【虎の穴−作者の戯言】

このエントリーをはてなブックマークに追加
こんにちは。虎穴の簡素ウランが落ち着いたようですので、
そろそろ解説に参りたいと思います。
今回も皆様に興味を持って読んでいただき、
簡素ウランも大変嬉しく拝読致しました。
では、発表してしまった自作を読み返すのはあまり好きではないのですが、
こちらとすり合わせながらお話しさせていただきます。

■文体について。“「”の前に一マス開ける習慣は、初版の古い小説のそれに
倣ってからです。前作でも説明いたしましたが、カルチャースクールには
わたくしは逝っておりません。(妄想スレでのお答え)
■文章について。読みにくかったというご指摘がいくつかありましたが、
わたくし自身も今読み返してもう少し整理すべきではと思いました。
殊に「1.」の部分は本来「3.」として入れる予定で、
霞と広瀬の交渉が本当におかしくなってしまうので「1.」として上げたものです。
■テーマについて。某スレで男女論が行われた時、その場ではあまりにもあまりな
結論に達して打ち切られたので、「違うんだよな、女ってそんな生き物じゃないんだよな」と
どうしても言いたくなって書き出した経緯があります。この作品に出てくる姉妹は
オンナという生き物の一つの例です。男性のような合理的な割切りかたをしない女性は
常に自身の延長線上に他者を置くように出来ており、それが最も顕著なのが同じ腹から生まれた
姉妹であるのです。故に見る人が見れば「レズじゃなかろうか……」という感覚の揺らぎが
あるのですが、まー女とはどれだけ美化しようが根っこの所はこういう部分があるんよ、
逃げてんじゃないよ、あと、「分からない」で終わらせようとするな、ということで。
も一つは、自分の欲しいものは自分で動かなきゃ手に入んないもんだよ、と。
欲望は押し殺せばそれは美しく清らかに生きる事が出来るけれど、
底にある独善的な傲慢さとは永遠に別れられない、ということ。(某スレ及び地価スレでの回答)
尚、この物語で二人の姉妹の前に出てくる「蝶」は男性の比喩として描きました。
サキは捕まえてばかりだったから今後は暫し大人しくなる…といいな。(穴スレ?での回答)
■ストーリーについて。まあ陳腐だとは思っていました(笑)。
今回何の捻りも入れませんでしたので、ツッコミ有難うございます。
■キャラクターについて。広瀬の影が薄くなったのは意図的。
この姉妹の泥沼ぐるぐる状態を描く時、彼はやはり脇役であったほうが面白いと思い。
霞は友人の紹介で挨拶した広瀬との交渉は「見合いの一種」と思っているし、
(感情の責任は自分にはない、と思ってのこと)正直「エリュシオン」での一件までは
果たして本当に広瀬を「好き」だったかもよく解らない。そんなキャラです。
サキはやはり妹的キャラだなあとあんまり練らずに書きました。ドキュソめ……。
そうそう、「あばずれ」って結局こういうキャラだったりするんよ、某コラージュくん。
■舞台について。は、今回あんまり語ることなしです。
温室カフェって実在したっけな?よく「hanako」カフェ特集とか見るんですが。
■総合的に。書きながら「う〜ん、う〜ん、自分で決めたこととはいえ、
なぁんて自分と相性が合わないお話なんざんしょ」と苦しんで書いた3週間でした…。
実は前作を投稿した時に、時間的にもまた感情的にも2作目は出すまいと思っていたのですが、
書きたくなっちゃったものはしょーがないです(笑)。
また暇になったら次の作品出します、と今度はちゃんとお約束。

続きます。
続き。簡素ウランでの回答。(書かれた順にレスしておきます)
まずは、今回は本当にいろんなご意見を賜り有難うございました。

1番目様>トラップって何よ? と一瞬考えてしまいましたが、
最近有名作家の商業作をアプする嫌がらせがあるのですよね。「卵」とか(笑)。
なお、わたくしは穴では完全書下ろしの方向でいっております。
今後もその方針に変わりはありますまい。
2番目様・6番目様>問題の「つつがなく」は校正漏れ。失礼致しました。
きちんと進行して、という意味のつもりで書いたのですが、文意が外れましたね。
その他の部分は>>486を参照下さいませ。
3番目様>前述しましたがやっぱり陳腐でしたね(笑)。
4番目様=5番目様>いろいろ有難うございます。
7番目様・18番目様>同意。好みの問題だと思われ…最初から解っていたテーマだったんですが…。
8・10番目様>とても勉強になりました。有難うございます。
9・12・13・14・15・16・17番目様>……喧嘩すな。あと、繰り返しますが
わたくしは穴にはこれと前作しか投稿しておりません。
それから、簡素ウランでは自コメントはレス合戦を避けるため控えるようにしております。
11番目様>はい。普通なら多分もう少し揉めます。ただしこの作品でそこまでやると
収拾が付かなくなるのでやめました。
19番目様>……(笑)。
20=21番目様>どうも有難うございます。
22番目様>こちらこそお読みいただき、有難うございます。
24番目様>ちなみに鱗粉は本当はまずかった気がします。幼少時の思い出……。
25番目様>「計算」。天然の可能性もありますですよ(笑)。
いい方向に出てればよいのですが。
26・27・28番目様>27番目さんではありませんが、ちょっとレス。
読者・批評者の好みの傾向です。年齢層とか、ジャンルのこだわりもあるかも。
まあお上手なかたはそんなの無関係にマンセーなのは御存知の通りです。
ああ、私は生涯一書生ですよ。
で。

23番目様>大変お疲れ様でした。正座して拝読致しました。これだけの作品分析を
やっていただくというのは、作者冥利につきることです。どうも有難うございました。
ただ、前半は作品について語って下さっていたのですが、後半はややお疲れになったのか、
特定の批評者(もしくはわたくし)に対するあてつけのような文も見られたのですが、
いかがなものでありましょうや?
前述しましたが、「わからない」のほかに「文化が違う」という言葉でも
女性からお逃げになりませんように。
内容に関してですが、大体ご指摘の通りです。
作品分析の後半部分ではややお疲れのなかにもとても面白い演出がみられ、
こう読んでいただいても面白いなあと思いました
(煽りではなく、真面目にそう思いましたよ)。
霞は主役ですが、前述のとおり、決して正しい子ではない。サキは見ての通りですが、
男性と上手くやっていける分だけ、サキのほうが意外と人に気を遣える子なのかも
知れませんね。ポーションとミルクの話はその辺より。
いずれにしても大変勉強になりました。
くり返し、どうも有難うございました。

以上です。今日は時々ここに来ますので、ご質問等ありましたらどうぞ。
追加。
29番目様>霞の恫喝。確かに常に冷静な彼女にしてはあまりな発言で
驚いたかもしれません。
ただこういう言葉は短いもののほうがストレートに伝わるので(笑)。