【邪気眼】二つ名を持つ異能者になって戦うスレ3

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1池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU
*「ここは 邪気眼 のスレです」
*「sage や 酉 は入力しなければ意味がないぞ」
*「荒らしを構った後には 荒らし扱いになるよ」
*「おお名無しよ 版権キャラを使ってしまうとはなさけない」

*過去スレ
【邪気眼】二つ名を持つ異能者になって戦うスレ
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1203406193/
【邪気眼】二つ名を持つ異能者になって戦うスレ2
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1209655636/
*避難所
二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所
P C:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1206954054/
携帯:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/computer/20066/1206954054/n
         テ ン フ ゚レ
>>2以降に『天麩羅』

*これまでのあらすじ
『闘って奪い獲れ。生き残るためには勝ち残れ』。
舞台はどこにでもある地方都市、貳名市。
この街には「二つ名」を持ち、それに由来する異能力を有する『異能者』たちが存在した。
一通のメールは、異能者たちを否応なく闘いに駆り立てる。

『機関』が送り込んだ強敵、永瀬・小村・そしてレオーネ。
謎の老紳士、長束誠一郎によって明かされる驚くべき『機関』と異能力の謎。
そして次々と貳名市に現れる異能者たち――ついに姿を現した『機関』Nо.1、金剛の驚くべき力とは!?
異能者達の様々な思惑を飲み込み、物語は加速し続ける!
2池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/05/24(土) 00:05:03 0
【天麩羅】其の壱
名前:
二つ名:ttp://pha22.net/name2/ ←で↑のキャラ名を入力
年齢:
身長:
体重:
種族:
職業:
性別:
能力:(一応二つ名にこじつけた能力設定を)
容姿:
趣味:
好きなもの:
嫌いなもの:
キャラ解説:

S→別格 A→人外 B→逸脱 C→得意 D→普通 E→不得意 F→皆無
U→変動 N→機能未保有 ……の九段階まで。
・本体
筋  力:
耐久力:
俊敏性:
技  術:
知  力:
精神力:
成長性:

・能力
範  囲:
破壊力:
操作性:
応用性:
持続性:
成長性:
リスク :
3ERO ◆Yea504LehI :2008/05/24(土) 00:05:29 0
0
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       |:::::::(  个 )
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       |:::::::|   |:::::::::::::::ああ、私に見つかったのが運のツキだ
   _  |:::::::( ・∀・)::::::::::::::::::::ご愁傷様
  ◎ー) .|:::: /     \:::::::::::::::::::::
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   ~~~  /⌒ヽ( ̄、  ヽ___
      /    Lヽ \ノ___
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4池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/05/24(土) 00:05:41 0
【天麩羅】其の弐
・現在までの参加キャラ一覧
池上 燐介 :二つ名「氷雪昇華(スリーピングエクソダス)」    詳細:避難所140
戦場ヶ原 天:二つ名「歪んだ重力(インセインオーバードライブ)」 詳細:避難所672
若宮 こよみ:二つ名「硝煙禁忌(ガトリングチルドレン)」      詳細:避難所142
七重 凌司 :二つ名「戦闘中枢(アトミックバーサーカー)」     詳細:避難所144
桐北 修貴 :二つ名「轟雷工作室(ライトニングファクトリー)」   詳細:避難所145
廻間 統時 :二つ名「月下十字(ギルティサーベル)」        詳細:避難所146
国崎シロウ :二つ名「贄(ウロボロス)」                詳細:避難所147
神重 智  :二つ名「重力連鎖(デスペレイトオーバーフロー)」  詳細:避難所488.641
永瀬 翠   :二つ名「増殖立体(フラクタルキューブ)」       詳細:避難所642
梓川 博之 :二つ名「陰翳幻覚(エレクトリックシャドウ)」      詳細:避難所643
煌神 リン :二つ名「火炎歌劇(クリムゾンラビリンス)」      詳細:避難所644
小村禅夜  :二つ名「絶滅魔神(ナパームカーニバル)」      詳細:避難所645
宗方 零  :二つ名「明滅(スペクター)」               詳細:避難所646
恋島達哉  :二つ名「蠢く少年(ウィアードライオット)」       詳細:避難所647
葦川妃映  :二つ名「神経幽閉(ネガティブニューロン)」      詳細:避難所311
レオーネ  :二つ名「歪んだ迷宮(プラスチックパラドックス)」   詳細:避難所648
アルト    :二つ名「臨界融解(フュージョン)」           詳細:避難所469
籐堂院 瑞穂:二つ名「吊られた剣士(デッドリーディスペアー)」  詳細:避難所530

【機関の説明】
・機関(組織)は総合商社や慈善団体、暗殺集団などいろいろな側面を持つ
・機関には異能力者以外もいる
・機関の異能力者は番号(NO.)で序列があらわされる
・一桁番号(ファーストナンバー)は特別な幹部
・世襲幹部が五人いる
・本スレで名前のでた幹部は城栄金剛(No.1)と北村幽玄(番号不明)
・長束誠一郎は機関の幹部だった
・現在の機関のトップと長束誠一郎は揉めている
・機関は人工異能力者を増産している
5池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/05/24(土) 00:06:36 0
テンプレは以上。
6ERO ◆Yea504LehI :2008/05/24(土) 00:08:27 0
>>4
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   _  |:::::::( ・∀・)::::::::::::::::::::ほめてつかわす
  ◎ー) .|:::: /     \:::::::::::::::::::::だが、ここまでだな
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   ~~~  /⌒ヽ( ̄、  ヽ___
      /    Lヽ \ノ___
      ゙ー―――(__)---
7ERO ◆Yea504LehI :2008/05/24(土) 00:09:48 0
>>5
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       |:::::::(  个 )
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       |:::::::|   |::::::::::::::天プレとはなんだ?油は必要か?
   _  |:::::::( ・∀・)::::::::::::::::::::私は舞茸と海老と蓮根が好きだ
  ◎ー) .|:::: /     \:::::::::::::::::::::
   |  |  (⌒) (⌒二 )::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   ~~~  /⌒ヽ( ̄、  ヽ___
      /    Lヽ \ノ___
      ゙ー―――(__)---
8アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/05/24(土) 07:31:09 0
>>298
「まあ、戦いへの概念は人それぞれ
純粋に戦いを望む者、誰かを守るために戦う者、自分のなかに在る何かの為に戦う者・・・」

私の場合はどうだろう。私の目的は一つで、食事はその為の手段でしかない。
しかし、その目的というのは―――

「ま、貴女の目的は食事・・・みたいですけどね」

……彼も、私のことをそう考えるのか。少しばかり不愉快だ。
まあいい。ともかく名前だ。彼は私の問いにこう答えた。

「いいでしょう、私の名は上野 恭平(うえの きょうへい) お察しの通り機関の人間です
役職は前線基地の隊長ですよ」

上野恭平、やはり機関の人間か。へぇ、前線基地の隊長か。実験の観察、把握には丁度いいぐらいのランクかな。
しかしこの規模の実験は、私が知る限り前例がない。思ったよりも小規模なのか、ここの実験?

「で、次はこっちから質問です まず、貴女は機関に敵意をもっていますか?」

敵意? 妙な質問だ。やっぱりいつの間にか機関の構成員を食べていたのか。
しかし敵意か―――答えは、簡単だ。

「ありませんね。機関に対する敵意など」

そもそも私はこれまで、一度だって、誰かに、何かに敵意を持ったことはない。
個人的に、嫌な人だと思うとか、気に入らないと思うことはある。
だが、それは敵意ではない。敵対する意思ではないからだ。
嫌な人だから、気に入らないからどうこうしてしまおう、と思ったことはない。
もっとも、これは食事を敵対と言わなかった場合なのだけれど。
しかし、こんな質問をするということは、彼は、

「そして、もし無いのなら゛取引゛・・・しませんか?」

彼は上着から紙を取り出した。それが何かは分からないが、しかし。

「取引ですか…? 内容にもよりますよ。
 私が得られるメリットと、デメリットを説明してくださいね。
 それと、ここの部屋代は後で返してもらいますから」

最後の一言は、ちょっとしたお茶目という奴だ。
うろたえている顔が気に入った、というのもある。

【アルト:誰に対しても敵意はない。食欲はある】
9桐北 修貴 ◆b1QjyOQzMk :2008/05/24(土) 09:30:52 O
前スレのあらすじ

永束誠一郎に吉報とは言えない真実を突きつけられた修貴
落ち込む暇もなく襲いかかる機関の敵に内なるヤハウェが目覚め始め、道端で寝る
一方 こちらも異能者に襲われ 住んでた家を破壊された藤堂院 瑞穂は道端で妙にボロボロな人物を見つけ……



「お前さっき"また"と言ったな?それは以前、俺たちのような異能力者に襲われたということか?」

不本意ながら自分の行動を見て笑ってる藤堂院さんとは別の声が部屋に響いた
自分は驚きと恐怖で身を強ばらせた
助けられたとはいえ、度重なる異能者との戦いの後に
見知らぬ人物に見知らぬ場所に連れられ 姿が見えない第3者が現れたのだ
臆病になっても仕方あるまい

「驚かしてすまないな、今喋ったのはこの剣だ。君のような異能者が居るんだ。喋る剣が居てもおかしくないだろう?」
「俺は天之尾羽張。それより今お前が知りうる限りの情報を教えろ、お前に拒否権がない事はこの状況を見ればわかるよな?」


…あぁ、また上目線からの脅し しかも今度は剣に
喋る剣はおかしいですよ 簡単に割り切れますか? いきなりソー○ィアンですか?
てか何でこの人は 自分が異能者だってわかったんだ?
屋敷以前ならともかく[探査]を使ったあの時には人は居なかったはず…

さらに高まった緊張が相手に伝わったのだろう。 藤堂院さんはさらに声色を優しくして話しかけた
「そんなに警戒しないでくれ。師匠も私も使われなければ君にはただの棒だ。もし君が何か知っているなら教えてほしい。私もついさっき襲われ、家を失ったはかりなのだ」
「君は怪我をしている、もし今度襲われたら間違いなく殺されるだろう。だから君の傷が癒えるまで私が敵から守ってあげよう」
10桐北 修貴 ◆b1QjyOQzMk :2008/05/24(土) 09:36:51 O
>>9

棒とはどういう意味かは分かりかねたが要は安心しろと言いたいのだろう。

…今言った事が本当なら、の話だが

自分はあまりこの人物を信用していない。出会いが余りに突拍子がないし自分を既に異能者と見抜いてるのが怪しい
ここまできたらどんな些細なことでも疑わないといけない
取引を持ちかけてきたが余りにも美味しすぎるし

何より…、剣の素振りを始めだした

さっきの剣の脅しは本気だったんだな
必要な情報を得たらサクッと、だんまりでもズバッといく練習と言ったところか


?

「…あれ、ってか外国の方?」
しばらくして剣を床に刺し(威圧のためだろうか…)
簡素なイスに座ったその顔は銀の瞳とプラチナブロンドのまごうことなき外国人であった
こういう時、外国人だとわかった瞬間萎縮するのは日本人特有というかなんというか…
名前や今までスラスラ日本語を喋ってたため、藤堂院さんは日本人だとばっかり思ってた自分は何故かすっかり狼狽してしまい

「ぇ、あ いや大丈夫ですよ OKOK!
傷じゃなくて筋肉痛ってだけで…
あ、えと are you…
じゃない! 普通に喋れただろうが!」

しばらく一人でパニクった後…
自分がいかにアホらしい事してるかに気づいて、数回咳払いした後

「失礼しました… え〜っと、それって情報への見返りの交渉って事でいいですか?
でしたら一つ条件があります
……何か服持ってきてください。こんな格好いつまでもしたくないですし…」

最もらしい逃げる口実を吐いた
これで彼女(と剣)がここから一旦離れたら体を無理矢理にでも動かして逃げるつもりだ
幸い外には森とか隠れる場所はいっぱいあるし…、まぁ 服が欲しいのは真実だが



【桐北修貴:藤堂院瑞穂をあまり信用せず交渉で外に行くよう促す
その場を離れたら無理にでも逃げるつもり】
11 ◆P1wJYx92Ts :2008/05/24(土) 12:37:49 O
時は二十数年前にさかのぼる。
世間は学生服を着た猫がブームになり総理大臣が選挙期間中に心筋梗塞で倒れる事件がおきたがまだ五歳の誠一郎少年には関係なかった。
誠一郎が習い事から帰ると屋敷の中が騒がしかった。
「父上、この騒ぎは何事ですか?」
誠一郎は父親の長束公誠に尋ねた。
「誠一郎、お前は部屋に戻ってなさい」
「わかりました、父上」
誠一郎は黙って父親の言葉にしたがった。状況を一瞬みただけでおおよその見当がついたからだ
父の足元には反抗する気力さえ失うほど打ちのめされた少年がたおれていた。そして少年をくみふせているのは傷だらけの家人たちであった。
家人とはいえそれなりの武術を使いこなしなかには異能力を持つものもいる。それを相手に互角の闘いをした少年は異能力者であるに違いない。誠一郎はそう結論づけた。
それにしてもあの知性も品性も感じられない粗暴な生き物を父はどこが気に入ったのかがわからなかった。
父が機関が生ぬるい現状維持を戒めあえて異分子を入れようとするのは想像がつく。だが、あれは度が過ぎた異分子だ。
これは誠一郎があれを軽蔑しているからではない。軽蔑すらしてないからだった。誰も野良犬が暴れても犬を軽蔑しないように。そう、誠一郎にとってあれは軽蔑に値しない生き物だった。
次の日、あれの名前が城栄金剛だということを知った。
12天之尾羽張 ◆FleR8jlnN6 :2008/05/24(土) 14:04:28 0
俺は、子供の頃、『機関』に目をつけられたせいで両親と兄妹と友達と自分の世界を殺され、人体改造をされた。
そこで俺が手に入れた能力は「私と私の世界」、対異能力者戦では無類の強さを誇る能力だった。
『機関』は俺を『完全体』と呼びこき使った、しかし、俺の能力が『機関』の敵にだけ使われると思ったら大間違いだ、俺はその能力を使い『機関』から逃げ出した。

そして俺は、その能力と改造を受けた自分の身体能力と『機関』への憎しみを基盤に『機関』に対するレジスタンス集団を立ち上げた。
何年もかけて『機関』を憎むものを全世界から集めた、それは『機関』と戦うのに十分な数だった。
だが、一つだけ足りないものがあった、俺の能力にあう能力を持つものが居なかった。
俺の能力は確かに強いが、無差別なため仲間が出来た今は使ってもあまり意味を為さない。
人員で劣る組織と『機関』との戦いは次第に俺の組織の劣勢になっていった。

組織も俺だよりになり、俺が死んだら崩れるような脆い組織になっていた。
そして、俺はついに『機関』との戦いに終止符を打つ『機械仕掛けの神』を見つけた、それが瑞穂だった。
俺は一旦戦線から退き、瑞穂を育てていった。
初めは、戦場暮らしだった瑞穂を育てるのは大変だった、起こすときに叩き伏せられ、飯は自分で作ったものしか食べない。
しかし、段々と瑞穂は俺に懐いてきた、俺と共に『機関』と戦ってくれる様になった。
瑞穂は能力こそ持っていないが、剣術の腕は素晴らしく、俺のいい相棒になってくれた。

俺達は、『機関』の妨害、殺害などで何度も邪魔をしてきた、『神の使徒』と呼ばれ、崇められたときもあった。
しかし、瑞穂は俺の相棒でもあったが弱点でもあった。
ついに『機関』のファーストナンバー達が俺達を狙うようになった、『機関』のファーストナンバー達は執拗に瑞穂を狙った。
身体能力の高いファーストナンバーは瑞穂でもそう簡単には殺せなかった。
そして、ついに俺は瑞穂を庇って死んだ、と思いきや、瑞穂の能力が開眼し、その能力で刀に取り込まれた。

俺が居なくなった組織は自然にバラバラになり、そこを『機関』に叩かれ壊滅した。
俺を仕留めたと思った『機関』はそれきり俺達を襲うことはなかった。
だが、これでは意味がなかった、俺と瑞穂は二人合わせて『機械仕掛けの神』なのだ、片方が欠けてればただの異能力者だ。
数年が経ち俺達は機関が俺達を狙わないのをいいことに情報収集をしながら反撃の機会を待っていた。
まだ、俺達は狙われないはずだった・・・・・・
13籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/05/24(土) 14:22:04 0
>>274
「ぇ、あ いや大丈夫ですよ OKOK!
傷じゃなくて筋肉痛ってだけで…
あ、えと are you…
じゃない! 普通に喋れただろうが!」

何を慌ててあるのか分からないが、桐北は急に英語を交ぜてきた、私が外人だと言うことが分かり日本語じゃまずいと思ったのだろうか?
少し咳払いした後、今度は普通の日本語で話し出した。

「失礼しました… え〜っと、それって情報への見返りの交渉って事でいいですか?
でしたら一つ条件があります
……何か服持ってきてください。こんな格好いつまでもしたくないですし…」

明らかに視線が外に向いている、逃げたいのか、やれやれ警戒は解けずじまいか。
ここで脅してもいいが、どうしてもそういう気分にはなれなかった。
私はそこら中にある薬品や包帯を片っ端から持ち、ちょうどそこにあった大きなバッグに入れた。

「共に戦えれば心強いと思ったが、君が私を信用しないならしょうがない。
ここで私達は失礼する、それと筋肉痛ならよくマッサージをして、よく寝ることだな、またすぐに運動すると壊すぞ」

私はバッグを担ぎ、天之尾羽張をついでに入れようとする、するといきなり

「お前が知ってるかは分からないが、この戦いは『機関』が仕組んだものだ、だからこの戦いを終わらすには『機関』のトップと幹部を何人か殺さなければならない」

「たった二人じゃ無理だろ?だから、俺達は『機関』の目的から潰す事にしている、『機関』の目的はヤハウェという能力者、あり得ないとは思うが、もし見つけたら教えてくれねぇかな?治療費としては安いもんだろ?」

「すぐに殺しに行くからさ」

師匠は怒りと憎しみをこめた声色で言う、この時の師匠の声はあまり好きではない。
桐北は何か複雑そうな表情をしている、何者かも分からない刀にこのような突拍子もないことを言われたのだ、当然か。

「何のことか分からなかったら気にしないでくれ、もし次に戦場であったらその時は共に戦えたら嬉しいな」

優しく微笑みそう言うと、天之尾羽張をバッグに入れ、私は踵を返して廃校から出る。
しかし、家のない私は行くあてもなく街を彷徨うことになる。
14籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/05/24(土) 14:23:52 0
>>13
「どうしましょうか?何処かで野宿とかできないでしょうか?」

「そうだなぁ・・・・・・というか、お前はなんで廃校から出てきたんだ?あそこならベッドもあるし野宿には適しているだろ」

それはもっともだが、私が居ると桐北は逃げるだろうから、少し安静にしてあげたかったのだ。
夜の街を少しの間歩いていると先の曲がり角から話し声が聞こえてくる。
少し覗いてみると、人が三人いて、皆座り込んで一人が何かを話しているみたいだ。

「瑞穂、少し立ち聞きさせて貰おうぜ、こんな夜中に話してるんだ、なんか面白そうじゃないか」
「やめましょうよ、立ち聞きなんて趣味の悪い、早く野宿出来るところを探しますよ」

踵を返そうとしたその時私の耳に不穏な単語が聞こえてきた。
『機関』『城栄金剛』『ヤハウェ』
まさかこんな場所でこのような言葉が聞けるとは、『機関』の人物か、それとも敵対している人物か、分からないが聞く価値は十分にある。

「決定だ、ちょっとばかし聞いていくぞ」
「そうですね、何かいい話が聞けそうです」

小声で言い、私は相手に見えないよう体を隠し、その話に耳を傾ける。
もしも気付かれたら分が悪いがとても重要な事が聞けそうなチャンスだ、逃す手はない。

【籐堂院瑞穂:戦場ヶ原の話を盗み聞き ばれるかばれないかはお好きにどうぞ】
15七重 凌司 ◆Wg8HeG5HhI :2008/05/24(土) 16:44:05 0
前スレ >245-246 >272 >296-297
顔を朱に染めた廻間と、桜と呼ばれた少女
二人が仲良くまぐわうのを横目として、
脛の痛みに眉を引き攣らせながら、身を起こす七重である
鍛えられているとは言え、骨身への不意打ちは、尋常の苦痛ではない

さてもその傍ら、カレーに手を付けた白黒青年が、
総身の毛を逆立てて、呻きもがく
しばらくはそうしていたが、突然に彼の右手が離れて宙を飛び、
水の入ったコップを掴むと、己の本体の方へ引き寄せた
そして無事、青年は清浄なる水の恩恵を受けて、口の中の穢れを祓い鎮めた
その光景を見て、先の瓶を落としたタネを、七重はようやく察知した

>「な、七重…だったよな……アンタ、味覚の殺人兵器でも作ってるのか…?
 寧ろ異能力、いや胃能力だ…これは…」

青年の問いかけに対し、七重は己に配分したカレーを一口いただくと、
真顔にて「カレーだ」と返答する
ここだけはどうしても譲らないつもりらしい
しかし、これが本当にただのカレーならば、二人も被害者がでる道理は無いはずである

場の雰囲気が少しく静まった後、
桜少女は、己の身に起きた事の顛末を話し始めた
要は下校中に誘拐されて、その後は何がなにやらよくわからない、という、
どうにも曖昧として頼りない内容であった
しかし、その話の中にあった『機関』という単語だけは、七重の興味を惹いた
とはいっても、話下手の七重のことであるから、
特に疑問を発することもなく、黙するのみであった

さて。日も大分落ちてきた、というよりは殆んど夜になりかけている
いたいけな女学生が一人で歩くには、少々危険な時間帯であろう
もっとも桜少女においては、既に危険すぎるほど危険な目に遭っている
そこで七重は気を利かせて、

「家まで送るか」

とは声をかけたが、言われた方の桜少女は、
小汚い七重の風貌を気に召さなかったらしく、
車に轢かれたドブネズミを見るような視線を投げかけた

「送ってやれ」

しばしの空白の後、七重はそう廻間に言いつけた
16神重 智&敬 ◆6eLTPQTFGA :2008/05/24(土) 18:23:22 0
前スレ>>287
―――謎の部屋にて
「ここは…?私は…どうなったんだ…」
智の目が覚める。周りは見たことの無いような西洋の雰囲気を思わせるような部屋だ。
そして西洋の雰囲気には不釣合いな巨大スクリーン
「やっと起きたか。兄弟。」
不意の声に驚いて辺りを見渡す。そこには――私がいた。
とはいえ、眼鏡を外し髪を逆立てているから一瞬自分とはわからなかった…。
「お前は…お前が…もう一人の私というわけか。」
「その通り、やっとあえたなぁ…。」
男は…いや、敬は言う。
「ここはどこだ?」
「俺とお前の精神世界。いうならば心の中だな。
 俺はずっとこの中にいたんだよ。長束の話を聞くまでずっと寝ていたがな。」
「……。だったら、外の…いや現実の私の体はどうなっている。」
気になっていたことを聞く。すると敬は笑いながら言う。
「心配すんじゃねえよ。お前の意識がなくなった時から俺が制御して
 今は…宗方だったか?あいつの家だか事務所だかにいるよ」
聞いて私は安心と同時に宗方のことを思い出した。
探偵で、私に協力を求めてきた男――その男の事務所にいるというのだ。
「だったら私が目覚めた今、体の制御権を返してもらおうか――敬」
その名を呼ぶことに少し抵抗を感じたが、それがもう一人の私の名前だ。
だが……。
「おいおい冗談言うなよ、俺はお前のためを思って体を制御してるんだ。
 こいつの出方が分かるまで返すわけにはいかねえ。」

「なっ…!」
「まあ安心しな。外の様子はこれで分かる。」
そういって巨大スクリーンを指差す。そこには…確かに現実の物と思われる部屋と…
宗方が移っていた。
「じゃあ、俺は奴と交渉する。何かあったらまた来てやるよ。
 それに外の音も聞こえるし俺との会話もできる。
 しばらくそこにいな。」
そう言って、敬は消えてしまった。
「どうしろというのだ…私に…」

現実世界――
「アールグレイだ、茶菓子はないが飲んでくれ」
伯爵紅茶とも言われる紅茶を勧められて、俺はそれを飲むことにした。
「昔関わってたある事件で・・・あんたと同じ特性を持った人間を見たことが…ある」
…どうやら、演技は失敗に終わったようだ。まぁ当然といえば当然か…。

「あんたとは初対面だな、神重敬さん。二重人格者で能力者というのは初めてだが」
ふん…元々俺たちは一つの能力しかもっていない…。
「″先生≠フほうの神重は元気か?元気なら二人揃って聞いてくれ」
(だとよ…神重先生)
(………)

長束誠一郎は桐北と池上を争わせ、どちらかが生き残ることを期待している事。
そしてそれがゲームの目的ではないか?という事。
だが、宗方はその試みを潰してゲームを強制終了させるつもりがあり、
それに長束が許せない事──話の内容はこうだった。

「だから協力を申し出た、先生のほうの神重に」
(お前がメールを送ってたのは、これだったわけか?)
(そうだ、悪いか?)
(別に…。)
17神重 智&敬 ◆6eLTPQTFGA :2008/05/24(土) 18:26:45 0
「ここまでが″先生≠烽、一人の神重に伝えたことだ」
「だが私は改めて″あんた=@神重敬に、いや″あんたたち≠ノ協力を申し入れたい──」
(おいおい、どうする?俺たちは協力を申し込まれてるぜ)
(私は協力するつもりだ。当然だろう)
(そう簡単に決めんなよ。大事だぜ?こーいうことは)

「この戦いを起こした機関の高位能力者、城栄金剛を倒したい」
宗方は言う。それがどれだけ難しいことかは本人も分かっているだろう。
(馬鹿な…!?それがどれだけ実現が難しいか分からないのか…?)
(いいじゃねえか…高位能力者…ゾクゾクするね)
(お前もお前だ。今私達に不足している物がわからないのか!?)
(俺をあんまり馬鹿にするなよ…それくらいわかってるさ。それは――)

「闘争への招待状だ、あんた──神重敬を味方にするにはそれしかないだろう?」

「改めて言う。頼む、協力してくれ。」

「足りない…。」
不審げな顔をして宗方はこちらに目を向ける。
「今の俺たちに足りないもの…。それは――

「力が足りない」
「数が足りない」

!?
これは敬にも驚かざるを得なかった、智の声が自分の声とリンクして
現実世界に同時に放たれたのだから。
宗方は、同時に聞こえたため、何を言ったかわからないようだ…。
仕方ない…制御権を一時的に渡すか…。

「…!?ここは…現実か。
宗方…だったな。私だ、神重だ」
声のトーンの違いに気づいたかどうかは分からないが、智は続ける
「私が言った意見。それは…数が足りないということ。
 私と貴方が組んだところで、恐らく城栄に会うどころか…
 途中で力尽きるのがオチだろう。だから数を揃える必要がある。
 多ければ多いほどいいのだが…。」
言い終わったところで制御権が敬に移る。
「俺が言った意見。それは…力が足りないということ。
 智の言うことも一理あるが、所詮寄せ集め…数がいてもたかがしれる。
 とにかく力があるやつを少数揃える、それが俺の意見だ。」

「それと…」
まだ何かあるのかとでも言いたげな宗方に、敬は言う
「俺は…お前の正確な強さを見ていない。智が見たかもしれないが・・・。
 この眼で見るまでは信じることができない。お前が強いか弱いか。
あんたと手合わせ願いたいもんだが…。」
(敬…一体何をするつもりだ!?)
(言葉の通りだ…戦って、見極める。弱い奴と組む意味はないからな。)
(………)
(出方次第によっちゃ交渉決裂ってのもあるかもしれねえだろ?)
(好きにしろ…)

【神重:智の意識回復。体の支配権は未だ敬
     敬が宗方に手合わせを申し入れる、 受けるかどうかはお任せします】
18永瀬 翠 ◆8jReFpEj4s :2008/05/24(土) 21:38:14 O

――目を開けて数秒、翠の視界はまた白く塗りつぶされていた。


だが、別に潰れたままと言うわけでも、ここが死後の世界というわけでも無いらしい。

白い壁に白い天井、白いナース服。そしてそれらに反射する蛍光灯の光が、純白の世界の正体だった。ここは…病院だ。

「あら…漸くお目覚め?」
翠の気配を認め、看護師が振り返る。
焦げ茶の髪を束ねた、20才前後の女性だ。
胸のネームプレートには『香坂』とある。

「……織重(オリエ)ちゃ…」
「喋るな。まだ終わって無いの」

織重と呼ばれた看護師は、手にした長い棒を翠に向ける。
薙刀…否、巨大なメスである。

「痛むよ」
言うが早いか、織重は手にした大メスを、横たわる翠に一気に降り下ろした。

再び鳩尾に激痛が走る。
だが、翠の体には傷一つ付かない。むしろ、先程から感じていた、息をする度の痛みが一瞬で消えた。

「…すっごーい、流石は『切断再帰』の織重ちゃん!やっぱ"二桁"は違うよねぇー」
「三つやめて。その二つ名と、語尾の伸ばし。あとちゃん付け」
「えぇー、良いじゃん何でー?同じシナゴーグで育った仲じゃないですかぁー」

織重はそれには答えずに、再び翠に背を向ける。

「アタシの事よりあんた、NO.6に感謝しなね?助かったの、殆どあの人のお陰なんだから」
「え…おじさまの?」
「手、見てみな」

そう言われて初めて、自分の左手が固く握られているのに気が付く。
上に掲げ、開いてみると、何かがパサリと顔に落ちて来た。

「…ハンカチ?」
しわくちゃになってはいるが、それはまさしくレオーネのハンカチであった。
端に縫われた彼のイニシャルが、それを物語っている。

「凄い剣幕だったんだってさ、あんたを運ばせる時。それで本部もビビっちゃって、急遽アタシが呼ばれたってわけ」
「…うん、分かった。ありがとー」

ハンカチの皺を広げ、眺める。
「ありがとー、おじさま」
広げた布地から、香水が仄かに香った。
19永瀬 翠 ◆8jReFpEj4s :2008/05/24(土) 21:47:06 O
夜の帳は既に落ち、街は静けさに包まれていた。
冷たい空気が、翠の傷付いた肺を突き刺す。

まだ完全には治っていないらしい。激しく動けば、今度こそ確実に死ぬ、と織重にきつく言われた。

そしてもう一つ、『フツーの女子高生気取るなら、機連送くらいマメにチェックしな』とも。

「あはは、痛いとこ突かれちゃったなぁー。ま、もっともなんですけどねぇー…」

機関からのメールは2通来ていた。

一つは何の不思議も無いただの通達。実験体の補充を急かす内容だった。

そしてもう一つ、件名に『緊急連絡』と記されているそのメールを、翠は何気なく開いた。

『―緊急連絡―
上層部の指令によって、本日AM4:00よりNO.50―99、及び虐殺部隊第一から三隊を貮名市に投入
同市にて一般異能者に扮し任務に当たっている構成員は注意されたし』

それは、本格的な『狩り』の報せだった。

「いよいよ本気になって来た、って事ですかぁー?
復活した途端にこれだもんな、休む暇ないよぉー」
愚痴を言いつつ、その顔はまたもや明るくなる。

大きく深呼吸する。胸を刺す痛みも、今は興奮を押さえるのに丁度良い。
「さぁ、行っちゃいますか!!」
意気揚々と駆け出…そうとして、翠は織重の言葉を思い出し、穏やかに歩き出した…。


香坂織重は迷っていた。
あの事を永瀬翠に伝えるべきか、伝えぬべきかの狭間で。

確かに、彼女はもう一人前の刺客だ。分別もついているし、大体あんな幼い頃の事を覚えているかも疑問だ。

だが、もし覚えていたとしたら…?
そう思うと、織重はどうしようも無く怖くなる。

『塚原ひかるの所在が分かった』と、彼女に伝える事が怖くなる。

それを知ったら、翠はどうするだろうか。
織重の脳裏に、何時かの声が蘇る。

『ひかるちゃんが…ウソついたよぉ…。』
『約束したのに…どっかにいっちゃったよぉ…。』
『何で…なんで…?』

『……翠、ぜったい許さないから』

「言えないわよ…。あの娘昔っからああなんだからさ、何するか…」
織重は一人、深く深く溜め息をついた。


【機関傘下の病院にて復活。再び行動開始。後遺症により激しく動けない体になる】
【現在時刻:二日目深夜2:00頃】
20戦場ヶ原の回想:2008/05/24(土) 22:11:05 0
「…行ってくる。」

「うん、行ってらっしゃい、ゴンちゃん。気をつけてね。」

朝。金剛に新たな任務の依頼を受けた山田は、滴に見送られ『家』を後にする。滴は彼がどんな仕事をしているのか、どこに行くのか、まったく知らされていない。
だが、彼女はそれを知ってはいけないことだと、自分が知ったところで彼のためになることは何一つないと理解した上で、敢えて彼に訊くこともせずに今日も笑顔で彼を見送る。
そんな彼女の笑顔は、毎日死地に赴く山田に希望を抱かせてくれる。この笑顔のために、俺は死ねない―――。そんな思いにさせてくれた。

数時間後、山田は部下たちとともにスラム街近くのダウンタウンを疾駆していた。
「旦那、今日の任務の、『ヤハウェケースbQを確保せよ』ってなんなんすかね?標的は人間らしいっすけど、なんのためにそんなことわざわざ…」
「…うるせぇぞ。俺たちはんなこと知らなくたっていいんだよ。黙って働け。」
無駄口を叩く部下を山田は諌める。今日の目的はそう、『ヤハウェケースbQ』と呼ばれる人物の拉致、もしくは抹消である。
標的が何であろうと山田ら末端の戦闘員には何の関係もない。ただ淡々と与えられた仕事をこなせば、相応の報酬が与えられる。それがプロだ。
・・・だがそんな山田も、今日ばかりは『上』の連中のいつもとは違う様子に多少の違和感を感じていた。
(虐殺部隊全隊投入に加えてセカンドナンバー級の幹部も投入されている。・・・それに何よりも――。)
山田が振り返ると、はるか後方に黒塗りのリムジンがわがもの顔で山田たちについてきているのが見えた。
(金剛サン―――最高責任者自らが出張ってくるほどの標的とは、いったい何だ・・・?)
山田は任務内容に一抹の疑念を抱きながらも、淡々と目的地へと向かった。
その疑念が、現実のものとなることを知らずに―――…


「おい・・・・、これはどういうことだ。」

目的地に到着した山田が漏らした言葉には、理解出来ない怒りが静かに込められていた。
『ヤハウェケース2の反応を補足。作戦行動に移ってください。』
オペレータの声が無機質に響く。山田が戸惑うのも当然だ。目的地と呼ばれたその場所は、彼の『帰るべき場所』―――スラムの孤児キャンプだったからだ。

「いやァー、まったく俺様は運がいい!」

金剛の上機嫌な声が山田の背後から高らかに響く。
「俺のプロジェクトに必要不可欠な素材がこんな近くに転がっているなんてなァ!」
金剛が嬉しそうに語るその傍で、山田はただ茫然と自分の帰る場所を見つめていた。

「『ヤハウェケースbQ』・・・天音 滴。こいつの『コード』が今日の目的だ。捕縛出来ないなら殺しちまっても構わん!」

滴の名前が出て、山田は堪え切れずに金剛に掴みかかる。

「これは…これはどういうことだッ!!金剛サンっ!!!」

しかし、その手は金剛に届く前に側近のSPによって阻まれた。
「滴は・・・俺の『家族』だッ!!あんたは約束したはずだ!!俺が機関を裏切らない限り、家族の安全を保障するとッ!!」
「あァ…確かにそれを条件にお前と契約を交わした…。だがな。」
金剛が合図すると、虐殺部隊や機関の黒スーツたちがそのみすぼらしいテントの集合体にどんどん群がっていく。
「!!…おい貴様らァッ!!やめろ!!」
山田が自分の部下たちを止めようと彼らに掴みかかろうとした―――その時だ。

 ド ン ッ

耳をつんざく轟音とともに吹き飛ぶ機関の兵隊たち。その中心は光に包まれている。
「!!?」状況が呑み込めない山田は、その光景にただ茫然とするしかなかった。その背後から、金剛の静かな声が山田に問いかけた。

「『あれ』は―――本当にお前の『家族』なのか?」

光の中心が姿を現した。まばゆい光に包まれたその姿には、山田がよく見慣れた優しい笑顔があった。

「・・・滴・・・・?」

21戦場ヶ原の回想 ◆u5ul7E0APg :2008/05/24(土) 22:11:34 0
『ヤハウェケースbQ天音滴、クラス2の覚醒を確認。戦闘員は、レヴェル7の戦闘態勢配備につけ。』
オペレータの無機質な声が戦闘員たちの耳に届くと、閑散とした孤児キャンプは一転、凄惨な戦場と化した。
「天音 滴。コードネーム『災骸嗜虐(ネクロフィリア)』。なるほど…こいつァ想像以上だ。」
金剛は感心した口調で呟いた。山田には理解が及ばなかった。
自分の愛する女性を殺せと言われたかと思えば、その女性が異能力を覚醒させて機関の戦闘員たちをゴミのように蹴散らしてゆく。
「あれがあの女の本当の姿よ。山田ァ!お前はあの女のことを、どれだけ知ってるってんだ?」
「・・・・・・。」
「家族だ絆だと口で言ったとて!相手に遠慮して本当のことも言えず、訊くことも出来なかったんじゃあねェのか!?」
「・・・・・・ッ!!」

「んなもんはなァ!『家族』とは言わねェんだよ!!」

金剛の口から出た正論に、山田は一言も反論することができなかった。
その通りだ。彼は彼女のことを何も知らない。どこから来たのか、なぜここにいるのか。スラムの中で出会い、一緒にいるうちに情が移ったにすぎないのだから。
――俺は、滴のことを何も知らない・…。

山田がそうしているうちに、金剛は動き出す。
右手の手袋を外し、能力を発動させると、彼の周りに光で書かれた数式が浮かび上がる。
数式はみるみるうちに広がり、滴の身体をすっぽりと包んでしまった。
「・・・お前には、俺の崇高なる計画の礎となってもらうぜ…!」
金剛の能力に包まれた滴の体からはみるみるうちに能力が消えてゆき、その意識すらも奪い去ってしまう。
「!!」
我に帰った山田はその光景を見るなり、無意識に駆け出していた。
「やめろ…。やめろぉぉぉおおおおおおお!!!!」
しかし金剛はそんな山田の悲痛の叫びも聞こえないかのように、眼の前の作業を淡々と進めていく。
「おおおおおおおお!!!」
『地核招来』――山田はその二つ名の由来となる能力を発現させた。左手に生み出した黒球を地面に叩き込み、岩盤を叩き割って金剛へ攻撃したのだ。
「・・・・。」
だが岩盤は金剛のもとへ届く前に、融けるように『分解』され、まるでコンピュータのプログラムコードのような『数式』となって金剛の身体の周りを舞う。

「・・・『フラームスの歪関数』」

金剛がぽつりとつぶやくと、彼の纏う数式が一瞬にして山田を包むまでにひろがり、彼の体に刻みつけられていく。
「がッ…がはぁあああああッ!!!?」
次の瞬間、山田の能力が歪曲され、彼自身に襲いかかっていた。
山田が自らの能力に苛まれている目の前で、金剛は躊躇うことなくその左手で眼の前の滴の身体を――――貫いた。
「!!!!」
「フンッ!!」
金剛がその手を勢いよく引くと、彼女の体からまた別の『数式』が形となって『引きずり出された』。
用の済んだ彼女の肉体はゴミのように打ち捨てられ、山田はすぐさま彼女のもとに駆け寄った。
山田に抱きかかえられた彼女は、まだかすかに残る意識を振り絞り、声にもならない声で、山田に最期の言葉を贈った。
「・・・・ご・・・・・め・・・・・ん・・・・・・・・ね・・・・・・。」
直後。彼女の顔から表情が消えた。あの華のような美しい笑顔を、彼女はもう見せてはくれない。
山田は泣いた。
そして嗚咽にまみれた声で、金剛に叫んでいた。

「なぜだ・・・・。なぜなんだ・・・・・、金剛サンッ!!!」

ことを済ませ、満足げな笑みを浮かべていた金剛は、山田に対し、まるで興味もなさげに言い捨てた。

「…すべてはお前が『弱い』からだよ。山田権六。」

「意志を通したいのなら力を示せ。俺を斃してみせろ!!
 …いいか山田権六。この世界はな・・・『闘い』なんだよッ!!
 結果が全てを物語る!強い者の道理が通り、弱い者はただ虐げられる!!
 この女を殺したくない…そう思う資格は、お前には無いんだよ。なぜならお前は…弱いからだ。」

金剛は言い切ると、無造作に右手を赤髪の男に向け、手を開いた。その瞬間。
山田の記憶は、ここで途切れた。
22戦場ヶ原 天 ◆u5ul7E0APg :2008/05/24(土) 22:27:08 0
>>21-22
昔話が終わったころには、すでに時計は深夜0時を指していた。
池上とリンに向けて自分の過去を語り終えた戦場ヶ原は一息つき、説明を付け加えた。

「…これが俺と奴――城栄金剛との因縁だ。奴の目的も能力も結局未だに分からねぇ。
 ただ、『ヤハウェ』とかいう種類の人間から『何か』を集めている…。
 そして更に大きな目的のために動いている。
 無駄な行動は一切しない。目的のためなら手段を選ばない。
 それだけは言える。・・・奴は、そういう男だ。」

奴のことを思い出せば、たった今あの男に言われた一言が胸に突き刺さる。
(それからえーと・・・山田・・・権六だっけか)
金剛は自分のことなど忘れていた。あれほどの凄惨な光景を自分に植え付けながらも…!
そうした悔しさが、戦場ヶ原の行き場のない怒りを燃え上がらせる。
だが、自分の体に刻みつけられた金剛の呪印のような数式の数々が、その復讐が無意味であることを戦場ヶ原に悟らせようとしているようにさえ見えた。

【戦場ヶ原:池上・リン・(籐堂院)に対して過去を語り終える。】
【籐堂院の存在には気付いていない。】
機関の貳名市地区本部へ到着すると、何やら構成員達が慌しく動いている。
私の姿を見つけて応対した者に話を聞くと、私をこの街へ招待した友人―――
即ち、No.1が幹部のセカンドナンバーと虐殺部隊の投入を決定したという。
彼はどうも、街の異能者の数を半分まで絞り込みたい考えのようだ。
それも今から一日以内に。……溜め息が出た。
奴とは機関に入った時からの親友だが、どうも行動派過ぎる。
思った事を直ぐに実行する傾向が在った。……まぁ、それが彼の良い所でも在るのだが。
……同時に嫌な奴がこの街へお忍びでやって来ている事も聞いた。
この施設に居るようだが……。私は足早に応接室へと向った。

応接室前に着くと、中から嫌な感覚が滲み漏れてくる。
間違いない、あの女だ。私はドアノブを掴むと勢い良く扉を開けた。
中には観葉植物と豪奢なソファが置いてあり、そのソファの上で女が寛いでいた。
日本の巫女が着る羽織の下に赤いネクタイを締め、袴は腿の部分で途切れた妖艶な―――。
いや、訂正しよう。妖艶というより奇抜といった格好の服装をしている。
加えて、薄い紫の口紅と目の下の隈は、見る者に不健康な印象を与える。
こんな外見を見間違える筈も無い、この女は―――。

「No.5……!」

―――『No.5』 外道院 柚鬼(ゆき)

この女は私でさえ胸糞悪くなる下衆だ。
まず、彼女は幹部の中でも世襲幹部と呼ばれる機関の要職を担うポストに在る。
要職というのは組織内粛清を目的とした部隊の統轄だ。
そもそも、外道院家は以前は高名な巫女の家柄だそうだが、
大昔に権力闘争で敗れ、千年近くも日陰者として細々と受け継がれてきた。

その間に憎悪を溜め込み、表に返り咲くという目的が薄らいで行き、今では完全に闇の住人と成り果てたらしい。
外道院自体も下衆だが、臣下である部隊の連中も下衆揃いだ。
一般人を巻き込み、略奪や強姦は当たり前。連中は別段気にも留めない。
外道院も9歳になる少年を犯して殺害した後、局部を切り取って親元へ送りつけた事も在る。
人間、外見に騙されてはいけないと言う良い例である。
ともかく、そんな性質であるから彼女は配下諸共機関の中では嫌われ者だ。
私も出来る事なら話しかけたくない。
「なんじゃ、誰かと思えばロンバルディー二か」

流石に無反応という訳にもいかない。外道院に軽く会釈をした。
以前聞いた話だが、彼女の言葉は大昔に日本の貴族が使っていた言葉らしい。
道理で異国の者には聞き取り辛い話し方だ。

「ナンバーで呼べと言われているだろう、No.5」

言葉を返すと、外道院は"おやまぁ。それは失礼"と薄ら笑いを浮かべて謝った。
ソファに座り 彼女の前で足を組む。

「それにしても若くて羨ましいのぅ。肌も綺麗で美しい……。
 妾(わらわ)など、……ほら、目元に小じわが―――」

そう言って目を指差して強調するが、如何しても皺ではなく目元の隈に目が行ってしまう。

「世辞は良い。君が何故ここに?
 No.1に呼ばれたのか?」

「そうじゃ。…という事は、No.6もあのメールを受取ったという事か」

彼女の問いに無言で肯くと、外道院は溜め息をついた。

「祭りというからに、大層盛大な祭りかと思いきや……。
 これでは祇園の祭りには遠く及ばんのう。
 どれ。妾が遊びがてらに、盛り上げてやるとするかのう」

この女が遊ぶというのなら能力を使う筈だ。
外道院は人間性も最悪だが、能力も最悪なのだ。
彼女の能力は半径二キロの生物を腐らせる能力―――。
この女の事だ、一般人を巻き込む事を躊躇せずに発動させるだろう。

「私はこれから煌神リンを確保しに行く。
 君が何をしようと勝手だ、好きにするといい。
 ……だが、邪魔だけはするな」

煌神リンをこの女の手に渡す事だけは避けたい。
仮にリンを外道院が見つけたと成ると、間違いなくこの女はリンを殺す。
それも、ただ殺すのではなく時間を掛けて嬲りながら、
心の片隅まで彼女を破壊し尽くすだろう。
それだけは防がなければならない。

―――私は頭を抱え、友人の城栄を軽く恨んだ。

【レオーネ:現在地 機関アジト】
【機関関係者に『No.5』外道院 柚鬼(NPC)が貳名市入りした事が知らされる】
25池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/05/25(日) 00:28:12 0
前スレ292,294>>20>>21
『・・・奴は…奴は人間じゃねぇ…!!』

この言葉から、山田の話は始まった。
『機関』に所属していた頃は『天音 滴』という女性を愛していたこと。
当時はNo.2と呼ばれていた『城栄 金剛』の部下であったこと。
そして城栄 金剛に最愛の女性を奪われたこと……。

話の終わりを、山田はこう締めくくった。

>「…これが俺と奴――城栄金剛との因縁だ。奴の目的も能力も結局未だに分からねぇ。
> ただ、『ヤハウェ』とかいう種類の人間から『何か』を集めている…。
> そして更に大きな目的のために動いている。
> 無駄な行動は一切しない。目的のためなら手段を選ばない。
> それだけは言える。・・・奴は、そういう男だ。」
この話が事実であれば、山田が『最強』という肩書きに拘っていた理由も、
城栄 金剛に拘っていた理由もつじつまが合う。
しかし、やはり俺が気になっていたのは城栄 金剛のことだった。
(『ヤハウェ』と称される異能者から『何』かを集めているという話だが……)

しばらく頭でいくつかの推測を立ててみたところで、俺は考えるのを止めた。
結局のところ、俺も山田と同様まだ城栄についてのことは何も知らないのと同然なのだ。
ここで必死に頭を捻って推論を並べても、何の意味も無い。
それに奴の目的がどうあれ、こちらの目的には何の変更もないのだから。

山田は、恐らく過去を回帰したことで再びその時の怒りを蘇らせたのであろう、
唇を強くかみ締めていた。
俺はそんな山田に向かって、平然として言い放った。

「三年越しの復讐、叶わず──か。結果として見れば、この三年は正に無駄な日々だったわけだな。
しかし気を落とすことはない。お前が思っていた以上に、あの男が化物だったということなのだろう。
……先程も、恐らくあの男は実力の半分も……いや、三割も出しておるまい」

俺達の能力を封印した力、それは紛れも無く奴自身の異能力によるものだ。
しかし俺達を圧倒したあの力は、奴自身の純粋な身体的能力のみであると言っていい。
実力の三割……というのも俺の勝手な希望的観測であるのかもしれない。
つまり結局のところ、奴の実力には全く計り知れないのだ。
26池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/05/25(日) 00:32:53 0
が……こんな絶望感がいつ心を支配してもおかしくはない雰囲気が漂う中、
俺の心は意外と冷静を保っていた。表情からは、何か余裕すら感じ取れる。
俺は腰を下ろしていた場所から立ち上がり、再び山田に言った。

「まぁ、奴が如何に強大でも、奴を始末するという俺の気に変わりはない。
何時間かすれば封印も解けるようだし、これからも俺は勝手にやらせてもらう。
お前も……いや、お前らも後は勝手にするんだな」

視線を山田と煌神 リンに交互に持っていき、
ひとしきり二人を眺めると、くるりと向きを変えて自宅へと視線を合わせた。
──だがその視線の端で、俺は角の街灯に照らし出された人影に気付くのだった。

「……また深夜の客か」

ぽつりと呟いた俺の言葉に、二人も人影に気付いたようだった。
ただの通行人であれば問題は無いだろう。仮に異能者であっても、
こちらは異能力が使えないので、敵意を見せなければ誤魔化すこともできるかもしれない。
しかし……相手が俺と同じく『異能力自体』を察知する力を持っているとすれば……。

俺は人影に視線を向け続ける二人に目をやった。
やはり二人も、あの人影が異能者のものであったら……
という事態を嫌でも想定しているようだった。

「……とりあえず、こちらから攻撃は仕掛けないに一票。……お前らは?」

俺は、敢えて二人に意見を求めるよう呟いた。

【池上 燐介:籐堂院瑞穂の存在に気付く】
27煌神 リン ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/25(日) 05:35:06 0
「リン…お前は――優しいな。」
戦場ヶ原の手が、リンの髪を撫でる。

リンはただ泣く事しかできない。
しかしリンに関係なく話は進む、それは三年前の話
まだ戦場ヶ原が、機関にいた頃の話。

「機関…やっぱりお兄ちゃんはそこに…」
リンは独り言を呟いた、
リンの兄は、昔小さい頃生き別れた。
詳しい事は、よくわからないがリンの兄はおまえの為だとかいっていた。


しかし二人には聞こえていなかっただろう。

池上が何かをいっているが、あまり耳に入っていなかった。


最後の言葉以外は、深夜の客、それはきっと敵のことだ。
自分から攻撃してもしょうがない、だけだが相手が機関の人間だった場合話し合いも通じない。
だからと言ってこんな体で、攻撃を仕掛けてもしょうがない。

「私も攻撃を仕掛けないに一票です」

【煌神:籐堂院瑞穂の存在に気付き攻撃しないに一票】
28 ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/25(日) 06:05:04 0
>>24
「ん〜あっれ〜レオ―ネじゃん、どうしたんだ?」
レオ―ネが金剛をうらんでいるとき、真っ赤に燃えるような赤髪の男が、応接室に入ってくる。

「ははっ、なんかここ機関の幹部だらけだな。」
この男の名前はツバサ=ライマースだ、この男は何を隠そう機関のナンバー2
だが…この男に貫禄もあったものではない。

「おう、なんじゃおぬしも来ておったのか。」
外道院もこの男の来訪は知らなかったようだ。
「まぁねん〜俺は任務じゃねぇけど。」
そう言ってから、レオ-ネに話し掛ける。
「じゃ、レオーネ頑張ってこいよ〜リンのところ行くんだろ?」
ツバサは、昔からの親友がカブトムシを採りに行くときのような感覚で言う、
レオーネなら殺さないだろうし、ましてや、外道院のように強姦の心配もない。

この男は、自分の興味範囲外のことはどう出もいい男だ、だから外道院とも普通に話ができる。
実際、外道院が、何処で強姦しようが、その部下が何をしようが知った事じゃない。
だが、この男は過保護なのだ、もし外道院が能力を発動し、一般人を巻き込んでもなんとも思わない、
しかし、自分の妹がそこにいるなら話は別だ、きっと切れるむしろ殺してしまうかもしれない。

それだけこの男は、妹に過保護なのだ。
「そうえばさっき金剛に会ったんだが、リンとかその他二名その場にいるやつを封印したらしいぞ。」
ツバサは先ほどおこった事をレオーネに説明する。

「ってことがあったわけ、無論金剛に切れたがな」
当然と付け加えるツバサ、仮にもナンバー1に対してその態度は普通はありえない。
【機関関係者には幹部以外ツバサ=ライマースが貳名市入りした事が伝わってない】
29若宮こよみ ◆P1wJYx92Ts :2008/05/25(日) 10:39:49 O
>>11
長束誠一郎には他の異能者と決定的に違うところがある。それは異能力を持ったことを祝福されて育ったことであった。
誠一郎は異能者であることで疎まれたり異能者であることをひたすら隠す経験は皆無であった。彼はそれらが不要な環境で育てられた。
確かに誠一郎を嫌っている長束一族もいるがそれは誠一郎が異能者であることで長束家の次期当主と機関のNo.3の座が確約されたことへの妬みであって異能者であることを疎んだわけではない。

トゥルルルルルル-
誠一郎の眠りを電話の呼び出し音が妨げた。こんな時間に電話をしてくるのはよほど緊急な要件かよほど非常識な人間かのどちらかだ。
誠一郎は受話器をとると残念なことにそれが後者であることに気付いた。
「やっほーっ。誠ちゃん、元気っ?」
「こんな時間に何の用だ。廷玉」
「あらっ誠ちゃん最近ご機嫌ナナメ?」
「お前の声を聞いてからな。用がないなら切るぞ」
「つれないなぁ、せっかくいい話したげようと思ったのにぃ」
電話の相手は誠一郎と対等に喋っており誠一郎もそれを受け入れている彼が能力を認めない限り許されないことである。
「早く本題に入れバカ者」
「ひどいわ、あの頃はあんなに愛しあったのに…」
「切るぞ」
「冗談よ。うちの腐れおんながそっち行ったから」
「No.5が直接動いたのか」
誠一郎は彼女と彼女の部下の非道さを思い浮かべ城栄金剛の深意を推測した。
「部隊ごと動いてるから明日あたりすごいことになりそうね。まとめて潰しちゃってよ」
「実の姉に酷い言い様だな」
「あの腐れおんな好きじゃないのよ。芝居がかった話し方なんかヘドがでるわ。あともうひとつ言いたいことあるの」
「なんだ」
「誠ちゃん、ア・イ・シ・テ・ル」
ガチャ
誠一郎は受話器を置くと屋敷の違和感に気付いた。
「たまにはあいつも役にたつな」
せまりくる暗闇に誠一郎は闘いを予感した。
30籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/05/25(日) 11:18:10 0
>>14
「…これが俺と奴――城栄金剛との因縁だ。奴の目的も能力も結局未だに分からねぇ。
 ただ、『ヤハウェ』とかいう種類の人間から『何か』を集めている…。
 そして更に大きな目的のために動いている。
 無駄な行動は一切しない。目的のためなら手段を選ばない。
 それだけは言える。・・・奴は、そういう男だ。」

実際聞いてみると大した話ではなかった、ただの昔話だ。
私は陰謀とか機密とかそんな感じの事を期待していた。
しかし、話を聞いたところ、この三人は『機関』の敵だという可能性が高い。

「ここを金剛が通ったのか、三人がかりでも倒せないなんて、あの若輩も成長したもんだな」
「城栄金剛と知り合いですか?」
「俺が『機関』を入って五年くらい後に『機関』に来た奴だ、今はNo.1らしいが、昔は俺が鍛えてやったん事もあったんだぜ?」

師匠が自慢げにそう語る、あまり自慢出来ることでもないだろうに。

「まぁ、奴が如何に強大でも、奴を始末するという俺の気に変わりはない。
何時間かすれば封印も解けるようだし、これからも俺は勝手にやらせてもらう。
お前も……いや、お前らも後は勝手にするんだな」

なんとも協調性のかけらもない人だ、これならまだ桐北の方がましだな。

「殺伐としていますね、普通ここは皆で力を合わせて金剛を倒そう、ってなるべき所でしょう」
「封印か・・・・・・瑞穂、多分あいつらは金剛に異能力を封印されている、これはおいしい展開だ」

確かに、もし三人が能力を使えないなら、私が一人勝ち出来る、しかし、相手は敵ではないようだし、こんな所で敵を作りたくはない。
私があれこれ考えている内に三人の視線は私に向いていた、気がつくと体を乗り出していたみたいだ、やれやれ我ながら馬鹿らしい。

「すみません、話聞かせて貰いましたよ、安心して下さい、私は敵じゃありませんから」

両手を挙げながら近づいていく、着物を着ている赤髪の青年に、赤髪の少女に、灰色の長い髪を持った青年、個性的な面子が揃っているようだ。
やはり、異能力を封印されているのは本当らしい、私が出てきても敵意を見せるどころか、少し怯んでいる感じがする。

「私は戦いに来た訳じゃありません、本当の所は力を合わせて金剛を倒さないか?とでも言いたいのですが、貴方達はみるからに協調性がなさそうだ」

三人をざっと見渡す、赤髪の少女に限ってはそんなことなさそうだが、後の二人は無愛想で「俺は俺でやる」みたいなオーラが出ている。

「話は変わりますが、もう真夜中です。
そろそろ私も寝たいのですが寝る場所がさっき燃やされてしまいまして、誰か近くに自宅がある方はいませんか?」

私の言葉で意図が伝わったのか、皆黙り込んでしまった、流石に見ず知らずの人物を自宅に泊めるのは嫌だろうな、そこで私は天之尾羽張を取り出す。

「言わないなら強引に聞くまでですが、ここで殺り合いますか?貴方達が能力を使えれば私など三人がかりで倒せるでしょうが、今はそうもいかないですよね?」

三人とも何故知っていると言わんばかりの表情だ、実に面白い。
少しの沈黙の後、灰色の長髪の青年が後ろの家を指さし

「ここが俺の自宅だ」

と一言、出来るだけ戦いは避けたいみたいだ、この状態では賢明な判断だな。

「では、一晩だけ泊めて貰えないだろうか?別にベッドは使わないし、貴方に迷惑をかけるつもりもない、因みにこれはお願いだ、断ってくれてもいい」

私は満面の笑みで天之尾羽張を青年に突きつけ、そう問いかける。

【籐堂院瑞穂:池上の家に一晩泊めてくれるよう頼む】
31梓川 博之 ◆rEy7LULhaw :2008/05/25(日) 15:35:37 0
>>15 前スレ>>272
俺の問いに対し、七重はカレーを一口食った!

「カレーだ」
いやこれは如何考えてもカレー、いや食べ物じゃありません本当に有難うございました。
と、口に出して反論も出来ないぐらい俺は弱っていた。
つか今普通にそれ食ったよな?この人の舌や胃はどうなってんだ!?

辺りの雰囲気が静まり、音が消える。
すると、女子高生はポツリポツリと話し始める。

―――話を聞いた限りでは有益な情報は特に無く、新しい情報も『機関』の何名かのメンバーがこの戦いに入った事しか無かった。
それにしても洗脳…か。
それ専門の異能者でもいるのだろう。
だが、何故リスクを負ってまで洗脳をしたんだ?
この街の人間――いや、異能者を根絶やしにする為…違うな。
それだとこんな茶番を始めた意味が無い。
その前になんで強い異能者が残るような戦いを始めたんだ?
復讐?殺戮?選別?
意味が分からない。
…クソッ!『機関』の目的は一体何なんだ?

そうだ、目的を知らなくてはいけない。
どうやって知るか。
『機関』に取り入って……駄目だ。時間が掛かり過ぎる。
『機関』に裏切り者はいるだろうし、そいつから……没。同上。
『機関』の下っ端から脅して……一番手っ取り早いが、知ってるかどうか分からないな。そもそもどの程度の人数が入っているのかわからない。
ある程度の情報があるメンバーを屈服させて……出来るかどうか。やるとすれば心当たりは…あの、少女。
名前は聞いたかどうか忘れてしまったが、顔は覚えている。雰囲気も。
…無理っぽいな。出会える確立も低すぎる。
あ〜〜〜〜〜どうする!?
32梓川 博之 ◆rEy7LULhaw :2008/05/25(日) 15:36:39 0

「家まで送るか」
七重のこの一言で俺の脳は現実のほうに目を向けた。
あーすっかり忘れてた。
この子――桜だったか――、そういえばうちの高校の制服着てるんだな。
俺より年下っぽい廻間と同期らしいし…後輩か。
その桜ちゃんはまるで餓死したカラスかスズメを見るような目で七重を見ていた。
「送ってやれ」
視線に気付いたのか、七重が言い換えた。

「…桜ちゃんだったな。君、唯能(いのう)高校の生徒かい?
それなら俺の後輩に当たるし、俺が送ってあげようか…あ、いややっぱりやめとこう。
二人の仲を引き裂くようなことはしない方が良いしなぁ〜なあ廻間君〜?」
親切心を出そうと思ったが、さっき二人がキャッキャウフフしてたのを思い出した。そして腹が立った。
ということで仕返しにおじさんモード発☆動!俺、もうやけくそなんだぜ?

「間違っても襲うんじゃないぞ〜?仮に了承を得たとしても野外で盛るなよ〜?
あーっはははははははぐぁっ!?」
ドゴッ、と良い音がした。かなりの近距離。
…ああ、そうか。俺が殴られた音か…通りで顎が痛いわけだ。
誰が…誰が殴ったんだ?

意外ッ!それは桜ちゃん!
彼女のアッパーカットを食らって俺は意識を手放した…。


【梓川:桜のアッパーカットをくらい気絶?】
【5分くらいは起きないでしょう】
33桐北 修貴 ◆b1QjyOQzMk :2008/05/25(日) 16:11:17 O
「すぐに殺しに行くからさ。」

こちらの目論見がバレ藤堂院さんと剣が立ち去った後も、この最後の言葉が頭の中をぐるぐる回っていた

「あはは…、危ない危ない…」
なんという皮肉か
自分を助け、自分に協力を申し込むつもりだった人の目標が自分の殺害とは
去り際の言葉から機関の者ではないと信じても、残念ながらもう自分は会うわけにはいかないだろう
もし、不用意に情報と共に身の上話なんかしてたらここで死んでいただろう


『死』 …つい先程感じた絶対的恐怖


しばらく経ち、藤堂院さんがいないことを悟ると 両手白くなるほど強く握りしめ近くの壁を殴った

「なんなんだよ…、なんなんだよお前はっ!
何で自分にこんな力を与える!
何で自分の日常を壊す!
何で自分が人に命を狙われる!
何で自分が人を殺さないといけない!
ヤハウェ…! ヤハウェ、ヤハウェ!!
答えろよっ! どうせ見てるんだろ!!!」


それは甘えなのかもしれない
その程度の事と、ほかの誰かに言わせればなんて事ないかもしれない

だが、つい数日前にこの世界に踏み込んだばかりの自分にはとっくに限界を超えていた
憤怒が、悲哀が、苦痛が、恐怖が、絶望が、ただ自分の魂を押し潰し
ひたすらに自らの運命を呪い

気がつくとあの門の前だった
34桐北 修貴 ◆b1QjyOQzMk :2008/05/25(日) 16:14:49 O
>>33

気がつくとあの門の前だった
開きかけだったはずの門は今、完全に開いている
中は絵の具で塗りつぶしたような闇
しかし、全く躊躇もなく中に入った。 自身の心の中、 だからだろうか

中を歩むと円の形に7つの台座があった
そのうち6つにはそれぞれ違う色の宝石が鎮座していたがなぜか1つだけ何も置かれてない台座があった

『それこそが【罪】…
知恵の実を食べたが故に人が背負いし業』

またあの声が聞こえた

いや、今ならわかる
これは自分の声だ
自分自身の声とは、喋るとき頭蓋骨が反響するため他人の聞く声と自分の聞く声は違うと聞いたことがある

『それぞれ【強欲】【怠惰】【大食】【色欲】【傲慢】【憎悪】【嫉妬】と呼ばれ
そのうち我の【嫉妬】は救済した…』

声は淡々と それでいて力強く語る
それは神が人間に答えを与え、道を導いてるような声色だった

『我は人を、世界を、全てを、救済したい
それには… 我の力が必要だ』
「ふざけるな なんでお前なんかに協力しないといけない! なんで自分の中にいるんだ! さっさと出て殺されろよ!」
声がしたときから感じていた視線の雰囲気が変わった
怒り… ではない、『哀れみ』の目だ

『過去と運命は覆せない
たとえそれが神でもだ…
だからこそ過ちを正すため、我がいるのだ』
『安心されよ。我の罪を全て救済した曉に、我の器になってもらうだけだ…』

何が安心しろだ。器になれってどういう事だよ

「お前は…」

言いかけた瞬間、視界がぼやけた
目を擦ってみてもぼやけたままで段々全てが白くなってきた

「お、おい! なんだよこれっ!?」
『時間か…、我の答えは満足召されたか?」
『では、誠一郎によろしくな』




「おい、待て…っ」
次に目が覚めたときは自分はベッドの上で空は白くなりはじめ
三日目が始まろうとしていた




【桐北修貴:三日目朝 廃校内にて起床
体はまだ痛むがとりあえずは動ける】
35 ◆KmVFX58O0o :2008/05/25(日) 16:43:06 0
時間は深夜を迎え、賑やかだった町も幾分静かになった
街灯のみが闇夜を照らす中、その街灯が照らす道をだらだらと一人の男が歩いていた
整った顔立ちと、若干色褪せた染め上がった金髪。そして両耳にピアスを二個ずつ付けている

しかしそれほど特徴的な顔でもなく、せいぜい顔が良い男程度の印象しか残らないだろう
だがそれこそが男の強みである。人々の記憶に残らない顔の方が、仕事はずっとやりやすい
男はその事を自覚しており、また『機関』もそれこそがこの野蛮な男の唯一の長所だと認識している

ふと、男が立ち止まり、スーツの胸ポケットからかなり小型の携帯電話を取り出した
細長く白い指で携帯電話のボタンを押し、『機関』に電話を掛ける。数秒経つ

「あ、もしもし? 梶原っす。貳名市に着きました〜。それでどうすりゃいいんすか?」
梶原と言う名のその男は、電話の向こうの相手の話を小さく頷きながら聞く
ときおりふ〜んや、へぇ〜と気の抜ける相槌を打つ様子は真面目には見えないが、梶原なりの話の聞き方なのだろう

「はいは〜い。分かりました〜。要は弱い奴をぶっ殺して強い奴だけを残せばいいんすね?
 大丈夫ッすよ。自分ちゃんと区別は付きますんで。あ、はいは〜い。失礼しま〜す」
携帯の通話ボタンを切り、梶原は携帯電話を胸ポケットにしまう
しばらく経ち、梶原は電話の内容を頭の中で反芻し、やがてにやりと口元を歪ませた
何時もと同じ仕事だ。強い人間は死なない程度に痛めつけ、弱い人間は遠慮なく殺る

その過程で梶原が行う行為は最低とも取れる行為だ。男はともかく女子供にも手を掛ける事を容赦しない
また、容姿が自分好みの女性に対しては散々追い詰めた挙句、性的暴力を行う。しかも異能力者でも、そうでなくても、だ
しかしどんな下衆な事をしようと、梶原の行為は『機関』が権威をフルに使い揉み消してくれる
それが許されるのも梶原の実力を『機関』は高く評価しているからだ
36 ◆KmVFX58O0o :2008/05/25(日) 16:44:42 0
ふと、梶原の目にふらふらと千鳥足で歩くサラリーマンの姿が映った。相当酔っているらしく、足元がふらついている
梶原は不快感を感じながらも、そのサラリーマンから離れる様に歩く。が、サラリーマンは梶原の方へと歩いてくる
するとサラリーマンは突然、梶原の方へと無理やりよたれ掛かり、嘔吐した

「・・・あ?」
梶原は状況が理解できず、数秒思考が固まる。ふとズボンにサラリーマンの嘔吐した吐瀉物の匂いが鼻の奥を刺激する
先ほどのニヤケ顔から一転、梶原の表情は足元に倒れるサラリーマンに向かって激しい憎悪の炎を燃やした。目つきが明らかに鋭くなっている
と、梶原の左手からキラキラと眩い粒子が現れ、次の瞬間、バタフライナイフが梶原の左手に成形された

「…人のスーツ汚しといて、のうのうと寝てんじゃねーよ、ジジィ!!」
梶原は傍らのバタフライナイフを、寝ているサラリーマンに躊躇無く振り下ろした。一回、二回、三回
梶原のスーツを血飛沫が汚す。しかしそれにも構わず梶原はサラリーマンに対し、ナイフを振り下ろし続けた
血の水溜りがコンクリートの地面を濡らす。梶原は立ち上がり、息を整えると持っていたバタフライナイフを投げ捨てた

「はぁ…どっかでスーツ新調しないとな〜…本部行くか」
もうすぐ朝日が昇ろうとする無人の町を、梶原はまた歩き出した
【NPC梶原琢磨登場。本部に向かう】
【プロフィールは避難所の>>755を参照してください】
37廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/05/25(日) 16:54:38 0
>>15>>31
>「家まで送るか」
俺は、七重の言葉を聞いて時間を確かめていなかった事を思い出し外を見回した。
外は既にほとんど暗くなっている。この時間帯に、人気の少ない通りを桜一人で歩かせるのは心配だ。

「それじゃあ俺と七重…」

俺と七重のどっちかが送るか、と言いかけたところであることに気がついた。
さ…桜の目…小汚い野良犬でもみるかのように冷たい目だ。
残酷な目だ…「かわいそうだけど、明日の朝には保健所で駆除される運命なのね」って感じの!
そうなれば、答えは一つに絞られる。それは、俺が送るという事だ。
七重じゃあ桜が許可しないだろうし、あの男…そういや気付いたけど…この人も俺と同じ学校の制服着てるな…
顔からして、先輩だな。男じゃなくて、先輩って呼ぶべきか。

…それはまぁ、置いといて。とにかく先輩は客なのだ。客に手間をかけさせるわけにはいかないだろう。
だから俺が送るのだ。消去法って便利。

「…しょうがない、俺が送るよ」

頭をポリポリと掻きながら、呟く。
そうしたら、間も無く先輩が口を挟んできた。

>「…桜ちゃんだったな。君、唯能(いのう)高校の生徒かい?
それなら俺の後輩に当たるし、俺が送ってあげようか…あ、いややっぱりやめとこう。
二人の仲を引き裂くようなことはしない方が良いしなぁ〜なあ廻間君〜?」

何を言ってるんだこの人は。仲を引き裂くって、俺と桜はまだ何もしてないぞ。
…そりゃあ、さっき抱きつくようにもたれかかられたけど。あんなのノーカンだろ。そうに違いない。
俺が頭の中で反論してる間にも、先輩がたたみ掛けるように喋り捲る。
中には聞くに堪えない言葉も混じっていた。

…俺はふと、桜の様子を横目でちらりと伺ってみた。なんか桜の様子がおかしい。
なんかやたら覇気を出しているような…そして、おもむろに先輩に近づき…

SMAAAASH!!

