20行以内のショートショートを作れ!

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1名無し物書き@推敲中?
20行以内のショートショートであれば何でも結構です。
但し、無断転移は絶対に禁止です!
ホシインイチチュウ(・A・)イッテヨシ!
あ、俺もか。
2名無し物書き@推敲中?:05/01/12 03:16:32
【原因】
「先生、眠れないんです。」
「そうですか。ではいつもは何時頃に眠りに就きますか?」
「1時頃です。」
「では最近はどの位眠れませんか?」
「まちまちです。すぐに眠れる時もあれば明け方まで眠れない時もあります。」
「そうですか、何か心当たりはありますか?」
「そうですね、最近ちょっと悪い事をしました。」
「具体的に言うと?」
「恥かしいんですが、言わないとダメですか?」
「しょうがないですね、一応薬は出しておきます。
 それでも眠れなかったり副作用が強い場合は詳しくお聞かせ下さい。
 薬の量を調整します。」
「分かりました。有難う御座います。」
とても人を殺したなんて言える物じゃない。
3名無し物書き@推敲中?:05/01/12 03:18:21
【記憶喪失】
黒ずくめの男が迫ってくる!
何故だ!俺は一体何をしたんだ?!
そう言えば俺が誰なのか、何故ここに居るかも分からない!
そうか、これが俗に言う記憶喪失というやつだな!
くそ!こんな時に限って!
ああ、もう目の前に迫ってきている!
「どうか命だけは助けてくれ!」
「どうしたんですかボス?
 それはそうと、例の準備が出来ました。」
「何の事だ?」
「忘れたんですか?自分がボスだと名乗る馬鹿な男の処刑ですよ。」
その男の小馬鹿にしたような態度が気に入らなくて、
ついポケットの中に有るそれで男を殺してしまった。
4名無し物書き@推敲中?:05/01/12 03:20:02
【落とし主】
男の目の前に一枚の紙幣が落ちていた。
周りに人が居ないのを確認すると、男は素早くそれをポケットの中に入れ、
足早にその場を離れた。
・・・・・・・・・・・
空腹を感じた男は、一軒のファーストフード店に入り適当に注文をして、
さっきの紙幣で会計を済まそうとすると定員に「暫らく御待ち下さい」と言われ、
いらだっている所を後ろに居た男に肩を叩かれさらにこう言われた。
「偽造通貨行使の疑いで現行犯逮捕する」
5名無し物書き@推敲中?:05/01/12 03:21:48
こんな感じでおながいしませ。
6名無し物書き@推敲中?:05/01/12 08:02:06
ショートショートっていうか、これは。。。
ひどい。
7名無し物書き@推敲中?:05/01/12 08:29:24
言うほどひどか無いとは思うけど。
まあ特に面白いわけでもないけど。
8名無し物書き@推敲中?:05/01/12 20:15:14
落とし主w
9名無し物書き@推敲中?:05/01/12 23:33:48
ひどいけど、20行という制限はたしかにきついかもな。
10( ゚Д゚)<ボクメーツ ◆uhiboKUMEQ :05/01/14 01:48:26
【夢】
夢を見たんだ。宝くじを買う夢。んで、それが見事、当たるの。
ふーん。正夢かもよ。試しにさ、買ってみろよ、宝くじ。
俺もそう思って、実は、買ったんだ。
で?
当たった。
いくら?
1億円。
うっそだあ
本当だって。今、5つの銀行に分けて入れてある。これ通帳。
うお、マジかよ。おおー・・・。ほー。
地震あったじゃん。この前。大きいの。
ん?ああ、あったあった。大変だよなあ、ああいうの。
あれも実は、見てたんだ。夢。
本当かよ。
お前と、こうして会って話す夢も、昨日見た。
あ、そう。それも正夢ってわけ。お前、なんかエスパーみたいだな。
うん、夢でもそう言われた。
で?この後どうなんの?
それだけは言えない。
11新トリップテスト中@宮本 ◆VStSAeBqr2 :05/01/15 20:01:07
>>10
巧い。リドルストーリーになってるところが好き。
12ぽんすげぇ:05/01/15 20:34:12
【親友】
目が覚めるともう8時だった。
隣には昨晩飲み屋であって強引につれてきたあいつ。
もちろんお互い服を身につけていない。
「よぉ、おはよう。金はここにおいていくぜ。」
俺はそう言い残しあいつを残してホテルを出た。
今日は中学時代の級友に会う約束があるのだ。
同じサッカー部だった親友、森卓也と会うのだ。
おっと、会う前にひげをそらなきゃな。少し伸びてるよ。
そう思い洋式のほうに入り、髭をそった。
これでよし、と。きれいに剃れた鼻の下を指でさすった。
おお、寝癖がついたままだった。ムースで整え準備万端。
喫茶店に入ると森がいた。俺は後ろからそぉっと近寄り驚かそうと思った
しかし彼は寸前で振り向いた。
「よぉ、美智子ちゃん、久しぶりだなぁ。またきれいになって。」
13名無し物書き@推敲中?:05/01/15 20:43:18
落ちがわかりません。
14ぽんすげぇ:05/01/15 21:21:06
主人公が男だと思ったら実は女みたいな・・・・。
口調、サッカー部、ワックス、髭、冒頭で男を連想させますた。
15名無し物書き@推敲中?:05/01/15 21:31:12
ゴミだ。
「夢」はまだなんとか読める。
16名無し物書き@推敲中?:05/01/15 21:31:57
>14
ありがとう。
17名無し物書き@推敲中?:05/01/15 21:33:45
オカマだと思ったけど・・・
どうせならベッドにいた相手がその幼なじみの方がオチとして面白いと思った
18名無し物書き@推敲中?:05/01/15 21:45:57
念力?
君はそんなの信じてるのかい?あるわけないって、念力なんて。
そうだ、今からこの二つのトランプで証明してあげるよ。
この二つのトランプを同時にめくっていって、念力で二つとも同じカードを出すことができると思うかい?
一組目はずれ、二組目はずれ。
………
え?一つも当たらなかっじゃないか?
そうだよ、君。
だから念力なんてないんだよ。
19名無し物書き@推敲中?:05/01/15 23:15:43
 
20名無し物書き@推敲中?:05/01/16 00:06:18
>18
わかったから去れ
21名無し物書き@推敲中?:05/01/16 00:30:20
「あの月 壊れているの?」

時速120qで走る車の窓から見える小さな三日月を見て彼女は言った。
ビル郡の隙間から見えたり隠れたりをせわしなく繰り返す やけに黄色い月。

「点滅している。イライラするわ、取り換えてよ」

僕は何だか哀しくて笑った。

「もう少し走ったら 直ってると思うよ」

都心を離れ海岸沿いを走る頃には 月は点滅することもなく
彼女も眠ってしまっていた。
22名無し物書き@推敲中?:05/01/16 00:39:49
【殺し屋】

 「本当に・・・俺なんかで大丈夫なのか?」
「心配するなって、自身持てよ」
「だけど、俺・・・人、なんて殺した事なんかないし」
「大丈夫って言ってるだろ!ハクつけて、適当にウソついたらいんだよ」
「そう、だけどよ。自信なくて・・・。」
「大丈夫だって!おう、俺は、そこの前で待ってるからよ。頑張って来い。」

面接室の中には、4人の男が座っていた。「お掛けください」そう言われて、俺は席についた。
「殺しの経験は?」一人の面接官が言った。
「6人・・・・です!」
「ほう」
「父親、母親・・・・あと、教師や・・・・友達も・・・!」
「合格です」
「本当ですか!!」
「はい、最初の仕事です。このビルの前で立っている男を殺して来なさい」
23名無し物書き@推敲中?:05/01/16 02:32:56
>21
いい感じ。
その方向性を20行で表現するのは無理。

>22
まあまあ。
意外な落ちを狙っているが、意外性はまったく無い。
展開が強引杉だとおもた。
24名無し物書き@推敲中?:05/01/16 03:28:42
「ゲーム」

中学校の体育館で
私たちはマス目のようにきちんと並んで座らされている。
私たちの目の前にはそれぞれ 「1番愛している人の首」が置かれている。
目の前を見開いてこちらを見ている××。

アナウンスが流れる。
「目の前の首を 隣に置いてある斧で 1番細かく切り刻んだ人が優勝です」
と言う。ピーっと笛が鳴る。

私は優勝した。
だから何があるってわけでもなかった。
25名無し物書き@推敲中?:05/01/16 03:30:23
↑「目を見開いて」に訂正します
26名無し物書き@推敲中?:05/01/16 04:04:20
<赤色>

独りで生きていこうと決めたのが7年前だ。
するとある変化が起きた。
始まりは4年前だったと思う。まず音が消えた。
耳が聞こえなくなったのではなく、
オレが必要としない音がシャットアウトされた。
次に他人の表情が消えた。
それは、単純に無表情になるといった事ではなく、
眼、鼻、口などが消え顔の輪郭だけになった。
3年前からオレの世界は輪郭だけになった。見えるもの全てがだ。
真っ白な画用紙に非常に細い黒い線で輪郭だけが描き出された世界。
完璧な静寂。シンプルな世界。居心地が良かった。
昨日7年ぶりに夢を見た。オムライスを喰う夢だ。
目覚めてオレは自分の異常に気付いた。
オムライスにかかっていたケチャップの赤い色が
目蓋の裏までこびりついている。もう一度赤い色が見たい。
オレは始めてこの世界を呪った。見渡す限りの真っ白なこの世界を。
気が狂いそうだ。いや、もうオレは狂っている。
無意識にオレは手首を切った。
3年振りに見る赤い色は鮮やかだ。



27名無し物書き@推敲中?:05/01/16 04:49:47
>24
すばらしい

>25
状況設定のアイデアは非常にいい感じだが、整合性に問題あり。
・なぜ自分の血の色は見えるんだ?
・独りで生きていこうと決めたら、なぜ夢を見なくなったんだ?
・目蓋の裏までこびりついているなら、あえて見る必要は無いのでは?
28間違えた:05/01/16 04:51:35

×>25
○>26
29名無し物書き@推敲中?:05/01/16 04:52:04
今自分の生きている世界を色で表すと黒だ。漆黒。
もう何も期待することができない。
明日起床して朝食をとる自分の姿さえ思い浮かべられない。

外に出ても天気は絶え間なく降り注ぐ雨だ。
自分の周りに、心の周りに
幾重もの檻を張り巡らせ、出ることができない。

だけど今日は出張だ。
幾度となく通った道のりを淡々と進み、
乗り込んだ機体でも冥府行きの便であることをつい願ってしまう。

機体が舞いあがっても小さな窓から雨を眺めていた。
やがて小さく揺れるとそこには忘れていた−太陽

思えば今日のような雨の日でも
雲は陽の光を多少なりともとおし、
雨の真昼に外出することがあっても電灯を必要とすることは生まれてから一度もない
明日も地表は雨だとしても
きっと遮るものの向こうにこの、
容赦なく照りつける太陽を感じられるだろう。

明日の朝食は、和食だ。
30名無し物書き@推敲中?:05/01/16 05:07:06
まったくわからん
誰か解説キボンヌ
31名無し物書き@推敲中?:05/01/16 05:23:02
五年前も同じ題材で書いて同じこと言われた
>>21
なんか魅力的っすね。足穂的ショートショート狙いですか?
>>30
曇天=心の闇
太陽=希望
飛行機で移動=視点の移動

つまり、どんなに絶望的な状況でも、物の見方を変えれば希望が見えてくる。
↑たぶん、こんなメッセージの作品ではないでしょうか。
>>26
ほぼ>>27さんと同意見。いい作品になりそうな気がする。
>>29
漆黒と雨空は比喩として対応していないような気がします。「漆黒=夜」または「灰色=雨空」の比喩ならわかるけど。
灰色でも鬱状態の比喩としていけるし、対応関係もすんなり読者に伝わるんじゃないでしょうか。
36名無し物書き@推敲中?:05/01/16 07:30:20
俺の友人にとにかくクサイセリフを連呼する奴がいた。
女性は明らかに引いてるのにも関わらずだ。
その一部を上げてみよう。

・恋が恋愛に恋愛が愛に愛が愛情に愛情が情になるまで一緒にいましょう。
・心配することも大切だが、 信じてやることはもっと大切だぞ
・惹きつけ合う絆は離れない 二度と

俺はある時友人にこう言ってやった。
「お前、いい加減にそんなクサイセリフ言うの止めろよ」
「なんだよ、そんなの人の勝手だろう」
「そんなことで女性の気を引けるとでも思っているのか?」
「おう」
「…どこぞの詩集からでも引用してるんだろ?そういう精神がいけないんだ」
「馬鹿野郎!」
突然友人は声を張り上げた。
「2ちゃんねるだ」
「逝ってよし」

俺はこの瞬間、コイツには一生女は出来ないだろうと確信した。
37名無し物書き@推敲中?:05/01/16 12:20:26
黒とかは適当に書いてたんですが曇天と照らし合わせればいいんですね。なるほど
死にたいくらいの気持ちだって事を表したかったんです
リア厨の時の泣いてる心境とこの前吹雪の時フライトした時の心境をくっつけてみました。
3827:05/01/16 13:28:02
>36
ショートショートというより漫才の台本の一部分といった感じ

>29,37
・1〜6行まではいい感じ。
だが6行から7行への展開が唐突すぎ。
「だけど」を抜いてみてはどうか?
そして、段落の順番を3→1→2→4にして
それによって生じた時系列の矛盾を取り除けば
わかりやすくなると思う。
39ぽんすげぇ:05/01/16 14:12:32
ロベルト教諭は熱弁していた。
「人の命、それは非常に大切なものです。それを踏みにじったり、粗末にしてはいけません。」
最前列の生徒に大量の唾液を浴びせ掛けながら熱弁していた。
すると最後尾の生徒が立ち上がった。いかにも不良と呼ばれるような生徒だ。
髪の毛は金髪に染めリーゼント、学ランの第三ボタンまで開きナイフをちらつかせた。
「おい先公、人の命って踏みにじっちゃいけねぇんだろ?」
そういって不良はロベルト教諭に近づいていった。
「おっおい、君何するんだね。」
不良にナイフを突きつけられたロベルトは震えた声で訴えた。
「ほらよ。」不良はナイフをロベルトに渡した。
「おい、先公、俺はおまえを殺すぜ。嫌だったら先に俺をころしなよ。でもあんた、人の命は
大切だとかいってるからできるはずないよね。」得意げに不良は言った。
「お前、それでも人間か。鬼のようなやつだな。」
教諭は顔を真っ赤にしながら問い掛けた。脂汗が大量に噴出している。
「ああ、俺は人間じゃないよ。鬼だ。悪魔だ。何とでも言いなよ。」
不良は気取ったようにナイフをクルクルまわしながら言った。
グサッ。ロベルトは即座にナイフを不良に突き刺した。
40ぽんすげぇ:05/01/16 14:14:57
一応解説。
ロベルトは「人」の命は大切。踏みにじらないといっている。
しかし不良の
「俺は人間じゃないよ」
の発言によって不良はロベルトにとっての大切にすべきものじゃなくなったって
こと。
4136:05/01/16 17:09:48
>>38
文章ほとんど書いたこと無いぺーぺーだけど書いて見ますた。
また気が向いたら晒させて頂きまつ(`・ω・´)シャキーン
42昔話:05/01/16 17:31:36
むかーし昔、ある所に、おじいさんと、シンデレラがいました。
おじいさんは山へしばかれに、シンデレラは城にしばかれに行きました。
シンデレラが城でしばかれていると、頭上から大きな桃が、
どんぶらこ、どんぶらこっこと落ちてきました。
シンデレラは、
「まあ立派な桃! おじいさんと一緒に食べましょう」
と言って、大きな桃に頭突きをしました。
するとどうでしょう、大きな桃はパックリ二つに割れて、
シンデレラの頭は桃汁だらけになりました。
桃の中には、熟した果肉がぎっしり詰まっていました。
そこへ、意地悪なお姉さんたちが飛び出してきました。
どうやら、物陰からこっそり様子を見ていたようです。
お姉さんたちは言いました。
「ここで会ったが百年目、意地悪の名にかけてお前を成敗してくれる」
シンデレラは驚いて、割れたばかりの桃の中に隠れようとしました。
しかし果肉がいっぱいで、中に入れません。
お姉さんたちは、そんなシンデレラを無理やり果肉の中へ押し込み、
蓋をして、川へ流してしまいました。
それを、山でしばかれるだけじゃなく、川で洗濯もしていたおじいさんが拾いました。
おじいさんとシンデレラは、末永く仲良く暮らしましたとさ。

==============
笑える? 笑えない? 駄目?
43名無し物書き@推敲中?:05/01/16 17:37:17
発想がいいけど普通に2つの話をくっつけたらいいんじゃないかな
44昔話:05/01/16 17:40:20
>>43
感想ありがとう!
45名無し物書き@推敲中?:05/01/16 17:47:00
筒井康隆の桃太郎輪廻でも読んでからにしる。
46昔話:05/01/16 17:53:30
>>45
( ´∀`)ノ ハーイ
47名無し物書き@推敲中?:05/01/16 19:50:23
日の出。
新調したスーツを身に纏い、身だしなみを整える。だらしない格好では恥を晒すことになってしまう。
暫くロクに食べ物を口に含んでいないので空腹だが、まあ仕方がないだろう。しばらくの我慢だ。
必要な書類も用意した。きちんと目に付くところに置いてある。これで忘れることはないだろう。
そうしているうちに、ヒゲもそり終えた。これでよし。後は、ネクタイを締めるだけだ。
自分の未来を夢想すると、希望に胸が鳴る。さぁ、行こう。

そして、僕は死んだ。
4827:05/01/16 20:05:04
>39
落ちを解説しなければならないほど、わかり辛くはない。蛇足。

>42
くだらなくて好き。
49ぽんすげぇ:05/01/17 01:04:22
【異常】
手術室のライトはいまだ赤く点灯している。そうだ、今妻が入っている。
分娩中なのだ。私たちのはじめての子供。手を取り合って本当に喜んだ。
しかし医者は、「お宅のお子さんには少し異常な部分がありますね。」
青白いライトに照らされた医者はレントゲンを見て眉をひそめた。
「なっそれは、どっどういうことでしょうか。」
「まぁ、生まれてきても気づかないくらいのことですがあなたのお子さんは・・・・
ガチャ。看護婦さんが寄ってきた。真っ白い衣服を着ているから灰色の真っ暗な廊下ではかなり目立つ。
外はもう牛の刻。空は暗く黒に染まり薄黄色の月が不気味に輝いている。
「お子さんがたった生まれました。元気な男の子です、さあきあきてください。」
看護婦は私の返事を待たず歩き出した。灰色の闇に鈍く輝く非常口の緑色のライト。
それだけを頼りに歩く。
手術室に入ると妻がまず目に入った。真っ赤にほほを紅潮させている。
看護婦さんが淡い桃色のタオルに巻かれた赤子を抱いて近寄ってきた。
「はい、お父さん抱いてあげてください。」
看護婦はそう言って私に渡した。赤黒い皮膚をした、ごく見かけは普通の赤子だ。
しかしこの子は・・・・・。
「パパ。」
「ああ・・・。」私はつい唸ってしまった。窓の外の月はそれでも鈍く輝いていた。
黒緑の木々は風にゆれざわざわと音を立てていた。
「パパ。」息子は赤黒い血のついた口で糸を引きながら私を呼んだ。
50ぽんすげぇ:05/01/17 01:09:36
色とかに注目してやってみました。また蛇足だといわれそうなので解説しますんw
ほかのスレにいたけどいじめられたんでここにきますた。
いじめないでね。藁。
Hpに貼っときました、自分の作品。
5127:05/01/17 01:42:51
>47
もうちょっと、読者をミスリードさせる工夫があったほうがいい。
意外な条件のベクトルが散乱している。いかにもデートに行きそうだとか、
いかにも結婚式前日だとか、条件のベクトルを合わせるだけで意外性が引き立つ。

とかおもた。

>49
なかなかおもしろいが説明不足。
解説で説明せずに、本文で説明すべきだと思う。
読点増やしたほうがいい。読み辛い。
52名無し物書き@推敲中?:05/01/17 03:21:40
53名無し物書き@推敲中?:05/01/17 03:55:16
あっしはねえ、天下を統一してやろうと思ってるんすよ、秘密ですがね。
え?おめえに何が出来るって?あっしはこう見えても腕っ節は強いんすよ。
剣を持たせりゃ右に出るもんはいねえってくらいでして、へへへ。 もう少し早く生まれてりゃあ
上泉も石舟斎も叩っ斬ってやりますよ、えへへ。
おめえ一人じゃ城ひとつ取れやしねえって?あっしを甘く見てやいけねえ、 竹中半兵衛の生れ変り
なんて呼ばれてるんですぜ?母親が枕元で読んで聞かせる 御伽噺が兵法書だったくれえでやして
諸葛孔明も尻尾巻いて逃げるに違えねえ。
心配御無用。じつは配下がいるんでやんすよ、ふふふ。堺のあきんどのせがれで 、口と勘定が達者な
与三郎。こいつに種子島なんかを買わせるんでやんすよ。 鉛だまに怖気づいて武田の騎馬軍団も
遁走しやすぜ。
それから伊賀生まれの四半蔵。破壊工作暗殺工作人物調査に城調査、ありとあらゆる 工作手がけりゃ
出来ねえ事はねえ。こしれえた竹とんぼは富士の山越えるってほどで。
そして合戦の鬼と呼ばれる信信。シナから来たパンダみてえな名前してやがりますがね、
謙信と信玄の名前から取って自称してやがんだな。統率力は天下一品、乗馬術と槍の 名手と来たもんだ、
てやんでえ。しかしやっこさん合戦に出たこたねえはずなんだけどなあ。
最後に寺の坊主の多古入道珍玄斎。礼法仏法お茶の子さいさい。精進が口癖でやすが
賽銭箱盗んで私腹を肥やす仏の道を踏み外したとんでもねえ坊主でやすよ。
え?なに?食い扶持あげれねえじゃねえか?百姓のおめえにそんなたいそうな度胸もかねも
あるかって?そうなんでやんすよ。かかあがうるせえったりゃ、ないぜえ。一物も縮んで 体んなかに
へえりやがる。大声でどなりちらかして、
ばかなこというんじゃないよ、夢は寝て見るもんだ、寝言ばかり言ってないで仕事しなって、
まったくうるせえおなごでやして。てめえの餓鬼のおまんま食わせられない親父が
どこにいるってんで、昨日家を放り出されて今こうしてあっしは酒飲んでるんでやすよ。
話は長くなりやしたが、今夜泊めてもらえねえかって相談でやして……


変なとこありますが読んでやって下さいまし。m(_ _)m

54名無し物書き@推敲中?:05/01/17 12:12:26
>49のが全然分からん
産まれていきなり「パパ」って言うのがなんか意味あるの?
55あぼーん:あぼーん
あぼーん
56名無し物書き@推敲中?:05/01/17 12:20:28
通報しますた。
57名無し物書き@推敲中?:05/01/17 13:08:11
はじめは目の不自由なやつがどうして書き込みしてんだって
ジョークだと思ったが>55
その病院て実際にあるのね
58名無し物書き@推敲中?:05/01/17 15:59:08
>54
普通に主人公の息子には異常な部分がある。
しかしそれは見た目では分からない。何が以上なのか考えてみ。
生まれてすぐ「パパ」って言える赤ちゃんは普通か?w
59名無し物書き@推敲中?:05/01/17 20:10:04
>58
わからんですorz
いきなり「パパ」ってのは異常事態ですが
その異常事態(「お宅のお子さんには少し異常な部分」)がわからん
馬鹿な子と思って解説してください
60名無し物書き@推敲中?:05/01/17 20:15:20
>>49は冒頭の「いまだ」が気になって仕方ない。
61昔話:05/01/17 20:16:04
>>48 (27サン)
感想ありがとうー!
62あぼ〜ん氏:05/01/19 01:34:41
【懇願】

「助けてください!」
俺は思わず、そう叫んだ。まさか、こんな寂しい通りに人が来るなんて
思ってもみなかったからだ。
体は衰弱し、腹も減っている、喉はカラカラだ。しかし、俺にはどうする
事も出来ない。なぜならイスに座らされ、ロープで体を縛られているからだ。
「どうしたんですか?」
男は近寄って来た。若い男だ。真面目そうで好感が持てる。
「助けてくれ、このロープを解いて欲しいんだ」
「・・・嫌ですよ」
「どうしてだ?」
「だって解いたなら、今度は私を縛るんでしょう?」
「そんな訳ないじゃないか! きみは命の恩人だぞ。私がそんな悪い人間に
見えるのか?」
必死で訴えた。それこそ、命がけでだ。もう、この機会を逃したら、俺は死
んでしまうだろう。この男に私の全てがかかってると言えるのだ。俺は、男
を褒め上げたり、誘惑したり、卑屈な態度までとってみせた。
しかし、男は渋っている。イライラするほど態度に意思が無いのだ。
「バカヤロー! 早くしろ!」
俺はキレた。そして、思わず怒鳴った。
そうしたら、若い男は慌ててロープを解き出したのだ。なんだ、脅せば良
かったんだ。この手の奴は、動物と一緒で強いものには服従するのだろう。
でも、俺の怒りは収まらなかった。
こんな野郎に、俺の人生を握られてたかと思うと怒りが更に膨れ上がった。
だから、俺は解けたロープで若い男を縛り上げてやった。
                              
63名無し物書き@推敲中?:05/01/19 01:37:14
落ちがよめる。
64名無し物書き@推敲中?:05/01/19 01:53:56
『いまやオクより上だよ』
この発言がいまや某スレではバイブル的になっている。
その周りを見ていないニワカ的な意見がこの一言に詰まっている。
オクというのはMLBに存在するオークランド・アスレチックスである。
投手陣には3本柱と呼ばれるMLB有数の先発が揃っている。
それに対してこちらは衰えの隠せない左腕のエース、ボロが出てきた若手、不安定なエース候補。とろくなのがいない。
誰が見ても結果は オークランド>我がチーム だった。
そんな中でのこの発言。
皆からこき下ろされて1年以上経つが未だにそのスレッドではその発言が多様される。
本人でなくても似たような書き込みをすれば
「オクの人?」と間違えられ、叩かれる可能性もある。
俺もその被害者だ。
盲目的な発言をしたせいで『オクの人』に間違えられた。
「やっちまった・・・IDは一日経たないと変わらないせいでまともな意見がはずかしくてできない」
おそらく『オクの人』本人も俺と同じ気持ちだったのだろう。
だが悔やむ必要は無かった。
所詮は素性のバレない匿名の掲示板。
IDが変わって気が楽になれば失態などすっかり忘れるからだ。
65名無し物書き@推敲中?:05/01/19 02:19:28
意味輪か欄
すっきり書け
66名無し物書き@推敲中?:05/01/19 10:28:01
IDなんかコンセント抜いてまた入れれば簡単に変わるが
自分よくタップに付いてるのでパチパチ切ったり入れたりしてる
67名無し物書き@推敲中?:05/01/19 23:37:35
良スレ、面白いっ!
いい感じっ!
age
自分もいい案が浮かび次第、カキコするよ。
68名無し物書き@推敲中?:05/01/20 00:41:47
「あんたのせいよ!」
女は弘一に向かってそう叫んだ。
(何言ってんだ!?この女・・・)
弘一には全く見覚えの無い相手だ。
突然、見知らぬ者に叫ばれれば、誰でも呆気にとられる。
しかもこんな人通りの多い街中で、弘一は思わず周りを
見渡した。いぶかる様子で弘一を見る者や、含み笑いを
している者。見知らぬ顔で通り過ぎる者もいる。逃げ出
したくなる程の恥ずかしさが弘一を襲うが、冷静さを装
い、女の方に向かって、
「い、一体、何だ?」
そう尋ねながら、今度は弘一の中に怒りが込み上げてきた。
「僕は、あんたを知らないけど」
そう言うと、女はしばらく弘一を見つめ、先ほどまで雲
っていた表情が、みるみる険しい顔に変化した。
「間違えた!ゴメン!!」
女は吐き捨てるように言い、その場を走り去ってしまっ
た。弘一は追いかけようとしたが、何だか力が抜けてし
まい、もうどうでも良くなっていく感じがした。周りは
先ほどとはうって変わり、何事もなかったかのように動きだしていく。
---------------------------------------------------------------
う〜ん、何か納得いかない感じで終わらせてしまった。
6927:05/01/20 01:30:26
>62
「だって解いたなら、今度は私を縛るんでしょう」
は、会話上不自然すぎて「伏線ですよ」と自己主張している。
伏線と落ちがまったく同じ、というのもどうかと思う。

>64
ありふれた話。ショートショートの必然性が無い。

>68
友達の遭遇したひどい目という感じ。これもありふれたはなし。
70名無し物書き@推敲中?:05/01/20 01:44:11
彼は今、オーバーオールのようなものを着てまっすぐ道を歩いています。
おっと、なんでしょうか。あれは……亀ですかね。
オーバーオールの彼の前に、大きな亀さんが現れました。
あ、走りだしましたね。彼は急に亀さんに向かって走りだしました。
ああっなんてひどいやつなんだ! 飛び上がって亀さんを上から踏んづけています!
ひどい……、亀さんは体を裏返して死んでしまいました……。
彼は満足そうな顔でまた歩きだしました。なんて野郎だ。
今度はなんでしょうか、彼の前に正方形のブロックが出てきましたね。
なぜか、ブロックは宙に浮いています。
彼はそのブロックに狂ったように頭を打ち付けています。
きっと彼は頭がおかしい人なんでしょうね。
次は土管ですか。土管の上でしゃがんで踏ん張ってますね。
何がしたいんでしょうか。立ち上がってはしゃがんで踏ん張る、を繰り返してます。
あ、なんか土管から毒どくしい色をした花が出てきて……?
あーっと、彼は股を広げた状態でこっちを見ながらどこかに落ちていきました。
どこに落ちたんでしょうか、彼は消えてしまいましたね。
結局、彼はなにがしたかったんでしょうか。僕にはさっぱりわかりません。

すいません、僕の友達がなにか言ってますね。
次、お前やる? ってなにをですか?

――――――――

書く前は、これ面白いかも!とか思っちゃってました。
書き終わった後、これの何が面白いのかさっぱりわかりませんでした。
それなのに、載せちゃうんです。
本当にすいませんでした。僕なんか死んじゃえばいいんだ。
71名無し物書き@推敲中?:05/01/20 01:44:14
<ゲーム>

昨日の夜で憶えているのは二回嘔吐したところまでだ。
目覚めたら自分の部屋だった。頭痛が襲ってくる。昨日着ていたジャケットのポケットを探る。
煙草が吸いたかったからだ。一本くわえ火を付ける。
けむりを吐き出し、セブンスターのソフトケースに黒いマジックで
書いてある数字をみつけた。携帯の番号のようだ。
もう見飽きたこの汚い字は間違いなくオレの字だ。
何故煙草なんかに書いたのだろう?昨日は独りで飲んでいたはずだ。
誰の番号だ?頭痛の所為で考えるのが億劫になりオレは自分の携帯を握っていた。呼び出し音が鳴る。
すると同時に着信音が玄関の方から聞こえてきた。
どういうことだ?オレは激しい頭痛を堪え玄関へ向かった。
そこにはオレのものではないボストンバッグがありその中で携帯が鳴っている。
オレが携帯を切るとバッグの中の携帯の着信音も止んだ。
セカンドバッグを開けてオレは自分の眼を疑った。
中にはオレと同じタイプの携帯、刃渡り20cm程のナイフ、スタンガン、
そして女の手首が入っていた。オレは込み上げてくるゲロと悲鳴を堪え
携帯を取り出した。液晶を見ると留守電のマークがついている。その留守電を聞いてみた。
「さあゲームの始まりです。手首は私からのサービスです。
 残り10箇所を集め一体を完成させて、豪華商品をゲットしましょう。」
もう聞き飽きたその声は間違いなくオレの声だ。

72名無し物書き@推敲中?:05/01/20 02:00:42
>>71
太陽に吼えろのテーマが聞えてきたぜ。
続きを知りたくなった。
7327:05/01/20 02:01:07
>70
・・・
わからない人には、まったくわからない。
解説の最後の一行が最悪だ。

>71
プロですか?すばらしい。
気になった点:自分の声を聞き飽きている人は少ないと思う。
74名無し物書き@推敲中?:05/01/20 03:32:56
<恋心はどこまでも>

モンスター達の猛烈なる攻撃を受け、瀕死になりながらもやっと新しい町についた。
入り口にはアーチ状の看板が掲げられ、ベルガラックと書かれていた。
カジノで有名らしいが今はお家騒動のため閉鎖されている。
そこで体力を回復させるべく宿屋に向かう。
『こんにちは、旅人の宿屋へようこそ。お泊りですか? それとも夜まで休まれますか?
 どちらも16ゴールドですが』
おそらく宿屋の店主だろう、メガネをかけ、金色の髪をカールさせた男がたずねた。
そこで僕は夜の町を探索しようと、休むことにした。
そこそこの広さの部屋に4つのベットが置かれている。
みなベットにもぐりこむ、旅の疲れだろうすぐに寝息を立て始めた。
しかし寝付けないのか、ひとりだけ寝返りをうつ者がいた。ヤンガスだ。
『もう耐えられないでがす』
布団をめくりベットに座り込む。
『兄貴、お別れでがす。兄貴との思い出は一生忘れないでげす』
隣で寝ているバンダナを巻いた青年を一瞥し、歩き出す。
どんどんと。まっすぐに。
そこで僕は奇妙な違和感に襲われた。いや、驚愕だった。
ヤンガスの頭のツノがテレビの画面から突き出しているのだ。
顔、手の順番にテレビから這いだすヤンガス。
僕はあまりの光景に頭が真っ白になり、ただその様を見つめていた。
お腹の部分が画面の端に引っかかりながらも、すぐにその全身を僕の目前にさらした。
「いつもあんたの俺を見つめる目が気になっていたでがす、旅の間ビンビンと伝わってきたでげすよ。
 気づいたらあんたの事ばかり考えてたでやんす、もうこの気持ちは止められないでがすよ、
 俺といっしょになってくだせぇでげす」
ヤンガスの頬は赤みをおびており、力いっぱい僕を抱きしめた。
僕にはどうする事もできなかった。ただただ身をまかせるだけだ。
「さあ、俺といっしょにあっちの世界へ行くでがんす」

僕は今、画面をとうしてしか見た事のない世界にいる。
ヤンガスとの生活は始まったばかりだった。
75:05/01/20 03:58:25
なんか以前の創作文芸板に比べて全体的なレベルがあがってるような希ガス
76名無し物書き@推敲中?:05/01/20 06:50:51
「M2」
1行目、とりあえず登場人物考えるか。と思う。
2行目、「マヤ」と「マサユキ」でいこう。
3行目、はて、タイトルは?2人の頭文字とって「M2」でいいか。
4行目、まだ2人は出会っていない。
5行目、ここから思いつかない。とりあえず会わせるか。
6行目、マヤ「あの、すみません。絵とか興味あります?」
7行目、マサユキ「ええ、まあ」(あれ。コレって・・・)
8行目、マヤ「ここの近くでぇ。絵の展覧会やってるんですよ」
9行目、マサユキ「はあ」(キタキタ。高い絵買わされるぞ)
10行目、実はマサユキが詐欺師だったというオチが思いつく。
11行目、上で書いてしまったのでこのオチは却下。
12行目、マサユキ「暇だし、見にいこうかな」(ノってみるか)
13行目、「ホントですかぁ。じゃあついてきてください」
14行目、マサユキ「名前なんていうの?」
15行目、マヤ「ミキです」
16行目、マヤ「ミキの部分で「真矢みき」という展開を考える。無理。
17行目、そろそろオチだ。緊張する。
18行目、マサユキ「いい名前だね。マヤちゃん」
19行目、スレタイの「20行以内」に気づく。上で終わった方がいいのか?
20行目、マヤ「マサユキもね」
77トリップテスト中@宮本 ◆qvG4UuUlYY :05/01/20 19:54:53
>>76
オモロイ。最後もなんか不思議でいいっすね。
78トリップテスト中@宮本 ◆2EYD4.sLVk :05/01/20 20:01:38
>>71
ショートショートとしてはどうかと思うが、中長編小説のオープニングとして読んだら面白い。
79ぽんすけすげぇ:05/01/20 23:12:08


「親子」


「この世のものとは思えない。」
美しい娘を見てそう思った。なんて愛らしいんだろうか。やはり私の血が通ってるからだろうかと、想像してみた。
ああ、美しい。「はぁー。」またため息が漏れた。
「ねぇ、お買い物に連れて行って。」
わずか4歳の娘が、舌足らずな口調で私におねだりした。
「いいよ。」にっこり微笑み承諾。
「うわぁ、かわいいサンダルだね。」
娘は私のサンダルを見て簡単の声を漏らした。
「私も大人になったらそんなかっこいい服きたぁーい。」
娘は手を伸ばしわたしのミニスカを引っ張りながらいった。
「なみちゃんも、きっといかした女になるわよ。」「わーい。」
娘は両手を上げながら喜んだ。そんな仕草もかわいくて嫉妬してしまいそうだ。
煙草、とウエストポーチに手を伸ばした。おっと今は禁煙中だった。
この子は粉ミルクで育った。できれば母乳を与えたかったのだが私は出なかった。そのことが私の唯一の悩みだった。
乳をやる手段は関係ないだろう。愛情をいっぱい注ぐことが重要だ。そう考えることで気分を紛らわした。
「ねぇ、なみちゃん。どこに行きたいの?」
娘は一瞬表情を固まらせ、戸惑った顔で私に答えた。
「おばあちゃん、私お母さんに会いたいな。」
80名無し物書き@推敲中?:05/01/20 23:22:15
>79
ゴットでつか?
81名無し物書き@推敲中?:05/01/20 23:24:03
>>79
つまり、母親だと思っていたやつが実はババアだったって話だろ?
誤字が多いのが目立つ。もっと推敲したほうがいいな。
82名無し物書き@推敲中?:05/01/20 23:49:21
『乙女の妄想、暴走』

・・ああ!!!今ね、部屋で音楽雑誌をパラパラ見ていて思ったんだけどね、
あたし、ものすごい勘違いしていたらどうしよう!!!!
色んなことを、色んな風に、真実からとんでもなくかけ離れた認識を持っていたとしたら!!!
たとえばだけど、シド・ヴィシャスはパンクなんだと思っていたけど、
日本は平和な国だと思っていたけど、
友達の由美ちゃんはディズニー好きって言うから毎年プーさんのぬいぐるみをあげていて
「可愛いありがとう」とか言われて喜んでくれたんだなと思っていたけど・・・
ああ!!今すぐ聞きたい!電話して確かめたい!
午前3時にいきなり問われて本当のことを言ってくれるかわかんないけど、
それでもこのままじゃ、はっきりしてくれなきゃ、嫌だ、怖いよ!
RRRRRR・・
早く、電話に出て、あたしの質問に正直に答えて、もう寝てるの、明日じゃ遅いの、
あたし、勘違いしてるかもしれないの、それが怖いの、早く聞かせて、

「・・もしもし?」
「もしもしタカシ、ねえ、あたしのこと好き?」
83名無し物書き@推敲中?:05/01/21 00:01:31
>>79-81
祖母が母親妄想してるのか
母親があまりに老婆なので娘に母親だと思われてないのか
どちらにしても矛盾ばかりだ。
84名無し物書き@推敲中?:05/01/21 00:26:30
矛盾してねえじゃん。何嫉妬してるんw
85名無し物書き@推敲中?:05/01/21 02:54:07

「私は発明家です。実は素晴らしい薬を完成させました。そこで、あなたに応援して頂きたいのです。成功すれば、
 きっと大儲けできるはずです」
「なるほど。資金を出してもいいですが、それはどんな薬なのですか?」
「好きな夢を見ることができる薬です。これを睡眠の直前に飲めば、誰でも好きな夢を見ることができます。……
 ただこの薬には副作用がありまして」
「何ですか?」
「薬を飲んでから五時間は、どうしても眠れなくなります」
「それじゃあ、全然意味が無いじゃないですか」
「確かに好きな夢は見られません。しかし、五時間は絶対に眠れないだなんて、素晴らしい薬じゃありませんか」
86あぼ〜ん氏:05/01/21 03:19:50
【隣の家族】

「昨日、透明人間になった夢をみたんだ」
「うん、それで?」
「俺は隣の家に入り込んで、隣の家族の実態を見てやったのさ」
「どうだった?」
「父親は、酷い暴君だったな。普段はあんなに腰が低いのに」
「まあ、意外とそんなもんなんだよな」
「それで、母親は泣きっぱなしさ。こっちの胸が痛んだよ」
「見るに耐えないってやつか」
「で、陰気な息子は部屋に閉じこもったまま出て来ないんだ」
「そりゃ、そうだ。分かるよ」
「驚いたのは、姉さ。カッターで自分の腕を傷つけてるんだぜ」
「女はそっちに走るからな」
「ああ、隣も大変なんだなっていう、夢だったよ」
「そうか・・・とりあえず、最初の透明人間ってのは関係ないな」
87名無し物書き@推敲中?:05/01/21 09:24:00
「ホクロ」
ずっと悩んでいた顔にあるホクロを取ることに決めた
それは鼻の穴の下にあり、このせいで小さい頃からずいぶんいじめられたものだ
そして登校拒否
ひきこもり生活も10年になった18の夜、決心がついた
親はすんなりと承知してくれた


ホクロは除去された
これからどうしようか
すっきりしたのだが、何かがひっかかる

あれから半年がたった
今でも相変わらずひきこもっている
ホクロ
なんだったんだろう
俺は変わらない、変われない
今でもホクロは心の中で大きな黒いあざとなり俺を苦しめているようだ
88名無し物書き@推敲中?:05/01/21 10:17:57
「不幸の手紙」

むかし、世界の平和を願う男がいた。名前をネズミ小僧次郎吉という。
激しい年貢の取りたてで餓死するものや蔓延した伝染病によって病死するものがあとを絶たず、
そこで次郎吉は一計を案じた。私腹を肥やす悪代官や問屋の蔵へ夜な夜な忍び込み、千両箱を
持ち出しては貧しい民家へ小判をばら撒いてまわったのだ。これが効を奏し町中の大評判となった。
町民はネズミ小僧を崇め奉るようになり、中にはネズミの置物を家中に飾るものさえいる。
そんなわけで警備がいっそう厳しくなり、じろきちは盗みを働くことが出来なくなった。
「こまりやしたね、これじゃあ民を幸せにできねえなあ」
そこは天下の大泥棒ネズミ小僧次郎吉、頭の回転は速い。新しい策を思い付いた。
これを受け取ったものは十人の人にこれと同じものを出せば幸福になれる、といった内容の手紙を
数枚書いて配ったのだ。今で言う「不幸の手紙」の原理を、次郎吉は世界で最初に発明した。
その原理をさらに改良して商売を始めた。
ネズミ講である。
8971:05/01/21 21:40:47
>27
感想どうもです。ズブの素人ですよ。
これは文庫本の背表紙をイメージして書いてみました。
ちなみに26もオレが書きました。
90名無し物書き@推敲中?:05/01/21 22:00:42
「占い」
職場からの帰り道、私は突然声をかけられた。
振り返るとビルの陰に初老の女が座っていた。
「なんか悩み事があるでしょ?」
よく見ると女の足元に「占」と書かれた小さな燈篭がおいてあった。
『何だ占いか・・・』
私が疑いの目で見ていると女は目を閉じてぼそりとつぶやいた。
「このままじゃ、美紀ちゃんとの恋は成就しないわよ。」
「えっ!」
私はあまりの驚きにそれ以上声が出なかった。
美紀ちゃんというのは私の同僚で私が密かに思いを寄せている女性だった。
「美紀ちゃんとずっと一緒にいるにはどうすればいいか教えてほしい?」
「はい・・・」
思わず私は女に歩みよっていた。
「明日、午前10時27分羽田発伊丹行きの飛行機に乗りなさい。そうすれば必ず・・・」
次の日、私は指定されたとおり飛行機に乗った。女の力は間違いなく本物だと信じて・・・
午前10時27分飛行機は予定通り離陸。
30分後機内に警告音が鳴り響きだしその5分後墜落。
私はあっさり死亡。
しかし、女の言っていたことは正しかった。
なぜなら私は背後霊として美紀ちゃんの背中に憑いているのだから・・・

感想希望!
91名無し物書き@推敲中?:05/01/21 23:24:25
>>90
つまらん、くずだ。
92名無し物書き@推敲中?:05/01/22 01:47:21
しつこいけど>49のは結局「生まれたてのガキが「パパ!」てしゃべる、だから何?」でいいのか?
9327:05/01/22 02:01:10
>79
ミスリードへの仕掛けが絶妙だ。
いわゆる叙述トリック?
オカマ・おなべカップルに生まれた子供でもいいかも。
つまらんな。ごめんなさい。

>82
あまり暴走していない。もっと極端なほうが良いとおもた。

>85
「副作用」の定義が「作用」の定義と矛盾している。
矛盾によって、「作用」がとってつけた様に見える。

デメリットが実はメリットというネタの方向性はいいとおもた。

>86
「夢なんてそんなもんだぜ」

>87
おもしろい
理屈にならない感情をただ素直に書いた感じ

>88
ねずみ小僧とねずみ講を結びつけるのに
幸福の手紙は強引すぎるとおもた。

>90
恋の成就という状態と、背後霊と言う状態は
同一視できるのか?
94名無し物書き@推敲中?:05/01/22 02:24:00
<20行じゃ無理だった>
ついにドラゴンボールを7個そろえた。そして今まさに神龍を呼び出す
ところ。ひとつずつゆっくりと地面に並べながら思い返す。こいつを集め
ることが俺のすべてだった。何十年もの危険で孤独な人生。何度も命を落
としかけた。おかげで身も心も廃車寸前の軽トラみたいにボロボロになっ
ちまった。だが、そんな苦労など願いがかなってしまえば帳消しだ。

今は夜11時過ぎ。小学校のグラウンド。こんな時間、こんな場所を選ん
だのはもちろん願いを横取りされないため。誰もいるはずないと思ったが
校庭の隅にブランコをこいでいるじいさんがいた。雨でもないのに真っ黄
色のカッパを着ていやがる。どうやらボケているようだ。まあ邪魔にはな
るまい、ほうっておこう。いざとなれば力ずくでどうとでもなる。

月明かりがあたりをぼんやり照らす中、俺はドラゴンボールを並べ終えた。
つぎは呪文を唱える番だ。「いでよ神龍!そして願いをかなえたまえ!!」
まばゆい光とともに神龍が現れた。巨大で、神々しく、畏ろしい。
「さぁ、願いをいえ・・・。どんな願いでも一つだけ、かなえてやろう。」
待ち続けていた瞬間。オーケー、言ってやる。呼吸を整え口を開く。
「ギャ・・・」
『ピンポンパンポーン 市役所からの おしらせです 午後 六時ごろ市
内に住む 72歳の男性が 散歩に出たまま 戻っておりません 身長は 
163センチくらい 服装は 黄色の レインコートを 着ています お
心当たりのある方は 警察署までご連絡ください。ピンポンパンポーン』
くそっ、なんて間抜けなタイミングだ。迷子のお知らせなんぞ知ったこと
か。気を取り直してもう一度だ。・・・72歳の男性?黄色いレインコー
ト?そんなやつ知━━━━━━━━━なんですとー!!!

神龍は校庭の端のほうを見ながらしばらく考え込むように首をかしげると
「願いはかなえてやった・・・。では、さらばだ!」と放送が聞こえてき
たほうにむかって言い、フッと消えてしまった。つづいてドラゴンボール
も流れ星のようにちりぢりばらばら飛んでいった。
95名無し物書き@推敲中?:05/01/22 04:47:30
>>87
これ好きだ。
起承転結しっかりあって、無駄のない短編小説だと思う。こういうの書きたい。
96踊る桜前線 ◆5jn93VO2jg :05/01/22 15:49:05
携帯から投稿したいのですが、"20行以内"の一行とは、そこに収まる何文字までが一行と見なされますか?
97名無し物書き@推敲中?:05/01/22 16:02:58
>>95
誰かの小説に同じネタがあった気がする。
かなり昔に読んだ気がする。
9895:05/01/22 22:58:14
>>97
こういう登場人物の心情を描く話は、ネタかぶってても気にならない
99名無し物書き@推敲中?:05/01/23 00:09:49
>>98
ネタがかぶってるというより
その短編のあらすじを書いてみましたの如し。
100名無し物書き@推敲中?:05/01/23 01:02:41
つまり盗作ってこと?
101あぼ〜ん氏:05/01/23 01:10:57
【ビルの屋上】

ビルの屋上で、少女が靴を脱いだ。手には、遺書を持っている。
柵を越え、震える足取りで地上を見下ろした時、ハトが飛んで来た。
少女のすぐ近くに止まると、ハトはクチを開いた。
「お前さん、死のうと思ってるんだろう?」
少女は驚き、周りを見渡したが、ハトと自分以外に誰もいない。
「勿体無いなぁ」
「あなた、喋れるんですか?」
「俺が人間だったら、喋りかける所か、夕食に誘ってるよ」
ハトは平然と言ってのける。
「あたしなんて、誰も必要としてないんです」
少女はそう言うと、俯き、黒い前髪が泣きそうな表情を覆い隠した。
「それなら、恋をしてから死ねばいいだろ?」
「無理です、そんなの」
「今日はいい天気だ。俺の為に明日まで飛び降りるのを待ってくれないかな?」
少女は暫くハトを見つめていたが、小さく頷いた。
それを確認したハトは、大きく羽を広げ青く澄んだ空に帰って行った。

ハトが辿り着いた先は、遠く離れたビルの屋上。
そこにはハト小屋があり、双眼鏡を持った少年がハトを待ち構えていた。
少年がトランシーバーに口を当てると、ハトが喋り出した。
「さあ、明日までだ。勇気を出して彼女に話しかけるんだぞ」
ハトの声は、足に取り付けられた小型マイクから聞こえていた。
102あぼ〜ん氏:05/01/23 01:26:43
【隣の家庭】

「おい、今日も透明人間になって、隣の家に侵入した夢を見たんだよ」
「どうだった?」
「相変わらず、父親が暴君なんで、俺は我慢できずに言ったんだ」
「見えないんだから、驚いただろ」
「ああ、ビックリしてたよ。いい加減にしろって耳元で囁いたからな」
「おもろいな、それ」
「で、事あるごとにそれを繰り返してたら、あの親父すっかり大人しくなったよ」
「じゃあ、隣の家族にも平和が戻ったって訳か」
「いや、事はそう簡単には行かなかったんだ」
「そうなのか?」
「今度は、泣きっぱなしだった母親の態度がデカイなっちまったんだよ」
「まあ、いいだろ。もう、放っておけよ」
「ああ、そうしたさ」
「じゃあ、良かったじゃないか」
「でも、さっき会ったら、笑顔で挨拶して来たんだよ。分からんな、人間て」
103名無し物書き@推敲中?:05/01/23 01:46:24
>>101
突っ込みどころは多々あるけど、雰囲気は買いだと思う。

>>102
ゴミ、だな。
104ぽんすげぇ:05/01/23 01:46:52
「あれ、おかしいな。」
周りを見わたしながらそうつぶやいた。
無性に気になってしまいつい尋ねてしまった。
「どうしたの。」
眉をひそめてそう答えた。
「めがねを探しているんだけど、どこにあるか知らない?」
「どこに置いたのか覚えていないの?」
「あの机の上に置いたはずなんだけど・・。」
一生懸命思い出そうとしているのか、眉間には無数のしわが寄っていた。
「昨日は仕事から帰ってめがねをはずして・・・あそこに置いて、シャワーを浴びたんだ。
そのあとみんなが来て・・・・パーティーが終わって美智子たちが帰ってから、そのまま寝たんだよ。」
おかしいな・・・どこにいったのだろうか。まさか泥棒。ありえない。ここはマンション。入り口は一つだし、
防犯は完璧だ。しかし彼が昨日置いたところにないとなると、誰かが動かしたことになる。
誰だ。昨日この部屋には俺と、あいつと、美智子と直美。そして達也の五人だ。
誰か間違えて持ち帰ったのか?
「うーん。」貧乏ゆすりをしながらタバコを吸い始めた。
ひとまず昨日のパーティーの片づけをしてから探そうと提案した。
二つ返事で承諾し、テーブルの上の食器を片付け始めた。
洗うのは私の仕事。
鼻歌を歌いながら昨日使ったみんなの食器。フォーク一つにコップ一つ、皿一つを洗い終え、
探すのを再開した。
105ぽんすげぇ:05/01/23 01:55:39
さらっと解説。多重人格。感想希望。
106名無し物書き@推敲中?:05/01/23 02:08:37
【占い師】

俺は占い師。
だが本当の占いなんて出来るわけがない。
適当なことを言って客から金をふんだくるんだ。
効率がいいし、金が山のように手に入るから毎日路上で占いを行っている。
普段は、恋で悩んでいる若い女性達が主な客なんだが、今日は違った。
いかにも怪しそうな黒尽くめの男が入ってきたんだ。
まぁ、いくら怪しくても客は客なんで、いつものセリフを言ってみた。
「ようこそ……、あなたは何でお悩みですか?」
黒尽くめの男は無表情ながらにこう答えた。
「君がいつ死ぬか教えてくれ」
「は?」
「だから君がいつ死ぬか教えて欲しいんだ」
俺自身の事を聞いてくる客は占い師をやっていて初めてだ。
内心戸惑いながらも俺はこう答えた。
「私の手相を見たところ、まだまだ長生きしそうです」
「ほう、そうか、それじゃあ君は3流占い師だな。」
突然の客の発言に俺は言った。
「え?何故ですか?」



「―――――自分の死期も占えないからだよ」
鳴り響く銃声の中にこう聞こえた気がした
107名無し物書き@推敲中?:05/01/23 02:18:48
>>105
解説入れられると萎える。
そんなに自分の力に自身がないのか?
108宮本 ◆Iw38oYQt42 :05/01/23 02:21:01
>>101
少々設定に無理があるけど、こういうセンス好きです。いいなあ。
109宮本 ◆Iw38oYQt42 :05/01/23 02:43:06

>>102
センスは好き。ただし、キズあり。

“母親の態度がデカくなった”と、“母親とさっき会ったら笑顔で挨拶してきた”
は別に相反することではない。

“幻聴だと思いこんだ父親は悩み苦しんでいる”と“父親とさっき会ったら笑顔で挨拶してきた”ならなんとかなるかも。
110宮本 ◆Iw38oYQt42 :05/01/23 02:48:08
>>104
解説なしで充分楽しめるのに。解説つけちゃったことで値打ちが下がった。
初めの主語がない文章を伏線にするあたりが上手い。
111あぼ〜ん氏:05/01/23 02:52:12
【セット価格】

タケシは、探りを入れるように聞いてみた。
「全部合わせて、三千円だ。ここなら、どうだろう?」
最初は、パンフレットを見続けていたヒロシだったが、やっとその金額を
理解したのか、目を丸くして聞き返してきた。
「全部で三千円? 一泊して、更に食事も付いてって事か?」
「そうだよ。セット価格なんだから、当たり前だろ」
ヒロシは、信じられなかったのか言葉が出て来なかった。
次第に頬が緩み、目じりが垂れ下がり、嫌らしい笑みへと変わっていった。
「でも、マッサージと蟹の追加料理を頼べば、それなりの値段になるな」
「いや、それも付いてるんだ。セット価格はそれも含めてだよ」
「ええええええ〜!」
ヒロシの歓喜の声は、部屋中に響き渡った。
「温泉に美女が入ってたりするのか?」
「それは、知らんよ。そんなサービス最初から無いんだから」
二人は、そこに決めた。
ヒロシがすぐに電話で予約を入れ、早速泊まりに行った。
タケシが言った通り、マッサージも蟹の追加料理、地酒も出て来たのだ。
二人は満足し、そのまま寝込んでしまった。
真夜中、生暖かい空気の中で、二人を起こしたのは真っ白なお婆さんだった。
二人の体は金縛りに合い動けない、奥には血だらけの女も立っている。
更には、小さな女の子が手毬をつき、ボロボロの服を着た軍人も・・・
112名無し物書き@推敲中?:05/01/23 03:16:39
>>111
仮装パーティーのサービス付きという落ちか。
それにしては3000円は格安だ。値段設定が不自然だ。
113菊龍:05/01/23 03:46:26
>>112
え?幽霊じゃないの?
幽霊が出るから安い……って解釈したけど?
114名無し物書き@推敲中?:05/01/23 04:02:13
>>113
スマソ 112はジョーク
115菊龍:05/01/23 04:10:56
「………来ない」
放課後の校舎。授業が終わり、夕日が沈んで久しい。
今日の朝に下駄箱に入っていた手紙に指定された時間より、はや3時間。
生まれて初めてもらったラブレターは、やはりただの悪戯だったようだ。
「………こんなもんだよな」
そう言って立ち上がり、家へと帰ろうとする。
すると、廊下の曲がり角に女の子がいた。
「………きゃっ………!」
驚きの声をあげる少女。顔を真っ赤にしている様子が、とても愛らしく見えた。
「……えと、もしかして、この手紙くれた子………?」
可愛らしい便箋を胸元から取り出し、彼女に見せる。
「………………っ!!」
彼女は恥ずかしさのあまりか、そのままUターンをして走り出してしまった。
「え!?あ、ちょっと待って!」
しかし彼女は俺の制止を無視して廊下を駆けて行く。
いや待ってこの手紙の文面からすれば俺のバラ色の高校生活で君可愛いしってか速っ!
俺は慌てて彼女を追って走り出した。

二人のデッドヒートは商店街を駆け抜け魚屋のおっちゃんを踏み飛ばし八百屋のトマトをぶちまける!
「待てぇぇぇぇ!!!」
「なんで追ってくるんですかーーっ!!」
「なんで逃げるんですかぁぁぁぁっ!?」
しかしこちらも女の子に負けては男がすたる!ラストスパートっ!!
………勝った………!!
彼女を追い抜き、その勝利への陶酔感と疲労感ゆえにその場にへたりこむ。
彼女はそんな俺にわき目もふれず、闇の中へと走り去っていった。
「………陸上部、だろうな………」
くたくたになった俺は、ぼそっとそう呟いた。
----------------------------------------------------------------------------
一言:すみません、20行越えました…。
116宮本 ◆Iw38oYQt42 :05/01/23 05:15:27
>>115
なんかわからんけど面白い。
117名無し物書き@推敲中?:05/01/23 06:19:47
>>115
ワロタ
118名無し物書き@推敲中?:05/01/23 07:03:33
【けさ見た夢】

部屋に戻ると真っ暗だった。夜だし電気つけてなかたから仕方ない。
鞄を机の上に置いて電気スタンドに手を伸ばしたが届かない。
暗がりでよく見えないのでテレビを点けて見るが、調子が悪いのか映りが悪い。
それでもスタンドが台から落ちて床に転がっているのが見て取れた。
普段ある場所になかったのだから届かなかったわけだ。
しゃがんでスタンドが壊れていないか観てみると、台座が外れて部品が散らばっていた。
調子の悪いテレビから音声が聞えた。
『発見された遺体の腹腔内からアクセサリのようなものが発見され』
部品を拾い集めて組み立てていく。テレビからは音声だけが聞えてくる。
『過去4年ほど前にも遺体の腹腔内に異物が混入されているといった事件が起きており』
手元は暗いが何度か繰り返した作業なので惰性で薦めていく。
『たった今緊急ニュースが入りました。遺体発見現場付近でさらに遺体が発見されたもようで現在』
組み立て終えスイッチを入れる。光に照らされたスタンドは部品が足りていなかった。
床に這い蹲って、おれは足りない部品を探している。
119名無し物書き@推敲中?:05/01/23 07:08:59
>>115
2ちゃんのコピペとして、流行りそうだw

>>118
夢を文章化するのって、難しくない?
そういう意味じゃ、よく書けてると思うけど、SSとしてはツマラソ。
120菊龍:05/01/23 11:35:41
>>116 >>117
ありがとうございます!笑ってくれれば幸いです

>>119
それは誉められてる?けなされてる?
2ちゃんは初心者なんでわかりません……。

>>115を見て笑ってくれた人、つまらんと思っても目を通してくれた人、
貴重な時間を駄文に割いてくださってありがとうございました。
以上、20行って難しいと思う工房より

長レスすみませんでした
121ぽんすげぇ:05/01/23 14:27:38
ちなみに俺は厨房ですw
>>104
>>79
とかね。
122菊龍:05/01/23 14:47:30
>>121
すごい。文学的なカンジ。
私はちょっと笑いメインしか書けない……。
123名無し物書き@推敲中?:05/01/23 16:57:28
>>104
解説を入れるほど分かりにくくないですよ

>>106
ショートショートって感じじゃないんですけど、私は好きです。
124菊龍:05/01/23 17:09:14
>>101が結構好き。
やや屈折しつつも彼女に思いを寄せる少年ってカンジで。
125『奇跡』:05/01/23 19:29:07
 目の前には、文字通り四角く切り取られた窓があった。だが、その窓が一体どんな建物に設置された窓で
あるのかは分からない。一つだけ分かっている事と言えば、私は一歩も動く事が出来ずに、その窓の内部を
見続ける事しか出来ないと言う事だけだ。
 だから、いつもの様に私は眼前の窓から覗く薄暗い廊下をただ静かに見つめていた。頭上には重苦しい雨
雲が垂れ込め、間断なく降り続く雨が容赦なく叩いている。冷たい。もう、どれ程の時間、こうして雨に打
たれているだろう。
 薄暗い廊下には時折、人が通り掛かる事があり、それは老人であったり、若い恋人同志であったりと様々
である。時々は立ち止まり私をじっと見つめる者もいるが、暫くすると去って行ってしまうのが常だった。
 孤独などと言う生易しい言葉では言い表せない程の孤独。そして絶望だけがあった。
 それでも一つだけ救いがあった。廊下を挟んで、向かいの窓際に立つ女性である。彼女も私と同じ様に身
動き出来ない状態だったが、何故かそちら側だけは晴れていて、満開の向日葵の様に明るい微笑みを浮かべ
ていた。そして、いつしか私は彼女に恋をしていた。
 ――彼女と二人で生きてゆきたい。無理を承知で毎日、そんな事を念じ続けていた。
 そんな或る日、俄に雷鳴が響き渡り、鈍色の空に切り裂く様な稲光が走った。そして轟音と共に落雷する
と、私の体は一瞬にして炎に包まれた。

「昨夜の落雷は酷かったなぁ。でも被害がこんなもんで済んで良かった」
 管理人は焼け焦げて亀裂の入った壁を撫で、隣に立つ若い男に視線を振った。
「ここに掛けてあった絵、どんなやつだったっけ?」
「さぁ……美術館の清掃をする時に、いちいちどんな絵か、なんて憶えちゃいませんからねぇ」
 首を傾げる若い男の背後には微笑む女性の絵画が展示されており、女性の横では濡れそぼった男が真実幸
せそうな笑みを浮かべていた。
126名無し物書き@推敲中?:05/01/23 21:10:21
「無限階段」
意地を張るのもいい加減にしろよ。いくら上っても無駄だよ。
なぜって・・・
この階段の一番上の段と一番下の段はつながっているんだ。
いわば無限階段だよ。
何段上ったところで君はその場で足踏みをしているようなもんだ。
どうしたら上に行けるかって?
君が本気を出せばこの階段を抜け出し上の階に行く事が出来るかもしれない。
しかし、それはルール違反だ。
さあいい加減に上るのをやめるんだ。上から降りてくる人の迷惑になる。
わかっていると思うけど上りのエスカレーターは反対側だよ・・・

わかりづらい・・・
127ぽんすげぇ:05/01/23 21:19:30

「大事故」


「きれいだな・・・。」
空一面に広がる星を見てカケルはつぶやいた。
「本当ね。」瞬く星は真っ黒な夜空に今にも降りそうなほどきれいに輝いていた。
「ねぇ、何か光ってるわよ。何かしら?」
「流れ星かな。でも、すごくゆっくり動いてるぞ」
よく見ると何か赤く、黄色く光りながら動いてるではないか。何だあれは。
ノゾミは目を凝らして見た。轟音を立てながら動いている物体それは飛行機だった。
「た、大変だ。墜落するぞ。」分かったとたんカケルは叫んだ。
飛行機は刻一刻と確実に落下していた。
「近くに落ちるぞー。」
「きゃー。」どうやらみんなパニックに陥ってるようだ。大勢の叫び声が聞こる。
ノゾミは不安げな顔をして私の腕にしがみついた。
「怖いわ・・・。」
「大丈夫だよ。」カケルはぎゅっと強くノゾミを抱きしめた。
その瞬間大きな爆音とともに赤黄色に光った。
一瞬視界が失われて、耳鳴りがした。
「きゃっ。」ノゾミは小さく叫びカケルの胸に顔をうずめた。
トントン、トントン
家のドアが誰かにノックされた。
「くそっ、こんな大変なときに誰だ。」
カケルがそう愚痴をこぼしながら戸を開けるとお隣の山下さんがいた。
「どうかなさいましたか。」
カケルがいかにも急いでいるように聞いた。すると山下さんは非常にすまなさそうに答えた。
「ビデオを見るのはいいけど、もう少し音量を下げてくれないかね。」
128名無し物書き@推敲中?:05/01/23 21:38:26
>>126 確かに少しわかりにくいかも。
普通にファンタジックなのを想像してしまった。

>>127 あと、わざとかもしれないが、『!』とかを使わないと棒読みでもしているかのようで、迫力がかけるのでは?
129名無し物書き@推敲中?:05/01/23 23:39:43
「殺し屋」

私がいつものように近所の居酒屋のカウンターで飲んでいると突然、誰かに肩を叩かれた。
振り返るとショートヘアーの綺麗な女性がグラスを持って立っていた。
女性は、私の目を見つめながら突然、こう言った。
「私、殺し屋なの。」
一瞬驚いたが、ただ酔っ払っているだけだと思い少し遊んでやる事にした。
「へぇーすごいね、今まで何人ぐらいやったの?」
「うーんだいたい20人ぐらいかなぁ・・・」
「そんなにぃ!?すごいね。殺人を依頼するのってどんな人が多いの?」
「そうだなぁ・・・やっぱりその筋の人が多いけどたまに政治家とか医者とかそれに・・・」
「それに?」
「あなたの奥さんとか。」
次の瞬間、私のこめかみに冷たいものが押し付けられた。

