【TRPG】いまこそ幻想界に飛び込もう(人∀・)タノム!2

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439アッシュ ◆tV36SrNgOs :2006/06/16(金) 02:29:21
―名前・アシュレイ・ヴァシェル
―性別・♂
―年齢・13
―髪型・坊ちゃん刈り、金髪
―瞳色・灰色
―容姿・154cm38kg、童顔
―学年・外部なのでナシ
―部活・同上
―備考・時空震に巻きこまれ、バルンディノから現実界へ復帰。相変わらず鬼畜系
440名無しになりきれ:2006/06/16(金) 06:47:38
学校の校庭に(人∀・)の形をしたミステリーサークルが出現している
441クリス ◆Lm2AC1CyeA :2006/06/16(金) 08:08:49
暗い音楽室の光景から一転、目を覚ました私の前に
甲高い小鳥のさえずりと白い朝の光。

私は目覚まし時計のG線上のアリアを右手で止めて
身体を回して起き上がる。

部屋の片隅にある、ひびの入ったヴァイオリン。
折れて無理矢理補修した弓。
それは、二度と弾けないと知った私の絶望そのものだった。

ごめん……私のヴァイオリン。
もう私は大丈夫だから。
今の私には、これがあるもの。

そう言うと、私は窓を開け、大きく深呼吸する。
そして、もう一度大きく息を吸って。

♪めぐるめぐる風
 めぐる思いに乗って♪

怖い先生だと思っていたし、今でも恐い。
あの人にしてみれば、私の声という「楽器」が欲しかっただけ――
それは、私自身も解っている。

でも、とある事故で左腕とヴァイオリンを奪われた私を
合唱部に誘ったのは、あの魔女だった。
夜はすっかり明け、ドドは太陽が上っているのにワインを一本開けていた。
学校の校門には生徒達がポツポツと居る、校庭には(人∀・)の形をしたミステリーサークル…。
恐らく昨日の一夜を覚えているのはドドぐらいな物だろう。

工藤美津子が仕掛けた魔道的な音波攻撃。
確かにそれはドドの耳に届いた。
しかし音はドドにとっては専門特許だ、いともたやすく無にしてしまう。

「全く…餓鬼はこれだから嫌さ……」

そう言うとおもいっきし背伸びをした。
レコードに似た機械から音が溢れ出ている。
正義男藤田礼司の声やクリスの歌声…そう、あの一夜に関わった人間の音。
ドドはその音を聞きながら静かに笑った。

「哀れだねぇ…本当に…あの一夜を覚えてないなんて…ヒッヒッ」

それははたしてクリスの事を言ったのか、それともあの一夜を忘却してしまった者達に言ったのか。
それを知るのは本人のみ。暫く音に聞き入るとドドはグランドピアノを引き始めた。
まるでその音は一夜の出来事を思い出させるような重く、暗く、そして愉快な曲を
443名無しになりきれ:2006/06/16(金) 19:01:06
(人∀・)は全ての魔力を解き放った
444藤田礼司 ◆OfgFahKhFk :2006/06/17(土) 00:58:59
無人の音楽室で机に八つ当たりし終えたときに、遠くから女性の笑い声が聞こえた。
こんな状況で笑っているなんて誰が?
……と思ったときには意識を失った。
(音楽室にいる礼司には工藤の言葉は聞こえていない。しかし音攻撃に礼司の意識はとんだ)



   ピッピ ピッピ ピピ ピピ ピピピピピピピピピピピピピピピ



「うーん」
しっかり働く目覚まし時計を止めようと、毛布の中から手だけだしてつかもうとしたら落とした。
フローリングの床に転がって鳴り続ける。しかたないので起きて止めた。起きないといけないのでしかたないもなにもないけど。
眠りから醒めてボーっとほんのちょっとのあいだしていたけれど、気がついた。

なんで僕は自分の部屋にいる!?

夜の学校からいつ帰った?
パジャマを着ている!いつ着替えた?いつベッドに入った?吸血鬼との戦いは………?


      夢 ?





頭がパニックを起こした。
どこからが夢でどこまでが現実なんだ?
幻想の世界にロゼラインさんたちとTBSの屋上から空間転移したのは……

ロゼライン?


「ロゼ姉さん……」
どこからが夢?いつからの記憶が夢?
混乱から体が震えだしたとき、僕は答えをみつけた。
「………夢じゃないんだ」
学習机の上に黒い棒が置いてある。
手にとってみると、それはラスティーリアからもらった贈り物だ。
「ムチになれ……」
そっとつぶやいてみた。黒の棒はシュルシュルと長さを増して伸びていく。
「オーラの力がある。自由に僕は使えるぞ」
僕は自分に言い聞かせた。いま僕は現代の日本にいて自分の部屋にいる。でもここは戦場だ。
僕の通う学校、上湘南中学は魔物たちの戦いの場に夜になっている。
その戦いの中に僕らは入ったんだ。
昼間だけは休戦になる夜だけの限定戦争に。
僕はすぐに自室を出た。
確認しないと。
445藤田礼司 ◆OfgFahKhFk :2006/06/17(土) 01:00:26
「ママ。僕、昨日は何時に塾から帰ってきたっけ?」
朝食の準備をしているママに聞いてみた。
「どうしたの?いつも塾から帰ってくる時間に帰ってきたじゃない」
とママは寝ぼけているの?という表情で答えた。
ということは僕は昨日は午後9時半ごろに帰ったきたんだ。
「僕、昨日はお風呂に入ったっけ?」
「えー。入ったじゃない?どうしたの?なに?」
「んーん。なんでもない。寝てて汗かいたからシャワー浴びようかどうしようか迷っただけ」
僕はいつものように行動していたらしい。でもその記憶が……あれ。
ある。
その記憶がある。
思い出した。
そうだよ。いつもどおり塾に行って、9時半には帰ってきてお風呂に入ったじゃないか。
でもなんだかこっちの記憶はにせものっぽい感じがするのはなぜ?
こっちの記憶の方がリアリティーがないのはなぜ?
なんだろうこれは。

  擬似記憶

そんな単語が頭に浮かんだ。
よく思い出せ……夢を。
夜の校舎で聞いた笑い声。
今から思えばあれは工藤美津子の声だった気がする。
工藤に操られたのか?
ふだんどおりの行動をするように。
夜に起きている吸血鬼同士の戦いを外部に漏らさないように、つじつまあわせのためにか?
もし僕にポモナのオーラ力がなかったら、夜のことはただの夢と思ったのだろうか?
それとも夢すら見なかったのだろうか?
夜の恐怖の体験も忘れ去っていつものように今日も学校に行っていたのか?

僕は恐ろしい推理に行き着いた。
もしかしてこの擬似記憶と操られて普段通りの行動をする憑依?は、僕だけじゃなくてほかの人にもされているんじゃ……
昨日の夜の学校にいた人たちだけではなく……
この上湘南の町の人全員に「力」は及んでいるんじゃ……
日常の狭間に非日常がぽっかりと口を開けている。
ノスフェラトゥ……
牙の主……
おそろしい敵が学校にのさばっているんだ。
「ママ。今朝は朝ゴハンいらない。学校にもう行く。今朝はフットサル同好会の朝練だったの忘れてた」
昨日の夜を経験した人たちとすぐに会わないと。
彼ら彼女らは僕のように覚えているだろうか?
たまらない恐怖を感じつつ、僕は学生服に急いで着替えると家を飛び出した。
446水無月つかさ ◆PHa7cq9oUs :2006/06/17(土) 02:03:13
帰る途中で女の子の笑い声みたいなのが聞こえたけど、あんな大声で笑うのはいささか近所迷惑ね。
まあ何事もなく帰ることができて良かったわ。痴漢とかも居なかったし。
さ、急いで今日の準備をしないと。でもその前にシャワーを浴びたいわ。朝ご飯も食べたいしね。


家に帰ってシャワーを浴びて、身体を拭いて服を着終わったところで電話が鳴った。
それも携帯の方じゃなくて、玄関の辺りにあるダイヤル式の黒電話の方が。
わざわざこっちの方にかけてくる人なんて……大体予想がつくわね。
受話器を取ってみれば……ほら予想通り、前の学校の友達だったわ。

「もしもし、水無月ですけど……あら、あかりん?久しぶりねぇ。元気してた?
 ええ、こっちも変わりないわ。貴女みたいにいろいろ持て余してはいないけど。
 ああ、あれ?今になってやっと来たわよ。
 最初は2ヶ月もすれば来ると思ってたんだけど、まさか1年と2ヶ月経ってから来るなんて思わなかったわ。
 ええ、また始めるつもりよ。正直、あんな暇つぶしのための企画なんてどうでも良かったんだけど……
 あら、わかる?手を加えたら結構面白おかしくなったから、暫くは続けてみるつもりよ。すぐ飽きるかもしれないけど。
 言われなくてもわかってるわよ。兄さんじゃあるまいし、これでも人の話はちゃんと聞く方よ。
 ええ。それじゃあ。またね」

がちゃん、と受話器を置く。
何ヶ月ぶりかしら?久しぶりに前の学校の友達とお話ができて嬉しいわ。
さて、気分も良いところでさっさと朝ご飯を食べて、今日も一日頑張りましょう。ちょっと眠いけど。
447ウルトラマン ◆4yOJjcI5oc :2006/06/17(土) 02:59:08
何時の間にか寝ていたようだ。
武器のメンテナンスは終って、ちゃんとしたベッドで……?
言っていて気が付いた。
私は武器のメンテナンスを途中までしかやっている記憶しかない。
記憶が途切れているのか……?
ベッドから飛び起きて、ハンガーに掛けておいた制服を着て、急いで自室を出る。
外に出て、唖然としてしまった。
校舎や校庭の戦いの痕跡が無くなっている。
一体どういうことなのだ……?
部室で思案していても仕方がない。
一旦自室に戻って、武器庫から携帯用の武器や暗器を数点取り出す。
もはや、何でもありのこの学校。
警戒を怠ってはいけない。
そして、目指す。我が教室へ。
ウルトラマンは2―Bの教室に行く。
確か、1限目は……何だったか?

