魔法少女達と冒険するスレ 9thシーズン

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184エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y :2008/04/24(木) 18:43:26 0
>168
> ラルヴァが何か言おうとする前に、それは起こった。
> 「フギャ〜!!」
> ルズはラルヴァが開けた扉をすり抜けると、猛吹雪の中に飛び出して行った。
「黒猫さん!?…あなた、黒猫さんに何をしたのよ!?」
エルザはラルヴァに言いがかりをつけた。
しかし、実際はエルザのせいである。

>174>178
その時だった。小さくなったリリアーナを背負ったランドが校舎の玄関に入ってきた。
エルザはランドを見てまたしても驚き、ラルヴァに問いただした。
「こ、今度は何!?あなたの仲間!?何であんなにパッツンパッツンなのよ!?」
パッツンパッツンとは、ランドの服の事だ。ランドが10歳年を取ってしまい、
服が小さくなってしまった事など、エルザが知る由も無い。
エルザにとって、そんな服装をするのは変態かコメディアンくらいしか思いつかなかった。

> 「だ、誰っ?誰かそこに居るのっ?!」
コメディアンが連れていた小さい女の子がエルザとラルヴァにそう尋ねた。
この女の子も、体のわりに大きい服を着ていて、だぼだぼだ。
エルザは彼女の声を聞き、ランドを見た時以上に戦慄した。
「まさか、そんな…!」
> リリアーナはロックバスターを召喚した。
> 「い、言っておくけど私達強いんだからね、に、逃げるなら今のうち――――痛っ?!」
> 「ま、まきびしなんて卑怯だわっ!!」
> リリアーナは涙目で抗議した。
しかし、涙目になったのはエルザも同じだった。
「ああ、リリアーナ!またあなたと会えてうれしいわ!私よ…エルザよ!」
エルザの格好が、白装束から黒ゴスロリに変わっていても、リリアーナにはすぐにエルザだとわかっただろう。
エルザがこの小さな女の子の声を聞いて、リリアーナだとすぐに気づいたように。
エルザはリリアーナに駆け寄り、足の傷を確認した。
しかし、残念ながらエルザにはそれを治療する準備が無かった。
「リリアーナったら、男になったり、小さくなったり忙しいわね。
 用事が済んだのなら、私と一緒に行かない?」
エルザは朗らかにリリアーナにそう言うと、すぐに顔が恐くなった。
恐くなったエルザの顔が、ランドの方を向いた。
「で、あなたは一体何なのよ?どうしてリリアーナがこんなに小さくなったわけ?
 そもそも、あなたはリリアーナと一体どういう関係なのかしら?」
185マオ ◆wYjEoXUBzo :2008/04/24(木) 22:07:02 0
>>167>>165
>「カモフラージュといっても視覚的に見えなくするだけだぞ。」
「ま…まあないよりはいい。視覚だけでも惑わせるんだ。」
そういって僕は自分を納得させる。実際かなり不安は不安だけど…
やってもらっているから文句なんて言えるわけもないしな。
それにこの霧がごまかしてくれるかもしれない…ペンダントがあるから絶対とは程遠いが…
>「そこの窓から少し覗いてみないか?」
クリスはそういってすぐそこの窓を指差す。確かにどうなっているのか心配といったら心配だ…
見つかるかもしれない…と思ったが覗いた程度で見つかるようなら
どうせ覗かなくてもすぐに見つかるな……
「実をいうと僕も気になっていた。覗こう…」
そして僕とクリスの二人で窓を覗き込む…すると外でヴァンエレンは王冠骸骨にひれ伏している。
どうやらあの王冠骸骨がアンデットの王という奴か…
「しかし、同じ魔族だというのにヴァンエレンの奴あそこまで縮こまることないじゃないか…
 あいかわらず気が小さい男だな……」

僕がヴァンエレンを情けなく思っている間にもアンデットの王とヴァンエレンの話しは進んでいき、
どうやら元々暴れたがっていたのもあったのか僕たちの作戦は成功へと向かったらしく。
鏡の向こうからおびただしい数の魔物達がその姿を現し始める。
そしてアンデットの楽しもうの一言が聞こえると待ちきれないように行軍を開始し始める魔物たち…
見たことは無いが地獄を表すかのような光景を僕が見ていると…
ふとアンデットの王がこっちを凝視している…おそらく見破られているだろう…
終わったと思ったが…アンデットの王はそのまま去っていく……
「おい見破られてるじゃないか!!何がカモフラージュだ!心臓止まりそうになったじゃないか!!」

しかし、クリスはそのまま家を出ると正座しているヴァンエレンのところに向かっていく。
僕もクリスの後を追い精神的にちょっと疲れきって正座しているヴァンエレンのところに向かう。
>「お疲れさん。いろいろあると思うが今は一晩ここに泊めてくれないか?」
クリスの言葉を聞き、今の時間帯や自分の現状を今一度思いだす…
「そういえばもう時間的には夜なのか…よしヴァンエレン。僕もここで仮眠するぞ!
もちろん来客のことを考えてベッドは何個もあるよな!?」
メラルが屋上から去っていくのを見送り、アルナワーズはじっと学園を見下ろしていた。
そしてその異変を一つ一つ整理したいたのだ。

まずは自分の異変。
既に時刻は22時をとうに過ぎ、深夜の域へと入ろうとしている。
にも拘らず、体調に変調はない。
普段ならば既に熟睡中であり、無理して起きていれば極端な体調不良に見舞われる。
ゴーストとなって体内時計も停止しているのだろう。
これならばじっくりと観察が出来るというものだ。

この異変はありがたいことであるが、更なる異変は少々困った事になっている。
思念体であるミニアルナワーズとの意識同期が出来なくなっている。
ラヴスポットから薬物学科実験棟へ飛んだのは特異点の異変によるものだと想像できる。
が・・・それ以降、意識同期ができないので何が起こっているか知る術がない。
特異点異変の影響か、別の要因か。
どちらにしても無事ではあるまい。
ミニアルナワーズが、ではない。
それを持っていたリリアーナが、だ。
ミニアルナワーズが幻灯機から遠くはなれることはまずないので、リリアーナも薬物学科実験棟にいることになる。
薬物学科生達にはチョコ調達で貸しを作ってある。
だからミニアルナワーズと、それが憑いているリリアーナに危害を加えることはないはずなのだが・・・
実際に何があったのかは確かめようがない。

そしてもう一つ。
地下から湧き上がってくる禍々しい気配。
そう、まるで何かが溢れてきたかのように。
大きな力がうねりを上げて這い上がってきたようだ。
誰かの儀式による力か、教師が本気を出したか。
なんにせよ、このイベントに大きなポイントとなることは間違いないだろう。

様々な事を考え整理し、一言。
「・・・あるがままなり・・・!」
すがすがしい笑みを浮かべ、呟くのだった。
「でもぉ・・・メラルはレイド先生達の対応で手一杯だろうしぃ〜。また貸しひとつぅ〜。」
楽しそうに言葉を残してゴーストアルナワーズは飛び立った。

>176>182
その先で見たものは・・・巨大な塊。
薬物学科実験棟だったソレは最早まったく別の何かになっていた。
四階に穴を見つけ、覗いてみると、ミルクとキサカが絶体絶命の状況。

「キサカじゃな〜い!戦うだなんて言わずに、私と一つになりましょう〜。」「キサカじゃな〜い!
戦うだなんて言わずに、私と一つになりましょう〜。」「キサカじゃな〜い!戦うだなんて言わずに、
私と一つになりましょう〜。」
「 ワ タ シ と 一 つ に ナ り ま し ョ う 〜 。 」

全方向から響くチョコナワーズの声。
そして吊天井ヨロシク、天井のチョコナワーズの顔が迫ってくる。
圧倒的質量のベアトリーチェチョコが巨大な顔となってくちづけをするが如く部屋ごと押し潰しにかかる。

「取り込み中ごめんなさ〜い。私の思念体とリリィ見なかった〜?」
キサカとミルクの危機的状況も省みず、のんびりと声をかけるのであった。
187ミルク ◆9DoC6dU6XQ :2008/04/25(金) 16:45:23 O
>181-182 >186
>「うろたえるんじゃあないッ!」
声と同時にひときわ強い力で誰かがあたしを引っ張った。
「うわっ!なになに誰!?」
突然のことによけいうろたえるあたしを、誰かさんはチョコナワーズの中から引っ張り出して抱え込む。
その顔には、より正確にはその頭には見覚えがあった。
「あんた、リリアーナやエルザと一緒にいた狐耳!?
もしかしてエルザも一緒にいるの!?」
慌てて周りを見回すけど、エルザの姿は見えない。
あの後また何かあって別れたんだろうか。
まあ、今はエルザの居場所より、チョコナワーズをなんとかしなきゃいけない。
迫るチョコレート達にも狐耳はまるで怯む気配もなく、人間と勇気の素晴らしさを述べる。
詩人なのか、それともあたしの知らない『波紋法』とやらの準備なのか。

>「ミルク・パウダーシュガーと見た。ご同行願いたい」
まだ自己紹介もしていないのに、狐耳があたしの名前を呼ぶ。
>「逃げるなら手を引こう。戦うなら手を貸そう。……俺としてはとっとと逃げ出したい」
「逃げるわけにはいかないけど、戦うにはここじゃ不利すぎる!
いつまでこの部屋がもつか分からないし、いったん外に出るわよ!」
幸いリーダーの内部工作のおかげか、さっきの窓の穴はまだ塞がっていない。
今の内ならあそこから外に出れそうだ。

>「キサカじゃな〜い!戦うだなんて言わずに、私と一つになりましょう〜。」
>「 ワ タ シ と 一 つ に ナ り ま し ョ う 〜 。 」
狐耳にキサカと呼びかけるチョコナワーズの声が四方から聞こえる様はまさに四面楚歌。
キサカ…ってリリアーナが言ってたグレイブかグレイルと戦ってた奴だよな。
なるほどその時にリリアーナと別れたのか。

>「取り込み中ごめんなさ〜い。私の思念体とリリィ見なかった〜?」
チョコナワーズとはまた違う、場違いにのんきなアルナワーズの声が聞こえる。
見れば、ふわふわ浮かぶ半透明アルナワーズの姿が。
こいつ見れば分かるだろうに何言ってるんだ!
「アルナワーズ=アル=アジフ!
開始早々、自分からゴーストになったくせにゲームに干渉だなんていい度胸じゃない!
あんたの思念体なら、ベアトリーチェチョコと一緒になって今あたしとキサカを襲ってるわよ!」
取り込まれても反抗する気ならできるのは、リーダーの言葉から分かる。
どうせ面白い事になりそうだ、なんてアルナワーズが考えて同調したに決まってるのだ。
「リリアーナの方は…時空の狭間に吸い込まれた後どうなったかわかんない。
あたしはこの近くに出たから、実験棟の中にいるのかもしれないけど…
とにかく、今は脱出優先!
キサカ!引っ張って引っ張って!急がないと潰されるーっ!!」
吊り天井チョコナワーズが迫ってきてるのに、足下ドロドロでなかなか穴に近づけない。
キサカは足場があるみたいだけど、どうすればあんな事が出来るんだー!
188黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M :2008/04/25(金) 18:17:41 0
雪の壁に頭を突っ込みふごふごしているルズの後ろ足を、巨大な冷たい手が掴んだ。
>「えい!!」
>スッポーン!
>引き抜けたまでは良かったのだが・・・・
>勢い余って後ろのほうに投げ飛ばしてしまった
ひゅるるる―――― っ!
「うにゃ〜〜ん!!」
涙をちょちょ切らせながら、ルズは空とぶ猫になった。

すわ墜落!と思いきや、意外と衝撃は少なかった。
「ふい〜。助かったのですわ〜。
 わたくしを受け止めて下さった方〜ありがとうなのですわ〜!!」
そう言って命の恩人を見上げたルズは固まった。
目の前には甲冑を纏った骸骨が3体。他にもアンデット系のモンスターがうようよしている。
「だ、誰かが召喚したのですの〜?臭いのですわ〜醜いのですわ〜!!サイアクですわ〜!!」
骸骨の一体がが、ルズの尻尾を鷲づかみして持ち上げいただきまーすとばかりに大口を開けた。
「「うにゃ――――っ!!アンデットに食べられちゃうのですわ ――― っ!!」
 骸骨が食べ物を口にしても意味がありませんわ〜!やめるのですわ〜!!
 誰かぁ〜、た〜すけてぇ〜っ!!」

ルズ、絶体絶命である。
189リリアーナ ◆7O/3IU/E7M :2008/04/25(金) 18:19:53 0
>184
>「ああ、リリアーナ!またあなたと会えてうれしいわ!私よ…エルザよ!」
「エルザ・・・・・・」
リリアーナはまん丸に目を見開き、呆然とエルザを見上げている。
白装束からゴスロリ服に着替えても、リリアーナがエルザをみまちがえるはずも無かった。
>エルザはリリアーナに駆け寄り、足の傷を確認した。
リリアーナは戸惑い遠慮がちに身を引いた。
>「リリアーナったら、男になったり、小さくなったり忙しいわね。
> 用事が済んだのなら、私と一緒に行かない?」
「えと・・・・あの・・・・・・」
エルザの上機嫌さとは裏腹に、リリアーナは元気が無い。
リリアーナは気まずそうに俯いた。気持ちの整理がつくまで、出来れば会いたくなかったのだ。
そのため、彼女の恐くなった顔には全く気づくことが出来なかった。

>174
>「で、あなたは一体何なのよ?どうしてリリアーナがこんなに小さくなったわけ?
> そもそも、あなたはリリアーナと一体どういう関係なのかしら?」
リリアーナははっとし、エルザの袖口を引いた。
「あ・・・えっと、彼はランドアンド。私と同じ治癒魔法科の生徒なの。
 私は覚えてないんだけど、ラヴスポットで酔った私の介抱して、ずっと一緒にベッドの上にいてくれたんだって」
リリアーナは不思議そうに首を傾げた。
「あれ?そう言えば何で私小さくなったのかな?目が醒めた時上着もスカートもはいてなかったし・・・・・?」
吹雪の中にベッドごと放り出された衝撃で、細かい事に全然気が回らなかったようだ。