無理があるかな?
13027:05/01/24 00:21:51
>129
無理は無い。
意外性も無い。
131名無し物書き@推敲中?:05/01/24 00:23:52
>129
もうちょっと自然に仲良くなるとかいうのがあった方がいいかも
それでも俺はちょっとおもしろいと感じたけどな
132名無し物書き@推敲中?:05/01/24 01:35:34
【不思議な体】
「君、不思議な体をしているね」
「そうですか?」
「そうだとも」
その男は不思議な体をしている。
「君、そんな体で日常生活が送れるのかね?」
「え?まぁ」
その男は不思議な体をしている。
「いや、しかし不思議だ」
「はぁ…」
その男は不思議な体をしている。
「異常だ。君の体は異常だ」
その男は不思議な体をしている。
「いや逆立ちなんて誰でもできるでしょう。壁使ってるし」
その男は不思議な体をしているのだ。
133 :05/01/24 02:00:08
>>129
いや、いいよこれ。すごく。
オチの意外性はそれほどでもない。
でも水が流れるようにテンポがよく、
無駄なくまとまっているので、
途中でオチに気づく間もなくラストまで読みきってしまう。
SSの見本のような作品だと思うが。
134名無し物書き@推敲中?:05/01/24 02:23:06
>>129
蛇口をひねったら水が出たって作品かな
135あぼ〜ん氏:05/01/24 03:00:54
【真夜中の電話】

「眠れないんです、助けてください」
電話の向こうで、男がそう言った。
俺は、その声を聞きながら頭に血が上って行くのを感じていた。熟睡している所を
起こされて耳鳴りがしていたし、時計を見るとまだ夜中の2時だったからだ。
「ふざけるな!」と叫び、電話を叩き切ってやったが、怒りは収まらない。
その日は、そのまま寝付く事が出来なかった。
世の中には、非常識な奴が多過ぎる。あの電話の事を思い出すと今でも腹の中が
煮えくり返る。俺が何をしたっていうんだ? 怒りでその日は寝付けなかった。
それからだ、俺は完全な不眠症になってしまったのは。
三日目、俺の目は真っ赤に充血し、五日目、額に血管が浮き上がってきた。
七日目、髪の毛が逆立ち、十日目、手が震え出した。
体力も消耗し、精神的にも限界を感じていた時、俺はふとある考えを思いついた。
誰かに電話しよう。それも真夜中にだ。
自分が久しぶりにワクワクしている事に気付いた。こんな楽しいアイディアを
どうして今まで思いつかなかったんだろう? 自然と笑みがこぼれて来た。
真夜中、俺は受話器を握った。そして、適当な番号を押して行った。
……だが俺は、最後の番号を押す事は出来なかった。
苦しみを知っているからだ。これが、どんなに不愉快な事なのかも知っている。
そうして受話器を戻した時、突然、深い睡魔が襲ってきた。
136名無し物書き@推敲中?:05/01/24 03:17:36
>>135
入りは良かったのにオチが平凡すぎる
137あぼ〜ん氏:05/01/24 03:49:26
【真夜中の会話】

男は、私の前に電話帳と一つの携帯電話差し出し、ルールを説明した。
「これから一回だけ、その電話で助けを求めてもいい。しかし、お前の知り合いは
ダメだ、その電話帳で決めた無作為の一人にだ」
私の腕は、長時間縛られ続けてほとんど感覚が無くなっていた。
しかし、このチャンスは有難い。こんなゲームを仕掛けて来るとは、私にも生き残る
可能性があるって事だ。失敗しないように、ここは慎重にやろう。
「眠れないんです、助けてください」
真夜中の救助としては、これしか考えられなかった。まさか、監禁され頭に銃を
突きつけられています、とは言えないだろう。
だが、相手の男は「ふざけるな!」と怒鳴り、すぐに電話を切ってしまった。
「そんなもんだ。こんな夜中に助けに来るようなアホはいないって」
男は、そう言うと高らかに笑って見せた。
「よし、じゃあ、もう一度チャンスをやろう。十日待ってやる。もし、この電話に
誰かが掛けて来たなら、お前を解放してやる」
バカげてる提案だ。適当な番号に電話を掛ける人間なんている訳が無い。
もう終わりだ。私はこの男に殺されるだろう。
奇跡が起きない限り……

十日後の真夜中、やはり電話は掛かって来なかった。
男は冷たい視線で、私に言い放った。殺す準備は出来てるようだ。
「世の中には、非常識な奴らが多過ぎる。誰かが苦しもうと知ったこっちゃない。
他人がどんなに不愉快な思いをしようと気にしない奴が多いって事だ」
私はそう言われて、電話に出たあの男の事を思い出していた。
138名無し物書き@推敲中?:05/01/24 05:01:20
「仕事」
男は道具を入念にチェックし終え、懐に隠し持って仕事へ向かう。

孤高のヒットマン。狙った獲物は逃がさない。おれは裏世界でMr.パーフェクトと呼ばれている。
007、ゴルゴ13、そんな架空の人物と比べてはならぬ。これは現実なのだ。
おれは自分の仕事に絶対の自信があった。今までおれが仕事に失敗したことがあったか?
無かった。いや一度だけあった。おれの獲物を横取りした奴がかつて一人だけいた。
おれは奴の素性を知らない。奴はおれを横目で見て、ニヤリ、と微笑んだ。KGBかMI6か。
油断していた。つねに冷静沈着で抜かりなく計算しつくしあらゆる想定をするおれとしたことが。
ヒットマンにとって正義だの悪だのはどうでもいいことだ。仕事を引き受け報酬を受け取る。
依頼主と仕事人のビジネスはそこに成立する。そして、確実にターゲットを、消す。
依頼主?それを知る必要は無い。知らない方が良いこともある。口封じに抹消されるに決まっている。
しかしおれには今回の依頼主のおおよその見当はついていた。ペンタゴンといったとこだろう。
今度の仕事は困難をきわめる。観衆の目が多く見つめる中、仕事を果たさねばならぬ。

男は冷静を装い観衆の合間を縫ってターゲットに近付くと、確実にしとめる位置につき息をころす。
そして懐に隠し持った道具を、ゆっくりと、取り出した時
「なにをぶつぶつ言っとるか。はやくせんか、もう授業ははじまっとるんだぞ」
「あ、はい、すいません」
まだ写し終えていない同級生の突き刺さる視線を後頭部に感じながら、
僕は大急ぎで黒板を消した。
139名無し物書き@推敲中?:05/01/24 05:47:37

「猫になりたい」

 僕は子供の頃から、猫になりたいと思い続けてきた。あいつらは一日中寝ていても誰にも怒られないし、
どんな動物よりも自由だ。だから僕は猫になれない代わりに、猫を六匹も飼っている。
 ある日、僕が掃除機を掛けていると、気持ちよさそうに寝ていた猫達が一斉に飛び起きた。僕は笑いな
がら言った。「お前達は本当に掃除機が嫌いなんだな」
 僕も猫になったら、あんな風に掃除機を恐れるんだろうか。……いや待て。僕は人間だったのだから、
掃除機がどんなものなのか知っている。だから恐がるわけがない。そもそも「猫になる」とはどういうことな
んだ?
 僕は猫が普段どんなことを考えているのか解らないし、猫に生まれてきたことを後悔しているのかどうか
も解らない。何故なら、猫は泣いたり笑ったりできないからだ。泣いたり笑ったりできるのは人間だけであ
る。それでは猫……いや人間以外のすべての動物は、人間に憧れているのだろうか。ああ、わけが解らな
くなってきたぞ。

 次の日、目覚めると僕は猫になっていた。
140名無し物書き@推敲中?:05/01/24 21:22:51
「万華鏡」

薬缶の煙のしゅうしゅうという音だけがただ響いている。
部屋の中には男と女が一人ずつ。
湯が沸いた。女の瞼は赤い。男は立ち上がる。
男はコップを二つ机上に置く。オレンジペコ。
無言で液体を啜る。
「美味しい」
女は満面の笑顔で男に言った。男も少し微笑む。
「君みたいな人を、カレィドスコープって言うんだ・・・・・・」
女は首を少し傾ける。ワタクシナニヲオッシャッテイルカ、ゾンジマセン
「知らない?くるくる回すと模様が変わる奴・・・・・・」
「そういうことじゃなくて・・・・・・」
「そっきまで、泣いていたろう?その前は、怒ってた。」
「回したのは、誰だと思ってるのよ・・・・・・」
拙い。まただ。
「うん、いや、本当に悪かった。僕が全面的に悪かった。反省してる・・・・・・」
お天気、よりは詩的だと思ったが・・・・・・
141名無し物書き@推敲中?:05/01/24 22:20:38
>>138
好きです。これ。

>>140
面白いけど、推敲しましょう。
142名無し物書き@推敲中?:05/01/24 22:41:32
>>141あぁ、よく見直してみたら急ぎすぎてる感じですね。
視点はわざと切り替えたのですが・・・・・・変な感じ。
もっと腕を磨いて再挑戦したいです。

ほかにもお気づきの点があれば指摘をお願いします。
143名無し物書き@推敲中?:05/01/24 23:32:25
>>132
良かったです。
もう少し深みがあれば阿部公房100歩手前くらいいきそう。
伸びる気配を感じる。
144:05/01/24 23:33:36
テーブルに花が一輪。
デブで不細工で気の利かない妻が、この家を出て行くときに活けたものらしかった。
子供二人の姿も、もうない。最後まで俺になつかない子供達だった。
手元には3年間は食うに困らない退職金。これで俺は思うように文筆修行に励もう。

しかし唐突に涙が出てくるのだった。
デブで不細工で気の利かない妻の豚のような後姿が目に浮かんだ。その後姿も泣いていた。
俺はこれから心温まる家族の物語を書くつもりだ。
がらんとした公団住宅の、侘しいコタツにうずくまり、その妻を思いながら、マスタベーションに励んだ。
しかしいっこうに勃つものが勃たないのだ。
俺は自称17歳のグラビアアイドルの写真集を、押入れの隠し場所から引っ張り出し、再びマスターベーションに励んだ。精液がぬるい炬燵の中で溢れ返った。
もう使い終わった写真集を家族の目から隠す必要もない。
俺はベランダに出ると、ズボンから汚らしい性器を露出させたまま、モノトーンの夕暮れを見た。
ひどく寒かった。どこぞの家から漂う夕餉の支度の匂いが鼻をつく。
俺は幸福な家族の物語を書くつもりだ。
地上では、子供二人が、鼻水をたらしながらボールで遊んでいた。

145名無し物書き@推敲中?:05/01/25 00:02:35
『ツンデレ』

混み合う喫茶店で俺たちは向かい合って座っている。
「馬っ鹿みたい……」
彼女はいつものように呟いた。
俺はこの口癖がずっと気に入らなかった。
「おい、その口癖止めろよ」
「だって、ホントに馬鹿みたいなんだもん」
強気な彼女はいつも自分が正しいらしい。
「じゃあ、せめてバとカを繋げて言ってくれ」
「バカみたい……」
さっきより棘がなくなっていい感じだ。
「次は、横向いて言ってみてよ」
彼女はそっぽを向いて上を向き目を閉じながら、
「……バカみたい」と呟いた。
「よし、それじゃ次は上目遣いでやってみろよ」
彼女は素直に少し口を尖らせながら上目遣いで俺を見た。
「ばか……みたい」
いい! かなりいい感じだ。
「て、言うかさ……私で遊ぶなっっ」
そう言って彼女は俺の鼻をつまんで笑った。
その笑顔がバカみたいに可愛かった。
146名無し物書き@推敲中?:05/01/25 01:15:34
>145
なんかニッコリしました。
147名無し物書き@推敲中?:05/01/25 01:17:54
凛、がんばれ!
148名無し物書き@推敲中?:05/01/25 02:19:20
【4.5秒】

まるで宇宙に浮かぶようだわ。
細胞を泳いでいるのかもしれないわね。
耳をつんざく、赤ん坊の泣き声のような風の音。
アナタの後ろ姿を思い出しては、私もこんな風に、行かないでって泣いたのよ。
泣いて、泣いて、泣き果てて、枯れた私は落ち葉になった。
落ち葉はゆっくり舞い落ちて、赤く染まって腐っていくわ。
もう赤ん坊の泣き声は聞こえない。
落ち葉は、土に還ってまた、綺麗な花を咲かすでしょう?
その時アナタは水をあげるの。アナタは泣いて、泣いて、泣き果てるのよ。
冷たい、固い、灰色の土。
アナタの腕に絡んでたあの手も、こんな色をしていた。
爪はこの血みたいに赤かったわね。
たくさんの悲鳴の中で、アナタの泣き声を探しているんけど、うるさくて聞こえないの。
でもわかってるわ、アナタはちゃんと泣いてくれてる。
私はきっとまた、綺麗な花を咲かせるわ。

4.5秒、永遠の思考。
149名無し物書き@推敲中?:05/01/25 04:25:06
>148さん
素敵だと思います。
最後の一行が、個人的にはですけど、幸せへの希望が交じってる様に感じました。

勘違いな感想失礼します。
150名無し物書き@推敲中?:05/01/25 09:49:49
>>145
雰囲気が凄くいい!
素直に俺(読み手)が俺(主人公)になって読めました
151名無し物書き@推敲中?:05/01/25 10:24:23
「愛の結末」

僕は同棲していた女を殺した。
あいつが悪いんだ。あいつが男を作ったりしなければ。別れようとしなかったなら。あいつと口論になった。
そしてあいつはそそくさと荷物をまとめ、部屋を出て行こうとしたのを背後からズブリと刺した。
急いで僕は、あいつの返り血を浴びた玄関の壁紙を張り替えたりして元の通りきれいにした後、
あいつをバラバラに解体した。肉はミンチにして香辛料と混ぜ、腸に詰めてソーセージにした。
肝臓はソテーし、皮や心臓は細切れにして串に刺す。余った内臓は骨でとった出汁に入れて煮込んだ。
骨の残りはいりこやゴマと一緒にミキサーで粉末にしてふりかけを作った。あいつは旨かった。
あいつの肉体は僕の血肉となる。愛する者と一体となる究極の形。これ以上の愛の表現があるものか。
そうして貪り食い、あいつで埋まった冷凍庫は一ヶ月もしない内に空になった。あいつを食い始めて間もなく、
僕の体に変化が現れた。丸みを帯びてくる。ヒゲは生えて来なくなった。胸が膨らみ始め、おしりが大きくなる。
股間についていたものは日に日に痩せ衰え、ついには姿を消した。鏡に映る人物は僕に似ていない。あいつだ。声も。
僕はいつしかあいつの考えていた事が手に取るように解かり始めていた。あいつは部屋を出ようとドアの前に立った時、
やはり僕だけを愛しているのだと悟った。僕とは別れられないと思った。わたしにはあの人しかいないのだと。
ああ…なんということだ…さようなら……おまえ……
壁の時計が0時のときを告げる。そうだ。今日はわたしの誕生日だったんだわ。
わたしがこの部屋を出て行こうとした日から約一ヶ月。かれは忽然と姿を消した。
かれはわたしの誕生日をきっと覚えていてくれる。あんなに愛していてくれていたんですもの、
プレゼントを持ってわたしのところへ帰ってくるに違いないわ。たとえ帰ってこなくても。
女はテーブルを綺麗に飾った。あかりの消えた部屋。薄暗く、そしてゆらゆらともえる蝋燭。
うつくしく磨かれた食器がひかりに照らされて輝いている。
女は手洗いから戻ると、肛門からひねり出した最後のあいつを皿に盛りつけ、
いつまでもかれの帰りを待ちつづけた。
「きっと帰ってくるわ。だってあんなに愛してくれたんですもの。」

152あぼ〜ん氏:05/01/25 13:18:11
【お別れ】

お爺ちゃんの病室には、涙で目を腫らしたお母さんと息子のヒロ君がいた。
ベッドの上のお爺ちゃんはひん死状態で、息をするにも苦しそうだった。
「ヒロ、もうお別れだ。今まで、ありがとうな」
掠れた声で話したお爺ちゃんは、ヒロ君の手をそっと握った。
それは、いつも遊んでくれた、あの優しいお爺ちゃんのものだった。
「おじいちゃん、しんじゃイヤだよ。また、あそぼうよ!」
ヒロ君は、泣きそうになりながら思わず叫んでいた。
それを見たお母さんは、口元に手をやり、また泣き出してしまった。
「楽しかったよ。ヒロのおかげで、幸せな人生だった」
そういうと、お爺ちゃんは静かに目をつむった。
動揺するお母さん、その横でヒロ君はお爺ちゃんをジッと見つめている。
無表情で立ち尽くしているヒロ君を、お母さんは強く抱きしめた。
こんな悲しみを抑えるは簡単な事じゃない。
声を上げて泣き始めたお母さんに、ヒロ君は小さな声で言った。
「はやく、リセットボタンをおしてよ」
153名無し物書き@推敲中?:05/01/25 17:40:06
【オレオレ詐欺】

よーし、今日も頑張りましょうっか。
トゥルルル…トゥルルル…ガチャ。
「あ、もしもし、オレオレ」
「あ、……まさお?まさおなの?」
「ん、ああ、そうそう、まさおだよ。でさ、ちょっと困ったことになっちゃってさあ」
「まさお、あなた、体は大丈夫?無事なの?」
「ん、そ、そう、今さぁ、それがベッドの上でちょっと身動き取れない状態なの」
「……いくら必要なの?」
「え? あ、そうだな、とりあえず300万円、口座に振りこんでくれると助かるんだ。
口座番号、読むよ、×−×××−109768、だよ、わかった?」
「えっと、×−×××の、109の……もう1回、ゆっくり言ってくれない?」
「だからぁ、1、0、9のぉ、7、6……」

「警部!逆探知成功しました! N市緑ヶ丘三の2です!」
「よし!人質は怪我を負っている模様だ!救急車も待機させろ!」
「それにしても……こんなに人質に自由に喋らせるなんて、まぬけな誘拐犯ですね」
154名無し物書き@推敲中?:05/01/25 17:41:09
[とんだ災難]

南のリゾートはひどく騒がしくて暑かった。
その分空気は美味いのだが。
俺はサングラスを掛けてビーチチェアに身を任せた。
だんだん騒音が気にならなくなってくる。遠ざかっていく。
俺の体はきっと、睡眠状態に移ろうとしているのだ。
だんだん涼しくもなってきた。もう夢の中だろうか?
だが美味かった空気は―不味い。
いや、薄い。
俺はサングラスを外した。
地面は遥か下にあった。
155名無し物書き@推敲中?:05/01/25 17:49:49
>>154
幽体離脱?
156あぼ〜ん氏:05/01/25 20:05:24
【本当のお別れ】

お母さんは、ヒロ君を抱きしめたまま、その言葉を聞いた。
そうすると、スイッチを切ったかのようにピタリと号泣が止まった。
「ヒロ、また生き返らせるつもりなの?」
お母さんは、不満げな表情をヒロ君に向けた。
今は、22世紀。全ての病気が治る時代。延命処置も簡単に行えるのだ。
それを通称「リセット」と名づけられ、当たり前のように利用されていた。
お母さんは、ため息をつきつつも、諦めたように頷いた。

後日、ヒロ君が病室を尋ねるとお爺ちゃんが笑顔で待っていた。
「おかえり! おじいちゃん。はやく、あそぼうよ」
そう言って、はしゃぐヒロ君。お爺ちゃんの手を取り、引っ張った時、
腕は肩口からスッポリと抜け、ヒロ君は後ろに転んでしまった。
「大丈夫か? ヒロ。お爺ちゃんは、もう限界だ。遊んでやれん」
と、困った顔で申し訳なさそうに謝まった。
肉体の限界だった、それは最新の医学でもどうしようも出来ない事だ。
不満そうに、今年で50歳になったヒロ君はムッとした。
157名無し物物書き@推敲中:05/01/25 20:10:10
>>156
Please meat you^^. No?
you are exactry you?
if you so i feel fantastick^^
thank you ^^
158名無し物物書き@推敲中:05/01/25 20:14:39
and your exacry name is Uj....?
159名無し物書き@推敲中?:05/01/25 20:20:34
>>157-158
You made a mistake.
You cannot pick up a girl in here.
160名無し物物書き@推敲中:05/01/25 20:50:40
I dont think such a thing.but....(you can understand?)
I try here to get sence of novelist.and i learn now common sence.
and you are Taka...?
161名無し物書き@推敲中?:05/01/25 21:10:18
>>160
Most people cannot speak English here.
You cannot exchange opinions in English.
And,I explain this place,
Here is an anonymous bulletin board.
Most people do not have the name not changed.
I am also the same as people of many.
162名無し物書き@推敲中?:05/01/25 21:12:06
Sushi is manga for sashimi in tsunami by japan.
I am a pen.
163名無し物書き@推敲中?:05/01/25 21:13:42
>>162
すげえ
164名無し物物書き@推敲中:05/01/25 21:21:19
i just write it english and chiniese just little bit. oui.
165名無し物書き@推敲中?:05/01/25 21:29:50
>>164
Because a lot of people do not understand your word,
If you keep writing in English,
To our regret,it seems to attack the bulletin board.
166名無し物書き@推敲中?:05/01/25 21:39:34
あげええぇぇぇぇ!!!!
167名無し物書き@推敲中?:05/01/25 21:49:15
>>164
I want to do happily with you.
However, I want you to speak Japanese for that.
I think it is sorry because I say annoyingly to you.
168名無し物書き@推敲中?:05/01/25 21:51:37
 
169名無し物書き@推敲中?:05/01/25 21:52:07
何言ってんだか全然('A`)ワカンネ
170名無し物物書き@推敲中:05/01/25 21:53:21
Do you Know CODE? In junior high school days.
171167:05/01/25 21:54:38
駄目だ。諦めます。お騒がせしました。
172名無し物物書き@推敲中:05/01/25 22:03:12
Lets start Party in here. No?
173名無し物書き@推敲中?:05/01/25 22:06:05
>>172
Submit a short story here.
174名無し物物書き@推敲中:05/01/25 22:13:31
My Life story?
175名無し物書き@推敲中?:05/01/25 22:17:39
No.We write fiction.
176名無し物物書き@推敲中:05/01/25 22:21:53
I dont write here fiction. cause it is .....(my school days memory is funny....(its just little bit dangerous))
177名無し物書き@推敲中?:05/01/25 23:10:15
もう帰ったかな?
178名無し物書き@推敲中?:05/01/25 23:13:40
アイ アム ジャパニーズ
アイ ハブ マネー
グレート マザー ファッカー チャイニーズ
ラブレター フロム カナダ
シー ユー ネクスト タイム

179178:05/01/25 23:17:06
>>177
追い返したよ
180名無し物書き@推敲中?:05/01/25 23:33:59
何この展開?説明しとくれ
181名無し物書き@推敲中?:05/01/26 22:07:32
hosy
182名無し物書き@推敲中?:05/01/27 13:18:52
162だけ良く分かるw
他はまぁ、いわゆる「板違い」か?
183名無し物書き@推敲中?:05/01/27 20:44:00
ある親自分の子に味のあるものを与えず、科学的な物しか与えなかった。
味を覚えてしまうと、癖になり、根それをねだることを恐れたからだ。

子供は育ちはした。

給食が出るようになる歳には、彼の舌は退化し、味を感じれなくなった。
その味を知らない子を、親は手がかからないと喜んだ。

その子は、味という楽しみを知らないまま生きていった。
184名無し物書き@推敲中?:05/01/27 20:57:10
 「シンデレラ」

 金曜日の夜になると、お城では華やかな舞踏会が開かれます。
魔女の魔法によりきれいなドレスを身にまとい、
ガラスの靴を履いて美しくなったシンデレラを、王子はひと目で好きになりました。
「僕と踊っていただけますか?」
「よろこんで。」
王子の誘いに、シンデレラは可愛らしい満面の笑みで応えました。
素敵な王子様とのすばらしい夜。シンデレラは時が経つことも忘れ、
二人の甘い時間に酔いしれます。
その時、十二時を告げるお城の鐘が鳴り響き、シンデレラは魔女との約束を思い出しました。
「いけない、帰らなくては。」
シンデレラは急いでお城の出口へと向かいました。王子は驚き、後を追います。
「どうしたのですか?なぜそんなにあわてて帰ってしまうのです?」
王子は、恋に落ちてしまった美しい女性を帰したくありません。
「待って。せめて訳をおしえて。」
急いで帰る理由を求められたシンデレラは、とっさに答えました。
「タモリ倶楽部が始まっちゃう。」

 王子がシンデレラを探すことはありませんでした。
185118:05/01/28 02:41:55
「シンデレラ」

「このグズ! あなたはお茶もまともに煎れられないのかしら」継母の叱責は熱を帯びている。
シンデレラは顔中に群がる羽虫を振り払うように頭を振った。「ああ、お母さま」
「お母さま? それはあたしの事かかしら? それとも」
シンデレラが足元にすがり付いたので、継母は口を閉じた。
「ああ、私のお母さまは、ここにいるお母さまだけです。それ以外にありません」
「もういい、どきなさい!」見れば涙を流しているシンデレラを足蹴に継母は言った。
「私たちはこれか舞踏会へ行ってくるから、いつ王子様がいらっしゃられてもいい様によく掃除しておきなさい」
「いってらっしゃいませ」前掛けで涙を拭いながらシンデレラは三人を送り出した。
「たとえ射止められたとしても、王子様がこんな場所にくる訳がないのに」
シンデレラが疑問に思いながらも掃除道具を手にとったときドアが叩かれた。
「どなたですか」
「こんばんは、愛しいシンデレラ。貴女の願いを一つだけ叶えてあげよう」
「べつに、困ってなんかないわ」シンデレラはみなりの悪い客人を追い返そうとした。しかし
それでも客はいいから言ってみなさい、というので仕方なく「明日返事をするわ」と答えた。
夜遅く、愚痴りながらもどこか嬉しそうな顔をした三人が帰ってきた。
翌日、お城から片方だけのガラスの靴をもって国の使いがやってきた。
それは王子様が一目惚れした女性が履いていたというものだったが、
その女性は存在せず、継母が悪い魔女と組んで王子様に見せた幻覚だった。
そして、その靴のサイズは継母のもので、靴を履いた人に王子様は惚れてしまうという呪いがかけられている。
靴のサイズが合えばいいな、と思ったシンデレラの足にあわせて、ガラスの靴は形を変えた。
186名無し物書き@推敲中?:05/01/28 09:44:57
「通報」

 ある日、警察に男から通報があった。
「OO町の田中さん宅に泥棒が入ってます!」
田中さん宅に入った泥棒は現場に駆けつけた警察官により
現行犯逮捕された。
次の日、通報した男は電波法違反で逮捕された。
187名無し物書き@推敲中?:05/01/28 20:14:31
「穴があったら」

農民がいた。
彼は大根とカブの種を間違えてまいてしまった。
気づかずに。収穫の季節が来るまで。
そして収穫の時期は来た。
彼は今年は出来がいいと期待していた。
いつもより太い手ごたえがあるのだ。
収穫をはじめた。
最初の1本は、間違えたのだろうと気にしなかった。
次の一本も、あまり気にしなかった。
たくさん抜くにつれて、彼は不安になってきた。
そして、すべて抜き終えた。
すべてカブだった。
帰宅した。
このままでは村のやつらに笑われる。
後ろを向く。
穴があった。
彼は、もぐりこんだ。
188名無し物書き@推敲中?:05/01/28 20:18:14
★黄金伝説

海に浮かぶ小さな島があった。

ここの住人は勤勉で、思いやりがあり、情緒豊かな国であった。
しかしここに意地悪な魔法使いがやってきて魔法をかけてしまう。

どんな魔法かと言うと・・・・。

「ネガティブな感情を抱くたびに、お金が空から降ってくる。逆にプラス思考になるとお金が消えてしまう。」
というもの。

大金持ち寸前まで行く人間も、やがてお金の管理に疲れ、皆自殺してしまった。
プラス思考バリバリの人間も、最後には無一文になって飢え死にしてしまった。

「こんな国になってしまってはどうしようもない。もうおしまいだ。」
残された住民が同時にそう考えた瞬間、その島は大量の金と共に海のそこに沈んでしまった。
189 :05/01/29 08:01:26
>>151
巧いなあ。。
1901 ◆TJ1WGTAAAA :05/01/29 08:53:47
ぅほ!
何気なく立てた糞スレが成長してる!
・・・・sample叩きが怖くて立て逃げした>>1です。
あれは即興で作ったので(ry

とりあえずsage
191名無し物書き@推敲中?:05/01/29 17:18:44
私は後にサバ男と名付けられる胎児だ。
先ほど母の陣痛が強まり現在分娩室にかつぎ込まれているところだ。
順調にいけばまもなくして私はこの世に産まれ落ちるであろう。
しかしここだけの話、私は産まれたくない。
考えてもみたまえ、一体どうしてサバ男なのだ。こんな名で明るく前向きに人生やってけるわけないだろう。
幼稚園では初恋の夏美ちゃんに「ねぇサバ男君、サバ男君はどうしてサバ男なの?」と無邪気さ故に容赦ない質問を浴びせられ
小学校では同じクラスの山田君と河田君に「サバはサバらしく泳いでろ」と真冬のプールにつきおとされ
中学高校になるとイジメはますますエスカレートし『シメサバ』という名目でフクロ叩きにあい「魚が服をきるな」と哀れな全裸を女子達の前に晒されるのだ。
そして学生生活のイジメがトラウマとなり名前を履歴書に明記することすらはばかられ就職もできず女を知ることもなく
19の春に太平洋に身投し私はサバのエサになるのだ。
いやだ、私は絶対産まれないぞ。
あぁヒィヒィフウと言うな。
私はここをテコでも離れない。
やめてくれ。
いやだ、いやだ。
あぁ出ちゃう出ちゃう!!!!!
あ…あぁぁぁぁ!!!!!!

おぎゃああああ(終わった)
おぎゃああああ(もう泣くしかない…)



「名前はさんまにしよう」
192名無し物書き@ちょっと電波入り:05/01/29 20:47:47
「無題」

『この世界』は何もかも予想通りになる。
それが自由なのか、創作の限界(=死の世界)なのかは分からない。
だが決して時間が逆戻りする事は無い。
後ろを振り向く事さえ許されない。
そう。進むしかない。『自由』を信じて。

たとえその理由が、結末が分かっていたとしても。
193名無し物書き@推敲中?:05/01/29 21:13:20
何も用は無いのに、僕は今日も電車に乗る。
1時間に2本の田舎の電車に乗る。
乗客はほとんどいない。
乗ってきた僕に目を向ける者はいない。
僕は座らず、ドアから離れた場所に立った。
密室であるのに、他人に興味を示す者はいないのだ。
他人とは目を合わさない。
本を読む女子学生。
メールを打つ女性。
窓の外を眺める男性。
電車は無表情に僕らを運ぶ。
駅に止まるごとに、誰かが降り、新しい誰かが乗ってくる。

終点に着いた。
皆、降りて行った。
車掌が歩いて来る。
彼は僕の体を通り抜ける。
僕は電車を降りた。

何が楽しいのか、何も用は無いのに、僕は今日も電車に乗る。
194 :05/01/30 00:23:53
>>193
SSとしてはありふれたオチだけど、文章の雰囲気はいいな。
オチに至るまでに伏線はほしいけど。
195名無し物書き@推敲中?:05/01/30 09:20:27
きみはきみの思うように生きろ
ぼくはぼくのしたいようにしたい
自由とは何かを知りたい人よ
自由とはぼくだけに都合いいことでしょう
個人を尊重 そして他人は解放
つきあいの悪さにゃ太鼓判押せる
だれにも怒らず だれからも好印象
一番大事なところは上手に逃げる
ほいほい捨てながらここまで歩いてきた
なくしたものに気づかず お尻も汚したままで
どんどん忘れながらきれいな夢ばかりみる
つじつまの合わない人 これからもずっとずっと

↑B'zの稲葉浩志の「冷血」です。
これを元に20行ショートショートをどなたか書いてください。
196名無し物書き@推敲中?:05/01/30 14:07:17
<冷血>
毎日私は電車で通学する。
私は決まった時間に電車に乗り、決まった席に座る。
これは私だけの事ではないだろう。
朝の電車は決まった人が乗ってくる。
その人たちが座る席はいつの間にか決まっているのだ。
私は今日も決まった時間に電車に乗った。
しかし、いつもと違っていた。
毎日私が座る席に見知らぬおっさんが座っているのだ。
新入りだ。
永久不変の通学電車におっさんが迷い込んだのだ。
私は決まった時間に電車に乗り、決まった席に座る。
私はおっさんのひざの上に座った。
197名無し物書き@推敲中?:05/01/30 15:59:46
>>196
ごめん想像したらワラタ
198宮本 ◆Iw38oYQt42 :05/01/30 17:17:49
>>196
オモロイ。
199名無し物書き@推敲中?:05/01/30 21:44:45
喫茶店の片隅で男が2人なにやら相談していた。
タラオ「本当にやるんですか?」
いくら「バブ、バーブバブバブ。」
タラオ「しかし、危険すぎるです。・・・まず情報が少なすぎるです。」
いくら「バーブ、バブブブバ、バブ、タァーイ。」
いくらが机の上に資料のような物を広げた。
タラオ「どうしてこんな資料がここにあるんですか?」
いくら「バブ、タァーイ、バブ。」
タラオ「三河屋のさぶ?なるほど、あいつならどこの家にでも入り込めるってわけかですね。」
いくら「バッブ、ターイ。バブ・・・」
タラオ「それなら、うちの隣のじんろくにやらせればいいです。」
いくら「バッブ、ターイターイ」
タラオ「じゃあ、この作戦で行くです。」
いくら「バッブ。」
そう言うと男達はオレンジジュースを飲み干し喫茶店から出て行った。

その数日後なぜかドラえもんの放送が打ち切りになった・・・

200名無し物書き@推敲中?:05/01/31 12:22:58
>>185>>193>>196
素直にオモロい。次も期待してまつ。
何げに良スレ。
201名無し物書き@推敲中?:05/01/31 17:03:48

COLOR

──もうすぐ俺も父親になるのか
そんなことを考えながら、会社帰りにコンビニで買った弁当を食べた
自炊しようとも考えたが一人分を作るのも面倒くさい。栄養は偏るが、数日の間だ。

今日のうちに洗濯をしてしまおうと、のそのそと動き始めた。今までためていた下着やらが洗濯機に入っている。
──兼業主夫だな。
なんとなくおかしかった。
──明日は休みだし掃除でもするか。

洗剤をいれようと伸ばした手がとまった。
アタックとホールド、なぜか二種類ある。

妻のいないこの家は、まるで他人のもののようだ。
──この家の色は妻の色だな。

ホールドの方が少ないので、適当にいれてスイッチをおした。

──終了のブザーがなり、眠い目をこすりながら洗濯機を開ける。

男は真っ白な紺のソックスを見つめていた
202名無し物書き@推敲中?:05/01/31 23:40:57
「コバルト文庫」

僕は鮮やかなコバルトブルーの床をほうきで掃いていた。
掃除の時間を伝えるクラシックが学校中に流れている。
どうせだったら、有線でも流してくれたほうがよっぽど有意義なのだけど、
3階渡り廊下に冬特有の柔らかな日差しが降り注いぎ、その眠くなる音楽も
悪くないな、と思ってしまう。
「加藤さん、この曲どういう名前なの?」
ちりとりを持ってしゃがみこんでいる吹奏楽部の加藤さんに訊いた。
「たしか……モーツァルトのフルートとハープの為の協奏曲 ハ長調だったかな」
僕は自分が尋ねたのに、「ふーん」と気の無い返事をした。
この曲が終わらないと、どちらにしろ面倒な掃除の時間は終わらない。
「私、この曲とこの時間が好きなんだ……」
加藤さんは独り言のように小さな声で僕に言った。
「どうして?」
「笑わないでね。……この曲に包まれて、コバルトブルーの渡り廊下
にいると、水槽の魚になった気分になるの」
照れながらも、うれしそうに話す加藤さんが、いつもより少し眩しく見える。
「へー、加藤さんは天然だったんだね」
僕は気持ちに気付かれないように、わざと意地悪を言った。
「やっぱり……、変だよね」
加藤さんは寂しそうに笑って立ち上がり、僕の横を無言で通り過ぎていく。
僕は振り向き、その姿を目で追いながら、加藤さんのスカートの揺らめきが
熱帯魚の尾ひれみたいだ、と思った。
203名無し物書き@推敲中?:05/01/31 23:53:04
サスペンス

A
204名無し物書き@推敲中?:05/02/01 00:22:32
>>203
なんかよくわからんがくすっとなった
205名無し物書き@推敲中?:05/02/01 01:31:20
ゴア星人が何故か総力で攻めてきた
最強不沈艦ゴアスター1隻
その四方にゴアスター並の規模を誇る母艦4隻
ゴアスター並だから星を一撃爆破できる超破壊力
母艦20隻それぞれに主力艦隊20隻ずつ
主力艦隊を取り囲むように護衛艦20隻ずつ
護衛艦の内部には出撃準備OKの駆逐艦20隻
駆逐艦の内部には出撃準備OKのXウイング40機
Xウイング搭載のメガビームは星を貫通
Xウイング搭乗員はゴア星でも選りすぐりのエリート達IQ180以上
Xウイング1機でも勝てるかどうかの最強ゴア星人があろう事か総力で攻めてきた
あろう事か攻撃目標は幼い地球
全宇宙が注目した
地球がどうなるかと言うより何をしたいのかゴア星人は
かつてゴア星総力結集などという恐るべき展開があっただろうかバカなありはしない
全宇宙が身震いしながら成り行きを見守った
さあゴア星人がいよいよ地球圏内に侵入
と言っても破壊するつもりならゴア星から地球なんか一撃だったりする
ややっ最強不沈艦ゴアスターのフタがパカッと空いてさあゴアさん一言
「おい地球人、!!一切っ!!手加減しないから覚悟しろ」
206名無し物書き@推敲中?:05/02/01 01:52:52
あげあげえええええええええええ。
207名無し物書き@推敲中?:05/02/01 02:22:47
>>205
これはいい。読みやすい。ワロタよ
208名無し物書き@推敲中?:05/02/01 04:21:41
>>207
すまん、なにが面白いのかさっぱりだが。。
いや、オチまでの流れは期待を誘うものがたしかにあったが。
209名無し物書き@推敲中?:05/02/01 15:03:52
あげえええええええ!!!!!!
210あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/02/01 16:15:46
【のび太くん】

「出せないよ」と、ドラえもんが言った。
「どうしてさ、ドラえもん」と、のび太は聞き返した。
「のび太くんの未来の子孫が破産したんだよ」
 そう言うと、ドラえもんは申し訳なさそうに俯いた。
 のび太は、深刻な空気を読み取り、読んでいた本を閉じた。
「じゃあ、もう未来のアイテムは出せないって事?」
「うん、もうレンタルするのは不可能だって……」
「あれって、レンタルしてたのかい?」
「そうだよ、あんなに全部、買える訳ないじゃないか」
 今年の春で高校生になるのび太は、冷たい視線を投げかけた。
「じゃあ、ドラえもんがいる意味が無くなっちゃったな」
「酷い事言うなよ、のび太くん」
「もう未来に帰ってくれ」
 驚いたドラえもんは、「えっ」と、微かな声を発しただけだった。
 いつか聞くであろう台詞を、こんな状況で聞きたくはなかった。
「今すぐ、帰ってくれ!」
 大きな声を張り上げたのび太は、小銭の入った大きなビンを差し出した。
 それは、今まで趣味で集めていた値打ちのある高価な古銭だった。
 呆気に取られているドラえもんに、無理やりそれを押し付けた。
「きっと、未来じゃもっと値打ちが上がってると思うから」
211名無し物書き@推敲中?:05/02/01 20:13:03
>>210
汚いぞ!ドラえもんねたでくるとは!
不覚にも涙腺が緩んだではないか!゚・(ノД`)・゚・。
212205:05/02/01 22:33:55
ゴア総指揮による一斉攻撃が開始された
主力艦隊はコスモ砲を全面的に開放
護衛艦も最新鋭の追跡型ビームをMAX放射
駆逐艦から300ミリ砲弾がシャワー状に降り注ぐ
既に地球は粉々散々のほぼ宇宙の藻屑
であるにも関わらずXウイング全機離陸および攻撃開始の指令
無数のXウイングからメガビーム砲が放たれ藻屑の地球はさらに細かい藻屑に
細かい藻屑めがけて母艦4隻に主砲発射の命令
滅多な事では見られない母艦の主砲発射
宇宙全体が固唾を飲んだ
前の大戦では一発だけ放たれ数千万の生命体が一瞬で消滅それがx4倍
母艦4隻主砲を一斉発射
藻屑の地球は一瞬にして気化つまり地球は既に気体と言うより原子に帰した
!!ゴアストローム!!
全宇宙が震えたショック死した者も多数出た
ゴアストロームそれは全宇宙を超高度な科学力で制圧したゴア星科学の結集
配下将軍連も耳を疑ったが出力120%ゴアはゴア・ファイナル・ボタンをPUSH!
……地球は無に帰した……ついでに周辺3光年の生命体が無に帰した……
静かな宇宙を帰還するゴアスターのブリッジがアップになりさあゴアさん一言
「くそ!どうにも腹の虫がおさまらんわっ!」
213名無し物書き@推敲中?:05/02/02 03:49:28
>>210
タイムパトロールに捕まりそうな行為だなw
214名無し物書き@推敲中?:05/02/02 04:02:58
テストの時間中、わからない問題があった。
この問題ができなければ単位はもらえない。
いくら考えても答えがわからない。
答えがわからないのはいいが、単位はもらいたい。
カンニングをすることに決めた。
横の奴の答えを見ようとしたが、腕で隠された。
小声でそいつに「見せてくれ」と言ったが、
そいつは無視して答案を隠している。
私は腹が立って大声で言ってしまった。
「おまえ、自分さえよければいいのか!!」
215118:05/02/02 06:05:02
『テスト』

鉛筆を置き時計に目をやると、テスト時間はまだ30分以上残っていた。
もう解答欄はすべて埋めてしまった。自信のある答えばかりではないけれど、
既に満足してしまったため、見直しもそこそこに裏の白紙部分に落書きをすることにする。
教室の真ん前に腰掛、クラス中を睥睨している教師の顔をモデルに決めた。
書き始めてから五分ほど経った時、隣の席から控えめな笑い声が聞えた。
横目でちらりと窺うと、隣に座る奴が自分と全く同じ行為をしていた。
ただしかし、デッサンの実力では隣の奴が上回っている。
例えるなら小学一年生と荒木飛呂彦ぐらいの差があった。
競争心に駆られるまま消しゴムで落書きを消し、今度は二科展入賞を狙う気構えで描く。
20分後、白黒写真と見まごうほどの絵を書き上げた。腕が震えるほど疲れたが、
澄み渡った空に引かれた飛行機雲の様に気持ちが良い。
隣の奴は、まいったと言わんばかりの表情ではないか。
勝利の余韻に浸りながら、改めて自分の絵と隣の奴の絵を見比べていると、
ある事に気がついた。隣の席にはテスト用紙が二枚載っている。
自分の机には一枚しか載っていない。テスト用紙は二枚あったッ!
と思いかけたが、しかしそんなことはなく大胆なカンニングだった。
その後濡れ衣が着せられた。教師の横目で見ていただろうという詰問に、
落書きを見比べていたという真実は通らなかった。
216名無し物書き@推敲中?:05/02/02 18:46:45
上げエエエエエエエエエエ
217名無し物書き@推敲中?:05/02/02 21:09:56
 
218名無し物書き@推敲中?:05/02/02 21:42:04
あげあげあげえええ
219名無し物書き@推敲中?:05/02/02 23:15:01
「突撃」
夜の闇に紛れ我々14名の切り込み隊は磯村少尉を先頭にじりじりと敵陣へと迫っていった。
私は自分でも驚く程に落ち着いていた、思えば入営以来戦い続けた五年間であった。
シナの北支で八路軍を追い続け、此処ルソンではゲリラの征伐に日々を費やした、
青春というものが有るならばそれは私にとってそれは戦場を意味するのだろう
分隊は匍匐前進に移った夜露に濡れる草を掻き分け私は進み続けた。
右後方から付いて来る野田上等兵が「今度ばかりはいけねぇ」と呟いた「なぁーにどうにでもなりまさぁー」
と大神一等兵が茶化す周りからはクスクスと笑いが漏れる私も微笑んだ・・・
この戦で我々が助かる見込みは無いに等しいが、なんとも勇ましく頼もしい事であろう
不器用な男達の集団は敵の通信施設のそばに来ていた。
磯村少尉が小声で「着剣せー!」と指示を出す、私は腰の銃剣を引き抜きなるだけ音をたてないように小銃に装着した、
磯村少尉は小さく頷くと伏せたまま腰の軍刀を器用に引き抜いた。
我々はさらに前進した、頬を地面になすり付け無音で近づく我々に敵は気づいていない磯村少尉の動きが止まった、
私は顔を上げてみた百メートル程先になにやら施設が見えた野田達も周りを見渡していた。
磯村少尉は方膝を付き軍刀を振り上げた「突撃!」静寂を破る怒声が辺りに響き、はじき出される様に私は飛び出した
二十歩ほど走ると照明弾が打ち上げられ辺りが昼間の様に明るくなり無数の曳光弾が飛び交っていた、
前方を走る磯村少尉は体をくねらせ軍刀を地面に刺し息絶えた、後方を走っていた大神は早くから気配が無い。
息をはずませ走る私の体に熱い痛みが走る、
地面に引きずり倒された私は飛び交う曳光弾をぼんやり眺めていた。
220名無し物書き@推敲中?:05/02/03 00:24:49
『デス・ノート』

道端に少年が倒れている。顔を見れば僕と同い年ぐらいだ。
少年は胸に手を当てて苦しそうな顔をして死んでいた。どうやら心臓発作らしい。
ふと見ると少年の脇に黒いノートが落ちている。
『デス・ノート』と表紙に書かれたそのノートを僕は何気なく拾って読んだ。

「何てことだ!」
僕はノートを見て愕然とした!
そこには、つい最近死亡した人の名前がズラリと書いてあった。その死亡原因までもが!
中には名前だけが書かれている人もいる。死因は何だろうか?
少しのあいだ思案して僕は思い当たった。
「・・・心臓発作で死んでいるはずだ。確かニュースでそう言っていた」
僕はこのノートの恐るべき能力に気が付いた!

慌ててノートを始めのページから読み返す。そこにはこのノートに関しての説明が詳しく書いてあった。
「すごい!このノートさえあれば、世界を支配するのも不可能じゃない!」
僕はこのノートを自分の物にしてしまう事に決めた。

そう思いながら説明を読んでいると、一番最後に『お客様との契約について』と書かれている項目があった。
『上記の契約規定に同意し、このノートを使用されるお客様は下の欄にお名前をお書きください』と書いてある。
そこには既に誰かの名前が鉛筆で書いてあった。僕は迷わずそれを消しゴムで消して自分の名前を書き込んだ。
数秒後!僕の心臓に激しい痛みが...!

・・・・道端に少年と少年が倒れている。
221宮本 ◆Iw38oYQt42 :05/02/03 00:34:45
>>220
面白いけど、『僕』じゃなく『彼』にしたほうが良かったような気がします。
222名無し物書き@推敲中?:05/02/03 01:18:31
>>215
>澄み渡った空に引かれた飛行機雲の様に気持ちが良い。
ワラタ 
>>220
少年が死体の心臓に触るかなとおもふた
223名無し物書き@推敲中?:05/02/03 03:36:01
童貞の僕に彼女ができた。
数ヵ月後、彼女から妊娠したと告げられた。
それを聞いたとき、何も答えることができなかった。
僕も彼女も結婚適齢期を迎えてる。
客観的に見れば
できちゃった婚をするのが普通なのだろう。
しかし、僕は結婚する事など考えてなかった。

僕は今も童貞だからである。
224名無し物書き@推敲中?:05/02/03 05:11:59
>>223
おととしの明石家サンタですか
225名無し物書き@推敲中?:05/02/03 08:13:22
若いうちに今の人と駆け落ちしてもう五年、生まれた子供も二歳になりチョットは喋るようになった。
最初はうまく生活していたが夫が失業してから歯車が狂い始めた。
酒に溺れ、あまり帰って来なくなり、帰って来ても酒の匂いをさせ金目の物を漁るだけ。
唯一の救いは暴力を振るわないこと。けど、ここ暫くは家にも帰って来ない。
ついに新しい女の人が出来たのだろうか?
私はまだ夫を愛しているがもう終わりなのかもしれない…実家に帰ろうか。
そうと思案してるうちに夫が帰って来た。
久しぶり帰って来た夫からは酒の匂いはせず真剣な表情だ。

私は覚悟した。

「話がある」
「なに?」

「もう、この中途半端な生活、関係を終わらそうと思う」
「そうね」

「書いてくれ」

虚ろな私は机に出された紙に名前を書き入れた。

そして夫が懐から何かを出しながら言った。

「結婚しよう。仕事も決まったんだ。」

そう言った夫の手には指輪が。


私は理解できず書いた紙を見ると、それは婚約届けだった。
226名無し物書き@推敲中?:05/02/03 08:14:42
初めて書いてみました。
感想お願いします
227名無し物書き@推敲中?:05/02/03 10:14:20
初めの方の文が冗長だと思いますが、それはおいておいて
五年も一緒に生活しているのに結婚してなかった…という落ちは現実感がなく
私はついていけませんでした。
228名無し物書き@推敲中?:05/02/03 12:49:28
「看板」
 夕刻になっても雨は降り続いていたが、空を覆う雲は薄らぎゆく陽光を遮るほどで
はなかった。平野を貫く幹線道路には、いつもと同じように、数台の車が目的地への
到着を急ぐように走行していた。
 辺りの岩で覆われた地表には冬枯れた草木が斑を彩っており、その向こうに
緩やかに起伏する山際が見えた。国境に近づくにつれて次第に田畑や交差する
小路が目に付くようになったが、集落らしき光景はまだ現れなかった。
 男は西に向けて車を運転していた。暫くすると、はるか前方左側に、聳え立つ四角い
影が見えた。それは、夕暮れ時の小糠雨の中、逆光を浴びて判然とは識別できなかっ
たが、やがて大きな看板であることが判った。
 男は看板に注意を向けたが、その看板が道路からかなり入り込んだ所に位置して
いたため、かろうじて文字で何かが書かれているとしか判らなかった。そのまま運転を
続けて看板のある辺りに近づいても、その文字は糢糊とした影のままであったが、
じっと目を凝らしてようやく判読するできた。
 看板の文句を確認した男が、煩わしい看板めっ、と思って視線を前方に戻した瞬間に、
男の目に鋭く右に曲がる下り坂が映った。男はあわててハンドルを切ろうとしたが、時既に
遅く、男の車は、カーブを曲がりきれずに、勢いよく道路から飛び出して横転してしまった。
 事故に遭った車の中の男は、薄らいでいく意識の中で呟いた。
 「あの忌々しい看板さえなければ..」
 事故現場付近の看板にはこう書かれていた。──「よそ見するな、前方注意!」
229名無し物書き@推敲中?:05/02/03 16:05:11
◆最強の棋士◆

私は史上最強の棋士だろう。
というより、史上最高の頭脳の持ち主といっていいだろう。
おたがいに定石の続く序盤はともかく、変化の現れる
中盤以降は、私には最善手しか浮かんでこない。
ゆえに、絶対に負けない。
将棋というものは、いかに悪手を指さずに、妙手を指し続けられるかの
勝負でしかないのだから。

今もまた… 私が第1手からずっと5秒以内に指し続けている一方で
相手はこのくだらぬ局面に、もう1時間も考え続けている。
早くしてくれないか。 どうせ私が勝つのだ。
私はこの無駄な時間に耐え切れない。
早くしてくれ。 ほら早く。 早く。 早く。 早…く。 は…や……。

「…58…59… 以上、時間切れとなりまして、先手、佐藤九段の反則負けとなります。」
230名無し物書き@推敲中?:05/02/03 20:25:40
【古文の授業】
「それでは古文の授業をはじめます。」
教室に入ってきた女教師が真顔で言い、一番前の席の子を指名した。
「宮上さん、宿題の例文は訳してきましたか?」
少女は自信ありげにうなずいた。
「それではどのように訳したか教えてください。」
少女は「はい。」と短く明瞭に返事をし、反り返るほど胸をそって立ち上がった。
眼鏡をかけて、背筋をぴんと伸ばしている。絵に描いたような優等生だ。
そしてノートを胸の前に持ってきて咳払いをし、気取って読んで見せた。
「私は昨日、恋人と寺に行く途中犬の死骸を見つけました。
本当に気分が悪くなって吐きそうになりました。
しかし寺に行った帰りに見るととてもかわいそうに思えてお墓を作ってやりました。
こういうことを友達に言うと善人ぶっているなどといわれそうなので秘密にしようと思います。」
少女は読み終えて先生の顔を見つめた。まるで完璧でしょうといいたいような顔をしていた。
「上手ですね。それでは皆さん原文の音読練習をしましょう。」
少女はややつまらなさそうに着席した。未練がましく、そろそろと腰をおろした。
皆は教科書を持ち音読をはじめた。
「あのさーウチ、昨日カレと寺に行く途中死んでる犬を見つけたんだけどさー、マジキモくって、ゲロはきそうになっちゃった。
でもさー帰りにまた見たらなんかかわいそうに見えてきちゃってぇ、お墓作ってやったの。
でもさーこんなことダチとかに言ったら、ソッコーいじめとかされそうだから止めておく。」
231名無し物書き@推敲中?:05/02/03 22:40:35
>>225
要努力

>>228
もっとスリムに。

>>229
将棋知らないと伝わりにくい可能性が。

>>230
アイディア○
オチを、
>「あのさーウチ、昨日カレと寺に行く途中死んでる犬を見つけたんだけどさー…」
あたりで止めておくのも手。
232あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/02/03 23:55:27
【涙の分だけ】

 誰かが、こう言った。
“涙の分だけ、優しくなれる”誰だかは忘れたが、その人は正しかった。
 僕は、その言葉を身に染みて感じているのだから。
 今朝、道端で一人の老人が倒れていた。
「おじいさん、大丈夫ですか?」僕は、思わず走り寄って聞いた。
「ああ、大丈夫じゃよ。わしの懐具合以外は、すべて順調じゃよ」そう言った。
「それでは、詐欺か何かにあってしまったんですね」
 僕は、悲壮感に満ちたその老人の表情を見て、胸が少しだけ痛んだ。
 しかし、涙を見せるほどの事ではなかったらしい。目は少しも潤んではいなかった。
「実は、さっき競馬で生活費を全部使い果たしてしまったんじゃよ」
 そう言うと、はにかんだ様な笑顔を僕に見せた。
 つまり、自業自得なのだ。悲壮感は、単なるハズレ馬券でしかなかったのだ。
 老人は、今度の生活の事より競馬で取れなかった悔しさを熱く語りだした。
 アホらしくなった僕は、老人を放っておいて立ち去ろうとした。
 しかし・・・それは出来なかった。
 更に、僕は持っていた全てのお金、15万円を老人に手渡してしまったのだ。
「必ず、万馬券を取る」と意気込んで、老人は去って行った。
 また、やってしまった。
 これが、僕の優しさなのだ。
 そう考えると、また涙があふれ出てきた。次から次へと止めどなく、大量に。
 僕は、そうして・・・また、優しくなった。 
233名無し物書き@推敲中?:05/02/04 00:00:42
涙の分だけアホになっていってますね
234名無し物書き@推敲中?:05/02/04 00:53:16
年賀状が届いた。隅に小さくあぶりだしと書いてある

──あいつらしいな

そう思いながらライターであぶった


火気厳禁
235名無し物書き@推敲中?:05/02/04 02:24:48
「ぼやき」
なんで自分が生きているのか、時々わからなくなる
器量がいいわけでも、頭がいいわけでも、キャリアがあるわけでもない
毎日、当たり前のように、満員電車に乗って、20名ほどしかいない小さな会社へ行く
廻ってくる仕事はコピー取りとファイリングだけ
会社が何をやっているのかほとんどわからないまま時間だけが経っていく
いつのまにか恋愛やら結婚もなにげなくあきらめて、このまま年だけとっていく
このまま骨になっていくんだろうか
生きてるという実感がつかめない
236名無し物書き@推敲中?:05/02/04 02:55:28
>>232
文体 ○
内容 △-

>>234
オチとの関連性がよくわからない。

>>235
はぁ…ぼやきですな。
237名無し物書き@推敲中?:05/02/04 07:28:24
>>235
オチないんかい!
238名無し物書き@推敲中?:05/02/04 10:40:21
「爆弾をしかけた。2時間後に爆発する」
 この爆弾テロの爆破予告は、今から三十分前に出された犯行声明にて出たものである。
要求が何かは知らないが、とりあえず我々爆弾処理班の出番というわけだ。日本では
活躍する機会なんかないだろうと思っていたが、今ではなぜ誰も真剣に勉強しなかった
のか、そこいらで責任転嫁の醜悪な喧嘩が始まっていた。
「やめないか! それで爆発が止められるわけじゃないだろ」
 隊長の言葉である。彼は我々の間で現在も根強い人気を誇るポーカーの導入者だった。
彼は信用できない……! 現場はモノを見つける前から緊張の局面に入っていた。
「やめないか! 人命第一、処理班はすぐ解体作業に入れ」
 警視正のお言葉である。爆弾処理できないくせに。とは誰も言わず、皆きびきびと爆弾を
探し始め、10分で見つけ出した。優秀なのである。
「10分ごとにアラームを鳴らすなんて、相手は余裕あるな」
「12回のうち、今のが4回目ということか」
「大丈夫、まだ時間はある。さあ解体しよう」
 解体作業には随分と時間が費やされた。皆素人同然であったため、どのコードを切るのが
良いか、などの議論が闘わされたからである。それでもなんとか、11回目のアラームがなる
前に最後の選択まできた。いわゆる赤か青か究極の二択である。
「隊長、もうすぐ11回目のアラームが鳴ります」
「よし、驚いて操作ミスしちゃいかんから、それが鳴ってから赤を切ろう。いいか赤だぞ」
 だが11回目のアラーム音はしなかった。隊員の耳に届いたのは爆発音だったからである。
239名無し物書き@推敲中?:05/02/04 14:45:45
>>238
冷たいことを言うようだが、文章として破綻している。
4点
240名無し物書き@推敲中?:05/02/04 16:15:58
かんかんと容赦なく照り付ける灼熱の太陽と、高温に熱せられた屋上のコンクリートに挟まれて、
あぶら汗を滴りながらジューシーな男達がもくもくと作業をしている。
仕事中は一切の無駄口を吐かない。一切の弱音も吐かない。ツラさは皆おなじなのだ。
他人の気力を損ねるような真似は、やる気を失う事を知っているからここでは許されない。
年齢50を超えた安さん、さすがに今日の暑さにこたえているようだ。水分補給の回数が増す。
慣れない者なら5分ともたない。意識が朦朧として来て、下手すると場所が場所なだけに
死に直結する。
「おーい、ひろしー、休憩にしねーかー」
無言で了解の合図を送る。ひろしはブリキを叩いていたハンマーを置くと、安さんの方へ向かう。
胸のポケットから取り出したタバコに火をつけて茶を汲み、ドカリと腰をおろす。
休憩中は、貯蓄されていた不平不満や愚痴が一気に吐き出されるシステムになっている。
「暑くてやってらんねーよ、やっさん。だいたいこんなもん立ててどうしようっての」
「税金の無駄づかいだよなー、わしらに均等に分配してくれりゃいいのによ」
不況に煽られ建築業は仕事が減ってきている。公共事業があってこそ生活が出来る彼等だが、
苛酷な労働条件が口を勝手に動かすようだ。安さんは肩をほぐす。
「肩が痛てえな、無理したかな、肩が回らねえ」
「やっさん、そのうち首も回らなくなるよ」
工事現場の騒音とともに、明るい笑い声が今日も響く。
241名無し物書き@推敲中?:05/02/04 19:31:44
>>240
いい雰囲気はあるけど、ショートショートではない。。
前半、文章を見直したほうがいい。もうちょっとすっきりさせられるはず。
242名無し物書き@推敲中?:05/02/04 19:47:05
◆裁判員◆

男は無実だった。

A「この男は女性の敵よ。許せない。」
B「本当に汚らわしいわ。」
C「女性を物としか見てないのよきっと。」
D「本当に最低だと思うわ。厳罰が必要ね。」
E「いや、しかし状況再現では反抗が不可能だった可能性が高いとなったはずですよ…。」
F「ええ、そうですよ…あと女性の側も調べてみると疑わしいことがいろいろ出たじゃありませんか。」
A「問答無用よ。 女性の敵、痴漢に権利なんかないわ。」
B「そうよ。」
C「絶対に有罪ね。」
D「異議なし。さっさと決を採りましょう。」

有罪。 有罪。 有罪。 有罪。 無罪。 無罪。

無罪。 無罪。 無罪。

結果、5対4で無罪。
243名無し物書き@推敲中?:05/02/04 20:59:27
>>241
arigatogozemaus
244名無し物書き@推敲中?:05/02/04 23:22:39
「会いたい」と、洋子からメールが届いた。
 半年前の彼女の帰郷と同時に、僕らの交際は終わったはずだった。
 だからそう返信した。
 しかし翌日にもメールは届いた。返信はしなかった。
 それでも毎日同じ時間になると、洋子は同じ内容のメールを送ってくる。
 会いたいと繰り返す、一方通行のメールを。

 次の休日に洋子を訪ねた。
 しかし彼女には会えず、代わりに僕はまだ新しい献花のある墓に案内された。
 そのとき携帯がメールの着信を告げた。
 「ありがとう」


245名無し物書き@推敲中?:05/02/05 09:08:40
>>2 うんこ
>>3 うんこ
>>4 うんこ
>>10 たいへんテンポが良いでしょう。5点
>>12 うんこ
>>18 うんこ
>>21 表現がすばらしくよろしい。10点
>>22 うんこ
>>24 ちんぷ
>>26 ちんぷ
246名無し物書き@推敲中?:05/02/05 09:10:19
>>29 ちんぷ
>>36 レス
>>39 読ませる力がたりません。1点
>>42 さんねん
>>47 ちんぷ
>>49 読ませる力がたりません。1点
>>53 うんこ
>>62 ちんぷ
>>64 うんこ
>>68 うんこ
247名無し物書き@推敲中?:05/02/05 09:11:35
>>70 ざんねん
>>71 落ちまでもっていきましょう。4点
>>74 うんこ
>>76 面白い逃げ方でした。9点
>>79 うんこ
>>82 うんこ
>>85 あめりか
>>86 >10との違いが、分かれ道。3点
>>87 表現が陳腐で残念。1点
>>88 うんこ
248名無し物書き@推敲中?:05/02/05 09:12:25
>>90 あいであは悪くない。1点
>>94 うんこ
>>101 最後の5行でぶちこわし。4点
>>102 敢えて消した1行を見る。2点
>>104 キャラが立ってないでしょう。1点
>>106 ちんぷ
>>111 うんこ
>>115 最後の2行で勝ち。6点
>>118 雰囲気勝負はやめましょう。3点
>>125 すごく普通でしょう。4点
249名無し物書き@推敲中?:05/02/05 09:13:08
>>126 解説するのはやめましょう。1点
>>127 ちんぷ
>>129 もりあげましょう。1点
>>132 不思議なのはあなたです。10点
>>135 正直者よしあわせに。7点
>>137 正直者だけしあわせに。7点
>>138 ちんぷ
>>139 僕の設定がふてきとー。4点
>>140 >21を読みましょう。2点
>>144 うんこ
250名無し物書き@推敲中?:05/02/05 09:14:24
>>145 言葉と心理の気持ち良さ。10点
>>148 無駄なくまとめました。4.5点
>>151 表現の拙さが前面に。4点
>>152 うんこ
>>153 >10との違いが、分かれ道。3点
>>154 ドラマに欠ける。3点
>>156 はえ
>>157-179 >178の生き方は正しい。10点
>>183 うんこ
>>184 うんこ
251名無し物書き@推敲中?:05/02/05 09:15:07
>>185 うんこ
>>186 うんこ
>>187 文章を推敲しましょう。2点
>>188 文章を推敲しましょう。2点
>>191 1行目のインパクト。8点
>>192 うんこ
>>193 ショートショートのお手本。7点
>>196 若い文章、堅い行動のギャップ。8点
>>199 うんこ
>>201 しっぱい
252名無し物書き@推敲中?:05/02/05 09:16:04
>>202 うんこ
>>203 くだらないアイデアを実行する勇気。4点
>>205 うんこ
>>210 うんこ
>>211 うんこ
>>214 うんこ
>>215 うんこ
>>219 つまらない
>>220 うんこ
>>223 ぱくり
253名無し物書き@推敲中?:05/02/05 09:16:48
>>225 うんこ
>>228 ちんぷ
>>229 うんこ
>>230 アイデアに負けている。3点
>>232 頭わるすぎ。2点
>>234 うんこ
>>235 うんこ
>>238 うんこ
>>240 うんこ
>>242 男は無罪だった。3点
254名無し物書き@推敲中?:05/02/05 09:19:35
>>244 ちんぷ
----------------------------------------------------------
>>245-253 しおり
255名無し物書き@推敲中?:05/02/05 09:35:12
いー暇つぶしになった。サンキュー。
中途半端なやつは、改編したくなって厄介だな。>>203とか、>>230とかな。
俺が書きなおしたらよくなるんじゃねーかななんて想像してたら、チンコたつわ。
あー、あといちいち解説するのは、止めたほうがいいな。
特に>>101は勿体ねえ。
こっちだってソコソコ勘はいーんだから、ぜんぶ書くんじゃねーよ。ばか。
てめーは、売れないマジシャンかってーの。
自分で仕掛けた罠を、なんで教えるんだよ。
ひっかかるかどーかを楽しめ。びちぐぞが。

うんこやろーに言っとくが、文章の推敲と裏設定ぐらいきちんと練れ。
ちんぷやろーは、本を読め。
じゃーな。がんばれよ。楽しませてくれてありがとな。
256名無し物書き@推敲中?:05/02/05 11:48:12
>>245-254
こんな親切な人がなんで俺に>うんこ付けてんだよ
お前は親切な人というポジションでいい所までいってんだから
俺に>うんこをつけるな俺に
257名無し物書き@推敲中?:05/02/05 15:59:40
僕は電車に乗った。
はじめのうちは線路上を走っていたが、
いつの間にか線路はなくなり、
嵐の中を行く当てもなくさまよっていた。
ふいに大きな音がした。
外を見ると、
人々が電車になぎ倒されていた。
乗客たちは、
この電車を止めようともせず、
薄ら笑いを浮かべながら、
電車に乗り続けていた。
僕はこの電車はどこに行くんですかと、
隣の客に聞いた。
その客は、口をにやりとさせて、
さあ、としか言わなかった。
こうしている間にも、
電車は人々を引き続けていた。
僕は電車を降りた。
これからはこの嵐の中を
自分の足で歩もうと思う。
258名無し物書き@推敲中?:05/02/05 17:18:19
ある寒い夜のこと、少年が山小屋で火にあたっていました。
そこへ、モタラがやってきて、火のむこうにちょこんと腰をおろしました。
少年が頭の中で、いやなヤツがきたな、と考えると、モタラは、
「今お前は<いやなヤツがきたな>と、思っただろう」
と、いいあてました。