アグレッシブスチューデントモード!
先輩の顎に、それはもう見事なアッパーカットがクリーンヒット。
アッパーカットを食らった先輩は、体がほん少し吹っ飛ぶ。
そして、畳に落下し気絶した。

「……あー、俺が家に送っても?」
「…え、あ…う、うん!お願い!」

息を荒くしながらも、桜が俺の問に答える。
それにしても、こんなに見事なアッパーカットを使えたのになんで捕まった?
俺は、そんなことを思いながら桜を家まで送ることにした。

【廻間:桜を家まで送ることにする】
【送ってる最中に他の人がからんでもOK】
38葦川妃映 ◆oov3HbsEaA :2008/05/25(日) 19:36:32 0
全スレ>>291>>293

「じゃ、宜しくね。イケメン薬剤師の国崎さんに恋島さん」
もう一度小さくお礼を言ってカメラを恋島に返す。
そろそろ自分の出血が気になりはじめたので、ハンカチで傷口の上を縛る。
ずきずきとした痛みはさほど気にならないが、流血は見ていて気分が悪くなる。

>「……まあ、お前らがうちの店に来るのは、薬も売れそうだから別にいいけどな。
>言っておくと、俺は基本的に一般人だ。店にいる奴等にもそう接してる。
>だから、お前らの目的は判らねぇが、もしお前らが俺の正体をばらそうとしたり、
>俺が一般人に戻れなくなる様な話をしようとしたり、あいつ等をヤバ過ぎる事に
>巻き込もうとしたら――俺はお前らを追い出す。いいな?」

かっこつけ。
さっきの化け物ぶった言動と色々矛盾してるし、要領が悪い。
一番損するタイプの人間。

でもまあ、理屈に合わないことをするのが人間だしね。

「ありがとう。私はそれでいいわ」
「私も、ただ危険から身を守りたいだけなのよ。わざわざ危険を招く行動はしないつもりよ」
肯定と小さな微笑を向け、国崎の後ろについていく。
あたりはすっかりと闇に包まれ、人通りもほとんど無い。
殺伐としてしまいそうな雰囲気の風景だったけれども、私の心は軽かった。
未知は恐怖。だけれども、未知は遭遇した途端に既知へとなる。
冷静な思考と少しの安心感があれば、どんなこともきっと打破することができる。
そんな自信が私の背を押していた。
のだが──

恋島が携帯電話をチェックしているのにつられて自分も携帯電話を取り出す。
開幕を告げる数日前のメールを軽く読み直すつもりで出しただけだったのだが、新着メールが届いていた。
『差出人:善養寺──』
思わず携帯電話を閉じる。
そのまま何食わぬ顔でポケットに仕舞い国崎の後ろをついていく。

【国崎薬局へ】
39 ◆KmVFX58O0o :2008/05/25(日) 20:11:27 0
>>37
梶原は心の底から嫌悪感に満ちていた。仕事始めにこれである
未だにスーツにあのサラリーマンの吐瀉物の匂いが漂っている。それに汚れも
本部が遠いのも、梶原のイライラを増幅させていた

しかし夜遅いからか、梶原以外に歩いている人がいないのが幸いだった
おそらく今の梶原は、誰かが少しでも怪訝な表情を浮かべた途端、ブチンと切れてしまうからだ
それほどこの梶原という男は不安定かつ、危険な男である

寒々とした商店街を抜けると、住宅街に来たようだ
この先に本部がある。そう思うと梶原のイライラのゲージも少し下がってきた

ふと、梶原の頭に妙な予感がよぎった。と同時に仕事の予感がする
梶原は一度立ち止まり、周りを注意した。っと遠方に人の姿が見える
道路の端により、梶原はじっと目を細めた
40 ◆KmVFX58O0o :2008/05/25(日) 20:16:59 0
>>39続きです】
どうやら二人居るようだ。少しだけその人物に近づいてみる
制服を着た少女と、短髪でどことなく目つきの悪い少年が寄り添うように歩いている
何故かは分からないが、少女は少年にくっ付いて離れない。よっぽど夜道が怖いのだろうか

梶原はゆっくりと、その二人に悟られぬように近づく。おそらくどちらかが異能力者だろう
そろそろあちら側にも見えるぐらいに近づいたきた。すると梶原は先ほどのサラリーマンのように少年に近づき

「いって。ちょっと肩当たったんすけど」
明らかにわざとらしく、梶原は少年の肩にぶつかってきた。だが目線は少女の方を向いている
「はぁ〜…俺凄い傷ついたんだけど。ねぇねぇ、謝ってくれる?」
梶原のその様は明らかにチンピラのそれと同等である。一方少年はじっと耐えているようだ
少女は怯えたまま俯いている。梶原は少し考えた挙句、行動に出た

「それじゃお詫びに…ちょっと痛い目にあってもらおうか」
そう言いながら梶原はナイフを構えるような手つきで左手を少年の頬に当てる
すると左手から、光の粒子を発光させ次の瞬間、折りたたみナイフを成形させた
(さぁ…どっちが抵抗するかな。ま、女の方なら嬉しいんだがな)
少年の頬にナイフを当てて、梶原はそう思った
【桜を送る廻間に接触。異能力を使い、どちらが異能者か試す】
>>23-24

本部の中を歩くとSF小説に出てくる秘密基地に居るような感覚に陥る。
まぁ、実際の所 秘密基地である事には変わりはないが、そこまでSFはしていない。

―――格納庫前に来ると整備員達が数機の戦闘機の整備に追われていた。
メンテナンスを受けているのは『F-15』と呼ばれるアメリカの傑作戦闘機だ。
No.11が高い金を払って裏ルートで仕入れてきた物だ。
実戦配備から二十年が過ぎた今日でも未だ現役であり、数多くの戦果を残している。
名機という物は、数多くの派生機を生み出すのが常であり、
このF-15Eは外見的にはF-15B、F-15Dとの違いは見受けられないが、
制式採用にあたり機体を再設計し素材にチタニウムを多用した軽量化と構造強化を図った機体だ。
見た所、武装は右主翼前縁のM61A1 20mm機関砲と両翼下の2か所のAIM-9『サイドワインダー』、
胴体下面の4か所のミサイルランチに計4発のAIM-7『スパロー』で構成されるようだ。
個人的にはスパローよりもクラスター爆弾の方が対地制圧能力が高くて良いと思うのだが……。
武装が付いているだけでも善しとするべきだろうか。
幹部たる者、戦闘機の操縦くらい出来て当然だ。
そういえば昔、機関に敵対する馬鹿な連中の排除をしている時に操縦した事が在る。

―――思い出した。籐堂院 神(しん)、あの男の組織に攻撃をした時だ。
まだ私は30とそこそこで、あの頃まだNo.6に昇格したばかりだった……。
因みに髪も短かった。全くの余談だが……。
―――籐堂院 神。機関の創り上げた異能者の中でも完璧な完成度を誇る傑作品。
例えるならば異能者の中のF-15という奴だ。
しかしながら、藤堂院は機関を裏切り、あろう事か敵対組織を設立してしまった。
組織への背任、そして敵対……。奴は自分で自分の『落とし穴』を掘った。
結果、奴とその後継者である藤堂院 瑞穂は死亡、求心力を失った組織は急速に結束を失う。
これを好機と見た機関は総攻撃を仕掛け、レジスタンスどもは一人残らず消え去った……。

だが、藤堂院がF-15であると例えるならば、後継・派生を視野に入れるべきであろう。
もし仮に藤堂院瑞穂が生きていたならば―――。
鼻で軽く笑い、嫌な考えを打ち消した。

―――私は小村を待っている間、暫し思い出に耽った。

【レオーネ(二日目/22時):現在地 機関アジト(格納庫前)】
【藤堂院親子と過去に因縁が在るが、瑞穂が生きている事は知らない】
42小村禅夜 ◆3LPMHhiq9U :2008/05/25(日) 20:59:18 0
彼女は私が前線基地の隊長を疑わなかった・・・
まあ、疑われないからいいのだが・・ホントは幹部なのに・・

>「ありませんね。機関に対する敵意など」
彼女はこちらの質問にNOと答えた

>「取引ですか…? 内容にもよりますよ。
> 私が得られるメリットと、デメリットを説明してくださいね。
> それと、ここの部屋代は後で返してもらいますから」
その後、言葉を続けた
最後の言葉は少しずしっときた
ちっ・・・覚えていたか・・
まあ、機連送も直っていることだ 誰かに持ってこさせればいい

「じゃ、説明しますよ まずこれはこの町の異能者のリストです」
小村はリストをひらひら揺らしながら言った
「これにはこの町の異能者の名前、人相、住所、異能力、強さのランクまでそれは明確に
書いてあります まあ、ところどころ抜け落ちているようですけど・・・・」
小村は少し不機嫌な顔になる
「で、貴女にはこのリストの者をランクの低い順に殺して頂きたい」
小村は備え付けの冷蔵庫からワインを取り出し、グラスに注ぐ
「あなたのメリットは・・当分の食事の心配はないですよ
雑魚がイヤになったら、上級の異能者を何人か食べてもらっても構わない」
小村はワインを注いだグラスを揺らしつつ
「デメリットは機関の言いなりになることですが・・・そこまでこき使うわけじゃありませんよ」
ワインを飲みほす
「ん〜、やはりワインは赤が一番ですね・・・・で、どうします?」

小村はワインを飲みつつ返事を待つ――――
43アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/05/25(日) 21:11:12 0
>>42
私が答えると、彼は取引の内容について説明し始めた。

「じゃ、説明しますよ まずこれはこの町の異能者のリストです」

異能者のリスト…それを私に見せるということは、なるほど。

「これにはこの町の異能者の名前、人相、住所、異能力、強さのランクまでそれは明確に
書いてあります まあ、ところどころ抜け落ちているようですけど・・・・」

機関の力を持ってしても完全な状態にはならなかった、か。
あるいは調査した段階よりも更に先に進化していた、という可能性もあるか。

「で、貴女にはこのリストの者をランクの低い順に殺して頂きたい」

低ランクの者から殺す。なるほど、上位の者を食われる前にどうでもいい餌を与えるつもりか。
……しかし、どうにも思い通りの展開になってきた。

「あなたのメリットは・・当分の食事の心配はないですよ
雑魚がイヤになったら、上級の異能者を何人か食べてもらっても構わない」

上級の相手も食べていい? ……不可解だ。そこまでサービスする必要があるのかどうか。
あるいは、それだけ私を評価している、ということでもあるか。

「デメリットは機関の言いなりになることですが・・・そこまでこき使うわけじゃありませんよ」

それだけではない。勝手に上級の異能者を殺せば契約違反となり、私が狙われる。
とはいえ、既に目を付けられている状態だ。それほど変わるまい。

「ん〜、やはりワインは赤が一番ですね・・・・で、どうします?」

この取引…私が得られるのは異能者の情報か。是非もない。
この条件なら考えていたよりも上等だ。私の答えは決まっている。

「喜んで受けましょう。いえいえ、私も組織に対立するのは避けたいところだったんです。
 私も個人で集団に勝てるとは思っていませんからね。いつかは集団の力を手に入れたいと思っていたんですよ。
 ―――ああ、そうそう。今回の仕事が終った後も、たまに仕事を回してくださいませんか?
 お金とかいりませんから、お願いします。……まあ、できたらでいいですけどね」

言いつつも、リストを渡すように促す。無論、彼が断るはずもない。

「それでは契約成立ということで。―――ああ、それと一つ言っておきます。
 神重敬という男ですが、覚醒の兆候がありました。
 そのうち、機関が目を付けるレベルまで成長するでしょう。
 その時は、貴方自身を囮に使えば確実に捕獲できると思いますよ」

リストを受け取り、部屋を出る。…最後に振り返り、一言残す。

「それと、机の上に私の携帯番号とアドレスをメモした紙を置いておきました。
 何か連絡することがありましたら、使ってくださいね」

【アルト:結託。組織の力が欲しいなーと思っているらしい】
44廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/05/25(日) 21:23:58 0
俺は桜と会話しながら帰り道を歩いていた。
ただし、桜が俺に引っ付きながらだが。ハッキリ言って照れくさいし歩きにくい。
心なしか桜の顔が紅くなってて、嬉しそうなのは気のせいか?

(ああもう。なんでこんな事に)

心の中で、現状についての文句をこぼす。
その時、目の前から人影が一つ歩いてくるのに気がついた。

(あー、人に見られちまったじゃんか。これじゃあ公認のカップルだよ)

思わず目を瞑り、開いているほうの手を頭へと持っていく。
歩く方面やスピードは、桜に委ねた…その時。

>「いって。ちょっと肩当たったんすけど」

ドシン、という音と共に俺の肩に微量の衝撃が走る。
どうやら向かいから歩いてきた人にぶつかってしまったらしい。
とりあえず、謝らないとな。非は目を瞑っていた俺にあるのだから。

「あぁ、すいませ…」

俺は頭を下げ、謝罪の意を表そうとした…のだが。

>「はぁ〜…俺凄い傷ついたんだけど。ねぇねぇ、謝ってくれる?」

…今謝ろうとしただろうが。
どうやらコイツは、人の答えを聞かないで自分の意見のみ推しとおすヤツらしい。
答えは聞いてないってか?
それと、何故桜のほうを見てんだ。ぶつかったのは俺だろうが。
お前が見てるせいで、桜が怯えているじゃないか。

>「それじゃお詫びに…ちょっと痛い目にあってもらおうか

……
……あぁ、そうか。この男が桜を見ていた理由が。
それは、俺を言ったとおりにナイフで痛い目にあわせてこの場からいなくなさせること。
それが不可能ならば、俺を殺す。
そして、居なくなったか死んだかのどっちかを達成すれば、桜を犯すと…

それすべてを理解したとき、心の中を漆黒の心が支配した。
45廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/05/25(日) 21:25:22 0
「そうだな…痛い目にはあわないとな…」

先ほどの表情とは一片、眉一つ動かず肩を竦めながら答えた。
その表情は、氷を思わせるような詰めたい表情だったに違いない。

「 ま ぁ 痛 い 目 に あ う の は お 前 だ け ど な 」

威圧するようにゆっくりと呟いた後、音速とほぼ同等の蹴りを男の腹へブチ込む。
蹴りを入れられた男は、衝撃に耐えられず吹き飛んだ。
男が持っていたナイフも一緒に吹き飛び、それが頬に当たっていたため頬が切り裂かれ、血がこぼれる。
俺は、冷静に血を袖で拭った。
蹴り飛ばされた男も只者では無いのか綺麗に受身を取り衝撃を減らす。
その異能者であろう男は思うようにいかないことで怒っているのか、その端正な顔が歪んでいる。

「……」

そんなことは関係ないとばかりに、俺は無言で両手に刀を形成した。今は満月、作り出せる刀の中で最大限に大きく、鋭い。
そして、その最大限に大きく鋭い刀を振り下ろした。
刹那、男の両腕がドサリと崩れ落ちる。
別に男自身を斬ったわけではない。俺は男の腕のある空間を斬り裂いた。
結果として空間と腕が下へとずれ、肘との繋がりが無くなり支える物が無くなった腕が崩れ落ちたというわけだ。

「俺はな……刃物を持った相手に負けるわけにはいかねェんだよ……特に、お前のようなヤツには尚更な……」

俺の中に渦巻く、漆黒の心。
それは俺に仇名すものに対しては、どこまでも冷徹に……そして、残酷になれる心。
師匠から教わった教えは、敵に対する慈悲の心などいらないという事。そのため、俺はこの漆黒の心を身につけた。
この心は、どうしても戦わなくてはいけない時や、情に流されそうになった時……そして、怒りが心を支配したときに、自動的に発動する。
俺の心の中にはこの男に対する慈悲の心は無い。怒りが心の中を支配しているのに、ひどく落ち着いている。
言ってみれば炎なのに、ひどく冷たいという矛盾した感情があるだけ。
俺は斬りおとした腕へと歩き、それを男へと蹴り飛ばす。

「場違いだからとっとと帰れ。その腕は…世の中思うようにいかないという事が分かった勉強代だ。
 綺麗に斬りおとしたから、すぐ腕のいい医者にかかれば元に戻るだろ。
 だが、もし…これ以上やるってんなら、その首も勉強代として頂くぜ?
 お前は、俺にどう足掻いても勝てないっていう事の勉強代としてな」

喉元に刀を突きつけ、蔑むように男を見つめ俺は呟いた。
後ろの桜には刺激が強すぎるだろうが…まぁ、いい。戦国時代なんかじゃ普通に行われてたんだ。
アクション映画かスプラッタ映画でも見たと思ってくれ。

【廻間:梶原の両腕を斬りおとす。反撃してくるようなら首も切り落とす】

それと、修正。
「この男が桜を見ていた理由が」の後に「なんとなく分かった」を付け加えてください。
46七重 凌司 ◆Wg8HeG5HhI :2008/05/25(日) 21:45:47 0
>31-32 >37
うら若き三人の会話から、彼らは漏れなく同じ高校に在籍していることが分かる
高校。七重はその言葉を聞いて、陰惨としたものを心に感じた
喧しい三人の横で、彼だけが、冥暗の記憶を噛み潰していた

>「間違っても襲うんじゃないぞ〜?仮に了承を得たとしても野外で盛るなよ〜?
 あーっはははははははぐぁっ!?」

白黒青年の高笑いを、桜の拳が打ち抜く
大人しそうな外見に寄らず、大振りのアッパーカットである
果たして彼女は格闘技経験者なのか
洗脳とやらの後遺症で、腕の筋肉がどうかしてしまっただけなのか
得にもならぬ推測をしながら、崩れ落ちる青年を、七重は受け止める
いっそここで彼女に立ち合いを申し込むか、と考えた七重だが、
まさかそんな非常識を行うわけにもいかないので、
失神したらしい青年を寝かせつつ、初々しい二人が薬局を出るのを見送った

押入れから毛布を引っ張り出して、それを青年にかける
そして手持ち無沙汰に、さてな、と頬を掻く七重
国崎が帰るまで、何をして過ごすべきか
考えるまでもなかった。鍛錬であろう

薄っぺらい黒地のシャツを脱ぎ捨てる
次いで体を覆う包帯を引きちぎり、ごみ箱に突っ込む
外気に晒された七重の肉体の傷は、短時間にかなりの回復を見せていた
彼自身の代謝による生命力に、異能者独特の治癒能力が加わった結果である
ところが七重は、体内でそんな革命が起きているとは露知らず、
また、それを不思議とも思わない
単純な人間は、何につけても幸せ者である

庭に躍り出る七重。瑞々しく冷えた風が快い
目を瞑れば、学生時代の悪夢も、少女の拳撃を見た時の興奮も、自然と薄れる
前後に足を開いた七重は、瞼の中の闇へ向かって相対した

彼方より手刀が迫り来る。空気の分かつ感触
七重はそれにやんわりと手を添え、真綿で包むかのごとく受け流す
ほぼ我流ながらも、それは確かに、中国武術における『化勁』と呼ばれる技術
普段のケンカ殺法ではない、『武術』の動きであった
途切れることのない攻撃を、七重は捌き続ける
化勁。化勁。化勁。時折、肘撃ちでの迎撃を混ぜる
そんな延々とした連撃の後、テレフォン気味のアッパーが入った
桜少女の放ったそれと、まったく同じものである
七重はそれを見逃さない。素早く体勢を立て直し、半歩退いてかわす
彼の鼻先には、びりびりと凄まじいまでの衝撃が広がった
天に突き上げられた相手の拳
飛び込むようにして、両手で以ってそれを捕らえると、
着地様、半ば強引に捻り下ろす
突っ張っていたものが、がくり、と外れる手応えがあった

開眼する七重。その体勢は、初めの構えから微動だにしていない
今の立ち合いは、単なるイメージトレーニングであったのだ
が、その身体は、加熱された汗と湯気に覆われていた
手首を振るうと、まとわりつく水滴が発散された
七重にとって、これはウォームアップ程度のものである
構えなおす。わずかの後、正拳の咆哮が夜に木霊した
>>28 >>41

>「そうえばさっき金剛に会ったんだが、
>リンとかその他二名その場にいるやつを封印したらしいぞ。」

ツバサの言葉を思い出す。封印された? 城栄に?
城栄の奴、『バルカナの逆理』を使ったのか。確かにあれは数時間能力を封印する技だ。
ツバサもツバサであっけらかんと言い放ったものだ。
―――ツバサ・ライマース。機関の世襲幹部で、No.2を代々受け継ぐライマース家の跡取り。
本来、No.2はNo.1を補佐しなければ成らないが、今のツバサには難しいだろう。
現在城栄の補佐を担当しているのは、No.3の長束だ。
老獪というべき戦略眼によって数多の作戦を成功に導いてきた。
これからもそうだろう。私としては、ツバサには早く一人前に成長して欲しいのだが……。
無論、異能者としてではなく人間としてである。

リンの能力が封印された事は好機と見るべきだろう。
何の障害も無く彼女を捕獲する事が出来る。
しかし、私の心には……。

煌神 リンの能力回復を待って、完全な状態で決着をつけるべきなのだろうか?
……いや、甘さは死に繋がる。この世界では常識の事だ。

―――煌神 リン。彼女は何処までも私を悩ませる。
48池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/05/25(日) 22:06:10 0
>>27>>30
人影は自分の存在に俺達が気付いたと見るや、
「話を聞いた」と言いながら物陰から姿を現した。
同時に街灯の光に今度は人影の主自身が照らし出され、その正体が明らかとなった。

その正体は外国人風の女。それも若い。見た目から二十代前半と言ったところだろう。
それはそうと、この女が持ち歩いているのは……剣ではないのだろうか。
異能力を感じることは出来ないが、城栄の名を出したこの女自身の言動から
察するに、十中八九異能者であろう。
女は刀を抜き、「自宅はどこか?」と訊ねた。いや、これは脅しと言った方が正しい。
無視しても良かったが、それを理由にあの刀でバッサリといかれてはあまりに
馬鹿馬鹿しい。俺は正直に、「ここだ」と答えるのだった。

>「では、一晩だけ泊めて貰えないだろうか?別にベッドは使わないし、
>貴方に迷惑をかけるつもりもない、因みにこれはお願いだ、断ってくれてもいい」
と言いつつも、女は突き出した刀を引こうとはしない。
俺は女の脅迫にも平然として、繭一つ動かさずに口を開いた。

「……本当に俺を殺す気があるなら、自宅を聞き出した時点でグサリとやっていたはずだ」

俺は突き出された刀を右手の甲でゆっくりと払い除けた。

「あんたを泊めてやってもいい。だが、こちらの出した条件を呑んでくれるなら、
ベットだけと言わずもっと良い寝床を提供してやるがな」

俺は「何?」と言いたげな女の反応を待たずして、条件を出した。

「条件は簡単だ。
あんたが家に居る間、俺の家に異能者が攻めてきたら俺の代わりに闘うこと。これだけだ」

条件を呑んでくれれば一晩だけだが「番犬」が出来上がる。
仮に呑んでくれなくとも、一晩この女に宿を貸すだけで、未だ握られている
剣を納めてくれるなら安いものだ。どちらに転んでも今の俺にはマイナスにならない。

俺は目線を女から逸らし、代わって山田と煌神 リンに目を向けた。

「お前らはどうする? 物のついでだ、今なら泊めてやる」

俺は右手親指を突き出し、800坪ほどあろう土地の中に構える二階建ての家を指した。
長束の屋敷とまではいかないが、その家は世間の人間にとっては十分といえるほど
大きなものであった。

【池上 燐介:条件を呑むか呑まないかを籐堂院に問う。条件を呑まなくとも泊めるつもり。
        戦場ヶ原とリンにも泊まるかと訊ねる】
49 ◆KmVFX58O0o :2008/05/25(日) 22:13:29 0
>>44-45
ナイフを少年の頬に付けながら、梶原はニヤケが止まらなかった
少年と同行している少女は、梶原の嗜虐心をモロに煽るような大人しい少女だからだ
梶原の心は脅している少年ではなく、少年と歩いている少女に対する性的欲求に傾いていた。と

>「そうだな…痛い目にはあわないとな…」
脅していた少年が、無感情な音色でボソッと答えた
(やっぱコイツか…だが楽勝だな)
背丈は変わらないものの、梶原にはその少年の言葉は少女に向けての強がりにしか聞こえない
また、今までの戦績から梶原には根拠の無い、自らの強さに対する絶対的な自信があった
ナイフを少年の頬から離し、一気に攻め――

その瞬間、梶原の体にまるで鈍器で腹を殴られた様な痛みが広がる。一瞬頭が真っ白になる
だが頭よりも先に体が反応していた。梶原は瞬時に後ろ受身をして少年の追撃を逃れる
(バカな、バカなバカなバカな! 俺が…俺が攻撃を読めなかっただと!?)

梶原は今の状況を否認する。というかしたくて堪らない
こんな自分より年下の男に負けるなんてと梶原のプライドがそれを許さないのだ
(あ、慌てるな…俺の油断が招いたんだ、よし、よしよしよし!)
膝立ちしながらも、梶原は反撃する為に体勢を立て直す。そして少年の方を向き――

「え?」
梶原は目を白黒させた。両腕の感覚が途切れ――自分の両腕が傍らで転がっていた
50国崎シロウ ◆Jd2pQO.KKI :2008/05/25(日) 22:21:43 0
「はは……何が趣味は料理だ……どうせ俺の力なんてこんなモンだ……」
薬局にある生活空間。俺を除いた全員が居間にいる中で、
俺は台所の隅で、俯き、延々と床に『の』の字を書いていた。

事の起こりは一時間程前に遡る。
俺が恋島、葦川と一緒に家(薬局)に戻ると、そこには七重が筋トレをし、
見知らぬ男がぶっ倒れているという何やらカオスな空間が広がっていた。

その光景を見た瞬間俺の脳裏には「襲撃」という二文字が浮かび、急いで倒れている男の
脈を確認してから七重に、一体何があったのか、廻間はどうしたのかと問い詰めていた。
急かして聞いたので断片的な回答しか返らなかったが、その結果、この男が客の様な
ものであり、洗脳されていた女子高生のアッパーで沈んだ事、
廻間は洗脳の解けた女子高生を連れて帰ったという情報を得ることが出来た。

俺は、女子高生の洗脳解除が不十分で、暴れた際に男性にアッパーが当たり、気絶したのだろうと
解釈し、一先ず安心したので、とりあえず客である二人に晩飯のカレーでも奢り、
七重にも食べながら現在の状況を説明しようと、全員分のカレーを装い
(今思えば、目まぐるしい状況変化で嗅覚が働いていなかったのだろう)
テーブルに出した自分の分のソレを、一口食べ――――台所へ直行した。

いままでたべたことのないあじだった
不味いとかそういうレベルじゃない。
そう、あえて表現するなら、「むごい」。
こんな物は人間の食べ物じゃない。戦場で食べた枯れた木の根や
名前も知らない虫?だってもう少しマシな味だった。
一通りむごさを体験した俺は、台所の水を飲みながら考える。

誰だ、こんなこの世の終わりみたいな料理を作りやがったのは……

……俺じゃねぇか。

そうして、俺のプライドは砕けた。
長年自炊してきて料理の腕は上達し、かなりの物だと思っていた。
材料も調合も完璧、至高のカレーになる筈だった。
だが、結局はこのザマだ。俺の生きた年月なんてこんな物だ
カレーの味とショックとの相乗効果で、俺の精神はどんどん下降していった。
→冒頭へ

【国崎:店にいる全員にカレーを出した後、
    カレーとの精神対決に敗北。一時的に精神力がC→Fに変動。
    台所に引き篭もったので居間の会話は聞こえない】
51 ◆KmVFX58O0o :2008/05/25(日) 22:39:53 0
>>49の続きです】
余りにも一瞬の出来事に、梶原の頭は対応できない。だが――痛覚だけは梶原の思考よりも早い
言葉にならない激痛が、梶原を襲う。叫ぼうにも痛みの方が増しており声が出ない
少年はゆっくりと梶原に近づいていく

(どどどうする? い、嫌だ、死、死ぬ、俺はこのままじゃ、し、死ぬ!)
先程よりも意識が元に戻ったせいで、痛みと恐怖感がより鮮明になった
今まで死の窮地に立ったことが無く、常に弱者を思うようにいたぶってきた梶原にとって、今の状況は屈辱でしかない
だがここで今、梶原は確実に自らの『死』が近づく恐怖を実感していた

>「俺はな……刃物を持った相手に負けるわけにはいかねェんだよ……特に、お前のようなヤツには尚更な……」
少年がそう呟きながら、転がっている両腕を屈んでいる梶原へと蹴り飛ばす
目の前の両腕を見て、梶原の中の『死』のイメージが具体的になっていく
逃げようにも両足は地面にくっついたかのように動かない

すると少年の気配がぐっと、梶原に近づいた。その気配に怖じ気、梶原は思わず顔を上げる
>「場違いだからとっとと帰れ。その腕は…世の中思うようにいかないという事が分かった勉強代だ。
 綺麗に斬りおとしたから、すぐ腕のいい医者にかかれば元に戻るだろ。
 だが、もし…これ以上やるってんなら、その首も勉強代として頂くぜ?
 お前は、俺にどう足掻いても勝てないっていう事の勉強代としてな」
少年が梶原の首筋に今まで見た事も無い大きな刃物を突きつけ、そう言い放った

ここで梶原に、たった一つ、助かる方法が浮かぶ。だがそれをやると確実に『機関』での地位が落ちてしまう
だが今ココで下手に抵抗すれば、確実に待っているのは『死』だ
(…嫌だ、俺は、俺は、死、死にたくないぃぃぃ!!)

「テ…手前ら!出てこい!!」
梶原がそう叫んだ瞬間、闇夜からまるで機動隊の如く武装した男達が複数現れた
「こ…このガキどもをぶっ殺せ!遠慮するんじゃねーぞ!」

少年は驚き、梶原に剣を構えたまま瞬時に後方に下がり少女を守るように剣を構えた
男達の中の一人が梶原をお姫様だっこをし、もう一人が転がっている両腕を回収する
その二人が闇夜に瞬く間に消える中、他の男達が少年と少女を囲んだ
【梶原:虐殺部隊を使い戦線離脱。虐殺部隊に廻間を任す】
52戦場ヶ原 天 ◆u5ul7E0APg :2008/05/25(日) 22:46:35 O
戦場ヶ原が昔話を聞き終えると、池上は嫌味混じりの冷めた感想を漏らし、リンは何かを考えるように押し黙ってしまった。
こんな子供にする話ではなかったか…?
戦場ヶ原の脳裏をよぎる彼らしくない思案。

これからのことをどうするかに議題が移ろうとしたその時、池上の視線の先に新たな闖入者が現れた。
(あの時のカタナ女……?…いや、別人か。)
戦場ヶ原は昨夜の工事現場での死闘を思い出す。
それもそうだ。目の前に現れた闖入者は、長い髪をたなびかせ、立派な長物を携えた美女だったからだ。
しかし、彼女は戦場ヶ原が戦った女剣士よりもいくぶんか大人びて、落ち着いてこちらに話を持ち掛けてきた。
こちらが能力を封じられたことを知ってか、その態度は戦場ヶ原の目には傲顔に映った。
(こいつ……っ!)
女の態度に苛立った戦場ヶ原がつかみ掛かろうとするのを、傍らのリンが静かに諌めた。
能力が封じられた上に、その身体は池上と金剛によってボロボロにされているのだ。
今はいかなる戦闘も避けるべき。
その不動の結論が、彼をより苛立たせた。

池上と女の話を聞くに、どうやらその女に害意はなく、今晩泊まる宿がないため家に泊めて欲しいとのことだった。

「…ケッ、宿無しが。」

ふて腐れた子供のように戦場ヶ原は嫌味を漏らす。
それを聞いたのか、若干女がこちらを睨んだようにも見えた。

池上はその女の頼みを、彼女をボディガードとすることで承諾した。
なるほど、彼らしい合理的な結論だ。
さらに彼は、戦場ヶ原達まで泊めてくれると言う。

「…ふざけるな。たった今殺し合いをした敵の家になど上がれるかよ。」

戦場ヶ原は不機嫌そうに池上に言い捨てたものの、戦場ヶ原の住むアパートはここから徒歩で1時間はかかる。
こんな無防備な状態でそんな距離を移動することなど出来ないし、リンのこともまた心配であった。

「チッ…まぁ、リンの奴が泊まりたいと言うのなら話は別だがな。」

バツの悪そうに跡付けで言う戦場ヶ原の姿は、素直になれない男子中学生のようでちょっと滑稽だった。
53煌神 リン ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/25(日) 23:03:49 0
物陰から出てきた人物はいきなり池上さんを脅し始めた。
その前には天さんが切れかけるし

まぁ自分には関係ないが、それよりもこの女性が、持っている剣

異能を封印されていてもわかる、何かの力を持つ剣しかしその力がなんなのかわからなかった。
まぁまたまた自分たちをスルーして話が進むわけだが、一体何を話しているんだか、泊めろとか条件とか。

池上さんが条件を女性に出して、答えを聞く前に私たちのほうを向き私たちにも聞く。
正直どうしようかと思った、今は異能を封印されているわけなので今この状況で襲われてはどうにもならないだろう。

この人と一緒に泊まれば、この人を囮にする事もできるだろう。

…何か忘れている気がする、そうだ…異能が封印された?ちょっと待って…異能が…封印?
つまりそれってもしかして…

通常私の能力は使うたびに外見年齢が下がっていく。
こう、見えても私は高校生だ。高校にも一応通っている。唯能高校というが今はいいだろう。

しかしその能力は、今自分の中にいる【神】と自称するものから貰ったものだ。
でもそれは契約、契約が切れる、または一時中断でもすれば体が元に戻る…
つまりいま、私の体は…

「や、やば!天さん!池上さんあっち向いてください!」
無理やり天さんと池上さんをあちらに向けるとすぐに体に異変を感じる。

やっぱり…!そんな考えが頭をよぎる。
懐からすぐに、マント的な上着を出すと服を脱ぎ体にはおる

羽織ってちょうど、体が、元の姿に戻っていた…
髪の毛が伸びて、身長も伸びる。

「はぁ…もういいですよ」
声も少し変わっていたが、池上さんも天さんも姿が変わった私を見て驚いているようだった。

傍らでずっと見ていた女性は言うまでもなく驚いていたし。
「はぁ、できれば泊めてほしいです池上さん」

私は申し訳なさそうに頼んだ
【リンが元の姿に戻る】
【泊めてほしいと池上におねがいする、戦場ヶ原の話はまったく聞いていなかった】
54廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/05/25(日) 23:34:46 0
刀を突きつけたまま、俺は返答を待つ。
しかし、返答一つで首を刎ねるか刎ねないか決まってしまう。
そう簡単に決められるわけはないだろう…

>「テ…手前ら!出てこい!!」

テメエら……?そうか、この男……味方を呼んだのか。
男の声に答えるように、複数の武装した人間が闇夜から現れ俺と桜を囲む。
武装した人間が出てきたのを確認すると、男は一人の武装した人間に抱えられすたこらと逃げ去った。
不味いな、桜は今俺がそばにいない。つまり、守るべき人間がそばにいないと言うことになる。
…こんな姿を見せたせいで俺に怯えているかもしれないが、今桜を守れるのは俺しかいない。
俺は、刀を構えたまま桜の元へと戻る。
思ったとおり、桜は俺に怯えている。先ほど俺を見ていた視線とは違うものが感じられた。

「……大丈夫」

俺は、右手の刀を解除し桜の頭の上にポンと手を乗せる。
桜は俺の行動が意外だったのか、キョトンとした顔をしていた。

「お前は、俺が守る。絶対にだ…指一本触れさせやしない」

少しの静寂の後、桜が無言で頷き了承の意を示した。
桜の中にある、俺に対する恐怖心が消えたかは確認する暇は無い。
俺は守るように右手で桜を抱き寄せる。
普段の俺なら絶対にしない行動だが、今の俺の心の中は漆黒の心が支配している。
そのため、今の俺は桜に対して性的な感情を感じる事は全くといっていいほどなかった。

(……さて、どうする?)

敵は複数、こちらは一人。
作戦内容は、桜を守るという防衛戦。先ほど俺が言ったとおり、桜に指一本触れさせるわけには行かない。
先ずは、この包囲網を突破するのが先か。この包囲網を突破すれば、後は俺のスピードを活かし個別撃破を行える。
しかし…俺一人、しかも桜を抱えたまま包囲網を突破できるのか?
味方が一人いれば、一人が桜を守り一人が敵を殲滅するという作戦をとれるんだけどな。
ぼやいても仕方ない、とにかくやるしかないか……!

【廻間:現れた虐殺部隊から桜を守り抜く。梶原は必然的に見逃す形になる】
55廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/05/25(日) 23:35:44 0
しまった。安価を付け忘れた。
>>54>>51宛てです。
56恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/05/26(月) 00:00:07 0
>>50
どうにか変な奴が出てくることも無く、無事に国崎薬局とやらに着いた
もし立方体女子高生みたいな連中が出てきたら、俺は間違いなく死んでたね。ほっとした途端背中が痛む
薬局の名に相応しく、様々な薬が置かれていた。個人経営かは知らないが、これはすげーよ、国崎…さん。一応

けっこう店内が広いらしく、俺と葦川さんは国崎さんに奥の居間に来るよう言われた
俺としては買う物を買って薬局を出たかったが、どうも誘いを断ると悪い気がしたので、ほいほい乗る事にした
のだが…俺の目の前には国崎さんと立方体(省略)との戦いよりかはマシだが、幾分変な光景が広がっていた
畳に仰向けになって伸びてる…染めてるのか面白い髪の色の学生と、ガタイのいい男がこちらを気にせず黙々と筋トレをしている

国崎さんが倒れている学生の脈を調べたが、呆れたように立ち上がると、俺達に先に居間に行ってくれと伝えた
あちらにはあちらの事情があるのだろう。俺と葦川さんはその何とも言いがたい空間から抜け、居間に向かった
二人で待っていると、畳で伸びていた学生と、ガタイの良い男が居間にやってきた。学生の方は首を捻りながら苦い表情を浮かべた
なんでだろうか、俺は妙に学生にシンパシーを感じる。他人の気がしない

しばらくすると、国崎さんが大きなお盆に5人分の白い皿に盛り付けたカレーを運んできた
…なんだろう、耳鳴りがしないのに物凄い危険な気がする。いや、落ち着け。あんな状況からココまでやってきたんだ
脳みそがアドレナリンを放出させまくってるからどうでも良いことでも危険な気がするんだ
…こんな自問自答してる時点で落ち着いてないわな。俺は国崎さんに置かれた目の前のカレーを見つめ、スプーンを手に取った

「…頂きます」
俺は小さくご飯に感謝して、カレーを掬い口に運んだ
うん…うむ・・・ふーむ…

うん、普通に美味い。だが間違いない。これはゲテモノ料理の一種だ
だがこの程度、大学時代のジリ貧でティッシュ丼や野草のお好み焼きやソースだけご飯を食してきた俺には何ら問題は無い
けど俺の周辺の人達はやはり普通じゃいられなかったみたいだ。葦川さんはスプーンが止まっており、学生はカレーを見たまま固まっている
あの国崎さんですら、カレーを食べた後直行で居間から出て行った。あの国崎さんを引かせるとはどんだけー。俺は普通だけど

ふと、筋トレの時のように、黙々とカレーを食べているガタイの良い男が目に留まった。…俺なみに舌が狂ってるのだろうか
カレーのせいか場の空気がなんとなく重い雰囲気に包まれている。…はぁ。何だかなぁ
俺は何となく興味本位から、カレーを食しているガタイの良い男に話しかけてみた

「…このカレーって、美味いけどぶっちゃけゲテモノだよな」
…何だ、その鋭い日本刀みたいな眼光

【国崎薬局に到着。居間でカレーを食べながら、七重に話しかける】
57籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/05/26(月) 00:19:59 0
>>30
「……本当に俺を殺す気があるなら、自宅を聞き出した時点でグサリとやっていたはずだ」

そう言い、青年は私の刀を右手で払いのける、実に冷静でつまらない反応だ。

「あんたを泊めてやってもいい。だが、こちらの出した条件を呑んでくれるなら、
ベッドだけと言わずもっと良い寝床を提供してやるがな」

この状況で条件を出してくるとは、この青年はよほど神経が図太いのか、それとも私が危害を加えるつもりがないことを分かっているのか。
突拍子もないことだったら少し制裁してやろう。

「条件は簡単だ。
あんたが家に居る間、俺の家に異能者が攻めてきたら俺の代わりに闘うこと。これだけだ」

私はこんな事言われなくとも元々その気だった、というか能力を失っているみたいなので助けてやろうと思ったから、そもそも話しかけたのである。
しかし、これでは残りの二人が少し危険だ、何とかして誘えないものか、などと考えていると

「お前らはどうする? 物のついでだ、今なら泊めてやる」

なんて空気の読める男だ、自分以外の人間に興味がないみたいな雰囲気だった青年がまさかこんな事を言うとは。

「…ふざけるな。たった今殺し合いをした敵の家になど上がれるかよ。」

着物を着た青年が不機嫌そうに言い捨てる、話の分からない奴だな、痛い目を見せてやろうか?

「チッ…まぁ、リンの奴が泊まりたいと言うのなら話は別だがな。」

先ほどからの言動からして、血も涙もない戦闘狂かと思ったがそうではないらしい、面白い青年だな。

「や、やば!天さん!池上さんあっち向いてください!」

唐突に少女が声を上げ、二人の青年の顔を彼方の方向に向け、マントのような物を羽織る。
すると、少女の体は急激に成長し、小学生から女子高生くらいの容姿になった。

「はぁ…もういいですよ」
「はぁ、できれば泊めてほしいです池上さん」

これがあの少女の能力か?
いや、違う能力は封印されているはず、とすれば封印されたから変化したと考える方が自然だ。
変身?それとも能力のコスト?分からない事だらけだが、今は池上と呼ばれた青年に返事をする方が先だろう。

「ハハハハハハハ、面白れぇ、実に面白い奴らだな、能力が使えない状態で俺達に条件を出してくる図太い奴に、人の事を家無しとか言うくせにロリコンの奴と
いきなり成長する女とは、よくここまで面白い奴らが集まれたな、ハハハハハハハ」

師匠はいつもいきなり喋り出す、面倒なことになるのだから、喋る前に確認を取って欲しい。
当然、場の雰囲気は凍った、少女は成長するし、刀が爆笑し出したのだ、普通は戸惑うだろうな。
しかし、桐北とは違い状況を勝手に理解してくれそうな面子なのであえて説明はしない。

「コホン・・・・・・その、池上でよろしいかな?その条件乗りますよ」

私は刀を素早く振り、池上の頬に小さな切り傷を作る。
避けられたら恥ずかしかったが、池上の能力は身体能力増加系の能力ではないようで、私の斬撃には反応出来なかったようだ

「この通り、使えないことは無いと思います、私は籐堂院瑞穂、一日ですが宜しく願います」

そう言い、小さくお辞儀をして刀を鞘にしまうと、私は池上に握手を求めた

58文月 宗太 ◆XzQQgkPzlg :2008/05/26(月) 00:22:44 O
>>54
「…やれやれ。どうなってやがんだ?」
その光景を見るなり、文月は怪訝な表情を浮かべた。
自分が予想していた光景と、あまりにかけ離れていたからだ。
右目の疼きが教える、二つの異能者の気配。大方、異能者同士で争っているのだろう。
だがいざその場に駆け付けてみれば、異能者でも何でもない兵隊ばかりが大勢いて、異能者は一人しかいない。
どうやら異能者の少年は、大勢の兵隊から一人の少女を護ろうとしているようだ。
異能者の少年は機関の人間には見えない。少なくとも、復讐の対象ではないだろう。
ならば自分が関わる理由はない。
少年は少女を護れないだろうが。
そんなことは関係ない。そう自分に言い聞かせ、文月はその場を立ち去ろうとした。
『カッコいいじゃないですか、正義の味方なんて』
文月の脳裏を、今はもういない少女の笑顔が掠めて消えていった。
『私…ちゃんと笑えてます?』
記憶の中で笑う少女──天宮 絢音──を、文月は守れなかった。
あの時のことを思い出すだけで、無力感と喪失感が胸を埋め尽くし、憎悪と絶望が胸を焼く。
目の前の少年も、自分と同じ思いをすることになるのだろうか。
『だって、宗太さんは正義の味方ですから』
あの頃の自分と比べて、今の自分は余りに惨めに思えた。
だが──
(わかってるさ、絢音…) ──今の文月には戦う力があった。
その力は復讐の為だけに?
──否。
気が付けば、文月は走り出していた。
もう二度と、誰にもあんな思いをさせないために。
まるで竜巻かと思わせるような剣風が、数人の兵士を纏めて吹き飛ばした。
一体何が起こったのか、大勢の兵士達は理解出来なかった。
「この人数相手じゃ大変だろ。手を貸すぜ?」
文月は自分の身の丈程もある大剣を軽々構え直すと、少女に護ろうとしている少年に向かってそう言い放った。
59五徳 静慎 ◆YUm3AOdOaA :2008/05/26(月) 00:44:22 0
「素晴しいッ!!」
とある廃墟の上で人影が叫ぶ
のっぺりとした白い仮面をつけており
そこから除く眸は混沌を実体化したように暗い
興奮したように人影は続ける
「『運命』というタイトルの劇の観客にされて数十年
 あらすじを読む権利を与えられ十数年
 その取捨選択が可能になってさらに数年
 之ほどまでに多くのシナリオが渦巻く世界があっただろうか?」

仮面が落ちる
その下からは数十年の月日を経たとは思えない
女のような若々しい顔が現れる

「さあ見せてみろ、劇の結末をこの

『極限運命(アンリミテッド)』にッ!」

【五徳:なんか良く判らんが興奮『ハイ』ってやつになっている】
【いきなりフルヴォッコにしても良し、ごく普通に張っ倒しても良し、設定は避難所>>751
60宗方零 ◆BSFghFxWJY :2008/05/26(月) 02:57:58 0
あらすじ
『宗方零』年齢:30歳 職業:探偵 元警官
光を操る能力者 二つ名『″明滅<Xペクター』
宗方はある日突然機関の殺戮ゲームに巻き込まれた。
逃亡の果てに、機関の幹部「長束誠一郎」の屋敷に忍び込んだ。
長束の口から語られる真実、そこで能力者は組織に作られた存在だと言う事を知る。長束の企み、利用される池上と桐北。
宗方は長束の企みを破るべく、神重に協力を申し入れた──

「力が足りない」
「数が足りない」
聞こえてきた声は二つ。トーンが違う。.聞き間違えは無かった。
「…!?ここは…現実か。 宗方…だったな。私だ、神重だ」
どうやら二人の神重が宗方の呼びかけに答えてくれたらしい。

「私が言った意見。それは…数が足りないということ。
私と貴方が組んだところで、恐らく城栄に会うどころか…
途中で力尽きるのがオチだろう。だから数を揃える必要がある。
多ければ多いほどいいのだが…。」

なるほど、確かに宗方達だけでは組織の人間を倒すことなど不可能だろう。
数を揃えるというのは確かにその通りだ。
突然声のトーンが変わる、神重敬の声だ。

「俺が言った意見。それは…力が足りないということ。
智の言うことも一理あるが、所詮寄せ集め…数がいてもたかがしれる。
とにかく力があるやつを少数揃える、それが俺の意見だ。」

それもその通り、数を揃えても死人が増えるだけなら意味はない。

だが、今は二人の意見を得られただけで十分だった。
彼らは宗方に協力の意志を示している、それで十分。

「それと…」
──「それと」 やはり敬にはまだ何かあるようだ、そしてその答えは分かり切っていた。
「俺は…お前の正確な強さを見ていない。智が見たかもしれないが・・・。
この眼で見るまでは信じることができない。お前が強いか弱いか。
あんたと手合わせ願いたいもんだが…。」

やはりそうか。
だが望むところだ。そのために自ら逃げ道を塞いだのだから。
持てるチップを全て賭けて──BET開始だ。
61宗方零 ◆BSFghFxWJY :2008/05/26(月) 02:58:48 0
「あんたの言うとおりだ、神重敬。」
「もしも私があんたに負けるようなら、あんた達の味方に値しないだろう」
宗方はそう言いながら紅茶を片づけた。
それが済むとベルトから細い懐中電灯を抜き、スイッチを入れる。

「その勝負、受けて立つ。」
電灯からは光の刃『ルクスブレード』が生み出され、宗方はそれを正眼に構える。

「お互いの持つ最高の一撃を互いに放つとしよう。それなら勝負は一瞬でつく──」

宗方は能力を全開にする。全身に光が集まり、部屋の全ての光源が消灯。部屋は闇となった。
そして宗方は光を身に纏い、白く眩い人型の光そのものとなり、神重と対峙する。

「私の二つ名は″明滅<Xペクター 光を操る能力!」

「私には墓に刻む言葉も──入る墓もない──」
「今、ここで、この瞬間決着をつけよう──来い神重! 最高の一撃でだ!」
【宗方零 神重敬と戦闘開始 神重の全力攻撃を促し 自らも全力で当たる構え】
【神重の全力攻撃と同時に合わせて宗方も攻撃する】
62アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/05/26(月) 04:04:55 0
何度か弱目の異能者とやりあって、何人か食べた後のことだ―――彼女を見かけたのは。
その少女を見た瞬間、私は記憶の底から一人の人間を思い起こした。
籐堂院 神、かつて機関に反抗する組織を作り上げた男だ。
昔、私はそこに所属していた時期があった。その時に見たのだ。
籐堂院 瑞穂、という少女を。彼女のことは良く知っている。
あの頃から考えると、大分大きくなったが―――しかし、見間違えはしない。

「見つけた――見つけましたよ、瑞穂ちゃん。
 貴方の命を奪い、その力を私の血肉とする日―――ようやく来たようですね」

あの頃の私は末端の構成員でしかなかったし、あちらは私のことを知らないだろう。
だが、私はよく知っている。籐堂院 神が見つけ出し、育て上げた対機関用の切り札たる少女のことを。
機械仕掛けの神―――――それが彼女、籐堂院 瑞穂だ。以前見たあの力を、ようやく私のモノとする時が来たのだ。

「運命を司る神が存在するのならば、これも僥倖ですか」

上野恭平から渡されたリストを確認する。……見当たらない。
それはつまり、このリストを作成した時点では機関に発見されなかったということだ。

「機関から、うまく隠れ通したというわけですね」

実に見事な手際だ。それでこそ籐堂院 神の遺作。
いつか食らおうと思っていたのに、死んだと聞いた時はそれこそ落胆したものだ。
しかし―――あの娘が生きているとなれば話は別だ。

「あの男の遺作―――食べがいがありそうですね。
 私の手で、確実に、この場で食らい尽くす。―――とはいえ、状況はそう簡単でもないですね」

よく見てみると、何事かもめているようだ。
瑞穂が刀を抜き、突きつけた―――待て待て、それは待ってほしい。
この場で戦闘になったら私の考えが滅茶苦茶じゃないか。
しかし、その心配は杞憂だったようだ。どうやら、泊めて欲しいとか、そういう話らしい。
話し相手の男―――リストを確認。上級の異能者、池上 燐介。そして他の二人についても確認。
戦場ヶ原 天。要注意人物―――確か、以前は機関の幹部じゃなかったか?
それに、煌神 リン。話半分には聞いたことがある。機関の幹部となんらかの関係があり、かなりの重要人物だと。
――――しかし、この状況はある意味好都合だ。私の聴覚なら、この距離からでも話し声が聞こえる。

「条件は簡単だ。
あんたが家に居る間、俺の家に異能者が攻めてきたら俺の代わりに闘うこと。これだけだ」

その条件を、瑞穂は受け入れた。…彼らは、なんらかの事情で力を満足に振るえない状態にあるのだろうか?
万全の状態の彼なら、瑞穂を相手にしても戦えそうなものなのだが。

「…これもまた、好都合ですね。
 接触……してみましょうか」

手を上げて歩み寄る。まだ気付いてはいないようだが、しかし、

「申し訳ありませんが、私もお願いできますか?
 どうやら、どこかで今夜をやり過ごす必要があるみたいでして」

声をかける。当然、事前に確認は済ませてある。
私の名はヴィオラ・ネイカー。二つ名は火焔演義(インスタントジャベリン)。
凶悪な異能者に狙われており、今夜だけでも宿を借りたい。
能力は即席の身体強化と高熱発生能力。身体強化レベルは実際のランクを下回る設定。
方針は友好的、なおかつある程度の戦闘思考を可能とするタイプ。
――――仮想人格想定完了、駆動開始。

【アルト:池上達と接触】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
63廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/05/26(月) 16:58:06 0
>>58
この状況を打破するため、頭の中で様々な策を巡らす。

(……脚力を活かし、この連中を撒く…。
 無理だな、片手だけで桜を抱えたでは速度と勢いに負け桜が落ちる危険性がある。
 ならば、空間斬で敵の首を一斉に落とす……馬鹿か、俺は。
 間近で首を飛ばすなんて、またあの恐怖心を植え付ける気か……)

しかし、思い浮かぶ策は全てが俺一人なら有効という策のみ…
桜を抱えたこの状況では、思い浮かぶ全ての策は決定打となりえない。
……抱えた桜は息を荒くしている。先ほどから体の震えが止まっていない。
恐らく、彼女自身も戦っているのだろう。俺がやられたら、自分も殺されるという迫り来る死への恐怖と。

(不味いな、いい策が思いつかない)

精神は焦りを感じていない。
だが、肉体はそうではないらしく俺の額から一筋の冷や汗が零れ落ちる。
そして、零れ落ちた冷や汗が地面についたのを合図にしたかのように、前方の武装した人間…
兵が、跳躍し襲いかかってきた。

(いい作戦なんて思いつかないなら、とりあえずこの一本で凌ぐ…いや、いい作戦なんてそれしかないだろうが!)

右半身と桜を後ろへと向け、左手に構えた刀一本で敵を凌ごうとした…その時。
──戦場に一つの疾風が吹きすさんだ。
64廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/05/26(月) 17:03:14 0
「……!」

気付けば、己の身の丈はあろうという大剣を軽々と持ち上げる一人の男がそこに立っていた。
その体は筋骨隆々と鍛えられており戦うために、戦士として生まれたような体をしている。
そして、その男が立っていたその位置は俺と兵の境界線。
恐らく、この男が大剣で起こした旋風で、俺達に飛び掛ろうとした兵を吹き飛ばしたのだろう。

>「この人数相手じゃ大変だろ。手を貸すぜ?」

男は俺に顔を向け、ニヤリと笑いながら言い放った。
なんていいタイミングで現れる男なのだろう…
思わず「さっきから様子を見ていたんじゃないか?」と返しそうになってしまった。
しかし、今はそんなことを言っている場合ではない。
この男は、一目見ただけで俺達が劣勢と分かるこの状況で、わざわざ俺達に味方してくれるというのだ。
断る理由がどこにある!

「分かった、頼むよ。俺は後ろの敵を撃破し憂いを無くしてからこの女の子を守護する。
 アンタは来た敵を叩いてくれ……徹底的にな」

男の笑みに返すように、俺も笑う。

「ねぇ、廻間くん……勝ってくれる……よね。
 ……私達、助かるよね?」
「お前は、俺が助けると言ったし俺は絶対に勝つ。その言葉に嘘は無いさ……頼もしい味方も、出来た事だしな。
 これからは、もう黙ってな。舌噛むぞ」

恐怖に押しつぶされないように、必死な様子で桜が声を紡ぐ。
桜の問に、俺はキッパリと『助ける』と言い放ち、少しでも安心感を与えようとする。
涙を目に溜めているので、俺の答えに安心したのかは分からないが、俺から決して離れまいと桜が必死にしがみ付く。
…そして、大剣を構えた男。この男から滲み出る覇気は、並大抵の戦士のものじゃない。
敗因は、たったの一つも無い。

「それじゃあいくぞ!」

その瞬間、二つの疾風が爆ぜ兵士に立ち向かった。

【廻間:文月と共に兵士に立ち向かう。廻間は桜の守護を徹底して行う】
65 ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/26(月) 17:25:01 0
>>54>>58>>64
俺は外道院とひと時はなして、外にやってきたわけだが。
何処に行くか迷うんだな、これが

とりあえずこの戦いの様子を見るために異能者の気を探ってみる。
無論、リンやレオーネに近づかないようにだ。

今から一番近い異能者は、ふむ・・・ただいま戦闘中のようだ。
ちょうどいいので行ってみるか…


しばらく異能者の気を探っていくと高校生くらいの男と女が囲まれていた。
あれは、きっと虐殺部隊だろうもう一人異能者がいるがその異能者は高校生のほうに味方するようだ。
はてさて、これは面白いちょうどいい機会だ…
俺は能力の一部を発動し、大鎌を出すとその一団に近づく。
少し近づいたところで、俄然興味が湧いてきた。
あの女子高生が着ている制服、唯能高校の制服だ確かリンもそこに通っていたはず。

ちょうどいいので、少し聞いてみようかリンの事を
そんな考えを頭に浮かべ、虐殺部隊に声をかける。
「なぁ、ちょっといいか?」
虐殺部隊の一人がこっちを向く

「なんだお前?見せ物じゃねぇんだ殺すぞ!」
まったく血の気の多い連中だ

「ふ〜んそうか殺してみろよ俺はさ?そっちのやつに用があるんだよ」
三人を指差し、男に答える、なんか、空気が変わったな。

「ざけてんじゃねぇ!」
「おい!まて!その方は!」
男の仲間が、男を止めようとする。
何だ俺を知っているのか、きっとこの部隊の隊長といったところだろう。

「そうそう、やめとけって」
言ってから三人のほうに歩み寄り女のことを見る。

女は怯えたようだった、男が前に出てくる。
俺は慌てて訂正する。

「いやいや、すまん俺はまったく敵意はないよ。」
穏やかにニコニコ笑ったまま俺の知りたい事を聞く。
「お前、唯能高校の生徒だろ?お前らの学校に煌神リンっていないか?身長がちっちゃいやつ」

【ツバサ:桜にリンのことを尋ねる】
【今のところ敵意はないがもしかしたら、攻撃を仕掛けてくる可能性も】
66池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/05/26(月) 18:34:25 0
>>52>>53>>57>>62
返事を聞くが、山田は煌神 リン次第ということだった。
その煌神 リンの返事はどうなのかと、俺は目を煌神 リンに向ける。
しかし、これまで静かな口調で話していた彼女が、急に大声をあげた。
俺は彼女の言葉に従って目を逸らす。
そして煌神 リンの許可が下り、再び彼女に目を向けた時、流石に俺は驚いた。
そこに居たのは先程までの少女ではなく、見知らぬ大人の女性であったからだ。

しかし女性の言動から、どうやらこの女性が煌神 リン本人であるようだった。
直接本人に確かめてみるまでもなく、少女への変態を可能にしていたものが
彼女自身の異能力であることは明白だ。であれば、城栄に異能力を封印されたことで
この姿に、つまり、元の姿に戻らざるを得なくなったと考えるべきだろう。

──だが、驚くべきことはこれだけでは終わらなかった。
突然、これまでに聞き覚えの無い第三者の声が周囲に鳴り響いたのだ。
新たな異能者か、とも一瞬思ったが、その声の発生場所を突き止めて、
そこで俺は再び驚かされた。なんと、外国人風の女が持っていた刀が喋っているのだ。
これも恐らく……いや、そうでなくては説明がつかない。
紛れも無くあの女の異能力だろう。

女は、こちらがそう理解することによって徐々に冷静な表情に戻っていくのを
見計らったように、俺の顔に向けて刀を一閃した──。
──避ける間もなく、俺は己の頬に小さな切り傷を出現させていた。
女は「驚くのは早い、私はこれだけの腕を持っているのだ」と言わんばかりの表情をしている。
俺は鼻で笑みを零し、いつの間にか手袋が嵌められていた右手を差し出し、握手に応えた。

「では、三人とも俺について──」

言いかけて、俺は止めていた。
いや、正しくは途中で誰かに割って入られ、全てを言い切ることができなかったのだ。

>「申し訳ありませんが、私もお願いできますか?
> どうやら、どこかで今夜をやり過ごす必要があるみたいでして」
割って入ってきたのは金髪の女だった。
銀髪の女に続いて、こんどは金。しかもこれまた外国人風だ。
友好的に振る舞おうとする金髪女に対し、俺は冷酷に即断した。

「知ったことか。失せろ」

話を聞き、どうやら大方の事は理解している様子からして、異能者であろう。
泊める代わりに『番犬』にしてくれと言ってくるつもりかもしれないが、
その役割も、あれだけの剣の腕を持つ籐堂院一人いれば十分のはず。
これ以上、素性の分からぬ者を家に置いても俺には何のメリットもない。
そして宿を持たぬ人間を誰でも救済してやる程、俺はお人好しでもないのだ。

「──行くぞ」

俺は金髪女に背を向け、三人について来るよう促した。

【池上 燐介:アルトの頼みを拒否し、背を向け自宅へと歩き始める】
67戦場ヶ原 天 ◆u5ul7E0APg :2008/05/26(月) 19:08:06 O
>>66
女の背負う刀が喋り出したことに、戦場ヶ原はさほど驚きをしめさなかった。
昨晩闘ったカタナ使いの女も、意思を持つ刀を持っていたのだ。
そんな妖刀が他にもあったとて別に不思議ではない。
しかし、戦場ヶ原の驚きはまた違う所にあった。

「なっ………!??」

絶句。戦場ヶ原は馬鹿みたいに口を開けて、さっきまでリンがいた場所に佇む女を見つめていた。
赤く長い髪。金色の瞳。背中に背負う剣を見れば、その女がリン本人であることは推測出来た。
能力を封印されてこの姿になったということは、今までの姿が能力によって変態を遂げていたものであり、この姿が彼女本来の姿であるということだ。
(なんなんだ…コイツはっ!?)
ふと、彼女が恥ずかしそうにこちらを見ているのに気付いた。
姿形まで妙齢の女性となったリンの肢体を見て、戦場ヶ原は慌てて顔を逸らした。
(チッ……調子が狂うぜ…)
戦場ヶ原はそっぽを向きつつ、自分の着物の羽織りを脱ぎだし、大人のリンに放り投げた。

「…着てろ。見ちゃおれねぇ。」

さすがにその姿は女性経験のない戦場ヶ原には幾分か刺激の強いものであったのだろう。


池上に通されて、戦場ヶ原たち3人は彼の家に上がり込む。
大きな家だ。少なくとも戦場ヶ原の下宿先であるボロアパートに比べれば天と地ほどの立派な屋敷だった。
細かに整理された家財やシンプルで生活感の感じられない内装から、彼の人となりが感じられた。

「…フン、悪くねぇ。」

相変わらずの偉そうな態度で、我が家のように居間の中をウロウロするが、ソファの前に来た時、
戦場ヶ原の身体はまるで糸の切れたくぐつのようにどさりとソファに倒れこんだ。
次の瞬間にはもう、大きな寝息を立てて、彼は爆睡していた。
今日1日でいろんなことがあった。
闘いに疲れた戦士は、己の欲求に忠実にその身を癒そうと深い眠りについたのだ。

その姿は、さながら冬眠につく獣のようであり、ちょっとやそっとでは起きそうになかった。

【戦場ヶ原 天:就寝。2日目終了。】
【死体のように爆睡しているため、爆弾でも落ちてこない限り起きない】
68文月宗太 ◆XzQQgkPzlg :2008/05/26(月) 19:25:38 O
>>65
「遅ぇ…!」
兵士が突き出した槍を造作もなくかわし、文月が剣を一閃させる。
それは相手を斬るための斬撃ではなかった。
刃ではなく剣の腹で、自分に、あるいは少年の方へ殺到する兵士をたたき伏せていく。
「一応峰打ちだがよ、打ち所が悪けりゃ、命の保証はねぇぜ?」
文月と目を合わせた兵士の一人が、恐怖を顔に張り付かせる。
本来なら一撃必殺意外は狙うべくもない大剣を、まるで普通の剣のようなスピードで振り回す文月の姿は、敵からすればさぞ恐ろしく見えることだろう。
衝撃がその兵士の脇腹を襲い、彼は意志とは関係なく吹き飛ばされた。 肋骨を粉砕され、大量の胃液が口からあふれ出す。
文月からすれば峰打ちであっても、兵士達からすれば即死も有り得る攻撃だった。
そのあまりの凄まじさに、兵士達は本能的に動きを止めていた。
言葉にならない恐怖が、兵士達全員に伝播するまで、さほど時間はかからなかった。
敵の士気が完全に萎えていることを悟った文月は、少年の方へと視線を移した。
応接室へ戻ると、既に外道院とツバサの姿は無く、もぬけの殻となっていた。
ツバサはともかく、外道院が外出するとはな……。
隠蔽用のカバーストーリーでも流した方が良さそうだ。
溜め息を吐いた時、不意に懐の『機連送』が『美しき青きドナウ』を奏でた。
慌てて取り出す。発信者は―――。

「よぉ。調子はどうだ、色男?
 こっちはもうスケジュールを全部終えたぜ」

太く威厳さえ感じさせる声の主は、我が友人城栄金剛その人であった。
奴が電話で連絡を取ってくるなど珍しい。

「確かに暇をしていた。……にしても、君が直接電話を入れるとはな。
 何か良い事でも在ったか?」

はっはっはっ、と豪快に笑い飛ばす。間違いなく彼の興味を引く事が在ったのだ。
それもつい先程だ。となると、恐らく―――。

「煌神リンとその協力者達が思いの他、使えるレベルだったのだろう?」

これしかない。奴の想定していたレベルにこそ届かなかったものの、
及第点くらいはクリアしていたのだろう。まるで新品の玩具を遊んでいる子供のようだ。

「解っちまったか。そりゃ長い付き合いだものな」

……少し悔しそうな顔をする城栄の顔が目に浮かんだ。

「それで……。久方ぶりに電話を掛けて来たのは、
 その件だけという訳でもないだろう?」

「まぁな。……先程、小村禅夜から連絡が在った。
 異能者と交戦、敗北。別の異能者に助けられたそうだ」

……あの小村を負かすとは。余程の手練だ。
小村とて形式だけとは言え、伊達に幹部の座を与えられている訳ではないし、
三年前のミスが無ければファーストナンバーの上位に食い込んでいたであろう人物だ。
私は目を細めた。

「ヤツにゃあ、端(はなっ)から期待なんぞしてねぇよ。
 ありゃ、お飾りみてぇなモンだ」

小村が聞いたら泣きそうな暴言を私は黙って聞いていた。

「いいか、こっからが本題だ。さっき小村を助けた野郎が居るって言ったよな」

城栄の声のトーンが一気に2オクターブほど下がる。
これは"裏の顔"で居る時の彼の声だ。

「小村のヤツが、その野郎と取引したそうだ。
 雑魚どもを"食う"事を黙認する代わりに、機関の手助けをしてくれるそうだ」

食う? 食事の事か? それとも……。

「その野郎は異能者を文字通り餌として食らう。
 どうだ、面白い能力だろう?」

確かに。異能者の事を食べるとは。
私の知りうる限り前例が無い。この祭りを企画した城栄に感謝しなければ。
知識を得る事が出来たのだから。
>>69
「で、俺の考えとしてはだ。小村の代わりにそいつをお前のサポートに―――」
「断る。知らない奴と組む気は無い」

後ろから刺されたのでは話にならない。私は城栄の言葉を遮った。

「まぁ、そう言うなよ。使えるか使えないかも判断して欲しい。俺たちの理想の為にな」
「……使えないと判断したら?」
「殺せ。そんなヤツは要らねぇ」
「……良いだろう」

結局彼の頼みを聞く事と成った。口車に乗ったというより、折れたと言った方が正しいだろう。
昔からそうだった。最初は彼の言い分を拒否するが、最後になって折れてしまう。

「それで人相は?」
「名前はアルト・ハーケン、眼鏡を掛けたスーツの女だ。お前のタイプだろ?
 野郎はもう既に煌神リンの所に向っているかもな」

既に向っている、という事は事情を知らなければリンを食べてしまうかも知れないという事か。

「解った。こちらも急いで向う」

電話を切ろうとすると、城栄が慌てて引き止めた。何だ、まだ何か用件が在るのか?

