934 :
932:2008/04/14(月) 23:00:08
>>927-930の作品だったんだね。
>>この部分だけだと、ちょっと意味がわからないかな。
これは忘れて。
恥ずかしい//
935 :
名無し物書き@推敲中?:2008/04/14(月) 23:02:06
>>931 削るとこを間違ってるせいで話が繋がってない&人物に厚みが無い。
一度書いた部分を削るなら、それが影響する部分はきちんと考えて。
削る=短くなるってことじゃない。場合によっちゃ一シーン無いだけで後の展開がごっそり変わることもある。
あと、無駄に回りくどい文章表現が多いと感じた。
あなたの文体は洗練した三人称のが向いてるんじゃないかなぁと思う。あくまで個人的意見だけど。
話自体は結構好きになれそうだったので、勿体ないなぁというのが感想かな。
アリの穴に投稿した作品でもいいでしょうか。
私の作品に魅力がないだけかもしれませんが、簡素がつかない・・・
シートン動物記をもとに登場人物(?)の一部を獣人に変えたオマージュ作品です。
以下は、作品の書き始めに当たる部分なのですが、もしよろしければ酷評お願い致します。
中世末期十五世紀、国王シャルル七世の統治下でフランスは苦悶に喘いでいた。
長引くイギリスとの戦争で国土は荒廃し、相次ぐ疫病と戦乱で国民は疲れ果てていた。
この時、森の奥深くより雷雲の如く荒れ狂う一群の獣が現れた。
彼らは人狼(ワーウルフ)、かつて人間たちに故郷を追われた古き森の民。
国王と側近らは何度も兵を派遣して、人狼の反乱を鎮めようとした。
だが、強大な王クルトーに率いられた人狼たちは遊撃戦術で人間の軍勢を尽く返り討ちにする。
フランス中部はクルトー王の爪の下にひれ伏し、人狼の勝ち鬨は三年間止む事はなかった。
狼王は凍ったセーヌ河を渡って、ついにイギリス軍もできなかったパリ侵略を果たす。
最初の犠牲者となったノートルダム大聖堂は聖職者の悲鳴と獣の雄叫びの中に墜ちた。
クルトー王は祭壇には聖職者の頭蓋骨をうずたかく積み、人間とその神を嘲笑う。
この非常事態に、フランス国王は名高き魔狩人にして武人であるポワスリエをパリ警備隊長に抜擢した。
異例の昇進を果たしたポワスリエは多大な犠牲を払いながらも、ついにクルトー王とその一党をノートルダムの廃墟に追い詰める事に成功する。
しかし、クルトー王は抵抗を止めず、ノートルダム大聖堂を要塞に改造して立て篭もった。
業を煮やした人間たちは最後の手段に打って出る。
『獣たちの相手は獣にさせよ』
地下闘犬場の誇る犬闘士(ワードッグ)たちがクルトー王に対する刺客として集められた。
そして、その中に闘犬場の王座を十年間守りつづけた『闘王』コンモデの姿があった……。
>>940 これは、あらすじとか設定の類で小説にはなってないなあ。
まず人物を登場させて、どんな世界観なのかはその人物を通じて表現するように
したほうがいい。
基本的に神視点はやめたほうがいい。
なれないうちは説明調になるから。
でも、このスレって、
「あなたの『文章』真面目に酷評します」だろ。
小説じゃなくても文章なら良いだろ。
でも投稿者は「小説」としての評価を求めてるんじゃない?
ご批評ありがとうございます。
私は、小説の書き出しの文章について評価を求めたのですが、
『小説』としての批評も歓迎いたします。
>>941 今回投稿したのは書き始めの部分だけで、
この後から書く登場人物の行動から彼らの性格や背景について説明していく予定でした。
世界観の説明を省いたのは、フランスが舞台なのと人狼がポピュラーな種族だと思ったからです。
ただ、仰るとおり、小説の書き出しとしては少々味気ない内容だったと思います。
この部分は実際の執筆で直していく予定です。
もし、よろしければ神視点と言うのはどんなものか教えていただけないでしょうか?
