【邪気眼】二つ名を持つ異能者になって戦うスレ4

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1七重 凌司 ◆Wg8HeG5HhI
*「ここは 邪気眼 のスレです」
*「sage や 酉 は入力しなければ意味がないぞ」
*「荒らしを構った後には 荒らし扱いになるよ」
*「おお名無しよ 版権キャラを使ってしまうとはなさけない」

*過去スレ
【邪気眼】二つ名を持つ異能者になって戦うスレ
ttp://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1203406193/
【邪気眼】二つ名を持つ異能者になって戦うスレ2
ttp://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1209655636/
【邪気眼】二つ名を持つ異能者になって戦うスレ3
ttp://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1211555048/

*避難所
二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所2
P C:ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1211908307/
携帯:ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/computer/20066/1211908307/n

*まとめサイト
二つ名を持つ異能者になって戦うスレ@wiki
ttp://www9.atwiki.jp/hutatuna/

*これまでのあらすじ
『闘って奪い獲れ。生き残るためには勝ち残れ』。
舞台はどこにでもある地方都市、貳名市。
この街には「二つ名」を持ち、それに由来する異能力を有する『異能者』たちが存在した。
一通のメールは、異能者たちを否応なく闘いに駆り立てる。

各々の夜を迎え、静かに訪れる三日目の朝
だが平穏な筈の朝を切り裂くように、『機関』の魔の手が貳名市の駅を襲った!
連鎖するように巻き起こる出会いと戦い!一瞬一瞬を異能者たちが駆け抜ける!
2七重 凌司 ◆Wg8HeG5HhI :2008/06/15(日) 22:35:42 0
*【天麩羅】
(キャラクターのプロフィールを記入し、避難所に投下した後、
 まとめサイトにて、自分のキャラクターの紹介ページを作成してください)
名前:
二つ名:ttp://pha22.net/name2/ ←で↑のキャラ名を入力
年齢:
身長:
体重:
種族:
職業:
性別:
能力:(一応二つ名にこじつけた能力設定を)
容姿:
趣味:
好きなもの:
嫌いなもの:
キャラ解説:

S→別格 A→人外 B→逸脱 C→得意 D→普通 E→不得意 F→皆無
U→変動 N→機能未保有 ……の九段階まで。
・本体
筋  力:
耐久力:
俊敏性:
技  術:
知  力:
精神力:
成長性:

・能力
範  囲:
破壊力:
操作性:
応用性:
持続性:
成長性:
リスク :


*【機関の説明】
・機関(組織)は総合商社や慈善団体、暗殺集団などいろいろな側面を持つ
・機関には異能力者以外もいる
・機関の異能力者は番号(NO.)で序列があらわされる
・一桁番号(ファーストナンバー)は特別な幹部
・世襲幹部が五人いる
・機関は人工異能力者を増産している
3籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/06/15(日) 22:40:13 0
前スレ>>282
病院のソファーで待つこと十数分。
統時が部屋から出てきて、こちらに歩いてきた。

「終わったぜ。これからどうするんだ?」

私もちょうどそれを考えていたところだ、人が大量に倒れたという駅に行って見ても良いかもしれない。
あれは多分『機関』の仕業だ、何か手がかりが見つかる可能性がある。
それか統時の学校に行って桐北を探すのもありだな。

「そうだな・・・・・・とりあえずこの病院から出」
「ってうわあぁぁぁ!」

私の言葉を遮って私の横に寝ていた青年がソファーから転げ落ちる。
悪い夢でも見てうなされたのか?

「ごめんなさい・・・ちょっと手を貸してもらえますか? 腰が抜けちゃったみたいで・・・」

その青年は統時に助けを求める、女に助けられるのは少し恥ずかしかったか。

「大丈夫か?腰を強く打ったようだが、幸いにここは病院。
念のため医者に診て貰うと良いだ」
「どうもです。落としましたよっと…」

また私の言葉を遮って、少年が文庫本を青年に渡す。
よく見るとその少年の顔には見覚えがあった。
待てよ?この少年は桐北じゃないのか?

「君、君は桐北修貴だな?また逢ったな、覚えていると思うが私は瑞穂、籐堂院瑞穂だ。
君は廃校に居ると思っていたがどうしてここに?
大方何者かに襲われたのだろう
やはりあの時私の厚意を素直に受け取っておけばよかったのだ・・・・・・」

そう言って話しかけると桐北は私の方を見る。
近くに腰を打ちつけた青年が居るのに『襲われた』などと言うのは少し不用心かと思ったが、もし青年が敵だとしてもこちらは二人、負ける可能性は低い。
もしかしたら桐北も戦ってくれるかもしれない。
などと考えていると、桐北の顔は徐々に強ばり、何か恐ろしい者に会ったような怯えた顔になった。
私は驚き、私の口から出る言葉は次第に弱くなる。
何故そのような顔になる?
この前会ったときは廃校という人気のないところで異能力者会ったのだ、警戒されて当然だった。
しかし、今は病院という人気のある場所で、しかもこの前の事で私が危険ではない事は分かったはずだ。
私が何か不味いことでも言ってしまったのか?
まさか・・・・・・・・・。
私は強ばっていた顔に笑顔を作り、声音を優しくして再度桐北に話しかける。

「そういえば、このバッグは君のかな?
色々私物が入っていたのでもしかしたらと思ったのだ」

私は肩にかけたバッグを桐北に見せる。
もし桐北の物だったとしてもこのバッグを返す訳にはいかないが、中に入っているお金だけは返そう。

【籐堂院瑞穂:桐北修貴にバッグを見せる】
4戦場ヶ原 天@代理:2008/06/16(月) 06:46:47 0
前スレ>>268
>「クスクス、何処にいる…か、さぁ何処だろう普通教えるわけないだろ」
目の前のリンと瓜二つな少女は依然として意地悪い笑みを浮かべ、戦場ヶ原を煙に巻いている。
安い挑発に戦場ヶ原はカッと頭にきて拳を振り上げる。
しかし、その左手は振り下ろされることはなかった。
いくら偽物(と彼自身が思っている)といっても、その容姿はリンそのもの。
(…クソがッ!!殴れるわけがねぇだろう!!)
彼の中に渦巻く小さな情が、その拳を抑えつけていたのだ。
振り上げた拳を下ろし、戦場ヶ原は少女に背を向けて歩きだす。
「おい、どこへいく?」
少女が興を殺がれたように訊いてくる。

「…貴様が答えねぇならそれでいい。俺はリンを探しに行く。」

もし入浴中に攫われたとしたのなら、まだ時間はそれほどたっていない。ここからそう遠くへは行っていないはずだ。
動揺する少女を尻目に、戦場ヶ原はさっさと歩いて銭湯をあとにしようとしていた。

【戦場ヶ原:現在位置:銭湯。時刻:午前9:00ごろ。封印解除まであと2時間。】
5天宮香澄 ◆XzQQgkPzlg :2008/06/16(月) 11:31:38 O
前スレ>>285

「…ごめんなさい。それは出来ないわ」
不敵な笑みを浮かべながら、香澄は答えた。
カウントは止まったものの、背中に感じる殺気はますます鋭さを増す。
「ストップストップ!」 香澄は慌てて両腕を上げ敵意が無いことをアピールした。腕を上げるのもかなりきつかったが、とにかく背後にいる男を怒らせてならない。なにしろ「撃つ」と言っている以上、銃か何かを持っているのは間違いないのだから。
「だって私がやってるんじゃないもの。私が解けるわけないじゃない」
先程ふざけて思わせぶりなことを後悔しながら、香澄の弁明は続く。
「そもそも、私がこの状況を生み出した元凶だとしたら、こんな所に突っ立ってると思う?」
この状況に驚かないと言うことは、背後に立っている男は間違いなく異能者であろう。ならば、広範囲型の異能者の弱点も知っているはずだ。
「考えてみなさい。もしあなたが、この騒ぎを起こせるような広範囲型の能力持ちなら、こんな開けた目立つ場所には立たないでしょう?」
先程よりも殺気が和らいだのを感じて、香澄は安心した。
「…それでも、私を疑う気かしら?」
香澄は顔だけでゆっくりと後ろに振り向いた。


【天宮香澄、説得の後、池上 燐介の方へと振り向く】
前スレ>>281

小村を待っていると、徐にハーケンが話を振ってきた。

>「しかし、お互い手ひどくやられたものですね。
> あれの能力を強化したのが機関なら、何か対策などはないのですか?」

「簡単だ。能力の射程外から狙撃して頭を撃ち抜けばいい。
 奴の能力は『中和系能力』簡単に言うと敵の異能を無力化できる。
 異能者に対して絶対の能力を持つが、通常の人間には然程効果は期待できない」

『中和系』は数ある異能の中でも稀有な能力だ。しかし非能力者には殆ど効果が無く、
肉体的に鍛えていなければ太刀打ちできない場合が多い。
その点を踏まえて強化を施したのだが……。残念ながら仇となったらしい。

「最も、今の籐堂院は剣に身をやつしている身、
 この方法は意味が無い。何せ頭が無いのだからね。
 ……無様だな」

昨晩の事を思い出す。奴は何故私が迷宮化について話をしている間に攻撃して来なかった?
瑞穂自身の意識が覚醒していなければ憑依できない? いや、瑞穂が目覚めたという可能性は薄い。
迷宮の中で何かしらの技を使用したのだ。それが発動条件だ。

「昨晩の事を思い出して欲しい。籐堂院はわざわざ車を追ってきた。
 私が瑞穂たちに迷宮化についての説明を行っている間、何故攻撃しなかった?
 恐らく奴が瑞穂の体を操作できるのには条件が必要な筈だ。
 例えばスイッチとなる技を"瑞穂が"使用するか、特定の状況で発動するかだろう」

―――腕を組み、空を見上げる。澄んだ青空が広がっていた。

「ならば話は簡単だ。二人を引き離せばいい。
 それでも操作できるというのであれば、お手上げだがね……」

口元を微かに緩め、ハーケンを見つめた。

「他に聞いて置きたい事は在るか?」

【レオーネ:現在地 アルトのテント前】
7池上 燐介@代理:2008/06/16(月) 20:45:03 0
>>5
>「…ごめんなさい。それは出来ないわ」
カウントが10に達する前に、女はこちらの要求に拒絶の意を表した。
俺はすかさず拳銃の撃鉄をカチリと鳴らして引き起こす。
女は次の瞬間にでも撃たれることを予見してか、咄嗟に両腕を高く上げ
抵抗の意思は無いことをアピールし始めた。
同時に、自分が能力を展開している張本人でないということも。

>「…それでも、私を疑う気かしら?」
この女が事態の元凶であろうがそうでなかろうが、
少なくともこの女の方から譲る気はどうやら全く無いらしい。

一瞬、引き金に置いた指を緩めると、
女はこちらの敵意が無くなったと感じ取り安心したのか、顔をこちらに向けようとした。
だが俺は再び指に力を入れ、女がこちらに視線を合わせる前に顔に拳銃を突きつけた。

「……おっと、動くなと言ったはずだ」

女が振り向きかけた顔を元の位置に戻すのを確認してから、
俺は再び口を開いた。

「……俺はたまたまここに立ち寄って巻き込まれた身だ。お前も俺と同様の通りすがりと
考えないでもなかったが、こちらもこれ以上四の五の言っている場合じゃないんでね。
異能力を解かないのであれば、このまま始末するだけだ」

理屈からすればこの女の弁明にも一理あることは事実だが、
そもそもこの女が元凶であるのかどうかなど、
俺が引き金を一度引けばすぐにでも確かめられる話でもあるのだ。

「まぁ……もしお前がこの異能力を使う張本人を知っているのであれば、見逃してやってもいい。
……そういえば、先程あの白い軽自動車に向かって殺気を放っていたな?
もしかするとあの車のドライバーがそうなのかな?」

ほとんど期待感を込めていないような、棒読みとも取れる声で俺は訊ねた。

【池上 燐介:相変わらず銃を向けたまま】
8葦川妃映 ◆oov3HbsEaA :2008/06/16(月) 21:15:31 0
>>278>>283
「……いいえ、何でもないわ。戻りましょう」
軽く頭を振って思考を切り替えると、救急車と二人を見送って薬局へ戻る。
湧き出した不安を振り払うように、現実的な未来を考える。
さあ、これからどうするか。
ぼんやりと思考をまとめながら居間へ戻り、冷えた味噌汁をすする。

>「……で、お前さん達はこれからどうするんだ? 
 どうもヤバイ臭いがしやがるし、俺は、今日は店を午前中開店だけにして
 午後は、適当に過ごすつもりなんだが」
ふとかけられた言葉。答えはもう決まっている。
私はただ──それなりに幸せに生きたいだけ。
痛いのも苦しいのもできるだけ避けたい。
「少なくとも今日は貴方と行動させてもらいたいわね。『機関』がうろついているようじゃ、危なくて外を歩けない──」

>「こちら宗方総合調査事務所の宗方というものだ。
>法人向けの大口の注文を頼みたい。
>救急箱10箱分に入るだけの包帯、消毒液その他諸々。すぐ必要だ、今から行くのでその旨頼む」
>「それから…今もし薬局にけが人が来てないか?来てたら気を付けろ、奴らは…」

「……呪われてるかもね。貴方のお店」
思わずこぼれる小さな溜息。
空になった茶碗を持って国崎の横を通る。
「まあ、私も避けたり逃げたりはできるから意識して守ってくれなくて良いわ。それに貴方にできなくて私にできることだってある」
流し台へ食器を入れず、そのまま水ですすぎ、スポンジでこする。
「貴方が本当に守りたい人は別にいるんでしょ?獰猛な貴方ではなく、優しい貴方を必要としてくれる人が」

>「さきほど電話した宗方だ…無事か?無事なら返事をしてくれ」

「行きましょう。国崎」
食器を仕舞い、彼を促すように薬局へと向かう。
9善養寺 せつな ◆oov3HbsEaA :2008/06/16(月) 21:32:37 0
>>259>>5>>7
せつなの天敵とは、すなわち『賢者』と『魔人』である。
『魔人』は異能力など使わずとも、素手で鎧を砕く。
『賢者』は異能力など使わずとも、知略で彼女を陥れる。
だが、『魔人』は血を流して倒れ、『賢者』と思われた少女もまだまだ及ばない。
そうしているうちに時間は体力を奪い、誤解を生む。
美青年が拳銃を少女に突きつけているのは決して偶然ではない。
皆が倒れている中で立っている人間が居れば、誰でもそれを犯人と疑う。
せつなはただのドライバー。無事かどうかすらも外からはわからない。
故に、ただ静かに待っているだけで決着はつく。
千人以上の命を奪うという形で、彼女の任務は完了する。
だが──彼女は人間だ。
人間は優越感が好きだ。


「私が異能者。貴方たちを嘲笑う、異能者」

自動車につけられた小さな外部スピーカから流れる掠れた女の声。
少なくとも目の前の二人には聞こえただろう。

だからどうした。
異能力では紙一枚はぶれない。
拳銃ごときでこの強化ガラスと車体は撃ち抜けない。
せいぜい絶望するが良い。

【善養寺:車中】
10アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/06/16(月) 22:56:50 0
>>6
私の質問に対する答えは、こうだ。

「簡単だ。能力の射程外から狙撃して頭を撃ち抜けばいい。
 奴の能力は『中和系能力』簡単に言うと敵の異能を無力化できる。
 異能者に対して絶対の能力を持つが、通常の人間には然程効果は期待できない」

確かに、その手段は有効だろう。銃弾一発で仕留められれば、の話だが。
あれに対して一撃で仕留められなければ、警戒されて二発目が撃ち込めなくなるかもしれない。
それに、今の奴は、

「最も、今の籐堂院は剣に身をやつしている身、
 この方法は意味が無い。何せ頭が無いのだからね。
 ……無様だな」

そう、剣になっているのだ。あるいは遠距離からあれを破壊できる威力の攻撃を行うか?
しかし、それでは足りない。あれを倒すということは、つまり、

「昨晩の事を思い出して欲しい。籐堂院はわざわざ車を追ってきた。
 私が瑞穂たちに迷宮化についての説明を行っている間、何故攻撃しなかった?
 恐らく奴が瑞穂の体を操作できるのには条件が必要な筈だ。
 例えばスイッチとなる技を"瑞穂が"使用するか、特定の状況で発動するかだろう」

彼は腕を組み、空を見上げて言葉を続けた。

「ならば話は簡単だ。二人を引き離せばいい。
 それでも操作できるというのであれば、お手上げだがね……」

そして、彼はこちらを見て、

「他に聞いて置きたい事は在るか?」
11天宮香澄 ◆XzQQgkPzlg :2008/06/16(月) 22:57:04 O
>>9
「…これで分かったでしょ?この騒ぎの元凶は、あの車の中で私達を嘲笑ってるのよ」
真実が明らかになった以上、男の機嫌を伺う必要はない。敵意を見せなければ十分だ。香澄の声は乾いていた。
「私を撃ちたければ撃てばいいわ。でも、ピストルに頼るような攻撃力じゃ、一人で奴を倒すのは無理よ」
ピストルを持った相手にあの自信。敵の乗る軽自動車は間違いなく防弾仕様だろう。ピストルが最高の攻撃力では、手詰まりになるのは明らかだ。
「でも、私達は確実に奴を追い詰めてるわ。車の中にいるのは厄介だけど、それさえ壊せば……勝ちよ」
次の言葉を言うべきか、香澄は躊躇した。
ついさっき、安易に協力を要請した結果、相手に重傷を負わせてしまったではないか。
「…難しいことは抜きよ。協力してちょうだい」
結局、香澄は協力を要請することを選んだ。
先程とは違い敵を追い詰めており、後は単純に攻撃力があればいいだけだ。大惨事になるようなことはあるまい。
問題があるとすれば、男の性格だ。
説得に耳を傾ける頭がありながら、最終的には引き金を引こうとした男だ。素直に頷いてくれるとは限らない。
それでも香澄は男を疑いはしなかった。しないように努めた。
こちらが相手を信じなければ、相手がこちらを信じるわけがないのだから。


【天宮香澄。スピーカーの声を聞き、池上燐介に協力を要請する】
12アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/06/16(月) 22:57:45 0
>>10
……さて、他に質問か。まあ、今はいい。優先して考えるべきことはまだある。
こちらの答えにどう反応するかにも興味があるのだし。

「いえ、質問は他にもありますが、今は貴方の答えに関してです。
 まず、あれの能力は私たちの行動を許可しませんでした。
 あの男は私に、防御を許可しない、と言い、結果私は防御を行えなかった」

そう。あの男の能力の真髄は中和などではない。
異能者に対するカウンターではなく、あの男の支配下にある空間では、

「無意識の行動。突き詰めればそれしかできなくなる。
 奇襲、狙撃。それは奴を一撃で仕留められなければ意味がなくなります。
 そして、籐堂院瑞穂の操作条件ですけれど」

……これは、言ってしまってもいいだろう。ある程度の割り切りはできている相手だと思える。
もしも大きな反応があったとしても、どういうことか尋問するぐらいの理性は残るだろうし。
機関に知られたとても、即刻死刑だ、となるレベルでもない。

「…私は随分と昔、あの男の作った組織に所属していた時期があります。
 その頃の私は自分の強さに自身が持てなくて、ともかくある程度の力をもった組織の加護を必要としていました。
 あの組織に入ったのは偶然で、そこまで深い考えがあったわけではありませんが」

反応を見る。……そして、話を続ける。

「そして、下部組織の構成員だった私は、そのことについて聞いたことがあります。
 機械仕掛けの神―――――――籐堂院瑞穂について、ね。
 詳しい計画内容を聞いたわけではありません。ですが、そういった計画があるという噂はありました。
 彼女は神の娘であり、救世主であり、機械仕掛けの神であり、神の器だ、という話です。
 ――――そして現実に、籐堂院神は籐堂院瑞穂の体を使いこなしていた。
 現在の状況も、元々の計画のうちだった可能性もありますね」

もっとも、流石にそこまでのことはないだろうが。
しかし、相手がどこまで考えていたか分からない以上、それも考慮する必要がある。

「あの男が出張ってくる前に、籐堂院瑞穂を確実に殺す。
 そうすれば器もなくなり、ただの剣となることでしょう。
 新たな能力に目覚めて、籐堂院瑞穂以外を操ることができるようになっていなければ、ですがね」

【アルト:過去を暴露】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
13池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/06/17(火) 01:15:59 0
>>9>>11
>「私が異能者。貴方たちを嘲笑う、異能者」
軽自動車からの突然の声。
音の性質からしてスピーカーで音量が増幅されたものだと分かる。

>「…これで分かったでしょ?この騒ぎの元凶は、あの車の中で私達を嘲笑ってるのよ」
目の前の女がそう答えた。
まさかとは思っていたが、本当にあの車のドライバーが事件の元凶だったとは。
しかしこれは幸いだ。狙っていた獲物が、わざわざ目の前に現れたのだから。

だが狩るにあたっての問題は……奴の車。
女も言っていたが、車の中というのは厄介だ。
奴の異能力から推察すれば、身体的な能力は然程脅威ではないはずだが、
鎧で身を固めた生身の身体を貫くには、この拳銃では力不足だろう。
もっとも、ただの車であれば、この拳銃でも話はまた別であったはずだ。
しかし身体的能力が低い故に、防御は万全を喫しているだろうことは容易に想像できる。

──周囲に、軽い火薬音が二度鳴り響く。
同時に短い銃身から撃ち出された小さい鉛球が、軽自動車のフロントガラスと車体の外板に着弾した。
が、ガラスは小さな亀裂を作っただけで、車体に至っては少々ヘコみがついた程度である。

やはり強化ガラスに強化装甲で固めていたようだ。
着弾した弾の後ろをピンポイントで当てて貫くことができれば、
この拳銃だけでも勝機はあったかもしれないが、残念な事に俺にそこまでの技術はない。
あの車には他にも何かしらの仕掛けがあると思っていいだろう。
拳銃一丁でこちらから近付くのは得策ではないと踏んだ方が賢明だ。
かといって、こちらが動かなければそれだけ時間が過ぎ、それこそ奴の思う壺になる。

今の俺に異能力がほとんど使えない以上、あの重装甲を物理的に潰すには、
あれより質量のある物体を高速でぶつけなければ不可能だ。
しかしそんなものが都合よくこの近くにあるだろうか……?
(……待てよ、異能力……か)

>「…難しいことは抜きよ。協力してちょうだい」
そういえば、この女の異能力は何なのだろうか。
異能力によっては装甲に関係なく破壊することは可能だが……
いや、それは俺の勝手な希望的観測に過ぎない。
そもそもそんな能力があれば、俺が来る前に勝負は決していたはずだろう。
とはいっても、こちらに策が無い以上、この女を頼る他はない……。

「身体の状態から考えれば、多分俺に残された時間は後、二、三分程しかない。
お前とて身体は似たような状態であるはずだ。
……協力するのはいいが、何をするつもりだ?」

【池上 燐介:平然としているものの、実は極度に体力を消耗している。歩くのがやっとという状態】
14 ◆7Q1qJNYWx. :2008/06/17(火) 09:38:41 0
>>4
リンの気配に着くとそこはスーパー銭湯と呼ばれるものだった。
銭湯の中に入るとしばらくあたりを見回す。
するとすぐにリンは見つかった。
赤髪の大男と何かを言い合っているようだ。
赤髪の大男が拳を振り上げるだがしかしすぐにその拳を収めてしまった。

あの大男確かどこかで…あぁそうだ、まだ小さい頃機関で見たんだった。
つまりあいつも異能者か?、第一なんであいつは異能者の気配がほとんどしないんだ?
異能者の気配がしない、つまり能力が使えない。
……もう無駄に考えるのはやめよう、考えが纏まらない。

赤髪の大男の横を通り抜けてリンのところに行く。
「久し振りだな…リン」
できるだけ声を低くしてリンに言う、だがやっぱり顔はにやついてしまう。

「ッ!…ツバサ=ライマース!」
「おや…リンではないな…だとしたら裏か?」
裏だとしても能力の影響を受けているはずだから問題は無い。

「リンをだしてくれるか?久し振りに会話をしたいんだ…」
相手は少し動揺しつつ頷く。
「……お兄ちゃん…なの?」
「あぁ…」
15煌神 リン ◆7Q1qJNYWx. :2008/06/17(火) 09:39:40 0
>>14
リンは意識が覚醒してすぐに見た者が兄だと断定した。
そういえば天さんはどうなったのだろう、そんなことを考えながら前の男に問い掛ける。
兄なのか?と、
いままで探してきた兄はあぁの一言で自分が兄であることを肯定した。
兄が肯定した瞬間自分の意識がはっきりと覚醒したのをリンは感じていた。

「何で…なんで今まで何処に行ってたの!?」
銭湯の外まで聞こえるかと思われるような大声で叫ぶ。
それに対して兄は静かに対応する。

「今はまだ言えないそれよりも…」
しばしの間を開け決心したように言う。

「リン…お前は俺と一緒に機関に来い」
機関…今まで幾度となくリンを襲ってきた敵
何故今その機関にいかなければならないのか。
でも…そこに行くなら兄と一緒にいられる。

「…それは……」
リンは悩んでいた。

【煌神:表に変わり葛藤中、戦場ヶ原の事はほぼ意識外】
【ツバサ:リンをまず説得しようとする】
16天宮香澄 ◆XzQQgkPzlg :2008/06/17(火) 18:22:18 O
>>13

協力の了承を聞き、香澄は嬉しそうに男の方へ振り向いた。
その身の運びは、先程よりも元気があるようにも見える。
「ありがとう。別に難しいことをやるつもりはないの」
いかに防弾を施そうが、限界はある。戦車でさえ上部の装甲は薄く設計されている。そうしなければ、自重が嵩み身動きが取れなくなりかねない。
目の前にいるのは軽自動車。あの小さなエンジンでは、まさか完全重装甲とはいくまい。
そんなことをすれば、確実にまともに走らなくなる。
「車か何かをぶつけて、給油口を破壊しちゃえばいいのよ」
稼動部分である給油口が、強度的に劣る部分なのは自明であり、破壊出来る可能性は高い。
「んでもって給油口を壊したら、後はガソリンに火をつけておしまいよ」
ガソリンタンクに着火して搭乗している人間を焼き殺すなど、正気の発想ではない。
それをどこか上機嫌に話すのは、香澄が半分妖怪だからだろうか。
「というワケで、火を点けるためのライターか何か持ってないかしら?」

【天宮香澄、池上燐介着火用アイテムを持ってないか尋ねる】
17池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/06/17(火) 21:59:22 0
>>16
>「車か何かをぶつけて、給油口を破壊しちゃえばいいのよ」
ここは駅だ。停車している車の一台、二台はある。
実はそれを使ってぶつけるということを俺も考えないでもなかったのだが……。

「……相手も同じ車だ。いくら自身が『守』に徹するタイプの異能者とはいえ、
迫り来る自動車に潔く体当たりされてくれると思うか? ……当たる前に、避けるだろう」

あの車は状況から考えて、この女と闘って事故ったことは間違いない。
ただ、そのままの状態で先程から動きを見せないのは、『守』に徹している
故に動かないだけか、それともエンジントラブルで動けないでいるのか……
双方とも決め手に欠ける不確かさが俺に決断を渋らせていたと言える。
もっとも、後者の可能性も捨てきれない以上、確かに試す価値はある。
しかし俺の残った体力も後僅か。つまり俺にとってチャンスは一度きりなのだ。

一か八かの局面と対峙して、俺は思わず天を仰ぎ見た。
自分の命に危険が迫り、当然ながら俺の心は黒く淀み始めているというのに、
たまたま視線を向けた方角は、これまで天を遮っていたビルの解体が始まっており、
そこは見ているだけで心の淀みすら消えていくような青く澄すんだ広がりを見せていた。
ただ、ビルの高層部が無い代わりに解体用のクレーン車の一部がせり出し、
それが微妙に障害物となっているのが景色としては残念であるが────。
(………………)

「……あった、あれが」

俺は咄嗟に呟き、銃を向けた。だがそれは先程と同じく車に向かってではなく、
天の方向だった。そして再び二発の銃声が周囲に轟いた。

──瞬間、けたたましい重低音と共に、敵の乗る自動車が強化ガラスの破片を
飛び散らせながらグシャリと潰れた。
特に後部フロントガラスは大穴を開け、トランク部分は見るも無残に潰れている。
衝撃で車輪の軸が折れたのか、後部タイヤはあらぬ方向に曲がっている。

自動車を破壊したのは巨大な『鉄球』──。
ビル解体用に使用するクレーン車が太いロープでぶら下げていたものだ。
俺が銃で狙ったのは、そのロープ。
ビル四階に相等する位置から落とされた重量600kgはあるだろう巨大な鉄球に押し潰され、
地面に押し付ける形なった後部車体からは、見慣れぬ液体が地面を濡らしていた。
俺はすかさずそこに向けて銃弾を撃ち込んだ──。

──地面とそれに接する車体は見る見る内に炎に包まれ、
数秒と待たずして轟音と共に『爆発』を起こした。

「車を燃やすか……中々恐ろしいことを考えるものだ。
だが、火を点けるぐらいなら、マッチもライターも必要ないのさ」

先程までの青い空は、次々と立ち上る黒い煙に覆われていった──。

【池上 燐介:車を鉄球で押しつぶし、漏れたガソリンに引火させ爆発させる】
18国崎シロウ@代理:2008/06/17(火) 22:17:08 0
前スレ>>283 >>8
>「……呪われてるかもね。貴方のお店」
自分の予感をピタリと言い当てられ、思わずがくりと肩を落とす。
なんで自分の思考はこう、どうでも良い時だけ他人とシンクロするのだろうか?

