1 :
冒険大魔神:
乙
3ゲトズサー
 ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧ ∧
⊂(゚Д゚⊂⌒^つ≡3
4 :
名無し物書き@推敲中?:2005/08/30(火) 23:21:51
冒険大魔神、乙!
コテがパワーアップしとるね。とにかく乙!
5 :
冒険大魔神:2005/08/30(火) 23:22:11
なんか久々にスレ立てた
6 :
鎖:2005/08/30(火) 23:46:48
楽しい、楽しい。こんなにくだらないことなのに楽しいと思うことができるなんて。
こっちが力を加えれば、その分だけ力を返してくる。逆に力を弱めれば、
相手も弱める。決着がつくのがおしい。相手もそう思っていることだろう。
でなければ、こんなにも長い間こんなことをやっていないであろう。
夜中、仕事から帰ってきて、いつもようにベランダにでて、酒を煽っていた。
そんな時、先にブロックが数個ついた鎖の片方が降りてきた。もう片方は、4階
につながっているようだった。その鎖ががちゃがちゃと音を立ててる。
ベランダに出て、酒を飲む。単純なことであったが、唯一、自分が楽しみに
していることであることである。それを邪魔されたような気持ちになった。そこで
かっとなり先についている、ブロックを取り外して下に投げ捨て、鎖を思い切り
引っ張ってやった。しかし、鎖の片方がくることはなかった。ひっぱると相手も
引っ張りかえしてくる。引っ張る、引っ張り返される、引っ張る……
楽しい、楽しい。なんでこんなにも楽しいのであろう。ただ引っ張りあって、
相手が持っている方の鎖をこっちにたぐりよせればいい。それだけの遊びだ。
他人から馬鹿だとおもわれることだろう。しかし楽しいのだ
確かに、決着がつくのは惜しい。でも、勝ちたい。その気持ちは惜しい
という気持ちより大きいのだ!
7 :
鎖2:2005/08/30(火) 23:48:26
絶対に負けない。そんなことを思い始めた。もとより自分が1階と相手が4階。
圧倒的に有利な位置にいる。自分が体重を一気にかければもう勝ちが決まる。
しかし、惜しい。終わらせるのが、惜しい。ふとあることに気づいた。
泣き声が上の方で聞こえるのだ。押し殺されている泣き声。ないているのか?
そうか、悲しいんだな。戦いが終わるのが。そして自分が負けるのが。
勝ちを譲ってあげたい。でも、できないんだ。俺も勝ちたいし、負けたくないんだよ。
終わらせよう。終わらせよう。ありがとな。付き合ってくれて。
涙がこぼれる。ごめん。お前も勝ちたいんだろう? でも、俺絶対に負けたくないんだよ。
――。引っ張ってこなくなったが、鎖がこない。ああ、あっちにもブロックがついててそれが
引っかかってんだな。でもまあ俺の勝ちだ。相手が引っ張りかえしてこないってことは
相手も認めているってことだ。
ビールを2本もって4階に上がる。なんて言葉かけよう? いやそんなものいらないな。
言葉をかけあわなくても分かるそんな間柄になったのだから。
その部屋の玄関のドアが開け放たれていた。中をのぞくとそのベランダには……。
「昨夜あの3件ものと同一犯だと思われる殺人事件がおきました。
その前の殺人とは首にブロックをぶらさげて、それをしたにおろして首を絞めるという極めて
残忍な方法で殺されていたというものでした。その犯行に極めて類似しており…… 了
いきなり恐い……。
>>1もありがとう!
>>6-7 新スレ一発目乙です(`∀´)
今から読みまーす。
>>6 速すぎる。これがゆとり教育の成果か。
つうかシュールだねえ、なんていうか、
ブロックよりも、手で引っ張る方がもっと残忍なのよ、
そこんとこほんとシュールよね。好きよ、こういうの。
ただ、最後のオチが肝心なのに、
ここがちょっとニュース原稿っぽくないのね。
>あの3件ものと → これは誤字ですね
>その前の殺人とは
>殺されていたというものでした
とにかく、第一作目乙!
11 :
6:2005/08/30(火) 23:58:55
>>10 何か最後あせっちゃった。
時間なんかいくらでもあったのについつい
「笑点」で最初に答える人のようなもの。
大切な資質だと思いますよ。
>>6-7 面白かった。
が、確かにもっと時間をかけて欲しかったな。
>こんなにくだらないことなのに楽しいと思うことができるなんて。
は、「こんなにくだらないことが楽しくて仕方ない」ぐらいにした方が読みやすいとか、
>>10の書いてることとか細かいところで損してる。
俺が主人公なら、こんな怪しいものに触ったりしないし、
犯人の立場だったら玄関を開けっ放しにしたりしないな。
…ま、これは、無粋な突っ込みか。
なんかこえぇな。
けど、短編で読みたかった。
お前ら、自分の作品をうpしてから簡素書けや。
調子に乗るな。しばき倒すど!
スルー
香ばしくスルー。
これは、こんなの引っ張らねえだろ、でも引っ張っちゃう、的な面白さなんだよな。
譲れないもの。譲れないもの。
さて、頑張るか。
>>6-7 上手い。発想が良いな。
このオチは予想できなかった。
上の人たちとかぶっちゃうけど、もっと納得いくまで書き込んだものが読みたかったな。
次も期待してます。
19 :
6:2005/08/31(水) 00:51:57
感想ありです。
次はもっとじっくり推敲して投稿します。
20 :
名無し物書き@推敲中?:2005/08/31(水) 02:25:25
深夜に投下。
製作時間3時間。
前スレでまどろみを書いた者です。
・背景は浮かんでくるか
・テンポはいいか
・リアリティはあるか
・前作よりか読めるか
ずうずうしいかもしれませんが、
この四つに答えていただきたいです。
21 :
秋:2005/08/31(水) 02:26:24
乾いた落ち葉を踏みしめる音が、耳に心地よく広がる。
落ち葉は、紅葉していたり、中途半端に赤かったり、枯れていたり色々だ。
私は足を止めて、林道の左右に立ち並ぶ樹を見上げた。そして、手で四角窓を作る
と、片目を閉じて適当に動かした。
次々に変わる窓の中の景色には、紅葉した葉や朝日に光る露がなどが写り、とても
キレイだ。これだけでも朝から山の中を何十分も掛けて登ってきた甲斐がある。
手の中の風景に自然と顔の筋肉が緩んだ。
私は手を降ろして、肩に掛けたバッグの口を開けて中身をまさぐった。その間、前
方から風が吹いた。風は落ち葉を吹き上げて、乾いた音を立てながら私を通り越した。
コートを着ていたが鳥肌が立った。
バッグからカメラを取り出して顔の前に構える。レンズを向けた先は、さっき手の
窓で選んだ場所だ。
――最低でも入選!
そう想いを込めてシャッターボタンに指を掛けた。指先がボタンとフレームのキズ
に触れて、指の動きが止まる。レンズの中では、紅い葉が朝日に照らされながら微か
に揺れた。
カメラにキズが付いたのは三年前だ。
父の誕生日会が終わり、私はリビングで酒を飲みながら昔から仲が良かった弟とく
つろいでいた。久々に会ったせいか、お酒のせいか、普段は絶対に言わないであろう
将来について熱く語り合った。その時母は台所で後片付けを始めていて、父は半目で
眠っていた。
父は厳格者というか、昔かたぎな人で、私に早く結婚しろと何度も言ってきた。当
時二十五歳だったので、私も少し焦っていた。父も父なりに焦っていたのだろう。だ
が、自分ではそれがただうるさいだけで、ストレスの元でしかなかった。
弟は夢を語り終え、私は自分の夢を話し出した。
「私さー。写真家になりたいんだよねー。でも結婚はまだーしたくないのー」
多分こんな口調で言ったはずだ。そして、この声に半目の父が目を覚ました。
その後はただのケンカだった。父はテーブルの下に置いたバッグからカメラを取り
出して、床に叩き付けた。叩き付けたと言っても、酔っていて力が入らず、落とした
程度だ。そしてこのキズが出来た。
私はカメラを床から拾い、怒ってすぐに自分で借りていたアパートに戻った。
それからは実家に戻らず、バイトをしながら一人で写真家を目指している。
――だが、それも今年で終わり。父と仲直りしないと。
ゆっくりとキズついたボタンを押した。
そう。来年から主婦で写真家を目指すのだから。
いじょ
>>21 投稿乙。
背景の点、ちょっと浮かびにくい。
>落ち葉は、紅葉していたり、中途半端に赤かったり、枯れていたり色々だ。
>とてもキレイだ
これでは観察日記風だし、写真家を目指す主人公の言葉としては慎重さにかけると思う。
写真なら色を語るべきところ、「色々」という言葉がかぶってしまうのも辛い。
キレイを片仮名にしてしまったことで、軽薄な印象がある。
乾いたという言葉も多すぎて、かと思えば「光る露」もあるので、押すべきポイントがわからない。
リアリティの点、俺もカメラは趣味で、カメラマンの撮影スタイルが様々であることは知っている。
ただ、これだけ紅葉の中を歩いてきて、カメラをまだ取り出していなかったというのは、
そういうスタイルもありだとはしても、何か説明がいるのではないかと思う。
そして、カメラのフレームの傷? ボディの傷という意味だろうか?
父と主人公の仲違いの理由はわかるが、仲直りへの持っていき方が、
来年から主婦になっちゃうんだもんね、的なラスト一文のみでは、主人公に共感しにくかったかも。
過去のセリフを軽薄に書いているだけに、その後主人公の成長が欲しい。
前作より、時系列の混乱がないから読みやすい。
24 :
23:2005/08/31(水) 10:06:40
連レス失礼します。
起き抜けで読んだのと、全部指摘しなきゃとはりきってしまったため、
上の簡素、今改めて読み返したら、
すごいだらだらと偉そうになっている。すみません。
俺、簡素書くのほんと下手だ。
前半後半できっちり回想を分けたのは、読みやすいと
伝えたかったのに、そこんとこ抜けているし。
主人公の性別が、弟との会話で「もしかして女?」とわかる程度で最後になるまではっきりしなかった。
人称「私」の場合は難しいですね。
女です、とわざわざ書くわけにもいかないし、
描写すると結構字数取られるし。
>>21 >コートを着ていたが鳥肌が立った。
ここが何を意図しているのかちょっとわかりにくかったかもです。
ただ寒かったのか、いい景色を見つけて身震いしたのか。
27 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/08/31(水) 13:34:09
28 :
カビパン:2005/08/31(水) 17:52:20
今回も作ってみました。お題が少し難しく感じました 汗
『幸せの色』
「ニュースをお伝えします。昨夜行なわれたバナナ豆腐祭は……」
グイッ、グイッ、プハー。鼻のしたに白い髭をたくわえた即席女サンタクロース。トース
トをかじり、私は2杯目の牛乳でそれを流し込む。昨夜の祭りは花火の音が耳障りだった
。今度一緒にお祭り行こうね? 返事なし。ああ、三十路独身。
「今日の天秤座の運勢は凶。ちょっとしたミスであなたの信頼は……」
きみは占い信じるほう? 返事はなし。でも安心。私にはラッキーカラーがついている。
29 :
カビパン:2005/08/31(水) 17:54:54
「そんなあなたのラッキーカラーは赤。赤い下着で神様を誘惑……」
赤、赤、赤。ない……部屋中のひきだしを引っ繰り返すが赤ペンさえもでてこない。まし
て赤い下着なんてあるわけもなし。あ……冷蔵庫! トマト! いちご! 赤とうがらし
! ……不在。ない、ない、ない。そうだ、赤い花が咲いてるかも! ベランダに勢いよ
く飛び出す土いじりが趣味の三十路独身。華はない。花もない。時間もない。小さくため
息をつき、ベランダから見えるビルたちと一緒に大きく背伸び!
あきらめる?やなこった!
今朝、幸せそうな笑みを浮かべた血だらけの女性の死体が、マンションの前に転がっていたとかいないとか。
>>28 テーマからずれていると思ったw
前半のスピード感に比べて、オチが失速する感じ。
それよりも、あえて君には苦言を呈しておこうと思う。
勉強しなさい。9月は現役生が化ける時期なのだよ。
31 :
21:2005/08/31(水) 18:29:59
背景をキレイにしようと思ったんですが、それ以前の問題ですねw
まず、解りやすい文章を書くことを心がけます。
レスどうもです。
>>28-29 オチがちと説明不足とか、言葉のリズムは整えても、
情景が弱いとか、人物が弱いとか、そういうこと言いにくいじゃん、浪人生だと。
いや、息抜きに来てるのはわかるんだけどさ。
書くならきっちり時間をかけて書かないと、勿体ないと思う。
33 :
名無し物書き@推敲中?:2005/08/31(水) 18:53:08
>>28-29 幸せの色
オチは、もうすこし推敲したほうが良し。勢いで書き捨ててしまった感あり。ブラックですね。
タイトルもひねれそう。「しあわせ色の死体」とか。
>>28-29 一作目は奇跡だったと言われないうちに、勉強に戻った方がいい。
>>33 ブラックなら、タイトルでネタばれはまずくないか?
35 :
名無し物書き@推敲中?:2005/08/31(水) 19:00:27
>>34 オチかタイトルかでわかるように仕掛けしといたほうが良い、というニュアンス。「しあわせ色の微笑み」でもいいよ。
「しあわせの赤は何の赤?」
とか、いかにも垂れ流しの占いっぽいタイトルはどうだろう。
37 :
カビパン:2005/08/31(水) 21:16:38
前作が奇跡……orzショック
来年の春にまだスレがあったらきます(`・ω・´)シャキーン
教師ムラカミが職員室に戻った時、一人の男がエンロー宣教師の前で土下座をしている
のが見えた。
「ちょっと顔を上げてくださいよ」
事情こそわからなかったものの、教師ムラカミは男を促した。
「いいえ、うちの息子の入学を許可してくださるまでは、私はここを動きません」
聞けば男の息子は今年の三月、入院先の院内学級で中学の課程を終えたのだが、受入
先の高校がまだ見つからないとのこと。
「おかしいな」と教師ムラカミは独り言のように呟いた。「定時制や通信でなくても、入れる高
校なんていくらでもありそうなもんだが」
「いいえ、うちの息子は甲子園に行きたいんです。全日制でないと。ギラン・バレー症候群と
いう厄介な病気になり、もうじき退院出来るのはいいんですが、公立の入試は終わったし、
他の私立を当たっても野球部の入部まで認められなくて。ここで野球をやらせてください。こ
れだけは譲れません。どうか、この通り……」
「君はどう思うね?」と尋ねるエンロー宣教師を無視するかのように、教師ムラカミは言った。
「ここはキリスト教の学校です、いいですか、日本では仏教は葬式、キリスト教は結婚式用の
宗教なんですよ。そんなわけで、ここはいい花嫁を養成する学校。深い悩みを解決してくれる
人なんて、ここにはいないし、そんな相談、よそでやってください。宣教師も飾りだし。ねえ、エ
ンロー宣教師」
「やれやれ、ムラカミ先生には敵いませんな」とエンロー宣教師は溜息をついた。「わかりまし
た。息子さんをぜひこの学校に」
「ほ、本当ですか?」
「あと、ムラカミ先生。他の野球部の部員を探しておいてください。なるべく早くです」
「ええ、神様が導いてくださるでしょう」
数ヶ月後、芦田川女学院は、日本最強の野球同好会の存在で知られることとなる。
ぐらりと体が揺れて目が覚めた。
とてもいい夢を見ていた。大好きなおばあちゃんがそこにはいた。
ウーンと肩を伸ばしながら今見たこの夢を忘れまいと必死になる。
ふと気づくと体全体が小刻みに揺れていた。
何故だろう?目を開けると窓の奥の景色が右から左に高速で流れていた。
とうやら自分は電車の中にいるようだ。キーンとうなり声をあげるエンジン音と
車輪が地面をこする音ガタガタという音で耳の奥がいっぱいになる
その瞬間、夢の中に入る前の記憶と今の自分の記憶がピーンと結びついた。
さっきまで私は学校の帰り道で自転車に乗っていた。
午後の賑わいを見せる商店街と真っ青な空の記憶が鮮やかによみがえってくる。
では何故、自分はこんなところにいるのか?電車に乗ったような記憶はない。
急に不安な気持ちがこみ上げてきて電車のシートをから立ち上がる。
その瞬間真っ赤にやけただれた太陽の光が目の中に入ってきた。
反射的に手で片目を押さえながら必死に窓の向こうの景色を覗き見ると、
深く切り立った山々の間に真っ赤な太陽が沈もうとしているのをかろうじて確認できた。
その瞬間自分の置かれた状況のまずさに愕然となる。
そこは自分の全く知らない景色だった。逆光のせいでよくわからないが
黒く浮かび上がる山々のシルエットが、ここが一面深い山々に囲まれているということ、
そして周囲にはそれ以外なにもないということを伝えていた。
自分はいったいどうしてしまったのか、助けを求めるように辺りを見渡す。
しかし、周囲には誰ひとりとしていなかった。となりの車両に目を向けても誰もいない。
どうやら自分はこの電車のたった一人の乗客のようだ。
胸の奥がだんだんと苦しくなってくる。私は1秒でも早くどこかの駅について欲しいと願った。
(今すぐこれから出たい。降ろして!)
そんな私の願いをあざ笑うかのように電車はますますうなり声を高め、
どこにあるかもわからない駅を目指して山々の間を一直線に走り続ける。
沈みゆく太陽にあわせて窓からは入ってくる太陽の光もだんだんと少なくなっていき、
それにあわせて車内も黒く染まっていく。
不意に車内に冷たい空気が辺りに漂い始めた。耐え切れないほどの寒気に体がガクガクと震える。
まだうっすらと車内に残ってる太陽の光で体を温めようとするがそれももう限界のようだった。
全身が氷のように凍てついて、ついに私は仰向けになって倒れる。
最後にバタリと音がしてそこで私の意識は途絶えた。
その瞬間、私が考えていたのはおばあちゃんのことだ、大好きだったおばあちゃんのことを考えるとこの
寒さもどこかに消えて体全体がポカポカと温まってくるように感じたからだ。
その瞬間、まだわずかな光を放っていた太陽の光も山々に吸い込まれて完全に消えた。そうして光は消え
世界は真っ黒になった。
前スレで投下しそこなったものです。
むだに長い駄文スイマセン
パス。
こうして、このスレはさびれていくのであった。
まて!まだ投下してないわ!
この流れで投下する勇気が……
>>44の腐れチンコがどう言おうと、投下してしまえばいいのさ。
だって、名無しのえいいちこと、
>>44の簡素なんて不要だろ?
50 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/08/31(水) 23:10:29
こう規約が複雑になってくると、読まない人とか規約厨が涌いちゃうんだよね。
>>39 非常に読みやすいと思った。
最後の最後で読者をあっと驚かすような展開をしてはいるが、
ひねりにひねりすぎて逆にわけがわからなくなってくる。
要するに、展開が不自然すぎる。
スマートなわりに辻褄があっていない。
えいいち、
>>44とは別人であることを、必死にアピール
別人だよ。だって
>>44は俺だもん。前テーマの作品なんていきなりさらされても困る。
>52
せっかく書いたものなら、むしろ俺は読みたい。
>>53 ここに晒す理由は無いはず
ルール無視を容認はできない
>>50 どこがどう複雑なのか説明を。
一読して理解できないようなら、どうしようもない気がするが。
>>53 テーマも無視、
>>40は字数も1200くらいあるぞ。
しかも、前テーマの夜すら無視している。
自演なら出ていってくれ。
せめて夜テーマだと言わなければ、
私は生が譲れないものかなと思ったけど…
俺としては字数無視がパスの最大理由だ。
60 :
55:2005/08/31(水) 23:22:56
>>57 ああ、そうか。すまない。
とにかく、スレに参加するなら最低限
>>1は読むべきだと思う。俺は。
そんなに難しいことは書いていないしな。
以下、何事もなかったかのように再開してくれ。
再開!
62 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/08/31(水) 23:26:43
えいいち、今のテーマは「譲れないもの」だから
いくら「夜」に合ってるとあがいても意味がないんだよ……。
>>39 軽い感じで読めるのはいいと思った。
だけど、
教師の一言で入学出来ちゃうってのは強引だと思う。
それとなんで女学院に、息子が入れたのかが疑問。
あとムラカミ先生の言ってることが、よく解らなかった。
>>39 最低限ルールは守りましょうね。
いじょ
あれ39って譲れないんじゃ?
テーマというより言葉埋め込んだだけだけど
39はね、たぶん、エンドマークが入ってないから、後ろのと一緒になってしまってるんだよね。
エンドマークがないのは、後の人が投下に困るからね、
そこは大事にしたいね。
書く方も読む方も馬鹿ばっかしということで。
69 :
64:2005/08/31(水) 23:34:20
39じゃないやorz
下のは40だった
完璧に規則に沿った作品って、今までにあった?
あるよ。
72 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/08/31(水) 23:36:56
>>63 いや、逆だろ。
夜には合ってないが、譲れないものには合ってる。
いくらなんでも嫉妬のしすぎだ。いい加減にしろ。
>>70 完璧とかそういう問題ではない。
>>1に目を通すのは、必要最低限のルールだということ。
それすらもできてないように見える投下は、後々のことを考えでもスルーするしかないんだよ。
74 :
73:2005/08/31(水) 23:41:33
考えても、な。
自治とか規定厨とかじゃなく、それぐらいはするべきなんだよ。
というわけで再開しよう。
再開です!
不意に頭の中で何かが流れ出した。
それは最初だたの黒い液体だったが、やがて鬼の形相となって僕を怒鳴り散らす。
「どうするんだよ、そんなんで」
その声に僕の心臓がびくりと高鳴る。
「お前が自分からやるっていいだしたんだろ!」
おもわず目の前が涙でにじんだ。さらに、そいつは鬼の形相とは別にもう一つ悲しそうな
顔をつくって僕に語りかける。
「どうしてピアノ係なんて引き受けたのさ?自分を変えたかった?たしかにそこだけ見れば
君の行動は立派だよ、でも世の中には身の程ってものがあるんだ。そうだろ?
現に君は本番前だっていうのにまだ失敗ばかりじゃないか?どうするんだい?そんなんでさ。」
もうこらえきれなくなっていた。僕は泣いた。声を押し殺して。
鍵盤の上に涙と鼻水をいっぱいに垂らして。
そして、その物体は二つになった顔を僕の方に向けて最後にこういった。
「もうやめたって、いいんだよ?」
その瞬間、僕の中でなにかが吹っ切れた。
いったいどこにあったのだろう燃えるようなエネルギーが体の中にあふれてくる。
手で涙をふき取る。背筋を伸ばし、真っ黒なグランドピアノと正面から向かい会う。
「よし、やるぞ!」
僕は天に向かってそう叫ぶと、涙と鼻水でベトベトになった鍵盤へと手を伸ばした。
そうやってルールを増やして行きなさい。
79 :
64:2005/08/31(水) 23:44:27
テンプレよりもやっぱスレタイに1000があったほうがいいね。
そうしたらテンプレ読まない人(少ないだろうけど)でも
どういうものなのかは理解できると思う。
さて、簡素か投下再開じゃー
80 :
名無し物書き@推敲中?:2005/08/31(水) 23:44:47
続けるのもなんだが内容がおもしろければ良いんではないか?
君たち目くじら立てて怒ってるけどね
まあ問題の作品が面白いかと問われたら黙っちゃうけど
81 :
無題:2005/08/31(水) 23:46:52
教師ムラカミが職員室に戻った時、一人の男がエンロー宣教師の前で土下座をしている
のが見えた。
「ちょっと顔を上げてくださいよ」
事情こそわからなかったものの、教師ムラカミは男を促した。
「いいえ、うちの息子の入学を許可してくださるまでは、私はここを動きません」
聞けば男の息子は今年の三月、入院先の院内学級で中学の課程を終えたのだが、受入
先の高校がまだ見つからないとのこと。
「おかしいな」と教師ムラカミは独り言のように呟いた。「定時制や通信でなくても、入れる高
校なんていくらでもありそうなもんだが」
「いいえ、うちの息子は甲子園に行きたいんです。全日制でないと。ギラン・バレー症候群と
いう厄介な病気になり、もうじき退院出来るのはいいんですが、公立の入試は終わったし、
他の私立を当たっても野球部の入部まで認められなくて。ここで野球をやらせてください。こ
れだけは譲れません。どうか、この通り……」
「君はどう思うね?」と尋ねるエンロー宣教師を無視するかのように、教師ムラカミは言った。
「ここはキリスト教の学校です、いいですか、日本では仏教は葬式、キリスト教は結婚式用の
宗教なんですよ。そんなわけで、ここはいい花嫁を養成する学校。深い悩みを解決してくれる
人なんて、ここにはいないし、そんな相談、よそでやってください。宣教師も飾りだし。ねえ、エ
ンロー宣教師」
「やれやれ、ムラカミ先生には敵いませんな」とエンロー宣教師は溜息をついた。「わかりまし
た。息子さんをぜひこの学校に」
「ほ、本当ですか?」
「あと、ムラカミ先生。他の野球部の部員を探しておいてください。なるべく早くです」
「ええ、神様が導いてくださるでしょう」
数ヶ月後、芦田川女学院は、日本最強の野球同好会の存在で知られることとなる。
end
これで完璧?
76、77 END書き忘れましたマジすいません。
「次のお題に【つづく】」というのは、ルール違反ではありませんな。
よしっ!
>>76-77 これからは規約の件よろしくお願いします。
私もピアノ係を引き受け、冷や汗だらだらになったことはありますが、
演奏前には、鼻水と涙はさすがに拭いてもらいたいです。
もう少し字数に余裕があると思いますので、
曲とか音楽室の状況とか描写があったり、
または、もう何の描写もなく真っ暗闇にピアノと僕だけ、
みたいな暗黒調も良かったのではないかなと思いました。
>84
難しいもんだねえ。
ルールがじゃなくて、あんたがね。
88 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/01(木) 00:05:16
あのよ、スレタイ通りにしない奴より場の雰囲気読まずに批判する奴のが迷惑だと思うんだが
お陰で過疎ったじゃないか
再開
再開どうぞ
90 :
サルトビ夫人の領域侵犯1/2:2005/09/01(木) 00:09:20
サルトビ婦人は、今宵も真っ赤なコートを着ていた。
右回りに店内を一周、コーラ一本、宇治金アイスを二つ、塩焼きそばのカップ麺を一
つ取り、女王が臣下に物を下げ渡すかの視線で、カゴをレジ台に乗せる。
僕は商品を袋に入れ、袋の口を三回半左巻きで捻る。
サルトビ婦人は、コートよりも赤い唇の端を、ヌッと首ごと傾け持ち上げた。
「毎度ありがとうございました」
笑顔で婦人を送り出した後、僕にはやることがあった。
右足からカウンターを出る。レジ前のガムコーナーに八歩で到着。
「あのババア、いつもいつも買う気もないのに触って、もう。自分が触れば、魂が宿る
とか思ってるんじゃないでしょうね?」
僕は商品の喉飴を、慎重に元の位置へ押し戻した。容器にフックがついて、銀の棒に
つり下げて売るタイプのものだ。掌サイズの、丸く黄色い容器。三つ残っていた商品が、
そうだ、そうだ、と唱和するように揺れる。
デロン、と触るのだ。婦人は下から上へ持ち上げるように、デロンと丸い容器を撫でる。
「いや、鈴木君、でも……」
店長は、小指で制服の胸を掻く。独り身の、油の抜けきった禿親父。ポリっと掻いた
弾みに肋骨が折れ、中から心臓が転げ落ちてきそうな脆さがある。
わかってます、と僕は頷いた。
「サルトビ婦人はお客様。でも、これは僕の問題なんです。僕は、等間隔に並べた商品が、
一個だけ前へ離して放置されるのは、許せない」
サルトビ婦人は、元サルビア婦人だった。赤コートの婦人。薔薇の赤ではない。血の
赤でもない。サルビアだ、と誰かが言い出して、それはサルビアに失礼だ、ありゃサ
ルトビだ、忍者屋敷で小判を数えていそうだ、と相成った。
「だいたい僕は、いい歳した女がカップ麺を買うのも許せない。いえ、差別ではなく、
これは僕の問題です。僕の母は、「焼きそばパンは、焼きそばでもパンでもない」と姉
を厳しくしつけました。それと、店長は好きだと言ってましたが、僕は焼きそばが塩
味というのも許せな……」
「あ、あの、鈴木君、俺、もういいかな?」
ああ、と気付いて時計を見た。午前零時。店長の深夜勤は二時までが常だが、店長は
店長だ。何時にあがっても誰も文句は言わない。
店長の後ろ姿を見送りながら、次にサルトビ婦人が来るときこそ、僕の主義を示そう
と思った。バイトといえど、ここは僕が任された領域だ。僕の領域を汚す奴は……、
あれ?
サルトビ婦人がデロンとあれを触った夜、店長がいつも早退けするのは何故?
End
掲載よろしくお願いします
92 :
90:2005/09/01(木) 00:11:36
すみません。
どうやってメール欄に掲載可と入れるのかわからずもたもたしていたら、
2/2にするのを忘れました。
>91
掲載の可否はメール欄だよ。
顔洗って出直して来い。
こんなのスルーだよ、スルー!!!!!!
>>76-77 とりあえず、この状況でよく投下してくれた。
乙。
率直に言ってしまえば、甘い。まだまだ書き込みが足りない。
最初の何行かで同じ言い回しを繰り返したり、整理しきれてないように思う。
>不意に頭の中で何かが流れ出した。
それは最初だたの黒い液体だったが、やがて鬼の形相となって僕を怒鳴り散らす。
こういう表現は好き。
是非、伸ばして欲しい。頑張って。
95 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/01(木) 00:14:20
91
気にしなくていいですよ
>95
ルール無視の投稿を助長する最悪のパターン
98 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/01(木) 00:17:53
93 96
あなた方は言葉がきついんですよ。次は気をつけてでいいでしょう?
それに彼は悪い雰囲気を切ってくれた人でもあるのにそのような対応はあまりよろしくないのではないですか?
101 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/01(木) 00:21:49
◆煽り荒らしはスルーを徹底
>>90-91 ぬあ、これは何と言っていいのか…
とりあえず、ごちゃごちゃし過ぎな気がするな
几帳面で自分の領域を守りたい僕より、夫人が強く印象に残る
最後の一文もここだけ浮いているように見えた
>>90 なるほど。面白い。几帳面な僕の描き方は巧いね。
サルトビさんに領域を侵されたくないんだけど、
実は店長を持って行かれてしまってるってオチも、
そこへ来るとは思わなかった。
伏線が少し弱いかな。
ただ、どっちにインパクトがあるのかわかりずらくて、ごちゃごちゃしてるのかな。
字数から考えたら、そこまで捻られずに、
全面的にサルトビさんと僕の対決にしてもよかったんじゃない?
ああ、捻らずに、だった……。
-----------------------------------------------------
前スレは無事dat落ちしたようですね。
・前スレ「夜」の作品をサイトの方に載せておきました。
掲載、転載許可したのに自分の作品が載ってないという方はご連絡を。
あと作品の内容が欠けているなどもありましたら合わせてご連絡を。
・NN系(別窓)と称してフレームページを作っておきました。
テーマをクリックしてもリストが展開されない場合はそちらをご利用ください。
サイトは
>>1に記載されてます。
-----------------------------------------------------
>>90-91 黄色いのど飴というのは、あれでしょ、e-maの丸いプラスチック。
中にも黄色い粒飴が入ってる。
デロンって触るってことは、つまり、あれを、あれに見立ててるんだよね?
それ、e-maを知らないと伏線にならないのではないかと思う……。
108 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/01(木) 23:16:52
このスレなんでこんなんなっちゃったんだ?
テーマがテーマだし、まだ書き上がらないだけでは?
煽りなら相手して悪い
さっききららスレみたら、ものすごい勢いで簡素ついてた。
段々あんな風になったらいいな。簡素少ないのはやっぱりさみしい。
感想書くのも難しいものだからね。
そのぶん、勉強にもなるんだけどさ。
確かに、勉強にはなる。
上のイーマのど飴のやつ、イーマのど飴がどんな形かわかんなかったらオチにつながらないのに、
じゃあ、どうやって書けばいいと聞かれると、考えこんでしまう。
感想よりも作品を投下した方が……。
作品投下はもちろん大事だけどやっぱ感想がたくさん
ないとさびしいよ
で
>>110に戻んのか
頭使えねえ糞固定は黙ってろ
確かに流れを無視してたね_(^^;)ゞ
118 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/02(金) 01:30:34
コテハンに厳しいのは変わってないんですね。ここ
もうちょっと広い心を持ってもいいんでは?
ただの煽りだよ。
昨日からちょっと雰囲気が悪いけど、投下が来れば戻るはず。
俺は全然書けないので他力本願w
簡素は書くけどさ。
あの人はコテにだけではなく、誰にでも厳しい人です。気にしないことです。
それでは、投下待ちよろしくです。
昨日、父が死んだ。あるいは今日なのかもしれないが、電話口の実和さんは「深夜」と
しか言わなかった。受話器を置き、雨戸を開けた。朝陽の代わりに雨が降っていた。
悲しみよこんにちは、と窓を閉めながら、実和さんはあんなに取り乱して大丈夫だろう
か、と思った。
「……それでね、通夜は明日に。サヤちゃん、学校休める?」
浪人生は年中休みですよ、といつもの軽口は言いそびれた。母は夜勤でまもなく帰る、
と告げると、実和さんは嗚咽を呑み込むような間を置いた。
「ええ、ええ。それで、サヤちゃん、御香典とか、そういうの、気を使わなくていいから」
台所で一口水を飲み、私は階段を上がった。気を使う、とはどういうことだろう。
父がこの家を出て、実和さん親娘と暮らして以来十二年。父と母が戸籍上の繋がりを精
算してからでも、八年。それでも私が父の娘であることにかわりはない。私は実の父の香
典に、気を使うべきなのだろうか。そうか、香典って喪主の取り分だっけ、じゃあ、元家
族としては奮発すべき?
襖を開け、母の部屋に入った。桐箪笥の中に、母の昔の喪服があるはずだ。
母は今も変わらず華奢な人だ。入らなかったらどうしよう、と苦笑しながら、私は箪笥
の観音扉を開けた。次の瞬間、息を呑んだ。
箪笥の中、洋服に埋もれて、子供が座っていた。
「あーあ、また見つかっちゃったー」
子供は頬を膨らませてすぐ、抜けた前歯を見せつけるように、ニカッと笑った。背中に
視線を感じ、私は振り返る。父が立っていた。
「まさか、こんな所に隠れるとはな」
ふうと大袈裟に溜め息を付く。父だった。まだ白いポロシャツが似合っていた頃の父だ。
「もう一回、もう一回」
子供が飛び下りてきて、私は反射的に一歩横へ退いた。よーし、と父は目を瞑る。子供
はバタバタと足踏みを鳴らし、そうしてそっと再び箪笥に入った。扉が閉った。
父が目を開けた。私は父の横顔を見ていた。父は箪笥を見つめて言う。
「さあて、どこだあ。まさか同じとこじゃないよなあ……」
父は微笑み、箪笥をしばらく見つめた後、部屋を出て行った。
譲り得ぬ記憶に押され、私は箪笥に両手を伸ばす。扉に縋った。涙が零れた。
私はこの続きを知っている。父がまた、ふうと大袈裟に溜め息を付き、笑う。その瞬間
を私は覚えている。
ごめん、ごめんね。泣くから。ちゃんと悲しいから。だから、もう出てこなくていいよ。
ごめんね、私。ごめんね、父さん。最後を看取れずに。
end
>>90 【サルトビ夫人の領域侵犯】
サルトビ婦人という名称のインパクト。
>「あのババア……でしょうね?」
『あのババア』などと暴言を吐きつつも、『でしょうね?』と鈴木君のバイト
としてのお客様に対する、実直さ。
数行で二人のキャラクター付けは、見事。
サルトビ婦人の、あだ名の由来はいらないんじゃないか?
伏線が弱いので(1000字では仕方ないけど)店長の事を描いた方がいい。
最後の一行が、唐突過ぎる。面白かった。
>>122 【記憶の扉】
冒頭から『?』マークが暫く点灯していたが、家を出た父と納得。
良い話だ。感涙。
最後の二行はすこし感傷的すぎるかな(好みの問題)。
125 :
通りすがりの簡素人(きっとLV1):2005/09/02(金) 18:25:10
学校が始まったら一気に人が少なくるな。
>>122-123 うん、良かった。
構成も上手いし、すらすら読めた。
12年前に家を出た父親が、死んだ。
立場や思いが曖昧になってしまった主人公が、過去に触れ、昔の気持ちを取り戻す。
そんな話かな?(←読解力の問題)
>悲しみよこんにちは、と窓を閉めながら、
や、
>奮発すべき?
とかが地の文の雰囲気から浮いてるように見える。
良い意味で固い文章の中で、そこだけ妙に子供っぽい。
(一人称だから、不自然)
締めの2行は俺も蛇足だと思う。
主人公のこの気持ちの変化は、あえて言わなくても伝わってくるし、余韻も残るはず。
126 :
125:2005/09/02(金) 18:29:46
あと、後半、「父」って単語多くね?
>視線を感じ、私は振り返る。父が立っていた。
>「まさか、こんな所に隠れるとはな」
> ふうと大袈裟に溜め息を付く。父だった。まだ白いポロシャツが似合っていた頃の父だ。
とか。好みの問題かな。
127 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/02(金) 18:33:12
最初二行と、悲しみよこんにちは、は作者的には絶対外せないんだろうと思った。
カミュの冒頭で始まって、サガンに持っていくやり方で、
こまっしゃくれた文学少女をイメージさせるわけだ。考えている。
だけど、最後二行は、どうなんだろう。好みかなあ。
好みといえば、そろそろボイルドさんは登場せんのだろうか。
指定された席に腰を下ろし、淳は目の前の朝食を見た。ご飯、味噌汁、目玉焼き。そ
れにたくあん二切れと、小皿に載せられた二枚の焼き海苔。せっかくの林間学校なのに、
これではいつもと変わらない。心の中でぼやきながら、何から手を付けようかと考え始
める。眠さのためか考えはまとまらず、結局直感で決めることにした。
「春夫、醤油取ってくれ」
春夫から醤油を受け取ると、淳はそれを目玉焼きにかけた。その直後、隣に座ってい
た健一が声をあげた。
「淳、おまえ目玉焼きに醤油かけんのかよ」
淳は驚いて手を止めた。それから間もなく多くの者が、目玉焼きに醤油をかけるのは
変だと言い出した。
淳の心は驚きに支配された。醤油を目玉焼きにかけるという行為は、淳にとっては当
たり前だった。今まで何の疑いも抱かずに行ってきた習慣である。それなのに周囲の者
は理由を尋ねたり、変だからやめろと命令したりする。それらの言葉を聞いているうち
に、ある新しい感情が淳の心の中に生まれた。淳はその感情を言葉にして吐き出す。
「目玉焼きといったら醤油だろ。目玉焼きと醤油ほど合うものは他にないぞ」
今まで淳はそんなこと、言ったことも考えたことも思ったこともなかった。たった今
突発的に生まれた感情である。そして間もなく反論が出た。すると淳の心の中で、例の
感情が肥大化した。淳はその反論にさらに反論を返した。するとまた反論が返ってきて、
例の感情がまた肥大化する。そのようなやりとりを繰り返すうちに、いつしか例の感情
は、淳にとってこの上なく重要なものとなっていった。目玉焼きに醤油をかけるという
無意識のうちの習慣は、目玉焼きには醤油をかけなければならぬという主張へと変化し
た。いつのまにかその主張は淳にとって、どうしても譲れないものとなってしまった。
「だから醤油はおかしいって」
「ちげえよ、おかしいのはそっちだよっ」
淳は声を荒げながら、言い知れぬむなしさを味わっていた。
end
>129
淳は正しい!
他の連中は何をかけるのか。
>>129 俺も醤油派だから、淳は正しいとしか言いようがw
林間学校で醤油派がたった一人とは思えないんだ。
もし淳がマヨ派やケチャップ派なら、まだついていけるものの。
>眠さのためか考えはまとまらず、結局直感で決めることにした。
言いたいことはわかるんだけど、考えた末の直感、って
言葉のリズムが悪い気がする。
>>90 わろた。
何がわらえたかって、
何でこんなに一生懸命のど飴の描写に字数使ってんだろう、って思ったら、
それがオチだったから。
いや、良かったよ、実際。
135 :
133:2005/09/02(金) 21:26:44
>>134 いや、俺が言いたいのは、
このオチがめちゃ面白い、とかではなく(失礼)
このエロ伏線のために、こんなマイナーな喉飴を頑張って書いている、
作者の熱さ、についてな。
他にないかな、って考えたら、コンビニではあんまりないんだよな。
ネットに入った蜜柑とか、ゆで卵、とかってとこか。
助手の私は二人分のお茶を乗せた盆を持って、いつもと同じ時間に研究室の扉をノック
した。
「おはようございます、博士」
そう言って入った私を、万丈目博士は研究室の中央で仁王立ちになりながら迎えてくれ
た。
「よく来た、猿渡君」
「そりゃ来ますがね。どうしたんです? なんかご機嫌ですね。あ、お茶です」
「そこに置いといてくれ、後でもらうから。それよりもだ、完成したんだよ!」
猫舌の博士はふんぞり返って言った。
「完成したって、何がです?」
机に盆を置き、私は首を捻った。今、ここで研究しているものは、瞬間物質転移装置の
小型化である。それを掃除機に取りつけ、吸い込んだゴミがそのままゴミ箱へと転移され
るようにしようというのだ。完成まではまだまだ時間がかかるはずだった。
「まあこっちへ来たまえ。百聞は一見にしかずだよ」
私の疑問に博士はそう答え、隣の開発室へと入っていった。私は熱いお茶を一すすりし
てからそれに続く。
開発室に一歩踏み入ると、奥に置かれてある見慣れない大きな機械が目についた。
高さは二メートルほどあり、上半分に様々な計器類が備えつけられている。下のほうは
前に突き出ており、赤や青のパネルが不規則に点滅を繰り返している。博士は松本零二世
代なのだ。
「どうだね、素晴らしいだろう」
博士は、その宇宙戦艦の制御室にありそうな機械を誇らしげに叩き、私に感想を求めた。
137 :
万丈目博士の挑戦 2/2:2005/09/03(土) 03:59:01
私は指で眉間のツボを刺激しながら、
「えーと……一回見るより百回説明して欲しいです」
と答える。
博士は意外そうな顔で私を見てた。
「分からんのか? 君も科学者だろう」
「それは無茶です」
「ん、まあいい。これはだな、蜜柑の皮を動力エネルギーに変えるという画期的な機械な
のだよ」
「蜜柑ですか」
「うむ。昨日の晩、お隣の金子さんから夏蜜柑のお裾分けをもらってな、それを食ってる
時に思いついたのだ。今、新型の掃除機を開発しているからな、エコロジーの問題につい
つい思考が流れてしまうのだよ」
「それなら蜜柑の皮だけじゃなくゴミ全般を――」
「思いついて、たった一晩で完成させてしまうとは。やはり私は天才だ」
「聞いてないし」
「ただ、これには問題があってな……」
博士はそう言うと、機械を眺めて溜息を吐いた。
「なんです?」
「蜜柑の皮で動力エネルギーを得ようと作ったのだが、なぜかゆず以外の柑橘類では動か
んのだ」
「ゆずでないと動かない?」
「そう、ゆずでないものでは駄目なのだ」
「テーマに沿った話を書いた」なんて言うつもりはありませんが、
「コントを書いた」という達成感はあります 自覚してます
_, _
( ゚д゚)・・・
_, _
(つд⊂) ゴシゴシ
_, _
(; ゚д゚)・・・
く、くるしい…w
いや、笑ったけどねw
一連の流れに目新しいものはないし、オチも強引なんだけど、
チャレンジ精神は買いw
投下乙!
譲れないもの ゆずでないもの
いじょ
143 :
139:2005/09/03(土) 04:18:51
(*´∀`*)
146 :
きら ◆cTKoBdLY1k :2005/09/03(土) 09:32:18
◆第3回テーマ別1000文字鍛錬大会◆
【概要】
・テーマに沿った1000文字以内の短編を書こう!という企画です。
・現在のテーマは【譲れないもの】になります。
・
>>1を参照の上、お気軽にご参加ください。
【参加作品まとめ】
9/3 9:00現在 9作品
・
>>145 ・投稿規定から外れている作品には、※印をつけてあります。
【参加して下さる皆さまへのお願い】
・規定を読まずに(守らずに、ではなく)投稿される作品への対応が、
少しずつ悪化しているように思います。誰もが初めから完璧にできるわけではありません。
無用な批判や煽りは荒れのもとになってしまいます。
是非「
>>1嫁ゴルァ(゚Д゚#)」と最初のひとりが誘導する、程度に抑えておいてくださいw
(テンプレの修正も随時、行っていきます)
どしどし参加者募集中ー(´∀`)ー。
きらさん乙です。
そして簡素付けてくださった方ありがとうございました。90です。
ご迷惑をおかけしましたが、やっとかちゅの使い方をマスターしました。
次に挑戦するときは、ごちゃごちゃ感脱出を狙います。
またよろしくお願いします。
148 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/03(土) 17:32:22
ごめん、ごめんね?
オチがよく分からないんだけど、
のど飴の形が関係あるの?
149 :
90:2005/09/03(土) 19:34:28
いえ、あの、すみません。オチとよべるほど大したものではないんです。
その喉飴のケースが黄色い球型なのですが
婦人がそれを触ることで、店長のアレを触ってる風にして
愛人の店長を誘惑する合図に使っているという伏線にしたつもりでした。
完全に説明描写不足です(泣)
玉?竿?
ほんの少し未来の話。ある一軒家の2階で一組の若い男女がベッドの中でいろいろ楽し
んでいた。だが、携帯からアラーム音が鳴り響いたとたん、二人とも固まってしまった。
この時代には地震の初期微動を感知して地震波がくる数十秒前に危険を知らせるシステ
ムが構築されているのだ。携帯から鳴り響いたのは、そのアラームであった。
あわてて携帯をのぞき込む男女2人。携帯の液晶には、
「地震波の到達まで後 20秒。予想震度7」
と表示されていた。
地震があと20秒で来ると分かっている時に、するべきことは何か2人ともよく知って
いた。屋外へ逃げるのだ。しかし2人とも全裸である。何か着なければいけない。彼女は
下着を探す。しかしない。さっきこの辺に脱ぎ散らかしたはずだが、と探すも見あたらな
い。あと17秒。はっと顔を上げると、女物のパンツをはいて情けない顔をしている彼氏
と目があった。どうやら慌てて間違えてしまったらしい。あと15秒。
とっさに手近にある物をつかむ彼女。ブラジャーだった。必死にブラジャーを着ける彼
女。彼氏が手伝ってくれた。あと9秒。
もう他に何をしている余裕もない。2人はものすごい速さで階段を駆け下り、屋外に
出た。あと1秒。
数分後、倒壊した家屋の前でブラジャーだけ身につけた女と、女物のパンツをはいた男
が、呆然と突っ立ていた。女はゆっくり顔を男の方に向けて、こう言った。
「それ、返してくれない?」
>>151 …終わり、かな。
なにを意図して書いたものか、俺にはオチがわからかった(´・ω・`)
現実的な話になっちゃうけど、こういうときはシーツとか布団とかにくるまるだろうなぁとか思ったw
なにはともあれ、投下乙です。
>>151 終わりだったのか、やっぱり。
そりゃ当然、
>返してくれない?
ってなるよね。
それでオチはどこに? って首傾げてしまった。
男がフリチンにならざるを得ない、ということなんだが。
面白いかどうかは別として、わからないほどの難解さではなかろう。
152はオチがわからないというより、
言いたいことはわかったけど、それで何か面白いの?
と言いたかったんじゃない?
難解だと思う。前のやつがわかりにくかったから、
他に何か裏があるのかと読み返してしまった。
156 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/09/03(土) 22:30:12
>男がフリチンにならざるを得ない、ということなんだが。
それは分かるけど別に落ちてなくね?