448名無しになりきれ:2006/06/17(土) 03:38:58
一時限目は持ち物検査
449リリ ◆dKjdsGj.gw :2006/06/17(土) 04:49:45
>435-436
突然校舎から工藤先輩が現れた。
工藤先輩の説明を受けて、私の表情が次第に険しくなった。
私は内心で囁く。
ねえ水無月さん、今回は私たちが、まんまと工藤先輩に利用されだっぽいわよね。

>華山理利よ、おまえはなかなか鋭いことを言っていたわ。殆どあたり。でも惜しい。
大事な事は見抜けなかったみたいね。
それはね、今宵の事ぜんぶ夢、恐怖の一夜は全部、夢だったのよ。

「・・・・・・なんですって?!」
ありえない。だけど・・・それはとてもとても魅力的な言葉だった。
言われて初めて気付いたけど・・・心のどこかで、私は全部夢であって欲しいと願っていたから。

工藤先輩の嘲笑があたりに響く。
・・・・・・・しまった!
工藤先輩の高笑いは魔動的な音波攻撃だった。
心の隙をつかれて、完全に対処が遅れた。私は直撃を受け、そのまま吹き飛ばされた。



「――――ふざけないで!いなくなってしまった人がいるのよ!!」
私は飛び起き、叫んだ。
「・・・・・・・・・あれ?・・・え・・・・何?」
だけど、工藤先輩はどこにもいなかった。工藤先輩はおろか、ギルバ先生たちも。
なぜなら私が飛び起きたのは、自室のベッドの上だったから。
目覚し時計代わりのテレビからは、いつもどおりニュースが流れていた。
一人暮らしの私に、優しく起こしてくれる家族などいない。

私は酷く混乱した。
あれが夢?全部夢?
そんな筈が無い。昨夜は確かに――だけど、それなら何故私は今学校でなく自室にいるの?
私は枕元を見た。「真夏の世の夢」の原書が出しっぱなしだった。
舞台出演のオファーが来たから目を通しておこうと、辞書片手に時間を作っては読み進めているものだ。
木後沼さんがいてくれたらと思う事があるけれど、無いものねだりをしても始まらない。
本を手に取った・・・・・確かに読み進められている。
そして本を読んだ記憶もしっかり残っていた。
私は昨日、本を読んでいてそのまま眠ってしまった・・・のね?
「なあんだ!良かった!」
ほっと安堵の息を漏らした。、良かった、全部夢だったのね。
ああ、良かった。それにしても本当に酷い夢だったわ!
私は鼻歌交じりにバスルームへと向かった。

ほっとしながらも、なぜか漠然とした不安が心に纏わりついてくる。
何か大事な事を忘れているような、何かとても思い出したくない事があるような・・・。
――――だめね、今日の私はどうかしているわ。
とりあえず、シャワーを浴びて学校へ行こう。
行って、ベルやクリスの元気な姿を見ればこのもやもやした気分も吹き飛ぶ筈よ!

私は学校へ向かった。
昨夜着ていたはずの服が、泥と血にまみれている事にも気付かずに。
450リリ ◆dKjdsGj.gw :2006/06/17(土) 04:57:36
学校に行くと、少し先を歩いている少女を見つけた。
クリスだわ!
私の顔がぱっと輝いた。
何故死んだ夢なんか見たのかしら。あんなに元気じゃない!

クリスは何となく近寄りがたい雰囲気があって、いつもは挨拶だけしか出来ない。
だけど今日は思い切って話かけてみよう。
私は酷く浮かれていた。
――――今日のクリスはいつもとどこか違っていた。
頭のどこかで警告音がする。
何かがおかしいと感じながらも、私はそんな考えを振り払いクリスに声をかけた。
「おはよう、クリス!」
そして、そのまま時間が止まった。

クリスの口が動いている。
だけど、何を言っているのか全然聞き取れない。それ程ショックが大きかった。
「そんな・・・・・・・・左腕が・・・・・・・・・!」
私の一言にクリスの顔つきが変わった。
彼女は冷たく一瞥すると、力の抜けた私の手を振り払い行ってしまった。
>「理利ちゃん、クリスティーナさんと知り合いなの?」
誰かが声をかけてくる。
「クリス・・・・・腕が・・・」
私は立ち去るクリスの背を凝視したまま、喘ぐようにそれだけ口にした。
周りにいた生徒は我先にと答えてくれた。
クリスは以前事故で左腕を失った事、彼女が将来を嘱望されていたソリストだった事・・・・・

――――何を言ってるの?ふざけないで!

今は合唱部のホープだってこと・・・

・・・・・違う。違う。違う!
違う!クリスは・・・あの子は剣士だったのよ。それもただの剣士じゃないわ。私と同じように・・・

>「理利ちゃん、どうして泣いてるの?!」
あれこれ喋っていた女の子の一人が、私の顔を覗き込んで声を上げた。

その場をどうやって切り抜けたのか、全然覚えていない。
ただひとつだけはっきりしたのは、昨夜の夢が全て現実だったという事だった。

私は自らの甘さを恥じた。心の隙をつかれ、まんまと踊らされてしまった。
同じ轍は二度と踏まないわ。

私はとりあえず第二職員準備室へと向かった。
ギルバ先生はもう来ているだろうか。
「失礼します」
ドアの前で声をかけドアを開ける。

今朝の話を覚えてくれているかしら?
人ならざる者である先生に、工藤先輩の攻撃が効いたとも思えないのだけれど。
451兼松 実年 ◆BKTOFPLGKA :2006/06/17(土) 05:53:47
凍り付けになったところで。

 今 日 も 元 気 に ド カ ン を 決 め た ら ヨ ー ラ ン 背 負 っ て リ ー ゼ ン ト っ ♪
「うっせぇよバカ兄貴!」
目が、醒めた。

「うーん…もう朝か」
本日も清々しい朝だ。妹の寝室にまで聞こえる目覚まし時計のミュージックも、それに起こされた妹に起こされる僕も。
これが僕の毎朝六時半の定期的な日常。これが壊れたら僕は生きていけない。ごめん、ちょっと言い過ぎた。
「やぁおはよう茜。昨日はぐっすり眠れたかい?」
「うっさい死ね」
いつもの辛辣な言葉。これがあると、朝が始まるんだな、って感じがするね。
茜がドアを閉めて、階段を駆け下りてく音がする。僕も朝の準備をしなくちゃいけない。
顔を洗って髭を剃って、育毛剤と発毛剤を丹念に髪に吹き付けながら。
ふと感じるのは――違和感。
やはり夢だったんだな、と自分で納得したというのに…濡れたTシャツを着ているような、何とも言えない不快感。
見覚えのない頭の傷。体が動かしにくい気もする。まるで吹雪でも受けて体がカチカチに凍った後のような。
この例示の具体さも不可思議だ。自分で訝しんでしまうほどに、頭の中での具体的な可能性。しかも…確信に近い。
そして、この頭に浮かんでいるある言葉。確実に昨日までは知らなかったはず、しかし今しっかりと覚えている言葉。
口に出そうとして…躊躇う。言ってはいけない、という忠告を…脳が出している。自分が、変わってしまいそうで。
違和感だけでは言い尽くせぬこの気持ち。――気が狂いそうだ。
全てが、夢に一致することで。

制服に着替え、ダイニングに向かうとしっかり二人分の朝食が出来ている。
口で悪態をつきながらも僕の分まで用意してくれるあたり、非常によくできた妹だ。
「いただきます。…ところで、茜」
「…何よ」
「僕、昨日何時に帰ってきたかわかる?」
「知らない。あんたいっつもあたしが寝た後ぐらいに帰ってんじゃん。何で突然そんなこと聞くの?」
「いや、なんだか…変な気分がしてね」
「は?」
「そうだな…ちょうちょ結びの低気圧が僕の心に接近してるような」
「うわ…古すぎってかキモすぎってか死ね」
せっかく兄妹の仲を深めようとしているのにどうも茜はそういうのを分かっていないらしい。
どんな話題を振っても二言目には「死ね」と返ってくるのでもう喋らない。沈黙に気まずさがないのが心地よい。

「…おや、もう行くのかい?兄妹仲良く一緒に登校しようじゃないか」
「あたしはあんたと血の繋がりがあるなんて学校には誰一人として知られたくないの。わかる?」
「酷いなぁ。僕が何をしたって言うんだい?」
「…あんたさ、一年でも噂になってんのよ?『誰彼構わずプロポーズしてくる先輩がいる』って」
「そうなのか?僕はまだ一年の女の子には45人ぐらいにしか求婚してないはずだが?」
「死ね」
「行ってらっしゃい」
「…行ってきます」
ちゃんと行ってきますを言うあたり、やっぱりよくできた妹だ。
「今日の『死ね』は三回か…機嫌いいみたいだね」
この時点では、僕はまだ知る由もなかったんだ。
この何気ない会話が。
茜との。
最後の会話になるなんて。

