織伽羅一丁目

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1名無しになりきれ
ここはオリキャラたちが住む街”織伽羅(おりきゃら)一丁目”。

あなたは第三者の目で、オリキャラ達の巻き起こす異常(?)な日常を
日記形式で投稿してくださいね。
(なりきりは必要ありません)
2名無しになりきれ:04/10/07 23:23:04
はさみじゃがー?
3名無しになりきれ:04/10/07 23:25:50
趣旨がわかりにくい。
例をどうぞ。
4名無しになりきれ:04/10/07 23:32:31
この板のオリキャラだけで創作してみようみたいな感じか?
5名無しになりきれ:04/10/07 23:33:01
ぶいすりゃーまっはきーっく
6名無しになりきれ:04/10/07 23:41:29
SSスレってことだろ
7名無しになりきれ:04/10/07 23:45:37
マジレスするとこんなスレあっても勝手にSSに登場させられるオリキャラにとっては迷惑なだけ
まあ良オリキャラはこんなところでネタにされないものだが
8名無しになりきれ:04/10/07 23:48:18
下手したら、ただの「ネタレス速報スレ」になってしまう予感。
町内会活動は計画的に。
9名無しになりきれ:04/10/07 23:51:01
良オリキャラも敢えてネタにしてみようのコーナーみたいな感じじゃないのかな。
タノシケレバウケレバイインジャネーノ?
10タチバラサクーヤ:04/10/08 00:07:46
これ、暇潰しの一貫的にやってみてもいいかな?
11名無しになりきれ:04/10/08 01:19:17
※これから始まるお話はスレであった出来事を少々脚色して更にアナザーストーリーに仕立て上げた
ウソ八百のお話です。登場人物の行動は本スレとは全く関係ありませんのでご了承下さい


織伽羅一丁目。誰がこう呼んだかは知らないが、わたし達の知る個別のオリキャラスレッドの
住人が一箇所に集まった街。この街は概ね平和なのだが、実はその裏でいつも異常な日常が
繰り返されているのである。

夕刻、オリキャラ野球サークルのメンバー一同はいつもの河川敷の練習場から隣町まで
真っ直ぐ伸びる織伽羅橋20往復のランニングコースを走っていた。
「わっせ!わっせ!わっせ!わっせ!」
「イルス、もっと早く走れよ!後ろがつかえてるんだぞ」
「うっせーよ!」
「あ…誰か、堤防の所にいますね…」
メンバーの一人が、ふと川の傍で佇む人影を見つけた。
「くっくっく…あのまま川にドボンといったりしてねい…」
「…え、自殺!?やばいんじゃないですか!ねえ!」
「喋ってる暇があったら走れクズ共!!」
後ろから自転車で追いかけてきている監督の怒声で、メンバー全員は
慌てて川の傍の人影から正面へと視線を戻した。
12名無しになりきれ:04/10/08 01:21:43
茜色に染まり、ゆっくりと流れ行く織伽羅川の水面を無表情のまま見つめる人影の正体は
生きる者の命を狩る、死神であった。みんなからやつがれさんと呼ばれる、見た目が少女のような
死神らしからぬ死神。彼女(?)は落ち込んでいた。
「はぁ…困ったの…」
何故困ったのかというと、やつがれさんは家を出てきてしまったからだ。
同居人のあまりのラブラブぶりに居づらくなって飛び出してきたらしい。
「しかし、邪魔者は消えるべきじゃ…これでよかったのじゃ」
自分に言い聞かせるようにそう呟いたが、表情はどこか暗い。
足元に転がる石を拾い、川に投げ入れようとした時、土手の上から騒音が聞こえた。
「糞狐!!待てコラ!今日という今日は家賃払わんかぃ!!」
「いやはや何とも、困ったでござる!拙者最大のピンチでござる!」
土手の上に目を向けると、そこには乳母車を押しつつ必死になって走っている侍と、
それを追う大家がいた。この光景は織伽羅一丁目では珍しいものではない。
「あの者も住処を追われているのかの。ふう…これからどうすべきなのじゃ?」
「そこで悩んでいるお前!!」
やつがれさんが呟いた直後、いきなり左手に見える織伽羅橋の方から、
とてつもなく大きな声で怒鳴られた。
「な…なんじゃ?」
織伽羅橋を見ると、橋桁の上に夕陽を背にして男が立っている。その様はまるでヒーローだ。
「とぉっ!!」
橋桁の上のシルエットが反動をつけて跳躍し、「どすん」という重量感のあふれる音を立てつつ
やつがれさんの横に着地した。


つづく
13名無しになりきれ:04/10/08 01:34:03
おお、次回が楽しみですな

で、
>「あ…誰か、堤防の所にいますね…」
>「…え、自殺!?やばいんじゃないですか!ねえ!」

こいつらだれ?後はわかるんだが・・・
14名無しになりきれ:04/10/08 11:51:58
名スレの予感age!
15名無しになりきれ:04/10/08 15:43:51
タイトル入れ忘れてたので今度から名前欄に書いておきます。

>13
上の台詞がひなたさん、
下が夏木雅人さん、です。わかりにくくてすみません。説明してないんじゃわかるわけありませんな。
「誰なのじゃ、お主」
やつがれさんは突然現れた男に驚いた様子もなく、しごく当然の問いかけをする。
だが男は、
「人に名前を尋ねる時はまず、自分からだ!!」
と大きな声で言い返した。それは偉そうな態度と言えるのだが、言われてみれば…と
やつがれさんは素直に納得したのである。
「やつがれは死神なのじゃ。皆からやつがれさんと呼ばれておる。お主は?」
「岩坂剛大!!漢だ!!よしっ、これで今から俺とお前は友だっ!!]
「…???」
何故初対面で互いの名前を教えあっただけでいきなり友達になるのか。剛大の《漢思考》はやつがれさんには
理解できなかった。
「やつがれ!お前は今、悩んでいるな!?一人で悩んでないで、友である俺に打ち明けてみるんだ!!
俺はきっとお前の力になれる!」
友の悩みは己の悩み。友情を重んじる剛大は要するに友の困っている時やピンチの際には必ず力になると
心に決めているのだ。無論、ついさっき友になったやつがれさんも例外ではない。
「まあ、たまには悩みを聞いてもらう側になるのも悪くないかの…」
やつがれさんは剛大を信じて、これまでの経緯を話した。

「―という訳でのう。やつがれには行くあてがなくて…」
「帰れ!!」
剛大はやつがれさんの言葉を遮って怒鳴った。
突然怒鳴られ、一瞬硬直したものの、
「…っそれが出来れば悩んだりせんのじゃッ!!」
やつがれさんも負けじと怒鳴り返す。が、明らかに迫力、声量ともに負けている。
「お前は帰れるハズだ…否!帰らなければならん!!」
「どうして今更帰れようか!やつがれなど、あの者達からは…」
「隔心…が、あるんだね…でも、大丈夫だよ…」
背後から何の前触れもなく静かな声が聞こえてきた。
少し驚いた表情でやつがれさんが振り返ると、そこには少年のような姿をした自立型の《人形》、
D-01が立っていた。
「お主、いつの間に!?」
「オレだけじゃ…ないよ…」
そう言われて、改めて周囲を確認してみる。すると、知らない間に多くの織伽羅一丁目の住人が集っていた。
「遠慮なんてフェアじゃないZE!HAHAHA!」
いつも眉間にシワが寄っているがさわやかな笑顔が印象的な留学生のアメリカン、ジョニー。
「一家の取締役ならもうちょいずうずうしくなったっていいじゃねえか。オレみたいに堂々としろよ!」
あるネコ型ロボットを何故か連想してしまう、未来から来た子守りロボットの銅鑼ェ門。
「もきゅもきゅ、帰れるところがあるのは幸せもきゅ。これ以上迷惑かけないうちに家に帰れもきゅ」
海豹とは似て異なる、毒口調が印象的な可愛らしい生き物のもきゅ。
「そうそう!みんなが待ってるよ、帰りなって☆絶対その方がいい!」
いつも元気で明るさを振りまいて回っているほがらか女学生、麟姫。
「あなたね、人を待たせるのはよくないよ。んーあなたね、まだまだやるべき事があるって出てるよ」
エロ小説家と占い師の二束の草鞋を穿いた伊達男、とりお。
最近、隠居暮らしをしている一堂(中には、一丁目からいなくなった者もいるが偶然通りがかったらしい)が
D-01に案内させ、やつがれさんを探しに来たのだ。
これ以上織伽羅一丁目の隠居者を増やさない為にも…。
「お主等…やつがれは、あの家にいても良いのか…?」
「当たり前だろう。お前の家は、お前の家だ。いて悪い訳がない!!そいつらのラブラブぶりが
見るに耐えないのならば指摘してやれ!!それが同志として、同居者としてすべき事!!お前を結果
追いやったあいつらに、お前らは恥ずかしい事をしていると分からせてやれ!!」
「そうだそうだー!」
「一家の主の言う事に従わないヤツをやっつけろ!」
「がんばれ、やつがれさん!」
「あなたは元いた場所に戻るべきなんだ!」
やつがれさんは皆の言葉に強い感銘を受け、心の中に熱い何かを感じ…天を仰ぎ、そして…言った。
「やつがれには、居場所があるのじゃ!やつがれはあそこにいてもいいのじゃー!」
沸き起こる歓声と拍手喝采の中で、やつがれさんの中に自信と未来への希望が芽生えていたのだった。
この日、織伽羅一丁目であった小さな出来事ををやつがれさんはしっかりと心に刻むと、皆に礼を何度も言った後
明日を予感し、帰路をゆっくりと歩み始めた。
その歩みと面持ちには、既に微塵の迷いも躊躇いもない。
剛代曰く、「漢の顔になったな―――」。

完結編へ続く
18名無しになりきれ:04/10/08 17:50:34
良スレだな!
19名無しになりきれ:04/10/08 18:12:29
いいね、人情溢れる織伽羅一丁目!
俺オリキャラ板にいてよかったよ!!
20名無しになりきれ:04/10/08 18:21:11
21名無しになりきれ:04/10/08 18:23:12
重複でも何でも良いがあのスレのキャラハンは出来れば登場させてほしくないな
22名無しになりきれ:04/10/08 18:33:15
あそこはさおりん専門スレじゃないのか?
23名無しになりきれ:04/10/08 18:37:13
>21
名前を出さないのだから、出されても文句は言えないぞ
24名無しになりきれ:04/10/08 18:41:25
>23
出すと迷惑だから出せるか
常識で考えたら分かるだろ
























































まあこんな板で常識云々言う方が野暮なのは分かってるが
25名無しになりきれ:04/10/08 18:47:39
>24
いや、それは俺も承知しているけどな、そういう意味じゃ…






















スマソ
26名無しになりきれ:04/10/08 18:51:55
まあ良いよ。
とにかく楽しくいこう
27名無しになりきれ:04/10/08 19:07:27
>26
あんたみたいな奴も居るんだな
俺はあるキャラハンをやってるんだが、縁があったら会おうじゃないの
28名無しになりきれ:04/10/08 19:11:42
無駄な改行はウザいだけだというのを心に留めておいてください
29名無しになりきれ:04/10/08 19:14:59
>28
だがそれもまた一興
30名無しになりきれ:04/10/08 19:17:18
いや全然。
>24とかウザ杉
スクロール('A`)マンドクセ
31名無しになりきれ:04/10/08 23:41:53
空白の後にすんげー楽しいことが書いてあるならいいけどね。
そんな書き込みは見たことない。
32名無しになりきれ:04/10/09 01:35:20
>31












純粋だったころの遠足

…とか
33名無しになりきれ:04/10/09 07:26:36
>>24
>>25
>>32
  お  前  ら  ウ  ザ  イ  よ  !


・・・スマソ。
折角イイ!!ストーリー投下されてるのに、スレを壊すような発言は止めて欲しいですわ。
34名無しになりきれ:04/10/09 07:34:22
いい雰囲気にしたいなら、しつこく絡まないでくれよ。
終わった事に口出しされるのは好きじゃないんでね

↓以外普通に続行
35名無しになりきれ:04/10/09 08:23:47
プゲラ
36名無しになりきれ:04/10/09 08:42:56
間違えた

以降だった
37名無しになりきれ:04/10/09 08:52:48
( ゚д゚)
38名無しになりきれ:04/10/09 08:53:11
(゚д゚ )
39名無しになりきれ:04/10/09 09:38:56
つまんね
40名無しになりきれ:04/10/09 12:03:43
糞スレ?
41名無しになりきれ:04/10/09 12:19:16
>>34
あーあー、いわんこっちゃない。
42名無しになりきれ:04/10/09 12:53:16
続きを希望します
43名無しになりきれ:04/10/09 14:20:15
おれもおれも!
44名無しになりきれ:04/10/09 14:32:20
じゃあ俺はあえて希望しねぇ!
45名無しになりきれ:04/10/09 17:30:37
人は希望がなければ生きられない
46名無しになりきれ:04/10/09 18:20:11
>41
だから絡むなってね
47名無しになりきれ:04/10/09 18:59:15
プゲラ
48名無しになりきれ:04/10/09 19:05:52
>47
  ハ,_,ハ
 ,:' ´∀`'; y=mー      ( プゲラ)・∵ターン
49名無しになりきれ:04/10/09 20:02:56
・・・プゲラタン?
50名無しになりきれ:04/10/09 20:47:46
ドラクエ[のモンスターでいたなそんなの
51名無しになりきれ:04/10/10 00:22:35
プゲラたんのエロ画像きぼんぬ
52名無しになりきれ:04/10/10 01:00:35
ちんまりさん大活躍のSSキブォンヌ
光が存在しない一切の闇。
冥府に立ちこめるという瘴気の霧が闇に閉ざされた虚無空間まで流れ込んできていた。
地獄への門が開かれつつある証拠である。
一見そこは真っ暗な場所にスモークを炊いたかのような空間だが、実際には現世とは全く別次元にある
生物がおよそ侵す事のない異次元の空間。
そこにやつがれさんの姿はあった。
帰り道を歩く途中、突然この空間に引きずり込まれたのである。

「…はぁ、はぁ…お主、何を考えておるのじゃ!」
やつがれさんは敵対する存在と交戦中であり、これまでに全身が引き裂かれたらしく傷だらけに
なりながらも、正面にいる相手を息を切らしながらも見据えていた。その相手は…
「答えなければわかりませんか?あなたは邪魔なんですよ。消したいんですよ。何故私があなたを
邪魔者と考えているのか、知らないとは言わせませんよ」
サイキッカー亡者。
元は超能力を持った人間であり、亡者になってもなお力を失わなかった、強靭な意志を持った男。
「…やつがれが、銀髪の死神殿の近くにいたから…それだけなのじゃろう。お主はとどのつまり、銀髪の
死神殿を我が物にしたいという物欲の為だけに、やつがれを遠ざけようと策を講じた…」
「正解、と言いたいのですが…それだけじゃありません。銀髪の死神さんを手にするならばついでに
もっと大きなものを丸ごといただこうと考え始めたのですよ」
やつがれさんの頬に一筋の汗が流れた。
「まさか…たかが物欲でお主は地獄までをも手にしようとしておるのか!?」
「はい。私はね、地獄がとっても気に入りました。銀髪の死神さんのおかげでね…。あの方は私を
利用し、地獄を生まれ変わらせようとしました。ですが、これは私の予想の範疇。実に淡そかだと
思いませんか?それがですよ?今では悪鬼も、亡者も、銀髪の死神さんご自身も!!
私の手の中で操り人形と化しているんですよォォ!!!滑稽な話だと思いませんか?
ハハハハハハハハハ、ヒハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」
サイキッカー亡者はけたたましくも狡猾に笑った。悦びと愉しさが入り混じった奇なる喜の表情には人とは呼べない、歪みがあった。
それを一目見た次の瞬間に、最悪の事態をやつがれさんの脳裏がよぎる。
「!! お主、悪魔と契約したのか!?」
「地獄の新たな君主となる私ですから。しかし契約などつまらない事と一緒にしないでいただきたい。
悪魔の一匹や二匹、この身に取り込みました!!」
言うと、突然サイキッカー亡者の体が内から盛り上がるように大きくなり、着ていた死装束が派手に破れると
元人間とは思えない、変わり果てた姿がそこにあった。
腕は猛禽類に似た鋭い爪が生え、胸部には取り込んだ悪魔の顔が浮き出ており、下半身は猛獣の
四肢をごっちゃに混ぜ合わせた、化け物という形容しか似合わない醜くもおぞましい姿。
サイキッカー亡者は一匹の悪魔へと変貌したのである。
「冥府の悪魔まで己の血肉にするのか…何という禍禍しいまでの欲なのじゃ…」
「私は欲を体現せし悪魔へと進化したのです!!さあ、お喋りはここまでにしましょうか。
まずは邪魔なオマエを消し、あの方に近付いた腹立たしいデヴィルも赤眼の死神も…
まとめて葬り去って差し上げますよォォォォォ!!!!!!!!」
絶叫と共に掌をやつがれさんへ向けると、巨大な一本の槍の如き黒い瘴気の塊を放った。
神懸かりな速度でやつがれさんへと突貫し――
「……もはや、仕方あるまい……」
やつがれさんの体を貫く前に中心からきれいに二つに裂かれ、消滅した。
立っているのがやっとに見えたやつがれさんの手には、身長を遥かに上回る死神の鎌が握られていた。
「お主の魂を、完全な無へと帰する他はないようじゃの…」
「フハッ、ハハハハハハハ。余力が残っているとは驚きです。だが貴様程度に私に対して何が出来る!!
大人しく消えろォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」
サイキッカー亡者が真上の虚空へと両腕を掲げると、上空から無数の黒炎が降り注ぎ、闇の空間が
どす黒い火に包まれ炎の海へと化した。
地獄から召喚された黒炎は空間ごと全てを焼き尽くし、灰燼に帰する。
たとえ霊体の死神であっても、その身を蝕むように塵一つ残さず存在を抹消する。
「ハハハハハハハハハハハハハ!!!!!熱いか、苦しいか!!!!命を狩る貴様もようやく
死の苦しみを味わえるんだ、感謝するんだな!!!!!!」
「そうか…これが死の苦しみ…ふん、思っていたよりも生易しいの」
炎の海の真っ只中で身を焼かれているやつがれさんの顔には苦しみや畏れはなく、
心静かな無表情だけがあった。
「!??貴様ァ、気でも違ったか!!!??」
「…お主程ではないッ!」
黒炎が荒れ狂う中、やつがれさんはサイキッカー亡者へと向かって駆け抜けた。
「何故だ、何故だァッ!!?貴様はもう帰れない。ここで終わる他は無いのだぞ!!!
どうしてどうしてどうしてどうして悠然としていられる!!!貴様には感情があるだろうが!!!!」
サイキッカー亡者は怯んだ。わからなくて怯んだ。やつがれさんの迷いなく、勇壮に立ち向かってくる様を。
かつて死ぬ際、自分はあんなにも現世から完全に消えていなくなってしまうという底知れない恐怖を、
苦悶を、悪夢を味わったのに。何故――
やつがれさんが高く跳躍し、己に向けて死神の鎌を縦に振り下ろす刹那、サイキッカー亡者の眼に闇が
支配するこの空間では決して存在しない筈の光が映った。
それはやつがれさんの眼元に輝く、澄明な雫であった。
「(やつがれのような者の眼から水が出るなんてのう…誰にも見られなくて良かったのじゃ。
否、こんな時だからこそ…涙を流すのじゃろうて―――)」


サヨナラ。
織伽羅一丁目に冬が訪れていた。
木々は枯れ、雪が宙を舞っている。徐々に白く染まっていく街を往く人の姿は少なく、住民達も必要最低限の
用事を済ませる以外はほとんど出歩かない様子である。
「954円になります。…もう、外もすっかり冬らしくなったわね」
「…ああ…」
××商店に買い物をしに来た死神デヴィルも同じであった。デヴィルの場合は元から表へ出歩く事は少ないのだが。
「あれから、もう何日過ぎたの?まだ帰ってきてないんでしょう」
「今日でちょうど二ヶ月目だ…同胞がいなくなったのは…」
デヴィルは静かに答えると、店内の壁に目立つように貼られている張り紙を横目で見た。
《尋ね人 やつがれさん(死神・年齢不詳)△月○日、家に書置きを残して以来行方不明になっています。もし
やつがれさんを見つけた方は最寄の…》
「こんな中、外にいたら寒いでしょうね。はい、ありがとうございましたー」
買った品を入れたビニール袋を店員から受け取ると、××商店を後にした。
店を出た直後、見覚えのある後ろ姿がそこにあった。
「…やつが……お前、か」
デヴィルがそう言うと、こちらを振り向いた。デヴィルの配下の赤眼の死神である。
どうやらデヴィルを待っていたらしい。
「デヴィルしゃま、早く帰るでしゅ。こんな日は帰ってこたつでみかんにするに限るでしゅ。銀髪の死神さまも
待ってるでしゅよ」
「わかっている…しかし、まだ用が残っている…」
「?」
赤眼の死神はわからない顔をして首をかしげたが、すぐに考えるのをやめた。
織伽羅川へ向けて歩き始めてから、どこまでも広がる冬の空を見上げつつデヴィルは考えていた。
なまじ感情を持ってしまったからに、悲しき運命を辿っていった同胞の事を。
「(あいつは、救われなかったのか…それとも、オレが救ってやれなかったのか…)」
デヴィルの姿が白く染まった帰路へ消えた後、時節外れの灯篭が織伽羅川の流れに身を任せ
雪の振る中、ゆっくりと南下していった。
57名無しになりきれ:04/10/10 10:14:59
グッジョブ!! 今まで見たことなかったけどこのSS読んで死に神スレに興味がわいたよ


ついでにネコミミメイドたちのSSきぼーん
58名無しになりきれ:04/10/10 10:15:33
ナニコレ。ちんまりさん活躍してないじゃない!
59名無しになりきれ:04/10/10 12:35:50
リクうざい黙れ死ね
60名無しになりきれ:04/10/10 12:54:32
>>59
こんな餌で俺がク(ry/AAry
61名無しになりきれ:04/10/10 13:02:21
まぁリクは控えた方がいいわな

クレクレ厨の溜まり場になっても困りもんだし
《20XX年 ○月□日『織伽羅一丁目戦姫武闘会』を開催致します。参加資格は女性である事、
プロ・アマ・ハンター・犯罪者を問いません。私達は勇気と自信を兼ね備えた実力ある戦姫の参加を心より
お待ちしています。   主催者・雲龍財団》
ある日の朝、織伽羅一丁目のありとあらゆるお宅に届けられた新聞の折り込みチラシの中に、織伽羅一丁目
初の格闘技大会の開催を知らせる広告兼参加応募用紙が含まれていた。
それは、参加しない者にとっては思いっきり『お祭りごと』程度にしか考えなかったが、参加する者の殆どは
『優勝賞金1000万円』があまりにも参加するには十分な理由になっていたので、とても重要な意味を持った
大会であった。
結局この時点で、織伽羅一丁目では全く聞き覚えのない『雲龍財団』が何者であり、
戦姫武闘会が何故開かれたのか詳しく考えた者は誰一人いなかったらしい…。
だが、主催者である雲龍財団は真の勝利者だけが真実を知ればいい―――それだけの事だった。

「これも修行じゃ修行!姉様、かような大会に出場する事をお許しくだされ…」
「勝つぞい!…いや、勝つわよ!」「…ええと…頑張りましょう。とりあえず」
「狙うは優勝あるのみですわ。神のご加護があらん事を…」
「私の踊りで、み〜んなメロメロよ♥」
「豪快に戦って裕福な暮らしゲット、でござる!」
「我は最強…ワタシハ・キング・オブ・ファイター(中略)…っと。おまじないもかけたし、優勝はこの私ね」
「覇王のあたしの力、見せてやるわ!」「…力の誇示と、軍資金の調達ですね…」
「チームのためとは言え、こんな事にバットとボールを使うのはイヤだけど…何とかしてみせるよ」
「救世主外伝その1、最強の女はあたいだーっ!」
「殺さないようにするのが面倒だけど…戯れには、丁度イイわ…あはっ!」

この大会に隠された真相と勝利の栄冠を掴むのは誰なのか?
事情はどうあれ、10人(本当は12人…)の戦姫達のおりなす華麗な格闘トーナメントは幕を開ける―――。
○月□日の早朝、戦姫武闘会開催を知らせる花火が打ち上げられ、爆音が織伽羅一丁目に
高らかに鳴り響いた。(運動会かっつーの)
そして開催時刻の午前九時前には出場選手と観客達が胸を躍らせ、蒼天学院高校に集まったのである。
何故この学校が会場なのか雲龍財団の当大会開催委員会のメンバーに解答を求めたところ、
「織伽羅一丁目に武道館や東京ドームのような大型施設がなかったから」との答えが返ってきた。
しかし集まった人々の多くは無料でしかも、すぐに見に行ける場所にあるので良いと喜んでいたという。

試合は校舎を破壊しない為の配慮なのか、学校のグラウンドがバトルステージとなっていた。
グラウンドのちょうど中心に某天下一の大会を思わせる石でできた四角の高台状のリングが設置され、
そこからCの字を描くように観客席(とは言っても杭にロープを縛り付けて囲っただけの簡素なもの)が
展開され、リングから校舎へ背を向ける形で位置する東側には、放送席と役員席があった。その光景は
中心の石の特設リングを覗けばまさに、誰もが見た運動会の会場。
ちなみに、リング西側には飲食物を買える売店、南側はCの字の空いている部分に相当するので
ここから選手が入場すると思われる。
「ところで、誰があんなバカでかい石の特設リングを運んできたのだ〜?」
「それは、わたしです。雲龍財団様から連絡がありまして…ちょちょいっと運んできました」
「わたくしも、手伝いました」
「セラフィーナさんにメリッサさん。どうやってやったんです?噂のあなたの召喚術ですか?」
「企業秘密、です」

@資材提供・聖魔殿さん 売店・××商店さん、そば屋土方庵さん(友情出演)ほか織伽羅一丁目商店街の皆さん
警備・「騎士よ今こそ立ち上がろうの会」の騎士の皆さん、パンツマンさん(友情出演) 
医療班・僧侶あさげさん、正露丸さん、神官ミストさん(友情出演) 後片付け・洗浄戦士エコロジーマンさん 
運営・雲龍財団
64名無しになりきれ:04/10/10 19:05:14
良スレにつきage
65名無しになりきれ:04/10/10 19:25:03
書いてほしいキャラはいるか?
66名無しになりきれ:04/10/10 19:37:39
白薔薇
67名無しになりきれ:04/10/10 19:45:06
そういえば魔導師連中はまだ出てないな
68名無しになりきれ:04/10/10 19:47:41
>後片付け・洗浄戦士エコロジーマンさん
ナイスチョイス
69名無しになりきれ:04/10/10 19:59:37
>>65
余興で女装部門
70名無しになりきれ:04/10/10 20:01:10
どうせなら板中のオリキャラは一応全員出してほしいな
いなくなった奴ら含めて
71名無しになりきれ:04/10/10 20:12:05
72名無しになりきれ:04/10/10 20:19:33
>70
やれるだけの事はしてみますが、ログ残してないスレは無理ですよ…
この板のオリキャラ全員なんていいんですか?
ゴルビーとかラギニャンみたいな激レア中のレアキャラ出してもわかってもらえますかね…。
73名無しになりきれ:04/10/10 20:20:44
俺はここでオリキャラKOFやって貰いたかった。
74名無しになりきれ:04/10/10 20:30:50
エーゼルカ白百合、白百合大学、蒼天学院、桐生高校、後輩スレ、白薔薇の学生達の長編話とか読みたいんだけど、どうですかね?
75名無しになりきれ:04/10/10 20:30:58
漏れは医療班の正露丸にワロタ
76名無しになりきれ:04/10/10 20:31:46
>>72
>やれるだけの事はしてみますが、
雲竜財団の漢気に敬礼!
>ゴルビーとかラギニャン
orz
77名無しになりきれ:04/10/10 20:32:37
きのこが審判?
7876:04/10/10 20:32:52
おおっと、「雲"龍"財団」だったな。失礼。
79名無しになりきれ:04/10/10 20:34:15
>>77
きのこる先生が審判・・・!イイ!
80名無しになりきれ:04/10/10 20:47:06
さすがにバランスがやばくなりそうな女の子は除外か
81名無しになりきれ:04/10/10 20:53:25
>>80
あと、死人の類も除外?
82名無しになりきれ:04/10/10 21:09:24
>80
バランスがやばくなりそうなのって誰?
83名無しになりきれ:04/10/10 21:23:15
シェリル。
84名無しになりきれ:04/10/10 21:26:53
>74
氏ねよ
85名無しになりきれ:04/10/10 21:32:29
>82
天使とか悪魔みたいな塵外な奴らだろう
86名無しになりきれ:04/10/10 21:37:37
あと、銃器の人もな。

リボルバーはお好きですか?
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1092838893/l50
87名無しになりきれ:04/10/10 21:45:26
出来ればキャラの名前も入れて
じゃないと分からん

○○「台詞」
88名無しになりきれ:04/10/10 22:00:58
人外リストアップか。なかなか手のかかる作業だな。

やつがれさん
銀髪の死神
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1093766713/l50

S&W M360PD ◆PsDfVZgt4A
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1092838893/l50

・・・知ってる分ではこのくらいか。(少ないorz

魔法少女あたりはどうするよ?常人では敵わんが・・・
「常人リーグ」、「超人リーグ」、「人外リーグ」に分かれるのか?
89名無しになりきれ:04/10/10 22:09:39
ネコミミさんとこのヴィオ姐は人外ではないのか。
ホラ、アイツメカだし
90名無しになりきれ:04/10/10 22:35:55
じゃあ某メカ兎とメカ天使も?
91名無しになりきれ:04/10/10 23:51:45
天使はメカじゃなくても・・・
92名無しになりきれ:04/10/11 00:26:04
主催者のレスが待たれるな(ワクワク
93名無しになりきれ:04/10/11 01:24:50
早く続きが見たいっす
94名無しになりきれ:04/10/11 01:46:02
>人外
萌えPCスレのPen-3のカッパーマインちゃんとデュロンちゃんもいるやな。

一応オレも人外やってるんだがやはりマイナーかorz
95名無しになりきれ:04/10/11 01:50:40
私も人外の者ですけど、マイナーな上に力無いですから……
96名無しになりきれ:04/10/11 02:23:08
>95は炒迦
97名無しになりきれ:04/10/11 10:55:37
>95
水中戦ならバカ王子(人間代表)に8:2で勝てるそうじゃないか
蒼天学院高校の時計の短針が9で止まった瞬間、織伽羅一丁目初の格闘技大会は時を刻み始めた。
それとほぼ同時に、校舎の屋上に設置された特大スピーカーが放送席からの音声を会場全体へと運ぶ。
「さーっ天は雲一つ見当たらない快晴、地には大勢のお客様と石でできたバトルステージ!今日はここ、
蒼天学院高校で!最初の!格闘トーナメントが今まさに行われようとしています!!
ご覧下さいこの熱気!青森ねぷた祭りにも負けないんじゃないかという盛り上がりっぷりです!
しかしこの熱血ボルテージ(?)は試合が始まればさらに上がっていく事でしょう!エキサイトしすぎて
客席乱闘を起こさないようにご注意下さい!本大会の実況はこのわたくし、古立一朗と」
「解説はクワトロ・バジーナ大尉でお送りさせてもらう。よろしく、アムロ君」
「よろしくお願いします…いやあなたシャア・アズナブル大佐でしょう。…コホン。それでは皆さん、
リング南側をご注目下さい!この大会、戦姫武闘会における主役!勇ましく麗しいエントリー選手を
ご紹介しましょう!選手、入場〜〜〜ッ!!!!」
古立の一声で会場にいる全員の視線が一気にリング南側へ注がれると、戦姫達が颯爽と中心の
リングへと歩み出した。
観客席の客と放送席、役員席の全員が総立ちで、選手の入場を拍手喝采で迎えたのだった。

「兄ちゃん、ポップコーンとドリンク買ってきましたよぉ」
「ああ、ありがとう。弟者よ、一足遅かったな。今さっき選手入場が終わっちまったぜ」
「え〜っ!?そんなぁ…」
それを聞き、どんな選手が入場してくるのか楽しみにしていた貴家弟者にとっては、とても大切なイベントを
見逃してしまったと言わんばかりの気分になり、しょんぼりとしながら広げられた青いレジャーシートの
上に腰を下ろした。
弟者を落ち込ませてしまったのは自分の責任なので、すかさず兄者はフォローを入れる。
「おいおい落ち込むなよ。ほれ、あっちのスコアボードを見てみろ」
言われて弟者はリングの北側の向こうにある、グラウンドに配備されている野球部御用達のスコアボードを
見てみた。すると、巨大な張り紙がされている。
字はマジックで書かれた少ししょぼいがトーナメント表であった。
「あっ、トーナメント表できてたんですね!へぇ〜、個性的な女の人がたくさん集まったんですねっ」
「トーナメント表は以下の通りだぜ!」
「…誰に言ってるんですか?」
銀髪の死神 ━━━━━━━━┓
                    ┃
九条茜・葵━━━━━━┓.   ┃
.               ┣━━┻━┓
ココシュカ..━━━━━━┛       ┃
.                       ┣━━━━┓
博士の助手&祖母 ━━┓.      ┃      ┃
                ┣━━━━┛      ┃
ホワイト・リッキー ━━━━━┛.             ┃
.                              ┣━━━━━栄光ある勝利者 あんたが大将、大統領!
高尾沙織 ━━━━━━┓.             ┃
.                ┣━━━━┓      ┃
クラリッサ・クルクリッサ━━━━┛.      ┃      ┃
                        ┣━━━━┛
高沢美咲━━━━━━┓        ┃
               ┣━━┳━━┛
稲垣安曇━━━━━━┛   ┃
                    ┃
踊り子 ━━━━━━━━━━┛

「この表、ブラウザによってはずれてるかも知れないな。大丈夫かよ」
「なんだかすごい組み合わせですね。っていうか出場を危ぶまれた女の人までいますよぉ!」
「出場を許されたんだから大丈夫なんだろ。キャラ性能とか調整されて強くなりすぎないように
気をつけておけばどんなに強いキャラでも安心だ」
「それはゲームの話ですってば…。ねぇ、兄ちゃん。戦えないんじゃないかなって人も
いるように見えるよ」
「だからキャラ性能を(以下略)逆を言えばまともに戦えるメンバーも揃っているぜ?
戦うところを実際に見たわけでもないけど、九条姉妹やココシュカさんは格闘技のたしなみがあるし、
稲垣お母さんは剣術、クラリッサちゃんは忍術、沙織お嬢ちゃんは陰陽術、ホワイト・リッキーは
魔法が使えるとか。博士の助手さんと…祖母?誰だこの人?は、博士の発明品や
近代兵器を使って戦うんじゃないか。踊り子は踊り、野球サークルの高沢さんはバットとボールを
武器にして戦うに違いない!」
「ファミコンのバツ&テリーみたいですね…じゃあ銀髪の死神さんは?」
「未知数だな。いくら何でも相手を殺ったりしないと思うんだが」
100名無しになりきれ:04/10/11 13:14:15
村神☆又吉じゃがー娘
101名無しになりきれ:04/10/11 13:18:17
確かに町内っぽい面子多めですね
102名無しになりきれ:04/10/11 13:20:28
そろそろ会場のはじっこでは"賭け"が始まっていることだろうなw
103名無しになりきれ:04/10/11 14:25:19
7 名前:名無しになりきれ 投稿日:04/10/07 23:45:37
マジレスするとこんなスレあっても勝手にSSに登場させられるオリキャラにとっては迷惑なだけ
まあ良オリキャラはこんなところでネタにされないものだが
104名無しになりきれ:04/10/11 14:27:10
やっぱ死神本命か? でもマゾっぽいし
双子と踊り子はスレがまだ未知数だからな…
105名無しになりきれ:04/10/11 18:23:47
又吉じゃがー
106銀髪の死神 ◆AkbMPnHxHE :04/10/11 20:49:29
成る程、趣旨はわかりました。
ねたにされてるくらいたから、
私も投稿してもいいんですよね?。
日記形式であればいいようですし…。
真面目な物です。面白くは無いかもしれませんが……。

