1)他キャラに関係する設定に干渉しない(世界観、登場人物など)
2)戦闘においては、相手の機体の弱点や性能を勝手に設定しない
3)上記の行為がどうしても必要であったり、設定上で不明瞭な点がある場合は必ず避難所で確認を取る
4)誰かのキャラに関連のあるキャラを作る場合も、同様に合意を仰いでからにする
取り敢えずルールだ。これ以外のルールを追加するかどうかは皆に任せる。
3 :
名無しになりきれ:2005/04/24(日) 12:50:48
ここは公爵の削除対象スレではありません。
いや、前スレへのリンクを貼るのは普通だと思うが。
何で進まないの?
7 :
名無しになりきれ:2005/04/24(日) 20:29:16
(●´-`●)7っちだべさ
8 :
名無しになりきれ:2005/04/24(日) 21:08:46
前スレで終わればよかったのに
もう、此処は終わりか?
終わらないと思いますけど。
見てくださってる方には申し訳ありませんが、今回はまとめてから載せようと思ってます。
少々お待ちください。多分upは明日。
前スレでのキャラまとめ
反乱軍side
「ファーヴニル」艦載組
リュウ・ジェスター
ジャンク屋連合所属の熱血野郎。乗機は最新鋭試作AF「バハムート・リュウSP」。
アンドロイドのカリン、もう一機のバハムートの乗り手であるロッシュらと行動を共にしている。
サライ
意志を持った謎の機体「クレスト蒼」に搭乗する人造人間。異星系から事故によって転移してきた。
穏やかな性格ながら殺戮兵器としての過去を持ち、現在は失明とトラウマの再発に苦しめられている。
ユニ
サライと同様、異星からやって来た人造人間の少女。「クレスト紅」に搭乗している。
脱走を企てるシュルツに挑むも敗退し、瀕死の重傷を負った。
槍 南野(ソウ ナンノ)
異界の武装勢力「シャドウミラー」の生き残り。「婆裟羅」と呼ばれる特機型PTに搭乗。
経歴には不明な点が多く、レンという少女に命を狙われている。
現在アースクレイドルにて謎の敵と接触中。
リョウ・タカギ
新型PT「ヘルレイザーMkV」のテストパイロット。
政府軍の特殊部隊に家族を皆殺しにされ、成り行きから反乱軍と行動を共にしている。
ヴェンアクト・ゼイレス
特機「漆黒剣王ゼイランダー」に搭乗。行動目的は不明だが、政府軍のゼンガー・ゾンボルトと何やら因縁があるらしい。
謎の多い二人の女性を随伴者として引き連れている。
グレッド・バーミリオン
飄々とした雰囲気の青年。出自経歴は不詳。
口走った言葉から察するに、かつて大切な人を失った経験があるらしい。
乗機は高機動型の「デスブリンガー」。
アリス・雪代(ユキシロ)
可変機体「エルザ」に搭乗。13、4歳の賑やかな少女のようだが、それが本来の姿かは疑わしい。
ファーヴニル内部にて諜報活動を行なっているような素振りを見せる。
政府軍side
シュルツ・ヴォルフガング・シュトライヴァー
技術・魔術・錬金術の粋を用いて作られた人造人間。高名な科学者であり魔術師でもあるエノーラ女史の護衛に命を捧げる。
乗機であった「ドーラ・エアノイアーン」を撃破され、反乱軍に身柄を拘束されていたが、驚異的な能力の数々を以てファーヴニルに壊滅的な打撃を与え、見事脱出に成功している。
暗躍を続ける魔術結社と戦うことが本来の役目とのことだが…?
レビン・ハーヴェル
政府軍の士官。ノリは軽いが根はまともであり、決めるべきときにはしっかり決める男。
カスタムPF「レイガンド」を駆って槍の「婆裟羅」と壮絶な格闘戦を繰り広げた後、擱座した「ドーラ・エアノイアーン」を回収して撤退した。
戦艦『ノア\』のクルー達
艦長アマンダ、オペレーターのセシル、カサンドラに技師のマリアンナ博士を加えた4人が確認されている。
戦線にはこれといって加わっていない。
アーチボルト・グリムズ
名目上は政府軍に加わっているが忠誠心はゼロ。どこか狡猾さを臭わせる奇妙な士官。
秘密裏に異界・異星のテクノロジーを結集した機体の建造を行なっている。
吉田茂
政府軍の最高司令官。
一見大物風だがキレやすく、暴徒鎮圧に核攻撃を強行したこともあった。
その他
機甲傭兵団
TM4000を団長とする機械オンリーの傭兵団。
『先行者』と呼ばれる敵と長いこと戦っているが、なぜか本筋にはあまり絡まない。
ゼナ、フィル
それぞれクレスト黒、白のパイロット。
ゼナはクレスト黒を覚醒させるために戦いに明け暮れる無頼漢。
フィルはサライと因縁を持つ狂気系の少年。
謎の3人組
異星からやって来たらしい3人組。クラウスと名乗る一人がコルカタでファーヴニルと交戦したが、その後の消息は不明。
なに、ほとんどはオリキャラなの?前スレ見ても避難所見てもよくわからなかったので・・・
そうだよ。版権絡みもある程度はおk
反乱軍:
みんなで力を合わせて戦いたい人、形式ばった態勢がめんどい人向き。
反乱軍といいつつ多様なメカが集い、スパロボの自軍みたいになりつつある。
政府軍
ちょっと違う視点から遊びたい人、スーパーロボット軍団とバチバチやり合いたい人向き。
最強厨になりすぎないよう注意しよう。
その他
双方と敵対したり、あるいは関わらずに話を進めてみたり。
参加勢力が決められないときはとりあえず中立で登場してみてもいいかもしれない。
某種のキラキュンのような真似はたぶん歓迎されないので、やめましょう。
参加が決まったらここにキャラ、機体等の設定を投下ヨロ。
http://yy14.kakiko.com/operationsrw/
意識を取り戻した頃には、ファーヴニルはバトパラベースへの入港を済ませていた。
ユニはより設備の整った基地内の医務室へと移され、日々簡単なリハビリをこなしている。異常なまでの回復の早さに軍医たちは目を丸くしたが、ファーヴニルのクルー達の説明を受けて納得したようだった。
自分は人間ではない。その自分をいとも容易くねじ伏せた政府軍の男。
窓越しに景色を眺めれば、損傷重度のまま廃棄されたファーヴニルの姿が見える。
反乱軍にとって事態は確実に良からぬ方向に向かっているようだった。
(・・・どうなるんだろう、これから・・・)
暴動を繰り返す反乱軍の過激派。それに過剰反応し、抵抗運動と見ればすぐに武力を振りかざす政府軍。
異星人の攻撃は久しく影を潜めているが、いつ再開されるかもわからない。そして更なる混乱を招くであろうクレスト白の存在・・・
結局この星も、自分達の母星と同じ道を突き進んでいるように思えてならない。
「・・・みんなは、どうしてるのかな?」
それぞれの身辺処理に追われているのであろうサライ達には、目を覚まして以来一度も会っていない。クレスト紅は寂しがってはいないだろうか。
彼らとその近況を気遣いながら、一人ぽつりと呟いた。
闇の中での生活にも、いくらかは慣れたかもしれない。一人で歩くこともできるようになったし、基地内で迷うこともなくなった。
もともと聴覚や空間認識能力を強化されている生体コアにとっては、視力の消失程度はさした損失ではないということなのだろうか。
ただし、情緒面での安定性を完全に取り戻すのは容易なことではなかった。
サライの人格はわずか3年の間に築かれた、いわば急ごしらえの代物である。感情と記憶のネットワークには不完全な部分が多く、ふとしたきっかけで簡単に調和を失ってしまう。
とりわけ自身の過去――「兵器」クレスト蒼の搭乗者として、意志の伴わない虐殺に明け暮れた過去の記憶は、彼の内に宿る矛盾をいともあっさりと抉り出して見せた。
目が見えないという事実は、そうした自分の中の欠落を見つめ直す機会を大幅に増加させた。
自室で一人になる度に考えた。自分は何者なのか、人として生きることはできないのか?
クレスト蒼は何も答えてはくれない。地下格納庫に搬入された彼の体は、変わらず脱け殻のように冷たいままであった。
【↑の人達は欝ですが、新規の方は全然ライトなノリでも平気ですよ】
>19-20
吹いたw
「はぁ・・はぁ・・。」
既に二十は振るったであろう矛を掲げまた一機切り倒す。
即座にスラスターを吹かせて離脱すると、火の花が咲いた。
数十分前
「裏切り者は処断スル。」
「何のことだ?俺はシャドウミラー隊所属だが。」
「とぼケるナ。貴様の裏切りなド、とっクに判明してイる。貴様がべーオウルブズからの密偵だということモな。」
・・・意外と鋭い。しかし、この口調・・・
「お前はWシリーズか?」
「ふん、良ク分っタな。我々はWシリーズの量産型だ。」
「そうか・・・。木偶も数が多いと厄介だな。」
「ならバ・・・試シて見るカ?」
途端に奴等が隊伍を組んで突っ込んできた。
「はぁ・・・はぁ・・。しつこい奴等だ。」
一旦距離を取ったものの、連中の数はまだ60程いるだろうか。
「キリがないな。」
「いい加減諦メたらドうだ?」
「断る。」
諦めるつもりなどない。しかし、この状況どうすれば・・・。
<我、万軍に対すとも悖ること無し>
「!?」
何だ、どこから声が・・・。
<その輝きは無数の星となりて堕つる>
これは、どこかで聞いた気がするが。
<汝、その力を我に見せよ。汝に力ありや?我を従える器ありや?>
「・・・誰だか知らないが、アレをやれというのか?」
<汝、力を我に示せ。>
「出来るかは分らないが、やるしかないか。どの道これでは埒が明かない。」
槍を左手で持ち、右手をまるで刀を抜くような姿勢で左手に添える。
「我、万軍に相対すれども悖る事無し。」
右手に力が集中する。1・2・3・・・まだまだだ!
スラスターを全力で吹かせて、正面の一機へと踏み込む!
「自棄になったカ?プラズマ・カッター!」
振り下ろされる寸前で機体を浮かせる、そして速度を落とさず右足を奴の頭部に叩き込む。
7・8・9・・・全然足りない!
グシャリ、と音がしてまるで肩をすくめたように首をめり込ませるゲシュペンスト。
10・20・30・・・俺の力はこの程度じゃない!
それを見届けずに機体は連中の上空に飛ぶ。左手は離され、右手だけで矛を投げる体勢になっている。
40・60・80・・・まだだ!
矛を構えた婆沙羅の右手には黒い光が凝集し、矛も姿を霞ませている。
「・・・放たれた輝きは星となり、汝等を貫く流星とならん。」
100・200・・・ここで!
「貫け、『無槍・落星衝』」
投げられた矛は空中で黒い光で構成された無数の刃となって連中を貫いていく。
昼日中での黒い光はまるで流星群のように降っていく。
光が収まった頃、あれ程いたゲシュペンストは全て海に沈んでいた。
ゲシュペンスト共は海に沈んだ。
無槍。この名のついた奥義を体得した者は無手であってもまるでそこの得物を持っているかのように技を振るうという。
そして、落星衝。これは流派の開祖が三国時代に実際に放ち、勝利を収めたという曰く付きだ。
槍「まさか、この技を使えるようになったとはな。」
ふと、振り返った先には焼け野原となったアースクレイドル。
槍「待てよ・・・?」
襲ってきた連中はゲシュペンスト。しかもシャドウミラー用とすれば・・・
槍「アースクレイドルを破壊できる訳が、」
?「破壊できる訳無いよねー?」
槍「誰だ!?」
さっきまでレーダーに反応は無かった筈・・・。
そこには獅子のような機体が浮いていた。
?「んふふー。名前については秘密。シャドウミラーの特殊部隊だよ。」
槍「俺をここで狩るのか?」
だとしたらマズイ。今の俺は手負いだ。
?「んーん。別に、今日は顔見せと厄介な人を処分しに来ただけだから。」
槍「俺を狩れば階級も上げてもらえるんじゃないか?」
?「べっつにー。私達エインフェリアには階級なんてカンケーないからね、ばいばいー。」
と、言うや否や獅子のような機体は高速で去っていった。
槍「なんだったんだ、あいつは・・・。」
無駄な徒労感に苛まれつつ、俺は真っ直ぐにバトパラへと向かう事にした。
行動:敵機撃破、謎の相手と接触後バトパラへ向かう。
必殺技習得「無槍・落星衝」 MAP兵器。
(・∀・)戦争ももんが襲撃マダ-?
>>1【新スレ乙ですー】
(自室での通信〜狡猾〜)
マリアンナ「……と言う訳です、特佐」
フェン特佐「ご苦労さま、博士。則ち三機とも譲渡したと。戦闘データは」
マリアンナ「現在は順調です。それより特佐」
フェン「うん?」
マリアンナ「量産計画はどうなりましたか?」
フェン「順調だ。成功の暁には、反乱軍もお終いだよいや……政府軍すら掌握できる」
マリアンナ「楽しみにしております」
フェン「ああ。では、博士。またな」
マリアンナ「はい」
(通信終了)
*(政府軍にフェン特佐が確認されました)
テスト
てうと
黒い。ただひたすら黒い。音も聞こえない。しかしそこには確実に「それ」がいた。漆黒の装甲に身を包んだ「それ」は時空のゆがみとともにどこかに・・・
白い。ただひたすら白い。誰もがその存在を認識できる。圧倒的な存在感。そしてその存在は白き翼を伸ばしその存在をさらに強くする。そしてその存在もまた時空のゆがみとともにどこかに・・・
此処は永久の闘争を繰り広げようとする、『戦争狂』達の本拠地。その名も『荒鷲の巣』。
この世界の何処かにあるとも言われるが、実際は特殊な結界でその全容を秘匿しており、組織の中でも極僅かの者しか
入ることを許されはてはいない。全容は不明であり、『荒鷲の巣』自体が構造を常に変化させているので全てを把握するには
『人間』には到底無理である。さながらそれは迷宮のようである。
此処は『荒鷲の巣』の何処かにある、巨大な大聖堂である。
しかし、大聖堂と言っても聖なる気に満ちているという訳ではなく、大聖堂内を彩る装飾の数々は、奇怪にして奇妙であり、おぞましいものである。
円形ホール状の大聖堂の周囲を囲むように、『地獄の戦鬼の信徒』達が座する為の玉座には、それぞれの信徒達が座している。
それらの玉座に座る信徒達は、いずれも只ならぬ雰囲気を持つ者達である。
奇妙な道化師衣装に身を包んだ長身痩躯の男もいれば、年端も行かぬ幼い少年少女、好々爺といった面持ちの老人、爽やかな笑顔を浮かべた青年や
初老の紳士などが玉座に座している。彼らが座している玉座以外にもまだあるようだが、それらは空席となっていた。
「さて…この場に集った信徒の諸君達よ。御互いにこうして顔を合わせるのは少ないが、見た限りでは健康無事で何よりだ」
紳士が口を開き、社交辞令とでも言うべき口上を言う。
「うっせぇよオッサン。さっさと本題にはいれってぇの。でねぇと手前の尻に鉛玉をぶち込むぞ?」
玉座に一つに座していた少年が、その手には見合わぬ凶悪な大型拳銃を何処からか取り出し、紳士に銃口を向ける。
「そうそう怒らずに…少年。心をおおらかに持たなければ良い大人にはなれんぞ?」
紳士は終始笑顔で少年の暴言を受け流し、さっさと今回の議題に入る事にした。
「さて、今回信徒の諸君に集って貰ったのは他でもない…最近の世界の情勢についてだ」
紳士が軽く指を鳴らすと、信徒達の玉座の前にホログラム映像が投影される。
ホログラムには各勢力の情勢についての細やかな分析が投影されており、各勢力のありとあらゆる機密情報なども、さも当然といった風に投影されているホログラム内にあった。
「我々がコントロールを握っている勢力は今のところ太陽圏内だけだ。地球、月、火星、木星は言うに及ばず。
…しかし、流石に外宇宙からの来訪者達には我々の手が及びきってはいないようでねぇ…工作員達や魔術師達には更なる精進をさせているよ」
苦笑を浮かべて見せるが、紳士にとってはそれさえも新たなる闘争の糧に過ぎない。簡単に主導権を握ってしまっては面白みに欠ける。
それは他の信徒達も同じであろう。彼らの誰もが、強烈な個性の持ち主であるが、彼らには『闘争』という点については共通である。
「と、話が反れるところだったね。手元のホログラムには大体目を通しているとは思うが、最近の反乱軍勢力が突出し始めているのが分かるかね?我々が色々と
根回しをしてはいるが、どうにも全てを御しきれるという訳ではないのだよ…」
信徒達の目の前のホログラムに『反乱軍旗艦・ファーブニル』が浮かび上がる。
「反乱軍の旗艦であるファーブニル…まぁ、既にそれは廃棄処分されてはいるがね。しかし、それに搭載されている機動兵器郡には目を見張るものがある。要注意だね。
情報によれば、外宇宙から飛来した特殊な機動兵器が三体も確認されている。更に、異世界からの召喚兵器も存在するとのことだよ」
信徒の各々が興味深げに手元のホログラムを見る中、一人だけ手持ち無沙汰にナイフをいじっている男がいた。
その男は長身痩躯を、派手な色合いの半袖半ズボンのジェスタータイプの道化師衣装に身を包んでおり、半袖や半ズボンから覗く細長い手足は包帯で覆われている。
顔には白いのっぺりとした仮面を装着しており、素顔を伺い見ることが出来ない。
「ふふ〜ん…そんなに目の色を変えることなのかねぇ?たかだか鉄屑共にさぁ…」
ナイフをいじりながら、仮面の道化師はつまらないとでも言いたげな声で呟く。紳士はそれに溜息をつき、肩を竦める。
「君って奴は、危機感というものを知らないのかい?」
仮面の道化師を戒めるように紳士は言うが、当の本人は知らん振りである。
「ほほ〜ん…地獄の戦鬼の信徒である、君がそんなことを言うのかい?何だか興ざめだねぇ…」
仮面の下からけたけたという笑い声が漏れ、仮面の道化師は紳士をからかう。
「ま、君が何を恐れているかは知らないが、ボクはボクの遣りたいように遣らせて貰うよ。
…道化師は観客を楽しませるのが生き甲斐だ。つまらない茶番には我慢がならないんだよね」
すっと仮面の道化師は立ち上がり、二言三言唱えると、その場から跡形も無く消え去る。後に残ったのは、クスクスという道化師の不快な笑い声であった。
「全く…彼にはほとほと手を焼くね。誰か一緒に行ってくれないかい?」
紳士は他の信徒達を振り返るが、信徒達は誰もが知らん振りである。
「はっ…誰もつるみたいとは思わねぇってーの…それはそうとオッサン、あの巫女の姉ちゃんと皇女、忍者と騎士はどうした?」
少年はこの場にいない他の信徒達について紳士に問うた。
「ああ…彼らね。彼らはお仕事中だよ。何でも、とてつもないお楽しみを用意しているとか…」
口に蓄えた皇帝髭を撫でながら、紳士は少年の問いに答え、暫し思いに馳せる…が、直ぐに髭をいじる手を止めた。
「まぁ、我々の願いは一つ。この世界に終わりの無い闘争を作り上げる事だ…この場にいない彼ら以上に、我々も闘争に励むとしようじゃないか?」
すっと紳士が手を掲げると、それに倣って他の信徒達も手を掲げる。
『三千世界を埋め尽くす、永久なる闘争を』
その言葉を口々に口ずさむと、信徒達は己の仕事をやり遂げるべく闇に消えた…
反乱軍の一大拠点であるバトパラベース。大小様々の大型艦艇用ドックや巨大な兵器集積場、豊富な資材が此処には揃っている。
丁度ベース全体を見下ろせる程の高さを誇る通信用アンテナの尖塔の上に、長身痩躯の奇抜な格好をした仮面の道化師が数本のナイフで
ジャグリングをしながら足一本で佇んでいた。絶妙なバランス加減とジャグリングを行いながら立つその姿は、さながら曲芸師のようである。
「さ〜て…此処が反乱軍の一大拠点、バトパラベースかぁ」
仮面の下から響くその声は心しか嬉しそうである。そう、既に彼の頭の中はどうやってこの巨大な基地を料理しようかということで一杯であった。
「そうだなぁ…最初に屍食鬼を作り出したんじゃ、あっさりと自滅しちゃうし…かといってボク自らが遣るのも疲れ面倒だし…」
ジャグリングをしながら「う〜ん」と唸り、あれこれと凄惨な手段を考える。
「そうだ!」
暫く思案していたが、どうやら思いついたようだ。ジャグリングをしていた手を止め、ナイフを手に取る。
「色々とちょっかいを出してからにしようかなぁ…異世界や外宇宙からの人間がどのようなものか見ておきたいし」
一人でそう頷くと、道化師はすぅっとその場から掻き消えた…バトパラベースを吹く風にのって、道化師の不快な笑い声が聞こえる。
それはこれからの凄惨な闘争を予感させるものであった。そう、外道なる者との血で血を洗い、肉を裂いて骨を砕かれるような衝撃的な闘争の幕開けである。
<『死の舞踏の道化師』、レオンカヴァレロ登場。バトパラベース内に侵入>
ゼイレス以下エボニー小隊はファーヴニルの面々と共に
バトパラ基地へと到着した。元は政府軍であった者も多くいるこのバトパラには
ゼイレスの顔を知っている者もおり、『剣王』と呼ばれたゼイレスの
反乱軍参加に戦意を高めた者も多かった。そんな反乱軍兵士達を尻目に、
ゼイレスはコンピュータ室に閉じこもったままである。残る二人の女性達は
先のシュルツ脱走の際にかけられた幻術が違う方向に作用し、生前の記憶の断片を
思い出したようではあったのだが・・・どちらもその事に言及すると揃って悲しそうな顔を
する為、ゼイレスはいまだに彼女達の過去を知らぬままであった。ゼイレス自身は
ゼイランダーの装甲に密かに施された呪術強化措置によって幻術は効かなかったのだが、
戦場にあってフラッシュバックで半狂乱となった二人を放置する事もできず、追撃を断念した。
ゼイレスはコンピュータ室で二人の画像データを過去十年の戸籍変動データと
照らし合わせて人物を特定しようとしているのだが・・・結果は芳しくない。
元々武官であるゼイレスにはコンピュータの取り扱いは専門外でしかない。
どうにかバトパラ基地には二人のデータが無い事に気付いた。次の狙いは
政府軍本部のデータベース。むろんハッキングしないといけないのだが、ゼイレスには出来ない。
ゼイレス『・・・今のファーヴニルの乗員でハッキングができそうなのは・・・
カリンとアリスの二人か・・・どちらに頼んだ方がいいのだろうか・・・
ブラックコーヒーを飲みながら、二択に頭を悩ませている。
―――――プレイヤー選択―――――
どちらに依頼しますか?
にア カリン
アリス
ゼイレス『そう言えば、ゼイランダー・・・ブラックボックスが見つかった、か・・・
あのシュウ・シラカワが手を加えたのだ、一筋縄ではいかないと思っていたが。
・・・それにしても、ここに来てサブ武装がやられるとは、痛いな・・・
シュルツとの交戦時、ビームライフルによってゼイランダーは
『プラズマティック・ミサイル』、『トライホーン・レイ』を破壊されてしまっていた。
更に『スティンガー・ベクター』のエネルギーモジュールにも異常が発生してしまいこれも使用不能。
これにより、装着型の武装は全て使用不能状態となってしまった。今現在生き残っている武装は、
『破邪神滅刀』、『頭部バルカン』、『Gオメガ・ブラスター』のみである。
ふぅ。まったくひどい戦闘だったわねぇ。
ま、適いそうにない奴が相手なら逃げるが勝ち。君子危うきに近寄らずってね。
さーて♪
久々に大規模な設備が使える機会ができたわけだし、機体のデータももう40%ぐらいは取れてるし…ならここは一丁、ファーヴニル組の履歴や素性なんかを洗ってみるとしますか。
えーっと、コンピュータールームは…お、あったあった♪
そいじゃ早速…!?
[コンピュータールームにはゼイレスの姿が。慌てて扉を閉める]
…に、似合わな…じゃない、まさかこんな時間に人がいるなんて…!
さすがに今強行するのはまずいわよね?目的がバレたらあの腰に下げてる物でバッサリやられ兼ねないし…
[コンピュータールームの前で右往左往]
>34 アリス
頭痛がするほど考えても決められない。
それはそうだ、秘密が漏洩しかねぬのだから。
ゼイレス『・・・まったく、どうしたものか・・・ん・・・?
今、扉が開いたような・・・!・・・誰か、いるな・・・
気配を察知し、音を立てないように扉の前に立つ。
そして、扉の前の人物の気がこちらから逸れた一瞬の隙を突いて扉を開け、
抜き打ちで相手の首筋に斬りつける!・・・もちろん、寸止めだが。
>35 ゼイレス
ひぃっ!?
(嘘!?もうバレてたわけ!?
い、いえ、落ち着いて私!言い逃れは私の一番の特技なんだから!)
あ、あれぇ?ゼイレスじゃないの!
わ、わた、私まだやらし…ああ、やましいことは何にもしてないよー?
あははは、あははははは…!
[首筋に添えられた刄に真っ青になりながらも、精一杯の笑顔を作って弁解]
アリスキタ━━(゚∀゚)━━!!
アリス=田村ゆかりは鉄板。
>36 アリス
ゼイレス『・・・アリスだったのか。部屋の前でうろうろしていたら
普通は怪しむだろう・・・それはそうと、ちょうどいいところに来た。
一つ、頼みたい事がある。無論、ただでとは言わない・・・
そちらの要望を、出来る範囲内で聞こう。悪い話ではないと思うのだが・・・
答えを出した理由は『ちょうどいいところに来た』であるから。
[アリスに依頼を持ち掛ける。ただしまだハッキングとは言っていない]
>38 ゼイレス
う、うん。いいよー♪
私どうせ眠れないからふらふらしてたとこだったし。
(セ…セーーフ…!!)
>そちらの要望を
うーん…あ、じゃあ、後でゼイランダーの細かいデータを見せてくれない?
私スーパーロボットって昔から興味あるんだ〜。
[そそくさとコンピュータールーム内へ]
>39 アリス
ゼイレス『すまないな・・・やって欲しい事は(二人の写真を見せる)
政府軍のデータベースにハッキングしてこの二人のデータを
検索してもらいたい・・・多分、死亡リストの方に入っていると思うから、そちらの方を徹底的に。
ゼイレス『ゼイランダーのデータか・・・構わない。
今のゼイランダーは本来のスペックではないがな・・・
だが・・・知りたいのは、それだけではないんじゃないのか?(かまをかけてみる)
>40 ゼイレス
や、やだなぁ、もう。
年ごろの乙女のプライバシーを詮索するなんて、ダンディな殿方のすることじゃないぞ?
[適当にはぐらかしながら作業につく]
ハッキングかぁ…任しといて。慣れたものよ。
…ま、まあ、情報士官としては、これぐらいはね。
でも、逆探とかされたらちゃんと責任は取ってよ?
[ハッキング開始。様々な情報がディスプレイに流れはじめる]
(戸籍上では死人ってことか…ま、それだけなら珍しいことでもないわね)
>41 アリス
ゼイレス『(そう簡単には尻尾を出さないか・・・当然だな)
ふ、ふ。そうだったな・・・ダメもとで聞いてみただけだ。
ゼイレス『そうならないような方法ぐらい、心得ているのだろう?
単独で情報収集を行う諜報員ならば、尚の事・・・
(成功失敗はそちらに任せます・・・出した方がいいでしょうかね?)
【我、汝ニ一任セリ】
超機人!?