煽りじゃなく「で?」っていうか
>156
お前は批評よりも創作を頑張った方が……。
>>151 オチが読めるかどうかはさておき、
それ以前の文章が失速していると思う。
>地震があと20秒で来ると分かっている時に、
>するべきことは何か2人ともよく知っていた
地震、20秒の表示だけでわかるのに、だめ押し説明を付けることで、
オチを予測する余裕を読者に与えてしまっている。
>女物のパンツをはいて情けない顔をしている彼氏
ここでもうオチが見えているし、っていうかあと17秒で、
そんな冷静に情けない顔出来る? とか突っ込んでしまう。
最近あれだね、感想に対する作者のレスが少ないね。
前スレのときの俺の経験から、独断で言うと、
簡素を待ってるんだと思う。投下して、2つくらい簡素ついた時点で、
まだ来るかな、まだ来るよな、俺がお礼しちゃったらもう来ないよな、
もうちょっと欲しいな、って思ってるうちに……、
2つだけか……、しゅん。
163 :
161:2005/09/03(土) 23:07:30
>>162 あ、でも、上のレス書き方悪かったけど、もちろん2つの感想嬉しかったよ。
読んでもらえただけでも、とても嬉しかったんだ。
だけど、ちょっと、いいとこも書いてもらえたりするかな、って待っちゃった。
待ったが、ちゃんと礼も言ったさあ!
>>151 こういうパニック物なら、説明省いても読んでもらえるし、
思いっきり大胆なオチにしていてもついていけると思いますが、
どうですか?
164 :
151:2005/09/03(土) 23:12:36
151の作者です。END入れるの忘れてました。ごめんなさい。
感想つけてくださった方ありがとうございます。いつもとっても
参考にしています。
しかし笑わそうとして笑ってもらえないとへこみますね……orz。
イメージではおもしろかったはずなんですが、文章にしてみると
これおもしろいか??と自分でも思いました。
でも気のせいだということにして、のせてしまいました。
これ以上どうしたらいいのか思いつかなかったorz
笑わせるって難しいですね。勉強になります。
次はモラルでがんばります。
がんばって!
次回作楽しみにしてます
>>164 頑張って下さい!次の投下お待ちしてます。
自分が良い作品だなっと思うのは他の方の簡素が微妙で
自分がう〜んと思ってしまう作品は評判が良い
こういう場合どうすればいいんだろう
つまりは自分には読解力が無いんですよね
簡素つけたいがこんな自分では正しい判断ができない・・・・・orz
皆さんすいません 一生懸命ロムります
168 :
122:2005/09/03(土) 23:50:41
こんばんは。
簡素付けてくださった方どうもありがとうございました。
実は私も、もう少し、と待っていたのですが、欲張りすぎました、ごめんなさいw
最後の二行は確かに、蛇足でした。。
最初あの部分は、
「涙が止まらなかった。この涙は私だけのものだ」っぽい文章を入れていたのですが、
しかし、あざとい、さすがにあざとい、白ける、
いくらテーマが「譲れない」だからって強引すぎる、とパニックに陥り、
赤面物で書き換えて、さらに赤面物を投下してしまい、冷や汗だらだらでした。
>>167 人の評価は気にせず、自分の思うままに書いたらいいと思うよ。
たくさん作品あるけれど、簡素も賛否分かれているものも結構ある。
酷評付いている作品でも、「ここは光る」ってところは必ずあると思う。
>>167
誰かがイイ!!といってる以上その作品にいいところがあるはずなので
分かるまで何度も読み返している、俺は。
自分がイイ!!と思ったところは言ってあげたらいいと思う。
>>167 なにも臆する必要はないよ、だって感想なんだもの。
もとより完璧な読解なんてありえないんだから、正しいかどうかなんて関係ない。
ここの雑音にやられないていどにタフならば、ぜひ感想を書いてみてください。
意見の違いはどうあれ、ものを見る視点というのは多いにこしたことはないのだし。
>>168 でも上手だったよ。好きな作風だった。
「モラル」での投下も期待してます。
173 :
過ち:2005/09/04(日) 22:57:55
頭がぼーっとする。しかし、過去の記憶は鮮明に頭に浮かんでくる。
自分は間違っていたのかもしれない。いくら後悔しても、時間を巻き戻すことはできない。それなら、後悔などせずに前を向いて生きいくほうがいい。そう考えても割り切れるものではない。
友達などいなかったし、欲しくもなかった。いつも一人でパソコンをしてすごしていた。学校には一応いっていたが、勉強が好きなわけでも、友達がいるわけでもないので
とても退屈なところでしかなかった。学校なんてなければいい、教師なんて、こんな
愚痴を毎日毎日パソコンの向こうがわにいる人に言っていたが、そのうちこんなところでしか、自己主張できない自分に嫌気がさしてやめた。それと同時に学校に行かなくなった。いやなら、行かなければいい。そんな単純なことにも、自分は気づけないのかと自嘲した。
しかし、自分が行きたくないから行かないですむ、そんな単純なことでは
なかった。毎朝、親は自分の部屋の戸を叩いて、学校に行けとうるさくわめきたてた。
1時間くらいするといったんはやめるが、しばらくするとまた来て、学校にいかないでどうする気だとか、近所の人になんて顔して遭えばいいんだとわめきたてた。
俺は我慢できなくなり、逆に親を好きにさせろとどなりつけると親は急に静かになり、
それから何も言わなくなった。俺は俺の好きなようにやってる、そう考えると気持ちよくなった。不満を漏らしながら学校に行くやつらを見下して優越感を得ていた。
しかし、今思えば馬鹿だったかもしれない。最終的に得をするのは学校にいてるやつで
ある。職につくことができ、彼女もできるかもしれない。そんな考えを振り払った。
俺は間違ってない! 俺は間違ってない! 親が死んでから数年部屋から一歩もででない。
174 :
過ち2:2005/09/04(日) 23:01:45
ん? 一歩もででない? まさか。親も友達もいない俺がどうやって一歩もでず
に生きていけるんだ?あれ?おかしいな?頭がくらくらする。
一歩もででないってことは、数年間食べるものものむものも得ることができなかったってことだぞ?
自分が生きているはずがない。おかしい。おかしい。なんでだ。注文をとってた?
食べ物はそれですむとしても確実にどこかでおかしなことになる。胃の奥からすっぱい
ものがこみあげてくる。狂っている。なんでこんなことに。いつから間違ってたんだ?
いや俺は間違ってなんかいない!! いや間違っているね。もう一人の自分が耳元で
ささやく。今はそんなことどうでもいいだろ!!分からない、分からない。なにがおこっているんだ?
親が死んだのは数年前。いくら考えてもその時から出なかったってのはおかしい。
でも外の記憶など一切ない。というかなんで俺の親死んだんだ?
あっ……。おびただしい量の血が目の前に広がり、そこには俺の両親が倒れていた。
幻だと分かっていたが、それを見てまた吐いてしまった。看守が少しあきれながらも
気遣う言葉をかけてくる。これで今日のようになったのは、何度目だろう。そしていつものようにあの言葉が浮かぶ。
俺が間違ってましたと。
>>173-174 字数が1000字を越えていますので、レスを付けることはできません。
改行、メール欄への掲載可否申告、endマーク忘れ、その他、
>>1をよくお読みになり、今後は推敲した上でご投稿下さい。
176 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/04(日) 23:12:17
すいません1000文字超えていることに気が付きませんでした。
その他もろもろ直して出直してきます
>>176 投下乙です!
修正して、もう一度、投稿して下さい。
待ってます。
178 :
過ち:2005/09/04(日) 23:43:53
頭がぼーっとするが、過去の記憶は鮮明に頭に浮かんでくる。
自分は間違っていたのかもしれない。いくら後悔しても、
時間を巻き戻すことはできない。だから自分は間違っていないと言い聞かせた。
友達などいなかったし、欲しくもなかった。いつも一人でパソコンをして
すごしていた。学校には一応いっていたが、勉強が好きなわけでも、
友達がいるわけでもないのでとても退屈なところでしかなかった。
高校1年の時ぐらいから学校に行かなくなった。まあ、自然の流れであった。
しかし、自分が行きたくないから行かないですむ、そんな単純なことでは
なかった。一日中学校に行けとわめきたてる母。うるさい。
俺は我慢できなくなり、逆に親を好きにさせろとどなりつけると親は
急に静かになり、それから何も言わなくなった。
俺は俺の好きなようにやってる、そう考えると気持ちよくなった。
不満を漏らしながら学校に行くやつらを見下して優越感を得ていた。
今思えば馬鹿だったかもしれない。最終的に得をするのは
学校にいるやつである。職につくことができ、金を稼げる。
そんな考えを振り払った。俺は間違ってない! 俺は間違ってない!
俺は親が死んでから数年部屋から一歩もででない。
>>178 ズンだとしたら、いい加減にしろと言いたい。
ズンでなかったとしたら、
メール欄にその手の煽り文句は書かないでください。
それは誤った使用例です。
180 :
過ち2:2005/09/04(日) 23:45:38
ん? 一歩もででない? まさか。親も友達もいない俺がどうやって一歩もでず
に生きていけるんだ? あれ? おかしいな? 頭がくらくらする。
一歩もででないってことは、数年間食べるものものむものも得ることが
できなかったってことだぞ? 自分が生きているはずがない。
おかしい。おかしい。なんでだ。注文をとってた? 食べ物はそれですむとしても
確実にどこかでおかしなことになる。胃の奥からすっぱいものがこみあげてくる。
狂っている。なんでこんなことに。分からない、分からない。
なにがおこっているんだ? 親が死んだのは数年前。いくら考えてもその時から
出なかったってのはおかしい。でも外の記憶など一切ない。
というかなんで俺の親死んだんだ?
あっ……。おびただしい量の血が目の前に広がり、そこには俺の両親が
倒れていた。幻だと分かっていたが、それを見てまた吐いてしまった。
看守が少しあきれながらも気遣う言葉をかけてくる。
これで今日のようになったのは、何度目だろう。
そしていつものようにあの言葉が浮かぶ。
俺が間違ってましたと。
またズンか。
もう華麗にスルーしておきましょう。
(
>>1ってそんなに難しいかなぁ。。)
これだけ大人げないと、ちょっと可愛そうになるな。
顔まで晒してるくせに、大丈夫なのか、こいつ。
ねっとりとスルー
必要以上の煽りはやめておきましょうね。
ここまで。
投下待ちです。
185 :
129:2005/09/05(月) 00:00:32
>>131,
>>132 感想を書いていただいて、どうもありがとうございます。
132さんのおっしゃる通り、醤油派が一人ってのは無理がありますね。
この作品で描こうとしたのは、執着心が形成されるまでの過程です。
自分の習慣が周囲から否定される
→その習慣を正当化しようとする意識が働く
→執着心が生まれる
という流れに持って行きたかったので、
淳vsその他全員という構図が必要だったんです。
実は書いている途中、自分でも、
醤油派一人ってのは無理あるなって思ってました。
131さんと同様に、淳以外は何をかけるのかという疑問もいだきました。
私はそういった矛盾点や疑問点を、未解決のままにしてしまいました。
作品の矛盾点や疑問点は読者にも伝わるものだと実感しました。
深く反省して次に生かしたいと思います。
186 :
178:2005/09/05(月) 00:06:23
本当に迷惑かけてすいませんでした。
また了をつけわすれてしまいました。
>>179 >メール欄にその手の煽り文句は書かないでください。
>それは誤った使用例です。
なにがいけなかったのでしょうか?今後の糧にしたいので教えて下さい 。
>>185 ああ、あなた夜の妖精の人だね。
>→その習慣を正当化しようとする意識が働く
>→執着心が生まれる
こういう流れを書き出したかっただけなら、
別に孤立構図は必要ない気がするんだが、どうだろう?
つまり、「絶対醤油だろ」と俺は思ってるので、
隣の奴がソースをかけた瞬間、「は? 何それ?」ってカチンと来る。
寝ぼけているときなら、それは十分ありうると思うんだが。
>>185 自分で疑問持っちゃったら、絶対ばれるよw
俺なんて自分で疑問持たないところまで、ばれまくりだからね。
さてさて、投下待ちといたしましょう。
190 :
129:2005/09/05(月) 00:41:11
>>187 >ああ、あなた夜の妖精の人だね。
いいえ。私は129で初めて投降しました。
ご感想ありがとうございます。
確かに、孤立構図は必ずしも必要ではなかったかもしれません。
孤立構図にした理由は単なる好みです。
あと、そうした方が印象的かなと思いまして。
>つまり、「絶対醤油だろ」と俺は思ってるので、
>隣の奴がソースをかけた瞬間、「は? 何それ?」ってカチンと来る。
淳は、周囲の児童から指摘されるまでは
醤油をかけることにこだわりを持ってはいないという設定です。
自分の習慣が否定されるという「窮地」に追い込まれて初めて、
習慣への執着が生まれるというわけです。
つまり淳が醤油にこだわり始めるためには、
窮地に追い込まれる必要があったのです。
ソースをかける奴を見るだけでは、「窮地」としては不充分だと思います。
191 :
129:2005/09/05(月) 01:10:15
すみません、190の書き込みを一部訂正します。
×投降 ○投稿
>>189 今回の経験を生かし、今後作品を書く際には
疑問を残さないように心がけようと思います。
>自分で疑問持たないところまで、ばれまくり
作者自身気付かないようなところまで、
指摘されてしまうものなんですね。
読者の目というのは鋭いですね。
その鋭さに耐えきれるような作品を
書けたらいいなと思っています。
それでは改めて、投下待ちということで。
192 :
187:2005/09/05(月) 07:29:09
>>190 あら、初投稿でしたか。すみません。
解説アプローチが似てる気がして、つい。
孤立構図は難しいよね、俺も好みだけど、書けないや。
ではでは、投稿待ちということで!
前スレで「雷雨」を書いた物です。メール欄に「満載可」
と書いていたのはふざけてるわけではなく、単に俺が
あほなだけです。orz
「掲載可」ですよね……
というわけでまとめサイトの管理人さん、乗せてください……。
m(_ _)m
学校とはこんなに不気味なところだったのか。黒いランドセルを肩にかけ、シーンと静
まりかえった放課後の廊下に立ちつくしながらタカシひとりそう思った(忘れ物なんてす
るんじゃなかったな)昼間とはうってかわって別世界のような廊下の静かさに思わず足が
たじろぐ。(もう帰ろうかな)しかし、そういうわけにはいかない。タカシの胸元には6年
生の黒い名札が凛然と輝いているからだ。(よし、いくぞ)そういって自分を勇気付けると
足を小さく一歩前へと踏み出した。その時、不意に頭の中で昨日見たホラー映画の場面が
よみがえってきた。人気のなくなった深夜のデパートで殺人鬼に追い回されると内容だ。
殺人鬼が近づくときまってコツンコツンいう足音が廊下に鳴り響き、主人公は頬に冷や汗
を流しながら必死に隠れ場所を捜すのである。(おもいだしちゃいけない)タカシそれを必
死に意識の外へら追い払おうとする。しかし、こんなときこそ想像力はフル稼働してしま
うものなのだ。脳裏に恐ろしい殺人シーンのひとつひとつが浮かび上がっては消えていく。
それがようやく収まったとき、もうタカシの胸の奥は恐怖心でいっぱいなっていた。気が
つくと手足は凍ったように硬くなっている。もう一歩たりとも前に踏み出せない。タカシ
195 :
プライド2/2:2005/09/05(月) 23:13:04
は時間が止まったように完全に静止してしまった。その時、後ろからコツン、コツンと足
音が聞こえてきた。コツン、コツン。だんだんとタカシのいる廊下へと近づいて来る。コ
ツン、コツン。タカシは間違って昨日の映画の中に入りこんでしまったような気がした。
コツン、コツン。頭の中で殺人鬼がニヤリと口を広げて笑い。ズブリとナイフを突き立て
られる自分の光景が何度もフラッシュバックした。コツン、コツン。足音はもうはっきり
と後ろに聞こえた。どくん、どくん。どくん。今や、タカシの心臓は爆発しそうな勢いで
高鳴っていた。口元は恐怖でかワナワナと震えている。その時、叫んだ。口を張り裂けん
ばかり広げ、赤ん坊が泣くように、タカシは夢中で叫んだ。その時、体が動いた。夢中で
前方へと駆け出す。全身の血管に力があふれかえっているのを感じた。その力に身を任せ
るようにタカシは廊下を駆け抜けると、そのまま猛スピードで突き当たりの階段を駆け下
り1年生の土間から外へと飛び出した。はあー。視界いっぱいに運動場のグラウンドと夕
焼けの赤い空が視界に広がる。その時、風が吹いた。その風はグラウンドの土を天高く巻
き上げた後、タカシ黒く湿ったパンツの中を通り過ぎ消えた。(完)
>>194 >タカシ黒く湿ったパンツの中
ごめん、読み解けない。ここがオチなのか?
プライドが譲れないものだということはわかったが、
後半プライドというタイトルから少しずれてしまったような気がする。
>>196
.もらしたって意味です。
解説つけたってことは、
助詞がないのはわざとなのか? 英語直訳風?
わざとでわないです。下手だったらのならすみません。
>>194-195 まず、見直しをしましょう。
誤字脱字が多いと、それだけで読み進めるときの障害となってしまいます。
タカシくんの「プライド」を「譲れないもの」として書いたのだと思いますが、
ホラー映画を思い出して先生か誰かの足音に驚き、逃げ出してしまうタカシくんと、
「プライド」の繋がりを見いだすことができませんでした。
文章は可もなく不可もなく、といったところだと思います。
これはたくさん小説を読み、たくさん書いていけば力がつくでしょう。
きつい感想になってしまいましたが、基礎はできています。
これからも続けていけば、問題ないはずです。
次作、期待しています。
>>200 無用な煽りはやめましょうね。
202 :
200:2005/09/05(月) 23:40:26
いや、煽りではなくて、助詞がないのはわざとか?に対して、
さらに助詞を間違えて、でも謝っているから、
もしかして、日本語が第二外国語とかそういう人なのかと思ったんだ。
>180
ごめん、わからなかった。
>注文をとってた?
は「出前を取ってた?」の方が自然でしょ。
注文を取る、って店側の表現のように思いますよ。
>>194-195 投下乙!
タカシ目線の、崩壊後の学校の怖さと、
タカシの精神状態が良く書けてると思う。
次は誤字脱字に気をつけて、また投稿してくれ。
205 :
204:2005/09/06(火) 00:01:49
崩壊後の学校って何だ俺。そりゃ怖いってorz
放課後の間違いですた。
>>194 1000字に合わせるのに必死だったと思うんだが、
>1年生の土間
説明描写不足が多い気がする。
土間という言葉はまあ古くさいにしても、考えればわかるが、
一年生の土間、となると、首を傾げてしまう。
こういうところで読者を立ちどまらせるのは損だ。
放課後の、と冒頭にあるが、それ以外放課後の学校の描写がなく、ほぼタカシの心理のみなので、
ラストで、夕焼け、と描かれると、
ああ、放課後だったけ、そうだったっけ、とまた立ち止まってしまう。
映画のネタを引っ張ってきたから、余計に景色の描写不足が目立ってしまうんだと思うよ。
俺達はジャングルジムのてっぺんに座っていた。風が冷たくて、吐く息も白い。月はコン
パスで描いた用に丸くて、銀色に光っていた。
眼の良い俺には月のクレーターまで確認できた。だけど美咲は「そんなの見えない」と笑
っていた。
隣に座っている美咲の横顔が、月の下で青白く光っていた。手を握ろうか、と思ったけど
恥ずかしくて止めた。
「夜空って…綺麗やったんやねぇ」美咲が淋しそうにつぶやいて続けた。
「もっと見とけばよかったわぁ」
「うん、綺麗…だよな」
「…なんか標準語じゃ感動がつたわらへん」美咲が頬を膨らませる。
「言われても…」
「綺麗”やな”」
「…はい、綺麗ヤナァ」
「それで良い」関西独特な発音で、満足そうに言う。俺は思い切って美咲の手を握った。彼
女の手は冷たかった。彼女はためらいを見せず、強く握り返した。心臓の音が少し大きくな
って、妙に体が熱くなるのを感じる。繋いだ手も汗ばんできた。だけど俺達は、ずっとそのま
までいた。
「しゅんちゃんの手ぇ熱いなぁ」
「離す?」
「…離したかない」
「俺も」
苦笑した。
「今なぁ、心臓がすごいバクバクしとる。体もアホみたいに熱いねん。でもな、コレが幸せっ
てヤツなんやなぁ、うち、しゅんちゃんと一緒にいられて、すごい幸せなんよ」少し顔を林檎
にさせていた。俺も、そうかもなぁとぼんやり心の中で同意した。コレが幸せなんだろう。好
きな人と、一緒にこうしていられることが。
「好き…やで美咲」
「ほんま!?」俺も少し顔を林檎にして、うんと応えた。
「なら、キスしよ」
「えっ…ご勘弁を「すうゆうたらするの!!」はい、と首を縦に振るしかなかった。美咲は笑うと、
眼を閉じる。俺は少しためらいながらも、美咲のマシュマロの様に柔らかい唇にそっと、キ
スをした。2、3秒してすぐに離れた。
「…へへ、ありがとぉ」美咲は笑うと、俺の腕に巻きつく。
「でも、もうお別れせなぁ」
美咲はそういうと、繋いだ手を離して、立ち上がった。俺は不安になった。
「待って!!」俺はそう叫ぼうとしたけど、彼女は人差し指を唇に寄せ、微笑んで、
「ありがとう、楽しかった」。
そして、俺は、目が覚めた。自分はベッドの上、太陽が顔を出しかけていて、窓から光が
入ってきていた。ここはジャングルジムじゃない。息を吐いても白くない。月の下でも、美咲
の隣でもない。
ここは現実だ。
「あぁ、そうか」
今日は、七夕だったか。
終
>>207-208 まず推敲してほしい。
そして、会話文のカギ括弧の使い方は様々あるが、
統一感がなさすぎると読みにくいだけなので損。
あと、何をもって譲れないものとしたかったのかはわかったが、
最後夢オチになっている分、主人公とテーマの繋がり弱いようにも思えた。
夢オチで譲れないものに気付いたということなら、その部分の心理はいると思う。
七夕だった、だけでは、余韻が薄い。
七夕の二人に、主人公達をなぞらえる説明も欲しいかも。
ジャングルジムも月も、主人公の思い入れが見えないから、
なんだか唐突すぎて、せっかくの綺麗な小道具が勿体ないと思う。
>>207 字数も余っているようなので、もう少し書き込んでみてはどうでしょう。
全体的に説明が足りなくて、関西弁で言うと、ほっぽりだされてる感じ、かな?
>…なんか標準語じゃ感動がつたわらへん
なぜ二人の言葉が違うのか、
もとは幼馴染みで、俺は東京に出て長いのか、
もともと違う言葉の二人なのか。
その部分があるだけで、二人がもっと生き生き動き出すと思う。
212 :
きら ◆cTKoBdLY1k :2005/09/06(火) 22:42:39
◆第3回テーマ別1000文字鍛錬大会◆
【概要】
・テーマに沿った1000文字以内の短編を書こう!という企画です
213 :
きら ◆cTKoBdLY1k :2005/09/06(火) 22:43:35
◆第3回テーマ別1000文字鍛錬大会◆
【概要】
・テーマに沿った1000文字以内の短編を書こう!という企画です。
・現在のテーマは【譲れないもの】になります。
・
>>1を参照の上、お気軽にご参加ください。
【参加作品まとめ】
9/6 22:30現在 13作品
・
>>145,211
・投稿規定から外れている作品には、※印をつけてあります。
どしどし投稿お待ちしていますorz
214 :
僕の夢:2005/09/07(水) 23:53:48
「松田君、君の第一志望はまだT大学なのか?」
「はい、T大学です」
「模試の結果から見ても相当厳しいぞ」
「知っています」
「変える気はないのか?」
「ありません」
予備校の進学相談係の職員は、あきらめと哀れみの入り混じった顔で僕と模試の結果を
交互に見ている。
「松田君、T大学を受ける事は別に構わない。しかしせめて抑えぐらいは受けなさい」
「いえ、T大学一本でいきます」
「予備校の費用も安くないんだ。堅実を見ろ。いい加減ちゃんとしてだな
親御さんへの負担を」
「大丈夫ですから」
僕の有無を言わさせぬ態度に、予備校の職員はもう何も言えなかった。
215 :
僕の夢:2005/09/07(水) 23:55:53
僕は凄く腹を立てていた。パンにかぶりつき一気にそれをコーヒー牛乳で流し込む。
こんな時は何か胃におしこむのが一番のストレス解消法になる。
何が現実を見ろだ、どうして夢をあきらめろと言うのだ。
夢をあきらめるなと言ったのも努力すれば夢は叶うと言ったのもあいつら、
そう大人達だ。僕はその言葉をずっと信じてきたんだ。
だから僕は一生懸命、誰よりも努力をしてきた。
小学校の時も中学校の時も高校生になったって僕はいつだって頑張ってきた。
T大学に入りたいから、それが僕の夢だったから。
僕だって何度転んだか解らない。いつだって苦しかった。でもその度に耳に響いてきた
「夢をあきらめるな、努力すれば人間は何でもできるんだ」という言葉。
だから僕は起き上がった。そしてまた頑張ったんだ。
なのに大学受験に失敗した途端に大人達の言葉は180度変わった。
「人生あきらめも大切だ。」「そろそろ引き時なんじゃないか」
あまつさえ「努力だけではどうしようもない事もある」と言う。全くふざけた話だ。
僕はさっき色々と説教してきた職員の顔を思い出した。
なんて疲れた瞳をしているんだろう。きっとあの人は世の中に何の希望も無いんだ。
そういう瞳で周りを見ているから、きっとあんな顔になってしまうんだ。
僕はコーヒー牛乳を飲み干した。テキストを開く。自然とシャーペンを握る手にも力が入った。
さぁ頑張ろう。今年で浪人6年目。だけど僕の夢は終わらないんだ。
END
>>214-215 うーん、ショートショートはオチが全てだと思うんだ。
これではオチが見えてしまうし、
オチとの落差がなさすぎて、後味の悪さだけが残ると思うんだな。
いや、後味悪いショートショートは嫌いじゃないんだけど、
後味の悪さを狙うなら、もっと際どいところまでいってほしい気がする。
>僕の有無を言わさせぬ態度に、予備校の職員はもう何も言えなかった。
ここよくわからないのは
一人称神視点?
主人公は、どうしてそんなにT大にこだわるの?
そこにリアリティがないかも……。
あと、「現実」が「堅実」になってるね。一箇所。
219 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/09/08(木) 00:18:29
>>214 ありふれた感があって前半はつまらない。
後半もつまらない。
締めもつまらない。
もう少し内容をひねるべき。
220 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/08(木) 00:35:06
あげ
>>214 俺なら最初6行は書かない。
7行目からでもT大への固執はわかるし、成績悪いこともわかる。
>僕は凄く腹を立てていた。
ここもパンにかぶりつく描写でわかる。前半は半分に圧縮できると思う。
その分、後半二段オチくらいにしたらどうだろう。
オチが弱すぎると思う。
222 :
僕の夢:2005/09/08(木) 18:27:50
『僕の夢』を書いた者です。皆さん簡素どうもありがとうございます。
えっとやはり全体的にオチが弱すぎるという意見が多いみたいですね
確かにあれだけでは私も弱すぎると思います。
でもこの作品では私的に伝えたいことがあったので、
あまりオチは考えなかったんです。で、その伝えたかった事なんですが、
よく世間で簡単に言ってしまう「夢は叶うよ」みたいな発言で
たまに本当に松田君みたいな勘違いさんも出てしまうのではと思いまして、
だからそんな言葉はたやすく言うべきではない、と伝えたかったんです。
でも全然表現できてなかったみたいですね orz もう少し工夫しみます。
すいません ↑間違いました 逝ってきます
>>222 そういうことが言いたいことはとてもよくわかった<書いてあるから
言いたいことが書けたから満足だと本人が言うなら「鍛錬所」に出すなくらいしか言うこと無いが
ありきたりな主張をありきたりに書かれても、厨房の弁論大会の予選じゃないんだから、と思う
>215
なのに大学受験に失敗した途端に大人達の言葉は180度変わった。
「人生あきらめも大切だ。」「そろそろ引き時なんじゃないか」
あまつさえ「努力だけではどうしようもない事もある」と言う。全くふざけた話だ。
この三行を削除すれば、すっきり解決。
>>224 222です。ホントその通りですよね ごめんなさい
今、改めて読み返してみたらなんて傲慢な文章なんだろうと自分でも思いました
もっと基本的なことを身につけてから出直したいと思います
簡素をくれた方、読んでくれた方どうもありがとうございましたm(_ _)m
>>226 過疎板だからあんまり人いない(感想付かない)けど、
次テーマでも是非参加してね。
乙です。
みんな書き方がちょっときついよ。
もうちょっと優しくして。
でないと泣いちゃう(´・ω・`)
>>222さん。
内容は傲慢かもしれないけど、あなたの文章には力がある。
多分、この作品を書いているときには迷いがなかったんだろうと思う。
それは情熱を創作のエネルギーに昇華できたということだ。
今度からは、その情熱を、読む人のことも考えながら燃やしていけばいいんじゃない?
あなたは才能があると思うよ。人から何を言われても、自分のやりたいことを
やり通す人だと思う。そういう人はいつか成功する。
だから、めげずに頑張ってね。
でもね、自己満足に終わらないことって大事だと思う。
作品で描きたいことを伝えるわけだから、
読者にそれが伝わらなかったのは、自分の技術不足。
あんなオチつけたら、とほほ系のショートショートだと思われて当然だし、
逆にあのオチがなかったら、ただの愚痴でしかないよね。
小説になってない。
簡素は良いところ悪いところあげてもらわないと鍛錬にならないし、
決して、書き方きつくはないと思うよ。本人もそれをわかる人だと思う。
230 :
sage:2005/09/09(金) 12:09:47
あけ”
231 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/09(金) 19:30:43
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232 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/09(金) 20:12:21
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投下を心よりお待ちしております。
234 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/10(土) 00:58:05
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236 :
きら ◆cTKoBdLY1k :2005/09/10(土) 01:41:59
◆第3回テーマ別1000文字鍛錬大会◆
【概要】
・テーマに沿った1000文字以内の短編を書こう!というスレです。
・現在のテーマは【譲れないもの】になります。
・
>>1を参照の上、お気軽にご参加ください。
【参加作品まとめ】
9/10 1:30現在 14作品
・
>>145,211,325
・投稿規定から外れている作品には、※印をつけてあります。
どしどし投稿お待ちしています。
きらはコンスタントにアンカーを間違うな
そんなきらにちょっと萌える夜もある
きら乙!いつもいつも感謝しておるよん
>>236の一部訂正です。
【参加作品まとめ】
9/10 1:30現在 14作品
・
>>145,211,235
・投稿規定から外れている作品には、※印をつけてあります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
>>237-239 すみません、なんかぐだぐだですねorz
気をつけます。
最近、流れがゆっくりになってきましたね。
二作目の投下を解禁するべきでしょうかか?
(ハッキリと禁止はされてないですが)
それとも
>>400あたりまでは今のままで行くべきか…、レスをお願いします。
前スレで二作書いてしまったとは、口が裂けても言えませんw
前スレに七作書いたのは俺だな
今はもうガス欠起してスカみたいな話しか思いつかん
>>242 お前を待っていたんだよ、俺は。さあ、書け、立て、立ち上がれ。
>>241 いえ、何作も投下していただくのが悪いという話ではないですよ。
前スレの場合はそれで盛り上がったりと、規制する必要はなかったのですが、
今回は
>>2-450と
>>451-1000でテーマを分けてみたため、
あまり複数投稿が続くと速く埋まってしまうかもしれない、ということです。
それでもそのほうがいいという意見が多数を占めるようでしたら、
テンプレ追加も考えてまとめていこうと思っています。
だからスカみたいな話しか思いつかんのだって
全部くっだらないネタばっかりで、やけになって一番くだらないネタを選んで書いたのが
>>136
>>245 もちろん気付いていたさ……
俺、なかなかにファンじゃね?
249 :
彼1:2005/09/10(土) 12:27:51
公園でランニングをしている彼を見て僕は思わずはっとなった。僕が彼を始めて認知し
たのは今から2年前。やはり彼がここでランニングをしている姿を見たときだった。そ
の時はとりわけ関心を払うわけでもなくただ数多の事情のひとつとして認識しただけ
だったが、あることがきっかけで僕と彼は急接近を果たすことになる。それは体育のマ
ラソンの時間の時だった。その時僕と彼はたまたまペアになって、彼がさきに走り僕が記
録をつけることになっていたのだが。レースが始まるやいなや彼はスタート時からトップ
を独走し、度肝を抜かれた僕を横目に2位に1周差以上をつけてゴールインしてみせた。
「きみ、すごいね!」帰ってきた彼に向かって、僕は驚嘆の第一声をあげた。それを聞く
とよほどうれしかったのだろう彼は顔にこれ以上にない笑みを浮かべた。僕はそんな彼の
ことが一目で彼が気に入った。そして、しばらくして僕らは友達になった。彼と僕はまる
でパズルのピースのように気が合ったのだ。そして、しばらくして彼がマラソンの全国大
会出場のキップを手に入れた。僕はなんでそんなに凄いのかといって喜んだ。すると彼は
急に真剣な顔になって、「たぶん、自分にはそれしかないから」といった。そしてこう続けた
250 :
彼2:2005/09/10(土) 12:28:57
「俺にとってマラソンは全てなんだよ。俺って顔もよくないし、ほらお前と違って勉強
もできないだろ」たしかにその当時、僕の成績は抜群だった。僕はそのことに大きな自
負心を感じ始めていたほどだ。彼は続けた。
「負けられなんだよ、誰にも。これを除いたら俺にはなにもなくなってしまうから、どん
なに苦しくても、これだけが俺に誇りを与えてくれるから。だから、俺はいつも前へと
向かって走るんだよ。」
そういった彼の表情は真剣そのものだった。
今の彼のタイムはトップだったころの半分くらいにまで落ちこんでいる。春の大会では
ついにレギュラーから降ろされた。一方僕の方もテストの成績を落とし、国立は断念す
るようにと先生から言われた。それからというもの僕たちの関係は急にぎこちなくなり、
もう口を聞いていない。僕はもう私立の受験に向けての準備を進めている。でも彼は違う。
こうして今も公園のグラウンドを走り続けているのがその証拠だ。どんなにプライドを
踏みにじられ、惨めな気持ちを味わさせられても、彼はまだ前へと向かって走り続けてい
るのだ。すると僕の方は急に彼に申し訳ないような気分になってきて、心で彼に見つから
ないようにと願いながら早足で公園を通り過ぎた。(完)
>>249-250 良いと思う。こういう後味の悪い話というのは、すごく書くのが難しい。
あえてそこにチャレンジして、きちんとそのハードルをこえてると思う。
丁寧な文章が、基盤を支えてるんだろね。
ラストにもう少し、何らかの示唆的な内容みたいなのがあれば、
よりしっかりした作品になっただろうね。(すごく高度なことだけど……)
ただ一つ難を言うなら、出だしが少しわかりにくいかな。
時制が急に飛ぶから、設定を把握できない。
例えば、
「僕」が公園の近くを通りかかり、「彼」を見かける。はっとなる。
段落を変えて、二年前の話。
とかすると、分かりやすくなるかな、と思ってみたり。
すみません、ちょっとでしゃばったことを言って(^^;
レベルの高い作品をありがとうございました。
253 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/10(土) 12:47:45
>>252 >丁寧な文章
??
>顔にこれ以上にない笑みを浮かべた。
>僕はそんな彼のことが一目で彼が気に入った。
>僕はなんでそんなに凄いのかといって喜んだ。
>負けられなんだよ、誰にも。
>>249-250 後味の悪い話、とあったが、
後味が悪いだけで、僕の悩みも、彼の希望も、なんか中途半端かな。
もっと彼が魅力的か、あるいは僕がもっと内面を吐き出していれば、
心に残ると思うのだけれど。
>あることがきっかけで僕と彼は急接近を果たすことになる。
>それは体育のマラソンの時間の時だった
書き出しのこのあたりがもたもたしてテンポ悪い気がする。
急接近ってほどドラマチックではないし、
それなら体育の時間から初めても良いのではないだろうか。
>よほどうれしかったのだろう
>僕はなんでそんなに凄いのかといって
そんなぶっち切りで勝ってたら、嬉しいのは当然だし、
ここで彼と僕がシンパシー感じてしまうところに説得力ないような気がする。
これがたとえば目立たない競技で、でも彼は秘かに凄くて、
それを僕がたまたま見つけた、という流れなら、まだわかるんだがな。
マラソンってのは学校生活ではわりと花形競技だし、
すごい、という言葉は、彼は聞かされなれていたと思う。
わざわざ僕が見つけてやらなくても。
256 :
おらよ:2005/09/10(土) 20:28:00
!
| 丶 _ .,! ヽ
> ``‐.`ヽ、 .|、 |
゙'. ,ト `i、 `i、 .、″
| .,.:/"" ゙‐,. ` /
` .,-''ヽ"` ヽ,,,、 !
、,、‐'゙l‐、 .丿 : ':、
、/ヽヽ‐ヽ、;,,,,,,,,,-.ッ:''` .,"-、
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,.イ:、ヽ/ー`-、-ヽヽヽ、−´ .l゙`-、
_,,l゙-:ヽ,;、、 、、丶 ゙i、,,、
,<_ l_ヽ冫`'`-、;,,,、、、、.............,,,,、.-`": │ `i、
、、::|、、、ヽ,、、. ```: : : ``` 、.、'` .|丶、
.l","ヽ、,"、,"'、ぃ、、,、、、、.、、、.、、、_、.,,.ヽ´ l゙ ゙).._
,、':゙l:、、`:ヽ、`:、 : `"```¬――'''"`゙^` : ..、丶 .l゙ `ヽ
,i´.、ヽ".、".、"'ヽヽ;,:、........、 、、...,,,、−‘` 、‐ |゙゙:‐,
,.-l,i´.、".`ヽ,,,.".` `゙゙'"`'-ー"``"``r-ー`'": _.‐′ 丿 ,!
j".、'ヽ,".、".、"`''`ー、._、、、 、._,、..-‐:'''′ .、,:" 丿
゙l,"`"`''ヽヽ"`"` ```゙'''"ヽ∠、、、、ぃ-`''''": ` 、._./` ._/`
`'i`ヽヽヽ`''ーi、、、: : 、.,-‐'` 、/`
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`"'゙―-、,,,,..、、 : ..,、ー'"'`
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258 :
きら ◆cTKoBdLY1k :2005/09/11(日) 03:23:58
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆第3回テーマ別1000文字鍛錬大会◆
【概要】
・テーマに沿った1000文字以内の短編を書こう!というスレッドです。
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どしどし投稿お待ちしています。
259 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/09/11(日) 20:37:53
ホー、ホー、ホーホケキョはうぐいす。
スレッドストップはかっこう。
スルー
投下待ちです
261 :
きら ◆cTKoBdLY1k :2005/09/13(火) 02:43:54
つーか、ただでさえ過疎ってきてるのに別スレなんか立てたら、ますます人がいなくなるんじゃないか?
昔々、比叡山に少年がいた。夜中に僧たちが言った。
「そうだ、ぼたもちを作ろう」
この少年、この話に期待して聞いていた。だけれども、作り出すまで待って寝ないのも、
体にあまりよくはないだろうと少年は思った。少年は部屋の隅で寝たふりをして、出来上
がるのを待つ。しかし、ちょうどそのとき、ぼたもちを作ろうとして僧たちはひしめき合
っていた。
この少年、きっと起こしてくれるだろうと思って待っていると、ある僧は言った。
「もしもし、起きてください」
少年は嬉しいと思ったが、一度返事をしてしまうと待っていたのかと思われるかもしれな
い。今一声呼ばれるが、少年は返事をするのを我慢して寝たふりをした。
すると、
「やや、幼き人は寝てしまった。起こしてしまうのは悪い」
と言う声が聞こえ、少年はああ困ったと思った。少年はまた起こそうとしてくれるだろう
と思い、寝たふりをしながら辺りに耳を澄ました。むしゃむしゃとぼたもちを食べる音が
した。少年は今起きるのはまずいと思って、しばらく経ってから、
「えい」
と言った。すると僧たちは宵の中、大声で笑い続けた。
なんで「ちごのそら寝」を書いてるのえいいち君。
264じゃないけど、あれは昔話として伝わってる話だよ。題名も知らないけど。
なんでまた。誰も知らないとでも思った?
>えいいち
悪いが俺も知っていた
でも「ちごのそら寝」というタイトルだとは知らなかったな
酷評スレで一度あったでしょう。青空文庫から取ってきたやつ投下して、
酷評よろしくって挨拶して、さんざん皆に叩かれた後、
「ありがとうございました。夏目先生に伝えておきます」って高笑いした人。
あれをやりたかったんだろうね。
でも、えいいち君がそこまで追いつめられたのはしょうがないと思うよ。
いつまでたっても、自分のお題、モラルに届かないんだもん。
待っているのが辛いんだよね。気持ちはわかるよ。
「参考にしろよ凡人共」
byえいいち
たぶん宇治拾遺だよ。国語の教科書に採用されている。
>>271 いや、もちろんそのつもりで書いたのだが……
いざ、かいもちひせむ
274 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/09/13(火) 23:25:52
>>263 題名を忘れた。題名は「児のそら寝」だ。
つい今日、国語の授業で翻訳したので、一部推敲して投稿してみた。
今一度読み返してもこの説話は感動する。
>>264-271 何を今更。
何を今さらスレ違い。
えいいちのしていることは犯罪行為だよな、気分的に
えいいちの息切れ
著作権侵害ではないよ、たぶん。
えいいち、スレを進めたいなら、簡素書いてくれないか?
451に届きそうにない、えいいちの焦り、戸惑い。そして、稚児の空寝。
しかし今えいいちがしたことはお世辞にもいい行為とはいえないだろうな
パクルなよクズ
このスレを盛り上げるために、名無しでたくさん書いていたズンも、怒っていなくなりました。
自分の作品として発表ですか?
最低だな…
これは……流石に失望したよ
ああ、でも、このスレまだこれだけ人がいるってわかってよかった。
ちょっと寂しかったから。えいいちに感謝するのはそこだけ。
>>286 俺も
右往左往してるきらがちょっと可哀想だったし
テーマが難しいのかなあ。
夜とか海なら、景色描写だから、たくさん思いついたんだけどね。
>>288 だろうね
練習なんだし沢山書けなきゃ意味ないし
過疎ではなかったのか。
291 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/09/13(火) 23:45:44
すげー上とレス数が同じだw
野性スレとでしょ?
ちょっと笑った
しかもね、私誤爆っちゃった。野性スレに
>>294 GJw
今書いてる人いんのかな?
埋めちゃう?
書いてる人いたと思う、もう少しでまとまる、ってどこかで見た。
どこだったか忘れたけど。
そっか…じゃあ400くらいまでとか
298 :
きら ◆Hsv0M8tCl. :2005/09/14(水) 03:18:43
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◆第3回テーマ別1000文字鍛錬大会◆
【概要】
・テーマに沿った1000文字以内の短編を書こう!というスレッドです。
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>>1を参照の上、あなたの考える【譲れないもの】をテーマに、
お気軽にご参加ください。
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投下とそれに対する感想以外の話題は、できるだけこちらでお願いします。。
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299 :
文化祭:2005/09/15(木) 18:43:54
今日は土曜、あとは四限目のHRを残すのみ。肝心のHRの内容は来月行われる文化祭
のクラスの催し物決めだ。四限目の大まかな流れは予め設置した目安箱から上位五つまで
案を取り上げ、不都合のあるものはこの時点で取り除かれて、さらにクラス全員で多数決
を取り、過半数を取得した案が採用される。実にシンプルかつ民主的。クラス委員でもな
い限り一回手を挙げて終わりだ。
「それでは目安箱のなかを読み上げます」
読み上げられたものから順番に黒板に書き足される。喫茶、演劇、演奏会、展覧会……
(以下略)。
なんだかまともそう案が連なっていそうだが、私の脳内で検閲を掛けているのだ。実際
はこれだ。
・メイド喫茶(コスプレも可) 正正
・舞台版昼ドラ 正正
・遠見様コンサート 正正
・展覧会 正
・(以下略)
どう考えても上位三つはおかしい。しかも、誰一人異議を出そうとしない。私と同じで
誰かが異議を出すと考えているだろうか、いや、どちらにしても異議を早く出さないと多
数決に入ってしまう。仕方がないか、私が云うしかないか、
「すいません。上位三つの案は高校生に相応しくない内容だと思うのですが、除外しない
のですか……」
相応しい相応しくない以前にやりたくないのに、
300 :
文化祭:2005/09/15(木) 18:47:08
「これだから自分の意見のない奴は困る。大体、メイドやコスプレが許されるのは二十前
半までだ。君は今やらず、いつやるつもりなんだ」
「私たちはどうでもいいけど男子もメイドなの? それならやってもいいわよ」
「遠見としては、目立つなら何でもいいんだけど、もし演劇をするなら主役は私ね。それ
より票数から考えて上位三つは固いわね」
ことごとく飛んでくる反対意見の前に儚く散った。
「俺は喫茶はどうでもいいがメイドは――」
「とりあえず昼ドラが……」
「私はもちろん主役(ry」
「どうせなら全部やるってのは?」
「あっ、それいいね。どうせひとつに纏まりそうにないしね」
私としては文化祭は模擬店舗なのだ。
あいつらは何にも判っちゃいない。
嗚呼、もうどうにでもなれ!
(完)
こういう作品があってもいいと思う。
>>299 とりあえず乙!!
主人公の投げ出したくなる気持ちがよく表現されてると思う
ただオチが弱いから読者が置き去りにされてしまった気もする
>>299-300 まるで俺が日頃2ちゃんに対して抱いている不満を代弁してくれたかのようだ……
いろんな考えの人間がたくさんいてごちゃごちゃしている感じが、俺的には好み。
ただ小説として、楽しめる人と楽しめない人とに分かれるだろうとは思う。
どうも「譲れないもの」というテーマが、批評しにくい作品を多くしているような気がする。
どうしても主観的な主義主張を披露する話になってしまうから。
ここでちょっと考えたんだけど、
小説にはメインプロットとサブプロットがあるわけでしょ。
例えば刑事もののミステリだとすると、殺人事件がサブプロットで、
主人公の刑事や犯人の内面の葛藤がメインプロットなわけで、
殺人事件という舞台設定の中で、登場人物の心理を描くのが主題だったりするわけじゃない。
「譲れないもの」というテーマはメインプロット的なんだと思う。
それに対して、前回前々回の「海」と「夜」はサブプロット的。
舞台設定を縛るだけで、内容はフリーにしておいた方が、いろんな話を作りやすいんじゃないかな。
試しに挙げるとするなら、
「ドライブ」とか、「ファミレス」とか、「危機一髪」とか、「すれ違い」とか、
シチュエーションだけを限定するテーマにしてみたらどうだろう?