>158
ここにきてようやくリリアーナは、近くにいたもう一人の人物に気づき歓声をあげた。
「あれっ?もしかしてあなたラル君?やだ、ラル君でしょ!!いつこっちに戻・・・っ!痛〜!」
リリアーナは喜びのあまり怪我を忘れて立ち上がろうとしたが、痛みでしりもちをついてしまった。
しばらく奥歯をかみ締めていたものの、痛みをやり過ごした後また無邪気な笑顔を浮かべる。
「ラル君本当に久しぶりっ! いつ学園に戻ったの?シャニィ達は元気?メラルさんにはもう会えた?
 もしかして、背、少し伸びたんじゃない?角も生えてるし・・・・・ああ、もっとよく顔を良く見せて!」
動けないリリアーナは質問攻めの後、心底嬉しそうな顔でラルヴァに手を差し伸べた。
「なにがともあれ、お帰り、ラル君!」
どうもリリアーナは、今がリバースでのゲーム中だということをすっかり失念しているようだ。

「そういえばエルザ、ロックはどうしたの?さっきから姿が見えないようだけど・・・」
リリアーナはエルザが下げているペンダントに目を止めた。
「あ、ロックのペンダント!見つかったのね、良かった〜。
 あれっ?でもこの赤毛のペンダントってもしかして・・・・・・?」
よくよく見ると、エルザが持っている棍棒はアンジェリーナの物にそっくりだった。
「エルザ、もしかしてアンジェリーナと・・・じゃなかった、アンジェリーナ先生と勝負したのかな?それとも・・・・・・」
リリアーナは引きつった顔のまま、エルザがつれているアウルをじいっと凝視した。
「ま、考えすぎよね〜。何かさっきから嫌〜な予感がするから・・・・・」
リリアーナはあはははは、と乾いた笑みを浮かべた。
190エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y :2008/04/25(金) 20:13:21 0
>189
「…二人とも知り合いだったの?」
エルザはリリアーナの説明を聞き、そうつぶやいた。

> 「そういえばエルザ、ロックはどうしたの?さっきから姿が見えないようだけど・・・」
「ロックなら今頃かわいい子猫ちゃんとデート中じゃない?私はふられちゃったのよ。」
ある意味、真実である。ロックは猫達を暖めるために別行動をしている事を、エルザはリリアーナに説明した。
エルザがロックのペンダントを死守する限り、猫達はロックによって暖められるだろう。
> 「あ、ロックのペンダント!見つかったのね、良かった〜。
>  あれっ?でもこの赤毛のペンダントってもしかして・・・・・・?」
「私も最初は驚いたけど、間違いなくこれは…アンジェリーナね。」
人形のアンジェリーナは、普段よりももっと無表情に見える。
どうやったらこんな無表情な顔ができるのか、エルザには不思議でならなかった。
> 「エルザ、もしかしてアンジェリーナと・・・じゃなかった、アンジェリーナ先生と勝負したのかな?それとも・・・・・・」
> リリアーナは引きつった顔のまま、エルザがつれているアウルをじいっと凝視した。
エルザもそれに気づき、アウルの顔を見たが、特に何の変哲も無いアウルだった。
> 「ま、考えすぎよね〜。何かさっきから嫌〜な予感がするから・・・・・」
「アンジェリーナは………もうリリアーナったら、そんな細かい事どうだっていいじゃない♪」
エルザはリリアーナと一緒になって笑った。(「あははははははっ♪」)
しかし、目は一切笑っていなかった。

「ところで、リリアーナ。さっき言った事が少〜し気になるんだけど♪」
エルザの顔から少し笑いが取れた。
「そこのランドアンド君がリリアーナの介抱をしたんですってねぇ?
 それも、ベッドの上でずっと一緒に。それで、
 寝ている隙に上着とスカートを脱がされて、小さくされたわけね〜♪」
エルザの顔が突然鬼のような顔になった。
「ふざけるんじゃないわよ!!このロリコンがぁ!!」
鬼のエルザはそう叫びながら、倒れているランドの顔のすぐ近くに棍棒を叩きつけた。
ランドの顔に、棍棒の一撃によって砕けた床の破片がかかる。
「次から次へと、私の邪魔をしやがって…
 まずは、貴様からぶっ殺してやる!ぬあああああああっ!!」
エルザは次の一撃を繰り出すべく、棍棒を振り上げた。そして、突然その場の空気が腐肉臭に包まれた。
191エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y :2008/04/25(金) 20:16:31 0
>165
エルザは棍棒を叩きつけた。ランドにではなく、
エルザのすぐ後ろに迫っていた男の足に、だ。
男の足があらぬ方向に曲がり、そのまま地面にうつ伏せに倒れた。
「なんなのよ!?こいつ!?」
エルザは倒れた男を見て驚いた。腐肉臭を体中から発するその男は、
どう見てもゾンビだったからだ。ゾンビは倒れてもなお床を這いつくばりながらエルザに迫った。
「嫌…来ないでよ…あっちに言ってよ!」
そんな叫びも虚しく、エルザの足にゾンビの腕が絡みついた。
「いやあああああああっ!!」
エルザは悲鳴をあげ、ゾンビの頭をぐしゃりと踏み潰した。
「はあ…はあ…はあ…うぇぷっ!?…ぶふっ!」
エルザは気持ち悪くなり、その場で嘔吐した。辺りを包む腐肉臭に、酸味のある臭いが追加される。

その時、廊下の奥から無数のうめき声が聞こえてきた。
見れば、たくさんのゾンビがノロノロとこちらに迫ってきているではないか。
「まったく、次から次へと私の邪魔を…」
エルザは、口元を拭いながら、懐からナイフを取り出した。
右手には棍棒、そして左手にはナイフを持っている。
そんなエルザは、どうやら頭の中で何かが吹っ切れたようだ。
「全員まとめてぶっ殺してやる!!うおおおおおおああああっ!!」
エルザは、ゾンビ達に襲い掛かっていった。

エルザの攻撃が、ゾンビ達の肉を裂き、骨を砕き、内臓を潰した。
ゾンビを殺傷していくエルザの目は、らんらんと輝いている。
おとなしいエルザしか見たことなかったリリアーナにとっては信じられない光景かもしれないが、
もしこの光景をロックが見たら間違い無くこう言うだろう。これがエルザなのだ、と。
死王が招く極楽の 戦場目指し賑わしく。
魔の行列は死の誘い どんじゃんどんじゃん百鬼夜行。
人間共は誘われた 生きて帰らぬ百鬼夜行。
どんじゃんどんじゃん百鬼夜行。
哀れ人間は呆然と どんじゃんどんじゃん百鬼夜行。

>167
>「お疲れさん。いろいろあると思うが今は一晩ここに泊めてくれないか?」
王もどこかへ行ってしまって、魔物の気配があたりにはしなくなったために安全と判断したであろうクリスが家から出てきて労いの言葉をかける。
>「そういえばもう時間的には夜なのか…よしヴァンエレン。僕もここで仮眠するぞ!
>もちろん来客のことを考えてベッドは何個もあるよな!?」
時刻としてはちょうど良い人間の子は寝る時間になっているため、疲労もたまっているだろうマオとクリスは泊めてくれとヴァンに頼みこむ。
「ん?あぁ、ベッドなら二階に来客用のが複数あるから案内しよう」
ヴァンはようやく二人が家から出てきて声をかけられたことに気がついてすぐさま返答する。
長いこと正座をしていたせいで多少足がしびれてフラつきながら再び家に入って二階へ案内をはじめた。
「あぁ、そうだ…。
 ペンダント回収はどうやってしようか?」

二階は一階よりも明かりが少なく、各々のベッドがある部屋へ向かう廊下はわずかな明かりがかすかに導いている。
歩みを止めたヴァンたちの前にはたまにもぐりこんで来る客専用になってしまったほとんど無人の部屋が二つ。
「どちらでも好きなほうを選んでくれ。
 中のつくりはだいたい一緒だからどっちを選んでも同じだ」
片方の部屋の扉を開けて中のつくりを二人に見せる。
机とふかふかのベッドのみの実に簡素なつくりの無駄がない洋風の部屋だった。
「私も少し疲れたから自分の部屋で休むよ…。
 なにかあったら奥の部屋にいるからノックでもしてくれ」
そう言って猫背のまま歩き出してそのまま自室に閉じこもってしまう。


夜の校舎では魔物たちが紅い眼を光らせて、どんどんと内部にいる生徒たちを仕留めていく…。
ゾンビやゴーストは校舎外の人間を狩りにいき、スケルトンは隊列を組んで食堂にたどり着くと入り口の前で一人の女傑が仁王立ちしていた。
周りには先発で来ていたはずのスケルトンがバラバラになって錯乱していた。
フライパンと箒を手にして立つおばちゃんの後方には遠距離魔法を打つ準備をしている生徒たちの姿があった。
「このあたしがいる限り、食堂での争いごととお残しは許しまへんで!」
ただならぬ強さを感じて思わず一歩後退してしまう前列のスケルトンたちだが、すぐさま武器を構えなおして眼前の敵へ一斉に襲い掛かった。
一匹一匹の骨の戦士たちを屠っていくおばちゃんと魔法で支援する生徒たちの戦いぶりは見事であった。
しかし生徒たちの魔力の消費も激しく、湧き水のごとく襲いくる魔物たち相手にそう長くも持たないだろう。
193クリス ◆zuDFbGiSHI :2008/04/26(土) 00:46:21 0
>「そういえばもう時間的には夜なのか…よしヴァンエレン。僕もここで仮眠するぞ!
もちろん来客のことを考えてベッドは何個もあるよな!?」
どうやらマオは時間感覚が麻痺していたらしい。
まあアンデッドの王に見られていたんだから分からなくも無いが…
>「ん?あぁ、ベッドなら二階に来客用のが複数あるから案内しよう」
正直雑魚寝でもよかったのだが、来客用のベッドがあるらしい。
せっかくだからお言葉に甘えてベッドを使わせてもらおう。
…しかしこんな所に来客なんて来るのだろうか?
>「あぁ、そうだ…。
  ペンダント回収はどうやってしようか?」
どうでもいいことを考えていたら回収についての話題が持ち上がった。
「やっぱり自分たちで回収するしかないんじゃないのか?」
それ以外の案なんて思いつかない。
だいたいさっきの光景からして魔物たちが回収してくることは無いだろう。
「あと回収は早めにしたほうがいいだろうな。」
すると魔物が倒した後に他の奴が漁夫の利状態でペンダントを手に入れているかもしれない。
「でも行動を起こすのは寝てからだ。」
でも睡眠は回収以上に必要だ。
戦闘中に寝不足で戦えなかったら問題にもならない。

吸血鬼について二階にいくと二つの部屋の前に案内された。
>「どちらでも好きなほうを選んでくれ。
  中のつくりはだいたい一緒だからどっちを選んでも同じだ」
どうやらここが来客用の寝室らしい。
吸血鬼がドアを開けた先には机とふかふかのベッドが置かれた洋風の部屋があった。
>「私も少し疲れたから自分の部屋で休むよ…。
  なにかあったら奥の部屋にいるからノックでもしてくれ」
「ああ、わかった。」
やっぱりさっきのでかなり疲れたのだろうか?吸血鬼は別の部屋に入っていった。
「さて、マオは右と左、どっちの部屋を選ぶ?」
吸血鬼の話では両方とも同じつくりらしい。
だったらレディーファーストで先に選ばせるのもいいだろう。




部屋に入ってからこれからの事を考えてみる。
外は今吹雪いている。秋なのに吹雪いているということは誰かの魔法である可能性があるし、朝に止んでいる可能性は低いだろう。
しかし外に出れないのは厳しい。
起きてから図書館で吹雪の中でも歩けるようになる魔本でも探したほうがよさそうだ。
そんなことを考えながらクリスは眠りについた。
194ラルヴァ&・・・ ◆sy1IQNBWp6 :2008/04/26(土) 14:17:19 0
>179>183
轟音とともにかまくらが揺れると、かまくらの上のそれはぐらぐらとバランスを崩してしまう。
それでも尚、気配をひた隠しにしていると・・・
フリージアが現れ、更に猫を引っこ抜いて、追いかけ始めた。

「・・・・・・・・・・・・」
その様をしばらく眺めると、それは巨大な足跡を追って追跡を開始した。

>163>164>168
ようやっと辿り着いてみれば、黒猫がとても悲壮な表情をしているように見える。
それに対して、こちらをあからさまに警戒する女性。
>「あなたは誰!?何が狙いでここに来たの!?」

>178>184>189>191
そこで名乗ろうとした途端に、黒猫が悲鳴をあげて走り去ってしまう。
>「黒猫さん!?…あなた、黒猫さんに何をしたのよ!?」
「僕はあの子に対して手も触れてないのは見て分かると思うんだけど?
 あぁ、で。僕の名前はラ・・・」
と、言いかけたところで後ろから大声が
>「ラル君本当に久しぶりっ! いつ学園に戻ったの?シャニィ達は元気?メラルさんにはもう会えた?
 もしかして、背、少し伸びたんじゃない?角も生えてるし・・・・・ああ、もっとよく顔を良く見せて!」

「久しぶりだねリリアーナ。姿がちょっと変わったけど中身はあんまり・・・変わってないね。
 ロックとはうまくいってるかい?と、言うかまたトラブルメイカーしてるのかな。」
そう言って笑みを返す。

>174>191
振り返ればエルザが棍棒でもってゾンビを撲殺している。
それを見たラルヴァは、背中の大剣を引き抜き、リリアーナの視界にゾンビ達の姿が入らないように立つ。
そして懐から携帯食料を取り出すと、ランドの足元へ放った。
「旧交を温めるというのも悪くはないけど、邪魔が多いみたいだし・・・・・・
 そこの君、ランドアンドって言ってたっけ。できればリリアーナを守っていてくれると嬉しいな。」

手元が一瞬光を放ち、大剣は二振りの長剣へと姿を変える。
「問答無用に襲い掛かるその性質。口が聞けずとも語るまでもなくお前達は『敵』だ。
 容赦するまでもない。」
瞳を軽く閉じて、意識を己の内へ向ける。[追従自動投射設定 <左剣:石槍><右剣:礫弾>]