>43
【えー!?w じゃあ、成功と言う事で。謎だらけじゃあれですし】
>44
【あ、超機人ネタだったのかこれ…】
基地内に侵入したレオンカヴァレロは、この基地の防衛能力を早速削ぐ事にした。
一大拠点であるバトパラベースの警備を担う事はあって、ベースの警備システムは普通の人間には容易く破れるような代物ではなかった。
無論、組織を構成する優秀な工作員や魔術師にも難しいものがある。しかし、レオンカヴァレロのように常識では測れない力を持った強力な
魔術師には、幾分力不足かもしれない。
「ふふ〜ん…お勤めご苦労様♪」
陽気な声で笑いかけながら、警備室の床からずぶずぶと姿を現す。当直に当たっていた士官や兵士は、突如床の中からすぅっと現れた道化師に唖然とした。
「早速で何だけど、皆さん死んでくださいね〜♪」
その言葉を合図に、道化師の腕に装着されていた手甲から長く鋭い爪が伸びる。
唖然と道化師を終始見ているとばかり思ったが、直ぐに異変を察知したのか、反乱軍兵士達は銃を手に構え、躊躇う事無く道化師に銃撃を加えた。
道化師に振り注ぐ銃弾が、道化師の細身の体をずたずたにする。奇抜な色合いの道化師衣装が彼の血で染まり、肉と脂を吸って色合いを朱に変える。
銃弾が道化師の体に命中する度に、道化師はがくがくと踊らされる…やがて銃撃が止むと、辛うじて原型を保っている道化師の肉体がその場に崩れ落ちる。
仮面に覆われた顔は半分以上吹き飛び、痩躯の所々が大きく抉られ、大半の内蔵が体の外に出ている。
死んだ、とその場にいた誰もが思ったことだろう。だが、それは容易く裏切られる。
「効かない効かな〜い♪銃じゃボクを殺せないよ?」
床に崩れ落ちていた道化師のぼろぼろの肉体が、半分になった顔で器用に話す。道化師が一言一言発する度に、顕になった舌が動くのが見える。
「ボクを殺すのは無理な話だねぇ〜…少なくとも、君らには無理だよ」
道化師のぼろぼろの肉体が「よっこらせ」と立ち上がると、まるでビデオの巻き戻し再生のように肉体が再生を始める。
直ぐに道化師は元通りとなり、軽やかなステップを踏み始める。傍から見れば、道化師が愉快なステップを踏んでいるようにしか見えないが、対峙している者達に
してみれば、その胸中は恐怖で塗り固められている。
けたけたと笑いながら、道化師は独楽のように高速で回転し始め、兵士達に襲い掛かる。兵士達は銃撃を加えるが、銃弾の全てが高速回転する手甲の爪によって弾かれる。
「ひゃはやははやははやひゃあああはあはは!!!!!」
高らかに笑い声を上げながら、道化師は回転しながら兵士達を細切れにしていく。それは文字通り細切れであり、爪によって兵士達は原型が人間であったのを疑われる程に
細かく切り刻まれる。程なくして、警備室内はむせ返るような血の匂いが充満する。
兵士の全てを片付け終ると、道化師は回転するのを止めた。その身を包む道化師衣装は返り血で真っ赤に染まっており、いたるところに肉片がこびり付いている。
警備室の床は切り刻まれた兵士達の血と肉、内蔵がぶちまけられており、まるで肉屋の解体室のようであった。
「けたけた…これで此処の警備システムはほぼ掌握したも同然。次はメインコンピュータの破壊かな〜♪」
けたけたと道化師は笑いながら、その場から掻き消える。
次にレオンカヴァレロが現れたのは、メインコンピュータルームであった。ぬっと天井から現れ、複雑な電子機器が所狭しと並べられたコンピュータルームの床に降り立つ。
「此処を破壊してしまえば、この基地のシステムの八割が落ちるねぇ〜…ん?」
どうやってこの大量の電子機器を破壊しようかと、ぺたぺたと壁面に埋め込まれた電子機を触りながら歩いていると、自分以外の者の存在を感じた。
「ん〜?誰かなぁ?こんなところでこそこそしているのは?」
電子機器の間からぬっと現れ、その者達を見る。其処にいたのは、只ならぬ雰囲気を持つ男と少女であった。見れば二人は隠れるようにしてメインコンピュータから情報を引き出しているようだ。
何を隠れてこそこそやっているかは知らないが、兎に角、道化師にとっては玩具を見つけたようなものだ。
「いけないなぁ…こそこそと秘密を引き出そうとしているのは。感心しないよぉ〜?」
腰に手を当て、「プンプン!」とでも言いたげに小首を傾げる。しかし、彼にとっては小首を傾げたつもりが、首はぐるっとそのまま時計の針の如く回転した。
一般の人間にしてみれば、突然現れたこの道化師は奇妙なことこの上ない。痩躯を包む道化師衣装は返り血に染まり、所々には肉片が付着している。
「そんな悪い子には…」
ふっとその場から跡形も無く掻き消える。
「こんなものをプレゼント♪」
が、次の瞬間には二人の背後に現れていた。道化師は二人の手に無理矢理、何かを握らせる。何を握らされたのかと、手を見やれば、男の手には人間の小腸辺りを、少女には大腸辺りを握らされていた。
二人が握るその内蔵は、先程道化師が始末した反乱軍兵士のものであった。まだ取り出されて間もない内臓は生暖かく、僅かにびくびくと痙攣していた。
「ァひwwwwwゃはやひwwwゃはw屋ははやはやwっはwwwwwwははwwwwwやはwwはwやwwwwwwはやひゃはwwwwwwwww」
道化師は愉快そうに高らかに、腹を抑えて笑い声を上げている。
『レオンカヴァレロ、ゼイレスとアリスに接触。二人の手に取り出したての内臓を握らせる』
>47
う、うぇえっ!?
[手に握らされた生暖かいものを慌てて放り捨てる!]
(あ、明らかにヤバいっていうか、人間じゃないわよね、コイツ…
まあ、これだけの設備のある場所なら、『身体』を破棄して逃げることは可能だけど…)
うわぁ、何か笑ってるよぉ…
ど、どうしよ、ゼイレス?
[ゼイレスの後ろに隠れて様子見]
・・・「現在地・・・太陽系第2惑星 地球 」ふう、一発で成功か・・・なかなか良い滑り出しだ。少ししないとワープは使えないな・・・しかたない。時間はかかるが普通に移動するしかない・・・
これから行くところについて思いをはせたいところだが残念ながら追っ手について考えるべきだった。考えていたよりかなり暴れてしまった。我ながら危険な人間だと思う。
「彼ら」に対抗するには地球という辺境の星しかない。
父は友人と何やら怪しい技術を調べていた。いろいろ手伝いながらその技術について少しづつ覚えていった。そしてこの技術の持ち主がいつか現れると父はよく言っていた。詳しく語ってくれる時もあった。まるでその人物を知っているかのように・・・
思い出にふけりながら地球にある「彼ら」に対する「対抗手段」について考えた。
地球のどこかに何らかの形で「対抗手段」があることは分かっているが漠然と「武器」
と分かっているだけで良くは分からない。その武器さえあればヤツに対抗できる。
今のままではヤツには勝てない。
前向きに考えるのが今後のためだ。それに早く自分の地球に関する情報と実際の現状がどこまで合っていてどれほど違っているのか・・・しばらくは大変になりそうだ・・・
>49
よく見たまえ。貴公がいるのは金星圏だ。
>>50いきなり間違えましたよ第3惑星でしたね・・・
地下格納庫に警報が響き渡る。
シートから立ち上がろうとするサライを制し、工兵達が慌ただしくやり取りを始めた。
「侵入者!?」
「敵編隊の規模は?」
「それが…」
会話の断片から察するに、何らかの武装集団が基地内に突入をかけているようだ。
哨戒に就く兵員の数は軽く30を越えていた。それが突破されたらしき点から、敵勢力がかなりの力を持っていることが伺える。
政府軍だろうか? ならば、歩兵のみでの侵攻はまず考えられない。
バトパラ基地の規模はそんなレベルではないのだ。
「おい、ハッチ閉められるか?」
気さくな声。電子系監督のマクファレン氏のものだ。
「ええ。でも…」
「いいよ、隠れときな。今の君じゃ戦力になんないだろ?」
彼らはサライの視力の問題を知っている。
とりわけ、もともと被差別環境に生まれたというマクファレンのチームは、サライ達「異星人」に対しても何ら嫌な顔をせず、クレスト蒼の調整を良心的に手伝ってくれていた。
「わかりました…あとは、お願いします」
サライは彼らを信じ、コックピットハッチを閉じる。
未だクレストの意識は感じられないが、こうして接触を続けることが何かの呼び道になると信じていた。
(大きな騒ぎにならなければいいけど…)
[西側地下格納庫、クレスト蒼のコックピットにて待機]
>1さん乙です。
忍者いつでもスレ見てるから、まとめが必要なら言って。極力やってみるさ。
ようやくバトパラ基地が見えてきたが、様子がおかしい。
「何というか・・・気が乱れているか?」
「管制塔、管制塔応答せよ!・・・ダメか。」
基地の滑走路に機体を降ろし、周辺を見回す。
どうやら基地内で騒動が起きているらしい。
「・・・ファーヴニルの面子がいればいいがな。」
まずは適当に西側へと足を向けることにした。
行動:機体ごと基地の西へ移動開始。
「そうか、じゃあ情報はほとんど間違っていない、ということだな。そうなると「対抗手段」が見つかる可能性が高いのは・・・反乱軍か・・・」
「けど僕ではあなたが反乱軍に参加できるようにすることはできないし追っ手が反乱軍に危険を与える可能性もある」
「どこかに属そうなんて考えてはいないさ。だがそのファーヴニルとやらを保護しつつ候補を探し出すのが簡単だと思う」
「だけど政府軍に候補が出てくる可能性もあるし他の勢力が持っている、もしくは見つける可能性もあるんだよ?」
「しかしファーヴニル・・・データを見る限りでは対抗手段になりえそうな様々な機体が揃っている。そしてそれらの機体やパイロットが集まりやすいようだ」
「だけどあまり表立って行動してはいけないよ。僕だって何年も先に地球に来て色々調べてたんだ。この努力を無駄にはしたくない」
「分かってる。感謝しているよ。」
「今、何やら新たな組織が動き出したようだ・・・できるだけ注意してくれ」
「分かった。じゃあしばらくはファーヴニルを尾けながら地球人の文化を楽しむとしよう・・・」
キモッ…よくやるよ
_,,_ パーン
( ‘д‘)
⊂彡☆))Д´)>56
新規組結構よさそう。魔術軍団もBF団みたいな雰囲気でいい感じだし宇宙人も怪しい感じで○
句読点つけられるようになれ。
自演も丸分かりだぞ?
〉58
色物という点と非常識なロボってところがBF団、もとい横山先生っぽいのか?
>59
…だな。
>>61新規の話の途中で句読点のないやつ、ってことは宇宙人の自演てか?残念だけど、自演じゃないんだ
ほう
俺が65なり。ネタまだー?
(・∀・)戦争ももんが進展マダー?
ゼイレスが動かんと動けんダロ
>46-48 レオンカヴァレロ&アリス
ゼイレス『・・・(握らされた臓物をじっと見て)
・・・(目の前の道化師のような存在と交互に見比べて)
・・・アリス、下がっていなさい・・・(後ろに下がるように促す)
・・・(手の臓物を地面に叩きつけると)
貴様・・・座れ、いいから座れ、とっとと座れ、
口でクソ垂れる前に座れ、笑う前に座れ、最優先で座れ。
(有無を言わさずレオンカヴァレロを正座させる)
ゼイレス『貴様・・・何だその格好は。今時道化師などちっとも流行らぬ。
真の悪と言うものは『頭にダサい輪っか+ワカメ髪+MAPWで自爆』、これが定説だ。
服装だけで個性を出そうなど、三下のやる事だぞ。
―――中略(1分経過)―――
ゼイレス『大体貴様は笑い方からしてなっておらん。何が『あひゃあひゃ』だ。
間に狂ったような笑いの間を含ませてあるだけまだマシと言えなくもないが、
そんなのはサルでもできる。本物の笑い方は・・・
『うはwwwwwwwwwwwwおkwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwっうぇっうぇっwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww』
これ以外あり得ん。安易な方法に縋るな、それでも人に臓物を握らせるような悪か。
―――中略(2分経過)―――
ゼイレス『臓物を握らせるやり方は嫌悪感を誘うにはうってつけだ。それはいい・・・
だがな、嫌がらせとしてはレベルが低い!(ダダーン)ここはあえて
『二人の頭から一気にバケツいっぱいの血と臓物をぶちまける』位やれんでどうする。
貴様、平然とこんな事が出来るくせにノミの心臓ですとか言い出すのではなかろうな!?
そんな体たらくでこれから先務まると思っているのか!?
―――中略(3分経過)―――
ゼイレス『つまり俺が言いたい事はだ・・・『修行が足りん!』(ダダーン)と言う事だ。
それと、衣服のクリーニング等は貴様の上司の方に弁償してもらう事にするので
連絡先を教えろ。嫌とは言わせん、嫌なら・・・貴様を倒立させ頭にバケツを括り付ける!
一方その頃、同小隊の二人はと言うと・・・
『Valkire』&『Bride』:・・・♪
お風呂を満喫していた・・・
行動:割って入ったレオンカヴァレロ相手にいきなり説教(早送り)&入浴ターイム
69 :
名無しになりきれ:2005/04/27(水) 14:49:38
何で誰もいないのにsageるんだ?
ageageろ!
>68
その場に正座をさせられ、大人しく説教されている道化師かと思えば…
「ボクは説教されるために此処に来たんじゃないんだよねぇ…」
もう一人、道化師がゼイレスの背後に立っていた。道化師は壁に寄りかかりながら指先でナイフを弄っていた。
ぱちんと軽く指を鳴らすと、ゼイレスの前で正座していた道化師は跡形も無く消え去った。どうやら、幻術で作り出した幻覚のようだ。
この程度の幻術ならば、幻術の専門外である道化師にも難なく発動させることが出来る。
「そういえばさぁ… 『二人の頭から一気にバケツいっぱいの血と臓物をぶちまける』ぐらいやれって言ったよね?ならば…」
ぱちんと再度指を鳴らすと、二人の頭の上に突如として大量の臓物と骨、肉片と血が混ざったどろどろ状の液体が降り注ぐ。
「御望み通りに…暫くはそのシャワーを楽しんでいてね。ボクはこれからお仕事をするから…」
けたけたと笑うと、道化師は床にずぶずぶと沈み込むようにして消えた。向うは格納庫だ。
>52
「へぇ…あれが異星人の機動兵器?」
整備兵達が慌しく駆けずり回る格納庫の床からぬっと現れる。
そして床から突如として現れた奇妙な仮面の道化師に場の空気は騒然とし、整備兵達は手にした銃器を慌てて構えた。
「おおっと♪ボクは痛いのは嫌いだよ♪」
けたけたと笑うと、手甲から長く鋭い爪が伸び、そのまま高速で回転し始める。銃撃が加えられるが、警備室での戦闘と同じように整備兵達は独楽のように
回転する道化師から繰り出される斬撃で微塵に切り裂かれ、悲鳴を上げる間もなく内蔵や血を周囲に盛大にぶち撒ける。
程なくして、あれほどの大人数がいた格納庫内は水を打ったかのように静まり返り、道化師の不快な笑い声が響くだけとなった。
「さて♪さて♪さて♪どっこにいるのかなぁ?異星人ちゃんは?」
軽やかなステップを踏み、鼻歌を口ずさみながら血と肉片がぶち撒けられた格納庫内を散策する。
「どっこっかなぁ♪どっこっかなぁ♪」
そんな風にして格納庫内を大体散策し終えると、道化師はクレスト蒼の前でぴたっと立ち止まった。
「…そこかなぁ?」
小首を傾げると、機能を停止しているクレスト蒼のコクピットハッチの上まで一気に跳躍して移動する。
コクピットハッチの上に降り立つと、手の甲で、こんこん、とドアをノックするようにコクピットハッチを叩く。
「そこにいるのかなぁ♪隠れてないで出ておいで♪ボクと一緒に踊ろうよ♪」
そう呼びかけるが、反応は無い…反応が無い事を確認すると、道化師はコクピットハッチの僅かな隙間に手を差し入れる。
そして…
「どっこいしょ♪」
軽い掛け声と共に、べりべりとクレスト蒼のコクピットハッチを無理矢理こじ開け始めた。
機動兵器の頑強な装甲板をいとも容易く道化師は己の腕力のみでこじ開ける。ぐいぐいとこじ開ける。有無を言わさずこじ開ける。
すると徐々にではあるが、頑強なコクピットハッチの装甲板が無理矢理開放され始め、少しだけ開け放たれた隙間からコクピット内を見ることが出来た。
その隙間から道化師は内部を覗き込み、コクピットシートに蹲った少年を見つけると、けたけたと笑い始めた。
「おやおや♪そんなところで何をしているのかな♪早くお外に出てボクと踊ろうよ♪赤く歪な肉の花が咲き乱れた花畑で、ボクと踊ろうよ♪」
道化師は更に腕に力を込め、コクピットハッチを完全に開放しようとする。
『レオンカヴァレロ、整備兵を始末してクレスト蒼のコクピットハッチを無理矢理こじ開けようとする』
わあああ・・・ぎゃぁっ!
「酷いものだな・・・。」
基地内部ではかなりの混乱を来しているらしい。
「これは、どうやら降りて行った方がいいだろうな。」
コンソールを操作してから、機体のハッチを開けてワイヤーも使わずに着地する。
その横、つまり婆沙羅の左足が音をたてて装甲を開くと、中には一本の黒い十文字槍が。
「これを使うとはな。だが、中で何かが起きている。それに・・・これは統率された部隊の襲撃でもあるまい。」
無造作に槍を取ると装甲が閉じる。そして、基地内へと走る。
中では一部の兵士が混乱を起こしている。
すぐ横を駆け抜けようとした兵士の肩を掴むとこちらを凄まじい形相で睨んできた。
「なんだよ!俺は逃げるんだ。なんかやばい奴がいるらしい!」
「・・・。(まずはファーヴニルのメンバーと合流しなくてはな。」
<選択肢 →1.サライやユニはどこだ?
2.リュウやカリンはどこにいる?
3.ファーヴニルの連中がどこにいるか教えろ。
4.いや、何でもない・・・ >
(この危険な奴がいるなら、サライやユニがまずいかもしれないな。)
「サライやユニはどこにいる?」
「あ?あぁ、目の見えない兄ちゃんなら地下格納庫だろ、嬢ちゃんはしらないな。」
「そうか。」
・・・とりあえず今判明している場所へ急ぐのが先だ。
場所を確認するとそちらへ向けて走り出す。何回目かの曲がり角を曲がると・・・!
「ちっ、人が多い。」
こちらへ向かって数十名の人間が逃げてくる。何人かは返り血を浴びているようだ。
「全く・・・はぁぁぁぁぁっ!」
2、3歩助走をつけてから俺は壁を踏み台に天井に足を着くとそのまま逆さのまま走り出す。
ぽかんと口を開けている連中を尻目に格納庫へと向かう。
「・・・見えた!」
俺は格納庫へと飛び込んだ!
ゼノンは機内でコントローラーを動かしていた。無論、遊んでいるわけではない。
このコントラーラーは、超小型偵察機のコントローラーである。
「よし、施設内の状況を調べて来い」慣れた手つきで偵察機に命令をインプットする。大体の行動は自動で行い、細かい作業などは、持ち主が操作する。
「中で何が起きているか分からないからな。潜入しようにも下手に姿を見られたくない」
超小型の偵察機はいつのまにか基地内部に消えていった。
[ゼノン、超小型偵察機を基地に潜入させる]
なぁ、名無しでも少しぐらいネタを振って良い?
例:バハムートの背後からオルトロスが襲いかかって来た!
こんな感じでコテがその場その場に合わせてリアクションするみたいな。
無論、リアクションが可能なネタだけ反応してくれればいいから。
「…クソ…また敵かよ?」
冷静な声で状況を判断する俺。
周りの声から察するに敵が侵入したらしい。
とりあえず近くに居るクルーに侵入者の特徴を聞く。
「…ピエロォ?」
「はっ、はい!しかも、お供にライオン娘を連れているとか、中身は絶対美人らしいです!!」
全く意味の解らない情報に俺は首を傾げる。
「何所から突っ込んで良いんだソレは…第一、侵入者は一人って聞いてるぞ。
オマエさぁ…女に餓えてるからってアホな事を言い出すなよ・・・。」
「す…すいません。ソレ以外の情報でしたら、今は格納庫に居るらしいです。」
「ソレを早く言えよアホ!」
[クルーの話を聞いた後、拳銃を持って格納庫に向かう。]
偵察機から送られてくる映像は、あまり見ていて心地のいいものではなかった。
最初は慌てふためく人々の映像であった。しかしそんな映像を見ていても仕方が無い。ゼノンは偵察機のコントロールを、手動操作に切り替えた。
警備はどうしたのかと警備室を探す。ここか。警備員を仕事場に招き入れる扉は開いていた。偵察機は難なく警備室に入り、その光景をコンピューターに映し出す。
派手な装飾だ。
ゼノンは冗談交じりにそう思った。飛び散った血。芸術のごとく細やかに切り刻まれた人間。ぶちまけられた臓器。
普段あまりお目にかかれない光景である。殺戮パーティの主催者はもうここにはいないようだ。そいつを探しつつデータベースから情報をいただくとしよう。
[偵察機、レオンカヴァレロと各種データを探しに行く]
【待ってー今書くから】
コックピットに身をねじ込んできた男が、甲高い声でケタケタと笑う。
彼が相当に危険な存在であろうことは肌からひしひしと感じられた。そもそも、エアロックを力づくでこじ開けられるような輩が普通の人間であるはずがない。
「誰――」
言い掛けて、サライはようやく周囲の異常を感知した。むせ返るような返り血の臭いが鼻をついたのだ。
辺りは水を打ったように静寂を湛え、ただ目前にいる男の下卑た笑い声だけを木霊させている。
頭の芯が熱くなるような感覚。先日と同じ類の衝動がこみ上げてくる。
「…お前…!」
わけもわからないまま大きく息を吐き出し、勢い任せにシートから背を起こす。
しかし、そのとき――。
「……ぐっ!?」
後頭部に、突き刺さるような激しい痺れを感じた。
火傷にも似た激痛が全身、内腑から爪の先までをくまなく伝っていく。
一瞬の後、痛みから解放されたサライの視界は一変していた。
(なんだ、これは…)
歩幅一つ分ほどの間隔を挿み、赤黒いモヤのようなものが漂っている。
色、形、そして臭い。
そのモヤはあらゆる面から猛烈な嫌悪感を掻き立てた。
「…!!」
ほとんど反射的に、サライは前方めがけて靴底を叩きつけた。
鈍い打撃音に続き、不意に視界が黒一色へと立ち還る。
「…ハッチが閉じた…自分からか…?」
間もなく、コックピット内を蒼い光が満たし始める。機体内の『血管』を巡り、パルス滞液に乗ったエネルギーの循環が開始されたのだ。
「…クレスト…!?」
答える声はない。
クレスト蒼は側部に固定されたリフトを手摺り代わりに、ヨロヨロと立ち上がった。
[レオンカヴァレロを突き飛ばし、クレスト蒼起動開始]
>71 レオンカヴァレロ
ゼイレス『人の話も碌に聞けぬような三下に用はない。
(ぶちまけられる臓物等に瞬時に反応し)
・・・!でぃぃぃぃぃぃやっ!チェストォォォォォォ!
(剣圧と闘気でアリスと自分にかかるそれらを払う)
・・・チッ、逃がしたか・・・アレンジ一つ利かせられぬとは、
創造性に乏しい証拠・・・奴は、人形かも知れぬな・・・
コンソールに向かい、引き出された情報に目を通すゼイレス。
果たしてその中に、目当ての情報があった。そのデータを予め用意していた
ディスクにコピーして接続を切り、ディスクを自分の懐にしまう。
ゼイレス『(これで俺の用は済んだな・・・)
・・・アリス、お前にも自分の用事があるのだろうが
いつまでもここにいては危険、と言うか不快極まりなかろう。
最低限この騒ぎが収まるまでは、俺の傍から離れるな・・・
そう言ってアリスに近づき、念を押すように言うゼイレス。
一方その頃、バスタイムを満喫していた二人はと言うと・・・
>78 サライ
ヴァルキリー:・・・基地内が騒がしい・・・侵入者・・・?
ブライド:(モニターを見る)・・・クレスト蒼が起動した・・・急がないと・・・
異常事態にようやく気付いた二人は、パイロットスーツを着ると格納庫に向かい、
周りの光景には目もくれずそれぞれの機体に搭乗する。侵入者の干渉を受けたのだろうか、
起動したクレスト蒼は弱弱しい動きをしており、危険な状況である事を如実に伝えていた。
ヴァルキリー:・・・システム、オールグリーン・・・
ブライド:・・・起動します・・・クレスト蒼の援護を最優先・・・
ヴァルキリー:・・・異常反応検知・・・侵入者は、格納庫にいます・・・
ブライド:・・・侵入者を誘導します・・・クレスト蒼を外へ・・・
ヴァルキリー:・・・了解・・・
[侵入者を外へ誘導する為、クレスト蒼を基地外へと搬送する]
81 :
ゼノン・トリニア#:2005/04/28(木) 16:36:29
あれはクレスト蒼という
うは、すさまじい暴発。反省・・・orz
83 :
名無しになりきれ:2005/04/28(木) 16:40:58
あ〜あ〜素だし【】萎える〜〜
また【】イヤ厨か
, -- 、 , t=、−‐- 、
/ 丶 ,ィ / /! `'⌒丶ヽ
/,-,//.- ハ -、ヽt 、 {| // i _,ヽヽ\\i
(__///´ \メ、ノ `//// ヽ、ト ゝ、) _}〉、 ,ィ
l r| > < h/ t‐t-ぅ 、 / f/´ > < l} r-ミ_ 誤爆謝罪レスに脊髄反射するのは
l ゙ト、 ∩ ノナ'゙´_.フィ´ ミ《 ハ ∩ ノ|.二と l-‐'イヤイヤイヤ〜 イヤ〜イヤ〜
, --、ヘ._! ,ィ ⌒丶二-ナ´r-、 _,ィ 彡'´ ̄´./´´ 丶二∠.r、 〜'
,.' の / {.__,..-- 二ら l ノ {.__ィ-ー- ソ l_.う
l / ---- / /,/ / 〜' / /,/ 〜'
/ ̄,' ̄ ̄ ̄ ̄='' ,/!/ , --,-―‐ '' =/,/!
'---'- 二二 ー' /イl丶 ∠.....二二 ー' ,イl丶
\ 厶卞´ l.二ヽ ヽ厶下´ ト.ニi.
\/| ̄liーi┘ \', i ̄li ̄l ̄_\
/´l! /l l ____', /´l' /l | ̄  ̄丶
{__9' ̄ l | {__9 ̄ l !
l | l |
!. l l |
ハ_ハ! .ハ_ハ!
(__」 (__」
「ここか!」
俺は格納庫へと飛び込んだ・・・が。
目の前に映ったのは少し開いたクレストのコクピットから伸びる脚と、
蹴っ飛ばされたのか落ちていく道化師。
「・・・?」
何だかよく分らないが、あれが侵入者だろうか。
と、考えている内に横で機体が動き出し、クレストを誘導していく。
「クレストの動きが鈍い、いない内に何かあったのか?いや、それよりあの機体は。」
見た覚えがあった。確かATXシリーズを素とした機体、何故ここに?
とりあえず後ろ手に持った槍を構えなおし、道化師へと近づく。
当然相手に穂先を近付けはしない。
「とりあえず、お前が侵入者か?どこから来たのか教えてもらおうか。」
行動:レオンカヴァレロに近づいて話しかける。(武器は構えたまま。)
>78
シートに座していた少年に蹴り飛ばされ、レオンカヴァレロは血と臓腑の海と化していた格納庫の床に叩き付けられていた。
「どっこいしょ…酷いなぁ、イキナリ蹴り飛ばすなんて」
道化師衣装にこびり付いた肉片や臓腑を払い落とし、ぶつくさと文句を言いながら立ち上がる。
道化師を蹴り飛ばすと、異星人のものと思しき機動兵器はよろよろと、生まれ立ての子馬のように立ち上がった。逃げるつもりなのだろうか?
