【月面遺跡】クロス・エイジ【ロボバトル】

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1名無しになりきれ
人類の歴史は戦いと平和。発展と廃頽を繰り返し弛む事無く進んでいく。
その棲息範囲を宇宙にまで広げ、人型ロボットが当たり前になった頃、それは目覚めた。
今の人類がそれに追いついた為なのか、何か触れてはいけないものに触れた為なのか・・・。

最初に動いたのはイースター島、モアイ像。
超古代文明の巨大ロボが目を覚まし、一人の少年を乗り手として選んだ。
そのニュースが全世界に駆け巡るまでに、各地で同様の事件は相次いだ。
イギリスストーンヘンジで、南米アステカ遺跡で、太平洋では海中に沈んだムー大陸が。
遺跡だけではなく、神話・悪魔・伝承と思われていたもの達もその姿を巨大ロボとして現した。

超古代と現代最先端、両者の巨大ロボが闊歩する時代の到来であった。

それに呼応するかのように、月で異変が起こる。
月面都市ランペイアが一瞬にして消滅。
変りに現われたのはどこまでも深く、暗い穴。
そしてその穴は月内部を縦横に貫き中心へと向かう。
各国の軍はこぞって調査隊を派遣したが、誰も戻ってはこなかった。
遺跡内では特殊電波の為、外部との通信が出来ない上、超古代文明の罠や無人ロボがその行く手を塞いでいたのだ。

選ばれた・・・否、定められた者達は本能的に察していた。
それが月面遺跡ゴルディアスの入り口であり、その中心に何かが眠る、と。

人々は月へと集う。
超古代文明に導かれし者、現代科学の力を持って古代の力を解き明かさんとする者。
様々な思惑を秘め、集い、争い、協力し、戦い、そして最深部へと向かっていく。


前スレ:http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1221136853/l50
2名無しになりきれ:2008/10/16(木) 11:46:50 0
3名無しになりきれ:2008/10/16(木) 12:57:35 O
TRPGまとめサイト「千夜万夜」
ttp://verger.sakura.ne.jp/
議論討論スレッド@千夜万夜
ttp://yy44.kakiko.com/test/read.cgi/figtree/1168343746/l50
4名無しになりきれ:2008/10/16(木) 15:22:50 0
>>1
スレ番を入れろよゴミ虫クン
5ナグル・ファル ◆xK7dfy5P/g :2008/10/16(木) 23:04:57 0
前スレ>394
>「いや、同族すら道具のように使い捨てるのが人の本性だ」
>「あれはニュートリノ・バーストを起こした。あの少年、生きてはいまい」
>そのままジェリドに下方から急接近し、逆袈裟に胴を薙ぐ。
インソムニアからの通信……過去数度の交戦時ですらうんともすんとも言わなかった
亡霊機が喋れるとは驚きだ。そんなどうでもいい事を頭に浮かべつつ、
こちらに向かって突進してくるインソムニアに言い返してやるのだった。
「ああ、そうさ。人間なんぞどこまで行ってもそんなもんだ。
 だがご大層なこと言ってる割には、てめぇらも似たようなもんじゃねぇか……!
 あいつが潰された時点でその辺はすっきり諦めたさ、ああ認めるよ俺は薄情者だ。
 ……確かに俺はあいつに言ったよ、お前が死んでも誰も悲しまないって……
 だがなぁ! お前が死んでいい気分になる奴もいやしねぇんだよ! バカヤロー!」
ライフルを手放し、逆袈裟を機体を回転させて避け、その遠心力を利用して
自由になった右腕部で思いっきりぶん殴ってやった。
衝撃で後ずさるインソムニアに、温存していたミサイルランチャー6発を
まとめて撃ちこみ、ライフルを回収してグレネードを発射する。
あんな無茶な回避は万全の状態だったらとてもできないもの。
左腕部と右脚部を損失して、機体バランスが傾いていた今だからこその奇策。
その代償は、通常時には想定されていないGの負荷による内臓ダメージ。
口から、鼻から、耳から血が流れ出し、ヘルメット内部を汚していく。

前スレ>395-397
>ついに星薙ぎの剣が外に出たのだが、今更クトウリュウが止まる事はない。
>流石は神を名乗れるだけはあった。オロチの巨体を一気にさっきの所まで押し戻す。
文明を、命を根こそぎ破壊する最後の審判者、クトウリュウ。
最終シーケンスに入り、地球へと打ち込まれる楔と化したそれを、
もう一つの主ゴルディカイザーが押し戻した。
「……止める。」
真の力と機能を取り戻したナグル・ファルはその無尽蔵にも等しいエネルギーで
手放して瓦礫の山に埋もれていたガレキオンをワイヤーで手繰り寄せ、
ガレキオンの外観を変化させる。それは古代エジプトの建造物、尖塔オベリスクを
模した巨大な槍。下半身を復活させ、倍以上のサイズになったナグル・ファルと
釣り合いの取れるモンスターウェポンだった。

>アタシは叫んだ、泣きながら叫んだ。
ナグル・ファルから全友軍へワイヤーが伸びる。それは、まるでへその緒のように
機体の中心部に何の抵抗もなく入り込み……次の瞬間、消費したエネルギーが
完全に回復する。ニュートリノ・バーストによって発生したエネルギーは
ナグルを完全に修復した程度では減っている様子は見受けられず、また
ナグル・ファル一機で消費しきれる量でもない。その余剰エネルギーを分けているのだ。
特に距離が近かったからなのか、ナグル・ファルとゴルディカイザーに何らかの関係が
秘められているからなのかは不明だが、エレクトラはその際もはや聞けるはずのない『声』を聞いた。

「すぐにカッとなる性格は相変わらずだな、エル。
 だが泣いちゃダメだ、それはあの坊やを侮辱することになるからな。」
エレクトラの脳に直響く声、それはかつてゴルディアスで死を迎え、
エルによってその機体を葬られたただ一人の肉親……カネスのものだった。
ナグル・ファルのコックピットには、うすぼんやりとだが確かにカネスがいた。
もっともその姿は、すぐに別の人物……アンジールへと変わってしまったのだが。

ナグル・ファルの、巨大化し数の増えたウィングバインダーから無数のワイヤーが伸びる。
その数、機体直結分を抜いて実に65535本! そのワイヤーの一つ一つが、
自身の立っている瓦礫の山から大小様々な残骸を引っ張り出し、一斉にオロチの首に
向かって残骸を投げつける。その中には、元ディープシーカーもあった。
「お粗末極まりないが、こちらも手段は選んでいられなくてな……。
 最大級の面倒、ここで片付けて休ませてもらおう。」
魂だけになっても相変わらずアンジールは面倒事が嫌いらしい……。
6 ◆AGE0/R6Aiw :2008/10/16(木) 23:49:08 0
質量、パワー、加速、どれをとってもクトウリュウはゴルディカイザーを超越していたはずだった。
お互い戦えない以上、このまま押し切り地球へと射出される。
疑いようもない事実。
だが、その事実を覆したのはエルの意志の強さ。
そしてナグル・ファルから送られる圧倒的なエネルギー。

最深部に押し戻されたクトウリュウに煌く星薙ぎの剣を手にした阿修羅が飛び込んでくる。
それを阻止する為に、残った二本の首が攻城槌と化し突き進む。
だが、それが阿修羅に触れる事はなかった。
あらゆるものを打ち砕くオロチの首が相次いで爆散し、塵となる。
それは下層より浮かび上がってきたナグル・ファルの力だった。
残骸にも凄まじいエネルギーが込められ、信じがたい破壊力が持たされていたのだ。
対古代文明ロボへの防御力は絶対を誇るオロチの銀鱗を神のように爆散させしめるその力。

ニュートリノバーストと言えどもこれほどの力はないはずだった。
それはまさに古代文明ロボを越えた神の力。
これこそがアルファルドが察した人類の進みすぎた力。
ノアが戦慄したクリスタルスカルの狙い。

ナグル・ファルにより迎撃能力を失い、ゴルディカイザーにより身動きの取れぬクトウリュウはもはやなす術がなかった。
阿修羅の一撃、星薙ぎの剣はついにクトウリュウの眉間に突きたてられた!


突き刺さった傷口から赤い光が漏れ出る。
その光は瞬く間に広がり、鎖の玉であるクトウリュウの隙間から噴出すかのように輝く。
煌きが最深部全体を覆った瞬間、クトウリュウを構成する鎖が解けだした。

ガラガラと轟音を上げながら崩れるクトウリュウ。
崩れ去った後には、直径100M程の赤い光の玉が浮いていた。
そしてその前に佇むのはクリスタルスカル。
「良くぞ資格なきまま封印を解いてくれた・・・!」
ノアと同様、エネルギー生命体としての本性を現し、50m程の大きさになっている。
クリスタルスカルは静かに口を言葉を紡ぎはじめる。
7 ◆AGE0/R6Aiw :2008/10/16(木) 23:52:12 0
その場の全員の脳裏にクリスタルスカルの思考が送り込まれる。
神々の文明、その衰退。
そしてその時、神々の取った選択を。

###############################################

遥か昔、遥か遠く。
惑星ルルイエで神々の文明は絶頂を極めていた。
現在の地球を遥かに凌ぐその文明は宇宙に広がり、隆盛を極めていく。
しかし、行過ぎた文明はやがて衰退し、滅亡をもたらす。
数多くの星星を滅ぼし、精神は退廃し、やがては消えてゆく。

避けられぬ滅亡の運命を悟った時、神々は自らその文明に幕を引き、その遺産を未来の知的生命体に託そうと宇宙へと旅にでた。
星を丸ごと宇宙船へと改造して。
宇宙を旅する途中、知的生命体となりうる生命体のいる星に箱舟を設置。
文明を与え、進化を促進させる。
同じ過ちを繰り返さぬ生命体となった時、自分達の文明を継がせる為に。

地球も火星も、数限りない後継者候補の一つだったのだ。

だが、どの星でもその資格を得ることは出来ず、滅ぼされていった。
火星も、地球も。
時を越え宇宙を彷徨う神々の遺産は誰にも手にされることはなかった。
だが、それでも構わないのだ。
資格無き者が遺産を継ぎ、自分達と同じ悲劇を繰り返すよりは、と神々は考えていたのだから。

しかし、神々と言えども必ずしも一枚岩ではない。
一部では、遺産を継がせるのではなく、自分達が再興する為に暗躍する一派もいた。
そう、既に滅びた神々の新たなる、そして、更なる進化をする器をとして。
その一派に属するのがクリスタルスカルなのだ。

クリスタルスカルの暗躍により、人類は主流は神々の設定を外れる大いなる進化をすることになる。
それが古代文明ロボと融合し、本来では有り得ぬ力を得たテセウスであり、コウキであった。
ミノタウロスも、ナグルもそれぞれに役目を負った超古代文明ロボであった。
だが、神々とノアの計算を越え、人は進められていたのだ。
器として相応しいように。

###############################################

「さあ、来るが良い。君達は神となって生きる資格を得たのだ。」
クリスタルスカルが手を翳すと、赤い光玉に浮かび上がる。
異なる文明の、神々の文明の姿が。
星霜の年月を重ねているはずなのに、全く朽ちたところのない物理法則を超越した建築物群。
しかし、その歳には全く生命の気配が感じられなかった。

「資格無き者が開けたゆえ、この門も長くは開いておらぬ。
共に行こうではないか!」
クリスタルスカルが再度全員を誘う。
>前スレ394
>「人形。貴様は人として生きれるのか」
「もはや私は人間とはいえまい。以前のような人生を送れないのは百も承知だ」
肉体と共にクラウスが失ったものは多すぎた。美味い料理を楽しめなければ
好きだったウィスキーの芳醇な香りを楽しむ事も出来ない。肺で空気の粒子の
一粒一粒を感じる事も無ければ、そよぐ風の流れを肌で感じる事もない。それら
全ては機械で代用された感覚器官で代替され、脳に電気信号として送られる。
確かに、脳に電気信号を送るのに変わりはないが、それらは所詮はまやかしの
感覚だ。本物には程遠い。
人間らしい生活が人間の精神を保つ。
以前のような生活が送れなくなったクラウスから人間的な部分が欠落するのは
無理からぬ事だった。
「だからそれが何だ?何だという?」
失った物は多い。
だが、だからといっていつまでも悲しんで腐っていられるほど子供ではない。

>「“人間の真似事”をしたとて、誰も貴様を同族と認めまい」
「他人にどう思われようが知った事か。他人の視線に恐れて生きていくのは
よほどの臆病者か社会不適合者だけだ」

>瞬時にクラウスの前後を囲む、2つの子機。
>巧妙な時間差をつけ、レーザーが放たれる。
>火力を集中しない代わり、2つの子機は互いに
>発射間隔の隙を埋め、絶え間なく弾幕を張る。
戦闘AIが警報を発するよりも前に、クラウスは直感で回避不能と判断した。
バックパックから射出される煙幕弾。それは濃密な煙幕を瞬時に形成し、レーザーを
減衰させる。が、ほんの少しだ。しかしそのほんの少しが戦場で有利に働く事は
決して少なくはない。
ほんの少しだけ威力が減衰されたレーザーがグレイゴーストの装甲を溶かし、
貫き、機体に損傷を負わせる。だが微妙に致命傷を与えるには至ってはいない。
それに少し送れて前方の子機に向かって対装甲重剣を投げつけると同時に反転、
後方の子機に対しては突撃銃の空中炸裂砲弾を放つ。
光速で射出されるレーザーには如何したって対処が遅れてしまうのだ。
回転する剣が、信管を調節された砲弾が子機を粉微塵に吹き飛ばす。
(出力が34パーセント低下…だがまだ戦える)
子機のレーザーを受けたグレイゴーストは機体各所から紫電を飛び散らせているが
まだ戦える状態にあった。

>5
インソムニアにありったけの弾薬を叩きこまれたアルファルドへ向かって間を置かずして接近する。
立ち直る時間を与えてはならない。敵は訳の分からない古代兵器なのだから。
突撃銃の弾薬は既に尽きていた。予備弾倉は先程、シールドの裏面の携行ラックと一緒に
紛失している。だから未練なく捨て、代わりに、腰の装甲に収納されていた450口径拳銃を
取り出す。これは大して役に立たないが、近接戦闘では威力をそれなりに発揮する。
「貴様は私を否定する。だったら、私も貴様を否定する。それだけの事だ」
銃口をインソムニアのコクピットがあるとおぼしき部位に密着させ、躊躇う事無く引き金を引いた。
弾倉の弾薬が全て尽きるまで、ありったけの粘着榴弾を撃ち込み、止めと言わんばかりに
腕部に搭載されている100番径対装甲散弾銃をぶっ放した。

>6>7
インソムニアに弾薬を叩き込むと戦果を確認する事無く離脱したが、その途中で再び何かが直接脳内に入り込んできた。
「神?…ふん、そんなものに興味はないな」
脳裏に響く不快な声と映像をクラウスは無い鼻で笑った。
「神になったら何を得られる?元の肉体を取り戻せるのか?だが生憎と私はもう
そういったものに未練は無い。そういうのはもっと野心がある奴に言うんだな」
訂正
(誤)インソムニアにありったけの弾薬を叩きこまれたアルファルド
(正)ハーディWにありったけの弾薬を叩きこまれたインソムニア
10UNKNOWN ◆tc7q3kPkZo :2008/10/17(金) 01:30:21 O
「それは闇だ。……所詮、神の理を解さぬ獣か。
 貴様らは、光を汚す闇だ。天の聖なる光から逃れる事はできんのだ」
光の刃が胴を寸断すると思われた瞬間、
ジェリドは機体を回転する事でアルファルドの剣撃を避け、
ライフルを手放しての遠心力を乗せたカウンターパンチを叩きつける。

装甲の大半を損失しているとは言え、機械の骨格は
マニピュレーターの拳で打ち抜ける物ではない。
アルファルドにはただ、その感情の爆発力が、
拳に込められた思いが理解できなかった。

飛来するミサイル群が、グレネードが、
アルファルドの脚部を右腕を砕き奪い去る。
クラウスが零距離からコアに拳銃弾を撃ち込む。
一発ごとに、アルファルドの思考に爆発が起こる。
「やめ…ろ!」
最後の散弾を受け、アルファルドの核に亀裂が走った。

同時に、ユーリの一撃を受けたクトウリュウが崩れてゆく。

嵐のような攻撃が去った時、最早アルファルドは原型を留めていなかった。
亀裂の入った核に、辛うじて機械の残骸が張り付いている状態。
最早、アルファルドに戦闘力は残されていないと見えた。
11UNKNOWN ◆tc7q3kPkZo :2008/10/17(金) 01:38:21 O
「……矮人よ…。終わ…り…なのだ……、どう…足掻こうと…」
アルファルドが唯一残った左手で、大回廊最深部を示す。

開放されていくハッチの下には、ゾンビロボ達と、雲霞のごとき“卵”。
半透明の殻の中には、ハチドリやミカエルの姿があった。
全てが孵化し、遺跡から溢れ出せば人類は滅びる。

「私も…オロチの一首…、アクセス権…は…私にも、ある……」
アルファルドは、破滅への起動コードを送信する。

「…何故だ」
制御装置からの応答は無かった。
今や、古代兵器を生み出す制御装置は停止していた。
別行動をとっていた、アルラウネの上陸部隊の制圧によって。

「笑わせる……終わるのは…我らの方か……」
ニュートリノ・バーストの余剰エネルギーが、
信号の途絶えた遺跡メカ達を分解、分子レベルに還元してゆく。

「レオナ」
アルファルドは、理解できなかった。次の瞬間の自分の行動が。
それは本体たるクトウリュウが滅びた故の、暴走か。…愛と言う物か。

光がゾンビロボ達を飲み込み、ガンオーへと届こうとした瞬間、
アルファルドは駆け、残された左手で胸の核“コルヒドレ”を掴み出す。
その最後の光が、ガンオーをニュートリノ・バーストの余波から防ぐ。

−−今思えば、クラウスの精神の実在を執拗に否定したのは、
自分と重ねていたからなのかもしれない。

その身に人を取り込んだ故か。
気付かぬ内に、芽生え始めた心をかみ殺していた。
それが正しいと、秩序の守護者たる責務だと。

−−虚空には、オロチの呪縛を解かれたガンオーが静かに漂っている。

レオナは、人の世界に戻れるのか。人間の生活に戻った時、
殺戮の記憶を、親殺しの事実を克服できるのか。人は愚かで脆く……強い。
(……信じるか、人の可能性とやらを)

「…………幸せに………」
その思いも、魂も、全ては来世への渡し舟の浄化の光に包まれて行く。
インソムニアの瞳に灯り続けていた光が、今ようやく消えた。
その最期は、眠るように静かだった。
12エル ◆GtzExfc62I :2008/10/17(金) 09:37:49 O
――トライアンフ本社ビル
「どうして貴様が此処にいる…とでも言いたそうな顔ですね、クライン会長殿。」
水晶髑髏がゆっくりとクラインに向かって歩く。
「貴方の力は強過ぎた、今やこの月を支配していると言っても過言ではない…」
月面独立政府は企業連合体を主軸とした組織だ。当然このトライアンフも関わりは深い。
トライアンフを切り離したら政府はその力の半分を失う程に。
リーベル=クラインも、企業の長であると同時に政府の重鎮であった。
「そこに目をつけたツクヨミを止められなかったのは私のミスでしたがね。」
とうとう水晶髑髏はクラインの正面にまで迫る。

「……そうか、貴様は“フォボス”のクリスタルスカルか…」
絞り出すようにクラインが呟いた。
「いかにも。自己紹介が遅れましたね、私はアマテラス。貴方の言う通りの存在です。
 今はこうして他人の身体を借りなければ、実体化すらままならない程に弱りましたがね。
 10年前に貴方がフォボスを破壊したおかげで、ツクヨミに逃げられたのがまずかった。
 貴方は彼が“本当にやろうとしている事”を知らない、知らなさ過ぎた。」
クラインが眉を寄せる。クリスタルスカルが本当にやろうとしている事とは何か?
疑問が生まれた。何故なら遺跡の機能には星の破壊と創造しか無かった筈だからだ。

現代人には遺産を継承する事が不可能である以上、あの遺跡には…
「……ッ!?バカなッ!そんな事があってたまるか!!」
「なるほど、流石に一度フォボスを調べて破壊しただけはありますね。」
予想外のきっかけから“真実”に辿り着いてしまった。
クラインは発狂するのではないかと思う程に取り乱した。無理もない。

辿り着いた“真実”と、それがもたらす“結末”を知って、平静を保てる人間はいない。
「会長殿、是非とも私に協力していただきたい。貴方にとっても不利益は無い筈ですのでね。」
(ツクヨミ、貴方は間違っている。人間に我々の代役が務まるとは思えない。)
アマテラスは開いた“扉”を睨み、魂の片割れたるツクヨミの行動を嘆いた。
(繰り返してはならないのです、我々と同じ過ちを…)
これから先の“後始末”について、アマテラスは思慮を巡らせた。


>>398-399
――再び大回廊
最初は押し返せた。でも次第にまたオロチが前進を始める。
オロチにはこの大回廊の内壁に張り巡らされた“射出用レール”の力があるんだ。
いかにゴルディカイザーが全力で止めようとしても、やがては押し負ける。
「ぐぅぅ……まだ…なの?」
結構キツいね、アタシの根性が燃え尽きるまでに頼むよ…メイドさん。

>『我が名は阿修羅、古代より剣の守護者と呼ばれる者!今こそ、その使命をはたさん!!」
>「いにしえの神より現代の地球に生まれし英雄に……神器たてまつる!!」

2つの声が重なって、遂に来た!!星薙の剣が…やっと現われた!!
これでケリ着けて、ようやく終わるんだ。
13エル ◆GtzExfc62I :2008/10/17(金) 09:38:36 O

>>5-7
>「すぐにカッとなる性格は相変わらずだな、エル。
>だが泣いちゃダメだ、それはあの坊やを侮辱することになるからな。」
兄さん?え!?どうなってんの!?
>「お粗末極まりないが、こちらも手段は選んでいられなくてな……。
>最大級の面倒、ここで片付けて休ませてもらおう。」
アンジール!?これって一体どうなってんのよ!?死んだ筈の2人がどうして…

「それはな、“絆”だからさ。俺やみんながあの光で繋がってるからなんだよ。」
ランディ!!ランディなの!?
「だから何も恐れる事はないんだ、エル…全ての魂は在るべき場所へと還る。
 お前には分かる筈だ。あの坊やの魂が、この遺跡に関わった全ての魂の鼓動が…」
『星を継ぐ者よ、ナグル・ファルの役割は死者の次なる旅立ちを促すこと也。
 送ってやるといい、それを許されるのは今を生きている者だけだ。』
兄さんとゴルディカイザーの言う通り、数え切れない数の魂がナグルと繋がっていく。

「コウキ…じゃないね。そっかキミがコウタだったんだ。」
ゴルディカイザーにも流れ込んでくるニュートリノバーストの輝き。
ようやくナグルが『コウタ』と名乗った少年の正体だった事に気付いた。
「みんなをよろしく、それとありがとう…もう一度会わせてくれて、ありがとう。」

>「良くぞ資格なきまま封印を解いてくれた・・・!」
阿修羅が星薙の剣をオロチに突き刺して、古代文明の遺産とやらが出て来た。
その前に立ち塞がるのは…クリスタルスカル!!
>「さあ、来るが良い。君達は神となって生きる資格を得たのだ。」
>「資格無き者が開けたゆえ、この門も長くは開いておらぬ。共に行こうではないか!」

「資格無き者が開けといて、カミサマになる資格があるって?矛盾してんじゃん!!」
コトの真相を知って、アタシは猛烈に腹が立った。やっぱ瞬間湯沸かし器なのね。
「人間にはちゃんと人間の生き方がある!バカにしてんじゃねーよ!!誰が行くか!!
 アンタらにとって間違った進化でもね…アタシ達には生きてきた“今まで”なんだ!!!」
『よくぞ言った!我も“人間の未来”を見届ける所存也!!星の調律者ツクヨミよ!!
 我は人間の歴史を見て思ったのだ。我々と同じ道を歩まずとも、未来を紡いでいけるとな!!!』

ゴルディカイザーの言葉が嬉しかった。
人間を信じてくれてる事が、本当に嬉しかったんだ。
14モエ ◆TnakibaQxg :2008/10/17(金) 13:15:01 0
>前スレ399
>『汝の猛々しい姿を見るとついつい昔に思いを馳せてしまうな。あの頃はよく暴れ回ったものよ』
ちなみにどんな姿かというと、装甲は胸元にフリルの着いた執事服。
ヘッドギアは赤い櫛で止めた狼耳。羽根ペン型ロッドと、仕上げにヒラヒラマントです。
>『よくぞ我がもとに!さあ、行くぞ!皆の者、力は揃った。いざ星の災厄を打ち払わん!』
星薙ぎの剣を手にした阿修羅くんとユーリくんを見て、疑うべくもありませんでした。
彼らなら、必ずやってくれます。
>5 >11
ナグル君からワイヤーが伸びてきて、毒が浄化されるのを感じました。
そして、救われる魂達の声を聞いたような気がしました。
あのインソムニアに取り込まれた者も最後に人間の心を取り戻したようです。
>6
レオ君とナグル君がクトウリュウを抑えている間に
阿修羅くんが星薙ぎの剣を突き立てます。その姿はまさに現代の英雄。
輝ける人の未来を予感させるような壮麗なるものでした。思わず見とれてしまうほどに。
(綺麗ですね……)
もはやわたくし達の出る幕はありません。ついに地球は救われました。
ご褒美に出てくるのは神の遺産。きっと金銀財宝ざっくざくです。
K(おいっ!?)
しかし、クトウリュウが崩れ去ったあとに出てきたのは赤い玉でした。
どこかへのゲート、でしょうか。
>「良くぞ資格なきまま封印を解いてくれた・・・!」
>7
クリスタルスカルから思考が送り込まれてきます。
わたくし達は地球では神話の人物になっていますが
あの者たちからみたらまだポッと出の若造というところでしょう。
地球は多くの候補のうちの一つにしか過ぎなかったのですから……。
でもわたくし達にとってはたった一つのかけがえの無い星です。
そこに住む人々は、最初は目が離せない子どもで
今では大切な親友で、導いてくれる親です。
>「さあ、来るが良い。君達は神となって生きる資格を得たのだ。」
赤い玉に、神々の文明の都市が映し出されます。
行った事はないのに、少しだけ懐かしいような気がします。
でも……残念だけどそれはダメです。わたくし達の故郷はあんな所ではありません。
地球に帰ったら、ユーリ君達と一緒に色んなところに行く予定なのです。
ミーちゃんとてっちゃんとそうしたように。
そして、わたくし達のこの時代での故郷で、ミーちゃん達と出会った場所を見せるのです。
今なら胸を張って言えます。『ここがモエ達の故郷だよ』って。
くだらなくて、バカみたいで、それでいて本当にキラキラしてステキなところです。
人間の不完全なるがゆえの夢見る力が生み出した聖地です。
それは、時にはある日突然美少女と同居するお話だったり
時には……未来を切り開く英雄の物語だったりします。
>「資格無き者が開けたゆえ、この門も長くは開いておらぬ。
共に行こうではないか!」
どうやらまだ一つやる事が残っていたようです。
>『よくぞ言った!我も“人間の未来”を見届ける所存也!!星の調律者ツクヨミよ!!
 我は人間の歴史を見て思ったのだ。我々と同じ道を歩まずとも、未来を紡いでいけるとな!!!』
ケイ君が星の調律者ツクヨミを見据えて言います。
『レオの言う通りだ……兄さん。いくら誘っても無駄だ。誰も行きはしない!』
その時、下に落ちている一本のハルバードが目に入りました。
見まごうはずも無い、ミーちゃんのハルバード。一目散にそれを拾います。
(ミーちゃん……力を貸して!)
複雑な動作は何もいらない、ただ振り下ろします。
込めるのはたった一つの単純な想いだから。
『「地球の守護者スサノオとクシナダが命ず! 閉じよ門!」』
巻き起こるは凄まじい力の波動。
込めた想いは、人間と共に歩んでいく決意。
それは、わたくし達を生み出した神の文明への本当の意味での訣別。
15コウタ ◆xK7dfy5P/g :2008/10/17(金) 23:27:15 0
>6-14
>腕部に搭載されている100番径対装甲散弾銃をぶっ放した。
>インソムニアの瞳に灯り続けていた光が、今ようやく消えた。
感情に任せて実弾を全部使い果たしてしまったが、損失を埋めるだけの
収穫もあった。別段連携を取っていたわけではないが、生まれた隙を
きちんと活かしてインソムニアに止めを刺すグレイゴースト。
「あの機体のパイロットは確か機械同然のサイボーグだったな……。
 しかし、インソムニア、か……一寸の虫にも五分の魂ってことか?
 ……似合わねぇことしやがって……あばよ、亡霊。」
自分自身で決着をつけられなかったのは少し残念だが、
それ以上に今はなんだか妙に気分がいい。それに免じて許してやろう。
ヘルメットを外し、口の中の血反吐をエチケット袋に吐き捨てた。

>「コウキ…じゃないね。そっかキミがコウタだったんだ。」
>「みんなをよろしく、それとありがとう…もう一度会わせてくれて、ありがとう。」
ここにいたって、ようやくエルはコウタの正体に気づいた。
「正解だよ、姐さん。
 どういたしまして……と、言いたいところだけど、みんなに会えたのは
 僕の力だけじゃない……今回遺跡探索に潜ったみんなの力なんだ。
 こうして協力して目の前の脅威に立ち向かったり、他愛のない軽口を叩き合ったり……
 誰か一人でも欠けてたら、僕は今でもただの自律プログラムのままだった。
 みんなと、コウキと会えたからこそ僕は“コウタ”になれたんだよ。
 本当は礼を言うのは僕の方なんだよ……。
 ああ、僕の中に宿る魂は必ず輪廻の輪へと戻す。いつかまた、みんなに会う為に。」

そう言い、魂の輝きをあえて内に押し込める様に集約させ
ナグル・ファルをゲートの近くへと浮上させる。
穏やかな言葉を向けながらも、オベリスクを握る右腕部には自然と力が集まっていく。

>「さあ、来るが良い。君達は神となって生きる資格を得たのだ。」
>「資格無き者が開けといて、カミサマになる資格があるって?矛盾してんじゃん!!」
>『「地球の守護者スサノオとクシナダが命ず! 閉じよ門!」』
ジェリド「はっ、今まで生きてきてここまでうさんくせぇ話は初めて聞いたぜ。
     アホ抜かしてんじゃねぇよ、俺はごめんだね。行きたきゃ一人で行け。」

それぞれがそれぞれの思いの丈をぶつけ、髑髏を否定する。
無論コウタも、水晶髑髏……ツクヨミの誘いに乗ることはなかった。
「そういうわけだツクヨミ。あんたの誘いには誰も乗らない……
 人間は確かに過ちを繰り返す。僕ら古代文明の生き残りから見れば
 愚か極まりない存在かも知れない。だけどね、繰り返さなきゃいいってもんじゃない。
 僕らを生み出した古代文明もまた、間違っていたんだよ。
 それに、一回のミスで諦めてしまった古代の存在よりも今の人類のほうがよっぽど
 精神的に未熟でも、強い存在だ。あんた達と違って、たとえ誤ってもそこで膝を折る事無く、
 自分達の道を、自分達の手で障害を取り除き、自分達の足で前へと進んでいける、ね……。
 つまり、カイザー様の二番煎じだけど、僕も人類のこれからってやつに期待しているんだよ。
 ……そうそう、あんたには個人的な恨みもあったね。よくも不意討ちなんてふざけた真似をしてくれたな。
 その分のお返しも含めて、『門』は潜らせない! 大人しく、ここでっ、朽ち果てろぉっ!」
槍を逆手に持ち、全ての思いをその一投に込めて、エネルギーの充填が完了した
ガレキオン・オベリスクを力いっぱい投擲、先端が四つ又に開きそこからガレキオンの砲身が覗き、
そこから荷電粒子が発射され、槍の花道となりツクヨミへ、門へと飛んでいく。
ガレキオン・オベリスクの軌跡は未来を塞ぐ壁を打ち抜けるか!?
16ユーリ ◆5Kq11GJKws :2008/10/18(土) 00:14:28 0
>>7
「さあ、来るが良い。君達は神となって生きる資格を得たのだ。」
これに対する皆の言葉

>「資格無き者が開けといて、カミサマになる資格があるって?矛盾してんじゃん!!」
>『よくぞ言った!我も“人間の未来”を見届ける所存也!!星の調律者ツクヨミよ!!
 我は人間の歴史を見て思ったのだ。我々と同じ道を歩まずとも、未来を紡いでいけるとな!!!』
>『「地球の守護者スサノオとクシナダが命ず! 閉じよ門!」』
>「はっ、今まで生きてきてここまでうさんくせぇ話は初めて聞いたぜ。
     アホ抜かしてんじゃねぇよ、俺はごめんだね。行きたきゃ一人で行け。」
「そういうわけだツクヨミ。あんたの誘いには誰も乗らない……
 人間は確かに過ちを繰り返す。僕ら古代文明の生き残りから見れば
 愚か極まりない存在かも知れない。だけどね、繰り返さなきゃいいってもんじゃない。
 僕らを生み出した古代文明もまた、間違っていたんだよ。
 それに、一回のミスで諦めてしまった古代の存在よりも今の人類のほうがよっぽど
 精神的に未熟でも、強い存在だ。あんた達と違って、たとえ誤ってもそこで膝を折る事無く、
 自分達の道を、自分達の手で障害を取り除き、自分達の足で前へと進んでいける、ね……。
 つまり、カイザー様の二番煎じだけど、僕も人類のこれからってやつに期待しているんだよ。
 ……そうそう、あんたには個人的な恨みもあったね。よくも不意討ちなんてふざけた真似をしてくれたな。
 その分のお返しも含めて、『門』は潜らせない! 大人しく、ここでっ、朽ち果てろぉっ!」

その通りだ。ユーリは本当に、本当にそう思った。散々、自分の手のひらの上で最後まで自らの我を通そうとする
「神ってのは自分の意見の押し付ける野郎のことを言うんだな、みんなも答えはNOだ
当然だよな。誰がお前の言葉なんか聞くはずがない!もちろん俺もNOだ!
みんながいろいろ言ってくれたからもう俺が言うこともないけど、一言だけ言ってやる!
ふざけるんジャァァァァァァァァァねェェェェェェェェェェ!」
ユーリの体全体から絞り出した魂の咆哮が周囲に響く
「すっきりした・・・さあ、門を閉めるには鍵が必要だ俺の手にはちょうどいい鍵がある
さあ、お前の悪事はここまでだ!!」
阿修羅も皆と一緒に門に切り掛かる
17 ◆AGE0/R6Aiw :2008/10/18(土) 21:48:45 0
ツクヨミの誘いをかけられる人間たちの返事は満場一致していた。
完全なる拒絶。
そして神々との決別を表する。
その言葉にツクヨミは素直に疑問に思っていた。
なぜ?と。
その疑問は人間以外から返る返事で解消される。

ゴルディカイザーが、ケイとモエが、そしてナグルファルが。
本来ならば有り得ない言葉を口走るのだから。

箱舟のシステムを含め、箱舟から地球に降り立った超古代文明ロボの役割ははっきりしている。
神の文明の【後継者】となるよう知的生命体の進化の促進。
そして資格を得られぬ時には滅亡を。
神々の主流派のプログラムは揺るぎがない。
少数派の神々が【後継者】ではなく【新たなる器】、即ち自分達が復活するための贄としようとした。
その端末がクリスタルスカルことツクヨミだったのだ。

しかし、彼らの出した答えはいずれにも属しはしない。
人間たちの独立と自立を支持したのだから。
ツクヨミ、引いては少数派の神々すらも想定しなかった事態。
それを引き起こしたのは・・・
「くっくっくっく・・・そうか。
計画を外し人類を育ててきたつもりだが、いつの間にか我らの計画すらも外れていたという事か。
神々の使わした末端たちを狂わすほどに・・・!」
そう・・・既に人類はあらゆる神々の手を離れ、独立を勝ち取っていたのだ。
それを促進したのがほかならぬツクヨミ自身とあっては、もはや自嘲の笑いしかでてこなかった。

迫るハルバード、ガレキオン・オベリスクの荷電粒子砲。
そして・・・鍵たる星薙ぎの剣・・・
全てが渾然一体となり、眩い光と化してツクヨミを【門】に押し込んでゆく。
「おおおお!!!人類よ!
我らが子等よ!努々忘れる事なかれ!お前達はどう足掻いても我に作られた存在!
神々の肉体となるべき贄である事を!
既に門は開き、そして自身で閉じる事を!
神々の力の片鱗を見て滅びるがいい!!!」
ツクヨミの絶叫を残し、光ははじけ飛んだ。
その弾け飛んだ光は最深部のみならず、一瞬ではあるが月全体を眩く輝かせた。

光が消えた後、もはやツクヨミも、門も存在していなかった。
ただそこに投げつけられたハルバードが残るのみ。
阿修羅の手には、切りつけたにも拘らず鍵をかけたような「カシャリ」という感触が残っているだろう。
それが完全に月面遺跡、そして箱舟ムーンの機能を完全に停止させた事を表していた。

・・・人類は神々の陰謀を退けたのだ。

だが、安心するのは早かった。
遺跡全体が鳴動を初め軋み、歪み始める。
星霜の月日を経て遺跡が今なお機能し、その使命を果たしていた。
本来ならば磨耗し、機能を失って当然の年月を耐えた理由。
それは遺跡全体の物質の時間軸が別次元にあったからに他ならない。

プログラム・ノアとクトウリュウが倒された時、その機能は停止した。
門を開け、更には閉じた事により箱舟の役割は終わった。
ここに箱舟は完全に停止したのだ。
時間軸をずらす機能すらも。

一気に遺跡に圧し掛かる時の流れは遺跡自体を朽ちさせ、自重を耐えることが出来なくなっているのだ。
そう、遺跡全体が崩壊し、潰れ始めているのだ。
折れる柱、割れる床、崩れる壁。
最深部にいる一同にも一斉に瓦礫・・・いや、遺跡自体が崩れかかってきた。
18奇跡の星へ ◆GtzExfc62I :2008/10/18(土) 23:31:47 O
崩壊する遺跡、それは月の消滅と同義であった。
次々に崩れ、砕け、散り逝くゴルディアス。
神々の企みを撥ね除けた者達の前に現われたのは、先程消え去った筈の水晶髑髏。
「遅かったか…ツクヨミよ、貴方には分かっていた筈だ…人は人でしかないと…
 フォボスが何故“やり直せなかった”のか、貴方には分かっていた筈だろうに…」
そう呟き、永きに渡り追い続けた末、遺産と共に滅んだ愚弟を偲ぶ。

「人の子らよ、もうじきムーンは次元断層に飲み込まれます。この月に生きる全ての命と共に…」
水晶髑髏は全員を見回して、語り始めた。
「かつて地球と同じように火星にも人類は栄えました。我々の計画通りに、です。」


しかしながらフォボスのノアは火星文明を資格無きと判断したのです。
レヴィアタン…こちらではヤマタノオロチでしたね、それによって火星は滅びました。
本来ならば再び火星に生命を与える筈でした。計画をやり直す為に。
ですが、一部の機神達は気付いてしまったのです、人の本質が何であるのかを。

それは“可能性”です。

人は狭い鳥籠の中で一生を終えるような生物ではないのだと。
例え1人1人は小さな“羽根”でしかなくとも、それらを束ねれば“翼”になれる…
この無限の宇宙(そら)を羽ばたいて、どこまでも飛んで行けるのだと。
星王機神アルテラセイザーを始めとした人間を信じた機神達がノアに叛逆しました。
その結果、フォボスは役割を永遠に果たせぬまま、現代に至り…
10年前にツクヨミの企みによって完全に破壊されたのです。

我々フォボスの機神達が己の間違いを悔い改め、地球人類を守る為に活動を始めた矢先のことでした。
ツクヨミにとって地球人類は新たなる神々の器。
人を人として、この負の連鎖から解放しようとした我々が邪魔だったのでしょう。

しかし貴方達の意思は神々に打ち勝ちました。我々の役割も終わりです。


「これより残された力を使い切って、ムーンに“時の封印”を施し、私の最後の務めとしましょう。」

水晶髑髏の身体が色彩を失ったと同時に、遺跡の崩壊が停止する。
「さあ、行きなさい。未来を目指して…私は貴方達を…信じていますよ…」

大回廊からは地球が見える。
奇跡と希望と命が見える。

そして…無限に広がる未来が見える!!
19モエ ◆TnakibaQxg :2008/10/19(日) 00:31:22 0
断末魔の絶叫と共にツクヨミは消え去り、門は永久に閉じました。
安堵すると同時に、なぜでしょう。少し哀しい気持ちになります。
K(これで……いいんだよね)
(ええ……)
人間を目的を達成するための道具としてしか見てなくて、
てっちゃん達を滅茶苦茶にした許せない奴だけど……絶対悪と言い切れるでしょうか。
古の栄華を取り戻す日を夢見て、悠久の孤独に耐えてきたのです。
いえ、古の栄華、などという大層なものではありません。
幸せだった日々を、かけがえの無い日常を取り戻したいという
他愛も無い、だからこそ切なる願いが生み出したプログラム……
それがツクヨミの正体でした。

役割を終え、崩壊を始める遺跡。それが意味するものは、月自体の消滅です。
せめて皆だけでも逃がさなければ……そう思っていた矢先でした。
ツクヨミと姿は同じ、似て非なる者が現れました。神話ではケイ君のお姉さんです。
>「遅かったか…ツクヨミよ、貴方には分かっていた筈だ…人は人でしかないと…
 フォボスが何故“やり直せなかった”のか、貴方には分かっていた筈だろうに…」
『姉さん……姉さんなの!?』
そっくりな上の二人はともかくケイ君だけ毛色が違いすぎますが
なぜ兄弟という事になっているのかは知りません。
でも嬉しかったです。火星に送られた者の中にも人間の可能性に気付いた者がいたこと。
その人は、最後の力を使って月の崩壊を止めてくれました。
>「さあ、行きなさい。未来を目指して…私は貴方達を…信じていますよ…」
『心配いらないよ。ちゃんと見届けるから。
それでいつか時の果てで……報告するんだ。姉さん達は正しかったよって!』
かくして、月の消滅は免れました。
役割を終えた箱舟は、わたくし達の愛する青き星を永久に見守り続ける事でしょう。
ユーリ君たちに声をかけます。
「いろいろあったけど……これにて一件落着ですね。
帰りましょう、わたくし達の星、地球へ……!」
20エピローグ ◆GtzExfc62I :2008/10/19(日) 14:07:53 O
『エル………エル、聞こえますか?僕です、パトリックです。』
「え!?パトリック!?」
アタシは突然頭の中に響く声に仰天した。
まるであのノアやゴルディカイザーと同じような聞こえ方だったから。
『君との約束を守れなくなって、ごめんなさい。』
意味が分からない。いきなり何を言い出すの?全ッ然分からないんだけど!!
『実は…僕はもう生きていないんだ。今はアマテラスさんと融合してるから、
 こうして最後のお別れを言う事が出来てる。本当にごめんよ、エル…』

アマテラス?誰だよそいつ!!そんなの急に言われても…
「…そうか、あの水晶髑髏がアマテラスか…だったら!今すぐたす…」
『駄目だよエル!!この遺跡の崩壊が何を意味するか、君にも分かるだろう!?
 月に住む人達全てを巻き添えにしてしまったら、僕はこの命を懸けた意味が無いじゃないか。』
「じゃあどうすりゃいいのよ!?黙って見殺しにしろってワケ!?ふざけないで!!」

『エル、見てごらん。此処からは地球がよく見えるよ…』
アタシは振り返る。見えた地球は…青かった。
『僕はこれから先永遠に此処で地球を見守るんだ。もちろん君の事も。』
月面の総人口720万の命と、たった1人の命。
秤に掛けるにゃ残酷過ぎる。
『だから…少し離れてしまうけれども、僕は君を永遠に見守るよ。』

「行こう…ゴルディカイザー、地球へ。」
もうアタシは泣かなかった。だってさ、まだ近くに兄貴がいたら…笑われちまうだろ?


――15年後、地球
あれからいろんな事があった。
ゴルディカイザーは地球の自然環境を再生させた後、再び眠りについた。
アタシは両腕が生まれ育ったアメリカのコロラド州に住んでいる。
無事に娘も産まれて、アタシは母親になった。

「こらパティ!待ちなコラーッ!!」
「ママのバカ!分からず屋!!私は旅に出るんだもん!!」
農作業用の小型AMに飛び乗った娘のパトリシア目掛けてフライパンを投げる!
ごーん!!
見事に直撃、アタシの腕もまだまだ鈍っちゃいないね。
「ふえーん!!いった〜い!!」
「いい加減に諦めな。アンタまだ中学生でしょうが!旅なんて100年早い!!」
「ううぅ…100年とか私お婆ちゃんになってるぅ…」

たんこぶ撫でて涙ぐむパトリシアをコックピットから引きずり出して叱る。
ったくもう!誰に似たんだか。『旅に出たい』なんて言い出してさ。

この時アタシはまだ知らなかったんだよ。
パトリシアがこの日の夜中に家を抜け出して、父親探しの旅に出るなんて…
しかもその旅が地球と月を巻き込んでしまう、新しい戦いの始まりだったなんてさ!!
21ケイ ◆TnakibaQxg :2008/10/19(日) 21:07:50 0
こうしてこの時代での、いや、製造されて以来で最大の冒険は幕を閉じた。
久しぶりにモエと二人で阿修羅の肩に座って、地球を見る。

父さん、兄さん、あなたたちは人間を道具としか見ていなかった。
何もかも思い通りにしようとした。姉さんは呆れてたよ。
でも僕はあなたたちが絶対間違っていたなんていえない。
誰もが正しくて、誰もが間違っていて、僕達は人間と歩む道を選んだ。ただそれだけのこと。
たとえどんな思惑があったとしても、父さんが命を与えて、兄さんが育てた星。
二人の自分勝手のおかげで、僕達の愛する奇跡の星は生まれたんだ。
だから、言う。許せないけど言うよ。ありがとう。

「ケイ君、何か言いますた?」
「なんでもないよ」
モエはあっという間にいつもの口調に戻ってしまった。どっちが素なのかは謎だけど。
「まあいいお。これから世界を救った英雄とめくるめく冒険だお!
ケイ君は別に着いてこなくてもいいです」
「そんな事を言ったら本当に着いてってやらないぞ!」
モエはまた小悪魔のような笑みを浮かべた。とてつもなく嫌な予感がする。
「フフフ……“僕は……キミがいなきゃ……”」
「ぎゃああ!! 忘れて! お願いだから忘れて!!」
阿修羅の肩から転げ落ちそうになった。
22エピローグ ◆TnakibaQxg :2008/10/19(日) 21:10:32 0
その頃、地球の島国日本に存在するとある聖地にて。
人気歌手グループAKB31のリーダーがソロデビューを果たそうとしていた。
「リーダー! そろそろ時間です」
サブリーダーが呼びにいくと、若き歌姫は空に輝く月を見上げていた。
「……今すごく光ったような」
「気のせいですよ。みんな待ってますよ!」
「はい!」
宝石を散らしたような星空の元の、屋外ステージに歌姫は立つ。
空では、いつものように月が優しい光を放っていた。

CROSS AGE 〜奇跡の星〜

少年は 約束の剣を手に 古の楔 打ち砕く

満ちた月の描く 崇き理想
欠けた月の見る 切なる夢
二つの願い 交差した星で
ただひとつの奇跡が 始まりを告げた

青き恵みの海と 草木萌えいずる大地に
見守られいだかれて 育ちゆく魂
生まれては散りゆき 果てなく巡りくる
飛び立つ翼 手に入れる日まで

無垢なる想いは 解き放つ
怨嗟に捕らわれた 御霊たちを
聖女の祈りは 呼び覚ます
生きとし生ける 命の王

英雄は 誓いの鍵を手に 輝ける未来 切り開く
それは神代の終わり 新しき伝説の始まり――
23任務終了 ◆zZvc/OuSS2 :2008/10/19(日) 21:35:32 0
地球は青かった。
その言葉は後世の歴史に名を刻んだ宇宙飛行士の言葉だ。
しかし、残念ながら地球は青くはない。本当は青く見えるのかもしれないが、月から見ると人間の
目には太陽の光の反射が眩し過ぎて青く見えない。月はよく光って見えるからさぞ太陽の光を反射
しているのだろうと思われがちだが、それでもおよそ6パーセント程度しか反射していない。
だが地球は、30から40パーセントも太陽の光を反射している。これでは明るすぎる。
クラウスは、月の衛星軌道を外れたグレイゴーストの機外から地球を眺めていた。ただし、彼の
電子の目は自動的に光の屈折率を変更しており、地球は写真と同じように青かった。
「まったく、私の柄じゃないな」
開け放したコクピットの上に佇み、心の中で嘆息する。
結果的に地球を救った事に違いはないが、別にクラウスはそんな事に興味はなかった。
世界を救う英雄になろうとは思わないし、また、何処かの誰かを救おうと思って戦った訳ではない。
与えられた仕事をこなす。それだけだ。それ以上でもそれ以下でもない。他に戦った連中が口に
していた勇気だの希望だのとはまったくの無縁だ。
だが、無縁である筈なのに、心に何かが引っかかっていた。
それが何であるかは分からない。分からないが、分からないままでも良い。
そう、世の中には、分からないままが良い時もある。
例えば、自分に与えられた本当の任務も、短い間だが共に戦った連中が知らなくて良い事だ。
「しかし、戦略核兵器を最深部で起爆させて月ごと破壊しようとはな…まったく、空恐ろしい」
クラウスに与えられた本当の任務。それは、グレイゴーストに搭載された戦略核兵器で月ごと
ゴルディアスを崩壊させようとするものだった。グレイゴーストの一番強固なコクピットブロックに
搭載された戦略核兵器、その威力は1000メガトン以上という代物である。遥か昔、ヒロシマに
投下された核兵器のおよそ3万3千倍の破壊力である。結果として使用する事はなかったが、
それを月の地中深くで炸裂させればどうなるかは想像に難くはない。
「いつの時代も滅亡とは紙一重にあるものだな」
これだけの機密事項を知った自分はただでは済まないかもしれない。良くて記憶の消去、悪くて
抹消だろう。尤も、そんなのは簡単だ。サイバネティクス化されたクラウスの肉体は遠隔操作が
可能であり、その気になればいつでも脳への酸素と栄養の供給を絶てる。上層部が不要と判断
すればクラウスなど使い捨てられるのだ。
「ただ、それは、まだ先の話のようだがな」
月面軍の救助艇が音もなく、宇宙空間を漂流するだけのグレイゴーストに近づいてくる。少なくとも
上層部はまだ自分を使う気でいるようだ。
「出来ればまたいつも通りの日常だといいんだがな」
実験機のテストパイロットを務める日々への帰還。
クラウスが戦う理由などそれだけで充分だった。
24ジェリド ◆xK7dfy5P/g :2008/10/19(日) 22:48:25 0
ジェリド「やっと終わったか……シビアな仕事だったぜ。」
心身共に疲れ切ったジェリドがシートにもたれかかろうとした時、
通信が入った。第六基地からの物だ。今まで遺跡の機能の関係で
通信が不可能だったのが、今回の件でジャミングが消えて通信可能になったのだ。
ライラ「ジェリド、無事かい? ……ひどいザマだねぇ。」
カクリコン「こっちは滞りなく終わった……ついさっきな。
      追いかけると言っておきながらこのザマだ。人の事は言えんなぁ。」
ジェリド「いいさ、こっちもちょうど終わったばかりだしな。
     ……制圧チームを至急よこしてくれ。ゴルディアスを完全に封鎖する。
     この遺跡は、案の定人の手に余るもんだった。
     触らぬ神に祟りなし……俺もすぐに基地に帰る。
     空いてる機体を用意しといてくれ、陣頭指揮を執らにゃあいかんからな。」
一方的に通達して通信を切るジェリドは、再会時のエレクトラの言葉を思い浮かべていた。
『アンタは相変わらず苦労にまみれてんね』まったくその通りだった。
クソの役にも立たない上層部をクーデターで失脚させて、軍と企業の癒着を文字通り引っぺがして
クリーン化するまでは良かったが……ゴルディアスなんて厄介物まで抱える羽目になったのだから。
「あーあー、まったく。俺の人生に休息の二文字はないのかね!」
ぶつくさ言いながらも、ジェリドはふらつくハーディを制御して自力で基地に帰還した。

それから数日後、新体制を固めた月面軍は政府に今回の作戦によって判明した
遺跡の危険性および遺跡を封印・監視する必要性がある事を伝えた。
政府はそれを承認し、その結果ゴルディアスの一般開放は完全に禁止され
ネイアラの街並みも否応なしに変わる事となった。ジェリド少佐はあくまでも
現場指揮にこだわり、月面軍総司令の椅子を蹴って大佐に昇任する事で折り合いをつけ、
ライラ、カクリコン両名は司令補佐としてそんな勝手気ままなジェリドを
バックアップし、日々任務を遂行している。
25コウタ ◆xK7dfy5P/g :2008/10/19(日) 22:50:10 0
―――一方、ナグル・ファルは遺跡に関わって命を落とした全ての魂を輪廻の輪、
宇宙に満ちる命の海に還し来世へと送り出した。その様子を見つつ、今はいない
新たな渡し守……コウキに語りかけていた。



終わったよ……ようやくね。
本来の役目とはかけ離れてしまったけど、それもまた一興さ。
……コウキ、君は最後の最後まで自分に自信が持てなかった。
気持ちは分かるさ。僕だって、生まれたばかりはそうだったんだから。

でもねコウキ、君はここに来てやっと自分で何とかしようって決めて、
それを行動に移した。結果はご覧のとおり……君の思いが、地球を救う一因となったんだ。
エル姐さんは君が消えてしまった事を知って泣いていたよ。
ジェリド少佐は簡単に死んじまいやがって、バカ野郎がって怒っていたよ。
……つまり、彼らは君は価値のない人間じゃないって言っているんだ。
君のやった事は無駄じゃない……それは、あの愛しい青い星が証明してくれている。

だけど、だけどだ……そこで終わりなんて言うのは僕は認めない。
君だって、色々やってみたい事があっただろう? ……だから僕は決めたよ。
こっそり確保しておいた、君の魂のかけらを君自身の魂の力である
ニュートリノ・バーストの余剰エネルギーで修復しようってね。
使っちゃった分の事もあるから、完璧にはならないけどそれでいいんだ。
この世に、完璧だとか完全なんて言うのはないんだから。文句は受け付けません。
……その為に、『アカシャ』に接触しないと。さぁ、長い長い旅の始まりだ。
今の僕なら、“ナグル・ファル”なら帰ってこようと思えばいつでも帰ってこれるんだしね。
だから、別れの挨拶はしない。僕たちは、刻を越えて繋がっているんだから……。


その後、ナグル・ファルの姿を見た者はいなかった。
役目を終えて再び眠りについたのだとか、魂の救済の為に新たな戦場へと
向かったのだとか、荒唐無稽な噂が一時流れてすぐに忘れ去られた。
だが、ごく少数の者は語らずとも聞かずとも、真実を知っている。
彼らはそれを誰に語るでもなく、そっと心に留め、今を生きているのだった―――
26ユーリ ◆5Kq11GJKws :2008/10/20(月) 00:55:19 0
崩壊を始めたゴルディアスから命からがら脱出したユーリの眼に地球が映った
「『地球は青かった』か、いい言葉だな。流石は俺と同じ名前の持ち主、同感だな」
しみじみと思った。全部が終わった安堵感も同時にこみ上げてきた
「疲れたな・・・」
ユーリは阿修羅の中でへたり込み、そのまま寝息を立て始めた

〜2日後〜
ユーリの実家にケイとモエを招待して一日が過ぎた
『ユーリこれが約束の品だ』
そう言ってユーリに一振りの刀を渡した
『星薙ぎの剣の一部だ。これがあればいつでも私を呼び出せるし、いろいろな遺跡に干渉できる』

「そいつはすごいな。」

『・・・それともうひとつ、お主は不老不死になってしまった』

「へ・・・なんでだよ」
ユーリのこの間抜けな顔をモエあたりがみたらさぞかし爆笑するだろう
『どうも、こうもそう決まっておるのだ。我とお主がそろわなければ鍵は機能しないのじゃ
アマテラスがいなくなったいま、星薙ぎの剣が唯一の遺跡を止める手段になってしまったのだ
それとお主が大人になってしまっては我を動かせなくなってしまうからな。」
こうして鍵の持ち主になってしまったユーリは阿修羅の操者にあり続けるために死ねなくなってしまったのだ
「誰だよ!古代兵器に年齢制限なんか作ったやつは!!」
ユーリの叫びは悲しくこだました

こうしてユーリの新しい旅が始まったのだった
もちろん、ケイとモエも一緒にだ
27 ◆AGE0/R6Aiw :2008/10/20(月) 21:31:36 0
>「おおおお!!!人類よ!
>我らが子等よ!努々忘れる事なかれ!お前達はどう足掻いても我に作られた存在!
>神々の肉体となるべき贄である事を!
>既に門は開き、そして自身で閉じる事を!
>神々の力の片鱗を見て滅びるがいい!!!」

ツクヨミの最後の言葉の意味は誰にも理解される事なく宇宙へと消えていった。
月の大崩壊はアマテラスの最後の力と引き換えに回避された。
神々の陰謀は退けられ、人々は真の意味で独立し、自立した歴史を歩みだした。

・・・だ が !