「まぁ待てよ、色男。お前明日空いてるか?」

空いていないと言っても空けろで済ませる男だ。
ここは素直に空いていると言った方が良いだろう。

「明日、奴(やっこ)を食いに行くぞ。この前、良いヤツを見つけたんだ」
「冷奴(ひややっこ)くらい食べた事は在るぞ。
 四角に切り取った豆腐にしょうゆを掛けて、薬味を上に―――」
「馬鹿野郎、ちげぇよ!」

城栄が怒鳴り声を上げるが、それはあくまで仲間や友人に掛ける怒鳴り声で、
敵や失敗した部下に対するそれではないのは解る。
―――違う? どうして? 奴とは冷奴の事を言うのではないのか?
私の辞書には載っていないぞ。

「いいかァ? 俺の言う奴ってのはな、芸者の事を言うんだよ」

初めて知った。今回の来日は学ぶ事が多い。

「お前、もしかして芸者と遊んだ事がねぇのか?
 だったら尚更行くしかねぇよなぁ?」
「馬鹿な。機関一の色男と言われている私だ。
 フン、良いだろう。芸者の一人や二人くらい落としてみせる!」

変な気合が体を巡る。ここで断るのはプライドが許さない。
気が付くと手でガッツポーズを取っていた。
先程の事は訂正しよう。……私は彼の口車に乗る事が多い。

「ま、用件は以上だぜ。……しくじるんじゃねぇぞ」

言いたい事を述べるとさっさと電話を切ってしまった。
相変わらずだ、と私は少し笑った。
最後の言葉は彼なりの友人への激励だろう。素直ではないのが城栄金剛という男だ。
―――私は『機連送』をしまうと格納庫へと向った……。
【レオーネ:現在地 機関アジト】
【アルト・ハーケンの事を聞かされる】
>>69の訂正
×『美しき青きドナウ』
○『美しく青きドナウ』
72神重智&敬 ◆6eLTPQTFGA :2008/05/26(月) 20:29:10 0
>>61
「あんたの言うとおりだ、神重敬。」
「もしも私があんたに負けるようなら、あんた達の味方に値しないだろう」
宗方はそう言いながら紅茶を片づけた。
そしてベルトから懐中電灯を抜き、懐中電灯…?
「その勝負、受けて立つ。」
野郎、舐めてやがるのか…?
だが次の瞬間、その言葉を撤回しなければならなくなった。
懐中電灯からは謎の刃が生み出され、それを構えた。

「お互いの持つ最高の一撃を互いに放つとしよう。それなら勝負は一瞬でつく──」
その瞬間、部屋の全ての電気が消え、宗方に光が集中する。

「私の二つ名は″明滅<Xペクター 光を操る能力!」
なるほど…納得だ。懐中電灯を取り出したのも。今光が全て消えたのも。
こいつの能力によって光がすべて吸収されたせいだ。面白い。

「私には墓に刻む言葉も──入る墓もない──」
「今、ここで、この瞬間決着をつけよう──来い神重! 最高の一撃でだ!」
俺に全力を促す…楽しませてくれそうじゃないか。

「いいぜ…乗ってやるよ!その勝負にな!」
勝負が楽しい。ゾクゾクする。
腕を水平に突き出し、一つの物質…紅い刀身の刀を作りだしたが――
「チッ…こんな時に…!このクズ能力が!」
刀はその形を成す前に壊れてしまった。
恐らく智の体を制御するにはまだ時間が足りないのだろう。
能力は刀の生成を拒否した。

「仕方ねえ…今の俺の全力を見せてやるよ!」
ナイフを取り出し、それを左腕に突き刺す
腕からは血が飛び、その血はひとつの剣を作り出す。

『血祭りの剣(ブラッドソード)』
さっきの男との戦いでも使ったこの剣…これで宗方の全力に応える。

「さあ見せてくれよ!お前の全力とやらを!」
右手に紅き剣を構え、宗方に言い放つ
向こうもそのつもりだと言わんばかりの顔で睨みあう。
そして紅き剣と光の剣が交じりあい―――
73神重智&敬 ◆6eLTPQTFGA :2008/05/26(月) 20:29:46 0
ガキィィィ!


―――――勝負はあっさりと…本当に一撃でついた。
ドサッ
宗方の倒れる音だ。勝負はついた。普通ならば神重の勝ちだろう。
だが神重の顔にはしてやられた、という表情しか浮かんでいなかった。
何故なら――
ドサッ

今聞こえたもう一つの落下音。それは神重の右腕だ。
そう、剣が交じり合ったとき、宗方の剣は神重の剣を上回り
神重の腕ごと切り落としたのである。つまり…宗方は無傷なのだ。
「…やってくれるじゃねえか…」
その声に怒りはこもっていない。むしろ楽しげである。
そして倒れている宗方を左腕で持ち上げ…。
「一撃で力を使い果たしたとはいえ、俺の自慢の剣ごと切り落とすとは
 たいした野郎だお前は。」
剣は決して脆くは無かった。それだけ宗方の剣が上回っていたのだろう。
敬は自分より能力が下回る相手は嬲って殺す…。だが互角…あるいはそれ以上のものに対しては
最高の敬意を払うのが礼儀だと自分なりのルールを持っている。
今回の宗方の一撃は…それに該当した。
「いいだろう。協力してやろうじゃねえか
 これからの予定を聞かせてもらおうか…」
神重は予想以上の結果に満足気であった。

(やれやれ…どうなるかと思ったがひとまずは収まったな
 だがおかしいな…いくらなんでも一撃で力を使い果たすとは思えないのだが…)
智は敬の暴走に心が休まらないのであった…。

【神重敬:宗方と戦闘後、協力することを決める
     予想以上の強さに満足気】
74廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/05/26(月) 20:39:20 0
>>68
俺は桜を抱え、敵を一人斬り伏せ包囲網から脱出する。
これでもう後ろに敵はいない。目の前の敵にだけ集中できる。
敵を斬り裂き、突き刺し、薙ぎ払い、蹴り飛ばす。
俺の目の前には、刀傷から血を噴出していているもの、蹴り飛ばされた事で壁にめり込み気絶するものなどが多数出ていた。
まさかこの間まで中学校に通っていた子供風情が、ここまでやるとは思ってもいなかったのだろう。
ある者は、焦りの表情を。ある者は、恐怖の表情をみせていた。
現在、俺に向かってくる兵士は一人としていなかった。
見れば、援軍に来てくれた男のほうもあらかた粉砕し終わったようだ。
男に対峙しているほぼ全ての者が膝をつき、嘔吐していた。
男が、視線をこちらに向けてきた。
その視線がどうやら敵にはもう戦う意思、つまり士気がほとんど枯渇している事を伝えている。

「……案外だらしないんだな」

ボソっと俺は呟く。この呟きが他人に聞こえたかどうかは定かではない。
…さて?この男達、どうする?
どうせ、こんな組織に身を置いているぐらいだ。ロクな価値はないだろう。
それに、生かしたところで俺や桜、この男を再び襲うかもしれない。
一人は腕を斬りおとして戦闘能力を除去し、その後メッセンジャーとして活用。
残りの兵士は皆殺しにでもするか?
しかし、こんな所で大量の殺人を行えば少なからず騒ぎが起きるだろう。間違いなく、懲役は食らうな。
ならば、纏めて縛り上げて池にでも放り込んでしまおうか。
……これだけ大人数の人間を縛り上げられるような縄がどこにある?
ああ面倒だ。
75籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/05/26(月) 20:39:56 0
>>57
私は今、池上に案内された部屋のベッドに腰掛けている。
さっきからおかしな事だらけだ、赤髪の少女の事もあるが、金髪の女性の言動が私のとって最も不可解だった。
何故、あのタイミングで話しかけてきたのか、しかも自分も泊めろなどいくら相手が池上で無くとも断るだろう。
しかし、異能力者を野放しにしておいて良かったのだろうか?
という疑問が私の頭をよぎった、仕留めておいた方が良かったかもしれない。
なにかが起こる、私の中ではそんな予感がしていた。

「あの金髪の女はどこかおかしい、多分俺達の中の誰かを狙っている」
「師匠もそう思いますか、私もおかしいと思います
池上との約束を守るためにも、今日は寝ないで番をしていたほうがいいかもしれませんね」

そうして私はベッドから腰を上げ、部屋の窓から誰かが襲撃してきても分かるように外を伺いながら、やがて来るであろう戦闘に備えて軽く素振りをする事にした。

【籐堂院瑞穂:ひとまず現状維持 警戒態勢】
76廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/05/26(月) 20:41:09 0
>>65
俺が頭の中で色々と兵士達の始末について考えていたが、なにやら場が騒がしい事に気がついた。

(何だ、何を騒いでいる)

>「そうそう、やめとけって」

この男……誰だ……
兵士達は、この男を知っているようだ。そして、この男に敵対する意思はないらしい。
ここから推測されるのは……この男が兵士達の仲間、もしくは上官ということだ。
桜が、俺の後ろに隠れる。その桜を庇うように、俺は前に出た。

>「いやいや、すまん俺はまったく敵意はないよ。」

本当か?…簡単には信用するわけにはいかないが、それじゃあ話しが続かない。
この場はとりあえず信じることにし、剣を下げた。

>「お前、唯能高校の生徒だろ?お前らの学校に煌神リンっていないか?身長がちっちゃいやつ」

煌神?
あぁ、そういえば違うクラスにいたな…珍しい苗字だったから覚えている。
まぁ、会話をしたことは無いが。

「リン…ちゃん?」

俺の背後に身を隠しながらも、桜が答える。
どうやら桜も知っているらしい。

「…知ってるよ。何度か一緒に遊んだ事があるから。
 でも、最近行方不明になってて…貴方は、リンちゃんの事知ってるの?」

なんてこった。桜と煌神は友人の仲らしい。
聞けば、メールアドレスも交換しているとか。
しかし、最近は返事が無く学校にも着ていないとの事。
何かあったのか?……まさか、桜みたいに誘拐されたんじゃないだろうな……?
俺は、名前だけ知っている煌神について様々な想像を膨らませるのだった。

【廻間:煌神の行方について想像】
【桜:ツバサの問に対し、知っていると答える。廻間の後ろに隠れている】
77葦川妃映 ◆oov3HbsEaA :2008/05/26(月) 21:06:18 0
【国崎薬局:居間】

目前にはカレーもといカレー(笑)。
おそらくは国崎が作った物であろうそれを口にしたときの
それぞれの反応の違いはなかなか興味深い物だった。

が、その愉快な出来事をを食事と捉えることは無理だった。
シュールなドッキリパーティーだったと考えたほうが幾分か建設的だと思う。
苦笑を保ったままスプーンをおいて席を立つ。
「国崎さん。貴方のお店で包帯買うわ。レジにお金入れておくから、宜しくね」
それだけ言うと、店の方へと降りる。
暗い店内の中を、包帯や救急セットを探して歩く。
時々躓きそうになったが、眼が慣れてくるとそれも無くなり、気がつけば物色を始めていた。
「包帯と救急セットはこれでいいとして──あ、これとこれもあると良いかも」
手に取ったのは強力な栄養ドリンクと、噴射式の殺虫剤。
別にこの騒動で使わなかったとしても、日常生活でつけば良い。
「備えあれば憂いなし」と「杞憂」のバランスを考えるとこんなものかな。
レジの中に千円札を三枚入れて、包帯を巻きながら
葬式ムードの居間へと戻ろうとしたら、ふとあくびがこぼれた。
台所に引きこもってしまった国崎も呼び戻して一度、本格的な方針を決めたいところだ。
きつめに巻かれた包帯が、気持ちを引き締めるとともにどこか安心感を与える。

選択肢は多数ある。ならば、望む答えもきっとある。
「と、言うわけで頑張りましょうか」
買った物を手に持ちながら、いざ居間へ。

【現在地:国崎薬局 応急処置完了】
78 ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/26(月) 21:09:36 0
>>76
ふむ、俺の問いかけにこの女は知っていると答えた。

「ん、あぁ俺はあいつの兄貴だ」

俺が答えると女のほうは警戒を少し解いたようだ、だが大鎌を持っている自分に完全に心を開いてないようだった。
俺は女の傍らの男、多分異能者だろうに挨拶する。

「お初お目にかかる、機関がナンバーU、ツバサ=ライマースだ」
機関のナンバーU、その事実を聞いたところで男はあからさまに警戒を強めたようだった。

まぁ、確かに2番と聞いて警戒しない奴はいないだろう。
…なんか無駄に隣から殺気浴びさせてくるし。

「あぁ、警戒しないでくれ俺はただ妹の様子が気になっただけなんだぜ?」

とりあえずこの女に自己紹介と、リンについて教えてもらう事にした。
一通り教えてもらうと俺は虐殺部隊を追っ払う。

「さて、これで俺の目的は終了だが…ふぅむ・・・お前、俺と戦ってみないか?」

俺は、廻間に戦いを申し込んだ、あ、せっかく警戒がとけてきたのにまた警戒させてしまった。
「大丈夫だ、その女は巻き込まない機関の幹部にどれだけ通用するか試してみたくはないか?
もちろん二人でもいいぞ?そこの男とな…」

廻間は了承しその前に聞きたい事があるといった。
リンの行方についてだ、俺は正直にリンの異能について答えた。
「さて、これでいいだろう?さっさとはじめようぜ♪」
久し振りの戦闘だ、自然と機嫌がよくなる。

【ツバサ:廻間に戦いを申し込む】
【桜にリンとの関係を話す】
79文月宗太 ◆XzQQgkPzlg :2008/05/26(月) 21:18:31 O
>>76

間違いない、能力者だ。現れた男を見て、文月はそう確信した。
その男は誰かを探しているらしい。
ならば、まず話を聞くべきだろう。
頭では理解できる。しかし、光を喪った右目の疼きが、文月の感情を加速させた。
人を探しているのは、自分も同じだ。
「おい…」
敵意を隠そうともせず、文月は現れた男に歩み寄っていく。
敵意はまだ殺意には到ってはいないが、いつ殺意に変わってもおかしくない。
「テメェ…機関の異能者か?」
そう言って、男を睨みつける文月の瞳。
そこには、攻撃的で自虐的などす黒い炎が渦巻いていた。
80 ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/26(月) 21:24:03 0
>>67
リンは今、池上に案内された部屋のベットの上で考え事をしていた。
リンは一人で寝られないのだ、昔から兄が過保護だった事もあるが自分ひとりでは眠れないようになってしまっている。

いつもは、使用人にそばについてもいらうから問題ないが今はその使用人もいない。
そう言う事でりんは悩んでいた。

「どうしよう…さっき池上さんに服を貸してもらったけどメイド服だしこれ・・・」
まぁ、金持ちといっても女物の服まで用意してある筈もないから、しょうがない。

リンはあきらめて、居間にいく事にした。

居間では戦場ヶ原が、ソファで寝ていた。

静かに眠っている彼の顔を見て思わず笑みをこぼす。
よく見ればこのソファも結構広い、人二人が寝ても大丈夫なほど、リンは数分間悩んだがついに決心した。

「お、おじゃまします…」
顔を真っ赤にさせおずおずと戦場ヶ原の隣りにねっころがる。

顔を赤くしつつもリンは安らかに眠りに落ちていった。

【煌神:戦場ヶ原の隣りに寝る服装はメイド服。】
81アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/05/26(月) 22:05:08 0
>>66
「知ったことか。失せろ」

私の言葉を聞くと、彼はすぐにそう返した。予想通りではある。

「──行くぞ」

そのまま去っていく彼らを、私は追いかけもせず、声をかけもせず見送った。
さて、これで確証が持てた。やはり、あの男は同情から他人を泊めるタイプではない。
一見すると冷血漢に見えて、根っこではお人好しなタイプである可能性も消えた。
となれば、籐堂院 瑞穂を泊める理由は言葉の通り。戦力が欲しいから、だ。
彼の力は機関の調査したリストで確認している。かなりの異能者だ。
そんな彼が、わざわざ他人に用心棒のような真似をさせるというのは変だ。
つまり、自分で戦うわけにはいかない状態だということだ。

「さて、誰かとの戦闘で負傷したのか。それとも能力の使いすぎか。
 どちらにせよ好機です。今なら相手をするのは籐堂院 瑞穂だけになるでしょう。
 ―――ん。あれ?」

携帯が鳴っている。登録されていない番号からの連絡。となると、

「はい、もしもし。こちらはアルト。あら、やっぱり上野さんですか」

予想通り、電話の相手は上野さんだった。
なんでも、煌神リンの確保の手伝いをするように、ということらしい。
それを私に伝えるように、上から命令されたとか。
煌神リン。機関の重要視する異能者。―――その重要性を再確認する。
何故なら、彼女の確保を任された者が、機関の幹部。ファーストナンバーの一人。
Nо.6。レオーネ・ロンバルディーニ。それほどの大物が動くほどの相手か。

「え? いえいえ、リストには重要人物とありましたし、食べる気はありませんでした。
 ……酷いですね、本当ですよ? 覚醒の兆候がある、程度なら食べたかもしれませんが。
 少なくとも、重要人物を無断で食べて、機関に敵対するような真似はしません。契約したでしょう?」

しつこく忠告を受ける。絶対に煌神リンを食べるな、ということだ。
――――しかし、幹部。それもファーストナンバーと共同戦線か。
この目で、その力をじっくりと見せてもらいたいものだが。そんな余裕があるかどうか。

「…ともかく、合流しないといけませんからね。
 合流場所については… えぇ、お願いします」

上野さんからの説明は終わった。まずは機関の幹部との合流が先決だろう。
しかし、実に面白い人だ。少し慌てていたように聞こえて、愉快な気分になった。

「身体の調子は十全。精神面も十全。つまるところ、すべてが十全。
 ……さて、参りましょうか。無理矢理にでも確保するというのなら、そこそこ得意です」

【アルト:レオーネと合流しようとする】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
>>70
やはりF-15Eは良い機体だ。加速、操作性全て申し分ない。
耐Gスーツを着用していないが何も問題ない。
常人ならGに耐えかねてブラックアウトしてるだろうが、
機関の鍛え方は通常の軍隊の鍛え方とは違う。
出来なければ、待つのは解雇ではなく死なのだから……。
それに、私とて機関の幹部だ。
身体強化系の能力者に一歩及ばずともこれ位は出来る。

しかし、ここに来てようやく思い出す。肝心要の事を……。
―――場所を聞いていなかった。
しまった、何たる失態! どうする!? 聞きに戻るか!?
そこで、また思い出す。『機連送』の存在を……。
片手で取り出すと、急いで本部に連絡を入れる。

「私だ。煌神リンが最後に目撃されたのは何処だ?」
平常心を保ちながら、冷静に問い掛ける。
これではカッコが付かないが、聞かなかった私が悪いのだ。
そんな私に親切丁寧に教えてくれた連絡員には、昇格という褒美を与えてやろう。
聞いてきた事に多少驚いていたようだが……。
涙のナイトフライトに成らずに済んだのは幸いだ。
ついで……という訳ではないが、
連絡員が小村から聞かされたハーケンの携帯電話の番号も教えられた。
スロットルを更に上げると、聞かされた場所へと方向を変えた。

機体を平行に保つと、『機連送』を使ってハーケンに連絡を入れる。

「君がハーケン? アルト・ハーケン君か?」

声の質からして十代後半から二十代前半といった所か。
慇懃な喋り方をした女だ、これが彼女への第一感想だった。

「間もなく近くで花火が上がる。何、場所は直ぐに判る。
 君も参加するのだろう? デートには遅れないで来て欲しいものだ」

これだけ伝えれば十分だ。私は電話を切った。
全ての準備は整った。後は異能者の反応を頼りにするだけ。

―――流石に戦闘機は早い。機関本部から物の数分で到着した。
速度と高度を下げて見てみるが、それらしい人影は見当たらない。
少々不機嫌な気分になっていると、不意に感覚が鋭くなる。
どうやら発信源は、他の住宅よりも豪奢な建物の中からのようだ。
協力者の家か、それとも潜伏先だろうか。
どちらにしろ、知った所で意味は無い。これから無くなるのだから……。

場所が判れば話は早い。
彼らは今、"最近、夜に飛行機が良く飛ぶようになった"と思っているだろうが、
残念ながら戦闘機だ。まあ、飛行機である事には代わりは無いが。
挨拶代わりに、建物に空対空ミサイル『スパロー』を発射する。
二階にリンが居ない事を祈りながら……。
爆音と共に物の見事に二階部分が吹き飛んだ。

さぁ、パーティーはこれからだ、リン。

【レオーネ:現在地池上家 上空】
【池上家は二階部分が綺麗に吹き飛ぶ】
83廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/05/26(月) 23:04:58 0
>>78
男は機関のナンバー2、ツバサ=ライマースと名乗った。
……機関……機関か。
桜を洗脳し、七重を襲わせたあの機関か。普段の俺なら激昂しツバサに飛び掛かっていた事だろう。
しかし、今の俺は本当に落ち着いている。これも全て、漆黒の心のおかげだ。
俺は心の底から、この心の伝授してくれた師匠に感謝した。

>「あぁ、警戒しないでくれ俺はただ妹の様子が気になっただけなんだぜ?」

……兄、か。アニキは今、何処で何をしている事やら……
ツバサがリンの兄だと知るやいなや、桜が少しだけ……本当に少しだけだが、警戒を解く。
やはりリンの兄というより、自分を誘拐した組織の人間というのが大きいのだろう。
桜は自らの名前を名乗り、少しずつ……少しずつ、自分の知ってる限りのリンの事を喋り始めた。
もちろん自らを機関の人間だ名乗ってる人間を、そう簡単に信用するわけにはいかない。
しかし……この男からは敵意を感じない。今だけは、ほんの少しだけ信じておこう。

>「さて、これで俺の目的は終了だが…ふぅむ・・・お前、俺と戦ってみないか?
大丈夫だ、その女は巻き込まない機関の幹部にどれだけ通用するか試してみたくはないか?
もちろん二人でもいいぞ?そこの男とな…」

なるほどね、いわゆる模擬戦と言うわけか。
確かに自分の力が、機関にどこまで通用するか試してみたい。
しかも、この男は自らを幹部だと名乗っている。
先ほど名乗ったナンバーが本当なら…トップレベル、幹部の中でも指折りということになる。
そんな相手と戦えるチャンスなど、滅多に無い。この千載一遇のチャンス、逃すわけにはいかないか。

「……分かった。言ってるとおり、桜に手を出さないというのなら戦ってみよう。
 俺自身も、自分の腕がどれほど通用するか試してみたい」

俺はツバサにそう返すと、援軍に来た男に向き直りこうつげた。
もちろん、自らの未熟さは分かっている。
しかし、スピードだけなら誰にも負けない自信がある。
そこを利用し、敵の虚をつけば勝機は見えてくるかもしれない。

「さて、俺はツバサと戦ってみるけどどうするんだい?
 言うとおり、2対1のハンディキャップを仕掛けるか?それとも、一人ずつぶつかるか?」

相変わらずの漆黒の心状態の故、冷たい瞳を男に向けて提案を持ちかけた。

【廻間:ツバサの提案に了承の意を示し、文月にどうするのか問う。桜は戦闘時には距離をとります】
84アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/05/26(月) 23:14:58 0
>>82
と、上野さんとの連絡が終った途端にまた電話が。しかもまた登録されていない番号から、
ともかく出てみると、いきなり声が聞こえた。

「君がハーケン? アルト・ハーケン君か?」

機関の人間か。あるいは―――この声の主がレオーネ・ロンバルディーニか。

「ええ、私がアルト・ハーケンです。
 …偶然、捕獲対象のすぐ傍まで来ていましてね。
 今すぐにでも行動は可能ですよ?」

「間もなく近くで花火が上がる。何、場所は直ぐに判る。
 君も参加するのだろう? デートには遅れないで来て欲しいものだ」

その一言を伝え終わると同時に電話は切れた。

「花火… 爆弾か何かでしょうか。あるいは―――」

音が聞こえた。飛行機の飛ぶ音。このタイミングで、ということは、つまり、

「随分と思い切った真似をしますね。
 …隠蔽できるのならばいいんですけれど、ね」

いや、そんなレベルの話か? 戦闘機による強襲。花火という言葉から連想すれば―――
空を見上げる。そこに見えたのは、今まさに発射された、ミサイル。
それは池上 燐介の家の、二階に直撃した。って、ちょっと待ちなさい、

「バ―――――――バカですか貴方はっ!
 あんな様子では中にいる目標が無事かどうか…! しかも、隠蔽工作が可能なレベルではありません!!
 …仕方ありません、ともかく今は生存者の確認をしなければ。救助活動も考慮せねばいけませんね、これは」

思い切った真似、どころの話ではない。これだけの爆発。これだけの規模。
いかに機関の力大きくとも、隠蔽できるレベルではない。
だが、まあ、その気になれば可能かもしれない。どこぞのテロリストの仕業に仕立て上げる、とか。
かなり苦しいが、悪の組織の暗躍だとかよりは現実味があるだろう。

「機関のNо.6―――能力はともかく、性格に難がありすぎる…!
これでは協力する、どころの話ではありませんよ!!」

駆け出す。らしくもなく神様に祈りたくなる。死なないでくださいよ、籐堂院瑞穂に煌神リン。
ちゃんと生き延びてもらわないと、私が困るんですから!

【アルト:ミサイルの着弾を確認。池上邸に突撃し、生存者を確認する】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
85文月宗太 ◆XzQQgkPzlg :2008/05/26(月) 23:17:30 O
「…機関の幹部とはな!今夜はツいてるやがるぜ……」
何がそんなに嬉しいのだろうか。
先程までの文月とは明らかに違う。怒りと歓喜が入り混じった言葉。
少年からの問いかけも、聞こえていないのかもしれない。
文月は少年の方を振り向きもせず、ツバサと名乗った男へと斬りかかった。
86五徳 静慎 ◆YUm3AOdOaA :2008/05/26(月) 23:43:50 0
「美しい花火だ・・・」
ミサイル着弾の瞬間を見てつぶやく

「あれをやった者はさぞかし素晴しい『驚喜』、いや『狂喜』か?
 いずれにしろ『喜劇』を見せてくれそうだ。
 ぜひともその返り血で描かれたサインがほしいものだ。」

池上邸に足を進めようとして立ち止まる

「しかしこんな事を実行できるのは『機関』だけだろうが・・・・
 いくらなんでも無茶苦茶だな・・・?
 無人兵器でも暴走させたか?」

言って再び歩みを進める

【五徳:ミサイルに興味を持ち池上邸に接近あと2,3分くらいで到着しそうなあたり】
87池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/05/26(月) 23:45:42 0
割と広い庭の所々には多くの草木が植えられている。敷地の隅には鯉でも飼っていそうな
池が見受けられ、その反対側には二台の高級車がガレージの下に停められている。
俺は見慣れた風景に目を奪られることなく、庭の真ん中を自宅の玄関目指して歩いていく。

玄関を開け、後ろからついて来た三人を自宅に招き入れる。
玄関の正面から除かせる廊下には埃一つ落ちていないのが窺え、
内装は派手な飾りつけも無く、ただそこには清潔感だけが漂っていた。
この三人は大方予想していたことなのか、特に驚きは見せていない。

俺は籐堂院を二階の両親が使っていた寝室に案内した。
その寝室のベッドは一人が使うには広いダブルベッド。ドアを開けた隣の部屋にはバスや
トイレが備え付けられており、冷蔵庫までもが設置されているので、不自由はしないだろう。
彼女が条件を呑んだことで、俺は約束通り良い寝床を提供したのだ。

山田や煌神 リンには、「一階なら俺の部屋以外、どこを使ってもいい」と言っておいたが、
彼らは空き部屋となっているいくつかの部屋を使おうとはせず、居間で寝転んでいた。
煌神 リンは寝る前に着替えがしたかったらしく、俺に女物の服を寄越すように申し出た
ので、以前に俺の家で働いていたお手伝いが使っていた服を渡してやった。
別にそれが俺の趣味だったわけではなく、この家には女が着れそうな服は
その服しか無かったというのが実情だ。

俺は自分の部屋へ入ると、ボロボロになった服を脱ぎ、
タンスから取り出した新しい服に着替え、机の椅子に腰をかけた。
そして俺はそこから自分の部屋の窓に目を向けた。
カーテンをしていないため、部屋の電気が窓を通して自宅の庭を映している。
──水が抜かれ、鯉どころか虫も住んでいなそうな石と岩だけの池。
真っ白な埃を被ったままの車が置いてあるガレージ、枝や草の葉が伸びきった
庭に植えられた草木──。
彼ら三人は夜中であったので気付かなかったのかもしれないが、
実のところ綺麗に掃除されているのは自宅の中だけであり、庭は全くの放置状態なのだ。

俺は一人で暮らしてはいるものの、両親はまだ存命中である。
ただ二人とも実業家というやつで、常に世界各地を飛び回っている人種だ。
そのせいで俺は幼い頃より、両親に代わって雇われたお手伝いに世話をされて来た。
それまでは庭も綺麗に手入れがされていたが、俺が両親に頼んで本当に一人で生活
させてもらうようになってから、庭が綺麗に手入れされることはなくなった。
一人でも定期的に掃除はしているが、何分広い。つまり庭にまでは手が行き届かず、
こうして自宅の中だけが清潔に保たれるという現象が生まれたわけだ。

そういえば……あの高級車を送ってきたのは両親だった。
俺が二十歳の時に、成人の祝いとかいうやつで……。
まぁ、大学は市内にあるし、買い物に遠出することもないのでほとんど使っていないが。
もっとも自分達が送った車が使われていないということすら、二人は知るまい。
前に会ったのは確か……三年程前になるからな……。
88若宮こよみ ◆P1wJYx92Ts :2008/05/26(月) 23:47:05 O
>>29
「金というものはあるところにはあるものでござるな」
御剣は屋敷の広さに呆れていた。機関のシナゴークとして使われていたことは聞いていたが客間だけで40部屋あるとは思いもしてなかった。
御剣が自嘲的に笑いながら通路の向こうに気配を感じていた。
「お客様、当屋敷にお越しいただきありがとうございます。ご案内はわたくし葛野美弥子が承らせていただきます」
美弥子は大鎌を取り出すといきなりふりおろした。御剣が身を屈めると大鎌はほんの少し前まで首のあった場所を通過した。
「いやいや、どういたしましてでござる。貴殿の寝間着姿なかなか艶っぽうござる」
同時に二本の苦無が飛んだ。苦無は美弥子の急所を正確に狙っていたが大鎌にひとふりで弾かれた。
「申し訳ございません。お客様の急な来訪で身支度が整いませんでした」
ふたりはお互いの実力を厄介な相手だと十分に把握した。感情を昂らせることなく冷静に人を殺せるその筋の人間であるのだと。そう、人を殺すことを日常として扱える種の人間だと。
「御主人様は只今お休みになられております。僭越ながらメイドのわたくしが御主人様に成り代わりあなた様を冥界にお見送りさせていただきます」
大鎌がうなった。暗闇に風をきる音だけが聞こえる。一撃、二撃、三撃―美弥子の攻撃を御剣は全てかわした。
「メイドに冥土送りとは冗談にもならぬでござる」
御剣は彼女が予想以上に厄介な相手だと認知した。彼女の攻撃には起こりがなかったからだ。
目の動き筋肉の緊張息づかいかすかな兆候でも見逃さない自信はあったが彼女はごく自然な状態から攻撃に移ることができる非常に厄介な相手だ。
「本気を出すでござる。ミツルギ忍法暗闇の術」
御剣の身体から闇の光が現れ周囲をさらなる暗闇に落としこんだ。
>>82
リン、お前が逃げたからこんな事になるんだよ。
あの時逃げなければ、大人しく私と一緒に来ていれば……。
もう一発発射した所でリン達が家から飛び出てくるのが見えた。
最後の一発は民家に命中したが、なんと言う事は無い。
リンを捕まえる為だ。多少の犠牲は止むを得ない。
私は脱出装置のレバーを倒した。

―――着地し、スーツに付いた埃を軽く払う。
折角の『エルメネジルド・ゼニア』だ、汚れはつけたくない。

周囲の様子を見渡すまでも無い。そこら中から火の手が上がっている。
隠蔽は―――
……無理か。起きてきた者も居るようだ。
だからどうした? 最初から隠蔽などするつもりは無い。
私には使命が在るのだ。
『世界改竄』……。その為にはリンの捕獲が第一なのだ。
まぁ、生きて居たらの話だが……。
丁度、先程まで私が乗っていた戦闘機が民家に墜落するのが見えた。
目的地から少々距離が在るようだ。

「おいで、リン。私の最高傑作」

―――私は顔を手で隠すと、高らかに笑った。
狂おしいまでの笑いが腹のそこから湧き上がってくる。
あの程度でリンが死ぬ訳が無い。私には解る。
民衆とは逆方向に進む。一つオペラでも歌いたい気分だ。
朝のコーヒーを飲むよりも遥かに清清しい。
悲鳴の中を笑いながら歩いていると、目の前に煌神リン達が現れた。

―――漸く逢えたね、煌神リン。

【レオーネ:現在地 道路】
【精神が高揚しています】
90池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/05/26(月) 23:48:21 0
しかしそうやって二人が稼いでくれるお陰で、俺は学費にも毎日の生活にも
何不自由することなく、こうして生きてこれた。
それを理解していたからこそ、俺はこれまで両親に何一つ文句を言ったことは
なかったが……。

「まぁ……俺は殺人者だ。親の目の届かぬ所で不孝を働いている子供が、
偉そうに親の勤めを果たしていないと文句を言うわけにもいかないしな……」

窓から庭を眺めながら、俺は独り、無意識の内に小さくそう呟いていた。

壁時計を見る。時間は午前一時を回っていた。
恐らく籐堂院は起きているだろうが、他の二人は寝てしまっただろう。

「さて……俺も寝るとするか」

俺は椅子から離れ、自分のベッドに横になり目を瞑った──。
────。
────。

>>82──ドオオオオォォォンッ!!

──眠りかけていた脳を、正に揺さぶり起こす程の轟音と振動で俺は瞼を開けた。
何やら家全体が揺れている。近くの家が爆発事故で起こしたのだろうか。
……いや、違う。この揺れは、俺の家から──二階で起こっているのだ。

しかし、爆発が自分の家の二階で起こったものだと気付きながら、
俺は身体一つ動かさず落ち着いていた。
──というより、起きるのが面倒で、動く気にはなれなかったのだが。

「ただの爆発ではないだろうな……とすれば異能者か……。
……まぁ、異能者退治は籐堂院に任せてある。俺はもう少し休ませてもらおう……」

こうして、俺の意識は再び眠りへと入っていった──。

【池上 燐介:爆発に気付きながらも再び眠りに入る】
91オマエ ◆Jd2pQO.KKI :2008/05/27(火) 00:43:16 0
公園。数日前に戦ヶ原と剣使いが繰り広げた壮絶な戦いで廃墟となり、
閉鎖されたその場所に、三つの人影があった。
一人は30代の女性、もう一人は小学生らしき子供。
その二つの影は手にナイフを持ち、数分前から何度も交差しており、
金属音や肉切音を響かせている。
彼らは、腕力や速度こそ常人離れしていたが、動きは素人そのものなので、
互いにナイフの一撃を避けられず、交差するたびに体から流れ出る血液を増やしていく。
「痛い、い”だいよ!! 止めて、もうやだよママー!!」
「いやあっっ!なに、もういや、逃げて――ちゃん逃げてー!!」
そして、その度に泣き叫ぶのだが、どうした事か、身体は相手を殺すため、
その意思とは反対に相手に切りかかっていく。何度も。何度も。何度も。

「あー、ホラ!頑張ってくだサイ!そコ!右!右ですヨ!」
その様子を残りの一人。白い仮面に白いスーツを来た綺麗な白髪の人間が、
崩れかけた滑り台の上から、手に汗握ると言った様子で眺めていた。

「ママ!ママ!マ……がっ」
「あああっ!!?嫌!嫌!いやあああああ!!!」
そうして、さらに数回の交差を経て、女性の手に持つ刃物が深々と子供の
胸を貫く事で決着は付いた。人影は二つになる。

「エクセレントッ!! 私君は感動しましたヨ! いやー、やはり勝負を決するのは
 リーチと体力でしたカ。 両方とも必死なのがまた、私君的に好感度アップでシタ!」
「……どうして……どうしてこんな……」
楽しげな声で拍手をしながら女性に近づく仮面の人間の言葉に反応せず、
女性は自分の子供だった物を見つめながら呟く。
ソレに対して仮面の人間は、まるで勝者へのご褒美だとでもいう様に、律儀に返答を返す。

「ああ、それは僕君の趣味でス。いや、最初は洗脳した方達を送るだけの
 任務だったのデスがネ。どうも金剛サンが面白そうな事をシテいるみたいなので、私君、
 No69サンに無理を言って街への派遣を代わって貰ったのデスヨ。
 でも、着いたら待機命令ばかりで暇で暇で仕方が無かったカラ、洗脳した人間で趣味の
 人間遊びを始めたんデス。あなた達は、人間の中では実に素晴らしかったデスヨ?
 ……ア。怒られるから、この事はファーストナンバーの人達には言わないでくださいネ?」
 
まるで、楽しい秘密の娯楽を語るような男の物言いに、絶望していた母親は、目に憎しみと怒りの
色を浮かべ、血と涙を混ぜた怒りの声を出す。

「お前が……お前みたいな奴がっ!!!」
手のナイフを握り締め、先程から自由を取り戻していた身体を仮面の人間の方へ向け
「はい、私君の名前はオマエでス。 ああ、私君の用はもう終わったから、
 あなたも死んでいいデス。自分の首にナイフを突き立ててくだサイ」
「な……グゲ!?」
そのナイフで、自分の喉笛を切り裂いた。女性だった物は倒れ、人影は一つになった。

「んー、やっぱりこの街は楽しいですネ!面白そうな素材も何人かいましたシ、私君、この町が
 大好きになるかも知れまセン!」

そう言って、『オマエ』という名の仮面の人間が伸びをすると、
その上空を轟音を立てて戦闘機が飛んでいくのが見えた。直後に響く、爆発音。
 
「……誰でしょうカ? 金剛サン?外道院サン?それともレオーネサンですかネ?
 全く、うっかりさんですネ。あれだけ派手にやったら、この町の秘密のお祭りが
 見つかってしまいますヨ?……そうダ、今回は気分もいいので、お手伝いしてあげまショウ」

【(NPC)機関NO.13 オマエ:虐殺部隊に紛れ込んで町に入る。
 人間で遊んでいたが、レオーネの起こした爆発を見て、
 爆発地周囲の一般人を洗脳操作する事により、爆撃と戦闘機飛行の情報隠蔽を開始】
92若宮こよみ ◆P1wJYx92Ts :2008/05/27(火) 00:45:57 O
>>88
闇の光…奇妙な表現だがそれはそうとしか表現できなかった。どう見ても御剣の身体は闇で周囲を照らしていた。
「夜の闇…聞いたことがありますわ、【闇黒(エンプティ)】と呼ばれる異能者ハンターがいることを…」
「拙者も聞いたことがあるでござるよ。特殊部隊<博愛の死神>に歩く武器庫と呼ばれた隊員がいると…」
「女性の過去を詮索するのは礼儀に反しますわ」
美弥子は正確に御剣に対し攻撃を仕掛けた。
「いやはや、目がきかぬというのによくわかるでごさるな」
「わたくしにとりまして当屋敷は神聖なる職場。屋敷のつくりなど目を瞑ってもわかります」
嫌な相手だと御剣は思った。しかし、美弥子が大鎌の石突で床を叩いていることを見逃さなかった。
御剣は彼女が蝙蝠のように床を叩いた音の反響で自分の位置を確認しているのを知り驚愕した。
(音ならばこちらにも手はあるでござる)
ピュュュュュュィ―
笛のような音が美弥子を襲った。咄嗟に美弥子は大鎌の刃で音を受け止めた。
「指弾!」
それは暗器の一種。暗器とは隠し武器のことで小さく目立たないことから暗殺等に使われる道具である。音が出るのは彼のオリジナルだろうがここはそれが幸いした。
「まだまだ続くでござる」
一発、二発、三発と音が美弥子におどりかかったがすべてそれをかわした。するとかわした四発目が美弥子の二の腕をかすめた。
「跳弾!!」
床か壁に当たった音が入斜角を変え美弥子を襲いはじめた。五発、六発、七発を過ぎたあたりから美弥子は聴覚の異常を感じた。
反射し反響してくる高音に三半規管が悲鳴をあげはじめていた。美弥子は御剣の位置を見失ったことでこの武器が聴覚を封じるためのものだと気付き己の迂濶さを呪った。
「とどめでござる」
美弥子の眉間に向かって音が襲った。
93籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/05/27(火) 00:53:12 0
私は池上なら何も言わずに許してくれるだろうと思い、屋敷の一階にある台所に行き、勝手に淹れさせて貰ったコーヒーを飲みながら、外の景色を眺めていた。
実に静かだし、何も起こりそうもない、まさか私の思い過ごしだったか?
すると、上空から戦闘機が飛んでくるのが見える、まさかとは思うが『機関』か?
随分派手な登場をしてくれる、私は最後にコーヒーを飲み、迎撃しようと天之尾羽張を持ち、口に含んだコーヒーを盛大に吹いた。

「な、ミサイル?冗談だろう?ちょっと待てあれは『機関』じゃないのか?」

その戦闘機は移動用ではなかったのだ、なんとミサイルを発射した。
『機関』がこのような暴挙にでるとは思えない、だとすると『機関』以外の別組織か?
そうしている内にミサイルは池上宅の二階に命中、すさまじい轟音と共に天井に亀裂が入った。
早く避難しないと崩れるかもしれないな、池上達が危ない、忠告だけしといてやるか。

「早く逃げろ、空襲をうけた!このままだとこの建物は崩れる可能性が高い」

そう叫び、私は窓から外に出て上空を見上げる、何者かが戦闘機から降りてきたみたいだ。
馬鹿な奴だ、大騒ぎじゃないか、これではここに警察が来るのも時間の問題だ、手っ取り早くかたをつけよう。
屋敷というか何というか見るも無惨な建物から戦場ヶ原達が出てきたのが見える、池上は居ないようだが、今は関係ない、奴を追わねば。
戦場ヶ原達が逃げている方向に一人だけ他の人の流れを逆らって歩く者が居た。
あれが、この騒動の首謀者か、どこかで見たことがある。

「おいおい、あれってレオーネじゃねえか?」

師匠が言う、確かに前逢ったのは結構前だが私は覚えているし、登場の仕方も似ている。
あれは、確か私達の組織の本拠地に戦闘機で乗りこんできて何度も爆撃した時だったかな?
結局、欲張りすぎた戦闘機は全て師匠が落としたんだがな。
奴は人の精神に干渉する能力でなかなか手強かった記憶がある、そのせいで仕留め損ねた覚えがある。
そういえば、今はそんな過去を思い出している場合じゃなかったな。
私は戦場ヶ原達の横を素早く駆け抜け、レオーネに肉薄する。
そして、高笑いしているレオーネの鳩尾に思い切り拳を叩き込む。
レオーネは体を折り曲げ、大きく咳き込む。
自慢じゃないが私の拳は岩すら容易に砕く、常人相手なら一撃で命を奪うことすら可能だ。

「気でも狂ったか?レオーネ・ロンバルディーニ、私が直々に目を覚まさせてやろう」

そう言い放ち、私は天之尾羽張を抜き構える。

【籐堂院瑞穂:レオーネと相対】
94宗方零 ◆BSFghFxWJY :2008/05/27(火) 01:32:51 0
「さあ見せてくれよ!お前の全力とやらを!」
神重が血から剣を作りだし、 宗方に向かって踏み込んでくる。
宗方も懐中電灯から生み出した光の刃を正眼に構え、神重へ打ち下ろした。
そして紅き剣と光の剣が交じりあい―――

完全な暗闇の中に宗方は居た。

──今は 何時だ ここは どこだ 私は 神重はどうなった──
すると宗方の前方に、TV画面の空きチャンネルに合わせたような砂嵐が舞い
宗方に数十病前の過去の映像が映し出される
ガキィィィ!
―――――勝負は一撃でついたようだ
光の刃は神重の剣を上回り、神重の腕を切り落としていた。
しかし、宗方には理解できない。
映像を見ると、明らかに神重の剣の速度が上回っていた。
にもかかわらず宗方は神重の剣を弾き、腕を切り落とした。

そして、何故私はこんなところに。

「力が足りない、数が足りない、お前には、そしてこの世には光が足りない──」
宗方は後ろを振り返る、そこには形のない影が居た。
影は明滅しながら宗方を覆い、囁く。
「愚か者め──神重は人格の切り替えで隙が出来ていたのだ、
お前が勝てたのは──僅かな幸運にすぎぬ」
影はさらに囁く。
「私はスペクター、亡霊、お前の能力そのもの、かつて死した能力者の思念、宗方、お前は今死んだ──」
「スペクターとは己の命を削り亡霊になる能力、それがこの能力の本質」
「お前は力の振るいかたを知らぬ、だから死んだ──己の命を使ったのだ──」
「お前に二つ光を与えよう、もっと多くの光を扱える能力を能力″明転<Xペクトラルを」
「そして、自ら光る事の出来る能力、″明滅<Xペクター、代償はお前の命だ──」
「「光を欲しくば死ね、そして最後には我らの列に加わるのだ──死した能力者達の列に──」

宗方は悟った。宗方が子供の頃に見たTVの発光現象、宗方が覚醒した理由。
それは、死んだ能力者の思念をデータ化し、それを放送していたのだ。
95宗方零 ◆BSFghFxWJY :2008/05/27(火) 01:35:51 0
「我らはひとまずお前から去ろう、お前を現世に呼び戻す、
お前はあと2度死ね、機関を抹殺せよ、そして最後には真の死を、それがお前の定め」
「光あれ、機関と長束と城栄に呪いあれ──ククククククククク・・・・・・・・・・」

気付くと宗方の意識は、肉体に戻っていた。
「…やってくれるじゃねえか…」
神重は片方の腕で宗方を左腕で持ち上げていた。
神重はどこか満足そうな顔をしていた。
「一撃で力を使い果たしたとはいえ、俺の自慢の剣ごと切り落とすとは
 たいした野郎だお前は。」
「いいだろう。協力してやろうじゃねえか
 これからの予定を聞かせてもらおうか…」
「宗方は神重の腕をほどくと、姿勢を正して向き合う。
「まずは味方を探す、できるだけ多く。それと治療用の医薬品の調達が必要だ」
宗方は切り落とされた腕を視る。
「あんたみたいに便利な体の奴は相違ないだろうしな、
まあそれは近所の薬局にで揃えるとして──ともかく」

「よろしく頼むぞ」 
宗方はニヤリと笑い、神重の残ったほうの手のひらを堅く握る。
(亡霊と吸血鬼、なかなか良いコンビになりそうじゃないか?)
宗方はそう思いつつ、近所の薬局の住所を即座に思い出していた。
あの陽気な店主は戦いに巻き込まれたりしていないだろうか──と

【宗方零 神重との戦闘で能力覚醒】 
【広範囲の光源を使う能力″明転
命と引き替えに光源なしで戦える能力″明滅≠得る】
【残り使用数あと2回】
【国東薬局の事を思い出し そこに向かう事を考える】
【能力値 3/6→2/6】
96 ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/27(火) 07:06:11 0
>>83>>85
「ふはは、そんなに急ぐなよ!」
ツバサは嬉しそうに大鎌を肩に担ぐと文月の攻撃をかわした。

「ではでは、我が能力【冥府】ご披露いたそう!」
その刹那、地面がゆれだした。
文月は少しうろたえ、廻間は桜を避難させようとする。
地面が割れ、亡者が這い出てくる。

「さてさて、お前らの相手はこの亡者どもだ!」
亡者が数十体、二人に襲い掛かる。
まぁ、この亡者でそこまでいけるとは思わないが、
ツバサはそんなことを考えながら亡者と一緒に出てきた椅子に腰掛ける。

「おっとそうだった、そこのお嬢ちゃんを保護しないとな」
ツバサは指を鳴らし、桜の下の地面がわれ桜が落ちていったと思ったら
次の瞬間ツバサの隣りにもう一つ椅子が出てきて、その椅子に桜が腰掛けていた。

「さぁ亡者たちそこの少年をとらえろ!」
亡者はもう数体切られていたが、何度でも回復する。
何度かスピードに物を言わせてこちらに近づこうとするがそのたびに亡者に阻まれる。
そろそろ、亡者につかまる頃だろう。

【ツバサ:能力発動、こちらに近づくのは困難】
97アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/05/27(火) 07:13:38 0
>>93
と、籐堂院瑞穂がロンバルディーニに即座に接近し、拳を叩き込んだ。
―――いい動きだ。純粋な身体能力なら私が上だろうが、あの踏み込みは技術によるもの。
単なる力比べをするなら勝てるとは思う。しかし、戦闘となれば話は別だ。

「気でも狂ったか?レオーネ・ロンバルディーニ、私が直々に目を覚まさせてやろう」

言いながら、籐堂院瑞穂は刀を抜き放ち、構えを取る。
この場で優先すべきは彼女を食らうことか、それとも―――いや、決まっている。
やりやすい相手から、というのはこの場合誰か。そして、今の私が優先すべきことは。
熱量操作。レオーネ・ロンバルディーニの腕の周囲に干渉する。
熱量で文字を描く。腕からの温度を感じ取れば、こう書かれていると分かるはずだ

【契約は守ります】

「ご無事ですか、煌神リンさん!」

同時に、籐堂院瑞穂の背後にいる彼らのところまで駆けつける。
攻撃はない、どうやら、彼らは戸惑っているようだ。

「私は、ある人に依頼されたんです。煌神リンさんを保護して欲しい、と。
 それで、こうして近くで見張っていたわけなんですが―――申し訳ありません。
 結局、ミサイルに反応も出来ず、家からの脱出も手伝えませんでした」

嘘ではない。彼女の保護を依頼されたのは事実だ。
ミサイルの発射を事前に知らされていたわけではない、反応できなかったのも事実だ。
家からの脱出も―――まあ、自力で脱出できてしまったのでは、手伝えなかった、それも事実だ。
更に、私は籐堂院瑞穂に向けて、言葉を発する。

「お久しぶりです、籐堂院瑞穂さん。といっても、貴方は覚えていないでしょうが。
 ―――あなたの父、籐堂院神が作り上げた、反機関組織。私はかつて、そこで下っ端をやっていましてね。
 組織は既に壊滅してしまいましたが、いわゆる残党はいた、ということです」

そして少しずつ煌神リンに近寄り、彼女の肩に手を置いて話しかける。

「本当に申し訳ありません。自力で脱出できていたのは幸いです。
 ―――相手は機関の幹部、ファーストナンバーです。どうやら消耗している様子ですし、ここは逃げてください」

私の言葉に安心したのか、それとも緊張の連続だったのか、一瞬、彼女の気が緩む。
その一瞬で彼女殴りつけ、抱え持つ。異能者相手では気絶には至らないだろうが、この場合は問題ない。
一撃にひるんだ隙にレオーネの後方に跳躍し、戦闘機の座席に放り込む。
……籐堂院瑞穂からの攻撃はない。先程も言ったが身体能力ならば私が上だ。
直線距離での速度、そのうえ跳躍してのものとなれば、彼女よりも私の方が速い。

「依頼は完了しましたよ、レオーネさん。
 ―――とはいえ、持ち帰るにはまだ仕事をしなきゃいけないようですが」

熱量操作。煌神リンを投げ込んだ座席の周囲を高熱で覆う。
無理をすれば出てこれないこともないだろうが、その場合、能力の低下は免れまい。

「私は私の仕事をこなしたんですから、貴方の仕事ぶりも見せてもらいますよ」

まずは、二人の力を見たい。あるいは、私だけ残して撤退、というのも有り得るが。

【アルト:煌神リンの無事を確認、確保】
【成長した瑞穂と、レオーネの力に興味津々】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
98籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/05/27(火) 17:21:41 0
>>97
「ご無事ですか、煌神リンさん!」

先ほど逢った金髪の女性が私の背後に居る、煌神リンと言うらしい女性に駆け寄る。
阻止しようと思えば出来たが、宿をくれた池上ならともかく、私に後ろの奴らを守る義務はない。
第一、そのようなことをすれば私がやられるかもしれないのだ。

「私は、ある人に依頼されたんです。煌神リンさんを保護して欲しい、と。
 それで、こうして近くで見張っていたわけなんですが―――申し訳ありません。
 結局、ミサイルに反応も出来ず、家からの脱出も手伝えませんでした」
「お久しぶりです、籐堂院瑞穂さん。といっても、貴方は覚えていないでしょうが。
 ―――あなたの父、籐堂院神が作り上げた、反機関組織。私はかつて、そこで下っ端をやっていましてね。
 組織は既に壊滅してしまいましたが、いわゆる残党はいた、ということです」

知り合いか?
その割には先ほど逢ったときは何も声をかけてこなかった、私と師匠の名前を知っているとなるともしかすると『機関』の人間かもしれない。

「本当に申し訳ありません。自力で脱出できていたのは幸いです。
 ―――相手は機関の幹部、ファーストナンバーです。どうやら消耗している様子ですし、ここは逃げてください」

しかも、レオーネの事を知っている、別に『機関』の人間でなくても知っている可能性は十分あるが、怪しいことには変わりない。
と、いきなり女性は煌神リンを殴り、既に体勢を立て直したレオーネの背後に跳躍する、速い、並みの人間の速度ではない、というか私よりも速いかもしれない。

「依頼は完了しましたよ、レオーネさん。
 ―――とはいえ、持ち帰るにはまだ仕事をしなきゃいけないようですが」
「私は私の仕事をこなしたんですから、貴方の仕事ぶりも見せてもらいますよ」

やはり『機関』の人間だったようだな、だがこちらの戦いに干渉する気はないらしい、好都合だ。

「お前が敵だろうと私には関係ない、『機関』の関係者は殲滅する、それだけだ
こちらから行くぞ『剣神憑依』」

私は刀を高く掲げる、すると刀は仄かな光を発する、やがてその光は私の体の中に取り込まれる。
この技は、この天之尾羽張に封じてある神を私に憑依させ、身体能力の底上げをはかるものだ。
そして私は静かに目を閉じる、レオーネと戦う場合目を開けて戦うのは危険だ、以前の戦いで私はそれを学んだ。
身体能力が増加している今なら、能力無しのレオーネくらい目を閉じていても倒せるはずだ。

「お前の能力は封殺したぞ、レオーネ、では今度こそこの前の決着をつけよう」

私は駆け出し、レオーネに素早く斬りかかる。

【籐堂院瑞穂:目を閉じレオーネに斬りかかる】
99アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/05/27(火) 19:34:31 0
>>97の訂正
×一撃にひるんだ隙にレオーネの後方に跳躍し、戦闘機の座席に放り込む。〜煌神リンを投げ込んだ座席の周囲を高熱で覆う。
○一撃にひるんだ隙にレオーネの後方に跳躍し、その場に投げ捨てる。〜煌神リンの周囲を高熱で覆う。
100煌神 リン ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/27(火) 20:31:18 0
>>97>>98
「っく・・・!」
不覚にも捕まってしまった。
私は自分の不覚をのろいながら戦いの行方を見守る。

あの機関の人間、どこかで見たことがあるような…

よく目を凝らしてみようとすると、女の人が言っていた言葉を思い出す。

レオーネ…レオーネおじ様…
そう、思い出した兄と何度か話していて、そのあといろいろあって、よく私と遊んでくれたレオーネおじ様だ・・

確か過去に…
いや今はいい、とりあえずここから抜け出すこを考えなければ。

瑞穂さんがレオーネおじ様に攻撃を仕掛ける。
しかも目をつぶってである、あれは流石に不味いんじゃないかと思った、

この高温、並みの人間なれでれなそうだでも幼い頃から自分の炎に燃やされないように訓練してきた私なら大丈夫そうだ。

しかし、機関についていけばお兄ちゃんに会えるかもしれない。
今は様子を見ることにしよう・・・

【煌神:出ようと思えば出れるが様子を見ることに。】
101文月宗太 ◆XzQQgkPzlg :2008/05/27(火) 20:39:22 O
>>96

その剣は、とても剣とは呼べるものではなかった。
剣と言うにはあまりに大きく、重く、そして大袈裟過ぎた。

文月は決してその剣の刃を人間に向けることはない。
自分が人を殺めれば、記憶の中の少女は、きっと悲しむだろうから。
だが──
闇夜にどす黒い血飛沫が飛び散った。
大剣にあるまじき速さで振るわれた刃が、一度に数人の亡者をの胴をかっ捌いた。
そのまま動きを止めることなく、文月の身体は亡者達の群れの中へと沈む。
ほぼ時を同じくして吹き荒れる、竜巻の如き剣風。
不死であるはずの亡者を、ただの人間が一方的に蹂躙していく。
いかに不死であっても、胴から真っ二つに切り裂かれては、もはや壁の役目は果たさない。
文月の剣に流麗さはない。しかし、一振りごと確実に、無駄なく、亡者を切り裂き、包囲網を突き崩していく。
包囲網を抜けた文月が、ツバサへと肉迫する。
その目に宿るは、唯憎悪のみ。
おそらく、囚われの少女のことも見えてはいないだろう。


【ツバサに斬りかかろうとする】
102 ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/27(火) 21:35:01 0
>>101
おっと、考え事をしていて、亡者に命令を出すのを忘れていた。
その間に少年が一人近づいてくるな、ふむ流石に亡者じゃ抑えきれないか。

「我、地獄の王。貴公、我が従者、ならば契約に従いここに貴公を召喚いたす。出でよ!【巣窟の蒼鬼】!」
俺が契約の言葉を口にすると俺の左から門が出てきて中からそう、まさに地獄にいるような鬼が出てきた。

『なんだ我が主、我がいくら二百六十七徒の中でも最弱だからといって人間の男相手はないだろう?』
鬼は言いながら男の剣を片手で止める。

『鬱陶しいわ!』鬼が叫び剣ごと男を投げる。
『まぁ、よかろう呼ばれたからには対処しよう』

「お?マジか?じゃぁ【我が命により刑を執行せよ】」

『御意!』
俺の命に従い鬼が男を棍棒で殴り飛ばす。

男は壁に叩きつけられ、壁は派手に壊れる。
男は吐血し倒れる。

鬼はその男に近づきなおも攻撃を仕掛ける。
あちゃ、あれ骨確実に数本折れてるな、多分複雑骨折だ。
さてもう一人は、おっと、その前に隣りの桜を安心させるのが先か、
「あぁ、大丈夫だよあの鬼は危害を加えないよ」
できるだけ、穏やかな声をだして落ち着ける。

【ツバサ:文月に攻撃、壁を派手に壊す】
103文月宗太 ◆XzQQgkPzlg :2008/05/27(火) 21:58:47 O
>>102
「ち…きしょ…う。なんてパワーだ……」
剣を杖としてなんとか立ち上がるが、足腰に力が入らない。
文月を支えているのは、もう気力だけだった。
執念。それだけが、ただの人間である文月を異能者の域まで押し上げていた。
並みの異能者相手なら、勝つことも出来た。
事実、異能者と似たような能力を持つ人間を何人も下してきたのだ。
しかし、今回は相手が悪過ぎた。
今までの敵とは違う。
【本物】
そんな言葉がしっくりとくる。
(やべぇ…意識……が)
視界が定まらないのを自覚するよりも早く、文月はその場に倒れ込んだ。
104神重智&敬 ◆6eLTPQTFGA :2008/05/27(火) 22:46:46 0
>>95
宗方は俺の腕を振りほどくと、改めて俺に向き合い―
「まずは味方を探す、できるだけ多く。それと治療用の医薬品の調達が必要だ」
味方…か。この街にどれほどの味方がいるだろうか?
そして宗方は俺の飛んだ腕を見て
「あんたみたいに便利な体の奴は相違ないだろうしな、
まあそれは近所の薬局にで揃えるとして──ともかく」
それはそうだ。他の人間が体を離したり結合したり再生できては困る。
コレは俺の能力…いや、智の能力なんだからよ。

「よろしく頼むぞ」 そう言い、俺の左腕と握手する。
握手したあと、俺は吹っ飛んだ右腕を結合する。今回は再生ではないのがミソだ。
普段は再生することで相手に恐怖を与えたりもするが、今はその必要が無い。
使える腕は再利用…というわけだ。

「さて…薬局に行くのもいいが…こんな時間にやってるのかな?
 今日はここで休むかそれとも街中をうろつくか…
 まぁあんたの判断に任せることにするよ」

そう言いながら俺は、別の能力の準備をはじめていた…

(何をするつもりだ…敬)
(見てのお楽しみって奴だよ、智)

【神重:街中をうろつくか、事務所で休むかを宗方に委ねる
    とある能力を発動させる準備中】
>>98
リンと一緒に居るのは山田権六と、何故か一緒に行動しているハーケン。
そして籐堂院 瑞穂―――。またの名を『機械仕掛けの神(デウス エクス マキナ)』
まさかお前が生きていたとは……。まんまと騙されたという事か。
奴の踏み込みは一瞬だった。一瞬で私に近づくと、奴の拳が水月に吸い込まれていった。
綺麗に吹っ飛ぶと、人目も憚らずに激しく咽た。
多少胃液も逆流する。ハンカチを永瀬に渡したままなのを悔いた。

「はぁ…はぁ……馬鹿力め…!」

涎を腕で拭く。汚いな、もうこのスーツは着れない。

>「気でも狂ったか?レオーネ・ロンバルディーニ、私が直々に目を覚まさせてやろう」
どこまでも……どこまでも……何処までも私の邪魔をする気らしいな!!
久しぶりに頭に血が上る。リンに逃げられた時以来だ。

「この、下っ端のカスがあぁぁぁぁっ!!」

腕に違和感を感じる。何かこう、低音火傷をした時のような熱さだ。
見てみると、【約束は守ります】と書かれている。
アルト・ハーケン……。慇懃な女というのが最初の感想だったが、第二の感想は―――。
やはり、慇懃な女だった。ともかく、リンの方はハーケンに任せよう。
私は立ち上がると、体の埃を払った。―――薄汚い埃。私の傍に近寄らせたく無い。

心底腹立たしい。奴の存在が、奴の全てが……!
瑞穂とその父親の所為で、私と城栄の計画は1年遅れてしまった。
この思い上がった存在の所為で、我々の崇高な意思が、使命が滞ってしまった。

ハーケンはリンに近寄ると彼女を殴りつけた。
後方に着地したハーケンの腕に抱えられているリンを見る。
一撃で気絶したようだ。後は彼女を機関まで連れて行けば任務成功だ。

>「私は私の仕事をこなしたんですから、貴方の仕事ぶりも見せてもらいますよ」
言われる間でもない。あの女は後の憂いとなる。
ここで確実に仕留める。この命に代えても……!

>「お前の能力は封殺したぞ、レオーネ、では今度こそこの前の決着をつけよう」
決着はつけるべきだ、彼女の言う通り。
だが、目を瞑った程度で私の技が かわせるとは思わん事だ。

「『落とし穴』というのは埋めても埋めても、また空いてくる……
 限が無いよな。だが、それも―――
 お前が墓の下に居れば何も問題は無いっ!」

瑞穂の剣が肩を深く抉った瞬間、私の視界はドロドロに解けた。
私だけではない。瑞穂も山田と池上もハーケンも、人も家も木々すらも解けていく。
あぁ、リン! そんな、お前まで……!!
私は解け往く自分の体を見渡しながら、枯れる事の無い笑い声を上げた。
やや在って、この世の全てが解けた……。

『……アリスはまだ夢の中だ』
106梓川 博之 ◆acBW5xlTro :2008/05/27(火) 22:49:43 0
>>50>>56>>77
「……ん命は、変え……る………惨げ…は……い避、出来……だぁ……………んぁ?」
顎の痛みで、俺は目を覚ました。
近くには七重のみ。何があったんだっけ?

