SIREN(サイレン)の世界でオリキャラがあがくスレ

このエントリーをはてなブックマークに追加
745謎の求導女 ◆uTtdYomZuE :2010/08/15(日) 22:02:32 0
>>744
それは、私でもわからないことです。
しかしあなたが過去に行ったということは
あなたの考えていたことの中に答えはあるはず…。

海送り……もう始まってしまったのですね…
これからが面倒になっていくでしょう。
とりあえず、病院に近いですし、そこへ向かいましょうか。
少し、ここで待っていてください……
(夜沢を待たせて、様子を見にいく)

【パーン!!】
…!!?銃声。狙撃手が私たちを狙っている。
どこからかしら?
(視界ジャックをする)
総合病院方向からだわ。これじゃあ、簡単にいけないわね…
向こうから遠回りするしか…

今です!求導師様、来てください
(夜沢を呼ぶ)
746夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/15(日) 22:37:01 0
>>745
すまない……だけど今の私では力になれない。
刹夜薙を貸すよ。今の君は丸腰だ……
(指示に従い、求導女のほうへ行くと、そういって刀を渡す)
だけどあとで返してほしい……私には必要なものだ…
それに神代に強化してもらったから、一撃でやれるかもしれない。

あと聞きたいことがある。
君の名前だ…なぜか君の名前が思い出すことができなくて…。
君は何者なんだ?不死者であること以外に何かあるはずだ。
747謎の求導女 ◆uTtdYomZuE :2010/08/15(日) 23:21:44 0
>>746
(しばらく黙って、視界ジャックをしながら屍人たちの様子をうかがっている)
………私も、あなたと同じように記憶が周期的に消えるんです…。
自分の本当の名前など、覚えていません。
それに永遠に生き、そのままの若さでいられるものがいたとしても
誰も何もいえないのです。なぜなら、そのことについて
深く考えられなくなるから…これも神ののろいです。
求導師様も…私も…この村も呪われています…。
しかし、ある一部の一族は、私たちの正体を知っている…
志村家の者たちです。彼らには、その呪いが聞かないようですね。
たぶん、求導師様をよく思っていなかったものたち、
そして里村麗子に密告した患者も、志村家の仲間に違いありません。
あなたが彼らを消したことは間違いではありませんよ。
求導師様は正しいことをしたまで。
私の名前は、神代聖子……本当はどうだかわかりません。
けど今までずっとそうよばれてきました。

===アーカイブに「神の遣ひし者」が追加===
 昔、二人の人ありけり。
姿、若く美麗なりぬれば、年を過ぎても
老ゆることなく、人々、そこに天人の姿をみゆる。
 人々、二人の人の教えを聞き、信ずれば
人身御供を堕辰子様の元へ送りたり。
人身御供、永遠の命をいただく。この世の人、恵み授かる。
向こふの世、この世、神より光、与えられるなり。
 求導師は祭りを執り行ひ給ひて、求導女は神の御声を聞き給ひけり。
二人は神の遣ひし者なり。
いつ来てもコテハンの同調率が高いな。読みがいがある
749まな ◆PC/HOPNyF0te :2010/08/16(月) 10:18:34 O
――異変が起こる、数分前。

「この日記はね、まなちゃんの書きたいことを何でも書いていいんだよ」

「まなちゃんは、人とは少し違う所があるけど、」

「それは病気のせいで、まなちゃんは全然悪くないんだ」

「先生はちゃんと分かってるから」

「先生は遠くに行っちゃうけど、まなちゃんのこと、いつも心配してるからね」

……いかないで……


名前:まな
年齢:10歳
性別:少女
人間or屍人:人間
職業:小学四年生
趣味:絵を描くこと・歌を唄うこと
キャラクター解説:
羽生蛇村の住民。
頑なに他人を避け、心を閉ざしている少女。
失声症を患っており、声を出すことが出来ない。
鍵の付いた小さな日記帳をいつも持ち歩いている。
物心ついた時から、得体の知れない夢を見るようになり、
その内容は異変が起こった日から、より鮮明になりつつある。


――現在。

<<先生……助けて>>
少女の叫びは声にはならず、ただ掠れた息を吐き出すだけだった。
もう何時間と歩き続け、小さく華奢な躯は悲鳴を上げている。
<<……つかれた……>>
意識が朦朧とし始め、ついにはその場に膝をついてしまう。
蓄積された疲労に、抗うことは出来なかった。
倒れるように道の真ん中に横になり、少女はゆっくり瞼を閉じる。
眠りにつく間際に見えた物は、少女を殺すために近づいて来る屍人の姿だった。


――まなのゆめ

また、鳴き声が聴こえる
遠い遠い、赤い海の向こうから聴こえてくるの
痛いの?苦しいの?さみしいの
だいじょうぶ、みんないっしょよ
かえるのよ、うみに
しんだひとは、つちにうめるように
うみに、かえるのよ
750村中 樹水:2010/08/16(月) 20:55:16 0
ドアを破壊し、交番へ突撃した。屍人は3人
変なものを食っている。自分はお構いなしに刀を振りかざした。
首が飛び、返り血が服につく。
あっという間だった。
腰のホルスターから銃を奪い取った。
「…これである程度片づけたな。後は…!」
片手にある字理炎を死体の山の上にかざした。
空から青い煉獄の炎が降り注ぐ。
死体の山が燃えていく…これで成仏できただろうか…
永遠に苦しまずにすむだろう。赤い水から解放される…
後はあの忌々しい神をぶっ殺すだけだ…

終了条件達成
751夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/16(月) 21:15:06 0
>>747
神代聖子………じゃあ、神代さん。
志村ってまさかあの猟師の………。
今もそいつはいるのか?それだけが心配だ。
いつ勝手に邪魔されるか。君が何とかしてくれるのか?

>>749
あれ………子供だ……
(視界ジャックをするとまなに近づいていく屍人が
ジャックできたらしい。)
結構近くにいる…いそげば助かるかもしれない!
(聖子から刹夜薙をとり、まながいるほうへ急いで向かう)

小目標:「まな」を屍人から救う
752夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/16(月) 21:32:37 0
【パーン パーン】
狙撃屍人「どこに…いった〜〜〜〜!!」

…あぶなかった……一歩間違えたら狙撃されていたところだ…
落ち着け…落ち着けば間に合う。下手にあわてるよりも
効率はいい…。

屍人「みつけた〜まちなさい…!(鎌を持ちながらこっちへくる)」

……!!?
(有無をいわず刹夜薙で斬り捨てる)
視界の場所は……上のほうか…
(階段を上っていき社のあたりまでたどり着く)
ここにはいない…ここらへんのはずだが…
(周りを見渡してみる)
あれは…!!?
(下のほうに屍人が幼い少女に近づいていくのが見える)
彼女は見たことある……たしか、小学四年生の…
(思い出そうとするものの、名前が出てこない。
記憶が周期的に消える彼にはよくあることだ)
753神代 聖子 ◆uTtdYomZuE :2010/08/16(月) 21:50:05 0
>>751
今もいるとは思いますが、見ていませんね…
しかし、用心しなければ。

あっ!待ってください、求導師様。
まだ体力は回復していません。あなた一人では無茶です!
(夜沢を追いかける)

名前:神代 聖子
年齢: ?
性別:女
人間or屍人: 人間
職業:求導女
長所:目的のためならなんでも
短所:すぐにいなくなる・自分勝手
キャラクター解説:
穏やかでまじめな性格が
村の者たちからは慕われているが、
本当は、目的のためなら他人を犠牲にすることまでできる
冷酷な女性。自分の家族を殺害し、息子光介に
「神を滅ぼすもの」として育てる。
しかし、同じ運命を背負った夜沢は心のそこから
大切にしている。永遠に生きていたこともあり
夜沢と同様、人間的に欠けている面がある。

>>752
(夜沢に追いつく)
求導師様………あの子は…?
(まなを見る)
あんな道の真ん中で…え、しかも向こうからやつらが…
(屍人を見つける)
754夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/16(月) 22:19:08 0
>>753
君もきてくれたか……
私は屍人を何とかするから
神代さんは、あの少女を…。
(そういって、足場から飛び降り下に行く)

あの屍人…あの少女しか見ていない……
……おい!こっちだ!!
(屍人に向かって叫ぶ)

屍人「うがあ?…(夜沢のほうを向き、向かってくる」

こっちをむいたか…(鞘から刀を抜き、構える)
755神代 聖子 ◆uTtdYomZuE :2010/08/16(月) 22:27:01 0
>>754
わかったわ、求導師様……
(夜沢が飛び降りた後、自分も飛び降りる)
【バタッ!】
うぅ……(地面に一瞬倒れるがすぐに起き上がる)
女の子は……そこは危険ね。求導師様が戦っている間、
彼女を安全なところに隠れさせないと…。
(まなにかけよる)

>>749
大丈夫?しっかりして………(まなを起こす)
こんなところに倒れていたら、やつらにやられてしまうわ。
私につかまって頂戴。安全なところに隠れましょう…
さっきの屍人のほかにもまだ沢山いるみたい…
756名無しさん@自治新党スレでTATESUGI値審議中:2010/08/16(月) 23:24:55 0
>>756
★キャラクター表★ 新SIREN
○新しい主人公、多くの主人公たちが活躍するNEWサイレンストーリー

>>2 波多野 志穂(高校生)

>>8 屍人(元ラッパー屍人)

>>22 松浦 敦(大学生)

>>54 戒越(???)