短い間とはいえ、月は遥か彼方の宇宙を旅する神々の世界と確かに繋がったのだ。
それは新たなる器の出現を知らせる信号ともなる。
時間軸を別次元に移し、星霜の刻の中、宇宙を旅し続ける神々の世界。
時が止まり色の無い世界に急速に色彩と躍動が蘇り始める・・・

箱舟の母船が・・・!
しかし、それはまだ先の話。
遥か宇宙の彼方の話。
そのことを知る人類はいなかった。
いや、知る必要などないのだ。

勝ち得た人類の未来を、希望を・・・
人々は過ごしていくであろう。
変らぬ日常を繰り返しながら。
人類はおろかなことを繰り返し、学び、また同じ事を繰り返す。
しかしそれは作られた円環なる歴史ではない。
少しずつでも進んでいく人類自身が紡ぎだしていく螺旋なのだから。

##############################

月の騒乱から俺はアルラウネに助けられ、何とか生還できた。
しかし、情けない話、肝心なところで俺は何も出来なかった。
だがそれでもいいさ。
若い奴らに任せられるなら。
自嘲なんかじゃない。本気でそう思う。

だからあの後、俺は傭兵家業も探索者も引退した。

あれから十五年。
俺もすっかり歳を食ってしまって今じゃ中年の域に足をかける26歳と280ヶ月だ。
今は月面都市でAM教習所教官の傍ら月面ガイドをやっている。
勿論ガイドの方はモグリだけどな。

生き死にの世界から離れて随分となるが、このごろ漸くこういった日々も悪く無いと思えるようになってきた。

こうやって夜空を見上げると見える76年に一度の天体ショー。
ハレー彗星を肴に一杯引っ掛けながらのんびりと・・・
15年前、神とやらの陰謀から人類を解き放ってからも変らぬ日常。
それこそが最も大切なものなんだって、な。

これからも色々あるんだろうが、そういったことも含めて、俺達人類は続いていく。
親から子へ、子から孫へ、孫から・・・・
限りなく続いていく命の連鎖に・・・乾杯・・・



     【月面遺跡】クロス・エイジ【ロボバトル】
               終劇
28名無しになりきれ:2008/10/21(火) 08:43:42 O
完結おめでとう
続編とかあんの?
29名無しになりきれ:2008/10/21(火) 11:38:08 O
是非第二部をやってくれよ
スレもまだあまってんだしさ
30名無しになりきれ:2008/10/21(火) 23:45:03 O
後はLのSSで終了します
31名無しになりきれ:2008/10/22(水) 01:40:28 0
乙ー
32名無しになりきれ:2008/10/25(土) 08:48:48 O
一から十までGMが決め過ぎじゃね?
33名無しになりきれ:2008/10/25(土) 10:02:38 O
>>32
向こうで言えないなら発案者ではなく、クレーマーでしかないな
34名無しになりきれ:2008/10/25(土) 12:08:44 0
しかし実際、ガチガチなのはどうよ?
いちいちGMに御伺いを立てなくちゃいけないのはどうかと。
35名無しになりきれ:2008/10/25(土) 12:16:00 O
>>34
雑談所か議論スレでやれよ
ただ、どんな形式でもかまわんがな
いろんな形式があっていい
受け入れられているから人が集まっているんだろ
それを脇からどうこう言っても余計なお世話でしかない
36名無しになりきれ:2008/10/25(土) 13:57:30 O
好きな奴が好きなようにすればいいね
37GM ◆GtzExfc62I :2008/10/29(水) 21:03:56 O
【鋼鉄】クロス・エイジ //【神話】
ゴルディアス封鎖から15年。
舞台を地球に移し、新たなる鋼鉄の叙事詩が始まる…

ジャンル:近未来ロボットアクション
期間(目安):約2ヶ月
上限参加人数:8人(敵役含む)※
GM:◆GtzExfc62I
決定リール:有り
○日ルール:3日※
版権・越境:無し
名無し参加:無し
敵役参加:有り※
避難所の有無:有り


参加者は反政府4大勢力『バルロワファミリー』か『星霊教団』に所属。
敵役参加者はUOの一員として参加していただきます。
その他の勢力や組織は…残念ですが諦めて下さい。私のGM能力の限界なんです。
原則として第一部キャラの続投は不可。心機一転、新しいキャラで楽しみましょう。
参加人数は8人を定員とさせていただきます。これもGM能力の限界なんです…
現在参加者は定員の8枠が全て埋まっています。申し訳ありません。
3日ルールを破った場合、キャラはGMによって操作されます。ご了承下さい。
規制された場合、下記のサイト内に代理投稿スレが有りますので、活用をお願いします。

TRPGまとめサイト【千夜万夜】
ttp://verger.sakura.ne.jp/
避難所(議論討論スレッド@千夜万夜)
ttp://yy44.kakiko.com/test/read.cgi/figtree/1168343746/l50
38GM ◆GtzExfc62I :2008/10/29(水) 21:17:32 O
▼参加キャラクターリスト
 ●バルロワ・ファミリー
  ・エリーティア・レグリエス ◆cHEmMBe4ms レグリエス
  ・スゥ・アーク・マッファイ ◆zZvc/OuSS2 六号超重多脚戦車ウシグモ
  ・ドナルド・ランベルティーニ ◆edPJt4N8O. アルゲマインU改
  ・ミュウ ◆xK7dfy5P/g エイタ
  ・ミリアム・ヴァルファーレ ◆fnDCzk6SN2 ブラウエルフォーゲル

 ●星霊教団
  ・美空レミ ◆TnakibaQxg ハルモニア
  ・サクラ・ミヤモト ◆5Kq11GJKws イシュタル

 ●UO(アンリミテッド・オーダー)
  ・28番 ◆gyalxMCbGw 28号
39GM ◆GtzExfc62I :2008/10/29(水) 22:45:33 O
▼スレ進行ルール詳細

〇ルート選択
 今後シナリオ進行中にルート分岐が2回提示されます。
 分岐は二択となっており、各自が選んだルートに進む事になります。

〇決定リールと抵抗リール
 『後手キャンセル』では『後出しジャンケン』みたいなイメージがあるので…
 名付けて『抵抗リール』!決定に対して抵抗するという意味を前面に出しました。
 戦闘メインのスレでは、返しのレスが反撃の場合が大半なので、こう命名しました。

〇NPC操作権
 プレイヤーにはシーン内に登場するNPCの操作権が発生します。
 毎回GMのメール欄にて、操作不可能なNPCのリストが提示されます。
 そのリストに無いNPCは自由に演出を行なっても構いません。

〇ターン制限
 同一のシーンが長くなり過ぎないよう、【残り〇ターン】と表示します。
 そのシーンに登場しているプレイヤーが何巡すれば場面転換するかを表します。
 但し、この残りターン数は絶対ではなく、あくまでも“目安”です。

〇3日ルールとFO
 無いと信じたいですが、もし起きた場合に備えて決めておきます。
 3日ルールを破った場合、そのキャラはGMによって操作・管理されます。
 FOと確定するのは、3日ルール抵触から1週間とし、FOが確定したらNPCとなります。
 つまり、他のプレイヤーにも操作権が発生する可能性があるという事です。
 規制は言い訳にはなりません。【千夜万夜】には代理投稿スレが有ります。
 不慮の事故や病気によって、やむを得ずFOした場合も同様の措置を採用します。

以上がスレ進行のルールとなります。
規則だらけに見えるかもしれませんが、進行の円滑化に必要と判断しました。
とは言っても、ぶっちゃけ難しい話ではないので、深く考えなくても構いません。
40名無しになりきれ:2008/10/30(木) 15:21:52 O
参加したいけど無理か…
41名無しになりきれ:2008/10/30(木) 15:39:45 O
>>40
普通なら無理だが、裏技でラティフとセット参入ならねじ込めるんじゃね?
42名無しになりきれ:2008/10/31(金) 07:24:42 O
43トム ◆GtzExfc62I :2008/10/31(金) 12:48:11 O
【アラスカ、北米大陸第四資源基地】

何やら光った。そう思った時には30機近い数の味方が蒸発した後だった。
デトロイトに帰る途中に、アラスカの作戦へ合流したのを後悔している。
俺はソッコーで仲間の残機確認を済ませた。仲間に被害は無し。
だがこれからだ…俺達はとんだ貧乏クジ引いちまった、先制を許しちまったからな。
2ndを相手にする場合、イニシアティブを取られたらまず勝ち目は無ぇ。
こっから流れをひっくり返すのはキツい。

「スゥ!敵との距離はどれくらいだ!?それと数もな!!」
仲間内では一番広い索敵範囲と射程を持つ、スゥの蜘蛛に通信を入れる。
奴ならもう向こうの距離と数を割り出してる筈だからな。
「それとミュウ!無茶やるのは構わねぇが、忘れるなよ?この作戦はアウトだ。」
そう、この作戦はもう失敗だ。見てみろ、ハンマーの連中をよ。
連中は俺達とは違う。所詮は寄せ集めの俄かチームだ。いざって時の纏め役が居ねぇ。

だから俺達の取る行動はひとつ。
逃げる、だ。そりゃ敵に尻尾巻いて逃げるなんざ俺だって気に食わねえ。
だがよ、仲間を死なせずにジラソーレまで連れて帰るのが何より大事だからな。

「野郎共!適度にドンパチやらかしながら、逃げる準備だ!!近い奴はすぐ艦に戻れ!!」
44GM ◆GtzExfc62I :2008/10/31(金) 12:50:31 O
【アラスカ、北米大陸第四資源基地】

そこは闇だった。システムをシャットダウンした2ndのコックピット。
まるで胎児の様に身体を丸め、タイラーは浅い眠りに揺られていた。
鋼鉄の揺籠の中に眠る支配者は、その眠りから目覚め、ゆっくりと揺籠と繋がれていく。
首筋の接続端子に全てのプラグが直結し、闇は極寒のアラスカに変わった。

『システム…オールグリーン……ミッションを開始する。』
生気の無い声が、虐殺の始まりを告げた。


【2時間前、ユグドラシル第三階層オービタル・ユニオン】
「以上がミッションの内容だ…各員は600秒後に機体へ搭乗、アラスカに向かう。」
UO隊長ブランドン=タイラーは、招集された隊員に任務を説明した。
バトルハンマーの内通者による反政府勢力殲滅作戦。
想定戦力は古代兵器とAMの混成勢力、約300機。対して招集された隊員は7人。
つまり、この戦闘は完全に虐殺と言える。バトルハンマーの戦力は激減するだろう。

ユニオンにとって反政府勢力は特に邪魔な訳ではない。
そして潰そうと思えばいつでも潰すことは出来る。
だがそれを今まで実行しなかったのには理由が在った。

経済効果の発生だ。今や世界経済をコントロールするユニオンにとって、
 戦闘で破壊された市街地の復興は、大きな労働力の流入先として重宝している。
国家の枠組みが解体されて以降、世界資産共有化法が従来の経済構造を根底から破壊した。
人々はあらゆる格差を取り除かれ、ユニオンの庇護に守られる事となる。
衣食住は全てユニオンによって配給される代わりに、人々は労働力を提供するのだ。

与えられた仕事を履行すれば一生が保証される、生活に一切の不安が無い世界…
思想、宗教、国家、紛争、貧富、何もかもが人の生活を脅かさない平和な世界…
人々が“飼い慣らされる”までに、多くの時間は必要無かったのである。



【再びアラスカ資源基地】
『No.28…聞こえるか?今回のミッションは基地の死守だ。敵の侵入を許すな。』
タイラーからの通信が入る。
彼は数少ない同期のルーラーだ。他のルーラーに比べて28番とは付き合いが長い。
だからなのだろうか、彼はよく28番に話し掛ける。
とは言うものの、あくまで一言かそこらの短い言葉である事がほとんどだが。

タイラーは8km先の敵部隊に向け、背面の光線砲“ゼ・グォル”を発射した。
砲身が上下に展開し、紅い光の軌跡が伸びる。
遥か前方に輝く深紅の爆発。

『秩序を乱す愚者の群に粛清を…』
45GM ◆GtzExfc62I :2008/10/31(金) 12:52:18 O
【南極、獅子の神殿】
ブリザードが吹き荒れる11月の南極、生命を拒絶する極寒の銀嶺が聳える大地。
そこに明らかに場違いな一団がいた。“星の巫女”と、その護衛。
「見えました!神殿です!遂に我々は辿り着いたのです!!」
と何やらカメラ目線でリポーターよろしく解説するノリのいい護衛の1人。

一同の前に現われたのは、創世の獅子が眠る神殿…


【4日前、アキハバラ総本山】
ソラは夢を見ていた。燃え盛る荒涼とした地平線、夥しい数の死体…
その中に涙を流して立ち尽くす1人の少年。
やがて少年はソラの視線に気付いて、その紅い瞳を向ける。
何か喋っているのだが、全く声は聞こえない。その夢には音が存在しなかったからだ。
まるで助けを求めるかのように、ソラへ手を伸ばす。

ソラもその手を掴もうと手を差し延べるが…


♪切ないハートに乱れ撃ち〜♪弾切れになるまで〜♪あなたが死ぬまで〜♪
めざまし時計が物騒な歌を流して、ソラを起こした。時刻は午前6時。
今日から始まる全国ツアーの打ち合わせがあるので、早めにセットしていたのだ。

だが寝覚めは最悪だった。
ここ1週間くらい前から、毎晩同じ夢を見ている。
特に最近ではちょっとした傾眠にも、あの夢が現われるようになった。
新曲の稽古疲れかとも思ったが、どうやら違うようだ。


サクラの朝は早い。巫女のスケジュールに併せた生活リズムを余儀無くされるからだ。
今日から地球再生15周年記念式典に先駆けて全国ツアーが始まる。
このツアーのファイナルが、式典にそのまま移行するという企画らしい。

正直言ってかなり無茶なスケジュールだ。
巫女の体力を計算に入れ忘れてるのではないかと思える程に…
46GM ◆GtzExfc62I :2008/10/31(金) 12:54:12 O
【旧デトロイト市街地跡】
4年前のUO侵攻で破壊された市街地は、未だに復興の兆しも無く、廃墟のままだ。
人々から棄てられた街、デトロイト。今ではバルロワ一家の潜伏先の1つ。
一家の母船であり、旗艦でもある超弩級戦艦ジラソーレ。
向日葵の名の通り、各部に設置された集光パネルによる太陽光発電が特徴であった。

西暦2101年の地球再生を機に、様々な分野でエコロジー化が進められた。
その中には兵器も含まれる。より効率の良い動力機関、燃費の良いシステム…
甦った地球を再び死の星にしないように、あらゆる分野が過ちを悔いた。
その結果として、エネルギー分野に於ける技術の進歩は加速度的に進み、今に至る。

「遅いねぇ、テラ社が約束の時間を守らなかった事なんかあったかい?」
ブリーフィングルームで、テラ社からの連絡を待つモニカがぼやく。
作戦会議が始まるのは正午ジャスト。
しかし時計の針は12時を既に回っている。普段ならばとうに着いている筈であった。
今回の“仕事”は、明日ニューテキサス空港に着くユニオン輸送機襲撃。
その為の弾薬やAMの物資を、テラ・マトリクス社から受け取る手筈になっていたのだ。

だが、定刻になってもテラ社からの連絡すら無い。
「みんな聞いとくれ、テラ社が契約を破るたぁ考え難い。何かあったに違いないね。」
一同に緊張が走る。“何か”の正体に全員が同じ内容へと至ったからだ。
「だからこっちから出迎えてやろうじゃないか。」
モニカが一同をぐるりと見回して、続ける。

「今この船は修理の最中だ、終わるのは早くて夕方。だから迎えには…ドン、アンタと
 ティアちゃんに任せる。バカ息子達の機体も先の戦闘でダメージがデカいからね。」


【午前11時44分アメリカ、オンタリオ湖】
目的地まで後僅かという所で、テラ社の輸送機“スニーク・スニーカー”は停止した。
パイロットのヘレン=アルバフィカは自分のツキの無さに軽く舌打ちする。
60km先に2ndを発見したのである。おそらくは哨戒飛行だろう。
しかしその方角には旧デトロイト。バルロワ一家の母船が停泊中の筈だ。
「マズいコトになったわ、隠れてやり過ごす?」
ヘレンは格納庫のミリアムに通信を入れた。この船には高い隠密性がある。
湖に潜れば、まず見付からないだろう。

反政府勢力に物資提供を行なう以上、ユニオンの襲撃は避けられない。
故にスニークスニーカーには多数の隠密装備が搭載されているのだ。
ヘレンが見付けた2ndは1機だけだが、しかし2ndは1機でも充分脅威に値する。
ましてやこちらは輸送機だ。戦闘になったら絶対に勝てない。

但し、格納庫の中に眠る機体ならば或いは…
47名無しになりきれ:2008/10/31(金) 15:24:51 0
なるほどね、今回は避難所で企画を立てたのか
それなら見る奴も限られるから、自ずと信頼できる経験者とかが集まるわけだ
48名無しになりきれ:2008/10/31(金) 17:29:21 O
>>47
いいやり方だ罠
でも参加者を締め切ってしまうのはまずいだろ
閉鎖的利用とか言われるかもな
といか一般募集枠もあってほしかったorz
49名無しになりきれ:2008/10/31(金) 17:33:57 O
>>48
まぁ、二人くらいは新規さんだけどね。そのせいで前回の参加者の一人が入れないみたいだし
50ミリアム ◆fnDCzk6SN2 :2008/10/31(金) 18:17:54 O
「無理よ、ヘレン。相手がUOなら此方を見つけるのも時間の問題ね…。
せめて、この艦だけでも潜行させて他のを囮にして時間を稼ぐしかないわ。」

白衣の女性はインカムで通信相手に返事をする。彼女は赤いフレームのメガネを押さえて思考を巡らす。
その間に三機の輸送機の内、この船だけを水中に退避させ、敵に発見されないようにする。


「(よりにもよって今、UOに見つかるとはね…。これは偶然?いえ、恐らくは……)」

親指の爪を噛み、険しい表情で隣にいる青いAMを見やる。この機体こそ、今回の搬送の肝であり今後の要でもあるTM社の新型なのである。

「アテナ、出撃準備よ!急いで」

「…了解。モードを切り替え起動準備に入ります。」

青いAMに眼光が灯り、まるで機体が喋っているかのようにAMから機械音声が発せられる。

「無茶ですよ、ミリアムさん。まだ、ミサイルもライフルも積んでないんですよ!?」

彼女の近場にいる整備士が警告する。何故ならば、この機体はまだ整備中であり目的地までに作業を終える予定なのだ。

「アテナ……今、使える武装は?」

「…AEブレードとヘッドバルカンのみです。」

AMの返答を聞くと、彼女は白衣を投げ捨ててパイロットスーツ姿になる。
棚にあるヘルメットを手に取り、素早く機体に乗り込む。

「それだけあれば充分よ。…アテナ、作戦データを打ち込むから計算よろしくね。」

「了解」

コックピットに座り、彼女は起動準備を進める。

「もう知りませんからね、ミリアムさん。
……ほら、新型のお披露目だ!お前ら3分以内で終わらせてやるぞ!」

「サー、イエッサー!!」

先程の整備士が声を張り上げ、周囲の仲間を活気づける。各々は配置に着き、それぞれの作業を急ぐ。

「ヘレン、聞こえて…?
フォーゲルを出すわ。起動までには急いでも3分かかるから、それまで待って頂戴。
向こうにも協力要請を出して。報酬を用意するといえば必ず動いてくれる筈よ。
無茶な作戦だと思うけど、やるしかないわ!!」

機体からヘレンに通信を入れる。
51名無しになりきれ:2008/10/31(金) 18:21:35 0
>>47-49
避難所に行こうか。
ここの容量を浪費するのは参加者達に迷惑だよ?
俺だって参加したかったけど、決まったことはしかたない。諦めようぜ。
>43
>「スゥ!敵との距離はどれくらいだ!?それと数もな!!」
「言われなくても分かってるわよ!」
スゥは己の迂闊さを悔いていた。
陸戦兵器としては超弩級で全長が100m近くにも達する巨大なウシグモは、単独で師団単位の防空を
こなせる程の対空戦闘能力と索敵能力を備えていた。高度な戦術情報の互換と広範囲の探知と膨大な
目標の並列処理が可能であり、まさに地上を歩くイージス艦と呼べた。ウシグモに搭載された小型化された
ダイヤモンド・スピントロニクス型の常温量子コンピュータはスーパーコンピュータで数千年かかる計算を
僅か数秒で終えるほどの処理能力を持つ。
量子コンピュータによる情報の処理と未来予測こそがウシグモの最大の武器である。強力な火砲と堅固な
装甲はおまけに過ぎない。21世紀の情報RMA以降、情報を掌握した者こそが戦場を掌握するのは明白だ。
ゆえにスゥは何よりも情報を重視し、常に最悪のシナリオを想定していた。今回の作戦は隠密だが、スゥは
既にユニオンに知られているものとして行動していた。戦場の地理、気象条件、味方戦力の配置と移動、
その他様々な要素をコンピュータで処理し、未来を予測しようとした。
(なのにこれはどういうことよ!?)
しかし、予測とは裏腹に、敵は僅か8km先から攻撃を仕掛けてきた。近代戦で8kmといえば目と鼻の先だ。
そんな近距離まで接近されて気付かないとは、一体どういうことだろう。ウシグモのセンサー系統は全て
正常に作動しているし、これといった電子妨害もない。ユニオンが運用する2ndは高度なステルス化が施されて
いるが完全に姿を隠すことなど不可能で、バイスタティック・レーダーを使えば探知可能だ。前もって送受信機を
作戦区域内に満遍なく設置している。接近されればレーダーの網にかかり、気付いた筈だ。
充分な備えはしていた。なのにどうしてこうも容易く切り崩されるのだろう――いや、既に充分な備えをしていた
と思ったところで慢心していたのだ。そこに付けいれられた。それだけに過ぎない。
スゥはそう割り切った。

攻撃を受けた場所を基点に敵の居場所を絞り込む。連中が使用したのは高出力のレーザー兵器だろう。
レーザーは直進するしかないから居場所の特定は簡単だ。
「十時の方向、距離8000、数8、機体照合…全て2ndね。さーてどうしよう」
接近されればウシグモに勝ち目はない。ならば、近づけないようにするしかない。
「全対空火器の一斉射をやるから、その隙に逃げるわよ」
ホバー移動で部隊と併走しつつ、ウシグモの背面に装備された対空火器類が起動する。
「30mmCIWSとレーザー発振器の弾幕を展開後、SAMを順次発射…秒読み開始、サン、ニ、イチ、今!」
直後、大量の機関砲弾と迎撃レーザーの嵐が2ndに向かって吹き荒れ、垂直発射式の対空ミサイルが
白煙の尾を引いて次々と虚空へ伸びる。
>>46
確かに妙な事ではある…
彼らがこれまで取引の時間に遅れる事など一度も無かった
周りは到着の遅れをただ事ではないと悟っているようだが
果たして本当にそうなのか…
どちらにしても考え過ぎは良くない結果を及ぼす…

>>「こちらから出迎えに…」

もし、相手がお頭の言う「何か」なら俺達の機体ではまるで歯が立たないだろう
象とアリの戦い 一方的な破壊が展開されるのは目に見えてる
奴らを相手に万が一にもネズミが猫を噛める要素なぞ存在しない

「お頭…もし相手が奴らなら俺達の…
いや嬢ちゃんのならともかく、俺の機体じゃ歯が立たねぇ…
撤退の判断は自分で決めても構わねえかな?」

「それと、格納庫にある飛行ユニットの使用許可も欲しい
午後からテスト飛行をする予定だったから
ユニット自体は既に取り付けてはある…
後でお頭の許可を貰うつもりだった」

一通り 言いたいことを言い終え
吸っていた葉巻を灰皿に押し付ける

「ただの事故である事を願いたいもんだがな…」
54ティア ◆cHEmMBe4ms :2008/10/31(金) 21:22:30 0
>>46
ブリーフィングルームの隅っこにちょこんと立っていた緑色の瞳と髪を持つ少女は、
真剣な表情で腕組みをしながら、バルロワファミリーの頭領・モニカ=バルロワの話を聞いていた。
尤も、小柄な部類である彼女は背の高い荒くれ者共の中に殆ど埋没してしまっているのだが。
彼女……エリーティア・レグリエスは普段は雑用全般を担う下働きと言っても過言ではない立場でありながら、
戦闘時は専用のATに乗って最前線で戦う、立派な海賊の一人なのである。

>「みんな聞いとくれ、テラ社が契約を破るたぁ考え難い。何かあったに違いないね。」

その言葉を聞いたとき、エリーティアの瞳に一瞬鋭い光が宿った。
この状況で起こりうる『何か』など、火を見るよりも明らかである。
つまり、テラ社の輸送船は何物かの攻撃を受けているという事。
テラ社の保有する輸送船が振り切れない相手など、一つしか思い浮かばない。即ち――

>「今この船は修理の最中だ、終わるのは早くて夕方。だから迎えには…ドン、アンタと
> ティアちゃんに任せる。バカ息子達の機体も先の戦闘でダメージがデカいからね。」

「……ふぇ?」

――その先を考え用としたまさにその時、モニカからの指名を受けたティアは一瞬キョトンとした表情を浮かべる。

「…は、はい! 任されましたグランマ!」

数瞬後、なんとか意識の切り替えに成功したエリーティアは、
自分の居る場所を告げるためにも勢いよく手を挙げながらモニカの言葉に応える。
いくら古参のドナルドが一緒だとはいえ、自分の役割は中々に重大な物だ。
だからこそ、全力でやり遂げなければならない……エリーティアは改めて強い決意を胸に宿した。

>>53
「……大丈夫ですよドンさん、私とあの子がドンさんも積荷もキッチリお守りしますから!」

エリーティアはドナルドに向かって胸に手を当ててそう言いきる。
その言葉には自分自身と相棒に対する強い自身が現れていた。

「そう言う訳ですからよろしくお願いします。私は先にあの子の所へ行っていますので」

ペコリと頭を下げたエリーティアは、直ぐさま慌ただしく格納庫へと走り出す。
共にバルロワファミリーに拾われた、己の分身の元へと……。
55ミュウ ◆xK7dfy5P/g :2008/10/31(金) 22:37:16 0
>43
>何やら光った。そう思った時には30機近い数の味方が蒸発した後だった。
ファミリーの中で一番バトルハンマーの僚機集団に近い位置にいたのは私だ。
まるで消しゴムで鉛筆の筆跡を消すかのごとく放たれたビームによって
消滅した一団に最も近かったのも―――。

油断したつもりは無い。8キロも遠方からだったからかわせたのも確かだけど。
反応があった瞬間、ダメ元で機体をビームにかすらせてみる……やっぱりダメ。
やっぱり“あの機能”はダウンしたまま。何度試しても同じ結果。
エイタはもう私を必要としていない……?

>「それとミュウ!無茶やるのは構わねぇが、忘れるなよ?この作戦はアウトだ。」
トムはいつも私が考え事をしてる時に限って大声を出すの。いい人だけど、そこは嫌い。
「分かってる。」
半分はうそ、私はどうしてもルーラーが気になる……。
ルーラーから感じる気配、ここは『私の地球』じゃないはずなのに、
どうしてあの時のターゲットと重なるの……?

>52
>「全対空火器の一斉射をやるから、その隙に逃げるわよ」
スゥは言うなり対空攻撃を始めた。
ウシグモの火器の数と威力は侮れない。昔の私なら、自分から近づいちゃうような―――。
でもこれだけの弾幕も、ルーラーを核とした2ndはするするとすり抜けてくる。
その動きは、まるで鏡を見ているように私とそっくり。
似たようなコンセプトに基づいて開発されただろうから当たり前よ。
「隙間を埋めるわ。先に行って。」

エイタの機動性は2ndのわずか下、直線加速はエイタがほんのちょっと上。
影の踏み合いは負けるけど、かけっこなら負けない。だから前に出れる。
抜けてきた2ndの先頭にレーザーを撃つ。でも僅かな時間差を利用してかわすわ。
今までがそうだったもの、不憫に思ってわざと被弾してくれるはずないじゃない。
56GM ◆GtzExfc62I :2008/10/31(金) 23:16:32 O
>>50>>53-54
【スニークスニーカー船内】
各員が慌ただしく駆け回る中、急ピッチで作業が進められていく。
>「無理よ、ヘレン。相手がUOなら此方を見つけるのも時間の問題ね…。
>せめて、この艦だけでも潜行させて他のを囮にして時間を稼ぐしかないわ。」
ミリアムの答えは理に適っている。
最も優先すべき“荷物”はこの船が積んでいるのだ。
そしてその“荷物”を出撃させる為に、整備員は奮闘している。
「そうね、OKミリィ。それでいきましょ。」
ヘレンは気を取り直し、他の2機に通信を入れた。

「こちらレッドシューズ、前方に敵機体を捕捉。乗員は速やかに脱出して下さい。
 自動航行に切り替えて、進路設定は南西にお願いします。繰り返します、こちら…」

>「ヘレン、聞こえて…?
 (中略)
>無茶な作戦だと思うけど、やるしかないわ!!」
まさか大事な積み荷をわざわざ敵にぶつけるとは、流石のヘレンにも予想外であった。
ブラウエルフォーゲル、現存するテラ社の技術を結集した最新鋭のAMだ。
しかしまだ実戦はおろか本格的な戦闘テストも済んでいない。

「無茶苦茶ね。本ッ当に貴女ってば外見と中身のギャップが最高だわ!」
思わず吹き出すヘレン。彼女は本来AMのパイロットだった。
機動テスト中の事故で負傷して以来、パイロットから外されてしまったのだ。
だが彼女は諦めなかった。AMが無理なら輸送機に乗ると決めたのも半ば意地だった。
今でこそ輸送任務にも誇りを持って務めているが、やはり血が騒ぐのだろう。

(久し振りかもね…こんな感じ。)

「OKミリィ!バルロワとは私が話着けておくから、貴女は思い切り暴れてきてよね!!」
私の分まで。と、苦笑しながらそっと心の中で付け加えた。


【ジラソーレ艦内】
>「お頭…もし相手が奴らなら俺達の…
 (中略)
>後でお頭の許可を貰うつもりだった」
「謙遜たぁガラにもないコト言うじゃないか。アンタみたいな腕っこきがいるから、
 周りの連中が好き放題に動けるんだ。嬢ちゃんのフォローをしっかり頼むよ?」
モニカは肩を叩いてドンを送り出す。
「本当はアタシも出たいんだけどねぇ、このギックリ腰さえ治りゃまたアンタと肩並べるんだが…」

3ヶ月前にグランドレール襲撃で腰を痛めてから、モニカは前線に出ていない。
昔はドンと共にAMで出撃していた。悔しいのだろう、最近やたらと苛々している。

>「…は、はい! 任されましたグランマ!」
ぼんやりしている様に見えて、この少女は立派な戦闘要員の1人だ。
5年前、“とある事件”の最中に拾って以来、艦内ではちょっとしたアイドルだ。
記憶を無くしたにも拘らず、精一杯毎日を生きているエリーティアが可愛かった。

産んだ子供が全員男だったのも、可愛いがる理由なのかもしれない。

「気をつけて戦うんだよ、自分の力を信じるんだ。そうすりゃティアは絶対に負けないからね。」
笑って見送るモニカだが、唯一勘弁して欲しいものが1つあった。
過去に何度となく言い聞かせたのだが、未だに“それ”は直っていない。

グランマ…まだ孫の顔も見た事が無いのに、“お婆ちゃん”だからである。
57ソラ ◆TnakibaQxg :2008/10/31(金) 23:31:25 0
>>45
ウチは美空レミ、芸名はソラという。
ひょんなことから星霊教団の象徴、星の巫女をやっている。
地球が再生してから、15年の時がたった。
海は澄み切った青で生き物に満ち溢れ、山には緑の木々が生い茂る。
ここは聖都アキハバラ、夢見る者達の聖地であり、今は星霊教の総本山でもある。
毎日のように小さな大騒動が起きつつも4つの季節は巡っていく。
世間では時々物騒なことが起こっているらしいが
これからもなんだかんだ言って平和な日々が過ぎていくだろう。
ただ、星霊教団を名乗る過激派の暴走のおかげで
世間では反政府勢力の一つに数えられているのがいい迷惑である。
ウチらは自然環境を守る教団なんだから勝手な事はやめてほしいものだ。
最近もう一つ気になる事といえば……一週間ぐらい前から見る謎の夢。

屍の山の中に佇む少年。音の無い世界で何かを必至に訴えている。
延ばした手は触れる事は無く、全てが崩れ去っていく……。
「キミは……誰なの? 何を伝えたいの?」

>♪切ないハートに乱れ撃ち〜♪弾切れになるまで〜♪あなたが死ぬまで〜♪
「誰の歌だあああ!?」
目覚まし時計に怒鳴りながら叩いて止める。
曲名はAKB31の“恋のスナイパー”である。
「って……ウチらだし!」
さて、今から地球再生15周年記念式典の打ち合わせがある。
“メイド服”や“ゴシックロリータ”などの様々な特殊な衣装が収納された
クローゼットを開け、適当に一揃いの服を取る。
そうして手に取ったものは“セーラー服”。
20世紀後半から21世紀前半にかけてよく日本の女子高生が着用していたものらしい。
着替える過程はどうでもいいので省略。

セーラー服を着終わり、最後に枕元に置いてあるペンダントを掛ける。ここ重要。
レオ君から神託を受けた時に貰った、巫女の証であるペンダント“星の欠片”。
どんな衣装であろうとこれだけは絶対にかかせない。
地球のような青色をした綺麗な宝石を手で包み込む。
最近少し温かくなってきたような気がする。だとしたら冬はホッカイロになって便利……
じゃなくてレオ君が15年前に言っていた言葉が思い出される。
――時が来れば、汝を守る盾となり、未来を切り開く剣となるだろう……――

と、言う訳で、まさかとは思うが他の人にも検証してもらうことにした。
まず第一号は護衛のサクラちゃんである。
「ねえねえ、これ持ってみて。微妙に温かくない?」
5828番 ◆gyalxMCbGw :2008/11/01(土) 00:02:22 0
【一時間前、ユグドラシル第三階層オービタル・ユニオン】
様々な機具が並び、潔癖とも言えるような純白の部屋で横になっている男、
おそらくまだ若い男なのだろう。しかしそんなことよりもまず目につくのはその死人のような青白い肌。
眼球は瞳孔が開き吐息すらわずかにしか聞こえてこない。まるで死んでいるかのような男。
横には様々な液体が入ったパックがつるされており、全てが腕や首筋に点滴されている。
なんとも痛々しく普通の人間としては異常とも言える状態だった。
だが彼らにとってはこれが普通であり日常であり存在しているということ……なぜなら彼らはルーラーなのだから。

「気分はどうだね『No.28』」
しかし横になっている男は反応はしない、ただ黙っているだけ、当たり前だ。
彼は任務と命令しか理解できないのだから、『気分』など彼にはないのだ。
命令と任務だけに反応しそれを行使する……そこに意思も何もない。人形は考えない……感じない。
「バイタルチェック……以上なしだね、よかったよかった。まだ君には壊れてもらっては困るからな『No.28』」
28番……これが彼に与えられた名前であり個体識別番号。
人間としては認知されていないことを明確にしている呼び名だ。

全く反応をしめさない28番を見て科学者は満足そうにしている。
「……結構結構、調整は終わりだ。さあ、あと一時間に迫った作戦に向けて準備をしたまえ、これは『命令』だ」
命令、その単語に反応し頭を科学者の方向へと向ける28番。
「スペル認識、スペル前後内容確認………命令理解、了解」
そういい立ち上がり部屋を出ていく28番……自我も持たずただ2ndを操り人の命令を聞く者『ルーラー』
大いなる力を操る愚者……そしてそれを造り上げたアンリミテッドオーダー

ここには人の愚かさと傲慢さ、そしてその業の全てが在った。

【アラスカ資源基地】
作戦時間が来たことを告げるアラートがコクピットに響く。
そして28番の首筋の接続端子にプラグが直結される。
通常の人間では廃人になるだろうほどの情報が電気信号として28番の脳を駆け廻り、
2ndが極寒すら思わせる無機質な駆動音と電子音を刻み続ける。
「…………行動開始」
28番の何も写さないその虚ろな瞳がこの後に起こる惨状を物語っていた。

5928番 ◆gyalxMCbGw :2008/11/01(土) 00:04:08 0
>44
>『No.28…聞こえるか?今回のミッションは基地の死守だ。敵の侵入を許すな。』
タイラーからの通信が28番の元へと入る。唯一のネームを持つタイラー。
彼は同期である28番に通信を入れることが多い。しかし反応はいつも同じ。
「音声認識:タイラー……命令理解、了解」
これだけ、これだけだ。多少なりとも自我を持つタイラーと28番の間には大いなる懸隔があった……

そしてタイラーは8km先の敵へとゼ・グォル≠発射する。
光の軌跡は相手に死を理解させることすら許さずに破壊せしめる。
30機ものターゲットマーカーは瞬時に焼失し前方では大爆発が起こる。
「な、なんだ!?何が起こった?」
「ルーラー≠セ!!奴らが来たんだ!!もうおしまいだ!」
混乱する戦場、一瞬で消えた30機を見てバトルハンマー達は恐怖に支配される。
>「野郎共!適度にドンパチやらかしながら、逃げる準備だ!!近い奴はすぐ艦に戻れ!!」
トムが全員に通信を入れるが一度恐怖に支配された人間は予想外の行動をするものだ。
いきりたってミサイルを放ち武器を構える者、武器をパージしひたすら逃げようとするもの。
しまいにはコクピットの中で祈るもの……冷静さを保つことができた者達は驚くほど少なかった。

しかしそんなことなど関係ない、一機に加速する8機……
>「全対空火器の一斉射をやるから、その隙に逃げるわよ」
冷静さを保っていた数少ない一人であるスゥの機関砲とレーザーの嵐をことごとくかいくぐり、
飛んできた大量のミサイルなど気にも留めず強烈なプラズマを背後から噴出させながら突き進む8機……
その動きは獲物を仕留める狩人のように鋭くそして力を過信する戦士のように愚かだ。

>52
ミサイル群を抜けるとレーザーが一発隊長機めがけて飛んでくる。しかし、当たらない。
わずかな時間差を利用しタイラーはレーザーを回避したのだ。
『No.28、こいつの相手はお前に任せる』
28番に相手を務めるように命令を下したタイラー。
「…………命令理解、了解」
次の瞬間28番は命令を遂行するため機体を加速させる。
一瞬でミュウの視界からその姿を消し、右へと回りこみジュ・ガ≠撃ちこむ。

そして28番を除いた7機はミュウの相手を28番に任せ逃げようとしている部隊に向かって前進し続ける。
『各機、ゼ・グォルにより敵を駆逐せよ』
タイラーの命令により全ての2ndの背面のレーザー砲台が敵団をとらえる。
まず狙うのは戦う意思が感じられないもの。武器を持たないもの、そして逃亡するもの。
そして7機の右腕から一斉に光の軌跡が次々と放たれる。地面を焼き溶かし。直線状に土を掘り返す。
抵抗しようと放たれた飛んできた砲弾やミサイルはレーザーに当たり蒸発し、AMや古代ロボを一緒くたに吹き飛ばす。
「も、もう駄目だ……みんな死んじまうんだ!」
「諦めるんじゃねえ!」
喝を入れようと全員に通信で怒鳴るトム。だがしかし、
バトルハンマーの傭兵達はすでに理解していた。
最大効率で死を与え続ける死神に勝てるわけがない。
自分たちはすでに断頭台のギロチンにかけられているのだと……
6028番 ◆gyalxMCbGw :2008/11/01(土) 00:07:15 0
訂正

>>59
そして7機の右腕から一斉に光の軌跡が次々と放たれる。

は間違いで正しくは

そして7機の背面のレーザー砲台から光りの軌跡が放たれる。

です!
61ユーリ ◆5Kq11GJKws :2008/11/01(土) 00:45:47 0
「お前の胸にもラブハーツ!真っ赤な軌跡をえがき〜」
目覚ましを止める。曲は兄が好きだった曲・・・兄さんどこにいるの・・・
時刻は午前5時30分いつもよりは早い目覚めである。
私の生活リズムは巫女様基準なのです。私は巫女様が起きる30分前に起床するように目覚ましをセットしているのだ
いつまでも15年も会っていない兄に思いを馳せている場合ではない
起きてすぐにシャワーを浴びる。シャワーの温かいお湯が一気に目を覚まさせる
簡単にすませて自慢の長い髪にドライヤーをかけると部屋いっぱいにシャンプーのいい香りが広がる
「ん〜アジ○ンスのいい香り」
朝から機嫌が良くなっていくシャンプーの匂いってなんていいんだろう!
髪を拭いて朝ご飯を食べ巫女様の朝ご飯を部屋に運ぶ
「5時59分・・・完璧だわ」
時間ピッタリだ。おもわず笑顔が漏れる
そして、6時ジャスト・・・
「巫女様、おはようございます。今日も一日がんばりましょう!!」
満面の笑みと清々しいほど爽やかな声の朝の挨拶と共に部屋に入る

>>「誰の歌だあああ!?」
目覚まし時計に怒鳴りながら叩いて止める。
曲名はAKB31の“恋のスナイパー”である。
「って……ウチらだし!」
巫女様の起きた直後の一人突っ込み。通称”スリーピングストライク”
「今日もまた切れが良くなっている・・・やりますね」
驚きの眼差しを向けながら、全く明後日の方向を向いたコメントを添える

巫女様が着替え始めると朝ご飯が乗った盆を持ったままソラ様の着替えを眺める
(この映像を信者に売ったら相当な値がつくかも・・・)
不謹慎なことを考えているとソラが声をかけてきた

>>「ねえねえ、これ持ってみて。微妙に温かくない?」
そういって、いつも身に付けてる青い宝石を私の前に置いた
盆を置いて言われた通りに触ってみる。触らせてもらうのは初めてだ
「いえ、特には温かくも・・・あれ、温かくなってき、熱っ!!!」
温かくなったとと感じたらすぐに熱くなってしまい宝石を落としてしまった
「も、申し訳ありません!!いきなり熱くなったもので・・・」
なぜ熱くなってしまったのか、分からなかった。だが同じように自分の持っている刀が発光し熱を帯びていることも事実だった

62GM ◆GtzExfc62I :2008/11/01(土) 19:46:35 O
>>52>>55>>58
【アラスカ戦線】
>「全対空火器の一斉射をやるから、その隙に逃げるわよ」
「よっしゃ!みんな聞いたか!?タイミングをミスるんじゃねーぞ!?」
スゥのウシグモは軽く戦艦並の火器を積んだバケモノ機体だ。
斉射に巻き込まれたらタダじゃあ済まねえ。
>「30mmCIWSとレーザー発振器の弾幕を展開後、SAMを順次発射…秒読み開始、サン、ニ、イチ、今!」
ダイファルコンの最大速度で離脱する。シャレにならねえGが俺を締め上げた。

一斉発射を見て思った。ありゃもう弾幕なんてモンじゃねぇよ。
一種の天災かなんかだろ…マジで。
俺達の部隊は皆が揃って足の速い機体に乗っている。
例外はスゥだけだ。撃つ方向が大体分かってりゃ避けるのは難しくねぇ。
「よーし全員振り切ったな、ハンマーの連中にゃ悪いがこれもしかた…あぁ!?」

>「隙間を埋めるわ。先に行って。」
>影の踏み合いは負けるけど、かけっこなら負けない。だから前に出れる。
あのバカが!!またスタンドプレーに走りやがった!!
ミュウはいつもそうだ。2ndには必ずと言ってもいい程に突っ掛かる。
何か個人的に因縁があるみたいな感じはするが、奴は何も言いたがらねえ。
無理に聞き出すのも趣味悪ィしな。今まで黙っててやったが…

今回はダメだ。さっきスゥから送られて来た情報によれば、2ndは8機。
普通なら絶対に有り得ねぇ数だ。
そんなにこの基地が大事なのか、それとも…
いや、そんなのは後回しでいい。問題はミュウだぜ。

ウシグモも掃射を続けながら後退を始めている。今のミュウは完全に取り残された形だ。
2ndを8機も相手にするなんざ、自殺と同じじゃねーか!!クソッ!!


ゼ・グォルの同時発射は、地上を逃げ惑う敵機体を次々に消し去った。
更に着弾点から広がる爆発が、直撃を免れた機体を薙ぎ倒した。
極寒の銀世界は、瞬く間にクレーターの点在する赤茶けた荒野になった。
『敵勢力ノ残存率…9%…掃討ニ移行シマス。』
「了解した。各機は残存兵力を掃討せよ。」
147番の報告に応答すると、タイラーは1機だけで向かって来た機体を見る。
28番と交戦中の敵機体。その姿こそ差異は有るものの、2ndに“似ている”と感じた。
(だが敵は敵だ…倒せば良い。ただ…それだけだ。)
6機の2ndはウシグモの弾幕に怯む様子も無く、弾丸の嵐を擦り抜けていく。

28番と敵機体…エイタの戦況はほぼ互角。
ユニオンに刃向かう愚者にしては頑張った方だ。しかし無駄な抵抗もこれで最後。
タイラーは瞬時に音速を突き破り、28番との挟撃ポジションに入る。

『遊ぶのは終わりにしろNo.28……もうすぐ時間だ。』
>>54

>「大丈夫ですよ…(省略)」
>「あの子の所へ」

エリーティアの言葉にドンは逞しさと一抹の不安を覚えた
絶対の自信を持つのは結構な事だが その反面 その自信が戦場では判断を鈍らせる事もある
だが彼女の腕前はドンも大いに認めているし
また彼女の最大の長所はこの自信と明るさなのだ

「この仕事は嬢ちゃんが主役だ…
俺はいつも通り援護に回るから周りは気にしなくていい
今日は嬢ちゃんと一緒だからな退屈しないで済みそうだ」

>>56

>「謙遜たぁ(省略)」
>「また肩を並べるんだが」

「…ッ…!
だが確かにお頭と出られりゃ怖いもんはねえからな
あんたと組んだせいで俺の懸賞金も船長だった頃より大分跳ね上がっちまった
嬢ちゃんのフォローは責任を持ってやらせてもらう
お頭はせいぜい養生してるんだな…
パートナーが若けりゃ俺のやる気も湧くってもんだ!
がはははははは!!!!!」

無論 この言葉は本心ではない
互いを理解し、信頼してるからこそ
このような状況でもこんな軽口も叩けるのだ
また同じくドンも心の奥底ではモニカと肩を並べ出撃でききる日を心待ちにしていた

一人の海賊として尊敬する彼女と共に戦えるのは彼の最大の喜びでもある

ドンは後ろを振り向き ネクタイと帽子の位置を整えると
自分の愛機アルゲマインが待つ格納庫へと向かって行った

64GM ◆GtzExfc62I :2008/11/01(土) 21:56:49 O
>>57>>61
【ソラの自室】
>「ねえねえ、これ持ってみて。微妙に温かくない?」
>「いえ、特には温かくも・・・あれ、温かくなってき、熱っ!!!」
>「も、申し訳ありません!!いきなり熱くなったもので・・・」

ソラが床に落ちたペンダントを拾った瞬間、もうそこは見慣れた部屋ではなかった。
見渡す限り赤土の荒野が広がっていたのだ。
無数のロボットが残骸となって横たわり、禍々しい程に紅い太陽が沈みかけている。
地平線の彼方に、ぼんやりと見えた輪郭…
太陽を背負う為、色までは判別出来なかったが、確かにゴルディカイザーだった。

ヴィジョンは一瞬で消え去り、そこは見慣れた部屋に戻っていた。
何故ゴルディカイザーがあんな所に?
ソラの胸に喩え様の無い不安が、じわりと広がった。


「ソラ様ーッ!!早くしないと打ち合わせに遅刻しますよーッ!!」
遠くから段々と近付いて来る大声。マネージャーのアミーゴ凄杉(すごすぎ)である。
ソラがAKB-31にいた頃からの付き合いがある、数少ない信頼できる人物だ。
「およよっ!?ミヤモトさんもいらっしゃったなら丁度良い。急いで急いで!」



【????????】
ボクはここにいるよ…
ずっと…キミを待っているよ…
早く…早く目を覚まして……
ボクが消えてしまう前に…この星が…

消えてしまう前に…
65ティア ◆cHEmMBe4ms :2008/11/01(土) 22:25:03 0
格納庫に到着したティアは、直ぐさまその最奥へと駆けていく。
向かう先には格納庫内に置かれた他のAMと比べて明らかに巨大な白銀のロボットが鎮座していた。
胸部上面へと繋がる埠頭を渡り、白銀の機体の手前に辿り着いたエリーティアは、
機体眼前に設置された緑の宝石にそっと手を置き静かに語りかける。
「お待たせ、『レグリエス』。今日も一緒に頑張ろうね」
その言葉を待っていたと言わんばかりに緑の宝石に波紋が広がり、
直後、緑の宝石の有った場所に人ひとりが通れる程度の穴が開く。
エリーティアは迷うことなくその穴へと飛び込む――


――穴から降りた先には、不思議な空間が広がっていた。
コクピットである事は間違いないのであろうが、既存のAMの物とは明らかに異なる形状をしており、
むしろ千差万別多種多様な仕様を持つ古代機械の物と言われた方がしっくり来る…そんな空間であった。
エリーティアは空間の中央に浮かぶシートに腰掛けると、
両脇の壁面から飛来してきた浮遊端末の中央部分に左右それぞれの手を当てる。
『――フォノンドライブ起動。シナプスリンク係数及びハーモニクス指数の正常値を確認。
 システム、オールグリーン。何時でも発進可能です』
一瞬端末が緑色に光ると、エリーティアの眼前の空間にウィンドウが開かれ、そこに文字が流れる。
流れる文字を確認したエリーティアは、力強く頷き眼前を見据える。
「……よし、行こう!」
その言葉と共にエリーティアは白銀の機体……レグリエスを起動させ、カタパルトへと移動させる。
「エリーティア・レグリエス、行きます!」
『フォノンジェットエンジン点火、発進します』
カタパルトから勢いよく発進したレグリエスは、アルゲマインの発進を確認すると同時に指定座標への移動を開始した。
66ソラ ◆TnakibaQxg :2008/11/01(土) 23:04:42 0
>>61
>「いえ、特には温かくも・・・あれ、温かくなってき、熱っ!!!」
ホッカイロじゃなくて石焼き芋!?
>「も、申し訳ありません!!いきなり熱くなったもので・・・」
「あれ!? サクラちゃんの剣、なんか光ったような」
サクラちゃんはいつも赤い刀身の剣を持っている。
青い宝石と赤い剣……キタコレ!
などと夢見る者特有の思考を繰り広げながらペンダントを拾う。
>>64
拾った瞬間、ここではない場所にいた。
それは実際には一瞬だったけど、驚くほど鮮明に見えた。
我に返って思う。これはホッカイロとか石焼き芋とか言っている場合ではない。
「今の見えた!? 荒野が広がってて……一面ロボットの残骸で……
ずっと遠くにライオン型の影……多分ゴルディカイザー様がいた……」

気を取り直して朝ごはんを食べながら夢の話をする。
「一週間前ぐらいからなんだけどね。
死体に埋め尽くされた荒野に美少年が立ってて……助けを求めてるんだ」

そんな話をしている間にマネージャーのアミーゴが呼びに来た。
>「ソラ様ーッ!!早くしないと打ち合わせに遅刻しますよーッ!!」
>「およよっ!?ミヤモトさんもいらっしゃったなら丁度良い。急いで急いで!」
「だって今すごいことがあったんだから。これ持ってみて!」
アミーゴにペンダントを渡してみる。
「……いいんですか!? うわあ、綺麗ですねえ!」
……ダメだこりゃ。世の中そんなに上手くはいかなかった。
会議室に向かう道中で密かに決意する。
これはレオ君の眠っている南極に行って真意を確かめるしかない!

「では今日からの全国ツアーについてですが……」
打ち合わせが始まるやいなや、たった今思いついたことを提案する。
「南極に行きましょうそうしましょう!」
「「「…………な、なんだってーーーーー!?」」」
一瞬の間の後、メンバー達の驚きの声が響いたことは言うまでも無い。
67ミュウ ◆xK7dfy5P/g :2008/11/02(日) 16:33:20 0
>59
>一瞬でミュウの視界からその姿を消し、右へと回りこみジュ・ガ≠撃ちこむ。
予想通り、先頭の2ndはレーザーをかわした。
拡散レーザーは広範囲に攻撃できるのが利点だけど、そのせいで
着弾時間に差が出てしまう。ルーラーはそれを本当に正確に計算して避けてる。
私でもできる事だもの……ルーラーにできてもおかしくないわ。

入れ替わる様に別の2ndがこっちに向かってくる。
どれも同じ形だから、どれが隊長機かなんて分からない。
右からの警告、レーザーバルカンを機体を高速回転させながらかわす。
……もったいない、絶好のポイントなのに。どうしてダメなの……?
バカの一つ覚えだけど拡散レーザーで牽制する。
回避してくれればいいの、命中には期待してないから。

……味方との距離はこんなものね。
チャージ開始、終わるまで保たせてみせる。
もっと激しい弾幕をくぐった事もあったのよ、私ならできるわ。

>62
>タイラーは瞬時に音速を突き破り、28番との挟撃ポジションに入る。
なんて、ティアみたいに意気込んでみたのはいいけど、やっぱり世の中って
私が思ってるほど甘くないわね。さっきレーザーをかわした先頭の機体が
目の前にいる2ndと連携して挟み撃ちの形に仕立て上げたわ。

「……なに? このルーラー、他のと違う……。」
確かに感じるわ……このルーラー、他ほどぐしゃぐしゃにされてない。
でも、今の私じゃどうする事もできないの。エイタの力を引き出せなくなった、今の私じゃ。
拡散レーザーを撃ちっ放しにして回避とチャージに集中する。
……フラッシュは撃てるけど、私の狙いはそれじゃない。
チャージが完了するまでにどれだけの2ndが集まってくるかしら……。

レーダーを見ると、トムのダイファルコンがこっちを向いてる。
こんな状況でも私を助けようって事なの? 普段みんなからおバカ呼ばわりされてるけど、
戦場ではきちんとリーダーを務めてる。ちょくちょく同行してる私はそう思ってるわ。
なのにどうしてこんな時にバカに戻っちゃうの? やっぱりただのバカなの?
「来ちゃダメ、リーダーはみんなといなきゃダメよ。」
バカに戻っちゃったトムにこんな通信入れるのは逆効果かもしれないけど、
少しでも冷静さを取り戻してくれれば、私の意図に気づいてくれる、はず……。
68サクラ ◆5Kq11GJKws :2008/11/02(日) 19:21:03 0
>>「あれ!? サクラちゃんの剣、なんか光ったような」
本当に光っている、兄さんがくれた剣が光っている。今までこんなことはなかった
恐る恐る剣を触ってみる
「熱っ!」
熱い、さっき触った宝石と同じくらい熱かった
この剣とあの宝石にどんな関係があるのかはわからないが兄がなにか知っているはずだ
兄に話を聞けたらなにか分かるかもしれない
「うん!絶対そうだ」

私はそう確信した。そんな時に巫女様が話しかけてきた
>>「今の見えた!? 荒野が広がってて……一面ロボットの残骸で……
ずっと遠くにライオン型の影……多分ゴルディカイザー様がいた……」

・・・私には見えなかった
「いえ、なにも。」
正直に答える。ソラ様に見えて私には見えない。宝石と剣、青と赤。なにか因果関係があるはずだ
だけど、それがわからない
朝ご飯を食べながらいろいろと考えていた。そこにソラ様から驚愕の事実が語られる
>>「一週間前ぐらいからなんだけどね。
死体に埋め尽くされた荒野に美少年が立ってて……助けを求めてるんだ」

「えぇ!!そんな物騒な話を一週間もだまってるなんて!夢の話とはいえどうして早く言ってくれなかったんですか!」
ソラ様がそんな夢に悩まされているなんて想像もつかなかった
「うぅ・・・私はソラ様に全然信用されてないんですね〜」
そう思うと急に泣きたくなってきた
私がブルーな気持ちのときに空気の読めないいわゆるKYな人がやってきた
>「およよっ!?ミヤモトさんもいらっしゃったなら丁度良い。急いで急いで!」
凄杉さんだ。どうもこの人は苦手だ、敏腕マネージャーて言われるくらいだから腕はいいのだけれど少々強引なところが苦手だ
全国ツアーの打ち合わせが始まる。護衛のために私はソラ様の後ろに立っている。
開始いきなりソラ様が大技を放った
「南極に行きましょうそうしましょう!」
「「「…………な、なんだってーーーーー!?」」」
ソラ様のビックバンアタックに全員が度肝を抜かす
「南極って何県ですか?たしかゴルディカイザーの神殿があるところですよね?」
日本の地理にはあまり詳しくはない、日本人だけど・・・
ま、見た目は外人だし問題ないですよね?