「駄目駄目♪逃がしはしないよ♪」
だが、それを簡単に逃がす訳ではない。道化師は軽く指を鳴らした。
すると、道化師の左手に大辞典サイズの分厚い本が顕現した。
表紙には『屍食教典儀』と銘打たれており、それは禍々しいオーラを放つ魔道書であった。
道化師はその魔道書の項をぱらぱらと捲り、適当なところで項を捲る手を止めた。
「逃がしはしない…死からは逃れる事などできやしないんだから」
とても人間には発音不可能と思われるような言葉で呪詛を紡ぎだしていき、魔力を収束し始める。
直に魔力の高まりは最高潮に達し、何時でも放てる状態となった。
>79
しかし、魔力を放とうとしたところで突如起動した別の機動兵器によって、格納庫の外へと連れ出されてしまった。
ハイエナに獲物を横合いから横取りされた気分だ。急に興醒めしてしまい、高めていた魔力も徐々に低くなっていく。
仕方が無い。もう一人の異星人にあってみるとしよう。今のこの気分を変えるにはそれしかない。
>86
>「とりあえず、お前が侵入者か?どこから来たのか教えてもらおうか。」
そう決め込み、移動を開始し始めようとしたところで、背後から話しかけられた。
行動の出鼻を挫かれ、道化師は心底面倒臭そうにその声の主を振り返った。
見れば、人間の男が槍を構え、その矛先を自分の仮面数十センチのところに突きつけていた。
道化師は穂先を指先で逸らし、ちっちっ、と指を振る。
「ただの人間が、ボクに挑むなんて大した勇気じゃないか…でも、ボクは君の相手はしていられないんだよね」
魔道書の項が勝手に捲られると、異様な気が周囲に漂い始めた。
「君の相手は別にいるよ?それじゃあ〜…」
ずぶずぶとその場に沈み、姿を消す。道化師が消えると、その代わりなのだろうか、別の存在が床から現れ始めた。
それは醜悪なることこの上なかった。体の半分以上は腐りかけ、腐臭と汚泥のような腐った血を周囲に撒き散らしている、『生ける屍』である
『屍食鬼(グール)』であった。しかも一体ではなく、格納庫を埋め尽くす勢いで床から出現し始めた。
屍食鬼達は腐りかけの顔で槍を睨むと、一斉に襲いかかって来た。
槍が格納庫で大量の屍食鬼と死闘を繰り広げている頃、格納庫だけでなく、大量の屍食鬼がバトパラベース全域に出現し始めた。
現れた屍食鬼は反乱軍兵士に襲い掛かり、その肉を貪り食い始めた。屍食鬼に殺された反乱軍兵士は、直ぐに彼らの仲間となり、屍食鬼として
別の反乱軍兵士を襲い始めた。そうして、どんどんと屍食鬼達は増え、バトパラベースには生ける死者が溢れ返った。
「全く…嫌になっちゃうねぇ〜。次から次へと邪魔ばかり。こうなったら、君には酷い悪戯をしちゃおっかな〜♪」
ユニがいる部屋の床から、道化師はぬっと現れた。
『バトパラベース全域に大量の屍食鬼を召喚。ユニの部屋に現れる』
眞一郎「まだ敵はいるのに、なんで出動禁止になるんだよ。」
明智「君は戦いたいのですね?」
ジョン「き、教官!」
明智「いいでしょう。私が出動を許可しましょう。高速輸送艦で出撃する。」
沙織「でもいいんですか?司令に…。」
明智「もたもたしていると出られませんよ。(さて、これで第三段階に入ったか。)」
我が名はウォーダン・ユミル、メイガスの剣なり。
ヴェンアクト・ゼイレス
奴はこの俺が倒す。往くぞ、スレ-ドゲルミル!!
MK-Vの修理がやっと終わったぜ。
鳥つけてないコテは荒らし
「あれはクレスト蒼という機体か。クレストシリーズは他にも何体か存在するようだな」
ゼノンは偵察機を動かし道化師と槍を持った男にカメラを向けた。
「道化師と槍を持った男か・・・ユニークな奴らだな」
その後に回りの不気味な化け物に視線を移す。
「あれは屍食鬼か!?こんなところでお目にかかれるとはな」
昔に話を聞いたことがある。あまり詳しくは知らないが。
しばらくはこの奇妙なパーティを観賞だ。場合によっては動く。
[偵察機、クレスト蒼付近を飛行]
>87
一斉警報の後、医務室の扉には厳重なロックが施されていた。
にもかかわらず、目の前には道化師装束の奇怪な男・・・
(明らかに、まずいですね・・・)
両肩が完治していない今のユニでは、満足のいく戦闘行為は難しい。考えた末、ユニは一瞬瞳を閉じ、深々と何かを念じたようだった。
(・・・さて)
病み上がりの上に正体不明の敵。繰り返し言うようだが、正面からかかっては太刀打ちもできないだろう。
いかにして時間を稼ぐか。ユニはその一点に注意を据えた。
>87から
>「ただの人間が、ボクに挑むなんて大した勇気じゃないか…でも、ボクは君の相手はしていられないんだよね」
>「君の相手は別にいるよ?それじゃあ〜…」
その道化師の言葉に反応したのか幾多の死体が起き上がり襲ってくる。
無造作に振り回した十文字槍はグールの頭を吹き飛ばしていく。
「人間か、人間・・・か。これでも人と言えるのか・・・こぉぉぉぉ。」
呼気と共に放った掌底がグールを壁へと叩きつける。グールの腹部には大きな穴が開いている。
いわゆる武術の発剄である。そうしてしばらくグールともみ合っているが、一向に数が減ったようには思われない。
「埒が開かないな。なら、やるか?」
声は誰にも届かない自分への問い、名前の出ていないソレは先ごろ習得した秘伝の技。
(この槍と俺は相性がいい。だとしたら・・・やれるはずだ。)
無言で床を蹴り、10m程の跳躍を経て壁に右足で穴を開けると
そこをとっかかりに息を整える。
「我、万軍に相対すとも悖ること無し。」
そして、左足で壁を蹴る。
反動で浮いた体は地面に対し背を向ける格好になる。
「注ぐ光は夢幻の槍、汝その向こうに涅槃を見よ。」
そして、声と共に体を捻って地面へと目を向ける。そこは亡者の坩堝と化している。
「『無槍・落星衝』」
放たれた槍から無数の黒い光の槍が迸り、地面に次々とグールを縫いとめていく。
槍が地に降りた時、ほぼ全てのグールが動きを止めていた。
「これで、完全に体得した。いや、そんな事より次は・・・ユニか?」
傍らの直立したグールから十文字槍を抜き、掌底で壁に叩きつけてまた廊下へと向かう。
「また探すのか。今度は楽には見つからないか・・!」
行動:グールを粗方殲滅した後ユニを探しに基地内を捜索に向かう。
>>95 槍の奴、苦戦しているようだな。
あの時の借りを返しに行くか!
行動:槍の援護へ向かう
(中の人)槍、これでいいかい?
>94
「んん〜?考えことかなぁ〜?」
じりじりと距離を詰め、ユニを意図的に壁際まで追い込む。程なくして、ユニは背を壁に預ける形となった。
2mを楽に越える細身の長身を折って、ユニの顔を覗き込む。
仮面に穿たれた二つの穴の向こうには、闇が広がるばかりであり、道化師の瞳の色さえ垣間見る事ができない。
「でも無駄無駄♪君はこれからボクと楽しいことをするんだからねぇ〜♪」
闇の向こうにあるかもしれない、道化師の瞳が「にやぁっ」といやらしく笑ったように思えた。
道化師は何処からとも無く大型のナイフを二本取り出し、だん、と二本の内の一本をユニの顔の直ぐ横に突き立てる。
磨き上げられた刀身にはユニの横顔が写っており、きらりと不気味に輝く。
「そう…楽しい楽しい御遊びをね♪」
すっと右手に握ったナイフをユニの下腹部に突きつける。鋭利な刃先はユニの衣服を少し裂いて、彼女の柔らかな下腹部を仄かに押している。
「おっと、動くと…ぶすっと刺しちゃうよ?」
突きつけているナイフに僅かな力を込めると、鋭利な刃先が彼女の下腹部の薄皮一枚を裂き、紅珠のような血が少しだけ流れた。
道化師はナイフを突きつけられたユニの様子を愉快そうに見下ろしており、突きつけたナイフを徐々に上へとずらす。
それに従い、ぷつりぷつり、と彼女が身に纏った衣服も次第に裂けていく。
『道化師、ユニにナイフを突きつけ衣服を切裂き始める』
ドンっ。
「ん?」
焦っていたために人とぶつかっていたらしい。
その人物は・・・。
「リョウか、随分久しぶりな気がするな。それはそうと・・・
悪いがユニがいる場所を知っているなら案内してくれないか?
俺は今ここに来たばかりだからな、土地勘がないんだ。
人造とは言え女性だからな、何か危ない目にあってるかもしれない。」
そう言って背後を見ると、そこには頭部を破壊され、動けなくなったグールが多数横たわっていた。
勿論、槍がやったのだが。
(メール欄)
槍を持った男が放った一撃を見てゼノンはにやりとしていた。
「素晴らしい。思っていた以上だ」
さらにファーヴニルの構成員と思われる人物も他に放った偵察機が確認している。
謎の道化師も奇妙に暴れている。
「おもしろい連中だな」
ゼノンはこれだけおもしろい連中がいれば対抗手段もすぐに見つかりそうだとゼノンは満足していた。
>ゼノンはこれだけおもしろい連中がいれば対抗手段もすぐに見つかりそうだとゼノンは満足していた。
何か文章がおかしいな…悪い事は言わないから、もうちょっと考えてからレスしようぜ?
でないと叩かれる要因になるし、イマイチ良く分からなくて相手に伝わらないことがあるかもしれんから。
ていうーか文章は区切った方が良い。その方が見やすいし。
102 :
名無しになりきれ:2005/04/29(金) 14:13:15
いや、ゼノンは壮大な釣りだったんだ
>97
「・・・」
ユニは身じろぎ一つしようともせず、道化師の仮面をじっと見つめている。
そのまま10秒も過ぎただろうか。衣服はすでに胸元近くまで切り裂かれ、白い肌が大きく露になっていた。
ふと、ユニの顔に微かな笑みが浮かぶ。
「・・・早かったわね」
突如、左のハイキックを放つ。人間の範疇を越えるスピードで放たれた蹴りが、2本のナイフを一斉にたたき落とす。
それとほぼ同時に、道化師の真横の壁を盛大にぶち破り、巨大な物体が医務室に侵入してきた。
クレスト紅の右腕である。
「・・・お生憎様。そういう行為は、どこか余所でやってくださいね」
ユニはクレストの掌に捕われている道化師に向かい、にっこりと微笑みかける。
彼女らしからぬ満面の笑顔からは、かつてない程の威圧感が漂っていた。
壁の亀裂をくぐり、腕伝いに駆けてクレスト紅のコックピットへと乗り込む。
現在位置は中央滑走路。すぐ真近にはクレスト蒼と、ゼイレスの随伴者たちの反応がある。
ユニはクレストの腕を引き抜くと、上体をひねって勢い良く道化師を地面に叩きつけ、友軍との合流に向かった。
[道化師をやりすごし、発進しているメンバーと合流を目指す]
>>98 槍、ユニは近くにいるみたいだな。MK-Vのワープでユニのところへ飛ぶ。
着いて来い!
GW復活って、わかりやすい奴っちゃなタカギは
>103
白くきめ細かな素肌が顕になる度に、道化師は仮面の下から嘆息を漏らした。
だが、もう少しで胸元が顕になるというところで、突如横合いの壁をぶち破って巨大な拳が道化師をがっちりと捕まえた。
「????」
咄嗟の出来事に、道化師は首を捻る。が、少女が悪戯っぽい笑みを浮かべた後、巨大な腕によって彼は地面に叩きつけられて赤い染みとなった。
「酷いなぁ…」
赤い染みからぬっと道化師は元通りに再生し、飛び去った異星人の機動兵器の背を見送る。
「仕方が無い。もうそろそろフィナーレといこうか…」
手に『屍食教典儀』を顕現させると、項を捲って詠唱を始める…程無くして、道化師を中心とした巨大な円形の魔法陣が形成されていき、陣から淡い光が漏れ始めた。
道化師が詠唱を行う度に陣の光はより強くなり、瘴気を周囲に撒き散らし始める。
「踊れ!アァァッァァァァッァァァッァアビャァアセィィイィィィィィイルゥゥッッッッ!ィヤアァァァァァクゥウゥウゥウゥウゥウゥエェェェエェェェスっ!」
陣の光と瘴気が最高潮に達すると、道化師の足元から巨大な何かが出現し始めた。
やがてその全容が全て現れる。それは道化師を模ったような外観をした巨大な機動兵器、『鬼導神鬼・アービャセル・ヤークェス』であった。
頭部は道化師帽子を模ったような形であり、顔に相当する部分は白いのっぺりとした仮面を被っているようであった。
全体的に細身であり、手足は長く、しかしサイズは並みの機動兵器以上であった。全長は優に80mを超えているだろう。
「さぁ、終幕だよ!君たちは此処で死ぬんだよ!」
『アービャセル・ヤークェス』の頭頂部に佇んでいた道化師はそう高らかに宣言すると、黒い霧となって四散した。
次に道化師が現れたのは、『アービャセル・ヤークェス』の内部にある広いコクピットであり、手には『屍食教典儀』が握られていた。
『鬼導神鬼・アービャセル・ヤークェス召喚』
っつーか、リョウが釣りに見えて仕方が無い。
いや、別に悪気はないんだが…もうちょっと内容を凝ったものにしてもいいんじゃないかと思う。
クレスト蒼はぎこちない挙動を続けていた。間接部はギシギシと悲鳴を上げ、動く度に装甲表面が少量ずつ、微粒子となって崩れ落ちていく。
コックピット内のサライもまた、未知の感覚に戸惑っていた。
「何だ…これは…」
先程見えたモヤのようなものが、いくつも視界の中に投影されている。それぞれが全く異なる色と形を有し、直観的な識別を可能としているようだった。
加えて、鼓膜が音を拾うたびにあちこちに明滅する殴り描いたようなライン。
膨大な量の情報を直に視覚野に送りつけられているかのような、混沌とした光景が眼前に広がっていた。
>106
不意に背筋に悪寒を覚えた。
左前方、そう遠くない位置に赤黒い敵意の柱が立ち昇っていく。
周りのものと対比するまでもない、凶々しいまでに巨大なプレッシャーを感じた。
「敵…!」
両脚を踏張り、立ち上がろうとするクレスト蒼。
しかし思うように動けないらしく、すぐに方膝立ちの姿勢に潰れ落ちてしまう。
(どうして…?)
サライは胸の内で、未だ現れないクレスト蒼の意識を呼び続けていた。
[敵機を前にしながら機能回復せず。何か様子がおかしい]
ようやくロボットバトルか!
そうではない。むしろMK-Vの方が強い。
が忘れられない。
タカギ可愛いよタカギ
内容のいい釣りもあるからな。おそろしや
>槍、ユニは近くにいるみたいだな。MK-Vのワープでユニのところへ飛ぶ。着いて来い!
「あぁ、早くしないと。」
と思い急いで走り出そうとしたその刹那、
ぞくり
と、悪寒が走った。いや、悪寒とかそんなレベルじゃなく背骨がいきなり氷柱に変じたような。
これは・・・何か悪い事(>106)が起きている気がする。
そして急いで走り出そうとして、崩れ落ちる。
気持ち悪い・・・
・・・眩暈がする。
「ぐ・・うぅぅ。ごふっ」
急いで口元に手をやると真っ赤に手が染まっている。
当たり前か、リョウと合流するまでに落星衝を8発は放った。限界が来てもおかしくはない。
おぉぉおおおおぉぉぉぉぉぉぉ・・・・
振り返れば後方からグール共がまだやってくる。しかも悪寒が走った頃から少し動きがよくなっている。
だとしたら・・・まずいかもしれない。俺は辛うじて立ち上がり、リョウを突き飛ばすと壁のスイッチに拳を叩きつける。
驚くリョウの目の前でシャッターが落ちていく。息を吸って、俺は話しかけることにした。
「リョウ、悪いが俺は動けそうにない。ここでグール共の足止めはするから早くヘルレイザーの元に行ってくれ。
ここから先はグールが殆どいないはずだろう?それに、俺は今足手まといになるからな。ここで引き付けておく。
婆沙羅も遠い所にあるしな。だから・・・早く行け!」
そう言うと、無情なまでにシャッターが閉じた。軽く小突いてみてもびくともしない。
ぉぉぉぉぉおおおおおぉぉぉぉぉ・・・
振り返るとグールの群れがいた。
「五月蠅い。ここから先、通しはしない。」
コートには手榴弾が・・・9つ。その内一本を取り出してピンを抜くと、最前列に向かって転がしてやる。
ドーン、と音がしてグール共がバラバラになる。だが、増援は向こうから延々とやってくる。
が、時間は出来た。コートの中の部品からマシンガンを組み立てる時間は。
俺はそれを構えて、自嘲的に呟いていた。
「リョウ、上手くやってくれよ。」
俺は目の前に来る哀れな犠牲者に銃口を向けた。
行動:素早くなったグールからリョウを機体へ向かわせるため、隔壁を閉じてグールと対峙。
此処は鬼導神鬼(きどうじんき)、『アービャセル・ヤークェス』内部にあるコクピットである。
『アービャセル・ヤークェス』のコクピットは従来の機動兵器とは全く異なっており、シートや操縦桿、モニターや計器類など全く無い。
機械類がぎっしりと詰まった機体内だというのに、コクピットはあり得ないほど広い。これは空間系魔術によるものであり、どの鬼導神鬼にも標準装備である。
モニターの代わりに、コクピットの全周は前面魔術によって製作された鏡張りであり、それに鬼導神鬼が捉えた映像や機体のデータが投影、もしくは立体映像で表示されるのである。
鬼導神鬼を操る物、操神者は操縦桿の代わりに手にした魔道書からの呪文の詠唱と自分の思考や動作で操神、つまり、操縦するのである。
>108
『死の舞踏の道化師』こと、レオンカヴァレロはだだッ広い鬼導神鬼のコクピットの中心に佇み、鏡に映し出された敵機の様子を窺っている。
鏡に映し出された敵機…丁度、『アービャセル・ヤークェス』の足元でよろよろと覚束無い足取りで立ち上がろうとしている、異星人の機動兵器が映し出されていた。
レオンカヴァレロはナイフを指先で弄びながら、その無様な事この上ない醜態を嬉しそうに眺めている。
「あらら。あんよが下手でちゅねぇ?…そんな蛆虫君は♪」
ぐぁっ、とレオンカヴァレロが足を高く上げると、その動きに連動して『アービャセル・ヤークェス』も足を高く上げる。
「ぷちっと御煎餅にしてあげよう♪」
そして一気に床を踏みつけると、それに従って『アービャセル・ヤークェス』も足を勢い良く、足元にいるクレスト蒼目掛けて踏み下ろす。
全高80mを越える『アービャセル・ヤークェスト』。機体の大きさは並みの機動兵器以上である為、足による踏みつけ攻撃でも充分な破壊力がある。
クレスト蒼と比べれば、巨人と子供なのだろう。このまま踏みつけられれば、クレスト蒼は大ダメージは免れないだろう。
『クレスト蒼を踏みつけようとする』
どう見てもデモベのパクリなんだが
>113
何かが迫ってくる。
殺気を感じたサライは、辛うじてクレスト蒼を後方へ飛び退かせた。
わずかに遅れて地鳴りのような轟音と衝撃が機体を襲い、激しく揺さ振った。
「くっ…!」
着地に失敗し、不格好に背中から叩きつけられる。
サライは歯噛みしていた。今の自分がまともに渡り合えるレベルの敵ではない。
だが、得体の知れない相手を前に、味方機を置き去りにして退くわけにもいかない。
覚悟を新たに機体を立て直そうとした、そのときだった。
『……』
声が聞こえた。
「…!?」
だが、違う。囁きかける声はクレスト蒼のものではない。
もっと硬質で、無機的な冷たさを秘めた声。
鳥肌が全身を覆っていく。
「誰だ…?」
『……』
出力が上昇を始める。『オルガノ』の手によって増設された計器類はとうに振り切られ、既にその役目をなしていない。
伴って、サライの視界にも急激な変化が訪れた。
(…何だ…広がっていく…?)
夜闇の中でライトを灯したかのように、認識できる範囲がみるみるうちに拡大していく。
前方は当然として、本来ならば視覚の及び得ない後方の情報までもが、文字通り手に取るように把握できるのだ。
聴覚、嗅覚、触覚。そうした感覚情報が、全て視覚上で高速処理されているかのようだった。
(すごい――)
そう思うも束の間、サライは猛烈な不快感に襲われた。
基地内を埋め尽くす恐怖と怨嗟のイメージ。その一つ一つが散漫な輪郭を得て、サライの身体に流れ込んでくる。
引き裂かれるような痛み。死してなお止まぬ苦しみ。
鼓動が早まっていく――。
ふと、目の前で鈍く輝く赤黒い光に意識を誘われた。薄汚く濁り、明滅を繰り返す醜悪な光。
ぼんやりとしていた闘争心が次第に研ぎ澄まされ、鮮明さを増していく。そして、微かに聞こえてくる「囁き」もまた、沸き上がる衝動を鼓舞していた。
この光の色が意味するものは、即ち――。
「……!!」
サライは躊躇なく、全出力を解放した。
弾かれるように大地を離れたクレスト蒼は、天を衝かんばかりの勢いに乗って垂直に空を疾駆する。
その速度は先程までの鈍重な動作とは比較にならない。装甲表面が光の粒子となって砕け、夜空に散らばっていく。
そして、上空300mの高度へと至ったとき、クレスト蒼の機体を灼き付くような蒼い閃光が包み始めた。
[急激に機動性を増して上昇。変容が始まる]
アクエリオォーン!!
>>112 くっ、奴にまた借りができたか・・・。
[MK-Vにのところに行き乗り込む]
座標軸…よし、ワープ!
>>115 あの蒼いのが槍の探していた奴か。敵はあの化け物か。
Bフィールド全開!
[アービャセル・ヤークェスに突撃]
明智「(ファーヴニル、彼等ならテオドラの暴走を食い止められるかもしれない。
だからこそダイケンゴーをあの艦に…。)」
オペレーター「明智教官、ファーヴニルを捕捉しました。」
明智「よし、彼等に通信を入れる。
ファーヴニル、こちらは非政府組織E-Sだ。我々はあなた方と面会を望む所存である。」
通信後
眞一郎「えっ、俺たちがファーヴニルに!?」
明智「そうだ。」
ジョン「しかしなぜ…。」
明智「現在、地球は機械武者や異星人の侵略を受けている。もはや対機械武者だけをしていられる状況じゃない。
だからこそ戦力をまとめあげるべきだと私は判断した。だからだ。異論はあるまいな?」
眞一郎「…。」
おいおい、ファーヴニルはもうほとんどぶっ壊れてバトパラにいるのに
連絡は取れるのか?しかもバトパラは反乱軍の拠点なのに侵入は無理じゃないのか?
テオドラ「提督、報告があります。」
ペリー「なんだね?」
テオドラ「はい、先日偵察の途中で面白いものを発見いたしました。」
ペリー「ほう、それは何かね?」
テオドラ「マシンセルという特殊金属とそれによって造られたスレードゲルミルというロボットと
パイロットのデータです。マシンセルは自己修復機能がある面白い金属です。
それで、早速製造しました。入れ、ウォーダン。」
ウォーダン・ユミル「承知」
ペリー「彼がそのスレードゲルミルのパイロットかね?」
ウォーダン「我が名はウォーダン・ユミル、ゼルギアスの剣なり!」
テオドラ「かれは何者かによって作り出された人形のようで、私が作り直しました。」
ペリー「まさか地球人に人と全くそっくりの人形を作り出す能力があったとはな。
地球人はつくづく面白い。」
テオドラ「提督、彼とエマを私の直属にしたいのですが…。」
ペリー「どうしてかね?」
テオドラ「地球人はもっと面白い物を持っているでしょう。ですから私の方でそれを見つけ出し、
我が軍の物にするためです。その際に戦闘が起こりうる場合があります。そのためです。」
ペリー「いいだろう。だが…。」
テオドラ「報告は怠るなと言いたいのですね。わかっていますよ。」
なあ、タカギよ。サライはついさっきお前がいた格納庫からノロノロ発進したばかりなんだぞ?
何でワープなんかする必要があるんだ?
くっシュウの野郎、どこに行きやがった?
サライが変調に動揺している間、ユニはアービャセル・ヤークェスと交戦していた。
突撃するヘルレイザーとは別に高く舞い上がり、敵機の顔面近くを飛び回って撹乱する。
(あれでまだ生きてるなんて・・・)
見たところ、敵機は巨大とはいえ軽装である。隙さえ突いてしまえば致命打を与えるのは難しくないだろう。
攻撃に気を払いつつ、大きく背後に回り込みながら光鎖を引き伸ばす。
そして、無防備な肩口を目がけて勢い良く振り下ろした。
[攻撃:アービャセル・ヤークェスの背後に回り込み、光鎖で右肩の切断を狙う]
(これまでのあらすじ)
なんとかバトパラ・ベースへの入港を終えたファーヴニル。
だが、その船体は先の戦闘で大破しており、もはや廃棄せざるを得ない状況であった。
生き残ったファーヴニルのクルーたちはどうしたらいいかと今日も会議を行なっていた…
そんななか、バトパラ・ベースに「仮面の道化師」ことレオンカヴァレロが侵入。
反乱軍兵士は迎撃を試みた…が、彼は人間ではなかった。
そう、『人間ではなかった』のだ…。
丁度同じ頃、リュウは損傷激しいバハムートを修理すべく、AF(アーティファイター)専用ドックへ向かっていた…
リュウ「…ってわけだ、ランバーさん。チャッチャとコイツを直してやってくれ。どんな敵がいるかわからないからな」
ランバー「マジなのか?魔術や錬金術を使うって…リュウ、お前夢でも見てるんじゃぁねーか?」
リュウ「そんなハズはねえ。現に俺は見てるんだ…この世界にもその類の力はあるんだ…少なくとも俺たちの知らない何かがな」
リュウが何を言ってもランバーは笑い飛ばすだけだった…。そりゃ、そう簡単には信じちゃもらえねえか。リュウはそう思っていた。
>74
そんな時である。整備を行なっていたバハムートの背後から突如としてオルトロスが接近してきたのだ!
ランバー「何!?政府軍の機体だと!?」
ロッシュ「いや、あのマークは違うな…どうやら『ノートゥング社』の連中のようだ」
リュウ「あの野郎、また俺たちを狙ってきやがったのか!!」
ロッシュ「俺が迎撃する。俺の機体はさほど損傷はしていないからな…」
(バハムート・クリムゾン出撃。背後から襲ってきたオルトロスに向かい突撃。第2期OP「Re-Cover」流れる。)
リュウ。別にそれには反応する必要がないと思うのだが…ってか普通にドックの中に侵入できるわけ無いってーの。
どういったレス内容かをちゃんと見た方がいいと思うぞ?
連休厨沸きまくり
>87 レオンカヴァレロ
ゼイレス『・・・これは・・・屍食鬼!?
先ほどの奴の仕業か!・・・自分一人だけならばまだしも、
戦えぬ女性を連れていては・・・!えぇい、貴様らの自由にはさせん!
通路を塞ぐ屍食鬼の群れを薙ぎ倒していくゼイレス。
自身の後ろを一人分の隙間すら空けず追従するアリスを守りながら
戦っているとは思えないほどである。だが、それでもやはり数の差は圧倒的である。
必死の奮闘も虚しく、少しずつ押され始めていた。
[アリスを守りながら屍食鬼とバトル]
>106、>113 レオンカヴァレロ(アービャセル・ヤークェス)
ヴァルキリー:・・・!特機サイズ・・・!
ブライド:・・・まさか・・・クレストを・・・!?
(目の前でクレスト蒼の変容が始まる)
ヴァルキリー:・・・今は、迎撃を最優先・・・!
ブライド:・・・ハルバートランチャー・・・発射・・・!
ヴァルキリー:・・・O.O.ランチャー・・・Bモード・・・!