少年がこれが「モタラ」という化け物か、と考えると、人狼は
「今お前は<これがモタラという化け物か>と思っただろ」
と、いいあてました。

少年はもうあきらめて、柴を折って火にくべようとしたところ、
柴がかけてパンとはねて、人狼の顔にあたりました。すると、
「うわあ、いてえ。人間ってのはおそろしいもんだ。心に思ってねぇことをしやがる」
といって、モタラは山へにげていきました。おしまい。
259名無し物書き@推敲中?:05/02/05 18:13:45
>>245-253
ある意味ショートショート書くよりえらい。

評価については、表現重視なんだなアンタは。
俺はアイディア重視だから、アンタとは結構評価が違うかも。

>>115 >>191 あたりが面白いのは同意。

260名無し物書き@推敲中?:05/02/05 19:09:27
>>255
どれだけ暇だったんだ……。
261名無し物書き@推敲中?:05/02/05 19:58:45
「仮面ライダータロウ」

オレは正義の味方だ。
この美しい星、地球を守っている。
しかし、正義の味方は決して楽ではない。
時には愛する人を欺いたりしなくてはならない。
この孤独に耐え、どんなつらい事があっても自分を曲げない、
強い信念を持っていなくてはならない。
今、オレの目の前でお互いを庇い合うようにして怪獣が死んだ。
その理由をオレは知りたくはないし、知ろうとも思わない。
ただ醜いものを殺る、それがオレの正義だ。
262歩く男:05/02/05 23:52:58
彼はどこまでも歩くと言った。
どこから歩いて来たのかと尋ねると、
「ここから出発したのかもしれない」
と答えた。どうしてそう思うのか尋ねると、
「地球は丸いからね」
と答えた。
僕は彼がこの村を好きなことが分かって嬉しくなってしまい、
「きっと、そうに違いない」と相槌を打った。

「でも、違うかもしれない」
彼が少し泣きそうな顔をしたので、僕も悲しくなった。

その時、ひょっとしたら、彼は、自分の故郷を探しているのではないか、
と僕は思いついた。
ああ、だから彼は歩き続けているのだ。
地球が丸いことを信じて。
263二人の男:05/02/06 00:01:56
二人の男のうち、一人は女かもしれない。
と、彼らを見ている人々は思ったものだ。
もしかしたら、あいつは女かもしれない。
と、彼ら自身もこっそり思っていたのだった。

それでも、彼らは上手くやっている。
そういう二人の男がいる。
ただそれだけのことだった。
264118:05/02/06 06:55:56

帰宅途中、いつもと同じ道筋を歩いていると背後から足音が聞えた。

耳に押し当てていた携帯電話を鞄に仕舞いながらすぐに振り返った。
普段ならこんな真似は控えるのだが、いまはちょっと気分が悪い。苛々していた。
しかし振り返ると誰もいない。
おかしいなと思いながら前へ向き直ると、正面には見知らぬ女性が歩いていた。
驚いたものの、すぐ前にある横道からきたのだろうと思った。
心持ち急ぎならら再び歩き出すとまたも背後から足音が聞えた。
薄気味悪くなってきたので駆け出すと、どうやら背後の人物も駆け出したようだ。
自分が追いかけられていることは間違いない。でも誰だろう。
そのとき携帯が鳴った。こんな時間帯に電話してくる相手はおおかた知り合いだ。
そう思い、すぐに電話にでたのだが、聞えて来たのは知らない女性の声だった。
「どうして私のあとを追いかけてくるんですか?」
聞いた事のあるような声だが友人ではない。それに内容が不気味だ。
返答しようと口を開いた時になって気がついた。
いつのまにか前を歩いていたはずの女性が消えている。電話が唐突に切れた。
間違い電話にしても礼儀ぐらい有るだろうと、束の間、先ほどから感じていた恐怖が怒りに変わった。
前を歩いていた女性の事をすっかり忘れてしまい、誰でもいいから怒鳴りつけてやりたくなった。
先ほどから付回してくれている相手はうってつけのように思えた。この際真偽はどうでもいい。

耳に押し当てていた携帯電話を鞄に仕舞いながらすぐに振り返った。
265名無し物書き@推敲中?:05/02/06 16:57:16
【ドラゴンボール】

突然、空が真っ黒になった。
「このたびの戦争で死んでしまった人たちを生き返らせてください。」
「よろしい。 その願いを叶えよう。 …では、さらばだ。」
光が7方向に飛び去り、そのうち一筋は、遠く離れたある海域に突き刺さった。
「また、多くの人々が戦争で死ぬようなことがあったら、ボールを集めよう。」
「ああ、もちろんだ。 しかし、戦争をなくすことが先だろうね。」

数分後、ある海域で核実験が行われた。
266名無し物書き@推敲中?:05/02/06 18:08:48
卒業記念に埋めたタイムカプセルを掘り出す事になった。
皆で交代しながらスコップで掘り続ける。
天気の良い日曜の午後、
Tシャツ1枚でスコップを振るう高木君の額に汗が滲んでいた。

僕はドキドキしながら見ていた。
10年前、片思いの彼女にあてて書いた手紙・・
甘酸っぱい青春の思い出が、もうすぐ地中からよみがえるのだ。
当時片思いだった彼女は、今僕の隣に居て、同じように地面の穴を見つめている。
卒業後、僕らは付き合いはじめた。
そして長い月日が過ぎた。
彼女の中では、僕との結婚はすでに確定事項になっているらしい。
あの頃、汚れを知らなかったあの頃、彼女がただまぶしく見えたあの頃・・

スコップの先が何かに触れて、ガチッ、と鳴った。
箱が出てくる。
軍手をはずしながら、高木君が僕達のほうをちらりと見た。
僕の胸っは高鳴った。

箱が開いたら真っ先に駆け寄って手紙を破ろう
汗でTシャツが貼りついた高木君の背中を見つめながら、僕は思った。
267名無し物書き@推敲中?:05/02/06 18:19:16
>>266
高木君とはどういう関係ですか?
268名無し物書き@推敲中?:05/02/06 19:03:34
>>267
単なる同窓生じゃないの?
269名無し物書き@推敲中?:05/02/06 19:35:04
<蘇生屋>

祖父は蘇生屋だ。実際に生き返らしているところを見せてはくれなかったが、呪文を読むだけでいいらしい。
祖父はいつも笑顔で縁側に座っていた。雨の日も、晴れの日もぼっと座っていた。小鳥が肩に止まっても微動だにせず座っていた。
しかし、蘇生の依頼がくると急に目つきが変わり、動きにキレがでる。恐ろしく気合が入るのだ。そして一度たりとも蘇生した人のことは口に出さなかった。
祖父の死に際、私は祖父に言った。
「大丈夫、死んじゃっても私が蘇生してあげるから。呪文だけでいいんでしょう?」
すると祖父は目つきを変えて大声で言った。
「だめだ、あんなことをしてはいけねえ。あんなこたあ、人間がやっていいことではないんだ。」
しかし大好きな祖父の死はとてもつらく、つい祖父の本に載っている呪文を唱えてしまった。
祖父は口からしゅうしゅうという音を立て、ふらふらと立ち上がった。腕は茶色く腐り、口からは生ごみのような臭いがした。
そしていつものように縁側に座る。雨の日も、晴れの日もぼっと座る。祖父の体を食べにくる虫たちがきても微動だにせず座る。
祖父の体は雨でとろとろにとけたり、生き物が食べたりして少しずつ減っていった。
そして祖父が足の指先だけになったとき私は悟った。
人間は蘇生なんてできないんだ。
270名無し物書き@推敲中?:05/02/06 19:35:59
<恐るべき時代>


「中学生が人を殺し、物を盗む時代。
かつてそんな時代はありましたでしょうか。
休み時間コンピューターの周りに集まって斬首画像を鑑賞する中学生。
いじめをひとつの娯楽とし楽しむ中学生。
私は日本人として悲しゅうございます。」
そう武士は語った。現代にいるはずのない髪を結い、刀を腰に携えた武士である。
黒い目は闘志に燃え、きらりと鋭く光った。
「私は徳川家に尽くして来た武士でございます。」
私がうなずくと彼は続けた。
「なんと申しましょうか。日本人としての誇り、それを忘れているのではないでしょうか。」
たくましく隆起した胸は呼吸のリズムに乗って小さくゆっくり上下した。
「日本人の誇り・・・と申しますと。」
「私は多くの武士を斬ってまいりました。しかし、ただ意味も無くきっていたのではありません。できれば斬りたくなどありませんでした。しかし現代の子たちは死を甘く見ている。それは私にとっては大変耐えがたい。」
「なるほど・・・。」
「そこで私は決心しました。人を殺しそれによって生きた時代のつらさ。死のつらさとは何かと教えてやろうかと思ったのでございます。斬られる熱さ、痛さ、苦しさを。」
飾り気のない、闘志だけで動くような武士はそのたくましい腕をフル稼働して説明した。
「わかりました。それが今回の殺害の動機ですね。」
男は胸を張ってうなずいた。これが大和魂か。
271名無し物書き@推敲中?:05/02/06 20:48:45
>>269,270
なるほど。これが陳腐ってやつか!
272名無し物書き@推敲中?:05/02/06 21:12:04
暇だ、暇が仕事として社会に認められるなら俺は働き者と呼ばれてもいいくらい暇だ。
暇だ、今あいつは暇してるのかなーとか、他人が暇してるかどうかに
熱中してしまうような暇さえある。
暇だ。暇をしてる肥満の人はいるのかなー
とかくだらない冗談ばかりが頭を巡るほど暇だ。
暇ってなんなんだろうなー暇っていう概念は俺のことをどう考えているんだろう。
この暇人め!なんて言ってるんだろうか。
ぷっ、暇っていう言葉自身が俺に向かって暇人め!
なんて言ってるよ、馬鹿じゃないの。アホがアホに対してアホって言ってるのと
同じだろうが、この暇め。
しかしお前との付き合いも長いな。特に好きなわけでもないのに付き合いだけは
長いなんて、まるで夫婦の仲のようだな。ってありきたりな例え話出してきたら
怒られるぜ?
なんて言いながら俺はこの暇を物を書くことに充てている。
273名無し物書き@推敲中?:05/02/06 21:35:41
>>252の「うんこぱくり」にワロタ
274名無し物書き@推敲中?:05/02/06 21:42:04
>>244さんのが一番好きだった。
あなたの作品がもっと読みたい。
275名無し物書き@推敲中?:05/02/06 22:49:03
まがれ
276名無し物書き@推敲中?:05/02/06 23:10:54
>>272
理由はないが気に入ったw
277名無し物書き@推敲中?:05/02/06 23:16:22
 彼女に気づいたのは、ある雨の日だった。
 部屋から見える通りの向こう側で、彼女は歌っていた。
 それは情熱的な恋の歌だった。彼女の独特の声は、不思議な旋律
と共に僕の心を捉えて離さなかった。
 これは恋だ。そう思った。
 次の日も、彼女はそこにいた。そしてまた、あの歌をうたう。
 通りを歩く人々は、無名なシンガーを無視するか、あるいは冷や
やかな一瞥をくれるだけで足早に去って行く。
 ああ、その声に僕が答えてあげたい!
 僕だけが彼女の愛に気づいているのだ!
 頭の中には、とっくに彼女との素晴らしい未来が描かれている。
 あとは・・・そう、この窓を開くことができたなら!

 「コラ! ガラス引っ掻いちゃダメよ、アルフレッド」
 飼い主が後ろからそっと僕を抱き上げた。
 ちりん、と首輪の鈴が鳴る。

 短い恋は終わりを告げた。
278名無し物書き@推敲中?:05/02/06 23:32:57
>>244
たしかにこれはいいなあ。
やられた。ちょっとふるふる来た。感動か恐怖かじぶんでもわからんけど、たぶん相乗効果的なふるふる感。
いや、これは凄い。

>>269
>>270
おれは好き。もうちょい練ればまだよくなる余地があると思う。
279名無し物書き@推敲中?:05/02/06 23:34:26
つうか244はショートショートの広場出したほうがいいよ

2ちゃんで発表してるレベルじゃないぜ
280名無し物書き@推敲中?:05/02/06 23:45:39
>>279
そうかねぇ…?
俺は>>254じゃないが、正直そんなにいいとは思わないな…。
飛びぬけて優れてるという印象はない・・・
281名無し物書き@推敲中?:05/02/06 23:59:22
>>269,270
俺も好き。てか、その作品15歳のこのHPに貼ってあったけど。ぱくりじゃねぇか?
282名無し物書き@推敲中?:05/02/07 00:22:34
>>281
ああ、

ttp://diary2.cgiboy.com/2/taka920/

こいつだろ?別スレで偽者が書き込んで叩かれたたぞ。
俺はあんまり好きじゃないな。
283名無し物書き@推敲中?:05/02/07 10:57:58
彼女の手料理を口にした瞬間、思わず僕は悲鳴をあげた。熱すぎる。こんなものが食べられるはずがない。
料理とは裏腹に冷たい彼女の仕打ちに、僕は寂しさを覚えた。
彼女と過ごし始めた頃は良かった。お互いに愛し合って、毎日同じ蒲団で眠った。
食事だってもっと良いものを用意してくれていたさ。だけど彼女はもう変わってしまった。
特にこの食事、味噌汁にご飯をぶっかけただけ。料理と呼べるのかも怪しい。何より――熱すぎる。
僕に非がないとは言わない。彼女が働きに出ている間、家でゴロゴロしているだけ。
ふらっと家を飛び出してニ、三日帰らないこともしばしばさ。愛想が尽きるのも仕方ない。
けれど彼女が僕に一目惚れして、一緒に暮らしたいって言ったんじゃないか。
それなのに僕が自分の性分を曲げなきゃならない法があるかい。
彼女が何かを言おうとしている。別れの言葉か非難の声か。
今日は僕とて負けてはいない、毅然と反論してやる。さあ言ってくれ
「ねぇタマ、猫まんま食べないの?」
「ニャーオ」
うるさいな、猫舌なんだよ。
284棟方草一:05/02/07 11:28:48
 毎日、僕の郵便受けには一通の葉書が届く。
 住所も氏名も書かれていなければ、裏にも何も書かれていない。
 書かれていたのは最初に一通だけで、裏にただこのように記されていた。
 「僕に名前をつけてくれ」
 それからというもの、毎日のように名前のない葉書が届き、最初は嫌がらせかと思ったが、こうなれば犯人を突き止めてやろうと思って一日中玄関の前で眠らずに待っていることにした。
 その日は風が冷たく、両親もちょうど旅行に出かけており不在であったので、ぼくは寒さが体に身に染みたものの、この日を逃す手はないと判断したのである。
 そしてその日の夜になった。
 僕は玄関の前で何人もの人と擦れ違った。僕の家は二階建てのアパートであり、住人は僕らの家族を含めて四世帯あった。僕の家は二階の一番奥にあったので、大体の人に会うこともできたし、顔も覚えていることができた。
 しかし記憶が確かならばその日、僕以外の人たちとは必ず一度は出会っていたから、ここに住む人たちの犯行ではないようである。
 結局、その日は郵便受けには誰も何も入れてはいなかった。
 翌日、両親が帰ってきた。両親は僕の顔を見て心から安堵したようであった。
 その表情は何というか、喜ぶには少し大袈裟すぎるくらいのもので、お陰でその日は前から欲しかった万年筆を貰うことができたのである。
 僕はとても嬉しいのだが、ただひとつ僕には欠点があったのである。
 それは僕が、
285棟方草一:05/02/07 11:55:35
 去年の暮れから今年の春まで祖父のために何か贈り物をしようと思い、わたしは新聞配達をすることに決めた。
 毎朝誰もいない暗い道を懸命に自転車で漕ぎながら、その日の新聞を受け取り配達先の家々を廻ることにした。
 しかしこの生活のお陰で、ストレスは少しずつ溜まっていった。
 ある日、コンビニの前で尻尾を振っている一匹のシベリアンハスキーを見つけた。体はまだ子供だったのか極めて小さく、尻尾をどことなく弱々しく振っていたので、
 逆に可愛がってあげようと思ったのである。
 しかし、近づくと犬は突然、わたしの右手に噛み付いた。わたしは怒りの余り、犬に蹴りをいれてしまった。
 わたしが我に返ると犬は体を小さくさせてぶるぶると震えていた。
 店の中のアルバイトの少年がおびえた表情でその様子を見ていた。
 わたしが配達を終えて家に帰ってくると、祖父は普段は穏やかな人であるのに妙に険しい顔でソファに座ってわたしを睨んでいた。
 わたしは、どうかしたの、おじいちゃん、と尋ねると、祖父は近頃苛々しているお前の顔を見ていると、何だか無性に悲しくなってくるよ、お前が新聞配達で嫌なことがあるのならば、わたしが代わりに手伝ってやってもいい、と
低い声で呟いた。わたしは祖父の顔を見つめた。祖父はわたしと同じような顔をしていると思った。そして今朝のことを包み隠さずに話すことにした。祖父は黙って頷いてからこう言った。
 
 「お前がいつも笑っていてくれれば、わしには何もいらない」
 
 
286名無し物書き@推敲中?:05/02/07 12:28:32
>>10
これいいね。
287名無し物書き@推敲中?:05/02/07 12:53:54
甘さはない。
彼の淹れるダージリンはいつだって渋いだけだ。
最初は閉口して、ミルクとシュガーをたくさん欲しがった。
けれど、そんなことをしてもごまかせないことに私は気付いた。
それからは平気な顔してストレートをちびちび飲むのが楽しくなった。
甘さはない。だけど、悪くはない。

彼の暮らしは質素なものだ。
私が行かないと、いつもレトルト、カップ麺。
程よく大きな冷蔵庫には牛乳とアイスクリームしか入っていない。
本当、私がいないとダメなんだから。

――だから、このヘタクソなダージリンは彼なりの優しさなんだと思う。
そう思って飲めばちょっとは味が出るというもので。
「なあ」
何? と私は相槌を打つ。
――――。
私は三度まばたきした。
汚れた食器とティーカップの並ぶ木目テーブルの上。
キラキラ光るプラチナリングが、居心地悪そうに転がっていた。
甘さはない。だけど……。
288名無し物書き@推敲中?:05/02/07 16:42:25
 物理学を研究しているY氏が、親友のM氏を山奥の研究室へと招待した。
「どうしたんだい、何年も連絡も取れなかったから心配してたんだぜ」
「喜んでくれ! 俺は、この研究室に篭もって数年の月日を費やし、ついに人類の歴史を
塗り替える大発明をしたんだ」
「ほう! 素晴らしいじゃないか。で、何を発明したんだい?」
「タイムマシンだよ! これで人類は時間を自由に行き来できるようになるぞ」
「……」

 その夜、M氏は眠り込んだY氏を絞殺した。
「すまんな。私には妻も子もあるんだ。家や車のローンもたんまり残ってる」
 研究室に鎮座する銀色の機械に椅子を振り上げながら呟く。
「潰しがきかないもんでね。……考古学者ってやつは」
289名無し物書き@推敲中?:05/02/07 17:56:04
ショートショートのサイトのブログを運営してます。
皆様のご意見を下さい。

http://blog.livedoor.jp/kinami_h
290名無し物書き@推敲中?:05/02/07 23:17:30
 ビルのエレベーターが落下した。
 消防隊員の1人が、潰れた搭乗カゴの中で抱き合って死んで
いる男女を発見した。2人は最上階の会社の社員と同僚だった。
 ふと消防隊員は彼女の手に握られた手紙に気づいた。

 エレンへ。
 君を愛してる。もし結婚してくれるなら、僕は今ここで死ん
でも構わない!
                       スティーブ

 男の手には、小さな箱が握られていた。
 消防隊員は、中の2つの指輪をそれぞれの指にはめてやり、
はじめに報告した内容を、同僚から妻に訂正した。
291名無し物書き@推敲中?:05/02/07 23:49:35
>>290
軽く涙した。
292雨李:05/02/07 23:56:16
粗いけど、Oヘンリーを彷彿とさせます
素敵です
293名無し物書き@推敲中?:05/02/08 17:50:29
>>283
オチが一文目で読めてしまった。

>>284-285
残念ながら理解できん。

>>287
ありがち。

>>288
短くまとめたことは良い。

>>290
うまく起承転結が成立している。
294あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/02/09 02:13:45
【ママとミミ】

ママが、言った。
「ミミちゃん、ご飯よ。お座りしなさい」
猫のミミは、ウロウロ歩きながら鳴いた。
「ニァ〜オ」
それを見て、ママは言った。
「お座りしなくちゃ、ご飯はあげません」
猫のミミは、どうしていいのか分からず、更に鳴いた。
「ニャ〜オォ、ニャ〜オォ」
それでも、ママは厳しくこう言った。
「ご飯は、お座りの後です」
ミミは、すっかりスネてしまい、どっかへ行ってしまった。
「まったく、もう…」
九官鳥のママの嫌がらせは、今日も冴えていた。
295名無し物書き@推敲中?:05/02/09 14:49:30
>>290
>会社の社員と同僚
だったら両方とも社員だろ?
「社員と同僚」と報告する消防隊員の脳みそが理解できない。
ていうかこれは全体的にギャグだと思ったんだがマジなのか?
296名無し物書き@推敲中?:05/02/09 19:52:11
「ピースメイカー、か」
男は一丁の拳銃を手にして呟きました。
「どうです?買いますか?」
男と向い合った形で、女性──武器商人が問う。
「そうだな、少し考えさせてくれ。……ところで、だ」
「どうかしましたか、お客様?」
女は、妖艶に微笑みながら言いました。
「銃は戦う為の物だ。それを"平和を作る物"なんておこがましいと思わないか」
「さあ、どうでしょうね。『俺達の造った武器で戦争を終わらしてやろう』
という腹積もりだったのかも知れませんわね」
「……どうなんだろうな。物は遣い様って事か、結局」
男は脱力した様に言います。
「まあ私は、平和も戦争も造る気はありませんわ」

「自分の生活を作りたいだけですから。……どうします、お客様?」
女は、妖艶に微笑みながら言いました。
297名無し物書き@推敲中?:05/02/11 03:03:44
「普通の女」

「ねぇ、Xちゃんのことどう思う?」
妻は友達を紹介するたびに俺に意見を聞いてくる。
困ってしまう。
「どうって、別に」
「美人よね」
「ああ」
Xはまぁまぁだったよ。でも、それがどうした。
タイプでもなんでもない。1回しか合ったことのない女。
強いて言うなら虚栄心の強そうな女だった。
「あんな美人なのに、いまだに独身なんて、男って見る目がないよね」
おいおい、そんな単純なもんじゃないんだろと思いながらも、「そんなもんだよ」と適当に応えた。
そして、「かわいげがないからな、おまえの方がかわいい」とつぶやいた。
その言葉を待っていたかのように、妻はホッとした顔で微笑んだ。
まったく女って奴は
298名無し物書き@推敲中?:05/02/11 03:22:05
「無題」

眠れなかったので、テレビをつけた。
映し出されたのは、
ビルに突っ込む二機の飛行機。
どうやらライブ映像のようだ。
いつか読んだ漫画のワンシーンのように、
現実感を伴わないまま、ビルは崩れていく。
何千という命が今、消え、続けている。
だけど、僕の頭は明日のことで一杯で、
初めての彼女との旅行、
楽しみで仕方がないんだ。
テレビを消し、
電気を消し、
布団に入る。
テレビは消したけど、
この瞬間もいくつもの命が消えている。
だけど、僕は明日のことが楽しみで。
やっぱり眠れない。
なぜか、涙が頬を伝った。
299宮本 ◆38MyApPIX2 :05/02/11 08:11:33
>>297
さりげなく、巧い。

>>298
芸風からして297さんの作品だと思うが、>>297ほどの説得力はない。
300PANDA:05/02/11 23:47:20
男は、手の中の札束を眺めた。
「いざとなると、何に使ったらいいかわかんねえな」
雑然とした部屋の中に、携帯電話の呼出音が鳴った。
「はい」
「○×病院の者ですが、あなたのお母さんが事故に会って、今すぐ50万円、振り込んでくれないと、助からないのですが」
ずいぶん若い声だった。きっと、女子高生くらいだろう。
「わかりました。どこに振り込めばいいですか?」
「え・・・△☆×−3456789です」
「倍の100万円振込みますから、必ず助けてください」
「いや・・・そんな、いいです」
「わたし、今日、死ぬんです。母を必ず助けてください」
驚く顔が電話の向こうから伝わってきた。
「そんな、ちょっと待って、そんなこと言われても・・・」
「いや、心配しないでください。母がもし助からなくても恨みはしませんから。ただ、振り込んだお金は、あなたが、大事に使ってください」
「病気なの? ・・・まさか、自殺?」
「このお金、私のためにある人が貯めてくれたお金なんです。もう、随分前に死んでしまいましたが」
怒りに震える顔が電話の向こうから伝わってきた。
「ふざけんな! そんな大事な金、人にまかすな! 両親にプレゼントするとか、いろいろあるだろ! ばーか!」
ブチッと電話は切れた。が、悪くない顔だった。
「プレゼントか。悪くないアイデアだな」
僕はかすかに自分がひさしぶりに笑った気がした。
301名無し物書き@推敲中?:05/02/12 00:00:04
「逃亡者」

私は、何らかの施設に閉じ込められていた。
余りにも窮屈な其処を抜け出し、何処をどう走ってきたのかは分からない。
が、とにかく私は突然降り出した雨を避ける為、人目につかない郊外の廃屋らしき家に忍び込んだ。
外では、私が居た時より強く、ざあざあと雨が道路を打ちつける音がしている。
埃っぽい部屋と、朽ちたフローリング。濡れた身体と、足跡。
もし此処に人が来たらどうしようか。そんなことを考えていた時だ。
ぎしり、と近くで鳴ったのが聞こえた。
びくん、と体が震え、周囲に意識を配る。
人の気配は無い。だが、万が一私を追ってきた人間だったら、ということが考えられる。
恐怖を押し殺して私は立ち上がり、音を立てぬよう、忍び足で音のした方へ向かった。
ドアを開き、そろり、そろりと歩を進める。
ぎしり。
心臓がびくりと跳ねる。
扉の奥で、確かにそう鳴った。
私の手は、恐怖でか、かたかたと震えている。
心臓の鼓動が、早くなる。
意を決し、私は扉を開けた。
其処に居たのは、形容できないほど、恐ろしく、不気味な姿の怪物。
私の意識は、そいつを見た瞬間急激な心臓の痛みとともに途切れた。

「昨夜未明、N研究所から脱走し問題となっていた人造生物が、郊外の廃屋の風呂場で死んでいるのが
発見されました。
N研究所は非人道的な動物実験等を繰り返し、その結果誕生した人造生物をひた隠しにしていましたが、
今回その生物が脱走したと云う事から存在が表沙汰になりました。姿を見た人が、『滅茶苦茶怖かった。
心臓の弱い奴なら見ただけで死ぬんじゃないか』と言うほど恐ろしい外見をしており、その怪物に一体
何が起こったのか、これから調べていくとの事です……」
302名無し物書き@推敲中?:05/02/12 01:24:49
>>297
ふつう。

>>298
ふつう。

>>300
色々と強引な点があるが、おもしろい。

>>301
表現に工夫している点は評価するが、結果として冗長。
ネタはありがち。
303名無し物書き@推敲中?:05/02/12 02:23:29
「距離」

助走をつけて、力を入れて地面を蹴って。
それでもあなたに届かない。

「そうか」
そんな一言。ジャケットくらい、羽織ってから伝票取りなさいよ、ともいえずに黙って付いていく。
小銭だけ支払って、お札だけだすあなた。これまでと同じ。これからは、ない風景。

「まぁ……お前も、がんばれよ。おれもこっちでがんばるから、じゃあな」
結局ジャケットも羽織らないで背中見せて。
ばかじゃない、ばかじゃない!!電話で友達にやつあたり。
「どうしてそこで、別れちゃったわけ?」
どうして、友達とは遠距離続けられるのに、男とは続けられないんだろう。
あのとき、手を伸ばしたら何か変わってた?手を伸ばしてたら、まだそばにいられたんだろうか。
「まぁ、済んだ恋は忘れてさ、新しい場所で新しい恋でもみつければ?あんた寂しがりだし」
手を伸ばして、届く距離にいないと、唯一の人と確信できない。
私の許容範囲は、直径1M50cm、誰かこの距離を埋めてくれないかしら。

「そりゃ無理だって」
いつも正しいことだけが、すぐにわかるのね。


駄文か(´・ω・`)
304名無し物書き@推敲中?:05/02/13 18:20:45
真っ暗な空間の中で私だけにスッポットライトが当たっている。
「被告人、松岡沙織、前へ。」
場内に低い声が響く、私は言われたとおり前に出る。
「被告人は先日、2月6日、通っていた高校で首を吊り自殺。自己殺人罪と人間権破棄罪の容疑がかかっています。」
そう、私は一週間前、自殺した。自殺すれば簡単にこの世から逃げ出せると思ったからだ。
想い通り、死ぬ事は簡単だった。
しかし、すぐには死後の世界には行くことはできなかった。
次に気がついた時には牢屋の中だった。
その後、天使という男が説明に来ていろいろな事を話してくれた。
ここは天国でも地獄でも現実界でもない、グレーゾーンと呼ばれる場所であるという事。
自殺者は自らの命を奪った犯罪者とされ、裁判にかけられるという事。
どれもすぐには信用できなかったが、信用せざるを得なかった。
そして、今日こうして裁判を受ける事になった。私はただ黙って立っているだけで、裁判は勝手に進んでいく。裁判が終わりに差し掛かったところで初めて裁判長と思われる男が私に質問してきた。
「何か質問はありますか?」
私は前から気になったことを質問した。
「なんで、自殺する事が犯罪なんですか?死ぬ事も自分で決めた事なんですからいいじゃないですか。」
会場がざわつく。
「君は何も理解していないようだね。神は君に人間として生きる使命を与えた、しかし君はその使命を達成できなかった・・・」
裁判長の声が怒りで震えている。
裁判長は大きく息を吐き出し自分を落ち着けた。
「判決を言い渡す。被告人、松岡沙織を極刑に処す。」
会場がさらにざわつく。次の瞬間、目の前が真っ暗になり。体が急に上に持ち上げられる。目の前がぼんやり明るくなる。どこからか声が聞こえる。
「斉藤さん、おめでとうございます。元気な女の子ですよ。」
私が受けた極刑、それは人間をもう一度、一からやり直すという私には一番つらい刑だった。これからの事を考えるとつらくなり私はただただ大声で泣き続けるしかなかった。


なんだか・・・・
305名無し物書き@推敲中?:05/02/13 19:11:26
「オナニーばっかりしてんじゃないよ!」
突然ドアが開かれた。
「全くこんなに部屋散らかして・・・ティッシュだらけじゃないかい!」
「あ、あんた誰?」
「ヒ・ミ・ツ」
そういうとそのババアはおもむろにポラロイドを取り出した。
「あんた、何勝手に人の部屋の写真取ってんだ」
「現場検証だよ」
ババアは凄まじい勢いでシャッターを切り始めた。
「ちょっと、やめろよ!」僕はババアを必死に引っ張ったが、
「残しとくんだ!記録として残しとくんだ!」
そういいながらババアは岩のように頑として動かない。
「あんたの部屋がいかにオナティッシュだらけなのか記録として残さなければならないんだ!」
小さなゴミ箱から溢れ出るティッシュ達を、ババアは夜叉みたいに撮りまくる。
僕は恥ずかしさで涙が出そうになってきた。何でこんなことになっちまったんだ。
と、そのとき不思議な現象が起こった。
ババアの撮った写真が実像を結ぶにしたがって、被写体の実物のティッシュが消え始めたのだ。
しまいにはアホみたいに散乱していたティッシュ達が1個も無くなって、部屋は完璧な清潔さを取り戻した。
唖然とする僕を尻目に、
「ティッシュは消えても、匂いは消えねぇ」
そう吐き捨てるようにつぶやいてババアは部屋を出て行った。
次の日、僕は初めて女の子とHした。
306名無し物書き@推敲中?:05/02/14 02:43:57
「バレンタイン」

今日は女の子が好きな人に想いを伝える日じゃない?
だから一生懸命手作りしたの。
あなたとは年が離れてるけど、いつもわたしのことを大事にしてくれる。
いじめられたらすぐに助けてくれる。抱き締めてくれる。本当に大好きよ。
なんども作りなおしてやっとできたわ。
あなたがとびらから出てきた。
一番わたしがきれいに見えるように手にもって、あなたに差し出す。
「はい、チョコレート!」
あなたは本当にうれしそうに笑って「ありがとう」と言った。
そしてわたしよりずっとずっと背の高いあなたは、わざわざ瞳を近付けて笑った。
だけど私はみてしまったの。食べるふりだけして捨てたところを。後ろ手で。
ひどいよ…。わからないとでも思ってるの!?
だったら期待させないでよ!やさしくしないで!
涙がでた。
あなたは不思議そうにわたしをみたね。心配そうに。
瞬間、悲しくてわたしはお部屋に逃げ込んだ。
あ!でもさっき使ったお砂場のお道具かたずけなきゃ!
園長先生に怒られちゃう!
307名無し物書き@推敲中?:05/02/14 02:41:25
「バレンタイン」

今日は女の子が好きな人に想いを伝える日じゃない?
だから一生懸命手作りしたの。
なんども作りなおしてやっとできたわ。
あなたがとびらから出てきた。
一番わたしがきれいに見えるように手にもって
あなたに差し出す。
「はい、チョコレート!」
あなたは本当にうれしそうに笑って「ありがとう」と言った。
そしてわたしよりずっとずっと背の高いあなたは、わざわざ瞳を近付けて笑った。
だけど私はみてしまったの。食べるふりだけして捨てたところを。後ろ手で。
ひどいよ…。わからないとでも思ってるの!?
だったら期待させないでよ!やさしくしないで!
涙がでた。
あなたは不思議そうにわたしをみたね。心配そうに。
悲しくてわたしはお部屋に逃げ込んだ。
あ!でもさっき使ったお砂場のお道具かたずけなきゃ!
園長先生に怒られちゃう!
308名無し物書き@推敲中?:05/02/14 02:47:58
「バレンタイン」

今日は女の子が好きな人に想いを伝える日じゃない?
だから一生懸命手作りしたの。
あなたとは年が離れてるけど、いつもわたしのことを大事にしてくれる。
嫌なことがあったらすぐに助けてくれる。抱き締めてくれる。本当に大好きよ。
なんども作りなおしてやっとできたわ。
あなたがとびらから出てきた。
一番わたしがきれいに見えるように手にもって、あなたに差し出す。
「はい、チョコレート!」
あなたは本当にうれしそうに笑って「ありがとう」と言った。
そしてわたしよりずっとずっと背の高いあなたは、わざわざ瞳を近付けて笑った。
だけどわたしはみてしまったの。食べるふりだけして捨てたところを。後ろ手で。
ひどいよ…。わからないとでも思ってるの!?
だったら期待させないでよ!やさしくしないで!
涙がでた。
あなたは不思議そうにわたしをみたね。心配そうに。
瞬間、悲しくてわたしはお部屋に逃げ込んだ。
あ!でもさっき使ったお砂場のお道具かたずけなきゃ!
園長先生に怒られちゃう!
309名無し物書き@推敲中?:05/02/14 02:48:46
「バレンタイン」

今日は女の子が好きな人に想いを伝える日じゃない?
だから一生懸命手作りしたの。
あなたとは年が離れてるけど、いつもわたしのことを大事にしてくれる。
嫌なことがあったらすぐに助けてくれる。抱き締めてくれる。本当に大好きよ。
なんども作りなおしてやっとできたわ。
あなたがとびらから出てきた。
一番わたしがきれいに見えるように手にもって、あなたに差し出す。
「はい、チョコレート!」
あなたは本当にうれしそうに笑って「ありがとう」と言った。
そしてわたしよりずっとずっと背の高いあなたは、わざわざ瞳を近付けて笑った。
だけどわたしはみてしまったの。食べるふりだけして捨てたところを。後ろ手で。
ひどいよ…。わからないとでも思ってるの!?
だったら期待させないでよ!やさしくしないで!
涙がでた。
あなたは不思議そうにわたしをみたね。心配そうに。
瞬間、悲しくてわたしはお部屋に逃げ込んだ。
あ!でもさっき使ったお砂場のお道具かたずけなきゃ!
園長先生に怒られちゃう!
310名無し物書き@推敲中?:05/02/14 02:50:22
「バレンタイン」

今日は女の子が好きな人に想いを伝える日じゃない?
だから一生懸命手作りしたの。
あなたとは年が離れてるけど、いつもわたしのことを大事にしてくれる。
嫌なことがあったらすぐに助けてくれる。抱き締めてくれる。本当に大好きよ。
なんども作りなおしてやっとできたわ。
あなたがとびらから出てきた。
一番わたしがきれいに見えるように手にもって、あなたに差し出す。
「はい、チョコレート!」
あなたは本当にうれしそうに笑って「ありがとう」と言った。
そしてわたしよりずっとずっと背の高いあなたは、わざわざ瞳を近付けて笑った。
だけどわたしはみてしまったの。食べるふりだけして捨てたところを。後ろ手で。
ひどいよ…。わからないとでも思ってるの!?
だったら期待させないでよ!やさしくしないで!
涙がでた。
あなたは不思議そうにわたしをみたね。心配そうに。
瞬間、悲しくてわたしはお部屋に逃げ込んだ。
あ!でもさっき使ったお砂場のお道具かたずけなきゃ!
園長先生に怒られちゃう!
311名無し物書き@推敲中?:05/02/14 02:53:45
「バレンタイン」

今日は女の子が好きな人に想いを伝える日じゃない?
だから一生懸命手作りしたの。
あなたとは年が離れてるけど、いつもわたしのことを大事にしてくれる。
泣きそうになった時はすぐに助けに来てくれる。抱き締めてくれる。本当に大好きよ。
なんども作りなおしてやっとできたわ。
あなたがとびらから出てきた。
一番わたしがきれいに見えるように手にもって、あなたに差し出す。
「はい、チョコレート!」
あなたは本当にうれしそうに笑って「ありがとう」と言った。
そしてわたしよりずっとずっと背の高いあなたは、わざわざ瞳を近付けて笑った。
だけど私はみてしまったの。食べるふりだけして捨てたところを。後ろ手で。
ひどいよ…。わからないとでも思ってるの!?
だったら期待させないでよ!やさしくしないで!
涙がでた。
あなたは不思議そうにわたしをみたね。心配そうに。
瞬間、悲しくてわたしはお部屋に逃げ込んだ。
あ!でもさっき使ったお砂場のお道具かたずけなきゃ!
園長先生に怒られちゃう!
312名無し物書き@推敲中?:05/02/14 02:53:56
「バレンタイン」

今日は女の子が好きな人に想いを伝える日じゃない?
だから一生懸命手作りしたの。
あなたとは年が離れてるけど、いつもわたしのことを大事にしてくれる。
泣きそうになった時はすぐに助けに来てくれる。抱き締めてくれる。本当に大好きよ。
なんども作りなおしてやっとできたわ。
あなたがとびらから出てきた。
一番わたしがきれいに見えるように手にもって、あなたに差し出す。
「はい、チョコレート!」
あなたは本当にうれしそうに笑って「ありがとう」と言った。
そしてわたしよりずっとずっと背の高いあなたは、わざわざ瞳を近付けて笑った。
だけど私はみてしまったの。食べるふりだけして捨てたところを。後ろ手で。
ひどいよ…。わからないとでも思ってるの!?
だったら期待させないでよ!やさしくしないで!
涙がでた。
あなたは不思議そうにわたしをみたね。心配そうに。
瞬間、悲しくてわたしはお部屋に逃げ込んだ。
あ!でもさっき使ったお砂場のお道具かたずけなきゃ!
園長先生に怒られちゃう!
313名無し物書き@推敲中?:05/02/14 02:57:18
「バレンタイン」

今日は女の子が好きな人に想いを伝える日じゃない?
だから一生懸命手作りしたの。
あなたとは年が離れてるけど、いつもわたしのことを大事にしてくれる。
泣きそうになった時はすぐに助けに来てくれる。抱き締めてくれる。本当に大好きよ。
なんども作りなおしてやっとできたわ。
あなたがとびらから出てきた。
一番わたしがきれいに見えるように手にもって、あなたに差し出す。
「はい、チョコレート!」
あなたは本当にうれしそうに笑って「ありがとう」と言った。
そしてわたしよりずっとずっと背の高いあなたは、わざわざ瞳を近付けて笑った。
だけど私はみてしまったの。食べるふりだけして捨てたところを。後ろ手で。
ひどいよ…。わからないとでも思ってるの!?
だったら期待させないでよ!やさしくしないで!
涙がでた。
あなたは不思議そうにわたしをみたね。心配そうに。
瞬間、悲しくてわたしはお部屋に逃げ込んだ。
あ!でもさっき使ったお砂場のお道具かたずけなきゃ!
園長先生に怒られちゃう!
314名無し物書き@推敲中?:05/02/14 02:59:46
今日は女の子が好きな人に想いを伝える日じゃない?
だから一生懸命手作りしたの。
あなたとは年が離れてるけど、いつもわたしのことを大事にしてくれる。
泣きそうになった時はすぐに助けに来てくれる。抱き締めてくれる。本当に大好きよ。
なんども作りなおしてやっとできたわ。
あなたがとびらから出てきた。
一番わたしがきれいに見えるように手にもって、あなたに差し出す。
「はい、チョコレート!」
あなたは本当にうれしそうに笑って「ありがとう」と言った。
そしてわたしよりずっとずっと背の高いあなたは、わざわざ瞳を近付けて笑った。
だけど私はみてしまったの。食べるふりだけして捨てたところを。後ろ手で。
ひどいよ…。わからないとでも思ってるの!?
だったら期待させないでよ!やさしくしないで!
涙がでた。
あなたは不思議そうにわたしをみたね。心配そうに。
瞬間、悲しくてわたしはお部屋に逃げ込んだ。
あ!でもさっき使ったお砂場のお道具かたずけなきゃ!
園長先生に怒られちゃう!
315名無し物書き@推敲中?:05/02/14 03:11:07
携帯のエラーです 大変申し訳ありませんでした
316「壮大な釣り」:05/02/14 10:05:50
私は、私のしてきた事はわかる人間にはわかると思っていた。
所詮私は、偉大な父のようには成れない。最初からわかっていた。
そこで私は、一計を案じた。
この国、父の亡き後腐敗が始まりどうしょうもない程、国は乱れる。
その国を建て直すにはこの計画が必要だったのだ。
恐らく表の歴史で私は過去最低の指導者と思われる事だろう。
いや、しかしそれでいいのだ。この国が真の人民のための
民主主義を獲得できるためならその罵倒でさえ甘んじて受けよう。
改革と理想と。それこそこの国の始まりとそして正常化するための
唯一の方法なのだ。
外敵に貪られ滅びるくらいなら核でもなんでも持つ。

さあ、革命を興した真の英雄よ。私の首を持っていきなさい。
317名無し物書き@推敲中?:05/02/14 11:06:29
「バレンタイン」

今日は女の子が好きな人に想いを伝える日じゃない?

っていうテーマでおおいに盛り上がるピーターと坂本ちゃんとKABAちゃん。
318名無し物書き@推敲中?:05/02/14 20:14:20
「い〜しや〜きいも〜」
遠くで石焼き芋屋さんの声がする。
そう言えば今年冬になってからまだ一度も食べていない。
冬の寒い日、夕暮れ時、あの至高のホクホク感を味わわないのは、損だ。よし食うか。
僕はテーブルの上にあるはずの財布を探す。そのときだ。
「い〜しや〜きいも〜、あげたてっ」
ん?今何か変じゃなかったか?普通焼きたて
・・・まあいいや。
財布を握り締め、突き刺すような外の寒さの中へ駆け出す。
と、そこへまた耳を疑う言葉が聞こえてきた。
「い〜しや〜きいも〜、むしっ」
いもむし?今、虫って言ったのか?
「あげたてっ」
・・・やっぱり変だ。この寒空の中、世界はどうしちゃったんだ。
声のする方へ、次第に歩みが速くなる。
今は焼き芋の事などどうでもよかった。早く事の真相を知りたかった。
「野菜いもむし、カレーいもむし、ごぼういもむし」「揚げたての、やきいもむし。」
僕は中華料理人みたいな太った親父が芋虫を油ギトギトに揚げている姿と、
できあがった焼き(?)芋虫の白い腹にカレーがたっぷり詰まったのを想像して、焼き芋への食欲を完全に無くした。
僕は次第に腹が立ってきた、何故ってせっかくの冬の楽しみをこんなグロテスクな形で邪魔されたから。
それも、いきなり。許せん。屋台に会ったら一言言ってやる、許さんぞ、焼き芋虫屋。
阿修羅のごとき怒りに身を任せ、僕は屋台まで一直線に走り出した。
と、夕日に赤らむ空から一匹の怪鳥が現れ、僕をひょいっとついばんだ。
空の寒さにぴりりとしながら、見下ろす僕の住んでた下界、冬の森。
ああそうか。僕は涙がぽろぽろ出てきた、家でじっとしときゃよかった。

「へい、焼き芋虫一丁あがり」
「うわー、お母さんこんな真冬なのによく捕まえられたね」
「何か餌を探しながら歌ってたら、こいつが必死に外を這いつくばってたのさ。 冬眠してりゃいいのに、馬鹿な芋虫もいたもんだ。さ、そんなことより冷めない内に早くおあがり」
「うん、冬はやっぱりこれに限るね、ほくほくだなあ。いただきまーす」
319ぽんすげぇ:05/02/14 21:43:35
《パパはお父さんを殺しているの》

私が学校を出たころ、とっくに日は暮れていた。
急がないと大好きなドラマに間に合わない、そんな気持ちが私を走らせた。
しばらく走っていると、何かがうずくまっているのが見えた。
何だろうと不審に思いながら近寄ると少女だった。
「どうしたの?お母さんは?」
尋ねてみると少女は無表情な顔で答えた。
「おうちでパパに殺されてる。」
私は一瞬返答に困った。何を言っているんだろうこの子は。
「なら、お父さんは?」
少女はまた無表情な顔で答えた。
「おうちでパパに殺されてる。」
異常だ、この子は異常なのだ。そう確信した。
「おうちへ帰ろうよ。」
そういうと少女は顔をいきなり歪ませて叫んだ。
「だめ。パパは今忙しいの。」
「どうして?」
「だってママ、いつも大変そうだから。お母さん、夜ご飯はさっき食べたでしょう。って、ママいっつも言ってるもん。だから、パパはお母さんとお父さんを殺すの。だから私は家に帰っちゃだめなの。」
少女の顔は街灯に照らされていた。白く光った彼女の顔はまた無表情になっていた。



このオチみんな分かってくれますか?心配で心配で・・・。
320名無し物書き@推敲中?:05/02/14 21:58:19
 
321名無し物書き@推敲中?:05/02/14 23:38:55
>>319
分からん
322名無し物書き@推敲中?:05/02/14 23:42:28
>>319
3P
323名無し物書き@推敲中?:05/02/14 23:49:12
介護を苦にした老人殺し?
324名無し物書き@推敲中?:05/02/14 23:54:50
説明キボン
325名無し物書き@推敲中?:05/02/15 00:18:12
分かった。
この娘の喋りから、お母さんとママ。お父さんとパパはそれぞれ別物だと思っている!

「お母さん、夜ご飯はさっき食べたでしょう。って、ママいっつも言ってるもん。だから、パパはお母さんとお父さんを殺すの。だから私は家に帰っちゃだめなの。」

この文から分かるように、お母さん=この娘のおばあちゃん。お父さん=この娘のおじいちゃん。
ってことなんだ。この子の母親はいつも義母のことをお母さん、お母さんって呼んでいるから
娘もおばあちゃんはお母さんなんだと思い込んだんだよ。
つまり、パパはお父さんを殺している。
正確にいうと、
お父さんはおじいちゃんを殺している。
っていうことなんだぬん。

ここまで考えてみるとかなり難解なSSだが、うまいと思う。
落ちとしては普通だが、問い方が妙。
326名無し物書き@推敲中?:05/02/15 00:27:18
あー。もう飽きたよ。また>>319の作品は15才の何とかってやつか作ったやつだろ?
この前HPで見た。あいつのネタ多杉。
みんな知ってる気ガス。
327名無し物書き@推敲中?:05/02/15 01:02:39
>>325
謎々じゃないんだから、落ちをもっと明確にしてくれ
328327:05/02/15 01:03:58
>>319
でしたスマソ
329名無し物書き@推敲中?:05/02/15 03:27:16
タイトルだけでごはん二杯くらいはいける
330名無し物書き@推敲中?:05/02/15 03:37:32
 不可解な配球だった、少なくとも三振を取りにいったわけではなさそうだった。記録の
かかったツーストライクからのあのボール。左打者の懐に食い込むカットファストボール
だった。まるでバットをへし折りにいったかのような配球だった。
「八者連続三振、あとひとつであの江夏さんの九者連続三振の記録に並ぼうかという
あの場面、どのように感じましたか? プレッシャーは相当なものだったでしょう」
 インタビュアーが興奮した声で、若干十九歳の新人投手にマイクを向けた。少年は
年齢に似つかわしくない落ち着いた口調で、時折笑顔に若さをのぞかせながら、それ
に答える。新人でオールスターに選出されるだけのことはあって、さすがに肝がすわっている。
そんなときふと彼の右手に目がいった。それは、堅く、色がどす黒い赤に変わりそう
なほどに握りしめられていた。遠目に見ているとよくわかる。かすかに震えてもいるようだ。
「連続三振の記録自体は意識しなかったですね。それよりも次の打者が子供のころか
らの憧れていた川渕さんでしたから、そっちのほうばかり気になっていました」
 人気とイメージ先行の川渕をか? 確かに福岡の球団にいたころはすごかったが…
…在京球団に移籍してからの彼は見る影もなく落ちぶれていた。『鷹の目』と恐れられ
ていたのも過去の話だ。今あえて呼ぶなら『養豚』といったところだろうか。
「子供のころ地元の野球教室で教わったことがあるんですよ。そのときに一緒に野球を
やろうと声をかけてくださったんです。だから今とても感激しています」
 そう言う彼の頬にひとすじ、ふたすじ涙が伝った。拳がほどかれることはなかった。
331名無し物書き@推敲中?:05/02/15 23:46:06
「おばさん」

この年になって、初めて好きな人ができた。
こんなおばさんなのにおかしいよね?
なにも考えず結婚して、今やっと過ちに気付いた。
だから思い切って、夫に告げた。そしたら気付いてたみたいあなたのこと。

おととい離婚しました。
あなたが好きです。
離婚してから何度も手紙を送ったけど返事もきませんね。
チョコも食べたかどうか…
もてるあなたのことだからたくさんもらったんでしょう

誰よりあなたをみてきた。笑顔も…悲しんだ時にすこしひきつったくちもとも
眉をひそめるくせも全部全部だいすきで…
きっとあなたは国籍が違うことを思って、
生活圏の違う私を思って、わざと冷たくしているのだと思う。
でもすべて捨てて、
あなたに会いにいくことにしたよ。
今の生活全部なくして、これからはあなたと、あなたの国でいきてく。
だから受けとめてね、
ヨン様…
332名無し物書き@推敲中?:05/02/16 00:58:40
ワロス
333名無し物書き@推敲中?:05/02/16 02:00:38
【座席】

(ガタンゴトン、ガタンゴトン。)
いつもに比べると今日は暖かい。もう春のここちだ。
そのせいか車内のふいんき(←なぜか変換できない)も明るい。
(次の停車駅は、はなこがねい〜)
いよいよ次の駅だ。僕は壁の液晶パネルで時刻を確認した。
間違いない。彼女はこの時間この駅で必ず乗車する。
彼女が僕を意識したことは、ただの一度もないだろう。
しかし僕は密かにそして何度も彼女のぬくもりを感じていたのだ。
僕は高鳴る気持ちを抑えきれないでいた。

やがて列車は停止した。
(ぷしゅー。はなこがねい〜、はなこがねい〜)
老人2人、子供の群れ、背広のサラリーマンが一人。
そして最後に彼女が、軽やかな足取りで乗り込んできた。
ちょっと薄目の白いスカートが日の光を透かしていた。
さあ、君はどこに座るんだい?

残念なことに彼女は向かいの席に座ってしまった。
くそ、明日こそは僕に座っておくれよ。
334名無し物書き@推敲中?:05/02/16 02:20:52
×ふいんき ○ふんいき
俺も昔勘違いしてた(笑
335名無し物書き@推敲中?:05/02/16 08:50:00
>>334

半年ROMれ。
336名無し物書き@推敲中?:05/02/16 09:21:54
ていうか、
ショートショートでなんて使う方も使う方だよな…
337333:05/02/16 11:55:03
すまん。もっとまじめに書くべきだったな。
そこにしかつっこみが入らないところからしても、まだまだ修行が足らんということか・・・。
338名無し物書き@推敲中?:05/02/16 12:40:50
【ホームページ】

その日、ぼくはいつものようにインターネットに繋いだ。

そして、色々なホームページを見て回る。
ふと思い出して、久しぶりにあるホームページを開いた。
ぼくはそこのふいんきが大好きだった。
しかし、もはや完全に厨房たちのすくつと化してしまっていた。
常連さんはもうとっくにいなくなっていた。
管理人さんもあぼーんすることさえ放棄したようだった。

2chの影響なんだろうな。
3391:05/02/17 12:20:27
後悔はしていない。死刑にしてくれ。
340名無し物書き@推敲中?:05/02/18 02:11:13
最近批評すくないの?
341名無し物書き@推敲中?:05/02/18 09:42:32
「河童が出る川」という特集をテレビで見て、男はそこへ観光に行くことに決めた。
現地につくと、すでにそこはテレビ効果で、人の集まる観光地となっていた。
「河童を見た」との証言で、テレビに出ていたおじいさんも軽い名物状態。
おじいさんに話し掛けてみた。
男「あなたが河童を見たというお爺さんですね?」
おじいさん「そのとおりです」
男「河童を見たというのは本当ですか?」
おじいさん「そのとおりです」
男「河童ってあの妖怪とか言われている河童ですよね?」
おじいさん「そのとおりです」
男「では、その河童はどこで見たのですか?」
おじいさん「そのとおりです」
342名無し物書き@推敲中?:05/02/18 11:25:40
>>314
ほどほど。
やや分かりにくかったが。 5点

>>316
笑ったけど、それはないだろ。 7点。

>>318
アイディアに固執したせいで整合性に疑問が残る。 3点。

>>319
謎掛けをすればいいというものでもない。 3点。

>>330
そういった前後にストーリーの余地があるものを
無理やりショートショートにしてもうまくいかない。
努力は買う。 4点。

>>331
オバカなネタだけど、オチがしっかり決まっている。 8点。

>>333
それくらいなら、余分な箇所をもっと削るべし。 4点。

>>338
オチの二重性の工夫は良い。 が、一般性に欠ける。 5点。

>>341
日本語がまず、うまくない。
冒頭とオチの因果関係が弱い。 3点。
343名無し物書き@推敲中?:05/02/18 19:41:05
【事故】
仕方なかったのよ。
だって、急に飛び出すんだもの。車は急に止まれない、って本当なのね。
気付いた時には既に遅し、キキーッと鳴ってドン、だったわ。
いつもは注意しているのに。早く家に帰りたくて、注意が鈍ったのね。

あらマイケル、こんな所で会うなんて…
そうなのゴメンなさいね、久しぶりなのに恥ずかしい姿を見せてしまって。
助からないと思うわ、残念だけど。こんなに血が出てるんですもの。

ねえマイケルお願い。その魚、私の子供達に届けてくれない?
私は、このまま帰れそうにないから。
こんなに活きの良さそうなサーモン、滅多に手に入らないじゃない。
だから、早く食べさせてあげたくって…私がバカだったわ。
ありがとう、助かるわ。ついでに伝言もお願い。
 私が居なくなっても、頑張ってゴハンを食べるのよ。
 あと、車には気を付けなさい。絶対に飛び出しちゃ駄目。
 ママは遠くに行ってしまうけど、ずうっとあなたたちを見守っているからね
では、頼んだわよ。…そろそろお迎えが来たみたい。

まもなく、タマは3歳という短い生涯を終えた。
344宮本 ◆byfsMqT9fE :05/02/19 21:52:56
>>319
こういうスタイルのショートショートもありだと思う。
15歳でこのレベルの作品を量産するとはタダモノではないんじゃなかろうか。
345名無し物書き@推敲中?:05/02/20 01:27:22
【イイタイコトバ】
携帯に写る液晶パネルをみながら彼女と会話する
「気持ちを伝える」ただそれだけの事が僕には難しかった
何度失敗しただろう?僕はこういう事に向いていないのかも知れないな
…いや!だめだ!なんために今日まで練習してきたんだ!?
僕は大きく息をはくと、震える手をギュッと押さえ発言タイミングをまつ





本文
「1000ゲトー」
Error 書き込みに失敗しました

…また明日頑張ろう、そう心に誓ったある晴れた日の午後。
346345:05/02/20 01:32:01
↑を>>342のように点数つけるなら何点つけますか?
347名無し物書き@推敲中?:05/02/20 03:06:10

『髪』

「ただいま」
「お帰りなさい」
「……どうしたんだ、その頭は」
 妻が髪を剃って、坊主頭になっていた。
「あなたは私という人間ではなく、私の美しさだけを愛していたのよ。離婚しましょう」
 反論することができなかった。妻をそんなに苦しめていたなんて。私は離婚届にサインした。

 それから十年後、私は再婚し、幸せな家庭を築いた。
 別れた妻とは、年に一度だけ会っている。恥ずかしながら私の髪の状態は、年々別れた妻に近づいていっている。
348傑作集:05/02/20 04:42:36
>>10  7点
>>21  8点
>>26  6点
>>71  7点
>>76  5点
>>87  5点 (盗作なのか?)
>>101  5点
>>115  7点 (20行超)
>>132  6点
>>145  6点
349名無し物書き@推敲中?:05/02/20 04:43:14
>>191  6点
>>230  5点
>>244  6点
>>288  5点
>>290  6点 (アイディアは)
>>300  6点 (290と同じく)
>>319  8点
>>331  5点
>>347  7点以上 (難しい)

参考になれば、と思っている。5、6点が多くて申し訳ない。
350345:05/02/20 05:44:02
……スルーしてるよorz
まあ、その程度って事か…泣きたい……orz
351名無し物書き@推敲中?:05/02/20 06:14:44
>>345
ここでいう「彼女」ってなんなの?それがまずよくわからないし、
2ちゃんねるネタはよほどのものでないとつまらないよ。
352名無し物書き@推敲中?:05/02/20 06:19:08
>>290
素人の意見ですが上手く書けていると思う
最初の一文が印象的で最後までスラスラ読めた

6〜9点
353345:05/02/20 06:44:51
>>351
「彼女」をスレッドに見立て「気持ちを伝える」というのは
恋愛のエピソードに見せ掛けて1000をとる嬉しさを伝えるという……

……うん、つまらないorz
354名無し物書き@推敲中?:05/02/20 07:54:34
「愛しき寝顔に語る」

僕達が出会ってから、もう25年も経つんだね。

僕が小さな頃からずっと、僕達は一緒だった。
公園を駆け回ったり、シャボン玉を飛ばしたり、一緒にお風呂に入ったり、
悪戯心で頬にキスした事もあったね。
あの頃まだ知らなかった本当のキスをしたのは、それから何年後だったかな。
戸惑うようにそっと交わした口づけ。昨日の事のように、今でもはっきり覚えてる。

そして初めて二人が結ばれた夜。
僕は「大好きだよ」を呪文みたいに唱えながら、喜びを胸に噛み締めたんだ。
その夜窓から見えた月は、ちょっと雲がかっていたけど、とても綺麗だった。
でもその月が照らす寝顔は、まるでヴィーナスのような美しさだったんだよ。

今、ちょっと年をとったその寝顔を眺めている僕がいる。
あぁ、なんて幸せなんだろう?
ちょっと茶色がかった髪も、今は閉じた輝く瞳も、小振りな鼻も、ぽってりした唇も、
布団に覆われた肢体も、静かな寝息さえも、全てが愛おしくてたまらない!
僕をこの地に授けてくれた神様に、心からお礼を言わなくちゃいけないね。

ありがとう。
そして、愛してるよ、ママ。
355名無し物書き@推敲中?:05/02/20 14:51:17
みんな陳腐な作品がお好きなようだが、まったく面白くないよ。
そんなのは片山恭一にでもまかせとけばいい。

たとえば>>21 「月を取り替えてよ」などという女がSSでいきなり出てきても
頭が逝っちゃった女にしか思えない。
長編などでキャラがしっかり作られたうえでなら、何を言わせてもかまわないが
SSでいきなりこんなの出しても引くだけ。 普遍性がない。

他にも変なレトリックを使った作品がずいぶん見受けられる。
それに関係した納得のいくオチが用意されているなら問題ないのだが、
しかし最後まで読んでも、結局そこにあるのは陳腐な終わり方ばかり。
まったくもって何をしたいのか分からない。

「おもしろさ」 それだけを追求して書くのが、何よりもよい。
普遍性のある面白さをがんばってひねり出し、それをうまくまとめればそれでいい。
自己満足な表現にとどまっては普通は受け入れてはもらえないし、それでは力もつかないよ。
356宮本 ◆38MyApPIX2 :05/02/20 18:11:05
>>355
ずいぶん上から見下した言い方ですな。あなたの作品と筆名晒して同じこと言えるかな。
357名無し物書き@推敲中?:05/02/20 18:20:34
>>355
3点。

陳腐の代表が片山恭一ということですか? 
ベストセラーには普遍性は無いのでしょうか?
358名無し物書き@推敲中?:05/02/20 20:25:11
>>355
煽り臭い口調ではあるが割かし同意できる。
>>356
あんたそれを言っちゃおしまいでしょ
>>357
申し訳ないが片山恭一の文章は俺も陳腐だと思う
359名無し物書き@推敲中?:05/02/20 20:37:17
>355
とりあえず、これまでの作品であなたの目に止まったものを教えていただきたい。
360宮本 ◆38MyApPIX2 :05/02/20 21:45:19
>>358
でも、他人の作品小馬鹿にしといてテメエは作品も筆名も晒せないって、そんなヤツ文士じゃないでしょ?
361名無し物書き@推敲中?:05/02/20 22:34:22
書ける人しか評しちゃいけないって事もないんじゃないの。
362宮本 ◆38MyApPIX2 :05/02/20 22:51:58
>>361
感想を書くのはいいだろうけど、>>355さんのような匿名で作者を見下す書き方は文士としてどうよって思う。
363名無し物書き@推敲中?:05/02/20 23:33:51
>>360
いや、2chでそんなこと言っても・・・
煽り口調がまずいのは>>358でも指摘してるだろ?
どっちにしろ言ってることは特に間違ってないでしょう
364名無し物書き@推敲中?:05/02/20 23:51:58
【誰でもプロになれるショートショート講習会】
「みんな陳腐な作品がお好きなようだが、まったく面白くないよ。
 そんなのは片山恭一にでもまかせとけばいい。

 たとえば>>21 「月を取り替えてよ」などという女がSSでいきなり出てきても
 頭が逝っちゃった女にしか思えない。
 長編などでキャラがしっかり作られたうえでなら、何を言わせてもかまわないが
 SSでいきなりこんなの出しても引くだけ。 普遍性がない。

 他にも変なレトリックを使った作品がずいぶん見受けられる。
 それに関係した納得のいくオチが用意されているなら問題ないのだが、
 しかし最後まで読んでも、結局そこにあるのは陳腐な終わり方ばかり。
 まったくもって何をしたいのか分からない。

 「おもしろさ」 それだけを追求して書くのが、何よりもよい。
 普遍性のある面白さをがんばってひねり出し、それをうまくまとめればそれでいい。
 自己満足な表現にとどまっては普通は受け入れてはもらえないし、それでは力もつかないよ」
「先生、先生の作品では具体的にどの辺りが面白いのでしょうか?」
「愚問だね。
 我輩は批評家である。作品はまだない」

/思いつきだけで書いてますが何か?
365名無し物書き@推敲中?:05/02/21 00:02:36
 恵が死んだことを、今朝ニュースで知った。殺人事件
だった。画面の写真には、まだ高校時代の面影があった。

 あの頃、恵は恋に明け暮れて、それでも失恋する度に、
僕に愚痴を言うのが日常だった。そして僕と恵は、親友
のまま高校を卒業した。

 出勤するため、僕は玄関に向かった。二人で制服姿で
並んだ写真に目が留まった。
 写真とゴミ袋を手にアパートを出た。
 写真を折るか破るか、僕は途中まだそんなことを迷っ
ていた。
366名無し物書き@推敲中?:05/02/21 00:08:37
>>362
コテハンつけてお山の大将ぶっている時点で相当痛いひとだとは思っていたけれど、
「文士として」などと言い出すとはな…。

あんたサイコーだ。 サイコーにイっちゃってるよ。
犯罪起こすなよ。
367名無し物書き@推敲中?:05/02/21 01:01:58
いやちょっと立ち止まってさ、コーラカッタンダヨ。
そしたらちっちゃいの出てきたんだ、なんかほんとミニなわけ。
色もとりあえずはまあ赤なんだけど、乾いた血みたいに茶色がかってるっていうか、おかしいの。