「援護するよ!」
そうエルザに声を掛け、ラルヴァは双剣を持ってゾンビの群れを切り伏せて、否。切り潰してゆく。
左の剣を振るえば、校舎の地面・壁面が槍となって相手を貫き、
右の剣を振るえば、校舎の一部が剥離、高速の弾丸として相手を撃つ。
詠唱をも必要とせず、ラルヴァはゾンビの殲滅を開始した。

所持品:ペンダント1(自前0、ザボーネの分)、携帯食料x2
195名無しになりきれ:2008/04/26(土) 15:03:33 0
あげ
196ランド ◆4itHF4b6fw :2008/04/26(土) 16:07:51 0
>>184

>「ああ、リリアーナ!またあなたと会えてうれしいわ!私よ…エルザよ!」
どうやら近くに居たのはリリアーナの知り合い、
リリアーナがラヴスポットで酔った際にランドに言っていたエルザという人物だった。
エルザがリリアーナに駆け寄り足の傷を確認する。
態度からするとおそらく親しい仲なのだろう。

エルザが敵ではないと知って安心するランドだが。
エルザは怖い顔をしてランドをにらみつける。
>「で、あなたは一体何なのよ?どうしてリリアーナがこんなに小さくなったわけ?
>そもそも、あなたはリリアーナと一体どういう関係なのかしら?」

そう、確かにエルザは子供化したリリアーナをリリアーナと分かるほどの友達かもしれない。
だがそれはリリアーナとの関係であってランドとではない。
当たり前のことだが向こうからしたらランドは他人であって怪しい男ということに変わりない。
ましてやこんな服装をしていれば尚更おかしく見られるだろう。

「いやえっと・・・関係は全くないっていうか・・・なんていったらいいのかなぁ・・・」

>>189-191
エルザの迫力にランドが圧されて思うように言葉を言えないでいると
リリアーナがエルザの袖口を引く。どうやらフォローを入れてくれるようだ。
>「あ・・・えっと、彼はランドアンド。私と同じ治癒魔法科の生徒なの。
>私は覚えてないんだけど、ラヴスポットで酔った私の介抱して、ずっと一緒にベッドの上にいてくれたんだって」
「そ・・・そう!それで・・・って・・・・・・え?」
リリアーナのフォローに乗っかろうと相槌を打とうとしたランドだが、
途中で言葉を止める・・・なぜならリリアーナの最後の言った言葉が、
あまりにも語弊を生むような言い方だったからだ。
>「あれ?そう言えば何で私小さくなったのかな?目が醒めた時上着もスカートもはいてなかったし・・・・・?」
おそらくリリアーナは悪気があって言っているわけではないのだろう。
だがこの流れは聞き手からするとまるでランドがリリアーナを小さくさせて何かしてたように思える。
フォローどころかもしかしたらランドに止めをさす一撃にだってなりえる。

エルザと共にいたラルヴァと再会を喜んでいるリリアーナとは見ながら
どんどん気分が沈んでいくランド・・・もはや覚悟を決めるしかないのかもしれない。
リバースと分かっている以上死んでも復活できるし、
なによりランドはもう正直なところリリアーナからはなれたいという気持ちもあった。

197ランド ◆4itHF4b6fw :2008/04/26(土) 16:08:22 0
>「…二人とも知り合いだったの?」
覚悟を決めていたランドだったが、エルザはリリアーナの説明にとくに
過敏に反応することなく普通に流し、リリアーナと会話しはじめる。
今度こそ安心できると思ったランドだったが・・・そう甘くなかった。
>「ところで、リリアーナ。さっき言った事が少〜し気になるんだけど♪」
そしてエルザから笑みが消える。

>「そこのランドアンド君がリリアーナの介抱をしたんですってねぇ?
>それも、ベッドの上でずっと一緒に。それで、
>寝ている隙に上着とスカートを脱がされて、小さくされたわけね〜♪」
「ち、違っ・・・・・・」
しかし、否定する暇もなくエルザは鬼の形相を浮かべる。
>「ふざけるんじゃないわよ!!このロリコンがぁ!!」
「うわぁぁぁ!!ご、ごめんなさいバックベアード様ぁ!!」
そして憤怒したエルザはランドの顔のすぐ近くに持っていた棍棒を叩きつける。
床が砕けランドの顔に残骸がかかる・・・あと数センチずれていたら
おそらくランドの頭部に辺り頭蓋骨が粉々になっていたに違いない。
>「次から次へと、私の邪魔をしやがって…
>まずは、貴様からぶっ殺してやる!ぬあああああああっ!!」
そう叫びまた棍棒を振り上げるエルザ・・・ランドは眼を瞑り本日二回目の走馬灯を経験していた・・・

そして、棍棒の叩きつける音が聞こえる。しかしおかしい。
棍棒を叩きつけられたのに痛くない。もしかしたらもう死んだのか・・・
ランドはおそるおそる眼を空けてみると、エルザの棍棒はランドではなく違う男に振り下ろされていた。
何が起こったか分からないランドが呆然としていると腐乱臭がただよってくる。
臭いにランドは驚き起き上がる、エルザが倒した男から腐乱臭は漂ってきている。
よく見てみると男は完全に腐乱しており、見たままにゾンビだと分かる。

エルザは嘔吐しながらもゾンビを倒すが・・・向こうの廊下の奥からも
無数の腐敗した体がうめきをあげながらこっちに向かっている。
しかし、エルザは臆するどころか更に激怒しゾンビに向かっていく。
ランドはそんなエルザを見て恐怖した、ゾンビを倒したら次に殺されるのは自分だと・・・

>>194
どうやってエルザから逃げようと頭をめぐらせるランド・・・
その時ラルヴァがランドの足元に携帯食料を放る。
>「旧交を温めるというのも悪くはないけど、邪魔が多いみたいだし・・・・・・
>そこの君、ランドアンドって言ってたっけ。できればリリアーナを守っていてくれると嬉しいな。」
「え・・・あ、うん分かったよ・・・・・・」
心の中では守られたいのは自分だと思いながらもラルヴァの言葉にうなずきリリアーナの元に行く。
「リリアーナさん、足見せて・・・さっき切ったみたいだからさ・・・」
そういってリリアーナの足を見せてもらいキュアを唱えて傷を治す。
「じゃあボクの後ろに隠れててよ、あの二人が全部倒してくれるまで・・・」
ゾンビを全滅させたら今度は自分・・・死刑囚の気持ちでランドはエルザとラルヴァの戦いぶりをランドは見ていた。
198キサカ ◆lbUJfu0lHM :2008/04/26(土) 21:05:42 0
>>186-187
 人間賛歌を並べ立てると、何言ってるんだこいつはと怪訝な視線を向けられる。
 ……気持ちはわかるが思い込みって大事なんだそんな眼で見るな。

「逃げるわけにはいかないけど、戦うにはここじゃ不利すぎる!
 いつまでこの部屋がもつか分からないし、いったん外に出るわよ!」
「やっぱり戦う羽目になりますかよ……」
 御意、とキサカはミルクを抱えたまま足を窓へと向ける。
 人が通れるかどうか怪しい程度の大きさしかないが、壁を破るよりは穴を広げる方が楽だろう。
 床を踏み抜けば釜の中、なんてことも十分ありうる。
 よろめいた一歩を踏むと同時、キサカは外に何かを見る。
「キサカじゃな〜い!戦うだなんて言わずに、私と一つになりましょう〜。」
「 ワ タ シ と 一 つ に ナ り ま し ョ う 〜 。 」
 ええいサラウンドやめんか鬱陶しい。
 二歩目を踏もうと足を持ち上げれば、今度は外から声がする。
 ゴーストだ。
「取り込み中ごめんなさ〜い。私の思念体とリリィ見なかった〜?」
「アル様じゃありませんか。どうか御慈悲を御願い致しますぶっちゃけこれ何とかして」
「アルナワーズ=アル=アジフ!
 開始早々、自分からゴーストになったくせにゲームに干渉だなんていい度胸じゃない!
 あんたの思念体なら、ベアトリーチェチョコと一緒になって今あたしとキサカを襲ってるわよ!」
 耳元で怒鳴らないで頂きたい。
「リリアーナの方は…時空の狭間に吸い込まれた後どうなったかわかんない。
 あたしはこの近くに出たから、実験棟の中にいるのかもしれないけど…
 とにかく、今は脱出優先!
 キサカ!引っ張って引っ張って!急がないと潰されるーっ!!」
 後で詳しく話を伺おうか。
「今引っ張ってるっつーの! 足場が安定しないから下手に動くな転ぶ!」
 ええい動き辛い、とキサカは一度ミルクから身を離す。
 軽く肩を押すような形で彼女を支え、立ち位置を変えて手早く背負った。
 ――ああもうなにこれすごい。
 柔らかいの一言に尽きる。簡潔に言えばエロは正義もっと言えば巨乳シスターってなんか背徳的でいいですね。
 足先から膝、腿、腰、背中、と全身で持ち上げるように体を起こせば、
 ……いかんこれ腰に来る。
 そして背中に圧力。
 後で湿布貼ればいいや、とキサカは一歩を踏んだ。
 進路上、掴みかかってくる人型チョコが幾つも在る。
 ミルクの腕を首の前で組ませてこちらも手を差し出し、生温い軟体を素手で阻んで前へ前へ。
199キサカ ◆lbUJfu0lHM :2008/04/26(土) 21:07:21 0
 指先から肘の上まで、黒い袖が茶に塗れている。
 腕を払えば道が空き、歩を踏み出せば身は進む。
 窓が塞がるスピードはゆっくりだが、既に人が通れるスペースは無い。
 どないせえっつーねん、とキサカは状況を反芻してみる。
 チョコナワーズは属性変更によって弱点と吸収属性が変更出来る。
 火は土を灰で養い、木は土から養分を吸う。
 先ほど雷の入った瓶が炸裂したのを踏まえると、雷を吸収する属性に変化している可能性がある。
 適当に試す余裕は無い。
 逆に考えるんだ、とキサカは自問する。
 ――雷を吸収する属性に変化する必要はあるのか?
 雷瓶を放った研究員は既にチョコの中。闖入者であるキサカが雷を扱えるという素振りを見せた覚えは無い。
 加えて、雷である木属性を吸収するなら火属性になる必要がある。
 その場合、吸収できない属性である火を放置するのはそれなりに危険だ。相殺は出来ても火力はこちらの方が上だろう。
 つまり、アクシデントなり堪忍袋の緒なりで火が来るのを待っているということ。

 この間歩数にして三歩前後。

 窓があった場所に辿り着き、背から降りるようミルクに告げる。床はデュルデュルだがこの際我慢してもらおう。
 今にも落ちてきそうな天井の下で、キサカは背後のチョコ達を確認。
 数歩で届く距離だ。払わねば捕まる。
 沈むのを少しでも留めるよう、チョコを軽く拭った左手でミルクの腕を掴んだまま、
「減圧指定――
 “乱雲の使徒よ、覚醒せよ。汝の祈りは裁きの矛なり”」
 舌を噛みそうな勢いで「あ」と言う間もなく唱え、適当に手を振って雷片を撒いた。
 炸裂して電撃が飛び散るが見ている暇は無い。
「減圧指定――
 “自然系雷撃型表現機構着弾照準プログラム:加語:詞速
  対自然系雷撃型表現機構防護プログラム:加語:詞速
  両プログラムが同期後、雷撃型表現を発射可能とします
  制限時間は十秒です”」
 迅速かつ滑らかに言い終わると同時、ミルクの手を離す。
「轟音起こすから耳塞いでて」
 耳当ての付いた頭頂部の狐耳を指差し、すぐさま両手を軽く振って拳を作る。
 グラブを鳴らすように打ち合わせ、次に両手を掲げ、
「――ッ!」
 窓の外から落雷が来た。
 眼が眩むと同時に衝撃で全身が震えること半秒。両手を構え直すこと半秒。
 キサカは緩く一歩を踏み込み、
「疾風雷花の拳を受けるがいい!」
 指の付け根を押し当てるように窓を打った。
 青雷が爆発する。
200メラル ◆1LtyyBHC/M :2008/04/26(土) 22:26:48 0
 メラルはまだ外での騒動に気付いていない。しかし、気付いていても無視しただろう。
女子寮と屋上に入られなければ、影響はほぼ皆無なのだから。
地下への階段の近くにロックがいるという情報を、
当然エミューは認識している。階段を降りていくメラルに即座に伝えられた。
「…よりによって、階段近くにロックが…。レイド先生達のいる部屋への階段は
 あそこだけなのに…。つまり…彼が最後の関門…ね。魔力回復は後回しにしないと。
 レイド先生達は仮にも教師。そもそも生徒相手に嘘八百並べ立てて優勝を
 目指すなんて考えそうにないし、万が一それを考えて、私を倒したとしてもエミューごと
 ペンダントを下水道に逃がせば、私のペンダントにだけは届かない。
 "セット"してから中に突入するのは、さすがに厳しいでしょうし…。
 突入しても罠で絡めとるだけ。すでに中にいる相手以外ならどうとでもなるし…。
 ロック相手とはいえ、彼も一応弱点属性持ちよ。
 念には念を入れましょう。ここに入る辺りからの彼の行動、教えて。」

エミューに改めて報告を受けつつ、メラルは三階まで降りると別の階段に向けて移動を始めていた。
「…今の彼は、恐らく昔とは違う。熱さだけじゃなくて、
 冷静さもしっかりと身に着けた可能性は高いわね…。
 戦わないならそれでよし。戦うなら、長期化は免れない。
 避けるには…あの切り札で一撃勝負。
 本来は…レイド先生対策の奥の手…だったんだけどね…。
 エミュー。そろそろリリアーナの部屋を外から封鎖して。
 あの部屋の防御能力は脅威だけど、あれは逆用すれば鉄壁の牢獄にもなる。
 後は部屋との接合部を切りとっていつでも外に排出できるようにすれば十分よ。」
言い終わると、メラルは別の階段から一階まで降りていった…。 


 後方から、メラルの声が聞こえてきた。しかし、振り向いても、
黒…いや、藍色の煙しか見えないだろう。だが、その煙の中から視線は感じる。 
 「あなたが何が目的で来たかは知らないけど…自分のペンダントを持っていないのなら、
 まずそれから探すべきじゃないかしら?…それと…この女子寮にあなたのペンダントの
 反応は感じられないから、他所を探した方が良いわ。」
言うと、その煙が視線と足音を伴ってロックに近付いて来た。
と言っても、ロックが攻撃を仕掛けなければ何事もなく通り過ぎていくだろうが。