また、他の方の批評も歓迎足します。
>>944 「歓迎」なぞしてもらわなくて結構。
どんだけ上から目線なんだよ。
いままで上から目線で酷評してた俺涙目
「他の方の批評も歓迎」読み直したらむかついた
>>944 視点というのは、要するに「カメラはどこにあるんですか?」ということ。
作品の中に登場する人物(キャラ)がカメラを抱えていれば、人物視点。
人物(キャラ)以外の視点で、語られるなら神視点。
ちなみに小説の書き出しの文章としては0点で、即ゴミバコにいくレベル。
批評する価値もないので、この次にキャラが登場するなら、そこから投稿した
ほうが話が早い。
これはひどい……
これはせいぜいが書き手自身の覚え書き・プロットだろ。
「小説」の体をなしてない。
948じゃないが、ただの創作メモを批評せよとかあり得ない。
本人はこれが小説のつもりのようだが
ある程度の実力がないと自分のレベルすらわかんないんだな。
>>948 >作品の中に登場する人物(キャラ)がカメラを抱えていれば、人物視点。
デタラメを教えるな。
つーか、視点で小説を語るな。
これが勘違いの元。
>人物(キャラ)以外の視点で、語られるなら神視点。
これもデタラメ。どんだけ小説読んでないんだよ、こいつ。
自分のサイトに小説をアップしているのなら、管理人として「歓迎」もありだが、
このような場で「歓迎」はないわな。ふつうは「お願いします」だろ。
投稿文にも同じ傾向がいえて、読者に読んでもらうという心構えが欠落して
いる。
冒頭から味も素っ気もない文章をならべておいて、もう少しすれば面白くなり
ますなどといっても、だれが相手にするか。
本屋で手に取ったら、数行読んで、棚に戻される。
ましてやお金を払って買ってもらえるわけがない。
はぁ?
歓迎でもおk。
あほか。
一般的に酷評など誰も歓迎せん。それをあえて歓迎するという表現。ふつうだ。
調子こいて講釈する奴にかぎって何かが「欠落」しているよ。ほんと。
我慢が試されますw
950と952はかわいそうなこだからスルー
944に関しては、住人側は944=940を歓迎しない
よって批評は完了とす、でいいんじゃない
「歓迎」を辞書で引いてみろよw
ほとんどのレスが真面目に酷評していないと言うのはどうだろ?
944は少々失礼だが、目くじらを立てる程の事じゃないのでは?
>>940 >>941が書いているように設定を詰め込み過ぎてる。
そのくせに、キャラクターの描写が足りなさ過ぎる。
だから、文章全体に魅力が無い。小説として批評の仕様が無い。
小説の書き出しというのなら、舞台の説明は簡潔に留めろ。
キャラクターの相互関係などは行動やさり気ない描写で伝えたほうが良い。
具体的には狼男のリーダーが警備隊長に閉じ込められたところで一旦切って、次の段落からキャラクターの行動や会話に重点を置いた書き方が良いんじゃないのか?
>>954 >950と952はかわいそうなこだからスルー
>944に関しては、住人側は944=940を歓迎しない
>よって批評は完了とす、でいいんじゃない
おまえが皆からかわいそうな子と言われてそうだなw
>>940 「歓迎」はちょっとアレだなw そういう物言いはせめて読者の益になるものを
書けるようになってから言おうや。
で本文なんだけど、小説の書き出しとしてはかなり悪い。ただ情報を並べているだけ。
漫画のコマの隅っこにつらつら書く説明文にこういうものがあるけど、あれは絵で読者を
引っ張るから読んで貰えるのであって、小説ではそうはいかないよ。
959 :
名無し物書き@推敲中?:2008/04/16(水) 21:29:46
題:桜色のラブレター
僕には仲のよかった、桜という女の子がいた、彼女と僕は恋人同士ではないけれど
いつも一緒に並んで、学校から家までの道のりを歩いた
いつもどおり彼女の家の前まで一緒に歩いて、僕は彼女と別れた、でも彼女は僕を呼び止め
僕に言う「好きだよ」
けれど僕はその告白に対して「ごめん」と言った、でも、その声は僕の声じゃないような気がした
僕は彼女に対して普通の友達という存在としか思っていなかった
いや、ただその時は気づいていなかっただけだ
その夜、彼女について考えた、彼女がいたから僕は他の女の子には興味が無かった
好きな女の子もいなかった
それはつまり、彼女しか僕には見えていないと言う事だ
だから僕は彼女の事が好きなんだと言う事に気がつく