そう言って自慢の金髪をいじり照れ隠しをしている
「もしかしたら兄がそこにいるかもしれない・・・ソラ様、兄ならなにか知っているかもしれませんよ」
>62
>6機の2ndはウシグモの弾幕に怯む様子も無く、弾丸の嵐を擦り抜けていく。
2ndの常識を逸脱した機動性にスゥは歯軋りする。
ウシグモの背部VLS式ランチャーに装填されているSAMは全てスクラムジェット極超音速ミサイルである。
発射から数秒でマッハ8にまで加速し、100km以内であれば発射から40秒以内で敵機を撃墜可能だ。
しかしそれら全てが悉く回避される。理論上はあらゆる機体を撃墜可能なのに。
しかも近接信管が作動する前に、である。空では虚しい爆発が続いていた。
「何よ、あんたらも訳分かんない古代兵器なの!?」

>67
ちらっとレーダーに目をやれば、突出している機体が二機。
ダイファルコンとエイタだ。
エイタはとにかく、ダイファルコンに乗るトムはリーダーだ。指揮官自らが持ち場を離れるとは…
しかしチャンスだ。ミュウのエイタを挟み込むように二機の2ndが直線状に並んでいる。
ミュウは何やら策があるようでわざとそうさせたようにも見えるが、それが失敗した時の保険は必要だ。
「ミュウ、7秒後にレールガンをぶちこむわ。巻き込まれたくなかったらさっさと終わらせなさいよ!」
88cm電磁砲の発射準備をする為にその場で停止し、地面にアンカーを打ち込んで機体を固定する。
もちろん、対空火器は休む事無く空へ大量の弾薬をばら撒いている。
長大な砲身に莫大な電力が集まり、青白いスパークが瞬く。
「弾種AAC、装填…さーて、避けれるものなら避けてみなさいよ」

[次ターン発射]
70ソラ ◆TnakibaQxg :2008/11/03(月) 00:05:58 0
>>68
>「うぅ・・・私はソラ様に全然信用されてないんですね〜」
「そんなことないって。お姉さん困っちゃうぞー」
サクラちゃんの頭をよしよしする。
彼女は世界が驚く髪の美人で滅法強くて鍵の英雄の妹
つまり妹属性搭載という逸材だが、真面目すぎるのが玉にキズ。
教団には夢見る天然記念物達が跳梁跋扈しているのだ。
例えば四天王の一人、山田太朗とか。そろそろ馴染んでもらわなければ困る。
……そういえば彼女をスカウトした人はどんな離れ業を使ったのだろう。
教団に来る前は行方不明の兄を探して旅をしていたそうだ。なんと7歳の時から。
出来る限り協力してあげたいのだが有力な情報は全く出てこず
22ちゃんねるのVIPで“鍵の英雄は隣で寝てるおwww”などという
典型的な釣りが時々見受けられるぐらいである。

――会議室――
>「南極って何県ですか?たしかゴルディカイザーの神殿があるところですよね?」
「そうそう、南極県! アチョー!!」
中国拳法の物まねをすると、一同が一斉に椅子からずっこける。
「それ太極拳!」
「ちょっとした冗談です。気を取り直して……南極とはここの真っ白なところです。
我らの唯一神、ゴルディカイザー様が眠っていると言われています」
モニターに映し出された地図の最南端の大陸を指し示しながら一同に解説する。
>「もしかしたら兄がそこにいるかもしれない・・・
ソラ様、兄ならなにか知っているかもしれませんよ」
「マジで!? サクラちゃんもこう言ってることだし行くっきゃない!
異論がある人は挙手してください!」
挙手する人は誰もいない。みんな分かってくれたみたいだ。
一同にてきぱきと指示を出す。
「ではすぐに出発の準備を! この事が世間に知れたら信者達が動揺します。
くれぐれも内密に。それと各自おやつは500円以内で!」
一つ重要な事を思い出して付け加える。
「ただしバナナはくれぐれもおやつに持っていってはダメです。
トンカチになってしまい食べれないそうです」
こうして、ウチらは南極に旅立つことになった。
71GM ◆GtzExfc62I :2008/11/03(月) 01:15:56 O
>>63>>65
【旧デトロイト郊外、北東24km地点】
ジラソーレから飛び立った2機は、暫く後に2ndを捕捉した。
皆が揃って感じた嫌な予感的中である。
おそらくこの2ndのせいでテラ社の輸送機が足止めを食らったのは間違いない。
どうやら向こうも気付いたらしい。レーザーソードを抜き放ち、迫って来る。

狙うのはレグリエス。サイズ的に2ndの倍以上の巨体を誇るレグリエスは目立つ。
そして何より、巨体であるが故に機動性の差を活かし、接近戦を仕掛けたのだろう。凄まじい速度で間合いを詰めると、紅い輝きを放つ光剣を横薙ぎに払った。


>>68>>70
【南極、ヴィンソン・マッシーフ山】
「寒い、超寒いです!視聴者の皆さん、あれが獅子のしん…ぶはっ!息するの…キツい!!」
ノリノリな護衛の1人が咳き込んだ。無理もない。
11月の南極は零下約60℃である。呼吸するにもコツが必要になる寒さだ。
しかし、一同の前に聳える巨体建造物の迫力に比べれば、寒さなど些細な事と言える。

獅子の神殿。誰が建てたのかは分からない。
ソラが星の欠片を受け継いだ時に得た、太古の記憶では南極は緑豊かな大地だった。
度重なるポールシフトの末に、今の極寒の地になったらしいが…
ぶっちゃけよく覚えていない。生命創世からの地球の歴史全てを覚えられる筈がない。

どくん…

ソラのペンダントが脈動した様な気がした。
そして、サクラの剣も何か様子がおかしい。
はっきりとは分からない。ただ、それが“警告”だという事は理解出来た。
「あ、流れ星見っけ。えーと…願い事願い事…ん〜と、えー…ええええぇーッ!!!!?」
護衛Bが悲鳴を上げた。
どう見てもメテオです。本当にありがとうございました。
72トム ◆GtzExfc62I :2008/11/03(月) 21:17:14 O
>「来ちゃダメ、リーダーはみんなといなきゃダメよ。」
「生意気言いやがって、100年早ぇんだよ。“空の王者”をナメてんのか?」
ミュウがやろうとしている事は大体見当が付く。
だが“それ”が成功した試しが無ぇ。
なるたけ数を集めたいんだろうが、連中はそこまでバカじゃない。
ハンマーの生き残りはもう10機ちょいしかいねえ。
後は“真っ先に逃げ出した俺達”だけだ。
現に5機の2ndが俺達の船に向かって来やがった。

途中で2機がウシグモに向かう。デカブツな上に足を止めたんだ、格好の的だろう。
残りの3機はそのまま船に直進中、まいったぜ…俺はどうすりゃいい?
他の仲間は皆揃って帰艦している。つまり、今船を落とされたら全滅までリーチ。
スゥを殺られたら弾幕不足で逃げが上手くいかねぇ。
ミュウを殺られても高速機動で攪乱をする殿が居なくなる。

どれが欠けても俺達の負けじゃねぇか!!>「ミュウ、7秒後にレールガンをぶちこむわ。巻き込まれたくなかったらさっさと終わらせなさいよ!」
>長大な砲身に莫大な電力が集まり、青白いスパークが瞬く。
「弾種AAC、装填…さーて、避けれるものなら避けてみなさいよ」


スゥの選択は間違っていない。2ndが最も苦手とする攻撃だからである。
ミドルレンジからの超弾速兵器による不意打ち、これこそが対2nd戦で最も有効な戦術。
ルーラーの視認反応で回避可能な対物速度は平均でマッハ9。
最強のルーラーであるタイラーですら、マッハ10.2を超える速度には反応出来ない。
本来ならばレールキャノンに代表される高弾速砲類は、音速で飛び回る敵には有効ではない。
この類の砲は超々距離での対艦攻撃で真価を発揮するのだ。
なら何故スゥは電磁加速砲の使用を選んだのか。答えはウシグモに在った。
ウシグモに搭載されている常温粒子コンピュータの事象演算能力が導き出す未来予測
 が、音速を超える速度で飛び交う標的の位置を約94.741%の精度にて確定するのだ。

如何に優秀なFCSを搭載していても、砲身が照準の動きに追い付けなければ無意味。
しかしウシグモならば砲身を一切動かす必要も無く、指示通りに引き金を引けば良い。
現存するAMで、唯一この戦法を実行可能なウシグモは、正に対2ndの切り札であった。

そんなウシグモだが、至近距離まで詰められたら脆い。
強硬な装甲は確かに搭乗者が死ぬまでの時間を、たっぷりと引き延ばしてくれるだろう。
だが、わざわざ硬い装甲を丁寧に狙う必要は全く無い。
アンカーを打ち込んだ今、この巨大な蜘蛛は満足に移動すら出来ないのだ。
目障りな外装火器をジュ・ガにて焼き払う。
弾薬への誘爆が装甲を形骸化させ、内部にダメージが届く事となった。


俺はどうすりゃいいんだ!?このままじゃ誰も助けられねえ!!
決めろ!今何をすりゃいいのか!!決めるんだよトム!!!!!!
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
無我夢中だった。ただ単に、もう我武者羅だっただけだ。
まだガキだった頃、母ちゃんが言ってた言葉を思い出しちまったからな。

どれかひとつで迷ったんなら、いっそ全部選んでしまいな。それが海賊ってモンだよ。

ハハハ、母ちゃんの言う通りだぜ。全員助けりゃいいんだよ!!
「だってよォ、俺様ァ海賊だからな!!!!」
73ティア ◆cHEmMBe4ms :2008/11/03(月) 21:46:19 0
>>71
「予感、的中だね。あんまり嬉しくないけど……って、そんな事言ってる場合じゃないよね!」
進行方向に2ndの存在を捕捉したエリーティアは、速やかにガーラルブレードの展開を行う。
これ迄の戦いから得られた経験では、間に合うか間に合わないか正直ギリギリのタイミングである。

> 凄まじい速度で間合いを詰めると、紅い輝きを放つ光剣を横薙ぎに払った。

結論から言えば、エリーティアは賭に勝った。
構築に成功した白銀の刃は、横薙ぎに払われるレーザーソードを正確に捉え、それを受け止める。
……刹那、白銀の刃は圧力に負けて粉々に砕け散ってしまったが、
しかし確かにレーザーソードから主を逃れさせる事には成功したのだ。
『ブレード崩壊。再構築まであと10秒』
「っ……何時も何時も思うけど、チート過ぎるよこいつ! 」
そう言いながらもエリーティアは全く淀みなくレグリエスを動かす。
「行くよ、マシンガンナックル! てりゃぁぁぁぁぁっ!!」
巨体にあるまじき加速度でもって2ndへと更に肉薄したレグリエスは、
その勢いのままに弾幕を思わせるような速度で連続的なジャブを放っていく。
74GM ◆GtzExfc62I :2008/11/03(月) 22:44:21 O
>>73
【旧デトロイト郊外、北東24km地点】
先ずは1機仕留めた。そう思ったルーラーは、次の瞬間それは間違いだと思い知らされた。
間一髪で間に合ったガーラルブレードに、ディ・ゴの斬撃が阻まれたのだ。
だが相手のブレードは砕け散った、もう一撃当てれば…
そう判断して振り返ると、そこには既にレグリエスの巨体が迫る。

「ッ!?」

>「行くよ、マシンガンナックル! てりゃぁぁぁぁぁっ!!」
>その勢いのままに弾幕を思わせるような速度で連続的なジャブを放っていく。
流石に想定外。完全に反応が遅れた2ndは避け切れずに被弾した。
それでも右腕1本を失っただけで済んだのは、驚異的な機動性だと言える。
思わぬ強敵の出現に、ルーラーは迷った。増援を要請すべきか否か。
相手は2機。片方は旧式の汎用機だ、眼前の巨大な機体に比べたら確実に劣る筈。

つまりはレグリエスさえ倒せば、アルゲマインはなんとでもなる。
その考えが大きな間違いだったと知るのは、この後僅か十数秒後であった。


【スニークスニーカー船内】
「ミリィ、向こうさんと話が着いたわ。どうやら迎えに寄越した機体が2ndと交戦中よ。」
戦闘の様子をモニターで確認して、ヘレンがミリアムに連絡を入れた。
現状では、ややバルロワ側が優勢に見える。しかし相手は2nd。
ほんの一瞬でも気を緩めたら、その瞬間には死んでいる…そんな敵なのだ。
「それと報酬の件だけど、要らないってさ。びっくりしたわよ、海賊なのにね。」

「脚部カタパルトに固定完了!コンディションオールグリーン!ミリアムさん、行けます!!」
整備員がスタートフラッグを上げた。
ハッチがゆっくりと開く。先程まで潜水していた為か、雨が降っている様に見えた。
7572改訂版 ◆GtzExfc62I :2008/11/03(月) 23:49:50 O
>>67>>69
【アラスカ戦線】
>「来ちゃダメ、リーダーはみんなといなきゃダメよ。」
「ナマ言いやがって、100年早ぇんだよ。“空の王者”をナメてんのか?」
ミュウがやろうとしている事は大体見当が付く。
だが“それ”が成功した試しが無ぇ。
なるたけ数を集めたいんだろうが、連中はそこまでバカじゃない。
ハンマーの生き残りは、もう10機ちょいしかいねえ。
後は“真っ先に逃げ出した俺達”だけだ。
現に5機の2ndが俺達の船に向かって来やがった。

途中で2機がウシグモに向かう。デカブツな上に足を止めたんだ、格好の的だろう。
残りの3機はそのまま船に直進中、まいったぜ…俺はどうすりゃいい?
他の仲間は皆揃って帰艦している。つまり、今船を落とされたら全滅までリーチ。
スゥを殺られたら弾幕不足で逃げが上手くいかねぇ。
ミュウを殺られても高速機動で攪乱をする殿が居なくなる。

どれが欠けても俺達の負けじゃねぇか!!

>「ミュウ、7秒後にレールガンをぶちこむわ。巻き込まれたくなかったらさっさと終わらせなさいよ!」
>長大な砲身に莫大な電力が集まり、青白いスパークが瞬く。
>「弾種AAC、装填…さーて、避けれるものなら避けてみなさいよ」

スゥの選択は間違っていない。2ndが最も苦手とする攻撃だからである。
ミドルレンジからの超弾速兵器による不意打ち、これこそが対2nd戦で最も有効な戦術。
ルーラーの視認反応にて回避可能な対物速度は平均でマッハ9。
最強のルーラーであるタイラーですら、マッハ10.2を超える速度には反応出来ない。

本来ならばレールキャノンに代表される高弾速砲類は、音速で飛び回る敵には有効ではない。
この類の砲は超々距離に於ける対艦攻撃でこそ真価を発揮するのだ。
なら何故スゥは電磁加速砲の使用を選んだのか。答えはウシグモに在った。
ウシグモに搭載されている常温粒子コンピュータの事象演算能力が導き出す未来予測が、
音速を超える速度域で飛び交う標的の位置を、94.741%の精度にて確定するのだ。

如何に優秀なFCSを搭載していても、砲身が照準の動きに追い付けなければ無意味。
しかしウシグモならば砲身を一切動かす必要も無く、指示通りに引き金を引けば良い。
現存するAMで、唯一この戦法を実行可能なウシグモは、正に対2ndの切り札であった。

そんなウシグモだが、至近距離まで詰められたら脆い。
強硬な装甲は確かに搭乗者が死ぬまでの時間を、たっぷりと引き延ばしてくれるだろう。
だが、わざわざ硬い装甲を丁寧に狙う必要は全く無い。
アンカーを打ち込んだ今、この巨大な蜘蛛は満足に移動すら出来ないのだ。
2ndが目障りなCIWSをジュ・ガにて焼き払う。
次々に爆発炎上する対空兵装を尻目に、もう1機の2ndがディ・ゴで脚部関節を串刺しにした。


(やはり“似ている”な、何者なんだ…)
繰り出す攻撃を躱し続けるエイタを見て、タイラーは考える。
眼前のエイタは、来週ロールアウトする新型の2ndに酷似していたからだ。
(確かめてみるか……?どういう事だ…何故“そう思った”んだ?………くっ!!)
脳を焼き切られる様な激痛に、タイラーの2ndが一瞬だが体勢を崩した。
今の判断が思考プロテクトによる制限域に抵触した結果である。

「く…消えろ……秩序を乱す愚者め!!!」
彼は気付いていなかった。自分が、感情を剥き出しにしたという事実に…


気付いていなかった。
>>71>>73
「俺の予想は大外れか…相手が2ndとはな
このボロじゃ分が悪すぎるぞ…」

敵機との機体性能差が歴然としている以上 無闇に突っ込む様な真似はできない
十分に距離を取り、様子を伺いながら
ティアの援護に回ろうと試みる

>凄まじい速度で間合いを詰めると(中略)

「嬢ちゃん!!!!!」

思わずドンは大声で叫んだ
2ndとAM 性能で言えば絶対2ndの方が有利である
ティアがやられたのではという事が一瞬頭をよぎったが
寸手の所をブレードでカバーし
華麗とも形容できるジャブを勢いよく打ち 2ndの右腕を破壊した

「流石だ…嬢ちゃん…
大抵の機体なら、あれを喰らってまともな形は保てねえ…
てことは2ndの機動性は並じゃない…
ここからが本番だ…気を抜くな」

肩の後ろ部分にあるバズーカを構えると2ndに狙いをつける
機体備え付けの照準装置も撃つまでに一手間も二手間もかかる旧式だ

「嬢ちゃん聞こえるか?
まず俺がバズーカでレーダーを混乱させるアルミ泊入りの煙幕を展開する…
そしたら閃光玉を連発するから
嬢ちゃん…その隙をついて奴にトドメを刺せ…
もちろん煙幕を展開後は嬢ちゃんのレーダーも性能が落ちるか全く使えなくなるかもしれん…
だが今、俺が思いつく一番良い作戦だ…
もしもの時はアルゲマインごと攻撃しろ…頼んだぞ…」

2回の爆音の後 周囲がキラキラとしたアルミ泊と共に濃煙に包まれる

そして脚部に収納されていたグレネードランチャーを無造作に連射した その時
目の前が真っ白になるほどの閃光が周りに炸裂した

「嬢ちゃん 今だやれぇぇぇ!!!」
77ソラ ◆TnakibaQxg :2008/11/04(火) 00:13:29 0
>>71
そんな訳で4日後、南極にやってきた。
目の前の荘厳な宮殿を前に、すごい事を思いついてしまった。
「……これこそまさにレ○パレス!」
「敷金礼金無料ですね、分かります……っていくらなんでも不謹慎です!」
背景でペンギンが震えているように見えるのは多分気のせいである。
でもペンダントが脈動したように感じたのはきっと気のせいではない。
「え、何!?」
間違いない、何か恐ろしい事が目前まで迫っている。一刻も早くここを離れなければ!
>「あ、流れ星見っけ。えーと…願い事願い事…ん〜と、えー…ええええぇーッ!!!!?」
>どう見てもメテオです。本当にありがとうございました。
本当に目前まで迫っていた。なんという分かりやすいピンチ!
「直撃コースだあああ!」
逃げようとするものの遅々として進まない。雪に埋もれて転ぶ者が続出する有様だ。
「ソラ様、こっちです……ぎゃふ!」
「嫌だ―――!! 死にたくないよ―――――!!」
「鼻水付けるな―――――!」
辺りは一瞬にして阿鼻叫喚の事態となった。
「サクラちゃん、来いイシュタルってやって迎撃してーーーーー!」
ロボットアニメじゃあるまいし我ながら滅茶苦茶である。
78サクラ ◆5Kq11GJKws :2008/11/04(火) 00:36:51 0
>>70
「ではすぐに出発の準備を! この事が世間に知れたら信者達が動揺します。
くれぐれも内密に。それと各自おやつは500円以内で!」
おやつ・・・う〜ん、とりあえずう○い棒50本持っていこう

〜南極〜
「さ、寒いです!!とっても寒いです!!鼻水が凍ってます」
寒すぎてガタガタ震える、いつも通りの格好で来たら凍え死にそうだ
「南極って外国だったんですか!!先に行ってくださいよ」
地図で説明されていた時サクラはなにをしていたのだろうか・・・
そんなどうでもいいことは置いといて話を進める

【ヴィンソン・マッシーフ山】
「寒い、超寒いです!視聴者の皆さん、あれが獅子のしん…ぶはっ!息するの…キツい!!」
ついに着いた神殿・・・
「大きい」
あまりの大きさ神々しさにぽつりとそれだけを漏らす
しかし、その凄さで寒さを忘れられたのは一瞬、もう限界だ!!
「もう限界です!!イシュタル!カァァァァァァムヒィアァァァァァァァ!」
サクラ高らかに叫び手を高く掲げ指をパチンとならす
するとサクラの後ろにあった雪の固まりがゴゴゴゴゴと鳴動し始め、雪が激しく飛び散り蒼穹のような美しい外装を
持ち尚かつ女性らしいフォルムを持ったロボが姿を現した
サクラは胸のコクピットまで跳躍し中に入る
「あ、温か〜いって、熱っ!」
腰が急激に熱くなった・・・いや、腰に差している剣が熱を帯びている
二度目だ、この神殿が関係しているのだろうか?神殿が私たちを歓迎している?
答えは否だった。 これは警告だった・・・

>「あ、流れ星見っけ。えーと…願い事願い事…ん〜と、えー…ええええぇーッ!!!!?」
護衛Bが悲鳴を上げた。
どう見てもメテオです。本当にありがとうございました。

「冗談ですよね!!」
だれに問いかけたのか?メテオにか?メテオはなにも答えない当たり前だ
「と、とりあえず!必殺必中セルシウスアロー!」
手を弓を持つかのように構え弦を引くかのように手を動かす、手の動作ともにエネルギーでできた実態のない弦が現れ
冷気のエネルギーで出来た矢が構成されていく、弦を限界まで引き指を離す
解放された冷気の矢がメテオに貫こうと猛スピードで向かっていく
79MKY降臨 ◆GtzExfc62I :2008/11/04(火) 06:33:41 O
>>77-78
【南極、ヴィンソンマッシーフ山】
>「サクラちゃん、来いイシュタルってやって迎撃してーーーーー!」
>「もう限界です!!イシュタル!カァァァァァァムヒィアァァァァァァァ!」
偶然なのか魂のシンクロなのか、ソラの願いは叶えられた。
地形ボーナスによる『攻撃力20%UP』の恩恵と共に現われるイシュタル。
迫り来るメテオに対して放たれるは必殺必中の矢!!
>「と、とりあえず!必殺必中セルシウスアロー!」
発射された冷気の矢がメテオを貫き、木っ端微塵に吹き飛ばした。

「凄い!流石は巫女様の護衛だ!ホ〇リー無しでメテオ止めたッ!!」
「ちょww黒マテリアざまぁwwwwww」
等と先程までのパニクった醜態は何処へやら、皆が危機の消滅を喜び合っている。
しかし、サクラの剣は未だに熱を帯びたままだ。
そしてそれはソラのペンダントも同様だった。


【南極上空3万m】
時間は少々遡る。そこでは激しい戦いが繰り広げられていた。
奇怪な謎の生物と戦う2機の古代ロボ、その名は阿修羅と秋葉萌(本名クシナダ姫)。
「くそ…一体何なんだコイツは。斬っても斬ってもまるで手応えが無いぞ…」
阿修羅を駆る少年(実は中年)ユーリが、苛立ち混りにぼやいた。
「だったら萌に任せるお!!………虚空より来たれ!メテオストライク!!!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!

魔力の軌跡が空を走り、完成した魔法陣からひょっこりと出て来た隕石。
「あ…なんだか超ちっちゃい!!」
かなりの自信があったのだが、今一つの大きさに萌は不満を顕にする。
「てゆーか出す場所考えろ!あれじゃ当たんねーよ!!」
ユーリが指摘した通り、謎の生物とは明らかに離れた位置である。
「残念!魔法はクーリングオフ効かないお。」
「マズい!地上に人がいたら大変だ!…って冷静に考えたらここ南極だし大丈夫かな?」

地上へと突き進むメテオを見送り、萌のパートナーの秋葉系(本名スサノオ)がホッと一息。
ちょうどこの瞬間、地上ではサクラが>「冗談ですよね!!」と叫んでいた。


【再びヴィンソンマッシーフ山】
昔の人は本当に上手いこと言ったものである。『一難去ってまた一難』だ。
無事を喜び合う一同の目の前に、凄まじい勢いで2機の古代ロボが墜落した!!!!
衝撃が積雪を撥ね上げ、視界は白一色に染まる。

「…ちくしょう油断した!!でもここが南極で良かったな。人いたらシャレにならねーし。」
「まったくだよ、市街地とかだったら僕達大量殺人犯かも。本当に人が…居…た…」
起き上がる2機が、ソラ達を見付けて叫んだ。

「「「人いたアアアアアアアアァァァッ!!!!」」」
80ミュウ ◆xK7dfy5P/g :2008/11/04(火) 21:20:21 0
>69、>75
>次々に爆発炎上する対空兵装を尻目に、もう1機の2ndがディ・ゴで脚部関節を串刺しにした。
刻々と状況の変化する戦場で何かに固執する事は死を意味する。
逆に言えば、一つの事に固執せざるを得ない状況を作り出された場合、
当然周囲への注意は逸れる。初めはルーラーを釣って一つ所に固めるつもりだった。
が、ミュウを撃墜すべく攻撃を仕掛けてくるルーラーは何度か交戦した中でも
特にやりづらい相手だったのがミュウの誤算。結果けん制が他の2ndにまで回せなくなり、
注意をひきつける事ができず追撃を許した。拡散レーザーの自動射撃モードの
攻撃優先順位を設定したままだったのもミスである。

「……焦ってるの? 私……。」
エイタの機能も、自身の力も中途半端な状態のままファミリーに拾われて一年が過ぎた。
自分でも気づかない焦りが、ほんの僅かなミスも許さない戦場でのミスを誘発したのだろう。
“心”を得て一年少々、未熟そのもののミュウには他人を巻き込むようなミスを
起こしたことが重く圧し掛かる。

>「ミュウ、7秒後にレールガンをぶちこむわ。巻き込まれたくなかったらさっさと終わらせなさいよ!」
>「ナマ言いやがって、100年早ぇんだよ。“空の王者”をナメてんのか?」
それでもスゥとトムは諦めていなかった。死神に取り付かれ、死が確かな足音を
響かせながら迫ってきながらも、である。二人の意志の強さに折れかかった“心”を
支えられたような気がしたミュウは、

「……アイスキャンディー食べたい。トム、終わったら買って。
 もちろん、スゥの分も……スゥも食べるよね?」
それに応えようと戦いの後の事を唐突に語りだす。つまり、絶対に生きて帰ると言う―――。

>脳を焼き切られる様な激痛に、タイラーの2ndが一瞬だが体勢を崩した。
>「く…消えろ……秩序を乱す愚者め!!!」
回避に集中していたからこそ見逃さなかった。コンピュータを思わせる
正確無比な行動を取り続けていた2ndの片割れ、自分の背後を取り続けている方が
不意に姿勢を崩したことを。同時にミュウは確かに感じたのだ……ルーラーの“感情”を。

「……やっぱり、このルーラー……感情がある?
 でも今のは、爆発……?」
それまで感じなかったものを感じ取ったミュウは、ボンバーの為にチャージしていた
エネルギーをフラッシュに回すことにした。遠くの2ndには意味が無いが、
交戦中の二機には、距離的に十分な効果が期待できる。モニターが使えなくなれば、
いくらなんでも精密射撃は出来なくなるはずだから。
「今そっちに行くよ。フラッシュ。」
エイタから凄まじいまでの光の爆発のような物が発生し、それまで撃たれていたジュ・ガが
すべて消滅、空いた隙間を縫うように最大加速でウシグモと旗艦に張り付いた2ndに向かった。
81ティア ◆cHEmMBe4ms :2008/11/04(火) 22:20:41 0
>>74
> 流石に想定外。完全に反応が遅れた2ndは避け切れずに被弾した。
> それでも右腕1本を失っただけで済んだのは、驚異的な機動性だと言える。
「…当たった!?」
その戦果に誰より驚いていたのは他ならぬエリーティア本人だったのではないだろうか。
機体の大きさと思いきりの良い踏み込みが相まって、レグリエスの攻撃効果を二倍三倍にも引き上げたのである。
「……よし、このまま一気に畳み掛けるよ!」

>>76
> 「嬢ちゃん聞こえるか?(後略)
「了解しましたドンさん!」
『敵機、機動予測を開始します』
ドナルドの作戦を聞いたエリーティアは、直ぐ様ガトリングレーザーをばら蒔きながら10歩分ほど間合いを離す。
その際、アルゲマイン及びスニークスニーカーと軸線をずらしたのは意識的な配慮である。
「……もしもの時なんて、絶対させないよ。ギア・デスティニー開放!」
エリーティアの掛け声と共に中空に制止したレグリエスの胸部装甲が展開していくと、
内側にあるコアユニットの前面中央に位置する緑色の結晶体が眩いほどに輝きだす。
よく見ると、結晶体の中心へと緑色に煌めく光の奔流が集束されていくのが見て取れた。

> 「嬢ちゃん 今だやれぇぇぇ!!!」
「行きます! 鳴り響け、私だけのメロディー!!」
『ギア・デスティニー発射』
ドナルドの通信とほぼ同時に胸部中央の結晶体が太陽の如き眩い輝きを放ち、
その一瞬後、膨大なエネルギーの奔流2ndの居ると思われる空間へと放たれた。
8228番 ◆gyalxMCbGw :2008/11/04(火) 22:38:21 0
>>62 >>67 >>80
おかしい……感情のない28番だがどこかで目の前の相手がおかしい≠ニ理解した。
今までの目標や敵とは違い、目の前の相手はこちらの動きについていけているからだ。
いや、そうじゃない、問題は相手がこちらの戦い方に酷似しているという点なのだ。
牽制の拡散レーザーを回避しまたこちらもジュ・ガを撃ちこむ。
互いに決定打のないまま一分が過ぎようとしていた……

>『遊ぶのは終わりにしろNo.28……もうすぐ時間だ。』
その時、タイラーから通信がかかる。
遊びという概念は28番にはないがタイラーが何を言わんとしているのかは理解した。
「……了解」
そして通常の人間なら押しつぶされるほどの急加速をし音速を一瞬で超える。
牽制と回避を続ける目の前のミュウをタイラーとのコンビネーションで
着実に追い詰めていく。機械的に冷徹に……しかし、突如目の前でタイラーの異変を眼にする。
自分と同じように今まで冷徹にUOの剣であり盾でありつづけたタイラーが一瞬、
迷いのようなものを見せて動きが止まったのだ。
「………………」
タイラーの発生した感情と思考プロテクトによる体勢の崩れを理解できない28番。
>「く…消えろ……秩序を乱す愚者め!!!」
感情に支配された声……それを聞いて28番はタイラーを戦力外と判断した。
挟撃用コンビネーションS-S-2の形を瞬時に解き一人でミュウへと機を加速させる。
2ndの左腕から現れたプラズマを収縮させ赤く発光する光の刃……
例え何だろうと理論的には斬ることができるディ・ゴ≠サの刃が振り下ろされる時、
UOへの反動者がまた一つ消える。まさに断罪の刃といえる。
「…………排除…………」
そして今正にミュウの駆るエイタにその腕が振り下ろされとしたとき!どこからか声が響く

――大いなる力を操る 愚かな人形よ――

はっきりと聞いた声に今までターゲットしか見てなかった28番がはじめて周囲を見回す。
その一瞬、辺りを見回した一瞬が初めて28番に失敗を経験させる。
目の前にいるミュウの駆る2ndに似た機体から放たれた光……

――記憶を失いし人形よ 汝 誰が為に戦い何をつかむ――

モニターが焼けつき行動不能に陥る……レーダーには時機から離れていく光点。
しかし、それよりも28番はさっきから聞こえる謎の声の方を気にしていた。
「………………」
どうかしたのかモニターが復旧したというのに
ミュウを追うこともせず静止を続ける2nd
そのコクピットの中では28番が顔をふせうずくまる。
目には虚無ではなく確かに闇を映していた……

「記憶………・メモリー………?」

今28番は完全なる無防備に陥っていた。
83ソラ ◆TnakibaQxg :2008/11/04(火) 23:48:15 0
>>78-79
サクラちゃんの活躍によりなんとか危機を脱したものの
目の前に巨大な物体二つが墜落してきた。
視界が開けるなり謎のロボット二機が叫ぶ。
>「「「人いたアアアアアアアアァァァッ!!!!」」」
「ちょwwwメイドロボ」
「最近のメイドロボは喋れるのか……じゃなくて!
巫女様、危険です。ここはミヤモトさんに任せて逃げましょう!」
護衛達に引きずられて遠ざかっていく。
しかし、メイドロボは見覚えがあるような気がした。
前見たときより少し豪華なので、別人かもしれないが。
「待ってください! あのメイドロボは私の恩人かもしれません!」
「メイドロボが恩人!? 寝言は寝てからおっしゃってください!」
必至に訴えるものの、聞き入れてもらえない。
無理も無い、あの聖戦は一部の関係者しか知らない。
というより後から聞いても誰も信じないので、都市伝説と同じような扱いだ。
そういう自分も戦いの最中の事は洗脳されていたためはっきりとは覚えていないが
モエちゃんはものすごく強かった事だけは覚えている。
待てよ、そのモエちゃんが撃墜されるってことは……サクラちゃんが危ない!
「私も戦います! なんでもいいから適当なAMを出してください!」
「お願いだからやめてください、自殺行為です!
自動車すらまともに運転できないじゃないですか!」
護衛に真理を突かれて何も言えなくなる。そんな時だった、謎の声が聞こえてきたのは。
『ふわぁ……あやつらが騒ぐゆえ起こされてしもうたわ』
直接頭の中に響くような声。星の欠片が眩い光を放っている。
「あなた……なの!?」
『問おう、汝が妾の主か?』
「……多分」
『……どうせなら美少年が良かったけどのう、仕方あるまい。
力を貸して欲しくば妾の教える通りに言うのじゃ!』
一言余計だが、言われた通りにする。
「汝は調和の女神、音律を統べる者……」
ちなみにこの間に、護衛達が大慌てで逃げる。
「大変だーーーーー! 何か出るぞーーーーー!」
「ついに覚醒ですね、分かります!」
護衛が避難完了した頃、呪文らしきものが完成する。
「我と響きあい、其の姿を現せ!」
その瞬間、目の前がホワイトアウトし、不思議な感覚に包まれる。
経験した事は無いけど、なぜか美少女戦士ものの変身シーンに近い感覚だと思った。
>75
2ndの接近を告げる警報が狭いコクピット内に鳴るよりも早く、スゥは濃密な煙幕を瞬時に展開する
スモークグレネードを発射した。2ndの武装は光学兵器が主体となっている。レーザーは大気中の
ガスや塵などによって減衰するので、非常に濃い煙幕が張られれば威力は低減する。
が、それはあくまでも気休め程度だ。2ndが搭載する光学兵器ほどの大出力ともなれば関係ない。
それに彼が使う光学兵器は波長が大きく、粉塵に対する透過率が非常に高い。
至近距離から撃ち込まれるレーザー兵器で対空兵装が次々と破壊され、機体内の弾薬が誘爆を
起こす。もちろんウシグモには誘爆処理が施されており、たとえ機体内の弾薬が誘爆したとしても
その他の部位にダメージを及ぼさないように爆発は外に逃げるようになっている。が、それなりの
衝撃もある。駄目押しでもう一機の2ndが取り付き、八基ある移動脚の内の一基を串刺しにする。
誰から見ても絶体絶命の窮地である。しかし、スゥは笑っていた。嘲笑っていたのだ。
「アハハハハ!!!!かかったね!アンタ達は本当に馬鹿だわ!!!」
さも愉快そうに笑うスゥ。それと時を同じくして、二機の2ndに異常が発生する。
動かぬ砲台と化したウシグモを中心に形成される濃密な煙幕。それはただの煙幕ではなかった。
煙幕の中にはエアーフィルターを透過するほどの微細な粒子である、高濃度の超微金属粉末が
混入されていた。2ndの動力が何かは知らないが、空気中の酸素を取り入れて消費する事だけは
分かっている。ならばそれだけで充分だった。超微金属粉末は動力系統にオーバーヒートを起こ
させる。動力系統内に取り入れられた金属粉末が異常燃焼を起こすのだ。
しかし何時までも笑っているスゥではない。連中はあの2ndだ。すぐに異常事態から復帰するだろう。
そうする前に叩き潰すべく行動していた。
対空兵装を破壊したが金属粉末を吸い込んで動きの鈍った2ndには副砲の46cm連装砲を叩きこむ。
発射した砲弾はAAC(Anti Aircraft Canister:対空散弾)だ。正確に入力されたデータに従って炸裂した
巨大な砲弾は大人の握り拳ほどもあるタングステンカーバイドの鉄球を数千個も撒き散らし、それらは
全て2ndが機動する線の上で待ち構えていた。2ndは自ら進んで鉄球の雨の中に突っ込む。2nd自体が
超音速で機動しているので威力は自ずと累乗される。
移動脚に取り付く2ndには、掩蔽壕を掘る為の普段は折り畳まれて機体側面に収納されているバケット
アームを振りかぶった。ひと掬いで何十トンもの土砂を掘り起こすパワーがあるのだ。それで殴られれば
どうなるかは想像に難くはない。

>67
ミュウのフラッシュの炸裂と同時に硬直する2nd。
「アンタもちゃっちゃと去ねええええええええええええええええ!!!!!!」
ミュウの離脱と同時にレールガンから紫電が迸り、88cmもある砲弾が音速を遥かに超える速度で飛翔する。
放った砲弾はAAC。つまり巨大な散弾だ。目標の手前で炸裂したそれは、相手の退路をも包み込むように
鉄球の濃密な幕を形成する。鉄球の一つ一つは大した大きさではないが、それら全ては秒速18kmで飛んで
いるのだ。それだけの速さで飛ぶ移動体が生み出すエネルギーがどれほどものか。
最後のレスアンカーは>80と>82です。
86サクラ ◆5Kq11GJKws :2008/11/05(水) 01:22:14 0
>>79-83
>「「「人いたアアアアアアアアァァァッ!!!!」」」
メテオを撃ち落とした後、次はロボットが落ちてきた
何かに驚いている、その声はどこか聞いたことがある気がする
>「ちょwwwメイドロボ」
「最近のメイドロボは喋れるのか……じゃなくて!
巫女様、危険です。ここはミヤモトさんに任せて逃げましょう!」
メイドロボ・・・その言葉が耳に入った瞬間に怒りが沸き上がったきた
そんなとち狂った外装のロボットなど一人?しかしらない!
「ケイとモエ!ここであったが100年目!兄さんを返してもらいます!」
絶対の自信があった。兄は一緒にいる、ついに探し求めた兄に会える
旅に出てすぐに兄に会えるなんて神様ありがとう。伊達に800万もいないのね
そして、邪魔者には消えてもらいます
「兄を返してもらいます!死ねぇぇぇぇぇ!ホォォォォミングゥ!ビィィィィム!」
殺気、憎しみ、嫉妬ありとあらゆる負の感情をぶつける。普段は死ねなんて口に出さない心優しいサクラが狂気に満ちた顔で笑っている
「サクラちゃんが怖いよ〜」
「サクラちゃんはあんな人じゃない!あんな人じゃないんだよ〜!」
他の護衛がそんなサクラの姿を見て恐怖に震えだす
ありったけのホーミングビームを打ち込みガーディアンソードをゆっくりと抜く
「いままで兄をお世話していただいたお礼です。苦しまずに殺してあげます」
まさかサクラがここまでヤンデレだったなんて・・・おじさんビックリです
雪の上を高速で滑り一気に距離を詰め、大上段から一気に剣を振り下ろす
必殺の威力が秘められているのは一目瞭然でした
87ソラ ◆TnakibaQxg :2008/11/05(水) 16:43:34 0
気がつくと、魔法少女のような衣装を身にまとい操縦席に座っていた。
青い宝石は胸元のリボンの中心に収まっている。
夢みたいだ、まともに古代ロボに乗る日がくるなんて。
そりゃあ過去に何回か変な事件に巻き込まれた事こそあったけど。
まだ半信半疑で辺りを見回す。
「すごい……すごいよ!」
周囲を取り囲むモニターには色んなデータが映し出されている。
機体名はハルモニア。綺麗でかっこいい女神様のような姿をしている。
しかしふとわれに返って呟く。
「操縦とかマジ無理なんだけど……」
『たわけ! この妾がそこらのロボットのように操縦を受けると思うてか!?
そこにある鍵盤に魂を叩き込むのじゃ!』
目の前を見ると、見慣れた白と黒の鍵盤。足元には3つのペダル。
要するにこれを弾けということなのか。それならいけるかもしれない!
ウチ、いや、オイラは、初めてステージに立った時のように笑っていた。
「よろしくね、ハルモニア。略してハル、いっくよーん!」
『いきなり馴れ馴れしいわっ! ところでアレはいいのか?』
「ん?」
>>86
サクラちゃんがメイドロボにホーミングレーザーを打ち込んでいる所が
ドアップで映し出された。
「ほげえええええ!? らめぇえええええええ!!」
止めなきゃ! 早く止めなきゃ! 
無我夢中で奏でるは、速弾きの伴奏とシンプルなメロディ。
スイスの作曲家ラフの作品157−2《糸を紡ぐ少女》!
それに応えるようにハルが腕を振ると、巨大な竪琴のようなものが現われた。
驚くほど器用に弾かれる弦から、光の粒が舞う。
聖弓ハープ。音律の女神が奏でる、47本の弦をもつ魔道装置。
他に類を見ない精巧な作りの指先が、無限ともいえる技のバリエーションを可能にする。
……とはモニターに出てきた説明文からの抜粋。
光の粒が収束し、無数の矢となりイシュタルにむかって放たれる。
それはいいのだが、少し心配になった。
「……まさか攻撃力無いよね!?」
『安心せい、妾は無益な殺生は好まん!
対象に当たると魔力の糸に姿を変えて拘束するだけじゃ!』
88GM ◆GtzExfc62I :2008/11/05(水) 17:56:24 O
>>80>>82>>84
【アラスカ戦線】
ウシグモに張り付いていた2機が、穴だらけの残骸と、半身が潰れて折れ曲がった残骸になった。
2ndに動力機関は存在しなかったが、スモークに含まれた粒子は関節の動きを阻害した。
故に避けるのは難しくない攻撃も、必中となったのである。
しかし戦況は依然として不利のままだ。遊撃部隊の船に迫る3機の2nd。

>「今そっちに行くよ。フラッシュ。」
閃光に目を焼かれる直前でタイラーは反転し、光から目を守る。
どうやら敵の狙いは離脱、おそらく自分達の艦を守ろうと向かうのだろう。
視界の片隅に見えたウシグモの電磁加速砲の砲身に、タイラーは瞬時に行動を起こした。
>「アンタもちゃっちゃと去ねええええええええええええええええ!!!!!!」
発射された弾頭が炸裂する。鋼の黒雲が広がり、襲いかかって来た。
勿論だが、その弾速に反応は出来なかった。だからこそ、彼は28号の前に立ち塞がったのだ。

(何故だ…俺は…何故こんな行動を……選ん…………………)

一瞬で黒雲は彼方に消えて、残されたのは28号のみ。
タイラーの2ndは、もう存在していなかった。


【ユグドラシル第四階層パンデモニウム】
「なるほど、地球人類がクトウリュウを倒せた理由がよく分かったよ。」
アラスカの戦闘を眺めながら、ギュナ=エンタリアは苦笑した。
「面白い装備だね、“エピタフ”にあれを積んでみよう。“あいつら”にも効きそうだし。」
「無駄だ。“あいつら”には地球文明の兵器は通用しなかったではないか。」
ギュナを否定した巨漢…ガラン=グロリオスが、失笑する。
「足止めにはピッタリだよ、あの弾速なら避けられる心配も要らないしね。」
2人はまるで世間話でもしているかのように、気楽な態度だった。
地球の存亡を決する戦いで勝ち残る為の算段を話し合っている様には見えない。

ギュナが椅子から腰を上げた。
「何処に行く、まだ戦闘は終わった訳ではないぞ?」
「だからさ、可愛いボクのルーラー達を“迎えに行く”んだよ。」
呼び止めるガランに向き直る事なく、ギュナが答えた。


【再びアラスカ戦線】
28番は信じられない出来事に、益々混乱した。
タイラーが…ルーラーの頂点に君臨し続けた男が、身を呈して28番を庇ったのだ!
とても理解出来ない行動だった。
28番が知る限り彼の行動を思い出してみたが、タイラーは優秀なルーラーでしかなかった。
感情を剥き出しにする事など、唯の一度も無い。

ならば何故?タイラーはあのような行動を選択したのだろうか。
28番の中で、7年間狂うことのなかった歯車が、少しずつ狂い始めていた…


「ドちくしょうが!!やらせるかよッ!!!」
トムのダイファルコンが3機の2ndを相手に奮戦している。
ビーストモードの機動性は2ndに優るとも劣らない。
だが3対1という戦力差は、あまりにも高く厚い壁であった。
「すまねぇ…ゴルディカイザー、あんたとの約束…守れそうにねーよ。」
右腕のブレスレットに輝く小さな青い宝石、“星の欠片”を見てトムが謝った。
「ミュウ、すまんがアイスは自分で買って喰え。俺は母ちゃんから小遣い貰ってねぇんだ。」

(テメェら死ぬんじゃねぇぞ、絶対に生き延びろ!)

ダイファルコンが黄金に輝いた。ニュートリノバーストの輝きである。
89GM ◆GtzExfc62I :2008/11/05(水) 18:00:43 O
>>76>>81
【旧デトロイト郊外】
慢心だった。我々に対して旧式の機体に何が出来る、そう考えていた。
ルーラーNo.191はレグリエスにだけ集中し、アルゲマインは後回しにするつもりだった。
だが、アルゲマインが発射したグレネードの特殊弾が、No.191の視界を奪う。
人間の数十倍に強化された感覚器官は、眩い閃光を受けて完全に麻痺する。

本来ならば対閃光防御システムが作動する筈であった。
しかしアルゲマインのレーダー攪乱が、No.191からその選択肢を奪ったのだ。
一瞬とはいえ、レーダーの誤認によって2機の位置を見失った事で、No.191は警戒した。
この後炸裂する閃光弾ではなく、レグリエスの攻撃に対して、だ。
No.191は愚かだった。この期に及んでも、まだ認識を改めないのだから。

あの旧式は後回しでいい。その慢心の結果が今だ。
> 「嬢ちゃん 今だやれぇぇぇ!!!」
>「行きます! 鳴り響け、私だけのメロディー!!」
またとない好機にレグリエスの必殺兵器、ギアデスティニーが放たれた。
光の爆流が2ndを因果律ごと世界から消し去る。
No.191は最期の瞬間まで、己の敗因を理解する事なく消滅した。

ギアデスティニーの破壊力は、撃ったティア自身でも驚愕する程の威力であった。
明らかに以前とは比較にならない程に強い。
じわりと込み上げてくる恐怖に似た感情、それは何故か“懐かし”かった…

「こちらテラ・マトリクス補給船団のヘレン=アルバフィカ。敵勢力の撃破を確認しました。」
レグリエスとアルゲマインに通信が入った。見れば遠くに3隻の輸送機。
「迎えに来ていただいて恐縮です。今からそちらと合流しますので……えッ!?」
ヘレンは自分の目を疑った。後続の2隻が、爆発したからだ。
同時にレーダーに反応。確かに先程まで“何も居なかった”場所に光点1。

輸送機の後方9km地点で滞空するのは…
2ndだった。

「どういう事!?レーダーの索敵範囲は200kmなのよ!?移動して来たって事前に察知できる筈!!」
何も無い空間から突然現われたとしか言い様のない2ndの出現。
「ミリィ!時間を稼いで!!この船が最高速に乗るまででいいから!!」
幸いにも今、ブラウエルフォーゲルは既に船の外にいる。
先の戦闘に加勢すべく出撃したが、レグリエスによって戦闘は終わった後だった。
それで仕方なく船の横を並走していたのである。

スニークスニーカーからレグリエスまで、前方に約10km。2ndは後方に9km。
バルロワの2機は咄嗟に間に合わない距離だ。
しかし、テラ社の現行機で最高の機動性を誇るブラウエルフォーゲルならば…
90現われた“天敵” ◆GtzExfc62I :2008/11/05(水) 18:21:26 O
>>83>>86
>「サクラちゃんが怖いよ〜」「サクラちゃんはあんな人じゃない!あんな人じゃないんだよ〜!」
「バカ野郎ッ!!あれが“イイ”んじゃないか!!」
こいつ間違いなく病気。ハァハァしている護衛Cを見て、護衛BとDがそう思った途端、
>「汝は調和の女神、音律を統べる者……我と響きあい、其の姿を現せ!」
ちょっぴりHな変身シーン、護衛達は女神の実在に涙を流す。
「女神バンザ━━\(゚∀゚)/━━イ!!!!!!!」

「やべぇ!急いで謝れケイ!マジで人いたぞ!?」
「あ…あれは新種のペンギンだお!!」
「そんなワケないでしょ…ってうわ!何か来たーッ!?」
>「兄を返してもらいます!死ねぇぇぇぇぇ!ホォォォォミングゥ!ビィィィィム!」
無数のビームが阿修羅と萌に向かって発射される。
そこには一切の容赦を感じられない。在るのは禍々しい怒りと憎しみの念。
「間に合えッ!プロテクション!!!」
張り巡らされた魔法の防護壁が、ビームを食い止める。が、数が多過ぎた。
「くぅ、防ぎ切れないッ!!」
>「いままで兄をお世話していただいたお礼です。苦しまずに殺してあげます」
>雪の上を高速で滑り一気に距離を詰め、大上段から一気に剣を振り下ろす。

>光の粒が収束し、無数の矢となりイシュタルにむかって放たれる。
ハルモニアの奏でる聖弓弦が放つ拘束の奏術がイシュタルを絡めとる。
しかしイシュタルの地形ボーナスが地味に効いたのか、糸が絡んだにも拘らず突進は止まらない。
このままでは萌は真っ二つ。しかし萌とて百戦錬磨、剣が当たる直前で“分離”して回避!
「ちょ!おま!!?」
振り下ろされた剣は、ケイとモエの間を閃き、阿修羅に直撃した。

「あの旋律波動…まさかハルモニア!?どうして彼女が南極にいるの!?」
「間違いない!ハッちゃんだお!!」
ケイとモエが同時に叫ぶ。ここに居る筈のないハルモニアがいた事に驚いた。
星王機神に仕える“星王三機将”…
“聖律奏君ハルモニア”“獣王無尽ダイジュウオー”“不負大帝エルト・マキナス”
15年前にゴルディカイザーが人間達に星の欠片と共に託した希望の光。
「ひょっとしたらあの子がレオ君の言ってた“星の巫女”っ…はわわっ!?」
雪原は墜落の衝撃で雪が少なくなってはいたものの、厚い氷の大地は健在だ。

すってんころりん。見事に2人揃って転んでしまった。
そのおかげで、空からゆっくりと降りて来る“天敵”に気付く。
地上に人がいた事に気を取られ、すっかりその存在を忘れていたのだ。
「大変だ!モエ、今度は僕が戦うよ!!」「おk!!」
手と手が重なって、2人は光になった。ネコミミメイドとは違う姿が現われる。
「先程は力負け致しましたが、是なら如何でしょうか。天之…」
大きく振りかぶる手刀の構え。限界に達した“力”が解き放たれた。
「羽々斬りッ!!!!!!」

「兄って…まさかサクラ?………嘘 だ ッ!!!!」
ユーリは驚きを隠せなかった。彼の知る妹は、7歳の頃から止まっていたのだから。
容赦無く剣を振り回すL5女が妹だという非情な現実に、頭を抱えて絶叫した。
だがそれも慧の必殺技“天之羽々斬”が巻き起こす突風にて中断される。
「しまった、“ヤツ”の事を忘れてたぜ!!おいお前!今すぐ皆を連れて逃げろ!」
ユーリはサクラに怒鳴ると阿修羅が立ち上がり、剣を構えた。

空には…
形容し難い不気味な影が広がっていた。
91ミュウ ◆xK7dfy5P/g :2008/11/05(水) 23:10:57 0
>88
>ウシグモに張り付いていた2機が、穴だらけの残骸と、半身が潰れて折れ曲がった残骸になった。
>勿論だが、その弾速に反応は出来なかった。だからこそ、彼は28号の前に立ち塞がったのだ。
離脱中に信じられないことが起きた。
2ndが、ほとんど機械同然でしかないはずのルーラーが、別の2ndを庇ったのだ。
そんな人間臭いと言ったら失礼かも知れないが、およそそうした行動と
無縁だったルーラーが僚機を敵の攻撃から庇うなどと言う……
だがミュウにはその理由が分かっていた。あのルーラーは、『感情を取り戻した』と。
だからこそミュウはボンバーを使わなかった。生きてさえいれば、
言葉を交わし互いを知ることが出来る筈だからと。しかしそれは、他ならぬ
ルーラー自身の手で永遠に叶わなくなってしまったのだった。
その出来事に、ミュウの脳裏に過去の記憶がフラッシュバックする……

「……。」
だが戦闘はまだ終わっていない。ダイファルコンは三機の2nd相手に
奮戦しているが、如何せん数の差と言う覆せない物がある以上、このままでは
ジリ貧になるのは目に見えていた。ウシグモに取り付いていた二機は
既に破壊されている、後はトムを助け出せばいい……甘すぎる考えだった。

>「ミュウ、すまんがアイスは自分で買って喰え。俺は母ちゃんから小遣い貰ってねぇんだ。」
>ダイファルコンが黄金に輝いた。ニュートリノバーストの輝きである。
トムからの通信は実につれないものだった。意地悪……と思ったのも束の間、
ミュウはダイファルコンから発せられた黄金の光を見て、能面のような顔に
ファミリーに拾われて初めて感情を浮かべた……その表情は戦慄を表していた。

「っ……! だっ、ダメェっ……!」
ミュウには分からなかった。何故ダイファルコンに『リベレイトシステム』があるのかが。
ミュウは当然リベレイトを行ったらどうなるかを知っている。
……トムは、自分の存在を、未来を賭けてみんなを救おうとしたのだ。
もうトムは戻ってこない……これ以上ここに留まる事は、トムの気持ちを、
覚悟を無駄にする事なのだ。ミュウは項垂れながらも、スゥと船に通信を送る。