茜が出ていってから数分して僕も家を出る。朝の空気は、気持ちよくて、好きだ。
僕はまだ心にある違和感が抜けきっていないけど、それを考えないようにしながら、通学路を少し早歩きで進む。
「おはよう!ところで結婚して!(キラリン)」
通学途中に会う女の子へのサービスも忘れない。これが僕の生活サイクルさ。
452クリス ◆Lm2AC1CyeA :2006/06/17(土) 16:53:43
「あなたも私の左腕しか見てないのね」

もう慣れた事だけど、良い気はしない。
今の私にとって、片腕が無い事は日常であって
一々気にしてたらキリが無い話。

周りから見れば特異なことだろうし
可哀相と思う人も居るだろうけど、今の私は合唱部のソロをこなして
充分に、いえ普通の生徒以上に恵まれてると思っている。

成績だって上位。
なのに、まるで私を憐れむような目で。
馬鹿にしないで貰いたいわね。



……持ち物検査?
ケータイだけ隠しておこうかしら。
一応、校則では禁止だから。
453アッシュ ◆tV36SrNgOs :2006/06/17(土) 18:13:56
学校の裏門から教員用駐車場へ族車を乗り入れて、なるべく目立たない隅のほうで車を停めた。
あからさまに木陰へ隠すような格好になってしまうが、それよりまずリアウィンドウへの日当たりを注意した。
後部座席への日差しが昼過ぎくらいで一番強くなるよう、わざと空きスペースに車体を斜めに入れる。

遅かれ早かれ見つかって怪しまれるだろうが、そうそうすぐにはレッカーされないはずだ。
ボクは季節外れの日除け用カバーをフロントガラスに被せて、仮眠を取った。


目が覚めて、もう二時間ばかりで登校時間となった頃、準備に取り掛かる。
予め用意しておいた、豆電球のフィラメントと24時間計タイマーで作った
超簡易時限発火装置を取り出し、後部座席に仕掛けておく。
それからポリタンクに入ったガソリンを、車内にたっぷり撒く。
眼鏡のレンズとファンデーションケースを使ったダミーの発火装置も一つ、リアウィンドウに設置。
きっちりと全てのウィンドウが閉まっていることを確認してから車を降り、鍵をかけ、キーは捨てる。
車内で発見した使いかけの花火詰め合わせを近くの茂みに捨て、数本はその場で火を付けて、その燃えさしも放置した。
運転席の灰皿から持ってきたシケモクもついでにばら撒き、
ダメ押しに、駐車場のフェンスの一番上に通った有刺鉄線へ特攻服のズボンをうまく引っ掛けておいた。

そそくさと車から離れ、校内に侵入する。
制服姿でリュックサックを背負ったボクはどこからどうみても、単なる早起き鳥の中学生。ちょっとガソリン臭いけど……
あと、リュックの中のタッパーも心配。ドライアイスが一日保つかどうか、暑くなったら臭いだすかも。
時限装置は午後一時半きっかりに発火、車内のガソリンに引火してボン、だ。
それまでトイレに篭るなり図書室でブラつくなり、時間つぶししてればいい。
せっかくの制服なんだから、休み時間は生徒を調べる暇もあるだろうか。口実だって考えてある。

朝のホームルーム前にはトイレに篭らなきゃいけないけど、見るべきものは見ておくべきか。
まだ人気のない廊下を歩きながら、校内を観察した。
外見上は何の変哲もない普通の中学校だけど、やはり匂う。
魔法の具体的痕跡は完璧に隠されているが、それ以上に屋内へ充満した魔力の気がいささか濃すぎた。
しかし……いつかの夜、学校へ通りかかったときとは比べ物にならないくらい微弱な感覚だった。
弱まりつつあるのだろうか、この学校の魔力は。それとも夜だけ? 満月の晩にだけ、とか。

どうも妙だ、罠の気配がする。いや、罠って大好きだけどさ。
ギッチリ喰いこむヤツ。痛いくらいが気持ちいいって言うじゃない。

ボクが今歩いてるのは二年生の教室だ。
訝りながらも手近なトイレを見つけると、ボクは男子トイレの個室に隠れる。
ホームルームまでここで隠れて、授業の合間に少し外を回ろう。人外が紛れてるのが生徒か教師か両方か、調べておかないと。
手土産を渡す相手を間違えたら大変だし、ね。
454藤田礼司 ◆OfgFahKhFk :2006/06/17(土) 20:17:57
学校校門に着いた。朝早いのにぱらぱらと登校してくる生徒がいるんだな。僕と違って本当のクラブの朝練の人たちかな。
黒の棒はカバンになんとかつっこんで、先端ははみだしているけど特には目立たないからそれはだいじょうぶ。
校門の前で僕は変な目で見られないように気配りしつつ、辺りを調べた。
昨夜ここでオタクっぽい酔っ払いがふたり殺されたはずだ。
調べてみたけどそんな形跡はなんにもない。
僕は校庭に行ってみた。
野球部やサッカー部が朝練をしている。
じゃまにならないように、それに注目されないように僕は気をつけながら校庭を調べた。
侵入してきたトレーラーのはでな爆発があったはずなのに破片ひとつない。
ただの夢だったのかとさすがに迷いが生まれる。
でも僕にはラスティーリアから受け取った黒の棒がある。
これがなかったら、あまりにもなにもかも非現実すぎて夢だと思ったかもしれない。

考えに沈みながら調べているうちに時間がたってしまった。
一般の生徒の登校時間になってしまった。
授業なんて受けられる精神状態じゃないけど……
僕は教室ではなく職員室に行ってみることにした。
ギルバ先生に会おう。
そしてドド先生にも。
職員室に行ってみるとそこには……
「華山さん!」
リリさんがいた。僕は声をかけた。
455名無しになりきれ:2006/06/17(土) 21:34:01
校庭の片隅にダンボールが置いてある…
学校の地下の研究所に潜入するためにスネークが来ていたのだ
456ギルバ ◆3lf6qO/knM :2006/06/17(土) 22:49:57
>蔓城 浄斗、護末田 愁弥、水無月つかさ、華山理利
教材ケースからペンと紙を取り出して必要事項を記入していく。
「蔓城浄斗、護末田愁弥、水無月つかさ、華山理利、出席の意思あり。
 扱いは遅刻、担任にはその様に申告しておこう。」

>431 水無月つかさ
>「さっきのハゲの口ぶりからすると(略)お昼までにお返事をくださいな」
言いたい事は分かった、漁夫乗り狙いで行こうと言うのだろう。
それが一番いいのは分かっている、確かに理に適っているのだが・・・。
「(・・・それじゃあわざわざこちらに出てきて、教師の真似事なぞを
  している意味が無い。それに、頭は確実に潰さないとな・・・
  後顧の憂いを断つとはそう言う事だ。)」
余計な波風を立てる必要も無い。黙っていよう。

>433 華山理利
>「ギルバ先生。私は『バルンディノのリリ』じゃないわ」
>「私は使える魔法のスペックは同じでも、あなたのリリとはまるで別人。
> だから『清純さ』は期待しないで。それでも力を貸してくれるのなら嬉しいわ、バージルさん」
はっきりさせておきたかったのだろう、帰り際に話しかけてきた。
同一人物じゃないが、感じる気配はほぼ同じだ・・・と言う事は・・・。
「(なるほど、源流から無数に枝分かれした『同にして異なるモノ』か・・・。)」
「まぁ、実際は向こうも清純ではなかったかも知れんさ。
 本当の事を言うと、リリの事を何一つ知らない。向こうもそうだろう。
 そして、ここにいる以上俺の事はギルバと呼んでもらいたいものだ。」

>435 工藤美津子
>それはね、今宵の事ぜんぶ夢、恐怖の一夜は全部、夢だったのよ。
その時、問題児工藤美津子が現れた!(某DQ風に)
女特有の口さがない様子でべらべらと一方的に喋くった後、
記憶操作を行うべく音波攻撃を仕掛けてきた・・・が、効かなかった。
こんな物をいちいち素直に食らうようなバカは魔界じゃ生き残れないから。
教材ケースから刀を取り出そうとした時、既にその姿は無く・・・。
自分を除く全員は、夢遊病の様に各々の家の帰路についていた。
「止めるだけ無駄か・・・俺としても、夢であって欲しかったよ・・・。」
そう言うと、その場でドロドロのスーツを脱ぎ捨てて。
「スーツ一着ダメになる、これが悪夢で無くて何だと言うんだ・・・!
 はぁ・・・生徒連中の素直さが羨ましくすら思えてきた。」
ぼやきながら職直室(今日は誰もいない)に戻って仮眠を取る。
替えのスーツは教師用ロッカーの中にある・・・朝練組に見つかる前に
スーツを着て、あれを焼却炉に放り込まないとな。

>450、>454
仮眠を取る事2時間、危うく朝練組に見つかりそうになりながらも
ダメになったスーツの処分は済ませた。不思議なほど眠気は無い。
あの様子だと、恐らく普通に登校してくる筈。来なかった場合だけ、
担任に伝えればいいか・・・職員室に入って今日の授業の準備を始める。
こう見えてもきちんと先生やってるんだ。こんな姿をダンテが見たらなんと言うだろう・・・。
準備が終わって一服しようと第二職員準備室に灰皿を持ち込もうとして。
入ってきたのは華山理利と藤田礼司、どちらも当事者だ。こちらを見ている。
「・・・ふむ、勉強熱心なのはいい事だが、職員室では話もしづらいだろう。
 準備室を借りて、話をしよう。先生方、第二準備室を一時お借りします。」
そう言って二人を準備室に招き入れる・・・最後に入って鍵をかけ。
中にあった椅子に座ってタバコに火をつけ一言。
「君達が最初だよ・・・夜遊びの説教を受けに来た、ね。それで?
 わざわざ確認しに来たのか?あれは夢だったのか、現実だったのかの。」
457護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc :2006/06/17(土) 23:06:59
愁弥は自宅のベッドの上にいた。
「……俺は…さっきまで学校にいたはず…ただの夢だったのか…?」
さっきまでの光景を思い出そうとする。
「確か…校門に向かって歩き出したら突然笑い声がしてきて……ダメだ。記憶がとぎれとぎれで思い出せない…やっぱり夢だったのか…ん?」
ふと床に目をやると壊れたメガネと大剣が置いてあった。
「…この剣はメガネを壊さないと出てこないはずだが……それにメガネは自分じゃ壊せないはずだし…ということはやはり夢じゃないのか?」

考えているとふと、あの声が頭をよぎった。

…お前は何のために戦う?…その剣は何のためにある?