次の日いつも待ち合わせをしている所で彼女を待ったけれど、彼女は現れなかった、次の日も、一週間たっても彼女は現れない
僕は彼女のクラスに行って彼女と話しをしようと思った
でも彼女の教室には彼女の姿は無い
たまたま教室に入ろうとしている生徒に彼女の事を聞くと
彼女はあの日の翌日から学校には着ていないと言う
彼女の家にも行ってみた、彼女は高校生にしては珍しく一人暮らしで
アパートで暮らしている、ドアの前に立ちドアをノックした、でも返事は無い
何度彼女の名を呼んでも彼女は出てこなかった
諦め自分の家に帰り、自分の部屋に入ると机の上に封筒が置いてあった
その封筒には手紙が一枚入っているだけで、他には何も手をつけられていないただの封筒だった
手紙は、桜からの手紙で最初に僕の名前が書いてあった
その手紙の内容は彼女は病院のようだけど研究室のような所にいると言う内容だった
960 :
名無し物書き@推敲中?:2008/04/16(水) 21:30:21
それから毎日、僕が家に帰ると机の上には手紙が置いてあった
すべて彼女からの手紙で、今日こんな事があったとか、こんな薬を飲まされたとか
そんな内容だった
彼女が何処にいるのかわからないから僕から手紙を出すことは出来ない
だから毎日家に帰ると僕の机の上に彼女からの手紙が乗っているだけという状態が一年以上続いた
そしてその手紙にはいつも最後に「好きだよ」と書いてある
僕も彼女にそう言いたい、でも僕は彼女の声は聞けても僕の声は彼女には届かない
それがたまらなく腹が立った
僕も高校を卒業し上京する事になり、新しい部屋に移り住んだ
もう彼女からの手紙はこないと思ったが
次の日部屋に帰ると彼女からの手紙はやはり机の上に置いてあった
静かに揺れながら落ちた羽のようにそこにあった
その日からの彼女からの手紙は僕にすごく合いたいと言う事を強く訴えていた
僕は「僕も君が好きだし、君に会いたい」と言う内容の手紙を彼女からの手紙の中に入れ
机の中に入れた、そうすれば少しは彼女に僕の気持ちを伝える事が出来ると思ったからだ
それから月日がたち桜の花びらが舞う頃、桜の花びらと供に桜色の封筒がいつもの場所に置いてあった
こんにちは
あなたに会えなくなってもう何年たったのかな?
私はそれすらわからなくなってきました
あなたにはずっと黙っていたけど、私はもう死んでいます
最初の手紙にも書いたけれど、私はあなたに告白した次の日どこかの研究所にいました
そこにいる人たちは、私にいろんな薬や注射を何度も何度も私に投与しました
手術も何度もしました、私の体はボロボロになり私は静かに息を止めました
それでも私は今でもあなたが好きだしあなたに会いたいです、それはずっと昔から今も変わっていません
そして最近あなたからの手紙が届きました
あなたに好きと言ってもらえて私はとても嬉しいです
でも、私はもうこの世にはいない心だけの存在です
だからもうあなたにも会えないし、あなたも私に会うことは出来ません
それでも私の事が好きですか?
ずっと私だけを思っていてくれますか?
その答えを私は桜の木の隣で、いつまでも待っています
好きだよ
桜
僕はその手紙を何度も読み返した、彼女がすでに死んでいたことはすごくショックだったけど
彼女の心はまだ生きている、僕は彼女に会いに出掛けた
僕はこれから何処に行けばいいのかわかっているかのように
彼女と僕の生まれ故郷に向かっていた
僕と彼女が待ち合わせに使っていた桜の木の下へ・・・
かつて僕が通っていた学校に着き桜の気の下へ行く
時間はちょうど学校が終わって僕が彼女を待っていた時間と同じだった
僕はそこで彼女に手紙を書いた
桜へ
僕は君を愛しているし、君を忘れる事は無い
ずっと君を愛し続ける
という手紙を書き、桜色の封筒に入れそれを桜の木の下へ置いた
その場を立ち去ろうとした時、声が聞こえた
とても懐かしく、桜の花びらのような美しい声、彼女の声だ
振り向くその先には、まだ17歳だった頃の彼女がいた
僕も17歳だった頃の体に戻ってる
僕達はあの日のように並んで歩き彼女の家まで歩いた
気づけば建物もこの町の匂いも雲や夕日も何もかもあの日に戻っていた
彼女の家の前に着き、僕達は黙って見つめ合った
そして彼女が言う「好きだよ」
僕は彼女を抱きしめずっと言葉にしたかったことを言う
「僕も君が好きだ、もう君を失いたくない」
以上です 文章と言うよりストーリーを語るだけになってしまった(´・ω・`)
彼女は死んだんじゃなかったの?