私は人外です。人間では相手になりません。
もちろん、この設定をここに持ち込むつもりはありません。
(GGXXのテスタメントに準ずるキャラ性能です)
107ヘタレSS書き:04/10/11 22:06:25
処女作です。つまらないと思いますが最後まで読んでいただけたら幸いです。

「心の人形師」

ここは織伽羅一丁目の外れにある人形屋。ショーウインドーの中には様々な人形が並べられている。
その人形の出来は非常に良く、職人レベルといっても過言ではなかった。
しかし、その独特な雰囲気で近寄りがたいのか、あまり流行ってはいない様子だった。
「はぁ・・・退屈ね・・・」
彼女は厨子堂更紗、この店の店主であり、人形師である。
腰の辺りまで伸ばしている綺麗な黒髪が特徴的で、美人だが店と同様近寄りがたい雰囲気があった。
「せめて・・・一週間に一人くらいは来てくれないと寂しいじゃない・・・」
更紗本人はと言うと、意外と寂しがり屋だった。
「ん・・・?」
あまりにも客が来なくてボーっとしていたら、突然店のドアが開いた。
「いらっしゃいませ」
入ってきたのは高校生くらいの双子の兄弟。
実はこの二人、某学園の格闘技の達人で忍者の末裔とも言われている兄弟だった。
もちろん、世間のことに疎い更紗はそのことを知る由もなかったが。
「なぁ、犬や猫の形の物は作れないか?」
双子の兄は唐突に更紗に問い掛ける。
「それって、『動物の人形って言い方はおかしい!』なみの屁理屈じゃない・・・」
「いや、理屈は問題じゃない。作れるか作れないかだ」
「犬や猫の形をした人形が欲しいわけね?・・・作れはするけど・・・高いわよ?」
更紗の店がいまひとつ繁盛しない理由はここにもあった。
10万20万は当たり前、中には50万以上の値で売られているものもある。
「金に糸目は付けないぜ」
「そう・・・それじゃあ書類をとってくるから、少し待ってて」
「あっ、ちょっと待ってくれ!」
「なに?」
書類を取りにいこうとした更紗を、兄が呼び止めた。
「支払いは小判でいいか?」
「帰れ」
と言った具合で、今日も売り上げはゼロだった。
「さて、そろそろ店仕舞いね・・・」
閉店時刻になり、更紗は店の外に行ってドアの前に立つ。
「あっ・・・」
店の札がCLOSEのままだったことに今初めて気付いたようだった。
「これじゃあ来ないはずよね・・・」
もちろん、札がCLOSEだろうがそんなことには関係なく人は来ないわけだが、
何となく救われないのでそう思い込むことにした。
108ヘタレ:04/10/11 22:09:17
「さて・・・」
店の中の掃除を終えて、一息つこうと思っていた更紗。そこに電話がかかってきた。
「注文かしら・・・?」
少し期待しながら、更紗は受話器を取る。
「はい、厨子堂ですけど・・・」
「あ、あの!彼氏募集中のビラを見ました!是非僕と」
「はぁ?」
「ですから、男の人が駅前で厨子堂更紗の彼氏募集中ってビラを配ってたんですよ」
「それ、嘘だから信じないように・・・」
更紗は心底疲れたような表情で電話を切る。
「何よそれ?・・・新手の嫌がらせ?」
深く考えても仕方がないので、とりあえず寝ることにした。

翌日、更紗の店には朝から緊迫した空気が漂っていた。
久しぶりにまともな依頼者が来ているようだった。
「私には二人の息子がいました。兄の篤志と弟の孝志です」
依頼者が語りだす。
「しかし、先日篤志が事故で亡くなって、仲の良かった孝志はショックで心を閉ざしてしまったのです」
淡々と語る依頼者。更紗はただ黙って聞いていた。
「今ではほとんど会話すらしてくれません。そこで、篤志そっくりの人形を作っていただきたいのです。
それで少しでも心を開いてくれればと思うと…」
「わかりました・・・引き受けましょう」
更紗は二つ返事で答えた。
「それじゃあこの紙に届け先を書いてください・・・明日のお昼頃には届けますから・・・」
そして、依頼者の住所を聞くと、早速作業に入ることにした。
「死んだ息子に似た人形か・・・」
その日、更紗は作業に没頭していた。寝る間も惜しんで作業に充たった結果、朝方には完成した。
「ちょっと、無理しすぎたかな?・・・少しだけ、休も」
更紗は倒れるように、その場で眠りについた。
109ヘタレ:04/10/11 22:11:19
「う〜・・・ん?」
あれから何時間経ったのか、更紗は怠そうに体を起こす。
「えっと・・・時間・・・」
更紗が時計を覗き込むと、時刻は一時を回っていた。
「嘘でしょ・・・」
彼女は慌てて人形を箱に詰め、包装をして店を出る。食事など取っている暇はなかった。
「えっと、車・・・あっ・・・!」
その時になって車は修理に出していたことを思い出した。
「最悪ね・・・」
「更紗ーーー!」
更紗が凹んでいるところに、たまに店に来る男、名無が自転車で通り掛かった。
「何してんのさ?」
「えっと、実は・・・」
時間がないので手短に事情を話す更紗。
「それは大変だね。乗っていくか?」 「自転車に?」
「他に乗り物があるか?」
「仕方ないわね・・・」
これ以上時間を消費するわけにもいかないので、乗っていくことにした。
「それで、届け先はどこなんだ?」
「羅運時町よ・・・」
「一時間ってところか…飛ばすから、しっかり掴まってな!」

「悪いわね・・・」
「気にすんなよ。今日は駆羅運町に行こうと思ってたから、
羅運時は通り道だし。それじゃあまたな!」

目的地に着き、名無と別れた更紗は届け先の家の呼び鈴を鳴らす。
「あっ、厨子堂さんですね?待ってましたよ」
しばらくしてから昨日の依頼者の男が出てきた。
「こんな所で立ち話もなんですから、どうぞお上がり下さい」
依頼者に案内されて、更紗は客間に着く。それなりに立派な家だった。
「それで、孝志君は?」
「話はしてくれませんが、このことは伝えておきました。
きっと喜んでくれていると思います」
そう言って依頼者は、紅茶を差し出す。
「それで、厨子堂さんに直接渡していただきたいのですが…」
「ええ、構いませんよ・・・」
紅茶を飲み終えると、更紗は依頼者の案内で孝志の部屋に向かう。
110ヘタレ:04/10/11 22:12:37
「孝志、厨子堂さんが来てくれたぞ」
依頼者はドアを開けて部屋の中に入る。孝志は虚ろな視線で外を眺めていた。
「えっと、孝志君・・・これ・・・」
更紗は部屋に入り、箱を開けて篤志の人形を孝志の前に置く。
その人形は素晴らしいもので、まるで今にも動き出しそうな程だった。
依頼者もその人形の出来に思わず見入ってしまった。
「た、孝志…どうだ?これで寂しくはないだろう?」
刹那、孝志は人形を力一杯蹴り付けた。
「なっ…孝志!?」
そして、更紗達の方を振り向く。
「こんなの、兄ちゃんじゃねぇよ!だって喋らないじゃないか!
動かないし、息だってしてない!だだの人形じゃねーかよ!」
そう言いながら二、三度、人形を足蹴にする孝志。
「た、孝志!いい加減に…」
依頼者が孝志に手を上げようとするが、咄嗟に更紗が止める。
「やめて!・・・私の力が、及ばなかったんだから・・・」
更紗は悲痛な表情を浮かべて、ただ黙っていた。その場に不穏な空気が漂う。
「結局、どんなことをしても兄ちゃんには会えないんだ…」
孝志はボソッと呟く。
「いや、死ねば会えるのかな…?だったら、いっそのこと…」
刹那、甲高い声が響く。
「バカなこと言ってんじゃないわよ!」
更紗が孝志の肩を掴み、言い放つ。
「そんなことして、誰が喜ぶと思ってるの!?
あなたのお父様だって、こんなに心配してくれてるのに!
篤志君のために、あなたが出来ること・・・いえ、するべきことは・・・
彼の分まで精一杯生きることでしょ!?」
涙目になりながらも、必死に伝える更紗。その言葉に心を動かされたのか、
少年は涙を流しながら更紗に抱きつく。
「ごめんなさい…ごめん…な…さ…」
「死ぬなんて・・・そんなこと、もう言っちゃ駄目よ・・・」
そう言って更紗は、孝志の頭を撫でる。

精魂込めて作り上げた人形には魂が宿ると言うが、
言葉にも言霊というように魂が宿るものなのだろう…。
少なくとも彼女の必死の言葉は、少年の心を救った…。

それから数日、相変わらず人気のない店で店番をしている更紗。
「更紗ーーー」
「あら?・・・また来たの・・・」
「何だよ、相変わらず流行ってねー店だなー」
たまに店に来ては適当に話をして帰っていく…それも悪くはない…そう思っていた更紗だった。

111ヘタレ:04/10/11 22:13:58
何か区切りとか中途半端で読みにくくてスマソ
112吉田茂:04/10/12 00:07:49
>107-111
GJだよ
私のよりものすごく(・∀・)イイ!!
113名無しになりきれ:04/10/12 00:16:12
ヘタレ!いいぞヘタレ!よく頑張ったなヘタレ!
皆さんこんにちは。
オリキャラ板の越境貴公子、サイキッカー亡者です。

>53>54>55
私が悪役ですか。全く否定できないのが悲しいですねえ。
やつがれさんのせいなのかはわかりませんが、地獄を支配する私のプランも崩壊しましたし、
やる事ないのでここは一つ、私と彼女とのめくるめく愛欲の日々でも投稿しますか。


冗談です。
115名無しになりきれ:04/10/12 15:38:53
>107-111
よく頑張ったな!ヘタレ!・・・悪口に聞こえる・・・

面白かったです、これからも頑張ってください。
116名無しになりきれ:04/10/13 12:43:46
オリキャラ板全体にぐだぐだが降臨しています

もうどうにもならねえ
「さーっ長らくお待たせしました!戦姫武闘会、第一回戦がいよいよ始まります!初戦はどんな戦いを
わたくし達に見せてくれるのでしょうか?試合開始が近づくにつれて、会場内の熱血ボルテージはぐんぐん
高まります!赤道直下よりも熱くなりそうです!」
「両者の健闘に期待しよう、アムロ」
「だからわたくしは古立ですよシャア大佐」
という放送席の妙なやりとりが行われている間も、観客の注目は常に石のリングが独占している。
リングの中央にはこれから対戦する二人の戦姫がスタンバイし、二人の間にキノコのかぶりものをしているのか
元々そういう姿なのかわからない、マスコットキャラ的な雰囲気を持った一人の男が挟まれてる形で
立っていた。よく見れば男の胸元に、小型マイクが取り付けられている。
「審判をやれって言われたきのこる先生だけど…これからルールを言うから、みんなちゃんと聞けよ。
二度も書くのめんどいしね。というわけで、ルールの解説な」

□戦姫武闘会 ルール□
一つ、試合は一対一で行い、基本的にはもう一人のエントリー選手は試合の決着時や特定の演出時以外では
リングに上がってはいけない。
一つ、試合の形式は殴り合い蹴り合いどつき合い。バーリ・トゥード(何でもあり)が適用され、武器の使用、
超自然的な力(魔法など)、気功を始めとする体内エネルギーによる発火現象や放電現象は全て
攻撃の手段として認められる。
一つ、相手を戦闘不能にするか、相手が降参を認めたら勝利とする。
一つ、試合は一本勝負で制限時間は五分。それまでに決着がつかなかった場合は審判と役員席の
公正な判断による判定に持ち込まれる。この場合、ポイントを多く取っていた方が勝者となる。
最後に一つ、ルールを守らなかったり相手をブッ殺した場合は失格。

「てゆーかブッ殺しは逮捕→裁判キャンセル刑務所送り→獄中生活の連続技確定ね。そんな所だな。
あ、ついでなんだけど負けた側の選手はダウンした回数分だけ衣服を脱がなきゃいけない」
「負けた選手は…」「脱衣?」
男性客がきのこる先生の特に気になったその言葉を呟き、反芻すると熱血ボルテージは一旦の間を置いた後、
瞬時にとてつもないまでに上昇した。この瞬間だけ、会場の熱気はオリンピック開会式にも勝っていたという。
会場中の男性客約9割から発せられる狂喜乱舞の大歓声によって、参加選手一堂は我に返ると衝撃を受けた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
「最高だ戦姫武闘会ィィィィィィィィ!!!!!!!戦姫武闘会は世界一ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」
「きのこる先生愛してるぜー!!!」
118名無しになりきれ:04/10/13 13:03:48
超良スレの予感!!!!!!!!!!!!!!!
「…というエロルールはないから選手のみんなは安心して戦いに望んで欲しい。ちゃんと参加賞や
準優勝者にも賞金は与えられるんだしな。以上だ」
が、続けて発せられたきのこる先生の言葉は再び会場中に波紋を呼んだ。つい今まであった超特大の
ボルテージ、あえて言うならば爆熱ボルテージはこれまた瞬時に鎮火した。
会場中の男性客約9割が凍りついた中、参加選手一堂は安堵のため息をつき、胸をなでおろした。
だが次の瞬間、男性客約9割全員の怒りに火がつき、壮絶なまでにもの凄い剣幕できのこる先生への
罵詈雑言が飛びかかった。
「テメーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」
「ぬか喜びさせやがってふざけんじゃねえよ!!!!!!」
「くたばれ糞キノコ!!!!」
怒りはヒートアップし、客席からきのこる先生に向けて空き缶や弁当、ノートパソコンや剣が嵐のように
投げつけられた。
「うわなにをするやめ…あなご!!」
鈍い音や気持ちのいい音を立てながら飛来物がきのこる先生に命中し…結果、一番最初に医療班のお世話に
なったのは参加選手ではなく、審判のきのこる先生であった。前代未聞もいいところである。
「女性選手の全てを知りたい男の願望とは、かくも強いものだな。願いを砕かれた怒りは通常の3倍か」
「お〜っとこれは審判のきのこる先生さん、余分な事を口にしたせいで災難に遭われてしまいました…
故人曰く、口は災いの元、実に恐ろしい限りです」
と、冷静なコメントをする古立とシャア大佐だが、二人ともちゃっかり手元に置いてあった開けていない
缶のウーロン茶をきのこる先生に投げつけていた。

「――それじゃあ、開始時間が10分くらい遅れたけど第一回戦。白コーナー、世界制服を夢見る二つの禍つ星、
九条茜アンド葵〜!」
「なにが禍つ星よ、失礼ね!私は覇王の血統なのよ!」
「…それに、白コーナーなんてありません…」
「黒コーナー、悩みも苦しみも優しく包み込む、シスターオブシスター、シスターの中のシスター、
ココシュカ〜!」
「天のご加護があらん事を…あ、手加減なしでお願いしますね」
「両者、準備はいいな。レディ〜〜…ゴー!ってことでよろしく」
あまり気が乗らない風な審判の掛け声と同時に、第一回戦は始まった。
120名無しになりきれ:04/10/13 13:21:11
↑これ書いて思った。
僕は物語内のきのこる先生のような目に遭ってしまうんじゃないか…と。

期待した>118さん、まじですいません。
121118:04/10/13 13:22:51
sine
122名無しになりきれ:04/10/13 13:28:08
怒りage
123名無しになりきれ:04/10/13 13:47:43
>120は逃げ出した
124名無しになりきれ:04/10/13 13:51:22
しかし まわりこまれてしまった!
125名無しになりきれ:04/10/13 13:54:28
118が本気出したダークドレアム並みの猛攻に出ると予想
126名無しになりきれ:04/10/13 14:17:07
自分が演じてるキャラの外伝SS


なんてオナーニになりそだし、やめとくかorz
127名無しになりきれ:04/10/13 14:22:43
そうですね……やめておきましょう……orz
128名無しになりきれ:04/10/13 14:38:13
やっぱここはバーチャル越境な絡みがキモでつからね。残念だプー。
129名無しになりきれ:04/10/13 14:42:29
竜神対死神対太陽神対魔神対村娘のSSマダーーーーー?
130名無しになりきれ:04/10/14 11:35:44
>129見たいage
131名無しになりきれ:04/10/14 12:58:10
>129
プライマルレイジじゃあるまいし…。
132名無しになりきれ:04/10/14 13:17:15
じゃあ、どこぞの羽の人ともっさりとの暖かい交友でも書いてくれ
133名無しになりきれ:04/10/14 13:21:29
村娘のポテンシャルに期待
134名無しになりきれ:04/10/14 13:24:27
自分で書け
135名無しになりきれ:04/10/14 13:59:40
俺も書く
お前も書け
136名無しになりきれ:04/10/14 14:47:45
俺は読む
お前は書け
137名無しになりきれ:04/10/14 14:49:14
俺もお前も読め
>1はしぬまで書け
138:04/10/14 15:24:30
くだらない流れですね。まったり待ちましょう。
139銀髪の死神 ◆AkbMPnHxHE :04/10/14 16:20:03
>126
確かにその通りですね。やめておきましょう…。
只の苦労話のつもりでしたが……。
140名無しになりきれ:04/10/14 17:06:09
>119
昼休み時に勢いだけで描いた一枚、茜対シスターココシュカ
ttp://data.uploda.net/anonymous/etc2/dat4/upload2911.jpg
シチュエーションを想像するのも面白いな。
141名無しになりきれ:04/10/14 20:17:43
>139
内容にちょっとでもエロさがあれば俺は認めるぞ
142名無しになりきれ:04/10/14 20:21:44
>140の人は姉者妹者スレで兄弟集合イラスト描いたことないか?
「―さあ、第一回戦九条茜選手対ココシュカ選手の試合が始まりました!始まったところで、わたくしは
ようやく手元にある両選手の資料に手を伸ばし、目を通してみたいと思います。まずは、九条茜選手。
どうやら、茜選手は生まれつき格闘技の才に恵まれており、16歳という若さで多種多様の格闘技を体得
しているそうですねえ。気になる格闘スタイルは豊富な技を駆使して戦うというより、それぞれのスタイルの
長所を取り入れた『ほぼ独自の格闘術』を使用するみたいですね」
「ベースは日本の古武術である可能性が高いと書いてあるぞ、アムロ」
「あ、そうですね。いやシャアさん、資料を記してあるまま読んでもつまらないんですよ!…こほん。
次にココシュカ選手ですが、護身の手段としてテコンドーを習うに至り、今でも鍛錬を欠かさずこなしつつ
悪漢を相手に、技に磨きをかけているとの事ですね。テコンドーと言えば華麗な足技!足技で有名なのは
ムエタイですが、こちらを剛とするならばテコンドーは柔な性質のある足技が多いそうです」
「変幻自在の足技がテコンドーの持ち味なのだろう…威力よりも手数足数で勝負すると見たな」
「というインプレッションから、力よりも技の戦いになると予想されます!試合の展開に注目ですね!」

「まずは挨拶代わりよ。覇王…」
開始の合図直後に動いたのは茜。右腕を軽く後方へ上げ、
「烈風拳!」
半月を描くように大きく振ると地を這う衝撃波を発生させた。衝撃波は7メートル程離れて立っている
ココシュカをめがけて真っ直ぐ襲いかかっていく。
「茜選手、離れた相手に先制攻撃を仕掛ける!飛び道具を徒手空拳で放つ姿は格闘ゲームの
キャラクターを彷彿とさせます!」
「飛び道具か…当たらなければどうと言う事はない」
しかし遠距離、よほど弾速が疾くない限り常人にでも反応可能な距離。エリアルダッジ(小ジャンプによる
下段避けの動作)でココシュカは前進しながら難なく回避。
そこから必殺技の硬直を狙い、修道女(しかも普段通りの純白の正装で)とは思えない
素早いダッシュで一気に1メートルあるかないかの近距離まで迫っていった。
「茜、ガード」
葵に言われ、立ちガードの体勢を取ると間髪入れずココシュカの前蹴りが飛んできた。
疾くてリーチの長い攻撃だが威力は小さく、ダメージにはならない。同じ攻撃が一定のテンポを保って
二回、三回と繰り出される。
「ガードを誘われると不利です…間合いが離れたら、仕掛けて」
144観客:04/10/16 00:42:51
おおおーーっ!!
ざわざわざわ・・・!
ガードで押し返され、蹴りの射程から外れたので攻撃を止める。
攻撃が止んだ僅かな間に茜がすぐさまジャンプで接近を試みるが、ココシュカは右回し上段蹴りを飛んだ
直後の茜の左腿に当てて迎撃した。クリーンヒットはしていないのでそのまま蹴られた方へと軽く跳ねて、
衝撃を和らげながら後退しつつ着地する。
「はっ、やるじゃない」
「あなたもやりますわ。普通なら今の蹴りは脇腹に当たっていたんですもの」
「最初に攻撃を当てたのはココシュカ選手!華麗な脚技で茜選手の接近を簡単に許しません!」
「技が届かなくなれば敵はこちらのターンと思い、接近する。そこへ先読みして潰しの技を置いて
おくのは定石だ」
「だったらこっちはスピードを活かして近づく!」
茜が強く地面を蹴り、肘を突き出す態勢で体重を乗せた突進攻撃を仕掛けた。突進が疾いため、
反撃よりもガードを優先させたココシュカは肘打ちをすんなりガードしたが、狙いはこの技をクリーンヒット
させる事ではない。肘打ちが食い込まないようにガードさせれば五分の状態になるので、至近距離に
するのが目的だ。茜がすぐに次の行動に移れると見て、ココシュカは割り込めないと考えてガードを続ける。
その予想通り、間髪を入れず茜が左肘打ちを当て、一瞬低い姿勢になった後すぐに上へアッパーを打つ。
連続攻撃はガードの上だが、これで終わりではない。
アッパーのモーションからさっと身を翻し、ダッシュするとココシュカの視界から茜が消えた。
「!?」
目にも止まらない疾さで高速移動し、ココシュカの背後へと回っていたのである。
ココシュカが気づき振り返った時には既に遅く、足を掴まれると
「せえぃっ!」
茜の両腕が空に円を描くように一回転し、後方へ向けて天高く放り投げられた。
「あっと、茜選手の必殺投げ、覇王閃空投が決まった!ココシュカ選手、きりもみしながら飛翔する〜!」
「攻撃はまだだ、まだ終わらんよ!」
投げの余韻に浸る事なく茜は動いていた。ココシュカの落下地点へと少し歩き、密着するくらいまで
間合いを詰めてから、
「大武流覇王烈風拳!!」
落下に合わせてニ連続の地を這う衝撃波を発生させた。無防備で宙に浮くココシュカにニ撃とも命中は
したがダウンは奪えず、衝撃波の衝撃を利用して体をくるんと逆でんぐり返しさせると何とか着地した。
「くぅっ…!」
しかし、ほぼ零距離まで接近した茜は着地の一瞬の隙を見逃さない。
「茜、続けていきましょう…」
「わかったよ、葵!はあぁぁぁぁぁぁ…!」
茜が気合を込めた肘打ちをココシュカのみぞおちにめり込ませると、わずかによろけた後、動きが止まった。
それを確認するとココシュカに体当たりを仕掛け、そのままリングの端まで押し込んで行く。
「茜選手、着地に密着で発生の早い必殺技を重ねる回避防御が難しい戦法で攻め立てます!!
しかしリング端へ向かって一体どうするつもりなのでしょう!?念の為言っておきますがリングアウトは
ありませんので、リング外へ押し出しても特に何もありません」
「甘いな、アムロ。これは必殺技の更に一段階上をいく『オフェンシブアーツ』の演出だ。見るがいい!」
向かった先には葵が身構えて立っていた。茜と葵が一定の距離間にココシュカを挟む位置関係になった時、
シャア大佐の言うオフェンシブアーツの演出が始まった。
「いっけー!」
最初に茜がココシュカを右の掌底で突き飛ばすと、葵はそれを打ち返す形で
「よいしょ…」
茜に向けて蹴り飛ばす。そしてまたココシュカが茜側へ戻ってきた所で打撃を叩き込み…という卓球や
テニスのラリーによく似た拳技と脚技の打ち返し合い(?)の応酬が合計七発繰り返され、
「これで、最後です」
最後に葵が勢いよく上段足刀蹴りを決めてココシュカをリング中央まで吹っ飛ばした。
ココシュカは派手にリングに背中を滑らせた後、仰向けに体を横たわらせたまま動かなかった。
「決まったー!茜選手のオフェンシブアーツ『覇王裂震撃』!!実に見事なユニゾンを見せてくれましたね!」
「さすがは双子だ…ああまで息が合っているとはね」
倒れているココシュカに客席の視線が集まるが、動く気配はない。それを見よがしに茜は余裕綽々
とした表情で歩み寄って行くと、倒れているココシュカを見下ろしてから笑った。
「あははははははは!ま、覇王たるあたしなら当然の結果よね?つまり、あんたが弱いんじゃなくて
あたしが強すぎるの!格の違いが少しは理解できた?…審判!もう勝負はついたでしょ」
審判に決着がついたから勝利を公言しなさい、と言ってきのこる先生の方を見やった。
だが、それは過ちでしかなかった。
「茜、目を離しちゃだめ…!」
いち早く気がついた葵が言うものの、時既に遅く―――
茜が正面を向いた時には、目の前に今さっきまで倒れていたはずの姿がそこにあった。
「ずいぶんと勝負を甘く見ているんですね?」
ココシュカは微笑んで見せると、茜は信じられないと言いたそうな顔を浮かべた。
慌てて身構えようとしたが、動くよりも疾くココシュカの左横蹴りが胸部にめり込む。
「ああ…バカ」
油断をし過ぎて不意の一撃を受けた茜を見て、葵は思わず額に手を当てると俯き、呟いた。
ココシュカの反撃はこの一撃で終わらない。立ち状態から膝を折ってしゃがむと、茜がよろけたところに
右しゃがみ蹴りから左しゃがみ横蹴りへと下段へのラッシュを決め、そこから体を右に一回転させて
右すくい蹴りで茜の両足を払い、地面から離れさせた。
さらに宙に浮いた茜に向かって体をひねりながら小さく飛び、地面へと叩きつける踵落としで締めくくった。
背中を強く打ち付けないように受け身を取って衝撃を和らげつつ、茜は着地する。
「このっ…やったな!」
すぐに立ち上がったが、正面には目の前にいるはずのココシュカの姿が見えなかった。
「…えっ!?」
「上です、茜!しゃがんで…」
はっとした時にはもう遅く、ココシュカの飛び蹴りが茜の後頭部に命中。そのまま背後へと着地する。
「おっとこれは…シャアさん、何でしたっけ?」
「めくりだ。ジャンプ攻撃を当てて裏に回る効果的な攻めなのだよ。ガードされていてもガード方向が
逆になるので攻める側が有利になる、良い戦法と言えよう。もっとも、される方はたまったものではないがな」
ココシュカは右しゃがみ蹴りを茜の足に一発だけ当てると、即座に地面を蹴って小さく宙返りをしながら
左足を勢いよく振り上げた。いわゆるサマーソルトキックである。
サマーソルトキックが茜の顎をかち上げると、体は上へ向かう衝撃に逆らう事なく、そのまま頭部を後方へ
仰け反らせながら2メートル近く浮き上がった。
「あれだけ好き放題してくれたお礼はしておかないといけませんね?もちろん、倍返しで!」
浮いている茜を見ながら呟いたココシュカは、被っていたベールを突然リングの隅へ放り投げた。
そこにある表情はいつもの優しいシスターの温和な表情ではなく、戦いの中に生きる修羅の顔だった。
怒っているというよりは戦いを楽しんでいると形容すべき面持ちである。
口がにぃっと笑うと、低い姿勢で落下してくる茜に向けて猛烈な疾さで突撃した。
「ココシュカ選手、とんでもないスピードの踏み込みを見せたーっ!!いや、はっきり言って目で追えません!
シャアさん、これは、まるで…」
「今まで温存しておいた力をすべて注ぎ込んだ動きだ。ここから放たれるのはあれだけと見た。
試合を決する破壊力を持った最高の必殺技、『クリティカルアーツ』…」
「秘伝・鳳凰曲舞!!!」
空中の茜を捕らえる膝蹴りを喰らわせると、ココシュカはマシンガンのように凄まじく疾い蹴りを次々と
連射し、ダメージから回復する隙を与える事なく茜のあらゆる体の部位に蹴りを流れる動きで叩き込んでいく。
激しくも流麗な無数の蹴りが隙間なく放たれていく様は曲舞と呼ぶに相応しいものであった。
数十発にも及ぶ蹴乱打は空中でも続く。高速の左後ろ回し蹴りで空中へ飛ばされた茜をココシュカは逃がさず
空中に飛びつつ右後ろ回し蹴りで追撃し、そこからまた左回し右回しと連続で蹴りを浴びせ、とどめに宙返りしながらの
回転蹴りで蹴り上げて、間髪入れず身を翻して逆回転し、上から勢いよく真下へ振り下ろす反転蹴りのもう一撃を
決める。この蹴りがクリーンヒットし、茜が思いっきり地面に叩きつけられると舞いは終局を迎えた。
ココシュカが着地して叩き落した茜の方を見ると、リングが茜の体を中心にしてめり込みによる円状の
ひび割れを形成していた。
この事から落下時に相当強い衝撃があったと思われる。
「ふぅ…さすがに、ちょっと…やり過ぎましたね…」
肩で息をしているココシュカは仰向けの体勢のままピクリとも動かない、倒れた茜を一寸見て呟く。
それまで茫然と見ていた古立は我に返ると、マイクを掴んですぐさま叫んだ。
「き、き…決まった〜〜〜〜!!!!決まりました〜〜〜〜〜〜!!!!!!ココシュカ選手の疾風怒濤の
乱舞攻撃!!クリティカルアーツの破壊力をまじまじと見せつけました〜〜〜!!!一撃必殺、ここにあり!!!!」
「決めは22ヒットコンボとは恐れ入る。実に派手な幕切れだったよ」
リングが歓声の渦に包まれ、客席からは早くも両者の健闘を称える声が押し寄せていた。
その最中、リングでは立てなくなった茜を確認したきのこる先生が慌てて医療班のテントで待機している
医療班のメンバーを呼び出した。僧侶あさげがすぐに茜の側に駆け寄ってくると、ほんの数秒後には
茜の戦闘不能をきのこる先生に言い渡され―――
そして、リングの中央できのこる先生はココシュカの右腕を掴むと高々と掲げて、言った。
「第一回戦、勝者…ココシュカ!!」
さらに大きな歓声が沸き上がり、観客の注目がココシュカ一人へと集まった。
ココシュカは大きく深呼吸をしてから、静かに目を閉じると勝ちポーズを決めて見せる。
「全力で戦えた事に、感謝します…」

第一回戦 九条茜●−○ココシュカ
決め技・クリティカルアーツ『鳳凰曲舞』  最高HIT数 22
急遽リングに担架を携えたいかにも腕力自慢の騎士二人がやってきて、茜を担架に乗せると速やかに
医療班の待つテントへと向かっていった。
ココシュカはリングの隅に落ちているベールを拾い上げると、ぱんぱんと音を立てながら一、二回膝に当てて
汚れを払ってから頭に被せる。
「待って…」
リングから降りたところで後ろから呼び止められた。呼び止めたのはもう一人の対戦相手でもあった九条葵。
葵に向き合うと、ココシュカは申し訳なさそうな顔をして言う。
「葵さん、でしたね。ごめんなさい、最後は本気を出したから茜さんが…」
「肋骨を始めとする数個所の骨がイって…ついでに全身打撲で全治三週間ってところだそうです」
それを聞いてココシュカはさらに気まずい顔になる。
しかし葵の態度は別段変わったものでもなく、ココシュカの心情を気にせず続けた。
「ココシュカさんが謝るのはお門違いです…茜はあなたよりも弱かったから負けた…それ以上でもそれ以下でも
ありません。むしろ私は、負けてよかったんだと思っています」
意外な反応が返ってきたので、ココシュカは思わず聞き返す。
「…どうしてです?」
「茜は覇王を名乗り、自分自身に対して絶対的な自信を持っていました…もちろん実力も備わっていますが…
されど足りない、欠けている要素はまだまだあるのです。実戦はもとより、敗北を知らなさ過ぎです。
今回の敗因は…間違いなく戦いに関して甘さがあったから……。私はこれから、あの子に覇道の道を歩ませて
行く為に、もっともっと多くのことを経験してほしいんです。…だから、今回あなたとぶつかり、負けたという結果は
必ずあの子の為になるはずです…」
普段は茜に対して素っ気無く振舞う葵だが、やはり双子の姉妹だった。
茜の行動にただついて行くだけに見えて、いつも身を案じていたのだ。静かに見守りつつも導いていこう
という不器用な葵の姉妹愛ならではであった。
それが葵の淡々とした口調から伝わってくるのがわかり、ココシュカは優しく微笑むと言う。
「私の見た所ではまだまだ修行も経験も足りていませんが、茜さんはもっと強くなりますよ。
次に戦う日が来るまでには、もっと自分を磨いておいて下さい…と伝えておいてくれませんか?」
葵も爽やかに笑って答える。
「はい…あなたの正義感の強さから、必ず私達の前に立ちはだかる日が来るでしょうね。
その時には茜はあなたを越えていますけどね…。ああ、そうそう…ココシュカさん。無茶をしないで
医療班の元へ行かれては…?」
ココシュカもまた茜の攻撃で体のあちこちを負傷していたのだ。負傷を見抜かれて、ココシュカが苦笑
しつつも軽く会釈をすると踵を返して医療班のテントへ歩いていった。
150名無しになりきれ:04/10/16 11:50:00
良スレの予感あげ
151名無しになりきれ:04/10/16 11:50:20
>140
マンガチックなイラストを描かれたあなたにご提案。
ついでにエントリー選手全員を描いてみるのはどうでしょう?と言いたいけど僕一人の判断で
やってもらうのもまずそうな予感が…。挿絵って扱いで許されないでしょうかね。
152名無しになりきれ:04/10/16 11:54:41
イラスト全部AAだったら笑うな
153140:04/10/16 16:14:33
>151
分かった、任せておけ!反対意見がなければの話だがな。

>142
男なら約束は守らなきゃいかん。それを実践しているまでだ。
154名無しになりきれ:04/10/16 16:33:15
>153
やはり同一人物であったか…
あの弟者にはとても萌えたよ。
155名無しになりきれ:04/10/17 00:49:58
カイザースレの勇者達と、騎士スレの騎士達のガチンコバトルが読みたいっす。
156名無しになりきれ:04/10/17 00:53:14
リクうざい黙れ死ね
157名無しになりきれ:04/10/17 01:00:21
俺もそのバトル見てみたいぞ
でも、そうするとカイザーはどっちにいることになるんだろう?
158名無しになりきれ:04/10/17 01:05:41
カイザーは中立っていうかカイザーをめぐって戦闘が始まるってのはどうよ?
後バランスをどうするか、レナスやオーガス明らかにバランスブレイカーだし。
159名無しになりきれ:04/10/17 01:17:01
確かに見たいな。
でもあれはキャラ掴むの大変だろ。
なんじゃなんじゃ?
161名無しになりきれ:04/10/17 01:19:55
うほっ、いい皇帝…!
162名無しになりきれ:04/10/17 01:20:40
雑談したきゃ雑スレ行け
163名無しになりきれ:04/10/17 01:37:44
書いてみたいが、題材にもう一スレくらい欲しいな。
164名無しになりきれ:04/10/17 03:43:52
>161
やらないか?
165ブッシュ ◆nLUXwATCW2 :04/10/17 10:47:19
オリキャラは漢字にすると檻伽羅ではないのか!!そうこの板は檻なのだ
166名無しになりきれ:04/10/17 18:01:38
汚れ系の悪役キャラってなかなか見つからないものだな
167名無しになりきれ:04/10/17 18:30:47
>166
地獄に一人とんでもない汚れがいる
168名無しになりきれ:04/10/17 19:45:08
>167
奴は汚れすぎで周囲も汚s(ry
169ヘタレ:04/10/17 20:12:14
>167
奴は既に先人が素晴らしいSSに使ってるからなぁ・・・
しかし他に思いつかないし、とりあえず使ってみるか
170名無しになりきれ:04/10/17 20:20:36
使うの!?
チャレンジャーだなヘタレ。根性あるぞヘタレ。ガンガレヘタレ。
171名無しになりきれ:04/10/17 20:23:09

ほめるのかけなしてるのか一見わからんな
172名無しになりきれ:04/10/17 23:43:48
とりあえず…SSが読みてえーーーー!!!
173名無しになりきれ:04/10/17 23:52:48
「すっかり寒くなってきましたね。おっぱいが見たい。」
そう言い残し、奴はこの世を去った。居眠り運転が原因の交通事故だった。
奴の名は
174名無しになりきれ:04/10/17 23:56:42
ポリスマァァァン

    by杉様
175名無しになりきれ:04/10/18 12:04:11
戦姫武闘会のラスボスは体重計になりました
体重計「さあ、私を踏めるものならやってみるがいい!」
176名無しになりきれ:04/10/18 12:25:29
>175
それよりも、フリーザ様だろ。
177名無しになりきれ:04/10/18 12:34:22
>176
そういう単純に最強対最強、みたいな強さのぶつけ合い対決は
SSにしても盛り上がらなそう……。
178名無しになりきれ:04/10/18 12:55:41
>175は女性に対しては無類の破壊力(精神面のみ)を誇るからなあ…
すでに犠牲者も出てるし…
179名無しになりきれ:04/10/18 12:58:32
>176
女じゃないから却下。
私の名は七志仁成木礼(ななしになりき れい)。
職業は作家、とはいえ専ら少年少女向けライトノベルを書いて暮らしている。
この町ではテンプレなる物に自分についての事柄を記す習慣があるそうだが、私の事を書く必要はないだろう。
私はあくまで語り部に過ぎないのだから・・・。
そう…これは、私が織伽羅一丁目で出会った不思議な人物や出来事についての物語なのだ。

私がこの町にやって来たのは純粋な好奇心からだった。ここにはいくつもの不思議な場所があると聞いたのだ。
創作活動に行き詰まった私は非日常を求めてていたし、あわよくば新作の種にしようとの目算も無いではなかったが…。
だから私の期待では、この町はいかにも変わった町であるはずだった。しかし・・・

「普通の町じゃないか・・・」
普通の町並みが普通に広がる普通な一丁目…。道行く人も変わった様子はない。
肩すかしをくった気もしたが、私は歩きだした・・・その時!
「な、なんだ!あの生物は!?」
私の目に飛込んできたのは実に奇怪な生き物だった!直立したジャガーにハサミをつけたとでも言おうか?
・・・目が合った。そいつは私を見つけるとものすごい勢いで迫って来た!逃げられない!
そして・・・
「はさみじゃがー」

挨拶するかのようにそう鳴くと、そのまま去って行った・・・。
なんだったんだあれは……。
それにあんな事があったというのに、どうして通行人は何事もなかったようにしているのだ……?
私は確信した、この町には何かがある!それを探るのだ!!
どこかで情報を集める事にした私は、なにやら趣きのある店をみつける事ができた。
その店の看板には確かこう書かれていた。 「聖魔殿」・・・と。
181名無しになりきれ:04/10/18 15:52:53
畜生
ワラタ
聖魔殿へ入った瞬間、私は我が目を疑った!
外から見たより広い店内に雑多な商品が置かれていたのだが、その中には食料品や衣類といった一般的なものだけではなく、
怪しげな薬や置き物、果ては剣や銃や鎧まで置いてあるのだ!
さらにその商品を物色している人々というのが、剣士にガンマン、忍者に亀に熊という有り様!!
この世にこんな場所があるはずがない・・・!