[クレスト蒼を狙うアービャセル・ヤークェスに攻撃]
>115
踏み潰そうとしたが、足元で蒼い閃光が弾け、『アービャセル・ヤークェス』の巨体がぐらりと後に傾いた。
慌てて体勢を立て直そうとその場から飛び退くと、上空へ向って垂直に飛び上がる蒼い機体が視界に入った。
その光は一定の高度に到達すると、更に輝きを増していく…
「何だかよく分からないけど…隙がありすぎなんじゃない?」
『アービャセル・ヤークェス』の胸部装甲板が横に開くと、其処から大口径の巨砲が覗いて見えた。
レオンカヴァレロが何やら詠唱を始めると、その巨砲に徐々に『思念』が蓄積されていく。それは可視出来るものであり、どす黒い霧のようであった。
その『思念』達は、レオンカヴァレロが召喚したグール共に貪り食われたバトパラベースの反乱軍兵士であった。
彼らは死しても尚、レオンカヴァレロによって束縛されており、その御霊は苦しめられ、搾取されるのである。
「ん〜…いい感じだねぇ。心地いい響きだよ〜」
レオンカヴァレロは耳を澄まして、その苦しみに満ち満ちた御霊達の声に聞き惚れていた。
巨砲に収束されている『思念』のボルテージは既に達し、何時でも発射可能となり、今か今かと砲口からは負のオーラが立ち上っている。
「さて、装填も完了したようだし、一気に葬り去って…」
>117>123>127
「あげようかと思ったけど、君らから呪い殺してあげるよ」
背後から右肩へと振り下ろされた斬撃を、相手を見ずに右手に顕現させた大型ナイフで受け止め、そのまま弾き飛ばす。
此方に向って突撃を敢行してきた機体に対しては、咄嗟に脚部をスプリングのように縮め、その巨体からは想像もつかない程の軽やかな跳躍で躱す。
跳躍の頂点に達したところで、別の二機が火器で攻撃してきたが、その程度の火力では『アービャセル・ヤークェス』の魔導装甲板の表面に引っ掻き傷をつけるのが精一杯だ。
『アービャセル・ヤークェス』の巨体が着地をすると同時に大量の土煙が巻き起こり、『アービャセル・ヤークェス』の巨体が一瞬だけ土煙によって隠れる。
暫くして、もくもくと立ち上る土煙が晴れる…が、其処に『アービャセル・ヤークェス』の姿は無かった。
「怨霊呪砲・ヘルズドシュライ!魂の隅々まで呪い殺してやるぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅ!!!!」
その咆哮は遥か上空の『アービャセル・ヤークェス』から響いていた。瞬時にして、先程の突撃を躱した驚異的な跳躍力で、敵機の頭上を取ったのである。
その高度からならば、丁度『怨霊呪砲・ヘルズドシュライ』の効果範囲に敵機の全てが入る。レオンカヴァレロは仮面の下でにやりと笑った。
巨砲の砲口から、唸りを上げてビーム状の怨霊呪砲弾が放射状に撃ち出され、全ての敵機に降り注ぐ。
『“怨霊呪砲・ヘルズドシュライ(広範囲射撃攻撃)”を遥か上空から撃ち出す。全ての敵に怨霊呪砲弾が降り注ぐ』
サライ:野島健児
ユニ:水橋かおり
リュウ:草尾毅
槍:櫻井孝宏
ゼイレス:石塚運昇
タカギ:高木渉
グレッド:石田彰
アリス:田村ゆかり
シュルツ:諏訪部純一
エノーラ:ゆかな
レビン:子安武人
ピエロ:柏倉つとむ
キャラハンさん達、メル欄で意見クレクレ
>128
よもや光鎖による攻撃をナイフなどで防がれようとは思いもしなかった。
基地内にただ一人で潜入、閉鎖された医務室に忽然と出現し、エネルギー兵器をも易々と受けとめる。
これがあのときの捕虜が言っていた『非日常』の力なのだろうか。
突然、敵機が大きく跳躍した。
巨大な質量の高速移動に伴って、激しい衝撃波が一帯を襲う。
「うあっ・・・!?」
軽量なクレスト紅はたちまちバランスを失い、空中で一回転した後に地面へと叩きつけられた。
『・・・』
幸い大したダメージはない。持ち前の機敏さで体勢を立て直す。
直後、敵機の降下とともに大量の砂塵が舞い上がった。
「くっ、このっ・・・!」
砂塵の中心を目がけて光弾を打ち込む。
あれだけの勢いで着地したのだ。並の機動兵器なら、自重と衝撃によって硬直状態にあるはずである。
だが・・・
「・・・え?」
視界が晴れると、既にその場に敵機の姿はなかった。
反射的にレーダーを確認したユニは我が目を疑う。
「上!?」
気付いたときには、敵機は悠々と攻撃体勢に入っていた。
「クレスト、走って!」
推測される攻撃範囲はかなり広大である。
クレスト紅はスラスターを最大出力で働かせつつ、全速力で路面を蹴った。
[行動:怨霊呪砲の射程から離脱すべく猛ダッシュ]
>129
ゆかなと聞くと、エロカワイイ
>>131 アマンダ……安達忍
セシル……こやまきみこ
カサンドラ……水谷優子
マリアンナ……井上喜久子
外からの振動が基地全体を大きく揺るがしている。
先ほどまであれほどいたグール共も、何とか退けた。が、
「う・・・うぅぅ。」
いいかげん体への負担が大きかった。マシンガンや手榴弾で負担は減らせたものの、やはりキツイ。
・・・やはり、俺も行くべきだろう。体については歩きながら医療設備でも探して栄養剤を撃てばすむ。
何より、これほどの術(?)を使う奴が機体を持っているとすれば、大変な事になる。
「うっ・・・くぁ・・・。」
俺は重い体を引きずりながら、ゆっくりと歩き出した。
行動:機体の元へ移動開始、満身創痍一歩手前。
高木とゼイレスの連れは死亡?
ゼイレスの人カモーン。戦闘が進まん。
>128
遥か上空より、どす黒い怨念の渦が襲い来る。
熱や質量といったエネルギーこそ持たないようだが、おぞましい程の破壊力を秘めていることは肌で感じられる。まともに受ければどうなるかなどわかったものではない。
「……」
しかし、サライは回避行動を取らなかった。
「必要がない」。そう直感で判断したからだ。
程なくしてクレスト蒼は怨霊呪砲の波濤の中に飲み込まれた。一帯を照らしていた光が消え失せ、夜空が深い藍色に立ち返る。
そのまま2秒、3秒が過ぎただろうか。
パリン、とガラスの砕けるような高音が響き渡った。激しい戦闘の最中にありながら、付近にいる者全ての耳に届くような、きわめて鮮やかな音色だった。
そして一瞬の後、漆黒のカーテンを破り裂き、「何か」が勢い良く飛び出してきた。
流れるような曲面に彩られた細身の機体。蒼い装甲の表層には幾何学的なパネルラインが走り、縁部にターコイズブルーの柔らかな光を湛える。
より鋭く、より幽玄に。
クレスト蒼は標的を目がけて空を駆ける。
研ぎ澄まされた新たな姿を以て。
[アービャセル・ヤークェスを目がけ、一直線に飛行/パワーアップ:クレスト蒼→クレスト蒼(第二形態)]
>128 レオンカヴァレロ
ヴァルキリー:・・・蚊が刺したほどにもならないのね・・・
ブライド:・・・特機らしい装甲の厚さ・・・それに・・・
ヴァルキリー:・・・MAPW・・・通常回避では間に合わない・・・!
ブライド:・・・では・・・!
二人:「「・・・ゲイム・システム、起動・・・!」」
ヴァルキリーとブライドは瞬時に『ゲイム・システム』を起動させた。
これにより、通常では考えられないほどの精密動作を行う事ができる。
それから程なく、怨霊呪砲の射撃が降り注ぐ。ラピエサージュとアシュセイヴァーは
その凄まじい弾幕を範囲外に出る事無く、全弾回避に成功・・・するが。
ヴァルキリー:・・・くっ・・・やはり、負担が・・・
ブライド:・・・何度も・・・使える物では、ないようですね・・・
『ゲイム・システム』の欠点である『パイロットに過度の負担を強いる』部分は
いまだに改善されておらず、今の二人には連続・継続使用できるものではなかった。
回避終了と同時に、『ゲイム・システム』を停止させ、牽制攻撃を続ける。
[怨霊呪砲を回避、戦闘続行]
一方その頃、基地内では・・・
ゼイレス『・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・ようやく、片がついたか・・・
無尽蔵と思えるほどの数の屍食鬼をたった一人で駆除したゼイレス。
さすがに堪えたのか、肩で息をしている。刀を納めた鞘にも不浄な血と腐肉がこびり付いている。
刀一本では対応し切れなくなった為、鞘を使って簡易版二刀流で戦ったのだ。
アリスの表情には怯えが見て取れる。この光景に怯えているのか、鬼神の如き戦いを見せ
悪鬼羅刹の如き姿を晒しているゼイレスに怯えているのか・・・どちらであれ同じ事だと思った。
ゼイレス『・・・どの道、この基地ももうダメだな・・・
脱出せねば・・・ゼイランダーは、まだ無事だろうか・・・
[屍食鬼一掃、アリスと共に格納庫へと向かう]
>137
「!?」
変容を終えた敵機が此方に向って一直線に突き進んでくる。
『アービャセル・ヤークェス』に回避しろという命令を発しようと思ったが、そのような暇は無かった。
そのまま突き進んできた敵機は『アービャセル・ヤークェス』の腹部にぶち当たり、80mを越す巨体を空中で弾き飛ばした。
「ひゃああああああああ!?」
細身の機体は勢い良く弾き飛ばされ、空中で回転しながら大地に叩きつけられた。
勢い良く叩き付けられた機体の四肢が鞭のように大地を打ち、バトパラベースの施設を破壊する。
「くくくく…そうだね。そうこなくっちゃぁ、おもしろくないよね」
仮面の下から不敵な笑い声を発しながら、レオンカヴァレロはゆっくりち立ち上がった。
それに連動して『アービャセル・ヤークェス』もゆらりと立ち上がり、両手に数十本の大型ナイフを顕現させた。
>130>137>138
「ちょこまかちょこまかと!五月蝿い!」
何分機体の大きさが違うので、『アービャセル・ヤークェス』にしてみれば鬱陶しいことこの上ない。
敵機の大きさほどもある大型ナイフを顕現させては、敵機目掛けて投擲する。しかし、敵機は胡蝶のようにひらりとそれらを躱していく。
このままでは埒があかない。業を煮やしたレオンカヴァレロは激昂した。
「ええい!絡め取ってくれる!アルケニス・バインドネットォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!」
『アービャセル・ヤークェス』の頭部の飾りである道化師帽子から、魔術付与が施されたワイヤー状のネットを放出する。
それは放射状に広がり、『アービャセル・ヤークェス』を中心とした半径数km内の敵機を絡め取るものだ。
一瞬で半径数km内に展開されたので、これから逃げられるの可能性低いだろう。
『着地。頭部の道化師帽子から“アルケニス・バインドネット”を半径数km内に展開』
>137
どうにか怨霊呪砲の直撃は免れた。ダッシュによる回避運動を助走代わりに跳躍し、スラスターを噴射して姿勢制御を行なう。
そんなクレスト紅の脇を掠めるように、蒼い閃光が凄まじいスピードで駆け抜けて行った。
「!?」
反射的にカメラを追随させる。
識別反応はクレスト蒼に相違ない。だがその形状は大きく変化し、以前とはかけ離れた得体の知れない雰囲気を纏っている。
(あれは・・・何・・・?)
異様な威圧感に寒気が走った。
ユニは敵機の投擲する巨大なナイフを躱しながら、クレスト蒼との通信に乗り出す。どうにか回線を整え、コックピットにいるであろうサライに呼び掛けようとした瞬間、突如として強烈な衝撃が全身を襲った。
「・・・あぁあっ!!」
高速で飛行していた機体が何かに激突したらしい。吹き飛びそうになる意識を必死で繋ぎ止め、再び姿勢を立て直そうとする。
しかし、どういうわけか落下のベクトルは全く感じられない。
>139
一瞬の後、モニターを確認したユニは我が目を疑った。
半径数キロメートルに及ぶであろう巨大なネットが、バトパラ・ベースを覆い尽くしていたのだ。
[ネットに捕縛され、行動不能に]
>139
敵意の鈍光が視界を埋め尽くす。恐らくは広域攻撃の類が放たれたのだろう。回避運動など取った所で間に合いそうもない。
しかし、サライは動じなかった。
体の奥底から湧きだす万能感、充足感。今のクレスト蒼が助長するそうした感覚が、彼の精神からあらゆる揺らぎを取り除いていた。
「……」
表情一つ変えず、サライは敵機の攻撃に向けて突っ込んでいく。
垂直上からネットに接触し、あわや絡め取られるかに思えたその瞬間、まるで煙草をボロ布に押し当てたかのように、アルケニス・バインドネットに風穴が開いた。
内蔵されていた高次ロジカルドライブの覚醒により、クレスト蒼の周囲には解析不能の多重防護壁が展開されている。
機体を覆う16層の障壁のいずれかが、アルケニス・バインドネットの魔力に干渉し、減衰させたのかも知れない。
「損耗15…」
『……』
ネットを貫通したクレスト蒼は、敵機の胸の前で急停止した。
「…お前は?」
ゆらり、と右腕を突き出す。ほんの少し腰を捻れば、いつでも敵機に接触できる程の至近距離だ。
「…何のためにこんなことをした?」
抑揚なく、無感情に問い掛ける。
その声はクレスト蒼の冷徹な挙動と相まって、今までのサライからは考え難い不気味な威圧感を放っていた。
【アルケニス・バインドネットを突破。アービャセル・ヤークェスの胸部に右掌を突き付けて停止】
>140
「ひゃはははははっははははっは!!!このまま呪い殺してくれる!」
敵の一機がアルケニス・バインドネットに絡まるのを見届け、レオンカヴァレロは愉快そうに肩を震わす。
そして手にした魔術書に何やら二言、三言呪文を唱えると、『アービャセル・ヤークェス』の頭部に徐々に怨霊が集う。
どうやら、このままネットを通じて怨霊を敵機に電流のように流すつもりだ。
ネットを流れるであろう怨霊の濃度はこれ以上ない程に高く、間違いなく、魔力に全く耐性が無い者にとって即死は免れないだろう。
「怨霊呪撃!フルーフ・ブリッツ!」
レオンカヴァレロは怨霊をネットに流そうと、高らかに呪文を唱えたが…
>141
「はへ?」
一瞬にして目の前に敵機の内の一機が現れた。突然の出来事に、レオンカヴァレロは首を捻った。そして同時に、動揺していた。
魔力でコーティングされたアルケニス・バインドネットは、魔力でしか干渉できない。断ち切ろうとするならば、ネットをコーティングしている魔力と同等の
ものでなければならない。しかも、地獄の戦鬼の信徒の一人であるレオンカヴァレロが作り出す魔力なので、それ相応に密度は高く、並みの魔術師では破る事は不可能だ。
だが、とても魔術などと縁が無さそうな目の前の敵機は、それをいとも容易く破った。
>「…お前は?」
「?」
抑揚の無い声が敵機から聞こえる。どうやら、先程のパイロットのようだが、声からして雰囲気が変わっている。
>「…何のためにこんなことをした?」
「?????」
何のためにこんなことをした?…レオンカヴァレロにしてみれば、こういったことは彼の日常にとっては当たり前のことなので、さしたる理由など無かった。
あるとすれば、ただ単に面白いから。感情ある生き物である人を痛めつけるのは大変面白いからである。
「そんなこと、決まってるじゃん。面白いからボクは人を虫けらみたいに殺して、片っ端から屍喰鬼に変えるんだよ?…それに、考えてもみなよ?
人は地球に救う癌だ。いや、太陽系と言わず、銀河に救う癌細胞だよ。人はただ自然の恩恵を食い潰すだけで、何にもならないじゃないか?
それをボクらは退治してやってるんだ。君らからすれば悪魔かもしれないが…声を持たない自然にしてみれば救世主だよ?」
がばっと『アービャセル・ヤークェス』の胸部装甲板が開き、大口径の砲が現れる。
「でも、本当は理由なんてないんだけどね〜!!!!」
普段ならば発射に時間が掛かるが、今回はネットに回すはずだった魔力をヘルズドシュライに回したので直ぐにでも放つことが出来る。
ヘルズドシュライに魔力が一瞬で集い、今にも放てそうだ。
『至近距離からヘルズドシュライを放とうとする』
>142
敵パイロットの主張を聞きながら、サライは腹腸の煮え返るような怒りを覚えた。
この男のような連中が人類を孅滅したとて、そこに理想的な未来などあるはずがない。築かれるのはただ延々と広がる等活地獄に他ならないだろう。
『……』
感情を昂ぶらせるサライの姿を、クレスト蒼は何も言わずに傍観している。敵パイロットの言葉に対し何か反応を見せたが、それがどういった情動なのかはわからなかった。
サライは憎悪を抑えつけながらも、会話を続けようと口を開く。
しかし、直後――
>「でも、本当は理由なんてないんだけどね〜!!!!」
突如として敵機の胸部が展開し、巨大な砲口が姿を顕わした。その内部は既に大量のエネルギーで満たされ、黒々とした波動がおびただしく溢れ出ている。
目の前で揺らめいていた赤黒い光が、見る見るうちに濃度を増していく。
醜く、どこまでも不快な色。視界一杯に広がる美しい波形の中にあっては、許し難いまでに場違いな色。
消さねばならない。
クレスト蒼の囁きが、サライの意志と完全に重なった。
「……!!」
ほとんど反射的に、サライは露出した砲身に右手を叩き付けた。
掌のモールドから黄金色の光が漏れ、敵機を凄まじい共振が襲う。素粒子リアクターが作動を開始したのだ。
耳を覆いたくなるような高音とともに、アービャセル・ヤークェスの機体がざらざらと分解され、クレスト蒼の掌に吸収されていく。
【素粒子リアクター作動。アービャセル・ヤークェスを素粒子レベルで分解・吸収しようとする】
>143
「ひゃああああああああああああ!?!?!?!?」
有り得ない。有り得る筈が無い。魔道物質で構成された鬼導神鬼の機体を分解するなんて…
鬼導神鬼を破壊するには、強力な魔力を含んだ攻撃でなければならない。つまり、一般の方法では破壊することは不可能なのだ。
仮に普通の武器で鬼導神鬼を破壊しようとするならば、核を数百発ほど使用しなければその魔道装甲を破る事は出来ない。
鬼導神鬼は、人が予め具えている『魔力』という、人自身さえ計り知れない力の産物である。
「い、嫌だぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁっぁ!!!!!!」
みるみる内に、『アービャセル・ヤークェス』の細身の機体を覆う装甲板が粒子化していき、内部構造が顕になっていく。
内部構造が徐々に剥き出しとなっていき、それはコクピットにまで及んでいった。みるみる内にレオンカヴァレロの周囲も崩れていく。
「……鬼導神鬼、『シュヴェーア・クヴァドラード』…召喚」
消え入りそうな少女の声が、何処からか響き、その場にいる全員に聞こえた。その直後、巨大な何かが遥か彼方の空から降ってきた。
それが着地をすると同時に轟音が響き、大量の土砂が空中に巻き上げられ、周囲は土砂の煙幕によって闇に閉ざされた。
「12000mmグロープグランド砲……Feuern(撃て)」
そして、突如として土砂の分厚いカーテンの向こうから閃光が弾けると同時に『アービャセル・ヤークェス』の周囲が吹き飛んだ。
徐々に晴れていく煙幕が引いていく…そして煙幕の中から現れたのは、なんと超巨大な戦車であった。
その大きさ、戦艦とまではいかないが、通常兵器としてはあるまじき大きさである。
分厚い装甲板に覆われた無限軌道構造をもった車体の上には、巨大な砲を備えた砲塔が搭載されていた。
『レオンカヴァレロ、混乱。そして突如として空から巨大な戦車が落下。砲を撃って『アービャセル・ヤークェス』周囲の敵機を牽制』
>144
光に包まれながら素粒子レベルで分解されていく敵機を眺め、サライは奇妙な高揚感を味わっていた。
視覚上に展開する波形はこの上なく美しく、未体験のカタルシスを全身に注ぎ込む。
壊れていく。塵の一粒すら残さずに。
無意識のうちに口元が小さく歪んでいた。
「……!?」
不意に、背後から幼い少女の声が聞こえた。直後、轟音と共にに異様なプレッシャーが背筋に突き刺さる。
サライは反射的にクレスト蒼の機体を急上昇させた。
リアクターが停止し、光が消え入ると共に眼下に猛烈な爆炎が広がる。
背後に感覚を巡らせると、粉々に砕けた基地施設の瓦礫の上に、巨大な物体がそびえ立っているのがわかった。
先程まで交戦していた敵機とはまた異なる凶々しい気配。そして何より、異質極まりないその様相。
(…何だ…こいつは…?)
【上昇。突然現れた巨大な戦車を警戒しつつ待機】
>145
突如として空から降ってきた戦車の砲撃の御蔭で、機体の分解を行っていた敵機が離れた。
「お、お前は!?」
レオンカヴァレロは突如として空の彼方から現れた、その見覚えのある巨大な戦車を見た。
機体の分解は止まったが、『アービャセル・ヤークェス』は何とかその場に立っていられるような状態であった。
華奢な脚部はより一層細くなっており、内部構造が丸見えであった。鬼導神鬼の機体内を巡るアゾートが破損したパイプから血のように噴出していた。
戦車の巨大な砲身の上。丁度、マズルブレーキの上に、黒衣のドレスに華奢な身を包んだ少女が佇んでいた。
触れるだけで掻き消えてしまいそうな程儚いという印象を抱かせる流麗な銀髪に、目が覚める程の白く透き通った肌に、人形のように生気の無い翡翠色の瞳。
少女は胸に眼帯をした熊のぬいぐるみを抱き抱えており、それを大事そうに両の腕でしっかりと抱き抱えている。
「………迎えに来た」
ぽつり、とどうにか機体の集音マイクを使って聞き取れる声量で呟くと、巨大な戦車の砲塔が旋回し、その砲身が敵機達に向けられた。
「…私の名前は“レミ”……地獄の戦鬼の信徒の一人。鬼導神鬼“シュヴェーア・クヴァドラード”の操神者……」
敵機達と向き直った少女は眉一つ動かす事無く、無表情のまま自分のことについて淡々と自己紹介した。
「迎えに来ただと…糞!奴の差し金か!?」
満身創痍のところにレミが迎えに来たのは喜ぶべきことなのだろうが、レオンカヴァレロにとっては屈辱なことであった。
恐らく、レミを此処に寄越したのは『紳士』だろう。彼には仲間意識という奴は存在しないとは思うが、自分が欠ければ計画に支障が出ると判断したのだろう。
無論、自分にも、他の信徒に対して仲間という感情を抱いた事は無いが…
「ぬぅぅぅぅ…」
自然と悔しさのあまりか、仮面の下から食い縛った歯がぎりぎりと音を立てていた。
「ピエロ!随分と手こずっているじゃねぇか!?」
その時であった。その声が響くと同時に、またしても巨大な何かが現れ、上空を超音速で翔け抜けていった。
それは巨大な航空機であり、巨体に似合わず恐ろしい程の機動性能と運動性能を秘めていた。航空機は上空を掛け抜けると、急上昇した。
「イィィィィィイィィリィィィィィィヤァァァァァァァッホォォオォォォォィィィィィィイイイイ!!!!!」
瞬時にして高度を上げると急旋回し、今度は敵機に向って急降下を仕掛ける。そして、接触する寸前でまた急上昇を掛ける。
巨大な航空機が目の前で急上昇を仕掛けたときに、その巨体が引き連れている衝撃波が敵機を襲い、航空機と比べると遥かに小さな機体は衝撃波によって
木の葉のように煽られた。
「!?…おのれぇぇぇぇ。レミならず、ハルトまで寄越すか」
空を流星の如く駆け上る航空機の尾翼を眺めながら、口惜しそうに呟いた。
『レミ&ハルト、レオンカヴァレロを撤退させるために出現』
>146
「こ・・・の・・・っ!」
爆風に吹き飛ばされていたユニはよろよろと立ち上がると、敵機に向かって照準をつける。先程から想定外の衝撃になぶられ続け、体調の回復しきっていないユニの意識は朦朧とし始めている。
無意味なまでに巨大な戦車には激しく嗜好をくすぐられるが、今はそんなことを考えていられる余裕はない。早々に戦闘を片付けなければ。
だが、モニターに目を懲らしたユニは信じられないものを見た。
「女の子・・・!?」
はかなげな雰囲気の少女が一人、敵機の砲塔の上にたたずんでいる。自分やアリスよりも遥かに幼く、およそ戦いになど似付かわしくない可憐な姿をしていた。
驚きとためらいに、一瞬攻撃の手が止まる。
そのとき、上空からまた新たな反応が急接近してきた。
「!?」
気が付いた時には、モニター一杯を巨大な航空機の翼が覆い尽くしていた。
あわや激突するかと思われた瞬間に敵機は急上昇していったが、間もなく恐ろしいほどの衝撃波が周辺を駆け抜ける。
「ああああーーっ!!」
弄ばれるかのように宙に舞い上げられたクレスト紅は、完全に制御を失ったまま瓦礫の山に叩きつけられた。
全身を押し潰すような衝撃と圧迫感が去ると共に、一気に視界が霞み始める。
「ん・・・あッ・・・」
声が出ない。気勢を繋ぎ止めるべく四肢に力を入れるも、せいぜい軽い痙攣を産むことしかできない。
侵入者に引き裂かれた衣服がひどく乱れていたが、それすら直すことも適わぬまま、ユニは意識を失った。
【負傷のダメージが祟りコックピット内で失神。戦闘不能】
紅はずっとヤムチャポジだよな(つД`)
>146
高空からさらにもう一機。
激しい衝撃波に煽られながらも、サライは辛うじて低空に静止した。
少女の名乗る『地獄の戦鬼』とは?
『機動神鬼』とはどういった存在なのか?
先日の捕虜の言葉を脳裏に過らせながら、サライは三体の敵機を見回した。
>147
ふと、スピーカー越しにユニの悲鳴が聞こえた。
先程の衝撃波で地表に叩きつけられ、戦闘不能に陥ったらしい。
「くっ…」
相手は得体の知れない大型機が3体。うち1体は半壊しているとはいえ、囲まれればこちらが大幅に不利になるだろう。
そして何より素粒子リアクターを作動させて以降、異様に体が重く感じるようになっていた。
呼吸が荒くなり、背中に大量の汗が滲んでくる。
何にせよ、一先ずは態勢を整える必要があるだろう。
牽制の拡散光弾をバラ撒きつつ、クレスト蒼は後方に離脱し、倒れ伏すクレスト紅の救助に向かった。
【低威力の光弾で3機の足止めを試みつつ、クレスト紅の救助へ】
大型の機動兵器の戦闘と、屍食鬼の出現で基地は大変な状態に陥っていた。
その基地の中に3人の人影があった。
一人は地面に横たわり、それを二人が介抱しているように見えた。
一方は青いドレスに身を包んだ令嬢といって差し支えない少女。
もう一方は、やや剣呑な雰囲気を出しているが、やはり美人の類に入るだろうか。
そして、横たわって気絶しているのは・・・槍だった。
?「何とかたどり着いたはいいが、コイツは使い物になるのか?」
?「えぇ、『彼』さえ起こせばね。」
?「さっきから凄い戦闘だが、よく無事だったな。」
そう、あれだけの瘴気が起こり地面に呪いが降り注いだのに何故無事なのか。
答えは・・・柄が地面に突き刺さり、刃を上に向けた漆黒の槍のみが知っているだろう。
?「とりあえず押さえておいてください。『彼』を起こします。」
?「いいのか?機体はもっと向こうにあるだろう?」
?「核がここにあれば依代はこちらへ来ます。それよりも目を開けさせておいてください。」
そう言って、少女は胸元からペンダントを取り出した。
銀で出来た逆十字に交点には紅玉がはめ込まれている。
それを槍の目の前で左右にゆっくりと振る。
?「さぁ・・・起きなさい。大丈夫、あなたの悲しみは『彼』が体現してくれる。」
槍「う・・・うああああああああああああ!!!!!」
基地の片隅で異変が起きた。肩膝を着いて停止していた婆沙羅が動き出した。
さらに婆沙羅はその装甲が変化していた、背中からは6本の棒の様な物が突き出し、
胸部から赤い光が装甲を伝い、まるで血管のように全身を流れていく。色は濃藍から光を飲み込む漆黒へ。
それは・・・まるで鬼神のようだった。その婆沙羅は変化を遂げると、即座に槍の元へと馳せ参じた。
?「来ましたわ。」
?「これが・・?う・・・。」
?「動いてはいけません。殺されます。」
身動き一つしない二人を余所に槍はゆっくりと起き上がり、
吸い込まれるようにコクピットへ入った。黒い槍を携えて。
そして数瞬後、婆沙羅(?)はサライ達の前に現れた。
それまでから考えても非常識なスピードで移動したようだ。
出現した、道化師・飛行機・戦車と比べてかなり見劣りするような大きさだが、
その身から発散される鬼気はそれらと拮抗していた。一瞬、ユニへと視線を向けるが、
手負いの者には用は無いとでも言わぬ気に戦車・道化へと視線を戻す。
一方中の槍は、虚ろな表情でコクピットに座っている。
槍?「・・・我は鬼神。生み出されし破壊。滅せよ。」
張り詰めたような緊張が場を覆う。
戦力
サライ=槍>ブライド、バルキリー>>>ユニ
いや、「空気読め」と言わざるをえないな
最初なんだからもっと向こうに花を持たしてやりゃいいのに
>152
どいつのことを言ってるんだ?