落ちてない、というか終わってない感じだな。
手紙置いたの結局誰だよ?
「ゴン、お前だったのか」みたいなオチか?
>>959-963 これも「あらすじ」だわな。
神視点とか回想形式で書くと、描写をせずに情報を羅列してしまいこういう感じになりやすい。
学校はどういう雰囲気なのか、帰り道はどんな景色なのか。
家や生活の様子。彼女の顔立ちや服装。どんな会話をしたのか。どんな表情をしたのか。
主人公の見えるもの、感じるものを一つ一つ描写していくように心がけるといいよ。
例えば
>いつもどおり彼女の家の前まで一緒に歩いて、僕は彼女と別れた、でも彼女は
>僕を呼び止め僕に言う「好きだよ」
まず学校の様子を描写して、彼女の外見の描写。
学校を出ると待ちの風景があるはずで、会話もあるでしょう。
その中で主人公や彼女の性格や趣味みたいなものを提示して、キャラを立てて、
彼女の家の前に場面が移る。
どういう場所にあるどんな家なのか。
そして、「好きだよ」というセリフ。
彼女の表情や、周囲の状況。その言葉を聞いて主人公はどう思ったのか。
こんな感じできちんと書き込んでいくと、原稿用紙で5枚くらいにはなるんじゃないかな。
酷評スレが親身スレになってるw
投稿者のレベルに合わせたら、酷評しようがないもんな
>>940の投稿をしたものです。
まず、私が
>>944で行った不注意な投稿についてお詫びをしたいと思います。
悪意はなかったとはいえ、私のせいで不愉快な思いをさせてしまった皆さん。
大変すみませんでした。。
そして、私の投稿に関して真摯なアドバイスを送ってくださった皆さん。
真にありがとうございました。
これから、皆さんの助言を胸に刻んで、
『あらすじ』に過ぎなかった作品を小説に昇華させるよう努力していきたいと思います。
最後にもう一度、
スレッドの空気を乱してしまったことについて重ねてお詫びをしたいと思います。
本当に申し訳ありませんでした。
気にしすぎです
所詮2chです
ハハ ハハ
(゚ω゚)゚ω゚)
/ \ \
((⊂ ) ノ\つノ\つ)
(_⌒ヽ ⌒ヽ
丶 ヘ | ヘ |
εニ三 ノノ Jノ J
970 :
名無し物書き@推敲中?:2008/04/17(木) 03:40:04
こんな時間に。酷評お願いします。
<1/2>
こんな道があったかな。僕はふと足を止め、ビーチサンダルの裏
で土の感触を楽しむ。空は濃い緑の葉に覆われて、その隙間できら
きらと真夏の陽射しが踊っている。さわさわと樹々が鳴り、心地よ
い風が僕の横を通り抜ける。昔来たことがあったかな。僕はそう思った。
ミーーーンミンミンミンミン。止んでいた蝉の声が再び鳴りだし、
僕に夏を思い出させる。汗ばんだ体を少し冷ましてから、僕はその
道を後にした。
ざぶざぶざぶざぶ、ささーーーーー。小さな波が寄せては返り、
無邪気に砂浜と戯れている。太陽はきらりきらり反射して、僕を海
へと誘っている。僕はビーチサンダルを脱いで湿った砂に裸足で立
った。さくりと爪先が沈む感触が楽しい。ざぶざぶざぶざぶ。寄せ
てきた波がふくらはぎの辺りまでを濡らす。思ったよりも冷たく、
汗ばんだ体がひやりとする。ささーーーーー。そして再び、ざぶざ
ぶざぶざぶ、ささーーーーー……。二度と同じ形を見られないそれ
は、ずっと見ていても飽き足りない。僕も少しの間、小さな波と戯れた。
そうして夏に紛れていると、右手の方に誰かが来た。顔をそちら
に向けて見てみると、少女らしいと分かった。細身の身体を包んで
いる水色のワンピースが夏らしい。どこかで、見たことがある気が
するな。少女は視線に気付き、そして近付いて来た。
<1/2> となったまま投稿が途絶えているが、まさか書きながら投稿してないよな。
小説は書いたら一晩ほど時間を置き、三回は見直すのが基本だぞ。
とりあえず、セミの鳴き声や波の音をそのまま書いている段階で論外。
表現として、うまく使えている。というレベルでもないしな。