・・・!? いや、私は理解した。ここはいわゆるその手のお店なのだ。
彼らも皆、コスプレとか着ぐるみとかそういう人種に違いない!うんそうだ!
私がなんとか自分を納得させていると、一人の女性が声をかけてきた。
「ようこそ聖魔殿へ…。なにかお探しですか?」
ブロンドを後ろでまとめた美しい女性だった。眼鏡が知性的な印象を与えている。
「は、はぁ、まあ…。・・・あなたは?」
「私はセラフィーナと申します。ここの主ですわ…。」
・・・なんと!この怪しげな店を彼女のような女性が切り盛りしているなんて…
「驚かれましたか? ここは様々な世界に繋がっています…。
ですから、どんな物でもご用意いたしますよ。」
アイタタタタタ・・・、彼女自身もかなりの電波系らしい。まあ、店の雰囲気を出すためかもしれないが…
ともかくそこはスルーしておく事にした。

「実はこの町は初めてなんですが、いきなりハサミなんとか言うのに襲われて・・・」
「まあ。それははさみじゃがーですわね。この町を訪れた方にいきなりあいさつをするんです。
至って普通の事ですから気になさらないで。 とは言っても、この店には来た事はありませんけれど…。」
・・・あれが普通だと言うのか、この町は!
「それにしてもお客様は幸運でしたわね……。
最近は又吉じゃがーの増殖のせいで、はさみじゃがーは絶滅寸前なんですよ。」
そんな事はきいていない・・・・・・

(つづく)
183名無しになりきれ:04/10/18 18:55:55
>180-182
オリ板的なツボがしっかりと押さえられていて、
指圧の心はさみじゃがーだと思いました。
184名無しになりきれ:04/10/18 18:58:34
>180,>182
はさみじゃがー!
185名無しになりきれ:04/10/19 11:00:30
ネタバレになるかもなんだが・・・戦姫武闘会参加メンバー全員の戦闘能力を大まかに説明してちょ
186名無しになりきれ:04/10/19 19:21:52
>>185
該当スレに言ってみるのが吉。
187名無しになりきれ:04/10/20 11:26:13
この板で一番の糞スレを題材にして書け
188名無しになりきれ:04/10/20 12:31:27
さおりん、ムーメン、精子あたりか
189名無しになりきれ:04/10/20 13:01:43
手帳も捨てがたい
190名無しになりきれ:04/10/20 13:03:54
うどんもイケるぞ
191名無しになりきれ:04/10/21 20:55:09
作者さん期待あっあっ下下下の下
192名無しになりきれ:04/10/22 14:46:29
誰もいない…ぬるぽ!!!








やっぱり誰もいない…
193名無しになりきれ:04/10/22 14:58:21
ガッ
194名無しになりきれ:04/10/22 16:26:19
ネタが浮かばないんですよ…まずいな。
195名無しになりきれ:04/10/22 16:31:18
書きたいけど書かない!
俺は今我慢している。

代わりにage
196名無しになりきれ:04/10/22 16:31:46
なぜ我慢するのだ?
197名無しになりきれ:04/10/22 16:37:29
修行だからだ
198名無しになりきれ:04/10/22 16:39:52
アレフきたーーー!
199ヘタレ:04/10/22 17:53:08
苦戦中。15レスは食いそうな悪寒・・・
200名無しになりきれ:04/10/22 18:01:07
がんがん食うんだヘタレ!
201名無しになりきれ:04/10/22 19:53:32
|-・ ))) ヘタレさん、あとはよろしく…僕はもうだめかも知れません。
202名無しになりきれ:04/10/23 19:15:05
地震起きた頃と時を同じくしてネタが浮かぶなんて…。まあ誰もいなさそうですが続きやってみます。
203名無しになりきれ:04/10/23 19:49:30
残念ながら俺がいるわけだが
204名無しになりきれ:04/10/23 20:19:11
>202
とにかくなんか提出してくれ。
205名無しになりきれ:04/10/23 20:21:34
地獄衆がネタに出来そうな事になってるが
206名無しになりきれ:04/10/24 23:40:01
>202まだぬるぼ?
207名無しになりきれ:04/10/25 17:27:53
マダー?
208名無しになりきれ:04/10/25 17:35:00
すいません、ノートに下書きしてからじゃないと描けない方なんで…しかも今回ははっちゃけすぎたせいで
前回と違ってナメた内容になってますよ…。
209名無しになりきれ:04/10/25 17:48:10
それでもいいから投下してくれ!!!
210ヘタレ:04/10/25 20:08:29
さっさと書き上げたいのにロマサガ3をやりたいという欲求が・・・ウボァー
211名無しになりきれ:04/10/25 20:11:19
>ヘタレ
ロマサガ3かよ!やった事ないから分からんけど、今更!?
ヲイヲイ、しっかりして下さいよ。息抜きは必要だけど、
そこでロマサガ3が出てくる理由がワカンネw
212ヘタレ:04/10/25 20:16:25
俺は生粋のレゲー好きですから。
くにおの野球とロマサガ3の合間に書いてる感じです
全5話構成で今4話の半分くらい
とりあえず今週中には書き上げる予定です
213名無しになりきれ:04/10/25 20:19:27
無理言えば一気に乗せるんじゃなくて、週間連載みたいに一話ずつにして貰いたかった。
214ヘタレ:04/10/25 20:21:43
なるほど。しかし俺は原文が全部書き上がってないと落ち着かないんです
締切に追われてる漫画家みたいで
215名無しになりきれ:04/10/25 20:56:18
予告したんだから最後までやれよへたれ
216ヘタレ:04/10/26 00:43:05
・・・様・・・可憐すぎる(*´Д`*)ハァハァ
217名無しになりきれ:04/10/26 02:44:39
?!
218名無しになりきれ:04/10/26 12:40:26
ヘタレはビューネイの魅力にやられた
219名無しになりきれ:04/10/26 13:25:11
それ、ものすごく読みたい!!
220名無しになりきれ:04/10/26 23:27:32
あげちゃえ


やっほーう
221名無しになりきれ:04/10/27 01:07:35
高校生キャラ集めてバトルロワイアルするの書こうとしたけど人数が少なすぎて断念
222名無しになりきれ:04/10/27 01:24:08

おりらぶの奴等くらいしか思いつかん
223名無しになりきれ:04/10/27 01:36:07
おりらぶは知らんがキャラネタ時代からのいろんな意味で”有名”どころと言えば>>74
224名無しになりきれ:04/10/27 01:47:36
バトロワよりも体育祭で読みたい
225名無しになりきれ:04/10/27 23:40:23
バトロワはシビアな話にすると本人達に悪い気がする

パロディみたいのなら読んでみたい
おりらぶの人数なら下手に長くならなくていいんじゃない?


素人意見スマソ
226名無しになりきれ:04/10/27 23:46:54
それよりオリキャラ全員でスティール・ボール・ランの方がみたい。
227名無しになりきれ:04/10/27 23:51:19
>226
それ面白そうだけど人数多くなりすぎるからオリキャラ辞典に登録されているメンバーだけとかのほうが
228名無しになりきれ:04/10/27 23:56:46
>225
シビアな話にする気満々だったんだけどw
229名無しになりきれ:04/10/27 23:58:11
>228
登場人物は?
230名無しになりきれ:04/10/28 00:03:18
本人達に気を遣ってちゃSS書きなんてやってらんねぇ
要は崩さなきゃいいんだよ!
231名無しになりきれ:04/10/28 00:09:55
>229
だから、高校生キャラ。
数え直してみると白薔薇のキャラ結構多いから、
あとおりらぶとか加えれば書けそうかも
あとで構想練ってみる

>230
ある意味一番の難題のような…。
232名無しになりきれ:04/10/28 00:20:07
まぁ、私は出ないであろうから期待せずに待つさ
233名無しになりきれ:04/10/28 00:24:20
文句言い出す馬鹿なんてコンクリ位しか思い浮かばん
234名無しになりきれ:04/10/28 00:25:21
文の最初に
頃されて、が抜けてた
235名無しになりきれ:04/10/28 00:35:13
白薔薇には悪い印象しかないからそれだけで読む奴が減りそうな悪寒
236名無しになりきれ:04/10/28 01:58:26
期待せずにとは言ったものの、本当に登場しなかったら
会長ではないが怒りたくなるかも
237名無しになりきれ:04/10/28 10:09:09
七志仁成木礼マダー?
238名無しになりきれ:04/10/28 22:58:11
ヘタレさん…早く書いてくれ…飢え死にしそうだ…
239ヘタレ:04/10/28 23:01:01
金土日の三連休で仕上げますんでもうすこし待ってください
早ければ明日の夜には書き上がります
240名無しになりきれ:04/10/29 15:46:43
ヘ・タ・レ!ヘ・タ・レ!
241名無しになりきれ:04/10/29 16:56:33
がんばれヘタレ!ファイトだヘタレ!
242221とか:04/10/29 21:32:11
とりあえず序章っぽいものが書けたんで投下します。
まだこの板の高校生キャラ把握してないもんで、とりあえずは白薔薇キャラだけで。
次からは他のスレのキャラも絡ませたいな、と思いつつ。

こういうのを書くの初めてだもんで、文章拙いです。すみません。
243OBR序章:04/10/29 21:33:23
鬱蒼と木々が生い茂る森林。その間の細い道を、一台のバスが走っている。
「それにしても急ですよね」
一人の少年、工藤大介が口を開く。
「今日になって突然旅行だなんて・・・勘弁して下さいよ、会長さん」
「それがなぁ!これが決まったのが昨日だったんだよ!」
会長、と呼ばれた少年が、高圧的な態度で答える。
「家に俺宛の封筒が届いていてなー、俺達を送迎バス付きで海外旅行に招待すると言うんだよ!」
「・・・はあ」
いかにも胡散臭い。だがこの男に何を言っても無駄だろう。
「これもひとえに俺の広報活動の賜物!お前らも感謝しろよ!だーははっはっはははっはははは!」
全く関係ないことをさも当然のごとく結びつける思考回路は理解できない。
まだ何か言いたげだったが、無視することにした。

「それにしても妙ですな」
窓の外を見ていた木根がつぶやく。
「これはどう考えても、空港へ行く道ではないですな」
確かにおかしい。最寄りの空港に行くには、国道沿いに進むはずだ。
多少遠回りをするにしても、こんな山中を通るものだろうか。
「どう思います?綾人さん」
隣に座っている桜庭に声をかける。
「・・・寝てる」
さっきまで起きていたのに、いつの間に寝てしまったのだろうか。
起こそうとすると、突如眠気が襲ってきた。
「・・な・・んで・・?」
今日もちゃんと睡眠はとってきた。こんな早く眠くなるはずはない。
訳の分からぬまま、意識が遠のく。

全員眠ったことを確認した運転手は、催眠ガスを止め、ガスマスクをはずし、
無線機のスイッチを入れる。
「こちら、白薔薇全員確保しました」
244OBR序章:04/10/29 21:34:03
「う・・・う〜ん・・・」
あまりの寝心地の悪さに目が覚める。椅子に座っている状態のようだ。
「・・・ここは?」
見たことのない部屋。どうやら学校の一教室だろうか。
木造、それもかなり古いものであることが見て取れる。
「やっと目が覚めたね、大介君」
「綾人さん・・・ここは?」
「さぁ。私にも分からない」

見回してみると、一緒にバスに乗っていた白薔薇の面々の他に、
他校の生徒も見られる。全員高校生のようだ。
ふと、首元にひんやりとした感覚があることに気づき、そっと触れてみる。
「これは・・・首輪?」
全く自分の身が置かれている状況が理解できず、しばらくその場で固まってしまった。

数分後、扉が開く音とともに、男が入ってきた。
しかし、その格好は極めて異様であった。まるできのこのきぐるみを着ているような。
工藤は見覚えはなかったが、桜庭は明らかに動揺している。
「埴輪さん!」
「埴輪ーー!」
「よ。桜庭に会長。久しぶり」
二人はこの男と顔見知りのようだ。どういう関係なのかは分からないが。
「埴輪ー!これどういうことだー!」
会長が立ち上がり、男に詰め寄る。
「まぁまぁまぁ。とりあえず座れよ」
興奮覚めやらぬ、といった表情の会長を席につかせ、教壇に立つ。

「じゃ、ちょっくら説明するよ」
静まり返る教室。
「俺色々とさ、この板のことについて考えてきたんだよね。
 でさ、この板さ、ちょっと高校生キャラ多すぎるような気がするんだ。
 同じようなキャラクター何人もいらないと思わねぇ?だからさ…」

「お前らに、殺し合いをしてもらおうと思ってさ」
245OBR序章:04/10/29 21:34:50
騒然となる教室。
こいつは何を言っている?殺し合いだと?本気か?
「そ、そんな、映画みたいなこと」
誰かが言った。
「そう、映画見てたんだ」
事も無げに男は言う。
「どうしよっかな、って思ってたときにビデオ借りててさ、こりゃいいや、って」
全く感情を込めず、ロボットのように淡々と話す男に、工藤は背筋が凍る思いがした。

「ふざけるな!」
立ち上がったのは、やはり会長。
「埴輪!貴様ーー!」
つかつかと教壇に近づき、男に掴みかかろうとする。
「…仕方ないな」
その呟きと同時に、銃声が聞こえた。

「ぐぁああぁああああぁああああぁぁ!!」
まさに断末魔の叫びと言えるだろう。その場にうずくまる会長。
その右太股からは血が溢れ出している。
男の手には拳銃が握られている。まさか…撃った?
「会長…残念だよ」
男は銃口を会長の額に向ける。
「会長ならきっとこのゲームを盛り上げてくれると思ったんだけどな」
引き金に指を掛ける。
「ま、これが冗談でもなんでもない、っていういい見せしめになるかな」
「や…やめ…」
会長の声は弱々しく、悲痛な感情が伝わってくる。
「バイバイ」

                     ズギュン!!

銃弾が会長の額を貫き、会長が後ろに倒れるのを、工藤にはとてもゆっくりに見えた。
やがて流れ出す涙。身近な人間が目の前で死んだのだ。何の理由もなく。
辺りに広がってゆく血。その中心に横たわる会長がとても哀しく、涙で滲んだ。
246221とか:04/10/29 21:35:52
続く。

遅筆だもんで、続きはいつになるか…。
あ、名簿も作らなくちゃ…。
247名無しになりきれ:04/10/29 21:46:47
221とかグッッッジョーーーブ続き楽しみにしてんぜ!!
248名無しになりきれ:04/10/29 22:02:16
白馬鹿って言っても裏切り職人の羊がいないぞ
249221とか:04/10/29 22:13:21
名簿

白薔薇
秋葉原 一郎(デブヨタ君)
神瀬木 雅哉(会長)
木根 吏朗
工藤 大介
黒井 羊太郎
榊原 精四郎
桜庭 綾人
飛田 燕

おりらぶ
秋原 優意
一条 夕
郷田 朋美
神野 直
早坂 隆信
双木 清矢
宮守 七海
森田 雛
瑠野島 桃

蒼天
慎吾(名字不詳)
渡辺 元気

学生ですが、何か?スレ
分道

とりあえず僕が把握してるのはこの20人で。
いた時間が短かったり、キャラクターが薄い人は除外してます。
他に追加いますかね?

>248
登場しますよ、勿論。
250名無しになりきれ:04/10/29 22:18:59
白百合のエーゼルカと里子と桐生の早智はいないんだ・・・
251221とか:04/10/29 22:25:40
エーゼルカはまだしも里子と早智はキャラクターに乏しいかな、と。
エーゼルカは…どうしようかなぁ
252名無しになりきれ:04/10/29 22:56:07
このスレは貴方に任せましたよ、ヘタレさん…。
253名無しになりきれ:04/10/29 22:58:47
とりあえずあのキャラとあのキャラの一騎打ちが見てみたいな
バトロワ内で
254名無しになりきれ:04/10/29 23:25:00
美雨の追加の予定はありませんかね?
255名無しになりきれ:04/10/29 23:25:44
>252
いや、おまいさんは誰なんだよw
256名無しになりきれ:04/10/29 23:43:26
>255
幾度となく行き詰まっている超ド下手ストーリー師ですよ。
257名無しになりきれ:04/10/29 23:51:12
ヘタレー
258ヘタレ:04/10/29 23:58:02
朝までには書き上げるからもうちょっと待って
その後添削してから第1話公開の予定
259名無しになりきれ:04/10/30 00:03:58
今夜は寝ずに書き上げろよ、ヘタレ。
260221とか:04/10/30 01:21:54
見たいテレビ番組が始まるまでの暇つぶしに、続き書いてみました。
261OBR序章:04/10/30 01:24:35
「じゃ、ルールの説明するから」
何事もなかったかのように語り出す男。
誰もが口をつぐみ、男の話に耳を傾ける。
聞かないことはすなわち、死の危険性が伴うという訳なのだから。

「映画見た人いる?一応ルールはあれとほぼ同じ。
 まぁ見たことない人もいるかもしれないから一応言っとくな。
 大前提は、最後の一人になるまで、殺し合うこと。
 まず、範囲はこの村。約10km四方ね。もう住民には退去してもらったから。
 範囲を示すのは柵があって、その柵越えると、みんなの首についてる首輪が爆発する」
皆が一斉に首輪を確認する。

「あと、映画ではさ、死んだ人の名前放送がかかったりしたけどさ、
 知らない人が死んだって聞いたってピンと来ないと思うから、
 あと何人か、ってことだけ放送する。朝と夜、それぞれ九時に」
つまり、誰が生きていて誰が死んでしまったか、全くわからないということだ。

「配給品は、水、食料、地図、コンパス。それに、一人一人違う武器が支給される。
 武器は当たり外れが大きいから、気を付けてね」
武器。その言葉が恐ろしい。

「あと最後に重要な話。禁止エリア。
 12時間変更で、禁止エリアってのを作る。
 簡単な話、そこに入ると、首輪がポン、ってことだ。
 地図に、A−3、B−4とか書いてあるから、その区分けで。
 一つのエリアにつき2km四方で、25エリア。
 放送の時に伝えて、その三時間後に禁止になる。
 ちゃんと放送は聞いとけよ。
 あ、そうそう、二十四時間一人も死ななかったら全員の首輪爆発するから。
 …と、説明はこんなところ」

「あいうえお順に呼ぶから、呼ばれたら廊下にある荷物の山から一つ選んで、学校から出て」
廊下を見てみると、大きめのバッグが山のように積み上げてある。
ここにいる人数より遙かに多い数だ。

「秋葉原」
「ぐふぅ」
そう呼ばれた巨漢の男は、バッグを一つ選んで階段を駆け降りていった。
そう、この「ゲーム」は、今始まったのだ。
262OBR 1.再会:04/10/30 01:28:28
秋原は苛立っていた。
朝、突然薬を嗅がせられ気を失い、気がついたら…。
(ちくしょー!)
思いっきり地面を蹴る。撒き上がる砂埃。
どんなに気を紛らわそうとしても、さっきの…会長、と呼ばれていた男の死に顔が目に浮かぶ。
なぜこんなことに巻き込まれてしまったのだろう。
夢だと思いたい。だが夢ではない。言いしれぬ絶望感が秋原の体を覆う。

道端に腰を下ろし、配給されたバッグの中を探る。
鉄の塊の感触があった。そっと取り出してみる。
(…銃)
よく刑事ドラマで見るような拳銃が中に入っていた。
ずっしりとした重量が手にかかる。本物の銃を、よもやこんなところで見ることになるとは。
しばらく銃を眺めていると、近くの草むらからガサガサ、と物音がした。

「誰だ!」
草むらに銃を向ける。今は誰が敵か味方かわからない状況だ。用心するに越したことはない。
「お、俺だよ、秋原」
聞き覚えのある声。見覚えのある顔。銃を下ろす。
「…夕か」
「突然銃を構えるなよ」
出てきたのは一条だった。
「わりいな、ちょっと慎重になりすぎてた」
秋原の顔に思わず笑みがこぼれる。
この状況下で、こんなに早く知り合いに会うことができた。どれだけ心強いことだろう。
確認することなく、二人は共に行動することになった。

「とりあえず、どうする?」
秋原が問う。
「できるだけ遠くに行こう。やる気になっている奴もいるかもしれないから」
確かに、まだ学校からそれほど離れていない。鉢合わせする可能性がある。
「じゃ、行くか」
二人そろって小走りでその場から離れた。

「秋原の武器は銃か。強力でいいな」
「夕の武器は?」
「これ」
一条が取り出したのは、よくカンフー映画などで見るものだった。
「ヌンチャクか?」
「強いのか弱いのかわかんねぇよ」
走りながら話しているその後ろを、ある影が追ってきているところなど、二人は知る由もなかった。
263OBR 2.悪魔:04/10/30 01:29:24
工藤は走っていた。逃げるように。現実から?この殺し合いから?
何も考えず、ひたすらに逃げる。逃げる。逃げる。
もう、数百m走っただろうか。公園にたどり着いた。
ベンチに座り、しばしの休息。手には小さな銃が握られている。
手のひらサイズと言ってもおかしくない、小さな銃。
見た目はオモチャのようだが、さっき撃ってみたところ、見事に木を貫通した。
この銃も、工藤を走らせる原因になったのかもしれない。
「もう・・・いやだ」
目の前で会長が殺されたショックから、未だ立ち直っていない。
またもや涙を流していた。

「工藤君」
声が聞こえた。
ハッとして声がした方向を向くと、黒井が呼びかけていた。
「羊太郎さん!」
一部では「裏切り者」と言われている黒井だが、工藤からすれば信頼できる先輩である。
こんな時に出会って、嬉しくないはずがない。
工藤が黒井に走って駆け寄ろうとした刹那、

『ズダダダダダダダダダダダダダダン』
体中に銃弾を浴び、倒れる黒井。既に事切れていた。
その場に座り込み、呆然自失する工藤。
銃が発射された方を見る。

「木根・・・さん」
サブマシンガンを片手に持った木根が立っていた。
「はっは、工藤君ではないですかな」
信じたくはない。だが、木根が黒井を殺したことは、変えようのない事実である。

「な・・・なんで!」
叫ぶように聞く。
「なぜと聞かれても困りますな。ルールですからな」
まるで当然のことをしたかのように言ってのける。
「私はまだ死ぬわけにはいきませんしな、生き延びるための最善の方法ですからな」

そして、ゆっくりとサブマシンガンを工藤に向ける。
「さようならですな、工藤君」
木根は、なんのためらいもなく引き金を──引いた。
264OBR 2.悪魔:04/10/30 01:30:23
『カチッ』
「おや?弾切れですな。さっき使いすぎましたな」
バッグから弾丸を取り出し、詰め直そうとする木根。

「うわぁあぁああぁぁああぁ!」
『パン!』『パン!』『パン!』『パン!』
手に持っていた銃をむちゃくちゃにぶっ放し、木根が怯んだ隙に工藤は一目散に逃げ出した。
またもや目の前で人が死んだ。あまりにもあっけなく。
もはや工藤の精神は崩壊しかけていた。

「逃げられましたな」
そう呟きながら木根は黒井のバッグに近づく。
「これは、レーダーですな」
中に入っていたのは、液晶テレビほどの大きさのレーダーであった。
「開始からずっと工藤君を追っていた私はともかく、
 黒井君が工藤君に会えた理由は、これだったのですな」
レーダーをのぞき込む。ここから凄いスピードで離れてゆく一つの点。これが工藤だろう。
「彼はもう立ち直れないでしょうしな」
追いかけはしない。あの状態では、どこかで殺されるだろうから。

「やる気」になっている人間と、強力な銃と、レーダー。
その三つが揃っているのは、これから全参加者に大きな脅威となるだろう。
265221とか:04/10/30 01:33:00
続く。
ヘタレさん、僕も期待してます。

>253
誰と誰なのか言ってもらわないと。

>254
高校生、としてのキャラじゃないですからね。
予定はないです。
266名無しになりきれ:04/10/30 02:02:55
>265
名前は伏せるけど所属部から察して
267名無しになりきれ:04/10/30 02:07:52
白薔薇勢の誰かが最後に生き残ったりしたら暴動起きそう
268名無しになりきれ:04/10/30 02:23:31
>221
各キャラ、あやよコロシアムの必殺技等を戦い方などに取り入れるのをきぼん
例えば大介なんかは黒化して躊躇いなどがなくなるとか
269ヘタレ:04/10/30 04:38:39
書けた━━━━(゚∀゚)━━━━!!

眠いので寝る。起きたらすぐ添削してうpするよ
270名無しになりきれ:04/10/30 04:48:10
さっさと寝ろ馬鹿
271名無しになりきれ:04/10/30 07:40:36
ヘタレ爆睡中
272名無しになりきれ:04/10/30 09:15:49



273ヘタレ:04/10/30 12:46:11
『覇王の条件』

第1話「対決!」

織伽羅一丁目の空き地、ここに二組の双子が対峙していた。
一組は男の兄弟、もう一組は美少女姉妹だった。
「九条茜、覇王を名乗るんなら俺達を倒してからにするんだな!」
「俺達は通称ダブルドラゴン!世界最強の双子だ!」
竜一、竜二。ダブルドラゴンと名乗った兄弟とは、某学園の格闘技の達人だった。
「相手にとって、不足はないわね!かかってきなさい!」
片や、自らをこの世の覇王と思い込む美少女、世界征服を企む茜、葵の姉妹。
「お前達が勝ったら覇王と認めてやる!ただし、負けた場合は・・・」
竜一は茜を指差す。
「俺達と茜たんで3Pな」
「な、何だかよくわからないけど・・・構わないわよ!」
「待ちなさい、茜・・・」
葵が不機嫌そうに呟く。
「私が始末しましょうか・・・?茜には指一本、触れさせませんよ?」
刹那、竜二が一瞬で葵の目の前に詰め寄る。
「そんなことは、この技を受けてから言いな!」
竜二が一瞬体勢を低くしてから拳を突き出す。
「天殺龍神拳!」
天殺龍神拳・・・竜二の常人離れした腕力から繰り出される超強烈なアッパーで、
まさにその名のごとく天をも突き破る勢いだった。
「甘いですね・・・」
葵は咄嗟にバックステップで躱した。
「な、なにっ・・・!?」
「今度はこちらから行きますよ・・・」
言うが早いか、葵は先程の竜二と同じように間合いを詰め、足払いを繰り出す。
「くっ!」
反応しきれなかった竜二は、葵の足払いをもろに受けて倒れる。
「トドメが必要ですか・・・?」
葵は仰向けに倒れている竜二を見下ろし、拳を突き出す・・・刹那!
「爆魔龍神脚!」
「きゃぁっ!」
竜一の強烈な飛び膝蹴りが炸裂!葵は水平に5メートルは吹っ飛んだ。
「あ、葵!」
茜はすぐに葵のもとに駆け付け、心配そうに抱き起こす。
「大丈夫なの!?葵!?」
「す、少し・・・油断しましたわね・・・」
葵はかなり足にきていたが、立ち上がる。
「茶番は終わりだ。俺と勝負しな、九条茜!」
274ヘタレ:04/10/30 12:47:56
「よ、よし!葵の仇!」
茜が構える。古武道を基本とし、独自に身につけたその構えからは一辺の隙すらなかった。
「行くぜ!龍尾嵐風脚!」
先に仕掛けたのは竜一。真空回し蹴り・・・としか言い様のない技で攻める。
「そんな技があたしに通用すると思ってるの!?」
茜が竜一に近づくが・・・
「うわぁっ!」
竜一の足には触れていなかったが、近付いただけで吹き飛ばされる茜。
そして、着地と同時に竜一は先程葵を吹っ飛ばした大技爆魔龍神脚を繰り出す!
「こ、これくらい・・・」
茜はギリギリのところで立ち上がり、サイドステップで攻撃を躱す。
「茜、龍尾嵐風脚の弱点は・・・」
葵が茜にアドバイスをしようとするが、茜は咄嗟に葵の口を塞ぐ。
「細かい事はいい・・・どうせあたしが勝つ!」
「その根拠は?」
「あたしが覇王だからよ!」
その言葉に、他の三人は唖然としていた。
「隙あり!」
油断していた竜一に、茜が仕掛ける。素早い動きを生かした怒濤のラッシュ攻撃
だ。
「ちっ・・・」
竜一は反撃の糸口を見つけられず、防戦一方になる。
「や、やるじゃない・・・」
「お前もな・・・」
二人の間で拳と会話が交わされる。茜の連続攻撃を、竜一は見事な防御で捌いていた。
「いい加減に・・・倒れなさい!」
茜がフィニッシュブローを繰り出そうとするが、竜一はその一瞬の隙を見逃さなかった!
「龍尾嵐風脚!」
龍尾嵐風脚が炸裂。茜は大きく宙を舞い、背中から地に叩きつけられた。
「どうだ!?」
竜一は茜を見下ろしながら言う。
「まだまだよ!」
突然茜が立ち上がり、回し蹴りを見舞う。蹴りは竜一の後頭部に直撃!
「ぐぅっ!」
竜一は一瞬よろめくが、即座に体勢を立て直して龍尾嵐風脚を繰り出す!
「うわっ・・・」
茜はすぐに範囲外に逃げる。
「この龍尾嵐風脚を破らない限り、お前に勝ち目はないぜ!」
「(茜・・・お願い、気付いて・・・龍尾嵐風脚の、あの弱点に・・・)」
葵は祈るように、茜の闘いを見守っている。
275ヘタレ:04/10/30 12:49:12
「これで終わりだ!」
竜一は決着をつけるため、必殺の龍尾嵐風脚を放つ。
「あ、あれは・・・!?」
茜は何かに感付いたようだった。反撃に出ようとするが、
着地と同時に竜一が爆魔龍神脚を繰り出す!
「くっ・・・」
爆魔龍神脚を間一髪で躱し、竜一との距離を取る茜。
「次に旋風脚を出した時があんたの最期よ!」
茜は竜一にビシッと指差し、自信満々に言い放つ。
「旋風脚じゃねぇ!龍尾嵐風脚だッ!」
そう言って、竜一は勝負を仕掛ける。
「破れるもんなら、破ってみやがれ!」
竜一が龍尾嵐風脚を繰り出すと、茜は咄嗟に高くジャンプした。
そして、そのまま勢いをつけて竜一の頭に肘打ちを叩き込む。
「ぐあっ・・・」
「激しい回転ほどその中心は動かないものなのよ!言わば台風の目ね!」
「クソ!それならこいつはどうだ!?」
竜一が立ち上がり、構える。
「爆魔龍神脚!」
「その技は大振りすぎるのよ!」
茜は正面から突っ込んでいって飛び蹴りを入れる。
「うわぁっ!」
蹴りをもろに顔面にもらってしまった竜一は、そのまま地に落ちる。
「まいった!強ぇよ、あんたは・・・」
「に、兄さん!?」
竜二が駆け寄る。
「完全に俺の負けだぜ・・・」
「当然じゃない!あたしは覇王なんだから!それで・・・今度はあんたが相手なの?」
茜は視線を竜二の方に向けて言う。
「いいや、兄さんが負けたんだ。俺がやっても結果は同じだよ」
「わかってるじゃない!それじゃあ、あたし達は帰るわよ・・・」
そう言って茜は、葵に寄り掛かる。
「葵ー・・・すっごく疲れたよー」
「茜・・・もう、しっかりしなさい・・・」
あれだけの激闘の後だったので、茜はふらふらだった。
立っているのがやっとの状態とはこのことを言うのだろう。
「葵ーーー、おんぶー」
「茜・・・?」
茜は葵の背にもたれたまま眠ってしまった。
「もう、しょうがないですね・・・今回だけですよ・・・」
葵は茜をおぶって歩いていく。
「すーすー」
可愛い顔をして静かに寝息を立てながら眠る茜。
そんな彼女を、葵は微笑ましく思っていた。

つづく
276名無しになりきれ:04/10/30 12:55:58
ヘタレさーん続き続き
277ヘタレ:04/10/30 12:57:17
>276
添削中です。しばし待って
278ヘタレ:04/10/30 13:05:36
『覇王の条件』
第2話「接点」

織伽羅一丁目の外れにある人形屋。ここにある双子の兄弟が来ていた。
「しっかし、あの女強かったな〜」
「うん。兄さんがあそこまで完璧にやられるなんて初めてだよね」
「そうだな・・・あっ、コーヒーお代わりよろしく」
竜一がそう言ってカップを店員に渡す。店員は引きつった顔で問い掛ける。
「あんた達・・・なんでここにタムロしてるわけ?」
「ここのコーヒーは美味いからな」
「そう言う問題じゃないでしょ!・・・ここは喫茶店じゃないの!」
文句を垂れつつコーヒーを淹れる店主。
「喫茶店なら近くに『ほがらか』ってのが出来たじゃない・・・」
「あそこは確かに店員も可愛いしメニューも豊富でいいんだが、客が多すぎて落ち着かないんだよ」
竜一はコーヒーを飲みつつ語る。
「その点、ここは客がまったく来ないから静かでいいな・・・」
「そうだね。店主もまあまあ可愛いし、コーヒータダだもんね」
「それ、嫌味でしょ・・・?だいたい、まあまあって失礼ね・・・」
流行ってない人形屋の店主こと厨子堂更紗は愚痴をこぼす。