「あの声は死んだ親父に似てた……俺が戦う理由…か」
愁弥がつぶやきながら側の棚の引きだしを開けるとそこには壊れた伊達メガネと同じ物がたくさん並んでいた。
その内の1つを取り、掛けた。
同時に大剣は自ら出していた妖しいオーラと共に消え、愁弥の瞳の色も元の青色に戻った。

「あの時にいた連中は覚えているのだろうか…一度聞いてみないとな……夢かどうかハッキリさせないといかんな」
そう言うとすぐに制服に着替え、家を出た。
458堀江隆夫 ◆dXiwo647ZA :2006/06/18(日) 00:49:42
「オアヨー」
堀江は寝ぼけた顔で登校してきた。
クラスの友達に眠たそうな声で挨拶すると、自分の席につくなりつっぷして寝てしまった。
朝のホームルームが始まるまで仮眠だ。
459カミイチ新聞部:2006/06/18(日) 01:47:08
◆◆◆もうすぐ上一祭!!!◆◆◆
 もうすぐ上湘南第一中学校・学園祭――略して上一祭の季節ですね!
 一年生の為に説明すると、2日間に渡って開催される、体育祭と文化祭が一緒になった上一中の最大イベント!
 もちろん、校外の友達を呼んでもOKです!
☆日程☆
【1日目】体育祭
 [午前の部] 開会式(運動場)、個人競技
 [午後の部] クラス対抗リレー、組体操・チア・ダンス等の演技
【2日目】文化祭
 [午前の部] 各部ごとの出し物や販売など
 [午後の部] 演劇、合唱コンクール、閉会式
460リリ ◆dKjdsGj.gw :2006/06/18(日) 02:12:35
>「華山さん!」
私はゆっくりと振り向いた。
レイジだ。彼の学生鞄からは、ドワーフの細工物が覗いていた。
彼がこれをもっていると言う事は・・・彼は記憶操作を逃れたのだろうか。
「おはようレイジ、よく眠れた?」

私はメガネを外し、レンズというクッション無しの視界でレイジを見た。
彼の全身からはひときわ眩いオーラが見える。オーラが読みづらい昼間の学校内でも、はっきりと。
「今日はラ・・・堀江君とは一緒じゃないのね」
三日様子を見ていて、二人がいい仲だと疑っていたのは黙っていよう。

今の時間帯に登校する生徒は殆ど朝練中で、廊下に生徒の影は無い。
レイジに聞きたい事は山ほどあった。話したい事も。
だけど、こんな場所で気安く出せる話題など何一つ持ち合わせていなかった。
黙り込んだ私の耳に、風に乗って合唱部の歌声が届く。
ソロパートの凛としたアルトは、あのクリスだろうか。
口元に浮かべていた笑みが苦く歪んだ。
「とりあえず中に入りましょ?お友達のバージルさんがお待ちかねよ」

ギルバ先生は他の教諭に断った後、準備室に私たちを招きいれた。かちりと鍵が回る。
>「君達が最初だよ・・・夜遊びの説教を受けに来た、ね。それで?
 わざわざ確認しに来たのか?あれは夢だったのか、現実だったのかの。」
「出来れば全部夢で済ませたかったわ。世の中って上手くいかないわね。
昨日記憶操作を受けたのは、やっぱり私だけなのかしら。
ところでいつまで包帯巻いてるの?
それじゃ私の知ってるバージル役の方が、本家より数倍クールかもね。そうは思わない、ギルバ先生?」

軽口を叩くのは、口にしたくない事を先送りしたいからね。
私は口を噤み、窓辺にもたれて校庭を見下ろした。
奇妙なミステリーサークルの上で生徒たちが朝練で汗を流している。
校庭の隅では何かの設営が始まっているようだ。

・・・私はようやく重い口を開いた。
「先生、レイジ。一晩で合唱部のホープに転身した『剣士・クリスティーナ』には、もう会った?」
窓の外に視線を向けたまま、消え入るような声で呟く。
レイジのオーラが燃え上がるように激しくなった。
坂本桃子の霊力を受けた彼のオーラは炎のように激しく、不安定だ。
感情にたやすく左右される。
私はそのまま続けた。

「元天才ヴァイオリニストで、随分前に『事故』で左腕を失ったことになっているわ。
昨夜クリスを手に入れたのは、あの音魔女のようね」


――――本当は・・・クリス以上に、私が面倒な状況に立たされているかもしれないと気付いていた。
だけどまだ誰にも話すつもりはなかった。
ギルバ先生は、もしかしたら気付いているかもしれない。


工藤先輩がなぜ私たちを殺さず、全員の記憶操作などという手段をあえて選んだかを。
461守衛の大男 ◆IvZWGYTAn6 :2006/06/18(日) 02:15:19
大男は屋上から校庭を見下ろしていた。
小脇に抱えた酔っ払い達の屍骸
けっ物は直る分、直らねえゴミの始末は守衛の仕事ってか。

その時工藤の声が校舎より響き渡る。
おっと、いきなり来やがったかチキショウ!
大男は耳に両手を思い切り叩き付けた。
破裂音と共に音が遠くなったが、手はどけなかった。

やがて大男は耳から手を離した。
「へへへっ工藤のお嬢、いきなりだとビックリするじゃねえかい。」
耳からはどす黒い血が流れ落ちる。
糞っ垂れ、力が入りすぎて
鼓膜が破けちまったか。

再び校庭を見る。
既に全てが『夢』になっていた。
へっ・・・【異端者】どもが集まる学校か。
若い上に特別な力を持つガキの血肉、
一般人と比べりゃ、美味さも捕れる魔力も段違いだろうよ。
『主』様や工藤のお嬢にとっちゃ美味い血が手に入る生贄の養成所。
俺にとっちゃ美味い飯に有り付ける食堂っていやあ良いのかい?

しかし古き血の野朗たちと言い、
特別な力を持つ奴等が蛆虫の様に集まってきやがる
これも「宝」の影響なのか?
「そりゃあ『儀式』もやりやすいだろよ、こんなに材料があるならよぉ。」


大男は屍骸を再び小脇に抱えると校舎へ姿を消した。
そして再び姿を現したのは守衛室の中。
朝に出勤してくる通常勤務の守衛達にメモ書きを残す。
『夜きん 異常なし 昼までねる おこすな』

そして奥にある
『関係者以外の立ち入りを禁ず』と書かれた仮眠室へ入る。
一面コンクリートで照明も無い空間がそこにあった。

鍵を掛けて、屍を喰らい始める。
やっぱり普通の味だな、
肉に柔らか味が無く、面白くねえ。
まあ先程食った嬢ちゃんが美味かっただけか。
やがて屍骸は綺麗に大男の腹の中へ消えていった。

破けた作業着を脱ぎ捨て
無機質なパイプベッドに寝転がる。
やれやれ、起きたら『昼間』の顔で働かなきゃ行けねえ。
だりぃな、

今日も偽りの朝が来る。
永遠の夜が来ればどんなに嬉しい事か・・・。
462水無月つかさ ◆PHa7cq9oUs :2006/06/18(日) 02:29:56
朝食のパンが焼けるまで3分くらいあるから、今のうちにさっき考えた二虎競食の計の準備でも整えておきましょう。
『例の霊宝を見つけたから、掘り出すのを手伝って欲しい。場所は校庭だ。7時に集合せよ』
まあ工藤さんの筆跡でも真似てこんな趣旨のことを書いて、適当な人に送っておけば良いわね。
幸い、この前工藤さんにノートを見せてもらったから、筆跡は真似できるわ。持つべきものは友よね。
この策は失敗しても別に痛くも痒くもないところが良いわ。
―――まあ、元から気が済むまで殺し合ってもらうつもりで集めたのだし、やってもやらなくても変わらないでしょう。
さ、ギルバ先生の返事を貰ったら、適当にそれっぽい人にでも渡して来ましょ。守衛の向居さん辺りが良さそうね。
今日は久しぶりに部活に出てみようかしら。昨日その前もサボったし。

>448
早速学校に行って、ちょっと遅刻を咎められたんだけど、まあ普通の一日ね。
無遅刻無欠席が自慢だったから、ちょっと残念だけど。
でも突発的に持ち物検査だなんて、今日の先生は少し意地悪ね!
もちろんわたしは真面目な生徒ですから、あまり変なものは持ってきていませんけど。
強いて言うなら、望遠鏡付のボールペンくらいかしら?ちょっと昔に買ったやつ。
例のお手紙の方は上手く言い繕って誤魔化したし、今日も何事も無い一日を過ごすことができそうで良かったわ。