>「貴方が本当に守りたい人は別にいるんでしょ?獰猛な貴方ではなく、優しい貴方を必要としてくれる人が」
そうしておどけた空気の中に出来た仮面の隙間。そこに、葦川の言葉は入り込んできた。
思い出したのは、恐らく死ぬまで、いや、例え死んでも忘れられないであろう人。
そして、多分俺が唯一……やめよう。
全く、女は怖い。電話の方を向いたままだったのは幸いだった。

「……さあな。もしそんな奴に出会えたら、俺はそいつの為に死んでもいいんだが」

けれど、それは不可能。だから俺はこれからも……
やれやれというポーズを作り振り返った俺は、葦川に促されつつシャッターを開けた。


開いたシャッターの先に居たのは、二人の男だった。
そしてそのどちらも――――恐らく、異能者。
「いらっしゃい。生憎まだ開店前なんだがな」
俺は、訝しげに、だが違和感はもたれないように声をかけた。
19廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/06/17(火) 22:29:35 0
前スレ>>279>>3
>「ってうわあぁぁぁ!」
なんだなんだ、いきなり大声をあげてなんなんだ!
見れば、大声をあげたのは瑞穂の横に居た一人の男性。俺より年上だ。
いきなり大声をあげて地面に倒れるなんて…一体どうしたんだ?

>「ごめんなさい・・・ちょっと手を貸してもらえますか? 腰が抜けちゃったみたいで・・・」
「え…あ、あぁ。わかった」

どうやら自分が倒れたせいで、腰に異常が起きて立てなくなってしまったらしい。
情けないなとは思いながらも、俺は手を差し伸べ男を立ち上がらせる。

「ほらよ。気をつけろよ、まったく」

俺が男を立ち上がらせていると、瑞穂が奥からやってきた男と喋っている。
年齢は…俺と大して変わらないかな。同じ高校生って所か?
この辺には高校は多くないから、俺と同じ高校の生徒って可能性もあるな。
瑞穂に対している男…外見年齢から判断して、恐らく俺の学校の先輩はみるみる顔が強張っていく。
瑞穂との間に、何かあったのか?

>「そういえば、このバッグは君のかな?
色々私物が入っていたのでもしかしたらと思ったのだ」

…おいおいおいおい、ちょっと待て。
人のバックかも知れないと思ってて、使ってたって事か?しかも、中身が入ってた状態で?
なんなんだ、この女…ズレてるとかそういうレベルじゃないような…
まあ、悪いヤツじゃあないしまだそんなに深い仲じゃないからそんなに強くいえないが。
とにかく、この先輩(仮)のことは瑞穂に任せるか。

【廻間:恋島を立ち上がらせる。桐北の対応は瑞穂に一任】
20恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/06/17(火) 23:45:51 0
前スレ>>282>>3>>19
あいてて・・・普段の運動不足が祟ったのか、腰がジンジンする。だがどうにか立ちあがらなけねば
>「ほらよ。気をつけろよ、まったく」
青年が呆れたような口調で俺に手を伸ばしてくれる
これでも二十代なんですがね・・・俺は青年の手を握りよっこらしょと体勢を立て直した

>「大丈夫か?腰を強く打ったようだが、幸いにここは病院。
念のため医者に診て貰うと良いだ」
「どうもです。落としましたよっと…」
一時的なものだから医者に見てもらうほどじゃないです・・・と外国人の女性に返答しかけた際、後ろから声を掛けられた
そういや手元にあった罪と罰がどっかにいってしまった。おそらく後ろの人が拾ってくれたのかも
そう思い振り向くと、患者用の衣服を着たあの生傷青年が、笑みを浮かべて罪と罰を持っていた

・・・って君、歩いて大丈夫なのか!? 包帯や点滴やらで見るも痛々しい。一応罪と罰を受け取る
思わず口が出そうになった瞬間、女性が俺の前にすっと出て、青年に話しかけた
会話の内容は良く分からんが、二人はどうやら顔見知りらしい。俺は二人の会話を妨げないよう口を閉じる

・・・と言っても黙ってるだけでは印象に悪いな・・・生傷青年と女性の事は置いといて
俺は助けてくれた青年・・・いや、学生君にフレンドリーに話しかけた

「いやぁ〜すまない。運動不足のせいかカルシウムの不足か・・・」

・・・待て、これはチャンスではないか? 梓川君とは親しく慣れなかったが・・・
見るからに目の前の青年は姿からして学生だろう。正直この時間帯にフラフラしてるから真面目な学生とは思わないが
っと失礼。それは偏見だ。まぁ何はともあれ、この機を逃す手はない
俺はバックを取り出して中を探り、身分証明である忌まわしい名刺と、疑われない様、出版社の雑誌を青年に渡した

「所で・・・僕はこうゆう出版社でちょっとしたライターを務めていてね。
 都市伝説や色々な怪談について調査してるんだ。もしよければ・・・君の知ってる話を聞かせてもらいたいな
 無論場所を変えても構わない」

案外口回るな、俺
【現在地:病院】
【廻間に取材を申し込む】
21宗方零 ◆BSFghFxWJY :2008/06/19(木) 11:40:23 0
呼びかけの後にシャッターが開いた。
出てきたのは白衣を着た好青年風の男。国崎だった。
しかし今は、片目に付けた眼帯がその風貌に凄惨な印象を与えていた。
たまにこの薬局に立ち寄った事があったから、宗方はこの男を少し知っていた。
もっとも知人という程でもない。

国崎の傍らには、見慣れない女性が立っていた。
バイトには見えない。どうみてもどこかの商社のOLだった。

「いらっしゃい。生憎まだ開店前なんだがな」
国崎は訝しげ言う。まぁ当然だろう。

宗方は考える。
外にあった血痕、傷一つ無い店構え、国崎の眼帯。
おそらく、国崎は異能者だ。でなければこの店がこんなに無事であるはずがない。
そして、あの見慣れない女性も同じく異能者だろう。

宗方は神重を見て、目で合図を送る。手応えありと。
彼らを味方にするには、こちらから能力者であることを明かさねばならないだろう。

「国崎さん・・・だったか。すまないな、こんな早い時間に。
だがこちらも危急の用件を抱えていてね・・・ちなみに隣の彼は仕事仲間の神重だ。」

「ちなみに用件とは、これだ」

そう言うと宗方は、手のひらを拳に握って開く。
宗方の掌から幻影の蝶が羽ばたき、国崎と女性の周囲を飛び回る。

「私は光を操る能力者。二つ名は”明滅<Xペクター、あなた達に敵意を加える気はない。
ちなみにその蝶は無害だ、異能者としての挨拶だとでも思ってくれ」

宗方は手を拳に握ると、蝶は消える。
宗方の映像投射能力”マインドビジョン≠セ。
「・・・伝言は聞いてもらったと思うが、あなたにどうしても伝えたい情報がある。
すまないが中に入れてほしい、立ち話できる内容ではないのでね」
【宗方零 能力者であることを明かし 国崎薬局への立ち入り許可を求める】
>>12
>「…私は随分と昔、あの男の作った組織に所属していた時期があります。
> その頃の私は自分の強さに自身が持てなくて、ともかくある程度の力をもった組織の加護を必要としていました。
> あの組織に入ったのは偶然で、そこまで深い考えがあったわけではありませんが」

ハーケンの独白を私は黙って聞いた。……なるほど、そういう事か。
籐堂院の組織に居たというのであれば、合点がいく。勿論、完全に信用したわけではない。
今の所は現状維持だな。
それにしても、機関による残党狩りを生き延びてこれたものだ。

>「あの男が出張ってくる前に、籐堂院瑞穂を確実に殺す。
> そうすれば器もなくなり、ただの剣となることでしょう。
> 新たな能力に目覚めて、籐堂院瑞穂以外を操ることができるようになっていなければ、ですがね」

瑞穂を殺す気か。いや……瑞穂を食らう気だな。
ハーケンの能力は異能を食うという大変珍しい能力だ。
恐らく彼女が籐堂院の組織に居た時から目を付けていたに違いない。

―――しかし、籐堂院め。
剣になっても機関に固執し、他人を争いに巻き込もうとするとはな。
つくづく罪深い男だよ、お前は……。

ハーケンの過去を聞き終えた私は、右腕を擦った。
この有り様では次の任務に支障をきたすな……。
もし香坂織重がこの街へ来ているのであれば頼んでみるか。
『切断再帰』の二つを名持つ彼女であれば、骨折くらい容易に治せる。

「自ら言ってくれて良かった。こちらの情報を与える代わりに、聞き出そうと思っていた。
 ……君が何故籐堂院を知っているのか、をね」

さもなくば記憶を探ってでも探りを入れていた筈だ。手間が省けてよかった。

「有益な情報をありがとう。非常に助かったよ。
 ……もう直ぐ上野君が車を持ってくる。来たら彼と行動を共にすると良い。

 ―――残念ながら途中まで嫌いなタイプが一緒だがね」

【レオーネ:ハーケンの話を聞く】
【信じた訳ではないが、これ以上疑わない】
23神重智&敬 ◆6eLTPQTFGA :2008/06/19(木) 23:59:10 0

閉じたシャッターの前で宗方は答える
「店が開いていないのは見ての通りだ。だが…
こういう個人商店はチェーン店よりもやりやすいんだ
特殊な事情を抱えた人間が立ち寄る場合は特にな。
襲うにしろ、暴力をちらつかせて無理矢理協力を強制するにしろ・・
>>18 >>21
異能者が立ち寄るにはうってつけだ」

「なるほどな。潜伏するにはもってこいってことか」
凶悪な異能者が中に潜伏しているなら 朝から激しくやるとしようか
そんなことを考えながらいると…

「どうやら当たりらしい。見ろ、血だ。ぱっと見そう古い血でもない。ついさっきまで負傷者がここにいたという事さ。
あんたなら血の新鮮さまでかぎ分けられるかもしれん」
シャッターの周囲の血痕、それは誰かが傷を負った証拠。
体の中に取り込めばどれくらい新鮮かは分かるだろう。

そして宗方が薬局のシャッターをノックすると―――
白衣を着…眼帯をつけた男がシャッターを開けて答える
「いらっしゃい。生憎まだ開店前なんだがな」
隣には…女性が一人…。この男の女か何かか?
訝しげに言う男を見て…宗方は俺に合図を送ってくる。

――彼は異能者だ――

正確には、彼らかもしれないが宗方の合図はそれであっているはずだ。

「国崎さん・・・だったか。すまないな、こんな早い時間に。
だがこちらも危急の用件を抱えていてね・・・ちなみに隣の彼は仕事仲間の神重だ。」
どうやら、この男が薬局の店長らしい。
(いくら主導権がお前にあるからといって異能者かも分からん人に非礼はだめだ)
智がそう言うので仕方がなく
「よろしく」
敬ができる精一杯の笑顔で挨拶をした。その顔は引き攣っていたかもしれないが。

宗方が自分を異能者だと確信させるために、能力を使った。
勿論それは攻撃系能力ではない。宗方はその能力を見せた後…

「・・・伝言は聞いてもらったと思うが、あなたにどうしても伝えたい情報がある。
すまないが中に入れてほしい、立ち話できる内容ではないのでね」
そう言って薬局への立ち入りを求めた。これをこの男が認めるかは分からない
下手をすると異能者の確信をして攻撃してくるかもしれない。
宗方は不死身ではない、守る必要がある。

俺は左腕を後ろに隠し、さきほどついていた血痕を左手に集める
襲い掛かってきたときの保険だ。これくらいは準備しておいてもいいだろう。

血液球体形成中…

【神重:国崎の反応を待つ、攻撃された場合は球体が武器に変わる】
24アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/06/20(金) 14:23:32 0
>>22

「自ら言ってくれて良かった。こちらの情報を与える代わりに、聞き出そうと思っていた。
 ……君が何故籐堂院を知っているのか、をね」

どうやら、私の説明に対しては冷静に判断しているようだ。
しかし、あちらの情報を与えるつもりだったというのは怪しい話だ。
精神操作系の異能者が、わざわざ会話で情報を手に入れようとするとは思えない。
特にこの男の場合、その辺に嫌悪感を抱く異能者とは違うだろうし。

「有益な情報をありがとう。非常に助かったよ。
 ……もう直ぐ上野君が車を持ってくる。来たら彼と行動を共にすると良い。

 ―――残念ながら途中まで嫌いなタイプが一緒だがね」

確かに、それは残念だ。からかいというのは一対一が一番楽しいのに。
―――しかしまあ、彼に関してはいくつか疑問がある。帰ってくる前に尋ねるのもいいだろう。

「その上野さんのことで質問があるのですが。
 貴方、彼とは親しい知り合いだったりするんですか?
 それとも、番号つきの幹部に軽口が叩ける程度の地位にいるのでしょうか」

【アルト:質問中】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
25葦川妃映 ◆oov3HbsEaA :2008/06/21(土) 21:44:05 0
>>18>>21
>「……さあな。もしそんな奴に出会えたら、俺はそいつの為に死んでもいいんだが」
「お人好しなのは別に良いけどね、貴方は自分が死んで喜ぶ人を護りたいの?」
軽く口を吊り上げてからかう様に言う。
で、言った後にちょっと後悔。
出会って間もない人間が、あんまり意味深なことを言うと怪しまれるかもねえ。。
「ま、別に深い意味は無いから忘れてくれると助かるわ。行きましょう」
なんとか取り繕った微笑みは、しっかりと彼に向けることができなかった。

外にいたのは二人の男。
このタイミングで接触を図ってきたということは、二人とも異能者と見てほぼ間違いは無い。
>「私は光を操る能力者。二つ名は”明滅<Xペクター、あなた達に敵意を加える気はない。
ちなみにその蝶は無害だ、異能者としての挨拶だとでも思ってくれ」
>「・・・伝言は聞いてもらったと思うが、あなたにどうしても伝えたい情報がある。
すまないが中に入れてほしい、立ち話できる内容ではないのでね」

「・・・…どうするの?」
小声で国崎に問う。
国崎の少し後ろで話を聞いていたが、二人にはどうにも危険な香りがする。
その自信に溢れた態度と、どこか脅迫じみた言動から察するに相当な戦闘能力を持っていることが予想される。
だが、今回の事件に首を突っ込む気満々だ。できればあまり関わりたくないんだけど……
26善養寺 せつな ◆oov3HbsEaA :2008/06/21(土) 21:50:55 0
>>16>>17
ガソリンが引火し、爆発を起こす軽自動車。
与えられた衝撃も車体を歪め、もはや原形をとどめてはいない。
運転席も例には漏れず、炎と衝撃で完全に大破していた。
「……」
敗因は彼らを一般の物差しで計っていたことだろうか。
認識を改めよう。彼らは十分に狂人だ。
異能を持った人間は、皆狂う。
何かを良いわけにして容易に人を殺せる。
「甘かったのは…私…」
運転席で抱えていたパソコンが大爆発を起こし、彼女の身体を消滅させた。

【善養寺せつな:離脱。敗北ペナルティ】
【能力解除】
27桐北 修貴 ◆b1QjyOQzMk :2008/06/21(土) 22:32:41 O
>>3
何故?
しばらくこの言葉が頭から離れなかった
いや、それ以上の思考を頭が拒否したのだ
帽子を被っていたから気がつかなかった。注意して見てなかったから気がつかなかった

「君、君は桐北修貴だな?また逢ったな、覚えているとは思うが私は瑞穂、藤堂院瑞穂だ。」
忘れるものか、喋る剣を使う外国人異能者

>「すぐに殺しに行くからさ。」

そして自分に明確な殺意を抱いてる人物。
二度と会いたくないと思った相手がまだ一日も経っていないというのに目の前にいる
恐怖で顔が強ばっても仕方ない話だ

瑞穂本人や先程の付き添いさんや同年代の人が何か喋っているのが目で解るが耳には入ってこない
ただひたすらに考えた

何故彼女がここにいる? 自分を追って?
違う、こんな人いっぱいの所で襲うはずがないし、自分の力の源がヤハウェだとはまだ気づかれてないはず
なら何故?
あの同年代の人(多分協力者だろ)か本人の怪我の治療だろう。そういやさっき看護婦さんが「輸血は今日二人目」って言っていた
ならどうする?
簡単、逃げる

考えに没頭しすぎてたのか、藤堂院さんの顔が何か戸惑った顔をしてるのを気付くのに少し遅れた
自分と目が合うと彼女は何かを思い出したような顔をして
「そういえば、このバックは君のかな?
いろいろ私物が入ってたのでもしかしたらと思ったのだ」

肩に掛けてたバックを見せてきた
…ってホントに自分のじゃん!
なんで躊躇なく使えたんだろう…

バック一つと命の危機を天秤に掛けてバックを取る奴はいないだろう
ならそれに大金をプラスしたらどうなるか…?
少なくとも、自分は迷う人間だった
「あ…、ぅ……」

バックはいいから財布と金を返せ!
と、言いたいのが本音だがここでこの人と仲悪くなりたくないし だが諦めるにはあまりにも……



【桐北修貴:藤堂院瑞穂に動揺
バックを唸ってる】
28五徳 静慎 ◆YUm3AOdOaA :2008/06/21(土) 23:26:12 0
>>3>>27
>「ってうわあぁぁぁ!」

いきなり叫び声
何事かと思い其方を見やる

>「そういえば、このバッグは君のかな?
色々私物が入っていたのでもしかしたらと思ったのだ」
>「あ…、ぅ……」

見なければ良かった
なんと常識はずれな事をするやつだ…
この様なことを行うのは大概異能者である(偏見
まぁ見てしまったからには何とかしてやろう
そう思いなにやら迷っている方の運命を見る
…此処に来た元凶は私と同じか。

可能な限り気配を殺し異能者(偏見の背後に立ち、
そして肩に手をかける
「まあ返してあげても良いのでは?他人のものを勝手に奪うのは犯罪ですから」
無論笑顔は崩さない

…プレッシャーが非道い止めて置けばよかったか?


【五徳 静慎:藤堂院瑞穂に話しかける】
29池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/06/22(日) 18:48:16 0
>>26
不意に、これまで身体に伸し掛かっていた妙な気だるさが消えた。
どうやら敵の異能力が解除されたらしい。
俺は「ふぅ」と一つ溜息をつくと、拳銃を持つ右手の人差し指で
素早くクルクルと拳銃を回転させ始めた。

異能力は解除されたが、単に敵が気を失っているだけかもしれない。
しかし車はもはや全体に火が回っている。
脱出した様子もないし、これでは中の敵が余程の化け物でない限り、息絶えることだろう。

俺は回転させていた拳銃を止め、再び拳銃を手に握った。
その時視線は既に燃え盛る車にではなく、先程共闘したと言っていい女に向けられていた。
女は視線を未だ車に向けており、こちらの視線には気付いていないようだ。
敵は倒したが、この女も生かしておけば後々俺にとって障害になるやもしれん。
(この場で始末するか……)

握られた銃が静かにその銃口を女の背に向けた。
しかし、何の迷いもなく指が引き金を引こうとした矢先に、俺は銃を下ろすのだった。

車のフロントガラスと車体に二発。鉄球クレーン車の鉄球を落とすのに二発。
そしてガソリンに引火させるのに一発。
そう、ニューナンブと呼ばれる銃は"五連発"のピストルだということを、思い出したのだ。
俺は苦笑するように鼻で息を漏らすと、手にしていた銃を地面に落とし、
何も言わず女に背を向けてどこへともなく去っていくのだった。

──ところが振り返りはしなかったものの、俺はすぐに足を止めて女にある事を訊ねた。

「……俺は池上という。お前の名は?」

【池上 燐介:天宮香澄に名を訊ねた】
30籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/06/22(日) 21:18:38 0
>>27
「あ…、ぅ……」

桐北はすごく驚いているようでうまく喋れないみたいだ。
やはり、これは桐北がヤハウェ又はヤハウェに関する何かを持っていると言うことだろう。
少しかまをかけてみるか、その前に財布とお金を返しておこう。
この反応は多分返して欲しいけど強く言えないみたいな感じだと思う。

「まあ返してあげても良いのでは?他人のものを勝手に奪うのは犯罪ですから」

いきなり私の肩に手が置かれ、見知らぬ男性がそう言う、気配を殺して近づいたつもりだろうが私には分かっていた。
ただの私の背後を歩いている一般人かと思っていたがそうでもないみたいだ。

「今は私とこの少年が話しているのだ、貴様に口出しをされる筋合いはない
今すぐ失せろ、人の話を立ち聞きするのは趣味が良いとは言えないぞ」

私は肩に置かれた手を払いのけ再度桐北に話しかける。

「廃校に落ちていたから誰かが起きっぱなしにした物かと思ったがそうでもなかったみたいだな。
このバッグは私の下着等が入っているから返せないが中の財布と封筒は返そう。
あとバッグ代として3000円くらいでいいかな?」

そう言って桐北の財布に3000円を入れて封筒と一緒に返す。
すると桐北は少しお辞儀らしきことをして踵を返そうとする、よほど私と話していたくないらしい。

「待ってくれ、せっかくまた逢ったのだ、少し話をしていこう。
そんなに警戒しないでくれ、君がヤハウェだということは既に分かっている
大丈夫だ、殺したりはしない
君の中のヤハウェを消し去る方法を見つけたので殺す必要が無くなったのだ」

桐北の肩を掴み、耳元でそう言うと桐北の強ばった顔は少し和らいだ。
多分当たりだとは思うが確証は持てない、もう一押し言っておくか。

「あそこに居るのがヤハウェを消し去るために協力してくれる人物、『機関』に捕らえられていたところを私が助けたのだ
その際に君がヤハウェだという事も知ったのだ
少し怪我をしていたから病院に来たのだが、まさか君に会えるとは実に運が良い
因みに具体的な方法はまず彼の能力で君の精神とヤハウェを分離して、私の能力でヤハウェを君の体から出し、破壊する
君も私の刀を見たから知っているとは思うが、私の能力は精神を物体に憑依させる能力だ
どうだ、悪い話ではないだろう?」

私は統時を指さしそう言った、統時には後で少し話を合わせて貰おう。
話は全てでっち上げた物だが、桐北が何も知らなければ十分信じられる事だと思う。

「断ったら、無理矢理殺すまでだがな」

と、また師匠が小さく脅すようなことを言う。
当然桐北の表情はまた強ばる。
桐北はここでとぼけられるほど大物ではないはず、嘘はつかないだろう。
ついたとしても桐北は顔に出るタイプだ、一瞬で見抜いてみせる。