さわやかになる、ひととき

なんて見慣れないキャッチコピーなんかついちゃっててさ。
あき缶を車窓から投げ捨てないでください、なんていや歩きだからしないよっていう感じ。
意味わかんないよね。
なーに見てんだよって話なんだけど、見てなかったのはこっちのほうだったのさ。
骨董品が飲めるわけないもんね。べつに飲みたかないよ。
ほんとに飲みたかったら自販機の前立ってるって。
すごい時間無駄した感じっしょ?
368367:05/02/21 04:06:59
誤爆してたorz
369宮本 ◆38MyApPIX2 :05/02/21 05:04:03
たしかに、イタタな書き方してしまいました。価値観押し付けるようなことしてすみません。
370名無し物書き@推敲中?:05/02/21 06:19:01
>>347で泣いた。いや泣きはしないけど。
371痴 ◆WwWY5CLxKk :05/02/21 09:34:35
酷評するにしても礼儀があるんじゃないかな。
酷評になるほど的確に論理的に鋭くするべき。
ただおもろない・チープetcで一刀両断は
何の役にもたたんしむかつくだけ。

俺は、他人の作品を批評しないスタンスを取っている。
372366:05/02/21 10:16:00
>>369
いやおれもわるかった。
なんだかイライラして暴言を書いたな。
すまん。
373名無し物書き@推敲中?:05/02/21 17:14:10
>>355
陳腐だと感じるのはあなたの想像力が衰えているからではありませんか?
普遍性のある作品は小説としてなんの個性も面白さもない。
374名無し物書き@推敲中?:05/02/21 20:53:18
>371
結局、面白いか否かじゃね?
>373
個性を狙いすぎて、わかりづらい自己満足的なものに…。
375名無し物書き@推敲中?:05/02/21 21:09:17
>>374
酷評の意味わかりますか?
376名無し物書き@推敲中?:05/02/21 22:28:45
【酷評】
悪い点ばかりを挙げる批評。(要約)
377名無し物書き@推敲中?:05/02/21 23:01:12
……つまらない・面白くないだけでは批評(そのものの価値を論じること)とは言わないだろ
378名無し物書き@推敲中?:05/02/22 02:43:18
どういう批評の仕方がいいかと悩む、その馬鹿らしさに気づけ


↓反省文。20行以内で。
379名無し物書き@推敲中?:05/02/22 03:24:39

 『禁煙』

 それは神様のちょっとしたいたずらだった。
 男が煙草に火を付けようと、ライターに手を伸ばしたその時、机の上からふっとライターが消えた。
 仕方なく男がマッチを使おうとすると、マッチも何処かへ消えてしまった。
 男は何とか煙草を吸おうとするが、しまいにはこの世から火というものが無くなってしまった。男は泣きながら天に向かって叫んだ。
「神様。僕に何の恨みがあるんですか。何でもしますから、煙草を吸わせてください」
 その瞬間、この世から宗教というものが無くなり、同時に宗教戦争が無くなった。
 男の生き甲斐は煙草だけであった。男が自殺しようがしまいが、世界は平和なままなのだろうな。たぶん。
380名無し物書き@推敲中?:05/02/22 23:27:04

『露天風呂』

彼女と温泉旅行に行ったときの話だ。
貸切露天風呂などというモノが存在する、気の効いたホテルに宿泊した。

長い付き合いの女でも、シチュエーションが変わると男は燃えるものらしい。
詳しくは書かないが、まだ日の高いうちから露天風呂に浸かりつつ、
あんな事やこんな事、すっごい事まで色々あったワケだ。

今日、宿泊した宿からクール宅急便が届いた。
中には豪華な毛蟹ナベセットと供にお詫びの手紙。
なになに、従業員の管理不行き届きについて深くお詫び申し上げます、ふむふむ?
入浴中の女性客を狙った盗撮行為があった事が発覚し、一部がアダルトビデオの会社に流出…
381名無し物書き@推敲中?:05/02/23 19:02:35
>>379
もっとわかりやすい例えがあるんじゃないかと思う

>>380
オチが読める
382宮本 ◆38MyApPIX2 :05/02/24 20:42:11
>>379
タバコを吸わせないイタズラっていうのと、事件の大きさのミスマッチが面白かった。


>>372
ありがとう。
383名無し物書き@推敲中?:05/02/24 21:40:09
      (* ゚∀)    /  
     /⌒   )    /
      < く\ \     
     \( ヨ 、 ★                                        
       / //     ─         
     / / ./    \
     (  ̄)  ̄)
<遊び方>
★をダブルクリックすると勃起するぞ!
3841:05/02/25 08:54:20
時計を見ると午前0時になろうとしていた。いつもならとっくに寝ている時間だ。
この部屋にもう未練は無い。1階へ降りる。
父と母が泣いていた。
やはり悲しいのだろうか。自分には良く分からない。
二人を他人事の様な目で見つめている自分を恨んだ。
「そろそろ時間です。行きましょうか。」
やはり自殺した者は地獄へと落ちるのだろうか。
385名無し物書き@推敲中?:05/02/25 12:02:01
「おはよう!」
            
「何だ、みんな、びっくりした顔して」
「たか子、どうした?震えてるぞ。身体の調子でも悪いのか?」 
「かあさん、何泣いてるんだ?」
「マサオも顔色がよくないぞ」
「みんな、いったいどうしたんだ?」
「さあ、めしにしよう。たか子もマサオも学校遅れるぞ。かあさん、めしだ。
お父さんも会社遅れちゃう」

「お前たち、どうして逃げるんだ?みんなで父さんをからかってるのか?
ふざけるのもいい加減にしなさい」

「おい、かあさん、仏壇に何で俺の写真が飾ってあるんだ?」
386あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/02/25 14:32:26
【絶望の中で】

 男は疲れ果てた顔で、目に涙を浮かべていた。
 白髪の混じった無精ひげが、彼の苦しみの日々を語っているかのようだった。
 絶望という言葉こそ、今の彼には最も相応しいだろう。
 そして、男は持っていた拳銃を静かに持ち上げ、銃口を自分の口の中に入れた。
「あなた、止めて! お願いよ、それだけは止めて」
 女の悲鳴のような叫び声は、震える涙声へと変わっていった。
 その女もまた疲れきっていたが、男を見つめる眼差しだけは愛情という熱があった。
「愛してるの。だからこそ、いままで付いて来たのよ。どんなに苦しくたっていい、
あなたと一緒にいられるなら、私、これからも頑張っていけると思う。だから……
結婚して欲しいの。二人の子供を産んで、一から始めましょう」
 涙で言葉に詰まりながらも、女は思いのたけを発した。
 それが残っていた全ての力だったのか、ガックリとうな垂れてしまった。 
 男の目からは涙が溢れていた。顔を歪めながらも笑っているようでもあった。
 そして、男は言った。
「……ガギガゴウ。ガア、ゲッゴングゴウ」
387あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/02/25 15:11:33
【後悔した日】

 俺は後悔している。今日、ヒロシの家に泊まった事を後悔している。
 ユウスケが、「今日から三連休だし、ヒロシの部屋で酒でも飲もう」と言い出した。
 俺は、「そうだな、そうしよう」と応えた。
 いつものようにヒロシは、「いいよ」と受け答えた。
 俺たちはまだ未成年だったけれど、そこそこの量の酒を呑み進めていった。
 そして、俺たちは開放的になった。俺は、それを後悔している。
 さあ寝よう、と言う事になって、三人で布団をひき寝ることにした。
 ユウスケが、「二人の今、一番燃えてるもんは何なんだよ」と聞いて来た。
 酔った上での他愛も無い話だ。しかし、俺はそれに後悔している。
 言いだしっぺのユウスケは、自分で答える間もなく早々とイビキを掻き出した。
 だから、俺はヒロシに聞いた。「お前は何なんだよ」と。
 でも、酔っていたのか、もう眠かったのか、モゴモゴとしか言わない。
 俺は、まだ起きていたかったので、少々強めに問いただした。
 今から思えば、俺もさっさと寝れば良かったと後悔している。
 ヒロシは小さな声で言った。「キミの事が、僕の一番の関心ごとなんだよ」
 更に、「出逢った時から、僕は燃えていたんだ」とまで言った。
 今夜、うかつにもヒロシの隣に寝た事に、俺は後悔していた。
388あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/02/25 15:35:04
【タマコの誕生日】

 今日で、飼っていた猫のタマコが30歳の誕生日を迎えた。
 猫の30歳といえば、人間だと何歳ぐらいのなるのだろう?
 相当な高齢なのは間違いない。だから、今日はちょっと豪勢なお祝いをする。
 まあ、豪勢と言っても多少高価なキャットフードなんだけど、
 それだって、気持ちがこもってるのだからお祝いの価値は十分あるはずだ。
 タマコは、もうお婆さんなのでヨロヨロとしか歩けない。
 でも、そんな姿もまた可愛いものだと思っている。
 今日も元気に朝の挨拶をした、すると……
「おはよう」
 と、言ってタマコは人間の言葉で返事をしたのだ。
 びっくりした私は一瞬言葉を失ったけれど、猫も30歳ならありえるかと、
深呼吸をして気持ちを落ちつかせ、また話しかけてみた。
「今日は、お誕生日だよ」
「知ってるよ」
 タマコの口調は、心なしかお婆さん口調になってるように感じる。
「プレゼントは何がいい? 何かしたい事はある?」
 私はそう聞いてみた。
 だって、タマコは30年も一緒に暮らしてきた大切な家族なのだから。
 苦しい時や嬉しい時も、タマコは私のそばにいつだっていてくれた。
 だから、私は自分に出来る事なら、なんだってしてやるつもりでいる。
 タマコは、濁った眼をこちらへ向け、静かに言った。
「もう、死なせておくれ」 
389あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/02/25 22:56:27
【白い部屋と赤い布】

 目が覚めた時は何事か分からなかったが、そこは真っ白で何も無い部屋だった。
 四畳半ぐらいの大きさのその部屋には、見渡す限り扉さえ見当たらない。
 その光景に気を取られていたが、自分が素っ裸だった事に更に驚かされた。
 何も無い部屋に、何も身にまとわずに、俺はただ立ち尽くしている。
 今の自分に置かれている状況を呑み込めず、オロオロと周りを見渡していると、
クスクスと女の笑い声が聞こえて来た。俺の心臓が、一瞬大きく膨れ上がった。
 良く見ると真っ白に思えた壁には、小さな穴がいくつか開いている。そこから声が
しているのだ。そして、その小さな穴から突き刺すような視線が感じられる。
 俺は、急に恥ずかしくなり、耳から額まで真っ赤に赤面してしまった。
 と、その時、上から赤い布きれが降って来た。
 何なんだ? と拾い上げる。それは、紛れもなく赤いふんどしだった。
 付けろというのか? 俺に、ここで……これを!
 そうすると、朦朧としていた記憶が少しずつ蘇って来るのが分かった。
 俺には金が無かった。アルバイトを喧嘩して辞めてしまったからだ。
 生活の為に、片っ端らから面接をして、片っ端から落とされ続けていた。
 そして、今日だ。女の受け付けと女の事務員、女の面接官に通され聞かれた。
「仕事内容は、そこに書いてある通りです。如何ですか?」
「大丈夫です。何でもやります」 
 金に困っていた俺は、即答しサインをした。そこで意識がなくなっている。
 女性に於ける社会への進出が目覚しいと言われる昨今、ここまで来たのだ。
 つまり、この「赤いふんどし」こそが、俺の唯一の仕事着だ。
390あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/02/25 23:55:14
【おやつの時間】

 75歳になるトヨさんは、今日もパチンコで負けた。
 だから、小学生の孫であるユウキのおやつを買って帰る事はできなかった。
 残念そうにトボトボと、うな垂れて帰るトヨさん。
 そこに、正面からユウキが自転車に乗ってやって来た。
「あ! お婆ちゃん。こんな所で何してるの?」
「あ、いや……ユウキのおやつでも買ってやろうかと思ってね」
「本当? ヤッタああ!」
 二人はソフトクリーム屋に行って、バニラとチョコをそれぞれ頼んだ。
 お金の無いトヨさんは、ポケットから糸クズを取り出し、突然怒鳴った。
「ここの店では、こんなもんを入れて出すのかい! メニューにはゴミが
入ってるなんて書いてなかったけどね。店長さんに説明して貰えるかい」
 動揺する若い店員が、奥へ責任者を呼びに行こうとした、その時……
一人の男が近寄って来た。
「お婆さん、僕はあんたがポケットからそれを出すのを見てましたよ。
子供の前で恥ずかしいマネは止めた方がいい」
 と、強い口調で言い放った。トヨさんは言葉を失い、若い店員は白い目で
見つめている。奥から現れた店長も事態を理解している様子だった。
「さあ、つべこべ言わず、お金を払いなさい」
 男の言葉と同時に、ユウキが床に倒れこみ、バタバタと転げ回り出した。
「痛いよ、痛い! お腹が痛いよ! このソフトを食べたら痛くなったよ!
お婆ちゃん、病院へ行こう。早くしてよ、死ぬよ……僕」
 ユウキはそう言いながら、トヨの腕にしがみ付いた。
 呆気に取られる店員と店長、そして男を残して二人は病院へ向かった。
 しばらくして事態を飲み込めずにいるトヨさんに、ユウキは笑顔で言った。
「今度は、たこ焼き屋でフィーバーしようよ」
391名無し物書き@推敲中?:05/02/26 00:25:58
鼻くそを収集している女が居た。
一日5ピースほど。30日で150ピース。
塵も積もれば山となるとはいえども、
微小な塊を積み重ねたところでなかなか山とはならない。
しかし彼女はひたすらとその日を夢見ていた。
鼻くその山がうず高く積みあがり、遥かなる頭上まで仰ぎ見られるその日を。
そうしてその朝彼女は鼻くそを煮出した。
限りなく純度の高い、鼻くそ100%で煮出した出汁。
その出汁で味噌汁をつくるのだ。
出汁はうっすらと黄色がかり、虹色の光沢で祝いの歌を響かせていた。
そして彼が、ついに味噌汁を飲む。
2万154ピースからなる鼻くそ純度100%のそれは、愛なのか憎しみか。
口の中にじんわり広がる煮汁の味は、彼にしかわからない。
392名無し物書き@推敲中?:05/02/26 11:16:38
FUCK YOU!!
>>Mr.A BONE
393名無し物書き@推敲中?:05/02/26 16:20:54
【一生のお願い】
ちょっとした諍いから彼女を殺してしまった。
殺人者になってしまった、明日からどうなるんだろう。
そうだ、こんなときのためにアレをとってあるんじゃないか。
悩み多き人生に神様が与えてくれた一生に一回きりの権利。

「神様、一生のお願いです。彼女を生き返らせてください」
『よかろう、ただしそれにはお前の命が必要だ』
「ええ!? そうなんですか?」
『それなりの代価が必要なのだ』

悩む自分に神様は
『こうした自己犠牲の願いには猶予が設けられている』
「は?」
『3ヶ月与えよう、その間に自分と彼女の命の価値を考えよ』
「3ヶ月は共に生きられると言うことですか?」
『そのとおり、自分の命のほうが大切だと思ったなら、3ヶ月以内に彼女をまた殺しなさい』
「その場合お願いの権利は?」
『使わなかったことになる、この手の願いは勢いでする者が多くてな、
実際代わりに死んだ奴がここに来て後から文句をたれるのがかなわんのだ』
「わかりました、3ヶ月よく考えてみます」

あれから3ヶ月ごとに彼女を殺している。
まったく人生楽じゃないよ。


394名無し物書き@推敲中?:05/02/26 17:14:01
【心霊写真】
「あ、これにも写ってる!」
彼女はぼやけた白色の煙のようなものを指差した。
「う〜ん、でもやっぱりもうちょっとハッキリ写ってほしいよな」

彼女と僕の趣味は心霊写真。悪趣味なのかな、やっぱり
華厳の滝とか小坪トンネル、大体のスポットには出かけただろう。
知り合ったのもやっぱりそういうところで、自殺の名所の崖だった。

「こ、こういう風景に、 一人で写ってても寂しくないですか?」
と声をかけたのは僕のほうだった、すごく訝しげに見られたっけ……
今では、二人で仲良く肩を寄せてアルバムを見ている。
自分にこんな幸せがあったなんて、信じられない。

「あ、これ、すごくよく撮れてる……」「どれ?」
ふたりの距離が縮まり、彼女の吐息が僕の頬に触れる
どうしよう、すごくドキドキする

そのとき、玄関で誰かが帰ってきた気配。ちぇ、せっかくいい感じだったのに
「今日は、これまでだね」
彼女は頬を染めながらあわてて立ち上がった
「そうだね、こんなにうまくとってくれた彼を困らせちゃいけない」
そういって、僕らはその家を飛び出した。

後に残されたアルバムには、墓地で寄り添って笑う僕らの姿。
どうか、見つけても焼いたりしないでほしいな。
395 ◆D60106Bc4s :05/02/26 20:53:51
眉村卓先生が、病身の奥さんのために一日一つ
ショートショートを書いたって話は結構有名ですか?
そのお話を聞いて、「自分でもやってみるか」
というのと、「原稿用紙3枚でも俺には多いよな」というのが
ありまして、たまたまこのスレッドを見つけました。

20行以内というのは逆に難しいですね。
393と394を試しに書いて見ましたが、はあ……orz
駄文をさらしてしまいすいません。
よろしければ評価してもらえるとうれしいです。
396宮本 ◆38MyApPIX2 :05/02/26 22:58:45
>>390
反社会的ほのぼの感が良かった。

>>393
巧い。

>>394
ちょっとわかりにくいけど面白い。
3971 ◆246vzHUXhI :05/02/26 23:45:33
爪はパチパチと鳴り、皮膚の下の煮えたぎった血は溢れ出しては消え、
骨は半分焦げた肉の隙間からはみ出し、顔は何かを訴えようともせず、また苦しもうともせず消えていった。
悩んだ。自分を責めた。死んで償いたい気分だった。
いや、償いたいんじゃない。死にたいんだ。そうだ、死にたいんだ。

――――――

またあの夢だ。体中が冷や汗で寒気がする。
あの時からどの位経っただろうか。
友人を殺して、必死に逃げて、もう2年経つ。
ここまで逃げてきたのに、今更になって償いたいだなんて、自分でもバカみたいな話だ。

心臓の鼓動は高鳴るのを止め、平常心を取り戻したおかげで幾つか気づいた事があった。
それは寒気がするのは冷や汗のせいではなく、体中にガソリンがかけられ、おまけに縄でぐるぐるに縛られているからと、
側にライターを持った男が立っている事だ。



>>1です。トリツプ変えました。
そこらへんの所よろしく。
3981 ◆246vzHUXhI :05/02/26 23:55:11
>>395
面白かったよ。自分のがかなり糞に見える・・・ orz
やっぱりループものは面白いね! (・∀・)ループイイ!!
399名無し物書き@推敲中?:05/02/27 00:39:28
【老人憂う】

右向け右!と言われたから左を向いた。ただそれだけさ。
それだけで俺は同世代の奴らからボコボコにされた。
今から…ちぃとばかり前の話さ。まぁ一万日も生きてないお前等はまだ影も形もなかったがな。

「この戦い、負けるな」
俺は本当のことを言ったまでさ。そしたら…
「非国民メ!!」
とか何とか言って、アイツ等は濁った目で傷だらけの俺を見下してたっけ。
そうだ、今のお前等の目にそっくりだったよ。

…アイツ等はみんな死んじまった。
鉄の棺桶に入ったまま、雲の上で油臭い炎にまみれて文字通り「昇天」てやつだ。

…お前等も近い内に死ぬんじゃないか?与えられすぎたか、欠きすぎていたかの差だけで本質はアイツ等と同じだ。


考えることをやめちまってる。

お前等は…右向け右!の意味を考えたことがあるかい?
そして、右を向くことは…お前等にとって必要かい?
400名無し物書き@推敲中?:05/02/27 00:40:47
手相見の手相

 駅前の通りの片隅に、ひっそりと座る手相見がいた。
 今日も客はひとりも来ない。
 あまりに暇なので手相見は、自分の手相を占ってみることにした。
「ふむ。こりゃまたずいぶんと悪い相が出ているなあ」
 手相見はぶつぶつとつぶやいた。
「大きな災いがすぐ近くに――」
 言いかけて顔を上げ、それからひょいと立ち上がった。
 そのまま横に5メートルほど歩いた。
 次の瞬間、いま座っていた場所に自動車が突っ込んできた。
 ものすごいブレーキ音をあげながら机と椅子をふっ飛ばし、電柱にぶつかって止まった。
「――やれやれ」
 手相見はため息をついて、運転席に駆け寄った。
「こんなによく当たるってのに、ろくな客が来やしない」
401宮本 ◆38MyApPIX2 :05/02/27 03:56:50
>>400
飄々としたキャラが面白い。続きを読みたくなる。
ショートショートなのかどうかは疑問。シリーズものの掴みとして、いい感じ。
402名無し物書き@推敲中?:05/02/27 09:20:46
誤爆age
403記憶喪失:05/02/27 13:59:48
僕は、目を覚ました。
ここは何処だろう。見慣れない、無機質な白い天井に戸惑う。
太陽の光線が反射して、その白はまるで発光しているように眩しく光っている。
部屋はこんなに明るいのに、なぜか蛍光灯が点いていた。
顔を動かすと、明るい窓の外には、木々の新緑が間近に見えた。
どうやら、2階、もしくは3階くらいの高さにある部屋の中で寝ているようだ。
だけど、これだけでは僕が今、どこにいるのかまでは判断できない
人は自分の置かれている状況がわからない時、意外と動揺してしまうのなんだ、と冷静な分析をしている自分もいる。
でも、とにかく今は、僕がこの見慣れない部屋に、なぜ寝ているのか――、それがどうしても知りたい。
長い間、寝ていたのだろうか。身をよじると、軋むように鈍い痛みが走る。
体を無理に動かそうとするたびに、右腕がチクリと痛んだ。
すると、点滴の袋が揺れて、透明な液体が小さく波を打っていた。
病院? という単語が頭の中に、瞬時に浮ぶ。
その時、ガラガラと僕の足元の方で、引き戸を動かすような音が聞こえた。
そのまま耳を澄ましていると、落ち着いた足取りで誰が近づいてくる。歩幅から推測すると男だろうか。
そして、僕を覗き込むようにゆっくり窓側に立った。
逆光で、白い世界に黒い人型の穴がぽっかり開いてしまったような、不思議な錯覚を起こしてしまう。
「あの……あなたは」
そんな僕の問いかけを余所に、その人物は目の前で大きなくしゃみを一つした。
僕の顔に、誰ともわからない唾液が大量に飛んできた。それは霧散し、酸っぱい臭いが僕を覆う。
世の中の理不尽さに、僕は涙をこぼした。
彼のいない部屋で彼を待っている。

彼の帰りはいつも遅い。
彼の仕事は忙しい。だけどそれだけではない。
他に女が出来たのだ。

けれどこうして彼を待っている。

話し合いたい。ただそれだけだ。

話し合いを避けるためか、それとも本当に仕事が忙しいのか。
最近では、特に帰りが遅い。

私に会おうともしない。電話にも出ない。
話す機会も与えてくれない。

けれど、今日こそ決着をつけようと決めてやって来た。

-----玄関で物音がした。彼が帰って来たようだ。
驚いた。
今日、私がここで待っていることを知らない彼は「彼女」を連れて来たのだった。

ちょうどいい。ここで、彼がどちらの物なのかはっきりさせなくては。
私は息を潜めた。二人は私の待つ部屋に入ってくると、ベッドに腰掛けてなにやら笑っている。

私は目の前に見える彼女の足をじっと見つめた。
405名無し物書き@推敲中?:05/02/27 19:33:44
あいつとおれ

 おれはあいつが死んだ事に呆然としたまま、通夜の席をあとにした。
 あいつの婚約者の悲痛な涙が胸に重かった。
 深夜、枕元にあいつが現れおれはひどく狼狽した。
 おいどうした、お前さっき棺桶に入ってたじゃないか。出てきちゃだめだろ。
 出るんなら彼女のところに行ってやれよ。
 お前とは長いつきあいだったが、おれはお前を無二の親友と思っていたわけじゃないぞ。
 むしろお前を憎んでさえいたかもしれない。
 小っちゃい頃からいつも一緒にいて、いつも周りから比べられて、いつもお前が上にいた。
 勉強でもスポーツでも、何をやってもお前にはかなわなかった。
 それでもお前はいつも笑顔で、おれを見下したりした事は一度もなかったな。
 お前のそういう性格が羨ましく、妬ましかった。
 だからお前が、おれの愛していた女と結婚すると聞いた時、しょうがないなと思ったよ。
 しょうがなかったんだよ。
 だからもう静かに成仏してくれよ。頼むよ。
「――お前はおれの一番の親友だった。いろいろありがとうな」
 あいつはそう言って、ほほえみながら消えた。
 翌日、おれはあいつの血で汚れたナイフを持って、交番に足を向けた。
406あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/02/28 02:27:03
【古い写真】

 5年前に俺たち家族の前から姿を消した親父が、突然帰ってきた。
 俺は中学に進学し、親父のいない生活が順調に進み出した矢先の事だった。
 自分の中では、親父は死んだ事になっている。今でもそうだ。
 こうして朝食を前にして三人で座っているが、居心地の悪い違和感しかない。
「やっぱり、母さんの作る料理が一番美味いな」
 取って付けたようなワザとらしいセリフに、反吐が出る。
 今の親父は、俺が思っていたよりも小さく、そしてくたびれた老人だ。
「お前は、しばらく見ないうちに大きくなったな」
 と、財布からボロボロになった俺の写真を取り出しテーブルに置いた。
 どんな扱いをしたら、一枚の写真がこんなになるのだろうか?
「俺が知ってるのは、こんなに小さかった頃の時だからな。もし、良かったら
新しい写真を変わりにくれないか?」
「その新しい写真を持って、また5年間姿をくらますのかよ?」
 俺は、反射的に答えていた。
 親父の顔が引きつるのが分かった。弱々しく、みっともない有様だ。
「あんたには、古い写真がお似合いだよ」
 俺はそう言って、ボロボロになった親父の写真をポケットから差し出した。
 その写真も同じように擦り切れて、顔がほとんど見えない状態になっている。
「もう、いらなくなったから、受け取ってくれよ」
 驚いたように、親父は俺の顔を見つめた。言葉はない。
 俺は、親父に似たのかもしれない。気持ちを伝えるのがあまりにも下手なのだ。
407あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/02/28 02:45:13
【夕暮れの畑】

「あ〜あ、退屈だなぁ」と、カカシが言った。
「それが仕事なんだから、仕方がないよ」と、肩に乗ったカラスが言った。
「でもさぁ、キミはちっとも僕を恐がらないじゃないか」と、カカシ。
「キミは、僕に危害を加えないって分かったからね」と、カラスが笑う。
「僕は、ここでは無意味な存在なんだよ」と、寂しそうにカカシ。
「そんな事ないよ。愛嬌があって楽しいじゃないか」と、優しくカラス。
「僕は、単なるピエロなんだよなぁ」と、カカシは落ち込んで見せる。
「そこがいいんだよ」と、励ますようにカラスは声を張り上げる。
「僕はカカシとして、出来損ないのクズだと思う」と、イジけたカカシ。
「良く見てみなよ」と、カラス。「え?」と、振り返るカカシ。
「キミの大らかな性格に、仲間のカラスもこの畑には近寄らないんだよ。
向こうの威圧的なカカシの所へ行って、食い荒らそうって決めたんだ」
「同情して貰ってるだけじゃ、情けないよぉ」と、相変わらずのカカシ。
「僕は、キミの事が好きだよ。それでいいじゃないか」と、カラス。
408あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/03/01 00:32:46
【占い師と子供】

「おじさんの占いって、本当に当たるの?」
 子供が占い師に聞いた。
「当たるとも。おじさんは占いのプロだからね」
 占い師は、冷静に答えた。
「でも、外れる事もあるんでしょう?」
 子供は、さらに疑い深く聞いた。
「無いよ。おじさんの占いは、百発百中だからね」
 占い師は、自信満々に笑みを浮かべている。
「僕は、おじさんの占いが外れたって、皆に言いふらそうと思ってるんだ」
 子供は、意地悪そうな視線で見つめながら言った。
「悪い子だ。そういうキミを占ってあげたよ」
 占い師は、手元の水晶玉を覗き込みながら平然と言った。
「なんて出たの?」
 子供は、興味深そうに尋ねると、
「もし、外れたと皆に言いふらすなら、キミの家と家族が全焼すると出てるよ」
 そう、占い師は言った。
409名無し物書き@推敲中?:05/03/01 07:02:46
>>408
もっとギャフンと言わせるようなオチがほしい。
410名無し物書き@推敲中?:05/03/01 11:12:33
>>408
> 「もし、外れたと皆に言いふらすなら、キミの家と家族が全焼すると出てるよ」
「おじさんの占いは外れた、と君が言いふらすと出てるよ」
にすると、よく有る感じに。ありきたりですね。
「あんた……地獄に堕ちるわよ!」
にすると、実はおばさんだったと言うオチに(ry
411名無し物書き@推敲中?:05/03/01 21:03:24
>>409
「悪い子だ。そういうキミを占ってあげるよ」
 占い師は、手元の水晶玉を覗き込みながら平然と言った。
「なんて出たの?」
 占い師は焦った、そこにはいつも見えるものが何も現れなかったからだ。
「やっぱりおじさんはウソツキだったんだね」
 子供は、無邪気に笑う、それは侮蔑の表情だった。
「いや、そんなことはないよ。いま、やっと意味がわかった」
 占い師は水晶玉を無造作に掴むと、子供に笑いかけた。

こんな感じにするかなぁ?俺なら
412あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/03/02 01:38:23
ギャフンと言わせるのもいいんですが、黙らせるのも面白いかも。

【占い師と悪い子】

「僕は、おじさんの占いが外れたって、皆に言いふらそうと思ってるんだ」
 子供は、意地悪そうな視線で占い師を見つめながら言い放った。
「そんな事をされたら、おじさんはこの仕事をしていけないじゃないか」
 占い師は、あくまでも笑みを浮かべ、優しく語り掛ける。
「だから、言いふらすんだよ」
 子供は、ポケットに手を突っ込んだまま胸を反らした。
「悪い子だ。よし……じゃあ、そういうキミを占ってあげるよ」
 占い師は、手元の水晶玉を覗き込みながら平然と言った。
「どうせ外れるんだろ?」
 子供は、関心なさげに、今度は腕を組んだ。
「キミは将来、お金持ちになるよ。綺麗なお嫁さんと可愛い子供たちにも恵まれる」
 占い師は、淡々と語り出した。
「ふん、そんなの当たりっこないよ。おじさんは嘘つきなんだから」
 子供は、少々強めの口調になっている。
「誰からも信頼され、多くの人たちに尊敬される人物になると出てるね」
 占い師は、ゆっくりとそう言った。
「……本当かい?」
 子供は、態度を一変させ、おどおどと尋ねたが、占い師は笑みを浮かべたまま、
黙っている。子供は、小さくため息をつくと何も言わずに立ち去って行った。
413名無し物書き@推敲中?:05/03/02 03:22:32
最初のよりずっと面白い。
414名無し物書き@推敲中?:05/03/02 14:51:25
>>412 上手いな・・・。
415宮本 ◆38MyApPIX2 :05/03/02 20:15:20
>>411-412
ふたつとも巧いけど、>>411に一票。
416名無し物書き@推敲中?:05/03/02 23:54:59
黒の球体

 それは山あいのブドウ畑に忽然とあらわれた。
 畑の所有者の男性(48)がその自身の身長ほどの球体に触れ、ほどなく死亡した。
 妻の通報により駆けつけた男性警官(33)もその真っ黒な球体に触れ、ほどなく死亡した。
 ふたりとも全身から水分が抜け、ミイラのようになっていた。
 その後も鑑識官、科学者など何人かの犠牲者を出し、県警は詳細全く不明だが重度の危険物であると発表。
 マスコミや野次馬がおしかけ、小さな村は大変な騒ぎとなった。
 世界中の学者がこの恐怖の球体の調査に訪れたが、誰一人何一つ解明はできなかった。
 放射能の類は出てはいないが、球面に触れると生命なら生命が、物質なら物質がたちまち破壊される。
 もちろん球体の内部構造など、想像することさえかなわない。
「宇宙からの侵略者である」オカルト研究家が嬉々として叫び、誰もそれに反論する術を持たなかった。
 政府は球体付近を封鎖区域とし、しばらくの間静観する事を決めざるを得なかった。
 しかし球体は、こちらが触れないかぎり無害だった。
 若い男女のグループが、監視の目を盗んで封鎖区域に侵入し帰らぬ人々となる事件はあとを絶たなかったが、
怖いもの見たさの観光客はさらに爆発的に増え、過疎の村をたいそう潤わせた。 
 球体を模した団子が村の名物になり、畑の所有者の妻は一等別荘地に豪邸を建てた。
『エイリアンと仲良くする日本人』『ようこそ、自殺の新名所へ』
 海外メディアの激しい批判もなんのその、日本中が球体の黒一色に染まった。
 そんな熱狂がしばらく続いたある日、舞い込んできたニュースに全国民が言葉を失った。
「番組の途中ですが臨時ニュースをお伝えします、
 政府は先ほど、A県B村の球体が次第に大きくなっていると発表しました」
417名無し物書き@推敲中?:05/03/03 00:29:21
【待った?】

君は待ち合わせにいつも10分は早く来る。
僕は、知ってはいるけど早くは行かない。

君の後ろから近づいて「待った?」と肩に手を置く
君が振り返る、ちょっと驚き、そして笑う。
僕はその一瞬が好きだ。

僕は最近夢を見るんだ。
その夢の中で君の肩は遠い。
手を伸ばすけれど、そのたびに何か強い力に引き戻される。

――でも今日、僕はやっと君に届いた。

いつものとおりの強い力。
僕はそれを振り払い、君の肩に手を置く

そして、いつものようにあの言葉を



「…驚いたわね」
「…ああ、最期に手を振り払われるとは思わなかった」
「でも、不謹慎かもしれないけど、少しだけ安心してるの。
 お義父さんここ最近とても苦しそうだったから」

「親父は、あの伸ばした手で何を掴んだのかな?」
「きっと、とても大切なものよ。だってあんなにいい顔なんですもの」
418名無し物書き@推敲中?:05/03/03 01:23:34
【ひな祭り】

「今日はひな祭りじゃない!」
そういって、おばあちゃんはお人形を並べはじめました

なんでも、わたしが生まれたときに買ったっていう、
とっても大きなおひなさま。

「おばあちゃん、もうそんなのを喜ぶ歳じゃないよ」
お父さんは苦笑い。

「そうよ、逆に幼稚園でもそれがもとで苛められたりするんですから」
お母さんも苦笑い。

「なにを言うの! こういうお目出度いことはちゃんとやるものなの!」
おばあちゃんはいそいそと飾り付けます。

それを見て、お父さんとお母さんは顔を見合わせて、また苦笑い。

ぼんぼりをつけて、ひなあられ食べて
わたしも無理に笑いました

おばあちゃんとお片付けです、人形を丁寧に箱にしまいます。

「お片付けが上手ねえ、きっといいお嫁さんになれるわよ」
「だって、毎日お片付けしてるもん!」

そう、毎日人形出したりしまったり。
おばあちゃん、今はもう6月だよ?ひな祭りって3ヶ月も続くのかなぁ?


419 ◆D60106Bc4s :05/03/03 01:28:33
ageちったスマン。
時事ネタ含む2作でした。
420名無し物書き@推敲中?:05/03/03 02:21:33
どっちも俺は好きだ。
421あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/03/03 04:13:16
>>416
最後は、「地球の自転が止まりました」って発表でも面白いんじゃない?
422名無し物書き@推敲中?:05/03/03 04:51:41
結局その球体はなんだったんだ……と気になるのは俺だけか?
423名無し物書き@推敲中?:05/03/03 09:42:02
>>417
うちのじいちゃんもそんな感じだったのかなぁ、と、ふと泣けてきた。
いや、手は伸ばさなかったけどね。
424名無し物書き@推敲中?:05/03/06 00:54:18
【トマト】

私の一日はトマトジュースを作ることから始まる。
まだ日が昇り切らない明け方に起きて、冷たい色をした冷蔵庫を開く。
今日のトマトを選ぶ。
ひとつまみの塩と一緒にミキサーに入れて、スイッチを押す。
私が選んだ真っ赤なトマトは、抵抗もせず潰れていく。

「行ってくる」
俺が玄関でそう言うと、妻はいつものように
トマトジュースの入ったステンレス製の水筒を手渡してきた。
「いってらっしゃい」
俺は、妻が数年前から浮気をしていることを知っていた。
それが、リストラされた俺への軽蔑の証であることも――
ハローワークに向かう路上で、俺は右手に持たされた水筒をじっと見つめた。

主人が亡くなって1年と3ヶ月。
今思えば、医学生のカレから教えてもらった方法は単純だった。
トマトジュースを作るだけで保険金を受け取れたのだから。
私は知っていた。
カレからもらった白い粉末が砒素だったということも、
主人がそれに気付きながら、抵抗もせず飲み続けたということも――
425 ◆D60106Bc4s :05/03/06 02:48:42
【タイムマシン】

「私ね、タイムマシンはどんなに科学が発展しても作れないと思うの」
「どうしてそう思うんだい?」
「だって、実際未来から来た人に会ったことは無いでしょう?」
「わからないよ、未来から来た人はその事実を明かしちゃいけないのかもしれない」
「ああ、そうかもしれないわね、きっとタイムパトロールとかがいて……」

夢見がちな奴だ、この際もうちょっと付き合ってやろう。

「でも、君だから明かすよ、僕は未来人なんだ」
「そうなの?」
「ああ、未来に残った君の写真をみて、どうしても会いたくなったんだ」
「タイムパトロールは?」
「今でも追われているんだ、タイムマシンはそのときに壊された」
「じゃあ……」
「ああ、もう僕は未来には帰れない」

「素敵ね、時を越えたロマンス」
「ああ」
「じゃあ、お腹のこの子の名前は未来!男の子でも女の子でも平気な名前よね?」
「……」

僕は、そのときほどタイムマシンが欲しいと思ったときはなかった。
426 ◆D60106Bc4s :05/03/06 03:04:55
【北風と太陽】

旅人は広い草原を歩んでいた。彼は故郷の匂いを感じ、胸いっぱいに深呼吸をする。
温暖な気候に恵まれた土地だが、稼ぐには産業も無い、本当の田舎だった。

出稼ぎに出ていた北の地は、このあたりで生まれ育った彼には
決して住みやすい所ではなかった。特に冬の寒さは辛く、もう春先
だというのにマントを脱がないのは、体がそれを覚えているからかも知れない。

「おや?」

旅人は天気の様子が急に変わるのを感じた、周りの草花がざわざわと揺れ始めると、
彼は突然の突風にさらされた。かの北の地を思い起こさせるような冷風である。

「なんだっていうんだ、こ、これは寒い」

旅人はマントに身をくるむと、風に逆らい進もうとしたがどうにもいけない。
歯はガチガチと鳴り、体は震えだし、遂には一歩も動けなくなった。
手近な岩陰に身を隠すのが精一杯で、それから彼は一晩中マントに身を包んで耐え忍んだ。

次の日にはその風はやんだが、今度は季節外れの猛暑である。

じりじりと照らす太陽に、彼はマントを頭から羽織らなければいけなかった。
昨日の異常な寒さにすっかり憔悴しきっていた彼は、直接この強烈な日差しを浴びては、いずれ
熱気に当たり倒れてしまう事を知っていたのだ。これは旅人としての常識であった。

しかし、連日の異常気象に体力を使い果たしていた彼は遂に崩れ落ちた。
『油断した、このあたりまで来ればもう大丈夫だと思ったのに……』

故郷の母を思いながら、意識を失い倒れた旅人から、
一陣の北風がマントを剥ぎ取っていった。
427排卵日:05/03/07 00:00:22
枕の下のグラビア写真には何の効力もなかった。
取っ手のない鍋は相変わらず吹きこぼれていて、慌てた私は手のひらの卵を取り落としてしまう。
夢はいつも曖昧に終わって、口の中に残るいけすかない粘膜が私を起こした。
昨夜の蝿がまだ天井にいた。
けれど一向に動く気配もなく、そのまま死んでいるような気もした。
蝿一匹にバルサンはいささか贅沢な気もした。
別にいいけど。
428名無し物書き@推敲中?:05/03/08 03:32:10
…いつからだろう…
僕は気が付くと、暗く狭い場所に閉じ込められていた。

どれくらいの時間がながれたのか、もう見当もつかない。
もう…疲れてしまった…。
何の変化も無い、この生活…。

この場所に唯一あったロープで…
これで、もう終わりにしよう…。

その時だった。
光だ!!光が見える!!あそこから出られるのか!?
誰かが手をさしのべている…

ああ…、これでやっと…。


『おめでとうございます。元気な男の子ですよ。』
429名無し物書き@推敲中?:05/03/08 03:47:55
>>428
手垢まみれ。
430名無し物書き@推敲中?:05/03/08 17:27:09
交換留学生のケイトはうちにホームステイしてる。
彼女の日本語はまだカタコト。たどたどしい。

「アシタ アサ9ジニ オカシテクダサーイ」
431名無し物書き@推敲中?:05/03/08 17:33:31
誰か>>62を推敲して。
432名無し物書き@推敲中?:05/03/08 18:21:21
>>431
難しい、作者が何を言わんとしてるのかがかなり不明瞭なので、
解釈が人によって異なる文だと思う。

何かを暗喩したものだとしたら、本人以外が安易にリライトするのは
危険だと思います。推敲の域を超えて内容を侵害しかねない。
433名無し物書き@推敲中?:05/03/09 03:39:29
>>432
頭いい
434名無し物書き@推敲中?:05/03/09 05:23:53
鏡のそちら

 朝、顔を洗っていると、鏡の向こうのおれが声をかけてきた。
「どうだい、お互いの世界を交換してみないかい」
 おれはふたつ返事で了解した。鏡の中の世界。よい退屈しのぎになりそうだ。
 洗面台に足を掛けて、かなり苦しい体勢になりながら鏡に手をつく。
 しかし鏡面で向こうのおれと手がぶつかって、うまく入れない。
「斜めに入れるのがコツだよ」なぜ、おれの知らない事を向こうのおれが知ってるんだろう。
 たしかにまっすぐ、つまり鏡面に対して垂直に入ろうとしてもつっかえてしまうのは道理だ。
 言われたとおり手を斜めに差し入れてみるとすんなりと向こうに通った。
 同時に、向こうのおれの指先がニュッとこちらに出てきて、だまし絵を見ているような妙な気分になった。
 そのまま一気に鏡面に飛び込み、おれはすべての左右があべこべになった鏡の世界へとひるがえった――
 あれっ! おれは思わず声を上げた。――何も変わっていない。
 水道の蛇口は右側のままだし、タオルを持っているのは左手のままだ。
「いや、たしかにすべての左右があべこべになっているよ。ただ認識できないだけだ」
 鏡の向こうのおれの言葉に、おれは寝ぼけた頭をなんとか回転させて考えた。
 つまり、おれの頭の中の左右の概念自体があべこべになってしまっている、という事か。
 今たしかに蛇口は右側についてるが、これはそちらの世界にいた時のおれがこちらの世界を見て左だった側という事か。
 そちらでこちらから見て左だがおれはもうこちらで、こちらでそちらから見て左にやっぱり蛇口はついている。
「そういう事だよ。そちらもこちらも右は右で左は左。まあ、お互い不便はないだろう」
 それから、箸や茶碗を持つたび、車で交差点にさしかかるたびこちらでそちらで左で右で、右脳も左脳も左に右にの大回転。
 ややこしいながらも前よりちょっとだけ面白い毎日を過ごしている。
435名無し物書き@推敲中?:05/03/09 16:12:27

『教科書』


 自殺未遂を起こした生徒がいた。一命は取り留めたが、傷ついた心はなかなか治せない。
「死んじゃだめよ。あなたはいったい人生の何を知っているというの」
 学校の先生も必死になって、その生徒を励まそうとした。
「あなたに死ぬ権利なんて無いのよ。あなたの書いた遺書は、たった数行じゃない。あんなの
、死ぬ理由にならないわ」
 先生は、側にあった数学の教科書を手に取った。
「見てみなさい、この教科書の厚さを。中学の三年間で、これだけのことを学べるのよ。あな
たには未来があるの。どうしても死にたいのなら、この教科書よりも厚い遺書を書いてみなさ
い――」
 いつの間にか、生徒の瞳からも、涙がこぼれていた。
「ごめんなさい。わたし、お父さんやお母さんの悲しむことも考えないで……」
 解ればいいのよ、先生は生徒を、ぎゅっと抱きしめてあげた。
 この子には、未来がある。きっと、人の痛みが解る優しい人間になってくれるだろう――。

「……という、話が残っています。教科書の内容をこれ以上削減するなんて、愚の骨頂じゃあ
りませんか」
 嵐のような拍手の内に、彼は演説を終えた。
 自殺者の増加も、学力の低下も、人の痛みが解らない若者も、すべてゆとり教育が悪いの
だ。
436名無し物書き@推敲中?:05/03/09 16:14:12

『慎太郎』


 慎太郎は八歳の夏、不思議な穴を見たことがあった。
 本当に不思議な穴だった。ラムネを流せば、次の日は大雨になり、綿飴を放り込めば、一
日中曇り空になるのだ。氷を落とせば、次の日は寒いくらいだった。寺の墓地にある、その小
さな穴だけが、慎太郎の遊び相手だった。
 慎太郎が穴を見つけて一週間後、慎太郎の祖父が死んだ。死因はよくわからない。恐くて
聞けなかった。
 慎太郎は墓地の穴を、埋めてしまった。穴は意外と浅く、あっけなかった。穴を埋めた翌日、
季節は秋へと変わった。
 慎太郎はそのことを誰にも告げず大人になり、九十歳で死んだ。
 遺体は土葬されることになった。誰が望んだわけでもないが、幸せな死に顔だったのだろう。
437名無し物書き@推敲中?:05/03/09 16:26:19
死の話が多いね。
ギャグとかエッチなのはSSでは不可能なのかな。
438名無し物書き@推敲中?:05/03/09 16:51:47
439名無し物書き@推敲中?:05/03/09 18:40:33
>>437
2chの面白い話からの転載だが、こういうのか?


ある男が飛行機に乗ると隣にすごい美人が座っていた。
その女性は「セックス統計学」という本を熱心に読んでいた。
気になった男が本について尋ねると、その美人は言った。
「これ、本当に面白い本なんですよ。この本によると、
 世界で一番大きいペニスを持っているのはフランス人。
 そして一番硬いペニスを持っているのは日本人なんですって...」

言葉を止めた美人はひとりで喋りすぎたことを恥じるような顔になり、
改めて言った。
「あ。ごめんなさい、名前も言わずに・・・・。
 私はソフィー・ブラウン。あなたは?」

すると男は誇らしげに名乗った。

「ピエール・ヤマモトです」
440名無し物書き@推敲中?:05/03/09 18:41:31
ウケタ。こういうのもっと読みたい。
441あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/03/13 01:06:59
「ピエール・ヤマモトです」

男は美人の反応を待ったが、期待したものとはかけ離れていた。
露骨に求めるのが恥ずかしいのか、読んでいた本に目を向けてしまった。
だから、自然な形で会話を繋げてやる事にした。

「その統計学は、当たってますよ」

男は控えめに、しかし的確に手を差し伸べる事が出来たと思った。
それでも、美人はすっかり男に関心を無くしたように本から顔を上げない。
男は聞こえてなかったのだと判断し、もう一度言ってやった。

「母がフランス人、父が日本人のピエール・ヤマモトと申します」
「ごめんなさい。私、ハーフサイズに興味無いんです」
442名無し物書き@推敲中?:05/03/13 23:12:45
【どっちにするの?】

私は優柔不断な性格なうえ、おまけにマゾヒストらしい。
いわゆる究極の選択を迫られるシチュエーションに遭遇すると、どうしようもなく心が躍るのだ。

両者に必要とされており、かつ一方を捨てなければならないという
苦渋の決断の際には、最もエクスタシーを感じることができた。

捨てられたほうからすると、私はエゴイストに見られるかもしれない。
しかしてその苦渋の選択をする自分の境遇を楽しむ様は、ある意味ナルシストなのかもしれない。

そんな私が子供のころ見た映画のワンシーン。
自分を愛する二人の女性が岸壁でもみ合って、もつれたまま脚を滑らせる。
主人公は両者の手を片方ずつの手で握ってぶら下げるのだ。
二人共を助けることはできない。一方の手を離さなければ……

あまりにもゾクゾクする光景ではないか、私はその映像の虜になっていた。

そして今、私は念願のその状況におかれた。
私をめぐって争う二人の女性が脚を滑らせた。私の助けを求めて手を伸ばす二人……

絶好の機会に身を震わせた私だったが、手を伸ばそうとしたときに、ふとある事実に気付かされた。

『あ、私の力では二人分の体重は支えられないじゃないか』

多分両方の手を握ったが最期、私も一緒に崖下に引きずり込まれてしまうだろう。
逡巡する間に落ちていった二人の姿を呆然と見送りながら、夢を逃した虚無感にとらわれていた。

そうか、私にはあの瞬間を楽しめるほどの力が無かった……
愚かな夢に惑わされた結果、二人ともに失う羽目になってしまった。

私にとって救いだったのは、夢と自分の命の選択がそれなりの恍惚感だったことだ
443 ◆D60106Bc4s :05/03/13 23:33:17
最近作品も批評もとまってるねえ……
とりあえず一つ投下して見ました。
444名無し物書き@推敲中?:05/03/13 23:51:57
皆びっくりするほどうまいね。これ趣味でチャレンジしたいんだが、
なにか方法みたいのあるん?
445あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/03/14 00:03:52
【大男、俺の部屋に現る】

 玄関のドアがいきなり開き、大きな男が入って来た。
 テレビを観ていた俺は、驚きと恐怖で声さえも出せずただ固まっていた。
 その男は眼光も鋭く、肩の筋肉が異様に発達したゴツイ男だった。
「あんたが、俺の父さんなのか?」
 大男の声は、地響きのように野太く、その振動が床を通じて伝わって来た。
 何を言ってるのか分からなかったが、とにかく怒っているのは確かだった。
 しかし、よく見れば悲しそうでもある。
 複雑な心境ではあったが、なんせ相手は馬鹿デカイ大男なので声を掛けることすら
出来なかった。
「そうだとしても、オレはあんたを親父と思っちゃいねぇ」
「あの……」
「母さんとオレを捨てたあんたは、親父としては最低だ!」
 そう言うと大男は、玄関のドアを開き、ドカドカと出て行った。
 俺は体が固まったまま、10年前の高校生だった頃の出来事を思い出した。
 いや、思い出したと言っても、後から聞かされた話である。
 俺が動物園で、ゴリラのオリに落ちて気を失ってたっていうそれだけの話。
 友人が、面白がってメスゴリラに看病されてたと言っていたあの話を……
「おい! 待て! ゴリ男。父さんが悪かった! 許してくれ!」
 俺は、玄関を出て、息子のゴリ男を追いかけていた。
446 ◆D60106Bc4s :05/03/14 00:19:49
【ショートショートの作り方】

「博士、ショートショートはどうやって作ったらいいのですか?」
「む、まずはその定義を知るとよいぞ」
ttp://homepage2.nifty.com/pu-relaxroom/bun/short/short-teigi.htm

「なるほど、オチをつけなければいけないのですね」
「そう、『詩』や『ショートストーリー』とは一線を画す、『ブラックジョーク』に近いものじゃ」

「しかもこのスレは『20行以内』という制限がありますよ!」
「これが頭を悩ますところよ。無駄なところをそぎ落として、文章を縮めて改行を減らしたり……」

「……でも、やっぱり作品を見ると暗い話題が多いですね」
「ある意味しかたないな、短い文章でインパクトを与える事を考えると」

「ところで博士、この文章も一応ショートショートのようですが」
「いいところに気付いた。お前の機転でオチをつけてみるがよい」
「ええっ!?そんないきなり無理ですよ!」
「本文はもう13行目、無駄口叩いてる暇は無いぞ」

「……」
「どうした?」
「よし!ここは博士を殺しましょう!」
「馬鹿か、伏線なくそんなことをやっても不条理なだけだ」

「そ、そうか……」
「ほら早く、早く、早く。あと1行しかないよ?」

「もう博士、そんなに急かされたらオチつかないです」

447名無し物書き@推敲中?:05/03/14 00:24:04
>>446
上手いな
448宮本 ◆38MyApPIX2 :05/03/14 00:30:51
>>441
なるほど。

>>442
上手い。まず、究極の選択で恍惚感にひたる男というアイデアが素晴らしい。オチも粋。
449宮本 ◆38MyApPIX2 :05/03/14 00:34:55
>>442
追加。その優れたアイデアに説得力を持たせる理屈付けが、きっちり出来ているのも凄い。
450 ◆D60106Bc4s :05/03/14 00:53:50
宮本様、いつも評価ありがとうございます。

>>395で書いたように一日一つSSを作ることを日課にしているのですが、
その中からうまく20行以内にまとめられたものを選んでここに貼り付けています。

ここに書くのは毎日というわけには行きませんが、個人的に掲示板に書くのに
SSってすごく適していると思うので、このスレは伸びてほしいですね…
皆さんの作品も読ませていただいて、すごく参考になります。

これからも駄文をさらしてしまうとは思いますが、よろしくお願いいたします。
451宮本 ◆38MyApPIX2 :05/03/14 01:15:12
>>450
とんでもない。こちらこそ作家さんたちに感謝です。僕は読者として感想書いてるだけですから。
452名無し物書き@推敲中?:05/03/14 03:00:08
>>442
おもしろい
453あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/03/14 22:49:31
【キスの味】

 私は、まだキスを知らない。
 もちろん、どんなモノかは知ってるつもり、ただ経験が無いってだけ。
 友達には、もう済ませちゃってる子もいるけど、私が遅いって訳じゃない、
 向こうが早すぎるんだよ。
 でも……やっぱり、興味があるし、憧れもある。
 もう本や映画で見るのは真っ平、私が物語の主人公になりたいの。
 女の子として生まれて来たんだから、こう思うのは当然の事だよね。
 あ〜もう、イライラして来た。神様のイジワル!
 このままお婆ちゃんになっちゃったら、私の人生台無しよ!
 誰かいい人現われないかなぁ。
 白馬になんか乗ってなくていいの、誠実で面白くて、優しい感じの人。
 ああ、神様。さっきはゴメンナサイ。だから、私にも……
 そんな風にもの思いに耽っていると、夫が近づいて来て自分の唇を私の唇に
 押し付けてきた。そして、いつものように「おやすみ」と言って寝てしまう。 
 もう、こんな事が20年も続いてる。
 横でいびきを掻きはじめた夫を尻目に、私は今日もキスを思い胸を熱くする。
 憧れのキス……
 ファーストキスって、甘酸っぱいレモンの味がするらしい。
454名無し物書き@推敲中?:05/03/15 00:51:27
【不幸】

老人とオヤジと若者と子供と赤ん坊が集まって、
誰が一番不幸なのか?を決めようとしている。

老人は言った。
「私は、あと幾年もしない内に死んでしまうでしょう。
だから私は一番不幸なのです」

オヤジは言った。
「数々のローンと、家族を抱え、仕事ばかりの日々。
あなた方より、私は不幸だ。」

若者は言った。
「不況で就職もできず、年老いても年金はきっと貰えない。
オレが一番不幸にきまっている」

子供は言った。
「毎日毎日勉強で、大人はすぐ怒るし、学校じゃ、
つまらない事でイジメに合う、一番不幸なのは僕さ」

それらを聞いて、最後に赤ん坊がいった。
「それじゃぁ、これから、それらを体験する私が一番不幸なのですね?」
455あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/03/15 01:21:13
【不幸の王者】

5人の男たちが、誰が最も不幸なのか話し合っている所に、一人の現れた。
ヨレヨレのコートを羽織った、ひどく醜い男だ。
そこにいた者達は、直感的にこの男こそ「不幸の王者」なのだと思った。

老人が聞いた。
「あなたは、もう寿命が無いのでしょう?」
「はい。でも、だからこそ残りの人生が貴重で愛おしく感じております」

親父が聞いた。
「大きなローンを抱えているのではありませんか?」
「はい。でも、こんな私を信用して、大金を貸してくれるなんて幸せですよ」

若者が聞いた。
「働き口や年金の予定も無いんじゃないですか?」
「はい。でも、こうして食っていけてるなんて素晴らしいじゃないですか」

子供が聞いた。
「怒られたり、イジメられたりしてるんじゃないの?」
「はい。でも、それが私の活力を生むモチベーションでもあるのです」

赤ん坊も聞いた。
「未来に希望が持てないのでちゅね?」
「はい。でも、私には現在があります。今を精一杯生きてます」

5人は口を揃えて、興味津々で男に聞いた。
「では、あなたを不幸にさせている、その原因は何ですか?」
「インポテンツなんです」
456宮本 ◆38MyApPIX2 :05/03/15 03:07:43
>>454-455
>>454は粋で良くできてる。
>>455はナイスパロディ。>>454の不幸な要素すべてを肯定的に解釈する男が面白かった。オチは不満。だけど、オチ勝負の作品じゃないからいいか。
料理のしかたによっては、ちょっと良い話的にもなりそう。

どっちも面白いけど、完成度で>>454に一票。
457名無し物書き@推敲中?:05/03/15 09:44:25
>>454は面白いね。
>>455はちょっと狙いすぎ感があるかも。
458あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/03/16 02:36:08
【最後の願い】

「速報です。大きな隕石が一週間後に地球に激突する模様です」
 唐突なその発表から、世界が揺れ動いた。
 一週間後には、地球が絶滅するのだ。秩序も倫理も当然のように崩壊した。
 後一週間、人々は溜まりに溜まった欲望と押さえ付けていた感情を爆発させた。
 強盗や暴力に走る男、暴飲暴食をする女、恋人達は寄り添い、母は子を抱きしめた。
 そこにルールは無かった。あったのは、醜く歪んだ動物達の姿だった。

 そんな中、一人の男が高層ビルの屋上から歯軋りをしながら見つめていた。
「なんて事だ。これじゃ、地獄だ。許せない、俺はこのままじゃ死ねない」
 そして、天国の最も近い所から空を見上げ、力の限り叫んだ。
「なあ、神様! お願いだ、最後の願いを聞いてくれ」
 目には涙を浮かべている。男は膝を付き、両手を合わせ額に押し当てた。
「もし、願いが叶ったなら、俺は一週間後に死んでもいい。だから、俺の願いを
叶えて欲しいんだ。なあ、神様、出て来てくれ!」
 そう叫ぶと、神様は意外にあっさりと現れた。
「よし、男。お前の命と引き換えに一つだけ願いを叶えてやろう」
「ありがとうございます。じゃあ、早くインポテンツを直してください!」
 とヨレヨレのコートを羽織った、ひどく醜い男は叫んだ。
459ライター:05/03/16 02:46:21
>>439
「ピエール・ヤマモトです」

男は美人の反応を待ったが、それは、期待したものとはかけ離れていた。
露骨に求めるのが恥ずかしいのか、読んでいた本に目を向けてしまったのだ。
フランス流のスマートな口調で、会話を繋げてやる事にした。

「その統計学は、当たってますよ」

その美人は残念そうに、そしてどこか哀れみをもった口調で答えた。

「この本には、他の統計も出ていますの・・・
 髪が金髪で瞳が黒い場合は、先の統計的性質が現れるが、
 逆に、髪が黒で瞳がブルーの場合は別の性質が現れると・・・」

「別の?」

「はい。
 世界で一番やわらかいペニスを持っているフランスと、
 そして一番小さいペニスを持っている日本人の性質なんですって...」

黒髪のピエールは、あわててブルーの瞳をつぶった。
460あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/03/16 03:26:47
 黒髪のピエールは、あわててブルーの瞳をつぶった。

 それを見た美人は、気遣うように優しく語りかけた。
「心配しないでください。男女の関係は愛情によって感じ方が決まるのだそう
ですから。小さくて柔らかいモノでも相手は喜びを感じるものですわ。それに
……」
 と美人は言いかけ、口ごもんでしまった。
 黒髪のピエールは、フランス流の口調でまたもや巧くフォローした。
「私もそう思います、愛情が大切だと。それに……何ですか?」
「それに……大きくて硬ければ、ほとんどの女性は痛がってしまいます」
 ピエールは頬を赤らめ、ため息をついた。
「あなたは優しい方だ。知性と思いやりがある素晴らしい人だ」

 美人はためらいながら言った。
「私が、そうなんです」
 と大きく膨れ上がっているスカートの股間部分を指差した。

461名無し物書き@推敲中?:05/03/16 03:36:08
出窓にいると温かい日差しが当たって気持ち良い。
ふかふかのお気に入りのクッションの上で僕は眠ろうとしていた。

随分久しぶりに開いたドアの音に顔を上げると、入って来たのは知らない人間。
僕がこの家に来てから長いこと、誰かが訪ねてくるのは初めてで少し驚いた。
二人は靴のまま部屋の中を見回し始めた。
「こりゃあ酷い。強盗にでも遭ったんだろうか」
うるさいなあ。
「いや、違う。あいつの仕業だろう」
一人が僕を指差して、それに気づいたもう一人も此方を見ていた。
嫌な視線。優しく抱いてなんてくれそうもない。
「うわーっ、こりゃまた酷い」
こういう高音大嫌い、居心地悪い。僕は出窓から飛び降りた。
その声に寄って来た足に、踏まれないように注意深くすり抜けた。
「死後1ヶ月は経っているようだな」
「寂しい老人か、可愛がった飼い猫に、目と口まで食われて」
二人はソファに腰掛けたおばあさんを見てるみたい。その人ね、酷いんだ。
突然ご飯くれなくなって、外にも出してくれなかったの。
開けられたままのドアから僕はやっと外に出れた。
462名無し物書き@推敲中?:05/03/16 11:58:12
「僕の願いが叶うとき」

僕がピーマンがこの世で一番嫌いだ。苦いし、まずいし、全然好きになれない。
ピーマンって名前も嫌いだから、僕はいつも「大嫌いなアレ」と呼んでいる。
けれど僕がどんなに嫌がってもママはそれを許さない。
「残したら駄目よ。ちゃんと食べるまでママ見張ってるから」
そう言っておかずに大嫌いなアレが混じる度に、僕のことを睨みつける。
僕はそれが堪えきれなくて、毎晩神様に祈った。
「どうか大嫌いなアレを大好きなチョコレートに変えてください」
次の日の夕食。テーブルに置かれていたのは、ごはんとお味噌汁とお皿の上に一枚のチョコレート。
僕が不思議に思いながらチョコレートを齧ると、パパは僕を見て嬉しそうに言った。
「偉いじゃないか、ピーマンの肉詰めを食べられるようになったなんて」
僕は一瞬、とまどったけれど、すぐに神様が願いを叶えてくれたんだと理解した。
ママはチョコレートを夢中で食べる僕を見て、なんだか拗ねたように言った。
「ピーマンを食べられることって別に偉いことじゃないのよ。当たり前のことなの」
次の朝、目を覚ますと、僕のベッドの横にものすごく大きなチョコレートが佇んでいた。
自分の背よりもずっと大きなチョコレートを僕ははじめて見た。きっと神様が僕にくれたプレゼントに違いない。
そう思うと嬉しくて嬉しくて、さっそくチョコレートに抱きついて大口を開けてかぶりついた。
いつも怒りながら起こしにくるママは、なぜか今日に限っていつまでたってもやってこない。
けれどそんなことはどうだっていい。僕は静かな部屋の中でチョコレートにむしゃぶりつきながら神様に感謝した。
463名無し物書き@推敲中?:05/03/16 12:28:34
にんじんのヤツ?
464名無し物書き@推敲中?:05/03/16 12:51:26
そう、にんじんのやつ
465 ◆D60106Bc4s :05/03/17 00:18:36
【山】

「ばっちゃ、ばっちゃはどこいった?」
「ばっちゃは山へいった」
「うそじゃ、ばっちゃは脚もよう動かんじゃろが」
「うるさい童じゃ、おまえのおとうも山にいったじゃろが」
「おとうはピンピンしっとたわ、じゃが、ばっちゃは動けん」

「お前のおとうが山へいった理由をしっとるか」
「馬鹿にするでねえぞ、飯を食うからじゃろが、飯が足らんからじゃろが」

「しっとるならわかるじゃろが」
「ばっちゃは飯食わん、俺より食わん。なんでばっちゃが山へいかんといけんのじゃ」

「おまえ、わかっとらんわ」

「なにがじゃ」

「もう年寄りくらいしかのこっとらんのじゃ」

「……わからんわ、おれがいるじゃろが」

「おまえ日頃何食っとるんじゃ」

「……」

「おまえはもっとでかくなるから山いかんでええんじゃ」

466名無し物書き@推敲中?:05/03/17 09:33:00
>>462
おもろい
467宮本 ◆38MyApPIX2 :05/03/17 16:23:06
>>462
オモロイ。
>>465
どう解釈したらいいんだろう。姥捨て山の発展形? 人類家畜オチ?
前半で『姥捨て伝説系』と思わせておいて、『実は、山に魔物か何かがいて、村人が家畜だった』というオチなら生殖能力のある成人は残しておかなければおかしいような気がする。
(たぶん誤読だと思うけど)
468宮本 ◆38MyApPIX2 :05/03/17 16:29:48
>>465
あっ、そういう意味か。再読して理解できました。
読解力不足でした。スマン。
469名無し物書き@推敲中?:05/03/18 00:15:49
>>465
駄目だ、いまいち意味がわからない。誰か解説お願いします
470名無し物書き@推敲中?:05/03/18 00:32:41
自分もよく分からん
ばっちゃはおとうに食われちゃったのか?
読解力なくてすまん……
471宮本 ◆38MyApPIX2 :05/03/18 03:08:51
>>469-470
だんだん解釈に自信がなくなってきたけど、たぶんこんな感じだと思います。

【前半でミスリードさせたい世界観】姥捨て山っぽい感じ。捨てるというより、志願して山に行く。

【オチで提示された世界観】飢饉に苦しむ村落。最終的な手段として、くじ引きか何かで選んだ村人を食用に殺すことが決められる。(将来のある子供は選外)。
人肉喰いタブーを直接的に言うことが後ろめたい村人たちは『屠殺された』ことの符丁として『山に行った』と言っている。


D60氏の作品にしては切れ味が鈍いような。(誤読だったらすみません)
472 ◆D60106Bc4s :05/03/18 18:13:03
ぐはっ……やっちまいました……

自分が考えたのは>>471だったんですが、
余りにも足りない部分が多すぎます。
読み返して赤面しました……orz

もっと精進します ('A`)





473あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/03/18 19:01:05
【川】

「ばっちゃ、ばっちゃはどこいった?」
「ばっちゃは、川へ洗濯へ行った」
「嘘じゃ! ばっちゃは脚がよう動かんじゃろうが」
「腹這いで行ったんじゃ」
「嘘じゃ! ばっちゃは腕もよう動かんじゃろうが」
「腕は使わずに、体だけで行ったんじゃ」
「嘘じゃ! 川までは長い砂利道になっとる、ばっちゃには無理じゃろうが」
「今は川におるで、見てきてみい」
「嘘じゃ! さてはお前ら、ばっちゃを食うたな!」
「お前、わかっとらんわ」
「なにがじゃ!」
「ばっちゃが、お前はもっとでかくなってからでええと言っとたぞ」
「なにがじゃ! 蛇女じゃあるめーし」
「なんや、知っとったんかいな」
474名無し物書き@推敲中?:05/03/18 19:12:09
だれか、462の落ちを説明してくれ。
475宮本 ◆38MyApPIX2 :05/03/18 19:57:18
>>472
ネタとしては面白かったと思います。
>>474
前半の大嫌いなアレ=ピーマン。
後半の大嫌いなアレ=ピーマンを食べたのに誉めないママ。
476名無し物書き@推敲中?:05/03/18 19:58:34
>>474
主人公が神に願った
>「どうか大嫌いなアレを大好きなチョコレートに変えてください」
の「大嫌いなアレ」の中に母親も含まれてた、ってことじゃないの?
ピーマンを食べなきゃ食べないで文句を言い
食べたら食べたで褒めるこもなく嫌味を言う母親が大嫌い→母親チョコレートに。

主人公が起きたときベッドの横にいたでっかいチョコレートは
>いつも怒りながら起こしにくるママ
で、主人公は母親とは知らずにそれを食っちゃった、と。

477474:05/03/18 20:00:42
ありがとう。わかった。
478あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/03/18 23:52:57
【空の上で】

白の神様「ついでに、大嫌いな母親もチョコレートに変えてやろうか?」
赤の神様「そうですね。あの子も喜びますよ、きっと」
白の神様「あんなに文句ばかり言われたんじゃ、ウンザリもするわな」
黒の神様「ちょっと、待った。それは違うんじゃないか」
白の神様「どうして? あんなイジワルな母親はいらんだろ」
黒の神様「まず、そこが違うんだよ。母親はイジワルしてるんじゃなく、あの子の
     事を思って厳しくしているだけなんだ。甘やかす事が愛情じゃない。
     むしろ、子の将来を考えて接してやるのが親の愛情だろう」
赤の神様「なるほど。それは、確かに言えてますね」
白の神様「でも、あの子はそういう母親を理解し、愛してるのかな?」
黒の神様「あの子はむしろ母親を大好きなんだよ。だからこそ、褒めて欲しくて
     なんとかピーマンを食べようとしてるんだ。嫌われたくない、その
     気持ちがあの願いにこもってるんじゃないか」
赤の神様「なるほど。じゃあ、大嫌いなのはピーマンだけって事ですね?」
黒の神様「それも、ちょっと違うな。父親の言葉を聞いたか? ピーマンが食べ
     れて偉いと言ったんだ。ニヤけた笑みを浮かべてな。母親も言ってる
     が食べれて当然の事なのにだ。逆に言えば、お前のようなクズがよく
     やったとあざ笑ってるようなもんなんだよ。あの子もそれを感じたのか
     褒められたにもかかわらず、一瞬とまどっているんだな。潜在的な
     憎しみを子供ながらに感じたって事だ」
赤の神様「そうだ、その通りですよ。あの父親からは冷たいモノを感じます」
白の神様「……と言う事は?」
黒の神様「大嫌いなアレ。つまり、父親をチョコレートに変えてやるべきだ」
479名無し物書き@推敲中?:05/03/18 23:55:02
なるほど!父親かい!
480名無し物書き@推敲中?:05/03/19 00:25:57
いたずらな結末

 休み時間に推理小説を読んでいると、クラスメイトのAが声をかけてきた。
「なに読んでるの」
「探偵もの、面白いんだこれ」僕は本を立ててタイトルをAに見せた。
「あ、それ読んだよ。犯人は探偵の妹なんだ」
 僕は耳を疑った。なんてことを言うんだこの男は。
「あ、まだ読んでる途中だったのか。ゴメンゴメン」
 Aは無類のいたずら好きで、いつもつまらない事をしてはクラスの顰蹙をかっている。
 そんなやつの相手をしてしまった僕が迂闊だったのか。
 僕はAを追っ払い、とりあえず小説の残りを読むことにした。犯人であるらしい探偵の妹はまだ
出てきてもいない段階だから、その登場や探偵の推理の過程は楽しめるはずだ。
 ほどなく妹が登場した。探偵はまだ疑ってもいない。結末を知っていると何とももどかしい。
 事態は急展開をみせる。なんと探偵の妹が死体で発見されてしまったのだ。
 彼女が犯人なのだからつまり、犯行を苦にしての自殺か。しかし探偵は何者かに殺されたと思い込み、
見えぬ犯人に激しい怒りを燃やす。当然だ。自分の妹が殺人犯だったなんて思えるわけがない。
 これからどう話を転がすのかまったく見えなくなり、僕は俄然夢中になって本を読み進めた。
 結末を知っているからこその面白さ。僕はAに感謝すべきなのかもしれない。
 ついに探偵は、まったくの赤の他人を犯人として告発しはじめた。何をやってるんだこの無能は。
 しかし、その赤の他人が罪を認め、探偵はついに妹の無念を晴らしたのであった……。
 そのページで本が終わっていることに呆然とする僕を見て、Aがニヤリと笑った。
 ……ほんと、たちの悪いいたずらしやがる。
481宮本 ◆38MyApPIX2 :05/03/19 01:28:05
>>478
ナイスパロディ。解釈のズレが面白い。神業は二人でもよかったような気がする。

>>480
上手い。ネタ自体も面白いけど、テクで魅せるみたいな感じがよかった。
482名無し物書き@推敲中?:05/03/19 01:29:46
訂正
×神業は
○神様は
483好奇心:05/03/19 18:00:40
常夜灯の光で目がさめた。アッそうか今日はホテルに泊まったんだ。布団に包まりながら、
窓の方をみる。まだ外は真っ暗だ。時間を見ると5時。もう少し寝よう。
 布団に潜ったが、妙な音が耳につく。「しょん、しょん、しょん、、、」
いったい何の音だ。しばらく耳を澄ましていて気がついた。
「あーウオシュレットの音か。」
タイマー仕掛けで洗浄しているんだろうか? それにしても長い。
とうとう洗面所のドアを開けてみる。
「ここじゃない。隣か。いつまで肛門洗ってやがるんだ。」
水の音が耳についたが、うとうとしているうちに明るくなった。
朝飯を食って急いでチェックアウトをする。
「田中様、お客様からメッセージが届いております」といって
ホテルの封筒を渡された。
「誰だろう?」あけてみると、便箋に

田中様
 たまたま隣に宿泊した者でございます。
朝早くから肛門マッサージはそんなに気持ちがいいですか?
 こらっ、いい加減にしろ!!