「……みんな、行こう。」
通信を聞いた全員は驚きを隠せなかっただろう……ミュウの声が、震えていたのだから。
たったそれだけしか伝えられぬまま、ミュウはエイタの進路を船へと取った……。
92ソラ ◆TnakibaQxg :2008/11/05(水) 23:48:47 0
>90
『妾の力をもってしても止められぬとは……ヤンデレとは恐ろしきものよ……!』
「いやああああああッ!?」
しかしメイドロボは間一髪のところでメイドと執事に分離した。
おかげでもう一機がとばっちりを食らってしまったが……。
でもこれで確信した。間違いない、モエちゃんとケイ君だ。
>「あの旋律波動…まさかハルモニア!?どうして彼女が南極にいるの!?」
>「間違いない!ハッちゃんだお!!」
『久しいな、我が旧き友よ!』
「なんだなんだ? キミ達も知り合いなのかにゃ!?」
>「ひょっとしたらあの子がレオ君の言ってた“星の巫女”っ…はわわっ!?」
「いかにも。オイラが星の巫女だ! 出世しただろう、すごいだろう。
昔助けてくれたお礼に後でサインやるぞ!」
しかしケイ君とモエちゃんは相手にしてくれなかった。
といってもサインに興味がないのではなく、それどころじゃなかったからである。
上空を不気味な影が覆っている。さては、あれがモエちゃんを苦戦させた相手だな。
『再会を喜ぶのは後じゃ、助太刀するぞ! 激しいのを一発頼む!』
「ラジャ!」
選んだ曲はベートーベンピアノソナタ 作品31−2 第三楽章!
激しく狂おしく息もつかせず迫ってくるような旋律。
「いっけええええええええ! 《テンペスト》!」
魔力の粒が拡散し、上空で光の矢を形作る。
全方位から謎の物体に襲い掛かる破壊の雨、それはまさに吹き荒れる嵐!
93ミリアム ◆fnDCzk6SN2 :2008/11/06(木) 00:03:34 O
>>89
>「ミリィ!時間を稼いで!!」

咄嗟の通信にミリアムは焦りを見せる所か、まるで好機と思わんばかりの反応を示した。

「(私の予想通り、UOは……)
…分かったわ、任せて頂戴!
アテナ、モードを対2nd用高機動に切り替えて!一気にカタを付けてやるわよ!!」

『…AEアーマー展開、スラスター全解放………行けます。』

コックピットの周囲にAEドライブで精製した粒子を展開して一種の防御壁を作る。本来は敵の攻撃から機体を守るための筈の防壁であるが、この場合は急加速によるGを相殺する役目を果たす。
同時に背中にあるY字型のスラスターを全て稼働させ、高速戦闘の準備を始める。

「私達が囮となって2ndの動きを鈍らせ、味方の射撃が当たるように誘導……そして、その隙を突いてAEブレードで一撃必殺を狙う……これが最良の作戦ね。
アテナ、機体のコントロールは任せたわ!私はヘッドバルカンでアイツを牽制する!!」

『…了解。ミッションプランを実行します。』

「行くわよ、アテナ!アイツにフォーゲルの実力を見せつけてやるわよ!!」

ミリィの号令に合わせて、フォーゲルは最大加速で2ndに肉迫する。
機体速度は2ndのソレに匹敵する程であり、並大抵のAMならパイロットはGで押しつぶされるだろう。

「ヘレン、ファミリー側の機体に伝えて!
この機体を囮にして射撃の機会を伺え……ってね!!」

唯一残った輸送機に通信しながら、彼女はヘッドバルカンの照準を2ndに運ばせつつトリガーを引く。
高速戦闘化で照準を定めるのは至難の技であり、実戦経験のない彼女には無理な相談であるが、牽制を目的としているので気に留めていない。
94ティア ◆cHEmMBe4ms :2008/11/06(木) 00:33:37 0
>>89

> 光の爆流が2ndを因果律ごと世界から消し去る。
> No.191は最期の瞬間まで、己の敗因を理解する事なく消滅した。
『敵機、消滅を確認』
「ハァ…ハァ……や、やれたの?」
気力・体力を根こそぎ持って行かれたかのように荒く息を吐くエリーティアは、
己とレグリエスが放った必殺の一撃がもたらした威力に驚愕しながらも、
それでも何とか眼前の敵を撃破できた事を確認する。しかし…

> じわりと込み上げてくる恐怖に似た感情、それは何故か“懐かし”かった…

…そう、懐かしかったのである。或いはこの感情は自分の失われた記憶に関する物なのか?
――でもおかしい、「今の私」にはあれほどの力を発揮する事はできない。かつての、万全たる私ならともかく――
そこまで考えてエリーティアは自分の思考に違和感を感じる。
それはまるで、何者かの記憶を閲覧しているかのような、奇妙な……そして不気味な感覚。

そのまま、思考の海へと沈み込みそうになるエリーティアを一通の通信が拾い上げる。

> 「こちらテラ・マトリクス補給船団のヘレン=アルバフィカ。敵勢力の撃破を確認しました。」
「……!(いけないいけない……私、まだ仕事中だったんだよね!)」
聞こえてくるヘレンの声に、エリーティアはそれまでの気分を押し込み、朗らかな笑顔を作り挨拶をする。
「初めまして、バルロワファミリー所属のエリーティア・レグリエスです」
> 「迎えに来ていただいて恐縮です。今からそちらと合流しますので……えッ!?」
後は事務手続きを残すばかりかと思った次の瞬間、何事かが起こったのを告げるようにヘレンの驚愕の声が響く。
「え?ど、どうし――」
『Warning! Warning! 敵機出現、距離19q』
「――って、ええ!? だってついさっきまで周辺に敵機なんて居なかったんだよ!?」
そして続くアラートにより、エリーティアもまた驚愕の声を上げてしまう。

「出現位置は……TM社輸送船を挟んでちょうど反対方向!? このままじゃ間に合わないじゃないの!」
慌てた様子でレーダーを確認したエリーティアは、更なる驚きと焦りに襲われる事になった。
大慌てになりながらも、エリーティアはレグリエスを新たに出現した2ndへ向けて移動させる。
「せめて、ギア・デスティニーの射程内に入れば……お願い、間に合って!」
95サクラ ◆5Kq11GJKws :2008/11/06(木) 11:37:19 0
>>87>>90>>92
殺すつもりだった・・・後にサクラはこう語っていた
なにか体に絡み付く感覚があり動きにくくなったが今のサクラにはただの糸くずにすぎない
そして、殺すつもりで放った一撃の先にいたモエにはあたらずさらにその先にいた兄に直撃
しそうになった。
心臓が止まりそうになった。大好きな兄をこの手に掻けそうになったからだ
そのとき、突風が起こりイシュタルの剣が届くことなく吹き飛ばされた
>「しまった、“ヤツ”の事を忘れてたぜ!!おいお前!今すぐ皆を連れて逃げろ!」
「やっぱり、兄さんだ!でも、お前って・・・兄さん私のことを覚えていないのかな・・・」
兄の言葉に落胆するサクラ、しかし、兄はこちらを見ずに上を見上げている
横では見たこともない機体がハープを奏でている・・・ソラ様?
でも、ソラ様にしては口調が違うような。オイラだなんて男の子みたいな話し方
あれと一緒ににげればいいのかな?
そんなことはどうでもいい、とりあえず兄が上を見たので自分も見上げてみた
黒い不気味な影が空を覆っていた
『・・・あれは危険』
頭の中に声が響く、聞いたことのない少女の声だ
『射って』
声が再び頭に響くと同時にサクラはセルシウスアローを構えて、矢を放った
96名無しになりきれ:2008/11/06(木) 19:59:17 O
なんか急に微妙になったな
>>89

>光の爆流が2ndを
>NO.191は最後の瞬間まで

「見事だ…良くやってくれた…
それにしても嬢ちゃんが2ndを墜としたと知ったらお頭も喜ぶだろう…」

ティアが2ndを撃墜した事を素直に喜ぶのと同時に、1つのある疑問がドンの頭の中に浮かんだ
…本当にティアの機体はただのAMなのだろうか…
通常の機体ならば決して繰り出すことの出来ない莫大なエネルギーを射出した先程の攻撃…
確かに彼女の機体は並の物より大きい
だが あれほどのエネルギーを撃ち出すのであれば あの図体でも小さすぎるぐらいなのだ
深く考えている内に かつての記憶にある出来事が引っ掛かる
忘れる事も出来ないあの出来事が…

「もしやあれは……」

記憶の奥底から引きずり出そうとした瞬間 アラームと共に通信が入り
一気に彼を思慮の世界から現実へと呼び戻した

>「こちらテラ・マトリクス…」

「ああ…バルロワ・ファミリーのランベルティーニだ
しばらくだな…ヘレン」

>「迎えに来ていただいて…えッ!?」>「どういう事」

急に驚きの声を上げ取り乱すヘレンをドンはやんわりと宥めた

「落ち着けヘレン!
お前は仮にも指揮官だろう…
指揮官であるお前がいたずらに騒いで部下を不安にさせてどうするんだ
安心しろ…俺たちが何とかしてやる…」

本音を言えばドンも冷静な気分で居られるかと言えば嘘になるだろう
強敵である2ndが続けて2回も現れたのだ
だが弱気な態度は周りの士気にも影響する
あえてドンは自分の恐怖心や不安な感情を皆に隠し、押し殺したのだ
「戦いは怖いさ…
何十年ってやってるがそれだけは慣れねぇ…」

アルゲマインは白煙を上げながらティアの機体を追った
98GM ◆GtzExfc62I :2008/11/07(金) 19:45:20 O
>>93-94>>97
【旧デトロイト郊外】
>「落ち着けヘレン!
 (中略)
>安心しろ…俺たちが何とかしてやる…」
ドナルドに諭され、ヘレンは自分が“やるべき事”を思い出した。
他の2機は撃墜されてしまったが、まだこの輸送機が残っているのだ。
己に課せられた任務を完遂するのが何よりも優先すべき事。
突如出現した敵の存在に狼狽した自分を叱咤し、ヘレンが普段の強気な笑みを取り戻す。
「ありがとう、ドン・ランベルティーニ。お言葉に甘えさせてもらいます!
エリーティアさんでしたね?2人共聞いて下さい。今から船を全速で飛ばします。
しかし加速させる準備に30秒程度が必要になるので、こちらのAMと共闘して下さい。」

>「…分かったわ、任せて頂戴!
>アテナ、モードを対2nd用高機動に切り替えて!一気にカタを付けてやるわよ!!」
>「ヘレン、ファミリー側の機体に伝えて!
>この機体を囮にして射撃の機会を伺え……ってね!!」
「OKミリィ、くれぐれも無茶はしないでね。バルロワ側はすぐに向かうから、上手くやって。」
船のステルスコートを解除し、戦域離脱用大型ブースターの準備に取り掛かる。
「大丈夫、貴女なら上手くやれる。開発部に籠らせるには勿体ないくらいだもの。」
クスッと笑ってヘレンは回線を切り替えた。艦内に響き渡るアナウンス。

「さあみんな、全速でトバすから覚悟しちゃってて!!」


フォーゲルの牽制射撃は案の定、無駄の無い制動によって全弾躱された。
すぐさま2ndもディ・ゴを抜き放ち、加速。
超音速での戦闘は、コンマ1秒の判断が勝敗を左右する。
瞬時に肉薄した両機、最速同士の白兵戦が幕を開けた。
レーダーを確認してヘレンはレグリエスとアルゲマインに通信を入れる。

「こちらのAMが囮を務めますので、隙を突いて射撃をお願いします。」
99GM ◆GtzExfc62I :2008/11/07(金) 19:47:43 O
>>92>>95
【南極、ヴィンソンマッシーフ山】
>「いかにも。オイラが星の巫女だ! 出世しただろう、すごいだろう。
>昔助けてくれたお礼に後でサインやるぞ!」
誇らしげなソラの声を聞いて、ケイとモエは懐かしい気持ちを噛み締めた。
(てっちゃん、あの時助けた子が…こんなにも立派になっていますよ。)
(そうだな。俺達のやった事が、未来を紡いでいるんだ。テセウス、君にも見せたかった…)
時の流れは人を変える。ちっぽけだった灯も、未来を照らす輝きに変われる。
それが人の強さだと、2人は知っている。
だからこそ、そんな人間達の生きるこの星を守り通すと誓ったのだ。

>『再会を喜ぶのは後じゃ、助太刀するぞ! 激しいのを一発頼む!』
>「ラジャ!」
「感謝致します、音律の君。“あいつ”だけは絶対に地上に降ろしてはなりません!!」

惑星ルルイエを滅ぼした宇宙生物、食料となる文明を求めて銀河を彷徨う存在…
数多の星々が、文明が、この生物に喰い尽くされ、滅び去る。
ルルイエ人はこの生物に“星喰い”と名付け、母星を失った後も戦い続けてきた。
いつの日か神々の文明が甦る時に備えて…

その存在を滅する為の記憶と知識は、一部の機神系古代ロボが受け継いでいる。
プログラム・ノア実行中に“星喰い”が現われた時、文明を守るのが星王機神と裁定者…
そして、“星王三機将”なのだ。
ハルモニアのメモリ内に圧縮されていた“星喰い”のデータが解放。
上空からフワフワと降りて来る個体の識別が完了した。
分類は地殻侵蝕型。大地に“根”を張り巡らせて、大陸を餌にするタイプだ。
根は時速300kmの速さで広がっていき、大地を喰い散らかしてしまう。

クシナダ姫が『絶対に地上に降ろしてはなりません』と声を荒げた理由…
この青い奇跡の星を…地球を愛するが故の激情である。

>「いっけええええええええ! 《テンペスト》!」
>魔力の粒が拡散し、上空で光の矢を形作る。
>全方位から謎の物体に襲い掛かる破壊の雨、それはまさに吹き荒れる嵐!
>声が再び頭に響くと同時にサクラはセルシウスアローを構えて、矢を放った。
ハルモニアとイシュタル、そして慧と阿修羅。
それぞれが必殺の一撃を繰り出した。

テンペストの猛威がガス状の体表膜を残さず吹き飛ばし、セルシウスアローが貫く。
天之羽々斬がその巨体を袈裟斬りにした。それに続き阿修羅が飛び上がる。
「鬼神丸奥義……業火剣乱(ごうかけんらん)!!!!!」
灼熱の焔が刀身を覆い、神速の剣撃が“星喰い”を切り刻んだ!!

普通ならこれで敵が『ドカーン!!』と爆発してハッピーエンド。
しかし現実は残酷である。“星喰い”は、ほとんど無傷だったのだから!
ケイ、モエ、ハルモニアのデータでは今の攻撃量で充分倒せた筈であった。

別に彼等が間違っている訳ではない。
ただ、データが22億年前の古いバージョンだったというだけの話だ。
“星喰い”も一応は生物。悠久の時を彷徨う中で、当然の如く“進化”をしていたのだ!!
100ミリアム ◆fnDCzk6SN2 :2008/11/08(土) 01:24:26 O
>>98
>「大丈夫、貴女なら上手くやれる。開発部に籠らせるには勿体ないくらいだもの。」

「…お世辞でも有り難く受け取っておくわ、ヘレン。
輸送機もアナタになら安心任せられるわね。」

お互いの事を信頼しあってるからこそ、二人にそれ以上の会話はいらなかった。


>フォーゲルの牽制射撃は案の定、無駄の無い制動によって全弾躱された。
すぐさま2ndもディ・ゴを抜き放ち、加速。

「向こうも簡単には勝たせてくれない…ってワケね!」

予想していたとはいえ、一撃も加えられなかったことに舌打ちをする。

『…敵、近接戦闘モードで接近。』

「いいわ…そっちがその気なら此方も…!!
アテナ、AEブレードを!操縦は私が代わるから、武器制御を宜しく頼むわ!!」

『了解。』

フォーゲルは腕に格納されているAEブレードを取り出し、粒子で出来た刃を展開する。
操縦桿を握ったミリアムは集中力を高め、一気に最大加速で目標を迎え撃つ気であった。

激突する二つのAM。その力はほぼ互角であり、幾度も刃と刃が交錯する。
華麗に空を舞うブラウエルフォーゲルの姿は、背部のY字のスラスターから排気される熱を羽に見立てて、その名の如く“蒼い鳥”である。

「…今よ、アテナッ!!」

彼女の号令に合わせ、フォーゲルは一層力強くAEブレードを振るう。
それは敵を倒すためではなく、バランス制御を奪うための作戦であった。

「隙は作ったわ!…後は任せたわよ、お二人さん。」

レーダーに移る二機の友軍に向けて、ミリアムは呟く。
101ティア ◆cHEmMBe4ms :2008/11/08(土) 10:20:31 0
>>98
> (前略)こちらのAMと共闘して下さい。」
「了解しました! 任せてください!」
ヘレンからの通信に真剣な声色で返信しながら、エリーティアはレグリエスを全速力で交戦域へと向かう。
背部のフォノンジェットエンジンからは眩いばかりの緑色の光が噴射され、質量5500tの巨体を凄まじい勢いで加速させていく。

> 「こちらのAMが囮を務めますので、隙を突いて射撃をお願いします。」
「は、はい……分かりました!」
(うーん、どうしようかな……)
続く通信にエリーティアは一瞬微妙な表情をするものの、すぐに気を引き締めて返信する。
今のレグリエスに搭載された射撃武器は、牽制用のレーザーとギア・デスティニーの二つのみ。
どちらも飛距離は据え置き、ある程度所でなく接近しなければならないのである。
(って、どうもこうもないよね。相手が相手なんだし、全力全開で攻撃するしかないんだから)
「レグリエス、耐えてよね……ギア・デスティニー、開放!」
頭を軽く振ったエリーティアは、全力前進しながらギア・デスティニーの発射シーケンスを開始する。

>>100
> 彼女の号令に合わせ、フォーゲルは一層力強くAEブレードを振るう。
> それは敵を倒すためではなく、バランス制御を奪うための作戦であった。
「その隙、横から掻っ攫います! そこの人、避けて下さいね!?」
せっかく出来た絶好の好機、決して逃す訳にはいかない。
エリーティアはフォーゲルのパイロットに一方的な通信を送りつつ、臨界ギリギリまで引き絞った緑色に煌めく光を解き放つ。
「響き渡れーっ!!」
『ギア・デスティニー発射』
本日二度目となるギア・デスティニーの発射。
間を置かずに放たれた二度目の光は、コアユニット周辺の装甲を焼き焦がしながら2ndに襲いかかる。
10228番 ◆gyalxMCbGw :2008/11/08(土) 16:44:54 0
>84 >88 >91
>「アンタもちゃっちゃと去ねええええええええええええええええ!!!!!!」
放たれた弾丸、弾道がこちらに向かってきていることを機体のアラートが伝える。
顔を上げ現在おかれている状況を理解したがもう遅い、
たとえ今気付いたところでどうしようもない。今から回避行動を取ろうとも避けるのは難しいだろう。
「………………」
しかし、こんなときになっても、謎の声を聞こうともやはり28番は人形のままだった。
いや、人形であろうとした。自らの存在理由のために冷静に、
そして冷酷に自らが任務失敗ということを理解する。

……だがその時!

>勿論だが、その弾速に反応は出来なかった。だからこそ、彼は28号の前に立ち塞がったのだ。
そう、突如自らの前に現れた黒い物体、タイラーの駆る2nd……
放たれた黒雲は目の前の黒い機体を飲み込み、そして一瞬のうちにタイラーの存在は消え去った。
「………………」
一体いまのはなんだ?何が起こった?理解できない28番。
タイラーの謎の行動……そして消失。
今目の前で起こったこと全てが理解できない28番
そのためか機体制御も放り出しひたすらコンソールをいじりタイラー機のシグナルを探し続ける。
だが『なかった』、いくら探してもタイラーはもうすでに存在していなかった。

「…あ……あぁ………!?」
その直後、2ndと神経接続している28番のパルスが逆流し頭が割れるような頭痛がはしる。
意識が混濁し自らの形が消えていくような感覚。
まるで2ndに取り込まれたかのような感覚が28番をむさぼっていく。
――大いなる力操る愚かな人形――
そして響き渡る声、この声はいったいだれなのか?2nd自身が語りかけているとでもいうのか?
「……あが……がががっ!?」
口からは吐瀉物をまき散らし、白目を向き頭を抑え込む28番。
精密機械は脆い……歯車をちょっと遅らせるだけで完全に壊れる。
完璧な人形であった28番もそれと同じだった、
彼の中の歯車は謎の声とタイラーの消失という二つの出来事に狂い
すでに28番は精神崩壊を起こす寸前にまで陥っていたのだった。

            ――――汝 罪あり――――

「っっ!?」
その言葉が聞こえたと同時に2ndの駆動音が停止し、
コクピットのモニターからは光が消え神経接続が切断される。
機体は推力を失いはるか下の地面へと叩きつけられ装甲は傷つきフレームは歪む。
「……………………」
そしてコクピットの中では28番が目を見開きぐったりと座っていた
完全な静寂……そう、28番の呼吸音すら聞こえない完全な静寂が辺りを包んでいた。


103ソラ ◆TnakibaQxg :2008/11/08(土) 22:33:46 0
>>99
華麗に剣を操りとどめの一撃を浴びせる、鍵の英雄の駆る古代ロボ阿修羅。
ここまでサクラちゃんが入れ込むお兄さんの顔が気になって仕方がない。
思わずタッチパネルの画像取得ボタンを押す。
「おおっ、可愛え!」
鍵の英雄は、兄というより弟のようなキュートな美青年だった。
ヤンデレになるのも無理はない。
まてよ、ということは……15年前に世界を救った時はせいぜい8歳か9歳!?
……そんなバナナー!
『遊んでおる暇はあるまいぞ! あやつ、進化しおった……!』
見ると、敵はほとんど無傷。なんてことだ! 確かに遊んでいる場合ではない。
荒れ果てた大地で泣いていた少年が思い出される。
少年が伝えたかったことはこのことだったのだろうか。
だとしたら、あれは過去に星喰いにやられて滅びた星……?
ハルはハープをどこへともなく消し、一振りの剣を召喚した。
タクトと名付けられたそれは、綺麗で細長いレイピアのような剣。
だけど阿修羅とかイシュタルの剣と比べたらいささか迫力に欠ける気がする。
「なんかショボくない?」
『ええい黙れ! そこの小僧のように力任せに叩き壊すだけが剣ではない!』
「世界を救った機体が小僧かいっ!?」
オイラのツッコミをよそに、ハルは
背に顕れた光の翼で空に舞い上がり、一気に星喰いに接近する。
「数秒なら止められるはず! 《影縫い》!」
ケイ君が腕を一閃、3本のペンの形をした魔道具を投擲。
トライアングル型に氷の大地に突き刺さる。影を縫いつけて拘束する技らしい。
『頼むぞ星の巫女!』
「分かってる。レオ君と約束したもんね……地球を守るって!」
まあこんな直接的な形で守る日が来るとは予想GUYだったけど!
剣と言えばこれ。ハチャトゥリアンのガイーヌより……
『「《剣の舞》!!」』
こいつ、射撃主体かと思いきや接近戦もすごかった。
蝶のように舞い蜂の様に刺す、一見大胆にして実は計算されつくした動き。
剣が著しく細いのは、弱点を的確に突くために特化しているからだったのだ。
星喰いに向かって神速の突きを放つ!
104サクラ ◆5Kq11GJKws :2008/11/09(日) 00:05:05 0
>>99>>103
>「鬼神丸奥義……業火剣乱(ごうかけんらん)!!!!!」
ユーリの一撃がサクラの瞳に映り込む
「綺麗・・・」
その攻撃は白い景色に赤がよく写り美しかった
「私も負けていられない・・・」
サクラが覚悟を決めるとガーディアンソードに冷気を纏わせ始めた
「この怪物が何かは分かりませんが世界の平和を乱そうとしと兄に危害を加え、巫女様に
危険が及びそうなこの状況、手を抜く訳にはいきません!!
氷の女王の一撃をその身に刻みなさい!!ヘルストライク!」
上空高く舞い上がり尋常では冷気を帯びた剣撃決める。一撃、一撃と切り掛かるたびに氷の花が咲く
「砕け散ってください」
剣を納めると氷の花がちり周囲に氷塵が舞う
「見ない間に強くなりやがったな」
兄として妹の成長をうれしく思い自然と笑顔がこぼれる


105GM ◆GtzExfc62I :2008/11/09(日) 01:02:33 O
【アラスカ戦線】
ウシグモに叩き潰され、巨砲に撃ち抜かれ、鋼の黒雲に呑まれ、黄金の隼に切り刻まれ…
支配者であり続ける事を見失い、地に墜ちて…8機の2ndは残り2機となった。
対して反政府勢力も壊滅に等しい被害を出した。
残っているのはバルロワファミリーの遊撃部隊のみである。
その遊撃部隊も、リーダーのトムを失った。戦況は依然として不利のままだ。
スゥのウシグモは残弾が尽き、火力としての役割を果たせなくなった。
ミュウのエイタも長時間の高速戦闘で疲弊している。

それなのに、まだ2機。無傷の2ndがまだ2機も残っているのだ。
無理を通すならば応戦は可能だろう。しかし、トムがそれを望むだろうか?
バトルハンマーの生き残りを完全に破壊し終わった2機が、スゥ達を見る。
向こうも迷っていたのだ。まさか自分達が…あのタイラーが墜ちるとは異常事態。
誰もが予期せぬ現状に、唯1人…

のんびりと拍手をする少年。

彼は硝煙が棚引く荒野に、恰も最初から居たかのように立っていた。
「随分とやられちゃったね。まさか人間がここまで頑張るとは思ってなかったよ。」
テレパシーだ。直接頭の中に響く声。少年は笑顔のまま拍手を止めた。
「君達は実に素晴らしい仕事をしてくれたからね、礼を言わせてもらいに来たんだ。」
爆散した2ndと潰れてしまった2nd、トムに倒された3機の2ndが、宙に浮く。
「それと、ついでに僕の玩具達を迎えに。」
少年が広げた手をギュッと握ると、2ndの残骸が“小さな塊”に“縮められ”た!!

「リサイクルは大切だよ、この星を汚したくないし。ゴミはちゃんと持って帰ろう。
御礼として君達の出した“ゴミ”も、ついでに掃除しておいてあげるね。」
少年がそう言った途端、一面に広がる残骸が全て空高く浮き上がったではないか。
「鉱物資源は有限の財、地球に済むみんなの物だから。」
2機の2ndが少年の側に降り立つ。その姿はまるで主君に跪く騎士を思わせた。
そして、

バトルハンマーの機体は全て、少年の遥か頭上にて1個の鉄塊に…“纏め”られた。

「それじゃまたね。あ、そうそう君達には今後も戦闘テストの相手をしてもらう予定だから。」
倒れ伏した28号を念動力で引き寄せると、最後まで笑顔を絶さぬまま、少年は消えた。
アラスカの荒野に残されたのは、バルロワ遊撃部隊だけだった。


【ユグドラシル第三階層オービタルユニオン】
ギュナは上機嫌だった。その手に持っているのは小さな青い宝石…
「ねぇフェルネ、見てよほら。たまには外に出てみるもんだね。拾っちゃった♪」
無邪気に笑うギュナに、フェルネ=ルッシェは飲んでいた紅茶を盛大に噴いた。

それは星の欠片が持つ“真の力”を知っていたからだ。
「きっと“エピタフ”は凄い機体になるよ、楽しみにしててよね♪」
ギュナは心底楽しそうに笑っている。ようやく完成するのだ。
永劫の時を経て、“天敵”と戦える究極の機械神を“創り出す”事を本当に喜んでいた…
106GM ◆GtzExfc62I :2008/11/09(日) 15:35:47 O
【ユグドラシル第三階層オービタルユニオン】
カプセルがずらりと並ぶラボの中。簡素な寝台の上で、28番は目を覚ました。
「おはよう、気分はどうかね?」
目覚めた28番を見て、研究員が声を掛けてきた。
不思議な気持ちだった。まるで自分が自分ではないかの様な…
知らない筈の記憶が、脳裏を渦巻いては消えていき、混沌とした状況だった。
「ふふ、無理もないな。君は今、記憶封印の全解除を終えたばかりだからね。」

記憶の全解除?どういう事だろうか。
素体の記憶を取り戻したルーラーは、再調整されるか処分されるかのどちらかだ。
なのに何故記憶を全て甦らせたのだろうか、28番はぼんやりとそう思った。
今までならばこの思考は制限域に抵触しただろう。
しかし28番の脳拘束信号に、措置反応は起こらなかった。

同時に自分が何故その様なことを思ったのか、疑問が生まれる。
感情の無い機械であり続けた28番には、思考の迷路に縁は無かったからだ。
…………本当にそうだったのか?
ルーラーとなる前はどうだ?感情の無い機械だったのか?

違う。“人間”だった。心を、感情を持った人間だったではないか!!

「まだ暫くの間は意識が不安定だろうから、静かに寝ていると良い。」
ぼんやりとしている28番に、研究員が優しく肩を叩く。
『落ち込むなよアレックス。今年が駄目でも、来年また頑張れば良い。』
脳裏を過ぎる記憶に似ていた。その記憶の中で彼の肩を優しく叩いたのは…


UO隊長、ブランドン=タイラーだった。

それを“きっかけ”に、次々と押し寄せて来る過去の記憶。
28番は信じられなかった。
タイラーが…あのタイラーが、身を呈して28番を庇った“理由”を知ってしまった!!
他のルーラーよりも28番に話し掛けていた“理由”を知ってしまったのだ!!

ルーラーNo.28…アレクサンドル=タイラーは、抑え切れぬ感情を爆発させた。
7年間ずっと閉じ込められ続けた、感情が…亡き兄の為に暴れ狂った。
107GM ◆GtzExfc62I :2008/11/09(日) 16:43:49 O
>>100-101
【旧デトロイト郊外】
常人には目に見えぬ速度で繰り広げられる攻防。瞬く剣撃の残光が舞い散っては消える。
フォーゲルの機動性は2ndと全くの互角。
そしてその機体を繰るは戦女神の名を冠したAI。
蒼穹を舞い踊る翼の主に、死角は無かった。テラ社の最高傑作は伊達ではない。
ミリアムの操縦技術を支えるアテナは、凄まじい速度で経験を蓄積していた。
対2ndを目指し開発されたフォーゲルは、正に今2ndを圧倒しているのだ。

>「…今よ、アテナッ!!」

>彼女の号令に合わせ、フォーゲルは一層力強くAEブレードを振るう。
>それは敵を倒すためではなく、バランス制御を奪うための作戦であった。
ようやくルーラーNo.256はミリアムの意図に気付いた。
戦闘開始から17秒。その間にフォーゲルが決定打を放つ機会が1度だけ存在した。
にも拘らず、そうしなかったのは…

>「その隙、横から掻っ攫います! そこの人、避けて下さいね!?」
>「響き渡れーっ!!」
>間を置かずに放たれた二度目の光は、コアユニット周辺の装甲を焼き焦がしながら2ndに襲いかかる。

…筈だった。
レグリエスに異変が起きる。
間を置かぬギアデスティニーの連続使用に、機体が耐えられなかったのだ。
放たれた光の奔流はすぐに細くなり、消えてしまう。
同時にレグリエスの胴体全域に亀裂が走り、システムが次々に落ちた。
フォノンドライブが停止して、機体が浮力を失って重力の鎖に捕らえられる。

ゆっくりとレグリエスは落下を開始した。
「チィッ!嬢ちゃん!しっかりしろ、機体を立て直せるか!?」
レグリエスを追って来たドンは異常を感じて通信を入れるが、返事が無い。
通信機の故障ではなく、機体が完全にシステムダウンした証拠だ。
「頼むぞ…持ち堪えてくれよ!?」
落下するレグリエスの真下へと急加速し、アルゲマインがその巨体を下から支えた。
駆動部がバキバキと軋み、アルゲマインが悲鳴を上げる。
5500tもの大質量を支えるには、あまりにも小さ過ぎたのだから当然の結果だ。
「おおおおおおおおおおおお!!!!!」

ブースターの出力は限界に達しても尚、落下が止まる気配はない。
 『嬢ちゃんのフォローをしっかり頼むよ?』
ドンの気迫を支えるのは、出撃前のモニカの言葉だった。
エリーティアも大事なファミリーの一員なのだ、その面倒を見るのは親分の役目。
モニカの片腕として、今までそうしてきた。そして、これからもそうする!!
「信じるんだ…自分を信じるんだ!嬢ちゃん!!」

通信は出来ないが、ドンは叫んだ。
この言葉が必ず届くと“信じている”からである。
108ミリアム ◆fnDCzk6SN2 :2008/11/09(日) 21:08:41 O
>レグリエスに異変が起きる。

『友軍機に異常発生。かなり危険な状態と判断します』

「くっ…、仕方ないわね……。」

彼女には確かに決定打を撃つ機会があった。…しかし、

>落下するレグリエスの真下へと急加速し、アルゲマインがその巨体を下から支えた。
駆動部がバキバキと軋み、アルゲマインが悲鳴を上げる。

ミリアムは友軍を見捨てる事が出来なかったのである。本来、TM社所属の彼女ならばレジスタンスなどを気にせずに2nd撃墜が最優先であるが……

「アテナ、あのデカブツを輸送機まで運ぶわよ!」

『よろしいのですか?トドメを刺すならば今しか……』

「今はそれがいいのかもしれないわ。…けどね、戦いはこれからも続くのよ。
あの機体は強力な武器を持っている……それなら、ここでお別れするには惜しい存在よ!」

『分かりました。作戦プラン変更…』

「行くわよ!!
そこの機体、デカブツは私達に任せて!アナタは私達が戻るまで2ndを抑えて頂戴!!」

アルマゲインに向けて通信を入れると、急反転したフォーゲルはアルマゲインの横からレグリエスを押し出す。

「Lv1リミット解除……ブースト全開!!」

フォーゲルのAEドライブの出力を上げ、限界ギリギリまでスラスターを吹かす。しかし、ブラックボックスのAEドライブをリミット解除には安全性のため時間が限定されている。

「…お願い、間に合って!!」

フォーゲルより巨大のレグリエスを無理矢理、輸送機まで運ぶ……誰が見ても無茶な作戦である。
しかし……
109GM ◆GtzExfc62I :2008/11/09(日) 22:46:16 O
【大型輸送機ロックハウンド】
バルロワファミリーの遊撃部隊はアラスカ戦線を後にした。
機体を収容したロックハウンドが目指すのは旧デトロイト。本隊と合流する為だ。
アラスカでの戦闘は甚大な被害をもたらした。リーダーであるトムの死…
今や船内は暗いムードに包まれている。
部隊の大黒柱を失ったのだから無理もない。これから先を考えて、皆は沈んでいた。

トムの存在はこの1年間、部隊の支えであった。
久し振りに本隊と合流するにも拘らず、皆は静かにそれぞれの持ち場で黙り込む。
合流を誰よりも楽しみにしていたトムを思うと、そうなってしまうのだ。
「この調子だと明後日にはデトロイトだ。テメェら全員シャキッとしやがれ!!
今のテメェらを見たらよぉ、トムの兄貴がブチ切れっぞ!?」
操縦士のマクレーンがスピーカー越しに怒鳴りつけた。

漢泣きを堪えて、マクレーンはコックピットに飾ってある写真を見る。
写っているのは、まだ少年時代のトムとマクレーン。仲良く肩を組んで笑っていた。
この部隊で最も長い付き合いだった彼にとって、トムの死は誰よりも苦しい筈だ。
静まり返った船内に、少しずつではあったが、漢達の活気が戻りつつあった。

♪俺達は海賊
  作詞・作曲トム=バルロワ

揺れる海賊旗が 俺の命
ドクロのマークに 人生賭けて
逝く路 来る路 全速前進

世の中にゃ悪者だろうが
生き方は曲げるな
何が起きても まっすぐ生きろ
それが海賊 漢の航路

光るお宝が 俺の夢
ドクロのマークに 思いを馳せて
災難 困難 なんでもござれ

世の中にゃ悪者だろうが
夢だけは捨てるな
何が起きたって しぶとく生きろ
それが海賊 漢の航路


誰が最初に歌いだしたのだろうか、いつの間にやら船内は大合唱となっていた。
それぞれ酒を片手に、トムの冥福を祈っての…大合唱であった。
110ティア ◆cHEmMBe4ms :2008/11/10(月) 11:42:48 0
>>107-118
> レグリエスに異変が起きる。
> 間を置かぬギアデスティニーの連続使用に、機体が耐えられなかったのだ。
> 放たれた光の奔流はすぐに細くなり、消えてしまう。
「そんな、ここまで来て!?」
ギア・デスティニーの連続発射にフォノンドライブが追い付かなかったが故の、最悪の事態である。

『システムエラー発生…システムエラー発生…フォノンドライブ出力低下。システム強制停止――』
> 同時にレグリエスの胴体全域に亀裂が走り、システムが次々に落ちた。
レグリエスを動かすために同調していたエリーティアの精神が、システムが緊急停止した事によって強引に引き剥がされる。
「っああぁあっ!!」
体を引き裂かれたような衝撃に襲われたエリーティアは、全身を強張らせて悲痛な叫び声を上げる。

> フォノンドライブが停止して、機体が浮力を失って重力の鎖に捕らえられる。
> ゆっくりとレグリエスは落下を開始した。
敵機が未だ健在な状態での、あまりにも絶望的な状況。
エリーティアは未だショックが抜けきれない身体を押してシステムの再起動を試み続ける。
「動いて……お願い、動いて……!」
しかしエリーティアの意思とは裏腹にシステムの再起動は成功する素振りさえ見せない。
無理な働きをさせたために決定的な因子、即ち音素が不足しているからである。

それでもなおエリーティアは、歯を食い縛り何度でも何度でも決して諦めることなく試み続ける。
何故ならば――
> 「信じるんだ…自分を信じるんだ!嬢ちゃん!!」
――何故ならば、聞こえていたから。
本来ならば聞こえないはずのドナルドの声が、確かに聞こえていたのだから。

「私は……もう、誰も……喪いたく、ない……!」
脳裏に過ぎるのは、何時か見た筈の/今は思い出せない、記憶の彼方の光景。
自分の大事な人達をを根刮ぎ奪い去った「今対峙している敵によく似た」無数の悪魔の影。
あの時のように、またしても自分は何も出来ないまま大切な人達を失うのか?
……否、断じて否。その様な事、到底許容できる訳がない!
「だから、お願い……! 動いて、レグリエス!!」

(……サウンド・ストーン、始動……)
何処かで誰か女性の声が聞こえた気がした。
次の瞬間、エリーティアの胸の中央、ちょうど心臓の有る辺りから眩いばかりの緑の閃光が迸る。
「ふえ!? 何が起こってるの?」
緑色の光はコクピット内に充ち満ちていき、何時しかレグリエス全体が眩い緑光に包まていった。

『――を確認、システム再起動。フォノン供給、良好』
緑色の光が溢れる中、今までの労力が嘘のようにレグリエスのシステムがあっさりと復旧する。
それどころか以前よりもエネルギー総量が激増しているようにすら見える。
そして、胴体全体に広がっていた亀裂は何故か傷一つ無い状態に修復されていた。
「……何で? と、とにかくこれなら行けるかも!」

そう確信したエリーティアは直ぐに今現在もレグリエスを押し続けているフォーゲルに対し通信を入れる。
「すみません、お世話をかけしました。私はもう大丈夫ですから、あの敵をぶっ飛ばしちゃいましょう!」
大丈夫だと伝えるために精一杯元気に答えたエリーティアは、そのままフォーゲルのパイロットからの通信を待つ。
111GM ◆GtzExfc62I :2008/11/10(月) 19:54:37 O
>>103-104
【南極、ヴィンソンマッシーフ山】
攻撃は苛烈を窮めた。
剣の舞いは“星喰い”のコアを貫き、ヘルストライクが氷凛の大華を咲き誇らせる。
慧と阿修羅も、それに負けじと技を繰り出す。
それなのに依然として確たるダメージには至らないという現実。
僅かなダメージが徐々に蓄積しているのは明らかだったが、それでは間に合わない。4機の猛攻も虚しく、地上まで残り100mを切った。

「くそぅ…これだけは絶対にやりたくなかったが、やるしかないな。」
ユーリが剣を鞘に収めると、意を決して急上昇を始めた。
あっという間に“星喰い”に激突する阿修羅。がしりとその身体を掴んだ。
「ケイ、モエ………妹を頼んだぜ、ちょっくら“宇宙旅行”に行ってくる。」
死亡フラグだ!モエが気付いたが、もう遅い。
「サクラ!兄ちゃんがお前に預けた剣、絶対に無くすなよ!?じゃ、行ってくるぜ!!!」
最大出力の阿修羅にとって、質量自体はさほど大きくない“星喰い”は軽い荷物も同然だ。
瞬く間にその姿が小さくなっていく。

「あ、それとな、コレ死亡フラグとかじゃねーからな!?絶対に帰って来るからな!?」

いや、どう見ても死亡フラグだったろ。というツッコミを我慢する護衛達。
流石に空気を読んだらしい。L5級のヤンデレに狙われたら、まず助からないのだから。
やがて阿修羅と“星喰い”は空にキラーンと光る☆になった。
「大丈夫だよ!ユーリ君はフラグへし折るの得意だし!!ねっ?モエ!!」
「そ、そうそう!いろんな意味でフラグブレイカーの称号は伊達じゃないんだお!!」
分離したケイとモエが、サクラを励まそうと明るく振る舞った。

しかし彼等も薄々感付いていた。ユーリが“覚悟”を決めていた事を…
そして“星喰い”があの1体だけではないという事を…
「突然で悪いんだけどハッちゃん、僕達は星の欠片を集めなきゃいけないんだ。」
ケイがハルモニアを見上げた。その目は真剣そのもの。
「僕達はレオ君を復活させようと思ってる。だから三機将の力を貸して欲しい。」


謎の夢から始まった今回の南極探検、そこで出会ったムーンの裁定者と探していた兄。
そして現われた天敵…“星喰い”。
地球の存亡を賭けた運命の大決戦が、今…静かに幕を開けた。
112ミリアム ◆fnDCzk6SN2 :2008/11/10(月) 20:54:52 O
>>110
レグリエスの突然の復帰にミリアムは驚きを隠せなかった。レグリエスのパイロットから通信を受けた彼女は

「分かったわ。
アテナ、AEドライブのリミットLV1の限界稼働時間は後どれくらいかしら…?」

『…残り二分。それ以上稼働させれば、AEドライブの急停止の可能性あり。』

「OK!!
(フォーゲルの稼働時間が限られている今の状況で確実に最大火力を叩き出せるのは、恐らくはあのデカブツね………なら…!!)」

フォーゲルはレグリエスから離れ、AEブレードを再び握り締めて再び急反転。
迷いなく2ndに突撃を仕掛ける。

「(LV1解放状況での出力ならAEアーマーでフォーゲルの全体を覆える筈…。)
…デカブツのパイロット、私が敵にフェイントをかけるからアナタが最後の一撃を決めてやりなさい!
大丈夫よ、その機体とアナタの力ならやれるわ!!」

AEドライブ停止まで残り1分30秒。AEアーマーを機体周囲に展開させて特攻まがいを行うブラウエルフォーゲル。
最早、後戻りはできない……。彼女に迷う暇なし。
113ソラ ◆TnakibaQxg :2008/11/11(火) 20:10:15 0
>>111
>「サクラ!兄ちゃんがお前に預けた剣、絶対に無くすなよ!?じゃ、行ってくるぜ!!!」
『お主……ならぬ!』
良い子も悪い子も絶対に真似してはいけないマンガでよくある展開である。
まさか本当にやる人がいたとは!
「ちょっと待て―――ッ! サクラちゃんはずっと探してたんだよ!
15年も探し続けてこんなになっちゃったんだぞ! やっと会えたのにそれかいっ!?」
待てといわれて待つ人はいない。どんどん遠くなっていくお兄ちゃん。
>「あ、それとな、コレ死亡フラグとかじゃねーからな!?絶対に帰って来るからな!?」
「絶対だぞ……ウソついたら承知しないからにゃああ!!」
おそらく何も言えないであろうサクラちゃんに代わって力の限り叫んでおいた。

>「突然で悪いんだけどハッちゃん、僕達は星の欠片を集めなきゃいけないんだ。」
『うむ、妾もそう思っておったところじゃ。我ら三機が集まれば出来ぬ事はない』
>「僕達はレオ君を復活させようと思ってる。だから三機将の力を貸して欲しい。」
『古き友の頼みとあれば断るわけにはゆかぬ。
と、いう訳で自ずからお主にも協力してもらう事になる。良いな? 星の巫女』
「トーゼン!」
周囲の風景が溶けていく。戦いが終わったので変身解除するようだ。

「……お?」
次の瞬間、元通り雪原に立っていた。護衛達がかけよってくる。
「巫女様! ご無事ですか!?」
夢から覚めたような気分で今起こったことを思い出す。
そしてあまりの衝撃的な事実に絶叫する。
「ひえぇええええ! どうしよう!? 化け物と戦うとかマジ無理だから!」
「巫女様、これを」
護衛の一人がどこからともなく取り出したマイクを受け取る。
「つい取り乱してしまいました。ケイくん、モエちゃん、がんばろうね!
とりあえず一緒にアキハバラに帰ろうか。今は星霊教の総本山があるんだよ」
さて、サクラちゃんにどう声をかけていいものか。彼らの間をとりなさなければならない。
「ねえ、何があったのか知らないけどさ、昔レオ君が言ってた。
彼らは人間を選んでくれたんだよ。親に刃向かってまでウチらのところに来てくれたんだ」
いや、違う。こんな事を言っても訳が分からないだろう。
15年間探し続けた兄が宇宙旅行に行ってしまったのだ。平気なはずが無い。
「大丈夫、お兄ちゃんがサクラちゃんを置いて死ぬわけない!
第一あんな美少年が死んだら読者大ブーイングだよ!」
自分でももはや何を言っているのかさっぱり分からないことになってしまった。
114強者の理 ◆GtzExfc62I :2008/11/11(火) 21:12:20 O
【旧デトロイト郊外】
ルーラーNo.256、ヴィクター=ウィリアム=ウォンは退屈に欠伸を噛み殺した。
まさかの戦闘放棄、フォーゲルの行動は無謀そのものだったからだ。
眼前の2ndを放置して仲間と思われる大型AMを救助に向かったのである。
もしもヴィクターが“従来の”ルーラーだったならば、フォーゲルはレグリエスへと
辿り着く前に間違なく撃墜されていただろう。精密機械に迷いは存亡しない。
だが、2日前に記憶の全修復を施されたヴィクターには感情が在った。
「仕方ない、待ってやるか。」
ヴィクターには分かっていた。フォーゲルがまだ完全ではない事が。

幸いにもまだ帰還命令は出ない。現時点での情報収集率は69%だ。
これでは全然足りないという事なのだろう、ヴィクターにとっても都合が良い。
1年ぶりの自我を伴う戦いなのだ。それなのにあっさり終わっては困る。
「立て直したな…あの機体のデータも取っておくか。」
自ら“力”を望み、ユニオンに下ったヴィクターは、戦いこそが存在意義に等しい。
ルーラーとして活動していた間の記憶も、当然持っている。
退屈な戦いばかりだった。一方的な虐殺としか言い様のない戦いばかりだった。
先のアラスカ戦線では、8機の2ndを退けた者達がいたらしい。
「いい加減にアタリを引きたいもんだ…」
再び向かって来たフォーゲルを見据える瞳に、鋭い刃の切れ味が宿る。

「お前達がアタリだと信じておくぜ?」

先程までとは別人の如く鋭い機動。あっさりとフォーゲルの死角を押さえた。
ヴィクターの任務はバルロワファミリーのデータ収集だ。
あっという間に撃墜したのでは任務失敗である。だからこそ“適度に遊んで”いたのだ。
ディ・ゴの切っ先が、Y字型スラスターの噴き出す光“だけ”を真っ二つに裂いた。
当てたりはしない。まだこの機体から完全にデータを引き出せていない。
返す身体がピタリとレグリエスの位置を捉え、ジュ・ガを流し撃つ。

闘争という行為に於いて、ヴィクターは純粋であった。
純粋だからこそ強い。
一点の曇り無き闘争心は、獲物を葬り去る事に関して、精密機械よりも遥かに精密なのだから。
115サクラ ◆5Kq11GJKws :2008/11/12(水) 02:09:03 0
>>111>>113
>>「ケイ、モエ………妹を頼んだぜ、ちょっくら“宇宙旅行”に行ってくる。」
兄はなにを言っているのだろうか?宇宙旅行?ここは南極だよ。
「サクラ!兄ちゃんがお前に預けた剣、絶対に無くすなよ!?じゃ、行ってくるぜ!!!」

「待って兄さん!15年ぶりに・・・あぁ・・・」
>「絶対だぞ……ウソついたら承知しないからにゃああ!!」
サクラは声も出せず、巫女様の声は届かず阿修羅は瞬く間に上昇していった。そして、サクラはその場に崩れる
悲しがるサクラを知ってか知らずかユーリが見えなくなる前に最後の言葉を残す
>「あ、それとな、コレ死亡フラグとかじゃねーからな!?絶対に帰って来るからな!?」
そう言ってユーリはキラッ☆っと星になって星間旅行に旅立った
「兄さん!!死亡フラグってなに!死亡フラグってなんなの!」
死亡フラグなんて専門用語サクラが知ってるはずもなく兄の言葉をいまいち理解できぬまま15年ぶりの再会は幕を閉じた
そして、サクラは泣き出した
「うわぁぁぁん、おにいちゃぁぁん、また、またサクラを置いていったの・・・」
あたりにサクラの鳴き声がこだまする
泣いてないて泣きまくった。7歳の子供に戻ったように・・・
思う存分泣いた後、立ち上がってモエとケイの方を向いた
>「ねえ、何があったのか知らないけどさ、昔レオ君が言ってた。
彼らは人間を選んでくれたんだよ。親に刃向かってまでウチらのところに来てくれたんだ」
>「大丈夫、お兄ちゃんがサクラちゃんを置いて死ぬわけない!第一あんな美少年が死んだら読者大ブーイングだよ!」
巫女様が最初なにを言ってるのかはわからないけどあの二人の肩を持っているのだろう。あれだけ取り乱したの私があの二人を八つ裂きにしてしまうとでも
思っているのかな?
それと私のことを心配してくれているようだ
「巫女様、心配はいりません。もうこの二人を八つ裂きにしたり、生き埋めにしたり、さらし首にしようなどとは考えてはおりません。
一発ぐらいは殴ってやろうとは思っていますけど」
ニコッとケイとモエの方に笑顔を向ける
「それと巫女様・・・心配をおかけして申し訳ありませんでした」
さっきまでの自分の取り乱しっぷりが恥ずかしくて赤面しながらモジモジしながら丁寧にお辞儀した
「さ、アキハバラに帰りましょう!」
照れ隠しにとびっきりの笑顔をみんなに見せる
116ティア ◆cHEmMBe4ms :2008/11/12(水) 04:24:56 0
>>112,114
> 「分かったわ。(中略)
> 大丈夫よ、その機体とアナタの力ならやれるわ!!」
(うーん、なんだか一杯迷惑掛けちゃったみたいだね)
こちらに漏れてくる話を聞く限り、彼女は自分達の切り札を使ってまで私達の事を助けてくれたみたいだ。
そう判断したエリーティアは決意も新たに力強く頷く。
「分かりました! 私に任せて下さい!」
何時の間にやら身体の痛みは何処かへ吹き飛んでいた。だからこそ、やれる。やってみせる!
エリーティアの意志に呼応するように、レグリエスのフォノン・ドライブはかつて無い昂ぶりを見せる。

そして、いよいよ持ってフォノン・ドライブが完全なる全力稼動を始めた時、突然レグリエスは眩い緑光を放つ。
次の瞬間には、レグリエスの全身は薄緑色に淡く輝く光の膜に覆い尽くされていた。
『フォノン・ドライブ最大稼動。フォノン・フィールド展開』
「へ? 何これ!?」
予想外の事態に驚きを隠せないエリーティア。
今まで一年ぐらいこの子と一緒に頑張ってきたけど、こんな事が起こったのは初めてである。

――もしかしてこの子、わたしの思った以上に劇的にパワーアップしてる?
「うーん、今は考えてる場合じゃない、かな? と、とにかく急ごう!」
考えるのは後にしよう。そう考えたエリーティアは、直ちにレグリエスを新たに出現した2ndへと向かわせる。
フォノンジェットエンジンはエリーティアの戦意を支えるように高らかなウォークライを奏でていた。


> 返す身体がピタリとレグリエスの位置を捉え、ジュ・ガを流し撃つ。
先程の2ndとは明らかに違う反応速度に、エリーティアは思わず息を呑む。
回避は間に合わない。防御も間に合わない。直撃を受けるしかないこの状況。
エリーティアは歯を食い縛り衝撃に備える……が、次の瞬間訪れたのは想像より遥かに控えめな衝撃だった。

「ふぇ?」
レグリエスを覆う光の膜がジェ・ガの威力を減衰して緩和させたのである。
光の膜、フォノン・フィールドはジェ・ガの直撃した名残か、赤の混じった波紋を生み出していた。
「へー、これ、バリアだったんだ……うん、これなら行けるかな」
そう呟いたエリーティアは、レグリエスを一気に加速させる。目指すは相手の2ndの懐。
「はぁぁぁぁぁ!」
回避を考えない最大加速での突撃、エリーティアが選んだ攻撃手段は正にそれであった。
爆発的な加速で一瞬の内に2ndに肉薄したレグリエスは、その加速度が保たれたままに渾身の蹴りを放つ!
「一点集中! 蹴り抜けぇぇぇぇぇ!!」
117ミュウ ◆xK7dfy5P/g :2008/11/12(水) 19:49:47 0
>105
2ndを6機も落とす事が出来た。
ここまで簡素に書いて、しかも鵜呑みにすれば大金星だ。
しかし実際にはトムの犠牲があってのこと……到底喜べるはずも無い。
その上、8機のうち6機を撃破しただけに過ぎず、無傷の2ndが2機残っている。
望まぬ戦果を上げるために払った対価は安くない。こちら側はぼろぼろに近いのだ。
とても残る2機を相手にできる余力など―――たとえ相手に隙があろうとも。

>のんびりと拍手をする少年。
そんな戦場に響き渡る場違いな拍手……ミュウは
突如現れたその少年を信じられないといった風に見やる。
頭に直接流し込まれる声、残骸を動かす能力も含め何もかもが……『似すぎていた』。
かつて言われるままに打ち倒した“狂える神”に―――。

少年は喋るだけ喋り、残った2ndと集めた残骸もろもろと一緒に姿を消した。
ミュウはここに至って、かつての協力者であった“異邦の神”が
地球に行く事をしきりに勧めていた理由を知った。彼には分かっていたのだろう……
知ってしまった以上、もう一度戦わなければならない。
たとえ、エイタの機能が徐々に低下していこうとも……かつてのようには行かなくとも。

>109
>誰が最初に歌いだしたのだろうか、いつの間にやら船内は大合唱となっていた。
エイタのシステムチェックを終えたミュウがコックピットから降りると、
乗組員たちがトムの作った歌『俺達は海賊』を歌っていた。
ミュウも、小声ながらその合唱に加わる。そこに込められた想いを、痛いほどに感じるから。
誰もがトムの死を悼み、悲しみに押しつぶされまいとしているのだ……。
もう、トムのタイミングを外した大声も聞けない……そう考えた途端、
何かが頬を伝ったのを感じた。目から流れて止まらないそれは、涙だった。


奇妙な光景だろう。無表情なのに涙だけ流しているというのは―――。
今回の戦いで、一緒に殿を務めたスゥがどうしているのか……
ミュウはスゥを探して、歌い続けながら艦内をあてども無く歩いていく。
会って何かすると決めているわけじゃない……多分、一人でいたくないだけなのだ。
118刻まれた碑文 ◆GtzExfc62I :2008/11/12(水) 21:40:10 O
>>116
【旧デトロイト郊外】
>爆発的な加速で一瞬の内に2ndに肉薄したレグリエスは、その加速度が保たれたままに渾身の蹴りを放つ!
>「一点集中! 蹴り抜けぇぇぇぇぇ!!」
速い。巨体に見合わぬ速度で一直線に突き進んで来るレグリエス。
「なるほど、バリアに防御を任せて突撃か…そんなんじゃ機体が泣いてるぜ?」
全く動じる事なく、ヴィクターは笑っていた。
彼が意識を集中させた途端、2ndの右腕に不可思議な文字の羅列が滲出する。
迫る蹴りに対して、ゆっくりと右腕を構えた。

ドン!