意識が覚醒するにつれ先程あったことを思い出した。
うん、あの綺麗に決まったアッパーカット。
…最近の女子高生は怖いなぁ……。

「……よお」
七重に右手を挙げて挨拶してみる。返事は聞かない。
そういえば随分腹減ってるな…。
そう思いながら居間に向かう。

いざ居間に来てみれば、そこには―――メガネの男性に、長髪スーツの女性が居た。
二人の目線が頭髪に来ているのは気のせいじゃないだろう。残念ながら。慣れてるから分かる。
それにしても…このメガネの人、なんとなく親近感が湧いた。何とは言わないが、この人も大変そうだ。

そんな考えをしていた時に、誰かが台所から来る。
左目に眼帯、白衣。結構がっしりした体つきの男性であった。
その手のお盆には―――やはり、『アレ』があった。
『アレ』は全員分有るようで、当然俺の目の前にも置かれた。
『アレ』を見、俺の思考は凍りついたかのようにフリーズ。
もう見たくも無い。

お分かりだと思うが、『アレ』とはそう、悲しきかな、あのカレーだった!
正直カレーと称していいものか判断に迷う。
「……え、これ食えと?」
ポカーンと開かれた俺の口からはそれぐらいしか発声出来なかった。
スプーンを握り締めたまま唖然とする。
って白衣の人食っちまった!
その後は言わずとも分かるだろう…台所に行ってしまわれた。
その後姿がモノのやばさを物語っている…。
こんなの食えるの七重ぐらいしか居ないだろうに。

ところが舌の狂った強者がもう一人居る!
親近感の湧いた、あの地味そうなメガネだぁぁあ!!
普通に食ってるよこいつ!
「…このカレーって、美味いけどぶっちゃけゲテモノだよな」
「旨いのかよ!?」
常人の舌じゃない。

そして俺は勿論食えなかった。食わなかった、ではなく食えなかった。
あのジャンクフードが食えるものか!
「………あ、あの―…俺、食欲無いんで……ご馳走様…」
一口も食ってないけどな。

飯も食えない俺は、台所に行った人がどうなっているのか見に行くことにしてみた。
その光景は、哀愁しか漂わなかった。
延々と「の」の字を書く男性。
なんだかわからないが、この人にも親近感を覚える…。
―――俺は何も言わずに、ポンポンと肩を叩いてやった。

【梓川:国崎に同情し、肩を叩いてやる】
>>105
―――夜は好きだ。私が産まれたのが夜だったから。
この住宅地は人通りが少ないのか、車の騒音も少ない。
満月の光が差し込む中、先程から聞こえるのは、目の前に居る三人の寝息だけである。
―――いや、訂正しよう。四人に増えた。
私は腕に抱えた籐堂院 瑞穂をソファに持たれ掛けさせた。
割と大変だった。山田と池上を同じリビングに集める作業は男手であっても疲れる。

「馬鹿、寝ている場合か! ……テメェ、何をしやがった!?」

"剣"が声を荒げて食って掛かってくる。

「黙っていろ、舞台はもう始まっているのだ。
 それにしても、山田。お前はかなり汗臭い。ちゃんとシャワーを浴びているのか?
 良い機会だ、香水を付けて見ると良い」

山田は香水でも付けるべきだ。それがマナーだ。
そもそも香水という物はシャワーを浴びる習慣の無かった中世フランスで発明された物だ。
君にはお似合いだよ、と彼の額を突付いた。

「起きろ瑞穂! おい!」

"剣"は必死に持ち主の瑞穂を起こそうとしている。

「無理矢理起こそうとするな。目覚め方が悪ければ、最悪一生植物状態のままだぞ」

「くっそぉ……!!」

万事休すという奴だ。腕時計を見るもう直ぐか……。

「ん、もうそろそろテクスチャが剥がれる頃だな……。
 ―――3、2、1……。アリスはまだ夢の中だ」

剣を持ちながら四人を見下ろす。もう舞台は終わった頃だ。

「驚いたか? なに、ちょっとした余興だよ。
 どうだ、気分は……。全員聞こえているんだろう? 私の声が。」

昏倒している人間に気分は如何だと言うのも可笑しな話ではあるが。

「今まで君達が見てきたのは、君達自身が望んだ幻想。
 私はその背中を少々押してやっただけだ
 肉体の方は心配無い。皆、可愛らしい寝息を立てているよ」

ここに居るのは、山田権六に池上燐介、リンに籐堂院 瑞穂だけだ。
私が乗ってきた車の中にハーケンが乗っている。勿論、熟睡中だ。
彼らがどんな夢を見たのか知らないが、多少興味は在る。
自分では覗く事が出来ないから……。

「種明かしをしてやろう、簡単な話だ。今、君達は心の迷宮の中に居る」

『精神構造迷宮化(不思議な夢のアリス)』。それがこの技の名前。
発動した場合、対象者は即座に昏倒し植物状態となる。そして仮想空間という迷宮の中に囚われる。
この技は他の二つと違い、発動条件に『視界に入れる』『声の届く範囲』などの条件が付かない。
本来は私の能力が全く効かない人間、つまり目や耳が不自由な人間に対して使用する技だ。
発動条件は"範囲内に入る"事。フルパワーで200m、ミニマムで80m。
基本的には単体対象だが、指向性のオン・オフが可能で、切った場合射程が延びる。
今回は指向性をカットしフルパワーで発動させたから、当然周囲の人間も巻き込んでしまった。
まぁ、余興が終わったので精神を手放してやったが……。
強力な反面、それに伴うリスクは桁違いに高い。今の私は精神力の消耗が著しい。
>>107
「初めにハーケン君。続いて近隣住宅の住民も含めた君達全員が技に掛かった―――。
 …筈だったのだが、一人だけ私の存在に気付いて外に出てきた者が居た」

腕を見ると先程まで滴っていた血液は、既に止まり始めていた。
致命傷ではない、致命傷ではないが思ったよりも深いようだ。

「瑞穂、君だよ。殺気も気配も、異能者の波動も全て消していた筈なのに……。
 ちょっとショックだ。成長をしたと捉えるべきか」

瑞穂は私の腕を切りつけた後、能力に贖えず植物状態となった。
だが、剣の方は違った。"奴"は技に巻き込まれる事は無かった。
強靭な精神力を持つ者には成功しないのがこの技だ。
池上たちが戦闘によって精神を消耗していたのは幸いだった。

「まさか生きていたとはな……。死んだと報告を受けていたが……。
 大した役者だよ、君達親子は」

最初に奴の声を聞いた瞬間理解した―――。籐堂院 神だ、と……。
憎き裏切り者の声なのだ、聞き間違える筈が無い。
どうやって籐堂院 神が剣に意思を移せたのか、それは解らない。
だが、我々異能者の存在もある意味SFなのだ。
物体に意思を移植するという奇跡も在るのだろう。
もっとも、目の前に証拠が在るのだ。信じざるを得ないが……。
瑞穂の前で屈むと、白磁の頬を撫でる。宛らアンティークのようだ。

「テメェ! 下衆な手で瑞穂に触るんじゃねぇ!!」

「大きくなった……」

そう呟くと、瑞穂のか細い喉を締め付け始めた。

「お前のお陰で私と城栄の計画は1年も停滞してしまった……!
 ここでお前を殺すのは容易いのだ…!!」

だが、私はそんな事はしない。今の最優先事項は煌神リンの確保だ。
瑞穂をソファに投げ付けると、深呼吸をして気を冷静に保つ。彼女を殺るのは今でなくとも良い。
先程から煩い籐堂院を持つと、柱に突き刺した。

「蹴り折られたくなければ、そこで黙って見ている事だ。
 ―――諸君、ここからが本題だ。私は君達が今どんな状況に在るのか知らない。
 人それぞれ場所は違うだろう。だが、そこから抜け出るヒントなら知っている。
 "迷宮のゴール"に辿りつく事。それだけだ」

ゴールが何なのか、私にも解らない。一般的な旗の立ったゴールなのかも知れないし、
別の何かなのかも知れない。全ては彼らの心次第なのだ。

「山田。もしかしたら心の迷宮の中で、失った恋人に逢えるかも知れないぞ。
 今際の際に言えなかった言葉でも言ってやるんだな。
 もっとも、お前の記憶と幻想が創り出した妄想に過ぎないがな。
 ……煌神 リンの確保は成功。私の任務は成功した。
 後は、君達で好きにすると良い。また会おう……」

―――後ろで娘に声を掛ける籐堂院神を残し、私は車へと戻った。

【レオーネ:現在地 車の中(精神状態は極度の疲労に陥っている)】
【戦ヶ原、池上、籐堂院は心の迷宮へ。アルトは車に戻った後に迷宮を強制クリア】
>>108の訂正
×アルトは車に戻った後に迷宮を強制クリア
○アルトは車に戻った後に迷宮を強制クリアさせた
110廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/05/27(火) 23:29:19 0
>>85
(やれやれ…血の気の多い男だぜ…)

男は俺の忠告に耳を傾けていないようだ。
身の丈ほどもある大剣を構え、振り返る事も無くツバサへと斬りかかってゆく。
提案を無視された俺は、肩を竦めると双刀を構え様子を見る。

(敵に迂闊に近づくわけには行かない。ここはサシの勝負にさせておこう)

>>96
大剣という武器は、破壊力を徹底的に求めた武器だ。
そのため、剣とは呼ばれていながらもその刀身は叩き潰すためにある。
つまり、扱い方としては鈍器とほとんど似ているのだ。
そして、俺達と対峙しているツバサは相当の強者…もちろん、男の実力も相当のものだろうが…
ハッキリ言えば、ツバサの方が強いだろうな。
怒りに任せ、何の考えも無く突っ込んだ一撃など通用しないに決まってる。ヒラリ、とツバサは攻撃を避けた。

>「ではでは、我が能力【冥府】ご披露いたそう!」

(なんだ、この揺れ…敵は地殻操作能力者か?)

俺が敵の能力について思考を繰り返していると、揺れが収まった。
次の瞬間。

(…なん、だと?)

地が避け、裂け目から幾多もの亡者…つまり、ゾンビが這い出てきた。
数にしておよそ数十。そのゾンビが、俺たちを取り囲む。
ゾンビたちを呼び出したツバサは、いつの間にか現れていた椅子に腰掛けていた。

>「おっとそうだった、そこのお嬢ちゃんを保護しないとな」

ツバサが指をパチン、と鳴らした瞬間桜が地面の裂け目に落ちてゆく。
そして、落ちたと思ったら桜がツバサの隣に腰掛けていた。
ツバサの隣なら、ゾンビたちの攻撃に巻き込まれないという事か?

(それにしても数の暴力…しかも、敵は不死者。こりゃあ不味いな)

ゾンビというのは既に死んでいる。つまり、死ぬ心配がないのだ。
しかも意思が無い…腕の一本や二本を斬りおとしても、恐れず俺に立ち向かってくる事だろう。
その証拠として、すでに5体ほど斬ったものの斬ったそばからすぐに復活してくる。
ゾンビたちの操作者であるツバサに近づこうとしたが、ツバサの近くにいるゾンビに進行を阻止され失敗へと終わる。

(退魔の力を持たない俺の斬撃ではゾンビ達には通用しない…ならば!)

俺は、双刀を消し格闘戦での構えを取った。
そして、ゾンビを力の限り地面に叩き付ける。

「おぉぉぉうりゃあッ!」

ゾンビと言うのは、大抵肉体や骨が腐っている。
体が腐っている事は、耐久力が著しく下がっているという事だ。
叩きつけられたゾンビは肉体が弾け飛び、そして動きが止まる。

(やっぱここまで肉体を破壊されちゃあ動けないか…いけるな)
111廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/05/27(火) 23:30:18 0
>>101>>103
俺が近くのゾンビを片っ端から叩き付け、再起不能にしてゆく。
そしてあらかた片付け終わる。どうやら、男の方も殲滅し終わったようだ。

「さて、と。これでゾンビ達は片付け終わった…ツバサ、俺たちと戦ってもらうぞ」

そして、俺が再び双刀を形成しツバサに対峙した…その時。
男がただツバサを見据え、剣を振りかざす。まぁ、それだけなら良かった。
しかし、男の直線上にはツバサと…桜がいた。
もしツバサが攻撃を避けたら、桜にその一撃が直撃してしまう!

「待て!攻撃を止め…」

その瞬間。
ツバサの前に人ならざる蒼い影が現れ、男の剣を片手で止める。
一つの鈍い音、そして爆音が生じる。

「召喚術…!」

ツバサを守るように立ちはだかるは、地獄の底から舞い上がったような蒼い鬼。
やはりそうだ。先ほどのゾンビたちもそうだが、この男…人外の物を召喚することが可能だ…
気付けば、男が鬼に吹き飛ばされ血反吐を吐き膝をついている。
剣を杖代わりにして立っているものの、あれではもう戦えないだろうな。

(あの勢いの大剣でもなんなく止められた。間違いなく、俺の一撃も止められる…
 物質ではなく空間を切る空間斬なら、止められはしないだろうが…当たるのか?あの、蒼い鬼に)

今日2度目の冷や汗が、額を零れ落ちる。
ルナを呼び出すにも……ダメだ、アレは肉体的負荷があまりにも大きすぎる。
確かに、呼び出せばあの鬼は跡形もなく粉砕できる…
しかし、呼び出すに1分もかかってしまう…この状況での1分は1時間に等しい。
呼び出している間に、俺も男と同じようにやられてしまうだろう。
…詰んだ…
……いや、諦めるわけにはいかない。勝つ要因が無いのなら、自ら作り出すまで!
この相手には空間斬しか通用しない…なら、それに賭けるまでだ!
たとえ…当たらなくてもだ!

【廻間:空間斬を使用。隙が大きい】
112アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/05/27(火) 23:31:27 0
>>108
声が聞こえる。

「驚いたか? なに、ちょっとした余興だよ。
 どうだ、気分は……。全員聞こえているんだろう? 私の声が。」

あの男―――レオーネ・ロンバルディーニの声だ。

「今まで君達が見てきたのは、君達自身が望んだ幻想。
 私はその背中を少々押してやっただけだ
 肉体の方は心配無い。皆、可愛らしい寝息を立てているよ」

なるほど。道理でうまく行き過ぎた。少しばかりいぶかしみもしたが、まあいいだろうと流していた。
ともかく、この声が聞こえているということは、目的は達成された、ということだろう。

「まったく、私が来る必要はなかったじゃないですか。
 こういう問答無用な幻覚系の能力に対する抵抗力、まだ足りませんね」

今後の課題として、後回しにしていたが―――もっと早く取り組めばよかった。

「種明かしをしてやろう、簡単な話だ。今、君達は心の迷宮の中に居る」
「初めにハーケン君。続いて近隣住宅の住民も含めた君達全員が技に掛かった―――。
 …筈だったのだが、一人だけ私の存在に気付いて外に出てきた者が居た」

最初に私を狙った…? 分からないな、そこにどんな意味があるのか。
わざわざ私を狙う意味……いや、違うか。狙ったとは言っていない。
あるいは、射程圏内の中の人間に無差別に効果を及ぼすタイプかもしれない。

「瑞穂、君だよ。殺気も気配も、異能者の波動も全て消していた筈なのに……。
 ちょっとショックだ。成長をしたと捉えるべきか」

へぇ、彼女は反応できたのか。それはいい。実にいい。
このレベルの相手に対してある程度反応できたというのなら―――丁度いい。
今の私と釣り合うかどうかは、まあ直接戦わなければ分からないが。

「まさか生きていたとはな……。死んだと報告を受けていたが……。
 大した役者だよ、君達親子は」

知られたか。私としては自分の手で片付けたかったが、今の私には何もできない。
大抵の幻覚は、なんらかの条件を達成すれば脱出できるのだが。

「蹴り折られたくなければ、そこで黙って見ている事だ。
 ―――諸君、ここからが本題だ。私は君達が今どんな状況に在るのか知らない。
 人それぞれ場所は違うだろう。だが、そこから抜け出るヒントなら知っている。
 "迷宮のゴール"に辿りつく事。それだけだ」

ゴール。それが条件か。人によって違うということは、つまり、

「対象の心理的要因によって打ち破られる、ということですね」

―――なんだ、それなら簡単だ。現状、今この場を支配している男。
レオーネ・ロンバルディーニ。この夢の中のあの男を殴りつけ、融解させる。
113アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/05/27(火) 23:32:05 0
>>112
―――同時に、目が覚めた。私のいる場所は車内。
外を見る。隣には――ロンバルディーニがいる。
まったく、流石に冒頭の戦闘機のくだりは荒唐無稽が過ぎた。
その時点で少しは疑っても良かったろうに―――私は、未熟だ。

「まったく、私を呼んだ意味がなかったじゃないですか。
 これなら最初から一人でやってくれればよかったのに。
 私には、彼らを襲うなとか忠告しておくだけにして」

あちらも上からの命令で迷惑していたのかもしれないが、こちらは無駄足だ、文句も言いたくなる。
後部座席を見ると、煌神リンが眠っている。その寝顔は、まあまあ愛らしい。
彼女も何らかの夢の中だろう。悪夢、というわけではないらしい。

「それで、彼らはあのままでいいんですか?
 後顧の憂いを断つ、という意味では、ここで倒した方がいいでしょう。
 ―――あるいは、今後の成長に期待している、ということですか」

どちらにせよ、今はあまり意味のないことか。
不愉快な経験だったが、まあ、幻覚系の能力についていい勉強になったと思おう。
しかしまあ、このタイミングで夢から覚めたということは、どっちだろう。
先程のあれで正解だったのか、彼が自ら解除したのか。
しかし、やはり彼らでは勝てなかったか。直接戦闘タイプでなかった、というのは誤算だ。
だが、考えておくべきことではあった。目標の捕獲にはこのタイプの方が向いている。
顔を見ると、消耗しているようには見える。どの程度かは分からないが、さて。

「それで、これからどうするんです?
 彼女を護送するだけ、というのなら、私は降ろしてもらいたいのですが」

【アルト:覚醒】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
114宗方零 ◆BSFghFxWJY :2008/05/27(火) 23:41:50 0
神重は断ち切られた腕をおもむろに拾うと、切断面にピタリとつけて
即座に繋げる。
(恐ろしい男だな…彼を敵にしなくて本当に良かった)

「さて…薬局に行くのもいいが…こんな時間にやってるのかな?
 今日はここで休むかそれとも街中をうろつくか…
 まぁあんたの判断に任せることにするよ」

その通り、コレ以上の行動は死に繋がる。
宗方も神重もこの一夜で戦闘に巻き込まれすぎた、
おそらく今もこの街のどこかで戦闘が行われている筈だった。

「今日はひとまず休息を取ろう、あんたも私も能力を使いすぎた」

宗方はおもむろに、事務所の片隅から寝袋を引っ張り出す。
それから、事務所の隅から弾痕付きの小型のソファを引っ張り出す。
事務所襲撃時に唯一無事だったものだ。
シート部分を引くと、簡易式ベッドになり、そこにブランケットを被せる。

「弾痕が付いてるが、よければ使ってくれ。まさか棺桶で眠りたいとは・・・いや冗談だ」

宗方は寝袋のジッパーを開けると、滑り込んでごろりと横になる。

「とりあえず明日、近所の薬局でいろいろと揃える。それに・・・
治療品のある場所には必ず来るはずさ、異能者が・・・ではお休み」
(隠れたり闘ったり逃げたり説得じたりと・・・忙しい一日だったな)
宗方は眠りに落ちていった。
【宗方零 休息 神重の能力には気付いていない】
115城栄 金剛 ◆u5ul7E0APg :2008/05/28(水) 00:35:20 0

深夜未明。
金剛は会議の合間にナガツカ本社ビル37階で一服していた。
その横では小男、桜庭左近が相変わらず忙しそうに定時報告をしている。
何時何分に何人死んだか、どこで何があったのか、この街で起こったすべての情報を1時間ごとに金剛の耳に入れなければならない。
この男は、この街のすべてを自分の手足のように常に把握していなければ気が済まないのだ。

「…よォーし、研究室に向かう。」

大容量の情報をすべて頭に叩き込んだ金剛は短く言うとエレベータの方向へ足を向けていた。
「は…、いえですが、まだプロダクションの経営会議が途中――――…」
「俺の判断が必要な箇所にはもうすべて指摘を入れた。奴らがボンクラでねぇ限りあと10分後には俺の求める結論に辿り着いているだろうよ。
途中の議論については後ほど文書にまとめて提出しろ。」
歩きながら金剛は桜庭に言い捨てる。
「その10分の間に、俺は研究室に足を運ぶ。」
企業運営で分刻みのスケジュールをこなす金剛が、機関に気を回せるのは、人外じみた彼の政治的手腕によるところが大きい。
「総と…いえ、社長。」
「なんだ。」
「あの・・・社長は、いつ寝ておられるのですか?」
「週末だな。」
金剛の答えに桜庭が愕然としているうちに、エレベータは目的の階に到着した。

研究室。
そこはナガツカ本社ビル地上108階に位置し、内部の者でも知る者は一握りの秘密の研究所と言える場所だった。
壁の全面を巨大なスクリーンが覆い、全方位に設置された端末にはびっしりと機械のように作業する研究員たちが並んでいた。
「ひぇっひぇっひぇ、これはこれは。お越しになられるのでしたら前もってご連絡をいただけなければ困りますぞ。」
その中心に立つ白衣姿の老人が、傍若無人に入ってきた金剛に声をかける。
「すまねぇなァ博士。仕事の合間に顔見せに来ただけさ。」
口では老人に対して返答をしているものの、その視線はすでに別のものに釘づけになっていた。

その視線の先にあったものは―――――…巨大なフラスコで培養されている…人間の『ミイラ』だった。

「・・・『お前』にな…。気分はどうだ?『炎魔』よ。」

『炎魔』と呼ばれたそのミイラは当然その問いには答えようがない。
そのミイラの正体は、鎌倉時代を生きた人類最初の異能者…湯瀬政康のなれの果てだった。
900年の時を経て、金剛にその身体を発掘されたのだ。
「現在復元率は32.2%…。まだエネルギーが足りておりませんな。」
白衣の老人はミイラを凝視する金剛の横から声をかける。
「…より多くの『生贄』が必要となりまする。」
「フン…、分かった。異能者狩りを強化させよう。なんでもいい。お前らはなんとしてでも『炎魔』の復元を一秒でも早く進めろ。」
「御意のままに…」

10分が経ち、金剛はその部屋を後にする。
会議室に戻るエレベータの中で、金剛は嬉しさのあまりふるえながら高らかに吼えた。
「ここまで長かった…。『炎魔』の復活!それさえ果たせば…俺はこの全宇宙を支配することさえも児戯に等しくなるだろう!!」

【城栄金剛:目的…『炎魔』の復活。】
【この街で起きたことはすべて金剛は知っている。】
116籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/05/28(水) 01:22:47 0
>>108
「初めにハーケン君。続いて近隣住宅の住民も含めた君達全員が技に掛かった―――。
 …筈だったのだが、一人だけ私の存在に気付いて外に出てきた者が居た」
「瑞穂、君だよ。殺気も気配も、異能者の波動も全て消していた筈なのに……。
 ちょっとショックだ。成長をしたと捉えるべきか」
「まさか生きていたとはな……。死んだと報告を受けていたが……。
 大した役者だよ、君達親子は」

やはり、この手で来たか、師匠の計算通りの展開だ、しかし戦闘機から全て幻術とはレオーネも面白いことをする人間だ。

「テメェ! 下衆な手で瑞穂に触るんじゃねぇ!!」
「大きくなった……」
「お前のお陰で私と城栄の計画は1年も停滞してしまった……!
 ここでお前を殺すのは容易いのだ…!!」
「蹴り折られたくなければ、そこで黙って見ている事だ。
 ―――諸君、ここからが本題だ。私は君達が今どんな状況に在るのか知らない。
 人それぞれ場所は違うだろう。だが、そこから抜け出るヒントなら知っている。
 "迷宮のゴール"に辿りつく事。それだけだ」

師匠は実に人が悪い、自分でこうなるように仕向け、まんまとレオーネの罠にかかるふりをして逆に罠にかけるとはな。
あっちは師匠に任せ、私は私でこの迷宮のゴールとやらを見つけよう。
前方を見ると目の前は全て闇、その中に一人佇んでいる男がいた。

「師匠ですね?私の前に出てくるくらいだ、貴方だと思っていましたよ」

そう呟き、天之尾羽張を抜く、この迷宮はこの師匠もどきを倒せば抜けられるのか?
そんな事はどうでも良い、私は目の前の敵を斬るだけだ、相手も剣を抜き私と相対する。
いくら姿形は師匠に似ていても所詮は作り物、心置きなく叩き斬れる。

「では初太刀より奥義にて仕る、二の太刀要らずと言われた示現流と建御雷神の力の混合技」

天之尾羽張が雷を纏っていく、私は技術も何もなくただ力だけをこめ斬りかかる。

「神技・天裁雷之轟」

私の一撃は相手が構えた剣ごと全てを叩き斬った。
117籐堂院神 ◆FleR8jlnN6 :2008/05/28(水) 01:24:06 0
>>116
やれやれ、レオーネはやっと立ち去ったか。
しかし、馬鹿な奴だ、ここで瑞穂を仕留めていかないとはな、それに俺をここに残したまま行くとは。
俺には初めから分かっていた、レオーネがこの技を使ってくると事が。
一応俺は過去に幽玄の爺さんの右腕として暗殺部門で働いていた。
そのため、あの頃現役だったファーストナンバーとセカンドナンバーの能力者の能力はほとんど記憶している。
だから、わざわざ瑞穂に『剣神憑依』を使わせ、俺の一部を憑依させたのだ。
俺は刀に残っている意識を瑞穂に憑依させる、これで準備は整った、感謝してるぜレオーネ、これでまた暴れることが出来るんだからな。
もともと『剣神憑依』は瑞穂に俺を憑依させ、知識・身体能力・異能力を一時的に引き継がす技だ。
しかし、瑞穂には荷が重いのか俺の『私と私の世界』を使いこなす事は出来なかった。
しかも、憑依中は瑞穂の精神が生きているため、俺が制御権を奪うことも出来ない。
レオーネの精神を蝕む技のおかげで瑞穂の体の制御権は今体にある唯一の意識がある魂、つまり俺に移ったのだ。
俺は静かに立ち上がり、柱に刺さっている天之尾羽張を抜く。
その姿は籐堂院瑞穂だったが、放たれている覇気は長年戦場を勝ち抜いてきた強者の物だった。

「久々の体、動かしやすいな、流石は瑞穂だ」

俺は少し素振りをする、そういえば早くしないとレオーネ達に逃げられるかもな、急がなければ。

「来い『私と私の世界』」

すると、世界は漆黒に染まる、この結界は俺が指定した任意の距離を俺の世界として、現実世界から隔離したものだ、出ようと思えばすぐに出られるけどな。
118七重 凌司 ◆Wg8HeG5HhI :2008/05/28(水) 01:24:07 0
>50 >56 >77 >106
七重の精神は、人見知りをするほど繊細にはできていないが、
ろくに面識もない者三人と食卓を囲むとなると、さすがに居心地の悪いものがある
割り方、話のできる国崎などは、カレーを一口食べたぎり、
台所に引っ込んだまま出てこようとしない
もっとも、たとい国崎が傍らにいたとしても、
七重の心持が軽くなるかどうかは定かではない

>「…このカレーって、美味いけどぶっちゃけゲテモノだよな」

というのは、国崎が連れてきた客人の一人、眼鏡をかけた男性の言葉である
対応して、ぎらりと閃いた七重の眼光は、眼鏡のレンズを貫通し、
男性の網膜を刺突すべくして直進した
しばしの沈黙が痛い

「分かる奴には分かる」

そう呟いた七重は、カレーを食べようともしない白黒青年に対し、ちらりと視線を投げかけた
そして再び、眼鏡の男性の方角へ目を向ける
少なくとも先程よりは、友好的なものが双眸の奥に在しているであろう
さても、もう一人の客人であるスーツの女性に至っては、
食事を相手にすることもなく早々に立ち上がり、店内を物色し始めた
それにつられるようにして、白黒青年も立ち上がり、ふらふらと台所へ姿を消した
各々方が気楽であると言えば聞こえは良いが、全く散々な食事会である

結局、残された分のカレーは七重が始末した
次いで、眼鏡の男性が食べ終わったのを見て、皿を没収し、
出来るだけ早く、出切るだけ綺麗に全ての食器を洗うと、
丁寧に水を切って棚に戻す。要領が良いと言えば、良い
思いがけずその横では、青年と国崎が仲良く肩を並べており、
哀愁じみた、何やら不穏な空気を発散させていた

居間に戻った七重は、台拭きで以ってテーブルを掃除すると、
億劫そうな表情にて大あくびを放った
何時の間にやら、スーツの女性も舞い戻っている
七重は、眠気に淀んだ目を動かし、彼女の瞳を垣間見ようとしてみたが、
二人の視軸は交錯することなく、揺らめいて反発するのみであった

発生した溜息は、薄暗いモヤとなって、
しばし居間の電灯をちらつかせると、空気に溶けるようにして霧散する
七重は翻って隣室へ入り込むと、襖から布団を引っ張り出して敷き、
すぐさまそこに潜り込むと、自意識を闇へ落とすべく努めた

白黒青年の用に足りるのは、店長たる国崎である
客人二人にしても、国崎についてきたのであって、自分に話があるわけではなかろう
そういう考えが、七重の念頭にあった
四人の話を妨げまいとして、早々に寝具へ退避したのである
空気を読んだと言うべきか、それは余りに、
コミュニケーションの拒絶を目的とした、ただそれだけの空しい行為であった
119籐堂院神 ◆FleR8jlnN6 :2008/05/28(水) 01:25:32 0
>>117
「俺の世界で動くことを俺は認めない」

よし、これでレオーネ達は動けなくなるはずだ。
外に出てみると、車が停まっている、間に合ったみたいだな。

「俺の世界に無生物は要らない」

人間以外の全ての物が消える、目の前には座るところをなくしたレオーネ達が無様に転がっている。

「俺の世界で能力を発動することを俺は認めない」

金髪の女がどんな能力だか知らないがこれで封じればいい。
俺は命令を上書きする、するとレオーネ達は動けるようになる。
驚いて俺を見る、すでに俺が籐堂院 神だということに気付いているようだ。

「よくも瑞穂の体に汚い手な、高くつくぜ?」

素早く接近し、レオーネを高く蹴り上げる、まるでボールのようだ、そして着地する前にもう一度蹴り、最後に殴り飛ばす。
今の俺の身体能力は並大抵の物じゃない、異能者どころか怪物レベルはあるだろう。
本気でやればいくら異能者だろうが即死する、だから少し手加減してやった、勿論気絶はしたはずだ、意識があるかないか分からないが俺はレオーネに話しかける。

「お前には死んで貰っちゃ困るんだ、『機関』の屑共に伝えとけ籐堂院 神が帰ってきたとな、あと幽玄の爺さんにもよろしくな」

「それとお前、お前は何もしてないがまた襲われると困るし、少し眠ってて貰うぞ?」

俺は金髪の女に殴りかかる、女はそれに反応し避けようとする。
なかなか反応がいいじゃないか、だがこの程度では俺の相手はつとまらない。

「俺の世界で俺の攻撃を避けることを俺は認めない」

すると女の体は止まり、俺の拳は女の腹にめり込む、すこし骨の折れる音がした。
そして体勢を崩したところで頭に蹴りをいれる、ジエンド。
レオーネ同様少しの間は目を覚まさないだろう、二人を元の車があった位置に戻す。
これで目覚めたときは車の中に居るだろう、そろそろ限界だな、久々に能力使ったせいで少し疲れたみたいだ。
赤髪の少女がぽかんとこちらを見ている、こいつはこいつで好きに行動するだろう、そう思った俺は少女に声をかけずに横を通り過ぎる。
さて池上の自宅に戻らせて貰おう、あいつ等も目が覚めたとき俺がまだ池上の自宅に居るとは思わないだろう。
俺は能力を解除し、池上宅に戻り、与えられた部屋で眠りについた。

【籐堂院瑞穂:池上宅で就寝 二日目(一日目)終了】
120アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/05/28(水) 01:49:20 0
>>119
「俺の世界で能力を発動することを俺は認めない」

その声、この威圧感。―――間違いない、あの男だ。

「よくも瑞穂の体に汚い手な、高くつくぜ?」

そのままロンバルディーニを蹴り上げる。
純粋な身体能力で言えば、あの二人の差はかなりのものだ。

「それとお前、お前は何もしてないがまた襲われると困るし、少し眠ってて貰うぞ?」

言いながら、今度は私に殴りかかる。冗談じゃない、私はまだ手を出していないでしょうに。
このぐらいの速度なら、避けるぐらいわけない―――

「俺の世界で俺の攻撃を避けることを俺は認めない」

回避行動が停止する。否、停止ではなく消滅だ。それができなくなった。
――そうか、確かにそういう能力だった。問答無用の絶対命令。『私と私の世界』籐堂院神のその力。
憑依。その行為がどれほどのものかは分からない。だが、しかし―――
しかし、甘い。骨が折れようが、無駄だ。同時に頭に蹴りを入れられる。無駄だ。
その程度の損傷や痛み、私にとってあまり意味がない。そもそも異能者相手には生ぬるい。
並みの異能者でも、少し気合を入れれば気絶せずに済むだろう。
―――自分の体と娘の体を同一視しているのか。愚かしい。
だがしかし、奴はそれで安心したようで、去っていった。
その後に、全身の損傷を回復―――余分に異能者を食べておいてよかった。

「甘い、としか言えませんね。―――さて、籐堂院神はともかくとして」

背後を見やる。そこにいるのは、という少女。煌神リン。
ロンバルディーニが気絶してもなお、彼の能力の影響下にあるようだ。

「なら、簡単ですか。―――ともかく、この場は撤退です」

現状の私では籐堂院神を倒せない。少なくとも、今は。

「さて、では―――失礼しますよ、ロンバルディーニさん」

彼の体を持ち上げ、助手席に座らせ、シートベルトを締める。
そして私はハンドルを握り―――車を走らせた。

「最低限の仕事はやり遂げたんです。それに、これで私がいる意味もあった」

私でなくては耐えられなかった、とは言わない。だが、彼では無理だったろう。
事実、彼はまだ気絶している―――まったく、これだからあの男は好きになれないんだ。

「性質が気に入らない―――ですが、それはもういいです。
 目的は達した―――さて、どこまで走らせましょうか」

心当たりはない。―――いや、携帯に履歴があったな。

「上野さんに頼んで、渡りを付けてもらいましょうか。
 今の私には、それぐらいしか手はありませんし」

まったく、あの時に聞いておけばよかった。
こんなザマでは、まだあの男は食らえないか。

【アルト:逃走中。機関との接触方法が分からず困っている】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
121アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/05/28(水) 05:42:33 0
>>120の「甘い、としか〜以降を変更。

「甘い、としか言えませんね。大物であることは否定しませんが。
 ―――ともかく、この場は撤退です」

現状の私では籐堂院神を倒せない。少なくとも、今は。

「さて、そうと決まればどうするか」

周囲を確認する。車が消えている。足が消えたか。自分の持ち物を確認―――いや、待て。

「裸じゃないですか、これ!」

何故だか理解できない。大雑把に無生物をまとめて消した、ということだろうか。
いやいや、せめて服ぐら残しておくべきだろう。周囲を見る。
ロンバルディーニも煌神リンも、衣服は消えている。
―――一応、煌神リンの状態を確認する。放心しているが、意識はあるようだ。

「…む、困りました。気絶している、というわけでもないですし」

これでは無理をしてでも捕獲せねばならない。最低限、仕事はちゃんとこなしたい。
しかし、現状で勝ち目があるか? あちらも消耗しているだろうが、実はまだちょっと痛い。
それに、確保できたとしても運ぶ方法がない。あの男が今帰ってくれば、手痛い、どころでは済まなくなる。
もう一度周囲を見る。やはり、着替えの代わりになるようなものはないようだ。

「せめて無機物を消すぐらいにしておいてもらいたかった。
 ―――ぐだぐだ言っても始まりません。
 幸い、時間は深夜です。見咎められずに撤退できるでしょう」

ロンバルディーニを背負い、ともかく歩き出そうとして、ふと気付く。

「―――ああ、そうだ。聞いておかないと」

ひとつ、考えが浮かぶ。煌神リンに対して言葉を投げかける。

「ここはひとつ、素直に機関まで来てくれませんか?
 素直について来てくれるなら、着替えを用意しますけど」

断られるだろう、とは思う。しかしまあ、何らかの反応はあるだろう。
反応次第では―――案外、楽に終るかもしれないし。

【アルト:逃げたい。でも仕事はやり遂げたい。裸は恥ずかしい】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
122煌神 リン ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/28(水) 06:14:29 0
>>121
…ここは、きっと夢の中なのだろう
そう自覚してリンは、それでも動く事をやめない。
この夢は過去の夢?いや、過去というより…自分の望んだ夢。

目の前にもう一人自分が現れる。
『おい!お前なんでここにいるんだよ!』
「何でいちゃいけないの?」

私の切り返しに彼女は呆れたように答える。
『馬鹿か?おまえ、つかまってんだぞ?』
「でも、私はここがいいんだよ。」
『はぁ、いいか?まだ【天照】も【月讀】起きてないんだぞ?ここで死なれちゃ困る』
私は答えない、否答えたくないのだ。

『いいか?すぐに起きろ兄貴に会いたいんだろ?』
「はい、」
返事をしてすぐに私の意識は覚醒した。

「ん…ここは、あ・・れ?裸?」

しばし私が放心している途中、ハーケンと呼ばれた女性が話し掛けてくる。
「ここはひとつ、素直に機関まで来てくれませんか?
 素直について来てくれるなら、着替えを用意しますけど」

「私は、『断る、第一そんなことをしなくても服なんてどうにでもなる』」
私が言う前に裏に言われてしまった。
女性は最初から期待していなかったようにそうですかと一言いうと、早々に帰っていった。

私はとりあえず池上さんの家に入ると部屋にスペアとして置いておいてもらったメイド服を着る。
私はそのまま居間に行った。

【煌神:アルトの申し出を断る、池上の家に入って再度メイド服を着て居間に行く】
123煌神 リン ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/28(水) 06:57:18 0
訂正
私はそのまま居間に行った→私はそのまま居間に行き椅子に座って寝た。

再度メイド服を着て居間に行く→再度メイド服を着て居間に行き寝た。
124文月の中の人です ◆XzQQgkPzlg :2008/05/28(水) 09:01:37 O
>>111
「風架!封陣縛!」
凛とした少女の声が、月夜の下に響きわたったかと思うと、鬼の周囲に風が渦巻いた。
風は鬼にまとわりつき、その巨体を縛りつける。

【何者かが能力で鬼の動きを封じる】
125恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/05/28(水) 09:06:26 0
>>77>>106>>118
俺はカレーを食べながら、ガタイの良い男に話しかけた。…のだが、何だろう、このどんより空気
すると派手な髪の色の学生が、空気を変えるように驚いた声を出した
>「旨いのかよ!?」
…まぁ、な。俺の舌が狂ってるのは百の承知さ。…そこまで驚かれると、なんか、アレだ

学生はそう言ってスプーンを置きご馳走様と言うと、そそくさと今から出て行ってしまった
葦川さんも苦笑を浮かべて食事を終えると、学生と同じく居間から出て行ってしまった。今には俺とガタイの良い男の二人だけだ
気まずい…話しかけたものの、ガタイの良い男の眼光が気になって言葉が出てこない。蛇に睨まれたカエルって奴?

すると
>「分かる奴には分かる」
そうガタイの良い男は俺に返答し、カレーを食べ始めた。にしても食いっぷりがいいな
俺も目の前のカレーに集中する。うぬ、食べれば食べるほど湧き出るゲテモノ臭。褒めたものの二度目は勘弁しよう

ガタイの良い男と俺は同時に食い終わる。そういやこの男の名前も、学生の名前も知らないな
けど自己紹介しに来たわけじゃないしな。知る必要性は無いって言えば無いが
ガタイの良い男は素早い動作でお盆に5人分の食器を乗せると居間から出て行った
彼が出て行って少し経つと医療品を抱えた葦川さんが戻ってきた。俺も…店を出る時でいいか

しかし困る。葦川さんとはさっき面識が出来たばかりで友人でもなければ仕事上の付き合いも無い。ホントの意味での顔見知りだ
学生とガタイの良い男に至っては名前も知らない。よくよく考えると物凄く妙な集まりだ。何の共通点も無い…
…にしてもシュールだな。背格好も年も違う面子が同じ食卓でカレーを食べる。そう思うとなんだか笑える

ガタイの良い男が皿洗いを終えたのか居間に戻ってきた。だが葦川さんを一瞥するとまたも居間から出ていってしまった
…正直困る。女性と二人だ何てもう何年経験していないシチュエーションだろう。まぁこんな状況でシチュエーションもクソも無いが
国崎さんと学生もまだ戻ってこない。トイレか台所かは知らないが、今頃色んな意味で大変な事になっているのは分かる

どうしようかな…こんな所で持て余していても仕方がないんだけどね。けど深夜帯をほっつき歩くとまた危ないかんな
迷った挙句、俺は懐からメモ帳を取り出し、この前のチェーンメールを書き写す作業に移った
メールを書き写しながら、ちょっと考察してみる。文章だけを見ると、中学生の頃に書いた邪気眼みたいな小説を思い出し恥ずかしくなる

いちいち言葉に括弧を使っているのもどこか笑える。それほど強調したい所なんだろう
『暴徒』『戦い』『奪う』『暴発』…いづれも穏やかじゃないねえ。にしても一番面白いのこの部分
およそ100人って完全に把握してないのかよ。つうかこんな町にそんなに超能…いや、異能者か。がいるとは思えないのだが
それに72時間ってすぐ経っちまうぞ。もう突っ込む所が多くて困る

ふと目元がぼやける。というか睡魔が猛烈に襲ってくる
一応チェーンメールはメモ帳に書き終えたし、やる事も無くなったな…
だが他人様の家で寝るわけにもいかない。あのガタイの良い男はたぶん国崎さんの兄弟かなんかだろう
九鬼にどこか安価で泊まれるホテルを探すようメールを打ち、携帯電話とメモ帳をしまう
取りあえず学生と国崎さんが戻るまで待つか…

【メールをメモ帳に書き写す。国崎が戻ってくるのを待つ】
126恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/05/28(水) 12:48:41 0
【ごめんなさい、文章修正です】
×ガタイの良い男が皿洗いを終えたのか居間に戻ってきた。だが葦川さんを一瞥するとまたも居間から出ていってしまった

○ガタイの良い男が皿洗いを終え、今に戻ってきた。持っている雑巾で淡々とテーブルを拭く
 何となく気を使わせて悪い気になり、声を掛けようとしたがガタイの良い男は大あくびをすると居間から出て行ってしまった
127ツバサ ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/28(水) 18:41:10 0
>>124
「よし、次はあっちだな、おろ?あいつ何かするつもりだな?おもしれぇ!」

俺は廻間に目を向けると呟く。

鬼は次の俺の命令を待っている。

「さて【我が命により刑を執行せよ】」

鬼が命令を聞くと、棍棒を振りかぶり廻間に当てようとする。

「風架!封陣縛!」
しかし、何者かの手によって阻まれてしまった。

「ん?なんだ?まぁいい【彼の戒めを解き放て】」
俺がそういうと風が分散し鬼は自由の身となる。

「ふ〜まったく何処のどいつだ?無粋な、命令変更【彼の戒めのもの、捕獲せよ】」
鬼は女の声の聞こえた方向にどしんどしんと歩き出す。

【女の声の聞こえた方向に鬼が行く】
128(文月の中の人です) ◆XzQQgkPzlg :2008/05/28(水) 19:20:16 O
>>127
「やはり鬼を縛るのは無理か……」
少女は舌打ちをすると、身を隠していた建物の陰から飛び出した。
しかし少女は鬼に構うことなく、文月の元へと駆け出した。
もとより、鬼と戦うつもりなどない。自分の力を過信して一人で戦っては、文月の二の舞になってしまう。
本家である如月家の人間としては恥ずべきことではあるが、如月千歳は分家の人間である文月よりも弱かった。これでは、如月が鬼に勝てる道理はない。
彼女は脇目も振らず、文月の元へと走っていく。自分より強い敵を倒すには、とにかく文月を助けなければ話にならない。
【現れた少女、倒れている文月に駆け寄ろうとする】
129アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/05/28(水) 19:22:33 0
>>122
私の提案は断られた。まあ当然だろう。期待はしていなかったし。
ともかく、まずはあの場所に行こう。替えのスーツはまだあったはずだ。
予備の財布やら荷物やら、置きっぱなしで来てしまったわけだし。

「早く行きましょう。面倒は嫌いです」

幸いと言っていのかは分からないが、時間は深夜。それほど目立つまい。
私は、とある廃墟となったビルの中にテントを張り、そこに寝泊りしている。
そこに行って、まずは着替えと連絡だ。―――ああ、もう、携帯までなくなってる。

「娘に手を出すのは許さない、か。
 馬鹿じゃないですか、あの男は。それなら機関と関わらなければ良いものを。
 自分の作り上げた娘を、自らの道具にしていることに気付いていない。
 ―――嫌悪感しか抱けない。あまり食欲がそそられませんね、実際」

ああいうタイプは生理的に駄目だ。強い相手だというのは分かっているのだが。
考え事をしながらも、私はテントに辿り着いた。荷物が取られたりはしていない。当然だ。
ここら一帯のコンクリートの残骸を集めて、バリケードにしておいたのだから。

「ええと、着替えは… ああ、ありました。
 …背負って来たはいいものの、ロンバルディーニさんはどうしましょうか。
 私の着替えを使わせる気はありませんし―――まあ、毛布でもかけておけばいいでしょう」

着替えを終わり、ロンバルディーニには毛布をかけて寝かせておく。
目を覚ますまで、しばらく待つことにしよう。―――ともかく、今後について話し合わなければ。

【アルト:ロンバルディーニが起きるのを待つ。二日目終了間近】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
130池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/05/28(水) 20:09:05 0
>>107>>108
俺はベッドで横になっていた。
自宅は先程の爆発以降、物音一つしない静寂さを取り戻していた。
──しかし、不意に部屋のドアが音を出して開いた。

「……誰だ?」

妙な気配だった。山田でも煌神 リンでも、籐堂院でもない気配。
俺は横になったまま、その気配の持ち主に問いかけた。
だが"そいつ"は俺の問いかけには答えず、一方的に話し始めた。

「種明かしをしてやろう、簡単な話だ。今、君達は心の迷宮の中に居る」
「初めにハーケン君。続いて近隣住宅の住民も含めた君達全員が技に掛かった―――」
「―――諸君、ここからが本題だ。私は君達が今どんな状況に在るのか知らない。
人それぞれ場所は違うだろう。だが、そこから抜け出るヒントなら知っている。
"迷宮のゴール"に辿りつく事。それだけだ」

男の声だった──。男は、俺が何かしらの技に掛かったということを説明しだした。
『心の迷宮』などと言うくらいだ、どうやら寝ている内に精神干渉系の異能力でも
使われてしまったらしい。
この男の言う事が正しければ、恐らくあの爆発音の辺りから俺は奴の術中に
陥っていたのだろう。

「危惧していたことが当たったな。異能者が攻めてきたのは間違いなかったらしい。
──心の迷宮……つまり、俺は『夢』を見ているということか……」

それから抜け出すにはゴールに辿り着くことらしい。
普通、異能者の掛けた技を解くには、何らかの条件を満たして解くか、
現実で術者自身を葬って解くかの二つがある。
この場合後者が不可能なので、前者になるだろう。そしてその条件とは、
恐らく俺の夢の中で登場した、術者(と思われる)を葬ること。
現時点で考えられるべきことは、これ以外あるまい。

「説明ご苦労さん。あんたは用済みだ、さぁ死んでくれ」

──瞬間、右手に凄まじい程の凍気が集中されだした。
現実世界では城栄に異能力を封印されていても、ここは俺の夢の中だ。
夢の中でさえ行動を制限される技であったら脅威であったろう。
しかしそうではなかったのだから、最大限異能力を利用させてもらう。
         アイス・ストーム
「受けろ──『 氷 雪 波 』 ッ !」

──夢に現れた謎の異能者は、瞬時に破壊しつくされた一階と共に
俺の目の前から姿を消した。
131池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/05/28(水) 20:12:58 0
姿が消えると同時に、俺の意識は目覚めた。
しかし、何故だか違和感があった。何かが変なのだ。それは部屋の風景──。
辺りを見回して、気付いた。ここは俺が寝ていた部屋ではなく、居間だったのだ。
前のソファでは山田が、椅子には煌神 リンが座って寝ている。

俺は立ち上がり、二階に続く階段を見上げた。
そこにはいつもと変わらぬ空間が広がるのみだった。

「やはり、爆発は無かったか。あれも俺の夢だった──ということだな。
……誰かは知らんが、寝ている内に殺しておけばよかったものを」

居間にまで戻り、俺は異能力を解放する──
すると、小さな凍気の塊が右手の平で滞空し始めた。
おそらく六時間ほど眠っていたのだろうか、どうやら封印が解けたらしい。
窓から差し込む朝日の光が、三日目の朝に突入したことを物語っていた。

俺は一つ溜息をつくと、階段を下り、バスルームの戸を開けた。
着ていた服を脱ぎ、髪を束ねていた紐を解き、少々寝癖のついた髪の毛を
シャワーでとかしながら、俺はまだ眠りを求めていた意識に喝を入れた。

シャワーを浴び終えると、脱いだ服を再び着込み、紐で髪の毛を束ねていく。
まだ居間で眠りこけている山田を尻目に居間を通り過ぎ、部屋に戻ると
椅子に腰を掛けた。
時間を確認しようと机に置かれた携帯を手に取り、開くと、
そこには『新着メール一件』の文字──。

メールの内容は、『三日から一週間に延長』するというものだった。
着信の時間は昨日の午後六時……。携帯が刻むデジタル時計の文字は
午前7時、狂っていなければおよそ13時間前に来ていたことになる。
まぁ、俺の携帯はバイブに設定してあるし、その時間帯には長束の屋敷に招待された
ということがあったので、気付かなかったのだろう。

一週間に延長──すなわち、期限72時間から168時間になるということ。
もっとも、この際延長しようが既にノルマを達成している俺にはあまり意味のないことだ。

機関の連中、ことに城栄はこれを俺達の寿命を刻む
カウントダウンとでも考えてせせら笑っているかもしれんが、それは違う。
むしろカウントダウンとされているのが奴らの寿命だと、その内奴らは気付くだろう。
(この俺によってな……)

「機関を片付けるまでは……山田らも生かしておいてやるか」

窓から差し込む朝日を眺めながら、俺は軽く笑みを浮かべながらそう呟いた。

【池上 燐介:夢に登場した異能者を倒したことで、術から解放される。封印も解ける。
        三日目の朝(61時間目)に突入】
132 ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/28(水) 20:17:11 0
>>128
「おいおい嬢ちゃん?これはフェアな試合だぜ?それを邪魔するとは興醒めもいいとこだな」

無視…
俺は一人で行ってるのがむなしくなってきた、となりの桜ちゃんに話し掛けてみる。
「な?桜ちゃんもそう思うだろ?」
「知りません。」

なんと知りませんときたもんか?あぁ、そうか
「いやいや、そんな彼氏が傷つきそうだからって冷たくする事ないじゃないか?大丈夫彼の貞操は君の物だって。」

その刹那俺はこの勝負の中で感じる事のなかった恐怖を少し感じる。

次の瞬間俺の意識はドロップアウトしかけた。
そうなんと驚くべき事に桜ちゃんが殴ってきたのだ
「っく?何事だ?」

【桜に殴られびっくりする】
133神重智&敬 ◆6eLTPQTFGA :2008/05/28(水) 20:27:30 0
>>114
「今日はひとまず休息を取ろう、あんたも私も能力を使いすぎた」
的確な判断だ。俺は死ぬことがないがこの男には再生能力は無い。
今うろついても死ぬのがオチだろう。そしておもむろに寝袋を引っ張り出し
小型のソファを…それは簡易ベットになり、これの使用を進めてきた

「弾痕が付いてるが、よければ使ってくれ。まさか棺桶で眠りたいとは・・・いや冗談だ」
見ると確かに弾痕が付いている。恐らくこの男も何者かに襲撃されたのであろう。
だが寝るには申し分ない。遠慮なく使わせてもらおう。
棺桶で眠るというのもまた一興だが、それは次の機会としよう。


「とりあえず明日、近所の薬局でいろいろと揃える。それに・・・
治療品のある場所には必ず来るはずさ、異能者が・・・ではお休み」
そう言うと宗方は眠りに付いた。俺も休息をとる…が
その前にやることがある。
宗方が眠っているのを確認して、神重は外へ出た。

外はまだ暗い。月明かりが街を照らしている時刻なのだから。

「さて…そろそろやるか」
そう言って左腕に切り傷をいれ、血を地面に落とす。
(さて、智が知りたがっていた能力を見せてやろう)
(…一体何をするつもりだ?)
(見てのお楽しみというやつだ)

「血は…こんなもんでいいか。さあ、俺のかわいいペット達よ
 俺のために血を集めてくれ…『吸血蝙蝠(ブラッディバット)』」
そう言うと、流れていた血が紅い蝙蝠に変わっていく。
(これは一体…!?)
(これがさっき言ってた能力さ。こいつらには血を集めてもらう)
(血を集める?)
(俺の再生能力は無限だが…血があれば再生能力と他を強化することができる
 今日の男達の戦いはそのストックがないせいでやりにくかったからな…)

キキキ――キキッ――

見ると数百匹単位の蝙蝠が神重の上空に集まっていた。

「さあ…散れ!」
合図をかけると一斉に蝙蝠が各地へ散らばっていく。質は選ばない
血が得ることが出来ればそれでいい。異能者の血を…。

それが終わると神重は宗方の用意してくれたソファまで戻り…
「俺も寝るか…おやすみ。智」
神重は深い眠りについた。

【神重:吸血蝙蝠を生成し、各地に派遣する。神重による正確な制御は不可能
     蝙蝠の見た映像は神重にも伝わる、異能者を発見すると血を吸いに襲い掛かります】
134国崎シロウ@代理:2008/05/28(水) 21:17:20 0
>>77,106,118,125
失意にあった俺の肩が叩かれる感触。振り向くと、先程気絶していたモノクロな頭髪をした男がいた。
怪訝な表情を浮かべかけた俺だが、男の表情はとても親近感の沸くモノで、
それは俺の粉みじんになったプライドを慰めてくれた。
「……ありがとよ。オマエさん、いい奴だな」
アンダードッグな経験直後の野郎二人組。端から見ればかなり情けない光景であること請負だろう。

そうして俺は、少し気を引き締めて立ち上がる。いつまでもこうしている訳にも行かない。
時間は無限ではない。やるべき事をやらなくては。

「さて……それじゃあ行くか。オマエさんにも話す事があるから、
 時間に余裕があるなら居間に戻ってくれ」

居間には、恋島と自分で治療したと見える葦川、更に七重――――って、寝てやがる!
俺は、この青年の神経の太い行動に、眼帯の上を指で掻きながらどうした物かと思考したが、
(……まあ、どっちとも取れる話し方をするつもりだったが、寝ていてもらった方がありがたいか)
そう考え、とりあえずそのまま話を始めることにした。

「……まあ、お前さん達も何か用があってここに来たんだと思うし、忙しいと思うが、
 ここにいるのも何かの縁だ。一応話をさせてくれ。
 お前らも見たり体験したりして、人によっちゃあ俺よりも知ってると思うが、
 この町は今ヤバイ状態だ。そこら中で暴れてる奴等がいて、ゲリラの村みてぇにそこらの
 奴に襲い掛かってやがる」
そこで一旦止め、様子を伺う。
恋島と葦川は身を持って体験したからか、割合簡単に事情は飲み込めるだろう。
恋島の方は、どちらかといえば表側の人間の空気がするが、それでも現実に確実に起きた事を
否定する事は無いと思いたい。
葦川の方は……表情からは何考えてるんだか読めない。
この女、ギャンブルやらせたら強いんじゃないか?等と考えつつ、俺は最期の一人がいる方へ目を向ける。
恐らくだが、この男も裏側の人間では無いにせよ、一般側の人間では無いだろう。
ここ最近の現状を見て、この男だけ一般人と考えるのは無理がある。
まあ、一応その可能性も鑑みて、俺は先程から対七重用の曖昧な物言いしかしていないのだが。
彼等それぞれの様子を見てから俺は、そのまま先を続ける。俺の最も言いたい事を。

「……それで、だ。簡単に言うと、お前ら今晩は全員店に泊って行け」

唐突の提案に、何人かが怪訝な表情をしたように感じる。俺は、軽く頭を掻きつつ続きを話す。

「あー、唐突なのは解ってる。けど、考えてみろ。お前さん達がどこに宿を持ってるのかは
 知らんが、この町中で暴れている暴徒共がいる。で、そいつらがどこにいるか解らない。
 そんな状況で、夜に高々数人で家にいる、或いは、誰がいるかも解らないホテルに戻る行為が
 どういう結果を呼ぶかって事を。それを考えれば、この店はこの町の他の場所より、
 安全だと思って、今こういう話をしてんだ」

実際問題、機関の人間がホテルに泊まっている可能性は随分と高いし、この店は他の場所より
どころか、この町でもトップクラスに安全なのだが、そこまでは言えないので黙っておく。
とにかく俺は、今日の戦いぶりを見る限り、最低連れてきた二人の身の安全だけは保障したかった。

「……まあ、俺の自己満足だし無理にとは言えねぇからな。帰るなら止めんさ。
 ただし、もし帰らずに残るなら――――成人限定で酒を奢ってやる!」

不適に笑って取り出したのは、朝置いたままだった酒。割といい品だった。
【国崎:精神回復。あくまで一般人として現状に曖昧に触れつつ、
全員に泊っていく様に薦め、酒を勧める。尚、七重が本当に寝ているかどうかは
確認していない。正体不明な梓川にはやや警戒気味】
135名無しになりきれ:2008/05/28(水) 22:41:11 0
「ふぁ…」
リンは目を覚ましたようだ、まだ戦場ヶ原は眠っている。

リンは、洗面所で顔を洗い髪を解かす、髪は結わずに後ろに垂らしたままだ。

久し振りにメールをチェックしてみる。

「あぁ、みんな心配してくれたんだ」
リンはメールを順々に見ていく、その中の異能者の戦いの期間の延長のメールを見る。
「はぁ…やっぱり期間の延長か…」
少し予想していた事だが、それはいいだろうと考え携帯を閉じる。

リンは大きく伸びをして、戦場ヶ原の寝ているソファに近づく。
戦場ヶ原の寝顔を見て、リンは少し微笑をもらす。
昨夜の戦場ヶ原の気づかいを思い出し、穏やかの笑みのままただ戦場ヶ原の顔を見つめる。

ただただ、戦場ヶ原の目が覚めるまで。
リンは思考する、兄のこと自分の中のことそして自分の気持ちの事。

兄は何処いるのか、いやこれはなぜか近くにいる気がする。
自分の中には何が入っているのか。
そして自分が戦場ヶ原に抱く感情はなんなのか。

それは今はわからないただ、いまはこの人の寝顔を見ていようと思った。

【煌神:三日目早朝、戦場ヶ原が起きるのを待つ。】
136煌神 リン ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/28(水) 22:43:19 0
>>135ミスりました
名前入れ&安価付け
安価は>>131です
137廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/05/28(水) 22:53:39 0
>>124
刀を、振り上げる。その瞬間、聞いた事の無い少女の声が響いた。
>「風架!封陣縛!」

瞬間、風が鎖となり鬼の体を縛り上げその動きを止めた。
恐らく俺と同じ系統の能力者か?自然に存在する物を物質へと具現化する能力。
その鎖の戒めは、間違いなく鬼の戒めを止めてはいた。

>>127
しかし、鎖などで人外である鬼は止められないのだろう。
風の鎖を引きちぎり、声の主である女を捜し求め歩き回る。
捜し求めとは言ったが、声の方向は分かっていたのでその方向に歩いた。

>>128
鬼の歩いている方向から、一つの人影が飛び出す。
影の正体は、やはりと言うべきか女。声からして女だったのだから、当たり前といえば当たり前である。
少女は鬼には見向きもせず男へと走り出した。
しかし、それをただ見逃すような鬼でもない。少女に向かって凄まじい勢いで棍棒をスウィングする。
さて、こういうのもなんだが俺にはこの少女を助ける義理などたったの一つも無い。
しかし、俺は自分でも分かってるがお人よしだ。それも、けっこう重度の。

(まったく、世話の焼ける)

俺は自慢の脚力を活かし、少女を抱え瞬く間に男の下へと運び少女を下ろす。
いきなり俺に抱きかかえられた少女は、何が起きたか分かっていないようだった。

「あの鬼は俺が相手をする。俺を援護するのか、ここから逃げるかはお前の好きにしろ」

そう言い残し、俺は鬼へ突進した。

>>132
(…さて…空間斬なら、当たりさえすれば勝ち目はある。
 だが、この鬼の一撃。当たれば…間違いなく俺は…)

鬼の攻撃を避け続けながら、思考を続ける。
分かったが、この鬼の攻撃は破壊力こそズバ抜けているものの大振りすぎる。
俺の動体視力と判断力とスピードを組み合わせれば、避けるのは簡単だ。
なので、この状況の打開策が見つかるまでは鬼の攻撃を避け続けることにした。

…一瞬の隙さえつければ、一撃を浴びせることは可能かもしれない。
しかし、あのツバサが隙を見せるのか?予想外の行動をとれば…隙は生まれるかもしれないが…
ツバサを見れば、桜に何かをささやいている。
口の動きは分かるが、俺は読唇術を身につけていないので何を行っているかまでは分からない。
と、次の瞬間。

(!!)

ツバサが桜に殴られ、そこに一瞬の隙が生まれる。
それを見逃す俺ではない。俺は、すでに何度目か分からない大振りな鬼の攻撃を避ける。

「そぉこだぁ!!」

そして地を蹴りその時に生じた爆音と共に、ツバサに近づき太刀を振り上げた。

【廻間:ツバサに一撃を放つ。攻撃の威力調整は、任せます】
138ツバサ ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/28(水) 23:21:59 0
>>137
「そぉこだぁ!!」

そして地を蹴りその時に生じた爆音と共に、ツバサに近づき太刀を振り上げた。

桜ちゃんに殴られ、少しばかり意識がドロップアウトしかけたところで隙が生じたのか、
「かはは、これはいいこうでなければな」
俺は笑いながら数メートル飛ばされると体を回転させそのまま着地する。

「アハハハッ!少し調子に乗りすぎたか?【我が契約の使命に則って貴公の姿を隠せ巣窟の蒼鬼】
『御意に、』
鬼の姿が足元から徐々に消えていく。

「さて、これは君たちの勝ちかな?何にせよ俺は一撃貰ってしまったからな。」
俺がそう飄々と喋っていると見知った女が一人いきなり現れた。

「なんだ、空雲か?俺は今楽しんでんだ邪魔するんなら後にしてくれ」
「不肖、私電話を預かっておりますので」
「電話?誰からだ?」

空雲は、金剛だといった
「あん?なんだ金剛、俺は今たのしんでんのによ〜え?何レオーネが失敗?
 へ〜あいつもよく失敗するな、で何?うんうん、俺に?行ってもいいのか?」

俺は金剛からの電話を聞いて眼を輝かせる、久し振りに妹に会えるのだ拒否する理由がない。
「それなら早々にここを消えることにするか。」
俺は電話を切り相手達を見る。

「さてさて、俺はちょっと急用ができた。空雲、送ってってくれるか?」
「御意に…」
よし、俺はこれからリンを攫いに行かないとな。
明日になるがしょうがないだろう、俺の能力はめんどくさいしな。

「さて、今回は負けにしておこう、つぎ合うまでにキリスト教にでも懺悔してるといい
 次にあうときは俺は完全にてきだ!」

そう格好をつけて、立ち去ろうとすると躓いて転んでしまった。
せっかく格好ついてたのに…俺は自分の足を恨みながら立ち上がり空雲の運転する車に乗った。

【ツバサ:金剛によりリンの捕獲を命令される。】
【能力値には関係ありません】
139戦場ヶ原 天 ◆u5ul7E0APg :2008/05/28(水) 23:22:01 0
>>107-108
長い――とても長い夢を見ていた気がする。

戦場ヶ原は窓から差し込む眩い朝日に目を覚ました。
上体を起こし、彼は暫しの間寝惚ける頭を揺らして記憶を整理する。
夢の内容はこうだ。
彼が池上邸で眠りについているところに、突如襲うすさまじい爆音と衝撃。
驚いた彼は目を醒まし、籐堂院やリンとともに外に出る。
そこには機関の人間と思しき二人組の外人がいて、そこから記憶が飛び、
彼の目の前には死んだはずの滴が立っていた。
彼が滴に手を触れようとしたその時、彼女は何かを口走り…、
そこで夢から覚めた。

「やれやれ…疲れてんのかね、俺も。」

奇怪な夢を見た自分の精神構造に呆れながら、彼はのっそりと起き出す。
自分の体に目を移すと、昨日受けた致命傷のほとんどが回復していた。
能力が封印されたとて、その人外じみた治癒機能までは封印されなかったようだ。
7時間近く睡眠をとった戦場ヶ原の体は、冬眠を終えた獣のように闘気に満ち満ちていた。

ふと、自分に向けられた視線に気づく。
そこには能力を封印され大人の身体になったリンの姿があった。
あどけない顔の面影そのままに、妙齢の女性の持つ未発達な色気が漂うその姿は、より戦場ヶ原の思い描く天音 滴のそれとだぶるところがあった。
数秒その姿に見とれていた戦場ヶ原であったが、すぐに顔を逸らし、そっけない態度で言葉を発した。

「…リン。ここを出るぞ。」

言うなり彼はソファから立ち上がり、行動の支度を始めた。

「能力が封印された今、一か所にずっといるのはマズい。…それにここはあの氷野郎の家だ。
奴が必ずしも無害とはとても言えねぇからな。」

そう言いながら彼は部屋の中をうろつき回り、折角だから少しでも足しにしようと金目のものを物色していた。抜け目のない男だ。
「・・・お。」
タンスの中から上等な浴衣を見つけた。ボロキレのような着物をいつまでも着てるわけにもいかない。
見つけるなりその着物を破り去って池上の上等な布地の藍色の浴衣を身にまとった。
なぜ江戸時代の浪人のような格好ばかりなのかと言えば、それは完全に彼自身の趣味だった。

久しぶりに質のいい服に着替えて若干上機嫌な戦場ヶ原であったが、あくまでその感情を外に出すことはなく、
いつもの仏頂面でリンを伴って外へ出た。
午前7時。街が動き出す少し前の時間帯だ。
戦場ヶ原は2〜3歩歩いて池上の豪邸の威容を今一度仰ぐように振り返ると、池上がいるであろう部屋へ向けて、大声で別れの挨拶をした。

「池上燐介ェ!!!俺たちは貴様の言った通り好きにやらせてもらうッ!!
だがなァ!俺たちの邪魔をすることになったら、今度は容赦なく叩き潰してやるからなァ!!!」

あれだけ惨敗したというのにこの強気な態度は、もはや死ぬまで治らないだろう。
しかしそれだけ、戦場ヶ原は嬉しかったのだ。『強敵』との出会いが。彼は池上に敗北したが、3年前の金剛に惨敗した時のような無力感や絶望感はない。
むしろもっともっと強くなって、池上や金剛を超えるだけの力を手に入れる―――。そんな前向きな感情が、今の戦場ヶ原を支配していた。

「おい!朝っぱらからうっせーぞ!!」
戦場ヶ原の非常識な大音量の咆哮に、池上の家から斜向かいの家の窓から中年男が顔を出して怒鳴る。
戦場ヶ原がそれに対して鋭く睨みつけると、男は驚き怯えて引っ込んでしまった。
能力はない。だがその眼光から溢れ出る殺気は、失われることなく戦場ヶ原の身を濃く包んでいた。

「あばよ!!」

高らかに池上に対して別れを告げると、戦場ヶ原はリンを伴って宛てもなく歩きだした。

【戦場ヶ原:池上・籐堂院と離脱。リンと同行。現在位置は池上邸付近。】
140煌神 リン ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/28(水) 23:45:07 0
「あばよ!!」

高らかに池上に対して別れを告げると、戦場ヶ原はリンを伴って宛てもなく歩きだした。

>>139
しばらく歩いたところでリンが声をかけた
「あの、天さん?今から何処に行くの?」
とりあえず何処に行くかは知っておいた方がいい。
いつのまにかタメ口になってるのは長く(と言ってもたったの一日だが)いたせいだろう。

「行くところが決まっていないなら、私お風呂に行きたいんだけど…」

リンは控え目に言う。
もう二日ほどお風呂に入っていない、それに戦場ヶ原とてレオーネに言われたばかりだろう。

「あ、でもだめなら薬局とかでもいいんだけど…だめ?」
上目遣いで戦場ヶ原に聞く。

確かに年頃の女の子にお風呂抜き二日はきついだろう、それ以上にリンは戦場ヶ原を意識しているのだ。
先ほどから、チラチラとこちらを見てくる人が多いそれをリンは匂うからだと思っていた。
(実際は特徴的な赤髪に着物やメイド服を着ている若い男女が珍しいだけのようだが)

【煌神:戦場ヶ原にお風呂を要求。】
141恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/05/28(水) 23:59:38 0
>>134
頭上の蛍光灯をぼーっと見て暇を持て余していると、何だかぼんやりと昔の事を思い出す
そういや叔父さんが死んじまってからもう2年経つんだな。あの人のお陰で俺は今こうしている
…けど結局デカイ新聞社には就職できなかったな。親父と叔父さんには悪い事をした

そんな感慨に耽っていると、学生と国崎さんが戻ってきた。あのガタイの良い男は戻ってこない
ご就寝したのかもしれない。まぁそれはそれで健康…ってもうかなり深夜か
学生と国崎さんが座り、国崎さんが俺と芦川さんと学生を一瞥すると話し始めた

>「……まあ、お前さん達も何か用があってここに来たんだと思うし、忙しいと思うが、
 ここにいるのも何かの縁だ。一応話をさせてくれ。
 お前らも見たり体験したりして、人によっちゃあ俺よりも知ってると思うが、
 この町は今ヤバイ状態だ。そこら中で暴れてる奴等がいて、ゲリラの村みてぇにそこらの
 奴に襲い掛かってやがる」
…この町の住人は悪魔にでも取り付かれたのか?と口に出そうになり止める
まぁ夜になると人間って開放的になるからね〜特に満月の夜とか。というバカな妄言は置いといて
しかしどうすりゃ良いんだ。そんじゅそこらの奴らが襲いかかってくるなんてホントにどうかしてる
激しくオカルスティックな予感がするが、危険度が限りなく高いというかもうそんな次元じゃない気がするぜ、今回の仕事は

というか最初の町に着いた時点で誰も襲ってこなかったのはかなり幸運だったんだな
考えてみると。そういえば…葦川さんに初対面した時、彼女は結構深い傷を負ってたな。…おいおい
国崎さんの話を全面的に信じる気には正直なれないが、とにかく町が物騒かつやばい事になって事だけは理解しておく
そしてそんな町で仕事しなければならないと考えて軽く、いや重くブルーになる

他の二人の反応を伺うと、二人とも何か考えている様な表情だ。どんな事を考えているかは分からないけど
少しばかり場が沈黙する。が、国崎さんがそんな雰囲気を変えるように明るい音色で言った
142恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/05/29(木) 00:00:59 0
>>141の続きです】
>「……それで、だ。簡単に言うと、お前ら今晩は全員店に泊って行け」
…流石にそれは悪い。俺自身はあんたのお陰で助かったんだ。それでも感謝しきれないってのに
しかし正直に言うと怖くて堪らんがな。さっきの話のせいで。つうか今外に出ると悪い予感しかしない
…大人しくしていようかな。考えが纏まらずぼんやりとした頭でふらついていると、国崎さんが二言目を発した

>「あー、唐突なのは解ってる。けど、考えてみろ。お前さん達がどこに宿を持ってるのかは
 知らんが、この町中で暴れている暴徒共がいる。で、そいつらがどこにいるか解らない。
 そんな状況で、夜に高々数人で家にいる、或いは、誰がいるかも解らないホテルに戻る行為が
 どういう結果を呼ぶかって事を。それを考えれば、この店はこの町の他の場所より、
 安全だと思って、今こういう話をしてんだ」
物凄く理解。及び同意。…って待て俺。散々国崎さんに迷惑掛けておいて次はここに泊まるだぁ?
流石に虫がいいというか面が厚すぎるだろう。呆けた脳みそに冷や水を浴びせ、俺は国崎さんには悪いが店を失礼しようと考えた
その時だ