303 :
302:2005/09/15(木) 21:05:31
ごめん、一般的なメインプロット、サブプロットとは違う意味でこの言葉を使ったかもしれない。
「メインプロット サブプロット」でググッて六番目に出てくる「刑事映画についての考察5頁目」
というのを参考にしました。
後は雑談スレで議論したほうがいいのかな…
304 :
仕事:2005/09/15(木) 22:42:48
プルルルルという携帯の着信音で目が覚めた。友人も少なく家族とも別居中の私に、
こんな時間から電話をかけてくるのは「組織」の人間だけだ。私はベッドから立ち上ると、
テーブルの上に置かれた携帯へと手を忍ばせた。
「13時45分に北区6丁目の公衆電話。」
携帯のディスプレイには黒字でこう浮かび上がっていた。無機的でムダのないこの文章は紛
れもなく組織からの指令だ。私はハンガーに掛かった黒色のスーツとズボンに袖を通すと、
台所へと行き冷蔵庫に入った残りもので短くごはんを済ませた。それから居間にある金庫
の中から仕事用のショルダーバッグを取り出し、右手へと携えた。タンスの下から札束の入った
サイフを取り出し、それをズボンのポケットの中に入れると、最後にトイレのマットレス
の下から―――これは仕事のとき忘れるわけにはいかない。ぎらぎらと黒光する拳銃を抜
き出し上着の内ポケットへとしまいこんだ。これで準備は完了だ。玄関へと行き、靴箱の
上に置かれた鏡で髪を整えると、真っ黒な靴へと両足を通し、そのまま外へと踊り出た。
腕時計を見るとちょうど13時をまわったところだった。
外はまさに完璧といっていいほどの天気だった。地上は太陽の光を受けて光り輝き、吸
い込まれそうほど真っ青な空がその背後に広がっていた。周りに立ち並ぶ住宅の屋根の
向こうには遠くに連なる山脈までもが紫色のシルエットとなって見えていた。空気はや
や生暖たかったが、時折それを突き抜けるように涼しい風が通り抜けていった。(こんな
305 :
仕事2:2005/09/15(木) 22:44:15
いい天気の日は仕事のことなど忘れてのんびりと散歩にふけってみたいものだ)思えば
私は仕事一筋に生きてきた、過去のことを思い返してみても来る日も来る日も働いた記憶しかない。
30のとき両親の勧めで妻とお見合い結婚はしたがそれも長続きしなかった。私にとって仕事は
自分の全てだったのだ。この仕事「組織」の工作員という仕事だけが唯一の生きる目的だったのだ。
しかし、今私は世俗的な生活への思いを募らせている。一切の感情を放棄し、ロボット同然の生活
をしていた私が。なんの変哲もない、ただの散歩という行為に心を奪われてしまっている。
人間とはわからないものだ。自分自身の感情を自嘲しつつ一瞬だけでも人間の心を
よみがえらせてくれたこの地球に私は感謝した。
「昨日午後15時ごろ北区6丁目の公衆電話の中で男が血を流して倒れているのを通りがかりの通行人が発見し
警察へと通報した。男は外傷がひどく現在身元の特定にはいたっていない、男の手には黒いバッグが握られていた。」(完)
日常描写の練習がしたくて書いてみた。無理やりオチをつけたがここは鍛錬スレなのでこーゆうのをやってもいいかと思う。
>>304-305 なんというか、段落付けをしっかりしないと読みにくい。
あと、語句の選択に所々首を傾げたくなる箇所がある。
>テーブルの上に置かれた携帯へと手を忍ばせた。
忍ばせる必要がない。普通に取ればいい。
>そのまま外へと踊り出た。
なぜ躍り出るのか。普通に出ればいい。
>一瞬だけでも人間の心をよみがえらせてくれたこの地球に私は感謝した。
いきなり意識が地球に飛んだら流石にそれはデカ過ぎる。ありのままの「この景色」でいい。
日常描写の練習ということだけど、日常の動作と非日常のアイテムが
自然に収まっていて上手く纏まっていると思う。
ただ、それらアイテム(銃は除く)の用途についての説明がなされていないため、
少し読み手を置き去りにしてるようにも思う。例えば、金庫の中に入れるほど厳重に保管してある
仕事用のショルダーバッグにはなにが入っているのか、無駄とも思える札束を所持する
目的(まぁ仕事後の逃走・隠遁用なんだろうけど)はなんなのか、等々。
あまり説明を多くすると、今度は行動描写のテンポを悪くするから、
その辺りのバランスも難しいところなんだけどね。
>>304-305 >>306さんが的確な感想をつけているので書きづらいですが、
以下、個人的に気になった点です。
・>黒色のスーツとズボンに袖を通す
・拳銃の隠し場所
・組織、仕事など同じ単語の頻発
日常描写の練習ということなので、心理描写には触れません。
それと細かいですが、数字の全角半角の不統一も目につきましたので、気をつけてみてください。
投下乙でした。
309 :
きら ◆Hsv0M8tCl. :2005/09/17(土) 07:15:12
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「仕事」の感想です。
単語や小道具がステレオタイプすぎてちょっとなあ、という気が。
1000字なので凝った設定を書いちゃうとすぐにオーバーしちゃうのかもれしないけど、
もう少し考えて設定作ったほうが良かったんじゃないかな。
あと、後半の展開が少々唐突すぎ&ちょっとわかりにくいかな、と。
前半にちょっと伏線をはっとくといいかも。
主人公の心情の変化を、ちょっとした情景描写や行動描写で示唆できたら、ぐっとよくなると思うよ。
「文化祭」の感想です。
主人公が意見を言った後のコミカルが展開はすごくよかった。
ラストの投げやりさも絶妙。
ただそれに比して、前半で損してるかな、と。
出だし説明的すぎるし、文章がまわりくどい。もったいないなあ、と思う。
上位5つで多数決、過半数の案を採用、というシステムなら普通一度で決まらずさらに上位二つで決選投票になるのでは?とか思ったり。
「まともそうな案が連なっていそう」
なんかも、ちょっと良くない。(しかも、原文は脱字あるし)
あと、この作風に「云う」という漢字は馴染まない気がした。
312 :
c:2005/09/17(土) 12:56:03
好きだったと、今更言って。信じて貰えるだろうか?
細く、繊細な指先が触れてくれるから、僕は僕としての存在を確かめられる。
眩しく、温かな視線は僕を包んでくれていた。
柔らかな桜色の口唇は、僕に愛を教えてくれた。
君が居たから、僕は在った。
君が居なければ、僕は僕でなく、僕はただの肉の塊でしかない。
君が悪戯に触った僕の唇は、君への愛に満ちている。
でも、君が君でなくなって以来。口の中は鉄の味しかしない。
強く噛みしめ、君を失った自分を憎み、その鉄を味わう。
心に楔を打ち込み。次は失敗しない様に、君が戻ってきてくれた時に、僕を愛してくれる様に。
銀の十字を撃ち込み、鉄を喰らう。
君が遺した残滓を喰らい。
僕は君への愛を育む。
君が僕を愛せる様に。
僕は君の遺した残滓を喰らう。
肉体とは魂の器。
君は魂と魂が繋がった、僕の、僕だけの運命の人。
なら魂を失った肉塊はなんなんだろう?
僕は彼女の遺した残滓を喰らう。
口の中は鉄みたいな味が広がっている。
今なら……いや、今だから、言える。
僕は
『――容疑者は未だに、被害者を「愛している」等と繰り返して――』 END
好きな子だけは譲れない、って事で。
なあ、これからメール欄の掲載可掲載不可は
はっきり書くと固定しないか?
まとめスレの人頑張ってくれているのに、
いちいち考えさせたりするの大変だろう。
俺もいちいち疑心暗鬼になるのいやだ。
314 :
312:2005/09/17(土) 13:10:13
>>313 ああスマソ。はっきりと書くべきだった。
ただ「掲載可」と、書くだけの度胸が無かっただけなんだ。
>>314 そうか、実はその文字にはちょっとした因縁があってな。
こちらとしても警戒せざるを得ないんだ。
出来れば次からは使わないで欲しい。これは俺の意見に過ぎないが。
荒らしたくない。
>>315 了解した。
こちらの配慮が足りなかった、スマン。
シャツに袖を通そうとするだけで、思わず顔をしかめてしまった。背中とわき腹に、電
流を流されたような痛みが走る。口の端から漏れてしまいそうになる悲鳴をなんとか飲み
込み、そろりそろりと体の反応を確かめながら腕を入れていく。
ようやく全てのボタンを留め終わると、俺は大きく溜息を吐いた。うなじにじっとりと
した脂汗をかいているのが分かる。
ハンガーにかけてあるジャケットを手に取り、もう一度同じ作業をしなければならない
のかと、酷く憂鬱な気分でそれを眺めた。
「そんなに辛いなら、動かなきゃいいじゃない」
背後から声をかけられ、俺はそちらに振り向いた。途端、
「いたたた……」
と漏らし、自分の間抜けさを呪った。
「ほら見なさい。満足に動く事もできないんだから、もう一日寝てなさい。私も今日は非
番だから」
隣の部屋に通じるドアに背を預けた姿勢で、恭子は手のかかる子どもを叱る母親のよう
な口調で言った。
「こういうのは、ちょっと動かせばすぐに気にならなくなるんだ」
俺はそう言って、ジャケットとの格闘に戻る。
「脅されて、そんなになるまで痛めつけられたっていうのに、まだ続けようとするなんて。
アンタ馬鹿よ」
彼女の口調は非難めいてはいなかった。毎度の事なので呆れているのだろう。
俺は、シャツの時とは逆の順序で袖を通し、
「そういう血筋さ」
と彼女が背にしている方の部屋を、親指で指した。
その部屋には、俺達の両親の遺影が飾られている仏壇がある。
318 :
馬鹿の血筋 2/2:2005/09/18(日) 01:06:08
「私に、母さんみたいに家で心配して待っていろって言うの?」
恭子の口調が変わった。今度は、はっきりと俺を非難していた。
すぐには答えられなかった。刑事だった親父の帰りを待つお袋の姿を思い出していた。
親父が殉職するまで、お袋はずっと怯えていた。親父を見送る時、いつも「必ず帰って
きて」と伝えていた。恭子が将来の進路を警察官に決めた時も、俺が探偵を始めようとし
た時も、一番反対したのはお袋だった。
財布と携帯電話をポケットにしまい、玄関へ向かう。
下駄箱から一番歩き易いスニーカーを選んで足元に並べると、ようやく俺は口を開いた。
「悪いね」
その短い謝罪に、恭子は、
「そう。無理はしないようにね。アンタ、父さんと違って喧嘩弱いんだから」
と辛辣な言葉を返した。それから、
「あと、ちゃんと帰ってきなさいよ」
とつけ足した。
俺は背中を見せたまま答える。
「晩飯までには帰るよ」
「バーカ」
なにもかもが同じというわけではないのだ。
あーホント文字数たらねー!もっと書きてー!
どこの怪我が一番痛むかとか、わき腹に綺麗な拳大のアザがあって
これはボクサー崩れのやつにやられた痕だとか、そんなのもっと書きてー!
ホントは最後の「バーカ」の続きを
>俺は苦笑した。
>なにもかもが同じというわけではないのだ。
にしたかったのに削ったー!削ってようやくジャスト1000文字
削ったもんだからそこちょっと違和感あるね
自分でも分かってんの フンッだ
なに書いてんだ、俺ドンマイ
他にどこか削れる場所あるかな
乙!
>そんなになるまで痛めつけられたっていうのに
たぶんこれは書かなくてもわかるんじゃないかな? あとは、
>そう。無理はしないようにね。アンタ、父さんと違って喧嘩弱いんだから
>あと、ちゃんと帰ってきなさいよ
ここも辛辣な言葉から一気に優しくなるためには、
もう少し短くまとめてもいいような気がする。
ってか、なんで兄妹にしたのかは、実はよくわからんのだが。
>>312 最後の締めを活かすならば地の文はそれでいいかもしれないが、
内容を伝えたいのであれば、その地の文は遠回しに難しく書いている感じがしてならない。
抽象的というか中身がないといった感じだ。
文章自体は悪くはないが、1000文字で活かすのは少し無理がある。
322 :
312:2005/09/18(日) 21:08:28
>>321 最初はモロに食人描写書いてたんだけど、ただのグロに。
個人的に食人は、抱くのと変わらないから。グロ描写は違う様な。
で、
>>312こんな事に。
…………て、言い訳見苦しいな。スマソ。
>>320 兄妹である理由。
・父のエピソードが共有できる。(幼なじみでも出来るけど)
・父が出掛ける時に母が「必ず〜」は、幼なじみでは共有出来るか微妙。
あたりジャネ?
>>312 小説には小説の、詩には詩の形態に合った書き方というものがあるように思います。
この作品はせっかくこのような表現法方を選んだわけですから、
そういうところにも気をつけてほしかったですね。
句点がリズムを壊してしまっていたり、
綺麗な描写や言葉があっても、それが生かされていないのを惜しいと感じました。
>>317-318 常連の方ですね。安心して読めました。
文章も気になる箇所はなく、すらすらと読めたのですが、
仰るとおり、表現したい場面の優先順位が上手く整理しきれてないのが残念ですね。
前半の「動くのもつらい」という描写はもっと極端に削ってしまって、
ラストの絡みをそのぶん伸ばすというのもありかなと思います。
投下乙でした。
325 :
きら ◆aJXNJIteGk :2005/09/19(月) 07:11:06
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆第3回テーマ別1000文字鍛錬大会◆
【概要】
・テーマに沿った1000文字以内の短編を書こう!というスレッドです。
・
>>1を参照の上、あなたの考える【譲れないもの】をテーマに、
お気軽にご参加ください。
【参加作品まとめ】
9/19 7:00現在 19作品
・
>>145,211,235,257,308,324
・投稿規定から外れている作品には、※印をつけてあります。
【専用雑談スレ】
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1063262295/ ・まとめサイト掲載作品への感想や雑談など、
投下とそれに対する感想以外の話題は、できるだけこちらでお願いします。
どしどし投稿お待ちしています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
326 :
317:2005/09/21(水) 00:47:06
>>320 >>そんなになるまで痛めつけられたっていうのに
>たぶんこれは書かなくてもわかるんじゃないかな?
説明台詞っぽいけど、なんとなくそういう台詞言いそうかなぁって
もう一度説明して強調したかったってのもあったかもしんない
>ここも辛辣な言葉から一気に優しくなるためには、
>もう少し短くまとめてもいいような気がする。
実はね、まず「アンタ喧嘩弱いんだから」って台詞ありきでね、
母親の思い出と「ちゃんと帰ってきなさい」のリンクは後からの思いつきだったりするの
いやー、やっぱ後づけのってバランス崩れてすぐ分かるかぁ
>ってか、なんで兄妹にしたのかは、実はよくわからんのだが。
まぁ本文中では呼び捨てなんで妹と思われがちだが、書いてる最中から
姉とも妹とも決めずにどっちでもいいようにしてた
読み手がそれぞれの「萌える」方を選択してくれればと
まぁ俺はノーウェイトで姉を選択するけどね
まぁ余計な話はいいとして、肉親にしたのは恋人とかだと引き止めの台詞がドロドロになりそうだったから
さすがに、まだ怪我が癒えてないやつをあっさりと送り出したりはせんだろうなぁ、と
ドロドロだと1000文字じゃ足らんからねぇ
男の方も女を納得させるのに「男としての矜持」とか語り出しそうで
>>322 両親の設定は後づけのうひょー
いやいや、兄妹だったからこそ、その後づけができたわけでして
代わりに言い訳して頂いて有難うございます 言い訳違うか
327 :
317:2005/09/21(水) 00:54:18
>>323 >仰るとおり、表現したい場面の優先順位が上手く整理しきれてないのが残念ですね。
「こういうの書きたいなぁ」って思って、書いてる最中に「あ、こういうのもつけ足せるか」と
肉づけしているうちに、どんどん本筋をぼやけさせてしまうという好例
反面教師として利用してやってください
>前半の「動くのもつらい」という描写はもっと極端に削ってしまって、
>ラストの絡みをそのぶん伸ばすというのもありかなと思います。
逆に、「痛めつけられた体を無理に引きずってでも獲物を追い続ける」という
青く古臭いタフさが書きたかったんだから、両親のエピソード丸々削って
もっと痛めつけられ具合を前面に押し出した方が良かったかな、なんて思っとります
それだとテーマの「譲れないもの」って部分が弱くなっちゃうような気もするけど
つーか、両親のエピソードがないとオチまで無くなってしまうのは秘密
ラストの絡みはもっといるよね、やっぱ
328 :
きら ◆aJXNJIteGk :2005/09/21(水) 13:34:32
参加者大募集age。
まとめは
>>325にあります。
329 :
ハンバーグの日々 1:2005/09/22(木) 12:06:39
あと一週間もすれば、ぼくはこの薄汚いレストランの厨房を抜けだして、もうちょっと
まともな仕事にありつくことができる。
いや、ここに取り立てて不満があるってんじゃないけどさ、たとえばお金の事だとか。
ぼくは給料の面では納得のいく待遇をしてもらってると思うよ。なにしろぼくは高校中
退なんだからね。ここのオーナーがいい人で良かったな。
だけどさ、来る日も来る日も一日中、こうやって安物のハンバーグを焼かされていたと
したら、誰だって飽き飽きしてしまうよね?
ためしにちょっと数えてみたんだ。昨日、おとといと平日だったんだけど、ぼくは二日
間でゆうに150食分のハンバーグをじゅうじゅうやった計算になる。ここに入ってから
ぼくはもう、一生分のハンバーグを焼ききってしまったみたいな気分がするんだぜ。
で、まあそんな感じで、ぼくは怒涛のように押しよせるハンバーグの日々から足を洗う
決心をした。オーナーにはすまない気持ちでいっぱいだったけど、きちんと話したらわか
ってくれた。本当はオーナーだって、こんな毎日には正直うんざりしていたんだろうね。
330 :
ハンバーグの日々 2:2005/09/22(木) 12:43:48
ユニフォームを返して、置きっぱなしだった荷物をまとめる。さよならっていうのは、
どんなものでも少しは寂しい感じのするものだよね。
送別会はやめにしてもらって、ぼくはお世話になったレストランを出た。祝福すべき新
しい船出だ。ボン・ヴォヤージュ!
ぼくはまず、縮こまってしまった羽を伸ばしに、念願だったタヒチの海へと旅立った。
穏やかな天気、天国的な島々たち。最高だったね、誇張なんて一切なし。
抜けるような青空の下、ぼくは波乗りをした。下手くそなんだけど、それを見てる奴
なんていやしない。本当はひと夏の恋でもできれば良かったんだけど、そんな機会はなか
ったな。
別人のように真っ黒に日焼けをして、ぼくは絶望の国、日本へ帰ってきた。なんていう
かさ、暗いよね、なにもかもが。
家に着くと、ぼくはレストランに向かった。ぼくが働いてたところだ。
長年働いてた仕事場だからさ、いくらなんでも気にはなる。
知り合いのウェートレスとちょっとしゃべってから、ぼくは和風ハンバーグを注文した。
それで、そいつを一口食べて、愕然としてしまったんだ。ひどい味、ひどい焼き加減。た
ぶんアルバイトに焼かせているんだろうな、とても食べられたものじゃなかった。
次の日、ぼくはオーナーの所に訪ねていった。それでまたこうして黙々とハンバーグを
焼き続けているわけなんだけど…でもさ、誰にだって譲れないものってあるよね? (おわり)
331 :
ハンバーグの日々 書いた人:2005/09/22(木) 12:48:32
たぶん1000字オーバーです。すみません。
でもさ、これ以上削るところなんてなかったんだよ。
すくなくともぼくにはそう思えた。ほんとうだぜ?
332 :
ハンバーグの日々 書いた人:2005/09/22(木) 14:26:19
初めて書いたので、なんだか失礼な載せ方になってしまったかもしれないです。
あ、あと「掲載可」でお願いします。
字数かぞえてみたんですが、50−60くらいオーバーしてます。
ごめんなさい。
あーあ、知らねえぞ。
334 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/09/22(木) 23:05:35
>>329 話し口調が飽きさせないのはいいが、何か足りない。
さて、その何かは何か?
冒頭部分が長すぎる。
この長さなら糞を漏らすんじゃないかと思うぐらい、長い。
まあサリンジャーは糞を漏らして隠す暇があるぐらい長いんだが。
起承転結に置き換えよう。
冒頭がトイレに入る。これが身の上話。
その次が糞をする。ハンバーグとかそんなの。
さらにその次がケツを拭く。タヒチとか。
んで締めくくりにトイレから出ると。これが仕事場再来。
とにかく、バランスが悪いって事がいいたい。
少なくとも語り口調としてはまあ面白いんじゃねえ? レベル。
がんばれうんこ。
裏ではあんなに議論を尽くして、せっかくの投稿なのに感想はえいいち任せですか。
336 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/22(木) 23:29:33
削るところ無いくらいのものをがんがって削って駄作になってたりするんだろ
お前言い訳しすぎ
くず
では、なぜ2chでは、このような悪質なリンチが起き、長期に渡って続くのか?
それは、リンチを盛り上げ、長期化する為に、“煽る者”がいるからだ。
リンチの兆しや可能性が見える度に、リンチに参加する“彼ら”は、以下のごときパターン化された煽りを繰り返している。
@発言の真面目さ痛さに関わらず、全ての発言にケチを付け、バカが馬鹿な事を言っている様に見せる。
A痛い主張を行っているように見せる為、主張内容を歪曲解釈する。
B挑発を続け、故意に暴言を吐かせる。
Cたった一度の失言を執拗に誇大宣伝する。
DWeb上から、ターゲットの恥部や失言のみを集め、常に中傷のネタを補給する。
Eターゲットの行くサイト全てを監視し、絶対に逃げる事が出来ないようにする。
F時には、ターゲットの個人情報まで収集して、公開する。
いずれも、リンチの対象者を「リンチを受けて当然の人間」に見せる為の手法だ。
そして、この方法によって、永遠と中傷ネタが補充され続け、悪質な“祭りリンチ”や“一年以上も続く長期リンチ”が生まれるのだ。
このパターン化された煽り方は、他のサイトで生じる個人叩きと比較してみれば、2chや2ch関連のサイト特有の煽り方である事は容易に知れる事だろう。
そして、このパターン化された煽り方は、「煽り方が人為的だ」という疑いを生み、2chには専業煽り屋がいるという指摘が、幾度もなされてきた。
そう、このパターン化された煽りを行い、個人へのリンチを煽っている“煽る者”たちこそが、2chの工作員<プロ固定>たちなのである。
義務教育で施されない能力に対して著しく無知だったりとか。
>>329-330 あれ? まだ「ファミレス」は始まっていないはずなんだけど……
と思ったら「譲れないもの」だったのね。
えいいちの感想と逆になってしまうけど、バランスは悪くないと思う。
仕事に飽き飽きしている場面から、一転して旅行に出るところがちょうど「転」になって
いるし、結末も清々しい。
前半はあのくらいの長さがあった方が、けだるさが伝わってきていいと思う。
「転」に至る前の溜めとして、うまく機能している。
自分だけでなく、オーナーもうんざりしているんじゃないかと思うことで、世界観に広がりが生まれて、
これも上手いと思った。
ずーっと一貫して「うんざり」「飽き飽き」みたいな、こんな仕事には何の未練もないんだ、
みたいな態度で通しておきながら、最後になってすべてをひっくり返すようにプロ意識に
目覚めるところなんか、ツンデレを髣髴とさせて可愛いと思った。
あと少し直したらもっと良くなりそうなところを挙げると……
冒頭で「あと一週間もすれば……もうちょっとまともな仕事にありつくことができる」
と言っているのに、退職してまずやったことが旅行だったりしたところが、唐突に感じた。。
仕事じゃないのかよ! と。
タヒチについて前もってどこかで触れていれば、唐突さは回避できたはず。
「ぼくは絶望の国、日本へ帰ってきた。なんていうかさ、暗いよね、なにもかもが」
のところは、「絶望」と言うのは落とし過ぎかなと思った。
旅行前はそれほど取り立てて不満はなく、仕事に飽き飽きしていた程度だったわけだから、
タヒチの素晴らしさと対比するにしても、「絶望」は行き過ぎかな、と。
もうすこし程度の軽い表現でもいいかと思う。
その二点でちょっと引っかかったところを除けば、おおむね上手く出来ていると思う。
話し口調がギリギリ嫌味になっていないところがいいね。
一言で言えば、これは「読んで元気になる」小説ですね。
楽しかったです。
>>329 投下乙です。
「初めて書いた」というのが、小説を書いたのが初めてという意味なのか
ここに投稿したのが初めてという意味なのかはわかりませんが、
もし前者だとするならば、いろいろと言いたいことがあります。
まず、これを話し言葉で書いたのには何か意図があるのですか。
もしないのなら、今後はこういった書き方は控えた方がいいでしょう。
書き言葉と話し言葉は別物であり、小説で用いられるのは
基本的には書き言葉だということを覚えておいてください。
また、削るところが無いとのことですが、
一度ご自分の文章を要約してみてはいかがでしょうか。
そうすれば、本当に必要な部分とそうでない部分とが見えてくるはずです。
以上、少々辛口の評価になってしまいましたが、
作者の表現したかったことは伝わってきたので良かったと思います。
これからも頑張ってください。
あと、最後にひとつ。
>でもさ、これ以上削るところなんてなかったんだよ。
>すくなくともぼくにはそう思えた。ほんとうだぜ?
このような発言は、読者には言い訳のように
聞こえてしまうことがあるので、今後は控えた方がいいですよ。
>>329 投下乙。
何作か書いて話し言葉という新たな文体を構築したならともかく、
このままではただ漫談の台本を書いたのか、小説を書きたかったのか、
判断しかねるってのが正直なところかな。
この語り口は、エンタの神様にたまに出るアベちゃん?とかいう奴を思い出させた。
困るよね、こんなの、面白いよね、こんなの、って感じで、
特に笑いもなくだらだら続く漫談。
煽っているわけではないから、気を悪くしないで聞いて欲しい。
ハンバーグにもタヒチにも意味はないにしても、
その意味のなさをリアルに書くのが、小説ではないかと思う。
>>329-330 投下乙です。
口語体の小説を読んだのは初めてだったので、とても新鮮で楽しく読めました。
主人公の口調が雰囲気を出してますね。
削るところがないということですが、冒頭のお給料の話なんかはもっと簡潔にし
ても伝わりそうですし、一度、箇条書きのようにして整理してみるのもいいと思
います。
上の方のレスにもありましたが、タヒチのシーンはやはり突然で浮いているよう
に感じました。
次の仕事を決める前に南の島にでも行きたいな、というふうに最初の方で出して
おくとスムーズになりそうです。
まだまだ推稿の余地はありそうですが、起承転結がしっかりしていて、オチも良
かったです。
是非、また参加して下さいね。
345 :
329-330 作者:2005/09/23(金) 14:14:41
みなさんコメントありがとうございます。
いろいろと参考になることばかりで、嬉しいです。
ほめてもらえたのも久しぶりなので、励みになります。
ありがとうございました。
>>345 お疲れ様です。
もう少しでテーマも追加されますし、次の投下も期待してます。
347 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/25(日) 23:23:54
閑散
348 :
名無し物書き@推敲中?:2005/09/29(木) 12:13:59
誰か! あげまちしていいか?
352 :
◆KirA/fLv2g :2005/10/01(土) 15:55:14
◇第3回テーマ別1000文字鍛錬大会◇
◆新しくテーマが追加されました◆
背景テーマ「ファミレス」
状況テーマ「危機一髪」
※どちらかひとつ、もしくは、ふたつを組み合わせたものをテーマとして下さい。
・参加希望の方は
>>1を参照のうえ、
上記テーマと現在のテーマである「譲れないもの」のどちらかをお選び下さい。
・また、投稿する際には必ず、使用したテーマの明記をお願いします。
【参加作品まとめ】
10/1 15:50 現在 全21作品
「譲れないもの」
>>349-351 「ファミレス」 >>-
「危機一髪」 >>-
「ファミレス」「危機一髪」 >>-
・投稿規定から外れている作品には、※印をつけてあります。
【専用雑談スレ】
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1128148458/ ・まとめサイト掲載作品への感想や雑談など、
投下とそれに対する感想以外の話題は、こちらにお願いします。
「タイトル」通し番号(1/2、2/2)
本文
本文末尾に(了)(end)など
****************
これを参考に投稿して下さい。
だれも書かないなら二作目書いてみようかな
午後の繁華街。歩道の上には買い物客があふれかえり、ざわざわという音が絶え間なく
こだましている。横を通る車道には車の列が出来上がり、けたましいエンジン音が空気
を切り裂いて伝わってきた。周囲に乱立するビルの間からは1面ブルーの空を背景にした
太陽が金色の光を地上に放っていた。こんなにいい天気だと、ただ歩くのにもむしょうに
元気がわいてくるものだ。生暖かい風を肌に感じながら、木々の陰が浮かび上がる歩道を
一人通りすぎていく。
しばらく進むと前方に信号機の赤いランプが見えてきた。しかし、よく見るとその下の
道路は横断歩道の白い線がたった3本だけひかれたひどく小さな道路だった。いったいな
んでこんなところにわざわざ信号機を取り付けたのだろう?たぶんここを通る人みんなが
感じた疑問に違いない。横に覗き見てみると、たぶんこれはビルとビルの間にできた裏道
だったのだろう暗く湿った道路がまっすぐに続いていた。わざわざ立ち止まって待つのも
ひどくばかばかしく思えたので私はそのまま直進することにした。
横断歩道を渡っている途中、ふと視線を上へと向けるとまだ赤いランプを目の中に
宿した信号機がまっすぐこちらを見下ろしていた。「悪いね」思わずついて出てきた言葉
私は口にする。しかし、半分までいったところで私は急に不快な気分になってきた。(こん
ないい天気の日、どんな小さな違反も起こさずに気持ち1日をよくすごしたい)すでにほ
とんど渡り終えてしまっていたにもかかわらず私は体を後ろへと反転し、歩道へと戻って
待つことにした。
立ち止まっている私の周りを大勢の人たちが通り過ぎてく、いきかう人たちはやはりさ
っきの私と同じことを思っているのだろうそのまま無視して歩道を渡っていく。わざわ
ざ待っている私にはきまって聖人か異常者をみるような視線を投げつけていった。私は信
号機に無言で語りかける(私は最後までお前につきあうよ。別にちょっと君を無視したく
らいで、なにかが変わるわけでもないしね。)「俺も好きでこんなところにつけられたわけ
じゃないよ」その時、私にはそれがそういって笑っているように見えた。やがて赤から青
へとランプが変わった。私はなにごともなかったように横断歩道を渡り人々と列をそろえ
て歩き始めた。「ありがとう」そんな声が後ろから聞こえたような気がした(完)
「譲れないもの」は終わっていたのですね。すいませんでした
359 :
358:2005/10/02(日) 18:51:17
選択式になっていたのですね。355のテーマは譲れないものでおねがいします。
360 :
◆KirA/fLv2g :2005/10/03(月) 00:48:30
>>355-356 投下、お疲れ様です。
こういう「日常の1シーン」系の話、いいですね。個人的にもツボなのですが、
ほのぼのとした優しい雰囲気が上手に表現されていて、すごく好きです。
気になった点は、イメージとのギャップですね。
>午後(の繁華街)
は時間を表すには曖昧で、
>太陽が金色の光を
まで、もっと暗い風景を想像してしまっていましたし、
>生暖かい風
というのは、あまり気持ちよさそうなイメージではないかなと思います。
>聖人か異常者をみるような視線を
ここにも少し違和感を覚えましたが、信号機をみつけた場面から最後までは、
主人公にも共感できましたし、信号機のセリフもかわいくて、とてもよかったです。
>>357-359 まとめも少しわかりにくくなっていましたね。すみません。
>>359 了解です。
新しくテーマが追加され、選択式になりました。
是非また投稿して下さいね。
「ファミレス」「危機一髪」
脳みそはいつもの何倍もの速さで回転していた。表情や仕草に気をつけ、必死に考えを
巡らせる。
夕食時のファミレスは賑やかだ。彼女から受けるプレッシャーと相まって、僕の苛立ち
は募る一方だった。彼女がこの場所を指定した理由はわからなかったが、最善の選択だ
と思う。抱きしめてごまかすなんてことも、もちろん不可能だった。
浮気を感づかれたとき、もっともしてはいけないリアクションは完全に否定してしまう
ことだ。彼女に詰め寄られたとき、僕は素直に謝った。突きつけられた携帯の画面には、
浮気相手からのデートのお誘いのメールが映し出されていた。僕は他の女の子と遊んでい
たことを謝り、でも、それだけだったときっぱりと否定した。つい出来心でふらふらして
しまったけど、カラダの関係はなかった。ここがミソだ。罪を認めるという行為はその話
の信憑性を高めてくれる。彼女も二度としないと誓い、夕食を奢るというだけで許してく
れたのだった。
しかし、僕の考えは甘かった。彼女は熱々のリゾットとサラダを食べながら、本当はど
うなのと何気なく聞いてきたのだ。油断しきっていた僕が答えられずにいると、すぐに追
い討ちがあった。実はあなたのふりをしてメールしたの。この前行ったホテル良かったよ
ね、もう一回行こうか、って。
彼女は僕を許してなどいなかった。騙されていたのは僕のほうだったのだ。それからの
僕はとにかく平静を装うことに努めた。無言で差し出された手に携帯を渡して、浮気相手
がバカな反応をしないようにとだけ祈っていた。
来ないね、メール。食後のデザートにバニラアイスを食べながら、彼女は抑揚をつけず
につぶやく。それは他のどんな攻撃よりも恐ろしいものだったけど、僕は余裕を取り戻し
つつあった。この状況を打破する名案を閃いたからだ。
僕は不自然にならないようにタイミングを計り、席を立つ。このファミレスの公衆電話
はトイレの入り口にあり、僕たちの席から見えない。これで浮気相手に電話をすれば、こ
の場は切り抜けられるはずだった。
数コールで出た彼女に、あとで説明するから今は連絡をしてこないでくれ、と釘を刺す。
電話の向こうが騒がしかったが、どうにか聞こえたようで、とりあえずは納得してくれた。
よし、これでいい。なんとか切り抜けたとほっとした僕は席に戻ろうとして、彼女の向
かいに座る浮気相手を見つけるのだった。
〈了〉
363 :
◆KirA/fLv2g :2005/10/04(火) 00:53:17
混乱させてしまって、すみません。
参加希望の方は
>>353ではなく、
>>361-362を参考に投稿して下さい。
感想を書いて下さる方も随時、大歓迎です(*´ー`*)
※大会まとめは、こちら→
>>352
>>355,
>>361投下乙です。
>>355「信号機と私」
>こんないい天気の日、どんな小さな違反も起こさずに気持ち1日をよくすごしたい
この気持ちわかるなあ。この一文で主人公に好感が持てました。
しかも、そのあとわざわざ歩道まで引き返すってのが微笑ましかったです。
終わりの部分も、読んでいて心が温まりました。
ただ難点は、きらさんの指摘しているとおり、
ところどころに見られるイメージのギャップです。
作品内でイメージを統一すれば、読者もその作品世界に入り込みやすいと思います。
>>361「本当の嘘」
レスの流れからして、これはきらさんの作品ということでしょうか。
きらさんの作品は初めて読みました。さっそく感想を書かせていただきます。
まず第一に感じたのは、ファミレスという空間の使い方がうまいなということです。
>抱きしめてごまかすなんてことも、もちろん不可能
>このファミレスの公衆電話はトイレの入り口にあり、僕たちの席から見えない
これら、ファミレスならではの状況が書かれているのは見事だと思いました。
また、主人公の心の揺れ動きも自然で良かったと思います。
そしてすごかったのがオチの部分。安心した直後に最大の危機到来という流れに、
なんだかホラー映画を連想してしまいました。
全体的に目立った欠点はないように思えました。
楽しく読める作品だと思いました。
365 :
名無し物書き@推敲中?:2005/10/05(水) 00:10:15
>>355-356 うん、ほのぼのとしてて良いな。
メインである後半は台詞も描写も過不足なく書かれていて、
上手いと思う。
モノローグと台詞のやり取りが良いね。
ただ上の二人が指摘しているように、風景の描写は独りよがりになってしまってる。
作者はもちろん分かっているから、
この書き方で足りていると勘違いしちゃうんだと思う。
書き上がってから少し時間を置いてみたり、
もっと客観的に自作を見直せるようになると、
読者とのイメージの溝は狭まるはず。頑張って。
>>361-362 名無しの意味なくね?w
まぁ、タイトルを書いたら名前は出せないんだけどw
>>364と同じで、大きな欠点は見当たらない。
でもそれは当たり障りのない作品とも言える。
細かい事を言っちゃうと、
携帯電話を使う主人公が、たかが浮気相手の番号を覚えてるか? とか、
浮気相手が来るタイミングに必然性がなく、予定調和になっちゃってるとか、
その辺も気になる。説明がされてないからね。
後はストーリーに波を意識すると、もっと良くなると思う。次作に期待。
『――警視庁は十三日、○○区在住のフリーター、前川良治容疑者(28)を強盗殺人の
容疑で逮捕した。前川容疑者は、××区在住の銀行員、北見隆さん(36)宅に押し入り、
北見さんの妻、遥さん(34)の腹部を持っていた包丁で数回刺して死亡させた疑い――』
祥子、元気でやっていますか。
僕がここへ入ってもう六年が経とうとしています。いつまで経っても、ここでの暮らし
に慣れるということはありませんが、それでも何とかやっています。
そちらに変わりはありませんか。加奈は病気をしたりしていませんか。僕がいなくても
暮らしていけていますか。
祥子、僕が罪を犯したことで気に病んだりしていませんか。確かに、君があの女に酷い
目に合わされていると漏らしたから、僕はあの女を殺しました。だからといって、君が思
い悩むことはありません。
君と過ごした日々は短くて、君の妊娠にも気づいてあげられなくて、僕は本当に駄目な
男でした。あの日、一年ぶりに君が僕を訪ねてくれて、小さな加奈が僕の子だと教えられ
た時、僕は生まれ変わろうと決心しました。君と加奈が、僕にとって何ものにも代えられ
ない大切なものになったのです。君と加奈を守るためなら全てを投げ打つ覚悟ができたの
です。だから、僕はこの結果に満足しています。君が気にすることは何もないのです。僕
が、僕自身のためにやったことなのだから。
祥子、君と結婚して加奈と一緒に幸せな家庭を築くことはできなくてごめんなさい。加
奈を人殺しの娘にしたくない気持ちは僕も一緒です。だから、この手紙を出すことはでき
ません。看守や他の誰かが目を通すかもしれないからです。そうなると、加奈が僕の子で
あることが知られてしまいます。だから、この手紙も、これまでに書いた手紙と同様、細
かく千切って便所に流すことにします。
君に心配しなくてもいいことを伝えられなくて心苦しいです。
加奈に会いたいです。
加奈に会いたい。僕の娘に。
『 わたしのお父さん 2年2くみ 北みかな
わたしのお父さんは、ぎんこうではたらいています。日よう日は、わたしとお父さんと
お母さんで、一しょにお出かけします――』
<了>
>>366 おもしろい! ただ、譲れないものというよりすれ違いかな。
「ファミレス」「危機一髪」
「ちょっと来てくれるだけでいいからさ。頼むよ」
しかしその娘の声は冷ややかだった。
「こんな時間にどういうつもりよ。最近物騒な事件が増えているし、行かない」
言い返す間もなく電話は切られた。俺は携帯をしまうとテーブルにうなだれる。深夜の
ファミレスはいつも通り閑散としていた。目の前には恋人が注文した料理が、手付かずの
まま残っていた。激しい口論の末に恋人が席を立ったのは、俺の女関係が原因だ。後に残
されたのは彼女のオーダーと無一文の俺だけだった。
こんな日に限って誰一人つかまらない。住宅街にぽつんとあるこのファミレスは、確か
に友人たちが来やすい場所ではない。店員に事情を説明すればいいのだが、それはそれで
恥ずかしい。
「お困りのようですね」
ふいに背後から声をかけられ驚いて振り返ると、一人の女が隣の席に座っていた。すら
っと高い背に紺のスーツを着こなしている。いかにもキャリアウーマンという感じだ。傍
のボストンバッグが不自然な印象を与える。
「聞いてたんですか?」
369 :
深夜の女2/2:2005/10/07(金) 03:11:48
「ええ。最初から、ずっと見てましたよ」
こんな女いたかなと考えながらも、俺はバツの悪い恥ずかしさを感じていた。
「何かお役にたてることがあると思うのですが」
女はよく通る、澄んだ声で続けた。
「久々に楽しいものを見せてもらいました。私が立て替えましょう」
「いや、でも……」
知らない女からいわれて、俺は面喰らっていた。
「気にしないで。これも何かの縁ですよ」
女は『縁』という言葉を強調していった。よく見ると女は、透き通る肌に整った顔だち
をしている。切れ長の瞳が冷たい印象を与えているが、それさえも女の魅力を引き立てて
いた。確かにこれは縁だ。
「すみません。すぐに返します。あの、連絡先教えてもらえますか」
「ふふっ、初対面の男に教えれると思う?」
「それもそうですね」と、俺は自分の免許証を渡し、一万円を受け取った。電話番号では
なく免許証を渡したのは、確実に女と再会できるようにするためだ。
支払いを済ませ外に出た時、ふとある疑問が頭をよぎった。こんな時間、こんな寂れた
ファミレスで、あの女は何をしていたのだろう。俺は最近この辺りで頻発する強盗殺人事
件を思い出した。狙われるのは皆、一人暮らしの男。凶器は大きな鈍器。気になってファ
ミレスを振り返ると、あの女がじっとこちらを見つめていた。にやりと笑った口元から、
滴る血のような舌が覗いていて、俺の背筋を凍り付かせた。【了】
370 :
ズン ◆ieCndECQ1E :2005/10/07(金) 21:04:52
812 名前:名無し物書き@推敲中?[sage] 投稿日:2005/10/07(金) 21:00:45
>>810 ズンは身に覚えがあるから神経質にもなるよ。
言いがかりだよ。
ばかばかしくて反論しなかっただけだけど、こんなに他スレや他の板での荒らしが続くなら、
発祥の地であるここで議論させてもらうことになるからね。
今日はまずは挨拶代わり。
ズン必死だな。
天知る、地知る、ズン知る。というかお前が知っていればそれでいいのだ。
今度は自分が自分に嘘をつく話でも書いたらどうだ。受けるかもしれないぞ。
372 :
ズン ◆ieCndECQ1E :2005/10/07(金) 21:11:41
他スレでの荒らしをここにコピペして反論する(10日から)と書いたら、
早速ここに現れた馬鹿がいるのだが、
ここでの書き込みなんぞスルーするというのが基本方針。
だって、他スレでの荒らしを懲らしめるのが主目的なんだもの。
373 :
↑:2005/10/07(金) 21:18:37
ズン必死だな
374 :
ズン ◆ieCndECQ1E :2005/10/07(金) 21:23:44
816 名前:名無し物書き@推敲中?[] 投稿日:2005/10/07(金) 21:20:27
>>813 何を勝手に仕切っているんだよ。
早く予選通過者の指名と作品を晒せやヴォケが。
「指名」って、もしかして「氏名」のことかな?
375 :
ズン ◆ieCndECQ1E :2005/10/07(金) 21:34:06
819 名前:名無し物書き@推敲中?[sage] 投稿日:2005/10/07(金) 21:29:24
ズンは自分のあげ足を取られやすい性格を認識して、
それを小説に書いたらどうだ。受けるかもしれないぞ。
言いがかりをつけたいお前らの性格を認識してそれを小説に書いたら?
376 :
ズン ◆ieCndECQ1E :2005/10/07(金) 21:35:26
820 名前:名無し物書き@推敲中?[sage] 投稿日:2005/10/07(金) 21:33:43
>>816 余計なこと書きやがって馬鹿
こういうレスもこっちに書いてもらえればありがたい。
377 :
ズン ◆ieCndECQ1E :2005/10/07(金) 21:36:00
てな感じで10日まで様子を見ることとする。
>>370以降意味不明。
だれか状況説明してくれ
>>378 ズンではない誰かの作品をズンだと勘違いした奴が、
ズンに粘着して他スレなどでズンを煽って叩いた。
ズンは無視していたが、あまりにしつこいので
>>370となった。
以上。
>>379 事情を知らないなら口を出すな。
ズンが自演で煽り荒らしを繰り返したのが根本的な原因だろ。
少なくとも自分で認めた分はズン本人だ。
粘着は行きすぎてるが、こういうのを逆ギレというんだよ。
逆恨みで本スレまで巻き込みやがって、目糞鼻糞だな。下らない。
>>380に同意。
自分のしたことが原因なら、自分を責めるべき。
相手を荒らしだとするなら通報でも何でもして、
自分の潔白を証明したら良い。
ここを使うのはお門違いも良いとこだし、
ただの荒らしでしかない。
まず見直したらどう?
名無しで煽って、荒れの原因になって、
追求されたら開き直って、
一度も謝罪すらしないで逃げ回る自分の行動を。
はっきり言って、これは酷いよ。頭悪すぎ。
その勘違いした作品ってこのスレで晒された作品?
384 :
名無し物書き@推敲中?:2005/10/07(金) 23:38:41
もうどうしようもないな
ズンも文學界の粘着もまとめて通報しようか
>>368-369 >しかしその娘の声は冷ややかだった。
って部分で前後の台詞のどちらを指しているのかちょっと戸惑った。
「しかし相手の(娘の)返事は冷ややかなものだった」とした方が分かりやすいかと。
>激しい口論の末に恋人が席を立ったのは、俺の女関係が原因だ。
「女関係が原因」という文脈から「男の浮気」がまず連想されるが、それだと激しい口論とはならずに
女が男を一方的に責めるとした方が納得いく。男の女友達の多さ、もしくは友達とは思えないほど
仲のいい女友達のことを浮気だと騒ぎ立てて、それで男が反論してお互い口論になった、
ということかもしれないが、「女関係が原因だ」の一文だけでそこまで読み取るのも難しく、
前後の因果関係のバランスが悪いような気も。考えすぎかもしれないが。
全体の流れ・テンポが一定で、読んでいて気持ちいい。
ただオチのトーンが弱くて、そこだけホラーになってるっぽい。
個人的には、最後までスーツ姿の女には演技を続けさせて欲しかった。
男が振り返った時、屈託の無い笑顔を返して結末(女が本当に強盗犯なのかそうでないのか)を
ぼかしておいた方が、読み手の疑心暗鬼が大きくなって不安な読後感になったかも。
あと、これもまた考えすぎでどうでもいいことなんだけど、
一人暮らしの男という被害者の共通項が鮮明になるくらいの数の強盗をしてるのに
まだ同じ地域でやんのかよって女にツッコんでおきたい。
>>366 怖いオチですね。
操られたことにも気づかず、獄中でふたりを思う健気で哀れな男が
短い中で上手く書かれていると思います。
好きな女性がいて、そのお腹には自分の子がいるのにも関わらず、
殺人を犯してしまうというところに違和感を覚えましたが、彼女の
妊娠を知り、再起を誓い奮い立った男の気持ちを上手く利用したの
でしょうね。
文章自体もそつなく、問題なく読めました。
投下お疲れ様でした。
>>368-369 これも怖い女性の話ですね。
>>385さんも仰られていますが、ストーリーをすべて明確に説明して
しまっていて、想像して楽しむという余地がなくなってしまってい
ます。
この女性が連続殺人犯だというのは「深夜のファミレスにひとり」
「主人公もひとり暮らしをしている」というだけでも、充分に考え
ることができます。ですから、女性には演技を通させ、ボストンバッ
グの中身も明らかにせず、読み手に想像させるようにすると、怖さ
が増すと思います。
細かいかもしれませんが、気になった点としましては、
>ふいに背後から声をかけられ驚いて振り返ると、一人の女が隣の席に座っていた。すら
>っと高い背に紺のスーツを着こなしている。いかにもキャリアウーマンという感じだ。
隣のボックス席に座った女性の背の高さは、一瞥しただけではわか
らないはずです。
>「ふふっ、初対面の男に教えれると思う?」
この女性が「ら抜き言葉」を使うのは違和感があるように思います。
会話としても、その後すぐに免許証を出してしまう主人公を少し不
自然に感じました。
この女性が犯人であるという描写を減らすことで謎を増やし、その
ぶん女性に声をかけられてからの主人公の思考の描写を細かく書か
れてみてはいかがでしょうか。もっと良くなると思います。
投下お疲れ様でした。
393 :
◆KirA/fLv2g :2005/10/08(土) 04:52:52
◇第3回テーマ別1000文字鍛錬大会◇
◆新しくテーマが追加されました◆
背景テーマ「ファミレス」
状況テーマ「危機一髪」
※どちらかひとつ、もしくは、ふたつを組み合わせたものをテーマとして下さい。
・参加希望の方は
>>1を参照のうえ、
上記テーマと現在のテーマである「譲れないもの」のどちらかをお選び下さい。
・また、投稿する際には必ず、使用したテーマの明記をお願いします。
【参加作品まとめ】
10/8 4:40現在 全25作品
「譲れないもの」
>>349-350,390
「ファミレス」 >>-
「危機一髪」 >>-
「ファミレス」「危機一髪」
>>391 ・投稿規定から外れている作品には、※印をつけてあります。
【専用雑談スレ】
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1128148458/ ・まとめサイト掲載作品への感想や雑談など、
投下とそれに対する感想以外の話題は、こちらにお願いします。
たとえば僕は、こんな小さなファミレスのぽっかり浮かぶ島のような二人掛けの座席に
座って、六人掛けの窓際の席でチョコレートパフェを突きあっている父娘を見ても、涙が
出ることがあるんだよ。空が青すぎたり、妙にお寒い学園ドラマの卒業式のシーンで、ア
イドルが鼻水を堪えながら、それでも泣く演技を披露しようとしていたり、雨上がりの路
上でアスファルトの窪みにカマキリが頭を突っ込む形で行き倒れている。ただそれだけで、
泣けてくることもあるんだ。僕はどうしようもなく涙もろくて、そんな自分に酔いしれる、
本当に弱い人間だ。
君がいなくなるかもしれない。
そう思ってもしかし、涙は零れない。僕はどうしようもなく愚かで、そんな自分に酔い
しれるだけの勝手な人間だけど、君がいなくなるというなら、それは君が君自身一人考え
抜いた結論であり、君が君であるための結論だということはわかる。
君がいなくなるかもしれない。
どんどん孤独を増していくこの街で、僕は君の孤独をわかるふりをしながら、気持ちを
わかるふりをしながら、僕は何もしなかった。君一人に闘いを強い、君の孤独に触れよう
とはしなかった。君がいなくなると聞いて知る感情は、ある日電車の窓の向こうに虹の足
が見えたとか、ふと見上げると頭上に満月があったとか、祖父母から突然手紙が届き、「会
いに来い」ただそれだけが便箋に書いてあったときなんかとは全く違うものなんだ。
君はもういないのだろうか。
危機一髪にさっと現れる救世主にはなれない。せいぜい僕はこんな小さなファミレスで、
せっせと譲れないものをテーマにうだうだ文字を綴っているだけだ。ただ君に申し訳なく
思うだけなんだ。まだ涙は零れない。君に申し訳ないとそれだけを伝えたい。こんなふざ
けた手紙でそれが十分伝わるとは思っていない。文才もない。君の心に届く文章なんて、
今までから書けたものではなかった。それは君も知っているだろう?
