ここは名無しさんと一緒に、魔法少女がいろんな冒険するスレです。
質雑で終わるかTRPGなるかは出たトコ勝負です〜。
みんな、よろしくね。
2 :
名無しになりきれ:2007/01/02(火) 14:42:52
( ´ω`)おはよう
ファンタジー系なのか?
強姦魔があらわれた
しんでしまった!
私はとある魔術学園の生徒です。
その魔術学園は、フィジルと呼ばれる島にあります。
島は魔海と呼ばれる法則を無視した危険な潮流の中にあり、一度学園に入学したら卒業まで島を出ることは叶いません。
私も全寮制の寮に入っていて、ここ何年も家に帰ってないです。
ですが、私も今年卒業のはこびになりました。
最終試験に無事パスすれば、私も晴れて一人前の魔法使いです!
試験内容は知らされていませんが・・・最終試験にパスした生徒の話では、かなり危険な試験だそうです。
今年はどうなんだろ。簡単だと良いなあ。
>2
おはようございます。よくお休みになれましたか?
>3
私たちの世界は、皆さんがお過ごしになる世界とは違うと思います。
皆さんの世界が科学と機械が発達しているように、私たちの世界は魔法や不思議な力で満ちています。
そういう世界の事を、皆様は「ふぁんたじー」と呼ばれるのでしょうか?
不勉強で申し訳ありません。
そうそう、この世のどこかに機械仕掛けの街があるという伝説もありますが、私はまだ見たことがありません。
>4-5
あらら・・・スマキにされちゃいましたね。
ちょ・・・!殺しちゃだめええ!
・・・保健室に連れて行ってもらえたのかしら?
それにしても魔術学園の女子寮に押し込むだなんて・・・なーんて怖いもの知らずなのかしら(合掌)
私のテンプレはまたそのうちね。ではまた!
だいまどうしがあらわれた!
エターナルフォースブリザード!
世の中にはモードあるいはフォームチェンジというものがあるらしい。
一時的に一つの能力を特化させ、様々な危機に対処する能力だとか。
速さ、強さ、感覚……等など。
俺もそれが出来たら、勘を特化させて試験のヤマを当てたい。
10 :
名無しになりきれ:2007/01/02(火) 23:02:04
ふぁいや〜
相手は死ぬ
>7
すごい!どうして分かったんですか?
そうです。今こっちに手を振った先生は仰るように大魔道士の称号を持つ魔法使いです!
そして、私の担当の先生でもあります。
・・・美人でしょ?
かなり天然入ってるんですけどね、ああ見えて水、氷系魔法のエキスパートなんですよ。
あ、先生が呼んでるので、ちょっと失礼して行ってきますね。
>8 >10 >11
はい先生!私、明日の試験頑張ります!
・・・・え?試験に向けて特別な呪文を授けて下さる?今すぐにですか?
――――エターナルフォースブリザード?!
『一瞬で相手の周囲の大気ごと氷結させる
相手は死ぬ』
・・・ってアレですか!?
・・・・・・え、えーとぉ・・・・・・それはちょっと・・・。
そもそもアレは禁呪ですし、私の魔力ではとても無理です。
ご心配かけて申し訳ありません先生。
お気持ちだけありがたく受け取っておきますね。
ちゃらららっちゃっちゃー♪
【魔法少女はふぁいや〜 の呪文をマスターした!】
>9
授業中、隣の席の男子生徒が実に興味深い話をしてくれました。
フォームチェンジ、ですって。
彼は勘を特化させて試験のヤマを当てたいって言ってたけど(それも素敵ね)
私は特化できるとしたら何が良いかしら。
・・・うーん。逃げ足―――じゃなくて!
ダメね、試験を前にこんな弱気じゃ!
後で学園長室に呼ばれています。
いよいよ明日の最終試験の課題発表です。
去年と一昨年はサラマンダーが住まう洞窟に行って、炎系の上位魔法の契約を結んでくるというのが卒業試験だったそうです。
今年も同じ試験内容なのかな。
受験者も試験内容もギリギリまで知らされないから、正直心臓バクバクものです。
大抵パーティで参加することになるのですが、人数ガ少なかったりすると運が悪い生徒は一人で課題に取り組むことになります。
しかも私、あんまりクジ運良くなかったりします。
・・・・はあ〜・・・。
テンプレはこちらです。
※魔法少女と知り合い設定を投下する場合のみ、知り合いの程度に応じて備考欄にデータを書き込んでください。
(知り合いなのに、どんな人なのか全く知らないのでは変ですから)
それ以外は、レスの中で徐々に明かして下さいね。
名前・
性別・
年齢・
髪型・
瞳色・
容姿・
備考・
名前・ リリアーナ
性別・ 女
年齢・ 16
髪型・ 金髪のポニーテール
瞳色・ 青
容姿・ 色白で華奢。スタイルは年相応。
備考・ 魔術学園の生徒。卒業試験前日。
スレのお約束
・決定リール&変換受けありです。
・コテ付き参加大歓迎。捨てキャラも名無しさんネタ投下も大歓迎。
・拾えるネタは極力拾います。ただし自治、荒らし、ストーリーの破壊を狙うような投下は華麗にスルーです。
・好きな時に好きなように投下してOKです。ただしチャット状態はついていけない場合があるので自重して下さい。
・版権キャラで登場する場合は、可能ならファンタジーテイストにアレンジして下さい。(原典があれば教えてね)
なお最強クラスのキャラで参加しても、必ずしも周りが最強認識してくれるとは限らないかも・・・
・大切なのはスレを楽しむ気持ち、コテならなりきりとしてなりたっていることです。
つたない道案内ですが、よかったら一緒に冒険しましょうね。
テンプレ足りないから追加しとくね。
得意技・
好きな食べ物・
好きな偉人・
好きな生物・
嫌いな食べ物・
嫌いな金属・
今一番欲しい生物の毛・
保険に入りますか?・
獣の剣と魂の宝珠が一つになり、剣の音色が天空を越えて響くとき、
聖なる獣たちは風に乗り地上に降臨するでしょう
獣たちの身体が一つになるとき、ソウルバードが飛来し巨大なる精霊
の王の心臓として鼓動し始めるのです。
これで…いいのかな?
名前・タヌキ
性別・男
年齢・二十歳
髪型・短髪、黒髪
瞳色・濃い茶色
容姿・180cm、92kg、大柄、太ってはないべ
備考・魔法少女と面識はない
追加です。
得意技・大外刈り、腕がらみ、パンチ
好きな食べ物・鳥
好きな偉人・名前を忘れてしまった
好きな生物・猫
嫌いな食べ物・カキ等の貝、虫
嫌いな金属・特に無し
今一番欲しい生物の毛・秘密
保険に入りますか?・何それ?
魔法は全く使えません。また生徒でもありません。ただのアンポンタンの流れ者と認識してください。
魔法書の24Pを開きなさい
「あの…すいません。ご飯はどこで食べれますか?」
明らかに部外者の男性(しかもここは女子寮!)に話かけられました。
さあ、どうする?
・捕まえる
・食堂に案内する
・その他
言っておくけど、リリアーナちゃんを攻撃したりはしないよ。
チャッチャスレは楽しかったですか?
第一部第二部ともに
24 :
名無しになりきれ:2007/01/03(水) 11:03:41
ホット!!
(手のひらから熱湯を出す呪文 携帯用麺食品を食べるのに便利)
名前・レイド
性別・男
年齢・25
髪型・特にセットをせずに下ろしている
瞳色・赤
容姿・普段はスーツを着用。前髪が長い為、顔全体を見る事が出来ない。
備考・魔術学園の教師。普通の先生の様に見えるが、どこか抜けている所がある。前髪がとても長く、普段は鼻から上の顔が見れない。
得意技・???
好きな食べ物・ソバ
好きな偉人・居ない
好きな生物・猫
嫌いな食べ物・ナス
嫌いな金属・金
今一番欲しい生物の毛・無し
保険に入りますか?・既に入ってる
ナス買ってきて
生徒は一学年に一人の英才教育な勢いですな。
同級生、同級生は居ませんかぁ?
「ハァ……」
俺は食堂でソバを食いながら試験の事を考えていた。
「(あいつ等無事に受かれるかなぁ)」
この学校は試験当日まで教師にも試験の内容を教えない仕組みになっている。
>ナス買ってきて
食堂のおばちゃんがソバを食っている俺に対して買い物を頼んできた。
「えっ?俺まだ、飯食い終わってないんですけど……。しかも俺、ナス嫌い……分かりましたよ。行けば良いんでしょ、行けば。」
俺は渋々ナスを買いに行く事にした。
――――1分後
「おばちゃ〜ん!ナス買って来たよ!此処に置いとくからね〜!」
「さてと、職員室に戻るか……。ハァ…心配だ……」
午後の授業に向けて俺は職員室に戻った。
あ、そこ落とし穴ありますよ
30 :
名無しになりきれ:2007/01/03(水) 15:28:50
魔法少女はどこだ?
女子生徒に話しかけたら逃げられた。
「ちょ、ちょっと待って!わしはモンスターちゃうで!」
タヌキは落とし穴にはまった。
「ギャフン!!」
32 :
タヌキ:2007/01/03(水) 15:55:11
女子生徒は職員室に入って行った。
タヌキは落とし穴にはまって出られない。
「なんだこりゃ?」
タヌキは頑張ってみたが落とし穴から出られない。
タヌキは危機的状況ながら、自分の毛むくじゃらの顔をなでながら考えた。
なぜこの島の人々の顔はつるつるなのだろうか…
タヌキはやっぱり落とし穴から出られない。
補足
タヌキは獣人である。
本人的には人間である。
黒い胴着に黒い袴を着用している。
現在、上半身だけ出ている。
連書き、すみません
>16さんの分は、任意アンケートってことでどうかな?
魔物さんだと答えにくいかもしれないしね。
>16
得意技・回復、補助魔法系
好きな食べ物・甘いもの
好きな偉人・(なぜか赤面)・・・ナ、ナイショです。
好きな生物・犬
嫌いな食べ物・ゲテモノ系
嫌いな金属・合金。(肌が弱いので、肌に直接触れるものだとかぶれる場合があるのよね)
今一番欲しい生物の毛・ フェニックスの羽根。・・・あ、これって毛じゃないよね。
保険に入りますか?・学園入学時に強制加入した気が・・・あれ?気のせいかな?
・・・あら。「今ならアンケートに答えると粗品進呈」ですって。
何がもらえるのかしらね。ワクワク。
「さあて、寮に帰るか……」
寮に帰る途中に何人かの生徒に会った
>同級生は居ませんかぁ?
「ん?迷子か?
同級生ならいくらでも居るだろ?」
どうやら迷子らしいが、この広い学校では良くある事だ。
>落とし穴ありますよ
「学校に落とし穴なんかある訳ないだろ…つーか、そんな古臭い手に引っ掛かる訳が……」
と思ったが、どうやら狸が引っ掛かったらしい。
「オイ、大丈夫か〜?食堂のおばちゃんに見付かる前に脱け出せよ〜!」
俺はあえて狸を助けずに見捨てる事にした。
>魔法少女はどこだ?
「この学校は女子校だぞ?魔法少女なんていくらでも居る。」
生徒との会話を終えた俺は寮に戻り、疲れを癒す為眠りにつく事にした。
>23
それっておいしい?
>27
やだ、あなたは私と同じ講義を選択してるじゃないの〜。
>30
はい!ここにいます!
でも魔術学園だもん。魔法少女は私以外にもたくさんいるよ?
>36
はい!ミリアム先生!
粗品でアイスソードみたいなアイテムはもらえないと思うけど、肝に銘じておきます!
>20 >17
次は『世界の伝説、伝承と偉大なる魔術師達』の講義なのに、魔道書を寮のお部屋に忘れてきちゃったよ〜。
走ればなんとか間に合うよね〜。
ちなみに今日授業でやる24ページ。あの一節、私はけっこう好き。
>28
あ、レイド先生がナスを山ほど抱えて食堂に入っていったわ。
・・・なーんであんな不機嫌そうなオーラ出してるのかしら〜?あ、出てこられたわ。
軽く会釈しておこうっと。
>18-19 >21-22 >24 >31-33 >37
なんか年少の女の子が悲鳴上げて逃げて行ったわ。何かあったのかな?
あらら?草むらの中から男の人の声が聞こえてきたわ。何で?女子寮のそばなのに!
もしかして痴漢さん?!
>「なんだこりゃ?」
「あら、獣人さん」
どーんと穴の中に入っちゃってるわね。
女生徒の私に見つかっても全っ然焦ってないところをみると、痴漢さんじゃなさそう。
さっきレイド先生も声をかけていたしね。
――――あ!
「もしかして今日赴任する予定の先生ですか?ひどい目にあいましたね。
あの・・・差し出がましいようですが、女子寮の周りはトラップで一杯だから慣れるまで一人歩きは危ないですよ。
ちょっと待ってて下さいね、これマジックトラップだから、合い言葉を言わないと落とし穴から出られないんです」
えーと。今日の呪文はなんだったっけ?
・・・。
・・・・・・あ、思い出した!
『ホット!!』
しまった、手からお湯がー!
職員室から男が出てきた。
> 「オイ、大丈夫か〜?食堂のおばちゃんに見付かる前に脱け出せよ〜!」
男は立ち去った。
…て、おい!
タヌキは穴にはまったままである。
謎の男が立ち去った後、女の子がやってきた。
> 「あら、獣人さん」
「どうも、こんにちは。お嬢ちゃん。」
> 「もしかして今日赴任する予定の先生ですか?ひどい目にあいましたね。」
!?何のことだろ?まぁ、いいや。とりあえず、そういうことにしとけば助けてもらえるかも。
「そうだよ、そんなわけでお嬢ちゃん。わしを助けてくれ」
『ホット!!』
お湯をかけられた。
「ギャー!!」
なにこの連携プレイwww
「(何か嫌な予感がするなぁ)」
変な胸騒ぎがした俺は寝るのをやめて少し学校を回る事にした。
>36「アイスソード…そんな代物を持っている人が居るとは…」
俺も以前耳にした事はあるが、実物を見た事は無い。
まあ俺みたいな一般教師には関係無い物だが…
>38俺に対して会釈をしている子が目に入った。
「(あれは……リリアーナ?)おう。授業は終わったのか?試験に向けて、ちゃんと勉強しとけよ〜。」
彼女も今年試験を受ける生徒の一人だ
「(大丈夫かなぁ〜…)」
>39一番心配だった落とし穴の場所に来た。どうやら狸は未だにハマっている様だ。
「……助けてやろうか?食い物になんのは嫌だろ?」
かの男が再びやって来た。
>「……助けてやろうか?食い物になんのは嫌だろ?」
「助けてください!この子わしを生きたままゆでる気ですぅ(涙)」
>タヌキ
越境すんな
>44
わしが越境しとる理由はまたいずれ話すよ。
>44
あの…もしかして何かなりきり板における用語ですか?
>45>46理由が聞きたい訳じゃないって
越境をすんなって言ってんの
>47
あの…本当にすみません。越境とはどういう意味ですか?
お前は別のスレでも同じ名前・トリで活動してるだろ?
これだけ言えば分かる?
あ、やべ。他にもタヌキがおるわ。このことか。
「タヌキだよ」スレ
しかし、かのタヌキと私は別人です。私は名前を変えることにします。
>48
複数のスレッドで同じ名前やトリップのキャラクターを使用すること
スレッドとスレッドの境を越えるから越境
世界観を壊す恐れがあるため、キャラネタ・なりきりネタでは嫌われる行為の一つ
つ[オリジナルキャラ雑談スレ]
しかも、名前変えただけじゃ意味無いってトリも変えないと
>52
うわぁ、うっかりです。すみません。越境についてはよくわかりました。それではトリも変えます。皆さん、ごめいわくをおかけしました。
トリも同じなのか…?
その時はおとなしくタヌキ鍋になるしかっ!
>>54 > その時はおとなしくタヌキ鍋になるしかっ!
ごめんなさい、許して。
ちなみに話の上でもわしは越境者です。
とりあえず雑談やめろ
すみません
ってか世界観に合ってない気が・・
>42
はい。卒業試験頑張ります。
(・・・そういえば、今回の採点教官は誰なのかな〜?)
>42-43
「ご、ごめんなさいごめんなさい!大丈夫ですか?!」
>「……助けてやろうか?食い物になんのは嫌だろ?」
>「助けてください!この子わしを生きたままゆでる気ですぅ(涙)」
そ、そんなぁ〜。
「わ、私はただ獣人先生のトラップ解除しようとしてただけです。
今学期から共学になって編入生も増えたせいか、覗きに来る不埒者が増えたって寮母さんが激怒しちゃって・・・。
ここ数日でトラップ仕掛けまくりまくりだったんですぅ」
トラップ解除するのにちょっとした手違いがあっただけで、悪気は無いのよ、本当に!
・・・うわあ。精霊さん達がタヌキタヌキタヌキ鍋ってひそひそお話してる〜?!
・・・。
・・・・・・そんなにタヌキ鍋って美味し・・・じゃなくて!
「私はそんな・・・先生を食べようとしたりしないですよー!いくらお昼前だからってそんなに飢えてないです!」
きっぱり言い切ったけど・・・獣人さんの目が何か泳いでるよ?
もしかして・・まだ疑われてるの?
「レイド先生からも何とか言ってください〜」
魔法少女はかなりオロオロしている。
・・・そういえば獣人先生、こんな場所で何してたのかしら?
何か探し物?
>>60 > 「私はそんな・・・先生を食べようとしたりしないですよー!いくらお昼前だからってそんなに飢えてないです!」
お昼…あ、そうだ。わしはご飯をさがしてたんだ。
…でもやばいなぁ、この罠といい、この子といい。ちょっとヤバイところに迷いこんだかも。
(-_-;)
まあ色々とあった様だが、少しずつ直していけば良いさ
>41「連携プレイは大事だぞ〜!」
俺は連携プレイについて20分程説明してやった。これで連携プレイの大切さが解っただろう。
>43「リリアーナに悪気は無いんだ。許してやってくれ。」
俺は狸を落とし穴から出してやった。
「ほら、さっさと逃げな」
これで食い物になる心配は無いだろう
>60「ハハハッ……ワザとやった訳じゃないってのは分かってるよ。」
「(でも、こんな調子で試験に受かれるのか〜?)」
俺の不安感は更に強まったが、口には出さなかった。
>>62 かの男が罠の魔法を解いた。
> 「ほら、さっさと逃げな」
「ありがとうございます。この御恩はわすれません。…ついでに何か食べる物をいただけませんか?」
タヌポンは二人の会話からそれぞれの名前がわかった。
タヌポンはレイドにおねだりをした。
「今回の試験は豆の早食いって噂が…」
『ねーよwww』
レイドが少し怖い顔(実際には表情は見えないが)したように見えたので
もう一人の方
リリアーナに少し視線を送ってみた
>63「何?食い物?」
俺は図々しいと思いながらもポケットをあさった
ポケットの中にあったのはタバコとカキだけだった
「(何でカキが俺のポケットに入ってるんだ?訳分からんが、丁度良いか。)ほら、これやるから早く山に帰れよ〜!」
>64「そんな甘いもんじゃないぞ〜。今年の試験は昨年より更に難しいからな」
勿論これは俺の嘘だ。
俺も未だに試験の内容を聞いていない
というより、知っていても生徒には教えちゃならない決まりになっている。
>>66 「あ…ありがとうございます。」
タヌポンはその場を立ち去った。
でも毛むくじゃらの顔の下が青くなっていたことに二人とも気付くはずがない…
誰も…いないかな…
?はこそこそと厨房に侵入した。
!見つかった!?
「ギャー!!化け物!!」
????は食堂のおばちゃんに襲われた。
????は箱一杯のナスを持って逃げた。
>67「おう、気を付けて帰れよ狸。」
「リリアーナも早く寮に戻れよ。最近変質者が出てるらしいからな。」
一通り学校を周った俺は寮に戻って寝る事にした。
明日の試験内容がどんな物なのかも知らずに…
そして夜は更けていく…。
生徒達の中には自分の将来の夢を観る者もいるだろう。
しかし、それはあくまで夢。
夢でしかないのだ。
それが現実になるかどうかは明日の課題次第なのであった。
71 :
学園長:2007/01/04(木) 02:41:53
今年の最終試験は・・・
三人で一組を作り、先生を一人捕まえる事。
生徒はどんな手段を使っても良し。
先生は全力で逃げる事。先生も魔法を使用して良い事とする。
以上。健闘を祈る。
それが、学園長の最後の言葉だった……
本名:オグリシュ=ロッテン
使い魔名:モーターグリーン
寿命により再起不能<リタイア>
焼きナスを食べて元気がでたタヌポンは夜中の学園内を散策しはじめた。
タヌポンは廊下に落ちていたノートを拾った。…誰のかはわからない。
!?誰か来たようである。
タヌポンは持っていたナスの箱に隠れた。
…そういえば、わしが先生じゃないこと、リリアーナちゃんにばれただろうか…
スリーマンセルか。
リリアーナが分身魔法でも使って誤魔化すのかな?
>71->72「オイオイ……マジかよ……」
今年の試験は今までで一番難しい試験になるだろう。
「校長!そんな事生徒には無理です!三人でも教師を捕まえるなんて不可能だ!………って校長先生、聞いてるんですか?あれ?校長!校長!!」
校長はどうやら寿命だったらしい。
そんな事は俺にとってどうでも良い話だが……。
問題は俺も生徒に狙われる立場にあるということだ。
「さて、どうしたものか……」
俺はとりあえず、バリアを張って職員室で寝る事にした。
【夜中】
何者かが箱(タヌポン入り)の上に腰かけた
「ふぅ…」
年老いた男性の声だ
「見つからんのう…」
男は腰をあげた
足音が遠ざかっていく
タヌポンは箱から出てノートを見た
真っ黒な表紙には何か書かれているがタヌポンには読めない
ノートの中は…やはり読めない
【早朝】
ノートとにらめっこしていたタヌポンに多くの足音が近づく
タヌポンは再び箱に隠れた
足音はずいぶん慌ただしい
誰も箱に気をとめず通りすぎた
どこからか驚きの声と小さな悲鳴が聞こえた
さらに足音が増えた
「(これじゃ身動きがとれんじゃん)」
…
……
………
タヌポンは眠ってしまった
>75
食い物で釣れば狸が手伝うかもよ。ルール違反かもしれんが。
くらえ、ホット!
>62
>「ハハハッ……ワザとやった訳じゃないってのは分かってるよ。」
レイド先生はそう言ってくれたけど、心なしか笑みが引きつっていた気がする・・・。
あははは・・・は・・・はあ〜(ため息)。
>63 >65
獣人先生は無事穴から抜け出した。だけどおなかがすいているらしい。
>「何?食い物?」
ちらっと獣人さんが私のほうを見た。何か食べるもの持ってたかしら?
「んと、ちょっと待ってね〜」
>64 >66
がさごそとポケットを探っていると、通りすがりの生徒の会話が聞こえてきた。
>「今回の試験は豆の早食いって噂が…」
・・・・・・・・・・・・・な!な ん で す っ て ぇ ぇ ぇ ――― っ!!(AA略)
っていうかなんで豆の早食い?全然魔法関係無いじゃない!!
――――はっ!
もしかしてこれは姿変えの魔法で鳩に変身しろっていうテストなのかしら?
じゃあ前の授業の時みたいに
「あはは・・・クロネズミの体毛を白く変えようとしたら白熊に変身しちゃった〜・・・助けて〜キャー!!」
―――― なんて失敗は許されないわ!
>「そんな甘いもんじゃないぞ〜。今年の試験は昨年より更に難しいからな」
ぐっと拳を握り締めていたら、レイド先生の突っ込みが入った。
あら・・・
「豆早食いじゃ無いんですか?じゃあ一体どんな試験なんですか〜?」
もちろんぽろっと話してくれるほど、レイド先生は甘くない。現実って厳しいね。
・・・べ、別に残念がってなんか無いんだからねっ!
>69 >74
私があれこれ想像しているうちに、レイド先生と獣人さんの間で何かやり取りがあったらしい。
気づけば獣人先生は姿を消していた。
「そういえば私、今からお昼食べに行くつもりだったんすよね。
お湯かけたお詫びに獣人先生を食堂へ案内してあげたらよかったな〜」
悪いコトしたなあ。でもすっかり後の祭りね。
>「リリアーナも早く寮に戻れよ。最近変質者が出てるらしいからな。」
「はあい!先生失礼します!」
私はぺこりと頭を下げた。
キーンコーンカーンコーンと昼休みのベルが鳴り響く。
・・・あ、しまった。授業サボっちゃった。
>68 >71-73
その後学園長室で、明日の試験内容を聞かされるはずだったんだけど・・・。
何でも学園長が亡くなったという事で、学校中大騒ぎになってしまった。
お陰で詳しい説明どころか、卒業試験を受験する生徒たちとの初顔合わせも何もあったもんじゃなかった。
明日葬儀ということなら、当然試験は中止になっちゃう。
薄情と思われるかもしれないけど、実は、その件に関してはあまり心配してない。
だって学園長ったら、しょっちゅう死んだフリして生徒たちを驚かせるんだもの。
案外今回死亡したって話も、卒業試験のための演出かもしれないわ。
(学園長は、かなりブラックユーモアに富んだ人物なのよね)
その夜。
夕食のおかずがいつもより一品少なかったことと、食堂のおばちゃん達の機嫌が最悪だったことを追記しておきます。
>68 >80
そんな訳で・・・。
>「くらえ、ホット!」
「リリアーナ、その掛け声はやめなよー。それに明日試験でしょ?早く休んだほうがいいって」
最もな意見だけど私は首を横に振った。
「だっておなかすいちゃって眠れないんだもん。何で今日のおかずはあんなに少なかったのよー?」
出来上がった携帯用麺食品を啜りながらぼやくと、同室の皆は口々に教えてくれた。
手にはめいめい隠していたお菓子や食料を持っている
>「あーあれね、何でも聞いた話によると、怪物が出現して夕飯に使う野菜を盗んで行ったらしいわよ?」
>「ナス泥棒よナス泥棒!犯人は身長が5メートルもある茶色い熊ですって!」
>「え?私はゴーレムが食い逃げしたって聞いたけど?」
>「ウソー!私はドラゴンが野菜を消し炭にしたって聞いてるわー」
熊でゴーレムでドラゴンな怪物?
「・・・何だか本当に物騒ねー。こわーい」
私は怖そうに肩を竦めて見せた。
こうして私の試験前夜は、緊張感のかけらも無いまま更けていった。
>71
明日の朝知らされる卒業試験の内容。
先生を一人捕まえるというハイレベルさに、思わずのけぞったのは言うまでも無いわね。
みっしょん:卒業試験
内容
三人で一組を作り、先生を一人捕まえる事。
生徒はどんな手段を使っても良し。
先生は全力で逃げる事。先生も魔法を使用して良い事とする
舞台設定
魔術学園の施設はお城のような外観をしています。
女子寮、男子寮は校舎と同じ敷地内にあります。
校舎の裏手には霧のかかった森があります。森の奥深くには貴重な魔物や生き物が住んでいるという噂です。
校舎には校庭があります。
試験中は、基本的に校舎の敷地外に出られません
卒業試験に参加しない生徒は休日となります。
こんなものかしら?
>75 >79
受験する生徒が私一人だった場合も、それなりに保険を用意してあるから心配しないで。
獣人先生に助けを求める?名案だけど先生に助っ人を頼んだら私が失格になっちゃうわー
名前・オルビア・ターナー
性別・男
年齢・??(見た目は二十代)
髪型・癖毛、薄い紫色
瞳色・黒
容姿・ローブ姿、顔は中性的
備考・城の地下にある凄まじい広さを誇る図書室の管理人、
先生も兼任だが基本的に食事の際しか地下から出ることが無い。
得意技・分厚い広辞苑で殴る
好きな食べ物・購買や学食全般ですかね……一応、先生ですのでこう言っておかないと(ボソ
嫌いな金属・鉛ですね、質量に比べて重いからです。
今一番欲しい生物の毛・猫……ですかね。
保険に入りますか?・アリコジャパン……に着目しているんですよ、ふふふ。
魔術学校の地下にある図書室、日の光りが来ない地下だからかもしれないが、
薄暗く本を読む時は上に持っていく、またはランプを貸してもらうという珍しい図書室だが。
また、図書室というにはあまりにも広大で置いてある本は古今東西から集められたものだ、
魔道書や娯楽、指導書やマニアックな趣味など、その数は十人十色……あまりの膨大さに、
病的に本好きな人でも全部読むには管理人になるぐらいしか方法がないとまで噂されている。
そんな図書室の受付で、なにやらローブ姿の男が真剣にペンを奔らせている。
「……ふう、疲れましたね、写本をやるというのも大変なものです。」
オルビア・ターナー、この図書室の管理人であり錬金術の講師でもあるこの男は謎が耐えない。
学校にある七不思議にも入っているぐらいである、なぜならば彼は……
『一体全体何歳か不明』だからである、そもそもこんな話しは出ないのだ。
設立した初代校長と一緒に映っている写真や絵がなければの話しだが……。
現在は吸血鬼説が最も多いこの男、実際外に出る回数が少ないのだから仕方が無い。
しかし、その謎がなければ影の薄い存在であることも確かであり、先生への試験内容も聞かされないほどである。
そして今、まさに卒業試験のことなぞ全く知らずのままとうとう図書室で試験初日を迎えた。
ペンを置き、背伸びをして椅子から身を起こし階段へと向かっていく。
ローブ姿で足が見えないせいか滑るように歩くその姿はまるで幽霊さながらだ。
「腰が痛いですねぇ……年を取ったということなんでしょうかね?ふふふ」
そして階段を上り、大ホールに続く扉を開けた瞬間、とんでもない光景にオルビアが一言。
「……あれれれ?なんなんでしょうかねこの光景は??」
あまり驚いているようには見えない余裕の表情を見せるが、実際は凄かった。
講師と生徒の死闘のようなものが大ホールで繰り広げられている、最も、現在この学校内は全てこんな感じなのだが、
オルビアはそんなことを知るよしもなかった。
魔法少女二号? 死霊術じゃ駄目かな
名前・シュラルク
性別・女
年齢・16
髪型・金髪、ボブカット
瞳色・緑
容姿・鞍型制帽、ナチス親衛隊風の黒服(制服改造)、黒スカート。幼児体型
備考・魔法学園生徒。専攻は死霊術(ネクロマンシー)
喧嘩好きで素行悪し。出席日数は限りなく死線に近い
得意技・鎖鎌術、喧嘩、刺繍
好きな食べ物・肉
好きな偉人・伍長殿?
好きな生物・ネコ
嫌いな食べ物・カエルがトラウマ
嫌いな金属・放射性金属
今一番欲しい生物の毛・死んだ学長の髪の毛
保険に入りますか?・保険屋は信じない
その時、学校の入り口が炎に包まれた!
幸い教師達によって火は完全に消されたものの、火災の原因は不明のままであった……
そして、その夜……
>85
アンケート用紙の一番下の欄に、今まで無かった項目が手書きで追加されている。
「卒業試験に参加しますか?」
>83
ターナー先生のアンケート用紙には特に変更は無い。
どうやら特別な事情が無い限り、教師は卒業試験に「標的」として強制参加させられるようだ。。
>84
突然、2mくらいの黒いドラゴンが上空から現れ、暗黒のブレスを吐きかけてきた。生徒が呼び出した使い魔だろうか。
更に別の場所から雷だの聖なる光だの風の刃だの、更には睡眠魔法とか幻覚の魔術とか窒息の呪いとかが飛んできた。
他には剣の波動やドリルや爆発する弾、それに加えてヌメヌメした触手や毒のトゲや緑色の液体なんかも襲い掛かってきた。
89 :
魔女の使い魔:2007/01/05(金) 10:54:22
にゃ〜ん
「…………」
俺は試験中で狙われてる身にも関わらず職員室でバリアを張ったまま眠っていた。
「………ハッ!しまった。流石に寝すぎた……少し見回りに行くか」
他の職員や生徒の様子を見ようと見回りに行く事にした。
>86「オイオイ……なんで学校の入り口が燃えてんだ〜?」
俺は面倒くさそうに頭を掻きながら消火に取り掛かった。
「(さて、どうしたもんか……俺あんまり水や氷属性の魔法は得意じゃないんだが)……アクアスパイラル!」
とりあえず、水の中級魔法を使ったがあまり効果は無い様だ。
「やっぱし駄目だな……これは他の先生に任せるか」
俺は諦めてこの場を立ち去った
20分程学園内を歩き回ったが試験中の生徒に会う事は無かった。
「(どこかに隠れているのか?)」
>89すると何処からか猫の声がしてきた
「(あの猫は使い魔だな……誰かが召喚したのか…)」
近くに試験中の生徒が居る可能性が高いと思った俺はバリアを張り体育館に向かった。
目を覚ました時にはもう足音は消えていた
かわりに遠くから爆発音と猫の声が聞こえる
タヌポンは箱から出て散策を再開した
タヌポンはドアを見つけ、これにノックをしてみた。
………
返事があれば逃げるつもりだったが反応は無かった。
タヌポンはそっとドアを開けその部屋に入った。やはり誰もいない。
部屋の中には使い込まれた飴色の机と本棚がある。
壁に何枚も人の顔写真が飾られている。どの人も同じようなローブを着ているのがタヌポンには奇妙に感じられた。
タヌポンは本当にウザイね♪
タヌポンガンガレ!
ROMってる住人だが、おまえさんは良くやってる
お決まりだが
自演乙
結婚おめw
私の名はアルテリオン、誇り高き騎士・・・の霊だ。
運悪くこの学園にあったこの甲冑に憑いてしまった可哀想な霊だ。
学園に存在がばれてからは、私は道化師になりさがってしまった。
死霊科の生徒からは実験の拉致られることなんてしょっちゅうだ。
職員室にはいいお茶くみ係の雑用係だ。
んでもって都合よく警備員まで押し付けてくる始末だ。
正直、幽霊の私でも夜の学園はかなり怖いんだぞ
と私はそう脳内ナレーションをしながら校門の掃除をしている。
かなりマヌケだ。はやく片付けて不良学生を捕まえに行こう。
イスタリアとかネアキールとかとは関係ないの
102 :
名無しになりきれ:2007/01/05(金) 21:44:06
魔法学園は数あれどTRPGはここだけ
猫が言葉をしゃべるとき語尾にすべからく「にゃ」をつけると思うのは素人の浅はかさだ
体育館に向かって歩いていると授業をサボって雑談している生徒が居た
>93->97「オ〜イ、お前ら!あんまり授業をサボってると先生に怒られるぞ〜」
まぁ俺も教師な訳だが、生徒に注意をするのはあまり得意じゃなかった。
>98「さて、それじゃ体育館に行…」
すると突然、時計塔から声が聞こえてきた。
誰かがトラップに引っ掛かった様だ。
このトラップは試験関係者全員に対して伝令が伝わる仕組みになっていたらしい。
「後で確認すれば良いか…」
俺はまた体育館へ向かって歩き出した。
体育館に行けば試験中の生徒に会えると思ったからだ。
試験に全く参加してない事がバレて、面倒な事になるのが嫌だった。
しかし体育館に着いても試験中の生徒は見当たらない。
次は何処を探そうかと考えていると一人の生徒が話掛けてきた。
>101「(イスタリア?ネアキール?)わ、悪いが先生はちょっと分からんなぁ…」
そう言って足早にその場を立ち去った。
>100どうしようか迷いながら歩いていると校門で掃除をしているアルテリオンを見つけた。
「よお、アル!今日も掃除か?ご苦労、ご苦労〜」
そう言うと俺はアルテリオンの近くに座り込んだ。
>98見る事は出来たけど書き込めなかった(汗)
>リリアーナ
好きなだけ追っかけてくれ
…書き込めない。ブラウザが変だと言われる。
書けました。もとい、書きました。
名前・ クレティアン・ドロワ
性別・ 男
年齢・ 18
髪型・ ココアブラウン/オールバック
瞳色・ 黒
容姿・ 一見普通の兄ちゃんだが、鼻が無い。制服の上には白い外套を愛用。
備考・ 魔術学園の生徒。神学談義では独自の持論を展開する。
成績は優秀だが頭が悪い。
得意技・ 破壊/召喚系の魔術
好きな食べ物・ プルーン入りブリオッシュ
好きな偉人・ 造物主
好きな生物・ 犬、鳥、リザードマン
嫌いな食べ物・ 辛いもの全般
嫌いな金属・ アダマンタイト
今一番欲しい生物の毛・ ハイランド・グリフォンの羽(ペンにしたい)
保険に入りますか?・ 実家が火災保険加入済み
〜とある実験室にて〜
「ふははははは… 遂にやったぞッ
いにしえの時代に失われた召喚術『リコール・レイション』は
今ここに蘇るのだッ!!
行くぞッ、ずっと俺のターン!!」
(どかーん)
「うわぁーッ!!」
>>104 大爆発と共に実験室の窓が吹っ飛び、
外に居たレイドの所に『謎の肉』が降って来た。
あまり美味そうではないが一応食べられそうだ。
111 :
名無しになりきれ:2007/01/05(金) 23:56:07
鼻が無い?クリリンのことかぁ!!
一方その頃、魔界では……
大ホールでの死闘を辛くも制したのは先生だった。
「に、逃げられた――――!!」
ぜえぜえと肩で息をしながら、私は額の汗を拭った。
足元には力尽きた卒業試験受験者が伸びてる。
私と組んでいたほかの二人はどこ?
もしかしてはぐれちゃったのかな?
>84 >88
>「……あれれれ?なんなんでしょうかねこの光景は??」
あ、ターナー先生だ。図書室以外の場所で姿を見かけるのって何か新鮮。
でもぼーっと見てる場合じゃないわよね。
試験を制すには、先生を連れて理事長室に行かなきゃならないんだから。
「ターナー先生!私のばら色の未来のため1一緒に来て・・・・」
>「馬鹿!リリアーナ避けろ!」
「えっ?!」
よけろって一体何のこと?
恐る恐る後ろを振り返った時にはもう遅かった。
ピシャーン!と、雷だの聖なる光だの(中略)呪いとかが私の元に飛んできた。
他には剣の波動やドリルや(中略)緑色の液体なんかも襲い掛かってきた。
「キャ――――!」
受験者たちの総攻撃をうっかり受けてしまった私は、その場にばったりと倒れた。
あ、だめ。もしかしなくても死んだかも。さよ〜なら〜みんな〜!
倒れていたリリアーナの目がぱちりと開いた。
「――――あぅ、死ぬかと思った!」
むくりと起き上がったリリアーナは、埃まみれの自分の姿に思わず悲鳴を上げた。
「キャー私の髪がチリチリにー!!」
私は髪の毛の先がこげているのに気づき悲鳴を上げた。
だが、生徒達の総攻撃を受けた割に、リリアーナは元気そうだ。
呪いは呪い同士、武器は武器同士、毒は毒同士相殺し合った結果だろう。
もう一度再現しろと言われても出来ない偶然のなせるわざと言えた。
>112
「はっ!こんなことしてる場合じゃなかったわね!先生達と私の仲間はどこ?」
はっと我に返った私は、きょろきょろと周囲を見渡した。
ブロリーが地上へ出ようとしていた
ある時は教師に間違われ、またある時は生徒の使い魔に間違われ、魔法による総攻撃を受けながら茶色い獣人は校舎の外へ飛び出した。
そして今…校庭を全力疾走する彼の後ろを使い魔が追い掛けている。
見ればいつのまにか正門の火は消えている。
「いやぁああ!!」
茶色い塊はタックルで正門を破壊し、外へ飛び出しながら勢い余ってすっ転んだ。
「ハァ…ハァ…」
使い魔は門から外へは襲ってこないようである。
「フゥ…」
獣人は駆け足で自分の集落へ逃げて行った。以後、彼の一族が学園に近づくことは無かったという。
タヌポン〈敷地外へ逃亡したためリタイア〉
アイテム 黒いノートとカキが壊れた正門前に設置された。
くらえ必殺黒板ひっかき!
い゙や゙ぁあみぃ〜てぇぇっ
名前・ ロック・ウィル
性別・ 男
年齢・ 16
髪型・ 茶髪、ロングヘヤを後ろで束ねている。
瞳色・ 紺色
容姿・ 眼鏡、制服着用。動きやすさを重視し、ローブ等を着用することはない。攻撃に使う鉄球の入った袋を腰に下げている。
備考・ 魔術学園の生徒。生真面目な熱血漢。女子からは『暑苦しい』と不評。当然リリアーナと面識がある。
得意技・ 物理的な魔術が得意
好きな食べ物・ レモンパイ
好きな偉人・ 担当の先生
好きな生物・ 猫の使い魔(ただし本人は召喚できない)、その他かわいい生物全般
嫌いな食べ物・ かわいい生物は食べたくない
嫌いな金属・ レアメタル(ロックの魔術がかからない唯一の金属)
今一番欲しい生物の毛・ オールド・ドラゴンのひげ(担当の先生が実験用に欲しがっているから)
保険に入りますか?・ もちろんだ!規則だからな!
卒業試験に参加するかだと?
もちろんだ!!
120 :
使い魔の猫 :2007/01/06(土) 11:41:12
ふふふ(渋い声)
渋い声…?
もしや、強力わかもとっ!
「くそっ!何て事だ!この俺が、大切な仲間を見失うなんて!」
俺は自分の未熟さへの怒り、そして仲間への申し訳なさを感じながら仲間を探した。
俺は仲間の名前を大声で叫んだ。
>85
「なぁ〜にやってるだぁ〜?シュラルク、おめぇさまだこんなところに居ただか。
卒業試験に参加しね〜だか〜?」
背の高い女生徒が、シュラルクの姿に気づき目を丸くした。
「今日は試験の日だべさ。試験参加者以外でも、先生達に無礼講で戦いを挑める日だぁ〜よ?
オラてっきりおめぇさも行ったもんだと思ってただ」
農夫姿の女生徒はからからと笑った。
「行がねえならシュラルク、オラの畑さでも手伝っていぐか?」
>「よお、アル!今日も掃除か?ご苦労、ご苦労〜」
とレイド卿の声が聞こえたので私は振り向き答える。
「まったく聞いてくださいよレイド卿」
ちなみに”〜卿”とつけるのは騎士であったころの名残である。
「私また死霊科の生徒に拉致されたんですよ!まったく、亡霊にも人権いや霊権というべきでしょうか?
とにかく、酷いもんじゃない!
女子生徒ならともかく、男子生徒は私を人形に移し替えていやらしい悪戯までする始末なんですよ!!!」
と片手で塵を一箇所に集めながら私は座っているレイド卿に愚痴った。
その時である。私にある不幸が襲い掛かったのは
>茶色い塊はタックルで正門を破壊し、外へ飛び出しながら勢い余ってすっ転んだ。
>大爆発と共に実験室の窓が吹っ飛び、
外に居たレイドの所に『謎の肉』が降って来た。
あまり美味そうではないが一応食べられそうだ。
大きな爆音が二度続いたを思った瞬間、私が今朝から掃除をしていた校門前は見事に散らかされた。
「ヌァァァァァァァァア!!!」
多分今生きていたのなら、私はこの叫び声と共に噴水のように涙を噴出していただろう。
「キィィィィィィ!!!何組の生徒の仕業だ!!!
ゆ・・・ゆるさん・・・じわじわと嬲り殺してくれるわ!!!」
怒りに身を震えさせ、私は甲冑の隙間から緑色の炎のようなものを噴出しながら校門の掃除を
先ほどの五倍の速度で掃除し始めた。
その怒りに呼応してか、生徒用玄関前の掃除用具置き場においてあった箒やちりとりなども独りでに動きだし掃除を始める。
「レイド卿!校門の修理をお願いいただけないでしょうか?
なにせ、この身になる前は魔法などは一切習ってはいないので、魔法ならば時間をかけずに直すことができるでしょう」
と私はせっせと掃除をしながらレイド卿に校門の修理を頼んだ。
私は人形かわいい人形うふふふ・・・・
>「私また死霊科の生徒に拉致されたんですよ!」
「ハハハッ……霊権ねぇ……とりあえず、男子生徒には俺から言っとくから、そう怒りなさんな」
彼女は死人という身でありながらも、なかなかの苦労人、いや、苦労霊の様だ…。>116突然何かが正門を破壊し、学園の外へ逃げて行った。
「オイオイ…今のは何だ〜?あ〜あ、正門ぶっ壊しちゃって…」
>110そして次の瞬間、大きな爆発音が聞こえた。
「今度は何だ〜?」
爆発音がした方を見ると、そこは実験室だった。
「実験室か……誰かが召喚魔法でも試そうと思ったんだろ…。多分クレティアン辺りのアホだろうな…。」
目の前に変な肉が落ちてきたが美味そうじゃなかったので、食わなかった。
「なあアル、どうするよ正門?」
俺がアルテリオンに目線を向けると、彼女は案の定怒っていた。
>「レイド卿!校門の修理をお願い頂けないでしょうか?」
「俺、修理出来る様な魔法覚えて無いんだけど…」
しかし、ここで彼女を見捨てるのも可哀想だと思い、門の修理を手伝う事にした。「さ〜て、どうしたものかねぇ…」
俺はとりあえず、瞬間接着剤でくっつける事にした。
>103>117>118>120作業中に使い魔らしき猫や生徒が通りかかったが、俺を見ても捕まえに来ないという事は試験に関係の無い連中の様だ。しかし、黒板をひっかく音は嫌いだったので一応注意をしに行った。
一通り作業を終えた俺は自販機で二人分のコーヒーを買ってきた。
「少し休憩しないか?ほら、飲めよ」
俺はアルテリオンにコーヒーを渡して再び座り込んだ。
「(そういや今は試験中なんだよなぁ……皆怪我してないだろうか…)」
俺は試験中の生徒達の様子が少し気になった。
>>125 > 私は人形かわいい人形うふふふ・・・・
気になる…
って、今はそれどころではない!
肝心の魔法少女が少ない件について
金髪タテロールな雪女で参戦していいですか?
まあ氷属性の魔法少女なだけですが
痛そうなキャラだな
>130ぉk
そんな変なのより新タヌキで参加してくれよ
新タヌキはヤメレ(゜д゜)
幻術使いで憑依獣いる褐色の女魔法使いは?
ごちゃついた設定や
よくってよ!お〜ほっほっほ!!
マジタンに帰れフォックステイル
139 :
名無しになりきれ:2007/01/07(日) 18:42:34
あれはツインテールだろ
人形は俺と目があうとゆっくり近付いてきた。
以前、アルテリオンが男子生徒にいたずらされた時の事を思いだした俺は人形に問いかけた。
「アルテリオンさんですか?」
しかし人形は何も答えない。
「!(何かのトラップか?)」
俺はとっさに腰から鉄球を取り出した…が、すぐにしまった。
「…(人形とはいえ、女に攻撃はできん!)」
俺は人形から逃げた。
遠くから爆発音が聞こえてくる。俺は音源である大ホールへ向かった。誰かが魔法を使って戦っているに違いない。
>>114 > はっと我に返った私は、きょろきょろと周囲を見渡した。
ホールはあちこち壊れてしまっている。その中央に女子生徒の姿が確認できた。
リリアーナに似ているが…あんな髪だったか?
俺はとりあえずそいつに話かけてみる事にした。
ゲホゴホと咳き込みながら、私は立ち上がった。
戦闘の名残で、ドラゴン達がいるあたりには煙や埃が舞い上がっている。
黒ドラゴンとターナー先生がどうなったのかはここからは見えない。
>111 >113 >115。
魔界かどこかから誰か召喚されたみたい。生徒と先生、どっちの仕業かしら?
「あなた誰、もしかしてクリリン?・・・え、違う?」
そう言えば鼻がついてるわね。
彼の名前はブロリー、異世界から召喚されてきたらしい。
私はブロリーを頭の上から爪先まで眺めた後、にーっこりと微笑んだ。
「ちょうどいいわ、ブロリー、暇なら私に協力して・・・・・あっ!」
消えた!
まさか逃げちゃったの?
「もー!何が伝説の超ヤサイ人よ〜っ!バカバカバカー!」
>129-139
渡り廊下のほうでは、褐色肌の女の子とお蝶婦人風の女の子が友達と何かを相談してるわ。
あ、高笑いしてる。話が纏まったのかな?
>140
外に続く扉のほうから、見慣れた人影がホールに入ってきた。
「ロック!」
ロックは私の髪を見て不思議そうな顔をした。思わず赤面して、チリチリになった髪を慌てて直した。
「もー!ロックどこ行ってたのよ!チームなんだからはぐれちゃダメじゃない、こっちはもう大変だったんだから〜」
チリチリ頭を見られた恥かしさを誤魔化すように、私はプリプリしながらロックに文句をいった。
何?本当は私がロックを見失ったんじゃないかって?―――う、うるさいわねっ!
「誰かがターナー先生相手にドラゴンを召喚したみたい。下手すると巻き添え食らうかも。
漁夫の利を狙うには危険すぎるわ、一旦ホールを離れましょ!」
校門の方から何かを破壊するような音が聞こえてきた。
「校門のほうで何かあったみたい!言ってみよっ!」
私は駆け出そうとした。
>>141 > 「もー!ロックどこ行ってたのよ!チームなんだからはぐれちゃダメじゃない、こっちはもう大変だったんだから〜」
その女子生徒はやはりリリアーナだった。俺がいない間どれだけ苦労したかは
髪の毛を見て察して知るべし!
なのだろう。見れば見るほどリリアーナの顔が赤くなるのが気になるが、俺は“全力”でリリアーナに謝った。
そういえばもう一人はどこに行ったのだろうか?
…なに、はぐれただって!?
とりあえず、俺達は一旦ホールから出ることにした。
> 校門の方から何かを破壊するような音が聞こえてきた。
> 「校門のほうで何かあったみたい!言ってみよっ!」
リリアーナは俺がもときた道を駆け出して行った。
って、そっちはまずいぞ!
案の定さっきの人形とはちあわせになった。
「ちくしょう!なんなんだこいつは!」
…………
「ちょっと手間どってしまったな。」
俺達が人形を対処して校門にたどり着いた時、レイド先生がコーヒーを飲みながら一服しているのが見えた。アルテリオンさんも一緒である。
私のテンプレはもうちょっと待ちなさい(えらそう)
厨は消えろ
中華は着エロ
ちゅうか失せろ
147 :
名無しになりきれ:2007/01/08(月) 13:58:05
中華と猫耳と金髪タテロールは必要だろうが!!
どれもいらん
語尾にアルヨなんて付けないアルヨ・・・・・あれ?
ならばアフロだ!!アフロ魔法少女こいつはいけるぜ!!
151 :
名無しになりきれ:2007/01/08(月) 14:02:04
ええい避難所がないのが全部悪いんじゃ!!
ならば問おうぬしの理想の魔法少女とはなんぞ!!
アフロ魔法少女かよ!
アフロ犬よりもクールだぜ
>>151 変身幼ななじみヒロイン小学生
健気で元気っ子
これが基本かにゃ
料理が下手で料理をすると超常現象的な失敗をする
変なマスコットが2匹いる
ライバルは金髪タテロール
先生ノンがやりたいです!!
お前しつこい
よしどうでもいいから参加しろ!!
人耳っちゅうか金玉タヌキロールで参加しようか
タテロールの何処がいけない!?
こだわるのはそこか
厨臭い
主人公系よりライバル系魔法少女が大好きです
知らん知らん
ポンポコ
貴様金髪タテロールお嬢が好きなやつは大抵30代だろが!!
ソシエお嬢様に謝れ!!
暴れるなツインテール
もうこのスレ駄目っす
趣味が出れば痛くなるのは当たり前
小学生にこだわるロリコンも痛いし
70年代魔法少女にこだわるおっさんも痛い
アチョー婦人のキックはもっと痛い
気をつけろミリアが潜伏してるぞ
お前が変なので来て暴れてダメにしてるんだろ
ああ狸のことか
粘着は自分が一人だから相手も一人だろうと思い込む癖があるらしいって
雑談所で言ってた
やっぱ避難所立てるべきだろう
みんな喧嘩はよすネ
静まれお前ら
何がしたいんだまったく
それとこれとは別だろうに
177 :
名無しになりきれ:2007/01/08(月) 15:45:24
人は所詮分かり合えない
参加したいんだよ
そんな全力で謝らなくても・・・八つ当たりした自分がちょっと恥かしくなったわ。
・・・私は謝らないけど。
>144-177
自分の理想を正確に具現化できる人間は、当人以外に存在しないんだって。
どういう意味かさっぱりわかんないけど、おばあちゃまの受け売り。。
それからもう一つ、世界は不思議と神秘にみちていて、冒険世界へ続く扉はどこにでもあるんだって。
扉は誰にでも広く開かれていて、その気になりさえすれば、いつでも誰でも旅立てるそうよ。
でも扉に飛び込めるかどうかは、本人の勇気と好奇心と冒険を楽しむ心次第なんだって。
これもおばあちゃまの受け売りなんだけどね。
>142
>「ちくしょう!なんなんだこいつは!」
私ははっと我に返った。
――――何?気づけば変な自動人形が私のすぐ目の前まで接近してるぅ?!
あれ?私今誰かとお話してたんじゃなかったの?
まさか幻覚?
きゃー、いきなり大ピンチ?!
…………
>「ちょっと手間どってしまったな。」
「・・・そう?」
私はパンパンと服の埃を叩きながら、言葉少なに返事した。
本当はロックがいなかったからかなり危なかったかも。
誰が仕掛けたのかしらないけど、最後に自爆するオートマタを仕掛けるの止めてほしいわ。ホントに。
それにしても・・・ああ、おなかすいた〜。
寝坊して朝ご飯抜いたのが悪かったのかな〜。
魔法使い過ぎて頭くらくらしてきたわ。
校門ではレイド先生がコーヒーを飲みながら一服しているのが見えた。アルテリオンさんも一緒ね。
ちょっといい雰囲気じゃない?
私たちは近くの物影に隠れた。
「アルデリオンさんも先生扱いでいいのかしら?」
2対2ならちょっと厳しいかも。
「人の恋路を邪魔する奴はって言うし、攻撃はコーヒー飲み終わるまで待っててあげましょうよ。
その間に私たちは作戦会議よ!ロック、何か策はある?」
私が使えるのは雷系と回復魔法、補助魔法だもんね。二人に足の動きを鈍くする魔法、使っちゃおうかな〜。
>110
・・・ん?
なんだかいい匂いがすると思ったら、あんなところに料理のお皿が落ちてるじゃない。
パカッっと皿の上の銀色のフードを持ち上げると、皿の上には何かの肉が乗っかっていた。
慌てて蓋を閉める。・・・なんでこんなところに肉料理が落ちてるの?
私はもう一度おそるおそるフードを開けた。・・・やっぱりお肉。
何の肉かな?あんまり美味しそうじゃないけど、食べられなくは無さそう。
・・・。
・・・・・・・・・。
「ねえロック、これ食べてもいいのかしら〜?」
持ち主も回りにいなさそうだし、いいよね。
怪しすぎる肉なのに、な ぜ か 無 性 に 食 べ た く な っ て き た わ !
「いただきまーす!」
>143
はーい。
レイド卿からコーヒーを貰った私は少しばかり困惑した。
だって
「あの・・・レイド卿・・・ゴーストというのは人間のように物質を体内に取り入れるのではなく
その物質の精気を食べるんですよ・・・ですから、あの〜ご好意は嬉しいのですが、レイド卿から見たらまったく飲まない形になるのですが・・・」
と一言謝罪をいれてから私はコーヒーを飲む振りをしながら精気を吸った。
「そういえば、今年の卒業試験は鬼ごっこだそうですね。
まぁ用務員の私には関係ないですけど・・・」
その折、学園長からの手紙が飛んできた。
【お 前 も や れ】
「レイド卿・・・鬼ごっこのルールってなんでしたっけ?」
私は手を小刻みに震えさせ、ルールを確認した。
後ろの茂みに誰かいることなど知らずに
人形はやられたネ・・・・・次はわたしが相手ネ
行くね来!来!キョンシー!
キョンシーX3召還
キョンシーAは中華に襲い掛かった
他の2体はどっかに消えた
ア〜レ〜ネ
>その物質の精気を食べるんですよ
「な〜るほど。それは面白い仕組みになってるなぁ。まあ、飲んでない様に見えても実は飲んでるって事だろ?」
そう言って残りのコーヒーを一気飲みし、立ち上がった。
「(何人だ……?一人じゃないな…)」
どうやら近くに試験に参加している生徒が居る様だが、何人かは分からない。
>「そういえば、今年の卒業試験は鬼ごっこだそうですね」
「そうなんだよ…。校長もなかなか意地の悪い人だよなぁ。普通に教師を捕まえるなんて無理に決まってんのに…。」
校長が意地の悪い人だとは知っていたが、ここまでとは俺も思っていなかった。
>【お 前 も や れ】
「(ハァ…何考えてんだあの人は…)」
流石の俺も呆れた。
「(さて、どうする…何とかアルを連れてこの場を離れないと…)」
>「レイド卿・・・鬼ごっこのルールって何でしたっけ?」
「ん?あぁ、ルールは特に無い。全力で逃げればOK。魔法も使って良いんだとさ。」
そう言うと俺はアルテリオンに顔を近付け小さな声で話始めた。
「良いかアル、これは大事な話だ。一度しか言わないからよく聞いてくれ。今近くに試験中の生徒が居る。多分二人……。多くても三人だ。」
ここまで説明して少し辺りを見渡した。
「ここからが本題。俺がダークミストを使った瞬間に君はどうする?捕まるか、一人で逃げるか、俺と一緒に逃げるか。」
俺はアルテリオンから少し顔を遠ざけ、ため息をついた。
「本当は巻き込みたくなかったんだけどな……。どうする?あんまり考える時間は無さそうだぞ?」
>>178 > 「アルデリオンさんも先生扱いでいいのかしら?」
「彼女は先生ではないだろ。無関係な女性を巻き込むわけにはいか……ん?」
俺はいつのまにかポケットに手紙が入っているのに気付いた。…アルテリオンさんも標的になるらしい。
俺は複雑な気分になった。
> 「人の恋路を邪魔する奴はって言うし、攻撃はコーヒー飲み終わるまで待っててあげましょうよ。
> その間に私たちは作戦会議よ!ロック、何か策はある?」
俺が使える魔法で一番得意なのは物体操作だ。俺はリンゴサイズの鉄球を取り出し、リリアーナの目の前に浮かして見せた。戦闘時はこれを相手に高速でぶつけて攻撃する。並のゴーレム程度なら簡単に粉砕できるが…実体の無いゴーストの類には効かない。
得意になって話してるうちにリリアーナは何か妙な物に気をとられていた。
> 「ねえロック、これ食べてもいいのかしら〜?」
え?何?食べ物??
リリアーナは正体不明の怪しい肉を口にしようとしている。
> 「いただきまーす!」
ズドン!!
皿の下の地面がトコロテンのようにすっぽ抜け肉をリリアーナの手の届かない高さへ押し上げてしまった。
…俺が魔法を使ったからである。
「それはどう考えてもトラップだろ!毒でも入ってたらどうするんだ!」
リリアーナは恐い顔をしてこっちを見ている。
「………」
俺は無言で昼に食う予定だった一切れのレモンパイを渡した。
って、まずいぞ!
いや、レモンパイはうまいが肉がまずい!目立ちまくりじゃないか!!
先生達に気づかれるぞ!!
185 :
名無しになりきれ:2007/01/09(火) 19:20:35
キエー!!オートマータがぶっこわれてるわいな
ファイナル・タクティクス・ハイド!
>>178 >>184 (ガラッ)
「どうしたね、そこの少年少女よ」
近くのガレキの中から唐突にクレティアン登場。
二人とは直接の面識は無いが、ひょっとしたら顔くらいは覚えられているかも知れない。
クレティアンは昨年度の卒業試験を『何故か』首席で突破している。
学園に残っている理由は家庭の事情という噂。
「ふふん、なるほど。卒業試験だなッ?
話は聞いている。今年も随分と派手にやってるそうじゃないか」
(ヒューン…)
「相手はあの教師連中だ…一筋縄ではいかないだろうッ。
どうだ? 良ければこの俺が力を貸し」
(ごんっ)
「グォッ」
謎の肉が載った皿が後頭部に直撃。
地面がせり上がった際に勢い余って宙を舞っていたらしい。
ぶっ倒れるクレティアン。
今なら何か奪ってもバレないだろう。
所持品:
古代語で書かれた本(かなりヤバそうなモンスターの挿絵がある)
霊酒(集中力を高める効果があり、多くの魔術師が愛飲。高級品)
何かの粉末(魔力を感じる。魔法の触媒に使っていたらしい)
怪しい手帳(『女生徒の名前』と『色』がひたすら列記されている…)
ローブ(クレティアン愛用の品。教会の聖印が刺繍されている)
>184
お肉を食べようとしたら、急に目の前からお皿が消えたわ。
目の前には隆起した地面。
>「それはどう考えてもトラップだろ!毒でも入ってたらどうするんだ!」
「・・・」
うるうるしながらロックを見つめていたら、彼は無言でレモンパイを取り出した。
「食べて良いの?ロックありがと〜!」
やーん!この艶、この形!なんて美味しそうなの〜!
―――― こうして私は、怪しい肉の誘惑を退けた。
隆起した地面がレイド先生たちから丸見えとも気づかずに。
>188
ガラッと近くの瓦礫の中から、突然男子生徒が現れた。
私はびっくりして、食べかけたレモンパイを喉に詰まらせた。
「んー!!んー!!」
胸をたたきながら目を白黒させている私の前で、クレティアンは爽やかに助力を申し出てくれた。
非常にありがたいのだが、残念ながら私はそれどころじゃない。
(水、水〜!!)
ジタバタしている私の前に、突然高そうな瓶が転がってきた。
私は一も二もなく飛びついた。一気に煽って半分くらいまで飲み干す。
「し、死ぬかと思った・・・」
ようやく人心地ついたのもつかの間、カーッと顔に血が上った。
うわあ、なんか世界が回ってるわ〜。ロックのレモンパイでおなかは膨れた筈なのに何かくらくらする。
(どうやらリリアーナは酒に弱かったようだ)
・・・あ、レイド先生とアルデリオンさんがこっちを見てる。もしかしてばれちゃった?!
私はガサッと茂みから立ち上がった。
>180 >182-183
「こりゃー!レイドしぇんしぇー、アルデリオンしゃんー。逃げたららめー!」
ぐらんぐらんしながらも私は次に足止めの魔法を唱えた。
まともに食らえば、レイド先生とアルデリオンさんの素早さが半分にダウンするだろう。
―――― ここでぷっつりと私の記憶は途切れた。
>186
リリアーナは完全に酔っ払っている。
「ヒック・・・ファイナル・タクティクス・ハイド!」
156センチ!
該当者無し!
完全に据わった目でリリアーナはロックを振り向いた。
「ロック、ローック!がんばって〜!キャハハハハ!」
リリアーナはロックの背をバンバン叩いた。
ロックの素早さが上がった。
「・・・愚問」
甲冑の下で私は不敵に微笑んだ。
「すぐに行動を開始しましょうレイド卿、生徒は手加減などはしてくれませんよ」
そういって私は立ち上がりレイド卿が向いているほうを見た。
「・・・」
とそこにあったのは皿と競り上がった地面であった。
あれ?掃除し忘れたかな?
そう思った瞬間
>(ごんっ)
>「グォッ」
音と声のお陰で確信できた。
「あちゃーもう来てたんですか、どうしますかレイド卿?」
そういって私は竹箒を構えた。
木剣はあるのだが生憎用務員室に置いてきてしまった。
「私がお取りになるのでその間にブラックミストを」
そういって私は茂みに走り寄った。
>「こりゃー!レイドしぇんしぇー、アルデリオンしゃんー。逃げたららめー!」
といきなり茂みから飛び出した生徒に私は魔法をかけられてしまった。
だが、私自身にはかかってはおらず、鎧にかけられてしまったため
「ギャフン!!!」
幽体の体と鎧のバランスが崩れ、思いっきりこけてしまった。
運悪く、私の鎧はバラバラに分かれそこらじゅうに散らばってしまった。
しかし、私自身はころんだ拍子に一時的に憑依が解除されたらしく、幽体の姿で転んだポーズをとっていた。
>>189 > 「ロック、ローック!がんばって〜!キャハハハハ!」
> リリアーナはロックの背をバンバン叩いた。
> ロックの素早さが上がった。
「や、やめろリリアーナ!!」
突然現れた謎の青年(俺は知らない)の霊酒をいっきに飲んだリリアーナは正気を失い俺にからんできた。
後ろには謎の青年が肉の直撃を受けて倒れてしまっている。味方でまともに動けるのは俺だけのようだ。
>>190 リリアーナの仕掛けた魔法なのかはわからないが、アルテリオンさんがずっこけてバラけてしまった!