「葵〜、起きてよ〜!」
「・・・お・・・お姉ちゃ・・・ん」
葵はうわごとの様に呟いてから、ハッと体を起こす。
「あ・・・茜?」
キョロキョロと辺りを見回してから、茜に鋭い視線を送る葵。
「茜?・・・何か、聞きましたか?」
「う、うぅん、何も・・・」
「そうですか・・・仮に何か聞いてたとしても、忘れてくださいね」
「は、はい・・・」
葵の物凄い剣幕に、そう言わずにはいられなかった。
「それで・・・茜、何か用でも?」
着替えながら茜に問い掛ける葵。
「うん。やっぱり私達って世界を支配するわけでしょ?」
「まぁ、いずれはそうなりますね・・・」
「そこでさぁ私達の力を誇示する、象徴みたいなものって必要だと思わない?」
「はぁ・・・」
適当に相槌をうつ葵。茜は構わず説明を続ける。
「それを作ってもらうために、依頼をするの!もう店とかも目を付けてるのよ!」
「それと私の安眠を妨害するのと、何か関係が・・・?」
「その・・・場所がわからないから、一緒にきてくれない?」
「地図を見ればいいじゃないですか・・・」
「地図を見て迷わず目的地に辿り着ける人間なんていないわ!」
断言する茜。葵は一緒に行くことにした。
279ヘタレ:04/10/30 13:07:36
「まったく・・・茜の方向音痴にも困ったものですね・・・」
口ではそう言ってるものの、葵は何となく楽しそうだった。
「あっ・・・」
歩いているうちに、茜はある視線に気付いた。
「何よあいつら・・・ガンくれちゃって・・・」
前方にいる冴えない不良二人組が茜達を睨んでいた。
「雑魚は放っておきましょう・・・」
葵はそう促すが、茜は気に入らなかった。
「う〜・・・覇王たるあたしが、あんな虫けら以下の社会悪に見下された視線を受けるなんて・・・」
「いちいち気にしていたら限りがないですよ・・・」
茜達が不良二人組とすれ違う瞬間、不良の一人が口を開いた。
「待てよ!」
二人は足を止める。
「ダブルドラゴンを倒したそうだな?」
「つまり、お前達を倒せば、俺達はあのダブルドラゴンより上ってことだ!」
「恨みはねぇが、名を上げるためにお前らを倒す!」
茜は不敵に笑う。
「売られた喧嘩は買うしかないわね・・・」
「茜・・・」
やる気満々の茜を、葵が抑える。
「な、なに?」
「茜ばかり目立つのは不公平だと思いませんか?私が始末しておきますよ・・・」
「結局やる気じゃん、葵・・・」
「降り掛かる火の粉は払わねばなりませんからね・・・」
まだ体調が万全ではない茜を気遣ったのか、葵が戦うことにした。
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねーぞゴルァ!」
不良の一人が突進してくる。
「くらえ!ぶいすりゃーすくりゅーきーっく!」
何の変哲もない大層な名前の飛び蹴りが放たれるが、
葵はあっさりと躱し着地際を狙って回し蹴りを叩き込む。
「ぐはぁっ!」
横腹にもろに蹴りをくらった不良はそのまま地に沈む。
「さて・・・死ぬ覚悟をする時間を与えますけど?」
葵はもう一人の不良に向かってさらっと言い放つ。
「こ、このアマがぁ!調子に乗ってんじゃねぇ!」
不良が向かって来て拳を繰り出すが、葵は体勢を低くして躱す。
「おやすみなさい・・・」
すかさず延髄蹴りを見舞い、一撃でもう一人の不良も地に沈めた。
「準備運動にもなりませんでした・・・」
「葵ばっかりずるい〜」
倒れている不良を尻目に茜達は店に向かった。
「くそ!てめぇら覚えてやがれ!俺達のバックにはあの御方が・・・」
不良が捨て台詞を吐くが、もちろんそんなことは二人とも聞いていなかった。
280ヘタレ:04/10/30 13:11:33
「ここでいいんですよね・・・?」
数十分後、二人は目的の店に辿り着いたが・・・
「茜、ちゃんと定休日とか確認してこなかったでしょう?」
「どうしたの?」
「これですよ・・・」
葵がドアのある部分を指差す。CLOSEと書かれた札が下がっていた。
「な、なんて書いてあるの・・・?」
「要するに今日はお休みってことです」
「そ、そんな〜」
さすがに葵も呆れていた。休日の朝から起こされて町外れの店まできたらこの有様だ。
「で、でも・・・もしかしたら札をひっくり返すの忘れただけかもしれないでしょ」
「そんな間抜けな人がいるわけないでしょう。ちゃんと鍵も掛かって・・・」
葵がドアノブを回すと、扉はあっさりと開いた。
「ほら、あたしの言った通りじゃない!」
茜達は店の中に入っていく。先客がいるみたいだった。
「お、お前達は・・・九条!?」
ダブドラ兄弟は突然の来客に驚いていた。
「あんた達に構ってる暇はないから。店主はどこ?」
「出払ってるよ。客から苦情があったから品物の回収に行ってる」
「苦情・・・ですか・・・?」
「ああ。何でも、人形の髪がどんどん伸びていくらしいぜ」
刹那、ドアが開き店主の更紗が戻ってくる。
「またCLOSEになってたじゃない!まったく・・・」
何に対して腹を立てているのかよくわからないが、更紗は不機嫌そうだった。
「あら?」
更紗は茜達とダブドラ兄弟を見て口を開く。
「あんた達の妹?」
「冗談は休み休み言えよ。そんな奴らが妹だったら・・・」
「(;´Д`)ハァハァだな」
「兄さんはちょっと黙っててくれ・・・。こいつらはただの知り合いだ」
「そうなの・・・」
竜二の説明を聞いてから、更紗は茜達の方へ振り返る。
「それで、用件は・・・?」
「実はね、あんたにあたし達の銅像を作ってほしいのよ」
「えっ?」
葵と更紗の声がハモり、茜に視線を送る。
「あの・・・銅像って専門外なんだけど・・・」
「事前に何を作ってもらうのか茜に聞いておくべきでした・・・」
「嘘!?だって、あんた人形師でしょ!?」
「茜、人形師と銅像とはあまり関係は・・・」
「そんなー・・・せっかく来たのに・・・」
「そう落ち込まないで・・・。そうね、せっかく来たんだからコーヒーでも飲んでいく?」
「うん。そうする・・・」
茜達は更紗に勧められて椅子に座る。
「それにしても・・・流行ってない店ね」
「茜、失礼ですよ。独特の雰囲気で素晴らしい店じゃないですか」
葵が周囲を見回していると、更紗がコーヒーとケーキを運んでくる。
281ヘタレ:04/10/30 13:13:29
「どうぞ・・・」
「ケーキまでいただいてしまってよろしいのですか・・・?」
「細かいことはいいじゃない。出されたものはちゃんと食べるのが礼儀よ」
そう言って茜は、コーヒーを一口飲む。
「あ、おいしい・・・」
「こちらのケーキも絶品ですね・・・」
「本当!これはいけるわね」
夢中になってケーキを食べている茜。
「ごちそうさまー」
「おいしかったです・・・」
「あ、葵ー、口の周りにチョコついてるよー」
茜はティッシュで葵の口の周りを拭く。
「あ、茜!これくらい自分で・・・」
葵は思わず赤くなる。いつもとは立場が逆になっていた。
「ふふ・・・」
そんな二人を、更紗は微笑ましく見つめていた。
282ヘタレ:04/10/30 13:14:30
茜達と更紗はしばらく雑談をしていた。
簡単な自己紹介を済ませてから打ち解けるまでに時間は掛からなかった。
「ちょっと聞いてよー。あのね・・・」
趣味の話、学校での話、世界征服の話・・・茜は時間を忘れて話していた。
「あら?もうこんな時間ですね・・・」
葵が外を見ると、すっかり暗くなっていた。
「帰りますよ、茜・・・」
「そっか・・・。それじゃあ、また来るからねーーー!」
更紗は茜達を見送ると、店の中に戻る。
「おい、俺達を無視して盛り上がりやがって!」
「あんた達、まだいたんだ・・・」
ダブドラ兄弟は途中から存在を忘れられていたようだった。
「ったく、俺達も帰るぜ」
「じゃあな」

「なぁ、竜二?」
帰り道、竜一は唐突に竜二に問い掛ける。
「何?」
「お前さぁ、店の外に妙な奴らがいるの、気付いたか?」
「いや・・・気付かなかったよ。そいつらがどうかしたの?」
「ずっと九条達と更紗のことを見てやがったんだよ」
「へぇ・・・」
「嫌な感じだぜ・・・何も無ければいいんだけどな・・・」

つづく
283名無しになりきれ:04/10/30 13:22:01
ヘタレ頑張れ
284ヘタレ:04/10/30 13:30:44
『覇王の条件』
第3話「激戦」

「彼女が、そうですか…」
「はい。ここ何日か監視してましたが、どうやら件の双子のダチみたいです」
以前葵にやられた不良二人組が、一人の男を連れて更紗の店の前に立っていた。
店仕舞いの時間帯、更紗は店の外を掃除している。
「まずは彼女を拉致し、その双子を一人で来るように誘い出すのです!」
「しかし、うまくいくんですかね?あの二人、見捨てるかも知れませんよ」
「そこまで薄情なら仕方ありません。彼女でいろいろ楽しめば良いことです」
「それもそうですね」
三人はゆっくりと更紗に近づく。
「厨子堂更紗さんですね?」
リーダー格の男が声を掛けるのと同時に不良の一人が更紗を羽交い絞めにする。
「な・・・なにをするの!?やめ・・・」
「あの双子に復讐をするために、あなたを利用させていただきますよ…」
「双子!?茜と葵に復讐って、どう言うこと!?」
「私の可愛い手下二人が彼女達の世話になったのでね…。連れていきなさい…」
不良二人組はそのまま更紗を車に連れ込む。
「は、離しなさい!」
「さて、あとはこの書き置きを残して…。完璧ですね…」



翌日の放課後・・・
「葵ー、早く行こうよー!」
更紗と出会ってから、二人は毎日のように更紗の店に遊びに行っていた。
「そんなに気に入ったんですか?更紗さんのこと・・・」
「もちろんよ!世界を手に入れたら更紗をあたし達の次に偉い地位に就かせてあげるんだから!」
「それでは、行きましょうか」
茜達はその足で更紗の店に向かった。

「あれ?貼り紙があるね・・・」
数十分歩き更紗の店に辿り着いた茜達は、それに気付いた。
その紙にはこう書かれていた。

間抜けな双子へ。先日は私の手下二人がお世話になりました。
是非ともお礼をしたいので、一人で『檻伽羅館』に来ていただきたい。
なお、厨子堂更紗さんの身を預かっていることを考慮してください。
二人で来たり、無視した場合は人質が無事でいられる保証はしません。
超能力者より

「更紗が・・・!?」
「二人とは、あの時の・・・!」
葵は数日前の出来事を思い出した。
「私達を誘きだすために更紗さんを拉致したということですね・・・」
「ふざけないでよ・・・あたし、更紗を助けに行く!葵はここで待ってて!」
「あっ、待ちなさい、茜!」
怒り心頭の茜は、葵の制止も聞かず走っていった。
「茜・・・檻伽羅館がどこにあるのか、憶えているの・・・?」
285ヘタレ:04/10/30 13:36:22
方向音痴の茜だったが、この場所には迷わずに辿り着けた。
檻伽羅館とは、もう何年も前に無人になった洋館で、
小さい頃はよく葵と一緒に探険ごっこと称して遊んでいた場所だった。
昔と何ら変わらない場所…深い森の中に、その怪しげな洋館は建っていた。
「ここに、更紗が・・・よし!」
茜が意を決して一歩を踏み出した瞬間、洋館の中から人が出てくるのが見えた。
「中へ入ることは俺が許さん!」
出てきたのは少し不良っぽい一人の男。
「俺は稲葉繁樹。通称イナーキだ!
ドラゴン会を背負うこの俺にとって、貴様はこの世に存在してはならない……。
女を人質に取るようなクズ共と手を組むつもりはないが、奴らと俺の目的は一致している!」
「あんたなんかに構ってる暇はないのよ!」
茜は稲葉を無視して先に進む。
「敵に背を向けるとは愚かな!」
稲葉は茜の背中を蹴りつけようとするが・・・
「爆魔龍神脚!」
「ウボァー!」
横から竜一が乱入。稲葉に爆魔龍神脚をくらわせる。
「き、貴様は…ダブルドラゴンの…!?」
「九条茜!ここは任せて、先に行きな・・・って、既に行った後のようだな」
「貴様、俺の邪魔をしたことを後悔しろ!」
「フッ・・・かかってきな・・・!」

「厨子堂更紗さん、九条茜が来たみたいですよ…」
洋館の地下の一室、元凶の超能力亡者が更紗に伝える。
「監視カメラを設置するのを忘れてしまいましてね、
九条茜が絶望する姿を貴方にお見せできないのが残念ですよ」
「あんた・・・茜に何をするつもり!?」
超能力亡者はいやらしく笑い、口を開く。
「この館に入ってすぐの場所に、武道に長けた者が30名ほど待ち構えています。
九条茜ほどの者なら勝つかも知れません。しかし、体力は残っていないはず…名付けて!
『数の暴力でヘロヘロにしたところをギッタギタ作戦』!」
「・・・・・・」
「フフフ…内容もさることながら、完璧なるネーミングの前に驚きの声も出ないでしょう?」
286ヘタレ:04/10/30 13:38:46
茜が館に入ると、超能力亡者の言っていた通り30人の男達が待ち構えていた。
入ってすぐの大広間には二階へつながる階段があったが、
長い間無人だったために老朽化したのか、崩れ落ちていた。
「更紗はどこにいるのよ!?」
「それを知りたければここにいる30人全員を倒すことだな!」
大広間の奥から聞き覚えのある声が響く。
「あ、あんた達は・・・」
以前葵にやられた不良二人組が地下へと続く通路を塞いでいた。
「上等じゃない・・・!覇王たるあたしにはちょうどいいハンデよ!」
茜は30人を相手に正面から突っ込んでいく。
「この女、バカなのか?」
一人がカウンターを仕掛けようとするが・・・
「邪魔よ!」
相手の拳を躱し、肘打ちを入れる。
「ぐっ・・・!」
男は一撃で地に沈む。
「二人目!」
続けて近くの敵にアッパーをくらわせる。
「てめぇら!女相手に何やってんだ!?囲んじまえ!」
その指示を受けると、数人で茜を囲み一人が後ろから腕を押さえる。
「よっしゃ!やっちまえ!」
「なめてんじゃないわよ!」
正面から向かってきた相手に蹴りを入れる茜。
「足癖わりぃ女だな!」
一人が茜の膝に強烈な蹴りを入れる。
「痛っ・・・!」
茜が怯んだ隙を見て数人が一斉に攻撃を仕掛ける。

「はぁ・・・はぁ・・・いい加減、しつけぇぞ手ぇ前ぇ・・・」
その頃、竜一と稲葉の戦いは終局を迎えようとしていた。
「ったく・・・使いたくはなかったけどよ・・・」
不意に竜一は周囲に落ちている木の枝を一本拾う。
「そんなもので何する気だ!?
俺の防御力の前では金属バットすらシャーペンの芯に等しいんだぜ?」
「そうか・・・それは好都合だ。それなら死にはしないだろうからな」
「ハッタリこいてんじゃねぇぞコラァ!」
稲葉は構わず向かってくる。
「はあぁぁぁぁ・・・!龍牙撃魔砲!」
竜一は木の枝をバットでスイングする要領で振るい、叩きつける。
「ギャアァァァァァァァ!」
「おっ、場外ホームランかな?」
稲葉は大きく吹っ飛ぶ。場外ホームランという言い方も、決して誇張ではなかった。
「さてと、茜の奴も苦戦してるだろうし・・・援護に行ってやるか!」
竜一はこっそりと洋館の中に入っていく。
287ヘタレ:04/10/30 13:40:40
「茜・・・大丈夫かな・・・?」
更紗の店の前で待機している葵は心配そうに呟く。
「心配はいらない。俺達の仲間が地獄へ送っていってる頃だぜ」
葵が振り返ると、10人の男達が集まっていた。そのうちの一人は銃を持っている。
「無駄な抵抗はやめるんだな!すぐに殺してやる」
男が銃口を葵に向ける。
「はぁ・・・」
一息ついた後、葵は一気に間合いを詰めて銃を持っている男の手を蹴りつける。
「うわっ!」
男の手から離れた銃を拾い、銃口を男の額に宛てる。
「誰に向かって口をきいているんですか?」
「く、くそ!やれ!やっちまえ!」
一人の男が葵の背中を蹴りつけようとするが・・・
「天殺龍神拳!」
「ぐわあぁぁぁぁ!」
竜二が乱入、天殺龍神拳をくらわし、男を垂直に5メートル程吹き飛ばす。
「手を貸してやろうか?」
「ふふ・・・お礼は言いませんよ?」
葵は微笑み、目の前の男を蹴りつける。
「ぐっ!?」

数分後、10人いた男はあっと言う間に残り一人になってしまった。
「まだやる気ですか・・・?」
「ま、待ってくれ!俺達が悪かっ・・・!ウボァー!」
台詞の途中で葵が延髄蹴りを見舞い、男を地に沈める。
「尤も、降伏は認めませんけどね・・・」
「お前ひでぇ女だな・・・」
刹那、虫の息の男が口を開く。
「無駄だぜ・・・。九条茜は、30人に囲まれてる・・・勝ち目は・・・ねぇ!」
「30人だって!?いくらあいつでも、そんな人数は・・・」
「竜二さん、ここで待っててください。奴等の仲間が更紗さんの店を潰しにくるかも知れません」
「し、しかし・・・!」
「待ってなさい・・・これは命令です・・・」
「わ、わかった・・・」
竜二が了承すると、葵はすぐに檻伽羅館へ走り出す。
「(絶対にあきらめないで・・・)今度は私が・・・助けに行くから・・茜・・・!」

つづく
288ヘタレ:04/10/30 13:56:13
『覇王の条件』
第4話「絆」

「うぅ・・・」
茜は全方向から襲い来る連続攻撃に、まったく手が出せない状態だった。
「いい様だなぁ、この女・・・」
高みの見物を決め込んでいる二人組が口を開く。
「おい、何か様子が変だぜ」
もう一人の方があることに気付いたようだった。
「数が明らかに少ない。確かに5、6人は倒されたが、今立ってるのはざっと見て10人程度・・・」
「本当だ。とりあえず超能力亡者さんに連絡を入れるぞ」
そう言って携帯を取り出し、超能力亡者を呼び出す。

「手下からの定期連絡のようです。貴方にも聞こえるように音声拡張しますね」
超能力亡者が電話に出る。
「私ですが何か?」
「報告します!九条茜と戦っているのは現在10人程度、一応優勢です」
「残り10人ですか。意外と頑張りますねぇ」
「九条葵の方からはまだ連絡がありません!」
刹那、電話の向こう側で異変が生じた。
「うわーなにをするきさまー、やめ・・・ウボァー!」
その声と共に電話が切れる。
「何があったのでしょうね…。しかし、九条茜が絶望的な状況であることに変わりはありません」
289ヘタレ:04/10/30 13:59:45
「いい加減くたばれ、このアマがぁ!」
「あぁっ・・・!」
男の蹴りを受けて、茜は大きく吹っ飛び壁に叩きつけられる。
その際にポケットから携帯が落ちたようだった。
「あたしが・・・こんな、奴らに・・・」
茜は膝をついて、息を切らしている。
「くっ・・・更紗・・・」
その時、茜の携帯の着信音が響く。
「何だ・・・?」
男の一人が携帯を拾い、覗き込むと、葵からメールが届いていた。
「ククク・・・こいつは傑作だなぁ!」
メールを見た男は、笑いながら茜に携帯を投げ付ける。
「見とけや。妹からのメッセージだぜ!」
「葵・・・?」
そのメールにはこう書かれていた。

茜、決してあきらめずにいろいろなことに考えをめぐらせてみてください。
どんな状況でも臨機応変な対応を・・・。戦いは「兵力」よりも「勝機」です。

「臨機応変?この女にそんな機転がきくわけねーだろ!」
茜は立ち上がるが、体力は限界に近かった。攻撃に出る前に囲まれてしまう。
「(竜一の龍尾乱風脚なら・・・。でも、あの技は着地際に隙がある・・・
竜一が連発できるのは、着地と同時に爆魔龍神脚を繰り出せるから・・・)」
「万策尽きたようだな?やっちまえ!」
茜を囲んだ数人が一斉に襲い掛かるが・・・
「うわぁっ!」
「ぐはっ!」
一気に8人が吹き飛ばされる。
「な、何が起きたんだ!?」
「着地に隙があるんなら、地上で出せばいいのよ!覇王たるあたしに出来ないはずがない!」
茜は地上で高速回転しながらの回し蹴りで周囲の敵を蹴散らした。
「あぅ・・・目が回った・・・」
「こ、こいつはあきらめるってことを知らないのか・・・?」
「知らないわよ!」
残った相手の一人に肘打ちを見舞い、間髪入れずにもう一人に回し蹴りを叩き込む。
「くっ・・・くそ・・・!」
「馬鹿な・・・こっちは、30人いたんだぜ・・・?」
倒れる男達を尻目に、茜は地下への階段を下りていく。
30人いたにしてはずいぶん少なく感じたり、
高みの見物を決めていた二人組が倒れていたことなどこの際気にしなかった。
「更紗・・・どこにいるの?」
290ヘタレ:04/10/30 14:07:27
「あれから何の連絡もなしですか…。これは全員倒されたみたいですね。
まったく、役立たずな手下を持つと苦労しますよ…」
淡々と喋っているが、超能力亡者は苛立ちの表情を浮かべていた。
更紗は危機感のようなものを感じて、思わず叫ぶ。
「茜ーーーーーーーーっ!」
「なかなかいい声ですね。しかし、この館の地下は広い。届くはずがありません」
超能力亡者が言い切った刹那、ドアを蹴破って茜が部屋に入ってくる。
「茜・・・!」
「更紗・・・あたしの名前、呼んでくれたよね・・・?」
「ありがとう・・・来てくれて・・・本当にうれしい・・・」
「もう一仕事あるから・・・。更紗、下がってて。
あいつをぶっ倒すからさ、今日の夕食のメニューでも考えといてね!」
茜に言われて、更紗は素直に後ろに下がる。
「理解不能ですよ、九条茜…」
超能力亡者が口を開く。
「なぜそこまで必死になって厨子堂更紗を助けようとするのです!?
彼女など、覇王を自負する貴方にとっては単なる駒の一つ、手下の一人に過ぎないはず…!?」
刹那、茜の拳が超能力亡者の顔面に直撃。超能力亡者は吹っ飛ばされる。
「駒?手下?ふざけたこと言ってんじゃないわよ!あたしと更紗は、そんな関係じゃない!
更紗は・・・あたしの、大切な友達よ!」
きっぱりと言い放つ茜。
「更紗をこんなことに巻き込んだあんたは絶対に許さない!覚悟しなさい!」
「くくくくく…」
「な、何がおかしいって言うのよ!?」
「その様でよくそんな虚勢が張れますねぇ!」
超能力亡者が衝撃波を起こすと、茜は為すすべもなく吹き飛ばされる。
「うぅ・・・」
ふらつきながら立ち上がるが、もう体力も限界に近かった。
「貴方が私に勝つのは不可能というものですよ…」
「ま、まだまだよ!あきらめない限り、あたしに不可能はない!」
茜は正面から向かっていき、得意の蹴りを入れようとする。
「無駄ァァァァァァァッ!」
「なっ!?」
しかし、茜の蹴りは超能力亡者に届く前に見えない壁によって遮られた。
「超能力…まさに人智を超越した力!言うなれば神!」
「ふ、ふざけないでよ・・・あんたなんかが神だったら、この世は終わりよ!」
茜は即座に乱舞攻撃を繰り出すが、それも全て超能力亡者に届くことはなかった。
「こ、こんなはずは・・・」
「虚しいものですねぇ…この程度で覇王になるなど、笑止!」
「うぁっ・・・!」
超能力亡者は、空気の壁をぶつけて茜を吹っ飛ばすと、
体勢を立て直す暇を与えず追撃する。空気の壁を放って押し潰すつもりだ。
「そのまま粉々に散りなさい…」
「・・・っ・・・あ・・・!?」
茜は想像を絶する苦痛を受け、声にならない声を上げている。
「あ、茜・・・」
更紗は思わず目を覆う。
「お願い!もう・・・やめて・・・!茜を放して!」
「駄目ですね。もっと苦しむのです!悲鳴を上げて、
恐怖と絶望の中をのたうち回りながら…死ね!」
「や、やめ・・・て・・・」
泣きながら哀願する更紗を無視して、超能力亡者は傍観を続ける。
「更紗さん、あと何秒もつか賭けませんか?」
その言葉を聞いた瞬間、更紗は超能力亡者の顔を思いっきり叩いていた。
超能力亡者が一瞬怯んだ為か、空気の壁も消えてなくなった。
「茜!」
更紗はすぐに茜に駆け寄る。
「だ、大丈夫・・・あたしは、覇王なのよ!これくらい・・・」
茜は体勢を立て直す。
291ヘタレ:04/10/30 14:08:20
「まだやる気ですか?貴方もしつこいですねぇ…」
「なめんじゃないわよ!」
気合いと共に一歩踏み出し、茜は超能力亡者に仕掛ける。
その右拳には、全身全霊の一撃とも言えるほどの力が入っていた。
「何度やっても無駄ですよ…」
超能力亡者は先程と同じように空気の壁を作り出すが・・・
「なっ!?」
すさまじい轟音と共に壁が破壊され、茜の拳は超能力亡者の心臓の辺りを直撃!
「ぐっ…おぉぉぉぉぉ!?」
超能力亡者は大きく吹っ飛び、地に叩きつけられる。
「や、やった・・・」
茜がそう思ったのも束の間、超能力亡者は立ち上がる。
「今のは…痛かった…痛かったぞォ!」
怒り心頭の超能力亡者は茜を衝撃波で吹き飛ばし、更紗を睨み付ける。
「人質に手を出すのは私の美学に反します…が、貴方はもう私の手を離れました。
よって、貴方は人質ではありません…」
超能力亡者はそう言って、巨大な岩を能力で宙に浮かせる。
それを見た茜はすぐに立ち上がり、更紗を庇うように目の前に立つ。
「何のつもりですか?逃げないと貴方が死にますよ?」
「あたしが・・・更紗を守るんだから・・・」
「茜!もう・・・いいから・・・もう、あなたが傷つくのは見たくない!」
「お別れです!」
会話がまだ終わっていなかったが、超能力亡者は無情にも大岩を放つ。
「あたしは、逃げない!逃げてなンか、やらないんだからっ!」
放たれた巨大な岩を、茜は体で受ける。
「うぅ・・・」
更紗は無傷だったが、茜の方は物凄い衝撃を受けた。
そのまま崩れ落ちる茜を、誰かが受け止める。
「あ・・・」
薄れ行く意識の中、茜はその姿をはっきりと見た。
「葵・・・」
葵に抱えられている、そんな感覚の中で茜の意識は途切れた。
「よく頑張りましたね、茜・・・。後は私に任せてください。
更紗さん、茜をお願いします・・・」
「わかったわ・・・」
更紗は茜を抱きかかえる。
「さて・・・」
葵は超能力亡者の方に向き直る。
「茜をここまで可愛がってくれたんですから、容赦はしませんよ・・・
殺らせていただきます・・・!」

つづく
292ヘタレ:04/10/30 14:16:40
「決着」

「私を殺す…ですか…」
超能力亡者は不敵に笑いだす。
「まったく、貴方達姉妹は揃って言うことだけは大きいんですね…それは不可能というものですよ!」
そう言って超能力亡者は、手を不規則に動かす。
「この空気の壁の前では、貴方の攻撃など無意味です…」
「それでは、試してみましょうか・・・」
葵が得意の足技で攻める。延髄蹴りを繰り出すが・・・
「ぬるいですねぇ!」
超能力亡者は空気の壁によって蹴りを防ぎ、続けて衝撃波を放って葵を吹き飛ばす。
「さすがに、一筋縄ではいきませんね・・・」
「その通りです。もっと工夫して攻めてくるのです!
しかし、いくら戦略を練ろうとも貴方自身の戦闘能力が低くては無意味ですがね!」
刹那、葵は一瞬にして間合いを詰めて超能力亡者の目の前に立つ。
「私の動き、見えますか・・・?」
同時に葵が超能力亡者の視界から消える。
「な、なにィ!?」
「後ろです!」
「ぐあぁっ!」
瞬時に背後に回りこみ、強烈な蹴りを見舞う葵。超能力亡者は地に膝をつく。
「結局正面からの攻撃しか防げないんですね・・・
だったら、あなたが捕えられないくらいの速さで動いて後ろから叩けば良いだけです・・・
茜のように単純で、主に正面から攻める相手には有効ですが・・・私には通用しません・・・」
「くくく…九条茜よりは応用力がありそうですね…しかし…」
そう言いながら立ち上がる超能力亡者。
「パワーが足りない!その程度では効きませんよ?」
「それなら、効くまで何度でも!・・・!?」
葵が攻勢に入ろうとした瞬間、巨大な岩が葵に向かって飛んでくる。
「ちっ・・・」
超能力亡者が放った岩を辛うじて躱す葵。
「残念ですが、貴方の見せ場は終わりです!」
台詞と同時に、超能力亡者は周囲の壁を衝撃波で削り、巨大な岩を何個も作り出す。
「貴方ではこれら全てを砕くことも、躱すことも不可能!」
293ヘタレ:04/10/30 14:18:40
「・・・それでは、私もジョーカーを切らせていただきますね」
葵は懐から銃を取り出す。デザートイーグルに酷似した、単発式のハンドガンのようだった。
「それが切り札ですか?無駄なことを…!」
超能力亡者は岩を全て宙に浮かべ、葵に向けて全弾放つ。
「これくらい・・・!」
葵は向かってくる岩を全て銃で撃ち砕く。単発式のデザートイーグルでは到底成し得ないことだった。
「ば、馬鹿な…!その銃は、一体…!?」
「少し改造してありますからね・・・連発式にして、弾丸も特注の50口径仕様です。
これ以上の手はありませんよね?そろそろ終わりにしましょう・・・」
葵は銃口を超能力亡者に向ける。
「くくく…ははははは…はぁーっはっはっはっはぁ!」
唐突に三段笑いをする超能力亡者。
「切り札とは最後まで取っておくものでしたね…私も最高のジョーカーを使いますよ!」
超能力亡者が言うと、その手が突然光を放つ。
「『操る』とは超能力に於いての基本のようなものです。
私ほどの熟練者なら、人も操ることができますがね…」
「ま、まさか・・・」
葵が振り返ると、茜が突然立ち上がる。ただ、その目は虚ろで茜自身の意志は感じられなかった。
「さあ、殺し合え…!」
茜はゆっくりと葵に向かっていく。
「あ、茜・・・」
葵は銃口を茜に向けるが、その手は震えていた。
「無駄です。貴方には撃てませんよね?」
刹那、茜は葵の手に蹴りを入れて銃を叩き落とす。
「し、しまっ・・・」
葵より先に茜が拾い、発砲する。轟音とともに周囲に血が飛び散った。
「ば…馬鹿な…こ、こんなはずは…」
超能力亡者が倒れる。
「あんたの汚らわしい力で、あたし達の絆を壊すことなんて出来ないのよ!」
「まさか術が失敗したとは思っていなかったでしょう?
あなたの敗因は自分の力量を見誤ったことですね・・・」
「く…くっくくく…」
超能力亡者は不気味に笑いだす。
「いやぁ、これはまいりましたね…一先ずは、貴方達の勝ちということにしておきましょう…
しかし、私の本体は地獄にあるのです。私は滅びません…何度でも蘇ります。
私が再び目覚める日まで、生きることを許してあげましょう…」
そう捨て台詞を残して、超能力亡者は灰になった。
「終わりましたね・・・」
「更紗、帰ろうよ・・・」
「あ、あの・・・二人とも、助けにきてくれてありがとう・・・
それと、ごめんなさい・・・あたしの所為で、そんなに傷ついて・・・」
「お気になさらないでください・・・謝らなければいけないのは私達ですから・・・
こんなことに巻き込んでしまって、本当に申し訳ありませんでした・・・」
「そ、そんなこと・・・」
「あーもう!いいじゃない、そんなことは!」
茜が口を挟む。
「更紗だってさ、逆の立場だったらきっと助けにきてくれたでしょ?」
「そうね・・・。でも、それとこれとは・・・」
「わかったわかった。それじゃあさ、あの時のコーヒーとケーキ、それで手を打つわ!」
「ふふ・・・わかったわ・・・」
こうして、三人は檻伽羅館を後にした。

「葵、ごめんね。手、蹴っちゃって。痛くなかった?」
更紗の店に戻る途中、茜は唐突に葵に問い掛ける。
「大丈夫ですよ。50口径の衝撃の後でしたから、あんなの痛みとも感じませんでしたよ・・・」
「えっ?あの銃って、50口径・・・?」
「茜・・・肩とか痛かったりしないんですか・・・?」
「うぅん、全然・・・」
「・・・・・・」
294ヘタレ:04/10/30 14:19:25
「あっ、ダブドラ兄弟・・・どうしてここに?」
三人が更紗の店に着くと、竜一と竜二が待っていた。
「葵に待ってろって言われたからな・・・」
「まったく、こんな時間まで待たせやがって・・・俺達は帰るぜ」
「ちょっと待ってよ、竜一」
ダブドラ兄弟が立ち去ろうとするところを、茜が引き止めた。
「あんた、あたしが30人相手してた時に助けてくれたでしょ?
お礼くらい言わせなさいよ・・・」
「あぁ、それならお前の体で返してくれればいいよ」
「か、体って何よ?あたしをこき使うつもり?」
竜一は一瞬固まった後、すぐに返す。
「そ、そうだ。掃除とか洗濯とかやってもらうから、今度うちに来いよ」
「わかった、そうする」
「あの・・・」
更紗が話に割って入る。
「あなた達もケーキ食べていく?」
「え?いいの?」
「たくさんあるから・・・食べながら、話でもしましょう・・・」
「付き合ってやるか・・・」
「うれしいくせに」
ぶっきら棒に答える竜一に突っ込みを入れる茜。
その日、更紗の店では深夜まで話が盛り上がったという。

エピローグへつづく
295ヘタレ:04/10/30 14:25:52
『覇王の条件』エピローグ
「サラシ、きつかったです」

「茜、どうぞ・・・」
「こ、これは・・・?」
ある夜、葵が茜に酒をすすめていた。
「これってお酒でしょ?あたし達未成年だし・・・まずくない?」
「この際ですから、細かいことはいいですよ。飲みましょう・・・」
「そ、それじゃあ、一杯だけ・・・」
茜はさっさと済ませるために、一気にコップに入った酒を飲み干した。
「うぅ・・・」
「それでは私も・・・」
葵が自分のコップに酒を注ごうとした時・・・
「きゃあっ!」
「あ〜お〜い〜」
「あ、茜?」
突然茜に押し倒されて、戸惑う葵。
「何をするんですか?酔っているの?」
「あおいはい〜よねぇ〜。むねがおっきくて・・・」
言いながら、葵の胸を揉みだす茜。
「ひぁっ・・・あっ、茜!や、やめ・・・て・・・」
葵は必死に抵抗するが、茜は構わず続ける。
「あ、茜!いい加減に・・・」
「・・・・・・」
「あら?」
茜が急に離れ、酒を注ぐ。
「何よ!あたしだって・・・あたしだって・・・」
半ば自棄になったように酒を飲む茜。
「葵みたいに、スタイル良ければ・・・うぅ・・・うわぁぁぁぁぁん」
茜はポロポロと涙を流し、そのまま眠ってしまった。
「泣き寝入り・・・?あ、茜・・・?風邪引きますよ?」
葵は胸のことで茜をからかっていたことに罪悪感を感じた。
296ヘタレ:04/10/30 14:29:47
「うぅ・・・頭が、痛い・・・」
翌日、茜は怠そうに体を起こす。
「おはようございます・・・」
「あ、葵!?」
茜は驚愕する。目の前にいるのは確かに葵なのだろうが・・・
見た感じでもいつもより明らかに胸が小さかった。
「ど、どうしたの?その、胸・・・?」
「茜が、胸のことにそんなにコンプレックスを持ってたなんて、知らなくて・・・
その・・・サラシ、してみたんですけど・・・」
酔っていた時の記憶がまったくない茜は少し戸惑った。
「いつもしているわけにはいきませんけど・・・茜といる時は極力しますから・・・」
大体の事の内容を理解した茜。
「葵・・・?」
「はい?」
「あのさ、酔ってた時のあたしに何か言われたんだよね・・・?
他人に何か言われて自分を変えるなんて、葵らしくないよ・・・」
必死に言葉で取り繕うとする茜だが、なかなか思い浮かばなかった。
「だ、だから気にすることなんかないよ。葵は葵のままでいて・・・」
「わかりました・・・」
葵はサラシを外す。
「サラシ、きつかったです」
二人はお互いを見つめ合い、そして笑った。
「あっ、茜。そろそろ着替えないと・・・」
ふと、葵が時計を見ると結構危ない時間帯になっていた。
「ち、ちょっと待ってて!」
茜は即行で着替えると、部屋を飛び出す。
「葵、早く早く!」
「もう・・・わかってますよ」
いつものように二人で登校する茜と葵。
隣にお互いがいることがどれだけ素晴らしいことなのか、少しだけわかった気がした。

297ヘタレ:04/10/30 14:31:27
長々と失礼しました。
ここまで読んでくれた皆様、ありがとうございました。
298名無しになりきれ:04/10/30 14:35:32
   ハ,_,ハ
  ,:' ´∀`';< ヘタレ!よくやった!ヘタレ!GJ!ヘタレ!お疲れ様!
  :: っ ,っ
  ι''"゙''u
299名無しになりきれ:04/10/30 14:41:39
ヘタレさんあなたはヤムチャに失礼ですぞ、いい仕事しすぎてますからあなたは全然ヘタレじゃないよ
300名無しになりきれ:04/10/30 14:55:22
ヘタレよくやった×300
301221とか:04/10/30 16:28:24
ヘタレさんGJ!