>153
槍キュン。
覚醒イベントもクレストがやってるから時期が美味しくないかなあと思ったんだが
>147>149
(レミ)
巨大な航空機型鬼導神鬼、『シャル・デューネルィンド』の突風に煽られ、瓦礫との山に叩き付けられた真紅の機体を
助け起こそうと、蒼い機体が牽制の為に光弾をこちらに向かってばら撒く。
ばら撒かれた光弾は『シュヴェーア・クヴァドラード』の砲塔前面部に命中したが、装甲の表面には傷一つ付いてはいない。
着弾時に小規模な爆風が発生し、銀紗の髪が爆風で煽られるが、レミは表情を一つも崩してはいない。全く動じてはいなかった。
「………」
ふと、空を覆う鉛色の分厚い雲を切り裂いて急上昇をし続ける『シャル・ディーネィルンド』を見上げる。
鬼導神鬼の巨体を持ちながら、『シャル・デューネルィンド』が持つ機動性、運動性は驚愕に値する。
航空機形態時でも全長は100mを越すが、その能力は超々音速戦闘機を凌駕する。
暫く上昇を続ける『シャル・デューネルィンド』を目で追っていたが、機体の全容が雲の中に消えると、視線を再び敵機に戻した。
>150
新に現れた敵機が放つ鬼気は、我々に迫るものがあるが、それでもレミにとっては興味の対象外だ。
「…『Panzer und Militarfahrzeuge』……汝、鋼の木偶よ。己が体を流れる銀の血を、鋼鐵の心の臓(エンジン)にて燃焼させよ」
レミがそう唱えると、彼女の華奢な手には似つかわしくない、鋼鉄製の表紙を持つ大版サイズの辞典が彼女の手元に顕現した。
表紙にはドイツ語で『Panzer und Militarfahrzeuge』と刻印されている。それが放つ瘴気は当に魔術師のものであり、相当の位を持つものと思われる。
「………Metamorphose」
手元に顕現した魔術書の項が独りでに捲れ、レミは一言そう呟く。すると、足元の『シュヴェーア・クヴァドラード』から突如として、エンジンの唸り声が響いてきた。
それと同時にレミの体が淡い光に包まれ、光の粒子となって弾けた。そして次にレミが現れたのは、『シュヴェーア・クヴァドラード』のコクピットであった。
「征きなさい、『シュヴェーア・クヴァドラード』……」
レミの語り掛けに呼応するかのように、『シュヴェーア・クヴァドラード』の大出力型魔道エンジンの唸りが一層大きくなる。
エンジンの唸りが頂点に達すると、徐々に『シュヴェーア・クヴァドラード』の形態が変容していく…
暫くして、巨大な重戦車であった『シュヴェーア・クヴァドラード』は、通常の機動兵器の十倍以上はある、超々大型重装ヒト型機動兵器へとその姿を変形させていた。
楔形の車体前面部が胸部となり、砲塔は背面に移動し、キャタピラが脚部となって、腕部は砲塔側面部が変形して形成されていた。
「……」
腕部には様々な武装が見て取れ、全身には余す事無く配置された対空砲の類。彼らが召喚する鬼導神鬼の中でも、レミの『シュヴェーア・クヴァドラード』が有する
火力は間違いなくトップクラスであろう。
「…五連装1000mmビーム砲……一斉射用意」
レミの言霊に『シュヴェーア・クヴァドラード』は反応し、量感に溢れた重厚な腕部を敵機に向けた。
両手の指先それぞれが、一門の独立した大出力のビーム砲なのである。両手合わせて指の数は十本、つまり、計十門のビーム砲が『シュヴェーア・クヴァドラード』の
指先に装備されているのである。口径が1000mmであるビーム砲の破壊力は想像を絶するだろう。
「一斉射…Feuern(撃て)」
砲口から唸りを上げて、大出力のビームが幾本も放たれた。『シュヴェーア・クヴァドラード』はそのまま周囲をビーム砲で薙ぎ払った。
(ハルト&レオンカヴァレロ)
急上昇を続けていた『シャル・デューネルィンド』であったが、『シュヴェーア・クヴァドラード』が重戦車形態からヒト型に変形し、
十門もの大口径ビーム砲を放ったところで急降下を掛けていた。機体下部からはワイヤーフックが垂れ下がっていた。
「ピエロ!タイミングを外すんじゃねぇぞ!」
一気に眼下の『アービャセル・ヤークェス』目掛けて急降下し、その半壊した機体にワイヤーフックをすれ違い様に引っ掛ける。
「うぬぅ……」
ワイヤーフックが機体に食い込む瞬間、レオンカヴァレロはその衝撃で思わず呻き声を漏らした。
半壊した細身の機体にワイヤーフックが装甲を破って食い込み、『シャル・デューネルィンド』が上昇するのに従って、『アービャセル・ヤークェス』
の機体も空へと昇っていった。大型機を機体下部にぶら下げているというのに、『シャル・デューネルィンド』はぐんぐん加速していく。
『シャル・デューネルィンド』は『アービャセル・ヤークェス』を機体下部にぶら下げたまま、その戦域を離脱していった。
<『シュベーア・クヴァドラード』が足止めをしている隙に、半壊した『アービャセル・ヤークェス』を『シャル・デューネルィンド』が回収。戦域を離脱する>
>150
突如として現れた不浄な気配。
機体の外観をぼんやりとしか判別できない今のサライに、それが婆裟羅であることなどわかるはずもなかった。
機動神鬼たちとは異なる威圧感。何か、練りに練られた気迫のようなものを感じる。
「……」
一瞬の思案の後、サライは右腕を黒い機体の背後に向けて突き付けた。残る左手は半壊した道化師をロックする。
三つ巴の戦いを想定し、誘導光弾のチャージを始めるクレスト蒼。
だが、視界の片隅で戦車型の機動神鬼が予想外の行動を起こした。
砲塔の上に立っていた少女の姿が消えると共に、盛大な音を上げて変形を開始したのだ。
>155-156
大口径のビームが幾筋も放たれる。
強靱な防護壁を有するクレスト蒼とて、巻き込まれればとても無傷では済みそうにない。
「…!!」
右腕にクレスト紅を抱え込み、サライは左掌を地面に叩きつけた。
素粒子リアクターの閃光が機体周辺を包み、足元に地下格納庫への直通路を開口させる。
クレスト蒼はそのまま50メートルほど自由落下し、格納庫の床に膝から着地した。
「…ぐっ…!?」
鋭い痛みが頭蓋の内を駆け巡る。いよいよ負担が馬鹿にならないものになってきたようだ。
クレスト紅の機体を放り捨てるように遠ざけると、天井に開いた大穴を目がけて右手をかざす。
「…何がしたい…? ただ殺すのが目的なのか?」
道化師をぶら下げて飛び去る巨大な航空機を睨み付ける。その機動力と目の前の戦車型機の火力を考えるに、追撃は不可能といえるだろう。
照準を定め直し、事態の動向に全神経を傾ける。
時間が経過するにつれ、明らかに呼吸の乱れが激しくなっていた。
【足元に穴を開けてビーム砲を回避。クレスト紅と共に地下格納庫へ落下】
>砲口から唸りを上げて、大出力のビームが幾本も放たれた。『シュヴェーア・クヴァドラード』はそのまま周囲をビーム砲で薙ぎ払った。
「・・・く、」
襲い来る光の奔流を感じ、黒い婆沙羅は槍を真横に持ち正面からくるビームに備えた。
――――閃光――――
「くははっ、」
襲い来る光は槍を中心とした闇によって遮られた。
弾かれた光は地面へと集中し、足元が溶鉱炉のようになっている。
「?」
ふと横を見ると、先ほどまでいた紅と蒼がいない。
「・・獲物が減った。」
共に戦った者を獲物と呼ぶ、これは槍自身の台詞ではありえない。
そして・・・。
「お前は強いのか?」
今や山のような大きさとなった元戦車に向かって語りかける。そこにロクな感情も見受けられない。
「無槍・戮塵」
お返しとばかりに右手に黒い光が集中したかと思うと、それはシュヴェーア・クヴァドラードへと放たれる。
数多の数の黒い光は拡散せず、ただ一点を目指して突き進んでいく。
<1000mmビーム砲を防御。反撃を放つ。>
一方そのころ、バトパラベースから少し離れた場所でこの戦闘を観察している一団があった。
「バトパラベースに対して威力偵察を仕掛けるつもりでやってきてみたら、反乱軍とアンノウンが戦闘をしているとは……」
『隊長、どうしますか?』
「んー、こんだけ情報を集めりゃ十分だし帰還するか」
『アンノウンと交信をしてみるというのは?』
「そりゃマズイだろ。[敵の敵は味方]とはよく言うが、まだ敵か味方かもはっきりしないし、下手に通信をして
傍受でもされたら俺たちがここに居るってのがバレちまう」
『そう言われてみれば……』
「それに、奴らが俺たちの味方になる気があるのならば、近いうちに何らかの接触を求めてくるはずだ」
『なるほど』
「お前達は先に帰還しろ。俺はもう少しここに残る」
『了解しました。隊長もお気をつけて』
<政府軍偵察部隊撤退 レビンのみこの場に残る>
>157
>「…何がしたい…? ただ殺すのが目的なのか?」
「…………」
サライの問いにレミは無言を返し、代わりに『シュヴェーア・クヴァドラード』がぽっかりと地面に空いた穴に退避した左手を向けたことで応えた。
左手首が関節部分で折れると、其処からは巨大な砲口が現れた。
「…5000mm霊葬砲、装填開始……」
砲口に灰色に輝く、幾何学的模様が描かれた円形方陣が浮かび上がり、強大な出力が集い始める。
5000mm霊葬砲の装填は直ぐにすみ、さきの五連装1000mmビーム砲とは比べものにもならない出力が左手首に集っている。
「…Feuern(撃て)」
閃光が左手首で弾け、周囲が白い世界へと塗り替えられていく…放たれた光弾は巨大であり、そのまま地下の格納庫の床に命中した。
光弾は床に着弾すると同時に強大な熱波と爆風、発生した爆炎は地下格納庫の天井を突き破って『シュベーア・クヴァドラード』と同等の大きさの火柱となった。
一瞬にして地下格納庫に存在したものは蒸発しており、流石に霊葬砲の炸裂には彼らとて無事で済むはずが無い。
だが、レミは初弾を放った後、直ぐにニ発、三発、四発、五発…計十三発もの霊葬砲弾を撃ち込んだ。
先ほど、サライが逃げ込んだ格納庫があったと思われる場所は深いクレーターとなっており、数百メートルも抉れていた。
>158
>お返しとばかりに右手に黒い光が集中したかと思うと、それはシュヴェーア・クヴァドラードへと放たれる
「……」
高エネルギー反応を察知し、迫り来る黒い光に向って緩慢な動作で向き直る。その直後、黒い光が胸部装甲に直撃した。
黒い光は装甲表面に僅かな焦げ跡をつけたのみで、それ以上の損害を与えには至らなかった。
「……!」
だが、焦げ跡がつくだけでもレミの無表情な顔を僅かばかり反応させるには充分であった。
戦術核の直撃でも、『シュヴェーア・クヴァドラード』の何重にも防御結界が施された分厚い魔道装甲の表面には掠り傷一つつかない。
それに焦げ目をつけたのだ。防御に特化した自分の鬼導神鬼には通用しないかもしれないが、『アービャセル・ヤークェス』などの軽装機型ならば損傷を被るだろう。
>「お前は強いのか?」
「…………」
レミは無言を突き通す。他者に話すことなど彼女にはないし、話そうとさえも思えわない。彼女が口を開く時は、自らの意思を示す時ぐらいだろう。
『シュヴェーア・クヴァドラード』はレミの心の僅かな動揺に敏感に反応したようで、自らの意思で胸部装甲板を開放し始めた。
「!?……止めなさい」
直ぐにレミは胸部装甲板を開放し始めた『シュヴェーア・クヴァドラード』に対して二言三言呪文を唱えて制しようとするが、『シュヴェーア・クヴァドラード』はレミの制御を離れていた。
開放された胸部には強大なエネルギーが発生し始め、反物質の精製を開始し始めた。
『<シュベーア・クヴァドラード>、反物質精製開始』
>157
『シュヴェーア・クヴァドラード』が放った何十発もの5000mm霊葬砲弾着弾時に発生した、荒れ狂う炎の奔流に飲み込まれると思いきや、
二機の周囲に淡い光を放つ方陣が突如として顕現した。
顕現した方陣は奔流を塞き止めると、輝きを増して奔流を押し返し、更に二機の足元に別の方陣が顕現した。
新に顕現した方陣は眩い光を放つと、二機を柔らかな光で包み込み、そのまま淡い光の粒子へと変えていった。
此処はバトパラベースから直線距離にして数百km離れたとある山中。
深く茂った木々の下で、腰まである流麗な銀髪が特徴的な少女が、目の前の地面に描いた幾何学模様を幾つも並べたような方陣の前に座り、
目を瞑って先ほどから何やら詠唱している。
少女は十代の半ばを過ぎたぐらいのようで、彼女から漂う雰囲気は熟し切っていない青い果実を連想させる清廉なものであり、彼女には清楚美という言葉がしっくりとくる。
しかし、良く見れば、衣服の下の肉付きは申し分ないようであり、充分に肉体の方は成熟を迎えているようであった。
身に纏った衣服は、何処かの学生服のようであり、濃紺のセーラー服には白い素肌と銀髪が良く映える。
「…きた」
何かを察知したようであり、少女はふっと目を閉じていた目をゆっくりと開き、直ぐ横に置いてあった黒い表紙の大辞典サイズの本を脇に抱えると、徐に立ち上がった。
そして脇に抱えた大辞典サイズの本を開き、項をぱらぱらと捲る。とある項で捲る手を止め、項に書かれている魔術師が用いる特殊な言葉を白く細い指でなぞる。
項に書かれている文字をなぞり終えると、文字が淡い光を放ち始め、足元の方陣もそれに連動して淡い光を放ち始める。
「いい調子……これならば、充分に顕現することが可能だわ」
足元で淡い光を放つ方陣を見下ろし、少女は何やら自信有り気に不敵に笑っている。
「さぁ、その姿を現して……顕現せよ!」
少女が強く叫ぶと、方陣の輝きが眩い程のものとなり、周囲は白い閃光で塗り潰された。眼を焼き尽くさんと言わんばかりの眩い閃光に思わず光を手で遮り、薄目を開けて
閃光の向こうの方陣の上に顕現し始めた物体を確かめようとする。暫くして、閃光が収まった。
「…成功したみたいね。うーん…我ながら上出来♪」
少女は方陣の上に顕現化したものを一目見るなり、満足そうに呟いた。見れば、少女の目の前の方陣の上には、蒼と紅の機動兵器が方陣の上に伏していた。
上機嫌な様子でそれらに歩み寄り、軽快な足取りで蒼い機体の上に上ると、その機体の上を軽い足取りで伝っていった。
「…大丈夫〜?」
やがてコクピットと思われる胸部装甲板の上に到達すると、ドアをノックするように、手の甲で装甲表面をこんこんと叩いた。
『謎の少女がクレスト蒼とクレスト紅をバトパラベースより瞬間移動させる』
>160
頭上の敵機は言葉を発することなく、その右手の火砲を以て問い掛けに答えた。
予測値を上回るエネルギーが矢継ぎ早に斉射される。
『……』
クレスト蒼の持ちかける判断は「上昇」であった。確かに、損傷さえ覚悟すればボルテクスで強引に切り抜けることは可能かもしれない。
しかし、そうした場合ユニはどうなるだろうか。
クレスト紅は身動き一つできない状態にある。回避はもとより、防御態勢を取ることすらできないだろう。
「くっ…!!」
サライは反射的にクレスト紅に向かって駆け出した。
何ら意味のある行動ではない。クレスト蒼に広域バリアの類は備わっていないのだ。
しかし、それでもサライはじっとしてはいられなかった。異を唱えるクレストの声に逆らい、全力で機体を跳躍させる。
頭上からの砲火はもはや眼前に迫っていた。
>161
その瞬間、彼らの足元を柔らかな光が包み込んだ。
「!?」
敵機のを相殺して消え入った光は、一瞬の後によりまばゆく、力強いものへと変貌する。
白一色にフェードアウトした空間の中で、サライは奇妙な安堵感を覚えていた。
地獄の戦鬼たちが放つ気配に近似した素を含みながらも、反面その色相は清く、優しい。
思考が鈍り始めていた。
緊張を緩めたことで抑えていた疲労が一気に溢れだし、全身にのしかかり始めたのかもしれない。
心地よい眠りに落ちるかのような感覚で、サライは意識を失った。
それからどれほどの時間が経ったかはわからない。
コックピットハッチを叩く断続的な音を耳にし、サライは目を覚ました。
>「…大丈夫〜?」
厚さ僅かに12Cmの装甲を経て、女性のものと思しき声が聞こえる。
ぼーっとしたままの頭で、サライはハッチを開放した。
迂闊とは思うものの、全身を包む二日酔いのような倦怠感があまりに酷く、今はとにかく外気に当たりたくて仕方がなかったのだ。
[転移先にて覚醒。コックピットハッチを開く]
ええい、ゼイレスはどうした!?
平日伸びて休日止まるスレってのも珍しいよな…
>160
目の前の巨大な鉄屑の胸が開いた。
ポッカリと空いているその空間から妙な「力」を感じて、思わず口の端が歪む。
と、
>161
火の海となった穴から光が差し、二機の気配が消えた。
「まぁいい。どうせ元から眼中にない。」
そして、目の前のデカいのに意識を向ける。
ソコから感じとれるのは・・・在らざる力。
「面白い。」
槍を腰へ差し、両手を軽く握って腰溜めに構える。
元は砲身であった両肩・腰のパーツが閉じた砲口を開く、すると中から漆黒の球体が4つ出現。
さらに、その4つの砲身が胸の中心で線を結び、第五の球体を現出させる。
五つの球体は機体の前で回転を始め、腰の両手には黒い光が凝集する。
「在る・在らざる。どちらが勝る?」
左手を開いて前へ突き出す。最高速の回転する球体が結ばれ、五芒星が描かれる。
左の手と右の手が黒い光で繋がり、それはまるで槍のような姿となる。
「無槍・戮塵改、三途之渡。」
静かな声と共に突き出された右手、それを契機に五つの球体からも黒い光が溢れ、目前の敵機へと迫る。
放たれた6本の黒光は途中でさらに別れ、激しくなり怒涛の勢いでシュヴェーア・クヴァドラードへと向かう。
怒涛は寸前で収束し、巨大な質量と破壊力が胸の空間へと突き進んでいく。
行動:サライ達を無視して、大技(?)発動。胸部の空間を狙う。
わけわかんね
しゃしゃり出てきて鉄屑だの眼中ないだの何だこいつは。
文章表現にツッコミ入れてどーするよ。タイミング悪く出てきたのは失敗だと思うがな
荒れてるな…
ここももう終わりか?
まだ終わらんよ!
レミの制御を離れたシュヴェーア・クヴァドラードは独自に反物質を精製し続けている。
鬼導神鬼が操神者の制御を離れるなど、今まで一度も無いことであった。流石のレミにも焦りの色が見られる。
「……っ」
手にした魔道書からシュヴェーア・クヴァドラードの中枢制御術式に接続を試みようとするが、何重もの強力な防壁に阻まれる。
精神を集中し、それらの防御障壁を一つずつ、素早く且つ正確に突破していくが、高位の鬼導神鬼の防壁の全てを破るのには
幾等地獄の戦鬼の信徒といえど、簡単に済むようなことではなかった。
レミが魔道書と格闘している間にも胸部の開放された空間では、反物質が精製し続けられ、黒い球体が顕現していた。
それは徐々に膨張していき、既に直径数十mほどの大きさにまで膨れあがっていた。
>165
レミが魔道書と格闘している傍らでは、新に現れた敵機が何やら攻撃の体勢を整えつつあった。
暴走しているシュヴェーア・クヴァドラードの制御で手一杯だというのに…流石のレミの焦りも大きくなっていく。
その時であった。ようやく何百層もの多種に渡る防御術式の全てをクリアし終え、シュヴェーア・クヴァドラードの制御を奪還できたのは。
>「無槍・戮塵改、三途之渡。」
制御を奪還できたのも束の間。敵機は既に攻撃のモーションに入っており、反物質の精製を中断したがら空きの胸部に攻撃を放っていた。
高位の魔術師であるレミにもその攻撃の強大さは瞬時に察知できた。
「全障壁展開。装甲表面に最高位防御術式を構築…展開式超々大型パルスレーザー砲、展開」
瞬時にしてシュヴェーア・クヴァドラードの肩装甲に魔力が巡り、一瞬で肩装甲が展開される。
展開された肩装甲はパルス・レーザー砲のパラボナアンテナ状の発振機をなっており、幾つもの術式が瞬時に構築されてはレーザー砲の表面に方陣となって顕現していく。
「展開完了。最大出力で照射用意…Feuern(撃て)」
強大な熱量が怒涛の渦として照射され、敵機から放たれた黒い光とぶつかり合い、激しく鬩ぎ合う。
照射されたレーザーの半径は数十mにも達するが、黒い光はそれらと同等かそれ以下、もしくはそれ以上の出力を以って対抗している。
「…くっ」
魔道書に魔力を集中させ、シュヴェーア・クヴァドラードの制御を懸命に行うが、思わず呻き声が漏れる。
普段と変わらぬ無表情なレミであったが、額には珠のような汗が幾つも浮かんでおり、魔道書を握る手や背中は汗でじっとりと濡れていた。
パルス・レーザーを照射し続けるが、徐々にそれはシュヴェーア・クヴァドラードの冷却機構に多大な負担を掛け始めていた。
機体各所の排熱機構からは蒸気がもうもうと立ち上がり、空気中でプラズマ化し始めていた。
一瞬、せめぎ合う強大な光の間で閃光が弾け、周囲が白色に染まる…
「………っ」
流石のシュヴェーア・クヴァドラードの巨体も後退し、片膝をつく。
「ふむ……あのレミが苦戦を強いられるとは…まだ改良の余地があるということかね」
「そのようですな。しかし、これ以上の戦闘はレミとシュヴェーア・クヴァドラードを損失しかねませんねぇ」
「引き上げさせましょう…なんなら、私の“ゥヴィレッジ・ガートォーン”で撤退させましょう」
シュヴェーア・クヴァドラードが体勢を崩すと同時に、その巨体が淡い光につつまれ、光の粒子となって空気中に四散した。
『シュヴェーア・クヴァドラード撤退』
>162
「お、生きてる生きてる…取り敢えず、無事で何よりね」
開放されたコクピットハッチからはコクピット内部を望め、シートに少年が座っているのが確認できた。
少女は少年に微笑み掛け、華奢な手を差し伸ばした。
「取り敢えず、其処から出てきたら?何が起こったか分からないでしょう?」
『サライに手を伸ばし、外に出てくるよう提案する』
>172
ハッチの向こうから雪のように白い手が差し延べられた。
見上げれば陽光を背に、銀髪の少女が穏やかな表情で微笑んでいる。
ほとんど無意識のうちにその手を取り、サライはシートから重い腰を上げた。
外の様子には、ただ息を呑む他になかった。
包み込むような木漏れ日と、風にそよぐ枝葉のざわめき。
見渡す限り緑一色の世界がそこにあった。
以前にもハノイ近郊の密林を経由していたが、夜闇の中を政府と交戦しながらの強行軍であったため、こうした感慨に浸る余裕は全くなかったといえる。
何も言葉が浮かんでこない。
ただ、ひたすらに美しい。生まれてより、彼らの星にはすでに存在しなかった景観に、サライはしばし圧倒されていた。
やがて、ふと気付く。
澄んだ空気に晒され、徐々に思考回路が回復し始めたのかもしれない。
いつの間にか、視覚が完全に回復していた。バトパラ・ベースでの生活にあれだけ難儀していたのが嘘のようである。
少し動転して視界を右下方に移すと、地に伏すように倒れているクレスト紅の姿が目に入った。
「…!?」
ようやく、直前までの出来事を思い出した。
自分達はバトパラで謎の敵機の襲撃に合い、激しい防衛戦に追われていたはずだ。
「…みんなは!?」
隣に立つ少女に向かって、一方的に大声を浴びせる。
「ファーヴニルの…バトパラの人達はどうなったんです!?」
[機体の外へ。事態の特異性に気付き、混乱]
「……どうやらアンノウンは全機撤退したようだな」
戦闘の一部始終を観察していたレビンが呟く
「コードネームを付けるとしたら『ジャガーノート』に『ワイヴァーン』、それに一番最初に出てきたのは
さしずめ『クラウン(道化師)』と言った所か」
彼は呟きながら携帯端末にデータを入力していく。
「そう言えば、以前俺と戦ったことのある『槍』とか言う奴が使っていた機体によく似た機体も居たな。
盾と新たな武装を付けている所から見ると強化発展型といったところか」
そこまで呟いて、データを入力し終わった端末をジャケットのポケットにしまい、乗って来たエアバイクに跨り、
エンジンを起動させる。
「それにしても……バトパラベースはもう終わりだな。後で本隊を連れて来て残った奴らを追い払う事にするか」
<レビンも自軍基地に向かって撤退>
>171
突然、相手の動きが滑らかになると、肩からアンテナが現れ黒い光と激突を始める。
・・・結果は引き分けというところか。一部捻じ曲げられた黒い濁流が基地を破壊していったが、
それを槍?は気に留める様子もない。というよりも、意識がぼやけているのだろうか?
もう必要が無くなったのか、漆黒の機体は少しずつ元の形に戻っていく。
そして、唐突に巨大戦車だったソレは光となって空中で四散する。
槍(?)「逃げたか、それなら・・・」
?「鬼の時間はもう終わり、お眠りなさいな。」
SYAAAAAAAAAAANN!!
どこからともなく伸びた鎖が婆沙羅であったモノの四肢を縛る。
鎖の出所は・・・暗緑色の亀のような機体の砲身からだった。
いつからそこにいたのだろうか?
槍(?)「?・・・鎖か。この程度は」
?「いいえ、チェックメイトです。」
縛めを解こうと両手に黒い光が宿るが、背後に青い機体が現れ・・・
その体を光が貫いた。
何度も、何度も、何度も何度も何度も。
婆沙羅は体を蜂の巣にされ、崩れ落ちた。それを待っていたかのように鎖が伸び、
あっという間に鎖の繭を作り上げた。当然、<中身>は残されたままで。
?「ご苦労様、雫。これでよろしいでしょうか?」
雫「別に・・・たいした事でもない。」
青い機体の呼びかけにつまらなそうに答える亀型の機体
そして、青い機体の振り向いた先には・・・砂漠色のゲシュペンスト。
ハーディス「ご苦労。私は反政府軍少佐のハーディスだ。見事な手際だな。」
?「いえ、たいした事もありませんわ。それで、<彼>はどうなさいます?」
ハーディス「暴走の危険があるのでな、対核シェルターに隔離する。」
?「それはまた・・・。彼の仲間には反対されません?」
ハーディス「確かに彼等は貴重な戦力だが、所詮居候に過ぎない。
それに・・・コイツは私の部下も殺した。あの黒い光でな。」
?「お悔やみ申し上げます。」
ハーディス「ああ。しかし、君ほどに気が利く部下がいればいいのだがな。良ければ名前を教えてくれないか?」
円「マドカ・シショウです。それでは、私達は次の任務があるのでこれで。」
ハーディス「あぁ・・・がんばってくれよ。反政府軍のエース。」
数分後、もはや鎖の塊にしか見えないモノを輸送用の機体が運んでいく。
さらに数十分後、基地の地下に濃藍の婆沙羅があった。
しかし、その姿は虜囚のように頭部以外は鎖で巻かれている。
扉のないその空間、藍色の機体からは人の呼吸音さえ聞こえてこない・・・。
行動:槍の機体を謎の二機が拘束。地下に隔離される。
Xenogears
ストーリー早く早く
参戦させようという場合には、どのような手続きが必要?
>173
特に無いかと。しかし、一応避難所とかで相談してみるのもいいかも。
基本は自分で何処かに勝手に現れてもいい。でも、あんまり空気を読めていないと「空気嫁」といわれる。
魔術師の人マダー?
>173
「…バトパラベースの全兵員は残らず屍食鬼と化したわ。つまり、全滅したってこと」
少女は肩をすくめてみせ、事も無げに言ってのけた。
そして踵を返し、クレスト蒼のコクピットハッチから飛び降り、ふわっと地面に降り立つと森の奥の方へと歩き出した。
「私はこれから家に帰るわ。学校の帰り道に寄ったのだけれど、あんまり帰りが遅いと姉さんが心配するから。それじゃ…」
木々の中に消える前に、少女は少しだけサライを振り返って無邪気な微笑みと手振りを送り、淡い光の粒子となって掻き消えた。
後に残されたのは、二体の機動兵器とそのパイロット達であった。
『謎の少女、サライ達の目の前から掻き消える』
>181
「全滅…?」
消えていく少女の姿を眺めながら、サライはうわごとのようにつぶやいた。
膨大な兵員数を誇るバトパラ基地がものの一夜で、それもたった数人の侵入者によって容易く全滅に陥ったというのか。
身を翻し、再びコックピットへと飛び込む。
一刻も早くバトパラに戻りたかった。自身の目で事実を確認しなければ、あの強大なファーヴニルのクルー達が敗れたなどとはとても信じられない。
ディスプレイを起動させ、事態の確認を始める。
以前リュウ達から提供してもらったマップデータを参照した結果、現在自分達がいる位置が想像以上に思わしくないことが判明した。
ブラマプトラ川沿岸の都市、ゴウハーティの近郊。
直線距離だけを見ればバトパラまでは500km程度であり、通常機動でも半日程度で到達することが可能であろう。
しかし、現実はそう生優しいものではない。
ここは東南アジア最大の激戦区であるヒンドスタン平原より遥かに北側。すなわち、政府勢力圏の真っ只中なのである。
クレスト蒼に定点ワープ能力はない。バトパラ基地に帰還するためには、自然と敵地を突っ切っていく形になる。
そして『異星人』である自分達は彼らにとって恰好の標的であり、激しい攻撃に見舞われることはまず間違いないだろう。
(迷ってはいられないか…)
人と異なる身体構造を持つ生体コアでも、最低限の水や食料の摂取は必要である。そうした問題も考えればどのみち敵地に長居などできない。
各部のコンディションを整えつつ日暮れを待つ。
ユニが目を覚ましてくれればいいが、最悪クレスト紅を抱えてでも南下を開始せねばならないだろう。
【敵地にて身を隠し、移動準備開始】
>139-182まで
ヴァルキリー:・・・固い・・・
ブライド:・・・でも、我慢できないタイプのようね・・・
アービャセル・ヤークェスの大型ナイフをいなしながら
攻撃を続ける二機。しかしサイズの違いと火力不足が祟って
ほとんど成果を上げられていない。そうこうする内に、
アービャセル・ヤークェスの『アルケニス・バインドネット』によって
機体を絡め取られてしまうのだった。
二人:・・・しまった・・・!