君はもういないのかもしれない。
それでも僕はこの手紙が君に届くことを願っている。
了 テーマ 譲れないもの
>>394さん、読ませてもらいました。
感想です。的外れでしたら無視してくださいね。
手紙のように語りかける作品ですね。
作者の方の繊細さが伝わります。
冒頭の「たとえば僕は、」でのはじまり、興味をひいていいと思いました。
また、ワンセンテンスを長くして、独特の文章を紡ごうとしている点もいいです。
ただ、「、」のつけかたが変則的で、リズムが悪い印象。
日本語もところどころおかしいかな。
読みにくくて惜しいです。
>君がいなくなるかもしれない。
これは不要な気がします。直接言い過ぎかな、と。
最後の〆は個人的には好き。
作中でも作者の方が言っているように、
伝えたい。だけど、伝えきれない。もどかしい。
そんな印象が作品自体にもあるかな。
作者さんが「切ない」思いを一生懸命伝えようとしてるのは分かるんですが。
生意気言ってごめんね。これからもがんばって^^
おや、このスレでがんばを見るのは初めてだな。がんばも何か書かないか?
>>394 これはたぶん
>>396が言う、「伝えたいだけど伝えきれない」を、
このスレの一人にだけ届くように書いているという読みでいいんだろうか。
もし俺の解釈が正しいなら、俺も何か書くことにする。
>>394さん。
涙があふれてきました。
私も、何か書くことにします。書かずには、いられません。
あ、感想書きっぱなしで、見逃してたです。
>>397 ありがとうです^^
気がむいたら、多分名無しで書きますです。
きらりん、みんな、戻ってきてほしがってるよ。
嫌じゃなかったら、戻ってきてね。(部外者の私が言うのもなんだけど)
400 :
名無し物書き@推敲中?:2005/10/14(金) 02:40:05
◆第三回テーマ別鍛練大会◆開催中!
NEW!
・君に伝えたいこと(
>>394-395)/394
・まとめ(
>>393)及び
>>1をご覧の上、お気軽にご参加下さい(*´ー`*)
401 :
名無し物書き@推敲中?:2005/10/14(金) 02:47:35
童貞のチンコ?
いいかげにしぃや!
「ファミレス」「危機一髪」
私は熱いお茶を一啜りしてから言った。
「ファミレスですか」
湯気立つ湯飲みには全く手を触れようとしない博士は、一つ頷いてから、
「ファミレスだ」
と答えた。
「なんでまたファミレスを潰そうなどと?」
「日和さんのためだ」
「日和さんって、博士がよく昼食をとりにいく喫茶店の人ですよね」
「そう、数年前に夫に先立たれ、以来、女手一つで喫茶店を守り続け、多忙な中でも名前
の通りの温かみを失わない女性だ」
言って、博士はだらしなく目尻を下げた。と思うや否や、途端に眉根を寄せ、険しい表
情で続けた。
「そんな喫茶店のそばに、最近、ファミレスができたのだ。なんでもウェイトレスの胸を
強調した制服が人気の店だそうで、日和さんの喫茶店にはさっぱり客が来んようになった」
言い終わると、博士は不満げに鼻を鳴らした。
私は頭をかりかりと掻き、
「で、これはなんです?」
と、向かい合って座る我々の間にあるテーブルの上のモノを指差した。
「見て分からんか?」
博士は信じられない馬鹿者を見るような目つきで私を見た。
「そりゃ、分かるか分からないかで言えば分かりますがね、今の話とコレの繋がりが分か
りません」
それは、一尾の鰯だった。焼いてもよし、揚げてもよし、生姜と一緒に醤油で煮ても美
味い。そんな鰯がテーブルの上に皿に盛られることもなく横たわっていた。
腕組みをした博士が重々しく口を開く。
「猿渡君、君は『鰯の頭も信心から』という言葉を知っているかね?」
「はぁ、知ってますが」
「このメカ鰯はだな、強く念じればその願い事を叶えてくれるという代物なのだよ」
メカ鰯――博士はタツノコ・プロ世代でもあるのだ。
私は暫くぽかんと口を開いたまま動けないでいた。ようやく自分を取り戻し、
「そ、そんなこと可能なのですか?」
と尋ねる。
「詳しい原理の説明は省くが、可能だ。そして私は、このメカ鰯に、あの不埒なファミレ
スが潰れるように祈るつもりなのだよ」
「それって犯罪になったりしません?」
「君は本当に無知だな。刑法には不能犯というのがある。呪いで人を殺しても、呪いと殺
人の因果関係を証明できないから殺人罪には問えんのだ」
「……矛盾してませんかね、博士」
私がそう言うと、博士は「あれ?」と顎に手を当てて首を捻った。
後日、日和さんは店をメイド喫茶に生まれ変わらせ、博士の昼食は弁当になり、私が日
和さんの喫茶店へ通うことになった。メカ鰯はラジコンに改造され、研究室の水槽を泳い
でいた。
<了>
>>402 目から変な汗が出てくるほど乙です。乙なの。
他スレで話を出した途端上がったから驚いた。
ちょっと待ってください。今読みます。ありがとう。
>メカ鰯――博士はタツノコ・プロ世代でもあるのだ。
吹いたw
>「なんでまたファミレスを潰そうなどと?」
こういう説明の要らない出だしで、
ぽんと読者を惹きつけるのほんと巧い。いいなあ。
博士と猿渡君のキャラも立ってる。
うん、久しぶりでほんと嬉しい。
406 :
影:2005/10/29(土) 04:55:42
南野は楽しそうに言う。
「それは、お前が捻くれているだけだべ?」
捻くれている?こいつは馬鹿だから何も見えていないのだ。
だがしかし、そう見られているという事は、表面的には捻くれていると言う事は、
内面的に捻くれている可能性もあるわけだ。
これについて真面目に考えればどれだけ時間が掛かるか判らない。
代わりの返答をした。
「何故そう思う?」
南野は直ぐに言葉を返す。待ってましたと言わんばかりの顔だ。
「そういう風にしか見えない。」
「お前だから忠告するけど、素直にならないと生きていけないぜ。」
この男の喋りからは考えて言葉を発すと言う事が伝わってこない。
それに、お前だから言うけど、と軽々しくいうが、誰にでも言うんだろう?
その言葉を付け加えることで、
さも考えて会話をしているかのように見せかけているだけだ。
つまらぬ自尊心のために。
俺は次第と苦渋の顔に変わり
「お前といてもつまらない。今すぐ俺の前からいなくなれ。」
と言い放ち、
少なくとも暫くの間はこの現代が生み出した馬鹿者と交流をしないことを決めた。
南野は驚いた表情で数時俺を眺めると、
冷めた目に変わり、大事にしている友達グループの輪に帰っていった。
407 :
影2:2005/10/29(土) 04:56:23
静かな時間が続いた。
そして俺は俺の中に戸惑いの感情が現れていることに気が付いた。
焦りに似、不安にも似、高揚にも似た、自分でも良くわからない感情だった。
それでいて酷く冷たい感じもした。
ふと寒気を感じたが、かなり冷や汗を掻いている事に気が付いた。
俺は周りに気づかれない様に意識しながら一度深呼吸をし、
冷静冷徹な自己が戻ってくるよう考えに努めた。
(何故俺は困惑しているのだ、奴の言葉がそんなに確信をついていたとでも云うのか?)
(否、それは無い。くだらない人間に俺は左右されない。ならば何故…?)
思い出していくのは、見下された憎しみだった。
さらに考える。
(自尊心を傷つけられたために俺は軽いパニック状態に陥っているのか?)
(まさか、自尊心は俺の最も認めない感情の一つだ。
あれは不誠実な、卑屈な人間を生むだけだ。)
薄々と気づいた。その問いかけが芽生えた時安堵感が生まれていた。
俺は知っている。此れは正しい自己分析が出来たときの感覚だ。
と云うことは、俺の中にもその下らない感情が存在していたのか…。
しかも、俺を混乱させるまでに。
酷く辛い気持ちになった。
だがこの感情は死ぬまで付いて来る。そんな気がしてならなかった。
将来、自尊心に打ち勝ち、他人に譲ることの出来る自分が現れる日が来るのだろうか?
悩みというよりも不安であった。
それはハッキシと感じることは出来なかったが、
確実に俺の心に深い影を落としていった。(終)
本当は1100文字くらいあります。次からは気をつけます。
同じテーマでも色々な作品があって面白いですね
>>402-403 投下乙です。
もうすっかりお馴染みとなった万丈目博士シリーズですが、
今回もやはり手慣れた文章で気持ちよく読むことができました。
オチで少し考え込みましたが、それは僕の読解力の問題ですね。精進します。
>メカ鰯――博士はタツノコ・プロ世代でもあるのだ。
ここは僕も吹きましたw
あと、最後の一文ですが、
「泳いでいる」で締めた方がしっくりくるように思いました。
>>406-407 投下乙です。
登場人物の思考や台詞にリアリティが感じられず、
台本のある演技を見せられているような違和感がありました。
これは好みの問題であり、意図してリアリティを無視したのであれば構わないのですが、
もしそうでないとしたら、
なぜこういう考え方や話し方をするのかというところを書くと、
もっと自然に読めるようになるはずだと思います。
音読してみるのも、客観的に見直すことができていいかもしれません。
>自尊心は俺の最も認めない感情の一つだ。
>あれは不誠実な、卑屈な人間を生むだけだ。
>将来、自尊心に打ち勝ち、
>他人に譲ることの出来る自分が現れる日が来るのだろうか。
このあたりの表現は面白いと思いましたし、
起承転結のしっかりした構成はとてもよかったです。
最後に、次回の投稿時からは
>>1のテンプレ及び
>>393のまとめレスをお読みになって、
体裁を整えるようにしてください。
細かいと思われるかもしれませんが、読者を意識するということも鍛錬のうちですからね。
目の下まで湯船に浸かり、ゆらゆら揺れる髪を見るうちに思考力だけは戻ってきた。
といってもまだ頭は芯から傷むし、胃は捻れたままだ。ソルティドッグを三杯飲んだ後
の記憶はない。目を開けたときには聡史におんぶされていて、もう家の門扉の前までてい
た。
途中、タクシーに乗り、吐く吐かないの問答になり、タクシーを降り、ひたすら謝って
いる聡史と、謝るなボケと罵る私。映像の断片がチカチカと目の奥に消えては浮かぶ。
頭まで湯に潜った。数秒で苦しくなり、顔を上げる。呼吸とともに湯が口の中に入って
きて、ごほごほと咽せ込んだ。
今何時だろう。聡史の背を降りたとき、深夜零時を過ぎていたことは間違いない。片方
素足のまま石塀に凭れ、聡史に怒鳴った。
「何なのよ、何だって自宅に送るのよ、アンタの部屋でもホテルでもいいじゃない、アン
タ馬鹿じゃないの」
「でも先輩、家に電話入れていなかったでしょう。家の人も心配しているでしょう」
「信じられない、男に背負われて帰ってくる娘より、朝帰りの方がまだましじゃない。ほ
んと男って気が利かない。女の都合わかってない。そんなこともわからなくて、でもって
就職はバンバン決めてくるんじゃない、男ってほんと得だよね、アッタマきた。帰る、じ
ゃなかった、どっか行こう、ファミレスでもどこでも……」
とその時、突然視界が暗くなったかと思えば、髪と頬がアスファルトについていた。家
から出てきた父に張り倒されたのだった。
洋服を来たまま、浴室に押し込まれた。
貯金を下ろして買ったブランドのリクルートスーツも、毎回クリーニングに出す白シャ
ツも、伝線したストッキングも全部丸めて洗面器の中に突っ込み、ぬるい湯に浸かり、私
は膝を抱えている。
スーツのポケットからハンカチがはみ出ていた。
アイロンで折り目を付けた真っ白なハンカチは、勝負ハンカチだ。どんなに忙しい朝も、
正座して行うアイロンがけだけは譲れない。白いハンカチ、挨拶、箸の持ち方、女だから
男だからと自分の不出来を言い訳しない。それが私だったはずだ。
涙が零れた。
譲れないものを譲り、聡史に八つ当たりをし、馬鹿なのは私の方だ。
リビングから聡史の笑い声が聞こえてきた。父の声も聞こえる。母が何やら一生懸命喋
っている気配がある。
湯を両手に掬い上げ、バシンと頬を叩いた。謝らなければいけない。聡史に、家族に。
シャワー全開。吹き付ける冷水の下で、頬を何度も叩いた。
<おわり> テーマ「譲れないもの」
>>412-413 いいですね。
さっぱりとした、良い作品だと思いました。
気になった点としましては、
まず、3段落目は状況を把握しづらかったです。
「途中、」からの描写が「〜私。」で終わっていることで、
次の「映像の断片が〜」という説明を聞くまで、
そこをどう読んでいいのか分からなくなってしまっていると思います。
そして、この「〜私。」や「シャワー全開。」のような体言止めも、
あまり効果的に使えているようには見えまなかったのが残念でした。
誤字脱字も見られるなど、引っかかってしまうところもありましたが、
主人公の“譲れないもの”、「勝負ハンカチ」、文章のリアルな雰囲気、
気持ちのいい結末も、すごく好きです。
投下乙でした。
テーマ「危機一髪」
男は脅迫されていた。
先ほど耳にした言葉を思い出すだけで、奥歯が小刻みに触れ合い、膝から下の感覚が失
われそうになる。頭の中に巨大な黒い蛇がとぐろを巻いて住み着きでもしたかのように思
考は纏まらず、早鐘を打つ心臓が酷く喉を渇かせる。
そんな男の様子を見て、脅迫者はもう一度念を押した。
「いいこと。ビールは一日一本! 次に約束を破ったら、アンタが寝ている間にその頭に
みっともなくしがみついている最後の一本を引っこ抜くからね!」
<了>
>>416 ああ…なみへい様、あなたは波平氏ですね(泣)
わざわざご足労頂いてスレを盛り上げていただけるなんて…
>巨大な黒い蛇がとぐろを巻いて
この部分と
たった一本みっともなくしがみついている弱々しい毛を対比させた技に
ちょっと嫉妬しています。
がおおおおおおおおおおお
みずちゃん、こっちじゃないよ涙
先に謝っておくが、ちゃんと読めてなかったらすまんw
>>402-403 一番気になったのはファミレスが出来て喫茶店に客が来なくなるって設定かな
俺はよく近所の馴染みの喫茶店に行くんだが、
上手いコーヒーとあの雰囲気を求めてるわけで、ファミレスに行くのとはベクトルが違うんたよな
近くにメシを食うとこがなくて、その喫茶店が流行っていたというのもなくはないが
俺は引っかかってしまったんだな
相変わらず文章はこなれてるし起承転結もしっかりしてるし、
鰯の描写も面白かったしで、良かった
思わぬとこで作者の年齢が伺えてしまったがw
あと、欲を言えば「上手くまとまった」で満足せずにもう一つ上の作品を読みたい
そういうのは出さないかもしれないが、勝手に期待させてもらうw
>>406-407 難しいなw
何が難しいって、難しく書こう難しく書こうとしてるんだろうが、
これじゃあ難しい言葉を使ってるだけになっちまってんだと思うんだな
冒頭五行で四回も「捻くれている」ってのが出てくるのもそうだが、
表現したいと考えてるものに語彙力がついていってないように見える
これは自分の好きな作者やジャンルなんかは関係なく、もっと本を読むといいんじゃないかな
構成は悪くないと思うから、頑張れ
>>412-413 うん、上手い
胃が捻れたままって表現にまずやられたw
で、父親に殴られる件の書き方と勝負ハンカチっていうエピソードに惚れた
溜まっていたものが一気に吹き出してしまった様子も
我に返ってそれを後悔する主人公の気持ちも、ちゃんと伝わってくるし、いい
聡史のセリフと最後には家に上がりこんでるのにちょっと違和感があったが、
それでも前向きなオチも含めて、俺も好きでした
>>416 仕方ないかもしれんがタイトルはともかく
テーマを先に書いてネタバラシしちゃったら駄目だろと思いつつ読んだw
うん、なんかもう、その心意気だけでごはん3杯はイケるw
どうでもいいんだが、
波○は頭頂部の一本が目立つがサイドと後頭部にも髪は残ってるんだよなw
>>416 悔しいですが、笑ってしまいましたw
オチを際立たせる緊迫感のある文章はよかったですが、
映像の描写がなく、その場の様子を想像できなかったのが残念です。
と、仕返しにマジレスをしてみたところで、
まとめサイトの中の人にメールで掲載を頼んでみようと思いつき(ry
投下乙でしたw
425 :
◆KirA/fLv2g :2005/11/02(水) 01:11:23
426 :
412:2005/11/02(水) 13:45:32
皆さん読んでいただいてどうもありがとうございました。
これからも修行したいのでどうぞよろしくです。
感想の勉強もしたいです。がんばります。
庄助おじさんがシャッターを開け、写真屋の赤屋根の後ろから朝陽が差し込むと、ショ
ーウィンドウがきらりと光って僕の顔を写す。僕が一日の中で一番好きな瞬間だ。隣の超
合金ロボは、朝陽を浴びると青い塗料が安っぽく見えるから嫌だと言う。でも僕のセルロ
イド製の肌は、なだらかなカーブが陽を好き勝手に反射して粒子が異なる色を作り出す。
ちょうど人間の肌のように見えるから、僕はこの瞬間が一番好きなんだ。
庄助おじさんがシャッターを引っ張る金棒で肩を叩きながら、店の中へ戻ってきた。開
店は十時だから、あと三時間は奥でテレビを見るんだ。本当は僕達のアイドル魔女っ子ド
ロちゃんが出るアニメをかけて欲しいけど、僕も耳を澄ませてニュースを聞く。だって僕
には夢があるからね。いつか人間になるその日のために、僕は勉強を怠るつもりはない。
人間になるにはどうしたらいいんだろう。
隼人君が縦笛を吹きながら走っていった。今日も隼人君はランドセルの蓋を閉め忘れて
いる。銀色の金具がぶらぶら左右に揺れて、あれでは走りにくいだろう。そんなこともわ
からない隼人君が人間で、僕は人形だ。走りたいのに足の指一本動かせない。世の中不公
平だと思った時、遥香さんが通りかかった。
428 :
人形の夢 2/2:2005/11/02(水) 14:23:42
ああ、ウィンクしたい。でも出来ない。睫一つ動かせない。遥香さんはウォークマンの
リモコンを操作しながら、足取りも軽く去っていく。
お前はたくさんのことを願いすぎるからだ、と熊のゴンさんに言われたことがある。
「走りたい、歌いたい。欲張るから駄目なんだ。これは譲れないというもの一つに的を絞
れ」
でもゴンさん。やってみたいことがたくさんあるんだ。一つになんて決められない。
夕焼けとともに悠子さんが来た。いつものようにベビーカーを押して、今日は隣に男の
人がいる。男の人がガラス窓を覗き込んできた。悠子さんも赤ちゃんを抱き上げて隣に立
つ。赤ちゃんは僕と同じくらいの大きさで、肌が白い。男の人がその頬をつんと突いた。
赤ちゃんが笑う。悠子さんもつんと突く。赤ちゃんが笑う。三人は去っていった。
夜になった。シャッターを閉じた黒いガラスに、僕の顔が写っている。僕は眠らない。
眠りたくても目を閉じられない。頬を突かれても笑えない。
人間になりたい。笑いたい。人間と同じように。あの赤ちゃんと同じように笑いたい。
一つだけ。神様どうか一つだけ。
そのときだった。
僕の瞳から一つ、涙がこぼれた。
End 〜譲れないもの〜
>>427-428 文章全体には注文をつけるところがない。すらすらと気持ちよく読めた。ただ、
>ちょうど人間の肌のように見えるから、僕はこの瞬間が一番好きなんだ。
ここが少しあっさりし過ぎているような気もする。その一つ前の文が少々凝った表現を使っているだけに。
「まるで、それまで止まっていた血液が体の隅々にまで巡っていくようで、この瞬間、僕は幸せの中に包まれる。」
とかにしてみてはどうだろうか。字数多いけど。
瞬間、一番好きというのも三行上にあるので、表現を変えたほうがいいかもしんない。
あと、これは好みの差なんだけど、オチの涙がちょっとね。
いや、分かるんだよ。涙が出ることの筋は通ってるし余韻だってある。
オチはこれしかないと言い切れるかもしれない。
でもね、なんていうかね、メルヘンに過ぎてね。
人間になりたくて、ショーウィンドウから道行く人々と人形の自分を見比べて、
夜眠る事もできず、心が激しく悲鳴をあげているのに顔は笑ったまま。
でもまた次の朝、鏡にうつった自分の顔は人間の笑顔そのものに見え、
「ああ、僕の願いは随分と前から叶えられていたんだなぁ」・・・みたいな。
いや、これはホント好みの話。
「人形が泣いたら呪いの人形とか言われるよなぁ」って思ってしまう、
心の荒みきった男の妄言だから気にしないように。
お疲れ様でした。
――新宿区歌舞伎町
区役所通りを新宿駅方面から向かって行く。片側一車線の狭い車道で、入ってすぐ緩やかな下り坂、
左には新宿区役所がある。その公共の建物以外は左右に雑居ビルが連なり、職安通りに抜けるまでの
500メートル程の間に何百軒もの飲食店が詰め込まれている。
ヨソモノのオレには妖しく魅力的だけど、殺伐としていて妙に気持が落ち着かないこの小通り。
坂を下りきると小さな交差点があり、設置されている公共のカメラから覗かれる。
そこからは上り坂で、しばらく行くとバッティングセンターがあり、その先隣には
このゴミゴミと混みあった町にしては珍しく広々とした駐車場がある。
オレはこの駐車場が大好きだ。周囲を網目のフェンスで囲っていて外界がよく見える。
酔っぱらったサラリーマン、外国人ホステス・店員、ヤクザ、風俗嬢、生意気そうなガキ、
ややこしそうな人間が往来している。しかしここじゃ自分の周囲10メートルに人間の気配を感じない。空
を仰いでも雑居ビル達はフェンスの外。吹き抜けみたいでキモチイイ。
駐車場の中を見渡せばベンツ、BMW、アウディ、リンカーン、セルシオ、と高級車モーターショー。
「東京だ。これが東京なんだ。栄華と悪徳の都・大東京だ」
酒が回った頭でテンションが上がっていく。育った田舎じゃ見るも困難な高級車達と肩を並べて
オレのキャデラックが笑っている。今年の同窓会にはコイツで乗りつけてやろう。
かなり酔っぱらっている。吐くかもしれない。一休み、と地面に腰を落とし
タバコをくわえてライターを取り出す。
「キィィン」
お約束のデュポンのライター。
「この開閉音が最高なんだ」
と、女の子がつく飲み屋へ行けば吹きまくる。金の為に生きてきて、誰からも好かれない
イヤらしい人間になりはてたオレの快進撃もここまでだった。
タバコを指に挟みながらそのまま寝てしまったはずなのに、目が覚めると何故か
タバコの代わりに拳銃を握っている。キャデラックの後部座席には後頭部から
頭の中身を撒き散らかしたおじさん。ここで嘔吐したのは酒のせいじゃない。
状況を全く理解出来ないまま、近付いてくるサイレンを聞く。いや、東京では
生きていけない事だけは理解できた。
end 「危機一髪」
>>431-432 乙です。
導入部分がちょっと説明的すぎるかも?
「目に浮かぶ」というよりも話にノリにくかった。
こういう展開の話だったら
もうちょっとグロテスクな描写で読んでみたい。
434 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/04(金) 18:20:55
>>431-432 素晴らしい。無常観ですね。文学的です。すでに危機一髪を通り過ぎてますけどね。
「東京では生きていけないことだけは理解できた」主人公は、この後で何らかの抵抗を
見せるのでしょうか? キャデラックやライターにまつわる彼の述懐からは、並々ならぬ自信を
感じますし、そこまでのし上がれた人物でもあるわけだから、きっとただ捕まるのを待ったりはしないでしょうし、
またたとえ捕まったとしても彼をそこまで陥れた真犯人を決して許しはしないだろうと想像できます。
となれば、この作品のテーマはやはり「危機一髪」なのでしょう。
「いや、東京では生きていけない事だけは理解できた」
という呟きに、「ヤレヤレ参ったな、さて、どうやって乗り切るかな」という自虐的な余裕を感じました。
惜しむらくは、私が想像したような彼の底力に関して、作品内での言及が曖昧だというところにあります。
私は、彼はどのような困難にも決して負けない人物だと脳内補完しました。
しかし、他の読者にとっては、「やっぱりどんなに出世してもいつかはそこから転げ落ちる運命にあるんだ」
といったペシミスティックなメッセージとも受け取られかねません。
つづく
435 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/04(金) 18:22:36
つづき
読者にどのような印象を与えるかどうかの決定は、作家がもっとも慎重でなければならない
ことだと私は日頃考えるのですが、作品の中からだけでは、そのどちらなのかが判断しにくいのです。
いや、もしかするならば、そのような判断を読者に任せたところにこの作品の良さがあるのかもしれない。
それが作品世界の軽さやユーモアを醸していることも確かにないとは言えない。
いや、しかしそれは危険な賭けかもしれないですし、あなたご自身にもし「こう読ませたい」という
希望があったのならば、もう一押し、粘ればさらによくなったと思います。すでにかなり良いですから。
前半で歌舞伎町にひしめく人々や並んだ高級車の車種を羅列する手法はかなり効果的でした。
私であれば決してそのような場所へは近付きたくありません。
最後に、この主人公にアドバイスしておきます。
警察に捕まった時、監視カメラに何か怪しい人物が映っていなかったかどうか訊いてみることです。
ここは普段からの警察との付き合いぶりがものを言うところでしょう。
監視カメラがないような駐車場で居眠りをするといった初歩的なミスは、この主人公には似合わないと思います。
脳内補完が際限なく続くのでこのへんでやめておきます。
>>431 乙です!
歌舞伎町の雑然としたところがよく出ていますね。
>駐車場が大好きだ。
こういう表現が楽しいなと思いました。
歌舞伎町に行ったことないせいかも知れないけど、
あんまりイメージできなかった ちょっと残念だったな(読み手としてね
438 :
431-432:2005/11/04(金) 23:28:57
感想ありがとうございます。
人に批評してもらう事がなかったので凄く嬉しいです。
>>434-435さん
褒められすぎて、素直に受け取って良いものか悩みました、、
新宿区役所通りを知らない人が冒頭を読んでどう受け取るのか
まで考えが回りませんでした。
これは、きっと自分の書くもの全体的に言える事なんだろうと思って推敲してみます。
439 :
434:2005/11/05(土) 00:02:21
>>438 褒めてるよ。でも褒めてるばっかりじゃないでしょ?
作品が面白かったから無理して褒めますスレみたいになっちゃった、ゴメン。
主人公の性格がもっと掘り下げてあって、伝えたいこと(男の強さor弱さ)がはっきり
強調されていればもっと印象が強烈だったかな、というところ。
歌舞伎町の雰囲気を出したいなら、今の羅列スタイルも良いと思うよ。
怪しい連中の集まる、雑然とした、危険な場所であるということが伝われば十分かと。
駐車場に辿り着くまでの描写の中に人間を登場させればもっと字数の節約になるかも。
ただ、こういうストーリーにからまない部分って、それだけを直そうとするよりも
主人公の掘り下げをまず徹底することの方が先だと思ったので、あんまり気にならなかった。
人物が上手くなれば背景も自然と上手くなるから。
440 :
427:2005/11/05(土) 00:09:12
皆さん読んで下さってありがとうございました。
>>429 バランスが悪いのも、表現が重なってしまうのも癖みたいなのですが
自分ではどうしていいかわからなくて、
ご指摘ありがとうございます。
オチも一人で考えているだけでは難しいですね。
せっかくガラスを鏡にするなら、
>>429さんの仰るとおり、
笑顔の方に焦点当てた方がよかったかもです。勉強になります。
>>430 嬉しい感想頂いて、かなり吃驚です。
>>437 そうやって一部の欠点だけ挙げると作者はかなりへこむから気をつけて。
できればどうすれば良くなるかも書こうよ。
裸電球の黄色い光に照らされて、江戸風鈴の夜店はある。
透明のガラスに描かれた、赤い金魚、朝顔。
目眩のようにガラスは揺れる。遠く、近く、音が重なる。
またこの場所に来ていたのか。
僕は耳を塞ぎ、その場に蹲った。
駒子に初めて買ってやったものが風鈴だった。
駒子は何度も屋台を行き来して、慎重に一つ選んだ。波打つ縁の透明から青に変わる濃
淡が、一番鮮やかなものだった。
包装を断り、駒子は細い紐の端を大事そうに摘んだ。横から下から風鈴を眺めている。
その緩く結い上げた後ろ髪を見つめ、僕は苦笑した。
「ほんとにそれだけでよかったの? かんざしも買ってあげたのに」
隣の屋台で漆塗りのかんざしを売っていて、ちょうど駒子の浴衣の柄と同じ、手鞠模様
のそれがあったのだ。駒子はかんざしよりも風鈴を選んだ。
「いいの。これなら毎日見ていられる」
くるりと振り向いた駒子が、風鈴に唇を近づけた。
透明なガラス越しに、駒子のキスを見た。唇が軽く触れただけなのに、そこからガラス
が溶けていきそうな熱い息づかいを感じた。
「毎日といっても、風鈴も夏のものだよ」
「ううん。ずっと飾る。いつまでも。いつまでも傍にいる」
いつまでも、と繰り返す駒子を、僕は確かに愛しいと思っていたはずだ。
「ごめん、残業だ。今日はそっち行けない」
「そう」
チリンと音がする。
「悪いと思ってる。でも本当に忙しいんだ」
「嘘だなんて言ってない」
チリン。
「やめろよ、それ」
「何が?」
「何がって風鈴だよ、当て付けがましい」
チリン。
「当て付けだなんて。いつも傍に置いているだけ」
「だから止めろって。なあ、部屋に閉じこもってばかりいないで、何か俺以外のこと考え
るとか……」
「私には彰久だけよ」
チリン。
駒子、もう止めてくれ。
吹き止まない風が、鈴を揺らす。参道に蹲った僕の両腕を、警備員が二人が
かりで引っ張り上げる。僕は叫んだ。駒子、もう止めろ。止めてくれ。
駒子と別れたのは二年目の春だ。
別れ話はなかった。僕が電話しても、駒子は風鈴の音で答えるだけになっていた。そん
な電話を何度かした後、僕は自然消滅という形を選択した。
その夏、駒子は死んだ。
連絡が取れないことを不審に思った家族が、駒子の部屋を訪れてわかった。
手首を切る前に、駒子は江戸風鈴をかみ砕いていた。
ガラスの半分は胃の中で見つかり、残りは唇の周りで、今飲み干したばかりの水のよう
に、きらきらと光を放っていたということだ。
(end)譲れないもの
444 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/05(土) 21:25:19
>>442-443 技術的には問題なし。洗練されている。
文章の巧拙に関しては、卒業だと思います。次に進む段階かと。
なので、内容についての感想を言います。
エンターテイメントとして読むならば、これはホラーなんでしょうけど、
発想に新鮮味がないです。どこかで見たような話。
こういう救いようのない内容は、一昔前なら受けたかもしれない。
読者の同情が得られたかもしれない。
しかし、あの『火垂るの墓』でさえ「働けよ清太」と切り捨てられる昨今ですから、
主人公の男に努力の痕跡が見られないこの内容では、読者の共感は得られないでしょう。
駒子がなぜそこまで主人公にとって疎ましい存在になったかの描写もないですし、
同じく、主人公がなぜそこまで駒子に執着されたのかという説明もない。
ただ結果だけがある。感情移入する隙がありません。
それと、参道で蹲った主人公が絶叫する場面は、かなり陳腐です。
何度も似たようなのを見たことがあります。「世にも奇妙な物語」を思い出しました。
純文学として読む場合。
やっぱり一昔前の女性観という感じがします。
今の女性はもう少し前向きで、どうすれば彼氏の負担にならないかどうか考えたり、
彼氏の良いところをどこか見つけようと努力しています。そっちが主流です。
同じく男性観もそうで、仕事が忙しいから会えないという言い訳が逃げでしかないことは
誰もがすでに気付いています。
なので、この作品を読んで新たに得られるものは何もないということになるので、
文学としての用を成していないんです。
それだけの文章力があるわけですから、今度は内容を豊かにしてみましょう。
>>442-443 話自体はすこぶる陳腐だが、映像を喚起させる表現力はずば抜けている。
なぜプロがこんなところに紛れ込んでいるのかと驚いた。
勝手な想像をさせてもらうならば、たぶん書き始める前に場面のイメージを作るところか
ら始めたんじゃないかと思う。
>透明なガラス越しに、駒子のキスを見た。唇が軽く触れただけなのに、そこからガラス
が溶けていきそうな熱い息づかいを感じた。
>「私には彰久だけよ」
チリン。
>ガラスの半分は胃の中で見つかり、残りは唇の周りで、今飲み干したばかりの水のよう
に、きらきらと光を放っていたということだ。
この部分が息を飲むほどうまい。その他のストーリーは、この瞬間のための添え物みた
いなもので、陳腐だろうが何だろうがどうってことはないとも言える。
でも、装飾的な部分が先走って肝心なストーリーがついて来ていないのはやっぱりまずいかも。
読者が息を飲むような瞬間の完成度はそのままに、ストーリーの幅を広げていく努力を
していけば、誰も文句は言えないと思う。
一次選考は常に通るのに、最終や賞にはなかなか届かないレベルってこんな感じなのか
なあと思いました。
もし、2ちゃん向けにストーリーを無難なものにしているんだとしたら、あんたは無敵。
欲を言うと、見せ場を装飾的な部分に置くんじゃなくて、人間の内面の変化とかなんか
そういう文学的とかいうようなところに置いたらまた違った方向性が見えるかなとか思っ
りもする。
446 :
442:2005/11/06(日) 20:31:14
>>444 >>445 丁寧な感想を本当にありがとうございます。
これは600字で一度放り投げたのを、
無理矢理繋げた感じで、もう精一杯でした。
最初はコメディにするつもりで、出来ませんでした。
反省として、やっぱり小道具や映像に頼りすぎです。
心理はいつも全然です。ここを何とかしたいのです。
これからもよろしくお願いします。
今日、一人の歌手が亡くなった。
彼女はミュージカル歌手であり、女優でもあった。白血病で三十九歳だった。
アイドル歌手として彼女はデビューした。コケティッシュな顔と奇抜な衣装が魅力で、
一曲だけ爆発的なヒットを生んだ。その後ぱっとせず一度は表舞台から消えかけたが、再
起をかけてミュージカルのオーディションに臨み、見事役を射止めた後、ミュージカル歌
手として地道に活動を続けていた。
ところで私の名前は鞠鈴と書いてマリンと読む。彼女のファンだった父親が、彼女のア
イドル時代の大ヒット曲からとった名前だ。
一度、父親に連れられて彼女のミュージカルを見に行ったことがある。
中学二年生の夏といえば反抗期まっただ中のはずだから、なぜ父親と二人で見に行くこ
とになったのか、その経緯は覚えていない。新しい携帯が欲しいとか、何か物を買っても
らう交換条件として鑑賞に付き合うことを承諾したというところだろう。
開演前から私はすでに退屈していた。赤いビロード生地の座席は、伸び切ったバネのよ
うに弾力がなく、座り心地が悪かった。座り直す度にぱさぱさと音がして、隣の父もぱさ
ぱさと音を立てて、その音が重なったときの気まずさといったらなかった。
父親がパンフレットを寄越したが、開く気はなかった。
書かれてある内容はわかっていた。アイドルとしての栄光と挫折、ミュージカル歌手と
しての地道な努力、それに続く成功。それらが紹介されるとき、書き出しはいつもあの曲
だった。彼女がアイドル歌手として一曲だけ流行らせたあの曲。
彼女が成功したから何だというのだろう?
全てが気に入らなかった。子供の名前をアイドルの曲からとった父親も、いつまでもそ
の曲に縛られているようなあの歌手も。
ミュージカルは退屈だった。彼女の歌はうまかったが、それだけだった。
今年、彼女が白血病と闘っていることを知った。気になってはいたが、それだけだった。
彼女が復帰するときには舞台を見に行ってもいいかな、とは思っていた。
今日、彼女が亡くなった。私はテレビを付け、ニュース番組を待った。彼女の死は三本
目のニュースで報じられた。
私の予想に反し、バックに流れたのはあの大ヒット曲ではなかった。
白い衣装を身に付けた彼女は、「星に願いを」を歌っていた。彼女は両手を伸ばし、ミュ
ージカル歌手として、まっすぐ前を見て歌っていた。
彼女は彼女として、ただまっすぐ両足を踏みしめ、揺るぎない祈りを歌っていた。
終 テーマは「譲れないもの」
449 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/06(日) 22:32:29
ちょwwwwwこれ本田美奈子…
謹んでご冥福をお祈りいたします。
499だがさっきのレスでwを入れたのは
普通に小説として読んだらヤフーニュースで時事ネタと気付き、
時事ネタでさらっと書ける奴がここにいるのかと驚いただけで、
つまり言い訳だが反省してる。冥福を祈ってるし、作品も良いと思う。
寄せ書きとしてはまぁまぁだと思う
>>447-448 なるほど、実話だったのか。
創作だと思ってたから、これまたえらく凄いのが来たなと。
淡々と描写を連ねているだけなのに、どんどん引き込まれていった。
こういうのを「写実」と言うんだな、と。
でも実話だからと言ってこれを特別扱いして小説の枠外に置くには及ばない。
小説の本質とは、つまりこういうことだから。
この作品を書くとき、きっとあなたは心に溢れる思いを自然と文章にできたんだろうと思う。
構成とかテクニックとか、まったく考えなかったわけではないにしろ、
それほど心煩わされることはなかったはず。
なぜなら、それらの言葉はあなたにとっての真実だったからだ。
作られたものなど一つも混じっていない。
真実の言葉は、ただ思いに任せて書いたものであっても人の心を打つものになる。
これは、想像上の人物や事件を描く場合にも、同じことが言える。
自分にとって、それが真実だと感じられるものであれば、
自分と同じ感動を人にも与えることが出来る。
しかも一度その感覚をつかめば、何の苦労も必要なく、自然と文章が浮かんでくる。
だからそういった真実をとことん突き詰めて追い求めていきさえすれば、
テクニックだの傾向と対策だのの姑息な手段に頼らずに、良い作品が書けるはずなんだ。
今日感じたその感覚を大切に、精進していってください。
>>449 幸薄い印象の人だったから何となく予感はあったけど、本当にそうなるとは思わなかった。
ご冥福をお祈りします。
453 :
:2005/11/07(月) 00:10:05
テーマ関係ないよね。後付け?
>>453 馬鹿だな。
最後のテレビの映像は、
過去の栄光にすがることなく、ただ未来だけを見つめてミュージカルに邁進する彼女の
「譲らない」姿じゃないか。
今日だけは熱く語らせてくれ。
455 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/07(月) 00:42:33
何このLR違反スレ
>一、作品発表のスレはあまり好まれません。無闇にスレを立てずに専用スレッドの活用を。
457 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/07(月) 01:49:05
ま、厨房共のすくつだからw
今日は二十日間連続勤務という自己記録更新の日だった。三週間一日も休まずバイトに
精を出した。給料が増える以上に達成感みたいなものが心を満たし、嬉しくてたまらなか
った。深夜のファミレスに過度の期待は禁物だが、何かイイコトがありそうだ。
今いる客は、深夜の常連組である近所の不良少年達とバイト仲間が裏で「ハッカーさん」
とアダ名を付けた、指定席を持っている職業不詳のノートパソコンおじさんだけである。
「おーい、鈴木くーん!」
少年達が僕を呼んでいる。ネームプレートを付けているので名前を覚えられた。
いつも小馬鹿にした感じで大声で呼んでくれる。相手は十歳は年下の未成年だと思うが
怒る訳にもいかない。いや、情けないが正直な話、少年達が怖くもある。
店内での喫煙さえ注意できない。足早に向かうと、
「呼んでみただけー。きゃっきゃっきゃ」
十人はいる少年達が大爆笑している。うるさい。
――カランカラン
新しい客が入ってきた。が、こちらも普通のお客じゃなさそうだ。
推定三十代前半、二人組の男達で、店に入るなりハッカーさんの所に一直線である。
二人とも、黒で織りの縦ラインが入った高そうなスーツにルイ・ヴィトンの書類鞄
を持っている。黒髪オールバックと坊主のコンビだ。真面目なサラリーマンには
到底見えない。ハッカーさんの向かいに座ったので僕が注文を取りに行く。
「後にして」
オールバックに冷たく言われてしまった。やはり深夜のファミレスのバイトで
イイコトなど起こらない。
十分ほどして呼ばれて行くと坊主がタバコに火をつけた。
「……あ」
ハッカーさんの席は禁煙席だ……。怖くてもこれは流石に言わない訳にはいかないだろう。
今日はついてない。
「ここは禁煙席だから吸っちゃダメですよ」
え?なんとハッカーさんが先に言ってくれたのだ。ホッ、と安心した矢先に坊主は
一人立ち上がり喫煙席に近づいて行った。先では少年達が騒いでいる。
「やかましい!テメー等だけの店じゃねーぞ!」
と突然怒鳴り、吸いかけのタバコをテーブルに叩きつけた。
火花がパッと綺麗に散り、一同が静まり見惚れた。誰も何も言い返せない迫力があった。
「お前等、今度鈴木さんに迷惑かけたら引っ叩くぞ」
その時チラッと僕を見て確かにニヤリと口元を吊り上げた。
「奢っといてやる」
言うなり少年達の伝票をサッと取り、おい帰ろうぜ、と
オールバックに声をかけレジに向かっていった。
やっぱり今日はイイコトがあった。僕も真似して口元をニヤリと吊り上げた。
end 「モラル&ファミレス」
460 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/07(月) 15:26:36
はいはい晒しage
蠅召還!
来ないかw
462 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/07(月) 21:12:51
あれてる?ageちゃっていい?
463 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/07(月) 21:36:24
蠅召還!
蠅は出てくるように
ケッ、ざまあ見やがれ
464 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/08(火) 00:24:20
↑残飯乙
ふむ・・・。
厨臭い部分に注目し、逆に褒め称える簡素に感服した。
誇張表現を可能な限り散りばめているのも素晴らしい。
子供を喜ばせる手段に長けた簡素書きがいるとお見受けした。
467 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/08(火) 00:42:15
↑卑乙
あまりの痛々しさに黙っておれなかった。すまんw
>>465はつまり何が言いたいの?
荒らしに皮肉?
>>470 理解力のないお人だ。これは簡素についての評である。
辞書にも載ってない、、
>>471 ああ、今までの簡素について、か。
ちょっと前から急に白々しくなったのは分かる。
>>473 白々しい上に下心が透けて見えるのが旨くない。
恋文のほうがまだ読める。
おまえら頼むからあまりしぽを刺激するなよ。
476 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/08(火) 00:54:43
白々しくなった
同意だ
こんなスレには来ないと思うが
478 :
:2005/11/08(火) 00:57:09
>こんなスレ
笑ったw
上がってたら覗いてみるけどね。
でも確かに
>>434とかちょっと痛々しく見え(ry
>>479 雑談で一人自演で頑張ってた香具師じゃね?
>>479 一人で高揚して書いたのだろう。冷静さに欠ける。
作者も客観的に読むことが不可能だからな。
冷静な人間が皆無である。裸の王様は実に痛々しい。
483 :
480:2005/11/08(火) 01:16:19
>>482 正解
これで思いっきり空回ってることに気づいてくれるといいんだがw
>>458-459 日常の中の非日常、その一コマが上手く描けていると思う。
1000文字という制限でかなり贅肉が削られている印象があるけど、
別段、急ぎ足になることもなく、最後まで同じペースで読めた。
ただ、起承転結の結。転までスラスラ読めたのに、結でブン投げられた。
なぜ、そこまで蚊帳の外だった「僕」が、突然話題の中心に持ってこられるのか。
何の前振りもないもんだから、今まで一本道を走っていたのに突然全く違う場所に
ワープさせられたような感じに。「僕」の身に起こった「イイコト」は、迷惑をかける少年達が
強面の坊主に怒鳴られて溜飲を下げた、だけでは駄目だったのだろうか。
ラストで「僕」がニヤリとするのも違和感がある。弱腰な「僕」が、店内で客同士の
諍い、それもヤンチャ少年達と強面の坊主という組み合わせの中で平然としているのはどうだろう。
「こういう場合の接客マニュアルは〜」とか「店長呼ばなきゃ」とか混乱するほうが「らしい」と思う。
で、オールバックと坊主の二人組みがレジへ向かった時、ニヤリと笑ったりせずに、
呆然とそれを見送るか、三週間連続勤務する店員らしく「ありがとうございました」と
頭を下げるような人物ではないだろうか。この「僕」は。
文章で気になったのは一点だけ。
>誰も何も言い返せない迫力があった。
迫力は坊主のものだから、
「誰にも何も言い返させない迫力があった。」
にするべきだと思う。
なんだかスレがゴタゴタしてるけど、ちゃんと読んでる住人は一杯いるから気にしないで。
お疲れ様。
>>458 エピソード2がくるとは思わなかったから、嬉しかったです。
すらすら読めて楽しかったです。
>「おーい、鈴木くーん!」
>いや、情けないが正直な話、少年達が怖くもある。
>店内での喫煙さえ注意できない。
この辺りがいいなあと思いました。
ファミレスでバイトするとほんと色々嫌なお客さんもいるのですが、
一番つらいのは、ネームプレート読まれてしまうときなんですよね。
妙に高い声で引っ張って呼ばれる。
それでも店長の手前にこにこ笑わなくちゃいけなくて、ほんと困る。
こういう日常的な些細な辛さを書き出すのは
難しいのだと思うのです。
話の結論としては
>>484さんがおっしゃるようなまとめ方の方がいいかなと
私も思うのですが、
個人的には、
>「お前等、今度鈴木さんに迷惑かけたら引っ叩くぞ」
が好きです。
486 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/08(火) 16:02:23
>>458-
>>459 この話、一見すると、気の弱い店員が意外な人に窮地を救われた良い話として読める。
が、この作者がそんな単純な話を書くはずがないと思い、注意して何度も読み直した。
鈴木が三週間連続勤務であるということが、冒頭でさらりと書かれる。
実はこれが、この小説のトーンを決定している。彼は疲労から正常な判断力を失っており、
普通であればおかしいぞと思うようなことでも、すんなり受け入れてしまう精神状態なのだ。
ここは食うか食われるかがすべてのバビロンシティのファミレスなわけで、
まともな客など一人もいない。
しかし、たとえバビロンシティだろうと何だろうと、店の中では店のルールがある。
喫煙を許す許さないということに関しては、鈴木>少年たち、鈴木>坊主、という序列が
成り立つ。
鈴木がしっかりしていれば、この序列の元で店内の秩序を保つことができたはずなのだが、
この一夜の出来事では、その序列が解体して、店のモラルがバビロンシティのモラルに
吸収されていく様が描かれている。
鈴木が少年たちを注意できないことで、すでに鈴木>少年たちであるはずのものが、
少年たち>鈴木へと逆転してしまっている。
次に、鈴木が坊主の喫煙を躊躇している間に、ハッカーさんにその役目を奪われてしまう。
鈴木>坊主であるはずのものが、ハッカーさん>鈴木となり、鈴木は蚊帳の外。
そのように別々に成り立った序列が、
その後の坊主の行動によって劇的な変化を起こす。
「お前等、今度鈴木さんに迷惑かけたら引っ叩くぞ」
と坊主が言った瞬間、別々であった序列がひとつにまとまってしまうのだ。
ハッカーさん>坊主・オールバック>鈴木>少年たち、の順番に。
坊主は鈴木と少年たちに恩を売ることによって、その序列を一瞬で作り上げてしまう。
鈴木は今後、この二人組に頭が上がらないだろう。
少年たちは鈴木をからかえなくなるだろう。
鈴木は疲労のためにこれをイイコトと感じているが、鈴木と少年たちの序列が変わった
だけであって、店全体としては不利益なことになっている。
もう、店のルールはバビロンシティのルールの一部でしかないからだ。
という、恐ろしい話として読みました。考え過ぎですか?