残っているのはレイド先生だけだ。何か魔法を唱えようとしている。
「させるかぁ!!」
俺はレイド先生に向けて鉄球を放った。
>「ズドン」
「(アイツ等はもう少し静かに隠れられないのか……)」
振り向くと地面が隆起していた。
「(誰の魔法だ?)」
>(ガラッ)
「(今度は誰だよ…って、クレティアンか……少年少女って事はやっぱり一人じゃないな。)」
>「すぐに行動を開始しましょう」
>「私が囮になるので」
どうやら彼女の決心は決まっていた様だ。「分かった。じゃ、いくぞ!ブラック…」
>「逃げたららめー!」
茂みから突然リリアーナが現れた。
「リリアーナ!何でお前酔ってるんだ?」
どうやら隠れていた二人のうちの一人はリリアーナだった様だ。
しかも何故だか分からんがリリアーナは酔っている。
酔っていながらも足を遅くする魔法を使ってきた。
「リフレクト!」
俺はリフレクトを使いリリアーナの魔法を防ぐ事が出来たが、アルテリオンが魔法を受けてしまった。
「(しまったな…。アルの鎧を直してる暇は無いぞ…。ここはブラックミストを使って逃げるのが一番か…)ブラッ…」
>「させるかぁ!!」
「―――バリア!」
隠れていた二人のうちのもう一人はロックだった。
「ロック〜、不意打ちを仕掛ける時は静かにしないと意味無いぞ〜。」
正直、ロックが声を出してなければ攻撃を受けていただろう。
「これはちょっとマズイ状況だな…。仕方無い……グレイブ!」
ロックに槍状の岩が襲いかかる。
「こんなもんで良いか…ブラックミスト!アル!校庭へ逃げるぞ、走れ!」
辺りを黒い霧が覆い始めた。
これで暫くは視界を奪う事が出来るだろう。
>>193 俺の攻撃はレイド先生のバリアに簡単に弾かれてしまった。
> 「グレイブ!」
> ロックに槍状の岩が襲いかかる。
「ハードニング!!」
俺は全身を硬化させる魔法を使って正面から“全力”でそれを受け止めた。さすがにノーダメージとはいかず、尻餅をついてしまった。
「わくわくしてきたぜ!先生!!」
> 「ブラックミスト!アル!校庭へ逃げるぞ、走れ!」
> 辺りを黒い霧が覆い始めた。
「そんなぁ!(俺は先生と“全力”で戦いたいのに!)」
………
黒い霧が晴れた時にはレイド先生の姿は消えていた。
さて、俺の周りでは気絶した青年と酔っぱらって踊っている少女がいる。とりあえず、彼等を保健室に連れて行った方が良さそうだ。俺は青年を担ぎ、リリアーナの手を引っ張って保健室へ移動した。
保健室には誰もいなかった。保健の先生も狙われているためだろう。
俺は青年をベットに寝かせた。もちろん、彼のアイテムも一緒に持ってきた。ベットの横に置いとけば目覚めた時に気付くだろう。
リリアーナは…何かわめいているが俺にはよくわからない。俺は彼女に保健室にあった酔い覚ましの薬を与えた。
しかし、その酔い覚ましの薬(のように思えた薬品)は、実は…
媚薬w
197 :
名無しになりきれ:2007/01/11(木) 01:31:09
な、なんだって・・・と禿げた教師は驚く
>190
転倒したはずみで、アルテリオンの鎧はバラバラになってしまった。
「わーい!アルテリオンしゃんゲット〜!」
リリアーナはアルテリオンを捕まえようと飛びついた。だがゴーストの体はあっさり素通りした。
地面に寝転がる形になったリリアーナは恨みがましい目でアルテリオンを見つめた。
「ずるーい!アルテリオンしゃんのばかー!!こうしてやるんらから〜!!」
リリアーナは黒い鎧の両腕を拾い上げると、けらけら笑いながら自分の腕に装着した。
「鎧が踊るとアルディオンしゃんはどうなるの〜?」
憑依が一時的に解除されたとは知らないリリアーナは、いきなり踊り始める。
♪踊る阿呆にみる阿呆〜おなじ阿呆なら踊らにゃソンソン〜♪
>181 >185 >187
猫耳アフロ中華服魔法少女が放ったキョンシーBが現れた。
「あなたも踊る〜?踊ろ〜踊ろ〜おろろーよ〜」
背後ではレイドとロックが戦っているが、酔っ払いのリリアーナはお構いなしだ。
>191-193
「やーん!前が見えらいよ〜!」
ブラックミストで視界を奪われたリリアーナは不満の声をあげた。しかしなおも踊りつづける!
リリアーナ は ふしぎな おどりを おどった!
キョンシーは あしを ふまれた!29ポイントの ダメージ!
キョンシーB は ぼうぜんと している!
リリアーナ は ふしぎな おどりを おどった!
かいしんの いちげき! キョンシーは こてで ぶたれた!
71ポイントの ダメージ
キョンシーB を たおした!
「はれ?なにこれ?」
リリアーナは こわれたオートマタ の ネジを てにいれた!
霧が晴れた時には、アルテリオンとレイドの姿はどこにも無かった。
「やだ〜!まだ踊るの〜!!」
リリアーナはロックに手を引かれ、保健室へ移動した。
クレティアンはベットに寝かされている。
保健室の先生は今は不在のようだった。ロックは薬品棚で薬を探しているようだ。
リリアーナは酔っ払い特有の図々しさで、クレティアンの本を手に取った。
挿絵を指差し、けらけらと笑っている。
「ロック見て〜見た事も無いモンスターが載ってるお〜!!こわーい!かっこいー!
・・・・・・こらロック、ちゃんと聞いてるろ〜?喉渇いたー!水!水ー!水ちょうらい〜!!」
ロックに酔い覚ましの薬を渡されたリリアーナは、そのまま飲んだ。
・・・・
・・・・・・・・。
>195-197
「ねえロック、良く見るとあなたって素敵ね」
場違いなくらいとろんとした瞳で、リリアーナはロックを見つめている。
リリアーナはロックの手を取るとほお擦りした。
「ロック、私、ロックの事が大好き。ロックは私のこと嫌い?」
どうやらロックが飲ませてしまったのは媚薬・・・ほれ薬だったようだ。
な、なんだって・・・という教師の声が聞こえたような気がするが、鯉・・・もとい恋に落ちたリリアーナにはどうでも良かった。
リリアーナの目は完全にハートマークになっている。
「ロック!ロックー!ねえ、試験が終わったら私と結婚してー!」
デビルチンポアターーーック!
>「わーい!アルテリオンしゃんゲット〜!」
立ち上がろうとした瞬間生徒が私に向かってタックルを仕掛けている。
「のぉあ!しまった」
と思ったら生徒は私の体を通りすぎてしまった。
>リリアーナは黒い鎧の両腕を拾い上げると、けらけら笑いながら自分の腕に装着した。
「鎧が踊るとアルディオンしゃんはどうなるの〜?」
「やめろぉ!私の体で遊ぶんじゃない」
と私は自分の鎧をとりかえそうとした瞬間
>「こんなもんで良いか…ブラックミスト!アル!校庭へ逃げるぞ、走れ!」
レイド卿が声をかけてきた。
鎧は後で拾えばいいから、今はここから退散したほうが得策だろう
「わかりましたレイド卿」
そういって私はレイド卿の後を追って校庭へ向かった。
>181
「どうしてこれの名前ってチャイニーズゾンビじゃないのかしらねえ」
みんなから遅れてスタートしたわたくしは最後に残ったキョンシーと遭遇してしまいましたの
「冗談じゃないわこっちは急いでるのよ」
だがどんなにわめいても相手は中国産ですわ当然こっちの言葉が通じるわけもなく・・・
キョンシーC「シャギャァァァァァ!!」
問答無用で襲い掛かってきましたの・・・
「ええい!うっとうしいわね!!これでもおくらいなさい!!
わたくしは手のひらに3枚ほどの雪の結晶を生み出しそれをフリスビーのように投げつけましたわ
ところが一枚目、二枚目はキョンシーさんにかわされてしまいましたわ
キョンシーC「シャシャギャァァァァ」
こちらの攻撃に怒ったのかキョンシーさんは飛び掛ってきましたわ
わたくしはあわてずに雪の結晶を人間大まで大きくして防御しましたの
キョンシーC「シャァァァ」
私を噛み損ねたキョンシーさんは怒り狂ってますわね
わたくしはその隙を突いて新たに生み出した雪の結晶を回転鋸のように回転させキョンシーを真っ二つにしましたの
ttp://cocoa.gazo-ch.net/bbs/18/img/200701/1177950.jpg(あくまでもイメージです)
「ふう・・・やっと終わったわね・・・」
>>199 リリアーナは俺の手を取るとほお擦りした。俺は目が点になった。
> 「ロック、私、ロックの事が大好き。ロックは私のこと嫌い?」
あまりの展開に思考停止してしまった俺は事態を把握するまで時間がかかった。
俺は足下に転がっていた薬の瓶を見た。俺が飲ませたのは『ヨイトレール』のはずだが…『ヨクホレール』と書かれている。
まずい!俺が飲ませてしまったのは強力なほれ薬だ。なんて紛らわしい!
> 「ロック!ロックー!ねえ、試験が終わったら私と結婚してー!」
大変である。リリアーナは有無を言わさずこちらに迫ってくる。
その時、誰かが保健室に入ってきた。
ロックの絶叫が響く。
「助けてください!!」
………
>197
入ってきたのは保健室の先生だった。保健室に人が担ぎこまれたと聞いて駆け付けてくれたらしい。
リリアーナは先生に“適切な処置”をほどこされベットで静かに寝ている。
頭の禿げた男=先生は回復魔法のエキスパートである。今回の卒業試験の標的からは特別に除外されてるそうだ。まあ、当然か。この人が捕まると大変なことになるのは今回のことでよくわかった。
「―――ふぅ。……何とか逃げきれたな。アル無事か?って、無事じゃないよな……」
俺は申し訳なさそうにアルテリオンの方を向いた。
「その…スマン……。俺がもう少し早く生徒の気配に気付いていれば君の鎧が壊れる事はなかった…。」
自分の未熟さに少し嫌気が差した。
しかし、いつまでもこんな調子でいる訳にもいかない。
近くに生徒が居ないか辺りを見渡す。
「すぐ近くに生徒は居ない様だな…。一旦、何処かに身を隠して一休みしたら鎧を直しに行こう。長い時間鎧を放置しておくと、生徒に悪戯されそうだからな。」
「ロックてめえええええ!! リリアーナさんと保健室で二人で何やってんだぁぁぁぁぁ!!!」
その時、保健室の窓が吹っ飛んでロック目掛けて氷の魔法が飛んできた
>205
「うわっ!」
と俺は叫んだ。
「何すんだこの野郎!」
と叫んだのは俺…ではなく保健室の先生だった。保健室の先生はそのまま保健室から飛び出して行ってしまった。
俺は氷の魔法で足にダメージを受けてしまった。リリアーナの魔法(素早さアップ)のおかげで直撃は避けられたが、硬化魔法ハードニングではこういった属性攻撃は防げないのである。
俺はとりあえず包帯を巻いておいた。
>205
カチャカチャとガラスを拾い集めるような音がするわ。変なの。
目を開けると、そこは保健室だった。
あれれ、さっきまで私、ロックと校門にいたはずなのに。なんでここに?
>206
ロックは何だかひどく疲れているみたいだ。怪我もしているらしい。
とりあえず私は、頭が割れるように痛い。
「・・・ごめんね、ロック」
私はベットの上で小さくなった。
「あ、あのね、実は私、校門で足止めの魔法使ってから後のことぜんっぜん覚えてないの。
でも結局レイド先生達も逃げられちゃったみたいだし・・・ごめんね、足引っ張っちゃって。
良ければ現状を簡単に説明してくれないかな?
私、どのくらいダウンしてたの? なんで私がアルテリオンさんの鎧の両腕をもってるの?」
私は声をひそめた。
「保健室の窓ガラス、もしかしてあれも私が割っちゃったの?」
窓ガラスは派手に割れていて、カーテンが風で揺れていた。
>202
不意に窓の外から少女の声が聞こえてきた。
>「ええい!うっとうしいわね!!これでもおくらいなさい!!
>「シャシャギャァァァァ」
「あの声・・・」
窓の外を見ると、ちょうどフリージアが、迫り来るキョンシーを真っ二つにしているところだった。
「フリージア!」
こっちこっちと彼女を手招きする。
氷系魔法 「布団がふっとんだ!」
>「その…スマン……。
「いえいえ、その転んだのは私に責任ですし、鎧だってバラバラになっただけで壊れたわけではありませんし」
と気を落とすレイド卿に対し、私は手を振って答えた。
>「すぐ近くに生徒は居ない様だな…。
「えぇそのようですが・・・あの〜鎧の件はいいです。こうなったのも自分の責任ですから
それに夜になると私は強制的に鎧に戻ると思うんで、別に急いで元に戻さなくても大丈夫ですし、私が取りに行くことを狙って
待ち伏せしている生徒もはずです。」
と責任を感じているレイド卿をなだめた後、私はある衝動に狩られた。
なんか無性に悪戯がしたい。驚かしたい・・・
ゴーストの本能であろうか?憑依が解除されたのがきっかけで目覚めてしまったようだ。
「ふふふふ・・ふひ・・・レイド卿・・・私ぃ〜ちょっとお散歩にいってきますね〜」
と不気味な笑みを浮べ、校舎へ向かって走り始めた。
>207
「あらリリアーナさんごきげんようv・・・・って何で保健室にいるの?怪我でもしたの?」
と次の瞬間近くにロックがいることに気づく
フリージア的短絡思考
男女が二人いて近くにベット→いやらしいことをする
(ふ、不潔ですわ・・・)
どうやら思いっきり誤解をしたようである
「そういえばさっきから持ってるその鎧の腕はなんですの?」
とりあえずそういう不純な考えを追い払うために、どうでもいいことを聞いてみた
>208
そうこうしていると布団が吹っ飛んだと言う声がどこともなく聞こえてきた
一体あんな呪文誰が開発したんだろうか?
外を見るとなんだかよくわからないものが凍っていた
帰れ自演クリムゾンフレア
>211
うわ!なにその厨っぽい呪文
フリージアは昔クリムゾンフレアが別コテで使ってたキャラだろ
口調も同じだ
コロシアムで自キャラ同士戦わせようとして叩かれてたよな
昔っていつだよ
自演で魔術ギルドを盛り上げるのが手口だったっけ
フリーザの形をした電車じゃねえの?フリージアって
218 :
名無しになりきれ:2007/01/12(金) 16:57:32
コロシアムってなんだ?
オリキャラコロシアム
そんなものは知らん!憶測だけで同一人物と決め付けるのはよくない
っていうか魔術ギルドってなんだ?ログ見たいのだが
フリージアこないだも名無しで暴れてたろ
クリムゾンフレアはネクロマンサー捨てて逃げたくせに
フリーディア(邪竜槍シグナスフリーディア)
フリーディアじゃん
そっくしじゃん
2006年1月ってあったぞ
去年じゃん
糞の臭いがするぜ
そうか昔の荒らしのスレいちいち読まんとあかんのか
ってかネクロマンサーって誰さ
ほとぼりがさめたと思ったか
続きは避難所で
名前もだろ
タヌタヌキ
フリージア死ね
>>216 騎士でフリーザが女体化した時の名前じゃなかったか?
237 :
名無しになりきれ:2007/01/12(金) 17:22:53
>234
通報しますた
消え失せろ
ロゼ市ね
ロゼじゃないだろ
糞フリージア氏ね
サタン氏ね
肥満氏ね
絶対正義氏ね
カイザーは生きろ
フリージア消えろクズ
フリージアはフリーザに殺される
246 :
名無しになりきれ:2007/01/12(金) 17:35:07
いいぞ脱げw
脱いで死ね
カイザーは生きろ チャッチャ厨はSINE
いっぱいでたねv荒らしが
フリージアはチャッチャと関係ないだろって
叩くならフリージアだけにしろ
殺すならフリージア
チャッチャは墓場に帰れ
フリージアをほうむり去る
お前ら参加しろそして本文で攻撃なり殺戮なりしろ
冒険してフリージアを殺戮した
最強厨はかえれ
魔法元気玉でフリージア1人を消し飛ばす
>>207 リリアーナが目を覚ました。
「大丈夫か?リリアーナ。」
なんだか少し辛そうだ。
> 「・・・ごめんね、ロック」
「どうした…なぜあやまる?」
> 「あ、あのね、実は私、校門で足止めの魔法使ってから後のことぜんっぜん覚えてないの。」
俺は簡単に今までの事を説明した。ほれ薬のことは黙っていた方が良いだろう。知ればきっと傷つく。
「まだまだチャンスはある!本番はこれからだ!」
俺はリリアーナと…俺自身を励ました。
>202
> 不意に窓の外から少女の声が聞こえてきた。
> 「フリージア!」
リリアーナは彼女を呼んだ。
誰に言うでもなく俺はつぶやいた。
「面白く、なってきたじゃないか。」
あ、そうだ。
「リリアーナ、俺の事好きか?」
………リリアーナの反応を見るかぎりほれ薬が消えているのは確かなようだ。
258 :
ジミー:2007/01/12(金) 19:46:28
「うるさいぞ一体なにが………」
保健室で男女二人。そこに現れたプラス女子一人。
(なるほど、修羅場か!)
すべてを悟った地味めの生徒はすごいいい笑顔を浮かべると、無言のまま立ち去った。
>「鎧だってバラバラになっただけで壊れた訳ではありませんし」
>「夜になると強制的に鎧に戻ると思うんで」
「そうか……それじゃあ、校門に戻る必要は無くなったな…」
しかし、何処に向かえば良いのか見当がつかない。
試験中の生徒は多分様々な場所に隠れている筈だ。
「(さて、何処に行こうか…?)」
と、俺が考えていると
>「私ぃ〜ちょっとお散歩にいってきますね〜」
そう言って校舎に向かって走り始めた。
「アル〜、今校舎に行くのはどうかと思うがな〜。ぶっちゃけ、自殺行為にしか……」
話してる間にもアルテリオンは校舎の方に走っている。
このまま別々に行動するのはマズイと思い、俺もアルテリオンの後を追いかける。
ロックは校門バトルの顛末から後のことを説明してくれた。
・・・やっぱり色々迷惑かけたみたい。
>210 >259
フリージアはこちらを見るなりあからさまに眉を潜めた。
ん?私、何か変?
私は小さな洗面台の鏡を見て、自分の身なりにギョッとした。
あたふたと髪や身支度を整えていると、フリージアが窓へと歩み寄ってきた。
>「リリアーナ、俺の事好きか?」
おもむろにこう聞かれ、私の目が点になった。
「なっ!なっ!なっ!突然何を言い出すのよ!!」
顔が赤くなるのが自分でもわかった。
「好きじゃないわ!好きじゃないったら!ロックの事なんかぜーんぜん!なんとも思ってないんだからね!!」
ちょっとー!何ニコニコ笑ってるのよ!
普通は少しくらいショック受けたりしない?・・・こんなにはっきり好きじゃないって言ってるのに。
「―――― バカ!」
>258
「うるさいぞ一体なにが………」
なおも言い募ろうとした時、おもむろに保健室のドアが開いた。
入ってきた生徒は私と、ロックと、フリージアを見比べ何かを察したようだ。
生徒は会心の笑みを浮かべるト,静かに扉を閉めた。
「え、ちょ、ちょっと待って!」
な・・・なんか激しく誤解された気がする。
>「そういえばさっきから持ってるその鎧の腕はなんですの?」
「あ、これ?これはアルテリオンさんの鎧の腕。
アルテリオンさんも、卒業試験に教師側として参加するんだって〜。
校門でバトルしたんだけど逃げられちゃった。
多分残りの鎧は校門に落ちていると思うんだけど・・・・・」
そこまで話した私は、ぽんと手を叩いた。
す っ ご く い い こ と 思 い つ い ち ゃ っ た わ !
「ねえねえ!アルテリオンの鎧を使って、彼女達を誘い出せないかしら〜。
放送で呼び出すのよ。
大切な鎧をピンクや水玉模様に変えられちゃうと知ったら、アルテリオンさんはすごーく困ると思わない?」
私はくふふ、といたずらっ子のように笑った。
「鎧に悪戯されちゃうかもと知ったら、きっとレイド先生も現れるんじゃないかな〜。
あの先生なら絶対!見てみぬふりは出来ないと思うのよね〜」
隣のベットで眠っているクレティアンさんを揺さぶってみる。
ロックの話では、試験への助力を申し出てくれたらしいのだが・・・。
「クレティアンさんー起きて起きてー!!卒業試験手伝ってくれるんじゃなかったの〜?」
しぶとい、起きないわ。まさかタヌキ寝入りじゃないでしょうね?
仕方が無いのでメモを残しておくことにした。気が向けば手伝いに来てくれるだろう。
ロックは今ひとつ気乗りしなさそうだ。人質ならぬモノジチがきにいらないのかもね。
私はロックの肩をぽんと叩いた。
「先生が本気で逃げたら、私たちじゃ見つけることもままならないでしょ?
だから。――― ね?
そんな顔しないで。呼び出した後は全力で戦えばいいだけの話。頼んだわよ〜ロック!」
後の話は鎧を拾ってからね。まだ残ってるといいんだけどー。
「他に作戦がなければ、皆、校門に行きましょ!」
>>260 リリアーナによってかの青年がクレティアン先輩であることがわかった。俺も名前は聞いた事があるが顔を見るのは初めてだ。
> 「先生が本気で逃げたら、私たちじゃ見つけることもままならないでしょ?
> だから。――― ね?
> そんな顔しないで。呼び出した後は全力で戦えばいいだけの話。頼んだわよ〜ロック!」
「……仕方ないか、ただしあまりひどいことはするなよ。」
俺はクレティアン先輩からローブを拝借した(ただし、非装着)。もし本気でアルテリオンさんと戦うなら、この聖なるローブが何か役に立つかもしれない。
> 「他に作戦がなければ、皆、校門に行きましょ!」
「おう!」
>>210 ………フリージアの目が恐い。俺、何かしたかなぁ。
>260
>「ねえねえ!アルテリオンの鎧を使って、彼女達を誘い出せないかしら〜。
放送で呼び出すのよ。
大切な鎧をピンクや水玉模様に変えられちゃうと知ったら、アルテリオンさんはすごーく困ると思わない?」
「ほ〜ほっほっほそれはいい考えねえv豹柄や花柄なんかも素敵じゃないv」
わたくしはそれはいい考えだと相槌を打った
確か物に模様をつける魔法があったはずである
なんだか面白そうだと言う理由で覚えたのだが使い道はなかった
まさかこんなところで役に立つとは
> 「他に作戦がなければ、皆、校門に行きましょ!」
>261
> 「おう!」
「よろしくてよ!!」
そう言ってちょっとロックを睨んでやった
ロックは何のことだか分からないような風な顔をしたが
まあいいですわ・・・後で問い詰めてさしあげます
そんなこんなで私たちは校門に移動したのであった
かなりテンションが高ぶっている私にレイドの声はまったく聞こえなかった。
「ひゃっほう!!!ダイバァァダウン!!!」
私は高くジャンプして壁に激突するかのように校舎の中へ入った・・・が
私はすぐに校舎から飛び出し、レイドに抱きついた。
「あわわわわ」
いきよいよく廊下に飛び出したはいいが、そこにいたのは死霊科の生徒たちだった。
肝が一気に冷えた私はすぐに戻りレイド卿に抱きついたわけで
「やっぱり鎧はすぐにつけましょう!ね!ね!」
涙目で私はレイド卿に頼んだ。
フリージア死ね
ウンコネカマはネカマスレに帰れ
タヌキといいロクなのが来ないな
フリージアはさっきも雑談所で騒いでた
>>143みたいに(偉そう)とかやりながらな
この潜伏荒らし野郎
>「ひゃっほう!!!ダイバァァダウン」
>「ひゃっほう!!!ダイバァァダウン!!!」
何故だか分からんがアルテリオンのテンションはMAXの様だ。
「どうしたんだよアル〜!」
アルテリオンは校舎の壁に入ってしまった。
「参ったなぁ……どうしたもんか…」
暫く帰って来ないと思っていたらアルテリオンはすぐに戻って来て俺に抱きついた。
「お、おい……どうしたんだよ、アル?」アルテリオンは涙目で俺に
>「やっぱり鎧はすぐにつけましょう!ね!ね!」
と、訴え掛けてきた。
「分かった、分かった…。それなら早く行かないとな…生徒に何をされるか分かったもんじゃない。」
>267ミスなんでスルーよろ
俺は校門へ向かう途中に考え事をしていた。気になるのはこの手紙である。
>184
アルテリオンさんも標的になる旨が書かれたこの手紙は学園長のサインが入っている。
俺が今朝ハンカチを使った時にはポケットにこの手紙は入ってなかった。
学園長レベルになると魔法で気づかれずに全生徒のポケットに手紙を入れる事など造作もない事だ。
しかし、今朝学園長は死んだはずだ。ここから次の事が考えられる。
1.学園長は死ぬ前に魔法でいろいろと準備をしていた。
2.学園長は実は死んでいない。
3.学園長の名前をかたる誰かが書いた。
俺は2の可能性が一番高いのではないかと考えている。
死んだ学園長をそのまま学園長室に置いておくとは考えにくい。葬儀の前に遺体を一時的に置くとしたら保健室がもってこいだ。しかし、保健室には誰もいなかった。
だが、もし学園長が生きているとして、自分が死んだ事にして何の得があるのだろうか?
それに今回の卒業試験の内容も不可解だ。何故先生を捕まえなければならないのか?
もしかして、今学園に何か大変なことが起ころうとしているのではないか?
………考えすぎだな。きっと不安があるから変な考え事をするのだ。
俺は気合を入れなおした。
あ、ロックさん! あなた、リリアーナさんを酔わせた上で
媚薬をむりやり飲ませて保健室で猥褻な行為に及ぼうとしたって本当ですか?
272 :
美少女:2007/01/13(土) 23:04:56
アルテリオンとレイドの前に可愛い女の子が現れた
「ねぇ先生〜、私の為に大人しく捕まってくれないかなぁ〜?大人しく捕まってくれたら・・・ご褒美あ・げ・る」
>>271 「何考えてんだ!そんなことするわけないだろバカチンが!ここは危ないからさっさと寮に戻ってろ!」
俺は後輩の頭を小突いた。まあ、身に覚えが全く無いわけではないが…
なんかさっきよりフリージアの視線がきつくなった気がする…
>261-262 >270
話はまとまり、私たちは移動した。
なんとなく学園内の空気がピリピリしてる。
昨日の訃報と卒業試験中のせいよね、と自分で自分を納得させる。
ロックは険しい顔をして何か考え事をしているようだ。邪魔しないでおこう。
校門が見えてきたわ。
まだアルテリオンさんの鎧は放置されたままになっていた。
卒業試験受験者は、アルテリオンさんも教師側になってること知ってるのかしら?
「二人とも、ちょっと待ってて」
私は念のため、トラップ解除の呪文を唱えた。
鎧の周りに一瞬魔法陣が浮かびあがり、消えた。
「もう大丈夫よ」
これでトラップに関しては心配いらないわ〜いつでも回収できるわね!
私はふと、クレティアンさんから借りてきたローブに目を留めた。
「ロック、いいもの持ってるじゃない!それに鎧を包んで持ち運びましょ」
>271 >273
下級生らしき生徒が、おもむろに爆弾発言を落としていった。
>「何考えてんだ!そんなことするわけないだろバカチンが!ここは危ないからさっさと寮に戻ってろ!」
・・・
・・・・・・びやく?
・・・・・・あ、呆けてる場合じゃないわね。フリージアの顔色が変わってるもの。
「お酒は、私が間違えて自分で飲んじゃったのよ。事故よ、事故」
私はフリージアにそっと耳打ちした。
「ロック」
ポン、とロックの肩を叩くと、にーっこりと微笑んだ。
「今の話、本当?私に分かるように事情を説明してくれないかな?」
別に私は、ロックがそんな卑怯な真似をすると疑ってる訳じゃないわ。
確認したいのは、もっと別のことよ。
>274>273>271
リリアーナさんがトラップ解除の呪文を唱えてくれたのでわたくしたちは鎧を回収することに成功しましたの
そんなこんなをしていると下級生がやってきてとんでもないことをおっしゃったわ
>あ、ロックさん! あなた、リリアーナさんを酔わせた上で
媚薬をむりやり飲ませて保健室で猥褻な行為に及ぼうとしたって本当ですか?
その言葉を聞いたわたくしはおもいいっきりロックさんを睨んでやりましたの
>そんなことするわけないだろバカチンが!
とロックさんは否定していますが怪しいものですわ
わたくしちょっと殿方に偏見を持ちそうになってきました
ただリリアーナさんが言うには
>「お酒は、私が間違えて自分で飲んじゃったのよ。事故よ、事故」
ということなのでとりあえずは納得しておくことにしておきました
「・・・・ならばいいのですけど」
そう私がつぶやいた次の瞬間
>「ロック今の話、本当?私に分かるように事情を説明してくれないかな?」
とロックさんの肩を叩いたリリアーナさんの笑顔は・・・・何故でしょう大変恐ろしく感じられました
わたくしあまりに恐ろしかったので6角形の雪の結晶を組み合わせてドームを作りそこに隠れてぶるぶると震えてましたわ
きめぇよ死ね
>>274 > 「ロック」
> ポン、とロックの肩を叩くと、にーっこりと微笑んだ。
> 「今の話、本当?私に分かるように事情を説明してくれないかな?」
俺は迷った。このまましらをきった方がお互いのためになるような気がする。
しかし、隠し事を続けるのもどうだろうか。やはり良くないことだ。
「………説明するよ。」
幸いリリアーナは笑顔だ。今なら説明しても大丈夫かもしれない。
俺はリリアーナがその時何を言ったかまでは話さなかった。リリアーナがほれ薬を服用した事実とその経緯、保健室の先生の事を話した。
ただ、一つ紛れもない事実はリリアーナにその…あれだ、変な事をしようとしたわけじゃない。そこだけは天に誓う。
そういえば、俺はヨクホレールをまだ持ってる。保健室から持ってきてしまったようだ。
>275
フリージアが脅えている。何か近くに危険があるのだろうか?
心なしか俺もすぐ近くに殺気のようなものを感じる…
子供達だ・・・
四人・・・いや、五人。
囲まれている大きな子。
囃し立てられ、突付かれ、叩かれ、泣いている・・・
頭一つ以上大きいのに、喧嘩すれば負けることないのに、その子は反抗もせずに泣いている・・・
あれは・・・私だ・・・!
子供は純真である分残酷だ・・・。
人と違う事はそのまま攻撃対象になる。
ただ人より成長が早く、大きかった。それだけの事。
私はみんなと仲良くなりたかったんだ。だから、どれだけ罵られても、侮辱されても、叩かれても、やり返さなかった。
反抗して相手との関係を壊す事がいやだったんだ。
実際にはただ苛められるだけの関係だったというのに・・・。
私は舞闘家の一門に生まれた。
その名の通り舞踏と武道を融合させた武術だ。
貴族社会は百鬼夜行跳梁跋扈する世界だ。
社交界はその華々しさとは裏腹に、暗殺、権謀術数が渦巻いている。ある意味戦場といってもいい。
そんな戦場で身を守り、敵を討つ為に編み出されたのが舞闘術だ。
一門の者は私の恵まれた体格を喜んでくれた。
成長が早いという事は体格が決定する事も早いという事だ。
その分早く決定した型、術を身につけられる、と。
だが、そんな期待も虚しく私の成長は続き、15歳の時点で身長が180センチに達していた。
こうなると私は舞闘者としては完全なる欠陥品となる。
このような大きく目立つ女が社交界に出て何ができるというのだろうか?誰と踊ると?
暗殺、防衛術だけでなく、集団で戦闘する場合においても私は異物過ぎ、全体の流れを乱してしまう。
だから私は冒険者になった。
社交界や、集団の中の一つとしては欠陥品であっても、冒険という舞台において私の恵まれすぎた体格と戦闘力は大いなる武器となる。
謎と神秘に満ちた世界は私を受け入れてくれた初めての舞台だと言えた。
そんな中、私は一つの噂を聞いた。
「あらゆる傷、病、状態変化を消し去る神秘のアイテムがある」と。
血気盛んだった私達は即座に探索の旅へと出た。
様々な危険、障害を乗り越え「それ」に到達したとき、私は仲間を二人失い、他に命も重傷を負っていた。
生き死には当然の世界にいるのだ。仲間の死は悲しいが引き摺るほど感傷的でもない。
それより成すべきことをする、だ。死人の心配より、生きようとしているものの心配の方が優先だ。
手に入れた「それ」を躊躇いもなく嵌め、仲間の傷を消し去っていく。
使い方は嵌めた瞬間流れ込んできたので、戸惑うことなく存分にその力を発揮した。
いや、戸惑いはあった。
余りにも簡単に大きな傷を完全に消し去ったのだから。
帰りもこの力のおかげで、行きとは比べ物にならないほど順調に進めた。
何しろ渡しさえ無事ならどれだけ傷を受けようと、毒に蝕まれようともすぐに全開するのだから。
出口からあと少し、というところで私の頭に新たなる、そして恐るべき情報が流れ込んできた。
このアイテムが呪いのアイテムであった事。
その新の使い方が!
初回だけいつタイムラグが終わるか丁寧に知らせてくれたのだ。後三十秒、だと。
私はあせりながら仲間にその事を話し、それぞれの傷を返したい、と頼んだ。いや、懇願した。
対象が二人いるので、傷を交換する、という事ならば移し変える事はできるのだ。
だが、お互いの傷を知っているだけに彼らは私の願いを聞き入れてはくれなかった。
その気持ちはよくわかるが、三十秒しか時間が与えられなかった私は容易に錯乱状態になる。
どうせならその時までわからなかった方がまだ対処もできただろう。
迫り来る時間に私達は仲間割れを起こし殺し合いに発展し兼ねなかった。
実際にはそこまで行く前に時間は来て、私は二人の傷を一身に負うことになる。
魔法では治らない呪いの傷。
せめて傷口を糸と針で縫ったり、薬草をつけるしかなかった。
結局自己治癒で治るまでに三ヶ月を要した。
治癒魔法が聞かないので体中に醜い傷が残る事になった。
血塗れになる私を街まで運んでくれた仲間には感謝しなければいけないのだが、当時に私はとてもそんな気にはなれなかった。
もしかしたら傷の痛みにすら呪いがかかっていたのかもしれない。ただただ、私がスケープゴートにした、としか思えなかったのだ。
結局生死を共にした仲間達とは生死をともにできなかったこの一件が原因で分かれた。
触れた生物全てに効力を発してしまうこの呪いのアイテムの生で、冒険者としてもやっていけなくなった。
強力な呪いのアイテムで、そこらの町の解呪業者では手も出せず。
そんな折、ある魔法学園の噂を聞いた。
かの学園地下には広大な図書館がある。
その更に地下には余りに危険な本が多くダンジョンの様相を呈している、と。
そしてその中にこの呪いに関する本もあるのではないかと。
私は魔法学園の生徒となった。
学園関係者に事情を話すと、呪いを抑制するガントレットを渡された。
ここの教師といえどもこののろいを解除する事はできなかったが、これだけでも十分な助けとなっている。
鉛製なので重いのが難点ではあるが・・・。
事情を察してか、一般学部をとばし希望する専門学部への入学を許された。
私の手と同化しているこの手袋に組み込まれた呪い。
力づくで外すより、アイテムに魔法を組み込む法を知り解除していく道を選んだのだ。
学園生活事態も楽しかったが、目的に向かって前進している充実感がありがたかった。
そして今日、私は卒業試験に見事合格した!
これで生徒は立ち入り禁止の図書館レベルD以下の階層へと入れる・・・!
喜びの余り眼を瞑り、もう一度開くと風景が一変していた。
先生や同級生、見知らぬ生徒達に祝福されて図書館へと入ったはずなのに。
私の目に映るのはいつもの私の部屋の天井。
外からはなにやら戦闘音。
時計を見ると・・・既に昼に近い時間だった!
「しもぉた。寝過ごした?
ファンデが見当たらんし、つけとる暇もなぁで・・」
私はベッドから飛び上がり、急いで身支度を整え部屋を飛び出すが、ふと動きを止めた。
今更急いでもどうにもならない、と悟ったからだ。
あえてゆっくりと歩きながら深呼吸をする。
「我が肉体に付与する。漲る力を!」
渡り廊下まで来ると、おもむろに肉体強化呪文を自分に書ける。
そして渡り廊下を支える石柱の一本の天井部分を突付き、付け根部分を爪先で軽く蹴る。
それぞれの部分に皹が入り、簡単に抜き取る事ができた。
方向にあてをつけ、石柱を槍投げのように構えながら呪文を唱える。
「汝、石柱に付与する。空駆ける力を!」
呪文をかけながら思いっきり投げつけると、石柱はその慣性により重力に逆らい空の黒点へと変わっていく。
私は足に力を込め、その黒点へと跳躍!
その背に私を着地させた石柱は勢いを留めることなく一直線に空を飛んでいく。
タオパイパイじゃないか!!
鳥か?飛行機か?いやでか女だ!!逃げろ!!
人それを夢オチという・・・・現実となることを期待しているぞ
なんだ、なにいきなり試験合格とか言ってんだと思ったらそういうオチか
「ですよね!では、はやくにいきましょう」
と私たちは校門へ急いで戻り始めた。
正直、さっきから変な悪寒がして私は落ち着けなかった。
黒曜石のように輝く私の自慢の鎧(カラダ)がエロ情けない状態になるイメージが過ぎっていたからだ。
もし、この悪寒が現実となれば、私は自分の過去を少々疑いたくなるだろう。
そんな騎士の面目丸つぶれは免れたい。
そんな一心で私は走った。
だが、そんなときほど邪魔は入る。
あと少しで鎧がある校門へたどり着けるというときに生徒が進路を塞ぐ
>「ねぇ先生〜、私の為に大人しく捕まってくれないかなぁ〜?大人しく捕まってくれたら・・・ご褒美あ・げ・る」
「虚け!レイド卿を誘惑するならケモノ耳をつけてから来い」
と私はレイド卿と生徒の間に割ってはいるようにしていってやった。
別に嫉妬とかそうわけではいったのではなく、経験からの行動である。
「レイド卿・・・確か生徒は三人一組のハズですよね。ならば後ろに注意してください」
この生徒はきっと囮、きっと他の生徒がどこかから隙をうかがっているはずだ・・・
とここまで冷静に判断していたのはよかったのだが・・・
>鎧の周りに一瞬魔法陣が浮かびあがり、消えた。
なんと私の悪い予感があたったのか、早速生徒が私の鎧を狙って行動を始めていた。
「レイド卿・・・私が走るのと同時にしてもう一度ブラックミストを使って用務員室まで逃げてください
すいません・・・鎧がとんでもないことになるかもしれないので、ちょっとガマンしててください、では後ほど!!!」
レイド卿にはすまないが、ここはどうしても譲れないところだ。
このまま鎧が目も当てられない状態になってしまったら、私は生き恥ならぬ死に恥をさらすことになりかねん
騎士として守ることも大事だが、己の名誉も守ることも騎士の勤めだ。
後ろ髪を引かれる思いで私は女生徒に向かって全力で走り始めた。
「じゃまだぁぁ!!!」
と私は軽やかに跳躍し、女子生徒の頭を踏み台にしてどうにか突破した。
「鎧にぃぃぃぃ触るなぁぁぁ!!!」
生徒たちの頭上から私はそう叫びながら突っ込んだ。
綺麗に着地しようと思っていたのだがうまくいかなかったのだ。
爆音と共に派手に土煙が上がった。
私も何が何だかわからなくなってはいるが、感覚から鎧に戻れたことが認知できた。
「フハハハァ!黒騎士アルテリオンふっかーつ!!!」
とりあえず、どうにかなったことで安心した私はそういってしまったが、
徐々に晴れる土煙の中、起こった異常に気がつく
腕 が 無 い
両腕を見ても、そこには幽体の腕しかなかった
傍から見れば、かなりマヌケな格好になっているに違いない。
リリアーナが校門で手に入れた鎧はなんだったんだ?
学芸会用に演劇部が作った偽物だと思われ・・・
リリアーナ達は校門で鎧を回収して撤収する前にアルテリオンが来たから鎧に戻ったって事じゃん?
腕は無いっぽいけど
急いで校門に向かう俺達の前に一人の少女が現れた。
>「大人しく捕まってくれないかなぁ〜?」もちろん俺は大人しく捕まる気なんて無い。
>「レイド卿を誘惑するならケモノ耳をつけてから来い」
「オイオイ…アル〜、そういう問題じゃないだろ〜?」
>「後ろに注意してください」
確かに今回の試験は三人一組。
そうなるとこの生徒は囮になる訳だ。
「(後ろに気配は感じないな……何処に居る?)とりあえず君には悪いが大人しくしといてもらおうか。」
俺は指をパチンと鳴らし少女の両足を凍らせた。
「悪いね。あ、それ早く溶かさないと霜焼けになるから気を付けろよ。」
>「私が走るのと同時にしてもう一度ブラックミストを使って用務員室まで逃げて下さい」
「アル〜、冷静に考えるんだ。今の状態でバラバラに行動するのは危険……」
>「じゃまだぁぁ!!」
彼女は俺の話を聞き終わる前に走り出した。
「やれやれ……ブラックミスト!」
ブラックミストを発動した俺は黒い霧の中で考え込んだ。
「(もし校門に試験中の生徒が居たらアル一人では少し厳しいな……しょうがない…)」
アルテリオンの言葉に反し、アルテリオンの後を追い掛けた。
「(校門に生徒が集まってなければ良いけど……)」
>285
後ろから来る恐ろしい気配に振り向くと恐ろしい形相のアルテリオンさんが
その姿が視界に入った次の瞬間!!
「わ、わたくしを踏み台にしたぁ」
私の作った雪の結晶のドームもその脚力でパリーンと割られ
わたくしはおもいっきり踏み台にされてしまいましたの・・・
実体がない幽霊のはずなのに物理的に痛いのはなぜ・・・・
「て、手に入れられたと思ったのにぃきぃぃぃぃくやしぃぃぃぃぃ!」
わたくしは絶対に成功すると思った鎧の回収に失敗してとても悔しい思いをしましたの
「もう怒りましたわ!!¿«Φγϖϑ⊕ξζ£!!」
わたくしは冗談で覚えた物体を花柄にする魔法を唱え・・・・
「これでもおくらいなさい!!」
目の前のアルテリオンさんにむかって放ちましたわ
そしたらフリージアが死んだ
まるでロゼを酷く劣化させたようなキャラだな
>275 >277 >285
ロックは保健室で私が媚薬を飲むことになったいきさつを説明してくれた。
私の額に怒りマークが現れた。
「・・・ロック、悪いけどちょーっと屈んでくれるかな?」
私は笑顔を浮かべたまま一歩踏み込むと、ロックに向かって拳を振り下ろした。
「保健室には劇薬だってあるのよ?もっと気をつけなさいよね!
惚れ薬だから良かったようなものの、飲ませた後でいくら後悔したって遅いんだからね!」
ぜーぜーと肩で息をしたあと、コホンと咳払いする。
「もし何か変なこと言ってたとしてもさっさと忘れなさいよね! く、薬のせいなんだから!それだけなんだからね!
・・・・・それから・・・・その・・・・」
>「じゃまだぁぁ!!!」
迷惑かけたわね、という前に、アルテリオンさんの雄叫びが聞こえてきた。
彼女の背後ではブラックミスト発動が見える。あれはレイド先生!
>「鎧にぃぃぃぃ触るなぁぁぁ!!!」
まずい、完全に目がイッちゃってる。
いやゴーストだからそれでいいの?やーん、こんなときに何考えてるの私のバカバカ!
アルテリオンさんはフリージアを踏みつけた後(視覚的に痛そうだわ)私たちの上に突っ込んできた。
「キャ――――!!!」
>爆音と共に派手に土煙が上がった。
>280-282
あらら?ひゅるるるーと何かが空を飛ぶ音が聞こえてきたわ。
見物にぽつぽつ集まり始めたギャラリーは、空を見上げて口々に何か叫んでる。
ねえ、鳥はわかるけど、タオパイパイやでか女って何のこと?
・・・・・・はっ!今は試験中だったわね。ギャラリーに気を取られてる場合じゃなかったわ。
「ロック、フリージア、生きてるー?
ま、結果オーライ、呼び出す手間が省けたと思っておきましょ!」
あらら。誇り高いフリージアはアルテリオンさんに踏み台にされてカンカンだわ。
ねえ聞こえてるー?もしもーし。
>285 >289
>「フハハハァ!黒騎士アルテリオンふっかーつ!!!」
教会のローブも、鎧を完全に包んでいない状態では半分も効力を発揮できなかったようだ。
せっかく回収したと思ったのに、鎧の殆どをアルテリオンさんに奪い返されちゃった!!
だけど、私は不敵に笑った。
「ふふ・・・引っかかったわねアルテリオンさん!!その鎧は、学芸会用に演劇部が作った偽物よ!」
私は鎧の腕をつけたまま、ビシイッと彼女を指差した。もちろん口からでまかせだ。
だけど一瞬の虚を突くことには成功したみたい。
>「これでもおくらいなさい!!」
一瞬の隙をついて、フリージアは物体に花柄模様をつける魔法をアルテリオンさんに放った。
奇妙な沈黙が辺りを支配していた。
「・・・プッ!」
私は思わず吹きだしてしまった。
まずーい、アルテリオンさんと目があっちゃったわ!!
>>293 ゴツン!!
リリアーナの渾身の一撃が俺を襲った。俺は頭を抱えて悶絶した。
> 「保健室には劇薬だってあるのよ?もっと気をつけなさいよね!
> 惚れ薬だから良かったようなものの、飲ませた後でいくら後悔したって遅いんだからね!」
「申し訳無い!申し訳無い!」
俺はペコペコ謝った。
> 「もし何か変なこと言ってたとしてもさっさと忘れなさいよね! く、薬のせいなんだから!それだけなんだからね!
> ・・・・・それから・・・・その・・・・」
> 「じゃまだぁぁ!!!」
わかってるよ!という前に、アルテリオンさんの雄叫びが聞こえてきた。
>「鎧にぃぃぃぃ触るなぁぁぁ!!!」
怒った顔もなかなかすt…ってこんな時に何考えてんだ俺は!
アルテリオンさんはフリージアを踏みつけた後、俺達の上に突っ込んできた。
>爆音と共に派手に土煙が上がった。
>「フハハハァ!黒騎士アルテリオンふっかーつ!!!」
> 「ふふ・・・引っかかったわねアルテリオンさん!!その鎧は、学芸会用に演劇部が作った偽物よ!」
>「これでもおくらいなさい!!」
一瞬の隙をついて、フリージアは物体に花柄模様をつける魔法をアルテリオンさんに放った。
> 奇妙な沈黙が辺りを支配していた。
>「・・・プッ!」
「………」
リリアーナがたまらず吹き出してしまった。まぁ無理も無い。あらゆる意味でまのぬけた状態になってしまっている。
アルテリオンさんは心なしか震えているようにも見える。……フォローしよう。
「あの…その…花柄も可愛いと思いますよ。」
俺はアルテリオンさんの様子をうかがった。もし怒って攻撃してくるとしたら物理的な攻撃に限られるはずだ。その時に仲間の盾になるとしたらハードニングで体を硬くできる俺しかいない。
アルデリオン
Luck 10
間違えた
アルテリオンだった
アルテリオンに追い付いた俺は妙な光景を目にする。
アルテリオンの鎧には両腕が無く変わった模様が書かれていた。
そしてアルテリオンの近くにはリリアーナ、ロック、フリージアの姿があった。
「助っ人参上〜。……悪いなアル。付いてきちまった。」
アルテリオンに付いて来たのは良いがこの状況から逃げ出す術を考えてなかった。
「よ〜し、少し本気出して行くか。………召喚、グラビティ!」
俺は黒いハンドガンを2丁召喚した。
ハンドガンの名はグラビティ。
この銃の弾が体や物に当たると一発につき20kgの負荷が加わる。
30分経つと自動的に効力が切れ、元の重さに戻る。
弾が当たっても痛みは無く、外傷が出来る事も無い。
装弾数は各15発、2丁合わせて30発。
俺がこれを最後に使ったのは4年前。
銃の能力を知っているのは一部の人間だけだろう。
「生徒にこの銃を見せたのはお前らが初めてだ。気合い入れていけよ〜。」
俺は銃口をリリアーナに向け4発撃った。
298 :
???:2007/01/15(月) 22:24:01
「モーターグリーンよ、もう少しレイド達のところへ近付いてくれ。
レイドも久々にアレを使うようだからな。生徒の力を見るには調度良い機会だ。」
薄暗い部屋、一人の老魔導士が使い魔の目を通し人知れず戦況を見守っていた
>校門前
目的地の接近を知らせるように私を乗せた石柱の勢いは削がれてゆき、重力に負けて高度を落とし始める。
ぐんぐん迫る校門。
ある程度の高度まで下がった時、私は石柱を蹴って跳躍する。
石柱は私の蹴りの勢いもあって、盛大な音と土煙を上げて校門前の地面に突き刺さる。
そして私の着地点はその突き刺さった石柱の先端。
うまく着地が決まり土煙が晴れたとき、あたりには三人の生徒となぜか散らばる花柄の鎧。そして、【レイド先生】だ。
「仲間たぁ逸れてしもぉた時に落ち合う場所じゃけぇ来てみたけど・・・驚かせてスマンのぉ。わしゃぁクドリャフカじゃ。よろしゅうのぉ。」
試験の真っ最中で邪魔をしたみたいだし、石柱の上にしゃがみこんで謝っておいた。
実は逸れたのではなく寝過ごしただけなのだが、それを正直に言えるほど豪快な性格ではないし、この三人と親しいわけではない。というか名前すら知らない。
それよりも重要な事がある。
目の前に目標の教師がいるのだ。
目の前にいるからといって、早速飛び掛ってなんてできるほど簡単な話ではない。
既に両手に銃を持っており、弾は石柱に当たったのだろう。
外観は変化なくとも、石柱に魔法が重ねがけされたことを感じ取れた。
例外はあるが、呪いであろうと祝福であろうと、一つのものに付与できる魔法は一種類だけ。
より強力な魔法が優先される。
私が石柱に付与した空駆ける力が打ち消され、レイド先生の魔法が石柱にかかっているのだ。
「ちぃと不味い時に来ちゃったみたいのぉ。こりゃぁ性根すえていかんと。」
さささっと石柱から降り、盾にするように身を隠した。
300フリージア死ね
301 :
名無しになりきれ:2007/01/15(月) 23:53:15
チャイニーズ?
>297
俺はレイド先生が来たことに気づいた。
「おっしゃぁあー!!」
俺は気合を入れた。…やはり女性と戦うのは男として抵抗がある(俺だけかもしれんが)。“全力”でやるとしたらやはり相手は男に限る。
レイド先生の戦闘能力は未知の部分が多い。先程から携えている両手持ちの武器らしき物もしかりだ。
しかし、俺の攻撃を簡単に防いだところを見るとかなりレベルは高いと考えられる。さっきとは別の攻撃をしかけた方が良さそうだ。
「はぁぁぁあ!」
俺は鉄球を取り出すと、魔力を注入し巨大化させた。鉄球は俺より大きくなったので、相手がちゃんと見えるように頭上に鉄球を構える。
「キロ・バレット!!」
魔法により加速度が与えられた巨大鉄球がレイド先生に向かって飛んでいった。
>299
その時突然後ろから爆音が響いた。
「なんだ!?」
見慣れない生徒(俺には女子に見えるが違うかもしれない)が地面に刺さった石柱と共に俺の目に入ってきた。
これに気をとられた事が俺の次の行動を遅らせる事になる。
メガンテ!
>301
アルテリオンさんの鎧には、赤いボタンの花が数輪描かれていた。
チャイニーズ?というのだろうか、異国の服に刺繍してあるような豪奢で美しい花だ。
花柄と一口に言ってもそこはフリージア、お嬢様だけあって美的センスは一味も二味も違う。
―――― 「黒騎士アルテリオン」が喜ぶかどうかは、はなはだ意見が分かれるところだが。
>297 >303
>「よ〜し、少し本気出して行くか。………召喚、グラビティ!」
「えー!!ひどっ!私丸腰なのにー!!!」
あたふたしているうちに、レイド先生が発砲した。
「キャー!!」
思わず手を翳した。一発、二発と銃弾が命中する。
あ、だめ、撃たれた、死んだ!
そう思った瞬間、突然腕に嵌めた鎧が鉛のように重くなった。
たまらず地面に膝をつく。鎧の右腕が重い・・・重・・・な、なんでー!?
ポテッと私は地面に倒れた。レイド先生が更に銃弾を放った。腕が重い、よけられない!
えーい、こうなったらヤケよ!
「究極の禁断魔法、受けてみなさい! ――――メガンテ!」
リリアーナ は メガンテ を となえた!
しかし なにも おこらなかった!
(わーん、やっぱりレベル的に無理だったかも――――!!)
もうダメだと思った瞬間!
>285 >290 >299 >302
突如落下してきた石柱が私の盾となった。
周囲に爆音と同時に土煙があがる。
「ゲホッ!ゴホッ!ゴホッ!」
土煙で何にも見えない。もー!!今日はこんなのばっかり!
土煙が消えると、目の前には馬鹿でかい石柱。
ぞーっとしたわ。あとちょっと石柱がずれていたらぺしゃんこになるところだった。
「何すんのよー!あ、危ないじゃないのよー!!」
私は石柱を辿っててっぺんを見た。そこには大柄な女生徒が颯爽と立っていた。
大柄な体格でとにかく目立つので、リリアーナも顔くらいは知ってる。
>「仲間たぁ逸れてしもぉた時に落ち合う場所じゃけぇ来てみたけど・・・驚かせてスマンのぉ。わしゃぁクドリャフカじゃ。よろしゅうのぉ。」
「私はリリアーナよ!クドチャフカさん、あなたも受験生でしょ? 仲間と逸れたのなら、私達と組まない?」
だめならあと少しでミンチにされそうになった損害と賠償を――――ああ、冗談言ってる場合じゃなかった!
「卒業試験のために手を組む、組まないはさておき、とりあえず、動けない私に手を貸してくれると嬉しいな〜」
今はロックが盾になって、レイド先生の相手をしてくれてる。
だけど今はショックで呆けているアルテリオンさんも、いつまでもこの状態とは限らないわー!!
「レイド先生の銃弾を受けると、物体の重量が変わるみたい。着弾した小手が重くて動かないの。
お願いっクドチャフカさん、鎧外すの手伝って〜!!このままじゃ腕がもげそうよ〜」
私ははみっともなく地面に寝そべったまま、情けない声でクドリャフカにお願いした。
立派な体格の彼女なら、きっと力持ちだろう。
ちなみにレイド先生の銃弾は2発命中で、右腕の小手に掛かる負荷は合計40キロ。
リリアーナの腕の力で無理に腕を動かそうとすれば、確実に筋を痛めるだろう。
「フリージアー!!悪いけどアルテリオンさんの相手お願い〜!」
今度は花柄じゃなくて、攻撃魔法でよろしく!!
>304
石柱に身を隠していると、なぜか這いつくばっている女生徒が共闘の申し出をしてきた。
「喜んで手を組まさせてもらいますけぇの。
レイド先生がわざわざ逃げんとぉに相手してくれとるんじゃけぇ。その心遣いを無駄にでけんもん。」
にこやかに返答。申し出はありがたいことだった。
元々一対一はおろか、まともにやり合っては三対一ですら一蹴されてしまう生徒と教師の力量差。
だからこそ試験の条件が【どんな手段を使ってでも】、だ。手段を選ぶつもりはない。
戦闘に入る前に、リリの篭手を外す事になったが、かなり重かった。
筋力増加の付与魔法をかけているとはいえ、40キロという重量はまともに持ち上げるには少々重い。
「リリと呼んでいいかのぉ?
こりゃぁ確かに重いけど、ちぃと重心を外して力を加えちゃりゃぁ結構みやすいもんよ。
舞闘術の基本で極意じゃ。覚えておいて損はないでよ。
力を抜いてな・・・」
リリアーナの身体ごとふわりと持ち上げ空中で三回転。
腕に振り回されているような感覚があったかもしれないが、地面に足が付いた時には両手の篭手は綺麗に外されていた。
アルテリオンの篭手を弄びながらリリアーナに向きかえる。
「さて、ここでレイド先生と戦って、縛って理事長室まで連れて行くんはいたしぃ(難しい)じゃろう。
このまんま戦闘しもって理事長室ちこぉまで(近くまで)誘導して、大技で理事長室に押し込むんが得策じゃゆぅて思うけど?」
重量の増した篭手を自分のミツアミの先端に結びつけながらこれからのプランを提案した。
私のミツアミの先端には浮遊能力を付与された鉄球が仕込まれており、自在に動く。
本当は文字通り奥の手、暗器として使うのだが教師相手にこんな小細工も通用しまい。
だったら最初から第三の手として使うまで。
重心移動と僅かな力の加え方で自在に操れるというものだ。
>304
>「フリージアー!!悪いけどアルテリオンさんの相手お願い〜!」
「承りましたわ!!」
と言ったまではいいのですけど・・・・どうしましょう
幽霊に物理攻撃が効くわけありませんし・・・・鎧を何とかするぐらいしか出来ませんわね
「アルテリオンさん御覚悟をしてもらいますわよ!!」
とりあえずわたくしは手の平大の雪の結晶をたくさん作り出し次々とアルテリオンさんに放ってみた
もちろんあまり効果はない・・・当たってもせいぜい鎧の表面に霜が出来るぐらいだ
雪の結晶を投げたり攻撃を人間大の雪の結晶で防御したりしているうちに
わたくしはいい考えを思いついた
「行きますわよ!!これでもおくらいなさい!!」
わたくしは鎧の足の間接部を狙って雪の結晶を雪の結晶を投げつけた
上手くいけば間接部分が動かなくなるはず、そうなればこっちのものである
「お願い上手くいって!!」
「・・・クゥ・・・ゆるさーん!!!」
あまりにも酷すぎる仕打ちをうけ、私はしばし放心状態だったが
フリージアの放った結晶が頭にあたって正気に戻った。
「まずは貴様からだ!」
そういって、私は接近し蹴りを放ったがことごとく防御される。
元々この鎧はなんの変哲も無い鎧、対魔法処理が行われてはいない。
いくら蹴っても雪の盾は壊れることはない。
それは十分にわかってはいるが、私はやめるつもりはなかった。
>鎧の足の間接部を狙って雪の結晶を雪の結晶を投げつけた
「遅い!」
私は体制を変え、結晶を蹴り返した。
脛の部分が先程よりも凍ったように感じたがまだ問題は無い。
「その程度の魔法でこの私が止まると思っていたか!」
そういって私は前転を二、三転し高く舞い上がった。
「今度は私の番だ!喰らえぇ」
飛び踵落しの構えでフリージアに飛び掛る。
そして、間合いに入ったと同時に上げた脚を振り下ろし、もう一方の脚を腹を狙って振り上げる。
>299>302俺がリリアーナを撃った瞬間に2つの出来事が、ほぼ同時に起こった。
1つは空から石柱が降ってきてリリアーナに撃った4発中の2発が命中した。
もう1つは巨大な鉄球が俺に向かって飛んできている。
「(この鉄球はロックの技か…。バリアじゃ防げないな。どうする…当たったら致命傷だ。)」
バリアでは防げないと思った俺はジャンプをして空中に逃げ、ロックに6発、鉄球に10発撃つ。
鉄球に多く撃ったのは重くして使えない様にする為だ。
残弾数は2丁合わせて10発。
地面に着地した俺は石柱近くに居るクドリャフカに目線を向けた。
「随分と派手な登場だなクド。しかも、俺がリリアーナに撃った弾を2発も防いでくれちゃって…」
>304目線をリリアーナに向けると地面に寝そべって何か言っているのが見えた。
石柱に当たらなかった2発はリリアーナが着けていたアルテリオンの鎧(腕)に命中したらしい。
「(2発って事は鎧は40kg以上あるな。リリアーナの動きはとりあえず心配無いか……)悪いなリリアーナ。少し我慢しててくれ。」と、安心した瞬間…
>「――――メガンテ!」
「何っ!何故その技を……」
一瞬本気で驚いたが、どうやらハッタリだったらしい。
「ハッタリ……か」
リリアーナから目線を外し今の状況を頭の中で整理する。
「(フリージアの相手はアル、リリアーナは鎧を外さない限り行動不能、残るはロックとクドか……。今年の試験は教師も大変だ…。)」
そう思いながらも生徒達の成長した姿に少し喜びを感じていた。
しかし………
>305「(………………リリアーナも復帰しちまった……)」
クドリャフカによってリリアーナが着けていた鎧の腕が外されてしまった。
「オイオイ、勘弁してくれよ〜」
状況は悪くなる一方。
俺の相手はロックとクドリャフカの二人にリリアーナが加わり三人となった。
>307
>間合いに入ったと同時に上げた脚を振り下ろし
この攻撃は何とかかわしたものの・・・
>もう一方の脚を腹を狙って振り上げる
次の蹴りをまともに食らってしまいましたの
「いやん!痛いですわ!!」
痛いで済んだということは手加減してくれてるみたいですわね普通は内臓破裂ですわ
蹴られたショックで空中に吹っ飛ばされたわたくしは
何とか空中で態勢を整えようと
空中に雪の結晶を作り、それを足場にして思いっきり飛びかかりましたわ
空中で両方の手の平で雪の結晶を回転させつつクロスチョップ
http://cocoa.gazo-ch.net/bbs/18/img/200701/1188742.jpg(イメージ画像)
あたった反動で後方に飛び
「これならいかが?」
わたくしはさらに大きな雪の結晶を作り次々と飛ばしましたわ
そう足の間接部分に大量に雪の結晶が詰まるように
こうしているうちに向こうの戦いに何か動きがあったようですけど
目の前の相手を動けなくするのが先ですわね
>>310 俺の攻撃はレイド先生に避けられてしまった。なんて人だ!あんなに高く跳ぶなんて!
跳躍するレイド先生の手元の武器から爆発音が聞こえたかと思うと嫌な手応えを胴体に感じた。
「おわっ…!?」
突然へたれこむ俺。何がどうなってんだ?まぁ、いいさ!
「まだだ!!」
俺は再び鉄球に魔法をかけたが…動きがさっきよりずっとのろい!?
……そうか!鉄球の質量が増えたのか!!俺の魔法は物体に運動エネルギーを付加することで成り立つ。同じ運動エネルギーを付加しても、物体の質量が大きい程速度が落ちるのだ。
つまり、俺自身もレイド先生の魔法を受けたのだ。だからへたれこんでしまった。
レイド先生は先程の生徒に意識を向けた。
> 「随分と派手な登場だなクド。しかも、俺がリリアーナに撃った弾を2発も防いでくれちゃって…」
…防げるのか?あの攻撃。とても目で見て避けれる速度とは思えない。このままでは皆あの魔法を受けてしまう。見通しが良すぎるのだ。
「おりゃぁぁぁあ!!」
俺は地面を叩いた。今俺ができる最大級の魔法だ。
地面が次々とすっぽ抜けるように隆起した。もしここを上空高くから見ることが出来たら、まるで剣山のように見えるだろう。
これを盾にすれば戦いやすくなる…は……ず………
…………
ロックは魔法の使いすぎによる疲労から気を失った。
フリージアきもいって
フリージアを生きたまま解体して食肉として売りさばく。
まずそうな冷凍肉だな
>307>311>312>313
石柱に身を隠しながら話していると、アステリオンと激しい戦いを繰り広げている女生徒。つまりはアレがフリージアか。
そしてもう一人、男子生徒。
叫び声とともに地面から柱が隆起してくる。
規模といい、その速さといい、私は思わず舌を巻いた。
伊達に卒業試験に参加しているわけではない、と。だが、その感心も気絶するその姿を見てすぐに失望に変わった。暑苦しい男だ。
「はぁ・・・。あんたらぁペースや戦略っちゅう言葉は知らんのんか?
遮蔽物を出してくれたなぁありがたいけど、気絶してしもぉちゃぁいけまぁ。
リリさん、私がレイド先生の注意を引くからあの男の子を起こしてつかぁさい。
30秒以上は無理じゃけぇ早めに頼むんよ。」
そう言い残し、私は遮蔽物を利用し、レイド先生に接近する。
ランダムであるが、この間隔はウインナーワルツのステップにぴったりだ。
「レイド先生、一曲お願いできるかのぉ?曲は皇帝円舞曲で。」
私は興奮していた。この距離、この間合いにたどり着けたのだから。
いや、おそらくたどり着かされたのだろうが、それでもこの間合いを取れたことは大きい。
まともに魔法で戦えば勝ち目はない。だから土俵を舞闘術に持ち込んだ。
舞闘術は0レンジからショートレンジの近接格闘戦を主とする武術。
社交界でダンスをしながら護衛、暗殺をする為の手段には事欠かない。
一瞬の隙をつきレイド先生の懐に入ると両手首を払うように牽制。
「こう密着されると銃は使い辛いじゃろう。呪文を唱えさせるつもりゃぁなぁよ。」
ワルツを踊るように組み付けば銃の優位性はなくなる。
レイド先生が位置を変えれば自分も位置を変え、この有利な距離を維持する。
結果、綺麗に遮蔽物を避けながら私達はクルクルとワルツを踊るようにみえるだろう。
モーションのない攻撃や、ミツアミにつけられた「第三の手」であらん限りの攻撃を叩き込む。
これで倒せるとは思えない。
でもこうしないと、一瞬でも隙を与えれば距離を外されてしまう、という確信があるのだ。
30秒という時間がとてつもなく長く感じる瞬間だった。
>305 >310-311
幸いクドリャフカさんは、快く共闘の申し出を承諾してくれた。
「ありがとうクド(ガチッ)〜〜〜!!」
クドリャフカさんと正確に発音しようとして舌をかんだ。一人悶絶していると、クドリャフカさんが鎧を外そうと手を差し伸べるいてくれた。
>「リリと呼んでいいかのぉ?
こりゃぁ確かに重いけど、ちぃと重心を外して力を加えちゃりゃぁ結構みやすいもんよ。
言うなりクドリャフカさんは私を持ち上げてくるくる空中で回した。
・・・・・・・・キャ――――――――!!