んで僕もまた書きました。
一つ一つは凄い短いんだよなぁ…。
302OBR 3.狂気:04/10/30 16:29:14
「死にたくない死にたくない死にたくない」
何かにとり憑かれたように慎吾は繰り返していた。
その手には日本刀。彼に支給された武器だ。
今まで平和に暮らしてきたというのに、突然の転落。
怯えてしまうのも、無理はないだろう。
最早慎吾には冷静な判断力は失われている。
ただ生きたい。その本能だげでやたらめったらに走っている。

「死にたくない死にたくない死にたくない」
だが、みんなそうだろう。その中で自分が生き残るには?
「殺す殺す殺す」
そう、それしかない。こちらからさっさと仕掛けてやる。
銃を撃つのには誰でも抵抗はあるだろう。
その一瞬の迷い。それを狙って──。
「斬る」

自分のとるべき行動は決まった。後は敵を探すだけ。
こんなところに長い間居たくはない。早く見つけて殺す。
「…いた」
遠くを走る二人組の男。まずはあいつらだ。
少しずつだがゆっくりと、距離を縮めて、

「殺す殺す殺してやる!でやぁ!」
慎吾はその二人の男、秋原と一条に斬りかかった。
「お・・・俺は悪くないんだ・・・」
学校から少し離れた森の中。双木は銃を持って呆然と立ち尽くしていた。
その目の前には、腹部には銃痕が見える神野が横たわっていた。
「こ、こんなところで突然お前が話しかけたりするから・・・」
疑心暗鬼に陥っていた双木は、声の主の確認もせず撃ち抜いてしまったのだ。

もう動かなくなった神野に近づく。
見ると、その手にはナイフが握りしめられていた。
「そ、そうか!神野も俺を殺そうとしていたんだ!」
自分に言い聞かせるように叫ぶ。
「き、きっと、俺を油断させてからブスッと・・・」
神野は黙して語らない。真実は決してわからない。
双木が自分を正当化しようとしているのか。はたまた本当なのか。
しかし、双木はそう考えるしかなかった。そうでなければ、発狂してしまうだろう。
「俺は・・・俺は!悪くないんだ!」
そう叫び、その場から立ち去ろうとする双木。その時。

『ズダダン』
頭を撃ち抜かれ、その場に倒れる双木。
後ろには木根が立っていた。
「はっは、残念でしたな」
事切れた双木の手から銃を奪い取った木根は、レーダーを確認しながら森の中に消えていった。
別方向の森の中。血塗れになった飛燕が腹を満たしていた。
その脇には郷田。背中にはサバイバルナイフが深々と突き刺さっている。
「君に・・・恨みはないけれど・・・」
もう息はない郷田の血を吸いながら、飛燕はそっと目を閉じる。
そう、飛燕もまた、「やる気」になっていた。確固たる信念を抱え。

「・・・雅哉・・・君の仇は必ず・・・」
愛した者の死は、飛燕から色々な感情を失わせていた。
「・・・必ず・・・あいつを殺す!」
最愛の人をまるでゴミのように殺したあの埴輪と呼ばれた男。
あいつを殺す為に、全ての感情を捨て去った。
どうやって殺そうか考えつく限り考えた。だが既に学校には入れない。
ご丁寧に立て札まで立っていた。入ろうとすると爆発だ、と。
どうすれば奴に近づける?その方法はもう、一つしかない。

自分が最後の一人になること。

そして何食わぬ顔で奴に近づき、殺してやる。
血の気の無くなった郷田から口を離し、その場を後にする。
もう情けすらない。そのままの状態にして置いておく。サバイバルナイフを抜き取り。

「・・・あいつを殺す・・・そのためには・・・」
そっと呟く。
「・・・大介君・・・木根・・・君達であろうと容赦は・・・しない」
やがて森の中に消えてゆく飛燕。
赤く染まったその体は、自分では分からないが、哀しみに満ち溢れていた。

「・・・あいつを殺して・・・僕も死ぬ・・・」
305221とか:04/10/30 16:34:16
続く。
SSのはずなのに…いつ終わるやら。

>266
いや、無理です。疎いもんで。

>267
もうラストはある程度決めちゃってるんですよね。
どうなるかは言えませんが…。

>268
ちょっとだけ考慮してますよ。
慎吾に日本刀を持たせたのもそのためですし。
大介黒化も考えてます。
306名無しになりきれ:04/10/30 16:38:53
諸君、ヘタレ氏に最敬礼!
307名無しになりきれ:04/10/30 16:40:58
期待age
308名無しになりきれ:04/10/30 16:47:10
へたれさん、221さんぐっじょぶ。
309221とか:04/10/30 23:15:26
また書きました
飛燕が去って一時間半後。その場所に一つの人影が現れた。
「あれは…」
その人影、早坂は倒れている郷田を見つけ、近づく。
「…死んでる」
背筋がゾクッとする。まだ殺し合いという実感はなかったというのに、
いざ死体を目の前にすると、実感せざるを得なくなる。

「この人は…郷田さん、だっけ」
その顔には見覚えがあったが、すっかり変わり果てていた。
あの健康的だった肉体はやせ衰え、顔からは血の気が全くない。
「どうすればこんな風になるんだ」
首もとには歯型のような後も見える。
ふと、とある怪物の名前が脳裏に浮かんだ。
「吸血鬼…まさかな」
そんなファンタジーのようなこと、あるはずない。

「…」
もう一度、死体を見下ろす。
どのように殺されたのかは分からないが、相当辛かったことは想像ができる。
その形相を見て、とある人物の顔を思い出した。
「森田…大丈夫かな」
クラスメートの女性の名を呟く。
彼女のことだ、怯えてしまっているだろう。
もしかしたら、既に──。
首を振る。そんなことを考えてはいけないだろう。
「とりあえず、探すか」
知っている人が死んでしまうなど、考えるだけで恐ろしい。
守ってあげるぐらいなら、できるかもしれない。
「でも無理かな」
自分の武器のことを考えて少し途方に暮れる。
早坂に支給された武器。いや、武器ですらない。
それは、黒い球体だった。その数、数十個。
「煙幕…?」
付属していた説明書に、そう書いてあった。
衝撃を加えると、破裂して煙が巻き起こるらしい。
「こんなんじゃ…戦えないよな」
自分のくじ運のなさを呪う。
ため息をつきながら立ち上がると、視界にバッグが見えた。

「もしかしたら」
ほとんどの場合、殺した奴が持って行ってしまっただろう。
だが、忘れてしまっているかもしれない。一縷の望みに賭け、探してみることにした。
「…これは」
入っていたのは、防弾チョッキだった。
武器でないのが残念だが、煙幕よりはまだマシだ。
防弾チョッキを服の下に着込んだ。
倒れている郷田にもう一度軽く拝んでから、その場を立ち去ろうとすると、

『ガサッ』
物音がして、思わず振り返る。そこには。
312OBR 7.走馬燈:04/10/30 23:18:21
道を宮守は歩いていた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
その顔は疲労困憊している。どうやらずっと走っていたらしい。
真面目な人ほど、不測の事態への対処ができない。
この宮守も同じだ。ただどうすればよいかわからず、ずっと走ってきたのだろう。
膝は血で滲んでいる。手のひらも。転んでしまったのだろうか。

しばらく歩いていると、バス停にたどり着いた。
バス停にあるベンチに腰を下ろし、思案する。
(どうすればいいの?)
自問しても答えはない。ここまで無力さを痛感することになってしまうとは。
配給されたバッグを開けてみる。
乾パンや地図に紛れ、「それ」はあった。
長さ20cm程の拳銃。説明書には、「トカレフ」と書いてある。
「旧ソ連製、米軍コルト45に対抗して普及・・・」
中身は半分以上ちんぷんかんぷんだが、気を紛らわすために、声に出して読む。
とりあえず、本物の拳銃であることは確からしい。

「トカレフ・・・」
もう一度反芻する。まるで我が身を委ねるかのように。
握りしめた瞬間、今までの思い出が脳裏に浮かんでは消えてゆく。
こんな状況。どこかで聞いたことがある。確か、走馬燈と言っただろうか。

「そっか、私」
ここで死ぬんだ。

銃口をゆっくりとこめかみに向ける。不思議と恐怖はない。
「お父さん、お母さん、さようなら」
指に力を込める。またも走馬燈が起こる。そして。
『ダァン!』
少量の脳漿が飛び散る。血が流れる。
腕をだらんと垂らした宮守が、再び起き上がることはなかった。

通りがかった飛燕が、握りしめられているトカレフと、
バッグに入っている予備弾丸を持ち去るのは、
それから三時間後のことである。
313221とか:04/10/30 23:19:04
続く。
ちょっと展開早すぎかな…
314名無しになりきれ:04/10/30 23:20:16
自分はどうなるのかドキドキしてきた
315名無しになりきれ:04/10/30 23:23:57
普通におもしれーなこの話
316名無しになりきれ:04/10/30 23:25:07
俺どうなんのかな…ドキドキ
317ヘタレ:04/10/30 23:45:17
そう言えばキャラの出典スレは書いておいた方がいいのかな?
318ヘタレ:04/10/31 02:11:56
ちくしょおぉぉぉぉ!
一日待つべきだったぁぁぁぁぁぁ・・・
あ、あんな、おいしすぎるネタを取り入れられなかった・・・_| ̄|〇
319名無しになりきれ:04/10/31 02:24:04
モチツケ・・・何があったんだ、ヘタレ?
320ヘタレ:04/10/31 02:30:46
>319
アレですよ。双子姉妹スレでものすごくおいしいネタが出たのに
SSに取り入れることが出来なくて残念だな、と・・・
321名無しになりきれ:04/10/31 02:37:18
まあ・・・よくあることだ・・・二次創作SSだしな。
322ヘタレ:04/10/31 02:40:45
そうか・・・

まあ過ぎたことはしょうがないとして、次のネタが思いつかない
221とか、しばらくは任せた
323名無しになりきれ:04/10/31 11:05:07
おとぎ話カスタムでも書いてみるかな
324221:04/10/31 11:32:43
流れを考えてみたら完結まであと15レスは使いそうな予感…

続きは夕方か夜に書きますんで。
325名無しになりきれ:04/10/31 15:08:20
221とかよ今度はオリキャラ板全体のバトロワがみたいよ
326名無しになりきれ:04/10/31 15:10:55
>325
まだ今のが終わってないのに更に追い討ちかけるような事言わんでやれって。
せめて、今のが終わるまでは待っとけよ。な?
327名無しになりきれ:04/10/31 15:12:29
>325
俺もみたいが数が多すぎ・・・orz
もし書くなら、有名どころだけにするか、
リレー小説にするしかないと思うが。
328名無しになりきれ:04/10/31 15:42:32
>327
それだよリレー小説がいいよ、FFDQ板のDQFFバトルロワイアルみたいな感じでいいと思う。
329名無しになりきれ:04/10/31 15:44:42
>328
疑問に思ったからしたためてみる。FFDQなのに、バトロワになると途端に
DQFFとひっくり返るこの謎。何故だ?答えろ(AA略)
330名無しになりきれ:04/10/31 15:47:43
リレー小説だと1人でやるよりも遥かにグダグダになりやすいがな
一人一人の苦労は分散されるが…
331名無しになりきれ:04/10/31 15:53:45
技量がある奴とない奴の差が顕著に出るんだよな
332名無しになりきれ:04/10/31 16:26:58
リレーなんていいって
贔屓で気に入らないキャラを殺したりする奴いそうだし
333名無しになりきれ:04/10/31 20:16:16
バトロワよりも今のメンツに白百合大学の学生まで含めて体育祭が
334名無しになりきれ:04/10/31 20:43:02
>333
しつこい
335名無しになりきれ:04/10/31 20:50:35
みんな行儀良く座って続きを待っているんだ
催促やリクなどしていたらやる気をなくしかねん
336名無しになりきれ:04/10/31 21:24:50
一年以内に続きを頼む!!
337名無しになりきれ:04/10/31 21:52:32
一つのスレ内でなら書こうかな。バトロワ。
338名無しになりきれ:04/10/31 22:06:53
全キャラで戦ったら強さの優先順位はこんなふうになる

神>兵器>魔族>天使>その他ファンタジー系の人間>武将とか>戦隊なんかのヒーロー>凶暴な動物>普通の人間>大人しい動物
339名無しになりきれ:04/10/31 22:46:45
そんな出来レース見たかねーよ!
340名無しになりきれ:04/10/31 23:02:57
大人しいライオンが狂暴なネコちゃんに負けちゃうSS萌え
341221とか:04/10/31 23:14:01
書きました
342OBR 8.死闘:04/10/31 23:15:12
『ブォン』
慎吾は、気づかれていないうちに刀を振り降ろした。
しかし刀身が予想外に短く、切っ先は空を斬る。
気配に気づいた秋原達。振り向いて驚き、唖然とする。

「何なんだお前!」
秋原が叫ぶ。
しかし狂気に支配された慎吾の耳には届かない。
届かないと知るや近づき、秋原に向け斬りかかる。
その瞳は、もはや人間のものではない。人語を解さない、ケモノの瞳であった。
「うおっ!」
紙一重で避けることができたが、尚も慎吾は斬りかかろうとしている。
銃を抜くタイミングが掴めない。
後ずさりしていると、背中に木の感触。これ以上は下がれない。
慎吾が構える。
(やられる!)

そう秋原が思った瞬間、慎吾の表情が苦痛にゆがむ。
一条がヌンチャクで慎吾の背中を殴打していた。
一発。二発。硬いヌンチャクが確実に慎吾の体を痛めつけている。
一条の顔は真剣そのもの。攻撃を緩めると、その時点で斬られるかもしれない。
やがて体勢を崩す慎吾。その隙に秋原は少し距離を置いた。
銃を抜き、慎吾に向け構える。
だが、手が震えて引き金が引けない。心理的抵抗だろうか。
あいつが体勢を崩している今がチャンスなのに。
343OBR 8.死闘:04/10/31 23:15:54
やがて一条の攻撃の一瞬の隙を突き、慎吾は刀を振る。
サクッと肉の切れる感触。一条の右足からおびただしい血が流れる。
追い打ちをかけるように慎吾は刀を振り降ろす。
『ガキィ!』
一条はとっさにヌンチャクの鎖の部分で刃を止めた。
まるで力比べ。膠着状態が続く。
しかし、一条には足に先ほどの傷がある。立っていられず、尻餅をついてしまった。
勝てると踏んだ慎吾がニヤリとした瞬間。

『ダァーン!』
脇腹に銃弾を受けた慎吾が、喀血してゆっくりと倒れた。
「秋原…」
自分の心の葛藤に打ち勝った秋原が、駆け寄ってきた。
「夕!大丈夫か?」
秋原は斬られた一条の足の傷を見る。
幸運なことに出血に比べ傷は浅かった。
ほっと胸をなで下ろす二人。
「歩けるか?」
「う…なんとか」
軽く水で洗い流しハンカチで止血した後、秋原は一条を支えながらその場を後にした。

とりあえず、ゆっくり出来そうな民家を探そう。
後ろには慎吾の死体がある。他にも大事なものが置いてある気がする。
だが、決して振り返らない。

そう、決して。
344OBR 9.決闘:04/10/31 23:16:47
公園。広いグラウンドの中心で、渡辺と分道はにらみ合っていた。
「で、あんた拙僧になんの恨みがあるんだ?」
「恨みなどない。俺が生き延びるのにお前の存在は邪魔。それだけだ」
距離を詰める分道。右手には手斧。
一方、我関せず、といった表情の渡辺。これから戦うというのに、手ぶらである。

「喰らえ!」
分道は手斧を思いっ切り叩きつけた。
それをスレスレでかわす渡辺。大地に突き刺さる。
第二撃。かわす。第三撃。やはりかわす。
分道に多少の焦りが出てきたのに比べ、渡辺は全くのポーカーフェイスである。
分道の第四撃。当たり前のようにかわした渡辺だが、
すこしだけつまづいたように見えた。
(もらった!)
分道が第五撃を渡辺に喰らわせようと大きく振り上げたところで、分道の思考は停止した。
分道の首には、渡辺が隠し持っていたドスが深々と突き刺さっていた。
「自分が生き延びるのに相手が邪魔なのは拙僧も同じ〜ガハハニョホ」
ドスを抜き取ると、まるで噴水のように分道の首から血が溢れた。
血にまみれたドスを鞘に納め、立ち去ろうとする渡辺。その時。

『ビュン』
矢が飛んできて、渡辺の左肩に命中した。
思わずのけぞる渡辺。矢が飛んできた方角を見る。
「ぐふう」
そこには、ボウガンを構えた秋葉原、通称デブヨタが立っていた。
肩に痛みはあるが、渡辺は至って冷静だった。
ボウガンは一度放てば再び矢をセットするのに時間がかかる。その隙を狙う。
再びドスを鞘から抜くと、秋葉原に向かって走り出した。

だが、考えが甘かった。
『ビュンビュンビュンビュン』
矢が連続で飛んできて、渡辺の体に突き立った。
「連射式?」
気づくのが遅すぎた。秋葉原はいつまでも矢を放ち続けている。

数分後。渡辺は、体中に矢が突き立ち、立ったまま絶命していた。
それはまるで、弁慶の最期にも似た、凄まじいものだったという。
345OBR 10.何があっても:04/10/31 23:19:38
早坂の後ろに現れた人物。それは、瑠野島だった。
互いに面識は少ない。顔を見たことがある程度。

さて、ここで一つ質問をしよう。
あなたの目の前で知り合い、Aが死んでいたとする。
その横に、誰か別の人、Bが立っていたと仮定しよう。
さてあなたは、Bをどう思うだろうか。

「あなたが…朋美ちゃんを…」
早坂はすぐに自分の立場が危ういことに気づく。
「ち、違…」
信じてもらえるはずはないが、すがるような気持ちで答える。
「いやぁぁあああぁぁぁあぁ!」
叫び声と共に、瑠野島は早坂に向かって何かを投げつけた。
だが錯乱している瑠野島にコントロールなどあるはずがない。
あさっての方向に飛んでいき、そして──。

『ドガン!』
爆発した。
「しゅ、手榴弾?」
早坂は震えた。もし、自分に当たったら…。
尚も瑠野島は投げ続ける。
狙いはめちゃくちゃだが、その圧倒的な威力は、早坂の戦意を大いに削いだ。
「こんなんじゃ…勝てるかよ」
煙幕を握りしめながら呆然とする。

「だが…死ねない」
こんなところで死んでたまるものか。
今俺が生きている。そのことを何かに刻みつけるまで。
「死んでも死にきれん」
346OBR 10.何があっても:04/10/31 23:20:29
だが、どうする?全く勝機が浮かんでこない。
「くそ、一か八か」
煙幕を瑠野島の足下に投げつけた。
『パン!』
破裂音と突然の視界阻害。瑠野島は一瞬怯んだ。

そう、一瞬、で十分だった。
既にピンを外していた手榴弾を手に持っていた瑠野島。
それが投げつけられぬまま爆発して。
『ドガガガガン!』
バッグに入っていた残りの手榴弾と誘爆し、大爆発が起こる。
瑠野島が「いた」場所には、もうなにもなかった。

「俺が…人を…」
呆気にとられる早坂。こんなに簡単に人間とは死んでしまうものか。
足下に、手榴弾が二つ転がっていた。きっとピンを外さずに投げてしまったのだろう。
それを握り、自分の意志を再確認する。

「俺は…生きる。生き抜いてやる」
もう迷いはなくなった。もう俺には怖いものなどない。
ゆっくりと歩き出す。再び森田を探しに。
その背中には、限りない闘志が漲っていた。

だが、生き抜けるだろうか。
早坂の後方には、悪魔が迫ってきているのだ。
347221とか:04/10/31 23:30:09
続く。
残り10人。
これからの流れはフローチャートにまとめたんで、もう追加はありません。
15レスどころか、その倍近くになるかも…。

OBRの次作はまだ考えてませんが、
さすがに全員出場するバトロワは無理があります。
一人で書ききれるのは…二十人、多くても三十人が限界かと。
リレー小説は…職人が少ないのに、ちょっとどうかな、って思いますよ。

>336
たぶん。
348名無しになりきれ:04/10/31 23:41:13
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
349名無しになりきれ:04/10/31 23:51:04
221とか、GJ!
350名無しになりきれ:04/11/01 02:03:58
>338
まあ、それが妥当だが。

一部の強い奴は神をも上回る力を持ってるよな。

例えばFALCO(ry
351名無しになりきれ:04/11/01 02:06:02
そうだな。
騎士スレの奴等は魔族を倒してるしな
352名無しになりきれ:04/11/01 02:15:13
やるとすれば、強さが同等の奴限定・・・
もしくは全能力封印・・・だと思うが・・・
353名無しになりきれ:04/11/01 02:19:43
少々納得がいかないが、この手を血で汚す事なく済んだ
感謝している
354名無しになりきれ:04/11/01 02:20:03
能力封印いいなぁ。
それできたらミカエルも伯爵もリファーナもメカバニーにもとにかくやりたい放題だ。
355名無しになりきれ:04/11/01 02:36:15
まあ、まて。
なんにせよ、221とか氏のOBR終了後だ。
356名無しになりきれ:04/11/01 02:48:17
おしっこ漏れそう
357名無しになりきれ:04/11/01 03:01:30
>352
それをやっちゃあ楽しくないだろ。
358名無しになりきれ:04/11/01 03:06:18
魔族とか天使にも個人差がかなりあると思われ
359名無しになりきれ:04/11/01 10:35:11
12月公開予定オリキャラ武道大会
とりあえずOBR登場キャラに加え15人くらい登場キャラを増やす予定です

首を長くして待ってな
360名無しになりきれ:04/11/01 10:37:42
アナザーストーリーA(>62-63>98-99>117>119)
と内容被ったりしない?
361名無しになりきれ:04/11/01 10:42:38
ならばそれまでにアナザーストーリーAを片付けてみますか。
中途半端にしておくのも打ち切られた作品みたいで嫌なんで必死こいてきます
362名無しになりきれ:04/11/01 10:44:09
>360
トーナメント制ではないのでご安心あれ
363名無しになりきれ:04/11/01 10:46:48
武道大会だろつまり、武器なし魔法なしだろ優勝者決まったもんじゃん
364名無しになりきれ:04/11/01 11:09:49
リングとかで走り回るスペースがなければ村娘も倒せるんじゃないか?
捕まえれれば勝ったようなもんだし
365名無しになりきれ:04/11/01 11:13:08
>364
武道大会なら村娘よりも危険な奴居るだろ
366名無しになりきれ:04/11/01 11:14:51
>363
誰?
367名無しになりきれ:04/11/01 11:16:40
ほのぼの系のSS書いてみっかな。
バトル系は結構供給あるみたいだから 。
368名無しになりきれ:04/11/01 11:21:02
>367
俺を主役としたSSを書くことを要求する
369名無しになりきれ:04/11/01 11:27:42
>364
大胆な仮説だ。
・ものすごい瞬発力でとにかくやられる
・観客のセリフで死んだ事にされる
・捕まえても光速で引きずり回される
・超スピードのじたばたで至近距離から衝撃波
とかなりそうな悪寒。
走り過ぎて場外負けとか、試合始まった瞬間逃げだして辺り壊滅とかなら普通にありそうだけどな。
まあ奴は大会とかには来ないだろうし、自分から負けてみせたい奴だけ戦えばいい。
370名無しになりきれ:04/11/01 11:38:41
>140はどうした?挿し絵担当。
OBRの絵とか見てみたい
371挿絵担当?:04/11/01 12:45:02
>370
私か!せっかくのお呼びだ、描こうじゃないか。まずは見たいシーンを教えてくれ。
372挿絵担当?:04/11/01 12:56:28
いや待て…ここは序章から順々に描いてみる事を選ぶぞ。しばし待っていなさい。
373名無しになりきれ:04/11/01 13:23:32
ワクワク
374名無しになりきれ:04/11/01 15:56:14
セリフ重視のヘタレ、描写重視の221とか。
書き手にも個性があるからそれを読み取るのも楽しい
375名無しになりきれ:04/11/01 19:44:00
>372
もちろん全員描いてくれるんだよな
不公平はよくない
376名無しになりきれ:04/11/01 19:52:38
ガノタまだ登場すらしてないぞ
377挿絵担当?:04/11/01 20:20:02
>375
名前が出ている面子はな。だがちょっと困った問題が発生した、聞いてくれ。
白薔薇メンバーの外見に関する詳細な情報が不足している。
知っている者がいたら教えて欲しい。今の時点では好きなように描かせてもらっているが…。
378名無しになりきれ:04/11/01 20:23:49
>377
オリキャラ辞典でも見てこい
379名無しになりきれ:04/11/01 20:52:24
情報あるけど俺のは解りにくいだろうなぁ……
380名無しになりきれ:04/11/01 21:02:19
>378
白薔薇メンバーは載ってないぞ

>377
うろ覚えだが、
会長…貧弱、白衣
大介…小さい、美少年、外ハネ
飛燕…可愛い(らしい)、ローブ、吸血鬼
木根…目つき悪い、髪が短く少ない
ガノタ、羊、桜庭…情報なし
デブヨタ…名は体を表す
381名無しになりきれ:04/11/01 21:30:56
ガノタはスポーツ苅り
綾人もスポーツ苅りらしい
羊はシラネ
382221とか:04/11/01 22:29:05
再び書きました
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
木根から逃げ出してはや四時間。日は沈みかけている。
工藤は、精神的にも肉体的にも限界に近づいていた。
恐怖で顔はひきつり、転んだときの傷で足は血だらけ。
手に持った銃で自殺することが出来ればどれだけ楽だろう。
だが、その勇気もない。ただ迫りくる死を待ち続けるしかない。
疑心暗鬼。ただ物音を立てただけの猫であろうと、容赦なく撃ち抜いた。
恐怖に支配された人間とは、これほど変わってしまうものなのだろうか。

やがて一軒の山小屋が見えた。疲れた身体を癒すため、その家に入ることに決めた。
鍵はかかっていなかった。慎重に中に。誰かいる危険性もあるのだ。
「大介君」
呼びかけ。声のしたリビングに目を向ける。
そこには、桜庭が椅子に座っていた。
「よかった、無事だったんだね」
桜庭は立ち上がり、寄ってこようとする。

「動くな!」
桜庭に向け銃を構える工藤。
一方、わけがわからないといった顔をしている桜庭。
「綾人さん、あなたも・・・僕を殺そうとするんでしょう?」
その言葉で、桜庭は気づく。目の前の少年は、何か恐ろしい目に遭ったのであろうことを。
「そうか、わかった」
両手を広げる桜庭。
「撃て。それで君の心が晴れるなら」

桜庭の予想外の言動に、驚く工藤。
「それに、君に殺されるなら、私も本望だ」
銃を構えていた工藤の腕がブルブルと震え出す。
『カラン』
手から持っていた銃ポロリとこぼれた。工藤の両目には涙が。
「綾人さーん!」
桜庭に抱きつき、泣きじゃくる工藤。あの泣虫だった自分が戻ってきていた。
工藤から話を聞き、しばし呆然とする桜庭。
「木根さんが…?」
いつも顔に微笑みをたたえていた木根を思い出す。
口調がきついところはあったが、人を殺すような人間ではない。
「何かの間違いでは…?」
「僕も・・・そう思いたいです・・・」
そう、夢であってほしい。されど夢ではない。
工藤の憎しみは、このゲームの主催者、あの男に向けられていた。
「・・・僕は・・・あの埴輪という男を許せません」
その発言を聞き、少し悩むような表情をする桜庭。
「だが…弐零六さん──埴輪さんは、とてもこんなことをするような人では…」
工藤は、あの男と桜庭の関係がわからなかった。
何故桜庭はここまで、あの男を信頼できるのだろう。
「私は…あの人にもう一度会い、しっかりと事情を聞きたいと思う」
桜庭は前を向いてはっきりと言った。

「…と、大介君、ケガをしてるじゃないか!」
工藤の足の傷を見つけた桜庭。すぐに応急処置を施す。
どこから取り出したのか消毒液をかけ、ガーゼをあてて包帯を巻く。
「そういえば・・・綾人さんの武器は?」
「これだよ」
救急箱を指さす。
「武器じゃないんだけど…私には肉体という武器があるし」
そう、桜庭には格闘技がある。
「・・・ですが・・・」
木根は銃を持っているのだ。それもマシンガンを。
肉体でなんとかできる問題ではない。
「たぶん…大丈夫さ」

「これから・・・どうしましょうか?」
工藤は桜庭に問うた。
「私は、もう一度学校に戻ろうと思う。話を聞くために」
入れなくなっていることは知らない。
「・・・わかりました」
危険は伴うが、一つの場所にとどまるよりはいいだろう。
「外はもう暗くなってきた。今日はここで寝て、明日の朝に出発しよう」

夜は更けてゆく。
同時刻。榊原は森を歩いていた。手にはハサミを持って。
始まってからずっと人を見つける度逃げてきた。
そのため、人が死に続けている中今まで生き延びることができたのだ。
しかし、それにも限界があった。
「飛燕…」
目の前に立ちはだかった人物。それはサバイバルナイフを握りしめた飛燕だった。

「み、見逃してくれ」
榊原は懇願する。ハサミで勝てるはずがない。
しかし、まるで聞こえていないかのように、飛燕はサバイバルナイフで切りつけた。
左腕に痛み。傷は深いようだ。
もう逃げられないと悟った榊原は、意外な行動に出る。

「やらせはせん、やらせはせん、やらせはせんぞぉ!」
右手に持ったハサミを思いっきり振り回した。
火事場の馬鹿力、とでも形容しようか。
むちゃくちゃに振り回したはずのハサミが飛燕の右手に当たり、サバイバルナイフが地面に落ちた。
チャンスとばかりに落ちたナイフを拾った榊原は、飛燕に飛びかかった。
「ジオン公国に栄光あれぇ!」

『ダァン!』
銃弾を顔面に受け、後ろに倒れる榊原。
飛燕の左手には、宮守の死体から奪ったトカレフがあった。
榊原の手からサバイバルナイフを取ると、飛燕は再び森の中へ消えた。
次の獲物を探すために。
復讐鬼と化した飛燕に、もう表情はない。言葉もない。
見つけた人間を殺すだけ。

そう、それだけだ。
386OBR 13.九死に一生:04/11/01 22:33:19
「くっ…もう暗くなりやがった」
森田を探して森の中をうろうろして数時間。早坂のまわりは漆黒の闇に包まれた。
そして、夜になるのを待っていたかのように、悪魔──木根は行動を開始した。

『ダーン!』
轟く銃声。早坂は身を翻し、木陰に隠れる。
当たりはしなかったが、間違いない。誰かが狙っている。
「…この闇だ」
早坂は少し安心した。こんな暗闇で、当たるはずはない。
だが、その仮説は、すぐに裏切られることとなる。
『ダーン!』
もう一度銃声が響いたかと思うと、弾丸は早坂の左肘を正確に撃ち抜いていた。

「ぐっ…そんなバカな…」
予想外の展開に驚きの色を隠せない早坂。
左肘からは血が流れ出す。かなり傷は深そうだ。
一方、木根は双木から奪った銃の性能のよさを確認していた。
その銃にはレーザーサイトが付いていたのだ。
木根が夜を待っていたのもこのため。昼では使いづらいからだ。
そんなことは知らない早坂。再び射程圏内に現れてしまった。
387OBR 13.九死に一生:04/11/01 22:33:54
ふと左胸を見ると、赤い点がポツンと付いていた。
その時早坂もからくりに気づいたが、時既に遅し。
「しまっ…」
『ダーン!』『ダーン!』『ダーン!』
胸に三連弾を浴びた早坂。ドサリと後ろに倒れる。

その音を聞いた木根は、その場から離れた。
こちらに気づいた時に銃声は聞こえなかった。つまり奴の武器は銃ではないだろう。
銃以外の武器など、不要だ。

しかし、死体の確認をしなかったのが裏目に出る。
木根は次なるターゲットを探そうと、レーダーを見た。
そして、先ほどの場所から猛スピードで離れる一つの点に気づく。
(やられた)
木根は歯がみをした。そう、早坂はまだ死んでいなかったのだ。
だがもう遅い。今から追っても無駄骨に終わるかもしれない。
ため息をつきつつレーダーの電源を切る木根。
そう、レーダーの電池が切れかかっていることも、木根が早坂を追わない理由であった。

「防弾チョッキに…救われたな」
早坂は安堵した。まさかこんなに早く役に立つとは。
だが、左肘はかなり深刻なようだ。血は止まる気配を見せない。
やがてめまいがしてきた。
「…血が…足りない」
意識を失い、倒れ込む早坂。

「綾人さーん!人が倒れてます!」
そんな声が、聞こえた気がした。
388221とか:04/11/01 22:37:21
続く。
残り9人。

時系列が分かりにくそうですので、補足説明しますと、
ちょうど「ゲーム」が始まったのが昼頃。11時〜12時ぐらいです。

榊原がなかなか出なかったのは、僕がガンダムを全く知らないからでして。

あと、挿し絵書いてくださるそうで。ありがとうございます。
389名無しになりきれ:04/11/01 23:46:45
主人公って誰?
大介?
390名無しになりきれ:04/11/02 01:15:32
大介以外が悪人みたいな書かれ方なのが気に入らない
391名無しになりきれ:04/11/02 01:26:14
そうか?
392名無しになりきれ:04/11/02 01:45:33
桜庭が好きな俺としては、大介をすぐに殺そうとしない展開に萌えた
393名無しになりきれ:04/11/02 01:54:53
>140
ピクトで変換できね
394名無しになりきれ:04/11/02 05:56:18
>390
会長乙
395名無しになりきれ:04/11/02 07:08:01
>393
ttp://ezch.org/
396ヘタレ:04/11/02 23:22:21
さて、書き始めるとしましょう
397名無しになりきれ:04/11/03 00:37:01
今度は何を題材にするんですか?
398ヘタレ:04/11/03 00:46:46
妖刀使いを主役にしたバトル物です
ここは…どこだ?
そうだ、俺はたしか、変な奴に襲われて…
…灯り?
「よかった!気が付きましたか」
「…ここは?」
早坂はベッドの上にいた。
横に、中学生と言っても差し支えないだろう、小さな少年が心配そうに覗き込んでいた。
「ここは…俺は、どうしたんだ?」
現状を把握するべくベッドから這い出そうとすると、左肘に激痛が走る。
「ぐっ…」
「あっ、動かないで!まだ安静にしていないと・・・」
傷にはご丁寧にも包帯が巻いてあった。
(人に助けられちまうとはな…敵になるかもしれないというのに)
思わず自嘲する。