================================================================================

>155
エミューは、相変わらずレイド先生達の対応をしていた。
片手間でリリアーナの部屋の周囲に厳重な氷の壁を作りつつ。
>「そういや、さっき思い出したんだけどよ。 お前、メラルの使い魔じゃないか?
 どっかでお前の声聞いた事あんだよな〜。 とりあえず姿を見せろよ。
 危害を加えたりはしねぇからさ。 一緒に飲もうぜ〜?」
「…そうしたいのは山々なんだが無理だゼ。女子寮の安全確保に支障が出るからヨ。
 もう少ししたらあいつが来るから待ってナ。多分、変な手出しをしないのなら
 色々と話が聞けるからヨ。それと…レイド先生の方だけに一つ確認したい事があってナ…。
 正直に答えてくれ。」
そこまで声が聞こえた後で、レイド先生の頭の中に声が響いた。
エミューが…ある意味エミューらしくない真剣さで聞いているのは、
内容だけでも十分察しがつくだろう。そして、メラルの狙いについても。
(エース先生はカドゥケウスと"目"について…知ってるか?…いや、聞き方を変えるカ。
教師陣は全員知ってるのカ?それとも、偶然知りえた人だけの秘密にしてるのカ?
それによっちゃ、この先の話はアンタだけに聞いてもらう事になる。答えてくれ。)

======================================================================
ペンダント【所持 β(女子寮内での乱獲ペンダント) 自前1 投下3】
備考 リリアーナ、ラルヴァのペンダント所持

>187>198
実験棟の外から、しかもゴーストの身であるアルナワーズ。
今まさに地獄の釜の内部レポート中のようなキサカとミルク。
お互いの立場が違いすぎるというものだ。
「ごめんねぇ〜。ゴーストだから戦いには関与できないの。こんな非力な私を許してぇ〜ん。」
一応は驚いている振りはしているが、あからさまに振りだった。
その証拠に悲しむ振りをさっさと終了させて考察に移っている。
「ミルク〜。思念体は正確には【残留思念の法】といって、直接の私の分身じゃないのよ〜。
私の思念の残像みたいなもの。ほら、サイコメントリーで無機物の記憶を読み取るってあるじゃない?
ああいう(以下魔法理論の説明のため略)
どの道、今の思念体には幻術かける能力もないから自発的な攻撃力なんて無いはずなのにねぇ〜。
ナビゲーター程度の思念体がどうやったらこんな風になるのかしら?」
一刻を争う状況にも拘らず、全て無視!
延々と話し続けるゴーストアルナワーズ。
勿論そんな事を二人が悠長に聞いてはいまい。
そうしている間にも徐々にではあるが穴は小さくなっていく。

ゴーストアルナワーズが浮いているのは実験棟外壁から数メートル離れた地点。
覗き窓の様相を呈してきたその穴から見たゴーストアルナワーズの目は爛々と輝いているのが判るかもしれない。
今、この極限状態でミルクとキサカが何を思い何をするのか!
それを観る事に比べればミニアルナワーズの変異もリリアーナ捜索も些細な事なのだ。

直後、ゴーストアルナワーズを貫き雷が窓へと吸い込まれていく。
室内ではキサカが雷を受け止めた瞬間、袖についたチョコが消し飛んだ。
そのまま窓に指の付け根を押し当てるように打つ!
そして起こる青雷の爆発!
雷は窓を吹き飛ばし、壁を這うように広がっていき、消えていく。
開いた大穴から吹き込む吹雪と共に、歓喜に顔を歪めるゴーストアルナワーズの姿が見えるだろう。
しかしそれをゆっくりみている暇はない。

最初は小さな振動。
それが徐々に大きくなり、やがては床や壁が泡立つような揺れとなる。
「っぎゃああああああ!」「っぎゃああああああ!」「っぎゃああああああ!」「っぎゃああああああ!」「っぎゃああああああ!」
「っぎゃああああああ!」「っぎゃああああああ!」「っぎゃああああああ!」「っぎゃああああああ!」
天井から迫っていたアルナワーズの顔が歪み絶叫を発する。
あまりの歪みに顔の形を保てず単なるうねりとなっている。
迫っていた手もまるでカタツムリの角のように床に引っ込み、遂には部屋自体が大きなうねりとなって爆ぜた!

まるで体内に入った毒を肉ごと体外へと弾き出すかのように。
キサカとミルクもチョコの破片と共に宙に飛ばされていた。
外から見たそれは、実験棟の一角、L5実験室が吹き飛んだかのようだ。
しかしL5実験室だったところに大穴はない。
大量のチョコが内部から押し出したような形なので、既に穴も塞がっているのだ。

ゴゴゴゴゴゴ・・・・
と鳴動するチョコナワーズだが、程なくしてその動きを止める。
猛吹雪のため、外皮に当たるチョコレートが固まり、動きが封じられていた為だ。
「凄いわ〜。こんな大技持っていただなんて!実験室ごと吹き飛んだみたいよ〜。
でも・・・全体からすると1割程度かしら・・・追撃がこないわねぇ。」」
吹き飛ばされている二人に向かい、興奮気味にゴーストアルナワーズが解説をする。
その言葉通り、チョコアルナワーズは動きを止めている。

否・・・外から見ると動いていないだけで、実際には動いていた。
冷えて固まり動かなくなった外皮部分を残し、内部のゲル状部分は既に移動を開始していたのだ。
ダメージを回復させかつ目的を達成するために。
実験棟を繋ぐ渡り廊下をマグマのように流れ校舎の中へと・・・。
202リリアーナ ◆7O/3IU/E7M :2008/04/27(日) 02:10:18 0
>194
>「久しぶりだねリリアーナ。姿がちょっと変わったけど中身はあんまり・・・変わってないね。
> ロックとはうまくいってるかい?と、言うかまたトラブルメイカーしてるのかな。」
リリアーナは少し顔を曇らせたものの、すぐに何事も無かったかのように振舞う。
「違うもん、トラブルメイカーなのは私じゃなくてアルなんだから!」
リリアーナはぷうと頬を膨らませたものの、目は悪戯っぽく輝いていた。

>190-191
>「ところで、リリアーナ。さっき言った事が少〜し気になるんだけど♪」
リリアーナは「ん?」と首を傾げた。
>「そこのランドアンド君がリリアーナの介抱をしたんですってねぇ?
> それも、ベッドの上でずっと一緒に。それで、
> 寝ている隙に上着とスカートを脱がされて、小さくされたわけね〜♪」
「え?でもそれは治療のためじゃないの?」
>「ち、違っ・・・・・・」
「えっ?違ったの?」
がーん!とリリアーナはショックを受けた。
>「ふざけるんじゃないわよ!!このロリコンがぁ!!」
>「うわぁぁぁ!!ご、ごめんなさいバックベアード様ぁ!!」
「バック・・・?その子はエルザで・・・わーエルザ待って!待ってってばー!!」
リリアーナの制止など木に求めず、エルザは鬼のような形相で懇望を振り上げた。
>「次から次へと、私の邪魔をしやがって…
> まずは、貴様からぶっ殺してやる!ぬあああああああっ!!」
「わーっ!ダメ――――!!」
リリアーナは思わず目を閉じ耳を塞いだ。
だが塞いだ手を通して、棍棒を何かに叩きつける水っぽい音がかすかに聞こえた。

強烈な腐敗臭に混じって、エルザが何かを叫んでいる。
リリアーナは恐る恐る目をあけた。
ランドは無事のようだ。
ラルヴァは背中の大剣を引き抜き、リリアーナの視界を塞ぐように立っている。
だが彼女の尋常ならざる戦いぶりは、骨肉が潰される音や声で察するに十分だった。
>「全員まとめてぶっ殺してやる!!うおおおおおおああああっ!!」
(まるで狂戦士だわ・・・・・・)
リリアーナは背筋に冷たい汗が流れるのを感じた。
彼女が知っているエルザとあまりに違いすぎて、頭がついてこないのだ。
エルザと初めてであった日の事と、その事件に深く関わったヘレン少年の言葉が脳裏に蘇る。
「ヘレンが言ってた、ロックの“最後の心”って・・・もしかして・・・・・・」
203リリアーナ ◆7O/3IU/E7M :2008/04/27(日) 02:12:10 0
>196-197
>「リリアーナさん、足見せて・・・さっき切ったみたいだからさ・・・」
ランドに声を掛けられ、リリアーナははっと我に返った。
ランドは傷を治してくれた。ずきずきと熱を持っていた足の痛みがすっと引いていく。
リリアーナは気持ちよさそうに目を閉じた。
「ありがとうランディ、楽になったわ」
リリアーナはお礼を言いながら、ガバガバの靴を履いた。とても歩きづらいが、怪我をするよりはマシだろう。

>「じゃあボクの後ろに隠れててよ、あの二人が全部倒してくれるまで・・・」
リリアーナはあっけに取られていたが、キッと目を吊り上げてランドを睨みつけた。
「寝言は寝て言いなさいよ!ランディ、あなた補助魔法使えるんでしょ?だったら何を出し惜しみしてるのよ!
 ラル君はともかくエルザにまでおんぶに抱っこするつもり?!
 ランディはいつリタイヤしても良いって言ってたじゃない、だったらこんなところで駆け引きしたってしょうがないでしょう!」
リリアーナは肩でぜいぜいと息をしていたが、ふと顔を曇らせた。

「ねえ、私を小さくして服脱がせたってホントなの?・・・ホントにランディは不埒なロリコンさんなの?
 正直信じられないわ。だって私は10歳若返ってるけど、ランディは10年ほど成長してない?」
本当にランディの仕業なら、きっとあらかじめ服を用意出来ていたのではないか、と彼女は考えていた。
「私を元に戻せるのなら戻して。違うなら違うって言って。ロリコンじゃないならちゃんと弁解して何があったか話してよ。
 私、信頼できない人に守って貰うなんて嫌よ!」

リリアーナは大きく息を吐き出し、少し平静さを取り戻した。
「・・・・・・それにね、何だか嫌な予感がするの。あのゾンビ達、ちょっとおかしくない?」
リリアーナはゾンビの群れに視線を移した。
本能のままに動いている。とても統率されているとは言いがたいものだった。
「死霊科の生徒が作ったのか誰かが召喚したのかは知らないけど、あれほどの数を一介の生徒が用意出来るものかしら?
 そもそもあのゾンビ達、誰かがちゃんと術で制御してるのかしら?ねえ、ランディは術者の魔力を感じる?」
リリアーナは窓の外を心配そうに眺めた。まだまだ敵が増えるようなら、一時撤退した方が良いかもしれない。
「皆、無理しないで!適当なところで退却しましょう!」
リリアーナは今更ながらに考えた。アンデットたちはペンダントを持っているのだろうか?と。

>201
床からかすかに振動が伝わってくるが、その時のリリアーナはさほど深く考えなかった。
204名無しになりきれ:2008/04/27(日) 17:49:36 O
「戦セオリーその壱
強力な手足よりまず頭脳を潰すべし!」
いつのまにかリリアーナとランドの後ろにガシャ髑髏が立っていた
何もない目に赤い光が宿り妖刃をふりかざしている
かっこいいこといっているが、エルザたちの強さにちびって弱そうな二人を狙ったヘタレだったりする
鋭い横薙の一撃が繰り出される
205エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y :2008/04/27(日) 18:29:12 0
>194
エルザはついに顔に笑みを浮かべながらゾンビを潰していった。
棍棒を通して伝わってくる肉の感触が、楽しくて楽しくてしょうがないらしい。
「何匹殺った!?」
エルザは一緒になってゾンビを倒しているラルヴァに尋ねた。
ラルヴァが倒したゾンビの数を言うと、エルザは機嫌よく答えた。
「上出来ね!」

さて、エルザがこのように荒くれているのもちゃんと理由がある。
エルザとロックは、もともと同じ一人の人間だった。
ロックとエルザが分離した際、エルザがロックの“悪の心”を取ってしまったのだ。
その結果、エルザは“欲望”という生きる理由を得て元気になったが、凶悪になった。
そして、ロックの方は執着心の無い無垢な子供のようになってしまったのである。

あらかたのゾンビが片付いてきた頃、廊下の奥から、ゾンビとは異なるアンデッドが3体、こちらに近づいてきた。
「あれは…ゴーストっぽいわね。」
エルザは本物のゴーストを見たことはなかったが、なんとなくゴーストっぽく見えたのでそう言った。

「このおおっ!!」
エルザの叩きつける攻撃!
ゴーストAには効果がないようだ…
「はあっ!!」
エルザの斬りつける攻撃!
ゴーストBには効果がないようだ…

ここにきて、エルザは窮地に立たされる事になる。
エルザの魔法のベースは、ロックと同じ物理的な魔法だ。
ゴーレムなどの剛体には抜群の効果を発揮するこの手の魔法も、ゴーストのように非物理的な敵には弱いのである。

「な、何よ!これ!?」
ゴーストCの催眠ガス攻撃!
エルザには効果がないようだ…

ゴーストの口から催眠ガスが出て、エルザを直撃したが、人形であるエルザには効果が無い。
どうやら、お互いにダメージを与える事ができないようだ。こうなると、頼みの綱はラルヴァである。

>201>204
ゴーストに気をとられているエルザは、地面の揺れも、リリアーナとランドを狙う髑髏にも気づかなかった。
こうなると頼みの綱は裏ランドか、アンデッドに対して抜群の効果を持つカドゥケウスの杖である。
206ロックなのだ! ◆jWBUJ7IJ6Y :2008/04/27(日) 18:49:23 0
>200
>  「あなたが何が目的で来たかは知らないけど…自分のペンダントを持っていないのなら、
>  まずそれから探すべきじゃないかしら?…それと…この女子寮にあなたのペンダントの
>  反応は感じられないから、他所を探した方が良いわ。」
>  後方から、メラルの声が聞こえてきた。
「おお!そうだった!そうだった!俺は自分のペンダントを探してたのだ!」
ロックはそう言って、声のした方へくるっと振り向いた。
しかし、振り向いても、黒…いや、藍色の煙しか見えない。
ロックは不思議そうに首をかしげた。
「ん〜?その声はメラルだよな?何かちょっと見ない間に印象が変わったな〜。
 何というか…前よりモクモクした女の子になったのだ。イメージチェンジってやつか?」
どうやらロックの頭の中で、藍色の煙=メラルになったらしい。なにしろ、ロックからは煙しか見えないし、
その煙がメラルの声で話しかけてきたようにしか見えなかったのだから仕方が無い。
「それが最近の流行りなのかは知らないけど、俺は元のメラルの方が可愛いと思うのだ。」
ロックは煙に向かってそう言った。
「それにしても、ここに俺のペンダントが無いんじゃ探してもしょうがないな。
 エルザ達にもこの事を伝えて、別の場所を探さなきゃいけないのだ。
 そうだ、メラル!今エルザ達がどこにいるか知ってるか?」