ぐるぐる目を回していた私が我に返る頃には、とっくに鎧は外れていた。
「舞闘術ってすごいねぇ!!ありがとうクドリャフカさん!」
うわあ、ミツアミに40キロ以上ある小手を括りつけてる!・・・・流石にこれは舞闘術じゃなく浮遊能力よね?
>312
視界の隅ではフリージアはアルテリオンさんと一騎打ちだ。
アルテリオンさんの腕が無くて本当によかった。さすがに黒騎士の名は伊達じゃない。
フリージアは少々旗色が悪そうに見えるが、もう少し様子を見ることにする。
助太刀したいが、無理に割り込めば彼女の美意識を傷つけるかもしれないからだ。
>305
>このまんま戦闘しもって理事長室ちこぉまで(近くまで)誘導して、大技で理事長室に押し込むんが得策じゃゆぅて思うけど?」
私はクドリャフカさんに視線を戻した。少し余裕が出たせいか、私は、今更ながら彼女の声がとても愛らしいことに気づく。
逞しい長身にスカーフェイス―――― そしてこの声。すんごいギャップ。
見た感じちょっと怖い印象だったんだけど、話してみるとそうでもなかった。私は親しげに微笑んだ。
「了解!あと私のことはリリィって呼んでね。問題はどうやって先生を誘導して押し込むかなんだけど・・・・・」
私は一旦言葉を切った。レイド先生と対戦していたロックが、突然地面にへたり込んだからだ。
あの銃弾を受けたのだろうか?
キッとレイド先生を睨みつける。
>「オイオイ、勘弁してくれよ〜」
レイド先生は口では弱気な事を言ってるけど、ちっとも困ってるようには見えなかった。
銃口はこちらに向いている。――――来る!
>313 >317
ロックの雄叫びと共に、周囲の地面が次々と隆起していく。ロック!やるじゃない!!
迷路のように地面が隆起した部分は予想以上に範囲だった。ちょうど理事長室の窓際あたりまで続いている。
「うまくいけば理事長室の窓際まで追い込めるかも。攻撃回避のために理事長室に飛び込んでもらうっていうのは―――― ちょ、ロック?!」
クドリャフカさんにだけ聞こえるよう話していたのだが、ロックが倒れるのをみて思わず素っ頓狂な声をあげた。
どうやら魔力を使いすぎたみたいだ。
クドリャフカさんがやれやれとため息をついた。
>「はぁ・・・。あんたらぁペースや戦略っちゅう言葉は知らんのんか?
>リリさん、私がレイド先生の注意を引くからあの男の子を起こしてつかぁさい。
「本当ごめん!ありがと!!」
クドリャフカさんと同時に私も走り出す。猶予期間は30秒。
「ロック!ローック!!とっとと目を覚ましなさいよね!」
ロックに駆け寄るなりガックンガックン揺さぶる。起きない。時間が無い。私は容赦なく平手を振り下ろした。。
「生きてる?これ飲んで!早く!」
うっすらと目を開けたロックの口に、半分ほど残っていた霊酒を流し込んだ。
目を白黒させているけど我慢して貰おう。僅かながらMP回復の効果が期待できるのだから。
レイド先生から受けた銃弾の効果を打ち消そうとしたが、結果はあまり芳しくなかった。
仕方が無いので、さっき使った素早さを挙げる魔法の最上級魔法を唱えた。これで多少は動きが軽くなるだろう。
「さ、立って立って!いつまでもクドリャフカさんに時間稼ぎをさせるわけには・・・・・・・?!」
移動するためロックに肩を貸そうとしたが、彼のポケットから転がり落ちたビンを見て思わず動きを止めた。
ラベルには「ヨクホレール」の文字
私とロックの背後にブリザードが吹き荒れた。
「・・・・・・・・・ロック君〜」
にーっこりとロックに微笑みかける。満面の笑みだが、表情と内心が必ずしも一致してるとは限らない。
「君はなんで、こんな薬持ち歩いてるのかな〜?」
>313>318ロックに撃った銃弾は全て命中した様だ。
「(ふぅ……とりあえずロックは終わり、と……次はリリアーナかクドだな…)」
>「まだだ!!」
>「おりゃぁぁぁあ!!」
「オイオイ……」
ロックが地面を叩いた瞬間に地面が隆起し始め、見通しが悪くなった。
これでは銃を使うのは難しい。
「やってくれたな、ロック。じゃあ続きを……」
続きを始めようと銃を構えるとロックは魔力の使い過ぎで気絶していた。
「あらら……。気絶しちまったか。でもまぁ、お前は良くやった。」
>317>「レイド先生、一曲お願いできるかのぉ?」
どうやら次の相手はクドリャフカの様だ。俺はクドリャフカに銃を向ける。
「俺、踊りとか苦手なんだよね〜。だから遠慮させ…」
引き金を引こうとした瞬間クドリャフカが一瞬で間合いを詰めてきた。
「(ほぉ……なかなかの速さだ。しかしこの間合いじゃ、銃は使えないな。)」
そんな事を考えてる間にもクドリャフカの攻撃は続く。
「やるな〜クド。パワー、スピード、テクニック、どれをとっても一級品だ。」
間合いをとろうと前後左右に移動するが、なかなか引き離す事が出来ない。
「(確か、クドは舞闘術の使い手だったな…。間合いを詰めて闘うのは俺に銃を使わせなくすると同時に舞闘術の利点を最大限に発揮する為か…)」
クドリャフカの近接攻撃を防御しつつ、次の策を考える。
「(リリアーナがロックを起こすには時間がかかる筈だ…。クドは30秒間俺を引き留めると言っていたが30秒でロックは復帰できるのか?いや、例え復帰出来たとしても体には負荷が…)」
俺は途中で考えるのが面倒になった。
後の事を考えるよりもクドリャフカとの戦闘を楽しもうと思ったのだ。
「そろそろ30秒か?じゃあ、反撃開始だ…。俺も素手でいくか。」
2丁の銃を回転させながら空中に投げ、防御から反撃に移る。
左ジャブでフェイント、右フック、左ハイキックのコンビネーションを浴びせる。
白いフードを被った女性が幼い子供を連れて学園長の前に立っている。
連れている幼い子供は左の赤い目と右の青い目で学園長を見ている。茶色のロングヘアとその容姿だけ見れば女の子に見えるだろう。
しかし、違う。何故ならあれは俺だ。ならば、その隣の女性は………!
女性は学園長に一礼すると子供を残して部屋を出ていった。何をしている!何故追い掛けない!その人はもう二度とお前の前に現れないのに!
「…お母さん!!」
子供の代わりに俺が追い掛けた。俺は母親に追い付き肩に手をかけた。そのとたん勢いよく平手打をくらった。
>>318 > 「生きてる?これ飲んで!早く!」
リリアーナ!?俺の口に何かを流し込んだ。体が熱くなるのを感じる。
> 「さ、立って立って!いつまでもクドリャフカさんに時間稼ぎをさせるわけには・・・・・・・?!」
> 「・・・・・・・・・ロック君〜」
> 「君はなんで、こんな薬持ち歩いてるのかな〜?」
「………夢だったのか。」
俺は落胆のあまりリリアーナの問いかけが聞こえなかったようだ。
>321
>「………夢だったのか。」
「こっちは現実よ」
今度は拳骨を振り下ろした。
私はロックに肩を貸そうとしたけど、びくともしなかった。
レイド先生の弾を何発浴びたか知らないけど、とにかく重たい。石像みたい。
私はとりあえずヨクホレールを自分のポケットに押し込んだ。
(寝ぼけてるのに返して、うっかり飲まれでもしたら大変だもんね)
――――ん?
何か今、ヨクホレールを使った腹黒アイディアが閃いたような・・・?
・・・気のせい、から??
とにかく今は場所を帰るのが先決だ。
ま、ロックの場合攻撃手段は物質操作だもん。
安全な場所に隠れての攻撃だって十分可能よね。
私は手短に、レイド先生を理事長室に追い込む(押し込む?)案をロックに伝えた。
「ローック、聞こえる?あなたに素早さアップの魔法使ったけど、動けそう?
ダメなら自分で自分に物質操作の魔法使ってよ。移動するわよ!」
腕力アップの補助魔法を使っても、私にロックを持ち上げることなんて無理。
動けないなら最悪、転がしてロックを移動させることになるかもね。
こう、ごろごろっと。
>>322 頭を襲う激痛がいやおう無しに俺を現実に引き戻す。理由はわからないが魔力が少し回復しているようだ。
レイド先生を理事長室へ押し込む作戦か。そいつは名案だ!しかし、回復したとはいえ現在残っている魔力は少ない。キロ・バレット等の大技は使えそうにない。
> 「ローック、聞こえる?あなたに素早さアップの魔法使ったけど、動けそう?
> ダメなら自分で自分に物質操作の魔法使ってよ。移動するわよ!」
俺はリリアーナの肩を掴んだ。
「ハードニング!」
いきなり魔法をかけられたリリアーナはキョトンとしている。そう、俺は硬化魔法をリリアーナにかけたのだ。
「残念ながら動けそうに無い。硬化魔法を施したから、俺の事はほっといて他のや…?ちょっ!?待て!ぐはっ!!」
リリアーナは俺を転がしながら移動を開始した。
……硬化魔法は俺にかけるべきだった。
移動し終わった後、体の痛みに苦しみながらリリアーナにたずねてみた。
「なあ、レイド先生の何か好きな物を使って理事長室の近くまで誘い出せないかな?」
「ぬ・・・の・・・のぁぁぁぁ」
フリージアのクロスチョップをモロにうけてしまい、私は大きくよろめいた。
腕が無いからバランスが崩れやすくなっていたのだ。
「なん・・・のぉぉ!!!」
四股を踏むように私は地面を蹴りどうにか体制を戻せたが、追撃の結晶はどうにもならなかった。
幽体であるので別に冷たさは別に感じてはいないが、段々と鎧(からだ)が動かなくなっていくのが判る。
「・・・そか、脱げばいいんだ」
足元が完全に凍りきり胴の部分が凍りつき始めたとき、私はそれに気がついた。
そもそも、私がこの学園から逃げられないのは学園長の張った結界とこの鎧のやっかいな特性(これは私が憑依したときに付加された可能性がある)のせい
別にこの鎧は着脱不能というわけではない。(まぁ夜の間は脱げないけど)
そうと決まればあとは行動だけだ。
限界まで透明度を下げて回り込めばいいだけ
そう決めた私はサナギから蝶が出るように鎧から抜け出た。
よし!見つかってはいない
そのことを確認し、私は急いで彼女の背後に回りこんだ。
彼女はまだ私の鎧を見て嘲笑している。
だ が な
私は彼女がわからないぐらい慎重にスカートの裾を掴み。
「こっちを見ろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
校門の周辺の人間が確認できるぐらいの大声を上げながら彼女のスカートをずり下げた。
目には目を 屈辱には屈辱を
それとこの隙にレイド卿が逃げてくれればって何でレイド卿がここにぃ?
まったくあの人は・・・私に気でもあるのだろうか?
そう思いながら私は顔を赤らめる女子生徒の背中を押して転ばせ,氷漬けになりかけている鎧の冑の部分だけ頭に装着しようとした。
さっきみたいに変な衝動に狩られたら何をしでかすかわかったもんじゃないからね
>324
>彼女のスカートをずり下げた
「いぃぃぃぃやぁぁぁぁ!!」
フリージアはあまりの屈辱に大声で叫んだ
「よくもやってくれましたわね!!」
怒りのあまり自分がパンツ丸見えなのにもかかわらず真後ろにいるであろうアルテリオンを思いっきり蹴った・・・
幽霊なのに当たった手ごたえがあるのは何故だろうとかスカートの破れるびりっという音がしたとか気になることがあったのだが
今は戦闘中だそんなことにかまっている暇はない
「わたくしの魔力よ高まれ!はぁぁ!!」
フリージアが気合を入れると体の周りに銀色のオーラがはとばしる
それと同時にさっきまでに真っ赤だったのにどんどん青白くなっていくフリージアの顔色
怒り狂ったフリージアの手に六角形の雪の結晶がたくさん集まっていき一本の棒となった
近づいてよく見ると何枚もの雪の結晶が断層のように重なり合っているのが分かるだろう
それはあたかも中国武術で使う混のようであった
怒りで妙な具合にテンションが上がったフリージアは白鳥のように舞いつつ「氷結根百連撃!!」
と意味の良く分からない技名を叫びながら次々と見えないはずのアルテリオンに攻撃を仕掛けていった
それは棍をジャンプしながらアルテリオンに振り下ろしたかと思えば突きに切り替えたりと
色々なフェイントを織り交ぜたものでありただのお嬢様とは思えないほど激しいものであった
フリージアきしょいから消えろ
気持ち悪いもん見せるな
>320
>「やるな〜クド。パワー、スピード、テクニック、どれをとっても一級品だ。」
「お褒め頂光栄じゃでよ。」
優雅にワルツを舞うような動きと会話の中で、凄まじい攻防が繰り広げられていた。
全力で攻撃をしているのだが、それらは全ていなし、躱されてしまう。
だがそれも計算のうち。
こうして張り付いてさえいられればいい。
>「そろそろ30秒か?じゃあ、反撃開始だ…。俺も素手でいくか。」
防戦一方だったレイド先生の気が変わる。
2丁の銃を回転させながら空中に投げ、反撃に移ってきたのを見て、私の目に火が宿ったのに気付くだろう。
だがもう遅い!
「勝った!手合い(近接格闘戦)に付きおぉてくれるあんたの優しさが敗因じゃ!・・・ぼぶっ!」
フェイントを織り交ぜたコンビネーション攻撃を私は殆どガードする事はなかった。
急所さえ外せればそれでいい。
私は首を鋭く捻りながら吹き飛ばされる。
全てはこの為に。
私の長く伸びたミツアミは鞭のように飛び、第三の手となって空中で回転するレイド先生の二丁の銃を奪う事に成功した。
そのまま隆起した土柱を土台にジャンプ、両手に持ってレイド先生とアステリオンさんに銃を・・・撃てなかった。
ただでさえ大きな私の手には更に大きなガントレットが嵌められている。
そう、つまりはトリガーに指をかけられなかったのだ。
「・・・だっ団体戦じゃけぇわし一人で勝つ必要ないんよのぉ。」
我ながら情けない捨て台詞だけど、時間稼ぎの上厄介な銃を奪えたのだから上出来だろう。
相手のタイミングを外すステップと土柱を利用して距離をとる。
>322>323
「石柱マグナム!!」
私の移動した後の土柱には円柱状の穴が開いているのがよくわかるだろう。
何のこともない、柱を叩き、ところてんのようにその部分が押し出されて飛んでいっただけの話だ。
レイド先生をけん制する為の小細工だ。
リリアーナと男子生徒に合流するとなぜか男子生徒が転がされていた。
「あんた達は一体何をやっとるんか?・・・重力変化?・・・仕方がないの。」
開封呪文を唱え、右手のガントレットを外すと男子生徒の胸元を触れた。
これで彼を蝕んでいる呪い等は全て取れたはず。
呪いのアイテムであるサクリファイスジャンクションは悪意あるアイテムだ。
私が苦しむようにその機能を遺憾なく発揮してくれる。
だから彼にかかったマイナス要素は私に移しても、プラス要素、祝福や回復は私には移さない。
これがいつ私の身に顕在化するかはわからないが、せめて試験中だけは持ってほしいものだ。
「これであんたの動きを制限する呪いは消えた。
それからこりゃぁレイド先生から奪った銃じゃ。魔力が殆どないんじゃったら使ってつかぁさい。」
>324>325
銃を渡し、ガントレットを嵌めなおしたとき、アステリオンの声が響いて反射的にそちらを見てしまった。
「・・・可愛い下着じゃのぉ。サイズでしか選べない私としちゃぁ羨ましいもんじゃて。」
スカートをずり下ろされたフリージアを見て、今が試験中ということも忘れて呟いてしまった。
メダパニ!
329 :
教頭:2007/01/18(木) 22:21:54
突然校門前に放送が鳴り響く
「ぶるぁぁぁぁ!!!なぁにぃをやっとるかぁ」(CV:若本規夫)
それは教頭のお怒りの声だった。
「リリアーナ!ロック!フリージア!クドリャフカ!貴様らはあんなルールすら守れんのかぁ!!!」
そうこの卒業試験は三人一組がルール、ここにいる全員がそれを忘れていた。
「本来ならここで貴様らの試験は終わりだが・・・しょうがない条件付で見逃してやろう
まずはアルテリオンの鎧とレイドの銃を返せ、そして、貴様らには十分間のペナルティだ。
十分間そこで正座していろ!」
>327「(やけに素直に攻撃を受けると思ったら銃が狙いか…)」
俺の銃は見事にクドリャフカのミツアミに取られてしまった。
「これは困った。うん。実に困った。」
しかし、どうやらクドリャフカの手では俺の銃のサイズには合わない様だ。
>「・・・だっ団体戦じゃけぇわし一人で勝つ必要ないんよのぉ」
>「石柱マグナム!!」
クドリャフカは捨て台詞を吐き俺の前から退いた。
リリアーナ達と合流するのだろう。
「あ〜あ…。銃取られちまったなぁ。面倒な事になった。」
その場にしゃがみ込みポケットからタバコを出す。
火をつけようと思った瞬間…
>324「こっちを見ろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
アルテリオンの声が聞こえる方を見るとフリージアのスカートを下げているのが見えた。
「子供の喧嘩かよ…」
アルテリオンとフリージアの勝負には関わらない方が賢明だと思った俺はタバコに火をつけその場にしゃがみ込んだ。
「次は誰が相手になんだろうな〜…」
>329すると、突然放送が始まった。
「あの声は……教頭か?」
どうやらご立腹の様だ。
「あ〜、教頭、俺は別に良いっすよ。取られたのは俺自身のミスですし。」
俺はしゃがみ込んだままそう呟いた。
331 :
???:2007/01/18(木) 23:03:16
ピーン ポーン パーン ポーン
「ほっほっほっ、教頭、あまり怒鳴ると血圧があがるぞ。」
ピーン ポーン パーン ポーン
紛れもない学園長の声である。
>「氷結根百連撃!!」
「なわぁ!ま・・・前が見えない」
フリージアの氷結昆が私の冑に当り勢いよく回転する。
当然視界は閉ざされる形になり、一方的にフリージアに殴られている状況だ。
まぁ、幽霊だからあんまり効いてないけど
しかし、このままだとまずいなぁと思ったとき助け舟が入った。
>「ぶるぁぁぁぁ!!!なぁにぃをやっとるかぁ」
「ひぃ!すいませんすいませんすいません」
教頭の怒鳴り声に私は反応してしまい明後日の方向へ何遍も土下座をする。
教頭はあまり私のことをよく思ってはいないらしく、いつもあんな調子で怒鳴りつけられるのですっかり習慣づいてしまったようだ。
考えてみると校門はさっきよりも酷くなっているきっとそのことなんだろう。
>「リリアーナ!ロック!フリージア!クドリャフカ!貴様らはあんなルールすら守れんのかぁ!!!」
> まずはアルテリオンの鎧とレイドの銃を返せ、そして、貴様らには十分間のペナルティだ。
十分間そこで正座していろ!」
・・・助かった。
教頭が規律に厳しい人で本当によかった。
こんどお茶をいれるときはもっと良い茶葉で淹れますね。
教頭の一喝で生徒たちは動きを止めた。
私はゴキブリのように這いずりながらレイド卿の傍へと急いだ。
>「あ〜、教頭、俺は別に良いっすよ。取られたのは俺自身のミスですし。」
「えぇ〜好意はありがたく受け取りましょうよぉ〜」
突然そう言い出したレイド卿に私は子供のようにそういった。
「それとも奥の手でもあるんですかレイド卿・・・私にはそんなのありましぇ〜んって感じに見えるのですが」
とジト目でレイド卿を見たあと、私は心の中で決心しそれをレイド卿にいうことにした。
「わかりました。でも、私は鎧は返してもらいますよ。それで10分後ここに戻ってきます。
レイド卿は武器を、私は逃避捨てること・・・それでおあいこのハズです。」
お前らそろって漢字間違えてんだよ低能w
混×
根×
昆×
棍○
さて、殴られたり、転がされたり、俺の魔法が解除されたり、教頭が怒鳴ったり、学園長が実は生きていた事がわかったり色々あったが………
現在、俺達は正座をして10分たつのを待つというかなり微妙な局面に立たされている。…実際座ってるけどな。
「あなたのおかげで助かった。礼を言うよ。」
俺はムキムキの女子生徒に話しかけた。名前はクドリャフカというらしい。年上だから『クドリャフカさん』と呼ぶべきだな。
「俺はロック、ロック・ウィルだ。」
教頭先生は返すように指示したが…レイド先生はこの武器『銃』を受け取ろうとしない。
とりあえず、この武器の使用はやめて預かっておこう。それなら教頭先生も文句無いはずだ。
10分間の猶予は俺にとってはありがたかった。その間に少しずつ魔力の回復が出来そうだ。
………俺は“ある事情”のせいでフリージアを直視出来ない状態にある。
「リリアーナ…フリージアのアレを何とかしてやれ。」
赤面しながらリリアーナにお願いした。
>331「(やっぱし生きてたか…)」
教頭に代わり、校長の声が響き渡る。
予想通り、校長は生きていた様だ。
>332タバコを吸いながらしゃがみ込んでいると、突然アルテリオンが近付いてきた。
>「えぇ〜好意はありがたく受け取りましょうよぉ〜」
>「それとも奥の手でもあるんですかレイド卿・・・」
俺は近付いてきたアルテリオンにタバコの煙をふきかけながら言った。
「俺が召喚出来る銃はまだ数種類ある。そんなに焦る必要は無い。ついでに、ロックには銃弾を120kg分撃ち込んでるから動けない。」
説明し終わった俺はタバコの火を消し空を見上げた。
>「わかりました。でも、私は鎧は返してもらいますよ。」
「焦るなよ〜。もしかしたら教頭の罠かもしんないんだぞ?下手に移動するより此処で休憩してようぜ?」
>328>329>331>334>335
「よろしゅうね、ロックさん。」
握手を交わし、並んで正座している間、私は思考を整理していた。
というか、整理するまでもなく結論は出ているのだが・・・。
並んだ四人の中だけに通るように声を小さく呟きだす。
「私の友人に底意地が悪うて、物事を引っ掻き回すんが大好きな幻術科の女がいますけぇの。
根回しや策略、人の心理を読んでの誘導、詭弁が大の得意。
時にゃぁ教師すら丸め込んでしまいますけぇ。
ちさい出来事を天災レベルまで拡張するんが趣味なんじゃ。
性質が悪いなぁ悪意があっちゃっとるわけでのぉて、純粋に「楽しいから」やっとるところなんじゃけどのぉ。」
突然独白のようなかなり性悪な友人紹介に戸惑う三人をよそに言葉を続ける。
「ところで、試験の条件はスリーマンセルでどがぁな手段を使ってでも先生を一人捕まえる事、じゃのぉ。
受験生に対して教師の数は絶対的に少なぁで。
誰が誰を狙うかも自由。
そうなると混戦も当然想定された事態な訳で。
その中で足の引っ張り愛するんも自由、共闘するんも自由。
スリーマンセルゆぅても一人戦闘で気絶しても残り二人は継続してもいいわけだし。
どっちかゆぅたら誰かを犠牲にして先生を捕まえる事も当然の選択肢じゃろう。
教頭先生の放送、矛盾に満ちとらんか?
たまたま狙う教師が同一で教頭状態じゃった私達にペナルティーなんて。
しかも死んだ事になっとるはずの学園長があっさりでてくるんもおかしぃんじゃ。
ほいで放送直前、こもぉじゃが(小さくだけど)確かに「メダパニ」の呪文が流れたのを覚えとるんじゃけぇの。」
話が急に切り替わり、何の事だかポカン状態な三人も、徐々に話が繋がってきたようだ。
にっこりと笑って結論を切り出す。
「ここまでこりゃぁ最初に話した幻術科の女の話の意味、わかるんよのぉ。
おそらく教頭先生は魔法で混乱状態。
わざわざ私達ピンポイントで放送してきたっちゅう事は・・・多分私を呼びょぉるんじゃ。
今ならあの教頭先生のバーコードを引っ張って連れて行けるーゆーて。
もしこの仮説が間違っとったとしたら、ここで四人で戦うなぁ正式に許可されん、となるんじゃけぇの。
どちらにしてもわし達の共闘関係はここまでじゃ。
僅かといえど休めたんじゃろうし、がんばってつかぁさい。
今度会う所は理事長室だとええの。」
十分経ったのを見て私は立ち上がる。
話したのも事実だが、正直な話しここから先、戦闘が再開されても戦えないからだ。
ロックから奪った呪いは顕在化していないが、一番肝心な時に顕在化する。
悪意のアイテムというのはそういうことが相場だ。
肝心な時に呪いが顕在化して大きな失敗をするより、既に捕まえたも同然の教頭先生のところに言った方がまだ安全だ。
予告通り10分後現れたアルテリオンさんとレイド先生に一礼し、三人に小さく手を振って放送室のある校舎へと走っていった。
「お前ら・・・捕まえ方が下手糞ッチね」
座っている三人の頭上から声が聞こえたと思ったとき、目の前に何者かが舞い降りた。
「・・・う〜ん、毎度のことながらこの登場はイッチャンかっこいいッチ」
サイ○マンを連想させそうなポージングをとりながらソイツは自己満足に浸っていた。
「そう冷たい目で見るなッチ、ルチャレスラーは派手なのが基本ッチ、登場は一番重要ッチ
おっと、話がずれたッチ! 俺ッチの名前はリコシェ、リコでいいッチ
とりあえず、さっきの戦いを見た感想を言いに来たッチ」
俺ッチは三人の前で腕を組みながら続けた。
「とりあえず、まずはお前ッチ」
まずオレッチはパンツ丸見えの女を指差した。
「幽霊に物理魔法は効かないのは常識ッチ、魔力の無駄は抑えるべきだッチ
あとは霊についての基礎知識があれば簡単ッチ、でも油断は大敵ッチ
以上ッチ、次はお前らッチ 連携のタイミングがお互いにあってないと思ったッチ
意思疎通はどんな場面でも重要ッチ 以上ッチ」
そんな睨んだように見るなッチ、こっちは善意で言ってるッチ
とりあえず、俺ッチの用事はここじゃないんだッチ
俺ッチは周りを見回してクドリャフカがいないか確かめた。
さっきまでここにいたのは知ってるッチ
>三人に小さく手を振って放送室のある校舎へと走っていった。
見っけたッチ
「クドォ!待つッチ!この前の試合のリベンジだッチ」
俺ッチはクドを追って校舎へ向かった。
今日は顧問にアルを捕まえるなと注意されたッチ、だから、見逃すッチ
>333
へーそうなんだと感心していると、「べ、別にあんた達のために教えてやったわけじゃないんだから!」
と言いながら走って逃げてしまった。
「なあ、レイド先生の何か好きな物を使って理事長室の近くまで誘い出せないかな?」
ロックの髪に絡んだ葉っぱを払っていると、彼が話し掛けてきた。
「ん〜?・・・ソバ・・・じゃ無理よね。ネコ耳が好きだって噂も聞くけど・・・うーん。真偽の程は定かじゃないしね〜。
そうだ、いっそのことヨクホレール飲ませちゃって私たちを好きになるっていうのはどう?
ほら、基礎授業でならった水風船の魔法とかで、ヨクホレールで作った水風船を作るのよ。
うまく顔に命中したら惚れ薬が口に入るじゃない?
一番最初に私たちのうちの誰かを目にしたら、きっともうメロメロで、言うこと何でも聞いてくれるんじゃないかな?
あ、と、はー、デートがてら一緒に理事長室まで来てもらえれば万事OK〜!
・・・って・・・ じょ、冗談よ冗談〜そんな顔しないでよね〜」
>327
クドリャフカさんはロックの重力系の状態変化を、手を当てるだけで元に戻してしまった。
そしてレイド先生から奪った銃をロックに託す。
>329 >334
突如教頭先生の一喝が聞こえてきた。
「え――――――――!!何でペナルティなのよ〜!!」
アルデリオンさんは土下座して謝っているけれど、私は憮然としていた。
ロックが遠慮がちにフリージアのあられもない姿を指摘しているけど、私は全く聞いていなかった。
何言ってるの教頭先生ー!正気?
卒 業 試 験 で は 生 徒 は 何 し て も い い の よ 〜 ?!
教師を2チーム3チームで追い込むケースだって当然出てくるじゃない!何ちっさいこと言ってるのよ教頭先生!
学園長も何とか言ってよ〜この際教頭先生の血圧なんてどうでもいいから!ねーねー、ねーってば!!
>336
私が暴言を吐く直前、絶妙のタイミングでクドリャフカさんが声をかけてきた。
クドリャフカさんは私よりもっと冷静に、今の事態を分析していた。
>おそらく教頭先生は魔法で混乱状態。
>わざわざ私達ピンポイントで放送してきたっちゅう事は・・・多分私を呼びょぉるんじゃ。
「うわあ・・・クドリャフカさんは卒業試験、あの子と組んでるのね・・・」
私はため息混じりにそう呟くと、背伸びしてクドリャフカさんの肩をねぎらうように叩いた。
あー幻術科の彼女ねー。うんうんよーく知ってる、だって毎朝ノックで起こしてもらってるからね〜。
「・・・ま、幸運を祈るわ。いろいろありがとう、クドリャフカさん。
もし首尾よく合格できていたとしても、気が向いたら助けに来てね〜!
――――あ、これはいんちきじゃないわよ?私は有望な人材をスカウト中なんだから。
卒業試験受験の生徒は、試験のためにはどんな手を使ってもOKらしいしね!」
そう言って私はウィンクした。
「そういうわけでロック、撃てるならレイド先生の銃も攻撃のバリエーションに加えて。消耗してるんだから魔力も節約してね。
レイド先生が私たちに譲ってくれたんだから、使ったって教頭先生には文句言えないはずよ。
もともと格上の相手とのバトルなんだもの、なりふり構ってられないわ!
・・・あ、フリージア。ちょっとだけスカートこっちにずらしてくれる?」
作戦会議しつつ、私の手はフリージアの破れたスカートを修理しようと動いていた。
「今のところ作戦は二つ。 一つはさっき話したヨクホレール作戦ね。で、もう一つはレイド先生を学園長室へ押し込む作戦。
どっちの作戦を選んで、具体的にはどうしたい?」
もし後者の作戦なら、私は前列だ。
ちょうどロックが作った迷路が終わる場所に、学園長室の窓がある。そこまで先生を追い込めるよう頑張らないと。
ロックは上から狙撃や指示を出してもらおう。
フリージアは・・・一緒にレイド先生を追い込んで欲しいけど、アルテリオンさんと決着をつけたいかもね。
>337
親切なリコっちさん(勘違いして覚えたらしい)は、アドバイスした後風のように去って行った。
そして私はフリージアのスカートを急いで修理しようとするあまり、いつの間にかスカートを捲っていたことに気づいた。
そーっと気づかれないよう元に戻すと、コホンとひとつ咳払いする。
「・・・・・リコっちさんもああいってるし、頑張ろうね。
でも声出していくと手の内や居場所がばれるから、、戦闘中はテレパシーで会話する?」
私はあんまり上手じゃないんだけどね。
「それからロック、フリージアに例のローブ貸してあげたら?あれ、きっとゴーストには効果あるんでしょう?」
>332
まぜか幽霊のはずのアルテリオンさんに物理攻撃が次々と命中して
「もらいましたわ!!」とフリージアが叫んだ次の瞬間
329
突然校門前に放送が鳴り響く
>「リリアーナ!ロック!フリージア!クドリャフカ!貴様らはあんなルールすら守れんのかぁ!!!」
> まずはアルテリオンの鎧とレイドの銃を返せ、そして、貴様らには十分間のペナルティだ。
十分間そこで正座していろ!」
フリージアは先ほどまでちょっと有利になっていた戦闘が中止になってしまい地団太を踏んだが
「しょうがないですわねえ」とつぶやくと仕方がなく10分正座をするとしたが・・・
どうやらさっきの放送は幻術科の生徒の仕業らしい
彼女のチームメイトが教頭を混乱させたようだ
>337
リコさんにアドヴァイスをもらったのだが・・・・物理攻撃以外と言われても
>339
まあとりあえずリリアーナさんにスカートを直してもらうとしよう
「そのローブって丸めてから凍らせて棍棒にしてもかまいませんの?」
とスカートを直してもらいながらロックに聞いてみた
>336
10分経ち
アルテリオンさんとレイド先生が戻ってくると
クドリャフカが教頭のところに行ってしまった
帰ってきたアルテリオンさんにフリージアはこう言った
「さて、おとなしくつかまっていただけたらその花模様消して差し上げますわよv」
まあ多分ふざけるなと一喝されるだろうがそれでこころを乱したら乱したでラッキーである
フリージアはそう考えていた
黙れハゲ
きもい
>340
普通に考えろよ
教頭レベルのやつが生徒レベルの魔法くらってしかも混乱するわけねーじゃん
>>337 突然颯爽と一人の女の子が現れた。名前はリコシェって言うのか…なんだかすごくかっこいい気がする。
何?リリアーナと意志疎通だって?
>>339 > 「戦闘中はテレパシーで会話する?」
「…俺には出来ない。」
ロックはテレパシーが使えない。
>>340 > 「そのローブって丸めてから凍らせて棍棒にしてもかまいませんの?」
俺はローブをフリージアに渡した。クレティアン先輩には悪いがリリアーナの言う通りなりふりかまっている時ではない。
この銃もそうだ。教頭先生がもし本当に混乱しているならさっきの放送には何の意味もない。仮に混乱している振りをしていても同様だ。“全力”で使わせてもらうぜ!
>>338 > 「今のところ作戦は二つ。 一つはさっき話したヨクホレール作戦ね。で、もう一つはレイド先生を学園長室へ押し込む作戦。
> どっちの作戦を選んで、具体的にはどうしたい?」
「決まってるさ!押し込もうぜ!」
ロックの熱い(暑苦しい?)心が真っ向勝負を希望した。
リリアーナは前列を希望している。となるとリリアーナは窓と先生を結ぶ直線の延長に立ち、何らかの方法でプレッシャーをかけ、先生を窓まで下がらせる事になる。
俺はリリアーナと窓を結ぶ直線上から先生を出さないようにすればいい。素早さの上がっている俺なら先生の左右に回りこむのは簡単なはずだ。
フリージアは…早速アルテリオンさんを挑発している。大丈夫だろうか?
「ゲホォケホ!・・・先生はそれでもいいですけど、それじゃ私が許せないんです。
ですから、鎧を着終わったら木剣を取りに行きましょうよ。ね?」
多少いやな顔をされたが、なんとか無茶を聞いてもらった。
「すいません。無理言っちゃって、でもその代わりに先ほどのように足を引っ張るような真似は絶対にしません。」
校門に行く道の途中、私は無理を聞いてもらったレイド卿にお礼のつもりでそういった。
鎧は完璧(デザインは最悪)だし、今は木剣もある。
少なからず先ほどよりも頼りになるはずだ。
思わず拳に力が入ってしまう。いかんな、騎士は戦いを求めてはいけないのに
校門前に着くとき、私の籠手を所持していた女子生徒が通り過ぎた。
やはり彼女は他に組んでいたのか、そう思ったとき、私は思わずレイド卿の背後に隠れた。
リ コ シ ェ だ ! ! !
普段は明るくていい子なのだが、時々頭がおかしくなって私を拉致したがる。
確か、この前は「ロヴィンマスク」とかいって襲ってきたな
しかし、リコシェは私には見向きもせずに走り去った。
正直助かった。
校門前ではもう先ほどの三人が待っていた。
>「さて、おとなしくつかまっていただけたらその花模様消して差し上げますわよv」
先ほど私にスカートを落とされた女子生徒が私に指差しそういう。
きっと挑発のつもりで言っているはずだ。
なるほど、陽動されているわけか・・・面白い
「レイド卿・・・生徒2人の相手はお辛いですか?私は彼女に用があるので2人の相手をお願いしたいのですけど」
と私は背後にいるレイド卿にそういった。
先ほど自信満々でそういっていたのだ。私が意地張って守ろうなんて考えないほうがいい。
そういい残して、私は挑発に乗った。
ゆっくりと私は背負っていた木剣に手をかけながら彼女に言う。
「すっかり忘れていました・・・騎士は鎧で戦うのではない。
まして、剣で戦うのではない。信念で戦うのではなく守るのが騎士の有るべき姿だと・・・」
そのあと、人一人分の大きさはある両手木剣を構えた。
ロックは学園長質へ押し込む作戦を採用したようだ。
ま、予想通りの答えよね〜。ロックらしいわ。
「じゃ、ヨクホレールは私が預かっておくわね〜」
正攻法でダメなら搦め手の材料に使わせてもらうわ〜。うふふ。
「いっておくけれど、私の攻撃はあくまでおとり。
どこまでやれるかわかんないけど、できるだけ先生の体力を削ってみる。
だからロックは奪った銃を使って魔力を蓄えることー。
私には、最後に大技を繰り出せる余裕は無いと思っててちょうだい。
だからロック、あなたが切り札よ。頼りにしてるからね〜!!」
どうやら10分経過したようだ。アルテリオンさんが戻ってきた。
立ち去るリコっちさんの姿を見て、なぜかアルテリオンさんはレイド先生の背後に逃げ込んだ。
明らかに動揺しているようだ。
・・・・・・何だろ?苦手なのかな?リコっちさん、代わってるけど親切そうな人だったのに。
でも、このネタって使えるよね?
「リコっちさんの名前を出すだけで、アルテリオンさんは今みたいに動揺するかも〜」
一度か二度しか使えそうに無いが、効果はバツグンだろう
「フリージアはアルテリオンさんを足止めしてね・・・って・・・ちょっと聞いてる〜?」
だめだ、聞こえてはいるようだけど返事を返す気はないみたい。
集中力を高めようとしてるのを邪魔するのも気の毒だし・・・まっ、いーか。
レイド先生は一人で私たち二人を相手にするようだ。
私はふと思い立ち、ポケットからあるものを取り出し頭につけた。
私が装着したのは、カチューシャ状の防具、「ケモノ耳バンド」だ。
これさえ身につければ、今日からあなたもケモノ耳。
「どう?ロック。可愛い?」
怪訝そうな顔のロックに私は説明を始めた。
「レイド先生のケモノ耳好きが本当なら、キュートなケモノ耳少女相手のバトルはやりにくいかなーと思ってね〜」
――――何よその顔は。私に言いたい事があるならはっきり言えば?
私はにーっこりと満面の笑みを浮かべた。
「なんならロック、あなたがコレを装着してみる?遠慮しなくてもいいから。ほーら!ほーら!」
ケモノ耳をピコピコ動かしながら、私は不敵な笑いでロックに詰め寄った。
さ、そろそろ時間だ。
「行くよ!」
私はレイド先生に向かって猛ダッシュした。
手を翳すと、私の目の前に薄いガラス板のような物体が出現した。
コレは魔法障壁やバリアの一種。見えざる盾だ。
私は盾でぶん殴ろうとする寸前、レイド先生に向かって叫んだ。
「レイド先生〜!ケモノ耳モフモフッ娘がタイプってホントですか?」
>344>「鎧を着終わったら木剣を取りに行きましょうよ。ね?」
「分かった…。そんじゃ、早く行こうぜ。」
こうして俺とアルテリオン10分間の休みを使って木剣を取りに行った。
>「足を引っ張るような真似は絶対にしません。」
「あ〜、そんなに気張らないで、気楽にやれば良いって。俺は足引っ張られてるなんて思ってないし。」
>336俺達が話をしているとクドリャフカが通り過ぎて行った。
>337クドリャフカに続けてリコシェも通り過ぎる。
リコシェを見た瞬間にアルテリオンが俺の背中に隠れる。
「あぁ〜。そういや、天敵だったな…」
校門に着くと三人が待っていた。
>「生徒二人の相手はお辛いですか?」
どうやらアルテリオンはフリージアとの決着をつけたいらしい。
「俺は別に問題無い。アル、あんまり無理すんなよ。」
予想通り、俺の相手はロックとリリアーナらしい。
「よ〜し、第2ラウンドといこうか。あ、言ってなかったけど、俺の銃使うなら残弾数に気を付けろよ〜。2丁あわせても残り10発位しかないから。」
と、ロックに忠告した後、リリアーナに視線を移す。
>「行くよ!」
>「ケモノ耳モフモフッ娘がタイプってホントですか?」
「何!?お前、何故それを……」
意表を突かれた俺は反応が遅れ、リリアーナの攻撃を回避出来ずに1m程後ろに吹き飛ばされた。
「(クソッ……ケモノ耳、しかもネコミミを着けてくるとは予想外だった。これじゃ、攻撃が出来ない…)」
しかし、立ち上がった俺はリリアーナの上半身を見て、ある事に気がついた。
「残念だったなリリアーナ。ケモノ耳を着けてきたのは誉めてやろう。……だがな!俺の一番のタイプはケモノ耳+巨乳だ!!」
ここまできたら、開き直るしかない。
「悪いが、反撃させてもらうぞ?恨むなら自分の胸を恨んでくれ。召喚!ライトニング」
リボルバー型の黒い銃を2丁召喚した。
装弾数は各6発。
計12発。
この銃の弾に当たると体中がマヒ状態になる。
しかし、当たっても痛みが無く、傷も出来ない。
銃口をリリアーナに向けニヤリと笑う
「さ〜て、お仕置きの時間だ〜。」
>>345 リリアーナは頭に猫耳を付けた。…え?
> 「どう?ロック。可愛い?」
「何だって!?」
こんな時に何やってんだ。可愛いとは思うが今はそれどころでは無い。
> 「レイド先生のケモノ耳好きが本当なら、キュートなケモノ耳少女相手のバトルはやりにくいかなーと思ってね〜」
「………」
ロックは何やら真面目に考えている。
> 「なんならロック、あなたがコレを装着してみる?遠慮しなくてもいいから。ほーら!ほーら!」
リリアーナは猫耳セット(白猫タイプ)を俺に差し出している。
「………」
ロックは真顔で受け取った。
> 「行くよ!」
リリアーナはレイド先生に向かって猛ダッシュした。「………」
俺も後ろから続く。猫耳を真顔で頭に付け、土柱の陰に隠れながらレイド先生に近付いた。
> 「レイド先生〜!ケモノ耳モフモフッ娘がタイプってホントですか?」
>>347 > 「何!?お前、何故それを……」
すごい、レイド先生に攻撃を直撃させた!
> 「残念だったなリリアーナ。ケモノ耳を着けてきたのは誉めてやろう。……だがな!俺の一番のタイプはケモノ耳+巨乳だ!!」
ケモノ耳で巨乳…
> 「さ〜て、お仕置きの時間だ〜。」
「アルテリオンさんのことか〜!!」
素早さの上がっている俺は叫びながら素早く先生の前に躍り出た。
俺は腰に差した二丁の銃の内一丁を両手で構え発砲した。乾いた爆発音が響く。
5発撃つと突然銃の部品が後ろに下がったまま戻らなくなった。
「弾切れ!?」
先生によると弾は二丁合わせて10発。熱くなって、もう半分も消費してしまったのか!
>344
>「すっかり忘れていました・・・騎士は鎧で戦うのではない。
まして、剣で戦うのではない。信念で戦うのではなく守るのが騎士の有るべき姿だと・・・」
さすがはと感心するフリージア
「そっちがその気でしたらわたくしも全力を持ってお相手させていただきます」
フリージアは何枚もの六角形型の雪の結晶を作り出すと体中に貼り付け鎧にした
その姿はあたかもクリスタルの騎士いや・・・聖闘士のようであった
「行きますわよ!!」
フリージアは聖属性のローブを丸めて凍らせた棍を構えた
背中に白鳥のような形の魔力オーラを浮び上がらせながらアルテリオンに襲い掛かろうとしたフリージアだが・・・
>348
近くから聞こえてきた「アルテリオンさんのことか〜!!」 という声に思わずこけそうになったが
今は戦闘中と思い直し改めて攻撃を仕掛けた
「てや!てやてやてや!!いやぁぁ!!」
上段、中段、下段と次々と突きを仕掛けていくフリージアだがやはり年季が違うのかアルテリオンの木刀に攻撃を裁かれてしまう
アルテリオンの攻撃も何とか何枚か重ねた雪の結晶で防いでいるが破られるのは時間の問題だろう
仕方がなくフリージアはアルテリオンの足を凍らせて地面にくっつける作戦に切り替えた
足元に雪の結晶を放ったのである
廊下の窓を破って空の彼方へと飛んでいく生徒たちを見ながら私達は歩を進める。
これで三組目だ。
【どのような手段を使ってでも教師を一人捕まえて理事長室へと連れて行く。】
単純ではあるか多分にサバイバルの入った条件だ。
その条件を吟味すれば、誰かが捕まえた教師を理事長室に付くまでに横取りする、という選択肢も見えてくるわけだ。
妨害、横取りのリスクを極力排除するために誰も手をつけないであろう教頭先生をターゲットにし、見事に捕縛した。
そして今、理事長室に向かっているのだが当然対策は立ててある。
付与魔術は生物・無機物問わず魔法を付与する魔術だ。
炎を纏う剣を作るには剣と炎の魔法を付与魔術でくっつければいい。つまるところ、付与魔術とは接着剤のようなものだ。
実のところ、私は基礎魔術をはしょった特別待遇で入学したため、魔法自体のバリエーションは多くない。
私は単体では余り使い手のない魔法使いというわけだ。
そんな私でも、このように仲間と時間さえ得られれば随分と変わってくる。
そう、この廊下のように。
夕べ遅く密かに放送室から理事長室までの壁、柱にチームメイトの様々な魔法を付与しておいたのだ。(おかげで寝坊したわけだが)
柱一本一本が私の意思のままに魔法を発動させる罠となっている。
「無事卒業試験クリアーできそうじゃの。」
混乱魔法で目がイっちゃってる教頭先生を三人を囲むように歩いてきたが、理事長室の扉を前に私はほっと息をついた。
度重なる襲撃のため、廊下に仕掛けた罠は殆ど使い切っていたからだ。
>337
その一瞬の気の緩みのためだろうか、背後から迫る気配に振り向く反応が遅れた。
私の目に映ったのは何か黒い影で、何者が現れたのか把握できなかった。
俺がリリアーナに銃口を向けた瞬間
>348>「アルテリオンさんのことか〜!」と叫びながらロックがネコミミを着けて現れた。
ロックはネコミミを着けたまま銃を発射した。
「アホ。こんな単純な罠に引っかかるな……。バリア」
俺はバリアで銃弾を防いだ後、一旦リリアーナから銃口を外し10m程後ろに飛んだ。
「そう熱くなんなよ、ロック。戦闘中に冷静さを欠いた者の攻撃ほど分かり易いものは無いぞ?」
しかも、どうやら今の攻撃で片方の銃弾が無くなった様だ。
「残りは5発か…。なんとかいけそうだな。……そうだロック、良いことを教えといてやろう。」
今度は銃口をリリアーナではなくロックの方に向ける。
「俺はな………男のネコミミは大っっっっっ嫌いだ。」
2丁の銃の引き金を同時に引くと、ロックに向かって2発の弾が発射された。
>347
見えないシールドを使った(図星作戦?)奇襲は成功し、私の攻撃はレイド先生にクリーンヒットした。
あんまり効いて無さそうだけど。
>「残念だったなリリアーナ。ケモノ耳を着けてきたのは誉めてやろう。……だがな!俺の一番のタイプはケモノ耳+巨乳だ!!」
>「悪いが、反撃させてもらうぞ?恨むなら自分の胸を恨んでくれ。
恨 む な ら 自 分 の 胸 を 恨 ん で く れ 。
くれー くれー クレー (※エコー)
精神的カウンターを食らった私の握りこぶしがぶるぶる震え始めた。
「レイドせんせー、それはもしかしてぇー、私の胸が平らだってゆー意味ですか?」
レイド先生は銃口をこちらに向けて、ニヤリと笑った。
ひ・・・・人が気にしてることを・・・・・・・・・・・・・・!!!!
バチッ!バチッとリリアーナの体が放電を始めた。
銃口を睨みつける瞳の奥を覗き込めば、燃え盛る青白い炎が見えるだろう。
私はぐいっと手の甲で目を擦った。
―――― な、泣いてないもんね!
まだ成長期だもん!!希望はあるもん!!
>348 >351
ロックが私とレイド先生の間に割って入った。その隙に私は、次の呪文を詠唱しながら移動を開始する。
銃声が立て続けに5発。
そしてカチ、カチという金属音。
「え――――?!」
私は不満の声を上げた。
どうやらロックは、2丁のうち一丁の銃弾を使い切ってしまったようだ。
だけど。バリアで銃弾を防がれたとはいえ、先生が学園長室側に10メートル後退させたのは上出来。
私たちの真の目的に気づかれないうちに、押して押して押しまくらなきゃ!
>「残りは5発か…。なんとかいけそうだな。……そうだロック、良いことを教えといてやろう。」
銃口がロックへとむけられた。
>「俺はな………男のネコミミは大っっっっっ嫌いだ。」
まずい!
私は手にしていた見えざる盾をロックへ向かって投げた。
重さの概念が無い盾は、狙いどおりロックの前に出現する。
レイド先生が撃った瞬間、私はレイド先生へ向かって猛ダッシュした。
半分ほど距離を詰めたところで、私は掌の雷魔法を地面へと叩きつける。
「行っけ――――っっ!」
放った雷系の魔法は、地面の下を走ってレイド先生へ。
私自身は軽く回り込み、右側からレイド先生へ接近した。
放った雷は、私が使える中では一番の高位魔法。
だけど、普通のとは一味違う。地上に出るとき3つに割れるのだ。
出現した雷の軌道も緩い曲線。分裂する事で威力こそ弱まるが、3方向から狙われることになるわね。
――――でもね。
実はこの雷魔法はお、と、り。本命の攻撃はこっち!
私のパンチは、クドリャフカさんやロックほど重くない。レイド先生ともなれば、そんなのとっくに見切ってるはず。
だけど、そこに付け入る隙があるってもんよ!
「男の猫耳だっていいじゃない!先生、好き嫌いはダメよぉ――――!!!」
私は、ヨクホレールをレイド先生の顔にぶちまけた。
やっぱフリージアだけは厨だよなぁ。
はあ?
他も大概同じようなもんだろうが
釣られてカッコワル
>>351>>352 >「俺はな………男のネコミミは大っっっっっ嫌いだ。」
少し揺れた前髪から…一瞬見えた目に俺はドキッとした。先生の目は“本気”だ。こんなに嬉しい事は無い!(猫耳万歳!)
心臓の鼓動が早くなる。俺は牙を剥きながらニタリと笑みを浮かべた。
「おぉ… ぶっ!?」
絶叫しながら飛びかかろうとした俺の顔に何かがぶつかった。これは…リリアーナの盾!?
状況を理解するのにあまり時間はかからなかった。俺はレイド先生が攻撃しているのに前に突撃しようとしていたのだ。リリアーナがいなければやられてただろう。
なんて事だ!ついさっき先生に熱くなりすぎるなと注意されたばかりなのに!
リリアーナは俺の前を走り抜けて行く。
> 「行っけ――――っっ!」
> 放った雷系の魔法は、地面の下を走ってレイド先生へ。
リリアーナに助けられたばかりなのにこんな事を思う俺はどうかしているだろう。しかし、俺はレイド先生の本気の目を見てしまった。ふつふつと嫉妬の念が噴出する。
「(俺の獲物だ!!)」
リリアーナはさらに距離を詰める。俺はもう一丁の銃を構えた…駄目だ。リリアーナに当たるかもしれない。
> 「男の猫耳だっていいじゃない!先生、好き嫌いはダメよぉ――――!!!」
俺は再び土柱に隠れながらレイド先生に近付いて行った。
>356「(あの様子じゃ、俺の撃った弾は当たらなかった様だな。リリアーナの仕業か…)」
>352
>「行っけ―――っっ!」
「ほ〜。面白い技を覚えたな。」
初めて見るリリアーナの技を見て俺は少し興味を持った。
「じゃ、俺も真似してみるか。」
見よう見まねでリリアーナの技を使い、相殺させる。
「ラッキー。残念だったなリリアーナ。」
リリアーナの技を相殺させ、安心していると、いつの間にかリリアーナは俺に接近していた。
「(マズイ!この距離で雷系の魔法を使われたら…)」
しかし、リリアーナの攻撃は魔法ではなくただのパンチだった。
「リリアーナ、この距離で普通のパンチは無いだ…」
>「男の猫耳だっていいじゃない!先生、好き嫌いはダメよぉ―――!!!」
そう言うとリリアーナは俺の顔に見知らぬ薬をぶちまけた。
「(魔法はフェイクか!最初から薬を呑ませる事が目的…)ング!!!」
リリアーナがぶちまけた薬が一粒俺の口の中に入った。
>356-357
惚れ薬がレイド先生の口に一粒入ったようだ。
「やったー・・・キャ――――!」
喜んだのもつかの間、私は着地に失敗し地面をころころ転がった。
だけど、幸いなことにレイド先生からの追撃は無かった。
がばっと起き上がり、私は再び見えざる盾を出現させる。
先生は動きを止めている。銃口は下がったままだ。
視線は土柱に半身を隠したロックへと向けられている。
「レイドせ・ん・せ・い。気分はどうですかー?大丈夫ですか〜?」
レイド先生、薬飲んだ?口に入っただけ?
「聞こえてますか〜?」
私はひらひらと先生の前で手を振ってみた。・・・うん!完璧に無視されてるね!(はあと)
なんかちょっと心配になってきたけど、でもまあ今のうちに武装解除しとこう。
私は盾に身を隠しつつ、そーっとレイド先生の銃に手を伸ばした。
・・・・・・・・あれ?そういえば。
「ねーロック、このヨクホレールって、最初に見た人間を好きになるの?
それとも飲ませた人間に惚れるんだったかしら?」
>>358 俺はレイド先生の様子をうかがった。…何か様子がおかしい。
> 「レイドせ・ん・せ・い。気分はどうですかー?大丈夫ですか〜?」
俺は銃を構えながらレイド先生及びリリアーナに近付いた。
> 「聞こえてますか〜?」
「どうなってんだ?何をしたんだリリアーナ?」
> 「ねーロック、このヨクホレールって、最初に見た人間を好きになるの?
> それとも飲ませた人間に惚れるんだったかしら?」
俺の顔が真っ青になる。
「み…見た人だ。」
言うやいなや俺は“全力”で逃げ出した。完全にトラウマだなこれは。
しかしロックが逃げ出した先にはトラップが仕掛けてあった
そのトラップはトランポリンだった。ロックは空高くへ跳ね上がった。
「くそぅ!どこに行きやがったッチ」
クドの野朗、散々ムシしやがって、お陰で見失ったッチ
校門の三人トリオにアドバイスをしたあとにクドを追った俺ッチだが、
クドの脚の速さと天性の方向音痴のせいで見事に見失ってしまったッチ
「ぷはぁ〜もう諦めたッチ、勝ち逃げされて終わりだッチ」
せっかくの休みを返上してここまで来たのに、結局無駄に終ったッチ
この屈辱的な一敗は永久に返上できないんだッチ
普段は陽気な俺ッチでもここまで見つからないとなるとネガティブになるッチ
「もう帰るッチ、この悲しみは明日アルにぶつけてやるッチ」
ガックリと肩を落とし、俺ッチは階段を降りてった。
いくら酷い方向音痴でも帰り道ぐらいはどうにかできるッチ
>「無事卒業試験クリアーできそうじゃの。」
振り向くと教頭とそれを囲む三人組の姿が見えたッチ
もちろん、その中にクドがいるのもわかったッチ
「ミル・マスカラス様・・・感謝するッチ、今度こそルチャリブレが最強だってことを証明するッチ」
俺ッチは逃げられるまいと全力で走り寄ったッチ
「射程圏内ッチ!!!」
俺ッチは柱を使って三角飛びをし、延髄蹴りをしたッチ
手ごたえは確実にあるッチ
「先制パンチの分だッチ、立つッチ!マスクに落書きの分が終ってないッチ」
>>361 (ゴゴゴゴゴゴ…)
「ワーッハハハハハハハハ!
これが俺のオベリスクだーッ!!」
ロックが飛んで行った先には地面から生えてきた怪しげな尖塔と
何時の間にか復活していたクレティアンの姿が。
リリアーナのメモを見てここまでやってきたらしい。
マントの代わりに保健室のシーツを身に纏っている。
(べきっ)
「うわぁーッ!」
ロックが直撃し、あっさり折れる尖塔。
てっぺんで高笑いしていたクレティアンはそのまま落下して地面に激突。
人間の形をした穴が出来た。
まだいたの
「甘い!!!」
フリージアの突きを無駄なくかわし、打ち込む。
しかし、鎧とは別に作られた盾が私の木剣をことごとく受け止める。
やはり、魔法は手ごわい・・・いや、それ以上にあの棍はまずい。
さっきから青白い炎が出ているのがわかる。あれに当たったらきっとただでは済まされないだろう。
少し間合いをとり、私は剣を構え直した。
しかし、どちらも氷だ。壊れないわけがない。
「忠告します。今から出す技をかわそうとは考えないほうがいいです。
全力で守ることをおすすめします。」
私は木剣を水平に構えながら、フリージアに対しそう忠告した。
不覚だった。
相手の先を読む戦いを得意としていた俺が生徒のフェイクに引っ掛かり、訳の分からん薬を口に入れられた。
だが、薬は口の中に入っただけで飲み込みはしなかった。
「(この俺が……)」
俺はショックのあまり銃を下げたまま黙り込んだ。
>358
>「気分はどうですか〜?大丈夫ですか〜?」
>「聞こえてますか〜?」
リリアーナが何か言っているがショックで呆然としている俺の耳には入らない。
「(このまま薬飲んで終わらせちまうか………って訳にもいかないよな。)」
リリアーナが銃に手を伸ばした瞬間俺に闘志が戻った。
「ペッ」
口から薬を吐き出すと、リリアーナの手を掴んだ。
「戦い方が上手くなったな、リリアーナ。正直驚いた。」
掴んでいたリリアーナの手を離し頭を撫でる。
「さ、次は第3ラウンドだ。」
再び間合いをとり、深呼吸をする。
>359「ロック〜。まだ終わってないぞ。帰って来〜い。」
銃をスーツの内ポケットにしまいズボンのポケットに両手を突っ込む。
「よし、かかってこい。そろそろ決着つけようぜ?」
>359-361
ロックはレイド先生が惚れ薬を口にしたと聴いた途端、脱兎のごとく逃げ出した。
「ちょ・・・ちょっとロック!!そっちに学園長室はないって・・・・あ!!」
ボスッ
ポヨヨヨヨーン
>(べきっ)
ほんの一瞬の出来事だった。
トラップトランポリンに落ちて遠くに跳ね飛ばされそうになったロックを、いきなり生えた謎の尖塔ががっちり受け止めた。
塔のてっぺんではクレティアンさんが高笑いしている。
「クレティアンさん、GJ!」
私はぐっと親指を立てた。
なんか尖塔が折れてクレティアンさんが落っこちた気もするけど・・・うん!きっとあの人なら大丈夫!
・・・多分!
さて、ちょっと横道にそれちゃったわね。とにかく今のうちにレイド先生の銃を貰っちゃおう。
この先何があるかわかんないしね、うん!
私は気を取り直し、レイド先生の銃を掴もうとした。
>366
だけど。
>「ペッ」
私が銃に触れようとした瞬間、レイド先生が口から薬を吐き出した。がしっと手を掴まれる。
一瞬のうちに状況を把握した私の顔から、サーっと血の気が引いていく。
形勢逆転、まさに蛇に睨まれたカエル。
正直うまくいきすぎだとは思ってたのよ〜。先生を引っ掛けるつもりで、まんまと私は踊らされてたわけね!
「先生ずるいずるいずるーい!!薬飲んだフリするなんて!!」
>「戦い方が上手くなったな、リリアーナ。正直驚いた。」
冷や汗をだらだら流しながら抗議した私の頭を、レイド先生が撫でた。
感慨深げな声に、それ以上何もいえなくなった。
―――― やっぱり、レイド先生には、叶わないわよね。
>「さ、次は第3ラウンドだ。」
レイド先生は再び身構えた。だけど、どうやらロックが戻るまで待ってくれるようだ。
次で決めなきゃ。今度は小細工はいらない。
学園長室は、レイド先生の背後15メートル付近。今から場所を変えられたら非常に厄介。
一気に畳み掛けて、背後以外の逃げ道を封じないと!
レイド先生は、銃をスーツの内ポケットにしまっている。
おまけにズボンのポケットに両手を突っ込んでいるけど・・・もしかしてハンデのつもり?いや、誘いの罠か、奥の手かも。
今仕掛けるのはまずい。
>「よし、かかってこい。そろそろ決着つけようぜ?」
私は再び雷系の魔法を唱えた。私の五本の指先に、それぞれ雷が宿る。
一度見せた魔法は、多分二度と通じない。だから、前回より威力を下げて5連射するわ!
これの利点は数撃つ事で相手を足止めできること。回避のためレイド先生を後退させられればなお良し!
でも全部撃ち尽くせば,私の魔力はすっからかん。正真正銘後が無いわね〜
『ロック聞こえる?魔力の方は戻った?あなたが戻ると同時に仕掛けるわよ!
私は足止めをするから、後はうまくやってね!!』
私はテレパシーで手短に足止め魔法を使うことを伝えた。伝言は一方的なものだけど、多分ロックならうまくやるだろう。
後ろからロックの足音が近づいてくる。私は不敵に微笑んだ。
「・・・よろしく、お願いします」
だけど、最初に仕掛けるのは指先の雷系魔法じゃないわ。これは無駄撃ち出来ないからね。
私は小石を2,3拾うと、帯電させた。そのままレイド先生に向かって投げつける。
たかが小石。だけどスタン効果を付加させた。まともに当たれば気絶する。
そう。これはほんの小手調べ。
だってレイド先生が本気出して戦ってるところ見たこと無いから。銃以外の攻撃パターンもさっぱりだもの。
どうやってかわすのか、お手並み拝見よ!
途中ロックさんが吹っ飛んだりといろいろあったけど
>365
一応シリアスを保っている私はいまだに一対一でアルテリオンさんと戦っていた
相変わらずすべての攻撃を木の剣ではじかれたり受け止められたりしてダメージを与えられない
>「忠告します。今から出す技をかわそうとは考えないほうがいいです。
全力で守ることをおすすめします。」
そうこうしているうちにアルテリオンさんはなにか大技を放ってくるような宣言をした
「ならばこっちもそれ相当の対処をさせていただきますわ」
フリージアはそう言うと雪の結晶でドームを作った
ただし厚さはアルテリオンに踏み割られたものの数倍である
これで防げなかったらこちらも最大の攻撃をして相殺するしかない
フリージアはそう覚悟していた
ク、クレティアンが殺られたーッ!!
>>367 体が高らかに宙を舞う!
「うわぁ!ハードニング!」
硬化魔法を唱えながらロックは顔面(!)から塔に衝突した。
「(頭が痛いぜ…あれ?どうなってんだ?レイド先生…まともじゃないか。)」
塔にしがみつき安心しているロックの頭にリリアーナの声が響く。
> 『ロック聞こえる?魔力の方は戻った?あなたが戻ると同時に仕掛けるわよ!
> 私は足止めをするから、後はうまくやってね!!』
「おう!!」
肉声で答えた。しかし、二人からだいぶ離れてしまっている。聞こえただろうか?