【籐堂院瑞穂:桐北修貴にかまをかける】
31天宮香澄 ◆XzQQgkPzlg :2008/06/22(日) 21:52:40 O
>>29
「私は香澄。天宮香澄よ」
燃え盛る車から視線を外して香澄は自分の名を名乗った。
その表情からは池上と名乗った男に対する警戒心は感じられず、むしろ「お疲れ様」とでも言わんばかりに微笑んでいる。
「ありがとう。ホントに助かったわ」
先程背中に拳銃を向けられたことに気付いていないのか、香澄は気さくに池上に話しかける。
「それにしても、よくピストルなんて見つけたわね。あっ、もしかして……」
香澄はそこで一端言葉を区切り、池上の顔を見た。
「……普段から、持ち歩いてるとか?」
他人に聞かれたくない話をするような小さな声で、香澄は池上に尋ねる。
「……なんてね!そんなワケないかー!私ったら、何言ってんだろ」
会話のキャッチボールなどどこ吹く風。黙っている池上相手に突っ走る香澄。
初対面の人間が相手であっても、彼女には関係ない。これが彼女なりのコミュニケーションだった。
これを受け入れられるかられないかで、彼女に対する印象は大きく変わるだろう。
「さってと!それじゃ、確認しましょうか」
炎上した車の何を確認しようと言うのか。
「中の人間がどうなったか、一応見ておかないとね」
まともな人間なら、炎上した車の乗員が生きているとはまず考えない。
しかし、彼女は敢えてそれを確認しようとしていた。


【天宮香澄、池上に車内を確認しようと提案する】
32廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/06/22(日) 22:24:12 0
>>20
雑誌のライター?つまり編集者のことか?
俺としては、別に構わないんだけど…瑞穂が何ていうか。
今はなんだか知り合いと話しているみたいだし…
それに、瑞穂と一緒にいるところを桜にみられたら不味い気がする。
まだカップルじゃあないのに、そんな気がする。何でだ?
まあ、今は平日の日中なので心配はないと思うが…万が一ってこともあるからな。
とにかく、ここは瑞穂の意見を聞かないと。

「俺は別に構わないけど…えーと…
 そうだ、俺の知り合いが何ていうか分からないからな」

瑞穂をチラっとみながら、俺は答える。
瑞穂は知り合いという事にしておいた。
知り合いと言うのは、存在を知っている仲という事なので
あながち間違ってもいない。瑞穂も怒りはしないだろう。

「瑞穂、どうする?この人が俺に聞きたいことがあるらしいんだが。
 俺はいいんだけど、お前が嫌だと言うなら断るぞ」

瑞穂へと向きかえり、俺は言う。
別に予定もないし、大丈夫だとは思うんだが。

【廻間:瑞穂に取材を受けるべきか問う】
33小村禅夜 ◆3LPMHhiq9U :2008/06/22(日) 23:04:58 0
小村は車をとりに瓦礫の山の切れ目、切れ目を歩いていた
・・そういえば、ラーメンを食べているときにアルトが何か言っていたような・・・・
食べるのと考えるのに夢中で気づかなかったな、後で聞いてみるか・・
そんなことを考えながらのたのたと歩いていた

車に着きドアを開けようとした瞬間、
唐突に横から何かが小村に向けて襲い掛かかる―――!!!
小村はそれをゴッドバルトで受け止め、跳ね除ける

ゴッドバルトの腕で粉砕されたそれは透明な力の塊だった
「誰ですか、こんな事をするのは」
その呼びかけに応え、瓦礫の上に仁王立ちするのは――――
『ブァッハハーー、この俺様だ』
ゴッドバルトよりは小さいが小村はより大きい背の・・・・・・・・・・熊だった
「・・・・熊?」
小村は唖然とした――――――がすぐ理解した
・・・・異能獣か
異能獣、それはその名の通り異能をもった獣などを表す
いわば異能者の動物版だ
機関でも異能獣に関しては研究しており、人工的に異能獣を造っている
・・・・異能獣だとすると人間の言葉を話せるのは異能の力か・・
あまり異能獣の気に触れたことはないから私やレオーネ達も気づかなかったのだろう・・

「熊がなんの用ですか?」
『・・・・・・』
急に熊が黙りだす
「どうしました?」
『・・・お前さ、もうちょっと驚かないわけ?だって熊がしゃべるんだぜ?』
「んなことはどうでもいいですから 用件は?」
『・・・まあいい、俺の目的はただ一つ!!人間への復讐だ!!
動物園の奴らめ、俺が原因不明の病にかかったからってこんなところに
まだ小熊だった俺を捨てやがった 
ま、俺はその病のおかげでこの力を手に入れたんだが――――な!!!!』
熊の口から先ほどと同じ透明な塊が飛び出した

ゴッドバルトが前に立ち、塊を空へ受け流す
「それがあなたの能力ですか・・」
『ああその通りだ。これがこの俺、熊田(くまだ)様の【咆哮本能(プレジャーハウリング)】!!!!
音を変幻自在に操ることができる力だ。だからてめーら人間が理解できる周波数で話をしたり、
今みたいに音圧を固めて飛ばすことだってできるんだぜ』
34小村禅夜 ◆3LPMHhiq9U :2008/06/22(日) 23:05:27 0
そんな胸を張って意気揚々と話す熊田に対して小村は
・・・・・ネーミングセンスが酷すぎる
あいつはあれで気に入っているのだろうか・・・
こんなことを考えていた



『ま、ともかくお前はこの俺様が殺して、哀れ!!瓦礫の山で熊に襲われ死亡!!、
っていう新聞の見出しを飾る運命なんだよ』
「・・・分かりました」
『お、なんだ。諦めたか?ブァッハハーー、そりゃそうだな、
いくらお前が異能者だかr―――』
「あなた相当センスがありませんね。そんな今時『哀れ』で始まる見出しなんてありませんよ
そのあなたのダサイ名前も気に入っているのでしょう」
『きききききききききさささささままままああああ!!!!!!
許さん!!こうなったらいたぶって、いたぶって、いたぶりぬいてごめんなさいと言わせてやる!!!
【音域停止(サウンドシャットアウト)】!!!』
熊田がそう叫んだ瞬間、小村の周りの音という音が静まり返る
熊田の声、小鳥のさえずり、瓦礫の山をすり抜ける風全てが静まり返る
また鳥は音波を出して方向を決めて進むため、方向が分からなくなり
次々と瓦礫にぶつかり地面に落ちていく

『ブアッハハーー、俺様から半径10m以内の音は俺以外の誰にも聞こえん!!!
外の音、中の音も聞こえないから仲間に期待するなよ!』
そう勝ち誇った声で唸る熊田の声は熊田以外の誰にも聞こえない
・・・・・何も聞こえなくなったな、奴の能力か。これは私だけなのか、
それとも他の生物にも効果があるのか・・・
いつも通りまず分析を始める小村
35小村禅夜 ◆3LPMHhiq9U :2008/06/22(日) 23:05:48 0
『さて、アンちゃんいくぜ、この空間で俺が繰り出す音圧の塊をいくつ受けられるかな?
・・・・狩りの時間だ!!!』
そう言い、即座に瓦礫の山に身を隠し、小村を中心に瓦礫の影を走り出す
『くくく、見たところ奴の異能は近距離パワー型、遠くから攻撃すりゃ俺の勝ちだな』
が、いきなり何かにぶつかり、熊田はバランスを崩し尻餅をつく
『んな!?なんだいきなり壁・・・が・・・』
見上げるとその姿は魔神を沸騰させる大男、ゴッドバルトだった
『んな!?お前はあいつの異能!?』
「・・・見つけましたよ」
ゴッドバルトの後ろから小村が前に出てくる
『な・・・てめ・・・どうして分かった』
その声は小村に届いてないが
「どうして分かった、って顔してますね、簡単です。まず音が聞こえなくなったのは空間的に、
それは鳥が方向を見失って落ちるのを見ればガキでも分かります。次に範囲、少し遠くの鳥は
自由に飛んでいるため範囲はせいぜい10mぐらいでしょう。」
『でもなんで俺様が近くにいると分かっ――――――』
熊田の声を遮り、
「最後になぜあなたがそばに居るのか分かったかそれは・・・・あなた少々大きすぎます
この瓦礫で音を立てず走るなど不可能、かといっても歩いたら技の出所で場所が分かるし、あなたの技は何十mも跳びそうな技じゃない。だからこうやってゴッドバルトを分裂させ、
周りを探させれば必ず見つかる」
『・・・・分裂だと・・?』
気がつくと周りにはゴッドバルトがずらりと熊田を囲んでいた
『な、、、なんじゃこりゃ!!・・・この!!』
熊田が音圧弾を放つが小村はひょいっと避け、ゴッドバルトの腹を通過していく
「この通り、ゴッドバルトは変幻自在、体を増やすぐらいどうって事ありません」
『な・・・なにをするk・・・・・・ぎゃばああああああああああ』
小村が悪魔の笑みを浮かべ、熊田の叫びが木霊するが、それは外には聞こえなかった


「ようやく、終わりましたね」
「ソウダナ、ニシテモアレハヤリスギジャナイカ?」
「最近負けっぱなしなのでね、ちょっと憂さ晴らしです」
・・・にしてもだいぶ遅れてしまった、アルトとレオーネをだいぶ待てせてしまったな
車のところに戻ってくると
「な・・・・・」
そこには先ほどの音圧弾でスクラップになった鉄くずが置いてあった――――


戻ってくるとレオーネとアルトはなにやら話し込んでいたようだった
「その上野さんのことで質問があるのですが。
 貴方、彼とは親しい知り合いだったりするんですか?
 それとも、番号つきの幹部に軽口が叩ける程度の地位にいるのでしょうか」
「それは言えませんね。私の地位については機密項目なので」
レオーネが答えるより早くレオーネ達の後ろから小村が返答した
「で、車なんですが・・・・・実は大破してしまいまして」
アルト、レオーネとも驚愕の表情を浮かべている
「・・・・・どうしましょうか?」

【熊田と戦闘・・・勝利】
【車が大破、しかたなく手ぶらでレオーネたちのもとに戻る】
36池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/06/22(日) 23:09:05 0
>>31
『天宮香澄』と名乗った女は、立て続けに言葉を捲し立ててきた。
それもこちらの返事を待たぬ内に勝手に自己解決してしまうという、
典型的なおしゃべりの人間であると直ぐに分かる程に。
俺は相変わらず喜怒哀楽のどれにも属さない表情を保ったままだが、
勘のいい人間であれば、こちらの雰囲気を読み取って直ぐにでも口を噤んでいただろう。
今の俺は極度に体力を消耗しており、長々と会話するほどの余裕はほとんどないのだ。

>「中の人間がどうなったか、一応見ておかないとね」
だが女はこちらの事情などおかまいなしに、遺体の確認をしようと提案した。
既に死んでいるとほぼ断定できる程の惨状が広がっているにも関わらずだ。
俺はたまらず拒絶の意を表した。

「……好きにしな。だが、俺は失礼するよ。
もし車内の人間が生きていても、どちらにしろもう俺に出来ることはない」

そう言い、俺の視線の端で倒れている人間達に何気なく目を向けた。
そいつらは初めに女を発見した時にたまたま視界に入っていた連中だった。
顔は見てないが、体つきからして恐らく若い男だろうが、
あの時と変わらず、そいつらは相変わらず地面に伏したままである。
近くには俺が燃やした車の物と思われるタイヤの跡に、
何故か千切れた人間の物と思われる手首が投げ捨てられているかのように転がっていた。
それらを見て何かを感じ取ったかのように、俺は再び女に向かって口を開いた。

「……俺は病院に行く。
この周辺で倒れている人間の中にもしお前の仲間が居たなら、
そいつも早いところ病院に連れて行ってやることだな」

それだけ言うと、俺は歩き出し、今度こそ立ち止まることはしなかった。
(……喫茶店にでも入って時間を潰すつもりだったが、この有様では閉まっているだろう。
時間を体力回復で潰すことも兼ねて、病院で点滴でも打ってもらうとしよう)

【池上 燐介:駅前→病院へ】
37国崎シロウ ◆Jd2pQO.KKI :2008/06/22(日) 23:29:57 0
>>21,,23,,25
「変質者は家に入れないのが普通だろ……とでも言いたい所なんだが、
 確実の確信無し人に能力晒す様な奴等だからな。追い返すよりも、店の中に入れた方がいいだろ」

宗方と神重、訪れ名乗った二人の男達。
端的に言えば、俺には彼等の言葉を信じる理由が無かった。
見知らぬ人間からのいきなりの電話に、急転な来訪、その上、異能をチラつかせ
話したい事があるから店に入れろとくれば、はっきりいって彼等の言葉を信用出来る筈が無い。
あまりに材料が不足しすぎている。むしろ危険人物と捉えた方が適切だろう。
だからこそ、下手に暴れられるより、一旦店に入れてしまい、
罠なら罠ごと喰らえる形に持ち込んだほうがいい、そう考えたのだ
俺は、葦川に更に小声で返した後、二人に対し

「さて。まあ、お前さんが手品上手なのは判ったが、そんなガキの自分設定はどうでもいいんだ。
 救急箱だったか? とにかく、とっとと買い物済まして帰ってくれ。俺は開店準備で忙しいんだよ」

鬱陶しそうな表情を作って指差したのは店の玄関。
一般人の偽装の裏側は、そこまでならば入ってもいいと言う意思表示。
そうして俺は葦川を促しつつ店内に戻っていく。

「ああ……ところで、神重っていったか? お前さん、何で腕を後ろに隠した?
 何か見られちゃマズイ物でも持ってるなら捨てていけ。 警察呼ぶぞ」

店に入る直前に、その一言を残して。

【国崎:警戒故に、仕方なく二人が店部分に入ることを許可。一般人の演技はしたまま】
38恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/06/23(月) 01:03:59 0
>>30>>32
些か強引だったかな・・・青年は雑誌と名刺を受け取ると悩む仕草を見せる
やっぱここでの交渉は少しまずかったかな。彼自身もココに用があったかもしれんし
ふと生傷青年と外国人姉さんに目を向ける

なにやら生傷青年の様子はちょいとおかしい
どうも会いたくない相手と出くわしてしまったかのようだ。にしてもあのキョどり方
色恋沙汰では無さそうだな。若いのに苦労が多いな・・・頑張れ生傷青年
っとあちらの方に気を逸らしていると

>「俺は別に構わないけど…えーと…
 そうだ、俺の知り合いが何ていうか分からないからな」

青年が悩んだ末、承諾してくれた。・・・ふぅ、安心した
もしも突っ撥ねられたりでもしたら俺はもう気力がグーンと下がって立ち直れなくなってたよ
だが同伴者・・・もとい、外国人の姉ちゃんの同意が必要か。まぁ当然だろうな
二人の関係を察する事はしないけどね

すると青年が会話中の生傷青年と外国人姉さんの方に体を向ける
・・・ん? なんか見慣れない人が居るが、この際置いておく
>「瑞穂、どうする?この人が俺に聞きたいことがあるらしいんだが。
 俺はいいんだけど、お前が嫌だと言うなら断るぞ」
気軽な口調で青年が外国人姉さんに話しかけた瞬間、外国人姉さんが青年を指差した
青年がぽかんとして外国人姉さんを見つめ、外国人姉さんがこれまた青年の顔を見つめキョトンとした

「・・・っぷっ」
何か分からないけどその光景が妙にシュールで、俺は噴出してしまった
・・・うむ、失礼だな。俺はすぐにイケメン、もとい真面目な顔を作り、外国人姉さんの返答を待つ

・・・どうでも良いけど外国人姉さんって言いにくいな
【廻間と同じく籐堂院の返事を待つ】
39宗方零 ◆BSFghFxWJY :2008/06/23(月) 02:33:22 0
>>37
>> 「さて。まあ、お前さんが手品上手なのは判ったが、そんなガキの自分設定はどうでもいいんだ。
>>救急箱だったか? とにかく、とっとと買い物済まして帰ってくれ。俺は開店準備で忙しいんだよ」

国崎は鬱陶しそうな表情で宗方達の進入を許可した。
まずは成功。警官時代に学んだ”強引な捜査法≠ェ役に立った。
逆効果になるかもしれないあの”手品≠烽ネんとか功を奏したようだった。

指さしたのは玄関。なるほど、「それ以上は足を踏み入れるな」という事か。
しかし…彼は今までで出会ったどの異能者とも違っていた。

>>「ああ……ところで、神重っていったか? お前さん、何で腕を後ろに隠した?
>>何か見られちゃマズイ物でも持ってるなら捨てていけ。 警察呼ぶぞ」

神重を見る、片腕を後ろに回して注意無くこちらを伺っていた。
彼なりのフォローなのだろうが、宗方の”手品≠見せた今となっては危険すぎた。
「神重・・・手品ならもう私が見せた、二度やる必要はないさ。彼もそういうのは見飽きているだろうしな。
今は手品の種をしまってくれ、私の事なら心配無用だ」

宗方は国崎が今までの能力者と違っている理由に気づいた。
それは彼は能力者であることを隠したがっていたからだ。

その判断は賢明だ。
一般人に紛れて異能者が能力を隠すのは当たり前の事だ。
そして、異能者とは全く関係ない真っ当な商売人として日々を送っている。
宗方などよりもよほど真っ当だった。
その見知らぬ過去には、想像も及ばぬ苦渋の過去があったのだろう。
国崎にとっては、宗方ごときは日常を脅かす侵略者でしかない。

しかし宗方はその感傷を心の中で断ち切り、決意する。
この男をどうあっても”こちら側≠ノ引きずり出す。
国崎は、宗方の話を聞く気は全くないようだが、どうあっても聞いて貰う。

そしてその方法は余りにも簡単だった。
人として言うならば唾棄すべき方法。
宗方の稼業ではそれが当たり前の方法で。

「済まないな、では入らせてもらおう。」
宗方は玄関で足を止めると、ポケットから封筒を取り出す。
「10万ほどある、釣りは要らないから取ってくれ。
本当ならレジで会計を済ませたいところだが、あなたの意志を尊重しここで会計をしよう」
40宗方零 ◆BSFghFxWJY :2008/06/23(月) 02:34:30 0
宗方は腰を屈めて封筒を床に置く。

「取ってくれ」

そう言って封筒を国崎の足下に滑らせる。
国崎の視線が一瞬封筒に向いた瞬間、宗方は”ルクスドライブ≠発動。
国崎の鼻先まで光の速度で移動し、光速で手を閃かせると玄関先へ瞬時に戻る。

宗方は、国崎を真っ向から見据える。
片手に国崎から掠めとった眼帯を持って。

眼帯を奪い、負傷の跡を見ることによって国崎を問いつめる材料にしようとしたのだ。
だが、露わになった国崎の”眼≠ヘ人のものではなく異形そのものだった。
これを暴くことは、国崎にとっては想像以上の苦痛だろう。
宗方は感情を完全に殺し、淡々と語り始める。
警官時代に培った感覚がまた役に立った。

「その眼は”ものもらい≠セなんて言うわけでもあるまい。
国崎さん、あんたは異能者だ。
隠しても分かるさ。もう隠しようがないんだからな。
開店前なのに店先にあった血痕、眼帯、この非常時に不自然に無事な店舗。
バレバレだ。猿芝居もほどほどにしてくれ。
あんたが自分の日常を大事にしたい気持ちは分かる。
見ての通り今までうまくやりおおせてきた。
”普通の人生≠送る事に。それは尊い事だ。誰にもできることではない。
本当に立派な事さ、あんたに比べれば私などはちんぴらに等しい。

だが今この街は、普通の法と普通の感覚と普通の人生が通用しない街になっているんだ。
それも、何も関係のない少数の人間たちの意志でそうされてしまったんだ。
だから情報を携えてここに来た。
このくだらないゲームの主催者共の思惑、そしてその居場所を知らせるためにだ。
だがあまり時間はない。このまま手をこまねいていてはな。
おそらく奴らはこの街を消す事すら辞さないだろう。
そうなれば人生全てが水の泡だ。あんたの人生も私の人生もだ。
そうなってもいいのか?私はまっぴらごめんだ。それでもこの期に及んでまだ猿芝居を続ける気か?
それはあんたの勝手だがそれでは何も救えんぞ、あんたの人生”さえも≠セ。」

宗方は一息でそこまで言うと。ジャケットを脱ぎ捨てて全ての武器を投げ捨てる。
懐中電灯、光線銃の入ったホルスター、ベルトの下の光ファイバケーブルが床に落ちて乾いた音を立てる。

「繰り返し言うがあんたに危害を加える気はない、話をしにきただけだ。
私はあんたになにをされてもやり返さない。誓うよ。
あんたが手の内を見せないからこうした。非礼は承知だ。
憎むなら憎んでもらって構わん。だが私を殺すのは話を聞いてからにしろ。
あんたにその気がないというなら・・・勝手にしろ」

宗方は神重を横目で見て「絶対に手を出すな」とだけ言うと
国崎と対峙した。
【宗方零 国崎から眼帯を奪い能力者であることを暴く】
41アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/06/23(月) 11:11:31 0
>>35
私の質問にロンバルディーニが答える前に、上野さんが現れた。

「それは言えませんね。私の地位については機密項目なので」

つまり、やはり前線隊長というのは嘘だということか。
機密項目だとか言い出す時点で、幹部クラスの地位はあると考えられるだろう。
まあ、まさか全ての黒幕だ、ということはないだろうが。
…しかし、突然声をかけるのはやめてもらいたいものだ。

「で、車なんですが・・・・・実は大破してしまいまして」

「―――――――馬鹿ですか、貴方は。
 どうやったらこんな短時間で車を壊せるというのです。
 ……機関に敵対する者の破壊工作だとしても、子供じみていますし」

しかし、車が壊れたとなると…これは、少し面倒だ。
まさかタクシーを借りるというわけにもいかないでしょうし。

「・・・・・どうしましょうか?」

…それならば、歩きしかないか。半裸男を連れ歩くのは嫌なのだけれど。
まあ、問題はないか。近場の店で衣服でも買えばいいだけだ。
しかし、私とロンバルディーニは持ち合わせがない。だから、

「それなら、まずは上野さん。ロンバルディーニさんの服を買ってきてもらえませんか?
 流石に半裸の変質者を連れ歩くのは気が引けますからね」

ついでに毛布も買い換えたいところだが、流石にそこまで甘えることはできないだろう。

【アルト:毛布を買い換えようか考え中】
【小村のことを上野恭平だと思っている】
>>24 >>35 >>41
>「その上野さんのことで質問があるのですが。
> 貴方、彼とは親しい知り合いだったりするんですか?
> それとも、番号つきの幹部に軽口が叩ける程度の地位にいるのでしょうか」

小村の現在の立ち位置は前線基地の隊長だったな。
ならば、何度か顔を会わせた程度に留めておくか。
大体、偽情報を教えるからこんな面倒な事になるのだ。素直に自分の身分くらい明かせば良いものを……。
―――いや。愚痴を言っても始まらないな、過ぎた事だ。
今はその設定に合わせていくしか―――

>「それは言えませんね。私の地位については機密項目なので」
返答の台本を書いていると小村が"歩いて"戻ってきた。
やれやれ……。手間が省けた。
―――待て。"歩いて"…だと?
車はどうしたのだ? ここまで入って来れないのだろうか?
……途轍もなく嫌な予感がする。気のせいであって欲しい。

>「で、車なんですが・・・・・実は大破してしまいまして」
小村の言葉に耳を疑った。車が…大破した……だと!?
何という事だ! このままでは変質者に間違えられてしまう!
最悪の想像が頭を過る。不味い…非常に不味い……!