このままでは怨霊攻撃によって確実に殺されてしまう。
ネットから逃れるべく攻撃を仕掛けるが、相変わらずびくともしない。
攻撃そのものはサライによって防がれたようだが、依然行動不能なのは変わりない。その時・・・
ゼイレス『破邪神滅刀・風車ァ!
ゼイランダーの『破邪神滅刀』が空を切り、『アルケニス・バインドネット』を切り裂く。
ゼイランダーの手元に戻った『破邪神滅刀』に刀身にはびっしりと呪印が浮かんでおり、
これのお陰もあってネットを切る事ができたのだろう。解放される二機。だが・・・
その後の戦闘の激しさと異常と言う言葉ですら言い表せないほどの弾幕の中、
三機は辛うじて生存する事ができた。ゼイランダーの小型テスラ・ドライブ二機の
エネルギーを流用したバリアシステム『テスラ・フィールド』のお陰である。
だが、いくらバリアがあるからと言ってあの超エネルギーの中を無傷と言うわけにはいかない。
ゼイランダーの大型シールド、ラピエサージュの右足、アシュセイヴァーの左手が消失、
整備すら出来ない状況では危険極まりない状態ではあった。仕方が無いので、
基地内を徘徊する屍喰鬼達を駆除し、辛うじて無事だった補給物資のいくつかを纏めて
基地5kmの位置に持ち出す。これからどうするかを模索せねばならなかったし、仲間達の
安否も探らねばならないのだから。戦艦も失った彼らに、救いの手は差し伸べられるのか・・・?
【バトパラ近郊に留まり、連絡を待つ】
===============
第13話
===============
順調に南下を続けていたサライは、ついに最前線地帯の入り口であるジャマールプルへの突入を試みた。
既に都市部は機能を停止しており、半壊したビルには広域模破壊兵器によるものと思しき損傷が確認できる。
ジャマールプルはつい半月前まで反政府思想家の巣窟であった場所だ。この攻撃を慣行したのはまず政府軍と見て間違いないだろう。
反乱軍は既にアジアからは撤退を始めているのかもしれない。コルカタやバトパラの件も鑑みれば、旗色が思わしくないのは火を見るより明らかである。
さて、ここより先には政府軍の中継基地が無数に散在している。正確な位置がわからない以上、完全に避けて通るのはまず不可能だろう。
遭遇戦への警戒を厳にしつつ、クレスト蒼は低空飛行で廃ビルの群れをくぐり抜けていく。
[移動中、現在地はジャマールプル]
『エメラルド・オーシャン』はL3宙域に存在する独立自治区である。
かつては地球圏の小国を本土としていたが、統一連合政府の弾圧によって名実共に宇宙へと排斥され、現在では4基のコロニーを領有地とする産業共同体へと姿を変えていた。
無論、政府との関係は相変わらず良好なものではない。
難民や被差別階級の駆け込み寺と化しつつあるこのコロニー郡は、今や政府の懐疑の目を一身に集め、いつ攻撃の標的となってもおかしくない状態にあった。
4基の中でも最大の規模を誇る第2世代型居住コロニー『オーシャンU』。
その中枢である議事堂内の執務室で、一人の少女が通信に応じていた。
しなやかな銀髪を脚にかかる程まで伸ばし、ぱっちりと開かれた瞳は金銀のオッドアイ。
その目鼻立ちは幼げながらも完成された美しさを持ち、どこか無機的な印象すら感じさせた。
「彼らの座標データはメインフレームが汲み取ってくれます。大丈夫ですね?」
『はい、姉様…しかし…』
遠慮がちに返事を返す相手の顔はSOUND ONLYの表示に遮られて確認できない。
しかしその声質から、同じく年若い女性であろうことが伺える。
「"力"を表舞台に解き放てば、どのみち政府との衝突は避けられぬものとなるでしょう。
たとえ彼らを利用し、民を裏切ることになろうとも、すべては私たちの使命のため…」
銀髪の少女は抑揚なく、厳格な調子で言ってのける。その表情には一寸の動きも見られないが、何か穀然とした決意の色を帯びていた。
『…はい。姉様が、それで良いのなら、私は…』
間もなく、定刻を知らせる艦内警報の音色が響き渡った。スピーカーの向こうで喧騒が濃度を増していく。
『…定刻につき、ノーブルクォーツ、発進シークェンスに入ります』
澄み渡るような爽やかさを持ちながらも、小さく、どこか寂しげな声。
掻き立てられる衝動を押し殺すかのように、銀髪の少女は瞳を閉じてその声を聴いていた。
「必ずや、彼らをこの地に」
決別の言葉に代わり、再び目的を確かめる。
厳しい表情は崩れてはいない。
『はい…行って参ります』
その一言を最後に、通信は終了した。
少女は胸の前に拳を握り締め、モニターの前に立ち尽くす。
俯いた瞳は微かに細められ、どこか沈痛な憂いを纏っていた。
水星上空――
ビュウ・フォスフカムは焼け付く希薄な大気の中を、《バティムジャオー》とともに走るように飛んでいた。
痒い。背中から十センチほど浮いたところに痒みを感じる。身体にない器官に感じる痒みというものは新兵の時分はもちろん、未だに不快なものだ。
例えこのシステムのお陰で敵探知の効率が六十パーセント向上したという記録が実際にあったとしても。
ビュウは機械接続された言語野でバティムジャオーに背後の様子を目の前に出すよう指示した。
六機の《ガイメイ》――人型戦闘機である。冥王星軌道上から始まったこの戦闘は一時間を経てもなおガイメイ一機がビュウによって墜とされただけだった。
ビュウはバティムジャオーに前へ百八十度回転を指示。伸ばされた両腕に電弧(アーク)が走ったのも一瞬、あたかも二門の砲口の如く二つの光の帯を迸らせた。
ガイメイたちは回避運動を取るが一機が間に合わず粒子加速光を胸に直撃、爆散。一機も右腕を光の帯に呑まれた。
ビュウはバティムジャオーの体勢を立て直す。粒子加速砲《ディエス・イレ》は強力だが、使用前にラグがあるのと使用後もしばらくはマニピュレーターが使えないという弱点があった。
そんな弱点が存在するなら腕につけるなと言いたくなるが、ビュウは何も考えることなくセオリー通りに肩のチェインガンを乱射し弾幕を張る。
機動性ならばオメガウェポンにすら匹敵するガイメイは毎秒千発のチェインガンの弾丸を苦もなくかわしてゆく。
それがビュウの狙いだとも気づかずに。
ビュウは弾丸をばら撒きを故意に偏向させながら(それはガイメイを操縦する知性体あるいはAIさえ気づかぬほど巧妙だった)タイミングとポイントを見計らい光子ミサイルを射出。
最後の一発である。だが数十発の超小型光子ミサイルに分割、ガイメイらに接触、直撃、近接し、水星の永遠の夜につかの間の光をもたらした。
光芒が止んだ後、バティムジャオーはセンサーを走査、感なし。残るは一機――
「お前だけだ、ゼイナード」
ビュウはそれを睨み付けた。
白銀に丸みを帯びた美しい装甲――漆黒(メタルブラック)と鋭角的で攻撃的な印象のバティムジャオーとは対照的なフォルムである。
それ故にこのオメガウェポンは美しき神《バルドルムゼクス》の名を与えられた。
世界を滅ぼす美神の名を。
バルドルムゼクスの手には長鎗が握られている。始めて出会った十年前から変わらぬ、ゼイナードの得物だった。
相対距離は千メートル。オメガウェポンの機動性能から言えば決して遠くはない。バルドルムゼクスは気づいていない。ビュウもウェポンラッチからクレイモアを抜く。やはり十年前から変わらぬ、ビュウの得物である。
ビュウはガシュハント機関の短時間作動を指示。バティムジャオーは時間とともに加速、空間を引き裂いて特攻。時間さえ遡行する超光速突撃。これがオメガウェポンの切り札であった。
だが――バティムジャオーが走り抜けたその場所に、バルドルムゼクスはいない。影も形も、存在していなかった。
〈どこを狙っている?〉
男の声が聞こえた。
アラート。だが遅い。バルドルムゼクスの蹴りが肩口を襲った。離脱するが、チェインガンを潰された。引き金を絞ってからその事実に気づき、ビュウは忌々しげに舌打ちする。
襲い掛かる長鎗。クレイモアが穂先を逸らすが、石突がバティムジャオーの胴を打つ。慣性中和装置でも殺しきれぬ衝撃にビュウはうめきながら、インパルスレーザーを連続で発射。
光学処理(ビームコーティング)された装甲に効果は薄く硝子に遮られた水鉄砲のように流されてゆくが、バルドルムゼクスは少し後退した。
クレイモアが胴を払うように揮われた。長鎗の柄(穂先と同じ超重金属でできている)が受け流すが、上段から降ろされる返す刃にバルドルムゼクスも後退を余儀なくされた。
バティムジャオーの左腕マニピュレーターに電弧が走る。
「ゼイナァァァァァァド!!」
ドレイクネイル――鋭利化したオメガウェポンの指先がバルドルムゼクスの装甲の継ぎ目に侵入した。その状態でビュウはなんとディエス・イレを発射。左腕の回路がエネルギーの逆流と過負荷に耐え切れず次々と焼き切れてゆく。
だがバルドルムゼクスも無事ではすまない。その部分から爆発する。腕一本で奴を倒せるならば安いものだ――
――そのはずだった。
バルドルムゼクスが動きを止めたのも一瞬だけだった。胴の半分をえぐり飛ばされながら奴の腕が装甲の殻だけになったバティムジャオーの左腕を掴んだ。
ビュウは全身が総毛立つ思いをした。
そのままバティムジャオーは水星の表面に叩きつけられた。
慣性中和装置を作動させる暇さえ与えられず蒙ったダメージにバティムジャオーの量子CPUが悲鳴を上げる。
バルドルムゼクスは降りてこなかった。戦術的には正しい。いきなり接近すれば思わぬ逆襲を喰う可能性もあるからだ。
だが上空から睥睨する姿はビュウにとっては余裕の現われにしか見えなかった。
ビュウは機体状態を画面に表示しながらバティムジャオーを立たせた。損傷率二十九パーセント――まだいける。
右手にはまだクレイモアが握られていた。
バルドルムゼクスはその様子を見届けると、バティムジャオーに背中を向けて水星圏を離脱。
ただし充分センサーで補足できる速度である。
追ってこいということか。ビュウはそう解釈し水星圏を離脱、金星の公転軌道を掠めてやってきたそこは――テルス、現地語で言う地球であった。
バルドルムゼクスはバティムジャオーに向き直った。
「……何のつもりだ、ゼイナード」
ビュウは毒を吐くように言った。
言葉にすればその一言に尽きた。
あの場所で死ぬしかなかった少年を助けたのも、
少年を己の腹心にしたのも、
故国のみならず信頼する部下たちを裏切ったのも、
ラーヤ・カートシュを殺したのも、
殺せたはずのビュウを殺さなかったのも、一体何のつもりだったのか。
バルドルムゼクスは答えない。
怒りに任せて言葉を叩きつけようとしたビュウは、
バルドルムゼクスの胴の損傷が完全に修復されているのを見て取った。
ナノマシンならばオメガウェポンには当たり前のように搭載されているが、
こんな短時間でここまでの修復能力を持つものは帝國の版図のどこにも存在しないはずだ。
「ドーガ・システム……?」
バルドルムゼクスに装備されている謎の機構。それを持つ故にバルドルムゼクスは禁断の機体として
カルジェバルドゥ宮殿に封印されていたという。
ドーガ・システムの効果を、ビュウは一切知らされていない。
極めて強力な再生機構ならば当然実戦配備されているオメガウェポンの全てとは言わないが
ある程度の数には搭載されていようし、またその存在も知らされているはずだ。
バルドルムゼクスは真っ直ぐに右腕マニピュレーターをバティムジャオーに向けた。
マニピュレーターにまつわりつく電弧――その正体に気づいたビュウは回避運動に移った。
迸る青白い粒子光の帯。危なげなくかわしたが、光の帯の後ろから迫るバルドルムゼクスには意表を衝かれた。
槍の柄がバティムジャオーを打ち据える。一度、二度、三度。一撃ごとに装甲が剥がれてゆく。
四度目槍を振りかぶったとき、バティムジャオーの右手が柄を掴んだ。
バティムジャオーの蹴りがバルドルムゼクスの胸に入った。その勢いのまま投げる。再度、蹴る。そしてまた接近する。
バティムジャオーとバルドルムゼクスは再度組み合った。
バティムジャオーはジェネレーター容量も考えずブースターを最大出力で噴射。
バルドルムゼクスもブースターを噴射したが――出力が上がらない。
二機は地球の重力圏に入っていたのだ。バティムジャオーが上、バルドルムゼクスが下、という形で。
バルドルムゼクスはもがいた。だがビュウはそれさえ許さない。
「このまま異星の塵となれ……!」
大気の摩擦で両機共に装甲が赤熱し剥離してゆく。それが著しいのは無論バルドルムゼクスだ。
黒の虚空を抜け熱圏に入った時、閃光がバティムジャオーを直撃した。
バルドルムゼクスのインパルスレーザー。掴んでいた手を思わず話してしまう。
同時に軌道を変えたバルドルムゼクスは無残な姿をさらしながら、しかし加速によってむしろ摩擦抵抗を減らしながら地表へ落ちていった。
ビュウはバティムジャオーに入射角を調節させ、慣性中和装置を作動させた。
撃墜を確認するまではビュウは死ぬことはできなかったし、バティムジャオーも破壊されるのを望まなかった。
今更だが、生存する可能性はなるべく多い方がいい。
熱圏を抜けて中間圏のグラデーションを抜け、成層圏の青を見、やがて雲の白を抜けた先には町が、そして大河があった。
ビュウはそこにバティムジャオーを降ろすことに決めた。
それが空から落ちてきたとき、巡礼者たちは皆腰を抜かした。
当たり前である。猛スピードで大気圏外から落下してきた重金属の塊が沐浴でもするかのように、わずかな波しか立てることなく川に入ったのだから。
やがて仰向けになった金属の塊――ロボットの胸のあたりから一人の青年が這い出してきた。
髪の色は朽葉色、全身に密着したスーツは引き締まった肉体を強調していた。
彼――ビュウ・フォスフカムはバティムジャオーの上に立ち、思い切り濃密な大気を吸い込んだ。
川が発するイオンの匂いも、全身にかかる重力も、汗ばんだ頬に照りつける陽光も、仕留めるべき敵を仕留めきれなかった口惜しさに比べれば不快ではなかった。
それにエージャームの民は元来自然の民だ。
この星の何処かに奴はいる。ならば俺は奴を追おう。奴が望むならば、因果地平の果ての果てまで。
【ガンジス川に漂着、しばし休息】
論理推進能力を得たクレスト蒼は、無数の廃ビルが立ち並ぶ市街地にありながら縦横無尽の軌道を見せた。
可変機に迫る速度で地表すれすれを滑空し、ときに90度を内角に割る方向転換で敵機の捕捉を免れる。
そうしたトリッキーな挙動と光鎖を用いた変則攻撃が功を奏し、一夜のうちにPT6機、AM11機という驚異的な撃墜数を叩き出していた。
しかし、戦闘を重ねるごとにサライの身体は変調をきたしていく。
呼吸気系への異常な負担と側頭部の痛み。
伴って、五感の奔流ともいうべき莫大な情報を反映する視界に、除々にノイズが増えていくのである。
これ以上の抗戦を危険と判断したサライは敵編隊を振り切りつつ、一刻も早い戦域からの離脱を試みた。
追撃に迫る敵機はリオン系統が4機。現在後方1400の距離まで引き離しているが、いつ伏兵が飛び出して来てもおかしくないこの状況にあっては、まだ余裕があるとは言い難かった。
額に浮かぶ汗を払い、ビルの間を縫いながら最短ルートを駆け抜ける。
反乱軍の最前線基地までは推定101km。連綿と続く廃都の景観にも、いよいよ終わりが近づいてきた。
ドーム状の建造物を飛び越えると、眼下の配色は一面の緑にシフトした。つい先日まで環境再編区に指定されていたガンジス川の畔に出たのだ。
サライは大きく息を吐いた。息苦しいコンクリートの迷宮から解放され、緊張の糸が弛んでいく。
ゴウハーティの広葉樹林と同じく、自然によって支配される青々と澄んだ平原。
生来草木なるものを見慣れないサライにとって、それは大変に幻想的な眺めに思えた。
『星の再生』。
彼らの星で活動する思想団体「オルガノ」の掲げる目標である。
未だ目覚めぬクレストの真の力を以てすれば、自分達もこれほどまでに美しい風景を手にできるのだろうか。
瓦礫と汚水に塗れた母星の行く末に思いを馳せながら、サライは次第に高度を上げていく。
しかしそんな折り、視界の片隅に奇怪なシルエットが飛び込んできた。
「――!?」
。
蕩々と続くガンジスの流れをせき止めるかのごとく、巨大な物体が寝臥している。
横たえられた四肢。金属質の鋭い輝き。
それが人型ロボットであることを識別するのに、そう時間は必要なかった。
「『特機(スーパーロボット)』…!?」
【ガンジス川上空に停止】
全身に太い針を打ち込まれるような鋭い痛みに、ビュウは覚醒を余儀なくされた。
同時に体内に残留している催眠導入剤が強制的に分解され、頭も急速に冴えてゆく。ビュウは状況の報告を指示、バティムジャオーは
視覚映像で空を映し出す。そして拡大されたその視界に映し出されたのは、この惑星圏の主要兵器の一つであるPTほどの大きさの人
型兵器であった。思わず舌打ちする。こちらは傷も充分に癒えていないというのに。光学迷彩を使うべきだったと悔やみながら、ビュウ
はバティムジャオーと共に戦闘モードに移行しようとした。
バティムジャオーが戦闘よりもまず接触することが重要だと提案した。
わずかな逡巡の後、ビュウは決めた。
「こちらグォーリヴィオー汎星系統一帝国軍第弐零伍七北方師団所属、ビュウ・フォスフカム少尉。貴機とのコンタクトを望む者だ」
【ビュウ、ガンジス川にてクレスト蒼と接触を試みる】
>189-191
ヴァルキリー:・・・見つけました。
ゼイレス『そうか・・・誰だ?
ヴァルキリー:クレスト蒼です。
ゼイレス『サライか。状況は?
ブライド:・・・芳しくないようです・・・機体そのものは無事ですけれど・・・
ヴァルキリー:政府軍の交戦データから計算すると、パイロットの方に問題が・・・
ゼイレス『救出に向かう。ラピエサージュとアシュセイヴァーの修理状況は?
ブライド:・・・ご存知の通り、遅々としてはかどっていません・・・
ゼイレス『では二人は修理に専念しろ。俺一人で行く・・・今、まともに戦えるのは
俺のゼイランダーだけだからな。
ヴァルキリー:それともう一つ。大気圏突入を行った謎の機動兵器をクレスト蒼の現在地、
ガンジス川にて確認しました・・・ご注意を。
ブライド:・・・ご武運を、お祈りしております・・・
ゼイレス『了解した。では、ゼイランダー、これより出撃する!
【ゼイレス、クレスト蒼救出の為バトパラ近郊よりガンジスに向かう】
>191
『汎星系』という単語に反応し、サライは目の前の特機を注視した。
骨格にせよ各部の機関にせよ、確かにその構造は一般的な地球製の機体とは大きくかけ離れた意匠を持っている。
またしても、外宇宙の勢力か――。
荒い呼吸をようやく整えると、サライは上空に身構えたまま通信に応じる。
「こちらはクレスト蒼。故あって所属は名乗れません」
ビュウ・フォスカムなる相手パイロットは、この星に降り立ってそう時間を経ていないようだった。
政府軍勢力圏が『異星人』にとって最大の危険地帯であることを知っていればこんな場所にむざむざ足を運ぶとは考えられないし、何より損傷した機動兵器が大河の真ん中に寝そべっているなど、不自然を通り越してシュールな光景ですらある。
後方の反応を確認する。
リオンタイプが4機、距離980にまで接近していた。
ノイズに覆われかける意識を奮い立たせながら、サライは回線の維持を続ける。
「…あなたがこの星の者でないのなら、すぐにこのエリアを脱した方がいい。直に政府の追っ手が来ます」
[バティムジャオーからの通信に応答]
>>193 《クレスト蒼》が近づいてきたのを見て、ビュウは口の中だけで呟く。今のところは敵意はないらしい。
「忠告感謝する――」
そこで言葉を切ったのは、バティムジャオーが警告を発したからだった。機影四が接近中、距離は《クレスト蒼》から1000前後。
「――ところで、貴機の後ろについてきている連中は敵か、味方か?」
ビュウは密かにバティムジャオーと共に戦闘モードに移行した。
【クレスト蒼からの通信に応答、戦闘モードに移行】
距離600。リオン編隊は既に肉眼で確認できる範囲にまで迫っている。
「くっ…」
ここに静止していては、有効射程内に捕捉されるまであと4〜5秒といったところか。
「…今片付けます! そこでじっとしていてください!」
黒い特機に一瞥を送ると、クレスト蒼は身を翻し、牽制の拡散光弾を放つ。
当然のごとく反応した敵編隊は左右に大きく散開、各2機ずつの2組に分裂した。
足並みを乱し、僅かに先行した右翼の2機を目がけて、サライは急加速で突撃をかける。
締め上げるような頭痛は酷くなる一方だったが、今はどうにか耐え凌ぐほかにないだろう。
[旋回し、敵編隊と交戦開始]
ビュウはどうやら敵機らしいPTと《クレスト蒼》の空戦を眼で追っていた。PTを翻弄するかのように宙を駆け巡る
《クレスト蒼》と、航空機のようなフォルムのPTが入り乱れる。
「じっとしていろと言われたが……」
バティムジャオーは指示もなしに《クレスト蒼》の外部データをビュウに見せた。目立つ外傷こそないもの間接部
や装甲に覆われていない部分は発熱が激しい。飛び回れるうちはまだいいが、このままでは限界も近かろう。
ビュウはバティムジャオーに判断を要請した。帝國の版図の外にあるこの惑星のデータは極めて少ない。ビュウ
は地球の政治情勢に関しては、ほぼ無知と言っていい状態だった。
バティムジャオーが下したのは――ビュウに全てを任せる、とのことだった。
判断を放棄したのか。違うとビュウは思い直す。バティムジャオーの量子知性はビュウの両親が生きていた頃か
ら育てた機械知性体で、半ば兄弟みたいな存在だ。ビュウが望むことを、ひょっとすればビュウ以上に的確に指
摘してのけることもある。
ビュウは調息する。一秒、二秒。
その吐息の間に決断を下した。
「加勢するぞ、地球人(テラン)」
ビュウは《クレスト蒼》のパイロット、サライが地球人ではないことを知らなかった。
【クレスト蒼に加勢、戦闘開始】
心臓部である縮退炉の性質上切り離すことのできない重力制御能力でバティムジャオーは五〇メートル七〇〇トンオーバーの鋼の機躯
を宙に浮かせる。ガンジス川の水面が、大きく波打った。
PT(正しくはアーマードモジュール、つまりAMなのだが、ビュウはPTと思い込んでいた)はバティムジャオーが動いていることに気づいた。
〈そこの特機! 所属を言え!〉
「グォーリヴィオー汎星系統一帝国軍第弐零伍七北方師団所属だ」
〈異星人か!〉
それだけ会話すれば充分なようだった。一機のPTの携行したレールガンが電磁の光を引きながら弾丸を打ち出され、弾丸が打ち込まれる都
度川に水の柱が立つ。
「一般人もいるんだぞ?! 見境もないのか!」
バティムジャオーは射出される電磁の弾丸を川の流れに沿いながらかわし、上昇してゆく。
ナノマシンの修復能力のため左腕マニピュレーターは動かせるほどには回復したが、原始的な義手ほどの役にしか立たない(ディエス・イレも
当分は撃てないだろう)。せいぜいクレイモアを揮うときに補助的に握ることができるだけだ。制時装置ガシュハント機関も動作不良。慣性制御
装置シャエトーシュ機関も使用には制限される。だが充分だった。
バティムジャオー、フルブースト。縦に横にジグザグの機動をしながら接近を図るバティムジャオーの動きにPTのパイロットはついてゆくことが
できない。
バティムジャオーとPTが交差した。少なくとも余人にはそう見えた。
転瞬――鉤に曲げられたバティムジャオーの指先、堅固を誇る帝國の鉄甲艦の装甲さえ引き裂くオメガウェポンのドレイクネイルがPTを五指
に掛け、輪切りにした。
幾つかの残骸になってガンジス川に落ちてゆく僚機に気づき、残り三機のPTはバティムジャオーの危険性をようやく本格的に認識したらしい。
《クレスト蒼》を無視しレールガンの銃口を三つ、黒の特機に向ける。
だが、それも遅すぎた。
放たれる弾丸を受け止めたのは超重物質のクレイモアだった。幅広の大剣を盾代わりにしながらビュウは猪突、慌てて散開するPTのうち一機
の胴を薙ぎ払う。PTはその一撃をレールガンの銃身で防いだ。防ごうとしたがあまりに膨大な質量の前には紙同然に打ち破られ、PTは上下の
半身に斬断された。
残る二機のうち、一機は算を乱したように逃げ出そうとしていた。逃げるなら構わない。だがもう一機がバティムジャオーに接近したのに気づき、
慌てて引き返してきた。
近づいてきた機体は片刃の剣を抜いた。正直すぎる真っ向からの突撃。
ビュウは真っ向からクレイモアを振り下ろした。刃ごとPTは左右に斬り分けられ落ちていった。
ビュウは逃げようとする残りの一機にスロウダガーを立て続けに投擲。左足、右腕、右足、頭部を貫かれ、落下するところをバティムジャオーの
巨大な手が掴み上げた。
「個人的に聞きたいことがあるんでな」
左腕をねじ切りながら接触回線でそう告げると、《クレスト蒼》に無線を送った。
「《クレスト蒼》、こちらビュウ少尉。一機を鹵獲しあとは殲滅した」
【戦闘行動終了。政府軍兵士を捕虜にする】
>196-197
ゼイランダーの推力を最大にしてガンジスへと向かう。
レーダーには、クレスト蒼と報告のあった謎の機動兵器、そして
政府軍のものと思われるリオン4機が交戦状態にあった。
ゼイランダーの視覚センサーで視認できる距離まで到達した時には、
既にリオン4機は謎の機動兵器によって殲滅させられていた。
ゼイレスはその機動兵器の持っている、幅広の大剣に目を奪われる。
ゼイレス『まるで、斬艦刀だな・・・戦い方は、ゼンガーとは似ても似つかないが。
政府軍のリオンを攻撃していたが、それだけで味方とは判断できん・・・
敵か、味方か。それがはっきりしない為、ゼイランダーの戦闘モードを解除できなかった。
【警戒を解かないまま、機動兵器と相対する】
>196-198
目の前で展開される秒殺劇。全身に素人目でわかるほどのダメージを負いながらも、その戦闘能力は規格外と評するに相応しいものだった。
反撃の暇さえ満足に与えられず、4機のリオンは各々一撃のもとにスクラップと化していく。
サライはどうにか意識を繋ぎ止めつつ、ノイズ越しに事の始終を見守った。
振り返ったビュウの機体から再び回線が開かれる。
刄のように鋭利なその指先には、五体を失ったリオンが玩具のように握られていた。
「助力には感謝します。でも、どうしてこんなことを?」
たとえ敵機が記録を持ち帰らずとも、ここは政府軍の領有する都市。情報は民間からでも八方流れになる。
今しがたの戦闘行為によって、ビュウが敵性異星人として認識されたのは間違いないだろう。
何にせよ、この場に止まっているわけにはいかない。一刻も早い南下を勧告すべきであろう。
サイドディスプレイをチェックしたサライは、ふとガンジスの対岸に目を止めた。
そこに佇んでいたのは、巨大な剣を携えた漆黒の機動兵器。数日ぶりに見る友軍機の識別信号に、サライはようやくの安堵を覚えた。
「…こちらサライ。ゼイレスさん、聞こえますか?」
[ゼイランダーの姿を確認、通信要請]
>199
通信機から聞こえてきた声は、紛れも無い仲間の声だった。
だが、ゼイレスはその声からサライの体調が芳しくない事を察する。
ゼイレス『サライ、無事だったか・・・
ああ、よく聞こえる。だが・・・体の調子がよくない様だな。
ところで、そこの機動兵器は一体・・・
そこまで言って、ゼイランダーのレーダーが異常を知らせる。
3機とそれほど距離の離れていない座標の空間が歪んでいるのだ。
ゼイレス『この反応は・・・!?気をつけろ、何者かが・・・
空間転移でそこに出現するぞ!