>>79 中条 誠也(ホスト)

>>99 魅崎 まりあ【田中 光子】(アイドル)

>>103 田中 健史(漁師屍人)

>>115 夜沢 慶都【有沢 玲】(医者)
>>187 夜沢 慶都【有沢 玲】(求導師)

>>130 篠田 美奈(半屍人中学生)

>>154 里村 麗子(看護師/ナース屍人)

>>164 葉塚井 六郎(フリーター)

>>170 村中 樹水(高校生)

>>179 清水 鐐一(屍人警官)

>>220 写宮 光介【神代 光介】(中学生)

>>570 朝霧 真理沙(フリーライター)

>>611麻桐昭吾(大学生)

>>613哀川 輝実(学生)

>>749まな(小学生)

>>753神代 聖子(求導女)

皆なら動かすなら、どのキャラクター?
新しいキャラクターも増えてにぎわってまいりました!
757名無しさん@自治新党スレでTATESUGI値審議中:2010/08/16(月) 23:38:33 0
>>757★前スレSIRENなりきりアーカイブ集★

>>17 No.1『比村 亜紀の携帯電話』

>>39 No.2『チャーリンコエンジェル』

>>46 No.3『松浦 敦の学生証』

>>51 No.4『となりのオドロ』

>>60 No.5『ブラッと』

>>66 No.6『ひらめきマンチョコシール』

>>93 No.7『波多野 志穂の日記帳』

>>121 No.8『マナ教司祭(求導師)の日記帳』

>>157 No.9『儀式の記録』

>>168 No.10『登山道の立て看板』『葉塚井の携帯電話』

>>169 No.11『朝刊日本新聞 2003年発行』
     『朝刊日本新聞 2004年発行』

>>173 No.12『血まみれのメモ』『オカルト雑誌「超怪奇事件」』

>>185 No.13『羽生蛇民話集』『清水鐐一の手帳』

>>232 No.14『〜赤い果実〜赤枇杷』

>>247 No.15『神代家からの手紙』

>>315 No.16『炭鉱の地図』

>>331 No.17『眞魚石の原石』

>>336 No.18『宇理炎』

>>404 No.19『眞魚教経典』

>>410 No.20『夜沢 慶都と里村 麗子の写真』

>>428 No.21『神の炎』

>>544 No.22『水水晶』

>>577 No.23『夜沢家の刀』(詳細>>716

>>600 No.24『キリストの涙』

>>606 No.25『羽生蛇村歴史書』『マナ像』『宇理炎之書』

>>640 No.26『血に染まった指輪』

>>641 No.27『求導女の日誌』

>>657 No.28『光介のお手玉』

>>747 No.29『神の遣ひし者』
758まな ◆PC/HOPNyF0te :2010/08/17(火) 01:07:21 O
……誰かが、叫んでいる。
その声は、近いようで、遠いようで、
同じ世界から聴こえるようで、別の世界から聴こえるようで、

<<せん、せい……>>

先生に似ているようで、似ていないようで、

>>754
男の大きな声で、深い眠りの底に沈んだ少女の意識は、次第に浮上していく。
未だ夢の中を彷徨っているかのような虚ろな瞳が、
何かを構え、屍人と対峙する男の姿をぼんやりと捉えた。
<<……だあれ……>>
その男に見覚えがあったが、今の少女にはそれをはっきり思い出すほどの気力はない。
ただ、自分の慕う“先生”ではないことだけは、はっきりと理解することが出来た。

>>755
続いて、少女の瞳が捉えたものは、こちらに駆け寄る女性の姿だった。
小さな躯に触れるその手は、優しく、そしてとても暖かい。
少女はそれに誘われるように、ほぼ無意識のまま、女性にゆっくりと手を伸ばす。
僅かに残っていた力を振り絞り、女性の躯にしがみつく。
<<安全な所……>>
瞳だけを動かして、周囲を見回してみるが、何かが見えたとしても少女の意識までは届かなかった。
それほどまでに、少女は疲弊しきっていた。
小さなプレハブ小屋を見つけたことさえ、
理解することも、女性に伝えることも出来ないほどに。
759夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/17(火) 22:27:13 0
たいして強い武器を持っていない屍人を倒すことは容易なことだ。
自分の持つ薙刀は、攻撃できる範囲だって有利。
攻撃力も計り知れない。

夜沢は慣れた感じで、刀をその屍人に横方向に振りかざすと
屍人からは血液が舞い散る花びらのように吹き出て、ばったりと倒れた。

そしてすばやく視界ジャックをして、周りの屍人の様子をうかがう。
どうやら誰もこっちには気づいていないらしい。
ひとまず安心だった。
「今のところこれで大丈夫……。」
少しため息をつくと、少女と求導女の方に向き直り、
警戒をといて刹夜薙を鞘におさめる。
そしてそのまま二人のほうへ駆け寄っていった。

>>神代 聖子
彼女は無事みたいだな……子供一人でよくここまで…
運がよかったのか、それとも大人がさっきまでついていたのか…?
(まなを見ながら)
まあいい…とにかく蛭之塚から出て病院のほうへ急ごう。
だけどあの狙撃手をどうにかしないといけない。
銃相手では歯が立たない。後ろからそっと行くしかないか…?
(聖子のほうを向いて言う)
760神代 聖子 ◆uTtdYomZuE :2010/08/17(火) 22:59:08 0
>>758
意識はあるようで、その少女は自分の言うとおりに
つかまってきてくれた。しかし、かなり疲れている様子だ。
長い時間歩かせるなんてできない。
そう思って近くにあった社の影に身を潜めることにした。
近くには真紅の池があり、異様な何かを醸し出している。
向こうでは、求導師様が屍人の相手をしてくれているし、
一体自分は何をしてあげればいいのか一瞬戸惑ったが、
少女の安全を見守るのが今の役目だとわかると、
すぐにあたりを警戒することにうつった。

それにしても、彼女は何か言いたげな表情をしていると感じたが、
無駄にしゃべらせようとして体力を使わせることなどできなかったため
あえて何も言わないことにした。

「事情は彼女が回復してからにしよう…。」
そうつぶやくと、屍人を倒してきた求導師様が戻ってきたらしい。
こちらに駆け寄ってくるのが見える。

>>759
大人がついていたのかもしれないわ…
まだ小学生くらいですし、一人でこの村を生き残れるのは…
(夜沢の視線がまなのほうに向いていたので無意識に自分も見ていう)

…そうですね。病院で一度休ませたほうがいいかもしれません。
狙撃手なら、視界を借りて様子を見ながら進むことにしましょう…
万が一、この少女に銃弾が当たってしまったら大変ですから。

それに彼女はたぶん生身の人間……
不死者でもなければ屍人でもない。生存者です。
赤い水を大量に浴びていないといいのですが……。

それに求導師様……われわれの目的を忘れてはいけませんよ?
はやく生贄たる神代光介を見つけ出し、「神」を復活させるのです。
そしてもう私は肉体を持たぬ身……
あのときから私は魂のみの存在となったのです…
だけど、ぬくもりなら感じることができる。
私が自分のみをそうしたのも、貴方の力になるため。
(夜沢のみみもとで小さくささやく。まなに聞こえないようにするためである)
761夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/18(水) 01:20:16 0
>>760
ということは、その大人を捜し出すまで
この子供を見ておく必要がある……。
彼女から事情をすべて聞けばわかるとは思うんだけど。
彼女が何者か思い出せそうなんだが、肝心なことがよくわからない。
わかるのは、羽生蛇村民で現役の小学生だということだけ…。
君の様子を見る限り、覚えていないようだからあえて聞かないでおくよ。

……赤い水を浴びているのは誰でも同じ……
いざとなったら私の血を分け与える。
生存者を一人でも多く救わなければ、完全体の神は倒せない…
私と君の考えは同じはずだ。なぜ生存者を助けようとするのか…。
(小さな声で)

病院…あそこもまったく安全とは行かないが
鍵がかけられる部屋があることだけでも、ここよりは安心だ。

別のループの君もそういっていた…
だけど、私には神代さんが魂だけの存在となったことが
ある意味信じられない…。
以前、教会に落ちていた日記を勝手に読んだけど、
三月二十八日の「私がどうにかしないと」のところで
それは終わっていた…ちょうど君が姿をくらました日…
あのときに何かあったはずだ。なぜそこまで私を…
それに…光介には、そこまでしたことはあるのか…?
(ささやくような小さな声で言う)

あと、私が狙撃手の動きを視界を借りて把握する。
そのときになったら合図を送るから…。
(そういって、狙撃手のいる総合病院へ続く道の辺りへ向かう)
待てというまでついてきて……
762神代 聖子 ◆uTtdYomZuE :2010/08/18(水) 23:06:13 0
>>761
光介は、「神を滅ぼすもの」……
だけど今は「生贄」となる私の「実」…それ以外の何でもありません。
神代家はここで終わるのです。結局この家も
私が呪いから解放されるだけのために生まれたもの。
私の娘や息子もね……。
だけど呪いはもうじき終焉を迎えるのです。
そのときがくるまでできることをやりましょう…
(小さな声で)

>>まなちゃん
いきましょう。周りにはあのものたちもいません…
求導師様の指示に従っておけば、きっとここから
出られるはずです。
(少女の華奢な体を支えるようにして、しゃがんだ体制から立ち上がる)
手を離さなかったら大丈夫だから…少しの距離をいくだけよ?
(そういいながら、ゆっくりな足取りで少女を支えながら
夜沢についていく)
763夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/19(木) 00:04:34 0
>>762
…そうか…光介も君を相当恨んでいた…
だけど、うらんでいるというよりは、何か違う…。
終わりを迎えられればいいが、なかなかそうともいかない。
虚母ろ主の輪が邪魔をしている。特に私をそこから遠ざけようとしているみたいだ。
簡単にあっちとをつないでもらっては困るんだろう…

二人を気にしながら、自分も足取りをいつもよりゆっくりにする。
池からの水が流れる小川にかけてある小さな橋を渡り、
池の横を通過しようとしたところだ。
そのとき池の近くに何かが落ちているのを見つけた。
何なのかと思い、その足を池の近くにまで運んでいく。
「自由帳」と漢字で書かれたノートだ。みるからに小学生のものらしいが。
裏の名前欄に「三年 長谷川 翔太」と幼い筆跡で描かれている。
「長谷川翔太……?これ…見覚えがある……」
(ページをゆっくりと開く)

…あのときの………そういえば、そんなことを…
(ノートに手が触れたとたん、そのときの微笑ましい記憶が鮮明によみがえる)
だけどどうしてこんな昔のものが…やはりループの乱れか…?

