ウピエル(&ツァーレンシュヴェスタン)VSファントム
前スレ
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アインがドライをかばう可能性を予測しなかった訳ではないが
それでも、フュンフとノインにはわずかながらの驚きがあった。
彼女達は味方同士ではないはずだ。何故かばう必要があるのか?
傷を負い、機動性を大きく欠いた二人の戦力は
体調万全の一人と死体一つよりも大きく劣る。
アインはもはや戦力外、と彼女たちの頭脳ははじき出した。
あの状態では正確な射撃は望めないだろう。
まずはドライに専念する事にする。
ドライが持ち出したのは45口径。
貫通力は低いが、マン・ストッピング・パワーに優れている。
吸血鬼を相手にするにはまあまあといったところか。
しかし、今更持ち出すと言う事は、弾頭に特殊な加工もしていない筈だ。
1マガジン分程度くらっても、どうという事はない。
こちらへ向かってくるドライに対し、二人は間合いを取り続ける。
自分達の武器は突撃銃だ。拳銃の間合いで闘う事はない。
四肢を狙って、正確な射撃を続ける。
……今のところは、ウピエルの指示に逆らうわけにはいかない。
さらに、時間は彼女達に味方する。
ドライとアインの出血は激しい。
そう長く待たずとも、いずれ意識を失う。
戦闘の歓喜、そして周囲を満たす血の香りに酔っていても
けっして悪酔いはしない。
それはお互いを危険にさらす事になるのだから。
氷で出来た炎の華、二輪―――
人の血を吸う花は、よりそって戦場に咲き誇っていた