―――というのは冗談だ。何もそこまで焦る必要は無い。
小村の車が使えないのであれば、代わりの物を用意すればいい。

>「それなら、まずは上野さん。ロンバルディーニさんの服を買ってきてもらえませんか?
> 流石に半裸の変質者を連れ歩くのは気が引けますからね」

この女、どうしても小村の情報を聴き出したいようだな。

「まぁ待て。上野君、何が遭ったか敢えて聞かないが、
 車が壊れたのなら機連送で本部から迎えを頼めば良いのではないか?」

実にシンプルかつ確実な方法だ。私の腕の治療も行えるだろうし、
ハーケンにも連絡手段を与える事が出来る。『マンデリン』のコーヒーも在る。

「ハーケン君、どうせ君は上野君を買い物に行かせている間、彼の事に探りを入れるつもりなのだろう?
 それに上野君も、機密事項…という事は、それだけの地位に居るという事を露呈させたも同然だ。
 ……もう話しても良いのではないのか?」

【レオーネ:小村に機連送で迎えを寄こせばどうかと提案】
【情報開示の決定権は小村に渡す模様】
43天宮香澄 ◆XzQQgkPzlg :2008/06/23(月) 20:24:42 O
>>36

「ふぅ…行っちゃったか」
少しだけ残念といったふうに、香澄は呟いた。
しかし、彼女は立ち去る池上の背中を最後まで見送ることなく、早々と車に駆け寄る。
怪我人がいる以上、あまりゆっくりとしているワケにはいかない。早々に車内の確認を済ませなければ。
燃え盛る車に対して、何の躊躇いもなく香澄の腕が伸びていく。
炎が彼女の手を包んでも、彼女の表情は少しも変わることはない。
香澄はおもむろに車のドアを開けようとするが、それは叶わなかった。
ロックが掛かっているのか、それとも事故の衝撃で歪んだのか。真相を確かめる術は、彼女にはない。
「…仕方ないわね」
ガキンッという音と共に、香澄は車のドアを強引にこじ開けてしまった。 どう見ても、人間の腕力ではない。
更に彼女は火葬場のような様相を呈している車内を覗き込んだ。
「う〜ん…流石に跡形もないって言うのは、ちょっと不自然な気もするわね」
確かに死体が跡形もなく消滅しているのは不自然ではあるが、炎の中で平然としている香澄自身の方がよっぽど不自然である。
「…もしかしたら、逃げられたかしら?」
そんな疑問が沸き上がるが、それを確認することは出来そうになかった。
それよりも、あの車を止めてくれた男の安否の方が香澄には気掛かりだった。
香澄は車から離れると、脇目も振らず倒れている男に駆け寄る。やはり彼女は人ならぬ身なのか、その身体のどこにも火傷を負ってはいない。
「大丈夫ですか…?敵は倒しましたよ」
自分に全てを託してくれた男に対して、香澄は自分の勝利を告げた。
その声には、もし男が死んでいたらどうしようという不安がにじみ出ていた。


【天宮香澄、倒れている七重に話し掛ける】
44七重 凌司 ◆Wg8HeG5HhI :2008/06/24(火) 00:27:05 0
>43
意識を取り戻す者もいれば、
しじまに取り残されている者もいた
幸いにも、七重は前者の方に含まれたようで、倒れたまま薄らと瞼を開いた
次いで、右手を動かし、後頭部をガシガシと掻く
髪は徐々に赤く染まる。どうやら傷まで引っ掻いているらしい
余り痛みを感じさせない表情は、神経が半ば麻痺している証だろうか

>「大丈夫ですか…?敵は倒しましたよ」

と七重に話しかけるのは、先ほど彼に共闘を申し込んだ女性であった
端正な顔立ち。風に揺らぐ黒髪
彼女の容姿を改めて観察した七重は、何らかと唇を開きかけたが、
そこから零れたのは言葉ではなく、鮮血である。口内が裂けているのだ
仕方無しに、首を縦に振って返答とした
その女性の彼方に、そっと人影が揺らめいてはいたが、
すでに明瞭さは失われており、七重の気を惹くには至らない

七重は視線をずらす。車体が巨大な鉄球に潰され、炎上しているのが見えた
異能者が乗っていたであろう、赤い化粧を施した、白い軽自動車である
黒煙と、鼻を侵食するようなどぎつい臭いが撒き散らされている
単に油や金属の焼ける臭いではなさそうであるが、
そこから先を、一体誰が推察し得るであろうか
七重はもう、状況の把握をすっかり放棄していた

過程はどうあれ、異能力から解放されたのは確かである
七重は立ち上がり際、赤色を吐き出す

「倒しまし、た」

女性の言葉を復唱する七重から少し離れて、
ひしゃげた自動車が、炎を煽り喝采するかの如く、
小さな爆発音を立て続けに放っていた

「あれは何の用だったんだ」

しばしの沈黙を破って、七重は質問を提出した
あれ、というのは、異能力に見舞われる前に交わした駅での会話を指す
一度死に掛けておいて、些細なやり取りを覚えているというのも、
妙なところばかり気にかける男である

「用無しになったんなら、俺は自分の面倒を見る」

と言いつつ、七重は地面に転がっていた、自分の携帯電話を取り上げる
車との衝突に備え、咄嗟にポケットから放り出していたのであった
傷だらけの機体を弄り、さりげなく、どこかに着信を入れ、
簡潔にボソボソと喋ると、五秒と経たずに通話を打ち切った

凄惨な光景もどこ吹く風
近づくサイレンの音と、緩やかな雨粒が、空気を漂白し始めた
45天宮香澄 ◆XzQQgkPzlg :2008/06/24(火) 23:32:34 O
>>44

すぐに通話を打ち切ったところを見るに、男はなかなかさっぱりした性格らしい。
しかも呼び止めたことをきちんと覚えていた。香澄は最初に声を掛けたのが、この男で良かったと実感した。
「すみません。異能者でしたら、大きな剣を振り回す男と、風を操る少女のことを知りませんか?私の仲間なんです」
見ず知らずの相手に自分の仲間のことを話すのが、どれだけ危険かは言うまでもない。それでも、香澄は目の前の男に自分の仲間のことを話した。
「その二人と合流するために、私はここへ来ました。それに…」
ここから先は本当に話す相手を選ぶ必要があった。もし今から話す内容が敵に知られでもすれば、見知らぬ街で活動する自分達にとっての生命線を断たれかねないからだ。
「…もう一人、すでに二人と合流しているであろう人物がいるのですが」 ここまで話して勿体ぶる香澄ではない。彼女はそのまま男に向かって言葉を続ける。
「その人がいれば、あなたのケガを治すことができます」
言ってしまった。だが香澄は後悔してはいなかった。
目の前の男は少なくとも敵ではないだろうし、先程の携帯での通話を見る限り口を滑らせそうにもない。
香澄が懸念していたのは、目の前の男が文月や如月について知っているかどうか、ただそれだけであった。


【天宮香澄、七重に文月達について尋ねる】
46桐北 修貴 ◆b1QjyOQzMk :2008/06/25(水) 01:39:25 O
「返してあげても良いのでは?人の物を勝手に使うのは犯罪ですから」

藤堂院さんからの質問(精神的には既に拷問)に迫られた自分に差し出された知らないおじさんの助け船は

「今私とこの少年が話しているのだ、貴様に口出しされる筋合いはない
今すぐ失せろ、人の話を立ち聞きするのはあまりいい趣味とは言えないぞ」

あまりにも、冷たく突き放した言い分に一蹴された。
自分に対する喋り方との天と地の差に、驚きと疑問を感じていたら彼女は何事も無かったように自分にバックを出した
外見のみの確認だが間違いなく自分のだろう
既に重宝していて返さないかわりと称して三千円をプラスされて財布と封筒が帰ってきた
本当の値段はセール品で3,580円だったのだが流石に今は空気を読んで黙っていた
それよりも封筒である。部屋で中身の安否を確認せねば…

「待ってくれ、せっかくまた逢ったんだ。
少し話をしていこう」

自分なりの誠意を込めて彼女に感謝し、そそくさと病室に行こうとしたが失敗した。
ちょっと待ってくれ…、見て解るでしょ?自分怪我人、休ませて下さいよ…
「そんなに警戒しないでくれ、君がヤハウェだとは既に分かっている
大丈夫だ、殺したりはしない
君の中のヤハウェを消し去る方法が見つかったので殺す方法が無くなったのだ」
(なっ…!?)

その言葉に全身に衝撃が走った。
話の内容も勿論なのだが、今すぐ飛びつきたい話なのだが…

この人、何故『ここ』で言うんだ?

という焦りと疑問が出た
その後彼女は具体的な方法説明をし始めた。 無論『ここ』で

「どうだ、悪い話ではないだろう。」
「断ったら、無理矢理殺すまでだがな」

最後の剣の一言が引き金だった
プチッと自分の何かが弾けた気がして
「ちょっ、ちょっと来て下さい!」
自分でも驚くくらいの力で藤堂院さんを待合室の隅に引っ張った
その能力者の人が藤堂院さんに何か話しかけていたが無視した。

「なに考えてんですか藤堂院さん!」
自分の第一声(当然向こう三人には聞こえない程度)
に相手は本当にわからないといった顔で首を傾げた
47桐北 修貴 ◆b1QjyOQzMk :2008/06/25(水) 01:44:48 O
>>46
「あ〜、もう! わからないんですか!?
ヤハウェとか機関とかそういうコッチ関連の話を『普通の人』の前でしちゃだめじゃないですか!
もしその人が好奇心で不用意に首突っ込んで、他の異能者にいきなり殺されたりもしたらどうするんです!?
それに、殺す必要がなくなったとか言っておきながら、断ったら殺す?
なんですかソレ! 自分の命貴女の気分次第ですか!?
つか、鞄に入ったままの剣が喋るな! しかも人前で、心臓に悪いですから…」

自分勝手
何となくこの人にはこの言葉が合ってる気がする
そんな失礼な考えをしながらエレベーターに振り向いた
とっくにエレベーターは別階に移動しており
二度手間になることに小さく溜め息を吐きヒートした反動か無意識に自己防衛の嘘と話題変更をした

「ヤハウェだがなんだが知りませんけど…
結局、異能者の力なんてみんな『誰か』の都合じゃないですか。
知ってるとは思いますけど、自分この前偶然聞いたんですよ。 異能力って……」




【桐北修貴:藤堂院瑞穂に長束誠一郎から聞いた話(異能者は全て機関が作ってる事)を話すつもり
あまりこの話は本人も嫌なので誰かに止められれば話すのをやめる】
48恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/06/25(水) 10:31:06 0
>>46-47
静かに彼女の返答を待っていた俺達だったが、意外な展開となった
何故かは分からないが、生傷青年が外国人姉さんの腕を掴んで待合室の隅へと引っ張っていった
彼女が生傷青年にどんな事を言ったかは推測できないが、よっぽど気に障ったんだろうな

けど、あの調子だとけっこう長くなりそうだ
それにあんな調子だと外国人姉さんも多分取材に対して乗り気にはならないだろうな
外国人姉さんが連れてかれて、目の前の青年は目をぱちくりさせている

やっぱ失敗だなぁ。こんな調子じゃ俺もモチベーションが下がる
けどそれなりに情報網は掴んだ。俺は生傷青年と外国人姉さんに向けていた顔を青年に向きなおした

「なんか長くなりそうだねぇ・・・悪いけど、この話は持ち越した方がいいな
 その名刺に僕の携帯電話の番号が書いてあるから、気が向いたら電話しておくれ」
俺は青年にそう告げて、名刺を見るよう促す。それなりの個人情報は書いてある
けど正直こういったケースで電話をくれる人は殆ど居ない。わざわざ時間を割くほど暇な人は居ないということだ
ぶっちゃけこの時点で取材は100%失敗だな。あまりに駄目っぷりにため息も出ない

「それじゃまた。助けてくれて有難う。感謝するよ」
青年に会釈をして俺はその場を後に・・・いや、一応礼はしておこう
俺はバックを漁り、謝礼金代わりのそれを取り出した。全国共通のとあるファーストフード店の割引券だ
これぐらいなら何とか条例にも引っかからないだろう。青年にその割引券を数枚手渡す

「あと一週間くらいで期限が切れるからお早めに。だれか親しい人でも誘ってね。じゃ、これで」
青年にそう言い残し、俺は待合室を後にした。しかし青年にしても生傷青年にしても、あの外国人姉さんの何なんだろう
若いって良いなぁ…若干の恨めしさを残しながら玄関前まで
っと、下を向いて考え込んでいたら誰かと肩がぶつかった。バックの中身が地面にバラける

「あ、す、すいません!」」
ぶつかった人に謝罪して地面にバラけた諸々を拾う・・・と
『達哉、気をつけて』
久々に耳鳴りが俺に囁いた。・・・つーかぶつかってからじゃ遅いっつーの
ぶつかる前に何か言ってくれりゃいいのによ。耳鳴りに対しブツブツと嫌味を呟く

けど耳鳴りの感覚も分からなくも無い。何だか凄く痛い目線を上から感じる
俺は恐る恐る立ち上がりながらぶつかった人に目線を合わせる
灰色の髪の毛に正に切れ長の目の男が、俺にキッツイ目線を向けている

その迫力に気圧され、俺はそそくさと逃げるように病院から出て行った
いや俺が悪いんだし、逃げたって言うか気まずいというか・・・
けど妙な感じがしたな、今の人。なんというか・・・駄目だ、上手く言えん
取りあえず病院には用は無いし、駅方面に行ってホテルに向かおう。つうかそれが最初の目的だ

取りあえず所持金を確認しておこう。バックを漁り財布を・・・
財布・・・アレェ!?財布が何処を探っても見当たらない。おかしい、おかしいぞ
まさかさっきバックの中身をぶちまけた時に落としたか?どれだけついてないんだよ、俺!

よし、方向転換だ。俺はダッシュで病院に舞い戻る事にした
【病院にUターン】
【病院に財布を落とす】
49籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/06/25(水) 21:11:48 0
>>47
「ちょっ、ちょっと来て下さい!」

桐北はそう言うと、見かけによらない強い力で私の腕を掴んで待合室の隅っこへ引っ張る。
どうしたのだろうか、師匠の言葉がそれほど気に障ったのか?

「なに考えてんですか藤堂院さん!」

私が何を言っているのだというふうに首をかしげると桐北は少しいらついた顔になる。

「ヤハウェだがなんだが知りませんけど…
結局、異能者の力なんてみんな『誰か』の都合じゃないですか。
知ってるとは思いますけど、自分この前偶然聞いたんですよ。 異能力って……」

さりげなく否定はしているが桐北はやはりヤハウェだろう。
『機関』もヤハウェも知っているとなると、多分『機関』に何度か接触した事があってその時聞いたのであろう。

「私がここでこの話をしたのは少し不用心だった。
しかし、特に気にすることではなかったのだよ、私達にとっては『機関』などの言葉は危険なものだ。
例えば一般人が『機関』やヤハウェという単語を聞き取ったとする、どう思うだろうか?
大方ゲームや漫画の話だと思うだろう、一般人は『機関』なんて知らない。
100%までとはいかないが99%は気にもとめないだろう。
今君がとった行動のせいで逆に怪しまれた可能性だってあるのだ、あくまで可能性の話だがな」

私は一度言葉を止め、向こうの方で呆気にとられている統時に手で少し待ってくれと合図を出す。

「確かに殺さず済む方法は見つけたがな、まだ一度も試したことのないから確実性もない、俺ははっきり言ってこの方法には賛同出来ない。
それと、一般人が戦いに巻き込まれて死ぬことが嫌ならまずお前が死ね。
お前のせいだけではないだろうが『機関』のファーストナンバー達がついに動き出した。
ファーストナンバーってのは『機関』の上位の幹部の事だ。
これはお前というかヤハウェを捜すためなんだ、お前が死ねば帰ってくれるかもしれない。
帰ってくれなかったとしても『機関』の計画が潰れて一般人の被害が減ることは確かだろうな」

師匠が桐北にそう言う、少し言い過ぎじゃないだろうか?
師匠の言った事は事実だが、高校生の少年に言うには少し酷な事だっただろう。

「すまないな、師匠が失礼な事を言って。
『機関』はヤハウェを狙ってはいるがそのためだけにここまで大掛かりな事はしない。
多分他に何か大きな事をするついでだろう。
でも『機関』は無駄な事はしない、ヤハウェにも何かしら意味があるはず、私はそれを阻止したいのだ。
そして、出来れば君を殺したくないと思っている、だからこの方法を試したいのだが、どうだろうか?
それと、君がヤハウェについて聞いた『機関』の人物についても教えてくれると嬉しい」

私は桐北の嘘を完全に無視して話を進める、少しフォローも入れてみたのだがあまり意味がないだろうな。
出来る事なら桐北を殺したくはない、しかし師匠の願いは私の使命、やらないわけにはいかない。

【籐堂院瑞穂:桐北と交渉中】
50池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/06/25(水) 23:16:18 0
>>48
あの駅での一件から二十数分は経っているだろうか。
俺は目的地である病院に辿り着くと直ぐに受付を済ませ、
今は既に多くの人間でごった返している待合室のソファに腰をかけ、順番を待ち続けていた。
朝でも、大病院となると来訪する人間の数はかなり多い。
急患でもない限り、一時間くらいは平気で待たされるものだ。
この効率の悪さには辟易していたものだが、今の俺にとってはこの上ない時間潰しとなってくれる。
とは言うものの、診察までただソファに座っているだけというのは退屈なものだ。
俺は待合室に置かれている雑誌でも読もうと席を立ち、ふと玄関に目を向けた。

中年親父が何かを手にして何やらキョロキョロと辺りを窺っている。
見れば、手にしている物はどうやら財布であるらしい。
中年親父が挙動不審な行動を取っている場所は、先程ひょろっとした眼鏡青年が
俺とぶつかった場所だ。あの時、俺とぶつかった拍子に彼が自分の私物をぶちまけていたが、
もしかするとあれは彼の財布ではないのだろうか。そういえば微かだが見覚えがある。

中年からは、放って置けば黙って持っていくと断定できるくらい不審な雰囲気が漂っている。
俺には関係のないことだと見て見ぬフリを決め込んでもよかったのだが、
目の前で堂々と盗みを働かれるのは、俺にとってあまり良い気分がしない。
俺は雑誌が並ぶ本棚に向けていた体を玄関に向けなおし、
その中年のもとへと歩み寄った。

「ありがとうございます、拾っていただいて。それ、僕のなんですよ」

まさか落とし主と名乗る者が現れるとは思ってもみなかったのだろう。
中年は一瞬驚いたような顔を見せると、少しどもついた声で財布を渡してきた。
俺は財布を受け取ると、中年を背にして先程まで座っていたソファに戻り、腰をかけた。

「つくづくお人好しだね……俺も」

思わずそう呟いてしまう。
隣に座っていた高齢の女性は、今頃俺を変な目で見ていることだろう。
俺はそれを気にすることもなく、今度こそ本棚に向かうべく再び席を立った。
と、その時である。

「三十番の番号札をお持ちの方ー、四番の診察室へどうぞー」

俺に順番が回ってきたと、看護婦が告げたのだ。
意外や意外、受付を済ませてからものの数分で順が巡ってくるとは。
そういえばここに入院している人間だろうか、辺りにはパジャマ姿の人間が目立つ。
検査か何かの際にたまたまここに立ち寄り、本を読んで暇でも潰しているのかもしれない。
であれば、外来で順番を待つ人間の数は俺の予想に反してそう多くは無かったということか。
まぁどうあれ、呼ばれたのだから行かなくてはなるまい。

俺はまたも本棚に向けた体を向けなおし、四番の文字が書かれたプレートが貼り付けて
ある部屋へと足を進めた。
(そうだ、受付に財布を届けておこうと思ったが……後でいいか)

【池上 燐介:恋島達哉の財布を拾い、そのまま診察室へと向かう】
51国崎シロウ ◆Jd2pQO.KKI :2008/06/26(木) 01:24:39 0
>>40
「……いいや、ただのものもらいさ」
俺は常人が持ちうる最大限の速度で彼に肉薄し、片手を伸ばしその首を掴んで
宗方を壁に押し付けた。
感情も理性もトんでいた。
例え武装を解こうとも、容赦する気は無い。
この男は、越えてはいけない一線を越え、
出してはいけない所に手を出した。
そして、まだその先に進もうとしている。
ならば、俺が俺であるのを邪魔するのならば、約束を奪う気ならば、
ならば――――消す。

俺は残った片手で片手で眼帯のあった所を押さえながら、
機械の様に宗方という男に告げる。

「……なあ、仮にお前さんの言う通り、俺が異能者とやらだったとしよう。
 そんで、俺の力を借りて機関とやらを倒して目的を果たしたとする。
 ああ、そうなったら、お前さんは達成感やら正義の味方気分やらに浸れて
 嬉しいだろうな。町の人間も助けられて万々歳だ。

 ……で、俺はどうなる?」

ギリリ、首を絞める力を強める。

「バケモノとして街中を這い回った奴が悠々と受け入れられるほど
 この世の中はアホだと思うのか?
 血まみれになった手で、もう一度普通に戻れるほど世界は優しいと思うか?」

一般人として生きられなくなること、それこそが国崎シロウの人生の終わり……死だ。
そして機関を倒すためだけに動くという事は、その死を覚悟するという事である。
それは、俺にとって街と一緒に死ぬことよりも、それこそ救えない結末だ。
ならば、そこに引きずり込もうとする人間は……敵ではないか。

殺意でも敵意でもない単なる意思と共に、指はどんどんと肉に食い込み――
(……っ)
けれど、俺はどうしてもそこから先、この男の首をへし折る事は出来なかった。
何故なら、それもまた国崎にとっての約束であったから……。

【国崎:宗方の台詞の直後、話を聞く前に無抵抗の宗方の首を絞める。
    だが、殺せないままその体勢を保っている】
52戦場ヶ原 天 ◆u5ul7E0APg :2008/06/27(金) 13:41:47 O
>>15
「何で……今までどこに行っていたの!?」
戦場ヶ原の背後から高く響くソプラノ。
突然聞こえたリンの声に、戦場ヶ原は反射的に身を翻した。
そこには、戸惑った表情をしたリンと、小柄な男が一人。
やはりリンは何者かに操られていたか、若しくは憑かれていたのだろう。
その憑き物が落ちたように、リンの表情はかつてのやさしい少女のそれに戻っていた。
それは何故解除されたのかは解らないが、次に戦場ヶ原の意識は隣の男に移っていた。

(なんだ……あの男は。)

戦場ヶ原の頭に疑問符が浮かぶ。
リンを操っていた異能者か、もしくは先程のリンの言葉から察するに、リンの彼氏か何かか?
そう感じると同時に、彼の中にふつふつと得体の知れない苛立ちが湧いて出て来る。
それが嫉妬だと言う感情だとは彼自身解ってはいなかった。
なんだかわからねぇが気に入らねぇ―――……
そんな理不尽な怒りが男に向けられる。

「おい、貴様誰だ。」

男のすぐ背後からドスの効いた声を響かせる。
男が振り返るより早く、戦場ヶ原は男の手を握ると同時に疾風のごとき敏捷さで男を背負い投げでぶん投げた!
突然の手荒な挨拶に、リンは面食らったような顔をしていた。
これではまるでチンピラだ。

それに相手がもし異能者だったら、能力の使えない戦場ヶ原に万に一つも勝ち目はない。
だがそんなことも戦場ヶ原の脳裏になかった。
なんだか分からないがこいつは『敵』だ。
彼の本能が、それを行動に移させた結果だった。
53煌神 リン ◆7Q1qJNYWx. :2008/06/29(日) 06:39:00 0
>>52

「・・・なっ!?」
いきなり後ろから声をかけられたかと思ったら投げられた。
一体何処のどいつだ?

「いってぇ…」
とりあえず立ち上がって相手を見る。
さっきの男だった…

「お前こそ誰だよ…」
自然に俺はそう呟いていた。
「天さん!?」
リンがそう叫ぶ、リンと行動共にしていたやつか…だがいきなり投げられる覚えはないな。

「俺は機関No.2…ツバサ=ライマースだ。そしてこの話はお前に関係ない」
少し激昂しかけた男をリンが止める。

「俺が用があるのはそこにいる…妹だけだ」
そういった瞬間着物男の体を蹴りとばす。
しかし相手も臨戦体制だったのかすぐに体勢を立て直す。
あれ?これやばくね?て言うか俺の利で蹴りいれちまったけど体術とか退避以外練習サボってたよ…


【ツバサ:戦場ヶ原を蹴り飛ばす体術に自信なさげ】
54神重智&敬 ◆6eLTPQTFGA :2008/06/29(日) 17:17:43 0
>>40 >>51
「神重・・・手品ならもう私が見せた、二度やる必要はないさ。彼もそういうのは見飽きているだろうしな。
今は手品の種をしまってくれ、私の事なら心配無用だ」

「…わかった」
国崎という男の警告、そして宗方の警告によって敬は作り出した球体を破棄せざるを得なかった。

宗方が国崎という男に金を渡し注意を…その時に宗方は高速で国崎が着けていた眼帯を奪い取っていた。

(――――!!!)
(あれが…彼の能力のようだな。肉体を変化させる能力者…とでもいったところか?)
驚いている敬に対して智はいたって冷静に分析する。

宗方が国崎に協力を求めて説明を始める…。
国崎の目は明らかに常人の物ではない。異能者というのは明確だ。
元凶を潰すため…国崎という一人の一般人を消し去って協力を求めろという。
果たして…これを向こうが受け入れるかどうかだが…。

説明が終わると宗方は己の武器という武器をすべて投げ出して
国崎と対峙する

そのときにチラリとこちらを見て…
「絶対に手を出すな」とこちらに言った

「……いいや、ただのものもらいさ」
そう国崎が呟いたかと思うとかなりの速度で…
とはいっても常人が出すことができる最高速度で宗方を掴み壁に押し付けた。

異能者とはいえ、武装を解き攻撃する意志を見せない者を攻撃するとは
余程我々の行動に頭がきたのだろう。

「バケモノとして街中を這い回った奴が悠々と受け入れられるほど
 この世の中はアホだと思うのか?
 血まみれになった手で、もう一度普通に戻れるほど世界は優しいと思うか?」

その通りだ。例え元凶を潰したとしても…全てが終わったとしても
我々異能者全てが"バケモノ"であることに変わりは無い。
それでも我々は潰そうとしているのだが…この男には余程大事な"何か"があるのだろう。

「……」
感情に流されて国崎に攻撃を加えようと敬はするが…

(待て、今攻撃してはだめだ)と智は言う
(なぜだ!?今宗方が…殺されそうになってるんだぞ?)敬は怒りを込めた口調で言う
(宗方が…それを望んでいない。宗方の言葉を思い出せ)
  手をだすな という言葉は確かに敬に言われたものだ
(だが…このままじゃ宗方は殺されてしまうぞ?)
(落ち着いて…国崎を見ろ)そう智に言われて敬は改めて国崎を見直す
興奮はしているものの…何かに迷っている…そんな表情だった。
(あいつには大切な"何か"がある。それがある限り宗方を殺せはしない)
(それで宗方が死んだらどうする!?)
(分かっている…もし国崎に首をへし折る力が入る瞬間――お前はあいつの腕を切り落とせ
我々に必要なのは…国崎より宗方だ)

(…わかった…)
敬は智の分析力と冷静さに…少し驚きを感じていた

【神重:宗方を尊重し現在動く気はなし。
    国崎が止めを刺そうとすれば腕を切り落とす】
55小村禅夜 ◆3LPMHhiq9U :2008/06/29(日) 17:19:27 0
>>41-42
突然現れた小村にアルトは後ろを向き、

「―――――――馬鹿ですか、貴方は。
 どうやったらこんな短時間で車を壊せるというのです。
 ……機関に敵対する者の破壊工作だとしても、子供じみていますし」

と言い放った
馬鹿か・・・まあ実際私のミスだ
自分の非は素直に認める、それが小村だった

「一応言っておきますが車を破壊したのは機関の敵対者ではありませんのでご安心を」

熊田はただの野生の熊・・・なはずだ
しかし奴の異能が目覚めるきっかけとなった原因不明の高熱は・・・

「それなら、まずは上野さん。ロンバルディーニさんの服を買ってきてもらえませんか?
 流石に半裸の変質者を連れ歩くのは気が引けますからね」

・・・私に命令で、レオーネを変質者扱いか
出会ったときから思っていたが機関に対する恐怖心とかは本当にないな、こいつは。

「まぁ待て。上野君、何が遭ったか敢えて聞かないが、
 車が壊れたのなら機連送で本部から迎えを頼めば良いのではないか?」

さっきまで青ざめていたレオーネが話しかけてきた
・・・ま、それが一番いいだろう。近くにはシナゴーグもイエシヴァもある
10分か、そこらで来てくれるだろう

「ハーケン君、どうせ君は上野君を買い物に行かせている間、彼の事に探りを入れるつもりなのだろう?
 それに上野君も、機密事項…という事は、それだけの地位に居るという事を露呈させたも同然だ。
 ……もう話しても良いのではないのか?」