=====アーカイブに「儀式ごっこ帳」が追加=====
●小学生が「生贄の儀式」をごっことしてやっていたときに
 役きめとして名前を一覧表にしてまとめたもの。
 さらに今後のストーリーもあらかじめ考えてあるという
 手の込んだものである。
<内容>
儀式ごっこメンバー
長谷川 翔太 ただの信者で歌歌う係り
牧村 里奈 生贄
夜沢 慶都 求導師
田村 陽平 求導女

びこう 花火をもってくること
    マナ字架を作ってくること
764まな ◆PC/HOPNyF0te :2010/08/19(木) 01:13:22 O
>>759-760
“大人がついていたのかも”
二人の言葉に、少女は何も反応を見せることはなかった。
視線から目を逸らし、俯いているだけである。

>>762
この女性の優しい言葉を、信じてしまって良いのだろうか。
少女は、自分の手を引いて歩く女性の横顔を盗み見る。
少なくとも悪い人間には見えない。
この人は、本当に、本当の意味で、自分を助けようとしているのかもしれない。
この世界から、逃げ出せるようにと。
……ただ、先ほどこの女性と男が何事かを話していた時のあの目は、
何故かとても恐ろしく思えて、すぐにこの場から逃げ出したくなった。

>>763
女性に手を引かれながら橋を渡り、池まで来た時だった。
突然男が立ち止まり、池の方へと歩いて行く。
彼が手にしている物が何なのか、同じ物を持っている少女にとって、理解するのは容易だった。
自分も、同級生もあの自由帳を使っている。
男は、そのページに目を通しながら何かを思案しているようだ。

そして少女はそこで、自分が自由帳を使ったことなど一度もないことを思い出していた。
先生から貰った日記が、自由帳の役割を果たしてだったからだ。
765哀川 輝実 ◆9Gip574ZhQ :2010/08/19(木) 02:51:59 0
(規制解除。復帰;;)
(少し時間進めます;)

学校で色々話を聞いたが、もうどれもこれもわけがわからなかった
この村すべてが、血ののろいの脅威に包まれている?
現世とはまったく別の空間?
自分ひとりでがむしゃらに足掻いたところで何にもならない。 ・・・なんて言ってたっけ。
なんにもならない?なんにもならないなんにもならないなんにもならないなんにも・・・・・・
確かに集団行動が効率的だと思うけど、あの人達はただの一般人の私より手馴れている
嗚呼、そうだ。私が居れば足手まといだ。

だからーーーーーーーーーパリーーーンッッ

(葉塚井のスキを見て窓から脱出!雑木林へ。貰った銃はそのままに・・・・・)

例え足掻くのが無駄でも、無様に死んだりしたくないよ・・・!


(トンネルなど手がかりを探すらしい)
766夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/19(木) 23:31:23 0
石造りの階段をゆっくりと下がっていく。
なぜなら下には屍人が何人か徘徊しており
音を出してはここを感づかれるからだ。
それに近くには狙撃手屍人もいる。
しかし、その屍人はどうやら向こうを向いているらしい。
視界をジャックしても、見えるのは最初にいた地点だ。

>>まな >>聖子
「ちょっと待って……」
小さな声で、まなと聖子に言うと、自分は静かに
おおきな段差の足場にあがり、様子を見た。

「後ろから攻撃をすれば、倒せるかもしれない…」
心の中でそうつぶやくと、上ってきたときと同じように
できるだけ音を出さないように降りる。
そしてゆっくりと、狙撃手屍人に近づいていった。
その手は鞘に収められている刀の柄においてある。
ある一定のところまで行くと、屍人も気配を察知したのか
後ろを振り向こうとした。それと同時にすばやく刀を抜き
屍人を斬り捨てる。屍人はその場に崩れると動かなくなった。

その様子をしばらく下目遣いで見ると、ようやく後ろを振り返る。
「もう大丈夫だ…病院へ急ごう……」
いつもの癖で、片手を胸の真ん中辺りに動かすが、
そこにあるはずだったものがなかった。
「ペンダントが……途中で落としたのか?……」
夜沢が提げていたマナ字架がない。
これを触る癖があった夜沢にとって、ないということは
気持ちが悪かった。少し、困ったような表情をするものの
元に戻して、二人が来るのを待つ。

>>765
(解除おめでとうございます^^新しい方も入ってにぎわってきたので
楽しめますね。ただほかの方はまだ規制中でしょうか?)
767神代 聖子 ◆uTtdYomZuE :2010/08/20(金) 00:20:01 0
>>764
少女がこっちを見ていることを感じたが、
そういえば彼女は、一度も口を利いていない。
かなりなショックなことがあり、心を閉ざしてしまったのだろうか?
いろいろなケースを考えてみたが、実際のところ
どれも断定できるものはない。
それに大人と一緒にいたということに反応していないということは
この子は一人のとき突然異変に巻き込まれてしまったのだろう。
羽生蛇が神の血を浴び、閉ざされてしまってから
よそから来たもの、この土地のものが不思議な現象に遭遇している。
それも神がこの村を現世から切り離すために創った
虚母ろ主の輪のせいである。同じ時間が繰り返されるのだ。

「不安なの…?でも安心して…きっと助かります…」
少女を心配させぬよう笑顔で話しかけた。

>>766
「ちょっと待って」と求導師のいう声を聞くと、
黙って指示に従いその足を止めた。
岩の上に一人で上がっていく彼の姿を無表情で眺める。
銃声が聞こえてくるのを覚悟したが、どうやら大丈夫なようだ。
屍人が声を出して倒れる姿が、夜沢の視界を通して見える。

>>まな
大丈夫だという言葉をきいて、自分もその岩に乗ると
その少女は上には上れないだろうと思い、手を伸ばし
引き上げようとした。
「さあ、つかまって…」
そういうと少女を引き上げて岩の上に乗せ、向こうへ降りた。

>>夜沢
ありがとうございます。これで進めますね…
彼が起き上がらないうちに急ぎましょう。
(倒れている狙撃手を見ながら)
…そういえば求導師様、ペンダントはどうされました?
(マナ字架を提げていないことに気づく)
……そのうち見つかるかと思います。いきましょう。
(夜沢の横を通り過ぎ、もうひとつの大きな段差を上る)
768朝霧 真理沙 ◆3HioLDbjnQ :2010/08/20(金) 00:46:45 0
(解除キターーーのんびりがんばります)


・・・・・・・・うーん、
いつまでも篭城されてる民家に居てもラチがあかないな
ちゃんとした施設探すか〜学校しかり病院しかり・・・教会しかり。

(視界ジャック)・・・・・!
ちっゾンビ共がまだいる・・(バールを握り締めながら)
しかしなるべく体力使いたくないな。

・・・・・・。うう。それにしてもお腹減った(´;ω;`)
こりゃあゾンビにやられるより先に衰弱死が待ってるなぁ。はは・・・・

(落ち込みながら移動)
769夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/20(金) 01:06:18 0
>>768(解除おめでとです^^でもいつ自分の番に…<<ひや>>)

>>聖子
本当に見つかるといいけど……その保障はないかもな。
たぶん時間のループに飲み込まれるとき、無くしたに違いないから。
どこかに落ちたかもしれないが、いつ落ちたか…
(苦笑した後、自分も聖子のあとについて登る)

>>まな
この先をいけば総合病院に着く。
部屋があるからひとまず安心だろう…
そこでゆっくりと事情を聞かしてもらいたい。
私は君の力になりたいから…
(微笑んで、まなの方に引き上げるため手を差し伸べる)
770朝霧 真理沙 ◆3HioLDbjnQ :2010/08/20(金) 01:26:49 0
(襲ってくる屍人と戦いながら進む)
はっ!やっ!とぅ!!