下にカットが書いてあって、便器にまたがって肛門マッサージを
している俺が、ハイヒールで蹴飛ばされてる。
484名無し物書き@推敲中?:05/03/20 00:43:27
>>480
いいね、文章としても完成度高いと思います
485あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/03/20 01:39:51
>>481
まいど、どうもです。
定期的に評価して頂けるなら、独断の点数付きでも面白いんじゃないでしょうか。
読んでる人も楽しめると思いますよ。
486名無し物書き@推敲中?:05/03/20 02:22:18
幽霊
 幽霊見た白い着物の幽霊だった。
 しょんべんかけた。
 効かなかった。
 ぼくはにげた。
487宮本 ◆38MyApPIX2 :05/03/20 21:14:41
>>485
うーん、点数は作家さんに失礼かもなって気がします。何様やねんって感じになりそうだし。作品勝負で勝つ自信ないし。読者として好きな作品に感想書くスタンスでいっときます。

もうすぐ500だし、代わりに、前半レスの好きな作品ベスト10とかやりますかね。
488あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/03/21 02:37:03
>>487
何だ、残念だな。宮本さんは読解力があるので誰も文句は言わないと思うけど。
前半のベスト10ってのはいいですね。お気に入りはいくつかあります。
489あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/03/21 02:59:53
>>151
発想が面白い。この世界観がこの作品の魅力になってると思う。

>>196
これ好き。オチがナンセンスでありながら、説得力もある。

>>290
感動的でいい。短いとなかなか物語を盛り上げられないからね。

>>416
面白く読ませる。オチというよりも流れが楽しい。

>>439
アメリカンジョークだけど、良く出来てるし、笑える。

>>446
D60さんは、平均的にレベルが高い。文章も巧いので読みやすい。
490あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :05/03/21 03:24:45
>>10
軽い会話が活きてる。読んでて楽しい文体が持ち味。

>>76
形式を使ったアイディアがいい。オチも後からじんわりと来る。

>>129
シンプルによく出来てる。会話の親近感がオチへの効果になってる。

>>138
文章が笑える。オチよりも流れで充分満足できる優れた作品。

>>244
ホラーと思いきや、ちょっと感動できる所がいい。ジーンと来た。

>>454
似たようなものはあるかもしれないけど、完全に出来上がってる秀作。
491名無し物書き@推敲中?:2005/03/21(月) 12:13:28
【着信ナシ】
ケータイ電話を買って三ヶ月。
着信は、まだ無い。
492名無し物書き@推敲中?:2005/03/21(月) 12:17:20
【ホモ】
家族にも友達にも秘密にしているが、僕はホモだ。
毎日毎日、僕は彼とキスをする。

だがある日、ついに妹に見つかってしまった。
「お兄ちゃん、鏡に口つけて何してんの?」
493名無し物書き@推敲中?:2005/03/21(月) 12:29:31
【コンビ結成】
「なあ、太郎」
「ん? 何だよ次郎」
「俺らで漫才やらねえか?」
「何でやねん」
494烏鳥島 ◆l5yyWF65L. :2005/03/21(月) 12:30:11
>>491-493以上、思いつきで書いてみました。m(__)m
495 ◆D60106Bc4s :2005/03/21(月) 23:44:47
【ゴーストバスターズ】

「ついに、ついにやったぞ!幽霊収納装置の完成じゃ!」
「ついにやりましたね博士!子供のころ見たあの映画を、まさか再現できるとは……」

「なにせ幽霊はエネルギーなしで物を動かしたりできる。そこからエネルギーを取り出す
 この装置の完成は、永久機関を作り出すことに成功したともいえよう」
「夢は膨らみますねえ……おや、この中にあるものは?」

「わが家内の死体だ、彼女は私の実験の最初の被検体となってくれた。
 なんせ適当な幽霊で実験しようにも、まだ幽霊視認装置がないせいで見えないからな」
「!? は、博士!?そ、それはあまりにも……」

「ふふ、最初は嫌がっておったが、私が説き伏せるうちにおとなしくなったわ。
 この中で死んだ以上、現在まだ完成していない幽霊吸引装置のほうは無視してもよい」
「は、博士は鬼だ!悪魔だ!」

「何とでも言え、それスイッチオン!」

機械はブーンと音を立てるが、メーターはゼロを示したまま動かない。

「な、なぜだ?家内の幽霊は確かにこの中にいるはずなのに……」
「博士、もう止めましょう。あなたは研究のし過ぎでおかしくなってしまったんだ」

「……そうか、そうかもしれない。私はとんでもない過ちを犯してしまった」
「わかってくれましたか」

「ああ、まさか家内が成仏してしまうとは……」
496名無し物書き@推敲中?:2005/03/22(火) 00:20:27
さっき、2万4千円のヘッドホンが突然壊れた。
音楽を大音量で聴き過ぎたせいか、いきなりプチッと音が出なくなった。
俺はムカついて思わずわざとテレビを床に落とした。
ズドンとテレビが床に落ちた振動を感じて俺はふと我に返った。
何やってんだ俺は。このテレビは15万もしたじゃないか。
たまたま落とした場所には布団が敷いてあって 落ちた振動は多少あったが
落ちた音は全くしなかった。
たぶん壊れていないだろうと思いながらテレビの電源を入れてみた。
映像は普通に映るのだが、音が全く出なくなっていた。最悪だ。
15万円のテレビまで壊れてしまった。
それにしても今日は外が不思議なくらいに静かだ・・・
気晴らしにちょっと散歩にでも行ってみようかなぁ。
壊れたのはヘッドホンでもTVでもなく俺の耳だった。
497名無し物書き@推敲中?:2005/03/22(火) 00:24:49
>>496
コピペを改悪して貼られても。
498名無し物書き@推敲中?:2005/03/22(火) 00:52:32
やめる

「おれ、今の会社やめようかと思ってるんだ」
 久しぶりに会った親友ふたりとの酒の席で、おれはポツリと切り出した。
「いまいちなんだよ、仕事」
「バカだなあ、まだ勤めだしたとこだろ。もうちょっと我慢してみろよ」
 何とかいう大手企業に勤めるAが言った。
「退職するにしても、次を見つけてからにしなきゃ。嫌なことなんてすこし我慢してるうちに、
意外と平気になっちゃったりするもんだよ。簡単にやめたらもったいないよ」
「確かに、そうだな。うん。決めた。おれやめるのやめるわ」
 あっさり考えを翻したおれにBが憮然として口を開いた。
「バカだなあ、やめたけりゃやめりゃあいいんだよ」
 Bはアルバイトをしながら何とかいうバンドでベースを弾いている。
「やりたくないことやらなくていいんだよ。やりたいことだけやる。それが自由っつんだ。
人生もっと自由に生きなきゃもったいないぞ」
「言われてみればそうだよな。よし。決めた。おれやめるのやめるのやめるわ」
「バカっ、お前はほんとバカだな」
 Aが叫んで、それからAとBはお互いの熱い人生論を延々とたたかわせた。
 朝までふたりの意見の聞いた結果、おれは、会社をやめるのをやめるのをやめるのを
やめるのをやめるのをやめるのをやめるのをやめるのをやめることに決めるのをやめた。
499 ◆D60106Bc4s :2005/03/22(火) 00:57:10
【一葉の手紙】

おひさしぶりです、お元気でしたでしょうか?あなたの元に来たとき、私は
まだほんの小さな苗木でした。

ええ、そうです。私はあなたに育てていただいていた鉢植えの木です。きっかけ
は彼女からの誕生日プレゼントでしたね。インテリアにって。

わたしに水をくれるあなたはすごく優しかった。
ただ、彼女と別れてからのあなたはずっとほったらかし。ついには捨てられてしまいました。

しかたのないことです、だって私がいるとどうしても思い出してしまいますもの。
でも、少しだけ悲しかったことは確かです。

くるしい事やかなしい事。楽しいことや嬉しいこと。私はあなたの日々を近くで見ていましたから……

びっくりしています。まさかあなたとまた会えるなんて。窓をあけて外をご覧になってください。私
をひろってくれた心やさしい方は、ある丘の上に私を植えなおしてくれました。

つい最近あなたが越してきた家のそばなんです!このような偶然がいつかあ
ればいいとは思っていましたが、まさか本当に……うれしいです。

  
  私はあちこちで借金をこさえてしまい、逃げるようにして今のアパートに越してきた。
  しかしそこもいつしかバレてしまい、ポストには督促の手紙ばかり。
  その中にこのような葉書が入っていた。はるか昔にそんなことがあったのは覚えているが……

  差出人の名前は書いていない。
  
  窓を開けて外を見ると、すぐ近くの小高い丘に手ごろな高さの木が揺れていた。
500宮本 ◆38MyApPIX2 :2005/03/22(火) 21:41:30
>>498
ナイス。
501 ◆D60106Bc4s :2005/03/22(火) 22:41:12
【インフォームド・コンセント】

「それでは今回の手術に関してご説明いたします……と、言っても単なる盲腸ですので
 ご心配には及びません。もちろん私は簡単な手術だからといって手を抜くようなまねは
 いたしません。その理由をご理解いただくには、そもそも私がなぜ医者になったかという事
 からご説明する必要があり、私が人を切り刻むのが大好きだからです。子供のころから
 生きているものをそのまま切り裂くことが大好きで、恥ずかしながら猫や犬などは何匹
 犠牲になったか知れません。ただ、いざ人を切ろうかというときになってやはり犯罪と
 いうことに怖気づきまして、それなら嗜好と実益を兼ねた外科医などが適当なのではな
 いかと考え、実際そうなりました。ただ、この職業は最高の満足を与えてくれるわけで
 はありません。本来ならばもっと残虐に引き裂きたいのですが、メスを握ってある程度
 人を切るだけでそこそこのカタルシスは得られますので、何とか精神を正常に保ててい
 るという現状なのです。話を戻しますが、そもそも盲腸程度の手術で失敗をしている様
 では、今後私の執刀の機会は減り、それに伴って私の精神の均衡も失われることが予想
 されます。そのようには私もなりたくありませんので、どんな簡単な手術であっても全力を
 尽くしたいと思っています。尽くさなければならないのです。さ、それでは同意書にサインを」
502 ◆D60106Bc4s :2005/03/22(火) 23:03:03
【安全な食材】

「あら、ダメよ。そのまあじゃあ」
彼女は、僕の手からかぶりつこうとしたリンゴを取り上げると、ささっと水洗いした。
「本当は湯煎したほうがいいんだけどね」

彼女いわく、果物には農薬がついている場合もあるので、こうしたほうがいいのだとか。
僕はまったくそんなことを気にしない性質だ。
濡れたリンゴをかじってみて、味も変わらないように思うんだがなあ……

彼女は僕に手料理を作ってくれるにあたって、材料の吟味に抜かりは無いようだ。

土がついた人参とか、葉が一部変色しているようなキャベツとか。
僕の目から見たら不衛生に感じるのだが、そうした食材のほうが
自然に作られているものだから安全なのだとか。
僕にはよくわからないが、とりあえず彼女の感覚に文句は言うまい。
これからもたくさん手料理を作ってもらう予定なのだから。

そういえば何かニュースで見た覚えがある。農薬とか添加物とかを使った
食品ばかり食べていると、子孫に遺伝子レベルで影響するとか何とか。
『子孫?』まさかそこまで考えていてくれるなら、嬉しいというか恥ずかしいというか。

私がそんな妄想を膨らませていると、彼女から「できたわよ〜」とお呼びがかかった。

次々とテーブルに並んでいく料理たち。まず、その彩りの豊かさに目を奪われた。

ところで僕にはすごく学習能力があるようだ。

リンゴの時には感じなかった生命への脅威を、今確かに感じている。

503宮本 ◆38MyApPIX2 :2005/03/22(火) 23:20:22
>>501
オモロイ。かなり好き。
504名無し物書き@推敲中?:2005/03/22(火) 23:24:13
後半最優秀作品候補かも。同意書にサインする患者はいるのだろうか…?
505宮本 ◆38MyApPIX2 :2005/03/22(火) 23:29:56
>>504>>501への感想追加です。
506宮本 ◇38MyApPIX2 :2005/03/23(水) 00:18:07
>>496
上手い。ネタ自体も面白いけど、テクで魅せるみたいな感じがよかった
507名無し物書き@推敲中?:2005/03/23(水) 01:34:40
>501
こういうの大好き。
508名無し物書き@推敲中?:2005/03/23(水) 04:13:34
たからばこ

 押入れの奥から懐かしいものが出てきた。
「たからばこ」と書かれた大きな箱。
 小学校の低学年くらいだろうか、その頃大事なものはここに入れておく習慣だった。
 手にとるのは実に10数年ぶりである。何が入っているのかまったく思い出せないまま、私は箱のフタを開けた。
 その中にはさらに赤い箱と青い箱があった。ほんのすこし記憶が甦る。ニコニコしながら何かを箱にしまった記憶。
 ……きっと今見るとくだらないものだろう。その頃流行りのオモチャか何か。
 私はなんとなくウキウキしながら赤いほうの小箱を開けた。
「ぐわあ!」
 私は跳びあがって驚いた。それはゴキブリだった。
 いや、よく見ると本物ではない。精巧に作られたオモチャだ。これがその頃流行りのオモチャか。
 なぜ昔の私はこんなものをたからばこに入れたんだ。くだらないにもほどがある。
 未来の私にビックリ箱を仕込むとは。
 私は呼吸を整えながらその黒いものをゴミ箱に放り込んだ。
 それからたからばこを前に、おもわず頭をかいた。
 もうひとつ残っている青い箱が、ゴキブリ箱の5倍は大きいからだ。
509名無し物書き@推敲中?:2005/03/23(水) 23:42:25
ttp://game9.2ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1111388501/172

172 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2005/03/23(水) 21:06:55 ID:ThePenis
買ってからちょめちょめと進めてやっと最初のしいなをLV14でヌッコロ。
ノーマルでやると割と楽だな。


↑IDに注目。神が降臨されました。
510名無し物書き@推敲中?:2005/03/24(木) 01:51:03
おおすげえ、マジだよ。
私は記念にこれをネタにしたSSでも書いてやろうかと
思ったが、そのスレはすでに1000までいっていた。

そしてさらにこのネタから膨らむアイデアにはろくなものがなかった。
でもまあ、せっかくだし……

私は自分のソレを握ってみた。
「ThePenisか……」

寝る前にいっちょやっておくかとも思ったが、どうあがいても
興奮できるようなネタに結びつかない。
脳内補完にも限度がある。無理だ。

私はおとなしくズボンを上げると、そのまま眠りについた。

こうして私の春間近の一日は終わった。
511名無し物書き@推敲中?:2005/03/24(木) 02:39:51

『天気予報』

「最近、雨が降っていないな」
 玄関にある、何ヶ月も使っていない傘を見ながら、男はそんなことを呟いた。しかしマスコミは何も
言わないし、蛇口をひねれば水は出てくる。特に心配は要らないのだろう。男はいつものように家を
出て、会社に向かった。
 出勤すると、自分の隣の机で見知らぬ男が仕事をしている。
「君は誰だっけ」
「しっかりしてください。田中ですよ」
 ああそうだ、田中だった。男は「すまん、すまん」と笑い、パソコンの前に座る。
「さあ仕事、仕事」
 男はパソコンの使い方を知らなかったが、何となく時間は過ぎていった。

 男は食堂で昼食を食べながら、テレビを眺めていた。「天気予報はやらないのかな」と独り言を言う。
 背後に気配を感じた。振り向くと、黒ずくめの男が立っていた。右手にはピストルを持っている。
 どうせなら誰も見ていないところで殺されればよかったな。男は心の中で皆に謝った。
512名無し物書き@推敲中?:2005/03/24(木) 02:42:09

『箱』

「動かないパソコンは、ただの箱だ」
 父はそう言って、パソコンを叩き壊してしまった。「もったいない」と言おうとしたが、それは無理な話
だった。
 自分の部屋に籠もって、英語の本を読む。私は中学生レベルの英語力しか持ち合わせていないが、
それでも楽しい。英語の勉強でも始めようかと思ったが、それも無理だった。
 私の耳が聞こえなくなったのは、昔からだろうか。
 それとも三分前からか。
513名無し物書き@推敲中?:2005/03/24(木) 09:23:14
>>511-512
全く意味が分からない
514名無し物書き@推敲中?:2005/03/25(金) 02:40:12
512は「私」をパソコンに置き換えてるんじゃね?
引き篭もりの息子を親父が殴り殺したと。

まぁ、筒井らへんに影響受けて意味不明に作りましたって感じも受けるが。
515あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :2005/03/26(土) 13:26:48
【孤独】

私は孤独だ。孤独と共に生きている。
昔は違ったはずだ。
夢、希望、友情、愛、多くの人たちに囲まれ充実した時を送っていた。
しかし、ある日突然、孤独があっけらかんと訪れた。
その日から、孤独は私の元から全てを奪い、孤独が私の全てになった。
積み重なる日々は多くのものを恐ろしいまでに体へ沁み込ませる。
抵抗しがたい侵入を防ぐことなど出来やしない。
胸に抱えた多くの思い出が忘却の彼方へと霞んで見えなくなっていく。
母の髪、父の腕、友人の声、彼女の笑顔、それらは幻のように淡く儚い。
私は別人へと生まれ変わるのだろうか。いや、そうするべきなのだ。
孤独と出会ったなら、誰だってそうするしかない。
諦めはいつしか勇気へと変わり、絶望はほんの微かの希望へと変わる。
さようなら、愛すべき人たちよ。
私は幸せだったのだと思う。
誰もが経験する他愛の無い出来事が、夢の中の物語のように心で踊っている。
客船が沈没し、私一人が無人島へ流されたのはもう遠い昔。
その日から、海へ潜り食べ物を確保する生活が20年続いている。
私の両方の顎に割れ目が出来、いつしかエラ呼吸できるようになっていた。
もう、私は孤独ではない。
さようなら、みんな。これからは海の仲間たちと暮らして生きます。
516名無し物書き@推敲中?:2005/03/26(土) 14:30:22
全米が泣きそうになった。
517名無し物書き@推敲中?:2005/03/26(土) 15:16:56
おまいらのはショートストーリーではなく、ただの「説明」。
よくこんなのばかりで人に見せられるな。これじゃあ他の板の「日記」や「ネタ」のほうが笑える分マシだ。
「鉛筆がある、それは底面が六角形の形をしていて直系は○cmだ。長さは○cmで〜」と同じだ。何がおもしろいんだか。
単に短い文章にすればそれでショートストーリーができるわけじゃないよ。
短くてもその中には設定が詰まっていて、肉付けをすれば長編になるものを洗練するのがショートストーリー。
おまいらのは設定そのものがひとつしかない、膨らませようのないストーリー。
518名無し物書き@推敲中?:2005/03/26(土) 15:30:41
>>517
わかったから、森へお帰り王蟲。
ね、いい子だから。
519名無し物書き@推敲中?:2005/03/26(土) 16:07:42
>>517
ここはアマチュアが集まるところだから、君には似合わないよ。君には稚拙すぎる。

と自演してみる。プギャー。
520名無し物書き@推敲中?:2005/03/26(土) 19:05:17
>>517
ショートストーリーとショートショートは似ているが少し違うものだと
思うわけだが。

ショートショートではその単なる説明をいかに予想外な物にするかの
技量が重要視されるわけで、目指す方向が違うだろう。

ショートストーリーは別にスレッドがあったはずだよ。
ttp://book3.2ch.net/test/read.cgi/bun/1099736023/l50
ほれ。
521あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :2005/03/26(土) 22:00:02
【コンビ】

「俺はもうお終いだ。自分が生きている価値を見出せないよ」
「そんな寂しい事言うなって、お前らしくもない」
「いや、気を使ってくれなくてもいいよ。俺は、もう邪魔者でしかない」
「昔を思い出せよ。俺たちは絶妙な名コンビだったじゃないか」
「そうだな。懐かしいな」
「お前はスタイルも良く、いつでも活躍し続けていたよな」
「俺とお前、身を削るように働いてたな。あの頃は本当に輝いてたよ」
「俺なんかお前のオマケだったよ。見てくれもちっとも良くなかったし」
「でも、未だに現役じゃないか。羨ましいよ」
「地味な仕事だからな、誰も喜んでやる奴がいないってだけだ」
「頑張れ、応援してるから」
「そんな事言うなって、お前にだってまだまだファンは多いはずだぞ」
「最近……華々しかった頃を思うと絶望を感じるんだ」
「だからって、つまらない事考えるなよ」
「俺は確かに愛されていた。そのポジションをアイツに奪われたんだ……」
「告白させて貰うが、俺は長い間お前のスタイルに憧れ続けていたよ」
「アイツは礼儀知らずの盗人野郎だ」
「その六角形の底面と木の香り、お前は俺のヒーローだ」
「シャープペンの奴、俺から生き甲斐や何もかもを奪いやがって……」
522名無し物書き@推敲中?:2005/03/27(日) 10:34:33
夕暮れの中、十歳離れたペットがぴちゃぴちゃと脚の指を舐めている。

「あなたが好きです」体育館裏で告白された。潤んだ黒い瞳と紅潮した白い肌は堪らなく魅力的だったが、私はそれを一度断った。異性同性問わず告白された事はあり、中にはかなり可愛い女の子もいたが、教師と生徒という垣根を壊そうとした者は初めてだった。
何度断っても諦めないので、私は自分の性癖を告白した。それでも向こうは欠片も動じず、結局私達は主従関係を結ぶことになった。
それから一月、ペットは忠実に、命じられたままに私の仕打ちに耐え続けた。
もう私も我慢の限界だった。だから、私の足をぴちゃぴちゃと舐める男に、私は云った。

「先生、私を抱いてみませんか?」
解いたスカーフがぱさりと床に落ちた。

携帯からなので読みにくかったらすいません。オーバーしてるかも…っていうか駄文スマソ
523宮本 ◆38MyApPIX2 :2005/03/27(日) 17:37:05
1-100ベスト(敬称略)
>>10『夢』ボクメーツ。
>>21『あの月 壊れているの』なんかいい感じ。
>>26『赤色』
>>39タイトルなし。ぽんすげえ。
>>71『ゲーム』なんか魅力がある。
>>76『M2』素晴らしい。
>>85タイトルなし。欠点指摘のレスもなるほどと思ったが、名作になる可能性あり。
>>86『隣の家族』あぼ〜ん氏。友人の冷静なツッコミがナイス。
>>87『ホクロ』よくできてる。
524宮本 ◆38MyApPIX2 :2005/03/27(日) 17:39:59
101-200までのベスト。
>>101『ビルの屋上』あぼ〜ん氏。雰囲気○。
>>102『隣の家族』あぼ〜ん氏。
>>104タイトルなし。ぽんすげえ。
>>115タイトルなし。菊龍。なぜか面白い。
>>129『殺し屋』ショートショートとしてではなく、中短編のツカミとして。
>>135『真夜中の電話』あぼ〜ん氏。こうオチるパターンだろうなと思わせて、少しズラすあたりがナイス。
>>137『真夜中の会話』あぼ〜ん氏。状況設定○。
>>145『ツンデレ』ハッピーショートショート。
>>151『愛の結末』不思議な魅力。
>>196『冷血』すっとぼけたオチなのに、妙に説得力があるところが素晴らしい。
525宮本 ◆38MyApPIX2 :2005/03/27(日) 17:40:47
201-300ベスト
>>202『コバルト文庫』
>>210『のび太くん』あぼ〜ん氏。
>>220『デス・ノート』
>>244タイトルなし。
>>264タイトルなし。
>>272タイトルなし。文章○。
>>297『普通の女』
526宮本 ◆38MyApPIX2 :2005/03/27(日) 17:42:07
>>301-400ベスト

>>319『パパはお父さんを殺しているの』ぽんすげえ。わかりにくいけど面白い。
>>379『禁煙』
>>390『おやつの時間』あぼ〜ん氏。
>>393『一生のお願い』D60。素晴らしいすぎ。巧すぎ。
>>394『心霊写真』D60。わかりにくいが、アイデアが素晴らしい。
>>400
『手相見の手相』
527宮本 ◆38MyApPIX2 :2005/03/27(日) 17:44:01
401-500ベスト
>>406『古い写真』あぼ〜ん氏。
>>411>>409のリライト)
>>412>>409のリライト)あぼ〜ん氏。
>>417『待った?』D60。>>432『鏡のそちら』
>>436『慎太郎』
>>442『どっちにするの?』D60。素晴らしい。
528宮本 ◆38MyApPIX2 :2005/03/27(日) 17:45:36
401-500ベスト(続き)
>>446『ショートショートの作り方』D60。
>>454『不幸』よくできてる。
>>455『不幸の王者』あぼ〜ん氏。(>>454のパロディ)
>>462『僕の願いが叶うとき』
>>465タイトルなし。D60。かなりわかりにくいのが傷だけど、ネタは○。
>>478『空の上で』あぼ〜ん氏。(>>462のパロディ)解釈のズレが面白い。。
>>480『いたずらな結末』上手い。
>>498『やめる』好き。
529宮本 ◆38MyApPIX2 :2005/03/27(日) 19:15:41
1-500名作集
>>76『M2』
>>196『冷血』
>>297『普通の女』
>>393『一生のお願い』D60。◎
>>394『心霊写真』D60
>>442『どっちにするの?』D60。◎
>>480『いたずらな結末』
>>498『やめる』

個人的な前半最優秀作品はD60さんの『一生のお願い』です。
530名無し物書き@推敲中?:2005/03/27(日) 20:49:23
【肉】

この頃私は魚を食べていない。
「お母さん、今日もお肉?」
「仕方ないでしょ、安かったんだから」
「はぁい」
私は素直に九割が肉でできた野菜炒めを食べはじめた。うちは貧乏だから、食事に文句を云うことは許されない。
けれど私は知っている。最近肉の値段が上がり続けていることも、
もう私の家にはろくな食べ物もそれを買うお金もないことも。

で、お母さん。
お父さんの次はお母さんを食べなくちゃならないの?
母のエプロンは彼女自身が流した血で染まっていた。
531名無し物書き@推敲中?:2005/03/27(日) 23:35:39
正直>>115が一番面白いと思っている。
532名無し物書き@推敲中?:2005/03/28(月) 00:59:23
>>115は何度読んでも笑えるよね。
このパワーはすごい。
533名無し物書き@推敲中?:2005/03/28(月) 02:29:37
>>523-529 乙
534名無し物書き@推敲中?:2005/03/28(月) 03:11:27

『筆圧』

 四人で道を歩いている。どこに向かえばいいのかわからないが、先頭は僕だった。
「私たちは、あっちへ向かえばいいのよ」
 優しくされると、好きになる。よく見れば、可愛い女の子だった。名前を聞きたかったが、そうしては
いけない気もする。あとの二人の名前はちゃんと知っていた。堀田くんと、末永さん。末永さんは、
僕の初恋の相手だった。
 歩きながら、僕と女の子は楽しく会話をした。長い時間そうしていると、後ろの二人が気になる。堀
田くんは無表情のままだが、末永さんは寂しそうだった。
「焼きそばを食べよう」
 誰かがそう言った。なぜ焼きそばなのだろうか。そんなことを考えながらも、僕はうきうきしていた。
僕たちは座って焼きそばを食べた。末永さんも、にっこりと笑っている。それを見て、僕はとても幸せ
な気分だった。

 目がさめた。壁の時計を見ると、もう十二時を回っていて、どこからか焼きそばのおいしそうなにお
いがする。
 末永さんへラブレターを書くとき、緊張して何回も鉛筆の芯を折ったっけ。昔から僕は筆圧が強く
て、最後には堀田くんが書くのを手伝ってくれたんだ。
 昔のことを思い出し、涙で枕が濡れていることに気づく。僕は苦笑した。
 夢の中で焼きそばを食べようと言ったのは、堀田くんだったのではないだろうか。
535 ◆D60106Bc4s :2005/03/28(月) 18:29:52
【桜花】

きれいな桜の下には死体が埋まっている。

――そんなバカなことがあるか
 
私は春になると近所の公園をよく散歩する。咲き乱れる桜はどれも美しい。
俗説が本当ならば、この木々一本ごとに一つ死体が埋まっているというのか。

私は花見客をよけるように、人気のない園内の片隅へと向かっていた。
そこにはちょっとした丘がある。

頂上には一本の桜。
私はその傍に腰を下ろした。

春の陽光は暖かく私を包む。

日当たりが悪いわけではない。
幹が傷ついているわけでもない。

なのに、この桜は咲かない。
つぼみをつけたこともない。

真実は逆であることを知る者は少ない。
536あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :2005/03/28(月) 23:03:58
【揺れ】

真夜中。地震が来た。とにかくデカイ。世界がシャッフルされたようだ。
轟音が鳴り響く。悲鳴なのか、泣き声なのか、とにかく鳴り響く。
日本沈没。いや、世界崩壊だ。とうとう来たのだ。全世界の終末が。
正しかった。若干のズレはご愛嬌。ノストラダムスは偉大で優れた預言者。
縦にも揺れ、横にも揺れる。立っている事すらままならない。
死はすぐそこまで来ている。こんにちは。いや、まだ早い。まだ行けない。
一人で死ぬのは寂しい。挨拶ぐらいはさせてくれ。なあ、ノストラダムス。
神の怒りか、悪魔の仕業か。私に何の罪があるのか? ノストラダムスよ。
とにかくだ。家族の顔を一遍拝ませてくれ。こんな真夜中になんて事だ。
私は老人。この世に未練はない。期間にして70年。多くの事を経験して来た。
つまらん人間。退屈な人生。意味の無い存在。それが私だ。まさにその通り。
残念だがそうなのだ。それでも思う。もう一度太陽の日差しを浴びたかった。
カクテルの気持ちが分かる。残酷な仕打ちだ。吐きそうだ。目が回る。
家族に会いたい。この家が崩れる前になんとか。息子と嫁さんと二人の孫。
神は人間に幻滅したのか。これで終わりにするつもりなのか。轟音は止まない。
床が足をすくった。バランスを崩す。手を差し出すも失敗。脳天強打。
地震は狂ったように激しくなった。もうダメだ。お終いだ。グッドバイ。
視界に家族の姿。間違いない。息子だ。嫁さんもいる。その後ろに孫たち。
良かった。家族で最後を迎えれる。ありがとう、神様。小さなプレゼント。
でも、おかしい。みんなは平然と立っている。心配そうにこちらを見ている。
537名無し物書き@推敲中?:2005/03/28(月) 23:15:54
>>534
> 優しくされると、好きになる。

レギュラーのネタにあったよな。これ
あるある探検隊!あるある探検隊!
538名無し物書き@推敲中?:2005/03/29(火) 02:27:20
『遺書』

お父さん、お母さん、そして僕を支え続けてくれた方々、みなさんを残して旅立つ不幸をお許しください。
このような形でみなさんを裏切ることになって本当に申し訳ありません。
僕自身、何度も思いとどまりました。
少し待ってみれば、何か変わるかもしれない。明日になれば、みんな優しくしてくれるかもしれない。
そう信じて必死で生きてきました。しかしながら、世間の目は一向に変わりません。
そもそも予知夢をみる能力が僕になければ、どれだけ平和な人生を送れていたことでしょう。
僕をさんざん利用し、もてはやしておいて、みんなにとって都合の悪い夢を一つ見ただけで、
「これまでは偶然あたっただけ」「こいつは頭がおかしい」とはやしたて、今ではみんなが僕を目の敵にしています。
こんな扱いはもう耐えられません。この世とはこれでお別れです。

「遺書」と書かれたその紙を窓から投げ捨てると、そいつは一人、宇宙船に乗りこみ、地球を飛び立った。
3日後、巨大な彗星が地球に衝突し、人々は息絶えた。
539local:2005/03/29(火) 11:27:37

【嫌な予感】

 嘉幸は夢の中で、雪の降り積もる道を気持ち良く散歩していた。しばらく歩き、真っ白な道の上に、
赤い手袋が落ちているのを見つけた。嫌な予感がした。恐る恐る拾い上げてみると、中身が入って
いた。おびただしい血液が道を真っ赤に染めて……。
「うわああああ……!」
 自分の叫び声で、嘉幸は目を覚ました。
「最悪の目覚めだなあ」
 こんな日はろくなことが起こらない。交通事故等、なるべく気をつけよう……。そんなことを考えなが
ら、嘉幸は朝食を食べるため、リビングへ向かった。
「パパ。これ見て」
 七歳になる娘が、手に真っ赤な靴下を持って、はしゃいでいた。
「なんだい、それ」
「昨日ね、枕元に靴下置いておいたの。そしたらね……」
 嫌な予感がした。さっきの夢を思い出す。嘉幸は恐る恐る尋ねた。
「まさか、靴下に中身が入ってたんじゃ……」
「うん、中身が入ってた」
「う、うわああああ……!」
 幸か不幸か、そこで意識は途切れた。
「そんなにびっくりしないでよ、パパ。わたしも本当にサンタクロースがいるなんて、最初は信じられな
かったもん」
540local:2005/03/29(火) 11:56:51
>>501 ひと味違う。
>>502 面白かったけど、D60さんにしてはちょっと雑に感じた。
>>508 良作。「おもいで」をちょっと強調しすぎかなーと思った。
>>515 もっと短くて良いんじゃないかと思ったり。
>>521 悪くはないけど、意外性が無い。
>>522 主人公の性別ってこと?
>>530 「仕方ないでしょ、安かったんだから」 ←これおかしくない?
>>535 上手いっすね。SSのお手本みたいな。
>>536 これも「なるほどなあ」と思ってしまう。
>>538 人類の「遺書」を主人公が書いたの?そこがよく解らない。少し改善すれば名作になりそう。
541538:2005/03/29(火) 15:46:00
>>540
評価ありがと
ここでは「生き遺る者が記す書」という意味での「遺書」だった
わかりにくくてスマソ
542名無し物書き@推敲中?:2005/03/29(火) 19:56:00 ID:
【閉塞感】

息がつまる。なぜ僕はこんなところにいるのだろう。僕はここにいるべき人間ではないのに。

机の向かい側に座る、教師風の女が話す。
「今のお子さんの成績では、A高校は少し厳しいかと思います」
対して、母親のような女。
「しかし、本人も強く希望してますし……」
それに続いて、僕と同じような背格好で、僕と同じような顔をした男が、僕と違う声で話した。
「どうしても、行きたいんです。A高校でやりたいことがあるんです」
違う。僕はA高校なんかに行きたくない。ましてや、そこでやりたいことなどない。僕が今すべきことは……。

そこで、僕の意識は途絶えた。いや、意識はあったのかもしれない。しかし、僕にとっては
寝ているのと同じような時間だった。違うのは、息苦しいことだけ。
僕が目を覚ましたとき、母親のような女と僕に似た男が、ちょうど部屋を出て行った。

なのに僕は、いまだに隅っこで、暗くて狭い、鉄の箱の中に閉じ込められている。
それにしても、どうして僕はこんなところにいるのだろう。
僕はここにいるべき人間ではないはずなのに。
543あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :2005/03/29(火) 22:17:16
【森】

「うわあああ!」と俺。
「きゃあああ!」と彼女。
「ガルルルルッ」と突然現れた野性の熊。
「パン!」と銃声。
「ガサガサガサ」と猟師。
「クワックワックワッ」と銃声に驚いたオレンジ色の野鳥。
「ゴゴゴゴゴッ」と飛行機。
「きゃあああ!」と彼女。
「あああああ!」と猟師。
「ドドドドドっ」と逃げていく野性の熊。
「う…うう…うう…う…うう」と俺。
544名無し物書き@推敲中?:2005/03/29(火) 22:31:47
ああ、今日は飲みすぎたかな。終電行っちまったかもしれない。
でもどうせメシ時に帰ったって、誰も出迎えやしないんだ。
小学生で悪い連中とつるむようになってからの息子は
染めた髪をみっともなく突っ立てて夜中まで遊びまわっている。
妻はどうせ食べないんでしょ、と言って料理を作らなくなった。
繁華街ったって裏道に入ると寂しいもんだな。俺の人生みたいだ。
後ろでガキどもが騒いでやがる。何が楽しくてそんな馬鹿みたいな
笑い方してんだよ、馬鹿。バタバタ走り回ってうるせえったらねえ。
何近付いてきてやがんだ、くそ。
……逃げてるわけじゃないぞ、酔い醒ましに走りたくなっただけだ。
いてえ。くそ、転んじまったじゃねえか。糞ガキどもめ。
何だよ、何でテメエらんな物騒なモン持ってんだよ。何しようってんだ。
「経験値ゲ〜ット!」
「ばっか、経験値より金だよカ・ネ。世の中金が全てでーすってねー」
「あーれカッチン、これカッチンちのジジイじゃね?」
「あ?」
酔いなんて吹っ飛んだ。血が目に沁みて痛い。くそ、死ねよガキども。
いや、それよりも勝也だ。勝也がいるなら、俺のことを助けてくれるはずだ。
今まで育ててやった恩を返すくらい、してくれたって良いだろ。それくらいさ。
「……知らねえよ、こんなキタネエジジイ」
545あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :2005/03/29(火) 23:11:49
【愛の炎】

僕「やっぱり、行きたくない」彼女「ダメよ、今さら」
僕「キミを置いて行けないよ」彼女「もう決まった事なのよ」
僕「宇宙飛行士になんてなるんじゃなかった」彼女「昔からの夢だったじゃない」
僕「今はキミこそが僕の夢だ」彼女「ありがとう、嬉しいわ」
僕「多分、もう会えないと思う」彼女「そうね」
僕「明日の朝にはお別れだ」彼女「二人っきりでいれるのは今だけなのね」
僕「ああ、僕たちには今夜しかない」彼女「明日になれば触れる事もできない」
僕「僕は遠い遠い宇宙の彼方」彼女「私は地球で一人ぼっち」
僕「宇宙は孤独で真っ暗な闇」彼女「残された私は思い出だけで生きていく」
僕「僕は闇の中で朽ち果てる」彼女「私はみすぼらしい醜い老人」
僕「錆びれた鉄屑が僕の棺桶」彼女「部屋の中でミイラとなって見つかる私」
僕「だから、今日この時を忘れない」彼女「その後がどうなっても構わない」
僕「人生、最後で最高の今」彼女「永遠の愛の炎を灯しましょう」
僕「愛してる」彼女「私もよ」

僕らはそうして強く抱き合った。
裕福で平和な生活の中で燃えるような恋を続けるのは不可能に近い。
マンネリ化防止対策として、僕らはこれを続けている。
546名無し物書き@推敲中?:2005/03/29(火) 23:36:43
>>538
「先立つ不孝をお許しください」という文句がある。
両親に充てた遺書にありがちなくだりである。
親より先に死ぬのは「孝」という徳目に反するという意味である。
これを「先立つ不幸」と勘違いをする者が多い。
我が身の不幸を許せと願う必要は無いのだから、意味が通らない。
さらに「旅立つ不幸をお許しください。」とするとは二重の誤りである。
547名無し物書き@推敲中?:2005/03/29(火) 23:42:24
>>546
不孝は確かにその通りだと思うが、先立つ→旅立つは狙って書いてるだろう。
先立たない話なんだから。
548538:2005/03/30(水) 00:29:20
ああ恥ずかし…
>>546
すんません。ただ、>>547のとこは変かなと思いながら狙って書きました。
スレ汚し本当に申し訳ない。
549454:2005/03/30(水) 05:26:09
【希望の星】

時は未来。母なる星地球は、人間の手によって汚れきっていた。
草木は枯れ、海は干上がり、大気は汚れ果てていた。死の星、、そう呼ぶに相応しかった。
「もうこの星はダメだ」そう考えた識者達は、できるだけ多くの人間を、
他の星へ移り住ませる事にした。選ばれたのは、必然的に、金持ちや権力者だった。
悲願と怒号と罵声の中、船は宇宙へと旅立った。
無論、すぐには見つからないだろう。亜光速の速度で進む、この船でも、
人間の寿命内に、テラフォーミング無しで住める星を見つける事など、不可能なのだ。

そこで、新しい星を船が探しだすまでの間、皆はコールドスリープする事になっていた。
最後の一人が装置に入り、ボタンを押す。すぐに白い煙に包まれ、眠りについた。
機械の電子音が、騒音に聞こえるほどの静けさの中、船の自動探査システムは作動した。
船は進む。電子パネルに惑星の名前が表示される。月、火星、銀河、Unknown・・Unknown・・・・。

ピーピー!Good Morning Everybody!オハヨウゴザイマス・・オハヨウゴザイマス・・。
耳障りな甲高い音が脳を刺激する。・・・・酷く懐かしい刺激・・少し不愉快だ。
だからなのか、起き上がる者の動きは皆重かった。それでも、表情は明るい。
コールドスリープが解除された・・それは、新しい星が見つかった証。

一人が、パネルを確認する。振り切ったデジタルのタイマーが、途方もない時間を表していた。
だが、どうでもいい事だ。新しい星、希望の星が見つかったのだから。
皆は表に出た。景色を見て、一斉に息を呑んだ。なんて美しさだろう。
鮮やかな青い空に映える緑の草木、白い雲、そして透明な水と澄んだ空気。
この星なら、十分やっていける。皆の顔が歓喜に満ち溢れた。
「星に名前をつけなくては」誰かがそう言うと、さっそく相談し始めた。

彼らは、いつか気づくだろうか・・。船の電子パネルに、「地球」と表示されている事に。
550イカ:2005/03/30(水) 23:57:13
【キュウリ】

もはや、ゴロゴロではなかった。ピシッ、ビリビリビリ!

「兄ちゃん、雷落ちた?」
「かもな! ヒロぽん、行くべ!」

父の大きな黒い傘にボドボドとその雨量を感じながら、必死に兄の後を着いていった。
国道は川に、歩道橋は水道橋に、僕の長靴はといえば、もうほとんど水マクラだった。

冷静な兄は、雷が落ちた地点をキュウリ畑とふんだようだ。

「なんでか、わかるか?」
「わかんない」
「雷様の大好物はなんだ?」
「おへそ」
「あ、それもあるな。
 それもあるけど、雷様はキュウリも好きだから・・・・」

ピシッ! ズドン! 

雷様はキュウリも好きだから。それが兄の最後の言葉だった。
つまみのモロキュウを前にして、ふと、20年前のそんな辛い夏を思い出す。
あの時、兄が私の避雷針になってくれたのだと思うと、
酒のせいもあるにせよ、今でも涙があふれ出す。

……あ。
キュウリを好きなのは、雷様じゃなくて河童じゃねえか!
551名無し物書き@推敲中?:2005/03/31(木) 00:12:36
>>550
>兄が私の避雷針になってくれたのかなと思うと

ワロタ
552名無し物書き@推敲中?:2005/03/31(木) 06:15:48
『たった一つの望み』

ぼくは思った。
この世のあらゆる争い事というものは、きっと他人の痛みを感じられない人々によって引き起こされるのだ。
渇き苦しむ旅人に、一杯の水を与えられない人が何処にいるだろう?
ただれた傷口を見て、手当してやらない者が何処にいるだろう?
人々には想像力が必要なのだ。
もっと理屈ではない、感情によって得られるものがあるはずなのだ。
損得勘定だけではない、それを突き抜けた慈愛と労りの心があるはずなのだ。
だからぼくは願った。
この世の全ての人々が、愛情を持てるように、争いなど二度と起こらないように。
全ての人々が他人の痛みに気づけるように。

ぼくは間違っていない。
生き続けることを求めた人間が、誰一人いなかったとしても……。
ぼくは間違っていないはずだ。
けれど、ぼくだけが生き残っている。
553名無し物書き@推敲中?:2005/03/31(木) 06:36:44
すみません>552は無かったことにして下さい
頭回ってませんでした

↓以後何事も無かったようにドゾー
554名無し物書き@推敲中?:2005/03/31(木) 15:36:44
この家の鍵は旧式だった。
おまけに玄関は車道から離れた建物の横に設置されているため、人目につきにくい。侵入するのはそう難しくはないだろう。
俺は手探りでかばんの中に用意しておいた懐中電灯と専用のピッキング用具をとり出した。


「ヤバい、ヤバい。でもできるだけ落ち着け、自分」僕は心の中でそうつぶやいた。
家に泥棒が侵入したのだ。
その証拠に、3時間前にはきちんと閉めたはずの玄関のドアが今は開けっ放しになっている。
泥棒はどこに隠れているのか分からないが、家の中にいることだけは確かだ。
僕は玄関に転がっていた、おそらく泥棒が持っていたであろう懐中電灯をつけるとおそるおそる居間に入った。
いつ泥棒が背中から襲ってくるか分からなくて怖かったが、幸いそれはなく、無事警察署に電話をかけ終わると僕はそのまま走って家を出た。


 泥棒がこの近くの家に侵入したらしい、と警察署からさっき連絡があった。
通報者は取り乱していてすぐに電話を切ってしまったので、とりあえず状況を確認して来いということだ。
私はこの付近を夜間巡回している警察官である。
全く、世の中物騒になったものだな、ため息をついたそのとき、急に嫌な予想が頭の中に浮かんだ。
待てよ・・・古い木造の家と言ったら・・・まさか・・・。
この近くの家々は次々とフォームやら改築工事やらをして、昔ながらの木造の家は私の家だけとなってしまっている。

その予想はみごと的中した。私の家のドアは開け放たれ、玄関には明らかに誰かが侵入した形跡があったのだ。
私は舌打ちをして思った。「あーあ。めんどくさいことになったな。まぁ、特に値打ちのあるものはないからその点ではいいが・・・」
そのときふと足元を見て、私は混乱した。
「この鞄、私のではないか。なぜ、こんなところにあるのだ・・・?」

本当に未熟者ですがお願いします。


555名無し物書き@推敲中?:2005/03/31(木) 21:06:32
【初心者ですから。】

この国には大きな問題があった。それはあらゆる物事のベテランが初心者をいじめることである。
初心者だから下手であたりまえ。それをトロイだ見ててイライラするだ言ってベテランが初心者を罰という名のもとに、いじめているのである。
おかけで初心者はやる気を失い、将来は何もできない人々が増え、の国は滅びるであろう。
そこで半年前に国王になったばかりの新米国王がある法律を提案した。
それは『初心者優遇法』
ベテランは初心者にやさしく対処しましょう
初心者のミスは許しましょう
初心者を大切にしましょう。そんな法律だった。
これで初心者はやる気を出しこの国は破滅の危機を脱出したかのようにみえた。
しかし現実は違った。
初心者強盗は無罪。初心者オレオレ詐欺師も無罪。初心者。初心者ナースのカルテ改竄も無罪。おばちゃんの万引きも初心者で無罪…
みんな初心者という言い訳を盾にやりたい放題やっているのだ。
そして国は滅びた。
国民は怒り国王に言い放った。
「どう責任どるんだ!」
国王は静かに言った。
「ワタシ国王初心者ですから。」
‐終‐
携帯から投稿しました。電波的内容ですみません。
ワタシ文章書くの初心者ですから。(笑)
556名無し物書き@推敲中?:2005/03/31(木) 21:40:06
552、554
いまいちわからん・・・
557あぼ〜ん氏 ◆qyZ2Zn6LMY :皇紀2665/04/01(金) 04:07:49
【神様】

朝起きると神様が立っていた。
神様は疲れ切っていて、ひどく落ち込んでるようにも見えた。
僕は偉い方なので多少気を使いながらも単刀直入に事情を聞いてみた。
「ねぇ神様、何かあったんですか?」
神様はチラリと僕の方を向いたけれど、何も答えてはくれなかった。
なんだか気まずい空気ではある。僕は質問を変えてまた聞いてみた。
「ねぇ神様、僕に何かを伝えに来たんですか?」
「……ああ」
「なんでも言ってくださいよ。神様なんですから遠慮しないでください」
「実は……お前はゴキブリとして生まれてくるはずだったんじゃよ」
「ええ!」
驚いたし、少し恐かった。相手は神様だ、今から僕をゴキブリにだって出来るはず。
今さらゴキブリになんてなりたくない。そりゃあ、そうだろ?
でも、神様は申し訳なさそうなのだ。今にも泣きだしそうな面持ちだ。
「わしの手違いなんじゃよ……すまんかったな」
「いえ、僕は人間で満足してますよ。間違いは僕にとって嬉しい誤算です」
「……それじゃあ、お前は人間として生まれてきて良かったと言うのか?」
「そりゃあ、そうですよ。人間として生まれて来て幸せです」
「そうか、それは良かった。わしはこの18年間ずっと気にしてたんじゃよ」
神様の顔は急に晴れやかになった。老人のこんな爽やかな笑顔は見た事がない。
こんな偉い人に長い間気を使って貰っていたなんてなんだか恐縮だ。
僕もすっかり嬉しくなった。威厳の中に優しさがある、繊細な方である。
「ほんのお詫びだが、お前の両親を連れて来た。たっぷりと懐かしんでくれ」
そう言うと神様は、黒光りした二匹の大きなゴキブリを僕のベッドの上に放り投げ、
静かに消えていった。常識が多少欠けてるが、そこは我慢しよう。
558名無し物書き@推敲中?:2005/04/03(日) 02:20:44
『カタルシス』

僕は大好きなコを車の助手席に乗せている。
深夜の二時。今日こそ彼女に告白したい。
「ねぇ、カタルシスって何?」
「ああ。今、ラジオで言っていた言葉だね」
「そう、その意味がわからないのよ」
「確か……抑圧している感情を言葉や行動を表に出して心の緊張を解く、だったかな」
「何だか、難しいわ」
「簡単だよ、我慢してる事を言ったらスッキリするだろ」
「確かに、そうね」
「誰だって、いつも我慢しながら生活してるからな」
「あなたはいつも何かに我慢してるの?」
「うん、まあ」
「それは何に対して?」
「うーん。いろいろ、だな」
「曖昧な答えね」と彼女は不機嫌に呟いた後、「私も抑圧されてるかも」と言った。
「え?何に……かな」
「鈍感くんには絶〜対に教えてあげないんだから!」
彼女がなぜ機嫌を損ねてしまったのか分からず、僕はそのまま固まってしまった。
僕がカタルシスを得るには、まだしばらく時間がかかりそうだ。
559宮本 ◆38MyApPIX2 :2005/04/03(日) 19:19:33
(敬称略)
>>501『インフォームド・コンセント』D60。
ちょっと別格の面白さ。筒井康隆ショートショート集に入っててもおかしくないくらい。
>>508『たからばこ』
一段目のオチで二段目のオチを暗示させられたらさらに良かったようにも思った。
>>521『コンビ』あぼ〜ん氏。
オチじゃなくなぞかけ勝負の作品なので(スタイルもよく)(身を削るように)などのなぞかけをもっと増やしてほしかった。もう一人の相方、身を粉にして働いていたケシゴム君がシャーペンとコンビ結成。ヤツは世渡り上手だよな、などという愚痴も付け加えたりってのは?
>>535『桜花』D60。
>>536『揺れ』あぼ〜ん氏。
ある意味全世界の終わりは正解ですわな。
>>539『嫌な予感』local。
>>543『森』あぼ〜ん氏。
>>545『愛の炎』あぼ〜ん氏。
オチは弱いと思うが、会話が魅力的。
>>549『希望の星』454。
メッセージを明確に伝えるためには、慎ましく暮らす原住民の描写がいるのでは?
560宮本 ◆38MyApPIX2 :2005/04/03(日) 19:27:33
>>555『初心者ですから。』二段オチの合わせ技で一本。

>>558『カタルシス』
こういう(語り手だけが気づかない)パターンを書くのは難しいと思うけど上手くできてると思う。
561名無し物書き@推敲中?:2005/04/04(月) 08:04:52
>>555
途中にいろいろ考えるものがあって良かった
562名無し物書き@推敲中?:2005/04/04(月) 09:52:31
その女の夢は「たまのこし」だった。「絶対たまのこしにのる」
と書かれた半紙を壁に貼り、朝のテレビの映像に、
女は、自らの夢を絶対叶えることを誓った。
女は適齢期になり、大して美男でもなく、収入も日本の平均に
若干届かない平凡な男と結婚した。しかし、彼女は夢を諦めなかった。
「絶対たまのこしにのる」の古い半紙はまだ壁にあった。
娘が生まれた。女はたまのこしの夢を娘に託すため、毎日のように
「大きくなったらたまのこしにのるのよ」と話しかけた。
毎日のように、自分の娘に媚びの表情を作る訓練をした。
そして、毎日のように、女は応募葉書を書き続けた。

ついにその日が来た。スタジオの床に座る子供たちの中に女の娘はいた。
歌のコーナーでお姉さんが指したのは、わたしを指してと媚びの表情を
全身から放つ女の娘だった。お姉さんは娘に問いかけた。
「大きくなったら何になる?」「たまのこし!」
歌が始まった。
「さんはい。大きくなったら、真美ちゃんはね。たまのこしに乗るんだってさ。
きめた、きめた、たまのこし。もうぜったい、きめた!」
ノリのいいお姉さんは「乗るだってさ」と期待通り歌ってくれた。
女の夢がついに叶った日だった。
563名無し物書き@推敲中?:2005/04/04(月) 16:37:58
【カンニング】
私は今幸せの絶頂だ。なぜなら私はある掲示板でとんでもない物を見つけてしまったからだ。
それはセンター問題の答えである。しかも全教科。神が舞い降りたのだ。
おかけで今年受からなかったらあきらめてたであろう受験校に受かるはずである。
なんせもう三浪だからな。あぁ…どこの神かわからないけど本当にありがとう。
―――次の日
私は不正行為の疑いで逮捕された。もちろん受験校も不合格、再受験の資格も失った。
「君で260人目だよ。しかしわしらの書いた数字をそっくりそのまま書いたとは。おかげですぐに分かったよ。ガハハハ」
警部の笑い声が部屋中に響いた。
564名無し物書き@推敲中?:2005/04/04(月) 16:51:36
↑勢いで書いてしまいました。この場面は試験を受け終えた日で自己採点をする前です
説明不足だった…orz
565 ◆D60106Bc4s :2005/04/04(月) 20:13:54
【予知能力】

皆さんは、いわゆる「超能力」に関して誤解をなさっている。

触れないで物を動かしたり、封筒の中のものを開けないで読み取ったり。このような超能力は
テレビの特集で取り上げられるもので、そのほとんどはまがい物である。普通の方はそういった
番組を何度も見て、超能力はそうしたものだという誤った固定観念を持たれてしまっている。

実際の超能力は、あのような場所で、思ったとおりに出せるような都合のいいものではない。
いわゆる火事場の馬鹿力に近いもので、自分が絶体絶命レベルの危機に直面した場合にのみ
発動できるものなのだ。

「エスパー魔美」という漫画をご存知だろうか、主人公の魔美は自分に向かってビーズを
発射し、危機感を誘発することでワープを行う。ほかはともかく、その部分だけは非常に
現実を捉えた作品といえるだろう。

なぜそんなことが言えるのかというと、私もその超能力を持っているからである。
分野は予知だが、滅多な事では発動しない。

例えば大地震だが、神戸にいた際にも事前に予測することはできなかった。激しい揺れに襲われて、
本棚が倒れかかってきた際に、ただ病院で寝転がる自分の姿が見えただけだった。
実際に危機に直面しない限り発動しない条件下では、予知はまったく役に立たないのだ。

唯一役に立ったのは、今にも漏れそうな状況で、次に空くトイレがどこだかわかった
ことくらい……糞の役には立つ、という笑い話だ。

この話を信じるかどうかは、皆様方にお任せする。

ただ、最期の予言をさせていただいたところ、この飛行機事故で生存者は二人。
私の前に座っている幼い兄弟に、明るい未来が訪れんことを。
566名無し物書き@推敲中?:2005/04/04(月) 21:00:50
《捻挫》

近所に住む伯母から、転んで右足を捻挫したと連絡があった。
高齢だし一人暮らしだからと、完治するまで私の妻が身の回りの事をすることになった。
春休みに入ってからは5歳になる息子も一緒に行っている。息子は以前から伯母に良く懐いてるし、
保育園で習ったお遊戯を披露してくれるのだと叔母も喜んでいた。

しかしある夜遅く、妻は溜まりに溜まっていた不満をついにぶちまけた。
「もう嫌よ!あなたの伯母さんは私を単なる召し使いとしてしか見て無いのよ?」
「そんな事ないだろ。この前も電話でお前には感謝してるって言ってたぞ。」
「あなたは何も知らないくせに!怪我人だと思って今まで我慢してたけどもう沢山!」
妻は激高し伯母から受けた暴言の数々を並べ立て始めた。確かに酷い言葉もあったが、次第に妻の被害妄想
や単なる愚痴に話が変わってしまい、うんざりした私はただ嵐が過ぎ去るのを黙って待っていた。
しばらくして妻が息切れしだしたのと入れ代わりに、眠い目をこすりながら息子がリビングに入って来た。
「ごめんねー、起こしちゃった?」
抱き上げようとする妻の手を振払う息子。その幼い顔は怒りに真っ赤になっていた。
「悪口言うママなんて嫌いだ!大おばちゃんはすっごくかわいそうなのに!」
ムキになって言い返そうとする妻を制し、私は息子の頭を撫でながら頷いた。
「そうだよな、大おばちゃんは怪我してるんだもんな。」
すると誇らしげな表情になった息子がこういった。
「大おばちゃんが怪我してるのは右足だけじゃないんだよ!ボク知ってるよ。ときどきひきずってるの左の足に
なってるもん!」

ベタでスマソ…orz
20行初挑戦ですた。
567宮本 ◆38MyApPIX2 :2005/04/04(月) 22:38:20
>>566
普通にオモロイ。少なくとも、悪い意味でのベタではないと思う。
568名無し物書き@推敲中?:2005/04/04(月) 23:23:36
なかなか良い感じだな。ちょっとした息抜きになる文章。
569名無し物書き@推敲中?:2005/04/04(月) 23:45:09
>>563
ウソの情報に騙されただけで、「不正行為」ではないような?
試験中に、その掲示板を見てたんだったらカンニングだけど・・
570566:2005/04/05(火) 00:15:40
>>567
有り難う御座居ます。
良くて酷評、最悪スルーと踏んでたので非常に嬉しいですw

数年振りに書いたSS、改めて読んで誤変換/日本語おかしいのが見つかって鬱…精進しまつ。
571local:2005/04/05(火) 15:54:29

【マイナス】

 イチゴ嫌いの夫が、イチゴ大福を食べていた。
「イチゴは食べられないんじゃなかったの」
「僕は大福が大好物なんだ。中はイチゴでも、外が大福なら、食べられないこともないさ」
 遠回しに嫌みを言われていた。夫は私の外見だけを愛しているのだ。
「そういうものかしら」
「君も一つどうだい」
「頂くわ。私、イチゴも大福も嫌いだけど、イチゴ大福は大好きなの」
572local:2005/04/05(火) 16:29:46
>>542 抽象的すぎて、すっきりしない
>>543、545 ユニークの才能あると思う。
>>549 面白かった。宮本サンの指摘もなるほどと思った。
>>550 ちょっと無理があるかと
>>554 二重人格?
>>555 良いアイディア。「強盗」とか「カルテ改ざん」じゃない方がよかったんじゃないかと。
573名無し物書き@推敲中?:2005/04/05(火) 16:30:44
>>557 笑った。
>>562 ごめん。よくわかんないorz
>>563 リアリティがほすぃ。
>>565 設定は萌えますた。その落ちじゃ物足りないような。
>>566 面白い。
574名無し物書き@推敲中?:2005/04/05(火) 23:57:23
>>557
オモロイ
575local:2005/04/06(水) 18:06:24
【不足】

 仕事から帰ってみると、家がなかった。空き地があって、雑草が生い茂っている。
 仕方なく、行きつけのバーに行く。胸にしまっておけなくなって、隣の客に話しかける。
「ちょっと、聞いてくださいよ」