レグリエスの巨大な脚部が激突した筈なのに、小さな衝撃音。
2ndは微動だにしない。完全に“受け止めて”いる!!
「本当ならもっと強く蹴れる、本当ならもっと速く翔べるってな…。」
フォノンフィールドが幾重もの波紋を描き、脚部ごと弾き飛ばされた。
背後のフォーゲルからの攻撃に、ゼ・グォルを発射体勢になる途中で無理矢理に撃つ。
丁度背面をカバーする射線が、切り掛かって来たフォーゲルを足止めした。

デタラメな戦い方だ。エリーティアもミリアムも、初めて見た戦い方だった。
今までの2ndとは明らかに異なる、“荒々しさ”があった。
「よく聞け、自分の機体の大きさを考えて仕掛けるんだ。分かったか?」
ヴィクターはレグリエスに通信を入れた。チャンネルの解析が済んだからだ。
「相手は自分よりも小さくて速い。ならばどう戦えばいい?さあ、頑張れ。」
レグリエスのモニターから2ndの姿が消える。と同時に激しい衝撃。

エリーティアが“攻撃された”と気付くまでに3回、衝撃が襲って来た。
フォノンフィールドが極彩色に煌めき、次第に薄れていく。
ヴィクターの攻撃に、フィールドを維持出来ず、フォノンドライブが耐えられなくなっているのだ。
今やヴィクターの2ndには、全身に不可思議な文字が浮かび上がっていた。
“エピタフ”と名付けられた新システムの存在を知る由も無かったが、その異質な“力”
の強大さは充分に理解する事が出来た。今までの2ndとはまるで次元が違う。

(案外しぶといバリアだな、試作機には少し“荷が重い”か…)
ヴィクターは残念そうな顔で、ダメージアラートを聞き流す。
エピタフシステムを試験搭載しただけの2ndでは、その力の全てを発揮出来ない。
「まぁ大体のデータは揃ったしな、後1分くらいは遊んでやるか。」
急加速するヴィクター機が狙うのは…レグリエスを支えた為に損傷したアルゲマイン!

「ほれ、仲間の命が懸かってるぞ?見せてみろ、その力を!!」
11928番 ◆gyalxMCbGw :2008/11/12(水) 21:51:52 0
>>106
あのアラスカ戦線からどれほどの時間が経っただろうか……
28番が目を覚ます、いつもと同じ簡素な寝台、真白な部屋。
一列に並んでいるカプセル……しかし何かが違う。

――よおアレックス――

幻影なのか?懐かしい人間の顔が浮かんでは消え浮かんでは消える。
自分をアレックスと呼ぶ人間たち、しかし懐かしいのに思い出せない。
>「おはよう、気分はどうかね?」
目覚めた28番を見て声をかける研究員。
今までなら反応などしなかった。いや頭に響きすらしなかったというのに。
なぜだろうか。今はその言葉が鮮明に聞きとれた。
「……あ……」
初めて言葉を聞いた赤子のように返すしかできない28番。
さっきから一体自分はどうしたんだろうか?
初めて疑問という思考にぶつかる28番。

>「ふふ、無理もないな。君は今、記憶封印の全解除を終えたばかりだからね。」
「記憶……?これが……記憶……」
今も思い浮かんでは消える懐かしい情景、懐かしい人間たち。
これがあの戦闘のとき何者かが言っていたメモリー?
新しい情報は28番に次々に新しい思考が生まれていく。

なぜ自分はメモリーを戻されたのか?このメモリーとは
自分がルーラーになる以前のものなのか?
なぜ自分は再調整されないのか?
思考に果てなどなくいくらでも浮かんでくる疑問。
そして、それは28番が既に人形ではない人間の証だった。

>「まだ暫くの間は意識が不安定だろうから、静かに寝ていると良い。」
混乱を極める28番に研究員がやさしく肩を叩く。
その時だった、封じ込められた記憶が堰を切り一気に流れ込んでくる。
12028番 ◆gyalxMCbGw :2008/11/12(水) 21:53:37 0
『落ち込むなよアレックス。今年が駄目でも、来年また頑張れば良い』

この声……この声は聞いたことがある。
ルーラーになったあとでもはっきりとこの声は聞いたことがあった。

『よかったなぁアレックス!ほら諦めず努力すればいけるんだって言ったろ!』

そうだ、この声。アレックスがルーラーになった後も常に共にあった。
ずっと今まで共にいた……UOの体調、ブランドン=タイラーの声。
「…あ…ああ……!!」
今鮮明に思い出されるタイラーの最後、
あの時は何が起こったか分からずただシグナルを探し続けた28番だった……
しかしあの時確かにタイラーは自らを犠牲にして28番を…
最愛の弟であるアレックスを護った……

『アレックス!バナナダイエット効果すげぇらしいぜ!』

思い出した最も信頼できる存在であり続けたタイラーのことを思い出す。
しかしもういない……彼は死んだ。そう、弟である自分を護って……
「ああ……あああ…あああああああああああ!!」
涙が頬を伝いどこに向けていいかも分からない怒りがアレックスに押し寄せる!

なぜあの時思い出していなかったのだろう。
なぜあの時兄だと気付かなかったのだろう。
気付けば何かできたかもしれない。なぜあの時……

寝台に拳を叩きつけ粉砕するアレックス。
それは彼が人間ではないことをはっきりと証明している。
「なぜだ……なぜ……うあああああああああ!!」
ただの人形だったらここまで苦しむことはなかった。
そう言わんばかりに咆哮するアレックス。
行き場のない想いを壁や床などにぶつけていくアレックス……

「………兄さん………」

>>118
「やはりな…狙いは俺か…」
急激なスピードで近づく機影にドンは自分が狙われているという事を即座に悟った
レグリエスを支えた時に受けた損傷は思いの他大きく今も飛行しているのがやっとの状態
ましてや2ndなど例え無傷のままでも太刀打ちできるものではなかった
「…だが俺なんかのせいで嬢ちゃんを危険に晒せねぇ……

ドンは悔しそうに呟くと一つの決心を心に決めた
―例え相手と差し違えても―

素早く操縦桿を握り直すと 飛行ユニットのブースターを加速させ
自分を狙うべく攻撃を仕掛けようとする2ndを迎え撃った

鞘から引き抜いたヒート・ブレードは最大出力となり刀身は真っ赤に染まっていく

「いくら2ndとは言えヒート・ブレードを直接突き刺してやれば
多少のダメージは食らうはずだ……」

確証は無かったがかなりの高熱を誇るヒート・ブレード
いくら特別とはいえ2ndの装甲へ突き刺す自信は十分にあった

「嬢ちゃん……
今のお前さんじゃあの2ndには敵わないかもしれん…
俺が奴を引き付けておく…
さっきと同じ事を言うかもしれんが良く聞いてくれ…」

コックピットには限界を知らせる警告音が鳴り響く
レグリエスを支えた衝撃はアルゲマインの全身に深刻なダメージを与えていたのだ
「……くそっ!!!…そろそろ限界か…
嬢ちゃん俺に構うな!!!
さっきのあれをもう一回ぶち込めぇ!!!!!」
ヒート・ブレードの刀身は確かに2ndに深く突き刺さった
122GM ◆GtzExfc62I :2008/11/13(木) 12:25:03 O
>>113>>115
【南極、ヴィンソンマッシーフ山】
>「つい取り乱してしまいました。ケイくん、モエちゃん、がんばろうね!
>とりあえず一緒にアキハバラに帰ろうか。今は星霊教の総本山があるんだよ」
突然背負うハメになった地球の危機に取り乱したのも束の間。
マイクを持った瞬間、ガラッとキャラが変わったソラを見てケイがずっこける。
「う…うん、頑張ろうね…。(大丈夫かなぁ…)」
>「巫女様、心配はいりません。もうこの二人を八つ裂きにしたり、
 (中略)
>一発ぐらいは殴ってやろうとは思っていますけど」
さらりと怖い事を言うサクラにガクブルするモエ。
(こわっ!発想こわっ!この子の実家は絶対に雛見沢だお!!)
(間違いないね、きっとオヤシロサマのTATARIがあるね…)

すっかり怯えてしまった2人を余所に、サクラはとびきりのスマイルで、
>「さ、アキハバラに帰りましょう!」
と元気良く呼び掛ける。
「アキハバラじゃなくて雛見沢の間違…はぐぁ!?」
オヤシロサマの祟りが降り懸かる前に、モエの脇腹へとケイの手刀がめり込んだ。


【ユグドラシル第四階層パンデモニウム】
灯の無い闇の中、ガランは考えて込んでいた。遂に“星喰い”が現われたのだ。
箱舟の母船であり、ルルイエ文明の全てを秘めた“彷徨惑星ロゴス”。
15年前に開かれたムーンの“扉”は、ロゴスに太陽系の存在を報せた。
しかし惑星規模のサイズを誇るロゴスの太陽系到達には膨大な時間が必要だった。
先に地球に訪れたガラン達5人のルルイエ人は、準備を進め始める。
来たるべき決戦に備えて、地球人類を纏め上げ、“星喰い”を倒す為に…

ロゴスの到着が先か、“星喰い”が現われるのが先か。
一種の賭けであった。そして今日、ルルイエ人はその賭けに負けた。


【豪華旅客機ハミングバード】
ソラ達が日本に帰る道中、ケイはこれまでの経緯を説明した。
3ヶ月くらい前にゴルディカイザーが南極を飛び出し、とある少女と一緒にいる事。
今のゴルディカイザーは衰弱しており、このままでは消滅してしまう事。
火星ロボの生き残りと協力し、星王機神を完全復活させようと星の欠片を集めている事。
そんな中、“星喰い”が現われたので迎撃に向かったら、ソラ達と出会った事…

かなり長い話だったが、簡単に纏めると僅か4行で済んだ。
「え!?省略したの!?しかも4行って…ひぎぃ!!」
こら!ナレーションである私にツッコミを入れるのは反則!ペナルティーッ!!
…コホン、では気を取り直して続けましょう。

黒焦げのアフロになったケイは、シクシク泣きながら現在の状況を説明した。
星の欠片は全部で7個、それらを全て集めると
「神龍が出てくあああああ!!!!」
モエ!ナレーションの邪魔しちゃダメ!!ペナルティーッ!!
…コホン、それらを全て集めると“星核”という星王機神の動力炉になる。
今のゴルディカイザーは残されたエネルギーを使いながら辛うじて存在を保っている。

「つまり、急がないとレオ君は消えて無くなっちゃうんだ。」
黒焦げのアフロが2人並んでシリアスに語っても、なんだかギャグにしか見えない。
「ソラ様ーッ!大変です!アキハバラに…ゴルディカイザー様が降臨されました!!」
操縦士が通信を受け、ソラ達に叫んだ。

「しかも街を破壊しているそうです!!ハンパない暴れっぷりだそうです!!」
123今を生きている ◆GtzExfc62I :2008/11/13(木) 14:49:09 O
>>120
【ユグドラシル第三階層オービタルユニオン】
>「なぜだ……なぜ……うあああああああああ!!」
>行き場のない想いを壁や床などにぶつけていくアレックス……
「うるせえぞ…まったく何事だよ。」
ラボに入ってくるなり、ヴィクターは顔をしかめた。
半身が焼け爛れており重傷だと一目で分かる。常人ならば身動き出来ない程に。
「取って来たぞ、ほれ。それと今すぐ身体を治せ。」
無造作にディスクを研究員へ投げて、近くの寝台にドカッと腰掛ける。

「ちょっと大切に扱ってほしいね。割れたらもう1回やり直しだよ?それと今すぐは無理。」
慌ててディスクをキャッチすると研究員は無茶な要求に苦笑した。
「まぁ何はともあれご苦労様、暫く調整槽で休んでてよヴィクター君。」
「どれくらいで治るんだ?」
「だからすぐには無理だってば。アレックス君も暫く休んで、まだ頭が混乱しているからね。」
そう言い残して研究員はディスクを大切そうにケースへ入れ、ラボから出て言った。

訪れる沈黙。ヴィクターは寝台に寝そべって、何やら写真を眺めている。
その写真を眺める瞳には、深い後悔が見えたような気がした。
「おいお前、確か28番だったな?しっかりしろよ、最強の名が泣くぞ?」
いきなり話し掛けてくる。ヴィクターの言う通り、28番はタイラーと並ぶ最強の1人。
だが今は28番ではない。アレクサンドル=タイラーとしての自我を取り戻したのだ。
「お前がどんな過去を抱えてるのか知らねえけどな、“それ”に潰されるなよ。」
まっすぐにアレックスの目を見て、ヴィクターは続ける。

「俺もお前も、“今を”生きてるんだ。」
124ソラ ◆TnakibaQxg :2008/11/14(金) 00:46:46 0
>>122
「「つまり、急がないとレオ君は消えて無くなっちゃうんだ。」」
大宇宙の法則によってアフロになってしまったケイ君とモエちゃんが衝撃的な事実を告げた。
星の欠片は星王機神の動力炉の欠片だったのだ。
要するに、レオくんは自らの命を削って人類に希望を託した事になる。
とりあえず近くにいた護衛をつかまえて頼む。
「えーと……スタイリング剤を持ってきてくれるかな?
これじゃあ絵的に真面目なシーンに見えない……」
「かしこまりました」
護衛が出て行こうとした矢先。
>「ソラ様ーッ!大変です!アキハバラに…ゴルディカイザー様が降臨されました!!」
さっきとある少女と一緒にいるって聞いたけど
その子がアキハバラを観光してみたくなったから一緒に来たっていう可能性も……。
『ンな訳ないであろう!』
星の欠片の中に収納されているハルに突っ込まれた。
「待たせたらシャレになりません! 超特急で帰還してください!」
>「しかも街を破壊しているそうです!!ハンパない暴れっぷりだそうです!!」
「「「な、なんだってーーーーー!?」」」
側にいた護衛ともども叫ぶ。
「お終いだ……我々は神の怒りを買ったのだーーーーー!」
神の怒りといえば思い当たる節が……。
「レ○パレスなんてもう言わないよ……許してーーーーー!」
「いえ、多分関係ないと思います」
一人だけ冷静さを保っているマイク係の護衛がさっとマイクを差し出す。
そうだ、騒いでいる場合じゃない。だって……星の巫女なんだもん!
「皆の衆、落ち着いてください。神様だって暴れたい時もある!
帰還次第鎮めの儀式を執り行います!」
「「「かしこまりました!」」」
護衛達が慌しく準備を始める。

「鎮めの儀式?」
通りがかった護衛がモエの疑問に答える。
「はい、ソラ様の歌には力が宿るんです。少なくとも信者はそう信じています」
「まさか……」
ケイが答えを引き継ぐ。
「いや、ウソじゃないかも。昔の人たちを思い出してみて」

文明の萌芽の時代、まだ人と神が共に生きていた頃。
人々は当たり前のように動物と会話し、風や大地の声を聞いて生きていた。
想いはそのまま現象に変換され、音や言葉は今よりもずっと強い力を持っていた。
やがて古代文明を模倣した高度な精神文明を築き上げるために与えられた素質だ。
しかし、現在の地球文明、すなわち精神に依存しない物質文明を発展させるには不要、
むしろ邪魔なものだった。
そのため、代を重ねるごとに表に出ないようにリミッターがかかっていった結果
今では人間にそんな力があったことさえ完全に忘れ去られてしまったのだ。

「あの時古代ロボとの融合一歩手前までいったことで
リミッターの一部が解放されたとしたら……」
その頃すでにモエの興味は別のことに移っていた。
「久々にケイ君が賢そうだお!」

そろそろアキハバラに着く頃。
巫女装束を基調とした衣装に身を包み、ステージのセットがされた甲板に出る。
ウチの歌には力が宿る……らしい。
自分でも信じられないが、信じざるをえないのだ。
そうでなかったとしたら特に歌が上手いわけでもなく夢見がちな少女が
同じく夢見る者の30人を引連れて瞬く間にスターダムに上り詰めた説明がつかない。
そう、鎮めの儀式とは荒れ狂う神に捧げる歌。
125名無しになりきれ:2008/11/14(金) 11:24:50 O
青い戦士
126ティア ◆cHEmMBe4ms :2008/11/14(金) 22:27:59 0
>>118,121
> レグリエスの巨大な脚部が激突した筈なのに、小さな衝撃音。
> 2ndは微動だにしない。完全に"受け止めて"いる!!
> フォノンフィールドが幾重もの波紋を描き、脚部ごと弾き飛ばされた。
「……うそぉ!?」
後方まで吹き飛ばされながらも何とか態勢を整えるも、やはり驚きを隠せない。

『敵機、解析不明のフィールドを展開。現状では――不足により貫通は困難』
直後に敵機の状態がウィンドウに記されるが、解る事は何らかのバリアを張った事ぐらい。
それどころか何故かは知らないが一部分全く文字の読めない所まである始末。
「きついなぁ、今までよりもっとチートになってるよ……」
泣き言紛いの事を言いながらも、エリーティアの瞳に諦めの色はない。

と、その時突然敵機から通信が入る。
> 「よく聞け、自分の機体の大きさを考えて仕掛けるんだ。分かったか?」
> 「相手は自分よりも小さくて速い。ならばどう戦えばいい?さあ、頑張れ。」
唖然としている中一方的に通信は切られた。そして、

> エリーティアが"攻撃された"と気付くまでに3回、衝撃が襲って来た。
> フォノンフィールドが極彩色に煌めき、次第に薄れていく。
> ヴィクターの攻撃に、フィールドを維持出来ず、フォノンドライブが耐えられなくなっているのだ。
「〜〜〜〜〜っ! なんて速さなの、反応が追いつかないよ!」
何もかもが異例尽くしな今回の敵機に対し、エリーティアは改めて思う。
やっぱり、こいつは今までの敵と全然違うと。


そう思った矢先、敵機は突然レグリエスを狙いから外し、方向転換をした。
> 急加速するヴィクター機が狙うのは…レグリエスを支えた為に損傷したアルゲマイン!
認識すると同時にフォノンジェットエンジンをフルブースト、最大加速での追撃を仕掛ける。
しかしどう転ぼうとも迎撃は疎か追い着く事さえ不可能に近い状況。
そして、エリーティアは一つの選択を迫られる事となる。

> 「嬢ちゃん……
 (中略)
> さっきのあれをもう一回ぶち込めぇ!!!!!」
> ヒート・ブレードの刀身は確かに2ndに深く突き刺さった
ドナルドの決死の攻撃で敵機の動きが食い止められた。
恐らく、今を逃せばここまでの好機は二度と来ない。
あれを健在のままにさせて置いてはファミリーのみんなを危険にさらす事にもなる。
だからこそ今ここでドナルドごと破壊する事こそが、最もベターな選択なのであろう。

頭では理解できる、それでも納得なんて、行く訳がない。
「……それでも、やるしかないんだ。私だって、バルロワファミリーの一員なんだから……」
悲痛なまでの意志と共に、エリーティアはギア・デスティニーの発射シーケンスを開始する。
再起動後の胴体部分の形状変化が作用したのか、その速度は従来と比べて10倍以上。
そして、いよいよ発射されようとしたまさにその時。
『――音は祈りを乗せて響く――』
エリーティアの眼前に展開されたウィンドウに、ただ一行の聖句が浮かび上がった。
それと同時にレグリエスの全身からは淡く輝く虹色の光が溢れ出し……

(なに、これ!?)

……エリーティアの脳内に、まるで火花が散ったかのような衝撃が襲いかかる。
「っ! 響き渡れ!!」
『ギア・デスティニー発射』
一瞬意識が飛びそうになりながらも、エリーティアは何とかギア・デスティニーを発射させた。
今までとは比較にならないほど安定した光の奔流は射軸上にいた2ndとアルマゲインを一瞬に飲み込む。

……虹色に輝く光の奔流は、アルマゲインに一切の危害を加える事が無かった……
127サクラ ◆5Kq11GJKws :2008/11/15(土) 00:44:00 0
>>122>>124
(略)
>かなり長い話だったが、簡単に纏めると僅か4行で済んだ。
「え!?省略したの!?しかも4行って…ひぎぃ!!」
こら!ナレーションである私にツッコミを入れるのは反則!ペナルティーッ!!

「・・・大いなる存在の意思を感じます」
少々危険な発言のような気がしないでもないが置いときましょう
「ゴルディカイザーの搭乗者?ソラ様のことではないのですか?巫女なのに」
あれっと疑問に思ったことを口にする
「それに動く為に必要な『星核』がなくて衰弱しているんですよね?」
説明されたことを確認するように復唱していく
「で、そのド○ゴンボールを集めてボ○ンガを呼んでギャルのパ・・・じゃなくて『星核』を貰うんですね?」
ええ、今回もサクラは聞いていませんでした。
「サクラちゃんはいつもいつも何を聞いてるんだよ!!」
同僚の護衛マイク杉山に怒られるサクラこの光景はもはやお決まりの物となっており他の護衛もただ微笑んで見守っているだけだった
「ごめんなさい、マイクくん。ちょっと新しい必殺技の氷殺ダイアモンド・・・」
「またそれ!!ほんとサクラちゃんは戦いのことばっかり考えて!!ちょっとは他の仕事にも関心を持ってよ!!リーダーなんでしょ!」
そう、サクラは護衛部隊のリーダーだったのだ!マイクは巫女様のマイク係。つまり、副リーダーの地位にいるのだ!!
サクラは女の子で一番強いということで四天王の一人でありサクラの師匠でもある山田太郎卿により任命されたのだ
そして、マイクはそんなサクラのサポートのために選ばれた超優秀な副リーダーなのだ。
そんな頼りないリーダーなサクラではあるが強くてかわいいので誰も文句は言わないのである

>「ソラ様ーッ!大変です!アキハバラに…ゴルディカイザー様が降臨されました!!」
「しかも街を破壊しているそうです!!ハンパない暴れっぷりだそうです!!」
>「「「な、なんだってーーーーー!?」」」
側にいた護衛ともども叫ぶ。
「お終いだ……我々は神の怒りを買ったのだーーーーー!」
神の怒りといえば思い当たる節が……。
「レ○パレスなんてもう言わないよ……許してーーーーー!」
「いえ、多分関係ないと思います」

「静かに!!ここで取り乱したところで何になるんですか!落ち着いてください!」
ビシッと決めるサクラ。内心では決まったと心の中でほくそ笑んでいるだろう

>一人だけ冷静さを保っているマイク係の護衛がさっとマイクを差し出す
>「皆の衆、落ち着いてください。神様だって暴れたい時もある!
帰還次第鎮めの儀式を執り行います!」
サクラが決めた頃にはもう鎮めの儀式の準備が始まっていた
「サクラちゃんもそんなところでへんなポーズ決めてないで早く着替えてください!!」
あげくの果てにはまたマイクに怒鳴られる・・・
「・・・はい」
しょんぼりと返事をすると儀式装束の黒い巫女服に着替え軽鎧を着込み頭にティアラを乗せ、腰に儀式用の宝刀と兄の形見?の愛刀を下げる
「汚名挽回よ!!」
某中尉並みの間違いを繰り出すサクラだったが周りは忙しくて誰も突っ込まなかった
そして、アキハバラにもうすぐ到着し頃、巫女様がステージに立つ後ろに仁王立ちで前方を睨みつけるサクラ

アキハバラが見えてきた

128GM ◆gSwqGuhSvI :2008/11/17(月) 00:27:23 O
>>124>>127
【豪華旅客機ハミングバード】
このハミングバードは単なる豪華旅客機ではない。
目的地まで巫女を安全快適に運ぶ役割と、もう1つの重要な役割を持つ。
…それは“ライブステージ”としての機能!!
「メインデッキ分割完了!ライブモードに移行する!!各員配置に着けーッ!!!」
船体が左右に割れ、ゆっくりと中央部にステージが上昇する。
割れたメインデッキは超巨大スピーカーとなり、ブリッジ両舷が照明に変形した。
「ハミングバード、ライブモード変形完了ーッ!!!」

>そろそろアキハバラに着く頃。
>巫女装束を基調とした衣装に身を包み、ステージのセットがされた甲板に出る。
遠くに見えるアキハバラの夜景は、見慣れたネオンの灯ではなく…
焔が猛る火の海だった!!
そしてその業火の中、聳え立つ巨体は…紛れもなくゴルディカイザー!!!

「そんなバカな…今のレオ君は勇者形態に変形出来ない筈なのに!!」
ケイは驚きを隠せなかった。3ヶ月前にアメリカで出会った時とは明らかに違う姿。
「よく見るお!あれはレオ君じゃないお!!」
モエがケイを叱責し、その両目を後ろから無理矢理に開かせる。…限界まで!!
「ぎゃあああ痛い!痛いよ何するの!?もしかしてチョップの仕返し!?」
「もしかしなくても仕返し!!…じゃなくて、ほら見て!色とか全然違うもん!!」

>アキハバラが見えてきた
モエが言う通り、ゴルディカイザーは白を基調とした体躯に黄金のたてがみと装飾。
対して今アキハバラにいるのは、黒を基調とした体躯に黄金のたてがみと装飾…
なんともまあベタな偽者パターン!と普段ならばツッコミを入れる余裕も在っただろう。
しかし、2人の顔色は蒼白に変わる。

気付いてしまったのだ。ゴルディカイザーに見える偽者の正体に!!
「ソラちゃん!気をつけて!!あの“子”は…火星の星王機神、アルテラセイザーだ!!!」
ケイがステージのソラに呼び掛ける…が、ソラは返事をしなかった。
正確には“返事が出来る状態”ではなかったのだが。


【夢の中?】
気が付いたらソラとサクラは荒野に立っていた。あの夢の中で見た荒野だ。
『僕を見付けて…』
2人の頭に直接聞こえてくる少年の細い声。
『この星が…』
だが何処にもその姿は見当たらない。在るのはただ無数の残骸だけ。
『消えてしまう前に…』

突如響き渡る大地を揺るがす咆哮。
鮮血の如く紅い夕日の彼方…天を睨み吠え猛る黒獅子!!
空を覆い尽くすモノ。それは南極で見た、あの“星喰い”の群れだった。
129ヴィクター ◆gSwqGuhSvI :2008/11/17(月) 00:29:42 O
>>121>>126
【旧デトロイト郊外】
こいつ…まさか俺と刺し違えるつもりか!?無謀にも程がある。
だがそこまでの“覚悟”があるなら、見せてもらうぞ!!

>ヒート・ブレードの刀身は確かに2ndに深く突き刺さった

これはその対価だ…取っておけ!!ジリジリと肉の焦げる音が聞こえる。
俺の身体が焼けている。敵のブレードが発する熱が、ここまで届いているからだ。
こいつは迷ってなかった。こちらもジュ・ガを抜いていたんだ。
間合いを量れないような腕じゃない。こいつは本気で俺と刺し違えるつもりだった。
久しく忘れてた戦いの高揚が、全身を駆け抜けた気がした。
こいつは旧式の機体というハンデを撥ね除け、“命の使い道”を弁える本物だ。

「はは…あはははは!!見せてもらったぜ!?お前の覚悟をな!!」
惜しい、こんな奴を死なせるのは惜し過ぎる。

>「っ! 響き渡れ!!」『ギア・デスティニー発射』
>今までとは比較にならないほど安定した光の奔流は射軸上にいた2ndとアルマゲインを一瞬に飲み込む。

「だから今は死なせない。お前も、あの2機も、また俺と戦え!!!!」
光が消えた。あらゆる事象を飲み込む究極の闇、ゼロ時間の断面…“ヌ・ル”。
まるで光の奔流が俺を避けているように見えるだろう。
流れの中に板を挿せば、その後ろは隙間になるんだから当たり前だ。
「いいぞ、お前も仲間ごと消し去る覚悟を決めた…実際にやれと言ってやれる事じゃない。」
楽しみになった。生きていく中で、何か楽しみがあるってのは良いものだ。
しかしどうやら機体のダメージが戦闘可能領域を超えたらしい。ここまでか…

久し振りに胸踊る戦いに満足出来た。一度退くとしよう。
『ご苦労様。こっちに転送するから、じっとしててね。』
通信が入る。ユニオンの頂点に君臨する存在…ルルイエ人。
その中で最高権力を持っているのがこんな子供だと誰が信じるだろうか。
「了解した、やってくれ。」
光の奔流が消えて、俺はヌ・ルを解除する。
徐々に機体が透き通っていき、俺と機体はユグドラシルに戻る事になる訳だ。

「次に逢う時までには、その機体を乗りこなせるようにしておけよ?」
大型機に通信を送る。こいつも成長が楽しみな奴だ。
「それと…“刺し違える”なんてやり方はもう止めておけ。次は“避ける”からな?」
旧式機のパイロットにも“忠告”しておく。
こいつみたいな奴が、簡単に死んでいい時代じゃない。

俺達“人間”は…これから先とんでもない“相手”と戦わなければならないからだ。
130ソラ ◆TnakibaQxg :2008/11/18(火) 00:23:58 0
>>128
燃え盛るアキハバラを見たとき、目を疑った。
確かに大暴れとは聞いたけど、ここまで容赦が無いなんて。
遥か古にこの星に命を与えた優しくて凛々しくてちょっとお茶目な生命の神様と
業火の中に立つ巨体が同一人物なんて思いたくない!
脳裏によぎる15年前の彼の言葉。
――『そなたの歌には力がある! 星の巫女となって地球を守ってくれ!』
――『お近づきの印に特別に我の事をレオ君と呼んでもいいぞ!』
歌うのも忘れて叫んだ。聞こえないと分かっていながら。
「どうして……どうしてなの!? 今更人間に嫌気がさしちゃったの!?」

その時だった。この前ペンダントを拾った時みたいに、突然周囲の風景が変わる。
夢の中で見たのと同じ一面の荒野。
ただ、一瞬で戻らなくて、サクラちゃんも一緒に来ているのが以前と違う。
>『僕を見付けて…』
少年の声が聞こえてきた。辺りを見回しても残骸があるばかり。
>『この星が…』
きっとあの夢の中に出てきた少年。
やっと声が聞けたのに、今度は姿が見えないなんて!
>『消えてしまう前に…』
咆哮が大地を揺るがす。向こうにいるのは……レオ君?
でもここが地球じゃないなら、レオ君がいるはずはない。
もしかして、過去に滅びていった無数の星にもレオ君みたいな神様がいたのかな。
だとしたら自分が命を与えた星が滅びていくってどんなに切なかっただろう。
上を仰ぎ見て、空が無数の星喰いに埋め尽くされている事に気付く。
物思いに耽っている場合じゃない。これは夢だけどただの夢じゃないんだから。
どこにいるか分からない少年に向かって叫ぶ。
「分かった、待ってて! 探しに行くから!」
とにかく早く少年を見つけないとこの星は滅びるらしい。さては瓦礫に埋まってるのか?
瓦礫をひっくり返しながらサクラちゃんに声をかける。
「どこかに紅い目の美少年がいるはず……!」
131ティア ◆cHEmMBe4ms :2008/11/18(火) 18:53:09 0
>>129
敵機の撤退及びアルゲマインの健在を確認したエリーティアは、そのまま深く息を吐く。
「ふぅ……好き勝手な事言ってくれたよね、あいつ」
今回の戦闘は色々な意味で異例尽くしの物。その分、蓄積される疲労度も並大抵の物ではなかった。
ましてレグリエスは精神接続の思考制御と言う、二重に神経を使う操縦形式であるのだから。

また、エリーティアの神経をすり減らしたのはそれだけが原因でもない。
「……命の、取捨選択、か。私には、やっぱり重いよ……」
そう、最後の選択である。結局の所、エリーティアはドナルドを切り捨てる選択をした。
過程と結果がどうであれ、その〔事実〕だけはどうにも変えようがないのである。


頭を振ったエリーティアは、近くを飛んでいたアルゲマインへ向けて通信を繋ぐ。
「ドンさん……すみませんでした。私がもっと上手くやってれば……」
その声色は、明らかに沈み込んでいた。
客観的にはどうしようもない状況であった事は理解している。
それでも彼女自身はその決断に到底納得なんて出来る訳がないのである。

「……ひとまず、あの輸送船へと着艦しましょう。また何時あいつ等が襲ってくるか解りませんからね」
苦笑を浮かべて通信を切ったエリーティアは、直ぐにテラ社の輸送機への通信を始めた。
「こちら、エリーティア・レグリエス。私達は引き続きそちらの護衛を行いますので、予定通りの航路を進んで下さい」
そう通信を入れ、エリーティアはレグリエスを輸送機へ向けて接近させようと移動を開始する。

動き出す直前、額部の結晶体にまるで朧のように不確かなメッセージが浮かび上がる。
見た事のない文字で構成されたメッセージは、一瞬浮かび上がった後すぐに消失した。
まるで、何者にも見られる事を拒否するかのように。
その文字を解読できた物がいれば、こう記されていたのが解ったであろう。


『――第二封印、解放――』


132サクラ ◆5Kq11GJKws :2008/11/18(火) 23:12:32 0
>>128>>130
サクラの目には燃え盛るアキハバラとそれを燃やし尽くす黒いゴルディカイザーの姿が映った

「違う、あれはゴルディカイザー様じゃない・・・」

サクラはゴルディカイザーの姿を直接見た訳ではなかった。しかし、今、眼前で暴れ回っている存在はゴルディカイザーではないことを確信した
それはなぜかはサクラにもわからないが確かにそう思ったのだ
そう思った時だった。一瞬、目眩がしたあと、周囲の景色が一変していた
見渡す限りの荒野、地平線までよく見える、それとなにかの残骸。辺りにはソラ様と自分しかいない
『僕を見付けて…』
声が聞こえた。ソラ様の方を見たがソラ様ではない・・・頭に直接響いてくる
『この星が…』
姿は見えない
『消えてしまう前に…』
空気を振るわす咆哮が響き渡った。後ろを振り返ると血のように真っ赤な夕焼けに映える黒い機神が空に向かって咆哮をあげている
サクラは空を見上げ戦慄した。空を埋め尽くす『星食い』ユーリが命を賭けて撃退した化け物が無数に空に存在したのだ
睨みつけてみたが『星食い』にいささかの効果も見られなかった
「分かった、待ってて! 探しに行くから!」
ソラ様が瓦礫をかき分け始めた
「どこかに紅い目の美少年がいるはず……!」
赤い目の美少年・・・?瓦礫の中に埋まってるとしたら大変だ!
「ソラ様、瓦礫の下にいるんですか!大変だ!」
サクラは自慢の怪力で瓦礫を軽々と放り投げ始めた
>>129
>「それと差し違えるなんてやり方は」

やはり相手はこちらの動きを阻止するなど容易いのだろう
旧式と最新式 今や戦場で古い物が新しい物に打ち勝つのは不可能な時代なのかもしれない
いくら経験と培った操縦技術でカバーをしようとしても
決定的に開いてしまっている機体の性能差は努力では埋められないのだ
ドンは闘いを終え、その事実に改めて気づかされていた

>>131
「…俺はもう役立たずなのか…」
廃墟のビルが映ったモニターを眺めながら大きく溜め息をつく
「あの廃墟は…俺と同じだな…」
昔は海賊の頭としてある程度名を馳せた自分が今や敵と満足にやり合えず
仲間の足手まといになっていく、こんな様を
かつての栄華など見る影も無しに
時間を経るごとに段々と朽ち果てていく廃墟ビルに自分を重ねてしまっていた

色々な考えを頭を巡っていく中
ティアから通信が入っている事を知らせるアラームが鳴った
>>「ドンさん……すみません…」

「いや…嬢ちゃんの判断は完璧だ…
あそこはああしなきゃ2人共やられてた
嬢ちゃんが謝る必要は無い…
それに…謝らなきゃならないのは俺の方だ…」

ドンは力が足りないが故にうら若き少女を悩ませてしまった自分が恨めしくて堪らなかった
いくら極限の状態とは言え仲間を自らの手で消させるという判断を委ねさせたのは間違いではなかったかと

アルゲマインはゆっくりと輸送機へ機体を向かわせていく
13428番 ◆gyalxMCbGw :2008/11/19(水) 23:59:23 0
>123
>「うるせえぞ…まったく何事だよ。」
ラボに入ってきた男、全身が焼け爛れ見るも無残な状況になっている。
この男も同じくルーラーなのだろう……だが特有の精密機械さがない。
28番……アレックスと同じように記憶の封印を解かれた一人なのだろう。
「お前は……俺と同じなのか?」
無造作にディスクを投げて寝台に腰掛け研究員と言葉を交わしている男に対して小さく呟く。
>「だからすぐには無理だってば。アレックス君も暫く休んで、まだ頭が混乱しているからね。」
「……フッ、休めか…休んだところで整理がつくとは思えないけどな」
出ていく研究員に吐き捨てるように言うアレックス。
実際、じっとしていると彼是考えそうで怖かった。
実行された事だけを成し遂げる兵隊になれと言われれば今の彼は喜んでなるだろう。
ただ今は与えられた記憶と自らの意思がまるで自分を食らう怪物のように恐ろしかった。
「………………」
過ぎ去る時間……貝のように口をつぐむアレックス。
何か目の前のヴィクターと会話すれば少しは気がまぎれるのだろうか?
そんなことをアレックスが考えていると……ヴィクタ―が口を開く
>「おいお前、確か28番だったな?しっかりしろよ、最強の名が泣くぞ?」
「……28番?そうか、そうだったな……28番……最強」
ヴィクタ―の言った28番という名前を何度も復唱するアレックス。
だがそれはすでに過去でありもう28番には戻れない。
今ここにいるのは心のよりどころである兄を失った脆い心のアレックスだ……
>「お前がどんな過去を抱えてるのか知らねえけどな、“それ”に潰されるなよ。」
何も答えないアレックス。それも仕方のないこと。
アレックスにとってそれほど兄は大きい存在だった。
親のいないアレックスにとっては兄はどうしても必要な存在だったのだ。
「なら俺はどうすればいいと言うんだ!!いきなり記憶を取り戻してみたら
 兄は死んでいた!それも28番を守って死んだんだ!!」
どうしようもない思いを叫ぶアレックスの目をまっすぐ見続けるヴィクター
「俺もお前も、“今を”生きてるんだ。」
その言葉に辺りが静まりかえる。今を生きている……
その言葉はアレックスにどのような選択を選ばせるのか。

「ふっ……くっくっく……くはははは!!あーっはっはっはっは!!」
そのあとしばらく黙っていたアレックスだったが……
急に口の端をゆがめて笑いはじめる。
その目は今までアレックスが見せたことのない狂気性が垣間見えている。
「そうだなぁ、確かにそうだ。俺は今を生きている!でも兄さんは死んだ!
 そうだよね。もうこの時点で全ては決まっていたんだ。俺の生きる道は決まっていたんだ。
 迷うことなんてなかったんだよね兄さん?俺は兄さんの分まで生きるよ……俺と兄さんのために」
幻覚を見ているのか亡きはずの兄に語りかけるアレックス。
ヴィクタ―の放った今を生きろ……その言葉はアレックスを狂気の道に駆り立てていく。

「そしてここから始まる俺の戦いもまた運命だ。一緒に戦ってくれるね兄さん……
 ん?ああもちろんさ!分かったよ兄さん。まずは俺達兄弟を引き裂いた奴らを滅ぼさないとね。
 分かってるよ兄さん。もちろんさ、俺はいつも兄さんのこと分かっていたじゃないか?
 よし、じゃあまずは2ndを奪おう。そうしようか。そしてあの時兄さんを撃った奴らを殺してやるんだ
 ああワクワクするよ。コクピットハッチをねじ開けあいつらの臓物を引きづりだして頭蓋骨を砕いて……
 うん、そうだね。ここからはあいつ等と出会ってからもう一度考えることにするよ」

そして部屋を出ていくアレックス……
「ん?ダメじゃないかアレックス。君はまだ休んでいないと……」
「黙れ、さあ俺に新しい2ndを渡すんだ。兄さんと共に仇を討たないといけないんだよ。
 おっと、拒否権はないよ。拒否したら首の骨をへし折って殺す。
 俺の身体能力が既に人間とは比較にならないことは分かっているんだ。
 さあさっさと2ndの場所へと案内するんだ」
……すでに彼には先ほどのような迷いはない。その選択が正しかったのか、
それとも間違っているのは関係なしに…アレックスは己が命を使い果たしてでも成し遂げようとするだろう。

自らの兄と共に……復讐を
135GM ◆gSwqGuhSvI :2008/11/20(木) 22:48:31 O
>>131>>133
【スニークスニーカー船内】
>「こちら、エリーティア・レグリエス。私達は引き続きそちらの護衛を行いますので、予定通りの航路を進んで下さい」
「了解しました、お願いします。」
ヘレンは応答すると溜め息を吐いた。ドッと疲れがのしかかってくる。
危機を切り抜けたと分かってからも、まだ緊張が抜けない。
着艦したブラウエルフォーゲルの収容完了を確認して、ミリアムに通信を入れる。
「お疲れ様、フォーゲルに損傷は無い?結構ギリギリっぽかったけど。」
「一応は、ね。けれども手応えはあったわ。今後の課題も見えてきたし。」
ヘルメットを脱いで汗を拭くミリアムの表情に、堅い決意が見てとれた。
「ヘレン……ありがとう。」
「ん?何よ急に。びっくりしたじゃない。」

真顔で礼を言われてヘレンは戸惑った。しかしミリアムに微笑んで返す。
ブラウエルフォーゲルの“真の完成”には、この船に積まれた貨物が不可欠だ。
おそらくその事に対しての礼なのだとヘレンは理解した。
「私は何もしていないわよ?この船を守り通したのはミリィ、貴女なんだから。」
勇ましき2人の女パイロットは、暫しの休息に談笑しながら、目的地を目指した。

遠く旧デトロイトの高層ビル群の中、巨大な戦艦の姿が垣間見える。
超弩級戦艦ジラソーレ。バルロワファミリーの旗艦であった。


【ジラソーレ艦内】
レグリエスとアルゲマインが収容され、スニークスニーカーから物資が運び込まれる。
その様子をモニカは苦い顔で眺めていた。
予定していた物資は半分以上が失われたのだから無理もない。
「まいったねぇ、これじゃ明日の作戦は中止しなくちゃダメだ…」
煙草に火を付けて、溜め息と共に紫煙を吐き出す。

その横顔には哀愁が感じられた。アラスカ戦線からのトムの訃報…
3ヶ月前のサムの死。立て続けに2人の息子を亡くしてしまった。
紫煙の流れる様を目で追いつつ、手にしたブレスレットを強く握り締める。
「もう潮時なのかもしれないねぇ…」
サムの遺したブレスレットには、星の欠片が淡く光っている。

モニカは暫くデッキで煙草をくわえていたが、やがて意を決してその場を後にした。
136ヴィクター ◆gSwqGuhSvI :2008/11/20(木) 22:50:33 O
>>134
【ユグドラシル第三階層オービタルユニオン】
「いいよ、案内してあげる。ついて来て。」
アレックスが襟首を掴む研究員の背後から、ひょっこり現われた少年が答えた。
「キミの為に用意した機体だからね、遠慮しなくても平気だよ。」
「ギュナ様!記憶封印の完全解除に成功したのは彼等2人だけですよ!?貴重な“候補者”を失…うぐ!?」
研究員は最後まで言い終わる事が出来なかった。首が捩じ折られたからだ。
不可視の念動力によって、容赦無く命を握り潰されたのである。

「さあおいで2人共、まだ完成はしていないけどね、テストも兼ねて乗ってみよう。」


俺は正直驚いていた。あの28番がこんなにも脆い人間だったという事実にだ。
それと隊長の実弟だった事も。言われてみれば、確かに似ている。
皮肉なもんだ。記憶を取り戻した事で“強さ”を失ったんだからな。
だが感情の無い機械のままでいられたとして、それで奴は幸せだったんだろうか?

何も知らないまま、肉親の死を悲しむ事もなく生き続けて、奴は幸せだろうか?

「このまま潰れてしまうなら、所詮そこまでの奴だった…という事か。」
今の28番は復讐に捕らわれている。復讐は最も強い感情だが…
同時に最も弱い感情でもある。あの様子じゃ長くはもたないかもしれん。
一時的な感情の爆発に流された奴は、戦場で最初に死ぬと相場が決まってるしな。

「チッ、面倒な奴だ…」
理由は分からんが、俺は行動に移っていた。
身体は少々痛むが大した問題じゃない。“仲間”を見殺しにするのに比べたらな。
137GM ◆gSwqGuhSvI :2008/11/22(土) 01:05:38 O
【紅い星】
>「分かった、待ってて! 探しに行くから!」
>「どこかに紅い目の美少年がいるはず……!」
姿は見当たらないが、とにかく返事をすると、サクラに夢で見た少年の特徴を伝える。
忘れようにも忘れられない悲しげな瞳。救いを求めて延ばした小さな手…
この夢を見せる事には何か意味がある。ソラはそう確信する。
>「ソラ様、瓦礫の下にいるんですか!大変だ!」
大きな瓦礫にも拘らず、サクラは軽々と持ち上げては投げた。
見た目からは想像もつかない程の怪力だ。

次々と瓦礫がひっくり返される中、サクラは信じられない物を見付けてしまった。
なんと…ビッグカメラの看板である。
『僕は…待っているよ…』
またしても聞こえる声。さっきよりも僅かに小さくなっているような気がした。
『いつも…君の……傍で……っ…』

獅子が再び吠える。灼熱の焔を思わせる深紅の双眸が、一瞬だけ2人を見たような気がした。

【炎上するアキハバラ】
『何を惚けておるのだ!このバカチンが!!!!』
ハルモニアの怒声がソラを現実に引き戻す。周りには心配そうな顔のスタッフ達。
「2人共、大丈夫?何ともない?」
ケイも不安な表情を隠せないようだ。モエもシリアスな顔になっている。
「“星を継ぐ者”がいないのに…どうしてリル君が動いてるのか分からないけど…」
ギュッと拳を握り、モエが決意を固めた。

「モエ達の“故郷”を壊してるなら、戦ってでも止めるしかない!!
ソラちゃん、サッちゃん!!力を貸して!!」
トムの死に沈むクルーを余所に、スゥは深い眠りについていた。
ウシグモは本来ならば数人のオペレーターによって操縦される機体だが、スゥはそれを一人でこなしていた。
それを可能にしているのがスゥの項にある神経接続用コネクターである。それを介して機体と物理的に一つに
なる事で文字通り手足のように操縦する事が可能となるが、その分の強い負荷は直接スゥの脳にかかる。
常人であるならば死に至るほどの膨大な情報量が脳に流れ込むのだ。が、スゥの脳はそれに耐えられた。
人為的な処置が加えられているのだろう。故に長時間の睡眠をとるだけで済んだ。それが遺伝子操作などの
先天的なものなのか、外科処置などの後天的なものなのかは定かではないが、とにかくスゥはある意味では
ユニオンのルーラーに近しい存在だった。何故、スゥにこのようなものがあるのかは分からない。彼女を保護
していたジャーナリストが失踪してしまった今となっては真相は闇の中だ。

2ndとの戦闘で大破したウシグモの機体は破棄され、搭載されていた常温型量子コンピュータだけが回収された。
度重なる戦闘のダメージが蓄積していたウシグモの機体は既に限界に達しており、今回の戦闘がそれに止めを
刺した。ただし、量子コンピュータだけは計り知れない価値がある。膨大なデータを瞬時に処理する量子コンピュータが
あれば2nd相手でも互角に戦えるからだ。だが巨大な量子コンピュータを搭載可能なのはウシグモほどの巨体で
なければならず、今のところはジラソーレのCICに接続して艦の防護能力を上げるぐらいしか使い道はない。
スゥが目覚めたらまず一番最初に頭を悩ますのは自らの機体を失った事だろう。トムの死を悲しむのはずっと後だ。
この戦いに勝たない限り、トムに限らず倒れて逝った者たちが報われない。それから思い切り泣けばいいのだ。
139ティア ◆cHEmMBe4ms :2008/11/23(日) 00:36:49 0
>>133
> 「いや…嬢ちゃんの判断は完璧だ…
> あそこはああしなきゃ2人共やられてた
> 嬢ちゃんが謝る必要は無い…
> それに…謝らなきゃならないのは俺の方だ…」
「そんな事無いです! 私がヘマしなければ、アルゲマインがそれ程の損傷を受けずに済みましたから」
ドナルドか発した言葉を聞いたエリーティアは、盛大に頭を横に振る。
髪が左右に思いっきり振られるが知った事ではないと言わんばかりに盛大にである。
彼女の中では自分が言った事は紛れもない事実として認識している。
なにしろ今回のアルゲマインの損傷の内、半分近くはレグリエスを支えた事で出来た傷なのだから。
「それにドンさんがいなかったら私、最悪ここで終わってたかも知れません……。
 ですから、その……ありがとうございました!」
その言葉と共にエリーティアはモニターへ向けてぴょこんとお辞儀をした。
花が綻ぶような笑みと共に、である。

>>135
> レグリエスとアルゲマインが収容され、スニークスニーカーから物資が運び込まれる。
その様子をエリーティアはぼんやりと眺めていた。
と言うのもスニークスニーカーに乗っていた先程の機体のパイロットが未だに降りてこないためである。
一応エリーティアも軽くシャワーを浴びて身支度を調えてきたのだが、どうも手早く済ませすぎたようだ。
「むー……これだったらもう少し念入りに浴びてきた方が良かったかな?」
取り留めのない事を言いながらも、真剣な表情でパイロットを待つエリーティア。
と、その時視界の端にとある人物の姿が入った。

> 紫煙の流れる様を目で追いつつ、手にしたブレスレットを強く握り締める。
そう、痛ましい姿を見せるモニカ・バルロワである。
(グランマ、辛そうだな……)
彼女がああなっているのはエリーティアも何となく分かる。
帰ってきてから聞いたのだが、アラスカ戦線においてモニカの息子であるトム・バルロワが戦死したのである。
正直、エリーティアにとってもショックを隠しきれない情報であった。
エリーティアはトムに常日頃から娘のように可愛がられていた。
記憶のない私を優しく撫でてくれたあの大きな手は、あの無骨で優しい笑顔は……もう二度と戻ってこない。

> モニカは暫くデッキで煙草をくわえていたが、やがて意を決してその場を後にした。
(……私に何かできる事、有るかな?)
デッキを去っていくモニカの姿を見て、エリーティアはそう考えながらうんうんと唸りだす。
その様子を見て周りの整備員達も、何となく心配そうな顔をしていた……。
140ミュウ ◆xK7dfy5P/g :2008/11/23(日) 20:51:32 0
>138
しばらく見当外れの所を探した後、ようやくミュウは思い出した。
スゥは戦闘の後は泥のように眠ることを。コンピュータと接続することの
負荷の反動と言うことまではミュウは知らないにせよ、眠っている以上
割り当てられた部屋にいるはず……既に合唱も終わり、まるで喪に服しているような
静けさに包まれた艦内を歩いていく。涙は、いまだ止まっていない。

果たして、スゥは部屋で眠っていた。
その寝顔は実に安らかだが、見た目ほど心は平穏でないらしいことは
今のミュウには分かっている。
「……。」
何をするでもなく、じっ、とスゥの寝顔を見続けるミュウ。
おもむろに頬に触れると手から温かさが伝わってくる。
……でも違う、これはスゥの体温であってトムのじゃない。
やることが無くぶらぶらとうろついてると、大抵見つかって小言を言われた後
決まって頭を撫でてきた。最初はちょっと嫌だったが、慣れと言うものか最近は悪い気がせず、
それを期待してわざとウロウロしたりもした……しかし、それももう――――。

>139
そんな沈んだ空気を纏ったまま、2日後に別働隊は本隊へと合流。
ジラソーレには先んじてトムの訃報が伝えられており、別働隊を
迎える本隊のクルーの面持ちも決して明るくなかった。
その間、ミュウは自室から一歩も外に出ようとしなかった。
服も着替えずシャワーも浴びず……生ける屍同然の体たらく。
水分もろくに取らないのに涙ばかり流れ続けて服はベトベト、
心配したクルーが何とかしようと声をかけても普段以上に反応が薄く、
気が済むまで泣かせてやるべきと言うことで放っておかれた。
クルー達も凹んでいて、ミュウに構ってやれる状態でなかったのも事実だ。

戦闘に参加した以上、報告は自分でしなければならない。
ミュウはシャワーを浴び服を着替え、努めて平静を装って艦長室へと
足を向ける……モニカがいるかどうかの確認も取らずに。
141ソラ ◆TnakibaQxg :2008/11/24(月) 00:23:33 0
>132 >137
瓦礫の下から出てきた看板が意味するものは、あの星が地球だということ。
未来の可能性の一つを見せて警告しているのだろうか? それとも……。
とりあえず今暴れているのは、火星の星王機神らしい。
それも、搭乗者がいないのに動いているという不思議。
なぜかサクラちゃんは、あれがレオ君では無いことを一瞬で見抜いていた。
>「モエ達の“故郷”を壊してるなら、戦ってでも止めるしかない!!
ソラちゃん、サッちゃん!!力を貸して!!」
言われる前に駆け出していた。もちろんアキハバラはウチにとっても大事な場所。
それ以上に、容赦なく住民の生命が危険にさらされているのを見過ごすわけにはいかない。
科学万能の地球文明だけど、根底にはレオ君のくれた奇跡がある。
あまりにも壮大で、あまりにも身近にあって意識されない魔法。
一つは地球、もう一つはそこに住まう全ての生命。
両方とも、一度壊してしまったら人間の力では取り返しがつかない。
だから生命を粗末にする輩には、たとえ神様でも遠慮はしない!
「響き合え、ハルモニア!」
ステージから飛び降りながらハルモニアを呼び出し、搭乗する。

空中でハープを召喚。
「さては……レオ君に嫉妬してるんだな。
自分の星が滅びたのに地球がこんなに栄えてるから悔しいんだろ!!」
真紅の双眸はこっちを見るでもなく、何かに脅えているようにも見える。
「お前みたいなのは寝ちゃえバインダー! 《愛の夢》!」
リストの愛の夢第三番。
対照を眠りに誘い、ついでに幸せな夢を見せて
しばらく起きなくするというある意味怖い技である。
搭乗者だけでなく古代ロボにも有効なので、無人暴走機でも大丈夫。
的が大きいだけあって、放たれた魔法の矢はもろ命中した。だがしかし!
ハルがとんでもない解析結果を出してくれた。
『……あやつ、最初から寝ておる!』
「な!?」
142サクラ ◆5Kq11GJKws :2008/11/24(月) 22:15:02 0
>>137>>141
いったいどれだけあるかわからない瓦礫をひっくり返していると大きな鉄の板を見つけた
「・・・ビックカメラ?」
そこにはそう書いてあった。一瞬、サクラは何かわからなかった。
「ここは日本?」
サクラは前にマイク君と遊びに行ったことがあるから知っていた
しかし、この瓦礫は相当時間が経っている感じがする。アステラセイザーが壊した瓦礫ではない
じゃあ、いったいこの瓦礫は?
疑問に思っていると再び頭に声が響く
>『僕は…待っているよ…』
またしても聞こえる声。さっきよりも僅かに小さくなっているような気がした。
『いつも…君の……傍で……っ…』
「まって!君は誰なんです!」
サクラの叫びはむなしくも燃えるアキハバラの空に消えていった
>「2人共、大丈夫?何ともない?」
ケイも不安な表情を隠せないようだ。モエもシリアスな顔になっている。
「大丈夫です。心配してくれてありがとうございます」
声は丁寧だが表情は硬い、まださっきまでの幻影を引きずっている
目の前では炎上するアキハバラ
>「“星を継ぐ者”がいないのに…どうしてリル君が動いてるのか分からないけど…」
「モエ達の“故郷”を壊してるなら、戦ってでも止めるしかない!!
ソラちゃん、サッちゃん!!力を貸して!!」
ソラ様は先に駆け出していた。そして、ハルさんが姿を現す
「出ろぉぉぉぉぉ!イシュタル!!」
指をパチンと鳴らすとイシュタルが現れる
乗り込むと先にハルさんが矢を放ちアステラセイザーに命中していた
ソラ様曰く相手は寝てしまうらしい、これでこれは一件落着かなと思ったがそうは問屋が卸さない
『……あやつ、最初から寝ておる!』
「え!あれは寝相なんですか!ソラ様よりひどい!」
やっぱりサクラは馬鹿なんです
「じゃあ、私が叩き起こしてあげましょう!」
イシュタルの手には巨大な氷のハンマーが握られていた
「氷漬けになぁれぇぇぇぇぇぇぇ!!」
143ソラ ◆TnakibaQxg :2008/11/25(火) 01:06:12 0
『リル君リル君! 起きて!』
モエが必至に呼びかける間に、ケイは思念会話を試みる。
しかし、そこに心は存在しなかった。
代わりに見えたものは、荒れ果てた紅い星。空を埋め尽くす星喰いの群れ。
引き込まれそうになって慌てて精神接続を遮断する。
『どうだった?』
「ダメだ……! 心がどこかに行ってる。それで悪夢に捕らわれてる」
モエはかつて記憶を奪われて眠っていた時に見た夢を思い出していた。
それは、地球のようでこの地球ではない世界。
アルテラセイザー達が信じて守り抜いた地球の人間が
結局滅びの道を辿っていった……そんな話だったような気がする。

>142
ケイ君の説明によると。
動力が流出中のレオ君とは逆にAI部分がどこかに行っていて
残った体が夢遊病状態で暴れまわっているらしい。
悪夢にとらわれていると聞いて、助けを求めていた赤い瞳の少年と
今暴れているアルテラセイザーが重なった。
「そっか、キミだったんだね……」
少ししんみりしている間に、イシュタルの氷のハンマーが炸裂する。
144GM ◆gSwqGuhSvI :2008/11/25(火) 22:26:03 O
【ジラソーレ艦内メインデッキ】
「これで無事な物資の搬入は終わりました、こちらの書類にサインをお願いします。」
ヘレンとミリアムがアフロの大男に書類を差し出す。
「どうもご苦労様でした。疲れているでしょうし、応接室でゆっくりしていって下さい。」
書類を受け取ると、アフロの大男…ボブは爽やかな笑みで応える。
あまりにも外見と態度のギャップが酷いので、ヘレンは思わず吹き出した。
いかにも『趣味は人殺しじゃけん』とか言いそうな人相である。
それなのに紳士的な応対でテラ社のスタッフ達を迎えてくれたのだ。
(意外過ぎる…この人絶対に顔で人生損してそう…)
「えぇ、御気遣い感謝します。それでは甘えさせていただきましょうか。」
笑いを堪えるのに必死なヘレンの代わりにミリアムが返事をした。

ミリアムがこのジラソーレに来たのは今回が初めてではない。
過去に何度か提供物資の搬入に携わった事がある。
テラ社が新兵器のテストを兼ねて、試作品を無償提供した事があったのだ。
開発者であるミリアムにとって、データ収集で来艦する機会は多かったのである。
ヘレンが吹き出した大男は、昔から親切で丁寧な口調だった。
頭領であるモニカ=バルロワの息子らしいが、特に偉そうでもなく紳士的な男だ。
「それにしても…何か以前に比べて活気が無いような気がしますね。」

何気ない一言だったが、その反応は暗く険しいものだった。
「そうですね…いろいろとありまして。」
ボブがミリアムに答えた。しかしその目はミリアムを見ていない。
いつもなら必ず相手の目を見て話すボブが、そうしなかった訳は…


【ジラソーレ艦内居住ブロック】
艦長室兼私室のモニカの部屋を目指すミュウ。
内心穏やかではなかったが、その足取りは割としっかりしたものだった。
ミュウはファミリーに拾われて約1年間、トム率いる遊撃部隊と共に過ごしていた。
なのでジラソーレの内部はほとんど初めてと言っても過言ではない。
来る前に一応は道順を教えてもらってはいたが、見事に迷子になってしまった。
居住ブロックは他のブロックとは違って整理されていたが、やはり多少入り組んでいる。
本来ならば戦艦なのだから広い居住空間を設けるには無理があるのだ。
「おっとっと、大丈夫?怪我してない?」
曲がり角で小さな少女と出会い頭にぶつかってしまった。

向こうは両手一杯に荷物を抱えていたが、難なくバランスを取り直してミュウに謝る。
綺麗な金髪がフワリと揺れて、ほんのり良い香りが届く。
「ん〜見ない顔だけど…もしかしてテラ・マトリクスの人?だったら丁度良かった、
コレ半分持ってもらえません?前がよく見えなくて…早くしないとモニカさんに怒られちゃう。」
なんというマイペース。有無を言わせぬ調子で荷物を半分以上ミュウに押し付けた。

【ジラソーレ艦内通路】
>(……私に何かできる事、有るかな?)
>デッキを去っていくモニカの姿を見て、エリーティアはそう考えながらうんうんと唸りだす。
>その様子を見て周りの整備員達も、何となく心配そうな顔をしていた……。
「やあティアちゃんじゃないですか、先程はご苦労様。丁度良かった、この人達を応接室
まで案内してもらえませんか?僕は書類の控えを事務室に持って行くのでね。」
ボブが少し離れた所で手を振っていた。その隣りには2人の女性。

「女性パイロット同士、いろいろ話をするのも良いと思いますし。」
145GM ◆gSwqGuhSvI :2008/11/26(水) 23:24:11 O
>>142>>143
【炎上するアキハバラ】
>「じゃあ、私が叩き起こしてあげましょう!氷漬けになぁれぇぇぇぇぇぇぇ!!」
>「そっか、キミだったんだね……」
>少ししんみりしている間に、イシュタルの氷のハンマーが炸裂する。
ドゴオオオオオオオオオオンッ!!!!