・・・・バールがあって良かった・・・でも、そろそろ銃くらいは欲しいな
それはともかく。

(視界ジャッジ)
(屍人の赤い視界。端には病院らしき建物が)

ああ、やっぱりあったんだ。
サクサク行きますか。もう空腹で倒れそうだ。


終了条件:病院まで辿り着け
771葉塚井 六郎 ◆Nejspi.z66 :2010/08/20(金) 18:11:39 0
(ごめんね今まで書き込んでなくてごめんね(´;ω;`) というわけで復活)

くそっ…! あのクソガキどこに行ったんだ…!?
俺の視界ジャックじゃ離れた相手の視界は見えないし…。 つーか何で逃げ出したんだか
まぁいいや、後できっちり説教してやろう。

…さてどこに行くか。 ここからだと村らしき集落に行けるが、屍人いそうだな…
ひとまず探し回るとするか。 ここにいてもどうしようもないし。
(学校から離れ、小道を通って集落へと向かう)

終了条件:他の生存者の情報を入手する
志穂さん来ないなどうしたんだろう…
長期間来てない人はもう屍人に…
773夜沢 慶都 ◇u56OX14V9U :2010/08/21(土) 23:05:47 0
(規制されたw今、代行していただいております。→http://yuzuru.2ch.net/accuse/#4
まなを、引き上げた後、目的の場所のほうに顔を向ける。空は曇っており、霧がたなびいていた。
「里村は、いるのだろうか……?」
時間の渦に巻き込まれ過去に遡ってしまった。もう一度やり直しなのかと、さほど疲れた口調でつぶやく。
「いくか……」
まなを引き上げた手を離すと、病院のほうへ歩いていった。
【終了条件達成】

この世界は何もかもがおかしい。
現在と過去が入り混じり、なくなったはずの場所が存在しているのだから。
27年前に、多くの人や場所が忽然と姿を消してしまったことがあった。
今の自分はきっと、その人たちと同じように、現世から切り離されて「消えてしまった」のだろう。
消えてしまったというよりは、「別の場所」に…。
聖子と自分はいいが、関係ない生存者をこのままにしておくわけにはいかない。なんとかしなければ。
夜沢は薄暗い病棟に、まな、そして聖子とともに入っていった。
774神代 聖子 ◇uTtdYomZuE:2010/08/22(日) 01:05:36 0
夜沢が、「里村」とつぶやくのを聞くと、あっちを向いていた視線を
夜沢のほうに移した。未来で何をしたのかわからないが、同じことをしなければ
いけない破目になっているのだろう、とその表情からわかった。
そしてまなをつれて、蛭ノ塚から出る。
【終了条件達成】

夜沢のあとに続き、病院内に入ると、まなが疲れているのを思って夜沢にこういう。
「求導師様。どこか安全なところはないでしょうか?どこも鍵がかかっているようですし」
さまざまな部屋を開けることを試してみたが、鍵が閉まっており悩んだ。
入院用ベットのある部屋があれば、なおいいのだが…。しかも内側から鍵がかけられるような。
そして、進んでいくたびに見える部屋のドアを開けようと試していると、ドアが開いた部屋を見つけた。
しかもいくつかの入院ベットがあるではないか。
「ここに入れるわ。いきましょう…」
夜沢とまなを先に入れてやると、自分もあとから入りドアの鍵を閉めた。
「これでひとまず安全。貴女はここで寝てもいいのよ?その間、これからどうするか決めるから」
まなにそういうと、窓の近くにあるいすに腰掛ける。
一人二役…
776朝霧 真理沙 ◆3HioLDbjnQ :2010/08/22(日) 21:55:57 0
(また携帯規制された・・・・なんかもう規制ラッシュですねorz
しばらくロムります・・・)
777夜沢 慶都 ◇u56OX14V9U:2010/08/22(日) 22:54:28 0
(まあ、一人二役でもスレ主さまはお許しになってくださるでしょう^^)
(また規制ですか。PCだったら容易に代行可能ですが携帯だとめんどくさい)
不気味にも、屍人たちは窓やドアを板でふさぐ習性があるらしい。
どこも、窓はふさがれており、光がわずかしか入ってこなかった。
幸いなことに電気をつけることはできる。ドア付近のスイッチをオンにすると、
そのまま聖子の座っているいすの近くの入院用ベットに腰掛けた。
「気がついたことがある。私は何度か記憶が消えていちいち過去のことなんて
覚えることができずわからなかった。けれど、この世界にある町並みはかつてあったもの。そして
現在はないはずのものだった…現在と過去が混じっている…。何年か前に消えた人間もここにいるのかもしれない。
そういえば、君も私の前から姿を消した。あのとき異変に巻き込まれたりしたのか?それだったら話は通じる。」
下を向きながら、聖子に話しかけると、答えを待って顔を上げた。
「ほとんどの人間があんなおぞましいものになっているのに、どうして私たちは…?
赤い水をそんなに浴びなかったからか?でも、それだけじゃない気がする…。」
778神代 聖子 ◇uTtdYomZuE:2010/08/23(月) 00:12:33 0
貴方もわかっていると思います。すべては何世紀も前から始まったことです。
神は自分が完全体になるまで、呪いをといてはくれないのかもしれませんね…。
まるでこの村をおもちゃのようにして遊んでいるかのように、時間を狂わせそして
一部の人やものを、現世とは別の場所に送っていった。
私たちがあのおぞましい存在になっていないのは、きっと、異変に巻き込まれたばかりだから。
そして何よりも、神にとって必要な存在だから……。そうだと思いませんか?
もっとも、そうでなくとも神の血を飲めば、誰でも必要な存在になれるのでしょう…。
呪いをかけられたあの日から、私は神がいいものだと思っておりません…
だから光介を「神を滅ぼすもの」として育て上げ、いつかは完全体となる神を
倒してほしいと……しかし、それは失敗したのかもしれません。

それから、どうしますか?ずっとここにいるわけにはいきません…
この子のことも考えなくては。(まなを見て)
779夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/23(月) 22:51:55 0
(規制解除!最高な気分だ^^みんながいないのが寂しいけど…(´;ω;`))

神にとって必要な存在…何がともあれ、堕辰子様は復活をすることがすべてだ。
私たちが本当の眠りにつきたいのと同じように……
私は神を自分を唯一救える存在だと思っている。だけど、君と同様、いいものでは
ないことくらい知っている。それを踏まえたうえでの信仰だ。儀式だ。

それに失敗した…?光介は神を倒すことはできないかもしれないって言うことか?
事実、彼はいまだに不安定な状態だ。自分の力をコントロールすることも
完全じゃない。そして彼は神を復活させる鍵、生贄だから…。
だけど、それは彼自身も承知している。だからこそ村中に使命を託したんだろう。

この世界には安全なところなんて存在しない……
ひとまずこの子供をつれて、教会までいこうと思う。
あそこならあまり屍人も入ってこないだろうから………
そういえば篠田美奈はどこへ行ってしまったんだ?
彼女からはなれてから、一度もあっていない。もとの世界に帰れていたら
幸いだが…だけどすでに半屍人…事実どうなのか…?
(ため息交じりの声を漏らす)
780神代 聖子 ◆uTtdYomZuE :2010/08/23(月) 23:16:18 0
>>778
村中…?よそからきた者のことですね?
あなたは彼に自分の血をわけました。最初は生贄にするつもりだったのでしょうけど、
今はそうじゃない。これでは光介一人生贄にささげただけでも、神は完全にはなりません。
…私の実をささげます。自分自身をです…そうすれば、すべてが上手くいくはずですから。

あとは、求導師様の意思と、ほかの生存者たちの意思にかかっています。
言われなくとも、あなたはご存知のはずかと…。

教会…不入谷…ですか?少し離れてはいますが
きっと大丈夫でしょう。おっしゃるとおり、そこは安全です。
もしかしたらほかの生存者が来ているかも知れません。
屍人たちが板ですべてを締め切る前に、ここを脱出しましょう。
だけど今は彼らの様子をうかがって慎重に行動しなくては。
それに、この子はまだ疲れているようですし…
SIRENなりきりで規制された人のための代行スレを作成しました!
避難所としても使えるので、よろしくお願いします。

http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/accuse/1282575602/l50
782夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/25(水) 00:15:40 0
私もそれに賛成するよ…君は頼りになる。
(少しばかり目線を下にして)

あとすまない。少し気になることがあって……
なんだったら君たちは先に教会のほうへ行っといてほしい。
私は後で行くから…。
(ドアのほうまで進んでいき、後ろを振り向き聖子とまなにいう)

それじゃあ……
(ドアを開けて、部屋の外へ出て行く)
宇理炎さえ持っていれば………すべては上手くいったはずなのに。
(心の中でいうと、そのまま病院の廊下を進んでいく)

ここら辺で、幻視を使うか…
(目をつぶり意識を遠くに集中させると、いくつかの視界が見える。
その中には、聖子やまなの視界もある)
蜘蛛屍人がいる。なら脳屍人もいるはずだな…
だけどやつらはドアをしめて閉じ込めてしまえば何もできない…。

(そのあとも順番に視界を見ていくと、蜘蛛屍人ではない視界がうつった)
これは少し違う。脳屍人かもしれない……
…あれ?何か持っている……マナ字架…あれは私がなくしたもの。
病院に落ちたのか?行ってみよう…
【終了条件:マナ字架を脳屍人から取り返す】

===アーカイブ【夜沢のマナ字架】が追加されました。===
マナ教信者ならば誰でも持っているもので、村のほとんどの者が所持。
その一つ一つに、信者の名字が裏に刻まれている。
夜沢のものはもっとも古いマナ字架のひとつだが、
いつも手入れをしているのか、何世紀も経たいまでも、その輝きは
失われていない。ブレスレッドのようなもの、ブローチのようなものもあるが
これはペンダントであり、首から提げられるようになっている。
783夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/25(水) 23:28:02 0
薄暗い廊下を進んでいくと、突き当たりにドアが見えた。
ドアノブのあたりはかなりさび付いており、たぶん開けることはできない。
ほかのルートを探すしかないと、下へと続く階段を降りていくと
中庭に出るドアが開きっぱなしだった。先ほどの脳屍人があけたのだろう。
それとも、以前にきた変異前の屍人、もしくは生存者か。
とにかく、何者かがここを通ったのは明らかだ。自然とあくなど考えられない。

「ここにも蜘蛛屍人がいるか……」
ライトをドアの影に隠れながら、あたりに照らすと向こうになにやら
動く気配を察知した。幻視を使わなくともわかる。
そして、そっと中庭の地面に踏み入ると、蜘蛛屍人にできるだけ
気づかれぬよう、慎重に行動した。暗闇の中の病院は、異様な雰囲気をかもし出している。
すでに廃墟となり、捨てられたはずの場所。しかもそこにいるのは人間とは異質な存在。
この病院とともにかつて消えたはずの者たちの成れの果てだ。