助けられた少年から話を聞いた。どうやらこの山小屋の近くで倒れていたらしい。
「そういえば、声が聞こえたような…」
おぼろげなる記憶を懸命に呼び覚まそうとする。
「…俺は、どれぐらいここに?」
時間を気にしつつ問う。
「ここで眠っていたのは、およそ30分ほどですよ」
30分か。あまりぐずぐずはしていられない。早く行かないと。
左肘は…大丈夫。無闇に動かしたりぶつけたりしなければ。
少年が席を外したところを見計らい、ベッドから立ち上がると、
自分の荷物と支給品のバッグを確認する。
「世話になった」
そう呟く。
助けてもらったのはありがたいが、まだ信用ができない。
相手がではなく、自分自身が。
扉のノブに手をかけた。

「お待ちなさい」
先ほどの少年とは違う、ちょっと低い男の声がして、振り返る。
「出ていくのは構いませんが、夕飯ぐらいは食べていきませんか?」
手には盆に乗せたスープが三人前。美味しそうな匂いを漂わせている。
その時、早坂は自分が相当空腹であることを知る。
「…腹が減っては戦はできぬ、か」
とりあえずはお言葉に甘えることにした。
「冷蔵庫にあったものを勝手に拝借したので…有り合わせのスープですが」
早坂はそんな説明なぞ聞かず、一心不乱にスープをすする。
(うまい)
空きっ腹だった、極限の状況下だった、いろんな理由があるのだろうが、
早坂には世界一うまいスープにも感じた。
瞬く間に完食。
「ごちそうさん」
そう言うと、再び扉に向かう。
「ええ?・・・ま、待って下さい!」
少年の口から驚きの声が漏れる。
「ありがとう。そして、済まない」
助けてもらったくせに何のご恩返しもできない自分が情けない。
「でも、まだ左肘は・・・」
「大介君」
男が、少年──大介というのか──を制す。

「これを…持って行きなさい」
男が投げてよこしたのは、タッパーに入ったさっきのスープだった。
「…感謝する」
こちらにも事情があることをわかってくれたのだろう。
その心遣いがとてもうれしい。
「じゃ、じゃあ・・・最後に、名前だけでも・・・」
「…早坂、だ」
「ぼ、僕は、工藤っていいます」
「私は、桜庭」
「そうか」
名前を聞くと、バッグからおもむろに何かを取り出し、工藤に投げる。
「ほい、礼と餞別だ」
渡したのは、支給品の煙幕と、拾った手榴弾、一つずつ。

「工藤、桜庭…生きてたら、また会おうぜ」
「僕もです!早坂さん!」
早坂は答えず、暗い闇の中へ消えていった。
「・・・あ、手品の人だ」
森を歩いていると、聞き覚えのある声に気づく。
そう、今までずっと探していた人物の声。
「…森田!」
左肘の痛みなど無視して駆け寄る。
「よかった…無事だったのか」
思えば今日の間、ずっと森田を探して行動をしていた。
それは、恋愛感情のようなものではない。言うなれば、義務感だった。
助けなければ。守らなければ。それだけで、今まで動いてきた。
やっと見つけた。緊張の糸が切れたように、早坂はその場にへたれ込んだ。
「ど、どーしたの?」
「はは…腰が抜けちゃって」
早坂には、この「ゲーム」が始まってから忘れかけていた笑顔が、もう一度現れていた。

森田から話を聞く。どうやら始まってすぐにこの森に逃げ込み、ずっと待機していたらしい。
「運がよかったね」
一つの場所に留まっていたら、見つかった時に太刀打ちができないだろう。
「…そうだ」
早坂は、気になっていたことを聞く。
「森田の武器って?」
「・・・これ」
おずおずと差し出したのは、長さ20cm強、拳銃。
「銃か…ん?」
何か見覚えのある銃。森田から説明書を借りる。
「ワルサーP38」
そうだ、ルパン三世が使っていた銃だ。こんな有名どころの銃が当たるなんて。
自分の煙幕と比べ、悲しくなる。
確認したので、ワルサーを森田に返そうとしたが、森田は受け取ろうとしない。
「森田?」
森田も感づいているのだ。自分が持っていたって、
何の役にも立たず終わってしまうであろうことを。
だからこそ、早坂に渡した。
早坂もそれに気づき、なにも言わずポケットに入れた。

静寂が、流れる。
「・・・おなかすいた」
森田が呟くのを聞き、早坂は苦笑混じりにさっきのタッパー入りのスープを渡す。
まだ温かいそのスープに、森田の表情が変わる。
美味しそうに食べる森田の脇で、早坂は考えていた。
(これから二人で行動するとして、もし俺達だけが生き残ってしまったら)
早坂はため息をつく。
(俺は、どうすればいいんだ)
その思考は、突然響いた大きな声で中断された。

「夜九時になりました。放送の時間です」
早坂は聞き耳を立てる。
「まず、残り人数!みんな頑張っているな、9人!」
「もう、そんなに?」
集まったときは20人ぐらいは居たはずだ。
こんな短時間で半分以下に減ってしまうとは。
「次、禁止エリア!みんな地図の用意はしたか?」
慌てて地図を取り出す早坂。それを覗き込む森田。
「禁止エリアは…D−2だ!」
そこに×印を書く早坂。
「あと三時間後、0時から適用されるからな、みんな頑張れよ。じゃあな」
放送は途切れた。

「禁止エリア、だいじょーぶ?」
心配そうに森田が聞く。
「さっきあいつらと別れたのがここで…この方向に歩いたから…」
地図を確認しながら現在地を確認する。
「俺達のいる場所はC−2。大丈夫。東に行くと危ないけどな」
ほっと胸をなで下ろす二人。
再び考えようとしたが、森田が期待した顔でこちらを見てくる。
(…こんな時でも、か)
いや、こんな時だからなのかもしれない。
なにか別のことを考えていなければ、精神が潰されてしまう。
荷物から手品用の道具を取り出し、手品を始める。

暗闇を、全員支給の懐中電灯だけが照らしている。
403OBR 16.真夜中の血戦:04/11/03 15:35:05
早坂が森田と出会ってから数時間。森田はすやすやと眠っている。
早坂は森田の寝顔を見ながら、ワルサーを持って周りを警戒していた。
二人とも寝ている状況で敵に襲われたらおしまいだ。
早坂は、眠らない決心をしていた。
だが、懐中電灯を点けっぱなしだったのがマイナスだった。
通りがかった飛燕が気づいてしまったのである。
飛燕は音もなく早坂の後ろに立ち、そして──。
サバイバルナイフを、背中に突き立てた。

「ぐぁっ」
痛みに耐えられず、その場に倒れた。
早坂は油断していた。まさか後ろから来るとは。
防弾チョッキは銃弾なら防げるが、刃物を通さないほど強くはない。
だが致命傷には至っていないようだ。立ち上がれる。
もう早坂は死んだと思ったのだろう、森田に近づく飛燕。
その飛燕を突き飛ばし、森田を起こす。

「逃…げろ…森…田…」
森田は訳がわからなかった。前に立つ早坂の背中からは血が。
だが、逃げるしかない。早坂を心配しつつ、森田はその場から逃げ出した。
森田を追おうとする飛燕の服を、早坂が掴む。
「あんたの相手は、この俺だ」

生き延びるという当初の目的は達成できなかったが、
誰かを守って死ねる。犬死によりはいい死に方だ。
404OBR 16.真夜中の血戦:04/11/03 15:35:32
飛燕はサバイバルナイフを振り上げる。
その一瞬の隙を付いて、早坂のワルサーが火を吹いた。
『ダァン!』

だが、倒れたのは早坂だった。腹に蹴りを入れられて。
倒れた早坂を見下ろすように飛燕が立っている。
(なぜ…?人間ならあんなの避けられるはずが…)
そう、「人間」なら。
だが、早坂にもうその謎を解くすべはない。
右手のワルサーを飛燕に向けようとしたが、右手を踏まれた。
飛燕はポケットからトカレフを出し、早坂に向ける。
「死ぬってさ…こんなに簡単なんだよな…」
早坂が喋り出す。
「今まで生きてきたことが、まるで線香花火みたいに」
そう言いながら、痛む左腕でポケットを探る。
「だったら俺は、打ち上げ花火になる。俺の生きていたことが、誰かの心に残るように」
ポケットからあるものを取り出す。
「結局果たせなかったが…これはこれでよかったのかもな」

早坂がポケットから取り出したもの、それは手榴弾だった。
「しまった・・・逃げ・・・」
「あばよ」

爆発が、起きた。
森田は走っていた。
今のは?何?ここは?私は?
完全に錯乱している。さっきまで一緒にいた人が、誰かに襲われて、背中から血を流していて。
錯乱していた。だから気づいていなかった。東に走っていることを。

両目からはとめどなく涙が溢れている。
恐怖、悲しみ。いろんな感情が溶けて流れ出たように。
いつ、またさっきの人が追ってくるかもしれない。
手品の人にとどめをさして。
「・・・こわい」
その小さな体は、恐怖でさらに小さく見えた。
だが、走りを止めることはなかった。立ち止まったらいけない、そんな気がしていた。
そのまま走り続け、ラインを──越えた。

『ピー、ピー、ピー、ピー』
首もとから電子音が流れる。
そういえば手品の人が言っていた。「東」だと。
『ピッピッピッピッ』
電子音はどんどん早くなる。
だが、森田の心には不思議と安堵感が芽生え始めてきていた。
死ねる。死ぬことができれば、この苦しみから解放される。

『ピピピピピピピピ』
どうやらもうすぐらしい。
荷物を下に置いて、夜空を見上げる。
そこは、生まれて初めての満天の星空があった。
死ぬ直前にいいものが見れた。
悔いはない──わけもなくたくさんあるが、もう、いい。

『ボン!』
首から血を流し倒れる森田。
その表情は決して「恐怖」ではなかったという。
406OBR 18.夜の終わりに:04/11/03 15:38:04
数時間。
空が白み、夜が明けようとしている。
爆発の跡地で、飛燕は座り込んでいた。
必死に身を翻したので命は助かったが、
トカレフと共に右腕は吹き飛ばされ、目もやられた。方耳も聞こえない。
このままではどうしようもない。ただ死を待つしか。

『ガサッ』
「・・・木根か・・・」
物音に、振り返りもせずに言う。
「流石ですな、こちらを見てもいないのに」
木根が拳銃を持って現れていた。
「・・・僕を・・・どうする気だ・・・?」
「ご察しの通りですな」
木根は銃を飛燕に向ける。

自分の死を前にしても、特に感慨も何も沸いてこない。
殺人鬼には似合いの末路だろう。
これで愛した人の元に行ける。ただ一つ、心残りなのは──。
「木根・・・」
「なんですかな?」
「お前に・・・頼みがある」
「頼み?」
「お前が優勝したら・・・あの・・・埴輪と呼ばれていた男を・・・殺して・・・くれないか・・・」

今から自分を殺そうとしている男に殺人依頼。面白すぎて悲しくなってくる。
だが、仕方ない。あいつを殺すこと。それだけが、自分の目的だったのだから。
しかし、木根はそれには答えなかった。

『ダーン!』
額に銃弾を喰らい、絶命する飛燕。
振り向きもせずその場を後にする木根。
木々の間から覗く朝日が、二人を照らしていた。
407221とか:04/11/03 15:38:54
続く
408名無しになりきれ:04/11/03 15:45:14
もう随分死んだな…乙
残ってる奴のリスト誰か作ってくれ
409名無しになりきれ:04/11/03 15:47:23
白薔薇の連中以外みんな死んだだろ
410名無しになりきれ:04/11/03 15:50:41
秋葉原 一郎
秋原 優意
一条 夕
木根 吏朗
工藤 大介
桜庭 綾人

あいうえお順でこれだけ
411名無しになりきれ:04/11/03 15:51:18
まだおりらぶ組生きてるのか
しぶといな、どうなるんだろう
412名無しになりきれ:04/11/03 16:03:31
結局、白馬鹿でオナニーしたいだけか・・・
413名無しになりきれ:04/11/03 16:05:51
>412みたいなのが沸くから白薔薇が主人公なのはお勧めできないんだよなぁ
414名無しになりきれ:04/11/03 16:08:08
両刀使いに期待
415名無しになりきれ:04/11/03 16:09:36
>413
ああ考えるのが普通だよ、実際は
口に出す出さないは別として
口に出してるようじゃ、グレートな読者とは言えないぜ
416名無しになりきれ:04/11/03 16:36:27
吋ゥケゥゥ(´Д`*)なSSを誰か書いて
417名無しになりきれ:04/11/03 17:51:30
>415
主人公が大介ってのは最初からすぐわかるし、
主人公補正があるから大介が贔屓されるのは当然だとしても、
それを抜きにすれば白薔薇を贔屓してるとは思えないんだが。
実際今回は早坂がメインだったっぽいし。

まあそりゃ感じ方は人それぞれだし、俺の考えが間違ってるのかもしれんけど、
あんな言葉で221とか氏がへそ曲げて続きを書かなくなったら困るな、と思った。
俺みたいに楽しんで読んでる奴も少なからずいるんだし。
楽しんでるのが俺だけなら仕方ないが。
418名無しになりきれ:04/11/03 17:55:52
いちいち突っかかると余計にやる気をなくさせると思うが・・・
419名無しになりきれ:04/11/03 18:00:30
orz
420名無しになりきれ:04/11/03 18:09:57
オリキャラ野球SSでも書くか・・・
421名無しになりきれ:04/11/03 18:40:35
きぼんぬ
422名無しになりきれ:04/11/03 23:04:06
>140、どんな絵なのか見たいけど、もう見れない…誰か持ってないかい?
423挿絵担当:04/11/03 23:14:45
明日にでも序章と一章の分を持ってくるよ。
結局キャラの外見は私が勝手に決めて描いてしまっているが、イメージに合っているだろうか。

>422
あれは只の落書きなんだ、勘弁してくれ。頼むから。
424名無しになりきれ:04/11/03 23:34:19
…な、なあ、
前にカイザースレVS騎士スレの話が持ち上がったけど、
結局、誰も書いてくれなかったのか?
425名無しになりきれ:04/11/03 23:35:21
外見なら、辞典に一人と白薔薇勢がこのスレに、オリラブが自スレに書いてある
キャラネタを荒らし回っている渡辺元気は外見設定すらなし
426名無しになりきれ:04/11/03 23:37:11
>424
じゃあ自分で書けば?
427名無しになりきれ:04/11/04 00:05:31
>424
何かそれだと今騎士スレセルまで入ったからちょっと強さが釣りあわない感じがする
428名無しになりきれ:04/11/04 00:10:13
いや、ファースのヤバさを知ってるだろ?
あれは凄いぞ・・・
それでも釣り合わないんだったら、カイザースレだけにカイザーを入れるとかな
429名無しになりきれ:04/11/04 00:26:40
ここは2ch……何を言われるか解ったもんじゃないからな。
430名無しになりきれ:04/11/04 00:27:34
レイチェルとかランドールは瞬殺されそうやん
431名無しになりきれ:04/11/04 00:41:34
こうなりゃセルとFALCONでフュージョンだ!!!
432422:04/11/04 00:52:53
>423
残念、絵描き見習いの私としては見たかったのですが…
433名無しになりきれ:04/11/04 01:36:43
そこにフェンリルとベルゼバブとガストラ帝とイングラムが友情パワーで援軍に現れる!

ぐらいやるよね、あのスレなら
434名無しになりきれ:04/11/04 01:40:14
書き手もいないのに内容を考える意味はあるのか
435名無しになりきれ:04/11/04 02:34:01
いないからネタにしてると思う
436名無しになりきれ:04/11/04 14:11:08
両刀使いの吸血鬼退治マダー?
437ヘタレ:04/11/04 15:01:34
スクラン全巻衝動買いしたりしてて書いてません
正直スマンカッタ

一応構想が固まったので今日から書き始めます
ちなみに敵は吸血鬼じゃないです
吸血鬼スレは見てないもので・・・使い易そうなら使ってみます
438名無しになりきれ:04/11/04 16:59:08
ヘタレ見損なったぞ!そんな軟弱な漫画を読んでるのか!
439名無しになりきれ:04/11/04 18:53:21
おにいちゃん、人の趣味にケチ付けちゃダメだよっ!
440名無しになりきれ:04/11/05 12:30:10
こんなにこのスレ続くとは思わなかった
441名無しになりきれ:04/11/05 17:07:57
>1の趣旨と外れまくってるけどな
442名無しになりきれ:04/11/05 17:56:27
仕掛け人の僕のせいですよ。
443名無しになりきれ:04/11/05 18:31:50
ちなみにここが盛り上がってきたようなんで
僕の連載作品はオリキャラSSスレの再利用を兼ねて、向こうで再開予定です
暇な人はどうぞ。
444名無しになりきれ:04/11/05 18:50:38
探訪記を書いた者だけど、お店・施設系のスレ(××商店、神社、バニーとか)をまわろうと思ってた
でもあの後から、自分の中で聖魔殿ってビミョーになって続きを書く気力が出ない……
しかも次に予定していたのは「ほがらか」だった
どっちも原型を留めてないって!!
ああどうしよう……再開のリクエスト、無いよね?
445名無しになりきれ:04/11/05 18:54:14
>443
あそこは荒らしが立てたスレだからお薦めはしない
446名無しになりきれ:04/11/06 02:21:48
221とかマダー?
447もきゅ ◆KEwBnNk1GI :04/11/06 11:29:34
(・ω・)もきゅもきゅ 来なくていいもきゅ
448挿絵担当:04/11/06 14:26:06
まぁ描いてみた訳だが、二日程で消えるので注意。

序章(>244 
工藤は見覚えはなかったが、桜庭は明らかに動揺している〜 より)
埴輪と会長、桜庭、工藤邂逅
ttp://data.uploda.net/anonymous/etc2/dat6/upload21806.gif

一章(>262 
走りながら話しているその後ろを、ある影が追ってきているところなど、二人は知る由もなかった〜 より)
森の中に潜む黒い影
ttp://data.uploda.net/anonymous/etc2/dat6/upload21807.gif
449名無しになりきれ:04/11/06 14:37:14
ピクトで変換して見ようとしたら403
450名無しになりきれ:04/11/06 15:43:49
>449
ここ使うがヨロシ
ttp://www1.chironoworks.com/aul/


絵師さんGJ!!
でも一条て黒髪のアシンメトリーじゃ……?
451名無しになりきれ:04/11/06 16:02:12
横分けじゃないはず
452名無しになりきれ:04/11/06 16:48:10
織高はブレザーだしね


あぁ……なんか文句ばかりですまない
いい作品だと思うよGJ!!
453名無しになりきれ:04/11/06 16:55:26
制服は全員ブレザー
454名無しになりきれ:04/11/06 16:56:54
>448
上の絵に奇しくも爆笑
455挿絵担当:04/11/06 17:17:12
じょ、情報収集の甘さが招いた出来事か…顔を洗って出直してくるよ、ははは…。
くっそおおおおおおおおお!!!!!!!
456名無しになりきれ:04/11/06 17:18:32
いやグッジョブ
457名無しになりきれ:04/11/06 17:52:28
>455
纏めておいた

慎吾・・・オリキャラ辞典
   http://origin-matome.hp.infoseek.co.jp/jiten/の登録順9に載ってる

白薔薇・・・このスレの>380

渡辺元気・・・データなし。引きこもりだからデブヨタ(白薔薇)と大差なし(多分)

分道・・・データなし。自分は天才だと絶大な自信を持ってる

おりらぶ・・・おりらぶスレの
宮守>10 森田>13 郷田>18
早坂>27 神野>31 一条>34 秋原>41 双木>76

(順番に特に意味はなし。単純に板で活動を始めた順に並べただけ)
458名無しになりきれ:04/11/06 18:22:55
>>444
俺は続きを読みたい

「ほがらか」は今スレ主不在だからなぁ
荒れてるというより寂れてる・・・
459絵描き見習い:04/11/06 21:22:21
>455
メッチャ上手いじゃないですか!ちょっとした違いなんか関係無いですよ。
ご苦労様です!貴方を目標に頑張ります!

…でも右から左にかけて、誰か教えて欲しいです。
460名無しになりきれ:04/11/06 23:13:53
OBR続きまだー?チンチン
461221とか:04/11/06 23:38:46
すいません、ちょっと立て込んでまして。近日中には書き終えます。
次投下するときは、多分完結まで書いちゃうと思います。まだわかりませんが。
462ヘタレ:04/11/07 00:13:36
筆が・・・進まない・・・
463名無しになりきれ:04/11/07 00:59:34
もしかして、双木はグロ画像で出現じゃないよな・・・
そうしたら怖いな・・ガクガクブルブル(AAry
464名無しになりきれ:04/11/07 01:59:40
スクランなんて読むからだぞヘタレ!俺に安く譲れ!
465名無しになりきれ:04/11/07 02:31:46
ところで、エロシーンはないの?(´∀`)
466名無しになりきれ:04/11/07 02:57:30
>465
良い案を教えてやろう。
まず、お前がエロ小説を書くんだ。
それの挿し絵を書いて貰うんだ。
467ヘタレ:04/11/07 03:58:14
とりあえずプロローグだけ書きおわりました
今回は一気にまとめてではなく小出しにしていきたいと思います
更新は不定期ですが勘弁を

「罪と魔王」
プロローグ「妖刀使いの想いと双子の絆」

「間違いない・・・ここから魔の気配を感じる・・・」
織伽羅町の外れにある不気味な雰囲気を醸し出している共同墓地に、その少女は立っていた。
携えている刀が特徴的で、やはりある種の近寄りがたい雰囲気があった。
「ここが発生源みたいですね・・・」
少女はある一つの墓標を覗き込む。超能力者と書かれた墓標だった。
「しかし、本体はどこに・・・?」
刹那、少女は背後に気配を感じた。明らかに人成らざる者、魔の気配だった。
「これはこれは美しいお嬢さん…こんな寂れた場所に、如何なる用ですかな?」
「わたしは・・・貴方を討つためにここに来ました・・・」
「ほう…相変わらず、この町の女性は身のほど知らずが多いですねぇ!
あの双子姉妹には不覚を取りましたが、運良く一週間で復活できました。
それでは、彼女達を倒す前の準備運動といきましょうか!」
その言葉と共に、少女は振り向く。
「そうだ…殺して犯して埋める前に貴方の名前を聞いておきましょうか…」
「これから死に行く者に名乗っても無意味だと思いませんか・・・?」
少女は瞬時に超能力亡者の懐に入り込み、抜刀と同時に超能力亡者を両断した。
「な…なんだ…と…?」
超能力亡者は灰になっていく。
「しかし、倒された相手の名も知らずに冥府に行くのは不憫と言うものですね・・・
わたしの名は双海香乃。冥府に持っていきなさい・・・」
妖刀夜鬼斗を手に、たった独りで魔と戦い続ける少女・・・名を、双海香乃と言う・・・
「これは・・・きっと贖罪なのでしょう・・・あいつを、世に放ってしまったことに対する・・・
だからわたしは・・・魔を狩り続けます・・・」
468ヘタレ:04/11/07 04:03:40
「葵ー、ちょっと聞いてよー」
茜と葵が話をしながら歩いている。それこそ、いつもと同じ帰り道のはずだった。
「ねぇ、貴方達・・・?」
唐突に、正面にいた少女が茜達に話し掛けてくる。
「私と同じ顔をした小娘を知らない?」
「あたしは知らないけど・・・葵は?」
「私も知りません。見たこともないですし・・・」
「使えないわね。それじゃあ捜して連れてきなさい・・・」
「はぁ?それが人にものを頼む時の態度なの?」
少女の言葉に、茜は憤りを覚えるが・・・
「頼んでいるわけじゃないわ。これは命令よ・・・」
彼女は茜の神経を逆撫でするかのように喋る。
「は、覇王たるあたしに、なめた口をきくなぁーーー!」
案の定、茜は少女に攻撃する。得意の回し蹴りを繰り出した。
「遅いわね・・・」
しかし、蹴りは空を掠める。茜には少女の動きすら見えなかった。
「その程度の力で私に戦いを挑むなんて・・・」
今度は少女が蹴りを繰り出すが、茜は左腕で受け止める。
「うわっ・・・!」
完全に防いだにも関わらず、茜は吹っ飛ばされた。
「茜!?」
「い、痛・・・」
茜は立ち上がるが、ダメージは相当大きかった。
「(こいつは、とんでもないわね・・・)」
苦しそうに左腕を押さえる茜。左腕からは血が流れていた。
「(左腕の筋肉と骨まで壊された・・・信じられない力・・・)」
「さて、トドメを刺してあげる!」
少女が茜に向かっていく、刹那!
「これ以上、茜には触れさせません・・・!」
葵が回り込み、50口径仕様の銃を正確に心臓を狙って放つ。
「何のつもり?」
少女は平然として立っていた。確かに命中はしたはずだった。
「まさか、そんな大きな音を出すだけのおもちゃで勝てると思ってたの?」
「こ、こんなはずは・・・」
「お別れね・・・二人まとめて、殺してあげる・・・」
少女は障気を凝縮させる。それが剣の型を為した。
「・・・私は・・・茜のためなら死ねますよ」
葵は咄嗟に先程とは別の銃を取り出し、銃口を少女に突き付ける。
「退魔銃『デモンベイン』です・・・」
「そんなもので・・・!」
葵が銃を放つのと同時に、少女は障気を凝縮させた剣で葵の腹部を貫く。
「あ・・・茜・・・」
「ぐっ・・・こ、この私が・・・人間などに不覚を・・・」
少女は一瞬膝をつくが、即座に立ち上がる。
「今回は見逃してあげるわ・・・」
そう捨て台詞を吐くと、少女は茜達の目の前から文字通り消えた。
「葵!」
茜は葵を抱き起こす。
「大丈夫なの!?葵!しっかりして!」
「あ、茜・・・よかった、無事で・・・」
「葵!すぐに、病院に連れていってあげるからね!」
葵の腹部からは凄まじい量の血が出ていた。
「せめて・・・死ぬなら茜の腕の中で・・・」
「馬鹿なこと言わないで!葵・・・絶対に死なせはしない!」
茜は気を失った葵をおぶって病院に向かう。自分の左腕が傷ついていることなど気にもしなかった。

つづく
469名無しになりきれ:04/11/07 13:12:57
ヘタレ乙!イイヨイイヨー(・∀・)
470名無しになりきれ:04/11/07 13:35:16
主役がいつも同じだからマンネリ化しそう
471名無しになりきれ:04/11/07 18:35:38
いつも余計な事を言いやがるな…黙ってろ
472名無しになりきれ:04/11/07 21:35:23
大介の情報仕入れたのでコピペ

・小さい(身長148cm)
・体は細め
・目は大きめで垂れ目
・髪は黒髪で少し長い、所々クセ毛ではねてる

絵師は参考に汁
473名無しになりきれ:04/11/07 22:45:22
>472
ああ、聞いた本人だが、大丈夫だ
474名無しになりきれ:04/11/08 22:33:05
皆来ないなー
475ヘタレ:04/11/09 17:43:55
ROMってはいるんですけどね
と言うか大苦戦中です。表現が上手くまとまらない
今日中に1話書き上げて明日添削して投稿しようと思います
476名無しになりきれ:04/11/09 17:52:59
(゚*゚)
477名無しになりきれ:04/11/09 18:11:47
>476
テメーッ!!!
478名無しになりきれ:04/11/10 01:47:04
ヘタレはテレビのスクラン見てる?
479ヘタレ:04/11/10 04:59:47
見てるよ
480ヘタレ:04/11/11 00:15:21
書けると思いましたが無理ですた
せめて一日が40時間あったら・・・
とりあえず締切二日ほど延ばしてくださいorz
481名無しになりきれ:04/11/11 00:35:05
両刀使いと双子姉妹と後輩の四角関係マダー?
482名無しになりきれ:04/11/12 00:13:22
ageたい気持ちがあるなら跳んで行ける
483ヘタレ:04/11/12 01:02:38
やっと書きあがった。かなり間が空いたのに内容はショボいです

「罪と魔王」
第1話「香乃の受難と夢見る後輩女子」

「葵・・・」
織伽羅総合病院の一室、茜は眠っている葵の顔を見つめていた。
あれからすぐに病院に駆け込み、緊急手術を受けたことで何とか一命を取り留めた葵だったが、
二日の間一度も目を覚ますことはなかった。
「あたしは・・・大丈夫だから。大したことないよ」
茜は独り言のように呟く。しかし、その言葉とは裏腹に茜の方も左腕が殆ど使えない状態だった。
「葵、ジュース買ってくるからね・・・ちょっと待ってて」
いくら話し掛けても返事をしない葵。茜は居たたまれなくなったのか、病室から出ていく。
「あたしがもっと強ければ・・・葵もこんな目に遭わずに済んだのに・・・」

「あの、すいません・・・」
病室内の自販機に立っている茜に、妖刀を持った少女、香乃が話し掛ける。
茜は即座に振り返り、蹴りを見舞う。
その声、その容姿。忘れるはずもなかった。記憶の中の例の少女と同じものだった・・・
「きゃっ!」
香乃は突然の攻撃に対処できず、蹴りをまともにくらう。
「あんた・・・絶対に許さないから!かかってきなさい!左腕はハンデよ!」
「な、何をするんですか!?」
戸惑う香乃に、茜は連打を仕掛ける。
「くっ・・・いい加減にしてください!」
茜の乱舞攻撃の僅かな隙を狙って香乃が足払いを繰り出す。
「わっ・・・」
攻撃に集中していた茜は防ぐ術もなく仰向けに倒れ、頭を打ってしまった。
「痛っ・・・」
しばらくの沈黙の後、茜が口を開く。
「ごめん・・・人違いみたい・・・」
「そうですか・・・立てますか?」
香乃は茜に手を差し出す。
「あ、ありがと・・・」
茜は手を取って立ち上がると香乃の顔を見つめる。
「・・・あたし、九条茜よ。あなたは?」
「わたしは、双海香乃と申します・・・」
お互い話はしなかったが、茜の方は例の少女が捜している人物が香乃だとわかったし、
香乃もまた、茜が自分と同じ顔をした少女に会っていたことを理解した。
「もっと詳しく話す必要がありますよね・・・」
「そうね・・・それじゃあ悪いけど、病室に来てくれない?葵が心配だし・・・」
「わかりました・・・」
茜に案内されて、香乃は病室に向かう。
484ヘタレ:04/11/12 01:03:47
「こ、ここは・・・?」
葵は目を覚ますと周囲を見回す。
「病院・・・みたいですね・・・」
自分が生きていること、茜が助けてくれたことを理解した葵は静かに微笑み、呟く。
「ありがとう・・・姉さん・・・」
刹那、ドアが開いて茜達が室内に入ってくる。
「あ、葵・・・!?」
葵が起きているのを見ると、茜は葵に駆け寄って抱きしめる。
「ずっと、心配してたんだから・・・」
「もう大丈夫ですよ・・・」
「もう二度とあんなことしちゃダメだからね・・・バカ・・・!」
葵は笑みを浮かべながら返す。
「茜に馬鹿って言われたらおしまいですね・・・」
「どう言う意味よ、それ!」
「言葉通り、そう言う意味ですよ・・・」
「・・・羨ましい」
そんな二人のやりとりを見ていて、香乃が呟いた。
「あっ、そうだ、香乃」
茜が本来の目的を思い出し、香乃に話し掛ける。
「とりあえず話をしようよ。こっちに来なよ」
「はい・・・」
香乃は茜の隣の椅子に座った。
「そちらの方は・・・?」
「私達と戦った奴じゃないからね!」
「それくらいはわかります。多分奴が言っていた、同じ顔の女性でしょう・・・?」
「あいつは一体何なのよ?」
茜に問い掛けられると、香乃は静かに口を開いた。
「奴は、魔に属するものです。魔を統率し、人間世界を侵食する存在・・・
その力は魔王にも匹敵するほどです」
「魔王クラスですか・・・私達では歯が立たないのも納得がいきますね・・・」
「あいつと香乃と、何の関係があるの?」
「奴は・・・わたしがこの世界に呼んでしまったんです・・・
だから、わたしが討たなければいけません・・・もし、あいつを見掛けたら報せてください!」
それ以外の因果関係について、香乃は多くを語らなかったし、
茜達もまた問い掛けることもなかった。
「えっと、これがわたしの携帯の番号とアドレスです」
香乃と茜達はお互いに携帯の番号とアドレスを交換する。
「それでは、わたしはこれで・・・」
「それじゃ、またね・・・」
「あっ、最後に一つ言っておきますけど・・・」
病室から出る直前、ドアの前で立ち止まって香乃が口を開く。
「あいつには戦いを挑まないでください。あいつは人の生命力を吸収して強くなっていきます。
貴方達と出会ってから二日経ってますから、多少は強くなってるはずです・・・」
485ヘタレ:04/11/12 01:05:04
「すごく仲の良い姉妹だったなぁ・・・」
自宅に帰る途中、香乃は先程の茜達の姿を反芻していた。
香乃は今まで他人との距離を取って生きてきた。人付き合いが苦手なわけではない。
要するに彼女は魔を狩る者。これまでに幾多もの魔を殺してきた。
故に魔から命を狙われる側でもある。危険な事に周囲を巻き込みたくないと考えていた。
それでも本心では仲の良い友達が欲しかったのか・・・だから「羨ましい」と口にしたのか・・・
香乃は自身に問い掛けるが答えは出てこない。
「帰って寝よう・・・」
答えのない自問自答の末、彼女は考えることをやめた・・・刹那!
「きゃあぁぁぁぁ!」
後ろから女性の悲鳴が聞こえる。振り返ると、香乃と同じ制服の女子が走ってきていた。
「この気配は・・・魔物!?」
女子生徒は魔物に追われているようだった。
「た、助けてください!」
「あれは、インプ!下級の悪魔か・・・」
インプ・・・悪魔としては特別に強い力を持っているわけではないが、
それでも常人にとっては驚異の存在だった。
「害を成す者よ・・・無に還りなさい!」
香乃は呪符に魔力を込めてインプに突き付ける。
「コ、コレハ・・・退魔ノ呪符ダト・・・!?ギャアァァァァァ!!」
インプはボロボロと崩れ落ち、消滅していく。
「大丈夫ですか・・・?」
香乃は振り向いて、後輩女子に問い掛ける。
「せ、先輩……!」
「・・・?」
「カッコ良かったですぅ!」
「きゃあっ!」
突然後輩女子が抱きついてきて、香乃はバランスを崩して倒れる。
傍から見たら押し倒されている状態だった。
「先輩は、わたしの王子様ですよー!」
「わ、わかりましたから・・・この状態はちょっと・・・」
「あっ、ごめんなさい!わたしったらつい…」
後輩女子が退いて、香乃が立ち上がる。
「それにしても気付かなかったな…同じ学校に先輩みたいなカッコ良い人がいるなんて…」
「え、えっと・・・」
戸惑う香乃を、後輩女子は目を輝かせながら見つめている。
後に香乃の運命を左右する後輩女子との出会いだった。

つづく
486名無しになりきれ:04/11/12 01:23:19
GJ
487名無しになりきれ:04/11/12 01:41:35
両刀使いキタ━━━━━━━━━━!!
488名無しになりきれ:04/11/12 12:48:13
すっかり両刀使いで定着したな…
489名無しになりきれ:04/11/12 13:04:15
元凶はたしか、SSにも出てる後輩女子
490名無しになりきれ:04/11/13 20:35:54
期待age
491名無しになりきれ:04/11/13 21:30:43
ファミリーコメディ風な話を書きたいんだけどいい息子役が見当たらない
誰かいい人いない?
492名無しになりきれ:04/11/13 21:44:19
博士
493名無しになりきれ:04/11/13 23:39:56
ショタスレにでも池
494名無しになりきれ:04/11/15 02:16:15
バトロワ続きマダー?
495ヘタレ:04/11/15 08:21:09
やっと書き上がりました。内容薄いです。