イシュタルの背丈よりも大きな氷鎚がアルテラセイザーを直撃した。
ギロリ。その燃え盛る双眸が氷の天使を睨み付け、次の瞬間には氷鎚が蒸発する!
禍焔の化身たる“火星の星王機神”に氷で挑む…まさに無謀そのもの!!
「そんな…フォボスから切り離されてる筈なのに!!」
ケイが驚くのも無理はない。
箱舟からのエネルギー供給無しで、完全に近いパワーを発揮しているのだ。
今から25年前、トライアンフの部隊によって破壊された箱舟、フォボス。

並の古代ロボならば、箱舟からエネルギーの供給無しでもさほど大きい影響は無い。
しかし星王機神となると話は別だ。その箱舟と密接なリンクを有する特殊な機体なのだから。
なのに何故?アルテラセイザーは火星から遠く離れた地球で本来の力を発揮出来るのか…

ケイは頭をフル稼動させてその謎を解く為に考え込んだ。しかし答えは出てこない。
(どうしてだ…考えろ、よく考えるんだ。何故リル君はこの星でレオ君よりも強い?)
「そりゃ簡単な話だ。俺がアイツを“修理”してやったんだからな。」
ハミングバードの照明塔に立つ男が、ケイの疑問に答えた。
「とぉッ!」と掛け声に合わせて華麗なジャンプでケイの真横へ着地する。
「だがな、“あいつら”が南極に現われたせいで、暴走し始めちまったのさ。」

ケイはこの男を知っていた。ムーンとフォボスを“造った”男…
「カジャ!!やっぱりユニオンはルルイエの手先だったのか!?」
「“様”はどうした“様”は!まぁ俺を覚えていた事は褒めてやるよ、スサノオ。」
身構えるケイとモエに動じる事なく、カジャがアルテラセイザーを指差した。
「アイツはまだ悪夢から抜け出せてない。今も戦い続けているんだよ、“あいつら”とな…」
創世の神にしては随分と悲しげな瞳でアルテラセイザーを見つめている。
星王機神の存在意義は星の守護だ。その役割を果たせなかった無念は計り知れない。
「6年前のあの時から止まってんのさ、火星が“星喰い”に滅ぼされたあの時からな。
これじゃあイシュタルの乗り手が言った通り、『叩き起こす』しか方法はねぇな。」
「でも、どうやって起こすの?夢の中に引きずり込まれるだけだお。」
モエが率直な疑問を投げ掛けた。確かに先程は夢の世界に取り込まれそうになった。
「そりゃお前達がプログラムだからだ。いくら“心”とか言ったって事実は変わらねーよ。
だけどな、人間ならできる。偶然か必然かは知らんが、“資格持ち”が2人もいやがる。」
カジャがハルモニアとイシュタルを交互に見た。

「これ以上アキバを壊されちゃ困るしな、あの2人に賭けるぜ、俺は!!」
「え!?お前達ユニオンがリル君を操ってアキハバラを攻撃してるんじゃないの!?」
「バカか!誰がンな事するかよ!!『聖拳伝説』の4巻予約してんだぞ!?
初回特典付き買うために明後日朝イチで並ぶにゃ今止めないでいつ止めんだよ!!!」
驚愕の事実!ルルイエ人も漫画が大好きだった!!
「クシナダ、あの2人を夢の世界に送り出す!ちょっくら手伝え!!」
「うーん…どうしようケイ君。」
「…………やろう、簡単に信じるのは危険だけど、僕もソラちゃん達に賭けてみる!!」

【再び夢世界、紅い星】
またしても突然景色が変わる。あの夢の世界に来てしまったのだ。
『2人共よく聞いて、この夢世界に干渉するのは10分くらいが限界だからね?
それまでにリル君の“心”を見付けて悪夢を終わらせてあげて!!』
紅く染まる夕日の大地に響き渡るケイの声。
どうやらここが正念場らしい。急いでアルテラセイザーの“心”を見付けなくては!
146ミュウ ◆xK7dfy5P/g :2008/11/27(木) 01:07:43 0
>144
>来る前に一応は道順を教えてもらってはいたが、見事に迷子になってしまった。
>曲がり角で小さな少女と出会い頭にぶつかってしまった。
迷った、言葉の選びようが無いほど完璧に迷った。
ジラソーレに乗るのは実はこれが初めて、拾われてからの私はトムの部隊と
一緒にいたんだから当たり前なんだけど……考え事をしてたらぶつかった。
勢いや重量の関係で私は尻餅をついたの。ちょっと痛い。

>「ん〜見ない顔だけど…もしかしてテラ・マトリクスの人?だったら丁度良かった、
>コレ半分持ってもらえません?前がよく見えなくて…早くしないとモニカさんに怒られちゃう。」
>なんというマイペース。有無を言わせぬ調子で荷物を半分以上ミュウに押し付けた。
「え、あ、あの……。」
有無を言わせぬとはこの事かしら、あっという間に荷物を押し付けられたの。
私のほうが小さいのに……しかもこれだけの荷物を一人で持ってたのに疲れた様子も無い。
正直信じられない……でも艦長のところへ行くようだし、荷物を押し返すだけの力も無い私は
仕方なしに荷物運びを手伝う事にした。

ミュウはこの期に及んで、いまだ心も報告も整理がついていない。
辛うじてまともな精神状態を取り戻したのがついさっきなのだ……考えれば
考えるだけトムを思い出して、押し込めた筈の悲しみが込み上げてしまうから。
……事実、今のミュウは涙目になっている。事情を知らない誰かが見たら、
荷物が重たくてそんな事になってるようにしか見えないだろう……。
荷物を押し付けた少女の後をおぼつかない足取りで追いかけるミュウだった。
147ソラ ◆TnakibaQxg :2008/11/28(金) 00:35:30 0
>>145
夕日にそまる紅い星。響き渡るアルテラセイザーの咆哮。
>『2人共よく聞いて、この夢世界に干渉するのは10分くらいが限界だからね?
それまでにリル君の“心”を見付けて悪夢を終わらせてあげて!!』
ケイ君の声が聞こえてきた。
「そ……そんな無茶なー!」
地平線の果てまで続く瓦礫の山の中でどうやって見つけろというのか。
そもそも古代ロボの心ってどんな形をしてるんだ!?
いかにもな集積回路か、はたまた星の欠片のような宝石か。
足元には、さっきサクラちゃんが掘り出した看板が見えていた。
なぜに火星の星王機神の夢にビックカメラ?
考えても仕方が無い。多分夢特有のごった煮世界だろう。
夢世界だけあって順番にフラグを立てないと話が進まないとかいうノリだったら困る。
途方にくれていた時、不思議な声が聞こえてきた。
「みんな力尽きて壊れてしまった……間もなくこの星は終わりを迎える……」
いつの間にか現れていた白銀の光に包まれた少女が
古代ロボ達の残骸を哀しげに見ていた。
「ここは夢の世界、どこにも存在しない場所。
だけど現実と信じる世界が夢でない保証はどこにもない、それもまた真実」
謎めいた言葉に戸惑っている間に、少女は言葉を続ける。
「この場所には最後の砦“星の塔”があったの。
古代ロボが他のどこよりも力を発揮できる場所だったから」
「星の……塔?」
思わず聞き返した。教団の総本山の通称も星の塔なのだ。
148名無しになりきれ:2008/11/28(金) 18:57:40 0
ムーン
149ティア ◆cHEmMBe4ms :2008/11/28(金) 21:34:39 0
>>144
> 「やあティアちゃんじゃないですか、先程はご苦労様。丁度良かった、この人達を応接室
> まで案内してもらえませんか?僕は書類の控えを事務室に持って行くのでね。」
それまで深く考え込んでいたエリーティアは、ボブの声が聞こえた事で弾かれたように飛び上がる。
「ひゃ! って、ボブさん!?」
慌てた様子で声がした方向へと振り向くと、
> ボブが少し離れた所で手を振っていた。その隣りには2人の女性。
どうやら待ち人は既に降りてきていたようだ。
「す、すみません、ちょっと考え事してまして……えっと、そちらのお二人を応接室までお連れすれば良いんですよね。了解しました!」
どこで覚えたのか旧世紀の海軍式敬礼をビシッとするエリーティア。
そして手を下ろし二人に視線を向けると、にこやかな笑みを浮かべて簡単な自己紹介をする。
「改めまして初めまして。案内役を任されましたエリーティア・レグリエスです」

> 「女性パイロット同士、いろいろ話をするのも良いと思いますし。」
「……良いんですね? 色々話して」
一瞬、エリーティアの瞳がキラリと光った気がした。「それじゃ、色々話をしちゃいますね! さ、行きましょう!」
そう言いながらエリーティアは二人を先導するために歩き始める。
その直後には、早速二人に話しかけるエリーティアの姿があったとか。


【艦中央部・居住ブロック】
それから応接室に着くまで、三人は話の花を咲かせ続けていた。
「──実は私、五年より前の記憶がないんですよ──」
「──はい、どう行った経緯かは教えてくれないんですけど、通り掛かったグランマに助けて貰ったんだそうです──」
「──それで今ではみんなの事を家族みたいに思っているんですよ──」
エリーティアもこの船に乗るようになって早五年も経つ。
話す話題には事欠かないのである。
「──で、ボブさんってばコモドオオトカゲが大の苦手になっちゃったんですよ……と、危うく通り過ぎちゃいそうでした」
……話を咲かせ過ぎて通過してしまいそうになるのは如何かと思うが。
「お疲れさまでした、こちらが応接室になります」
150サクラ ◆5Kq11GJKws :2008/11/29(土) 01:18:33 0
>>145>>147
【再び夢世界、紅い星】
またしても突然景色が変わる。あの夢の世界に来てしまったのだ。
『2人共よく聞いて、この夢世界に干渉するのは10分くらいが限界だからね?
それまでにリル君の“心”を見付けて悪夢を終わらせてあげて!!』

眼前に広がるのは無限大の広さを持つ瓦礫の山、そこからたった10分で探さなければならない
「出来る訳がない!」
そう叫びそうになった。ソラ様も途方に暮れているようだった
「でも、やるしかない!!」
再び瓦礫をどけ始める
しかし、すぐに異変が起きた。ソラ様の方で何かが光りすぐに振り返ると少女が立っていた
何を話しているかはわからないがソラ様はとっても驚いていた
『彼女はここがどこだか教えてもらったみたいね』
イシュタルから聞こえてきた声が聞こえる
『ここは星の塔があった場所・・・古代の聖域』
「星の塔!!」
教団の本部が星の塔なのだ
『あなたには資格があるのよ、守護者としてのね。あなたは星の守人、この星を守る力があるの
でもあなたの力は眠ってる。でも、これからの脅威に対抗するにはあなたの力が必要なの』
サクラはいきなりの宣告に驚きを隠せないでいた
「どうやったら私の力は目覚めるの」
自分にはそんな力があるなんて自覚はこれぽっちもない
『心配しないであなたの優しさがあれば大丈夫、自分の力でみんなを守ろうとする心があれば大丈夫
それに私もあなたの助けになる。私たちは直接は触れ合えないけど絶対に繋がってる。』
そう言って声は聞こえなくなった
 
151GM ◆gSwqGuhSvI :2008/11/30(日) 00:13:38 O
【炎上するアキハバラ】
「マズい!リル君が星の塔に向かってるお!!」
「くそ…そいつだけは絶対に阻止しねぇとな、“後始末”が厄介だぜ!」
舌打ちしたカジャはモエの頭に装着されたネコミミカチューシャを引っ張った。
「ひあッ!?」
カチューシャがスポッと抜けるかと思いきや、ズルッと複雑な基盤が現われる。
「動くなよ!?今からテメェのリミッターをブチ切るからな。意地でも奴を止めろ!!」
「はわっ!?はわわわーッ!!!!」

キュイィイイイッ!!!

凄まじい速度でプログラムが組み替り、モエが持つ本来の力を完全に解放する!!
モエはツクヨミの罠にかかった時に、リミッターを作動させられていたのだ。
その解放は合体と同時にケイのリミッターと連動し、2人は本当の姿を取り戻す!!

「気合い入れていけ!単行本が懸かってんだからな!!」
「「言われなくても解ってる!!!」」

>>148>>150
【夢世界、紅い星】
>「星の……塔?」
「そう、星の塔。例えるなら“星の魂”とも言える場所…」
銀の導き手…先代の“星の巫女”が答えた。
「アルテラセイザーは巫女である貴女の魂を媒介にして、アキハバラへと現われたの…
もう1度“星喰い”と戦う為に…でも悲しみと憎しみによって暴走してしまったのです。」
遥か彼方の黒獅子が、空に目掛けて飛び立った。
「彼の心は肉体を離れ、今はこの夢の何処かで消えかかっています。急いで…ソラ、
貴女になら見える筈。星の輝きが…星の命が…きっと見える、自分を信じなさい…」

そう言い残すと光は消えた。


一方サクラも不思議な声によって、自分に秘められた“力”の謎に頭を悩まされていた。
星の守人とは何か…そして脅威とは何か…
おそらく脅威の正体は“星喰い”の事だろう。しかし星の守人とは一体何なのか。

星の守護者は星王機神と配下の星王三機将が担っているのではなかったのか。
サクラはユーリから預かった剣が淡く光っているのに気が付いた。
今までこんな事はなかった。もしかしたら先程の話が関係しているのかもしれない。

何故かサクラには確信があった。
152GM ◆gSwqGuhSvI :2008/11/30(日) 00:16:16 O
>>146>>149
【応接室前廊下】
>「え、あ、あの……。」
「は〜、助かるぅ♪テラ・マトリクスの社員さんって優しいね、あはは♪」
荷物が少なくなって前が見えるようになったのが快適なのだろうか、少女は上機嫌だ。
「あ!自己紹介がまだだったっけ。私パトリシア、みんなパティって呼んでるよ。」
クルクルと軽やかに回りながら少女が名乗る。
半分以上がミュウに押し付けられたとはいえ、荷物はまだまだ重い。
そもそも目嵩が大きいが実際はさほど重くない軽い荷物だけをミュウに渡したのだ。。
パトリシアが抱えているのは高級そうな映写機に見える。実に重そうだった。
にもかかわらず、その足取りが軽いのはパトリシアの体力の高さ故である。
>荷物を押し付けた少女の後をおぼつかない足取りで追いかけるミュウだった。


>「お疲れさまでした、こちらが応接室になります」
応接室に到着した3人の前に、2人の少女が現われる。パトリシアとミュウだ。
「およよっ?ティアちゃんおかえりなさい。その人達だぁれ?」
ニコニコと笑顔で歩いてくるパトリシアは、ティアとは親友だ。
3ヶ月前に海賊の一員となって以来、ティアは年の近いパトリシアと仲が良かった。
しかしその少し後ろで荷物と悪戦苦闘している少女には見覚えがない。

「なんだ、騒がしいと思ったらお嬢ちゃん達か。丁度今から呼ぶところだったんだ、
中に入ってくれ。これから今後の作戦についてモニカから話があるそうだ。」
応接室のドアが開き、中から出て来たのはドナルドだった。
どうやら帰艦してすぐに報告へ向かったのだろう。まだ着替えてもいなかった。
153GM ◆gSwqGuhSvI :2008/11/30(日) 00:19:07 O
【ユグドラシル第三階層オービタルユニオン】
「これが君達の新しい機体だよ。」
格納庫に鎮座する巨大な機体が、アレックスとヴィクターを圧倒した。
あまりにも異質で、禍々しい姿。まさに“破壊”という名の具現と言えた。
「“カノン”っていうんだ。当初の設計からかなり変わっちゃったけどね、自信作だよ。」

2ndとは違って二脚型ではなく四脚型の脚部を持ち、腰から上は人型の様式。
背には一対の巨大な翼が折り畳まれており、背部に装備された武装ユニットと連結している。
装甲表面に刻まれた幾何学的な文字列が、一層の不気味さを引き立てていた。
「まだ未完成だけど、一応動くよ。乗ってごらん。」
ギュナはアレックスに搭乗を促した。しかしアレックスは動かない。
「どうしたの?復讐に行くんでしょ?遠慮しなくてもいいんだよ?」

「…………るな…」
微かな呟きを漏らすアレックス。その手は怒りに震えていた。
「え?聞こえないよ、もう1度言っ…」
「ふざけるな!!!未完成だって?そんなモノよりも2ndを渡せ!!!」
激昂し、ギュナの言葉を遮るとアレックスは怒鳴り散らした。
眼は充血して息も荒い。完全に我を失っている。
「あんなヤツ2ndで充分だ!!今の“僕達”なら…僕と兄さんなら勝てない理由は無い!!!!」
血走った眼で格納庫の奥を睨み、駆け出した。その先には2ndの格納庫がある。
「君は“独りぼっち”だよ。」

ギュナの言葉に足が止まる。まるで心臓を握り潰されたかのような苦しみが襲ってきた。
「ブランドン=タイラーは死んだんだ。君が殺した。君の“弱さ”がね。」
アレックスの頬を冷たい汗が流れ落ちる。
「いもしない兄の幻に縛られて、君は弱いまま死にに行くの?」
鼓動が早鐘の如く鳴る中、ギュナの言葉を振り払う様にアレックスは再び走り出す。
「まぁいいさ、君の“替り”はいくらでも補充できるし、行っておいで…」
アレックスは立ち止まらなかった。
それを見送るギュナの眼は…何か面白いモノを見付けた子供の様な眼だった。

「ツクヨミを打ち負かした“人間の可能性”とやらを見せてもらうね。」


【2nd格納庫】
十数機の2ndが静かに並ぶ暗い空間を、ただがむしゃらに駆けて行くアレックス。
彼が乗っていた機体が見える。既に修理を終えているらしく、他の機体と同じく並んでいた。
反政府勢力の者にとって2ndの個体識別は難しかったが、アレックスには一目で分かる。
7年間、ずっと乗り続けてきた…己の半身とも言える存在だからだ。

「待っててよ兄さん…もうすぐだからね。」
154アレックス ◆gyalxMCbGw :2008/11/30(日) 01:21:49 0
>136 >153
息を切らしながらたどり着いたアレックスの前には一機の2nd
間違いなどない、これが自らの兄の乗っていた2ndだ。
確信を胸にコックピットハッチへの階段を上りはじめるアレックス。
「あはは…ははははっ!兄さん!!今行くよ兄さん!!」
さきほどのギュナの言葉に相当な痛みを感じたのかまるで確かめるように叫ぶアレックス。
その様子はもはや兄を親愛している弟などでは断じてなく。
引き千切れそうな心を繋ぎ止めるため、亡き兄に縋りつく哀れな男としか言いようがなかった。

「はは…ははは……さあ行こう兄さん、僕たちをこんな目に遭わした奴らに復讐するんだ。
 全員に復讐してやる、さっきの奴らも、これを作った奴らも……復讐するんだよ!!
 僕と兄さんを否定した全てを壊してやる!!弱くなんかない!!そうだよね兄さん!
 そうさ、僕は強いんだ……兄さんと一緒に……ははははははは!!」

ハッチを開けシートに体をうずめ中に転がっていたメットをかぶる。
そして自らの首筋に2ndと己を繋ぎ一体化するためのプラグを勢いよく差し込む!
集中し2ndの情報を読み取り自らの神経と一体化していく……
これによりルーラーと2ndはラグのない動きを可能とするのだ。
接続していると、前にも聞こえた声が響く。

――汝 罪あり――

前にも聞こえた声、しかし、アレックスに動揺は見られない。
「……く、くくくくくく……罪あり?いいさ、
 俺の行動が罪だというのなら甘んじて受ける。
 そして俺にこれほどの罪を追わした元凶全てを滅ぼしてやる……」
2ndのカメラアイが赤く点灯しモニターに視界が映し出される。
「……さあ行くよ!!」
拘束しているラックをひねり曲げそのまま外へとつながるハッチをディ・ゴで切断する。
そして加速したかと思うと次の瞬間には遥か遠くへと飛び去っていった……
155ソラ ◆TnakibaQxg :2008/12/01(月) 22:38:37 0
>>151
>「彼の心は肉体を離れ、今はこの夢の何処かで消えかかっています。急いで…ソラ、
貴女になら見える筈。星の輝きが…星の命が…きっと見える、自分を信じなさい…」
本当に星の塔が星の魂であるなら
アルテラセイザーの心もこの場所に呼び寄せられて来るのではないだろうか。
サクラちゃんの方を見ると、また紅い剣が光っていた。
淡い光を見つめていると、不思議な光景が見えた。
きっと、まだこの星が栄えていた頃の風景。
東京に良く似た大都市に、当たり前のように天空の楼閣が聳え立ち
帆船そのままのような形状の飛空艇が飛んでいる。
古代ロボのようでAMのようでもある機体が闊歩している。
科学と科学ではないものが混在する、地球のようで地球でない世界。
次の瞬間、風景は一転した。繁栄を謳歌する世界に突然訪れた滅びの時。
高度な文明が、一瞬にして崩れ去っていく。次々と撃墜されていく古代ロボの群れ。
人々は一人残らず死に絶え、世界は終末へと突き進む。
一人残らず……? いや、幼い子どもの姿が見える。最後の生き残り?
紅い瞳の少年が現れ、眠っているような子どもをそっといだく。
――僕には罪がある、星を守れなかった罪だ……
みんな死んでしまった……だけど君だけでも生きて……!
「リル君……!」
思わず叫んだとき、視界が紅い光に染まる。
光が収まると、建造物の中のような空間にいた。サクラちゃんも一緒に来ている。
彼女の剣がアルテラセイザーと何か関係があることは間違いなさそうだ。
「その剣が導いてくれたみたい……」

少し進むと、超科学の産物にも古代の魔道具にも見える装置が並んでいる場所に出た。
床に描かれた幾何学的な文様、その中心に浮かぶ、気を失っているまだ幼い子供。
そして、紅い瞳の少年が十字架に光の鎖で縛られているのが目に飛び込んできた。
「サクラちゃん、助けてあげて!」
装置の横にいた人がこっちを一瞥する。
「邪魔をするな……門を開くにはそいつの生贄が必要だ!」
さすが夢世界の住人だけあって訳の分からない事を言う。
だけど狂気に彩られた瞳の奥には深い哀しみが見える。
「お願いやめて、その子を連れて帰らなきゃいけないの!」
「もうやるしかないんだ……!」
彼は迷いを振り切るように装置のレバーに手をかけた。
「やめろおおおおおおおおおお!!」
やめろと言われてやめるはずはないと分かっている。
なのになぜか一瞬、レバーを引く手が止まったように見えた。
その一瞬は決定的なものだった。
156ティア ◆cHEmMBe4ms :2008/12/01(月) 23:14:07 O
>>152
> 「およよっ?ティアちゃんおかえりなさい。その人達だぁれ?」
> ニコニコと笑顔で歩いてくるパトリシアは、ティアとは親友だ。
> 3ヶ月前に海賊の一員となって以来、ティアは年の近いパトリシアと仲が良かった。
「ただいまパティ。えっと、右からヘレンさん、ミリアムさん。二人ともテラ・マトリクス社からのお客様だよ」
そんな親友に快活な笑顔で後ろの二人を紹介するエリーティア。
> しかしその少し後ろで荷物と悪戦苦闘している少女には見覚えがない。
──初対面の人かな?
そう思ったエリーティアは、取り敢えず同行者であるパトリシアに聞いてみることにした。
「ところでパティ、そっちの後ろの子は誰?」


> 「なんだ、騒がしいと思ったらお嬢ちゃん達か。丁度今から呼ぶところだったんだ、
> 中に入ってくれ。これから今後の作戦についてモニカから話があるそうだ。」
> 応接室のドアが開き、中から出て来たのはドナルドだった。
「あれ? ドンさん、いつの間に?」
中から出てきた予想外の人物に思わず目を丸くする。

> どうやら帰艦してすぐに報告へ向かったのだろう。まだ着替えてもいなかった。
──ああ、そう言えば格納庫の方では見掛けなかったなー。
少し考えてそう思い起こしたエリーティアであった。
「分かりました。さっ、お二人とも入ってください」
気持ちを切り替えたエリーティアは、まず背後の二人を促し先に応接室に入らせる。
そして、二人が入った後で改めてパトリシア達と一緒に応接室へと入っていった。
157GM ◆gSwqGuhSvI :2008/12/02(火) 22:30:03 O
【アラスカ上空】
当てもなく飛ぶ2nd。兄を殺した敵を探して彷徨う中、何度も繰り返し聞こえる声。

     汝、罪あり

この言葉の意味は今のアレックスには理解出来ない。
いや、理解しなかった。理解する事を拒んだのだ。
アレックスにとって復讐こそが全てに於いて優先すべき事だったからだ。
もし彼がこの言葉の意味を理解していたなら、また違った結末となっていたかもしれない…


【ユグドラシル第三階層オービタルユニオン】
「なんで止めなかった?どう見てもまともじゃない、返り討ちが関の山だろうに。」
ヴィクターが非難するようにギュナを見た。
「じゃあ君は何故彼を止めなかったの?やろうと思えば出来た筈だよ?」
意地悪な笑みでヴィクターを見上げ、質問に質問で応える。
言われてみれば確かにそうだ。ヴィクターならば止める事が出来た筈だ。
ならば何故そうしなかったのか。

「君は復讐に捕らわれた昔の自分に彼を重ねてしまった…違うかな?」

ヴィクターは苦笑いして頭を掻いた。心を読み透かされたのは気分が悪い。
「かもしれんな…俺は昔の俺を正当化したかっただけなんだろうよ。」
認めてしまうのは癪だったが、改めて思い返せばそれは大きな間違いだと分かる。
エピタフシステムは搭乗するルーラーの“精神力”を反映する。
極めて不安定な精神状態のアレックスには、それが足枷にしかならないからだ。

アラスカでの戦闘から今日までの間に2ndは全てエピタフシステムを試験搭載している。
彼が乗って行った機体も例外ではない。
「何処に行くの?」
「連れ戻すんだよ。まだ死ぬには早過ぎる。とりあえず動くんだろ?借りるぞ。」
ヴィクターはカノンへと歩きだしていた。

【アラスカ上空】
2ndから聞こえる声を無視し続けるアレックスだったが、次第に頭が痛くなってくる。
視界は霞み、意識が混濁し始めていた。
モニタに映し出される風景が歪み、やがてアラスカの荒野は見知らぬ都市に変わった。

     汝、罪を知り、罰を受けよ

今までとは違う言葉だった。アレックスは…
見たこともない大都市にいた。
明らかに地球には存在しない都市だ。建造物の様式も、始めて見るものだった。
158サクラ ◆5Kq11GJKws :2008/12/03(水) 00:55:41 0
>>151>>155
「星の守人・・・の資格」
静かにそう呟いた。自分にはその資格がある。そう言われて悪い気はしなかった。
自分の力でなにかを守れるというのはサクラが昔から憧れていたこと、だから聖霊教団に入り護衛の仕事をしているのだ
そんなことを考えている時、剣が淡く光りだすと再び景色が切り替わる。だけどさっきまでの風景とは違う
>東京に良く似た大都市に、当たり前のように天空の楼閣が聳え立ち
帆船そのままのような形状の飛空艇が飛んでいる。
古代ロボのようでAMのようでもある機体が闊歩している。
科学と科学ではないものが混在する、地球のようで地球でない世界。

不思議な世界だった・・・新しくもあり古くもあるそんな世界だった
しかし、その景色は長くは続かなかった風景は変わりその文明は滅びようとしていた
サクラはその光景を見て言葉がでなかった。想像を絶する光景に身動きすらもできなかった。

>人々は一人残らず死に絶え、世界は終末へと突き進む。
一人残らず……? いや、幼い子どもの姿が見える。最後の生き残り?
紅い瞳の少年が現れ、眠っているような子どもをそっといだく。

その少年の少し後ろに少女が姿を現わす。
『私は守れなかった。大切な使命を大切な人を・・・』
その言葉のあと剣の光が収まるとソラ様と一緒に屋内のような場所に立っていた

>「その剣が導いてくれたみたい……」

事実そうなのかもしれない。だがサクラにはなにがなんだかまったくわからなかった
試しにそっと剣に触れてみたがなにも反応はなかった
考えながらソラ様と一緒に建物の奥へと進んで行く
>少し進むと、超科学の産物にも古代の魔道具にも見える装置が並んでいる場所に出た。
床に描かれた幾何学的な文様、その中心に浮かぶ、気を失っているまだ幼い子供。
そして、紅い瞳の少年が十字架に光の鎖で縛られているのが目に飛び込んできた。
「サクラちゃん、助けてあげて!」

「承け賜りました!」
ソラ様の期待に応えるようにサクラは狂気の人物の元に駆ける!
サクラにはわかってしまった・・・自分が一瞬間に合わないことを
>「やめろおおおおおおおおおお!!」
なのになぜか一瞬、レバーを引く手が止まったように見えた。
その一瞬は決定的なものだった。
レバーを引こうとした腕はその作業を行うこともなく地面に落ちようとしていた。
そしてそれに気付く前にサクラは首を刎ねた。
「音も聞こえなかったでしょ?暗殺剣、『陽炎』いかがでしたか?」
ちょっとかっこつけて剣を鞘に納める
159GM ◆gSwqGuhSvI :2008/12/04(木) 22:14:31 O
>>155>>158
【夢世界、祭壇の間】
>「お願いやめて、その子を連れて帰らなきゃいけないの!」
>「もうやるしかないんだ……!」
>彼は迷いを振り切るように装置のレバーに手をかけた。
>「やめろおおおおおおおおおお!!」
>なのになぜか一瞬、レバーを引く手が止まったように見えた。
それがソラの叫びに依るものだったのか、それとも男の最後の理性に依るものだったのか…
真相は結果として分からないままになってしまう。
>レバーを引こうとした腕はその作業を行うこともなく地面に落ちようとしていた。
>そしてそれに気付く前にサクラは首を刎ねた。
間に合わない筈の距離を間に合わせたのは、男の一瞬だけ見せた迷い。
>「音も聞こえなかったでしょ?暗殺剣、『陽炎』いかがでしたか?」

その問いに答える者はいない。首を落とされたのだから当然だった。
起動し始めていた謎の装置がゆっくりと停止する。
「見付けて…くれたんだね…」
十字架に捕らわれた少年、星王機神アルテラセイザーが2人を見て涙を流した。
「此処はテラ…火星の前にフォボスが降り立った星…」
アルテラセイザーは語り始めた。十字架が消え去って、周りの景色も変わる。
ソラ達にとって、少し懐かしい雰囲気の街が広がっていく。
「箱舟計画はマニュアルなんだ…どの星でも同じ文化文明を辿る、人間達に組み込まれた
深層記号…この夢世界が君達の世界に似ているのも、最初から決められていたからなの…」
星の文明が始まり、そして終わるまでの映像が2人の中に入って来た。


惑星テラは地球に酷似した極めて豊かな環境を持つ星だった。
原生生物を駆逐し、人間の文明が“始められ”た後も、計画は順調に進んでいた。
裁定者の審判をクリアして、人類はフォボスを目指した。

ここまでは全て計画通りであったのだ。

しかしその神々の地へ至る門を開ける直前で、繁栄は終わりを告げた。
“星喰い”の出現である。
宇宙という無限世界の中で、突出した知的生命体の前に現われる天敵…
テラの民は戦った。フォボスの機神達も加勢し、その戦いは苛烈を窮めた。

そして、テラの民は敗北した。
民の長であったディーガ=レグリエスは、門の特性を利用して別次元へと“星喰い”
を放逐する覚悟を決めたのである。鍵となる星王機神の星核を贄として!!

先程のサクラが殺した男こそが、テラの指導者ディーガ=レグリエス。
しかしその場面にソラとサクラは居なかった。
代わりに居たのはサクラと同じ剣を持った女性。ディーガを殺害したのも、その女性だった。


「サクラ…彼女は君と同じ選択をしたよ…いや、君が彼女と同じ選択をしたのかもしれない…」
アルテラセイザーはサクラを見つめる。その紅い瞳には、重い悔悟が感じられた。

「君達は歴史を追体験している…今から地球に訪れる破滅に打ち勝つ為に…」
160ミュウ ◆xK7dfy5P/g :2008/12/04(木) 23:51:28 0
>152
>「は〜、助かるぅ♪テラ・マトリクスの社員さんって優しいね、あはは♪」
>「あ!自己紹介がまだだったっけ。私パトリシア、みんなパティって呼んでるよ。」
バルロワファミリーには決まった制服など無かった。
たとえあっても別行動中の別働隊にミュウのサイズに合う制服など無かっただろう。
それが今回の、パトリシアにマトリクス社の関係者と勘違いされる要因の一つなのは
想像に難くない。もちろん、勢いに押されてミュウが否定しなかったのも悪いのだが。
「私はミュウ……。パティ、かわいい名前だね……。」
本心である。ミュウもまだまだとは言えこれからの年頃の少女、
かわいい物が嫌いなわけは無い。そんな事を考えたらふと、
かつて黄昏の宇宙で出会った『異邦の神』とのやり取りを思い出した。



―――へぇ、ミュウって言うんだ。かわいい名前だね。
   あっと、自己紹介がまだだった。ごめんごめん……僕は―――



……思い出せない。なんで?この前までは覚えてた筈なのに……。

ミュウには分かるはずも無かった。トムの死が重圧になって、
記憶の一部に自分でロックを掛けてしまった事に。それほど、ミュウは
その時々の精神状態に左右される特性を持っているのだった。

>「なんだ、騒がしいと思ったらお嬢ちゃん達か。丁度今から呼ぶところだったんだ、
>中に入ってくれ。これから今後の作戦についてモニカから話があるそうだ。」
やがて応接室に着いた。中から出てきたのは古めかしい格好をした中年紳士。
部屋には艦長もいるらしい……自分一人でさ迷っていたらたどり着けなかっただろう。
成り行きで荷物持ちをさせられはしたものの、それ以外はさしたる問題も無く着けたのは
幸運だったと言わざるを得ないだろう。

「ありがとう……お陰で艦長に会える。」
ミュウは分かっていない。艦長、と言う言い方が誤解を深めることに。
照れ臭いのだ……人前でモニカおばさんと呼ぶのは。人目につかない所では言えるのに、
誰かがいると言えない。まだまだ素直には程遠いようだ……
もっとも、たとえ呼び慣れていても今回ばかりはそう呼べない。
トムの死を報告するのに親しみを込めた呼び名で呼べるはずも無いのだ……。

>156
>「ところでパティ、そっちの後ろの子は誰?」
応接室の前で出会った少女……ティアと言うらしい。
ミュウは彼女にもどこか自分と似た部分があると感じ取った。
具体的なことは何も分からない、でもどこか似ていると―――。

「私はミュウ……別働隊の一員。
 詳しい話は中で……早く入りましょ。」
ここでようやく自分の所属を表すミュウ、パティは果たしてどう思うだろうか。
それよりも、今後の事について話がある以上いつまでも部屋の前でたむろってる場合じゃない。
……いくら思ったほど重くないとは言え、いい加減荷物を降ろしたいのだ。

>そして、二人が入った後で改めてパトリシア達と一緒に応接室へと入っていった。
部屋に入って言われた場所に荷物を置くと、適当な場所に座る。
と言ってもミュウは決まって出口と隅に一番近い場所をとる。
一年別働隊と行動をともにしたにも拘らず、ミュウはいまだに人の間に入るのが苦手だった。
161サクラ ◆5Kq11GJKws :2008/12/06(土) 22:05:01 0
>「箱舟計画はマニュアルなんだ…どの星でも同じ文化文明を辿る、人間達に組み込まれた
深層記号…この夢世界が君達の世界に似ているのも、最初から決められていたからなの…」
星の文明が始まり、そして終わるまでの映像が2人の中に入って来た。

頭の中に流れる映像・・・それが終わる時にさらなるサクラ達は試練のときを迎えようとしていた
すべての映像を見終わった後、アルテラセイザーが口を開く

>「サクラ…彼女は君と同じ選択をしたよ…いや、君が彼女と同じ選択をしたのかもしれない…」
「君達は歴史を追体験している…今から地球に訪れる破滅に打ち勝つ為に…」
自分と似た女性の姿を思い出す民の長ディーガ=レグリエスを斬り殺した姿

「歴史を追体験?じゃあ私が彼を殺したのは過去に起こったことなんですか?」
サクラは自分ではないとわかっていても過去と同じ行動をしてしまったことに困惑している
「じゃあ、彼を殺した後世界は・・・」
そこまで言ってサクラはある事実に気付いたその世界が滅亡した事実に
「破滅に打ち勝つためにどうすればいいの?」
「私はどうしたら?」
「私の力は役にたつの?」
サクラの口からはマシンガンのように言葉が紡がれる
だがその後は少し黙って頭を大げさに振りアルテラセイザーにこういった
「私には何が出来るの?」
その目には覚悟が炎が宿っていた
162ソラ ◆TnakibaQxg :2008/12/06(土) 23:32:44 0
>>159 >>161
サクラちゃんの問いに、すぐに答えが与えられる事は無かった。
「待って、まだ続きがある」
祭壇の間に男女の二人組が現れ、魔法陣の中心にいた子どもに語りかける。
「無事でよかった。君は神になるべく選ばれた人間……
共に行こう、魂の故郷へ……」
「嫌だ、どこにも行きたくない……!」
星を捨てる事を拒否する子どもに、ケイ君に似た誰かが残酷な真実を告げる。
「この星はもう……助からない。
案ずることはない、君達は神の遺産を受け継ぎ新たな世の始祖となるんだ」

「彼らはフォボスの裁定者ペルセウスとアンドロメダ。
僕達が星喰いと戦ってるときにも、独自の計画を進めていた。
彼らは早い時期からテラは助からないことを予期して
門に至り新たな世の始祖となるために進化した選ばれし人間を作り出していた。
そして彼らを連れてフォボスへ向かった……」

リル君の声が聞こえたかと思うと、また場面が変わった。
白銀の翼をもつ古代機を駆り、裁定者と共に遺跡の最深部へ向かっていた。
選ばれた者たちを神の地へ送り届けるために……。
ウチは今、テラの星の巫女になって歴史を体験しているのだ。
最深部にたどり着き、裁定者が神の地へいたる門を開けることを促す。
「星の巫女よ、今こそ門を開け!」
ウチはゆっくりと首を横に振る。
先代の星の巫女は突如として裁定者に造反したのだった。
「ごめん、やっぱり星を捨てるなんてできない……だって星の巫女だから……」
持っている宝石が眩い輝きを放つ。その色は青ではなく、炎のような真紅だった。
「みんな、いつかもう一度地球(テラ)で生きて……!!」
その言葉を最後に場面がとだえた。
ただ一つ確かなのは、裁定者の計画も失敗に終わった事だった。
163GM ◇gSwqGuhSvIの代理投稿:2008/12/06(土) 23:46:32 0
>>156>>160
【ジラソーレ艦内、応接室】
「明日の作戦は中止する。理由は皆も分かってるだろうけど、戦力不足だよ。」
会議が始まり開口一番にモニカが告げたのは、そこにいた全員が薄々感じていた事だった。
現在のバルロワファミリーは戦力の中心となる機体を3機失っている。
ダイファルコン、ダイザウラー、ウシグモ。その3機の欠落は戦力の激減と同義だ。
「そこでアタシ達が取る進路は…日本だ。」
続けてモニカの口から出た行先に、一同がざわめく。
旧日本はユニオン創設に深く関わりのある国で、地球で最も優れた機械技術を有する地域。
そして、その首都アキハバラは星霊教団の本拠地でもある。

「出発は明朝6時。目的地はアキハバラ、何か質問はあるかい?」
「はい、では早速。」
挙手したのはミリアムだった。モニカが頷くと、席を立つ。
「我々テラ・マトリクスのスタッフを同行させて戴きたいのですが、宜しいでしょうか。」
ミリアムの提案に驚いたのはヘレンだ。慌ててミリアムを見上げた。
「今回の作戦中断は半分我々の落ち度でもあります。よって契約内容を変更致します。」
「なるほど…例の新型機だね?」
「えぇ、まだ最終調整が残ってますし、如何なルートを通るにしろユニオンとの接触
は可能性として考慮するべきですからね。こちらの都合と合致しますので。」
大海賊を前に何とも堂々たる態度か。ミリアムの瞳に躊躇いは微塵も見当たらない。

「……よし、なら喜んでその案を呑ませてもらうよ。契約内容は後でボブと話し合いしとくれ。
さて、他に質問がある奴はいるかい?いるなら今の内に聞いとくれよ!?」


【惑星テラ】
アレックスは戸惑った。レーダーは“何処も指していない”のだ。
通信も遮断されているらしく、誰とも繋がらない。完全に孤立している状況だった。
「ここは一体何処だ!?罪とは何の事だ!?答えろ!!」

     彼の地より来たりし滅びを見よ

「ぐぅッ!?」
脳を焼き切られるかのような痛みがアレックスを襲う。
過去が…置き去りにしたままの“真実”が、少しずつ甦ってくる。
『…レッ……ス…………アレ…ク…』
遥か彼方から呼び掛ける声。その声の主に、アレックスは心当たりがあった。

遠い昔に拒絶した筈の、星を守る3つの機神…
幼かったあの時は、ただ逃げ出すしかなかった。星の未来を背負う覚悟など無かった。
164ティア ◆cHEmMBe4ms :2008/12/08(月) 22:20:01 0
>>160
> 「私はミュウ……別働隊の一員。
>  詳しい話は中で……早く入りましょ。」

本人からの自己紹介と入室の催促に思わず目をぱちくりする。
よく見なくてもミュウの持っている荷物はなかなかの量だ。
早く何とかしたいのも当然だろうと思い至り、直ぐに部屋へと入ろうとする。
「あ、うん、そうだよね。入ろうか……私はエリーティア・レグリエス、所属は本隊だよ」
部屋に入る直前、エリーティアは少女に対して手短に自分の自己紹介した。



部屋に入ったエリーティアはドアの直ぐ横に位置取り直立不動の姿勢を取る。
なんだかんだで下っ端気質の抜けないエリーティアにとってはそこが定位置なのである。
そして、隅の方に行ったミュウの様子を横目でちらりと窺う。

> 部屋に入って言われた場所に荷物を置くと、適当な場所に座る。
> と言ってもミュウは決まって出口と隅に一番近い場所をとる。
> 一年別働隊と行動をともにしたにも拘らず、ミュウはいまだに人の間に入るのが苦手だった。

それは少女に対して、どことなく親近感を覚えたが故の行動であった。

>>163
そしていよいよ会議が始まる。
室内には頭領であるモニカを筆頭として、現存するバルロワファミリー主力メンバー全員が揃っていた。

> 「明日の作戦は中止する。理由は皆も分かってるだろうけど、戦力不足だよ。」

その言葉を聞いたエリーティアは心の内でやっぱりそうかとため息を吐く。
実の所、レグリエスにも帰還した直後に幾つかの不具合が発生していたのである。
整備の人が言うには、追加された部分と元からあった部分との整合性に問題が生じているらしい。
更に続けて、今の船の設備ではどうにも手の出しようがないとも言われた。
有り体に言えば、現在のレグリエスはほとんど戦力として期待できないのである。
だからこそ、次のモニカの発言はエリーティアにとって渡りに船であった。

> 「そこでアタシ達が取る進路は…日本だ。」
> 「出発は明朝6時。目的地はアキハバラ、何か質問はあるかい?」

目的地は世界最高峰の機械技術を誇る日本、更にその中枢であるアキハバラ。
そこならば、レグリエスの修復も一気に仕上げられると言う確信が持てる。
何故ならば、アキハバラには『あの人』が居るのだから。

> (中略)
> さて、他に質問がある奴はいるかい?いるなら今の内に聞いとくれよ!?」

「はい!」
エリーティアはここぞとばかりに勢いよく手を挙げる。
「えっと、秋葉原に行くっていう事は先ず、聖霊教団と渡りを付けるんですよね」
まずは一つ目のyしつもンというより確認を行った後。
「それに……あの人の所にも行くんですよね?」

ちなみに彼女の言うあの人とは、世界にその名を轟かす秋葉原在住の機械整備士。
誰が付けたか通称・伝説の職人。
何を隠そう、かつてボロボロだったレグリエスを使用可能な状態にまで修復した張本人なのである。
165GM ◆gSwqGuhSvI :2008/12/09(火) 00:57:55 O
【不思議な空間】
>「みんな、いつかもう一度地球(テラ)で生きて……!!」
>その言葉を最後に場面がとだえた。
「そして時は流れて、フォボスとムーンは太陽系に辿り着いたんだ…」
ここから先はソラの記憶にも僅かに残っている。星の巫女となった時に受け継いだ記憶。
15年前にムーンの中で繰り広げられた、運命の決戦…
その中で証明された地球人類の持つ“可能性”と、意思の力。

「サクラ…君は何がしたいんだい?君のしたい事は君じゃない誰かが決めるものなの?
…違う。君に出来る事は、君自身だけが解る事なんだ。迷ったっていいじゃないか、
つまづいて転んだっていいじゃないか…前を向いて進む限り、君の道は続いてるよ…」
サクラの>「私には何が出来るの?」という問い掛けに優しく答えた。
それは答えになっていなかったが、確かにサクラの胸に刻まれた。
受け継がれたのだ。星を守る為の“心”が。
「テラの因果律は星の巫女によって地球と“繋がって”る。だから君達には知っておいて欲しかった…」

周囲の景色とアルテラセイザーの姿が、徐々に消え始めたその時!!
「……!?この世界に干渉して来た誰かがいる!?………これは…カノン!!!」


【炎上するアキハバラ】
アルテラセイザーが止まった。彫像の如く静かに立ち尽くす。
「やった!ソラちゃん達がリル君を見付けたんだお!!」
熾烈窮まりない激闘の果てに、もはや満身創痍のモエが歓喜に沸いた。
「待てクシナダ、何か様子がおかしい!!」
「夢世界へのリンクが途切れた!?どうして!?」
カジャとケイが同時に叫ぶ。
本来ならばソラ達はもう戻って来ていなければならない筈なのだ。
作戦が成功したのは間違いない。現にアルテラセイザーは停止した。

それなのに…夢世界に向かった2人は帰って来なかった…
166GM ◆gSwqGuhSvI :2008/12/10(水) 20:44:22 O
>>164
【ジラソーレ艦内、応接室】
>「はい!」
>エリーティアはここぞとばかりに勢いよく手を挙げる。
>「えっと、秋葉原に行くっていう事は先ず、聖霊教団と渡りを付けるんですよね」
>「それに……あの人の所にも行くんですよね?」

「そうだね、先ずは教団の星の巫女に…コイツを返しに行く。」
モニカが机の上に置いたのは3個のブレスレットだった。
「15年前にちょいと約束をしちまったんだが…どうやらここらが潮時だと思ってね。」
ダイアニマル達を召喚する為のブレスレットは、トム以外の3個が揃っていた。
「このブレスレットは4つで1つ、もうアタシ達には“約束”を果たす事が出来ないのさ…」
それは星王三機将の一角、ダイジュウオーは二度と戦えなくなった事を意味する。
「それと、パティを巫女に預ける。この子はゴルディカイザーに深い縁のある子
だからね。アタシ達と一緒にいるよりも教団で保護して…」
ガシャン!!映写機の床に落ちた音が、モニカの言葉を遮った。
見ればうつむいて微かに震えるパトリシアがいる。映写機の準備をしていたのだろう。

「おばちゃんのアホーッ!!私にファミリーの一員だって言ってくれたのに!!」
叫ぶや否や、応接室を飛び出して行った。陸上で鍛えた駿足は伊達ではない。
3ヶ月前にグランドレールでの戦闘に巻き込まれ、成り行きで行動を共にしていたが、
パトリシアなりに皆との生活を大切にしていたのだろう、何人かは気まずそうな顔になる。
「………ふぅ、困ったもんだね。ティア、行っておやり。アンタならあの子も話を聞くだろうよ。」

モニカが頭を掻きながら、入口の近くにいたティアに言った。
167ソラ ◆TnakibaQxg :2008/12/11(木) 23:27:30 0
>>165
>「テラの因果律は星の巫女によって地球と“繋がって”る。
だから君達には知っておいて欲しかった…」
正直言って驚いた。
遥か昔に地球によく似た星があって、同じような歴史を歩んだ末に滅びた事。
同じ歴史を歩むように人間が作られている事。
でも大丈夫、人類は神の陰謀に一度打ち勝ったんだから。
今度だって断ち切ってみせる。
「分かった。だから一緒に帰ろう、アキハバラヘ!」
消え始めた景色の中でリル君に手を差し伸べる。
だが、リル君がひどく慌てたような声を上げた。
>「……!?この世界に干渉して来た誰かがいる!?………これは…カノン!!!」
「カノン? パッフェルベルのカノン!?」
再び別の景色が現れたとき、リル君が慌てた意味を知った。
そこはアキハバラではなく、地球のようで地球でない都市だった。
まだ夢世界を脱出できてないみたい。
空の向こうから何かが飛んでくるのが見える。
どんな機械オンチだって知っている、禍々しい姿をした漆黒の機体。
まぎれもなく統一政府ユニオンの駆る鋼鉄の死神だった。
「まさか……なんで2ndが!?」
168サクラ ◆5Kq11GJKws :2008/12/12(金) 00:45:47 0
>>165>>167
>「サクラ…君は何がしたいんだい?君のしたい事は君じゃない誰かが決めるものなの?
…違う。君に出来る事は、君自身だけが解る事なんだ。迷ったっていいじゃないか、
つまづいて転んだっていいじゃないか…前を向いて進む限り、君の道は続いてるよ…」

「前を向いて進む限り私の道は続いている・・・」
リルの言葉を口の中でそっと呟く。サクラの頭の中にいつもの声が聞こえてきた
『自分を信じて、君なら大丈夫。君には私にいなかった仲間がいる。これからも仲間は増えていくはず
そして、これが一番大事なこと・・・巫女を絶対に守って私には出来なかったことだから』
最後の言葉は少し悲しげだった
サクラは大きく深呼吸をした
「全部はわからないけど・・・つまりは私は私らしく生きればいい!すべての人を守れるとは思わないけど私が守れるものは全部守ってみせる!
 ソラ様!いつまでもお守りします!なんたって英雄の妹ですから」
サクラは元気一杯、やる気満々、自分が何をすればいいか何となくだがわかったようだ
そしてこれからの戦いで『真の答え』がわかるだろう

新たな決意を固めたサクラにいきなりの大きな壁が立ちはだかろうとしていた

>「……!?この世界に干渉して来た誰かがいる!?………これは…カノン!!!」
「カノン? パッフェルベルのカノン!?」

遥か彼方から何かがやってくる。それはあまりにも有名だったが実際に目にした者は極少数だろう
なぜならそれを見て生き残った人間があまりにも少ないからだ
そうそれは・・・
「2ndがなぜこんなところに・・・」
サクラはここに存在しえないはずの悪魔が現れたことに一瞬対応が遅れてしまった
「・・・不味い!イシュタル!!」
イシュタルが呼べるかは一種の賭けだったがサクラはその賭けに勝った
「こい!今の私は悪魔すら凌駕する存在だ!」
169ミュウ ◇xK7dfy5P/g 代理投稿:2008/12/12(金) 00:48:19 0
>163-166
>「あ、うん、そうだよね。入ろうか……私はエリーティア・レグリエス、所属は本隊だよ」
紹介を受けたミュウは一瞬怪訝そうな表情になった。
「レグリエス……? ……うぅん、なんでもない。
 よろしくね、エリーティア……。」
ミュウはレグリエスと言う単語に聞き覚えがあった。
だがすぐにかぶりを振ってそれを押し込める。それも当然、
ミュウの知るレグリエスは、パイロットごとミュウ自身が『破壊』したのだから……。