ーーーーーー神はいったい何をしたいのか?−−−−−−−−

そんな問いが、いまさらのようにわいてきた。
以前、葉塚井がいっていたとおり、神が何を考えているのか、
自分たちは知る由もないのだ。そのとき自分は、「なんとなくわかるような気がする」
とかいうことを答えた覚えがある。自らが神と同様、不老不死のみだからか?
それとも、呪われし神の血が流れているせいなのか?
いつまでたっても答えは出なかった。昔の自分は、ただ呪いを解いてもらいたい一心で
神の救いを求めていた。そんな気持ちが、自分自身を「人間」から遠ざけていたような気がする。

今のこの村の状況を見つめ考えていると、ふと中庭の片隅にダストシュートが
あるのを発見した。少し気になって、そのダストシュートのほうに近づいてみると、
何とかあけられそうな予感がした。そして、手をとってのほうに伸ばし、こちら側にひく。
最初はびくともしていなかったが、突然、ガタン、と音を立てて開いた。
音とともに、驚いて背筋に何かが走ったが、どうやら屍人たちには気づかれていないらしい。
そして真っ暗な中を、ライトを照らしてみてみる。嫌な臭いが鼻を刺す。
「うぅ………なんて臭いだ……ん?あれは………?」
ダストシュートの奥に、ライトの光に反射しているものがある。
取り出そうと手を入れて、その光るものを入手した。
「ねじ巻き………?一応、持っておこう………」

ぜんまいを入手すると、向こうの扉も開けっ放しであることに気づく。
「向こうにいるのか。」
小さくつぶやき、ダストシュートの前でしゃがんでいる腰を起こすと、
その扉のほうへ入っていった。相変わらず内側も外も暗さは変わらない。
この病棟にも同じく階段があり、壊れた非常ベルが設置されてあった。
また、グロテスクにもすべての窓に板が打ち付けられており、窓から脱出することは
不可能に近かった。入ったらまっすぐ行くしかない…。
「それにしてもあの脳屍人、まさか……」
まさにそれは”気になっていること”につながっていた。
なんとしてでも、あの脳屍人を見つけなければ、そして会わなくてはいけない。
蜘蛛屍人を全滅させるためではなく、脳屍人自身に”会いたい”のだ。

すると、向こうから影が、こちらに近づいてきたのが見えた。蜘蛛屍人だ。
自分がここにいるのに気づき、生命を奪いにやってきたのだろう。
四つんばいとなって走る、その姿はおぞましく、人間の名残のなるその体は
恐怖のような悲しみのようなものを思い起こさせた。
「…まずい……どこかの部屋に隠れておこう…………」
急いで周りを見渡し、入れそうな部屋を探しては駆け込んだ。
784夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/26(木) 00:18:00 0
ドアを一気に閉めて、蜘蛛屍人が中に入れないようにすると、
安心したかのようにため息を漏らした。
この部屋は、入院患者の部屋のようで、ベットが真ん中に置かれてある。
そしてベットの隣には棚があり、棚の上にはオルゴール。
その殺風景な病室に、可愛らしいデザインをしたそれは、ひときわ目をひいた。
しかもそれには見覚えがあった。たしかこの病院に入院していた子供に
里村がプレゼントしたものである。早く、元気になってほしいと願いをこめて渡したらしい。
あのときのことが曖昧になっているが、なぜか里村のいる思い出はいつだって忘れていない。
そして引き寄せられるかのように、そのオルゴールに近づくとふたを開けた。
中から、「白鳥の湖」のオデット姫と思われる、バレリーナの小さな人形が現れて
流れる「情景」と共に、ゆっくりと回っていた。

「白鳥の湖」、それは悪魔ロットバルトによって、魔法で白鳥に変えられてしまった王女の話。
ある王子に出会い、お互いが一目ぼれしてしまうが、姫の呪いは神の前で愛を誓えばとくことが
できるということで、王子は姫を花嫁選びのパーティーに招待する。
しかし、そのことを知った悪魔はそうさせまいと、王子を騙し、結局姫は裏切られてしまう。
嘆きのあまり姫は自殺を試み、崖から飛び降りようとするが、王子もそのあとを追って
二人は命を絶ってしまう。しかし、二人は天国で結ばれたというなんとも悲しい物語だ。
夜沢は、その話を思い出しながら、流れる曲を聴いていると、そのオルゴールのそこは
開くことができることに気づく。しかも何かの穴があるではないか。
もしやと思い、先ほど拾ったぜんまいを取り出すと、穴にそれを差込みまわしてみた。
すると面白いことに、そこは簡単に開くようになり、中を見ることができた。

「紙…手紙か何かか………?」
オルゴールから、古びた紙が出てきた。

====アーカイブ【子供の入院患者の日記】が追加されました====
7がつ14にち 晴れ
きょうは、しゅじゅつの日だって、先生が言っていたよ。
なんだかこわいな。お母さん、お父さんがお昼に毎日きてくれるけど
やっぱりそれでもさみしい。はやくお家に帰りたいな。
だけど、かんごふさんの里村おねえさんが、いつもやさしくしてくれるから
平気、平気。わたしがんばらないと。ちゅうしゃだってだいじょうぶだったもん。

それとね、里村おねえさんに、聞いてみたの。
おねえさんは、夜沢先生のことすきなんでしょ、て。
そしたらおねえさん、てれてたな。それにすきって言ってた。
わたしもすきな男の子ができるといいな。

そういえば、三年生のおにいさんに、先生とおなじなまえのひとがいたけど
かおもけっこうにてたよ。きょうだいなのかな?
785朝霧 真理沙 ◆3HioLDbjnQ :2010/08/26(木) 00:27:53 0
ぜえ・・・ぜえ・・・・び、病院まで行きたいけど
屍人がしつこいなぁ〜
そろそろバールが使い物にならなくなる・・・ただでさえ接近戦苦手なのになぁ

つーかあたしまだあの牧師?の他にまだ誰も会ってないや
もしかして・・・誰も居ないのか?
いやいや、めげるな。きっと帰る道があるはず。

ん、なんだこの建物。・・・・「事務所」?字がかすんで読めねぇ。
とりあえずココで休憩しようっと。
おじゃましまーす。ガチャリ(施錠)

ふう。休憩休憩、と。
786夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/26(木) 21:27:33 0
・・・・・・・・・・・こんなところに、そんなことが書いてあるなんて
思いもしなかった。私にタイムスリップの能力があるなら
あのときの過去に戻りたい。だけど、どうして行けないんだ・・・・・・・
(手紙を握り締めると、まぶたも一緒に閉じて過去のことを思い返す)

それでも、そんなことをしている暇はないと感じて、すぐさま幻視に取り掛かると
先ほど追いかけてきた蜘蛛屍人はいなくなっていた。あきらめてどこかへ行ったのだろう。
そして一番気になっていた、あの脳屍人の視界を探す。
すると、明らかにどこかへ向かって行っている。しかしどこへ?
板の打ち付けられた病院の廊下を、すたすたと進んでいく。
そして、それは何かをつぶやいた。

『オルゴールの音が…聞こえる……愛海ちゃん、元気にしているかな…?
それに……このマナ字架は先生のものだわ。先生、病院にきているのね。』

聞き覚えのある、甘く優しい声。屍人となった今でも、あのときの名残は朽ちていない。
あの時、その屍人に会いたかったのは、それが里村だったからか?
信じられないことだが、そういうことなら容易に説明がつく。

そしてしばらくたち、ドアの開ける音が響くとともに、自分の姿が目の前に写った。
はっとして、幻視を行うのをやめると、案の定、血まみれのナース服の脳屍人が
そこにはたっていた。そしてナースは、自分のほうへゆっくりと近づいてきた。
「里村・・・・・・・・・・・・・・・」
体が何故か動かない。彼女の見えない力によって、押さえつけられているかのように。
刀を抜くこともなく、ただただ彼女がこちらに来るのを体が待っていた。

『夜沢先生……私を…どうして…………』

彼女の両手は、自分のほうに伸ばされていた。
そして衣服の襟をすごい力でつかまれると、そのまま彼女は
変異したおぞましい顔を近寄せる。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!?」
そのとき、何かが脳裏をよぎった。里村の記憶なのだろうか?
かつての平和だった日々が目の前にうつる。しかし、一変して
記憶が断片的なものに。教会が見える。そして、目の前には………
すると突然われに返り、自分をつかんでいる脳屍人を
自分から引き離した。そしてすばやく刀を抜き、斬り捨てる。
「h…は、はあ…はあ…はあ…はあ…h…はあ・・・・・・・・・」
呼吸を整えると同時に、倒れている屍人の手に、マナ字架が見えた。
そしてそれを拾い上げると、すぐさまそれを首から提げて身に着けた。
【終了条件達成】
787夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/26(木) 22:06:18 0
=========病院で記憶を失う二時間前===========
【1976年 初日0時00分 羽生蛇村 刈割】

