【分析】エロゲーのアナリーゼ【書き方】

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78ドレミファ名無シド
Powder Snow 続き

第2主題(サビ)
Gb Major

Gb MajorはDb Majorの下属調にあたる。
近親調であるにもかかわらず遠隔調のような錯覚を起こしているところが良い効果だろう。

和声記号表記
I > VI:II < V < I I:I^2(*) > IV7 < V
(* 和声違反)

コード表記
Gb | F Bb7 | ebmin7 GbonDb | CbMaj7(3/4) Db7(1/4)
Gb | F Bb7 | ebmin7 GbonDb | CbMaj7(2/4) Db7(2/4)
Gb | ~Gb |

せっかくのサビなのに同じことの反復。しかも10小節(8+2)ですんなり終わっている。
第1主題には小休止を入れたりという小技を使っているゆえ余計にあっさりしすぎ。
もう少し何とかならないものでしょうか。
和声上I^2からVへ行くのにIV7を挟むのは違反だが、ポップスでは常用の語法なので
この違反は気にしなくても良いだろう。
79ドレミファ名無シド:2005/08/11(木) 23:52:16 ID:FRpu+Tiy
間奏
A Major
和声記号表記
IV7 (VI:V < oI < IV)/I:II < V < I

コード表記
DMaj7 | c#min7 F# | bmin7 E7 | A
DMaj7 | c#min7 F# | bmin7 | E7
(そのまま第1主題Dbへ回帰)

Gbの異名同音F#から、属調のC# Major上のナポリの二度に当たるDを属音と見なして
A Majorに転調している。これはこれでよいが、最後にA Majorの属音Eで伸ばして
そのまま第1主題Db Majorへ回帰。おいおいそりゃないだろ、和声論理もへったくれも
あったもんじゃない。
A MajorからDb Majorに転調する手っ取り早い方法は、コルトレーン・チェンジを
用いるべきだろう。(ジャズサックス奏者ジョン・コルトレーンが多用した手法。)
つまり一旦主和音Aに戻ってからそのAをoII/V(属調上のナポリの二度)と見なし、
A, Ab7, Dbとすれば簡単に長3度上への転調が可能である。
80ドレミファ名無シド:2005/08/11(木) 23:53:17 ID:FRpu+Tiy
第2主題2コーラス目
「粉雪のようなあなたは・・・」以降(3:49)

Gb Major
和声表記
IV < V < VI > VI < V < VI/V
IV < V < (VI:V < I < IV)/I:II < V7 <
I

コード表記
CbMaj7 Db | eb | CbMaj7 Db7 | bbmin7
CbMaj7 Db | Bb7onD eb | abmin7 | Db7 |
Gb

第2主題が1番ではあっさり終わりすぎたのがようやくここにきてフォローされる。
1コーラスで終わらせる場合はどうするつもりだったのだろうか・・・

CbMaj7の3連発は普通はくどいが、その後で1小節かけてabmin7を使っているので
逆に効果的である。
81ドレミファ名無シド:2005/08/11(木) 23:54:04 ID:FRpu+Tiy
全体的に見ると、和声語法としては必ずしも誉められた曲ではないという結論に
達せずを得ない・・・まあ仕方ないでしょう。
特に一番ヤヴァかったのは間奏部から第1主題に戻ってくるところかな〜〜〜。
(一応改善案を挙げておいたので、作曲する人はご参考に。)
あそこさえもう少しマトモに接続できていれば、全体としてDbからGbへの転調が
良いアイデアとして仕上がったはずなんですが。

あとメロディラインとしてイマイチなのがブリッジ(Bメロ)の部分。
ミ♭ファシ♭レ♭ミ♭ーファーの連続になっていて、ここだけペンタトニックの
範囲に収まっているのが、どうしても変。
民謡調あるいは70年代特撮ヒーローものの主題歌のようなブルースペンタトニックを
連想させてしまう。

というわけで、人気は高いといえども漏れ的評価はあまり良くなかったのでした。
これなら>>46の曲の方が、シンプルな分しっかり書けていて評価は高いかと。