「罪と魔王」
第2話「香乃の性格と後輩達の視線」

「香乃せんぱ〜い!」
昼休みを告げるチャイムの音と同時に、後輩女子が元気に香乃のクラスに入ってくる。
「先輩!一緒に食堂行きましょう!」
「わ、わたしは・・・お弁当だから」
「それじゃあ食堂で一緒に…」
後輩女子と出会ってから三日経つが、ほぼ毎日こんな状態だった。
クラスメートとも距離を取っている香乃が、急に後輩と親しくなっていて周囲も驚いているみたいだった。
「(これ以上深みにはまる前に、この子には話しておかなくちゃ・・・)」
香乃は席を立つと、後輩女子の手を取って屋上に向かった。
「わぁ…先輩、意外と積極的…」
屋上は人がほとんど来ないため、誰かに聞かれたくない話をするには打ってつけの場所だった。
「貴方に、話しておくことがあります・・・」
香乃は真剣な表情で語る。
「わたしは・・・妖刀使いです・・・」
「えっ!?両刀使い!?」
「そうです・・・」
お互いが聞き間違いをしたまま話を進めてしまう。
「わたしと関わると危険なんです」
「(それってつまり…『わたしはノンケだって構わないで食べてしまう女なんですよ』ってことだよね…?)」
「わたしは今まで何体もの魔を討ってきました・・・」
「えっ…?」
後輩女子は少し考えた後、ズレた解釈をはじめる。
「(あっ、そうか。やっぱり両刀使いってカミングアウトしても、
女の子を食べちゃったなんて言うのは恥ずかしいよね。
それで女の子を魔物に置き換えてるんだ。先輩可愛いなぁ〜)」
「だからわたしは魔物達には相当恨みを買っているんです。
わたしと一緒にいれば貴方も狙われます」
「(つまり、食べられちゃった女の子の彼氏が先輩を狙ってるんだね。
それで一緒にいればわたしも巻き込んじゃうってことかな…)」
「わかりましたか?わたしには関わらないでください・・・」
「大丈夫です!先輩の足を引っ張るような真似はしませんし…
それに…先輩になら、食べられても構いません!むしろ食べて!」
「・・・・・・はぁ?」
しばらくの沈黙の後、ようやく出てきた言葉だった。
「ですから、先輩は両刀使いで…」
「あの、もう一度説明しますから少し黙っててください」
香乃はもう一度最初から説明を始める。自分が妖刀使いであること、
これまでに数多くの魔物を討ってきたこと、そのため、魔物から狙われていること。
「すべて比喩でも何でもない・・・事実なんです。
わたし自身が瀕死の重傷を負うこともありました・・・
助けを求める人を目の前で殺されたこともありました・・・」
悲痛な表情で語る香乃。
「もう一度言います・・・わたしには関わらないでください!」
「そうやって…これから先もずっと独りで生きていくつもりですか…?」
「わたしは・・・独りですよ・・・今までも、これからも・・・」
「ごめんなさい、先輩…やっぱり、わたし…迷惑でしたよね?」
後輩女子は香乃に背を向ける。
「もう、先輩の追っかけとかやめますから…すいませんでした…」
そう言ってその場から去っていく後輩女子。
「(言い過ぎたかな・・・?でも、彼女のことを考えれば・・・これで、よかったんだ・・・)」
そう自分に言い聞かせて、香乃は教室に戻っていく。
496ヘタレ:04/11/15 08:23:20
放課後、香乃は一人で帰り道を歩いている。昨日までは隣に後輩女子がいたが、今は一人だ。
「あっ・・・」
不意に前を見ると、後輩女子が同じ学年の女子三人と一緒に歩いていた。
「ねぇ、あんたさぁ、今日は双海先輩と一緒じゃないの?」
「う、うん…ちょっとね…」
「もしかして、今まで無理矢理付き合わされてたんじゃないの?」
「そ、そんなことないよ…」
「言っちゃ悪いけど、双海先輩ってなんか気持ち悪くない?
いつも一人だし、暗いし、あんまりよくない噂とかあるじゃん」
後輩女子の友達の三人は言いたい放題だった。
「双海先輩、夜中に校舎内を徘徊してたり、次の日になると窓ガラスが割れてたりするのよ。
やってること思いっきり不良じゃん。何であんな人を追っかけてたの?」
決して根も葉もない噂ではない・・・しかし、後輩女子は真実を知っていた。
香乃は魔物を狩る者。夜の学校で魔物と戦っている最中に割れてしまったのだろう。
「でも、まぁあんたも過ちに気付いたんだね。あんな人とはもう関わらないほうがいいよ」
後輩女子は今まで気持ちを抑えていたが、それも限界だった。
「先輩のこと何も知らないくせに!勝手なことを言うのはやめてよ!
先輩は本当にやさしい人なんだから!」
それだけ言うと、後輩女子は走っていってしまった。
「・・・・・・」
彼女達のやりとりを見ていた香乃は複雑な気分になった。
「この気配は・・・!?」
刹那、香乃は前方に魔物の気配を感じた。
「きゃあぁぁぁ!な、何よこいつ!」
後輩女子の友達三人は揃って悲鳴を上げる。彼女達の前に現れた魔物はナッツ。
インプの亜種だが、その戦闘能力はインプとは比較にならない。
「ナッツ・・・!あいつは符術程度じゃ倒せない・・・!」
香乃は後輩達の前に立つと、妖刀夜斗鬼を抜く。
「無常流・・・斬華!」
そして、瞬時に夜斗鬼でなぎ払う。音速を越えた刀の振りから繰り出される風の刃が炸裂!
有無を言わせずナッツを真っ二つにし、消滅させる。
「ふぅ・・・大丈夫ですか・・・?」
香乃は振り返る。三日前、後輩女子を助けた時と状況が酷似していた。
後輩達はただ呆然としていた。
「あ、あの・・・気を付けて、くださいね・・・」
誰も口を開かないので何となく気まずくなったのか、香乃はその場から去っていった。
「か、かっこいい・・・」
後輩達の目には妖刀を手にした凛々しい香乃の姿が焼き付いていた。



「昨日はごめんね、双海先輩のこと誤解してたよ」
翌日、後輩達が香乃についての話をしていた。
「えっと…何があったの?」
三人の突然の変わり様に、後輩女子は疑問に思い問い掛ける。
「実はね・・・」
後輩女子の友達は昨日の出来事を後輩女子に話す。
「えー!?あの場所にいれば先輩に会えたの!?」
「双海先輩、すっごく格好良かったんだから!」
「あぁ〜悔しい〜!」
「私、先輩狙っちゃおうかな・・・」
「ダメだよ!先輩は、わたしが最初に…!」
双海香乃・・・誤解されやすく、慕われやすい女。

つづく
497名無しになりきれ:04/11/15 09:10:08
ほんとに両刀使いキタ━━━━━━━━━━!!
ワロタ
498名無しになりきれ:04/11/15 09:44:02
そろそろ、誰か俺が主役の話を書きたまえ
499名無しになりきれ:04/11/15 11:02:19
わかった
では君の掛け持ちをすべて晒したまへ
500名無しになりきれ:04/11/15 14:45:47
元ネタ調べるのマンドクセ
2ちゃんねらーが、増え過ぎたオリキャラと呼ばれるキャラハンをオリキャラ板と呼ぶ小宇宙に
移民させるようになって、すでに半年近く。オリキャラ板の中にはスレッドと呼ぶコロニーが造られ、
名無しとオリキャラはこの人工の大地を新たな故郷とした。
キャラネタ総人口の約三割ほどがオリキャラ板に暮らすようになったこの時代…。
しかし、移住してきた自治名無しとオリキャラの亜種コテハンは、こちらでもなお、キャラハンと
スレッドを裏から操り、統制できると信じていた。彼らと、オリキャラ板居住者の意識格差は
対立の図式をうみ、自治名無し達はオリキャラに対する抑圧を高めていった。

O.C(オリジナル・センチュリー)001年、11月…。
オリキャラ板の中で力を着実に蓄え、虎視眈々と機を窺っていた魔王ベリアル率いる魔族スレッドが
ベリアル公国スレを名乗り、全ての自治名無しとコテハンに対して独立戦争を挑んだのである。
この事で自治名無しとコテハンの結束が強くなり、自治連邦軍が結成された。
誰もが、数と力で勝る自治連邦がこの戦争の勝者になると思っていた。だが、初戦で戦況は
予想もしなかった展開を迎える。ベリアル公国スレの魔族達は、ある精霊が天界の神から盗んだ
禁じられた呪法を用い、自身を巨大化させ、半機械化した体躯を持つ機械じかけの悪魔へと進化していた。
悪魔達の力は自治連邦の想像を遥かに超えており、圧倒的な力の差の前になんら効果的な反撃も
できぬまま敗走を重ねてしまう。
しかし、この事態を静観しているオリキャラばかりではなかった。彼らは「名無しやコテハン達も
オリキャラ板で生きる仲間ゆえに共存の道を歩むべきだ」と主張し、ベリアル公国スレの侵略に
対して抵抗運動を開始した。

各スレッドで抵抗が始まってから一週間…ベリアル公国スレに反逆し、戦うオリキャラ勢は
日増しに敗色が濃くなり、住民達はオリキャラ板の行く末に恐怖するばかりであった…。
502501:04/11/16 11:45:14
いきなり始めましたが一週間毎に書いていきます。
参戦が決定している作品(スレ)は7つ。メインにするのは4つですけど。
503名無しになりきれ:04/11/16 16:14:00
おお!
なんか面白そうな話が始まりそうだぞ!
504市長 ◆lomaYorUeE :04/11/16 17:07:34
オリキャラ板の皆でシムシティごっこ!!
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1100482839/l50
とりあえず編入してよいですか?
505名無しになりきれ:04/11/18 18:31:50
職人期待age
506名無しになりきれ:04/11/18 18:32:26
orz
507ヘタレ:04/11/19 01:59:43
バトル始まるまでの繋ぎです。
「罪と魔王」
第3話「香乃の贖罪と死滅した町」

授業中、香乃が黒板の内容をノートに書き写していると、一通のメールが届いた。
「葵さん・・・?」
『妙な事件が起きました。奴が関わっているかも知れません。
詳細は長くなりそうなので直接お話したいと思います。
今日、病院に来れませんか?』
以前、香乃は二人に自分と同じ顔をした女性を見掛けたら報せてほしいと頼んでいた。
「先生、すいません・・・気分が悪いので早退します」
香乃はそう言うと、真っ先に葵が入院している病院へ向かった。

「こんにちは、葵さん。具合はどうですか?」
「順調ですよ。もう少しで退院できるかと・・・」
「これ、お見舞いの品です。良かったら食べてください」
香乃は葵にメロンを渡す。
「うわっ!これって結構高いやつよね!?ありがとー!」
「茜にはあげませんよ」
「何それー!セコイわよ、葵!」
「あ、あの・・・葵さん?そろそろ本題に入りたいんですけど・・・」
「そうですね。それではまずこれを見てください・・・」
不満そうな表情の茜を無視して、葵はノートパソコンを立ち上げ、あるサイトの画像を見せる。
「葵さん、これは・・・?」
織伽羅一丁目から少し離れた場所にある羅運時町の広場のようだった。
しかし、よくよく見るとその光景が明らかに異常であることに気付く。
「不鮮明で見にくいんですが、やはり・・・」
屍の山・・・広場の中央に人の死体が積み重ねられていた。
全身を焼かれた者、五体を引き裂かれた者、完全に人としての原型を留めていないモノ。
思わず目を覆いたくなるような光景だった。
「この事件はいつ起きたんですか?」
「今日の明朝のようです」
「でも、ニュースにもなっていませんでしたよ」
「どうも運営側から圧力が掛かっているみたいですね。
広場のある羅運時一丁目を封鎖して、一般にも公開していないようです」
「それでは、葵さんはどうやってこの画像を・・・?」
香乃は当然の疑問を口にする。
「ハッキングしていたら偶然見つけて・・・」
さらっと答える葵。
「まだ犯人はわかっていませんが、奴の可能性もあると見たんですけど」
「確かに・・・奴ならこれくらい容易にできますし。
この人達の生命力を吸収したというなら動機も・・・」
香乃はしばらく考えた後に、口を開く。
「わたし、この件について調べてみます」
「わかりました。茜を同行させますのでこき使ってやって下さい」
「任せてよ!って、あたしは雑用かぁ〜!?」
ツッコミを入れる茜を見て、香乃は苦笑する。
「わたしは大丈夫ですから、茜さんは葵さんのそばにいてあげてください・・・
万が一、奴がここに来た時に葵さんを守れるのは茜さんしかいません」
「わかった。でもさ、犯人との戦いになったらあたしを呼んでよね!
一人で戦おうなんて思っちゃダメだから!」
「わかりました・・・それでは、わたしはこれで・・・」
香乃は病室から出ていく。もちろん、一人で解決する気だった。
508ヘタレ:04/11/19 02:01:49
羅運時一丁目。恐らくこの町の住民であろう男が倒れていた。
警備員の目を盗んで潜入してからもうどれくらいの数の死体を見てきたのか・・・
確認すると、背中に鋭い爪で引き裂かれた跡があった。
「奴は・・・こんな殺し方はしないはずだけど・・・」
香乃は広場に向かって歩いていく。魔物の気配も感じ取っていた。

「うわぁぁぁ・・・た、助けて・・・!ぎゃぁぁ!」
広場に辿り着いた香乃が見たのは凄惨な光景だった。
屍の山は明らかに画像で見たときよりも高く積み上げられていた。
そして、たった今人間一人を踏み潰したのはグリフォンの翼と大蛇の尾を持つ、狼の姿をした魔物。
地獄の大侯爵の異名を持つ堕天使マルコキアス。
「何だテメェは…?」
マルコキアスは鋭い眼光で香乃を睨み付ける。普通の人間なら恐怖で震え上がる程だろう。
「この町の人間じゃねぇんなら見逃してやる。さっさと失せろ!」
「そう言う訳にはいきません。わたしは魔物ハンター・・・貴方を討ちます!」
香乃は強気の姿勢で臨む。
「ったく…たまにいるんだよな。テメェみてぇな人間がよ…
いいぜ、虐殺は飽きた。俺は今戦いに飢えているんだ…」
マルコキアスは一呼吸置いてから咆哮を上げる。
「炭も残さねぇぜ!」

つづく
509名無しになりきれ:04/11/19 23:00:02
「そんなドンパッチみたいなコキアたんはいらねー」
ボーボボに憧れる俺様はそう思った。

「丁寧口調の綺麗な雌狼でなきゃ」
こうして俺様の邪知暴虐な王をぬっ殺しに行く計画が発動した。

第一部完 先生の次の作品にご期待ください。
510シコシコスキー:04/11/19 23:41:40
意味なくあげるのは実にいいな
511ヘタレ:04/11/20 00:13:00
いや、ベリアルスレのマルコキアスがモデルだからその辺は俺に言われても・・・
つーか獣対人ってめっちゃ書きにくいね
512名無しになりきれ:04/11/20 19:13:34
グッジョブジョブ
513名無しになりきれ:04/11/22 02:57:04
OBRの挿し絵の続きまだー?
次は難しい絵なの?
514ヘタレ:04/11/25 23:29:38
遅くなりました。体調不良とかもあったり・・・

「罪と魔王」
第4話「香乃の意地と炎の中の闘い」

「骨まで燃え尽きろ!」
マルコキアスは炎のブレスを吐く。
「くっ・・・」
香乃は符を取り出し、結界を張って炎のブレスを防ぐ。
「あ、熱い・・・!」
結界の中にいてもその熱気が伝わるほどだった。
「そんな結界で、俺の攻撃を防ぎ切れると思ってんのかよ!」
刹那、マルコキアスの巨体が宙を舞う。そして、そのまま香乃に向かって突撃する。
「うわぁっ!」
マルコキアスの突撃は防御結界を軽々と破り、香乃に直撃。
香乃は大きく吹っ飛ばされ、屍の山の上に落ちる。
「うぅ・・・」
「テメェもすぐにそこに並ぶんだよ!」
マルコキアスが追撃にくる。
「これ以上・・・犠牲者を出しちゃいけない・・・!」
香乃はマルコキアスに向かっていき、間合いに入った瞬間に居合い抜きを見舞うが・・・
「蚊が刺したほどにも効かねぇ!」
マルコキアスは怯みもせず、強烈なキックで反撃する。
「きゃあぁぁぁ!」
香乃は吹っ飛ばされ、背中から地に叩きつけられた。
「やっぱ弱ぇな、人間なんてよ…。そうやって何も出来ずに朽ちていく…。話にならねぇよ!」
「無常流・・・斬華!」
「はっ!?効かねぇって言って…ウボァ!」
音速の風の刃が炸裂、マルコキアスの胸部から血が吹き出る。
「な、何だと…!」
「人を・・・甘く見ないでください。確かに、貴方達から見れば人は弱い生物と言えるでしょう。
でも・・・人間の魂の奥には・・・何者にも負けない力があるんです・・・!
その力こそ・・・奇跡・・・!」
同時に妖刀夜斗鬼で一閃!最初に居合い抜きで斬り付けた場所に、
微かな狂いもなく同位置に斬華を見舞う。
「くっ…クソ!」
「これで終わりです!」
怯んだマルコキアスに、さらに追い討ちを掛ける香乃。
「無常流・・・鬼神断ち!」
標的の魂を斬り付ける、香乃の最大の必殺技が炸裂する!
「ぐあぁぁぁぁぁッ!」
マルコキアスは大地を揺るがすほどの大声を上げる。
「て、テメェ…容赦しねぇぞ…!」
「鬼神断ちを受けて、生きているなんて・・・」
刹那、マルコキアスの体が光を放ち、狼から人の形へと変形していく。
「こんな面白ぇ戦いは久しぶりだぜ!本気を出すか…」
ワイルドな雰囲気の、大柄な戦士をイメージさせる男の姿だった。
「行くぜ…!」
515ヘタレ:04/11/25 23:31:51
マルコキアスが大剣を抜き、地に突き立てるとその場所から地を這う炎が出現し、香乃を襲う。
「遅い・・・!」
香乃はジャンプで軽々と躱すが、マルコキアスは狙っていたかのように距離を詰める。
「落ッちろォーーー!」
剣から炎を噴射させて、その勢いで空中にいる香乃の下から突撃を見舞う。
「あぁっ・・・」
香乃は炎に巻かれ、無防備な状態になる。
マルコキアスはその場で体を回転させて踵落としで追撃!
香乃は受け身を取ることも出来ずに地に落ちる。
「うぅ・・・さっきまでとは比べ物にならない程・・・」
「オラァ!もっと俺を楽しませてみろォ!」
倒れている香乃に向けて、マルコキアスは剣を振り下ろす。
「くっ!」
香乃は夜斗鬼で辛うじて受け止め、立ち上がる。
「今度はこちらの番です!無常流・・・斬華!」
音速の剣の振りから繰り出される、風の刃が放たれる!
「そいつは通用しねェ!」
マルコキアスは体勢を低くして剣から炎を噴出させ、
風の刃を躱しつつ低い位置から香乃に突進をくらわせる。
「うわぁっ!」
そのまま体勢を立て直す暇を与えず、炎に巻き込んで香乃にダメージを与える。
「つ、強すぎる・・・」
「どうした?その程度かよ!?腹拵えにもならねぇぜ!」
刹那、香乃は立ち上がって、マルコキアスの目に呪符を貼りつける。
「何のつもりだ?こんな魔力も通ってない符が効くかよ!」
「それは、少々判断が早急ですよ・・・」
「なにィ!?」
香乃が人差し指で呪符を突くと、呪符がまばゆい光を放った。
「う、うわぁぁぁぁぁぁ…め、目が!目がァ!」
間近で大量の光を浴びたマルコキアスは、盲目状態に陥った。
「て、テメェェェーーーッ!」
マルコキアスは闇雲に剣を振り回すが、香乃は冷静に躱して一太刀入れる。
「うおぉぉ…!」
「行きます!」
香乃は精神を集中させて敵を見据えると、疾風のごとく詰め寄り、すれ違いざまに滅多斬りにする。
「ぐあぁぁぁぁっ!」
そして、立て続けに唐竹、袈裟斬りと入れる。
「今度こそ・・・終わりです!」
「調子に乗りやがって!」
香乃がフィニッシュを入れようとしたその時、
マルコキアスが青白い光を放って香乃を吹っ飛ばした。
「好き勝手やってくれたな…たっぷり礼をしてやるぜ!」
言い終えると、マルコキアスは瞬時に香乃の目の前に出現し、香乃の胸ぐらを掴む。
「オラァ!」
そのままぶっきら棒に投げ、即座に追撃する。
「御託は…いらねぇぇぇぇッ!」
左手で軽く突き上げ、巨大な炎を纏った右拳を香乃にぶつける。
「・・・・・・・・・っ!?」
香乃は悲鳴を上げる間もなく倒れ、意識が飛びそうになる。
「テメェ…人が奇跡を起こすとか抜かしやがったよな?」
マルコキアスは香乃の髪を鷲掴みにする。
「それほど都合よく奇跡なんて起きるかよォ!奇跡は俺達『超越者』のみの力なんだ!
所詮人の力なんて、俺達には届かないんだ!」
動けない香乃に、マルコキアスは容赦なく拳を叩き込む。
516ヘタレ:04/11/25 23:33:03
「認めない・・・!そんなこと・・・わたしは・・・認めない!」
香乃はしっかりと目を見開くと、マルコキアスを斬り付けてその手の内から抜け出す。
「わたしが今から、人として・・・魔を越えるために・・・」
妖刀夜斗鬼の剣先に力が集中する!
「奇跡を・・・起こす!」
「無駄だァァァァ!」
二人はお互いに詰め寄り、攻撃を繰り出す。
「無常流・・・鬼神断ち!」
全身全霊の気を込めた、香乃の一太刀が直撃!マルコキアスの魂を砕く。
「ぐおぉぉぉぉぉ…!」
「貴方達が、人には決して届かない高みにいる・・・そんなことは・・・
貴方達が作った、幻想です!」
香乃はマルコキアスにトドメを刺しにいくが・・・
『そこまでだ!』
何者かの声が響くと、マルコキアスに向けて振り下ろされた刃が、彼の眼前で止まった。
そして、落雷と共にその声の主が姿を現す。
「そんな!自ら…おいで下さるなんて!」
マルコキアスはその人物に向かって跪く。侯爵級堕天使である彼を完全に支配下に置いている、
その人物こそ・・・すべての魔王の頂点、魔界を統べるものルシファー。
「マルコキアスよ、私の命を待たずしてその者と戦ったのかね?」
「け、決してそのような事は!ただ…俺…いえ、私は…
人間風情ならルシファー様の手を煩わせるまでも無いと考えた次第で…」
「魔界に戻れ、マルコキアスよ」
「はっ!仰せのままに!」
マルコキアスは空間に溶け込むように消えていく。
「人間!決着をつけたいところだったが、それは無理みたいだな。
テメェはルシファー様の目に止まったんだ。それはもう死んでるのと同じなんだよ」
香乃はルシファーの方に向き直る。
「魔王ルシファー・・・貴方が、マルコキアスに命じてこのようなことを・・・?」
「フフ・・・だったらどうする?私と戦う気なら、後悔するぞ・・・人の子よ」
「わたしは人として戦い、魔王である貴方を討ちます!後悔は・・・貴方がしなさい!」

つづく
517名無しになりきれ:04/11/27 17:13:48
職人期待age
518名無しになりきれ:04/11/29 12:09:16
先の展開が読めないのであげ
519名無しになりきれ:04/12/03 00:19:38
ダレモイナイ
520ヘタレ:04/12/03 20:12:32
めっちゃ遅くなりました。

「罪と魔王」
第5話「香乃の使命と本当に大切なこと」

「貴方を討つ前に聞いておくことがあります・・・」
香乃はルシファーを見据えながら言い放つ。
「羅運時町の人達を殺したのはマルコキアスの独断ですか?
それとも・・・貴方が彼に命じてやらせたのですか?」
「その問いに対する明確な答えとしては・・・後者だな」
「どうしてそんなひどいことを・・・?」
「ひどい・・・?彼等は裁かれて然るべき人間だろう。君も異な事を言うのだな・・・」
ルシファーは語り出す。
「私が理想とする世界、それは神も人も魔族も全てが等しく愛し合える世界だ。
ところが、この町の者はどうだろう?他を愛せず、同じ人であるにも関わらず争いを続ける。
実に愚かだ。だから裁いた。永き眠りから目覚めて早々、不愉快な気分にさせられたよ」
「不愉快なのはわたしの方ですよ・・・」
香乃はルシファーを睨み付ける。
「独り善がりな考えで力無き者の未来を砕くことが
己の正義と信じている貴方が理想を語るのが不快でたまらない・・・」
言いながら香乃は刀を天に掲げる。
「たとえどんな理由があっても・・・未来を作っていく可能性のある人の命を奪う権利は・・・
神にも!魔王にも!ありはしない!」
同時に刀を地に突き刺すと、雷が地を走りながらルシファーに向かっていく。
「フッ・・・!」
ルシファーは余裕の笑みを浮かべ、漆黒の外套を翻す。
ただそれだけで、ルシファーに向けて放たれた雷が掻き消された。
「その程度か?人の子よ・・・?」
「砂塵!」
続け様に香乃が刀を振るうと、竜巻が発生する。
それが地を削り砂埃を巻き上げ、ルシファーの視界を遮る。
「もらった!」
香乃はルシファーに詰め寄り、斬り掛かる。
「なかなかの手際だ・・・。だが・・・甘い!」
ルシファーは片手で刃を掴み、衝撃波で香乃を吹き飛ばす。
「くっ・・・」
「例え視界を塞がれようと、君の気配は消えない。
それに刀を振るう際の空気の流れを読めば、止めることは容易い!」
言い終えると、ルシファーは両手に蒼白い光を灯す。
521ヘタレ:04/12/03 20:15:10
「死にたくなければ守りを固める事だ・・・」
同時に強力な雷撃を、呪文の詠唱も無しに放ってくる。
「なっ・・・!?」
香乃は反応することも出来ずに雷撃をまともに受ける。
「・・・あぁっ・・・!」
「・・・耐えたか。どうやら精神力だけは並外れているようだな。
だが、もう一度受けられるかな?」
地に膝を着いている香乃に向けて、ルシファーが第二波を放つ。
「見えた!」
香乃はジャンプして雷撃を躱し、攻勢に出る。
「その技は見切りました!発生、速度共に速くても隙が大きい!」
「・・・!?」
「無常流・・・鬼神断ち!」
ルシファーの隙を突き、妖刀夜斗鬼による最大の必殺技を繰り出す!
香乃の刀がルシファーの魂を斬り付け、精神に直接ダメージを与える!
「くっ・・・くく・・・」
鬼神断ちをまともに受けたルシファーだったが、平然と立っていた。
「それが、君の持つ最高威力の技かね?だとしたら、万に一つも勝ち目はないぞ」
そう言い切るとルシファーは一瞬で香乃に詰め寄り、胸ぐらを掴む。
「君の勇気に敬意を示す意味で、我が最大の技を見せよう。人よ・・・祈れ!」
ルシファーの手に魔力が集まる!
「致死悪夢(リーサル・ナイトメア)!」
刹那!漆黒の旋風が香乃を包み、その身を切り裂く。
「致死悪夢は暗黒の風により、五体だけでなく精神をも切り刻む。
受けた者は心身を切り裂かれ、廃人と化すのみ!」
「うあぁぁぁぁっ・・・!」
「君の命の輝きが失われていくのが見えるぞ・・・」
「わ・・・わたしは・・・負けない・・・!負けるわけに・・・は・・・」
「こ、これは・・・?」
香乃の身体が光に包まれる。そして、漆黒の風の中で刀を振るうと、一瞬の内に風が立ち消えた。
「確かに・・・勝ち目は限りなく0に近いかも知れません。でも・・・0じゃない!」
「この様なことが・・・ありえるのか・・・?」
これまで常に冷静だったルシファーも、驚きの色を隠せなかった。
「何故・・・そこまでして戦う?」
「皆を魔の手から守るのが、わたしの使命だから・・・!
この刀を手にした時から、希望は捨てた・・・。後悔は、していない!」
香乃はルシファーに向かっていき、刀で斬り下ろす。
「フン!」
ルシファーは足を高く上げて刀を受けとめ、そのまま蹴り返して香乃を吹き飛ばす。
「人として究極の強さを持っているようだな・・・。
どうやら君を倒すには魂を直接砕くしかないようだ。
君のことだ。例えどれだけダメージを受けても、魂だけで向かってくるだろうしな」
刹那!ルシファーが香乃の目の前に出現し、心臓の辺りに突きを入れる。
その手は肉体をすりぬけ、香乃の魂に直接触れる。
「儚いものだな。人とは、こんなに簡単に死んでしまうのだから・・・」
ルシファーが手を握るような動作をすると、同時に香乃が倒れた。
「君が人の中で如何に優れていようとも、私に勝つことは出来なかった。
そう、まるで神の前に無力な人間の様だ。
ふふ・・・魔王である私を神に例えるなど皮肉な話だがね」
522ヘタレ:04/12/03 20:18:16
ルシファーが言い終えた瞬間、香乃が立ち上がる。
「わたしは・・・まだ・・・終わってません・・・!」
「馬鹿な・・・魂を砕いたはず・・・!?」
「あの時・・・鬼神断ちを受けた時に貴方の精神は影響を受けました。
その効き目はほんの僅かでしたが、貴方は狙いを逸らし、その上で魂を砕いたと錯覚したんです」
「人の子が・・・この私を欺くとはな・・・」
「終わりにしましょう・・・!私の魂、生命力・・・すべてをこの一撃に託します・・・!」
妖刀夜斗鬼がまばゆい光を放つ。
「これが、夜斗鬼が妖刀と呼ばれる所以・・・人間の生命力を刃とする!」
「愚かな・・・後に残るのは確実な死だけだぞ?」
「構いません!わたし一人の命で貴方を倒せるなら・・・!」
刹那、香乃とルシファーは別の人物の気配を感じた。
「香乃!何一人で戦ってるのよ!あたしを呼んでって言ったでしょ!」
「茜さん!?」
香乃を追って茜もこの場所に来たようだった。
「話は聞いたわ!あたしの生命力も使いなさいよ!それなら少しは負担が分散されるでしょ!」
「何を言ってるんですか!?これはわたしの戦いです!貴方を巻き込むわけには・・・」
「バカ!何でも一人で背負い込まないでよ!」
茜は香乃の目を見つめながら、真剣に語る。
「あたし達、友達でしょ!友達を見捨てるなんてできないよ!」
「友達・・・ですか・・・」
香乃は思い詰めた表情で考え込む。
「わたしは・・・使命に縛られるあまり、一番大切な事を忘れてしまっていたんですね・・・」
「香乃・・・」
「茜さん・・・」
二人はお互い見つめ合い、頷いた。
「妖刀夜斗鬼の柄に触れてください!」
「わかったわ!」
茜が柄に触れると、夜斗鬼の刃の周辺に真紅に輝く光が発生した。
「これが・・・人の命の輝きです!」
「うぅ・・・」
生命力を消費した影響で、茜はその場に膝をつく。
「ありがとう、茜さん。この力、無駄にはしません!」
香乃は夜斗鬼を天に高く翳し、自らも刀に生命力を込める。
「勝負は一振り・・・外せばわたし達は終わりです!」
「信じてるからね・・・香乃!」
「行きます!」
「フッ・・・君達の命を懸けた一撃、私にあてられるか!?」
ルシファーは香乃に向けて漆黒の風を放つが・・・
「なっ・・・!?」
彼の視界に香乃の姿はなかった。ルシファーでさえ見失うほどの動きで香乃は背後に回り込んでいた。
「馬鹿な!君の動き、それは・・・まさか!」
疾風・・・などという言葉では生温い。それはまさに、光速。
「はあぁぁーーーーーっ!」
気合いと共に一閃。左肩から右脇腹にかけて刀で斬り下ろす。
「くっ・・・!硬くて、両断できない・・・!」
夜斗鬼が輝きを失うと、香乃は両断することを諦め、刀を引いた。
「くっ・・・!」
大量の生命力を消費した香乃は倒れそうになるが、刀を杖代わりにしてなんとか立っていた。
523ヘタレ:04/12/03 20:19:07
「見事だ・・・人の子よ・・・」
ルシファーから思いがけない言葉が飛び出す。
「君達を見ていると、人間にも希望が見えてくるようだよ。私は退くとしよう・・・」
そう言うと、ルシファーは漆黒の風に包まれて消えた。
「勝ったんだよね・・・?あたし達・・・」
「はい・・・茜さんのお陰です」
「でもさぁ、結局香乃と同じ顔をしたあいつは無関係だったんでしょ?
骨折り損ってやつじゃないの?」
「いえ、ルシファー達を倒したことによって
彼らに命を奪われた方の無念を少しでも晴らせたかと思えば・・・」
「そう言うものかな?ま、いいわ。とりあえず後の処理は運営側に任せて、帰りましょ」
「はい・・・」
二人は互いに肩を組み、寄り添いながら帰っていった。

つづく
524名無しになりきれ:04/12/08 13:12:51
つづきマダー?
525ヘタレ:04/12/08 22:51:57
ごめんなさい人がいないのをいい事にめっちゃ怠けてました
明日から真面目に書くのでもうちょっと待ってください
526名無しになりきれ:04/12/08 23:02:21
   ハ,_,ハ 
  ,:' ´∀`'; <よし!よく言った!頑張れヘタレ!楽しみに待ってるぞヘタレ!
  :: っ ,っ 
  ι''"゙''u 
527名無しになりきれ:04/12/10 01:36:06
って言うか絵師はどうした?
528名無しになりきれ:04/12/10 17:26:53
ヘタレ頑張れー
ネタが尽きたら、ベリアルスレVSミカエルスレの全面抗争が見たいぞー
529ヘタレ:04/12/11 17:05:48
「罪と魔王」
エピローグと言う名の蛇足「香乃の想いと本当の気持ち」

「香乃、本当に大丈夫なの?」
羅運時町から帰る途中の二人。香乃の足取りは重かった。
「ごめんなさい・・・力を使いすぎてしまって・・・」
「しょうがないわね・・・ほら、おんぶしてあげるから。
こんなんじゃいつまで経っても織伽羅町には戻れないわよ」
「す、すいません・・・。ご迷惑、おかけします・・・」
茜の言うことに素直に従う香乃。
「重いわね、香乃・・・」
「そ、そんなことないです!ほら、わたしは刀を持っているから・・・」
「ん・・・わかってる。冗談だってば」
「もう!茜さん!冗談でもそんなこと言わないでください・・・」
香乃を背負ったまま、茜は織伽羅町に向かっていく。
茜自身もかなり疲れているはずだが、そんなことは気にも留めなかった。
「ん?あれは・・・」
しばらく歩いて、ちょうど織伽羅一丁目に差し掛かったところで人影が見えた。
彼女達のよく知っている人物。
「双海先輩〜!」
「茜!双海さん!」
葵と後輩女子達が迎えにきていた。
「茜、私に黙って行くなんて・・・」
「葵はまだ怪我治ってないでしょ。無理したら傷口が開いちゃうよ」
「あ、双海先輩!大丈夫なんですか?ひどい怪我ですよ!」
「そうですよ!病院行かないと!」
後輩女子達は心配そうに香乃を見つめる。
「香乃!」
茜は香乃の肩を軽く叩く。
「あんたを心配してくれる人が、こんなにいるんだからね!
だからさ、辛い事とか苦しい事とか全部自分だけで背負い込まないでよ!」
「あ、あの・・・皆さん・・・」
香乃は涙目になりながら、懸命に声に出そうとする。
「あ、ありがとう・・・わたし・・・使命なんかより・・・
もっと・・・大切なものを見つけることができました・・・」
そのまま泣き崩れる香乃。しかし、それを見られたくないのか、
香乃は顔を伏せて座り込む。
530ヘタレ:04/12/11 17:07:39
数日後・・・
「香乃!」
香乃は織伽羅病院に入院中。茜と葵がお見舞いに来ていた。
「具合はどうなの?」
「順調ですよ。あと一週間もすれば退院できそうです」
「それはよかったですね。あ、これよかったら食べてください」
葵は香乃にミカンの詰め合せを渡す。
「ありがとうございます・・・」
「茜からも何かあるんじゃないですか?」
「え?な、何もないわよ・・・」
茜が否定すると、葵は勝手に茜の鞄を開ける。
「はい、これです」
葵が取り出したのは、ずいぶんと作りが荒い9羽連なった折り鶴。
「千羽鶴・・・ですか?」
「991羽足りませんが・・・」
「葵、やめてよ!香乃だってそんなものもらっても嬉しくないでしょ!」
「そんなこと、ないですよ・・・。茜さん、折り紙とか苦手なんですよね?
それでも、一生懸命作ってくれたのがわかりますから・・・」
香乃は口を開く。
「ずっと・・・独りでしたから・・・。大怪我して、入院しても・・・
こんなふうに心配してくれる友達も、お見舞いに来てくれる人もいなくて・・・
わたし・・・貴方達を最初にこの病院で見たとき、心底羨ましいって・・・思いました・・・
強がってはいても、結局わたしは・・・一人じゃダメだったんです」
言いながら香乃は、明後日の方向を向く。
「だから・・・こうして・・・わたしのことを心配してくれる友達がいて・・・」
「香乃、泣いてる?」
茜は不意に香乃の顔を覗き込むが、香乃もまた顔を伏せてしまう。
「な・・・泣いてなんか・・・いません・・・!」
二人は仕方ないので香乃が泣き止むまで待つことにした。