確かに先ほどの言葉はまずかったか・・
まあ私自体が正体を隠すのに飽きているという事か
でもどうするか・・・レオーネがこう言うなら、アルトは信用していいのか・・・
小村はすこし悩むような顔をしたが

「・・・いいでしょう。レオーネさんがそう言うなら朝食の礼も兼ねてお話しましょう。
けどその前に迎えの車を呼んでおきますよ
服は迎えに来る機関の構成員にでも買わせましょう」

特に感情のこもっていない話し方で
そう言って機連送を取り出した
56小村禅夜 ◆3LPMHhiq9U :2008/06/29(日) 17:20:05 0
・・・ここからだとシナゴーグの方が近いか
小村はシナゴーグの方の番号を押す

「・・・・もしもし・・・ええ、そうです
・・・大至急この機連送の発信元に車をまわしていただけますか?・・・・・
ええ、すぐにです・・・・・ああ、それとスーツも買ってきてください・・・・・
私ではなくN.o6用に・・・・・では」

用件だけ伝えさっさと通話を終えた
二人の方を向き

「それではお話ししましょう。まず本名ですが上野恭平ではなく、小村禅夜といいます。
階級は言えませんが、まあ幹部と同じぐらいだと思ってください。
・・・あとは何か聞きたいことはありますか」

淡々とまるで病院の受付のように話した

【アルトに名前を明かす(まだ警戒している)】
【シナゴーグの構成員に服と車を持ってくるよう命令】
57廻間 統時 ◆7VdkilIYF. :2008/06/29(日) 19:02:58 0
>>30
「ん?」

瑞穂が俺を指差し、先輩(仮)に何か喋っている。
…しかし、こうやって他人に指を指されてみるとあまりいい気分じゃあないな。
これからは出来るだけ他人を指差す事は控えることにするか。
それにしても、何を喋っているんだ?
俺を指差しているという事は、間違いなく俺のことについて何かを言っているのだろう。
もしかして、ある事ない事適当に言ってるんじゃないだろうな。
あの男は私の友人だとか、知り合いとかだったら…まだいいんだが。
まさか彼氏だ…なんて言ってる訳はないよな。うん、無いな。
自らの答えに、俺は心の中で頷いた。

>>46
俺がそんな事を思っていると、瑞穂が先輩(仮)に引っ張られて待合室の隅っこに移動した。
そんなに話の内容を聞かれたくないのだろうか。
俺としては、聞こえようが聞こえまいがどうでもいいんだけど…
…暇だなー。随分と暇だ。蚊帳の外というのは、こんなにも暇なモンなんだな。
ここが病院じゃなかったら友人にメールでも送るんだが、ここは病院だ。
心臓にペースメーカーを植え込んだ人間がいてもおかしくない。
だから、携帯をいじるのはやめておこう。もちろん携帯ゲーム機も駄目だな。
と、なれば寝るしかないんだが…俺は起きたばかりだ。
今寝たら、二度寝になってしまう。いや、それは二度寝自体はどうでもいいんだけど…
俺、二度寝したら大抵12時まで寝てしまうんだよな。
今は人と行動している。そんな時間まで寝られるわけは無い。
さて、どうやって暇を潰したもんかな…

>>48
>「なんか長くなりそうだねぇ・・・悪いけど、この話は持ち越した方がいいな」

確かに。なんだか先輩(仮)の表情は穏やかとは言いがたい表情をしている。
ライターと名乗る人物の言うとおり長引きそうだ。

>「その名刺に僕の携帯電話の番号が書いてあるから、気が向いたら電話しておくれ」

名刺に携帯電話の番号が?
名刺って名前と会社とかの住所を書いてるもんじゃないんだな。
とりあえず、俺は名刺を見てみた。
…確かに携帯電話の番号が書いてあった。とりあえず、アドレス帳にでも登録するか。
暇が見つかったら電話でもするか。いや、暇なのは今なんだが…
本人を目の前にして、電話をかけるのは…ないな。うん、ない。
俺がマジマジと名刺を眺めていると、ライターが割引券を渡してきた。
全国的に展開しているチェーン店の割引券だ。
あって困る物でもないし、もらっておくか。もらった割引券をポケットに押し込める。
そして、ライターは俺にさよならをいい、病院を後にした。
うーん、これで本当に暇になったぞ。瑞穂たちを見れば、まだ会話をしている。
と、いう事は今度は俺が待つ番か。椅子に座ってボケッとするか。

【廻間:待合室の椅子に座って瑞穂を待つ】
58恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/06/29(日) 20:12:56 0
>>50
はぁ・・・はぁ・・・これだけ走ったのは何年ぶりだろう
酸素が、酸素が足りない・・・肩を小さく上げ下げして息を整える
ここだよな・・・確かバックの中身をぶちまけた場所は。俺は例の財布を捜すため、その場に屈む

だが・・・探しても探しても見つからない。次第に自分自身が情けなくなってきた
何が哀しくて病院の玄関をうろちょろしているのだろう。こんな時に人の無関心が嬉しい
つーか時間の無駄だよな・・・俺は立ち上がり、受付の看護婦さんに聞いてみる事にした

「すみません、玄関に財布を落としてしまって・・・これぐらいの大きさの黒い財布なんですけど」
ジェスチャーを交えて看護婦さんに落とした財布を説明する
・・・のだが、やはりというか残念と言うか看護婦さんは首をかしげた

「こちらに落し物の連絡は入っていませんね・・・そちらの落し物ボックスに入っていませんか?」
看護婦さんがそう言いながら視線を受付のデスク左端にポツンと置かれた白い箱に向けた
探ってみるが・・・駄目だ、やっぱり財布は無い。俺は看護婦さんに礼を言ってその場から離れた
取りあえずまだ慌てる時間じゃない。ソファーに座って今後を考えよう

・・・つーか財布の中身に全部入ってるじゃねえか。大事な物が
預金通帳も健康保険証もパスポートも名・・・名刺はまぁ良いか。いや、良くは無いな、うん
やばい、日頃のめんどくさいから財布に全部突っ込んじゃえ精神が完全に裏目に出た
やっぱ大事な物は家とか金庫とかに入れとかないとね。ずぼらっつーかめんどくさがりはいかんよ

そういやここ出る前にあの目つきの鋭い男とぶつかったな・・・ま さ か
流石にそれはあの男に失礼だよな。でも財布だけスッポリ無くなってるのもおかしいぜ
・・・駄目だ駄目だ駄目だ、疑心暗鬼は一番人として陥っちゃいけない事だ
誰彼構わず疑うなんて品位が無いにも程があるぜ。・・・でも陥りそうな絶体絶命状態

こうゆう四面楚歌?というか踏んだり蹴ったりな時は・・・そうだな
精神統一だ。俺は頭を抱え・・・否、考える人風のポーズを取って目を閉じた、よし、気持ちを落ち着けて・・・
悪いイメージしか頭に浮かばない・・・つーか健康保険証はともかく預金通帳入れちゃ駄目よね

【現在地:病院の応接室】
【今後について苦悩中】
59 ◆KmVFX58O0o :2008/06/29(日) 20:14:25 0
>>55-56
時刻はまだ昼頃を迎えず、まだそれほど賑やかではない商店街を、一台の車が疾走している
通りかかる人々の目を受けながら黒光りするその車は、世界でも広く知られる有名ブランド車だ
運転席や後部座席、はては助手席も外見に見合う気品溢れる装飾が成されている

だが乗っている人間は残念ながら気品が非常に低い。とても
「おい! もっと飛ばせっつてんだろジジィ!」
助手席に座っているスーツ姿の男――「機関」の元幹部である梶原が、運転手である初老の男性の頭を小突いた
運転手はぎっと歯を食いしばりハンドルを強く握って耐える。こうゆうやり取りが既に10分以上続いている

このような経緯になったのを説明すると非常に長くなるので割愛するが、端的に言えば梶原の任務は「お使い」だ
とあるミスを犯し、現在の地位を追われてしまった梶原は上司からの命令で今回の任務を半ば強制的に引き受けられた
しかもそのミスで負った傷も完全に治癒していないのに、だ。両腕を覆う包帯が実に痛々しい

「あーいてて! ちくしょう!」
先ほど運転手を小突いた部位がジンジンと痛む。いくら異能者でも痛いものは痛い
しかし小突けば痛むという事を知っていながら運転手にちょっかいをかける梶原は本当にどうしようもない
あるいは学習能力が欠けているのかもしれないが、彼自身の事は彼自身しか知らないだろう

今回受けた任務について説明しよう。梶原は微妙に自由の利かない右腕を苦労して動かし、ズボンに入れた携帯を取り出した
携帯画面に任務説明の一覧が表示される。以前の地位にいた場合は細やかに説明されるのだが、下っ端に落ちた梶原には
非常に簡素な説明しか受け取れない。幹部級の情報等はヒエラルキー的に下段の構成員にはフィルタリングされるからだ

1.指定場所への到達
2.機連送発信者の確保。及び保護
3.機連送発信者への衣類の受け渡し
60 ◆KmVFX58O0o :2008/06/29(日) 20:15:03 0
>>59の続きです】
携帯画面を見ながら梶原はかすかに頭を傾げた。最後の文はどういう意味なのだろうか
例の発信者がどんな人物なのか梶原には全く知らされていない。知る権利が無い為だ
しかし「お使い」を行えるほどの権限を持てるのはよっぽどの幹部級である事は確かだ
ふと梶原の脳裏に緊張が走る。もしも何か失礼に当たれば、今の地位から引き摺り下ろされるだけじゃすまない

梶原自身、この世界がどれほど恐ろしく、また実力主義であることかは重々理解している
自然界の弱肉強食の理ではないが、下にいるのもは黙って上の言う事を聞くしか無いのである
だが梶原にふと、案が浮かんだ。何も一から成り上がる必要は無い

これから会う人物次第では、取り付くす事でなぁなぁで幹部クラスに舞い戻れるかもしれない
今はプライドだの何だのに執着する場合じゃない。一刻も早く幹部クラスに舞い戻り、悠々自適な生活を取り戻さなければ
梶原はそう心に誓うと、先ほどの意地悪く意地汚い表情から一転柔和な表情を作った
運転手が表情を作り出した梶原を横目でチラチラと見る。今の梶原は非常に気味が悪い

商店街を抜けしばらく走っていると、閑散とした住宅街に出てきた
機連送の携帯画面が切り替わり、機連送の発信場所を知らせる為に地図を表記させた。もうすぐらしい
ポツポツと建設中の家やら工事現場やらが目立つ場所へと出てきた。別地区だろう
と、ガレキなどが積み重なった空き地で車が停車した。ちょうど地図の指定場所と現在地の点が重なっている

梶原は運転手に助手席のドアを開けて外に出ると、後部座席に回ってドアを開け、例の衣服――スーツを持ち出した
丁寧に両腕で抱え、運転手に待っているよう指示を出し、機連送の発信者へと足を向けた
遠めでは顔が判別できないが、どうやら3人いるようだ。もうすこし歩み寄ってみる
あちら側は熱心に話していて梶原には気づいていない。・・・のだが近づいた瞬間、梶原の背筋が凍った

男の方は「機関」でも有数の実力者であり、数々の逸話を持つ「機関」のファーストナンバー――レオーネ・ロンバルティーニがそこにいたのだ
なぜか毛布に包まっているが、今の梶原は緊張感でそんな事を気にする余裕は無かった。まさか幹部の中でも特上のランクと出会うとは
だが梶原が更に驚いたのはそのレオーネに気軽に話しかけている女性がいる事だ。しかし彼女の顔には梶原は覚えは無い
けれどレオーネに話しかけるほどだ。そうとう地位が高い事は理解できる

それに、その二人に話しかけている人物も梶原を恐々とさせていた
3年前のあの事件での数少ない生存者であり、特別行動を「機関」に認められている通称N.T.D.Eの肩書きを持つ男――
小村禅夜である。梶原自身話には聞いていたが、なるほどそのオーラは幾戦の死線を潜り抜けた戦士の物である
にしても・・・梶原は例の機連送の発信者達の面子に身を竦んでしまい、その場に立ち尽くした

何か会話しているが、のうのうと声を掛ければ彼彼女らの逆鱗に触れそうだからだ
ので待つ事にした。彼彼女らが衣服を持った梶原に気づいてくれるまで
ちなみに梶原は誰が着連想の発信者なのか知る芳も無い

【NPC梶原、小村らのいる場所に到着。衣服を持ってくる】
【NPCなので自由に動かしてもらって構いません】
61葦川妃映 ◆oov3HbsEaA :2008/06/29(日) 20:37:57 0
>>40>>51>>54
(……まいったわね)
宗方の行動は全く予想できなかったわけではない。
だが、正義感と行動力を持っていればこその強攻策を迷い無く実行されると、こちらも迷い無く動かなければ対処しきれない。
その点では彼を賞賛したい。
が……落としどころをどうするべきか。
>「バケモノとして街中を這い回った奴が悠々と受け入れられるほど
 この世の中はアホだと思うのか?
 血まみれになった手で、もう一度普通に戻れるほど世界は優しいと思うか?」
国崎の反応は予想以上のものだった。
あれだけ冷静にひょうきん物を装って居た男がこれだけ豹変するのを見るのは楽しいし、いっそこのまま深層までえぐってしまいたいけれど
(…・・・流石に危険すぎるわねぇ)
怯える演技もすっかり忘れ、目線を周囲にめぐらせる。
連れの男はまだ動く気は無さそうだが、国崎の行動次第では前面衝突になりえない。
鍵は、国崎の『女神』。彼女が説得すれば、全て上手くいくだろう。
今までの様子から察するに簡単には会える状態ではないことは間違いない。
なら私が代わりになる。イメージしろ。
国崎の望む言葉を──国崎を受け止める心を──

『貴女は何でもできる──でも、自分だけが特別だなんて思わないで』

「あー……違う。何しようとしてるんだ、私は」
そうだ。自惚れるな。
私の仕事はそれじゃない。私の仕事は「なんとかする」ことだ。

冷静な頭で、演技がはがれた仕草で、宗方を見つめる。
「スペクターさんたちが正義の味方で、正論を言っていることはわかったわ。でも私たちは貴方たちほどの正義感も、戦闘能力も無いの」
口から出てきたのは、自分でも驚くほど冷たい声。包帯を巻いた腕を突き出し、腕をまくる。
「昨日、末端の構成員に私と国崎ともう一人でかかっていって私もこれだけの被害を受けたのよ。貴方たちの戦力になれるかは怪しいわ」
嘘は何一つ言っていない。故に、私は揺れない。
「けど、貴方たちの言ってることの少なからず共感もできる。だけど、私たちは貴方たちのように「異能者」と割り切れるほどの能力も覚悟も無いの」
「私たちは日常にしか帰る場所が無い。だから殺人も、破壊工作もゴメンね」

「けど、後方支援という形なら考えてあげても良いわ。寝食と医療品の安定した供給を約束する『国崎薬局』を護る、という形でね」
この案を通すには、宗方の承諾よりも国崎の承諾の方が重要だ。
さて国崎は情に深いのか。
それともただ単に、『女神』の呪縛に縛られ続けているだけか。
「ま、国崎も商売だからある程度の対価は必要だと思うけど『絶対に裏切らず、絶対に壊滅していない補給基地』というのは貴重でしょ?」
正義に熱い宗方さんと、情に(?)熱い国崎さんの好きそうな言葉を付け加える。自然に。
「それだけでも何人もの命が救われることにつながると思わないかしら?」

「国崎は店舗を護る。私は他の薬局から買うでも何でもして、ここの医療品を絶やさないようにする」
「こういう形で私たちは貴方たちに協力する。どうかしら?」

【葦川:薬局前。交渉中】
62 ◆KmVFX58O0o :2008/06/29(日) 20:42:18 0
【ロンバルティーニではなくロンバルディーニですね、レオーネサンごめんなさいorz】
63七重 凌司 ◆Wg8HeG5HhI :2008/06/30(月) 00:05:37 0
>45
>「すみません。異能者でしたら、大きな剣を振り回す男と、
  風を操る少女のことを知りませんか?私の仲間なんです」

随分とファンタジックな人間を捜している
剣を振り回す男と聞いて、七重はまず廻間青年の事が思い出されたが、
彼の持っていた刃が果たして大剣に含まれるのかは疑わしい
風を操るという少女については無論知らない
七重は、うーんという、返事にもならない曖昧な返事をした
その一方で、異能者を探していると言うことに、ほんの少し心を動かした

決して良い意味ではない。七重にとっての異能者とは、
愛すべき同類というよりは、まだまだ疑念の対象である
彼の目の前の女性も、例外ではない
より強い能力者を倒す為に協力しただけであり、
その後はどうにでもなれと、半ば自棄気味に戦っていたのだった
直情そうに見えていても、心の奥では余計な思案をこねて、
その癖後先を考えない行動をとる
どうにも厄介な性質の男なのである

女性は話を続ける。表情は切であった

>「その人がいれば、あなたのケガを治すことができます」

もしかすれば、「人探しを手伝ったら怪我を治してやる。ただし上手くいったらだ」、
という意味に捉えかねない言い方である
多分に漏れず、七重もその通りに解釈する
あまり良い顔はしない。返答の代わり、排水溝に血を吐いた
しばし空白

「どちらも知らない。医者なら心当たりがある」

国崎のことを指すわけではない
ただ、ストリートファイターなどというふざけた肩書きを持つ彼だから、
その手の知り合いの一人もいなくては、やっていられないだろう

いまいち盛り上がらないやり取りをする二人
否、七重が勝手に盛り下げているだけなのだろうが、
その様相を見てニヤつく影があった
いつから来ていたのか、木の後に隠れるようにしており、
その服装は嫌味なほど白い
必要以上に黒い七重とは対照的であったが、さて
>>56
>>60
>「それではお話ししましょう。まず本名ですが上野恭平ではなく、小村禅夜といいます。
>階級は言えませんが、まあ幹部と同じぐらいだと思ってください。
>・・・あとは何か聞きたいことはありますか」

小村の言葉にハーケンは大して驚いてなさそうだった。
予想はしていたという事か? まぁ、この世界、何事にも疑って掛かるのは当然か。

ハーケンと目が合う。私は肩をすくめて見せた。
ふと視線と気配を感じそちらを向くと、若い男が布を大事そうに両手で抱えながら立っていた。
よく見ると布はスーツだった。という事は、彼が小村の呼んだ機関の人間という事か。

「……失礼、私は着替えてくる」

私は小村たちを残して男の元へと向った。
ハーケンは私の事についても知ろうとするだろうが、今更知られる事に問題は無い。
彼女は私の名前を知っていた。つまり、それ以上の事も知っている可能性が在る。

近づくに連れて、男のディティールが判別できてくる。
顔立ちは整ってはいるが、如何にも作られた金髪で日本人の顔には似合っていない。
このような男に引っかかる女性は、世間を知らない若い娘だけだ。賭けても良い。

「ご苦労だった。ありがとう」

労いの言葉を掛けると、男は玩具の人形のように何度も頷いた。

……そんな事よりも着替えだ。先程から私の目線は男の抱えたスーツに向っていた。
安物なのがハッキリと判る。だが、この際だ、贅沢は言っていられん。
男からスーツ一式を受取ると、足りない物が無いかチェックを始めた。
まさか、下着が入っていないなんて事は無いだろうな……。
ネクタイ、シャツ、ベルトにスーツの上下、そして下着が全て揃っていた。
良かった、これで変質者ルックともお別れだ。

物陰に隠れると早速着替えを始めた。
ネクタイの締め方は『ウィンザーノット』で行こう。
……正直、片手でネクタイを締める事が、これほど苦労する事とは思わなかった。
茶色のスーツが地味だが、許容範囲だ。
最後に上着を羽織り、左腕だけ通すと先程まで身に着けていた毛布を抱え小村たちの元へと戻った。

「待たせたな。……少々地味だろう? 似合っていないと思わないか?
 それと、ハーケン君。毛布は買い替えておく。ありがとう、お陰で助かった」

赤の他人が衣類代わりに身に着けた毛布など、私だったら棄ててしまうだろう。

―――ここに来て男のナンバーを聞いて居なかった事を思い出した。

【レオーネ:梶原と接触、着替えを完了】
【梶原については覚えていないのか、それとも面識が無いのか不明】

>>62
【いいえ、気にしないで下さいw】
65池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/06/30(月) 01:43:37 0
──軽い疲労。医師が出した結論はそれだった。
医師は結論を出すと直ぐに俺に注射を打ち、ビタミン剤を処方した。

「疲れが溜まってたんだろうね。一本打っておいたから、心配はないと思うよ」

俺の目の前の、白衣に身を包んだ医師はそう言いうと、
背中をこちらに向けて何やらと机で書き物を始めるのだった。
恐らくカルテにでも診察結果を記載しているのだろう。

「そうそう、あれはもう五年前になるのかなぁ? あの時は驚いたよ」

俺に背中を向けたままだが、医師が思い出したように話し始めた。
『五年前』……この言葉から始まり、俺とこの医師に関係することと言えばあれしかない。
この医師が言おうとしていることを、俺は直ぐに感じ取っていた。

「君が血まみれで運び込まれてきてねぇ。
あの時君はまだ進学校の高校生だっただろう? 最初は何をやらかしたのかと思ったよ」

「まだ覚えてらっしゃったんですか。もう忘れてくださいよ」

五年前の春、俺は全治一ヶ月という重傷を体に負った。
その時運び込まれた病院で俺を診たのが、この医師だったのだ。
重傷の原因はトラックとの追突事故。
目撃者は誰もいなかったが、俺の証言から轢き逃げ事故だと警察は確定した。
もっとも、それは目撃者がいないという事実を逆手に、俺がでっち上げた話だ。
本当の原因、それは異能者との戦闘によるものであることを知る者は、誰もいない。

「でもあの時の犯人、まだ見つかってないんだろう?
警察も怠慢だよなぁ、轢き逃げ犯一人捕まえられないなんて」

医師はまるで自分の事であるかのように毒付いている。
しかし、こればかりは警察に同情せざるを得ない。
何しろ俺のでっち上げた証言を元に捜査をし続けているのだ、
居もしない犯人なんぞ見つかるわけがない。
挙句、捜査の手詰まりを理由に、一人の医師の信頼を確実に失わせているのだから。

「こちらも不注意だったんです。僕としては犯人一人を責める気にはなれません。
……もう、行っていいんですか?」

医師は座ったままくるりと回転式の椅子を回し、こちらに体を向けて言った。

「あぁ、会計は向こうでね。それじゃまた何かあったら来なさい。お大事に。
はい、次の人ー」
66池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/06/30(月) 01:47:52 0
ふと腕時計に目を向けると、時計の針は調度九時を指していた。
正午前後までは病院に居るつもりだったが、これは当てが外れたようだ。
俺は病院内の廊下の壁に背をもたれかけ、この後の予定について思案していた。
(さて……会計も済ませてしまったが、この後どうするか。
異能力が使えないことがこれほどまでに俺の行動を縛ることになるとは……)

昨夜、城栄にしてやられたことが記憶に蘇る。
こちらも疲労していたとはいえ、あれが不覚であった事実には変わりない。
俺は思わず、唇をかみ締めた。

「あれぇー? 燐ちゃんじゃないのー?」

不意の声に一瞬俺の体が強張りを見せた。
その声の主は俺の刹那のリアクションを見てか、けらけらと嘲笑している。
声、そして笑い方に、俺は聞き覚えがあった。
まさかと思い首だけを声の方向に向け確認すると、茶髪のショートカットに、
割と褐色のいい肌、履いているミニスカートに見れるように割と露出の多い服。
俺の予想は的中していた。

「あー、やっぱりねー。やっほー! こんなところで何してたのー?」

「受診」

素っ気無く返事をする。
次いでもたれかけていた背を離し、その場を離れようとする。
これはこれ以上会話をするつもりはないとの意思表示でもあったのだが、
その声の主は……いや、その女はそれを知ってか知らずか、次々と言葉を捲くし立ててくる。

「どっか体が悪かったんだっけ? といってもいつも授業に出ないのは仮病なんでしょ?
それとも本当に体が悪かったとか? あぁ〜、燐ちゃん男の人なのに色白だもんねー。
髪も毛色が悪いし、家にばっかり引きこもって太陽を浴びないから具合悪くなるのよー」

俺は思わず溜息をつくが、別にこの女の口撃は今に始まったことではないのだ。
この女の名は『四島 真琴』。俺と同じ大学に通う人間で、同期生だ。
こいつは許可した覚えもないのに、初対面でいきなり人に「ちゃん」付けで
馴れ馴れしく呼んできたことに始まり、毎度この調子で一方的に会話を進めてくるのだ。
俺は避けているのだが、どういうわけかこいつは俺に絡みたくてしょうがないらしい。
正直言って、俺が苦手とするタイプの人間だ。

「ねぇ、実は私もう用は済んだの。そっちもそうなんでしょ?
だったらさぁ、これから一緒にどっか行かない? 今、暇でさぁ〜」

「行かない」

素っ気無く断ったものの、そう簡単に諦めてはくれないだろう。
俺は落し物の財布のことなど既に記憶の底に沈めてしまうほど、
これから来るであろう四島との長期戦に思案を巡らせなければならなかった。

【池上 燐介:病院の応接室。目を閉じている恋島達哉の前を調度通り過ぎようとしている】
【民間人NPC『四島 真琴』登場】
67アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/06/30(月) 21:27:17 0
>>42
>>55
>>59

「まぁ待て。上野君、何が遭ったか敢えて聞かないが、
 車が壊れたのなら機連送で本部から迎えを頼めば良いのではないか?」

なるほど、幹部なのだから、それぐらいはできるか。
…しかし、変質者呼ばわりされてもあまり動揺はないか。
まあ、全裸毛布で反論もできないだろうが、そういうことにあまり固執しないタイプなのか?