ロックは地面に向かってダイブした。硬化魔法のおかげで平気だ(今度は足が痛いぜ!)。リリアーナの方へ走り出した。
素早さ上昇魔法は硬化魔法に上書きされてしまっている。さっき走った時よりも時間がかかった。おっと、さっきのトランポリンをよけなくちゃ。
リリアーナはレイド先生に牽制攻撃を仕掛けていた。
「リリアーナ!こいつも使え!」
もう一丁の銃をリリアーナに投げた。
「よっしゃあ!やってやるぜ!!」
ロックは地面に両手をつけ、強力な魔法を使う準備をした。
この時、彼は気付いていなかった。塔に衝突した時に眼鏡が壊れてしまった事を。“瞳を変える眼鏡”の無いロックの、水晶のような青い右目と、爬虫類のような瞳孔を持つ不気味な赤い左目がレイド先生を見据えた。
どこまでも青い空。
そして反転。急激な落下感。
「ちぃと!今日は卒業試験なんになにしとるのよ?」
思わず叫ばずにはいられなかった地面に突き刺さる数瞬前の私。
#######################################
>362
「おぶっ!?」
視界をよぎる黒い影。直後、思いがけない背後からの衝撃。
なす術もなく倒れた私に声がかけられる。
>「先制パンチの分だッチ、立つッチ!マスクに落書きの分が終ってないッチ」
その声で全てが把握できた。死霊科のリコだ。
他の二人は教頭先生を捕獲するために殆どの魔力を使ってしまっている。
今まともに戦えるのは私だけ。
私の体にはロックから吸い取った重力変化の呪いがチャージされている。
これをリコに・・・そんな考えが頭を擡げたがすぐに取り払った。
これが戦闘のみのゲームならサクリファイスジャンクションは味方の傷を敵に移せる便利なチューブと割り切れるだろう。
だがこれはゲームではない。
自分の覚悟で以って引き受けた傷を他人に無理矢理移すような事は・・・できない。
生贄である事を強いるなど・・・。
首筋を押さえ、ふらつきながらも立ち上がると、リコは宙を舞っていた。
ルチャリブレの華麗なる空中殺法の代表的な技、ドロップキックだ。
確かに見た目は派手だし楽しいが、私にいわせればモーションが大きすぎる。格好の喰らい投げの的だ。
「戦いは実用だけありゃぁいい。
額に肉だけじゃ足りなかったんじゃったら私とおそろいの傷マークも描いちゃる。」
まだふらつくがこれを外すほど私は弱くはない。
突き刺さるドロップキックをガード、そのまま投げ技に持っていく・・・はずだった。
ここで呪いが発動した。私の身体に120キロの負荷がかかる。
判っていた。こういうときにこそ顕在化する、と。だから身体の軸は動かさず、喰らい投げを選んだのだ。
誤算といえばロックが左足も負傷していた、という事だ。
その結果、リコのドロップキックを支えきれず、絡まるように私達は転がり理事長室の扉を粉砕する事になる。
それだけならまだよかっただろう。運の悪い事に、教頭先生まで巻き込んでしまっていたのだ。
悪い事は重なるもので、私の左手のガントレットには頼りなさげな黒い糸が十数本まとめて絡み付いている・・・・。
そして回想は終わり、冒頭の場面へと戻る。
#######################################
>342
誰かが言っていた。普通に考えろ。教頭レベルの奴が生徒レベルの魔法喰らってしかも混乱するわけねーじゃん。
確かにそうだ。だからこそ私達は教頭先生を狙った。
これは戦いではなく、あくまで【試験】だ。
戦闘能力だけを測るものではなく、捕獲するまでの機転、戦略、など総合力を見るものだ。
その結果、教頭先生は私達を合格と認め、混乱【してくれた】わけだ。
しかし・・・私は逆鱗に触れてしまった。
残り少ないバーコードを不可抗力といえどまとめて毟ってしまったのだ。
「ぶるぁぁぁぁ!!!きぃさああぁまぁああるうあああ!!!」
混乱魔法に囚われていた目がカッと光を取り戻し、魔力を放出する。
それだけで理事長室は半壊し、私達は宙を舞っているわけだ。
一人はちゃっかり逃げたようで姿が見えない。もう一人は明後日の方向へと飛ばされていく。
そして隣り合ってともに落ちていくリコに私は叫び声の一つもあげてしまうというものだ。
>365>368
教頭先生の魔力放出のダメージで身動きできない192センチ95キロ+120キロの私と、リコの落下地点には木刀を水平に構えた黒騎士がいた。
>367
>「…よろしく、お願いします」
そう言うとリリアーナは小石を投げつけてきた。
「(スタン効果付きの石か…)バリア!」両手をポケットに突っ込んだままバリアで小石を防ぐ。
「さて、何で攻撃しようかねぇ…」
バリアを解除した後ポケットからタバコを取り出し火をつける。
「決めた。これにしよう。」
半分辺りまで吸うとリリアーナに向かってタバコを投げる。
「パチン」
と、指を鳴らすと投げたタバコが爆発した。
「あれ?少し威力が弱かったか?」
>370
>「リリアーナ!こいつも使え!」
「(戻ってきたか……。あいつ、自分の眼鏡壊れてんのに気付いてんのかな?)」
ロックが俺の銃をリリアーナに向かって投げた。
「オイオイ…。もう少し丁寧に扱ってくれよな〜。」
>「よっしゃあ!やってやるぜ!」
「簡単にはやらせないっつ〜の。」
俺はさっきと同じ様にタバコに火をつけロックに投げつける。
「ちょっと火力強めでいくぞ〜。」
「パチン」
今回の爆発はリリアーナの時の爆発の2倍近くの威力だった。
「今度は強すぎ…。イマイチ火力の調節が難しいな。」
>372
「さっすが先生!」
小手調べの攻撃とはいえ「呪文詠唱」だけで小石を弾くなんて!」
私なら多分、手の動き(魔法陣ね)が無いと無理。ね、全く同じ呪文でも、術者の能力でここまで差が出ちゃう。
こんなところからも垣間見えるわね、生徒が束になっても先生を捕まえるのが至難の業だって理由。
>「さて、何で攻撃しようかねぇ…」
くうー!!先生ったらバリア解除して煙草なんて吸ってるし!!悔し〜!!
でもこれは本気で参ったな〜。
この距離だと、私の魔法じゃ連射しても相殺どころかバリアであっさり弾かれるかも。もう少し接近しないと。
私が意を決して駆け出したのと、レイド先生が何かを投げたのはほぼ同時だった。
何?煙草? そう不審に思うのと、先生がパチン、と指を鳴らすのはほぼ同時だった。
私の数歩先で爆発が起きた。直撃こそしなかったものの、爆風に思わず尻餅をついた。
爆発の炎が消えると、私の目の前の地面がごっそり抉れていた。
先生の煙草と爆発が頭の中で結びつくまでにはしばしの時間が必要だった。
ロックに強化魔法をかけてもらっていたので、怪我は無い。でもラッキーと思えるほど能天気じゃない。
>「あれ?少し威力が弱かったか?」
威 力 が 弱 い ? コ レ で ?
サーっと顔から血の気が引くのが、自分でも分かった。
・・・・・・本気で大ピンチかも〜。
>370
>「リリアーナ!こいつも使え!」
「もー!!ロック遅・・・」
遅い、と言いかけて、固まる。
別に眼鏡が壊れてるからとか、お気に入りだったネコミミセットを無くされたせいじゃない。
ロック、その目は一体・・・。
「イターっ!!」
ロックが投げた銃は、呆けていた私のおでこを直撃した。
痛みに我に返った私はわたわたと銃をお手玉し、どうにかキャッチする。
>「オイオイ…。もう少し丁寧に扱ってくれよな〜。」
私は無言で痛むおでこをさすった。頭の中でいろいろぐるぐる回ってる。
けど――――まあ、いいわ。ロックの目のことも含めて全部後まわしで。
今は試験中だし――――そうよ、どんな目をしてても、チームを組んでるロックに変わりないしね。
>「よっしゃあ!やってやるぜ!」
>「簡単にはやらせないっつ〜の。」
レイド先生が再び煙草に火をつけた。
「爆発するわ、回避して!」
叫ぶと同時にレイド先生に迫った。バリアしたまま攻撃は放てない。現状でベストなのは、先生が攻撃する瞬間のカウンター!
ロックのいた方角から爆風が上がったけど、私は足を緩めなかった。
大丈夫、彼なら何とかする。だって私より運動能力がはるかに高いし攻撃センスだってあるんだもの。
私は距離を詰めて電撃を一発お見舞いした。これで左右への逃げ道は封じた。
相殺させないために続いてレイド先生の銃弾をニ発。
射撃なんてやった事無い私に当てられるわけ無い、そう思ったんだけど・・・。
撃ってみてびっくり!ちょ・・・何なのこれ。今銃弾曲がらなかった?!
「先生、まさかこの銃自分で弾道まで補正してくれるの?!」
なんて便利なの!ロックが銃をくれて助かったわ。お陰で雷撃の連射より容易に連続攻撃が繰り出せる。
私は、更に雷撃を加えようと手を翳す。
レイド先生なら、連続攻撃をバリアや魔法で相殺させるより理事長室側に後退した方が賢いと考えるはず。
追撃しようとした時、目の前の建物―――正確には理事長室が爆発した。
「な・・・何?」
思わず手が止まってしまった。部屋の残骸と共に、何人かの人影が飛ばされている。あれは・・・。
「リ・・・リコっちさん?!クドリャフカさん?!・・・ フリージア!」
二人の落下地点はフリージアじゃなくアルテリオンさんの真上。
だけどあのまま直撃したら、アルテリオンさんも含めて「ちょっと痛いッチ」じゃすまないかも。
半壊した理事長室内からは凶暴な雄叫びが――――あれはまさか、教頭先生?!
ちょっと誰よー!!教頭先生の逆鱗に触れたのは!!
レイド先生を押し込む作戦に今更変更はないけど・・・理事長室に飛び込むのも命がけかもね、これは。
>>372>>374 > 「簡単にはやらせないっつ〜の。」
陸上のクラウチングスタートのような姿勢をとっていたロックにレイド先生の煙草が飛んでくる。
> 「爆発するわ、回避して!」
「本気かよ!」
ロックは後ろに飛びのこうとした。
> 「パチン」
ズドオォォン!!!
煙草が猛烈に爆発した。ロックは両手で顔をガードしながらぶっ飛んだ。
ズガン!!
ロックはすぐ後ろの土柱に衝突した。
「くそっ!(またリリアーナに助けられた!)」
ロックはリリアーナへの嫉妬をまだ軽く引きずっていた。爆風で上着もぶっ飛んでしまった。しかし、そんな事を気にする余裕は与えられなかった。
グラッ……
嫌な予感はよく当たるものだ。後ろの土柱がじょじょに傾いていく。
バゴン!!
土柱は別の土柱に衝突した。そしてその土柱も…
バゴン!!バゴン!!バゴン!!
「(これはヤバいぞ!)」土柱のドミノ倒しが始まってしまった。ランダムな方向に勢いよく倒れていく。
「みんなぁあ!にげろぉお!!」
「ぐあっ!!」
早速ロックは下敷きになってしまった。
「(俺は問題無いが、他の奴が心配だ。)」
>371
透明に近い雪の結晶のドームの中でフリージアはアルテリオンの攻撃に対して身構えていた
「・・・・・・・?来ないですわね?」
よく見るとアルテリオンさんはほうけたように上を見ている
なんだろうとも思ったが何かの罠かもしれないと集中してアルテリオンを見据えるフリージア
その次の瞬間ドドーン!!と音を立て上から何かがアルテリオンさんを押し潰すかのごとく降ってきた
シリアスを貫き倒そうとしていたフリージアもあまりのことに声が出ない
落ちてきたのはリコとクドリャフカのようだ・・・・
最近は人が空から落ちてくるのが流行っているのだろうか?
>375
さらにその上に土柱が倒れてきた・・・・
雪の結晶のドームを展開している自分や頑丈な鎧を着ているアルテリオンならともかく
このままではリリアーナやリコやクドリャフカが危ない(ロックはもう手遅れと判断)
「仕方ありませんわね・・・」
フリージアは何枚かの雪の結晶の盾を作り出し3人を守るために飛ばした
汚いもん飛ばすなブス
>375爆発でロックは土柱に衝突した。
しかも土柱は次々と倒れていく。
「あ〜あ…。面倒な事してくれちゃって…。俺知〜らね。」
ロックは柱の下敷きになった様だが心配は無用だろう。
>374
ロックに向けていた視線をリリアーナに向けると、予想以上に近くまで来ていた。
「ヤバ……計算ミス。」
リリアーナは電撃を放つ。
電撃を相殺しようとした瞬間、銃弾が二発飛んでくる。
>「弾道まで補正してくれるの?」
「(さて、どうやって回避しようかな〜。)賢い銃だろ〜?俺の相棒だからな。」
俺は頭の中で一番ダメージが軽くなる方法を考えていた。
「(これを全部相殺するのは難しいな…。一旦、後退するか。)」
相殺を諦めた俺は後ろに飛ぶ。
「(魔力を少し温存するか…。バリアは魔力の消費量が少し多いからな…)グランドウォール!」
地面から出てきた岩の壁が銃弾を防ぐ。
「危ない、危ない…。」
と、安心した瞬間後方(理事長室)で轟音が響く。
「何の音だ〜?アルとフリージア、無事だろうな…。」
二人の心配をしながら次の攻撃を考える。「次は久々に刀でも……って思ったけど、召喚魔法使うと消費が激しいからな〜。どうしたもんか…」
暫く黙って考え込む。
「よし。地味にいこう。ファイアーボール!」
野球球と同じ位の火の玉を20球作り出した。この技は炎属性の初級魔法だが、なかなか使い勝手が良い。
「一発の威力が弱いなら、数で勝負だ。上手く避けろよ〜。」
俺は火の玉を次々とリリアーナに向かって投げつけた。
380 :
名無しになりきれ:2007/01/26(金) 13:20:03
燃え上がれ俺の魔力!!ホウヨクテンショウ!!
土柱の下から這い出たロックは奇妙な光景を目にした。辺りは草一本見えない岩山だった。
その頂上で巨大なワイバーン(飛竜)が男に襲いかかろうとしていた。
(危ない!)
そう叫ぼうとしたが声にならない。しかし、ロックの心配は杞憂だった。
>>380 > 燃え上がれ俺の魔力!!ホウヨクテンショウ!!
そう男が叫ぶと強力な火炎魔法が放たれ、ワイバーンをぶっ飛ばしてしまった。しばらくすると男はこれまた大きな卵(おそらくワイバーンの)を抱え、満足そうな顔をしながら降りてきた。
ロックはその男の顔を見て驚いた。
(俺にそっくりだ!)
一瞬視界が白くなったかと思うとロックの視界に再びリリアーナとレイド先生が入った。今自分が居るのは学園である。
(なんだ?さっきのは幻覚か?…って、今はそれどころではない!)
「今行くぞリリアーんがっ!?」
ロックは土の塊に足を引っ掛け転倒してしまった。辺りは土柱のドミノのせいで土の塊が大量に散らばっているのだ。
「…これは使えるぞ!」
ロックは丁度良い大きさの塊を見付けると指でガリガリと文字を堀りこんだ。『命』のスペルである。
その塊にさらに別の塊が寄り添っていき、人の形をつくった。ゴーレムの完成だ。ロックにとっては造作もない作業だった。なにせ模擬戦をするために自分でしょっちゅう作っていたのだから。
「我が敵を討て!」
ロックが命ずると、ゴーレムはレイド先生に向かって走り出した。ロックはさらに別の塊に『命』のスペルを掘りこむ。
(数で押すんだ。土のゴーレムの戦闘力はたかが知れている。でも一斉に襲いかかればレイド先生に隙ができるかもしれない。その時こそ俺の“とっておき”を叩き込むんだ!)
ロックはゴーレムを次々と生産した。
382 :
名無しになりきれ:2007/01/26(金) 22:47:33
この季節幻覚の作用がある花粉が飛びます
フリージアの防御魔法が完成していくのを見て、私は心なしか安心した。
これなら間違っても殺しはしないだろうと
それだけ、今この技がどれだけ危険なものか、そして、それを使うだけアルは本気になっているのだということはいうまでもない。
深呼吸をし、そして、気合と共に剣を・・・そう思っていたとき
私の視界は真っ暗になってしまった。
「あれ?誰ですか!電気を消したのは?」
もちろんそんなわけがない。
何者かが塞いでいて見えなくなっているだけだ。
「・・・だ・・・誰ですか!?私の視界を奪うなんて」
どうやってもどく気配が無かったので私は冑を外し、周りを確認しようとした。
だが、冑を脱いだ瞬間、私は異常に気がついた。
「あ・・・れ?」
冑を脱いだだけなのに・・・なぜ鎧まで脱いでしまっているのだろう?
まさか・・・
頭の中で最悪の結果がよぎり、私はおそるおそる足元を見た。
その時、私は絶句する。
鎧が・・・完璧にぶっ壊れている。
いや、屋上から落ちてきた何者かによって潰されたのだ。
「・・・」
足元に倒れている生徒を見る。
もっと悪い予感がする・・・
\(^o^)/オワタ
課題提出の締め切りに追われた生徒がよくいっていた一言を私はおもわずいってしまった。
うわぁっ!起きそう!!!
身の危険を感じた私は、木剣を拾って、すぐさまレイド卿のところまでダッシュで逃げる。
気のせいか、後ろから金属が何かに引っ張られている音が聞こえてならない。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!レイド卿ゥゥッゥゥゥ!!!」
号泣しながら、私はレイド卿の元へと急いだ。
>378
私の攻撃は悉く防がれたものの、レイド先生は一旦後退した。
やったあ!ばっちりね!
――――魔力を温存されているのが気になるけど。
さら二度目の雷撃で追い討ちをと思ったんだけど・・・そうそう思い通りにコトは運ばなかった。
>「よし。地味にいこう。ファイアーボール!」
「ええええ?!何ですかその数は!!」
>「一発の威力が弱いなら、数で勝負だ。上手く避けろよ〜。」
「ええぇぇぇぇええぇぇええ?!」
そういう問題なの?
出現した火球はその数ざっと20。ちょ・・・これなんてスポ根モノ?
「ロック助けて――!!キャー!!熱ー!!!!」
>376
逃げ回っていると、雪の結晶の盾が私の前に出現した。これは・・・フリージアの!
「助かったわ、フリージア!」
私は盾をとり、レイド先生のファイアーボールの猛攻をどうにか凌いだ。
>375
再度攻撃に転じようとした私の視界が、突然陰った。
「え・・・・・?」
不審に思い上に視線を向け、そのまま固まる。
ランダムな動きで倒れていた土柱。最後は私の上に倒れてきたのだった。
キャ――――!お、終わった――――!!!
ぷち。
ざんねん!リリアーナの たびは ここで おわってしまった!
・・・。
――――あ、あれ?死んでないし。
そっか、思い出した。動けないロックが私にかけてくれた魔法。あれ、ハードニングだったのね。
でも・・・生きてるのは分かるけど・・・・・・なんだろ、自由に動けない。
それに何かゆらゆら動いてる気もするし。
>369 >382
>ク、クレティアンが殺られたーッ!!
何ですって!私が生き埋めになっている間に一体なにがあったの?!
可哀想なクレティアン、保健室でゆっくり休んでてね。きっとカタキは取ってあげるからね!!
・・・くしゅん!くしゅん!!やだ、もう幻覚花粉の季節なの?
>381
私は、重い瞼を開けた。あれ・・・今の夢だったのかしら。
「くしゅん!」
目を擦りながら周囲を見渡す。
最初に目に入ったのは、レイド先生だった。・・・ん?私より背の高いレイド先生が私より背が低い?なんで???
私は更に首をめぐらし、絶句した。
状況は一瞬で把握でしたわ。把握したけど、とうてい納得できるものでもない。
握りしめた拳がわなわなと震えた。
「ロ・・・・・ロックの奴う ――――!!!」
そう。私は、土で作られたゴーレムの胸付近に取り込まれていた。
自由に動くのは両腕と、鎖骨から上くらい?
まあねー。なんでこうなってしまったかかは大体想像つくわ。
倒れた土柱は衝撃で崩れていた。だからさっき私は、一時的に生き埋めになっていたのだろう。
多分そのせいで、ゴーレム生成の際土と一緒に巻き込まれてしまったんだわ。
でもまあ今更怒っても仕方ない。あとで自力で脱出するなり、製作者に解除してもらえばいいだけの話だしね。
私はプリプリしながらも、自分の一部であるゴーレムに向かって命令した。
「ちょっとゴーレム!あなた今は 私 の 一 部 なんだから、私の言うことちゃんと聞きなさいよね!!
もうちょっと左!左に回りこんでよ!!ひーだーりー!!」
やけくそ気味で叫んだ。
聞こえているのかいないのか、ゴーレムはお願いどおり左へ回り込んでくれた。
フリージア、クドリャフカさん、リコっちさんは無事かしら?
ロックはどうなったの?爆発に巻き込まれてしまったの?
ゴーレムを作ってるんだからきっと無事なのよね?心配だけど、土煙がひどくてよく見えない。
>「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!レイド卿ゥゥッゥゥゥ!!!」
アルテリオンさんが土煙の中から現れた。号泣しながらレイド先生の下へ駈けて行く。
私は再び気を取り直し、不自由な体で銃を構えた。
大泣きしてるアルテリオンさんに追い討ちは本当に忍びないけど・・・ごめんね!全部終わったら、ツナサンド奢るからね!
私は心の中で謝りながら、立て続けに銃の引き金を引いた。
レイド先生に二発、振り回されては厄介なアルテリオンさんの木剣にも一発よ!
>384俺の放ったファイアーボールの殆どはフリージアの盾に塞がれてしまった。
「あ〜あ…」
追撃をかけようとした瞬間、リリアーナが土柱に潰された。
「リリアー…」
>383リリアーナの名前を叫ぼうとした瞬間、アルテリオンが泣きながら向かって来るのが目に入った。
「どうしたんだ、アル?よしよし……そんなに泣くなよ〜。君は騎士だろ?」
>385アルテリオンを慰めていると急に体が重くなった。
「(何っ!)」
リリアーナが土柱に潰された方を見ると一体のゴーレムが見えた。
どうやらリリアーナはゴーレムに取り込まれた様だ。
「そうか…。俺の銃か…。」
>381最悪な事が続けて起きる。
ゴーレムの大群がこっちに向かって来ている。
「絶体絶命ってか……」
正直かなりマズイ状況に陥った。
「魔力温存なんて言ってらんないな。アル、少し待ってろ。」
重い体を無理矢理立たせ、呼吸を整える。「ダークホール!」
リリアーナとゴーレム達の足下の地面が黒くなり、地面に吸い込まれていく。
「リリアーナ、後で出してやるから我慢してくれ。」
魔力の使い過ぎと60kgの負荷に耐え切れず地面に倒れ込んだ。
「あ〜あ、疲れた。」
ロックはゴーレムを生産しながらある場所に向かっていた。生徒用の玄関口である。
「見付けたぞ!」
ロックは清掃用の箒を手にとった。箒はこれからロックが何をするのかわかるのか嫌だ嫌だと暴れだした。
「我に従え!!」
ロックは箒の毛を鷲掴みにしながら顔を近付け怒鳴りつけた。箒は観念したのかおとなしくなった。
「良い子だ。それでいい。」
ロックは箒に股がった。上半身裸のオッドアイの青年が高らかに宙を舞う。散らかっていた土柱はあらかたゴーレムになったので見晴らしが良い。
「行くぞ!!」
箒に乗ったロックはレイド先生の方へ飛び立った。“とっておき”を叩き込むために。
>383
「・・・・・・逃げましたわ」
フリージアは雪の結晶のドームをばらして普通の雪の結晶に戻すと、
とりあえず近くで気絶しているクドリャフカとリコの頭に氷を乗せることによって起こした
二人が目を覚ますのを確認したフリージアはアルテリオンを追いかけるべく人が乗れる大きさの雪の結晶を投げその上に飛び乗った
この雪の結晶は投げた後にある程度自由に動かせるので結構便利である
>386
しばらく上空を飛んでいると倒れたレイドとぽっかり黒い穴があった
よく見ると中にはリリアーナが・・・
どうしたものかと考えたフリージアだが敵を倒すより味方を助けることを優先しようと決め
「これにおつかまりなさい!!」
と黒い穴に人が乗れるサイズのチェーンつきの雪の結晶を投げ入れた
当然チェーンも雪の結晶が組み合わされて作ってある
少々冷たいがそこは我慢してもらおう
このときフリージアはアルテリオンの存在を忘れていためにひどい目にあうのだった
>375>376>386
衝撃とともに着地。もとい、激突。
人形の凹みを作って私は地面にめり込んでいた。
落下の勢いと120キロの負かと言うのは随分と身に応えるものだ。
起き上がるのに一苦労してしまった。
激突のためか土煙が激しく、リコがどこにいるかもよくわからない。
視界がぶれるわ赤く滲むわで自分がどんな状態かは大体想像が付く。
「わしゃぁこがぁな程度で倒れるわけにゃぁいかん!」
だがこんなところで倒れていられるほど私の目指すところは温くない。
図書館Dレベル以下の場所がどんなところかは知らないが、この程度で倒れていては目的物には達しられないだろうから。
その一念で私は立ち上がる。
そして倒れてくる土柱をきっと睨み、ガクガクと痙攣する足に言い聞かせるように叫んだ。
重心と身体の軸、そして僅かな力さえ操られれば身体にかかる負荷を逆利用して動く事ができる!
当然倒れ来る土柱を回避する事など造作もない。
「はんっ!このていどおおぶうぅはああ!?」
重心をずらし、軸を制御した瞬間、強烈な力が私に加わった。
傍から見ている人には私が綺麗にくの字に折れ曲がった光景が見えただろう。
フリージアが倒れ来る土柱から守るように飛ばしてくれた雪の結晶の盾。
そうとも知らずに私が立ち上がってしまった為に直撃を受けたわけだ。
しかも重心移動をした瞬間だったので、私の身体は勢いよく跳ね飛ばされる事になる。
暗く狭くなりつつある視界になぜかクレイゴーレムに取り込まれたリリアーナの姿が見えた気がしたが確認はできなかった。
私の意識はここで途切れてしまったのだから。
だから血塗れで白目をむきながら人間魚雷よろしくリリアーナを取り込んだクレイゴーレムに突っ込んでいった事など、知りもしなかった。
>386
銃弾はレイド先生に命中した。ところで3発目は、どちらに命中したのかな〜?
>389
ゴーレムがわらわら土煙の中から出てきた。うわー・・・ロック、あなたゴーレム何体作ったのよ〜。
「――――ええぇぇぇええ?!クドリャフカさん?!」
呆然としていた私に向かって、白目をむいて血塗れになったクドリャフカさんが突っ込んできた。
咄嗟に私と一体化しているゴーレムが受け止めたものの、何せ相手は巨体のクドリャフカさんだ。衝撃に、クレイゴーレムは転倒した。
「な・・・な・・・何?!なんで上から落ちたクドリャフカさんがここに??」
全く事態が飲み込めていない私に、更なる追い討ちが。
ダークホールで私の足元の地面が消滅した。ううん、私だけでなく、ゴーレム様ご一行の地面もキレーに消えているし!!
>「リリアーナ、後で出してやるから我慢してくれ。」
「ええぇぇぇぇぇぇぇぇええ!!」
ちょっとだけくたびれたレイド先生の声がそう告げるけど、ちっともフォローになってないわ〜!!
「ロック、フリージア!後は任せたぅわぁぁぁぁぁぁぁぁ――――!!」
やだー!!落ちる――――!!
・・・・・・・・・カラカラ・・・と小石が頭の上に落ちてくる。私は、手に宿していた雷撃の魔力を戻した。
「あいたたた・・・クドリャフカさん、大丈夫〜?」
あーあ。クドリャフカさんは白目剥いてるし。電撃の魔力は4つ分残ってたから、暴発で感電はさせてないみたい。良かった。
「学園長室で何があったの?」
―――― 返事が無い。ただのs・・・ゲフンゲフン!どうやら気絶しているようだ。
私は、ゴーレムを座らせるとクドリャフカさんの怪我の具合を調べた。良かった〜!傷だらけだけど、骨とかに異常は無さそう。
私はいそいそと、雷撃に使う分だった魔力の一部でクドリャフカさんに回復魔法をかけてみた。・・・あれー?効果無し?
呪文を間違えたのかと思った私は、ためしに自分にも同じ魔法をかけてみたわ。―― 変ねぇ。ちゃんと効くのに。
「クドリャフカさんは、回復魔法が効かない特殊体質なのかしらね?」
ロックの重量変化の呪いは一瞬で解除したのにね。ホント、不思議な人。
仕方が無いのでクドリャフカさんの傷は、薬草つきのシート(※バンドエイド風)で応急手当しておいたわ。
穴の出口までは結構な高さがあった。ロックのゴーレムは落下の衝撃で砕けたものがほとんどみたい。
私と一体化してるゴーレムも、左腕が取れかけている。
「――――えー!!」。
ちょ・・・・今一瞬、箒に跨ったロック(>387)が見えたような気がするけど・・・目の錯覚?
だってなんか上半身裸ぽかったもんね〜。
>388
>「これにおつかまりなさい!!」
「フリージア!!やーん、ありがと〜!!」
私はうるうるしながら、フリージアのチェーンつきの雪の結晶に手を伸ばした。
―――― ブブー。重量オーバーです!(当たり前)
私はがっくりと肩を落とした。
「フリージア〜。悪いけど怪我人を先に引き上げてくれる?私も手伝うから。
ちょっとゴーレム!ゴーちゃん!クドリャフカさんをあの結晶に載せてあげて。のーせーてー!!あ れ に 載ーせーてー!!」
大声で叫ぶと、ゴーレムはのろのろとクドリャフカさんを持ち上げようとした。
――――ボコオッ!
えー?ゴーレムの左腕がもげちゃったよ〜。おまけによろよろしてるし。もしてクドリャフカさん、見かけによらず体重が重・・・ゲホゴホゲホゴホ!
いやいやいやいや!乙女相手にそんな考えは失礼よね!!うん!!!単にこのゴーレムが非力なんだわ、そうなんだわ!
「ちょっとゴーちゃん!しっかり支えてよ!女の子落としたら承知しないからね!
いいわよ〜フリージア!引き上げて〜!!」
私は氷の結晶の下をゴーレムを支えさせながら、フリージアに合図を送った。
だけど!救出活動中のフリージアの背後に迫る黒い影!
シムラ・・・もとい!
「フリージア!後ろ!後ろー!」
座っているレイド先生の姿が目に入った。そうなるともうロックには他の物が目に入らない。
例えフリージアがリリアーナの救出をしていたとしても。先生の隣に泣いているアルテリオンがいても。
瞳に映るのはレイド先生、あなただけ!(ロック「なんか嫌な表現だな」)
箒に乗ったロックは一直線にレイド先生へ向かって行く。レイド先生(及び箒)はこのまま突っ込むと思ったかもしれない。
しかし、違う。ロックはレイド先生にぶつかる手前で急上昇した。かなり高くまで上がって
「よし!おまえはもういいぞ!」
ロックは愛情をこめて箒を二回パンパンと叩いた。ロックと箒が離れる。
さて、こうなると万有引力の法則によりロックが辿る運命は一つである。
「とぉぉぉぉお!!」
ロックは太陽の光を背に受けながらレイド先生に向けてダイブした。(足から落ちる予定だ!つまり踏みつけるぜ!)
「ちょ・・・レイド卿!寝ている場合ではありませんよぉ〜」
私は倒れこんだレイド卿起こそうとするが、それは無理だった。
幽体の私が持てるのは十キロ程度、魔法で重くなっていても起こすのは無理なのである。
声が聞こえるほうを見るとロックが箒に跨りこっちに突撃してくるのがわかる。
まずい!
と木剣を取ろうとしても、気付かぬうちに重くなった木剣は私の手を通り過ぎた。
・・・私はまた、何も守れないのか
何も守れずに、何も救えずに・・・また終るのか?
一瞬、脳裏にあの時の光景が浮んだ。
己の無力さを思い知らされながら、大切なものが、守りたいものが蹂躙され、破壊される姿を見ながら何も出来ずに死んだあの時のことを
「いやだ・・・いやだぁぁぁ!!!」
無駄だと判っていた。だが、私はレイド卿に覆いかぶさるようにして守ろうとした。
ロックの声が聞こえる。
また・・・守れないのか・・・
「・・・絶対に・・・守るんです。絶対に!!!」
そのときだった。
二つの剣がロックの蹴りを受け止めた。
『まモ・・・ル・・・タタ・・・か・・・う・・・』
『キ・・・し・・・マモ・・・ル・・・』
そこにいたのは、金属と岩で出来た、私そっくりのゴーレムたちだった。
[何がなんだかわからない人たちのために説明しよう]
1、ロックの術でゴーレムにアルテリオンの鎧が吸収され(金属が引っ張られる音は鎧がゴーレムに吸収されていた音)
2、アルテリオンの心に鎧が反応
3、鎧を吸収したゴーレムの中から「岩アルテ一号、二号」誕生
[それではお話に戻ります。]
岩アルテ達はロックを押しのけたあと、レイド卿を起こした。
「え・・・あ・・・あの?」
何がなんだかよくわからない状況戸惑う私に岩アルテたちは無愛想にこういう
『わ・・・タシ・・・マモル』
『ワ・・・たし・・・くツじょク・・・ハラす』
・・・駄目だ・・・コミニュケーションが取れる気がしない。
「えとえと・・・つまりは・・・」
岩アルテ達は私のいうことには聞く耳を持たず、好き勝手に行動し始めた。
仮にでも私の分身ですよね?
まぁ・・・とにかく、両手剣(一号)の私は守り担当で、片手剣(二号)の私は復讐担当ってことでいいのかな?
何がなんだかわからない状況をなんとかまとめた。
「レイド卿?何がなんだかよくわかりませんが、とりあえず、説明できますか?」
>391
>「とぉぉぉぉお!!」
叫び声をあげてロックがダイブしてくる。「マズイなぁ…。これは骨折覚悟か……嫌だ、嫌だ。」
俺は覚悟を決め倒れ込んだまま動こうとしなかった。
>392
>「いやだ・・・いやだぁぁぁ!!!」
アルテリオンが俺の上に覆い被さる。
「馬鹿野郎っ!どけろ!!」
突然の出来事に大声をあげた。
「クソッ……」
ロックの蹴りがアルテリオンに直撃する寸前、何かが蹴りを受け止めた。
目を凝らして見て見ると、それは二体のゴーレムだった。
「は?」
状況が全く掴めないがとりあえず分かる事は、二体のゴーレムはアルテリオンを守ってくれたという事。
二体のゴーレムは俺の体を起こしてくれた。
>「レイド卿?何がなんだかよくわかりませんが、とりあえず、説明できますか?」
どうやらアルテリオン自身も今の状況を把握出来ていないらしい。
「俺もよく分からん。唯一分かる事はあのゴーレム達は仲間だって事だな。」
フラフラしながらポケットからタバコを取り出し口にくわえ、火をつける。
「最後の一本か…。そろそろお開きにしようぜ。タバコ買いに行かなくちゃなんないからさ。」
半分まで吸ったタバコをロックに向けて投げつけ爆発させる。
「オマケだ……。有り難く受け取りな。」
内ポケットからライトニングを二丁取り出し4回引き金を引く。
「(あの弾は一発でも当たれば動けなくなるんだけどなぁ…)」
>>392 > 「いやだ・・・いやだぁぁぁ!!!」
「アルテリオンさん!?」
ロックはレイド先生をかばうアルテリオンを見て、やっと彼女の存在を認識した。
「そうやっていつもあなたは!!」
ここまで来てはどうしようもない。ロックは覚悟を決めた。しかし…
> 二つの剣がロックの蹴りを受け止めた。
「!?」
驚くべき事態だった。アルテリオンにそっくりのゴーレム二体がロックの前に立ちはだかったのだから。
「どうなってんだ!?」
>>394 しかし、考える時間は与えられない。
> 「最後の一本か…。そろそろお開きにしようぜ。タバコ買いに行かなくちゃなんないからさ。」
レイド先生のタバコが飛んできた。
「そう何回も!!」
ロックが右足を振り上げると靴がタバコに向かって飛んでいった。靴はタバコを押し退け
ドゴォォォオン!!
ロックと爆発からの距離を離せたのでダメージは無い。
> 「オマケだ……。有り難く受け取りな。」
(よし!今だ!とっておき!!)
ロックは体を右に捻りながら両手を右横腹に構えた。
「ヘクト・プレ…」
パコン!
突然頭を叩かれたロックは『100倍圧力波』攻撃を中断した。そして4つの爆発音とまたあの嫌な感触が胴体から感じた。
「おわっ!今度は何だ!?てか頭叩いたの誰だ!」
ロックの体は麻痺して動けなくなった。
アルゴーレムの一体が真っ直ぐこちらへ向かって来た!…が、ロックを素通りしてしまった。
リリアーナの声が聞こえる。
>>390 > 「フリージア!後ろ!後ろー!」
>390
> 「フリージア!後ろ!後ろー!」
救出作業に集中していたフリージアだったが
リリアーナの声がしたので後ろを振り向いた
すると・・・・
>395
アルテリオンにそっくりなゴーレムが後ろに迫っているではないか
あわてて避けようとするフリージアだが
それでもしっかりと雪の結晶の鎖をにぎって放さないのはある意味立派だ
そんなこんなであたふたしているとゴーレムが鳳翼で天翔な感じの強烈なアッパーカットを放ってきた
慌てていたフリージアはそれをまともに食らってしまい乗っていた空飛ぶ雪の結晶ごと宙に舞った
吹き飛ばされても鎖はしっかり持っていたためクドリャフカの乗った氷の結晶も勢いよく空に打ち上げられる
どうやらクドリャフカの”脱出は”成功したようだ
しばらく待つとボテチンという音がしてフリージアが頭から落下してきた
頭には漫画のようなたんこぶが出来ている
まあもうちょっと待てば復活するだろう
き も い
ロックの頭を叩いたのはかなり大きめのロックの箒だった。
「フォルティシモ!何するんだ!」
フォルティシモとはこの箒の名前である。ハイパワーかつ頑丈な箒だが、普通の魔法使いは乗りたがらない。
コントロールしにくい上に気性が荒いからだ。箒から落ちても怪我しないロックには対した問題ではない。しかし現在ロックはこの箒にバシバシ叩かれている。
「理由を話せよ!」
ロックは我ながら無茶な注文をしたと思ったがフォルティシモは期待を裏切らなかった。クイクイと柄で上空をさした。
先程までロックが乗っていた玄関の箒がなんとなく誇らしげにぐるぐる回っていた。
「お前嫉妬してんのか!?」
箒にもそんな感情があるとは夢にも思わなかったロックは必死にフォルティシモをなだめ始めた。
「お前が一番に決まってるだろ(汗)あんなちゃちな箒、乗ってて眠りそうなほど退屈だったぜ(汗)」
今度は玄関のちりとりが怒って飛んできたがこれはフォルティシモに一蹴された。
「君ほど素敵な箒は世界に二つと無いよ(汗)」
「あの加速度は他の箒じゃ真似できないね(汗)」
「この艶といい毛なみといい、君は飛ぶ芸術品だよ。(汗)」
ロックはもうやけくそだ。
「愛してるぜマイスイートハニー(汗)」
ここまで言ってやっとフォルティシモの機嫌が治った。(ロック「あんな台詞は二度と言いたくねぇ!」)
「ふぅ、じゃあフォルティシモ。俺は動けないから………っておい!!」
フォルティシモは何を思ったのか
バビューン!!
リリアーナに向かって一直線に飛んで行った。
「何しに来たんだあいつは…」
>396
現れた影がフリージアを殴りつけた。吹き飛ばされたフリージアが視界から消える。
「フリージア!!」
じゃり、と石を踏みしめる音がした。フリージアに代わって、穴の淵に人影が現れた。
「あなたね?あなたが、やったのね?!」
ゴーレムだ。姿かたちはアルテリオンさんとそっくり。だけど――――違う!
「怪我人を助けてるフリージアを、あなたが、背後から襲ったのね?」
リリアーナの髪が怒りで逆立った。バチッ!バリッ!とゴーレムの体から放電を始める。
「この卑怯者がぁぁぁぁぁ!!騎士の風上にも置けない輩が、アルテリオンさんの姿を真似るなぁぁぁぁぁ!」
激昂するリリアーナの視界の隅に、今頃になって落下してきたフリージアの足が見えた。
ぽてちんという音に、偽アルテリオンは反応した。フリージアの落下地点らしき位置に視線を移す。
何をしようとしているのかは手に取るように分かった。
「させるかぁ!!」
リリアーナの怒りにシンクロしているのか、ゴーレムは指示無しで滑らかに動いた。
「どりゃ――――!!」
ゴーレムの残骸の中から一番大きな部分を掴み、偽アルテリオンに向かって投げつける。
塊は帯電している。
ぶつかった時の衝撃はもちろんだが、僅かでも掠れば、雷撃を受けたのと同じダメージを受けるだろう。
>398 >392 >394
「んもう!上はどうなってるのよ〜!!」
ロックの声は途切れ途切れに聞こえるけど、何を話してるのかまでは分からない。
リリアーナは崩れたゴーレム達を足場に、何とか外に出ようと四苦八苦していた。
そこに颯爽と現れる一本の箒。
「あら?あなた確かロックの・・・フェ・・・フィリシモっ!じゃなかったフォルティシモ!!
いたた!! ちょっと間違えたからってそんな怒らないでよ〜。
それよりあなた、ここで何してるの?危ないからお部屋で待ってなさい、ね?」
箒は軽く上下に動くと、まるで乗れと言わんばかりに動いた。
リリアーナは苦笑いした。ゴーレムが箒をそっと握った。
「気持ちは嬉しいけど、私は見てのとおりなのよ〜。幾らあなたでもゴーレムごと外に出すのは・・・ええええ?!」
フォルティシモは、ぐん!と上昇を始めた。ゴーレムごとゆっくりと、しかし確実に移動していく。
フォルティシモの尽力のお陰で、リリアーナは無事穴から脱出した。
だがよほどきつかったのだろう、箒はよろよろとロックの元へ戻るなり、その隣へと転がった。
「フォルティシモありがと!・・・って!ロック!あなたどうしたのよ!!」
ガシュガシュと地響きを立てながらロックへと駆け寄る。
見たところ、どうやら体が麻痺しているらしい。呪いを解除してる間に、レイド先生は立ち去ってしまうだろう。
かといって戦うといっても・・・。
(ど・・・どうしよう?!私だってあと雷撃2発分しか魔力残ってないのよ!!)
私は周りを見渡した。
フリージアも気絶している。
アルテリオンさんはいつの間にか増えてる。(っていうか、黒い鎧はどこへ?!)
銃を構えたレイド先生は顔色こそすぐれないけれど、まだまだ余裕たっぷり(に見える)だ。
私は再びロックに視線を戻した。私たちのチームで今一番魔力を温存してるのは、多分ロック。
―――― 意識もはっきりしているし,、言葉も発している。だったら理論上は、呪文詠唱は可能よね。
かなりキルイかもしれないけれど。
ロックごめん、と内心で謝りながら、リリアーナはわざと意地悪く微笑んだ。
「・・・まさかこれで終わりじゃないでしょうね?
レイド先生を理事長室へ押し込める「とっておき」とやらは、いったい何時になったら見せてもらえるの?
それとも何?あんなに特訓してた割に、ロック・ウィルの実力ってこの程度なわけ?
―――― だったらもう当てになんてしない。フリージアの目が覚めるまで、私一人でも頑張るから」
私は立ち上がった。
「だけど――――ロックがちゃんとやれるって言うんなら、協力するわ。・・・何して欲しい?」
さし当たってはアルテリオンさん達をどうにかする、かな?
>>399 > 「フォルティシモありがと!・・・って!ロック!あなたどうしたのよ!!」
「お前こそどうなってんだ!!」
リリアーナはゴーレムに埋まってしまっている。俺の体をジロッとみたリリアーナは…すごく……すごく嫌な笑みを浮かべた。
> 「・・・まさかこれで終わりじゃないでしょうね?
> レイド先生を理事長室へ押し込める「とっておき」とやらは、いったい何時になったら見せてもらえるの?
> それとも何?あんなに特訓してた割に、ロック・ウィルの実力ってこの程度なわけ?
> ―――― だったらもう当てになんてしない。フリージアの目が覚めるまで、私一人でも頑張るから」
「何だと!!」
ロックの闘志が燃え上がる。
> 「だけど――――ロックがちゃんとやれるって言うんなら、協力するわ。・・・何して欲しい?」
「馬鹿にするなよリリアーナ!」
ロックは早速リリゴーレムに命令して体をリリゴーレムの肩に乗せた。
「俺が一番、ゴーレムを上手に使えるんだ!!」
そう叫ぶと、レイド先生の魔法によりできた黒い沼地のような地面からゴーレムの残骸がビュンビュン飛んできた。
「さあ、合体だ!!」
ロックの熱いハートはこう叫ぶ事に全く恥じらいを示さない。とにもかくにもゴーレムはさっきより立派にはなった。左腕も復活している。
「ゴー!!」
ロックの雄叫びと共にリリゴーレムはアルゴーレムに向かって行った。
「一緒に叫ぶぞリリアーナ!」
別に意味は無い。(ロック「気持ちの問題だ!」)
「ロケットパーンチ!!」
リリゴーレムの両手が勢いよく発射された。
「目標1捕捉・・・コうゲキ・・・」
目標がコッチに気がついたと同時に顔面を打ち込んだ。
腕力×スピード×硬さ=破壊力
この破壊公式が成り立っている。
殴られた目標1は綺麗に弧を描いて落ちていく
>「あなたね?あなたが、やったのね?!」
>「怪我人を助けてるフリージアを、あなたが、背後から襲ったのね?」
>「この卑怯者がぁぁぁぁぁ!!騎士の風上にも置けない輩が、アルテリオンさんの姿を真似るなぁぁぁぁぁ!」
ゴーレムに同化した知的生物がコッチに向かって叫んでいる。
訂正、目標2と判定、警戒
>ぽてちん
目標2を警戒しつつ、目標1に止めを
二号がそう判断し、行動を開始しようとした瞬間、二号の周辺が暗くなる。
「!!」
確認のために視線をむけると、大きな岩がコッチに向かっていることがわかった。
「障ガい・・・排ジョ」
片手剣を振りかぶり、真正面からぶつかった。
しかし、その瞬間、岩に帯電されていた電流が放電された。
通常のゴーレムと違い、岩アルテ達は金属を含んでいる。そのため、この攻撃は絶大だった。
剣と共に右腕は弾け飛び、二号は成す術なく岩の衝撃でバラバラになっていった。
402 :
名無しになりきれ:2007/01/30(火) 16:27:26
魔力を燃やせ!!フィフスエレメントに目覚めよ
>398「ラッキー。」
タバコは上手くかわされたが、銃弾は全弾命中した様だ。
「(暫くは動けないな……。)」
>399ふと、リリアーナの方に目を向けるとダークホールから脱出していた。
「フリージアの仕業か…」
リリアーナはロックに向かって何か叫んでいる。
「何を言ってもロックは暫く立てないって。ライトニングの弾は全身を麻痺させる効果がある。一発でもくらえばマトモに動けなくなるってのに、四発もくらって動ける筈が…」
>400
>「何だと!!」
「始まったよ熱血野郎が…」
ロックの闘志に火がついたらしい。
「面倒な奴だ…」
>「さあ、合体だ!!」
ロックが叫ぶとゴーレムの体が修復された。
「意味無いっつーの。ダークホー…」
ダークホールを使おうとしたが上級魔法を使う程の魔力は残っていなかった。
>401
>「ロケットパーンチ!!」
ゴーレムの両手が俺に向かってくる。
「まいったなぁ。ロクな魔法も使えないし、スピードとパワーを上げるか……。」残りの魔力を全てスピードとパワー強化に使った。
「オラァァァァァァ!」
向かってきたゴーレムの両手を素手で弾く。
「もう一発!!!」
瞬時にゴーレムの腹部に移動し全力の一撃を放つ。
「来ます!!! ・・・守れ!」
飛んでくるゴーレムの腕を確認し、さっきから不動のままの一号に命令してみた。
それでも一号は動かない。
「一号!動いてくださいよ!」
しかし、一号は動く気配を見せない。
ただ、静かに剣を水平にして構えている。
水平?
『・・・ア・・・ると・・・』
まさか・・・一号はアレを・・・
ほのかに一号の剣が光り始めた。
間違いない・・・あの技だ。
幼い頃に文献で見たアーサー王に憧れて、追いつこうとして編み出した技
『・・・ブらンドォ!!!』
飛んでくる腕に突進しながら、激しい光を帯びた剣を横一文字で振るう。
爆音と共に腕と剣がぶつかり合う。
「い・・・いける!」
一号の剣にヒビが入ったが、それ以上にゴーレムの腕にもヒビが入った。
しかし、私はそう感じた瞬間、横から殴りつけられた衝撃と共に吹き飛ばされた。
「な・・・なんで」
飛ばされながら、私はゴーレムの腕を確認する。
そうか、もう一本の腕で横から殴られたのか・・・
でも、なんで私まで?
『・・・すた・・・ンドの・・・ゲ・・・んリ・・・』
「そういうことです・・・って」
【ボゴォン】
私は一号と共に、理事長室に叩きつけられた。
>400
ロックをやる気にさせること自体は、そう難しいことではない。
>「馬鹿にするなよリリアーナ!」
―――― ほらね。
一度火がついたら、もう誰にも止められない。それは良いんだけど・・・
あーあ。今のやり取りで多分、「嫌な女」確定なんだろうなあ。
うまく行かないね。いろいろと。
ロックは麻痺している自分の代わりに、私と一体化しているゴーレムを手足として使った。
ゴーレムの肩に移動した乗ったロックは、壊れたゴーレムのパーツを召喚し強化し始める。
>「さあ、合体だ!!」
その前に私をここから出してよ!――――とは、言えなかった。言い出せるような雰囲気じゃなかった。
>「ゴー!!」
ロックの声と同時に私たちのゴーレムがアルゴーレムへと突進していく。
>「一緒に叫ぶぞリリアーナ!」
「え・・・えええ?!」
何からロックがどんな攻撃を仕掛けるかくらいは予想できるわ。でもこのギャラリーの中で、私にアレを叫べと?
―― いやいや!協力するって自分で言ったわね、私!
「もー!分かったわよ!」
それで気持ちよくロックが攻撃できるっていうなら叫んであげるわよ!叫べばいいんでしょ!!
>「「ロケットパーンチ!!」」
ロックと私の声が綺麗にハモる。ゴーレムの両手が岩テリオン一号へと発射された。
>403-404
岩テリオン一号は動かない。
そのまま命中すると思われた瞬間、ロケットパンチの前に割り込んだ影があった。レイド先生だった。
>「オラァァァァァァ!」
レイド先生はロケットパンチを弾き飛ばした。思わず我が目を疑ったわ。まさか素手で弾くなんて!
しかも次の瞬間には、先生はゴーレムの懐に飛び込んでいた。
咄嗟にゴーレムが残っている腕の部分を体の前で交差させ、防御の姿勢をとる。だけどダメ、間に合わない!
>「もう一発!!!」
レイド先生の渾身の一撃は、ゴーレムの腕を砕きゴーレムの核を正確に貫いていた。
ピシッと音を立てて、ゴーレムの体に亀裂が走る。
ゴーレムとの一体化が解かれた私は解放され、空に放り出された。
ちょうど先生の攻撃の反動で、ゴーレムの体はくの字に折れ曲がってしまっている。
だから私は、土くれごと先生の至近距離に落っこちるはめになった。
考えるより先に体が動いた。
「ロック今よ!!」
私は手を伸ばし、レイド先生の長い足に渾身の力でしがみついた。
見苦しいし先生はさぞ驚いただろうけど、ごめんね!私だって必死なのよ!!
「――― 先生動かないで。 動くとこのまま電撃撃つわよ?」
私も感電するけど、正直もうこのくらいしかロックを援護してあげられない。
いくら強化魔法を使っていたとはいえ、私は砕かれたゴーレムと一体化していたのよ?
正直なところ、現状じゃ走ることはおろか歩くこともままならない。
その一方で、私はさっきからずっと倒れているフリージアに必死で呼びかけていた。
『フリージア!フリージア!!聞こえる?お願いだから起きてよ!!』
――――例えコトが全てうまく運んだとしても、私もロックももう満足に動けない。
標的にチームの誰かが伴ってなきゃ、別の誰かに手柄を掻っ攫われるかもしれないわ。
フリージア、後先考えない私たちのフォローを、あなた以外の誰ができるって言うの?
ロックの放った「ロケットパンチ」は空中で軌道を変えた。
私は来るべき衝撃に備えて、無駄だと知りつつ身を硬くした。
だけど、次の攻撃とそれによる幕切れは、多分誰にとっても予想外だった――――と思う。
フリージアは頭をぶつけたショックで幻を見ていた
「あなたは去年病気でなくなったはずのお母様!?」
その幻の母の姿はタテロールの数がフリージアの二倍、顔色の悪さは3倍であった
フリージア母「フリージアそれでも雪と氷の魔術師と呼ばれた私の娘なの?立ち上がりなさい!そして戦うのです!!」
「でもお母様・・私はもう・・・」
フリージア母「弱音を吐いてはいけません!!私たちの一族が持つ絶対零度の力ならどんな相手にも負けるわけがないのです!!」
「絶対・・・零度・・・レイド先生を絶対やっつけるってことですね!!」
フリージア母「・・・・・違います、ともかく絶対零度ですよ!いいですねフリージア!!」
あきれたようにこう言い放ったフリージアの母の姿はどんどん薄くなっていく
「お母様!!」
母の幻が完全に消えそれと同時にフリージアは目を覚ました
>405
>『フリージア!フリージア!!聞こえる?お願いだから起きてよ!!』
目を覚ましたフリージアが最初に聞いたのはそのリリアーナの声だった
「はぁぁぁぁぁぁ!!」
フリージアは雄叫びとともに立ち上がった
気のせいだろうか全身が黄金色に輝いている気がする
「わたくしの魔力絶対零度の域まで高まれぇぇぇぇぇ!!」
フリージアの後ろにまるでオーロラのように見える魔力のオーラがはとばしる
「これがわたくしの絶対零度の魔力ですわ!!」
限界を超えて魔力を高めたフリージアはその魔力で生み出された冷気をレイドの上半身に拳とともに放つのであった
糞コテうざいから
>>403 > 「オラァァァァァァ!」
> 「もう一発!!!」
「なんのぉ!!」
レイド先生にロケットパンチを弾かれたが軌道修正は可能である。なんとか岩テリオンにロケットパンチを放つ事が出来たがその結果は……見れなかった(大きな音は聞こえたなぁ)。
レイド先生が素手(!)でゴーレムを破壊してしまい。乗っていたロックは仰向けに倒れてしまったからだ。
>>405 > 「ロック今よ!!」
俺は困った。この状況で魔法が使えないわけではないが、周りが見えないため危険だ(ロック「空が青いぜ…」)。リリアーナに当たるかもしれない。
カクン
突然俺の上体が起きた。フォルティシモが俺の背中を柄で持ち上げたからだ。いつの間に戻ってたんだ?
見るとリリアーナがレイド先生の足にしがみついていた。
(よし、さっきのロケットパンチを引き戻して先生にぶつけよう!)
>>406 しかしフリージアの方が早かった。
> 「はぁぁぁぁぁぁ!!」
> 気のせいだろうか全身が黄金色に輝いている気がする
> 「わたくしの魔力絶対零度の域まで高まれぇぇぇぇぇ!!」
> フリージアの後ろにまるでオーロラのように見える魔力のオーラがはとばしる
> 「これがわたくしの絶対零度の魔力ですわ!!」「すげぇや………」
俺は素直に感心した。多分魔力の総量では負けるなフリージアに。フリージアはレイド先生に突っ込んで行った。リリアーナが巻き込まれないか心配だ。
>404
岩テリオンは吹き飛んだみたいだ。ロケットパンチが当たったんだな。
あれ?アルテリオンさんはどこだろう?
どうやらロックの死角にアルテリオンはいるようだ。
>406
どのくらい気絶していたのだろうか。
私が目を醒ますと、飛び込んできたのは青い空。
そして綺麗なオーロラ。
何事かと身を起こそうとしたが、ダメージのおかげで起き上がる事はおろか、身体をずらす事すらできなかった。
それもそのはず、120キロの負荷を背負っておちた私は地面にめり込み、しっかりと型にはまった状態なのだから。
「先生とやりおぉて無事に済むたぁ思うていなかったけど、まだまだ弱いな、わたしゃぁ。
それにしても・・・綺麗やねえ・・。」
しばらく足掻いてみたが、ふと力を抜いた。
せっかく綺麗な光景があるのに、無駄な足掻きでこれを見逃す手はない。
地面にめり込んだまま、私は卒業試験中だということも忘れて美しい景色に見入ってしまった。
>405俺の攻撃はゴーレムの体を破壊する事に成功した。
>「ロック今よ!!」
ゴーレムから落ちたリリアーナは俺の足にしがみつく。
>「動くとこのまま電撃撃つわよ?」
「そいつは勘弁だな…。」
今の俺には全く魔力が残っていない。
即ち防御する術が無い。
>406
>「これがわたくしの絶対零度の魔力ですわ!!」
フリージアの拳が俺の腹部を殴りつける。「ガハッ……」
防御をしなかったの腹部はみるみる凍りついた。
>404理事長室に目を向けるとアルテリオンは叩きつけられていた。
「悪いな……アル。俺もう疲れた。」
完全に凍りついたスーツを脱ぎ捨てリリアーナを抱き上げ理事長室に向かい歩き始める
お姫様抱っこというやつだ。
「後で新しいスーツ買わないとなぁ。さ〜て、理事長に会いに行くぞ。(リリアーナの班はこれで合格だな…。クドの班はアルを捕まえたって事にすれば良いか…。)」
理事長室に叩きつけられているアルテリオンに合流する。
「動けるか、アル?情けない姿になっちまったが、理事長に会いに行こうぜ…。」
>409と、ここでクドリャフカの体に負荷がかかっていた事を思い出した。
「アル、君はリリアーナ達と先に理事長室に行っててくれ。フリージア、リリアーナを頼む。」
本当はロックに頼むのが一番だが、ロックの体はまだ麻痺が残っている筈だ。
辺りを少し見回すとクドリャフカの地面にめり込んでいる姿を見つけた。
「大丈夫かクド?もう4、5分すれば銃弾の力が解けるから、解けたら理事長室に行くぞ」
>411
どうやらリリアーナ班の試験も終了したようだ。
めり込んでいるため目には空しか映らないが、ジャリジャリとレイド先生が近づいてくる足音が聞こえる。
>「大丈夫かクド?もう4、5分すれば銃弾の力が解けるから、解けたら理事長室に行くぞ」
予想通りしばらくして視界に映ったのはレイド先生。
あと4,5分という話だが、呪いが解ける前に私の身体に異変が起こるのがわかる。
顔に魔力が集まり、何かが書かれている感覚。
何が書かれているか、それは私にはわかっていた。わかっていても確認せずにはいられない。
重い身体を地面から引き起こして、コンパクトで自分の顔を見てみると・・・。
【合格!】判子で押されたように顔全体に映っているこの文字。理事長の魔法だろう。
イレギュラーはあったが、教頭先生を理事長室に入れたのだ。
そしてこういう事に関しては抜け目のない仲間の一人が教頭先生の爆発から逃げ、その後、舞い戻って捕獲申請を済ませたのだろう。
「お気遣いありがとの。でももう大丈夫じゃ。
仲間がうもぉ教頭先生をなだめてくれたようじゃし、理事長室まで行きませうや。」
この文字を見ては身体が重いだのなんて言ってはいられない。
私は重心と身体の軸を操作して立ち上がり、喜びを噛み締めながらレイド先生と共に理事長室へと向かった。
理事長室に付く頃には身体の負荷も消えている事だろう。
>408ー412
ロックの放った「ロケットパンチ」は、岩テリオン一号さんを理事長室まで吹き飛ばした。
でもなんでアルテリオンさんまで一緒に飛んだのかな。直接ダメージ受けてない筈なのに。
――――はっ!
でもこれって・・・もしかしてラッキーってやつ?!
「やった!アルデリオンさんは理事長室よ!今すぐ理事長室へ行けば、私たちアルテリオンさんを捕まえたって事で合格じゃない?
ねえフリージア、悪いけど今すぐアルテリオンさんの所へ行って欲・・・」
>「これがわたくしの絶対零度の魔力ですわ!!」
やーん!!フリージアったら全然話聞いてないし!
・・・え、その後どうなったかって?
知らない。だって私気絶しちゃったから。
多分フリージアの巻き添えで、凍ってたんじゃないかな〜。
>412
>「動けるか、アル?情けない姿になっちまったが、理事長に会いに行こうぜ…。」
私はぱちりと目を開けた。
あら?レイド先生だわ。でもなんでこんなアップ?
――――あ、あれ?!やだ。わ、私お姫様抱っこされてるし!!
「レ、レイド先生!私達が先生を捕まえて理事長室へ行くんでしょ?」
私が連れて行かれるんじゃ、あべこべじゃない!
だけど、レイド先生は、私の内心の狼狽などどこ吹く風だった。
>「アル、君はリリアーナ達と先に理事長室に行っててくれ。フリージア、リリアーナを頼む。」
「ま、待って先生!!」
慌てて追いすがろうとした手が、一緒に来ていたロックとフリージアの顔を見て止まる。
思わず笑ってしまったわ。
だって二人の顔には、デカデカと【合格!】の文字が書き込まれていたからだ。
「コレで終了・・・でしょうか?」
恐る恐るアルテリオンさんに声をかける。
アルテリオンさんは壁にめり込んだ何かをじっと眺めていたが、私の声に振り向き頷いた。
彼女は理事長室に案内してくれるという。
「アルテリオンさん、理事長室に案内するってどういうことですか?ここ以外にも理事長室は存在するんですか?」
「そうじゃよ、フォフォフォ」
学園長の声だった。
声は、部屋の隅に置いてあった大きな姿見から発せられているようだ。
「こちらが本物の理事長室への扉じゃ。入ってよろしい」
>>410 レイド先生はリリアーナを抱き上げ理事長室に向かい歩き始めた。
> 「後で新しいスーツ買わないとなぁ。さ〜て、理事長に会いに行くぞ。」 「………?」
事態を把握するまで俺もフリージアも時間がかかった。今フリージアが俺に何か言おうとしたがそっぽ向いてしまった。ああ、俺は今上半身裸だったな。それが原因か?
フリージアは俺が座れる氷の椅子を用意してくれた。もちろん、フリージアが自由に動かせる物だ。俺はこれに乗りフリージアと共にレイド先生についていった。
>410>411
「・・・・・これで終わったのかしら?」
完全に凍りついたレイド先生の上半身を見て
試験に合格したらしいことを確認したフリージアだが
突然スーツを脱ぎ捨てたレイドをみて「いやん」と目をそむけた
>414
> 「後で新しいスーツ買わないとなぁ。さ〜て、理事長に会いに行くぞ。」
「・・・・・ほえ?どういうことですの?」
凍り付いて動けないのならともかくまだ余裕があるみたいに見えるが
フリージアはどうやら合格にしてくれるようだ・・・という内容のことをロックに言おうと思ったが
ロックも上半身裸だったので顔を真っ赤にして目をそむけた
とりあえずフリージアは雪の結晶を組み合わせて椅子を作り
ロックをそれに乗せ運ぶことにしたのだった
>413
>「アル、君はリリアーナ達と先に理事長室に行っててくれ。フリージア、リリアーナを頼む。」
レイド先生から目をそむけながらもフリージアはその言葉に従いリリアーナに肩を貸した
額に【合格!】の文字が書かれているとも気づかず
「なんで笑ってらっしゃるの?リリアーナさん」
そんなことを聞こうとしたが突如響いた学園長の声に従い姿見の中に入っていった
今日は俺もキモいとおもた
どこがどうきもかったのか具体的に書いてくれよ
>413>415
フリージアがまず姿見に入り、続いてリリアーナも入った。そして俺も…
ガシャン!ドスッ!
「痛っ!」
俺の乗っていた氷の椅子が壊れ、俺は後頭部を床に打ち付けた。俺は頭を押さえながら渋々起き上がった。あれ?
理事長室(今となっては偽理事長室)に飾られていた歴代の学園長の写真が一斉にロックに向けて杖を構えていた。
なるほど、解除魔法だ。魔法がかかった状態(良くも悪くも)ではこの中に入れないんだ。リリアーナはハードニングがかかっていたが何も(解除された事に)気付かなかった。
俺の時は氷の椅子の魔法が解除され、落下したことで気付いたんだ。(麻痺も、ハードニングも解除されたんだ。だからさっき頭が痛かった!)
今度は学園長ズが自分達の左のこめかみを軽く叩いた。ロックはあることに今やっと気付いた。
「あっ!眼鏡が無い!」
学園長ズが頷いた。ロックは左足に巻いていた包帯をほどくと左目に巻いて見えなくした。
学園長ズは右手の親指を上に立てた。やっとロックは姿見の中に入れた。
419 :
生徒:2007/02/02(金) 20:57:11
知ってるか?
学園長って実は今の学園長も歴代の学園長も全員姿を変えただけの同一人物って噂があるんだぜ
しかも学園長のあの姿は仮の姿で本当の姿は少年だとか女性だとかいろんな説があるんだぜ
もっと大きな声で
フリージアきもい!
>415
フリージアは私に肩を貸してくれた。そのままアンティーク調の大きな鏡の中に入ろうとする。
>「なんで笑ってらっしゃるの?リリアーナさん」
「だ・・・だってフリージア、その顔・・・クク・・・合格って書いてあるわ!」
自分も似たり寄ったりだということにも気づかず、私はひたすら笑みをかみ殺していた。
超失礼な私をフリージアが放り出さなかったのは、ひとえに彼女が寛大だったからね。うん。
鏡を通り抜ける瞬間、何か剥かれるような変な感じがした。ハードニングが消えたみたい。
けれど、私は単に制限時間が切れて効果が無くなったのだと思っていた。
アンティーク調の鏡の中、つまり本物の学園長室は、今まで学園長室だと思っていた部屋と同じ調度品が揃っていた。
ただ違うのは、鏡に映したかのように全てが逆になっていることね。
当然掲示物も全部逆なんだけど―― なにせ変わり者で有名な学園長だもの。そのくらいで驚いたりしないわ。
そうそう、学園長って謎だらけの人物なのよ。
真の姿は少年だとか女性だとか・・・果ては歴代学園長が全て同一人物だとか。
とにかくいろいろな説が生徒の間でまことしやかに囁かれている。
(飛び交う噂は、どれも本当っぽく聞こえるからなお始末におえないのよね〜)
でも、私の知っている学園長は、白い御髭とローブがトレードマークの、人の良さそうなおじいさんだわ。
ざっと見た感じ学園長室は二間続きになっているみたい。
入ってすぐは来客用のスペースで、ここにソファなどが置かれている。
その奥にあるのが、学園長の執務室。学園長はそちらにいらっしゃるみたい。
誰かと話しているみたいだけど・・・あれは教頭先生かしら?――――な、なんかいやな予感。
私たちをオートマタが出迎えた。慇懃に頭を下げる。
「コチラニカケテ、少々オマチクダサイ」
示された先には、革張りの落ち着いたソファが置かれていた。
「そっか、試験官でもあるレイド先生達が揃わないとね。きっとクドリャフカさんも来るはずよね?