>「……まあ、俺の自己満足だし無理にとは言えねぇからな。帰るなら止めんさ。
 ただし、もし帰らずに残るなら――――成人限定で酒を奢ってやる!」
国崎さんがドンっとテーブルに一升瓶を俺達の目の前に置いた。…こ、これは
…まずい、誘惑振り切って…だが俺の目は目の前の一升瓶に釘付けだ。毎回安い発泡酒でチビチビやっていた俺にとってはなんという誘惑
だがこれ以上…これ以上…

「…一日だけ、お世話になります。国崎さん」
いつの間にか俺は正座して、国崎さんと向かい合っていた。こんなんだから駄目人間なんだよな、俺は
【長考の末、国崎薬局に寝泊り】
143五徳 静慎 ◆YUm3AOdOaA :2008/05/29(木) 00:11:21 0
「道に迷ったか・・・」

いきなり寝てしまい起きてみれば見知らぬ土地
突如として襲い来る山の様な蝙蝠の群れ!!
これが迷っていなくてなんと言う

>>133
「ってこの私が蝙蝠の餌食にされているだと?」

手で払いのけようとすると手に噛み付く
武器を出そうとしたら首に来る

「くっ、手ごわいっ」

やっとの事で大型石弓『バリスタ』を取り出す

その楔の様な先端に自らの血を詰めた血袋をくくり、何も無い方向へ発射

逃げ出した
「運命を見るこの私はこの様な所で死にはせんっ」

【五徳:蝙蝠に襲われ死に掛ける。貧血気味に】
144葦川妃映 ◆oov3HbsEaA :2008/05/29(木) 00:23:40 0
>>125>>134
居間に戻るといつの間にかカレーは片付けられていた。
食事(?)が終わった各々は、それぞれ思い思いの行動をとっている。
それぞれが共通点の薄い他人ならばこそ、まとまりが無いのは当然だ。
だけれど、暴れたり泣き出したりする人間がいないということはとても重要。
睡眠も、メモも、各々が結果的には生き延びるために繋がる行為。
そう。少なからず危機感の共有はできていると見て良い。

そんなことを考えていたら、国崎と青年が居間に戻ってきた。
>「……まあ、お前さん達も何か用があってここに来たんだと思うし、忙しいと思うが、
 ここにいるのも何かの縁だ。一応話をさせてくれ。
 お前らも見たり体験したりして、人によっちゃあ俺よりも知ってると思うが、
 この町は今ヤバイ状態だ。そこら中で暴れてる奴等がいて、ゲリラの村みてぇにそこらの
 奴に襲い掛かってやがる」
一旦止めて各人の反応を見る国崎。
特に驚きもせず静かに話を聴いていたが、それが彼の目にはどう映ったのだろうか。
頼りないとは思われたくないけど、落ち着きすぎていて怪しまれるのも厄介だ。
とはいえそれに沿った反応など即席でできるはずも無く、とりあえずうなずいて見せた。

>「……それで、だ。簡単に言うと、お前ら今晩は全員店に泊って行け」
この言葉にも、ただ頷きを返しただけだ。彼が断ったとしても薬局の玄関先で寝るつもりだったし。
どうやらここに集まっている者は国崎を除いて、戦闘力に乏しい者だと容易に想像できる。
だが、戦闘力が乏しいということは、異能をその他のことに活用できる可能性が高いということ。
異能で行える小さな小細工も、何人もの能力で、何十ものパターンを作れれば相当厄介な物となる。
まあそこまでは行かないとしても、かなり使い物になると思う。
だから私は賛成するけど……他の人間がなんて言うかがちょっと心配ではある。

「ま、私ははじめから決めてたしね。宜しく、国崎さん」
そういうとコップを取って、国崎の出した酒をコップ半分ほどまで注ぐ。
「ちょっと出血で体力が危ういのよ。寝酒としてもらうわね」
そのまま一気にあおると、冴え渡っていた思考は淀み始め、身体の力が抜けていく。
「美味しかったわ。じゃ、お先にお休み」

【葦川:国崎薬局で睡眠中】
145 ◆oov3HbsEaA :2008/05/29(木) 00:54:50 0
【研究室】
「金剛さん…来たの?」
地上108階の秘密の研究室。大勢の研究員が作業を続ける中、白衣を着た背の低い女性がパスコードを入力して入室。
そのままつかつかと『博士』の前まで歩いていき、彼に問う。
「ひぇっひぇっひぇ、来たとも。ようやく念願が成就するからのう」
「……そう」
視線を向けることなく嬉しそうに答える老人に、短く応えると、彼に小さな琥珀色の塊を渡す。
「なんじゃ。随分と少ないじゃないか」
文句を言うときすらこちらを見ない。この老人にとって、他人とはそれほど関心があるものではないのだ。
自身の手で狂わせた実の孫娘にすら──
「明日たくさんとってくる。異能は魂。魂は異能」
「ひぇっひぇっひぇ……お前の頭脳と異能があれば簡単なことじゃろうて」
女性も、博士に目を合わせようとはしなかった。自身のデスクの上のノートパソコンと、器具を手に取り再び外へ。
「じゃあ……行って来る」
ノートパソコンの画面上に浮かぶのは貳名市の地図。そしてその上に散らばる無数の黄色い点。異能者たち。
それぞれの輝きの度合いを自動で計測し、それぞれのおおよその状態を表示する。

「魂…命……未来……もらう」

[貳名市に駐留、または出向予定の機関員全員にメール]
『明日、8:00〜8:20の間は貳名駅に近づかないことをオススメ』
『17:30〜17:20も同様。お気をつけて』
                           No.101『殲滅』
146 ◆oov3HbsEaA :2008/05/29(木) 00:55:58 0
誤:17:30〜17:20も同様
正:17:30〜17:50も同様
147籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/05/29(木) 01:19:49 0
>>119
窓から朝日が差し込み、私は目を覚ます。
昨日はレオーネとの戦いの最中倒れたのに池上の自宅に居ることを考えると、師匠がうまくやってくれたのであろう。
私は昨日寝ているうちに、体中にまとわりついた汗を流すためにシャワーを浴びた、驚くことにこの部屋には隣にバスルームにトイレ、冷蔵庫までもが備え付けられている。
しかし、着る服がない、元々着ていた服は汗臭くとても着ていられるものではなかった。
後で池上に用意して貰うか、私はすこしだらしないと思ったが黒いショーツに黒のキャミソールのまま部屋から出た。
そのまま私は一階に降りて、服を洗濯機に入れてから台所に行く、昨日のうちに米をといで炊飯器でタイマーをセットして
いたのだ、それと冷蔵庫にあった魚を焼き、適当な野菜で味噌汁を作る。
最近はまともな食事を取ってなかったので、せっかくだから色々と作らせて貰ったのだ。
勿論私の分だけではなく池上の分も作っておいた、何せこの家の主であり、この食材の持ち主なのだから私だけというのは悪い気がしたからである。
他の二人に関しては私に何も与えてくれてないし、私もわざわざ朝食を作ってやるほど優しくない。

「瑞穂の料理はうまいんだから、ちゃんと料理しろよ」
「最近は物価の高騰が激しくて、食材など買っている余裕がないのですよ、師匠」

私は師匠の小言を軽く流すと、慣れた手つきで皿に盛りつけ、配膳していく。
過去に師匠や組織の仲間の食事をずっと作っていたので料理することは嫌いじゃないし、そこそこ上手いという自覚もある。

「よし、完成だ、後は食べてくれるかは分からないが池上を呼びに行くか」
「池上燐介ェ!!!俺たちは貴様の言った通り好きにやらせてもらうッ!!
だがなァ!俺たちの邪魔をすることになったら、今度は容赦なく叩き潰してやるからなァ!!!」

唐突に戦場ヶ原の怒鳴り声が聞こえてくる、やっぱり奴らの朝食は作らなくて良かったみたいだ。
私は池上の部屋の前に行き、ドアを軽くノックする。

「池上、起きているか?勝手ながら朝食を作らせて貰った。
たとえ異能力者であっても朝食を食べておかないと今日の生活に支障をきたすぞ、強制はしないが食べておくと良いだろう
それと出来ればで良いのだが着替えをくれないか?今日一日着ていく服がないのだ
ただし、煌神が着ていたメイド服はお断りだ、私は身長も君とあまり変わらないから、君の服をくれると嬉しい」

私はそれだけ言うと、食卓に戻り先に朝食を食べることにする、もし着替えをくれなかったら服が洗濯し終わり乾くまでこの家に居座るだけだ。
最近はあまり料理をしていなかったが、腕は落ちていないようで十二分に美味しい。
まぁただの焼き魚と白米に味噌汁という簡易な食事だ、美味しいというより当然の味なのかもしれない。
そういえば今日はあのメールが届いてから三日目、初めは何でもない嘘かと思ったが、『機関』の幹部達に襲われた今なら信じられる、あれは真実だろう。
とすると、この日が終わるまでにもう少し能力者を倒さなければ私の身があぶない。
今日も街を彷徨いてみるかな、この街はもう戦いの中にある、自然と異能力者に出会うことになるはずだ。
私はいつか訪れるであろう戦いの予感に胸を躍らせていた。

【籐堂院瑞穂:三日目突入 朝食を食べている 携帯がないため期限が一週間に延びたことをしらない】
>>129
―――鈍痛が体を駆け巡る感覚で覚醒した。
衣服と腕時計が消えている。代わりに毛布が私の体を覆っていた。
痛みに耐えて体を起こそうとすると、右腕が動かない事に気付いた。
先程からの鈍痛の原因はこれだったようだ。

「腕が…折れてるな……」

徐々にだが気を失うまでの過程を思い出していく。
あれは『私と私の世界』……、間違いない籐堂院 神だ。
奴は剣から義娘の体に何らかの方法で自身の精神を移したのだ。
"アリス"まで使ったのに、このザマとは情けない。

「すまない、城栄……」

戦闘に負けた事よりも、友人の信頼と期待を裏切ってしまった事が私の心を深く抉った。
『フランクミューラー』が消えているという事は、『機連送』も消えているな。
本部に調達しに行かなければ……。いや、その前に着替えとシャワーだ。

周りを見渡すと、どうやらテントの中のようだ。生活臭からしてここ最近立てられた物だ。
―――誰かの隠れ家か?
私は毛布をバスタオルのようにして体を包むとテントから出た。

【レオーネ:現在地 アルトのテント】
【籐堂院 神に負けた事により4/3→3/3】
149アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/05/29(木) 19:20:15 0

>>148
朝になった。ともかく食事を用意しようと思う。
異能者を食べる私だが、別に普通の食事をしないというわけではない。
異能者を発見する前に飢えることがないように、インスタント食品をいくつか持ち歩いている。
熱量を操作し、お湯を沸かす。単純に火を使うよりも調節が効いて便利なのだ。

「…と、そろそろ起きた頃合ですか」

テントの中から気配を感じる。――多分、気が付いたのだろう。
彼は毛布で体を包み、テントから出てきた。

「やっと起きましたか。お互い災難でしたね、ロンバルディーニさん。
 ……食事はいりますか? インスタントしかありませんが、味にバリエーションはありますよ。
 機関に連絡をつけるにしろ、まずは何かお腹に入れておいた方がいいですよ」

言いつつ、自分の分のインスタントラーメンを完成させる。ちなみに味噌味だ。

「それで、何味がいいですか? 醤油と味噌と豚骨と、あとは塩ぐらいしかありませんが」

【アルト:インスタント朝食】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
150 ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/29(木) 21:35:04 0
俺は空雲の車の中で考え事をしていた、
リンの事だ、それ以外で俺に悩み事なんてそうそうない。

先程戦った廻間とか言うやつもリンと同じ学校だそうだ。
まさか彼氏なんてできてないよな?やっぱエレミアとかお嬢様学校に入れとけば良かった。

第一金剛はリンを使って何をする気なんだ?
破廉恥なことだったら全力で対立するが。
まぁいい、今はとりあえず考えるのをやめよう。

とりあえず能力の更新をしとかなければな、

「空雲、少し車をとめてくれ。」
「御意に」

車を止めてもらい俺は適当に女をナンパする。
その女を路地裏に連れ込み殴って気絶させる。

「すまんな…【我、祖の主、主として契約を果たす】」
女を縄で縛り、能力を発動させる。

亡者が出てきて、女を地割れに連れて行く。
きっとあの女はこの世で最悪の屈辱を思い知りながら殺されるだろう。

「【その魂に永久の安らぎを…】はぁ…」
「終わりましたか?」
いつのまにか、空雲が後ろにいた。

「あぁ、見ていたのか」
「えぇ、主人にこんな事を言うのもなんですがあまりこれは好きではありません」

「俺もだよ、あぁ、お前も契約か」
「はい、しかし弓道もいますので本部に帰ってからでかまいません」

俺は空雲と車に乗り込もうとする。
すると空雲が何か思い出したのか、こちらを見てくる。

「すいません、ご主人様少し薬局によってもよろしいでしょうか?」
「あぁ、かまわんだが俺はほとんど能力が使えないからな。」

空雲はわかっていますといって車を動かす。
「あぁ、でも明日まであいてないだろうから今日は薬局の前で車に乗ったまま寝る事にするよ」
「はい、お休みなさいませ、ご主人様」

俺は空雲の声を聞きながら意識を手放した。

【ツバサ:国崎薬局の前で就寝、目が覚めてから入るつもり。】
151池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/05/29(木) 21:53:25 0
>>139>>147
「もしもし、店長ですか? 池上です。シフトのことでお話しておきたいことがありまして。
えぇ……これから四日、いえ一週間ほど旅行に行くことになりまして……
そうです、この時期にです。ですから、しばらくバイトの方には顔を出せませんので……」

>「池上燐介ェ!!!俺たちは貴様の言った通り好きにやらせてもらうッ!!
>だがなァ!俺たちの邪魔をすることになったら、今度は容赦なく叩き潰してやるからなァ!!!」
(……黙って出て行けば良いものを……いちいちうるさい奴だ)

「いえ、何でもありません。それより、えぇ……そういうわけでなので、申し訳ありません。
はい……はい……分かりました、では」

電話を切る。電話の相手は、バイト先のコンビニの店長だ。
バイトは週に三回程あるのだが、しばらくは機関の連中を相手に
闘いの日々が続くことだろう。そう判断した俺は、バイト先でしばらくの
休養を申し出たところだったのだ。
途中、山田のやかましい声に邪魔をされ、電話越しで店長に何か厄介な
事件にでも巻き込まれたのかと言われたが、何とか誤魔化すことができた。
窓から外を覗くと、山田と煌神 リンの二人がこちらを背にして立ち去ろうとしている。

「容赦なく叩き潰す……か。……全く、おめでたい奴だ」

半ば呆れ顔にそう呟くと、俺は窓に背を向けた。
調度その時、俺の部屋のドアがノックされた。
ノックしたのはどうやら籐堂院。朝食を作ったので来いとのことらしい。
彼女は朝食を作った代わりに、ということではなさそうだが、
着替えを用意してくれと付け加えた。
(まぁいい、その代わりということにして服ぐらい貸してやるさ)

俺はタンスの戸を開け、上下黒の服を取り出し、それを持って部屋を後にした。
籐堂院は食卓で、女としては少々「はしたない」と言える格好で食事をしている。
見るとそんな籐堂院が身に着けている下着の色は、俺が用意した服の色と同じであった。
こちらが意図的に色を合わせたと思われるの嫌で、俺は渡すのを一瞬躊躇したが、
そ知らぬ不利を決め込み、結局はそのまま服を渡すのだった。
服を渡した俺は空いている席に着き、並べられた料理を一望した。
味の方はどうかは知らんが、メニューとしては俺好みのものが揃っている。
もっとも、こちらの好みを知った上でのメニューではなく、
単に籐堂院自身が和食派なのだろうと解釈したが。

「では、遠慮なくいただこう。……いただきます」

両手を合わせて、人間の糧となってくれる食べ物に感謝の意を表し、
俺は食べ始めた。
焼き魚を箸で綺麗に割き、口に運んでいく。そして味噌汁をすする。
……意外と言っては失礼かもしれないが、これは俺の口に合っていた。
もしかしたら俺より味付けは上手いかもしれない。
まぁ、俺は今まで料理修行など全くせずに、これまで我流で料理をしていた身だ。
もし籐堂院が料理について通じていたなら、この結果は当然であるかもしれない。

「……旨いよ、十分ね」

思わず口でそう零したが、相変わらず俺の表情からは感情が窺えない。
──それからはお互いに喋ることも無く、黙々と食事を続けていった。
俺が次に言葉を発したのは、食事を終えてからだった。

「見た感じ、山田は気付いていなかったようだが……夕べは異能者が襲って来たんだろう?
まぁ、家に居た全員が生き残っていたんだから、お前が約束通り追い払ってくれたんだろうがな。
……とりあえず、ご苦労さんと言っておく」

【池上 燐介:籐堂院に服を渡し、食事を追える。】
152籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/05/30(金) 01:38:43 0
>>151
池上は私が朝食を食べ始めてから少しすると食卓にやってきた。
その手には上下黒の服を持っている。
私の下着に合わせてくれたのだろうか、見かけによらず気の利いたことをする男だ。
服を私に渡すと池上は朝食に目を通すと椅子に座る。

「では、遠慮なくいただこう。……いただきます」

両手を合わせきちんと食前の感謝をした後で食べ始める、池上の礼儀作法を重んじる態度には好感が持てる。
食べ始めると池上は何か考えるような顔をした後、ぼそっと呟いた。

「……旨いよ、十分ね」

とか言いつつ池上の顔からは表情が伺えない、実はあまり口に合ってないのではないか?
特に話すこともないのでそのまま黙々と食べ続ける。
私は池上より速く食べ終わると、先ほど貰った服を身につける、その服は少し大きかったが問題なく着られた。

「結構似合ってるじゃねえか瑞穂、少し秘書っぽい感じがするな」

秘書っぽいと言うのがどんな感じなのかは分からないが褒め言葉として受け取っておこう。
自分でも黒い服のおかげで自慢の銀髪が栄えている気がする、なかなかセンスの良い服だ、気に入った。
すると池上も食事が終わったようで、私に話しかけてくる。

「見た感じ、山田は気付いていなかったようだが……夕べは異能者が襲って来たんだろう?
まぁ、家に居た全員が生き残っていたんだから、お前が約束通り追い払ってくれたんだろうがな。
……とりあえず、ご苦労さんと言っておく」

気付いていたのか、池上もレオーネの幻術にかかったようだから当然か。
それに私ではなく師匠が追い払ったのだが、わざわざ訂正するほどの事でもない。

「どういたしまして、私は決められたことをやったまでだ
そろそろ私は失礼されて貰うよ、長々と居座るのも悪いからな」

そう言い席を立つ、そして廃校で拾ったバッグに天之尾羽張と洗濯し終わったばかり濡れた服を詰め込む。

「君が何を知って、何を思ってこの戦いに参加しているのか分からないが、『機関』に敵対するというならいずれまた逢うことになるだろう
その時は敵ではなく味方として戦えることを望んでいるよ、私は」

最後に池上に一礼する、私が脅したとはいえ一日見知らぬ私を家に泊めてくれたのだ、このくらいの感謝は当然だろう。
そして、踵を返して池上の家から出る、改めてみても大きな家だ、ここに一人暮らしというのも少し寂しそうだな。
153籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/05/30(金) 01:40:05 0
>>152
池上の家から出てきたのは良いがこれからどうしようか私は考えていない。
能力者を倒すのも大事だ、でも明日を迎えるための宿も確保しておきたい、所持金はないけど。

「まぁ適当に彷徨いていれば、何とかなるんじゃないか?」

師匠が私の心情を察してか話しかけてくる、確かにここでずっと考え込んでいても何も変わらない。
現状を打破したいならまず動くことが先決だ。

「そうですね、行く当てもありませんが動きましょうか、じっとしていても仕方ありませんね」

しかし、この選択は私を後悔させた。
私の目の前には三人の不良、囲まれた。
普通に歩いていたら、前から三人の男が近寄ってきたのだ。
初めは異能力者かと思い身構えていたが、ただのナンパだった、返り討ちにしても良いが警察沙汰は面倒
それに『機関』に生存がばれた今は出来るだけ目立ちたくはない。

「君、可愛いね、俺達と楽しいコトしようぜ」
「外国人だよね?俺達がこの街を案内してやるよ」
「いえ、結構です、私仕事がありますので」
「そんなつれないコト言わないでさ、少しくらい良いじゃん」

こちらが断っているのに引き下がらない、これがナンパの恐ろしさだ。
一人の男が馴れ馴れしく腕を掴んでくる、気安く触るな、と殴り飛ばしそうになる衝動を抑える。
さて、どうしたものかな、ここで誰か正義感ある人物でも来てくれれば助かるのだが。

【籐堂院瑞穂:三人組の不良にナンパされる、助け待ち 場所は普通の道】
154梓川 博之 ◆acBW5xlTro :2008/05/30(金) 22:52:35 0
>>134>>142>>144
慰めてやると、男性は振り向いた。
……すっげぇ哀しい目してるよ。
「……ありがとよ。オマエさん、いい奴だな」
「…………礼には及ばないさ」
この化学物質的料理を食ってしまったら、皆同じテンションだしな。

男性は立ち直ったのか、立ち上がって俺に言う。
「さて……それじゃあ行くか。オマエさんにも話す事があるから、
 時間に余裕があるなら居間に戻ってくれ」
話すこと?
何があるのか知らないが、聞かないよりも聞いた方が断然良い。
…多分。

居間に戻ると、3人ともきちんと居た。
………七重がぐーすか眠りこけてる。
お前店長やその家族どころか店員でもなんでもないんだろ?何呑気に寝てるんだか。
そんな七重をスルーして、男性が話し始めた。

「……まあ、お前さん達も何か用があってここに来たんだと思うし、忙しいと思うが、
 ここにいるのも何かの縁だ。一応話をさせてくれ。
 お前らも見たり体験したりして、人によっちゃあ俺よりも知ってると思うが、
 この町は今ヤバイ状態だ。そこら中で暴れてる奴等がいて、ゲリラの村みてぇにそこらの
 奴に襲い掛かってやがる」
―――異能者同士の戦いか。
つーかそんな凶暴な奴まで居るのかよ…戦いなんぞそうそう無いのによくその凶暴性を押さえられてたよな。
いや、この戦いで思う存分出来る様になったというのが正しいのか?まあいい、兎に角危険だな。
それよりも何でこの人が知ってるんだ?
155梓川 博之 ◆acBW5xlTro :2008/05/30(金) 22:53:12 0
そして、各々の反応を見ながら男性が言う。
「……それで、だ。簡単に言うと、お前ら今晩は全員店に泊って行け」
……へぇあ?
「あー、唐突なのは解ってる。けど、考えてみろ。お前さん達がどこに宿を持ってるのかは
 知らんが、この町中で暴れている暴徒共がいる。で、そいつらがどこにいるか解らない。
 そんな状況で、夜に高々数人で家にいる、或いは、誰がいるかも解らないホテルに戻る行為が
 どういう結果を呼ぶかって事を。それを考えれば、この店はこの町の他の場所より、
 安全だと思って、今こういう話をしてんだ」
そりゃあ唐突過ぎだろ。
だが、何故『此処なら安全』と言えるのか…。
家に居れば誰かにでも恨まれたり、近くで戦いでもない限り襲われることは無い。
だが、俺以上の異能者の探知能力がある奴には何処に居ようと襲われるだろう。
つまりは何処に居ても同じって事だが、何故?
核シェルター?戦闘機?無理がありすぎる。
とくれば、飽き飽きとした展開だが―――可能性があるのはアレぐらいだな。

「……まあ、俺の自己満足だし無理にとは言えねぇからな。帰るなら止めんさ。
 ただし、もし帰らずに残るなら――――成人限定で酒を奢ってやる!」
「うわ酷ぇ!」
俺には無しかよ!?
そう思って周りを見れば、
「…一日だけ、お世話になります。国崎さん」
正座してる!?ちょっ、そこで何で意味も無く正座!?
違うほうを向くと、
「美味しかったわ。じゃ、お先にお休み」
既に飲んで、布団に潜り込む。
この人男4人に囲まれてよく寝れるな!度胸があると言うのか、信用しているのか、はたまた誘ってゲフンゲフン。
七重は既に寝てるから此処に居るとして…。

最後は俺か。
男性―――いや、ここの店長(多分国崎か?)の視線は俺に向いている。
ちなみに此処に止まってけという辺りでこの人が此処の持ち主だって分かった。
さて。どうしようか。
「―――国崎さん、だよな?ちょっと二人で話したい事があるんだが…」

【梓川:国崎に対話を申し込む】
156廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/05/30(金) 23:11:54 0
>>138
太刀を振り上げ、その一撃を命中させる。
だが、ツバサは大げさに飛ばされる事で俺の攻撃の衝撃を上手く逃し、ダメージを軽減させた。
そして、何らかの呪文を唱える。
その呪文が唱えられた瞬間、鬼の体が足元から徐々に消えていった。

>「さて、これは君たちの勝ちかな?何にせよ俺は一撃貰ってしまったからな。」

俺の、勝ちだと?
…なるほど、やはりツバサも実力の差があることに気付いていたらしい。
ツバサに一撃を加えることで、その瞬間俺達が勝ちとなるハンディキャップマッチ。
正直、もう少し戦ってみたかったがツバサがそういうなら仕方がない。
ツバサが鬼を消したように手に持った鎌も消し去る。既に戦意は無いらしい、俺も同じように太刀を消し去る。
そして、先ほどから見ていたのかは分からないが、互いに得物を消し去ったのと同じタイミングで一人の女性が現れた。
話の内容を横で聞いていると、女性の名は空雲と言いツバサの部下らしい。
空雲は携帯電話をツバサに渡した。電話の相手は金剛というらしい。名前からして男か?

>「それなら早々にここを消えることにするか。」

目を輝かせ、どこか嬉しそうにツバサは呟く。
そして身をひるがえし足早にこの場を去った。

>「さて、今回は負けにしておこう、つぎ合うまでにキリスト教にでも懺悔してるといい
  次にあうときは俺は完全にてきだ!」
「フン、俺は宗教なんかに入るつもりはないね」

俺はツバサの台詞に答えるように、俺は呟いた。
…あ、ツバサが転んだ。
157廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/05/30(金) 23:14:33 0
俺は辺りを見渡し、ツバサがこの場から消え去った事を確認する。
そして、心の中に充満している黒い意思を消し去った。

「…ふぅー…」

目に光が戻り、顔に感情が戻る。心の中に、喜怒哀楽が流れ込んでくる。
それは完璧に普段の俺へと戻った事を表していた。
桜が椅子から立ち上がり、俺に駆け寄ってくる。

「…お前のおかげで、助かったよ。ありがとう」

そんな事無いと、桜が顔を横に振り否定する。
だが、事実俺は桜がツバサに不意打ちを加えた事で勝ったのだ。
もちろん無意識の行動だろうが、それでも構わなかった。

「それじゃあ行くか。遅くなっちまったからな」

…そういえば、あの男はどうするか。能力者の女が介抱しているが…
俺の気のせいかもしれないが、能力者の男女は互いに知り合いみたいな感じがする。
そうと分かれば、あの男の事は女に任せておけばいいか。
俺と桜は、再び帰路を歩く事にした。

【廻間:桜を家まで送り届け、廻間自身も家に戻る】
158五徳 静慎 ◆YUm3AOdOaA :2008/05/30(金) 23:48:06 0
蝙蝠から逃げて数時間
すでに夜は明け
バリスタを展開したまま歩く私はかなり怪しい

「うぁ・・・」

先ほども、絡んできた警察を気絶するまでバリスタで殴打したが
手元が狂って交差点の反対側まで吹っ飛んでいった

「しかし、血が足りないな・・・」

緊急輸血用の血袋は蝙蝠から逃げるための囮にしてもう一つも残っていない
目の前がかすむ

刹那目の焦点が合う其処には国崎薬局の文字


「薬局か・・・なにか・・・ない・・・か・・・」

思考が停止した

【三日目 貧血 国崎薬局の玄関で気絶】
159恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/05/30(金) 23:59:39 0
>>144>>154-155
正座したものの、別にそこまで謙遜する必要も無いよな。つか国崎さん軽く引いているし
俺は体勢を崩して、テーブルの上に置かれたコップを手に取り――ってちょっと飲まれてるし!

>「美味しかったわ。じゃ、お先にお休み」
思わず顔がションボリした。いや、葦川さんに先を越された事がじゃないんだ
うん、そうなんというかやっぱ酒は幾らなんでも悪いかなって…
ホントにそう、一番酒を飲みたかった訳じゃ…今の俺の表情は一体どんな情けない顔なんだろう

急に熱が冷めて、俺は国崎さんに
「すみません、やっぱ悪いですよ。泊めて頂けるだけ十分ありがたいです。お気持ちだけ」
と白々しく寒々しい言葉で謝ってコップをテーブルに置いた。はぁ〜…

気分を変えようと一服しようとしたが、何となく悪い気がして止めた
どことなく耳心地の良い寝息が聞こえると思ったら、葦川さんが横になっていた。疲れたんだろうな
急に眠気が襲ってきた。…かなり猛烈だ。俺の目がしばしばパチパチする

駄目だ、負ける。俺は学生と国崎さんに就寝の挨拶をして、ごろりと雑魚寝した
ふと携帯が気になり取り出して調べてみる。二通の着新メールを受信していた
例のチェーンメールが三日から一週間に伸びたようだ。まぁ三日じゃ無理だわな。にしても改変するならもっと派手にしろっての
もう一つは九鬼からだ。俺が伝えていた安価で泊まれるホテルの情報だ。何々…

ふ、フタツナスカイホテルゥ!? バ、バカじゃねえか! この町で一番でかくてなおかつ最高級…
あ、何だ、その近くのカプセルホテルか…ザ・近未来…ねぇ。名前だけは派手そうだな
ただ寝泊りするだけだからなぁ…別にこの町に観光しに来たわけでもないし。それに贅沢できるほど預金に余裕も無いし

携帯をしまい、メガネを外して目を閉じる。この町に来て殆ど間もないのに凄い疲労感がする
こんな調子じゃ東京に戻る頃にはガリガリに痩せてそうだな、俺…
つうか東京に戻れるのかよ…遺書でも書いておこ…

瞬間、俺はガクンと、意識を闇に落とした
【お酒を丁重に断る。寝落ち】
【二日目終了】
160国崎シロウ ◆Jd2pQO.KKI :2008/05/31(土) 00:48:29 0
>>159,155,144
>「美味しかったわ。じゃ、お先にお休み」
>「すみません、やっぱ悪いですよ。泊めて頂けるだけ十分ありがたいです。お気持ちだけ」

と言いつつ横になった二人は、やがて寝息を立て始めた。
随分と寝つきがいいのは、今日あんな事があったからだろう。
睡眠は、身体が疲れたときだけでなく、精神の疲労でも要求される。
ましてやその両方ともなれば、言わずもがなだ。
俺はそんな彼等の様子に少し表情を緩め、コップに入れた二杯目の酒を一気に煽ってから、
押入れから毛布を二枚取り出して、それを寝ている二人の上にかけてやった。

そうして、この場で起きているであろう最後の一人の方に目を向ける。

>「―――国崎さん、だよな?ちょっと二人で話したい事があるんだが…」

男は、目を合わせるととそのように話しかけてきた。
この状況での質問だ。内容の予測は幾つか立てられるが、例えその予測が当たったとしても、
俺は、俺の意思。即ち、出来うる限り一般人であろうとする考えを折るつもりは無い。

「そいつは別に構わねぇが、なるべく早く済ませろよ?
 この店、明日も通常営業だからな。夜更かしで閉店とあっちゃ社会人失格だ」

軽い調子でそう返してから、三杯目の酒が入ったコップを右手に持つ。
そしてそのまま庭に面した縁側に移動し、男にもそこに座るよう促した。

縁側は風が流れており、幾分中より涼しかった。
自分で設置したいくつもの監視装置や罠の存在は気になるものの、それも十分に隠蔽してあるので
そこまで風雅を壊してはいない……と思う。
俺は、男の行動を目で追うでもなく、すっかり暗くなった庭と浮かぶ満月に視線を向けながら問う。

「……で、何の様だ? 匿名希望のボウズ。ちなみに性の悩みなら聞かねぇぞ」
【国崎:質問に対応。酔いは0】
161小村禅夜 ◆3LPMHhiq9U :2008/05/31(土) 01:08:11 0
――――――チュンチュン
目が覚めるとホテルの窓からスズメが朝を告げていた

「・・・・ん?・・寝てしましたか」
小村は椅子に座ったまま寝ていた、空になったグラスが目覚めとともに床に落ちた
「やはり体力不足でしょうか、それとも酒癖が悪いのか・・」
自分のこめかみに親指を当てて、昨夜のことを思い出そうとした
確かアルトにリストを渡したあと、アルトにレオと手を組めと指示を出し
金剛の野郎にレオへの伝言を頼んだのだ
・・・・あの野郎とはあまり話したくなかったがこれも『あの時』の条件の一つだった

グゥ〜〜――――
小村の腹が鳴る そういえば昨日はワインしか飲んでない
しかし機関ではいろいろな技術を身につけた
その気になれば130時間ぐらいは飲まず食わずでも平気だった
が、食欲は三大意欲の一つだ 欲しく思うのは人として仕方が無い
「さて、ここも出ましょうか」
一般人にこの場所がバレているのだ 長居は無用だ
問題は・・・
「金・・・ですか」
どうするか・・そう思いつつ小村は自前のアタッシュケースを持って部屋を出る

フロントに行くと例のホテルマンがこっちを睨み近づく
そういえば昨夜は働いてる途中で抜け出したからか
その説教だろうか そう思っていたが・・
「あ、あなた大丈夫ですか?いや、昨日は驚きました だってあなたが
ビルの崩壊に巻き込まれたといって背負われてきのですもの」
・・・・どうやら根はやさしい人間のようだ
「なら、ホテルd・・」
「でも宿泊費は払ってもらいますよ」
あ、そう
仕方が無い、この手は使いたくなかったが
「わかっています 確かこれぐらいでしたか」
小村はエネルギーでお札を作り出す・・・まあ一定時間で消えてしまうから後で
必ずバレるのだが・・・それを、万札の束をホテルマンの手に乗せる
「え!!・・・・いや・・・こんなに・・・」
「釣りはいりませんよ まあ私がこのホテルにかけた迷惑代にでもとっておいてください」
小村は去っていく その後ホテルマンが驚愕の声をあげたのは言うまでもない
162小村禅夜 ◆3LPMHhiq9U :2008/05/31(土) 01:08:58 0
小村は駐車場に止めていた車に乗り込む
「さて・・・・どこにいくとするか・・」
ぼ〜っと考え出す
「あ・・・・そういえば 機連送をチェックしてませんね」
機連送を見るとメールには幹部が数名市入りをした事と虐殺部隊が投入された事を知らせがあった
「・・・・おかしい」
小村は即そう思った
機関は世界規模の組織だその人員も半端ないそしてそれらを掌握、指示、把握するのが幹部だ
その幹部をこんな、日本の田舎町にこうも何人も幹部を集めるとは・・・おかしい
よほど大事なことか・・・それとも何かべつの・・
「まあいい、今度金剛に出会ったときにでも尋ねますか まあ、教えてもらえないでしょうが」
そういい機連送をしまう
・・・・そうだ
小村は何か思い立ち、車を走らせた


キッ―――
車を止め、小村が歩き出すしばらくするとまだ立てたばかりであろうテントが見える
テントの裏側から表側に回る
「それで、何味がいいですか? 醤油と味噌と豚骨と、あとは塩ぐらいしかありませんが」
「私は塩が好きですね」
アルトの問いに勝手に答えた
アルトはこちらを振り向くその顔は驚いているのかいないのか・・・
「私も分けていただけないでしょうか実は朝ごはんがまだでして、ん」
小村は顔を横に向ける、そこには下は裸であろう毛布を被ったレオがいた
「・・・・あ〜、もしやお楽しみ後でしたか?これは邪魔してすみませんね
 私はこのまま去りましょうか?ねえ、レオさん」

【3日目の朝突入】
【アルト、レオーネに接触】
【変な勘違いをしてる(分かってしている)】
163 ◆P1wJYx92Ts :2008/05/31(土) 01:26:36 O
>>92
眉間に向かう音、美弥子は頭を数センチさげかわそうとした。
「違うっ!」
まず身体が反応した。何に反応したかは自分でもわからないとにかくそれは危険と感じた瞬間に美弥子は床を蹴っていた。
「なかなか勘のよいご婦人でござる」
この男はかなりタチの悪い性格だと改めて認識した。彼の放っていた指弾は二種類、音を出す弾と出さない弾。
音を頼りに回避を続けさせ頃合いをみて音の影に無音を放つ。聴覚に意識を集中していてはまともに無音をくらいかねない。厄介な男だ。
美弥子に余裕はなくなった。右足には鉄の弾が食い込んでいる。傷は浅いが踏ん張りがきかない。
「ならばっ!」
美弥子は御剣に悟られぬよう新たな武器を取りだそうとした。
「何かしたでござるか」
美弥子の能力は途中でかき消えた。能力は発動しているがこの世界への干渉ができない。

中和能力―
異能力者の天敵、中和能力者。異能力者と言っても能力を使えなければ普通の人間と同じである。いや、異能力に頼りきっているものは並み以下の人間にすらなる。
「お屋敷を傷つけるのは気が進みませんが…大地斬!」
美弥子は上半身と左足の力で大鎌を床に叩きつけた。
床の大理石が砕けその破片が御剣を襲った。反撃を予測していなかった御剣はそれをまともに食らった。
164戦場ヶ原 天 ◆u5ul7E0APg :2008/05/31(土) 01:51:05 0
>>140
堂々と池上の家を出たものの、行くあてもなく戦場ヶ原はしばし同じ場所をぐるぐる歩く。
1区画を3周ほどしたところで、戦場ヶ原が行き場所に悩んでいることを悟ったリンは、ぽつりと要求を口にした。

「行くところが決まっていないなら、私お風呂に行きたいんだけど…」

戦場ヶ原は少女のおねだりを見て納得する。
ガス代水道代が足りず、3日に一遍風呂に入っている自分はともかくとして、確かにこんな女の子にまで自分と
同じ状態にさせるのはさすがの彼も気が引けた。
路銀に余裕はなかったが、風呂屋に寄るぐらいの見栄を張るだけの資金はあった。

「…仕方ねぇ。あそこの風呂屋にでも行くぞ。」

戦場ヶ原が指さした方向には、昔ながらの煙突作りの『美府温泉』と書かれた銭湯がずんとたたずんでいた。
休憩所がありそこで食事や仮眠もとれる、近頃温泉を人工的に掘り出して客足を集めているいわゆるスーパー銭湯というやつだ。
さすがに一般人がわらわらといる風呂屋で襲撃はないだろう、そういった彼なりの思惑もあった。
能力が使えない今、向こう側も自分たちを捕捉するのは難しいはずだ。
気を隠すなら森の中、という具合だ。

【戦場ヶ原:リンを連れて、国崎薬局近くの大型風呂屋『美府(ビップ)温泉』へ入る。】
165七重 凌司 ◆Wg8HeG5HhI :2008/05/31(土) 02:17:35 0
>133
ガタイに似合わず、就寝時の七重は非常に静かである
ややともすると、生娘の寝息とも聞き紛うほどだ
これは少年時に受けた躾が功を奏しているためであり、
もし彼が普通の家庭で育っていたとすれば、
夜中に騒音を巻き散らす機械に成ったことは間違いない
もっとも、いびきを全くかかなくなった代わりに、
寝相が著しく発達したことには、閉口せざるを得ない

静寂に沈く寝室には、僅かな音もよく響く
先ほどから七重の頭上には、小さな真紅がはたはたと舞っていた
その羽音は、室内で柔らかく弾けて、心地良い空気を醸造させている
しばし回旋していた紅は、緩やかに滑空を始め、
七重の首筋へと近づいていった

ぱっ、と布団が跳ね除けられた
舞い上がる白布の下では、七重が片膝をつき、右腕を掲げている
紅い浮遊物は、動揺したかのように、その場で戸惑う
鋭く振るわれた影が、窓から刺す月光を切る
巻き起こる風。その背後で、布団が軽く吹き飛ばされて着地した
七重の拳は、畳を貫く寸前で止められており、衝撃が轟くことは全くなかった
真紅は片翼を千切られ、おそらくはかつての侵入経路であろう、
小さな窓の隙間から逃げ出して行った
しかして、一瞬の嵐の後、再び静けさだけが残る

睡眠状態から放たれた、全く無自覚の拳撃
その発動は、覚醒時におけるそれに対し、あらゆる面で一線を画す
無意識下における、ひいては、無欲からの攻撃と言うのは、武人の目指す極地なのだ
一体どんな、どのような拳で。否、果たして拳の形を保っているのか
期待とも、戦慄ともつかない感情を抱きながら、七重は己の右手と見えた
拳の究極形。のはずである。しかしそれは、何の変哲もない、普通の正拳であった
若輩の七重は、まだまだ達人の域には達せられないらしい
うなだれつつも、七重は布団を引っ被って、今一度眠りに就いた
結局、窓が隙間を空けていることに気付かなかったのは、残念の至りである

【神重から放たれた蝙蝠を撃退】
【二日目終了】
166アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/05/31(土) 07:07:52 0
>>162
どの味にするかを訪ねた途端、

「私は塩が好きですね」

背後から、どこかで聞いた声がした。

「私も分けていただけないでしょうか実は朝ごはんがまだでして、ん」

振り向いてみると、そこにいたのは上野恭平さんだった。
しかし、その表情は―――

「・・・・あ〜、もしやお楽しみ後でしたか?これは邪魔してすみませんね
 私はこのまま去りましょうか?ねえ、レオさん」

明らかに楽しんでいる。だがまあ、気持ちは分かる。
こんな状況を見たら、からかわずにはいられないだろう。
しかし、

「失礼なことを仰らないでくれませんか。
 ロンバルディーニさんは私の趣味じゃない、どころか嫌いな分類の人間です。
 乙女心が傷つきました。―――とか、いえる歳じゃあないんですけどね」

ともかく塩味か。ロンバルディーニからのリクエストがない以上、先にそっちだ。
えぇと… どこにやったっけかな。ああ、あった。

「それでは少し待ってくださいね。―――コーヒーも用意してありますので、どうぞ」

紙コップにそそいで差し出す。しかしまあ、合流する手間が省けてよかった。

【アルト:インスタント朝食】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
>>162 >>166
テントを出るとハーケンが何やら自炊の準備をしている所だった。
ハーケンが居るという事は、このテントは彼女の物か。
となれば、彼女が私をここまで連れてきたのだろう。
道理で、私と一緒に『私と私の世界』をくらった筈の彼女が、衣服を身に着けている訳だ。
作っている物はインスタント食品のようだ、原理は不明だが火を使わず湯を沸かしている。
これも彼女の能力の一環だろうか、便利な物だ。

>「それで、何味がいいですか? 醤油と味噌と豚骨と、あとは塩ぐらいしかありませんが」
しかし、インスタントとはな……。あの化学製品を食べるつもりか?
かと言って、空腹なのは確かだ。だが、化学製品を食べる気は毛頭無い。
彼女の手には出来上がった味噌味のインスタント麺が握られている。
空腹なので、普段見向きをしないような食べ物に目が行ってしまう。
…いや、待て待て。落ち着け、深呼吸だ。
食欲と理性のせめぎ合いをしていると、車のブレーキ音が聞こえた。
足音は真っ直ぐこちらへ向ってきている。…敵か?
今の私は迷宮化の影響でまともに戦えん。だが、敵であるならばやるしかない。

>「・・・・あ〜、もしやお楽しみ後でしたか?これは邪魔してすみませんね
> 私はこのまま去りましょうか?ねえ、レオさん」
横を向くと、小村禅夜がニヤニヤしてこちらを見ていた。
……コイツ、解っていてやっているな。私の小村に対する評価が少し下がった。

>「失礼なことを仰らないでくれませんか。
> ロンバルディーニさんは私の趣味じゃない、どころか嫌いな分類の人間です。
> 乙女心が傷つきました。―――とか、いえる歳じゃあないんですけどね」
売り言葉に買い言葉とはまさにこの事だ。小村もそうだがハーケンも"イイ性格"をしている。
まぁ、私にはどうでも良い事だが。
手のジェスチャーで食事を断ると、ハーケンに問いかけた。

「……君が私をここまで? 重くは無かったのか?
 礼を言おう。すまなかった。
 …出来れば包帯を貰えると嬉しいのだが」

女手で一つで80kg近い自分を運んで来た事は素直に賞賛に値するし、礼も言うべきでもあろう。

「―――それにしても良い所にきた。
 すまないが、機連送を貸してくれないか」

横の小村に話しかける。彼ならば『機連送』を持っているであろう。
まずは機関に連絡を入れる事が先決だ。
城栄の事だ、私がリンの確保に失敗した事はもう既に知っていると思うし、次の手を打っている筈だ。
あの一件については心配ない。問題は籐堂院親子が生きているという事だ。
その事を城栄に報告しなければ……。腕の治療はその後で良い。

>「それでは少し待ってくださいね。―――コーヒーも用意してありますので、どうぞ」

「私もコーヒーを頂けないだろうか?」

コーヒーが在るなら先に言って欲しい物だ。

―――朝の肌寒さが余計にコーヒーを恋しくさせた。

【レオーネ:現在三日目 朝】
【右腕が折れている。アルトの朝食を断った】
168文月宗太 ◆XzQQgkPzlg :2008/05/31(土) 11:04:36 O
雪が降っていた。
「絢音、絢音……絢音!」
少年が、地に倒れ伏した少女の身体を揺さぶり続けている。
少女の身体のどこにも外傷はなく、安らかな顔で静かに息をしていた。
しかし、少女は動かない。まるで死んでいるかのように。
少年は何故少女がそんな状態になってしまったのかを知っていたし、いくら揺すっても、もう無駄だということも分かっていた。
それでも少年は、無駄な努力を止める気配はない。
悔しかった。自分に戦う力があれば、少女を救うことが出来たかもしれない。
傍にいながら、悩みに気付いていながら何もしてやれなかった自分には、泣く権利すらない。
少年に出来るのは、少女に死を選ばせたあの男を恨むことだけだった。
「矢…多……」
呪詛のように、ぽつりと呟く。それは呼び慣れた、クラスメートの名前。

「矢多ああぁぁぁ!!」

そこで文月はようやく目を覚ました。
自分の部屋に敷かれた布団の上に、彼は横たわっていた。
着ていた服は丁寧たたまれ、枕元に置いてある。愛用の大剣──神威──も、一挙動で手に取れる位置に置かれていた。
上半身を起こしたところで、文月は奇妙な違和感を覚えた。
「……ん?なんでだ?」昨夜、自分は怪我をしたはずだ。しかし、今の自分はどこにも怪我をしていない。
と言うより、どうやって自分の部屋まで帰って来たんだろうか?
一体どういうことだ?考え込もうとしたその時。「目を覚ましたようだな」
障子を開けて、如月が部屋へと入ってきた。
「おう、千歳か。なんで俺、自分の部屋にいるんだ?」
「倒れていた所を、私が助けてやったんだ。あまり世話をかけさせるな…全く……」
「ああ、すまねぇな。それと、なんで怪我が治ってるんだ?まさかお前……」
「いや、私はまだそこまで力を使えるワケではない」
如月の異能者としての力は、ある異能者から託されたもので、その異能者は風を操るのみならず、他者の傷を癒やす力を持っていた。
だが如月はまだそこまでの力を使うことは出来ず、風を操るのが精一杯であった。
「うーん…じゃあ一体誰が…?」
「理事長だ……」
如月が呟いた。その顔には何か複雑なものが潜んでいるようにも見える。「そうか。理事長が治してくれたのか」
如月とは対称的に、妙に嬉しそうな顔をする文月。
その時、如月の心に何かが去来した。それが何なのかは、本人にも分からなかったが。
「…理事長が待っているぞ」
自分の心の揺らぎを隠すように、抑揚のない声で如月は文月に告げると、部屋を後にした。
去っていく如月の背中を見て、何も感じないほど鈍感ではない文月だが、何故か声を掛けるのは躊躇われた。


【これからの流れで、どこに行くか決めます】
169煌神 リン ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/31(土) 14:30:44 0
「銭湯?それにしても変な名前ですね〜」

戦場ヶ原が指した銭湯を見ながら呟く、何にしても久し振りの風呂だから喜んでいた。
戦場ヶ原がすたすたと歩いていく。

それをリンは慌てて追いかけた。

『それにしても大丈夫なのか?お前一人で髪洗えたっけ?』
裏がいちいち痛い所をついてくるそうなのだ、リンはお嬢様育ちでいつもお風呂は使用人任せだ。

「あなたにしてもらいますから」
裏に変わって髪を洗えばいい。

「へ〜銭湯ってこんな風になってるんですか〜」
『これはスーパー銭湯だぞ?』

どっちでも一緒ですと答えて戦場ヶ原に話し掛ける。
「これはどうやってはいるんですか?」

【戦場ヶ原とともにスーパー銭湯の中に入る、はじめてきたようだ】
170煌神 リン ◆7Q1qJNYWx. :2008/05/31(土) 14:32:19 0
安価付け忘れ
>>164
171梓川 博之 ◆acBW5xlTro :2008/05/31(土) 17:36:51 0
>>159>>160
「そいつは別に構わねぇが、なるべく早く済ませろよ?
 この店、明日も通常営業だからな。夜更かしで閉店とあっちゃ社会人失格だ」
「そこまで長く話すつもりは全く無いさ…多分、な」
俺はそう答え、国崎に促されるままに縁側に座る。

それなりに綺麗な景色だ。
満月と草木の平凡で何処にでもある静かな庭。
…所々にある機械みたいなのとかが気になるけど。

「……で、何の様だ? 匿名希望のボウズ。ちなみに性の悩みなら聞かねぇぞ」
別に匿名希望って訳じゃないんだがなぁ。
「そんな悩み初対面同然の奴に話す奴が何処に居るんだか…。
俺だったらそんなのソウルメイト以上の奴以外は話したり語らないぜ?
…話が逸れたけど、じゃ、とりあえず―――アンタも七重同様、異能者だろ?」
俺は国崎にビシッと人差し指を向ける。
「理由なら結構有るぜ。
まさか、あんな発言しといてしらばっくれる訳無いよな?『此処の方が安全』って発言さ。
別に家に居ようが居まいが危険だっつーのに何で『此処は安全』って言い切れるんだ?
核シェルターやら戦闘機やらがあるなら話は別だが、此処にあるとは到底考えられない。
…そうくれば、アンタが異能者だとしか考えようが無い。これでQ.E.D(証明終了)だ」
…よしっ!決まったッ!
決まったぜ、俺ッ…!

「まあ、その辺の話はいいんだけどなぁー」
そう、国崎が異能者か否かは正直如何でもいい。
「此処からが本題だ。
俺が一番聞きたいことは、この戦いとその裏にある組織―――『機関』についての情報さ。
知ってる限り全部話してもらう」
俺をこんな事に巻き込みやがって…流石に機関の全員は無理だし、上の奴らだけでもシメる!
あれ、これ二回目か?
――そうだ、保険として言っておくか。
「あと言っておくが俺には嘘は通じないぜ。そういう能力だからな」

【梓川:国崎に情報を請求&ハッタリをかける】
172国崎シロウ ◆Jd2pQO.KKI :2008/05/31(土) 20:50:48 0
>>171
>…そうくれば、アンタが異能者だとしか考えようが無い。これでQ.E.D(証明終了)だ」
(……あー、ちょっとばかし情報漏らしすぎたか。このボウズ、頭は回るみたいだな)
正直俺は、この少年をただのアホの子だと思っていた。だが、中々どうして。
表情こそ無表情を造っているが、内心で俺は、目の前の少年に対する評価を改め、感嘆していた。
この少年は、少ない台詞にある情報から俺が異能者である事実を嗅ぎ当て、
更に今、俺から情報を引き出す為の要求を始めている。
それを実行できる胆力と発想力という『武器』を少年は持っているのだ。

(だが、まだまだ青い)
確かに少年の言った事は間違いなく事実だ。
だが、事実を真実にするには材料が不足しすぎている。
特に最後の一文は悪手極まりない。何故なら、

『嘘が通じるという事を暴露してしまっている』からだ。

経験から言って、補助系の能力者は例えば姿を見せずに絡め手として能力を使えば、
凶悪で厄介極まりない存在だ。だが、彼らの殆どは直接戦闘に持ち込んで
しまえば、意外なほど脆いのである。
だからこそだ。だからこそ、自分の能力の弱点も知っている筈の彼等が、
未知の能力者の前に、しかもコレだけ至近に入る事があるだろうか。
それも、俺の領地、相手から見れば敵陣の待っ只中に。

――答えは、否。
つまり、少年の言葉は『フェイク』。

偽称を不可能とする能力だと言うなら、少年は俺の間合いに入るべきでは無かったのだ。
そして、嘘を突き通してきた年季なら俺が遥かに上回る。ならば、そこに負ける要素は無い。

「……あのな、異能者だの何だの、お前さん頭大丈夫か?」

俺は、少年の方に呆れ半分、何かを堪えているの半分な表情を造り、
自身を持って問を行った少年の方へ向ける。
「いいか? 俺がここが安全だって言ったのは、この店に俺と七重の奴がいるからだ。
 あんまし言いふらす事でも無いんだが、俺は格闘技が趣味で、七重は何かの武道を習ってる。
 詳しくは知らねぇが、多分相当な腕だ。 そんなプロ級の大人が二人に、一般人が数人。
 そんだけ集まってりゃ、暴漢だろうと手が出せないって意味で「安全だ」って言ったんだよ。
 それを、異能とか機関とか……プッ……ハハハハ!!
 いや、悪ぃな。まあ、ガキの頃は誰でもそんな妄想するもんだ。頑張れよ少年」

そう言って少年の肩をニヤニヤしつつバンバン叩いてから、俺はコップを持って立ち上がり
少年の横を通って、自室へ向かう。その去り際に一度だけ振り向き、少年に告げる。

「……まあ、仮にお前さんの言う事が事実だったとしても、その『機関』とやらの情報を
 探したいなら、此処はハズレだ。そんな妙なモンと関わりのある人間が、何十年も
 この町に住んでる筈ねぇだろ?
 探しものなら、図書館か学校辺りでも当たったほうが効率的だと思うがな」

【国崎:ハッタリだとアテを付けシラを切り、自室の方へ。引き止められなければそのまま睡眠】
173アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/05/31(土) 21:32:17 0
>>167
ロンバルディーニは食事を断ると、私に問いかけてきた。

「……君が私をここまで? 重くは無かったのか?
 礼を言おう。すまなかった。
 …出来れば包帯を貰えると嬉しいのだが」

お礼なんてものが必要とは思えないが。
しかし包帯か、普段は持ち歩いていないし、私は使わないし。

「残念ですけど、私は包帯って使いませんから。
 …まあ、その辺はあの人にでも頼んだらどうでしょう?」

すると、彼は上野さんとなにやら話を始めた。
ともかく、彼が食べないなら後は塩味だ。さっそく作り始めようとすると、

「私もコーヒーを頂けないだろうか?」

コーヒーなら欲しい、ということらしい。やはり毛布一枚では寒いのか。
まあいい、ともかくコップに注いで差し出す。

「では、少しお待ちくださいね。すぐにできますから」

ともかく塩味だ、塩味。確か塩味は残り一つだったはずだ。
丁度いい、と言えるかもしれないが。―――しかし、いい飲みっぷりだ。
そんなに寒かったのか、コーヒーを飲む顔の幸せっぷりが半端じゃない。

「まあ、そのコーヒーもインスタントなんですがね」

【アルト:インスタント朝食】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
174廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/05/31(土) 22:31:52 0
窓から射す柔らかい陽光が、布団で寝ていた俺を目覚めさせる。
俺は体を起こし、行動を開始した。
まずは四肢に異状が無いか確認。
確認したところ、体にまだほんの少しダルさが残っているが行動に支障は全くない。
顔を洗い、歯を磨き、私服に着替える。コンビニに朝飯を買いに行くためだ。
携帯を手に取り、メールが来てないか確認
新着は4件。
1つ目は友人から。他愛も無い世間話だったので、適当に返事を返した。
2つ目は桜。家まで送ってくれたことについて感謝のメール。
それと、守ってくれた事のお礼もかねてどこかに行こうという事も書かれていた。
いきなり言われても困るので、来週と返事を返した。
3つ目はアニキだな。どうやら、俺の口座に生活費として50万を振り込んでくれたようだ。
アニキにはいつも世話になっている・・・今回もありがたく受け取っておこう。
4つ目は…あの戦いの期間延長についてか。3日間から1週間に変更したらしい。
…正直、この期間延長はすごくありがたかった。今日は出来るだけ自分から戦いを仕掛けたくなかったから。
そんな事を思っていると、俺の腹が音を立てた。体が早くメシを食わせろといっている。
靴を履き、現金の入っている財布をポケットに入れ扉を開けてコンビニに向かった。

>>153
なんとなーくダラダラとコンビニに向かっていると、目の前で何やら騒ぎが起こっている。

(あー……?何が起こってんだ……)

一人の銀髪の外国人らしき女をちゃらちゃらした男三人が囲んでいる。
どうやら、ナンパしているようだ。女はかなり困った様子を見せている。
朝っぱらからお盛んなことだな…それと、理由の無いイライラが俺を襲ってきた。
漆黒の心を発動するまでではないが、かなり激しいイライラだ。
そして、女の存在を確認した途端に体がうずく。
これが意味する事は……女は異能者ってことか。
イライラを確認するためと、女を異能者と確認するために
俺はその辺の石を拾い大げさに振りかぶって石を男に投げつけた。
石は見事なまでに男達にクリーンヒット。もちろん相当な手加減をしたので、気絶するほどではない。

「いってぇ!」
「ど、どうした!?」

石が当たった男が頭を抑え、うずくまる。
一人が仲間を心配するようにしゃがんだ。

「テメェ、なにしてやがんだ」

余った一人が威圧するように、俺を睨みつける。

「いやー、別にィ」

しかし、それを意に介さずノーモーションのアッパー。
「ぶげ!」という変な声を上げながら、俺をにらみ付けた男はほんの少し宙に浮き気絶した。
そして、その男をドブに投げ捨てる。ドブ自体は大した深さではないので溺死する心配はあるまい。
余った二人の男はドブにけり込んだ。

「お前らにゃ下水道がお似合いだよ」

男達は何か叫びながら、流されていった。
肩を竦め、大きなため息をつく。
そして俺は振り返り、外国人らしき女に問いかけた。

「大丈夫だったか?」

【廻間:籐堂院を不良から助け、会話する】
175小村禅夜 ◆3LPMHhiq9U :2008/05/31(土) 22:47:19 0
>>167 >>173
「・・・・あ〜、もしやお楽しみ後でしたか?これは邪魔してすみませんね
私はこのまま去りましょうか?ねえ、レオーネさん」

ちょっとしたからかいだった
レオーネはこっちを不快そうな顔で睨む
レオーネとはあまり面識はなかったが周りからの評判や噂で大体どんな人間かは知っていた
やはりこういう冗談は好きではないようだ
一方アルトは

「失礼なことを仰らないでくれませんか。
 ロンバルディーニさんは私の趣味じゃない、どころか嫌いな分類の人間です。
 乙女心が傷つきました。―――とか、いえる歳じゃあないんですけどね」

そこまでいうか
でもレオーネを見るとなんとも思ってなさそうだった
レオーネはアルトに運んでもらった礼をいい、こちらを向く

「―――それにしても良い所にきた。
 すまないが、機連送を貸してくれないか」

何かの理由で無くしたのであろう 

「いいですけど、あなたの機連送はどうしたのです」

そう言いつつ自分のオンボロの機連送を通話以外の機能をロックした状態で、レオーネに渡す

「機連送は機関の情報が入っているのですよ
もし無くしたのなら探し出さなければいけませんよ」

レオーネはアルトにコーヒーを頼みみつつ、機連送を掴む
小村もコーヒーを受け取る
それにしてもインスタントのラーメンは断って、同じくインスタントのコーヒーは貰うとは
よほどのコーヒー好きか、ただ単に食欲が無いのか
・・・・・コーヒーを飲んだ後の表情で前者だと分かった
その頃アルトはせっせと湯を沸かして小村の分のラーメンを作っていた
こんな急な来客にも文句も言わず朝食を作ってくれるとは結構世話好きなのだろうか?
ともかく小村はコーヒーを飲みつつ、レオーネの電話が終わるのを待った
情報交換はその後だ

【レオーネの電話が終わったら、昨夜何があったか聞くつもり】
176籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/06/01(日) 02:18:17 0
いきなり現れた男は石を不良達に投げつけ、こちらに乱入してくると三人の不良をいとも容易く倒していった。

「大丈夫だったか?」

男がそう問いかけてくる、なかなか鮮やかな手並みだ、それにこの男は多分異能力者だ。
なぜなら私を見てくる男の眼は、ついさっきまで不良に絡まれていた女性に向ける眼ではなかった。
私を疑っている、又は探っている、そんな眼だった。
私が異能力者であることを何かの能力か直感で気付いた、だから少し探りを入れているという所だろう。

「どうもありがとう、とても助かった」

そうは言ったものの、せっかく私が騒動を起こさないように事を納める方法を考えていたのに、この男が来て派手に不良を倒したせいで騒ぎになってしまった。
これはやりすぎだ、普通にやめろとか声をかけるだけにして欲しかった、それなら騒ぎを起こさずに何とか切り抜けられたはずなのに・・・・・・
ふと周りを見渡すと通行人が私たちを見ている、この状況で私の容姿は目立ちすぎる、早々に立ち去らなければ。
だがせっかく異能力者らしき人物にあったのだ、ここでおさらばは虚しすぎる。
この男がこの戦い又は『機関』について、情報を欲しがっている異能力者だという前提で少し試してみるか。
ついさっきの態度からすると『機関』の刺客という線も薄そうだ、違うとは言い切れないがこの男からは殺気が感じられない。
私は男の横を通り過ぎる際、小さくこう言った。

「もし君がこの戦い又は『機関』について情報が欲しいなら、私についてこい」

そうして私は後ろを振り返らずに歩き出す、行き先は廃工場にしよう、あそこなら誰にも見つかる事無く動けるはずだ。
何故このような事をするかというと『機関』に狙われる身になった以上は仲間とまではいかなくとも協力者程度は欲しいからだ。
それには強さがあり、度胸があり、尚かつある程度の協調性が無くてはいけない。
いままであった異能力者は度胸がないとか協調性がないような奴らだった。
よってこれは度胸の試験なのである、これでついてこないような自分の能力に自信のない普通の能力者だったら、そんな奴こちらからお断りだ。
数分経って私は廃工場につくと後ろを振り返る、さあ君はどう出るかな?