ゼイランダーが指差したその時、空間の歪みが最大に到達。
そして・・・!
【BGM変更:CHAOS Ver.OG2】
空間転移で現れた『それ』は、純白の衣を纏い、3対の翼を持ち、
頭上に発光するリング状のプラズマを保持した、『天使』と呼ぶに相応しい
姿を持っていた。その『天使』は、空を、大地を眺めそして高笑いを始める。
???『ふ・・・ふふふ・・・ふはははははは・・・素晴らしい、実に素晴らしい・・・!
この器・・・実に馴染む・・・ふふふ・・・ん・・・(ちらりと3機を一瞥し)
ほう、脆弱なる人間共が小賢しくも作り上げた人形か・・・ふふふ、
我が再臨の証として、そして主が復活の贄として・・・滅べ、人間よ・・・!
『天使』が羽を翻すと、輝く羽根が舞い散る。『天使』が指差すと、
その羽根がそれぞれ光の針となって3機に襲い掛かる。
【謎の『天使』登場、バティムジャオー、クレスト蒼、ゼイランダーに対して攻撃開始】
反り身の大太刀を背負った特機――《ゼイランダー》の警告とほぼ同時にバティムジャオーもアラートを発していた。自然には存在し
ない空間の歪曲が広がり、大気が悲鳴を上げる。
空間転移で現れたそれは白衣に白い翼、頭に光の輪を持っていた。
バティムジャオーはすぐさま走査、しかし全くの「不明」だらけ。便宜上《アンノウン》と呼称を定める。
翼を翻すと、輝く羽根が舞い散った。白の《アンノウン》が導くように三機を指差すと、羽根は光の針となって宙を走った。
ビュウは《クレスト蒼》を引っ掴み(距離的にゼイランダーを庇うことは無理だった)離脱、光の針が流れてゆく。
その間にバティムジャオーは光の針を走査。やはり「不明」。
「こいつ、何なんだ?!」
ビュウは毒づいた。また白。つい七時間前ほどの戦闘が頭をよぎった。
【正体不明機の攻撃をクレスト蒼と共に回避】
疲労の滞積がたたり、敵機の攻撃にまったく反応できなかった。
ビュウの機体が庇いに出てくれなければ、今頃は敵の放った光の針によって蜂の巣にされていたかもしれない。
「…すみません。助かりました」
掌を抜け出し、空中で姿勢を立て直す。既に視界の所々が抜け落ちるようにブラックアウトしているが、相手を前方に捕捉し続けさえすれば何とかなる。
「でも、こいつは…」
獣のような唸りを上げ続けるクレスト蒼。その意識の波には、かつてない程の緊張の色が伴っている。
金属、熱量、量子――全てにおいて反応なし。
首筋に冷たい汗を感じながら、サライは敵の次なる挙動を待つ。
[『天使』の挙動を警戒しつつ待機]
ここって、勝手に参加していいのか?参加したいんだが
宣伝乙
第12話 『黒鉄の要塞』
ドーラ・エアノイアーンとの戦闘が中心。
シュルツはHPが60%以下になると毎ターン「必中」を使うようになる。この状態でMAP兵器を使われると非常に危険なので、味方ユニットはターン終了前に全員「ひらめき」や「不屈」を使っておくこと。
20%まで削ればクリアとなるが、ここはぜひ撃破して熟練度と「超鋼金属ディアマンド」を入手しておきたい。婆沙羅の「熱血」ギガ・ソニックブレイカーに援護攻撃を加えれば15000超のダメージが出せるはずだ。
第13話 『覚醒』
クレスト蒼が第二形態にパワーアップ。
ステージ序盤は行動不能のサライを守るように味方3機を移動させ、ひたすら削り攻撃に専念しよう。
3PPで変容イベントが発生し、クレスト蒼が行動可能になる。アービャセル・ヤークェスの撤退条件はHP50%以下。「熱血」をかけた素粒子リアクターにラピエサージュの援護攻撃で撃破可能だ。
その後、初期配置の敵味方は全て撤退し、婆沙羅?vsシュヴェーア・クヴァドラードのイベント戦が開始。
火力と装甲の凄まじい相手だが、「鉄壁」をかけて攻撃し続ければ負けることはないだろう。
第14話 『虚空の彼方から』
前半はクレスト蒼を所定のポイントに移動させることが勝利条件。気力が50に低下しているものの、敵は雑魚ばかりなので全滅させて熟練度を獲得するのは容易。
勝利条件を満たすとビュウのバティムジャオーが登場。周辺に敵増援が出現するが、クレイモアの反撃で1ターンのうちに倒してしまえるだろう。
一連のイベントを終えるとゼイランダーが合流し、『天使』との戦闘に突入する。
こちらの攻撃は全く通じないので、素直に逃げ回るのが得策。
2ターン経過で新母艦ノーブルクォーツが登場してマップ終了となる。
ノリで使い勝手を予想
クレスト→ビルバイン
バサラ→ダイモス
ゼイランダー→大親分
バティムジャオー→ダイターン
消えていったメンツは除外ですか
>202-203
ゼイレス『くぅぅぅぅぅっ!
高速で飛来する光の針を回避するには図体が大きすぎる。
そう判断し、『破邪神滅刀』の刀身を膨張させて防御体勢をとる。
光の針が刀身にぶつかる度に衝撃波が発生し、巨大なゼイランダーを
押し込む。その上『テスラ・フィールド』を展開しているにも拘らず
光の針はその威力・速度を減衰させる事無くゼイランダーに到達するのだ。
ゼイレス『・・・くっ、このままでは・・・!でやぁぁ!
敵の一度目の攻撃は辛うじて耐える事ができた。しかし、
二度三度と受ければ確実に撃破されるだろう。ゼイレスは牽制目的で
『破邪神滅刀・剣風破』を放つ。しかし・・・『天使』の目の前に半透明の
オレンジ色の壁のような物が発生し、ゼイレスの攻撃を弾くのだった。
???『ほう、かわしたか。ふふふ、少しは楽しませてくれるようだ。
しかし、足の遅い人形もいるな・・・ふん、身の程知らずめ。
我を傷つける事など、脆弱な人間如きにできるものか・・・
裁きの光輪、受けるがいい・・・!
『天使』が頭上に掲げた手を回転させると頭上の光輪も回転を始める。
三回転ほどさせたところでその光輪を投擲するような動作を行うと、やはり
光輪が放たれる。目標はゼイランダー。回避しようと動くが、無数に分裂した
光輪の一つに腕を絡め取られ・・・そのまま、ゼイランダーの右腕が引き千切られる!
予想外の攻撃の威力にたまらず膝をつくゼイランダー。『天使』はそのまま光輪を
クレスト蒼とバティムジャオーにも投げつける。
【ゼイランダー、右腕部大破】
【『天使』、光輪をクレスト蒼とバティムジャオーに投擲】
>211
名前欄変え忘れ・・・『天使』の行動ですので、脳内補正をお願いします。
光輪が飛来してきた。
「クレスト蒼」
ビュウは左手に掴んだままの残骸を手渡した。こんな状態だが、コクピットブロックは残されている。バティムジャオーが
中身を見たがパイロットは生きてはいた。酷く嘔吐してはいたが、生命には別状ない。
「貴重な情報源だ。大事に扱え」
え? と《クレスト蒼》のパイロットの接触回線。ビュウは構わず《クレスト蒼》を掴んだ。
そのままシャエトーシュ機関で慣性制御、あらぬ方向へ投げる。
ほぼ同時にバティムジャオーの左手が光輪と共に弾けた。
そこでは終わらず、クレイモアで仕掛ける。上段からの斬撃は、しかし明橙色の光の障壁に阻まれた。自らの斬撃の反
動を使って離脱、ゼイランダーの前に立ち青眼にクレイモアをアンノウンへ向ける。
ビュウが行ったのは戦闘が困難と見られた僚機を戦闘区域から離脱させるための、オメガウェポンの常套手段だった。
無慣性状態、つまり慣性質量を失い飛んでゆく《クレスト蒼》にはただスクリーンでのみ状況に推移が分かるだけだろう。
ビュウは今の状態で《クレスト蒼》と残骸を庇い続けるのは困難と断定した。あれとまともに闘うならば《クレスト蒼》と残骸
のいずれか――もしくは双方が破壊されかねない。
満身創痍の状態でバティムジャオーを気遣ってくれた《クレスト蒼》をむざと殺させるのは嫌だったし、一度救った(と言え
ば傲慢だろうが)パイロットの生命を奪わせるのもグォーリヴィオーの戦士の末席を預かる者としての矜持が否とした。
【バティムジャオー、左腕部大破】
【クレスト蒼と捕虜を戦闘区域外へ離脱させる】
ぬるぽ
エエェ(´Д`)ェエエ
ガッ
#は半角ね
ば、馬鹿なあぁあぁっ!!
ヴィンちゃんだったのかよw
>>219 ズビー ___________________
┌ /三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
〔〈<〈◇>
[]つФ\三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
/ =〉 =]
[__]L_]
222 :
名無しになりきれ:2005/06/09(木) 12:43:10
以下何事もなかったように再開↓
「うわぁ…っ!?」
黒い特機のマニュピレーターにより、クレスト蒼は後方に向かって大きく弾き飛ばされた。
恐らくは慣性制御の下に置かれているのだろう。マッハ1を上回るスピードで滑空しながらも、機体そのものには何の抵抗も感じられない。
激しく交錯する光の軌跡が、見る見るうちに遠ざかっていく。
「停まれ、クレスト! ゼイランダーが危険なんだぞ!」
懸命に呼び掛けるサライを尻目に、クレスト蒼は機体のコントロールを許さない。
戦り合ったところで結果は見えている。そうとでも言いたげな無反応が、サライの胸に更なる苛立ちを掻き立てた。
やがて唐突に制止したクレスト蒼は、そのままゆっくりと地表に降下し、片膝をついた。
リオンの残骸を保持した状態にあっては、もはや直立している余力がなかったのである。
ゼイランダー、それに二つのUNKNOWNの信号からは、すでに南方9000以上の距離にまで引き離されていた。
[戦闘空域を離脱、行動不能のまま待機]
225 :
名無しになりきれ:2005/06/09(木) 22:22:21
>>223 重複だっていっているだろ!!!!
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
このスレの方が2ヶ月近くも前に立ったわけだが。
両方のスレを残したい漏れとしては下らない煽りは無しにしてくれると有り難いのだがな。
>>226 反応するなよ、荒らしにかまった時点でお前も荒らしだ
>213、>224
???『愚かな。その様な斬撃で我を斬れると思っているのか?
・・・ちっ、一体逃したか。まぁいい、どうせ残っているのは
満身創痍の人形が二体。すぐに片付けて奴も贄とするだけだ・・・
『天使』は一瞬気を逸らした。それが油断なのか、『天使』自身の
未熟ゆえか、そこまでは分からない。だが、その一瞬の隙を逃すほど目の前の
二人は甘くは無かった。ゼイランダーとバティムジャオー、二機はほぼ同時に
最大戦速で踏み込み、同時に同じ箇所を斬りつけた。反応の遅れた『天使』は
例の壁を発生させる事もできず、右腕を斬りおとされてしまったのだった。
???『!!!!!!!!!!!!・・・グ・・・グググ・・・!!!!!!!!!!
グオオオオオォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
絶えず襲い掛かる激痛と、それ以上の屈辱、下等な人間如きに自分が傷つけられた!
と言う事実が今まで目の前の機体を見下していた『天使』の精神を醜く歪める。
絶叫と共に凄まじい衝撃波が四方八方に放たれ、ゼイランダーとバティムジャオーは
たまらず吹き飛ばされる。にやけ笑いを浮かべていた流麗な顔には、悪鬼羅刹すら震え上がるほどの
憤怒、そして憎悪が浮かんでいた。
???『貴様ら・・・!許さん、許さんぞぉ!よくも、よくもこの『器』に
傷をつけてくれたなぁ・・・!・・・楽には死なさん・・・この世の、
全ての苦痛と恐怖を味わわせてから殺してやる・・・グゥッ!?
突如『天使』は残った左腕で胸の辺りを押さえた。顔には苦悶の表情が浮かんでいる。
???『・・・クッ・・・負荷を、かけすぎたか・・・!これ以上は、『器』が保たん・・・
それに、向こうの方から大きな物が来る・・・我らに仇為す罪深き人間を乗せた何かが・・・
命拾いをしたな、人間共・・・だが、貴様らには己の犯した罪の大きさを
思い知ってもらうぞ・・・我が右腕よ、主が仮宿となれ・・・!
『天使』が右肩を押さえ力むと・・・何と、斬りおとされた右腕が、肩から生えてきた!
瞬く間に右腕を修復した『天使』は、忌々しげにクレスト蒼が離脱した南方を睨むと
現れた時と同様、空間転移で姿を消したのだった・・・
その頃、クレスト蒼が飛ばされた地域を応急処置だけを済ませてゼイランダーの後を
追っていたラピエサージュとアシュセイヴァー・Tが通りがかったところだった。
>>228 アンノウンの反応が忽然と消失する際、南方を睨んでいたのをビュウは見逃さなかった。
《クレスト蒼》を離脱させた方向である。
単なる偶然かもしれない。だがビュウの直感は《クレスト蒼》の危機を直感していた。
ビュウはゼイランダーの方を見遣る。右腕マニピュレーターこそ大破しているものの片腕だけであれほどの技量というのは
只者ではない。――こいつ、《クレスト蒼》について何か知っているかもしれない。
「あんた、名は? 俺はビュウ。ビュウ・フォスフカム」
ヴァンァエクト・ゼイレス、という返答。ゼイレスでいい、とも彼は言った。
「ゼイレス、南へゆくぞ」
バティムジャオーがブースターを噴き上げた。
>229
ゼイレス『・・・助太刀、感謝する。クレスト蒼を、サライを助けてくれた事も
合わせて・・・ビュウ・フォスフカム、か。よろしく頼む・・・
確かに、手負いのサライを追いかけた可能性も否定できない。
では早速・・・!?待て、『奴』の右腕が・・・!
見ると、斬りおとされた『天使』の腕が蠢いている。内側を地虫が這うような、
不快感を引き起こすように・・・刹那、内側から足のような物が皮を
突き破って生えてきた。そうして顔の部分に相当する手は、指がそれぞれ
蛇のように長く伸び、指先であった場所には頭蓋骨そのものが形成され、
さながら悪夢に出てくる魔物にも等しい姿と化していた。
ゼイレス『何なのだ、『奴』と言い『これ』と言い・・・!
今は構っているだけの余裕は無い、南へ向かうぞ!
ビュウ!最大戦速で振り切るぞ!
ブースターを吹かしていたバティムジャオーに通信を入れ、
ゼイランダーは文字通り最大戦速でクレスト蒼がいるであろう方角へと
機体を走らせる。併走するバティムジャオー、その後ろを追いかけてくる
謎の化け物。一つの危険が脳に浮かぶが、それを無理やり押し込めるゼイレス。
明かりの消えたコックピットの天蓋を見つめ、サライはぼんやりと回想にふけっていた。
思えば随分と長い時間戦っていたような気がする。廃都で政府軍に追われ、振り切って進んだ先の川辺で黒い特機と遭遇し――
(……?)
――それ以前は?
何か少し、頭に不自然な感覚が走った。
なぜ戦っていたのかあまり鮮明に思い出せない。漠然と想起されるのは軍事施設や森林といった景色のみであり、自分の取った行動は一切といっていいほど思い出せない。
疲れているからだろうか。脳の空洞に汚泥を注ぎ込まれたような感覚。抜けだそうにも、足掻く意欲そのものが湧いてこない。
そんなサライを現実に引き戻したのは、簡易レーダーの発する甲高いアラーム音だった。
>228
新たな機影が二つ。
身を強ばらせるも、識別を確認して脱力するまでは一瞬の出来事だった。
「…ゼイレスさん達が戦っています。すぐに救援に向かってください」
先行して接近してくるラピエサージュに向け、戦闘区域を示したマーカーを転送する。離脱して間もなくの数分間に居ても立ってもいられずにに作成したデータである。
敵の規模や特徴など、わかる範囲で少しでも詳しく説明しておくべきかもしれない。
しかし、意識を持続させるのがやっとのサライにとっては言葉を残せたことだけでも快挙に等しかった。
「…すみません。少し、眠ります…」
言い終えないうちに瞳を閉じる。
捕獲したリオンの件を伝達していないが、こんなときぐらいは仲間を頼っても罰は当たらないだろう。
まだ記憶が混濁している。思い出そうとしては阻まれ、当惑し、また別の事柄を思い出そうとし……
そうした作業をループするうち、サライは深い眠りへと落ちていった。
晴雲を破り、忽然と現れた巨大な物体。
白銀に輝く箱型のボディ。平行に伸びる左右一対の長大なカタパルト。
見誤うまでもない。それは大型の航宙戦艦であった。
「映像データ照合完了。『エトランゼ・ブルー』に間違いありません」
「11時方向より、接近する機影3! 1機はダブルG3号機です!」
次々に上がるオペレーターの報告。ほんの先程まで静謐であったブリッジの様相は一変し、慌ただしい喧騒が広がっていく。
「リッジリーさん、センサー系をこちらに。念のために戦闘フェイズに移行します」
そんな中、穏やかな女性の声が鮮明に響き渡った。拡声器を介しているとはいえ、語調に反して不自然なほどによく通る声質である。
「は、はい! 各センサー機能、CLIに転送します」
床一面に走るパネルラインの一角を、緑色の光が伝っていく。モニタリング席から司令台の傾斜を経て、やがてブリッジの中心部へ。
そこに据え付けられた艦長席には、一人の少女が瞼を閉じ、行儀よく脚を揃えて座っていた。
柔らかな光を帯びる銀髪。聡明さを感じさせながら、まだどこかあどけなさの残る横顔。
タイトな軍服に身を包んでこそいるものの、その容姿はおよそ戦場になど似付かわしくない可憐な雰囲気を醸し出している。
「…ん…」
やがてその指先に、肘掛けを伝ってきた淡い光が吸い込まれていく。
少女は微かに身を強ばらせると、一つ小さな吐息をついた。
「…リンケージ完了しました。艦首回頭。両舷レーザー砲起動とともに、EMデタネイターのスタンバイを始めてください」
さらりと放たれた一声に、6人のクルーが申し合わせたように艦長席を仰ぐ。
もっとも動揺しているのは火気官制官のウェンロンであった。唐突すぎる広域兵器の起動命令に、あからさまに怪訝な表情を見せている。
「しかし艦長、我々の目的は彼らとの合流のはずでは…」
少女は瞳を閉じたまま、微動だにせずに答える。
「大丈夫。一番後ろの反応は敵ですよ」
悪怯れた色は微塵も見られないその様子。裏腹に、クルーたちは緊迫した顔でバタバタと作業を再開した。「艦首回頭! 左ロール角20!」
「ジェネレーター出力、40%をEMデタネイターへ!」
様々な檄が飛び交う中、両手元のパネルをしきりに操作しながら、少女は左舷格納庫への内部回線を取る。
「聞いての通りです。ストラトスL1から3、出られますか?」
『ええ、いつでも行けます。3時間もコクピットに籠もっていた甲斐がありました』
寸分待たず、落ち着きのある返事が帰ってきた。TMパイロット教導主任であるヤナギ・シライシの声だ。
指揮下の2名共々、すでにハンガー式カタパルトへの機体固定を済ませている。
「では、直ちに発進を。ヤナギさんとレックスさんは先行して友軍機に接触、射線上からの退避を勧告してください。その間にケリーさんは『エトランゼ・ブルー』並びに僚機と思われる2機の回収を」
間もなく左舷ハッチが解放され、3体の機動兵器が飛び去っていく。
銀髪の少女は瞼を閉じたまま、艦のメインカメラを通してその光景をはっきりと見つめていた。
グライダー型のフライトユニットを背に、空を切って北北東を目指す2機のストラトス。
1機はグレーと薄紫で塗り分けられたカスタム仕様機。少し遅れて一般色の白い機体がぎこちない機動で続く。
「レックス、そう硬くなってはいけない。私たちの任務は戦闘ではないんだ」
「わ、わかってますよ! 要は時間稼ぎでしょう!」
ヤナギは内心溜め息をつきながら、僅かに飛行速度を落とす。
と、その瞬間、レーダーの正面に目標である3機の反応が飛び込んできた。
「何だ、あれ…!?」
レックスが驚嘆の声を上げる。並走する2体の特機を追い掛けていたのは、大昔のSFフィルムにでも出てきそうな5つ首の怪物だったのだ。
ヤナギは状況確認に目を走らせる。ダブルG、不明特機ともに損傷が激しく、正面から怪物と交戦するのを避けているようである。
(義理立てなどというつもりはないが…)
機体を空中に固定し、照準を定める。伴って主回線を反乱軍専用のチャンネルにチューニングし、通信の手順を整えていく。
「ヤナギさん!」
「足止めをする。君はノーブルクォーツの射線データを送信してくれ」
言い終えるや否や、両手に構えたビームスマートガンのトリガーを引く。
放たれた光線は一瞬の後に着弾。ドクロのような頭部の一つを跳ね上げるが、有効なダメージは与えられていないようである。
「反乱軍の特機、聞こえるか? こちらはストラトスc、ヤナギ・シライシ。本日23時を持って貴方がたの同士となる『エメラルド・オーシャン』の所属だ」
【ゼイランダー、バティムジャオーに接触。怪物の足止め並びに射線データの送信を試みる】
>>233 「こちらバティムジャオー、ビュウ・フォスフカム少尉。状況は分からんが……加勢、感謝する」
《ストラトスc》から無線と共に送られてきた戦艦《ノーブルクォーツ》の射線データが映し出される。ビュウはそれとともに
前スクリーンに後方監視モードで映し出されている《腕》を見遣った。
「ヤナギ・シライシ、奴は硬いぞ」
分かっている、というようにストラトスcとその同型の僚機はビームスマートガンの銃口を《腕》に定め、連続で発砲。三条
の光の矢が直撃したが《腕》は怯むことなく(そもそもあれに感情などというものがあるのか?)前進してくる。
バティムジャオーはストラトスたちが引き金を引く間にクレイモアをマウントした。
南に進みながらなお後方へ向き直ると同時にターゲットロック、射線データをゼイランダーとストラトス三機に送信。ジェ
ネレイターの回転が増加し、右の拳は殴りつける前のように引かれ、エネルギーチェンバーは加圧され、右腕マニピュレ
イターに電弧(アーク)が踊る。
「――ディエス・イレ!!」
バティムジャオーはパンチのように腕を伸ばす。青白い光の塊が宙に軌跡を残しながら《腕》に向かって走った。
モノホンの3号ダブルGが出てきちゃったな
(・∀・)ニヤニヤ
>235
まぁ予想していた事ですし。
むしろその方がオリジナル、と言ってもかなりパクリ臭いですがね、
ここの色が出せていいのでは、と前向きに捉えていますよ。
本筋はただいま鋭意作成中、今しばらくお待ち下さい。
全部パラレルワールドと認識すれば矛盾は皆解決する!と思う俺はSFファンとして間違っている気がしないでもない
>231 サライ
ヴァルキリー:・・・サライ・・・
ブライド:データは受け取りました・・・
ヴァルキリー:・・・私が行きます・・・攻撃力は、私の方が・・・!?
ブライド:こちらに接近する反応有り・・・!北方より3機、
そして・・・!上方より巨大質量が・・・!
>232-233 ノーブルクォーツ
ヴァルキリー:・・・戦艦・・・!?
ブライド:どうやら、こちらを助けてくれるようですね・・・
上空から降下してきた戦艦は、ゼイレスの目にも映っていた。
そして、クレスト蒼の周囲にいた2機の機動兵器の姿も―――
ゼイレス『無事だったか!お前達はすぐに下がれ!
こちらもすぐに合流する!
時折後ろを向いてバルカンで牽制してみるが、まったく効果が無い。
普通なら目の部分を狙うのだが、骸骨そのもののせいで目が無い。
更に『エメラルド・オーシャン』所属と言う2機の機動兵器の攻撃にも
怯む事無く迫ってくる『腕』。不意に送られてきた射線データ、それは戦艦の主砲のものだった。
ゼイレス『戦艦の主砲で攻撃をするか・・・それならば、或いは・・・!
【自分を囮に『腕』を引き付ける&クレスト蒼とリオンを担いで戦艦へ向かう】
>234 ビュウ
『腕』は飢えていた。血に、肉に、命に、魂に。
『腕』は食らおうとしていた。目の前にある物全てを。
それを邪魔しようとする物も。何度も打ち付けられる光の線条、
物ともせず、傷一つつく事無く、腹を充たしてくれる獲物へと向かう。
突如、その中の一つから青い光が放たれた。『腕』は避けようとしなかった。
今までの物で傷つかないのだ、これも大丈夫だと。それは『天使』の未熟さだった。
青い光は、『腕』の予想を超えた威力を秘めていた。頭の一つが吹き飛ばされる。
かつて、自身の元であった物と同じ過ちを繰り返したのだ。走る激痛に絶叫する。
発狂したかのように『腕』は残った四つの首から滅多やたらに汚らしい色の粘液を吐き出した。
それに触れた全ての物は瞬く間に腐った水の色となり・・・腐臭を撒き散らせた。
『腕』がひときわ高く絶叫すると、『ディエス・イレ』で吹き飛ばされた骸骨が
見る間に再生していく。『天使』が見せた能力と同じものでしかなかった。
【腐敗の膿を撒き散らして徹底抗戦】
ノーブルクォーツは艦首を左右に展開し、巨大な砲口を露にしていた。
充填されたエネルギーが断続的にスパークを発し、その放出が間近であることを告げている。
「トロイダル・プラズマミスト、精製完了!」
「全友軍機、射線からの離脱を確認!」
「エネルギー臨界! 艦長!」
瞬間、黒い不明特機が振り向きざまに一撃を放った。
青い光弾に貫かれ、標的の動きが停止する。
「…発射してください」
その一声を合図に、解放を待ちわびていたエネルギーの奔流が爆発した。
轟音と共に一帯を猛烈な電磁乱流が包み込む。
閃光に覆われた空間の方々でプラズマ化した大気が弾け、激しく明滅を繰り返した。
数秒の後、辺りはもとの静寂を取り戻していた。
焼け焦げた地表には既に敵性反応はなく、ただおびただしい水蒸気が立ちこめているのみである。
「…も、目標、完全に消失しました…」
たちまちに、ブリッジに安堵の色が広がる。
「はい。ご苦労様です」
館長席に座した少女は柔和に微笑み、金と銀の瞳でクルー達を見渡した。
「す、すげぇ…『本物』はこんなかよ…」
茫然と焼け跡を眺めるレックス機を一瞥すると、ヤナギは眼下に並ぶ『ファーヴニル隊』のメンバーたちへ向け、通信を再開した。
「ノーブルクォーツ…我々の母艦だ。既にバトパラ基地の司令部と話を通し、貴方がたの収容を仰せ遣っている」
開放される左舷発着口。
誘導用のグリーンライトの色調が、真昼の空に淡く滲んでいる。
「…何はともあれ、この空域に長居するのは好ましくないはずだ。残る話は、改めて艦内で聞いていただきたい」
ヤナギは『ファーヴニル隊』の各機に背を向けると、発着口に向かってゆっくりと高度を上げていった。
【艦内に各機を誘導】
>242
関係ありません、板違いです。
自分達の出したゴミをゴミ捨て場以外の所に出すのはいけない事ですよ。
| /
[;〓]しかしなぜOMG…
ほしゅ
ノーブルクォーツに収容されたバティムジャオーから降りた時、ビュウは無様に膝から落ちた。
どうやら今までの無理が祟ったらしい。下半身系の神経が一部麻痺していた。
最初に叫びを上げたのは誰だったろうか。ビュウは自らの肉体を探りながら頭の片隅でそんなことを思った。
「……大丈夫か?」
「足が効かんだけだ。生命に別状ない」
ゼイレスに肩を貸してもらい、立ち上がる。ストラトスcから降りてきたヤナギ・シライシが乗組員に医務室の用意を指示し、
ビュウとゼイレスと並んで歩き出した。
「何だってこんなことになるんだ、フォスフカム少尉?」
「俺とバティムジャオーは電脳化された神経を介して直接情報のやり取りをしている。その反動だ」
ヤナギは分かったような分からなかったような表情をした。ビュウなりに分かりやすく言ったつもりだったのだが。
「後で説明する」
ビュウは話を打ち切った。
バティムジャオー、ひいてはグォーリヴィオー朝汎星系統一帝國の主要兵器の殆どは機体と神経を接続が不可欠である。
無論正規のパイロット以外搭乗できないのだが、その代わり奪われる心配もない。
しかし神経接続が主流となったのは、それが決定的な理由ではない。
シンク&アクトコンバート・インターフェイスシステム――TACISと呼ばれる操縦方式。至極簡単に言えば仮想空間での行動を
機体に反映させる方式である。これによって半ば一体化したような感覚で機体を操ることができるのだ。
だが、短所も存在する。
量子知性が扱う情報はおよそ人間のそれとは桁違いに多い。文字通り身体で、機体が「できることとできないこと」を知りそれを
動かすだけが役割にせよ、最終的に量子知性からの出力を量子知性が受け取っていても、回路としての神経を例え電脳化し
ていたとしても、生物がその情報量に耐えきることは不可能なのだ。そのため帝國軍ではTACIS式兵器での戦闘後、最低でも
四十八時間の休息を義務づけている。それでもパイロットは十年乗れるか乗れないかなのだ――。
左耳の《竜》の牙――または恐らく、その模造物の――耳飾りのバティムジャオー・エイリアスがオメガウェポンの操縦方式に
ついての情報をビュウの頭脳に展開する。ビュウはその言葉を言語化して理解している。全く、便利なものだった。あとはこれを
時と場合を見計らって口にするだけでいいのだ。
ビュウの足が利かなくなったのも過度の情報伝達による神経の疲労が原因だった。
戦闘中にはそんなことは起こらない。あるいは起こっても問題ないようになっている。気絶しようが神経途絶しようが――そして
死のうが、機体が生きている限り闘い続けなければならない。それがグォーリヴィオーの戦士の宿命だ。そんな狂戦士どもを数
多く抱える帝國に畏怖の感情を覚える。ビュウのバティムジャオーとてオメガウェポンとしてはありふれた性能だった。バティムジ
ャオーに正規の兵装を施したものと同様の機体を、帝國は億単位で投入できるのである。それほどの力を持つ超超大国が虚無
の海(ヴォイド)を超えられないのが馬鹿馬鹿しくなり、ビュウは少し笑った。
「――フォスフカム少尉?」
ヤナギとゼイレスが怪訝な眼を向けた。ビュウは真顔に戻り、
「――ビュウ少尉だ。少なくともエージャーム系ヒューマノイドは名と階級で呼称される」
そう言った。
【医務室で休息】
>240
―――――?????―――――
???:『腕』は戦艦主砲の攻撃により完全に消滅。
思った以上の威力ですね。
???:もっとも、『腕』は所詮は紛い物の『器』でしかない。
『天使』ならば耐え切れた。違いますか?