――――あら?ねえフリージア、ロックはどこ?」
私はきょろきょろと周りを見渡した。さっきまで氷の椅子に腰掛けていたロックの姿が見えないわ。
椅子が大きすぎて鏡を通れない―― って事は無いわよね、とても大きな入り口だもの。
>418
>ガシャン!ドスッ!
>「痛っ!」
私はフリージアと顔を見合わせた。もしかしたら、ロックの椅子が壊れたのかもしれない。
だけど慌てて引き返そうとした矢先、ロックは自分の足で学園長室に入ってきた。
「ロック!もう体のほうは大丈夫なの・・・って!!」
私は今更ながら、ロックが上半身裸だという事に気づいた。かーっと顔に血がのぼるのが自分でもわかった。
(レイド先生も似たような感じだったが、お姫様だっこに動揺して気づく余裕が無かったようだ)
「何て格好してるのよ、バカ!!そんな格好で学園長に会うつもり?」
私はフリージアから身を離し、自分の制服の上着を脱いでロックへ投げつけた。
サイズが合わないだろうけれど、この際文句は言わせない。―― 目のやり場に困っちゃうし。
「いたたたた・・・」
わたしはその場にへたり込んだ。あちこち痛めてたのをすっかり忘れてたわ。
とりあえず皆揃うまでは、勧められたソファに腰掛けて待っていよう。
あのふかふかそうなクッションに身を沈めたら、痛む身体もきっと楽よね。うん。
そんなことを考えていたら、ジワジワと合格した実感が湧いてきたわ。
二人の顔を見上げる。また笑ってしまったわ。
ごめんごめん、でも今度は落書きがおかしくて笑ってるんじゃないのよ。
ただ、嬉しくて。
「とうとうやったわね、ロック、フリージア!私たち合格したのよ!」
>>421 > 「何て格好してるのよ、バカ!!そんな格好で学園長に会うつもり?」
リリアーナは制服の上着を脱いでロックへ投げつけた。
「バカ!女子の服なんて着れるわけないだろ!」
ロックは赤面しながらフリージアに(リリアーナがへたってしまったため)その上着を押し付けようとしたがフリージアはフリージアでこちらにそっぽを向いているため渡せない。
「うぅ……わかったよ。」
渋々その上着を着た。サイズがやや小さいが文句は言えない。リリアーナはソファーに腰掛けた。
> 「とうとうやったわね、ロック、フリージア!私たち合格したのよ!」
「……ああ。」
俺はあまり笑える気分ではなかったがむりやりつくり笑いをした。これは別にリリアーナに服を借りてるからではない。今回の試験において自分にふがいなさを感じているからだ。
思えばしょっぱなから二人とはぐれてしまった。リリアーナに間違えて変な薬飲ませたし。二人には事ある事に何かしら助けられた。クドリャフカさんにも。
それに最後……レイド先生の心を折ったのはこの二人の連携プレーだ。とんでもない魔力を放出しながら突っ込んで行くフリージアに…俺は負けたと感じた。
俺は男なのに…なんてなさけないんだ!俺の強さはこの程度なのか!
悶々と考えているうちにいつの間にかレイド先生が来ていた。
カチャッ
今、執務室のドアが開いた。
423 :
学園長:2007/02/03(土) 16:05:40
「んぁ?・・・あらら、もう来てたのね」
執務室から出てきた女性は、リリアーナ達を視認してそういいながら学園長の机に腰を掛ける。
「えーと・・・はじめまして、学園長のロベルタだ。ちなみに偽名だから覚える必要は無い」
ロベルタは胸ポケットから葉巻を出し、それを咥えながら続ける。
「とりあえず・・・第一卒業試験合格おめでとう。
今年の試験は難しい内容だったが、よく頑張った。」
軽く拍手をしながらロベルタはリリアーナ達に続ける。
「さて、これで君らは第一段階を見事卒業したわけだが、まだこの学園は卒業したことにはなっていない。
まぁ『第一』だもんな。勘の良い奴はそこでわかっていると思うが・・・
じゃあ何を卒業したかっていうと、魔法の基礎の基礎を学ぶ三等課程を卒業したってことになることだな
君らはこの次から各分野を広く浅く学ぶ二等課程へと入るわけだ。そして、一等課程の卒業試験を合格して初めてこの学園の卒業ってことになるわけだ。」
一通り話し終え、葉巻を一服
「ちなみに一等課程は二等で選択した分野を深く学ぶ・・・いわば応用ってことかな?
えと・・・あとは・・・
そうそう!二等課程から月1の割合で課題として指令とか出すから油断すんなよ
月によって難易度は変わるからな。要注意だな。・・・と話は終わり!
もっと詳しいことは後でプリントとかで伝えるつもりだから今日はもう帰って寝ろ
来月は修学旅行もあることだしな・・・言っておくが質問とかきかねぇぞ、さっさと帰れ
っと・・・レイドとアルテリオンはここに残れ・・・話がある」
424 :
名無しになりきれ:2007/02/03(土) 16:11:26
ネタ振りするなら避難所と空気くらい読めよ
自分が考えた設定を披露したかったんだろう
クドリャフカは負荷が消える前に立ち上がった。
「随分嬉しそうだな。ま、当たり前か…」俺とクドリャフカが理事長室に入ると既に全員揃っている状態だった。
「お待たせ。これで全員だな?」
>423
全員揃っている事を確認すると学園長が話始めた。
「(あ〜、面倒くせ。早く終わんないかな…。帰ってたらやる事色々あるんだからさ〜…)」
学園長の話が終わると俺とアルテリオンだけ残される事になった。
「(さっさとしてくれよ…)大事な話って何すか?俺忙しいんでなるべく手短にしてくれると助かるんすけど…。あ、ついでに新しいスーツ支給してくれると助かります。」
>423
理事長室に付いた頃には重力変化の呪いも解た。
入れ違いに出て来るチームメイトの二人。
「お疲れ様。私達はもう終わったからクドも終わらせちゃいなさいよ。」
満面の笑顔でハグをするチームメイトとは対照的に私の表情がげんなりとしたものになった。
この女がこういう顔をするときは、全てのしわ寄せやツケをパスする時で、たいてい碌な事が待っていないからだ。
げんなりとして鏡の中に入るとリリアーナたちはいたが他にはいない。
どうやら私達が最後の合格チームらしい。
そして入ってくる学園長。そして教頭。
姿形なんて魔法でどうとでもできるので驚くには値しなかったが、学園長の言葉は私をがっくりとさせるのに十分な言葉だった。
苦労して合格したと思ったら、第一だったなんて・・・
確かにショックはショックだったが、チームメイトの満面の笑みの意味はこの事ではない、というのはひしひしと感じていた。
なぜならば教頭先からピンポイントで私に殺気じみた視線を送られていたからだ。
(ううぅ〜〜・・・アル、一体何をしたんよ?)
強烈過ぎる殺気は向けられるだけで精神を削る。
理事長の退出の指示が出て脱兎のごとく退出するまで、私はそれに耐え続ける事になったのだった。
次の日、私は「月刊『鎧(ガイ)』」を片手に校内を掃除していた。
あのあと、私は学園長からこの能力についての説明とアノの鎧のことを聞かされた。
スタンドとは、超能力を目に見える形で表現したもので、能力者一人に一つずつ備わり、持ち主の思い通りに動く存在(例外もいくつかある)。普通に物品などに触れて動かす他にも様々な特殊能力がある。
また第三部のジョセフによると「生命エネルギーが作り出すパワーある像(ヴィジョン)」と説明されている。(wikipediaより抜粋)
つまりは、この目の前ではたきをパタつかせているコイツは私の分身ということ
だから、あの時私も一緒に吹っ飛んだのか
『キシチョウ、コノえりあノ掃除ヲオエマシタ』
騎士長とは私のこと、私も生前はこんな感じだった気がする。
「では、次は二階のトイレ掃除をしにいきましょう」
私はさらりとそう答え、階段へ向かった。
私が憑いた鎧は実は学園長の祖母から送られてきた曰く付の鎧だったそうだ。
呪いの解除しようとしてたときに私が憑いたというわけ
とりあえず、問題はそこじゃなかった。
その鎧の内部(大体胴のパーツの鳩尾当たり)に矢が入っていたのだ。
製作者不明の石矢と弓のこと。傷つけたものをスタンド使いにする特殊な能力がある。矢は50,000年ほど前に地球に飛来した隕石を加工したもので、確認されている矢の数は6本(wikipedia)
つまりは、この鎧はスタンド使いを探すための道具だったってこと
今まで装着した人間が死んだのはそのせいということだ。
まぁ幽霊がスタンド使えるなんて常識外れもいいところだと私は思う。
「やっぱりアーサー王の鎧(レプリカ)って高いんだな〜」
流石、騎士王なだけはある。
「う〜ん・・・やはり黄金・・・いやいや冥衣か」
ところで何で私が鎧のカタログを見ているか
それは・・・
『れいど先生トでーとデスヨネ』
「違う!断じて違う!これは只の罰ゲームですよ!」
そう、私とレイド卿は生徒に捕まった罰?ということでお使いを頼まれたのだ。
単なる学園長の気まぐれかもしれない。
だって、街で大人気のお菓子を買って来いだもん。きっと気まぐれだ。
まぁとにかく、これでレイド卿はスーツ買えるし、私も鎧が買えるからいいと考えるか
いや・・・教頭の鬘も買わなくちゃいけないんだっけな?
きっと胸のリボンを解けばパーマの部分から飛び道具が出る感じのやつを買わされるんだ。
・・・きっと巻き舌が強化されるような鬘にするんだ。
『おぉぉぉぉるはいるぅぅぅ!!!』
「ブゥリタって言わせないでください!」
どうやら私の心が読めるようだ。さっきの発言といい
絶対に心を読んでいるはずだ。
「う〜ん・・・やっぱりスタンダードに騎士のよr・・・ってうぉ!アグリアスモデル販売開始!」
学園長の気まぐれによって俺とアルテリオンは菓子を買って来なければならない事になった。
「ハァ……。面倒くせ………スーツも自腹だしよ。」
自己責任という事で新しいスーツは自腹で買わなければならない。
「そういや、菓子っていつまでに買ってくりゃ良いんだ?暫く休んでからで良いか…。アルも掃除で忙しいだろうし…」
部屋の窓を開け、タバコを吸おうと思ったが試験中に全部吸ってしまった事に気付く。
「最悪だ。買いに行くか……。」
俺は部屋を出てタバコを買いに行く事にした。
>>423 俺はとても質問する気にはなれなかった。早くベットに横になりたかった。
「それじゃ…」
ロックは皆にそっけなく言うと自分の寮へ戻っていった。
ベットに横になったとたんロックは深い眠りにおちる…
【翌朝】
「寝過ごしたー!!」
朝からロックの怒声が響く。
「…じゃなかった、今日は休みだ。」
卒業試験後は一週間の休日になっていた。この一週間で生徒は怪我と疲れを癒し、事務員は校舎の修復をし、そして足りない物を買い足したりするのだ。
ぐうぅ…
「とりあえず、腹減ったな。」
思えば昨日は朝食しか食ってない。まずは食堂で腹ごしらえだ。
【昼過ぎ】
ロックは街にいた(眼鏡は治したよ)。卒業試験に合格した者は街に移動できるようになるのだ。ロックには是非ほしいものがあった。
まず銀行によった。死んだ父親が残した財産があるからだ。
その後ロックは魔法の品を扱う店がずらりと並ぶ通りを歩いていた。
ここはとても面白い。
満月形人狼飴(舐めてる間、あなたも狼人間!)、
透明マント、
ホエール杖(危険が迫ると大声で吠える)、
速記羽ペン、
高級箒磨きセット(ロック「フォルティシメに買ってやろう」)
等々
そしてロックはやっと探していた店を見つけた。
『パーシーのフクロウ専門店』
卒業試験の翌日。私は早速準備をしていた。
いや、準備は既にし尽くしている。
覚悟もとうに完了している。
ただ、文字通り荷物を身につける準備作業を耽々とこなすのみ。
############################
朝起きると昨日理事長から貰ったプリントに新しい文字が浮かび上がっていた。
それは第二試験の知らせ。
「流石は理事長。粋な計らいをしてくれますのぉ。」
零れる笑みを隠そうともせずにクローゼットを開く。
その中には今まで作り溜めてきた魔法のアイテムがぎっしりと詰まっていた。
私の専攻は付与魔術だ。
エンチャントからゴレムメーカーまで、あらゆる魔法をあらゆるものに付与する。
これを選んだのは何もアイテムに付与された呪いを解析して解除するという目的だけのためではない。
私は幼い頃からいじめられ、一門では疎まれ、冒険では呪いのおかげで仲間割れをした。
そんな人生を歩んでいるから、人を信じる事ができない。
それに、信じてしまったらいつかこの手からはなれぬサクリファイスジャンクションを使う時がくるだろう。
卒業試験のときは、先生が試験に使用する呪いだからとわかっていたから使えたが、実戦ではそうは行かない。
人を信じたくない。信じてしまいたくない。
だからこそ、私は付与魔術を選んだ。
人との協力が事前に終わらせられる付与魔術。
同行してもらうのは人ではなく、アイテムに込めたその技能のみ。
それが実行できる付与魔術は私にとって限りなく都合がいいのだ。
舞闘術の体捌きに邪魔にならないように小さなリュックやウエストポーチ、あとは暗器よろしく身につけていく品々。
それらは私がこの学園に来てからの友情の証の数々だ。
#############################
完全武装に身を固め、私は部屋を出た。
「ありがとうございます。ほなの、ターナー先生。」
見送ってくれたターナー先生に礼を短く言い、私はそこへと堕ちていった。
地下図書館Dレベル以下の階層へ続く特殊ゲートに残されたように舞うプリントには【エイボンの書の入手】と書かれていた。
ある程度書き込みが無いキャラはどんどこNPC可(と書いて校長のくぐつと読む)
せいと…もう来れないのか
>422-423 >426
しばしのやり取りの後、ロックはしぶしぶ私の上着に袖を通した。
「裸でいるよりは、女物の制服でも着てたほうがマシよねぇ?」
傍らのフリージアに耳打ちするけど、声がだんだん尻すぼみになったわ。
合格が決まったっていうのに、ロックは今ひとつ浮かない顔をしているから。
作り笑いしてるけど、そんなの見ればすぐわかるわ。
何だろ、無理に女物の制服着せたから怒ってるのかな〜?
それともどこか痛いのかも。・・・さっきまで目に包帯なんて巻いてなかったのに。
学園長は一通り言いたい事を言い終えると、さっさと出て行けといわんばかりに手を振った。
修学旅行はもっと先じゃないですか、と突っ込みたかったけれど、とても言えるような雰囲気じゃなかったわ。
>「それじゃ…」
ロックはロックで学園長室から出るなりそっけなく告げると、一人だけ先に帰ってしまった。
残されたのは満足に動けない私と、お疲れのフリージア。
「・・・まあねえ、所詮私達は試験用に組まれたチームなんだけどね〜」
せめて保健室まで肩を貸してくれると嬉しかったな〜。フリージアはまだ氷の椅子を作れるかしら?
彼女に肩を貸してもらうには、保健室はちょっと遠い気がするわ。
ああ、急に体の痛みがひどくなった気がする。多分学園長の話を聞いたりして、いろいろがっかりしたせいかもね。、
「フリージア、本当に申し訳ないんだけど、私を保健室まで送ってくれる?」
あなたが残ってくれて良かったわ。疲れてるのにごめんね。
私は本来回復系の魔法とは相性がいいから、普段なら何とか自力で歩けるくらいには回復できたと思う。
だけどね、ごめん。さすがに今日は無理なの。なんだか、いろいろすごく疲れちゃった。
フリージアは私を保健室まで送ってくれた。結局私は、今夜一晩保健室で過ごす事になった。
(何箇所か骨にヒビが入っていたみたい。道理で痛かったはずだわ)
その夜、寮のルームメイトたちがお菓子をどっさり持ってお見舞いに駆けつけてくれた。
そしてお菓子を広げつつ、怪我をした私の代わりに自分たちで引越しを済ませたと報告してくれた。
なんでも試験に合格した生徒は、現在の大部屋から個室に移動する事になっているらしい。
ルームメイトと別れて一人きりっていうのは寂しいけど、プライバシーのある個室は楽しみ。
部屋は小さいながらもバス・キッチンまでついているんだって。
「リリアーナ、lこれでもうホットの呪文使わなくても大丈夫よね〜!」
「やだ!そ、そんなこと今大声で言わなくても!!痛たたた・・・」
私は赤くなったり青くなったりした。。
ちなみに「ホット」とは熱湯が出せる呪文で、携帯麺食品を食べる時に重宝する呪文だ。
(というより、それ以外の使い道はあまり聞かない)
そんな賑やかな彼女たちも、今はもう自分たちの寮部屋に帰ってしまった。
消灯時間はとうに過ぎていて、保健室は寮の部屋に帰れない怪我人達の寝息が聞こえるのみだ。
私はふと思いついたように、指にはめたリングを眺めた。
三等課程を卒業した証しであるリングには『魔力を燃やせ!!フィフスエレメントに目覚めよ』と刻まれている。
「フィフスエレメントねえ・・・」
ボウッと光る文字をしばし眺めていたけれど、次第に瞼が重くなってきた。
学園長からもらったプリントによると、この指輪を身に付けていれば、校内の一般生徒立ち入り禁止区画にもある程度入る事が可能になるそうだ。
街へのゲートも(門限などの制限は多少あるけれど)幾つか自由に使うことが出来るらしい。
―――― とりあえず明日動けるようになったら、街へ出かけてみようかな。
友達が試験用に貸してくれたケモノ耳バンドセット、ちゃんと弁償しなくっちゃ。
学園の購買部には売ってなかったのよね。同じものが街で手に入ると良いんだけど。
フリージアは買い物、どうするのかしら・・・・・・明日・・・誘って・・・。
リリアーナは眠りについた。枕元からベットの下にひらりと落ちたプリント。
表面が淡く輝く。光が消える頃には、試験合格者にへの注意事項や次なる課題についての一文が追加されていた。
日付は明日夜出発になっている。
幸か不幸か、そのことをリリアーナはまだ知らない。
売店へ向かい、タバコを一気に6箱買うと早速近くのイスに座ってタバコに火をつけた。
「ふぅ……。それにしても、学園長は本当に人が悪い。スーツは買ってくれないし、訳の分からん罰ゲームを考えるし…」と、暫く独りで愚痴っていたが、いつまでも休んでいるわけにもいかない。
あまりにも遅くなると、更に新しい罰ゲームをやらされる可能性がある。
タバコの火を消し嫌々立ち上がりアルテリオンの元へ向かった。
「アル〜。さっさと街に行って菓子買って来ようぜ〜。」
437 :
名無しになりきれ:2007/02/07(水) 09:48:46
くすんと声がした
438 :
名無しになりきれ:2007/02/08(木) 06:02:39
DA・GARSI屋
早いもので、あの三等過程卒業試験から3ヶ月が過ぎました。
魔術学園で次々に起こる怪事件。
消える生徒、暗躍する危険な影。
果たして誰が犯人なのか。そして、彼の真の目的は。
学園を揺るがす大事件が、今、静かに幕を開ける ――――。
―――― 魔法少女と冒険するスレ 2ndシーズン 〜合わせ鏡の果てに〜 ――――
【スレのお約束】
・決定リール&変換受けありです。
・コテ付き参加大歓迎。途中参加も初心者も悪役さんももちろん大大大歓迎!
・名無しさんネタ投下ももちろん大歓迎。
・拾えるネタは極力拾います。ただし自治、荒らし、ストーリーの破壊を狙うような投下は華麗にスルーです。
・好きな時に好きなように投下してOKです。ただしチャット状態はついていけない場合があるので自重して下さい。
・魔術学園が舞台ですが、参加資格は生徒、学校関係者限定というわけではありません。
・版権キャラで登場する場合は、可能ならファンタジーテイストにアレンジして下さい。(原典があれば教えてね)
なお最強クラスのキャラで参加しても、必ずしも周りが最強認識してくれるとは限らないかも・・・です。
・大切なのはスレを楽しむ気持ち、コテならなりきりとしてなりたっていることです。
【第一部のあらすじ】
念願の卒業試験にみんなで合格しました!
これで卒業と喜んだのもつかの間・・・なんと私達、卒業までに受ける試験のうち
一番最初の試験にパスしただけでした。
学ぶべき事も、覚えなくてはならないことも山積み。
卒業までの道のりは、まだまだ遠く険しいみたいです・・・。
【学園についての説明】
・舞台はファンタジー世界。フィジル島にある魔術学園が主な舞台です.。
(フィジル島は「魔海」と呼ばれる法則を無視した危険な潮流渦巻く中にあります)
・一度学園に入学したら卒業(三等課程合格)まで島を出ることは叶いません。
・学園は全寮制、男女共学です。
・三等過程卒業者には指輪が与えられ、学園内の立ち入り禁止区画に出入りできたり、
「ゲート」を使用し街へ出られるなど、一般生徒より優遇されます。
また、寮部屋に関しても一般生徒は大部屋ですが、三等課程卒業者以上になると個室が与えられます。
(生徒での参加者は、基本的に三等過程卒業者以上とさせていただきます)
【カリキュラムについて】(参考資料)
卒業までには幾つか試験があります。
最初の卒業試験に合格すると、三等課程卒業という事になります。(第一部参照)
・次に各分野を広く浅く学ぶ二等課程へ進学します。二等過程卒業すると、一等課程へ進学。、
・一等課程は二等課程で選択した分野を使った応用編。より実践的な分野を深く学びます。
・なお、二等課程(2ndシーズン)から月一の割合で課題や指令が出されます。
では、素敵な冒険と学園生活を!
テンプレはこちらです。
名前・
性別・
年齢・
髪型・
瞳色・
容姿・
備考・
(以下は任意解答欄)
得意技・
好きな食べ物・
好きな偉人・
好きな生物・
嫌いな食べ物・
嫌いな金属・
今一番欲しい生物の毛・
保険に入りますか?・
【備考】
全部埋める必要はありません。
ただ、今は学園が舞台なので、知り合いの度合いにあわせてある程度データを明かして下さると嬉しいです。
(たとえばクラスメートなのに、どんな人なのか全く知らないのでは変ですからね)
それ以外の、たとえばキャラの過去などは、レスの中で徐々に明かして下さいね。
【テンプレ記載例】
名前・ リリアーナ
性別・ 女
年齢・ 16
髪型・ 金髪のポニーテール
瞳色・ 青
容姿・ 色白で華奢。背はあまり高くない。スタイルは年相応
備考・ 二等課程に進学して3ヶ月経過。月一で出される「課題」を終え、本日久々に学園に戻ってきた
得意技・雷系、回復、補助魔法系
好きな食べ物・甘いもの
好きな偉人・(なぜか赤面)・・・ナ、ナイショです。
好きな生物・犬
嫌いな食べ物・ゲテモノ系
嫌いな金属・合金。(肌が弱いので、肌に直接触れるものだとかぶれる場合があるのよね)
今一番欲しい生物の毛・ フェニックスの羽根。・・・あ、これって毛じゃないよね。
保険に入りますか?・学園入学時に強制加入した気が・・・あれ?気のせいかな?
【男子寮 69号室】
その若い青年は机に向かって手紙を書いていた。
彼の名はロック・ウィル。
彼もまた三ヶ月前に三等課程を卒業した生徒の一人である。
………ロックより』
彼は手紙を書き終えると、鳥籠から白いフクロウを取り出した。
「頼んだぞ、きっと届けてくれ。」
ロックは手紙をフクロウにくわえさせ窓から放した。
時計を確認した。深夜1時である。
(そろそろ約束の時間だ…)
ロックは部屋を出た。
「こんな夜更けに何しとる?」
寮の管理人フーチさんだ。
「あ…いや、学園長に呼ばれたんです。」
そう言いながらロックはあたふたと鍵を探した。
しかし、フーチさんの方が早かった。
フーチさんが少し唸ると69号室のドアが消えてしまった。
「ふん!帰ってきたら事情を説明してもらおうか。さもなくば部屋には入らせんぞ。」
【学園長の部屋】
「おおロック、どうしたんじゃ?こんな夜遅くに。」
年老いた魔法使いはロックを笑顔で迎えた。
「すいません、学園長先生。ギルハート氏は来ていませんか?」
学園長の顔から笑顔が消えた。
学「…ギルハート?」
ロ「手紙を受け取ったんです。ここに来れば会えると。」
学「座りなさい。…眼鏡を外して。」
ロ「何故です?」
学「わしがギルハートと話をするためだ。」
ロックは眼鏡を外した。
学「ああ、やはりそうじゃ。久しぶりじゃのう、ギルハート。最後にあったのは十年前か。」
ギ「ずいぶんと子供騙しな事をしたものだ。」
ロックが座っていた椅子には今ロックの代わりに老人が座っていた。
老人はたった今外されたロックの眼鏡を放り捨てた。
学「はて?子供を騙したというのはお前さんのことじゃろう。」
ギ「オーラー(闇祓いの事)、君は良い友人だ。しかし利害は一致しない。」
学「そのとおりじゃギルハート。ロックを返してもらおうかのう。」
ギ「あいつがそれで幸せだとでも思っているのか?」
学「生憎じゃがギルハート、君と議論する時間はないのでな。」
ギ「いや、夜はまだ長い。」
学「ロックは“永遠の絆”など望んではおらん。」
ギ「過去を清算する時が来たのだ、オーラー。」
学「わしの学園で清算をするつもりならギルハート、少々痛い目を見てもらうぞ。」
ギ「ほう…是非うかがいたいな。どんな目にあうのか。」
ガシャーーン!!
直後ギルハートと呼ばれた老人は窓を突き破って外に吹き飛ばされた。
何故か地面に激突した時には全身タイツの別の男になっていた。
落ちた拍子に手足が変な方向に曲がっていたが“普通に”立ち上がり、両手の中指を立てながら絶叫した。
「俺は生きているぞぉ!老いぼれじじぃ!!俺を見てみろぉ!!俺を捕まえてみろぉ!!俺を殺してみろぉ!!ぎゃぁぁあっ!ははは!!」
男は下品な笑い声を振り撒きながら透けるようにして姿をくらました。
「夢から覚めたか…」
学園長は窓の外を見ながら呟いた。杖を自分の頭に当てた。
「教頭先生、聞こえるかのう?すぐに先生方を集めてくれ。そしてこう言うのじゃ。危険人物が学園に潜んでいるとな。」
「アルテリオン、貴様ぁ警備をサボっておったなぁ!」
「はぃぃぃぃ!すいません!!!」
学園長から教頭へ連絡が入ったとき、偶然、そこには私と教頭しかいなかった。
このとき、私は心の中で「運がないのは生前からなんだな」となんとなく思った。
教頭の言い分はなんとなくわかる。
不審人物が学園内に潜めるということは、潜めるだけの余裕がそこにあったわけで
結果、私が弛んでいると説教をうけているわけ
でも、正直、理不尽すぎると私は思った。
なんで?
夜の校内と学生寮の見回りは夜中、私とフーチ卿とで交代でやっているし、
私ばかりが重点的に怒られ・・・って違う。
・・・とにかく、警備に隙はほとんどないし、私は一度も怠けてはいない。
「・・・我々ガ怠ケテイタノデハ無ク、侵入者ガ我々ヨリモ数段上ダッタノデハナイデショウカ?」
私のとなりにいる無愛想な表情をした私そっくりの人形が喋る。
これは私のスタンド、「I/Me(アイミー)」ちなみに名前はコイツ自ら要望したものだ。
始めはゴーレムのようだった体も日を重ねるごとにいろいろ学習し、成長し、ここまで来た。
ちなみに、これが使える切欠はこのアグリアス・オークスモデルの鎧に憑く前に取り憑いていた鎧の呪い?で使えるようになった。
「こらアイミー口答えをするんじゃない!いくら私たちが嫌いなタイプの貴族的な雰囲気でも・・・はっ!!!」
「ほぅやっと本音が聞けたな・・・」
幽霊なだけに墓穴を掘った。
「ダレガ、ソンナウマイコトヲイエト」
「お願いぃ突っ込まないでぇくださぁい」
「ぶるぁぁぁぁ!!!」
誰かが私の体を揺さぶっているわ。――――誰?眠いんだから起こさないでよ。
心地よい眠りの底から引きずり出され、私は眉間に皺を寄せた。
「リリアーナ!いい加減に起きなさい!いつまで寝てますの!」
「んー・・・んー・・・!!何?・・・もう朝?」
薄目を開けるけれど、部屋の中は薄暗い。・・・何よ、まだ夜じゃないのよー。
「・・・昨日まで「課題」・・・・聖印取に行くの・・・ホント大変・・・だから・・・もうちょっと・・・寝かせて・・・」
ゴニョゴニョと不明瞭な話をしながら、抱き枕代わりの縫いぐるみを抱えてころりと寝返りを打った。
再び眠ろうとしたところを、ぽかりと頭を叩かれる。どうあっても寝かせて貰えないらしい。
私は眠い目を擦りながら、しぶしぶぬいぐるみを手放した。
わかったわよ、起きますよ。起きれば良いんでしょ?!ブツブツブツ。
―――― ここではっと私は我に返った。え?何で人が居るの??私の部屋はもう大部屋じゃないのに!!
慌てて跳ね起きると、そこには―――― 。
「お誕生日おめでとー!!リリアーナ!!」
私の友達たちが、月明かりの中で手を叩くジェスチャーをしていた。
ようやく事の自体を飲み込めた私は、なるべく嬉しそうに見えるようにはしゃいだ。
「あ、ありがと〜皆!嬉しいわ!!」
――――いえない・・・私の誕生日は、本当は明日だなんて・・・。
「さー主役も起きた事だし、宴会よ宴会!!」
「フーチさんが見回りに来るまであと1時間はあるもんね!弾けちゃうわよ〜ん!!」
皆はヒソヒソと声をひそめつつ、めいめい持ち寄ったお菓子やジュースを振舞い始めた。
私は窓辺に腰掛けて、ジュースを飲みながら皆の様子を眺めた。
ベットの上には封を切ったプレゼントが並べられている。
良く見るとメンバーの中には、顔見知り程度の知り合いも何人か混じっていた。
―――― どうも私の誕生日祝いは建前で、夜部屋を抜け出すというスリルがメインの趣向だったみたいね。
そう、二等課程の生徒達は、時々そういったお遊びを楽しむ。
時には夜抜け出してみんなで悪戯したりするわ。
翌朝フーチさんや教頭先生が激怒することもあるけど、まあそれはご愛嬌。大目に見て欲しいわ。
月明かりの中はしゃぐメンバーの中には、男子も数人混じっているみたいだわ。
だけど、彼は居ない。―――― ま、当然かな。
どんな名目であれ、女子寮に忍び込むような茶目っ気は持ち合わせていないだろうから。
「リリアーナ、ロック君がいなくて残念だったわねえ」
背後から耳元で囁かれ、私は危うく飲みかけのジュースを吹きだしそうになった。
盛大にむせる私に、あらあら大丈夫〜?などと全く心の篭っていない言葉をかけてくる。
「・・・・・・な!な!何!!何言ってるのよ〜!!!」
「まーまー。コレでも食べてちょっと落ち着きなさいな」
彼女は私の口の中に、ぽいと何かを放り込んだ。
反射的に口を閉じて、もぐもぐ食べてしまったわ。
・・・おいし。チョコレートだわ。
・・・・・・・・・・あれ?やだ、もしかしてこれ・・・?
カーッっと顔に血が上るのが、自分でもわかったわ。
「うふふふふ!おいしー!チョコ、もっとちょうらい!」
がばあ、と箱入りのチョコを鷲掴みにしてもしゃもしゃと食べ始める。
皆がギョッとした顔で振り向いたわ。
私はなんだかとっても楽しくなって、けらけらと笑い始めた。
「ちょっと誰!リリアーナにチョコレートボンボン食べさせたの!!このコお酒ダメなのに!!」
誰かの悲鳴混じりの声が聞こえてきたわ。
「あら〜そうなの?ごめんねえ、知らなかったわ〜」
「あんたってお人は――――!!ちょっと!誰かヨイトレール持ってない?!」
「えー!!」
目の前で皆が慌ててるけれど、私は全然聞いていなかった。
だって、窓の下を行く人影にすっかり気を取られていたから。
「皆見て〜レイド先生らよ〜。こんな時間にどこ行くのかな〜?」
リリアーナはある一点を指差した。ちょうどレイド先生が、教頭先生の使い魔に先導され校舎に入っていくところだった。
学園長室には明かりが点っている。何かあったのかもしれない。
だけど、酔ったリリアーナは全く違う答えを導き出したようだ。
じーっとその後姿を凝視した後、にまーと笑みを浮かべる。
「わかった!きっと教頭先生と逢引するんらわ!レイド先生もすみにおけないんらから〜!
皆!二人の禁じられた恋の行方を見にいくわお〜!」
皆の制止を振り切り、リリアーナは窓枠を飛び越えた。彼女の部屋は2階だったが、怪我をすることも無く無事地面に着地した。
リリアーナは、自分の部屋の友達たちに早く早くと両手で手招きをする。
放っておくと大声を出して皆を呼びかねない雰囲気だ。
450 :
名無しになりきれ:2007/02/10(土) 10:45:52
突然吹雪が舞う
「学園内に危険人物が潜んでいる!先生方は大至急理事長室に集合して下さい!」
と、突然教頭から連絡が入る。
「グ〜……グ〜。」
しかし俺は教頭の連絡に気付かずベッドでスヤスヤ寝ていた。
「さっさと起きろレイド!」
どうやら教頭の使い魔が迎えに来た様だ。「ん……グ〜……グ〜。」
>450
「起きろ!!!」
教頭の使い魔は突然吹雪をおこした。
「何だ、教頭の使い魔か…。何か用?」
「何か用?じゃない!緊急事態だ!早く理事長室に来い!」
「へいへい…。今準備すっから少し待ってろ……。」
俺は嫌々ベッドから飛び出ると、アルテリオンと菓子を買いに行った時に新しく買ったスーツに着替える。
「どこのどいつだよ…。人の睡眠妨害しやがって……。こっちは仕事で疲れてんだっつ〜の。」
ブツブツと文句を言いながら理事長室に向かった。
「失礼しま〜っす。」
理事長室に入ると先生方の目線が一度に俺に向けられる。
どうやら俺が一番遅かったらしい。
「あら〜…。俺が最下位だったのね。で、理事長、危険人物って誰すか?先生を全員集める位なんだから相当ヤバイ奴なんすよね?」
「さて、メンツが揃ったのう。では、説明してもらおうか。」
学園長はそう言うと半透明のメイドを示した。
「これはゴーストとは若干異なるモノ…思念というものじゃ。」
「こんばんわ。」
メイドは恭しく頭を下げると意味不明な説明を始めた。
「イレブンは変態です。女の子を傷付けなければ心が満たされません。変態ですが魔法を使います。
軟化魔法を常に使います。グニャグニャですわ。
その上迷彩魔法のせいで姿が見えません。しかも足が速いです。
要約すると…超高速の不可視のフニャ『ピー(効果音)』野郎ですわ。」
倫理的に問題ある発言をしたため学園長に一部修正された。今度は学園長が説明を始めた。
「まぁ、つまりじゃ。そのイレブンという男が学園に潜んでおるのじゃ。
手引きをしたのはマリアベル。十年前、ロックの家族を即死魔法で殺した闇の魔法使いじゃ。」
「しかし、ロックは殺せなかった。」
別の先生が発言した。
「その通りじゃ、以前話したかのう?その時からロックの目は“あのように”なった。マリアベルは今度こそロックを殺すつもりじゃ。」
学園長は先程投げ捨てられた眼鏡を拾い上げた。
「しかし、今はロックの事は心配ない。わししか知らぬ場所に隠しておる。
さっき聞いたじゃろう、問題は女子生徒じゃ。イレブンが真っ先に狙うじゃろう。女子寮に気を付けるのじゃ。」
説明後、先生達はイレブン捜索のため部屋から出ていった。部屋に誰もいなくなった後、メイドは学園長に言った。
「あなたは嘘つきです。」
俺は誰だ?俺はイレブンだ。こいつは誰だ?うんうん、見たことあるぞ。
こいつは親愛なるロック君のお友達だ。お友達は大切にしなきゃいけない。
「ヒヒヒ」
リリアーナの前方、一見何もないところから笑い声が響く。夜間の迷彩魔法はすばらしい効果を発揮する。まさに透明である。
イレブンはそのままゆっくりとナイフを取り出しリリアーナに近づいた。
足跡だけが不気味に近づき、リリアーナのすぐ前に止まる。
「俺を見ろぉぉお!!」
迷彩魔法が解除され、ナイフを振り上げた全身タイツの男がリリアーナの前に突然現れた。
そこにセブンも現れた。
455 :
名無しになりきれ:2007/02/11(日) 11:15:52
レオ!!
白いニットと青いスカート姿の少女が、女子寮の窓の下で子供のようにピョンピョンとび跳ねている。
いつものように結わずに下ろしたままの長い髪が、飛び跳ねるたびに背中で波打っていた。
もし友人が同じことをやっていたなら、恥かしいから止めてと泣いて懇願したはずだわ。
けれど、あいにくそのときの私は正気じゃなかった。アルコール入りのチョコで酔っ払っていたから。
誰も降りてこなかったので、私はぶうと膨れた。
「もー。皆付き合い悪いんらから〜。先行くかられ〜!!」
私は大声で部屋の皆に宣言すると、足取りも軽くその場を立ち去った。
寮の周りの小道には、寮生の趣味で花が植えられている。
今の季節の見ごろは、星花だ。背丈も花も小さな草だが、夜露に濡れると淡く輝く。
冴えた月明かりの元、星花は今日も幻想的な光を放っていた。
淡い花の光と夜の冷えた空気が心地よく、私は校舎へと鼻歌交じりに歩いていた。
――― 不気味な笑い声が聞こえてきたのは、ちょうどそんな時だった。
>453
私はきょろきょろとあたりを見渡した。
「・・・だあれ?誰かいるの〜?」
何だろう。アルテリオンさんみたいなゴーストの類かしら。
うるさい位だった虫の声が、不意に止んだ。・・・変だわ。もし気配がゴーストだとしたら、そんなはずは無い。
でも、周りに人影は無い。
さすがに不審に感じ始めた頃、視界の隅で星花が足型に潰されるのが見えた。
はっとした私が思わず後ずさったのと、全身赤タイツの男が目の前に現れたのは同時だった。
>「俺を見ろぉぉお!!」
「キャアァァァァァァァァア!!」
魔法の盾を呼び出す暇など無かった。
飛び散った私の返り血が、男のガスマスクと星花を汚した。
私の悲鳴を聞きつけたのか、寮の窓に灯りが幾つも点リ始める。
校舎の方からも足音が近づいてきたようだ。
私は、糸が切れた人形のように地面に崩れ落ちていた。
袈裟懸けに切りつけられたのだ、と、頭で理解するまでにはしばしの時間が必要だった。
痛みは無い。
ただ、肩から脇腹にかけてが焼け付くように熱いと感じるだけだ。
「あ・・・ぅ・・・」
立ちあがろうとするけれど、全く力が入らない。
胸を押さえると、じわりと生暖かい感触がした。手にはべったりと血がついていた。
私はショックと恐怖で震え始めた。死、という言葉が頭の中でちらつく。
見下ろす男の顔は変わった仮面に覆われていて、全く表情は伺えない。
だけど、楽しんでいる気配だけははっきりと感じ取れた。
「あ・・・あなた・・・だれ?・・・・・・なぜ・・・こんな・・・・・・?」
近寄ってきた男は、地面に広がった私の髪を踏みつける。
「誰か!誰か助けて・・・!」
私は荒い息をつきながら、血まみれの手を男へと翳した。
せめて追撃を退けようと雷撃の呪文を唱えるけれど、次第に視界が暗くなってきた。
―――― ああ。私、このまま死ぬのかな?
そこに飛んでくるヒゲブーメラン
警備員のタアン・エイさんだ!!
セブンはイレブンとは逆に、リリアーナの足を止めようと襲いかかる。
影の中から現れた鉄の鈎爪を付けた腕が、リリアーナのふくらはぎを狙って振るわれた。
学園長とメイドの説明を聞いた俺は女子寮の見回りに向かった。
「ふぁ〜あ…。眠い。軟化魔法と迷彩魔法、おまけに即死魔法まで使える全身赤タイツの変態野郎、か…。」
どの魔法もかなり高度な魔法だ。
しかもロックの両親を殺した犯人。
「ただの変態じゃないな…」
>456
>「キャアァァァァァァァァア!!」
突然女子生徒の声が聞こえた。
「ちっ、早速変態野郎のお出ましか!」
俺は声が聞こえた方向に走り出した。
「頼むから無事でいてくれよ…」
現場に向かうと血まみれの女子生徒とガスマスクを着けた全身赤タイツの変態が居た。
「何してんだよ……。」
ガスマスクの男は黙ったまま女子生徒の方を向いている。
「この変態野郎がぁぁぁあ!!!」
>457
冷静さを失った俺は上級魔法を使おうとした。
しかし魔法の発動より先に後ろからブーメランらしき物がガスマスクの男の後頭部にぶつかった。
「―――エイさん!」
警備員のエイさんのヒゲブーメランだったらしい。
エイさんは俺に向かってウィンクしながら親指をグッと立てた。
「ありがとうエイさん。冷静さを失った奴は負けるんだった…。」
エイさん登場で少し冷静さを取り戻した俺はガスマスクの男を倒すより、リリアーナの救助を優先する事にした。
>458
影の中から鈎爪を着けた腕が現れ、女子生徒の足を狙っていた。
「マズイな…。ブラックミスト!エイさん、一旦退くぞ!」
間一髪のところで、鈎爪に当たる前に女子生徒を救助する事が出来た。
抱き抱えた血まみれの女子生徒はリリアーナだった。
「リリアーナ!何でお前…。」
何でリリアーナが外に居たのか分からないが今はそんな事はどうでも良い。
「変態野郎!!俺の生徒に手を出した事後悔させてやるからなぁ!!!」
リリアーナを抱き抱えながら黒い霧の中でそう叫ぶと保健室の方に向かって走った。
「リリアーナ!死ぬんじゃねぇぞ!死んだら全教科オール1にするからな!」
夜が明け、学園に危険人物が潜んでいる事。そして一人の女子生徒が襲われた話は瞬く間に広がり、生徒を不安に陥れた。
特に低学年の生徒は先生と共に行動する事が義務づけられ、授業の無い先生はイレブンの捜索に奔走した。
リリアーナは幸い命に別状はなく、保険室のベットで静かな寝息をたてていた。
他の先生方が校内を見回っている中、私は保健室でリリアーナさんの枕元にいた。
「・・・」
私は俯いき黙っていた。
こうなったのはすべて自分のせいだ。
私がもっとしっかりしていれば、こんなことにはならなかったはずだ。
騎士は守護する者だ。・・・けど、今の私はなんだ。
生徒一人すら守れない役立たずじゃないか・・・
「ほんと・・・あなたってどうしようもない屑ね」
「!!!」
耳元の声に反応し、私は振り返った。
「・・・こんにちわぁ、偽善者の私フフフ」
そこにいたのは私だった。
いや、違う。吸血鬼のような真っ赤な目と上から下まで黒で統一されている。
これは・・・
「影・・・そうねぇ〜アイユーとは違って私はあなたの黒い部分の化身ですものねぇ〜」
「心も読めるのですか!!!」
剣に手を伸ばそうとしたが、それより早く彼女の太刀が私の首を狙う
「死んでるから死なないと思っているでしょ?でも、残念・・・幽霊を殺す方法なんて山ほどあるんだから
この刀もその方法の一つ・・・嘘だと思っているでしょ?試してみる」
彼女はそう微笑み、ゆっくりと私の首に刀を近づける。
・・・駄目だ・・・
「・・・ッ!!!」
気がつくとそこは彼女が来る前の保健室だった。
「・・・夢?」
不覚にも私はあの時に眠ってしまったのか?
そう思い、私は籠手(掌)を見てみた。
「遂ニコノ時ガ来タヨウデスネ」
アイミーが私を見ながら悟っていたようにいう。
籠手(掌)には文章が書いてあった。
『私はあなたの後ろにいる者ーカタストロフー』
「私ノ存在ハ鏡ニ映ッタアナタ・・・彼女ハアナタノ影」
「・・・」
「彼女ハアナタデアリ私デモアリ、全ク違ウモノデモアル」
「・・・」
私は黙ったまま、アイミーの話だけを聞いた。
「・・・」
「騎士長・・・」
「わかっています・・・」
私は立ち上がり、アイミーを見る。
「わかっています・・・が、私のことは後でいいんです。
・・・今は・・・イレブンを倒す・・・それだけに集中したいんです」
怒りを露にした表情でアイミーを見つめながらそういった。
アイミーはしばらく黙っていたが
「・・・ソレデコソ、我ガ騎士長ダ」
と喜んでいる感じでそういってくれた。
「・・・仇はかならず返します。ですから、ゆっくりと休んでいてください」
そういい残して、私は保健室を後にした。
「彼女ハマダ生キテマス」
「いいんです」
保健室から出たときにアイミーの突っ込みを受け流した。
確かに誤解される言い方だったと思う。
「・・・シカシ、見エナイ変態ヲドウ捕マエルオツモリデスカ」
「捕まえる?あなたは冗談をいえるぐらい成長したんですか?」
「・・・?」
「捕まえるんじゃない。殺すつもりでいかなきゃ駄目なんです。
油断も情も入れてはいけない。全力で叩き潰さなきゃ駄目なんです。」
いつもの私ではない凄みを出していった。
「・・・ワカリマシタ。デスガ、ミエナイ場合ハ・・・」
「・・・女性しか狙わない下衆なら、ターゲットになればそれでいいでしょ?」
「ナルホド」
私はあまり人通りの少ない通路を歩き始めた。
>463 >455
頭の上で、誰かが話してる。
ああ、この声知ってるわ。アルテリオンさんとアイミーね。
途切れ途切れに聞こえてくる会話は、とても深刻そうなものだった。
私は二人に声をかけようとしたけれど、声が出なかった。
身体が鉛のように重く、思うように動けない。
何より肩から脇腹にかけて酷く痛んだ。
なぜ?―――― ダメ、思い出せない。
頭がぼうっとして、うまく考えが纏まらない。
アルテリオンさんが席を立った。
>「・・・仇はかならず返します。ですから、ゆっくりと休んでいてください」
待って、行かないで。―――そう言いたかったのに、声が出なかった。
ドアが閉められ、室内に静寂が戻る。
保健のレオ先生は席を外しているのか、室内には全く人の気配がしなかった。
知らず涙が零れた。
何故かはわからない。ただ、たまらなく不安だった。
一人が怖かった。
変だと思った。学園に入学したての頃だって、こんなこと無かったのに。
(・・・具合が悪いから・・・こんなに心細いのかな・・・)
ふとそんなことを考えるけれど、頭がぼうっとして、うまく考えが纏まらない。
私は再び泥のような眠りへと落ちた。
――――再び目が覚めたのは、それから随分後のことだった。
>>463 俺は誰だ?俺はイレブンだ。じゃあ、あいつは誰だ?ロックの何だ?
アルテリオンの前方が歪んで見える。日中での迷彩魔法の限界である。
「ヒヒヒ」
近づく足跡、当然のように臨戦体勢に入るアルテリオン。しかし、予想だにしなかった事が起きた。
「あぁぁあぁあ!何で死んじまってんだよぉお!」
迷彩魔法が解除され、クネクネ悶えながら嘆いているイレブンが現れた。
「いやあぁぁあぁあ!!」
イレブンは悲鳴をあげながらそのまま逃走した。
氷で出来た棺の中に少女が一人
フリージアである
なぜ彼女が氷の棺の中にいるか?
それは前の試験であまりにも体力と魔力を使ってしまったためである
と言っても別に死んでいるわけではない
これは彼女の一族に伝わる回復手段なのである
寮に戻ると最近はこのようにして眠っているのだ
>460
棺の中で彼女はとある声を聞いた
悲痛なレイドの叫び声だ
「リリアーナさ、ん」
フリージアは氷の棺をぶち破り女子寮の玄関を飛び出した
が、時は遅く謎の変質者は消えていてリリアーナ達もいなくなっていたのであった
次の日
授業を終えたフリージアはリリアーナの見舞いに行った
>463>464
ちょうどアルテリオンが保健室を出る瞬間に出くわしたがお互い気づくことは無かった
どうやらリリアーナは眠っているようだ
どうしようかと悩んだリリアーナは氷の刃で持ってきた林檎を剥き始めた
「クズ野郎が…。」
翌日、俺はリリアーナが襲われた場所に来ていた。
リリアーナは暫く動けそうにないが、命に別状はないらしい。
授業の無い先生はイレブンの捜索をしているが未だに見つかったとの情報は入っていない。
現場にはリリアーナの血痕が残っていた。
「………許さねぇ。」
そう呟くと俺は一旦部屋に戻った。
「え〜と、どこにしまったっけ……。あっ、発見〜。」
黒の細長いケースを手に取り、再び女子寮周辺の捜索を始めた。
学園長からは殺しの許可は出てないが、奴を見つけ出したら間違いなく殺すだろう。
「変態野郎いるか〜?今出てくれば楽に殺してやるぞ〜。」
>>466 保険室の窓から開封済みの手紙をくわえたフクロウが飛んできた。
『親愛なるアンジェリーナへ
お手紙ありがとう。卒業試験は一昨日無事に合格しました。
しかし、俺が合格したのは三等過程、先はまだ長いです。
あなたの手紙の内容に疑問があります。
俺が多重人格者、というのはどういう事ですか?
出来るだけ早く返事をください。
ロックより』
ロックがアンジェリーナ(何者か不明)という人物に宛てた手紙だった。
何故フクロウはこの手紙をここに届けたのだろうか?
フクロウはリンゴの皮をくわえて飛び去った。
「・・・フゥ・・・フフフ・・・」
彼女は隣の棟の屋根に腰を下ろしながら
>>465の光景を眺めていた。
「あぁ・・・いいわぁ〜、あなたの心は今怒りで満たされている。」
指で窓を作り、その中にアルテリオンの姿を入れ彼女は微笑む
「さぁもっと怒りなさい、憎みなさい・・・あなたが黒く醜くなればなるほど・・・あなたは私になっていく」
しばらく、彼女はそうしていたが、急に興冷めたように手を戻す。
「・・・でも、まだ早いわぁ〜そうまだ青い・・・食べるならもっと熟してからね」
そういって彼女は屋根から降りた。
俺は誰だ?俺はイレ…違う!!俺はロックだ!俺はロックだ!!
ロックの人格が覚醒した。
「!?」
ロックは死んだ動物を手にしていた事に驚愕した。
アルテリオンから逃げ延びたイレブンが学園の裏手にある森で“食欲を満たしていた”ためである。
ロックの脳裏にある光景が蘇る。手にしたナイフがきれいに食い込み、肉を裂いていく。
そして目の前に倒れたのは……リリアーナ!!
ロックは遮二無二駆け出した。昨日リリアーナが襲われた場所へ。
そこにはレイド先生がいた。ロックは無我夢中で先生に叫んだ。
「レイド先生!俺見てたんです!俺の手にナイフがあって…リリアーナが倒れて…俺襲った奴の中から見てました!それで…それでリリアーナはどうなったんですか!?」
ロックは理解に苦しむ発言をした。ロック自身も何が言いたいのかよくわからなかった。
とりあえず、リリアーナは生きているらしい。
ロックは保険室に行こうとした。
「ちっ……。やっぱ、そう簡単に見つかる訳無いよな。」
>470イレブンを捜索していると、何故かロックが現れた。
「ロック?」
何故ロックが此所に居るのか分からないが、何やら相当焦っている様だ。
>「レイド先生!俺見てたんです!俺の手にナイフがあって…リリアーナが倒れて…俺襲った奴の中から見てました!それで…それでリリアーナはどうなったんですか!?」
「何言ってんだよ、ロック?落ちつけ。お前はリリアーナが襲われた時現場に居なかったじゃ…」
ここで一つ気になる事が浮かび上がった。「(手にナイフ……襲った奴の中から見ていた?一体どういう事だ…)リリアーナなら今保健室に居る。命に別状は無い様だが…」
ここまで聞くとロックは保健室に向かい始めた。
「ナイフ……中から見ていた………。」
俺はその場に座り込み暫くこの言葉の意味を考えていた。
>468
「この手紙はいったい・・・・」
フリージアは疑問に思った
なぜ私達のいるこの保健室に手紙が届けられたのか
フリージアは開封済みであるというところから
少なくともフクロウの持ち主はもう内容を読んだのであろうということを推測した
もしかすれば飛んでいったフクロウを追いかければ持ち主に合えるかもしれない
「ロックさんが多重人格者かもしれないことは判りましたわ」
フリージアはそう言ってから
枕の下に手紙を小さくたたんで差し込むと
もしかしたら何者かの罠かもしれないがその時はその時だと心に決め
フクロウを追いかけに保健室から出て行った
>>471 レイドの前に例のメイドが現れた。
「こんにちは、レイド先生。
私も見ていましたよ。彼女が襲われたところを、“中から”。
あなたが先程会ったのが本来の“主人格”です。
しかし、マリアベルが彼を覚醒するようにけしかけたせいで無茶苦茶ですわ。
マリアベルはロックのコミュニティを壊すつもりです。つまり、この学園の事ですか?
あの若い二人を二人きりにするのは感心しません。
先生の力で“清く正しいおつきあい”をさせてください。」
相変わらず意味不明な説明をした後、メイドは静かに消失した。
最後の言葉はどうやらロックとリリアーナを会わせない方が良い事を示唆してるようだ。
>>472 レイドの頭上を音も無く白いフクロウが通り過ぎて行った。
フクロウを追跡していたフリージアが彼の視界に入った。
「・・・おめでとう・・・殺したい人が見つかって・・・」
いつの間にか彼女はレイドの真後ろに存在していた。
「ふふふぅ・・・振り向かないでぇ〜、間違って殺しちゃうかもしれないから」
そういいながら彼女はレイドの背中を柄で警告の意味で押した。
「誰かに教えても駄目・・・自然に振舞ってくれなくちゃ、私血が見たくなっちゃう
・・・どう?意中の女に命を握られてる気分わぁ〜・・・複雑でしょ〜
安心してよぉ、今は殺すつもりなんてないからぁ〜・・・」
「あ〜、クソッ!全然意味が分かんねぇ!中から見ていたってどういう事だよ…」俺はさっきロックが言っていた言葉の意味を理解出来ずにいた。
>473するとそこへ学園長室で会った、メイドが現れた。
>「こんにちは、レイド先生。
私も見ていましたよ。彼女が襲われたところを、“中から”。
あなたが先程会ったのが本来の“主人格”です。
しかし、マリアベルが彼を覚醒するようにけしかけたせいで無茶苦茶ですわ。
マリアベルはロックのコミュニティを壊すつもりです。つまり、この学園の事ですか?
あの若い二人を二人きりにするのは感心しません。
先生の力で“清く正しいおつきあい”をさせてください。」
「………???」
彼女の言っている事が全く理解出来ない俺は呆然と立ち尽くす事しか出来なかった。
「主人格、マリアベル、覚醒、中から見た……。」
一定のキーワードをひたすら繰り返し呟く。
「チックショ〜。もう少しで何か分かりそうなんだけどなぁ…」
謎解きをしている俺にフリージアの姿が目に入った。
「お〜い!フリー…」
フリージアを呼び止めようと思った瞬間、突然背後から女性の声が聞こえた。
>474
>「・・・おめでとう・・・殺したい人が見つかって・・・」
「―――!(誰だ!?いつの間に背後に…)」
いくら考え事をしていたとは言え、背後に立たれて全く気付かないなんてありえない。
>「ふふふぅ・・・振り向かないでぇ〜、間違って殺しちゃうかもしれないから」
>「誰かに教えても駄目・・・自然に振舞ってくれなくちゃ、私血が見たくなっちゃう
・・・どう?意中の女に命を握られてる気分わぁ〜・・・複雑でしょ〜
安心してよぉ、今は殺すつもりなんてないからぁ〜・・・」
後ろに立っている"誰か"は俺の背中を柄で押した。
「ハッハッハ…。俺の背後を取ったところは褒めてやる。」
俺は彼女に背を向けながら拳に魔力を込めた。
「でもなぁ…。俺、相手に主導権握られるのって嫌いなんだ。」
そう言うと、魔力を込めた拳を背後に立っている"誰か"の腹部に叩き込もうとした。
俺は保険室の前でレオ先生に会った。
ロ「…先生、それは何ですか?」
レオ先生は不気味に脈うつ紫色の種を持っていた。
レ「これはトジロゴマの種だよ。珍しい植物だ。学園の裏手にある森に生えてる。」
そういえば、先生の服がボロボロになっている。
レ「リリアーナが昨日襲われたのは聞いただろ?傷が後々残らないようにするのさ。女の子だからね。
この種を砕いて、出てきた粘液を傷口にすり込むんだ。たちまち傷口が塞がる。」
ロ「あなたがすり込むんですか!?」
ロックは非難がましい“すっとんきょう”な声をあげた。
レ「いやいや、今日は女医さんを呼んでいるから、彼女がする。
そんなに怒ることないだろう、ロック君。」
レオ先生が保険室に入っていった。ロックは外で待つことにした。
保険室の中から何かを砕く音が聞こえ…カーテンが閉まる音が聞こえた。
間もなくレオ先生が出てきた。きっと今からリリアーナの服を脱がせてあの種汁を塗るのだろう。
レ「…入りたいかね(笑)」
ロ「いいえ!」
ちょうどその頃…
白いフクロウは男子寮69号室のベランダに設置された簡易フクロウ小屋に入っていった。
>477
「ここは・・・男子寮?」
フリージアはフクロウが男子寮のフクロウ小屋に入っていったことを確認した
「あの部屋は・・・・あった69番」
フリージアは部屋割り表を探すとフクロウの入っていった部屋の番号を探した
「てっきりあのフクロウを飛ばしたのはアンジェリーナという女性だと思っていましたわ」
フリージアはまさか男が持ち主だとは思っていなかったのだ
「どうしましょうさすがに私でも男子寮に入る勇気は・・・」
予想外の展開に立ち往生するフリージア
「そうですわとりあえず69号室が誰の部屋か管理人に聞きに行きましょう!!」
そうフリージアは結論を出した
あいかわらずの自己完結
480 :
名無しになりきれ:2007/02/16(金) 21:50:01 0
炸裂レオキック
「フフフ・・・強引なのね、そういうの案外好きよ」
彼女はレイドの拳を鞘で受け止めながら微笑んだ。
次の攻撃が来ると思った彼女は真後ろに飛びレイドとの間合いを空けた。
「こんな激しいなんて・・・素敵」
彼女はまた妖しく微笑みながら鞘を指でなぞり、さきほどレイドの拳をうけひびの入った部分を撫でる。
だが、すぐにその行為を止め、彼女はレイドの顔を見た。
「・・・なんでって顔ね・・・それとも怒りかしら」
そう入って彼女はゆっくりとレイドに近づき始める。
「残念だけど私は偽物じゃないわよ。私は彼女であり、また、彼女は私でもあるんだから」
一歩づつ彼女がレイドに近づくたびにレイドの背後から出てくる黒い煙が自由を奪う。
「安心して・・・痛くないから・・・」
あと数歩で彼女の間合いにレイドがはいる。
彼女は刀をゆっくりと抜き、その赤黒く汚れた刀身を見せた。
>炸裂レオキック
そのときだ。
彼女が何者かに蹴り飛ばされた。
完全に意識をレイドに集中させていたため彼女は何者かの攻撃に対応できなかった。
>478続き
男子寮の管理人に問い合わせたところ
69番室はロックの部屋だということが確認出来た
「・・・だとするとおかしいですわね」
そうなのである
これでは自分が書いて封筒に入れ封をした手紙を
わざわざ自分で開封しその開封したものをフクロウに運ばせたことになる
「本当にロックさんは多重人格なのかしか?」
ロックが書いたものをロックの別人格が読んだのなら開封してあったことには納得できる
「じゃあ次はなんでロックさんの別人格は保健室に手紙を持って行かせたのかしら?」
その場にいるかどうか分からない自分に読ませたかったわけではないだろう・・・・
とすると確実にそこにいるリリアーナさんに見せることが目的だろうか?
そう推測を立てたフリージアはいったん保健室に戻ることにした
>481
「あれは・・・!!」
保健室に戻ろうと引き返したフリージアはレイド先生が襲われている所に出くわしてしまった
>炸裂レオキック
レイド先生のピンチを救うべくフリージアはレオ先生が得意としている必殺キックを真似た攻撃を
カタストロフに放つのであった
後付け乙
再び目を覚ました時には、日差しはすっかり傾いていた。
僅かに開かれたままの窓から吹き込む風は、露を含んで夜の匂いがする。
>468 >472
なんで私、保健室なんかで寝てるの?
目が覚めて最初に考えたのは、そんなどうでもいいことだった。
頭を動かすと、額から濡れタオルが落ちる。拾おうとすると、枕の下でカサリと音がした。
手を差し入れると、小さく折りたたまれた紙の感触。・・・何これ?
私は、ロックの書いた手紙に目を通した。
あまりに驚いたので、保健室で寝ていたという違和感を一時忘れた。
「なんでこんなところにロックの手紙があるのよ・・・」
手紙を読み終えた私は、持っていた手ごと枕の横に投げ出した。
気分が悪い。不可抗力とは言え、ロックのプライバシーに土足で踏み込んでしまったから。
だけど知ってしまった以上、いろいろ考えをめぐらせてしまう。
文面から察するに、アンジェリーナはロックの大切な人で、ロックを良く知る女性なんだろう。
そして手紙を書くという行為から、彼女自身は学校や島の人間とは考えにくい。
手紙の内容はロックにとっては緊急性を要するものだ。
ロックのことだ、簡単に逢いにいける相手なら悠長に手紙の返事を待ったりしないはず。
問題は、その女性に宛てた3ヶ月前の手紙が、どうして今、保健室の、私の枕の下にあったかということ。
私は、剥きかけのまま放置されたリンゴと氷の刃に目を向けた。
その辺のいきさつは、もしかしたらフリージアが説明してくれるかもしれない。
>477
いずれにしても手紙の内容は非常に意味深で、気がかりなものだった。
「ロックが多重人格って・・・どういう事なのかな・・・?」
・・・私が知る限り、ロックにそんな兆候は無かったように思う。それは本人とて同じだろう。
卒業試験以降何となくロックが元気無かったのは、これが原因だったのかな・・・。
――――何か重大なことを忘れている気がしたけれど、そのときの私はあまり深く考えなかった。
後から考えてみれば、単に思い出したくなかったのかもしれない。
保健室のドアが開く音がした。誰かきたらしい。
賑やかな足音でフリージアじゃないのはわかった。誰だろう、レオ先生かな?
「・・・誰?」
「あ。リリアーナはんやね、目が覚めてよかったやね。
レオ先生から襲われたと聞おったけど、怪我の具合はどないやろか?」
非常勤の女医の声だった。
かけられた言葉に、すうと血の気が引くのが自分でもわかった。――――襲われた?
誰が?
ベットが置いてある部屋と保健室を仕切るカーテンが勢い良く開かれた。
そしてずかずかと入ってきたのは、真っ赤なパンツスーツに身を包んだ大柄の女性。
私の目が限界まで見開かれた。
私服の女医の姿は、私の目には全く違って見えた。
赤。
赤。
赤。
赤い色。
――――昨夜の記憶が一気に蘇った。
「あ・・・・・・・あ・・・・・・・・」
ベッドの上で起き上がり、後ずさる。
ガクガクと震えて明らかに様子がおかしい私に、綺麗に整えられた女医の眉が潜められる。
「大丈夫やろか?熱でも――― 。」
差し出された手を思い切り払い落とした。
――――思い出した、思い出した。思い出した。全部思い出した。
こみ上げる吐き気にその場に身を伏せる。ベッドから転がり落ちそうになったのを女医が制した。
肩をつかまれて、滅茶苦茶に暴れた。反射的に雷撃をうとうと手を翳す。
そこでまた記憶が途切れた。
完全に錯乱していた私を、女医が眠らせたからだ。
目を開けると、白衣に身を包んだ女医が心配そうに見下ろしていた。
「ちびっとは落ち着いたんやか?」
「あ・・・・・・はい。・・・すみません、ちょっとびっくりしちゃって・・・痛っ・・・」
起き上がれない私に、女医が困ったような顔をした。
「暴れたから傷口が開いてしまおったんや、まあ今レオ先生が傷薬を取りに行ってんねんで。
くすりをつければすぐに良くなるやろ。もうちびっと寝て待ちまひょね?」
「・・・はい。すみません・・・」
そう答えたものの、とても目を閉じる気にはなれなかった。
あの赤い男は、何もないところから現れた。気を抜けばまた現れそうな気がしたのだ。
「あんはんもえろう災難やったね。でも心配いらへん。
変質者が使うたっちゅう迷彩魔法は、昼の間は透明にはなりまへん。
だから近づいてきたらすぐにわかるんやよ。
保健室は安全やし、何よりわいがついておる。だから、そんな心配せんでくれんかの?」
良く見ると、女医は卒業試験で一緒になったクドリャフカさんにどことなく雰囲気が似ていた。
私はかすかに頷くと、女医は明らかに安堵した顔になった。
「リリアーナは起きてるかね?」
再び保健室のドアが開いた。レオ先生だった。
トジロゴマの効力は絶大で、すぐに傷は塞がった。レオ先生の話では跡も残らないという。
「お友達、あんはんの着換えを持ってきてくれたみたいやね」
渡されたブラウスは見るからに上質な絹だった。多分フリージアの私物だろう。
彼女の気配りに感謝しながら袖を通していると、保健室の外に出ていたレオ先生から再び声が掛かった。
「もう良いかね?リリアーナ、お客さんだよ」
女医がカーテンを開けた。身を乗り出すと、戸口にレオ先生とロックの姿が見えた。
ロックの表情は、随分思いつめたものだった。
「えへへ・・・ちょっとドジっちゃった」
恥かしそうに笑いながら手を振る。
いつもどおりに見えればいいなと思う。間違っても余計な心配をかけたくなかった。
「ロック、あなたもお見舞いにきてくれたの?ありがと。でもお土産は〜?」
女医が薄く笑みを浮かべながら、血で汚れたガーゼや包帯を手にカーテンの向こうへと消えた。
私はことさら明るく続けた。
「まあ良いわ。手ぶらなのは許してあげる。
それよりロック、あなたずいぶんと顔色悪いけど大丈夫〜?