やっぱり夜のシフトは肌に悪いわ――。涼子がそういうことを特に意識するようになって、もう一年ばかり
になるだろうか。四月とはいえ、朝の空気は荒れ気味の素肌には十分冷たかった。二十五は諸々の曲がり
角だとか、学生時代は特に意識しなかったCMのコピーが、今は暴力的に耳に響く。看護婦も悪くないけど、
やはりずっと続けるのは辛い仕事だ。浩一がしっかりしてくれれば、いつでも辞めてやるんだけど――。
そう思いながら涼子は、それが夜勤明けの興奮状態からくる一時的な感情であることを意識していた。
いつものことだ。早く帰って寝てしまえ。そうすればまた元気も出る。
――二番ホームに印西牧の原行き八両編成がまいります、白線の内側に下がってお待ちください。アナウンスが
流れて、ホームを歩くまばらな人影が僅かに震えた。通勤ラッシュとは逆方向のために、比較的楽に乗れる
のが僅かな救いだ。とそのとき、涼子の背中に一筋の悪寒が走った。急に冷たい汗が吹き出して、ワンピースの
下の皮膚を流れるのが感じられる。痴漢でもいる? 振り返ってみたが、そこまで近い人影はない。ただ逆側の
線路の向こう、土手の緑を手前に借りて、涼子の勤める病院が朝日に輝いているのが目に入った。それだけだ。
電車が来る。向き直ると急に気配が消えた。疲れで体が冷えたのだろう。徹夜明けにはよくあることだ。ぷしゅう
という音とともにドアが開き、涼子は空いた席に身を沈めた。きょうは昼過ぎまでは寝よう――。
夕方、引き継ぎのためにナースセンターを訪れると、後輩の由美が泣き腫らしていた。同僚にわけを聞くと、朝方
院内で自殺があって、偶然その瞬間を見てしまったのだという。亡くなったのは涼子も担当している小林さんだった。
小林さんは五十過ぎの落ち着いた男性で、末期癌のために余命は僅かに二ヶ月、すでに告知も済んでいた。
普段の飄々としたさまは驚くほどだったのに、感情の変化があったのか、あるいは別の理由があったのか。
「由美、気持ちはわかるけど院内ではあることよ。その場に居合わせたってのはご愁傷様だけど――」
「ちがうの。あたし見たのよ。窓の外に背広を着た男が立っていて、小林さんの手を引いたの。本当なのよ」
「え?」
「隣の病室からナースコールがあって、なにかがんがん叩く音がするって。それで小林さんの病室にいってみたら、
パイプ椅子で窓を割って飛び降りるところだったの。そのときいたのよ、窓の外に」
さすがにこれには少し参った。ここは七階で、窓の外に人のいるはずはない。動転しているにせよ、すでに
半日が経っている。今日は仕事にならなかったに違いない。婦長もほかの同僚もみな言葉少なで、交代が来て
由美を帰せるのを心待ちにしていた様子だった。
「わかったわ。今日はもう帰りなさい。なにか気晴らしでもして忘れるに限るわ。ね」
由美は不満げだったが、結局シフトが終わる別の看護婦に付き添われて帰っていった。しかし、縊死ではなく
飛び降りとは。個室だから不可能ではないが、普段窓は半分しか開かないようになっているし、よほどのことだ。
小林さんにはちょっと変わった趣味があった。病室から双眼鏡で街を眺めるのだ。あまり感心できたことではないが、
理由を聞いて誰もが少し同情し、それを咎めだてするものはいなかった。いつか涼子もその話を聞いた。
――あと二ヶ月の命っていわれるとね、さすがに落ち込みます。でもよく考えると、誰にだってそういう時期はあるんです。
気づかないだけでね。君にも、僕にも。人間の命って九十歳まで生きてもせいぜい三万日でしょう。六十日ならその
五百分の一だ。そう考えて街の人混みを見ると落ち着くんです。この中に私より先に死ぬ人が何人もいる。まだ私の
番じゃない。たとえばあの駅、一日に何千人降りるか知りませんが、五千人ならその人達を含めて私は十番手。
死神がその十人を回り終えるまで、私のところには来ないんです。だから私は人を眺めるんですよ。沢山、たくさん。
また別の日にはこうもいった。僕には死神が見える。あんなに忙しそうにして、ちょっと同情したくなるね、などと。
