■ ■ 妻が妊娠しました ■ ■

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59心理学者の笛の踊り
>>57
胎教はともあれ、3才くらいまでというのは興味深いですね。
ただ、現実問題として3才になるまでの間、世の中にあるすべての音、
テレビから流れる音はいうに及ばず、もちろん病院や駅などで聞く
チャイム、鳥の声や両親がふとしたときに口ずさむようなものも含めて、
いわゆる調性を持たないような音楽を聴かせないで育てることは
不可能であろうと思います。
もし、それが可能であるときにどのような歌をその子供が歌うように
なるのかはとても興味深い問題です。
これと関連して2つのことがあります。まずひとつは、胎児期の
記憶の問題です。胎児期にお腹の中で聞いていた音と、そうでない
音との区別は新生児にできることがわかっています。これは、
区別できるというだけのことであって、それ以上の意味はわかって
いません。
もうひとつは(怒らないでください)、鳥の歌にも方言があるという
ことです。ある種の鳥として生まれてきても、その種の鳥の歌を
聞かせない環境で育ててしまうと、メスを誘うときに歌う歌も
ちゃんと歌えなくなってしまいます。
とりわけ後者は人間の歌、音楽の認識と推測の範囲を超えませんが、
とても密接に関連しているように私には思えます。つまり、比較的
遺伝的な制約を緩やかにしか持たず、学習に依存して様々な行動を
獲得する人間を、その同種の歌を剥奪したのと同様な環境で
育てたときにどうなるのかという問題です。
心理学に限らず、このような「実験」は倫理的な問題から実行する
ことはできません。
まあいずれにせよ胎教でなく、初期経験の問題になるのですが・・・。
ちなみに、人が母国語としてさまざまな言語を獲得する臨界期は
10才程度と考えられています。少なくとも胎児期に聞かせただけで
母国語として獲得できるとは思えませんが・・・。
直接お話しできればよいのですが・・・。