とりあえず私は、レオ先生のお蔭で治ったから全然心配ないわよ?」
手紙のこととか、眠っている間の騒ぎのこととか。聞きたい事はたくさんあった。
だけどその前に、まずはロックに元気になってもらわないと。
「わかった。ロック君がそーんなにリリアーナ様のこと心配なら、特別に治った傷口見せてあげる。
トジロゴマの威力ってホント凄いのよ〜!」
そう言って私は、冗談でブラウスのボタンに手を掛けた。
>「フフフ・・・強引なのね、そういうの案外好きよ」
「お褒め頂き光栄だね…」
俺が殴った"誰か"はアルテリオンの姿をしていた。
「(何でアルの姿なんだ…。姉妹か…)」だが今は、相手の姿を気にしている場合ではない。
抵抗したからには、アルテリオンの姿をしている彼女は俺を殺す気だろう。
>「・・・なんでって顔ね・・・それとも怒りかしら」
>「残念だけど私は偽物じゃないわよ。私は彼女であり、また、彼女は私でもあるんだから」
「何訳の分かねぇ事言ってんだ…。俺は今変態探すので忙しいんだよ。」
俺は、近付いてくる彼女に対し、戦闘体勢に入ろうとケースを開けようとする。
が、何故か体が動かない。
「この黒い霧が原因だな…。俺のブラックミストとは違って、相手を捕獲する事が出来るって訳か。便利だね〜」
余裕をかまして見せるが正直かなりヤバい状況に陥った。
>「安心して・・・痛くないから・・・」そう言うと彼女は歩きながらゆっくりと刀を鞘から抜いた。
「痛いとか痛くないとかの問題じゃなくて、俺はまだ死ぬ訳にはいかないんだよ。そりゃ、どうせ死ぬなら痛くない方が良いけど。」
とは言ったものの今の危険な状況を打破する策は無い。
>482
>炸裂レオキック
突然何者かの蹴りが飛んできた。
「今の蹴りは…レオ先生?」
と思ったが、蹴りを放った人物はフリージアだった。
「助かったぞフリージア。これで最悪の状況から脱け出せたな。」
いつの間にか黒い霧は消えていた。
きっとフリージアの蹴りを彼女が受けたのが原因だろう。
あの様な類の魔法は大抵、術者にダメージを与える事が出来れば解除される。
体が動くと分かった俺はケースを開けて、中から黒い片手剣を出した。
剣の名はナイトメア。
相手を斬ると同時に魔力を吸いとる事が出来るが、剣をにぎっている間は魔法が一切使えなくなる。
「フリージア、お前は保健室に行け。こいつは俺が何とかするから。」
そう言うと俺は偽?アルテリオンに剣を向けた。
「さあ、どうする?逃げるか、ここで斬り合い始めるか……。(つーかアルの姿されてるとやりにくいなぁ。何気に猫耳だし……。ヤバいな…。)」
>>486 > 「わかった。ロック君がそーんなにリリアーナ様のこと心配なら、特別に治った傷口見せてあげる。
> トジロゴマの威力ってホント凄いのよ〜!」
そう言ってリリアーナは、ブラウスのボタンに手を掛けた。
ロックの鼻から鮮血が噴き出した。鼻を手で抑えながらモガモガと抗議する。
「バガ!わがっだからやめろ!」
そう言いながら、ロックはリリアーナの傷がどこにあるか知ってる事に後ろめたさを感じていた。
もしかしたらリリアーナを襲ったのは俺かもしれないんだ…
「リリアーナ、襲った奴の特徴を教えてくれるか?とても大切な事だ。」
ロックは鼻血を拭い、リリアーナに尋ねた。説明を聞いた後、疑いは確信に変わった。
「そいつはイレブンだ。」
どうして知ってるの?と聞くより早くロックはリリアーナにまくしたてる。
「リリアーナ、俺の意識がどれだけもつかわからない。だからよく聞くんだ。
俺の部屋は男子寮の69号室だ。机の引き出しの上から2番目に小さな箱が入っている。
それがマリアベル―俺の親の仇の事だ―を倒すための“武器”になる。
もし俺と戦う事になっても…いいか?絶対に遠慮するな!」
これがロックの最後の言葉だった。
ロックはリリアーナの目前で“変身”した。
今リリアーナの前にいるのは車椅子に乗り、膝の上に黒猫を乗せた老人である。
異変に気付いた二人の先生が駆け付けたが…
「石になれ!」
老人は懐から短い杖を取り出し、二人に魔法をかけた。
リリアーナはさっきまで世話をしてくれていた女医さんが石化してしまった事にショックを受けた。
「君に偶然出会えた事は実に幸運だったよ。」
リリアーナはショックで言葉が出ない。老人はそれを察し話を続けた。
「私の名はギルハート、悪魔信者の一人だ。君はリリアーナだね?
知っているよ、ここ数ヵ月ロックの心にはいつも君がいたからね。
私も君が襲われたところを“中から”見たよ。
私は心が踊った。私は君にずっと会いたかったのだからね。
私は怪我をした生徒がどこに運ばれるか知らなかった。しかし、それはたいした問題ではなかった。
なぜならロックが知っているからだ。人格を解放されたロックは案の定君に会いに来た。
それがかえって君を危険にさらすと気付かずにね。」
「説明は終りだリリアーナ。君には“鏡の部屋”に案内してもらう。
君が三ヶ月前、試験終了の時訪れた部屋だ。
選択の余地は無い。従わなければこの二人は石のままだ。」
>488
「わかりましたわ!!」
保健室に行けというレイド先生の指示にフリージアは従うことにした
はっきり言って自分が加勢しても足手まといになると思ったからである
フリージアはちらりとさっき蹴った相手を見て「・・・・アルテリオンさん?」
とつぶやいたが、カラーリングが違うから別人だろうと思い直し
空を飛ぶ雪の結晶に載って保健室の方向に移動した
しばらく空を行くと・・・・保健室が見えてきた
>490
フリージアはそこでとんでもないものを見てしまった
「・・・・・(ロックさんの姿が変わった?)」
思わず声を出しそうになるフリージア
自分で自分の口を手で押さえることでなんとか音を立てずに済んだようだ
しばらく様子を見ていると謎の老人の魔法で二人の教師が石になってしまった
あまりの出来事にパニックを起こしたフリージアは
突然「おーほっほっほ」と笑いだしたのであった
当然気づかれるフリージア
とっさに出した氷の盾は何とか間に合ったようだが・・・このままでは危ないことは確かだ
何とかこの危機を脱しようと雪の結晶を周りに作り始めた
目の前で何が起こっているのか、私にはよくわからなかった。
>489-490
ロックは私を襲った相手―― イレブンというらしい ――を知っていた。
彼は私に、男子寮の自分の部屋にある武器を取って来いという。
そしてロックと戦うことになっても遠慮するなと。
「ロック待って、言ってる意味が全然わからない。何故私があなたと戦わなきゃならないの?」
そう問い掛けたけれど、返事は無かった。
ロックはそれっきり消えてしまったから。
代わりに現れたのは、黒猫を膝に乗せた車椅子の老人ギルバートだった。
老人はあっという間にレオ先生と女医のアストーラさんを石像に変えてしまった。
あまりのことに声も出なかった。
昨日からずっとショックの連続で、私の頭ももう飽和状態だった。
震える手を翳し、アストーラさんに覚えたての状態回復魔法を唱えてみた。
だけど、何の変化も無かった。
自分の無力さに涙が零れそうになった。
そんな私の内心を知ってか知らずか、老人は、淡々と話を続けた。
老人の話は荒唐無稽で、にわかには信じがたいものだった。
ギルバートの話を信じるなら、彼はロックとも、イレブンとも意識や体験の共有をしているらしい。
ということは、ロックやイレブンも意識や体験の共有をしているのだろうか。
ロックが書いた手紙の中にあった『多重人格者』という言葉が脳裏をよぎった。
―― まさか、と思った。
精神の主導権が変わったからといって、肉体まで変化する類の多重人格など聞いたことが無い。
これではまるでタチの悪い呪いか、人格変化という手順を踏んだ『召喚』じゃない。
「・・・マリアベルって誰?イレブンとあなたは、ロックの何なのよ?
ねえ、ロックをどこに連れて行ったの?―――― 返して、ロックを返してよ!」
私は、ロックがギルバートに変化したのを目の当たりにしていた。
だけど、それでもとても信じられそうにない。
あのロックと、この冷酷な老人が同一人物だなんて。
私は顔を伏せた。こんな男に泣き顔など見られたくなかった。
>「説明は終りだリリアーナ。君には“鏡の部屋”に案内してもらう。
>君が三ヶ月前、試験終了の時訪れた部屋だ。
>選択の余地は無い。従わなければこの二人は石のままだ。」
「・・・私が道案内したとして、あなたがレオ先生たちを元に戻すという保証は?」
しばし沈黙が流れる。
私とギルバートの均衡を崩したのは、どこからとも無く聞こえた高笑いだった。
>491
窓の外のフリージアに気づいたギルバートは、また杖を振ろうとした。
石化魔法!!
「止めて!フリージア逃げて!」
咄嗟に杖を握る手に飛びついた。
すぐに振り払われて床を転がったけれど、起き上がった時点でまだフリージアは無事だった。
「止めてギルバート! 卒業試験合格の時に入った部屋に案内すれば良いんでしょう?
わかったわ、連れて行ってあげる。だからこれ以上ひどいことしないで!」
私は、必要以上に大きな声でギルバートを止めた。そう、フリージアにも聞こえるように。
フリージアがうまく逃げ延びれば、きっと助けを呼んできてくれるに違いない。。
それに車椅子の老人の姿は非常に目立つ。
イレブンを警戒している学園内の教師やアルテリオンさん達が気づかないはずが無い。
少なくともその時、私はそう思っていた。
>>493 > 「わかったわ、連れて行ってあげる。だからこれ以上ひどいことしないで!」
「ありがとう。」
ギルハートは笑みを浮かべた。リリアーナは鏡の部屋へ向かおうとした。
「待ちなさい。」
ギルハートが呼び止める。
「車椅子を押して行ってほしいのだが…」
リリアーナは渋々だが老人を乗せた車椅子を押した。
「君には家族がいるかね?」
ギルハートは道中でリリアーナに話かけた。
「今から私は君のおじいさんだ。」
要するにそういうフリをするように脅しているのだ。
階段の前に到着した時、リリアーナは抗議した。
「車椅子を持ち抱えて上がる必要は無い。」
杖を振ると階段はたちまちただの坂道に変わった。
「さあ頑張れ、若いの。」
目的地までもうすぐである。
保健室の近くにある、とある教室…。そこでローブ姿のメラルは外を眺めていた。
…いや、外には光る雷の輪のような物がひとつ浮いている。
雷の術を試しているようだ。それを自在に動かしている。
「1つは何とかなるのよね。でも…」
雷の輪が2つに増え、同時に動き回り始める…と、すぐに彼女の腕を雷が伝い始め、直後に彼女が術を止める。
「2つになると、全然駄目、か…。まだまだ時間が必要ね…。…腕は…。」
彼女は腕を見る。雷が伝った部位が少し痛むようだ。そこに、高笑いをするフリージアの声が聞こえてきた。
しかし、それを何時もの事と断じて、あまり気にはとめずに呟く。
「やっぱり保健室の近くでやったのは正解だったわね…。」
そこに、更に大きな声が聞こえた。リリアーナの声だ。
>「止めてギルバート! 卒業試験合格の時に入った部屋に案内すれば良いんでしょう?
> わかったわ、連れて行ってあげる。だからこれ以上ひどいことしないで!」
その声で、メラルは事件の匂いを感じ取った。しかし、別の方向に。
なお、笑い声ほどの強烈な印象はないため、声だけで誰かを識別することまではは出来ないようだ。
「…侵入者…だとしたら、生徒が名前を知ってるのも妙ね。あの声は聞き覚えがあるし。
なら…学内の揉め事かしら?それなら、下手な干渉をしなければ巻き込まれる事はないわね。」
そう考え、今いる部屋のドアを開けて顔を出すと、フリージアが防御を張り巡らしている姿が目に入る。
それに驚いて、今度は部屋からは出ずに顔だけでフリージアの見ている方向を見ようと視線を動かした。
すると、石化した二人が見えた。しかも、片方は講師である。もはや生徒同士の喧嘩ではありえない。
侵入者の方だったと気づいて、顔を引っ込めてからフリージアのいる方に向けて言う。
「…一体…何が起きたっていうの?」
>493
ギルバートの魔法はフリージアの雪の結晶の盾を石に変えてしまった
「そんな・・・」
水が変化したものである氷を石に変えてしまうなんてとんでもない力だ
そんなことを考えるフリージア
>「止めて!フリージア逃げて!」
>「止めてギルバート! 卒業試験合格の時に入った部屋に案内すれば良いんでしょう?
わかったわ、連れて行ってあげる。だからこれ以上ひどいことしないで!」
リリアーナのその声を聞いてフリージアは謎の老人の名とその目的を知った
「こうしてはいられませんわ!!」
フリージアは助けを呼ぶべく職員室に移動しようとするが
>495
>「…一体…何が起きたっていうの?」
と言うメラルの声が聞こえたのでいったん立ち止まる
「あなたはメラルさん!!大変なのよ!ロックさんがお爺さんに変身して・・・」
要約するとこうだ
目の前でロックがお爺さんと猫に変わったこと
教師二人がお爺さんに石にされてしまったこと
お爺さんの目的は試験で行くことになった鏡の間であること
リリアーナがそこに案内させられてること
早く助けを呼びに行かなければ危ないということ
それとは別で2Pカラーのアルテリオンさんがレイド先生を襲っていること
そういったことを氷の魔法の関係で知り合いだったメラルに話したのである
「だから急がないと!!」
そう言って職員室に文字通り飛んで行くフリージア
職員室に着いたフリージアは
戦闘力の高いアルテリオンさんでもいれば一番良いのだがと思いガラリと扉を開けた
当然話すのは偽アルテリオンの存在とロックの変身だ
>494
> 「ありがとう。」
ギルハートは笑みを浮かべると、杖を下ろした。
(頼んだわよ、フリージア)
私は祈るような思いで、フリージアが消えた窓の外を見つめていた。
ギルハートは私に車椅子を押させた。
>「君には家族がいるかね?」
「ロックなら知ってるんじゃない?」
私は刺のある言い方をしたが、老人は取り合わなかった。
>「今から私は君のおじいさんだ。」
全く。光栄すぎて涙が出そうだわ。
見回りの教師に出会うことを心待ちにしていたのに、不自然なくらい誰ともすれ違わなかった。
そして今私は途方にくれている。
私の目の前には階段。
そして、学園長室はこの上の階にあるのだ。
「言っておくけれど、私の力じゃ担いで登るのは無理だからね!」
>「車椅子を持ち抱えて上がる必要は無い。」
ギルハートは杖を振った。階段は坂道に変わった。
>「さあ頑張れ、若いの。」
「・・・・・・・自力で坂道を登るという選択肢は無いのかしら?」
ギルハートの代わりにオッドアイの黒猫がこちらを振り向き、ニャアと鳴いた。
私はぜいぜい肩で息をしながら、階段の踊り場にへたり込んでいた。
「も・・・もうだめ・・・ちょ・・・ちょっと休ませて・・・・・・」
胸が苦しい。休まないともう一歩も歩けない。
ギルハートは不満そうに鼻を鳴らした。
だけど、私に言わせれば車椅子を転落させなかっただけマシだと思う。
なぜなら、階段はスローブ状にこそなったけれど、傾斜の角度自体は全く変わっていなかったから。
急斜面で車椅子を押して登るという作業は、怪我が治ったばかりの身には思いのほかこたえた。
あと残り半分・・・かなり投げやりな気分になった私は、ギルハートに反抗的な目を向けた。
「・・・どうしてロックの人格を解放してまで私に会いたかったの?
こうやってあなたの車椅子を押させるため?」
どのみち、どんなに脅されたとしても少し休憩しないと動けない。
途中で車椅子ごと転落したいのなら話は別だけど。
「鏡の部屋に行って何をするつもり?
案内してあげるんだから、聞く権利くらいあるわよね?」
ギルハートは無言でこちらを見下ろしている。
でも、私も引く気は無かった。
「あなたは今私のおじいさんなんでしょう?だったら可愛い孫娘の質問に答えて。『おじいさま』」
>>497 「鏡の部屋へ行くこと事態が目的であれば君は必要ない。
ロックを使えばいいからだ。彼も以前あの部屋に入ったと予想される。
しかし、問題なのは私があの部屋の中に入れない事だ。今現在のロックも入れないだろう。
だから君が必要だ。君はあの部屋に入る事ができる。
君には鏡の部屋に入って“ある物”を取ってきてもらうつもりだ。」
しばらくして二人と一匹は学園長室に到着した。学園長はいないようだ。
部屋に入るとすぐに姿見が目に入る。それが鏡の部屋への入口だ。
「砕け散れ!」
ギルハートが杖を振ると、部屋に飾られていた歴代学園長ズの肖像画が破壊された。
「来たれ!鏡よ!」
ギルハートは姿見に対面するように(つまり合わせ鏡になるように)鏡を召喚した。
姿見の景色がぐにゃりと歪んでいく。
「やはりな…」
姿見には映るはずのない部屋が映っていた。
謎の部屋の奥で何かが光っている。
「さあ、入りなさい。手にするべき物はすぐにわかる。」
>>496 フリージアが事情を説明してくれているのを聞きつつ、メラルは思考をめぐらせていた。
(ロック…確か、あの鉄球使いね。何で武器に鉄球なんかを選んだのかは知らないけど、
多分術との相性でしょうね。…思考が横道にそれてるわね。…そのロックから一人と一匹になった…と。
使い魔か精霊かは知らないけど、その猫も油断ならないわね…。気をつけないと。
それよりも、変わった…っていうのは気になるわね。何かの憑依の術かしら?
それとも…彼を核とした位相転換の術?…考えてもわからないわね。これは。
…目的地は鏡の間ね。……で、リリアーナが案内させられている…のね。しかも、他所では
アルテリオンさんの色違いが暴れてる…と。死霊科の知り合いが聞いたら狂喜乱舞しそうね。
本人じゃないならいくらでも好きに実験材料にできるって。…また横道にそれたわね。
いずれにしてもそっちは既に一人先生が行っているから、優先度は低いわね。)
そこまで思考をめぐらせたところで、説明も終わりが近づいていた。
(助け…これならあの時みたいなことにはならないですみそうね…。それと、急ぎだし
まず飛ぶことにはなるわね。でも、廊下でのあの術は流石にアレだし…。)
メラルが杖を利き腕の左から右に持ち替えている時に、フリージアが続けた。
「だから急がないと!!」
「そうね。急がないと。」
メラルが言い、フリージアは職員室に向けてかなりのスピードで飛んでいく。
少し遅れて、メラルがつぶやいた。
「…やっぱり、こっち…よね。」
それを見て、メラルは右手の杖を地面に水平にし、その重力を中和して浮かせ、杖に腰掛ける…と、
水晶玉の先端の近くに、最初は水晶玉大の藍色の斥力球が出現し、その力を受けて杖ごと
メラルは急発進した。初期の加速が終わると、すぐに斥力球は小さくなったが、既にフリージアに
匹敵するような速度は出している。廊下を曲がる時も斥力球の位置を調節することで、
やはり減速は避けられないものの一応は成し遂げているようだ。
そして、職員室はすぐそこというところまで来た。既にフリージアが扉を開けている。
メラルは逆噴射の要領で逆側に斥力球を作り、減速してから杖から降りた。
ゴリアテの相手も大変だな
501 :
名無しになりきれ:2007/02/19(月) 21:27:57 0
長距離トラックで日本列島大冒険
タロウ!!
>498
>「鏡の部屋へ行くこと事態が目的であれば君は必要ない。
>ロックを使えばいいからだ。
――――使えばいい、ですって?
それを聞いた途端、急に頭が冷えたわ。
多分怒りが、今までの出来事で受けたショックや恐れや戸惑いを払拭してくれたんだと思う。
私は、目の前の三角帽子を冷たく見下ろした。
許せない、と思った。
ロックを物みたいに軽んじたり、先生方を石に変えたり。
人質をとって他人を思い通りに動かしたり。
―――― 私達は、あなたのおもちゃじゃないのよ!
三角帽子の老人は私の感情の変化など気づかず淡々と続ける。
>しかし、問題なのは私があの部屋の中に入れない事だ。今現在のロックも入れないだろう。
>だから君が必要だ。君はあの部屋に入る事ができる。
>君には鏡の部屋に入って“ある物”を取ってきてもらうつもりだ。」
――――ふうん。そうなの。この男、鏡の部屋には入れないのね。
私はひそかに口元を緩めた。
だとしたら話は簡単だ。
私は鏡の部屋に入ったまま、出てこなければいいだけの話なのだから。
ギルハートは悪魔信者だと名乗った。
『ある物』が何であれ、この男に渡したら最後おぞましいことになるに違いない。
絶対に言うことを聞くわけにはいかなかった。
幸いフリージアは先生方を呼びに行った。もうじきここに来るだろう。学園長もじき戻るかもしれない。
そうなれば形勢逆転だ。
石化したレオ先生達は、ギルハートを取り押さえた後でじっくり解除する術を聞き出せばいい。
>「さあ、入りなさい。手にするべき物はすぐにわかる。」
私は促されるまま、鏡の中にある扉を開いた。
>501
扉を開けた途端、物凄い風が吹き込んできた。
「え?え?・・・・・・ええ??」
私は目を白黒させた。
目の前の足元には赤や緑や青や黄色や・・・とにかく足元を見たことも無いギラギラした小さい光が覆っている。
(そう、リリアーナは知らなかったが、扉の先にあったのは、高速道路をひた走るデコトラの荷台の上だった)
下――――運転席からは調子っぱずれの歌声が聞こえてくる。
>長距離トラックで日本列島大冒険!
HAHAHAHHAHAHAHAHAHA!!!
―――― バタン!
私は思い切りドアを閉めた。
肩でゼイゼイと息をし、扉にもたれかかる。
「い・・・今のは何?」
――――扉は鏡の部屋に続いているんじゃ無かったの?今のは幾らなんでも『部屋』じゃないでしょう!
これだけ言いたかったけれど、動転しすぎて言葉にならなかった。
蒼白な顔で口をパクパクさせている私に、ギルハートは無情にも「行け」と顎をしゃくった。
(もし死んだら、アルテリオンさんみたいに化けて出てやるんだから・・・)
私は意を決し、再び扉に手を掛けた。
>「おお、言い忘れるところだった」
私は振り向き、無言で言葉の先を促した。
藤岡弘探検隊のテント
>499
「た、大変ですわ!!」
とフリージアは職員室の扉の近くにいた体育教師のタロウ先生にかくかくしかじかと事情を話した
他の先生は見回りらしくいないようである
「いま戦闘力があってどこにいるか知っている人を呼んでくるから君達はそこで待ってなさい」
というとものすごい速さでどこかに走っていくタロウ先生
「一体誰かしら?」
とフリージアは一緒に来ていたメラルに聞いてみた
しばらく待っているとタロウ先生は見知った顔の女性を連れてきた
その女性はなんだか疲れた顔をしている
「ゴリアテの相手も大変だな」
また数学のゴリアテ先生の愚痴を聞かされてたんだな
とタロウ先生はその女性、アルテリオンをねぎらった
「そんなことよりリリアーナさんが大変ですわ!!」
またしてもかくかくしかじかと事情を話すフリージア
事は一刻の猶予もないレイド先生は強いからまだ大丈夫かもしれない
二人の先生も金の針やヘンルーダ草等、何か強力な石化解除の魔道具を用意すれば助かるだろうが
リリアーナの方は怪我が治ったばかりであり戦える状態かどうかもわからない・・・フリージアはそう考えていた
ノックもせずにいきなりトイレに入ってくるなや!
「いえ別に・・・」
本当は違う・・・この指先の異変を誰かに相談したかっただけ
私の運悪さは本当に最悪で、話せる人を見つけたとたん、ゴリアテ卿に捕まっただけ
愚痴を聞くのは平気だけど・・・この指が・・・
私はフリージアの話を聞きながら、異変の起きている指先を見た。
イレブンと対峙したとき、この異変が始まった。
少しずつ実体化が始まっていたのだ。
私はそのとき、籠手を外しそれを見た。
実体化していた指の肌色は生前の私のものではなく、褐色だった。
「話サナイノデスカ」
小声でアイミーが話しかける。
「私のことは後回しでいいんです」
拳を握り締め私はそう返した。
「タロウ卿はレイド卿の援護を・・・リリアーナさんは私たちがどうにか」
「おいアルt・・・そうか・・・わかった」
完全に殺気立っている私をタロウ卿は止められないと判断したのだ。
私は金の針が入った袋と画鋲、釘、折り紙を持って職員室を後にした。
「アイミー!やることはわかってますね」
そういって私はアイミーの画鋲と釘と折り紙を渡す。
「偵察ガ7、伏兵ガ2、援護ガ1デイイデスカ」
「援護はいらない、伏兵は3で・・・」
「ワカリマシタ」
ほのかに画鋲たちが光ると、画鋲はハチのように群をつくってどこかへ飛んでいった。
折り紙は自らの姿を鶴や飛行機などに形を変え、その身の中に釘を忍ばせて散った。
「フフフ・・・素敵よレイドせんせ・・・素敵過ぎて我慢できないわぁ」
彼女はスーツについた汚れを落としながらそういった。
「でもね・・・せんせ・・・一つ忘れてるわぁ」
そして、彼女は刀を手にとり、レイドに告げる。
「アルテリオンは今まで何人殺してきたと思ってるのぉ」
タロウ先生の光魔法 ストリウム光線
職員室を見ると、タロウ先生しかいなかった。説明はフリージアに任せ、
メラルは頭の中で状況分析をしていた。
(…寮の方に見回りの先生を大量配備してたのかしら?
いずれにしても、ちょっと来たタイミングが悪かったみたいね。
普通、緊急時こういう場所には戦闘要員を一人以上常駐できるように、
2人以上に担当させるはずだし。)
などと思っていると、タロウ先生が指示を出して走っていってしまった。
彼女は指示に対して「わかりました。」と返事はするものの、
その声が届いているかは怪しいものがある。
(戻ってくるのは早そうね…。でなきゃ職員室を空にするはずもないし。)
そして、フリージアが声をかけてきた。
「一体誰かしら?」
(多分…もう一人を呼びに行くのよね?だったら…。)
それに対し、数秒考えてからメラルが答える。
「そうね…理想は、…石化魔法があなたの防御を貫通しなかった事と
車椅子を考えると、傀儡科や死霊科の先生達だけど…
タロウ先生との連携を考えると、距離をとって射撃系の術とかで戦う
先生の可能性が高いんじゃないかしら?」
が、少しして来たのはアルテリオンだった。妙に疲れているように見える。
話を聞いていると、数学のゴリアテ先生の愚痴を聞かされていたようだ。
フリージアが、先生に説明を始めていたが、その途中、
アルテリオンは篭手をはずして手を見ていた。
それが少し気になったが、彼女の位置からは手の色は見えない。
(…あの陰険で頭の固い先生の相手をするのは、流石の先生でもつかれるのね…。
それにしても、先生…何をしているのかしら…。腕が痺れるのかしら…。)
話が終わり、二人の先生が行動方針を決めて道具の準備を始めていた。
アルテリオンが殺気立っている事はは感じ取れたが、今の彼女にはそれ以上の関心事があった。
(「私たち」…?それって…まさか…。いえ、大丈夫…あの時と違って、一人じゃないわ。
それに…一人になって万が一ほかの侵入者に遭遇しでもしたらそれこそ最悪だもの…。)
「先生、私達は…どうすれば?」
答えは薄々想像がついているのだが、それでもあえてアルテリオンを追いつつメラルは聞いた。
が、杖を持つ腕が震えているし、先ほどまでに比べて明らかに声の調子が弱い。
彼女は過去、学園で侵入者と遭遇した時に、相手に向けて放った当時の彼女の雷の最大術を
魔法剣であっさり吸収され、しかも侵入者による吸収した雷をも利用した技によって
瀕死の重傷を負わされた事があるのだ。その事件以来彼女は雷への耐性を失い、
最近は少しマシになってきたものの、ある程度以上の雷の術を使うと魔力が乱れ、
一部の魔力の制御を失い…場合によっては暴走するようになったのだ。
その事もあって、彼女は今侵入者に対する恐怖に飲み込まれかけているのだ。
職員室まで来たのも、危ないから避難していろと言われる事を半分期待していたのかもしれない。
ちなみに、その事件については彼女がひた隠しにしているため、
保健室の人間と雷撃科の教師と親しい友人のうちの数名などのごく少数の人間
以外には、戦闘に巻き込まれて大怪我をした事がある位にしか知られていないようではある。
>>503 「おお、言い忘れるところだった」
いつの間にか砂時計が用意されていた。
「私はこう見えても短気でね。
例えば、この砂が全て落ちる前に君が帰らなかったら…
あの二人は永遠に君のもとを離れるかもしれない。」
>508「フフフ・・・素敵よレイドせんせ・・・素敵過ぎて我慢できないわぁ」
>「でもね・・・せんせ・・・一つ忘れてるわぁ」
>「アルテリオンは今まで何人殺してきたと思ってるのぉ」
彼女は剣を手に取ると俺にそう言った。
「アルが人を殺してきた?一体どういう事だ…。」
俺がアルテリオンと会ったのは約4年前。
そういえば、4年間アルテリオンの過去について話を聞いた事はあまりなかった。
「チッ…。今日は分からない事だらけでイライラすんな…。」
そう言うと俺は彼女に斬りかかった。
「速攻でケリをつけるぞ!(やりにくいけど……)」
右、左、上、下、全ての方向から攻撃を仕掛けるが、全て受け流されてしまう。
「クソッ。どうなってやがる…全部読まれてんのか?」
剣術は相手の方が確実に上だ。
それくらいは分かっていたが、ここまで差があるとは…。
「(逃げるか…)」
>509と、思った瞬間タロウ先生が駆け付けた。
タロウ先生は光魔法のエキスパートだ。
「ハッハッハ〜。形勢逆転だな〜?こっちは二人、そっちは一人。しかもこっちは教師が二人だ。お前に勝ち目は無い。タロウ先生のストリウム光線を受けたくなかったらさっさと失せろ。」
校長の使い魔の気まぐれ魔法 ナントナクメテオ
514 :
オザワ:2007/02/20(火) 23:03:40 0
,-‐-.、 ⊂⊃ _.,-‐-、
/ `` ‐。 /⌒ヽ_´ \
// ⊂二二二( ^ω^)二⊃ ヽゝ \ <良コテのみんながんばるお〜
/ (/(/(ソソノ(/ / † ノ へ/ゝソソヽ\,\
(/(/丿`' ⌒ ( ヽノ .⌒''ヽ)\.)
ノ>ノ
レレ
糞氏ね
雑談所でここを褒める池沼がいるからだ
>511
>「私はこう見えても短気でね。
>例えば、この砂が全て落ちる前に君が帰らなかったら…
>あの二人は永遠に君のもとを離れるかもしれない。」
それがどういう意味なのか、わからないほど子供じゃない。
「―――― 地獄に落ちるといいわ!」
私は再びドアノブに手を掛けた。
>506
>ノックもせずにいk
――バタン!!!
>504
恐る恐る扉を開けると、今度は巨人の国だった。
奇妙な服装をしたいかつい巨人は、小山ほどありそうな巨大な布の家の中に入る途中だったようだ。
巨人と目が合ってしまった。
彼は私を見下ろし、大地を揺るがすほどの大声でこう言った。
「大切なのは慌てないこと」
あっけにとられる私に、巨人は更にこう付け加えた。
「お前は妖精だな!小さいな、もっと飯を食え!」
去り際にそういい残すと、巨人は立ち去った。
巨人が布製の家に入った途端、入り口が摩訶不思議な道具で塞がれていった。
静寂が戻る。
はっと我に返った私は慌ててドアを閉めた。
閉めた途端、扉は再びノブだけを残して透明に戻った。
私は扉に手を押し当てた。
なぜなの?扉を閉めてさえいれば、鏡の部屋の様子がこんなにはっきり見えるのに。
どうして扉をあけた途端、全く無関係な場所に出てしまうの?・・・どうして?
「無理よギルハート!入れない。これじゃ取りに行けっこ無いわ!」
追い詰められた私は涙声になった。
「ねえ、どうすればいいの?」
ギルハートは答えない。ただ、手元の砂時計を私に見せつけるように弄ぶだけだ。
「・・・人でなし!」
砂時計の砂はなおもさらさら落ち続ける。私は悔しさに唇をかみ締めた。
今は透明な扉に自分の額を押し当てる。
(お願いです、鏡の部屋に入れてください)
早くしないとレオ先生とアストーラさんが・・・・・。
祈るような思いで、私は再び鏡の部屋への扉を開けた。
そこは夜だった。
空一面に星が瞬いている。空だけではない。足元も星の海原だった。
目の前には蒼い扉が一つ。
吸い寄せられるように手を延ばした。だけど触れた途端、扉は際限なく増え始めた。
同じ色、同じ大きさ。無数の扉。
私は元の場所に戻ろうと入り口を振り返った。いつの間にか入ってきた扉は消えていた。
私は途方にくれた。
立ちすくむ私の鼻先を、すい、と青白い光が横切った。
光はふわふわと上下に揺れながら、私の周りを二度三度と旋回した。
良く見ると、光の正体は蝶だった。
そう考えた途端、光る蝶の輪郭がぼやけ始めた。
蝶は見る見るうちに姿を変え、妙齢の女性の姿になった。
水晶のような青い瞳が印象的な、綺麗な人だった。
彼女は愁いを帯びた目でじっと私を見下ろしている。
口元がかすかに動いた。私に何か言葉をかけてくれたみたいだけれど、残念ながら聞きとれなかった。
女性は白いローブを翻し、音も無く歩み去っていった。
「あ、待って!」
彼女はある扉の中へと吸い込まれるように消えた。私は慌てて後を追った。
次の扉の中は、草一本見えない岩山だった。
その頂上付近で、巨大な飛竜の残骸らしきものが燻っている。
どうやら飛竜はたった今、誰かに倒されたばかりのようだ。
私は首を傾げた。さっきの白いフードの女性が倒したのかしら?
上のほうで歓声が上がった。男性の声だった。聞き覚えのある声に、思わず眉を潜める。
近づいてくる人影を良く見ようと、私は照りつける日差しを遮ろうと手を翳した。
そして・・・
「ロック!!ロックじゃない!」
だが相手は全くの無反応だった。眉一つ動かさない。まるで私の姿が見えていないようだった。
そのまま立ち去ろうとしたので、慌てて手を伸ばした。
「待ってロック、あなたに話したいことが――――?!」
ロックの腕を掴んだのまでは覚えている。触れた途端、あたりがいきなり真っ白に変わった。
気づけば私は、学園長室の真ん中に立っていた。
「え・・・・・あれ?・・・・・??」
めまぐるしく状況が変わりすぎて、頭の中が全くついてこなかった。
何が起こったのか全く理解できないまま、まるで自動人形のようにぎこちなく周りを見渡した。
そして気づいた。壁の掲示物が全部鏡文字になっていることに。
―――― 随分寄り道をしたけれど、どうにか私は「鏡の部屋」にたどり着けたらしい。
私は右手に視線を落とした。
ロックを掴もうとした手の中には、いつの間にか赤い石を握り締めていた。
気味の悪い石だった。
血のように赤い石の中央には、黒い筋が一本入っている。まるで爬虫類の瞳孔みたい。
これが・・・ギルハートの望むものなのかしら?
ギルハートはすぐわかるといったが、残念ながら私にはさっぱりわからなかった。
不自然だとは考えもしなかった。その時の私は、レオ先生達のことで頭が一杯だったからだ。
確証が無くなんとも心もとない気がしたが、とりあえず一旦下の場所に戻ることにした。
違っていればもう一度とりに戻るだけだ。―――もっとも、もう一度無事たどり着ければ、の話だが。
不思議なことに、帰り道は3ヶ月前と同じだった。来る時の苦労は一体なんだったのだろう。
私の姿は鏡の向こう側からも見えたようだ。
手の中の石を見た途端、ギルハートが満足そうな笑みを浮かべた。
どうやら私は思い通りの働きをしたらしい。
砂時計は僅かに砂を残すだけになっている。だが、まだ落ちきってはいない。間に合ったようだ。
だけど。ドアに手が届く距離まで歩いた途端、どうしてもそこから先に足が動かなくなってしまった。
ギルハートが起用に肩眉だけを上げる。冷や汗が流れた。
これを渡さなければレオ先生達の命が危ない。
だけど、この石をあんな男に渡してしまって本当にいいのだろうか?これが何かも知らないのに。
扉の向こうで、黒猫が急かすようにニャアとひと鳴きした。
ギルハートの目つきが次第に険しいものになる。
砂時計の砂は今にも尽きてしまいそうだった。私は深いため息をついた。
私がどう思おうが関係無いのだ。最初から選択の余地など無いのだから。
暗い気持ちでのろのろと扉に手をかけた
――――だけど私が鏡の部屋から出る寸前、学園長室のドアが勢い良く開け放たれた。
飛び込んできた人影は、私の良く知る人達だった。
「アルテリオンさん!フリージア!」
ドアに張り付くようにして私は歓声を上げた。
フリージアの後ろにもう一人誰か居るようだけど、私の場所からはよく見えない。
私はほっとため息をついた。
どうやらこの石をギルハートに渡さずに済みそうだ。そう思ってしまったからだ。
私は、ギルハートのことを何一つ知らなかった。
>518
>「アルテリオンさん!フリージア!」
「リリアーナさん!!」
だが声はすれども姿は見えない
多分鏡の中にいるのであろう
「あなたが何をたくらんでるかは知らないですけど
ここまでですわご老体!!」
とフリージアはギルハートに啖呵をきった
回りには何があっても対処できるように複数の雪の結晶を浮かべてある
これには冷え症になり易い老人をさらに冷やすという悪逆非道な側面もある
「さあ観念してその猫ちゃんをさわらせ・・・じゃなかった二人の教員を元に戻しなさい!!」
と一瞬、猫に目がいったが気を取り直して言い直すフリージア
だが・・・
「これはこれは、お嬢さん達。元気かな?」
ギルハートは余裕だ。
「どうもこの部屋は君達がくつろぐには狭いようだ。肥大せよ!」
ギルハートが杖を振ると学園長室が拡張され広くなった。
ギルハートはここで戦闘を始めるつもりらしい。
「君達には互いに殺しあう理由をあげよう。楽しんでくれ。服従せよ!」
ギルハートはフリージアに杖を向けた。
フリージアの頭にギルハートの声が流れ込む。
『そいつらを殺せ…二人を殺せ…』
フリージアに杖を向けながらリリアーナの方を向く。
「私と君は互いにわかりあえる。そう思わないか?
しかし、君は大きな誤解をしているようだ。
私がやろうとしている事は君の友人ロックが望んでいる事なのだよ。
君は友の幸せを望めないのかね?
ロックはついに“例のあの人”と再会できるというのに。
さあ、早くこちらに来てそれを渡しなさい。」
黒猫はいつの間にか学園長の机に座り、この光景を眺めていた。
>520
杖を向けられたフリージア
使命に燃えていたさっきまでとは違い目がトローンとしている・・・
「アルテリオンさん・・・メラルさん・・・コロス」
魔法にに掛かりアルテリオン達にに襲い掛かるフリージアだが・・・
ズベシャ・・・
という音を立てこけた
どうやら自分の生み出した雪の結晶で足を引っ掛けたようだ
場には気まずい空気が流れる
本当だったらここで仲間同士の殺し合いが起こるはずだったが色々と台無しになってしまった
まあ幸いなことに転んだことにより杖の影響からははずれたようであるが
さて肝心のフリージアだが地面に顔をぶつけ変な痕が付いたままだった
「あーほっほっほ!!計算どおりですわ!」
それでも笑ってごまかすフリージア
「さあ観念してその猫ちゃんを私によこしなさい!!」
別にフリージアは老人の本体に気づいたわけではないのだが
かなりの猫馬鹿なフリージアはそんな言葉を口走っていた
リリアーナと教師二人を助けるんじゃなかったのだろうか・・・
鬼気迫るフリージアにギルハートはいくばくか動揺したかのように見えた
結局、メラルはフリージア達についてきて、その場に来ていた。
…いや、そもそも来るしかなかったのだ。
この状況で単独行動をとるという選択肢は、彼女にとって最もナンセンスな物なのだから。
しかし…やはりかなりの力を持った侵入者であるギルハートとの相対は
彼女に恐れを抱かせるのに十分過ぎる物だったようで、
彼女はフリージアの背に隠れるような位置取りをしている。
表情も…半ば怯えているように見える。
こんな状況では彼女に、マトモな働きは期待できなかっただろう。
実際、フリージアがギルハートに啖呵を切った時にも、
彼女は術の準備すらしていなかった。
が…彼女が予想もしなかった形でその状況は打破される。
そのきっかけとなったのは…フリージアの一言だ。
「さあ観念してその猫ちゃんをさわらせ・・・じゃなかった二人の教員を元に戻しなさい!!」
それを聞き、メラルの思考がとまり…そしてそちらの方に意識が行ってしまった。その結果、
多少なれどマトモに状況が判断出来るようになった。
(…気のせいかしら?フリージアがとんでもない事を口走りかけたような…。
いえ、多分…そんな空耳が聞こえるほど気が動転していたのね。流石のフリージアでも
この状況で趣味を優先するとは思えないし…。それより…。)
メラルがフリージアの後ろから一歩横にずれ、杖を構えてギルバートを睨んだ。
いまだ腕は震えているものの、戦意すら失いかけていた先ほどに比べればはるかに状況は改善している。
(怖い…けど、恐れているだけじゃ何も出来ないし、二の舞になる可能性もあるわよね…。)
その時…ギルハートが動いた。
「どうもこの部屋は君達がくつろぐには狭いようだ。肥大せよ!」
学園長室が拡張され、
「君達には互いに殺しあう理由をあげよう。楽しんでくれ。服従せよ!」
ギルハートはフリージアに杖を向けた。
(こんな凄まじい空間操作に…洗脳?…やっぱり、この人とんでもない…!)
それを見て、フリージアから一旦距離をとる。
当のフリージアは意思の伺えない目で
「アルテリオンさん・・・メラルさん・・・コロス」
などと言っていた。まず術は成功と見ていいようだった。
ギルハートがリリアーナに語りかけていたが、それを気にする余裕はない。
メラルはフリージアの方に向き直った。
(…フリージアなら、それこそ絶対零度でもない限りは氷漬けにしても生きてるわよね…。
あの手の術は魔力を遮断すれば干渉を断ち切れるだろうし、それが無理だとしても、
結局殺すわけにもいかないんだし、動けなくするか気を失わせるかしか手はないし…。)
考えをまとめてから、メラルはフリージアに言ったが…
「フリージア。目、覚まさせてあげ…る。」
メラルの最後の方の言葉が尻すぼみにトーンが下がっていく。無理もない。
フリージアが自分の雪の結晶に足を引っ掛けてすっころんだのだ。
場には気まずい空気が流れる。しかも、少しして立ち上がったフリージアが顔に変な痕を付け、
「あーほっほっほ!!計算どおりですわ!」
などと言い出した。明らかに術は解けている。
それを見て、メラルはため息をついて、冷たい声でツッコむ。
「…どういう計算よ。それ。」
メラルの言動が普段のそれに近づいてきた。既に震えもとまっているようだ。
最も、恐怖が消えたわけではない。ただ…精神的に張り詰めた状態が大きく緩和されたのだ。
そして、メラルが老人の側を向いたとき、フリージアが老人に、
またもとんでもない事を言っていた。
「さあ観念してその猫ちゃんを私によこしなさい!!」
「フリージア。もしかして…目的、完全にすり替わってない?」
フリージアに対し、突っ込みを入れてからギルハートの動揺に気付く。
しかし…現在の特殊な場の空気と、フリージアの言動に影響されたのか、
思いっきりピントの外れた勘違いをし、半目になり溜息をついて言った。
最も目はサングラスで見えないが。
「もしかして…あなたまで重度の猫狂いなんじゃないでしょうね…。」
そして、彼女の周り…主に背中と手に魔力が集まり始める。
もはや、既に…ギルハートに恐れを感じているようには見えない。
>521
ギルハートは部屋全体に魔法をかけた。どうやらここで戦闘を行うつもりのようだ。
幸いこの場にはアルテリオンさん、フリージア、そしてもう一人の生徒が駆けつけてくれている。
圧倒的にギルハートが不利な筈だった。だけど彼は余裕たっぷりの態度を崩していない。
そう、彼は恐ろしい魔法使いだった。
私はポケットに石をしまうと呪文を詠唱した。ここから出て皆と戦おうと思ったのだ。
だけど――――。
(え・・・?)
魔法は発動しなかった。
私は驚いて自分の両手を凝視した。・・・一体どういうこと?呪文は正しく詠唱したのに。
もう一度別な魔法を試してみたが、結果は同じだった。
(そんな・・・嘘でしょう?)
突然我が身に降りかかった現実に、私は気が遠くなりそうだった。
目が覚めてからの一連の出来事が走馬灯のように脳裏に浮かんでは消えた。
―― 保健室で石化が解除できなかったのは、ギルハートとの魔力の差だとばかり思っていた。
鏡の部屋への道が開けなかったのも、手に入れなければならない物の見分けがつかなかったのも偶然じゃない。
恐らくは、これが原因。
理由はわからない。だけど今の私は、一切の魔法が使えなくなっていた。
現実に打ちのめされ、まっすぐ立っていられない。
魔法が使えないということは、私にとっては死んだも同然だった。
どうしよう・・・どうすればいい?そんな言葉で頭の中が埋め尽くされていく。
>520-522
フリージアが洗脳されかかっていたが、私は動揺のあまり周りが全く見えていなかった。
ギルバートが振り向き、真っ青になって震えている私と視線を合わせた。
>「私と君は互いにわかりあえる。そう思わないか?
はっと我に返った。・・・そうだった、今はそんなこと考えている場合じゃなかった。
(落ちついてリリアーナ、考えて・・・考えるのよ・・・魔法が使えない今の私に何が出来る?)
とりあえずここから出る選択肢は消えた。出れば間違いなく皆の足を引張る。
じゃあ、できることは何?
ギルハートは彼は出来の悪い孫を諭すように続けた。彼はロックの幸せのために、石を渡せと迫った。
私は黙り込んだ。
嘘だとすぐわかった。
どんな理由があるにせよ、ロックは友達に誰かを殺せなんて命令したりしない。
女の子相手に手をあげたりしない。
ましてアルテリオンさん相手に、何かしようなんて思いつきもしない。だってロックは・・・
胸の前でぎゅっと両手を握りしめる。
次第に動揺が収まってきた。・・・今やらなければならないことも分かった。
私に出来ることは、ギルハートとの話を出来るだけ長引かせることだ。
時間稼ぎをすればするほど、私達に有利になる。
ギルハートは生徒に使えないような大掛かりな魔法を連発した。
敷地が広いからすぐという訳には行かないが、発動を感じ取った教師達は必ず駆けつける筈だ。
「・・・好きな人の幸せを望まない人間なんていないわ」
私は、ようやく重い口を開いた。
髪を下ろしたままでよかった。顔を伏せると、長い髪が表情を隠してくれるから。
「だったら聞かせて。ギルハート。あなたの言うロックの幸せって何?
こんな騒ぎを起こしてまでロックが再会したい『あの人』って誰?」
私はポケットから赤い石を取り出すと、ドア越しにギルハートに見せた。
「そうよ、あなたの言うとおり、私はロックの友人だわ。だけどそんな話、ただの一度だって聞いてない!
それはロックじゃなくて、ギルハート・・・全部あなたの願いじゃないの?」
私は一度大きく息を吸った。
「・・・本当にロックの望みだというのなら、彼の口から直接聞かせてよ。そうしたら私、すぐにでも石を渡すわ」
>>524 リリアーナの質問に対するギルハートの答えは
「問答は無用だ、いずれわかる。」
だけだった。
>>521 > 「あーほっほっほ!!計算どおりですわ!」
ギルハートは驚いた。まさか、こんな短時間で服従の魔法を解くとは。
さらに、別の問題がギルハートの動揺を誘う。
> 「さあ観念してその猫ちゃんを私によこしなさい!!」
「それはできん!!」
フリージアに負けじと声をはりあげた。
>>523 「さあ、それでは今度は君の番だ。服従せよ!」
メラルの頭にギルハートの声が流れ込む。
『その女を殺せ…猫に近付けるな…』
再びリリアーナに語りかける。
「選択するが良い。君は自由だ。
友人が殺しあうのを傍観するか!
素直にそれを渡して友人を救うか!」
「それはできん!!」
(どこまで猫狂いなのよ、この人…。)
フリージアに負けじと声を張り上げる老人の姿を見るも…
やはりただの猫狂いという考えに行き着いてしまったようで、
余り深く考えずに術の準備を終え、彼女の杖を持っていない側の手に
そこそこの量の水がまとわりつき始めた。その時、
老人の杖が自分の方に向けられているのに気付いた。
「さあ、それでは今度は君の番だ。服従せよ!」
(間に合って…!)
メラルは術から逃れるためその場を飛び退こうとするも、
その前に"声"に囚われてしまう。
『その女を殺せ…猫に近付けるな…』
(何なの…この声…。)
その声に逆らおうと考えるも、体が動かない。
しかも、体の五感が曖昧になってきているような感じなのだ。
次第に、自分の意識すら曖昧になり、その奥底にある本心…
恐怖と諦観だけが心を支配するようになる。
(…やっぱり…私なんかに…勝ち目なんて…ある訳が…ない…。)
そして、心が抵抗の意思を失った瞬間、彼女の意識は途切れた。
彼女にとっては長く感じられた時間。しかし…実際のそれは数秒に過ぎなかった。
杖を向けられ、数秒した時…彼女が背に展開していた魔力が霧散した。そして、
フリージアの方を見て、水の纏わりついた手で指差して言った。
「ガトリングニードル!」
人差し指から、その向けられた方向へ氷で作られた針をかなりの速さで
連射し始めた。もちろん、指はフリージアの動きにあわせて動かされるが、
元々がそこまでたいした威力がある物ではないため、回避するならともかく、
防ぐならば簡単に防げるであろう。が…もちろんこれは単発の攻撃ではない。
「シックス・ウイング…ブリザード・ブレス…!」
メラルの背中から氷で出来た三対の、細長く、先の尖った羽根のような物が展開された。
そしてメラルが杖をフリージアに向けると、全ての翼から冷気が発せられ、
それが白い風となってフリージアに向かってきた。この翼自体は彼女が
多用する技の一つなのだが、この吹き付ける冷気の技を彼女が使うところを
学園内で見た者は…まず誰も居ないであろう。
ある理由から、学園に来てからは…一度も使っていないのだから。
>526
>「ガトリングニードル!」
「そんな!?メラルさん!!」
洗脳されたメラルに攻撃を受けるフリージア
まさかの出来事に二、三発くらい服に穴をあけられてしまったが残りは防ぐことが出来た
「なんてこと!!」
だがメラルの攻撃はとまらない
>「シックス・ウイング…ブリザード・ブレス…!」
その呪文とともに強烈な冷気の風がフリージアを襲う
氷とともに壁にたたきつけられるフリージア・・・だが
「おーほっほっほ!簡単に洗脳されたとはいえメラルさんもなかなかやりますわね!
でも他の術ならともかく私を氷の術で倒そうなんて無駄ですわ」
とすぐに立ち上がりこう啖呵をきった
フリージアはたたきつけられる瞬間背中の部分に雪の結晶の鎧を展開して物理ダメージを減らし
冷気については元々属性耐性を持っていたのであまり利かなかったようだ
「とりあえずいったん動けなくなってもらいますわね」
フリージアはメラルの足元に飛び掛り
「ジルベリア仕込みの足封じ!!」
足首をつかむと地面ごと下半身を凍らせてしまった
ちなみにジルベリアとはフリージアの故郷のある雪国の地名である
「これで・・・・まあ氷の属性を持つメラルさんでも2,3分は動けないでしょう・・・さて」
とフリージアは猫を見つめた
どうやらまだあきらめてないようである
「さあ猫ちゃんいらっしゃいv」
猫を見るフリージアの顔はたまらなく恐ろしい狂気を含んだ目をしていた
「その猫に近づいてはいけません!!!」
私は声を張り上げフリージアを止めた。
はっきりとした理由はないが、その猫からそこにいる老人以上の力があるように感じれたからだ。
「それ以上近づけば・・・」
私はそういいながらフリージアに剣を振り下ろしていた。
「ッ!!!」
幸いにもギリギリのところで切っ先が反れて斬らずに済んだ。
しかし、私の心境はほっとするところか、かなりの衝撃をうけていた。
実体化が・・・加速している。
さっきまでは人差し指の第一関節だけだったのが、もう右肩まで進んでいた。
「貴様ぁ!何をした!」
暴走する右腕を力ずくで押さえ込みながら私は老人睨みながらそういった。
「これも殺し合いの理由か・・・ふざけるなよこの老いぼれがぁ!!!」
私の背後から現れたアイミーが釘入り飛行機を連れて老人に向かう。
「放テ」
アイミーがそう命じると飛行機の中にある釘が銃弾のように飛び出し老人を襲った。
「ちょっとぉ〜こんなか弱い乙女に対して、大の男二人ぃ〜」
そういいながら彼女は刀を納めた。
「興醒めしちゃったぁ〜あぁ〜つまんないわぁ〜
・・・まぁちょうどいいかもねぇ〜今日はもう帰らせてもらうわぁ〜」
と彼女の足元から黒い煙が現れ、彼女を徐々に飲み込むみ始める。
「鈍感な男って案外好きよ〜
ヒントをあげられるからぁ〜・・・騎士は何に従うものなのかしら〜
まぁ本人に聞くのが一番なんでしょうね〜じゃあね〜」
>>527 フリージアが属性耐性を利用して攻撃を凌ぐ。
そこで丁度ガトリングニードルの弾…手に纏わりついていた水が切れた。
フリージアはその隙を逃さずに足元に飛び掛ってくる。
メラルは飛び退いたが、着地際を狙われてあっさり捕まってしまう。
「ジルベリア仕込みの足封じ!!」
地面ごと下半身が凍らされてしまう。術の威力がかなり強いため、
属性耐性にも限界があったのだ。そして、フリージアは猫の方を向いた。
直後、メラルが手で…今のところ、一目見るだけでは右目と変わらない左目の辺りを抑えて
術を使い、手を離す。…サングラスは先ほどの術の風で飛ばされたようだ。
「…解呪。」
すると…、左目の瞳に、取り巻くように多数の小さい記号とも
文字とも取れる黒い何かが現れ、手からは少量の水が零れ落ちた。
メラルが明らかに似合わないサングラスをかけ続けてきた理由。
それがこの目なのだ。少なくとも、今の彼女が正気であったのなら、
見せねば死ぬ状況ですら見せるのを躊躇っただろう。
しかし…操られている状態の彼女には、そんなしがらみなど最早関係ない。
必要とあれば見せるどころか、使う事も躊躇わないだろう。
最も、今のところ左目は髪に隠れてしっかりとは見えないが。
そして、すぐさま杖をフリージアに向け、次の術を発動した。
「スタンサークル……。」
彼女の周囲に、光る雷の輪が8つ出現する。
しかも…正気の時は二つですら苦労していたというのに、
何故か今は何ら弊害はなさそうである。
それが、メラルの魔力による誘導を受けて、複数の方向から
フリージアに向かっていった。が…誘導を受けているにしては動きの方は
はっきり言ってかなり単調である。しかも…積極的に大量の輪で時間差攻撃してくる訳でもなく、
時間差攻撃をかけてくるのはせいぜい2〜3個で、
残りは猫に近づきにくいような動きをしているだけなのだ。
はっきり言って油断したり焦って急いだりしなければどうとでもなる代物である。
そして…その攻撃で時間を稼ぎつつ、メラルは新たな術の詠唱を始めていた…。
>>528 > 「これも殺し合いの理由か・・・ふざけるなよこの老いぼれがぁ!!!」
「………」
ギルハートは無言でメラルに術をかけ続けている。
ズブブブッ!
ギルハートの体に何発も釘が刺さった。しかし、ギルハートが動じる様子はない。
>>530 「ほう…」
メラルを見つめ続けるギルハートが何かに気付いた。
> 「…解呪。」
「おもしろい…」
リリアーナはやはり出てこない。
ギルハートにとってこの娘の芯の強さは誤算だったようだ。
さらにギルハートは感じとっていた。
強い魔力をもった何者かが近づいて来る事を。
>528
>「その猫に近づいてはいけません!!!」
> 「それ以上近づけば・・・」
と剣を振り下ろすアルテリオン
「あ、危ないですわね!!」
とアルテリオンに苦情を言おうとしたフリ−ジアだが・・・
>530
>「スタンサークル……。」
というメラルの呪文によって言葉をかき消されてしまった
「しまった!?杖を奪うべきでしたわ!」
あわててあらかじめ作って浮かべておいた雪の結晶のいくつかを雷の輪の迎撃に向かわせる
「3番、5番、11番の雪の結晶は迎撃!!残りは私を守れ!!」
なぜか8つの雷の輪のうち3個ぐらいしか攻撃してこない
フリージアはこれは何かの時間稼ぎか?と疑問を持った
案の定メラルは新たなる呪文を唱えている
「させませんわ!!」
フリージアはいつか見せた雪の結晶のドームを自分ではなくメラルの回りに展開させ始めた
ドームで囲ってしまえばこっちからも攻撃できないが向こうからも攻撃できなくなると考えたのである
ドームを形成するためにさらに多くの雪の結晶を生み出すフリージアだが・・・
果たして相手の呪文の完成までに間に合うのだろうか
キモス
>525- 528 >530
> 「さあ観念してその猫ちゃんを私によこしなさい!!」
>「それはできん!!」
ギルハートは声を張り上げた。あまりの剣幕に、危うく石を落とすところだった。
(何でこんなにムキになるの?)
しかも「嫌だ」でも「ダメだ」でもなく、「それは出来ない」と言った。
出来ない?何故?
アルテリオンさんもあの猫に何かを感じたようだ。フリージアを制している。
私は黙り込んだ。
そしてもう一度ロックが消えたときのことを思い出し・・・はっとした。
「フリージア待って!アルテリオンさんの言うとおりよ!
その猫はただの猫じゃないの。私見たの!
お見舞いに来てくれたロックが『変身』したのを!
ロックは私の目の前で、『ギルハートと黒猫』に姿を変えたの、だから・・・危ない!!」
アルテリオンさんがフリージアに剣を向けた。どうやら右手の制御が効かないようだ。
薄紫の髪の少女も、身動きを妨げていた氷の拘束を解き再びフリージアへと迫る。
>512
(増援の先生達はまだなの?誰か早くきて・・・学園長・・・エイさん・・・レイド先生・・・レイド先生!)
私はレイド先生の姿を頭に描き、必死でテレパシーを送ってみた。
『レイド先生、今すぐ学園長に来て!このままじゃ皆ギルハートに殺されちゃうわ!
もし死んだら化けて出てやるんだから!
毎晩ネコミミメイド姿で夢枕に立っちゃうんだからね!!」
もっとも魔法が使えない今、送信しか出来ないテレパシーがまだ使えるか怪しいものだが。
はらはらと成り行きを見守る私に、ギルハートが静かに語りかけてくる。
>「選択するが良い。君は自由だ。
>友人が殺しあうのを傍観するか!
>素直にそれを渡して友人を救うか!」
私はギルハートとフリージア達を交互に見た。ふるふると首を横に振る。
だけど、とても外の様子を直視していられない。
>531
>「放テ」
アルテリオンさんの背後から不意に現れたアイミーが、紙飛行機に短く命じた。
釘が銃弾のように飛び出しギルハートを襲った。
(やったの?)
だけど期待はすぐに失望に変わった。
私は手の中の石に目を落とした。別にこんな石欲しくも何とも無い。
だけど、私が石を渡したとして、ギルハートは本当に皆を助けてくれるのだろうか?
彼はいろいろ私に諭したが、まだ一言も「皆を助ける」と約束はしていない。
「ギルハート。・・・石を渡したら、本当に保健室の先生やアルテリオンさんを元に戻してくれるの?」
(リリアーナはアルテリオンさんの異変をギルハートの仕業だと思っている)
もっとも悪魔信者相手の口約束が、どこまで信用できるか怪しいのだが。
>>532 メラルは、自らを囲もうとする雪の結晶に対し、一切妨害を仕掛けず
ただ、雪の結晶に弾き飛ばされるのも構わず雷の輪での攻撃を繰り返し…
その結果、完全にドームで囲まれた。最も、術の詠唱を止めて、
雷の輪で妨害しつつその包囲に対抗する術の詠唱を始めても、
間に合ったかは怪しいものがあるのだが。
…そして、囲まれた直後に全ての雷の輪が自壊した。そして、それと同時に…
メラルが術の詠唱を終えた。中から感じるのは…フリージアが過去に行使した
それに比べれば明らかに威力も劣り、術の傾向自体も違うものの…
まさにフリージアの知る絶対零度その物だった。
「…デスタメント。」
中から強い魔力が解き放たれ…直後、彼女を拘束していた氷と
周囲を取り囲んでいたドームが全て崩れ落ち、彼女の居た辺りの
地面の一部も消滅し、冷気を伴った白い風が辺り一面に吹く。
…が、その風は既に絶対零度の物ではなく、
フリージアの所に達する時点で先程のブリザードブレス程度、
部屋にいるそれ以外の人の所に達するときは業務用冷凍室の扉を
開けたとき程度の物でしかなくなっている。
つまり、術を放って、ドームの辺りに達した時までは絶対零度だったのだが、
そこから外に広がった瞬間に周りの空気に暖められてしまったのだ。
そして…開放されたメラルがフリージアの方へ歩いて行きながら、術の詠唱を始めた。
>529
>「ちょっとぉ〜こんなか弱い乙女に対して、大の男二人ぃ〜」
「な〜にが、か弱い乙女だっつーの。俺って結構剣術に自信あったんだけどなぁ…。」
俺の肩からは血が滲んでいた。
「(いつの間に斬りやがったんだよ…)」
>「鈍感な男って案外好きよ〜
ヒントをあげられるからぁ〜・・・騎士は何に従うものなのかしら〜
まぁ本人に聞くのが一番なんでしょうね〜じゃあね〜」
そう言うと彼女は黒い煙に完全に飲み込まれ消えてしまった。
「鈍感で悪かったなこの野郎。……騎士は何に従うか、だってさ。普通に考えて騎士ってのは王に従うもんじゃないのか?それが何のヒントになんだよ…」
俺は血が滲んだスーツを脱ぎ捨て剣をケースにしまいながら呟いた。
>タロウ先生
「レイド先生、学園長室から強力な魔力を感じます。私は今から学園長に向かいますがレイド先生はどうします?怪我をしている様ですが…」
「行くに決まってんだろ…。何か嫌な予感するしな。肩の傷は後で保健室に行くから大丈夫。」
肩の傷は深かったが学園長室の異様な魔力が気になった俺は血のついたスーツを肩に掛けてタロウ先生と共に学園長室に向かった。
俺とタロウ先生が部屋に入るとアルテリオン、フリージア、メラル、リリアーナ、そして見知らぬ老人が目にはいった。
が、何故かフリージアとメラルは戦闘を繰り広げている。
「オイオイ、何でこんなに人が居るんだ〜。つーか、リリアーナ。お前はちゃんと寝てなきゃ駄目だろ〜?」
ここで、部屋が広くなっている事に気が付いた。
「随分と広い学園長室になったな〜。改築でもしたのか?それとも……魔法で広くしたのか?」
俺は見知らぬ老人を睨みつけた。
まあ、実際には目は見えない訳だが…
「リリアーナを連れ出したのも、部屋を広くしたのも、フリージアとメラルを戦わせてるのも、全部あんたの仕業だろ?お前、何者だ?答えによっちゃ、痛い目みてもらう事になるぜ…」
と大口を叩いたが今の俺は結構辛い状況にある。
学園長室まで走ってきたせいか肩の傷が開いて血が止まらない。
「タロウ先生はフリージアとメラルを頼む。」
そう言うと肩に掛けていたスーツを投げ捨てケースから再び剣を取り出した。
「さあ、質問に答えてもらおうか?」
>>537 二人の教師が学園長室に飛込んできた。
> 「さあ、質問に答えてもらおうか?」
「…やれやれ、無礼な客人だ。」
ギルハートは質問に答える気はさらさらないらしい。
杖先が今度はレイドを狙ったためメラルの魔法がとけた。
「まずは、その物騒な物を…武器よ去れ!」
レイドの手元から剣が飛んだ。武装解除魔法である。
続けてギルハートは後方に杖を振る。
「砕け散れ!」
学園長室の壁が破壊された。外は既に日が落ちている。
ギルハートはまたしてもリリアーナに振り向く。
「君の望みはかなった。まことに残念だよ。」
黒猫が部屋の外へ飛び降り、夕闇の中に消える。
そして同時に老人の姿が消え、ギルハートがかけた全ての魔法が解除された。
どこか遠くからいやらしい笑い声が響く。
「ヒャハハハハっはあっ!!」
イレブンが再び現れたようだ。
539 :
名無しになりきれ:2007/02/24(土) 14:16:46 0
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ /" `ヽ ヽ \
//, '/ ヽハ 、 ヽ
〃 {_{ ⌒ ⌒リ| l │ i|
レ!小l( ●) (●)从 |、i|
レ⊂⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ <リリアーナ必死だな
ヽ、 ゝ._) j /
ヘ,、 __, イ
r ヽヽ::::::|ヽ`ー'´,1ー:::::ヽ、
{ V:::::::::∨yヽ/::::::::::/,1
|ノ''::"::::::::::ヽ/::::::::::: r" /
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`:y ゝ
{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::} |
ゝ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丿/
`|1::ー'::::::::::::、:::::__,.ィ' 」"
/::::::::::::::::::::::::::::::::/ /
,.ゝ:::::::::::::::::::::::::::::::/ ノ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ/
/"''ー―-----―'''"ヽ、
/ / i! | | ヽ ヽ,
/ / | | ヽ ヽ、 ヽ.