みな冗談だと思っていたが、そういうときの小林さんの目は妙に冷めていて、もしかしたらその頃には既におかしく
なっていたのかもしれない。
翌日、涼子の使っている駅で線路突き落としの殺人事件があった。犯人は三十絡みの男で、供述によると相手は
誰でもよく、幾日か前から同じ場所で機会を窺っていたとのことだった。ナースセンターは一日その話題で持ちきりになった。
午後から業者がやってきて、一時間とかからずに割れた窓を直して帰っていった。涼子が掃除機をかけに病室に入ると、
そこにはベッドの開いた部屋に独特の、もうずっと前に慣れてしまった、あのなんともいえない寂寥感だけがあった。
涼子は窓から夕日の街を眺めた。ビル群がある、家並みがある、工場がある。小林さんの見ていた風景だ。そしてその
一切を横切って、乗り慣れた線路が右から左に伸びていた。駅。目を細めると、ホームに居並ぶ人々の長い影が何とか
見分けられた。今朝、あそこに死神が立ったのかな――。
その意味に気づくのに二年かかった。家庭に入り看護婦をやめた今も、涼子は毎年小林さんの墓に花を供えに行く。
(終)
酷評よろしくお願いいたします。「――」の使いすぎかなという点、説明を絞りすぎかという点が特に気になります。
975 :
名無し物書き@推敲中?:2008/04/17(木) 10:46:13
>>971 すいません、連投の間に携帯の電池が切れて力尽きました;
今までで一番のアドバイスです。見直しはするけどその日に投稿し
てましたね。なるほど。
音の方は、表現力の乏しさを感じます。巧い人の音は本当に効果的
なんですけどね。
失礼して、↓に<2/2> を投稿します。
976 :
名無し物書き@推敲中?:2008/04/17(木) 10:53:14
<2/2>
「ケーンタ」
ケンタ。誰だったろうか。僕はその名前を良く知っている気がした。
「ケンタ、どうしたの、遊びに来たの」
そうだ、ケンタは僕のことじゃないか。そして、
「ああ、ユミか。そうだよ、ユミこそどうしたの」
少女の名前は、自然と口から出た。
「わたしもよ。海が見たくなっちゃってさ」
あははと笑う。彼女は昔から海が好きだった。小さな頃、クラゲに刺されて泣いた彼女の姿を思い出す。
「クラゲがいるかもしれないよ」
僕は忠告する。
「あら、あたしクラゲなんて恐くないわ。せっかくだから、2人で遊ぼうよ」
あれ、僕の思い違いだったかな。彼女は平気で海へ入って行く。どんどん海へ入って行く
。ワンピースが濡れ、腰まで水が来ているのに、構わない。僕もじゃぶじゃぶと追いかけながら言う。
「おい、ユミ、あんまり深いとこまで行くなよ、クラゲがいるぞ」
彼女は笑いながら答える。
「平気よ、クラゲくらい。あなたも早く来てよ」
僕は懸命に後を追う。ばしゃばしゃと音を立てながら、それでもユミが遠ざかって行く。
そして腹まで海水が浸かり、そこから一歩を踏み出した時不意に、どぼん。急に深くなっ
た砂を踏み外し、僕は頭まで浸水してしまう。驚きに、大きな泡を吐いてしまう。焦って
手足をばたつかせるが、一瞬顔を海面に出せるだけで、上手く浮かべない。そうだ、僕は
泳げないんだ、なんて馬鹿なのだろう。苦しくなってきた頭で、そんなことを考える。
「何してるのよケンタ、苦しくなんかないでしょ」
ユミの声が聞こえ、僕ははっとする。そうだった、苦しくないな。手足をばたつかせるの
を止め、身体を楽にする。そうして沈むと、目にはユミと白い泡と透明なクラゲが見えた。ユミは大分遠くまで行っている。
「ユミ、待ってくれよ。僕はそんなに速く泳げないんだ」
僕はユミに頼む。
「あなた、ヒレの使い方も忘れたの。それじゃあ生きてけないわよ。こうやって手を動か
すようにして、こうしてお尻を振って。背中のまでは知らないわ」
ユミに言われた通りに動かすと、すいすいと楽に泳げた。そうだった、僕は魚だったっけ。(未完です――)
977 :