ロックはメラルの返答を聞いた後、にこっと笑った。
「情報をありがとうなのだ、メラル!お礼にこれをあげるのだ!」
ロックは手に持っていたガジュマルの実を藍色の煙に向かって投げ込んだ。
「じゃあ、またな!」
そう言ってロックは、メラルに言われた場所まで走って行った。
ロックはメラルの言葉を、微塵も疑っていなかった。
何があろうと、ロックはメラルに教えられた場所まで移動しようとするだろう。
メラルの言葉が、真実だろうと、虚偽だろうと…
207名無しになりきれ:2008/04/27(日) 19:00:47 O
魔法機械止まったな
208レイド ◆M07.CI9OF2 :2008/04/27(日) 20:25:08 O
>200>「そうしたいのは山々なんだが無理だゼ。
 (中略)正直に答えてくれ。」
姿の見えない奴は、そこまで話すと俺にだけ聞こえるようにテレパシーを使う。
>(エース先生はカドゥケウスと"目"について…知ってるか?(中略)
 答えてくれ。)
エミューの話を聞きながらグラスに注いだワインを飲む。
俺は基本、ワインなんて代物は飲まないがこれは美味い。
今度給料が入ったらワインを買おうかな。
(目について知ってるのは学園長と教頭と俺だけだ。 言ってみれば個人情報だからな。責任者と担任である俺だけが知ってりゃ良いんだ。
 しかしカドゥケウスについては複数の教師が知ってる可能性があるな。
 結構マイナーな代物だが教師の中に知ってる奴が居てもおかしくはない。)
真面目な質問に対し俺も真面目に答える。
>「どうやら僕は仲間外れみたいなので一人鍋でも楽しんでますね。」
「まあまあ、そう言うなよ。
 向こうにだって事情ってもんがあるんだからさ。」
209フリージア ◆cOOmSNbyw6 :2008/04/27(日) 23:10:24 P
>188
>「「うにゃ――――っ!!アンデットに食べられちゃうのですわ ――― っ!!」
 >骸骨が食べ物を口にしても意味がありませんわ〜!やめるのですわ〜!!
 >誰かぁ〜、た〜すけてぇ〜っ!!」

「ちょっとお待ちなさいな!!」
ババァァァァン!!という謎の効果音と共に
何故か高いところから登場するフリージア
・・・・・・まさかわざわざ登ったのだろうか?

「お〜ほっほっほ!そこのアンデット!!
 本物の猫ちゃんではないとはいえ私の前で猫ちゃんを食べようとするなんて
 たとえ動物愛護協会が許してもこの氷結のフリージア許しませんことよ!!」
と大見得を張るフリージア
まるで魔法少女と言うより特撮ヒロインのようだ
「氷の塊になりたくなかったらとっととお家に帰りなさいな!!」
当然無視するアンデット
だって脳味噌腐ってるんだもんv

「この私を無視するつもりですわね!そういうつもりなら!イヤァァァァァ!!」
ルズを救わんと飛び降りるフリージア
本当はとぉぉぉ!と言って飛び降りたかったのだが
レオ先生の弟子であるからにはイヤァァァァ!でなくてはいけないので
仕方が無くイヤァァァァ!と叫び飛び降りるフリージア

着地点はルズの目の前・・・・というわけにはいかなかったようだ
仕方が無いので手の中に生み出した氷結根で近くに居たアンデットをぶち倒す
簡単に吹き飛ぶアンデットウォリアー(仮称)
・・・・あまりに手ごたえが無さ過ぎて唖然とするフリージア
どうやら実力的には同じ鎧を着たアンデットでも以前闘ったことがあるアルテリオンとは月とミジンコのようだ
本人が聞いたらこんなものと一緒にするなと怒りそうではあるが

「待ってなさい!今、急いで助けますわ!!」
フリージアは大勢のアンデットを氷結根でしばきつつ
ルズの元に走るのであった
210マオ ◆wYjEoXUBzo :2008/04/27(日) 23:44:30 0
>>192>>193
>「ん?あぁ、ベッドなら二階に来客用のが複数あるから案内しよう」
ヴァンエレンは僕たちのことばにすぐ反応し、
立ち上がって家に入っていく…足は少しふらついている…
それにさっきからなんとなくだが覇気ってものがない…
>「あぁ、そうだ…。ペンダント回収はどうやってしようか?」
思い出したようにヴァンエレンが言う。それに対しクリスは自分たちで回収するしかないと言う。
確かにペンダントに下手な小細工はできないし集める方法も思い当たらない。
それにクリスが言ったように集めるならなるべく早いほうがいいだろう。
他のだれかが眼を光らせているかもしれないしな…
>「でも行動を起こすのは寝てからだ。」
「確かに疲れている状態じゃあここから出て行ってもやられるだけだ。」
とりあえず今は休むことにしよう…ヴァンエレンの案内に従い二階へと上がると二つの部屋の前へと案内される。

>「どちらでも好きなほうを選んでくれ。
>中のつくりはだいたい一緒だからどっちを選んでも同じだ」
そういって片方の扉を開けると簡素でシンプルな作りの部屋が見える。
寝るには不足しないしどこかの莫迦が作るような悪趣味な部屋より全然マシだ。
>「私も少し疲れたから自分の部屋で休むよ…。
>なにかあったら奥の部屋にいるからノックでもしてくれ」
部屋の案内が終わるとヴァンエレンは気力が抜け落ちたように猫背のまま自室へと向かっていく。
「……どうしたんだヴァンエレンは……」
あんなに疲れたヴァンエレンを見るのは初めてだ…何かあったのか?
ただ疲れているだけにはちょっと見えない……一体どうしたんだ…
>「さて、マオは右と左、どっちの部屋を選ぶ?」
「………ん?ああ、ごめん少しぼーっとしていた。そうだな、左の部屋に行こう。それじゃあクリスお休み。」
僕はクリスにそういい部屋に入りベッドに潜り込む。しかし、ヴァンエレンの奴はどうしたんだ?
あいつがああだとなんかこっちまでテンションが下がってきちゃうじゃないか…


「……くそっ…気になって眠れないじゃないか!」
ダメだ……なんだか気になってさっきから全然眠れない。
僕はベッドから出て部屋のドアの開けて廊下に出る。
薄暗い廊下を歩いていき…奥のヴァンエレンの自室の前へと立ちコンコンと二回ノックする。
「あー…ヴァンエレン?なんだかかなり疲れてるみたいだが大丈夫か?何かあったのか?」
そう言うがドアの向こうから返事はない……
「…まあなんだ…ただの僕の思い過ごしだったら別にいいんだが…
 ちょっと普通じゃないように見えてな………じゃあな。」
そういって部屋に戻ろうとするが…良い機会だ、一つ言っておくことがあった。
いや、言っておかなくちゃならないことがあった…言わないと僕の中でもケジメがつかない。

「今日は…色々と僕に付き合ってくれてありがとう。正直ここまでお前と組むとは思ってなかったんだ。
 最初は利用できる駒ぐらいに考えてたんだ…所詮は使い捨ての駒だってな…
 僕は人と関わるのが得意じゃないからか信用できない性質でさ…今は悪かっと思ってる。
 愛想を尽かしてないならこの後も僕と組んでくれ…じゃあお休みヴァンエレン。」

211ミルク ◆9DoC6dU6XQ :2008/04/28(月) 15:45:46 O
>198-199 >201
>「今引っ張ってるっつーの! 足場が安定しないから下手に動くな転ぶ!」
「そんな事言ったって床がぐにゃぐにゃで歩きにくいんだよーっ!
沈まないけどすぐドロドロしてきて…って、ちょ、ちょっとちょっと何するのよ!降ろしなさいよ!」
焦りのためかうまく歩けないあたしを、キサカは立ち位置を変えてから背負う。
反射的に降ろしてとは言ったものの、本当に降ろされたらチョコナワーズに押し潰されるのは確実。
今のあたしにできるのは、キサカの邪魔にならないようにしっかり捕まってることぐらいだ。
こんな風に男子と密着するのは久しぶりだから、なんだか恥ずかしい。
背負われてる上に暗いので、多分赤くなってるであろう顔を見られないのはありがたいけど。
そんな事に意識が向いていたからか、アルナワーズの言い訳や魔法理論はほとんど頭に入ってこなかった。

そうこうしているうちに、あたしを背負ったキサカはチョコナワーズをかき分けながら窓際に到着する。
すでに穴は換気扇くらいの大きさまで塞がっていた。
いや、外からアルナワーズが目を輝かせてのぞいてるから、どっちかと言えばのぞき窓か。
人の苦労を楽しんで見るなんて相変わらず性格の悪い奴だ!
キサカは何か考えがあるんだろう。
あたしに背中から降りるように言うので、素直に降りる事にした。
うわわわわ、足が沈む沈む。
こんな所でチョコで溺死なんてイヤだから、慌ててキサカの左腕にしがみつく。
>「減圧指定――
 “乱雲の使徒よ、覚醒せよ。汝の祈りは裁きの矛なり”」
ものすごい速さの呪文の詠唱と腕の動きで、キサカは雷撃をチョコナワーズに放つ。
そしてすぐに次の詠唱を早口で開始。
フィジル早口言葉選手権があれば金メダルは間違いない。

>「轟音起こすから耳塞いでて」
「耳!?轟音!?わ、わかった!」
窓の穴を広げるのにどんな音を鳴らすのかよくわからないけど、とりあえず言われた通りにする。
そして起きたのは、轟音と閃光。
光に目がくらんで何がどうなっているのかわからないあたしの耳に、キサカの声が聞こえる。
>「疾風雷花の拳を受けるがいい!」
そして再度の爆発音が響く。
212ミルク ◆9DoC6dU6XQ :2008/04/28(月) 15:47:25 O
次に見えたのは、壁に空いた大穴から吹き込む吹雪と、笑うゴーストアルナワーズだった。
何がそんなに面白いのかと考える暇もなく、部屋全体がチョコナワーズの絶叫と共に大きくうねる。
天井が壁が床が歪み、揺れ、爆発し、あたしとキサカは穴から外に放り出された。
「ひぃやぁああ!死ぬ!これ死ぬーっ!」
確かここ四階だったよね四階から突き落とされたらかなり死ねるよね!?
そんな心配をしているうちに、あたしの体はそこそこ柔らかいなにかに衝突。
ガサガサ音を立てながら下の雪に落下する。
どうやら植木がクッションになってくれたようで、体の痛みはあまりない。
でも、寒い。とにかく寒い。
ただでさえあたしは寒さに弱いのに、薄着で雪中行軍なんて自殺行為だよ!

>「凄いわ〜。こんな大技持っていただなんて!実験室ごと吹き飛んだみたいよ〜。
>でも・・・全体からすると1割程度かしら・・・追撃がこないわねぇ。」
キサカの雷撃に感心したアルナワーズの声が聞こえてくる。
追撃の言葉に慌ててチョコナワーズを探せば…寒さに弱いのはチョコレートの悲しさか。
チョコレート色の実験棟が奇妙な形のまま動きを止めていた。
「あのまま固まってくれれば手間が省けて助かるんだけどな…」
警戒はしてみたけど、チョコナワーズは動く気配もない。
まさか本当に固まっちゃったのかと淡い期待を抱いた時、あたしの危険と物欲センサーが反応した。
チョコナワーズのいた辺りから校舎に向けて動く沢山のペンダントの魔力。
一度にあんな数の生徒が実験棟から逃げ出したとは思えない。
ってことは……チョコナワーズの奴、トカゲの尻尾切りをして本体は校舎に逃げる気だなーっ!!