/ i | ヽ ヽ ヽ、 ,ゝ
| | ヽ ヽ ヽ _,ゝ"
|__|__,.-|_,.-+─┴‐'",.入
| ____ | ヽ_,.-‐''" ヽ
540 :
名無しになりきれ:2007/02/24(土) 14:22:04 0
78 名前: 名無しになりきれ [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 11:36:57 0
雑談所ではスレ叩きが普通だが
魔法少女スレはマンセーするレスがたびたびあったよな
あれはおかしいと思ったんだよ
荒しを呼ぶだけだと思うのになんでマンセーするのかと
普通は自分が支援しいるスレは沈黙しておくもんだ
荒らされない自信がどうしてあるのか不思議だった
自分達が荒しだったのなら納得
それ以外考えられない
79 名前: 名無しになりきれ [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 12:05:47 0
>>78 工作員がマンセーして不発に終わった一人じゃ荒らせないチキンな荒らしがいた。
それだけ。
と言うのも考えられるな。乙。
80 名前: 名無しになりきれ [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 13:18:10 0
チキン乙
81 名前: 名無しになりきれ 投稿日: 2007/02/24(土) 14:08:41 0
忠告しておくが叩きを叩いている名無しはコテの自演だろ?
雑談所を見ている人が他スレも当然見ているだろう
だが雑談所と全く同じお薦めスレが掲示されるなんて異常すぎ
ほかのTRPスレではこんな事になってない
ここのコテは荒し
82 名前: 名無しになりきれ [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 14:11:37 0
はいはいわろすわろす
新着レス 2007/02/24(土) 14:21
83 名前: 名無しになりきれ [sage] 投稿日: 2007/02/24(土) 14:21:04 0
>>81 ヒント:専用ブラウザ
541 :
名無しになりきれ:2007/02/24(土) 14:40:35 0
上げ厨はみんな迷惑している
それでなくても俺が迷惑と感じている
542 :
名無しになりきれ:2007/02/24(土) 15:49:40 0
また厨が暴走再開した。
見てる分には面白いけど。
>535
ほとんどダメージを受け無かったフリージアは
何とかメラルの魔法を防ぐことに成功したと思った
だがこれで戦闘が終わったわけではない
メラルが下半身の氷を砕きこっちに近づきつつ新しく呪文を唱え始めたのだ
それに対抗するために(今のところ)最大の魔法を繰り出すことに決めたフリージア
もう殺さずに気絶させようとか杖だけ奪えばいいという考えはどこかに飛んでいってしまっているらしい
自分の射程範囲内にメラルが入ってきたのを確認したフリージアは
「あなたは炎が凍って砕けるのを見たことありますの?」
と常人が聞けば気が狂ったとしか思えないことを言い出した
そして白鳥を連想させる踊りを踊り、拳とともに呪文を繰り出そうとした
「フリージングディストラク・・・」
>537
「ちょっとまった」
が、しかし突然割り込んで来たタロウ先生によって中断させられてしまった
その割り込みによりバーサーカー状態から正気に返るフリージア
「あ、危うくメラルさんを凍らして砕くところでしたわ・・・」
反対側を見るとどうやらメラルも正気に返ったいるようだ
>538
「あら?猫ちゃんがいませんわ、ついでにおじいさんも消えた?」
改めて現状を確認すると部屋の広さも元に戻っているようだ
そしてその次の瞬間
>「ヒャハハハハっはあっ!!」
という声が闇の中から聞こえてきたのであった
その声になぜか対抗心を燃やしたフリージアは
「お〜ほっほほっほっほ!!」
と悠然と笑い返すのであった
>>537 >>538 >>543 レイド先生とタロウ先生の部屋への乱入に対して、一切何の反応も示さない。
フリージアを見据え、詠唱を続ける。…そして自らの術に適した
間合いに入ったタイミングで足を止め、杖の先をフリージアに向ける。
と同時に、全身から魔力を発し、杖に集めだしたため、髪が大きく靡き、
左目の瞳を取り巻くように、妙な記号のような物が現れ、しかも光っているのが丸見えになる。
そして…杖の水晶球の中に大量の魔力が込められ、水晶球が漆黒に染まった。
…その杖をフリージアに向ける。が…そこで丁度魔法が解け、水晶球が正常な色に戻り…
同時に目に現れた記号の輝きが収まった。
目の前では、フリージアがタロウ先生に止められている。
「…私…は…何を…。」
フリージアの方を見て、呟く様に言ってから、思い出した。
(確か…あの声が…頭に入り込んできて…。それから先は
覚えてないけど…多分…操られた…。…皆は…。)
周囲を見回す。少なくとも、人が死んだような形跡はない。
途中、吹き飛んでグラスが粉々になったサングラスの残骸を
見つけるも、目の擬態を自ら解除したなどとは心にも思わず、
ついさっきまで切迫した状況だった事もあって多少気にした程度でしかなかった。
部屋が戻っていると言う事は、少なくとも戦闘は終わっただろう。
そうも考えていた。
そしてその次の瞬間
>「ヒャハハハハっはあっ!!」
という声が闇の中から聞こえてきた。
横からは「お〜ほっほほっほっほ!!」
という恒例のフリージアの声が聞こえる。
「何…?」
言うと、先に聞こえた笑い声の方に意識が行った。
だが、彼女は気付いていない。最後に使おうとした術の影響で、
前髪が後ろに流れ、両目にかかっていない事。
既に解呪してしまったため、彼女が今まで必死で隠してきた
本来の左目が露になっている事。そして、正気に戻ってから
周囲を見回したせいで、フリージアのみならずその場の人間の
殆どに目を見られていてもおかしくない状況を作り上げてしまい、
しかもその何時見られてもおかしくない状況は、今なお続いていると言う事に。
>537-538
ギルハートの返答を耳にする前に、理事長室のドアが音を立てて開いた。
>「オイオイ、何でこんなに人が居るんだ〜。つーか、リリアーナ。お前はちゃんと寝てなきゃ駄目だろ〜?」
「レイド先生!タロウ先生も!」
リリアーナはほっと胸を撫で下ろした。これで形勢逆転だ。
ギルハートはレイドの誰何にも答えなかった。
彼の剣を跳ね飛ばし、返す手で室内の壁を砕いて退路を作る。
ギルハートが振り向いた。灰色の目で射ぬかれ息を呑む。
>「君の望みはかなった。まことに残念だよ。」
だが言葉とは裏腹に、ギルハートは少しも残念そうでは無かった。
黒猫が壁の穴から飛び降りると、老人もまた姿を消した。
理事長室内が元の大きさに戻っていく。ギルハートのけはいが消えた。
リリアーナは弾かれたように部屋を飛び出した。
「ごめんなさい!皆、大丈夫?!」
戦闘の舞台になった学園長室は見るも無残だった。だがそんなことはどうでもいい。
レイドはアルテリオンの方を見ている。
声をかけようかどうかためらっていると、風に乗ってイレブンの高笑いが聞こえてきた。
昨夜の記憶が蘇り、リリアーナは身を強張らせた。
>543
>「お〜ほっほほっほっほ!!」
だがイレブンの笑いをかき消すように、フリージアが悠然と笑っている。
しばらくの間唖然と見つめていたが、徐々にリリアーナの顔に生気が戻ってきた。
「・・・ありがと、フリージア」
リリアーナはフリージアの手を取った。
「絶対助けを呼んで来てくれるって信じてた。なんてお礼を言ったらいいのか・・・。
ありがと。大好きよ」
>544
リリアーナはタロウ先生に付き添われているメラルに目を向けた。
「お名前はメラルさん・・・で宜しかったでしょうか?
メラルさん、ひどい目に合わせてごめんなさい。
私がギルハートの命令を素直に聞いていたらこんなことには・・・本当にごめんなさい。
助けに来てくれて、ありがとう」
リリアーナは右手を差し出した。
メラルの眼の異変に気づきはしたものの、そのことについて触れる気は無かった。
ロックがずっと眼鏡をかけていたように、彼女にも何か事情があるのだろう。
リリアーナはレイドとアルテリオン達に深々と頭を下げた。
「あの・・・レイド先生にアルテリオンさん。保健室に行かれる前に、ちょっとお話が・・・。
あ、レイド先生、ネコミミメイドのことは・・・あ、いえ、なんでもないです」
レイドの戸惑った様子に、リリアーナはテレパシーが失敗したことを悟った。
軽く咳払いして続ける。
「学園長先生がどちらにおられるか、ご存知ですか?
どうしてもお話したい事があるんです」
リリアーナは握りしめていた手を開き、赤い石を見せた。
「私は今の老人――ギルハートに命令されて、私は無断で鏡の部屋に入りました。
レオ先生達の命と引き換えに、これを盗ってこいと脅されました。
レイド先生、アルテリオンさん。お二人はこれが何なのか、ご存知ですか?」
>538
>「…やれやれ、無礼な客人だ。」
>「まずは、その物騒な物を…武器よ去れ!」
老人が杖を俺に向けると手元から剣が吹き飛んだ。
「やるなぁ、じいさん。でもまだまだこれから…」
>「砕け散れ!」
老人は学園長室の壁を破壊すると黒猫が外へ飛び降り、いつの間にか老人の姿も消えている。
「アル、君に聞きたい事が…」
>「ヒャハハハハっはあっ!」
アルテリオンに話かけようとした瞬間、何者かの笑い声が聞こえた。
俺は一瞬でイレブンだと悟ったが、声する方向を見ようとは思わなかった。
今イレブンの姿を見たら自分を抑えられなくなると判断したからだ。
「抑えろよ…俺。」
>545
>「ごめんなさい!皆、大丈夫?!」
リリアーナが部屋を飛び出して来た。
「肩をちょっと斬られただけだ。後はスーツもやられた。」
>「学園長先生がどちらにおられるかご存知ですか?」
リリアーナは俺とアルテリオンに学園長の所在について聞いてきた。
「悪いが、俺にも学園長の居場所は分からん。あの人はいつもフラフラしてるから場所が掴めないんだ。」
>「レイド先生、アルテリオンさん。お二人はこれが何なのか、ご存知ですか?」
リリアーナは手に握っていた赤い石を見せた。
「(ギルハート…。あのじいさんの名前か……)いや、分からん。だが、あのじいさんがそこまでして手に入れようとしていた石だ。普通の石じゃないって事だけは確かだ。その石はお前が持ってない方が良い。またあのギルハートってじいさんに狙われる可能性がある。」
548 :
名無しになりきれ:2007/02/25(日) 00:58:06 0
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\ クソスレを牛耳るわれらこそ・・・・・・・・・・ \
< 王っ・・・・! /
/ 築くんだっ・・・・・・・・!王国をっ・・・・・・! \
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549 :
名無しになりきれ:2007/02/25(日) 01:01:12 0
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>547
どうやらレイドも学園長の居所まではわからないらしい。
表情から察するに、それはアルテリオンも同じだろう。
彼らの話に耳を傾けていたリリアーナは、ふとレイドの肩の傷に眼を止めた。
(ひどい傷だわ)
こうして話している間にも、レイドのシャツの染みは広がっている。
リリアーナはレイドの肩に手を伸ばした。回復魔法を使うつもりだったのだ。
だが、途中まで呪文を詠唱したところではっと我に帰った。
(そうだった、私魔法使えなかったんだっけ・・・・・)
リリアーナは悔しそうに顔をゆがめると、呪文の詠唱を中断した。
代わりに持っていたハンカチで止血を試みる。
赤い石についても、あまり良い返事は聞けなかった。
>だが、あのじいさんがそこまでして手に入れようとしていた石だ。普通の石じゃないって事だけは確かだ。
>その石はお前が持ってない方が良い。またあのギルハートってじいさんに狙われる可能性がある。」
「では、この石はレイド先生が預かってくださいませんか?
学園長先生にお返ししたくても、どこにいらっしゃるか分かりませんし・・・」
リリアーナは赤い石をレイドに差し出した。だがどこか心あらずな様子だった。
彼女は何度か躊躇った後、遠慮がちにレイドに切り出した。
「学園長先生もまだお戻りになりませんし、報告するにしてもまだ無理ですよね?
ねえレイド先生、少しだけ席を外してもいいですか?
私、石にされたレオ先生達が心配で・・・」
きっとフリージアが報告した時、誰かが何か手を打ってくれたはず。、
そう自分に言い聞かせるけれど、確認するまでは安心できない。
ギルハートは恐ろしい魔法使いだった。
リリアーナはギルハートの命令に背いた。
もし報復されたら。
もしあの二人の身に何かあったら――そう考えるだけで居ても立ってもいられなくなる。
「ごめんなさい、すぐに戻りますから!」
リリアーナは学園長室を飛び出した。
横からリリアーナが声をかけてくる。
「お名前はメラルさん・・・で宜しかったでしょうか?
メラルさん、ひどい目に合わせてごめんなさい。
私がギルハートの命令を素直に聞いていたらこんなことには・・・本当にごめんなさい。
助けに来てくれて、ありがとう」
それに対し、メラルは自然に本心(の一部)をありのまま言った。
「気にしないで。私が来たのは…この状況で独りになるのが怖かったから。
ただ身勝手な理由で来ただけだから。」
(そんな理由で来ていたのに、結局足を引っ張るしか出来なかった。
本来謝るべきなのは私の方なんでしょうね。)
内心、複雑なものを抱えているものの、こちらも右手を差し出し、軽く握手を交わした。
少しした後で、彼女とレイド先生の話を聞きながら考えていた。
(…そういえば、あの赤い石を…何でここまでして欲しがったのかしら…。
それに、諦めたとは思えない…。この後あの笑い声の人や老人が
どんな手を講じてくるかも気になるし…。)
メラルが水晶球に目を落とす。
(この場を凌いだら、占ってみようかしら。)
その後で、横にいたでタロウ先生が普段以上に体温が低い彼女を
光の術で暖めようとするのを、「大丈夫ですから。」と静止した。
そして、リリアーナが学園長室を飛び出す。
それを目で見送ってから、ほんの少し経ってからある考えに行き着いた。
「…今、彼女を独りにしておいて…大丈夫かしら?」
少し大きめの声で、周りに聞こえるように言った。
>547
チラッと視界に赤いものが見えたような気がしたがそれが何か疑問を持つことも無く
>550
リリアーナが出て行っても気が付かずフリージアは笑い続けていた
「お〜ほっほっほっほ!!お〜ほっほっほっほ!!お〜ほっほっほっほ!!お〜ほっほっほ(ry」
>551
>「…今、彼女を独りにしておいて…大丈夫かしら?」
そのメラルの大きな声にはっとあたりを見渡す
そしてリリアーナがいなくなっているのにやっと気が付くフリージア
「わ、私今から追いかけますわ!!」
フリージアはあわててリリアーナの後を追った
「多分保健室ですわね・・・いた!!」
何とか追いついたフリージアそこで見た光景は
すっかり元に戻っている二人の教師とそれに抱きつくリリアーナの姿であった
「・・・・・心配して損しましたわ」
>550>552
無事石化から回復したレオとアストーラに抱きつくリリアーナ。
それを見守るフリージア。
感動の光景だが、それほど長くは続かない。
フリージアの頬にピチョリと生暖かい雫が落ちる。
拭えばその滑り、暖かさ、色、匂い、全てにおいてそれが血だとすぐに判るだろう。
「すまんが通してれんかのう。怪我人じゃけえ。」
フリージアの頭二つほど上から、その血を流す主が声をかけた。
その人物はクドリャフカ。
全身から疲労と傷、顔は形が少々変わるほどの・・・
その後ろには険しい顔をした学園長と教頭が立っていた。
保険室内に入ると、自分で傷の手当てを始める。
「そいつは放って置いていい。自分でやらせるぅお!
それより、おおよその事は把握しておるが事情を詳しく聞きたいから二人とも来てくれ。」
クドリャフカの手当てをしようとするレオとアストーラを教頭が一喝して止める。
二人を引き連れて保健室を出て行った。
その間、理事長はリリアーナの頭上で何かを描くような仕草をする。
「色々あって話すことはあるだろうが、今は休みなさい。落ち着いたらゆっくり話を聞かせてもらうから。」
優しく諭すように声をかけ、教頭のあとへと続く。
「二人とも久しぶりじゃの。
課題にかこつけて図書館探索しょぉったらわやな目(大変な目)に遭うての。
理事長先生と教頭先生にサルベージしてもろぉたところなんじゃ。かっかっかっか!」
教師達が保健室から出て行くのを見計らったように、クドリャフカが二人に話しかける。
ミイラと見間違えんばかりの包帯姿でではあるが、その声や笑いからは深刻な傷でないことが感じられるだろう。。
図書館の危険地域でクドリャフカが起こした騒動・・・
それはまた別の機会に語られる事ではあるが、クドリャフカの救出と図書館暴走の緊急措置のために理事長と教頭が全力を尽くした活躍があったのだ。
そして暫くは二人とも、図書館の制御の為に大きな力を割かなければならない事も。
クドリャフカ自身も大きな傷を負ったが、その半分以上が救出されたあとの教頭先生からの折檻による傷である事はいうまでもない。
「ところで何かあったんか?学園の雰囲気が変わったように思えるんじゃが。まあ飯でも食いながら、の。」
何も知らないクドリャフカだが、敏感に空気の変化を感じ取っていた。
>550リリアーナは俺の肩に手を伸ばし回復魔法を使おうとするが、詠唱を途中で止め、ハンカチで止血をしてくれた。
「ありがとな、リリアーナ。(何で途中で詠唱を止めたんだ?)」
>「では、この石はレイド先生が預かってくださいませんか?
学園長先生にお返ししたくても、どこにいらっしゃるか分かりませんし・・・」
そう言うとリリアーナは赤い石を俺に差し出した。
「分かった。学園長の居場所が分かるまでは俺が預かっておいてやるよ。」
>「学園長先生もまだお戻りになりませんし、報告するにしてもまだ無理ですよね? ねえレイド先生、少しだけ席を外してもいいですか?
私、石にされたレオ先生達が心配で・・・」
>「ごめんなさい、すぐに戻りますから!」
「なにぃ!レオ先生達が石にされただと?……あのじいさん、何者だよ。保健の先生とは言え、レオ先生だってそれなりの魔力はある筈なんだが……あっ、ちょっと待てリリアーナ!」
保健室に向かうリリアーナを引き止めようと思ったがリリアーナはダッシュで保健室に向かって行った。
>551「…今、彼女を独りにしておいて…大丈夫かしら?」
と、メラルが言うと
>552>「わ、私今から追いかけますわ!!」
フリージアがリリアーナを追いかけて行った。
「…………まあ、二人なら心配無いか。メラル、アル、今回の件は俺が学園長に話しておくから二人は帰っていいぞ〜。」
メラルの言葉に、フリージアが、あたりを見渡すと
「わ、私今から追いかけますわ!!」
などと言い、行ってしまった。
そして、レイド先生からは
「…………まあ、二人なら心配無いか。メラル、アル、今回の件は
俺が学園長に話しておくから二人は帰っていいぞ〜。」
と言う声がかかった。それを聞き、笑い声が気になるものの
完全に戦闘が終わったと言う事だと気付いて、いまだ不安はあるものの
その点のみにおいては安心した…そんな状態なのか、少し時間が開いてから言った。
「わかりました。」
そうなれば、彼女の行く場所は決まっている。元々の行くつもりだった、保健室だ。
予備のサングラスを取りに、わざわざ
出しっぱなしだった氷の翼を解除すると、すぐに部屋を出て行った。
現状で独りでいることにはやはり不安を感じるのか、廊下を走り抜けている。
が、その途中…保健室に程近い辺りで、足を止めた。そして、杖の先についている水晶を見る。
「…やっぱり、こういう時こそ頼るべきよね。それに、どうせ見るなら
私一人だけ"見る"より、関わりの深い人達も見た方が良いかもしれない…。」
そして、再度走り出した。
かなり息切れしながらも、保健室前に来るメラル。
そこには、フリージアとリリアーナ、そして、奥に怪我人が一人いるらしい事がわかった。
石化したらしき先生二人は見当たらないが、他の皆の様子を見る限り
メラルには二人が悲惨な事なってはいなさそうな気がしたので、
遠慮なく聞き、ついでに、続けるつもりの話の前置きとして、
もう一つの懸念事項も切り出した。
「…ねぇ、皆。レオ先生が何処にいるか…知らない?
それと…『これで終わりだと思う?』」
言うと、それぞれの目を見ようとする。まだ"あの目"が見えている事には全く気付いていない。
このままではそれこそ、指摘されるか、鏡を見るかでもしない限り気付くことはなさそうだ。
>553
「・・・・・・?なんで頭の上からトマトケチャップが・・・」
はじめはそう思っていたフリージアだが・・・
「血、血ですわぁぁぁぁぁ!!」
すぐに臭いや口に入って来た味で血とわかった
慌てふためくフリージアそこに
>「すまんが通してれんかのう。怪我人じゃけえ。」
という声が掛かった
「く、クドリャフカさんどうしたのその怪我!?」
と問いかけようとしたが後ろに学園長と教頭がいることに気が付いた
「あ!がくえんちょ・・・」
と挨拶しようとしたが二人は黙ってクドリャフカと保険室内に入っていってしまった
仕方なく一緒に保健室に行くフリージア
しばらく見ていると二人はレオ先生とアストーラをつれて出て行ってしまった
>「二人とも久しぶりじゃの。
課題にかこつけて図書館探索しょぉったらわやな目(大変な目)に遭うての。
理事長先生と教頭先生にサルベージしてもろぉたところなんじゃ。かっかっかっか!」
「さ、サルベージ・・・」
フリージアは一体何があったんだとばかりにつぶやいた
>「ところで何かあったんか?学園の雰囲気が変わったように思えるんじゃが。まあ飯でも食いながら、の。」
というクドリャフカの言葉にフリージアはかくかくしかじかとこれまであった大変なことを話した
>556
そこに入ってくるメラル
>「…ねぇ、皆。レオ先生が何処にいるか…知らない?
それと…『これで終わりだと思う?』」
「レオ先生たちなら学園長たちと一緒にどこかに行ってしまいましたわ先生達だけの大切な話みたい
もうひとつの質問について私はまだこの事件は始まったばかりだと思いますわ
そもそもあの老人の本当の目的がわからないのですもの」
そしてあの赤い石は目的ではなく手段のひとつに過ぎないのではとフリージアは付け加えた
「ところでメラルさんいつもの眼鏡はどうしましたの?魔眼か何か封じてたんじゃ・・・」
と目のことを聞くフリージア・・・実にデリカシーがない
職員室にはエース先生とジャック先生とマァン先生がいたりする
>552-553
保健室に駆け込んだリリアーナの目に映ったのは、元に戻ったレオとアストーラだった。
二人に抱きついて無事を喜んでいると、懐かしい人の声が聞こえてきた。
>「すまんが通してれんかのう。怪我人じゃけえ。」
戸口にはフリージアと、久しく『課題』で留守にしていたクドリャフカが立っていた。
傷だらけのクドリャフカはまっすぐ薬品棚に歩み寄った。
「ク・・・クドリャフカさん?!どうしたの?そんなにボロボロで・・・」
なおも話し掛けようとしたリリアーナだったが、現れた理事長と教頭に気づき口を噤んだ。
リリアーナは慌てて学園長に駆け寄った。
「学園長先生、あの・・・」
学園長は立てた人差し指を唇に押し当てた。リリアーナは口を噤んだ。
俯いた彼女の頭の上で、理事長は何かを描くような仕草をした。
リリアーナは少し体が軽くなったような気がした。驚いて顔を上げる彼女に、学園長が穏やかに話し掛ける。
>「色々あって話すことはあるだろうが、今は休みなさい。落ち着いたらゆっくり話を聞かせてもらうから。」
尋ねたいこと、話したいことは山ほど逢ったが、この場は黙って頷くしかなかった。
教頭と学園長はレオ達を引き連れ、保健室を出て行った。
今から職員会議なのかもしれない。
「フリージア、どうしてここに?」
リリアーナはあっと声を上げた。申し訳無さそうに頭を下げる。
「そっか。変質者もギルハートもまだ学園内にいるんだものね。・・・ごめん、また心配かけて」
しょぼんと項垂れるが、それも長くは続かない。
「ねえ、リンゴと着替え持ってきてくれたのもフリージアでしょ? ありがと〜!お陰で助かったわ」
危うく服を着ないままギルハートに連れまわされるところだった。
>「二人とも久しぶりじゃの。
>課題にかこつけて図書館探索しょぉったらわやな目(大変な目)に遭うての。
>理事長先生と教頭先生にサルベージしてもろぉたところなんじゃ。かっかっかっか!」
「笑っている場合じゃないわよ!課題からなかなか戻らないからすごくすごーく心配したんだから!
第一あなたのお友達のアル・・・何とかさんは意地悪だわ、会うたび人を不安にさせることばっかり言うし!
おまけにやっと帰ってきたと思ったら、クドリャフカさんはまた傷だらけだし!」
リリアーナは膨れっ面をした。だが、それも長くは続かない。
「・・・・まあ、何がともあれ帰って来てくれて嬉しいわ。
お帰りなさい、クドリャフカさん」
>556-557
>「ところで何かあったんか?学園の雰囲気が変わったように思えるんじゃが。まあ飯でも食いながら、の。」
フリージアは今まであったことを手短に話した。多分戸口にいたメラルにも聞こえたはずだ。
(ロックが書いたアンジェリーナ宛ての手紙を、ロックのフクロウが運んできたですって?)
フリージアはメラルと情報交換をしている。
リリアーナは考え込んだ。
>「ところでメラルさんいつもの眼鏡はどうしましたの?魔眼か何か封じてたんじゃ・・・」
メラルの表情に気づいたリリアーナは思わず天を仰いだ。
気まずい空気が流れる。
・・・多分メラル自身いろいろあって忘れていたのだろう。
リリアーナは髪をくしゃくしゃとかき回すと、周囲に視線を巡らせた。
「やだ〜!もうこんな時間じゃない〜。大変〜!」
時計を指差し、うんうんと一人頷く。
「ねえ、そろそろ夕飯の時間だし、クドリャフカさんのいうとおり食事をとりに行きましょうよ。
でもその前に、一度部屋に帰って身支度を整えない?
みてよ私達の格好。うら若き魔法少女とは思えない身なりだと思わない?
クドリャフカさん、お疲れだと思うけど血だらけの服で食堂へ行くのは感心しないわ。
フリージアの縦ロールもボサボサだし、メラルさんも・・・ね?」
リリアーナはちゃめっ気たっぷりにウィンクした。
「―――― じゃ、お嬢様方。参りましょうか?」
学園寮のカフェテリアはまだ時間が早いせいか、さほど込み合っていなかった。
「――――と、いうわけなのよ」
リリアーナは夕食を取りながら、皆に自分の身に起こったことを一通り話した。
「さっきフリージアが話していたギルハートの目的だけど・・・赤い石を使って誰かを呼び出すつもりみたいよ」
ギルハートはリリアーナに石を渡すよう迫った時、こう言ったのだ。
『ロックはついに“例のあの人”と再会できる』と。
これについてはいろいろ仮説を立てていたが、まだ話す段階ではないだろう。
リリアーナは危なっかしい手つきでリンゴを剥き終えると、皆にすすめた。
「あとね・・・私、近々学園を退学になるかも」
ふう、とリリアーナはため息をつくと机に突っ伏した。
「――――私、魔法使えなくなっちゃった・・・・・・」
>556>557>559
「心配・・・・そう、か。
はっはっはっは!そりゃぁあの女のゆぅ事を真に受けるほうが悪いっちゅうもんよ。
にゃしても私がいない間に、わやな事が起こっとったんじゃのぉ。
それでロックさんがいないんか・・・。」
傷の手当ても終わり、フリージアから事情を聞きリリアーナの再開の挨拶を交わす。
心配されていた事に戸惑いを感じながら。
大まかなところしか把握できなかったが、さして問題もないだろう。
実のところ、生還したばかりでまだ頭がよく回っていないので理解する事もおぼつかなかったりもする。
そうしていると、メラルが保健室に入ってきた。
話に出てきた、一緒に戦った生徒だろう。
フリージアとなにやら話しているが、
>「ところでメラルさんいつもの眼鏡はどうしましたの?魔眼か何か封じてたんじゃ・・・」
この一言で空気が変わる。気まずい空気。
その空気を掻き散らすようにリリアーナが着替えと食事へと促す。
その切り替え具合やタイミングに、ほっと肩の力が抜ける思いをしたクドリャフカであった。
メラルを覗き込むようにして目線の高さをあわせ、無骨なガントレットをつけたまま手を差し出した。
「おはつでがんすじゃの。
クドリャフカといいますけぇの。私は南館がメインじゃから余りこっちには顔を出しておりませんが。
あの二人の・・・知り合いじゃ。
卒業試験でちぃとした縁がありましてのぉ。
ガントレット越しでスマンが、これもあんたの眼と同じような理由なんでのぉ。お互い気にせんといきましょうや。
よろしゅうお願いするんじゃ。」
生い立ちから【仲間】や【友人】という言葉を使うのに躊躇いを感じてしまい、言葉が詰まる。
血糊+包帯+傷+巨躯でかなり不気味な威圧感を与えてしまいながらの挨拶。
精一杯の抵抗で笑顔を浮かべるが、かえって不気味さを強調しただけだったかもしれない。
>560
学園カフェテリアでくつろぎながら、リリアーナの話に耳を傾ける。
リンゴを勧められつまむが、クドリャフカにかかれば姫リンゴと見間違えてしまう。
「そうか。それにしてもなんでリリィさんじゃったんじゃろぉのぉ。
生徒はともかく、優秀な教師が揃っとるこの学園に襲撃かけるってこたぁそれなりに勝算もあってのことじゃろうし。
こりゃぁ性根すえんといけんかもしれんのぉ。」
肩をすくめながらおどけて見せるが、その声色はおどけた様子はない。
正直嬉しかったのだ。
図書館での失態のおかげで次図書館に入れるのはいつになるかすらわからない。
それどころか、退学の危機である。
だがここで襲撃者を捕縛なり撃退なりして見せれば・・・と。
>「あとね・・・私、近々学園を退学になるかも」
夢想している最中、突然【退学】の言葉が発せられたので一瞬鼓動が大きくなるが、次の言葉を聞いてほっとする。
>「――――私、魔法使えなくなっちゃった・・・・・・」
「なんだそがぁな事か。いたしゅぅ(難しく)考えのぉてもええんよ?
使えなくなったんじゃったらまた使えるようになりゃぁいい。そのギルハートっちゅう奴のせいか、他のせいかは知らんがのぉ。
ようこそ、呪われ同盟へ!」
隣の席のメラルの肩に腕を回し、明るく呼びかけた。
>558職員室に戻るとエース先生、ジャック先生、マァン先生がタバコを吸いながら話をしていた。
「見回り終了してきました〜。」
三人の先生に見回りの終了を告げると自分の机に座り込んだ。
「エース先生〜、ちょっと治療頼むわ」
治癒魔法が苦手な俺はエース先生に肩の治療を頼んだ。
>「別に良いですけど、誰にやられたんですか?レイド先生がやられるなんて珍しいですね〜w」
と、ニヤニヤしながら俺の傷を癒してくれた。
「別に誰だって良いだろ〜。つーか、ニヤニヤしてる場合じゃねぇぞ。この学園には今、変態野郎以外にも厄介な野郎が何人か居やがる。油断してっと教師でも殺られちまうぜ〜?」
三人の先生に忠告すると俺もタバコに火をつける。
>「実際に何人か教員もやられてるしな〜。俺達も油断出来ないって訳だ。じゃ、見回り行って来ますわ。」
>「あ、俺も行きます」
そう言うとジャック先生とマァン先生は見回りに行ってしまった。
残ったエース先生と俺は暇潰しにチェスを始めた。
「なあ、エース先生?学園長何処に居るか知らねぇ?」
>「さあ〜。それは俺にも分かりませんねぇ〜。あの人は神出鬼没ですから。」
「そうか……。まぁ良いや、見かけたら俺に教えてくれ。」
>「了解〜。」
>>557 >>559-561 フリージアから、レオ先生達の行き先について、教えてもらう。
そして、老人についてはフリージアも同じ見解のようだ。
が…その後で、メラルにとっては予想外の一言が投げかけられた。
「ところでメラルさんいつもの眼鏡はどうしましたの?魔眼か何か封じてたんじゃ・・・」
(……どういう事?…何でフリージアが…まさか!)
心当たりがあったからか、焦りも隠さずに自分の手を見る。手には、
まるで鏡のように光を反射する氷の板のような物を術で出していた。
そこには、しっかりと"左目"が映っていた。
「…嘘…。」
呆然とした様子で、立ち尽くしている。頭が真っ白になり、何も考えられない。
そして周囲にも気まずい空気が流れた。その時、リリアーナが
その空気を吹き飛ばすように明るく、一度部屋で身支度をしてから
食事に行こうと誘ってきた。そして無理やりにでも考えようとし、
少なくともこれ以上見た人を増やさないように、早急に
目をどうにかする必要があるということに気付いた。
他の内容にまでは気が回っていないが、言った。
「そうね…。」
返事の短さは、それだけ動揺しているという事だろう。
そして、もう一人…クドリャフカが目線を合わせて自己紹介をしてきた。
なにやらガントレッドに厄介な物を抱えている二人の知り合いとの事だ。
こちらも手を差し出して、軽く握手しつつ言った。
「私はメラル。…氷系の術師…と思ってくれて構わないわ。宜しく。」
複数属性を使う事については無意識のうちに伏せ、端的に話した。
因みに、怖がる様子は無い。それどころではないだけかもしれないが。
そして、これ以上変な事にならないように、以降部屋に帰るまでは
常に左目は瞑ったままにしていた。
学園カフェテリアに来た時には、予備のサングラスに封印までしっかりと施していた。
更に、大きめの鞄のような物を持ってきている。
彼女自身も、心の整理は完全にはついていないが、少しは落ち着いてきていた。
リリアーナの話を聞き、先程まで自分の考えていた手段は有効だと、確信もできた。
勧められたりんごには軽く口をつけた程度に食べて、話を切り出そうとすると、
リリアーナから衝撃的な言葉が出た。魔法が使えなくなり、退学になるかもしれない、と。
すると、クドリャフカがすかさずフォローを入れていた。メラルの肩に腕を回してきた。
>「なんだそがぁな事か。いたしゅぅ(難しく)考えのぉてもええんよ?
> 使えなくなったんじゃったらまた使えるようになりゃぁいい。
> そのギルハートっちゅう奴のせいか、他のせいかは知らんがのぉ。
> ようこそ、呪われ同盟へ!」
それに同調するように、メラルが続けた。彼女の知る範囲で。
「…常識的に考えれば、あの人が何かをしたと考えるのが妥当ね。
だったら、あの老人を倒せば何とかなるとは思うわ。ただ…その辺は
レオ先生に相談するのが先かもしれないわね。」
そして、メラルがふとあることを思いついた。それも交えて話を続ける。
「それにも関わってくる話なんだけど、あれで終わりという事は無いって
言うのはみんな異議はないんでしょ?そこでね。」
メラルが先にテーブルを拭いてから鞄に手を入れて、鞄の中から
紫色の布やら座布団やらを取り出し、最後に杖の水晶球を取り外した。
そして、それらをテーブルの一角に広げ始める。
「…占ってみるのはどうかしら?もちろん、確実に当たるって訳じゃないけど…ね。」
>561
「呪われ同盟って・・・・」
まったく嫌な同盟もあったものである
「じゃあ私とメラルさんは氷結同盟なのかしら?」
とフリージアはつぶやいた
>563
「それはいい考えですわね」
メラルが占うというのでフリージアは賛同した
「今どこにいるのか分かればリリアーナさんの魔法を取り戻す手がかりも得られるかも知れないでしょうし」
と付け加えるフリージア
「早速これから何が起こるか占って頂戴・・・
あ、リリアーナさんが魔法を再び使えるようになるのは間違いないだろうからそれは占わなくて結構よ」
と何を確信しているのかそう付け加えた
>561
>「なんだそがぁな事か。いたしゅぅ(難しく)考えのぉてもええんよ?
> 使えなくなったんじゃったらまた使えるようになりゃぁいい。
> そのギルハートっちゅう奴のせいか、他のせいかは知らんがのぉ。
> ようこそ、呪われ同盟へ!」
クドリャフカが気分を引き立てるように明るく言った。無表情のままメラルもそれに同調する。
二人の気持ちを汲んだリリアーナも笑みを浮かべた。
「・・・そうね。クドリャフカさんの言うとおりだわ。また使えるようになればいいのよね。
――――ふふ。呪われ同盟か。それって女の子限定じゃないんでしょ?・・・じゃあ、多分私は4人目だわ。
それはそうと、クドリャフカさんが呪われているっていうのは初耳ね。
回復魔法が全然効かない特殊体質っていうのと何か関係が――あ・・・ごめん」
随分立ち入ったことまで質問したことに気づき、リリアーナは慌てて話を変えた。
「ところで、図書館地下で一体何があったの?今度はクドリャフカさんがお話する番よ〜」
>563-564
>「…占ってみるのはどうかしら?もちろん、確実に当たるって訳じゃないけど…ね。」
フリージアが賛成した。
>「それはいい考えですわね」
>「今どこにいるのか分かればリリアーナさんの魔法を取り戻す手がかりも得られるかも知れないでしょうし」
多分フリージアは、ギルハートの行方を占いで調べようとしているのだろう。
私も頷いた。
「気休めでもいいの。メラルさんさえ良ければ占って欲しいわ。
あとね、もし仮にギルハートが倒された場合、その・・・私の友達の身に危害は及ばないかとても気がかりなの。
本人はこの場に居ないのだけど・・・そういうのも占えるのかしら?
それから・・・」
> あ、リリアーナさんが魔法を再び使えるようになるのは間違いないだろうからそれは占わなくて結構よ」
自分の魔法のことについて聞こうと思った矢先、フリージアはきっぱりと言い切った。
リリアーナは目を丸くした。
「フリージア、もしかしてあなた、私の魔法が使えなくなった原因に何か心当たりがあるの?」
>563>564>565
カフェテリアの一角で四人の話が続く。
リリアーナの魔法が使えなくなったこと、侵入者の事。
メラルがこれからの事について占ってみると、道具を用意し始める。
そんなメラルに、リリアーナの魔法については占わくても結構と言い切るフリージア。
その言い切り方がクドリャフカには羨ましかった。
おそらく根拠なんてないのだろう。
でもいい切れてしまう、その自信が・・・、その信頼感が・・・。
「そーゆやぁ話してんかったんじゃの。ええんじゃよ。」
呪いについて質問して慌てて話題を変えるリリアーナに笑いかけ説明を始める。
両手に嵌められているサクリファイスジャンクションの効果と呪いを、それを手に入れる経緯を。
「このガントレットがないと野別幕無しに傷やら病気を吸い取って、誰彼構わず撒き散らす事になる。
便利なチューブじゃゆぅ人もいますけど、ご丁寧に良心の呵責まで掻きたててくれますんでのぉ。
わしゃぁこの呪いを解くためにこの学園に来たんよ。」
肩をすくめながら話をし、そのヒントが図書館にあると聞き、課題が図書館Dレベル階層だったのでそれにかこつけて目的物を探していたと繋ぐ。
「ま、まあ図書館じゃぁ色々在ってのぉ。それでも課題は達成したし、色々収穫があったけぇ。
・・・そうそう、リリィさん魔法が使えないのじゃったらこれを差し上げますけぇの。
何かの役に立つじゃろう。」
図書館の話に及ぶと、顔を引きつらせながら口ごもり、はっきりしなくなる。
どこから出したのか、一冊の本をリリアーナの前に差し出した。
「お、準備もできたようじゃね。」
ちょうどメラルの準備ができたのを見て話を打ち切ってしまった。
世界に三月がやってきた
>565
「お〜ほっほっほ!!」
リリアーナに詰め寄られたフリージアは誤魔化すように笑った
もちろん何の根拠も無い話なのである
「そういえばあなた赤い石はどうしたんですっけ?」
と話の矛先を別のものに向けようとするフリージアだがふと思いついて
「多分あの石がリリアーナさんの魔力の流れに何らかの影響を与えてた・・・・かもしれませんわ」
とこれまた根拠の無い話をした結構いい加減である
>566
フリージアはクドリャフカの出した本を見てつぶやいた
「魔道書・・・・大丈夫かしら」
こういう本にはたまに変なものが封じられていることがあるので心配である
「これは一体全体どういうものですの・・・」
と聞こうとしたが話を打ち切られてしまったので
とりあえずメラルの占いを待つことにした
リリアーナが笑みを見せて元気そうに話していたが、メラルには
その内容より、途中の「四人目」のくだりが気になった。話を聞く限りでは、
男性だという事しかわからない。もちろん、今のリリアーナに直接聞くという
選択肢は念頭に無かった。主に自分の傷の事が原因で。
(こういう話題には虎の尾が紛れてる事が多いから、言葉尻を捕らえて聞き出そうと
するなんてのは論外ね。…ま、今のところは想像するしか出来なさそうだし。)
フリージアの氷結同盟のくだりに「そんな感じかしらね?」と軽く同意しつつ
準備を進めていた。
彼女の占いに関する提案に対し、異議はなさそうである。
フリージアはリリアーナの魔力については占わなくていいと言っていたし、
リリアーナもそれに反対する様子は無いので、それは占わない事にした。
フリージアの言動には一抹の不安は感じたが。
「そうね。…少なくとも、時間をかければ段々戻ってくるだろうし。」
そう言って作業を続けようとした時、本人としては頭の中で言ったつもりなのだが、
聞こえるか聞こえないかの小さい声で独り言として致命的な一言が出てしまった。
「そう…私みたいに。」
そして、リリアーナの頼みに応じる。
(…さっきフリージアがロックが変身したって言ってたわね。多分…)
「要はあのロックの事…と見て良さそうね。彼の安否って調べ方ならできるわ。
本人がいない分、詳しさとかの精度はガタ落ちするけど。
それに…無事と出たとしても、それが何を示すかという所にも
難しい所があるの。それでも構わないならやらせてもらうわ。」
言いながら、メラルの席の目の前にある小型の座布団の上に
水晶球を乗せ、自分を含めた皆の前に紙を二枚重ねて置き、水晶球と同じ色の
珠のついた指輪を3つ取り出して、3人の前に置いてから横を見る。
「…始めるから、その指輪、適当な指につけて球が紙を向くように、
持っておいてくれると助かるわ。紙はそのまま置いといてね。
後…最初に占うのは、私達に迫る脅威。これで、明らかにあの人に
無縁の事が出るなら、長期化するって事だから。そして…逆に、
彼女と私達に同じような結果が出るときは、規模がかなり
大きくなる可能性が高いわ。それじゃ、始めるわよ。」
そう言うと、目を瞑ってメラルが両手を水晶球にかざし、呪文を唱え始めた。
最初は五分程かけて、メラルの体からそこそこの量の魔力が漏れ出して水晶に込められた。
その後、少ししてそれまでよりはるかに多い量の魔力が注ぎ足された。
さらに五分程して…フリージアに渡しておいた指輪が輝きだし、紙に向けて光が放射される。
その光が収まっても、一見何も浮かび上がってきていない様に見える。
同様に、メラル自身も含めて計27分ほどかけてリリアーナ、
クドリャフカ、自分の順番で同様の工程が行われた。
そして、メラルが目を開くと、疲れきったように椅子の背にもたれ掛かった。
「…紙の裏に一枚は絵、もう一枚は言葉となって現れているはずよ。
一応その現れ方は占う対象によって、人それぞれになるけど…今回は多分
有益な情報は出てると思うわ。ここまで魔力を取られる占いになる以上、
並みの脅威じゃないはずだから。」
言うと、メラルは自分の前の紙を手に取り始めた。
「―――チェックメイト。これで3連勝だな。約束通りスーツ代頂戴。」
俺が3連勝したらスーツ代を全てエース先生に払って貰う、エース先生が3連勝したら俺の武器を一つあげる、という条件で賭けチェスをしていた。
>「あ〜あ。今月結構厳しいのになぁ」
ブツブツと文句を言いながらもエース先生はスーツ代を俺に渡した。
「毎度あり〜。」
俺はスーツ代を受け取ると部屋に戻り剣の入ったケースをしまった。
ベッドに横になり今日あった出来事を思い出す。
「(アルに似てる女……。学園長室に居たじいさん……。二人共俺より強いかもしんねぇな。下手したら学園長と同じ位の力を持ってたりして…。どうしたもんか………zzz)」
突然睡魔に襲われた俺は深い眠りについた。
[深夜 用務員室(アルテリオン自室)]
「・・・クソォ・・・止まらない・・・」
拘束具で押さえつけた両手を見て私はそう言った。
加速する実体化を抑えるすべなど、私にはない。
今はとにかく、あの時のような暴走を起こさないためにこうしているが・・・
「実体化のスピードが・・・早い」
老人が去ったあと、私は誰かを傷つけることを恐れ、すぐに自室に引き篭もりアイミーに右手のみを拘束させた。
だが、それは暴走を起こさないためのものであって、実体化を食い止めることは出来ない。
相談すべき人もいなく、私の実体化は遂に上半身まで進んでしまった。
「・・・カタストロフを殺せば・・・これは直るんですか?」
私は力なくアイミーに問う。
私の目の前で正座をしていたアイミーは残念そうな顔を浮べた。
「彼女ハ貴女ノ影デス・・・貴女ノ剣デハ彼女ニ傷一ツツケルコトハデキマセン。
モチロン、貴女ノ写シ身デアル私モ彼女ヲ殺メルコトハデキナイ・・・」
「そう・・・ですか・・・」
「・・・ハイ」
私はアイミーから目を逸らし、窓の景色を見た。
「一人に・・・させてもらいますか・・・」
「・・・」
アイミーは何も言わず部屋を出た。
わかっていたんだろう・・・私の気持ちが・・・
この夜・・・用務員室から聞こえる泣き声は朝まで収まらなかった。
>566
>「そーゆやぁ話してんかったんじゃの。ええんじゃよ。」
クドリャフカは特に気を悪くした風もなく、両手に嵌められているサクリファイスジャンクションの効果と呪い、
そして、それを手に入れる経緯を話してくれた。
―――― リリアーナは目にゴミが入ったふりで、眦に滲んだ涙をごまかさなくてはならなかった。
安っぽい同情をしたと思われたら、きっと気を悪くするだろう。
>「ま、まあ図書館じゃぁ色々在ってのぉ。それでも課題は達成したし、色々収穫があったけぇ。
>・・・そうそう、リリィさん魔法が使えないのじゃったらこれを差し上げますけぇの。
>何かの役に立つじゃろう。」
クドリャフカはそういって一冊の本を差し出した。
「え〜お土産?私に?クドリャフカさんありがとう!!」
リリアーナはパチパチと瞬きしながら、嬉しそうに本を胸に抱きしめた。彼女は無類の本好きなのだ。
フリージアが心配そうな顔をしていた事も、図書館地下の話をうやむやにされたことにも気づかなかったようだ。
>568-569
フリージアはリリアーナの問いに答える事無く、いつものように高笑いしていた。
多分、彼女自身にもはっきりとした根拠はないのだろう。
だがリリアーナには嬉しかった。さっきのフリージアの言葉は単なる気休めではないと知っているからだ。
一度口にした以上、フリージアは『魔法を再び使えるように』力を貸してくれるだろう。彼女はそういう人だった。
>「そうね。…少なくとも、時間をかければ段々戻ってくるだろうし。」
メラルも占いの準備の合間に、そう請合った。
>「そう…私みたいに。」
リリアーナは驚いた顔でメリルを見た。黙って次の言葉を待ったが、これ以上話してくれる気は無さそうだ。
「うん。ありがと。・・・がんばる」
不安が無いといったら嘘になる。だが、一人じゃないと思うだけで心強かった。
「でも、先生たちにはこのこと内緒にしててね」
指輪を渡され、リリアーナは指に嵌めて指示どおり準備を終えた。
「クドリャフカさんは、指輪のサイズは大丈夫?」
クドリャフカの手元を覗き込んだとき、ふとリリアーナは思い出していた。
一度だけクドリャフカがガントレッドを外した時のことを。
リリアーナの目つきが一気に険しくなった。
占いを始めたメリルを尻目に、リリアーナは声を顰めてクドリャフカに話し掛けた。
「ねえクドリャフカさん。前に試験の時、ロックの重力変化の呪い回復してくれたわよね?
・・・でもあれ、本当はサクリファイスジャンクションを使って身代わりになったんでしょう?」
ガントレッドをすぐ装着し直していたから、誰かに呪いを移す間もなかっただろう。(>327)
「何で大事な試験の最中に何であんな事したのよ!
回復魔法が効果ないって分かってたんでしょ?だったらどうしてあんな無茶するの!もし何かあったら・・・・」
リリアーナはキッとクドリャフカを睨みつけた。
「クドリャフカさんのバカ!・・・いい?今度それやったら絶対!許さないからね!」
言うなりぷいとそっぽを向いてしまった。
それきり目線を合わせようともしない。どうやら本気で腹を立てているようだ。
占いは無事修了し、メラルは椅子の背にもたれかかった。
「メラル、ホントお疲れ様。・・・・・・・。」
リリアーナは手元の紙をみるなり、そのうちの一枚を握りつぶしてしまった。
「フリージアはどうだった?ちなみに、私の結果はこんな感じ。
もう一枚は・・・残念ながら白紙だったわ。やっぱりこれも魔法が使えない影響かしらね?」
リリアーナは残った一枚を、皆に見えるよう差し出した。
紙には大量の悪魔と赤い目、そして消えかけた扉の絵が描かれていた。
花粉症の季節がやってまいりました
某勇者様の不倫疑惑↓
>567 >573
くしゅん、と椅子の後ろからくしゃみが聞こえて、リリアーナはあわてて振り向いた。
くしゃみの主は、カフェテリアで給仕をしている使い魔ウサギたちだった。
ピーターラビットよろしく後ろ足で歩くメイド姿は愛らしいが、今日の彼らは全員マスク姿だった。
多分、彼らの主が花粉症なのだろう。
いくら3月とはいえ、使い魔にまで影響が及ぶほどとはお気の毒だ。
話を聞かれたか、と焦ったが、それ以前に目や鼻の症状に悩まされて気もそぞろといった感じだ。
この分なら大丈夫だろう。
「飲み物をお願いしたいんだけど・・・大丈夫?」
メイド姿のウサギはこくりと頷くと、手にもったベルを鳴らした。
全員の前に飲み物が現れた。
>568
リリアーナは紅茶のカップを手に取った。
「フリージア、さっきの赤い石の話だけど・・・実はね、私、レイド先生に預けたの。
だから今手元には無いわ。
――――あっ!じゃあ私、もしかしたら魔法が使えるようになってるかも!」
リリアーナはおもむろに立ち上がると、初歩魔法である『ふぁいや〜』を使おうとした。
だが詠唱の最中で口元を押さえると、椅子にへたり込んでしまう。
「・・・・・・・ごめ・・・・・なんか・・・気持ちわる・・・・・・」
この後本当は、ロックの部屋を訪ねようと考えていた。
彼が最後に残した言葉も気になるし、ギルハートたちについて何か手がかりがあるかもしれないと思ったからだ。
だが、こんな調子では明日にした方が良いかもしれない。
本調子でない身で男子寮に忍び込むのは、さすがにきつい。
もっとも自室に戻って休むとしても、それは皆の占いの結果を聞いてからだが。
リリアーナは青ざめた顔のまま、皆の回答を待った。
>569>572
>「…紙の裏に一枚は絵、もう一枚は言葉となって現れているはずよ」
こう言われて二枚の紙をめくってみるフリージア
フリージアの手元の紙に浮び上がったのは迷宮という文字と複雑に変形した学園らしきものの絵
「これは一体どういう意味かしら・・・」
フリージアは疑問に思った
迷宮・・・ギルハートはそこに潜んでいるらしい
そして迷宮があるのは学園ということか?
いやフリージアが頼んだのはこれから起こることだ
これから学園が迷宮と化すのだろうか?
これからギルハート
謎は深まるばかりである
一人で悩んでも仕方が無いのでその場にいる全員にその内容を見せることにした
「私のはこんなのでしたわ」
>573
>「フリージア、さっきの赤い石の話だけど・・・実はね、私、レイド先生に預けたの。
だから今手元には無いわ。
――――あっ!じゃあ私、もしかしたら魔法が使えるようになってるかも!」
「そうでしたのてっきりまだ持っているかと思いましたわ」
そして魔法を使おうとするリリアーナだが・・・
>「・・・・・・・ごめ・・・・・なんか・・・気持ちわる・・・・・・」
「魔力を使おうとすると気分が悪くなる・・・・
ということは体内の魔力の流れがおかしくなってるのかしら?
どちらにしても石を持ってることとは無関係だったみたいですわね」
とフリージアはリリアーナの背中をさすりながらつぶやいた
>569
メラルに配られた二枚の紙と指輪。
指輪をつけ、紙に向けるようにといわれるが・・・レイドの銃のトリガーにすら入らないガントレットの指にそれが嵌るわけもなし。
>「クドリャフカさんは、指輪のサイズは大丈夫?」
「ん、ああ、こがぁな感じかな。」
そのことに気付いたリリアーナに、小指の先に引っ掛けるようにつけた指輪を見せる。
このサイズだと、ガントレットをとってもピンキーリングにもならないだろうから。
苦笑いをするが、リリアーナの目は真剣みを帯びる。
卒業試験でのサクリファイスジャンクション使用について腹を立てているようだ。
気配りが効いて、自分を心配してくれるリリアーナにクドリャフカは戸惑いを感じていた。
常に保っている心理的距離感を一気に詰められる間隔。
そしてそれが意外と不愉快でない事に、否、嘗てはそうであったことを思い出させられるようで・・・。
「いやまあ、卒業試験じゃし、そがぁに危険はないかな、ゆぅて思っての。
心配せんでも私は計算高い人間じゃけぇ、大丈夫じゃ。」
目を合わせようともしないリリアーナを宥めるように言い訳するが、余り効果はないようだ。
>575>576
そうこうしている間に占いは終わり、それぞれが紙を見せる。
クドリャフカの紙には・・・
文字の紙には「69号室」「ポウの四つ、禹の刻」
「ポウの四つ、禹の刻」とはクドリャフカの故郷の言葉で、こちらの言葉に直せば明日の朝5次から7時。
絵には大量の悪魔の中心で数人の人物の顔が重なり合っている。その下には二つの甲冑が重なり合っている。
甲冑の方はアルテリオンの甲冑によく似ていた。
それぞれ重なり合うのかこれから別れるのかは判別つかなかった。
リリアーナの文字の浮かび上がるはずの紙を握りつぶした反応が気になったが、その後のフリージアとリリアーナのやり取りでうやむやになってしまった。
「リリィさん、大怪我したばかりだし、無理はいけん。フリージアさん、部屋に連れてってあげてつかぁさい。
占いの結果は聞いておくんじゃけぇ。」
気分悪そうなリリアーナを気遣っての言葉だ。
確かにそうなのだが、それだけではなかった。
まだメラルの結果と、占い師であるメラルの評を聞いていないが、既に判明している三名の結果である程度は予想がつく。
クドリャフカが望む戦いが。
それに体調の悪いリリアーナを巻き込むことを避けたかったのだ。
普段のクドリャフカなら仲間は戦力0以下になる事はない。
使えないのなら使わない。捨てる。それができるのだから。
だが、リリアーナはそれ以下になりうるかもしれなくなっていることに本能的に畏れたのだ。
フリージアとクドリャフカが差し出した占いの結果は、お世辞にも良いとはいえないものだった。
メラルの手元の紙を見たリリアーナは、旗から見ても分かるほど落胆の表情を見せた。
>577
>「リリィさん、大怪我したばかりだし、無理はいけん。フリージアさん、部屋に連れてってあげてつかぁさい。
>占いの結果は聞いておくんじゃけぇ。」
「聞きたくない。いらない!」
クドリャフカの言葉を思いのほかきつい口調で遮る。
言ってからはっと我に返って口を押さえるが、もう遅い。
「――― ごめんなさい」
リリアーナは気まずそうに俯いた。
「・・・やっぱりクドリャフカさんの言うとおり、私、疲れてるのかな。
・・・今日はもう部屋に戻るね。
クドリャフカさん。クドリャフカさんも怪我人なんだから、今日は早めに休んでね。
それから、今日私の傷を塞ぐのに使ったトジロゴマの薬液、まだ保健室に残ってるかもしれないわ。
気が向いたら一度、レオ先生を訪ねてみてね」
リリアーナはクドリャフカと目線を合わせると、もう一度謝罪の言葉を口にした。
>569
「メラルさんごめんね。せっかく占ってくれたのに・・・。
今日はありがとう。
それと・・・ロックについてはもういいわ。・・わざわざ占って貰わなくても・・・大体、わかったから」
>576
リリアーナは背中をさすってくれるフリージアを心細そうな顔で見上げた。
「フリージア、部屋の前まででいいの。一緒に来て。
・・・疲れてるのにごめんね。でも私、日が暮れた後一人で歩くのが少し怖いの。
子供みたいだって笑わないでね?・・・暗いとあいつが・・・・イレブンが見えないから・・・」
リリアーナはフリージアの腕に遠慮がちに頬を寄せた。
「お願いフリージア、一人にしないで」
リリアーナはふらふらと立ち上がると、座っている皆にぎこちなく微笑みかけた。
覚束ない足取りだが、一人で歩けない程では無さそうだ。
「みんな、また明日ね。―――― おやすみなさい」
>578
>「聞きたくない。いらない!」
思いがけないきつい口調で驚いたように目を見開くクドリャフカ。
気まずそうに俯き謝るリリアーナに肩をすくめてジェスチャーするが言葉はかけなかった。
保健室で薬液があると勧められたが行くつもりはない。
怒っていても教頭先生だ。
見た目は派手に傷ついていても、後遺症になるような傷や後に引き摺るような傷はない。
図書館で負った傷もあるが、それほど深刻なものでもないのだから。
それでも笑顔で礼をいい、リリアーナとフリージアを見送った。
「それじゃぁのぅ、メラルさん。続きと総評をお願いしたいの。
判りやすい絵が続いたけぇ察しゃぁつくけどのぉ。」
手を組み、メラルを覗き込む。
その表情にはリリアーナの事を気に留めているそぶりもなかった。
#######################################
メラルの占いの結果を聞いたあと、クドリャフカは部屋に戻りシャワーを浴びてぐっすりと眠った。
来る戦いに備えて。
そしてまだ夜闇に包まれる4時。
目を醒まし、装備を整える。
大半の装備は図書館での戦いで使いきってしまったが、新たに手に入れたものもある。
見た目は胴着にスカートといつもの格好ではあるが、暗器よろしく様々なエンチャントアイテムや図書館で手に入れた本の類を隠し持って。
クドリャフカにとってはフル装備での出発となった。
「さあて、性根すえていこうかのぉ。」
不適に笑いながら、部屋を出た。
>578
>「お願いフリージア、一人にしないで」
「しょうがないですわね・・・」
>「みんな、また明日ね。―――― おやすみなさい」
「おやすみなさいみなさま」
フリージアはリリアーナを伴って寮の方へと移動した
「おやすみなさいリリアーナさん」
リリアーナを寮へと送り届けたフリージアは
自分の部屋へと帰った
「それにしても・・・今日は色々ありましたわね」
フリージアは今日一日の出来事を回想した
「まあ明日に備えて今日は眠ることにしますわ・・・でもその前に」
なにやら呪文を唱えるフリージア
呪文が止んだときそこにはもう一人のフリージアが立っていた
実はこれ雪の結晶で作った像にこの前使ったものを花柄にする呪文・・・・
いや正確には物に色と模様をつける呪文をかけたものである
イメージ的にはポリゴンの人形にテクスチャ(模様)を貼ったような感じであろうか
「まだまだですわね。実用には程遠いですわ
いざという時に身代わりにでもなればいいと思ったのだけれど」
遠くから見ればわからないだろうが近くで見るとカクカクしていて偽者だとまるわかり
だ
「まあともかく今日は寝ましょうお休みなさい天国のお母様」
こうしてフリージアはいつものように氷の中で眠った
その老人は夜明けと共に活動を再会した。
彼は気付いているのだ、学園長の力が弱まっている事を。
場所は校舎の屋上、そこには奇怪な魔法陣が動物の血で大きく描かれている。
「大いなる闇の帝王よ。我、汝との盟約に則りここに請い願わん。
魔界の使徒よ。我、血の契約の印を以ってここに呼びかけん。
我に仇なす者に覚めぬ悪夢を与えたまえ。
来たれ!混沌よ!」
今まさにギルハートによって学園に大量の悪魔が召喚された。
>>574 バサッ
ギルハートの頭上に古い新聞が落ちてきた。一面には
> 某勇者様の不倫疑惑↓
と書かれている。記事の一部が切り取られているようだ。
ギルハートは空に向かって語りかける。
「私が見えるか?…アンジェリーナ。」
雪のように白いフクロウが何かをくわえて空を飛んで行くのが見えた。
早朝、日の出の少し前…。メラルは自分の部屋で目を開けて周囲を見回した。
「どうやら、間に合ったようね…早めに寝てよかったわ。」
立って、着替えを始めながら壁に貼った、自らの占いの結果二枚を見る。
「…来る前に部屋を出ておかないと…。」
そこにある絵には、女子寮内部での悪魔と生徒の混戦…その一部に、
メラルの部屋での彼女と悪魔の戦いが描かれていた。そこに、日付にマーク
があるため、日付がはっきりわかるカレンダーと、時計まで写っていた。
ちなみにそれらは彼女が自分の占いの傾向を考えて非実用的な場所に配置した品だ。
もう一枚は、傍目には記号の羅列としか思えず、一度丸められた形跡まである物だ。
「それにしても、気付かれなくて良かったわ。この記号が…同じだという事に。」
メラルは昨日リリアーナが席を離れた後、自分の文字の方も失敗の一種という事に
して丸めて鞄に放り込んだのだ。そして、"明日"…つまり、今日早朝に襲撃が
あるだろうこと、門は召喚と関連性がある可能性が高い事、あくまで
結果は現時点の物であり、現実を結果と変える事は可能な事、
などを総括して伝えてからその場を後にしたのだ。
「…覚悟か絶望と死か…逃げ場なしね。はっきり言ってくれるわよ。全く」
丁度着替えが終わったようだ。巫女系の服のような物を着たメラルが、杖を手に取る。
「間違いなく、向こうがまず狙うのは彼女よね。
もしそうじゃなかったとしても、彼女には、話しておかなきゃ
いけないこともあるわ。この占いが本当なら…これも覚悟のうちのはずよ。
それに、どうせ目の事を知られちゃった相手。それにあの事が加わったって、
何の変わりもない…。」
そして、自分の部屋を出ると、静かに、周りの部屋の人間を起こさぬように
ゆっくりと。そして魔力に注意しつつリリアーナの部屋に向かっていった。
その途中、強大な術が発動されたのに気付く。そ
「…恐らく…これね。」
直後、メラルは足音など気にもせずにリリアーナの部屋に向けて走り出す。
まるで、周りを起こす事も目的に含めるかのように。
そして…昨日調べておいたリリアーナの部屋の前に来ると、扉をノックした。
夜明けの少し前、クドリャフカは69号室を家捜ししていた。
この部屋に【何か】があるはずなのだ。
あるいは起こるはずなのだ。
おそらくは襲撃者による悪魔の召喚。
・・・のはずだったのだが・・・
「むぅ・・・占いの未来は変わったのかのぅ・・・」
何も見つからず、何も起こらずただ時は過ぎていく。
クドリャフカは空き部屋の女子寮69号室で息を漏らした。
悪魔の絵、歪む学園、女子寮ので戦闘、これらから当たりをつけ、それなりの用意もしたのに・・・
緊張が解け、ほっと窓から外を見ると、夜闇に包まれていた空が美しいグラディエーションを形作りながら白んでゆく。
夜明けだ。
>581
その光と共に校舎屋根から大量の悪魔が溢れ出るのが目に入った。
想像していたより遥かに多いその数に頬が引くつく。
「こりゃぁおえんのぉ・・・校舎屋根かよ!」
扉を蹴破り、廊下に隠された秘密のスイッチを叩き押す。
女子寮には男子生徒侵入を阻む様々なトラップが張り巡らされているが、これもその一つ。
危険を知らせるけたたましいベルの音が学園中に響き渡った。
「ジリリリリリリ!!!」
突然ベルの音が部屋中に鳴り響く。
「侵入者でも入ったのか……?しょうがねぇなぁ…。」
ベッドから出てタバコを一箱ズボンのポケットに突っ込もうとすると何かが手にぶつかった。
手にぶつかったのはリリアーナから預かっていた赤い石だった。
「そういやこんな物預かってたな…。部屋に置いとくのも危険だし持ち歩くか。」
ポケットにタバコと赤い石を突っ込むと急いで部屋を出た。
部屋を出た瞬間エース先生がテレパシーで話かけてきた。
>「レイド先生!大変です!外の様子を見て下さい!」
何やら相当焦っているようだ。
「なんだってんだよ、ったく…」
言われた通り外の様子を見ると悪魔が窓を突き破ろうとこちらに向かって来ているのが目に入った。
それもかなり数が多い。
「オイオイ、いつからここは地獄になったんだ…?あのじいさんの仕業の可能性が高いな…。エース先生はとりあえず生徒を避難させてくれ。この悪魔共は俺が何とかすっから。じゃ、よろしく。」
テレパシーを切り戦闘体勢を整える。
「あ〜あ。もう少し人生楽しみたかったなぁ。今日で俺の素晴らしき生涯も幕を閉じるって訳か。」
悪魔の大群が窓を突き破って入ってきた。
ざっと数えても60以上は居る。
別の場所にも悪魔は居る筈だが、そこは他の先生が何とかしてくれるだろう。
「手加減無しで派手にやろうぜ悪魔共。最後くらいマジでやりたいからよ。」
夜明け前。
リリアーナは長い髪を帽子の中に収めようと、薄暗い部屋の中で一人四苦八苦していた。
机の上には、『課題』に出かける時身に付ける装備一式揃えられている。
「こんな感じ・・・かな?」
ようやく身支度が終わったリリアーナは、鏡の前でくるりと一回りした。
今日の彼女は珍しく制服の上にローブを纏っている。ただし、下はスカートではなくズボンだった。
髪を隠しローブを着用すれば、かなり小柄だがぱっと見男子生徒には見えなくも無いだろう。
そう、リリアーナは今からロックの部屋を忍び込むつもりだった。
彼の部屋に行けば、今起こっている事に関して何か手がかりが手に入るかもしれないと思ったからだ。
ロックに頼まれた小箱も忘れずに手に入れなくては。
―――― 本当はレイドに事情を話し、部屋まで案内して貰うのが一番いい方法なのだろう。
だがメラルの占いの結果から鑑みて、その手は使えそうにない。
間に合わないからだ。
>581
荷物をまとめて部屋を出ようとした時、何か大きな術の発動を感じた。
「―――― まさか夜明けと同時とはね。お年寄りは朝が早くて嫌だわ」
>582-583
ドアをノックされ、リリアーナは覗き窓からそっとドアの外をうかがった。
オリエンタルな服を纏ったメリルがドアの前に立っていた。
普段使ったことが無かった鍵を外しながら、リリアーナはメラルを部屋の中に招き入れた。
「メラルさん。おはようございます。・・・昨日はごめんなさいね」
窓の外の光景に気づいた途端リリアーナは硬直したが、すぐに気を取り直した。
クドリャフカから貰った本をウェストポーチに押し込みつつ、メラルに向き直る。
「私に何か御用かしら?今、あまり時間が取れないのだけど・・・」
けたたましいベル音に負けないよう、リリアーナは声を張り上げた。
>582>583>585
「ジィィィィィ!!!」
突然寮に響き渡るベルの音
急に飛び起きたフリージアは自分で作った氷の棺桶の屋根に頭をぶつけた
「いたたたた・・・なんですのこのベルの音は?」
氷を粉砕してそこから出たフリージアが窓の外に見たもの・・・
それはなんだか黒っぽい物体だった
「・・・・・私寝ぼけてるのかしら?こんなところにグレムリンがいるわけ無いじゃない」
そうそれは機械を狂わせることで有名な小悪魔グレムリンだったのだ
「キィィィィ!!」
窓を覗いているフリージアを見つける小悪魔
まさか襲い掛かってくるのか?