【籐堂院瑞穂:廻間を試している 場所は廃工場】
177廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/06/01(日) 12:32:37 0
>>176
>「どうもありがとう、とても助かった」

それは良かった。「いらぬ手出しを…」なんて言われたら、正直かなりへこんでいたところだ。
だが、なんだか目が笑っていないような気がする。
やりすぎだ、とか場の状態を考えろとか、そんな感じの目。
まあ確かに、場の状況を考えろというのは全面的に俺に非がある。
この場にいるのは、俺達だけではないからだ。一般の通行人も、ここを通っている。
しかし、やりすぎだって言うのは反論したい。
ああいう男達は、口で言っても聞かないのだ。自分が正しい、悪いのはいつも他人という考えを持っているからだ。
だったら、力ずくでこの場から排除するしかない。だから、俺はドブに蹴り込んだ。それだけだ。
まあとりあえず、場の空気を読まずに男達を成敗した事を謝ろうと思った、その時…

>「もし君がこの戦い又は『機関』について情報が欲しいなら、私についてこい」

俺が本題について切り出そうとしたその前に、女がいきなり話の核心をついて来る。
…これは罠か?機関の幹部であるツバサと戦った以上、俺の顔は機関に知られているだろう。
もし、罠だとしたら不味いな。
そんじょそこらの人間が束になってきても俺には勝てないが
異能力者が襲ってきたら、剣を使えない以上俺はよくても相当の苦戦を強いられる。
しかし…この女が機関に敵対する存在と言うならば、話は別だ。
もしそうなら、俺は機関に関する情報を手に入れる事が出来る。
その上、上手くいけば能力者であろうこの女とも同盟を組む事も可能だ。
…チップの大きい賭けだな…面白い、乗ってやろうじゃあないか。

「わかったよ、ついていこうじゃあないか」

俺は賭けに乗る事に決定し、女の後をゆっくりとついていくことにした。
腹が朝飯を求めて鳴っているが、それは後回しだ。

【廻間:籐堂院を追い、廃工場へと向かう】
178梓川 博之 ◆acBW5xlTro :2008/06/01(日) 17:01:27 0
>>172
完璧、俺の答えに間違いは無い!
そう思った矢先。

「……あのな、異能者だの何だの、お前さん頭大丈夫か?」

……は?
多分、今俺は豆鉄砲を食らったような顔をしていることだろう。
「いいか? 俺がここが安全だって言ったのは、この店に俺と七重の奴がいるからだ。
 あんまし言いふらす事でも無いんだが、俺は格闘技が趣味で、七重は何かの武道を習ってる。
 詳しくは知らねぇが、多分相当な腕だ。 そんなプロ級の大人が二人に、一般人が数人。
 そんだけ集まってりゃ、暴漢だろうと手が出せないって意味で「安全だ」って言ったんだよ。
 それを、異能とか機関とか……プッ……ハハハハ!!
 いや、悪ぃな。まあ、ガキの頃は誰でもそんな妄想するもんだ。頑張れよ少年」
なっ、なんだってぇぇぇ!?
勝った、いや狩ったと思っていた。が、思わぬ落とし穴があった…マジかよ…。
国崎はニヤニヤと笑いながら俺の肩を叩く。
嘘だろ……ん?いや待て。
ある疑問が浮上してきた。思考が回復してくる。
―――ああ、おかしいのはこれか。

完璧に疑問に行き着いたところで、自室に向かっていた国崎が声を掛ける。
「……まあ、仮にお前さんの言う事が事実だったとしても、その『機関』とやらの情報を
 探したいなら、此処はハズレだ。そんな妙なモンと関わりのある人間が、何十年も
 この町に住んでる筈ねぇだろ?
 探しものなら、図書館か学校辺りでも当たったほうが効率的だと思うがな」
そして、自室に向かう。
だが、そうはさせないぜ。

「――――――おいおい、質問はこれだけと思ってたのかよ?」
俺は庭を向きながら、背中越しに国崎を呼び止める。
この質問の答えで国崎が異能者か否か、完璧に分かる。
「俺に嘘は効かないって言ったろ?
じゃあ聞くけど、この街でゲリラみたいな奴らが暴れまくってるって何で知ってるんだ?
自分の目で見たのか?人づてに聞いたのか?そこら辺教えてもらうぜ…国崎!」

【梓川:国崎を呼びとめ、再び質問】
179戦場ヶ原 天 ◆u5ul7E0APg :2008/06/02(月) 00:41:46 0
>>169
和風の木目が安らぎを感じさせる広々としたロビーは、朝風呂につかろうとやってきた地元の中年夫婦や親子で多少の賑わいを見せていた。
戦場ヶ原がフロントで二人分の料金を支払っていると、後ろに立つ赤毛の少女は物珍しそうにキョロキョロと辺りを見回しながら彼に問いかけてきた。
「これはどうやって入るんですか?」
この様子ではどうやら銭湯に入るのすら初めての経験らしかった。
アパートの風呂が使えない時にこの場所までわざわざ歩いて通っていた戦場ヶ原にしてみれば、その問いかけは異星人の言葉に相当する。
(どこのお嬢様だよ…こいつは。)
半ば呆れながらも戦場ヶ原は、ふと自分はこの少女のことを何も知らないことに気が付く。
時代錯誤な剣を背負っていたり、能力が解けた瞬間大人の体になったり、小村との戦いの中では意外な二面性も見せた。この少女には謎が多すぎる。
(…また怯えてんのかもしれねぇな…)
かつて滴を金剛によって奪われた時に彼に言われた言葉が胸を突く。
彼は他人に無干渉なように見えて、その裏では人に深く関わることに何か恐怖に似たものを抱いているのかもしれない。
(…まぁいい。そのうち聞いてみるか。)

「馬鹿野郎。俺と一緒に風呂に入るつもりか。お前は向こうだよ。オラ、とっとと行きやがれ。」

女湯と書かれた暖簾を指さしながら、戦場ヶ原はぶっきらぼうに少女のぶんのタオルをリンに向けて投げつけた。
リンがタオルを物珍しそうに眺めているうちに、戦場ヶ原はさっさと男湯の暖簾をくぐっていた。
時間は午前8時。
金剛に能力を封印されてから9時間が経過しようとしていたが、戦場ヶ原の能力はいまだ復活の兆しを見せていない。
(フン・・・ちょうどいい休息の時間だ。)
戦場ヶ原は、幾多の闘いの修羅場の中で刻みつけられてきた傷だらけの肉体をぶらさげ、大浴場のドアを開けていた。

【戦場ヶ原:入浴。リンとは一時的に別行動。】
【現在位置:国崎薬局付近の銭湯「美府温泉」】
180国崎シロウ ◆Jd2pQO.KKI :2008/06/02(月) 00:46:41 0
>>178
>「俺に嘘は効かないって言ったろ?
>じゃあ聞くけど、この街でゲリラみたいな奴らが暴れまくってるって何で知ってるんだ?
>自分の目で見たのか?人づてに聞いたのか?そこら辺教えてもらうぜ…国崎!」

ミスがミスなのかを疑う事が出来るのか。それに着眼点も見事だ。
やはり、一筋縄じゃいかないな。
……けれど、やはり経験が不足している。
能力がフェイクなのは判断済みだし、その情報では、俺のフェイクは照らし切れない。

「断る」
俺は、ドアを開けた姿勢のまま少年の問に即座にそう答えた。
上半身の半分だけを少年の方へ向けると、先と同様に少し呆けた感じの
少年の様子が見て取れる。俺はそんな少年に少し険のある表情を見せて言葉を繋ぐ。

「……あのなボウズ、お前さん何か勘違いしてないか?
 そもそも俺には、名前も知らない奴の質問に答えなきゃいけない義務は無いんだ。
 その上、その相手が訳のわからん疑いを俺にかけて糾弾体勢で掛かってきた。
 そんな状況で、質問に答えたいと思う奴がいると思うか?」

卑怯なのだろうが、この質問にはこういう逃げ方だってあるのだ。
それに、他にも様々なごまかしの一手は存在する。
俺は、少年に対しやれやれという態度を見せつつ話を続ける。
「……はぁ。けどまあ、相談に乗るって言ったからな、話してやる。
 まず最初に、俺が言ってるのはゲリラじゃ無くて暴徒だ。ここ重要だぞ。
 で、回答だが、『見て聞いた』になるな。
 七重と道を歩いてたら、女子高生に鉄バット持った男が襲い掛かってて、
 そいつを殴って止めたのが『見た』。
 そんでもって、近所のバアサン達の噂話が『聞いた』、だ。
 ちなみにこの眼帯は女子高生助ける時の名誉の負傷だ。 ……これで満足か?」

苦笑いでコツコツと眼帯を叩きつつそう言う。
そう、この質問は、どちらか一方だけで答えてはいけないのだ。
例えば、襲い掛かってきた暴徒を倒したと言えば、何故一般人の俺が襲われたのかと見られる。
逆に、話を聞いたとなれば、機関が情報を漏らす事などありえない点から追求される。
だから、俺はどちらの回答にも答え、どちらの回答にも霞をかけた。
一方は、襲われていたのは女子高生だという、半事実で。
もう一方は、噂という捉え所も止め処もない情報源で。

「さて、質問タイムはここで打ち止めだ。流石に明日に響くからな。
 お前さんも早く寝とけよ」

【国崎:質問タイムを切り上げ、部屋に戻る。就寝】
181煌神 リン ◆7Q1qJNYWx. :2008/06/02(月) 21:39:29 0
>>179
「馬鹿野郎。俺と一緒に風呂に入るつもりか。お前は向こうだよ。オラ、とっとと行きやがれ。」
そう言ってタオルを投げられた。
リンがそのタオルを物珍しげに見ている間に戦場ヶ原はもう男湯に入っていってしまった。

「ふぅ・・」
溜息をつきながら自分は女湯の方へ向かう。
女湯の脱衣所に入り服をゆっくり脱ぐ、能力封印前の幼児体系ではなく
歳にしては若干胸の小さいスレンダーな体が顕わになる。

脱衣所から出てシャワーの前に座ると裏に変わる、裏はただ淡々と髪を洗いお湯につかる。
「ふぅ、それにしても二日も風呂に入ってないとは案外こたえる…」

そんな独り言を呟きつつ肩にお湯をかける。
しばらく浸かったあと湯船から出て、体を洗い脱衣所に出る。

脱衣所で服を着てある事を思いつく。
「そうだ…このまま外に出てやろう、まだあいつは私のことを知らないしな」
『何をする気!?』

お前は黙ってろと裏はリンを意識下にうずめる、これで当分出てくることはないだろう。

うきうきしながら裏は脱衣所を出てフロントに出ていった。
【服装は変わらずメイド服のまま裏に変わる】
>>173 >>175
インスタントだが、コーヒーはコーヒーだ。挽いた物と比べると大きく劣るが……。
やはり朝に飲むコーヒーは素晴らしい物が在る。

>「機連送は機関の情報が入っているのですよ
>もし無くしたのなら探し出さなければいけませんよ」
「……いや。探す必要は無い」
コーヒーを飲み干し小村に向けて苦笑すると、隣の区画まで離れた。
二人には聞いて欲しくないからだ。在る程度進み、二人の気配が消えたのを確認すると、
左手で友人の機連送の番号を押していく。右腕が使えないのがこれほどまでに痛いとはな……。
やはり、両利きになる訓練を受けるべきか。そんな事を考えていると、電話は直ぐに繋がった。
「No.1、No.6だ。多少問題が発生した。持っていた機連送が"壊れた"ので、
 今 小村の機連送を借りて掛けている」

「モーニングコールなら間に合っている……」
やや眠そうな声で城栄は唸った。元々低い声が一段と低くなっている気がする。

「失敗した事か…? あれなら既に別の者を向わせた。
 誰かさんと違って期待通りの成果を残してくれる事だろうよ」
思った通り、城栄は私が煌神 リン捕獲に失敗した事を知っていた。
それだけではなく、次の刺客を差し向けていたのだ。流石というべきか……。

「……知っていたか。すまない、期待に沿う事が出来なかったようだ。
 悪いニュースはもう一つ在る」

「……言ってみろ」
小鳥の囀りが辺りを覆い、太陽の光が眩しい。久しぶりに見る朝焼けは、右腕の痛みを忘れさせてくれた。

「……籐堂院瑞穂が生きていた」

「何ィ……っ!?」
流石にこれは想像していなかったようで、受話器越しでも崩れた表情が判るほどの驚愕の声を上げた。

「ついでに言うと、父親の籐堂院神も"生きている"」
―――バキッ!
刹那、破壊音が聞こえ電話は途切れた。……勿体無い事をする奴だ。
これで城栄の新しい番号を一から登録し直さなくてはならない。
まぁ、私も新しく作るのだ。ついでと思えば良いか。
数秒後、機連送へ城栄から電話が入った。

「すまねェ、折っちまった。で、おい。そりゃあ本当に奴だったのか?」

「確認したが間違いない。娘の方は多少昔と変わったが、
 父親の方は娘の剣に精神をコピーしており、憑依する事も出来るようだ。
 迷宮もクリアした。奴らは最早異能者というカテゴリーを大きく逸脱している。
 ―――奴(やっこ)どころの騒ぎではなくなったぞ」
このままでは以前の二の舞だ。それでは意味が無いのだ。
何としてでも"障害"は取り除かなくては……。

「クッソオォォォォォッ!!」
城栄の咆哮すると、周りの小鳥達が一斉に飛び立っていった……。
私は、以前テレビ番組でサバンナの特集をした際に見たライオンも、このような咆哮だった事をふと思い出した。

―――報告を終えた後、城栄から現在の情報を聞いた。
外道院が動き始めた事、煌神 リンの次の刺客に兄のツバサが派遣された事……。
一通り情報交換を済ますと電話を切った。

【レオーネ:現在地 アルトのテント近辺】
【城栄に籐堂院親子が生きている事を伝え、アルトと小村の元へ戻る】
183池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/06/03(火) 23:28:40 0
──異能力を解放すると、確かに能力は発動する。
しかし、俺の右手から発せられる凍気はあまりにも弱々しい。
作り出せる氷もあまりにも小さなものだ。
籐堂院がこの家を出てから俺は何度も能力を発動させているが、
先程から同じ結果を繰り返すばかり。
腕時計に目を向けると、朝食を摂ってから二時間ほどが経とうとしていた。

時が経ち、確かに封印の効力は弱まってきているようだが、
完全に異能力が戻るまでにはもうしばらくの時間を要するようだ。
(こんなことなら、俺に異能力が戻るまで籐堂院に留まってもらうべきだったかな)

そうは思っても、もはや後の祭りである現実に変わりはない。
それに所詮これは俺の勝手な都合であり、籐堂院には何の関係もないことなのだ。
そもそも奴にしてみれば、一晩夜露を凌ぐ事が目的で俺に近付いたのだから、
例えこちらが何かしらの条件を提示したとしても、これ以上余計な危険を覚悟して
まで引き受けてくれたとは考えにくい。

昨晩、異能者が襲って来たのは事実。
それが機関の刺客であったのかどうかは定かではないが、
どちらにせよ機関は俺の所在などとっくに掴んでいるはずだ。
外では異能者達が戦闘を繰り広げており出歩くのは危険だろうが、
結局の所、どこに居ても危険なのだろう。

俺は一つ溜息をつくと、腰を上げて自宅を後にした。

「やれやれ……封印が解除されるまではと思っていたが、結局同じことなら仕方あるまい」

俺は胸ポケットに仕舞ったリストの紙を取り出し、広げ見た。
場所を記した文字が、ずらりと羅列されている。
俺は一番上の行に目を止めしばらく眺めると、再び胸ポケットに紙を仕舞いこんだ。

「……場所くらいは事前に確認しておいても良かろう」

その行に記されていた場所は、街中のとあるビル。
俺はそこに向かうべく、ゆっくりと歩き出した。

【池上 燐介:現在、異能力は封印前の1/10程しか発揮できない】
【現在地:自宅→街中へ】
184梓川 博之 ◆acBW5xlTro :2008/06/04(水) 21:23:51 0
>>180
今度こそ、今度こそ大丈夫だ!
「断る」
――あり?

「……あのなボウズ、お前さん何か勘違いしてないか?
 そもそも俺には、名前も知らない奴の質問に答えなきゃいけない義務は無いんだ。
 その上、その相手が訳のわからん疑いを俺にかけて糾弾体勢で掛かってきた。
 そんな状況で、質問に答えたいと思う奴がいると思うか?」
いや名前聞かれりゃ答えたんだけどなぁ。
その点はアンタのミスだろ?
…つか嘘を見破ろうとするのは普通だろうに。

「……はぁ。けどまあ、相談に乗るって言ったからな、話してやる。
 まず最初に、俺が言ってるのはゲリラじゃ無くて暴徒だ。ここ重要だぞ。
 で、回答だが、『見て聞いた』になるな。
 七重と道を歩いてたら、女子高生に鉄バット持った男が襲い掛かってて、
 そいつを殴って止めたのが『見た』。
 そんでもって、近所のバアサン達の噂話が『聞いた』、だ。
 ちなみにこの眼帯は女子高生助ける時の名誉の負傷だ。 ……これで満足か?」
「………………」
俺は何も答えない。いや、答えられない。
普通にアリバイ十分にあったァー!
他に、他におかしい部分も見当たらない。

「さて、質問タイムはここで打ち止めだ。流石に明日に響くからな。
 お前さんも早く寝とけよ」
そう言って国崎は自室に入っていった。
……俺は暫く放心状態で動けなかった。

幾ら考えてもあの言い方は異能者の筈だというのに!
国崎は違うと抜かしやがった!
畜生…俺が甘かった。
一般人と異能者の区別くらい出来ないといけないな…クソッ!

反省はこれまでにして。
「……兎に角眠い…」
今日はいつもより(頭の回転が)早く回っております状態だったしなあ…。
エネルギーを使ったのも当然だろう。
寝室に行き、ふらふらとしながら布団に入る。
「―――ん?そう言えば…」
国崎は一度も『異能者じゃない』とか『違う』とか言ってなかったな…。
そんなことを思い出しながら俺の瞼は閉じられた。

【梓川:就寝。国崎のことは一般人だと思いながらもやっぱり異能者ではないかと疑ってもいる】
185恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/06/04(水) 21:33:59 0
――ここは、どこだ? 俺は何で――
目の前で、激しく炎上するワゴン車――俺はそのワゴン車の前で立ち尽くしていた
ワゴン車から俺に助けを呼ぶ声がする。――親父とお袋だ
そして、炎で焼かれる二人を助けることも出来ず、しゃがんで呆然としている――ガキの頃の俺

状況が理解できず、俺は頭を抱えた。これは、何だ? またあの日の記憶が――
だがそんな事を考える間もなく、俺の目の前の景色は瞬時に変化した
コンクリートで作られた息が詰まりそうな閉鎖的な大部屋――そこらに転がる、大量のガキの死体
何かの映画か? 昔見た悪趣味な映画の場面でもフラッシュバックしてるのか? 俺は記憶を辿ろうと頭を整理――

突然、部屋中に響く銃声音。俺は思わずその銃声音のなった方を見る
ガキがガキを撃ち殺していた。それも正確に頭をぶち抜いていた
すると撃ち殺した方のガキが、俺の方を向いた

…真顔でガキが俺に銃口を向けながら、何かを呟いた
明らかに命の危険だってのに、俺の目はそのガキの口元から離れない

「――ダセ。―――イダセ」

え?

「思い出せ」


「うわぁぁぁぁ!」
思わず声を立てて飛び起きた。はぁ…はぁ…酷い。酷すぎる夢だ
にしても…ガキの頃の事故にあった夢は気分が冴えない時に見るが、その次の悪趣味な夢は何だ?
幾分か変な夢を見た事はあるが、あそこまで気持ち悪いのは初めてだ。見るならもう少し楽しい夢が良いぜ

只でさえ現実離れしてる現実に向き合ってるんだから。掌が汗でぬるぬるする
ふと声を出してしまったことが恥ずかしくなり周囲に目を向ける。よかった、俺以外に誰も起きてないみたいだ
あの別室で寝ているガタイの良い男は起きたのだろうか。なんとなく格闘家っぽいから、今頃走り込みにでも行ってるのかもしれない
起き上がり、屈伸運動をして体を慣らす。そういや国崎さんが毛布を掛けてくれたようだ

丁寧に畳んだは良いが、何処にしまうかは分からん。取りあえず置いておき、傍らに置いたメガネを掛ける
カメラとメモ帳、それと携帯その他諸々が入ったバックを確認した後、財布から一万円を出し、メモ帳のページを切り取る
皆が寝てるのを起こしちゃ悪いから、伝言と金だけ置いて薬局から出ていこう。宙を見つめながら考え、思いついた文を一気に走り書きする

先日は手当てはおろか御自宅に泊めて頂き、本当に有難うございます
自分は仕事の関係で早めに出なければならないので、静かに失礼させていただきます
ので医療品代とその他諸々の代金を置いておきます。では

敬語の使い方があれだし、走り書きなので字が汚いが直すのがめんどい
一万円と伝言を書いたメモをボールペンのクリップ部分に挟み、テーブルに置いた
バックを担いで居間から店のほうへと向かう

棚から包帯や絆創膏、固形栄養食品等を買いあさり、閉じてある戸に手を掛けた
さ、気分一転…はまだ気分が乗らないが、やる事はやらないとな…
俺は重い足を無理やり歩かせて、ひとまず今後の家代わりになるザ・近未来に向かおうと…

…ん?あれ、開かないぞ?
…まぁそうだよな。普通、夜になったら戸締りするよね。特にこんな危ない町なら
昨日の酒にしても何やってんだろうな、俺

自然に気味の悪い間抜けな笑いが口元からこぼれる。店側から居間に戻ってメモ諸々を挟んだボールペンをバックに戻し、座り込む
他の人が起きるまで待ってみるか…いや、国崎さんが起きたら戸を開けてもらおう
ふっと気が抜けた途端、腹の音が鳴った

【起床。医療品を買い、国崎が起きるのを待つ】
【三日目開始】
186籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/06/04(水) 22:13:26 0
やはり、ついてきたか。
相手はよほど己の力に自信がある、又は此方の情報がどうしても欲しい人物ということ、もしくはただの愚者か。
何にせよこの少年に度胸があることは分かった、それが本物の勇気であるかそれとも蛮勇かを今から見極めなければならない。
私は天之尾羽張をバッグから出すと、相手に一礼してから抜き、構える。
私は融通が利く相手と戦う時には出来るだけ敬意を払うようにしている、これから命のやりとりをするのに礼なしでは失礼だと言うのが私の持論だ。

「よく来てくれた、情報を教えるとは言ったが、君もただで教えて貰えるとは思ってないだろう?
等価交換だ、私は君に情報を与えるから、その代わりに君は私を楽しませてくれ」

唐突に刀を出されても全く怯まない、それどころか少し挑んでくる感じがある。
合格だ、まだ若いというのに何度か戦った経験もあるみたいだな。
さて、この少年がどれくらい私を楽しませてくれるのか今から楽しみだ。

「では行くぞ」

私はそう言い、自分の間合いに入るまで少年に肉薄する。
戦いになった以上私は手加減しない、たとえ相手が女子供であろうともだ。
相手が全力を出してくるなら自分も全力を出して応える事こそが戦いにおいての最大の礼儀だと考えている。
そして私は真正面から天之尾羽張で少年を袈裟に斬る、この程度の攻撃は避けてくれよ。

【籐堂院瑞穂:廻間と戦闘開始】
187桐北 修貴 ◆b1QjyOQzMk :2008/06/04(水) 22:42:11 O
>>34
あんな夢を見て、朝の挨拶をしてくれたのは横の人体模型ぐらい
二日連続で寝覚めは最悪だった。

体は節々が痛み、歩くにもややびっこを引く必要があるがまぁだいぶ楽にはなった。
少なくとも昨夜みたいに動くだけで悶えることはないだろう

なにはともあれ移動しなくては
夜が明け、改めて見るとここは昨日お世話になった廃校だとわかる
どこだがわからない場所よりかはマシだが人体模型とこのまま一緒に昼寝するほど根性曲がっちゃいない
学校は…、今日も休むとしてこれからどうするか…
ひとまず着替えかな。いつ警察呼ばれてもおかしくないし…
あと風呂。
そういやここと家の間に銭湯あったよな…
よしそうするか。なぁに金なら……



「………………バックがない」

…ヘイヘイヘイヘイ、落ち着け 落ち着くんだ
昨日寝たときはあったよな? うん、確かにゴミ捨て場で寝るとき盗られちゃマズいから抱えて寝たんだよな?
で、起きたらここと… って事はあの人がどっか途中で…
……………いや待て

>天之尾羽張をバックに入れ、私は踵を返して廃校を出る。
>天之尾羽張をバックに入れ
>バックに入れ

「なんだってーーーーー!!!?」
故意なのか否かはしらんが藤堂院さんに…
バックを盗られた!?

慌てて服のポケットをまさぐるが出てきたのは鍵と携帯と小銭のみ
財布と30万が一瞬にして消えてしまった…

「アハ、アハハハハ……」

体中に脱力感が襲いかかってきた
財布はともかくあんな大金を使わずに他人に、しかも二度と会ってはいけない人に渡すとは…

「自分のアホーーーーーー!」

校庭のど真ん中まで歩いて力一杯叫んでみたが返ってくるのはカラスの鳴き声とこちらに向かってくる蝙蝠だけ
山に帰るつもりなのだろうがやけに低空飛行なのが気になる

気になるどころじゃなくなってきた 低すぎる このままじゃ自分にぶつかるぞ
ていうかどんどん数が増えてません? 妙に赤黒くありません!?
「ひょっとしてまた異能者ですかー!?」

自分の叫びに『YES!YES!YES!YES!YES!』と答えるようにあっと言う間に蝙蝠の大群は自分を取り囲み襲いかかってきた
首に、足に、腕に噛みついて血を吸われてる
たたき落とすと気持ち悪い音をたて簡単に潰せるがこのままだと…

「や、やめっ! うまくないから! ドロドロ血で美味くないから…ーー!!」
188宗方零さんの代理です:2008/06/04(水) 23:53:28 0

ブラインドから朝の日差しが差し込んでいた。
宗方は目覚めると、事務所でシャワーを浴び、身繕いをした。
神重は・・・動いたような気がしたが起きているのか寝ているのかは不明だった。

そういえば昨日の夜から何も食っていない。
冷蔵庫はあったが、事務所を襲撃されたときに中身ごと廃物処理されていた。

とりあえず治療品の確保のため救急箱を開ける。

中身は
マキロン×1
絆創膏×1
期限切れの湿布薬×1
ダージリン
セイロン
アールグレイ
オレンジペコー
白桃茶
烏龍
抹茶の小型缶 計×6
葛根湯×1

なんだこれは──

宗方は気を取り直して、薬箱の中の紅茶を淹れる。
朝はダージリンに限る。
宗方は神重を起こすことにした。
「起きてるか?起きてるなら聞いてくれ、とりあえず支度して薬局に行こう」
【宗方零 神重を起こし 薬局へと向かう事にする】
189七重 凌司 ◆Wg8HeG5HhI :2008/06/05(木) 00:46:04 0
七重の朝は早い。大抵は日の出の刻ころに起きる
これもやはり躾のためであるが、
彼自身、そういう微妙なところで己を律しているのだ
多分に漏れず、今日も辺りが薄暗いうちに起床した
国崎の薬局に宿る者たちは、まだ目を覚ます気配を見せない

七重は、畳んだ布団を押入れに突っ込むと、身支度を整え始めた
とはいっても、適当に顔を洗い、てぐしで髪を撫で付ける程度のものである
七重の頭髪の暑苦しさは、少々の手入れでは拭えない
本人もそれを気にしている
それならばいっそ散髪すれば良さそうなものだが、
なるたけ床屋代を浮かすべく、伸ばしっぱなしにしているのだと言う
更には、立ち合いの際、相手に視線を悟られなくて有利だとも思っている
たかが不精も、ここまで来ると半ば意地のようなものである
それはともかく、他人の家の洗面所で勝手に洗顔したり何かするのは、
さすがに図々しすぎるようだ

さても、七重はそれから居間に回って、30分もかけてストレッチをした後、
棚に置かれていたメモ用紙とボールペンを奪取して、何やら書き始めた
しばし、ペンの走るさらさらという音が流れる

走ってくる。すぐ戻る     
             多分

文語においても妙に寡黙なのは、七重流の真骨頂と評すところか
それにしても、行書にしてなかなか達筆であるが、
「多分」だけは妙にこぢんまりとしていて、全体の均衡を欠いていた

メモをテーブルに置いた七重は、
かつて自分が寝ていた部屋の窓が開いているのを見つけて、
そこから密かに脱出した
外に出てから窓を閉める際、柔らかな風が吹き込んで、
メモ用紙をテーブルの下へと滑り込ませてしまった
こういった取るに足らぬ事象が、後に混乱を引き起こすことは往々にしてあるが、
果たしてどうなるであろうか
190七重 凌司 ◆Wg8HeG5HhI :2008/06/05(木) 00:50:54 0
薬局を出た七重は、靴も履かずに、河川敷を駆けていた
足裏を鍛える為、あえて裸足でいるのである
鋭い小石に刺激されて、土踏まず辺りは血がにじんでいるが、
彼はその程度の事、全く気にとめようともしない
熱をまとってひた走る七重に対しては、
早朝に漂う冷えた空気も、自然と道を開けるようである

果たしてどのくらい走り続けたのか、
いつの間にやら太陽は東空に姿を現し、黄金の光線を放って、
川の流れに輝きをもたらしていた
七重の視界の端では、ぴしぴしと朝の光が弾ている
大気もそこそこに温まってきたようだ

そうして疾走するうちに、七重は河川敷を抜けて、街中に入った
良い加減に腹も減って、薬局へ帰ろうという算段だ
しかし先ほどまでと違って、どうも足運びが頼りない
少々迷い気味の体である。ガリガリと頭を掻きつつ、溜息をついた

次第に人目が多くなり、その半分ほどは、
ホームレス的風貌の七重に注がれつつある
ひしひしと、排斥する視線が押し寄せる
朝から小汚い男が裸足で走っているとなれば、あまり印象は良くなかろう
さすがの七重も、容赦のない蔑みの意識に焦らされる

七重がどうにかして薬局への道を探し出そうとするところに、一つの問題が持ち上がった
生理現象。要は尿意である。こればかりはどうしようもない
ところで、ふと見上げた先に『貳名駅』と書かれたプレートを見つけ、
七重は己の運命に幸運が残されていることを悟った

その後は、疾風怒濤の勢いで事が進んだ
結果、七重はどことなく朗らかな表情で、駅のトイレから出てくることとなった
事態は無事に収束したようである

駅内の壁にかけられた時計は、八時を過ぎたことを示していた
七重はもう、二時間以上も走り続けていたこととなる
すぐ戻る、どころの話ではない
今度こそ薬局に帰るべく、七重はまたうろうろとし始めた

ふと、何処かで遠雷が鳴り響く。晴天に不相応な轟音が、空気を揺らした

【一番に起床し、薬局を出る。8:10頃、貳名駅へ至る】
191戦場ヶ原 天 ◆u5ul7E0APg :2008/06/05(木) 01:26:02 0
>>181
広々とした大浴場。
湯気に包まれながら心身を癒すことの出来る至高の場所だ。
戦場ヶ原が眼をとじ、ゆるりと湯の感触を愉しんでいると、その隣に静かに近づく影が一つ。

「…山田権六だな?」

深い湯気で姿を把握することは出来ないが、その声に殺意がこめられているのが分かる。
その殺意は、『機関』の人間が持っているそれと同じだ。
湯船の中での敵襲―――…
普通の異能者ならば、ここで死闘を覚悟するところであろう。
だが、戦場ヶ原は目を閉じたまま、その声の主をたしなめた。

「…人がゆっくりしてるところを、邪魔すんじゃねぇよ。猿。」

「へっへー、バレた?やっぱ山田の旦那にゃかなわないねェ。」

声の主は一転して軽い口調に早変わり。
そう、この『機関』の人間とは、『機関』に残った戦場ヶ原の旧友、猿飛栄吉その人だったのだ。
彼は機関の構成員として内部の情報を戦場ヶ原に提供しているのだ。
「今、俺が気付かなかったらマジで殺す気だったろ。」
「へへー、ま、そんな程度の旦那だったらもっと早くに見限って殺してるっての。」
物騒な会話だが、それさえもこの二人の間では日常会話だった。
そのあと、猿飛は得た情報をつらつらと戦場ヶ原に伝えていく。
幹部の動向。異能者たちの動き。城栄金剛の行方―――…
戦場ヶ原はそれを目を閉じて黙って聞いていた。

「物語はいよいよ佳境に!ってね。今度は城栄の親分に張り付いてみよっかなーとも思ってっからさぁ
情報にゃ期待しといてくれよ。」

「おいおい、それは危ないんじゃねぇのか?」

さらっと大きなリスクを負おうとしている親友を、戦場ヶ原はたしなめる。
「気にすんなって。俺と旦那の中っしょ?・・・それくらいあんたの力を信用してるってことさ。
あんたなら城栄の野郎の野望も打ち砕ける。…その力になれるんだ。このくらい屁の河童ってもんさ。」
「猿・・・。」
親友の命を賭した行動に、戦場ヶ原は深く感謝の意を表した。
「んじゃ、随時メールで報告すっから、しっかりケータイ持っといてくれよ?さいならーっと」

言うなり猿飛は湯気の中に靄となって消えた。
諜報部隊のもとエースだ。忍法のひとつやふたつくらい心得ていても不思議ではなかった。

「さて・・・俺も出るか。」

情報入手という、ここへ来た理由のひとつを終え、戦場ヶ原は火照った体を覚ますため脱衣所に入った。
暖簾をくぐりロビーに出ると、相変わらず目立つ格好をしたリンが、なぜか不敵な笑みを浮かべて仁王立ちしていた。

「早かったな。朝飯でも食うか?」

戦場ヶ原はそんなリンの変化にも気付かずさらりと言い捨て、さっさと食堂の方へ歩いていた。

【戦場ヶ原:現在位置:銭湯『美府温泉』】
192煌神 リン ◆7Q1qJNYWx. :2008/06/05(木) 05:34:36 0
>>191
戦場ヶ原が風呂から出てきた。

「早かったな。朝飯でも食うか?」
「おう、く・・・」

(いかん、いかんえ〜と)
裏は急いでリンの言葉遣いを真似しようとする。
その間も戦場ヶ原は前を歩いている。

「う、うん食べます。」
なんとか真似できたようだったがもう戦場ヶ原は食堂に向かって歩いている最中だった。

食堂に着くとメニューを一応確認する。
うん、普通だ種類も一応豊富なようだし

「戦場ヶ原は何を食べるの?」
わざと戦場ヶ原の腕にだきつき自分の控えめな胸を押し付ける。

(さてどうでるかな?)

裏は不敵に笑顔のまま考えていた。
戦場ヶ原の事だ、このままスルーという事もありえる。
その時はキスでもしてやろう。

【美府温泉の食堂にて戦場ヶ原を誘惑中】
193文月の中の人です ◆XzQQgkPzlg :2008/06/05(木) 11:44:46 O
>>190

天宮香澄が落雷を遠くに聞いたのは、貳名駅に着いてすぐのことだった。
晴天に不相応な落雷と、無数に感じる異能者の気配。先に着いているであろう仲間達──如月と理事長──のことを思うと、この街に来て早くも不安になってきた。
「…大丈夫かしら?あの二人」
通勤や通学でごった返す朝の人波の中を歩きながらため息を一つ吐き出す。
すぐにでも如月と連絡を取りたいところだが、携帯電話のバッテリー切れを起こしており使い物にならなかった。
念話を使おうかとも考えたが、こんな不安だらけの街では誰に盗聴されるか分かったものではない。
仲間と連絡が取れない。それはこの異能者だらけの街で、孤立することを意味する。しかも、今彼女がいるのは、右も左も分からない初めて来る街でもある。 しかし、そんな状況にも関わらず香澄の表情はどこか楽しげであった。
如月達のことを思うと、不安になりそうになるが、理事長がいれば、確実に文月と合流出来るだろう。あの三人が揃っていれば、ひとまずは安心だ。
ならば何も心配することはない。自分のペースで気ままに文月を捜せばいい。 そう思うと、自然に足取りも軽くなる。
(あら?この気配は…)
改札口を出たところで、香澄は文月と似た異能者の気配を感じた。
辺りを見渡すと、人混みの中に気配の主を見付けることが出来た。
異能者なら、同じ異能者である文月のことを知っているかもしれない。
文月と似た気配の持ち主なら、悪人ということもないだろう。
「ちょっといいですか?」 香澄は躊躇することなくホームレス然としたその男に話し掛けた。


【香澄、七重に話し掛ける】
194廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/06/05(木) 14:32:16 0
>>186
辿り着いた先は、近年不況の波に飲まれ廃業へと追い込まれた工場だった。
女が俺に振り返り礼をした。俺も返すように礼をする。
そして、女が一本の刀を抜き構える。
あの刀…見た事は無いが、きっと相当の業物に違いない。

「よく来てくれた、情報を教えるとは言ったが、君もただで教えて貰えるとは思ってないだろう?
等価交換だ、私は君に情報を与えるから、その代わりに君は私を楽しませてくれ」

なるほど…情報が欲しかったら、女の満足がいくような戦いをしろって事だな。
しかし、少し不味いな。女には得物があるが、俺には無い。
格闘戦もこなせるものの、やはり刀相手ではキツイものがある。

「おっと」

そんなことを思っていたら女が俺に飛び掛り、袈裟斬りを仕掛けてきた
俺はバックステップで女の袈裟斬りを避ける。
俺が袈裟斬りを避けた後も女は突き、切り上げ、薙ぎ払いなど様々な攻撃を仕掛けてきた。
しかし、避けているのはいいがこのままでは反撃の仕様が無い。
それに、確固たる証拠は無いが鬼神炎球を撃っても、弾かれるかかき消されてしまうだろう。

(なにか無いか…)

攻撃を避け続けながら、あたりを見回す。
すると、数本の鉄パイプが転がっているのが目に入った。

(あれなら、剣の軌道を逸らす事ぐらいは出来るな)

俺は右手をかざし、鬼神炎球を女に打ち込む。
女はほんの少し驚いた様子を見せながらも、冷静に対処し火球を消し飛ばした。
だけど、それでいい。その隙に、俺は鉄パイプの元へと走り右手と左手に一本ずつ持ち、構えた。

(よし、これでなんとかなる)

もちろん、鉄パイプ如きで受け止められるとは思っていない。
しかし、さっき言ったとおり剣を逸らす事なら出来る。
縦から攻撃が来るなら、横に逸らす。
横から攻撃が来るなら、縦に逸らす。
突きならば、叩き落す。
つまり、刀の刃が無い部分に打撃を加え、その方向に攻撃を逸らすのだ。
自分からの攻撃は蹴り、頭突き、体当たり、その辺に転がっているものを投げつける、鬼神炎球…
そして、攻撃を逸らした後の反撃だけとなるが仕方ない。
俺は鉄パイプを構え、女の攻撃を待った。

【廻間:鉄パイプを拾い、それを得物にする。
 月下十字が発動できないので、受身の戦いとなる】
195籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/06/05(木) 20:20:38 0
少年は後ろに跳び、いとも容易く私の攻撃を避ける。
私は少年にさらなる追撃をかけるため接近し、何度も斬りかかる。
それも全て避けられる、なかなか動きは素早いようだ。
私の攻撃を避けた少年の眼がそこらに転がっていた鉄パイプに向けられる、拾うつもりか?
私はそれを許さず、すかさず阻止しようと動く。
すると少年はそれを見越したように右手の掌をかざし、こちらに火の玉を撃ってくる。
しかし、如何せん威力が弱いようで私が刀を横薙ぎすると火の玉は消え去った。
その一瞬の隙に少年は鉄パイプの元に駆け寄り、右手に一本左手に一本ずつ持ち構える。

二刀流とは面白い、私も試したことはあるが二本の刀をうまく振るうのが難しく断念した記憶がある。
これは今まで攻撃していて分かったことだがこの少年の武器は速さだろう。
その速さを遅くしてまで鉄パイプを持つ、ということはよほど剣技に自信があるのだろうか?
二刀流は長所もあるが短所もある、それは持っているものにかかる力が一刀流より弱くなることだ。
確かに普通の相手なら片手持ちでも何とかなる。
しかし、私の筋力は異常に強い、私が両手持ちしている刀を片手持ちの鉄パイプでどうにか出来るはずがないのだ。
尚かつ、持っているものは無駄に長く扱い辛い鉄パイプだ、こちらからの攻撃も当たりやすくなるだろう。
もしかすると、鉄パイプがないと発動しない能力という可能性もある、さっきの火の玉は元々の能力にしては弱すぎる。

私は刀を体に垂直に構え、突きを繰り出す。
少年は刀を叩き落とそうと右手の鉄パイプで打ってくる、当然私の刀はその程度ではびくともしない。
驚いた少年は避けようとするが反応は少し遅れ、刀が少年の肩に浅い切り傷をつくる。
私は避けた少年に向かってさらなる追撃を仕掛ける。
力のこもった私の攻撃に少年は両手の鉄パイプで防ぐので精一杯で反撃は出来ないようだ。
その状態が少し続いた後、このままではまずいと思ったのか、少年は私の横に回り鉄パイプを振り上げる。
私はすぐに反応し刀で袈裟に斬るが、私の攻撃は左手の鉄パイプでうまく受け流されてしまった。
まずいと思った時にはすでに遅く、大きく隙が出来た私の腹に少年は右手の鉄パイプを叩き込む。
腹に鋭い痛みが走る、だがこの程度ではまだ倒れない。
鉄パイプを叩き込んだ時に出来た一瞬の隙に私は少年の右手を捕らえ、刀で少年の心臓を狙い突く。
少年は避けようとするが右手を捕らえられているせいで避けきれず、脇腹に刀が刺さる。
そして私は少年の右手を離し、少年を蹴り飛ばす、少年は面白いようによく飛び廃材置き場に突っ込んだ。

「私が鉄パイプの一撃で倒れると思ったら大間違いだ
それとこれはアドバイスだが、君はせっかく速さがあるのだからそれを無くすような事はしない方が良い
あと君みたいな戦い方なら剣や刀を持った方が良い、威力がないと速さが無駄になるからな」

私はふらふらと起き上がった少年に向けて言う。
これまでか、このまま続けても手負いの状態では先ほどより動きも鈍るだろう。

「ここでやめればとどめはささないがどうする?まだ続けるのか?」

【籐堂院瑞穂:廻間と戦闘中 廻間に傷を負わせる】
196廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/06/05(木) 21:53:09 0
>>195
(なんなんだよコイツ!?滅茶苦茶攻撃が重たいぞ!!)

その外見からは判断できない攻撃の重さに、俺は焦りを隠しきれない。
刀を逸らした左手の鉄パイプがひん曲がる。

(おいおい…マジかよ…)

鉄パイプがひん曲がった事で、ただでさえ小さい俺の攻撃力がさらに減少した。
しかし、せっかく拾ったのだ。そう簡単にポイポイと捨てるわけにもいかないだろう。

(ッ!)

女が、渾身の力を込めた突きを繰り出した。
突きを叩き落そうと、右手の鉄パイプを振るい刀に直撃させる。
しかし、体重と速度と重さが加わった絶妙な突きを鉄パイプ如きで叩き落せるわけが無い。
案の定女の突きは逸れることなく俺に襲い掛かる
慌てて避けようとするものの、避けきれずに肩に傷を負う。

(冗談じゃねえぞ…このままじゃジリ貧だっつうの…)

息が荒くなり、冷や汗が流れる。
とにかく、この状況を打破しないといけない。
絶えず襲い掛かってくる攻撃を避け、叩き落し、受け流し、速度を生かして
上手い具合に女に隙を作り、その腹に鉄右手にパイプを叩き込む。
しかし、鉄パイプが直撃したにもかかわらず女は大したダメージを受けた様子は無い。
女の手に俺の右手をつかまれた。俺の胸に刀が襲い掛かる。

(不味い!)

必死に避けようとするものの、右手がつかまれているせいでそれは叶わない。
腹部に鋭く熱い痛みが走る。どうやらあの刀で刺されたようだ。
そして、右手を離され蹴り飛ばれる。

「がふっ!」

俺は思わずうめき声を上げ、激しい音をたてながら廃材置き場に突っ込んだ。
197廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/06/05(木) 21:54:05 0
「…はー…やっぱダメか。能力的にも身体的にも夜型の俺じゃあ勝てないな」

蹴り飛ばされた俺は、廃材の上で横になりながらため息をつきボソッと呟く。
傷がかなり痛む。血も流れ出ている。先ずは血を止めないと。
とりあえず、漆黒の心を解放してこの傷の痛みを押さえ込もう。
精神的にかなり疲れるんだが…仕方、ないよな。
心を、黒く塗りつぶし目から光が失われる。痛みを精神力で押さえ込む。

(しかし、どうしたもんかな。こう日中にばっか戦って負け続けたら洒落にならないぞ。
 どうにかして、日中でも刀を作り出せるようにしないとな。その辺の刀じゃ信用できないし…)

無いものねだりをしてもしょうがない。
やれやれと呟き頭を振るい考えを消し去る。
俺は廃材から身を起こし立ち上がる。
しかし、いきなり血を流しすぎたせいか体がふらついてしょうがない。

(不味いな。血が少なすぎる)

恐らく、女の目に写っている俺の顔は青ざめているに違いない。
これ以上血を失うわけにも行かない。
幸いにも、女もこれ以上俺が降参を認めれば刀を納めるようだ。
ここは大人しく負けを認めよう。

「これ以上戦っても、互いに何の利益も無い。悔しいがここでやめるとしよう」
肩を竦めた後、両手を挙げ降参の意を示し女の問に答えた。

「先ずは傷の治療を行いたいんだ。負けも認めた事だし、その刀を納めてくれないか?」

相変わらず刀を突きつけている女に、無表情で言い放った。
ルナを呼び出せば、術による回復も可能だろうが月が出ていない今では不可能だ。
そのため、ここは
腹から血を流しているというのに、感情の無い今の俺の姿はどう映っているのだろう?

【廻間:降参、漆黒の心発動。 輸血か傷の治療を行いたい】
198神重智&敬 ◆6eLTPQTFGA :2008/06/05(木) 22:18:42 0
>>143 >>165 >>187 >>188
「起きてるか?起きてるなら聞いてくれ、とりあえず支度して薬局に行こう」
この言葉で眼が覚めたようだ。どうやら神重は朝に弱いらしい。
智も敬もである。

「ごきげんよう。起きていきなりなんだとは思うがシャワーを借りたいんだが」
血を操るといっても血の臭いをプンプンさせながら朝の街を歩くのはさすがに危険と思ったのだろう。
勿論宗方がシャワーの使用を認めてくれるかどうかは分からないが…。
返事を待つ間に、彼は昨日放った蝙蝠との記憶を共有しはじめた
随分沢山の記憶があるが、その中で気になったのは2つだ…。
―――
少し油っぽい髪を持つ男に蝙蝠達が襲い掛かるが
次の瞬間にはその紅い翼をもぎ取られ、逃走した
ここで記憶が途切れたところから、消滅したのだろう。
―――
もう一人は見た目は若い男…女か?
こちらには大量の蝙蝠が向かったため、多少の犠牲は出たものの
血液の確保に成功。しかし対象が囮で逃走したため鮮血は得られず
―――
どちらも血を得るのには相応しい人物だった…が
それほどの成果を得ることはできていない。次の獲物を探さなければ――
と考えたときに脳裏に新しいイメージが届く…ということは今現在襲っているということ。
そのイメージは…神重智の生徒 桐北だった。

(…桐北にも蝙蝠を向かわせたのか)
今までのイメージは全て智にも見えている。蝙蝠が何の目的で動いてるのかはわかるだろう。
(お前の教え子だったか?俺は知らないからな…)
正確には桐北という人物は知っているが、智の知り合いだということは知らないのだろう。
(今すぐ蝙蝠を引かせろ、あんな奴でも私の教え子だからな)
(そう怒るなって、智が言うなら従うしかないだろう)
そう言って敬は遠く離れた蝙蝠達に合図を送る。
桐北にまとわり付いていた蝙蝠達は攻撃を止め
数匹を残して別の獲物を探しにどこかへ飛んでいった。
(何故すべての蝙蝠を退かせない?)
(いや…少しからかってやろうと思ってな)
敬の悪い癖でもある、実力を認める前には少し舐めた態度をとるのがこれである

「おいおい…先生の言うことはよく聞くもんだぜぇ…」
声に修正をかけて、神重という人物とは悟られないような声を発する
といっても、先生 などといった時点でバレバレかもしれないのだが…
「少しだが血をいただいたからな…この血は有効的に使わせてもらおう
 血液提供を感謝する…クク…」
無理矢理襲っておいて提供もクソもあったものではないが
敬なりのジョークなのだろう
「では…生きていたらまた会おう。次は敵かな?味方かな?
 楽しみにしていてくれたまえ。ハッハッハ」
目の前にいたなら殴りかかりたくなるような台詞を残して蝙蝠は消滅した。
そのあとに残るは桐北と…

―――戦いから逃げることができると思うなよ―――

という声が残ったのであった。
「さて、シャワールームを…使ってもよかったのかな?」
少し精神を飛ばしていたため、宗方が返事をしていたとしたら
二度聞くというはたから見ると随分間抜けな光景をしながら神重は再度質問した。

【神重:三日目開始。智&敬ともに起床。桐北から蝙蝠を退かせメッセージを残す
    宗方にシャワー使用可かどうか二度問う】
199国崎シロウ ◆Jd2pQO.KKI :2008/06/05(木) 22:34:09 0
(……夢、か)
目を覚ました時には、寝巻きにしている浴衣は
汗でぐっしょりと濡れていた。
窓を見れば日光は既に差し込んでおり、今が朝だという事を知らせている。
(胸糞悪い夢だな……)
俺が昔の夢を見るのは良くある事だが、今回見た夢はそれと少し違っていた。
といっても大筋は同じであり、違ったのは、その登場人物――――死んでいった人々の顔が
ここ数日で俺と関わりを持った奴等になっていたという事だ。
「ったく、短い間に人と会いすぎたか?」
俺は夢を忘れる様に軽く眉間を押さえて、布団から起き上がった。

とりあえず、洗面所で顔だけ洗ってから、
俺は浴衣を着たまま台所に行き、手早く人数分の朝食を
作る。(尚、これを作る際にカレーのトラウマによる数分の葛藤があったのだが、
それはここでは記述しない)
そして、ソレを乗せた盆を持って宿泊者数人が居る居間の方へ向かった。


「よう、恋島か。随分早いな」
居間に行くと、恋島が既に起きており、所在無さ気に座っていた。
俺は食卓の上に人数分のご飯茶碗と、目玉焼き、温め直した味噌汁を置きながらまだ寝ている
他の奴等の様子を確認していたのだが、その途中で机の上に置かれたメモに気付いた。

>走ってくる。すぐ戻る     
>             多分

「ったく、あいつは……まあいいか」
異能者達だって基本は人間だ。朝から行動を開始するとは思えない。
だから、この時間帯なら走ろうが何しようが別に問題は無いだろう。多分。
そう考え、俺は恋島の方に声をかける。

「恋島、俺は店開ける準備してくるから、先に朝飯食ってるよう起きた奴に
 伝えといてくれ。……ああ、そうだ。この店出て寝床に戻るなら、朝早いほうがいいぞ。
 朝は割りと安全だからな。 出るときは入り口の横の裏口を使えばいい」

俺は、シャッターが閉じられ薄暗い店部分へ入るとすぐに、
レジカウンターの方へ向かった。そうして、そこから玄関にある隠しカメラの映像を確認する。
「……んん?」
そこには普段無い物が止まっていた。
俺はソレを見て、その正体を確認すると若干げんなりとした気分になった。
「おいおい、ここ駐禁だぞ……」
そこにあったのは一台の車両だった。
大抵の場合、駐車禁止の場所に駐車する奴はマナーが悪く、下手をすれば
注意した側に絡んできて揉め事になったりするのだ。それが俺に苦い表情をさせる。
……しかし、だからといって注意しないわけにもいかないのが個人経営の辛い所だ。
俺は、一度ため息を付いてからシャッターを半分ほど開き、その隙間から外に出た。

そうして、車の窓を一度ノックした瞬間、一つの人影を視認した。
血を流し倒れている人物の姿にデジャヴを感じながら、俺は急いで店内に薬を取りに戻った。
【国崎:起床、料理を運んだ後、玄関で倒れている人物に気付く】
200廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/06/05(木) 23:11:41 0
ええと、誤字発見。
最後からの2行目の「そのため、ここは」を消してください。
201梓川 博之 ◆acBW5xlTro :2008/06/05(木) 23:18:40 0
>>185>>189>>199
「―――…ん、あ……此処は?」
むくりと起き上がり、周りを見る。
見慣れない部屋。
……ああ、そっか。此処は薬局か。

近くには女性、もう一人は…布団が畳んである。もう起きたのか。
そこら辺に放り投げたコート、それに学ラン――と言っても上だけだが――を着、布団を畳む。

1分後。

なんとか畳めたが……ぐちゃりとしている。
あのメガネの人の布団と比べると…………もう目も当てられない。
「…………俺、酷ぇなぁ……ハァ…」
なんかブルーになってきた。畜生。

居間に出てくると、メガネの人が朝食を食ってた。
国崎と七重は居ないな?
「おーっ、早起きだなーっ……」

…名前が出てこない。さっきも思いついてなかったし。
ってこの人の名前知らねぇよ俺!
え、ええっーと…こういうときは…。
「…すんません、名前教えてくれないか?アンタを呼ぶときに困るし…。
あ、俺は梓川。きへんと辛いで梓、それと普通の川で梓川。アンタの名前は?」

【梓川:恋島に自己紹介し、名前を聞く】
202恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/06/06(金) 00:00:13 0
間抜けなくしゃみで眠気がすっ飛ぶ。でもまずいな…風邪を引いたかもしれん
風邪を移しちゃ国崎さんや他の方々に色んな意味でダメージを与える事になる。やはりここは早急に…

む、台所から食欲をそそる良き香りが。っとネギを切る音か…
なんだか懐かしいなぁ…お袋がよく…あれ、なんか思い出せない。まぁいいか
次第に何ともいえぬ朝の香り、味噌汁の匂いが今に近づいてきた。やばい、また誘惑に負ける

お盆にはいかにも朝食といった料理が置いてあり、視覚と嗅覚を激しく刺激する
国崎さんはテーブルにお盆を載せ、手際よく料理を置きながら、俺に話しかけてきた
>「よう、恋島か。随分早いな」
けっこう時間経ってると思います。八時回ってますし

ふと国崎さんの視線がテーブル下に向いた。どうやら誰かがメモを置いたらしい
俺より先客・・・あのガタイの良い男だろうか。マジで走りこみにいったのだろうか
すこし興味が沸くが、実際1対1になったらどんな会話をしたら良いんだろうな。カレーか、カレーの話か
何だろう、少々頭が変な方向に回転している。おそらく脳みそに栄養が廻ってないからだろうな

・・・ホント、国崎さんには感謝しきれないな。テーブルに寄り、朝食を頂こうと
>「恋島、俺は店開ける準備してくるから、先に朝飯食ってるよう起きた奴に
 伝えといてくれ。……ああ、そうだ。この店出て寝床に戻るなら、朝早いほうがいいぞ。
 朝は割りと安全だからな。 出るときは入り口の横の裏口を使えばいい」

そう言って国崎さんは今から出て行った。うーむ…困ったな
・・・先に頂いてもいいのだろうか。国崎さんが来るまで待っていた方が良いのかなぁ
しかし飯を冷ましちゃなんか悪い気がするな。よし、頂こう。せっかくだからな!
さっそく箸を取り、目玉焼きを口に運ぶ。玉子の柔らかさと風味がもうアレだ、たまらん

にしても昼食代と朝食代と医療費と宿泊費で軽く1万超えてるんじゃないか…?そんな危惧がふと頭によぎる
だがしかし、俺はその考えをひとまず置いといて、目の前の朝食に集中した。あぁ、やばい、旨い
>「おーっ、早起きだなーっ……」
背後から何となく気だるさとか鬱とかを含んだ若い声がした。葦川さん…じゃなくて、学生か

頭をぼりぼりと掻きながら、学生は俺を一瞥した。・・・よくよく見れば見るほど俺に似てるな
なんつうか失礼だが垢抜けそうで垢抜けられない所とか。そういやこの子はどういう経緯でこの薬局に居るんだろう
国崎さんの態度からするに、ガタイのいい男と同じように国崎さんと親交関係があるのかもしれない
っと、学生が眠そうな目で俺と目を合わせると、二言を発した

>「…すんません、名前教えてくれないか?アンタを呼ぶときに困るし…。
 あ、俺は梓川。きへんと辛いで梓、それと普通の川で梓川。アンタの名前は?」
・・・結構フランクだね〜。お兄さんビックリだ。まぁ最近の子は物怖じしないって言うしね
まぁそれならそれで気軽いな。なんとなく緊張状態から抜け出せてるし、俺も学生・・・いや、梓川君にフランクな感じで返事を返す

「梓川君・・・ねぇ。俺は恋人の恋に八景島の島で恋島。下は…別にいいか
 それより飯食おうぜ。冷めちまう」

【梓川に自己紹介を返す。朝食を食べるよう薦める】
203恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/06/06(金) 00:04:17 0
【安価付け忘れですorz】
>>202
>>189>>199>>201当てに
204籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/06/06(金) 00:07:19 0
>>197
少年は呆気なく降参してきた。
自分の能力も見せずに降参とは、私は相当馬鹿にされているのか?
多分能力を発動できない状況にあったという所だろう

「これ以上戦っても、互いに何の利益も無い。悔しいがここでやめるとしよう」
「先ずは傷の治療を行いたいんだ。負けも認めた事だし、その刀を納めてくれないか?」

少年の言うことはもっともだ、私はもとより命を奪うつもりはない。
戦うことが目的だったので、相手が降参した今はもう刀を納めるべきだ。
そう言う少年には表情が無かった、痛いとか何らかの感情があるべきなのにその顔には表情がなかった。
不気味な奴だ、勝った気が全然しない。

「分かった、私が負わせた傷だ、私が治療しよう」

私は刀を鞘に収めるとバッグから包帯と消毒液を取り出す。
そして傷口に消毒液をかけ包帯を巻くという実に簡単な応急処置をした。
異能力者なのでこのくらいの処置をすれば自然に治るはずだ。
桐北は痛がっていたが、この少年は眉一つ動かさない。

「よし、終わりだ
そういえば、情報を教える約束だったな
まず、この戦いは『機関』という組織によって行われている
『機関』というのは表裏共に多彩な顔を持つ非常に大きな規模の組織だ」

そして私は少年に『機関』には幹部がいること、トップは城栄金剛だという事、この街にはすでにNo.6のレオーネがいる事、『機関』はヤハウェと呼ばれる能力者と狙っている事を伝えた。
その間も師匠はずっと黙っていた、珍しいこともあるのだな。
いつもならそろそろ話し出して相手を警戒させるはずなのに。

「そして本題はこれからだ、君には是非この戦いを乗り切るために協力して欲しい
別に常に一緒に居るわけではない、連絡を取り合いお互いが危険な時は駆けつける
ただそれだけだ、簡単だろう?」

この少年はまだ能力を発動していない、それであの強さだから発動すれば相当なものになると踏んで、私は協力を願い出た。
そして、携帯を取り出そうとバッグを漁る、ない。
そういえば、自分で壊したのだった・・・・・・
バッグを漁るのを諦めようとしたその時、分厚い封筒が眼にとまった。
中を見てみるとなんと30万も入っていた。
誰のだ?このバッグを拾ったのは廃校の保健室、とすると・・・・・・まさか、桐北のか?
そういえば、ゴミ捨て場に倒れていた時こんなバッグを持っていたような・・・・・・
まあ良い、またどこかで逢ったらその時に返そう。
そんなことより今はこの少年との交渉が大切だ。

「君にとっても悪いものではないと思うが、どうかな?
別に深く考えなくても良い、そこまで強制力のあるものでもないから
忙しくない時に連絡が来た時来てくれればいいのだ」

【籐堂院瑞穂:廻間に協力を提案】
205五徳 静慎 ◆YUm3AOdOaA :2008/06/06(金) 17:46:29 0
>>199
足音
目を覚ましたきっかけはそれだった
誰かが私に気づいたらしく俺を見た後薬局の奥へと去って行く
「ぉお、助かった。だが出来れば声をかけてほしかった。」
独り言をつぶやきながら店の中へと這いずって行く
ブツッと音がしたので振り向くと
コートの中に隠した暗器や弾丸等が音を立ててぶち撒けられている
怪しまれるか?しかし周囲に人は居ない
だが確証も持てない。
仕方なく重たい体を引きずって整理する

今考えたらこの動きのほうが怪しいような・・・

【五徳:目覚め、弾丸整理中、しかし思う様に体は動かずすこぶる怪しい】
206葦川妃映@代理:2008/06/06(金) 20:53:58 0
話し声と朝食の匂いで自然に眼が覚める。
何か夢を見たような気もするけどあまり記憶に残っていない。
起きがけ特有の頭痛を感じながら出て行く国崎をぼんやりと見送って、小さくあくびをする。
肌にべたつくシャツが妙に気持ち悪い。
気になり始めると我慢でき無くなり、二人が自己紹介をし合っている横をとおって居間を出る。
ボサボの髪を手でときながら廊下を歩き、洗面所を見つける。
「まあ、大丈夫よね」
まだ頭がぼんやりする。
躊躇無く洗面所に入ると、服を脱いでそのままシャワーへ。

お腹減ったなー。昨日食べれなかったし。
痛いなー。ああ、結構深く斬られちゃったんだね。

自然と包帯を避けながら、軽く頭と身体を洗う。
熱めのシャワーが寝ぼけ頭にスイッチを入れていく。
そろそろ身の振り方と方針をしっかりと決めていきたいところ。
まずは死なないことを優先に、危ない橋は避けていこうか。
大分生気を取り戻したところでシャワーを出る。
出て気がつく。

着替えが無い。

・・・…
…・・・着たきりすずめ?

【葦川:洗面所で葛藤中】
207善養寺せつな@代理:2008/06/06(金) 21:01:10 0
>>190
午前八時十分。
「それ」は、十分遅れでやってきた。

キキッ、とブレーキ音を鳴らして駅の北側ロータリーに止まった白い軽自動車。
異変が起きているにもかかわらず律儀に生活している人々をあざ笑うかのように斜めに停車する。
すかさず鳴り響くクラクション。
だが、次の瞬間には別のアクシデントが人々の注意を退いた。

道を歩いていた三人が突然倒れ、まっすぐに走っていた車が駅に突っ込む。
鳴り響いていたクラクションが鳴り止んだときには、周囲に立っている人間はいなかった。

「ホーム(距離軽自動車からの南に50m)に一人(NPC)、バスターミナル(軽自動車から南西に200m)に一人(NPC)、駅南(軽自動車から南に300m)に一人(=七重)」
軽快にキーボードをたたきシステムを作動させる。
位置、人数を特定。全員、遠からず近からずの良い位置にいる。

「希望……未来……もらう」

【善養寺:貳名駅北側の軽自動車の中】
【8:10から能力を発動】
【周囲1kmの異能者の位置を把握(国崎薬局にはぎりぎり届いていない)】


【NPCはただのフラグですのでお好きなように……】
208戦場ヶ原 天 ◆u5ul7E0APg :2008/06/06(金) 21:35:00 O
>>192
「戦場ヶ原は何を食べるの?」
リンは急に甘えた口調で戦場ヶ原に擦り寄ってくる。
女に免疫のない戦場ヶ原は反射的に身をたじろがせたが、それはリンの言動に対して照れと同時に別の一抹の疑念を感じたせいだった。

(『戦場ヶ原』…?)

確かに今この少女は自分のことをこう呼んだ。
今までこの少女は自分のことを「天さん」と呼んでいたはずだ。
それに急に誘惑するような視線で戦場ヶ原に媚びてくる。
短い付き合いだが、この少女は割とドライだが無垢で純粋な心の持ち主だったはずだ。
そんな彼女の行動に対する『違和感』が、疑念となって戦場ヶ原の中に渦巻いていた。
戦場ヶ原はリンを冷たく突き飛ばした。

「誰だ、貴様は。」

その疑念が、2〜3段飛ばされて彼の口から放たれた。
風呂に入っている間に何者かに操られたのか、もしくは贋物がなり代わっているのかもしれない。
いずれもこの街では十分に有り得る話だ。
どちらにせよ、今ここにいる少女は、『リン』ではない――――…
そんな確固たる確信が、彼の中にはあった。

アテが外れたような邪悪な表情を浮かべる少女に向けて、戦場ヶ原は殺気の篭った眼差しを放っていた。

【戦場ヶ原:変貌したリンに疑念を抱き、敵視する。】
209廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/06/06(金) 22:23:35 0
>>204
「ん……随分簡単な治療なんだな」

女が俺に行った治療は、消毒薬をふりかけその上に包帯を巻くと言う簡単な治療だった。
あんまりと言えばあんまりだが、突然の怪我だったので仕方ない。

>「よし、終わりだ
そういえば、情報を教える約束だったな
まず、この戦いは『機関』という組織によって行われている
『機関』というのは表裏共に多彩な顔を持つ非常に大きな規模の組織だ」

女の口から出た情報は、俺を納得させるには十分な証拠が揃っていた。
一つ目は、機関という組織が存在し、非常に規模の大きい組織だという事。
規模が大きいとは感じていたが、表裏共に多彩な顔を持つという事はあらゆる面で力を持っているのだろう……

二つ目の情報は機関がこのバトルロイヤルを行っているという事。
これは俺の推測どおりだったし、深くは考えなかった。
三つ目の情報である、機関には幹部がいるという事。
これも、深くは考えなかった。機関の幹部と名乗っていたツバサとであったからだ。
四つ目の情報は、城栄金剛という存在について……
聞けば、見かけこそ人間だがその力は人間などとはとてもいえない物らしい。
もし敵対する事があれば、決して一人では戦ってはいけないだろうな。
この女と協力しても勝てるかどうかは、分からない。
五つ目の情報。機関の幹部、ナンバー6のレオーネがこの街に潜伏している。
…ナンバー6という事は、ツバサよりも弱いという事か?
いや、それは考えないほうがよさそうだ。下手に強い弱いなどと考えてはいけないからな。
…六つ目の情報、ヤハウェは名前だけならルナから聞いている。
系統こそ違うものの、同じ存在との事だ。
ただし、このルナから聞いた情報は非常に曖昧なもので、間違っている可能性も捨てきれない。
しかし、そんな存在を何故狙う?神にでもなるつもりか?ハッ、馬鹿馬鹿しい。

>「そして本題はこれからだ、君には是非この戦いを乗り切るために協力して欲しい
別に常に一緒に居るわけではない、連絡を取り合いお互いが危険な時は駆けつける
ただそれだけだ、簡単だろう?」

願っても無い頼みが、女の口から飛び出る。
これほどの力を持った存在が味方となれば、これからの戦いはグンと楽になるに違いない。

>「君にとっても悪いものではないと思うが、どうかな?
別に深く考えなくても良い、そこまで強制力のあるものでもないから
忙しくない時に連絡が来た時来てくれればいいのだ」

「わかった。その要求、呑もう」

俺のスピードと、この女のパワーを組み合わせれば…どんな強敵にだって勝てる、そんな気がする。

「これが、俺の連絡先だ。もし分からなくなったら、平日の日中に唯能高校の1−4まで来てくれ。
 出席番号は21番、名前は廻間統時だ」

携帯電話の電話番号とメールアドレスが書かれた紙を女に差し出す。

「それと、これは俺からの情報だ。
機関のナンバ−2である、ツバサと言う男がこの街に入り込んでいる。俺はその男と戦った。
どうやら、煌神リンという存在が目的らしい」

出来るだけ鮮明に昨晩のことを思い出す。
そしてツバサの能力、その時に援軍にいた男の事、ツバサの目的がリンであろうことを伝えた。

【廻間:傷は治療完了。血が少ない。籐堂院瑞穂にツバサのことを伝える】
210煌神 リン ◆7Q1qJNYWx. :2008/06/06(金) 22:37:43 0
>>208
「あ〜あ・・流石にわかっちゃうか…」

自分では結構にているつもりだったのだがわかってしまったならば仕方ない。

「何だわかったのか、じゃしょうがないな」
戦場ヶ原がびしびしと殺気を放ってくる。

「ご名答、確かにリンじゃないな。でもそんなに突き飛ばす事は無いだろうにうん・・私の名前は…まぁ、そんなことは良いか」
確かに心は変わっても体はリンのままだ。
だから突き飛ばす事は無いと思った。

「あ〜あそんなことをするのか…リンがどうなってもいいのかな?」
少しからかうつもりで言う。

「あいつ今ごろ何してっかな〜?うん最初のところは見たんだ。初めてだったんだな痛い痛いって泣き叫んでたよ。
そのうち気持ちよくなってきたのかおねだりしたんだ雌犬みたいにくぅんくぅんとな、はは傑作だ。」
そう面白がって笑う無論、嘘だリンはまだ全然平気だ処女だって守っている。

ここでどうでるかでリンへのからかいの度合いを測るとしようか。

【戦場ヶ原を挑発し試す】

211小村 禅夜:2008/06/07(土) 00:02:49 0
>>182
機連送を渡した後

「……いや。探す必要は無い」

そういい、レオーネは人けの無いほうに消えていく
昨夜の作戦報告を聞かれないためだろう
レオーネが見えなくなった後

(へえ・・・一般人には聞かれたくないようなことが起きましたか)

そう思い、さりげなく襟に隠しているコードレスイヤホンを耳にはめる
アルトには気付かれてはいないだろう
そしてBのボタンを押す これで機連送の話は聞ける
少しでも昨夜の情報は知っておきたいですしね

「No.1、No.6だ。多少問題が発生した。持っていた機連送が"壊れた"ので、
 今 小村の機連送を借りて掛けている」
No.1・・・金剛か
「モーニングコールなら間に合っている……」
それにしてもレオーネも金剛に直接報告、更にこの会話・・・この二人は一体―――
「失敗した事か…? あれなら既に別の者を向わせた。
 誰かさんと違って期待通りの成果を残してくれる事だろうよ」
・・・・失敗か、まぁ片腕は使えず身に着けているものが無かったんだ当然といえば当然だ

ここでコーヒーを一口飲む
「……知っていたか。すまない、期待に沿う事が出来なかったようだ。
 悪いニュースはもう一つ在る」
悪いニュース・・・
「……籐堂院瑞穂が生きていた」
「何ィ……っ!?」
な・・・・!?
「ゴホッ!!ゴホッ!!」
のどを詰まらせた アルトが心配そうにこちらを見るが手で大丈夫だと教える

籐堂院・・・その名前は機関に深く名を残している
機関に対する反組織はいくつもあるが籐堂院が率いる組織は当時一番凄まじかった
しかし奴は昔親と一緒に死んだはず・・・
「ついでに言うと、父親の籐堂院神も"生きている"」
――――バキッ!!
通話が切れた・・・・すぐキレるやつだ

「確認したが間違いない。娘の方は多少昔と変わったが、
 父親の方は娘の剣に精神をコピーしており、憑依する事も出来るようだ。
 迷宮もクリアした。奴らは最早異能者というカテゴリーを大きく逸脱している。
 ―――奴(やっこ)どころの騒ぎではなくなったぞ」
レオーネの迷宮をクリアだと・・・あれは機関でも数名しか破れない難関
そうとうな精神力だな
212小村 禅夜:2008/06/07(土) 00:03:26 0
その後はレオーネと金剛は簡単な情報交換を済ませ電話を切る
小村もそれを確認し、イヤホンを襟に戻す

レオーネが戻ってくるのを見つけ機連送を受けとり、
「報告は終わりましたか?なら今度はこっちに昨夜何があったか教えて欲しいですね
もともと私が出向くはずの任務・・・結果を聞いても別にいいでしょう?」

アルトの作っているラーメンはそろそろ出来上がりそうだった――――

【レオーネに情報を要求】
213七重 凌司 ◆Wg8HeG5HhI :2008/06/07(土) 01:40:24 0
>193 >207
空模様は、なんとも言えず嫌らしい
灰色の群雲がうねって押し寄せてきている
無暗に人の不安を煽り、せせら笑うかのようである

七重はまだ駅から出ていなかった
あるいは、出られなかったと言うべきか
朝の人ごみに揉まれて、うじうじまごまごしているのだった

>「ちょっといいですか?」

悪戦苦闘している七重に、背後から声がかけられた
この文句、単なる会話の起点ではなく、
時として他人への注意、または警告を促すものとして使われる
七重もまた、そのような意味に捉えて、
駅員か何かにしょっぴかれると思い、にわかに逃げ出そうとした
が、振り返って見ればなんのことはない、柔和な表情を湛えた一般女性である
立ち止まり、女性に向き直った七重は、なんとなく自分の早計を恥じると共に、
どんな返答をすべきか、ちょっと考える
一拍子置いて、七重はもごもごと口を利いた

「俺は急いでるんで・・・ 良くないです」

急いでいるのは事実だが、ひどく冷淡な対応である
ともかくそれだけ言い放って、さっと踵を返した途端、
七重はがくりと膝を折って、その場に倒れこんでしまった
傍目には、七重が何らかにつまづいて、一人で転んだかのように見えるだろう
しかし、武道に生き、行住坐臥臨戦を掲げる彼に限って、
屋外で軽々しく転ぶなど、あり得ない、許されないことなのだ
どうにか立ち直り、体勢を整えつつ、七重は辺りを見回した

死屍累々とまではいかないが、それに極めて近い光景である
先程まで無秩序に通行していた人々は、みな地に伏せっており、
誰もが身体を動かす気力を発することもなく、
中には息も絶え々えといった者もいる
彼らは己の身の異変に切迫せられて、枯れ声にて、おぞましい合唱をするのである
拡散するうめき声は、助けを求める念仏の如く響いた

七重は事態を瞬時に理解した。周りの人々も、自分と同じ異変に遭っている
己の身内に発生した、急激な脱力感を、ここにいる全員が被っている
幸いにして、自分にはその影響が心なしか緩やかであるのか、身体を動かすことはできる
原因は、何らかのウィルスか、もしくは化学物質か、あるいは放射能の類なのか
しかし、やはり第一候補として考えられるのは、『異能者』なのだ
解決法としては、見つけ出して叩きのめす、というのが有効であろう

七重に声をかけてきた女性も、謎の惰力に見舞われているらしく、
壁に身をもたせて、肩で息をしている。やはり尋常でない

「・・・今は動くな。俺が何とかしてくる」

と、七重は彼女に声をかけ、振り返ることなく、異能の発生源を求めて歩き出した
本当は、言葉を発するのにも体力を使う状態だが、休んでいるわけにもいかない
倒れこんでいる人々を跳び越して、七重は駆けた

【香澄と接触するが、すぐに離れ、発生した異能力の源を捜索】
【善養寺の存在には全く気付かない】
214アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/06/07(土) 09:33:21 0
>>211
ラーメンを作っている間、ロンバルディーニはどこかへ行っていたようだ。
多分、機関への報告だろう。私には聞かれたくない、ということか。
頑張れば会話を拾うこともできなくはないだろうが、するつもりはない。
任務の失敗、追撃か、又は他の追っ手を差し向けたかは、彼が戻ってくれば分かるだろう。
後は、あの親子についてだが―――まあ、どうせ上役が驚いたりする程度だろう。
それよりも、今は上野さんの分のラーメンを作ることだ。
―――なんか疲れてるみたいだったし、具は豪華にしておこうかな。
確か、ちょっと前に買ったハムがあったはずだ。それとネギは―――まあ、軽く焦げ目をつけておくか。
あとは―――これで終わりか。む… なんか、上野さんが咳き込んでる。
大丈夫かと見てみたが、どうやら心配はいらないようだ。本人がそういう風にしているし。
ならまあ、いいだろう。塩ラーメンもそろそろ完成だ。
―――と、完成と同時にロンバルディーニが戻ってきた。報告は終ったようだ。
上野さんは通信機―――機連送というらしい―――を受け取り、彼に尋ねる。