今後に関する説明はごく単純な物だった。
明日の作戦中止と、針路をアキハバラと言う都市に向ける事。
それ以上の説明はなかったものの、恐らくは戦力の補充のツテでも
あるのだろう……古代ロボはともかく、現代兵器の技術の塊とも言える
ウシグモの代わりを調達するには以前から聞いていたアキハバラの
技術力でもなければ不可能なのはミュウにも分かる。
元より発言権など無いに等しいと自分で決め付けているミュウだったが、
この決定と今後の行動に異論を差し挟む部分は無かった。

>「……よし、なら喜んでその案を呑ませてもらうよ。契約内容は後でボブと話し合いしとくれ。
>さて、他に質問がある奴はいるかい?いるなら今の内に聞いとくれよ!?」
>「………ふぅ、困ったもんだね。ティア、行っておやり。アンタならあの子も話を聞くだろうよ。」
トムに関する報告の時間を設けるため、その旨を伝えようと挙手しかけたが、
決定に異議を唱えて飛び出していったパティの勢いと場の空気に流されて、
ミュウは機会を失った。クールに見えるミュウだが、実際はそうでもない。
もし自分がそう言われたら……悲しい気持ちが心を満たすのを感じる。
本隊とは縁がほとんど無かったが、そもそもトムもここにいたのだ。
そこから放り出される事に、今のミュウは耐えられそうに無いのを自覚している。
だから、パティの気持ちも理解できる。同時に羨ましい気持ちも生まれていた。
あんな風に自分に正直にものを言って動く事が、いまだにミュウは苦手なのだから。

艦長はティアにパティを追いかけるように言った。
自分が行っても役に立たないかも知れない、それでもミュウはパティと
話をしたいと思った。そこにさしたる理由など無かった。
ただ、そうしたいと思ったのならそうしようと言う程度のものだろう。
170ティア ◆cHEmMBe4ms :2008/12/12(金) 19:23:04 0
>>166
> 「このブレスレットは4つで1つ、もうアタシ達には“約束”を果たす事が出来ないのさ…」

“約束”を果たす事が出来ない……その言葉を聞いたエリーティアは思わず俯いてしまう。
ブレスレットの来歴や特殊な力は、以前ほろ酔い気分で甲板に寝ころんでいたトムにそれとなく教えて貰っていた。
だからこそ、一つ欠けた状態では本来の力を発する事が出来ない事は知識として理解している。
更にその様な状態で元の所有者へと返却せざるを得ない状況に、申し訳ない気持ちで一杯になってしまう。
そして何よりも……未だ記憶に新しいサムの死とつい先日に訪れたトムの死が否応にも連想されてしまうのである。

> 「おばちゃんのアホーッ!!私にファミリーの一員だって言ってくれたのに!!」

そんな風に落ち込んでしまったエリーティアの横を、パトリシアが心からの叫びを発しながら猛スピードで駆け抜けてく。
どうもモニカの発した言葉を、バルロワファミリーから外すという風に受け取りショックを受けた様子だ。
「パティ……」
正直な話、彼女の気持ちは痛いほど解る。
自分だってそんな風に受け取ってしまったらショックでがっくり膝を付いてしまうだろう。
――そう考えるとパティは駆け出す元気があるだけマシかな?
場違いな感想を覚えながら、エリーティアはジッとドアを見詰めていた。

> 「………ふぅ、困ったもんだね。ティア、行っておやり。アンタならあの子も話を聞くだろうよ。」

そんな所に振って掛かったモニカからの命令。
一歩を踏み出し倦ねていたエリーティアにとっては正に願ったり叶ったりであった。
「あ、はい! 了解しましたグランマ!」
ビシッと敬礼したエリーティアは直ぐさま後ろを振り向く。

>>168
そして部屋から駆け出そうとした正にその時、偶然にも部屋の隅にいたミュウの姿が目に映る。

> 自分が行っても役に立たないかも知れない、それでもミュウはパティと
> 話をしたいと思った。そこにさしたる理由など無かった。
> ただ、そうしたいと思ったのならそうしようと言う程度のものだろう。

つい今し方出合ったばかりの、何処か不思議な雰囲気を纏った少女。
しかしエリーティアは何故か彼女の考えが薄々ながら感じ取る事が出来た。
一瞬の逡巡の後、エリーティアは意を決してミュウの元へと近付く。
「ミュウちゃん! 一緒に行こう!」
言うが速いかミュウの手を取り彼女を引っ張るように部屋から退出し、パトリシアの追跡を開始した。
171其の名はカノン ◆gSwqGuhSvI :2008/12/12(金) 22:15:01 O
>>167-168
【星霊都市アーキ・バハーラ】
「くそ!何故だ!何故操縦通りに動かない!?」
アレックスがコンソールを力任せに殴りつける。今、2ndは勝手に動いていた。
搭乗者の操縦を全く受け付けないまま、摩天楼の中に飛び込んで行く。

     見よ…そして知るが良い…罪を…

都市の中心だろうか。一際高い建造物が聳え、周囲は緑豊かな公園が広がっている。
その建造物の前に1機のロボット(イシュタル)がこちらを向き、弓を構えた。


【炎上するアキハバラ】
四天王の活躍によって市街地の民間人に死傷者はほとんどいなかった。
しかしその火の手は依然として拡大を続けている。
「なんてこった…ギュナの野郎ッ!あの時言ってたのは“この事”だったのかよ!!」
「どういう事?何か知ってるの!?」
天を仰ぎ、歯を食いしばるカジャにケイが詰め寄った。
「………カノンだ。今から1週間前に2ndが暴走して突然“消えた”んだがな、その2nd
にはエピタフが積まれていたってワケだ。2人はリアライズに巻き込まれたに違いねぇ…」
“カノン”という単語を聞いた途端、ケイとモエが揃って青褪めた。


今や宇宙の絶対真理たるルルイエ文明とて、無より始まる創世の時は在った。
大いなる神の記した碑文を辿り、ルルイエの民は文明を築き上げたのである。
碑文の力を使いこなしたルルイエ人は森羅万象を手にしたと同じであった。
瞬く間に星は栄え、その支配は銀河を超え、星系を超えて栄華を窮めた。

その碑文を1冊の書物へと纏めたもの…膨大な宇宙の全てを秘めた究極の叡智。
聖典…即ち“カノン”

書物でありながら意思を有し、民の…いや全宇宙の“罪と罰”を司る高次知性体。
ルルイエ人にとって、絶対神であり、同時に忌むべき存在であった。


「碑文を使うなんて…無茶だ…そんなの地球人に扱える筈ないじゃないか!!」
ケイは本気で怒鳴った。触れざる禁忌に地球を巻き込んだ事に対して。
「ツクヨミの理論は完成まで後一歩だった。“心”だ…地球人類の精神力に奴は恐れたんだ…」
動かなくなったアルテラセイザーを見つめて、カジャは静かに語り始める。

地球文明誕生から仕組まれていた、その真実を…


【星霊都市アーキ・バハーラ】
>「まさか……なんで2ndが!?」
>「2ndがなぜこんなところに…不味い!イシュタル!!」
来る筈のないイシュタルが、サクラの声に応えて現われる。
同時に今まで夢の様に感じた空気の質感が、突如として“現実”に変わった。
「リアライズに巻き込まれた!気をつけて!ここはもう僕の夢じゃない!本物の…」
アルテラセイザーが苦しげな表情で、絞り出すように呻く。

「……本物の惑星テラだよ!!」
172ミュウ ◆xK7dfy5P/g :2008/12/13(土) 01:35:38 0
>170
>一瞬の逡巡の後、エリーティアは意を決してミュウの元へと近付く。
そうしたくとも、一歩を踏み出すにはきっかけが必要だ。
ましてやミュウはまだまだ積極性に欠けており、後を追おうとする考えと
それを押し留める考えが鬩ぎあっていた。その様子は表情にも表れている。
明らかに何かに迷っているが、それが何なのかまでは誰にも分からないはずだった。

そんな中、会ったばかりで大した交流も無いエリーティアが
パトリシアを追いかける前に自分に近づいてきた事にまたしても
怪訝そうな顔を向けた。一体どういう事なのだろう?と。

>「ミュウちゃん! 一緒に行こう!」
>言うが速いかミュウの手を取り彼女を引っ張るように部屋から退出し、パトリシアの追跡を開始した。
目の前に来て言い放った言葉の意味を理解する前に、手を取られそのまま
部屋から引っ張り出されてしまった。走っているうちに、エリーティアの取った行動には
何か確証があってそうしたのだと言う、漠然としたものを感じたのだ。

「……ティア。ありがとう……。」
何に対しての感謝なのか、伝わるかどうかは分からない。
考えるより前に口走ってしまったのだから。
「パティ、早とちりしてるみたい……。
 艦長の言ったこと、悪く捉えちゃったんだね。
 ……パティにとっても、大事な事だと思うの。
 なぜだか分からない、事情も知らないけど、そんな気がする……。」


ミュウにも経験がある。投げかけられた言葉を裏ぐってしまった―――。
その時の“原初の人造神”の、複雑極まる内情を慮る事も無く
ただ悪し様に罵言を浴びせて、結果自分を見失ったこと。
『異邦の神』に真意を聞くまで、ミュウは誤解したままだった。
もし聞かされなければ、ミュウは今でも誤解したまま、後ろ暗い気持ちを
引き摺っていただろう……それはとても辛く、不幸なことなのだ。


そんな思いをしかけているパトリシアを放っておけない気持ち……
手を繋いでいるエリーティアにはおぼろげながらも伝わっていた。
むろんその事に、ミュウ自身は気づいていない。
173名無しになりきれ:2008/12/21(日) 20:24:08 0
忙しいなら忙しいで一時凍結するなりしたらいいんじゃね?
このままだと新生騎士スレ第二部の二の舞だら
174名無しになりきれ:2008/12/21(日) 22:56:49 0
一々言わなくても誰だって忙しい時期でしょ
175名無しになりきれ:2008/12/21(日) 23:13:19 0
そういう問題じゃなくね?
176ソラ ◆TnakibaQxg :2008/12/22(月) 00:47:31 0
>168 >171
>「こい!今の私は悪魔すら凌駕する存在だ!」
イシュタルが、飛んできた2ndに弓を構える。
夢にしてはやけに臨場感があふれているような。
>「リアライズに巻き込まれた!気をつけて!ここはもう僕の夢じゃない!本物の…」
>「……本物の惑星テラだよ!!」
『と、いう訳だ』
さっきまで反応が無かったハルの声が聞こえたかと思うと
星の欠片が光を放ち、操縦席に座っていた。
『妾はゴルディカイザーの機神ゆえアルテラセイザーの夢には出てこられなかった。
あの2ndも地球から来た存在……いや、あれこそ我らを巻き込んだ元凶!』
「ってことは……アイツの策略!?」
とりあえず2ndの操縦士を見てみようと画像取得する。
>「くそ!何故だ!何故操縦通りに動かない!?」
よく分からないけどこの人自身にとっても事故みたい。
それに、ひどく脅えたような表情をしてる。
177名無しになりきれ:2009/01/16(金) 17:42:48 O
保守
178名無しになりきれ:2009/01/22(木) 22:41:49 0
もう終了なら終了でもいいけど、エピローグ投下しないならせめてネタバレしてくれ
キャラのその後がどうなったのか知りたい
179名無しになりきれ:2009/01/30(金) 23:58:30 0
何から何までガチガチでやってりゃ
そりゃあ抜け出すキャラも出るしこうやってFOになるのは当然の結果

結局大失敗に終わったな
180ST ◆ROBOA5YYSU :2009/02/02(月) 22:46:35 0
【スパロボ風味】レガシー オブ ザ プラネット【TRPG】

ここからのこのスレは、レガシー オブ ザ プラネット になります。

ジャンル: スパロボ風味TRPG
コンセプト: ロボバトル
期間(目安): 1〜2ヶ月
GM:あり
決定リール:あり
○日ルール:あり/3日
版権・越境:なし
名無し参加:なし
敵役参加:あり

【大切な事】
@スパロボ自体を知らなくても問題ありません。私も知りませんので。
 あくまで風味ですので、単なるロボ者として参加してもらって大丈夫です。
A耐性の低い方は雑談所を見ないこと。
Bコテ名無し問わず、何か問題があれば【議題】として避難所で提起。
 話し合いなり、こちらから裁定なりをします。
C【議題】としてあがってきていない意見は一個人の感想や煽り叩きと判断して構いません。
D一人で抱え込まない事をお願いします。

参加表明、質問、打ち合わせなどは避難所までどうぞ。
【スパロボ風味】レガシー オブ ザ プラネット【TRPG】避難所
http://yy44.kakiko.com/test/read.cgi/figtree/1233494598/l50
181ST ◆ROBOA5YYSU :2009/02/02(月) 22:47:03 0
#ストーリー#

【親愛なる下等生物の皆様。地上の貸与期間は終了いたしました】
20XX年、突如として地球上全てのコンピューターのモニターはこのメッセージに占拠された。
人々が混乱する最中、それは起こった。
コンピューターネットワークおよびシステムの完全無力化と地球規模で起こった大地震。
そして太平洋上に浮上したレムリア大陸。

長く地底に沈んでいたレムリア大陸が地磁気乱流と地震兵器を持って地上殲滅作戦に打って出たのだ。
近代兵器とネットワークの無力化により、人類に組織立った反抗の術はなく、次々と殲滅されていく。
もはや人類になす術はないのか・・・!?
いや・・・あった。
各国家、組織が秘密裏に開発をしていた超兵器。
宇宙からの恩恵を受けた伝説の兵器。
あらゆる面で規格外であり、量産化や兵器化のできぬスーパーロボット達が!

来る最終戦争の切り札として作られていたそれらが人類の最後の希望となる。
治安を守る者、悪の美学に生きる者、使命に燃える者。
立場は違えど今やそれらを乗り越えた戦うべき敵が出現したのだ。
レムリア大陸の目的は思想・利害を超え、全人類の殲滅なのだから!

レムリア大陸浮上から1年。
様々な思惑と思想を内包しながら成立した人類連合とレムリア大陸の超兵器軍団の戦いは苛烈さを増す。
182ST ◆ROBOA5YYSU :2009/02/02(月) 22:47:16 0
キャラ用テンプレ&テンプレ記入例
<キャラ作成用テンプレ>
名前:
性別:
年齢:
身長:
体重:
体形:
性格:
所属:人類連邦・レムリアン
【精神コマンド】
※6つ ・ゲーム内のモノとは別物です。レベルは不要、項目だけ入れてください
【特殊技能】
【プロフィール】

<機体作成用テンプレ>
名前:
サイズ: 大・中・小
HP:
EN:
運動:
装甲:
移動タイプ:
地形適応:
【特殊能力】
【武装】 ※名前からどんな武装かがわかりにくい場合は、()で簡単な説明を
【機体解説】

パラメーターやコマンドはキャラ作りの楽しみと演出目安程度にしか使用しません。
パラメーターは五段階評価。S/A/B/C/D

【機体について】
機体や設定などは厨位で丁度いいです。
愛の波動や永久機関など謎の動力歓迎、と言うか推奨。
管理維持コストなど度外視でOK。
大切なのは言動や演出であり、設定ではありません。
ですので、周囲の反応を恐れずにはっちゃけてください。
パワーバランスを崩すような突き抜けていた場合は【私から】注文をつけます。
それ以外は無視してもらってOK

【レムリアンの特徴】
レムリアンの特徴は目に白目がなく全て緑色です。
眉毛がありません。
形としては人と同じですが、肌の色が紫がかっています。
また、生体波動を視覚で捉える能力があります。
念動力を標準装備(?)しています。
角などは生えていません。
183ST ◆ROBOA5YYSU :2009/02/02(月) 22:47:40 0
●レムリアン導入
【イタリア穀倉地帯・15:30】
「早いものだな、一年か。」
そよ風の拭く畑の中、大きなテーブルが置かれてレムリアン将校たちが鎮座している。
その中でただ一人、席を立ち頬に当たる風を楽しんでいる。
のどかな風景ではあるが、ここはレムリアンヨーロッパ方面軍会議なのだ。
「新鮮な空気、暖かな日差し、どれも我々にはなかったものだ。
この美しき恩恵を受けながらガイアに仇なす下等生物どもが・・・!」
静かに始まった提督の言葉は、徐々に怒りの色を帯びてゆく。
その原因は明らかであった。

万全の準備を以って地上侵攻を始め、既に一年が経つ。
圧倒的な力で蹂躙をし続け、7割の殲滅制圧が完了した。
だが、未だ7割なのだ。
原因は人類側にあったスーパーロボット。
レムリアンの持つ機甲メカと同等の力を有し、唯一にして最強の抵抗勢力。
「確かに奴らに我らと同じ力を有するロボがあったのは驚きですが、時間の問題でしょう。」
一人の将軍が応えるとおり、人類のスーパーロボは力は高いが、戦士の戦闘力でしかない。
兵士としての組織立った抵抗はなく、徐々に数に圧殺されていっている。
テーブルに着く将軍達が同意するように頷くが、提督の表情は代わらない。
その視線はテーブルの末席、レムリアンの会議にありながらその場にいる【人間】へ向けられた。

レムリアンは人類を殲滅し、地上を取り返すことが目的である。
殆どの者が人類を憎悪し、その男がこの場にいることには納得していない。
憎悪と嘲笑の渦に晒される中、提督の鶴の一声でこの場に同席させられているのだ。

この人間から人類連邦成立とスーパーロボットの開発量産が進められている事を知らされていたのだ。
更に版図が狭まればそれだけ戦線も圧縮され、一部隊の戦闘力は高くなる。
人間を一瞥した後、提督は一人の将軍へと水を向ける。
その男は一言で言えば金色。
レムリアンは生体波動を視覚として捉える事ができるが、その男の生体波動は眩いばかりの黄金である。

「君は先週三機のスーパーロボと戦い落としたと聞いたが、実際戦ってみて奴らはどうだった?」
提督は初めて組織だったスーパーロボとの戦いに遭遇した一人の将軍、ジ・ガンに尋ねた。
184ST ◆ROBOA5YYSU :2009/02/02(月) 22:47:52 0
●人類連邦導入
【ドーバー海峡・12:00】
「昼食を取りながら聞いてくれ。」
人類連邦スティルス突撃艦ニーズホッグの食堂で館長のライオットが静かに始める。
人類連邦が成立するまでには紆余曲折があった。
今まで仇敵として戦いあっていた者同士が手を取り合う。
それが成立したのが圧倒的な「敵」と「戦い」であるのは皮肉かもしれない。

劣勢を極める人類連邦は形成を逆転させる為に、最初に一矢として混成部隊ニーズホッグを作った。
戦艦一隻ではあるが、スーパーロボットを複数内包し、その戦闘力は人類連邦随一と言えるだろう。
目的は敵中枢。
フランス戦線をかいくぐり、一気にイタリアのレムリアンヨーロッパ方面司令部を叩く。
普通に見れば自殺行為としか言いようがない作戦である。

しかし勝機はある。
レムリアン側の戦線は延び、前線を過ぎれば殆どガラ空きといっても良い。
更に、連勝続きで奴らの油断もある。
この作戦が成功すれば司令部を失ったヨーロッパ戦線は瓦解し、人類連邦の一大反攻作戦へと繋がるのだ。

「この作戦の如何は諸君らパイロットの可否にかかっている。
お互い敵同士だった者、各組織の機密として外部接触をしてこなかった者。
色々いるのはわかっている。
だが今はそういったものを全て忘れて欲しい。」
作戦開始まで4時間の事だった。

*レムリアン側は会議を、人類側は昼食を介して通常パートの後、戦闘に突入予定。
185九十九 ◆IXULYC5IXU :2009/02/03(火) 20:43:04 O
>>183
【穏やかな陽気、周りに広がる美しい田園地帯は見るものを感嘆させ
時折吹く暖かな風は誰の心にも心地よく感じる事だろう
ただ 端の席に身を縮め座っている一人の男を除いては】

九十九「…(居心地が悪すぎる…
全員が私を…何か汚い物を見るような目で…)」

【確かにこの場に地上人が紛れているのは妙だった
この男の名は九十九正隆大佐
1年前のレムリア侵攻の際 真っ先にレムリア側につき
レムリアの先兵として積極的に働いた いわば地上人の裏切り者
だが、いくらレムリアンに尽くしたからと言って絶滅の対象が仲間として受け入れて貰えるはずは無かった】

九十九「…(私をこの場に呼んだのは晒し者にするためか…)」

【この会議に九十九が呼ばれたのはテーブルの対局に座している提督の要望によるものだった
だが当の提督は九十九に意見を聞く事無く ただ一瞥したのみ
九十九の苛立ちと劣等感は増すばかりでる
そして、周りのレムリアンの将軍達が豪奢な軍服に身を包んでいるのに対し
九十九の緑色のネクタイ式軍服はより貧相に見えたに違い無い
彼が晒し者にされていると思うのも無理は無かった】
186ジ=ガン ◆ai8IvPAow2 :2009/02/03(火) 21:56:11 0
「ゴミにしては随分と手強い連中でしたな
 人間の雑兵どもが駆る量産兵器とは比較にならんほど強い
 我が方の機甲メカに勝るとも劣りますまい」

会議の場に響く一際大きな声
この声の主、名をガン・ジ=ガンと言い、「破壊魔人」の異名を取る猛将である
智謀は無いが、その豪快で苛烈な戦いぶりは敵味方の双方から恐れられている
普通の椅子が体格に合わないため、専用の黄金椅子にいつも座る
見る者を圧倒する巨躯は、レムリアンの中にあっても異様な存在感を放つ

「もっとも、所詮はゴミに過ぎぬ存在
 作戦は今まで通り、力押しの正攻法で十分でありましょう」

この発言に特に他意はない
正攻法ならば、大暴れしやすいので丁度いいからである
187オッツダルヴァ ◆M8zlG9KFBQ :2009/02/03(火) 23:07:36 0
「力押しの正攻法とはお前らしいな、ジ=ガン」

ジ=ガンの発言を受けて真っ先に発言したレムリアン、
父なる大空の色を写す深い水色の生体波動を持つ将軍ディル・ラ=ディルだ。
真っ向勝負を何より好むジ=ガンと異なり、緻密な戦略戦術で敵を圧倒する
智将として知られているが、それを必要とされる機会は今までは無かった。

性能と数の差で圧倒している以上知略の介在する余地など、と言うわけだが
ここに至って人類側の団結によって生まれた、突出した戦力を持つ部隊の登場により
その能力が必要と判断された結果、今回の会議に出席する事となったのだ。

「だがあまり奴らを甘く見ない方がいいな。
 ゴミはゴミなりに色々と手を打っている・・・なめてかかれば痛い目を見るかも知れんぞ?
 ああそうそう、聞いた話だとゴミ共の言葉にこうあるそうだ。
 窮鼠猫を噛む、と。追い詰められて進退窮まったネズミは眼前のネコに
 突然牙を剥く、と言う意味なのだそうだが、正に今の状況に合致している」

人間の言葉を引用した事で、その場にいるレムリアン全員の表情が
険しくなり、刺すような視線がオッツダルヴァに注がれるが当人は意に介した様子も無い。
それどころかいいものはいいと認められない、器の小さい連中だとすら思っている節があった。

先ほどの「時間の問題」発言の時もオッツダルヴァはただ一人頷かなかった。
その理由は独自に調査・分析を進めていた一機のロボットから得られた情報が
レムリアンにとって明らかに不利になる代物だったからだ。
この事態を想定していたわけではなかろうが、その機体に使われている技術が
生み出す特殊粒子、それは有機物無機物を問わず汚染しやがて死に至らしめる
核に似た特性を持っていたのだ。

その技術を研究・開発していた企業グループはすでに無く、技術の結晶は
今は自分の手元にあるとは言え人類側にこの技術が無いとは言い切れない。
データはそこの人間ごと処分し、バックアップの有無もしつこく確認したが
考えたくは無いが自分が見落とした可能性をいまだに捨て切れていない。
いよいよ首の回らなくなった人類が道連れにとこの禁断の粒子を撒き散らせば、
たとえ地球を取り戻してもレムリアンも緩やかに死滅せざるを得ないだろう。

「いくつかそこの人間に質問をしたいのですが、よろしいですかな提督?」
すでにこの人間が知っていてレムリアンが知らない情報など無いだろうが、
情報の再検証によって新事実が発覚する事もある。オッツダルヴァは、
情報源としては絞り粕としか見られていない九十九を更に絞ろうとしていた。
188ST ◆ROBOA5YYSU :2009/02/03(火) 23:32:01 0
【フランス上空・12:30】
スティルス突撃艦ニーズホッグはその能力を遺憾なく発揮し、レムリアン警戒網を掻い潜りフランス上空に位置していた。
今はフランスはヨーロッパ前線の真っ只中であり、人類とレムリアンの激しい戦いが続いている。
いや、戦いと言っていいのだろうか?
その圧倒的戦力差から、一方的な侵攻と僅かばかりの抵抗でしかない。
そんな最中、人類の反撃の一矢。
そして最大にして最後の希望。
食堂ではブリーフィングと言う名の会話が成されているが、どこかぎこちない。
今まで敵同士だったものが寄せ集められた上、今の戦況をかんがみればそれも仕方がないだろう。
そんな中、主力パイロットの姿がない事に気付いているのは僅か数人でしかなかった。

ニーズホッグ内ハンガー。
「やっぱりこんなところにいたか。」
食堂から姿を消したパイロット達を見つけ、明るく声をかけるのはチーフメカニックだった。
最初にて最後になるかもしれない決戦を前に、パイロット達は誰言わずともそれぞれ自分の愛機の元へと集っていたのだ。
「まあ、なんだ。それぞれお互い敵同士だった奴もいるしな。
それに、組織内で存在自体機密だった奴もいる。
お互いに話すことも難しいと思うけどな、俺達はもう戦友なんだぜ?
お互いに自己紹介や機体の説明位しておいた方が、生き残る可能性は高まると思うがね。
それぞれ上の奴に言われていると思うが、この期に及んで秘密にしておくこともないだろう?」
パンパンと手を叩きながらパイロット達に出てくるように促した。


【イタリア穀倉地帯・15:30】
>185>186>187
自分の問いにジ・ガンは破壊魔人と呼ばれるに相応しい豪放な応えを返す。
猛者の揃うレムリアン陣営にあっても頭一つ抜け出たツワモノであり、剛将らしい答えだ。
自分がジ・ガンの部下であるならば頼もしく思えるだろう。
だが、そうではない。
提督と言う立場上、楽観も悲観もできぬ身なのだ。

確かにこのまま力押して殲滅したい、が、その懸念を代弁する存在も会議に呼び寄せていた。
そしてその【奇人】は提督の期待に充分に応えてくれる。
人間に興味を示し、更には取り入れることも厭わない。
それを示すかのように人間の格言を引用する辺りが提督の眉をピクリと動かしてしまうところだ。

人間の格言を引用する事を不快に思ったのではない。
この将軍以上のみに出席を許される会議で引用した事に、不快感を感じだのだった。
これから本格戦闘が予想される中、こういった軋轢は取り除いておきたいところだが、それを押してでもオッツダルヴァを登用した。
それ自体、提督がオッツダルヴァを認めていることを表していた。

>「いくつかそこの人間に質問をしたいのですが、よろしいですかな提督?」
「うむ。構わぬな、九十九よ。」
もとより九十九に拒否権などないのだが、それでもあえて九十九に確認する。
九十九の消え入りそうな生体波動に小さく息をつきながら。
189九十九 ◆IXULYC5IXU :2009/02/04(水) 00:06:46 O
>>188
【九十九はジ・ガンの猛将と呼ぶに相応しい言葉を聞き、恐ろしいと思った反面
自分が繊滅される対象からは今の所外れている事に安堵せずには居られなかった
だが、ほっとしたのも束の間 今度は自分が別の意味で対象となっている事に気づく
知将と名高いオッツダルヴァが九十九に対し質問をする事を提督に願いでたのだ
あまり情報をもたらされない九十九でさえオッツダルヴァの名は度々耳にしている
そのオッツダルヴァが自分に対し何を聞くのか 九十九の頭はそれだけで一杯であった】

>「うむ。構わぬな九十九よ。」

【提督に名前を呼ばれ九十九は心臓が握りつぶされる思いだった
周りは自分を敵視している者ばかり
その視線が一気に自分に集中するのだ
意見を求められない事に不満ではあったが今はそう考えていたのを少し後悔していた
軍服のネクタイのズレを直しながら
仮にも軍人である九十九は舐められまいと掠れる声ながらも堂々と返事をしたつもりであった】

九十九「よ…喜んで提督閣下…
私に答えられる事ならなんなりと…」
190ジ=ガン ◆ai8IvPAow2 :2009/02/04(水) 12:20:51 0
>「力押しの正攻法とはお前らしいな、ジ=ガン」
「フン、おヌシと違って力の強さだけがワシの取り柄なのでな!
 小細工を弄するのは性に合わんのだ!」

立派な金色の髭を弄りながら、豪快な口調で答えている
本人は普通に喋っているつもりだが、いちいち辺りに響くほどの大きな声を出す
慣れていなければ、耳栓無しには過ごせない環境である

>「だがあまり奴らを甘く見ない方がいいな。(ry
「ゴミどもの文化に被れたおヌシがほざいても説得力に欠けるわ!
 まあ、弱者が己を追い詰めた強者に逆襲するとはよく言ったものだ!
 が、所詮は軟弱なゴミの集団!
 どの道『無駄な足掻き』に終わり、滅び去るであろうよ!
 ガーハッハッハッ!!!」

しばらくの間、不機嫌な表情で見つめていた
突然地面が揺らぐのではないか、と思えるほどの大声を張り上げて笑う
ラ=ディル将軍の警告など、彼にとっては愉快な冗談に聞こえるらしい
笑うついでに自分が座っている黄金椅子の肘掛をバシバシと叩いている
衝撃に耐え切れず、肘掛が「バキッ」という音を立てて折れてしまう
他のメンバーは構わず会議を進め始めていた

「今更そんなクズに聞くことなどあるとも思えんが…
 ワシも興味が無いわけではない!
 どのようなことをほざくのか楽しみだわい!」

そう言って、九十九の顔を嘲るような表情で見つめる
はっきり言って、ジ=ガンにとって九十九は敵の人間よりも見下すべき存在である
味方ではあるが、手土産を片手に持ってレムリアに寝返った売国奴である
武人として正々堂々あることに誇りを持つジ=ガンにとって、最も許せぬ対象なのだ
価値が失せて用が無くなれば、自らの手で葬り去ろうとも考えている
191オッツダルヴァ ◆M8zlG9KFBQ :2009/02/04(水) 20:09:05 0
>「フン、おヌシと違って力の強さだけがワシの取り柄なのでな!
> 小細工を弄するのは性に合わんのだ!」
返ってきた言葉と言えば、やはり予想通りのもの。
変わってないな、と思うと自然口元に苦笑じみたものが浮かぶ。
「長い付き合いなのだ、知ってるさ。
 その取り柄に、我々がどれだけ寄りかかっているのか分かるか?」

そう、長い付き合い。だからこそ尋常ならざる大音量も
なんら苦にする事無く会話できるし、傍から見れば
嫌味にしかならないような言い回しも、ためらう事無くできると言うもの。
実際、ジ=ガンの恐れ知らずの立ち居振る舞いや戦場での活躍は
多くの将兵にとってもいい影響を与えている。
その点でもオッツダルヴァはジ=ガンを高く買っているのだ。

>「ゴミどもの文化に被れたおヌシがほざいても説得力に欠けるわ!(ry
がしかし、豪放にして恐れ知らずが故に警告の類も裏を探らず
一笑に付してしまう部分だけはいただけない。
普段なら同じように笑って「気を引き締めるための方便だ」と言ってしまえるのだが、
オッツダルヴァは終焉への引き金の手がかりを知ってしまった。
冷静であるが故に、それへの恐れにも似た警戒心が彼を変えてしまっている。
「被れたからこそ言えるのだ・・・知らぬままでいれば、
 お前に寄りかかって楽ができたんだがな。あと椅子を壊すな」
知らぬままでいれば、この一言が元来敵対する者をひたすらに見下す
ラ=ディルの抱えているものをわずかながら浮き彫りにさせた。



>「うむ。構わぬな、九十九よ。」
>「よ…喜んで提督閣下…
> 私に答えられる事ならなんなりと…」
>「今更そんなクズに聞くことなどあるとも思えんが…(ry
などと軽口を叩き合っていると、提督から同席している人間・・・九十九への
質問の許可が下りた。提督の波動は不変の漆黒、見続ければやがては
そこへと飲み込まれてしまうだろうほどのものを感じる。対する九十九の波動は
掠れた声に相応しく弱々しい。心身共に疲弊してるのがたやすく見て取れる。
「どうやらずいぶんと参っているようだな? 九十九とやら。
 私にとってはどうでもいい事だが・・・さて、では質問を開始しよう。
 一年前我々が壊滅させたゴミ共の集まり、インペリアルインダストリーだったか。
 ここの子会社的企業、トーラス・メカニカル・テクノロジーがインペリアルの
 指示を受けて極秘に新型兵器を開発していた。これがそうなのだが・・・」

機械を操作してモニターに映し出されたのは、接収した当時のリビティウムの映像。
「この機体を開発していたトーラス、インペリアルとは別口で独自に
 軍と協力関係を結んでいたらしい。主に新技術を使用した兵器の
 実戦テストなどを依頼していたそうだが・・・お前は確か、大佐だったな。
 大佐と言えばゴミ共の中でも上位、この手の情報に触れる機会もあっただろう。
 ・・・どうなのかな、九十九正隆大佐。自分の口で答えたくなければそれでもいい。
 君の脳から直接情報を取り出すまでだ・・・構いませんね、提督。
 そうなった場合、セド=ラク、頼まれてくれるか?」

質問、とは言葉だけで実際は尋問あるいは詰問でしかなかった。
ダメ押しとばかりに九十九を正式呼びした上で
言下に正直に答えなければ、人間としての原形すら留められなくなるぞ、と含ませる。
実際人間をゴミとしか見ていないレムリアンからすれば、この処分などむしろかわいい部類なのだ。
しかしその役目を、同じく付き合いが長いとは言え慎重なセド=ラクに依頼するとは・・・?
いくら相手が人間とは言え、セド=ラクの性格と身上を考えればいい顔はしないだろうに。
192セド・ラク ◆66bAJ6gnYo :2009/02/04(水) 21:36:55 0
>・・・どうなのかな、九十九正隆大佐。自分の口で答えたくなければそれでもいい。
>君の脳から直接情報を取り出すまでだ・・・構いませんね、提督。
>そうなった場合、セド=ラク、頼まれてくれるか?」
オッツダルヴァの言葉に浮かない顔をするレムリアン。
彼こそ今オッツダルヴァが脳の吸い出しを頼んだセド=ラクである。
レムリアン技術開発局の局長と将軍を兼任しているため、
会議に参加することが少ない彼だが今回はたまたま参加していた。
ギ=ガン、オッツダルヴァの両方とは古くからの友人であり良くも悪くも腐れ縁であり、
何かと機体のことで頼まれることが多い。オッツダルヴァの持ってきたリビティウムの内装の変更を引きうけたのもセド=ラクであった。
彼は一回溜息をつき、ゆっくりと口を開く。

「その申し出は断る……わけにもいきますまい。
 個人としては真に心苦しいなれど、
 それが我らレムリアンの為になるのならば致し方ない事でしょう……。」

そう答えるセド・ラクの顔には苦悩が見え隠れしている。
人間など虫ケラとしか思っていない連中が殆どのレムリアン。
もちろんそんなことはセド=ラクも理解している。
だがそれなりの覚悟を持ってこちらに渡ってきた人間に対しても、
この仕打ちは少しばかし酷ではないかとセド=ラクは思っていた。そのため彼は続ける。

「最も、それはあくまで最後の手段であるかと。
 九十九殿が情報を開示してくれるというのならばそれで済む事のはず。
 オッツダルヴァ。貴方もそれに越したことはないと思っているはず。」

九十九に脅しをかけているオッツダルヴァにそう言って落ち着かせるセド=ラク。
そして今にも掻き消えそうな程縮こまってしまっている九十九に語りかける。

「九十九殿……自分の同胞を裏切りこちらにやってきた貴方です。
 その覚悟とは並大抵ではないはず、ですからどうか落ち着いてください。
 委縮する必要などありません。貴方はただ知っている事を我々に開示してくれるだけでよい。
 私としても既に『仲間』になった者の身体を弄り愚弄したくはないのです。」

実際、セド=ラクはこの中で一番九十九に感謝しているレムリアンであろう。
なぜならば九十九の持ってきた地球産の技術の転用や。
向こうの兵器のレベル、強いては戦力などの想定などもできたからだ。
事実、現在セド=ラクの機体であるグリクシスにも地球の技術が多く使われている。
直接的な恩恵を受けている分、セド=ラクは九十九に対する物腰が比較的柔らかい人物と言えるであろう。
193ソルベール ◆nqm7vLtmU2 :2009/02/04(水) 22:32:27 0
沈黙の中チーフメカニックの促しに前に出てきた者が居る
周りに居る者はきっと驚いただろう

「俺はソルベールだ」

自ら進んで名乗りを上げたのは以外や以外
口数も少なく普段から見かけないソルベールだった
ソルベールは誰が見ても目立つ鉄の仮面を被っている長身の男だ
こんな目立つ出で立ちの男であるが普段の彼が何をしているのかは誰も分かっていない
実際誰一人としてソルベールが食堂でライオットの話を聞いていたのに気付いていなかった
自ら口を開く事の少ないソルベールが口にした言葉は
普段の彼から想像もつかない事だった

「どうした?俺のかに何か付いているか?」

ソルベールなりの冗談なのか素なのか?
辺りには突っ込んで良いものなのか困惑した空気が漂う
彼のその出で立ちから表情は読み取れずバイザーのような物で
目を隠しているので彼の表情は見えない
しかし普段の彼からは想像できない行動に悪意や敵意のような物はなかった

彼は普段から人を避けており自分から喋る事は少ない
またその風貌から周りから声をかけ難いというのもある
もしかしたら此処で彼に話しかけなければ二度と彼と会話という物はできないかもしれない
この作戦が失敗すれば自ずとその機会は減るだろう
成功しても微妙ではあるが
194九十九 ◆IXULYC5IXU :2009/02/04(水) 23:11:08 O
>>190 >>191 >>192

【ジ=ガンの大きな声と自分を見るその目が九十九は苦手だった
巨体から放たれる威圧感からか彼の前ではヘビに睨まれた蛙となり萎縮してしまうのだ
そのような状況で いくら冷静に答えようとしてもできるはずは無い】

>「どうやらずいぶん(ry」
>「この機体を(中略)君の脳から…」

【オッツダルヴァは軍と関わりのあった企業とその関連会社の名を上げモニターにある機体の映像を移した
オッツダルヴァの話から察するに
レムリアはその企業が軍との技術提携により兵器関連の開発を進めていた事実は掴んでいるようだ
技術部所属だった訳では無いが
中央の大佐である九十九が機密事項に触れられた機会は十分にあったし情報は収集していた
また レムリアに転向した際にも全ての情報を話したわけでは無く 現在もいくつかの機密情報は保険として隠している
が 脳を摘出されるとなればこの保険を活用しない訳にはいかなかった】

九十九「はは…ご冗談を…
インペリアル・インダストリーも…その関連企業も
もちろん…存じ上げております!」

>「九十九殿…」

【セド・ラクの語りかけるかのような柔らかい物腰は九十九の不安を多少和らげてくれる
また、今後手持ちのカードを有効に使える相手にオッツダルヴァとセド・ラクが加わったという事も見逃さなかった
そして自分の立場と命を守る為の取引がまだ有効である事は確認できたが
九十九は大事なカードを1つ失った】

九十九「では申し上げます…
我々と彼らの関係は…」

195サーニャ ◆d/mC/cDSLw :2009/02/04(水) 23:44:13 0
>>188
ゆったりとした仕草で物陰から現れたのは金髪碧眼の少女だった。
仕草一つ一つが明らかに一般人のそれとは遠くかけ離れており、どこか高貴な家系の出身であることがうかがえた。
さらに彼女が年端もいかない少女であるため、彼女の存在自体が一種の場違いじみたものを感じさせる。
「そうね、まずは自己紹介をしないと…。私はサーニャ・コーナー。階級は少尉、フランス出身だ」
ボーイッシュな井出達とは打って変わった女性特有のソプラノ声で話す。
笑顔を浮かべており、口元もほのかに緩んでいる。
だが、彼女の雰囲気とは別に周りの人間には緊張が走っただろう。
なにしろ、彼女の苗字であるコーナーとはヨーロッパ軍の中でかなり名の通ったものであった。
武門の家柄としては非常に優秀であり、コーナー家を知らぬものは軍人の中では数少ない。

>>193
「そう、あなたはソルべールって言うんだね。私はサーニャって言うの。よろしく頼むよ」
そう言うと握手を求めるかのように腕を突き出す。
そして、有無を言わさずに手をとると握手をした。
鉄の仮面を被ったソルベール相手に一歩も引くことがなくそのような態度を出来るのは彼女の強さの表れか。
あるいは…彼女が常識知らずなだけなのかもしれないが……。
「作戦を成功させるには私だけの力じゃ絶対に不可能だ、互いの協力は必要不可欠だから…頼りにしてるよ」
満面の笑みを浮かべ彼女はそう言う。
同時に彼のバイザーの裏にある顔を見透かすかのような視線を浴びせていた。
196 ◆bABdta9hd. :2009/02/05(木) 17:05:11 0
一通り皆が発言した後、後ろで様子をうかがっていたまだ二十代半ばといった女性が皆の前に立つ
軍服は士官用、襟の階級章は大尉を表していた。見た目通りの年齢なら間違いなくエリートだとその場にいた多くの人間がそう考えただろう
そのエリート様がチーフメカニックの横に立ち、口を開いた。

「連邦軍本部からきました、宮原ユズキです。階級は大尉、よろしくお願いします!!」

ハンガーに響き渡るほどの大声にそこにいた全員が面食らうほどだ
さらに彼女は一人一人に挨拶を始めた

>>188
「チーフメカニックさん、私も皆があんまり喋ってなかった心配してたんです。
皆をまとめてくれてありがとうございます。機体が壊れた時もよろしくお願いしますね」

まずはこの場を作ったチーフにお礼をいった。相変わらずニコニコしており彼女だけを見ていれば人類が危機的状況に瀕しているなど想像も
できないほどだった

>>193
次に鉄仮面で表情が見えないソルベールに声をかけた
その風貌から周りから避けられているようだがユズキは物怖じする様子もなく話しかけた

「食堂では話しかけられなくてごめんなさい、ソルベールさん
でもよかった、話せる機会があって、お互い何も知らないまま戦場に立っていたら絶対後悔しますもんね。
では、助け合いの精神でこの戦いに勝ちましょうね」

一方的に話しかけ、一方的に話し終えると次はサーニャのもとに向かった

>>195
「サーニャ・コーナーって一年で士官学校を卒業した超天才だよね?
すごいな〜しかもコーナーでしょ?名門軍人のお嬢様!
そんな人が同じ部隊だなんて友達に自慢できるよ。しかも私の方が階級が上だからもしかして私の部下ってことも!
そうなったら宮原家末代までの語り継がれちゃうよ〜!」

連邦軍人で彼女、サーニャ・コーナーを知らない者はいないといっても過言ではなかった
それほどまでにコーナーの家名とサーニャの実力は知れ渡っていたのだ。
だから、ユズキの反応は少々オーバーながらも当然の反応といえた

197ソルベール ◆nqm7vLtmU2 :2009/02/05(木) 18:57:55 0
>>196
「ああ・・・よろしく頼むよサーニャコーナー」
差し出された手を掴むと力強い握手が返って来た
手の力から判断するとサーニャが軍人としてどのような人間か感じ取れた
しかし、彼女の人柄は握手せずとも彼女の顔を見れば分かった
彼女の笑顔とその視線に堂々とした風格が現れている
彼女の声とは裏腹にソルベールはサーニャコーナーという人物が
高貴である存在だと感じた。

>>196
「・・・ ・・・。」
一方的に話しかけ話を終えた彼女
ソルベールはユズキの強引さについていくのは難しいと感じた
だが決して悪い奴ではない、彼女の中に潔さに近い行動力を感じた
突風 彼女を表すのなら突風が相応しい
宮原ユズキ 彼女の名前は忘れないだろう



パイロットへの挨拶が終わり
ソルベールはいつものように何処かへと消えてった
ハンガー内のソルベールの機体付近にソルベールの姿はなく
いつも発進ギリギリまで闇の顎門は動きだす事はない
そしてソルベールが登場した所を見た者は居ないまま闇の顎門は動き出す
198オッツダルヴァ ◆M8zlG9KFBQ :2009/02/06(金) 23:07:46 0
>そう答えるセド・ラクの顔には苦悩が見え隠れしている。
>「最も、それはあくまで最後の手段であるかと。(ry
顔を向けてみれば、案の定セド・ラクは苦悩していた。
そんな事はオッツダルヴァは承知の上、むしろそう思ってくれなくては困るのだ。
続く言葉もまた予想通り、慎重で思慮深いセド・ラクをよく表していた。
「セド・ラク、知っているだろう? 私はそこまで野蛮ではないよ。
 無論、九十九大佐殿が快く協力してくれるのならばの話だがね」
この言葉にはまったく他意はない。そして意外な事に、ゴミとしか
思ってない人間に対し、先ほど言ったような仕打ちは実は一度もした事が無い。
理由は単純、セド・ラクの機嫌を損ねたくないからだ。
他の連中ならいざ知らず、ジ=ガンとセド・ラクには内心かなり遠慮している。

>「はは…ご冗談を…
> インペリアル・インダストリーも…その関連企業も
> もちろん…存じ上げております!」
そして九十九はあっさりとカードを切った。
切らせるために脅しを掛けたのだから当然の結果なのだが、
九十九がまだ隠し事をしていた事に、他の将軍達が色めき立つ。
「お静かに。各々方のお気持ちもよく分かりますよ。
 全てを包み隠さぬと誓った筈だろう、最低限の誇りも持たないのかと。
 しかし思い出していただきたい、我々はここまで限定的な兵器開発の
 質問を今までに一度でもしただろうか? 否、どの記録にも残っていない。
 此度の事に限定すれば、落ち度は我らにあると言えましょう」

オッツダルヴァの正論の前に不承不承ながらも将軍たちは矛を収める。
そんな事お構いなしに九十九を糾弾すればいいのだろうが、レムリアンは
人間を下等扱いしているのだ。人間と同じ事をしては、人間と同等と
自分でレッテルを貼ることになる。それ故に過度の追求ができない。
無論それも織り込んだゆえでの発言なのだが。
「まずは九十九大佐殿の話を聞こうではありませんか。
 そもそもの目的はそれであり、いたずらに人間を痛めつける事ではありますまい?」

>「では申し上げます…我々と彼らの関係は…」
そうして始まった九十九の情報公開・・・それを聞くにつれオッツダルヴァの
表情が徐々にだが険しくなっていく。他の将軍たちには分からないだろうが、
内容から察するにAAとACは提供されてない、しかしリビティウムに搭載されているブレードとライフル、
PA機構はテスト仕様ながら連邦軍で運用されていたと言うのだから。いまだ分析していない
過去の交戦データを洗い出して、人間側に残された技術がどこまで精錬されているのか
推測する必要がある。場合によっては一刻を争う事態になるだろう・・・!

「貴重な情報の提供に感謝するよ、九十九正隆大佐。
 君の協力のおかげで、我々の勝利は揺るぎないものとなった。
 ・・・他にも質問があったのだが、今ので全部補完できてしまった。
 提督、私からの質問は以上とさせて頂きます。お時間、ありがとうございました」
そう言ったオッツダルヴァの表情は普段どおりのクールフェイスだった。
199ジ=ガン ◆ai8IvPAow2 :2009/02/06(金) 23:59:08 0
「ええい…、頭の痛くなるような話を長々と…
 オッツダルヴァ、セド=ラク!
 何にせよ、有益な情報を隠し持っているならさっさと喋らせればよいではないか!
 …それとも九十九よ、ワシが洗い浚い吐かせてやろうか?」

ガッと席を立ち、九十九を見下ろしながら睨み付ける
長話に痺れを切らしてしまったのだ
脅迫するような表情で睨み付け、威圧感で九十九を圧倒している
この巨躯と強面でガンを飛ばされれば、大抵の相手は縮み上がってしまう
ジ=ガンが向けている憎悪と不信感は尋常ではない

>「お静かに。各々方のお気持ちもよく分かりますよ。(ry
「オッツダルヴァ…、おヌシがそう言うのならワシも引き下がろう…
 確かにこやつは貴重な情報源であることに変わりはないだろうからな!
 …九十九、オッツダルヴァに感謝しておけよ
 ワシとおヌシの二人だけであったら、今頃この場は血の海よ!」

ディル=ラの発した鶴の一声に、ジ=ガンも他の将軍と共に引き下がり着席する
このままここで暴れても、何の得も無いことだと悟ったからである
頭に血が昇ったジ=ガンを抑えられる者など、将軍以上でもごく一部のみである
そして、目を閉じながら考え込むように九十九の話に聞き入った
内容は理解できずとも、それが有益な情報だというのは勘で分かった

「フン、やっと終わったか…
 まだ全部話していなかったとはな!
 そんなに己の命が惜しいのか?」

相変わらず、憎悪と侮蔑に満ちた表情で九十九見ている
存在すら許さない、という感情を剥き出しにして隠そうともせず、である
提督やディル=ラ、セド=ラクの前ではそこまで感情的にはならない
が、九十九が近くに居る時だけは別の話のようである
200サーニャ ◆d/mC/cDSLw :2009/02/07(土) 01:20:21 0
>>196
「初めまして宮原ユズキさん」
マシンガントークのように矢継ぎ早に話しかけてくる彼女に若干気押され気味ではあったが、にこりと笑顔を浮かべユズキに対応する
「私の家のことは関係ないですよ。この場で関係するのはあくまでも実力や経験ですから」
サーニャは感心したような目つきで宮原ユズキを見つめていた。
あの年で大尉というのは並大抵のことではない。
大尉という階級上彼女が機動兵器部隊を率いる立場になる可能性は高い。
人類の未来を決めるかもしれない部隊を任せることが出来る人材であろうと彼女も信頼した。
「頼りにさせて貰いますよ宮原大尉、ともに勝利を勝ち取りましょう!」
そう強く言うと、ソルペールの時と同様に強引に握手をする。
目も爛々と輝いており、強いやる気のようなものを感じさせた。

>>197
>「ああ・・・よろしく頼むよサーニャコーナー」
返された言葉にサーニャは満足げに頷く。
──そういえば、この人にため口聞いてたけど、階級上だったらどうしよう─
「あなた階級は……」
そう質問した時には既にソルペールの姿は消えていた。
いつの間に消えていた彼の姿に驚きながら、その消えたことに気付かなかった自分の不注意さに少し落胆する。
周りをもっと注意しよう、そう心にとどめておくことにした
201九十九 ◆IXULYC5IXU :2009/02/07(土) 22:14:07 O
>>199
>「ええい…」

【ジ=ガンが立ち上がった時の音と自分を追い詰める巨大な声量
九十九は心底血が凍る思いだった
この男は勢いに乗じ自分にいつか危害を加えるかもしれないと…】

>>198

【九十九が質問に答えようとした矢先
場はざわめき立つ
自分がまだ情報を隠し持っていた事が将軍達を驚かしたようだ
内心九十九はジ=ガンに絶好のチャンスを与えてしまったと心臓が縮こまる思いだった
だが自分は彼らが知らぬ情報
そして喉から手が出るほど欲しい情報を持っていると思うと少し気が楽になる
そしてオッツダルヴァは場を収めてくれた
九十九がインペリアル・インダストリーの情報を話終えるとオッツダルヴァは提督に礼を述べ席に着いた】

九十九「…(これで私の首は繋がった…
情報の分だけ…まだ生きられる…」

【質問の時間が終わると九十九は全身の力が抜け落ちたかのように
椅子に座り込み額の冷や汗を拭った】

>>199
>「(中略)そんなに命が」

【ジ=ガンの憎悪の視線が九十九に降り注ぐ
普段なら目を逸らし ひたすら身を縮め 時がすぎるのを待っているのだが
今回はあまりの緊張と場を繕おうと
とっさに口を滑らせてしまった】

九十九「将軍は…そ…そんなに…
私がお嫌いですか…はは…ははは…」
202ST ◆ROBOA5YYSU :2009/02/07(土) 23:11:08 0
【イタリア北部・15:45】
ニーズホッグはレムリアンの警戒網を掻い潜り、イタリア北部まで達していた。
ヨーロッパ方面司令部会議が開かれている基地まで最早目と鼻の先。
フランス北部が前線であることを考えると恐ろしく内部まで食い込んでいることになる。

しかしそれもここまでだ、と艦長ライオットは察していた。
勿論これも事前の作戦通り。
全クルーは知っていた。
ここからは本当の戦いの開始なのだ、と。
「艦長、バリア反応あり。敵司令部です。」
「よおし!F5弾前段発射!虎の子だ外すなよ。
スーパーロボ部隊、発進準備。
15秒の艦砲射撃の後発進!一気に敵司令部を殲滅し地中海へと抜ける。」
ライオットの号令の元、ニーズホッグが動き出す。

レムリアン司令部は強力なバリアーで都市ごと覆われている。
バリアは強力で、破るのは至難の技。
しかし人類はそれに対抗する手段を編み出していた。
F5弾。
本来はバリアを強化するチャフの一種なのだが、使い方次第ではバリアに対する強力な対抗手段となる。
バリアを強制増幅させることにより、バリア発生装置をオーバーロードさせて無力化させるという逆転の発想。

発射されたF5弾はその力を遺憾なく発揮した。
破裂した瞬間、空は赤く輝いた。
それは一瞬ではあるが、発生装置の許容量を超えるバリアの増幅を引き起こしたことを意味する。
「バリア消失を確認!」
「こちらも敵に捉えられました。」
「地上より敵機発進。数は・・・10・・・15です!」
「っちぃ・・・思ったより数を残していたな。全砲撃てええ!
スーパーロボット部隊出撃!」
次々と寄せられるオペレーターの報告にライオットが指示を飛ばす。

攻撃したことによりニーズホッグの存在が明らかになり、レムリアンからも迎撃機が発進してきたのだ。
「ハンガー、こちらコックピット。
バリア無力化に成功。敵迎撃ロボ12機!
一気に殲滅して敵司令部を叩き地中海へと抜ける!
健闘を祈る!」
ハンガーにオペレーターの声が響き、格納扉が今ゆっくりと開き始めた。

扉の開いたハンガーからは、一直線にニーズホッグに向かってくる12の光点が見えるだろう。

名前: アノマロカリス
サイズ: 中(20m)
HP: B
EN: C
運動: B
装甲: D
移動タイプ: 空/陸/海
地形適応: 陸B空B海B宇-
【特殊能力】 特になし
【武装】 ビームスプレーガン ・ハルバード
【機体解説】 レムリアンの主力機体。儀礼装備の為、通常のアノマロカリスより見栄えはいいが貧弱
203ST ◆ROBOA5YYSU :2009/02/07(土) 23:11:38 0
【イタリア穀倉地帯・15:45】
三将と九十九のやり取りがひと段落着いたところで、突如として空が赤く染まった。
直後、上空を飛来するレーザーやミサイル。
今まで抗戦されることはあっても反撃や攻撃がされたことはなかったのだ。
この攻撃はレムリアン司令部を混乱の極みに陥れるのに充分だった。
それでも連絡網が生きており、会議の場に将校が駆け込んでこれたのは僥倖であっただろう。
勿論それは会議に出席している将軍達も同じ事。

「大変です!敵の攻撃です!
敵数はまだ確認取れていませんがバリア装置が破壊されました!」
「なんだと!防空責任者は何をやっていた!」
「現在15機のアノマロカリスが迎撃に向かっております。」
「敵艦砲により三機撃墜!他格納庫に被弾!」
「レーダー塔大破!」
「提督!避難を!」

蜂の巣を突付いたような混乱の中、提督は大きく息を吐く。
「うろたえるな。ここを失えばヨーロッパ戦線は崩壊するぞ!」
とはいえ、戦線が延び司令部の戦力は微々たる物。
また連戦連勝で緩んでいた士気にこの奇襲。
更に敵の規模すらもわかっていないのでは判断することは難しい。

「ここに配備されたアノマロカリスは儀礼装備だ。迎撃に向いているとは言い難い。
諸将よ。戦いの準備をしてきているものは・・・いるか?」
提督はぐるりと将軍達を見回す。
多くの将軍が参加しているが、兵同様油断しきっている中で、会議に兵装を整えてきている物は少ないだろう。
だがあえて問うのだ。
今は将兵問わず戦力が欲しいのだから。
そして最後に視線は九十九へと行き着いた。
「九十九よ。名誉レムリア人として、いや、お前がレムリア人となる為に、いけるな?」
この場にいる将軍とは別の特異の立場。
提督自身がこの場に出席させた九十九に出撃を命ずるのであった。

あえて九十九に拘る提督のその意図は・・・
204セド・ラク ◆66bAJ6gnYo :2009/02/08(日) 02:11:39 0
>198 >199
>「ええい…、頭の痛くなるような話を長々と…(ry」
「ギ=ガン、貴方のそのレムリアンとしての誇りも戦士としての資質も素晴らしいものです。
 ですが、人間への憎しみだけでは解決しない事もあるのです。
 どうかここはオッツダルヴァに任せてはくれませんか?」
九十九を睨みつけるギ=ガンをたしなめるセド=ラク。

>「お静かに。各々方のお気持ちもよく分かりますよ。(ry」
オッツダルヴァの正論にセド=ラクはうなずくばかり。
また、いたずらに人間を痛めつける必要はないという言葉に内心安心することになる。
そして、九十九からもたらされた情報は、状況に深く関わってくる重要度の高いものだった。
もしかしたら人間側の技術力そのものを見誤っている可能性すら臭わせる内容だったのだ。
技術者でもあるセド=ラクもオッツダルヴァ同様、この事態を重く受け止めていた。
他の将のように焦りも驚きもしなかったが、静かに人間の危険性を再確認していた。

>201
>「将軍は…そ…そんなに…私がお嫌いですか…はは…ははは…」
その言葉にギ=ガンは憤怒した。そんなギ=ガンに対し真っ先に動いたのはセド=ラクだった。
今にも拳を握り九十九の元にゆかんとしているギ=ガンの前に割って入る。
「拳を納めてください……この人間はまだ戦力としても使いようがあるのです。
 貴方が人間を深く憎悪していることは理解しています。私もレムリアンとして同じ事。
 しかしどうかここは私に免じて許してやってはくれませんか」
そして人間のためにとうとうギ=ガンの前で頭まで下げるセド=ラク
しかし、それに対してのギ=ガンの反応を見る前に、
空が赤く光ったと同時に会議室に衝撃が走り、警報が鳴り響く!