>>487 う〜ん・・テーマが「モラル」だからなぁ。
僕が少年に注意したいのは禁煙席で吸ってるからじゃなくて
未成年だからだよね?
オレはそんなに深い話じゃないと思った。
3週間働いて達成感からウキウキしてる
↓
騒いでそれをぶち壊す少年達・・モラル皆無
↓
また怖そうな客(坊主)がきた・・「勘弁してくれ」
↓
坊主禁煙席でタバコ吸う・・「うゎ、注意しなきゃ」
↓
坊主少年達に切れる・・「怖いと思ったが良識ある大人だ」
↓
坊主なぜか僕の名前を出して僕を見てニヤリ・・「洒落た事言う人だな」
↓
少年の勘定もしてやる・・「粋な大人や」
っていう、男らしい小粋さを「モラル」で表現した話だと思うた。
これも結構面白かったけど前作とリンクはしてないのね。
あと、
>>484さんの意見のように
>誰にも何も言い返させない迫力があった
にした方が良いとも思うた。
489 :
487:2005/11/08(火) 20:27:44
誤字があった。すんません。
>次に、鈴木が坊主の喫煙を躊躇している間に、
訂正
次に、鈴木が坊主の喫煙を注意しようかどうか躊躇している間に、
>鈴木>坊主であるはずのものが、ハッカーさん>鈴木となり、鈴木は蚊帳の外。
訂正
鈴木>坊主であるはずのものが、ハッカーさん>坊主となり、鈴木は蚊帳の外。
ワゴンを店の前に出し、値札を整えたときだった。
ざっと店二十軒と人間五十人の距離を超え、すぐに彼だとわかった。金髪へそ出し女を
腕に巻き付けた、制服姿の男。中村君だ。
中村君、またの名を「フェロモン中村」は、私がこの春まで通っていた高校の後輩だ。
特別華のある顔でもないのにとにかくモテる。雑誌モデルから私の二年の時の担任まで、
彼が連れ歩く女は皆、「世界は私と中村君のためにあるオーラ」を放つ。「私の中村君に近
づかないでオーラ」もあって、高校はさながらオーラ妖魔の戦場と化していた。
私は一番高い商品を手に取った。
不道徳男に遠慮は無用。販売マニュアル通り彼女の方から攻め落とそうと、微笑んで前
へ出たその瞬間、何か飛び込んできた。
「何してんの勇人」
割り込んで来たのは制服を着た女だった。去年まで私が着ていた制服で、スカートは去
年の私より十センチ以上短い。中村君が口を開く前に、腕に巻き付いた金髪女が叫んだ。
「誰あんた」
修羅場だ、と私はゴクリ唾を呑むのだけれど、中村君の顔はどうにも緊張感にかけてい
る。街頭の手品でも見るような顔だ。
「勇人はここで待ってて。アタシら話があるから」
制服の子はそう言い残すと、金髪女とともにコロッケ屋の角へ消えた。
中村君は一瞬二人を目で追った後、黙って店内に入った。棚のアロマオイルを手にとっ
て眺める。言われた通りここで待つつもりらしいから呆れる。さすがフェロモン中村、不
道徳の教科書。
「この辺りがお勧めですよ」
一番高価なオイルを指して私は言った。世の女を代表して、彼に罰を与えることにした。
「癒し効果抜群ですよ。彼女の好きな色でキャンドルとセットはどう?」
フフフと笑って店の入り口を塞いで立ち、上目遣いに甘えて首を傾げた。強引なやり方
も全てマニュアル通り。これで買わずには店を出られまい。
中村君はしばらくキャンドルを見つめ、頷き、私を見た。
「お姉さんの好きな色は?」
はっ、と私は思わず吹き出しそうになった。
フェロモン中村なんて呼ばれる割りにこの程度。私がバイトを始めて二年、何人の男に
その台詞を言われてきたと思うの坊や。
橙色、と私は限定品を手に微笑んだ。
そう、と中村君も微笑んだ。淡い色の瞳に吸い込まれそうになり、思わず息を呑む。
「じゃあ橙色はお姉さんのために残しておいてあげるね。バイト頑張って」
緑のキャンドルを買った中村君は、手を振って店を出て行った。
了 テーマ;モラル。
>>490-491 フェロモン中村はさながらリフティングの名手と言ったところか。
彼にとってのモラルとは、一度蹴り上げたボールを絶対地面に落とさないこと。
彼は同時に幾つものボールを相手にそれをやってのける。
彼の足の上で弾まされたが最後、女は自力では絶対に下りられない。
通りすがりの店の女でも同様だ。
彼は特別奇怪な術を使うわけではない。何気ない一言で相手の隙を突くだけである。
「お姉さんの好きな色は?」
「橙色」
と答えがあってその次に何と返すか。
「じゃあ、それ下さい」と言えば思う壺、その手には乗らないわよとブロックされ、
「それじゃない。あっちの緑の奴」と言えば空振りだ。
そこで中村はこう仕掛ける。
「じゃあ橙色はお姉さんのために残しておいてあげるね。バイト頑張って」
お姉さんは隙を突かれて蹴り上げられ、もはや中村の膝の上で弾むばかり。
それまでの威勢の良いモノローグは沈黙し、彼の後姿を見送る他術がない。
モテ男の条件って、案外こういうものかもしれないね。
顔とか金とか地位とかなんとか人に自慢できるようなものをいろいろ持っている奴よりも、
相手が何を求めているのか常に神経を研ぎ澄ませ、
がっかりさせず、退屈させず、予想を裏切って楽しませてしまう気遣いを、
四六時中、どんなときでも誰が相手でも無意識に出来てしまう奴が一番強いのかも。
中村が女たちのケンカを傍観しているのは、それが彼女たちにとって最適だと
判断したからであって、ボーっとしているように見えるけれど、
彼の中では事態収拾の思考回路が目まぐるしく回転していることだろうと思う。
キャンドルを選ぶ時もそれは変わらない。
彼にとってのモラルは、社会的な節度を守ることよりも、
女をがっかりさせないことに比重が置かれているのだろう。
どんな特殊能力が披露されるのかと期待して読んでいたら、見事に肩透かしを食らった。
清々しい肩透かしだった。名人芸だと思う。最後の沈黙もうまい。
>>490 上手く纏まっているんだけど、逆に小さく纏まり過ぎている印象。
思うに、「私」と中村君が絡んでその女性を惹きつける魅力のネタばらしをしてしまったためではないかと。
特に、瞳の色に吸い込まれそうになるという「私」の体験を読者に提示したことで、
中村君という人物が読者の想像の範囲内に収まってしまったのではないだろうか。
彼と絡む役割を、高校卒業してからこの店一筋六年、コナかけてきた数多の客を軽くあしらってきた
「撃墜王」の異名をとる先輩店員に与え、「私」は最後まで傍観者に徹させてみるのもいいかもしれない。
店に入った中村君にセールストークで攻める先輩。「何色が好き」と尋ねる中村君。
甘いわ坊や、「撃墜王」の名は伊達じゃなくてよ、と心の中で「私」。
本編と同様の台詞があり、会計を済ませて店を出る中村君。呆けた表情で彼の姿を目で追う先輩。
「先輩墜ちてるー!?」がびーんという効果音つきで驚く「私」。
こうした場合、中村君の魅力の神秘性が高まり、作品全体が与える印象も変わると思う。
ショートショートだからこそ、なにか一つ飛び道具というか爆弾が欲しいなどと
思ってしまうのは、ただの欲張りなのかもしれないけどね。
っていうか、上で挙げた例だと、ただのお笑いになっちまってるけどそれは気にしないでおこう。
1000文字超えそうだしね。
文章では二点。
> ワゴンを店の前に出し、値札を整えたときだった。
> ざっと店二十軒と人間五十人の距離を超え、すぐに彼だとわかった。
言わんとしていることは分かるんだけど、ちょっと説明が足りないと思う。
値札から視線が移動したという行動の描写が間に欲しい。
>街頭の手品でも見るような顔だ。
一度目に読んだときはちょっと違和感があったけど、読み直したらなるほどと納得させられる。
いろいろ含んでいていい表現だと思う。
お疲れ様。
関係ないけど「フェロモン中村」でぐぐったら「魅惑のフェロモン中村雅俊」がヒットしたよ。
フェロモン中村すげえなw
モテ男の嫌な話かと思って読んだから妙に納得させられてワロタ
確かに前半わかりにくい描写がいくつかある。
いきなり不道徳と言い切るには、中村のフシダラ具合の描写が欠ける気もする。
ただ俺が気に入ったのはスカートの長さのとこ。
単に長さだけでなく「私より短い」って言わせることで、
主人公もすでにこのとき他の女と同列。に並んでる。
虚勢張ろうが中村の網に引っ掛かってるんだな。
作者は泥酔の人だろうか。女ってそういいとこ張り合うものかと興味深かったよ。
テーマ「モラル」
倉田健人さんは正義の味方である。「チェンジ」の掛け声とともに、仮面戦士ビースト
ライダーへと変身するのだ。
物産会社に勤める彼は、今日も満員電車に揺られて出社する。
つり革にしがみつき、列車が揺れるたびに押し寄せる肉の波と必死で戦っていると、右
斜め前方に座っている若い女性が化粧を始めた。
それを見つけた途端、彼の心の中に正義の炎がメラメラと燃え上がった。現れたな化粧
怪人。その暴挙、許すまじ。
しかし、彼は動かない。というか、動けない。物理的に。また、こんな人が押し詰め合
っている中で変身したら、化粧よりそっちの方が迷惑だ。
彼は奥歯を強く噛み締め、悪の跳梁を黙って見過ごした。
こんな事があるたびに、彼は思う。
「ビーストライダーなんだから、バイクで通勤したい」
と。
倉田正人くんは正義の味方である。「装着」の掛け声とともに、機甲超人ジャスティマ
ンに変身するのだ。
公立の中学校に生徒として通う彼は、その年頃の男子生徒にありがちな感情として、早
く大人になりたいと思っていた。
少し不良の入っている友人から煙草をすすめられた時、舐められたくないという思いか
ら、彼はそれを受け取った。しかし、いざ火を点けようとすると全身が硬直してしまう。
煙草の先端とライターの火が一定の間隔まで近づくと、鉛でも流し込まれたかのように腕
が重くなる。彼の体に流れる正義の血がそうさせているのだ。
煙草とライターを落とした彼は、地面に突っ伏し声をあげて泣いた。男らしく泣いた。
基本的に、彼は熱血ヒーローなのだ。
泣き声にあわせて、背中のギターが寂しく揺れていた。
496 :
せいぎのみかた 2/2:2005/11/10(木) 20:31:18
倉田真由ちゃんは正義の味方である。「ラジカルマジカル(省略)ポン」の掛け声とと
もに、魔法の王女プリンセスマユに変身するのだ。
公立の小学校に児童として通う彼女は、九九が得意だった。長い変身の呪文を三歳で覚
えた天才少女である。九九くらい軽いものだった。
また、彼女は好き嫌いが激しかった。
給食の時間、大嫌いな人参を前にして、彼女は正義の戦いを始めていた。正義に負けは
許されない。でも、食えないものは食えないのだ。
今日も彼女は連敗記録を更新した。
倉田淑子さんは元悪の組織の女幹部である。変身の掛け声はない。
ごく普通の主婦である彼女は、趣味と実益を兼ねた五百円玉貯金が満額に近づくにつれ、
「世界征服まであと少し……」
と呟くのだった。
世界征服がなった暁には、家族で温泉旅行へ行くつもりである。
<了>
プロット乙
498 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/11(金) 21:59:25
>>495-496 なんだこれはほとんどパクリじゃないか。
これに感想をつけるのは、ネタにマジレスくらい格好悪いかもしれんが、
ともかく書いてみることにする。これが最初で最後になるかもしれないけど。
設定に関してはいろいろ元ネタが推測されるがひとまず置いておく。
全体的に浅い。
それぞれが世の小さな悪と戦うというテーマは面白く、微笑ましい。
だが、どれもこれも自意識レベルに留まっており、本気で悪と戦う気があるとは思えん。
たとえば、父であれば、「るっせえんだよ、ハゲ!」と女に逆切れされるとか、
息子ならば、注意した友人に逆にボコボコにされるとか、
娘だったら、食べ終わるまで放課後残されるとか、
もっと突っ込んだ闘いがないとインパクトに欠ける。どれもこれも、戦う以前の問題だ。
変身したら周りに迷惑だからなどという言い訳に至っては、言語道断である。
そもそも、なぜ電車で化粧してはいけないか、未成年の喫煙がいけないか、
食べ物の好き嫌いがいけないか、その根拠についてはまるで踏み込んだ気配がない。
なぜそれが悪であるのか、世間がそう言うからとか、常識だからとかいう認識に留まって
いたのでは、本当の正義など見つかるはずがないだろう。
ギャグだからいいじゃないかという開き直りがいつまでも通用すると思ったら大間違いだ。
だが、一つ面白いのは(お世辞)、最後の母だけが悪の設定になっていることだ。
他の家族が虚しい正義の戦いに明け暮れているのを尻目に、一人この母だけは着々と
己の野望を実現へと推し進めている。
貯金箱という小さな世界を征服するだけではあるが。
この母の行為は、他の家族の、苦しみの大きさの割りに成果の薄い戦いとは対照的に、
わずかな節制という小さな苦しみを積み重ねることによって、きちんと成果をあげている。
しかも最後は自分だけでなく、家族の喜びにも結びついたりするのだから皮肉である。
まとめると、非常に薄っぺらな、それ故に安心して読める内容だった。
安心しすぎて、何も得るものがない。
逆に受け止めれば、こういう薄っぺらなモラル意識に安住し、世の中の目に見えないところに
潜む本当の悪からは目を逸らそうとする、一般大衆への警告とも受け取れる。
笑いの後に不気味な身震いを感じた。
>>495 乙です。
この正義の味方なのに何もしない感じが、
なぜこんなに微笑ましいのかよくわからないのですが、
何かひかれますね。
世界征服がなった暁に温泉旅行行くのも、
もっとちっぽけなことでもいいし、
もっとくだらないことでもいいのに、
しっかり温泉旅行で締めてしまうのが、
さらさらっと書いているようで練られているのだろうなあと思いました。
1000文字だと、神目線小説より主人公目線小説の方がかけることが多いいね。
501 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/13(日) 00:46:34
クオリティ高えなwww
なんかすげーワクワクする
映画のメイキング本読んでるみたいだ
502 :
501:2005/11/13(日) 00:53:24
俺も何か一つ書いてみるわ
503 :
490:2005/11/13(日) 15:24:55
みなさんありがとうございました。
>>492 肩透かしと言ってもらえると本当に嬉しいです。
ぼーっとした意味不明にモテる男を書きたかったのですが、
書き始めて気付いたのは、
ぼーっとしている子って台詞少なくてすむけど、
その分他のことを書かないといけないのですね。
進まなくて困りました。
>>493 バイトしているはずなのに、他の店員も出てこないから、
バイトの描写が全然足らないなあと自分でも思っていたのですが、
他の店員と絡めると確かに動きがあったのかもです。
そこまで考えられませんでした。
「撃墜王」の話、ネタの段階だけでもとても楽しそうです。
私もフェロモン中村で今ぐぐってみたのですが、
なぜか18禁のページばかり…
>>494 あともう一行、中村君の不道徳具合を前半に書ければよかったですね。
>作者は泥酔の人だろうか
はい。すみません連投してます。よろしくです。
これからもよろしくおねがいします。
駅前の本屋で雑誌を買い、その隣のカフェに入った。禁煙席の二人掛けの座席は狭い。
隣に座った女子高生二人組の一人が鞄を反対側に移動させてくれるのはいいけれど、猫の
マスコットが私のマフラーに引っ掛かった。慌てて私はマフラーを、彼女はマスコットを
引っ張る。すみません、と謝ったのはなぜか私だけで、でも声は小さすぎたからどうせ彼
女には届いていない。
緑のストローをカップに刺し、雑誌を捲る。文字も写真もただ流れていく。
いた、と私は手を止めた。
思っていたよりずっと大きな扱いだった。読者モデル東京編の最初のページに、美沙ち
ゃんが載っていた。
最初に美沙ちゃんのことを言い出したのは諒子だった。
「今日、徹平の従妹って子が来てたね」
「うん、可愛いでしょう? 中三でね、徹平が家庭教師してるの」
「何その余裕の笑み。盗られてもしらないよ?」
「まさか。私達何度も三人で遊びに行ったことあるのに」
「手作りの菓子持って大学まで押し掛けて来てるんだよ? あれは絶対盗る気だよ」
まさか、と私が笑ったのは一ヶ月前。徹平から別れを告げられたのが三日前。
別れようと言われて気付いた。私はこうなることをわかっていた。わかっていて何もし
なかった。美沙ちゃんは中学生で、私は大学生で、大人が子供に嫉妬したり出来ない。プ
ライドで目隠しし、私は何も見なかった。何も見えなかった私は今日、「これ俺の彼女」と
自慢げに雑誌を振り回している徹平を見た。
燃やしちゃいな、と諒子に言われた。
「ロリコン男の写真と雑誌と全部一緒に、ぱっと燃やしちゃいな」
まさか、と私は笑っている。カフェで。一人で。美沙ちゃんから目を反らせずにいる。
美沙ちゃんのページはクリスマス特集だ。
「ミサは絶対指輪欲しい! 彼氏? ふふふ、あともう少しで片思い卒業かも(笑)!」
燃やしたいわけではない。
ただポンとゴミ箱に捨てたい。我ながらモラルもプライドもない行為だと思うけれど、
こんな所でこそこそ雑誌を眺めているよりましだ。捨てる。それで終わりにする。
ぴしゃりと雑誌を閉じて立ち上がったとき、隣の席から声が漏れた。
「あ……」
声を出したのは横に座った子で、すぐに正面の子が吹き出した。二人とも横を向いてし
まう。そのお揃いの仕草を見て気付いた。二人は私の雑誌を覗き見ていたのだ。
ふっと自然に笑いが漏れた。
「これ、貰ってくれる?」
きょとんとしている二人に雑誌を押し付け、私はマフラーを巻き直して店を出た。
テーマは「モラル」と「危機一髪」を
すごいのが来たな…
こいつは難しいぞ。
507 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/14(月) 01:23:03
徹平だの諒子だのカフェだの、って大正時代の話かと思ったぜ。
どこがモラルでどこが危機一髪なのかと小一時間
(テーマなんて)気にしたら負けかなと思ってる。
テーマ(モラル)
目の前に美樹が立っている。俺を見て微笑んでいる。
とても優しく、とても眩しく、そして強い。
何か強烈な衝動に突き動かされて俺は美樹を殴った。
冷たいアスファルトの上に倒れた美樹は悲しそうな目で俺を見た。
だがそこに非難は含まれておらず、むしろ慈しみが感じられる。
馬乗りになって俺は再び殴りつける。何度も何度も。
美樹の表情は変わらない。俺は止める事が出来ない。
大切な物を壊す快感に溺れ、俺はいつの間にか笑っていた。
ゲラゲラ笑いながらいつまでも同じ表情の美樹を殴り続けた。
目が覚めた時、俺は大汗を掻いていた。
久しぶりに夢を見た。とても暴力的だったような気がする。
もやもやした気分を変えようとテレビのスイッチを入れた。
「昨夜遅く、A区の路上で女性が顔を殴られる事件がありました。
女性は鼻や顎の骨を折る重傷。犯人は20代後半の男性で…」
ひどい奴がいるものだ。
「取調べに対し女なら勝てると思ったと…」
見るんじゃなかったと思いながら電源を切り
憂鬱な気分のまま出かける準備を始めた。
今日はデートだ。
「おはよっ!」
美樹はいつも元気だ。そしてとにかく正義感が強い。
交差点で路上駐車していたヤクザに文句を言おうとした時は必死に引き止めたものだ。
そんな美樹を誇らしく思い、負けたくないとも思う。
「何がおかしいの?」
元気な美樹の姿を見たら憂鬱な気分など吹き飛んで自然と笑顔になっていたようだ。
「いや、何でもない」
調子が悪い。
ストライクもスペアも出ないまま1ゲームを終えた。
美樹もそんな俺に気を使って程々のスコアだ。
「私も調子悪いな」
気を使っているのがバレバレだが、その優しさも彼女らしい。
何だか情けない気持ちになりながら2ゲーム目の第一投。
見事にストライクだ。
「よっしゃ!」「やったね!」
例によってハイタッチ。そして美樹の手のひらに
パンチを打とうと拳を固めた時、俺は動けなくなった。
「どうしたの?」美樹が心配そうな表情をしている。
俺は夢の中で美樹を殴った。笑いながら。
夢の中の俺は、朝のニュースの男と同じだった。
周りの客の視線を浴びて困った顔をしている美樹の前で俺は少しの間泣いた。
end
>>510-511 乙です!
簡素は苦手なんですが…。
文章はうまいと思いました。
夢の中の男と主人公の繋がりがいまいちわからないのは、私の読解力がないせい?
1000字の中で、彼女の性格まで書けているのはすごいですね!
もっと長いのを読んでみたいと思いました。
良かったよ!
>>510 乙です。
夢の中ってすごく理不尽で、
同じこと何回もやってたり、でも全然事態変わらなくて、
しかも止めることもできなくて、
確かにそういうときありますね。
絶対夢だと言い切れるのに
この罪悪感は一体何なんだろう、
夢だと思ってないから罪悪感感じるんだろうかみたいな。
そういうぐるぐるした雰囲気でしょうか。
>>504-505 やっと話の意味が分かって、何がモラルで何が危機一髪なのかも分かったんだけど、
こんなに悩んじゃったのは俺が男だからなのかな?
女の人は当たり前のように理解できる話なのかしら?
その次の『罪の意識』なんかはすぐ意味がわかったんだけどなあ。
男と女で解釈の違いがあるとするならば、分かり難いから深いとか、
分かり易いから浅いとか、そういう分け方には何の根拠もないっちゅうことになってしまう
のでは? とか思っちゃったよ。
まあ、ともかく勉強になりました。微妙なところによくもまあこれだけの意味をこめられる
もんだなと感心してしまった。
>>504-505 灰色の人生を送っている男には難しい世界だけど、
なかなかにキツイ失恋をした女性が自らを見つめ直し、
そこから立ち直ろうとする逞しさが丁寧に追えていると思う。
当たり前の話なんだが、文章が本当に女性的で、男の身には羨ましい限りだ。
お手本にしたいくらい。
たとえば、
>プライドで目隠しし、私は何も見なかった。
ここ、男だと「ちっぽけなプライド」って書きたくなるんだが、
女性にとっては全然ちっぽけなんかじゃないのかもしれない。
小さな部分なんだけど、こういう語句の選択のズレが男の読者に「女性的な」印象を与えているのかもしれない。
まぁ、これはあくまでも俺の場合はってことなんだけど。
文章で注文をつけるとしたら一点。
> 最初に美沙ちゃんのことを言い出したのは諒子だった。
ここで場面が一ヶ月前に飛んでるんだけど、このままだとちょっと分かり辛い。
文頭に「あの日orその日」を付け足した方がいいと思う。
最後に、
>我ながらモラルもプライドもない行為だと思うけれど、
この一文だけをもってテーマ「モラル」とするのは流石に少々力技かと。
心情的にはテーマを絶対視するのも範囲を狭めて嫌なんだけどね。
つか、遼平のロリコン癖を「反モラル」としてテーマ付けているのだとしたら、
俺は全身全霊全腕力をもって戦う所存也。
んなこと書いてっから灰色なんだろうな、俺。
お疲れ様。
>>510-511 1000文字は短いなぁって印象。
「俺」の破壊衝動が突発的なものなのか、それともそれまでに蓄積された鬱屈した何かの爆発なのか。
もっともっと深く掘り下げられる話だし、それができる文章だと思う。
>そんな美樹を誇らしく思い、負けたくないとも思う。
にその片鱗は見ることができるけど、もう一押し欲しいよね。
美樹という人物を少ない表現の中できっちり作り上げられていると思う。
いい娘だ。腹立つくらい。いや良い意味で。
だからこそか、外見の描写がなくて残念。
細かな描写じゃなくても、「〜のような娘」といった一文が欲しかった。
文章で印象に残ったのは、前段の夢の中の描写。
意識的なのか、短い文章や韻を多用して、
なにが起こっても不思議じゃない夢の中の、ある種幻想的な感覚が表現できていると思う。
最後の二行をもっと分解して、短い文の連続でリズムを作ったまま終わらせてもよかったかも。
「殴る。殴る。殴る。」とか。夢ってきっちりと終わったりはしないもんだからね。
なんかサイコになりそうだけど。
お疲れ様。
517 :
514:2005/11/15(火) 03:11:41
やっぱり
>>504-505の解釈書いとくわ。
男が精一杯考えてどれだけ理解したか、これを読んで説明の過不足をチェックしてくだされ。
最初の女子高生とのやり取りはちょっとした伏線。私は大人なのよ、子供相手に怒った
りなんかしないわよ、という主張。でも、やっぱり頭にきているので声は小さい。
グラビアに載ったり、大学まで菓子を持って押しかけたりする美沙は、
今が一番もててしょうがない時期。男が自分に夢中になるのが楽しくてしょうがない。
それはまるでゲーム感覚。「私」に勝つことも目的の一つ。
徹平はそのゲームにまんまと乗せられて、彼女である「私」のことが見えなくなる。
「私」は大人だから、中学生のゲームに嫉妬なんかしない。
徹平だってそれはわかっているはずだ、と自分に言い聞かせる「私」。
ところが、雑誌の一件を目にすることで、当の徹平がすっかり美沙にのめり込み、
すでに付き合っているつもりでいることを、「私」は知る。
そんな馬鹿な。徹平が本当にそんなどうしようもない男だったなんて、と強いショック。
「ミサは絶対指輪欲しい! 彼氏? ふふふ、あともう少しで片思い卒業かも(笑)!」
このセリフも、徹平をその気にさせるための餌に決まってる。
そんなどうしようもない女と、それに騙されるどうしようもない男、
そんな連中はゴミみたいなものだ。ゴミなんだからゴミ箱に捨てたっていいじゃないか。
捨ててスッキリしよう。
しかし、そこではたと思いとどまる。
どんなにどうしようもない連中でも、それをゴミ扱いすることは人の道に外れた行為かも
しれない。ムキになって馬鹿げたことをして、自分の挌を落とすことにならないだろうか。
私は子供相手に怒ったりしない大人のはずじゃないのか、と。
と、そのとき、そんな自分を覗き込む女子高生が二人。
どうやら雑誌に興味を持ったようだ。
しめた、と思った「私」は、雑誌をその二人にあげることにする。
そうすれば捨てたことにはならないし、雑誌も処分できて一石二鳥。
なにより、自分の格を落とさずに済むわけだから、危機一髪、
自分はこれまでの自分と同じままでいられるということになる。そして再出発。
正直まいりました。でも面白かった。この味わいはこの書き方だからこそかもしれない。
>504
俺の頭では駅前の本屋と並んでんのはドトール、
席が相席状態に狭いのもドトール、
カフェは俺のような喪男には縁のない広い二人掛けのソファがあるイメージ。
ソファはイタリアンで全部色も形も違う異世界。
でも都会には駅前にカフェあるのか、あるかもな、
いや、緑のストローってスターバックスか、
と冒頭で悩む俺複雑。
でもさ、そこ以外はわかりやすかったけどな。男視点だの女視点だの言う前に。
燃やせと煽る友達に、まさかと否定しながら雑誌から目離せない私。
人の写真燃やすのは私にとってモラル違反。だから捨てる。このガキは人の彼氏奪ったんだから写真燃やしてもいいだろゴルア、
と、俺の姉ちゃんが言ってました。
でもやっぱり捨てるより隣りの子に押しつけて寒空にマフラー巻いて出て行くオチは爽やかで良いな。
ヒント:黙っている優しさ
521 :
名無し物書き@推敲中?:2005/11/15(火) 19:06:15
荼毘に付すより、ゴミ箱に捨てた方がモラルに反するよな。
感想ありがとうございます。
小説風なものを書くのは初めてで心配でしたが
まともに読んでもらえたようで嬉しいです。
指摘くださった点もなるほどと思います。
アイデアが浮かべばまた書こうと思うのでよろしくお願いします。
523 :
514:2005/11/15(火) 22:05:38
>>519 そこまで誤解してくれると逆に嬉しい。
読み解くのが難しい話ってのは、それを解釈していく過程で自分の中にもその作品の
世界が形成されていくから、分かりやすい話をさらっと読むよりも後に残るんだよ。
どの解釈が正しいとか間違っているとかいうことではなくて、
その世界をどれだけリアルに楽しめるかどうかが大事なんじゃないかと思う。
男が自分に夢中になるのが楽しくてしょうがない美沙とか、
ころっと騙される馬鹿な徹平とか、
小説ではちょっぴりとしか描かれなかったキャラクターの輪郭が、
考えているうちに鮮明になっていくのが面白かった。
小説にはこういう楽しみ方もあるっていうことだよ。
この作品には、そうやって楽しむための材料が十分に揃っていたからこそ出来たことなの。
坪内逍遥の『小説神髄』の一部を参考までに紹介しとく。
(略)英国の博識ジョン・モーレイがジョージ・エリオット女史の著作を評する語にいへらく。
「(略)エリオット女史の小説は、かかる観念の畠へしも読者を導く捷径(ちかみち)なり。
されども女史は独断をもて、此行ひは不可なりなど、曾(かつ)て指示することをば好まず。
唯あからさまに事物の因果を見るが如くにかきあらはして、褒貶取捨は総じてみな読者
の心に任したりき。女史は尚ほ人の為に種を蒔く者のごとし。みづから穫(かりいれ)を
収めずして他人の之れを拾ふに任して毫も妬める気色もなし。」云々といへり。
(略)されば小説は、見えがたきを見えしめ、曖昧(おぼろげ)なるものを明瞭(あきらか)
にし、限りなき人間の情欲を限りある小冊子のうちに網羅し、之れをもてあそべる読者を
して自然に反省せしむるものなり。
残りは自分で買うなり借りるなりして読んでみるといいよ。
これで別人だということが証明できたかな?
ただただ切なく、むなしい。それだけ。
荒らしお疲れさん! 今度は作品持って来てくれよな!
526 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/11/16(水) 00:32:11
思うんだが、状況・背景テーマって何だ?
おっきなテーマとそれを練り合わせたら、逆におっきなテーマがぶち壊しだと思うのだが。
>>523 言い訳は物事を良い方向に向かわせませんよ。
528 :
504:2005/11/16(水) 11:08:09
感想ありがとうございました。
ここからいきなり自己反省会を垂れ流しますすみません。
まずテーマが弱いです。
恋を書こうと思って、恋+モラルになると、
「親友の彼氏彼女を奪えるか」しか思いつかず、そこからずれていったかも…。
写真燃やせという方がモラル違反なのか、
それとも気になって仕方なくて雑誌買ってしまって、
それをいじいじ見てる方が人として駄目なのか、
こういう人目を気にする良い子ぶってる子は
中学生の突進愛に負けてもしかたないんだけど。
ドトールっぽいファーストフード店(のつもり)で
冒頭高校生と小競り合い、ラストは高校生の子供っぽい行為で、
雑誌捨てずにすむ、って挟み込んだら、
ぶつかって謝るとか、雑誌覗き見とかモラルではなくてマナーの問題で、
マナーなのかモラルなのかプライドなのか何言いたいのか ○| ̄|_
拙い作品をいつも丁寧に読んでいただいて嬉しいです。
ありがとうございました。
これからもよろしくおねがいします。
どちらにしろ
>>514はスレから消えたほうがいいと思う。
べつに消える必要はないとはまったく思うけどね
いいこと書いているのだろうに、あまりに思慮が足りなすぎる
という気はする
>>529 お前が消えろ。
素人の書いた作品で全員が一致した解釈になる方がおかしい。
>>528 世の中にはっきりしたテーマなんて当てはめられないよ。
無理やりはめ込んで小説が不自然になるくらいなら、
あなたみたいに迷いながら書いたほうがまだまし。
533 :
514:2005/11/16(水) 23:45:03
>>528-531 作品から何を感じるかは人それぞれみんな違うもの。
それを「こうだ」と人から言われるのは不愉快ですよね。
思慮が足りなかったと反省しています。すいませんでした。
小説を書くときにいつも悩むのです。ここは言いたいことを強く言うべきか、
それとも読者の判断に任せるべきか、というとき。
その時に、つい書き過ぎてしまうのは、アイデアがまだ熟していなかったり、
どう読み取ってもらえるのか不安だったりするからなんだろうと思います。
それは結局、自分の書くものに自信がないからなんでしょうね。
だから、
>>504さんのように自然な描写だけをポーンと作品に出来る人が羨ましい。
作品を読んだり読まれたり、これからいろいろと勉強していきたいと思います。
出来る限りみなさんに迷惑をかけないよう努力しますので、
どうか今後ともよろしくお願いします。
それでは、名無しに戻ります。
はい、また自己フォローきたw
ハードゲイだか何だか知らないが黒パンツ履いた腰振り芸人が、ゴールデンのお笑い歌
番組に出て歌うは青葉城恋歌なんて言うから、俺はなんだかいたたまれなくなっちまって、
世の中モラルも何もあったもんじゃない、いまサボテンに生まれ変わったら体中の棘を総
立ちにして誰かに抱きついてやるとか思いながら、テレビ消してふて寝した二十七歳の誕
生日。ああ、そこまでは覚えてる。
で、あのさ、起きたらなんで俺ユーフォニウムなわけ?
ユーフォニウム。金色の楽器。俺様はユーフォニウム。
寒い。
寒い寒い音楽室。この黒カーテンは音楽室だよな。緑のシートが破けてぷくっとスポン
ジがはみ出したパイプ椅子の上の、俺はユーフォニウム。
トランペットではなく、ホルンでもなく、マーチングバンドで最終列を行進する名前も知
らない大きな白い楽器でもなく、ユーフォニウム。地味楽器ナンバーワン。
あのさ、普通生まれ変わると言えば、毒虫とか虎とか百歩譲って猫じゃないの? 文学
的に。いや俺文学青年じゃなかったけどさ。サボテンとか電信柱だったら良かったのかと
言われるとよくわかんないけど、いや、まず、ユーフォニウムって俺の人生のどこに絡ん
でた?
537 :
ラブソディ イン ユーフォニウム 2/2:2005/11/17(木) 13:15:54
ああ、そうかと俺は思い出す。あいつだ、鈴木淳也。小学校で六年間同じクラスだった。
各学年四クラスしかない小学校で、六年間ずっと一緒といえばあいつだけだった。六年
目の春クラス発表を見たときには、俺は心底うんざりしたのだった。
六年間だ。もし相手が女だったら、多少不細工でも運命の赤い糸を感じたかもしれない。
しかし鈴木淳也だ。遠足の班分けの度にどの班が引き取るかでクラスが揉めたあいつ。同
じ中学に上がって初めてクラスが別れたとき、俺は思わずガッツポーズを取った。会話な
ど交わしたこともなく、第一存在に気付くこともあまりなかったが、それでも嬉しかった。
俺は運命の糸を断ち切った。ツキが巡ってくる気がした。
寒い。
あいつとは高校も同じだった。中高六年吹奏楽部で通した奴は、全国大会で銀賞を獲り、
文化祭で演奏した。舞台の後ろの端っこで金色の楽器を抱え込むあいつを見て、俺の友達
が囁いた。
「あいつ、生涯あの楽器しか抱けねえんだろうな」
大笑いした俺を担任が睨んだ。
寒い。
あいつはまだ楽器を抱いているだろうか。どんな大人になっただろう。今何をしている
だろう。
寒い。
なんだこの寒さは。俺はユーフォニウム。
何なんだよ、俺。あいつに抱かれたいのか?
End テーマ;モラル
>>536-537 乙です。
話し言葉でテンポ良く進んでいくのがいいですね
出だしは、オイオイ、と思いましたが、
多少の遊び要素があるのもいいかと納得しました。
ショートショートとして綺麗にまとまって面白いと思います。
ユーフォニウム(知らなかった)は地味だが
吹奏楽の中では大切な存在のはずで
でも、周りの人間から見ればやっぱりパッとしない。
関わるのが面倒な存在、というところでしょうか。
ユーフォニウムとほとんどイコールの存在として
記憶の片隅にあった鈴木君に対して「俺」は
本当はすごく興味を持っていたんでしょうね。
「俺」は気付いてなかったけど
鈴木君を笑ってしまった事やそれまでの状況が
産んだ罪悪感、それと鈴木君に対して持っていた興味
が「俺」をユーフォニウムにした、と解釈しました。
次、投下してよろしいでしょうか?
いちいち聞くな
テーマ:モラル
目の前に自分の受験番号がある。
やった。やったぞ。やってやったぞ。
空に向かって拳を突き上げる。
みんなが俺を祝福してバンザイを連呼していた。
胴上げが始まる。当然だ。俺は勝ったのだから。
勝者の体が宙を舞う。ふわり。
ポケットの携帯電話が落ちないように押し込む。
勝者になった快感に溺れ、俺はいつの間にか笑っていた。
ゲラゲラ笑いながらいつまでも続く胴上げに身を委ねた。ふわり、ふわり、ふわり、、、
目が覚めた時、俺は大の字になっていた。布団が足元でくしゃくしゃだ。
珍しく寝相が悪かったようで軽い筋肉痛さえ感じる。
もそもそと体の向きを変えテレビのスイッチを入れた。
「先日行われたK大学の入試試験で、受験生のカンニングが発覚しました。
この受験生は携帯電話を使って掲示板サイトNちゃんねるにアクセスし…」
ひどい香具師がいるものだ。
「取調べに対しどんな事をしても合格したかったと…」
気持ちは分からんでもないがと思いながら電源を切り
覚悟を決めて出かける準備を始めた。
今日は合格発表だ。
「おはよっ!」
突然、元気な声が聞こえ驚いて顔を上げた。
すぐ思い出した。先週の入試試験で俺を助けてくれた女の子だ。
会場が分からずうろうろしていた俺に声をかけ、同じ教室だと知って案内してくれた。
「一緒に行かない?」
先週は礼を言うだけで精一杯だったが改めて見てみると可愛い、
というより美人だ。モデルだと言われても疑わない。
校門の前まで来て緊張していたのも手伝って、俺はどぎまぎした。
「は、はい」
結果を見るのが恐い。
美樹という女の子は平静な様子だ。
合格発表の場所まで行く途中、彼女がぼやいた。
「朝のニュース見た?あんな事して恥ずかしくないのかな」
真剣に怒っている。
「う、うん、そうだね」俺は恥ずかしくなった。
試験の日、俺はニュースの受験生と同じ事を思いついていた。
だが、彼女の親切さが思い止まらせた。
自分もナーバスになっている筈なのに俺なんかを助けるなんて。
卑怯な事は出来ない、と。
ついにこの時がやってきた。
今朝見た夢を思い出し何故か不安が増幅したが、とにかく慎重に番号を確認していく。
「あった!」控え目だが力強い声を出し彼女は喜んでいる。
俺の番号は…無い。受験票と見比べてみるがやはり無い。
「無い」
弱々しい声を絞り出すと、彼女が優しく「正々堂々やったんだから」と言ってくれた。
恥じる事は無い。優しく見守る彼女の前で俺は少しの間泣いた。
>>536-537 読み終わってからしばらくもやもやしたものが残った。
何か心に引っかかる。
どうもこの話、どこかで似たやつを見たことがあるような気がすると思って、
ちょっと首をひねって考えたらすぐ思い出した。
『ドラえもん』だ。
さっとググッてみたらすぐ見つかった。十六巻に収録されている「ドロン葉」だ。
乱暴な飼い主にいつもいじめられている犬のベソが、ドロン葉という道具の力で
飼い主と入れ替わるという話。ベソになりきった飼い主は、それまでの自分の乱暴を
反省して、最後には自分に変身したベソの前へ身体を投げ出す。「さあなぐるならなぐれ」と。
ところがベソは自分から変身を解いて飼い主を許す。
あれは感動作だった。
それをパクッたとは言わないけど、昔からよく使われた手法ではあるみたいだ。
文体もどこかで似たやつを読んだことがあるような気がすると思って、
ちょっと考えてみるに、『介護入門』なんかこれとよく似ていると思った。
「俺」がえらそうな口調でテンポよく語りつつ、どこか悲しげな雰囲気を湛えている
ところもそっくり。
そこから来ているのかどうかはわからないけど、とにかく新鮮味がなかった。
すでに誰かによって完成されたレシピを元に、別の材料を持ってきて何の苦もなく
作ってしまったような印象を、この作品からは受けた。
まずいのは、オリジナリティが乏しいにも関わらず、鼻につく文体を選んでいること。
『介護入門』みたいに、偉そうなことを言う分本人がちゃんと苦労している
という作品なら多少は許せるんだけれども。
文章はうまいし、構成はしっかりしている。
この技術を用いたうえで、今度は自分の本当の心の内からほとばしるものを
作品にしてみてはどうかと思う。
>>541-542 二作目にしていきなり使い回しか…
多分書いてる本人は楽しいんだろうけど、読む方としてはあまり楽しくない。
なんで楽しくないかと言うと、ネタがありきたりだから。
同じ構成で別のネタをはめこむとなると、その中で話を発展させるのには無理がある。
正々堂々頑張ったんだから落っこちてもいいじゃないかと言われても、
話の中ならそれでもよかろうさ。でも現実にそういう場面に出くわしたとしたらどうだろう?
前回の感想で指摘された部分が、指摘された通りに直してあるけど、
それで、ほう、ちゃんと言われた通りにやってくれているじゃないか、などと
感心してもらえると思ったら大間違いだ。
これはかなり笑えないギャグの部類に入ると見た。
駄目だ。冷静に読めない。他の人、優しいフォロー頼みます。
>>536 俺これテレビ見てたからコーヒー吹いたw次長課長のテレサテンよかったよな。
ドラえもんは知らないが、レイザーラモンで「山月記」笑い飛ばした勇気は認めよう。
>>541 優しい俺が来ましたよ。
コピペ改変なみに全く同じ構成なのは、
本人の鍛練にならないだけじゃなく、感想人の鍛練にもならないからさ、
まず色々な人を書く練習した方がいいと思う。
テーマ「モラル」
リノリウムの廊下に、刀を帯びたスーツ姿の男が七人ほど倒れている。五人が気絶させ
られ、二人が脛を割られて動けなくなっていた。
廊下の隅に、顔面を蒼白にした十五歳ほどの少年が立ち尽くしていた。一振りの刀を、
胸の前で抱くように、しっかりと握っている。
もう動ける敵がいないことを確かめた桂木は、刀を鞘に納め、少年を呼び寄せると、そ
の目を見据えて口を開いた。
「いいか、もう一度だけ言っておく。切先で人を斬る者は敗れ、鍔で斬る者が勝つ。これ
が鍔の法だ。忘れるな」
少年は、震える顎をかすかに上下させた。
桂木も頷き返し、少年を後ろに従えて、廊下の奥にある両開きの扉へ向かった。辿り着
くと、右手で少年を制し、扉を押し開け先立って中へ踏み入る。
二十畳はある、毛の深い絨毯敷きの部屋の奥に、黒光りする樫のデスクがあった。その
向こう側には、壮年の男性が革張りの椅子に身を沈めている。
桂木は上着の懐に手を入れ、折り畳まれた一枚の紙を取り出した。それを、壮年の男性
に見えるように示す。紙には、菊の御紋と<仇討御免証>という文字が印されていた。
「刑部庁の桂木恭司と申します。村上孝造氏でいらっしゃいますか?」
桂木が尋ねると、壮年の男性は苦々しい表情で、
「そうだ」
と答えた。
547 :
当節仇討風景 2/2:2005/11/18(金) 00:41:59
「本日は、私が助太刀、及び検分役として同行しました。それでは、真剣にて尋常の勝負
を」
桂木は御免証を懐へ戻しながら言うと、部屋の隅へ引いて腕を組んだ。手出しはしない、
という意思表示である。
少年が部屋の中央まで進み出て、刀を抜いて鞘を放った。すうっと息を吸い込む。
「藤木真治の長男、正輝。亡き父の恨み、覚悟!」
少年の凛とした声が部屋に広がった。
村上は体を倒すと足元から華美な造りの刀を掴み出し、鞘を払ってデスクを回り込んだ。
吠えて、正輝は一気に詰め寄った。鬼が宿ったかのような目を仇敵に向けている。
その気迫に、村上は相手を充分に引き付けないうちに刀を繰り出してしまった。それは
正輝の左の二の腕を斬ったが、仕留めるには至らない。
がくんと身を揺らした正輝は、鬼の目を失わず、右一本で構えて体ごとぶつかった。刀
身が村上の腹部に深々と突き刺さる。
正輝はその場に膝をつき、村上は後ろずさった。腹に生えた刀を見、吐血して仰向けに
倒れた。
桂木は正輝に駆け寄り、彼の左肩に包帯を強く巻きつけて止血を施した。そして、
「仇討、見事だった」
と告げた。
少年は、弱々しく笑った。
<了>
えーと、言い訳します
モラルがテーマなので、昔の武家社会の倫理観の基となった儒学(儒教)の中で
美徳の一つとされている仇討物でも書くべぇと思いついたのですが、
なぜか「もし儒学思想が今の世にも受け継がれていたら」というif世界物になってしまいました
どーせなら助太刀役を女性にして、「儒学思想を受け継ぎつつも男女共同参画社会になってるトンデモ世界」に
した方が面白かったのですが、そんな力ないんで2秒で諦めました
最初に全部書ききった時点で、桂木さんはあと2人くらい余計に斬っていました
台詞ももっと一杯喋ってました
役職名も刑部庁助太刀班所属とかでした
村上さんも拳銃取り出したりしてました
どう見ても2000文字オーバーです
本当にありがとうございました
>>536-537 『山月記』『ドラえもん』、両方確認したが、どちらとも似ていない。
よく読むと深いね。文体が乱暴なのは照れ隠し?
寒くて薄暗い感じの音楽室で、
ぽつんと置かれた金色のユーフォニウムが
鈍い光を放っているイメージが想像できて秀逸。
最後の「何なんだよ、俺。あいつに抱かれたいのか?」はちと直接的過ぎるかも。
「こう読んで欲しい」という作者の焦りが出てしまっている。
もう少しでんと構えていても大丈夫だと思う。
オリジナリティはあるし、面白いし、文学的才能はあると思うよ。
550 :
541:2005/11/18(金) 08:36:20
失礼しました。
単純に面白い物をと思ったのですが
考えが浅かったですね
顔を洗って出直します
>>546-547 設定が面白かった。
でも殺される人が可哀想に感じたのはオレだけじゃないと思います。
これは話の性質上勿体無いと思う。
主人公が斬られてもいいかも、オレならそうしたと思う。
そのあたりは趣味の問題とも思うけど……。
話は面白いです。
>桂木は正輝に駆け寄り、彼の左肩に包帯を強く巻きつけて止血を施した。そして、
ここが、動作が急でリズムが崩れてると思うっす。
>>550 夢中になってやっているときにはつい暴走しちゃうもんね。
暴走は悪いことじゃないよ。それだけ情熱が有り余っている証拠。
めげずにまた来てね。
>>546-547 「もし儒学思想が今の世にも受け継がれていたら」というif世界物を書くならば、
儒学思想をもっと掘り下げてみてもよかったと思う。
…と、あえて文学的感想を言ってみる。
儒教はなぜ美徳なのか?
