演奏が難しい楽器

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148職業オーボエ吹き
>>140
いい楽器といいリードが用意されていれば、決してほかの楽器に比べて
すごく難しいということはない。特にリードが大きいイングリッシュホルンや
ダモーレなどは、初心者でもかなりいい音が出ることがある。
オーボエの難しさは、まずリード調整力。あまりに小さく薄いので、
その日の気候や体調により吹奏感が大きく変わる。
ちょっとした変化で全然だめになることがあるリードをなんとかいい状態
にして、重要なソロをきっちり吹かなければならない、その怖さは天下一品
だと思う。

次にメカニズムの複雑さ。オーボエをよーく見てもらえればわかる
が、これだけキーメカニズムが複雑な楽器はない。ファゴットも複雑そう
に見えるが以外とメカは単純(その分運指がめちゃくちゃ)。
オーボエのようにバランス調整ネジが数十カ所ある楽器を他に知らない。
それだけに非常に狂いやすい。オーボエ吹きは常にドライバーを
持ち歩き、ある程度の調整は自分でできなければならない。

次にトーンホールの小ささ。オーボエには通常オクターブホールが
3つあるが、針の穴の大きさしかない。そのため急な温度変化や
湿度の変化で結露し、穴がつまってしまうことが年中ある。
いったんつまると息を横から吹き込む程度ではなかなかとれない。
これも常に気を付けなければならない。

次に運指。運指自体は、サックス・フルートより複雑だが、ファゴットより
単純。クラの複雑さと同程度な気がする。ただし、指の間隔は一番広く、
そのことがスムーズな動きを難しくしている。

少なくともプロ奏者が楽器やリードのせいにするわけにはいかないので、
リード・楽器の状態を保つことまで含めて実力とみなされるのは当然だ。
以上のようにオーボエが難しいとされているとすれば、それはリード調整力、
楽器調整力まで含めた能力としてだと思う。