>459
放課中に、ギルバ先生の返事を求めて職員室に行く途中に見つけたチラシ。
校外の友達を呼んでも良いっていうのは嬉しいわ。
だけど校外の友達って言うと、前の学校の友達くらいしか居ないわねぇ。あと陽介くんくらいかしら?
どっちにしても今はとても遠くに住んでるから、残念だけど呼んであげられないわねぇ。

>456
お返事を貰いに来たんだけど……
「すみませーん、ギルバ先生はいらっしゃいますかー?」
「あの先生なら、そっちの準備室に入って行ったぞ」
きっと昨夜の話でもしているのね。
来てるのは華山さん、あと礼司くんくらいかしら?
そういう訳だから、準備室の戸を叩いて、失礼します、と言って入る。
まずギルバ先生が目に入って、あとはわたしの予想通りの顔ぶれが居たわね。
「今朝のあの話、午後までにお返事いただけることになってたんですけど……お返事いただけますか?」
463藤田礼司 ◆OfgFahKhFk :2006/06/19(月) 15:29:40
>ギルバ先生
>「君達が最初だよ・・・夜遊びの説教を受けに来た、ね。それで?
>わざわざ確認しに来たのか?あれは夢だったのか、現実だったのかの。」
「先生。それでは昨日の夢じゃなかったって教えてるのといっしょですよ」
僕は笑った。朝に家を飛び出してから緊張の連続で気持ちが楽になれた。
今ここにいる三人、華山さん、ギルバ先生、僕は工藤先輩の擬似記憶操作が効かなかったんだ。
とりあえず三人。
「ノスフェラトゥは飛び去っていくときに、また明日の夜に、って言いました。
今晩には再び戦いがいやでも起きます。昨日、校舎にいた全員と話し合いをしておきませんか。
オカルト研究会の会合を開きましょうよ。
嘘の記憶のままの人は、なんとかリリさん、バージルさん、覚醒できませんか?」
ギルバ先生がバージルさんなのは、はっきしたけれどあらためて確かめておこう。
「華山さんは聖属魔法使いのあのリリさんなんですか?」

>水無月さん
>「今朝のあの話、午後までにお返事いただけることになってたんですけど……お返事いただけますか?」
水無月先輩がやってきた。
「これで少なくとも4人が騙されていないってことでしょうか?」
早朝の学校、職員室わきの第二準備室で4人の戦士の会合。吸血鬼たちへの反撃の作戦会議なんだこれは。
「僕はとにかく昨日のメンバーが全員揃うのが大切だと思います。
昼間は契約とかで戦いができないようですから、工藤先輩たちも仕掛けてこないと思います。
お昼休みに図書室に集りませんか?っていうか集めませんか?昨日のメンバーを声かけて。
図書室の書庫室なら図書委員が午後に入るくらいで、だれにも邪魔されないで話し合えます。
僕は教室にもどったら堀江…いやラスティーリアを誘います」
464ウルトラマン ◆4yOJjcI5oc :2006/06/19(月) 16:56:08
「何だとっ!!」
思わず叫んでしまった。
叫んだ理由……それは1限目に行われる持ち物検査。
先生達には自分が科特隊の隊員だと知っているが、生徒達はこのことを知らない。
さすがに凶器を複数所持している今、持ち物検査を受けるわけにはいかない。
サボろう……先生達も分かってくれるはずだ。

校内をふらついて、着いた場所は図書室。
図書室に入って、暇潰しに小説などを読もうと思ったが、
「ん……?」
掲示板に何か張っている。上一祭のお知らせだ。
「これは楽しみだ……科学部も何か出し物を用意しておかなければ……」
このウルトラマン。実は結構なお祭り好きである。

掲示板から目を放し、本棚の方に移ると、小説コーナーから面白そうな本を探し始める。
あった。
この本は確か吸血鬼の小説だったはず。
タイトルは……
「ジョジョの奇妙な冒険?」
とりあえず席に着いて読むことにした。
465ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE :2006/06/19(月) 19:44:33
『恐怖の一夜』の翌朝、ベルはいつもと何一つ変わらぬ様子で登校をしていた。
いや、変化はあった。
だがその変化はベルを見る周囲の目からすれば、『いつもと髪形が少し違った』程度のものでしかな
かったのだが・・・
2−Aの教室。一時間目は持ち物検査が実地されていた。

担任の教師がベルの前に来ると、深い、どこまでも深いため息をつく。
「・・・ベル、答えはわかっている。ああ、判っているさ。だが一応聞いておくが、それはなんだ?」
ベルの胸元にはペンダントと言うには大きすぎる装飾具がぶら下がっている。
丁度、肩の内側、鎖骨全体の首元胸元を隠すような装飾具が。
そして奇妙な事にベルそっくりの顔がその中心に彫られていた。
教師が不審に思うのは当然だろう。
それだけではない。なぜか机の上には鉢植えが置かれており、怪しくも美しい花を咲かせているのだ。

「・・?おまじないグッズですよ。」
教師の質問が理解できない、と言うか、それが如何に学校生活において異質なものであるかと言う事
をベルは理解していない。
「これはデスネ、叢雲剣のゴルゲット。太刀なんですけど、首を守るおまじないグッズなんです。
そしてこっちは妖花アルラウネ。神秘の力を宿すおまじないグッズです。それぞれの効用は・・・」
「ああ、判った判った!もういい!他はないのか?」
「この二つだけです。効用はいいんですか?」
「・・・もういい、次の生徒もいるんだから、もう好きにしろ。」
暴走フランス娘ベルのおまじないグッズは教師の間でも有名だ。
本人は信じきっており、下手に注意知るとおまじないグッズの怪しげなオカルト知識を演説される事にな
るので教師たちも半ば放置気味である。
所詮は毒にも薬にもならないガラクタ。
下手に突付くより、そのままにさせているのだ。

そんなベルの日常が今日も続いていた。
466ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE :2006/06/19(月) 19:45:17
向居の開けた穴から消えたベルは、自宅に戻っていた。
数多の世界を旅し、所有者と生贄を変えてきた剣。
生贄であった者がベルを自分の代わりに剣の生贄にし、その肉体を乗っ取ったのだ。
ベルの記憶を頼りに一旦自宅に戻ったのはこの世界の情報収集の為だ。

「・・・なんだ?この甘い香りは・・・」
ベルは家に入るや、充満する甘い香りに警戒心をあわだだせた。
剣を構えながら家を探索する。
人の気配はあるが、活動している様子はない。
香りの元を探すべく、注意深くその足は地下室へと向かう。
地価倉庫の奥底、【それ】はあった。
鉢植えに咲く一輪の花。
それを見た瞬間、抗い難い誘惑に駆られる。魅入られる、と言うのだろうか?
あれだけ警戒していたベルは剣を降ろし、そっとその花に手を添える。
「し、しまっ・・・!」
その瞬間、ベルの目に生気が戻り、身を引こうとするが体が動かない。

この瞬間から、ベルの内面で凄まじい攻防が繰り広げられる事になる。
ベルを最初に乗っ取ったのは叢雲剣という冥剣。正確に言えば叢雲剣の生贄、であるが・・・
そこに割って入ったのがこの鉢植えの一輪の花。妖花アルラウネ。
両者共に哀れな犠牲者の魂を乗っ取る事に長けた者達。それがベルの中で魂の乗っ取りあいを演じ
始めたのだ。

一つの肉体に一つの魂。それを乗っ取る為に外部から新たなる魂が入ってくる。
これだけなら有史以来無数にあった出来事だろう。
だが、更にもう一つの魂が入ってくるということは極稀な現象である。
魂の引き合い。吸収のし合い。その苛烈な戦いは、器である肉体に影響を与える。
「ちょっと待って、鬩ぎあいの影響で肉体が崩壊し始めてるわ!」
「霊力のある器ならいいが、ただの凡人だからな。崩壊しちまう前に出てけよお前!」
「肉体が崩壊したら既に器に入っている私もあんたも無事ではすまないのよ、出て行きなさいよ。」
崩壊に気付いた妖花が冥剣に声をかけるが、双方譲るつもりは毛頭ない。