古典でも紐解いて熟考してみれば、
また違った味わいになるんじゃないだろうか。
恨みや気迫は伝わってくる。そう書いてあるから。
はっきり書いてあるから、そうなんだな、とは思うけど、
それは記号としての恨みや気迫としか感じられない。
設定をどれだけ積み上げても、殺陣の迫力を増すことには繋がらないと思う。
少年がどのくらい敵を恨んでいるか、その心の中の様子が、
もっとリアルにイメージできないと、最後に相手を殺した時にスッキリしない。
果たしてその敵討ちにどれほどの正当性があるのか、
それを判断するための材料がないせいで、心から主人公を応援できない。
それと、敵討ちは少年にとって人生を大きく左右する一大事なわけで、
そこに桂木某なる一公務員がしゃしゃり出てくるというのは、
その社会自体が道徳的にどうなんだろうかと…
そういうスッキリしない部分でやたらと引っかかるので、
エンターテイメントの快感が削がれてしまった。
>>547-548 え、正輝切られちゃったの?
と思いました。でも、主人公切るのもこの字数では難しいのかな。
いつも思うのですが、すっきりしてほんと無駄のない文章ですよね。
いいなあ。
>役職名も刑部庁助太刀班所属とかでした
>村上さんも拳銃取り出したりしてました
でもこっちも読みたかったです。
>>541-542 構成を同じで話を変えるのは、でも勉強になると思うのです。
同じ構成で一番効果が上がるように、
ハッピーエンドにするかバッドエンドにするか考えたり、楽しいですよね。
ただ、あの、たぶんなんですが、
>試験の日、俺はニュースの受験生と同じ事を思いついていた。
>だが、彼女の親切さが思い止まらせた。
カンニングは犯罪なので、
モラル越えてしまってるような気がするんですね。
彼女の親切さが思いとどまらせたの一言では、
ちょっと弱いような気もするのですが、どうでしょう。
また次の作品待ってます!
556 :
536:2005/11/18(金) 23:24:37
感想ありがとうございました。
反省言い訳しますすみません。
今度はテーマを絶対わかってもらえるように丁寧に書こうと思って、
そこだけしか考えられず、他がおろそかでしたorz
モラルって何だろうとずっと考えていて、
たまたまテレビにHGが出ていて、
この人ユーフォニウムみたいと思ったら、
変身させたくなってそこから一歩も動けなくなって、
もう滅茶苦茶ベタで陳腐で、や、
でも決して笑い飛ばすつもりなんてなかったのです。
つまり、、、
反省しています。
本当は大人の情けない男を書きたかったのです。
へらずぐちで、でも同級生だった一途に楽器だけ抱えているような子を
無意識に心に残してたぽくしたかったのですが、
投稿してから冷静に画面で読むと、
なんか違いました。。
ありがとうございました。
テーマ:モラル
「セスナからの連絡が途絶えた。所定の救出ポイントに向かい待機せよ」
太陽が憎い。
一欠片の容赦も無く、無抵抗な俺達を死に追いやろうとしている。
俺が太陽信仰者になる事は死ぬまで無い、と陳腐な考えが浮かんだ。
あいつはこれからも太陽を崇めるのだろう。首を動かすのも面倒だが
顔を上げて、前を歩く男を見た。アラブ系の男。
カリムという名前だけは聞いた。それ以上の情報は生き残る為に必要ではない。
「コッチ、モウスグ」
何度訊ねてもそれしか言わないので、もう1時間近く口をきいていない。
俺の不安は怒りに変わりつつあった。
最初にもうすぐだと聞いてから砂丘をいくつ越えただろうか。
体力の限界を感じる。飲み水も残り少ない。
ここで死んだら俺の体はどうなるのだろう?
腐らずにミイラ化し、いずれは風化して骨だけになる。
骨は砂に埋もれ、誰にも知られる事なく俺の存在はこの世から消えていくのか。
嫌だ、死にたくない。どうして俺がこんな目に。
ああ、水も無くなった。カリムが憎い。あいつがセスナの操縦を誤ったから。
もう何度目か分からない休憩をとる。
「コッチ、モウスグ」
もういい、分かった。
太陽は地平線に近付き鮮やかなオレンジ色を放っている。
気温が下がり始めている事に気付いてゾッとした。
夜になれば軽装の俺達は絶対に助からない。
「おい、急ぐぞ」
それから程なくして、昼間あれほど憎らしかった太陽が砂漠の美しい夕景を見せた後、
地平線に沈んだ。もう時間が無い。俺は死の恐怖に駆られて狂ったように走り出した。
もう砂を蹴る力も無く、歩く速さと変わらない。
ひと際大きな砂丘を登り始めた時、後ろでドスッという音がした。
振り返るとカリムが倒れて咳き込んでいる。
「大丈夫か?」
薄闇でよく見えないがどうやら血を吐いているらしい。病気だろうか。
「動けないのか?」
苦しそうに咳き込むだけで、立ち上がる事すら出来ないようだ。
仕方ない、こいつは置いていこう。背負って連れていく体力は残っていないし
元はと言えばこいつの責任なのだから。結論はすぐに出た。
俺は再び砂丘を登り始めた。アラビア語で何やら叫んでいるのが聞こえるが
どうせ俺を呪う文句を吐いているのだろう。何とでも言え。生きた者の勝ちだ。
砂丘を登り終えた俺の目に最初に飛び込んできたのは車のライト。
目を凝らすとトラックの車体には RESCUE とあった。
いいねえ。
>>557-558 うまいなあ、と思うのは、小説の中で描かれているストーリーと並行して、
読者(少なくとも俺)の頭の中に別のストーリーが進行していくところ。
おいおい、そのアラブ人実はいい人なんじゃね? と読者は思うわけだが、
主人公は決してそれに同意しない。
それどころかどんどんアラブ人に対する疑いを増していく。
現実に遭難する目にあったら、誰しもこういう心理に陥るかもしれない。
その緊張を最後の最後まで維持し続ける作者の体力はすごいと思う(千字しかないけど)。
最後の一行に至るまで、このアラブ人が信頼のおける人物であることを書かないのが
またすごい。これを、もし途中のどこかで「実はこの男は……」と説明を入れたりなんか
していたら、面白くも何ともないものになってしまっていただろう。
あくまでも判断は読者に任せ、その読者は「そうじゃないだろ!」と突っ込みを入れながら
ストーリーに入り込んでいく。
突っ込みを入れているうちに、読者(少なくとも俺)の中にも疑念が生じてくる。
……このアラブ人本当に駄目なんじゃね? となる。
そうなったときにやっと、レスキュー隊がやって来てその疑いが晴れる。
読者(少なくとも俺)はほとんど洗脳されかけていたために、
主人公と同じくらいの安堵を経験する。
うまい。最後の一行までフルに活用したのは素晴らしいと思う。
561 :
557:2005/11/21(月) 22:23:53
endを入れ忘れました。以後気を付けます。
感想ありがとうございます。
そこまで汲み取って頂けると書いた甲斐があります。
砂漠で遭難という非常にありきたりな設定で、しかもタイトルでほぼネタバレですが
その分、状況説明が省けて心理描写に集中出来ました。
アラブ人を見捨てるのではなく、半狂乱になって殺す、というアイデアもあったのですが
生きてる方が、後の事も色々想像出来て面白いかなと思いました。
褒めて頂いて素直に嬉しいですが
調子に乗りやすい性格なので、次に書く時は気持ちをリセットします。
ありがとうございました
562 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/11/21(月) 22:51:22
>>557 >太陽が憎い。
ぼくだって憎い。もうちょい遠まわしな、皮肉で嫌味な表現でもいいんじゃないか?
殺すっていって殺さないのとあんま変わらない。
どんだけ憎いのか伝わんない。
67点
563 :
557:2005/11/22(火) 00:21:15
すみません、どうしてもスルー出来ません。
>>562 あなたがもし荒らしならスルーすべきなのですが
批評を頂いている以上無視するのもどうかと思うので教えて下さい。
>殺すっていって殺さないのとあんま変わらない。
の意味がよく分かりません。殺す設定の方が良かった、という事でしょうか?
失礼の段、ご容赦下さい。
>>563 横レスだけど、殺す必要ぜんぜんない。
助かったー、という安堵感と、やっちまったー、という後悔を、
たった千字で同時に表現すると、どっちつかずの話になる。
今のままがシンプルでベスト。
変に欲をかくと失敗する。
>>557 俺も横レスだけど、>太陽が憎い
これは関心しなかった。「太陽を殺したい」くらい直接的過ぎると思う。同意とは言わないが。
設定ありきたりでタイトルネタバレで意外なオチもなし、正直何が書きたいのかわからんかった。
>心理描写に集中で来た
これで初めてやりたかったことわかったが、
>無抵抗な俺達
ここはカリムと俺と仲間意識ある感じ
>嫌だ、死にたくない
砂漠でなくてもどこでも言える台詞
>死の恐怖に駆られて
描写でなく説明文ぽい。
>病気だろうか
これはあんまりだ。
砂漠の真ん中で血吐く奴に病気とか言うか?
それがわからんほど朦朧としてたならそこ描写しておくべき。
オチがないなら心理描写すべきであって、
この文体ならオチを作るしか見せ場はないと思う。
まあ、感想は人それぞれだからな。
それはその通りなんだがこの手のスレでは一番言っちゃいけないことのような気がするよなんとなく
568 :
557:2005/11/22(火) 19:35:02
再び、感想ありがとうございます。
言われてみれば確かに終盤は乱暴で伝わりにくいですね。
参考になります。
某スレの厨房へ。
そんなエサ釣られクマ。
>首を動かすのも面倒だが
>顔を上げて、前を歩く男を見た。アラブ系の男。
こういう感じの登場人物の出し方って
とてもかっこいいなあと思いました。
首を動かすのも面倒、の部分で
なんかもう嫌だよ熱いよ、って感じがいいのかな。
首を動かす、顔を上げる、前を歩く男、の視線の動きがいいのかな。
ちょっとうまく言えませんが、ここ好きでした。
571 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/11/23(水) 00:01:56
>>563 例え話。
「お前ぶっ殺す」と、何とかは言った。
よりも
「お前ぶっ殺す」と、何とかは目を充血させ、咆哮した。
と書くほうが、どれだけ相手を殺したいか伝わる。
もっとわかりやすく書くのならば、
太陽は殺せないし、消せない。だったら、
今日の太陽はいつも以上に輝き、俺に潤いを与えてくれている。(その後、砂漠や砂丘の描写)
といった皮肉的な表現もいいんじゃないかなということ。
さらに短くすると、
要するに、形容詞に対してそこで使うべきか使わないべきか自問自答をしよう。
572 :
557:2005/11/23(水) 21:39:18
なるほど。理解出来ました。
自分なりに納得するまで推敲したのですが、まだまだ力不足ですね。
褒めて下さった方、ダメ出し下さった方、皆さん有難うございます
鍵を開け、夜間警備システムを解除し、店内の電気をつけ、有線放送をつけ、客席に逆
向きに乗せていた椅子を全て下ろす間にも、僕はワンツースリーワンツースリーと足踏み
をしている。
食器洗い機の蓋を開け、足踏みし、コーヒーメーカーをセットし、足踏みし、揚げ物用
のフライヤーが温まり、中で油がぱちぱち弾ける音がする。このぱちぱち音が、ある朝異
様に大きかったりすると要注意だ。慌ててスイッチを切り、恐る恐る蓋を開けると、
「なぜ私を唐揚げにしたのよー」
と恨めしい顔の口裂け女が飛び出てくる。
いや、ありえない。
そういえば、山川副主任の怪談はいつもオチが口裂け女だ。口裂け女にトラウマでもあ
るのだろうか。
突如黄色い閃光とともにベル音が鳴り響く。本部からの定例FAXだ。
「……と警察署から連絡がありました。警報ベルの位置を従業員に徹底し、早朝バイトが
一人になる店は特に……」
足を踏みならし、警報ベルの位置を確認する。県内では先月から、深夜従業員の帰り際、
あるいは早朝始業時を狙う強盗が増えているという。
いつ来るかわからない強盗より、毎週必ず来る進藤副長からの酒の誘いの方が怖い。副
長の酒癖の悪さより、佐山先輩の逆セクハラの方が怖い。佐山先輩より怖いものがあって、
僕は客席を順番に拭きながら足踏みをしている。
怖い。僕はねずみが怖い。
佐山先輩に言わせれば、人間がネズミを怖がる以上にネズミは人間を怖がっており、足
を踏みならしていればネズミは出てこられない。本当だろうか。
いや、ありえない。
奴らは進化している。ネズミであってネズミでない。ほとんど猫並みの大きさの奴もい
る。未来の猫型ロボットの耳を囓るし、王国を作りシンデレラとパレードをする。怖い。
棚の隙間から浄水器の端から、今にもちゅるっと奴らが駆けてきたら、僕は飛び上がり、
うっかり警報装置を押してしまい、危機一髪その音でネズミは逃げるのだが、警備会社か
ら警備員が駆けつけて、僕は正直にベルを押した理由を言う。クビだ。
怖い、と駆けあし足踏みになったとき、テーブル下に微かな気配があった。
声にもならず僕は飛び上がった。同時にドアがガランと開く音がした。何かがその形も
見せず、ちゅるると壁を走って行った。
助かった。顔を上げた僕に、主任が一言言った。
「吉田君、君、減給ね」
えっ、と僕は押さなかったはずの警報ベルを見たが、視線が高い。
僕は靴のまま客席テーブルへ飛び上がっていたのだった。
了 テーマ;ファミレス
>>573-574 最高! 面白過ぎ。感想ちょっと待っててね。
なんでこんなに面白いのか分析してみる。
たしかに面白い。
主人公カワイス(*´д`*)
577 :
575:2005/11/27(日) 21:37:11
578 :
575:2005/11/27(日) 22:03:18
本当はものすごくたくさん分析してるんだけどね。
もったいないから書きたくないのだ。
このくらい沈黙させられれば大したもんです。
いつものあの人なんだろけど一応言っておく。
荒らしか自演かと言われる前に書いてやれ。
せっかく消えてくれたんだから呼び戻さないように。
これ以上ぐだぐだ書かれても…ね。
581 :
名無し物書き@推敲中?:2005/12/01(木) 23:06:53
>>573-574 テクニック的には完璧に近いけど、詰めが甘いんだよ。
どこが甘いかちゅうと、ネズミの恐さの部分。
> 奴らは進化している。ネズミであってネズミでない。ほとんど猫並みの大きさの奴もい
る。未来の猫型ロボットの耳を囓るし、王国を作りシンデレラとパレードをする。怖い。
この二行で、それまで高まってきた恐怖が一挙に崩れるんだよね。
ネズミにかじられて細菌に感染し、一週間生死の境をさ迷ったとか、
おじいちゃんの足の指が一本ネズミに食いちぎられたとか、
(発想が貧困でスマン)
まあ何でもいいけど、主人公の身近で起きた具体的な恐怖体験が欲しかったかな、
というところ。
ここに差し掛かったときに、すうっと恐怖感が薄れちゃったのが残念。
でも、ノリがいいし、各所に伏線が効いていて、全然混乱せずに読めたから、
(たとえば警報ベルの位置とか)、その欠点を差し引いても、かなりの上手さだと思う。
緊張と緩和の使い分けや、むりやり連想を繋げて笑いを取るところや、
笑いを取って緊張を和らげるんだけど恐怖感はむしろ増していくというような、
そういう高度なテクニックには唸らされた。
582 :
名無し物書き@推敲中?:2005/12/01(木) 23:29:19
>>582 感想人をナニ様呼ばわりするならば、お前はスレ違いな存在だ。消えろ。
584 :
573:2005/12/02(金) 00:36:21
いつも本当に感想ありがとうございます。
楽しみにしています。
相変わらず反省会しますすみません。
今度こそわかりやすいものをと思って、
怖さだけに焦点を絞ろうと思ったのです。
ありきたりにならないように妄想はさみながら、
ひたすら怖い怖いと書き連ねて筋を通そうと思ったのですが、
>>581 >どこが甘いかちゅうと、ネズミの恐さの部分。
妄想ばっかりで主人公の肝心の恐怖空回り orz
しかも、寒い寒いと繰り返した前のと同じワンパターン。
>(たとえば警報ベルの位置とか)
ここは、視線が移動したという行動の描写を入れようと、
突然にならないようにと頑張った部分だったので、ほっとしました。
>>584 あんた前から上手いけど、あれやこれやと幅広くよく書けるね。
最初褒める部分しか見えなくて、
いかん、これじゃ冷静さを欠いた感想しか書けんと、
考えに考えた挙句こんなに待たせてしまった。ゴメン。
でも、あんたを追いかけているといろいろ勉強できるから嬉しいよ。
>>585 わ、、え、あの、嬉しいです。だけど、調子に乗りそうです。。。
書いて推敲するときも全然客観的に読めなくて、
投下して画面で見てやっとちょっとだけ客観的にミスがわかって、
感想指摘いただいて始めて何がおかしいのか気付きます。
はやく、推敲のとき気付けるように、わかりやすくかけるようなりたいです。
がんばります。
批評すら書けないのに褒めるなよ。
褒められた奴がかわいそうだろ。
なんか方向性というか空気というか求めるものというか…
変わったよな、このスレ。
保守しておかないと落ちそうだよ
テーマ「ファミレス」
顔を合わせれば聞かされる女房の愚痴を嫌い、真っ直ぐ帰らずにファミレスへ立ち寄っ
た事を都築は後悔していた。
平日の二十三時ともなれば、国道沿いのファミレスには空席が目立つようになる。にも
かかわらず、泥のようなコーヒーを啜る都築の前に、どっかと座り込む男がいた。
平瀬という記者である。
彼は、二流の夕刊紙の事件記者であり、いろいろと悪名の高い人物だった。事件よりも
警官の私生活を追い、人には言えない秘密を探り出す。それをネタに、特種などを要求す
るのだ。中には、返される見込みのない金を彼に貸している警官もいるらしい。
都築は喉の奥で唸り、顔一杯に不快の念をあらわした。こんな場所で二人きりで会って
いるのを同僚に見られでもしたら、あらぬ誤解を招いてしまうことだろう。
そんな都築の態度にまるで頓着せずに、平瀬はおしぼりで手を拭きながらコーヒーを注
文した。ウエイターが下がると、テーブルに片肘をついて都築に軽薄そうな笑みを向け、
口を開いた。
「どうですか? 捜査の進展は」
「夕方に発表した通りだよ」
都築は平瀬の顔を見ないように、目を閉じて答えた。
「ホシの残した遺留品……なんでしたっけ? ボタンか。あれを辿ってるんでしょう?」
「大量生産品の安物だ。メーカーと卸している店は分かったが、どれだけ出回っているか
検討もつかん」
「でも、きっと捕まるんでしょうね」
平瀬の世間話でもしているような口調に、都築は眉根を寄せて相手を見た。
刑事にその質問をして、返ってくる答えは一つしかない。たとえ、事件がどれほど込み
入っていようと、現場の刑事達が内心ではホシは見つからないだろうと思っているような
事件であっても。事件記者であれば、刑事にそんな馬鹿げた質問などしないはずだ。特に、
今のような二人きりの時に。
殺人の現場である公園に残されたのは、たった一つのボタンだけだった。不審人物の目
撃情報はなく、凶器さえ見つかっていない。痴情のもつれからの咄嗟の犯行に見えて、犯
人は呆れるほど証拠というものを残していなかった。被害者の女性の交友関係を調べても、
今のところ男性の影は見えてこない。
平瀬の視線が落ちた。
つられて、都築の視線も追いかける。片肘をついた平瀬の上着の袖は、ボタンが一つ欠
けていた。
都築は目を見開き、平瀬の顔を見る。彼もこちらを見ていた。
「そう、僕はあの日、公園にいたんです。あなたを追っていたから」
言って、平瀬は喉の奥で笑った。
<了>
>>590-591 投稿乙です!
嬉しいです。
こういう心理戦とか
ラストぎりぎりを突いてひっくり返されるの大好きです。
ほんと巧いなあと思うのは、
冒頭数行で都築の憂鬱な心理をさらっと描いてすぐ、
平瀬のいかにも嫌な性格を、端的なたとえで描写していると思わせて、
実はそれが全て伏線になってるとことか。
中ほどのらりくらりと攻めてくる感じの平瀬に、焦りつのってくる都築も、
なにげなく読んだだけでは、
ただのくたびれた刑事と事件記者(嫌な奴)の描写なんだけど、
でもそれも実は伏線!
あと会話文では「ホシの」と言ってるけど地の文にはなかったり。
そういえば、刑事物のドラマでは、
よく刑事さんファミレス入ってますね。しかも国道沿い。
どうしてだろうだろう。
乙。
なるほど面白いなこれ。
正直ミステリはあんまし好きじゃないし流し読みだったから、
一回目読んだとき意味わからんかったけど。後からじわじわきた。
一番関心するのは1000字をむだなく使ってることかな。
キャラも立ってる。
でも「特種」はミステリでは一般的な言葉なのか?
流れでなんとなく意味はわかるが、
刑事らしい言葉を使わせたにしても、そこだけ浮いてる気がするんだが。
トクダネ、じゃね?
595 :
593:2005/12/13(火) 21:07:38
漢字キタふおおおおーーーー
正直すまんかった
596 :
名無し物書き@推敲中?:2005/12/13(火) 22:41:31
落ちは読め読めで話の内容自体はつまらないけど
描写や構成なんかの表現技術は見習いたいくらい良い出来だと思うな
さて、そろそろ「2005年度最優秀鍛錬スレ賞」でも決めようかい。
あと、2週間しかないぜ。
賞あげるほど面白い作品なんてないでしょ
599 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/12/16(金) 21:59:58
600 :
名無し物書き@推敲中?:2005/12/17(土) 14:33:45
せっかくなん作品も集まったんやから、一番オモロイのは決めようちゃ。
602 :
名無し物書き@推敲中?:2005/12/18(日) 02:59:50
みんな自分が書いた作品が一番面白く思えるもんだよ。
保守するのだね
610 :
名無し物書き@推敲中?:2005/12/25(日) 12:11:49
今日だけ限定でお題は「クリスマス」でやってみないかい?
即興で何人が書けるかわからにけど。
>>610 まずおまいが伝説を刻むのだ
ぶっちゃけ普段も過疎っとるのに作品来るわけなかろう。
常連数人で回してるスレなんだからさあさあ。
三が日にお正月祭というのはどうだ?
来たらまずなんて言ってやろうか、そんなことを考えて待ち合わせの暇をつぶしていた。
――午後七時五十分
約束の時間から五十分以上待ったのは生まれて初めてだった。普段は二日で一箱程度
しか吸わないタバコも十本以上吸っている。暇なのだ。
駅前というだけあって人は多い。特に今年のクリスマスは土日という好条件なのだ。
周りはカップルだらけで本来ならイライラしてくるが、オレも女の子を待っているのである。
しかも彼氏彼女の関係ではない相手だ。怒るのはナンセンス。感情を抑えてこそ大人である。
「お前、いい加減にしろ。何分待たせんだよ!」
横で男の怒鳴り声が聞こえた。しかし寒さと倦怠感でクビを向けて様子を窺うのもしんどい。
はやく来ないかな、とまた一本タバコを取り出した。
今日の為に買ったスーツを気にして、そこいらに腰を落とせないのが辛かった。しかも
コートまでは買うお金はなく、笑それをいのネタにしようと思っていたがあまりに寒そうで
リアルすぎて笑えないだろう。それに待たせた相手に「寒い」連発は嫌味である。なにか
ギャグも考えないとな……。
もう口から出ているのがタバコの煙なのか白い息なのか分からなくなってきた。
「もうオレ帰るからな!」
さっきの男がまた怒鳴っていた。目をやると、背中を向け駅に向かって一歩踏み出した
所だった。もう諦めて帰るのか。
と、突然携帯が鳴った。『いつかのメリークリスマス』だ。この日の為にダウンロードして
おいた。メールが来たら『クリスマスキャロルの頃には』が流れる。
着信の音に反応して、駅に向かっていた男が足を止めこちらを振り返る。
「もしもーし」
待ち合わせの相手からだ。
「ゴメーン、遅くなっちゃって……」
振り返った男と目が合った。そしてこちらに歩いてきた。オレの目の前で止まりオレを
見つめる。オレは男に背を向けて会話に集中した。
「今日行けなくなっちゃって、ゴメンナサイ」
はぁ、溜息が出た。一時間も寒空の下で待たされて「ゴメンナサイ」で終わりである。
「相手なんだって?」
男が後ろから肩を掴んで聞いてきた。
オレは無言で首を振った。
「だからお前のセッティングする合コンは信用できないんだよ!」
今年も男友達と二人でクリスマスを過ごす事になった。
<end>
なんとか今日中に、と即興で書いてみました。
2005年の記念に、、
>>612-613 乙です!
>「相手なんだって?」
>男が後ろから肩を掴んで聞いてきた。
ここで何が起こるんだろうとぞくっとしました。
その後大笑い。なんでこのオチ読めなかったんだろう。
実は今日合コンの予定あったのですが、断ったのですが、
なんで気付かないかな、それがおかしくて、さっきからずっと笑ってます。
メリークリスマス、楽しかったです。
でも、この企画、、もっと早く気付いていれば。。
参加したかったorz
テーマ:クリスマス
やっと終わった。
師走ということで、仕事も忙しく1時間残業した。
早く帰ってケーキでも食べよう。俺にもクリスマス気分を味わう権利くらいある。
車に乗り込んだ時、ガソリンが残り少ない事を思い出した。
いつものセルフスタンド、タッチパネルを操作する。
クレジットカードを通し、レギュラー、満タン、と…
その時、スタンドに面した道路から軽自動車が突っ込んできた。
文字通り突っ込んできたその車は凄まじい轟音と共に目の前の俺の車にぶつかった。
日常の理解を超えた事態に俺の思考は少しの間停止していたようだが
とにかく事故が起こった事だけは分かった。すぐには帰れそうにないという事も。
警察官は優しかった。巡査長だというおじさんは
「兄ちゃんも災難だね、これやるから元気出しな」
と、呆然としていた俺に缶コーヒーをくれた。
ガソリンスタンドの店員が警察と消防に電話してから10分後、
軽自動車を運転していた若い女性は
気を失ったまま救急車で運ばれていった。二台の事故車はレッカーで運ばれていった。
保険会社にも連絡を済ませ、今すべき事は全て終えた。早く帰ろう。
タクシーに乗り込み行き先を告げるとここにきてどっと疲れが出た。
タクシーは暖房が利いていて、抗う事も出来ず俺は眠ってしまった。
寒い、身震いしながら目を覚ますと、当然タクシーの中だった。だが寒い。
そして運転手がいない。またもや思考が一時停止しかけたが
タクシーのボンネットが開いている事に辛うじて気付いた。
外に出るとエンジンを見ていた運転手が声をかけてきた。
「すみませんね、どうやらエレメントがいかれてるようで。
別のタクシーを呼びましたから、中で待ってて下さい」
10分後、元気なタクシーがやってきて俺を家まで運んでくれた。
エンコしたタクシーの代金は無しにしてもらったので
余ったお金で温かい缶コーヒーを一つ買っておいた。
23時38分。早朝出勤の彼女は寝ているだろう。
そっとドアを開け、電気を付けずに居間に進むといちごのショートケーキが二つある。
食べずに待っていたのだと思うと彼女に申し訳なく思った。
人の気配がして、振り向くと何かがキラッと光った。
今回は思考停止する前に声が出た。「ちょっと待て!俺だよ!」
慌てて電気を付けると、金属バットを頭上に振りかぶっている彼女の姿があった。
数秒間、見つめ合ってから俺たちは笑い出した。
「メリークリスマス!」
end
>>616-617 嬉しい2作品も(*´∀`*)
冒頭から疲れている描写がきちんと続いていて巧いと思いました。
この短さで色々なことが起こってるのにちゃんと処理されてる。
>金属バットを頭上に振りかぶっている彼女の姿があった。
この豪快なオチも楽しかったし、最後がハッピーなのもいいですね。
でも参加したかった参加したかった orz
じゃあ明日はクリスマス後夜祭
620 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/12/26(月) 00:34:59
投稿された二作品。
・普通に描写不足
・脳内補完が多すぎる
上は単純。短編の中でも足りない。
下はちょい難しい。
短編は短いゆえ、一本のレールに沿ってないと話にならない。
だが、短編はレールの長さを短くしなければならないのだが、この作品は酷い。
一区画のレールがごっそりなくなってる。これじゃあ脱線する。
脱線って、いわゆる読者妄想。エヴァ、攻殻機動隊参照。
このレールだが、脱線しないようにすればいい。
90mのレールで100mの距離を繋ぐにはどうすればいいか?
分かりにくいだろうが、分かれ。
621 :
617:2005/12/26(月) 21:25:02
そうですね。全く練られた話にはなってないです、はい。
というか、
>クレジットカードを通し、レギュラー、満タン、と…
までは昨日の私そのままです。。。
短時間で書く練習をするのも悪くはないなと感じたいい機会でした。
推敲する時間が長くとれますもんね。
くだらない文章しか思いつかなければ意味ないけど。
えいいちの批評には「描写不足」というのが多いけど、
彼の読解力不足でなければいいが、と懸念しまう年の瀬なのであった。
1000文字を理解してないと思われ・・・。
624 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/12/29(木) 23:34:38
>>622 どう考えても描写不足でそ。
自然に読んで情景が思い浮かばないんだから。
プロと比べるなと思うだろうが、比べないと批評なんて書けんよ。
>624
私は「描写不足」とは思わず楽しんで読めた。
君の場合、「描写不足」をいつも指摘しているが、
1000字で君を満足させるような描写をすれば、オチを語る前に文字数が制限を超えそうだよ。
ショートショートを読み慣れていないか、
「描写不足」のスタンプを見境なくポンポン押しまくるのが君のスタンスなのかわからないけど。
とにかく私としては「描写不足ではありません」としか言いようがないね。
そうオレも言うほど悪くないともぅ。
正月やる?
なら参加する(`・ω・´)
>>626 やろう正月
三が日限定でどうだ?
つうか何でもいいんだけどよ、
おい、常連達、引き籠もっとらんで書け、泣くな、逃げるな、書け、
よし、三が日限定・テーマ「正月」でok?
>>628 OK乙です!
三が日限定「正月」
それではよいお年を。
○●第1回鍛錬スレ競作祭●○
◆「正月」をテーマに、1000文字以内の短編を書いて下さい。
投稿の際、名前欄に「正月祭参加」と適当なトリップ(半角#の後に任意の文字列)、
本文書き出しの前にタイトルを明記して下さい。
その他規定は
>>1に準ずることとします。
◆日程は以下の通りです。
・投稿期間 1/1 00:00 〜 1/3 23:59 まで
・感想期間 投稿期間終了から、1/6 23:59 まで
◆感想期間終了後、それぞれの作者の方は作品名と投稿時に付けていただいたトリップを
名前欄に入力し、一番良かったと思われる作品をひとつ挙げて下さい。
集計はこの作者票のみとし、得票数の最も多かった作品が優勝となります。
大体こんな感じでいかがでしょうか。
雑談スレでどなたか仰っていたように、祭り終了後は作品名をコテにして
わいわい合評なんかもやってみたいですね。
あ、というわけですので投稿は「一人一作品まで」になります。
…って、よく見たら誰も「競作祭」をしようとは言ってませんねorz
スルーして下さい…(´・ω;::..;:...
いや、いいんじゃないんですか?
正月っぽくて、、。
酒が抜けたら書き始めますよ〜。
お正月限定テーマですから、楽しいかもです、
ちょっと、お酒入ってるので、あとで、また。
「祖父の問い」
商店街のシャッターは全て閉まっており、謹賀新年と書かれた狛犬のポスターが一軒ご
とに貼られている。白い体に大きな目と耳は、狛犬というより招き猫にも見える。十三匹、
十四匹と数えたところで、前から来た自転車を避け、どれが十四匹目だったかわからなく
なった。
舌打ちした僕を、数歩手前を歩いていた祖父が振り返る。なんだ、と目が問うている。
なんでもない、と僕が肩を竦めると、祖父は再び歩き始める。
祖父の歩みは遅い。僕は二歩歩くたびに一歩休むペースで、狛犬を数えたり、商店の前
に置かれたガチャガチャマシーンを眺める。
子供の頃はこんなよそ見は出来なかった。母方の祖父は、その頃僕が知っていた大人の
中で一番足が速かった。荷物を抱えていようと、孫を連れていようと、歩む速度を変えな
い。僕はいつも小走りで、泣きべそをかきながら祖父の背中を追っていた。
父さんは自分の定規が絶対だから、と僕の母は言う。
「正月にハワイ旅行の何が気に入らないのよ、今更。私が子供の頃には、仕事だ仕事だ、
って、三が日に家に居たことなんて一度もなかったのよ? 健史もよ、スノボと家族旅行
とどっちが大事よ」
母は大晦日の空港でもまだぶつぶつ言いながら、父と弟とともに旅立った。僕はともか
く、母と祖父がぶつかるとどちらも折れないから困る。
再び数えていた狛犬が九匹になったとき、時計屋の角を曲がる。イカ焼きの屋台が一つ
あり、すぐ神社の鳥居がある。くぐって石段をのぼるともう賽銭を投げられる距離のそこ
に、大きな一本の楠がある。
かつて祖父はここで立ち止まり、僕に問うたものだ。
「健史、この木は何の木か知っているか」
毎年初詣に訪れる神社のこの木の名を、僕は覚えられなかった。
幹は社の屋根より高く伸び、空を全て覆い尽くすべく枝を伸ばし、葉陰は境内を覆う。
この大木の「クスノキ」というさやさやした響きの名を聞く度、僕は何か騙されたような
違和感を覚えた。
祖父は五年ほど同じ問いをした。ある年ついに僕は知識として「楠」を知った。
「楠だろ、知ってるよ」
あの時の祖父の顔を今でも思い出す。一瞬寂しげに曇った顔が、やがてゆっくり頷き、
大木を仰いだ。
あの日と同じように、祖父は楠を仰いでいる。
祖父の背はいつの間にこんなに小さくなったのだろう。僕はゆっくり視線を上げた。祖
父の背から、大木の幹へ、枝へ、葉へ。
小さな頃、「爺ちゃんの木」と呼んだその楠を、僕はただ見上げていた。
了 テーマ 正月
・・・。
639 :
正月祭参加 ◆KM1n36YaJ2 :2006/01/11(水) 00:05:07
「ツンデレ?」
カウントダウンが終わり、新年の訪れとともに、僕たちは別れた。原因は二週間後に迫
る、僕のフランスへの語学留学だった。
駅のホームは閑散としていた。キオスクの閉められたシャッターに背中を預け、ただ電
車が来るのを待っていた。ため息混じりの吐息が風にさらわれていく。なにも考えたくは
ないのに、後悔と罪悪感が勝手に記憶のフィルムを回し始める。閉じたまぶたの裏に映し
出されるのは、見下ろした彼女の、震える華奢な肩だった。
――もう、行くから。
狭いワンルーム、シングルベッドに壁を向いて横になった彼女から、返事はなかった。
僕は居たたまれなくなって、それ以上なにも言わずに玄関へ向かう。鍵を開け、後ろを振
り返る。
――おやすみ。
いつもの帰り際と同じように、もう会うこともないであろう相手に僕はそう言って、部
屋を後にした。他にかけるべき言葉はみつからなかった。
640 :
正月祭参加 ◆KM1n36YaJ2 :2006/01/11(水) 00:05:56
電車の到着を告げるアナウンスが流れ、意識が今に戻る。僕はほとんど無意識に携帯電
話を取り出していた。手袋を取り、開く。着信や新着メールはなかった。この携帯を頻繁
に鳴らしてくれた恋人を、さっき僕が振ったのだ。今さら何を期待しているのだろう。自
分の行動にうんざりして携帯をポケットに戻す。手袋を外したままの左手が、なにかに触
れた。取り出してみると、それは小さく四つ折りにされ、真ん中に僕の名前が書かれてい
た。彼女の文字だ。いつの間に……。
恐る恐る開いてみる。十五センチ四方ほどの紙が五枚重なっていた。一枚目は《あけま
しておめでとう》とだけ、二枚目に《くらい言えバカ》、三枚目《手紙書け》、四枚目に
は彼女のアパートの住所、携帯の番号、《絶対になくすな》、そして五枚目。それまでと
は正反対の控えめな字で、《待ってる》とあった。
鮮やかなオレンジ色の電車がホームに現れ、そして数人の乗客を乗せて去っていった。
僕は彼女のその不器用なメッセージをみつめたまま、立ち尽くしていた。
向こうに着いたらなにより先に葉書を買おうと、そう決めた。綺麗な風景が描かれたや
つがいい。『あけましておめでとう』と書いたそれを見たときの彼女の反応を想像して、
僕は人目も忘れ笑ってしまった。
〈了〉
どちらもええ感じだと思うな
ただツンデレは文章がわかりにくいトコがあったな
見下ろした彼女の肩とかシングルベッドに壁を向いて横になった彼女とか
手袋を取るとか 一読して「?」ってなる
>>636-637 率直に言って、何を表現したいのかよく分かりませんでした。
タイトルでもある「祖父の問い」にポイントがあるとして
自分が成長し祖父が年老いていく寂しさのようなものは何となく感じられますが
企画から投稿までの期間が短い事を考慮しても
もう少し重点がはっきり分かるようにすべきなのでは、と思いました。
>>639-640 >>641さんの言う通り、分かりにくい部分もありましたが
5枚の紙切れのくだりは面白かったです。
しっかり推敲すれば、もっと面白い話になったのにと思えました。
643 :
名無し物書き@推敲中?:2006/01/15(日) 12:56:31
祭簡素期間終了まであと一日age
644 :
名無し物書き@推敲中?:2006/01/15(日) 22:36:22
>祖父の問い
筆力はあると思うが中途半端。
母に味方するか祖父に味方するか、
正月と家族の葛藤をからめたのはいいが、
途中から到達地を見失っている。
木の話に絞った方がすっきりしたのではないか。
>ツンデレ
正月テーマも後づけな上、タイトルが酷い。
留学程度で別れるならその程度のカップルだ。
その浅さが悪いとはいわないが、
その後5枚の紙切れで読者の心も彼氏の心も動くとは思えない。
別れの必然なり、互いを思いやる気持ちなりを描写しなければ、
ただ都合の良い女が勝手な男を待つだけの話。
>>636-637 切ない、ゆったりとした雰囲気と、「時間の流れ」の書き方が特に好きでした。
ポスターの狛犬を数えるという描写も、面白いですし、
祖父の歩く早さについていけるようになったとか、楠の名を覚えたとか、
そういうもので主人公の成長と祖父の老いを表現するという手法がとても良かったです。
ただ、中ほどに書かれた、
> 父さんは自分の定規が絶対だから、と僕の母は言う。
>「正月にハワイ旅行の何が気に入らないのよ、今更。私が子供の頃には、仕事だ仕事だ、
って、三が日に家に居たことなんて一度もなかったのよ? 健史もよ、スノボと家族旅行
とどっちが大事よ」
> 母は大晦日の空港でもまだぶつぶつ言いながら、父と弟とともに旅立った。僕はともか
く、母と祖父がぶつかるとどちらも折れないから困る。
このエピソードは少し浮いているように思いました。
投稿、乙です。
>>639-640 彼氏彼女の、口には出せない思いが切ないですね。
きちんと手袋をとって紙を触る手の感じを出しているところとか、
細かいところが好きです。
特に気に入ったのが、
>着信や新着メールはなかった。この携帯を頻繁
>に鳴らしてくれた恋人を、さっき僕が振ったのだ。
ここなのですが、
付き合っているときって、メールばかり気にしてますよね。
別れてから、無意識にメールチェックしたときのあの切なさが、
よく表れていて巧いなあと思いました。
途中で回想が入った後、
一瞬読むのに詰まるところがあったのですが、
手袋とか携帯の小道具に
意識を持って行かれてしまったからかなと思いました。
みなさん、どうもありがとうございました。
批評いただいたとおり、
途中で話しが変わっていますね、これは。。orz
ちょうど、視点の話を勉強していたときで、
視点って何だろうと思いながら、こう、
初めてのおつかいみたいに、
後ろから追い掛ける感じで書きたかったと思うのですが、
そもそも視点ってそういうことではないし、
何をしたかったのか。。
でもクリスマスを逃したので、
これに参加できて嬉しかったです。ありがとうございました。
>>641 つい最近も「脳内補完が多すぎる」との指摘を受けたばかりで、
一番に直さなければならないところだと反省しています。
「ええ感じ」、嬉しいです。
>>642 これはその「手紙の件」を書きたくて作った話でした。
そこを褒めて下さって、すごく嬉しいです。
推敲不足はやはり痛感しています。
これからは丁寧に書くことを心がけます。
>>644 酷評ありがとうございます。
テーマやタイトルももちろんですが、
今回のように軽い“あらすじ”になってしまわないように、
ご指摘下さった点に注意して書いていこうと思います。
>>646 挙げて下さったフレーズや表現など、細かいところで満足してしまい、
「書きたい」と「書かなければならない」を上手く両立できなかったように思います。
ですが、その書きたかった描写に気づいて下さり、嬉しいです。
自分も今回は参加できてよかったです。
たくさんの感想、批評、本当にありがとうございました。
捕手
タイトル「やっつけ仕事」
元旦の朝昼晩、二日の朝昼と続けば、どんな料理であっても飽きるというものだ。最近
では「おせちもいいけどカレーもね」というCMも流れてはいるが、やはり正月二日目の
夕食といえば鍋、それもすき焼きという選択に落ち着くのが一般的だろう。
とにかく、今晩の我が家の食卓に供されたのはすき焼きだったのだ。
ガスコンロにくべられた鉄のすき焼き鍋の中には、年末からずっと冷凍庫の中で眠り続
けていた食材達が、がっちりとスクラムを組んで湯気の中に揺れている。醤油と砂糖の絶
妙なブレンドに鼻腔をくすぐられ、枯れる事を知らない唾液が私の口を満たす。
この二日というもの、温かい食事といえば雑煮くらいのものであった。眼前で繰り広げ
られる、熱と色と匂いの競演に、我ら家族は自然と殺気立っていく。
正月の醍醐味といえば朝から酒が呑める事だと公言し、二日目も当然の権利のように朝
昼と呑み、今では髪の毛を搾っても酒が垂れてきそうな我が父が高らかに宣言する。
「それでは、これより本年度の鍋初めの儀を執り行う!」
父は一つ咳をし、
「その前に」
と前置きした。
「皆も承知してくれているだろうが、去年、父はよく働いた。身を粉にして働いた。今、
諸君の目の前にある食材は、そんな父の弛まぬ努力によって手にしたものだ。それを忘れ
ないでもらいたい」
父の先制攻撃である。心理的にこちらの箸の動きを鈍らせようというのだ。私の向かい
に座る妹が、奥歯をぎりりと鳴らした。
「お父さん、とっておきの大吟醸が呑みたいんじゃありません?」
涼しい声で母が言う。
「おお、そうだな。あれがあったな」と父が受けると、
「物置の奥にしまってありますからご自分で取ってきて下さい」と母は返した。
見事な作戦だった。母は物理的に父を排除しにいったのだ。
父はがっくりとうな垂れ、物置へ退場していった。
父が見えなくなると、今度は妹が私に語りかけてきた。
「お兄ちゃん、まだ一枚も年賀状来てないでしょ」
流石は我が妹。なかなか痛い所を突いてくる。だが、今の私に心理攻撃は通用しない。
私は妹の言葉を完全に無視して鍋の中へ箸を突っ込んだ。シャベルカーもかくや、とい
うほどの量を一度の投入で獲得する。妹の方にあった肉は特に念入りに攫った。少々傷つ
いているのだ。
「あ、兄者ぁ……!」
地獄の門が開いたような声色で妹が吼えた。顔の陰影が濃くなり、眉毛も心持ち太くな
っている。
これぞ正に骨肉の争い。その宴の幕が開けた。
<了>
652 :
◆VkRJrkn7Rs :2006/01/30(月) 00:15:56
まぁアレですよ
まだやってるのかどうかも分からない閑散とした祭り会場ですけど書いちゃったもんはしかたがない
今年もよろしく
>>650-651 乙です!
タイトルの意味がはじめわからなかったのですが、
そう、やっつけなのですか、でも面白い、楽しかったです。
表現が生き生きして勢いがあるし、特に、
>温かい食事といえば雑煮くらいのものであった。眼前で繰り広げ
>られる、熱と色と匂いの競演に、
この「温かい食事といえば」と断ることで、
もうそれだけでお正月のあの……な食事が思い出されて、
家族が鍋を囲んで臨戦態勢になっている様子が伝わってきますよね。
>「お兄ちゃん、まだ一枚も年賀状来てないでしょ」
あと、この心理戦も好きですが、でも、お兄ちゃんがんばれ。。
今年もよろしくおねがいします。
次はバレンタイン祭ですね。
素直に面白かった。
テンポも良いし、父親のジャブに思わずニヤリとさせられました。
そろそろ、バレンタイン書き始めないと間に合いませんよ!
構想に入りましょう。
2月入ったしいつでも投稿OKだよね?
>>650-651 勝手に「結」に期待していたのですが、あまりオチらしいオチもなく、
あれ、終わってしまった、というのが正直な感想でした。
いっそ、
>正月の醍醐味といえば朝から酒が呑める事だと公言し、二日目も当然の権利のように朝
>昼と呑み、今では髪の毛を搾っても酒が垂れてきそうな我が父が高らかに宣言する。
ここから始めて、もう少し「争い」の様子を長く書いてみてもよかったのではないでしょうか。
>>653-654さんの感想にもありますが、
テンポよくスラスラ読めましたし、それぞれの作戦もよく考えられていて面白かったです。
投下乙でした。
◆◇◆第3回テーマ別1000文字鍛錬大会◆◇◆
・テーマに沿った1000文字以内の短編を書こう!
・現在のテーマは【モラル】【ファミレス】【すれ違い】です。
どれかひとつ、もしくは組み合わせてテーマとしてください。
・
>>1を参照の上、お気軽にご参加ください。
【告知】
2/13(月)から、「バレンタイン」をテーマに、第2回鍛錬スレ競作祭を予定しています。
・投稿期間 2/13(月)〜2/15(水)
・感想期間 2/16(木)〜2/19(日)
・投稿の際、名前欄に「バレンタイン祭参加」と適当なトリップ(半角#の後に任意の文字列)、
本文書き出しの前にタイトルを明記して下さい。
その他規定は
>>1に準ずることとします。
・ひとり一作品までです。
・感想期間終了後、それぞれの作者の方は作品名と投稿時に付けていただいたトリップを名前欄に入力し、
一番良かったと思われる作品をひとつ挙げて下さい。
集計はこの作者票のみとし、得票数の最も多かった作品が優勝となります。
【専用雑談スレ】
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1128148458/l50
テーマ「モラル」
それぞれ赤と青の液体が入った二本の試験管を冷蔵庫から取り出した博士は、まるで神
に感謝を捧げるかのようにそれらを頭上に掲げ、感無量といった声をあげる。
「ついにできたぞ、若返りの薬の試作品が!」
「おめでとうございます、博士」
傍で見ていた私も興奮を抑えられず、上ずった声で博士の業績を称えた。
若返りの薬は、今更ここで説明するまでもないほど、人類にとっての長年の夢だ。その
夢が実現すれば、巨万の富を生み出す事だろう。この研究所に来て良かったと、心の底か
ら思った。
「これで犯罪を抑制することができるぞ!」
博士が言った。
そうか、犯罪か。この薬が生み出す潤沢な資金で、博士は犯罪を撲滅するような研究を
するつもりなのだろう。興奮のあまり、間の部分を言い忘れてしまったに違いない。
一応、確認のため、
「その薬、どうするつもりです?」
と尋ねた。
「猿渡君、君は『三つ子の魂百まで』という言葉を知っているかね?」
「……知ってます」
抜群に嫌な予感がした。
「昨今の凶悪事件の続発からも分かるように、この国はモラルハザードの危機に瀕してお
る。特に、性犯罪事件の再犯率が高いと聞く。そこで私は、受刑者を三歳児に戻して再教
育を施すというシステムを考案したのだ!」
博士は胸を張って言った。その姿勢のまま続ける。
「そのシステムの要がこの赤い薬。これをキャンディ状に固めて受刑者に投与すれば、肉
体的にも精神的にも三歳児に戻すことが可能なのだ。再教育が終われば、こっちの青い薬
のキャンディで元の姿に戻ることができる」
「……液体のままじゃ駄目なんですか」
「キャンディだ」
キャンディだそうだ。自然と、頭の中であの曲が再生される。
私は眩暈をこらえながら、
「普通に、若返りの薬として発表するという選択肢はないんですか?」
と尋ねてみた。
博士は盛大に溜息を吐いてみせる。
「君ね、考えてもみたまえ。若返りの薬だよ? どんな人間も若返ってしまうのだよ?