グレムリンはフリージアの様子を見ている
グレムリンはフリージアの顔色が青っぽいことに気がついた
グレムリンは顔色が青っぽい→人間じゃない→仲間と3段階に考えたようだ
「キィキィv」
なにやら友好的な態度を示すグレムリン
「襲い掛かってくるでもなく一体何がしたいのかしら?」
さすがのフリージアも自分が同族だと思われたとは夢にも思わないだろう
ふと唐突にそういえばリリアーナの体調は良くなったのだろうかという考えが頭をよぎったフリージアは
「とりあえずお見舞いにでも行きましょ・・・・ってあなたも付いて来るの?」
とグレムリンとともにリリアーナの部屋を目指すのであった
いまだに鳴り続けているベル
トントンとノックするフリージア
「リリアーナさん体調のほうはどう?あらメラルさんあなたもお見舞い?」
頭の上にグレムリンが乗ってるが一向に気にしないフリージアであった
ん? 誰か倒れてるぞ?
おい、大丈っ……うっ、うわあああああああああああ!!!
車椅子の老人の側から黒猫が離れ、別行動を開始した。
大量の悪魔が魔力を発散しているため黒猫の魔力は目立たなくなっていた。
不思議なことに黒猫が離れると老人は死んだように動かなくなってしまった。
589 :
生徒:2007/03/08(木) 21:18:50 O
(返事がない。ただの屍のようだ)
けたたましいベルをBGMにするかのようにクドリャフカはスカートの裾をつまんであげる。
上げられたスカートからは物理的にスカートには収まりえない四本の剣が滑り落ち、床に突き刺さる。
「四方剣舞・聖殉祭!」
クレイモア・ショーテル・青龍刃・フランベルジュ。
それぞれ形は違えど、聖なる力が付与された対悪魔用の武器。
クドリャフカが優雅に舞いを始めると、それに付き添うように宙を舞う。
各所に仕掛けられた侵入者(夜這い・痴漢)防止トラップを潜り抜けて女子寮内に侵入し始める悪魔達が出始める。
そんな悪魔達に剣は自らの意思を持つかのように襲い掛かり、魔界へと還していく。
「さあて、これだけの数は相手にしていらりゃぁせんからの。元を断ってみようかの。」
クドリャフカは四本の剣を引きつれ窓を打ち破り走る。
目指すは校舎屋上。
「破片よ、砕かれし者よ、来たれ!汝に与えし名はミノフスキー!」
走りながら懐から出した皮袋を取り出し、呪文を唱える。
リリアーナを襲ったイレブンの事を思い出していたのだ。
皮袋の中には粉末にまで砕かれたガラスが入っている。
これにクドリャフカは魔力を付与し、極微のゴーレムとしているのだ。
命令に従い袋から舞い出たミノフスキーは術者の周りを漂う霧となる。
存在そのものはガラスの粉なので、これを吸い込めば肺が傷つき陸上にいながらにして溺れ死ぬ事になるだろう。
体内にいるため、取り出しも不可能のかなりの凶悪なアイテム。
だがここは魔法学園。
誰しも魔法障壁を持っていて、ガラス片を吸い込むことなどまずありえない。
だからクドリャフカもその効果は期待していない。
それよりも、探知魔法などで探られるとき、破片で魔力を乱反射させ見付らない隠れ蓑として。
そして姿の見えない敵を察知するフィルターとしての効果を期待してのことだ。
姿が見えないといっても、質量としてはそこに在るのだから、いれば当然気流の乱れも出るというわけだ。
その乱れを判りやすくする為の一種の結界といえる。
584>
移動する途中、学園各所で戦う音が響く。
早朝の不意打ち、圧倒的な多数という事でどうも旗色は悪そうだ。
だが脇目も振らずただ一点、門があるであろう地点へと走った。
>588
校舎屋上。
血で描かれた奇怪な魔法陣。車椅子の老人。一角を埋める銀色の霧。
リリアーナのいうギルハートの特徴と一致している。
これだけの悪魔を召喚できる人物。
にもかかわらず、ミノフスキーの霧に包まれてきたとはいえ、屋上までこれば気付かれないはずもないのにギルハートは沈黙を保ったまま。
ともすれば、これがロックかもしれない事も・・・
対峙したものの、迂闊には近寄る事もできない。
「とりあえず・・・死なん程度に!」
ミノフスキーの霧の中で大きく舞うと、クドリャフカ手製聖剣の一本、フランベルジュタイプが一直線にギルハートに向かって飛んでいく。
ええと・・・そこで死んでる方ゴーストでも授業は受けれるからあとで死霊科に来るように
>「メラルさん。おはようございます。・・・昨日はごめんなさいね」
リリアーナに部屋に招き入れられ、謝罪をされた。
しかし、メラルはその事について殆ど気にしていない様子である。
「おはよう。リリアーナさん。……気にしなくていいわ。」
そして、寮に響くベルの音を聞き、一瞬言葉を止めたが
少しして続けた。格好については意に介さぬ様子。
「自分の術を失った時の動揺がどれほどの物かは…知ってるから。
最も、私の場合は雷だけだったけどね。」
そして、リリアーナが用件を聞いてくる。
メラルはそれに答えた。
「用って程でもないわ。ただ…占いでは今日の朝に敵が来る事。
状況からはあなたが狙われるであろう事が判ってたから、
それに備えようと思ったのと、程度の差はあれ能力を失った者同士。
原因に何か共通点があるのなら、互いの能力を取り戻す
助けになるかもしれないと思って来た。…そんな所ね。」
(あの結果が無ければ、目の事まで知られているからと
ここまで割り切って話すのは無理だったでしょうけどね。)
「何処に行くかはわからないけど、ついて行っても構わない?」
リリアーナに言った。その辺りでノック音が聞こえる。
扉が開くと、頭にグレムリンを乗せたフリージアが。
声を掛けてきたので、途中で聞こえてきた悲鳴に対し
一瞬表情を暗くしたりしつつも答えた。
「あれだけ関わって今日は無関係を決め込むなんて真似はできなかっただけよ。
後…外も大変な事になってるみたいだし、まずはその頭にいる魔物から
排除させてもらうわ。…ピンポイント。」
頭のグレムリンのみにダメージが行くように、
杖に魔力を貯めて、斥力球を放つ。グレムリンの顔の中心辺りに
直撃させて、グレムリンだけを壁まで吹き飛ばして圧砕しようとしたのだ。
最も、この術は術による障壁に対してはかなり強い代わりに
相手が障壁を張らない場合、そこそこいい位置に当てないと体制を崩す程度の
効果にしかならないという致命的な欠点も持つ代物なのだが。
騎士とは王に従い民を守るものだ
私は民を守るために・・・大切な人達を守るために騎士になった・・・
だが、実際はどうだった?
暴君の犬になりさがり、守るべき民を苦しめ、ときには殺しもした・・・
私は・・・こんな醜い者になりたくはなかった・・・
「だから・・・この世界に復讐する・・・」
違う・・・私は私は・・・
「救われたいだけ・・・それはあなたのエゴでしょ」
違う・・・違う違う違う違う違う違う違う・・・
「すべて受け入れなさい・・・さぁ」
嫌だ・・・嫌だァァァァァァァァァァァァ・・・
>592
「ヘゥゥゥゥゥ!!」
妙な声を出して吹っ飛ぶグレムリン
「え〜と・・・ありがとう助かっりましたわ」
顔を引きつらせながらとりあえずお礼を言うフリージア
まあちょっとかわいそうだが仕方がない
このままいたずらで機械を壊されでもしたら大変なことになるのだ
これで絶命したと思われたグレムリンだが・・・
「キュキュキュイキュイ!!」
壁にぶつかっってボテチンと下に落ちたグレムリン
それはいきなりなにすんねんわれ!!という感じで抗議した
「って!?なんで無傷ですの!!」
思いっきり呪文がダイレクトヒットしたはずなのになぜか怪我ひとつ負ってないグレムリン
もしかしてギャグキャラなのか?
動揺するフリージアのスカートの下にもぐりこもうとするグレムリン
「・・・・とりあえず蹴っておきましょ」
なんだかうっとおしくなったのでフリージアは思いっきり蹴飛ばした
>590
蹴飛ばされたグレムリンはちょうどクドリャフカのいる方向に飛んでいった
「とりあえず邪魔なのもいなくなったし私もリリアーナさんを手伝わせてもらいますわ」
悪魔軍の襲撃を受ける数分前・・・彼女は目を覚ました。
彼女は徐に立ち上がると体の感覚を確かめるように手を開いたり、閉じたりした
「ふぅ〜ん・・・死んでからも鍛えてたみたいね・・・関係ないのにね」
妖しく微笑みながら彼女は拳を作り力を込める。
両手を拘束していた拘束具は小刻みに振動し、ところどころにひびがはいった。
「・・・ハァァァァ!!!」
彼女の気合と共に拘束具はバラバラに砕け散る。
「フフフ・・・THE・NEWアルテリオン!!!THE・NEWカタストロフ!!!ここに誕生よぉぉぉぉ
フフフフフ・・・アッーハハハハハハハハハハハハ」
腹のそこから声を張り上げ、彼女は狂気に酔いしれる。
「ハハハハ・・・フフフ・・・さぁて・・・誰から殺そうかしら・・・・」
彼女は笑うのをやめ、腕組みをして考え始める。
死霊科の生徒を片っ端から殺そうかしら・・・一対多はまだ止めといたほうがいいかな
・・・そうだ・・・あの女から殺そう・・・フリージア・ノクターン・・・私に最大の屈辱を与えた女・・・
「決〜めたぁ」
狂ったように笑いながら刀と剣をもって彼女は用務員室から飛び出した。
>>590 > 「とりあえず・・・死なん程度に!」
フランベルジュタイプが老人に直撃した!
にも関わらず老人は身じろぎしないどころか死んだようにぴくりとも動かない。
突然老人の側に半透明のメイドが現れた。
「ここに誰か来るのはわかっていました。
“見た目は人を欺きます”
その老人はギルハートではありません。
実体のある身代わり…デコイとでも呼びますか?
本物を見つけるのは困難です、悪魔達の魔力が強すぎます。
ギルハートを浮彫りにするために悪魔の数を減らしましょう。」
そう言うとメイドは消えてしまった。
上空からクドリャフカに向かって巨大な黒い塊が落ちてきた。それは大きな車輪だった。
車輪の周りには大量の刃が光り、中央には目が付いている。
その目がクドリャフカを捉えると車輪は勢いよく彼女に突進した。
>>594 グレムリンがクドリャフカの側に落っこちた。
…かなり運が悪い悪魔である。
フリージアの意味無さは異常
>586
メラルはさらりと過去自分が雷の魔法の一部を失ったことを語った。
その言葉はリリアーナにとっては意外なものだった。
「でも・・・メリルさんは学園長室で、光の輪を8つ同時に操っていらしたのに・・・」
メラルはそれには答えず、リリアーナに昨日の占いの結果を話して聞かせた。
内容はリリアーナにとって意外なものだった。
「ギルハートが?・・・まさか!もう一度私に接触する理由が無いわ。
だって赤い石はもう私の手元にはないのよ?」
口にしてから気づいた。ギルハートは、リリアーナが誰に石を託したか知らないことに。
学園長室から盗んだ品を、まだリリアーナが保持していると考えるほどギルハートは愚かではないはずだ。
だが、誰に渡したか尋問される可能性も捨てきれない。
>586 >594
>「何処に行くかはわからないけど、ついて行っても構わない?」
黙り込んでいたリリアーナに、メラルがそう尋ねた。リリアーナは少し困った顔をした。
「それは構わないけど・・・私実は、今から男子りょ・・・」
ノックで言葉が遮られた。この特徴のあるノック音はフリージアのものだった。
「鍵は開いてるわよ。おはよう!フリージ・・・ア・・・・・・?」
フリージアの姿を見た途端、リリアーナの声が途切れた。
>「リリアーナさん体調のほうはどう?あらメラルさんあなたもお見舞い?」
リリアーナは答えない。ただ、フリージアを指差し口をパクパクさせているだけだ。
代わりにメラルが軽く頷いた。
>「あれだけ関わって今日は無関係を決め込むなんて真似はできなかっただけよ。
> 後…外も大変な事になってるみたいだし、まずはその頭にいる魔物から排除させてもらうわ。…ピンポイント。」
止める間もあればこそ。メラルはフリージアの頭に懐いているグレムリンを問答無用で吹き飛ばした。
跳ね返ったグレムリンはフリージアのスカートにもぐりこもうとしている。
「フリージア、そ・・・それ何?もしかして使い魔?」
>「・・・・とりあえず蹴っておきましょ」
「は?」
ガシャーン!
派手な音を立てて窓ガラスが砕け散った。
電光石火の蹴りを受けたグレムリンは、きらりと朝日を反射させながら向いの校舎の屋上へと消えた。
どうやら使い魔ではなかったようだ。では今の懐きっぷりは一体何だったのだろう。
>「とりあえず邪魔なのもいなくなったし私もリリアーナさんを手伝わせてもらいますわ」
フリージアはにこやかに助力を申し出てくれた。
リリアーナは窓だった穴から吹き込む朝の風を感じながら、がっくりと肩を落とした。
「あ・・・ありがと・・・フリージア、メラルさん。
でも実は私、今からロックの部屋を訪ねようと思っていたの。つまり男子寮に潜入・・・。
もしバレたら懲罰モノだし外聞も悪いんだけど、それでも付き合ってくれる?」
まあ大量召喚された悪魔に比べれば、男子寮に忍び込むくらいたいした問題じゃ無いかもしれないが。
今もグレムリンが寮の中に入り込んでいたし。
リリアーナはグ窓枠すら残っていない穴を眺めてため息をついた。
>581
リリアーナの表情が変わった。
悪魔達が飛び交う中、純白のフクロウが飛んでいる。何かを咥えている。誰かのフクロウ便のようだ。
フクロウはガーコイルに追われている。
「この・・・何してんのよ!!」
リリアーナは置時計を鷲掴みすると、『元窓』から身を乗り出しガーゴイルに投げつけた。
顔面を打ったガーゴイルはフクロウを追うのを止め、こちらを見た。・・・目が合ってしまった。
リリアーナは乾いた笑いを浮かべながら、じりじりと後ずさりした。
「―――――ねえ皆、後の話は早朝ジョギングしながらにしよっか〜?」
ガーゴイルはまっすぐこちらに向かって飛んでくる。
リリアーナは皆に目配せすると、脱兎のごとく廊下へと逃げ出した。
「ハァハァ………。流石にあんだけの数の悪魔を相手にすんのは辛いな…。」
俺の周りには大量の悪魔の死体が転がっている。
「ヤバいな…。肋骨が2、3本いっちまってる…。」
壁に背を付けて座り込むと窓の外から更に悪魔の大群が向かって来ているのが目に入った。
「絶対絶命ってやつか……。」
窓の外にいる悪魔の一匹が、俺を見てニヤリと笑みを浮かべ、こう言った。
>「オ前ハ我々ニチカイタイプノニンゲンダナ……。ソレモ強力ナ魔力ヲモッテイル。我々ノ仲間ニナラナイカ?仲間ニナルナラ命ハ助ケテヤル。」
このお誘いは俺にとって悪い誘いではなかった。
悪魔になれば今より更に強力な力を手にする事が出来るし、命も助かる。
しかし俺のプライドが悪魔になる事を許してくれなかった。
「分かったよ。仲間になってやるから助けてくれ。……なんて言うと思ったか?お前らみたいな化物共の仲間になんなら死んだ方がマシだ。くたばれクソ野郎。」>「残念ダヨ…。仲間ニナラナイナラオ前ノ存在ハ脅威デシカナイ。死ンデモラウ。」
そう言うと一匹の悪魔は人差し指を俺に向けた。
「死ネ。」
指先から紫色の光線が俺の心臓を貫いた。「ちっ…くしょ…う…。」
>596
予想していた障壁や回避行動が一切なく、剣はギルハートを貫いた。
まるで車椅子に縫い付けられるように。
「うぞ・・・」
クドリャフカ自身こんなにあっさりと攻撃が決まると思っていなかったのであせってしまう。
フランベルジュは波状の刀身を持つ剣である。
その形状ゆえに傷口はズタズタになり、致命傷になりやすい。
相手の行動を差し引いての殺さない程度だったのに、これでは殺してしまったかも・・・
この後の対処を考えていると、半透明のメイドが現れギルハート本体ではない、と継げる。
言われてみればありふれた手段ではあるが、いわれないと気付きにくいのもまた事実。
内心ほっとしながらも、無駄足を踏んだ事に歯軋りを鳴らす。
悪魔の数を減らして・・・そういいメイドは消えてしまう。
悪意もなさそうだし、従って問題はないだろう。
しかし・・・大半は低級な悪魔とはいえ中には強力な悪魔も混じっているようだ。
どうすれば・・・そんな思考も途中で強引に閉じられる事になる。
ミノフスキーの圧力で押さえつけられるような感覚。
すなわち直情からの大質量による攻撃!
そう理解する前に身体は動いていた。
飛びのいた直後、ミノフスキーを掻き消し屋上を抉ったのは巨大な車輪。
周りに大量の刃が光り、中央には目がついている。
「これに殺されたらなんてゆわれるんじゃろうか。轢死なんか、惨殺なんか・・・のぉ!」
突進してくる車輪の悪魔を華麗なステップで躱し・・・
『ギョゲエエエ!』
躱すつもりだったが、足元から悲しげな苦悶の声と、なんとも不愉快な感覚。
ステップを踏んだ先にはフリージアに蹴飛ばされて飛んできたグレムリンが踏みにじられ目を剥き出しにしてないていた。
「あ、あかん!」
しかし泣きたいのはクドリャフカも同じ。
致命的な隙を作ってしまい、車輪の突進を防ぐのは不可能。
とっさに腕を交差させると、宙に浮いていた三本の聖剣が盾となるように集まり、激突!
砕け散る刃、吹き飛ぶクドリャフカ。
刃の厚い青龍刃とクレイモアだからこそ、その身を砕きながらも盾の役割を果たせたといえよう。
だが衝撃までは無効化しきれず、クドリャフカは屋上からまっさか様に落ちていく。
そして追撃する車輪の悪魔。
「ようもやってくれたのぉ。ビジュアル的に弱点を主張しとるような悪魔の分際で!」
地面に激突する間際に体制を整え着地。
思ったより衝撃が少なかったのは未だに足にくっついているグレムリンが緩衝材となってくれたに他ならない。
ここまでしても死なないグレムリン。ギャグキャラ畑出身なのはもはや疑う余地がない。
迫り来る車輪の悪魔を見上げ、手を横に振ると最後の聖剣、ショーテルタイプはS字を描くような湾曲した刀身を持つ。
それは防御の死角を突き知名だを与える為の湾曲。
ちょうど今、車輪の正面にありながら、横から中心の目を突きさしたように。
「たたんじゃぁ殺しゃぁせんよ?あんたにゃぁ私の武器となってもらいますけぇの!」
目を突き刺され、怒声のような叫びを上げならが落ちてくる車輪の悪魔を紙一重で躱す。
交わした瞬間、車輪の悪魔のバランスを崩し少し力を加えてやると、車輪の悪魔は軌道を変え勢いのまま飛んで行く。
>599
飛んで行く先は校舎。悪魔が大量に群がる一室。
レイドが心臓を貫かれた瞬間、暴走した巨大車輪の悪魔が室内の悪魔に突っ込んだ。
目を潰され暴走する悪魔。
その傍らにはクドリャフカが張り付くように舞っている。
車輪の悪魔の暴走を僅かな重心操作と力を加えることによって操っているのだ。
完全に不意を突かれた室内の悪魔達が引かれ、斬られ、倒されていく。
「・・・満足カ?」
生死の判断がつかないレイドの頭の上でアイミーはそう訪ねた。
「貴方ハ・・・ソレデ満足シテイルノカ?
未練ガ多少アルナラ・・・私ノ手ヲ掴め・・・命ヲ・・・ソシテ『力』ヲ与ルツモリダ」
ボロボロと体を覆っている土を落としながら、アイミーはレイドに手を差し伸べる。
アルテリオンがカタストロフに乗っ取られた今、アイミーの存在は少しずつ死んでいく
その状態のアイミーが唯一できることがこれだけだった。
>598
>「―――――ねえ皆、後の話は早朝ジョギングしながらにしよっか〜?」
その声に無言でうなずきちょいと指を振ってから走り出すフリージア
いつまにやら元窓には雪の結晶の蓋がしてある
さっきの指振りの正体はこれだったのだ
だがしかしその蓋を簡単にぶち破って追いかけてくるガーゴイル
やはり呪文なしの動作のみの魔法では防護壁にもならなかったらしい
「しつこいですわねえ!!」
後ろに雪の結晶を生み出しながら走るフリージア
それにぶち当たりながらも追いかけるガーゴイル
ちょっとづつでもダメージは蓄積されているらしくスピードが鈍くなって来ているようだ
スピードを落としたガーゴイルからある程度離れてから建物の影に隠れる3人
ガーゴイルはこちらを見失ったのかあらぬ方向に去って行った
>595
さてここはフリージアの部屋
ここには昨晩作ってそのままにしてあった
色つきの雪の結晶のフリ−ジア像が窓辺に置かれてある
なぜか一晩たったというのにまったく溶ける様子がない
一体全体どんだけこの部屋は寒いのだろうか
そしてその像は遠くから見ると本物のフリージアそっくりに見えるのだった
どうやらそれを見つけた者がいるようだ
その者は騎士のような姿をしていた
さてどうなることやら
>「でも・・・メリルさんは学園長室で、光の輪を8つ同時に操っていらしたのに・・・」
リリアーナの口から意外な言葉が飛び出した。
(…私、あの事件の直前でも、二個ですら暴走しかかったのに…。
そんな馬鹿な事…。でも、嘘とも思えないし…。後で考えましょう。)
そして、続けた彼女の言葉に驚いたようにリリアーナが言った。
それにメラルが反論する。
>「ギルハートが?・・・まさか!もう一度私に接触する理由が無いわ。
> だって赤い石はもう私の手元にはないのよ?」
「石だけを探知する、何らかの手段があるのならそうだけど…
なかったら向こうの手がかりは、あなたしかないも同然なのよ?」
最も、リリアーナ自身言った後で気付いたようだったが…。
そして、フリージアがグレムリンを頭に乗せてきて、
メラルがグレムリンを吹き飛ばす。ギャグキャラの常なのか、無傷だったようだ。
フリージアの顔が引きつってるのは無理もない事なのだが、
実際の所あの攻撃は、重心に近くない部位に当てても
体勢を崩す効果しかない。万が一フリージアの頭に
直撃してもフリージアを派手に転ばす位で済んだはずなのだ。
なのでメラルはその点については余り気にしていなかったりする。
結局グレムリンはフリージアのキックでガラスを突き破って消えていってしまった。
そして、リリアーナが行き先を明かした。メラルに依存はない。
「…構わないわ。でも…潜入って窓から?表から?
表からだと流石に時間もかかりそうだけど…!」
メラルが言ったあたりで、リリアーナが声と共に置時計を投げた。
それがちゃっかりガーゴイルに直撃する。
>「―――――ねえ皆、後の話は早朝ジョギングしながらにしよっか〜?」
「いいわね、それ。」
フリージアが何か術を準備していたのに気付き、
メラルはリリアーナをそのまま追いかけた。
そして、フリージアの機転でやり過ごす事が出来た。
その後でため息をついてから言う。
「これは…急がないと本格的にまずいわね…。…この際、ちょっと危険だけど…
直行しない?…一応、二人乗りも出来なくはないし。」
メラルが近くの大窓を開け、杖を見せて言った。
【男子寮69号室】
他の部屋と同様にこの部屋も窓を割って入ってきた悪魔達に荒らされていた。
当然だが、ここが他の部屋と異なるのはロックの部屋であるという点である。
よって、当然のように“ある物”が部屋の中にあるのである。
「キー?」
一匹のグレムリンがその大きく長い箱に気がつくのに時間はかからなかった。
悪魔がその箱に手をかけ、中身を開放した瞬間
「ギャシャー!?」
グレムリンはゴムマリのように弾け飛び、部屋の壁にめり込んだ。
他の悪魔達が一斉に箱の方に振り向いた。
そこにはやけに大柄な箒が浮いていた。
この箒の名はフォルティシモ、ロックの所有する空飛ぶ箒である。
「オォン!!」
今度はグリム(亡霊犬)が襲いかかるが
「きゃいん!?」
フォルティシモはその馬力を全開にしてグリムを叩きのめした。
その後のロック部屋の中は凄まじい事になった。
追われる悪魔、追い掛けるのは怒り狂った箒。
逃げ遅れた悪魔は容赦無く叩きのめされ、〇〇無双よろしく窓の外へ吹き飛ばされた。
605 :
名無しになりきれ:2007/03/10(土) 22:26:29 0
おのれ!!悪魔」どもめが!!
わん!!(ぼくも仲間に入れて〜??)
出血が止まらない……。
俺はこのまま死ぬのか?
まだまだやる事は沢山残ってるってのに…リリアーナから貰った石を学園長に預けなくちゃなんないし、結婚もしたかった…。
>601
>「・・・満足カ?」
>「貴方ハ・・・ソレデ満足シテイルノカ?
未練ガ多少アルナラ・・・私ノ手ヲ掴め・・・命ヲ・・・ソシテ『力』ヲ与ルツモリダ」
突然頭の上で何者かの声が聞こえた。
「満足な筈…ねぇ…だ…ろ。未練……ありま…くり…だっ…つーの。手を掴め……だと?」
俺に話かけている人物は何者か分からないが、悪意は感じられない。
「どの道……死ぬ運命だ。信用してみる…か。」
俺はそっと頭の上の人物の手を握った。
>602-603
フリージアは咄嗟に防護壁を作ってくれたのだが、怒り狂ったガーゴイルにあまり効果は無かったようだ。
廊下に飛び出した3人の背後から、壁を突き破ってガーゴイルが追いかけてきた。
「いやーん!!私の部屋が〜!!」
リリアーナは泣き言を言った。だがこの場合自業自得である。
廊下の小悪魔達を蹴散らし、侵入者撃退トラップを避けつつ3人は走りつづけた。
殿のフリージアは次々雪の結晶を次々出してガーゴイルに命中させていく。
「さっすがフリージア!頼れるわ〜」
建物の影にある小部屋に逃げ込んだ3人は、無事ガーゴイルをやり過ごすことが出来た。
>「これは…急がないと本格的にまずいわね…。…この際、ちょっと危険だけど…
> 直行しない?…一応、二人乗りも出来なくはないし。」
「乗せてくれるの?ありがと〜。
そうね。メラルさんの言うとおり飛んでいくのが一番手っ取り早いかも。
まあ悪魔に狙い撃ちされるかもしれないけど、現状じゃ歩いて行ってもリスキーなのに変わりないしね!
―――― そういえば、フリージアはロックの部屋の位置を確認してるのよね?・・・どのへんか・・し・・・ら・・・?」
フリージアにたずねようとしたリリアーナだったが、彼女の顔を見るなり急に元気が無くなった。
「自分でちゃんと解決できないのに、ガーゴイルを挑発するなんて軽率でした。
でもね、でも・・・どうしても放っておけなかったの・・・ごめんなさい」
しょんぼりと項垂れたリリアーナは、もう一度二人に頭を下げた。
リリアーナはメラルの杖に同乗した。全員で大窓から外に飛び出す。
高度を2メートルほどに保ち、一直線に男子寮へと向かう。
「ひどいわ。学園がめちゃくちゃじゃない・・・」
あちこちで小規模な戦闘が起こっているが、あまり戦況は芳しくないようだ。
「レイド先生大丈夫かな、昨日肩に大怪我していたのに。
・・・幾らなんでも、まだ赤い石を持ったままって事は無いわよね?」
レイドが遅れを取るとは思えないが、もしかしたらまだ本調子ではないかもしれない。
リリアーナは不安そうに呟いた。
>587 >589 >591
「そこの2人とゴーストさん。女子寮が悪魔達に襲われてるの!皆を助けてあげて!
今なら天下御免で中に入れるわよ〜!!」
ドップラー効果を残しながらリリアーナが叫ぶ。
「な、何だって――――!!(AA略)」
「ぼやぼやしないで行くぜ!」
たった今まで屍のようだった生徒までが起き上がり、全員ダッシュで走り去っていった。
>604
ロックの部屋らしき場所から悪魔やグリムがぽんぽん飛び出してくる。
「・・・何あれ?」
(もしかして、ロック戻ったのかな)
「メリルお願い、もっと速く飛んで!!」
そんなはずは無いと知りながら、それでもリリアーナはメラルにせがんだ。
なにやら聞くも無残な絶叫やうめき声が聞こえてくるのだが、リリアーナは気にしていないようだ。
>606
ロックの部屋まで後少し、というところで・・・。
>わん!!
リリアーナは振り返り、目を見開いた。
(嘘!何でこんな所に柴犬が?!)
声の主は子犬だった。男子寮の前で尻尾を振ってこちらを見上げている。
そして子犬の背後からは、ナイフとフォークを持ったグレムリンが。
「先に行って!後で必ず合流するから!!」
そういい残し、リリアーナは飛び降りた。
「子犬相手に何してるのよ―――っ!天誅!!」
リリアーナはグレムリンの上に着地した。グレムリンは踏み潰された。
『キ・・・キキィ・・・(訳:この女・・・お・・・重い・・・)』
「な ぁ ん で す っ てぇぇぇぇぇ?!」
悪魔の言葉はわからないはずなのに、こういうときだけ妙に勘が働く。
怒ったリリアーナはグレムリンに回し蹴りを食らわせた。不幸なグレムリンは星になった。
ぜえぜえと肩で息をしていたリリアーナは、額の汗を拭いにこやかに振り返った。
「どうしてこんな所に?使い魔でも無さそうだし・・・迷子ならぬ迷い犬かな?
とにかくワンちゃん、ここは危ないから移動するわよ!!」
リリアーナは子犬を小脇に抱えると、新手を振り切り男子寮の中へと駆け込んだ。
女子寮ほどでは無かったが、男子寮の中にも悪魔が入り込み混戦状態だった。
そのため目深に帽子を被ったリリアーナに注目する生徒はいない。
これ幸いとばかりにリリアーナは69号室を目指した。
中に入って気づいたのだが、男子寮と女子寮の間取りは全く同じだった。
外からロックの部屋の位置も確認しているので、簡単にたどり着ける・・・筈だった。
「66・・・67・・・68・・・70って・・・あ、あれ?」
69号室のドアが無い。
「う・・・嘘でしょ〜?!何で〜?!」
何も無い壁の前で、リリアーナは途方に暮れた。
悪魔の襲撃により、学園の生徒に避難令が出された。
「死霊科の生徒は僕についてきたまえ!
物理科の生徒はエース先生について行くんだ!
こらそこ!列からはみ出るな!」
一等課程の生徒と多くの教師は三等課程の生徒を引率し、ゲートから避難させようとしていた。
基本的に卒業するまでは学園から出られないのだが、この学園の校舎内には外界に通じるゲートがある。
しかも、特殊な結界が張られているため悪魔は通行できないのである。
「ちょっと待て!君達二等課程の生徒の避難は三等課程の生徒の避難が終わってからだ!
それまで各自、自分の身は自分で守ること!」
611 :
生徒:2007/03/11(日) 18:18:37 0
>600
「おわっ!あっぶねーなおい!殺す気かよ」
悪魔と応戦していた生徒が逃げ出した。
>>609 壁の前で途方に暮れるリリアーナの肩に先程の白いフクロウが止まった。
フクロウは開封済みの手紙をくわえている。
『親愛なるアンジェリーナへ
あなたがフォルティシモを呼ぶときに気をつけるべきこと。
@あの箒は俺の命令以外には基本的に従いません。
同封する薬をうまく使ってください。
Aあれはとても気が難しい箒です。
失礼の無いよう気をつけてください。
掃除に使うなどもっての他です。
Bなるべく広い場所で呼んでください。
あの箒のパワーは強烈です。
あなたとの間に障害物があっても、それをぶち破りながら駆け付けるでしょう。
以上の事に気をつけて、叫んでください。
「来たれ!フォルティシモ!」
ロックより』
手紙には変身薬が付いていた。ラベルには次の事が書かれている。
『1錠につき10分間の効果!
変身する物をしっかりイメージすること!』
>603>608
>「自分でちゃんと解決できないのに、ガーゴイルを挑発するなんて軽率でした。
>でもね、でも・・・どうしても放っておけなかったの・・・ごめんなさい」
「いいのよ気にしないで・・・私が窓をぶち破ったのも原因のひとつなんだから」とフリージア
>「これは…急がないと本格的にまずいわね…。…この際、ちょっと危険だけど…
>直行しない?…一応、二人乗りも出来なくはないし。」
と言うメラルの提案によって全員で飛んで行くことになった
二人乗りで飛んでいく箒と併走するフリージアの空飛ぶ雪の結晶
幸いにも敵には見つからずにすんだようだ
>604
男子寮に近づいたフリージア達が見たものとは
吹っ飛んでいく悪魔や亡霊犬であった
「・・・・一体何が起こっているのかしら?」
>609
リリアーナがメラルの箒から飛び降りたのを確認したフリージアは
直接69号室に飛んでいこうとしたその次の瞬間
白い物体が目の前を横切った
「・・・あれはたしか保健室に来たフクロウだったかしら?」
「メラルさん急ぎましょう!!」
そういって69号室のベランダに降り立ったフリージアが見たものは?
「扉が・・・ない」
そうあるはずの扉が消えてしまった(たぶん)69号室であった
「ソレデイイ・・・流石ハ我ガ主ノ認メタ男ダ」
崩れていくアイミーの体からレイドへ金色の光が移されていく
「『力』ハ・・・私ノ『力』デハナイ・・・貴方ソノモノノ・・・チ・・・カラ・・・」
そう言い残してアイミーは土と金属・・・それと鎧の欠片になって消滅した。
>「自分でちゃんと解決できないのに、ガーゴイルを挑発するなんて軽率でした。
> でもね、でも・・・どうしても放っておけなかったの・・・ごめんなさい」
「…気にしなくていいわ。結局3人とも無事だったんだし。」
リリアーナの謝罪に対し、余り気にもとめていないように言った。
そして、昨日の飛行の4倍程の斥力球を展開して空に飛び立った。
が…元々杖に二人乗りをするのは、バイクに3人乗りする位危ない行為の為、
斥力球の大半が2人の姿勢制御に使われている。その為、少々遅くなっている。
そんな感じで飛行している最中、頻繁に悪魔が吹き飛ばされる窓がある事に気付いた。
(…何であそこだけ悪魔が多いのかしら…。)
気にするべき所は微妙に間違っているが。
流れ弾をかわす必要もあるため、顔には出さずとも斥力球による姿勢制御と
速度の維持に思いのほか苦戦していたメラルはリリアーナから速度を上げる様頼まれた。
「いいけど…しっかり掴まっててよ?」
言うと、姿勢制御を半ば放棄して加速した。杖の上が不安定になる。
そして、男子寮前で先に行くように言ってリリアーナが飛び降りた。
「…合流って一体…えぇっ?ちょ、ちょっと…。」
予想外の行動に、対応が遅れた。重量が減った為、当然加速も強くなる。
そのまま男子寮に突っ込みかねない勢いだったが、何とか全ての斥力球を前方、
杖の下に展開して、急上昇して衝突を免れる。最も、姿勢制御を完全に放棄しての
緊急措置の為、メラル自身振り落とされかけ、何とか片手で杖に掴まっている
とりあえず、斥力球で自らの位置を調整して箒に乗りなおすと、
フリージアから急ごうと声がかかった。
フリージアについていき、ベランダに降り立つと、部屋に扉が見当たらない。
妙な箒が悪魔相手に暴れている。
「確かにないわね。それと…あの箒、何かしら…。
かなり強力な品のようだけど…。」
そう言って、少し考えてから。
「あ、多分扉は…これで解決ね。」
杖を構え、水晶に魔力を貯める。そして、少し待って…
丁度飛ばされてきたグレムリンを部屋の中の、
元々扉があった場所ではなく、そこから少しずらした所に打ち込もうとした。
元々扉があった場所はリリアーナがいる可能性が高そうだったから、
グレムリンを壁にぶつけて破壊した場合に、余波を受ける恐れがある。
それを避ける為の手だ。が、問題は箒のすぐ近くを通るルートだという事。
箒の力を考えれば、打ち返される可能性も否定できない。
「我ながらマヌケだわぁ〜」
彼女はそういいながら、先ほど破壊したフリージア像の頭を回していた。
「こんな簡単なトラップに引っ掛るなんてねぇ〜勘が鈍ったかしらぁ〜」
となんとなく彼女は窓辺に近づき外の様子を見る。
「ガーゴイルに・・・あれはグレムリンかしら・・・それとアレはデュラハンみたいねぇ〜暇つぶしには丁度いいかもしれないわぇ〜
・・・あの糞爺ぃこんな学校一つ潰すのにやり過ぎよぉ〜」
>二人乗りで飛んでいく箒と併走するフリージアの空飛ぶ雪の結晶
と窓から眼を離そうとしたとき、あるものが見えた。
「・・・見つけたわぁ〜」
邪悪な笑みを浮べ、彼女は回していたフリージア像の頭を掴んだ。
そして、彼女は瞳を閉じ、詠唱を始める。
瞳を開けた瞬間、像の頭は青黒い炎に包まれた。
「威嚇程度で・・・」
彼女はそういいながら構える。
「死なないでねぇ!!!」
ベランダに降り立った彼女たちを狙って、像の頭を思いっきり投げつけた。
思いっきり投げた像の頭は彗星のように尾を引いて彼女たちに襲い掛かる。
>614>「ソレデイイ・・・流石ハ我ガ主ノ認メタ男ダ」
アイミーは俺の体へ金色の光を注ぎ込む。「(何だこの光は……力が溢れてきやがる……)」
>「『力』ハ・・・私ノ『力』デハナイ・・・貴方ソノモノノ・・・チ・・・カラ・・・」
と言うとアイミーは土と金属と鎧の欠片を残して消え去ってしまった。
体を起き上げると、アイミーの亡骸が目に入った。
「そうか……。お前だったのか…。ありがとな。これからはお前の代わりに俺がアルを守るよ。お前の命は絶対無駄にしないから安心してくれ…。」
そして俺はまた廊下を歩き出した。
「どの位力がアップしたのか試してみるか……。え〜と、タバコ、タバコ…」
タバコを一本取り出し窓の外に投げる。
「パチン!」
と指を鳴らすと…
「ズドオォォォォォン!!!」
という大爆発が起こった。
「………これって………ヤバくね?」
今までの3倍以上の威力はある。
どうやらかなり強力な力を与えて貰った様だ。
「今まで以上に力の加減が難しそうだな…。ま、相手もかなり強いから問題無いか。あ、そういや……あった、あった。」
ポケットから赤い石を取り出す。
「暫く隠しておくか…。……アナザーゲート。」
これは小さな異次元空間を作る魔法だ。
いつでもどこでも好きな物の出し入れが出来る。
「これで良し……。誰かに奪われる心配は無くなった。さて、パワーアップもしたし悪魔狩りに行くか。」
>611
室内を縦横に駆け巡る刃の車輪。
大雑把な動きだが、何とか傷つけるのは悪魔だけですんでいるようだ。
勿論【何とか】のレベルだから、危うく殺されかけて逃げ出す生徒も無きにしも非ず。
「スマンのぉ。勘弁してつかぁさい。」
とりあえず声をかけるが、誰に声をかけているかも判ったものではない。
>607>614>617
そうしていると教室の一角で閃光が立ち上る!
悪魔の影になっていて気付かなかったけど、その光の中におぼろげながら見える人物は・・
「な、レイド先生!アルテリオンさん!?この光は・・・!だーーーーー!!」
教室いっぱいに光が満ちていく!
その光により教室内の悪魔はボロボロと形を崩し消えていく。
勿論クドリャフカの操っていた車輪の悪魔も。
そして【その】瞬間。
光は力を持って教室を満たし、どの衝撃でクドリャフカは吹き飛ばされてしまった。
窓から外へ飛ばされながら、教室内で何かが爆誕したことを確信していた。
「レイド先生に何があったかは知らんが、今近づくと巻き添えでえらい事になりそうじゃのう。」
光が収まったとき、廊下を歩き行くその背中を見送りながら呟いた。
側に居ることすら危険だというレベルの差。
それを肌で感じ、小さく唇を噛み締めクドリャフカは別方向へと向かう。
悪魔で目的は学園長に認められる戦果。
決して先生のお手伝いではないのだから。
619 :
生徒:2007/03/12(月) 21:37:12 0
>>617 「先生、あの大女(
>>600)と車輪の悪魔を何とかしてくれ。このままじゃマジで巻き添え食っちまう」
>612
リリアーナの肩に白いフクロウが止まった。
「あら、あなたさっきのフクロウ?危ないから早く避難しなきゃダメ・・・って!ちょっと、大事な手紙落としたわよー!!」
リリアーナの叫びも虚しく、フクロウはそのまま飛び去っていった。
「もう!これじゃ誰宛ての郵便か判んないじゃないのよ!」
開封済みらしい封筒を拾い上げるが、宛名は無い。
リリアーナはフリージアから聞いた白いフクロウの話を思い出した。
まさか、と思いつつも中の便箋を取り出す。保健室の枕の下にあったそれと同じ便箋だった。
ごめんなさいと拝んだあと、リリアーナは手紙に目を通した。
「うへえ・・・」
リリアーナの手からひらりと手紙が落ちた。
「何これ。正気?
ロックは持ち主のくせに、フォルティシモのこと全然分かってないんだから〜」
手紙には解決策が書いてあったというのに、リリアーナは頭を抱えている。
本当なら手紙に書いてあるとおり、ロックに変身してフォルティシモに壁を破壊して貰うのが手っ取り早いだろう。
―――― だが無理だ。上手くいくはずが無い。
並みの箒ならいざ知らず、あの賢いフォルティシモが変身薬ごときでロックを見間違えるわけが無い。
よしんば上手くいったとしても、ばれた時の報復が恐ろしい。多分一生許してもらえないだろう。
(彼女には卒業試験でのお礼もロクに言ってないのに!)
それに、硬化魔法使用中でも叩かれたら痛かったのだ。現状でまともに食らったら
・・・ああ、想像したくない。却下だ。
( ・・・だけど)
リリアーナは複雑そうな顔で、落ちていた手紙を拾い上げた。
(大事なフォルティシモを貸していいとまで思うアンジェリーナって・・・一体どんな女性なのかな)
手をぺろりと舐められ、リリアーナは足元の子犬に視線を落とした。
子犬ははハッハッと息をしながら尻尾を振っている。
リリアーナは微笑んだ。
「何?慰めてくれてるの?ありがと〜。私は大丈夫よ〜。
でも、フォルティシモもワンちゃんくらい分かりやすかったら良かったのにねー」
子犬の頭を撫でると、指を立てて言い聞かせる。
「だけどこんな状況なのに、ワンちゃんも随分肝が据わってるわね。
いい?悪い奴が来たら吠えて私に教えるのよ、いいわね?」
リリアーナは立ち上がると、おもむろに69号室の壁をたたき始めた。
「部屋の中で暴れてるの誰?ロックなの?
フリージア!メラルさん!!そこにいる〜?
ねえ、扉が無くて入れないのよー!そっちに扉はある?あるなら開けてー!あーけーてー!!」
>615-616
メラルが壁を破壊しようと試みているのも、アルテリオンの攻撃も、壁の向こうにいるリリアーナには分からない。
壁をたたきながら、リリアーナは考えていた。
69号室には廊下からの入り口は無いが、68号室と70号室には扉がある。
壁を破壊するのが無理なら、どちらかの部屋の窓伝いにロックの部屋に行ってみるつもりだ。
最悪フォルティシモの力を借りることになるかもしれないが、それは本当に最後の手段だ。
>615>616
メラルが魔法で穴を開けようとしているのに気づいたフリージア
「手伝いますわ」
とフリージアは雪の結晶を重ねて棍を作った
それを体の左右で回転させてから壁を突こうとした次の瞬間
体の左で回転させていた棍に何かがぶつかったのをフリージアは感じた
「?何か当たったような・・・気のせいですわね」
さて棍にぶつかった人間の頭部のような形をした氷の塊は
たまたま近くを飛んでいた(さっきまでリリアーナ達を追いかけていた)ガーゴイルのいる方向に跳ね返された。
そしてたまたまガーゴイルの頭部に直撃。
そしてそのガーゴイルはたまたまちょうどアルテリオンの真上にいた。
そして氷の塊が頭部にクリティカルヒットして気絶したガーゴイルはアルテリオンめがけて落下するのであった。
この一連の現象は決して狙ってやったのではない
すべて偶然によるものなのである。
>>621 少なからずアルテリオンはフリージア自室にいるとオモワレ
>>615 わざわざこちらに飛んでくるグレムリンを見逃す程フォルティシモは甘くなかった。
グレムリンを器用にトスすると、フルスイングでぶっ飛ばした。
「ギャヒー!?」
グレムリンが飛んで行った先にあったのは…
メラルの打ち返したグレムリンは、再度箒に打ち返された。
「…凄いわね。これは…っ!」
丁度メラルに向かってきたそれを、
メラルは斥力球で軌道をずらしつつかわした。
そして振り向くと、今度は蒼黒い炎に包まれた
何かが向かってきていた。放たれた場所は…恐らくフリージアの部屋。
フリージアが棍で壁を壊そうと中に入っていったが、
それを気にする余裕はなかった。気付くのが遅かった為、
メラルは体勢が崩れるのも構わず、倒れこんでかわした。
そして、メラルが立ち上がる。
フリージアが打ち返したのは見てはいないが、薄々想像はついていた。
よって、わざわざ注意しろだの何だの言う事はない。
リリアーナについても、それどころではない。むしろ下手に道が開けるよりも、
開けていない方がリリアーナは安全なはずだと考えていた。
「いまの…明らかに、狙ってたわね。しかも、一言もなしに。
占いの事も考えると、やるしかないでしょうし…
元々一人で正面からでは到底勝ち目のない相手。
やる以上は…。」
背中に氷製の六翼を展開し、いざと言う時、すぐに
飛び出せるようにベランダの手すりの上に立つ。
「距離があるし、まずは…これ。イーグルエッジ!」
メラルの六翼のそれぞれから、氷で出来た
鷹のようなものが飛び出して、メラルの誘導に従って
複雑な軌道を取りつつアルテリオンに向かっていく。
「…ステルス!」
それが、途中で極端に見えにくくなった。氷の中の不純物を排除し、
より透明に近くなった為だ。そして…そのまま体当たりせんと突っ込んでいった。
69号室からは不気味な悲鳴や、メラルやフリージアの声が切れ切れに聞こえてくる。
「うー。もう!中は一体どうなってるのよ〜!!!」
壁を叩き疲れたリリアーナは、苛立ちまぎれに69号室の壁を蹴りつけた。
「〜〜〜〜〜!!!」
足を押さえてぴょんぴょん飛び回るリリアーナの姿に、子犬は首を傾げた。
気を取り直し、68号室のドアに手をかける。
「ま、ドアは無くても窓伝いにいけば楽勝楽勝〜♪ね、ワンちゃんもそう思うでしょ?」
68号室のドアに鍵は掛かっていない。
リリアーナは意気揚揚とドアを開け放った。
「あ・・・・・あら〜?」
68号室は満員御礼。グレムリンがひしめき合っていた。
硬直したリリアーナとグレムリン達の間を、天使が通り過ぎていく。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ご、ごゆっくり〜♥」
「ギィギィギィー!!!」
間一髪で扉は閉めたが、今度はポコポコ体当たりし始めたようだ。
「うわーん、このままじゃドアが破られちゃうわ!!ワンちゃん、こっちこっち!」
そばにあった飾り棚で68号室のドアを塞ぎ、あたふたと70号室へと走る。
今度はいきなり開けずに、鍵穴から中を確認すべく覗き込んだ。
「こっちも通行止めだったら万事休すって奴よね〜」
もし中に悪魔が居たとしたら、魔法の使えないリリアーナには完全にお手上げだ。
フリージアたちの助力が得られないなら、ロックに成りすましてフォルティシモに縋るしかない。
・・・うまく騙されてくれるかどうかは、神のみぞ知る、だが。
>624
ドドドドドドドドドという連続した音が響く
別にスタンドが発動したわけではない
壁が何か硬いもので削られる音だ・・・
と言っても別にタテロールがドリルになって壁を削っていると言うシュールな状況でもなく
壁を削っているのは雪の結晶で作られた棍だ
「てや!てや!てや!てや!てや!てや!てや!てや!てや!てや!」
それにしても、ものすごい速さの突きである
一本のはずの棍が何十本もあるように見えるほどだ
今現在メラルが魔法によりアルテリオンに遠距離攻撃を仕掛けている
だがフリージアは壁を掘るのに夢中でアルテリオンの存在にすら気がついていない
だが・・・・・
「あら靴紐が解けてますわ」
靴紐が解けていることに気づきしゃがむフリージア
・・・さっきまで頭があった部分を通り抜ける多分何らかの遠距離攻撃
壁に突き刺さるそれを見て初めてフリージアは敵の存在に気がつくのであった
「一体なんですの?」
後ろを振り返ると視線に入ったのは遠くに見える鎧騎士
「・・・・・アルテリオンさん?」
フリージアはそれがアルテリオンである確証を持つ事が出来なかった
なぜなら鎧の形が前と違ったからである
まあどちらにしろメラルが攻撃している以上敵だと判断したフリージアは
数多くの雪の結晶を生み出した
「3番8番16番25番は我を守れ!!」
大き目の雪の結晶は盾として防御に回す
余裕があったらメラルにも使うつもりだ
「残りの雪の結晶よ我に害をなすものを切り裂け!!」
そしてフリージアはたくさんの高速回転する雪の結晶を目標に次々と放った
がぉー、食べちゃうぞー
>627
校内に不気味な魔獣がうろついていた。
それは最大級のライオンくらいの大きさがあり、
色は朱色、そして犬のように毛むくじゃらである。
何より特徴的なのはその顔が獣のそれではなく人の顔であることだ。
この魔獣の名はマンティコア、人間を食べるという。
この恐ろしい魔獣は獲物を求めさまよい、そして今中庭に辿り着いた。
だがそこにいるのは大女と先公
食うなら俺を食えー!
631 :
名無しになりきれ:2007/03/16(金) 11:50:03 0
「あらあら・・・自慢のストレートなのに、軽々とホームランねぇ」
呆れ顔でどこかへ飛んでいく頭を眺めそう呟いた。
「まぁ・・・あくまで威嚇だからぁ気にしないけどぉ〜」
気を取り直し彼女は視線を戻した。
そのときである。彼女の目の前に何かがいた。
光の反射で辛うじて確認できたそれはそのまま彼女の顔目掛け飛んでくる。
「ッ!!!」
思わず仰け反って何かの突撃をよけた・・・とそう彼女が感じた瞬間
「オブゥ!」
防具をつけていない腹部に何かが当たった。
痛みと吐き気で彼女はその場に倒れこむ。
「・・・ハァ・・・クゥ・・・許されないわぁえぇ許されない・・・オェェップ」
吐き気に耐え切れず、彼女はその場で吐いてしまった。
しかし、そうしている間にもフリージアの放った円鋸のように回転している結晶が背後に迫っている。
「・・・馬鹿にしないでぇ〜」
結晶が当たる瞬間、彼女は居合い切りの要領で刀を抜き、結晶を叩き斬った。
「外に出たほうがいいわね」
そういって彼女は刀を納めず、そのままフリージアの窓から飛び降りた。
落ちながら彼女は落ち着いて剣を鞘から抜き、壁に突き刺した。
金属とレンガが擦れ、当たり、割れる音が響き渡る。
彼女は左腕で剣を、右腕で刀を操り透明な何かと円鋸結晶を弾き返しながら降りていった。
悪魔を探して廊下を歩いていると一人の生徒に出会った。
>619「先生、あの大女(
>>600)と車輪の悪魔を何とかしてくれ。このままじゃマジで巻き添え食っちまう」
生徒は俺の後ろを指差した。
振り向くと大きな女性の背中が見えた。
「あれは……。クドだな。どうにかしろって言われても、もうどっかに行っちまったしなぁ……。で、車輪の悪魔ってのは何処に居るんだ?」
生徒の話では車輪の悪魔とクドリャフカが暴れていたという事だが、車輪の悪魔の姿は見当たらなかった。
「まぁ、今度見付けたらテレパシーでも送ってくれ。すぐに行くから。お前も早く逃げろよ。じゃあな。」
生徒に別れを告げ、歩き出そうと思った瞬間…
>627->630
>がぉー、食べちゃうぞー
と言う声が聞こえた。
「何処に居るんだ…………見っけ。」
声の主は中庭に居た。
どうやらマンティコアの様だ。
そしてマンティコアの近くには何人かの教師と生徒が居る。
>食うなら俺を食えー!
と教師が叫んでいるが恐怖のあまり足がガクガクしている。
「見てらんないな……。」
マンティコアを倒す為に俺は中庭に向かった。
>633
壁を伝って降りるアルテリオン
その姿が途中で見えなくなった
「・・・・逃げられましたわ」
フリージアはそう判断した
それにしても自分の雪の結晶を切り払うとはものすごい技量だ
そこまでの実力を持つと言うことはやはりアルテリオン本人なのだろうか?
それとも姿を変えた2Pアルテリオンなのだろうか?
どちらにせよ戻ってくる前に壁を破壊しなければならないだろう
「急がないと!!」
そう言ってフリージアは再び壁の方に移動した
もしかしたら実際はいなくなったわけではなく
死角に入って見えなくなっただけかもしれない
ふとそう思ったフリージアは念のため氷の盾を後ろに展開したままの状態で
再び壁を連続で氷の結晶で出来た棍で突き始めた
ドドドドドドドドという工事現場のような音が響く・・・・
それにしてもなんて分厚い壁だろう
一体何センチあるのだろうか?
突いても突いても向こう側への穴が貫通しない
ガコ・・・何か硬いものに突き当たった
「金属かしら?」
フリージアはそうつぶやいた
>>634 >食うなら俺を食えー!
マンティコアAは天に向かってトランペットのような雄叫びを発した。
すると、どこからともなく二匹のマンティコアが集まってきた。
マンティコアB「がぉー、喰らうぞー!」
マンティコアC「がぉー、舐めちゃうぞー!」
教師の足がさらにガクガク震える。
「サンダー!」
教師の後ろにいた気丈な生徒が一匹に電撃を放った。
マンティコアは少し怯んだが平気なようだ。どうやら若干の魔法耐性があるらしい。
この攻撃に怒ったマンティコアは大きく跳躍し襲いかかった。
メラルの攻撃は一部命中するものの、フリージアの氷の結晶は真っ二つにするアルテリオン。
そして、窓から飛び降りた。
「…なっ!…誘ってるわね。あれだけの腕があって、しかも明らかに遠距離から
狙われている状態で、みすみす的になりに行くなんてミスするわけがない…。
ましてあの先生だったら尚の事。大技一撃で決めようとしたら、
かわす手立てと反撃の手立ての両方があってカウンターでやられる…。」
術を唱えながら見ていると、アルテリオンは剣を壁に突き刺して
残りのイーグルエッジとフリージアの結晶を迎撃していた。
後ろでフリージアが逃げられたなどと言っていたので、
「そんな訳ないでしょ。」と冷たく言ってから続けた。
「剣で受け止められる攻撃は多分アウトね。なら…」
フリージアは壁の破壊に忙しいようだ。
「…イーグルエッジ…ステルス!」
まず、先程と同様の氷の鷹を放ち、上下それぞれ3匹づつに分けてから隠す。
そして、移動しやすそうな真上と真下から、全てを同時に突撃させる。
「…ピンポイント!」
そして、それを囮にしてその攻撃をかわす上で最も可能性の高い手段。
壁を蹴って飛び出す手法に対応する為に、斥力球を放つ。
しかし、当てる事を目的とするならともかくそれで倒す事を目的とする場合、
相手の力量を考えればどう考えても力不足な術ではある。
そして、後ろでフリージアが壁に穴を開けるのに苦戦してつぶやく声が聞こえた。
「…フリージア。交代しない?」
振り向きもせずにそれだけ言って来るであろうカウンターに備え、次の術を唱え始めた。
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「交代ですの?じゃあこれをどうぞ」
そう言ってフリージアはメラルに雪の結晶で出来た棍・・・長いのでこれからは氷結根と呼ぶことにしよう
フリージアはこの武器を使いこなせるのが自分だけとは思っていないようでメラルに自分の使っていた氷結根を手渡そうとした
さわればものすごく冷たい感触がするだろう
「なにか金属製の箱らしき物にぶち当たりましたのでそれを壊さないように気をつけて」
だがメラルがそれを受け取ろうともせず呪文を唱えて続けているところを見ると
どうやらそういう場合でもないようだ
アルテリオンのいる方向に目を向けるフリージア
アルテリオンは何かをしようとしているようだ
「この様子だと・・・どうやら壁を壊している場合ではなさそうですわね」
そう言うとフリージアは白鳥を連想させるような踊りを踊りだした
その背中にまるでオーロラのような魔力のオーラが立ち上っているのが見えるだろう
踊りを邪魔されないように氷の盾は出しっぱなしである
そしてこの攻撃が避けられた時に備えて攻撃用の雪の結晶もつねに浮かばせてある
一通りの踊りが終わるとフリージアは大きく拳を突き出した
「氷結のフリージア(今のところ)最大の奥義!フリィィィィジング!ディストラクション!!」
拳を突き出した方向にまるで光の国の住人が出す極太の白銀光線のような目に見える冷気が発射される
その二つ名はなんだとか、なんで魔法じゃなくて奥義なのかとか色々突っ込みどころの多いフリージアの魔法だが
当たれば霜焼けではすまないだろう・・・まあ当たればだが
ともかくメラルの呪文が完成した次の瞬間それは発射された
メガンテー!
チュドーン
(突如物陰からあらわれた新人教師はマンティコアの群れにつっこんで自爆、跡形もなく砕け散った!)
「先生!!」
新人教師「・・・・・」
「・・・・!?これはからくり?先生はオートマータだったのか!?」
「我ながらマヌケだったわぁ〜日の当たりかたを考えに入れ忘れてたなんてぇ〜」
ぶつぶつと不満そうに彼女はそう呟いた。
何故彼女が外へ出たのか、それは彼女の持つ妖刀の能力に密接に関係していた。
この妖刀「狂影(クルカゲ)」の能力、それは簡単に説明をすれば空間移動である。
己の影と相手の影を結び、刀を持つ者を相手の影に瞬間移することが可能なのだ。
この能力を使って、彼女およびカタストロフはレイドの背後に立つことができた。
だが、この能力にはある条件という欠点がある。
一つ、相手を視認すること、これによりこの能力の有効範囲が大きく狭まった。
しかし、これが問題ではない。
そう、彼女が今苦しめられているのが二つ目の条件、自分の影に刀を刺すことなのだ。
大したことないように見えるが、現状はこの条件を達成することが出来ない。
そう、今、太陽は建物をはさんで彼女の後ろにあるのだ。
つまり、彼女は建物の影の中にいることになり、二つ目の条件「自分の影を刺す」ことが出来ないのだ。
フリージアの部屋も同様に薄暗かったのと部屋の明かりのスイッチが凍らされて使えず、影を刺すことが出来なかった。
「こんなはずじゃないのに・・・」
少々残念そうな顔をしながら彼女は降りていった。
だが、そのときだった。
鳥の形をした歪みが地を這い、壁を這って接近している。
「またコレ?・・・きっとあの子の術ねぇ〜一緒に殺してあげなきゃ」
そういいながら彼女は詠唱するメラルを睨み、脚に力を込めた。
「・・・下のやつは囮ね。さっきのようにはいかないわぁ〜
下のコレに集中させている間に上のヤツがギロチンみたいに延髄・・・かしらねぇ〜」
そう彼女は目測を話しながら壁を蹴り、上下から迫るアレを避けた・・・が
その次に放ったメラルの斥力球がまた彼女の腹部に当たった。
彼女はそのままビリヤードの玉のごとくメラルの放った球に弾かれ、フリージア自室の二階下の部屋に叩き込まれた。
「そうよねぇ〜やっぱり勘が鈍っているわぁ〜」
ポカンとした表情を浮かべながら彼女は大の字でその場に寝ていた。
「・・・なるほど、なるほどねぇ〜あの子案外軍師だわぁ〜」
立ち上がり、フリージアらの姿を確認しようと窓辺にたった。
だが、そこで目にしたのは、小宇宙を連想させるような光線だった。
どう見ても直撃と判断した彼女はこの場から逃げようと振り返った。
だが、フリージアはそこで失敗してしまった。
「残念だったわねぇ〜ここまでは見事としかいえなかったけど・・・ここでこんなミスをしてくれるなんて・・・」
そういいながら彼女は刀を振り上げる。
彼女の目線に写るのは、そうフリージアの激しい光線を光源とした彼女の影だ。
「ネッ!!!」
刀を影に突き刺した瞬間、彼女の姿は消えた。
「見事だったわよぉ〜詰めを除いてはねぇ」
腕組みをしながら彼女はメラル・フリージアの背後から声をかけた。