし、
ナウシカは人々に呼びかける。
「さあみんな、出発しましょう。どんなに苦しくとも」
生きねば……
この後ナウシカは土鬼の地に留まり、チククの成人後、初めて風の谷に帰ったとある年代記は記している。
またある伝承は、ナウシカがやがて森の人の元へ去ったとも伝えている。
帰還したクシャナはやがてトルメキア中興の祖と称えられるが、生涯代王に留まり王位につかなかった。
以来、トルメキアは王を持たぬ国になったという……
風の谷のナウシカ―END―
乙。
ナウシカと墓所の主の会話の意味がよく掴めない
何言ってんだおまえら
ナウシカ乙。
>>667 陰陽論のように見えるな。
主:光だけで生きるべき。
ナウシカ:光あるところに闇もまたあり、どちらか1つを否定すべきではない。
みたいな。
未解決リストへの直リンも
>>1のテンプレに加えると、
書いてくれる人が増えるような気がする
墓の主は善悪二元論なんだね
長谷川裕一担当は毎回気合が入っているなあ
ガラハド 「ねんがんの 教えてスレをてにいれたぞ!」
>>669 しかし未解決リストは増える一方なので2以下がよろしかろうと。
まだまだ保守るよー
落ちないね
900以下の下層にいるよ・・・
多いなースレ数
1000まで下がるか?