そうこうしているうちに肉体の崩壊は更に進む。
血を吐き、所々皮膚が破れ始めている。
「OKOK、冷静になろうか。このままじゃマジでヤバイ。」
「ええ、一つの肉体に二つ分の魂だもの。」
「ああ、だが、お互いに引けねえのも確かだ。そこで、だ。お互い半分ずつ引いて、一つ分の魂の容量
に調整でどうだ?」
「仕方がないわね」
冥剣と妖花はそれぞれ引き、魂の容量を整える。が、ベルの肉体の崩壊は止まらない。
「・・・私たちが鬩ぎあったせいね。拒絶反応が起きてる。」
こうなってしまっては二人に肉体の崩壊を止める術はない。
できることはただ一つだけ。
それは大きな決断を要するものだが、既に肉体に入り込んでいながら安定できていない二人にとって
肉体の崩壊はそれぞれの精神崩壊にも繋がりかねない重大事だ。
「・・・ああ!仕方がねえ!お前も、わかってんな!」
叢雲太刀は何かを吹っ切るように言い放つと、その気配を消した。そして妖花も同じように気配を消す。
そして、ベルは自分の肉体に戻った。
拒絶反応が出た以上、異物がその肉体に留まっていては崩壊を早めるだけ。
残る手段は肉体の本来の持ち主であるベルの魂に渡すしかないのだ。
勿論、両者共に崩壊が収まれば隙を突き一気に乗っ取る算段の上での行動であるのだが。
467ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE :2006/06/19(月) 19:46:32
「・・・!戻った!私の体!って・・・いだだだ!」
ベルが身体に戻った途端、傷ついた体の痛みがベルに襲い掛かる。
だが、崩壊はまだ続いていたのだ。その場に崩れるようにしゃがみこみ叫び声を上げる。
一度二つの巨大な魂が入り込み、鬩ぎあった為に、器たる肉体の容量が無理に広がってしまい歪み、もは
や元の器とは別物になっているのだ。
いわばベルの魂では圧力バランスがとれず、肉体の崩壊を止める事が出来なくなっていたのだ。
この現象を見て冥剣と妖花の行動は早かった。
ベルの魂で拒絶反応を抑えつつ、歪んだ部分に入り込み乗っ取りにかかる。
ここにベルと冥剣、妖花の三つ巴の魂の陣取り合戦がベルの中で始まった。
この戦いにベルが参戦できたのは、拒絶反応を抑える事が出来るという一点のみでいさせてもらえたから
といえる。
ベルの内面で繰り広げられる戦いは熾烈を極める。

だが、その戦いを引き裂くように工藤の呪的音波が町全体を包み込む。
「この術法・・・牙の主様?」
「主のボケか!?」
「この体が私のよーー!」
冥刀と妖花が術に対する防衛に回った瞬間、ベルは術がかけられている自覚もなくただ魂の引き合いを
全力で続けた。
そして何の防御手段も回避行動も講ずる事無くまともに術にかかり、その場で意識を失ってしまった。
「・・・オイ・・・もしかしてこれって・・・」
「もしかしなくてもよ。8:1:1ってところね・・・。」
術に対する防御に回った瞬間、ベルの魂が肉体の主導権を握り固定してしまったのだ。
しかもこの鬩ぎあいのお陰か、三者の魂は融合し、奇妙な形でベルの中に納まっていた。
その比率がベル:冥刀:妖花が8:1:1。

「なんつう事態だよ。」
「まったくね。仕方がないわ。こう融合してしまったからには私たち三人は一蓮托生、運命共同体よ。」
「運命共同体ってか、こいつに引き回される事になるのか・・・。」
「どうにもならないんだし、自己紹介でもしましょうか。」
「そだな。こんな奴に吸収される最後とはお互い思いもしなかったな・・・」
沈んだ声で冥剣と妖花はお互いの紹介を行っう。
魂の主導権をベルが握っている以上、双方共に意識の表層に出ることは殆ど出来なくなる。
無意識かに働きかける程度が精一杯だろう。
魂を乗っ取ってきた者達にすれば、これは死にも値する事態なのだ。
468ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE :2006/06/19(月) 19:47:41
叢雲剣(むらくものつるぎ)。
独りの生贄を吸収し、その人生を得る代わりに力を発するという冥刀。
悠久の刻の流れと数多の世界を生贄と所有者を変えながら旅をし、魔の結界に招かざる得意な人間が交
わったことによりベルの前に姿をあらわしたのだ。
柄と鍔だけの剣で、生贄となった者のデスマスクが鍔に浮かび上がるのが特徴。
柄は三途の川に繋がっており、その水に圧力をかけて出すことで刀身と成す。
冥刀と呼ばれる所以である。
それゆえ刀身は自在に変化し、捕らえられぬものとなる。
ベルを乗っ取ったのは前代の生贄にされていたフェルマーと言う男だった。
前代の使用者の死をきっかけに、自由と力を求めて旅をしていたのだ。

妖花アルラウネ。
鉢植えに咲く美しい花。
だが、それは魔の花であり、人を虜にしあやかしの術を良く使う。
自分では動けないので、虜にした人に運ばせたり、魂を乗っ取りその養分にする。
ベルの家の地下倉庫。オカルトグッズの一つとして封印されていたのだが、昨夜ベルが地下倉庫を漁った
際に知らぬうちに封印を解いてしまっていたのだ。
より強力な肉体を乗っ取る為に、周囲の者を眠らせ力あるものを誘う燐分を発していた時に、叢雲太刀に
乗っ取られたベルがやってきたというわけだ。

「サンズノカワ?」
「あの世とこの世に流れる川のことだ。」
お互いの自己紹介が終わった後、妖花アルラウネが不思議そうに尋ねる。
「ああ、レテの川ね。忘却の川だし、それであの記憶改竄術に対処できたわけなんだ。」
その答えを聞き、漸く理解できたようだ。
「ん。そういえばお前、『主様』とかいっていたが」
「だって結構前だけど、霊球抗争に主様の助っ人として顔出したことあるもの。術の解除コードは昔のまま
のようだったから助かったわ。あんたこそ知ってるの?」
「俺が直接知っているわけじゃないけどな。叢雲剣の記憶って奴だ。何代か前の使用者がノスフェラトゥっ
て奴の助っ人をした事があるらしい。
霊球抗争ったって吸血鬼どもの喧嘩じゃねえか。仰々しいこと言うなよ。」
「あーあ、もうどうでもいいわ。あと少ししたらこのこの意識に溶け込んじゃうんだし。」
「それもそうだな。だが、この器はトラブルメーカー体質の気があるからな。自分で主導権が握れないのはむ
かつくが、せいぜい観客として楽しませてもらうさ。」
「そうね・・・こんな状況だけど、トリニティー(三重奏)と言うことで楽しみましょうか。」
こうして妖花アルラウネと叢雲太刀はベルの意識のそこへと沈んでいった。

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そしてベルは翌朝いつものように目覚める。
記憶が改竄された自覚も、取り憑かれているという記憶もないままいつものように。
ただ、剣の飾り鍔のゴルゲットと鉢植えが新しいおまじないグッズだという認識のままに。
469ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE :2006/06/19(月) 19:50:06
―名前・ベル『トリニティー』
―性別・女
―年齢・14
―髪型・ミディアムレイアー、ピュアモダンボヴ、金髪
―瞳色・翠
―容姿・170センチ、痩身貧乳、手足が長い、目鼻立ちのはっきりくっきりした顔、膝下10cmのスカート
―学年・2年A組
―部活・オカルト研究会設立
―備考・フランス人。プラシーボ効果で満願成就!がモットウなおまじない娘。妖花アルラウネと叢雲剣に微妙に取り憑かれている。
叢雲剣と妖花アルラウネの鉢植えを常に身につけている。
叢雲剣は通常飾り鍔だけのゴルゲット状態。
470リリ ◆dKjdsGj.gw :2006/06/19(月) 20:04:05
>462
>「すみませーん、ギルバ先生はいらっしゃいますかー?」
水無月さんの声だ。ギルバ先生に目配せして鍵を開ける。
話を聞いてると、どうも彼女は記憶操作を受けていないみたいね。・・・なんでかしら。

>463
レイジの話を聞いているうちに胃がムカムカして来た。
記憶を呼び覚ませ?昨日のメンバー全員集めて作戦会議?この子、昨夜の事件から何も学んでいないのね。
「聖属魔法が使えるかって話ならYESよ。
それからね、私は「覚醒の手伝い」は絶対にしない。
レイジは気付かなかったようだけど、私も全員の昨夜の記憶を消そうとしたのよ。なぜか出来なかったけどね。
昨夜の事は、夢と感じてるなら夢で終わらせた方が良い。
堀江君はともかく、他の人に声をかけるのも反対よ。これ以上余計な犠牲者を出ないためにもね。」

「ただ、夢の真偽を確認しようと夜学校に来られても面倒ね。だから、こんな手はどうかしら。
掲示板に張り紙をするの。ベルの名前でミステリー研究会立ち上げのポスターよ。
それを見て何かを感じた人だけ、図書室に来てもらったらどうかしら?」
暴走するフランス娘の名前なら、一般生徒が集まる筈も無いと判断する。


その時の私は、消えたはずのベルが普通(?)に登校してきた事など知るよしも無かった。
471リリ ◆dKjdsGj.gw :2006/06/19(月) 20:06:30
「・・・ごめん、たしかオカルト研究会だったわね」
リリは申し訳無さそうに付け足した。
472名無しになりきれ:2006/06/19(月) 20:20:49
ウルトラマンは本を読んでいる途中、違和感を感じた。
近くの本棚の中身が外に散乱している。
しかもその中身が散乱している本棚は、よく見ると位置が微妙に違う。
カモフラージュされているが、隙間に人一人入れるくらいズレている。

一方、読んでいる小説の中身は、主人公の仲間の一人が敵の潜んでいるところを当てる、というシーンだった。

「なぜ俺が冷蔵庫の中に居ることが分かった?」
「てめー頭脳がマヌケか? 冷蔵庫の中身を全部外に出して…片付けてねーぜ!」

    ゴ     ゴ     ゴ     ゴ     ゴ
 ゴ     ゴ     ゴ     ゴ     ゴ
473リリ ◆dKjdsGj.gw :2006/06/19(月) 20:23:57
窓の外を見て私は凍りついた。
みまちがえる筈も無い。あのベルが渡り廊下を歩いていた。
相変わらず電波っぽいが、一応は元気そうだ。
信じられないという思いと、無事でよかったという安堵感でいっぱいになった。

「・・・やはりベルの名前を借りるのはやめましょう。
吸血鬼ノスフェラトゥ というキーワードと、図書室への案内だけで十分ね」
私は懐中時計を取り出し、時間を確認した。
今日は昼までにやることがある。そろそろ行かないと。
474蔓城 浄斗 ◆sy1IQNBWp6 :2006/06/19(月) 20:27:48
目が覚めた時、そこは地獄だった。
周囲が真っ赤に染まり、燃え上がっている。
木製の床を渡り、走っていった先に本堂がある。

(この場所を知っている?)