「ハーケン君、どうせ君は上野君を買い物に行かせている間、彼の事に探りを入れるつもりなのだろう?
 それに上野君も、機密事項…という事は、それだけの地位に居るという事を露呈させたも同然だ。
 ……もう話しても良いのではないのか?」

好奇心は多少あったが、そこまでしつこく聞くつもりはなかったのだけれど。
―――まあ、教えてくれるならそれはそれでいいか。

「それではお話ししましょう。まず本名ですが上野恭平ではなく、小村禅夜といいます。
階級は言えませんが、まあ幹部と同じぐらいだと思ってください。
・・・あとは何か聞きたいことはありますか」

偽名というのは考えていたが、なるほど確かに言われればそうだ。
上野恭平よりも小村禅夜の方がそれらしい。

「いえ、特にこれといってありません。
 おおよその疑問には答えが出ましたから」
68アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/06/30(月) 21:28:49 0
と、ロンバルディーニが何かに気付いたように突然、

「……失礼、私は着替えてくる」

などと言い出した。彼が見ていた方を見ると、衣服を持った男が立っていた。
―――声ぐらいかけた方がよいのではないだろうか。
相手が幹部だとはいえ、なんの挨拶もなしでは逆に無礼だろうに。
そして、ほとんど間もなくスーツを着たロンバルディーニが現れた。

「待たせたな。……少々地味だろう? 似合っていないと思わないか?
 それと、ハーケン君。毛布は買い替えておく。ありがとう、お陰で助かった」

一目で安物だろうと見て取れるスーツ。だがまあ、

「十分にお似合いですよ、ロンバルディーニさん。
 …実際、あんまり高級なスーツだと目立ちますしね」

それはまあ、前線に出てくる機会がそれほどない幹部ならいいのだろうが。
今回のように街中での任務となるならば、むしろ安物の方がいいだろう。

「―――しかし、ぞっとしませんね。
 あの少女。煌神リン、とか言いましたっけ。あの娘だけでも、私が知る限りで、二人も幹部クラスが出張っている。
 そして、ここに籐堂院親子もいるとなれば、これは機関の幹部が勢ぞろいする可能性も出てくるでしょう。
 ……いや、本当にぞっとしませんよ。どんな大惨事になるか、心配です」

これは冗談ではない。機関の幹部は単独でも十分危険なのだ。
それが勢ぞろいする可能性―――煌神リンとあの娘とあの親子が組み合わされば、確実ではないだろうか。
以前ほどではないだろうが、あの籐堂院神だけでも脅威であろうことは想像できる。
そこに元から幹部を送り込むだけの重要性のある少女。これはもう、ある意味では決定事項だ。

「―――彼らを相手にするにはそれぐらい必要になるかもしれない。
 その事実だけで、私は怖いと思っているんですよ」

【アルト:機関の幹部について考える】
69国崎シロウ ◆Jd2pQO.KKI :2008/07/01(火) 00:51:40 0
>>54,,61
『……これが、最後の命令よ。……生きて。アンタは、普通の人間として生きて、
 絶対に……幸せになりなさい。 今まで、ありがとう――――』

殺すべきだが殺してはいけない。絶対の自縛と無二の約束に挟まれ、
もはや俺は動くことすら出来なかった。
俺は、その体制のまま、流れて来た葦川の声を聞く。

>「けど、貴方たちの言ってることの少なからず共感もできる。だけど、私たちは貴方たちのように「異能者」と割り切れるほどの能力も覚悟も無いの」
>「私たちは日常にしか帰る場所が無い。だから殺人も、破壊工作もゴメンね」

(……)
論理と正論と適度な虚飾。いつもの自分が使い慣れているソレと幾分似た話法が、
俺に感情と理性を呼び戻す事となった。

……ああ、そうだ。ここでこいつ等に攻撃する事に何の意味があるのか。
俺の第一条件は日常の絶対保守。
どんな手段を用いてもこの場所に戻らなければいけないのだ。
最善が適わないならば次善の策。彼等と戦闘することを考えれば、
後方支援でもしていた方が、正体がバラされる危険性も少なく、優良に違いない。
……それに、多数の生命を救えるのならば、その道を選ぶほうがいいだろう。
俺は、ゆっくりと宗方の首にかけていた手を外し、その手から眼帯を奪い返し、装着する。
そうして、レジカウンターの前にある椅子に座り、ため息を吐いて、やや俯いたままで話を始める。

「……はぁ。 スマン、どうも慣れない戦闘で知らない間にストレスが溜まってたみてぇだ。
 命懸けなんて経験、慣れてなかったらかね。……とにかく、八つ当たりみたいな真似して、悪かった」

落ち着きが戻れば仮面も戻る。自分でも思った以上に自然に、
俺は、葦川の言葉に乗り、そこまで強くない能力者としての謝罪と言葉を繋げる。

「後方支援っていう形なら、俺も構わねぇよ。
 それでこの街の住人を助けられるなら、それにこしたことは無いしな……ただ、それ以上は勘弁してくれ」
70恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/07/01(火) 16:54:03 0
>>65-66
いかん・・・完全に希望を見失った。思いつく限りの財布の居場所は考えた
しかしどれもこれもあり得ないというか、俺の財布が紛失する理由になるとは思えない
誰かに蹴られてソファーの下だとか、用務員みたいな人が掃除してる時に拾ったとか

精神的にこれ以上探す気にもなれない。落し物ボックスを何度も見直したがやはり無い
なんとなく看護婦さんの俺の見る目線がだんだん哀れむように感じてきた。まぁ何時もの被害妄想だが
しっかしホントにどうしようかな。金も引き落とせない、自己証明を表す物も無い
・・・あれ、これってもう本当に終わってね? じゃあ今の俺は一体・・・

こんな事なら国崎薬局で大人しくしてれば良かったよ・・・
そういや国崎さんと葦川さんと梓川君は大丈夫かな。まさか妙な事に巻き込まれたりは
・・・は無いわな。どうみても国崎さんの薬局は何処にでもあるこじんまりとした薬局だ
変な奴らが欲しそうなヤバそうな物を持っているわけが無い。カレーはまた違う意味でやばかったけど

あぁ、頭痛が、頭痛が痛い。いっそ重病装ってぶっ倒れちゃおうかな
そうすりゃ1日くらいはこの病院で保護してくれるだろう。それから市役所なり・・・
ってバカヤロウ、財布を無くしたのは自分のミスだろうが。俺は閉じていた目を開け・・・両手で目を覆った
万事休す逃げ場なし、泣きっ面に蜂とはこの事かね。最後のは後悔の意味も込めてだ

・・・そういや、病院を出る前にぶつかったあの男の事が妙に気になる
疑う訳ではもちろん無いが、もしかしたら彼が財布の情報を知っているかもしれない
というか彼の迫力に気圧されて、ちゃんと周りを確認しなかった俺も悪いのだ
・・・僅かな希望に掛けてみるか。でもぶつかったのは俺のほうだしなぁ・・・確実に「はぁ?」みたいな反応されると思うと・・・
いや、今は俺の人生の一大事だ! こんな事で一大事なのも些かな情けないが、俺は意を決して腰を上げた

いてて・・・まだ痛みがあるが気にせず俺はあの男を捜すため病院内を探索する事にした
さて・・・どこら辺から探そうか。廊下か、病室か。・・・と思った矢先
俺の第六感が何故かピーンと閃いた。その閃きが示す方向に目を向ける
二組の男女が玄関口に向かって歩いてる。一人は髪を束ね結った、体型からして男・・・いや、例の彼だ。多分
もう一人はミニスカートを履いてその彼に親しげに話しかける今風の女の子だ。多分彼との関係は友人かなんかだろう

ぶっちゃけ俺に背を向けている男が例の彼なのかの確証は全く無い、全然無い
けど、これでも仕事で培った人を見る目・・・という奴には自信がある。これで人違いだったら間違いなく死ねるな、俺
1歩2歩しっかりとその二人の下へと歩み寄り、そして――俺は声を掛けた。おそらく彼の友人である女の子の方に

「あのー、お取り込み中で悪いだけど、ちょっと良いかな。ちょっと彼に用があって」

その瞬間、例の彼がぎろっと俺のほうにナイフの様に鋭い目線を投げかけてきた
間違いなくぶつかった彼だ・・・が・・・こ、怖い、ホントに怖い
あぁーやばいなーうん、私刑確定だな、俺
何処行ったんだろう、財布

【四島に池上と話して良いかどうかの了承を持ちかける】
>>67
>「十分にお似合いですよ、ロンバルディーニさん。
> …実際、あんまり高級なスーツだと目立ちますしね」

……これは嫌味と受取るべきだろうか? 目立つ目立たないの問題ではない。
このスーツでは精々リクルート中の学生か、新人会社員がいい所だ。
何も『ヴァレンチノ』や『ゼニア』のスーツを買って来いと言っているのではない。
着る人間に合った物を持ってきて欲しかった。

それにしても時間が気になる。出来る事なら時計も持ってきて欲しかった所だ。
城栄は本社ビルに居るだろうが、ここからあそこまでどれ位の時間が掛かるだろうか?

―――考え事をしていると、不意にハーケンが口を開いた。

>「―――しかし、ぞっとしませんね。
> あの少女。煌神リン、とか言いましたっけ。あの娘だけでも、私が知る限りで、二人も幹部クラスが出張っている。
> そして、ここに籐堂院親子もいるとなれば、これは機関の幹部が勢ぞろいする可能性も出てくるでしょう。
> ……いや、本当にぞっとしませんよ。どんな大惨事になるか、心配です」

彼女の言葉は冗談ではないだろう。表情からは深刻さが窺える。
ハーケンが考える事も最もだ。幹部の中でも既にセカンドナンバーは投入が決定されている。
彼らはNo.1の命令によって、暴虐に暴れ回る事だろう。
我々ファーストナンバーだって、いつ召集されるか分からない。
セカンドナンバーに加えて我々が全員投入されるとなれば、間違いなくこの小さな地方都市は一変してしまう……。
ファーストナンバー―――。機関の最高幹部であり、同時に組織内最強の戦力。
機関の全構成員から厳選され、高い戦闘能力と異能能力は勿論の事、
重要作戦を担う指揮能力、そして何より機関への多大な貢献……。
それらを併せ持つ者がファーストナンバーに選ばれる。

先天性異能者の確保に加えて、籐堂院まで出てくるとなると、
ファーストナンバーが全員召集される可能性はゼロではなくなるな。
城栄は今度こそ籐堂院を葬るつもりだろうし、籐堂院自身も今一度勢力を起すだろう。
そうなれば、先ず間違いなくこの街は今以上の地獄と化す。

「既に投入されているセカンドナンバーにファーストナンバーも加われば、
 最悪この街が地図上から消えてしまうかも知れない。

 ……目的の為なら手段を選ばない。例え、この街を消す事になろうとも……。
 No.1はそういう男だ」

だが、例えどんな事になろうとも、私は彼に従う。
同じく長束公誠に師事した者として、そして親友として……。
72小村禅夜 ◆3LPMHhiq9U :2008/07/02(水) 01:52:55 0
>>69>>71
「いえ、特にこれといってありません。
 おおよその疑問には答えが出ましたから」

アルトは更に質問を述べず、すぐに納得した
名前がわかったらそれで十分というような雰囲気だ

「そうですか・・・・」
此処に来た理由や階級のことをさらに問うてくるかと思ったが・・・
しかし、人には教えられない階級、偽名、ファーストナンバーと同等で話せる
これだけのピースがあれば大体は分かるか

気づくとレオーネが
「……失礼、私は着替えてくる」
そういって着替えを抱え、物陰の方へ去っていった
反対方向を見ると男が一人立っていた
年は20半ばか、細みな体に金色の髪をして、ピアスをしている
いかにもホストでもしてそうな顔立ちだ
だが今はその顔立ちは萎縮したものになっていた

「待たせたな。……少々地味だろう? 似合っていないと思わないか?
 それと、ハーケン君。毛布は買い替えておく。ありがとう、お陰で助かった」
相手を観察している間にレオーネが物陰から現われた
地味な安物スーツに不服そうな顔をしていた
アルトの似合ってるの言葉も、疑うような感じで受け取っていた
スーツ一つでそこまで考えるものなのか・・・・
まあ私もスーツは『ロベルタ ディ カメリーノ』しか着たくないが・・
意外と身近なものには金をかけるタイプの小村だった

「―――しかし、ぞっとしませんね。
 あの少女。煌神リン、とか言いましたっけ。あの娘だけでも、私が知る限りで、二人も幹部クラスが出張っている。
 そして、ここに籐堂院親子もいるとなれば、これは機関の幹部が勢ぞろいする可能性も出てくるでしょう。
 ……いや、本当にぞっとしませんよ。どんな大惨事になるか、心配です」

確かにそれは言える
今回は重要人物が多すぎる。イレギュラーな大物もごまんと居るみたいだ
・・・・・・いや、これは金剛の『予定』通りなのか
奴はなにを考えてるか分からないが、奴が出す指示はいつも最終的には結果を生み出している
強欲や暴力、人々の悲痛に汚れた結果が・・・


しかし、相手もあの籐堂院だ、一筋縄ではいくまい。・・・まちがいなくこの町で異能者たちの
戦争が起こるだろう。ならば【奴】にも隙ができるはず・・・そのチャンス逃すものか・・・
絶対に・・・・・・
73小村禅夜 ◆3LPMHhiq9U :2008/07/02(水) 01:53:18 0
「既に投入されているセカンドナンバーにファーストナンバーも加われば、
 最悪この街が地図上から消えてしまうかも知れない。

 ……目的の為なら手段を選ばない。例え、この街を消す事になろうとも……。
 No.1はそういう男だ」
レオーネの言葉は金剛を良く知っていて、理解している言い方だった

やはり、レオーネと金剛には確かな関係がある
従えるものと従うものの関係ではない。よく分かり合っている何かが・・・

「確かに安くは済まないでしょう。この街にとっては不運なことでしょうが・・・・
しかしそれは仕方がないこと。むしろこの街一つで済むほうがよいでしょう。
・・・・ところでこれからの行動方針も合わせて話し合いをしたいのですが
とりあえずレオーネさんの家にでも行きませんか。せっかく来てくれた車ですし、それに・・」

小村は拳に親指を立て、さっきからこうちゃくしている男性を指した

「彼も緊張で疲れてきたようですし」

【レオーネの家に行くことを提案】
74宗方零 ◆BSFghFxWJY :2008/07/02(水) 03:21:44 0
眼帯を奪った直後、宗方は首を捕まれて壁に顔を押しつけられていた。
一瞬の隙をついての攻勢に舌を巻きつつも、宗方は自分の不覚を悟る。
気道が塞がれて声が出ない。
もともとは国崎の心に長広舌で揺さぶりをかけたつもりだったが逆効果だった。
国崎はあと一歩のところで踏みとどまっていた。日常を大事に思うのならば当然だ。
もしこれで国崎が宗方を殺すのであれば、それは宗方の自業自得というものだろう。
これでは正直なところ何もできない・・・それどころか呼吸すらできない。
神重は、気配からして国崎に攻撃を加えそうな雰囲気だった。
最高のカードを切ったつもりが、全て裏目に出てしまった。
(まずい、このままでは・・・)
だがその時思わぬところから助け船がきた。

>> 「スペクターさんたちが正義の味方で、正論を言っていることはわかったわ。
>>でも私たちは貴方たちほどの正義感も、戦闘能力も無いの」

驚くほど冷静な声、国崎の傍らにいた女性だった。
彼女は腕をまくり、負傷の跡を見せた。
傷はあまり深くないようだが、それは彼女に似合わない凄惨な爪痕だった。

彼女が語るところによると、国崎達は末端の構成員と戦いそれを撃退したのだという。
だが、それでもこれだけの傷を負った。よって戦力にはなれないと。
彼女の目は嘘を言っては居なかったし、なによりその傷が真実を物語っていた。

そして彼女は国崎と宗方に提案する。
自分たちは日常にしか帰る場所がない、自分たちを「能力者だ」と割り切ってもいない。
だから、殺人や破壊工作はできない(一般人の思考ならば全くもってごもっともな話だ)
その代わり、後方支援要因として協力しようというのだ。

>>「それだけでも何人もの命が救われることにつながると思わないかしら?」
>>「国崎は店舗を護る。私は他の薬局から買うでも何でもして、ここの医療品を絶やさないようにする」
>>「こういう形で私たちは貴方たちに協力する。どうかしら?」

申し分ない提案だった。
だがこの店は国崎のものだ、彼はどうするのだろうかと宗方は考える。
いつのまにか宗方の首から手が離れ、眼帯が手の中から消えていた。
宗方は壁にもたれて激しく咳こみつつ新鮮な空気を吸う。
無様な体勢を立て直し国崎を見ると、国崎は眼帯を装着して椅子に座っている。
先ほどとは違い、落ち着きを取り戻していた。

>> 「……はぁ。 スマン、どうも慣れない戦闘で知らない間にストレスが溜まってたみてぇだ。
>>命懸けなんて経験、慣れてなかったらかね。……とにかく、八つ当たりみたいな真似して、悪かった」

「いや……私こそやりすぎた。許してくれとは言わん、だが詫びさせてくれ。すまない。」
宗方は二人に深々と頭を下げた。
国崎は更に続ける。
. >> 「後方支援っていう形なら、俺も構わねぇよ。
>>それでこの街の住人を助けられるなら、それにこしたことは無いしな……ただ、それ以上は勘弁してくれ」
国崎は傍らの女性の提案に賛同の意を示した。
これが、彼らにとっての最良の選択なのだ。そして宗方にも異存はなかった。
神重を見て、うなずいた後に宗方は口を開く。

「ありがとう。協力感謝する」

75宗方零 ◆BSFghFxWJY :2008/07/02(水) 03:23:00 0
「だが医療品の代金は払う。
昔汚職役人から巻き上げた金が500万ほどある。
必要に応じて引き出してくれ、電話一本で引き出せる」
そう言うと宗方は隠し口座の番号と暗証コードを伝える。
宗方にとっては虎の子の隠し貯金だったが、背に腹は代えられなかった。
「それと、二人に是非とも知らせておきたい情報がある。」

宗方はそう呟くと、映像投射能力を使い空間に立体映像を投影させた。
「今から見せるのは。私が神重と行動を共にする事になった理由だ」
映し出されるのは屋敷で見た光景の一部始終だ。
「機関が異能者を作っていた」というところだけをはずしたディレクターズカット版だった。
国崎はともかく女性にはショックが強すぎると判断したためだ。
映像を投射しつつ、端的に状況を説明した。
組織の事、長束誠一郎と城栄金剛の事、そして二人が対立関係にある事・・・
それから、宗方はおもむろに手帳を取り出すと、超スピードで文字をノートに書きつけた。
美弥子から貰った”シナゴーグ≠フ資料のコピーだった。手帳の半分のページに書き付けて国崎に渡す。
「以上が私が伝えたい情報の全てだ。」

【宗方零 国崎たちの提案を承諾 国崎達に情報を伝える】
76戦場ヶ原 天 ◆u5ul7E0APg :2008/07/02(水) 11:44:27 O
>>53
突如繰り出された蹴り。
しかし、それは何の変哲もないただのケンカキックだった。たやすく腕で受けると、戦場ヶ原はすぐさま体勢を立て直した。

(機関……No.2………だと?)

リンの兄を名乗るツバサという男はそう答えた。
機関のファーストナンバー。しかもNo.2ならば相当な使い手の筈だ。
しかしこの男が繰り出したのは異能力ではなくどうということもない蹴り。
戦場ヶ原の頭に疑問符が浮かんだ。
ツバサに名を名乗るよう言われたのも無視して、戦場ヶ原はリンに向けて言葉を投げかける。

「リン!どういうことだッ!お前、機関の関係者だったのか!?」

さっき背後から聞こえたリンの声。
どう考えても敵対する相手に投げる言葉ではなかった。
―――――機関を名乗る兄。不可思議な能力。先程の不審な言動。
思い当たる節は確かにあった。
そう考えると、戦場ヶ原は急にリンが遠い存在のように思えた。

(バカなッ!リンは俺が守る………そう決めたじゃねぇか!)

自身に喝を入れると、戦場ヶ原は再びツバサの方へ向き直った。
77煌神 リン ◆7Q1qJNYWx. :2008/07/02(水) 18:11:55 0
>>76
戦場ヶ原に問われてリンは意識を覚醒させる。
「それは…でも、」

戦場ヶ原の問いにリンは曖昧に返す、といってもリンもこのことについては知らなかった。

物心ついた頃、兄はそばにいたが両親はいなかった。
さらに小学校に入る頃に兄とも離れ離れになった、そのあと中学校に入るぐらいから兄の行方を探したがまったく見つからなかった。
(正確にはツバサが機関からリンにあう事を禁じられていたためであるが)
そのためリンは家のことについてまったく知らなかったのだ。
ゆえにリンは口篭もった。

「俺もあまり長居はしたくない、すぐにリンを連れて行きたいんだ」
ツバサが言った瞬間、リンの下に魔法時のような発光したものが現れる。
リンはとっさに反応しその場から離れようとする。
しかしリンが気づいたときにはツバサに何か液体を染み込ませたハンカチで抑えられたあとだった。
「ん・・!」その後リンは意識を失った。 


「はぁ…」
臨戦体制を保ったままツバサは溜息をついた。
相手は今にも飛び掛ってきそうだ、その前にツバサは退却する事を選んだ。
「リンがどういう風に世話になったが知らんがもうリンにかかわるな」
そう言い残し相手が飛び掛ってくる前に先ほどリンを攫った方法と同じ方法で外で待つ空雲の車に移動する。
(これでどうにか成功か…)
そんなことを考えつつツバサは空雲に指示を出し車を出した。

【ツバサ:リンをさらい逃亡】
【リン:攫われる今は眠った状態】
78池上燐介@代理:2008/07/02(水) 21:08:29 0
>>70
>「あのー、お取り込み中で悪いだけど、ちょっと良いかな。ちょっと彼に用があって」
病院を出ようと、玄関のドアを潜ろうとしていた時だった。
男の声に呼び止められたのだ。
声の主は四島を呼び止めたようだが、その内容からどうやら俺に用があるようだった。
──異能者。
不意に、頭をそんな文字がよぎる。何せ先程まで異能者と一戦を交えた後なのだ、
そう警戒するのも無理はなかったと言えるかもしれない。

警戒しつつくるりと背後を振り返ると、そこにはぼさぼさ頭の眼鏡青年が立っていた。
しかもその青年には微かに見覚えがあったのだ。
そう、先程この玄関にて俺とぶつかった、恐らくあの青年であろう。
青年の出方を窺いつつ、俺は次の言葉を待つが、
幾秒か経っても青年はただ無言のまま何かに怯えるような顔をして話す素振りを見せない。

この青年のことは思い出した。しかしこの青年に関わることについて
俺は何かを忘れている気がしたが、その疑問についての考察は、
数秒間の沈黙に痺れを切らした四島が単純な疑問を投げかけてきたことによって
封殺されるのだった。

「ねぇ、このオジサン知ってる人?」

「……まぁな」

俺は迷わずそう答えた。
知り合いと呼べる人間ではないが、何せ全く見覚えのない人間ではないだから。
それより、四島が"オジサン"と言うほど、実年齢は中年の範疇にあるものではない
気がするが……まぁ、それは別の話であろう。

「……ここに立っていると他の人間の迷惑になる。外へ行こう」

俺は二人にそう促し、病院の敷地外へと離れた。
向かった先は人通りの少ない病院の裏門。
ここであれば三人の人間が固まって話をしていても迷惑にはならないだろう。

「……で、俺に何の用ですか?」

俺の言葉を聞いて、やっと眼鏡青年が口を開いた。
──しかし、次の瞬間俺の耳に聞こえてきたのは、別の人間の声であった。

「よお、そこの。お前ら異能者だろう? そこのお嬢さんは違うようだが。
クックック……こりゃあいい。一気に二人も消せるわけだ」

それは野太い男の声。しかも、嫌というほどに殺気がこもっている。
声が発された方向を見て、やはり男であると再確信する。有に2mはあろうかという長身に、
左顔面には、左目を巻き込んだ大きな刀傷があるのが特徴であろうか。
言動からしてこの男は十中八九異能者であろう。
そして、男の言う事が正しければ、俺の直感通り、眼鏡の青年もまた……。

「俺は『機関』に所属する異能者! 機関では『No.19』と呼ばれている。
今日中にこの街の異能者の数を半分にまで減らせとNo.1が仰せだ。
No.1のお言葉は絶対。よって、お前ら二人はこの場で死んでもらう!」

【池上 燐介:恋島達哉、四島真琴らと共に病院の外へ】
【NPC機関異能者『No.19』登場。名前不明】
79恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/07/02(水) 22:26:17 0
>>78
声を掛けたはいいが、やはり俺はへタレだ。次の言葉が出てこない
単純に財布について知っている事を聞き出せばいいだけなのに。多分ココに来て俺の悪い癖が出た
どうでも良い時は口が滑るくせに、大事な時に声を出せない

NOと言えないから九鬼に馬車の如くこき使われるのだ。自覚してる分どーしよーもねーな、俺
俺と男と、男の友人の女の子の間にしばし、重く辛い沈黙が流れる。駄目だ、男の目を見れない
わざわざ引き止めておいてこれは無いよなー。朝からずっと胃がキリキリしてやがる
本当なら今頃、ザ・近未来でゆったりペイチャンネルでも見ながらリラックスしてる頃なのに

それもこれも九鬼の奴が・・・いやこの状況に九鬼は関係ないな、俺の所業だ
昨日の立方体との戦いも、今の財布紛失も俺がうっかりをふまなきゃ全部穏便に済んだ
まぁ何だな・・・こうゆう時って自分に腹が立つというのか? さっきから二人の目線が痛い

