さて宇宙戦争は失敗したわけだが

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144名無シネマ@上映中
>>139-140
原作を参照すると>>143がビンゴ。
「宇宙人(原作では火星人)はその高度な文明によって
 遙か昔に病原菌を根絶していたので、そのような概念が無かった」
という趣旨のことが書いてある。
「アホらしい設定だな」と思うかも知れないけど
そう決め付ける前に「何故、H.G.ウェルズはそういう結末にしたのか?」
という事を考えると興味深い。

原作の「宇宙戦争」は英国が産業革命によって発展し
海外に多数の植民地を持っていた時代に書かれている。
そして、ウェルズは帝国主義に反発を感じていた。
なので「火星人=帝国主義者」と置き換えてみると
原作の言わんとしている事が少し明らかになる。

要するにこの原作は繁栄を誇る大英帝国を「後進国」扱いしてみる
シミュレーション小説であると共に、火星人(=先進国)が
現地の環境を考慮せずイイ気になって後進国を荒らし回った結果
自滅していく様子を描いた、という側面も持っている。

さて、スピルバーグは原作の舞台をアメリカに置き換え
原作通りのオチを採用する事を選んだ。
じゃあ、彼はアメリカに対して何を言いたかったのだろう?
昨今のアメリカを取り巻く状況を考慮すると何となく判るのではないか。