297 :
風船ハァハァ:02/04/03 17:20 ID:LBEdTd02
>>295 ほんとだ!パイヤールのモーツァルトがない!!恐るべし、3つのしもべ…
しょうがないので、閉店までさまようことはせずに、代わりにArmin Jordan=パリアンサンブルオーケストラなるものの39&41を買うことに。
このCDも前から気になっていたものです。ERATOレーヴェルで知らない演奏家、それに990円という投げ売らんばかりの値段設定…
これはものすごくハズレか、またはものすごく当たりか、どちらかしかない!とこれまでの経験で思い定めるのでありました。
さて聴いて見ると…
こ、これだぁ!!こういう演奏が聴きたかったんだ!!
演奏はオペラ座=シューリヒトよりも丁寧な感じかな?現代の演奏に比べれば、ちょっとゆったりめのテンポ。
録音はやや古め。この「やや古め」というのが重要です。
モーツァルトのオーケストラって編成が中途半端だから、あんまりキレのいい録音だと耳に痛い感じがするし、かえって全体像がつかみづらくなる。
あんまり古くなると、今度は仰々しさが増して、正座でもしながら聴かなくちゃいけないような気になります。(そんなことない?)
プラハのような、心の闇がすぐ背後に忍び寄っているような、不思議な明るさを持つ曲を聴いたあとでは、39番の颯爽として自信あふれる音楽が、より一層優しく流れてくるのを感じます。
なにか、暗闇を突き抜けて再び新たなる朝がやってきた…そんな曲ですね。
41番もしかり。ピアノ協奏曲20番に対する21番のような…この交響曲の二つとも、それぞれ新たなるモーツァルトの境地を感じさせる曲です。
これでモーツァルトのプラハ以降後期交響曲は、パイヤールの40番をそろえればフランスものぞろいで完成。(肝心のパリがねェよ!)
しかしこのArmin Jordanなる人物は何者でしょう。全く売り手にやる気が見られないCDで、解説もぺらぺらの紙が一枚入ってただけで、演奏者には何にも触れられていないのでした。
フランス人でしょうか?そうだとすれば、オーケストラも指揮者もフランスというのはこれだけになるかな??
>>297 アルミン・ジョルダンは以前スイス・ロマンドを連れて日本に来たこともある
フランス系(?)の指揮者だよ。
風船クン元に戻ってあぁ良かった。
299 :
風船ハァハァ:02/04/03 18:07 ID:LBEdTd02
>>298 は、早いレス!ありがとうございます。
そうですか、フランス系ですか。来日の際には是非聴きたかったです。
いまちょうど、パイヤールの39〜41を聴いています。感想はそのうち。40番はかなり難しいので。
それにしても同じフランスものといっても、3枚ともぜんぜん違う演奏ですね。(当たり前か…)
結局これだけのメジャーな作曲家の曲を、余り人が聴かないような演奏で聴いてみたいというだけだったのでした。
あれだけのCDが並んでると、何がいいのか迷っちゃうしね。
まず話題に上らないような国のモーツァルトですが、(やっぱ因縁の地という事もある?)なかなかどうして素晴らしいものぞろいです。
僕にとって遅ばせながらの、モーツァルト、シンフォニー開拓記でした。
それにしても元に戻るって一体なんのことでしょう?僕は僕ですが…
300でもとっておこう
301 :
風船ハァハァ:02/04/04 18:06 ID:gqg.ZLEk
そのうちといっておきながら、早速パイヤールの感想です。
これはある意味、「古い」演奏かもしれませんね。ちょっと今じゃはやらないかも。
モダン楽器の癖に室内楽的アプローチをするから。「現代的な」解釈だったら、どっちかにせい!てところでしょうね。
でも好きな演奏です。特に緩徐楽章の豊かさは近年には見られない演奏じゃないでしょうか?