周囲は奴等に囲まれている。もう覚悟するしかないのか・・・?
本堂の中に・・・

(やめろ、見るな・・・見るな!)

扉が開かれ・・・
_________________________________________________________________________________________
目が覚めた。
「ここは・・・?」

真っ白なシーツの敷かれたベッド。周囲を覆うカーテン。
保健室か。そう安心して体を起こした瞬間、痛みが走った。
「ぐっ・・・!?」
まるで腹部を痛みの塊が貫いて、そこに留まっているような感じ。
熱くて冷たくて重くて・・・痛い。痛い痛い痛い痛い!

「うぅ・・・。」
何時間、あるいは何分経っただろう?少しずつ腹部の痛みも和らいできた。
まだズキズキと痛むのだが、この位耐えられなくては・・・。(あの痛みに較べれば)
「そういえば、僕は何でここにいるんだ?」
思い返せば傷の原因も分からない。手で触れて確認したが、傷痕が見えない。
大方、練習中に無茶をしたのだろう。その時やっと、右手の感触に気がついた。
「・・・?何だこれ、棍?」
金属的な2mにもなるような棍が右手に握られていた。
色は薄い金、精密な模様が全体に刻まれている。その中央には虎を象った模様が彫られていた。
「まぁいいか、持って行こう。   ぐっ。」
痛みを堪えて保健室を出る。何故か傍らにあった自分の鞄も持って。
幸いにも先生がいなかった為に見つからずに済んだ。

そして、僕は教室に入る。
「記憶の整理をしなきゃ・・・。」
クラスの友達もまだ来ていない時間に、じっと考える。
昨日の夜は練習をしてて、そこから先が何も覚えていない。
そして今朝。多分日課のランニングをしながら時間が危うくなって・・・。
何故か保健室にいた?おかしい、どこかおかしいんだ。

昨日の夜に何かがあった。そう・・・例えばさっきの夢のような(思い出すな。)
「うぅ・・・。」
頭に痛みが走る。腹部の痛みとの二重奏。
それは・・・僕自身から僕へ宛てた警告なのだろうか。

なんと一時間目に持ち物検査!
[蔓城・・・これは?]
「棍・・・です。普段の奴が壊れたので『家』にある物を持ってきました。」
[っ・・・そうか。」

なんとか検査を抜けて、自分の鞄を確認すると・・・昨日の時程のまま。
「え?」
つまり、僕は昨日は帰っていなかった・・・?
これは、昨日の夜に何があったのか調べてみたほうがいいかもしれない。
僕はそう思いながら、チャイムが鳴るのを聞いた。
昨日の夜に何があったのか、調べる方法を考えながら。
475ウルトラマン ◆4yOJjcI5oc :2006/06/19(月) 21:10:23
読んでいた小説を閉じて、しばらく考え事を。
後ろで何かやっているが、放っておく。

急に立ち上がって、ポケットからベータスティックを取り出すと、頭のこめかみに当てて叫んだ。

「俺はウルトラマンをやめるぞ!ゾフィーーーー!!!」

しばし、図書室内で沈黙が続いた。

「やはり変身はできないか……」
突然、ウルトラマンに天井から光が降り注ぐ。
そして、脳裏にゾフィーの姿が。
『退職願い、しかと受け取りました』
と、告げた。
もうウルトラマンには戻れない。地球人として生きるのだ。

しばらく呆然としているウルトラマン。
ウルトラマンは振り返って本棚の元に行く。
「WRYYYY!!!!」
奇声を発しながら拳を、何者かが潜んでいる本棚に向かって乱打し始めた。
476スネーク:2006/06/19(月) 21:14:38
(しまった!)
俺はそう思いながら本棚から飛び出し、ローリングで窓を割って外へ脱出した。
477霧津 ◆Bvigra29UE :2006/06/20(火) 01:00:52
拙者は混乱していたでござる・・・・・。
あの夜、拙者は確かに保健室で寝ていた筈でござるが。
突如耳元で鳴り響く目覚まし時計の音に拙者は跳ね起きたでござる。
起きてみると案の定、拙者の体は布団の中でござった・・・・。
「・・・夢でござるのか?・・・・・・・すべてが・・・?」
頭を抱えたでござる、このまま考え続けたかったでござるが、そうも言っていられぬ。
時刻は既に6時を回っていたでござる、急がねば朝稽古に間に合わぬ。

早速身支度を始めた拙者に過ぎる疑問がいくつかござった。
着替えた覚えは無いのに血で微かに汚れた着流し。
顔を洗って気付いた額に残った傷跡。
義父上に挨拶を済まし朝食を掻き込むと、部活の朝稽古へ向かったでござる。
しかし思うように稽古に身が入らぬ・・・果たしてこれは夢でござろうか?
>「霧津?どうしたの・・・ボーッとしちゃって。風邪?」
友の心配する声にも上の空でしか言葉を返せぬでござるよ・・・
はっ!いかんでござる!・・・集中せねば!集中せねば!!
拙者は急ぎ我を取り戻すと再び打ち込みを始めたでござる


軽く汗を流し教室へ向かうと拙者はボーっと窓の外を見つめていたでござるが
気が付けばホウムルウムが終わり一時間目が始まっていたでござる。
科目は荷物検査。しかし拙者の手荷物といえば勉具が入った手提げ袋に
急ぎで拵えた握り飯に拙者の相棒のみ。
何ら引っかかる道理は・・・・・・・
>「あー・・・・霧津、その刀どうにかならんかね?銃刀法違反に引っかかってるぞ・・・多分」
な、!なんですとーーーーーーー!!
担任の師の言葉が直覚的に拙者の心に直撃したでござる。
まさに寝耳に水でござるが、反論を用意してないほど拙者は甘くは無いでござる。

「か、刀は武士にとって命でござる!!それを捨て置けと言うのは酷でござろうか!?」
この通り!・・・と拙者は頭を深く下げたでござる。
>「うっ・・・まっまあ・・・そこまで言うならば仕方ない・・・・今回は特例とする。」
担任の師は拙者に押され何とかまかり通ったでござる・・・ありがたや、ありがたや。

さて再び拙者は窓の外を見たでござる。
「俄かに信じられぬ夢でござるな・・・。」
着流しに付いた血に額の微かな傷跡。偶然にしては出来すぎてる・・・。
それに・・・傷ついた彼・・・・・名はなんと申したか・・・。
もう一度彼に会いたいでござるなぁ・・・・・・・。
ゆっくりと雲が流れていった。
478護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc :2006/06/20(火) 02:48:31
愁弥が学校に着いた頃にはすでに1時間目が始まっていた。
1時間目はなんだっただろうか?
気になったので近くの教室をこっそりと覗いてみる。
「…持ち物検査か。教科書すら持ってきていないしな…少し時間を潰すか」
そう言うと愁弥は屋上に向かっていった。

屋上に着くと、フェンスに寄り掛かるように座った。
見渡すと、何もなかったかのようにいつもと変わらない風景の町並みが見えた。
「…空も、町も、学校もいつもと何も変わってない…
やはり夢…?」
愁弥は何度も夢と思おうとしたが、何かとても大事なことを一生忘れたままになりそうで夢と思うことが出来なかった。
479工藤美津子 ◆IX36EnfQv6 :2006/06/20(火) 07:32:20
【TRPG】ヴァンパイアの学園祭(人∀・)チャッチャ3
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1150756086/l50
480クリス ◆Lm2AC1CyeA :2006/06/20(火) 14:08:44
朝練。今練習中の曲にはソロ部分がある。

♪めぐしおといまいいでつ♪    先ずは部長のソプラノ。
♪たいまつあかくてりわたる♪   続いて私のアルト。
♪かんげんのひびきにぎわしく♪ そしてテノール。
♪つれたちてまいあそぶ♪     最後に、鳥部先輩のバス。

私を合唱部に誘ったのは勿論ドド先生。
けど、私だってすぐに合唱部に溶け込めた訳じゃない。
それは、何より鳥部先輩……こと、鳥部ルイの存在があった。

この学校は華山リリを始め、芸能人も多い。
鳥部ルイも7歳から歌の英才教育を受け
世界にその美しい歌声を響かせた、そう……


ボーイ・ソプラノ。


鳥部ルイの名前は私も知っていたけど
始め、私にはそれがその人だとは気づかなかった。
あまりにも違う、低くて重い声だったから。

テノールすら出せなくなった彼は、一時登校拒否にまでなっていた。
その事は公にはされず、引き篭もる毎日。
それが、バスとして華麗なる転身を遂げた話は……長くなるから、後にしよう。
481クリス ◆Lm2AC1CyeA :2006/06/20(火) 14:18:08
朝練を終えて教室へ行く途中の話……

カミイチ新聞。新聞部が毎月発行してる新聞。
もう上一祭……もうそんな季節だったかしら。
上一祭と言えば、合唱ね。うちのクラスは何を歌おう。

「知った」とか音魔女が好きそうだけど……
クラスの男子が多分笑い声が漏れるから却下ね。
むしろ男子が手を抜かないように怪獣のバラードかしら?