「アルナワーズ!チョコナワーズが校舎に逃げる!!
また魔法攻撃を吸収して大きくなる気だろうから、先回りするか追いかけて!
あいつは五行属性変化で魔法を吸収するって中の生徒に伝えて!
チョコナワーズがこれ以上大きく育ったらリリアーナも危なくなる!!」
アルナワーズは自分の思念体とリリアーナを探していた。
なにか訳ありだろうから、リリアーナも危ないとわかったら動いてくれるだろう。
五行属性は知ってるだろうから説明しなくてもいいよな。
知らなかったら…その時はその時だ。

あたしもチョコナワーズを追いかけようとしたけど、寒さと雪でなかなかうまく歩けない。
あーもう!鬱陶しい!
こうなったら雪を吹き飛ばして校舎まで道を作ってやる!
キサカやチョコナワーズに当たらないように、校舎までの範囲を魔法指定して集中する。
「メギド!」
核熱と爆発が、地面を覆う雪とかいろいろな物を消し飛ばした。
そろそろ魔力切れが近いかと思ってたけど、なんだかまだ余力もありそうだ。
時空の狭間の効果で成長したからかもしれない。
「さっきは助けてくれてありがとうキサカ!
あたしはチョコナワーズにトドメ刺しに行くから!
もし一緒に退治しに来てくれるなら、ペンダント分けてあげてもいいわよ!」
キサカにお礼を言ってから、あたしは雪が吹き飛んで出来た道を校舎に向かって走り出した。
213ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 :2008/04/28(月) 18:55:55 0
>205
入り口付近で、エルザとラルヴァは互いの獲物を振るい、着実にゾンビの数を減らしていく。
>「何匹殺った!?」
「14人ってところか、な!」
ラルヴァの14人目の犠牲者は回し蹴りによって壁に頭を押し付けられ、叩き潰されてしまう。

だが、調子に乗るのもそこまでだった。
>「あれは…ゴーストっぽいわね。」
「ゴーストかぁ・・・苦手だな。」
ゴーストは物理的な攻撃が効きにくい。加えて地属性も物理的な魔法が多いのだ。
「まったく手が無い訳でもないけどね。エルザ、少しひきつけておいてね。」
そう言うと、ラルヴァは自分の左腕を剣で切りつけ、血を足元に滴らせる。

ラルヴァは出血している!
ラルヴァは精神を集中させている!
「【七芒星の陣を以って 此の地を異界と成せ
 我招くは 凄惨なる紅雨
 噴けよ爆炎 地を裂きて出でよ
 彼の者達に 驟雨となりて打ちつけよ!】」

その呪文と共に、ラルヴァの足元の血がぼこぼこと沸騰を始め・・・
ついにはその血だまりからマグマが噴出し、ゴーストへと襲い掛かる!
ただ石や岩をたたきつける魔法よりはゴースト達には遥かに効果があるだろう。

>204
だが、呪文を詠唱している背後で起こっている事態に対してラルヴァもエルザも感付かないでいる
214リリアーナ ◆7O/3IU/E7M :2008/04/28(月) 21:07:21 0
>204
>いつのまにかリリアーナとランドの後ろにガシャ髑髏が立っていた.
「危ない!」
妖刃の鋭い横薙の一撃を受け、リリアーナはばったりとその場に倒れた。
「あ・・・あれっ?」
むくっと起き上がったリリアーナは、不思議そうに自分の胸や腹を手で探った。
完全に切られたはずなのに、どこも痛くない。
信じられない事に、リリアーナは無傷だった。
―――― 少なくとも外見上は。

リリアーナは顔を上げた。だが様子がおかしい。
おどおどびくびくしている様は、まるでコマネズミのようだ。

>205 >213
リリアーナは目の前に立っているガシャ髑髏と目が合ったとたん飛び上がった。
「あうあう・・・・・!!」
リリアーナはガタガタ震えている。
慌てて逃げ出そうとしたが、周囲に飛び散ったゾンビの残骸をみてすっかり足がすくむ。
そしてゴーストを目の当たりにしたとたん、気が触れたように絶叫した。
「キャ―――――――― っ!!イヤ――――――――!!
 ゴーストだわっ!ゴースト!ゾンビや髑髏までいる!」
エルザの攻撃が全くゴーストに通じていない。
リリアーナは蒼白な顔で目の前の髑髏に視線を移した。
髑髏は刀を構えている

「ふえ・・・・・・」
リリアーナの目に大粒の涙が浮かんだ。
「うえぇぇええん。恐い、恐いよう!やだ、もうこんな恐いの嫌だよ。
 私、元の世界に帰りたいっ!帰りたいよう!帰りたいのーっ!ランディ助けてぇ!!」
リリアーナは泣きじゃくりながらランドにすがりついた。
>212
吹雪の中、四階から墜落したというのにミルクは元気だった。
ガバッと起き上がり、実験棟だったモノ=チョコナワーズを見つめている。
動きが止まったかのように見えるチョコナワーズが実は移動している事を見抜いたのだ。
>「アルナワーズ!チョコナワーズが校舎に逃げる!!
>また魔法攻撃を吸収して大きくなる気だろうから、先回りするか追いかけて!
>あいつは五行属性変化で魔法を吸収するって中の生徒に伝えて!
>チョコナワーズがこれ以上大きく育ったらリリアーナも危なくなる!!」
「えぇ〜。それはそれで面白そうだけど・・・先回りねぇ。」
のほほんと首を傾げ、少し考える。
巨大な質量と五行属性変化能力を持ったチョコナワーズ。
それ自体驚くべき事であるが、本質は別にあると感じていた。
思念体を取り込み自我を持ったという事なのだ。

ミニアルナワーズは残留思念。
その影響で自我を持ったというのであれば、その核はチョコに込められたベアトリーチェの想い。
すなわち残留思念なのだ。
お互いの残留思念が共鳴して顕在化したと言うのだろう。
となれば、チョコナワーズの行動も読めてくる。
「判ったわ〜。チョコナワーズの向かう先はきっと食堂だと思うの。」
考えをまとめ、ミルクに説明を始めた。

ベアトリーチェチョコに込められた想いは本命であるレオに食べてもらう事。
チョコナワーズの最終目的も同じである。
が、直接行動に結びつくわけではないのが厄介なところ。
レオの前では猫を被るあまりバレンタインチョコを渡せないベアトリーチェ。
そんなレオに直接ぶつけられない思いは屈折して周囲へと向かう。
すなわちレオに近づく女への攻撃性となるわけだ。
ここまでは周知の事実。
となれば、その想いが込められたチョコも同じ行動を取るのは自然の理というもの。
チョコナワーズは直接レオの元へはいかず、食堂へ行くだろう。
本人がレオに近づく女を攻撃するように、チョコナワーズはレオが食べる自分以外のものを消しに行くはずだ、と。
全ての食べ物が無くなれば・・・否、全ての食べ物がチョコナワーズになれば自動的に自分が食べてもらえるのだから。

「そういうわけだから食堂へ言ってくるわ〜。」
一通り説明すると、アルナワーズはゴーストで吹雪の影響を受けない事をいい事に、一直線に食堂へと飛んでいった。

216ミニアルナワーズ ◆O.bcTAp6QI :2008/04/28(月) 22:42:05 0
校舎の中、廊下には壁が突き進んでいた。
いや、壁ではない。チョコだ。
廊下一杯を塞ぎ、圧倒的質量を持って突き進んでいく。
大量のペンダントの反応にやってきた生徒達を飲み込み、なおも進む。
往く先はアルナワーズの推理通り、食堂だった。
そこはまさにアンデッドと食堂のおばちゃんを筆頭にした生徒達の戦場だった。
ゴゴゴゴゴゴ・・・という地響きと共に現われたチョコナワーズ。
最初に接触したのはゴースト。

行進を止め、アルナワーズの顔が浮かび上がり、ゴーストたちと見詰め合う。
この奇妙な対峙は言葉こそ発せられていないが、その纏うオーラで通じるものがあったようだ。
片や生を憎み、現世に恨みを抱く怨念。
片やもはや妄執ともいえる増幅されし乙女心。
負の思念に捕らわれた両者は常人には理解不能の邂逅を迎えていた。

そんな邂逅をしている隙を逃すほど魔法学園の生徒達は甘くない。
「アンデットには火を!焼き払え!!!」
号令のもと、食堂の生徒達が合同魔法を放つ。
燃え盛る紅蓮の炎が廊下を包む!

(あら〜。遅かったわぁん。)
その様子をゴーストアルナワーズは見ていた。
チョコナワーズが食堂に到達する前についていた。
が、既にそこはアンデッド達との戦場の場。
戦闘中は一切影響を受けないが関与できない。
関与とは戦闘協力だけでなく、助言や存在提示も含まれる。
この条件のため、ゴーストアルナワーズは食堂の誰にも認識される事なくただ見ているしかなかったのだ。
紅蓮の炎を飲み込み、更に大きくなる様も。
そしてスケルトンやゴースト達を包み込みながら食堂になだれ込んでいく様を。
まるでチョコという沼から大量のスケルトンやゾンビが生えていて、沼ごと食堂に流れ込んできたようだ。

その様子を見るゴーストアルナワーズの表情に落胆の色はない。
巨大かつ強力な器に相応しい業の塊に映っているからだ。
むしろその表情は愉悦に近いものがあった。
217黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M :2008/04/29(火) 08:01:13 0
尻尾を捕まれたルズは振り子のように揺れながら、器用にアンデットの口に飛び込むのを回避している。
ルズ、絶体絶命!
そこに独特の高笑いが響き渡る!
>「お〜ほっほっほ!そこのアンデット!!
> 本物の猫ちゃんではないとはいえ私の前で猫ちゃんを食べようとするなんて
> たとえ動物愛護協会が許してもこの氷結のフリージア許しませんことよ!!」
「はっ!あれは煌く氷のエレメント!じゃなかった、氷結のフリージア女王様!!」
>「氷の塊になりたくなかったらとっととお家に帰りなさいな!!」
たとえ夜だろうが戦場だろうが、ヒロインの登場にはスポットライトが当たるのがお約束である。

>209 >194
>「待ってなさい!今、急いで助けますわ!!」
ルズはあからさまにホッとした様子を見せた。
「ああんフリージア女王様ぁ〜!助けて下さいまし〜」
(きゃーん素敵ぃ〜!女王様、りりしいですわっ!ああん、誰か幻灯機持ってないの〜?!)
絶体絶命だというのに、ルズの頭からは無数のハートマークが飛び出している。
こんな時でもルズは萌えが最優先のようだ。
もっとも、恐怖のあまり現実逃避しているのかもしれないが。

業を煮やしたのか、骸骨はとうとうルズを鷲づかみすると口の中に放り込んだ。
「うにゃーっ食べられるのですわ〜!助けてくださいましー!!」
咄嗟にの顎と下の顎の間を必死で押さえて噛み砕かれるのを防ぐ。

>216
食堂の方では大きな合体魔法が放たれたようだ。
ぱっと上がった紅蓮の炎が、離れたこの場まで真昼のように明るく照らし出す。
そしてその炎を飲み込み、更に大きくなる何かも見えた。
「な、なんですの〜あれは・・・」
ぐぐぐぐ、と骸骨のかみ締める力が強くなっていく。
「い、今はそれどころでは無かったのですわ〜!!!むぐぐぐぐぐ」

骸骨は持っていた剣を自分の口に向けた。
どうやらルズを串刺しにしてから食べる事にしたようだ。
「や、やめるのですわ〜。くしに刺すのは焼き鳥で十分なのですわ〜!!」
218エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y :2008/04/29(火) 09:10:47 0
>213
> ラルヴァは出血している!
> ラルヴァは精神を集中させている!
> 「【七芒星の陣を以って 此の地を異界と成せ
>  我招くは 凄惨なる紅雨
>  噴けよ爆炎 地を裂きて出でよ
>  彼の者達に 驟雨となりて打ちつけよ!】」

ラルヴァの攻撃はゴーストに高い効果があるようだ。
3体居たゴーストは、文字通り煙のように霧散した。
「ああ、狂っているわ!」
エルザは、ラルヴァを見ながらそう言い、にやっと笑った。
この場合『狂っている』は褒め言葉である。

それにしても、エルザとラルヴァがいくら頑張っても、ゾンビやゴースト、
スケルトン等アンデッド軍団が次から次へと沸いてくる。
倒す数よりも出てくる数の方が多いのだから、エルザはいい加減嫌気が差してきた。
一体一体が弱くても、数で押されてはいずれ窮地に立たされるだろう。
「これはリリアーナが言ったとおり、一旦逃げたほうがいいかもね!
 …かっ、勘違いしないでよ!別にあなたを気遣っているわけじゃないんだからね!」

>214
エルザはリリアーナの方を見た。
> だが様子がおかしい。おどおどびくびくしている様は、まるでコマネズミのようだ。
> 「うえぇぇええん。恐い、恐いよう!やだ、もうこんな恐いの嫌だよ。
>  私、元の世界に帰りたいっ!帰りたいよう!帰りたいのーっ!ランディ助けてぇ!!」
> リリアーナは泣きじゃくりながらランドにすがりついた。
「えっ?リリアーナ?」
いつもならランドに嫉妬して、処刑リストに彼の名前を加えるところだが、
リリアーナの様子があまりにおかしいので、そっちの方が心配になった。
エルザはランドとリリアーナに近づいた。
「どうしたの?一体何があったのよ!?」
どうやら、リリアーナはアンデッドを恐がっているようだ。エルザはラルヴァに叫んだ。
「坊や!化け物達をなるべくリリアーナから遠ざけて!あなたならできるでしょう!?」
この場合『坊や』とはラルヴァの事である。
「もしも、あなたにできないのなら、私がやってやるわ!」

>204
エルザはリリアーナに気をとられて、まだガシャ髑髏に気づいてない。
しかし、リリアーナに近づいてくれば、すぐにエルザが攻撃を加えるだろう。
219ランド ◆4itHF4b6fw :2008/04/29(火) 12:50:33 0
>>203

>「寝言は寝て言いなさいよ!ランディ、あなた補助魔法使えるんでしょ?だったら何を出し惜しみしてるのよ!
>ラル君はともかくエルザにまでおんぶに抱っこするつもり?!
>ランディはいつリタイヤしても良いって言ってたじゃない、だったらこんなところで駆け引きしたってしょうがないでしょう!」
「そ、そんなこと言われても・・・・・・」
リリアーナの訴えにランドはどうしていいか分からず困り果てる。
別に補助をしてもいいのだが、だがしたらしたでエルザは次に自分に来るかもしれないと思っているのだ。
さっきは頭蓋骨を粉砕されそうになったのだからそう思っても仕方が無いといえる。
煮えきらずにうじうじしているランドを見てリリアーナは顔を曇らせる。

>「ねえ、私を小さくして服脱がせたってホントなの?・・・ホントにランディは不埒なロリコンさんなの?
>正直信じられないわ。だって私は10歳若返ってるけど、ランディは10年ほど成長してない?」
「え・・・い、いやもちろん違うよ・・・・・・」
もちろんランドの言っていることは嘘でもなんでもない。
ただ凄まじい偶然や凶運が重なって今に至っている。
だが本人の声は小さく説得力がない・・・まるで嘘をついている人のような喋りだ。
>「私を元に戻せるのなら戻して。違うなら違うって言って。ロリコンじゃないならちゃんと弁解して何があったか話してよ。
>私、信頼できない人に守って貰うなんて嫌よ!」
そして、次から次へとくるリリアーナの言葉にだんだんとランドの中に怒りと不満が湧いてくる・・・・・・
なぜこんなことを言われなくてはならないのだろうと。
そもそも自分がこうなっているのは全てリリアーナのせいだと・・・激しい怒りがこみ上げてくる。
「違う。元には戻せないよ。それと・・・ボクだって、別に君を守りたいわけじゃない・・・」
そう言ってランドはリリアーナから少し離れる。もううんざりだと・・・そう思った。