何より彼の音楽は言葉をもっている。一つ一つの音が、聴くものに語りかけてくるような。
特に40番にそれは顕著です。
40番はたった二つの短調の交響曲のうちの一つということもあって、彼のシンフォニーの中では非常に特異な位置をしめています。
第一楽章の主題は非常に有名だけど、このシンフォニー自体はモーツァルトの音楽中、もっとも難解な部類に入るんじゃないでしょうか。
古典派というより、バロックに近いその構成。モーツァルトの短調の曲はこうしたがっちりした形式感を持つものが多いです。(ベートーヴェンは、こうしたモーツァルトの形式感を受け継ぎますね。)
おそらく短調の色合いを持つ彼の感情が、こうした頑堅なる形式を必要とするのでしょう。堅い形式の中に閉じ込めておかないと、なし崩しに彼の狂気がどこまでも堕ちてゆく危険性を感じます。
モーツァルトは音楽に狂気を求めませんでした。どんなに感情が激こうしたとしても、そこに美と調和がなくてはならないという、確固たる信念を持っていたのです。
ロマン派的な考えからすると、モーツァルトの音楽は、その軽みに過小評価されがちですが、別にモーツァルトが音楽に重々しさを求めていなかっただけの話。深刻と狂気は内面だけで充分。音楽は常に人に喜びを与え続けなければならない。
物心つく前から演奏家であり、作曲家であった彼の、それは宿命のようなものでもあったのでしょ
302 :
風船ハァハァ:02/04/04 18:09 ID:gqg.ZLEk
↑つづき
ただ、貴族達を楽しませる娯楽音楽では収まりきらない音楽が、ある時どうしようもなく現れてくるときがある。彼の純粋さはそれを無視できなかった。それをどう「美」に昇華させるか、その解決策を探ることがそのまま中期以降の彼の形式感、作曲法となってくるんだと思います。
その際に、ちょうど出会ったばかりのバッハやヘンデルのバロック音楽は、非常に助けになったと思います。彼らの音楽の転調の鮮やかさや、さまざまな旋律が並行するポリフォニックな表現。
モーツァルトの中の形にならない感情が、その形式に救われるのを感じたんじゃないんでしょうか。
そして何より、音楽に妥協が見られないところ!貴族や教会の顔色をうかがうあまり、音楽が俗に落ちることもない。その成立事情はどうあれ、音楽が音楽そのものだけで独立する姿をそこに見たのだと思います。
周囲の反対を押し切って結婚に踏み入ったときに、彼は全く独自の道を歩き始めることを決意する。
「大ミサ」はだから誰の依頼もなく、バロックの形式を用いながら、自分自身のために作曲するのです。(でも完成できなかったところがモーツァルトらしい…)
また作曲に意識的になり出したのもこの頃から。彼は自分の音楽を歴史づけるべく、自ら目録に着手し始めます。
モーツァルトはどちらかというと直線的なバロックの様式美を、古典派のそれと結びつけ、有機的に、さらに複雑に発展させていきます。長調と短調の明暗を突き詰めて、光の中に影を見、闇のうちに喜びを見出してゆく。
こうしてモーツァルトはあらゆる感情が渾然となった独自の色彩をもつ音楽を作り上げるのです。「プラハ」は交響曲における一つの到達点。
それから2年後に作曲された40番はそうしたポリフォニックな技巧を用いた集大成といってしかるべき曲です。
303 :
風船ハァハァ:02/04/04 18:09 ID:gqg.ZLEk
↑さらにつづいちゃったり
この厳格さは一体どこから生まれるのか?どんな感情から生まれるのか?
一体当時の人間のどれほどがこの曲を理解できたというのだろう(現代に生きる僕たちも)。そしてモーツァルト自身そのことをわかっていたのだろうか…
もはやここでの彼は、そんなことは気にしていない。
これまで背後に控えていた闇が、今は目の前に広がっている。この今にこそ書くべき音楽だから書くだけだ。
そうした厳しい態度も40番に現れているように感じます。
パイヤールはこの音楽のもつ難解さから逃げずに、真っ向から取り組んでいるようです。室内楽的なスタンスを崩さないながら、音楽がどこまでも広がっていき、また収束してゆく様子をうまくあらわしている。
勢いに任せない。自分のイメージを曲に押し付けない。楽譜の音符を忠実になぞっていくことで、音形の一つ一つから言葉を導き出すような演奏です。
>>286さん、パイヤールは決して今風でも、派手な演奏でもないけど、好感の持てる演奏でしたよ。
もうここまでくると、フランス云々はどうでもよくなってしまった…
さて自分のイメージをどこまでも押し付けるようなレスを長々書き込んでしまい、すみません。次はオペラに入ろうと思うので、さよならです。オペラはチェコ特集かな?
304 :
名無しの笛の踊り:02/04/04 18:31 ID:HTRfXVLs
ブリュッヘンのモツは聴いてて疲れる
きいてて疲れるのがさもいい演奏みたいな風潮があったな。ちょっと前まで。
疲れない演奏なんて意味無し。
風潮に遅れているのが約1名
308 :
名無しの笛の踊り:02/04/04 23:27 ID:tTqhNX4E
309 :
名無しの笛の踊り:02/04/04 23:50 ID:N8mLGnOI
ペーターマークでモーツァルトに目覚めたおいらは逝ってよし!ですか?
,一-、
/ ̄ l | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
■■-っ < んなーこたーない
´∀`/ \__________
__/|Y/\.
Ё|__ | / |
| У.. |
311 :
おフランスざんす!:02/04/05 01:46 ID:1LHn1u0Y
312 :
名無しの笛の踊り:02/04/05 02:20 ID:wTKfLV/g
モーツァルトはやっぱウィーンフィルで聞くのが一番ですよ
小澤がどんなのやるか楽しみにしてます
313 :
名無しの笛の踊り:02/04/05 08:52 ID:96dhSrx.