「報告は終わりましたか?なら今度はこっちに昨夜何があったか教えて欲しいですね
もともと私が出向くはずの任務・・・結果を聞いても別にいいでしょう?」

「結果は失敗ですよ、上野さん。……あ、これが貴方の分のラーメンです。具は豪華ですよ?」

言いながらもラーメンを渡す。本当に具は豪華だ。
無論、インスタントのラーメンにしては、なのだが。

「失敗の原因はですね―――どうも、厄介な相手が出てきましてね。
 籐堂院神―――とある反機関組織の創始者にして、籐堂院瑞穂の父親。
 機関の人間ならば、ご存知ですよね。年齢から考えても、知っているはずですし。
 ―――あの外道、生きてやがった」

今更ながらに思い出す。あの男は―――籐堂院神は、文字通り異能者というカテゴリーを超越している。
その能力を使い、人の体を―――自らの娘として育てた少女をも道具とし、そのくせ人格者を気取る男。
機械仕掛けの神、籐堂院瑞穂という器と、籐堂院神という概念。
それらが一つになれば、文字通りの神となり得る存在だろう。
そして、その神の目的がなんなのか―――例えばそれは、かつて自らを害した機関への復讐心か。
あるいは、娘を守る為に戦っている気にでもなっているのだろうか。
娘を大事に扱いながらも、機関との戦いから逃げ出すことを考えない。
瑞穂本人が納得しているのは分かっている。だが、そう育てたのは誰なのか。
あの少女は籐堂院神の一部であり、籐堂院神の武器でもある。
そう成ったのは、やはり―――あの男の手によるものなのだ。
本人も自覚していない、悪意のない道具の作り方―――以前と変わらないその方向性。
…いや、思考がずれている。今はそんなことを考える必要はないのだから。

「それで、ロンバルディーニさん。今後はどうするのですか?
 追撃か、それとも他の誰かを向かわせたのか。
 そしてその場合、今後はどのような行動を取るのか。
 ―――貴方は、彼女に少しばかり執着していらっしゃったようでしたが」

【アルト:ロンバルディーニに質問】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
215天宮香澄 ◆XzQQgkPzlg :2008/06/07(土) 13:56:02 O
>>213

「相当イかれてるわね……こんなとこでこういう類の能力を使うなんて」
壁にもたれ掛かっている香澄の表情は歪んでいた。
だが、それは必ずしも苦痛に耐えかねてのことではない。
確かに常人には耐え難い苦痛であったが、彼女からしてみれば、大袈裟に辛そうな顔をするようなものではなかった。
「許せないわ…こんなに多くの人を……」
地に伏して枯れたうめき声にて助けを求める人々を見渡した香澄は、下唇を噛んだ。
この事態を巻き起こした張本人に対する怒りこそ、香澄の表情を歪めている理由であった。
その怒りには、目の前で苦しむ人々に対して何もすることが出来ない自分に対しての怒りも含まれていた。
(…理事長がいてくれたら、すぐに楽にしてあげられるのに)
そんなことを考えながら、香澄は壁から離れ歩き出す。
さっきの男を追いかけたい気持ちもあったが、今からでは追いつけないだろう。
それに──
「これをやらかしたヤツは、すぐ近くにいるわ」
──自分のすぐ近くに、この騒ぎの元凶の気配を感じている以上、それを放っておくわけにはいかなかった。
機械ではない香澄には、具体的な距離は分からない。
それでも、これだけ近くにいれば発見するのは容易なことであった。
駅の北側ロータリーまで辿り着いた香澄は、気配の主の姿を求めて視線を走らせる。
「あれ…ね」
香澄が睨み付けている先には、一台の白い軽自動車が止まっていた。


【香澄、善養寺の軽自動車を発見する】
216籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/06/07(土) 15:01:47 0
>>209
「わかった。その要求、呑もう」
「これが、俺の連絡先だ。もし分からなくなったら、平日の日中に唯能高校の1−4まで来てくれ。
 出席番号は21番、名前は廻間統時だ」
「それと、これは俺からの情報だ。
機関のナンバ−2である、ツバサと言う男がこの街に入り込んでいる。俺はその男と戦った。
どうやら、煌神リンという存在が目的らしい」

「私は籐堂院瑞穂、これからよろしく頼む」

私には携帯電話が無い以上、このままでは統時は私からのヘルプしか対応出来ない一方的な関係になってしまう。
あとで師匠の貯金を下ろしてでも新たに携帯電話を買うべきだな。

「ツバサ・・・・・・ライマース家の長男か、昔は生意気な餓鬼だったがもうNo.2になっているのか、時は早いものだな」

やっと師匠が喋る、今までよく我慢した方だと思う。
統時が協力してくれると言うまで我慢してくれたのは実にありがたかった。
しかし最近色々な人物と逢ったので、私はいちいち師匠の事を説明するのが面倒になっていた。

「気にしないでくれ、今喋ったのはこの刀だ、これも私の能力の一つだと思ってくれて構わない」

「おいおい瑞穂、そんな言い方は無いだろう、俺は天之尾羽張、よろしくな」

私が適当に説明したのが嫌だったのか、自分で自己紹介をする。
統時は少し驚いていたが、私が説明するとすぐ元の表情に戻った。
もう数人の異能力者と出会っているようなのでそこらへんに関しては耐性があるのだろうな。
そういえば、統時は桐北と年が近そうだしもしかしたら桐北と同じ高校かもしれない、聞くだけ聞いてみるか。

「私が今まで出会った異能力者はまずさっき統時が言った煌神リン、それに灰色の長い髪の青年池上燐介、赤髪の着物男戦場ヶ原、謎の少年桐北修貴、『機関』の幹部レオーネ・ロンバルディーニと金髪女、最後に廻間統時、君だ
統時も異能力者に逢ったら出来るだけ報告をしてくれると嬉しい
話は変わるが君は桐北修貴という白髪の少年を知らないか?彼の忘れ物を届けたいのだ」

この30万は多分桐北の物だ、貰ってしまいたいところだが流石にそれは桐北に悪いと思い返すことにした。
それに統時が加わった今なら彼も協力者になってくれるかもしれないという期待もあった。

【籐堂院瑞穂:廻間統時に桐北修貴の居場所を聞く】
>>211 >>212 >>214
テント前に戻ると、丁度ハーケンが調理したインスタント麺が出来上がった所だった。
ハムと野菜がのった、やけに具沢山なインスタント麺だ。
フリーズドライ製法だろうか? 世の中便利になった物だ。
いや、待て。調理した形跡が在る。という事はハーケンが栄養価を鑑みて、具材をのせたのだろう。
案外良い母親になるのかも知れないな。このアルト・ハーケンという女性は……。
小村に機連送を返却すると、彼から当然の如く昨晩の作戦の内容を問い出された。

>「報告は終わりましたか?なら今度はこっちに昨夜何があったか教えて欲しいですね
>もともと私が出向くはずの任務・・・結果を聞いても別にいいでしょう?」
確かに一理在る。だが、在りのままを伝えるべきだろうか? フィルタリングを掛ける必要が在るのでは?
失敗は失敗と伝え、問題の籐堂院親子の事は隠した方が良いだろう。
>「失敗の原因はですね―――どうも、厄介な相手が出てきましてね。
> 籐堂院神―――とある反機関組織の創始者にして、籐堂院瑞穂の父親。
> 機関の人間ならば、ご存知ですよね。年齢から考えても、知っているはずですし。
> ―――あの外道、生きてやがった」
私よりも早く発せられたハーケンの言葉で、私の心配は一瞬で意味の無いものと成った。
―――この女は何者だ? どうして籐堂院の事を知っている?
機関の人間でも下級構成員はこれほどまで詳しくない。
思えば、私と共に籐堂院と戦い、その上で私をここまで運ぶ身のこなしは、
一般人の延長線上の凡庸異能者の動きではない。
明らかに慣れている。これからは彼女の動向に気を払うべきか……。

>「それで、ロンバルディーニさん。今後はどうするのですか?
> 追撃か、それとも他の誰かを向かわせたのか。
> そしてその場合、今後はどのような行動を取るのか。
> ―――貴方は、彼女に少しばかり執着していらっしゃったようでしたが」
「……質問は一つずつだよ、ハーケン君。
 煌神リンの確保はNo.2が引き継ぐ事となった。我々はお役御免という事だ。
 籐堂院が出てきた以上、一筋縄ではいくまい。
 私はこれからNo.1と会い今後の作戦を聞いてみる」
現在の時間は…八時半。恐らく城栄は今ナガツカインテリジェンス本社ビルに向っている筈だ。
九時には既に社長室で仕事に取り掛かっている事だろう。
外道院の事も気になる。私が任務に失敗し、ツバサが追っ手として差し向けられた事を知れば、
目的がリンで在る事を嫌でも気付くだろう。そうなれば、あの女の事だ、確実にリンの命を狙う。
当然、ツバサはリンを守ろうとするだろうが、守りきれるか微妙だ。
外道院の能力の射程範囲はツバサの射程を遥かに超えている。射程範囲外から亡者ごと腐らせてしまうのは簡単だ。
最悪、No.5には空席になってもらう事になるかも知れないな……。

「それと、最後の質問に対してだが……。
 子供の居ない私には、あの年頃の子供は可愛く思えるものだ」
私がシナゴークで教育係を務めたのもその所為かも知れない。
だが、私には生徒達を幸せに出来なかった。刺客として育てられた子供達の末路は哀れな物だ。
野たれ死ぬか、それとも逃げ出して仲間に討たれるか……。
そんな、どうしようもない運命しか残されては居ない。
思えば永瀬には悪い事をしたと思う。一般人と同じ学校に行かせてやるべきだった。
普通の、何処にでも居る平凡な少女のように、笑って泣いて、恋をして……。
そんな当たり前の生活を歩ませてやるべきだった。
あそこまで偏った考え方にしたのは、私たち幹部なのだ。

「ともかく、私はこれから自宅に戻り着替えをしたい。
 No.1に会うのはその後だ。流石にこのままでは人として不味い。
 二人はどうする?」

【レオーネ:現在地 アルトのテント前】
【アルトを若干不審に思う。小村が盗聴をしていた事には気付いていない】
218国崎シロウ ◆Jd2pQO.KKI :2008/06/07(土) 22:19:45 0
>>205
俺は、真っ先に備え付けの電話で119番を押した後、
白衣を羽織り、在庫が少なくなってきた包帯と消毒液を用意しながら考える。
先程、入口前で倒れていたあの男。あの男が異能者かどうかは判らないが、
一般人ではないのは確かだろう。
それは、破れた服の隙間から見えた筋肉の付き方と、負傷状態であったという事実、
そして何より、男が纏う気配が証明している。
ただし、それが表側なのか裏側なのかは判らないが……

……訂正。やはり裏側の様だ。
シャッターを再度潜り抜けた時、一瞬だが
男が山吹色に光る物を隠したのが見えた。即ち、銃弾。
(ったく、次から次へと……まあとにかく、こいつを店に入れる訳にはいかねぇ訳だ)
状況こそ似ているが、この男が七重の様な表側の住人でないと確認出来た以上
今のこの状況で薬局内に導く事は悪手だろう。
かといって、明確に敵かも判らないので、薬を打って入院させる訳にもいかない。
ならば、『一般的な』選択肢をとるのが妥当だと俺は考えた。

「意識が戻ったのか。 おい、お前さん大丈夫か?
 ああ、動くな。直に応急処置してやるからじっとしてろ。
 心配すんな。救急車は呼んどいた。もう直来るはずだ」

俺は何も気付いていない様子を演じ、男に傷口の消毒と的確な応急処置を始めた。
【国崎:救急車を呼んだ。 五徳を店に入れる気は0。 ツバサの乗った車の事は意識から外れている】
219梓川 博之 ◆acBW5xlTro :2008/06/07(土) 22:47:38 0
>>202
「梓川君・・・ねぇ。俺は恋人の恋に八景島の島で恋島。下は…別にいいか
 それより飯食おうぜ。冷めちまう」
お、反応アリ。良かった良かった。
スーツの女性が俺の横を通って…多分、洗面所の方に行く。
女性だし、身嗜みは大事だろうしなぁ。

「飯かぁ…頂くぜ。本気で腹減ってるし」
朝はパンと牛乳、ちょっとしたサラダと決まってるが、この際そんな贅沢なんて言ってられない。
昨日はなんも食ってないも同然だしな。

俺は席について手を合わせる。頂きます。
まずは味噌汁を啜る。

「……ぅ〜〜〜ん、旨いな〜〜〜…ホッとする」
昨日の七重カレーと比べてみろ。月と鼈という言葉が之ほどまでに合う料理は無い。
言わずとも分かるだろうが、念の為月の方がこの味噌汁だという事を言っておく。
「これは国崎が作ったのか?それとも、恋島さんが?
―――いや、国崎だろうなー、なんせアンタはあのカレーを平然と食った味覚異常者だし」
恋島に嫌味を言いながらも国崎に感謝し、この素晴らしき朝食を食い進めていく。

恋島と他愛の無い世間話をちょこちょこしながら、あっと言う間に平らげる。
実に旨かった。朝のメニューとして和食も考えてみても良いかも知れない。
「ふー食った食った!さて後片付けだ」
恋島の分の食器も台所に運び、スポンジで次々と洗っていく。

…なんか不思議な気がする。おかしい。
だけど一体何が…あ、そうか。
「すまないけど恋島さん、あの…さっき洗面所に行った人の様子を見てきてくれないかー?
幾らなんでも長すぎる」

【梓川:朝食後、台所にて食器を洗う。恋島に葦川の様子を見てくるよう依頼】
220恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/06/08(日) 00:00:21 0
>>206>>218>>219
話しかけてみたものの、会話が続かないな…俺は目の前の朝食を食べながら、梓川君との会話の糸口を探した
梓川君も言葉が続かないらしく、また重いというか暗いというか妙な雰囲気が流れた
ふと、葦川さんがのそっと起きると小さなあくびをした。なんつうか艶っぽい

そしてすっと起き上がると居間から出て行ってしまった。俺と梓川君はその様子をポカンと見送った
そういや何か店のほうが騒がしい気がする。・・・なんとなく行こうか迷うが、話が拗れそうだから止めておこう
梓川君が朝食を食べ始める。・・・あ、そうだ。俺も思い出したように朝食を再開する

二人でひたすらパクパクと朝食を食していると、梓川君がニヤリとして、俺に話しかけてきた
>「これは国崎が作ったのか?それとも、恋島さんが?
 ―――いや、国崎だろうなー、なんせアンタはあのカレーを平然と食った味覚異常者だし」
い…言うじゃない。まぁ褒め言葉とは言わないがジョークとして受け取っておくよ

好きで味覚障害になったわけじゃないぞ。大学時代に変なのを食いすぎただけだ
それにしても…国崎さんも葦川さんも何してんだろう。そろそろ朝食が冷めてきてるぞ
梓川君と世間話をしながら、ペロリと朝食を食べ終える
キレイになった皿を重ねて、梓川君が自分の皿と俺の皿を乗せると居間から出て行った。ポツンと居間には俺一人

・・・あり、梓川君も葦川さんも何か薬局内を把握してるみたいだな。ココに来るのは初めてじゃないのか?
うーぬ・・・妙な感情だ。つか結構広いのな、国崎薬局。畳の部屋はあるわ居間はあるわ。おそらく台所や浴室も
まぁ個人経営だしな・・・家と兼用でも何ら可笑しくなかろう。・・・暇だなー俺

また蛍光灯をボーっと眺めていると、スポンジを手に持った梓川君が居間に戻ってきた
んっと顔を梓川君に向ける
>「すまないけど恋島さん、あの…さっき洗面所に行った人の様子を見てきてくれないかー?
  幾らなんでも長すぎる」
葦川さんか…確かに長いね。俺は梓川君の意見に頷き、洗面台に向かう事にした

少しだけ迷ったが、どうにか洗面台に辿りついた。てか何故迷う俺
だがちょっち待て。…もしかしたら朝シャンの可能性がある。立ち止まって洗面台に耳を向ける
シャワーらしき音がかすかに聞こえ、小さくなっていき静かに消えた。やっぱそうか

これは…どうすれば良いんだ。女性は清潔に気を使うからな…長いのも可笑しくない
にしても長いな。化粧でも…は無いわな。何か物を持ち込んだ様子は無いし
…よし、当たり障りの無い言葉で呼びかけてみるか

「…ええっと、朝食冷めますよ〜」
…うん、頑張った、俺
【現在地:洗面台前廊下】
【葦川に声を掛ける】
221五徳 静慎 ◆YUm3AOdOaA :2008/06/08(日) 00:07:19 0
>>218
タイミングがきわどいな・・・
バレたか?
ほかの人間に感知できない程度に『運命』を覗く

やはりばれているな

「いやあ、済まない私としたことが蝙蝠に襲われてね」

事実、嘘ではない
しかし演技が上手い、『贄』はやはり伊達ではないか・・・

「ところで、さっきから何か懐疑心のようなものが見えるが」

懐から弾丸を取り出し

「こいつのせいかい?」

ばれているなら隠しても仕方ない
逆に見せ付け警戒を解く

「安心してくれ、私は今誰の敵でもない、興味本位で動いているだけだ」

電卓を持ち出し

「条件次第じゃ味方につくが?」

と、言うよりぜひ着きたい物だ、こんなに楽しそうな運命見逃す手は無い


【五徳:能力数秒消費 交渉中】
222宗方零 ◆BSFghFxWJY :2008/06/08(日) 01:03:49 0
「シャワー?使っていいぞ」
宗方はそう言いつつ、身支度を始める。
懐中電灯1
電池.10個
発光ダイオード×10
極細光ファイバケーブル1メートル分

おもちゃの光線銃を分解し、発光ダイオードを入れ替えホルスターにしまう。
電池とダイオードをポケットケースに詰め、内ポケットにしまい、光ファイバをベルトのようにズボンのループに通し
その上にベルトを締める。

ホルスターを肩に掛けるとジャケットを羽織った。
準備完了。
【宗方零 神重にシャワー使用許可をだす】
223宗方零 ◆BSFghFxWJY :2008/06/08(日) 01:23:00 0
「さて、シャワールームを…使ってもよかったのかな?」
神重敬の声だった。
とっさの事態に宗方は今まさに飲み込んだ紅茶を吹く。
「ブハッ!あ、ああ…かまわんぞ別に」
うっかりしていた、そういえば二人居たんだった。
「二人分のスペースは無いがゆっくり使ってくれ」
そういいながら宗方は慌てて雑巾でテーブルを拭く。
シャワールームへ去った神重を見送ると
宗方は煙草に火を付け…ようとしたら煙草は紅茶でしけっていた。
宗方は気を取り直して、しけった煙草に無理矢理火を付けた。
ケチな紫煙を吐き出すと同時に、腹の虫が鳴った。
224神重智&敬 ◆6eLTPQTFGA :2008/06/08(日) 09:05:18 0
宗方は紅茶を噴出して慌てている。
やはり、2度質問してしまっていたのだろう
「では使わせてもらおう」
俺はそう言って、シャワールームに向かう。
シャワーで纏わり付いていた血を流す、勿論血は取り込んで再利用だ。
シャワーを浴びるのは、血の臭いをとるという目的のため、血の無駄遣いはしない。
(ところで…私に制御権が戻るのはいつだ?)
智が問いかけてくる。
(さぁな…だがそう遠くはないぜ)
(どういうことだ?)
(俺と智の精神は確実に一つになりつつある)
(!?)
(お前が自分の過去を忘れたくて封印したのが俺だ。だから今まではバラバラだったが…
 少しずつお前は過去のことを思い出してきている…全てを思い出せたわけではないが。
 あとは最後のキッカケさえあれば俺と智は再び一つになることができるんだよ)
(一つになると…どうなるんだ?)
(主人格であるお前に全て組み込まれる、俺の能力や記憶が――
 もっとも、能力は元々お前のなんだがな)
(…お前は怖くないのか? 自分が消えることが)
(怖くないね、お前に組み込まれることで人格はなくなるにしろ永遠に生き続けるんだ。
 それにだ、そうなればお前の能力が強力に―――いや、もういいだろう
 シャワーが長すぎたな。出よう)

シャワーを終え、宗方が用意しておいてくれたらしきタオルで体を拭きながら
服を着ようとする神重だったが―――
「…しまった…これじゃあダメじゃないか」
自分が着ていた服は戦いのせいでボロボロ、能力の所為で血まみれ
これではシャワーを浴びた意味がまったく無い。
タオルを腰に巻きつけて、宗方に言いに行く。
「宗方――服を貸してもらえないか?
 流石にこれだと行き道に警察の厄介になりそうでな」
そう言って血まみれの服を宗方に見せる

【神重:シャワー終了 宗方に服を要求する】
 
225廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/06/08(日) 12:36:15 0
>>216
>「私は籐堂院瑞穂、これからよろしく頼む」

「あぁ、よろしく」

瑞穂と女は名乗った。
正直、見かけとあってない名前だが…まあそのへんはどうでもいいか。

>「ツバサ・・・・・・ライマース家の長男か、昔は生意気な餓鬼だったがもうNo.2になっているのか、時は早いものだな」

「…・・剣が喋った?」

思わず疑問の声を上げる。
これまで様々な能力を見てきたが、剣が喋るなんて聞いた事も無い。
ハッキリ言って、俗に言う妖刀なんじゃあないだろうか。これは。

>「気にしないでくれ、今喋ったのはこの刀だ、これも私の能力の一つだと思ってくれて構わない」
>「おいおい瑞穂、そんな言い方は無いだろう、俺は天之尾羽張、よろしくな」

へえ……そんな能力もあるのか。
しかし、これでまた妖刀説が一歩近づいたな。
剣士だったら一度は持ってみたいものだが…意識を乗っ取られたりはしないだろうか?
もし乗っ取られるのなら持つのはお断りだ。

>「私が今まで出会った異能力者はまずさっき統時が言った煌神リン、それに灰色の長い髪の青年池上燐介、赤髪の着物男戦場ヶ原、謎の少年桐北修貴、『機関』の幹部レオーネ・ロンバルディーニと金髪女、最後に廻間統時、君だ
統時も異能力者に逢ったら出来るだけ報告をしてくれると嬉しい
話は変わるが君は桐北修貴という白髪の少年を知らないか?彼の忘れ物を届けたいのだ」

この中で出会ったことがあるのは…戦場ヶ原と、池上だろう。
池上との出会いは推測に過ぎないが、灰色の髪なんて珍しいのであの氷男に違いない。
それと、瑞穂が言っている桐北だが名前だけなら知っている。
停学をくらったせいで留年したという先輩だ。なにか派手な暴力事件でも起こしたのか?
まあ、それはともかくとして…俺が知っているのは名前だけ。外見やクラスは知らない。
桜なら知っているかもしれないが…あまり関わらせないほうがよさそうだ。ここは黙っておこう。

「ああ、名前だけなら知っているが…・・今何処にいるかは知らないな。
 探すと言うなら一緒に探すが。
 それと、これは俺からの要望なんだが夜まで一緒に行動してくれないか?
 俺の能力は夜、しかも月が出ていないと発動できないんだ。さっき、鉄パイプで戦ったのはそのためだ」

俺から一つ交渉を持ちかける。ハッキリ言えば、ボディーガードだな。報酬は無い。
これから先、【鬼神炎球】だけでは乗り切れないだろう。日中に襲われたら、俺は負けてしまう。
互いが危ない時には駆けつけると約束した事から、これくらいなら引き受けてくれると思うが……

【廻間:夜まで行動を共にする事を持ちかける】
226 ◆7Q1qJNYWx. :2008/06/08(日) 21:01:16 0
>>221
俺が目を覚ますと空雲はまだ睡眠中だった。
睡眠中の空雲のほっぺをゆびでつんつんする。
空雲は寝づらそうにうなる。

「ふふ、昨日はお疲れだったのか?」
まだ起きない空雲を何度も突っついていると不意に窓をノックされる。

窓の外を見てみるが誰もいない?
いや、よく見てみると男が倒れている。
中肉中背黒髪か…まさに日本人といったような容姿だ。
しばらく眺めていると男が一人出てくる。
あの二人は二人とも異能者ようだ…

「はぁ〜異能者にたくさん会うなでも今日はちょっかい出すのやめようかな?」
リンのこともあるのでださないでおこうか…いやこいつらに善良を装って近づくのも捨てがたい。
とりあえず空雲を起こすとするか。

「おい・・空雲起きろ」
そう言ってゆさゆさ揺らす、しばらく揺らすと空雲が起きる。

「ん〜?あ、おはようございますご主人様。」
ようやくいつもの調子に戻ったのかこちらをまっすぐ見て言う。
うん、これなら意識がはっきりしていそうだ。

「なぁ…俺も薬局一緒に入って良いか?」
「いいですが、なんでですか?」
「いや、ちょっと避妊具をお前と弓道のために・・・」

そう俺が返すと平手が帰ってきた。
いや冗談だって、だから泣きながら叩いてこないで!
ようやく落ち着いた空雲にまじめに返す。

「たまには女の買い物に付き合わないとな」
「そうですか、では良いですよ」

まだちょっと涙目だ。
とりあえずそれをスルーして車を降りる。
二人はまだ何か喋っているようだった。
とりあえず近づいて声をかける。無論空雲が
「あの〜少しよろしいですか?」

【空雲が二人に話し掛ける傍らにはツバサがいる】
227国崎シロウ ◆Jd2pQO.KKI :2008/06/08(日) 23:36:35 0
>>221,,226
>「ところで、さっきから何か懐疑心のようなものが見えるが」
>懐から弾丸を取り出し
>「こいつのせいかい?」

……驚いた。そして、警戒心が高まった。
この男が銃弾を俺に見せたという事は、俺が異能者だと見抜いたという事。
隙を見せた覚えは無い。そもそも俺の異能の気配は、発動中以外は一般人に等しい程に薄い。
それこそ、感覚の鋭い異能者にしか気付けない程に。
……最も、そうでなければ一般人としての生活など出来ない訳だが。
つまり、それに気付いたこの男は高い確率で異能者であり、
最悪、俺の昔を知っているという事……俺の方は見覚えは無いのだが。

>「安心してくれ、私は今誰の敵でもない、興味本位で動いているだけだ」
>電卓を持ち出し
>「条件次第じゃ味方につくが?」

男の発する言葉。それは即ち、金銭次第で味方に付くということなのだろう。
確かに、この危険な状態で戦力が増えるのは魅力的ではある。
だが、その選択を取る訳には決していかなかった。
店の中には裏側とはなるべく関わって欲しくない奴等がいる。
そんな奴等に、素性も知れない裏の人間と接触させることはしたくなかったからだ。
それに、俺が国崎シロウである事を邪魔をする人間には関わりたくない。
最後に包帯を結び終え、俺は男に返事をする。

「病院行って出直して来い、三流。バイトはもう足りてるんだよ」

普段の俺ならば出す事のない、殺気も敵意も、温度すら一切無い無感情な拒絶。
即ち、これ以上自分に関わる様なら安全は保障しないという意思表示。
そうして、店に戻ろうとした時、後ろに気配を感じた。

>「あの〜少しよろしいですか?」
振り向くと、そこには男と女が一人づつ。どうやら先の車に乗っていた奴等らしい。
先程までの様子を消して、いつも通り、やや気だるげな様子で振り返る。
(……)
……嫌な気配だった。特に男の方だ。粘りつく程死臭がする。
多分こいつらは機関の人間なのだろう。
ったく、朝っぱらから次から次へと……。

「あん、客か? いらっしゃい……と言いたいんだが、生憎まだ開店時間じゃねぇんだ。悪ぃな。
 ……というか、お前さん達の車、店の前からどけてくれ。 あれじゃあ営業妨害だ」

安全圏の距離を保ったまま、懐から火をつけないまま煙草を咥える。

【国崎:明らかに怪しい五徳の交渉を拒否。ツバサ達には警戒しながら一般人としての対応を取る】
228善養寺せつな@代理:2008/06/08(日) 23:42:18 0
>>213>>215
パソコンのスクリーンに映る黄色い点が二つに分かれ、それぞれ動き出す。
「二人居た……好都合」
善養寺が小さく口をゆがめて笑うと、点の動きを目で追う。
それぞれの点が、早めの速度で動いている。やはり異能者は、異能者の存在を知っている分対応が早い。
おそらくは善養寺を探し、倒すために走っているであろう。
そのうちの一つが、視認できる距離まで近づいてきた。
「勝負は……これから」
エンジンキーをまわすと二速ギアのまま急発進する。
細かくハンドルを切って周囲の自動車をかわすと、100メートルほど天宮から距離をとる。
「……うふふ」

【善養寺:軽自動車内。四人ともまだ範囲内】
229葦川妃映@代理:2008/06/08(日) 23:53:46 0
>>218-221
「…はいはい。今出るわよ」
悩んだ挙句、昨日着たものをそのまま着なおして洗面所を出る。
後で時間を見つけたら下着だけでも調達したいところだけど、贅沢も言っていられない。
とりあえずは薬局で消臭スプレーを買ってしのごう。

居間へ戻ると二人分並べられた朝食と、二人の青年が目に入る。
昨日は夕食を食べられなかったしいただこうと腰をかけようとして嫌なことに気がつく。
朝食が一つ余っている。国崎の分。
国崎は何処だ?洗面所にはいなかった。
トイレ?二人が食べ終わっている時間ずっとトイレ?
開店の準備?まだ八時過ぎなのに?

杞憂で済めば良いがもし本当にアクシデントなのだとしたら、私たちにとって致命傷になりえない。
何せ全員に対してある程度の信用を持ち、高い戦闘力を持ち、それなりの頭脳も持つ、言わば私たちの同盟の要。
「ちょっと国崎を見てくるわ」
本当にトイレにこもっているのならば問題は無い。見るべき場所は外部との接触のある勝手口と薬局の入り口。
勝手口を確認したが特に何も無い。
薬局へ降りるとシャッターが開いている。通りがけに消臭剤を手にとって、出口へと向かっていく。
半開きになったシャッターを潜り抜けると、負傷した青年と国崎がいた。

>「意識が戻ったのか。 おい、お前さん大丈夫か?
 ああ、動くな。直に応急処置してやるからじっとしてろ。
 心配すんな。救急車は呼んどいた。もう直来るはずだ」
>「安心してくれ、私は今誰の敵でもない、興味本位で動いているだけだ」

どう見ても異能者。
それもこの態度から察するに、この状況になれている人間。私や国崎が異能者であることを知っている可能性もありうる。
「どうしたの、シロウ──ってちょっと!」
私がここに来たのは明らかに悪手。だが、仕方ない。ここで帰るのも不自然だ。
より親しく見えるように、自然に名前で国崎を呼ぶ。
これで「妹」や「同棲相手」とでも思ってくれればよい。少なくとも「ワケありで滞在」と思われるのは避ける必要がある。

「ちょっと、どうすんのよシロウ。危ないって、この人」
国崎の後ろに隠れ、小声で話しかける。

【葦川:薬局入り口。一般人のふり】
230五徳 静慎 ◆YUm3AOdOaA :2008/06/09(月) 00:17:02 0
>>227>>229

>「病院行って出直して来い、三流。バイトはもう足りてるんだよ」

「おや、非常に残念。まあ、貧血の薬くらいは売ってくれるんだろう?」
駅のほうを見つつ
「救急車が来そうに無いんでな・・・。駅のほう面白い事になっている様だ」
金と望遠鏡を渡す

>「あの〜少しよろしいですか?」
声をかけられた、機関の人間は嫌いだ・・・
いつも退屈きわまる仕事しかよこさない
そこで
「よろしくない」
自慢ではないが私の顔は男よりむしろ女のそれに近い
この顔でさわやかスマイル、且つこのせりふ

>「ちょっと、どうすんのよシロウ。危ないって、この人」
人が増えた
再び運命を見る
また能力者か・・・
しかし今のは気づかれたか?
笑顔のままそちらを見る

「怖がらなくてもいいですよ、何もしませ・ん・・か・・・r」

暗転
喋り過ぎた、誰かタス・・・

【五徳:能力数秒消費 残り29分ほど 再び気絶】
231宗方零 ◆BSFghFxWJY :2008/06/09(月) 00:21:57 0
「待ってろ」

宗方は事務所のクロゼットからジャケットとスラックスを取り出す。
それから未開封のシャツと下着と靴下、それから靴。
これは、かつて宗方が警察時代に関わった事件の時に購入したものだ。
サイズが一回り大きい。
監視カメラに映った際に体の大きさを誤魔化すためのものだった。
苦い記憶が頭をよぎった。

宗方は上司から突然、経理帳簿の書き換えを命じられた。
一回り大きいサイズの格好をして。
断ることはできず、宗方はその命令を呑んだ。
だが、服のサイズを誤魔化した程度で監視カメラを欺くことはできない。
無能なその男らしい幼稚な発想だった。
そして宗方は能力を使い、姿を消しつつ所内の記録室に進入し帳簿を書き換えた。
上司は最初から宗方を犯人として挙げるつもりだった。
出世のためだった。
筋書きはこうだ。
宗方はその日、記録室に突然現れて帳簿を改竄し、
廊下の監視カメラの記録を見ていた上司が
それを”偶然#ュ見する。

次の日、その男は計画を即座に実行した。
だが、宗方は監視カメラに映っていなかった。

宗方は窮地を脱したかに見えた。
しかし宗方は査問にかけられ、辞職に追い込まれたのだった。
理由は「異常的な能力を有し社会の利益を大いに損ないうる危険分子であるため」
実際は上層部も頭を抱えていただけだった、宗方がどうして監視カメラに写らなかったのかを。

「私のよりサイズは大きい、着られるはずだ」
宗方はそう言うと、神重のいるあたりに衣類を滑らせた。
【宗方零 神重に衣服提供】
232国崎シロウ ◆Jd2pQO.KKI :2008/06/09(月) 01:14:18 0
>>227訂正】
>「ところで、さっきから何か懐疑心のようなものが見えるが」
>懐から弾丸を取り出し
>「こいつのせいかい?」

……驚いた。そして、警戒心が高まった。
この男が銃弾を俺に見せたという事は、俺が異能者だと見抜いたという事。
隙を見せた覚えは無い。そもそも俺の異能の気配は、発動中以外は一般人に等しい程に薄い。
それこそ、感覚の鋭い異能者にしか気付けない程に。
……最も、そうでなければ一般人としての生活など出来ない訳だが。
つまり、それに気付いたこの男は高い確率で異能者であり、
最悪、俺の昔を知っているという事……俺の方は見覚えは無いのだが。

>「安心してくれ、私は今誰の敵でもない、興味本位で動いているだけだ」
>電卓を持ち出し
>「条件次第じゃ味方につくが?」

男の発する言葉。それは即ち、金銭次第で味方に付くということなのだろう。
確かに、この危険な状態で戦力が増えるのは魅力的ではある。
だが、その選択を取る訳には決していかなかった。
店の中には裏側とはなるべく関わって欲しくない奴等がいる。
そんな奴等に、素性も知れない裏の人間と接触させることはしたくなかったからだ。
それに、俺が国崎シロウである事を邪魔をする人間には関わりたくない。
最後に包帯を結び終え、俺は男に返事をする。

「病院行って出直して来い、三流。バイトはもう足りてるんだよ」

普段の俺ならば出す事のない、殺気も敵意も、温度すら一切無い無感情な拒絶。
即ち、これ以上自分に関わる様なら安全は保障しないという意思表示。

「……あと、お前さんのは貧血じゃなくて失血だ。
 んでもって、輸血パックが薬局にある筈ねぇだろ。素直に救急車待っとけ」

気になる言葉もあったが、俺はまず、この男と関わるのを止す為に、
望遠鏡も受け取る事無く、店に戻ろうとした。
だがその時、後ろに一つの気配を感じた。

>「ちょっと、どうすんのよシロウ。危ないって、この人」
後ろから、聞き覚えのある女性の声。
振り向くと、案の定そこにいたのは葦川だった。
髪が濡れている事から、どうやらシャワーでも浴びていたのだろう。
……やっぱり、女っていうは朝風呂するものなのか?
先程の声を聞かれた気恥ずかしさと、不味い場面に現れてしまった事への焦燥から
やや現実逃避しつつも、俺は態度を国崎シロウに戻し、軽く頭を掻きながら葦川に対し答える。

「ああ、葦川か。……こりゃあ、単に店の前でぶっ倒れてた奴に応急処置をしてるだけだ。
 救急車ももうすぐ来るし、特に心配することはねぇさ」

白衣のポケットに手を突っ込み、取り出した煙草を
いつも通り火をつけずに咥えて気さくに言った台詞。
それが伝えたいのは問題は無いは後半の一文節だけだ。
葦川という女は妙に聡そうだから、それに多分気付いてくれるだろう……多分。そう信じたい。
仮に、気付いてくれなくても、ヤバイ場面から離脱してくれるのは、
俺としては願ったり叶ったりなのだが。

……実際、怪我人相手に遅れを取る筈もない。
それに、異能者ならば救急車がくるまでここに残りたいとは思わないだろう。
233国崎シロウ ◆Jd2pQO.KKI :2008/06/09(月) 01:14:44 0
>「あの〜少しよろしいですか?」
しかし、そこで再び声がした。
忙しい中、朝っぱらからの来客に何となくため息を付きたい気分で、そちらを向くと、
そこには男と女が一人づついた。どうやら先の車に乗っていた奴等らしい。
……そして、どうやらこちらもまともな客では無いようだ。

>「よろしくない」
倒れていた男の方は気楽にそんな返事をしているようだったが、
俺はそうする気にはなれなかった。
そこにあったのが、酷く嫌な気配だったからだ。特に男の方、粘りつく程死臭がする。
気配の方もそうだが、顕著なのは実存の死臭。それがこの男には染み付いている様に思える。
凶悪な殺人鬼でもこうはならないだろう……機関の人間か、少なくとも絶対に真っ当な人間では無い。

俺は、二人に対し内心で大きな警戒心を抱きつつも、しかし薬局店主の一般人として接する事にした。
ここでこのレベルの相手と戦闘をするのは最低であり、最悪だからだ。
戦闘に勝てても勝負に負けては意味が無い。だから、いつも通りの態度をいつも通り演じる。

「あん、客か? いらっしゃい……と言いたいんだが、生憎まだ開店時間じゃねぇんだ。悪ぃな。
 ……というか、お前さん達の車、店の前からどけてくれ。 あれじゃあ営業妨害だ」

そうして、安全圏の距離を保ったまま肩をすくめた。
葦川は後ろに居るので、最悪俺が弾除け位にはなれるだろう。
……だがその時、倒れていた男の方が気を失った。
本来なら駆けつけるべきなのだろうが、今はこの定位置を動く訳にもいかない。

「……ったく、失血状態でペラペラ喋りやがるからそうなるんだ。
 もう知らんから、救急車がくるまでそのまま安静に寝てやがれ」

俺は、苛立った表情を作り、ガシガシ頭を掻いた後そう言った。
なるべく不審に見えないよう最大限の注意を払いつつ。

【国崎:明らかに怪しい五徳の交渉を拒否。ツバサ達には警戒しながら一般人としての対応を取る】
234 ◆7Q1qJNYWx. :2008/06/09(月) 04:13:25 0
>>233
>「よろしくない」
なんてやつだ俺のかわいいメイドに。
っと・・まぁ殺気を出しかけたか。

あ〜あ、あいつ(いや多分薬局の店員だろう)は、いまの殺気で気づいたみたいだな。
わざわざ相手が一般人面してくれているんだ、空雲の邪魔にならないようにおとなしく見ておくか。

>「あん、客か? いらっしゃい……と言いたいんだが、生憎まだ開店時間じゃねぇんだ。悪ぃな。
 ……というか、お前さん達の車、店の前からどけてくれ。 あれじゃあ営業妨害だ」
「あ、すいません用事が終われば帰りますので、
あの、まだ開店時間じゃないのは重々承知の上ですが少し包帯など売ってくれませんでしょうか?」

空雲が控えめにそう言う。
だが相手はまだまだ警戒したままのようだ、ここは誤解を解いておくべきだろうが
そういうことを考えていると倒れている男が気を失ったようだ。ざまみろ

とりあえず逆に警戒させてしまうかもしれないが、とりあえず勘違いを解いておくか。
「なぁ、異能者、予想はついてんだろ?確かに俺は機関の人間だ、でも戦いに来たわけじゃねぇよ
だましうちもねぇ純粋に包帯がほしいんだよ。」

【とりあえず安心させようと国崎に自分が機関の人間だという事をばらす】

235恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/06/09(月) 08:26:14 0
声を掛けてしばらく悶々としていると、
>「…はいはい。今出るわよ」
葦川さんが返事を返してくれた。・・・何だか急かしてすみません

どことなく申し訳無い気分になり、俺はそそくさと居間に戻った。洗い物を終えた梓川君がのんびりと座っていた
テーブルには国崎さんと葦川さんの分の朝食が置いてある。勿体無い、味噌汁は温かいときが一番旨いのに
別に梓川君と話す事も無く、適当に携帯を弄りながら二人を待つ。数分経つと、葦川さんが戻ってきた

梓川君が片付けたから今度は俺は片付けよう。・・・って台所の場所分からねえよ
梓川君に教えてもらいながら、もう少し突っ込んだ話でもしてみるか・・・今後の為に
都市伝説の類は学生が主として流行りだすからな。何かと便利だ

そういや国崎さんマジで遅いな…店を開けるだけならそう時間は掛からないと思うが
何か妙な事にでも巻き込まれたのか?いやぁ、朝方まで巻き込まれてたら・・・
いやいやいや、それこそ常識的に可笑しいだろう。朝昼夜構わず変な奴らが闊歩してるなんて…うわー店から出たくねー

っと葦川さんが立ち上がり俺達の顔を一瞥すると
>「ちょっと国崎を見てくるわ」
と言って居間から出て行ってしまった。・・・…朝食……食べてからでも良いと思うんすよ・・・
とは言え俺も心配だな。飯食い終わったしぶっちゃけ暇だからな

「梓川君、俺も国崎さんの様子を見てくる。何かお困り事かもしれん
 君は一応ココに残っていてほしい。なぁに、すぐ戻ってくる」
そう言って梓川君を居間に残し、バックを担いで俺は店側へと向かった。すまん、梓川君
店側・・・は何故だかシャッターは開いてるのに、主人である国崎さんがいない

おそらく外に用事でもあるんだろうが、シャッター開けっ放しは正直危ないと思うんだ
それと葦川さんもいない。二人とも外か…どう考えてもトラブルです、胃がキリキリしてまいりました
首を突っ込むべきか…? また国崎さんに迷惑が掛かりそうだな・・・
でも考えてみよう。流石に朝はきったはったの物騒なトラブルは無かろう。つか朝っぱらからそんな事やってたら警察様に御用だ

俺はシャッターを潜り、状況を見極めようと外に出た。・・・案の上ですな
玄関前にはしゃがんで誰かを治療?している国崎さんと、その後ろに立つ葦川さん、それに道路で倒れている・・・青年
国崎さんと青年の横でかわいらしいがちょい不思議ちゃん的な少女と、野性的な感じのイケメンが立っている
遠目からだから会話は分からんが、明らかに雰囲気は不穏。かなり不穏

っと、国崎さんとその他三人の目が倒れている青年をぎょっと見下ろした。何だろう、さっきとはぶっ倒れ方が違う
青年はその場で突っ伏してそのまま動かなくなった。まるでゼンマイの切れたブリキの人形みたいだ
こうゆう場合はどうするべきか・・・あの青年の素性は分からないが、あのままにする訳にはいかないんじゃないんか?
俺は国崎さんの方へと走って、倒れている青年を抱え起こした。これくらいなら俺でも・・・結構重いな、名無しの青年

青年の肩を抱きながら、俺は国崎さんに向かいあい、自分の意見を伝える
「取りあえず・・・この人、薬局に入れたほうがいいんじゃないすか?
 意識が無い様だし、ここに放置しておくわけにもいかないと思うんです。・・・一応救急車でも呼んでおきます?」
・・・あれ、俺空気読めてない?
国崎さんと葦川さんの目線が何か凄く痛い

すると女の子が申し訳なさげに国崎さんに
「あ、すいません用事が終われば帰りますので、
あの、まだ開店時間じゃないのは重々承知の上ですが少し包帯など売ってくれませんでしょうか?」
と言った。確かに朝っぱらから薬局に来るって事はそれなりに訳アリだろうな。邪知はしないが
236恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/06/09(月) 08:29:41 0
>>235の続きです】
【安価打ち忘れorz>>229-230>>232-234
少女に続くように野性的イケメンが
>「なぁ、異能者、予想はついてんだろ?確かに俺は機関の人間だ、でも戦いに来たわけじゃねぇよ
 だましうちもねぇ純粋に包帯がほしいんだよ。」
ん・・・んん? 今なんて?
やめた、あーあー聞こえなかった事にしよう。正直今そうゆう類の事を聞くのは心臓に悪い
色んな意味でこの雰囲気が晴れてほしい。肩は重いわ息苦しいわ。っと遠くからけたたましいサイレンが聞こえる
どうやら救急車の様だ。・・・なら別に薬局に入れなくても良いよな。俺は自分なりに機転を利かせて国崎さんに提案する

「この人の事は自分に任せてください。それよりそこのお二方の為に店を開けてあげてください
 多分大丈夫ですよ。こんな朝からドンパチやっちゃ警察に捕まりますし」

【五徳を救急車が来るまで受け持つ。国崎にツバサ・空雲を薬局に入れるよう提案】
237梓川 博之 ◆acBW5xlTro :2008/06/09(月) 20:21:35 0
>>229>>235
恋島は快く(?)俺の提案を引き受けてくれた。
さて、とりあえずこの皿を片付けるか…。

洗い物も片付け、居間で座って寛ぐ。
…暇だ。
と、恋島が戻り、すぐ後に女性も戻ってきた。
うむむ、やっぱり名前を聞いておくべきだな。表記し辛い…あ、こっちの勝手だ。気にしないでくれ。

女性は俺らを一瞥する。そして、
「ちょっと国崎を見てくるわ」
「え、あ?」
―――あー、そういえば変だよなぁ。
そのまま違うところへ行ってしまった。
なんだよなんだよ、またか……俺の胃にまたダメージか…?
恋島さんよぉ、アンタは如何思…

「梓川君、俺も国崎さんの様子を見てくる。何かお困り事かもしれん
 君は一応ココに残っていてほしい。なぁに、すぐ戻ってくる」
「は?」
そう行って彼女の後を追った。
こ い つ も か !
迷惑なんだよ、そういうの。俺一人置いてけぼり?
…これは流石に子供っぽいか。

―――いや、そういえばさっきから妙な気配…異能を使用した感じがあった。
多分、店の玄関前。
しかもさっきから誰かが移動している音も微かに聞こえないでもない。
―――――調べて、みるか。

俺はすぐに近くの部屋に閉じこもる。
「っと、じゃあ『神経ノ切断(ライン・カット)』!」
左耳、右目に手を当て、外す。
すると―――右眼球と左耳がとれた。
元有った場所には霧がついている。
「…次、『霧ノ存在(フォグ・イズディステンス)』」
更には外した目と耳が霧になって消える。

玄関前、恐らく誰も気付かない場所。
其処に、霧が集まり先程の右眼球と左耳が姿を現す。

「…んーっし。見える見える…聞こえる聞こえる」
其処には恋島、国崎、さっきの女性、その他に倒れている男と男女のペアが一組。
誰かが話しているようだ……ペアの片方、男のほうか。

「……、異……、……は…いて…だろ?確かに俺は機関の人間だ、でも戦いに来たわけじゃねぇよ
だましうちもねぇ純粋に包帯がほしいんだよ。」

前半は途切れ途切れで聞こえなかったが、成る程ふーん機関のねぇ……って、
「えええええええええええ!?機関だとおおおおお!?」

【梓川:ツバサの発言に驚愕】
【右眼球と左耳は見つかり難い場所にあり(気配や異能の雰囲気は殆ど無し)】
238天宮香澄 ◆XzQQgkPzlg :2008/06/09(月) 20:23:53 O
>>228
「ふふ…そりゃそうよね」 走り出した軽自動車を見ながら、香澄は自重気味に呟いた。
追い掛ければ逃げるのは至極当然のことだ。しかも、姿さえ晒そうとしない異者ならば尚更である。
まさか車に乗っているとは思わなかった。流石に車に追いつくのは難しい。
異能者の謎の攻撃もあるが、何より香澄は空腹だった。
文月達と合流したらみんなで美味しい物を食べに行くことを独断で決定していた彼女は、昨日の夜から何も口にしていなかったのだ。下らないことを考えていた自分を呪いつつも、香澄は次の手を打つことにした。
(さっきの人……聞こえてますか?敵を見付けましたが、車に乗っているので追いつけません。そちらに誘導しますので、もし貴方がこの状況を何とかしたいと考えているなら、力を貸して下さい)
先程走り去って行った男の気配の方へと念話を送る。
この距離なら理事長に頼らずとも正確な念話ができたし、相手を指定すれば盗聴の心配もない。 後はあの男次第だ。
遠ざかる車に追い縋りながら、香澄は男に正義感があることを祈った。


【香澄、車を追いながら七重に念話を送る】
239国崎シロウ ◆Jd2pQO.KKI :2008/06/10(火) 00:22:24 0
>>234,,235,,237
>「取りあえず・・・この人、薬局に入れたほうがいいんじゃないすか?
>意識が無い様だし、ここに放置しておくわけにもいかないと思うんです。・・・一応救急車でも呼んでおきます?」
(な!? ……こ、恋島。お前さんはなんでこんなタイミングで出てきやがる)
剣呑な空気の中、店の中から出てきたのは恋島だった。
……不味い。状況は確実に悪化の一途を辿っている。
俺は、口の端がが引きつっているのを感じながらも、とりあえず恋島にやや投げ遣りな返事を返す。
「あー……いや、救急車はもう呼んであるから、来るまでそのまま置いといてくれ。
 一応、応急処置はしてあるし、失血なら薬局で売ってる薬程度じゃあどうにもできねぇ。
 だったら、下手に動かさないほうがマシだ」

>「なぁ、異能者、予想はついてんだろ?確かに俺は機関の人間だ、でも戦いに来たわけじゃねぇよ
>だましうちもねぇ純粋に包帯がほしいんだよ。」
>「この人の事は自分に任せてください。それよりそこのお二方の為に店を開けてあげてください
>多分大丈夫ですよ。こんな朝からドンパチやっちゃ警察に捕まりますし」

一瞬、俺が車の二人組に対して向けかけたのは赤黒く無機質な殺意。
それは目の前のクソ野郎が自分を崩しかねない情報を持っているらしき事と、
裏側に行かなくていい人間を、無理やり引きずり込んでいる現状への嫌悪によって生まれたものだった。
だが、その殺意が表に出る前に、俺はそれを無理やりに精神の奥へとねじ込むことに成功した。

「……ハァ。ったく、いい年した大人が異能者とか機関とか、ここは中学生の巣窟か。
 無理を通したいなら誠意をみせやがれ、糞ガキ」
俺はただただ呆れたような調子で機関の男にいいながらも、恋島の言葉に呼応する様に次の言葉を繋ぐ。
「けどまあ、治療が必要な人間がいるなら包帯くらいは売ってやるさ。
 営業規定で中には入れられねぇが、店の中からもってくればいだけだしな。
 ……あん? ああ、それじゃあそいつの事は恋島、お前さんに任せた」

結局、俺が取ったのは、飽くまで何も知らない一般人としての対応だった。
目の前に現状を作り出した屑の一人がいるのに、それに対して攻勢をとらない。
それは、なんという惨めか。なんという腑抜けか。
……だが、気にはしない。例えどれだけ侮蔑されようと、これこそが一般人としての在り方の筈だからだ。
普通の人間は、目の前で困っている人間を助ける。近くの人間の危険を無視した行動を取ったりはしない。
遠い彼女との約束を、俺は遵守出来ている。
近づいてくるサイレンの音を聞きながら、俺はそう考えていた。

【国崎:五徳を恋島に任せ、包帯を売る。梓川の能力には気付いていない】
240七重 凌司 ◆Wg8HeG5HhI :2008/06/10(火) 02:49:27 0
>228 >238
研ぎ澄まされた七重の聴力は、車のタイヤの摩擦音を捉えた
雑踏の消え去った駅付近で、ゴムがアスファルトを引っ掻く悲鳴は、
あまりに鋭く鼓膜を刺激する。音の発生源は、決して遠くはない
今の状況下で、まともに車を運転できる者がいるとすれば、
この惰力を発生させる異能力を司る人物だけであろう
それが真実かどうかはともかく、焦りにほだされた七重に、
車を追う以外の行動を選ぶ余裕はなかった

>(さっきの人……聞こえてますか?敵を見付けましたが、車に乗っているので追いつけません。
  そちらに誘導しますので、もし貴方がこの状況を何とかしたいと考えているなら、力を貸して下さい)

突然に頭の中で響いた声に驚愕し、七重は思い切り転倒する
困惑しながら立ち上がるも、鼻の頭から少々出血している
滴る赤い液体は、衣服の黒い生地に溶けて吸収された

状況が掴みきれていないものの、七重は、
今の声が、先ほど自分に話しかけてきた女性のものだということが分かった
同時に、テレパシー、という言葉も頭に浮かんだ
今まで様々な能力を持つ者たちと会ってきたのだから、
もはやそれほど驚くべきことでもない

素性の知れない女と手を組むのも、七重には気が引ける話である
が、それ以前に、生身で自動車に立ち向かえる自信がなかった
普段の状態ですら、まさか四輪車と闘うなどという機会があるはずもなく、
ましてや今現在、体中が脱力している具合で、
爆走する機械に面と向かって拳を向けられるわけがない
さればとて、運転手を何らかの計略に嵌めるべき頭脳を持ち合わせているわけでもない
舌打つ七重。もはやどうにでもなれ。そう思った矢先である

「ヒットオオオォォォッ!!」

空を割る激声。何事かと悟る前に、七重の身体は宙へと巻き上げられていた
視界は回転し、景色は混濁した。受身もままならず、四肢をばらけさせて、七重は地に叩きつけられる
打ち身の苦痛が、彼の全身に染み渡った
241七重 凌司 ◆Wg8HeG5HhI :2008/06/10(火) 02:51:25 0
上体を起こした七重は、視線だけで辺りを確認すると、先ごろ車が走り去った方向とは逆側から、
人影が歩み寄ってくるのが見えた。どことなくフラフラとしており、安定性のない歩き方である
目を凝らせば、その風貌は、切れ長の双眸と平坦な顔を特徴に持ち、なんとなく爬虫類に似ている
青年は、ニタニタと嗜虐的な笑みを浮かべた。七重は嫌そうな顔をした

「かかりやがったな・・・ さっきから発生してるこの能力、手前の仕業だろ?
 その内とどめを刺しに来るのは分かってたんだ
 仕掛けておいた甲斐があったぜ。・・・苦しんで、死ねっ!」

青年が勢いよく腕を振るう。すると再び、七重の身体は地を離れた
幾度も、幾度も、虚空を舞って、平衡感覚は殆んど麻痺せられた
七重が落下すると同時に、青年も体力を消費したらしく、膝に手を掛け、肩で息をついた

「・・・誤解だ」

咳き込みながら、否定も空しい。青年は容赦ない殺気を七重に向けている
ぐらつく眼球を治めつつ、七重は改めて、襲撃してきた青年を観察する
彼の指先からは、半透明の細糸が数え切れぬほど伸び、七重の全身に絡み付いていた
その一本々々は脆そうであるが、大量に寄り集まることで、非常に強靭となっている
更に粘着性を含んでいるためか、容易には七重の体から離れようとしない
まさに蜘蛛の糸。恐らくは辺り一面に糸を張り巡らせ、
己の力を奪った異能者を捕まえるべく、息を潜めていたのだろう

立ち上がり様、またも青年が腕を振るう。その勢いは、糸の中で増幅されてか、、
七重を引き摺り上げるべくして荒ぶった
黒い巨体が翻弄されたのは、これにて三度である
しかし、七重はまだ諦めてはいなかった。地に着かぬうち、手を伸ばす
空中を線上に走る光の大群。青年がつくった『巣』
それをできるかぎり手繰り寄せ、手に収めてゆく
しばしの後、七重は両手に煌きを保って着地した
青年の能力のタネが分かって、心に余裕ができたためか、受身も上々である
が、身体へのダメージの蓄積は避けられず、痛みに萎縮する他はない

疲労が重ってか、やはり青年は苦しげにして、膝を地に着けた
さすがに今しばらくは、手の糸を振るうことはできないであろう
僥倖ではない。予想、あるいは計算である。七重の顔に笑みはなかった
車が接近する次第に、物陰から飛び出し、
この糸をタイヤへ巻きつけ、動きを封じる。それが七重の計画である
糸に繋がれた青年も、七重自身も、車の走行に巻き込まれ、
五体満足では帰れなくなるかもしれない
しかし、解決法はこれより他にないのだ。七重は青年に向かい、頭を下げた

【バスターミナルの異能者と接触・戦闘で瀕死ぎみ】
【異能者の発生させた『糸』で、善養寺の車を止める算段】
242籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/06/10(火) 17:27:12 0
>>225
「ああ、名前だけなら知っているが…・・今何処にいるかは知らないな。
 探すと言うなら一緒に探すが。
 それと、これは俺からの要望なんだが夜まで一緒に行動してくれないか?
 俺の能力は夜、しかも月が出ていないと発動できないんだ。さっき、鉄パイプで戦ったのはそのためだ」

なるほど、能力は使わなかったではなくて使えなかった訳なのか。
これは実に興味深いな、是非見てみたいし断る理由もないので共に行動するのもありだろう。

「夜にならないと発動出来ないか・・・・・・よし、良いだろう、夜までと言わず夜になったらその能力とやらを見せて貰うぞ?
それと、桐北の名前だけは知っていると言うことは同じ学校に通っているという事かな?
それなら案内して欲しいな
統時は高校生なのだから、登校ついでで良いが」

そう言うと私は天之尾羽張をバッグの中に入れる。
しかし、このままでは私はすごく目立つ、家にかつらとカラーコンタクトはあるのだが、急いで家を出たため通帳など金関連の物しか持ってきていなかった。
後で帽子でも買ってこの目立つ髪を隠さなければ『機関』の人間に襲われるのも時間の問題だ。
それに統時には一応応急処置はしたが病院に行って輸血でもして貰った方が良いかもしれない、血を出しすぎている。

「でもその前に統時の治療が先かな?金はある、病院に行って輸血でもしてから行動しよう
この状態では何かと大変だろう、病院では通り魔にでも襲われたことにすれば何とかなるはずだ
まぁ統時が行かなくても良いというなら強制はしない」

【籐堂院瑞穂:廻間統時に輸血を勧める】
243神重智&敬 ◆6eLTPQTFGA :2008/06/10(火) 20:44:22 0
「すまないな」
そういいながら俺は服を着る。
その時チラリと宗方のほうを見たのだが…何か嫌なことでも思い出したような顔だ。
そういえば何故宗方が自分のサイズと合わない服をもっていたのか?理由が分からない
様々な推測が頭の中を飛び交うが――
(やめておけ、人の過去をそう詮索するもんでもないだろうが)
智にそういわれて、敬は考えるのをやめた。

「さて…と、宗方…これからすぐに薬局へ向かうのか?
 俺はいつでも行く準備ができてるが…あと一つ
 これは新品っぽいが、使ってもいいのか?」
着てしまってから聞くのも随分間抜けだが、敬は気になって仕方が無かった。
(さっき言ったことがわからなかったのか?)
(いや詮索とかじゃなくてさ…新品だと使ってもいいのかと気になるんだ)
(………)

【神重:薬局へ向かう準備完了】
244葦川妃映@代理 :2008/06/10(火) 21:35:51 0
>>230>>232-239
先にいた男も、後から来た男女も明らかに怪しいし、青い。
勢いや自我に昏倒しすぎる、いわゆる子供。
わざわざ自分の情報を格好つけながら相手に伝えるなんて、何処の中学生だ。
正直関わりあいたくない。
だが恋島は青年を預かり、国崎は男女の要求を呑む様子。
二人とも考え無しに動いているわけではないのだろう。
恋島はわざわざこの街へ来た目的を果たすため、そして国崎は自身が「人間」であることを確かめるために。
当然のことをしたまでだ。
だから国崎が言っていたとおり『特に心配することはない』。

「……わかったわ。私が取ってきてあげる」

一般人らしく三人を不可解そうな目で見ながら、店へと戻る。
自分も昨日買ったのだから位置ぐらいはわかる。
包帯を手に取り、店の外へ出ようとしたとき──
──ポケットの中が震えた。
おそるおそるポケットへ手を伸ばす。

『着信:善養寺 せつな』
「っ!」
反射的に終話ボタンを押して着信を拒否する。
いつの間にか汗で塗れていた手が携帯電話を取りこぼす。店内に響く、不快な激突音。
故障が無いことを確認しながら拾い上げ、シャッターをくぐる。
「……はい」
悪い態度で渡してしまったのは一般人に見せかけるための演技か、八つ当たりか。
(……機関の人間)
少しの沈黙の後、また国崎の後ろへ下がる。
問答の一つや二つでもかけてみようと思ったが、リスクばかり大きくて期待されるリターンが小さいので却下。
そう。機関の人間と関わりあう必要など無い。
せつなと自分は、もう重なり合わない道をたどっているのだから。

【葦川:薬局店先。空雲に包帯を渡す】
245善養寺せつな@代理:2008/06/10(火) 21:37:41 0
>>238>>241
能力発動中に限り、自動車内は絶対の安全領域だ。
誰も追いつけず、誰も壊せない。
だが──
「……連携……仲間?」
追ってくる彼女は、明らかに自分を別の異能者の所へ追い込もうとしている。
スクリーンのmapでそのことを察知するも、少し遅かった。
「!!」
糸を巻き込み、スピンを始める軽自動車。とっさにサイドブレーキを退くも、スピンは止まらず路肩へ激突。
辛うじて気絶はしなかったが、糸を巻き込んだためすぐの発進は困難。
だが、この糸を張っていた二人もただでは済んでいないはずだ。
そして、時刻は8:15を回った
一般人がそろそろ死亡を始める時間。
追ってくる女性、糸を張る二人のうちの一人でも倒れれば勝ちは決まったようなもの。
それに、自動車は足としての動きは封じられても依然として強固な鎧であることには変わりは無い。
窓ガラスも強化ガラスに変更され、物理ロックと電子ロックが組み合わさったトビラを破るのは困難。
「……虚しい奮闘」
その幼さの残る顔を小さく歪め、せつなは嘲笑した。

【善養寺:軽自動車停止。能力発動からおおよそ五分弱経過】
246七重 凌司 ◆Wg8HeG5HhI :2008/06/10(火) 22:44:36 0
>245
白い塊が駆け抜けた後、漆黒のアスファルトには、
鮮やかな紅華がパッと咲き誇ったのである
葉も、枝も、幹も無い。それはもう、
ただひたすらに、一個の華の姿を映し出していた

吹き飛ばされたモノの内、一方は、
駅の入り口近くに置かれたごみ箱に突っ込んで、轟音を立てた
またもう一方は、地面を何度もバウンドして、
体液を辺りに印しながら転がり、駅の壁にぶつかって動かなくなった

路肩に衝突した自動車にも、赤黒い怨嗟が染み付いていた
てらてらとねちっこく輝いては、静かに車体を侵食している

それらの光景から少し離れたところに、
無残に轢き潰された手首が一つ、佇んでいた
生の欠片も感じられなかった

【七重 凌司:戦闘不能】
247宗方零 ◆BSFghFxWJY :2008/06/10(火) 22:44:39 0
>> 「さて…と、宗方…これからすぐに薬局へ向かうのか?
>>俺はいつでも行く準備ができてるが…あと一つ
>>これは新品っぽいが、使ってもいいのか?」

過去に記憶をとばしていた宗方は、神重の声で我に返った。
神重は支度を終えたようだ。

「ああ、このまま薬局に行こう。アポイントメントを取ってからだがな」
そういうと宗方は片手で携帯を操作しつつ国崎薬局の番号をダイヤルする。

「それと、その服はあんたにやる。サイズが大きくて持て余していたんだ」
宗方は言いつつ携帯を耳に当てコール音を聞く。
「ちなみに…その服は昔の色恋沙汰関係でも死んだ相棒の遺品でもない、
ネットで買ったんだが届いたらサイズが合わなかっただけだ、
全くこれだからネット通販は信用できん…お、繋がった」

誰も出ない。留守電のメッセージが入る。即座に吹き込みを入れる。
「こちら宗方総合調査事務所の宗方というものだ。
法人向けの大口の注文を頼みたい。
救急箱10箱分に入るだけの包帯、消毒液その他諸々。すぐ必要だ、今から行くのでその旨頼む」
「それから…今もし薬局にけが人が来てないか?来てたら気を付けろ、奴らは…」
―─OFF
宗方は神重を見てニヤリと笑う。
「さあ、そろそろ行こうか?お二方」
【宗方零 国崎薬局に向かう意思表示】
248恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/06/10(火) 22:58:52 0
>>237>>239>>244
青年を担ぎながら、妙な感覚に陥る。なんというか、変に重い
青年自身の体重ではなく、上手く言えないが重い物を携帯しているみたいな違和感
なんだか形容出来ない火薬臭いというか血なまぐさいというか・・・いかんいかん、また変な事を考えてしまう

早く救急車来ないかな…つうかやっぱ重い。次第に自分の取った軽率な行動に後悔して来た
っと、国崎さんが俺の方を向いて半場呆れたような口調で
>「あー……いや、救急車はもう呼んであるから、来るまでそのまま置いといてくれ。
 一応、応急処置はしてあるし、失血なら薬局で売ってる薬程度じゃあどうにもできねぇ。
 だったら、下手に動かさないほうがマシだ」

・・・やっぱ自分ダメッスね。親切心というよりおせっかい、いや、俺は本気で空気が読めてない
けど何か地面に戻すのも…いや、戻そうかな。でも下手に動かすと青年に何か影響が出るかもしれん
よし、重いが現状維持だ。けっこう足腰に来てるが根性で耐える

次第にサイレンの音が近づいてきた。ふぅ〜・・・どうにか場が丸く収まりそうだな
ふと国崎さんが野性的なイケメンに対してどこか刺々しい視線を突きつけて
>「……ハァ。ったく、いい年した大人が異能者とか機関とか、ここは中学生の巣窟か。
 無理を通したいなら誠意をみせやがれ、糞ガキ」

目線とは裏腹に軽い口調で国崎さんがそう言った・・・ヤバイ、雰囲気がまた黒ずんできた
かなり直接的な皮肉を言われたイケメンはというと、苦笑いをしていた。まぁそうだよな。何がそうかは知らんが
野性的イケメンに続き、国崎さんは俺の方に顔を向け
>「けどまあ、治療が必要な人間がいるなら包帯くらいは売ってやるさ。
 営業規定で中には入れられねぇが、店の中からもってくればいだけだしな。
 ……あん? ああ、それじゃあそいつの事は恋島、お前さんに任せた」
249恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/06/10(火) 22:59:52 0
>>248の続きです】
俺は無言で頷いた。下手な事を言って野性的イケメンと不思議少女に何か突っ込まれちゃ溜まらん
すると葦川さんが国崎さんの台詞に呼応するように頷いて
>「……わかったわ。私が取ってきてあげる」
と言って薬局に戻った。数分後、数個の包帯を抱えてシャッターを潜り戻ってきた

>「……はい」
どこかよそよそしい態度で葦川さんが不思議少女に包帯を渡した。そして国崎さんの後ろに下がる
一向に晴れない上に良くならない雰囲気! 俺は青年を持っている肉体的な疲労感より、精神的疲労感の方が増していた
そんな空気を切り裂くように、俺達の目前に救急車が駆けつけた。ありがたい。ホントにありがたい

救急隊員が数人降りてきて、状況説明と病院に運ぶ患者、それと通報者の情報を求めた
俺はすばやく状況説明と、患者(肩に担いだ青年)、そして自分が通報者であり、この青年の友人であると嘘をついた
この混沌とした状況を打開できるなら止むを得ない。というか国崎さんにこれ以上迷惑は掛けたくない

流石にその道のプロであって対応が早い早い。俺が担いだ青年はあっという間に担架に寝かせられて救急車に乗せられた
同伴として救急車に乗る様に捉される。俺はちょっと待ってほしいと言って、国崎さんに駆け寄った
そしてバックから朝書いたメモ帳と1万円が挟まったボールペンを取り出し、メモ帳とボールペンを取り外した

「色々とお世話になりました。ほんの気持ちです。では学生君にも宜しく言っておいて下さい」
そう言いながら国崎さんに1万円を手渡し、急いで救急車に乗り込む
後方のドアが閉められる前に、国崎さんと葦川さんに軽く会釈をした。多分また会えるか分からないからね
そういや梓川君とはもう少し友好関係を築いても良かったな・・・俺と結構馬が合いそうだったし

ドアが完全に閉まり、その場から救急車が出発する。未だに青年は失神したままだ
にしてもまだ数日経ってないのにこれだもんなぁ・・・これからホントにどうなるんだろう
ふつふつと、俺の精神が病んでいきそうだ

【現在地:救急車の中】
【国崎薬局から離脱。病院に向かう】
250天宮香澄 ◆XzQQgkPzlg :2008/06/10(火) 23:17:55 O
>>246
空気が粘着してくるような錯覚を覚えながら、香澄は進む。
まるで沼地に足を踏み入れたかのように、前に進めない。
既に体力が限界に近い。 冷静に考えればこの状況を作り出した異能者と戦うのは意味のないことだ。
電車で異能者の力の及ばない所まで移動して、携帯を充電してから、文月達と連絡を取ればいいだけの話ではないか。
だが彼女にはそれが出来なかった。異能者の力に苦しむ人々を見捨てることなど、彼女は決して出来なかった。
護れなかった妹の最後の笑顔が思い出される。
(あの時の絢音に比べたら……このくらい…屁でもないわ……!)
そう自分を鼓舞する香澄だが、身体の方は限界に近かった。
すでに声すら出せずに地に伏している者も出始めている。放っておけば、衰弱死は確実だ。
香澄自身も相当な疲弊を強いられている。
あの男も状況は似たようなものだろう。いや、車を止めるために、恐らくかなりの無茶をしたはずだ。
突然現れた別の異能者と交戦した可能性もある。 男が自分よりも酷い状態であることは、容易に予想できた。
(ごめんなさい…)
香澄は、心の中で謝罪した。
路肩に突っ込んで止まっている車を見て、安堵の表情を浮かべる香澄。だが次の瞬間、その表情は正反対のものに変わっていた。
あの男が、血だまりの上で倒れていたからだ。
「そん…な」
一瞬目の前が真っ暗になったような気がした。
自分のせいだ。自分が巻き込んでしまったせいでこの男は……。
香澄の中で目の前の男と、かつての文月の姿が重なった。
残る力の全てを振り絞って、香澄は倒れている男へと駆け寄る。
「しっかり!しっかりしてちょうだい!駄目よ…こんなところで死ぬなんて…!」
強く身体を揺すりたくなるが、頭を打っているかもしれない。香澄は男の顔を覗き込みながら、懸命に呼びかけた。


【追いついた香澄。車よりも七重に駆け寄ることを優先する】
251廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/06/10(火) 23:30:04 0
>>242
>「夜にならないと発動出来ないか・・・・・・よし、良いだろう、夜までと言わず夜になったらその能力とやらを見せて貰うぞ?
それと、桐北の名前だけは知っていると言うことは同じ学校に通っているという事かな?
それなら案内して欲しいな
統時は高校生なのだから、登校ついでで良いが」

案内か。まあ、それぐらいならいいが…学校の中には入れないな。
学生の身分である俺は、私服で学校の中に入るわけには行かない。
もし先生方に見つかったら、制服に着替えて来いと帰宅指導を受けてしまう。
そんな面倒くさい事はゴメンだ。

「わかった。ただし、俺も私服だし学校の中には入れないぞ?
 今日は最初から休むつもりだったしな」

そう呟き、俺は立ち上がろうした…その時。

(くっ)

立ちくらみが俺を襲う。倒れるほど強烈なものではないが、やはり辛い。
血を流しすぎたという事か……輸血しなければ、不味いか。
このままではマトモに走る事もできない…歩くだけなら可能だが、これ以上の戦闘は避けたほうがいいな。

>「でもその前に統時の治療が先かな?金はある、病院に行って輸血でもしてから行動しよう
この状態では何かと大変だろう、病院では通り魔にでも襲われたことにすれば何とかなるはずだ
まぁ統時が行かなくても良いというなら強制はしない」

幸いな事に、瑞穂は俺が輸血する事に賛成のようだ。
……しかし、今思ったが瑞穂の格好……目立つな。
このまま人の集まる病院に行って大丈夫だろうか。
俺が輸血を行う前に、適当にその辺で帽子や伊達眼鏡を買い、瑞穂に身につけさせたほうがいいんじゃないだろうか。

「ああ、俺自身も輸血を行いたいが……お前の変装を先に行ったほうがいい。
何しろその風貌だ。この町じゃ目立つだろう?
お前が良ければだが、適当に帽子や伊達眼鏡でも買ったほうがいいと思うんだが。
病院というのは人が集まるからな。その髪は隠したほうがいいと思うぞ。
まあ、適当に帽子や眼鏡を買うだけだからすぐに終わるだろう」

輸血は病院が開いてる限り、いつでも行えるだろう。
しかし、瑞穂の格好は目立つ。存在の大きい機関の事だ。情報網も生半可なものじゃないだろう。
だったら、目立つ故に敵に狙われる可能性がある瑞穂を変装させるほうが先だと判断した。
さて、瑞穂はどっちを優先するかな?