>「・・・・・・それにね、何だか嫌な予感がするの。あのゾンビ達、ちょっとおかしくない?」
>「死霊科の生徒が作ったのか誰かが召喚したのかは知らないけど、あれほどの数を一介の生徒が用意出来るものかしら?
>そもそもあのゾンビ達、誰かがちゃんと術で制御してるのかしら?ねえ、ランディは術者の魔力を感じる?
「どうかな、少なくとも近くには感じないけど・・・」
そっけなく反応するランド・・・どうせ生き返れるしここで死んでしまおうかと考えていた。
次のリリアーナの退却しようという言葉はむしろランドにとって嬉しくない。
死ねばリリアーナとも別れられるのだから・・・
220ランド ◆4itHF4b6fw :2008/04/29(火) 12:51:29 0
>>204>>214

>「戦セオリーその壱
>強力な手足よりまず頭脳を潰すべし!」
後ろから聞こえてきた声に振り向く、するとそこには刀を振りかざしている骸骨が映る。
反射的にランドは横薙ぎを避けるために一歩後ろに下がったが、
リリアーナは反応が遅れその一撃を受け倒れてしまう。
だがリリアーナに外傷はなかった。よほどのなまくら刀なのだろうか・・・
しかし、次瞬間リリアーナに異変が起こる・・・おどおどびくびくし
骸骨を見て逃げ惑い、更にはさきほどエルザが倒したゾンビの残骸にすら驚き、
ゴーストを見たとたん凄まじい絶叫を上げる。

>「うえぇぇええん。恐い、恐いよう!やだ、もうこんな恐いの嫌だよ。
>私、元の世界に帰りたいっ!帰りたいよう!帰りたいのーっ!ランディ助けてぇ!!」
しまいにはランドに泣きつく始末・・・さっきは信頼できない人間に守って欲しくないといっていたにも関わらず、
今度は助けてと言う・・・ランドからすればリリアーナの行動は都合のいいこととしか思えなかった。
こうなっているのはあの刀の持つ効果なのだが・・・そんなことはランドには分からない。
ランドの怒りという感情にまた火がつく・・・その怒りに呼応するかのようにゆらゆらと揺らめきはじめるランドの影・・・
それと同時にいきなりランドは魂が抜けたように顔を俯き呆然と立ち尽くす・・・
そして、ランドが顔を上げたとき、そこにいつもの表情はなかった。眼は鋭く殺気を放ち・・・今までの大人しそうな雰囲気はない。

>>218>>204

>「どうしたの?一体何があったのよ!?」
リリアーナの様子が心配で来たエルザ。
だがそんなエルザをランドは睨みつける。
「いいからてめぇは黙って死霊どもの相手してりゃいいんだよ!!!」
そしてすがりついているリリアーナを掴み上げてリリアーナを斬った骸骨に真正面から対峙する。
「おい骸骨。ずいぶんと面白れぇ刀使うじゃねぇか。ならこっちもチャンバラに付き合ってやるよ。
 久しぶりのお出ましだからちと体の動かし方に自信がねぇ・・・丁度いいウォーミングアップになるぜ。」
そして手を前に出すと暗く影ができている地面から黒い刀が延びてくる。
ランドは刀を引き抜き軽く回してみるととくに構えるわけでもなく馬鹿にした笑いを浮かべている。
「ほらこいよ・・・くくく・・・それともなんだ?腹斬りでもするか?
 骸骨に出来るかどうかは分かんねぇけどよ・・・くくく・・・はははは!!」
 
221キサカ ◇lbUJfu0lHM:2008/04/30(水) 07:43:35 0
 放った雷拳が壁に着弾すると同時、予想以上の爆発が起きた。
 雷自体の反動は抑えられるが、その他は保障されていない。
 視界が回復するよりも早く吹雪が顔に掛かり、壁をぶち破ったことを確認。
 まあ元ネタは八発分だったしだとか弱点属性ウマーだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてない。
 もっと恐ろしいチョコナワーズの片鱗を味わいながら「良しッ!くそ野郎ッ!!」とポージングを決めようとして、
「――って余波飛び散ってるだろ常識的に考えて」
 慌ててミルクを見たが眼が眩んだだけらしく、キサカは胸を撫で下ろす。
 制御不足か、実力不足か。なんにせよ配慮不足だったのは間違いあるまい。
 もしかしたら彼女ごと焼いていたかも、と思うと背筋が冷える。

 ともあれ、とキサカはミルクに手を差し出そうとしたが、足場が揺れた為姿勢を崩した。
 ぬぁ、とよろめいた矢先、波紋で浮いていた筈の足が沈む。
 ……そういえば反響指定しなかったな。
 良く保ったな、と思い込みに感謝しながら、体勢をギリギリ維持しつつミルクへ手を伸ばそうとして、
 チョコの悲鳴に続く部屋全体の爆発で吹っ飛ばされた。

 全身に衝撃を受けつつ、は、とキサカは息を吐く。
 雪の中でも真っ白だ。
 押し潰された肺を何とか膨らませ呼吸を再開。
 ミルクは? と視界を動かせば、少し離れた位置を落下する白衣があった。
「ひぃやぁああ!死ぬ!これ死ぬーっ!」
 某研究員は四階だから死にはしないとか言っていた気がするがどうなんだろう。
 どちらにせよ、そのまま落ちれば怪我するのは確実だ。だからキサカは手を伸ばすが、
 届かん……!
 手が短いとかそういうレベルではなく、普通に遠過ぎる。
 音枷? 軟結界? 重力制御? 瞬間移動?
 事象は想起出来ても条文が思い出せない。
 マズイ、とキサカは息を吐き、しかし何も出来ず、
「――ッ!」
 そのまま落ちた。
222キサカ ◇lbUJfu0lHM:2008/04/30(水) 07:44:23 0
 二発目の打撃は背中から入った。
 地面を蹴るようにして衝撃を軽く削り、背中から雪に叩きつけられる。
 ぐぁ、っは、と断続的に悲鳴を挙げてキサカは停止する。
 真面目に血反吐が出そうだ。うずくまって唸ること数秒。
 彼女は? と身体を起こせば腰が痛む。
 植木の傍に、雪とは違う白いものが見えた。辺りを睨んでいるのを見ると、大した怪我は無いらしい。
 よかった、とキサカは安堵の息を吐いて、何度か咳をしてから立ち上がる。
 頭痛がする。吐き気もだ。歩く気がしない。
 手を貸さないと、と思うが体が重い。
 膝が折れた。
 いかんな、と呼吸を落ち着けていると、ミルクの視線が一点で固定される。
「アルナワーズ!チョコナワーズが校舎に逃げる!!
 また魔法攻撃を吸収して大きくなる気だろうから、先回りするか追いかけて!
 あいつは五行属性変化で魔法を吸収するって中の生徒に伝えて!
 チョコナワーズがこれ以上大きく育ったらリリアーナも危なくなる!!」
 ……校舎、となると食堂があるか。
 食堂は一種の休憩スペースだから手練れも多いだろう。
 研究員を飲み込んだことから考えるとペンダントも内蔵している可能性が高い。
 夜中とはいえ大量入手のチャンスだ。喜び勇んで戦うに違いない。
 一区切りか……。
 キサカは耳に手を当てる。声を出す前に咳払いを一つ。
「あーあー、HQ、HQ。こちらキサカ聞こえますかどうぞ」
『キサカてめーこのやろう心配したんだぞ何があったかウィットとジョークを交えておもしろおかしく報告せよ』
「腰痛いんだ無茶言うな。今実験棟の外なんだが一番近いリンクは?」
『外ってお前……まあいいや。歩けばすぐ校舎に着くから適当な場所から接続しろぃ』
「校舎は今修羅場の筈なんだが」
『上等じゃん。ちゃんとエスコートしてこいよ?』
 へいへい、とキサカは生返事をしつつミルクを見る。
「メギド!」
 爆発があった。
 えー、と疑問を浮かべる間に吹き飛ばされた蒸気や雪を軽く被る。
 物理的に白い視界の中で沈黙すること数秒。
「さっきは助けてくれてありがとうキサカ!
 あたしはチョコナワーズにトドメ刺しに行くから!
 もし一緒に退治しに来てくれるなら、ペンダント分けてあげてもいいわよ!」
 あーこれは一体なんだろうなチクショウ。
 爆破した道を駆け出すミルクを目で追いながら、キサカは左手で眉間を押さえ、右手を腰に。
『……頑張れよ?』
「……頑張ります」
 最後の薬用食品を咥えつつ、キサカは彼女の後を追う。
223フリージア ◆cOOmSNbyw6 :2008/04/30(水) 08:50:36 P
>217
「いやぁぁぁぁ!!」
このままでは間に合わない
そう判断したフリージア
思いっきり氷結根をルズを噛み砕こうとしているアンデットめがけてぶん投げた

ガキィィン!!
と言う音をたて
命中する氷結根

外れる上顎
行き成り何をするんだとばかりに激昂する下顎から上が無いアンデット
「お〜ほっほっほ!上の顎がなければ食べ物は食べれませんわよ!!」
持っていた剣をお返しとばかりにフリージアにぶん投げる
頭にぶっ刺さるアンデットの剣
だがフリージアの頭は偽者であるため痛くも痒くもない

「お〜ほっほっほっほ!頭に剣が刺さったくらいでやられるわけが無いでしょおばかさ〜ん」

頭に何か刺さったぐらいでやられないには自分達も同じなので気にしないアンデット達
相手に武器が無くなったと見て
フリージアに殺到するのであった
だがフリージアは今全身武器の塊のようなフリージングドールを着込んでいるのである
「フリィィィィジングドリィィィル!!」
次々とドリルの餌食になっていくアンデット達
全身バラバラにされても死んでるので死なせてもらえない
何だかぴくぴく動いていてとても不気味だ!!

「お〜ほっほっほっほ!今のうちに安全なところに隠れなさい子猫ちゃん」
224名無しになりきれ:2008/04/30(水) 09:29:44 O
「よいヘタレ具合いぢゃ
今宵のむらましゃは血に飢えておるわ」
ガシャ髑髏のセリフとは裏腹に声は裏返り切っ先はカタカタと震えて定まらない
だってランドが急に怖い人になったんだもん
(ちょ、何この人?さっきまで優しそうだったのに言ってること怖すぎなんですけど!)
内股になっちゃってるのはちょっとチビったからと言うのは秘密だ
イメージ的に涙目になりかけたくらいに、エルザもやって来る
無理無理無理無理無理無理無理!
「戦いのセオリーその2!
36計逃げるが勝ち!」
ガシャ髑髏は逃げ出した!
225ミルク ◆9DoC6dU6XQ :2008/04/30(水) 18:01:47 O
>215 >221-222
チョコナワーズは玄関に回らずに直接校舎内に進入したようで、進路にある窓がぶち壊されていた。
あたしも同じ窓から校舎内に入り、走りながら体に積もった雪を払う。
真っ白になるくらい雪がついていたけど、雨と違って払えば落ちるのはありがたい。

どうやら後を追ってきてくれたようで、キサカも携帯食品を食べながら校舎に入ってきた。
「さすがキサカ!困ってる女の子を見捨てたりはしないって信じてたわよ!
ペンダントの取り分は、後でちゃんと渡すからね」
チョコナワーズはあたしの核熱を吸収する厄介な敵だ。
他の属性攻撃が出来るキサカがいてくれるのは、ものすっごく心強い。

「えーっと、アルナワーズは確か、チョコナワーズが食堂に向かうって言ってたよね」
頭がいいからか類は友を呼ぶからか、アルナワーズの予想はぴたりと当たったようだ。
食堂のあるはずの方から、巨大な何かが動く振動が聞こえてくる。
食堂側からどおんと大きな爆発音が響く。
誰かが景気良く大魔法を発動したんだろう。
玄関側からは、別の戦いの音が聞こえてきた。

「どうする?あたしたちだけでチョコナワーズを倒しに行く?
それとも、誰か他の生徒を探して仲間を増やしておく?
玄関側で戦闘があるみたいだから、ペンダントを餌に手助けを引き出せるかも。
あいつアルナワーズの思念も取り込んでるから、なんかイヤな予感がするんだよね…」
226エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y :2008/04/30(水) 18:43:07 0
>220>224
> 「いいからてめぇは黙って死霊どもの相手してりゃいいんだよ!!!」
「なんですって!?」
エルザは真っ赤になって怒った。
> 「おい骸骨。ずいぶんと面白れぇ刀使うじゃねぇか。ならこっちもチャンバラに付き合ってやるよ。
>  久しぶりのお出ましだからちと体の動かし方に自信がねぇ・・・丁度いいウォーミングアップになるぜ。」
エルザはランドのこの言葉でやっとガシャ髑髏に気づいた。
> 「ほらこいよ・・・くくく・・・それともなんだ?腹斬りでもするか?
>  骸骨に出来るかどうかは分かんねぇけどよ・・・くくく・・・はははは!!」
「ふん、ロリコンのくせに調子に乗っちゃって!あんたなんかやられちゃえばいいのよ!」
エルザはそうランドに悪態をついた。しかし、エルザの期待は大きく外れた。
> 「戦いのセオリーその2!36計逃げるが勝ち!」
ガシャ髑髏がそう言って逃げ出してしまったからだ。
「ちっ!」
エルザは大きく舌打ちをした。

「ランドアンド!早くリリアーナを降ろしなさいよ!というより、リリアーナに触らないで!」
リリアーナを掴み上げているランドにエルザが叫んだ。
227リリアーナ ◆7O/3IU/E7M :2008/04/30(水) 20:15:58 0
>220
>「どうしたの?一体何があったのよ!?」
エルザの心配そうな声も、泣きじゃくっているリリアーナには届かない。
そして。
ずっと理不尽な不幸に見舞われ続けたランドは、まるで別人のようになっていた。

>226 >224
>「いいからてめぇは黙って死霊どもの相手してりゃいいんだよ!!!」
>そしてすがりついているリリアーナを掴み上げてリリアーナを斬った骸骨に真正面から対峙する。
襟首を捕まれリリアーナは宙吊りにされた。
真正面から骸骨と対面する羽目になったリリアーナは、まるで火がついたように大泣きしている。
「うわぁぁぁああん!恐いよー、恐いよー!!」
>「よいヘタレ具合いぢゃ
>今宵のむらましゃは血に飢えておるわ」
ガシャ髑髏はリリアーナに呪いの言葉を吐いた。