と、このモヤモヤした雰囲気を切り裂くように、男の友人の女の子が明るい音色で男に話しかけた
>「ねぇ、このオジサン知ってる人?」
お・・・オジサン。まだ23だぜ、俺・・・顔は無駄に経験積んでるから老けてるけどな
女の子の問いに男はそっけなく答えた。ぶっちゃけ知ってるも何も他人中の他人だが、女の子、グッジョブ
とにかくこれで財布について聞ける様にはなったな。未だに胃は痛いが胸を撫で下ろした俺は財布について聞・・・

>「……ここに立っていると他の人間の迷惑になる。外へ行こう」
男が周りに配慮してか、俺と女の子に声を潜めてそういった
え・・・えええ、そんな大した話じゃないよ? ただ単に財布の行方について・・・
・・・けど、男の言う事も一理ある。というか俺は聞く側だ。教える側である男に文句を言える立場じゃない
俺は黙って頷き、二人と共に病院を出た。――その時だ

『達哉、危ないよ。警戒して』
おう耳鳴り、久々だな。あぁ、何となくお前の言う事が分かるぜ
だがな、俺は今危なかろうが何だろうが財布についての情報をあの男から引き出さなきゃいけないんだ
でもないと俺の人生は確実にゲームオーバーだからな。金銭的にも人生的にも
だが杞憂が無いといえば嘘になる。男がいちゃもん付けられた事に対して、俺をボコボコにする可能性も無いって訳でもない

むしろその可能性のほうが無茶苦茶濃厚な気がしてきた。歩数にあわせて胃がドコドコ痛む
頼む・・・頼むから順調に行ってくれよ。でないと俺自身ストレスでどうにかなっちまいそうだ
・・・ストレスが溜まって爆発すると、なんか記憶が真っ白くなるんだな。大概ぶっ倒れた後だからな
3人ですたこら歩いていくと、病院の裏門・・・って危ないないか、ココ。人通りも少ないし・・・

まさか悪い予感が的中したのか? か、勘弁してくれよ・・・
思わず胃を押さえようとしたが、男が振り向いたため、すぐに手を払った
そうだ、俺は彼に財布についての情報を聞くためにココにいるんだ。もし間違ってて万が一になっても逃げれば良い
逃げる為には毅然とした態度にならないとな。俺は背筋を伸ばし、男に向き合った
80恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/07/02(水) 22:27:16 0
【79の続きです】
>「……で、俺に何の用ですか?」
その言葉を待っていた! はぁ・・・良かったぁ・・・これでようやく財布について聞ける
もしも突然殴られでもしたら俺は、俺は・・・ぎゅるると俺の胃が緊張が緩和されたせいか萎むような音がした
よし、俺はひとまず深呼吸をして念願の財布について聞
『達哉! 今すぐ逃げて!』

耳鳴りの甲高い叫びが耳に響いて、一瞬脳がキーンとなる。やってくれるじゃないか、おい
お前とは結構長い付き合いだが、そろそろ・・・ん? ふと嫌な感覚がよぎる。・・・あーあ
声がして振り向くとと、やけに背のでかいどこで付けたかは知らないが、やけに顔に目立つ傷のある強面の男が立っていた
・・・やばい、もうストレスでぶち切れそう。何だか胃液が逆流しそうです

デカブツは体格に見合った野太い声で、俺達に言った
>「よお、そこの。お前ら異能者だろう? そこのお嬢さんは違うようだが。
  クックック……こりゃあいい。一気に二人も消せるわけだ」
・・・今なんつった? 異能…ま た 異 能 者 か! 何なの? 最近のトレンドなのか、その異能者ってのは
何なんだよ・・・あのメールにしても立方体にしても目の前のデカブツにしても・・・俺に何か恨みでもあるのか?
只でさえ酷い状況下ってのにまた災難か! ストレスからくる胃の痛みと共に、頭に激しく血が昇って爆発しそうだ

けど落ち着け・・・落ち着け俺。多分このデカブ・・・いや、この大男はクスリかなんかでもキメてるんだろう
なんでそんな奴がこんな所に現れたかは置いといて、とにかく興奮状態を押さえなければ。俺は一歩前に出て大男を説得しに掛かった
幾分声を潜めて、俺は大男に
「よ、よし・・・ひとまず話し合おう、落ち着い」
>「俺は『機関』に所属する異能者! 機関では『No.19』と呼ばれている。

聞・・・聞いてねぇ。大男は俺が動いてるにも拘らず、大声でいかにも自信たっぷりに啖呵を切っている
だが切れちゃ・・・切れちゃ駄目だ、俺
「そ、そうか・・・けどまぁあれだ、何があったかは知」
>今日中にこの街の異能者の数を半分にまで減らせとNo.1が仰せだ。

だから・・・人の話を聞けよ・・・大体なんだ、その如何にもな説明口調は
知らんがな! Nо.1だか2だが知らないがお前の都合なぞ知らんがな! ・・・あ〜駄目だ駄目だ、俺は脈拍を無理やり下げ、説得を続けた
「分かった、君の言いたい事は痛いほど分かった。だから続きは警察で聞こう。さぁ一緒に」
>No.1のお言葉は絶対。よって、お前ら二人はこの場で死んでもらう!」

ぶちん。もう駄目、アウト。俺の頭はカーッと血が昇り――白くなった
目の前の景色が歪む。 歪むというよりくらくらする。取りあえずもうコイツは――許せねぇ

「・・・人の話はちゃんと聞いてくれないかな? 俺も悪いんだけどさ」

何か胃の痛みとかもうどうでもいい。俺はコイツに説教食らわせたい。無意識にメガネを外す
――こんな気持ちになるのは高校以来だよ、ホント。そしてこんな声になるのもな。大男が呆気に取られて俺を見下ろした
「取りあえずお前が言いたい事は理解できた。異能者だの何だの知らんが俺たちにいちゃもん付けたいのも分かった
 だからひとまず彼女は逃がせ。何の関係も無い。そうしたら要求は呑んでやる」

大男に半場キレ気味に話しながら、俺は後ろの男に申し訳ない気持ちになった。こうゆう経緯になったのも俺のせいだ
・・・なら俺がその罰を受ければいい。財布の剣はこの馬鹿たれの件が済んだらで良い
「――いや、こう言おうか。俺がお前の鬱憤の対象になる。だから後ろの二人を逃がせ
 どうせ――溜まってるんだろ? 現実に対する欲求不満でさ」
『もう駄目だ・・・』

【現在地:病院の裏門】
【Nо.19にタイマンを持ちかける】
81池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/07/03(木) 17:48:26 0
>>80
顔に似合わず大胆な事をするものだ。
眼鏡青年は体格的に既に劣勢に立たされていながら、
『No.19』と名乗った大男を堂々と挑発している。
それは体格の劣勢を跳ね除けることができるだけの異能力を持っている表れなのか。

「欲求不満、か。クックック……そうさ、実はその通りさ。
最近、人間の血を見てなくてなぁ……腕がうずうずしていた所なんだよ……
とてもじゃねぇが貴様一人の血だけじゃ今の俺の欲望を満たすことはできねぇなぁ……!」

男からは隠しきれないといわんばかりの殺気が放たれ始めていた。
青年は逃げろと言ったが、この様子では大男は逃がしてくれまい。
やっと体力も回復してきたのだから俺とて闘いたくはないが、この際仕方ないだろう。

「ねぇ、なんなのこの人達? キカンとかイノーシャとかって、何の話なの?」

この場を包む緊張状態などどこ吹く風か。四島が眉を顰めて、俺にボソリと呟いた。
もっとも、機関とも異能者とも全く関わりの無い人生を歩んでいた人間が聞けば、
この疑問は当然の如く湧いてくるものなのだろう。
彼女に本当のことを言ってしまうのは容易いが、それは俺自身が危険な能力を秘めた
異能者であると告白してしまうのに等しい。それは避けねばならない。
それにましてや言ったところで、理解してはもらえるとは到底思えないのだ。

「この眼鏡兄さんの言う通り、こいつは俺達に絡みたいだけさ。
だが売られた喧嘩は買わなくてはなるまい。……これでお出かけはおあずけだ。
お前は自分の家へ戻れ」

青年の台詞に合わせた適当な受け答えをし、「えぇー」と悲嘆の声を出す四島に背を向け、
俺は眼鏡を外し少々興奮気味と思える青年を横目にして、男の傍へと歩み寄った。

「No.1の言葉は絶対と言っていたな? つまりお前らのボスがNo.1と呼ばれている人間ということか。
ならば思うに、No.1とは『城栄』という男のことじゃないのか?」

「ほう……No.1を知っているのか。貴様、ただの異能者じゃなさそうだな」

町全体を巻き込んだバトルロイヤルといい、異能者の人工増産計画の
立案者ということといい、そしてあの圧倒的な力といい、
やはりあの男が全ての黒幕、機関そのものの頭だったか。

「やたら威勢のいい身の程しらずに、我ら機関のNo.1を知る者か……ククク、こりゃ楽しめそうだ。
──では行くぞ! まずは──威勢のいいお前からだ!!」

男は地を強く蹴り上げ、猛スピードで青年のもとへ突進した。

【池上 燐介:NPC No.19と戦闘開始】
82アルト ◆lJnztBYxY2 :2008/07/04(金) 00:09:56 0
>>71
>>72
「既に投入されているセカンドナンバーにファーストナンバーも加われば、
 最悪この街が地図上から消えてしまうかも知れない。

 ……目的の為なら手段を選ばない。例え、この街を消す事になろうとも……。
 No.1はそういう男だ」

目的の為なら手段を選ばない。―――それは、しかし当たり前のことではないだろうか。
手段を選ぶような目的を、私は目的とは思わない。
しかしまあ、街一つならまだ安く済む方か。無関係な人達には悪いが、それが世界の不条理さだ。
受け入れられなくても、受け入れなくてはならないこともある。

「確かに安くは済まないでしょう。この街にとっては不運なことでしょうが・・・・
しかしそれは仕方がないこと。むしろこの街一つで済むほうがよいでしょう。
・・・・ところでこれからの行動方針も合わせて話し合いをしたいのですが
とりあえずレオーネさんの家にでも行きませんか。せっかく来てくれた車ですし、それに・・」

彼は親指を立て、後ろを指し示した。そこにいたのは、

「彼も緊張で疲れてきたようですし」

スーツを届けに来た機関の人間だった。いまだに緊張し続けていて、見ただけで疲れる。

「……ああ、そういえばいたんでしたね。
 えぇと… 名前はなんですか? 荷物屋さん。
 私はアルト・ハーケンというんですけれど」

ともかく話しかけてみよう。少しは緊張がとけるかもしれない。
…余計に緊張したとしても、それはそれで。緊張しているのを見るよりは、緊張させる方が楽しいと思う。

【アルト:機関の構成員に話しかける】
83恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/07/04(金) 20:57:56 0
>>81
イライラが募った末の癇癪玉――だが不思議と後悔は無い
むしろ俺自身妙に頭が冴えていた。多分目の前のバカヤロウの支離面滅さに何かが切れてしまったに違いない
別に何も考えずにコイツに切れたわけじゃない。後ろの二人が逃げるまで粘って、俺もこいつから逃げる
後は人通りの多い場所まで逃げて、警察なり何やりに逃げれば良いだけだ

いくらこいつが異能力(笑)を持ってても国家権力には逆らえまい
にしても一見すると2メートル近く身長があるな、コイツ。格闘家でもあるまいに
それに顔面に出来た傷はアレか、名誉の傷とかか? にしてもコイツ誰かに似てるな・・・誰だっけ。まぁいいか
考え事を中断して、目の前のデカブツに目を合わせる。俺達の方を向いて顔をにやけている

>「欲求不満、か。クックック……そうさ、実はその通りさ。
最近、人間の血を見てなくてなぁ……腕がうずうずしていた所なんだよ……
とてもじゃねぇが貴様一人の血だけじゃ今の俺の欲望を満たすことはできねぇなぁ……!」

デカブツが獲物を食らう狼の如く大口を広げ、物騒な言葉を並べた
人間の血を見てないとかお前はどれだけ危ない世界を渡ってきたんだ? 格ゲーでもやってりゃ良いものを
だがそれも出来ないほどコイツはイッチまってんだな。安心しろ、豚箱はすぐそこだ
それより・・・俺は後ろにちらりと目を向ける。早く逃げてくれ、二人とも。多分コイツには見境なんて言葉は無い

だから・・・っておい、なにしてんだ! 男――は失礼だな、青年が女の子に何か耳打ちをすると、すっとオレの横に歩んできた
いや、俺より少し一歩手前、デカブツとは近からず遠からずの距離で停止した。だが危ない事には変わりない
「おい、はやく逃げろって・・・」

俺は青年に割と焦り気味にそう言ったが、青年は俺の言葉が聞こえてないのか、グッと顎を下げてデカブツを見据えた
そして――俺は青年が発した台詞にしばしば耳を疑った
>「No.1の言葉は絶対と言っていたな? つまりお前らのボスがNo.1と呼ばれている人間ということか。
  ならば思うに、No.1とは『城栄』という男のことじゃないのか?」

君にはこの訳分からん男の言葉が分かるのか!? ・・・ホントにトレンドなのかもな、異能者とやらは
にしても俺は今の状況はゲームか、それか酷い悪夢だと思う。でなきゃ・・・いや、待てよ
口元に手を当てて、青年とデカブツの会話の意味を考えてみる。つまり「異能者」ってのNо.1が城栄って男なのは分かる
問題はその城栄が何の恨みがあって、俺と青年にこのデカブツをぶつけて来たのだろうか。もっと穏やかな方法でもいいはずだ

それにコイツが吹っかけてきた「機関」・・・あ、そうか、異能者達の集団を『機関』と言うのか。で、そのボスザルが城栄って訳だ
でその『機関』ってのははて・・・金融会社か? けっこうローン溜め込んでるからな・・・でもまだ請求書は来てないよな
それかあっち側の人? 結構ヤバイ橋を渡っては来たけど別段恨みを買うような事はしてないぜ、寧ろ友人が居るほどだ
つーか一番の疑問は俺はともかく、前の青年も絡まれた事だ。まるで俺達二人を最初から狙ってた様に感じる

まさかこのデカブツ、この青年に用が・・・と思ったが確か二人って言ったな
ますますコイツが絡んできた意味が分からない。まさか本当に・・・いや、それだと青年に対しても偏見を持つ事になる
思考が謎解きに集中して熱を上げ――
84恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/07/04(金) 20:58:47 0
>>83の続きです】
『達哉!前から来る!避けて!』
――へっ? 耳鳴りの叫びで意識が一瞬で戻る。デカブツが俺目掛けて猪のように突っ込んでくる
俺はデカブツの形相に驚き、一歩ずつ下がる。意外と距離があるのかデカブツの姿は速いものの捉えられないほどではない
が・・・冷静になった頭でふと背後に顔を向ける。女の子が逃げて・・・ない!? 避ければ間違いなくこのデカブツが女の子に突っ込む
さっき逃げろっていったじゃねーかよー・・・って・・・

意識が反転して目の前が真っ白になる。痛いんだろうが余りの痛さに感覚が飛んだ。意識があるだけなまじ嫌だ
骨が何本か逝ったかもしれない。まさか俺自身病院送りになるかもしれないとはなぁ。けど今は・・・
デカブツのタックルに体を潰されながら、俺は呆然と立ち尽くす女の子に向けて――叫んだ

「バカ野郎、早く逃げろっつっただろ! 死ぬぞ!」
瞬間、デカブツが俺から体を離し、低く構えたまま俺を見据えた。俺はそのまま後方のコンクリの壁へと突っ込んだ
叩きつけられた瞬間、ぶっと鼻血が吹き出た。あまり人体についての知識は持ち合わしていないが、普通にヤバイだろ、これ
カッコつけねぇな・・・自分からケンカ吹っかけといてこのザマかよ。視界が涙のせいか滲んで歪む

デカブツは俺に背を向けて、前の青年に向き直る。青年がどう動くかは分からないが、デカブツのほうがはるかに高身長だ
青年が普通に戦って勝てそうな相手じゃない。・・・つーかそれは俺もか。ははっ益々カッコつかねえ
思わず天を仰いだ。はぁ、こんなはずじゃなかったんだけどな。俺っていつもこうだよな・・・
・・・これでいいのか? また誰かに助けられて誰かに迷惑掛けて。なんだろうな、この気持ち。無性に腹が立つ
そうだ、俺が腹が立つのは目の前のラリったデカブツじゃない。立方体の時もそうだったがなんでこうも情けないんだろうね、俺は

歯をかみ締めガクガクの膝を無理やり立たせる。やっぱり胸の方がジンジンしてて鈍い痛みが走る
口元から少し血が出ている。右手の甲で血を拭き、ぐっと目を閉じ、パッと開ける。デカブツはまだ青年に対しアクションを起こしていない
鎖が繋がれてるような重い足を無理やり引きずり、デカブツの方へと歩く。歩く途中に女の子に小声で伝えた
「出来たらで良い、間合いを見計らってダッシュで逃げるんだ。大声を上げながら
 そして絶対に振り向くな。絶対に」

女の子の顔は見ない。ただデカブツの方を凝視する。思い出すな、馬鹿みたいな高校時代を
ズボンのポケットに偲んだメガネを取り出して掛ける。やっぱ掛けてた方が良いな、よく見えるぜ
呼吸を整え心身を統一し――俺はデカブツに言った

「どこ見てんだ? デカブツ。まだ俺はくたばってないぜ」
そう言いながら両手を両耳に合わせる
あの日の様に出来るかはわからないが――頼むぜ、耳鳴り
【現在地:病院裏門】
【どうにか意識はあるが一発食らうと危険な状態】
85 ◆KmVFX58O0o :2008/07/04(金) 21:00:08 0
>>71>>72>>82
レオーネはスーツを受け持ちぼうっと立っている梶原からスーツを受け取ると、小さく礼をしてテント奥へと颯爽と向かった
礼をされた梶原は、戦々恐々とファーストナンバー直々の礼に対する感激が入り混じった複雑な感情を上手く現せず、ただただ首を縦に振った
さて・・・正直梶原の仕事はこれでほぼ完遂したことになる。後は3人を本社まで送り届けるだけだ

3人が集まり、何かを論議している。だが梶原にはその論議に首を挟む度胸もましてや権限もない
一構成員に過ぎない自分が、これだけの面子と対峙しているだけでも考えられない事なのだ
それに梶原自身自らの裁量はわきまえている。緊張状態で滑稽な姿なのも彼なりの敬意なのだ

にしても直立不動で3人の論議終了を待つ今の梶原の様子は、滑稽というより何だか息苦しい
その事を察してか、小村が梶原に背を向けたまま
>「彼も緊張で疲れてきたようですし」
と粋計らった台詞を2人に言った。無論ガチガチの梶原には、小村の台詞は聞こえていない

っと、3人の中の一人である長身の――鮮やかな金髪が目に付く、顔立ちからして外国人である女性が梶原に顔を向けた
女性と目が合った梶原は、彼女の美貌――の裏に潜む言い知れないオーラに、背筋を振るわせた
やはり只者では無い――まさか新しい幹部候補なのか? 梶原の脳裏に女性に対する様々な憶測が飛び交う
梶原の憶測を尻目に、女性は薄く微笑を浮かべると梶原に好意的な音色で聞いた

>「……ああ、そういえばいたんでしたね。
 えぇと… 名前はなんですか? 荷物屋さん。
 私はアルト・ハーケンというんですけれど」

女性は丁寧な口調で梶原にそう自己紹介をした。梶原は一瞬自体が飲み込めず目を白黒させた。が
自己紹介されたと分かると、いやに慌しい動作で3人に向かって深く頭を下げた。そして

「じ、自分は梶原、梶原琢磨と申します! 上層部からの指令で皆様を連れも・・・じゃなかった
 お迎えに参りました! 力不足ですがよろしくお願いします!」
頭を下げたまま、梶原は3人にそう言った。お世辞にもスマートとは言えない梶原の自己紹介に、3人は三者三様の反応を示した
その時、梶原がズボンのポケットに入れていた携帯電話が、空気などお構い無しに着信音をけたたましく鳴らした

「あ、ご、ごめんなさい! すみません!」
梶原は青ざめ、携帯電話を後ろに回した手でそのまま取り出すと、小走りで3人から離れ、路上に停車している高級車まで駆け寄った
あまりのタイミングの悪さにめまいを起こしそうになりながら、携帯電話の通話ボタンを押す
「は、はい・・・梶原です」
「もしもし、こちらで確認しました。ちゃんと仕事は出来たようですね
 ただちに本社に戻ってきてください。できれば早急に」

携帯電話を折りたたみ、ズボンのポケットにしまう。あの3人の逆鱗に触れないかを考えると心臓が爆発しそうだ
運転手に車をすぐに発進できるよう伝え、すぐに3人の下に駆け寄る
息を整え脈拍を無理やり押さえ込み、梶原は3人に先ほどの上司からの通達を伝えた
「ええっと・・・何かご予定等がございませんか?
 無ければこのまま本社に向かいますが・・・」

【NPC梶原琢磨、小村達にこのまま本社に向かうか問う】
86桐北 修貴 ◆b1QjyOQzMk :2008/07/04(金) 23:27:45 O
「わかんない… っすよ」

長い沈黙のあと、掠れた声でそれだけが絞り出せた
緊張で体力ががた落ちしていて 既にエレベーターの横の壁にもたれる形で座り込む
藤堂院さんの仲間がこっちを見てたりや付き添いさんが妙にウロウロしてたり
見覚えがあるような人物が視界に入っては消えていく
しかし、自分の意識は自身と目の前の人物だけ それだけしか認識する余裕がなかった

「一般人が巻き込まれて死ぬのがいやなら自分が死ね、 …ですか
…そうですね、確かにそうですね
言い訳はしません。自分はもう自分の保身のために人を三人消してますしね。
何を今更綺麗事を言っているのか…」

完全に自嘲が含め、薄ら笑いを浮かべ淡々と述べる 顔は下に向けていたので表情は相手に見えないが、この声の中に『諦め』の感情が入っていることはすぐにわかるだろう

「……大当たりです
能力は雷を出すこと、力の源は…、ヤハウェ」

ついに言ってしまった。もしかしたらここで人生が終わってしまうかもしれない
別に自殺観望からではない。 ここで死ぬならこの狂った運命が終わるだけだと諦めただけである
もういい、もうどうにでもなれ 死ぬ前に言いたいこと全部ぶちまけてやる

「自分も…、つい数日まで『機関』なんて信じない99%のうちでした
気がついたら、取り返しの着かないことを何回もやって、たった数日でこの傷です
はっきり言いますけど、もし『一緒に機関と正面から戦ってくれ』って言うなら断ります。
戦わないと自身の命に関わる、としてもです
自分には、こんなヤバイ事する組織なんかと戦う正義感も勇気も無いんです。 所詮臆病者で卑怯者です
そいつらの狙いが自分、…いや、自分の中の力だとしたら余計に、です
自分の目標は…、あくまでヤハウェ単体への復讐 …それすら、最近では怖くて霞んでますけどね…」

ここまで話すと、タイミングを合わせたようにエレベーターがやってきた
服に付いた埃を適当に叩き、今度こそ乗り込んだ

「なんでも、この町だけでも裏で『機関』が糸引いてる企業は沢山あるらしいです
それは"シナゴーク"って呼ばれてるらしいです
…長束誠一郎、って知ってますか?
自分は好きになれなかったし、今どこにいるかなんて知りませんけど、彼はいろんな事を知ってました
『元』機関の偉い人らしいですけど…」


【桐北:藤堂院に告白しエレベーターに乗り込む
心身共に、弱りきってる】
87池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/07/05(土) 20:37:48 0
>>84
(──速い)
大男はスピードを緩めることなく、そのまま青年に体をぶち当てた。
体当たりをまともに受けた彼は、その衝撃のままに後方に吹き飛び、
コンクリートの壁に体を打ちつけた。
衝撃のショックからか、彼は口や鼻から血を吹き出している。
それでも立ち上がり、四島に対し「逃げろ」と叫び続ける彼の言葉に後押しされたように、
俺は四島のもとへと歩み寄った。

「眼鏡兄さんがああまでなってもお前を気遣ってんだ。早く行け。
……お出かけなら今度付き合ってやるから」

大の大人が血を流す場面を初めて見たのか、
四島は両手で口を押さえたままただ唖然としていたが、
青年や俺の言葉を聞いてやっと我に返ったようだった。
それでも彼女の頭は未だ混乱の最中にあるのか、言葉にならない言葉を吐いている。

「えっ……あっ……その……。……な、ななんなの、の……?」

「いるんだよ、たまにな。女連れで歩いている男に絡んでくるような輩が。
そういった輩に限って、暴力はその男だけに留まらず、連れの女にも加える場合が多い。
俺が時間を稼いでやるから、お前は早く逃げろ。そしてできれば逃亡先で警察を呼んでくれ」

人が多く集まれば、この大男とてその目の前で殺し合いをしようとは思うまい。
しかし問題はそれまでに俺……いや、俺達がもつかどうかだ。
見た目からすれば奴は肉体派だ。
青年に突進した時のあのスピード……俺の走力を5とするならば、
大男は7か8と言ったところだろう。それでも捉えられないスピードではない。
如何に奴が肉体に自信を持っていたとしても、二人がかりであれば何とかなったかもしれない。
だが……奴には俺達の知らない異能力をまだ隠し持っているはずなのだ。

駅の時のようにピストルでもあれば時間稼ぎにもなるが、
早々都合よくあるはずもない。時間を稼ぐと宣言したはいいが、さてどうする。
かといって考え込むままにこのまま棒立ちとあれば、青年の二の舞になろう。
88池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/07/05(土) 20:42:15 0
四島は二人の助けを呼ぶという使命を得てか、やっとこちらに背を向けて走り出していた。
青年は大男の気を引く為にか、変わらず挑発の言葉を投げ続けている。
四島を逃がす為とはいえ、先程の体当たりが脚にキているのが見え見えだというのに、
よくもまぁああいう虚勢が張れるものだ。

「ほう、貴様ら二人が俺の足止めをする間に、お嬢ちゃんが助けを呼びに行くっていう算段かい。
確かに俺の異能力を大勢の人間の前で晒すわけにはいかねぇからな……クックック」

男は笑みを浮かべている。
俺達では足止めにすらならないと余裕をかましているのか。

「──だが、残念だったな。俺の顔を見た以上、あの嬢ちゃんも生かしておくわけにはいかねぇのさ」

そう言いながら男はコンクリートの壁の一部を片手で掴むと、
まるで軟らかい粘土を千切るかのようにその一部分を瞬時に『引き抜き』、
それを背を向けて走る四島目掛けて勢い良く放つのだった。

「──あうっ!」

コンクリートの塊を背中に受けた四島は、
鈍い衝撃音と共に悲鳴をあげると、うつ伏せになってその場に倒れこんだ。

「安心しろ。あの嬢ちゃんはまだ殺しちゃいねぇよ。
あいつはお前らを殺した後、俺がゆっくりと料理してやるんだからな。ククク……クァーハハハハ!!」

素手でコンクリートの壁を砕く……異能力でなければ、正真正銘の怪物であろう。
(思った以上の肉体派。これは……不用意に近付くのは危険か……)

「『近付くのは危険』と思っているな? 甘い甘い。
お前が近付かなくとも、こちらから近付くことだってできるんだぜ?」

──瞬間、男の姿が蜃気楼のように揺らいだ。
視覚が捉えた一瞬の違和感。その正体を直感した時、既に俺の腹部には重い衝撃が走っていた。

「……ぐはっ!」
(あれは……奴の『残像』か!)