【ウゥーーーーーーーーーーーーーーーーー】
赤い雨とともにサイレンの音が響き渡る。
時間は真夜中の12時。
「赤い雨だ……いったい何が起こったんだ……?さっきからおかしい。
くっ・・・・・・・・・・・なんだこの音!頭が・・・・・・・・・・・・」
頭の中にまで響いてくるサイレンの音に耐えられなくなり、両手で両耳を
ふさぎながら目を強くつぶる。病院から今さっき出てきたらすぐにこれだ。
しかも、記憶が曖昧になってきており、自分を見失いそうにまでなっている。
周期がめぐってきたらしい。思い出すのにかなり時間がかかったというのに
なぜこんなときに。赤い水で汚れた白衣を気にしながら、空にめをやる。
「これも、神の御業………私に何を求めるのですか!?」
あきらめたように、空を仰いだ顔を元に戻すと、教会へ行くことに決めた。
ここからならすぐそこだ。鍵も持っている。

【終了条件:ナースシューズの発見】

====アーカイブ【夜沢のネームタグ】が追加されました====
総合病院関係者が身につけるネームタグ。
名前欄に「夜沢慶都」担当は「内科」と書かれてある。
そして羽生蛇総合病院のシンボルである、山鳥マークが小さく描かれている。
788夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/26(木) 22:58:08 0
段差を降りて、そこに広がる棚田をみると、そこはすでに
真っ赤に染まっていた。その異様な光景に息を呑み。呆然と立ち尽くす。
自分は異世界にでも来てしまったのだろうか?
向こうには獣の皮を剥いだものがかぶせられているものが立っており、
そして棚田の上のほうには焚き火の煙が上がっていた。

すべてが赤に包まれた不思議な空間に踏み入ると、そのまま教会へと続く
鉄扉のほうへ向かっていく。このまま段差のある棚田をいき体力を
無駄に消耗するよりは、きちんと階段を行ったほうがいいと思い、
階段のほうへ回ると、赤い鉄扉の近くに、鎌で草を刈っている中年女性がいるのが
目に入る。まわりがこんなおかしくなっているのにもかかわらず、いつものように
仕事をしているのが、驚きだ。本人も知るわけないだろうが、一応何が起こっているのか
聞いてみることにした。
「あの…すみません。少しお尋ねしたいことが……」
うしろからその女性に話しかけると、その女性はぴたっと手を止めた。
「忙しいところすみません。この赤い水は何なのか気になりまして。しかもあのサイレン音」
言っても女性からの返事はない。すると、その女性はすくっと立ち上がり、
こっちを見ようと振り向く。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、ああ・・・・・・・」
彼女の顔をみるなり言葉を失う。込みあがる恐怖。こいつは何者なんだ?
その女性の両目からは、赤い涙が目からあごにかけて伝っている。
しかもその瞳は、真っ白。皮膚は黒ずんでいた。まさに死人だ。
「まさか、あれが本当になったのか……ここは現世じゃない………」
後ずさりしながら、迫りくる異質な存在を見つめる。しかも相手にはこっちに敵意がある。
握り締めた鎌をこちらに向けている。そしてすさまじい形相。

しかしこっちは丸腰。この状況がまったくわからない自分には装備などない。
こうなったら逃げるしかないのだ。急いで、屍人から離れると
倉庫に逃げ込んだ。中にはいくらか農具が置かれてある。
その中のひとつを手に取ると、ついてきたその屍人を攻撃した。
何度も何度も、その生命がなくなるまでたたきつけた。そして動かなくなると
光る煙のようなものが現れる。なんだろうと手で触れようとするが触れられない。

そして行こうと思っていた鉄扉のほうへ足を運ぶと、さび付いた南京錠が
かかっていることに気づく。だが衝撃を与えれば壊せそうだったため
ためしに三度ほどたたいてみた。
すると、鍵は破壊され下に落ち、扉はゆっくりと開いた。

すぐ入ったところに、神代家の墓がある。そして隣には灯篭。
棚田には大量の木組みの、マナ字架のようなものが立ち並んでいる。
脇にある階段を降りて行き、教会の扉の前まで行くと裏口の門は開いていた。
誰かが入ったか出たかしたのだろう。求導女?
いや、そんなことありえない。彼女はずいぶん前に行方不明になっているのだから。
789夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/26(木) 23:59:30 0
そして、教会への道へ歩いていく。裏口から入るのはなんだかあれだが
しょうがない。いちいち表に回っていくのは危険すぎる。
まともな人間がいれば、それはそれで助かる。
あんな恐ろしい思いはしたくない。そう思いながら、裏口の戸の取っ手を
つかんでドアを開ける。中はがらんとしており、人がいる気配はない。
しかし扉が開いていたということは、つい先ほどまで人がいたのだろうか?

そしてふいに窓の外を見ると、一瞬何がなんだかわからなくなった。
「ない………いったい………そんなはずない!」
あわてるように外に飛び出すと、内側から掘り出されたような穴の前に
しゃがみこんだ。額からは冷や汗が流れ、驚きの表情を隠せない。
「ちゃんとここに埋めた。まさか私の行為を見ていたやつが?」
あたりを見回しながら、いろいろと考えられることを考えてみる。

そして、目を閉じたその拍子だ。頭の中に別の視界がうつった。
「……これは……幻視か…?だけどこれは………」
幻視を使っていくと、猟銃を握っている者の視界が見えた。
しかも同じようなことを繰り返している。行ったり来たり。何をやっているんだ?
もしかしてこいつもかと、得体の知れない恐怖に襲われる。
しかしよく声を聞いてみると普通の人間だ。しかもその者の仲間らしき生存者が
視界の持ち主に駆け寄ってくるのが見えた。

「やつは見つかったか?」
「いや、まだだ。だけどこの異変。ぜったいやつらの仕業に決まっている」
「ああ。あいつらは不老不死の化け物。このまま放っておくわけには行かない。
自分たちの手で、何とかできるところまで何とかしよう」
「そういえば夜沢は、なんどか記憶をなくしていたはずだ。そこを利用すれば…」

「・・・・・・・・・・・・・・・・!!?マナ教を反対しているやつらの仲間」
まずいと思ったのか、教会にいればいづれ奴等に見つかると思い、出ることに決めた。
幻視を使いながら様子をうかがい、教会を後にする。
そして彼らがいなくなるのを確認した後、別の場所へ逃げられる道の方向へ
いくとなにやら白い物体が草の茂みに落ちているのを見つけた。
「あれはなんだ」
小さくつぶやき、その白い物体のほうに近づき、拾ってみる。
「誰がそんなことを……遺体はどこに運んだんだ………?」
【終了条件達成】

【初日1時23分 蛭ノ塚/水蛭子神社】
「里村はもしかして……」
土で汚れたナースシューズを泉の水で洗い流しながらつぶやく。
つい最近までは透明で清らかな泉が、今では赤い水をたたえている。
そして後ろから何者かが近づいてくるのにも気付かずにいると、
その背後の人間はゆっくりと猟銃を構え、夜沢に照準を合わせた。
そして引き金が引かれたのとほぼ同時に、夜沢は銃弾に撃たれて
その場に倒れる。
「やったか……だけど倒れているだけ。こいつは死ぬことはない…
病院に閉じ込めておくとしよう…」
狙撃手が倒れている白衣姿の夜沢を担ぐと、総合病院方向へ歩いていった。
790夜沢 慶都 ◆u56OX14V9U :2010/08/27(金) 23:09:05 0
===========現在===========
>>786【ループ後初日7時14分 総合病院/105号室】

マナ字架を発見して、再びまなと聖子のいる病室に戻ろうと部屋の外に出る。
さっきとは違い、何もかもが静まり返っていた。
脳屍人である里村が一時気を失っているため、蜘蛛屍人の気配が
消えてしまったからだろう。里村が起き上がる前に行動すれば、
安全にこの病院から脱出できるかもしれない。
そして部屋を出る際に後ろを振り向くと、血液を流しながら里村は倒れていた。
自分があんなことをしなかったらこんなことにはならなかったのか?
それともそれが、里村の運命だったのか?
どちらにしろ、どうあがいたってこの運命を変えられるわけではない。
すべては自分たちを束縛する神が知っている。

廊下を歩いていると、横から風が吹いてきたのを感じた。
まさか外に出られるのではと期待し、風の吹いてくるほうへ向かうが、
手洗いの窓に小さな隙間があるだけだった。
残念に感じて下のほうを向くと、なにやら手記が落ちている。

====アーカイブ【ある村人の手記】が追加されました====
少しおかしいと感じたことはないか?
何かの偶然か知らないが、あの求導師と同じ名前の子供がいる。
しかも、よく見てみればそっくりだ。
そしてその子供の屋敷にある日忍び込んで調べてみた。
そしたら驚くべきことを発見したんだ。その家の初代当主も同じ名前。
それは何を意味しているのか?次元でも超えてきたのだろうか?
だけど、あの子供はある日突然現れた夜沢家の養子。
しかも求導師も何か知っているようだった。

中庭に戻ると、もと来た道を通っていく。
そして石でできた天使の像を見る。白い大理石の像は見る人の気を
引いていたのかもしれないが、今ではもうそれは過去のこと。
現在は黒ずんでいて、とてもじゃないが美しいとはいえない。
両方の翼は欠けて、顔が崩れている。
この病院に勤務していたころは、そんなことどうでもよかったが
今思うと不思議だった。「天使」自体はキリスト教のもの。
「・・・・・・・キリスト教信者が作ったのか・・・・・・?」
いったん足を止めて眺めていると、その像にそっと近づいていった。
「何か書いてある……1878年 6月3日……病院の創設記念日だ。
その記念にこれは用意されていたのか?」