>202
会議室は簡単に混乱に陥った。そんな中将校が駆け込んでくる。
「何が起こったのです?状況を報告せよ!!」
セド=ラクはすぐさま立ち上がり将校に状況を伝達するようにと叫ぶ。
>「大変です!敵の攻撃です!
>敵数はまだ確認取れていませんがバリア装置が破壊されました!」
「なんですと!?バリア装置が破壊!?」
その言葉に驚かずにはいられないセド=ラク。
それもそのはず、レムリアン最高の技術力を持って装備したバリアを
人間側の兵器で消失させることが可能など思いもしなかった。
>「なんだと!防空責任者は何をやっていた!」
>「現在15機のアノマロカリスが迎撃に向かっております。」
「追い詰められた側の勝機といえば奇襲しかないはずなのに…油断していました。
 物量を持って当たらせなさい。すべてのアノマロカリスを出撃させるのです!」
>「敵艦砲により三機撃墜!他格納庫に被弾!」
>「レーダー塔大破!」
しかし、格納庫の被弾により新しい迎撃機を出撃させることは難しく、
レーダー塔の大破により相手の動きを目視で確認することしか叶わなくなり、
ますます事態は混迷の極みに達していく。
>「提督!避難を!」
「人間達にこうまでしてやられるとは……我々レムリアンが……」
できる限りの味方と提督の脱出、このまま司令部を放棄しての脱出しかないかと
他の将軍達が諦めかけていた時、その提督の口が開く。
>「うろたえるな。ここを失えばヨーロッパ戦線は崩壊するぞ!」
その言葉からは断固とした覚悟が感じ取れる。
確かに、今ここを失えば前線に出ている多くのレムリア兵の情報伝達に異常をきたし、
また司令部を失い士気が異常に下がるのも事実。どうあってもここは陥落される訳にはいかない。
>「ここに配備されたアノマロカリスは儀礼装備だ。迎撃に向いているとは言い難い。
>諸将よ。戦いの準備をしてきているものは・・・いるか?」
その言葉に、オッツダルヴァとギ=ガンを見るセド=ラク。
いつでも行けるという二人の様子を見て、セド=ラクは決意を固める。
「提督、オッツダルヴァとギ=ガンは今こそ戦う時と申しております。
 また、戦力になるかどうかは分かりませんが。私もテスト機でならば出撃が可能です
 レムリアのため、この命いつでも散らす覚悟はできています。どうか発進許可を!」
205九十九 ◆IXULYC5IXU :2009/02/08(日) 22:52:39 O
>>203
【緊張の連続で乾いた喉を潤そうと
テーブルの上の飲み物に口を付けようとしたその矢先
突如警報が鳴り響き空が赤く染まる
空中でミサイルやレーザーの飛び交う音が田園に響き渡り
混乱に陥った会議の席中に一人の将校が血相を変え駆け込むと敵の奇襲である事を皆に告げた】

九十九「…(連邦にレムリアのバリアを破れるような兵器などあったか…
大体バリアを破る程の新兵器がたった1年で開発できるわけがない…)」

【他の諸将の混乱に比べれば九十九は若干冷静だった
かつては前線での戦闘経験もあり
その為か多少は落ち着いて現在の状況を見渡せていた
九十九にとってレムリアンの将軍達
とりわけジ=ガンと顔を突き合わせるくらいなら
この砲撃の中の方がまだ生きた心地を味わえていたかもしれない】

>「諸将よ 戦いの準備は」

【提督の呼び掛けに3人を除いた将軍達は押し黙るばかり
当初は面倒事と犬死を避けたい九十九もなるべく視線を逸らしていたが
提督は最後に九十九に視線を向け言葉を発した】

>「九十九よ 名誉レムリア人として(ry」

【『レムリア人』となるため…
この言葉に九十九は大きく揺り動かされた
完全にレムリア人として認められれば自らの立場は確立され簡単に命を奪われる危険性は無くなる
すぐにその資格は得られなくとも
勝利を収め提督の覚えを良くすればその道はぐっと近くなる
九十九に命令を躊躇する理由は全く無かった】

九十九「お…お任せ下さい提督閣下!
私が愚かな輩どもに『我ら』レムリアの力を見せつけて参ります!」
206ジ=ガン ◆ai8IvPAow2 :2009/02/08(日) 23:16:12 0
>>203
「ゴミどもの奇襲だと…!?
 まさかここを直接狙いに来るとは…
 やってくれおるわ!」
余りに予想外の出来事に、さしものジ=ガンも驚かざるを得なかった
堅牢なバリアフィールドに守られた司令部を大胆にも直狙いで来たのだ
一般の将軍たちは、この事態に動揺している
拳を握りしめ、自分が座っていた椅子を鉄拳で叩き壊した


>「ここに配備されたアノマロカリスは儀礼装備だ。(ry
「ワシとしたことが一生の不覚!
 ガッシャは頭部だけしか乗ってきておりませぬ…」
ジ=ガンの移動手段は常に愛機だが、今回に限ってヘッドしか無いという間抜けな有様だった
人間の意外さとしぶとさ、そして己の不甲斐なさに怒りを覚える
ゴミと思っていた人間にここまでの反撃をされたことは、この上ない屈辱であった
人間はジ=ガンが考えていた以上に強かな種族だったのだ

>「九十九よ。名誉レムリア人として、いや、お前がレムリア人となる為に、いけるな?」
「お待ちください、提督閣下!
 このジ=ガン、現在愛機はヘッドだけなれど武人の端くれ!
 例えどのような機体であっても乗りこなし、ゴミどもからここを守ってみせましょう!
 ワシらにもどうか出撃許可を!」
九十九に出撃命令が掛かったことは、ジ=ガンを納得させなかった
何故この場に居る三大筆頭将軍の誰でもなく、地球人の九十九が命を受けるのか?
「破壊魔人」の異名を取る猛将として、九十九に後れを取ることは我慢ならない
207オッツダルヴァ ◆M8zlG9KFBQ :2009/02/09(月) 00:11:12 0
>198-199>201-206
>「オッツダルヴァ…、おヌシがそう言うのならワシも引き下がろう…
火のついたジ=ガンは簡単には止まらない。
場合によっては自分の腕の一本も覚悟していたが、存外あっさりと
引き下がってくれた。ジ=ガンをよく知る者からすれば驚きを隠せない。
「ありがとう、ジ=ガン。この借りは必ず返す、楽しみにしててくれよ」

>相変わらず、憎悪と侮蔑に満ちた表情で九十九を見ている
>「将軍は…そ…そんなに…私がお嫌いですか…はは…ははは…」
それにしてもジ=ガンは九十九がよほど気に入らないようだ。
無理も無い、囚われ生き恥を晒すくらいなら自ら死を選ぶのがジ=ガン。
その生き恥よりも嫌うのが裏切りなのだ、心情は察するにあまりあった。
(しかし、人類殲滅を謳うレムリアンに投降など・・・無謀な賭けというレベルではない。
 そしてそれが受け入れられるなど誰が予期しえたか。きな臭いな・・・)

そんな思索を華麗に断ち切ったのが、九十九の言葉だった。
その一言、火に油を注ぐだけと言うのが分からないわけでもないだろうに・・・
(迂闊だな、九十九正隆。この張り詰めた場で相手の心情を問うなど・・・)
この手のフォロー云々は(いるならば)セド・ラクに投げてしまう事が多いのだが、
今回の引き金は自分が引いたようなもの、無視もできんと口を開きかけた。

>「うろたえるな。ここを失えばヨーロッパ戦線は崩壊するぞ!」
刹那始まった敵襲、最前線からの報告が入ってない事から
ステルス機能を持った戦艦あるいは飛行空母による奇襲だろう。
「まったくです。もしここで我らが司令部を放棄したらどうなるか。
 レムリアの上層部は自分で戦う事もできない臆病者と吹聴され、
 敵の士気と我々の士気が逆転するでしょう。そしてそれはそのまま
 各地での戦闘に影響を及ぼし、我らにとっての最悪の事態にも繋がりかねませんな」
こんな状況下でも表情一つ乱さず、嫌味を含んだ調子で想定される状況を口にするオッツダルヴァ。
と言うのも以前司令部に、敵の戦力が一つどころに集中しているならば
もっともこちらに損害を与えうる作戦は司令部への直接攻撃だと、
想定できるだけの敵の行動プランのシミュレーションなども添えて提出したにもかかわらず
一蹴された経緯がある。人間を舐め切ったツケがこれだ、と毒づきたいのを辛うじてこらえた。

>「ここに配備されたアノマロカリスは儀礼装備だ。迎撃に向いているとは言い難い。
> 諸将よ。戦いの準備をしてきているものは・・・いるか?」
>「提督、オッツダルヴァとギ=ガンは今こそ戦う時と申しております」
>「私が愚かな輩どもに『我ら』レムリアの力を見せつけて参ります!」
>「このジ=ガン、現在愛機はヘッドだけなれど武人の端くれ!」
気骨のある将軍が他にもいないかとあえて黙っていたが、これ以上は
期待できないと見切りをつけ口を開いた。
「つまりまともな戦力は4機。    十分すぎますな。
 蛻の殻も同然の司令部を守る数としては、の話ですが」
提督が九十九に妙な言い回しで命を下した事に疑念を持ちながらも表情には出さず、
遠回しに油断しきっていた他の将軍たちを非難しながら一歩前へ出る。

「セド・ラクの言うとおりです提督、先ほども申したとおり今は退く時ではありません。
 恐らくここに仕掛けてきたのも、報告にあった部隊でしょう。
 つまり、奴らの最後の希望と置き換えられる。ならばそれを完膚なきまでに叩き潰してやれば?
 悪足掻きも賢しい小細工もすべて無駄、と思い知らせる事になる。
 私の機体の調整は万全です、ゴミ共には自身が造った物で滅んでもらう。
 ゴミに相応しい幕引きと我らの完全なる勝利を提督に捧げましょう」
これでもかと仰々しい言い回しでオッツダルヴァも名乗りを上げた。
208 ◆bABdta9hd. :2009/02/09(月) 00:14:36 0
>>197
「ソルベールさん、頑張りましょうね」
ソルベールの後ろ姿に向かって手を振る。その姿は彼女の年齢からしたらいささか幼く
見えるだろうがそれが彼女らしさでもあった。
彼女は今回の戦いに恐怖はあっても不安はなかった
自分達は勝つと彼女は確信していた。それは勘でしかなかったし、彼女がこの絶望的な戦いから知らず知らずのうちに
逃避しているだけかもしれない。だがしかし、彼女はこの自分の気持ちになんの疑いも持ってはいなかった
彼女の場違いなまでの明るさはこの自信の賜物だろう

>>200
>「私の家のことは関係ないですよ。この場で関係するのはあくまでも実力や経験ですから」
サーニャにそう言われユズキは心の中でしまったと思った。
おそらく彼女は家名から自分を見られるのを嫌い、サーニャという個人で見られたいと思う人間であったのであった。
「ごめんなさい、サーニャ。でもあなたの経験も実力も疑っていないよ。だってこの場にいることが十分その証明になっているんだから。」
強引にされた握手を強く握り返した。
「サーニャ、この戦いに絶対勝とうね!勝って生きてかえろう!」
サーニャに力強く答えたとき艦内にアラーム音が響き渡る
「どうやら時間のようね。サーニャ!機体の中で待機、合図があり次第出撃よ!」
サーニャにそう告げると自分はケルビムに搭乗した
そこでユズキはケルビムから戦況を確認した
「バリアは無力化、敵機12機、でもあの外装は・・・」
自機のディスプレイに映し出された敵機に違和感を覚える
「ふ〜ん、そう言うこと」
何かに気付いた時オペレーターから出撃命令が伝えられた
「ケルビム!宮原ユズキ、いきます!!」
スロットルレバーを一気に前に押し込む、それと同時にカタパルトから加速、射出され戦場に降り立った。
「各機聞いて!敵機はこっちより多い!でも装備をよく見てデータにあるのとは違う明らかに貧弱だよ。
あの外見からしておそらくは何かの式典用!ここは一気に畳み掛ける!
失敗なんて恐れちゃだめよ!この作戦自体がだめで元々、ギャンブルみたいなものじゃない。だから景気付けに速攻で勝負を決める!
私についてきて!!」

全機にそう通信をいれるとブースターを噴かし敵機にビームライフルを撃ち込んだ
209サーニャ ◆d/mC/cDSLw :2009/02/09(月) 01:25:12 0
>>208
「ええ、がんばりましょう!」
力強くそう言うと同時に格納庫にサイレンが響き渡る。
ユズキの命令に従い、アルセウスの中に乗り込む。
瞬間、サーニャの空気が変わる。彼女の中で戦闘に対するスイッチが入ったのだ。
今までの穏やかな雰囲気とは違い、力強いものになっていた。
「なるほど、あれを迎撃すれば良いのか」
ユズキからの通信を聞いて、なるほどと納得する。
確かに明らかに今までのレムリアンの機動兵器とは少し違っていた。
「行きましょう、宮原大尉。その道、私が切り開きます!」
ユズキに通信を返すと腰の部分からひと振りの剣を引きぬく。
ブレイク・ザン…その剣の名前だ。
そのまま最大速度でアノマロカリスの群に突撃し、剣による斬激を加える。
一見単純に斬っているように見えるが、実際はフェイントを加えつつ攻撃しており、防御するのは非常に困難であろう。
彼女の瞳は目の前に立ちふさがるアノマロカリスをただ見つめていた。
210ソルベール ◆nqm7vLtmU2 :2009/02/09(月) 21:15:05 0
カタパルトデッキから射出された闇の顎門は戦場に降り立つやいなや
自分の近くのアノマロカリスにも目もくれず戦場中枢へと駆けていく
その動きたるや疾風の如き速さで戦場を駆け抜けていく


>>208 >>209
ユズキからの通信を受け
闇の顎門はケルビムを追い抜いていく

「後方は任せた」

ソルベールからの返答はこうだった
彼の目的は敵陣形の混乱そして戦力の分断である
本来は誰にも気付かれず奇襲戦法を得意とする彼だが
今回は総力戦であり気付かれずに潜入をする時間もない
ならば、闇の顎門の機動力を生かした強引なまでの強襲戦法
敵陣中枢に潜り込み内側からの攻撃、そして自分がオトリになり敵部隊の引き離し
今すべき事は目の前の敵を倒すのではなく敵中枢での破壊活動
そして敵の陽動である、闇の顎門は敵陣の奥へと駆けて行った


闇の顎門が敵地の中枢に近づいていくと
自分の周りには釣られたようにアノマロカリスが数機着いてきていた
他の機体はそれぞれが対応しているようだ、戦力の分断は少なからず出来たようだ
取り囲まれた状態、だがソルベールはこのような状況など予定通りという感じである

「恨むなら自分たちの上官を恨むのだな」

闇の顎門は街の建物をうまく使いその姿を隠しながらアノマロカリスを攻撃していく
1機のアノマロカリスの腕が切り落とされると今度は別のアノマロカリスが損傷を受ける
建物から建物へ移動しながら闇の顎門は牙のような得物で斬り付けるとそれを投げ捨てていた
すると投げ捨てた得物がブーメランのように戻ってきて今度は別のアノマロカリスを攻撃する
1機のアノマロカリスが闇の顎門の前に立ちはだかる

だが直ぐにアノマロカリスの胴体が真っ二つになる
戻ってきた闇の制裁がアノマロカリスを引き裂いたのだった

「くだらん戦争をしかけたお前等が悪い」
211ST ◆ROBOA5YYSU :2009/02/09(月) 22:57:26 0
【イタリア穀倉地帯上空・15:50】
ニーズホッグから発進したケルビムとアルセウスが変態を組み迎撃に上がってきたアノマロカリスに先制の攻撃を仕掛ける。
そしてソルベールの闇の顎門は先行し、市街地へ。
それを追うように4機のアノマロカリスがその後を追う。

空中にて初撃を放ったケルビムのビームライフルは違わずアノマロカリスを貫き四散させる。
先制の初撃にいきなり僚機を撃ち落され編隊が乱れたところにアルセウスが突っ込んだのだ。
フェイントを織り交ぜつつ剣による斬撃を繰り出したサーニャは違和感を覚えるだろう。
目の前に立ちふさがるアノマロカリスはフェイントには全く反応することはなかった。
しかし、防御や回避するわけでもなく、その機体は易々と切り裂かれていく。
反撃こそあるが、放たれるスプレーガンは照準が定まっていないかのように避ける必要すらない。

その違和感はライフルを放ったユズキにも感じられたはずだ。
戦闘空域特有のプレッシャーが感じられないのだ。

それもそのはず。
人類の反撃など全く想定しておらず、司令部に配備されていたのは儀礼用装備のアノマロカリス。
それ以上に搭乗するパイロットは実戦など程遠い儀式官なのだから。
敗走を重ね激戦を生き抜いてきた人類の希望たるニーズホッグのパイロットとは比べる術もない。

迎撃に向かってきたアノマロカリスはなす術もなく二人に撃ち落されていくのであった。


一方、先行して市街地へ向かったソルベール。
遮蔽物を巧みに使い攻撃する闇の顎門を4機のアノマロカリスは完全に見失っていた。
気づいた時には・・・否、気付くまもなく切り裂かれていくアノマロカリスたち。
獲物を投げ捨てた事に安堵した直後、ブーメランのように戻ってきたそれに切り裂かれ、コントロールを失い堕ちて行く。
212ST ◆ROBOA5YYSU :2009/02/09(月) 22:57:36 0
【イタリア穀倉地帯・15:50】
迎撃を申し出た三大将と九十九を前に提督は苦渋の表情を隠せなかった。
セド・ラクは技術開発局長。
本来戦闘に出るべきではない。しかもテスト機であれば尚更だ。
最も期待を寄せていたジ・ガンはガッシャヘッドのみ。
本来の力を発揮すると言うには程遠いだろう。
実際に戦力と数えられるのはオッツダルヴァと九十九のみ。

相手の規模もわかっていない状態で、本来ならば戦闘放棄の決断をせねばならない。
事実提督の口からそうでかかったとき、それはやってきた。

市街地へ先行し、戦闘を繰り広げていた闇の顎門の攻撃を受け、コントロール不能になったアノマロカリスが落ちてきたのだ。
そう、会議を開いていた穀倉地帯のど真ん中に!
遮蔽物もなく、炎上する20mの機体が迫ってきたのだ。
「〜〜〜〜〜!!!がああああぁ!!!!」
迫るアノマロカリスに諸将が慌てふためく中、提督がついに吼えた!

コメカミに血管を浮かび上がらせ、片手を迫るアノマロカリスに掲げた。
激突の瞬間、提督の手から吹き出た漆黒の生体波動が炎上するアノマロカリスを包み込み、受け止めたのだ。
「お・お・お・・・おおおおのれガイアに仇なす人間どもが小ざかしいい!!」
咆哮と共に掲げた掌をぎゅっと握り締める。
それと同じくして、漆黒の生体波動に捕らわれていたアノマロカリスが握り潰されたように小さく潰れていく。
爆発する炎すらも逃さぬ漆黒の生体波動。

数秒後には1m程の鉄球となってその場に落ちる。
「レムリアンの誇る三将よ、そして九十九よ!行けい!
人間どもの最後の希望を叩き潰して来い!!」
若き日にはジ・ガンとも比肩しうる猛々しさと超念動力を振るっていたのだ。
老齢と提督と言う立場が表に出すことを許さなかった提督が本来の顔を見せ、出撃を命ずるのであった。
213なりきり馬鹿を殲滅せよ ◆iMXnxknAbI :2009/02/10(火) 20:40:16 0
おうおう、なんやこのキモいスレは。
余りに臭く臭うから俺のなりきり馬鹿殲滅センサーが反応しおったわい。
生きる価値が無いって宣伝してるようなもんだな。
参加者間の技量差が見ただけではっきりしててもう笑っちまうぜ。
何人かはちゃんときっちり物語とか書いてるけど、一部がどうでもいい心理描写ばっかで埋まってるなあ!
やる気あるんかそいつらは?
214オッツダルヴァ ◆M8zlG9KFBQ :2009/02/10(火) 21:46:39 0
>「〜〜〜〜〜!!!がああああぁ!!!!」
>「お・お・お・・・おおおおのれガイアに仇なす人間どもが小ざかしいい!!」
>「レムリアンの誇る三将よ、そして九十九よ!行けい!人間どもの最後の希望を叩き潰して来い!!」
顔にこそ出していないが、オッツダルヴァは驚いていた。
提督の漆黒の波動が激しく揺らいでいたからだ。それもこの揺らぎ、
凄まじく強い感情の発露を表している。それはとても歳を感じさせぬ、
ジ=ガン以上の咆哮にも見て取れた。

これ以上言葉を飾るのは無意味、と勅命を受け無言で礼をする。
提督の感情に当てられたわけではないが、これ以上人間に好き勝手させるのは
オッツダルヴァとしても気分がいいものではないのだ。が、そこはオッツダルヴァ。
「メルツェル、提督と将軍達の避難誘導を頼む。
 常に最悪のケースは想定しておくべきだからな・・・任せるぞ」
きちんと副官のメルツェルに後事を託し、その場を後にした。

出撃のため各々の機体へと歩を進める3レムリアンと1人間。
オッツダルヴァは顔を見ないままでそれぞれに声をかける。
「ジ=ガン、セド・ラク、九十九は市街地で暴れている
 悪趣味な機体の相手を頼む。見たところ隠密戦を得意としているようだからな、
 数で優位に立って包囲戦術で対処するのが好ましい。ガッシャがあるなら
 ジ=ガンに任せるのだがあいにくヘッドだけ、セド・ラクの機体は安定性に欠ける。
 互いの短所を補うように戦ってくれ。ジ=ガン、セド・ラク、無理はするなよ?
 私は上の二機を引き付ける。そちらの邪魔はさせんから確実に仕留めてくれ。
 ・・・あと九十九、お前には特別に話がある。二人は先に行っててくれ」

九十九を名指しして二人を先に行かせ、二人っきりになったところで
九十九の首に腕を回しぐいっと顔を寄せ喋り始めた。
「・・・九十九、これは将軍としての命令でなく、ガン・ジ=ガンとセド・ラク=シスの
 友人としての頼みだ。二人の事を頼む・・・ペルフェクトは機動力に欠けるが、
 装甲と弾幕、火力で敵を叩き潰す事を旨とする機体だ。悲しいかな、今の二人は
 万全には程遠い・・・はっきり言おう、主力はお前だ。健闘を期待しているぞ」

「・・・何故いきなりこんな事を、と言いたそうな顔をしているな?
 私なりに考えたのだ、提督がここまでお前に拘る理由を、な・・・
 推測に過ぎんが、そうと考えれば全て合点が行く。
 お前が、真の意味で『レムリアン』となる為の試練だ、気を抜くな」

一方的にまくし立てた後九十九を解放して、オッツダルヴァは
リビティウムに乗り込み最終チェックと発進シーケンスを進める。
「システムオールグリーン、調整は完璧か。さすがはセド・ラクだ。
 ・・・オッツダルヴァ、リビティウム、出るぞ!作業員は全機発進後避難せよ!」
人類が造り上げた禁忌の技術、ガイアに仇名す終焉の引き金、KOJIMA粒子を
撒き散らし、即興と名付けられた機体は空を我が物顔で飛び回る人間の機体へと向かっていく。
215ジ=ガン ◆ai8IvPAow2 :2009/02/11(水) 21:22:40 0
「ガーハハハハ!
 さすがは提督閣下、ワシの武の御師匠様!
 このジ=ガン、例え身一つになろうともレムリアの栄光のために命捧げますぞ!
 ぬおおおおおおっ!」

負けじと気合を入れ、掛声と共に金色の生体波動を発するジ=ガン
それらは波となって伝わり、その場にガッシャ・ヘッドを呼び寄せたのだ
ガッシャは機体制御の9割以上を念動力に頼る機体である
外部からの制御で操縦することも可能なのだ
ガッシャ・ヘッドの目に埋め込まれた赤いクリスタルから光が出て、ジ=ガンを機内へと導く

「ゴミどもめ、目にものを見せてくれるわ!」

フワリと宙に浮くと、戦場へ向かって飛び立とうとする
がその時、ヘッドに付随するように2本のボーンパーツが飛び立ってきたのだ

「むっ…、これは大腿骨か?
 ムハハハ、面白い!
 ヌシら、付いて来ておったか!」

そうして、そのまま戦場へと向かっていった
頭蓋骨と一対の大たい骨が飛び立つ様は、ある種の異様さを醸し出していた
それは決して滑稽なものではなく、他を圧倒するような波動である
216九十九 ◆IXULYC5IXU :2009/02/11(水) 23:44:10 O
【20m近い機体をいとも簡単に鉄球に変えてしまう提督の力を目の当たりにした九十九は改めてレムリアンと人間の力の差を認識させられた
あの力を恐ろしくも感じたが提督の言ったレムリアンになる為との言葉は
自分もあのような力を手に入れられるかもしれないとの淡い期待感も生まれさせた】

>>214
>「ジ=ガン セド・ラク 九十九は…(中略)あと九十九、お前に」

【当然、九十九はジ=ガンと戦場を共にするのは気が進まなかった
自分を心の底から嫌っているジ=ガンなら敵もろとも始末されるかもしれない
これもまたジ=ガンにとって絶好の機会であると思うと九十九には気が気でなかった
そしてオッツダルヴァに呼び止められた事であらぬ邪推を余計かき立てられてしまう】


>「九十九 これは…」
>「何故 こんな事を…」

【九十九は先ほどの心配をただの杞憂と確信した
猛将と言えど機体が完璧でなければ実力は発揮できない
セド・ラクの機体も不安定である今オッツダルヴァの言うとおり戦力の要は自分のみ
だが オッツダルヴァの言う提督の真意とやらは全く理解できなかった
しかし この戦いが真のレムリアンに あの力を得る為に重要である事は疑いようがない】

九十九「お任せ下さい 私が命に代えても両将軍をお守り致します
(ここでオッツダルヴァ将軍に貸しを作っておくのも悪くは無い…
にしてもあのジ=ガン将軍が私に守られると知ったらどのような顔をするものやら…)」

217 ◆bABdta9hd. :2009/02/12(木) 23:24:20 0
アノマロカロスを全滅させ、一息ついたところにレーダーに新たな反応があった
「みんな注意して、敵機が接近してる。さっきまでの奴らとは違う!すごいエネルギー量・・・」
レーダーに表示される敵機から発せられるエネルギーに驚き身構える
(それにこのプレッシャー・・・危険すぎる)
ユズキは機体を通して敵の気配が分かるが今まで感じたことのない強大なプレッシャーを感じていた
それはそのままこれから始まる戦いが熾烈なものになることを物語っていた
218サーニャ ◆d/mC/cDSLw :2009/02/13(金) 13:45:26 0
>>211
「おかしい、こいつらは弱すぎる…」
フェイントに反応することなく一撃で撃墜されていくアロマロカリスを見て呟く。
その動きはどう見ても素人の動きであり、アロマロカリス側の反撃も見当違いのところに行き避ける必要性すらなかった。
こんなに易々と打破されていく者達に連邦が遅れを取るとは彼女には到底考えられなかった。
──罠ではないか?
その考えが彼女の頭に過ぎったのは敵部隊を全滅させた後であった。
のっているのは明らかに素人のパイロットに、通常のアロマロカリスに比べたら貧弱としか形容できない武装……。
何か裏があるのではと考えてしまうのは無理はない。
だが、その考えはすぐに否定されることになる。
念動力者でもない彼女にも感じられる強力なプレッシャーが発せられる。
圧迫感のようなものに嫌悪感を抱きながらもレーダーを確認する。
こちらに接近する機体が少数ながらある。操縦桿を握る手に自然と力がこもっていった。
219ST ◆ROBOA5YYSU :2009/02/13(金) 21:29:52 0
【イタリア穀倉地帯上空・16:00】
迎撃に上がってきたアノマロカリスを全滅させた事により、ニーズホッグ内では勝利に沸いていた。
一隻と三機とはいえ、相手は完全無力化。
そして今やその心臓に刃をかけたも同然なのだから。
しかしその歓喜もオペレーターの悲鳴にも似た報告により掻き消される事になる。

「第二波迎撃ロボ来ます!数4!
しかし・・・このエネルギー反応・・・!」
「なに?照合急げ!」
緩みかけた気を引き締めなおし、ライオットが凛とした声で指示を出す。
うろたえる事無く指示を出したが、その胸中にはベトリとした嫌なものが湧き上がってくる事を否定できないのだ。
これまで潜入襲撃と上手く行き過ぎていた。
どこかに何か想定外な事があるのでは・・・と。
しかしてその予想は的中していた事がオペレーターから送られてきたデータによって現実なものと叩きつけられることになるのだから。

照合データには【正体不明】【正体不明】【ゴールデンボーンガッシャ】【ペルフェクト】と機種名が並び、現状で得られているデータが並ぶ。
それを見たライオットのコメカミに青筋が浮かび上がる。
【ゴールデンボーンガッシャ】と言えば人類連邦で最も危険と知られる機体である。
事実、3機の人類連邦スーパーロボットがまとめて屠られている。
他正体不明の二機もエネルギー反応の大きさからして同程度と予想せねばならないのだから。
「くそっ!・・・将軍機か!!」
思わずはき捨てるライオット。
先程のアノマロカリスのような雑兵ロボとは桁が違う。
しかし、ライオットの気を最も苛立てたのは【ペルフェクト】だった。
「そして・・・人類の裏切り者・・・!」
ギリギリと奥歯から漏れでる嫌な響きがライオットの怒りを表している。
ここでこの怒りを爆発させる事なく戦略へと変換させることができるからこそ、ニーズホッグの艦長足りえるのだろう。

ライオットが矢継ぎ早に指示を出す。
「ニーズホッグのエネルギーを離脱用を残してスーパーロボ部隊に転送!」
「しかし、それでは本艦の迎撃能力が落ちます!」
「構うか!艦砲射撃で潰すべき所は既に潰した!
ロボ部隊に襲われれば迎撃などほぼ無意味だ!
後は三人に全てを託す!」
そう、長距離高揚能力や単純な火力でいえば戦艦は大きな戦力だが、それ以外はスーパーロボには遠く及ばない。
機動性や旋回能力を見れば迎撃などほぼ無意味と判断したのだ。
また、こちらから攻撃しようにも、味方のスーパーロボ部隊の邪魔になりかねないのだから。
「了解!エネルギー転送始めます!」

「こちら艦長のライオットだ。
各機、気付いていると思うが迎撃第二波。数は4だがそれぞれ将軍機レベルだと思っていい。
こちらのエネルギーを離脱用をのぞいて全て3機に転送する!
全力を持って叩き潰せ!
ソルベール!特にそちらに向かったペルフェクト!奴だけは・・・!
い、いや・・・ゴールデンガッシャボーンもそちらに向かっている。
無理せず連携を待て・・・!」
ライオットから通信と共にエネルギーと敵データが三機に送られた。
220セド・ラク ◆66bAJ6gnYo :2009/02/13(金) 23:48:58 0
>「レムリアンの誇る三将よ、そして九十九よ!行けい!
>人間どもの最後の希望を叩き潰して来い!!」
衰えを感じさせない提督の叫びに畏敬の念と自らの滾る血を感じるセド=ラク。
しかし、まさか提督がこの三人に出撃を許可するとは思っていなかった
おそらく撤退を申し渡され、単騎で命令を無視し出撃することになると……
提督も人間たちにこうまでやられたのが我慢ならなかったのだろう。
「御意のままに……」
そう一言言い残し、自らの設計した機体の元へと歩を進める。
途中、オッツダルヴァが行動にあたっての作戦を三人に説明する。
オッツダルヴァは有能な将、戦に関しての知識、読みはおそらく他の追随を許さない。
>「ジ=ガン、セド・ラク、九十九は市街地で暴れている
>(略)
>・・・あと九十九、お前には特別に話がある。二人は先に行っててくれ」
「分かりました。無茶をしそうなギ=ガンのフォローは任されました。
 貴方も無理はしないでください。ではまた後ほど…」
九十九を残らせたことが気にならないと言えば嘘になる。
だが先ほどからの提督の九十九への態度、
更には万全とは言えないギ=ガンや自らの愛機の事を考えると、
おそらくオッツダルヴァと自らが語る言葉は同じ、そう考えた。

格納庫まで来たとき、自然とセド=ラクは自分の機体を見上げていた。
「まさか、この機体を戦場に出すとは思ってもみませんでした。
 ですが、行けますね?グリクシス……」
その言葉に呼応し瞳が赤く光り、低く呻るような駆動系の音が鳴り響き左手を開きセド・ラクの前に下ろす。
実際にはセド・ラクの巨大な念動力に引き寄せられているだけだが、
その様子はまるで意思をもった生物のようだ。
「さあグリクシス、共に戦いましょう・・・・・・」
そして左手に飛び乗り…そのまま吸い込まれるように胸のコアに入っていく。
操縦席は驚くほどシンプルだった、これが最新の機体かと思わんばかりに。
紛らわしいような計器もスイッチも何もない、ただ座るための座席があるだけ。
「まずは飛びましょう。大丈夫、できます……」
その言葉に感応し、拘束しているハッチをこじ開ける。
そして倒すべき敵がいる大空へと飛び立つ。
「どうやらアルテリア・ティルグムは良好のようですね。これならば武装が少なくとも……」
その言葉の通り、グリクシスからは並々ならぬ念動力の波動が感じられる。

ギ=ガン、九十九の機体をとらえ彼らのバックにつくグリクシス。
狙うはオッツダルヴァの言った悪趣味な機体……
「人間の兵器は何と醜悪なのか……趣味を疑いますね」
思慮深く偏見からは遠いはずのセド・ラクもあの機体は受け付けないようだ。
221ソルベール ◆nqm7vLtmU2 :2009/02/14(土) 00:27:21 0
アノマロカリスの肩から胸に闇の制裁を差込むとアノマロカリスは動かなくなる
最後のアノマロカリスに止めを刺したところで付近の制圧が終了した

>>217 >>218
「こちらも制圧完了した」
そう返すと今度はレーダーに反応がある
ソルベールは分かっていた重要拠点であるのに将校の姿が見えず
機体も手ごたえのないものばかりだというのは裏があるというのも

「今までのはこいつ等を投入するために時間稼ぎだ」

ソルベールはアノマロカリスの残骸から得物を抜き再びビル群へと身を隠す
「どうやら俺の方に戦力が集中しているようだな
いや・・・これは俺狙いか?サーニャ、ユズキ
俺は大丈夫だお前等も無理はするな・・・・・・お前等と挨拶できてよかったよ」

まるで最後の一言かのように通信を切る
(金色か・・・それにアレは連邦から向こうに寝返った機体・・・そして癇に障る角付きか)

>>219
「艦長敵はこちらで確認した。金色と念動兵器搭載型だ他にもペルフェクト!相手にとって不足はない」

ニーズホッグからのエネルギーが転送されると
闇の顎門はエネルギーが回復される
>ソルベール!特にそちらに向かったペルフェクト!奴だけは・・・!
「気にするんな艦長・・・ここに居る全ての敵は皆倒さねばらない
俺が終演をくれてやる。」

そう言って通信を終えると
建物の陰から様子を見て敵の出方を伺う、まだ仕掛ける時ではない。
この程度の戦いでくたばる位ならソルベールの運命もここまでだろう
この戦いは連邦にとっては戦局を変えれるかもしれない重要な物だろう
だがソルベールにとってはまだ序章でしかない

もしかしたら
これから続く長く苦しい戦いの始まりにすらなっていないのかもしれない。

「俺が戦うべきはこんなレムリアの将校ではない・・・ッ!」
222オッツダルヴァ ◆M8zlG9KFBQ :2009/02/14(土) 00:51:30 0
>217-219
リビティウムは通常機能だけならば誰でも操作できる。
しかし戦闘機能となるとそうは行かない、AMSと呼ばれている
特殊なリンクシステムと搭乗者が恐らく物理的に接続しなければ
その機能を完全に引き出す事は出来ない仕様になっているのだ。
特にKOJIMA機能はこのAMSに完全に依存しているため、ほとんどの武装が
ジェネレータからKOJIMAを供給されて初めてその威力を発揮する
リビティウムは、その戦闘力の9割を失う事になる。

オッツダルヴァは念動力でこのAMSの認証を無理やり誤認させて
リビティウムを動かしているが、生粋のAMS適応者と比べると
その差は無視できないレベルである。それを自身のパイロットスキルで
穴埋めしているのだが・・・果たしてどこまで通用するのか?

「レムリア将軍、オッツダルヴァだ。
 親愛なる下等生物諸君、ヨーロッパ司令部へようこそ。
 歓迎しよう・・・盛大に、とはいかんがな」
そんな懸念を億尾にも出さず、オッツダルヴァは敵全員に対し通信回線を開き、
不敵にも攻め込まれている立場であるにも拘らず余裕の態度を見せ付ける。
同時に感じていた、上空の敵機の片割れのパイロットはレムリアンの持つ
念動力と近しい力を持っていると。

「ほう・・・貴様、我らの力のかけらを持っているか。
 下等生物、その程度で私と張り合おうと言うのか?無謀だな」
ユズキの顔を見て、見下しモード全開で挑発をかけることで冷静さを失わせる。
ジ=ガンは姑息と言っていたが、これがオッツダルヴァの常套手段なのだ。
だが迫る敵機のエネルギー反応は無視できない。相手の能力もほぼ対等にまで上がっただろうから。
「ふん、戦艦からのエネルギー供給か。小賢しい」

挨拶代わりとばかりにアサルトキャノンを放ち、そのまま更に加速する。
戦艦のエネルギー反応は微弱だ、落とせばほぼ勝ちが確定する。
むろん眼前の2機もそうはさせてくれまい、必ずこちらを追いかけてくる。
市街地に降りた機体への援護を断ち切りつつ、プレッシャーをかけ動きを抑制するのが狙い。
後ろを向けば分裂ミサイルとチャージライフルで撃ち落とす。わずかな時間で状況の変化に対応し、
最適のプランを弾き出すオッツダルヴァの頭脳は、正しく悪魔であった。
223ジ=ガン ◆ai8IvPAow2 :2009/02/14(土) 08:47:40 0
>「ジ=ガン、セド・ラク、九十九は市街地で暴れている)ry
「ム…、あまり好かん戦法だが今はそうも言っておれまい
 ようし、任せておけ!
 おヌシも久々の戦場とて、無理をするでないぞ!」

普段なら単騎でも突っ込んでいるところだが、ヘッドだけでは無理は出来ない
セド・ラクはともかく、九十九に協力するのは内心頂けなかった
しかし、こういう時まで猪突猛進になるほどジ=ガンも馬鹿ではない
他者の指示に従うべき時は、大人しく従えるだけの思慮は持ち合わせている

「あれがオッツダルヴァの言っておった黒い機体だな?
 なるほど、確かに姑息なゴミが好みそうな悪趣味かつ卑怯下劣なデザインよ!
 しかも、黒いカラーリングとは笑わせてくれおる!
 堂々と輝く金色こそ、正しく漢らしい色と言えるだろう!
 なあ、ラク=シスよ?
 ガーッハッハッハッ!」

ラク=シスにワケのわからぬ同意を求め、ジ=ガンが相手を笑い飛ばす
ジ=ガンの笑いに合わせ、ヘッドもガキガキと口を開閉させている
大きな声と笑い声がスピーカーホンを通じて辺りに響く始末であった
しかし、黒い機体は目にも止まらぬ速さで視界から消えてしまった
ジ=ガンを目を擦って辺りを見回すが、その姿は既にない

「チッ…、ディル=ラの言うとおり、隠密特化らしいな!
 少々面倒だが、堂々と戦えぬ相手に遠慮は要らんな
 ラク=シス、奴の隠れ蓑になりそうなものを徹底的に破壊するぞ!」

ジ=ガンはあえて、九十九を眼中に入れない扱い方をしていた
まともに戦えるのは彼の機体だけだということには納得できなかった
ヘッドでも、使い様によってはそれなりの活躍は出来るはずである
それに今は、主要なボーンパーツも2本だけだが揃っている
ジ=ガンは念を集中させ、大腿骨を周囲に展開させた

「セミ・イリュージョン!
 フン!」

そう言いながら、両手を掲げて徐々にその間隔を開いていく
その動きに合わせて、2本の大腿骨は円を描くように高速回転し始める
そして、ジ=ガンが目を見開いて両手を合わせた
その瞬間、高速回転する大腿骨から赤いレーザーが照射され始める
レーザーは一定範囲内の建物などを吹き飛ばしながら照射されている
周囲に隠れていると見込んで、あぶり出そうとしているのだ
224九十九 ◆IXULYC5IXU :2009/02/15(日) 15:42:15 O
「準備はできているな?よし、発進させろ!」

【ペルフェクトの操縦室は複雑な計器類やモニター等で埋め尽くされ
前面のメインスクリーンにはデータなどの数値と共に外の様子が鮮明に映し出されている
3名の兵士達が分担し作業に当たる中
中央の1段高い指揮官席では九十九がけたたましく指示を出していた】

「敵はたった1機だぞ!
急いで捕捉しろ!!」

【兵士が慌てて先程カメラが捕らえた敵機のデータを九十九の席のコンピューターに送る
画面に映し出されたのは見たことも無い黒い機体】

「はて…私も知らぬ機体だな…
どちらにせよ我々の脅威となる事に変わりはない…か
…諸君!敵機のサイズは我々の物より小型だ!
敵に隠れる場所を与えるな!!!
速射砲とレーザーで建造物を破壊しろ!!!」

【独り言の後 一瞬間を置き
兵士達に建造物を破壊する様指示を下し
轟音を立てながら建造物に片っ端から砲撃を加え粉砕していく
もちろんジ=ガンが建造物破壊という同じ事をしているのを九十九は知っていたが
完全体でない『骸骨』よりこちらの能力が上である事を見せつける当てつけであった】

「こうして遮蔽物を無くせば身は隠せまい…
それにジ=ガン将軍もこのペルフェクトの力をお分かりになる事だろう…
君!セド=ラク将軍にお伝えしてくれ
敵をいぶり出すから攻撃をお願いしたい、と」

【本来なら九十九自身が直接連絡を取れる事もできたが
多少自分に宥和的とは言え直接セド=ラクに通信をするというのは抵抗感が拭えなかった】
225ソルベール ◆nqm7vLtmU2 :2009/02/15(日) 20:45:05 0
>>223 >>224
「もう仕掛けてきたか」

最初に仕掛けてきたのは金色の頭蓋であった
高速回転と供に赤いレーザーが照射され辺りの建物を破壊していく
幸い自分の場所にはまだ届いていないが近いところが破壊されていく

そしてそれに続くようにペルフェクトのレーザー砲撃が開始される
金色の機体よりも大きいペルフェクトの砲撃は赤いレーザーよりも威力が高く
次々に建物が崩されていく

「俺を燻り出すつもりか・・・面白いだが・・・」

砲撃により轟音を上げて崩れていく建物
闇の顎門が小型の機体とは言え分類上はスーパーロボット
それを隠すほどの高さの建物といえばかなりの大きさになる
そしてそれが崩れていくのであれば勿論ガレきのホコリや土煙があがっていく

いぶりだすための煙は逆に闇の顎門を隠すための煙幕としてビル群一体を覆い尽くしていった


煙が完全にその辺りを支配するともう何が何処にあるのかなど分かるわけもない
その中を何かが移動するような影が見える
影は急速に煙を突き抜けると煙から牙のようなものが飛び出していく
それは突然軌道を変えてペルフェクトへと向かっていく

すると今度は別の場所から同じように牙のようなものが飛び出し軌道を急激に変え金色の機体へと飛んでいく
煙幕の中でどのような事が起こっているかは分からないが少なくとも闇の顎門は彼らが何処にいるかが見えているようだ
226 ◆bABdta9hd. :2009/02/16(月) 22:33:17 0
敵機が接近すればするほどユズキが感じるプレッシャーは加速度的に大きくなっていた
ユズキ自身にも念動力と呼ばれるものがあったがそれは敵のそれと比べるとまだまだ脆弱なものと言わざる得なかった
その力の差がプレッシャーの大きさとなっていた
>>「ほう・・・貴様、我らの力のかけらを持っているか。
 下等生物、その程度で私と張り合おうと言うのか?無謀だな」
呑まれそうになった時通信が入った
明らかな挑発、それもとびきりに安い。逆にそれがユズキを冷静にさせた

「張り合おうなんてケチなことは思っていませんよ。勝とうと思ってるんです。」

アサルトライフルをビームシールドで防ぎ戦艦に向かおうとするオッツダルヴァにビームライフルで牽制し自らも追撃する

「そう簡単にあなたの思い通りにはさせません!!」
227サーニャ ◆d/mC/cDSLw :2009/02/18(水) 02:06:05 0
ピリピリとした空気を振り払うかのように彼女の視線が鋭くなる。
それに呼応するかのようにアルセウスからは実体化したエネルギーがバチバチと音をたてていた。
戦艦からのエネルギー供給により、機体の性能は120%活かせる状態となっている。
>「レムリア将軍、オッツダルヴァだ。
 親愛なる下等生物諸君、ヨーロッパ司令部へようこそ。
 歓迎しよう・・・盛大に、とはいかんがな」
状況は決して不利なわけではない、むしろ出鼻を挫くことが出来ただけでも人類側は有利であった。
にもかかわらず、目の前の男の態度は余裕そのもの。
下等生物──彼は本当に人類のことをその程度のものとしか思っていないのだろう。だからこそあれだけ尊大な態度でいられるのだろう。
その刹那アサルトキャノンが発射される。それを受け止めるユズキを見て安心する。
「集中しろ、雑念に惑わされるな…。私は…ただ目の前だけを切り開けばいい!」
行動する、左腕にエネルギーを集中させると、トルネードナックルをリビティウムへと向け放つ。
残った右腕でブレイク・ザンを持ちブースターを噴射、矢のような速度で襲いかかる。
228オッツダルヴァ ◆M8zlG9KFBQ :2009/02/18(水) 20:49:08 0
>226-227
>「張り合おうなんてケチなことは思っていませんよ。勝とうと思ってるんです。」
先ほどまで萎縮していた波動が落ち着くのが見える。
オッツダルヴァとは思えないほどに安い挑発は相手を奮起させただけと言えた。
「そうか、それは更に無謀だな。
 動き回るだけの的を落とすのはつまらぬ、少しは長持ちしてもらいたいものだ」
所詮アサルトキャノンの速度など中〜軽量機にはまぐれでもない限り当たらない。
案の定二機は左右に分かれてキャノンを避けるが、その間を縫うように
リビティウムを走らせつつアサルトライフルを撃ったがこれはシールドで防がれる。
(ほう、相対速度的に反応が難しいこの攻撃を受けるか。面白い)

ジェネレータのKOJIMA供給力はすでに限界まで引き上げられていたが、
それに手を加えて更に出力をアップさせている。おかげでアサルトキャノン直後でも
ライフルやブレードをノーチャージでなら使用できるようにはなったが・・・威力は期待できない。
チャージ式のKOJIMA兵装は、フルチャージでの一撃必殺が売りなのだから。
「遅い、そして単調。そんな稚拙な戦い方で私を捉えられると思うのか?
 侮られたものだな、私とリビティウムも」

>「そう簡単にあなたの思い通りにはさせません!!」
(いいや、今のところ私の思惑通りに事が運んでいるぞ?フフフ・・・)
当初の目的である、上空の二機と市街地の一機との分断は果たせそうな状態だ。
それも仕方のない事だろう、無防備な旗艦が狙われているのだ。
防衛行動に出るのは当然以前、ゆえに読みやすく計算をたやすく立てられる。
挑発でいきり立つもよし、こちらの動きを止めようとするもよし、
どちらにせよ明確な拠り所があるならそれを奪ってやればいいのだ。
それだけで、本能的に賢そうな打算が頭をよぎり出すのが戦士という生き物なのだから。

牽制のビームライフルとトルネードナックルの息のあった時間差攻撃を、
さも当然のように回避し追撃してくる二機に向き直ってミサイルを発射する。
それと同時にスラッグガンで弾幕を濃くするが、これには一つの意図が存在する。
ミサイルをスラッグで撃ち落とす事で、無理やりKOJIMA汚染を発生させようと言うのだ。
どうもこの部隊にはKOJIMA技術関連の情報は入っていないようで、
アサルトキャノンに対してもあまり警戒した様子がなかった。ならば。
「身を以って知るがいい・・・貴様ら人間が、どれだけ罪深い存在かと言う事をな」

KOJIMAに汚染した場合、今回の濃度では時間にして30秒は機体にダメージが蓄積される。
更に一部のバリアシステムもエネルギーとKOJIMA粒子の反発で相殺されて
同時間機能しなくなる・・・その上、自然にも生物にも有害と言う、何とも酷い物質だ。
229セド・ラク ◆66bAJ6gnYo :2009/02/18(水) 21:21:29 0
>「あれがオッツダルヴァの言っておった黒い機体だな?
>なるほど、確かに姑息なゴミが好みそうな悪趣味かつ卑怯下劣なデザインよ!
>しかも、黒いカラーリングとは笑わせてくれおる!
>堂々と輝く金色こそ、正しく漢らしい色と言えるだろう!
>なあ、ラク=シスよ?
>ガーッハッハッハッ!」
「ええ、もちろんですとも。闇に紛れ隙をつく卑劣なよりも、
 神々しく輝く黄金の方が戦士としての誇りがあると言えます」
笑い飛ばすジ=ガンに同意するセド・ラク。
その口調はどことなくジ・ガンを尊敬する念が見え隠れしている。
しかし、そう笑っていられる状況でもなく、視界から一瞬で消えてしまう。
もちろんレーダーには反応がない。隠密機なのだ。そのぐらいのステルス性がなければ使い物にならない。

「さて……どうしますか……」
独り言をしている間に九十九とギ=ガンは動いていたようで
間髪いれずに相手のいぶり出しを行っている。
しかし、この行動は正解だったのか、それをセド・ラクは考えていた。
>「セド・ラク将軍、敵のいぶり出すために攻撃をお願いしたいとのことです」
しかし、それに対してセド・ラクの行動は肩かた無数の小型の自立兵器を建築物などに放っただけ…
コクピット内には無数にモニターが表示され様々な市街の様子が映し出されている。
>影は急速に煙を突き抜けると煙から牙のようなものが飛び出していく
「…見つけたぞ!」
次の瞬間自立兵器達は一瞬で放たれた牙のような物めがけて一斉にレーザーを照射する。
炎に包まれ爆散する牙、そして次にギ=ガンの方に向けて飛んで牙も同じく塵に帰す。
「ギ=ガン、九十九殿、無暗な攻撃な返って敵の隠密行動を有利にするだけ。
 今よりそちら側にこちらの小型偵察機の視界状況をリアルタイムを送ります。
 有効に役立ててください。」
そういっていまセド・ラクが見ている、
いくつものモニターを九十九とギ=ガンに転送する。
これで少しは視界状況が良くはなるだろう。
230ソルベール ◆nqm7vLtmU2 :2009/02/19(木) 18:16:32 0
【3日たったので書いちゃいますね】

>>229
ゴールド・ボーン・ガッシャーとペルフェクトの攻撃により
闇の顎門を隠す煙幕は完成したあとは煙幕からの攻撃で削っていけば
3対1でも十分勝機は有る

だがそう上手事が運ぶわけではなかった
闇の制裁はレーザーにより届く前に消滅してしまった

「どうやら視界を補う方法を見つけたか」
先程のレーザーを発射した物体がカメラの役割をしているのだろう
この煙幕の中にカメラがついた物を投げ込んでもあまり意味は無いだろうから
煙幕周辺に小型の偵察機を飛ばしてこちらを監視しているハズ
うかつに此処から出るわけにも行かない

「・・・・・・。」


煙幕内での動きは以前分からないが先程のように牙が飛んでくるような事はなくなっていた
アクションが無いまま時間が過ぎるかと思ったつかの間
ついに煙幕内からアクションがあった煙幕の中から影が飛び出してきたのだった
すぐさま小型兵器がレーザーを発射する かと思われたがレーザーは発射されない
煙幕から出てきたのはアノマロカリスの残骸だった 

アノマロカリスが確認されたと同時に 煙幕の中をまた別の影が移動していった
影の行く先は河がある方面 そして味方が交戦している地域だった
231名無しになりきれ:2009/02/19(木) 20:39:55 O
終了
232九十九 ◆IXULYC5IXU
【建築物を破壊し 敵を燻り出す作戦はどうやら敵に有利な状況を作り出してしまっただけのようだ
だが九十九はこの作戦こそが最善として疑わず
徹底的に砲撃を浴びせ歴史ある建築物を次々と瓦礫の山へと変えていった】

「砲撃の手を緩めるな!!手数で押し切れ!
敵の隠れる場所を潰せば奴の姿は丸見えになる!」

>「ギ・ガン 九十九殿…」

【セド・ラクより送られた偵察機の映像はリアルタイムで更新され続けており
濃煙に包まれたペルフェクトの映像よりは大分戦況を把握しやすかった】

「レーダーに写らないタイプとは小癪な…まあ機会があれば捕獲したいものだが…
熱源探知の精密誘導弾を発射しろ!爆発した先に奴がいるはずだ!

君!荷電粒子砲の充電を開始してくれ!
煙の中に隠れるつもりなら一気に吹き飛ばしてくれる…」