【千人の】マーラー交響曲第8番【交響曲】

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434428
>>430 >>431 >>433
ありがとう。
とりあえずインバル買ってきた。
これの第1部すごくいいね。音楽の頂点の設定がとても明確な演奏。
特に展開部のラスト、ティンパニがドミナントのB♭のオルゲンプンクトを
延々とロールするあたりから再現部の入りの作りはとても説得力がある。

(どうでもいいけど、再現部に入ってからE♭を根音とする主和音ってなかなか
出てこないんだね。あらたな発見。)

展開部の二重フーガのバランスのとり方も絶妙だね。pで演奏すべきパート
もちゃんとpで演奏してるし、f、ffの差もかなり明確。

ちょっと分かった気になったよ。

ギーレンとヤルヴィも購入してみようかと思う。
435名無しの笛の踊り:2005/06/15(水) 13:18:32 ID:GEUfX6AX
>>434
>どうでもいいけど、再現部に入ってからE♭を根音とする主和音ってなかなか
>出てこないんだね。あらたな発見。

凄くよい所に目を付けたっすね!

そうなんよ。再現部の冒頭は、ずーっとB♭の根音が続く上に、ソプラノ・ソロ、
テナー・ソロ、第一バイオリン&フルートが、その数小節まえから、明らかに
変ロ長調で IV→Iあるいは II→I解決したように聞こえるラインを歌っている。
だから、再現部冒頭は、変ホ長調と変ロ長調が合わさったような、一杯食わされた
ような独特の印象を与える。

練習番号69の前に至って、今度こそE♭に解決するかと思うと、再びはぐらかされ
て静かになってしまう。結局、本物の解決は、練習番号89のコーダに至って初めて
現れる。いかにもいかにもマーラーっすね。

ほんと、千人は奥が深い。第一部の動機と第二部の関係など、聴けば聴くほど、
調べれば調べるほど、新たな発見がある。マーラーが、バッハを一番尊敬していた
というのも、千人を聴くとうなずける。
436名無しの笛の踊り:2005/06/15(水) 14:02:48 ID:QCDyJWoR
ギーレン旧盤(Sony)は持ってるが新しい方も買うべきかな?
437名無しの笛の踊り:2005/06/15(水) 16:52:57 ID:u+U9z+dO
おお新しい展開!
やっぱりいますね、変ホ長調があまり感じられないと思っていた人!

>だから、再現部冒頭は、変ホ長調と変ロ長調が合わさったような、一杯食わされた
>ような独特の印象を与える。

まったくその通り。もう曲を覚えているのにそれでも聴く度に毎回「嗚呼…」と思ってしまう。
今ではそれが逆に快感になっているのだが、その辺を見通していた(?)マーラー
さすが「いずれ私の時代がやってくる」と言ったのはハッタリじゃないね。

>練習番号69の前に至って、今度こそE♭に解決するかと思うと、再びはぐらかされて静かになってしまう。

ここもやられるところだよねw
本当の主コードからの再現部は一体どこ?と最初の頃は思ったもの。

>結局、本物の解決は、練習番号89のコーダに至って初めて現れる。

それも思いっきり真っ正面からw
今までやられた分のカタルシスが一気に開放される瞬間、Es-durのコードが心地よいなあ

第一部の最後バンダ挿入部分のコードはWのAsのコードから、これも斬新。
その後のオルゲルプンクトはE♭持続音なんだけれど、オケは色々やっていて
やっとのこと主和音で落ち着くが直前までトランペットがB♭を鳴らしているので
緊張感が持続している。
やっぱりただのお化けな曲ではないのはスコアを見るとよーくわかる
438名無しの笛の踊り:2005/06/16(木) 13:39:07 ID:TDzknylL
>>437
>第一部の最後バンダ挿入部分のコードは?「のAsのコードから、これも斬新。

そう。バンダの入りの部分も、変ホ長調のサブドミナントの和音であると
同時に、変イ長調のトニック和声でもあるという、騙し絵のような効果。

バンダが奏するAccende...の旋律(=第2部冒頭の低弦ピチカート旋律)と、
それに伴う合唱・弦・木管のスケールは、完全に変イ長調に転調したように
聞こえるのだが、歌のソロやステージ上の金管のラインは、あくまでも
変ホ長調を保っているという、再現部冒頭と同様の調性アンビヴァレンスが、
五度下でここでも起きている。

ある意味、古典的でさえある中に、マーラーならではのひねりがある。
439437:2005/06/16(木) 23:07:04 ID:+GqeoN3u
>変イ長調に転調したように聞こえるのだが、歌のソロやステージ上の金管のライン
>は、あくまでも変ホ長調を保っている

このへんがちょっとドッペルフーガ的進行で曲にスケール感を持たせていると思う。
437さんが書いた通り各々の部分は古典的な和声と進行コードなのに、その組み合わせ方が斬新。
ピアノを弾きながら作曲していたマーラー本人は、きっとほくそ笑んでいたのではないだろうか
複雑なコードを聴き慣れた現代人でも、こういう方法でやられると和声そのものは純粋なので
より効果的に感じると思うよね