ランドの挑発にエルザが悪態をつく。
だがガシャ髑髏はすぐに撤退してしまった。
ちっと誰かが舌打ちするのが聞こえる。

>「ランドアンド!早くリリアーナを降ろしなさいよ!というより、リリアーナに触らないで!」
>リリアーナを掴み上げているランドにエルザが叫んだ。
今にも気絶しそうな顔色をしたリリアーナは、ようやく地面に降ろされた。
「エルザ・・・・・・」
リリアーナはじっとエルザを見たが、またぐすぐす泣き始めた。

棍棒からゾンビの残骸を滴らせるエルザ
人が変わったようなランド
軽々とゾンビを倒したラルヴァ。
折れた心で見る世界は、何もかもが恐ろしく感じた。
「恐いよう・・・恐いよう・・・」
その場でぐすぐすとしゃくりあげていたリリアーナからは、何の気概も感じられない。
ただ怯え戸惑うだけの姿は、外見だけでなく心まで子供に戻ったようだ。

>「グオオオォォォオオ!!」
半身を吹き飛ばされ倒れていたゾンビが不意に起き上がり、リリアーナに掴みかかろうとした。
「ひっ!やだっ!」
リリアーナは震え上がりロックバスターを向けたが、なぜか弾は出なかった。
「な、なんでっ?!」
リリアーナをあざ笑うかのように、ロックバスターはただカチカチと音を立てるだけだった。
唯一の武器が使えなくなったリリアーナはパニックを起こした。

「もう・・・・いやぁぁああ!!」
リリアーナは脱兎のごとく逃げ出した。
どうやらガシャ髑髏とは反対方向――――食堂方面に向かったようだ。
228ランド ◆4itHF4b6fw :2008/04/30(水) 22:26:05 0
>>224>>226>>227

>「うわぁぁぁああん!恐いよー、恐いよー!!」
泣き喚いているリリアーナの方を見て楽しそうに笑うランド。
「ははは・・・こいつを楯にして戦うのも面白そうだぜ。」
がしゃ髑髏もどうやら台詞からして中々乗り気のようだ・・・ランドの眼が活き活きと輝く。
>「戦いのセオリーその2!
>36計逃げるが勝ち!」
しかし、戦いは起こらずにがしゃ髑髏は凄いスピードで逃げいく・・・しばらく呆気に取られているランド。
「・・・つまんねぇ・・・萎えちまったぜ・・・」
いきなりの行動に拍子抜けし追いかける気にもなれない。
ランドは剣を自分の影に落とししまうと傍からエルザの舌打ちが聞こえる。

>「ランドアンド!早くリリアーナを降ろしなさいよ!というより、リリアーナに触らないで!」
エルザの大声が響いても気圧されるどころか
むしろ真赤になって怒っているエルザを見て楽しんでいるランド。
「降ろせ?だがこいつを今は離さないほうがいいじゃねぇか?・・・ははは!」
しかし、エルザが一段とランドを睨みつけるのでランドは分かった分かったとリリアーナを降ろす。
リリアーナはエルザの方を見るがまた泣き出しはじめる。
リリアーナの泣いている表情を見て笑いを浮かべているランド。
>「恐いよう・・・恐いよう・・・」
そういって泣き続けるリリアーナはまるで本物の子供のようだ。
おそらくガシャ髑髏の攻撃によって心が弱くなっているのだろう。

>「グオオオォォォオオ!!」
そして、その心の弱くなったリリアーナに上半身だけのゾンビが不意に起き上がり襲い掛かる。
リリアーナはロックバスターを使おうとしたが弾がでない。
どうしようもなくなったリリアーナはパニックを起こしてしまう。
>「もう・・・・いやぁぁああ!!」
そういって脱兎のごとく走っていくリリアーナ・・・食堂の方面へと走り去っていってしまった。
それを見てもランドは特に追いかけるそぶりも見せずにリリアーナを襲ったゾンビを蹴り飛ばし、
苦しそうに呻いているゾンビの頭を踏みつけ恍惚の表情を浮かべている。

「くくく・・・んで?どうすんだ?行っちまったぜ・・・だから言ったじゃねぇか離さないほうがいいってな。
 あいつは今一種の呪い状態にあんだよ。恐怖を煽るような奴で軽度だけどなぁ。
 要するにだ、あの餓鬼からすれば俺様も・・・そんでテメェもそこの男も畏怖の対象ってわけだ。
 だから安心を求めてどこかに行った・・・もっとも・・・
 この状況からして行き着く先が安全とは到底思えねぇけどよ。」

話が終わりランドはゾンビの頭を力を込め蹴り飛ばす。腐敗した首は簡単に折れ、ボールのように飛んでいき、
エルザの顔の横を通り抜け壁へと当たりグシャッという嫌な音とともに中身を撒き散らす・・・
「さぁてと・・・俺は行かせてもらうぜ、せいぜい楽しまなねぇとなぁ!」
助けにいく気など毛頭ない・・・今のランドに明確な目的などない。
ただ食堂の方面に行ったほうが校舎から出るよりもよっぽど退屈しなさそうだから行くだけ。
リリアーナの向かった先に行くのも特に考えがあったわけではない。
ただそっちに行ったほうが面白いことになると勘が告げているにすぎない・・・

229エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y :2008/05/01(木) 07:25:03 0
>227>228
> 「もう・・・・いやぁぁああ!!」
> リリアーナは脱兎のごとく逃げ出した。
> 「くくく・・・んで?どうすんだ?行っちまったぜ・・・だから言ったじゃねぇか離さないほうがいいってな。
>  あいつは今一種の呪い状態にあんだよ。恐怖を煽るような奴で軽度だけどなぁ。
>  要するにだ、あの餓鬼からすれば俺様も・・・そんでテメェもそこの男も畏怖の対象ってわけだ。
>  だから安心を求めてどこかに行った・・・もっとも・・・
>  この状況からして行き着く先が安全とは到底思えねぇけどよ。」
「…どうしてそれをさっき私に言わなかったのよ?」
エルザは確かに、さっきランドにリリアーナがどうしたのかと尋ねた。
しかし、ランドはその言葉を一蹴したのだ。エルザはさらに怒った。
「わざとだったのね!?あんたはロリコンだけじゃなく、子供をいじめる趣味もあるわけ!?」
リリアーナを脅かしたゾンビの頭がランドに蹴り飛ばされ、
> エルザの顔の横を通り抜け壁へと当たりグシャッという嫌な音とともに中身を撒き散らす・・・
> 「さぁてと・・・俺は行かせてもらうぜ、せいぜい楽しまなねぇとなぁ!」
「待ちなさいロリコン!あんただけはリリアーナに近づけさせないわ!!」
エルザはランドを、というよりリリアーナを追いかけた。
「アウル!先行してリリアーナを追いかけて!…アウル!?嘘でしょ!?」
エルザは自分の肩に止まっている梟のアウルにそう命令したつもりだった。
しかし、アウルはそこにいなかった。先程の戦闘の最中、エルザの肩を離れてどこかへ飛んでいってしまったらしい。

「(あのロリコンは一つだけ正しい事を言ったわ。この状況、リリアーナが行く先にゾンビ達が居ないとは限らない!)」
エルザはこの時、ゾンビなんかよりもっとやっかいなものが食堂にいる事など知る由も無かった。
230黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M :2008/05/01(木) 16:42:34 0
>>223
「も・・・もうだめなのですわ〜!!」
哀れルズ、リバースの雪原に消ゆ!というタイトルがルズの脳裏をよぎる。


そんな絶体絶命のルズを救ったのは、フリージアの氷結根だった。
「あ〜れ〜!!・・・・・・・・あれ?」
ガキィィン!! という音と共に不意に世界が開けた。
「お〜ほっほっほ!上の顎がなければ食べ物は食べれませんわよ!!」
「さすがはわたくしのフリージア女王様〜!素敵なのですわ〜・・・っ!危ないっ!!」
顎が破壊されたアンデットはフリージアに剣を投げた。
フリージアの頭にアンデットの剣が突き刺さる。
「キャ――――!!女王様の花のかんばせにまた傷が!!」
ルズは絶叫し、アンデットの口から飛び降りた。
だが当のフリージアは全く無傷のようで、高笑いしながらアンデットを挑発している。

>アンデットはフリージアに殺到している。
>「フリィィィィジングドリィィィル!!」
>「お〜ほっほっほっほ!今のうちに安全なところに隠れなさい子猫ちゃん」
「は、はいなのですわ〜!!」
フリージアの戦闘は激しく、とてもルズが接近できるようなものではなかった。
ルズは足手まといを避けるべく近くの木に登った。

夜目が利くルズは辺りを観察した。
フリージアはこの付近のアンデットを圧倒している。制圧するのも時間の問題だろう。
だが、校舎の屋根や窓の中にゴーストの姿がちらちら見え隠れしている。
どうやらアンデット軍団はゾンビやスケルトンで終わりというわけではないらしい。
「こいつら一体どこから沸きましたの〜?」
奴らが来る方角は図書館方面だとは思うのだが・・・・・・あそこにはオルビア先生がいるはずだ。
図書館の最下層は魔本や魔物が住み着いているらしいが、それらが学園の生徒を襲ったなど聞いたことが無い。
ルズはしばらく考え込んでいたが、不意に閃いた。
「キタ――――!!謎は全て解けたのですわっ!
 このアンデットは全てリバースでのゲームに色をつけるため、オルビア先生が召喚なさったのですわっ!!」

ルズが勝手な推理を展開している間に、フリージアとアンデット集団との戦いに変化が起こっていた。
何と、フリージアに破壊されたゾンビの残骸が集まり始めたのだ。
背の丈はフリージングドールの二倍はあるだろうか?
外見は泥でつくったゴーレムに似ているが、右腕が左に比べ明らかに肥大している。
「ヲヲヲヲ・・・・・・・タオス・・・・タオス・・・」
ミチミチと何かが引き絞られていく音がする。
音を発しているのは巨大ゾンビだった。
フリージアを見据えたまま、不気味に右腕が回転し始めている。
ルズははっとした。
「ま、まさか!あいつは右腕の筋力に、螺旋状から元に戻る際の腕の回転を付与するつもりですのっ?!」
腕を捻転させらせん状に変化させた巨大ゾンビは、右腕を大きく振りかぶりフリージアに襲い掛かった。

「フリージア女王様ぁ!」
ドーン!という地響きが上がり、ルズは絶叫した。
フリージアの姿を探すが、吹雪と舞い上がった泥混じりの雪に遮られ良く見えない。
231ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 :2008/05/01(木) 19:38:16 0
>218
>「ああ、狂っているわ!」
「(君は血に酔っているみたいだけどね・・・)」
ラルヴァには誉め言葉としては受け取れないようだ。

しかし、どれほど倒してもまったく尽きる様子もない。
>「坊や!化け物達をなるべくリリアーナから遠ざけて!あなたならできるでしょう!?」
「あー・・・・・・うん、分かった。」

エルザがリリアーナの方へ向かっていくのを横目に、ラルヴァは己の左腕を強く握り
より血を流して、それを周囲の床面に撒き散らす。そして血に汚れた右手を眼前に掲げ
「『グレイブウォール』!!」

血にまみれた床を壁面として床が、厚さ90cmの壁として持ち上がる。
廊下いっぱいに広がった壁は、蟻すら這い出る隙間も残さずごりごりとアンデッド達に向かう。
更に加えてラルヴァは進んでいく壁に右手を当てて再び詠唱を開始する。

「【我招くは 凄惨なる紅雨
 噴けよ爆炎 地を裂きて出でよ
 彼の者達に 驟雨となりて打ちつけよ】!」
再びの詠唱に応えるように、壁の向こう側ではラルヴァの血がぼこぼこと泡立ち
溶岩と化して、壁をすり抜けようとするゴーストを再び焼き尽くしていく。
おそらくこれで一通りアンデッド達が向かってくることはないだろう。

>220>228>229
ふと振り返ってみれば、なぜか誰もいない。
魔法に精神を集中している内に何かが起こったらしい。
「あー・・・・・・・・・・・・んー・・・・・・・・・・・・???」
リリアーナがどうなったのかやや心配だが、どこに行ったかも分からない。

「とりあえず、かまくらに戻ろうかな。」
そして再びラルヴァは雪の中へと歩き出すことにした。
232リリアーナ ◆7O/3IU/E7M :2008/05/01(木) 22:03:46 0
恐怖に突き動かされ、無我夢中で走っていたリリアーナの足がようやく止まった。
膝に手を当て、ぜいぜいと息をつく。
辺りはしんとして人の気配はない。
「どうしよう・・・皆とはぐれちゃった・・・・・・」
あの時は皆にどうしようもない恐ろしさを感じたが、今度は一人が怖い。
矛盾しているし身勝手だと自分でも思うが、どうしようもない。
「私、どうしちゃったのかな・・・・・」
お化けが怖いのは昔からだが、友達に恐怖を感じるなんて。
確かにリバース内では皆ライバルだが、今までこんな気持ちになった事など無かった。

だがこうしていても仕方がない。
リリアーナは身を起こすと、とぼとぼと歩き始めた。
ここからなら食堂は目と鼻の先だ。
あそこは今休戦地帯のようだから、しばらくの間身体を休ませる事もできるだろう。

「・・・・・あれ?」
そんな事を考えながら歩いていたリリアーナは、ふと足を止めた。
あるはずの廊下が消えている。
目の前には壁があるばかりだ。
「変ね、ここから食堂へ行ける筈なのに」
リリアーナは首を傾げた。
もっと明るければ、リリアーナの行く手を遮る壁の色がおかしい事に気づいただろう。
だがあたりは薄暗く、リリアーナも怖くて気が急いているために見落としてしまったのだ。

「リバース世界は左右反転しているから、どこかで道を間違えたのかしら?
 ああ、それにしても美味しそうな匂い!」
リリアーナはうっとりと息をついた。
辺りにはチョコレートのの甘い香りが充満していた。
「食堂についたら、チョコケーキとホットチョコレートでも頼もうかな・・・・・・」
楽しい事を考えたら少しだけ気分が良くなった。
リリアーナは茶色い壁に背を向け、その場を立ち去ろうとした。
233名無しになりきれ
                                  
                                   
                               
                               
                            
                             
                            
                            
The next season↓    


魔法少女達と冒険するスレ 10thシーズン
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