堀江は自分の席につっぷして
ヨダレ垂らしてイビキ掻いて寝てる。
……ま、いつもの事かしら。

そして、話は今へと戻る――持ち物検査の後の放課。
482ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE :2006/06/20(火) 21:15:45
一時間目の持ち物検査を何事もなく(?)終了させ、休み時間となっていた。
今のクラスでの話題は上一祭り一色となっている。
球技大会なら背の高さを買われて出番もあるのだが、特に運動神経が良いわけでなく部活にも所属していない
ベルには余り関係があるとはいえないのだが・・・。

それでも、その周囲のお祭り気分の雰囲気だけで上機嫌に慣れてしまうのは思い込みやすい性格のせいだろう
か?
観客として十分に楽しむ気満々である。
だが、それ以上にベルの心をときめかせるものがあった。
それは校舎に突如として現れた(人∀・)の形をしたミステリーサークル!
他の生徒には見えていないのか、取り立てて騒ぐ者はいない。
それを不審には思ったが、『自分の目がおかしくなっている』とは考えずに『自分だけが特別な力を得て見えてい
る!』と考えてしまうのは幸せ回路搭載所以なのだろう。
しかしこの考えは当たらずも遠からず。
叢雲剣と妖花アルラウネの魂が融合している為に『見えないもの』が『見えてしまう』ようになっているのだ。

休み時間になるや、鉢植えを片手に屋上に走る。
ミステリーサークルをより高いところから全体をはっきり見るために、だ。
勢い良く扉を開けると、一番乗りで屋上に駆け上がったつもりが、既に先客がいたことに気がついた。
483藤田礼司 ◆OfgFahKhFk :2006/06/20(火) 22:59:04
>華山理利さん
>レイジの話を聞いているうちに胃がムカムカして来た。
>「聖属魔法が使えるかって話ならYESよ。それからね、私は「覚醒の手伝い」は絶対にしない」
「え――――――――――――。こわぃ……リリさんじゃない……」
つい口から漏れてしまった。失言。
リリさん、じゃない華山さんがキ―――っという目で睨む。うわわわ。

>掲示板に張り紙をするの。ベルの名前でミステリー研究会立ち上げのポスターよ。
>それを見て何かを感じた人だけ、図書室に来てもらったらどうかしら?」
「なるほど。わかりました。思い出せない人はそのまま悪夢の世界に戻さないってことですね」
うん。そのほうがいいのかもしれない。
僕らみたいに目が覚めているのに悪夢の世界に囚われている者だけでいいのかもしれない。
「手先は器用なんですよ。僕。コスプレの服を自作するときデザイン画を描きますから。
簡単にですけど、いまここでポスター書きます」
カバンからペンシルケースを出して、中から蛍光ペンやサインペンを取りだす。
レポート用紙を一枚をやぶり、そこに至極簡単なポスターを書いた。
字だけでは味気ないので、ちょちょちょっと飾りの図形も書いた。意味ないけど。
484藤田礼司 ◆OfgFahKhFk :2006/06/20(火) 23:00:04

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    上湘南第一中学校 ミステリー研究会 発足 !



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                              ■



                              †

最初の会合を本日・お昼休みの図書館で



485藤田礼司 ◆OfgFahKhFk :2006/06/20(火) 23:01:14
と、ここまで書いたとき

>華山理利さん
>「・・・ごめん、たしかオカルト研究会だったわね」
「………………………………………………………………………書き直します」


とにかく簡単なものだけどポスターは出来た。
「じゃ、貼ってくるね」
ギルバ先生に掲示許可のハンコを押してもらって。僕は第二準備室を出た。
第一校舎と第二校舎を結ぶ二階渡り廊下の掲示板に僕はポスターを貼った。ここがいちばん目立つ。
もちろんこれは工藤先輩も見るだろう。
どうでるだろう。
「たぶん昼間は動かないはずだ」
契約のもとで行われている戦いなんだから。その契約はかなり強力らしい。
工藤先輩の属する牙の主と、ノスフェラトゥは激しく対立しているらしいのに、昨日の夜、深傷を負ったノスフェラトゥを
牙の一派はチャンスなのに追って攻撃しなかった。
「昼間に戦いが起きないことがいちばん優先されているのかも。そのためにはわざとらしくったっていいんだ」
平和なふりの嘘を付き合おう、っていうことなのかもしれない。
僕は考えに沈んでぶつぶつとひとり言をいいながら、下をむいて自分のクラスに向かった。
顔をあげていれば、いろんなことに気がついたかもしれなかった。
ベルのこととか。
「おはよー」
教室はいつもの朝だ。クラスメートのおしゃべりにあふれている。
僕は教室に堀江がいるのを見て、ちょっとびっくりした。
「あれ。まだ堀江の姿で来るのか……」
うう。すごい違和感。
席で腕を枕に寝ている堀江はまぎれもない小太りの堀江で、これが正体は小悪魔的な美貌の美少女で、さらにその正体は
ピンク色のナメクジ状のスライムで……
敵なのか味方なのか……っていうか、どう接したらいいんだ――――――――!?
僕は堀江ラスティーリアの隣の席に座った。僕の席だからね。
話しかけてみた。できるだけちいさな声で。
「ぁの。ラスティーリア。起きて。昼休みに昨日の戦士の集まりがある。
あ――――。それも大事だけどこれもはっきりしておかないと。落ち着かないよ!
も、もう二度と僕の中には入らないって約束はしてくれるのかい!?」
486護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc :2006/06/21(水) 04:04:31
しばらく時間を潰していると、1時間目の終わりを告げるチャイムが鳴った。
「そろそろ戻るか…」そう言って立ち上がった。
同時に扉が勢いよく開いた。
「ん?誰かと思ったらフランスお…じゃなかった、ベルか。
…とりあえず、その首にぶら下がってる剣っぽいやつと、なぜか手に持ってる鉢についてはつっこまないほうがいいんだな?」
愁弥はベルが穴に消えていったことを覚えていないようだ。
ぶら下げている剣と鉢をただのオカルトグッズだろうと思い、いつものように少しからかうような口調で喋り掛ける。

「…それで?ここに何しに来たんだ?…まさか…あのミステリーサークルが見えるとかじゃないよな?」
校庭を眺めながらベルに尋ねた。
愁弥にはベルが妙な剣を首からぶら下げていることと、鉢を持ってる以外はいつもと変わらないようにしか見えなかった。
487名無しになりきれ:2006/06/21(水) 07:20:43

【TRPG】ヴァンパイアの学園祭(人∀・)チャッチャ3
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1150756086/l50

488リリ ◆dKjdsGj.gw
>藤田礼司君
>「え――――――――――――。こわぃ……リリさんじゃない……」
かなりむっとしたが、すぐに立ち直った。顔に出すなんて気が緩んでる証拠ね。
「・・・ひどーい!私、レイジがそんな事言う人だなんて思わなかったわ!」
お返しに『チャッチャ・クエストのリリ』バージョンで拗ねてみせる。もちろん嫌がらせよ。
――――それにしても、オーラを読めるはずの二人が、本物かどうか判別付かないとは驚きね。
そんなに似てるのかしら。まあ・・・バカに似てるといわれもね。

>「じゃ、貼ってくるね」
レイジはポスターを持って出て行った。
「オカルト研究会の担任は、ギルバ先生で決まりね。引率が大変そうだけど」
ハンコを片付けてきたギルバ先生にそう声をかける。。
「ところで先生は気付いてた?死んだクリスと私は同じ属性だったって。
問題は、クリスが真っ先に殺されて、わ・・・皆は術に落ちたのに死ななかったって事。
単なる偶然だと思う?」
クリスが雑魚に殺されたとは思えない。では、どこに属する誰が手を下したのだろう。
音魔女が殺したと考えるのが一番手っ取り早いけど、多分違うわね。
クリスの剣戟の響きを、音を愛する魔女が嫌うはずが無い。
「・・・確かめたい事があるから、私もそろそろ行くわ。
先生、悪いけれど今朝言ってた届はそのまま出しておいてくれる?少し時間がかかりそうだから。
水無月さん、ケータイは使ってる?持ってるなら今のうちに番号を交換してもいいかな?何かあった時便利だし。
あ、ギルバ先生にも教えておくね」
先生の居る前で、一応は禁止されてるケータイを堂々と出すあたり私もどうかと思うわ。
でも緊急事態だし、なにより先生の刀よりはマシでしょ?

「そういえば工藤先輩も水無月さんと同じ3年よね。今日工藤先輩の姿を見かけた?」
もし登校しているのなら、用事を済ませてから会いに行くつもりだった。
レイジが作ったポスターを見れば、多分昼にでも工藤先輩の方から出向いてくれるだろう。
それまで待てばいいのかもしれないし、抜け駆けだけど・・・話の内容はレイジの耳に入れたくない。
仲間を探す気持ちに水をさすことになるから。
「じゃあ、お昼に図書室で」
伊達メガネをかけなおし、私も第二準備室を出た。

渡り廊下の掲示板には、カミイチ新聞の隣にオカルト研究会のポスターが張ってあった。
あれならさぞ目立つだろう。
・・・私は細木数子研究家にでもなろうかしら。
「ん?」
足元に落ちている紙を拾い上げた。何かの案内のようだ。風か何かで落ちたのだろう。
私は掲示板に張りなおした。
「うん、これでよし!」

【TRPG】ヴァンパイアの学園祭(人∀・)チャッチャ3
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1150756086/l50