そんなものが一般に流通してみたまえ。社会は大混乱に陥ってしまう。一番困るのは免許
センターだろう。免許証の顔写真を撮りなおさにゃならなくなる。長蛇の列だ。あとパス
ポートも」
「スケールの大きな薬で随分と小さな問題を取り沙汰するんですね」
「大きい小さいの問題ではないよ……ところで猿渡君」
「はい」
「この試作品で動物実験をせねばならんのだが、君、飲んでみんかね」
大真面目な顔で、博士はモラルに欠けた発言をした。
<了>
テーマ「モラル」
意外な言葉に、私は大福を思わせるほど肥え太ったマウスから博士に目を移した。
「もう一つの発明ですか?」
私が質問すると、博士は鷹揚に頷いた。
「そう、もう一つあるのだ」
前回の若返り薬を投与した実験用のマウスは、一分待っても十分待っても、一日中待っ
ても若返る事はなかった。その代わり、異常に血糖値が上がって体重が二倍になってしま
った。若返りの薬を作ったつもりが、異様に身体に悪いキャンディを作っただけの結果に
終わったのだ。しかし、博士は少しも落胆することなく、「モラルハザードを回避する方
法はまだある。これ以外にも、もう一つ完成している」と言ってのけたのである。
出っ張った腹が邪魔でうまく歩けないマウスを籠に戻し、私は博士の次の言葉を待った。
博士は顎に手をやり、
「猿渡君、君は『なまはげ』という風習を知っているかね?」と尋ねる。
またこの展開か、と思いつつも、私は、
「はい、知っています」と答えた。
「うむ。東北地方に伝わる風習で、暮れに鬼の格好をした男衆が幼児のいる各家庭を回り、
親の言う事に素直であるよう脅しつける。これもまた、『三つ子の魂百まで』を実践する
ものだ。しかも、鬼という恐怖の象徴を利用することで、更なる効果を発揮するよう計算
されておる。これだよ」
博士は自分の言葉にいちいち頷きながら語った。
「えっと……それで、もう一つの発明とは何です?」
前振りが長い博士に、私は結論を急かした。
「まあ待ちたまえ。恐ろしげな鬼の姿では、今の子ども達は逃げてしまうだろう。そこで、
鬼に愛らしい外見を与えて子ども達をおびき寄せ、いきなり説教するという方法を思いつ
いたのだ。最初の安心が突然恐怖に変わる。この方法ならば、通常のなまはげの三倍は効
果が期待できる。それを実現したのがこれだ!」
博士の呼びかけに応え、研究室のドアが開いた。ガシャン、ガシャンという、いかにも
機械的な音を立てながら、人型の何かが進み出てくる。
「紹介しよう。道徳説教用女性型鬼アンドロイドだ」
それは、正に人間の女性の身体をしていた。褐色の肌を持ち、虎縞のビキニを着ている。
腰まで届く緑色の髪を垂らし、頭には二本の可愛らしい角が生えている。
「因みにこの鬼アンドロイド、言う事を聞かない子どもには電撃のお仕置きをする」
放心する私を他所に、博士は注釈を加えた。
「ダーリン」
鬼アンドロイドが喋りやがった。
私は、電気ネズミじゃなくて良かった、と思った。
<了>
暴走してるのは俺自身か
連荘で投下したのはバレンタイン祭りに参加できそうにないからだったりする
だってネタ思い浮かばないんだもん
>>657-658 素直に面白いです。
ユーモアたっぷりで、ショートショートとして
きっちり完成していると思います。
>>659-660 こちらも面白いですね。
最後の「電気ネズミ」というのがよく分からなかったのですが、、、
一応、別の話として書かれているので
こんな暴走も結構かと思いますが、
鍛錬スレ、という趣旨からすると批判もあるかもしれませんね。
私は叩かれましたし…
バレンタイン出来上がった。
盛り上がるようにみんなも書いて〜。
まだ一週間あるぞい。
>>657-658 >スケールの大きな薬で随分と小さな問題を取り沙汰するんですね
こういうところ、すっかり万丈目博士のキャラが仕上がってますよね。
面白いです。
>キャンディだそうだ。自然と、頭の中であの曲が再生される。
これは何か元のネタがあるのかなと思って探したのですが、
よくわかりませんでした。キャンディキャンディ?かな。
この万丈目博士のイメージは
もう頭の中に仕上がってるんですが、
たぶんアニメのポスターとか研究室に堂々と貼ってありますね。
>>659-660 >モラルハザードを回避する方法
こういう会話いいですよね。短く味がある。
このシリーズはたぶん、博士と猿渡君のキャラがしっかりしていて、
言葉の選び方も一貫しているから成り立つのですね、勉強になります。
こっちのネタは知ってました!
テレビ版ノブタをプロデュースのとき、話題になってました。
それでお願いがあるのですが、
万丈目博士に恋をする女性があらわれて、
バレンタインの話が出来上がったりしませんか?
あれだ、惚れ薬が出てくるに10000ペタス
665 :
657:2006/02/08(水) 01:29:25
えー、笑かしのネタ解説をするのはなかなか辛いものがありまして…
>>661 >最後の「電気ネズミ」というのがよく分からなかったのですが、、、
「この鬼アンドロイドに名前あったりするんですか?」
「聞きたいかね」
「いえ、いいです」
「ピカチ――」
「いいって言ってるで……ピカ!? ダメです博士、それはマズいです!」
小○館もド○え○んネタには厳しいが、任○堂もポ○○ンネタにはそれはそれは厳しいのだ。
初期の段階ではこういう展開にするつもりでした
これは、オフスプリングの○ラ○も○フラッシュに小学館からクレームが来たらしい、という故事に由来するものです
あと、本文にある「通常のなまはげの三倍」も言うまでもなくアレです
一杯ネタ詰め込もうとして息切れしたんです
>>663 >これは何か元のネタがあるのかなと思って探したのですが、
>よくわかりませんでした。キャンディキャンディ?かな。
一応、参考までにこちらを
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B5%E3%81%97%E3%81%8E%E3%81%AA%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%A2 かなり歳食ってますが、私自身も流石にリアルタイムで視聴してたりはしません
再放送は見てたような記憶がありますが
あとバレンタインネタ
惚れ薬だと昭和趣味が発揮できそうにないんで、恋に悩む背の高い女性のために
かぼちゃから抽出したエキスを混入したワインなんぞを……
ダメだ俺
盛り上げるためにも、みんなバレンタイン企画は書きましょう!
あと3日ありますよ〜
せめて、五作品くらい出てくれると楽しいんだけどな・・・。
みんな〜、まだ時間はあるぞ!
参戦すべし!
「テレコ」 1/2
「バカ、ワタシ以外の先生に見つかってんじゃないわよ」
ボソッっと担任がオレに呟く。口元は少し笑っているように見えたので、そこまで怒って
いる訳じゃないだろう。タバコを吸っている現場を生活指導に見つかり、かれこれ三十分。
職員室の隅の応接セットで待たされている。今回で三回目、そろそろ停学も覚悟かな。
「先生タバコ持ってない?」
あまりにも待ってる間が手持ち無沙汰なので、思わず口から出かかった。そんな事言ったら
さすがに殴られるだろう。
そのとき生活指導のセンセイが入ってきた。
「まぁ、分かってるとは思うけど、ニ週間ね」
……まぁ、しょうがない。
次の日から家でゴロゴロしていたが、母親の小言を我慢すればそんなに悪い生活じゃない。
大学に行くわけでもないから、内申書なんて関係無いし。三年のニ学期からという中途半端な
時期に転校してきたオレには、学校に友達もいないし。ただ、生活指導に嫌味を言われていた
担任には少し申し訳ない気持ちがあった。
熱血丸出しの担任は一人浮いているオレを気に掛けて頻繁に声をかけてきた。タバコを
初めて見つかったのも担任だった。昼飯をオレと食べようと探し回っていたそうだ。
「あ、キミってそういうタイプ?」
そのヒトコトで黙認してくれた。それ以来、時々昼休みに一緒に食べた。一人で食べる
よりはよっぽど楽しい。教師とは言え若い女だし。
「テレコ」 2/2
停学七日目の火曜日、十五時過ぎに担任から携帯に電話がかかってきた。
「ちょっと学校来て、いいから来て、早く来て、教室で待ってるからね」
有無を言わさぬ感じで電話は切れた。ちょっと怖い。なにがあったんだろうか。急いで
制服に着替えて学校に向かう。大急ぎで自転車をこいで到着まで二十分を切った。過去最速
記録を更新。
上履きの踵を踏まずにきちんと履き、教室のある三階まで駆け上がった。
教室に入ると担任はいなかった。代わりに同じクラスの女子が一人、オレの席に座っていた。
「あ、あの、これ……」
近づいたオレにそう言って小さな箱と手紙を押し付けると、教室を出て行ってしまった。
なんだコリャ。状況をつかめないまま机に腰を下ろす。
そのとき携帯にメールが入った。担任からだ。
――この学校で過ごす期間は短くても、イイ思い出の一つも欲しいでしょ。今日はバレンタイン
だから、特別登校許可ね。帰りに生活指導にミツカルナ。また来週。
オレは涙が止まるのを、教室で一服して待った。
<end>
いいじゃん。
「チョコレートサーフィン」
フランス製の深皿ボウルは、海をすくいとったような色。
海岸通のお店で見つけて、お小遣いを貯めて買ったのはおととしのこと。たった一つの
チョコを作るために、マドラーもスプーンも全部揃えた。去年はケーキ型を買った。大学
に入ったらバイトをして、バーミックスの泡立て器も買えると思っていた。
今月はバイト代が余っていたから、買おうと思えば買えたのにね。
溜息を消すために、わたしは板チョコの銀紙を破る。ナイフを持つ。チョコを削る。
深皿の海にチョコは散り積もる。ごめんね、せっかく綺麗に固まっていたのにね。溶か
されて、また別の形に固められて。おもちゃじゃないのにね。
明日は部活もバイトもある。部室に何人先輩が来るかわからないから、小さく切ったブ
ラウニーをギフトボックスに詰めて、ラップをかけて置いておく。バイト用には、一つず
つラップに包んでリボンをかけておこう。リボンあったかな。お母さんが寝る前に聞いて
おけばよかった。去年もおととしもこうして作っていると、お父さんはぶつぶつ言いなが
らやってきて、冷蔵庫を開けて閉めては出ていった。今年は義理チョコだけだと知ったら、
覗きにも来ない。
散るが愛しく寝て削るなり、とはいかない。お徳用の一番大きな板チョコは、削っても
削ってもまだ手に余る。先に削ったチョコが溶け出してきてしまった。まだ半分残ってい
るチョコを置き、木べらでボールの底を掬う。とろりと滑らかな液体が、上に散ったチョ
コの粉を飲み込む。柔らかくあたたかい流れ。
このまま流れてどこか遠くへ行けたらいいのにね。
冷たく固められてしまうより、本当はその方が嬉しいでしょう。
ねえ、チョコ君、どこか行きたいところはない?
義理チョコなんて名前を付けられるまえに。流れるままに。
ねえ、本当に行きたいところはないの?
あ、と思い出した。
木べらとボウルを胸に抱え、そっと二階へ移動する。
パソコンを起動させ、いつものブラウザをクリック。
バレンタインデイ祭と入力。
チョコ君、旅をしておいでよ。
まだあたかいうちに。やわらかな流れのままに。
でも一つお願いがある。
旅の途中、わたしと同じ画面を見ている人に出会ったら、どうか伝えて。
わたしの感謝を、どうか伝えて。
(終)
「魔法のチョコボール」
三条夕子の奏でるピアノの曲が音楽室から漏れて、くぐもった音になって昇降口に突っ
立っている俺の耳に届く。吹奏楽部に所属する彼女は早朝練習を日課にしていて、毎朝、
学校中にその音色響かせているのだ。これを知ってから、俺は部活の朝練が好きになった。
俺のひそかな楽しみのひとつだった。
「聞いたよな」
「聞いた」
さっきまで三条がいた場所に、俺と部活仲間の高橋は立っている。
「お前、俺が、ってのは、いつから知ってた?」
「けっこう前からだな」
「三条は気づいてないよな」
「多分、クラスのやつらも知らないと思う」
俺は白地に黒で田中誠と印字されたシールをみつめていた。
この靴箱に、三条に付き添われた及川智子が白い小さな紙袋を入れているところを俺は
見ていた。
――はー、緊張した。
胸に手を当てて深呼吸する及川に、お疲れ様、と三条は笑いかけた。
――うん、ユウはいいの? いないの? チョコあげる相手。
――うーん、好きな人いないもん。
――そっかー、そうなんだ。ユウかわいいのにもったいないなあ。
――トモ、うまくいくといいね。
――うん、ありがと。
ふたりは笑い合いながら、校舎へと消えていった。
「篠宮」
呼ばれて振り向くと、高橋がなにかを俺に向かって投げてよこした。慌てて受け取ると、
それはキャラクターもおなじみのチョコボールの菓子だった。
「食え」
「おい、いきなりなんだよ」
「いいから食え」
有無を言わせない高橋に負けて、手のひらに出したチョコボールを口に放り込む。男か
らのプレゼントでも、まあ普通にうまい。
「つか、男にチョコなんてもらっても嬉しくねえ」
いつものように笑おうとして、パッケージの表面に黒いマジックでなにか書いてあるこ
とに気づく。
『これは魔法のチョコボールです。
ひと粒食べれば病気は治るわ大金を拾うわ
彼女をすっ飛ばして愛人ができるわで、もうウハウハです。裏へ続く→』
ひっくり返す。
『おまけの効果として、
長い間片思いをしてる相手に告白するための勇気も湧き出てくるという優れもの!』
顔を上げると、高橋が筆箱をカバンにしまいながら、俺を見た。
「行け、篠宮」
三条の弾くピアノの旋律は得意の、ゆったりとしたスローテンポの曲になっていた。
俺は音楽室を目指して走り出す。
リノリウムの床に滑りそうになりながら、階段も二段飛ばしで、驚きの速さで効いてき
た魔法のチョコを噛みしめながら、全力で。
〈了〉
投稿期間終了です。お疲れ様でした。
これから19日〈日〉まで感想期間になります。よろしくお願いします。
お疲れさまでした!
よろしくおねがいします。
最後の作品は、
三条は及川のチョコ入れ(田中君宛て)に付き添った。
それを篠宮(俺)が見ていた。
そして三条は好きな人がいないのを知る。
それを高橋に相談。
さっきまで三条がいた場所=下駄箱?
高橋が励ます。
って事かな?
これはバレンタイン当日の早朝のお話でしょうか?
主人公の諦めが早い気がしますが、15日の早朝なのかな?
少々状況が掴みにくくて何回か読み直してしまった。
でも、こんな話好き。
>>668テレコ
独白調の文体はその文体自体が主人公の性格を構成するんだよね
>大学に行くわけでもないから、内申書なんて関係無いし。三年のニ学期からという中途半端な
>時期に転校してきたオレには、学校に友達もいないし。
という描写と、文体(口調)、煙草というキーアイテムから想像される主人公の性格とは、
ありていに考えると「斜に構えたひねくれ者・無気力系」という感じだろうか
文体はラストまで崩れることなく統一できていると思う
ただチョコを渡した女子のことを華麗にスルーしているのがどうも
自室→自転車→教室という、短いセンテンスでの舞台移動でラストへの勢いがついているから、
ここで女子のことをだらだらと書くと逆にリズムを崩しちゃうんだろうけど、流石にもう一文欲しかった
あと、主人公以上のひねくれ者である俺がこの立場だったら、担任のメール見た瞬間、
あの女子は俺にチョコを渡すよう担任に頼み込まれたんじゃないか、などと邪推してしまうんだろうけどこれは蛇足だ
最近の高校じゃ煙草めっかっても一発で停学くらったりせんのな
従兄弟は一発で停学になってたが、まぁこれは学校によって変わるものだろう
俺も高三の頃から吸い始めたけど、半年くらいは一日一本か二本で充分だった
待ってる間も思わず吸いたくなるってくらいなら、かなり以前から吸い始めていたことになる
なかなかのニコ中になっているだろう そういうやつは、飯を食ったらすぐに煙草を吸いたくなるものだ
そんな主人公が昼食を教師と共にしているっていうのはどうだろう 黙認とはいえ流石に目の前だとNGになると思う
こういうディテールにもこだわるといいかも 特に愛煙家って偏屈が多いしね 俺とか、俺とか、他にも俺とか
なんか最後の方にどうでもいいようなことを書いた気がするけどまぁいいか
お疲れ様
>>671チョコレートサーフィン
これも独白調 さらに特化した文体
まわりなんて関係ない 目に映るのは自分だけの世界 デストローイ(AA省略
読んでて思ったのは、なんだか良い方向へ鬱屈してるなぁと いや、主人公がね
無機物相手への呼びかけとかも、こういう作品にとっては常套手段だからいいとして、
その呼びかけの根底に流れている「優しさ」がどこへ向かってのものなのか
読んだまま、義理チョコへと姿を変えられるチョコへなのか、
それとも本命を渡す相手がいない自分への感情の裏返しなのか
ラスト三行でどうやら後者じゃないかなという気がするんだけど、
流石に数十年間完全無欠の男として過ごしてきた人間なんで自信はない
淡々としたチョコ作りの作業の描写なんかは気持ちよく読めたんだけど、
ラストの五行で頭抱えちゃった ここだけポエムになってるよぅ
これを受け入れられる人と拒否反応起しちゃう人で評価は極端に分かれると思う
ゴメン 俺には無理だった
こんな感想にもなってない余計な駄文書いてないで、女性からの感想を待つのが正解だろう
お疲れ様 ろくな感想書けずに申し訳ない
>>673魔法のチョコボール
こちらも一人称視点だけど独白は使わず普通の描写に終始している
図らずも三者三様の文体構成になっていて、読者に与える印象の違いが浮かび上がって面白い
当たり前といえば当たり前なんだけど、文体のみで見ればこの作品が一番安心して読めた
安心して読めたっていうのは裏を返せばだらだらと読み飛ばすこともできるわけで、
そういう意味では話の筋や描写なんかに読者を惹きつけるものがないと薄っぺらくなってしまう
で、その話の筋なんだけど、「小粋な贈り物」というちょっといい小話的なものとしてはお手本のような作りだと思う
友人のために、バレンタインの前日にチョコのパッケージに字を書く男という、
歪んだ性格の男からみたら背中がぞわぞわしてしまいそうなエピソードなのに、
ラスト五行目の台詞を含めて、これっぽっちも嫌味を感じさせない
1000文字の中に流れてる時間もゆっくりとしていて、ラストの疾走感が、
物語の終了後から始まる別のドラマへの盛り上がりを連想させるようないい締め方になっている
ただ描写の方にちょいと引っかかる部分があった
五〜十一行目までの台詞が、初見ではどちらが誰の台詞なのかが分からなかった
最後まで読んで、もう一度見直してようやく分かった この部分はちょっと不親切かと
あと、
>これを知ってから、俺は部活の朝練が好きになった。
>俺のひそかな楽しみのひとつだった。
冒頭二文が少し長めの文だったので、ここが少しテンポが悪くなっているように感じる
使い古された表現だけど、「これを知ってから、眠気と寒気に苛まれるだけだった朝連に、
ひそやかな楽しみが一つ増えることになった。」みたいな感じに一文に纏めてもよかったかも
なんか長々と実のないことを書いちゃったけどお疲れ様
>テレコ
チョコはありがたく受け取れよw
読みやすかった。ストーリーも好きだ。
ただラストがな。担任との関係に終始する方がよかったんじゃね?
いきなり出てきた無名の女にオチ持ってかれんのはちょっとな。
>サーフィン
チョコが来たw
メタということでOK?この祭の画面みた俺が感謝してもらえるんだよな?
すまん。俺にわかるのはここまで。メタだとすれば、さらに詩みたくなってるのは無理があるんじゃないかな。
でも優しい雰囲気は好きだ。ただ甘いだけでなくどこか苦くていい。
>魔法
チョコもらうのかよw
ちと読みにくかったかな。名前が多過ぎる。
誰が何しているのかわかりにくいから、読み返した。
男同士も悪いわけでないが、これは女同士で魔法チョコ渡す話に換えてもいけるよな?
年頃の男の会話にしたいなら、もすこし照れやふざけた感じ出して工夫しないと、
退かれるかもしれない。でも話は好きだ。
感想ありがとうございます。
因みに題名は、生徒の方じゃなくて先生なんだよ、って事で「テレコ」にしました。
読み返してみれば教室に女子要らないか・・・。
担任のチョコが机にのってればソレで良かったんだなw
もともと担任が男の設定で書き上げて、
甘くしようと女担任に変えたからこんな事になったんだ。
オチも迷ったけど、「結局最後は教室で一服(タバコ)するんかい!」
っつー、コント的切ないバカ少年にしたかったんですよね。
まぁ、あんまりバレンタインは関係無い話にはなっちって反則でしたね。
スマソ
「テレコ」
>>668-669 主人公の一人称として違和感のない文章と、妙にリアリティのある担任がよかった。
もしかすると作者さんはこの主人公と近い年齢なのかもしれませんが、
>タバコを初めて見つかったのも担任だった。
>急いで制服に着替えて学校に向かう。大急ぎで自転車をこいで到着まで二十分を切った。
こういうところも狙いであったなら驚きます。
全体的に見ても、とくに引っかかってしまう部分もなく面白く読めました。
ただクラスメイトの登場が唐突に感じたので、出すのであれば、
あらかじめ「担任はクラスの女子にも慕われている」というようなことを書いておくのもいいかもしれません。
ですが、最後の一文がものすごく惜しい。
それまでの流れで現実的な物語だと読んでいただけに、主人公のこの行動は最悪です。
>オチも迷ったけど、「結局最後は教室で一服(タバコ)するんかい!」
>っつー、コント的切ないバカ少年にしたかったんですよね。
と作者さんが仰っているのでこれ以上の言及は避けますが、
「コント的」を狙うのであれば始めからそう提示した書き方をするか、
例は出せませんが、もっと別の「オチ」をもってくるべきだったのではないかと思います。
(
>>678さんの仰る「勘違い」というのもいいですね)
タイトルの「テレコ」ですが、
>因みに題名は、生徒の方じゃなくて先生なんだよ、って事で「テレコ」にしました。
「食い違う」という意味から、「俺(主人公)が気になっているのは担任なのに…」だったのでしょうか。
最後は感激の類ではなく、そういう「涙」なのかな。
ともあれ、投下お疲れ様でした。
「チョコレートサーフィン」
>>671-672 この雰囲気ですね。いいな、羨ましい。
いくら頭を捻っても気づくと「あらすじ的な」ものを書いている自分が嫌になります。
しかし難解だ。
前半はまだ「泡だて器を買わなかったのはなぜだろう」とか
「この主人公はなぜこんなに思い詰めてるんだろう」と展開を期待しながら読めたのですが、
だんだんとわからなくなっていきます。
「え、え、ブラウザ? …バレンタイン祭て」
最後には「い、いきなり誰に語りかけてんの」と、
>>679さんとほぼ同じ感想でした。
小物の使い方や女性的な視点、書き方がいい雰囲気を出していて、
ある種、詩を読んでいるような、飲み込まれてしまうような感じは好きです。
この主人公は、好きな相手に振られたかなにかで本命を渡す相手が
いなくなってしまって、落ち込んでいるのだと読みました。
そういう物憂げな心理描写は上手だと思いますし、
それでもチョコは手作りする主人公や覗きにくる父親というのもいい味を出しています。
でも通して考えると、申し訳ないですが僕も気の利いた感想はできそうにないです。
もしリアルと繋がりのある話なのだとしたら、これがその方に伝わるといいですね。
投稿お疲れ様でした。
>>668-669 面白かったです。
すらすら読めて主人公の気持ちに感情移入できて、
女の先生も、こんな先生いたらいいなあって好感がもてます。
>「バカ、ワタシ以外の先生に見つかってんじゃないわよ」
>ボソッっと担任がオレに呟く。口元は少し笑っているように見えたので、
こういうところも、いきなり会話から始まっているのに、
説明なくてもすぐ状況はわかるし、
二人の言葉のいらない呼吸の会話みたいな感じで、
とても好きです。
>そのとき携帯にメールが入った。担任からだ。
こういうの、参りました。
先生と学校でメールって、すごくどきどきします!
一つだけ残念だったのは、
やっぱり他の人と同じで、
個人的にこの先生がすごく気に入ったから、
この先生と主人公とのラストの方が見たかったかなと思いました。
>>673-674 いいですね、男の子同士。
二人とも友達にしたいような男の子で、
女の子達もとても可愛くてきらきらしてます。
こういう人の描き方好きです。
>彼女をすっ飛ばして愛人ができるわで、もうウハウハです。裏へ続く→』
この裏へ続く、というのが、好きです。
裏へ続く、こういうところでぎりぎり計るというのか試すというのか、
冗談で誤魔化しながら、でも大事なこと伝えてる感じですね。
1000字でこういうの使おうと思ったら、かなり字数計算しないといけないし、
すごいなあと思いました。
ラストぐんぐんスピードアップして終わる感じも、
1000字ならではの技をきっちり使ってきた感じでいいですね。
たくさん登場人物が出てきたので、あれ、あれ? と
ちょっと読み返す部分があったとこが残念だったのですが、
短い名字だけで統一してしまったらどうだったでしょう。
でも学校だから、フルネームの方がやっぱりいいのかな。
みなさん読んでいただいてどうもありがとうございました。
おまつりお疲れさまでした。
たのしかったです。
というわけで、
読み返すだけで恥ずかしい。。すみません。
たぶんメタを書いてみたいとか、思ったかもしれないのですが、
でも、書きたかったのはたった二行で、
さりげなく書こうとしたはずが、言葉ぬりかさねてしまって、
大失敗……。
以下書きたかった二行を。
鍛錬大会スレのみなさまいつもお世話になっています。
バレンタインです。どうぞ。 つ【甘いチョコレート】
感想期間終了です。
参加してくださった皆さん、本当にお疲れ様でした。
魔法のチョコボールです。たくさんの感想ありがとうございます。
では感想返しを。
>>677 すぐにレスを返したかったのですが、
それが言い訳になってしまいそうな気がして、終わるまで勝手に我慢してました。
お待たせしてしまい申し訳ないです。
>三条は〜
仰るとおりです。
ストーリーを要約すれば、
片思いをしてきた相手には特定の男がいなかったのだと知った主人公が、
友人に告白の「きっかけ」をもらい…、という感じでしょうか。
こうして考ても、今回もテーマとのつながりが薄いですね。反省しなければ。
>これはバレンタイン当日の早朝のお話でしょうか?
設定上は当日(14日)の早朝です。
「バレンタイン」→「といえば、下駄箱にチョコ」→「で、それを目撃している男がいて…」という風に連想して書きました。
わかりやすく読みやすくと意識して書いているのですが、まだうまくバランス感覚をつかめないのが歯痒いです。
今後とも最大の課題になりそうで、こういう感想をいただけるといい戒めになりますね。頑張ります。
>でも、こんな話好き。
このひとことで努力も報われる思いです。ありがとうございました。
>>680 照れくさいですが、褒めていただけると本当に励みになります。
構成や描写を考える上で意図したものをそのまま受け取っていただけたのも嬉しいです。
>歪んだ性格の男からみたら背中がぞわぞわしてしまいそうなエピソードなのに、
僕はこれをまったく意識していなかったのですが、問題ありですね。
>ただ描写の方にちょいと引っかかる部分があった
>五〜十一行目までの台詞が、初見ではどちらが誰の台詞なのかが分からなかった
>最後まで読んで、もう一度見直してようやく分かった この部分はちょっと不親切かと
読み返すと、ご指摘の数々がもうその通りで、反省しきりです。
推敲の段階でもっと客観的に読むことを心掛けていきます。
>>これを知ってから、俺は部活の朝練が好きになった。
>>俺のひそかな楽しみのひとつだった。
>冒頭二文が少し長めの文だったので、ここが少しテンポが悪くなっているように感じる
>使い古された表現だけど、「これを知ってから、眠気と寒気に苛まれるだけだった朝連に、
>ひそやかな楽しみが一つ増えることになった。」みたいな感じに一文に纏めてもよかったかも
指摘されると、「なんとなく違和感」だったものが「ものすごく違和感」になりますね。
参考になります。
丁寧な感想をありがとうございました。
>>681 >ちと読みにくかったかな。名前が多過ぎる。
構成と書き方に難アリですね。
及川なんかはとりあえず名前(フルネーム)だけで女性だと説明しようとして、
それが効果的にできていると「安心」してしまったのが失敗だったように思います。
こうやって、投稿したものに感想をいただいて、それについて考えて…と、本当に勉強になります。
>男同士も悪いわけでないが、これは女同士で魔法チョコ渡す話に換えてもいけるよな?
>年頃の男の会話にしたいなら、もすこし照れやふざけた感じ出して工夫しないと、
>退かれるかもしれない。
ネタ本位で(魔法チョコとオチを目指して)動かしていってしまい、リアリティを意識していませんでした。
「あらすじ」と言われてしまう原因はここにもありそうです。参考になります。
>でも話は好きだ。
こういう感想をいただけるのも自信につながります。ありがとうございました。
>>686 普段は男女の甘ったるい恋愛話ばかり書いているので、趣向を変えてみました。
同じような1ネタ(下駄箱で目撃、や、告白のきっかけ)でいくつか書いてみて、
最もしっくりきたのが今回の男同士の友情を絡めたものでした。
すこしは自然に書けただろうかと不安でしたが、救われました。ありがとうございます。
>>彼女をすっ飛ばして愛人ができるわで、もうウハウハです。裏へ続く→』
>この裏へ続く、というのが、好きです。
作品ごとに、気に入ったフレーズというか、自信のある箇所がいくつかあって、
たとえばこの「裏へ続く→」のあたりもそうなんですが、
こういうところに気づいていただけると特にありがたいです。感謝。
>ラストぐんぐんスピードアップして終わる感じも、
>1000字ならではの技をきっちり使ってきた感じでいいですね。
>>680さんの感想にも書いていただいたのですが、
ラストは余韻を残すよりも気持ちよくスパッと終わらせたいという狙いがなんとか成功したようで嬉しいです。
>たくさん登場人物が出てきたので、あれ、あれ? と
>ちょっと読み返す部分があったとこが残念だったのですが、
>短い名字だけで統一してしまったらどうだったでしょう。
>でも学校だから、フルネームの方がやっぱりいいのかな。
上のレスにも書きましたが、
「この人は女性です」というのを名前を書くだけで説明してしまったり、
それが悪いというわけではないのですが、適した書き方(構成)ができていないのだと思います。
このご指摘はとても参考になりました。
いつも、投稿したものを1000字制限で書けなかったことや感想で指摘していただいたものを踏まえて
書き直しているのですが、これだけは構成から考え直していくつもりです。
優しい感想をありがとうございました。
>>687 そんな考えが隠されていたとはまったく気づきませんでした。
チョコレートいただきます。ありがとうございます。
--------------------------------------------------
改めて、皆さんお疲れ様でした。
では、通常テーマ「モラル」「ファミレス」「すれ違い」に戻ります。
「ママ、ダイイング・メッセージって知ってるかい」
行きつけであるスナックの五十絡みのママは、どこかで聞いたことあるんだけど、と、
どうやらその単語の意味を知らないようだった。
こんな話がある、そう前置きをし、私は話しだした。
若い女が一人、手首を切り、死んだ。
女の直属の上司だった男は電話でそれを彼女の母親から聞かされ、見て頂きたいものが
あるんですと呼び出された。
死んだ? どういうことだ、男は酷く動揺しながらも、とにかく女の実家を訪ねた。
言葉少なに出迎えた母親が差し出したのは、数枚の写真だった。そこに写るのは一人暮
らしの部屋によくあるタイプの嵌め込み式の狭いバスルームだった。
「これは」一枚を手に取った。浴槽の内側、片側の広い面にだけ血が多く付いている様子
が写されていた。男はすぐに気がついた。液だれしていて書かれている内容までは分から
ないが、これは血文字だ。掠れた指先の跡。写真を持つ手が震えていた。
「警察の方が言うには、あの子の遺したダイイング・メッセージだと」
男は努めて冷静に「何と書いてあるんです」と訊いた。
「『翔太、ごめんなさい』、そう読み取れるそうです」
母親はもう我慢ならないといった様子で男に詰め寄った。
「あの、この名前に心当たりはありませんか? あの子、妊娠までしてたっていうんです。
何の前触れもなく自殺したかと思えば、こんな誰に宛てたのかも分からない言葉だけ遺し
て、その上、娘さんは妊娠していたようですなんて聞かされて、私もうどうしたらいいの
か……」
男は首を振り、嗚咽を続ける母親から逃げるようにして、家に帰った。
そして二日後、彼は勤めていた会社の屋上から飛び降りたのだ。
695 :
伝言 2/2:2006/02/21(火) 13:44:49
「すごい話」
ママはそう言って、肩をすくめた。
「翔太っていうのは誰の名前だったの?」
「どうも男が奥さんとの子供につけようと予定していた名前らしい。二人の携帯メールの
やり取りと、男の奥さんの話で判明したそうだ。当然、男のもとにも警察が話を訊きに行っ
た。彼が死ぬ前にね」
「死んでしまった彼女の、彼に宛てたメッセージだったのね」
怖いな、と漏らして、ママはため息をついた。
私は遥か彼方、生まれ育った街の方角を眺めている。風はなかった。真下を走る車の群
れから吐き出される排気ガスに汚された大気が、遠くの景色を朧気に見せた。
「ママ、本当はね、その上司はこれから死ぬんだ」
呟いて、虚空へと足を踏み出す。
〈了〉 テーマ「モラル」
>>694-695 1000文字だと最大でも四人くらいに登場人物が限られ、話の筋を重視すると更に登場人物を減らさねばならない
サプライズ・エンディングを目指そうとすると、どうしても古典的になってしまうのはいたしかたのないところだろう
で、古典的ではあるけど、筋をほとんど外すことなく最後まできっちり作れていると思う
ただ、娘に自殺された母親が相談する相手として娘の上司、というのはどうなんだろう
電話で済ますことなく家に呼び出してまで、となると特に
上司として面倒見がよく、私生活においても色々とサポートをしてくれていたので親とも面識があった、
とでも考えれば納得がいくんだけど、そうなると今度は不倫相手としての上司の姿がぼやけてしまう
母親との会話の中に、「『翔太』という名前に心当たりが無いか娘の友人にも数人あたってみたのですが」
という一文を差し込んでみれば、この違和感を少しは消せると思う
まぁ、話を根底から覆してしまうような違和感ってわけでもないんで考え過ぎかもしれんが
あと、一人称という構成上、仕方のない事なんだけど、ママとの会話の中に主人公の動きや思考が
全く表示されていないのがもったいないと思う
この話を、とっておきの話の種のようにニヤニヤ笑いながら話しているのか、
何気ない雑談の一部というように無表情で話しているのか、
本当にあった怖い話というようにしんみりと話しているのか
こういう表現があると、ラストの飛び降りのシーンで、
ママとの会話での男の態度には別の感情があったのだ、ということに読者は気づき、
そんな仕掛け(というほどのものでもないけど)が話をもう一段重くするんじゃないかと個人的には思うわけです
そういう意味では、一人称視点で書くより三人称視点で書いた方がよかったかもしれない
お疲れ様
面白かったです それだけにもったいないと思い、構成にまで注文をつけてしまいましたよ
>>694-695 おもしろかったです。とても。
このスレでミステリをみるとびっくりします。
1000字で書くには一番難しいと、たぶん、みんなわかってるので、
きっと最初から厳しい目で見てしまうと思うんです。
それをこんなふうにきっちり落とされると、
上手いです。
>翔太、ごめんなさい
このメッセージが、小説には全く顔を出さないなくなった女の人の、
内にひいた性格とか、弱さとか、
男と男の奥さんをどう思っていたかとか、
その三人の関係みたいなものを、
際だたせていると思いました。
1000字なのに、話がきっちり重いのは、こういう技があるのですね。
ただ、
>母親はもう我慢ならないといった様子で
>私もうどうしたらいいのか
たまりかねて、上司に縋っている感じではないかと思うのですが、
あるいは思いあまって、混乱して、上司に怒りをぶつけてしまうのか、
この二つの文が並ぶと、母親の心情が、
ちょっと難しかったかもしれないです。
我慢ならない、が強すぎて、どうしたらいいのか、が弱すぎるのかな、
でも、気持ちが混乱しているから、これでいいのかもしれない。
読解力の問題かもしれないです。すみません。
698 :
伝言:2006/02/22(水) 11:29:38
>>696 感想ありがとうございます。
> 1000文字だと〜
そうですね、今頃になって1000文字の短さを痛感しています。
ストーリーを重視した場合(プロットがほとんど固まっているような状態)だと、
優先順位的にどうしても書ききれない部分が出てきて、その取捨選択が難しいですね。
今回は少しでも混乱なく読めるものが書けたようで嬉しい限りです。
> ただ、娘に自殺された母親が〜
> 母親との会話の中に、「『翔太』という名前に心当たりが無いか娘の友人にも数人あたってみたのですが」
> という一文を差し込んでみれば〜
> あと、一人称という構成上、仕方のない事なんだけど、ママとの会話の中に主人公の動きや思考が〜
前者は「取捨選択」で削ってしまったところだったのですが、
後者は意識すらしていませんでした(私、という一人称を使いたかっただけかもしれません)。
この感想を読み、自作を読み返して、ものすごく納得しました。
ストーリーごとに一人称と三人称のどちらが適しているのか、そこまで考えるべきだったんですね。
これを再構成時の指針に、もっと深いところまで書き込もうと思います。
> 面白かったです それだけにもったいないと思い、構成にまで注文をつけてしまいましたよ
いえ、こちらこそ感想をいただいてばかりで申し訳ないです。
いつもながら、とてもためになります。ありがとうございました。
699 :
伝言:2006/02/22(水) 11:33:10
>>697 感想ありがとうございます。
> おもしろかったです。とても。
> このスレでミステリをみるとびっくりします。〜
よかった。実はこういう話を受け入れていただけるのか、心配でした。
オチとひとネタ(D・M)を絡め、リアリティのある話として書けたのかということも含めて。
あまり褒められると自惚れてしまいそうですが、ありがとうございます。
> >翔太、ごめんなさい
> このメッセージが、〜
自殺してしまった女性を含めた登場人物の背景や、
彼女と主人公との関係に触れるかどうかは、最後まで悩んだところでした。
好意的に補完していただけたみたいで安心しました。
> >母親はもう我慢ならないといった様子で
> >私もうどうしたらいいのか
> この二つの文が並ぶと、母親の心情が、
> ちょっと難しかったかもしれないです。 〜
母親の言動(特に台詞ですが)は
>>697さんの仰るように、
彼女の取り乱した様子を書こうとしたものです。
最初の文で「主人公が状況を把握するまで、大人として冷静さを保っていたが…」という様、
最後の台詞で「混乱の極みにある」状態だということを表現しようとしました。
読み返すと、ご指摘のとおり言葉の選択に失敗してしまっているかもしれません。
(例え些細なものであっても)気づいたことを書いていただけると本当に参考になります。
気兼ねなくどんどん言ってやってください。
ありがとうございました。
701 :
700:2006/02/23(木) 08:32:38
宣伝ageです。
普段のテーマに沿ったものだと500レス消費するのも一苦労なので
思い切って、毎回毎回季節テーマでやってみてはどうだろうか?
年に12回くらい?
500レス使ってテーマが変わるのも待たなくていいので
年に何回も違うテーマでかけるし。
703 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/04(土) 21:31:46
なんでこうも簡単に過疎るかね・・・。
実際5人くらいしかいないでしょ!?
そんなもんですかね。
はい、4作品投稿してます
いま色々読み返してきたのですが
>>39だけが
イマイチ腑に落ちないのですが、どなたか解説お願いできますか?
直後荒れてしまって、作品についての話があまりないもので・・・。
708 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/07(火) 21:35:49
>>702 現状ではそれがいいかもしれませんね。
とりあえず今は、毎月季節テーマの競作をやっていきましょう。
ただ、もし次スレもそれでいくとすれば、
現在のように毎月月末までに決め、毎月一日に発表していくという方法をとるのか、
立てる前に12ヶ月すべて決めてしまって、それを
>>1のテンプレに追加するのか、ですね。
>>1を読めば把握できるという点で、後者の方が混乱も抑えられ、手っ取り早いかもしれません。
まとめサイトの中の人とも話をしなければなりませんね。まだまだ先の話ですが。
>>705-706 まとめ乙です。ありがとう。
そろそろ卒業式の募集でもかけますか。
俺の予想では明日あたりいくつか来るかなと思ったり。簡素スレの様子をみただけだが。
あれは俺が大学一回生、メグが高校一年の3月14日のことだったよな。俺達は夕食の
後テレビを見ていた。メグの好きなあの映画の、地上波初放送だったと思う。父さんと母
さんはまだ仕事から帰ってなかった。
俺は始まってすぐうとうとしだした。わー、ぎゃー、と叫ぶメグに時折起こされては、
さっさと寝ようか風呂に入ろうか、いやこのままもう少し、と思うのは、久し振りにバイ
トのない夜、兄妹二人で映画を見ている、その安らぎが心地よかったんだ。これは本当だ。
一時間ほど経ったときだった。突然メグが俺を睨み付けた。テレビを切ってリモコンを
俺に投げつけた。何するんだ、と俺は怒鳴ってテレビを付けた。するとメグはテレビの裏
まで回ってコンセントを抜き、言ったんだ。
「ホワイトデーに家でだらだらと、バッカじゃないの」
「は? お前もだろ」
「なっさけない」
「何を突然キレてるんだよ? さっきお返し渡しただろ」
「知らない」
メグはぷいっと横を向いた。
俺は何が何だかわからない。腹立ち紛れにタコ足コードを引っ張り、手元も見ずにコン
セントを挿したんだ。その瞬間だ。
バシッと大きな音がして、強い光が走った。
埃がたまっていたんだ。コンセントを乱暴に挿したものだから火花が飛んで、コードの
穴一つが真っ黒に焦げた。
俺はただ呆然とコンセントを握りしめていた。何が起こったのか漸くわかって、笑った。
そんなときに笑うのが俺の性格だ。笑って、メグを見た。
すると、そう、メグは泣き出したんだ。あんなに声を上げて泣くメグを見たのは久し振
りだったな。
「バッカじゃないの、すぐ手え離しなさいよ、燃えちゃうよ、死んじゃうよ、お兄ちゃん
死んじゃうよ」
動転して泣き続けるメグに、俺は何と言葉をかけたんだっけ。
メグがなぜ怒ったのか、今ならわかるよ。
メグには予感があったんだろう?
次の年、メグは暁君と付き合い始めた。兄妹二人で過ごしたホワイトデーはあの日が最
後だった。だからあの日、うたた寝する俺に腹を立てたんだ。思えば俺も大学に入ってか
らはバイトバイトで、二人でテレビを見るのも随分久し振りだったんだよな。鈍感な兄貴
ですまなかった。
だけどメグ。明日結婚するメグにこれだけは言っておく。
男は鈍感だから、言葉で言われなくてはわからないことが多い。暁君に火花が飛ぶ前に、
すれ違う前に、言いたいことは自分の口で言いなさい。
それからメグ。覚えておけ。
コンセントの火花くらいで兄ちゃんは死なない。
<了> テーマ「すれ違い」〜ホワイトデイ〜
ここに書いた作品はきららに送っても無駄かな?
公開しちゃってるから。
2ch発のネタは初期の方で大賞とってたけど・・・。
715 :
きっとマシュマロはサーフィンができない 1/2:2006/03/14(火) 21:37:19
真っ白だと思っていた粉ゼラチンは、うっすらとピンク色だった。
水を計量カップで慎重に量り、砂糖と一緒に火にかける。外側はパステルイエロー。縁
から内側は白いこの小鍋は彼女の趣味だ。整頓され、綺麗に保たれたキッチンには寸胴や
フライパンから石けん置きにタオルかけまで色とりどり、カラフルに揃えられている。
砂糖が溶けてきったら水でふやかしておいた粉ゼラチンを混ぜ入れる。ネットから印刷
したレシピを確認しながら、煮立ってしまわないように弱火にして溶かしていく。
続けてボウルに卵をひとつ落とし、その殻で黄身だけを掬い取り除く。ボウルを斜めに
傾けながら角が立つまでよく泡立て、小鍋のゼラチン液を注いでいく。分離を避けるため、
少しずつ少しずつ、かき混ぜながら。真っ赤な取っ手の泡立て器がシャカシャカと小気味
良いリズムを奏でる。これが終われば、あとは色づけして固めるだけだ。調味料の棚に今
日のためだけに買ってきたエッセンスたちが並んでいる。バニラ、ストロベリー、ペパー
ミント。白、赤、青。――そのときだった。
鍵を開ける音がして、玄関を振り返る。外開きの扉が開く。目が合った。
「……ただいま」
「……おかえり」
なぜかいつもよりずっと早く帰ってきた彼女はブーツを脱ぎ、「なにしてるの」と近づ
いてくる。見るなとも言えず、泡立て器を手にしたまま、目で追う。物が散乱するキッチ
ンを見渡し、レシピを手に取った。
「『ふわふわの』」
716 :
きっとマシュマロはサーフィンができない 2/2:2006/03/14(火) 21:37:58
「……マシュマロ」
彼女はもう一度キッチンをさっと眺める。
「多くない?」
コーンスターチを平らに張ったバット。卵の尻でくぼませた、液状のマシュマロをひと
口大の大きさに分けるちいさな型は、合計で二十個あった。
「や、別に、俺も食べるし」
多分そうなるとは思うから嘘じゃない。
「パソコンで調べたの? 作り方」
冷蔵庫のとなりの棚、オーブンレンジの上にノートパソコンが載っている。
「うん、で、そのレシピを印刷した」
「ふうん」
彼女は含んだ笑みを浮かべ「まずかったら食べてあげないよ」と言って、コートを脱ぎ
ながらリビングへ入っていった。後姿を見送って、ほっと息をつく。なんとか怪しまれず
に済んだようだ。
パソコンに視線を戻す。ブラウザには《第三回……》。
まさか「バレンタインの日に溶けたチョコが画面からウヨウヨ」とか「そのお返しにマ
シュマロをなんとか液晶にすり込んで……」なんて言えるはずもなかった。
〈了〉 テーマ「危機一髪」
>>712―713
いいね。
というのはごめん、俺にも姉と妹がいてなんか冷静に読めないんだよこのジャンルは。
実際いきなり喧嘩ふっかけられて、あっという間に俺のせいにされるとか、うちの姉弟妹喧嘩にそっくりだし。
結婚まで持って行く流れが急だから最初に伏線入れた方がいいんじゃない?
