コードを作った人

このエントリーをはてなブックマークに追加
748マイルス
>>744 したがって長三和音の正当性は、ピュタゴラスの定理によって証明された。

結論を最初に言うと正当性はない、というのが20世紀の和声学界での一般的な見識で
す。音響音声学の権威であるシファート・ディケンズの論文(1922〜)には、原初和声に対するア
プリオリな概念の2元論的な援用で解決の糸口を見いだしています。
 これは20世紀初頭に随分議論されたアンチテーゼを含んだ問題であることを、イコ
ール氏はご承知でしょうか? エッティンゲンが論文ですでにアプリオリを超克するア
ンチテーゼとして、このピタゴラスのイデーを仮言的判断で概念の因果関係と2つの属
性の共存に新しい判断と解釈の可能性を与えています。
しかもこの冒頭にあるテーマはハウプトマン(19世紀中期)がすでに全面的に聴感上の
哲学的な概念(ヒューム経験論等)の告知で不支持を打ち出しており、その考えのエッ
センスはそのままリーマンの「和声提要」に受け継がれています。中心概念の合理的な
運用法に関してはクレール、ルイ、トゥイレも全く同様です。ご存じですよね。

概要とその経緯を示すために多少論文的になったことをお詫びします。和声解釈がこれ
ほど複雑多岐に分派し生長した現代でもやはり、この定見は和声学界の常識でもあります。

仮にこれらの命題を現代的に再構築する価値と可能性があっても、多くの音響音声学
の知識の再編が必須です。ヘルムホルツからリゼールまでの流れを、物理学的側面から
も再検証していかなくてはなりません。でないと合理的かつ普遍的なアンチテーゼを再
提示することは非常に困難であると思われます。イコール氏に特有の文学的な帰因果に
陥ると、「先決問題要求の虚偽」に陥る可能性が十分にあると僕は危惧しております。
また対論として理系的な未解釈の虚偽の理法(僕の過去レス意見)についても同様です。
 もう少し問題を共通のテーマに戻してみてはどうでしょうか。転調だとか原初和音に
ついての見識が、定見との位相隔離を論じるのに便利だと思われます。理系出身のイコ
ール氏なら、ご理解いただけると思いますが。
 今夜は都合で掲示板に参加できませんが、また日を変えて参加させて頂きます。