「さっきのスピードを俺の本気だと思うと、こういう目に遭うのさ」

思わず開いた口から、胃液交じりの涎がスローモーションのように周囲に四散していく様を、
俺の目ははっきりと捉えていた──。

【池上 燐介:No.19のパンチを受け、後方数メートルの位置まで吹き飛ばされる。】
89恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/07/06(日) 00:02:11 0
>>87-88
非力で情けない――だがそれでも俺はなけなしのプライドで、デカブツに虚勢を張る
コイツに折れる事は俺自身に折れる事になる。負けたくないとか諦めたくないとかそうゆうガキっぽい意地かもしれない
ダラリと、右目の視界に赤い液体が流れる。・・・くそっ、どうやら頭の方も怪我しちまった様だ
両耳を押さえていた両手をゆっくりと離す。幾分聴力はクリアになった。相変わらず状況は最悪だが

デカブツは俺と青年を見比べながら気味の悪い笑みを浮かべたまま動かない
明らかに余裕の表れである事が分かり、内心沸々と怒りが沸いてくる。だが俺も青年も下手には動けない
っと、青年がデカブツに鋭い目線を向けたまま女の子の元に歩み寄る。俺はデカブツに殺気を向けながらも、少しだけ目線をそちらに向ける
女の子は俺の状態を見てか、デカブツに怯えてるのか手で口を押さえている。若干震えているのが見ていてキツイ

すると青年が女の子に顔を寄せると一言二言何か呟いた。女の子はハッとすると、意を決したように走り出した
青年、何をどうやったかは知らないが超グッジョブ。これでひとまず心配事は去った。・・・かのように思えた
女の子がデカブツの前を通り過ぎた瞬間、デカブツが下衆い笑みを浮かべ、言い放った

>「ほう、貴様ら二人が俺の足止めをする間に、お嬢ちゃんが助けを呼びに行くっていう算段かい。
 確かに俺の異能力を大勢の人間の前で晒すわけにはいかねぇからな……クックック」

――まさか。俺の脳裏に瞬時に最悪のケースが浮かぶ。完全に俺のミスだ
こういった状況下でもっとも力が弱いのは誰でもない――あの女の子だ。なんでこんな事に気づかなかったんだよ、俺!
俺はこのデカブツに対する怒りのせいで、その事を疎かにしていた。自分の力を過信していた。どうしようもねえバカヤロウだ
急いで駆け寄ろうとするが――デカブツが俺を塞ぐようにコンクリの壁面に歩んだ。右手を壁に合わせ――

「──だが、残念だったな。俺の顔を見た以上、あの嬢ちゃんも生かしておくわけにはいかねぇのさ」

そう言いながら、男は無理やりコンクリの壁を――抉った!? まるで粘土を引きちぎるが如く容易に
握力が凄いとかそうゆうレベルじゃねえ、明らかにコンクリを抉って、引きちぎってやがる。目を疑いたいぜ
――脳内でもくもくと、不安の雲が広がる。やめろ、やめろやめろやめろ!
が――次の瞬間、逃げる女の子に向かってデカブツはグッと体を捻ると、抉り出したコンクリの一部を女の子の背面に向かって投げつけた

ぶつけられた女の子は、あっというまにその場に倒れこんだ。ぶつけられたコンクリが倒れた女の子の近くに落ちてごろりと転がる
言葉にならないどす黒い感情が俺の体を廻る。コイツはどうしようもない――本当にどうしようもない
そして許しがたい。このど畜生は絶対に許すわけにはいかない。自然に俺の手は握り拳を作っていた
例の最低野郎はにぃっと口元を歪ませると、
90恋島達哉 ◆KmVFX58O0o :2008/07/06(日) 00:03:09 0
>>89の続きです】
>「安心しろ。あの嬢ちゃんはまだ殺しちゃいねぇよ。
  あいつはお前らを殺した後、俺がゆっくりと料理してやるんだからな。ククク……クァーハハハハ!!」

・・・こいつにはもう何の慈悲も沸かない。暴力は嫌いだし、出来るだけ穏便にいきたかったが――もう俺の怒りは突き抜けちまった
どんな手を使ってでもコイツには一発決めたい。無傷どころかもうこれ以上無い位にボロボロだけどな
けどデカブツは俺の方を向かずに青年に目を向けた。青年が防御するように構える
そんな青年の思惑を知ってかしらずか、悠然と向かい合ったデカブツは、絞るような低い声で言った

>「『近付くのは危険』と思っているな? 甘い甘い。
 お前が近付かなくとも、こちらから近付くことだってできるんだぜ?」

――俺の目が狂ったのか? 気づけば青年がさきほど俺が一時的にくたばった場所に吹っ飛ばされていた
そして、デカブツが青年が先ほど立っていた場所におり、粉塵の中からぐったりとしている青年を見下ろしていた
瞬間移動でも使ったのか? それとも分身殺法? さっきのコンクリといい、俺たちはとんでもない野郎にけんかを売っちまった訳だ
けど不思議と絶望的な感覚は無かった。それよりもコイツに対する怒りと恨みとその他諸々で頭が一杯だ

デカブツは俺に背を向けたまま、青年を見下している。よっぽど自尊心があるらしい
どうする、バックはさっきぶっ倒れた場所に置いてある上、武器になりそうな物なんて・・・と思ったが、待てよ・・・
なるべく奴に気づかれぬ様、抜き足で倒れている女の子の元へと走る。何処だ、アレは何処にある
すまないと思いながら必死に女の子の周りを探り――見つけた。あのコンクリの破片だ。・・・ははっ良い感じに削れてやがる

先端が尖ったちょうど良い感じの破片を力強く握り――ゆっくりと背を向けたデカブツの真正面に立つ
右目が血のせいで完全に見えなくなる。だがこれでいい。破片をナイフのように握り、いつでも抜けるよう少しゆるく握る
高校時代に嵌ってた『アレ』が出来るかはわからない。だがやらなきゃ――俺たちはコイツに殺される
収まれ心臓音。今だけで良い。一矢報わせてくれ。神様でも仏様でも良い。そして俺は、デカブツに向かって叫んだ

「俺にもやってくれよ、その子供騙しの異能力をよ」

俺のその言葉に、デカブツは凶暴な笑みを浮かべたまま振り向いた。そして無言であの体勢を作る
耳鳴り――耳鳴り――俺を――俺を――導けっ!

「耳鳴りィィ!」
『真正面からストレート。右斜め、または左斜めへの回避運動を推奨』

――いつもの舌足らずの子供の声ではなく、凛とした青年の声が心地よく耳に響いた。――また会えたな、お前
一か八か、俺は腕を思いっきり上に伸ばしてひねりを加えながら、突っ込んでくるデカブツ目掛け思いっきりブン投げた
そしてすぐに右斜めに受身をする。受身の態勢から起き上がった瞬間、右肩に激しい痛みが走り思わず両膝を突いた
右目は死んでるは右肩は痛いわ踏んだり蹴ったりだが、一番気になるのはデカブツの様子だ。俺はゆっくりと振り返る

デカブツはその場に仁王立ちしている。と・・・真っ赤な血痕がデカブツの方に点々と続いており次の瞬間
デカブツの頭から鈍く鋭い音を立てて、血の噴水が吹き出た。デカブツが頭を抑え呻き声を上げる。ざまあみやがれ

【現在地:病院裏門】
【No.19の頭にコンクリの破片をぶつける。右目・右肩不能】
91五徳 静慎 ◆YUm3AOdOaA :2008/07/06(日) 00:08:28 0
>>30>>46
>「今私とこの少年が話しているのだ、貴様に口出しされる筋合いはない
今すぐ失せろ、人の話を立ち聞きするのはあまりいい趣味とは言えないぞ」

それはあんまりじゃないか?
あまりのことに呆然となる

「……はっ、見失った」

仕方なく暇つぶしに能力発動
この病院の裏門付近に面白そうな運命が見える

私はそちらへ行くことにした

>>84>>87
私が見たのは、ほとんど一方的にやられている異能者たち
そのうち一人は優れた『危機的運命』を回避できる能力を持っているのに

「もったいないな…」

彼らを一方的に攻め立てるのは機関の二桁おそらくNO.20前後のやつだろう

男の姿が揺らぐ

>「……ぐはっ!」

>「さっきのスピードを俺の本気だと思うと、こういう目に遭うのさ」

このままでは地面に叩き付けられるだろう
ため息を吐きつつフォローに向かう

ぼすっ

落ちてきた青年をキャッチし銃を『機関』の男に向ける

「何者だてめぇ?」
コンクリートを引き抜きながら質問してくる

答えは

「『極限運命(アンリミテッド)』機関に携わる方ならこれで十分でしょう」

機関からの依頼は何度か受けている
全てが退屈だったので数十年前から手を切っているが

「まさかこんな形で関わるとは…」

上空に向け銃を放つ
炸裂音が鳴り響く

「これで人が集まってきますよ?如何なさいます?」

【五徳 静慎:池上をキャッチ No.19を挑発】
92五徳 静慎 ◆YUm3AOdOaA :2008/07/06(日) 00:23:59 0
>>30>>46
>「今私とこの少年が話しているのだ、貴様に口出しされる筋合いはない
今すぐ失せろ、人の話を立ち聞きするのはあまりいい趣味とは言えないぞ」

それはあんまりじゃないか?
あまりのことに呆然となる

「……はっ、見失った」

仕方なく暇つぶしに能力発動
この病院の裏門付近に面白そうな運命が見える

私はそちらへ行くことにした

>>87-90
私が見たのは、ほとんど一方的にやられている異能者たち
そのうち一人は優れた『危機的運命』を回避できる能力を持っているのに

「もったいないな…」

彼らを一方的に攻め立てるのは機関の二桁おそらくNO.20前後のやつだろう

男の姿が揺らぐ

>「……ぐはっ!」

>「さっきのスピードを俺の本気だと思うと、こういう目に遭うのさ」

なるほど肉体馬鹿か

>「耳鳴りィィ!」

もう一人の青年が叫ぶ
信じられない

『運命ガ改変サレタ』

肉体馬鹿はそこにうずくまる
血の噴水が私のコートに引っかかった

93五徳 静慎 ◆YUm3AOdOaA :2008/07/06(日) 00:24:37 0
ふと肉体馬鹿がこちらを見る
「さっきまで「てめえの様な奴は居なかった何者だ!?」
質問してきた言葉を私が継ぐ

答えは

「『極限運命(アンリミテッド)』機関に携わる方ならこれで十分でしょう」

機関からの依頼は何度か受けている
全てが退屈だったので数十年前から手を切っているが

「まさかこんな形で関わるとは…」

上空に向け銃を放つ
炸裂音が鳴り響く

「これで人が集まってきますよ?如何なさいます?」

これでよほど肉体馬鹿を怒らせなければ奴は引かざるを得ないだろう

【五徳 静慎: 恋島の驚愕 No.19を追い払おうとする】
>>73 >>82 >>85
>「確かに安くは済まないでしょう。この街にとっては不運なことでしょうが・・・・
>しかしそれは仕方がないこと。むしろこの街一つで済むほうがよいでしょう。
>・・・・ところでこれからの行動方針も合わせて話し合いをしたいのですが
>とりあえずレオーネさんの家にでも行きませんか。せっかく来てくれた車ですし、それに・・」

―――ふむ。この小村の意見にハーケンも同様の答えを導き出したようだ。
そうだ。何を考えているのだ、私は。良心など"あの日"棄てたではないか。
私が過去も、未来も失った"あの日"から……。
ルシオにクラウディア、ガリレオ、フェデーレ、エンリコにガブリエラ……。
皆の事は決して忘れない。忘れる事は絶対に出来ない。

この世に神はいない。それが解ったのは、孤児院が焼けたあの時だった。
孤児院の皆、見ていてくれ。神がいないのならば創ってみせる。
―――私と城栄で創ってみせる。『炎魔』の力を使って……。

物思いに耽っている間、迎えの男が何か言っていた気がするが、
そんな事は如何でも良い。些細な事だ。
それにしても、私の社宅に来る気か。
別に構わないが、私的には早めに城栄の居るであろう本社ビルへと行きたい。

「私の家に行こうとするのは構わないが、私は服も機連送も掻き消されたのだ。
 社宅の鍵を収めていたキーケースも消えてしまったよ」

これは嘘だ。私は家の鍵を閉めないタイプだ。
あの日の事がトラウマになっている事は自分でも良く解る。
鍵さえ開いていれば、皆を業火から助け出す事が出来た。
……止めよう。今は感傷に浸っている場合ではない。

自分を戒めていると、ポピュラーな着信音が聞こえてきた。
どうやら男の携帯が鳴っているようだ。そのまま私たちから小走りで去って行った。
機関からの確認の電話だな。それほど長くは掛かるまい。
案の定、暫くすると男は戻ってきた。

>「ええっと・・・何かご予定等がございませんか?
> 無ければこのまま本社に向かいますが・・・」

「彼もこう言っている。本社ビルへ向おう。
 小村君としてはNo.1に会うのは嫌だろうが許して欲しい」

【レオーネの目的:神のいる(支配する)世界を創り出す事】
【『炎魔』と城栄が関係している】
95籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/07/06(日) 02:03:22 0
>>86
全てを話し終えた桐北の眼は虚ろで、生きることを諦めてしまったように見えた。

『もう僕は皆が居なくなるのは耐えられないんだ。
このまま皆が死んでいくのを見ていくだけの世界なんて生きていても意味がないよ。
さよなら、瑞穂ちゃん』

その姿は数年前の『機関』との戦いの中、そう言って自殺した私の仲間に重なった。

「待て!」

その瞬間、私の体は勝手に動きエレベーターに乗りこんでいた。
当然エレベーターは階層を指定されていないので動かない。

「瑞穂、エレベーターのボタンを押せ、屋上だ。
うまくやればこいつを自殺に見せかけて殺せる、絶好の機会だ」
「嫌です」

師匠に逆らうのは初めてだった、師匠の事を師匠と呼び出してから逆らった事は一度もなかった。
もう私も耐えられなかった、もうあの生きる事をあきらめた顔は二度と見たくない。
桐北は私が守ってみせる。

「な・・・・・・瑞穂、いきなりどうしたんだ?」
「二十歳にも満たない少年が『機関』如きのために死ぬなんて嫌です。
私には桐北は殺せません、無抵抗の人間を殺すなんて、まだ未来がある人間を殺すなんて、私には出来ません」

沈黙、桐北も師匠も私の発言をとても驚いているようだ。

「はぁ、俺はこうなるんじゃないかって薄々思ってたよ。
やっぱり親子は似るものなんだな。
俺が『機関』を裏切ったのは当時『機関』に捕らわれていたヤハウェ・・・・・・っていうかまぁ惚れた女な、そいつを助けるためだったんだ、結局守れなかったけどな。
だから瑞穂、お前の決断に俺は口を出さない、俺はお前が俺と違う結末を迎えられる様協力するぜ。
お前が守るんだ、こいつを『機関』から。
あと敵じゃなくなった今、ヤハウェたる桐北修貴は俺達能力者の主だからな、敬えよ」
96籐堂院瑞穂 ◆FleR8jlnN6 :2008/07/06(日) 02:03:50 0
>>95
これには私が驚いた、まさか師匠がこうもあっさりと許してくれるとは思わなかった。
それに『機関』への復讐の理由にそんな事があったなんて私は初耳だった。
桐北もさっきからずっと開いた口がふさがらないようだ。
信じて良いのか悪いのか分からないようなので一応騎士として誓いの儀式をする。
実際の儀式は主が長剣の平で肩を叩くというものなのだが、師匠のは違うのだ。

「神の子桐北修貴、私は貴方を主とし、守っていく事を誓う。
この口づけに忠誠の心をこめて」

そして私は跪き、桐北の手の甲に軽くキスをする。
師匠は組織がまだあった頃、信頼する幹部にはこれをやらせていた。
エレベーターに監視カメラが無い事を確認すると、天之尾羽張を取り出し、鞘から抜く。

「剣神憑依『建御雷神』」

短くそう唱えると天之尾羽張が淡く光り、その光は桐北の身体に吸い込まれるように消えていく。
そして、天之尾羽張を鞘に戻し、またバッグに押し込む。

「これで貴方が危機に陥っても居場所はいつでも分かります。
押し売りのようなことをしてしまいましたが、どうかお許し下さい。
私が守りますから、貴方は生きているのだから、あのような顔はもうしないで、私の少し頼りないご主人様」

今の私はやっと葛藤から解き放たれ、久々に心から笑う事が出来ているような気がした。
私はこの人が笑って生きていけるよう守っていこうとそう誓った。

「お前って結構恥ずかしい奴だったんだな・・・・・・
因みにあの恥ずかしい儀式はずっと前俺が考えた罰ゲームだからな」

師匠に言われて初めて今の私の頭の中がお花畑状態になっている事に気づき、急激に顔が熱を持ってくる。
その恥ずかしさを誤魔化すように私は一つ咳払いをしてからこう言った。

「それで、何階にご用でしょうか?」

【籐堂院瑞穂:桐北修貴に何階に行くか訊ねる】
97戦場ヶ原 天 ◆u5ul7E0APg :2008/07/06(日) 14:10:43 O
>>77
「もうリンには関わるな。」
戦場ヶ原が最期に耳にした言葉は、ツバサと名乗る小柄な男のものだった。
ツバサは先程の鈍重な動きからは想像もつかない俊敏さで、素早く、的確に、
戦場ヶ原の背後に回り込んで何か薬物らしきものを投与する。
その瞬間、戦場ヶ原の視界はブラックアウトした。
(リン……、リン……ッ!リン―――――ッッ!!!
男の声にならない悲痛な叫びが、彼の中の虚空の闇を裂いた――――――。


どれくらいの時間気を失っていたのだろう。
戦場ヶ原はひとけのない美府温泉の裏側搬入口によりかかって倒れていた。
気がつくと、そこにリンの姿はなかった。
「俺は……」
とてつもない絶望感と喪失感、無力感に自己嫌悪。あらゆる負の感情が彼を襲う。

「俺は……何をしている。」

機関のNo.2。その妹。守るべき対象が、突然遠い存在になり、それは何を言うこともなく自分の元を去っていった。
(いや)
(これで良かったんだ)
(初めからこれは俺が関わることではなかったんだ)
いくつもの言葉が彼の脳裏を埋め尽くす。
『諦観』という名の感情。
それに支配され、彼の身体はピクリとも動こうとしない。
98戦場ヶ原 天 ◆u5ul7E0APg :2008/07/06(日) 14:12:08 O

ガサガサガサッ!

そんな彼を、突然現れた武装集団が取り囲む。
彼等は統率の取れた動きで一斉に戦場ヶ原にその銃口を向けた。

「異能者、山田権六だな。
貴様はこの3日目時点で規定のスコアに達していない。
厳正な選定のもと、排除する。」

フルフェースで顔を覆った彼等に、戦場ヶ原は虚ろな目を向ける。
その胸には、見覚えのある朱い髑髏を象った紋章。
(虐殺…部隊。)
かつて自分の率いた殲滅専門の戦闘チームだった。
「ククク………クハハハハハ」
自分の姿が滑稽で、戦場ヶ原は笑えて来た。女に逃げられ、自分のもと部下に殺される。なんと惨めな最期だろうか。
(それが俺にふさわしい。)無力感に支配され、戦場ヶ原は目を閉じた。

『まだ…終わってないよ。』

!?
突然脳裏に響いた懐かしい女性ーーー天音滴の声。
それと同時に、連れ去られるリンの寂しそうな顔が、戦場ヶ原の脳内に広がった。
そう。まだ終わっていない。
滴は死んだが、リンはまだ死んでいない。
漆黒の闇に一筋の希望が差し込まれると、闇は収縮して小さな『球』になった。

そして今、それが戦場ヶ原の左手に生まれていた。
「!?」
虐殺部隊は驚いて思わず後逸する。
「俺はリンを………助ける……ッ!!」
男は低く唸ると、力強く立ち上がった。
「能無しどもが……、この俺を誰だと思ってやがるッ!!」
男の大喝に、虐殺部隊はさらにあとじさる。

「俺は戦場ヶ原 天……。
『歪んだ重力』』戦場ヶ原 天だァァアアアアアアッ!!!!」

牙を取り戻した獣の咆哮が、天を貫いた。

【戦場ヶ原:封印解除】
99池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/07/06(日) 15:49:13 0
>>90>>93
俺の意識は、大男の刹那の攻撃の衝撃によって一瞬だがプツリと途絶えていたようだ。
そんな俺の意識を再び現世に舞い戻したのは、
文字通り腹の底にまで染み渡る激痛と言っていいだろう。
俺がどれだけの間意識を失っていたのかは分からないが、
目を開いた時、そこには額から血を流して呻き声をあげる大男の姿と、
いつの間に現れたのだろう、銃を持った長髪の女……いや、男が立っていた。

辺りを見回すと、倒れている四島に負傷しているあの眼鏡の青年……。
少なくとも、まだ闘いは終わっていないようだ。
俺は左手で腹部を押さえ、痛みを堪えながらゆっくりと立ち上がった。

「『極限運命』……なるほど、貴様も異能者かい。
……そこの灰色兄ちゃんも起きたようだし、これで三対一か。クックック……」

大男の足下には血のついた石……いや、あれはコンクリートの塊か。
察するに、あのコンクリートに額をぶつけたのだろう。
俺のスピードを5とするなら、奴は7〜8と思っていたが、それは違っていた。
最低でも10、下手をすれば20以上のスピードを持つ怪物だ。
だがそれ故に高速移動中での物体との衝突は、自身へのダメージを増大させる結果となる。
(なるほど……考えたものだな)

「人が集まると言ったな? そりゃ困ったなぁ、クッフッフ。
けどよぉ、俺はまだ貴様らの『血』を見てねぇんだ。このままおめおめと引き下がるわけにはいかねぇ!
人が集まる前に、ケリつけてやるぜ!!」

男が両拳を合わせた途端、空気が変わった。
いやそれだけはない、男の体から次々と血管が浮き出し、体全体を震えさせているのだ。
                   カルマ
「俺の名は『岩城』。機関では『饗宴』と呼ばれている……。
さぁ、お前達を殺戮の『宴』に招待しよう……」

男のありとあらゆる筋肉が見る見る内に充実していき、
腕などは先程の倍ほどまでに膨れ上がっている。正に、筋肉の化け物だ。
俺は激痛の走る腹部に力を入れ、声を絞り出した。

「それが、お前の異能力か……」
100池上 燐介 ◆qqu0tZFsYU :2008/07/06(日) 15:52:04 0
「そうよ……! 己の肉体を限界以上にまで高め、その力によって敵を粉砕する!
機関の幹部連、すなわちファーストナンバーの方々を除けば、俺に敵う者はいない! そして!」

男の右腕がアスファルトに埋まる太い電柱を掴んだ。
そして、なんとそれを根本から瞬時に『へし折る』のだった。
電柱から伸びていた電線などは電柱を掴む男の片腕の一振りによって容易く千切れ、
男はただ太く長いコンクリートの塊と化した柱を、空中でヘリコプターのローターのように
ぐるぐると回転させている。

「腕力で俺に適うものは、機関にも存在しないのだ!!
さぁ!! 人が集まる前に、お前ら全員ここで捻りつぶしてくれるわぁっ!!」

奴の肉体だけでも苦戦気味だったというのに、
槍をも越える長さのコンクリートの柱を武器とされるのは、予想外であった。
(反則、だぜ……。こいつぁ、他の二人の異能力に期待しなきゃならないかもな……)

──男が唸り声をあげ、柱を振り回しながら突進を開始した。
あれだけの筋肉をつけておきながら、スピードは先程と全く変わらない。
男は俺の目の前にまで迫ったところで、勢い良く柱を振り下ろした。
──俺は咄嗟に脚に力を入れ、柱を回避すべく真横に跳んだ。

「それで……避けたつもりかぁぁぁーーっ!!」

しかし、かわせるはずだった柱が、地面に到達する前に軌道を『横薙ぎ』に変え、
振り下ろされた時の勢いそのままに、再び俺の体目掛けて迫って来るのだった。

「……なにっ!? ──うぐっ!!」

左腕を巻き込んで、左脇腹が激痛を伴う鈍い音を立てた。
俺の体は、バットに乗せられて弾き飛んだボールのように、空中へと舞い上がった。

【池上 燐介:左腕、左脇腹負傷】