だけど俺は読めた。それは俺の家庭事情で読めたのかどうかわからない。
>>715―716
なるほどパロディで返すのもありだったかw
実は俺も対抗ホワイトデーネタ考えてたんだけど、どうもゲロ甘になって無理だった。
パロるという手は考えつかなかったよ。
たださ、せっかくパロるならマシュマロにもサーフィンさせたらよかったのに。
マシュマロも泳ぐのかよっ、
ぐらい強引な方が俺好みだったかな。
ともあれハッピーホワイトデー
>>715-716 タイトルを見た瞬間、吹き出してしまいましたw
書いていると、こういう楽しさもあるのですね。
なんだかとても嬉しかったです。
>真っ白だと思っていた粉ゼラチンは、うっすらとピンク色
この書き出しとても好きです。
色がついててちょっと光ってるんですよね、
それがさっと浮かぶから、全体の雰囲気が1行で決まる感じがしました。
>見るなとも言えず、泡立て器を手にしたまま、目で追う
こういうところも、彼の緊張感が伝わってくると同時に、
彼女の動作も追っていて、1000字ならではの工夫ですよね。
いろいろな意味で、ごちそうさまでした。
>>714 これはたぶん公開にあたりますよね。
詳しくはわからないです、ごめんなさい。
>>717 感想ありがとうございます。
はい、絶対、伏線いりますね。。失敗しました。
好意的に読んでいただいて感謝です。
いま読み返すと、時の流れがわからないです。
ちゃんと推敲したはずなのに、また……。
ところで、
姉弟妹、という三人の関係の表現法って良いですね。
仲がよさそうw
>>712-713 いいですね。面白かったです。
構成もとてもよく考えられていると思います。
展開が急だという指摘もありますが、僕は違和感なく読めました。
手紙を書くなんていうのは、こういうときならではの特別なものだという先入観があるからでしょうか。
これに伏線が入ったとしたら、逆に気になってしまうかもしれません。
「地上波初放送」なんていう、なくてもいいようなひとことが味を出していたり、
オチを含めたラスト数行に作者のセンスが特に光っているような気がします。
…しかし参ったな。自分のレベルでは突っ込めるところが見あたらない。w
感想人が少ないのが悔やまれる。良い感想は参考にもなるのですが。
>>717 > たださ、せっかくパロるならマシュマロにもサーフィンさせたらよかったのに。
> マシュマロも泳ぐのかよっ、
> ぐらい強引な方が俺好みだったかな。
それは思いつきませんでした。こっちの方が全然読みたいですね。
最初から
>>716のオチで決めて、前半を書き換えても後半は固定してしまっていました。反省。
それから、
>>717さんの「ゲロ甘」も読みたかった。w
>>718 パロディというか、ネタで返すというか、
少し失礼に当たるかもしれないと思っていたのですが、読んでいただけてよかった。
こんなことを言っておいて、初めに考えたのは
>メイドイン不明のステンレスボウル(大)は、飾り気のない銀色。
で始まる、
>>671-672の丸パクリ(今風に言えば文章をインスパイヤ)だったりするのですが。w
> >真っ白だと思っていた粉ゼラチンは、うっすらとピンク色
> この書き出しとても好きです。〜
実際に驚いたというか印象に残ったので書きました。
外さなかったようでホッとしました。
> >見るなとも言えず、泡立て器を手にしたまま、目で追う
> こういうところも、彼の緊張感が伝わってくると同時に、
> 彼女の動作も追っていて、1000字ならではの工夫ですよね。
ありがとうございます。
前後の文章と並べると多少強引かとも思いましたが、伝わってよかった。
感想ありがとうございました。
>>721 感想ありがとうございます。
そうか、手紙だから伏線の量を気にしないといけなかったのですね。
あった方が良かったのか、なかった方がよかったのか、
いろいろ教えていただけてうれしいです。
季節ごとにお祭りをやるのも定着してきたので、
参加者さんと感想人さんが増えてくるといいですね。
地上波初放送、は実際の妹が小さいときに気に入って使った言葉で、
たぶん史上初放送とか聞き間違えていたと思うのですが、
妹がアナウンサーごっこしているビデオが残ってます。
ふと懐かしくなって使ってみました。。
724 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/21(火) 22:32:03
【告知】
第3回鍛錬スレ競作祭 テーマ「卒業」
投稿期間 3/21(火・祝日) 〜23(木)
感想期間 3/24(金)〜28(火)
・投稿の際、名前欄に「卒業祭参加」と適当なトリップ(半角#の後に任意の文字列)、
本文書き出しの前にタイトルを明記して下さい。
その他規定は
>>1に準ずることとします。
・ひとり一作品までです。
・感想期間終了後、それぞれの作者の方は作品名と投稿時に付けていただいたトリップを名前欄に入力し、
一番良かったと思われる作品をひとつ挙げて下さい。
集計はこの作者票のみとし、得票数の最も多かった作品が優勝となります。
【専用雑談スレ】
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1128148458/l50
「スカーフが落ちる間に」
「改札西口で三時半」
恵ちゃんからの電話を切ってすぐ、手帳に水色のペンで書き込んだ。恵ちゃんは前の学
校の友達で、高校三年で私が転校するまで毎日一緒に通学した仲だ。
来週、前の学校の卒業式がある。転校した私はもちろんそっちには出られない。そこで
恵ちゃんが仲の良かった子達に声をかけ、私のためにプチ卒業式をやってくれる。
「二組の子達もみんな会いたいって。りこちゃんの新しい学校と卒業式の日程違っててほ
んと良かった」
実はこっそり行って皆を驚かそうと思っていたのに、恵ちゃんにはほんと敵わない。
自由な校風で知られた前の学校は、堅苦しい式次第などない。卒業証書を手に並んで校
門を出た卒業生達は、駅へ続く川沿いの道をぞろぞろと歩く。川原で記念撮影をしたり、
好きな子に告白したり、突然肩を組んで校歌斉唱が始まり、校舎に向かって大きく手を振
り去って行く。去年も一昨年もそんな先輩達を羨ましく眺めていた。別れは爽やかな方が
いい。断然いい。
「駅に新しいケーキ屋さんが出来たから、そこでお茶しよう。カラオケは五時から。部活
の子達は川原でゆっくりするだろうからもう少し遅くなるかもしれないけど、いいよね」
弾んだ恵ちゃんの声を思い出しながら、私は洋服ダンスを開けた。
何を着ていこう。
去年の服はだめ。黒のジャケットも何か違う。白のワンピースを取ろうとして、その奥
の制服に気が付いた。前の学校のセーラー服だ。今の学校は制服がないので、記念に残し
ておいた。
726 :
卒業祭参加2/2 ◆HjUvYSyync :2006/03/23(木) 22:09:11
懐かしさにクリーニングの袋を破った。スカートを履き、上着を上から被る。ボタンを
下から留めていく。
スカーフ通しに白いスカーフを入れる瞬間が好きだった。プリーツスカートが、風には
ためくのが好きだった。片足でくるりと回る。スカートがなびく。ふと部屋の隅にある鏡
に目がいった。去年より長い髪が、セーラーの衿にふわりと乗った。
溜息が漏れた。
そうだった。恵ちゃん達はこの制服を着て卒業式に出る。智ちゃんも初美も制服でお茶
をして、カラオケを歌う。
私は……。
鏡を見ようとして止めた。
一人頷いてスカーフに手をかけた時、ベッドに投げ出していた携帯が光った。メール着
信。恵ちゃんからだ。
「報告! テニス部の子達も、りこちゃんに会いたいって! 涼ちゃん達も来るよ」
うんうん、と頷いて私は携帯を閉じた。
スカーフを抜き、ベッドに放り投げた。ふわりふわりとスカーフは舞い、半分に折れて
着地した。
涙が止まらなかった。
了
「三年目の奇跡」
卒業生代表の奴が壇上で、声をうわずらせて挨拶している。上手く喋れない様子に感化
されたのか、早くも女子がグスグスと鼻を啜っている。
「ぼ、ぼくは……このぉ、こうこうにぃ、きてぇ、ほんとぅにぃ……」
声が震えている。
――大の男が情けない。散々授業サボってたじゃねーか。何が悲しいんだよ。
オレは心の中で虚勢を張って、泣かないように努めた。泣いてる場合じゃない。
数分後の卒業証書授与でオレの名前を読み上げる担任は、ボクシング部顧問の生活指導
として全校生徒に恐れられていた。なにせ、生意気そうな奴には入学式の当日に鉄拳制裁
である。最初が肝心、とばかりにナンクセつけて拳が飛んでくる。
オレの時は多少太いズボンが原因だった。せっかくの入学式に初対面のオッサンにクド
クド言われるのをしばらく我慢していた。
「……チッ」
舌打ちした瞬間にパンッと殴られた。
あの日から三年間、オレを含め不真面目連中はヤツに煮え湯を飲まされ続けてきた。
恐ろしい事に、ヤツは「フリッカージャブを使いこなす生活指導」として近隣他校の不良
にまでその名は鳴り響き、畏怖されていた。何発殴られたか定かではないが、結局ヤツの
拳は一度もよけられなかった。
ここで会ったが三年目、入学式のカリは卒業式で。オレは復讐を考えていた。
しばらく無心で座っていると、ついにオレのクラスが壇上に呼ばれ始めた。オレは緊張と
興奮が入り混じり、証書の受け取り方なんか完全に忘れてしまっていた。アイツの動揺した
顔が目に浮かび、ついつい口元が緩む。アドレナリンが大量に分泌されている。
卒業式に似つかわしくない、初めて喧嘩した時のような異様な興奮のままオレの順番がくる。
――コヤマ タカシ
オレの名前がスピーカから聞こえてきた。オレは無言で立ち上がる。返事をしなかったので、
流れ作業が滞った。そのまま動かないでいると、一瞬体育館が無音になった。チャンス。
「先生、オレの名前はコヤマじゃなくてオヤマです」
一拍おいて、大爆笑になった。本名は勿論コヤマである。が、担任は読み間違えたと思い
動揺している。
――オヤマ君最高!
後輩から声援を受ける。オレは勝ち誇り、壇上に上がる階段に向かった。他の生徒と同じ
手順で途中にいる担任に一礼しようと立ち止まる。顔が真っ赤かである。その時、三年間の
修行の成果が出た。一礼すべきところをスウェーバックである。
初めてアイツの拳をかわせた。
end
「ライク ザ ダスティン・ホフマン」
背後で扉の開く重々しい音がした。
私は前を向いたまま、うつむき加減に目を閉じている。オーダーメイドのタキシードは
体にぴったりと合ってはいるが、それでも首のところが窮屈に感じられる。それなりに緊
張しているのだろうか。
一歩ずつゆっくりと進む衣擦れの音が聞こえる。父親にエスコートされた花嫁がバージ
ンロードを歩いているのだ。静かな教会内に、来賓達の感嘆の溜息や洟をすする音、軽い
咳払いなどが響く。
やがて、花嫁が隣に立った。
そこで初めて、私は彼女を見た。ベール越しにも緊張しているのが分かる。
私と目が合うと、彼女はぎこちなくお辞儀した。私もゆっくりと会釈し、彼女に向けて
柔らかく微笑んでみせた。二人して前に向き直る。
神父が聖書の朗読を始めた。
神妙に耳を傾ける振りをしつつ、ちらと腕時計に目をやる。この後もスケジュールが詰
まっているのだ。このまま順調に終われば、次の仕事にも余裕を持って移動できるだろう。
突然、背後からドンドンと荒々しく叩かれる音がした。
私は振り返った。教会内の皆も、音のする方を見ている。
そこには、教会の窓ガラスを拳で叩いている一人の男性がいた。何かを叫んでいる。
私の隣にいた花嫁が走り出した。男性のいる方へ、である。
来賓席から歓声と口笛、拍手が沸きあがる。
男性は窓ガラスから離れ、花嫁のために扉を開いてやった。二人はそこで抱き合い、手
を繋いで教会から走り去った。
730 :
卒業祭参加 2/2 ◆VkRJrkn7Rs :2006/03/24(金) 13:52:10
私は、花嫁と二人で戻るはずのバージンロードを一人で走り、二人の後を追った。が、
外へ出てすぐに足を止める。バスに乗り込む二人の背中へ、私は軽い拍手を送った。
来賓達が披露宴会場へ向かい、新郎新婦の両親との短い挨拶を終え、私はようやくタキ
シードの襟元を緩めることができた。
「お疲れ様」
ウェディングプランナーの香織が缶コーヒーを片手に寄ってきた。
『映画のような結婚式』という彼女の企画で、私は幾度となく『式の最中に花嫁を奪わ
れる新郎』役をやらされている。今日も、この後もう一度花嫁を奪われなくてはならない
のだ。
「たまには俺以外のやつに新郎役やらせろよ」
私は溜息混じりにぼやいた。
「奪われ役が男前だと、新婦さんが戸惑っちゃうのよ。だから、アンタ」
香織は冗談めかして言うと、私に缶コーヒーをよこした。
「これで俺が行き遅れたら、お前責任取れよ」
「あら、ダスティン・ホフマン役がやりたいの?」
笑って答える香織に、私はもう一度溜息を吐いた。
<了>
よくよく見たら投稿期間って昨日までじゃん なにしてんだ俺
ってことで
>>729-730はなかったことに
自分も忘れてて、大急ぎで書いて投稿しました。
ギリギリセーフw
携帯からなのであとで二つの感想かきます。
呑みに行かなければ、ですが。
あれ!?
トリップ忘れてもぅた・・・
「三年目の奇跡」です。
>>727 面白かったです。
読みやすくて感情がはっきりしているし、
復讐がこんなラストになるなんて吃驚しました。
>「先生、オレの名前はコヤマじゃなくてオヤマです」
これ、実際にあったら、すごく怖いですよね。
体育館中凍り付いてしまうと思うのですが、
>一拍おいて、大爆笑
この短い一言で緊迫を伝えるところが、巧いです。
>一礼すべきところをスウェーバック
ここも絵を見るような描写でとても好きです、
実はスウェーバックがわからなかったのですが、
それでも絵が浮かんでしまったのでw
>>725-726 「スカーフが落ちる間に」
これはつまり、転校の寂しさを書きたかったのでしょうか。
そうだとするとあっけない、というか、後半の「気づく」場面が大げさのような気がします。
> 溜息が漏れた。
> そうだった。恵ちゃん達はこの制服を着て卒業式に出る。智ちゃんも初美も制服でお茶
> をして、カラオケを歌う。
> 私は……。
ですが、前半の、
> 自由な校風で知られた前の学校は、堅苦しい式次第などない。卒業証書を手に並んで校
> 門を出た卒業生達は、駅へ続く川沿いの道をぞろぞろと歩く。川原で記念撮影をしたり、
> 好きな子に告白したり、突然肩を組んで校歌斉唱が始まり、校舎に向かって大きく手を振
> り去って行く。去年も一昨年もそんな先輩達を羨ましく眺めていた。
というところを、僕は主人公が教室の窓からそんな風景を眺めている「映像」として読んだので、
ここで卒業生は制服着てるって思い出してるなと、ひとり突っ込んでしまいました。
文章は読みやすかったです。
> スカーフ通しに白いスカーフを入れる瞬間が好きだった。プリーツスカートが、風には
> ためくのが好きだった。片足でくるりと回る。スカートがなびく。ふと部屋の隅
> にある鏡に目がいった。去年より長い髪が、セーラーの衿にふわりと乗った。
この段落が印象的で、とても好きです。
投稿乙でした。
>>729-730 こちらも面白かったです。
すごいですね。
>来賓達の感嘆の溜息や洟をすする音、軽い
>咳払いなどが響く。
この辺りの前半の部分、
1000字でこれだけ細かく描写出来るのかと驚きました。
面白くて一気に読んだのですが、
ただ、、ごめんなさい。
実はなぜ卒業なのかよくわからなくて、
「モラル」の方なのかなと考えて、
タイトルのダスティンホフマンをググッて初めてわかりました。。。
映画を知らないわけではなかったんですが、
わかってからもう一度読んだら、吹き出しました。
勉強不足でごめんなさい。
>>727-728 「三年目の奇跡」
「フリッカージャブを使いこなす生活指導」、いいですね。
この先生のキャラの立たせ方は見習いたいです。
少しリズムが気になりましたが、
一人称も読みやすく、最後まで一気に読めたのですが、
読み間違いオチは一読では意味が分からず、〆には首を捻ってしまいました。
前者はいくらなんでも担任が「え、俺間違えた?」とはならないだろうと思ってしまい、
後者は、
> 後輩から声援を受ける。オレは勝ち誇り、壇上に上がる階段に向かった。他の生徒と同じ
> 手順で途中にいる担任に一礼しようと立ち止まる。顔が真っ赤かである。その時、三年間の
> 修行の成果が出た。一礼すべきところをスウェーバックである。
> 初めてアイツの拳をかわせた。
この部分に、担任の主人公を殴ろうとする動作の描写がないので違和感がありました。
でも三年間の復讐がこんなオチというのは意外で、面白かったです。最後の最後はパンチをかわすのも爽快ですね。
投稿乙でした。
>>729-730 「ライク ザ ダスティン・ホフマン」
面白かったです。すごく。
文章がぎこちないのに、リアルな一文一文にどんどん引き込まれて、
どんどん読み進めていきました。
ダスティン・ホフマンの「卒業」は知りませんでしたが、
テーマの「卒業」とどう絡むんだろうと、
>>736さんと同じようにぐぐり、
また驚きました。これはすごいですね。文句なしに面白かったです。
投稿乙でした。
みなさん、おつかれさまでした。
たのしかったです。
>>735 感想ありがとうございます。
>後半の「気づく」場面が大げさのような気がします。
>ここで卒業生は制服着てるって思い出してるなと、ひとり突っ込んでしまいました。
…… orz
大失敗。恥ずかしいです。
リアリティのなさ、ってこういうところですね。
なんで気付けないんだろう。。
実は「自由な校風」の部分は実体験が混ざっていて、
卒業式の切ないイメージが全然ぴんとこなかったり、
>主人公が教室の窓からそんな風景を眺めている「映像」
これも実体験としてあるのです。
ただ制服のない学校だったので、私服の卒業生の映像で……。
こういうつなぎ合わせをすると、物語の整合性が失われるのですね、
反省ばっかりです。
ありがとうございました。
740 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/05(水) 10:12:53
【告知】
第4回鍛錬スレ競作祭 月決めテーマ「新人」
投稿期間 4/16(日)〜4/18(火)
感想期間 4/19(水)〜4/23(日)
・投稿の際、名前欄に「新人祭参加」と適当なトリップ(半角#の後に任意の文字列)、
本文書き出しの前にタイトルを明記して下さい。
その他規定は
>>1に準ずることとします。
・ひとり一作品までです。
・感想期間終了後、それぞれの作者の方は作品名と投稿時に付けていただいたトリップを名前欄に入力し、
一番良かったと思われる作品をひとつ挙げて下さい。
集計はこの作者票のみとし、得票数の最も多かった作品が優勝となります。
テーマ「すれ違い」
遠慮というものを知らないせっかちなインターホンに応じて玄関の扉を開けると、そこ
には薄汚いぼろ切れの塊があった。よくよく見ると、それはぼろ切れを纏った人だった。
汚れた肌の色が布地のくすんだ色とあまり変わらないため、ぼろ切れの塊と見間違えてし
まったらしい。
小柄な体は猫背気味に曲がり、腰にまで届きそうな長い髪は風雨に晒され続けたのかち
りちりに縮れている。デッキシューズらしきものを履いているが、くるぶし辺りまで乾い
た泥がこびり付いている。
俺は、その風体を頭からつま先まで眺め回し、鼻に付くすえた臭いに顔を顰めながら尋
ねた。
「誰?」
「貧乏神です」
貧乏神らしい。確かに、漫画にでも出てきそうな貧乏神の格好だ。
「ああ、なるほど貧乏神だな。それで、何の用?」
「あなたを貧乏にしにきました」
貧乏神は朗らかに答えた。
俺は思わず眩暈を覚え、目頭を押さえてしまった。
「あー、そうね。貧乏神だもん、そりゃそうだ。うん、じゃあ帰って」
俺は、犬でも追い払うかのように手を振った。
「部屋にあげてくれないんですか?」
貧乏神はさも心外だという顔をした。
「誰が貧乏神を部屋にあげるかよ。って、無理やり入ろうとすんな」
俺の体を押しのけてドアを潜ろうとする貧乏神を、アイアン・クローで迎撃する。貧乏
神が俺の手首を勢いよく叩いて降参の意を表した。ドアの外まで押し返してから開放する。
「うわ、なんかベトベトしてる」
貧乏神のこめかみにがっちりと食い込ませていた親指と中指を擦り合わせると、粘着質
な嫌な音がした。
「酷いことするなあ。せっかく来たのに」
こめかみを揉み解しながら文句を言う貧乏神に、
「勝手に入ろうとするからだ。それに、貧乏はもう間に合ってるよ」
と答える。
「貧乏なんですか?」
「そ。彼女が金のかかる趣味を持っててな、それに付き合わされてるうちに万年金欠にな
っちまったんだよ」
「はあ、そうだったんですか」
「そう、だから――」
「上がっていいですか?」
「だーかーらー!」
部屋の中で胡坐をかき、コーヒーを啜る。浴室からは、シャワーを浴びる音がする。玄
関から浴室まで新聞紙の道が敷かれてある。異臭を放つぼろ切れはビニール袋の中に丸め
て突っ込んである。
コスプレという趣味にケチをつけるつもりは更々ないが、彼女の演じるキャラクターの
選択には、いつもすれ違いを感じる。っていうか、あいつ着替え持ってきてたっけ。帰り
どうするつもりだろう。
また眩暈がした。
<了>
テーマに無理やり絡めてる感がひしひしとしますが、そこはほら「優しさ」でカバーしてください
なんていうか、星新一氏の短編集読んでたら出てくる悪魔だの幽霊だのが全部本物なので
「短編で天使とか悪魔とか出てきたら読者は勝手に本物だと思い込むだろう」というミスリードを狙ってみたもの……なのかな?
さてさて、成功しているでしょうか
744 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2006/04/26(水) 23:34:23
1/2
憂鬱な棺屋
クリフォードは、つい先日に亡くなった、祖父の身体を入れるための棺のカタログを、
俯きながら見ていた。クリフォードの隣には、おおかたセールスマン風のブレザーを着こ
なした、でぶでぶと太った棺の販売員がいる。二人とも、ゆったりとしたソファーに座っ
ているのだが、クリフォードはまるで銅像がソファーの上に置かれているかのように、ず
っしりとソファーに身を沈めていた。
「この棺はどうですかね?」男はカタログを指差して言った。「この棺は特殊な樹脂でで
きていて、雨風から体を守ります。つまり、骨は土に返らず、永遠にお父さんと同じ形を
保っていられるのですよ」
クリフォードは爪を噛みながら断った。「ちゃんと土に返れるような棺にしてくれ。そ
れと、余計なオプションはいらない。全部土に返ればいいんだ。それに予算もない。高級
な棺もいらない」
745 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2006/04/26(水) 23:36:46
「では、この棺はどうでしょう? この棺は一見黒檀ですが、安めの素材に土に溶けやす
い塗料を塗っています。そのため、お値段の方もお手ごろですよ」男はまるでブルドック
を強引に笑わせたかのような顔をした。
「好きにしてくれ。予算がないんだ。安くて土に返ればなんでもいい」
「わかりました。ではそれにしておきましょう。お金の方は最初から決まっている通り、
小切手で?」と男が言うと、クリフォードは頷いた。
男はまるで相棒のような計算機を、ブレザーの内ポケットから取り出し、人差し指に力
をこめてボタンを叩き始めた。やがて計算が終わると、男はクリフォードに計算機に表示
されている数字を見せ、言った。「今月はセールの最中ですので十パーセントほど差し引
いた値段となります」クリフォードはそれでいい、と言った。
「少々お待ちください。手続き用の用紙を持ってきます」男は席を立ち、革靴が大理石の
床を蹴る音を残してどこかへ行ってしまった。クリフォードは手で顔を覆い、顔全体を撫
で回した。そして、肺にある空気をすべて吐き出すかのような大きい深呼吸をすると、男
は親指の爪を噛み始めた。男の指は綺麗だった。
掲載に関してだけど、一応掲載はOK。
ただし、僕のサイトを一番下に載せるのならの話。
サイトはメル欄。
>>742-743 確かにすれ違いと結びつけるのは無理があると言わざるを得ないかと思います。
文章の書き方には巧みさというより面白さを感じました。
星新一が好きな人には(私も含め)こういう淡々とした会話が面白く感じられるんでしょうね。
で、星新一好きにはこのミスリード狙いは間違いなく成功するでしょう。
ただ、それならオチももっと星新一的であって欲しかったと思いました。
具体的な例を出すのは野暮なのでやめておきますが。。
純粋にあっさりしたショートショートとして面白かったですよ。
>>744-745 まず、どのテーマに沿って書かれたのか分かりません。
提示もされていないので。
話自体もオチが無いというより完結していなくて
長編のほんの一部分のように思われます。
なんとも批評のしようがありません。(それなら発言するな、と言われそうですが。。。)
>>742-743 とても面白かったです。
完全にミスリードされたし、コスプレに貧乏神という発想が、
彼女可愛すぎて、彼氏可愛そうすぎて、
とても印象的です。好きです、こういうの。
すれ違いのテーマは、少しずれるのかな。
あともう少し字数があって、彼氏が本当はコスプレ好きという伏線があれば、
ずれないような気もするのです。
>>744-745 テーマがわからなかったのが残念ですが、
>余計なオプションはいらない。
>安くて土に返ればなんでもいい
>相棒のような計算機
こういう先への引っ張り方や、言葉選びがとても面白いと思いました。
>>748,750
テーマは「モラル」です。
亡骸を入れる棺をガラスケースのように扱ったり、
セールなどを行って値引いたりする道徳観念にほとほと呆れたクリフォードは、
棺屋の販売員を軽くあしらいます。
完結していないのは暗黙によって、後の物語を読者に想像させるためです。
しかし、それらのメッセージを伝えたいつもりが伝わらなかった。
つまり、自分の力量不足なので、真摯に批評を受け止めたいです。
>>742-743 単純に面白い。
1000文字だからこその、キレのあるオチがイイですね。
>>774-775 >セールなどを行って値引いたりする道徳観念にほとほと呆れたクリフォードは〜
こういうモラル話だったら、もう少し呆れた描写を入れたほうが分かりやすくなったと思います。
1000文字しかないんだから、キチンとラストがないと意味が分からないですよ。
ポエムじゃないんだから。
>掲載に関してだけど、一応掲載はOK。
>ただし、僕のサイトを一番下に載せるのならの話
何様ですか?と思いました。
正直そこまでして、載せたいとも思わないです。
むしろ「載せてください」と言うなら載せますが・・・というスタンスです。
>>744-745 「少々お待ちください... 以降が少し人の立ち位置がわかりにくいかな。
最後に爪を噛んでいるのはクリフォードor販売員?
完結させないなら、リドルストーリーの様にある程度選択肢を用意していないといかんと思うね。
書き始めは普通に棺屋の飄々とした態度が伝わってきていいですね。
>>752 掲載OK →載せる
掲載拒否 →載せない
どっちでもいい →基本的には載せない
条件付きOK →条件が面白かったら載せる
意思表示無し →載せない
投稿者の権利を最大限大切にするのがここでのスタンス。
+未来アンカー乙
>>753 えいいちみたいな偉そうな勘違いガキのサイトを載せたくないのは住人の総意だと思うが
しかも、くだらねー条件つけてるし。
面白いもん書いてるつもりなのが痛すぎ。
載せて欲しいならそうい言え。
とりあえず保守しておくか
見慣れない服を着た、君が出て行った……。
髪形を整え、テーブルの上もそのままに。
テーマ「すれ違い」
疋田は大きなボストンバッグを肩に担ぎ、アパートの階段をゆっくりと下りていった。
鉄筋の階段は傾いた西日を浴びてぼんやりとした朱色に染まり、一段下りるたびに乾いた
音を立てる。
彼は無表情であった。合法、非合法の手段を織り交ぜ、一人の男の人生を破滅させると
いう、八年越しの復讐を果たしたというのにである。
罪の意識はなかった。爽快感もなかった。憎悪だけが、昔と変わらず心の中に残ってい
た。恐らく、あの男をなぶり殺しにしたとしても、この感情だけは消え去ってくれないの
だろう。そんな思いが、彼の表情を削ぎ落としていた。
階段を下り終えた疋田は、ずり下がったバッグを担ぎ直し、出口へ向かおうとした所で
足を止めた。
アパートの正面に、一台のセダンが停められている。スーツを着た男が一人、車に寄り
かかってじっと疋田を見ていた。男は煙草を携帯灰皿にねじ込み、車から身を離した。首
をごきごきと鳴らしながら、アパートの敷地内に入る。
「そうやって、八年前みたいに突然消えるつもりか?」
疋田の前まで来た男は、そう言って彼をじろりと睨んだ。
「なんの事でしょう」
疋田は無表情のまま返す。
男は頭を掻いて苦笑し、ぼそぼそと語り出した。
「松前の会長は辞任したよ。今はまだ脱税ってだけだが、これから談合の実態や口封じの
指示の事も明らかになるだろう。あの爺さんはもう終わりだ。もう充分だろう? 由梨絵
の所に戻ってやったらどうだ、坂上」
疋田は答えなかった。由梨絵への想いや目の前の男との友情、元の顔などと一緒に八年
前に捨てた名で呼ばれ、答える言葉が見つからなかった。軽く一礼し、男の横を通り過ぎ
る。
「成田か?」
すれ違いざまに男が尋ねた。
「同窓のよしみだ。送ってやるぞ」
男の言葉に少し立ち止まった疋田は、結局、無言のままアパートを去っていった。
残された男はもう一度首を鳴らし、ここへ来る前に一人の女性を空港まで送った車に乗
り込んで、署へと戻っていった。
<了>
久しぶりにエセハードボイルドっぽいものを書いてみたけどなにやらぐだぐだな文章になってしまった
1000文字に収めようとしたら書きたい事の半分も書けなくて説明不足もいいところだし
あーなんだろな……まぁいいや ゴメン言い訳もぐだぐだ
759 :
ドーベルマシン ◆/58MpLl8gc :2006/05/29(月) 04:21:41
まだ活動してたんかコレ
なつかし
>>757-758 一読して、やはり長編の一部分(あるいはラスト)みたいだなと
最初に思いました。
もう一度読み返すと短いセンテンスの中に、背後にある大きいあらすじが
見え隠れしていて、読み手に色々と想像させてくれます。
テーマの「すれ違い」は相当強引なのが残念ですが
それを別にして、面白いと思います。
761 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/18(日) 19:28:20
762 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/18(日) 20:19:51
石原 ◆k7cUHBNNT.にも投票してくれ。
763 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/30(金) 22:04:21
ageておこう
764 :
名無し物書き@推敲中?:2006/07/13(木) 21:34:23
保守だな
hs
テーマ「すれ違い」
丸に少し欠ける月が全てを青白く浮かび上がらせる夜に、喉を詰まらせたような男の短
い悲鳴が響いた。
辺りでは、ここ一ヶ月の間に二件の辻斬りが発生していたこともあり、月の明るい夜と
はいえ人通りは全くない。ただ一人、暗がりでその叫び声を耳にした平賀久馬は、身を硬
くして声の元へ急いだ。
路地に入った久馬は、うつ伏せに倒れた男と、その身を起こして懐の中を探ろうとする
もう一人の男の姿を認めた。
「誰だ!?」
久馬に気づいた男が脇に置いた刀に手を伸ばして誰何した。
「平賀久馬でござる」
相手は武士である。久馬は素直に答えた。顔を確認しやすいよう、軒から伸びる影が差
さない道の中央を歩み寄る。
「おお、平賀殿か。確か右筆の……」
男はほっと息を吐き、刀から手を離した。
「お馬回り役の水野殿か?」
お互いの顔が分かるほどまで近づいて、久馬は男に尋ねた。
「いかにも」
水野が認め、久馬は地に伏せた男を見た。その視線に、水野は不承不承といった様子で
弁解を始めた。
「こやつは江戸屋敷詰めで藤巻派の者。江戸におられる主君の密書を携えて帰参したとこ
ろでござる。我ら伊塚派としては、それを藤巻中老の手に渡すわけにはいかず、やむなく
討ち果たしたのでござる」
久馬は黙ってそれを聞いていた。
伊塚大老派と藤巻中老派の対立は、以前から藩の懸案だった。久馬自身はどちらの派閥
にも属していない。
「背後から斬られましたか」
久馬はぽつりと呟いた。
「何を……」
水野は僅かに身じろぎした。久馬は続ける。
「悲鳴は一つしか聞こえませんでした。逃げ惑う声も、切り結ぶ音も。密書を帯びた者が、
夜道で相対する派の者と出会い、すれ違いざまに斬られたのであれば、それはこの者の不
心得ですが、暗がりに身を寄せ背後から斬りかかったのであれば、それは武士として――」
言い終わる前に、水野が刀を再び掴んで久馬の脇腹を薙ぎにいった。久馬の姿が揺らめ
き、水野の刃は空を切る。一歩引いた久馬は踏み出し、水野の首根を抜きつけざまに断ち
割った。右に体を捩り、花が咲いたように噴出す血を避ける。
久馬は死体から密書を探り出し、それを自分の懐へ仕舞った。
密書の話を聞き、辻斬りを起こして夜半の人目を無くし、凶行に望みやすく仕向ける。
この策は完全に当った。両派の者が斬られて密書が消えたとなれば、闘争は更に苛烈なも
のになるだろう。そこを仲裁という立場で幕府が乗り出し、藩を取り潰す。
久馬は『草』であった。
<了>
またテーマをぞんざいに扱って書いてしまいまいた 台詞の中に一個あるだけ クスクス
あー文字数足りねー あと300は欲しー
要るかどうか分からないけど一応解説
右筆というのは書類作成・整理を役目としている武士の職で、
お馬回りというのは有事の際に備えて武勇に優れた人をとりあえず置いておくための役職です
大雑把だけどそんなイメージで捉えてくらはい
で、だ 右筆という毎日筆と硯を前にして腕より頭を働かせているようなやつに
お馬回りの人が武士としての行状を咎められたため、頭に血が上っていきなり斬りつけたわけです
武士として恥となる行為を知られてしまったために口を塞ごうとした、という理由もありまふ
文字数がもうちょっとありゃあこういった説明もそっと差し込めたのになぁ
つーか作外での解説ってのは思っていた以上に卑怯だな 泣きそうだ
768 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2006/08/07(月) 00:01:42
女子トイレに入った経験を話そう
それは小学校四年生頃の話。男子トイレは右、女子トイレは左が常識だと思っていた頃
の話で、僕と父親で一緒に芦ノ湖に釣りをしに行った時の話だ。
僕は運悪く下痢をしていた。家から芦ノ湖までだいたい二、三時間ほどはかかる距離で、
当然ながら道中で出したくなった。しかし、僕は我慢した。
到着するとすぐさまトイレに駆け込む。トイレに入っている人々が僕に注目した。様子
が違う。何かが足りない。何かがいる。
そんな疑念を持ちながら臭い便所で用をたし、個室から出るとやはりそこにいる人々は
僕に注目している。何か腑に落ちない点があったのだけれども、そのまま普通に何事もな
くトイレから出た。まさかと振り向くと、出てきたところは女子トイレだった。そう理解
した瞬間、喉のつっかえが取れた。
そして顔が真っ赤になるほど恥を覚えたのは、家に帰ってトイレに入った時のことだっ
た。
今さっきブログ用に書いた奴だけど、テーマはモラルになるんじゃないかな?
とりあえず、サイト(メル欄)を載せるなら掲載OK。
テーマ「すれ違い」
帰宅したばかりでネクタイも緩めていない私に、楽しそうな表情をした妻が一通の封筒
を差し出した。
「ほら、こんなのが来てるわよ」
宛名に私の名が記された封筒を裏返すと、差出人のところに『××団地秘密倶楽部』と
あった。
「これね、この団地では結構有名な寄り合いらしくて、男性しか招待されないらしいの。
知り合いの奥さんに聞いた話だけど、参加した旦那さんに『どんな寄り合いだったの?』
って訊いても『どこにでもある普通の寄り合いだったよ』って言うの。しかもね、面白い
事に、他の家の旦那さん達も同じように答えてたんですって。その癖、集まりがある度に
みんな喜んで出かけるものだから、秘密倶楽部だなんて名前つけて、何やってんだろうね
って言ってたわ」
妻は目をきらきらと輝かせながら一気に喋った。
まだこの団地に越して来て一週間と経っていないのに、もうこんな噂話を拾ってこられ
るほどに交友関係を広げつつある妻に、私は少し置いてけぼりを食らったような気分にな
った。
「ね、アナタこれに行ってみてよ。そして私にどんな事があったか教えて」
私は苦笑交じりにそれを約束した。
当日、送られてきた案内状に記されていた公民館へ着くと、戸口付近でパイプ椅子を運
んでいる白髪交じりの年配の男性を見つけた。その男性に案内状を見せ、今日が初めての
参加である事を伝えると、彼はパイプ椅子を一旦置き、
「やあ、ようこそ。楽しい集まりですから気楽にして下さい」
と言って手を差し出した。
771 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/11(金) 01:12:18
「あの、この秘密倶楽部というのは、一体何をする集まりなんですか?」
握手を返した私が尋ねると、彼は素晴らしい微笑みを浮かべ、
「それは秘密です」
と答えた。
「え?」
呆気にとられる私に、パイプ椅子を抱えた彼は
「どうぞお入り下さい」
と中へ招き入れてくれた。
彼に続いて公民館の中へ入ると、かなりの数の男達が思い思いの形でくつろいでいた。
麻雀卓を囲む者、碁を打つ者、畳の上に寝転がって文庫本を読む者、缶ビールをやりなが
ら雑談に興じる者、それぞれである。
「ここはね」
パイプ椅子を壁に立てかけた白髪の男性が言った。
「ここでは全てが秘密なんです。集まった理由も秘密。どこの誰が参加しているのかも秘
密。年会費がどう使われているのかも秘密。そして、次にいつ集まるのかも秘密なんです」
彼の表情は、それが楽しくてたまらないといった感じだった。
それを見た私は、妻へどう答えるかを決心していた。
<了>
これもすれ違いっていうには微妙だなぁ
ただまぁいかにもショートショートらしい話は書けたかな、と ありがち過ぎて似た話がごろごろ転がってそうだけど
それにしても……人いねぇなぁw 雑談所スレもそろそろdet落ちしそうだし 保守はもうせんが
名前欄ミス
>>771は秘密倶楽部 2/2
まぁ書くまでもないだろうけど
773 :
えいいち ◆GRGSIBERIA :2006/09/01(金) 22:35:15
>>770 面白さで読み進めることができたし、読むことについて違和感はない。
なかなか面白かったよ。
短編でも読んでたと思う。
774 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/23(土) 11:46:59
サルベージ&ブタ殴り作戦は効くみたいだね。
相手にして貰えずただ殴られるだけというのは耐えられないだろうね、アスペルガー残飯にしてみれば。
775 :
名無し物書き@推敲中?:2006/11/18(土) 00:13:19
何か過疎ってるし、俺、板も文も初心者な上、スレのルールいまいちわからないまま、
ファミレス、モラル、危機一髪で書いたけど、お蔵入りにするの寂しすぎるから、
載せさせて貰おうと思っていて、投稿ミスとかあるかもしれないけど、許して欲しくて、
そうして出来たら、読んでやってください、短いんで。
776 :
1/2タイトル思いつきませんでした:2006/11/18(土) 00:14:59
早朝のファミレス。三時間居座って小説の案を練ろうとしたものの、
なんにもなしの空っけっつで疲れて眠ってしまった。
頭の中で天使が囁く。
「いつも推考ご苦労様。ゆっくりお眠りなさい」
言葉に導かれるように深いところへ落ちて行こうとした刹那、
埃っぽい風が肌を揺さぶる。嫌な予感がする。
「まさよし!こんな所で寝て恥ずかしいとは思わないの。
そういう息子に育てた覚えはないよ!」
げえ、母ちゃんだ。気不味い空気を悟ったのか天使はどっかに行ってしまった。
待ってよお。厳しいのは嫌だよう。
「ほら、いつまでもフラフラしてないで、いい加減就職決めないと、
23で高卒なのに、お母さんは心配だよ」
「辞めてくれよ、ここはファミレスだよ。モラルってものを考えてよ、恥知らず」
しまった、母さんの頬がピクピクしている。火をつけてしまったパターンだ。
「恥知らずはどっちだ!お父さんやお兄さんに申し訳ない気持ちはないの!
だいたい、いっつも言い訳ばかりで何にも行動起こさないじゃないの!」
「いや、それは、文学者らしい生き方を…ほら、太宰とか…」
母ちゃんは複雑そうな表情をしている。
感情と思いやりがぶつかっているような悲しげな雰囲気だ。
「母さんはねえ、まさよしに幸せになってもらいたいんだよ」
777 :
2/2:2006/11/18(土) 00:15:40
ごめん、ごめんよ母ちゃん。
「間違っていたよ。今日、いや、やっぱり明日こそ職安に行くよ。
きっとそうする。今まで悪かったよ」
「約束してくれる?ほら、指きり」
「俺はもう大人だよ、人が見てる」
母ちゃんははにかむ様に笑った。俺も合わせて苦く頬を緩めた。
ありがとう、母ちゃん、嘘ついてごめんね、ハローワーク行く勇気なんかないよ。
でも、安心させるのも息子の務めだもんね。ごめんね、本当にごめんね。
目が覚める。天使が出る前と同じ風景。
よし、今の夢を元に短編を書こう!親子の絆を描くんだ。
それを店員に見せて、280円で買ってもらう。そうだ、これだ。
これで晴れてドリンクバー代を払えて、この店から脱出できる、
そうだ、助かるんだ。財布がなくたって何とかなる、俺は芸術家だ。
さて、書き始めるか、ええと、あれ?ペンがないぞ?
おーい、ペンがなきゃ始まんないだろ、ええー!
おーい!ないぞー!どこだー!ペーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!
これで終わりなのか?
おわりです、すんまそん
あっ、読んでくれてありがとう
まあ、俺も暇なんだが、ちょっと付き合わないか。
文章を書いたのは初めて?
風呂入ってました。まだ起きていらっしゃるのなら、そりゃもう是非。
文章は友達に見せるのは良く書くんですが、
こうして、衆目の場にさらすのは2回目で、
ずっとバンドをやっていて、その合間、
何か思いつくときに書いたことはあったんですけど、
真面目に短編とか書き始めてからは3ヶ月くらいです。
僕は40分前には確かに画面の前にいた一人の2ちゃんねらーの事を考えた。
正直に言って、蔑みと嘲笑の不安に怯えていた僕の心をほぐしてくれた、
優しい2ちゃんねらーがどんな素敵な人だったかを、
スレ汚ししてどうするんだ、それは2ちゃんで最も恥ずべき悪徳だ、
いいや、どうせ過疎じゃないか、リサイクルリサイクル、と呟きながらイメージした。
彼は30分で姿を消した。暇、といっていたが、それは余計な心配を掛けないためで、
きっと、病弱で、看護士の目を盗んでPCをしていたものの、見つかる、
若しくは持病の盲腸が悪化して、電源を落とすはめになったか、
彼は地球観光に来た宇宙人で、30分の間にツアーUFOへの集合時間が来たに違いない。
宇宙人ならば、暇な範囲が30分というのも頷ける。
僕の暇が3時間単位なのよりも遥かに短い事は、
なにも僕が実家暮しアルバイターだからという理由だけではないはずだ。
僕は、風呂に入っている間に、彼との様々な会話を頭の中で思い描いた。
「君、文章書き始めて三ヶ月なのか、実に上手い、才能がある、
プロになったら君の文庫本を買おう」
「いやあ、まだまだですよ」
歪んだ欲望ではない、きわめて若者的な想像だ。
ウサギにツノ、これは、とにかくという意味らしいが、僕は賛辞を述べたい。
真面目に書いた文章を初めて読んでくれた赤の他人に。
ありがとう。いつか、貴方をモデルにSSを書きます。それくらい感謝しているのです。
漆黒の闇に浮かぶ一縷の松明、それが貴方だ。
実はこのスレに投稿したのも、寂しくて、誰かに構ってもらいたかったからだ。
反対人恐怖な人間の孤独な世界に投げ込まれた光明、
光あれ!と叫んだかは知りませんが、僕にはそんな存在に思えるのだ。
暗くなってしまいました、渡る世間は鬼ばかりのように、
すっきりしないのは嫌いなのに。
さあ、つまり、まとめると、またどこかで会いましょう。
誤字があった。半対人恐怖だ。
よく見ろよ、投稿した物だって、一箇所、
主人公が「母ちゃん」でなく「母さん」になっているところがあるだろうが。
ああ、誰も見ない癖スレ汚しなのに何やってるんだろう、
いや、いっそ、誰の目にも触れない方が良いではないか。
これを読まれて、あの、他人の批評ですら眺めた瞬間、
ヒイッと目を閉じてしまった、酷評しますスレの様に、
クソミソに貶されるよりマシではないか。
でも、止らない。なぜなら、寂しいから。構ってもらいたいから。
友達は、駄目だ。僕の文を書く面を特に楽しんでくれる人と付き合いたい。
2ちゃんでやるな、HPでも作れ?ごめんなさい、コツコツした努力ができない。
だったら誰かのサイトでも行け?既に出来上がった空間に入っていけない。
やっぱり、ここに僕の独り言を載せさせて貰う。
なんだかんだと言って、読んで欲しい。作品だけでない、ここまでも。
きっと、スレを日記にするなと叩かれるだろうから、
傷つきたくないから、もう閲覧しないと言っておく。
でも、おそらく、見ます。それは、またスレが落ち掛けた時だと思いう。
でも俺は気分屋だから、言葉に保障は出来ない。
長々目を通してくれた人、本当にありがとう、
もう一度言います、また、どこかで会おう!
よみかえしたら、ごじばっかだし、でもでもいいすぎだし、あああああ、あはははははh
オレも久しぶりにやろうかな。
面白い人もいるし。
オレ、バビロンシリーズ書いた奴。
懐かしいスレだな。一時結構盛り上がってたみたいだったのに、みなどこ行ったんだろ。
懐かしさついでに流し読みしたぜ。バビロン以降は祭もやってたのか。
790 :
787:2006/11/20(月) 20:49:27
決めた。
月内に書く。
(と思いつつ、せっかく書いたのはキララ辺りにでも送りたい心境ではあるがw)
腹立たしい。
車内で携帯電話をかける女子高生、狭い空間で新聞を広げるサラリーマン、香水の匂いを充満させるマダム、髪を逆立てて周囲を威嚇するバンドマン風、大声で下世話な話しと笑い声を撒き散らす中年女性。
どうなっとるんだ。
会社では、部下は書類を仕上げて来ない、上司は会議で居眠りする、OLは会社を喫茶店と混同し、新入社員は退勤時刻ばかり気にする始末。今日はトイレを詰まらせた馬鹿までいる。
腹立たしい。
改札の前に来ておもむろに切符を探し始める奴、改札機を停止させる奴、階段をノロノロ進む団体旅行者。
792 :
「モラル」(2)by河童:2007/01/14(日) 05:23:56
この国のモラルはどうなっとるんだ。
急いでるんだぞ。
路肩にしゃがみ込む女の子達、コンビニの前にたむろする不良共。
邪魔だろう。
モラル。
モラルモラル。
角を曲がる。
モラルは?
電柱脇の犬の糞。
モモモモラルは!?
田中部長の家の塀に小便の跡!
モモモモもう駄目だモモモラモルモレ
ジッパーを下ろすのももどかしく、我慢していたほとばしりを塀の濡れ跡目掛け放出する。
倦怠と恍惚の入り交じる中ふと見上げた窓からは、高校に入ったばかりの部長の娘が俺のいきり立つ肉茎と力強く弧を描く放尿を凝視している。
793 :
河童:2007/01/14(日) 06:52:42
エンド忘れた
「自省」
電車はトンネルに入った。携帯の電波が圏外になる。ふと顔をあげると、目の前には股
を大きく開いたミニスカ女子高生が座っている。私は目を細め、暗闇の奥にある光を探す
……が、なかなか見えない。女子高生がスッと脚を組んだ。もしかしてバレてしまったの
かと思ったが、どうやら携帯に熱中しているようだ。色白の肌に紺のソックスがよく似合
う。携帯をじっと見つめる目はまだ汚れを知らない。唇は鮮やかな桃色をしていて、柔ら
かな感触がこちらまで伝わってくる。視線を感じたのか、急に女子高生は頭をあげた。私
はすぐに視線をそらした。後ろの窓に映った自分と目があった。何をやってるんだ私は、
モラルの低下を利用して欲を満たそうとしているのか、まったく恥ずかしいことをしてし
まった。小さくため息をついた私は、ランドセルをからい直し別の席へと向かった。end
795 :
ひきこもりんぐ:2007/01/16(火) 16:16:08
携帯からなので失敗してたら泣いてわびる
せっかくだから感想を
>>791 前半部はもっと工夫できるのかも 具体例は出せないけど
>>776 友達になりませんか(?)
最後のぺーーん がケーーンに見えてしょうがなかったです