====アーカイブ【大理石の天使の像】が追加されました====
総合病院創設記念日に作られたとされるもの。
よくあるキリスト教の天使の像にそっくりなことから、
その信者が作ったようである。作者名は不明。
しかし余所から来たものというのは明らか。
791間木奉人 ◆764XDHnpDQ :2010/08/28(土) 01:50:11 0
人を殺してしまった。
殺してしまった、と言うのに世の中は平和だ。外からは公園で遊ぶ子供達の声が聞こえる。売れない雑誌の事務
所は、だだ広い住宅地の中心にぽつねんと据えられていた。事実は事実に過ぎないのか。それとも、テーブルの
上で爛々と輝くモニタに表示されているとあるゲームが俺の心を折り続けた結果なのか。なぜだかひどく現実味
がない。
「編集長は死んでしまったのか」
撲殺である。メイスもといガラスの灰皿での一撃。うっとうしい猫を追い払う位の気持ちで放った灰皿は美しく
孤を描き、編集長の頭に直撃した。大体編集長が悪いのだ、勝手にパソコンの電源を切ろうとして、殺されたっ
て文句は言えないはずだ。
「クソ、この程度で死ぬとは弱すぎるだろう。毒にでもかかっていたのか?」
それにしては編集長は酒も飲まないしタバコも吸わない大人しい男だった。何にせよ、早くこの場から逃げなけ
れば。まてまて逃げてどうする?いくら編集長に親族がいないと言っても、このまま放っておくわけにもいかな
い。何か、何か方法が。
「ささやき
いのり
詠唱
念じろ」
編集長は灰になった。嘘である。元気にもならなかった所を見ると現実と言うゲームはバグっているらしい。
万事休すか。ソファーに崩れ落ちる。絶望がじわじわと染み込んでくる。まだWIZXのクリアもしていないのに!!
そう言えばRIVENも積みゲーと化していた。デモンズソウル、イース、怒首領蜂大往生……数々の自宅の書斎に
積まれたゲームが思い起こされる。まだだ、まだこんな所では終われない。
ふと、テーブルに置かれたパンフレットを手に取った。編集長が申し込んだのだろう。いや、まてよ、これは……。
「これだ、これしかない」
そうと決まれば、自宅に帰ってゲームを取ってこなければ。死体も一緒に運ばなければならない。大きなトラン
クが必要だ。
「何としてでも、捕まる前に積みゲーを消化してやる!!」
たやすいことではない。だがやらなければ。
俺は事務所を飛び出した。
某月某日 某時刻 地方検事局 上級検事執務室1202号
「み、御剣検事……ッ、これ、ど、どうぞッス!」
その日、紅茶を飲んで休憩していた御剣は、えらく強張った表情の部下から、1通の手紙を受け取った。
見るとそれは、自分宛の封書だった。何故か封が開いていた為、手紙を取り出し、内容に目を通す。
「なんだこれは……《新型寝台特急「サザンクロス」》?」
「そッス。超豪華寝台車ッス」
「“当選のお知らせ”とあるが…」
勿論、御剣はそんな抽選に応募した覚えはない。まさかと思って、部下の方に目を遣ると、
「す、すすすすスイマセンッス!! 一緒に行けたらいいなと思ってつい自分と御剣検事の名前をぉぉぉッ!!!」
……まあ、そんなことだろうとは、思った。
「コレはきっとナニカの運命ッス、サダメッス、二人分出して両方外れるならまだしも御剣検事だけが当たるのも運命ぽいッス!」
……ぽい、と、決め付けられても。
御剣はため息を一つつくと、カップをソーサーに置いた。
「……君が行けばいいだろう。私にそのような時間は」
「いやあ、それが丁度出発する日に急な仕事が入った次第で……御剣検事はその日オヤスミッスよね?
せっかくだから、羽伸ばしてきてほしいッスよ!」
脳内のスケジュール帳を確認する……なるほど。確かに、その日は休日だった。
「勝手に名前使っちゃったのもアレッスし、御剣検事に譲るッス。是非、楽しんできて欲しいッス!!」
と、日々貧窮に喘ぐ部下に敬礼までされては、流石の御剣も無下に扱うわけにはいかなかった。
「……解った。せっかくの当選だ。君の言葉に甘えるとしよう」
御剣はそう答え、カップの紅茶を飲み干した。
そう。それは、ある種運命だった。
密閉された空間、そして地震
彼が最も苦手とする場所に足を踏み入れた事を、このときの御剣では、知るよしもなかった
16時30分、上野駅
ミッドナイトブルーの車体ににみなみじゅうじ座の模様が煌く「サザンクロス」がホームに入ってきた。
やがてドアが開き、同じ色の制服とエンブレムを身に着けた車掌がホームに降り立った。
車掌はマイク片手に、そこで待っていた面々に名を名乗ると、頭を下げた。
「大変お待たせいたしました。ただいまより『サザンクロス』試運転会を開始いたします。
お近くの客室乗務員に同意書とチケットをお見せいただき、ルームキーを受け取り次第、順次お進みください」
その言葉に、待っていた人々は、客室乗務員に殺到した。
「お客様、どうぞ慌てないでお進みください!」
792間木奉人 ◆764XDHnpDQ :2010/08/28(土) 01:52:01 0
各々が個室に納まると、やがてドアが閉まり、「サザンクロス」は流星のように発車した。
この先に、何が待ち構えているか、乗客たちは誰も知らなかった。
「ご乗車ありがとうございます。どうぞ『サザンクロス』での旅をお楽しみください。
なお、夕食の試食会は7時からとなっております。ルームキーをご持参の上、8号車、食堂車にお集まりくださいませ――」
さて、貴方はどの個室のキーを受け取ったのだろうか……?
そして食事までの時間を、どのように過ごすだろうか……?
自己紹介テンプレート                                        
名前:ブラックジャック 本名:間 黒男(はざま くろお)
職業: 医師(無免許)                                       
見た目:体中に傷があり、顔にも大きな傷がある。髪は半分白髪で、黒を基調としたコートやスーツを着ている。また、常に医療器具の入ったバッグを携帯している
性格:表面上は冷たく厳しく、捻くれている
好きなもの:お茶漬け・ボムカレー・ラーメン・すし
嫌いなもの:格式、家柄、肩書き                              
備考:天才無免許医師であり、世間ではブラック・ジャックと呼ばれている。
  様々な怪我や難病を治療する腕を持つが、法外な料金を要求する
「それじゃ、杉下警部。良い旅を。」            
神戸の言葉に小さく会釈を返すと、微笑を浮かべ汽車へ乗り込んでいく。
>「大変お待たせいたしました。ただいまより『サザンクロス』試運転会を開始いたします。
>お近くの客室乗務員に同意書とチケットをお見せいただき、ルームキーを受け取り次第、順次お進みください」
>その言葉に、待っていた人々は、客室乗務員に殺到した。
「おやおや、随分と皆さんお急ぎですねぇ。そんなに急がれなくても、
大丈夫なんですがねぇ。…おっと、これは失礼。お怪我はありませんか?」
黒髪のロングストレートの女性が右京の肩にぶつかるが、平然とそれを受け止める。
女性の無事を確認し、右京はようやく汽車へと乗り込んでいった。
「私が荷物を持ちましょう。…どれどれ、これは奇遇ですねぇ。
私の部屋の近くです。そこまで運んで差し上げますよ。」
部屋のキーを確認し、右京は女性の荷物を運んでいく。
旅行カバンの裾から見える万国旗を見つけ、右京はにこやかな笑みを浮かべた。
「これはこれは……もし間違いであれば申し訳ないですが、貴方はもしかして
マジシャンではありませんか?あ、いえ。別に深い意味はないんですよ。
細かい事に気になるのが私の悪い癖でしてねぇ……ここが貴女の部屋のようですねぇ。
では、荷物はここで。」
女性の荷物を置き、ようやく右京は自室へと歩き出した。
その横を携帯電話片手に擦り抜ける男に、思わず右京は声を上げた。
「亀山君……ですか?いや、人違いですかねぇ…」
――「お父さん、お土産お願いね!」
「分かってるよ。男、加茂伸之助に二言はないって。
パパを信じろよ!」
「亀山君は海外にいたんでしたね。どうやら、私の思い過ごしのようです。」
右京はよく似た他人を見つめながら食堂車へ向かうべく自室に荷物を置いた。
人里離れた崖の上の古い一軒家――――
「ちぇんちぇい、お手紙がきてるわのよ!」
立て付けの悪いドアを勢い良く開き、小さな少女が手に持った手紙を突き出す。
その手紙を突き出された黒いマントを羽織った男……世間でブラックジャックと呼ばれる無免許医は
少女の方を見、ついで少女が勢い良く開けたせいで上部の蝶番が外れたドアを見て、
大きな傷のあるその顔をしかめた。
「……ピノコ。ドアはもう少し静かに開けなさい」
「ちょんなことより、ちょれ何の手紙なのよさ?
 もち“うわき”の手紙なら、ピノコおくたんとしてゆるちゃないわのよ!」
聞き入れられそうにない自身の諭しに対してため息をつくと、
ブラックジャックはぞんざいにその手紙の封を切った。
「……寝台特急サザンクロス? 私はこんな物に応募した覚えはないんだがな」
「? ちぇんちぇい、封筒の中かや他にも何か落ちたわのよ……あ!これ、ちぇんちぇいが
 この間しゅうつちた人の名前なのよさ! あれ?れもこの人……」
訝しげな表情でそのチケットを眺めていたブラックジャックに、ピノコが封筒に同封されていた
らしき落ちた紙を拾い、差し出した。
見ればそこには確かに、ブラックジャックが先日手術をした患者の名前が書かれていた。