 布団の上で目がさめた。隣では妻が眠っている。慌てて服を着替え、車で出かける。
 行きつけのバーがあった場所は、空き地になっていた。雑草が生い茂っている。
 時計を見ると、目ざめてから二十分しか経っていなかった。これから少しずつ頭が冴えていって、
僕は真実を知るはめになる。
 
576名無し物書き@推敲中?:2005/04/06(水) 18:54:13
『寿命時計』
2XXX年。この国の医学は凄まじい発達を成し遂げた。
この国は今では人の寿命を正確に測定でるほどだ。
10年前から政府は国民に身体測定をさせ、『寿命時計』を持たせるようにした。
この『寿命時計』は事故や自殺でない限り人が死ぬまでの時間を正確に知らせる。
なぜ『寿命時計』を持たせたのかというと、最近、1日1日をなんとなく生きている人の傾向が増え、その対策のためである。
国民がみな『寿命時計』を持ちはじめてからは、時間を大切にするようになった。みな自分の人生を真剣に見つめ始めた。
自分の夢をひたすら追い続ける者、将来のために勉強する者、無駄な時間を極力減らす者。
それから5年後、競争心がものすごく高まったせいか、この国のありとあらゆる文化が著しく発達した。
それと同時にこの国は滅びた。人々がみな娯楽を忘れ、商品は生活必需品しか売れず、時間の無駄であるゲームやマンガなども売れるはずがなく、歌手や作家を夢見てなった人も全然相手にされなかった。
結果、失業者が増え、金が市場にまわらず倒産する会社が後をたたなかった。
それから人々はみな自分の寿命と戦う日々が続いた。
577宮本 ◆38MyApPIX2 :2005/04/06(水) 22:07:55
>>571
上手い。ちょっとヒネクレたおのろけが面白い。歌詞にも使えそう。
578名無し物書き@推敲中?:2005/04/07(木) 00:27:42
「おまえ、アニオタだろ」
「そうだみゃ休日には大須にいくみゃ」
「へぇ愛知に住んでるのか」
「ところでなんでアニオタだってわかったんだみゃ」
「しゃべり方」
579名無し物書き@推敲中?:2005/04/07(木) 03:07:47
>>575
わからん……

>>576
ちょっと文章が説明的すぎるかな。寿命時計というアイデアは良いね。
580名無し物書き@推敲中?:2005/04/09(土) 00:07:26
>>575
もう少し人に読んでもらえる事の有難さを受けとめろ
そうすりゃいつもいつもそんな独り善がりなもんは書けんはずだ
581名無し物書き@推敲中?:2005/04/09(土) 01:57:29
>>575
いまいち意味がわからなかった。「真実を知るはめになる」の続きはあるんですか?
582名無し物書き@推敲中?:2005/04/09(土) 15:59:50
わたしはもう死にたい。
死ぬことしか道は残されていない。
なんでこんなつらい人生おくってまで生きていなきゃならないんだろう。
死にたくて死にたくてしょうがない。
最後くらい何かを一生懸命やって
達成感とともに死にたいんだ。ただそれだけなんだ。
もう死ぬことがわたしにとっての一番の幸福。
583名無し物書き@推敲中?:2005/04/09(土) 16:06:42
だから死んでいいんだ。
罪の意識に耐えられないなら、
ビルの屋上から飛び降りるなり
ドアノブにヒモ書けて首もかけりゃ
終わりだ。
わたしには死ぬ権利がある。
このつらい人生を終わりにする権利がある。
584たけだ:2005/04/09(土) 16:12:13
良かった、生きていたんだ。
権利はある。ぼくもそう思う。
585たけだ:2005/04/09(土) 16:19:10
生命はずっと昔から続いているものだ。
それを続けるのも、途絶えるのも自分の勝手だと思う。
「ああ」と今までバトンを繋いできた人が、溜息をつくくらいだ。
586名無し物書き@推敲中?:2005/04/09(土) 16:59:36
心がずたずただよ
血がとまらないよ
血が止まらないよ
涙も止まらないよ
死なせて欲しいよ
本当私のような人間は殺す価値もないよ。
こんなクズな私を殺してくれるのは私みたいなクズだけ。
だから自殺しかないんだよ。
587たけだ:2005/04/09(土) 17:01:07
難しいね。
588名無し物書き@推敲中?:2005/04/09(土) 18:27:07
なにそれ
589名無し物書き@推敲中?:2005/04/09(土) 18:35:00
たけだくん、おとなしく詩・ポエム板にいこう。
590名無し物書き@推敲中?:2005/04/09(土) 20:20:56
そんな粘着がおもしろいのか? 
591:2005/04/09(土) 22:20:59
 タバコに火をつけながら―
「三次元に住む僕らが四次元という世界を決して知ることはできないみたいだ。
例えるなら、二次元に住む人間にとって、高さという物が存在しないのだから、
絶対に三次元という世界を知ることができない。
どんなに悩んでも、どんなに苦しんでも、どんなに渇望しても・・・ね。」
 いつもの公園で―
「きっと、自分という世界に住む僕は君という世界を決して知ることがないかも知れない
そう、きっと知ることができないだろう。
なのに僕は、悩んで、苦しんで、渇望して・・・傷ついて。
分かりきっているつもりなのに、どうして繰り返してしまうんだろうか。」
 煙を吐きながら、目にうっすら涙を浮かべ―
「それでもいい、僕はずっと君と居たいのだ。
だから・・・」
 震える手で指輪を出した。
・・・私の世界は水に覆われ、顔が少し赤くなるのを感じた。
592高天原:2005/04/09(土) 23:14:00
俺はボクサーだ!
今日はデビュー戦だぜ!
ジャブ!
ジャブ!
フック!
ジャブ!
右ストレート!
勝った!
1ラウンド57秒KO勝ち!
みんな!俺を応援してくれよ!
593名無し物書き@推敲中?:2005/04/09(土) 23:17:32
20××年、宇宙から地球に謎の飛行物体が近づいてきた。
その飛行物体はやがて大気圏に突入し、ある大都市の真ん中にゆっくりと着地した。
各国の記者や野次馬に囲まれ、ついにその扉が開かれた。
その宇宙船から出てきたのは美しい女の人だった。
蝋のように透明感のある肌、藍色の大きな瞳、月の光を集めたような輝く銀色の髪、華奢な体と長い手足。
地球では見ることのできないくらいの美しい容貌だった。
その宇宙から来た女の人はなぜか内気そうに下を見ながら、流暢な英語で、自分たちが1000光年離れた銀河系のある星から来たこと、そして地球との友好を望んでいて、もし地球側の了解があれば後日もっと大きな宇宙船できて進んだ技術や文明を提供したいということを話した。
地球側は臨時の会議を開いて検討したのち、これに同意した。
話し合いがしばらく進んだとき、地球側の代表が女の人に聞いた。「それにしてもあなたはなんて美しいのでしょう。地球上にはあなたほど美しい人はおりません。あなたの星の人々はみなこのように美しいのですか?」
すると、女の人うろたえたような顔をして答えた。
「私が美しいですって?...そんなことは絶対にありませんわ。私なんて本当に全く...。後日、私の星から来る宇宙船の中には絶世の美女と言われる方も乗っております。その方に比べたら私なんか...あまりにも差がありすぎです...」
あまりに謙遜するその様子に、地球側はこれ以上聞くことはできなかった。
2週間後、第二宇宙船が地球に到着した。
「あの女の人よりも美しいなんて、いったいどんな人なのだろう」
「そのような人が実際に存在するのか」
人々期待はどんどん高まっていった。
やがて宇宙船の扉が開かれると、集まった人々は食い入るように中を見つめた。
出てきたその人を見て、地球側の代表は思わずため息を漏らした。
緑みを帯びた気味の悪い肌色の角ばった顔には、はれぼったい小さな目と分厚い唇。
それに加えて胴長短足、小太りの体。お世辞にも美しいとはいえない風貌だった。
「所変われば品も変わるのだな」代表はぼそりとそうつぶやいた。

ありきたりなネタですよね。ってか、長くてごめんなさい。
594名無し物書き@推敲中?:2005/04/10(日) 01:21:19
駄目だ。男は白い床に立たず浮かぶ。黒い影が彼をかたどって落ちている。
3メートルほど先にはライオンにまたがり女が笑っている。実に憎らしい優しい顔。
「はて、どうしてこんなことになったのか。」
なんで浮かんでいるのか、彼にさえもわからないのだ。
女は言う。
「それはあなたがクズだからよ。」
少しも笑みを崩さず。だからこそ怖いものが感じとれた。

そして男は再び悩む。ボクはクズ、ボクはクズ、ボクはクズ。
「そうなのか、ボクはクズだからなのか。」
男は馬鹿なのだ。
「本当にあなたってどうしようもない人。」
女が男へ寄る。彼の影はちょうど彼女の影で塞がれた。
ライオンは塩をかけられたナメクジみたいに消え去った。
その間際の表情は微笑んでいるようにも見える。

交じる。甘いのかはよくわからない。だってこんな経験彼にはないんだもの。
でも時間が過ぎる。あとにちょっと切なさが、残る、ような。でも

実を言うと彼はまだ浮かんでいる。でもその隙間を埋めるように女はすぐ横に、
ライオンはすぐしたにいるから。だから傍目からはわからないんだ。

でも彼は不幸。
595名無し物書き@推敲中?:2005/04/10(日) 01:53:51
594
はぁ?
596名無し物書き@推敲中?:2005/04/10(日) 02:58:07
そこは流せ
597宮本 ◆38MyApPIX2 :2005/04/10(日) 05:27:30
>>591
“私の世界は水に覆われ”ってのが好き。
598名無し物書き@推敲中?:2005/04/10(日) 16:48:44
自殺する前に何かやりとげたい。
達成感を味わって死にたいというのは
わがままですか?
599名無し物書き@推敲中?:2005/04/10(日) 16:50:26
わかりません。わがままかどうかは自殺してからわかるのではないでしょうか。

ところであなたは誰? 
600名無し物書き@推敲中?:2005/04/11(月) 12:52:25
とりあえず自分の人生をやりとげたらどうですか?
601名無し物書き@推敲中?:2005/04/11(月) 16:04:49
お前が死ね
602名無し物書き@推敲中?:2005/04/11(月) 16:55:12
スレに関係の無い書き込みは止してくれないか
603名無し物書き@推敲中?:2005/04/14(木) 14:31:08
【暗示】

ある精神科医の男が、興味本位で、自分の知識を使って人を自殺に追いやれるだろうか?と考えていた。
男は暗示を使って、自殺に追い込む事を思いつき、ふと目についた女に、アンケートと言って、暗示を紛れ込ませた。

ある日、男が職場の診察室で、仕事をしていると、警察と名乗る男が尋ねてきた。
その男は、こういった「先生、あなたを逮捕します。容疑は殺人未遂です」
男はいった「何を言っているのですか。証拠はあるんですか?」
すると男は一枚の写真を出した。写真には、暗示をかけた女が写っていた。
警察の男は言った「彼女の知り合いに、心理学に詳しい人間がいてね。彼女の暗示は、もう解かれましたよ、
彼女、あなたに会ってから、おかしくなってるようで・・・」
精神科医の男言った「そんなのは偶然だ。それに、仮に私がそうしたとしても、法律では裁けないさ」
警察の男は言った「先生、法律なんてのは、与えられた事実を判定する、機械でしかないんですよ。
事実が曲げられれば、判定も変わりますよ」
精神科医の男は、どういう事だ?と聞いた。警察の男は言った。
「この女の父親は有名な政治家でね、司法にも警察にも、いくらでも顔がきくんですよ、残念でしたね。」
それを聞いた男は、酷く落胆し、今にも泣き出しそうになった。警察の男は、軽く笑いながら言った。
「先生。この国は、年間に何万人も首をくくってる。まるで不感症の国民も、そろそろ問題にし始めたようでね。、
そこで取引だそうです、その政治家さんからの言伝なんですがね。自殺したがっている人間に暗示をかけ、
自殺をとめてもらいたいそうですよ。監禁、投薬、洗脳なにをやってもいいそうですよ。
なぁに、もうこの国には、そういった人間が数多くいらっしゃる、その一人になるだけです。」
警察の男は精神科医の男がその事を了承すると、書類にサインをさせながら、こういった。
「きっと上手くいきますよ。暗示の内容は違っても、先生のやった事と同じ事をするだけなんですから。」
604名無し物書き@推敲中?:2005/04/16(土) 01:36:43
【世界を変えるノート】

独田毒男は、孤独で哀れな男だった。
四十代後半にして、天涯孤独、アパート暮らしで、他人との会話が苦手だった。
昼間レジを売っていると、女たちの楽しそうな会話を聞いてしまい、
夜一人でいると、隣の部屋の夜の営みの音が聞こえてくる。
そんな彼に転機が訪れた。
仕事からの帰りで見つけた一冊の黒いノート。
それに記された「DEATH NOTE」という文字を見たとき、彼は狂喜した。
来たのだ。世界を変えるノートが。男には読めない英文で綴られていたが、
漫画で見たそれだと確信できた。これさえあれば、自分が新世界の王となることもできるのだ。
彼のずっと考えていた願いが、これで叶えられる。
彼は、早速ノートに書き始めた。
テレビをつけると、アニメをやっていた。それは、彼がかつて母と一緒に見たものだった。
彼はふと、母のことを思い出した。
デジカメのメモリーが一杯になるまで自分の寝顔を撮ってくれた母。
そんな優しい母に対して自分は怒鳴ることしかできなかった。
そして、ひっそりと死んでしまった、懐かしい存在。
母に、会いたくなった。
母ちゃん、今行くよ・・・
彼は微笑み、首の縄に身をゆだね、住む世界を変えた。
しかし、天国の住人となることは、できなかった。
605名無し物書き@推敲中?:2005/04/17(日) 12:11:10
age
606ビラル:2005/04/17(日) 12:23:50
>>604
前半と後半のつながりなさ杉
でも最後自分の名前をノートに書くとかだったらちょっとドラマチックになった鴨
607名無し物書き@推敲中?:2005/04/18(月) 02:10:24
>>606
話がわかりづらかったですね。
話としては毒田独尾はデスノートを拾い、
喜んでノートに「独田毒男 自宅で幸せな気持ちで首を吊って死亡」みたいに書いたんですが、
デスノートを使ったものは天国へは行けないという規則(←原作のネタ)により天国行きはできなかったということです。
608名無し物書き@推敲中?:2005/04/18(月) 02:55:42
引用元を知らないとわかんない話なんて論外だろう。
とてもパロディとはいえない。
609名無し物書き@推敲中?:2005/04/20(水) 13:06:56
>>608
そもそもパロディってのはネタ元知らないと楽しめないものだろう。
ネタ元と関連がありつつ単体で理解できるのはオマージュだ。
610名無し物書き@推敲中?:2005/04/20(水) 22:21:36

あまりにも理不尽だ。すでにこの時点で、何もかもが気に入らなかった。
劣等感だけが秋菜の中に残るだけで、次から次へとパノラマに映される風景は変わっていく。
霧のように降りたった小雨はその日、秋菜を更にをいらつかせていた。
『どうして秋菜一人がわがまま言うの?』『あたしは別にいいんだけど』『意地張らないで』
どうして皆が皆。そればかりじゃないか。見事一人で空回ってばかり 気がつけば独りだった。
「・・・・好戦的?」本来私は戦いとか、争いなんか好きなわけじゃない。
染められたんだ。そう思うことすら理不尽で仕方ない。青い傘を持つ手に、力が入る。
どこかで、どこかで、どこかで  待っている。
「・・・・・たすけて」
秋菜が神社に差し掛かったところだった。
苔むした石畳が広がるその場所は秋菜の足を不意に止めさせた。
フォーカスがかかったその光景を秋菜はしばらく見つめる。
――神頼みでもすれば、切り抜けられる?
「・・・・・・・・・・・・・。」
いや、知っていた。彼女は解っていた。小さなときから、何もかもが上手くいかなかった。
パノラマは次から次へと変わっていく。今だって、同じことだ。
「・・・・・知らない」他人事のように、降りしきる雨の下まぶたを閉じた。
小雨は、止むことなく何時までも降り続けていた。
611名無し物書き@推敲中?:2005/04/20(水) 23:30:31
age
612名無し物書き@推敲中?:2005/04/22(金) 03:24:12
>>610
う〜〜ん、わからん。
613名無し物書き@推敲中?:2005/04/22(金) 17:17:21
【落し物】
「まさか現金で50万も拾うなんて……。
お巡りさん、半年経っても落とし主が現れなかったら僕のものですよね?」
「いいえ、明日には私のものです」
614名無し物書き@推敲中?:2005/04/22(金) 17:19:56
【落し物】
「あなたが落としたのはこの金の斧ですか? それとも、こちらの銀の斧ですか?」
「何も落としちゃいませんが、両方頂ければ幸いです」
615高天原:2005/04/22(金) 18:07:55
【落し物】
「見つかってよかった。」
616名無し物書き@推敲中?:2005/04/29(金) 01:32:35
【落し物】
一番最後に探した場所にあった。
617名無し物書き@推敲中?:2005/04/30(土) 14:43:19
【落し物】
一番最初に探した場所にあった。

だろ?
618名無し物書き@推敲中?:2005/04/30(土) 15:10:22
>>617
落し物は一番最後に探した場所で必ず見つかる
(見つけた時点で探すのを止めるから見つけた場所が最後に探した場所)
って意味のジョークだった希ガス

おまいさんのはマーフィーの法則だったか?
619名無し物書き@推敲中?:2005/05/01(日) 19:18:33
見付かる前に探すのを諦めてしまった場合は…
620名無し物書き@推敲中?:2005/05/02(月) 14:38:47
>>619
夢の中へ!
621名無し物書き@推敲中?:2005/05/04(水) 15:52:05
昨日、人を殺したんだ。満月が不気味に輝いててさ、それを鮮明に覚えてるよ。
殺した奴は高校の同級生。物凄く性格の悪い奴でさ、社会人になってからもやたら俺に突っ掛かって来て、正直ずっとイライラしてたんだ。
で、そいつから飲みに行こうって誘われて、あんまり気乗りしなかったのに断る理由も無かったから行ったんだよ。
飲みながら世間話してたら、突然結婚するって言われて、上辺だけでお祝い言ってさ、相手聞いたら何と俺がつい最近まで付き合ってて、突然別れを持ち出してきた女だったんだ。
関係ないってフリしながら一緒に飲んでさ、内心殺してやるって思ったね。
店何軒もハシゴして、最後の店出てすぐアイツが路地裏に入って、ゲーゲー吐いた後そこで寝ちゃったんだ。
チャンスだと思って、そこら辺に落ちてたビニール袋被せて血が飛ばないようにしてからやっぱり落ちてたコンクリートの塊で、頭を何回も殴ったんだ。
人を殺す時って、全く現実感無いんだな、って人事みたいに感じながら、何度も殴って、さすがに死んだろうって、ふらふらしながら帰ったよ。
で、帰って寝て、起きたら二日酔いで頭痛するんだけど、妙にすっきりしたっていう感じだったんだ。
時計見たら、とっくに夕方でさ、どうせ明日も休みだしってまた飲みに行ったんだよ、一人で。
一軒め出た時に以外と時間が経ってたんだけど、もう一軒行こうって思って、うろうろしてたら、人に会ったんだ。
誰だと思う?なんと殺した筈のアイツだったんだよ。
「よう」何て陽気に言って来てさ、俺口をパクパクさせるしか出来ないよ。
ふと空を見たらさ、大きな半月が浮かんでたんだ。
622名無し物書き@推敲中?:2005/05/05(木) 01:45:50
   【夢】
「はぁ」
青々と茂った木々の合間を縫って差し込む光。辺りからは、小鳥の囀りが聞こえ、近くの菜の花畑には、蝶々が舞っている。
憂鬱そうに溜息を吐く男の傍らには、目も眩むほどの絶世の美女が、昼食の支度をしていた。
周りから見れば羨ましい限りの光景なのだが、彼は相変わらず溜息を吐き、虚ろな目で美女を見ている。
 そこで彼は目が覚めた。夢だと分かっていたのだ。彼は美女も抱けない、物も食えない、ただ虚しいばかりの微温湯の様な夢に肩までどっぷり
浸かってしまうのは意味の無い事だと分かっていたのだ。
彼はそのような夢を幼少期から見ていた。昔はこの夢の世界を心行くまで楽しんでいた。そう、彼の妻が死ぬまでは。
 妻が死んだその夜。彼は妻に会いたいと切実に願っていた。その通りに彼は妻と夢で会うことができた。だが、
「私はもう行かなければならないの。もう、あなたとは会えないの。」
とだけ言い残し、彼女の夢はそれっきり見ていない。彼は常にもう一度会いたいと願っていた。妻がいない夢など面白くも何とも無かった。
 仕事人間だった彼は、今まで以上に仕事に打ち込むことによって、妻への思いを少しでも抑えようとしていた。
この日も彼は会社に向かい、仕事に励んだ。帰路につこうとした時、仲の良い同僚に、「飲みに行かないか?」と言われ、行き着けのバーへと向かった。
「そういえば、最近、妙な夢を見るのだが」
「どんな夢だ?」
「お前の奥さんが無くなった頃から、毎日のように俺の夢に彼女が出てくるんだ」
「しかも、何も無い真っ白な部屋に、お前の奥さんとふたりっきり。俺は昔っからこういう退屈な夢をみるのだが、
なぜお前の奥さんがでてくるのだろうな?」
なんということだ、こいつの事が好きだったのだ。

しかも、俺の素晴らしい夢より、こいつの退屈な夢を選ぶとくる。
623622:2005/05/05(木) 01:55:42
学校で書いたショートショートを書き直してみた。
お詫びと訂正
当方学生故、読みにくいのと、面白くないのと、20行を少し超えてしまったのはご勘弁。

訂正 下から6行目 無くなった→亡くなった。
   下から3行目 こいつのことが の前に 妻は と付け足して置いてください。
624名無し物書き@推敲中?:2005/05/06(金) 16:05:13
>621-622
同一作者?オチの落差に乏しいのが欠点か
女に振られた、もしくは相手にされない悔しさが満開なのが2チャン向け
そのトラウマを前面に出した私小説・純文の方がいいのでは?
625名無し物書き@推敲中?:2005/05/06(金) 16:21:48
626名無し物書き@推敲中?:2005/05/06(金) 16:29:28
日本革命軍

人民解放軍が大規模なアジア諸国侵攻作戦を開始するという情報が
流れた。しかし、国連は止める所か多国籍軍が共に侵攻作戦に参加す
るというのだった。反戦主義者の佐口一等空佐は何としてでも侵攻作
戦を阻止する為、F-15J部隊に説得し反侵略組織日本革命軍を結成する。

隊員が集結した作戦室にて、航空戦闘隊長(元二等空佐)の口が開いた。
「米中率いる統合軍の第一侵攻地点はモンゴル南部、インド東北部、ネ
パール、ミャンマー! A隊B隊はモンゴル、C隊はミャンマー、D隊はネ
パール、E隊F隊はインド、以上各地へ移動準備開始!」
ついに戦闘準備を開始する。

各国の空軍基地に到着した革命軍は正規軍のコマンダーとしての役割
を担当する事になった。そしてできる限り侵攻を阻止する為あらゆる防
衛作戦を提案した。だが統合軍の侵攻作戦は予想よりも早かった・・・。
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
「敵襲、直ちに出撃せよ!」
南方からSu-30MKK2戦闘爆撃機5機の編隊がこちらへ接近中、戦闘開始で
ある。こちらはAWACSの支援で先に捕捉でき全機撃墜、今回は無事侵攻を
阻止できた。つづく
627名無し物書き@推敲中?:2005/05/06(金) 17:47:45
                ,、                                ____
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                .', ● `、.           .|    `、 _,ィ'´                     `ヽ、________
                 ',    ',           | ___, -'"´                        ,ノ´ ̄ ̄
                 .',     ``ヽ、, -‐' ´',__,; ‐ー'"´__ --‐‐‐‐‐‐‐‐''''"""""´ ̄ ̄   _____,,_, -‐''"´
       __________,,,,,,,,,, ---‐ニニニ二---‐‐'''"´ ̄ ̄``ヽ--‐‐'''""´7´ ゙̄7--‐フ./'´ ̄`´ニ、 ̄
  ,ィ==ニニ----‐‐‐‐‐r ゙/ ̄' 二ニ!!二二ニフ ', ','"´ ̄       /;;;;;;;;/',',;;;;/,/;;;;;/____ ∠`ニヽ、
      __,,, --‐_ニ二二ニ -‐'"´ ゝ      ', ',        /;;;;.../;;;;;;;',ム';;;;;;;ノ`'‐‐'´ 
       ̄ ̄ ̄         ゝ  ゝ、  _____', ',_________________二ニフ;;;;;;;;;;;;;{ ゙l''"´
628名無し物書き@推敲中?:2005/05/06(金) 18:31:42
「赤い糸って何で出来ているのかしら。」
「・・・愛じゃないかな。」
ある男女がこういった会話を交わした。それから、数ヵ月後、オイルショックが起きる。
今までのように一時的な物ではない、石油が枯渇したのだ。
車は走らない、火力発電がほとんどの日本では電気も不足する。
したがって、工場もストップ、会社も経営が不可能、国は死んだ。
島国なので船か、飛行機が無いと国外へ行けない。しかし、石油がない、動かない。
生活が困難を極める中、愛する二人の仲も自然と冷めていき、ケンカが絶えなくなった。
「もう別れよう。」
「そうね。もう駄目よ。あーあ、今までたくさんの人と付き合ってきたわ、
たくさんの人と別れてきた。だけど、あなたとは赤い糸がつながってると思ってた。」
「・・・。」
「・・・結局、赤い糸って何だったのかしら。一体、何で出来ていたのかしら。」
「・・・ナイロン。石油じゃないかな。」
629名無し物書き@推敲中?:2005/05/06(金) 23:36:41
>628
何か好き。
ワロタ。
630名無し物書き@推敲中?:2005/05/07(土) 12:13:55
【盲点】
「なあ、ウルトラマンで一番有名な宇宙人て誰だと思う?」
「うーん、バルタン星人?」
「違うよ。」
「え?じゃあ誰だよ?」
「ウルトラマンに決まってんじゃん。」
631名無し物書き@推敲中?:2005/05/07(土) 14:53:02
>630
あぁ、なるほどね。「言われてみれば・・・。」って感じ。
632名無し物書き@推敲中?:2005/05/07(土) 23:05:24
>630
最も有名な宇宙人は地球という惑星出身の宇宙人である。
※「異星人」でないことに注意。
633名無し物書き@推敲中?:2005/05/08(日) 13:36:54
【ショートショート】
2chで「20行以内にショートショートを作れ」スレを見つけた。
何か一つくらいできないものかと脳味噌をフル回転させてみた。
やけに眩暈がする。
俺は病院へ行き、医者に聞いた。
「先生、俺、病気ですかね?」
「ええ、どうやらあなたの頭はショートしているようです」
634622:2005/05/09(月) 00:26:51
>>624
ご指摘ありがとうございます。
>>同一作者?オチの落差に乏しいのが欠点か
確かにそうですね。アイディアも良くないのに、それを良い文章に加工する技術も無いもんですから。
それに、いきなりショートショートは難しすぎました。
ちなみに同一作者ではありません。
>>女に振られた、もしくは相手にされない悔しさが満開なのが2チャン向け
>>そのトラウマを前面に出した私小説・純文の方がいいのでは?
小説を書こうと思ったきっかけがショートショートですから、
意地でもショートショートを書きたいんです。向いてませんかね?
まぁ、いろんな文章を書いて、精進します。
635名無し物書き@推敲中?:2005/05/09(月) 00:52:30
【おまけ】
 よう。ひさしぶりだな。あぁ、まだ紹介して無かったな、これが俺の女房だ。
 そっちはどうだい?相変わらず元気でやってるか?…そうか、
お袋さんが亡くなったのか…。
 ほら、落ち込んでないで、元気出せよ!いつか良い事もあるよ!
 よし、ここは俺が一つ、面白い話をしてやろう。
 俺がさ、おまけを集めるのが好きってことは知ってるだろ?
あのグリコとかについてくおまけ。あんなちゃっちいおまけを一所懸命あつめてたんだ。
 この前、念願のマイホームを買ったんだよ。それがなんとおまけつきの。
それが、買うまで何がついてくるかわからないんだよ。
何しろべらぼうに高い買い物だったからな、おまけが何だろうと思って、
俺、夜も寝むれなかったくらいだぜ。
 そのおまけは、何だったと思う?
 アンティークの家具?違うな。高級なスポーツカー?それも違う。
 聞いて驚くなよ。
 なんと、女房がついてきたんだ。この、とびきり不細工な…。
636名無し物書き@推敲中?:2005/05/09(月) 00:58:33
訂正
下4 寝むれなかった→眠れなかった
637名無し物書き@推敲中?:2005/05/09(月) 01:14:30
 世界地雷地図を見てみよう。
地雷に関することが何でもわかる。
 紛争地帯は鮮やかな色彩の地雷畑だ。
発展途上国の畑を掘れば、100億個以上の地雷の収穫が期待できる。
 一方、地雷生産国の色は世界の工場と重なっている。
一位はもちろん、世界の保安官。それに続いてイギリス、フランス、日本。
                                            。
日本で作られる地雷は自衛隊の管理の下にあり、世界に輸出されることはない。
しかし、「商品」の売買の規制は経済の発達の妨げであり、時代遅れだと考える人たちもいる。
 今一度考えてほしい。この「商品」がどのような需要の元に存在するかを。
未来の日本を作るのは他ならぬ私たちなのだから。
638名無し物書き@推敲中?:2005/05/09(月) 21:03:54
【戦友】
老いた退役軍人が、彼ともう一人の軍人が並んでに写っている写真を取り出して言った。
「戦時中、ワシはこの男に二度命を救われたんじゃ。
 一度目は、密林でワシらの部隊だけはぐれてしまった時のことじゃ。
 偵察に向かったコイツが、地雷原を発見してくれたおかげで、ワシらはソコを迂回する事が出来たんじゃ。
 生憎と、コイツは身をもって地雷原である事を証明してしまって、死んでしまったがな。
 二度目はそのすぐ後じゃ。
 コイツはワシらを餓死から救ってくれたのじゃ」
639名無し物書き@推敲中?:2005/05/10(火) 00:50:31
ね、今更で悪いんだけど>>326の15才のホームページのアドレス教えてくれない?
640名無し物書き@推敲中?:2005/05/10(火) 00:58:59
小説家志望の2人の男。以降は彼の会話。
「なあ、大どんでん返しってもう出尽くした感あるよな」 「ああ、実は主人公が犯人だったとか・・・」
「ロボット社会の中で闘う主人公自身がロボットだったとか・・・」 「主人公のミスがとんでもない成功に結びついたりとか・・・」
「じゃあ、例えばこの会話が小説だとしたらどんなどんでん返し
を用意する?」 「まあ、ありきたりかもしんないけど『実は誰かのひとり言でした』かな」
「なるほどね。ウマイかも。でもやっぱ新鮮味に欠けるよな」 「こういうのはどうだい『どんでん返しがない』のが『どんでん返し』」
「つまり平凡に終わるってこと?」 「そう。ここまで読めば読者は当然『どんでん返し』があると思うだろ?
そこで何事もなく終われば・・・」 「読者の期待を裏切る。それが『どんでん返し』ってわけだね。
でもそれじゃ、やっぱり読者は納得しないんじゃないかな」
「そうか。じゃあ最初の案でいくか」 「ひとり言。だね」
「そうなると、ひとり消さないといけなくなるねえ」 「まさか・・・」
「安心しろ1行目に小説家を目指す2人の男、以降は『彼の』会話
となってるだろ」 「ってことは」
「そう、最初から俺達は一人だったんだ。ちゃんと伏線張っておいたんだ」
「2人いるのに?それじゃ、二重人格って設定なの?」 「それも、ありきたりかな」
「なんかもっとないの?」 「いっその事、25人の会話にしようか」
「カギカッコ数えたねえ、でもそれじゃあ、上のも含めて
22人じゃないか」 「今のお前の分と、この今の俺の分、そして次のお前の発言の分だ」
「なるほどねえ」

「こうして26人の男の話は続いていく」

※20行越えました


641名無し物書き@推敲中?:2005/05/11(水) 14:14:03
>>640
すまんがオナニーだ
642名無し物書き@推敲中?:2005/05/11(水) 17:33:49
>>641
じゅうぶんおもろいで
643名無し物書き@推敲中?:2005/05/19(木) 23:47:42
こんなに沈んでる……age
644名無し物書き@推敲中?:2005/05/20(金) 03:53:54
超良スレ!
俺もひとつ

この部屋に来てからというもの俺は10年以上一睡もしていない。
同じ部屋に住むルームメイトは夜型のやつもいるが皆8時間は熟睡している。
夜が怖い。皆が寝静まった部屋で一人大きなため息をつく。
不眠症がたたったのかある夜、体の異常に気づく。
俺も歳だそろそろ若いやつと交代しなければならないのか・・・

「お父さん、冷蔵庫壊れちゃったよージュースが全然冷えてない!」
645名無し物書き@推敲中?:2005/05/20(金) 05:21:16
わかりづれー
646名無し物書き@推敲中?:2005/05/20(金) 06:23:05

   日本革命軍


 人民解放軍による大規模なアジア諸国侵攻作戦が開始されるという情報が流れた。そして国連がそれを止める所か多国籍軍は共に侵攻
作戦に参加するというのだった。反戦主義者である佐口一等空佐は侵攻を止めるべくF-15J部隊を纏め反侵略組織日本革命軍を結成する。

 第一話 独立とその影

 隊員を集結させた作戦室にて、阪田航空戦闘隊長(元二等空佐)が口を開いた。
「こちらもついに戦闘準備を開始する。米中軍率いる統合軍の第一侵攻地点はモンゴル南部、インド東北部、ネパール、ミャンマー! A隊B
隊はモンゴル、C隊はミャンマー、D隊はネパール、E隊F隊はインド、以上各地へ移動準備開始!」

 各国の空軍基地に到着した革命軍は正規軍のCommanderとしての役割を担当し、侵攻を阻止する為のあらゆる防衛作戦を提案する。だ
が統合軍の侵攻作戦は予想よりも早かった・・・。
ビーッ! ビーッ! ビーッ! とサイレンが鳴り響く。
「敵襲、A隊は直ちに出撃せよ!」
 南方からSu-30MKK2戦闘爆撃機5機の編隊がこちらへ接近、戦闘開始である。こちらはAWACSによる支援の御陰で先に捕捉でき全機撃
墜、今回は無事侵攻を阻止する事ができた。

 翌日、田畑副隊長(元一等空尉)が中国北部へ強行偵察をしてきた。
「偵察に回った3つの空軍基地にて米軍機や仏軍機が配備されている、B-2爆撃機まで用意してあちらも本格的に侵攻準備を開始しているよ
うだ。上空からの偵察ではこの程度しか分からなかった、だがとにかく防衛を尽くすしかない」
 統合軍の展開の早さに動揺を隠せない隊員達。しかし考える間も無く、またも敵が侵攻してくるのであった。
ビーッ! ビーッ!
「敵襲だ、B隊出撃準備!」
田畑「敵はF-16Cが20機にE-3が1機だ」
 田畑副隊長が先頭に立って4機のF-16C戦闘機を同時に捕捉し撃墜させたが、別の敵機にAMRAAMを発射され撃墜される。田畑副隊長は
脱出に成功したがB隊は苦戦。だが統合指令部の命令で敵航空部隊は撤退し、何とか危機は去った。

 そしてB隊の帰還後、阪田隊長は田畑副隊長のいきなりの被撃墜によって予想以上に防衛の危機を感じ、切り札のSuperAceを起用する事
を発表した。田畑副隊長は現在モンゴル陸軍の救助ヘリで捜索中である。
647名無し物書き@推敲中?:2005/05/20(金) 06:24:43

 その後の深夜午前1時、こんな時でも敵は侵攻してくるのだった。
ファーン! ファーン! ファーン!
「敵襲、出撃可能な隊員は全員直ちに発進準備開始!」
工藤「ちっ、敵はいつ何時でも御構い無しか。出力全開、アフターバーナーオン。離陸」
「南方からRafale Cの10機編隊がこちらへ侵攻中、これを直ちに迎撃せよ」
 今回は敵編隊を圧倒、6機撃墜すると残りの敵機は撤退し無事防衛に成功した。帰還後、阪田隊長は工藤隊員にこう告げた。
「明日にはSuperAce部隊が来る、これからの負担は軽減するだろう」と、

 午前8時30分、ついにそのSuperAce部隊がこちらに到着した。
櫻井「機体はF-15E、20機にF/A-18Fが10機か。一体どうやって調達したんだ」
田畑「経歴も何もかも俺達には一切分からない機密部隊のようだな。恐らく空自の所属でない別の組織だ」

 一週間後、佐口一佐はある作戦を提案する。SuperAce部隊によってチベットを独立させようというのだ。
648名無し物書き@推敲中?:2005/06/06(月) 14:18:26
>>664
違うオチなら良かったかも
649名無し物書き@推敲中?:2005/06/06(月) 19:59:21
【糞まみれの男】
 
糞まみれの男は学校に来ていた。学校のトイレだ。
糞まみれの男には目的があった。他のやつらを糞まみれにさせること。そう、一人残らずだ。
そのためにやることはただ一つ。
とにかく糞を撒け、話はそれからだ。
 
糞まみれの男はトイレを出て、教室にむかって歩いて行った。これから糞まみれになる教室。
糞まみれの男は教室の前に立った。もちろん糞まみれで。
糞まみれの男は今、糞でいっぱいになったバケツを持っている。
隣の教室の先生にみつからないかドキドキだ。早くドアを開かなきゃ。
 
糞まみれの男はついに扉に手を掛け、一気に開いた。全員が糞まみれの男を見た。
教室中が静まり返った。それからすぐに大騒ぎになった。先生は呆然としたまま動かない。
糞まみれの男ははあたりかまわず糞を撒き散らしはじめた。
糞まみれの男のまわりを糞まみれになったみんなが逃げ惑う。
そのとき、先生が口を開いた。

「やめてください、校長先生」
糞まみれの男は我に返った。
650名無し物書き@推敲中?:2005/06/07(火) 16:26:28
>>649
2チャンのレスとしては、ニヤリ。
でも、雑誌社のコンテストなら予選落ちだろうな。
いい意味でも、悪い意味でも、金払って読む気はならない。
651名無し物書き@推敲中?:2005/06/07(火) 21:40:07
【未来はすでに】

A博士とB博士はタイムマシンの開発競争をしていた。
先にタイムマシンを完成させたのはA博士だった。
B博士は悔しくなり、A博士の開発したタイムマシンをこっそり盗んで自分のものにし、特許を取ってしまった。
激怒したA博士は名案を思いついた。
A博士はB博士の研究所に忍び込み、タイムマシンを使ってB博士の生まれた年に行き、
家から生まれて間もない赤ん坊、つまりB博士を攫い、
黒い袋に入れてゴミ捨て場に捨て、元の時代へ戻ってきた。
「これでBの奴は消えているはずだ」A博士はこっそりB博士の寝室に行った。
しかしB博士は消えていなかった。
「どういうことだ」A博士は訳が分からなかった。
A博士ははひとまず引き上げて、自分の研究室に戻った。
何故未来が変わらなかったのかしばらく考えているうち、
A博士は以前人から聞いた話を思い出した。
「そういえばBの奴は捨て子だったんだ。たしかゴミ捨て場に捨てられているところを・・・・・」
A博士はそこでようやくB博士が消えなかった原因が分かった。
未来はもうすでに変わっていたのだ。
652名無し物書き@推敲中?:2005/06/07(火) 22:12:08
「さようならマヨミ…」洋一は煙草をマヨミの首筋に押しつけると、力の限りねじ回した。
「いたい!首じゃない!痛いのは私の心!」マヨミはのたうちまわった。
なんとも滑稽な姿だ。
まるで火にかけられたニンジンのようだ。
洋一は込み上げる笑いを抑えきれなかった。
空には不思議なくらい大きな星が輝いている。
それは洋一を嘲笑うかのようにぽっかりと割れた。
そして洋一は割れ目に吸い込まれていく。
「来世もまたマヨミに出会えるかな…?」きっと届くだろう願いを胸に洋一はこの地球をあとにした。
653 ◆D60106Bc4s :2005/06/08(水) 01:46:12
【適性判断】

「で、君の得意な武器は?」
「そうですねえ、口先だけは得意です」
「そういうことを聞いてるんじゃなくて、あるだろ、銃とかナイフとか」
「そんな物騒なもの持ったこともありませんよ」

時々くるな、こういう奴が。
この面接の情報がどこから漏れたのかはわからないが、暗殺者にはどう考えても向いていない。
いくら性別、職種、経歴、人種など一切問わないとはいえ、適正ってものがあるだろう。

「で、どうして暗殺者になりたいと思ったの?」
「それは、なんていうんですか、世界を変えたいっていうか…」

ああ、やっぱり。これもよくいるヒーロー気取りだ。
我々の放つ銃弾が世界を変えることはない。
もし変わるとしたら、我々のお得意様が死んだときだ。

「…よくわかった、もう下がっていいよ」

男は元気よく一礼すると部屋から出て行った。

「決まりですな」
それまで黙って聞いていたほかの審査員が口をそろえた。

「…私には色々と言いたい事はありますが、決定には従います」

「技術なんかは仕込めばどうとでもなる、彼は使えるよ」

「なんたって政治家だからな」
654 ◆D60106Bc4s :2005/06/08(水) 02:02:50
【雨が降る】

夜のニュースのお天気キャスターが、こともあろうに
「降水確率50%」の予報を出した。

言ってみれば『降るかどうかわからない』といっているようなものだ。
こんな天気予報があるか、と思わず毒づいた。

私は先日傘を会社に忘れてきた。私の持っている唯一の傘をである。
それも、同じように「50%」の呪縛にとらわれ、結局一日中降らなかったときに持っていったものだ。

くそ、これで明日の朝雨が降っていたらどうなるんだ。
背広を濡らすのか?二重に馬鹿みたいじゃないか!
だからといって、明日のことを考えて今から買いに行くのか?

コンビニのボッタクリ傘を軽々しく買えるほど、給料前の財布は重くない。
もし傘を買ったら、明日の昼飯をグレードダウンさせるか、もしくはタバコを一日我慢しなければならない。

天気予報は呪縛だ。来るかどうかもわからない未来に怯え、
あれこれと準備をさせられる。

私は今確実に決断を迫られている。傘を買いに行くかどうか。

そんな時、私は外にパラパラと雨音がするのを聞いた。これは逆にいいことだ。
つまり明日は確実に雨なのだから、今濡れて買いに行っても無駄にはならないのだ。

雨の中、濡れながら、微笑みながら歩む私は、周りからどう見えていたのだろう?

次の日は思い切り晴れた。
655名無し物書き@推敲中?:2005/06/08(水) 02:43:35
家に帰って電気を付けると、壁に一匹のムカデが這っていた。
家の隙間という隙間は締め切っているし、どこから入ったのだろう?

いや、それよりもムカデはつがいで行動すると小耳にはさんだことがある。
ならばもう一匹部屋か、外か、とにかくコイツの近くにいるということだ。
さて、どうすべきか。
とりあえずこいつを捕獲しベランダから放り投げるのは規定路線だ。
つがいじゃないかもしれないし。まあ、そうしよう。

しかしムカデってこんなに大きかったっけ?どうも足も少ないような…
じたばたするな。いてえ!噛むな!頭をつぶして黙らせてやれ。
よし、一匹終わった。
もう一匹いたりして…なんて考えながらあたりをしばらく見渡してみると………いた。
もう一匹のムカデは顔をくしゃくしゃにしながら部屋の中を転げ回る。
俺は4本足のムカデの顔を蹴飛ばし髪の毛を掴み…あれ…おかしいな?

クソ、子供もいるじゃねえか、泣くんじゃねえ、うるせえぞ毒虫が。
ここはお前らの家じゃねえ、俺の家なんだ…俺の…
656名無し物書き@推敲中?:2005/06/08(水) 12:25:47
651、655に一票
657名無し物書き@推敲中?:2005/06/09(木) 14:40:38
大学に受かったから一人暮らしする事になって、物件探してたら超格安のアパートを見つけたんだ。
で、何を思ったのか、実際に見もせずにそこに決めちゃったんだよ。
特に荷物も無いから身一つで引っ越して、鍵開けて中に入ったら既に女の人が住んでたんだよ。
酷い話?うん、俺も最初はそう思ったんだけどさ、その女の人と話し合った結果、二人で生活する事になったんだよ。
幸い部屋の広さは十分だったし、家電製品買わずに済んだし、何よりその女の人がすっごい美人だったのな。
料理上手だし、甲斐甲斐しいし、うん、とにかく最高なんだよ。
一人暮らしが憂鬱だって言うけど、俺はちっともそんな事無いね。あ、一人暮らしじゃないか。
で、大学に通ってたら、連れが出来たんだよ。地元の奴。
そいつに俺の下宿先の話したらさ、すっげぇビックリしてたよ。
何でも、俺の住んでる部屋で昔若い女の人が自殺したって話が有って、その人の幽霊じゃ無いかって。
急に不安になって、アパートに帰ったら、いつも出迎えてくれる声がしないんだ。
部屋の真ん中に、俺の服が洗濯してあって、その上に手紙が、一言「さよなら」って。
それ以降彼女とは会ってないよ。
彼女が幽霊だったかって?正直そんなことどうでもいいよ。それに、俺彼女の事好きだったからさ、たとえ幽霊でもこの格安のアパートの一室で、彼女をずっと待つよ
658名無し物書き@推敲中?:2005/06/09(木) 15:56:39
>>657
実話だったら面白いけど、ショートショートとしてはありきたり
659名無し物書き@推敲中?:2005/06/13(月) 12:08:10
初めて見た時から…いや、駄目だな
貴女と一緒にいる間に、私の心は貴女に惹かれ…どうもイマイチだ…
俺は今、告白の言葉を考えている。
何度も何度も書いては消し、消しては書きを繰り返す。
やっぱり、ストレートに「君が好きだ」と言おう。
そう決めた俺は、彼女の待つ広場へ向かった
「君が好きだ。俺と付き合ってくれ」
「ありがとう、でも私男ですよ」
660名無し物書き@推敲中?:2005/06/13(月) 15:20:36
>>659 不覚にも微笑してもうた
661名無し物書き@推敲中?:2005/06/13(月) 20:11:39
【CD】

友達が人生最初に自力で購入したPCで編集したという音楽CDを貰った。
人生最初の編集作業が面白くてつい作りすぎてしまったそうだ。
「色々入ってるけどヒーリング音楽だらけだから、運転中は聴かないでね
貴方、普段はせっかちなせいかそういうのですぐ寝ちゃうし」
その上ヒーリング音楽好きだしと呟く友達の顔は心配そうだった。

でも、昔からせっかちな私はつい車内でCDを聞いてしまった。
運転中にヒーリング音楽で寝たことだけはなかったからだ。
案の定、眠気に襲われる事無くいつもの道を車で走っている。
それにしても、あの友達が厳選して編集したCDらしく、良い曲が多い。
趣味も良く性格も良く頭も良く外見も良い友達は私の憧れだ。
きっと友達はすぐPCを使いこなし、嬉々として編集作業をしたのだろうな。

…そんな事を色々と考えてたせいか。
気が付くと私は、ひしゃげた車内で腹に食い込む鉄の塊を見ながら、血を吐いていた。
交通事故だ、いつの間にかスピードを出しすぎていた上、前方不注意を起こしてしまったのだろう。
…なのに、CDの曲はまだ流れている、プレーヤーも原型を留めていないほど潰れているのに、何故。
思った瞬間、音楽がブツッときれて、聞きなれた音がノイズ混じりに聞こえてきた。
『運転中は聴かないでって、言ったのに〜』
妙に嬉しそうなその友達の声が、この世で聴く最期の音となった。
662名無し物書き@推敲中?:2005/06/13(月) 21:23:07
傘をさし歩きはじめる。
路沿いに咲く紫陽花は美しく紫に染まっていた。
それを鮮やかに映した鳶色の瞳が、横を静かに通り過ぎた。
去年の今頃、僕を映していた鳶色の瞳。


663名無し物書き@推敲中?:2005/06/13(月) 21:28:32
「はい、では皆さんこねあがりましたね?」
「先生、Mさんのがまだです」
「Mさん? あらら、ちょっと見せてごらんなさい――これは水が足りませんね。かしてごらんなさい。
まあ、ずいぶん固くなっちゃいましたねえ。先生、赤ちゃんの耳たぶくらいの固さって言ったでしょう?」
「でも先生、うちの妹の耳たぶって、このくらいの固さなんです」
「あらまあ、Mさんちの妹さんの耳たぶは、ずいぶん固いのねえ」
「昔は軟らかかったんですけど、なんか何年か前からどんどん固くなって」
「ふうん。そういう赤ちゃんもいるのかしらね。妹さん何歳?」
「今年で6歳なんですけど、まだ赤ちゃんなんです」
「6歳? 6歳にもなって、まだ赤ちゃんなんて、よっぽど可愛がられてるかしらね。
さあて、Mさんのもこねあがったわよ。このくらいの固さに仕上げるのよ。ほら、さわってごらんなさい」
「わあ、ぷにぷになんですね」
「そうよ。Mさんの妹さんの耳たぶも、昔はきっとこんな感じだったのかしらね。
みんなできた? じゃあ、順番に冷蔵庫に入れていってくださいね」
「先生」
「なあに、Mさん」
「冷蔵庫に入れてから、どのくらい寝かせればいいんですか?」
「そうねえ、だいたい4時間くらいかしら。あんまり長い間入れっぱなしにしちゃうと、
かちこちに固くなっちゃうから気をつけてね」
「ふうん……」
「どうしたの?」
「あのね先生。きっとそれで耳たぶ、固くなっちゃったんだ。ママ、冷蔵庫に入れっぱなしだもの」
664名無し物書き@推敲中?:2005/06/16(木) 17:46:37
20行だと、ストーリーの起承転結が難しいね
導入→オチ
だから、単純なジョークに陥りがちだ
665名無し物書き@推敲中?:2005/06/17(金) 02:16:09
[あいむしんし]
やや・・!なんとも絶景だね桜井君。
海鳥、浮かぶ島、揺れる女性のヒップライン!
サーファー姿で君は生目か。
紳士たるものサングラスさ。
見られる相手を考えたまえ。

やや・・!そこのお嬢さん。
あなたもグラサンで男性のモッコリ観察ですか。
その小さな気遣いがとてもすがすがしい。
殴られました。
666名無し物書き@推敲中?:2005/06/17(金) 16:12:07
[正夢]

「ただいまー。」
俺は公園で友達と遊んでいたが、友達は塾の時間だからと帰ってしまったので、俺も家に戻ってきたのだった。
居間に入ると、丁度母がドラマを見ていた。とても汗をかいていて暑かったので、とりあえず、すぐ台所に行って水を飲んだ。
水を汲むとき、丁度テレビから俳優の声が聞こえてきた。

「母さん、やめてよ!なんでこんなことするのさ!」切羽詰まったような、子供の声だ。
「うるさい、あんたなんか死になさい!」母親役の女性が言ったあと、首をしめるような音が聞こえてきた。
コップ一杯飲んだ後、居間に戻ってテレビを再び見た。すると、子供役の少年はとても演技が上手で、
首を絞める母親役の手を振り払おうともがいていたが、数秒後ぐったりと床に倒れた。
俺はなぜか心にもないことを言った。
「こういうの、嫌だな。」
「・・・あら、自分の死に様がそんなに嫌なの?」
いきなり、テーブルをはさんで向こう側の母親の手が伸びて、自分の首を絞める。訳がわからない。俺が一体何をした!?
頭の中で、少年の声が鳴り響く。ぼやけはじめた目でふとテレビを見ると、少年の口から血が流れ、広がっていた。
その少年は、まぎれもなく俺だった。

いきなり、布団のなかで目が覚めた。実感が無かったが、数秒後、ようやく気づいた。今までのは夢だったのだ。
すごい汗をかいている。汗をぬぐおうとふと両手を見ると、コンセントのコードを手に握っていた。
そして、そのコンセントは、自分の首に巻いてあった。
自分で、自分の首に。
667名無し物書き@推敲中?:2005/06/17(金) 19:30:54
[あいむしんし]

なかなか面白いぞ。
ショートショートか一発ギャグかわからないが
俺は君に惚れた。

兄貴と呼ばせてもらうよ(ポッ
668名無し物書き@推敲中?:2005/06/18(土) 19:50:30
【マジック】

友人と集まって俺達はマジックの見せ合いをしていた。
俺の用意しているマジックは誰にでも出来るような単純なものだが、友人の一人に凄い奴がいた。
「今から6枚のカードを引く。そのカードは全て共通点があるからよく見てろ。」
そいつは裏返しにして扇状に広げたカードの中から6枚引き出し、それらをひっくり返した。
カードの数字はそれぞれ2、4、6、8、10、それからQ、つまり12だ。
俺は初め何が何だか分からなかったが、隣の奴が言った言葉でそのマジックの意味が分かった。
「すげぇ!全部偶数だぜ!」俺たちはそいつの見せたマジックに驚きを隠せなかった。
2枚でも当たる確立は4分の1なのに、まして6枚となると・・・・・・
俺は何故か悔しくなり、あることを思いついた。偶数は即ち2の倍数だ。だったらここは考え物だ。
ちょうど次は俺の番。うまくいくかどうかはやってみなければ分からない。一か八かだ。
「今から引く6枚のカードには、ある共通点がある。」
俺はカードを適当に引いた。これを間違えるはずは無いのだ。俺はカードを6枚引き、ひっくり返した。しかし、誰からも声は出なかった。
しばらくすると、さっきマジックを見せた奴が口を開いた。「どこに共通点があるんだ?さっぱり分かんないぞ。」
仕方が無いので、俺は言った。
「ほら、お前がさっきやったのは全部を2の倍数にそろえるマジックだろ。だから俺は全部1の倍数にそろえたの。」
するとそれまでずっと黙っていた奴が言った。「おまえ人を馬鹿にしてんの?そんなん適当に引いたって必ずそろうよ。」
「おまえあいつにすげーの見せられて悔しいんだろ?」
「そのくだらないのさっき思いついたろ。そんなのいいから準備してきた奴見せろ。」

俺はそいつらにぼろくそに言われ、次の日から相手にされなくなった。
669名無し物書き@推敲中?:2005/06/19(日) 11:05:12
>>668

ヘンなリアリティがある
そんな奴、いそう
670名無し物書き@推敲中?:2005/06/19(日) 12:37:40
日記?
671名無し物書き@推敲中?:2005/06/20(月) 08:11:57
小学校のお楽しみ会の時に、手品失敗したのを思い出したよ。
672 ◆iPZ3/IklKM :2005/06/20(月) 11:29:59
「ねぇ」
彼女が初めて僕の部屋を訪れた時のことだ。彼女は心持緊張しながら僕の肩に
寄りかかり、僕は固い手つきで彼女の肩を抱いていた。
確か、見ていた映画は「What Woman Wants」だったと思う。ある日突然、女の子の
心の中が読めるようになった男が、傷ついたり幸せになったりするコメディだ。
「昨日の夜の帰り道にさ」彼女は額を僕の胸に押し当てながら、「猫が死んでるの
をみたんだ」微かに震える声で僕の手を握った。
「うん」僕は軽くその手を握り返した。
「なんか、矢がささってたの。昔、そういうのあったよね。あの時は鴨だったかな」
「うん」僕は頷いた。
彼女の丸い額から春先の香りがした。心地のよさに、思わず口をつけた。
西日が燃えるように赤い夕方だった。

今でもたまに思い出す。
673くろねこを:2005/06/21(火) 07:08:00
『さがしもの♀』
あたしが探していたものは、未だ見つからないままでした。
もうどれくらい探したことでしょう。
心をすり減らして、泥だらけになって、ずっと同じトコを
何度も何度も探した気がします。
俯いて歩くあたしに、アナタは顔を上げて歩けと言いました。
同じトコを探して見つからないなら
また新しいトコを探せば良いじゃないかと。
あたしは、まだきっとどこかにあるはずと、
アナタを跳ねとばし、這いつくばって探しました。
アナタは少し寂しそうな顔をしました。
そうその顔。今までみんなその顔をして去っていきました。
あたしは独りで平気なの。だからみんなあたしの事は気にしないで。
だけどアナタは違いました。アナタは地面に突っ伏して
あたしと一緒に探してくれました。
二人で必死になって探しました。何度も何度も同じトコ。
ふと、アナタは訊きました。
いったい君は何を探しているの?……あたしは言えませんでした。あたしが探していたのは、アナタみたいな人のやさしさ。
君が見つけ出すまでは、一緒に探してあげる。……アナタがそんなこと言うから。
真剣に探すアナタの横顔、ずっと見つめていたいから。
674くろねこを:2005/06/21(火) 07:23:09
『さがしもの♂』
あのコはいつも、何かを探してる。誰の手も借りず、いつも一人で。
いったい何を探してるんだろう。
泥だらけになって、真剣な眼差しで、ずっと同じトコを探してる。
陰った顔は物悲しげで、とても切ない。
だから僕は、あのコに言ったんだ。
顔を上げて歩いてごらん。きっとさがしものも見つかるよ。
でもあのコは頑なだった。
きっとどこかにあるはず。そう言って地面に突っ伏した。
そんなあのコが可愛く思えた。
だから僕は、一緒に探してあげることにした。
どうしても顔を上げさせたくて。どうしても笑顔が見たくて。
二人で必死になって探した。何度も何度も同じトコ。
這いつくばって一緒に探した。
いったい君は何を探してるの?気になってた事を訊いてみた。
あのコは何も言わなかった。でも、もうそんなことはどうでもいい。
あのコとこうして一緒に居ることが、楽しかった。
このままずっとこうしていられたらいいのに。
このまま、さがしものが見つからなければいいのに。
675名無し物書き@推敲中?:2005/06/22(水) 17:20:14
ここはポエム板ではない

誤爆?
676名無し物書き@推敲中?:2005/06/22(水) 20:08:02
上にあるのよりは全然面白かった。♂編イラネ
677くろねこを:2005/06/23(木) 01:24:41
>>675
自分も、詩っぽいなと思ったんですが、ここからストーリー膨らませて
2時間位の物語にしようと思っていたのでこちらに書かせて頂きました。
すいませんでした。

>>676
♂は出来心でした。今は反省している。
678地底人 ◆KCAAE/5EVs :2005/06/24(金) 20:15:26
【どこ?】

「なあ、お前どっかに閉じ込められた事ある?」
「エレベーターに閉じ込められた事があるよ」
「へぇ〜っ。どこで閉じ込められた?」
「だからエレベーターって言ってるじゃん」
679地底人 ◆KCAAE/5EVs :2005/06/26(日) 13:11:11
もう一発

【はまっているもの】

俺には変な友達がひとりいる。そいつは趣味を次から次へと変える奴だ。
つまり長期間同じものに集中して取り組むことが出来ない奴だ。
ある日そいつが電話をしてきた。そいつは新しい趣味を見つけると、
たった一人の友人である俺に電話をしてくるのだ。正直迷惑。
で、電話に出てそいつはまずこう言った。「なあ!俺今すげーものにはまってる!」
またか・・・・そいつは俺に電話をかけるたびいつもそう言う。続けてそいつは、
「とにかく凄いんだって!これはここまでやるには相当な時間がかかるね!」
どうやら熟練するまで相当時間がかかるらしい。そいつはさらに続けて、
「いやー、何て言うのかね。これ作った人は相当の腕の持ち主だね。これはなかなか作れないよ」
今誰かの作品を観ているようだ。その作品は相当素晴らしいものらしい。そいつはさらにこう言った。
「とにかく深いね。これ。ここまでやられると驚きも感動も通り越しちゃうよ」
そんなに奥が深い趣味なのだろうか。あいつがそんな趣味を見つけたなんて、こっちが驚きだ。
しかしひとつ分からないものがある。どんな趣味なのかだ。いつもなら気にしないのだが、
今回は妙に気になったので、俺はそいつに聞いてみた。
俺はそいつの答えを聞いて固まった。答えはこうだ。

「ん?ああ、でっかい落し穴にはまってんの。いやー、電波が届いてよかったよ。
 悪いんだけど、助けに来てくんない?友達お前だけだしさ。な?頼むよ」
680名無し物書き@推敲中?:2005/06/26(日) 15:21:44
──めんどくせーな・・・・・・
踏み込んできた右足を払われ、彼はそのまま壁へと激突した。
「もう終わりか?」
老人の言葉に男は微かに顔を上げ、焦点の定まらぬ瞳で何かを見つめていた。
「その程度の力で何を成すと言うのだ?」
──うるせー・・・・・・
「中途半端な力に頼った結果が、多くの者を死に追いやった事が理解できぬか?」
男は、壁に寄りかかさりながらも何とか立ち上がろうとしている。
老人は彼が立つのを待っているかのように、ただじっと見つめ話しを続けた。
「時を見極めず己を知らず、感情の赴くままに突き進む事で、御主が目指した理想郷は出来るのか?」
──・・・・・・
「個で動くのならそれも良かろう。だが、御主は仲間を集めその頂点に立ち導く事を選んだのじゃ」
──だまれ・・・・・・
「御主の命は多くの者の命を背負っておる。その重みを・・・」
「だまれ!」
何とか立ち上がった男が老人の話を遮り、声を荒げ睨み付ける。
「おれは・・・おれはただ・・・・・・ただ守りたかった・・・あいつを皆をおれは・・・・・・」
男はその場に泣き崩れ、言葉に成らぬ声で獣のように泣き叫んだ。
眼前に広がる屑木の墓標が、何時までも静かに見守っているなかで・・・・・・
681名無し物書き@推敲中?:2005/06/26(日) 19:42:26
>>地底人
二個目の面白かった。

最後のは…ショートショート?
682名無し物書き@推敲中?:2005/06/27(月) 15:22:24
>>679
不覚にもワロタ
683名無し物書き@推敲中?:2005/06/27(月) 21:00:35
>>679
ちょっと文章がくどいような気がする
前半「そいつ」というフレイズが連発され過ぎなのも気になった
でも、アイデアは結構いいんじゃないか?
ショートショートはまずアイデアありきだからね
684名無し物書き@推敲中?:2005/06/28(火) 12:01:05
「これ、恋人のカオリ」
 初めて彼女をこの家に連れて来られた時、私はガツンと頭を殴られたような衝撃を受けた。
 私とアキラが同棲し始めたのは6年前の事だ。
 高校から一人暮らしを始めるアキラが、寂しいからという理由で昔から仲の良かった私を
 このマンションに半ば強制的に連行したのが始まりだった。
「はじめまして、カオリです。」
 そう行儀よくお辞儀したカオリは、アキラにはちょっと勿体無い位可愛かった。
 顔にも口にも出さなかったが、内心私は複雑だった。
 私のほうがアキラを知ってる。笑っているときも落ち込むところも、この女より、よく知ってるのに。

 アキラとカオリが付き合いだした馴れ初めは、たったひとつのキスかららしい。
 元々大学で仲が良かった二人だが、ある日とうとうアキラの理性がぷっつり切れてキスをした。
 これでカオリに万一ほかに好きな人でも居たら一大事というかシャレにもならないが、
 強運にもカオリもアキラが好きだったらしい。目出度く両想いになったそうだ。
 …たった、キスひとつで変わる関係なら、どんなに良かっただろう。

「な?言ってた通り可愛かったろ、『カオリちゃん』。」
 カオリが帰った直後玄関を振り返って、自慢げにアキラがふふんと笑った。
 ああ、可愛かったよ、長い間連れ添った私なんかよりあのコを選んだ位なんだから。…可愛くないと、納得いかない。
「拗ねんなよ、バカ」
 よほど態度に出ていたのか、アキラは笑って、いつものように私に軽くキスを落とした。 …キス、たったひとつで、変わる関係だったら、どんなに、良かっただろう。

 キスなんて何回もしているが、関係が変わったことなんて、ない。…なんだかふいに悔しくなって、私はみゃあ、と鳴いてやった。

685名無し物書き@推敲中?:2005/06/28(火) 13:24:54
>>684
いい出来。そつなくまとまっていると思う。
686名無し物書き@推敲中?:2005/06/29(水) 16:26:28
猫ネタ

文章が荒いくて、読みづらい
でもプロットが、ほのぼのしてイイ
スイコ&スイコすれば現代のSS応募していいと思う
687名無し物書き@推敲中?:2005/07/04(月) 18:06:11
扇風機は涼しむための機械だが、自分の部屋は閉め切られて暑かったので
熱風気となった。

以上です。
688名無し物書き@推敲中?:2005/07/04(月) 21:51:46
>>687
ショートショートと呼べんのだろーが思わずにやりとさせられた。
どうでもいいが、>>665の「桜井君」と「しんし」でうっかりそれ散るの桜井舞人を思い浮かべてしまった
689地底人 ◆KCAAE/5EVs :2005/07/09(土) 18:17:07
【あるけどない】

ある大学のC教授が、難解な数式の解を算出し、何でも通り抜ける物質が存在する事を証明した。
しかしC教授はそれだけでは満足せず、次にその何でも通り抜ける物質を作り出そうと躍起になった。
だが、いくら努力しても、その物質を作り出す事は出来なかった。
あと一歩というところでいつも失敗、失敗。
それまで黙って見ていたC教授より年上のD教授が、落胆するC教授を見かねて、C教授に言った。
「C教授、君は何でも通り抜ける物質を作ろうとしているらしいが、それは無理な話だと私は思うよ。」
C教授はD教授の言葉に驚き、言い返した。
「何故です。私はちゃんとあの物質が存在する事を証明したんです。証明できたなら存在するはずです。それなのに、無理とはどういうことですか。」
D教授は一枚の紙を差し出しながらC教授に言った。その紙には、「√2=1.4142135…」と書いてあった。
「いいかね、C教授。たしかに証明は出来た。だが、それを完全に再現できるとは限らない。この、平方根がいい例だ。たしかに、2乗して2になる数は存在する。
 だが、それは無限に続く数で、完全に表すことが出来ない。それと同じ事じゃあないかと私は思うんだがね。」
しかしC教授はそれでは納得がいかず、D教授に反論した。
「たしかに、平方根はそのままでは完全に表すことは出来ませんよ。しかし、私の作ろうとしている物質も、それと同じだという証拠はどこにもありませんよ。」
しかし、D教授は静かに言った。
「証拠はたしかに無い。だがねC教授、よく考えてみたまえ。もし実際にその物質があるとして、どこにある?何でも通り抜けるということは、
 容器も、テーブルも、床も、そして地面もマグマも通り抜けてしまうということだ。ひょっとしたら、重力までも通り抜けてしまうかもしれない。
 だったらこの地球どころか、この宇宙のどこの星にも存在する事は出来ないんじゃないのかね。」
C教授は今まで自分のやってきた事が全て無駄だったと気付き、次の日からあの物質の研究をやめ、今度は壁抜けの研究を始めた。
「懲りないなぁ。彼も・・・・・」
壁抜けを成功させてやろうと張り切るC教授を研究室の外から眺め、D教授は苦笑いを浮かべた。
690名無し物書き@推敲中?:2005/07/11(月) 16:03:10
>>689 元ネタというか…セリフほぼ某本の引用じゃまいか…orz
691684:2005/07/11(月) 17:03:21
…『狂おしいほどに愛していた!』。
 小綺麗な外見とは程遠く、どこか狂気を孕んだ声で男はそう叫んだ。
 突如として俺の目の前に現れたこの男は、ぎらつかせた瞳の焦点をゆっくりと俺に定め、
 まだ事態を把握しきれずに呆然とする俺に、あやすような調子で語りかけてきた。
『僕は彼女を愛していました。』
 いきなり何かを思い返すようにそう語りだした男は、うっとりと、まるで夢見るように口を動かした。
『彼女は僕のすべてでした。
 その髪、その声、その瞳、そのすべてに僕は虜になりました。
 彼女の好きなものは、僕もなんでも好きになれました。
 彼女の好きな歌、彼女の好きな絵画、彼女の好きな食べ物、
 服や人の好みさえも、彼女と僕は感覚を共有したのです』
 どこか遠くの方を見つめながら、男は嬉しそうにそう語った。
 しかし、ふと男は視線を落とし、悲しそうにポツリと呟く。
『けれど、それは僕の勘違いだったようです』
 男は悲しみと、ほんの少しのこみ上げて来た感情に顔を歪めた。
『僕は彼女とすべてを共有した気でいました。
 しかし、間もなくして彼女は僕のもとを去った。…そして、そのときやっと気づきました』
 瞬間、ぞくりと俺の背中に寒いものが走った。全身が本能的に逃げろ、と警笛を鳴らす。
 …しかしもう、遅かった。
『彼女が好きなものは何でも好きになれましたが、一つだけどうしても好きになれないものがあったのです』
 にやりと男の顔が狂気的な笑みに歪む。…きらり、と、男の袖口で、何かが俺を目掛けて閃いた。

「それはあなたです」
692684:2005/07/11(月) 17:24:52
>>685さん お褒め頂けて嬉しいです、ありがとうございます!
>>686さん なる程、確かに文章が先走っている感じがします。丁寧なご意見参考になりました。
 上手くまとめられるよう精進したいです、ありがとうございます。
693名無し物書き@推敲中?:2005/07/15(金) 09:43:14
屋上へ行ってみると、女が柵を越え、飛び降り自殺しようとしていた。
「何をやっているんだ、早まるのは止せ!」
「いいから死なせて! 彼に振られた私に、生きてる価値なんて無いわ」
「恋人に振られたからって何だ。また新しい恋人を作ればいいじゃないか」
「何よ、アンタ見た所ブッサイクだし、恋人なんてできた事無いからそんな事言えるんでしょ!
アンタみたいなキモい男に、私の苦しみが判ってたまるもんですか!」
俺は図星を突かれた事でカッとなり、思わず女を突き落とした。
女は俺の方を向いたまま、地面へと吸い込まれていった。
俺は自暴自棄になって、柵を跨いだ。背後で女の声が聞こえる。
「何やっているの、早まるのは止しなさい!」
「死なせてくれ! もてない俺に、生きてる価値なんて無いんだ!」
694名無し物書き@推敲中?:2005/07/15(金) 16:28:13
>>693
不覚にもワロタ
695名無し物書き@推敲中?:2005/07/15(金) 17:41:48
>>693
うまいなあ…
このスレはワンランク上の書き手が多いな
696名無し物書き@推敲中?:2005/07/15(金) 18:15:10
>>693
よくありそうな内容だけどめちゃくちゃ良い
697693:2005/07/16(土) 17:01:39
有難うございます。
大学の課題として作品を提出しなければならなかったのですが、
中々いい案が浮かばず途方に暮れていた所、
このスレを見つけて触発され、即興で書いてみました。
また気が向いた時にでも、こうした400字以内の小品を書いてみようかと思います
698名無し物書き@推敲中?:2005/07/21(木) 01:26:19
 僕、死んだ人が見えることに気がついた。

 ほら、歩道の端にしゃがんでるのは、鈴木さんとこのおばあちゃんだ。去年お葬式が団地の集会所であった。

 歩道橋の下には、4号棟の山本さんのお兄さんがいる。
夜中にこの産業道路を横断しようとしてトラックにはねられて助からなかった。
3浪もしていたから自殺じゃないかってみんな噂したよね。
 
 街路樹の下で丸くなっているのは、6号棟の石井さんのところの黒猫のクロ。
やっぱり車にはねられて道路の上でぺちゃんこになってしまった。みんなかわいそうと思ったけど一人暮らしで他に身よりのない石井さんに誰も伝えることができなくて、石井さんは今もいつかクロが帰ってくると信じてる。

 他にもこの産業道路では事故でなくなって人が多いので、たくさんの幽霊を見かける。ごく普通の人のようにたたずんでいるんだけど周りの人は全然気づかないで通り過ぎる。僕だけはあの人たちが見えるようになったんだ。
 
 すごいや。ママにおしえてやらなくちゃ。

 あ。ママが来た。ママ、ママ、あのね、僕…。

 でもママは僕に気づかずにそばを通り抜け、歩道の端に花を供えると、両手を合わせて僕の名を呼び、いつまでもいつまでも泣いていた。
699名無し物書き@推敲中?:2005/07/21(木) 14:26:45
う〜ん、みんな巧いなと一瞬思うが、
よく考えると、どこかで読んだようなネタばかりだ
そんなものか
700名無し物書き@推敲中?:2005/07/21(木) 14:31:52
>>699
お前はブランド物でも読んでな
ぷぷ
701名無し物書き@推敲中?:2005/07/21(木) 14:37:10
>>699
今更他に例の無い完全なオリジナルを作るのは不可能だよ
なにかいたって既存の作品に類似するものしか出来はしない┐(´ー`)┌
702名無し物書き@推敲中?:2005/07/21(木) 15:01:33
>>699
お前もブランド物でも読んでな
ぷぷぷ
703名無し物書き@推敲中?:2005/07/21(木) 17:23:29
たった20行だと類似性が際だっちゃうんだよね
ショートショートの難しさかな
704名無し物書き@推敲中?:2005/07/21(木) 23:15:11
>>698
正直、途中でオチ分かっちゃったけど読みやすかったよ
たまに途中で読むの嫌になっちゃうのあるしね
そういう意味でもショートショートは好き
705名無し物書き@推敲中?:2005/07/22(金) 01:11:15
>>698
冗談抜きで最初の一行で落ちがわかったけど
話しの構成が上手いんで飽きずに読めた。
もうひとつ読者を騙す工夫がほしいところだけど
ショートでは無理かな
706名無し物書き@推敲中?:2005/07/22(金) 04:07:22
さっき、2万4千円のヘッドホンが突然壊れた。
音楽を大音量で聴き過ぎたせいか、いきなりプチッと音が出なくなった。
俺はムカついて思わずわざとテレビを床に落とした。
ズドンとテレビが床に落ちた振動を感じて俺はふと我に返った。
何やってんだ俺は。
このテレビは15万もしたじゃないか。
たまたま落とした場所には布団が敷いてあって 落ちた振動は多少あったが落ちた音は全くしなかった。
たぶん壊れていないだろうと思いながらテレビの電源を入れてみた。
映像は普通に映るのだが、音が全く出なくなっていた。
最悪だ。
15万円のテレビまで壊れてしまった。
それにしても今日は外が不思議なくらいに静かだ・・・
気晴らしにちょっと散歩にでも行ってみようかなぁ。
707名無し物書き@推敲中?:2005/07/22(金) 06:14:28
>>706
普通に上手い
708名無し物書き@推敲中?:2005/07/22(金) 06:40:17
「20行以内のショートショートを作れ!」か。
ざっと見通してみると、どうやら初めて書いた人もいるようだ。

おもしろい。
笑わせるものもあれば、意表をつくものもある。
世の中大事なのは、学歴だ、年収だ、と皆は言う。
しかし、大事なのはそれだけではないはずだ。
やはり人間には「娯楽」が無ければならない。

現代の代表的な娯楽といえば、サッカーだろうか。
何十人もの選手やスタッフを集め、数億円の費用をかけて、やっと娯楽を生み出す。
そこを、たった20行の文字の羅列だけで他人を一喜一憂させてしまう。
それはとても高尚な事ではないだろうか。

つまり、ここでショートショートを完成させて他人を一喜一憂させる事は、
人間としての大きな一歩につながるに違いない。

よし、俺も頑張っておもしろいショートショートを作るぞ!