楽しみが出来てよかったですね
保全
そうよ!
今初めてVPOで聴いているけど
なんて美しいプラハ!!
316 :
名無しの笛の踊り:02/04/22 01:46 ID:Pr29rxvk
小澤????
29番の佳き演奏の録音をひとつ。
40番のデジタル録音を聴きたいのですが、どれがデジタルかわかりません。教えて下さい。
319 :
名無しの笛の踊り:02/04/27 14:34 ID:V3OFfaYs
DDDと書いてありませんか?
AAD、ADDでなくて。
>>317 ムーティでどうぞ。オケはウィーソ・フィル。
>>319 ごめんなさい。Amazonで探しているので写真が小さくて確認できないのです。
どの全集がいいんですか?
不思議なことは。
なぜ37番が不完全作品なのに、後の曲の番号を前に詰めないんだろうか?
シューベルトの交響曲は頻繁に番号が入れ替わってるというのに。
>>323 さらに不思議なことに番号のない交響曲が多数存在すること。
これまで入れたら番号がややこしくなりそう・・・
>>323 それを言うなら、2番・3番は偽作と確定したんだから、それも詰めるとなると
大混乱になるのでは?
>>323 モーツァルトのシンフォニーが何曲あるかなんて誰にもわからん。
仮に、ジュピターが63番とかになったら、俺は泣くよ。
327 :
名無しの笛の踊り:02/05/01 22:08 ID:.Cmcskak
あーーーーー!!!!
「モツを馬鹿にしているのは誰だ」スレが無くなったーーーーー!!
今カキコしようと思ったのにぃぃぃ・・・。
つうか、今ピアノソナタを攻めてて気が狂いそうなんでage
テイトのボックスを買って以来、モーツァルトのCDは買わなくなった。
>>329 ちゃうで。逆。これで十分っていうか、大半のナンバーが理想的な演奏ばかり
だったんで。
>>330 はあ、テイトがねえ。
悪くはないと思うが。
ボックスって、何が入ってたの?
最近、テートの新譜は見掛けないが、元気かな?
K.333 =ピアノソナタ第13番変ロ長調
げとぅー!
>>331 交響曲ほぼ全曲ですね。やっぱ物足りない?(周りの意見がそういうの多いので)
テートは新譜無いね。残念。
>>334 2番、3番、37番は入ってないだろ?
いや、いいんだ別に。・・・・・・
336 :
名無しの笛の踊り:02/05/07 02:07 ID:AZeTextw
テイト、良いね。疾走感のあるジュピターは爽やかこの上ない。
このテイトの演奏が好きなら、きっとフリッチャイがウィーン響を振った
ジュピターは更に歯切れが良くて元気が出ますよ。1959年録音だけれど
ステレオ録音だから聴きやすい。ゆったりとしたリズムで大編成のオケを
振った巨匠風の演奏の方が一般には人気があるようだけれど、好みは人
それぞれ。テートの新譜が無いのが残念なのは同感。かといってモーツァ
ルトの他の作品で彼の指揮で聴きたいと思う曲はあるのかな?
むしろ、他の作曲家を振ってくれる方が個人的には嬉しい気がする。
メンデルスゾーンとか、ハイドンとかね。
337 :
:02/05/08 17:15 ID:G6qEGXOc
保守
>>336 フリッチャイのモ−ツァルト交響曲はオイラも名演と思うにょ。
願わくば、DGオリジナルスでフコークされんことを!
このスレではムーティが評判がいいけれど、
ザルツブルクライヴのDVDを見たら、しつこい指示にげんなりした。
疾走する35、優美な38、幸せな39、情熱的な40、
フィナーレが壮大な41と、漏れはバーンスタインが好き。
でも25、29は堅苦しい。
リンツはやはりクライバーだなー。
なら、ペーターマーク萌えのおらは逝ってよし!でっか?
>>340 漏れは好きじゃないけど、でも逝かなくていいよ。
好みはそれぞれだもん。
シュピター
42番「うんこ交響曲」
344 :
名無しの笛の踊り:02/05/12 21:31 ID:3Pm8HAEg
小編成のオケで快速で進行するモツの後期交響曲はたしかに清々しい。
音の重なり具合が透けて見えるのが何とも美しい。それで思い出すのは
セル/Cleveland Orc.の録音。大編成だが、比較的速い進行で、しかも
音のテクスチャーも美しく損なわれない。このような演奏を大編成の
オケで行うのは至難の技にちがいない。初めてセルの演奏を凄いと思
ったことを思い出す。
ペーターマークがいい。
もう寝る!
346 :
名無しの笛の踊り:
40番の理想の演奏についに出会った。
エーリッヒ・クライバー/ロンドン・フィル(録音1949年)
ほんとに良いです。