内容は、自身を手術して貰ったお礼に抽選で当たったチケットを差し上げたい。と。
793間木奉人 ◆764XDHnpDQ :2010/08/28(土) 01:53:52 0
某月某日 午後4時57分 「サザンクロス」 12号車 展望車
ゆったりと、夕日が沈んでいく。広い窓から差し込む光は紅、空は茜から藍色へと移り変わりつつあった。
その壮大な景色に、裏腹なまでに黄色い声が、きゃあきゃあと展望車に響く。
女性客達がその景色に口々に感想を言い合う声だ。
そんな中、一人だけしかめ面を浮かべ、黙々とキーボードを打ち込む男がいた。
言うまでもなく御剣怜侍その人である。
休暇といっても筋金入りのワーカーホリック、人生の半分以上を仕事とその準備に費やしてきた御剣にとっては、
このような場でも仕事をした方が落ち着いた。
……というよりも、気を落ち着かせるために仕事をしている、と言った方が正しいだろうか。
約30分前。御剣は、あてがわれた個室の前で立ち尽くしていた。
Cコンバート……リーズナブルに個室を楽しみたいお客様に。 そう書かれてはあった。
事実、確かに“リーズナブル”な“個室”だった。“カプセルホテル”の眠るスペースを、“部屋”と呼ぶことが出来るのならば、だが。
確かにいわゆる開放型……ベッドとカーテンのみ……に比べれば、はるかに“個室”ではある。が、しかし。
その思った以上に狭い“部屋”に入ることは、いささか躊躇われた。
狭い空間――密室。そして、この、振動。
脳を掠めるチリチリとした痛みを堪えるように、御剣は荷物を預けると、パソコンだけを抱え、テーブルのあるであろう展望車に移動したのであった。
>「大変お待たせいたしました。ただいまより『サザンクロス』試運転会を開始いたします。
お近くの客室乗務員に同意書とチケットをお見せいただき、ルームキーを受け取り次第、順次お進みください」
ドドドドドドド!
「んごごごご。お前ら私を通せー!」
どう見ても思いっきり乗務員に殺到する大勢の人々のうちの一人です。本当にありがとうございました。
>「おやおや、随分と皆さんお急ぎですねぇ。そんなに急がれなくても、
大丈夫なんですがねぇ。…おっと、これは失礼。お怪我はありませんか?」
「す、すいません! 大丈夫ですよ」
>「私が荷物を持ちましょう。…どれどれ、これは奇遇ですねぇ。
私の部屋の近くです。そこまで運んで差し上げますよ。」
と、荷物を運んでくれるナイス☆ミドル。
もう少し(かなり)若ければフラグが立っていたところだが……惜しい!
さて、貧乏であまり荷物も無いはずなのにこの荷物は何なのか。
答えは簡単。様々なマジック道具が詰め込んであるのだ。
なんとなく使う事になるかもしれないという気がしたからで、深い意味は無い。
彼女はシャーマンの力を受け継いでいてたまに未来予知っぽい能力が発動するとかいう説もあるが信じてはいけない。
虫の知らせは誰にでもあるものである。この物語の辞書に特殊能力という言葉は存在しないのだ!
>「これはこれは……もし間違いであれば申し訳ないですが、貴方はもしかして
マジシャンではありませんか?あ、いえ。別に深い意味はないんですよ。
細かい事に気になるのが私の悪い癖でしてねぇ……ここが貴女の部屋のようですねぇ。では、荷物はここで。」
「はい、花屋敷でマジックやってました。見てくれたんですね!」
いいように解釈してしまったが、そう思わせといたままでも特に問題はないだろう。
右京が去ってから、部屋を眺めまわしてガッツポーズをする。
「よっしゃ! 高級ホテルー」      
ちなみに部屋はA。別に高級ホテルではなく普通の個室である。
あまりの貧乏暮しのために普通の部屋が高級ホテルに見える幸せな体質になってしまったようだ。
鉄道が好きなのでお邪魔します。
マジレスをしますと、寝台特急カシオペア号の
スウィートルームの切符って、なかなか購入できませんよね。
私はキハ40系気動車の寝台特急が好きで、DMF15HSAエンジンが
ガーガー唸る環境でも眠れます。
「これは…少し、私の部屋にしては広過ぎますねぇ。
この部屋はどれになるのでしょうか。」
先程勝手に取ってきたパンフレットを開き、客室を確認する。
「神戸君も強運ですねぇ。しかし、彼が止まるにしても
いささか分不相応といいますか……」            
客室上部に設置された小振りのシャンデリアを見つめながら右京は
マイポッドを取り出した。
紅茶をカップに注ぎながら周囲の様子を眺める。
これといって異常はない。だが、何か妙だ。
右京の勘がそう告げている。
「……虫の知らせでしょうかねぇ。これから楽しい旅だというのに、
やけに気が乗れません。そうですね、食事にしましょうか。」
客室を後にし、右京は食堂車へと向かった。――杉下右京 8号食堂車へ…
794間木奉人 ◆764XDHnpDQ
「まあ、すごい傷」
「ありゃあ、名の知れたヤクザに違いない」
食堂車を前方から見た時の左奥。
その座席に、無免許医師ブラックジャックは座っていた。
机の上にはコーヒーを、大きな鞄を床に置き、空調が効いているにも関わらず、
黒いマントを羽織っている。その為、ただでさえ傷だらけで目立つ容姿が更に目を引く結果と
なっているが、ブラックジャックには時折通りかかる乗客達が彼に向ける奇異の視線を
気に留める様子というのは全く無い。
「……まったく、悪趣味な列車だ」
半分ほどコーヒーを飲んだ所で、ブラックジャックは窓の外を見て呟いた。
この食堂車にくる20分程前、彼は自身に宛がわれた部屋――S(スイート)の個室を見てきたが、
そこには、ベッド(枕、毛布)、コンセント、テレビ、BGM装置、時計、照明、空調……といった
具合に、ホテル並の設備が整っていた。
世間ではエコだのなんだのと騒いではいるが、どうやら金さえ払えばそういった問題は
見てみぬふりをされるらしい。……と、そこで再びドアが開く音がした。
どうやらまた誰かが来たらしい。夕食の前であることや、出発してさほど時間が
経っていない事から人がおらず、今の食堂車は誰かが通れば直ぐに判る様になっている。
音は正面から……とすれば、Sの車両に乗っている乗客である可能性が高いだろう。
だが、ブラックジャックはやってきた人物を見る様子もなく、窓の外を眺める。
「火曜日のゴミ置き場の掃除忘れないでね!自治会長が当番サボったんじゃ示しがつかないんだから!!
それと章太郎さん!アタシがいないからってお酒の本数増やしちゃダメよ!
ビールはご法度!発泡酒一日一本!これ健康と倹約の秘訣!!」
ホームで見送りの家族に留守中念押しをする小太りのおばさん、糸井緋芽子である。
「現日本一のテキトー男」に良く似た夫は眠そうな目で頷いている。
「じゃあくれぐれもよろしくね!アッアーーーーアアア!!!ちょっと手続きは一列に並んで!!ホラ!」
勝手に仕切り始める緋芽子だが誰も聞いていない。
ようやく手続きを済ませ列車に乗り込み自分の部屋を探していると
通路で一人鉄道談義をしている若者がいるではないか。
「ちょっと!ガイドよろしく説明してくれんのはいいけど通路で長話されたら迷惑なのよ!!
カシオペアだからエチオピアだかキハだかコパだか知らないけどさっさとどきなさいよ!」
両肩に大きな荷物を下げた糸井緋芽子は通路で自慢げに語りを披露する鉄ヲタ青年を肘でつつき無理やり通路に割り込んだ。
「えーっとアタシの部屋はここかしらね?A?まあまあの部屋じゃないの!タダで泊まれりゃ万々歳だわ
これも神様仏様、倹約大明神様のおかげです!」
部屋の扉を開け入り口から中を見渡して品定めをする緋芽子。
一つ向こうの車両はSランク、黒尽くめの服に一部白髪の筋をつけた髪の男が部屋に入るところを目撃。
男は荷物だけ置くと直ぐに出て行った。
「あら?あっちの車両の部屋の方が広そうね、扉もこっちよりゴージャスな作りじゃないの
上には上があるもんね〜っ。こっちと備品も違うのかしらね?」
緋芽子は男の怪しさより部屋の間取りや備品を気にしている。
「ちょっと早いけど飯行くか―!」
一通り部屋を見終わって食堂車に向かう。豪華な食事ができるという事でルンルンである。
途中、丁度緋芽子とすれ違う。
「どうもー。あっちはすごいですねー。VIPルーム!?
ところでさっき出て行ったあの人何かの漫画のキャラっぽくないですかね?きっとレイヤーってやつですよ!」
ブラック・ジャックの怪しさには気付いたものの、違う方向に解釈してしまったようだ。
「おじゃましまーっす」
食う気満々で食堂車に入室。
某月某日 「サザンクロス」 10号車 Bツイン
車室内でタバコをプカプカとふかして苛々している男がいた。
「なんで・・・二人ようの個室で一人やねん・・・」
男の名前は『斉藤せいじ』売れない芸人だった。 
斉藤はテーブルに置かれたチケットを見つめながらタバコをもみ消すと食堂車に向かった。
食堂車の静寂を打ち壊すかのような大声を出して斉藤は車両中央のテーブルにドカリと座ると
辺りをキョロキョロと見回す。正直、暇だった。こう見えてもお笑い芸人の端くれ。
近年、人見知りをする芸人も多い中、斉藤は根っからのおしゃべり好きだったのだ。
食堂車の中央の席から片っ端に乗客に話かける斉藤。
ふと見れば左奥のテーブルに黒ずくめの男が座っている。
入室時には気づかずに通り過ぎてしまったようだ。
「おい!おい!おーいっ!!」         
斉藤はブラック・ジャックを大声で呼んでみた。