【廻間:輸血より瑞穂の変装を優先。戦闘は出来るだけ避けたい。】
252アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/06/10(火) 23:59:27 0
>>217
私の質問に、ロンバルディーニは一つずつ答えた。

「……質問は一つずつだよ、ハーケン君。
 煌神リンの確保はNo.2が引き継ぐ事となった。我々はお役御免という事だ。
 籐堂院が出てきた以上、一筋縄ではいくまい。
 私はこれからNo.1と会い今後の作戦を聞いてみる」

は、なるほど。私達の失敗は既に報告済みか。そしてお役御免、別の人間が任務に当たる。
上の人間に直接会い、今後の作戦を聞く、か。なるほど、常道だ。

「それと、最後の質問に対してだが……。
 子供の居ない私には、あの年頃の子供は可愛く思えるものだ」

私情で熱くなっていた、ということか。まあ、人間であれば有り得るか。
公私混同は、組織の人間としてどうかと思わなくもないが。

「ともかく、私はこれから自宅に戻り着替えをしたい。
 No.1に会うのはその後だ。流石にこのままでは人として不味い。
 二人はどうする?」

私がどうするか、か。できれば自分の手であの男を打ちのめしてやりたいとは思っている。
しかし、私では勝てない。打ち破る方法についていくらか考えはあるが、それを実行しても勝てるかどうか。

「しばらく様子を見ます。連絡用に新しい携帯でも用立てたいとは思っていますが。
 ―――どうでしょう。そちらでご用意していただけませんかね?
 無理なら、別にいいですが」

最低限、連絡手段は持っていなければならないだろう。
少なくとも携帯電話ぐらいはないとどうにもならない。

「用意してくださるのなら、しばらく彼と行動を共にしたいと思います。
 別れては連絡のしようもないですしね」

ちらり、と上野さんの方を向いて言う。

「ああ、私といるのが嫌なら、そう言ってくだされば結構ですよ?」

【アルト:連絡用の機器が欲しい】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
253桐北 修貴 ◆b1QjyOQzMk :2008/06/11(水) 02:26:21 O
>>187
3分の1の血を無くすと絶命すると聞いたことあるが、今の自分はどの位なのだろうか?

やはり、あの時雷を放つべきではなかったのか
蝙蝠達が一斉に上から襲いかかってきた時に短直に[放電]を放った
数匹は打ち落とせたが多数に簡単に避けられ、現在まで消耗戦を繰り広げ
そして、それに負けそうになっていた

膝が震え 視界も曖昧になってきた
襲う蝙蝠達にも遮二無二に腕を振り回すだけの対応になっており
全身の噛み跡から血が体を染めていた

元より足りなかった体力に加え、決定的な血液不足
いつそこに倒れてもおかしくない、そんな時だった
急に蝙蝠達が吸血をやめ、数匹を残し立ち去ったのだ

>>198
『おいおい…先生の言うことはよく聞くもんだぜぇ…』

蝙蝠を仕掛けた奴のだろうか
その蝙蝠から男の声が聞こえたのだ
聞き覚えがあるような気もしないが、思考がうまく働かない今の有様では何も思いつかなかった

『血液提供に感謝する… クク…
では…生きていたらまた会おう。今度は敵かな? 味方かな?
楽しみにしていてくれたまえ』

こいつは一体何を言ってるのだろうか
提供? また会う? 楽しみ?
よしわかった。また会おう その時はお前を殴る 絶対殴る
想像した相手の人相に一発入れながら、内心ホッとしていた自分がいた
おちょくられたの腹がたつが 命が狙いではなかった


ーー戦いから逃げることができると思うなよーー

が、その心が見透かされたのか 蝙蝠は最後に言葉を残して去っていった

戦いから逃げられる
今やそれが不可能だとは重々理解してるつもりだ
だが、こうも人に指摘されると自分が立たされてる位置がどんなに危険かを実感せずにはいられなかった
254桐北 修貴 ◆b1QjyOQzMk :2008/06/11(水) 02:34:41 O
>>253
蝙蝠襲撃から数十分がたった
体力を回復… は、できなかったが呼吸を整えるくらいはできていた

自分は今 廃校から、山から出てやっと町に降りてきたところだった
人里にたどり着いた安心感からか一気に体の力が抜け 道端に座り込んだ
今までは能内麻薬でなんとか体を騙していたが 一度座り込むともう指一本動かせなかった

額を伝い血が一滴零れ落ちた
それで未だに傷が塞がってないことに気づいた
今までの驚異的な回復力が無くなっており ボロ布の服にどす黒いシミがどんどん広がっていた

ヒッ! という短い悲鳴が聞こえた
重い頭を持ち上げ振り向くと、軽く化粧をしたおばあさんが自分を怯えていた
みるみるうちに体が震え、元来た道を急いで逃げ出した

当たり前か
ボロボロ血だらけ 恐らく顔の表情も凄惨なものだろう

もういい

つかれた

すこしやすむ

おばあさん

こわがらせて

ごめんなさい

255桐北 修貴 ◆b1QjyOQzMk :2008/06/11(水) 02:35:26 O
>>254
>>249

『……い。 …さんからの連絡で…
場所は貳名市…』
『…い、おい君! 私の声聞こえるか!?』

体が揺さぶられる感覚で、未だ重いと感じる瞼を開けた

うるさいサイレン 白い車 強ばった表情の人達

あぁ…、そうか これは救急車だ
助かった…のかな?
病院行けば治療もしてもらえるし、何より服が貰えるはず

「一体どうなったらこんな状態に…」
「知りませんよ。私が来たらこの子が倒れてて…」

横を見るとさっきのおばあさんが救急車の人と何か話していた どうやらこの人が病院に連絡してくれたようだ

「起きたか!? よかった… 歩けるかい?」
「あ、はい… なんとか…」

職員さんの肩を借り その場を立ち上がった
おばあさんは自分を奇異の、そして心配そうな目で見ていた
今できる全力の笑顔を作り「ありがとうございました」と言い残し自分は救急車に乗り込んだ


車内は予想以上に狭かった。
子供の頃、ここに乗ることを密かに憧れてた事を思い出した
感動などを感じる余裕などもちろんなかった

驚いたことに中には先客がいた
ベッドに一人 付添いが一人
となると、自分の為に寄り道をしたというのか?

「迷惑をかけます…」
少なくとも付添いさんには聞こえる声で呟きぶっ倒れた




【桐北修貴:蝙蝠の主が神重とは気付かず恋島の乗ってる救急車に同伴
見た目はボロボロで顔色最悪 まだ一応起きてる】
256戦場ヶ原 天 ◆u5ul7E0APg :2008/06/11(水) 16:49:53 O
>>210
少女は掌を返したように豹変し、戦場ヶ原に下劣な言葉を浴びせ始めた。
その少女の口ぶりからは、リンはすでに拉致され、他の異能者がリンに成り代わっていることが解る。
しかし、その正体が見破られたからといってわざわざその概要を事細かに説明し、そのうえ挑発をしかける必要などない。
おそらくこの少女が言うことはただの狂言で、リン自身が何者かに取り憑かれた、もしくは操られているという推測を立てることができる。
その事実に気付かない戦場ヶ原ではなかったが、彼の場合、先に動いたのは頭ではなく体だった。

「貴様ァ……ッ!!」

乱暴に少女の胸倉を掴み上げ、至近距離から殺気の溢れる眼差しで鋭く睨み付ける。
にわかに騒ぎ立つロビー内。
それもそうだろう。見るからに危ない青年が女子高生ほどの少女につかみ掛かっているのだ。

「貴様は誰だ…!リンをどこへやったァ!?。返答次第では……ここで押し潰してやるぞ。」

能力が封じられていることなどこの際どうでもよかった。
『護る』―――そう決めたからには、リンの存在はもはや戦場ヶ原の中でとてつもなく大きな存在になっていたのだ。
257猿飛栄吉 ◆u5ul7E0APg :2008/06/11(水) 17:39:08 O
「ほう、博士の孫娘が動き出したか。」
「はっ」

午前8時、街が動き出すこの時間にはすでに、城栄金剛は本社ビルの廊下を忙しく歩いていた。
1時間に一度の定時報告で、この街の全ての情報を更新する。

「加えてファーストナンバー幹部、レオーネ・ロンバルディーニより、一度会って話がしたいと連絡を承っております。」
「いいだろう。朝飯がてら会うとしよう。レオーネには8:45に本社前に来るように伝えろ。ソバでも食いたいねェ。」

上機嫌に喋りながらもその足は止まることはなく目的地へと歩みを進め続けている。
その間も側近構成員の報告は止まらない。
それを黙って聞いている金剛が側近に話しかけたのは、エレベーターから降りて4つめの角をまがったところだった。

「ところで一つ聞きたいんだが…」
「ハッ、なんなりと。」

次の瞬間には、金剛の眼は獲物を見据える獅子のそれへと代わっていた。

「…テメェは誰だ?」

突然の質問に側近は身を強張らせた。
「は……?誰…とは?」
「質問してるんだよ。テメェの所属と名前とIDを言ってみろ。」
「は、は…、総務部総帥補佐代理、川田昌和。IDは3652874258ですが…。」
「先月飲みに行ったよなァ。その店の名前は?」
「『ごっつべっぴん』でした。」
「そこのママの名前は?」
「時任さゆり。」
執拗に浴びせられる質問に、川田と名乗る側近はすらすらと答えて行く。
なぜ突然自分を疑いに…?そんな思いが、今の彼にはあっただろう。
だが金剛は変わらず疑念の眼差しで彼を見据え続けていた。

「俺ァ神経質でねェ…。部下の顔と名前は一人一人完璧に把握してないと気がすまねぇのさ。」
「は、はぁ…。」
「よく似せたもんだな。及第点をやるよ。……贋物野郎。」
「!!!」

金剛が川田に向かって手を向けると、川田は反射的に後ろへ飛びすさった。

「…瞬きが0.8秒遅い上に、肩の角度が5度高かった。バレバレなんだよ最初っから。」

「やれやれ…こいつはとんでもない化け物にケンカ売っちまったかな…」

突然川田の口調が軽いものへと変わったかと思えば、彼の顔はたちまち歪んで変化し、別人のそれになった。

「諜報部隊所属、猿飛栄吉……。テメェに俺の身辺調査を頼んだ覚えはねェんだが?」

「ごもっとも。この仕事はボランティアみたいなもんさ。親分さん。」

へらへらと軽口を叩くが、猿飛の額にはみるみる脂汗がたぎってゆく。
そんな猿飛を見据える金剛の顔は、まさにこれから狩りを愉しもうとする肉食獣そのものだった。

【猿飛栄吉:金剛と接触】
258恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/06/11(水) 19:38:08 0
>>255
救急車の中で寝ている青年の顔を眺めながら、今後の方針についてぼんやりと考える
取りあえず危険な事は駄目だ。○○に潜入だとか、近所の妙な人物を追跡だとか
不幸中の幸い、今回は九鬼からただ単に取材に行けといわれているだけで、俺の行動は九鬼に縛られる事は無い

そうなると自然にやる事は限られてくる。危険な行為も(ぶっちゃけ殆ど九鬼の命令)出来ない
新幹線と電車経由でこの町に来た為、自由に動ける移動手段も無い。自転車でも拾うか
レンタカーを借りてもいいが、数日、いや、数週間は野宿になるだろう。となると・・・

カバンからメモ帳を取り出しパラパラとめくる。実は一度取り掛かって以来、止まっている仕事がある
それは従来の都市伝説を凌駕する、新しい都市伝説を探し出すといったものだ
話に凄いインパクトがあり、年代問わず広く浸透性、そして何より何十年も語り継がれるような(口裂き女やベットの下みたいな)都市伝説
・・・ある訳ねえだろ。俺は九鬼から言われてメモに書いた、その探し出す都市伝説の条件をみて頭を抱える

一度自分で考えた都市伝説を九鬼に提出してみたが、一瞬で撥ねられた上、罰として無茶苦茶な取材に行かされた
二度とあの恐怖は思い出したくは無い。なんだよ、ホモばっかの…ぶわっと鳥肌が立ち、俺はその記憶に厳重に蓋をした
やっぱ梓川君と仲良くなってれば良かった…ホントに
そうすりゃ梓川君の伝で学生達と知りあい、彼彼女らから新しいタイプの都市伝説が聞けたかもしれない

地道に取材と行きますか・・・足を使ってな
しかし今日は何か動きたくない。早くザ・近未来に泊まって爆眠したい
精神的にも肉体的にもちょいガタが来てる。自業自得とは・・・っと、救急隊員の一人が助手席に座ってる救急隊員と何か話している

そして申し訳無さそうに俺のほうを向くと、青年を起こさない様に小さい声で
「すみません、緊急連絡が入ってしまいまして・・・
 ルートを変更する為、病院に向かうのが少し遅れますが・・・他の車に手配させますか?」
「いえ、大丈夫です」
俺は笑顔で救急隊員にそう返した。にしても・・・二人分入るスペースがあるのかな。結構ぎゅうぎゅうだが

そう考えていると、救急隊員が俺が座っている方の反対側に回りこんで、しゃがんだ
何をするのかなと思うと、立て掛けられている巨大な板を緩やかに倒した。・・・あぁ、簡易ベットを作っているのか
流石に青年が寝ている救急用の担架よりかは質素だが。俺は救急車の意外な構造に感心した

ほどなく救急車がその緊急連絡とやらが入った場所に停車した。救急車を降りる訳にはいかないので、どんな場所かは分からない
後方のドアが開けられ・・・俺はそのドアから入ってきた人を見て思わずメモ帳を落とす
全身に生々しい傷跡を作った、なおかつ顔色が悪い図体の大きい・・・青年?が乗り込んできたのだ

だが図体は大きいが、薬局で出会ったガタイのいい男ほど、体は出来上がっていないようだ
また、顔には若干幼さが残ってる。しかし失礼だがギョッとした。ホントに
っと、そのケガをした青年が俺にか救急隊員に言ったのか分からないが、か細い声で

>「迷惑をかけます…」
と言ってその場にぶっ倒れてしまった。おいおいおい、重態じゃねーかよ!
よっぽど酷い喧嘩に巻き込まれたのか、それともドーベルマンとでもじゃれあったか? どうしても邪知が止まらない
そんな俺の妄想をよそに、救急隊員は青年を担いで簡易ベットに乗せた

後方のドアが閉まり、落ちているメモ帳を拾う。再び救急車は病院を目指す
・・・頼む、このまま病院に無事に着いてくれよ。目の前の二人のためにも

【現在地:救急車の中】
【桐北に若干驚く。今後の方針は取材に決定】
259七重 凌司 ◆Wg8HeG5HhI :2008/06/11(水) 20:46:17 0
>250
「車は、止めた」

女性の呼びかけに応えた七重の声は、湿っぽいノイズが混じり、
間もなく空気に溶けてしまいそうな程にか細い
しかし、たったこれだけの言葉の中に、彼の意識の全てが凝縮されていた
車が停止したから、何がどうしたと言うわけではない
自分が出来得る限りを尽くしたという、純粋な訴えであった
そして七重は、吐息を漏らしたぎり、動かなくなる

駅内や、その付近の人々も、もはや生きることを放棄したか、
もがくことをやめて、静かに目を閉ざした
車の突貫に巻き込まれた異能者の青年もまた、
先の無くなった手首から血を流す他、何らの動きを見せなかった
街路樹を始めとした植物すら、周囲の死の雰囲気に謗られてか、
どことなく活気を失っているようであった

打つ手無し。何もかも、絶望にひしがれるのみなのか
否。諦観にはまだ早い、蘇生の可能性は残されている
たった一つ、この生命を蝕む能力を司る異能者をくじくことで、
もしかすれば誰もが救われ得るであろう
そして、それを果たすことができる存在も、たった一人に残された
260籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/06/11(水) 21:37:05 0
>>251
「ああ、俺自身も輸血を行いたいが……お前の変装を先に行ったほうがいい。
何しろその風貌だ。この町じゃ目立つだろう?
お前が良ければだが、適当に帽子や伊達眼鏡でも買ったほうがいいと思うんだが。
病院というのは人が集まるからな。その髪は隠したほうがいいと思うぞ。
まあ、適当に帽子や眼鏡を買うだけだからすぐに終わるだろう」

私もそう考えていた所だ、確かに輸血は大事だが私のせいで『機関』の人間に襲われて傷が悪化したら意味がない。
眼の色に関してはなんとか隠せそうだ、わざわざ隠さなくても良いだろう。
しかも、カラーコンタクトが売ってそうな薬局もこんな早い時間では開店していないだろうからな。
帽子だけでもコンビニで買って何とかしよう。

「そうだな、この状態で外を出歩くのは色々と問題がある、そこのコンビニで帽子だけでも買おう」
「少し話すのが遅れたが、俺達は『機関』に追われている身だ
過去に『機関』に対して妨害工作を何度もしていたからな、多分見つかったら真っ先に狙われるだろう
『機関』にはそれこそ恐ろしいくらい強い異能力者がごろごろ居るんだ、戦ってただですむとは思うなよ?
・・・・・・・・・まぁそんくらい覚悟しといてくれ」

いきなり師匠が真面目な声で統時に言う。
この事は出来れば伏せておきたかった、統時がこの事を聞いて私との協力を断る可能性があったからだ、

「ではさっそくコンビニに行こうか、統時の輸血も早めにした方が良さそうだし急ごう」

少し統時の顔が険しくなり何か言おうとしている気がしたが、統時が喋り出す前にそう言い私はコンビニに行く事を促す。
そして返事を待たずに先に歩き出す。
私もすこし焦っているのかもしれない、レオーネには師匠が居なかったら勝てなかった。
その事実が私に危機感を持たせ、何も知らない人を『機関』との戦いに巻き込もうとしているのだ。
そうして私達は終始黙ったまま銀行によってお金をおろしてからコンビニに行き、少し大きめの帽子と髪留め用のゴムを買った。
統時は師匠から言われた事についてなのかは分からないが深刻そうな顔で考え込んでいる。
私は長い髪をゴムで束ねてから少し大きめの帽子をかぶり、髪を帽子の中に入れ、統時に問いかける。
やはり、異能力者とはいえ一般人を巻き込むのだから、覚悟を決めて貰おう。
人を騙して協力させるなど私らしくもない。

「統時、さっき師匠・・・・・・というか私の刀が言ったと思うが、これから私達は『機関』と戦う事になる
『機関』との戦うのなら、死ぬ可能性だって大いにある
それでも、君は戦うか?
今ならまだ引き返せる、覚悟がないならこの町から出た方が良い
さもないと、いずれ『機関』との戦いに巻き込まれるだろう」

【籐堂院瑞穂:廻間統時に戦う覚悟があるか問いかける 廃工場→街中】
261廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/06/11(水) 23:29:52 0
>>231
>「そうだな、この状態で外を出歩くのは色々と問題がある、そこのコンビニで帽子だけでも買おう」
 「少し話すのが遅れたが、俺達は『機関』に追われている身だ
 過去に『機関』に対して妨害工作を何度もしていたからな、多分見つかったら真っ先に狙われるだろう
 『機関』にはそれこそ恐ろしいくらい強い異能力者がごろごろ居るんだ、戦ってただですむとは思うなよ?
 ・・・・・・・・・まぁそんくらい覚悟しといてくれ」

「俺自身が傷つくのは大した問題じゃない。身の回りの人間が傷つくのが怖いんだ。
 ……今の俺は……誰も居ないさ。父母は死に、アニキは行方不明だからな。
 だから、俺も戦う。それが、俺の存在意義な気がするからな」

そうだ、家族はいないんだ。誰も巻き込む心配はない。
唯一生きてるアニキは、どこにいるか分からない。
どうこの戦いに巻き込めというんだ?

>「統時、さっき師匠・・・・・・というか私の刀が言ったと思うが、これから私達は『機関』と戦う事になる
『機関』との戦うのなら、死ぬ可能性だって大いにある
それでも、君は戦うか?
今ならまだ引き返せる、覚悟がないならこの町から出た方が良い
さもないと、いずれ『機関』との戦いに巻き込まれるだろう」

死ぬ……俺が、死ぬか。死んだところで、悲しむ人間はいるのか……?
桜辺りが悲しみそうだが、新しい恋を見つけるだろう。
保護対象とは言え、アイツと俺は違う。恋人になんてなれやしない。
……俺は何故桜の事を考えている?一晩行動を共にしただけじゃないか。
何か、最近自分がおかしくなってきているような気がする。漆黒の心を発動しすぎたのか?
まぁ、いいか。とにかく、瑞穂の問いに答えなければ。

「覚悟か。そんな物、機関と関わっているときから出来ている。
 機関らしき男の腕を切り落とした時からな。なあに、大丈夫だ。特に白兵戦は自信があるんだ」
 真田暁彦……俺の師匠の名にかけて」

真田暁彦。50台と今だ現役であるにもかかわらず、剣の道を極めたといわれる武人。
俺はそんな師匠の下で学び、育ってきた。
師匠にはまだまだ遠く、とても及ばないがそれでも剣術には自信がある。
真田流の名に懸けて、負けはしない。

【廻間:覚悟はあると返答。瑞穂の後をついていく】
>>252
朝日が昇り始めたとは言え、未だに肌寒い。
パンパンに腫上がった右腕を擦りながら小村たちの返答を待つ。
……そういえば、小村が包帯を持っているかも知れないと言っていたな、ハーケンが。
しかし、あくまでも応急処置だ。一度病院へ行くべきであろう。

>「しばらく様子を見ます。連絡用に新しい携帯でも用立てたいとは思っていますが。
> ―――どうでしょう。そちらでご用意していただけませんかね?
> 無理なら、別にいいですが」

先に口を開いたのは、ハーケンの方だった。
連絡手段が欲しい―――。彼女の言うことは最もだ。
連携を取るつもりであれば、連絡手段は必要不可欠であり、私としても反対する余地は無い。

「そうだな……、解った。携帯電話くらい何とでもなる」

私の機連送は因果地平の彼方に消え去った。
新しい機連送を作るついでだ、ハーケンには機連送でも渡してやろうか。

「ハーケン君の意向は把握した。残るは"上野君"だけだ。
 君がもし車で着たのであれば、自宅まで乗せて欲しいのだが……」

【レオーネ:現在地 アルトのテント前】
263天宮香澄 ◆XzQQgkPzlg :2008/06/12(木) 14:51:28 O
>>259


その場にいた誰もが、生きることを放棄したかのように、もがくことさえせず地に伏していた。
「…見ず知らずの私の為にここまで協力してくれてありがとう。アナタの怪我は後で治せる人を連れてくるから安心してちょうだい……」
動かなくなった男の腕を握り締めながら呟く香澄。
死の雰囲気が支配する中で香澄はゆっくりと立ち上がり、路肩に突っ込んでいる軽自動車を見据えた。
今はその車体に赤黒い液体を張り付かせているが、元は真っ白な軽自動車。一見すると地味そのものな車に、どんな人間が乗っているのか気になったが、それを確認する余裕はない。
(さぁ!追い詰めたわよ!出て来なさいッ!)
香澄は車の中へと念話を飛ばした。
もちろん、本当に出て来るとは思っていない。
そもそも、敵が念話に応じてくれるとも思えない。
しかし、香澄は言わずにはいられなかった。
一言言ってやらねば気が済まない。
そんな極めて単純な理由で、香澄は車の中にいる人間に念話を飛ばしたのだった。

【香澄、車内の善養寺に向かって念話を飛ばす】
264小村禅夜 ◆3LPMHhiq9U :2008/06/12(木) 22:37:46 0
>>214>>262>>252
自分の問いにはアルトがこう答えた

「結果は失敗ですよ、上野さん。……あ、これが貴方の分のラーメンです。具は豪華ですよ?」

誰が標的だったかは知らないがあのレオーネが失敗するとはよほどの相t・・・
ホントに具は豪華だな、崩せば具でラーメンが見えなくなるのではじゃないかこれは

「失敗の原因はですね―――どうも、厄介な相手が出てきましてね。
 籐堂院神―――とある反機関組織の創始者にして、籐堂院瑞穂の父親。
 機関の人間ならば、ご存知ですよね。年齢から考えても、知っているはずですし。
 ―――あの外道、生きてやがった」

アルトが言葉を続ける
小村はそれを聞きながら割り箸でラーメンを食べ始めた
・・・なかなかうまいな、麺の茹で具合も最高だ
熟練の技だ・・・・・・って、おっと
ラーメンに感動しすぎて話を聞き逃すところだった
アルトの情報は籐堂院が出現したこと
これは先程の盗聴で知っているが一応驚いたフリをしとかなければ・・

「な・・・・籐堂院が・・・・それは本当ですか?
 となると、これは相当まずい状況ですね」

すこしわざとらしかったか・・・まあ、いい
にしてもアルトのあの物言い・・・・怪しい
まず詳しすぎる 籐堂院は誰もが知る人物だがそれはあくまで機関内だけのこと
一般人のアルトがここまでの情報を知っている
そして最後の【生きてやがった】
これは籐堂院の死の場面まで知っている・・・いや下手したら昨夜以前に
直接あっている可能性もある
だとしたらとんでもない人物を私はこちら側に引っ張り込んでしまったかもしれない
ラーメンをすすりながら小村は思考を巡らせる

その間にアルトとレオーネが昨日のことで話し合っていた
会話からするに標的は煌神 リンで捕獲の後任にはNo.2のツバサ・・・
ってリンとはあのリンのことか!?・・・ゴフッ!ゴフッ!
小村は驚き、むせたようだった 今日で二回目だ
・・・ふー・・・少女となるとおそらく昨日戦ったあのリンで間違いないだろう
でもあのリンが、機関が狙っている煌神 リンとは・・・でも彼女はもっと年上だった気もするが・・・
しかもそのリンにレオーネが執着とは・・・
本人は子供だからと言っているが本当は違うであろう
265 ◆7Q1qJNYWx. :2008/06/12(木) 22:37:56 0
>>249
>「……ハァ。ったく、いい年した大人が異能者とか機関とか、ここは中学生の巣窟か。
 無理を通したいなら誠意をみせやがれ、糞ガキ」

これには苦笑だった。
どうやらシラをきるつもりらしい、まぁいいか別にシラを切るなら切るで包帯を売ってもらえるだろう。

次に男は新たに出てきた男にかを向けると倒れている男のことをお願いしたようだ。


>「けどまあ、治療が必要な人間がいるなら包帯くらいは売ってやるさ。
 営業規定で中には入れられねぇが、店の中からもってくればいだけだしな。
……あん? ああ、それじゃあそいつの事は恋島、お前さんに任せた」
まぁいいかどうせ最初っからちょっかいをかけるに留めるつもりだったし。

>「……わかったわ。私が取ってきてあげる」
女が入っていき数分後、女が出てきて空雲に包帯を渡す。

しばらく沈黙が続く。
沈黙を破るように救急車が入ってきた。
倒れていた男が担ぎこまれ、恋島と呼ばれた男が一緒に入る。

これを機に俺も退散させてもらうとしよう。
空雲がお礼を行っている間に車に行く。
「空雲、早く来い」
空雲を手招きをし車に乗り込む。
空雲は乗り込むとすぐに車を動かす。

「ご主人様、このまま家に帰ります?」
「いや、リンの気配が近くにあるちょっと攫っていくぞ」
自分の事ながらちょっとと言うのは少しなめすぎのようだが。
「わかりました、ではそのように…」
そのあと俺が道を指示しリンの気配に着いた。
途中迷ってしまったせいで少し時間が取られたがまぁ大丈夫だろう。

【国崎薬局から退散、リンを攫いに行く。】
266小村禅夜 ◆3LPMHhiq9U :2008/06/12(木) 22:38:26 0
小村が考え事をしていると話がこっちに振られてきた
少し考えすぎてたようだ

「ハーケン君の意向は把握した。残るは"上野君"だけだ。
 君がもし車で着たのであれば、自宅まで乗せて欲しいのだが……」

・・・・上野の偽名は一応伝えておいたからレオーネもそれで呼びかけてきた
さて、ラーメンも食べ終わったことだ、そろそろ次のことを考えるか
小村は器を調理台の上に置き、ハンカチで口の周りを軽く拭く

「アルトさん、ラーメンおいしかったですよ。また食べたいものです。
 で、レオーネさんを自宅まで送る、これはそうですね・・・・
 まあ、いいでしょう。今急務もないことですし。・・・じゃあ車をこっちに持ってきますね」

そういい、車の置いてある方に歩き出す
小村の車は機関の使っている軍用車を基にしているので収納スペースがあり
アルトのテントも入るだろう まあ彼女はこのままここを拠点にするかもしれないが・・・

【レオーネの提案に賛成】
【車の方向に歩き出す】
【車まで十メートルぐらい】
267小村禅夜 ◆3LPMHhiq9U :2008/06/12(木) 22:39:12 0
>>266>>264の続きです(念の為に
268煌神 リン ◆7Q1qJNYWx. :2008/06/12(木) 22:40:18 0
>>256
戦場ヶ原がつかみかかってくる
ここは概ね予想道理だ。
「いいのか?こんなところで戦うと一般人に迷惑がかかるぞ?」
そう言って戦場ヶ原の手を払う。

「もうちょっと冷静になれ、お前は能力が使えないのだろう?」
そう半笑いで囁く。

この体もリンの体、一応能力封印の影響を受けるようだ。
見たところ戦場ヶ原は攻撃的もともとの体的にこちらが勝てる確立が少ないか。
言葉で受け流しつつリンが起きるのを待ってリンに変わるか。

「クスクス、何処にいる…か、さぁ何処だろう普通教えるわけないだろ」

とりあえずリンに戻ってからどうするかだな。
急激に戻っても演技だと思われるかもしれない。

【思考中】
269桐北 修貴 ◆b1QjyOQzMk :2008/06/13(金) 00:28:08 O
>>258
少々サイレンがうるさいが車が道を走る一定の振動に、以外とリラックスしてる自分がいた

先程までは ずっと意識朦朧で息も絶え絶えだったが
中で受けてる点滴のおかげか(流石に輸血用血液はないらしい)大分楽になり、あの異常な眠気も無くなっていた
が、体のだるさや痛みは依然残ったままなので今日一日は病院のお世話になるかもしれないのは覚悟はしておいた

思えば、機関やら異能者やら… ゲームでもそうそうない世界に自分は巻き込まれ、そして今まで体を酷使してきた
ならばこの病院送りも、束の間の休息と割り切れば存外悪い気はしなかった

思考に余裕と落ち着きを取り戻すと、次第に世間的で、しかし現実的な問題を抱えてることに行き当たった

医療費についてである

何度も言うが現在の所持金なんて駄菓子屋で自分の好きな『黒雷チョコ』を買ったら終わり程度なのだ
家に行けば保険証や通帳はあるにはあるが痛い出費には変わりない
(財布無くしたのが痛いよなぁ…
普段から財布に多めに入れとく癖改めとこ…)

ここで唸ってても仕方ないと諦め、改めて周りを見ると隣の付添いさんと目があった
ベッドで寝てる人はここからだとよく見えないが付添いさんは首をちょっと動かせばすぐ見える位置だった
見た目は…、綺麗とは言えないが今は人の事を言えない……、どころかこっちが圧倒的に酷いので言うつもりもない

彼はメモに何か書いたり持ってるカメラをいじくったりしながらも、自分が気になるのかチラチラとこちらを見ていた。 しかし声をかけることはなかった。

それを見て車に乗ってからずっと沈黙で空気が重いことに気づき(変に軽くても変だが)
こういう空気は大の苦手なので、ものは試しと自分から話しかけてみた 喋るくらいなら問題はない、…と思いたい

「あ〜… その、 聞かないんですか? 何も」
付添いさんは驚いた顔をしてこちらを見た
起きてることに対してか、自身に話しかけられたことに対してか
考えれば彼が驚く理由は多々思い当たるのでそれには無視してまた話しかけた
後はこの人が昨夜の池上さんみたいな反応をしないことを祈るだけである

「アハハ…、自分も進んで話したいって訳じゃないですけど、この身なりですし… 気にならないのかなぁ、と思いまして」

…ついでに前言撤回、喋ると喉痛い


【桐北修貴:少し体力回復 恋島に話しかける】
270池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/06/13(金) 00:45:20 0
「ここか……」

リストに記されていた住所。その中の一つの場所に俺は辿り着いていた。
目の前には高層ビルが聳え立ち、
玄関前には「貳名製薬」と彫られた大理石が置かれている。
貳名製薬といえば、近年業績を急激に伸ばしているメーカーの一つとして知られている。
しかしその一方で、色々と黒い噂の絶えない会社としても注目を浴びつつある。
特に近隣住民には、実験の為に試作段階の薬を人間に投与しているとか、
ビル内の研究室から異形の生物が出てきたのを社員が目撃したとか、
そのような噂が広まっている。
当初、俺はただの噂話として気にも留めていなかったが、
この会社が『機関』に関わりがあるとすれば、あながち"噂"ではないのかもしれない。

ビルを前にして立ち尽くす俺の後ろを、サイレンを鳴らした救急車が通り過ぎていく。
……そういえば、気のせいか今日は街中でサイレンの音を良く聞く気がする。
しかしその原因に、異能者同士の戦闘があるのなら合点がいく。
であれば、大方戦闘の余波に巻き込まれた人間が至る所で出ているということだろう。

今の俺はほとんど異能力が使えない。
一歩間違えれば俺も救急車で搬送される人間の内の一人になっていただろう。
しかし、相手が『機関』である以上、俺に安全な場所など何処にもない。
かといって、今の状態でこちらから攻めにかかれば自ら危険を増やすだけだ。
故に異能力が戻るまでは……殴り込みは控えて置いてやるつもりだ。

俺はビルに背を向け、近場の駅へと向けて歩き出した。
別にその駅に何か思うところがあったのではない。
強いて言えば、単に時間を潰す為であっただろう。

「駅前の喫茶店にでも行くか……」

【池上 燐介:七重らが闘っていることなど露知らず、駅前へと向かう】
271恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/06/13(金) 01:02:07 0
>>269
>>269
今後の方針が決まった所で別に考える事も無くなった
そういや眠気が結構ひどいんだよな・・・俺にしては珍しく体力を使いまくったからな
病院に着いたらすぐホテルに行こう。けど駅方面だから結構遠いのがキツイ

なかなか足腰に疲れが溜まってるせいで動く気力が半場摺りきれてる
まぁ一回ベットにぶっ倒れて熟睡すりゃ体力は戻る。だから救急車よ、急いでくれ
この二人が病院に着けば俺の役目は一段落つくのだから。難しい事は休んでから考えれば良い

けど周りが見えないのがホント嫌だなぁ・・・どこら辺を走ってるかを知るだけでも心配は収まるのだが
・・・ってこの町に来て数日も経ってないのに何言ってんだ俺。あー疲れだ、疲れが溜まってやがる
ここはアレだな、目を瞑って迷走すると共に体力を温存しておこう。そう思って目を瞑ろうとした矢先

>「あ〜… その、 聞かないんですか? 何も」
うおっ!途中から乗ってきた生傷青年が顔だけを俺に向けて話しかけてきた
安静にしてた方がいいって・・・喋る事も結構体力を使うんだぜ

だが俺の心配をよそに青年は
>「アハハ…、自分も進んで話したいって訳じゃないですけど、この身なりですし… 気にならないのかなぁ、と思いまして」
と続けた。・・・大した体力だね、君
でも止めときな。傷ってのは何てことない動作でも広がっちまうもんだ。特に治療を受けてないときはね
……ここは青年の体を気遣い、あえて俺は冷たく返答した

「病院に着くまで静かにしておきなよ。安静にしてないと・・・傷、広がるよ?」
うわーひでぇ俺。青年自体は結構友好的に話しかけてきたのに
だが許せ、青年。これも君の為だ。と自分をごまかして、俺は軽く目を閉じた

うつらうつらしてると、救急隊員に肩を揺らされて起こされた
どうやら無事に病院に着いたらしい。救急隊員が早急に担架に乗せられた青年を運ぶ
作業の邪魔になりそうなので急いで救急車から降りた。後に簡易ベットに乗せられた青年も運ばれるだろう

救急車を降りて病院に入ると、どうも辛気臭い匂いがして参る
俺が子供の頃からこの匂いが嫌いだ。色々とイメージが喚起されるから
ぶらぶらと廊下を歩いていると、血圧測定器があった。さっそくやってみる

・・・やばい、かなりの低血圧だ。まぁ眠いしな、なんか
後であの二人の様子でも覗いてみるか・・・ふと足腰にグンっと疲れが乗っかる
俺はフラフラと待合室に向かい、多人数が座れる横に広く長いソファーに腰を落とした

はぁ〜・・・凄い落ち着く。思えば薬局でもけっこう緊張してたし
心から落ち着くってのは今この瞬間が初めてかもしれない。朝方だからか余り人がいないのを見計らい、背を伸ばす
目をこするがまたも眠気が襲ってきた。早くホテルに行きたいが駅方面だからな・・・
足が動くのを拒否ってるみたいだし、少しばかりここで足休めさせてもらおう

バックから文庫本の罪と罰を取り出しパラパラと捲る。何百回も読んだからもうボロボロだ
・・・けれどその分、色々と苦労だの生々しい物が詰まってるから愛着沸いてるんだよな
だが目がぼやけて字が読めない。どうも眠気が・・・って薬局で散々寝ただろ、俺
けれど両手に力が入らない。俺は文庫本をバックにしまい、体力温存の為に仮眠を取る事にした

何だか病院内が妙にざわついている。かなり騒がしい
看護士さんたちの会話は聞き取れないが、駅がヤバイだとかそういった感じの会話がぼんやりと聞き取れる
やっぱ動かない方が良いな・・・ベターな選択肢だ。俺

にしても結構ソファーって心地が良いのな。背もたれが良い具合に硬い
ちょっと待て・・・このまま熟睡しちま・・・う
はい、負け

【現在地:病院】
【病院のソファーで仮眠】
272恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/06/13(金) 01:03:18 0
【レスを二回打ち間違えましたorzごめんなさい】
273五徳 静慎 ◆YUm3AOdOaA :2008/06/13(金) 01:19:49 0
>>271
 どうやら病院についていたようだ。
消毒用アルコールの匂いの中、目を覚ます。

 「輸血は済んだから、おそらく半日も寝ていれば平気かと。」

 医者がそんなことを言っている
 「そうか、輸血が済んだか。」
 窓を開け、外を眺める。
駅のほうから生気を感じない。
むしろ死臭さえもわだかまって居る。
 「運命どうりか… さて、如何した物か。」

 医者の制止を無視して、散策を始める。
運命を視る能力を全開にして。
 「運命が集結しつつあるな… 此処でこうしていれば能力者は向こうから遣って来るか。」

【五徳:能力を全開状態におよそ4分消費 のこり25分 病院で能力者を待つ選択】
274神重智&敬 ◆6eLTPQTFGA :2008/06/13(金) 17:08:22 0
>>247
「ああ、このまま薬局に行こう。アポイントメントを取ってからだがな」
確かにかなりの数の道具を頼むのだ。いきなり行っては厄介だろう。
それにこの時間に薬局がやっているのかは少し不安ではあるが…

「それと、その服はあんたにやる。サイズが大きくて持て余していたんだ」
なかなかいい服だと思う。それをアッサリとくれるとは余程もてあましていたのだろう。
「ちなみに…その服は昔の色恋沙汰関係でも死んだ相棒の遺品でもない、
ネットで買ったんだが届いたらサイズが合わなかっただけだ、
全くこれだからネット通販は信用できん…お、繋がった」
電話が薬局に繋がったのだろう。宗方が注文と…忠告を入れてる間に…

(恐らく、宗方の言うことは嘘だろう)
と智が言う。敬はすっかり信じ込んでいたので
(おいおい、じゃあ何か、死んだ相棒の遺品をきせられてるってことか?)
(そこまでではないだろうが…思い出したくない品物なのだろう
 だがこれ以上は聞く必要もない。向こうから話してきたときに聞けばいい)
宗方は神重を見てニヤリと笑う。
「さあ、そろそろ行こうか?お二方」

「ああ、行こうか」
そういって宗方の事務所を出る。出るときに気が付いたがどうやら扉は宗方が作り出した幻影らしい。
器用なことをするものだ。いや、俺と変わらないか。

事務所を出てしばらく歩く…早朝ということもあってか、人はそこまで多くは無い
これが昼間になれば人で賑わうのだろう…。

救急車の音が聞こえる――恐らく異能者との戦いで傷ついた一般人か、またはそれ自身というわけだ
「朝からご苦労なことだな」
と敬は言うがその救急車を呼ばせたのは他でもない敬だということを本人は気づいていない。
その音を聞きながら歩いているとやがて国崎薬局という看板が見えた。

「ところで宗方…」
少し聞きたかったことを聞いてみる
「この時間帯に薬局は開いているのか?」

【神重:宗方と行動 国崎薬局手前まで到着】
275籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/06/13(金) 21:14:23 0
>>261
「覚悟か。そんな物、機関と関わっているときから出来ている。
 機関らしき男の腕を切り落とした時からな。なあに、大丈夫だ。特に白兵戦は自信があるんだ
 真田暁彦……俺の師匠の名にかけて」
「そうか、覚悟があるのなら私は何も言わない
改めてよろしく頼むぞ、統時」
「この年の餓鬼は死にたくないとか言うべきなのにねぇ
お前の親の顔が見てみたいぜ、どんな育て方したんだか」

貴方がそれを言うか、と思ったが私はそのために拾われたようなものだから良いとしよう。
改めて挨拶した後、私は統時と握手をする。

「最後に一つだけ言っておくが、共闘する時は互いのことは気にかけないようにしよう
どちらかが死ぬ、又は深傷を負ったときいちいち動揺しているとどちらも死ぬことになる」

確かに二人で戦えば純粋な戦力は上がり、戦闘が楽になる。
しかし、互いが意識し合えばするほど、互い同士が弱点になりうる可能性がある。
それでもメリットの方が全然大きいが、私は私のせいで誰かを死なせたくはないからこそのルールだ。

「では帽子も買ったことだ、こんな所で話していないで早く病院に行こう」

私達は近くの大通りでタクシーを捕まえ、病院まで行った。
こんな所で金をあまり消費したくはないのだが、緊急事態なのでしょうがない。
病院に着くと、ついさっき救急車が戻ってきたようで少し騒がしかったが、他の患者があまり居ないので統時の輸血はすぐ行えるようだ。
輸血には少し時間がかかるようなので私は病院のソファーで待たせて貰うことにした。
やっと一息ついた、ここの所は異能力者と出会ってばかりで精神的に随分疲れたみたいだ。
『機関』と戦っていた時でさえ、短期間でここまで多くの異能力者と出会った事は無かった。
そう考えるとこの町では人間を見たら異能力者と思った方が良いのかもしれない、一般人を異能力者と間違えても笑い話ですむ。
だが、異能力者を一般人と思っていたらこちらが殺される可能性があるからだ。
ふと気配を感じて横を見ると、20代後半くらいの男性が寝ている。
なにやらすごく疲れた顔をしているみたいだ、まぁ私には関係のないこと。
そんな事よりこれからどう動くかを考えなければ。

【籐堂院瑞穂:病院のソファーで廻間統時を待つ 恋島が異能力者とはもちろん気付かない】
276久道 光 ◆YAjdFNuE/w :2008/06/14(土) 14:39:44 0

川沿いに在る小さな公園。なんでもない普通の木々。ブランコで遊ぶ子供達と―――――――大人。
年の頃は三十代だろうか?まわりの子供達の保護者といった風では無く、かといって遊び友達といった年齢では無いだろう。


「ほらほら時間だから子供は帰ろうよ、ね?お兄ちゃん泣くよ?しかも鼻水とか出すよ?」
「うげー、おっさんキモイからそういうこと言うのやめろよー」
「やだやだーこんなに楽しいのにもっと遊んでー?」

あはは、きゃははと笑う子供達。愚痴をこぼしつつもしぶしぶながらといった様子で彼等はそれぞれの家に帰っていく。
残されるのは笑いを顔に張り付かせた中年一人。

「―――ふぅ」

危うく子供相手にプッツンするところだったなぁ。だから都会は好きじゃないんだ、こんなオッサンを怪しまずに無理矢理遊び仲間に引きずり込む、
そんな危機感のないガキがいるから。こっちの気も知らないで。
彼等に悪気は無いのはわかっている。わかってはいるがいかんせん僕の気質は変えられない。……人間は苦手だ。

「しっかし、この町に来てからよく絡まれるねぇ。異能者の巣窟なのかねこの町」
「しばらくここにいるのも面白いかなぁ……でも人多いしなぁ」

右手を地面に当て少量の土を握り……っと、受け皿が無いね。鞄から紙皿を取りだして膝の上に置く。
それでもって『土』のイメージを持って右手と左手を捩じるように重ね合わせ力を込め、しばらく待つと……!
……チーズの出来上がりっと。あとはこの紙コップに『水』『水』で酒を注げばいい。

「昼間っからの飲酒とか……ひょっとして僕駄目人間?」

ま、のんびり浮浪者してみますか。天気もいいことだし。
【久道 光:公園で昼酒中】
277廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/06/14(土) 15:13:03 0
>>275
>「この年の餓鬼は死にたくないとか言うべきなのにねぇ
お前の親の顔が見てみたいぜ、どんな育て方したんだか」

育て方か。俺をこんな性格に育てたのは両親じゃなくて師匠なんだけどな。
死を恐れるより、自分が何もできない事を恐れるんだってな……まぁ、どうでもいい話か。
瑞穂が、握手を求め右手を差し出してくる。それに答えるように俺も右手を差し出し、握手をした。

>「最後に一つだけ言っておくが、共闘する時は互いのことは気にかけないようにしよう
 どちらかが死ぬ、又は深傷を負ったときいちいち動揺しているとどちらも死ぬことになる」

つまりは、お互いの事を忘れろと。
上手く協力し合えば、1+1が2以上の結果を生む事もあるんだがな…仕方ないか。
俺がボディーガードを頼み込んだんだ、あまり強くは言えない。
意識しない程度に上手くサポートするしかないか。出来るのかどうかは分からないが。

俺は街中に出ると、先ほど自分の金で買ったお握りを口の中に押し込み、胃の中へ流し込む。
腹が減っては戦が出来ないというからな。食べれるときに食べておいたほうがいいだろう。
…輸血する前に食事をとってはいけないのかどうかは、知らないが。
瑞穂は俺がお握りを食べ終わるのを見届けると、タクシーを捕まえ病院へと向かわせる。
もちろん、俺の輸血のためだ。

「随分と血を流したね…こんな傷、どこで負ったんだい」
「…通り魔に襲われましてね。
 幸いな事に近くに警官がいて、すぐに逮捕できたから大きな騒ぎにはなりませんでしたが」

医者が俺の傷について詳細を聞いてくる。俺は医者の問に適当な理由をつけて返した。
瑞穂を通り魔扱いしているみたいで悪かったが、あまり気にしないことにした。
輸血用の血と、輸血した事による安堵感が俺の体内に流れ込んでくる。

「ふぅ〜」

俺は思わず安堵感によるため息をついた。
そして、この時俺の漆黒の心は解除され目に光が戻った。
数十分後。

「輸血は終わったよ。一応、激しい運動は出来るだけ避けたほうがいい」
「ありがとうございました」

医者の言うとおり、輸血は終わったようだ。医者は俺の腕から輸血パックと繋がっていたチューブを抜き
殺菌と消毒をしてからガーゼでチューブを刺していたところを覆った。
そして、医者に一礼をして部屋から出た。
部屋から出ると、ロビーで待っていた瑞穂に声をかける。
なにやら考えていたようだ。一体何を考えていたんだ?
俺の推測が正しければ、これからどうするか考えていたって所かな。
それじゃあ、これからどうするか聞こう。

「終わったぜ。これからどうするんだ?」

【廻間:輸血完了、これからどうするか瑞穂に問う。
     病院に異能者である恋島がいるとは知らない】
278廻間 統時@国崎代理 ◆7VdkilIYF. :2008/06/14(土) 15:27:42 0
>>244,,249,,265,,274
>「……はい」
店内から戻って来た葦川から、包帯を受け取る。
(……?)
その時の葦川の声から感じる感情が、包帯を取りにいく前と
比べ随分……不機嫌、或いはもっと別の何かに変わっていた気がして気になったが、
恋島が救急車に乗る所だったので、特に言及もしなかった。
話さないということは、聞くべきではない事なのだろう。

>「色々とお世話になりました。ほんの気持ちです。では学生君にも宜しく言っておいて下さい」
「おう。お前さんも気をつけろよ? ……手紙は貰っとくが、金は借りるだけにさせてくれ」
どうも別れ方際に物を貰うのは好きではないので、一応そう言ってから、
恋島と倒れていた男を乗せ、去っていく救急車を見送った。

その後、包帯を受け取った男達は去り、店には一端の平穏が戻った……と、思った。


「ったく、ここ数日は最近は妙な収入が多いな……個人経営には、冗談抜きで変な噂は困るんだが」
そんな事を言いながら俺は、一旦シャッターを閉じ、まだどことなく様子の妙な葦川を連れて店内に戻った。
店内から居住空間に行くと、梓川が何故か多少慌てた様子を見せたが、
室内が荒らされた様子は無いので、スルーする。
七重の奴は……まだ戻って来ていないらしい。
まあ、置手紙があったので、別段気にし過ぎることは無いだろう。
目的もないので、とりあえず二人に対して話しかけてみる。

「……で、お前さん達はこれからどうするんだ? 
 どうもヤバイ臭いがしやがるし、俺は、今日は店を午前中開店だけにして
 午後は、適当に過ごすつもりなんだが」
そう言いながら受話器を取り、赤く点滅していた留守電の再生ボタンを押す。

>「こちら宗方総合調査事務所の宗方というものだ。
>法人向けの大口の注文を頼みたい。
>救急箱10箱分に入るだけの包帯、消毒液その他諸々。すぐ必要だ、今から行くのでその旨頼む」
>「それから…今もし薬局にけが人が来てないか?来てたら気を付けろ、奴らは…」

「は?」
留守電のメッセージ内容が理解できず、俺は呆けた声を出してしまう。
「……ちょっと待て。消毒薬はまだ何とかなるが、包帯は救急箱十箱分も残ってねぇぞ?」
唐突に来た大口の注文。だが、ここ数日の大量消費によって包帯はかなり枯渇を始めていた。
だから、そんな量は……いや、本題はそこじゃ無い。最後の言葉、あれはどう考えても
電話の主は異能者だという事。
俺は、店の前に新たな人の気配を感じながら、こう思っていた。
(……俺の店、何かに呪われてんのか?)

【国崎:一旦店内へ。留守電と人の気配にどう対応しようか考えている】
279恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/06/14(土) 17:57:46 0
>>275>>277
――屋上で見上げる大空は良い。地上っつーか世の中は嫌なほど煙たいから
こう考えるとなんか世捨て人みたいだな。俺
起き上がり、制服の胸ポケットに入れたタバコの箱を取り出し、タバコを抜いてマッチで火をつける

いっちょ前にタバコをふかすと、すっと胸のもやもやが晴れていくような気がした
ふと後ろに気配を感じ、俺は声を掛ける

「優等生がここに来ていいのかよ、おい」
「お前みたいなのに絡んどいて優等生はねえよ」

顔だけをぐっと後ろに背けると、人懐っこい笑みを浮かべた――高部が居た
高部は牛乳パックを飲みながら、俺の横に座り、胡坐を掻いた
「またやったんだって? お前もどうしようもないな」

「人の心配より自分の心配しろって。俺に関わると内定に響くぜ」
高部の皮肉を軽くいなして、俺は立ち上がり傍らの金属バットを持った
言われたからにはやらなきゃいけねぇ。俺の面子の為にも

「生きて帰って来いよ、達哉」
「戦争に行くんじゃねーよ、まぁある意味戦争だけどな」
背中で高部の含み笑いと激励を受けながら、俺はドアノブに手をかけた
さぁ、いっちょ――


「ってうわあぁぁぁ!」
思わずソファーから転げ落ち、しりもちをついた。やばい、この前とは別の意味で酷い夢だ
なんつー顔から火が出る様な夢だ。ぶっちゃけ戦争でも何でもない
ただ単に野球部との――いや、止めた。思い出すだけでも恥ずかしくなる

しかし高部か・・・偉く懐かしいな
あいつが居なかったら俺は中高とずっと暗黒期だっただろうな
今何してるんだろうだろうな・・・まぁ幾らなんでも大学まで一緒ってのは無いわな

周りに誰もいない……な。思わず大声を出した上にソファーから転げ落ちるなんて、恥ずかしすぎる
・・・いや、居た。俺の横にかなり痛々しい目線を感じる
顔は向けずに目だけを横に向けると、一組の男女が俺の方を見てキョトンとしている

男の方は――格好や背丈からして学生だろう。目線が良い感じに鋭い。根拠は無いがこの子は多分ケンカが強そうだ
女の方は――これはまたべっぴんさんだ。銀髪に蒼い瞳――外国人かもしれない
カラーコンタクトでも色が蒼い物があるが、外国人の持っている本来の蒼い目の透明感には程遠い

って人間観察してる場合じゃない、えらく恥ずかしい状況だぞ、これは
俺は急いでこの場から抜け出すために立て、いや、立てない
どうやら急な角度・・・って何だ、変な落ち方したみたいで、腰が上げられない
・・・俺は少し考えた挙句、学生の方に顔を向け、弱弱しい声で助けを求めた

「ごめんなさい・・・ちょっと手を貸してもらえますか? 腰が抜けちゃったみたいで・・・」
こんな状況でも傍らに置いたバックは無事だ。良かった

【現在地:病院】
【ソファーから派手に転落。腰を打って立てない為、廻間に助けを求める】
>>266
>「アルトさん、ラーメンおいしかったですよ。また食べたいものです。
> で、レオーネさんを自宅まで送る、これはそうですね・・・・
> まあ、いいでしょう。今急務もないことですし。・・・じゃあ車をこっちに持ってきますね」

先程の車のブレーキ音は小村の車から発せられた物だったようだ。
彼はハーケンに礼を言うと、車を移動させる為、車の元へと向った。
やれやれ、ひとまずは安心だな。これで人としての尊厳を守ることは出来た。
この姿で人前に出たなら、有無を言わさず警察に捕まってしまうことは明白である。
……毛布は借りていくとして、クリーニングに出してから返そう。
昨日は散々な目にあった。衣服だけでなく、財布など身に着けている物全てが消えてしまった。
ファーストナンバーは人である事と引き換えに、自身の能力を極限まで高めた戦闘集団だ。
その中の一角を担う私が、随分と手酷くやられた物だ。
籐堂院 神、強化のし過ぎが裏目に出たか。
……いや。腕一本で済んだだけマシだと思わねば。

―――ふと昨日の朝から洗濯物を脱水したままなのを思い出した。
皺になっているであろう猫のパジャマを思い出し、軽く溜め息をついた。

【レオーネ:現在地 アルトのテント前】
【小村を待つ】
281アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/06/14(土) 22:34:52 0
>>266
私の頼みは受け入れられ、ロンバルディーニは連絡手段を用意してくれるつもりらしい。
まあ、連絡手段がなければ困るのはお互い様、受け入れてもらうのは元からの予定の内だ。

「ハーケン君の意向は把握した。残るは"上野君"だけだ。
 君がもし車で着たのであれば、自宅まで乗せて欲しいのだが……」

と、彼は上野さんに話を振る。それに対して彼は、

「アルトさん、ラーメンおいしかったですよ。また食べたいものです。
 で、レオーネさんを自宅まで送る、これはそうですね・・・・
 まあ、いいでしょう。今急務もないことですし。・・・じゃあ車をこっちに持ってきますね」

そう、答えた。そして、車を移動させる為にあちらに行ったのだ。
……む、しばらく一緒に行動したいと言ったのに無視された。
それだけ食事に夢中になってくれた、ということならば嬉しいのだが、しかし。
…ちょいと失礼じゃないだろうか、この人。いや、分かっていたことではあるが。
ちょっと気分転換でもしようか。まずは、

「しかし、お互い手ひどくやられたものですね。
 あれの能力を強化したのが機関なら、何か対策などはないのですか?」

ロンバルディーニにでも話しかけるとしよう。彼とはまだ会話が足りていない。

【アルト:気分転換に話をしたい】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
282桐北 修貴 ◆b1QjyOQzMk :2008/06/15(日) 00:34:16 O
>>275>>277>>279
「病院に着くまで静かにしておきなよ。安静にしてないと・・・傷、広がるよ?」
結果としては会話を断られたが、内心それにホッとし、なおかつ彼の言葉が嬉しかった
考えてみれば「山で寝てたら蝙蝠に襲われて、いや参っちゃいましたよ」なんて事話しても普通信じるわけが無いし
彼の言葉も普通なのだ。ここ数日非日常に浸かり過ぎていた自分には逆に新鮮でありがたい
それからは会話が起こることはなかった

そうこうしている間に車は無事病院に辿り着き、急ぎ運ばれた自分は輸血しながら目の前のお医者様に怒られてます…
「あのねぇ! こんか針で刺されたような傷が体中にある自体が変だけど、
この傷でこんなに血が無くなるわけないでしょ!? 何やってたの!?」
「さ、さぁ〜… 何分意識朦朧としてまして…」

数十分後
無事輸血も完了し(念の為と称された点滴は着けたままだが)
「昼過ぎぐらいはここで寝てなさい」との支持を受けた
まともな寝床で寝れるのもそうだが、何よりその時借りた患者用の服の清潔感が嬉しい
そうだよ、これが人間の着る服だよ!
ちなみに今までの服は病院側が処分するらしい…
はぁ、買ったばかりだったのに……

「208号室…、2階の隅っこだな
喉乾いたけど…、お金無いしさっさと寝よ」

病院独特の妙な雰囲気の空気に喉の渇きを覚えながらエレベーターを使おうと待合室に行った(階段は点滴があるから使えない)
途中、自販機を見つけたが現在の所持金はその中の某乳酸菌飲料(2本入)も買えないので潔く諦めよう

扉の前に立ちエレベーターを待っていた時だった
「ってうわあぁぁぁ!」
なんだか、エラく間の抜けた叫びが当たりに炸裂した
驚いて振り向いたらさっきの救急車に乗ってた付添いさんが床に座って顔を歪めていた。奇遇というかなんというか…

ふと足元に古びた本が落ちてるのに気がついた
タイトルは『罪と罰』 手塚治虫の漫画版なら読んで面白かった記憶がある
恐らくあの人のだろう、後ろのエレベーターがまだしばらくかかる事を確認して自分は本を拾ってその人の所まで行った
その彼は自分と同い年位の人と帽子を被った人に話しかけていた

「どうもです。落としましたよっと…」


【桐北修貴:病院待合室で恋島に話しかける
藤堂院瑞穂には気付いてない】
283宗方零 ◆BSFghFxWJY :2008/06/15(日) 09:06:06 0
宗方は神重と共に街へ出た。
薬局は比較的近所だったのですぐ到着する。
「ところで宗方…」
「この時間帯に薬局は開いているのか?」
それもそうだ、この時間帯に薬局など開いている訳はない。
シャッターは閉じていた。
だが宗方には確信があった、必ず異能者は居る。
「店が開いていないのは見ての通りだ。だが…
こういう個人商店はチェーン店よりもやりやすいんだ
特殊な事情を抱えた人間が立ち寄る場合は特にな。
襲うにしろ、暴力をちらつかせて無理矢理協力を強制するにしろ・・
異能者が立ち寄るにはうってつけだ」

宗方はそういいつつ店先を観察する。
店は何事も無かったかのようにそこにある。
が、宗方はシャッターのすぐ近くの血痕を見つけ、屈み込む。
「どうやら当たりらしい。見ろ、血だ。ぱっと見そう古い血でもない。ついさっきまで負傷者がここにいたという事さ。
あんたなら血の新鮮さまでかぎ分けられるかもしれん」
宗方は神重に向き直り、確信をこめて言う。
「異能者は居るさ…必ずな。とりあえず呼びかけてみる、まぁ任せろ」
宗方は無造作にシャッターを叩く、最初は静かに2回、その後はやや乱暴に3回。
シャッターのスリットに向けてこう言う。
「さきほど電話した宗方だ…無事か?無事なら返事をしてくれ」
【宗方零 薬局のシャッターを叩いて 接触を開始】
284池上 燐介@代理:2008/06/15(日) 21:20:09 0
駅に辿り着いた俺の目の前で広がっていたのは、異様な光景だった。
まるで魂が抜かれてしまったかのように地に伏している、出勤、登校途中の人々。
いつもは往来する車や人々の動作音だけが耳を支配するこの場所が、
静寂という常識では考えられない現象に支配されていた。
俺は直に直感していた。このような異常な事態を引き起こした原因には、
間違いなく異能者の存在があるのだろうと。
それは、少なくとも某国の細菌テロというものよりは信憑性があっただろう。

来る途中、道行く人々の中に自身の体調の不良を訴える者が多くいたことから、
恐らくかなりの広範囲に渡って、そして無差別に発揮する異能力なのだろう。
視界に広がる惨状と俺自身の体調の変化から考えて、
少なくともその効果は展開した領域に踏み込んだ人間の体力を著しく消耗させるものだ。
先程から俺の身体を襲う妙な気だるさも、そう考えれば納得がいく。
問題は、領域内に居る人間がどの程度の時間持ちこたえられるかにある。
十分か二十分か……俺が妙な気だるさを覚えてから数分が経っているが、
仮に十分程だとすれば、もう時間がない。
実際に俺はこうして歩いているだけで、既に動悸が乱れ始めていた。

自分の命を護るにあたって、俺が取るべき行動は二つある。
一つ目、異能者が展開する領域から全力で脱出すること。
二つ目、領域を展開している異能者を探し出し、倒すこと。

──本来であれば、考えるまでもなく後者を選んでいるところだ。
しかし、考えられる敵異能力の展開領域、それがあまりにも広すぎる。
ましてやこちらはまだ異能力を察知する力も戻っていない。
現時点で領域の中から存在するであろう敵を自力で発見することは、ほぼ不可能。

「不本意なことだが……戻るしかあるまい」

選んだのは一つ目。俺は気だるさを覚え始めた位置まで戻ることにした。
一度視線を目の前にまで迫った駅に向けると、直に元来た道を振り返った。
と、その時、俺は視線の端で展開している、一つの光景に目が止まった。
285池上 燐介@代理:2008/06/15(日) 21:20:46 0
>>263
──人の血のようなものを外板の跡にして、道路の端で事故っている白い軽自動車。
それに向かって、殺気混じりの怒気を放っている一人の女。
周囲には、血だらけで倒れている人間が二人……。
あの位置もまた領域内であるだろう。
他の人間がバタバタと倒れ生気を失っている中、一人立ち尽くす女。
違和感を覚えぬはずがない。

──異能者。
俺の頭に、その文字が浮かび上がった。

視線を落とすと、その先の道端で制服を着た警官が倒れていた。
俺は警官が下げているホルスターから拳銃を取り出し、
弾が全ての弾倉に込められていることを確認すると、
直に女の背後に忍び寄り、手袋をはめた右手で銃を向けた。

「お前の仕業か……? これは……」

女はこちらをゆっくりを振り返ろうとする。
俺はすかさず、制止の言葉を発した。

「おっと、動くなよ。動けば撃つ。……何者かは知らんが、お前がこの能力を発動させている
張本人であれば、すぐに解くことだ。十秒待っても解かなければ、撃つ」

広範囲に渡って場を支配する驚異的な異能力。
だがそれは、裏を返せば代わりに直接的な攻撃能力はほぼ皆無であるということ。
すなわち至近距離であれば、ただの銃でも倒せる可能性は十分にあるということだ。

俺はわざとおどけたような口調で、カウント始めた。
しかしその声は、まるで笑いが感じられない程静かで、代わって強い殺気が含まれていた。

「カウントアーップ……ひとーつ、ふたーつ……」

【池上 燐介:天宮香澄を敵異能者だと勘違いし、銃を向ける】
286時空の案内人:2008/06/16(月) 00:11:11 0
287名無しになりきれ
【邪気眼】二つ名を持つ異能者になって戦うスレ4
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1213536727/

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