「ねえ、香乃?」
「はい?」
「今度さ、あたし達と一緒にカラオケ行こうよ!」
「え?カラオケ・・・ですか?わたし、そういう場所には行ったことなくて・・・
歌える曲とかもありませんし・・・」
突然の誘いに戸惑う香乃。
「大丈夫大丈夫!カラオケなんて下手でもいいのよ!楽しんだもん勝ちなんだから!」
「双海さんの後輩の方達も誘って、どうでしょうか?」
「わかりました・・・」
「やったぁ!それじゃ、香乃が退院したらすぐにね!約束だよ!」
「はい!」
「茜、そろそろ時間が・・・」
葵がふと、時計を見ると、かなり遅い時間になっていた。
「あ、もうこんな時間・・・。それじゃ、あたし達帰るね!」
「双海さん、お大事に・・・」
「はい・・・今日は本当にありがとうございました・・・」

茜達が家に帰る途中・・・
「なんか、一気に寒くなってきたねー」
「そうですね。日が落ちるのも早くなってきたみたいですし」
「あれ・・・?」
二人がふと、空を見上げると、真っ白い結晶が舞い降りてくる。
「雪だー!」
「初雪ですね・・・」
はしゃぐ茜を、葵は微笑みながら見守っていた。
「積もるといいね!」
「そうですね・・・」
531ヘタレ:04/12/11 17:09:18
「雪・・・か・・・」
香乃は病室から、外の景色を眺めていた。
「綺麗・・・」
刹那、香乃は魔の気配を感知する。
「魔物・・・!?こんな時に・・・!」
香乃が窓を開けて見ると、真下に魔物がいることに気付いた。
「わたしが・・・やらなきゃ・・・」
3階の高さだったが、香乃は躊躇わず飛び降り、勢いで魔物を斬り付ける。
「ぐっ・・・」
魔物は一撃で消滅したが、怪我をしている香乃はバランスを崩して着地に失敗する。
頭から地に叩きつけられた。
「うぅ・・・」
香乃の意識は徐々に遠退いていき、周囲の雪は香乃血で赤く染まっていく。
「(体が・・・動かない・・・。わたし・・・こんなところで・・・?
嫌・・・!茜さんとの約束があるのに・・・こんなところで・・・死にたくない・・・!)」
段々と意識が薄れていく、そんな感覚のなか、香乃の視界に人影が映る。
「先輩…」
彼女を慕う後輩女子だった。
「また…無茶したんですね…!先輩のバカ!」
後輩女子は、香乃を背負うと病院の表口まで歩いていく。
「でも…私は…そんなバカな先輩が…大好きですから…!」
「(わたしは・・・みんなと距離をとって生きてきた・・・みんなもわたしから離れていた・・・
でも・・・貴方は・・・みんなから変な目で見られても・・・わたしの傍にいてくれましたよね・・・
貴方と茜さん、葵さん・・・みんなのお陰で・・・わたしは大切なものを知ることができたんです)」
意識を失う直前に、それこそ雪にすら掻き消されそうなくらい小さい声で香乃は呟く。
「わたしも・・・貴方達のことが・・・大好きです・・・」

532ヘタレ改めレナート:04/12/11 17:20:58
>528
ミカエルとルシファーの戦いなら前に構想だけはしたんですけどね
超越者同士の戦いってのは見ててどうかと思うんですよ
やっぱ脆弱な人が神のような強大な相手にどうやって勝つか考えるのが好きです

大分間が空いたりしましたけど一応完結です
今後は思いつくままに短編中心に書いていきたいと思います

つーかぶっちゃけ思いつくネタは双子姉妹ばっかりだったり・・・
さすがに供給過多な感があるから控えますけど

それと、今後は俺のことをレナートと呼んでください
533名無しになりきれ:04/12/11 17:24:33
わかったよヘタレ、新しい名前でも頑張れよヘタレ!
534名無しになりきれ:04/12/11 17:35:38
騎士スレの騎士達対ルシファーが見てみたい…
脆弱な人間達が魔王相手に何処まで戦えるかっていう感じで…
535名無しになりきれ:04/12/11 17:44:56
か、感動したぜ、ヘタレナート!!
536名無しになりきれ:04/12/11 18:14:46
ヘタレナートGJ!!
あんたやっぱり文才あるぜ!
537以上、自作自演でした。:04/12/12 10:41:18
ずっと読んでたけど上手いじゃねえか。話。
ルシファーと香乃のところとか、人間がどう神に勝つかを上手く書けてたと思った。
勝手な評論スマソ。

ちょっとつっこむと、
>ずいぶんと作りが荒い9羽連なった折り鶴。
9って「苦」に通じるから病人にはダメなんじゃないか?
538レナート:04/12/12 12:46:09
やばい、SS書きx年やってきたけどここまで絶賛されたのは初めてだ
エピローグは蛇足だと思ってたが・・・
感想・意見・批判等はいつでも受け付けてます

>537
ありがとうございます。評価してくれるのはありがたいです

>突っ込みどころ
苦しい言い訳をすると葵は俗信を信じないし
茜はそんなこと知ってるはずもないので・・・

そのうち登場キャラのまとめでも書こうかなと思ってます
539名無しになりきれ:04/12/12 12:54:04
批判書くと盲目名無しどもに叩かれるから書かない
「だったらお前が書け」とか言われるのは必定
540名無しになりきれ:04/12/12 15:49:22
>534
その役目、オイラが担うよ。
っていうか似たようなの書こうとしてるし。
541名無しになりきれ:04/12/12 22:52:24

おお!神の登場か!?
542名無しになりきれ:04/12/15 01:23:06
良いねえ、>540頑張ってくれよ。
ベリアルスレ、実は好きなんだが雰囲気が入りづらい。
すげー神々しい感じw
543名無しになりきれ:04/12/20 18:17:26
職人降臨マダー?
544名無しになりきれ:04/12/20 19:50:19
・・・早く、早く!
待ちきれないYO!!
545名無しになりきれ:04/12/30 16:54:54
期待age
546名無しになりきれ:05/01/02 00:19:56
ネタがあるから、あとは書くだけ。
いけるかな?
547名無しになりきれ:05/01/02 01:12:05
考えるな。行け。
548名無しになりきれ:05/01/02 09:32:40
期待
549名無しになりきれ:05/01/02 12:54:52
先に言っときまするが540氏とは違いますがな
過度の期待は禁物でっせ。
550レナート:05/01/04 04:40:20
正直栗たんはかなり書きやすいと思ったんだけどな
設定だけは考えたのに当てはまるキャラがいないって最悪ですね
出直すか・・・

>549
頑張れ超頑張れ。期待してる
551名無しになりきれ:05/01/04 04:54:28
栗かんって誰?
552名無しになりきれ:05/01/04 19:39:34
栗田貫一に決まっているだろう
553今は反省している:05/01/04 21:47:02
むかしむかしあるところに、おじさんと女の子が住んでいました。
この2人が舌入れてキスするような関係であることは言うまでもありませんね。
ある日、おじさんは墓場に死体調達に、女の子は焼却炉にバイトに出かけました。
女の子がゴミを燃やしていると、鉄の塊が、がしゃんがしゃんと転がってきました。
「なんだ・・・また燃えないゴミが混ざっていたか。」
しかし女の子にそんなことは関係ありません。
ちょっと強い炎で溶かそうとしたそのとき、鉄の塊が口を開きました。
「待ってくれ!私の願いを聞いて欲しい」
しかたがないので、女の子は仕事を早く切り上げて鉄の塊を持って家に帰りました。
もうおじさんは家に帰ってゾンビを作る実験をしていました。
「この中には私の愛しの妹、<機甲鉄姫・リープパンツァー>が入っている。
 お二方が預かり、そして正義の味方として相応しい教育を施してやってくれ。
 あと捕捉をすると、リープは見た目は普通の十代前後の女の子と変らんが、美 少 女 だ ! 」
2人はあっさりとOKを出し、リープパンツァーを育てることにしました。
そして、1週間の月日が流れました。

「お父様、お母様、私はこれから鬼が島に鬼退治にいかなくてはなりません」
リープは何の前触れも無く唐突に切り出しました。
「いつかそう言い出すのではないかと思っていた・・・・・これを持って行け。」
そういうと、女の子は高級潤滑油の入ったビンを手渡しました。
「ありがとうございます、お母様」
「私からも何かプレゼントしなくてはなりませんな。行きなさい、お前達」
おじさんがそういうと、無数のゾンビが奥の部屋から現れました。
「ありがとうございます、お父様」
554今は反省している:05/01/04 21:47:23
「それでは、行って参ります」
リープは兄から送られてきた『正義の味方』と書かかれた大きな旗を背負って、鬼退治に出発しました。
脇は無数のゾンビたちが固めています。

しばらく行くと、兵器が道の向こうからやってきました。
「リープさん、リープさん、お腰につけた潤滑油、一瓶私にくださいな♪」
リープは正義の味方として気前よく兵器に潤滑油を上げました。
「ありがとう、リープさん。お礼に私も一緒にいくわ」
そういうわけで、兵器が仲間になりました。

さらにしばらく行くと、機械が道の向こうからやってきました。
なにやら急いでいます。
「機械さん、機械さん、そんなに急いでどこに行かれるのですか?」
「力士が!力士が!」
なんと、道のさらに向こうから、力士が土煙を上げながらやってくるではありませんか!
リープは正義の味方として、ゾンビに命令して力士を取り押さえさせました。
「大変なところを助けていただいてありがとうございます。貴女と一緒に行きましょう」
こうしてリープは2体の機械の仲間と無数のゾンビを引き連れ、船をチャーターして鬼が島に向かいました。
555今は反省している:05/01/04 21:47:48
鬼が島に到着しましたが、鬼の城の門には門番がいました。
「ここは通さん!!行けっ!!繰気弾!!」
門番は足元がお留守でした。
ゾンビが繰気弾を避けて蹴りを放つと、鬼はその場で失神してしまいました。
門をくぐると、やる気のなさそうな鬼2匹が猫と戯れていました。
「ここは通ってもよろしいのですか?」とリープが尋ねると
「う〜ん……別にいいんじゃないんですか?」
「ねこ…………。」
と答えられたので、リープは2匹を無視して進むことにしました。
次の部屋は広い部屋でした。おそらく、鬼が集まる部屋でしょう。
しかし、全ての鬼が南東の隅に固まっています。それになんだか変な臭いがします。
嫌な予感がしたので、リープはそそくさと仲間を連れて次の部屋に向かいました。
その直後、「だっ、誰か!私を抜いてくれ!」という声がしたような気がしましたが、
空耳だということにしておきました。

いよいよ鬼のボスの部屋です。リープは高鳴る駆動音を抑え、扉を開けました。
王座にはサモンナイト2のレオルドをめっちゃ重装甲(ちなみに筆者はどんなのだか知らない)
にしたような鬼が座っていました。いかにもボスっぽいオーラを放っています。
「貴方が触手レイパーと呼ばれている鬼ですか?」リープは一応確認を取りました。
ところが、鬼は「いいや、それは気の迷いってことで……触手はもう使わないよ」と答えました。
「では、もう悪いことはしませんね?」
「ああ、しない!」と鬼は断言しました。
リープは慈悲の心を持ってその言葉を信じ、鬼を許してあげました。
そして、おじさんに言われた通りに金銀財宝をたくさんふんだくって帰路につきました。
おじさんはその金銀財宝を博打に使い、女の子に焼かれかけたというのは、また別のお話……。

めでたし めでたし 終わりです
556今は反省している:05/01/04 21:48:09
俺の駄文って言ったら…
つまりその…
パロディにもならない二番煎じで……
キャラも立っていない…
さらにゾンビしか戦っていない…!
キャラ選択も公開時期も微妙…
そんな駄文ってことでしょ………!
どこが小説だっていうんですか…?
そんな駄文の……!
そんな場繋ぎをやるぐらいなら……
まだセク質爆撃の方が…
まとも…っていうか…
それなり…っていうか…


すいませんレナート氏>549氏がんばってくださいおながいします
557名無しになりきれ:05/01/05 02:58:59
いや、面白かったよ?
全体的に平坦だから、もう少し盛り上がりが欲しかったけどね。
558レナート:05/01/05 04:45:36
俺も結構よかったと思う。つーか俺にはこういう発想が足りないんだよな・・・
パロディ路線もいいと思った。何にしろ乙&グッジョブ

とりあえず栗たんの設定は自前のSSにでも活かすことにしておいて、今はネタ考案中です
559名無しになりきれ:05/01/05 04:50:22
だから栗かんって誰よ
560レナート:05/01/05 05:06:32
スマソ、クリムゾンフレアのことです
561名無しになりきれ:05/01/05 18:15:16
>560
それは栗たん。
>559が聞いているのは栗かん。
だから栗田貫一。
562住民A:05/01/06 18:59:50
オリキャラロボット大戦・序章 『建て逃げ!織伽羅コロシアム!!』

澱殻市――最近そう名付けられたその町は、出来て間も無いながらも独特の活気を持っていた。
様々な店舗や施設が立ち並び、近隣の町への交通機関も充実しつつある。
市民の要望に合わせて必要な施設を整える政策は支持を集め、この町の発展を勢いのあるものにしていた。
だがその急速な発展は、同時にきな火種をいくつも産み出した。
いつからか市内に発生したミニ腐海にはミニ王蟲が湧き、腐海対策局が常に拡大を警戒している。
町の南から襲い来る八掛ロボは防衛システムとの長い戦いを今も続けているだろう。
危険地帯と指定され赤線を引かれた区域からは日夜祈りの声と蹴りの音、悲鳴とドリルが響き渡る。
怪しげな屋敷の数々は爆発したり荒れたりと住民を恐怖に陥れ郊外では騎士団と帝国が激突しアソブレラ社がああもう書き切れない!!
この澱殻市は、そう――栄光と混沌とが攻めぎ合う町なのだ………無理矢理かっこよく言うと。

役場の市長室で執務を行う澱殻市市長の元に、今日も名も無き職員達が報告を持って来た。
「市長、インコ真理教を除けばわが市で唯一の宗教施設であるマーベリック教会において、
初詣に来た参拝者が宗教的な問題でシスターに撃退されお参銭を置いて帰るという事件が多発しています。」
「ただ今、神社の建設を検討中です。」
「市長!町内のもちつき大会会場にメカバニーが乱入しました!
餅と参加者を次々と月に向かって撃ち上げてます!!至急応援をうぎゃああああっ!?(どるるるるるる!」
「ご愁傷さまです…。澱殻市もちつき大会in月面基地に急遽変更しましょう。」
「し、市長っ!八掛ロボと王蟲から年賀状届きました!!」
「エェー!それはちょっと対抗しようがないですYO!
とりあえずもっさりさん名義で年賀状を返しておいて下さい。」
「市長、市名を閉鎖行政区・チェリャビンスク666に改名しろと言う団体が…」
いつものように次々と怪事件が発生するが、市長の迅速な決断によりそれらは一応の終結を見せて行った。
そんな中だった、例によって新たな施設の建造が報告されたのは…
563住民A:05/01/06 19:02:10
「市長。織伽羅一丁目に、住民の反対を押し切って織伽羅コロシアムが建設されました!」
「ですからスタジアムは下手をすると赤字に……違う?
ほんとにコロシアムだったんですか?」
市長は少し驚いていた。澱殻市にスタジアムだかコロシアムだかを建てようという計画は前にも浮上した事があったが、
周辺住民の反対により市長が認可するまでも無く中止になっていたはずだ。と言うかどうしてまたコロシアムなのか。
「それは、誰かが無断で建てたと言う訳でしょうか…?」
「はい…。今の所は全くの無人のようで、試合が始まるような気配はありません。」
「誰もいないのですか!? コロシアムの建て逃げとは、ずいぶんと無茶な真似をしてくれますね…
使わないのなら維持費の事もありますし、取り壊すなりスタジアムとして再利用するなりしましょうか。」
一件落着。こうしてこの町にまた新たな建物が増えた……ただそれだけの事だ。
ここでは日常茶飯事なので、気にせずそのまま執務を続けた市長。
彼が貯まったその日の仕事を片付け終わり、帰ろうとしていたまさに時……
「市長! コロシアムに突然、選手達が現れました!!
しかもよりによって機械系の派手な選手ばかりで、たまに市街戦などを行うため辺りに甚大な被害が出ています!」
なんという事だろう…。コロシアムが出来た場合に最も懸念されていた事態が、いま現実となっていた。
「ふう、それは困りますね。市街を巻き込むような事をされては…
では治安維持部隊を派遣して収拾に当たらせてください。」
「そ、それが、突入した部隊は選手との試合で全滅してしまいまして……」
治安維持部隊VS機械チームのチーム戦で一ターンキルだった…。
「そうですか…。その様子では駐屯基地の米軍に頼んでもらちがあかないでしょうね。
しかし、なぜコロシアムの選手がここでそのようなことを……」
一瞬疑問に思った市長だが、すぐに意識を現実に引き戻した。
この問題には迅速かつ細心の対応が求められるだろう。自分がぼーっとしている時間はない。
「……わかりました。今から私が行って説得してみましょう。
無理なら武力鎮圧を試みるしかありませんが………」
「待ちな。そんなことをしたって無駄だぜ!」
いつの間に室内に入って来たのか、ひとりの男が市長に制止の声をかける。
564住民A:05/01/06 19:05:11
その男はいかにも怪しげな姿をしていた。
一応着ているのはただのスーツのようだが、顔にはヒゲつきの鼻メガネをかけ、
頭にはおそらくカツラだろう、二股にとがらせた緑色の髪と言ういでたちだったのだ。
明らかにシムシティのドクターライトを意識していた…。
「な、なんですかあなたは? 面会の予定はありませんが…」
「おれの名はそう……都市開発の専門家、ドクターYだ!
あんたに協力してやろうと思ってな。ここまでわざわざ来てやったぜ。
途中の警備員は全員仲良くおねんねだ。どうだ?おれさまの力がわかったか?」
都市開発と全く関係無しだった。
「言っておくがな、この町の兵隊や普通の軍隊が束になってかかったところで
コロシアムの連中の誰も倒せやしないぜ。このおれが言うんだから間違いない!」
「ですから、私も説得を試みるつもりですよ。いざとなったら市長権限でコロシアムをストップさせて………」
それを聞いたドクターYは手を振って市長の言葉を遮った。
「おっと、そいつはやめておいた方がいいな。知らないのか?
前にコロシアムを支配してたスケルトンだって、やつらの機嫌を損ねただけで追い出されちまったんだぜ?」
事実は全く違うのだが、よく知らない市長はその話を間に受けてしまったようだ。
「エェー!武力制圧も交渉も難しいのですかYO!
それではどうすればいいんでしょうね……。」
市長、長考に入りました。だがそこにドクターYは囁きかける。
「待て待て。この町にもいるだろ、あの連中に引けを取らない迷惑な住人が…?
あんたはいつもそういう奴らに苦しめられてるんじゃないか?」
市長の脳裏を様々な住人とその起こした騒動が思い返される。
なるほど、彼らの力があればこの難局を乗り切る事が出来るかもしれない。だが…
「…しかし、市長として市民を危険に立ち向かわせるような真似は出来ませんよ」
「そうじゃない、そうじゃないんだ。よーく考えてみてくれよ…。
これは一気にこの町のゴミ掃除が出来る方法なんだぜ?」
565住民A:05/01/06 19:07:24
鼻メガネの下でにやついた笑みを浮かべ、ドクターYは市長に囁く。
「なにも善良な市民に死んで来いってわけじゃない。
なまじ力があって、この町の住人に迷惑ばかりかけるような、そんな奴らにあんたの権限で餌をちらつかせて
コロシアムの連中にぶつけてやればいいのさ。それで事態が収まればよし、相討ちにでもなってくれれば……丁度いいだろ?」
「毒をもって毒を制する、と言う訳ですか……」
藁にもすがりたい気分だった市長はこの男の提案に大きく心を動かされた。
これでも悩むだけ悩んだのだ、しかし他に解決策は見当たらない………
「…………わかりました。それで行きましょう…。」
その言葉が終わるか終らないかのうちにドクターYが声を上げ、窓の外を指さす。
「よーしそう言ってくれると思って、機械連中と戦うにふさわしい面子を集めて来ておいたぜ!
あいつらなら絶対に奴らをぶっ殺してくれるぞ!ひゃははははは!!」
いつの間にか役場の裏手のもっさりさん小屋(市獣兼マスコット)の前の暗闇に、大小7つの影が現れていた!
566住民A:05/01/06 19:11:35
武骨なフォルムを持つ巨大な機影が吠えたける。その合成声に辺りが揺れた気がした。
「ガッハッハッハッハッハ!! 戦争大好キ!!」
赤い軍服を身に付けた仮面の男は市長に敬礼を向ける。その余裕の笑みはけして崩さない。
/◇|◇\「勝利の栄光を君に」
肌も露わな衣装で耳付きの少女はどこか殺伐とした雰囲気を漂わせる。何かの恐ろしい駆動音が響いた。
「織伽羅メカチェンマー。メカなお客様でもワタクシフルパワーキュートかつ艶メカしくおもてなしいたしマスヨ?」
彼女と同じような格好をした娘がまるで他人事のような煽り文句を叫ぶ。今回は自主規制せずにすむ内容だ。
「ああっ!これから澱殻市はどうなっちゃうの!? 次回、お楽しみに!」
それとはまた違う耳と一部の人類を惹き付けて止まない服を装備した少女は、無機質な表情のまま呟いた。
「…任務了解しました。これより戦闘配備に着きます」
その彼女と似た?服装の、だが不気味な像?のような容貌の女性?っぽい人影が奇怪な声?を上げる。
「漏レ漏レモ!アナタノハートニ直撃ヨ」(AA略)
他の影の胸辺りまでの大きさの人型の物体は、ある意味お約束的な要求をしてみせた。
「ウェーハッハッハッハ……謝礼と報酬を要求するニダ!!」

集まったメンバーを見て、市長はドクターYの言った意味が理解できた。
「なるほど。彼らの犠牲でこの町が平和になるのなら、願っても無い事です。あなたもなかなかの悪ですね…」
「へっへっへっ………市長様ほどじゃありませんよ!」

―次回へ続く―
567住民A:05/01/06 19:13:37
変なもん書いてすいません。
もしかすると真面目に書いてるように見える人もいるかもしれないですが、
本人は笑いを取るつもりで書いてるんで軽く読んでやってくださいな。
568名無しになりきれ:05/01/11 10:11:22
容量完走しそうなスレだな
   刑務所の中から立ち上がる素晴らしい魂
      世間の炎に鍛え抜かれた
        伝説の国会議員
         殺意を糧に
       運命に従って・・・
        男の使命は復讐
         その男とは
        ムネオ・スズキ

   「俺、鈴木宗男が全部見せてやるよぉ!」
     「覚えとけよ!絶対許さねえ!」
     「このムネオ・スズキがよぉ!」

        〜MUNEO・SUZUKI〜
570名無しになりきれ:05/01/19 05:53:35
職人マダー?
571名無しになりきれ:05/01/19 16:23:07
白薔薇をメインにするとともかく叩かれるからイヤ
572名無しになりきれ:05/01/19 18:04:30
白薔薇以外でなんか書ける人は?
573名無しになりきれ:05/01/19 18:40:31
>572
頭が堅いな
574572:05/01/19 20:34:38
>573
いや、571がああ言ってるから誰も書かないのかと思っただけ
俺としてはバトロワの続きが気になるんだが
575帝国軍:05/01/19 20:43:58
何卒、敵キャラにも手向けをッ・・・・・!
576名無しになりきれ:05/01/19 20:49:21
>574
そうか、すまん
577駄文:05/01/28 19:44:31
ここは嫌な噂で名高い白薔薇学院の一室・・・

「・・・会長さんが来なくなってから・・・寂しくなりましたね・・・」

あどけなさの残る可愛らしい少年が、もう一人の青年に話しかける

「会長さんは自由奔放ですからね(いや、自分勝手なのかな)」

話しかけられた青年は頭を掻きながら窓から外の景色を眺めている

「白薔薇に・・・前の様な活気が戻って来るにはどうしたら・・・」

そう呟き下を俯く少年の肩に、青年が優しく微笑みながら手をかけた

「皆を信じて。皆の帰りを待ちましょう。皆が留守の間は、私達が白薔薇を守らなくてはなりませんからね」

少年は俯いていた顔を上げ、青年の方に顔を向ける

「そ、そうですね!僕らが・・・頑張らなきゃ!」

少年の名は工藤大介、白薔薇のアイドルとも言うべき美少年で、大富豪のお坊ちゃまである

一方の青年の名は桜庭綾人、白薔薇の電波と言うべき謎の青年で、なかなかの戦闘力を誇る(っぽい)

年は離れているし性格も全然違う二人だが、彼らの間の絆にはなかなか深いものが有った

「大介さん、近くに美味しいアイスクリーム屋を見つけたんです。気分直しに如何ですか?」

「えっ?あっ、はい、行きます!」

綾人の提案に大介は喜んで賛成し、二人は部屋の扉を開け、玄関の方へと向かって行った
578名無しになりきれ:05/01/28 19:45:43
>571
やってみたよ
こういうの初めてだが頑張ってみるよ・・・
579名無しになりきれ:05/01/28 19:45:48
一行開けやがって、読みにくいので駄文age.
580名無しになりきれ:05/01/28 19:50:34
何しやがる馬鹿野郎
取り敢えず一行開けは駄目か、覚えとくわ
581地獄の一丁目 ◆SmomXt5ZO6 :05/01/28 19:55:51
ちなみに白薔薇へ作文を提出しておきました。
582名無しになりきれ:05/01/28 19:57:42
ちっ、目敏いなお前等
583名無しになりきれ:05/01/28 19:59:35
こちとらネタが少なくて困ってるんだよ。
584罪人 ◆NwKx5AFdcc :05/01/28 20:06:01
この名を貰うか
笑われる事は覚悟の上で書いた駄文だ、笑いながら見ればいい
俺以上の文を書ける奴は沢山居るだろうよ
そいつを立ち上がらせる為の人柱だ
585名無しになりきれ:05/01/28 23:44:20
大介が白薔薇の生徒にエッチな事されるストーリーまだー?
586名無しになりきれ:05/01/30 18:13:28
誰か「ネコミミ達の一日」みたいなほのぼの系かいてー
587名無しになりきれ:05/02/14 00:05:18
ヘタレー!!!
588レナート:05/02/14 12:11:06
呼んだ?
589名無しになりきれ:05/02/14 12:44:51
呼んでないから去れ
590名無しになりきれ:05/02/15 13:12:51
どうでもいいからチョコくれ
591名無しになりきれ:05/02/26 16:59:46
未だにOBRの続きを待ってる僕は馬鹿かい?
592名無しになりきれ:05/02/26 17:21:46
学園物のBL待ってる俺は馬鹿かい?
593名無しになりきれ:05/02/26 20:43:44
プギャプギャ━━━m9(^Д^≡^Д^)9m━━━━!!!!!!!!!!
594名無しになりきれ:05/02/26 22:00:12
>>591
続きより挿し絵を待っている俺が居る
595名無しになりきれ:05/02/27 02:13:34
OBR続き&挿し絵待ちage
596名無しになりきれ:05/02/27 08:38:58
じゃあ俺も
597名無しになりきれ:05/02/27 22:41:19
男の中の、男。出てこいやぁ!!
598名無しになりきれ:05/02/28 12:16:21
もう探さないでください
599名無しになりきれ:05/03/01 11:01:54
>>598
はいはい、いいからとっとと書きなさい。
600名無しになりきれ:05/03/04 14:58:16
>540マダー?
601名無しになりきれ:05/03/09 01:50:54
age
602名無しになりきれ:05/03/09 02:14:27
sage
603名無しになりきれ:05/03/09 02:36:39
moge
604名無しになりきれ:2005/03/28(月) 05:02:16
あがれぇぇぇえぇえぇぇえぇぇぇ!!!
605名無しになりきれ:2005/03/28(月) 16:48:25
スンバラC
606名無しになりきれ:2005/04/05(火) 16:35:33
男らしさ、女らしさってなんですか?
607名無しになりきれ:2005/04/05(火) 17:34:28
(´・3・`)シラナイプー
608名無しになりきれ:2005/04/06(水) 02:42:31
期待age
609名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:19:10
1ヶ月ぶりに保守




ひどすぎるだろ
610名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:20:11
ちょっと待て
この板は何ヶ月放置すると落ちるんだ!?
611名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:20:45
1年放置しても無問題
612名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:21:56
それはさすがにないんじゃ・・・えっ本当に!?
613名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:23:52
足きりないもんここ。
614名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:25:40
知らなかった
即落ち判定はあるの?
615名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:26:44
スレの数が800越えた時に下位700までのスレが落ちる
616名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:27:41
公爵が削除依頼しない限り消えることは無いが、千影がたまーーーーにくる。
そのときは無差別にどっかが落とされるが。
でもこの頃来てねーな。
617名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:29:40
>615
800超えたらいきなり701ー800までまとめて100個も落ちるの?
618名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:30:44
いや、下位700だから1から100を残して全落ちだろwww
619名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:31:03
>617
日参していないスレからザ〜〜っと落ちる。
620名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:32:32
うそー!?
それヤバすぎじゃね?
本当?
オレ釣られてる?
621名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:33:35
>619
下の方でマターリ日参してるスレはどうなるの?
622名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:34:50
>621
いや、700番台に人はいないだろ。
鬱ちゃんだって500番台だし。
623名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:37:55
101-800まで落ちるんだったら500番台とか関係ないっしょ
今かなり慌ててるYO!!
ageると変な奴とか来るしどうしようか
最近アダムとかいう奴もいるし来られたら最悪
624名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:38:11
700前半だが細々とやってるスレはあるぞ
625名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:39:55
>623
良い方法を教えてあげよう。

1:朝9時ごろageる。

2:日参2〜3回のみ。
626名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:39:57
キャラネタと同じなら>617であってると思う
627名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:40:35
500とか600でも日参してれば落ちない?
1日1カキコあればOK?
628名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:41:07
>627
OK牧場
629名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:43:39
>628
ふー安心した
果てしなくsage進行でやってるから
630名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:44:57
>629
久しぶりにあげたらどうだ?
>625みたいな。
631名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:45:14
>625
日参2〜3回ってどういうこと?
632名無しになりきれ:2005/05/06(金) 12:47:59
>630
午前中にたまにageてみるよ
危険時間帯は夕方〜深夜だしね
633なりきり公爵 ◆evYPae3Emk :2005/05/06(金) 13:05:12
>631
>625は私です。
チャット状態は荒らしがよくくるんだ。
絶対に2〜3回限定で日参すると、たとえセク質レスがあっても放置できるからね。
ちなみに私は一日1〜2回だけ。

>632
確かに。
634なりきり公爵 ◆evYPae3Emk :2005/05/06(金) 13:06:08
セク質レスは「即レス」を狙っています、もちろん荒らしも。
一日放置すればそいつはいなくなりますからw
635なりきり公爵 ◆evYPae3Emk :2005/05/06(金) 13:07:23
後は匿名雑談所で議論お願いしますね。
636631:2005/05/06(金) 13:11:46
もう少し詳しく

1日のうちに2〜3回自スレに顔を出すって意味?じゃないか・・・
即レスするとそいつがいつまでも居座って
荒らしとオレのスイートタイムになるってことかな
637名無しになりきれ:2005/05/06(金) 13:11:52
おまいいたんかい!
638なりきり公爵 ◆evYPae3Emk :2005/05/06(金) 13:12:54
>636
その通り。
スイートタイームはカンベンですよ…
639名無しになりきれ:2005/05/06(金) 13:13:32
ここを読んでる奴等が自スレorお気に入りスレをあげまっくてるな
640なりきり公爵 ◆evYPae3Emk :2005/05/06(金) 13:14:01
ほっとけそんな池沼。
641631:2005/05/06(金) 13:16:13
公爵サンキュー
参考にさせてもらうぜ

できるかぎり日参、たまに放置を使い分けて
642名無しになりきれ:2005/05/11(水) 14:48:37
日参 1回ってのもどうかとおもう
643名無しになりきれ:2005/05/11(水) 20:19:43
じゃあ何回がいいねん?
644名無しになりきれ:2005/05/11(水) 23:30:39
7〜8回
645名無しになりきれ:2005/05/11(水) 23:31:39
でもおきゃくいないばやいはどうするの?
646名無しになりきれ:2005/05/12(木) 09:18:32
自演を7〜8回に上乗せする
647名無しになりきれ:2005/05/12(木) 11:07:53
そうするとROM寄りの名無しさんは、
「レスついてるしわざわざ俺が投下しなくてもいいや」と思ってくれます
648名無しになりきれ:2005/05/12(木) 11:30:29
ヽ( ・∀・)ノ ヤッタァー
649名無しになりきれ:2005/05/16(月) 12:28:01
じゃだめじゃんw
650名無しになりきれ:2005/05/16(月) 12:46:26
で、あるか。
651名無しになりきれ:2005/05/25(水) 07:23:53
です
652名無しになりきれ:2005/06/02(木) 19:57:22
ダメアルか?
653名無しになりきれ:2005/06/05(日) 03:43:19
ダメある
654名無しになりきれ:2005/06/05(日) 23:59:07
おはようございますか?
655名無しになりきれ:2005/06/08(水) 18:02:39
おはやくないですよ?
656名無しになりきれ:2005/06/08(水) 18:05:12
ムシキングですか?
657名無しになりきれ:2005/06/08(水) 20:23:05
おまえうざい全てのスレから消えろ馬鹿
658名無しになりきれ:2005/06/08(水) 20:28:39
低年齢化か?
精神年齢低化か?
精神年齢老化か?
ふにゃ?
659名無しになりきれ:2005/06/09(木) 17:02:22
ポケモンですよ?
660名無しになりきれ:2005/06/11(土) 17:23:15
デジモンですよ?
661名無しになりきれ:2005/06/11(土) 18:52:57
ぷにゃかわいいよぷにゃ
662名無しになりきれ:2005/06/17(金) 21:17:10
NARUTOですよ?
663名無しになりきれ:2005/06/20(月) 03:55:54
BLEACHですよ?
664ゆうしゃ:2005/06/20(月) 10:59:11
ゆうしゃ
665ゆうしゃ:2005/06/20(月) 10:59:33
ゆうしゃですよ
666名無しになりきれ:2005/06/23(木) 23:42:45
ゆうしゃだ
667名無しになりきれ:2005/06/26(日) 02:06:21
ゆうしゃだな
668名無しになりきれ:2005/06/27(月) 21:52:16
竜王ですよ?
669名無しになりきれ:2005/07/01(金) 17:21:42
LV20ですよ?
670名無しになりきれ:2005/07/03(日) 21:54:57
べギラマですよ?
671名無しになりきれ:2005/07/05(火) 13:48:44
ベギラゴンですよ?
672名無しになりきれ:2005/07/09(土) 16:33:15
メラですよ?
673名無しになりきれ:2005/07/13(水) 23:09:27
メラミですよ?
674名無しになりきれ
メラゾーマですよ?