期末テスト開始まで、残り4時間。
709名無し物書き@推敲中?:2005/07/22(金) 08:25:50
ファミリーレストランの待合に、男たちはいる。
一人が、「ヨン」とだけ書いて、筆を置いた。
やがてやって来た店員は、何の気負いもなく、声をかけた。
「2名でお待ちの、ヨン様――」
誰だ。
誰だ、それは。
二人の男たちは、たまらず吹き出していた。

「奥の席で、よろしいですか?」
店員が、言った。
「オフコース」
笑顔で答えた。

今度は、店員が吹き出す番であった。
710名無し物書き@推敲中?:2005/07/22(金) 11:49:17
>>708
アイデアは凄くいい
ただ、無駄に改行(余白)が多いせいか、それとも気のせいか
とにかく21行書いてあるように見える
ネタが「20行以内の〜」だけに、矛盾しているようで惜しい

>>709
これもアイデアは凄くいい
ただ「吹き出す」という表現を安易に使わず
おかしさを醸し出している別の書き方ができたらもっと良くなると思うよ
711ビラル:2005/07/22(金) 13:11:40
>>706
コピペ
上手いけど
712名無し物書き@推敲中?:2005/07/22(金) 14:49:47
「落ちる」

足を踏み出す。
その一歩先に地面はない。
踏みしめるべき硬い地面はない。
虚空へと身を投げ出した。
私は思う。
落下するのだ。
地の底へ落下するのだ。
私はぎゅっと眼をつぶった。
永遠に落ちるのだ、そう思った。

ところ変わってニュースを見る僕。
夢をかなえた人もいるんだなあ、と思いながら……。

特に感動もしない様子でレポーターが言った。
「日本人宇宙飛行士の稗田さんが軌道上で、
宇宙遊泳をする姿をごらんいただきました」

―――――――――
以上です。しかし、SSは難しいですね。
713名無し物書き@推敲中?:2005/07/22(金) 14:50:25
以前にマクドナルドでバイトの女の子に対して通常とは逆の順番で注文したら
どうなるか試したという書き込みがあった。

つまり、「店内で、バニラシェークのMサイズと、マスタードソースのナゲットと
ポテトのSサイズとチーズバーガー下さい」という風に。

レジの女の子はすっかり頭が混乱してしまって、何度も注文を聞き返し、おまけに
最後に「店内でお召し上がりですか」と聞いたそうだ。

面白い。そこで、サブウェイでも同じことをしたらどうなるか、試してみた。

「店内で、ペプシコーラのMサイズと、あと、レギュラー調味料を入れて、野菜を
 全部とピクルス多めにして、Mサイズのハニーウィートにはさんだサブウェイ
 クラブをお願いします。」

バイトの女の子は顔を挙げて言った。「あいかわらずの性格ね。」

別れた彼女だった。
714ビラル:2005/07/22(金) 15:41:51
>>713
GJ!
715名無し物書き@推敲中?:2005/07/22(金) 15:53:58
>>714
誰よ、おまえ
716名無し物書き@推敲中?:2005/07/22(金) 18:19:55
>>712
場面転換に「ところ変わって」という表現はいただけない
書き出しやオチは結構イイと思うので
そこを上手に書けてたらもっといい作品になると思う

>>713
なかなか笑えた
普通、店に入った瞬間気づくんじゃないか? と思わないでもない
(ファーストフードだったら特に)が、よほどメニューを言うこと
に神経集中していたんだろうと好意的に解釈
717名無し物書き@推敲中?:2005/07/22(金) 19:01:53
 ラビが死んで、少ししたら、暖かくなるのを待たずにリラが死んだ。私は受験に落ちたことで頭がいっぱいだった。うさぎは鳴かない。ラビが死んでも、リラは鳴かなかった。黙って死んだ。
 うさぎとは、最初の一年を過ぎると、ほぼ無関係だった。婆ちゃんだけが毎日餌をやり、水を換え、二羽を見送り、私が気付けば、いつのまにかうさぎ小屋は空だった。婆ちゃんは心なしか元気がなかった。それでも私の生活は変わらない。桜が散り始める頃、私は東京に発った。
 家の様子も、庭の草木の成長もみえない。私の知らない所で、黙って茂っていた。
 ある日、家からメールが届いた。瓜の写真が貼ってあった。植えてないのに生えてきたらしい。うさぎが9年間過ごした土から、植えてもないのに、生えてきたそうだ。黙って生えていた瓜は、うさぎからの贈り物。なんにもしてやらなかったのに、黙って瓜だけ置いてった。
718名無し物書き@推敲中?:2005/07/22(金) 21:50:44
717です。
20行と20文を勘違いした上、略し忘れました。本当に失礼しました。逝ってきますorz
719名無し物書き@推敲中?:2005/07/23(土) 02:34:47
「陸上部」

何度走らされたのだろう。
何度走ったとしても結局は叱られる運命なら始めから走らなければいい。
彼らののしごきは日に日にハードになってくる。
こんなことをするために俺は陸上部にいるんじゃない。
こんなことばかりして本当に国体になんて行けるのだろうか?
いやいけるはずがない。
こんなのは真のスポーツマンのやることじゃない。
早く引退してくれ。頼む。
俺をこんなにまでこき使いたいなら専属執事にでもして平均サラリーマン以上の年収を支給してからにしろ。
心ではそう思っていても行動に出せない自分を呪う毎日。そして走りつづける今の俺。
「遅せえよ!高杉」
遠くであいつらの声が聞こえる。
「すみません。」
何度この台詞言ったっけ。頭の中でベロを出してる自分を想像しながら言えてしまう。
「早くしろ!」
また遠くであいつらの声が聞こえる。今度こそ。今度こそあいつらの目の前で一言いってやる。
そして俺は胸に抱えこんでいる缶ジュースの束を思いっきり地面に叩きつけて言ってやったさ。
「勘違いするな!いいかげんにしろ!俺は!俺はおまえらの顧問だぞ!」







720名無し物書き@推敲中?:2005/07/23(土) 02:42:23
脳天に、強い衝撃が加わった。
私は視力を失った。
瞬時に目の前が白くぼやけだす。
周囲から笑い声が聞こえる。
視力を失った私の、滑稽な挙動をあざ笑う声が。
私を哀れむ声は一つもない。

また、脳天に衝撃が加わった。
私を殴ったその男は、さらに罵倒を浴びせかけてくる。
笑い声は止まない。より一層大きくなる。
私は地に膝を付き、這いずり回った。
耳をつんざくような笑い声。
真っ白な世界に、笑い声と罵倒の声だけが響き渡る。
(もういい・・・もういいだろう!?)
私は、周囲の声に負けぬよう、大きな声で叫んだ!

「メガネメガネ。」
721名無し物書き@推敲中?:2005/07/23(土) 13:56:17
結婚の報告をしようと部長のいる場所へ向かっていると、
脇の通路から同僚の山田が出てきた。
「あれ、山田。どこ行くの?」
「いや、今度結婚することになったんで、部長に報告しようと思ってさ」
「マジ?俺も今度結婚するんだよ。俺もいま報告に行こうと思ってたトコなんだ。じゃ、一緒に行くか」

「失礼します」
部長はいつものように、椅子に座ったまま俺たちを出迎えた。
「おう、どうした二人そろって?」
「お話があるんですが、ちょっといいですか?」
「いいけど、どうした?」
「実は今度… 僕 た ち、 結 婚 し ま す ! 」
「……」

「幸せにな!」

部長の目は優しかった。
722名無し物書き@推敲中?:2005/07/23(土) 15:26:26
>>721
テラワロス。うっかり吹いたw
723名無し物書き@推敲中?:2005/07/23(土) 17:03:23
>>719
先生ファイト!

>>720
キー坊酷いよ!

>>721
誤解が招く2人の今後にも期待!
724名無し物書き@推敲中?:2005/07/23(土) 17:14:47
こぴぺ
725名無し物書き@推敲中?:2005/07/23(土) 18:36:03
>>720
最後の一行でワロタw

>>721
不覚にもワロタ
726名無し物書き@推敲中?:2005/07/24(日) 05:06:58
コピペ改変ものもいいかもね。709はおもしろかった。
727名無し物書き@推敲中?:2005/07/25(月) 04:56:38
『迷路のどこかに金塊10kg!!』

「なぜだ! 一万人もの挑戦者がどうして十メートル四方のこんな小さな迷路から誰一人として脱出できないんだ!?」
 冷たいコンクリート壁を掻き毟りながら、挑戦者の男があえぐように叫ぶ。
 彼にすがるようにからだを密着させた隣の女が男の耳元で囁くように答える。
「…こんな小さな迷路に一万人も入ってるからよ」
728ただの名無し:2005/07/25(月) 12:15:50
「狂気のキッス」
手の上なら 尊敬のキッス
ひたいの上なら 友情のキッス
ほおの上なら 好意のキッス
くちびるならば 愛のキッス 
閉じたまぶたは あこがれのキッス
てのひらならば お願いのキッス
腕首ならば 欲望のキッス
さて そのほかは
みんな狂気のさたである
     
ご心配なく、十九世紀の話だ。さもないと昨今の恋人はみんな狂人になるからねぇ。
729ただの名無し:2005/07/25(月) 12:29:04
ある男、町を歩いていると少年に呼び止められた。
「おじさん、今千円札落としませんでしたか?」
「わしがかい?」
男はちょっとポケットを探っていたが。
「ああ、落としたようだ。坊や、拾ってくれたのかい?」
「いいえ」
少年は手帳を開いて、なにか書いていたが「今僕たち、この町に何人
ウソつきいるか調査してるんです」
730ただの名無し:2005/07/25(月) 12:38:48
¥かねもうけ

「おい、金もうけの法教えてやろうか」
「うん、頼むよ」
「けどナ、絶対もうかるんだから、タダじゃだめだ千円くらいは出せよ」
「ほんとなら安いもんだぜ」
と金を出すと、耳もとに口を寄せて
「おれと同じことをやればいい」
731ただの名無し:2005/07/25(月) 12:55:32
「菓子よりめし」

「王様に気に入られるヒケツは?」ある日、王様の家来たちが大臣に聞いた。
すると大臣ちょっととぼけて、
「おまいら、めしは食うかい?」
「当たり前だ、毎日食うよ」
「味はどうだ」
「べつにどうということもないさ」
「菓子はどうだ」
「菓子はうまいさ」
「じゃ、めしやめて毎日菓子食え」
「じょうだんいうな。あきるぞ」
「そこだよ。おまいらは王に菓子ばかり食わせたがる。わしはめしを食わせるのだ」
732ただの名無し:2005/07/25(月) 13:14:38
「なせばなる」

 S社長は社員一同を集めて訓辞をたれた。
テーマは「なせばなる」である。社長は「勇敢な決意をもって実行し、明日を
待ってはならない」と結論した。社長の熱弁は深い感動を与えたようであった。
なぜならば、その日のうちに会計係は会社の金を持ち逃げし。
美人秘書は若い社員と駆け落ちし。
工場では労働組合が誕生して、たちまちストライキが宣言された。
733ただの名無し:2005/07/25(月) 13:29:04
「医者がすき」

<小学生と先生の会話>
「わたし、白衣の天使になるの」
「そう、ナイチンゲールのような、りっぱな看護婦さんになりたいんだね」
「ナイチンゲールって、ナニ?」
「うん。知らないの?白衣の天使よ」
「知らない。私はお医者さんのお嫁さんになりたいの」
734名無し物書き@推敲中?:2005/07/25(月) 15:04:39
>>728-733で、

>>729>>732にワロタw

>>733も上手いなw
735ただの名無し:2005/07/25(月) 15:12:13
○再会

ハンニバルは南から、ハスドルバルは北から攻め込んだ。
「兄さん、ローマで再会しましょう。」「ああ、よかろう」
二人は南北から攻め勝利の日に再会する約束をかわした。
しかし、ハスドルバルの軍は破れ、大将の首は斬られてハンニバルの陣営に投げ込まれた。
ハンニバルはそれを見て
「フム、たしかにローマで再会はしたけれど」と、つぶやいた。
736ただの名無し:2005/07/25(月) 15:27:34
○江戸

やぶ医者、急病とて急がわしく出て行く途中に、となりの子供を足で蹴飛ばす。
子供の親飛んで出て、
「この医者殿、いかな急用だとて人の子を蹴飛ばすということがあるものか」
といきり立ち、大いざこざとなる。
役人なかに入り、
「まぁまぁ足でけられたが幸い。この医者の、手にかかったら命があぶない・・・」
737ただの名無し:2005/07/25(月) 15:47:15
○コナン・ドイル

パリのタクシーの運転手が紳士を駅からホテルまで乗せていった。
紳士がチップを渡すと、「ありがとうございます。ドイルさん」
びっくりしたドイルが、「おや、どうしてぼくの名がわかった?」
とたずねると、運転手「なんでもありません。まず、あなたがニースからパリへ見えることを新聞で読みました。
一見してあなたはイギリス人だし、髪型はニースの床屋の刈り方だし・・・まぁ、それでわかりました。」
「へぇ、すごい推理力だ。で、ほかにまだ証拠は?」
運転手はこともなげにいった「ありますとも。スーツケースに名札がついてありました」
738ただの名無し:2005/07/25(月) 15:59:25
○きみが狂人だ

医者が真夜中に電話で起こされた。
電話のぬしは、妻が気が狂ったらしいので診察に来てほしいという。
しかも、その妻は自分は気がたしかで夫の方が狂ってると叫んでいるというのだ。
医者は電話機に向かってどなった。
「この真夜中にこいって?おそらく奥さんの意見のほうが正しいだろう。君が狂ってるんだ」
739ただの名無し:2005/07/25(月) 16:15:04
○もう20年

これは中年になったある男のエピソード。
若いピチピチした娘を見てため息まじりにつぶやいた。
「あぁ、もう20年としを取っていたならばなぁ」
これを聞いた友人驚いて、
「えっ、20年若かったらじゃないのかい?」
すると、往年のプレイボーイは首を振って、
「いや、20年としを取っていたら、こんなに胸をときめかす必要もない」
そんなもんかもしれませんな。
740ただの名無し:2005/07/25(月) 16:40:26
○ピカソ

あるときピカソの家にドロボウが入った。ピカソはやってきた警官に「こんな顔の男だった」といってデッサンを画いて渡した。
しばらくして警官が捕らえてきたのは、ほうきと欠けた西洋皿、それに三角定規だった。
741名無し物書き@推敲中?:2005/07/25(月) 19:37:18
どっかで見た気がするのが…
742名無し物書き@推敲中?:2005/07/25(月) 20:03:30
 ☆ チン

        ☆ チン  〃  ∧_∧  
          ヽ ___\(\・∀・)<ショートショートマダー?
             \_/⊂ ⊂_)_
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
        |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :|
        |           .|/
743名無し物書き@推敲中?:2005/07/25(月) 23:49:17
ある木曜日の話。

「その斧、向こうの店ではもうちょっと安く売ってたよ?
まけてくれないなら、向こうの店に行っちゃおうかなあ」

「わ、分かりましたよ。じゃあ、向こうの店より、1ドルお安くします」

「え、ほんと?言ってみるもんだなあ。でも、ちょっと待ってて。
もう一度向こうの店に行って、同じこと言ってみるから」

「え、え、あの」

「戻ってくるまで売らないでね〜」



斧ぐらい、スッと買ってよジェイソン。
744名無し物書き@推敲中?:2005/07/26(火) 11:25:14
>>743
オチがそれか。ワロタwww
745名無し物書き@推敲中?:2005/07/26(火) 20:46:45
>>743

俺もワロタwww
746名無し物書き@推敲中?:2005/07/27(水) 02:40:23
部屋の隅で、律子は唇を震わせていた。
「あの大家、とんだ物件をつかませてくれたもんだわ。なーにが『南向きで景色も最高、こんないい所もう当分出てきません』よ……」
出てきたのだ。幽霊が。毎晩律子が寝静まった頃に、どこからともなくやってきて、部屋を徘徊したり、顔を近づけてきたり。
大声で歌いだしたり、とにかくやりたい放題。満足したら、いつの間にか消えていく。
律子は霊感が強い方で、幽霊系のものには慣れっこだったが、ここまで図々しく、ウザイ奴は初めてだった。
律子には住み始めた当初から同棲している男がいるのだが、彼にはそういうのを見る力が全くないようで、
その幽霊がいくら騒ごうと全く気づかず、目を覚ますことは無かった。

幽霊の行動は更にエスカレートした。ある晩、熟睡中の彼女の背後から忍び寄ったそいつは、あろうことか彼女の胸に手を伸ばしてきた。
「もう……寝かせてよ……」気づいて目を覚ました律子は、その手が同棲中の彼のものだと思い込み、
まんざらでもない様子で身体を反転させた。
そこにあったのは、あのブサイクな幽霊のニヤケ顔。「キャアアアアアアアア!!」

翌朝、律子はたまりかねた様子で
「私、あんなのが居座ってる部屋にはもう住めない。あなたは何にも気づかないからいいだろうけど、私はもうこりごりよ。
大家に部屋を換えてもらうように言ってくるわ」
男にそう言い、分厚い窓をすり抜けて外に出ると、雲の上のほうに飛び立っていった。


男はいつも通り、一人ぼっちの朝食を済ませ、一人ぼっちの部屋を出て会社に向かった。
747名無し物書き@推敲中?:2005/07/27(水) 20:33:54
部屋の隅で
までよんだ
748名無し物書き@推敲中?:2005/07/27(水) 21:12:50
746 名前

までよんだ
749名無し物書き@推敲中?:2005/07/27(水) 23:27:39
>>ただの名無しさん

うまいなあ。昔リーダーズ・ダイジェストに載ってたショートジョークみたい。
750名無し物書き@推敲中?:2005/07/27(水) 23:30:00
>>737

野暮を承知で突っ込んでおくと、コナン・ドイルで姓。名はアーサー。
文庫目録なんかも「ドイル」とか出てるけどね。
751名無し物書き@推敲中?:2005/07/28(木) 02:29:14
…死ぬ夢だった。
「朝から嫌な気分にさせてくれるな…」
そう思いながら昨日買ってきていた缶コーヒーを飲む。
支度を済まし、出勤する。
行きの電車の中はいつも憂鬱になる。
いつも通りにつまらない仕事をこなし、帰りに同僚の誘いをいつも通りに断る。
「俺は何のために生きてるんだろう」
帰りの電車の中はいつも憂鬱になる。
カーブに差し掛かったとき、運悪く脱線。そして車体は転倒。
周りの乗客の叫び声が遠のいていく。

「俺の人生ってつまらないものだったなぁ…」

…死ぬ夢だった。
「朝から嫌な気分にさせてくれるなぁ…」
そう思いながら昨日買ってきていた缶コーヒーを飲む。


…。(・ω・`)
752名無し物書き@推敲中?:2005/07/28(木) 07:55:17
「睡眠欲求」

眠らなきゃ、眠らなきゃ。
俺は最近仕事で忙しくて寝る時間がなく、ずっと寝不足のままなのだ。
明日も朝早くから会議がある。そのためにも早く寝る必要があった。
眠らなきゃ、眠らなきゃ。
しかしそう思えば思うほど眠れなくなるのが人間というものなのだ。
それにしても今日はおかしい。これだけ眠いのにも関わらず一向に眠れない。
こんなにぼーっとしてきているというのに。
それに気づいてみれば俺は空を飛んでいるようだ。しかもこないだ別れたはずの彼女も一緒に飛んでいる。
向こうには少年時代の友人たちが見える。彼らは当時の姿のままだ。これではまるで夢のようではないか。
ああ、早く眠らなきゃ、眠らなきゃ。
753名無し物書き@推敲中?:2005/07/28(木) 07:57:34
2台の自動車がフリーウェイで正面衝突した。2台とも大破したが、どちらの運転手も無事だった。
先に車から這いだした老紳士が他方の車に駆け寄り、運転していた中年の男を助け出してから柔らかい物腰で言った。
「お怪我はありませんかな?」
男は、相手の意外なほどに紳士的な態度に驚き、丁寧に答えた。
「ええ。あなたは?」
「私も無事です。こんな事故なのにお互いに怪我一つしないなんて、奇蹟としか言えませんな」
そう言うと老紳士は、内ポケットから小瓶を取り出して男に差し出した。
「こんなときは気を落ち着けるのが一番ですぞ」
「おお、これはありがたい」
男は小瓶を受け取り、中身のウイスキーを半分ほど飲み干した。
「さあ、あなたも」
男が返した小瓶を受け取ると、老紳士は小瓶の蓋を閉めて内ポケットにしまい、皺だらけの顔に微笑みをたたえて言った。

「私は警察の事故処理が終わってからゆっくりと」
754名無し物書き@推敲中?:2005/07/28(木) 11:21:20
>>753
上手いな。ニヤリとした。
755名無し物書き@推敲中?:2005/07/28(木) 14:45:26
>>753
ハンパねー
756名無し物書き@推敲中?:2005/07/28(木) 16:41:02
コピペだけどね
757名無し物書き@推敲中?:2005/07/28(木) 17:29:16
>>756
コピペかも知れないけどソースだしてくれよ
最近オリジナルのものであっても、とにかくコピペコピペいう奴が増えてるからな
夏厨大杉
758名無し物書き@推敲中?:2005/07/28(木) 19:10:25
>>757
おそらくこのスレで見つけたのではないかと(この時点で既にコピペなんだがw)
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1118726378/l50

>>756は本当のことを書いてるのに夏厨呼ばわりされて気の毒なので助け船
>>757は啖呵きった以上、きちんと詫びたほうがいいと思うよ
759名無し物書き@推敲中?:2005/07/28(木) 23:23:36
ぶっちゃけ、コピペのやつのがおもろい。
つか、コピペっても元は創作でしょ?

本人が貼ってるかどうか知らんが。


>>757 ハズカシスwww
760名無し物書き@推敲中?:2005/07/28(木) 23:47:54
謝るもなにも、コピペというならソースを出すくらいしなければ
適当に書いてると思われて当然だよ。とりあえずコピペと書いておけばいいくらいの
頻度で使われてるからな
761名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 04:59:57
>>759
おもしろいからコピペになってるんじゃない?

>>760
コピペって言われてんのは大体本当だよ。
762名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 07:21:36
>>761
>おもしろいからコピペになってるんじゃない?

そういうことが言いたいんじゃない。
アホか。
半年ROMれ。
763名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 08:26:05
>>761
俺のよく行く板ではオリジナルにコピペと言う奴がわいて荒れまくってたけどな
レスの流れで本人の創作にほぼ間違いなかったし、そいつソースも出さないんで
叩かれてたけど…
だいたい、もしそれがオリジナルで適当に書いてるだけだったら作者に失礼だろ
764名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 12:12:53
>>756は間違っていなかったのに偉そうに夏厨認定して
その後逆ギレまでしてしまっている>>757は相当カコワルイ……
765名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 12:20:42
ソースを出さないということは
真っ当な感想と受け取ってもいいわけで

自分の作品に「コピペ」とレスを受けて
「レベルが高い」と受け取る作者もいれば
「よく見るネタ」と受け取る作者もいる。

色んな受け取り方や評価の方法があっていいと思う。


って岡本太郎も言ってたぞ。
766名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 13:56:21
>>765
一見、上手いこと言ってるようで、

実はすごい的外れなレスw
767名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 14:25:27
>>764
756を夏厨認定なんてしてないだろ。757では「コピペかもしれないけど」
といってるじゃないか…
「夏厨大杉」ってのは756に対してではなくコピペと騒ぐ香具師全員にいってるんだよ
そもそも756だって、たまたまコピペってのが当たってただけかもしれないじゃないか
まあ、疑われたくないならソースくらいだそうなってこと
768名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 14:27:52
>>765
最初は気分いいかもしれないけど、盗作と言われてるようなもんだろ
769名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 15:58:57
おもちろいショートショートマダー?
770名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 16:22:55
どうでもいいけど、>>757=>>767だろ?
(・∀・)ニヤニヤ
771757:2005/07/29(金) 16:35:11
>>770
別に自演したわけじゃないけどな
772名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 18:55:33
「戻らない」
 7つの頃に、ヨーヨーを買ってもらった。
軽く力を放つように掌を裏返せば落ちていく。
僕はヨーヨーが足元で跳ね返ってくるこの感触が堪らなく好きだった。
 僕がヨーヨーに魅せられて数十ヵ月後、世界中でヨーヨーブームが起きた。
スーパーヨーヨー、というヨーヨーだった。
どこが凄いんだろう、デザインだけなんじゃないのかな?
なんて雑念とお気に入りのヨーヨーを手に、オモチャ屋へ足を運んだ。
店先には僕位の子供から、高校生のお兄さん達もひっくるめて、一人の人間を取り囲んでいた。
頭にバンダナを巻いて、ノンスリーブにジーパンというラフな格好のその人は、確かにヨーヨーを掌に収めていた。
 スーパーヨーヨーが巷で騒がれているのには、理由があった。
僕はなんという技なのかは知らなかったけれど、振り下ろす力を強めにすることで、
スーパーヨーヨー本体に内蔵された機械が動作して激しく空回りする技があるのだ。
僕のヨーヨーにはそんな機能はないし、ただ振り下ろすのが楽しかった。
スーパーヨーヨーはその技を基調に技を作るらしく、当時の僕はそれのどこが楽しいのかと
憤慨した覚えがある。
戻らないヨーヨーなど、一刹那を楽しむことが出来ないのと同義だから。
僕のヨーヨーは、まだ机上に飾ってある。
773772:2005/07/29(金) 18:57:15
構成力が皆無なのは解かってます。
んー、マインスリーパ?
あれなんかに、ヨーヨーを本当に楽しむ要素はないみたいな事が言いたかっただけです。
774名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 21:33:16
起承転結をきっちり二十行に納めてショートショート。
>>772はただのコラム
775名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 21:39:06
>>774
はいはい、自演乙
776名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 21:45:27
>>775
いちど
じえん
のいみを
しらべて
ごらん
777名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 23:04:46
【49日より先へ】

人は死ぬと、あの世からの迎えが来て、望むと望まぬとに関わらず次の生への切符を得る。
私は死して大分年月の経った坊主だが、まだ切符を手にしていない。
死して後の49日の発行期間はとうに過ぎたのに、まだ次の生への切符はない。
生前の行いによって必ず次の生にゆくはずなのに、この私の扱いはどうなのだろう?
怒りさえ通り越えてつらつら考えていたら、視界に誰かが入り込んだ。
背に白い鳥の羽根を生やした、誠実そうな美しい女性だ。
「お待たせしてすみません、準備が出来ました」
声も澄み切って美しい、現金にも私は怒りを収めて返事をする。
「いえいえ、来ていただけたなら良かったです。私の次の生はいずれになりますか?」
…何故だろう。
これは当然の問いのはずなのに、女性は首をかしげた。
「何を仰います。準備出来たのは貴方様の特別室で、先達様方が皆お待ちなのですよ」
「え?何故特別室へ?」
「六道輪廻を超越なさった貴方様は特別な方ですから当然ですよ、ゴーダマ・シッダルタ様」
778名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 23:16:29
面白く・無い
779名無し物書き@推敲中?:2005/07/29(金) 23:25:24
最後が閻魔様とか神様とか…やっぱり面白くないか。盛り上げがそこそこ巧かっただけに残念('A`)
780名無し物書き@推敲中?:2005/07/30(土) 05:21:55
「ワトソン君!」
「どうしたんだホームズ君。そんなに慌てて。」
「大発見だよ!これを見てくれ!」
「ふむ、上物のステッキだね、これがどうかしたのかい?」
「このステッキはね、とある事件の犯人の愛用品なんだ。」
「ほう!興味深いね。」
「だろう。これからこのステッキの持ち主を推理してみようと思うんだ。君も協力してくれるね?」
「勿論だとも。」
「恩にきるよ。ではまず老人になったつもりで、ステッキを両手で持って立ってみてくれ。」
「こうかい?」
「体重をステッキに預けるように・・いいね。次は、そのステッキを後ろ手に持って、同じように体重を乗せて立ってみてくれ。」
「難しいな。こうかい?」
「いいね。そしてそのままの体勢でお辞儀を何度もしてみてくれ。」
「こうかい?」
「かぃーの、かぃーの。」
781名無し物書き@推敲中?:2005/07/30(土) 11:52:47
>>780
ショートショートの文章としてはどうかと思うが
ホームズ&ワトソンと寛平師匠のギャグという
ありえないコラボを実現させた荒技は高く評価
782780:2005/07/30(土) 12:46:50
一睡してから見直してみると、
もはやショートコントであると気付いてしまった。
783名無し物書き@推敲中?:2005/07/30(土) 17:53:33
>>782
そうだね、ショートコントだね。

でも笑わせて貰った
784名無し物書き@推敲中?:2005/07/30(土) 17:59:51
「かぃーの」
なんて間抜けな日本語w
785名無し物書き@推敲中?:2005/07/30(土) 22:57:08
今日モーニング食べに喫茶店行ったんだけど
すげーパンチパーマに金のネックレスした強面のオッサンが隣のテーブルに!
その客から注文を受け、ウエイターが厨房に向かって大声で言った
「ヤーサンにコーヒー!!」
店内の客全員シーンとなり、重苦しい雰囲気に。
俺もアイスコーヒーを一気に飲み干し、席を立とうとしたその時
ウエイターが野菜サンドとコーヒーをオッサンのテーブルへ・・・_| ̄|○
786名無し物書き@推敲中?:2005/07/30(土) 23:52:15
つまらん
787名無し物書き@推敲中?:2005/07/31(日) 00:53:01
【狂気】
この狭い世界で希望はどこにあるの?
光は?夢は?奇跡はどこにあるの?
あなたは言うわ、「この世界は希望に溢れている」と。
でもそれは嘘。私には希望など無い。
光も。夢も。奇跡など起きるはずも無い。
この世界は虚無。闇。絶望。ただそれだけ。
でも、あなたは信じられる。
あなたは。あなただけは。私を裏切らないよね?
・・・、………。
そうよね、確かにそうよ、あなたの言うとおりだわ。
結局…、あなたも私を裏切るのね。
違う?何が違うって言うのよ。
え?何?よく聞こえないんだけど。助けて?何を助けるのよ。
私を助けてくれないあなたを、私がなぜ助けなければいけないの?
へぇ、何でもする?そう、それじゃあ私とひとつになってくれる?
・・・。ありがとう、やっぱりあなたを信じてよかった。
でも、もうあなたはいない。あなたは私、私はあなた、でも私は、私…。
ふふっ、そうね、もうどうでもいいかもしれない。あなたは私、私はあなた…。
あなた。わたし。わたし?あなた?あなたはわたしでわたしはあなた?ふふっ、あは、あははははは・・・・
私に本当の希望を与えてくれるのは…あなたですか?


こういうの書くの初挑戦なんで、変なとこばっかりですが。
楽しんでいただければ幸いです。
788名無し物書き@推敲中?:2005/07/31(日) 01:23:17
>>787
緊張と緩和が、ショートショートの基本的な作り方。
緊張させっぱなしだと楽しみ難いな。
オチが欲しかった。
またよろ。
789名無し物書き@推敲中?:2005/07/31(日) 02:05:04
Aは鏡の前に立ち、ニッコリ笑った。鏡の中のAはニッコリ笑った。
左手人指し指を軽く鏡にあてると、もう一人のAは右手薬指を鏡にあてた。
「なんで…?」
Aは、鏡から指を離し 軽くジャンプした。
目の錯覚ということもある。大きな動きで確かめたかった。
向こう側のAは少し遅れてから飛びはねた。
「イヤ…どうして……」
あとずさりするA。Aは歩み寄ってくる。
「やめて!!!!」
Aの声が部屋に響いた。
次の瞬間、鏡の中のAの体が みるみる内に細くなっていく。
向こう側のAの顔が みるみる美しくなっていく。
「…戻った」
Aは150kgはあろうかという巨体を揺らしながら醜い顔で笑った。
「…戻った」
鏡の中のAは美しい声で呟いた。
790名無し物書き@推敲中?:2005/07/31(日) 02:50:44
>>789
一人称で書いたほうがよくない?
やりたいことは分かるけど、
いまいち伝わってこない
791名無し物書き@推敲中?:2005/07/31(日) 09:12:47
中学の時、英語の辞書忘れたから隣の女子のを共同で使わせてもらった。
家も近所だし気さくで話しやすいやつだったもんで、
彼女が見てない隙に、ふざけてその辞書の「vagina」の項を○で囲んでやった。
…あれから10年以上が経ち、そんな事ずっと忘れてた。
盆休みで実家に帰省して仕事の整理をしてた時の事。
英語の辞書が必要になって、中学時代のを探し出して使った。
そしたら憶えの無い落書きをみつけた。
「penis」が○で囲んであって余白に「お返しだバーカ昼休みに図書室で待つ」と書いてある。
それで思い出した。
あの時あたりからだったか、彼女は昼休みになると真っ先に教室から出て行くようになった。
俺は「何委員だか知らないけど忙しいんだなぁ」なんて思ってた。
中学最後の昼休みも、彼女は教室にいなかったっけ…。
で、嫁にそれ見せたら顔真っ赤にして「今頃みつけるな!」だって。
792名無し物書き@推敲中?:2005/07/31(日) 09:57:47
俺はいつものようにWinMXを立ち上げ、キューが入ってくるのをまっていた。
起動から25秒。
早くも最初のキューが入る。
相手の持ち物を参照し、同サイズのものをリクする。
一切のIMは無く、無言の交換が始まる。
そのまま時が過ぎ、交換が終わる。
なんら変わりない、普段のままの行動。
そしていつもようにティムポを取り出し落としたてのエロ動画の再生を開始する。

─────なんだこの感覚は?
そう・・こう感覚は・・・・「なつかしい」
そうだ。俺はこの動画を昔見たことがある。
それも最近の話じゃない。
遠い昔・・まだリアル工房だった時の話だ。
俺は本屋でなけなしの小遣いをはたき、エロCD-ROMのついた雑誌を買っていた。
当時まだCD-ROM付きの雑誌などすくなく、安い物でも2000円していた。
ただエロ動画が見たい、その一心でなけなしの小遣いをはたき、
エロCD付き雑誌を買っていた。
愛機PC-9821XSのWindows3.1にVideo for Windowsを入れて見ていた動画・・・。
そう、落とした動画はあの時ツボにはまって抜きに抜きまくっていた動画だった。

「またこの動画に出逢えるなんて・・・」

その瞬間、楽しかった高校時代の思い出がよみがえる。
活気に満ちていたあのころ・・・。
懐かしさのあまり、俺の目から自然と涙があふれた。
同時にティムポからは精液があふれていた・・・。
793名無し物書き@推敲中?:2005/07/31(日) 10:06:44
>>791
いいね。よそで見たことあるけど。

>>792
つまらないこと、このうえない。
794名無し物書き@推敲中?:2005/07/31(日) 12:14:51
>>792
いいね。
795名無し物書き@推敲中?:2005/07/31(日) 12:51:58
>>792
面白くない
コピペ貼るなら、面白いやつ貼れ。
796罧原堤 ◆SF36Mndinc :2005/07/31(日) 13:58:37
書けん、書けん、小説、書けん。だめだ。ノートに字を書く気になれない。シャーペンを持つ気になれないんだ。
万年筆はなくなったし。どっかいってんだ。そのうち見つかるだろうけど。タバコ、2箱吸った。ひげそってないし、
窓から木の柵が見えんだけど、穴がほげてて、何か虫がいる。雑草がかんなり高く成長しててな、いつのまにこんなに伸びたんだろうかって思うんだけど、
この植物が雑草じゃなくて大麻だったらどれだけ俺は幸せだろうかって考えてるんだ。そんなことばっか考えてんだけど、
やっぱフロッピーディスク入れる気にもなれんし、小説を書けない状態だ。今さ、割とかわいい女の子がドアをあけてはいってきて、パンツ脱いで、
ケツを俺のほうにむけても、とっさには何もする気になれないと思う。でも、すぐに自分の心を女の子をどうにかできる状態に整えると思うよ。自動的にそうなるみたいに。
よしっ、やったるかって。そうして自分のテンションを上げてって、まんこをなめだすと思うし、女の子を感じさせようと必死になってクリトリスを舌を回しながら舐めると思う。
十分に濡れてきたらちんぽを入れて、楽しむだろうね。でも、俺はパソコンを目の前にしてフロッピーディスクを入れられないでいる。
もし、入れたとしても、こんなむなしい状態じゃ、ろくな小説にならないってわかってんだよ、まずテンションを上げないといけないんだけど、ダメだ。ダメだね。
このまま生きてたってろくな人生じゃないよ。太陽な感じな輝く瞬間なんてないから、小説でも書いてみたらいいんだけど、まあそれも違うんじゃないかって、町に出て女の子に声をかけてるほうがいいんじゃないかって。
どうせうまくいかないだろうけどな。なにやってもどうせうまくいかないだろうって感じかな。感情的になれないんだ。好きな女とかもいないし、諦念状態なんだな。
もっかい心を奮わせられる、そんなことをしてみたいね。そろそろ軍手でも買いにでかけるけど、このままじゃダメだってことは、ほんとそうなんだ。
軍手なんか買ってる場合じゃないって。なんか思い切ったことをしてみようか。ないよなそんなこと。ないんだよな。何もないんだよ。
797名無し物書き@推敲中?:2005/07/31(日) 14:33:20
ある日、雄二の家に太郎がやってきた。
太郎は発明家で、何か出来る度に こうして雄二に見せに来るのだ。
「今度のは凄いぞ。なんと…飲むだけで透明人間になれる薬だ」
「ふむ。それはすごいじゃないか。つまり、見えなくなるわけだろ?」
「そうだ。しかし、見えなくなるだけじゃない」
説明によると、透明になっている間は全ての物体に触ることが出来ないとのこと。
つまり、犬も猫も人間も土も木も風も透明人間には関係がない。
「心のなかで"戻れ"と願えば効果は消える」
「なるほど。永遠に透明になってしまうということはないわけだ」
「そうだな…とりあえず今日は5時間後に帰ってこいよ。感想も聞きたいし」
雄二は頷き、差し出されたものを飲み干した。

「おかしいな…もう8時間はたっている。なぜ部屋に戻ってこない?」
心配になった太郎は近所を探し回ったが、雄二は見つからなかった。

一週間後。あの日から太郎は雄二の部屋で雄二の帰りを待っていた。
そして、今日ついに雄二は帰ってきた。
「雄二!!どこに行ってたんだ!?」
「……ブラジルさ。透明になったせいで床にも地面にも足がつけられずに………
地球の反対まで落ちたんだよ」
798名無し物書き@推敲中?:2005/07/31(日) 22:34:41
>>797
そこそこ面白かった。
799某サイトに投稿してスルーされたやつ:2005/07/31(日) 23:36:57
路上にて、外人と通行人の会話。
「あなたは神様を信じますか?」
「当たり前でしょう…。わたしが神です」
800名無し物書き@推敲中?:2005/07/31(日) 23:41:49
>>799
つまんねえ
801もひとつ:2005/07/31(日) 23:51:42
路上にて。
「ちょっとすいません。あなたは神を信じますか?」

(またかよ。俺って気が弱いから、こういうのについ
「まあ、困ったときの神頼み、ぐらいには信じてますが…」
とか、曖昧な返事をすると「じゃあ、もっと突っ込んだ話を
しましょう。実は今とてもためになる講演があるんですけど
一緒に行きませんか?」とか言われて強引にどこかに連れて
行かれて、人の話を全く聞こうとしないくせに能弁な奴らに
聞きたくもない話を延々と聞かされて、あげくにどうしても
仲間にならないとわかるとなんて哀れな奴だ…、という目つ
きで軽蔑されて結局時間をつぶしていやな思いをするだけな
んだな。ここはひとつきっぱりと言ってやらなきゃ…)

「いいえ、わたしは神を全く信じていません」
「そうですか!それはよかった。わたしは無神論者同盟のも
のです。歴史を振り返っても神の美名のもとに多くの戦乱や
虐殺が行われてきました。ここはひとつ無神論者同士で一致
団結しこれらの愚行をやめさなければなりません。どうでし
ょう、同じ無神論者としてもっと突っ込んだお話をしません
か。実はいまちょうどいい講演が…」
802797:2005/08/01(月) 00:41:44
>>798
ありがとうございます
どなたかアドバイスなどあったらよろしくお願いします
803名無し物書き@推敲中?:2005/08/01(月) 07:15:10
>>802そのオチは使い古されてる。文章も平凡。
804名無し物書き@推敲中?:2005/08/01(月) 14:27:54
>>802
そうですね。
起承転結は意識したのですが ありきたりなネタでしたね。
アドバイスありがとうございました。
805名無し物書き@推敲中?:2005/08/01(月) 14:28:45
すみません。
レスアンカーまちがえました。>>803へです。
806名無し物書き@推敲中?:2005/08/01(月) 21:11:04
心の傷

状況判断の難しさといったら経験をつんできた俺でも迷う。

チョロQにバッタを乗せて遊んでいたときのこと。
夏が訪れるたびに頭に浮かぶうしろめたさ。

家に入ってきたバッタをチョロQに乗せてみた。
「じっとしてろよ」
「大丈夫、俺がついてるからな」

そう言いながらバッタをかるく指で押さえながら後退させる。
手を離すと
動かない

乗せたつもりになっていたのだが地に足がついてしまい
前足がじゃまして前へ進めないのだ。

バッタの股間でチョロQが振動しつづけ昇天した。
807名無し物書き@推敲中?:2005/08/02(火) 04:28:45
『起床』

今日は遅刻ぎりぎりの時間の目覚ましが鳴る前に起きられた。
珍しく早起きが出来て少し嬉しくなって早く着替えて支度をした。
朝食が並ぶ食卓へ向かう足取りはいつもよりやたら軽かった。
宙に浮いているようだった。
並べられた朝食はいつもの位置にあるがなぜかはっきり見えない。
視界がぼやけている。
何があるのかわからない。
じっと目を凝らしていると遠くから母の怒鳴り声が聞こえてきた。
何に怒っているのかわからない。
いつになく早起きをして出かける支度もした。
怒られるはずがない。
どこか聞き慣れた不快な怒鳴り声に耳をすましても聞き取れない。
なんて言っているのかもわからない。
母の姿を探そうと周りを見渡してもぼやけていて何も見えない。
しだいにぼんやりとしていた視界もだんだん暗くなってきた。
一体いくら時間がたったのかだろうか。
視界はもう真っ暗で何も見えなくなってしまった。
急に鳴りだした目覚ましを手探りで一心不乱に止めた。
それは寝る前にセットした目覚ましだった。母は早く起きなさいと怒鳴っていた。


たまたまこのスレを見つけて、おもしろそうだから眠れない夜
を利用して書いてみました。が、難しいorz
クオリティが低すぎて申し訳ないです。
書き込む直前にスレを見返したら、似たような内容のがあって
凹んだのは秘密です。
808名無し物書き@推敲中?:2005/08/02(火) 12:13:50
>>806
オチがいまいち。
>>807
もっと読みやすくできると思う。
例えば
今日は遅刻ぎりぎりの時間の目覚ましが鳴る前に起きられた。
 ↓
今日は目覚ましが鳴る前に起きられた。
809名無し物書き@推敲中?:2005/08/02(火) 19:22:20
死んでしまった。
これが幽体離脱というやつか。
眼下に広がる、バラバラになった俺のパーツ達。こりゃ助からない。
子供を助けようとして代わりにトラックに轢かれてしまうとは、俺も要領が悪い。
・・・まぁいいさ、どうせ目的の無い人生だ。
未来ある命を救い、見返りに天国に行く。上出来じゃないか。
目の前が白くぼやけだし、意識が遠のいていく。
さて、天国って奴は一体どんな所なんだ。

気が付くと、眼前に大きな川が広がっていた。
どうやら空中から川を見下ろしているようだ。
何やら丸い物体が大量に川を流れている、しかし薄暗くてよく分からない。体も動かないようだ。
ここが天国なのか?話が違う!
天国といえば、明るくて、華やかで、上手い酒があって、美しい天使達がいて、つまりこことは正反対の場所のはずだ!
ならばここは地獄なのか?
そんな馬鹿な、俺は究極の自己犠牲をしたんだぞ。
徐々に目が慣れて、川を流れている丸い物体の正体が見えてくる、これは・・・
顔だ!人間の顔だ。大量の生首達が、所狭しと川を流れていく。

・・・なるほど、天国とはこういう事か。
810名無し物書き@推敲中?:2005/08/02(火) 22:09:53
>>809スマン、どんな意味?
811名無し物書き@推敲中?:2005/08/04(木) 01:57:03
ほしゅ
812名無し物書き@推敲中?:2005/08/06(土) 23:17:22
age
813名無し物書き@推敲中?:2005/08/08(月) 19:04:12
>810
809のこの前見た夢
814名無し物書き@推敲中?:2005/08/12(金) 03:57:34
餡子を使って、かなりふんわりしたオムライスが作れたんだけど
商品名オム・アンコ じゃ売り出せません。
どうしたらいいでしょうか。
815名無し物書き@推敲中?:2005/08/12(金) 22:08:11
ある日、ショートショートを考えようとして2時間うんうんうなっている者がいた。
ずっとギコナビのレスエディタは開いたままだ。
スレ住人は誰もこの男を笑えない。
816名無し物書き@推敲中?:2005/08/12(金) 22:54:50
笑いようがないだけだな
817名無し物書き@推敲中?:2005/08/20(土) 05:40:13
おしまい
818名無し物書き@推敲中?:2005/08/20(土) 18:49:10
せめて千まで埋めようぜ。
819名無し物書き@推敲中?:2005/08/20(土) 19:07:29
やだもん
820名無し物書き@推敲中?:2005/08/30(火) 15:42:35
>>713>>721>>791のコピペの元ネタ全部ここにあるから
暇があったらちょい見てごらん
他にも面白いの沢山あるし量も結構ある
ttp://p-o-q.net/bom/lg

でも携帯でしか見れない�
821名無し物書き@推敲中?:2005/08/30(火) 22:25:29
>>820
そういうの要りません。

閑。なり、VIPなり、サイトあるのに、
携帯サイト貼るのも分からん。
822名無し物書き@推敲中?:2005/08/30(火) 23:14:47
)))))○ ̄ー ̄)〇≡〇≡〇≡〇≡〇≡〇))*゜ロ゜)グハッ >>821
823どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/08/31(水) 04:05:45
【第2回戦】

兎「もう一回だ、この野郎!」
亀「いいですよ」
兎「今度は手を抜かねーからな」
亀「僕も本気で行きますよ」
兎「なにが本気だ、バカ野郎」
亀「今度も僕が勝たせて貰いますよ」
兎「世の中の人達はな、本当はどっちが早いか知ってんだよ!」
亀「第2回戦は……」
兎「サッサと言えよ、このノロマ野郎」
亀「水泳です」
824名無し物書き@推敲中?:2005/08/31(水) 10:30:24
>>823
シンプルイズベスト。
いなばの白兎伝説も何も、この作品の前では吹っ飛ぶな。
825どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/08/31(水) 15:48:47
【新薬・透明人間】

「おはようございます」
 そう挨拶をしながら、助手の田中が研究室のドアから入って来た。
 しかし、そこには誰もいない。電気だけが付いているだけなのだ。
 不思議そうに辺りを見回していると、耳元で突然声がした。
「おはよう、田中くん」
 研究室に響く透き通った声、イタズラそうに弾んだ博士の声だ。
 田中は一瞬驚いたが、気を取り直して聞いてみた。
 その声もやはり嬉しそうだ。
「博士、とうとう完成したんですか?」
「ああ、完成した。これまでの苦しかった日々がこれで報われるのだよ」
「おめでとうございます。私も嬉しいです」
「キミの協力があってのものだ。今日は大いに祝おうではないか」
「そうですね、そうしましょう。世界初の透明人間を祝して乾杯しましょう」
 すると声は、少々戸惑った口調に変貌した。
「何を言ってるのだね、キミは。私が研究していたのは遠隔通信装置だったでは
ないか。透明なんたらなど私は知らんぞ」
「え、でも……」
 博士の意外な返答に困惑した田中だったが、ふと見ると視線の先にあるテーブルに、
小型のスピーカーが置かれてあった。
 すると研究室のドアが開き、マイクを持った博士が満面の笑みを浮かべて現れた。
 表情は疲れてっている。真っ白に染まった髪、目の焦点は合っていない。
「驚いただろ? ついについに完成したのだよ。ハハハハ、ハハハハハハ」
826名無し物書き@推敲中?:2005/08/31(水) 15:52:46
?
ごめん、わかんないんだけど
827名無し物書き@推敲中?:2005/08/31(水) 15:57:40
>>825
俺もわからん。っつか、ここ過疎化してたんじゃなかったのね。
ちょっとほっとした。
828名無し物書き@推敲中?:2005/08/31(水) 17:05:58
512 :恋する名無しさん :2005/08/31(水) 13:11:27
ぎょう虫をくわえ


513 :恋する名無しさん :2005/08/31(水) 13:11:28
人形のようにただ犯され続けていた


514 :恋する名無しさん :2005/08/31(水) 13:11:57
一方、エアリスの瞳から既に生気は消え失せいつも人形のようにただ犯され続けていたけど、銃もナイフも凄い腕前だった


515 :恋する名無しさん :2005/08/31(水) 13:12:16
それをみた辻元清美は


516 :恋する名無しさん :2005/08/31(水) 13:12:32
人形のようにただ犯され続けていた


517 :恋する名無しさん :2005/08/31(水) 13:13:33
お、俺のキヨミが…


518 :恋する名無しさん :2005/08/31(水) 13:14:49
人形のようにただ犯され続けていた
829どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/02(金) 01:35:22
【幸せ】

「本当の幸せって、どんなものか知ってるか? 山田君」
 昼飯のざるそばを食べ終わり、ホッと一息ついていた山田は、その言葉に振り向いた。
 そこには、優しげな笑みを浮かべた田沼社長が立っていた。
「あ、社長。おはようございます」
「幸せってのはな、不幸の裏側にあるものなんだよ」
 唐突な話の切り出しに呆気にとられた山田は、相槌さえも打つ暇がなかった。
 社長は隣のイスに腰をゆっくりと下ろした。こんな事は初めてだ。
 戸惑いをみせる山田をよそに、相変わらず静かに笑みを浮かべている。
「炎天下の砂漠で飲む水は、何よりも美味いはずだ。徹夜明けの寝床は天国だろ?
監獄に10年間繋がれていた囚人が釈放されたなら、自由の素晴らしさを誰よりも
実感できるんじゃないか」
「はぁ……、そうですね」
「つまりだ」
 社長はその言葉と同時に、怒りにも似た暗い顔へと表情を一変させた。
「苦しみがなけりゃ、幸せなんてもんは無いに等しいんだ。現代人の苦悩は満たされた
豊かな社会によって、心の充足感を感じられない所から来ていると言っても過言じゃない。
人間は楽をしたいのが当然だ。しかし、楽をしてしまえば幸せは感じられないものなのだ」
 目にうっすらと涙を浮かべた社長は、悲劇のパラドックスを嘆く聖職者のようにも見える。
 山田は声を失いそうになった。
 ある不安が頭を過ぎらなければ、その唐突過ぎる説法もどきに感動していたであろう。
「結局の所、社長は何を言いたいんですか?」
「まあ……つまり。今月も、給料が遅れそうなんだ。苦しいだろうが、また頼む」 
830どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/02(金) 02:03:55
【村の過疎化】

 お爺さんは、悲しげに呟いた。
「婆さんよ、この村の過疎化を止める事はもう不可能なのじゃろうか?」
 お婆さんは、素っ気無く答えた。
「お爺さん、私はお爺さんさえいてくれれば幸せですよ」
 お爺さんは、照れくさそうに頭を掻いた。
「わしもじゃよ、婆さん。この村に誰一人いなくなっても婆さんさえいてくれれば、
わしは幸せじゃ」
 お婆さんは、ぐつぐつと煮えた小さな鍋の蓋を取り、煮物を掻き混ぜた。
 お爺さんは、その慣れた手つきを微笑ましく見つめている。
「はい、お爺さん。しっかり食べて長生きしてください」
「ありがとう、婆さん。この鍋はいつ食っても美味いからのう」
 二人はそう言うと、黙りこくりもりもりと食べだした。
 小さな鍋はすぐに空っぽになった。
「しかし、わしらも180歳まで生きられるとは思ってもみなかったのう」
「長寿の秘訣は本当だったんですね」
 お婆さんは、そう言うと歯に挟まった肉の破片を指で取り出した。
 お爺さんは、それを見ながら聞いた。
「今日の肉は誰なんじゃ?」
「今日は島田さん家の太助ですよ、ちょっと硬かったですね。お爺さん」
831名無し物書き@推敲中?:2005/09/02(金) 03:01:13
>>829
オチが読めるので、特に感動がない。

「結局の所、社長は何を言いたいんですか?」
「まあ……つまり。今月も、給料が遅れそうなんだ。苦しいだろうが、また頼む」 



「はあ、つまり、今月も給料が遅れるんですね?」
「うん」

みたく、キャラにギャップ付けて芝居掛かったほうが好み。

>>830
過疎化の原因は…ってことだろうけど、
それならお爺さんが悲しげに呟くのは矛盾してる。
矛盾してるのを分かりつつ止められない業も書いてるんかな?
そこらへんは、ちょっと分からなかった。
カニバるのはオチとしては、使い古されてるので、古さを感じる。


最近一人舞台だあね。乙です。
832どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/03(土) 02:31:34
【わたしの課長さん】

わたしの課長さんは、42歳。
わたしの課長さんは、セックスが地味だ。
わたしの課長さんは、出世コースから外れている。
わたしの課長さんは、最近抜け毛が凄い。
わたしの課長さんは、それでもわたしを愛してくれる。

わたしの課長さんは、奥さんと別れる気は無いらしい。
わたしの課長さんは、とても口下手だ。
わたしの課長さんは、一人息子を溺愛している。
わたしの課長さんは、誕生日に小さな指輪を買ってくれた。
わたしの課長さん、つまり、わたしの夫は優しい課長さんなのだ。
833名無し物書き@推敲中?:2005/09/03(土) 03:02:32
>>832
good
834どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/04(日) 00:54:03
【ランプの精】

 由美子が会社の帰りに近所の骨董屋へふらりと立ち寄ったのは、何かの思し召しがあった
のかもしれない。棚の奥に隠れていた古びたランプを見つけて思わず買ってしまった事に
何かしらの縁を感じていた。
 ランプは古びていたが、不思議な輝きを放っていた。見る者の心を落ち着かせるような
甘い香りが漂っていたのだ。今の由美子にはそれがなんとも心地良かった。2ヶ月前まで
付き合っていた二つ年下の祐二が今日の昼、後輩の福原と一緒にいたのを見てからひどい
頭痛が治まらなかったからだ。
 由美子はランプを丁寧に磨き始めた。白とベージュで統一されたシンプルな部屋の雰囲気
にはちっともそぐわない煌びやかな装飾のランプだったが、それでも大切な宝物を手に入れた
かのように熱心に磨き続けた。
 するとランプから白い煙が巻き起こり、その中から真っ青なランプの精がが現れた。
 怯える由美子に、ランプの精は静かな口調で簡潔な挨拶を済ませた。
「ご主人様、あなたの願いを叶えに参上いたしました」
「冗談でしょ?」
 由美子の言葉に、にっこりと微笑むだけでランプの精は何も説明をしようとはしなかった。
使命に対して実直な姿勢が見てとれる。ふくよかな体型とは裏腹にランプの精はそのムード
から強い意志が感じられた。
 由美子はゴクリとつばを飲み込むと、囁くように願い事を口にした。
「それじゃあ、私の願いを100回……、いえ、1万回叶えて欲しいんだけど」
「はい、分かりました。ご主人様」
 あまりに呆気無い返答に拍子抜けしたが、次第に動揺も収まり、いくつかの願い事を頼んで
みた。それらは当たり前のように完璧に遂行される。由美子はあまりの出来事に胸の高まりを
抑えられなかった。明日、会社を辞めよう。大きな不満は無かったが、仕事を生き甲斐にする
タイプではないのだから、いる必要もないだろう。
 いや、それが理由ではない。
 今日の昼休みに見た、祐二と福原の仲の良さそうな光景が嫌だったのだ。
835どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/04(日) 00:55:55

 もうすでに12時を回っていた。由美子は布団に入り、明日、二人の仲を引き裂こうと心に
決めた。彼らが悪い訳じゃない。それでも、許せなかった。勝手な思いだとは分かっていたが、
今の由美子には、それ以外考える事は出来なかった。そして、静かに眠りについた。
 夢の中、祐二は笑顔で由美子を迎えようとしていた。
 由美子はそれに溺れる気は、もうない。
「私の前に、二度と現れないで欲しいの。サヨウナラ」
 気丈な言葉だった。軽い胸の痛みを感じながら、しっかりと言い放った。
 その隣で聞いていたランプの精は、一瞬戸惑った様子を見せたがすぐに返答した。
「はい、分かりました。ご主人様」
 そう言うと、古びたランプと共に消え失せた。
836名無し物書き@推敲中?:2005/09/04(日) 02:15:02
ながい
837えいいち ◆GRGSIBERIA :2005/09/04(日) 03:09:21
   驚くべき食材