???:確かに。それでも、無傷とはいかないでしょうけれど。
???:しかし、出来上がったばかりの『器』に興奮して無断出撃とは・・・
果たして、私達の言う事を聞く気があるのでしょうかね?
???:今回は『器』との相性を確認する意味でも十分なデータが取れましたし、
どの道彼らに一度はぶつけないといけなかったので。手間が省けたと思いましょう。
???:そうですね・・・そうそう、あなたに言われた通り、ゼイランダーには
『あれ』を忍ばせておきましたよ。余程の事が無い限り、中身を特定される事は無いでしょう。
???:ありがとう。後は、ゼイレスの『覚醒度』如何で全てが決まります。
できるだけ、彼には試練を与えて自分を高めてもらわないと。
???:その為の根回しも既に終わっています。あなたは更なる『器』の
製造に専念して下さい。では、私は失礼しますよ。
???:・・・ヴェンァクト・ゼイレス・・・
できれば、あなたにはもう一つの道を選び取って頂きたいものですよ。
>241 ノーブルクォーツ
―――――戦闘空域にて―――――
ゼイレス『すさまじいな・・・さすがは戦艦の主砲といったところか。
助太刀、感謝する・・・これで仲間達を休ませられるな。
グリーンライトの誘導に従ってノーブルクォーツの左舷発着口に向かう3機。
損傷の激しい機体は格納庫へと移され、修理と整備にかけられる。
ラピエサージュとアシュセイヴァーは空中固定され、既に用意してあった
パーツの装着が始められている。ヴァルキリーとブライドの二人は
機体から降りるなりそそくさと艦内シャワー室の場所を聞き出して行ってしまった。
ゼイレスもやる事があってコンピュータ室の場所を聞こうとしたのだが、
自分達の命の恩人とも言うべきビュウが膝をついてしまい、医務室へと連れて行く事にした。
>246-247 ビュウ
見たところ傷は無い。だが、長い間戦い続けていたようで疲労の色が濃い。
肩を貸すと、ビュウという男がいかに優れた身体能力を持ち、また苛烈な
戦いを潜り抜けてきたかと言うのが分かる。それに、巨大な実体剣を振るうその
戦闘スタイルには共感できる部分も多く、興味は尽きなかった。だが、今は休息を
取らせるのが先と、ビュウを連れて医務室へ。ベッドに寝かせ、後を医者に任せると
ゼイレスは艦長への挨拶を済ませるべく、ブリッジへと向かう事にした。
【ゼイレス:ブリッジへ】【女性二人:仲良く入浴中】
高攻撃力:ゼイランダー
高機動力:クレスト蒼
バランス:バティムジャオー
連携支援:ストラトス×2
と考えればおk?
スーパー2機にリアル3機。
ノーブルクォーツとの接触より3時間後、サライは医務室のベッドの上で簡単な状況説明を受けていた。
鉛のように重かった五体もまともに動くようになり、肉体的な疲労はほぼ解消されているようである。毎度のことながら、自身の無駄な頑丈さに溜め息が出そうになる。
しかしその一方、痺れにも似た後頭部の疼きは消えていなかった。変容したクレスト蒼と感覚をリンクする際に、決まって異様な激痛を覚える箇所である。
艦内設備に纏わる資料を渡し、説明を担当してくれた乗員は医務室を出ていった。
サライはその背中に一言礼をかけると、シーツから上体を起こしたままぼんやりと思案を巡らせる。
(そうだ、クレストは――)
思えばバトパラでの防衛戦以来、まともに意志の疎通を行なえていなかった。戦闘に必要な最低限度のやり取りと一方的な忠告。はっきり受け取ったのはそれぐらいだろうか。
やはり、何かがおかしい。コクピットを包む意志は確かにクレスト蒼のものでありながら、以前のような温かみを微塵も感じさせないのだ。
ひたすらに硬質で、冷徹で、まるで人格そのものが差し替えられてしまったような印象すら受ける。
(やっぱり、話をしないと)
格納庫を目指すべく、サライはスリッパを突っかけながら扉に視線を送る。
と、同時にエアロックが開き、痩身の青年とゼイレスが肩を組んで入室してきた。
洗練された雰囲気に嫌が応でも感付かされる。先程の特機のパイロットだ。
「…怪我をされてるんですか?」
一見して外傷は無いようだが、肩を借りて歩く動作が大変苦しげである。
先刻の敵は無事撃退されたと聞いたが、直接刄を交えていたであろう彼らの状態はやはり気掛かりである。
しかし、そんなサライの質問に二言、三言で答えると、青年はゼイレスの助けを借りながら空きベッドに腰を下ろした。どうやら深刻なダメージは受けていないらしい。
軽く一息つくと、サライは右手を伸ばし、握手を求める。
「先程はありがとうございました。クレスト蒼のパイロット、サライです。以後よろしく」
[ビュウと挨拶を交わし、格納庫へ向かう準備]
>>251 サライの差し伸べた手をビュウはまじまじと見た。会話に関してはバティムジャオーが帝國で既知の似通った言語を元にして
ほぼ完璧に翻訳してくれるから問題はないものの、習俗に関しては無知であった。
と、ビュウはテウモージョルの習俗を思い出す。直立二足歩行をし酸素呼吸を行い手足に似た器官を持つ彼らは、水棲植物
を直接の先祖に持つとは到底思えないほど聡明な知的生命だった。何しろ穏和で争いを好まぬあまり凶暴さで知られる害獣
ユビンがテウモージャで暴威を振るった際も、さしたる抵抗もせず殺され続けていたくらいだった。ビュウがテウモージョルを
知っているのも所属していた部隊がユビン狩りに駆り出されたからである。彼らは対面の際、友愛の証を込め自らの五つの触
腕をビュウの両手に絡めて来たのだった。
「あの……どうかしたんですか?」
ビュウは少年の心配と怪訝とが入り混じった顔を見、また彼の手に眼を戻した。五本指が過不足なく揃った、ヒューマノイドの
手だ。この分では触腕などなさそうである。片手だけを差し出す、というのも手がかりかもしれない。
「《バティムジャオー》のパイロット、ビュウ・フォスフカムだ……これでいいのか」
ビュウはサライの手を握った。冷たい感触だった。
三十秒経った。
「……もう離した方が良くないか?」
ゼイレスが戸惑ったように言う。ビュウは言う通りにした。
「ン……何秒くらいでいいんだ?」
「簡単に握るだけでいい。……本当に地球の者ではないようだな」
「それについては後で話す。長い話になりそうだからな。その前に、眠らせてくれ」
その一言で今更になってビュウは全身の気だるさに気づいた。
「分かった」
「じゃあビュウさん。僕もこの辺で」
ゼイレスとサライは医務室から去った。ビュウは眼を瞑った。久し振りに味わう安息とそれ以上に深い疲労に、彼はすぐ深い
眠りについた。
【医務室で休息】
253 :
キノル:2005/06/23(木) 22:57:14
こんにちは、これからこちらで厄介になります。
キノルくんよろしく、アラドやアイビス、ミクヤたちも早くこないかなー
よろしく頼む。
本当にここに参加するの?
新スレ立てたほうがいいんじゃない?
>256
それでは試してみるか。成功を祈ってくれ
よろしく
>>257 やめろよ、重複だぞ、
お前がルールも守らない奴だとは思わなかった
とりあえず、休戦になっちゃうかな?
ゼソガーさんがんばって!
遅れたけど、ちょっと厄介になるよ。
しばらくよろしく。
向こう次スレたったみたいだぞ
また重複スレかよ・・
トリップ替える
次スレってどうやっていくのさ!
トリップ替える
ゼソガーさん。
教えてよ!
>>253 ・・・・・・・偽者はちょっと困ります。(トリップないでしょ)
キルトさん・・・・
ゼンガーさんが新しいの立ててたけど・・・・・違うみたいだけど・・・・・
ゼンガーだし、ゼソガーじゃなくて
アラド、早くきてくれー
>270
わかった。
ぼくなりに検索してみるよ。
厨が増えてきたからここもネサロも終わりだな
特にボソンジャンプするファンネルを使う奴とかペルフェクティオの力を自由に操れる奴のことだ
見つけれたから、ここからはいなくなるよ。
邪魔しちゃってごめんね。
ここでいいのかな?
医務室の扉を開いたゼイレスとサライは、すぐにその場で足を止めることになった。
敷居のわずかな距離を隔てて、向かい合わせに小柄な少女がたたずんでいたのである。
両手を腰の前に組んだまま、見上げるように二人の顔を交互に覗き込む少女。ぱっちりと見開かれた瞳は涼やかな美しさを讃えながらも、ある種無防備な幼さを感じさせる。
やがて数秒の沈黙の後、少女は屈託ない笑みとともに口を開いた。
「はじめまして」
呆気に取られたように立ち尽くす二人の背後で、ヤナギが苦笑を浮かべる。彼女と初めて対面した人間は、やはり誰であろうと同様のリアクションを見せるのだ。
「直々にお越しになったのですか?」
ヤナギの問い掛けに、少女は小さく首を縦に振った。艶やかな銀髪が微かに揺れる。
「皆さん、疲れてらっしゃるでしょうから。呼び付けたりするのも悪い気がして…」
するりと室内に入り込むと、少女は列になったベッドを一望し、再び両手を腰の前に組み直した。
そして、医務室の隅々に共鳴するような透き通った声でに告げる。
「ノーブルクォーツ艦長、リセリア・ルインスです。以後よろしくお願いしますね」
ゆったりとした口調でそう言い終えた後、艦長を名乗る少女は軽く会釈をしてみせた。
水を打ったように静まり返っている周囲を気に留める様子はない。
「本艦はこれより西方のアラハバードへ向かい、マスドライバーで宇宙に上がります。何か、質問は?」
[リセリア、医務室にて『ファーヴニル隊』に接触]
鼻孔をくすぐる薬品の臭い。
まず最初に感じたのはそれだった。
そして、瞳を開く。視線の先にあるのは見知らぬ天井だった。
しかし、起きたばかりなので寝惚けてる所があるのだろう…
彼はそれに違和感を感じる事なく再び眠りにつこうとしたのだが、
同じ部屋の何所からか聞こえる話し声で完全に眼を覚ました。
「……………何所だ此処?」
小声である意味、当然の反応を言う。
覚えてる限り意識を失う前までは戦闘中、起きれば見知らぬ部屋のベッドの上だ。
この状況で疑問に思わない人間も珍しい。
色々と疑問を感じている彼の耳に唐突に少女の声が響き渡る。
>278
>「ノーブルクォーツ艦長、リセリア・ルインスです。以後よろしくお願いしますね」
その声を聞き、静まりかえる室内。
だが、彼だけは全く冷静に別の事を考えていた。
(ノーブルクォーツ……そういや、どっかの地区で建造してた艦だった筈…。
って事は、反乱軍の新しい艦なのか…?)
一応、この艦の存在を知っていた彼はリセリアの声を聞いて、そう判断した。
>「本艦はこれより西方のアラハバードへ向かい、マスドライバーで宇宙に上がります。何か、質問は?」
質問と聞いて、彼は何故かさっきまでの疑問とは全く違う別の事が聞きたくなった。
「…そうだな。しいて言えば、俺は一つだけある。…いや、ある意味三つか。」
彼は喋りながらベッドから降り立った。
長時間寝ていたせいだろうか、身体の節々が痛く、背筋を伸ばせば背骨がボキボキと鳴り響く。
だが、彼は全くそんな事を意に介さず、リセリアの顔を真剣な表情で見つめこう言った。
「君のスリーサイズは?」
その瞬間、先程とは別の意味で医務室の中は沈黙に包まれた。
[医務室内でリセリアに対するセクハラ行為]
「はい。上から83、56…」
「艦長」
すかさずヤナギの冷静な突っ込みが飛んできた。
にっこりと笑みをうかべたまま、リセリアは悪怯れなく言ってのける。
「冗談です。質問はそれだけでしょうか? グレッド・ヴァーミリオンさん」
【回避?】
>280
「あの…リセリア艦長?」
色々な意味で動揺を隠せないまま、サライはようやくの思いで口を開いた。
「宇宙に上がるって言われましたけど、何か特別な理由があるんでしょうか? 今アジアを離れるということは、やっぱりこの辺りの情勢は…」
反乱軍としては既に拠点の大半を制圧され、政府の侵攻を辛うじて水際で食い止めている現状である。
このタイミングで戦力を分散させるということは、南アジア一帯を放棄することと同義に当たるのではないだろうか。
[宇宙行きの理由を訪ね、返答待ち]
>396
(´・ω・`)ショボーン…
>280
「一応、最初に一つって言ったしなぁ。特には無いさ。」
真剣な表情であくまで調子を崩さない彼。
「戦況や情勢とかの真面目な質問は俺以外が必ず聞くからな。
俺は俺しか聞かない事しか聞かないんだよ。」
コミュニケーション不足の人間のような事を呟きながら、彼は自分のベッドに腰掛けた。
[他の人の質問と内容を聞く為に黙る。]
>278 リセリア
ゼイレス『あなたがこの艦の艦長か・・・
お初にお目にかかる、俺の名はヴェンァクト・ゼイレスと言う。
質問・・・何故、俺達を助けたのだ?確かにエメラルド・オーシャンは
政府軍と対立関係にあるが、それは俺達を危険を顧みずに助ける理由にはならない。
率直な疑問だった。それに、このリセリア・ルインスという少女にどれだけの
器量があるのか、それを見極める必要もある。一つの艦を任せられるに値する、
何かを持っているのかどうか、ゼイレスにはそれが気がかりだった。
一方その頃、女性二人はと言うと・・・
ヴァルキリー:ど、どうしてもこれを着ないといけませんか・・・?
ブライド:ええ、せっかくの休息ですもの、もっと楽しまなくてはね。
ヴァルキリー:し、しかし・・・この格好は私には似合わないような・・・
ブライド:そんな事は無いわ、とってもよく似合ってますよ。
ヴァルキリーはブライドの着せ替え人形状態になっていた・・・
現在の衣装はゴスロリ、理知的で大人っぽい雰囲気のヴァルキリーには
どうにもミスマッチである。そんな自身は何故か和服を着ている。
何だかんだ言っても二人とも楽しんでいるようだが・・・
【ゼイレス:質問、女性二人:遊んでいる】
>281
扉の傍らから、華奢な雰囲気の青年が声を上げた。
異星戦力と噂される『エトランゼ・ブルー』のパイロット。データでは『サライ』という名であったろうか。
リセリアは上体を彼に向け、視線を合わせながら答える。
「お察しのとおり、反乱軍は東南アジアから順次離脱を始めます。しかし、これはただの撤退ではありません。具体的な理由は宇宙に上がった後にお話したいと思います」
微かに、彼の表情が曇る。
だが仕方がない。機密は機密として守らねばならないのだから。
「すみません」
リセリアは小さく頭を下げ、遺憾の意志を表した。
>284
続けて、彼の隣に立つダブルGのパイロットが問う。エメラルド・オーシャンの反乱軍加盟の理由――。
「…二ヵ月間前、L1宙域のコロニー『ミッドサイン』で起こった出来事はご存じですね?」
周囲の反乱軍に属する者であれば、知らぬはずはないだろう。
反政府活動を嗅ぎつけた政府軍が武力行使によってコロニーを制圧し、L1宙域の全自治帯を観察下に取り収めた事件。世に言う『L1事変』である。
「しかし、あの一帯で行なわれていた運動はたかだかデモや市民運動レベルです。流入を報じられた思想家グループは穏健派であり、武力はおろか、反乱軍ともネットワーク上の繋がりすら持っていませんでした。
真相はご存じのとおり。交易コロニーという特性上、嫌疑を捏造するには打ってつけの場所だったということです。そして我々のエメラルド・オーシャンもまた、当時のミッドサインと同様の状況に置かれています」
リセリアは一息に述べると、小さく息を継いで結論を投じる。
「すなわち、反乱軍への加盟は必明の理。我々が自治権を守り通すためには、武力を以て抗うよりほかにないのです」
「では、本日はこの辺りで失礼します。まだ慣れない点も多々あるとは思いますが、どうぞごゆっくりお休みください。
わからないことがあれば、いつでもブリッジを訪ねてくださいね」
一礼を残し、リセリアは医務室を後にする。
ヤナギはその背中を見送り、穏やかに苦笑しながら襟元を整えていた。
「何とも、らしくない艦長だろう? まあ、そもそもこの艦には軍役経験者はほとんどいないのだが」
寄りかかっていた壁から体を起こすと、彼もまた部屋を後にする。
「A-2号室にいる。遊びに来てくれれば何かご馳走できるだろう。それでは、失礼する」
【二名退室】
(´・ω・`)敵来ないね
(´-`)つ毒旦
まぁこれでも飲んで落ちつけ
>288
ありがとう(´・ω・`)
なんだか(´・ω・`∴
楽になっ(´・∴:.:・
て…∴::.∵・..
>285-286 リセリア
ゼイレス『『ミッドサイン』・・・『L1事変』か。
確かに『エメラルド・オーシャン』も『ミッドサイン』と同じ
交易コロニー、事実政府からの圧力を受けていると言う事か・・・
そこまで言ってゼイレスは違和感を覚えた。少女の言っている事は
理解できる。だが、それはあくまでも『エメラルド・オーシャン』と言う
政治組織の理論である。そして、目の前の少女の真意を別のところにあるのでは、
と言う違和感だった。何か隠している・・・そうは感じたがあえて言葉を封ずる。
ゼイレス『承知した。自治権云々と言った政治抗争には興味が無いが、
今の政府軍を放置する事は俺の信念に反する・・・不調法者だが
しばらくの間厄介にならせてもらう。
礼に礼で返してリセリアとヤナギの退室を見届ける。
真意はどうあれ、リセリアは全てを投げ打ってまで戦おうとしてるのは分かった。
ゼイレスにとって、それ以上の判断材料は必要ない。今は『神滅の刃』となって戦おうと―――
>287-289
ヴァルキリー:あ、あの・・・
ブライド:はい?どうしました?
ヴァルキリー:さ、さすがにこの格好は・・・
ブライド:あら、とってもよくお似合いですよ?
ヴァルキリー:し、しかし・・・いつ出撃するかも分からないのに・・・
ブライド:・・・あら、何でしょう?
ヴァルキリー:・・・さ、さぁ・・・遊んでいるのでしょうか?
ブライド:きっとそうでしょう。名付けて『毒殺ごっこ』?
ヴァルキリー:・・・物騒な遊びですね・・・
結局本当の毒とは気付かぬまま、すれ違うクルー達の好奇の視線を受けつつも
二人は医務室へと歩を進めるのだった。一方ゼイレスは、バトパラで
入手した二人のデータを確認するべくコンピュータ室へと向かっていた。
【ゼイレス:コンピュータ室へ 二人:医務室へ それぞれ移動中】
人稲杉……
死にスレ?
サライはクレスト蒼のコックピットに座し、瞳を閉じた。
(いるのか?)
返答はない。冷えきった内壁に指を添えて頑なに意志の疎通を試みるも、やはり頭をよぎるのは「無意味」の三字。今のクレストには生命の存在が感じられないのである。
(…いないのなら、どこにいった?)
不安感以上に、憤りが込み上げてくる。
幼い頃から肉親も同然の存在であったクレスト蒼。その人格が忽然と目の前から消え失せ、言葉を交わすことさえ許されない。
なぜ消えてしまったのか、その理由さえわからない。
「…くそっ!」
固く握られた拳がコンソールを叩いた。
295 :
名無しになりきれ:2005/07/12(火) 16:01:03
活いれage
俺は荒野にたたずんでいた・・・そこにはもう誰もいない・・・。
TM4000、リュウ、ゼイレス、槍、サライ、ユニ、リョウ、イグナス、グレッド、ノアのみんな、レビン、シュルツ、リセリア、ビュウっ!!
みんな・・・みんなどこに行ったんだよぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
ここはもう廃棄なのだろうか?
みんなもう一方のスパロボに行ってしまったのか?
>>296 「俺は、いる。だが眠っている身だから他の人間が進めてくれない限り動けない。……どうしたものかな?」
一日経ったことにしちゃいます?
二人しかいないのに進むのだろうか・・・
多分ここ覗いた新規はみんな長文や、過疎に引いたんだろうな。
頑張れ!俺は向こうよりこっちを応援してるぞ!
頑張れーにっぽーん。(ついでに女子バレーも書いとく
こちらもいくつかのネタを投下するつもりではいるのだが・・・
正直、このまま一人で勝手に動いていいものか迷っている。
>299
それで引くと言う感覚が分からないな・・・
いや、空気を読めない自分が言う事じゃないのは承知しているのだが。
>297-298
仕方が無いので、サライ氏の言うとおり一日経過させてしまおう。
こちらの方も理由をつけてネタを先送りにする事も出来るのだし。
あぼーん
あぼーん
あまりに暇なのでとんでもない物を作ってしまった。
向こうの設定投下所にあるんだが今度出してもいい?
ゼイレスはコンピュータ室に入るなり、ドアをロックした。
そして、バトパラでハッキングして入手した情報を見る。
ゼイレス『・・・やはり、二人とも死亡確認が取られているな。
遺体回収も不可能な状況・・・ならば、あの二人は・・・?
ゼイレス『それに、ガンジスで遭遇した『あれ』は・・・
交戦データを解析しても一切が不明、バトパラを襲った
あの連中とも一線を画している・・・きな臭さが一段と増したか。
―――その頃、当の二人はと言うと―――
ヴァルキリー:・・・
ブライド:では、私はタオルを取り替えてきますね?
ヴァルキリー:・・・はい、お願いします・・・
働きづめの看護兵を休ませるべく、自身から交代を申し出ていた。
ブライドはタオルを取り替えるため医務室を出、ヴァルキリーは
深い眠りについているビュウの傍につく。
【ゼイレス:コンピュータ室で思索に耽る】
【ヴァルキリー:ビュウの看護】
【ブライド:医務室を出て洗濯場へ、途中格納庫に立ち寄る】
hoshu
大惨事
309 :
名無しになりきれ:2005/08/06(土) 13:45:10
さるふぁー買った?
310 :
名無しになりきれ:2005/08/16(火) 06:26:14
311 :
名無しになりきれ:2005/08/31(水) 22:05:16
とりあえず再起願ってage
312 :
名無しになりきれ:2005/09/09(金) 00:33:57
保守
313 :
名無しになりきれ:2005/09/24(土) 19:28:09
まだあったのね
314 :
名無しになりきれ:2005/09/24(土) 23:40:44
あったよ
315 :
マグマ:2005/10/07(金) 07:23:21
俺はマグマだ!!
316 :
マグマ:2005/10/17(月) 16:21:34
俺もマグマだ!!
317 :
名無しになりきれ:2005/10/27(木) 01:55:13
保守
318 :
名無しになりきれ:2005/10/27(木) 01:56:16
すんな!
改めて読み直してみるとかなり面白いな。
とりあえずクレストテラカッコヨス。
あーあ再開しねーかなー
320 :
名無しになりきれ:2005/11/04(金) 21:11:35
>319
その願いをしかと聞き届けた!
ということで再開したいので誰でもいいから人集れ!
マジで人集らない?
定期的に見てはいるんですけどね……
以前ここにいた奴がここに一名。
私も再開したいですねぇ。
うほっ、三人もいる。
じゃあ、リセットして新たに再開してみないか?
既に構想は練り終えているから。あとは文章にして投下するだけ。
326 :
名無しになりきれ:2005/11/06(日) 22:40:11
終了
327 :
名無しになりきれ:2005/11/07(月) 19:57:45
はおおおおお…
漏れも参加したいが手遅れ気味?
いやオッケーどんどん参加しる!
『ストーリー』
地球は、否、太陽系は混沌の渦中に在った。
地球連邦政府、月面独立同盟、火星自治政府、自由木星連合、金星共和政体、そしてそれらの惑星間に浮かぶ無数のコロニー群。
度重なる惑星間紛争、コロニー間紛争、惑星・コロニー間紛争は一行に衰える気配は見せず、今や太陽系を巻き込む大戦へと発展している。
惑星は互いに戦火を交えつつ、其の傍らでは自身の周辺に浮かぶコロニー群とも戦争を繰り広げていた。
そしてその渦中に更なる戦の予兆が降り立つ。
外宇宙から飛来する異星人、世界の壁を越えてやって来た異界人…他にも多数の来訪者が太陽系に出現したのだ。
太陽系には嘗てない程の動揺が奔り、直ぐに惑星間、コロニー間、惑星・コロニー間でこの新たな勢力に対抗しようと急速に終戦へと向った。
そして設立されたのが太陽系連合。だが、急激な統合は新たな反発を数多く招く結果となってしまった。
設立されたての太陽系連合は、当初は来訪者達と平和的交渉を試みようとしたが直ぐに決裂。
程無くして比類なきスケールで戦争が勃発したのだ。
『勢力』
太陽系連合…地球、月、火星、木星、金星、そしてその周辺に浮かぶコロニー群からなる新政府。
反太陽系連合組織…各々の惑星、コロニーに存在する太陽系政府に反抗する組織。
異星/異世界同盟…外宇宙、別の世界からやって来た勢力同士の同盟。
外宇宙は拠点を雷王星付近に、異世界は地球、テラフォーミング化された火星、木星、金星に拠点を持つ。
外宇宙勢力は空間跳躍で戦場に現れる。両者とも反太陽系連合組織を秘かに支援。
追撃者…異星/異世界同盟を追って新たに現れた少数勢力。太陽系連合に協力的。
『各惑星の様子』
地球…自然環境の荒廃は止まり、美しい自然が溢れ返っている。
月…月面のクレーターに都市群を持つ。更に月面地下内にも巨大な都市群が存在する。
火星、木星、金星…完全なテラフォーミング化を施され、地球と同様の環境となっている。違うのは大きさだけ。
『勢力関係図』
反太陽系連合組織←―――――支援――
↑ |
| |
| |
敵対 |
| |
| |
↓ |
太陽系連合←――敵対――→異星/異世界同盟
↑ ↑
| |
| |
相互に協力 |
| |
| |
↓ |
追撃者←―――――敵対―――――
参加者を募集しています。どうぞ奮って参加してください。
おーし、俺もやらせてくれないか?
>322>323>324>328>333
参加を希望するのであれば、
http://yy14.kakiko.com/operationsrw/ にキャラとロボのテンプレを。
新たなスレのルールとして>1に
5)余りにも行き過ぎている強キャラは禁止。度合いを測りましょう。
6)中々時間が取れなくてレスが遅れる場合は避難所に連絡しましょう。特に誰かと絡んでいる場合は要注意。
を追加します。ではノシ
書き込みました。今後ともよろしく……