名無し物書き@推敲中?:2008/04/17(木) 11:45:19
>>972-974 自分は投稿する側ですが、やっべ面白い。何度か読んでやっと分かりました。多分。
巧みですね。もしかしたら解釈違いかもしれない。宜しかったら後日種明かしお願いします。
>>972-974 短い作品なのに時間軸がわかりにくい。
冒頭が朝の電車。夜勤明けの帰宅という状態で、一行開けだけで
>夕方、引き継ぎのためにナースセンターを訪れると〜
とつなげると、夜勤前の回想のようにも読める。
ここは端折らずにきちんと埋めたほうがいい。
それと小林さんのくだりがわかりにくい。
>小林さんにはちょっと変わった趣味があった。病室から双眼鏡で街を眺めるのだ。
>あまり感心できたことではないが、 【理由】を聞いて誰もが少し同情し、それを咎め
>だてするものはいなかった。いつか涼子も【その話】を聞いた。
この文章だと、涼子が、誰から何の話を聞いたのかが曖昧となる。
そもそも双眼鏡で街を眺めるのはさほど変わった趣味ではないし、とがめだてする
ような理由もないと思う。
ここは普通に、涼子が双眼鏡をのぞく小林さんに話しかける感じにしたほうが
臨場感が出てわかりやすいはず。
死神のくだりも別の日を持ちだす必要はないので、一つのえぴソーっドにまとめたほうがいい。
翌日のことが回想形式になっているのでリアルタイムで書く。
病院にいながらどういう状況で、殺人事件のことを知ったのか。
どこの窓を修理したのか主語をはぶかない。
オチは自分だけが理解しているようではダメ。
書くならしっかり書くこと。
おそらく身代わりになったとかそういう意味だと思うが、情報不足なので
そのオチまではたどり着けない。
>>977 これって
>>972-974面白いか? いや、最後まで読めたから面白いけどさ。
オチに導くまでのぼかし型をコントロールしているだけだぞ。
逆にいうと、ここまでぼかしたら二度、三度とスクロールして読解すると知ってて書いてるんだぞ。
980 :
名無し物書き@推敲中?:2008/04/17(木) 17:21:30
age
>>972-974 > 小林さんにはちょっと変わった趣味があった。病室から双眼鏡で街を眺めるのだ。あまり
> 感心できたことではないが、理由を聞いて誰もが少し同情し、それを咎めだてするものは
> いなかった。いつか涼子もその話を聞いた。
すまん、コピペをミスった。
> 小林さんにはちょっと変わった趣味があった。病室から双眼鏡で街を眺めるのだ。あまり
> 感心できたことではないが、理由を聞いて誰もが少し同情し、それを咎めだてするものは
> いなかった。いつか涼子もその話を聞いた。
この三行で損をしている。
>>978も似たことを書いているが、行動が咎められる非常識度は
町を双眼鏡で眺める<自分の死期が近いからといって他の誰かが先に死ぬのを望む
なのだ。もちろん「奇妙だったけれど実は命の恩人だった小林さん」が人の死ぬ順番を数えていても構わないのだが、それを聞いた看護婦たち、ひいては涼子が同情してはいけない。
同情したら看護婦たちも同レベルの非常識人になってしまうのだ。
もしこのままの内容で書くなら、先に同情しないで
死神の順番を数えていると聞いて、頭がおかしいのかと思う
→死期が迫っているのだから、悪い考えを起こしてもしかたがないかと同情する
→実は命の恩人だった。
という順番で提示するのはどうだろう。
あとは、この短い作品で関係ない恋人「浩一」の名前まで出さなくていいかも。
登場人物を実質二人(涼子、小林+見えない死神)まで絞ってみないか。
最後に、これは私個人の希望なのだけれど、
原文には、二十五歳の女性は黙っていても男性に命を助けてもらえるという思想が見え隠れしている。
もしも仮に涼子が八十歳のお掃除おばさんで、ふだん小林さんと「あたしとあんたのどっちが先に死ぬかな?」などと
憎まれ口をたたき合う関係だったならば、私はきっと感動していた。