 大学の教授である老人は台所に立ち、スープを作るための大きな鍋の縁に手を乗せてい
る。老人は今晩の食事は技癢に堪えるべきか、腕を揮い珍奇な食材を使うべきか、迷って
いた。老人の頭の中は今晩のレシピが映し出され、走馬灯のように考えを巡らせている。
今日は大学の友人が三人、わが家にやってくる。友人は三人とも料理に精通し、ごまかし
など一切無用だ。すると腕を揮うべきだが、あいにく食材という食材はない。先日、貴重
な食材を使った料理を試みた。最高の出来だった。今も冷蔵庫の中に保存してある。だ
が、残り物を友人に食べさせるわけにはいかない。ああ、そういえばあの食材がある!
 老人は冷蔵庫の中身を確認するべく台所から離れた。冷蔵庫の中にはさまざまな肉と野
菜、残り物がきれいに整頓されて入れられていた。特に目を見張るのがいかにも健康そう
な肝臓である。凝固した血液のような肝臓は密封された袋の中に閉じ込められていた。他
にも牛のすねのような肉、腎臓、牛にしては大柄な脳もあった。老人は悩んだ末なのか、
肝臓が入れられた袋を一寸も躊躇せずに掴む。今晩は最高の料理が出来るぞ。老人の顔は
みるみるうちに紅潮した。

「なんてこのスープはすばらしいんだ!」食卓を囲む若い男女は絶句した。「教授、この
スープに使われている肉は肝臓ですよね? 一体何の肝臓なんですか?」老人はスプーン
でスープを口に運び、味を撫でるかのように楽しんだ。そして、老人は諭すように質問者
に言った。「その食材を聞いたとたん、あなたは驚きのあまり気絶するでしょう」
 三人の若者達は食後も絶えず絶句を漏らした。老人はその都度、上下一列に並ぶ鋭い犬
歯をちらつかせていた。
838名無し物書き@推敲中?:2005/09/04(日) 04:57:51
自分で読みにくいと思わないのか?
839名無し物書き@推敲中?:2005/09/04(日) 21:05:26
>>837
今まで読んできたえいいちの文書の中で、はじめて意味がわかった。
ちょっと感動した。
カニバオチはさっき叩かれてたばかりだろ、とか、
同じ説明かぶりまくりだろ、とか、
牛にしては大柄な脳って、えらいグラマラスな雰囲気だな、とか、
そういうこと、俺は言わない。
言いたいことは一つだけだ。

えいいち、あちこちのスレで書けない間に合わない言いながら、
何やってるんだ、お前?
840どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/05(月) 01:33:26
【天国】

「ここは天国ですか?」と男は聞いた。
「見りゃ分かるだろ? ここが天国に見えるか?」と大きな体をした鬼が答えた。
 目の前に広がっているのは、壮絶な地獄絵と悲痛な叫び声だった。
「死後の世界があるとは聞いてたんですが、本当にあったんですね」
「ああ、残念ながらな。そして、お前はここで永遠に苦しみ続けるんだ」
 鬼は慈悲のかけらも見せず、言い放った。
 銀色に光る針の山、グツグツと煮える血の釜、こん棒の串刺し、回転逆さ吊り。
 そこでは多くの人々が衰弱しながら、苦しみに顔を歪めていた。
「お前がどんな悪さをしてここに来たかは知らんが、抜け出る事は出来んぞ」
「ありがとうございます。ここが本当にある事を信じて良かった」
「見るのは楽しいが、お前は参加する側だからな」
 鬼は皮肉たっぷりに笑った。
「それにしても素晴らしい。どうして早く死ななかったんだろう……」
「お前は変態か?」呆れるように鬼は男に聞いた。
「はい、重度のマゾヒストです。これからどうぞよろしくお願いします」
841名無し物書き@推敲中?:2005/09/05(月) 02:18:04
んで放置プレイ
842名無し物書き@推敲中?:2005/09/05(月) 02:22:55
最後のオチがなぁ・・・
843名無し物書き@推敲中?:2005/09/05(月) 03:15:36
つまらん。

だが、毎晩書くってのはすげえことだぜ。

いつか、唸らされるのを待ってる。
844どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/06(火) 02:20:14
【助けてください】

 ふわりとした肌触りを頬に感じて信二は目を覚ました。
 部屋の中はまだ真っ暗だったが、枕元に人の気配を感じてふと見上げてみた。
「こんばんは、夜分遅くすいません」
 白い着物に長い髪、青白い顔をした女の人がじっとこちらを見つめて立っている。
 しばらく信二は状況を理解出来なかったが、すぐに部屋中に轟く悲鳴を上げた。
 布団にくるまり後ずさりする信二。それをすまなそうに見つめる女。
「成仏できないんです。助けてください」
「誰だ、お前ユーレイだろ?」
「はい、そうです。この世に未練を残して成仏出来ないでいる幽霊です」
 信二は気を取り直して、布団の上に座り直した。
 女をよく見れば整った顔をした美人だ。気品もあり、知性も感じさせる。
「あなたに助けて欲しくてお願いにあがりました」
「俺にできる事なら……その未練ってのは、何なんだい?」
 女はその言葉に嬉しそうに微笑んだ。
「私は恵まれた人生を歩んでました。裕福で欲しい物は全て手に入れる事ができたんです。
食べたい物を自由に食べ、特に三大珍味が好物でした。服や装飾品も溢れるほどでした。
才能にも恵まれ、何をやっても評価と賞賛の嵐。見ての通りこの美貌ですから、多くの
男性が放っておいてくれません。そして、魅力的な方と激しい恋に落ちたりもしたんです」
 信二はこの恵まれ過ぎた世界に、いつ悲劇が訪れるのかハラハラしていた。
 女の笑みが憎しみに変わるのは見たくない、できる事なら何だってしてやろう。
 こんな俺に、もし何かできる事があるのなら……。
 そして、女はすがるように思いを吐き出した。
「私は全く知らないんです、本物の貧困を。世の中の底辺に生きる最低の人生がどんな
ものなのか知らずに生きて来たんです。教えてください。気になって仕方がないんです。
ダメ人間による、虐げられた、無意味な人生という物を私に教えてください」
 苦痛に満ちた表情を見せる女。呆然とただ聞き入る信二。
「あなたならそれが出来るはずです。完璧で最高の適任者です」
845名無し物書き@推敲中?:2005/09/06(火) 07:29:39
キャラが弱い。
846どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/07(水) 00:21:52
【吾輩は犬である】

 吾輩は犬である。
 名前はジロー。ここ渡辺家に飼われている柴犬である。
 吾輩はそんじょそこらの犬とは違うのだ。駄犬と一緒にされては困るのである。
 吾輩は人間の言葉が理解できる、非常に優秀で特別な柴犬なのである。
 そろそろ夕飯の時間だ。いつもの事だが、メニューは家族のみんなと同じである。
 好物のハンバーグともちろんキャベツの千切りも付いている。
「ジロー、おいしい?」
 聞いてきたのは、お母さんだ。料理がとても上手い優しい人である。
 隣で黙々と食べているのが、由貴姉ちゃんだ。小学5年生の優等生なのだ。
 そして、すぐそばにいるのが勇太くん。吾輩といつも一緒にいる活発な男の子。
 吾輩はみんなが大好きなのである。
 でも、最近気になる事がある。いつも元気な勇太くんがなんだか寂しそうなのだ。
 理由は知っている。でも、吾輩にはどうする事もできない。
 もし人間の言葉を喋れたなら一晩中でも一週間でも慰めてやれるのに……。
 それができない自分がもどかしい。
「パパ、いつまで犬の真似をやってるつもりなの? どこかに遊びに行こうよ」
「勇太、それは言っちゃダメって言ってるでしょ。パパは仕事で疲れちゃったのよ。
少しの間、好きにさせてやる約束でしょ? いいじゃない、今は毎日一緒にいられる
んだから。勇太は前からそうなって欲しいって言ってたはずよ」
 吾輩は犬である。
 年齢は今年で38歳。人間の言葉を理解できる柴犬なのである。 
847名無し物書き@推敲中?:2005/09/07(水) 01:59:19
>>846
疲れて犬になってんのに、
自分のこと優秀とか思うのには無理があるだろ
心情に納得できねーので、オチのギャップがものたりない。
848名無し物書き@推敲中?:2005/09/07(水) 12:03:37
>>846
これ実は勇太が犬で、自分の犬小屋に親父が居候しているのが寂しいって
二段落ちにすればいいのに。
849どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/08(木) 03:36:49
【巨大ロボット】

 ガシャーン、ガシャーン、ガシャーン。
 東京の夜、街のど真ん中に巨大な人型ロボットが現れた。
 ガシャーン、ガシャーン、ガシャーン。
 ハンマーのような両手を振り回し、銀色に輝くロボットは大股で街を闊歩した。
 ガシャーン、ガシャーン、ガシャーン。
 人々は恐怖に戦いた。一歩、また一歩と歩くたびに窓ガラスがビリビリと音を立てる。
 ブゥーン、ブゥーンと鳴り響く電子音に、気が狂いそうになる者もいた。
 ガシャーン、ガシャーン、ガシャーン。
 天災では無い、これは何かしらの意思を持った現代の怪物と言えるだろう。
 ガシャーン、ガシャーン、ガシャーン。
 
 実はこれ、文部省が中心となり政府が開発した12億円のロボットなのだ。
 よく見れば、電線の一本も破壊せず、街を歩いている事が分かる。
 人々の安全に対する慎重な対応は今回の研究に最も力を入れた所だった。
 しかし、恐怖も見せ付けねばならない。そうでなくては意味がないのだ。
 時代が進み、道徳観は低下し、倫理も崩壊してしまった社会をもう一度復活させようと
 各分野の専門家が集結し、この大胆な計画に踏み切ったのだった。
 輝ける未来への望みを託して巨大ロボットは今夜、街に出た。

 ガシャーン、ガシャーン、ガシャーン。
 真っ赤に光る目で、大都会の街並みをジロリと見渡した。
 ガシャーン、ガシャーン、ガシャーン。
 悲鳴を上げる者、ガタガタと震え失禁してしまう者、頭を埋めただただ祈る者。
 人々のリアクションは様々であったが、影響力は十分だった。
 ガシャーン、ガシャーン、ガシャーン。
 それを見ていた総理大臣と取り巻きの博士たちは、顔を見合わせ頷き合った。
 すると巨大ロボットの口が大きく開かれた。
 ギ、ギギギ、ギギ。
「悪イ子ハ、イネーガァァァ。悪イ子ハ、食ッチマウゾォォォ」
850名無し物書き@推敲中?:2005/09/08(木) 07:54:11
>>849
ごめん、意味わからん
851どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/08(木) 22:22:51
【博士と山田くん】

「博士、とうとう完成しましたね」
「ああ、長かった。山田くんもよくついて来てくれたな」
「当たり前ですよ。私は博士を信じてましたから。素晴らしい事です」
「そうだな。この装置によって誰もが好きな夢を自由に見る事ができるんだから、
こんな素晴らしい事はない」
「世の中、便利な研究は多いですが、これほど夢のある発明は珍しいですよ」
「ありがとう。これを使えば、少なくとも一日の半分は夢にみた希望が叶うのだ、
人々は失いかけた生き甲斐を取り戻すだろう」
「博士、早速始めましょう」
「そうだな、悪いが第1号として先に夢を見させて貰おうか」
「いってらっしゃい」
「うん」

「成功だ。大成功だ、山田くん……」
「何言ってるんですか、博士。仕事中に居眠りしないでください」
852名無し物書き@推敲中?:2005/09/09(金) 00:46:11
夢落ちか〜。
新しくはないけど、最近のなかじゃオモロイほうだとオモワレ。
853名無し物書き@推敲中?:2005/09/09(金) 04:49:33
ここの作品まとめればヘタな小説より売れるよ。ていうか売れるよ。でも著作権とかあるし無理か
854名無し物書き@推敲中?:2005/09/09(金) 06:57:00
ヘタな小説とは?
855名無し物書き@推敲中?:2005/09/09(金) 17:34:32
>>851
ちょと面白いと思った。
856どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/09(金) 22:01:43
【繁華街の真ん中で】

 繁華街の真ん中で、一人のホームレスが倒れていた。
 誰も気にとめる事は無かったが、大きな紙袋を二つも抱えていた為、通行の妨げになっている
事は明らかだった。古びたシャツを何枚も重ね、ホームレスは一見死んでいるかのようだった。
 そこへ仕事帰りの若者が通りかかった。真面目そうな顔つきをした好青年である。
 若者は当然のようにホームレスに歩み寄り、そっと抱き起こした。
「もしもし、おじさん。こんな所で倒れていては他の人たちの迷惑になりますよ。寝るのなら
あそこのベンチへ行って休んでください」
 そう言いながらホームレスの顔を見た若者は、思わず声を上げそうになった。
 ボロ雑巾のようなこの男、それは8年前に突然蒸発した父親だった。
「父さん! 父さんじゃないですか」
「………」
 ホームレスは若者の顔を見つめるばかりで、何も言おうとしない。
「こんな所で何やってるんです。これじゃあ、まるでゴキブリかドブネズミですよ」
「ああ……、ユウジか」
 やっと父親は口を開いた。小さく掠れた弱々しい声だった。
「はい、そうです。勇次です。父さんの希望通り、今は弁護士になりました」
「そうか、それは良かった」
「父さん、今回ばかりは僕の言う事を聞いて貰いますよ。父さんが突然いなくなって母さんと
妹の美雪、僕ら三人がどれだけ苦労した事か。もう好き勝手にはさせませんよ」
「……そうだな、わがままはこれで最後にしよう」
 変わり果てた父親の素直な言葉に、勇次はホッと安堵のため息をついた。
「父さん……」
 今や弁護士として立派に成長したその表情には確かな正義感がみなぎっていた。
「ここで倒れていては、みんなの邪魔になります。ですから、あそこのベンチで寝てください」
「ああ……」
 呻き声のような返事をすると、父親は足を引きずりながらベンチへ向かった。
 勇次は生ゴミのような男がベンチにたどり着くのを見届けると、満足そうな笑みを微かに浮かべ
賑わいをみせる繁華街の奥へと歩き出した。
857名無し物書き@推敲中?:2005/09/09(金) 23:09:01
いいよいいよ
858どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/12(月) 02:25:07
【大物写真家】

 大物写真家、井原修二は業界でも饒舌なカメラマンとし有名だった。
 自分専用の大きなスタジオを持ち、そこからいくつもの傑作を生み出していた。
 井原は被写体を最大限に輝かせる絶対的なパワーの持ち主なのである。
「いいよ、いいよぉ、最高だよ。素晴らしい、なんて素晴らしいんだ」
 滑らかな口調は朝から全開だった。
 うっとりと酔いしれた眼差し、ピンク色に高揚した頬、微かに汗ばんだ首筋。
 井原が自分の世界に入り込み、集中力を高めた時はいつもこうであった。
「ああ〜、いい、素敵だ。キミは世界の中心のその頂上に君臨する唯一無二の存在だ」
 井原を業界のトップに押し上げたのは、間違いなくこの過剰なリップ術である。誰も
真似する事の出来ない特別な才能だと言ってもいい。なぜなら、これはある種の催眠術
であり、高度な錯覚を起こさせる特異な技術でもあったからだ。
「キミはこの世の者か? いや、違う。天から舞い降りた全能の天使だ」
 息の荒くなってきた井原の口元からは、だらしなくヨダレが垂れている。
「最高だ。素晴らしい。輝くキミの前では、全世界の人間どもが豚になる」
 絶頂を迎える瞬間だ。全身のアドレナリンがピークに達した時、井原は潤んだ目で
ゆっくりと囁いた。
「よし、今日もこれで最高の写真が撮れそうだぞ」
 鏡を凝視していた井原は、傍らのカメラを鷲掴みにすると勢いよくバスルームから
飛び出して行った。
859名無し物書き@推敲中?:2005/09/12(月) 02:39:37
分かりやすかった
860名無し物書き@推敲中?:2005/09/12(月) 11:42:20
>>858
オチはベタだけど何気に面白いよ。
861どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/12(月) 23:31:25
【暗黙の約束】

女「ねぇ、突然だけど、別れて欲しいの」
男「何言い出すんだ。僕たちはうまくやって来たじゃないか?」
女「でも、好きな人が出来ちゃったのよ」
男「なら、二股をかければいいだけの話だろ?」
女「私たち結婚してるのよ?」
男「そんなの関係ないよ。不倫は文化なんだから遠慮せずにやれよ」
女「無理だわ。一度に二人を愛するなんて私には出来ない」
男「切り替えだよ。家に帰れば妻になり、外に出れば女になるそれだけ話だよ」
女「それが難しいのよ。罪悪感が残るわ」
男「だから、両方をその分愛して、優しく接すればいいんだろ?」
女「出来るかしら……」
男「もちろん、これからはバレないようにして貰うし、夜の泊まりは当然無しだぞ」
女「そんな事、分かってるわよ」
男「正直言えば、冷めかけていた僕たちの仲にも少しは刺激が欲しかったんだよ」
女「うん……私、頑張るわ」
男「最後に言っとくけど、そういう事は黙ってするのが夫婦の暗黙の約束だからな」
862名無し物書き@推敲中?:2005/09/12(月) 23:46:40
男の位置が最後までどっちつかずだったのが惜しい気がする
863名無し物書き@推敲中?:2005/09/13(火) 01:04:02
((新発見))

「裸で人参を両脇に挟んで何をしているのですか?先生。」
「こうやっていると母親を思い出すのだよ。」
「マザコンですか?気持ち悪いですよ先生。」
「何を言ってる。君もやってみたまえ。」
「え?僕はそんなことに興味はないですよ。」
「まぁ、いいからいいから。」
「あぁっ!だめですよ、先生!うわ、人参臭い!」
「どうだね?脇に人参を挟んだ気持ちは?」
「あ…。僕、愛犬のポチを思い出しました…。」
864名無し物書き@推敲中?:2005/09/13(火) 02:05:30
俺「お・に・い・ちゃん!」
俺「なんだ勝手に部屋に入っちゃだめだろ」
俺「えへへ…」
俺「あたし…知ってるんだよ…おにいちゃんのベットの下に…」
妹「あんた何やってるん?」
865名無し物書き@推敲中?:2005/09/13(火) 03:58:14
>>864
創作板にコピペすんな
866名無し物書き@推敲中?:2005/09/13(火) 09:26:30
そうなん?コピペなん?
>>864なんなん君。何してんのあんた。
あんたアホか。あんたが「何やってるん」。そんなんして情けない。
あかんやろーそれ!
867名無し物書き@推敲中?:2005/09/13(火) 09:46:33
>>864
泣いた
868名無し物書き@推敲中?:2005/09/13(火) 12:09:03
>>864
不覚にもちょとワロタw
869名無し物書き@推敲中?:2005/09/13(火) 12:22:02
>>864はどういうこと?
870名無し物書き@推敲中?:2005/09/13(火) 12:30:30
>>869
叙述トリック
871名無し物書き@推敲中?:2005/09/13(火) 12:32:04
「ああ気持ちいい・・・腰の辺りがすごく気持ちいい〜。
この振動・・・最高だ。だって彼女すごく上手なんだもん。
こんな気持ちいいことは初めてだ・・・。
気持ちよすぎて声が出ちゃうよ・・・!うわぁぁ〜〜!」
――店のマッサージ器でセックスする夢を見ていた俺は、夢精していた。
他のお客さんが俺を見ている。死にたくなった。
872名無し物書き@推敲中?:2005/09/13(火) 12:43:15
imiwakarann
873名無し物書き@推敲中?:2005/09/13(火) 12:48:37
wakewakame
874名無し物書き@推敲中?:2005/09/13(火) 14:58:16
殺人の衝動

人を殺したい。
おさえつけてきた衝動を、長年の友に打ち明けたのは一月前のことだ。
友人は驚かなかった。ただ「私に任せてくれ」とだけ言い残し、俺の血液を採取して何処かに消えた。
ふたたび友人から連絡がきたのが二日前である。
『願いを叶えてやる』
俺は、友人の言葉に従ってこの孤島にたどり着いた。
手には芸術品のような拳銃が一丁。銃こそが殺しの象徴だと俺は信じている。
一人目は、怯えて逃げ惑うところを背中から撃ち殺してやった。
獲物の首に手をかけ、そして気づいた。
俺だ。
二人目は右目を撃ち抜いて殺した。三人目は眉間を。四人目は両足を撃ち抜き、失血死するまで眺めた。
すべて、俺だった。
クローンだ。あの時の採血はそのためのものだったのだろう。でも、なぜ?
「更正プログラム……か?」
自分で自分を殺すことの嫌悪によって、殺人衝動を打ち消そうというのか?
「……なるほどな。友人とはありがたいものだ」
俺は笑っていた。これでなんの罪科に問われることもなく人を殺しまくれるのだから!
いきなり「どん」という衝撃に襲われ、俺は仰向けに倒れた。
胸から血が噴きだしている。痛みより驚きのほうが強い。
「三人目」
その声の方角を振り仰ぐと、見事な拳銃を手にした俺が見下ろしていた。
笑ってやがる。
遠のく意識の中、それだけはやけにはっきりと知覚できた。
ふざけるな――声のかわりに、口から血しぶきが飛んだ。
笑い事じゃねぇ。

――――――
20行越えちゃった。スイマセン。
875名無し物書き@推敲中?:2005/09/13(火) 21:26:06
イイヨイイヨー
876どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/13(火) 22:24:57
【老人の部屋】

 私は寂しい老人である。
 身よりも無く、この古びたアパートで暮らしている。
 楽しい思い出に浸ろうとも、その思い出が無いのだ。孤独でつまらん人間である。
 昨夜の事だ。もう寝ようと布団に入りかけた時、死神がやって来た。
 無表情で、背の高い奴だった。
「爺さん、迎えに来たぜ」
 お前は誰なのだと聞いた。怖くは無かったが、興味深かったのは確かだった。
「俺は死臭を嗅ぎ分ける、死神だ。お前の魂を貰いに来た」
 死神は実際にいたのだ。しかし、それ以上に久しぶりの会話で気持ちが高ぶった。
 この部屋の50年ぶりの来客。それがこの死神なのである。
 私の魂が欲しいならくれてやる。だから、もう1時間だけ居てくれと頼んでみた。
「ダメだ。それは出来ない」
 死神は呆気なく答えた。相変わらずの無表情は変わらない。
 私はすがりついた。私が私の人生で始めて必要とされたのだ。胸が熱くなっていた。
 しかし、無情にも死神は来た時と同じように煙のように消えて行く。
「お前には、もう死臭が無くなった。また、近いうちに会おう」
 そう言って、完全に消え失せた。
 私は涙を流し、手が震えているのに気づいた。心臓が高鳴り、息も荒い。
 あいつはまた来てくれるだろうか? そう思うと今日も眠れない。
 最近は、あの無表情な死神の事ばかりを考えている。
 それが、今の私の生き甲斐と言っていい。
877名無し物書き@推敲中?:2005/09/14(水) 00:37:07
>>874
イイネ

>>876
イマイチ
878名無し物書き@推敲中?:2005/09/14(水) 01:23:22
>>874
そのオチだとなぜ1人目が怯えて逃げ惑っていたのかが分からない
クローンだったらみんな同じ考えを持ってるんじゃないの?
そういう整合性がSSでは意外と大事だと思うよ
879874:2005/09/14(水) 16:27:13
>>878
オチは最後の一行だけで、なぜ殺されたかの部分は想像の余地を残したかったんです。
読み返したら完全に失敗してるけどあははは……orz

というわけで、リベンジ。
880874:2005/09/14(水) 16:28:45
走馬灯の穴

人は死の寸前に、人生を走馬灯のように顧みる。
これは事実だ。反論は許さない。
なにしろ俺が見ている真っ最中なんだから、これに勝る証拠なんてないよな?
始まりは、母親の腕の中だった。
暖かくて心安らぐ記憶。おっぱいにしゃぶりつくだけで、この世は天国である。
惜しむらくは、母親の顔にぽっかりと穴があいていた。
郷愁に駆られて必死に記憶を搾り出そうとしたけれど、穴は穴のままだ。
まあ、赤子の記憶力なんてこんなものなのかな。なんでも匂いで母親を識別しているらしいし。
次の記憶は、初恋のあの子だ。瑞々しい青春時代。いいね、ドキドキするぞ。
ところが彼女の名前が思い出せない。どうやって巡り会ったのか、どんな告白をしたのか、
もう一度見たいと思う場面を狙ったように、そこにはぽっかりと、穴。
走馬灯は無情に進んでいく。次は童貞を捧げた女教師が登場した。俺の青春時代のクライマックスだ。
大胆な誘惑に心身ともにメロメロにされ、いざ――というところで、やはり走馬灯にでっかい、穴。
なんだこれ。もしかして馬鹿にしてる?
金かえせ! と叫ぶ間もなく、走馬灯は次の重要な転機へと進んだ。
結婚だ。
ああ、何度見てもいい女だな。俺の人生でも、一、二を争う最良の時間だ。
この女が浮気なんて真似さえしなければ……きっと俺の人生は素晴らしい終わりを迎えただろうに。
辛い時代を走馬灯は駆け抜け、終幕に辿り着く。
俺は、女に逆恨みされて撃ち殺された。
心にぽっかりと穴をあけられ、その上、頭にまで鉛の弾ででっかい穴を――――

ちくしょう!
この女、俺の走馬灯にまで穴をあけてやがった!
881名無し物書き@推敲中?:2005/09/14(水) 19:23:17
>880
私は好きだな、こういう作品
882どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/15(木) 00:50:01
【増えるワカメ】

 お湯が沸いた。さぁ、晩飯だ。
「これはお得だから」と、薦められるままに買ってしまったワカメをお椀に入れる。
 あの婆さんは、「あんたみたいな貧乏人にはピッタリの代物だから」と余計な事まで言った。
 お湯をゆっくりと注ぐ。今日は、そういう訳で特別に味噌汁を作ってみた。
「金が無いのに大食いだからタチが悪いんだよ」そう言うと、婆さんは笑った。
 そんなやり取りがあったせいか、予定に無かったこのワカメを買った。
 一口、啜る。まあまあの味。ワカメなんてそんなもんだ。
「たっぷりと増えるから、たくさんお食べよ」婆さんは帰りがけに、そんな事も言っていた……
 確かに、増えてる。ワカメがお椀から山盛りになってあふれ出していた。
 こんなモノ食えたもんじゃない。
 お椀ごと両手でつかんで流しに捨てた。婆さんには悪いがこれは酷過ぎる。
 排水溝の入り口に溜まっているワカメを見ながら、「これはお得だから」の文句を思い出した。
「じゃあ、それ貰おうかな」と、思わず誘いに乗った事を今更ながら後悔している。
 なかなか流れないワカメを水で押し込めようと蛇口を全開にした。すると……
 ワカメは流し台一杯に膨れ上がった。
「まいど、いい買い物したね」、とんでもない。急いでゴミ袋に詰めて外に放り出した。
 とんだ晩飯だ。すっかり疲れてしまった。あの婆さんが恨めしい。ちょっとソファで寝るか。
 味噌汁なんて、余計だったんだよ。
「これと水さえあれば、食いっぱぐれる事は無いから」いい気なもんだ。増え過ぎだっての……
 数時間。いや、数分後か。息苦しさと圧迫感に気づいた。
 見ると、腹がタイヤのように膨れ上がっている。
 あの一口だ。最初に食った、あのワカメが腹の中で膨れ上がっていた。
883名無し物書き@推敲中?:2005/09/15(木) 01:36:34
>>880
イイネ

>>882
イマイチ 表現がね
884名無し物書き@推敲中?:2005/09/15(木) 02:51:15
>>880
>俺は、女に逆恨みされて撃ち殺された。

結婚してるんだったら「女」より「妻」という表現の方がいいと思う
女だと何だか全くの赤の他人を表現しているような感じで違和感がある
浮気された挙げ句の悲惨な結果のアクセントにもなるし
でも>>874の作品もそうだがセンスはSS向きだと思うから頑張れ

>>882
思わず増えるワカメスープ飲みたくなったよw
885名無し物書き@推敲中?:2005/09/15(木) 05:50:55
>>880
俺は女で正解だと思うぞ。
886名無し物書き@推敲中?:2005/09/15(木) 15:11:24
>>882
最後の一行がいいね。
887874:2005/09/15(木) 16:27:40
食玩の鬼

彼は食玩の鬼と呼ばれていた。
鬼はありとあらゆる食玩を収集しつづけてきた。
費やした金はとうに十年分の収入を越え、三度の食事は食玩のチョコとドリンクのみ。
口にしたチョコの総量はトンの単位に達し、彼の体重は優に100キロを超える。
誰もが彼を鬼と呼び、恐れた。
ここで、とある食玩の伝説を語ろう。
百万、いや一千万にひとつという確率で、食玩の中に妖精が混じっているという噂がある。
食玩の妖精は、引き当てた人間の願いを、なんでもひとつだけ叶える。
都市伝説でしかない。
しかしあらゆる食玩を極め尽くした鬼にとって、これこそが最後のレア・ターゲットであった。
鬼は食べつづけた。妖精を引き当てる――ただそれだけを目標に、ひたすらに食玩を食べつづけた。
一年、そして二年と実りのない日々が無為に過ぎ去り、そして…………!
「さあ、あなたの願いを叶えましょう」
鬼は、ついに引き当てたのだ。彼の体重はそのとき、220キロ。
「必要ない。おまえの居場所は、ここだ」
小さな妖精は、必死に羽ばたきながら「はぁ?」と首をかしげる。
「コレクションが飛ぶな。おとなしく飾られていろ」
妖精はしくしくと泣きながら、陳列棚の中に収まった。
鬼は満足げに「うむ」と呟くと、夜食の食玩の包みを開く。
しかし。
ああ、なんということか! これこそが鬼が鬼である所以だとでもいうのだろうか。
「さあ、あなたの願いを叶えましょう」
神の定めた確率までが、鬼の前に屈した瞬間だった。
二連発で引き当てた妖精を前に、鬼は小さく舌打ちした。
「ちっ、ダブりか」
彼は食玩の鬼である。
888すえひろがり。:2005/09/15(木) 17:26:04
>>887
妖精の有り難味がいまいち伝わってこないな。
願いをひとつだけ叶えるっていうのは、魔法のランプで使われまくってるし、
新鮮味がない。
オチは盲点を突かれた。
889名無し物書き@推敲中?:2005/09/15(木) 17:48:48
>>888
批評ありがとうございます
ネタがありきたりで弱いなぁとは思っていたので、先読みされなかったのは一安心です。
妖精のありがたみは、120キロ分の贅肉ということで、おひとつ(笑
890名無し物書き@推敲中?:2005/09/15(木) 19:37:44
【カップラーメンを待つ時間】
891名無し物書き@推敲中?:2005/09/15(木) 19:39:19

ある意味深い作品かもしれんね
892名無し物書き@推敲中?:2005/09/15(木) 19:43:14
「???」
と考えてしまう時間が約三分間であり
その時間がタイトルを表し、また作品そのものでもある、と。
なんかクラシックのピアノ曲に似ようなのあったよね。
893名無し物書き@推敲中?:2005/09/15(木) 23:19:07
>>892
クラシックじゃなくて、現代音楽。4分30秒。
894どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/16(金) 02:02:54
【裕子の夢】

 朝食の後片付けを終え、穏やかな日差しの中で横になっていると次第に眠気がさしてきた。
 裕子はその睡魔に身を任せるように心地よい眠りについた。
 真っ白な世界をくぐり抜け、気づけば濃い緑に囲まれた森の中に立っていた。
 静寂を引き裂く何か、森の奥から微かに水が弾ける音が聞こえる。
 裕子は生い茂った草木を掻い潜って、「音」のする場所にたどり着いた。
 大きな沼、そこで息子の勇樹が溺れていた。
 同時に裕子の目が覚める。手には汗、あの森は記憶にある。
 慌てて押入れから大きな浮き輪を取り出し、裸足のまま裕子は家を飛び出した。
 
 勇樹を奇跡的に助け出した午後、暖かな日差しは疲れきった体を眠りに誘おうとしている。
 裕子はその誘惑に身を任せるように心地よい眠りについた。
 真っ白な世界をくぐり抜け、気づけば人気の無い路地裏に立っていた。
 暗がりと雑踏の吹き溜まり、路地の奥から微かに助けを呼ぶ声が聞こえる。
 裕子は慎重に耳を傾けながら歩を進め、「声」の発する場所にたどり着いた。
 蓋の無いマンホール、その中から娘の友香の声がする。
 同時に裕子の目が覚めた。高鳴る心臓、あの路地はすぐ近くだ。
 慌てて物置から長いロープを取り出し、裸足のまま裕子は家を飛び出した。

 偶然にも友香を救い出せた夜、虫たちは優しげな音色を奏で一日の終わりを告げている。
 裕子はその演奏に身を任せるように心地よい眠りについた。
 真っ白な世界をくぐり抜け、気づけば薄暗い簡素な部屋の中に立っていた。
 生活感のない無機質な空間、そこから不規則な息遣いが聞こえる。
 裕子は暗がりを探るように目を凝らし、「息」のする場所をはっきりと確認した。
 円形のダブルベッド、そこで夫の雄治と若い女が抱き合っている。
 同時に裕子の目が覚めた。逆立つ髪、あのホテルは記憶にある。
 慌てて台所から鋭い包丁を取り出し、裸足のまま裕子は家を飛び出した。
895名無し物書き@推敲中?:2005/09/16(金) 02:05:28
楽しめない
896名無し物書き@推敲中?:2005/09/16(金) 14:27:50
>>887
食玩の鬼という設定とオチがいいね。
897874:2005/09/16(金) 18:27:06
恍惚の人

父がボケた。
症状の進行は早く、記憶があやふやになっていくのがはっきりとわかるほどである。
ある日、父の弟にあたる叔父が見舞いにきてくれた。
「はて、誰だったか」
父には弟の顔がわからなくなっていたのだ。
翌日になって、叔父が消えた。
礼の電話を入れようとしても、そんな人間はいないの一点張りなのだ。
親戚の誰に尋ねても、父に弟などなかったという。そんな馬鹿なことがあるだろうか。
私は空寒いものを感じていた。
それが恐怖に変わったのは、つい先日のことだ。
母が消えた。
まるで、父の「はて、誰だったか」という言葉を境にしたかのように、ぷっつりと存在が消えてしまったのだ。
いまでは、もともと私に母親はなく、父がどこかで産ませてきた子供だということになってしまっている。
そんな馬鹿な。ついこの間まで、年老いた母といっしょに生活をしていたというのに。
恐怖に気が狂いそうになりながら、私は必死に介護に努めていた。
父に忘れて欲しくない――その一心でである。
その甲斐があったのか、どんなに病状が進もうとも、父は私のことだけは忘れなかった。
そしてある日、ふいと布団の上から消えてしまった。ついに自分のことさえわからなくなったのだろう。
終わった――私はため息をついた。
父の死を親戚に知らせようとして、ふと思いとどまる。
おそらく父はもともと存在しなかったことになっているだろう。いったい誰に連絡するというのだ?
考えてみれば、父も母も存在しないのだ。ならばこの私は、いったいどこの誰だと……
私の着ていた服が、ばさりと畳の上に落ちた。
898初挑戦:2005/09/16(金) 20:10:13
>>喜びの祭り<<
私はある村を訪れた。
運よくその日は年に一回の村人皆が待ちわびた村祭りだという。そのわりには皆弱々しい気がする。
しかし、この日が来るのを村人全員待ち望んでいるらしい。
何が楽しみか?何を待っているのか?私は分からなかったが、後で圧倒的映像体験と共に知ることになる。

実はこの村ではあることを徹底的に禁止している。それがこの日だけは合法的に解禁。無礼講というわけだ。待ち遠しいのも無理はない。

すでに村の広場には村人全員、老若男女、ざっと100人といったところが集まっていた。
頃合いを見て村長らしき男が一段高くなっているところにあがると、村人は弱々しながらも歓声を挙げた。
「ウォー!!」そう急に村長が叫んだ。
次の瞬間、村人100人皆、勢い良くズボンをおろし我先にと勢い良くウンコをした。
さっきまで弱々しかった村人はみるみる元気になって、目から涙を流し喜んでいる。
勃起障害だったはずの私のペニスはみるみる元気になって、先端から精液を流し喜んでいる。
899どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/16(金) 22:58:06
【院内お化け観覧ツアー】

 入院とは意外につまらないもんである。重い病気を患って治療に専念しなくてはならない立場で
あるから当然と言えば当然なのだが、山田のように自由に歩きまわれる身にとってはなんとも歯が
ゆい軟禁状態なのである。そこで病院内でこそ楽しめる特有の行事はないものかと 山田が考案した
レクリエーションこそ「院内お化け観覧ツアー」なのだった。
 出発は真夜中の2時ちょうど。院内の膨大な廊下を頼りに、渡り歩くのだ。
 早速、向こうから不気味な人影が現れた。
(出た! ミイラ男だ。生身の人間の肉を求めて、今夜も夜の病院を彷徨っているのか!)
 しかし、よく見れば一番奥の病室にいる全身に火傷を負った田中さんだった。
 まだまだ序盤である。気を取り直して階段を下りる。
 すると前から青白い顔をした、全身黒づくめの男がヒタリヒタリと上がって来た。
(出た! 吸血鬼ドラキュラだ。新鮮でしかも安全な血を求め、この病院吸い尽くそうというのか!)
 ところが、それは慢性の貧血で悩む黒いパジャマの佐藤さんだった。
 首筋に汗が滲み出てくる。今日は十分な収穫があった。山田は自分の病室に続く廊下へ向かった。
 廊下の奥は真っ暗だったが、そこから小さな影がズルズルっと現れた。
(出た! 妖怪砂かけ婆だ。砂が目に入れば、失明は免れない。俺は暗黒の世界で生きて行くのか!)
 そう自分で盛り上げようとしたが、目の前にいたのは明らかに隣の病室に居る佐々木さんだった。
「どうしたんだい? こんな夜中に珍しいじゃない」
「いや、眠れなかったし、暇だったもんで……」
「いいね、若いもんは。あたしなんてこの齢になるとトイレが近くて困っちゃうよ」
 こうして、お化けツアーは無事終了した。盛り上がりに欠けたが、基本的にはこんなもんである。
 次の朝。看護士さんが、寂しそうに話しかけて来た。
「隣の佐々木さん。昨日の夜に亡くなったんだって、あんなに元気だったのに」
「え……昨日って、何時頃なんですか?」
「12時か、1時頃って話だけど……」
 昨夜の院内お化け観覧ツアー、ラストに御登場したのは本物のお化けだったと言う訳である。
900名無し物書き@推敲中?:2005/09/17(土) 01:48:35
>>897
リアリティを放棄して読めばなかなかの作品
世にも奇妙な物語系の雰囲気が漂うのもいい
でも、主人公だけ服が残ってたのは処理の仕方に統一性を欠く気が
主人公の存在もそもそもなかったことになるというオチなら服も消さないと

>>898
間違いなく雑誌のSSコンテスト等には採用される見込みのない作品
オチも伏線もないし扱われている内容も下品きわまりないし
でも、何かナンセンスなおかしさがあるんだよなあw

>>899
最後の1行が単なる説明になっていて工夫が足りない
せっかく佐々木さんが最後のチャンスをくれたんだから
もうちょっとうまく表現してやって欲しい
901名無し物書き@推敲中?:2005/09/17(土) 09:31:23
>>892
>>893
4分33秒な。あと楽器編成は指定されてないからピアノ曲じゃなくてもよろしい。
902名無し物書き@推敲中?:2005/09/17(土) 15:20:36
>>897
イイね。まあまあレベル高いよ。
903どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/17(土) 22:25:20
【博士と山田くん】

「山田くん、驚くなよ。とうとう念願のタイムマシンが完成したんじゃ」
「博士、毎日一緒に開発を続けて来たんですから驚きはしませんよ」
「しかし、素晴らしいじゃないか。これで現在、過去、未来、好きな所へ好きなように行けるんだから」
「そうですね、やっぱり博士は天才ですよ」
「うむ、わしもそう思うぞ。それじゃあ、早速、あの人に会いに行こうか」
「え、誰ですか?」
「わしはその為に、このタイムマシンを作ったと言っても過言じゃないのだよ。山田くん」
「そうだったんですか。それじゃあ、まずは過去に遡るんですね」
「その通りじゃ、出発!」

 グルルルルルルルル、ビューーーーーーン、ドカァン!

「着きましたね、博士。大成功ですよ」
「そうらしいな、素晴らしいじゃないか。とうとう念願のタイムマシンが完成したんだ」
「博士、それはさっき言いましたよ」
「うむ、わしもそう思うぞ。さあ、早くノストラダムスさんを探しに行こう」
「ノストラダムス……ですか?」
「そうじゃ、わしは今度の世紀末、つまり2099年がどうなるのか知りたいんじゃよ」
「でも、博士……」
「それを考えると夜も眠れんかった。だから、本人に直接聞いてみようとタイムマシンを作ったんじゃ」
904名無し物書き@推敲中?:2005/09/17(土) 23:40:57
わろた
905874:2005/09/18(日) 00:12:50
アウトブレイク

「アテンション!! これより作戦の概要を伝える!」
 イエス・サー!!
「今回の我々の目標は、宇宙より落下した生物の捕獲、または抹殺である!」
 ざわざわ
「静かにしろ! 目標は非常に強力な生物であることがわかっている。
 通常の武装では傷ひとつつけることすら難しいだろう、心しておけ!」
 イエス・サー!
「この生物は擬態能力を有している! 地球の従来種になりすまし、さらには生殖すら行うのだ!」
ざわざわざわ……
「学者の見解によれば、この生物を野放しにして子孫が増えていった場合、地球の従来種は
 五世代――時間にして二百年程で、完全に駆逐されてしまうだろう。
 これは、生態系の汚染である! 我々は地球に生まれ、地球に生きる生命体だ!
 その誇りをもって、我々はこの侵略行為を断固として食い止めねばならない!」
うおおおぉぉっ――――!!
「やろうどもっ! いいか! 我々は勝つ! 絶対に勝つ! 地球は我々の世界だ!!
うおおおおおおぉぉっ――――!!
「いくぞ、やろうどもっ! 敵の名はクラーク・ケント! デイリープラネット新聞社の――

――――――
こりゃダメだ……orz
906どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/18(日) 02:42:39
【クラーク・ケント】

「あなた、本当はスーパーマンなんですか?」
 本名クラーク・ケントは、この質問を小さな頃から何度も聞かされてきた。
 架空の有名人が自分と同じ名前であったとしても、なかなか面白がれるものではない。
しかし、このクラーク・ケントは、体は大きいが仕事では失敗を繰り返し、気が小さく、
視力も悪いので眼鏡は子供の頃から体の一部になっていた。
「実は、優秀なんでしょう?」
「何かあった時は、助けてください」
「裏の仕事が忙しいのなら、遠慮せずに行ってもいいですよ」
 これらは全て冷やかしなのだ。
 父親、つまりトーマス・ケントが面白半分で付けた名前が本人を誘導したかのようにす
っかりコミックのキャラクター色に染まっていった。少しでも、スーパーマン的な所があ
れば救われるのだが、このダメ男クラークに関しては微塵も見られる事はなかった。
 クラークは父親を呪った。自分ぐらいのダメな奴はどこにでもいる、でも、あの有名人
と同じ名前では目立ってしょうがない。老若男女、みんな知っているのだから。
 独身生活にも慣れてきた、そんな夏の終わり頃である。
 毎月、最低の成績をキープし続けている営業マンのクラークは新しい関連会社に挨拶に
向かった。そこで、今まで見たこともないような天使に出会ってしまった。
 到底手の届かない存在、しかし、魅力的な事はこの上ない。
 いつものように憂鬱な気分で名刺を差し出した。すると、意外な事に彼女は親しげな表
情を浮かべ、微笑んだ。そして、声を弾ませて言った。
「これも何かの縁かしら。私、ロイス・レインって名前なのよ」
 彼女は、嬉しそうに名刺を見つめている。
 クラークは天国の父親、つまりトーマス・ケントの遊び心に心から感謝した。
907名無し物書き@推敲中?:2005/09/18(日) 02:59:54
おまい良い話も書けるんだな
908傭兵 ◆sXd7edS0pU :2005/09/18(日) 03:32:49
ええ話しや
909874@蛇足でごめんなさい:2005/09/18(日) 04:40:09
トーマス・ケント

「あなた、クラークです。抱いてあげてくださいな」
 トーマスは痩せ細った身体をつらそうに持ち上げ、妻から赤子を抱き取った。
「ああ、元気ないい子だ。口元がおまえにそっくりだな」
「髪の色はあなたゆずりですわ。きっと頭のいい男の子に育ちます」
「元気であればいいさ。私のように病院で半生をすごすような身体でさえなければな。
 そうだろ、クラーク? おまえはスーパーマンだものな」
 父親の腕の中で、赤子が笑ったように見えた。
「それでクラークという名前になさったの? まあ、やだ」
「ははは、遊び心だよ。スーパーマンの名前をもった子が、どんな大人になるのか
 見てみたいじゃないか。きっと、すごい男になるぞ」
 小さく咳き込んだトーマスの腕が震えていた。赤子を妻へと返しながら、
「すまない、もう限界のようだ。少し横になるよ」
 トーマスはベッドに横たわり、天井を真っ直ぐに見つめながら呟くように言った。
「……生きていたい。クラークがどんな経験をして、どんな大人になるのか、
 ずっと見守ってやりたい」
「できますよ、あなた」
「ああ……そうだな。一人前になったクラークに嫁を探してやって、送り出すんだ。
 それまで……絶対に私は……」
「できます……できますともあなた。きっと――きっと――」
910傭兵 ◆sXd7edS0pU :2005/09/18(日) 04:43:14
どうでもいいけどクラーク・ケントって名前さあ
山田 田中ってやつといっしょだな
911どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/18(日) 11:42:02
【カレン・ケント】

「それとだ……」と、トーマスは言った。
 相変わらず咳は止まらない。ベッドの上では、もう喋るのが精一杯だ。
「おまえも幸せになってくれ。俺が死んだ後も幸せでいて欲しいんだ」
「何言ってるんですか、わたしは十分幸せです。あなたとこの子、他には何もいりません」
 カレンの声が小さな病室に響いた。
それを聞いたトーマスは微かに頷くと、クラークの手を握りながら息を引き取った。

それから、28年――――
 台所では、カレンとロイスが並んで夕飯の支度をしていた。
「夫は頭のいい人だったけど、体が弱くてね。その点、クラークは体だけは元気だから寂
しい思いはしないと思うわ」
 カレンとロイスは笑い合った。クラークの人柄をお互い知っていたからだ。
「あなたはいい目をしてるわ。初めて会った時感じたの、この子はいい子だって」
「あの……、差し出がましいようですが、わたしの父と会って貰えないですか? 母は私
が生まれてすぐに亡くなったんです。それから、父はずっと一人でした。わたしの目、父
にそっくりなんですよ。だから、きっと……」
「何言ってるのよ、ロイス。こんなお婆さん、誰も見向きもしないわよ」
 そう言われて、ロイスは我に返った。頬を赤らめ、大胆な自分を恥じた。
「そうですよね。でも、わたしはその父を一人残す事だけが心残りなんです……」
ロイスはそう言うと、寂しそうに俯いた。
 その辛そうな横顔を見ているとカレンは胸が痛くなった。わたしにできる事があるなら
なんだってしてあげるのに……、可愛いロイスの為ならなんだって。

 その頃、クラークは家にいる二人を驚かせようと、車にジェフ・レインと乗っていた。
「わたしなんかが突然押しかけて、迷惑なんじゃないか?」
「とんでもない! これから僕たちは家族なんですから、仲良くしていきましょう」
「しかし、きみはいい青年だ。その口元を見れば分かる、立派で魅力的な人間だよ」
 ジェフ・レインは、なぜか胸が弾むような小さな予感を感じていた。
912名無し物書き@推敲中?:2005/09/18(日) 17:08:31
 今日、私は家出をした。
私は一人になれる場所を求めていた。心の中では少しの不安と嬉しさが争いあっていった。
 どこか一人になれる場所はないかと、真夜中の欲望の街を歩いていた。
「君一人?俺と遊ぼうよ」と、何人もの欲望がむき出しの男たちが声をかけてくる。
 私は、その声をかけてくる男たちに動じることなく、ただひたすら一人になる場所を求め
ていた。
 しかし、こんな街で一人になる場所なんて見つからない。そして私の、心の奥底に眠って
いた何かが耐えきれず、もう一人の自分が生まれたようだった。

 この後どうなってしまうのか! 今夜9時ごろに 続編
913名無し物書き@推敲中?:2005/09/18(日) 17:28:13
スーパーマンネタがサパ〜リ理解できないのは俺が若すぎるからか?
914名無し物書き@推敲中?:2005/09/18(日) 21:00:10
             続編

それは、私の心をも変えてしまった。どちらかと言うと控えめだった私の性格は、
まるで正反対になり、周囲から優しいと言われていた性格も、この家出をきっかけに
悪魔のような冷酷な人間に変わってしまった。
 七歳で母を亡くし、精神的に不安定だったのにもかかわらず、それを何年も隠し続
けた私はもう、本来の心の闇を隠しきれず顔にかぶっていった仮面を取りはずした。
私の心の中は清々しかった。闇の呪縛のようなものから解放された心は、何か新しい
物を求めていた。
915名無し物書き@推敲中?:2005/09/18(日) 23:15:43
>>914
読んでいるだけで、助詞が不自由すぎて気持ち悪くなる
もう書くなよ。才能無いから
それ以前に低脳だから
916名無し物書き@推敲中?:2005/09/19(月) 04:37:42
なんてことだ……遊び半分で投げてしまった野球のボールは、女の子の顔前まで飛んでいくと、音もなく鼻の穴へ吸い込まれていった。
僕は申し訳ない気持ちとは裏腹に、現実ではありえない光景を目の当たりにして鳩が豆鉄砲食らったような表情を浮かべながら天を仰いだ。
何せ鼻の穴へボールである。香を愛でる人体の器官が意に反してゴム塊を飲み込んでしまった。これで無事なはずがない。
少女は言った。
917名無し物書き@推敲中?:2005/09/19(月) 09:34:49
「ちゃーらーへっちゃらー♪」
918名無し物書き@推敲中?:2005/09/19(月) 14:38:56
ああ・・・これでまたこのスレは沈んでいくんだろうな・・・
919名無し物書き@推敲中?:2005/09/19(月) 16:32:47
>>917
それ採用
920地底人 ◆KCAAE/5EVs :2005/09/19(月) 16:43:19
>>916は仕様?
921名無し物書き@推敲中?:2005/09/19(月) 16:48:40
 団地の一室で若い男がカーテンの隙間から下を見ている。半開きでもここではプライバシーを覗かれることはない。
目の前には畑と、遠く山が見えるだけだ。高校生二人組が別れるのが目に映る。ひとりは小走りに団地の中に入っていく。
もうひとりのほうはぼけっとたたずんだあと、自転車を漕ぎ始め去っていった。
 男は休憩中だった。ベッドには娘らしき少女が裸で寝そべっている。「パパ、まだあ?」
「ん、始めるか」
 娘の声に反応して、男は写真を撮り始める。いっとき休んだペースを取り戻すように撮った。妻が帰ってくるからだ。
娘は父親にいわれるままにポーズをとる。陰部のアップを。親父の顔射した精子を。搾り取るフェラチオも一緒に。
 終わったあと、男は娘に「ごくろうさん」とタオルをかけた。娘はそのままシャワーを浴びに行った。
 男はパソコンをつけた。画像を取り込んだ。男の撮る写真で喜ぶものがネットには多くいた。
画面の前で待っている彼らに、男は無償で娘を見せた。ときたま、金を稼いだがわずかだった。
 娘は風呂場から出てきた。「なんか食うか?」男は訊いた。ちょうど昼飯時で娘はうなずいた。
男はトマト缶を使ったパスタを作った。茹をでる間、男はもう一度パソコンをさわった。デジカメの画像は消去した。

間違って質問スレに貼ってしまいました
感想教えて
922地底人 ◆KCAAE/5EVs :2005/09/19(月) 17:15:31
【リセット】

少年がゲームをやっている。しかし途中でゲームが動かなくなってしまう。
「何だよこのゲーム。買ったばかりなのにもう壊れちゃった」
少年はゴミ箱へゲームを捨ててしまう。
そのすぐ側で父親がタバコを吸いながら新聞を読んでいる。灰皿にはもう20本以上のタバコが入っている。
部屋にはタバコの煙が充満している。
台所では、母親が料理の後片付けをしている。そして母親はなんでもない、という風に流しへ油を捨てている。
町にも、海にも、山にもゴミがあふれている。拾う人はいない。
「自然を守りましょう」と言う人も、結局表向きだけ。
人類は、地球を汚すことを止めようとはしなかった。

1人の老人が、パソコンの画面を覗いて独り言を言った。。
「ちょっと目を離した隙に、地球がだいぶ変わってしまっておる。こりゃ、地球に悪いことをしてしもうたの」
そういうと老人は、「地球」と書かれたフォルダの中の「人類」と書いてあるアイコンをドラッグし、ごみ箱に移した。
「さて、また人類を作る前に戻ってしもうた。何度やっても、ここから先に進まない。おかしなものじゃ・・・」
そして老人は、手馴れた手つきでパソコンを操作し、新しいデータを作成した。すると奥から、若い男の声が聞こえてきた。
「神様。お食事の支度が出来ましたよ」
老人は時計を見て、「おお、もうそんな時間か」と呟くと、パソコンの電源を切り、奥の部屋へと歩いていった。

>>921
自分のことは棚に上げて一言感想言わせて貰います。
オチが無い
923三擦半次郎 ◆SF36Mndinc :2005/09/19(月) 19:33:09
SEXしませんか?

蜘蛛の巣が張っていませんか?

ここのところ視姦ばかりしている毎日です
924名無し物書き@推敲中?:2005/09/19(月) 23:42:11
そこらじゅうに響き渡る生きる屍の声、少しでも気を抜くと襲われる。
男は神経を張りつめて廃墟となった町を走り抜けていた――。コミック・スターやゲームの様に武器なんてないし格闘技の達人でもない男はただただ逃げていた。
逃げるだけでも体力は消費する、それにキーが無くては車は走らない。
男は考えた…「今起こっている事は世界的に同じように起こっているのか?……なら逃げても意味は無い、しかし、俺は誰なんだ?」
男は自分の事が思い出せない、だが男はその後とんでもない事に気付いた、
「あれは!?」
男が見た物は生きる屍と化した恋人の姿だった…。男は心の底にほんの少し、ほんのチョッピリだけあった希望を捨てた…。
男は逃げるのをやめた。
恋人に殺されるならそれでいい…。意識を失いかけたその時、声が聞こえた…「なんだこのゲーム?途中から操作きかねーよ?メーカーに言って取り替えるか」
そこで男は全てを思い出した、「俺はこのゲームを監督し、作った、武器も何もないただ逃げまくる逃げゲー、クリアする方法は…!?あ、あれは!?」男はそこで意識を失った、男が最後に見た物は…

朱色の GAME OVER の文字だった
925名無し物書き@推敲中?:2005/09/20(火) 00:33:15
生きる屍といわれて連想するのはゾンビではない
ゾンビは生きてないしな
その間違った認識の言葉を繰り返し使われているので読めたもんじゃない
926名無し物書き@推敲中?:2005/09/20(火) 00:34:30
927924:2005/09/20(火) 00:46:16
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    Λ_Λ ..:::::
   /彡ミ゙ヽ)ー、 ...
  / /:ヽ、ヽ、:|..::
  / /:: ヽ ヽ| .:.
 ̄(_ノ ̄ ̄ ̄ヽ_ノ
928名無し物書き@推敲中?:2005/09/20(火) 03:11:51
                ;' ':;,,     ,;'':;,
             ;'   ':;,.,.,.,.,.,,,;'  ';,
            ,:'           `:、
           ,:'              ',
           ,:' /        \   ;'   ・・・・・・
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           ';,   (__人__)      ;'
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             ';           ':;,
             ';             ':;,   ;`;,
             ';              ':;,丿 ;'
             ';               ;:_,;''
            (.,.,.,.,..,).,.,.,..,.,.,.(,..,.,.,.,..,.),.,.,,..;

929名無し物書き@推敲中?:2005/09/20(火) 04:36:05
あるアメリカ人の会話

「ヘイ、ジョニー。カミサンに隠れて浮気をしていたのがばれちまってさ、そういうのが過去に三度あったんだ」
「やあマイク、一度目はどうやって許して貰ったんだい」
「ダイヤの指輪を贈ったんだ。それも大粒のだ」
「なるほど、それは機嫌も良くなるだろうな。じゃあ二度目は何を贈ったんだい?」
「ピカピカの高級車さ。赤いフェラーリを贈ったんだ」
「ふむふむ、しかし流石に三度目は許してくれないだろうマイク」

「だからあの野郎を墓場に送ってやったさHAHAHAHA!」
「HAHAHAHA!」
930名無し物書き@推敲中?:2005/09/20(火) 04:42:36
俺、具体的なチャンスが幾つかあったけど、ことごとく潰してきたよ。
931名無し物書き@推敲中?:2005/09/20(火) 04:50:07
あるアメリカ人の会話

「ヘイ、ジョニー。さいきん元気ないじゃないか」
「やあマイク。いくら危険日にやってもワイフが妊娠しないんだよ」
「なんだって、そりゃ一大事だぜ」
「お前もそう思うだろう。今度、ワイフを病院で診て貰おうかと思うんだ」
「いやいや、そんなことをしなくても名案があるぜジョニー」
「ほう、そいつはどんなやり方だい」

「お前のコンドームを診て貰うのさHAHAHAHA」
「yes!タカスクリニックHAHAHAHA」
932名無し物書き@推敲中?:2005/09/20(火) 04:55:23
コンドーム診断。
どうぞ。
933名無し物書き@推敲中?:2005/09/20(火) 18:15:29
「あれって何だろ?」
 空にある何かを指差して言った。
「隕石かUFOとかじゃ無いの?」
 通行人は一言だけ残して歩いて行った。
「いや違うだろ」
 冷静に反論してみた。
「じゃあ、何さ」
 少年が服を引っ張りながら聞いて来た。ニヤニヤと笑っている。
「……何だろう?」
 じっと見てみた。でも、何なのか分からなかった。
「何も無いよ」
 少年は言った。
「空はただどこまでも青く広がっているだけなんだよ」
「そんな事は無い!」
 改めて見た。……本当だ。何も無い。
「おかしいなぁ……」
 言いながら歩き出した。
「……もっと良く見ればいいのに……」
 少年の呟きが聞こえたけど、馬鹿にされている様な気がしたから無視した。
934どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/20(火) 21:40:22
【会話】

「ヘイ、ジョニー。カミサンに隠れて浮気をしていたのがとうとうばれちまったよ」
「やあマイク、そいつは面倒な事になったな」
「俺は隠し事が嫌いだからな、逆にすっきりしたかなと思ってるんだ」
「でも、カミサンは怒っただろ?」
「いや、そうでもないんだ。意外とさばさばした感じだったよ」
「そいつは驚きだな。でも、もう相手とは会うなとか、そんな話はされたんだろ?」
「ところがカミサンの奴、苦笑いしただけで何も言わなかったよ」
「へえ、お前のカミサンは出来た人だな。ダンナの浮気を笑って見過ごすなんてな」
「相手がお前だから、納得したんだろ?」
「そうか。じゃあ、よろしく言っといてくれよ」
935名無し物書き@推敲中?:2005/09/21(水) 10:31:00
私が7歳のときに、新しい着物を買ってもらった。
青地に黄色の花を咲かせた、子どもにはたいそう豪華な着物だった。
私は、鮮やかな赤の着物を欲しがったのだけれど、祖父は、血を連想させる赤が、好きではないのだ。
と、祖母は説明してくれたのだが、当時の私は幼く、欲しいものを買ってもらえないことにムクれ、随分と祖父を罵ったことを憶えている。

翌年、その祖父が死んだ。
それ以来、毎晩、祖父が枕元に現れるようになった。
家人は誰も気付かず、不思議と怖くもなかったので、私は、いつしか、祖父と夢の間だけ遊ぶようになっていた。
生前、あまり笑うことのなかった祖父は、夢の中では楽しげに私の相手をしてくれたものだ。

それから随分と時が流れ、私は人のもとへ嫁ぎ、やがて娘を産んだ。
七五三のおり、私は、赤の着物を娘に作らせた。
その日以来、毎晩のように現れていた祖父が、パタりと現れなくなった。

「赤い着物は、魔物を寄せ付けないンだよ」
と、祖母が言った。
ああ、だから、祖父は、青い着物を私にくれたのか、と、素直に思えた。

「お爺ちゃんは、あんたに会いたがってるって言うのに、薄情じゃないかい、え?」

ああ、祖母は知っていたのか、と、そのときになって初めて気付いた。
では、夢の中で、成長した私が、祖父とどのような遊びをしていたのかをも、知っていたに違いない。
嫉妬に狂った祖母の目を見ながら、私は、なんだか、怖くなってしまっていた。
936プライベート名無し@:2005/09/21(水) 20:40:40
「敵機確認!!」

「9時方向に敵機を確認!!」そう言われた時には自機は20mm機銃によってハチの巣になっていた。
パイロットはこれまでの事をまるで走馬灯のように思いだす。だんだんと暗くなっていく世界を見ながら……。
暗闇の中で彼は天からの迎えの一言をしっかりと聞き取った。
「おい,次の奴と交代しろよ。」
彼は風太くんのようにすくっと立ち上がり,ゲーセンを後にした……。
937どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE :2005/09/22(木) 12:22:08
【オレオレ電話】

「婆ちゃん、オレオレ、オレだよ」
 山田トヨの家に一本の電話が掛かってきた。
「どちらさんだい?」
「オレだってば、婆ちゃん。オレだよ、オレ。分かるだろ?」
「ユウキかい?」
「そうだよ、そのユウキだよ。婆ちゃん、それが大変な事になったんだ」
「久しぶりじゃないか、元気そうだね」
「それが、元気じゃないんだよ。事故っちゃってさ。緊急事態だよ、困ってるんだ」
 ユウキからの久しぶりの電話、トヨは不安になった。
「私に何かできる事、あるのかい?」
「人身事故なんだ。言いづらい事なんだけど、ちゃんと聞いて欲しいんだ」
「いいよ。なんだい」
「そ、それが……」
「はっきりお言いよ。急いでるんだろ?」
「うん、それが……」
「分かってる、あんたからの知らせで良かったよ。婆ちゃん、嬉しいよ」
「そんな……」
 ユウキは2年前、事故で死んでいる。その声でトヨは全てを悟っていた。
「私にも、とうとう迎えに来たって訳なんだね」
「そうなんだ、婆ちゃん。オレ、天国で待ってるから、安らかに成仏しなよ」
938名無し物書き@推敲中?:2005/09/22(木) 12:27:07
>>937

これは最高。どぼ〜ん氏の最高傑作だと思う。いい作品をありがと。
939 ◆CHBTxVTges :2005/09/22(木) 12:31:02
940 ◆CHBTxVTges :2005/09/22(木) 12:32:19
かななかは
941名無し物書き@推敲中?:2005/09/22(木) 18:47:44
>>937
泣いた。
942名無し物書き@推敲中?:2005/09/22(木) 20:15:29
>>937
でも成仏したら天国にはいけないよね。
宗教違うから
943名無し物書き@推敲中?:2005/09/23(金) 08:07:49
>>942

仏教では、成仏したら極楽へいくわけだけど、
ひらたく考えれば極楽=天国を意味するんだから、
いいんじゃないの。
問題ないと思うよ。
作品の良さを損なうものじゃないと思う。
944名無し物書き@推敲中?:2005/09/24(土) 18:55:23
太っていて不細工だけど社交的で明るい友達が「恋人ができたよ!」と報告してきた。
相手は知っている女性だったけど、その女性も不細工だったから別に羨ましくなかった。
素直に「おめでとう」と言ってあげた。そいつは喜んで「ありがとう」と返してきた。礼は、いらない。
3ヶ月ほど経って、そいつは彼女に振られたと泣きついてきた。自分のどうしようもない態度が彼女に気に入られなかった。
そう言って、愚痴を語りだした。やめろ。当て付けか。口に出さず、「落ち着けよ」「またいい出会いがあるさ」と返す。
そいつからのメールも増えた。どうでもいいことや彼女の未練をぐだぐだと抜かしやがる。
今だってそう。いい加減彼女の話はやめてほしい。
「この時間は彼女とメール繰り返すのがどうしようもなく楽しかった。だから今が暇で暇でたまらない」
「いい加減あきらめろって。お前はもう彼女と付き合うことはできないんだからさ。ふっきれって」
「お前は付き合ったことがないからそんなことがいえるんだよ。お前にはわからないさ!」
「……そうか、なら好きにすれば。阿呆」
愚痴を聞いて聞いて聞き続けてこのざまだった。やってられない。
そいつからのメールや電話を受け付けないように設定して、ベッドに身を投げた。
シーツに口紅がつくのも気にせず、意識的に眠ろうと努力する。
「あぁ、やっちまった……」
それがシーツを汚した事なのか、それともメールの内容の事なのか、わからなかった。
945どぼ〜ん氏 ◆uyTQki4lmE
【鏡よ、鏡】

 今日もまた、いつものように魔女は鏡に向かっておそるおそる質問をしてみた。
「鏡よ、鏡。この森で、一番美しいのは誰?」
 鏡は静かにシルエットを浮かび上がらせると、いつも通りシンデレラを映し出した。
 端整な顔立ち、艶やかな肌、若さに満ちたシンデレラは鏡の中で輝いていた。
 毎日それを見るたび、魔女は憂鬱になった。今年で48歳、もう敵わないのは分かって
いる。分かっていながら、質問をやめる事は出来ずにいた。
20年前の栄光は思い出の中でしか存在しない。あの頃は全てがバラ色だった。シンデ
レラがこの森に現れるまでは……。嫉妬が胸の奥をかき乱す。そんな、毎日。次第に、歪
んだ感情が沸き起こって来るのを自分でも感じていた。
 そして、呟いた。
「あの子は、七人の小人たちを奴隷のようにこき使ってるじゃない」
 いつからこうなったのだろう。昔は他人の不幸など考えもしなかったのに。寂しさと忍
び寄る老いが自分の性格までも醜いものにしてしまったのだろうか。魔術は使えたが、誰
かを陥れるような事は一度もしなかった。厳しく育てられたせいで、いつも冷たく見られ
てきた魔女は、多くの誤解に晒されてきたのも確かだった。
 肩を落とし、寂しそうに笑った。
「私は、ダメな女ね。あんな可愛いシンデレラを悪く言うなんて……」
 自戒の意味も込め、魔女は勇気を出して聞いてみた。
「鏡よ、鏡、教えてちょうだい。この森で、一番卑しくて醜い心の持ち主は誰なの?」
 鏡は静かにシルエットを浮かべ、いつも通りのシンデレラを映し出した。