1 :
名無し物書き@推敲中?:
ツンデレ小説読んで萌えたい!!
誰かかいてください!
1ゲトw
漏れもよみたいw
4 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/11 18:49:22
期待age
5 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/11 23:48:11
あげ
ツンデレ小説とは何ですか?
俺もちょうど読みたいと思ってた
ノ 〇ノヽ〇
,,イ`" 、-' ・(ェ)・;}'
,-、 _.._,,-'' ̄ (,(~ヽ'~
)'~ レー'゙ i`'}
~つ | i' >1が糞スレ立てている間に
/ 。/ ! 日本はどんどんクマー化していく…
/ つ},-'' ,つ
i、 ,i' _,,...,-‐-、/ i
..ゝ <,,-==、 ,,-,/
) {~''~>`v-''`ー゙`'~
{ レ_ノ
ノ
10 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/13 01:14:07
期待age
11 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/15 22:45:08
あげ
12 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/19 19:20:34
アゲ
13 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/25 01:36:27
。。。
>>9 とりあえず、ツンデレキャラリストを見てみた。
これはエロゲーを網羅してないとムリですか?
15 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/25 17:49:23
>>14 久しぶり書き込まれてるの見たよ。
書いてくれるのならいいんじゃないですか?
ツンデレキャラ出てくれば1さんとしてはOKなんじゃ?
続あしながおじさんのサリー・マックブライドだとか、
アン・シャーリー(アニメ版しか知らないけど)あたりは
ツンデレだと思うけど、どうよ?
むう。
とりあえずリストを見る限り、俺の知っているキャラは
島津 澪(この世の果てで恋を歌う少女YU-NO)
保科 智子(To Heart) ※委員長
のみだった。(委員長などは大層好みだった)
この二例だけからツンデレを理解しようというのも無理があるかもしれないが、
ひょっとして主人公(男)のほうにも共通点があったりするだろうか?
ヒロインはもちろん、ツンツンとかつっけんどんとかいう性格であるわけだが、
そんな「他を寄せつけない」オーラを跳ね飛ばすような、いわば「図太い」
主人公が、構図として必要となると思うんだよね。
で、「なんでこんなに冷たくしてるのにこの人は私にこだわるんだろう?」って
ところからヒロインがメロメロになっていくと。
そういう話なら好きだし似たような話も書いたこともあるけど、
ツンデレの理解をまちがってるかな?(゚∀゚;)
18 :
名無し物書き@推敲中?:04/11/26 01:02:42
>>17 いや合ってると思う
外やみんなの前ではツンツンで、2人きりではデレデレっていう条件だけなら・・・。
男の主人公は「めんどくさがりや」とか「まわりに興味を持たない」性格が多いのは確かですね。
まぁ、あとは「すごくお人好し」の主人公とかでも成立するかな?
オレは後者の「お人好し」系主人公が好きですけどw
1さんじゃないのでよく詳しくツンデレを理解した訳じゃありませんが、自分もそういうキャラ
好きなので読んでみたいですね〜
アゲちゃった・・・スンマソ
「軟弱者」「話しかけないでくれる?」「あなたなんか大嫌い!」
↓
「見直したわ。少しだけ」「好きにしたら」「ほんとに…バカなんだから」
↓
「キスして」「行っちゃダメ」「私をこうした責任、取ってもらうからね!」
甜菜
>>20 GJ!
なんかそれ見るだけで色々妄想が広がるよw
だれかツンドラ小説かいてくれよ
ツンドラで氷を積んどら
オレも読みたい。
誰かツンデレ小説書いてくれ〜〜〜〜
25 :
名無し物書き@推敲中?:04/12/05 04:04:19
あげ
思うに、このスレはラノベ板などで立てたほうがよかったんじゃないだろうか。
27 :
名無し物書き@推敲中?:04/12/05 18:10:27
読みたいから書いてくれ、ならここだろう。
読みたいから教えてくれ、ならラ板やエロ漫画小説板だろうが。
ちなみに既に立っちゃったみたいだが、ラ板にはツンデレスレがあるんで、
後発の
>>27のスレには削除依頼をどうぞ。
依頼理由は重複でOKだよ。
あ、言い忘れたが、くれくれが嫌われるのは世の常だと思うから、
欲しい人がでっちあげでもいいからなんか動きを見せない限り、
応じる人は少ないと思うよ。
削除依頼をどうぞ、とか言う前にすでに削除依頼出されてることくらい確かめろ。
すまん
32 :
名無し物書き@推敲中?:04/12/24 21:25:16
ああーツンデレ読みてー
35 :名無しさん@初回限定:04/12/31 01:02:06 ID:rUW/JSXz
問:「最初は威勢がいいが最後はしおらしいさま」を四文字で答えなさい。
【一般人】
竜頭蛇尾
【エロゲオタ】
ツンデレ
最近の一般人っつーか学生って、竜頭蛇尾って分かるかな?
いや、見て意味を思い出すくらいは出来るだろうけど。
「最初は〜」を四文字で表すなんて出来そうにない気がする。
憂うを「喜ぶ」と同じような意味だと思っている人間が多いくらいだからねー。
あんまり自分の主観だけで物事を判断するなよ池沼
ニュー速vipに同じ様なスレがあったwwwwwwwwww
>1
ツンデレ小説って、意外とうまく書くの難しいんものだよ。
主人公のキャラがツンデレっていうキャラで固定されてるからね。
漫画とかに最近よくツンデレ出てくるよね。
マリミテを読みなさい。
___アイス タベヨ・・・
/ノへゝ ○ .∧_∧
| \´-`); v Σ(@∀@)
\__ ̄ ̄ヾ. |⌒|⌒|⊂ )
\__/ (_(_⊃
___アイス タベヨ・・・
/ノへゝ ● .∧_∧
| \´-`);V Σ(@∀@)
\__ ̄ ̄ヾ. |⌒|⌒|⊂ )
\__/ (_(_⊃
___アイス アゲル・・・
/ノへゝ ● .∧_∧
| \´-`); V Σ(@∀@)
\__ ̄ ̄ヾ. |⌒|⌒|⊂ )
\__/ (_(_⊃
___アイス アゲル・・・
/ノへゝ ● .∧_∧
| \´-`); V Σ(@∀@)
\__ ̄ ̄ヾ. |⌒|⌒|⊂ )
\__/ (_(_⊃
___ペン アゲル・・・
/ノへゝ .∧_∧
| \´-`);φ Σ(@∀@)
\__ ̄ ̄ヾ. |⌒|⌒|⊂ )
\__/ (_(_⊃
オジサン アタラシイ
ペン アゲル…
コレデ ボクラノミライヲ
___モット ヨクシテネ…
/ノへゝ .∧_∧
| \´-`);φ Σ(@∀@)
\__ ̄ ̄ヾ. |⌒|⌒|⊂ )
\__/ (_(_⊃
オジサン アタラシイ
ペン アゲル…
コレデ コノセカイヲ
___モット ヨクシテネ…
/ノへゝ .∧_∧
| \´-`); φ Σ(@∀@)
\__ ̄ ̄ヾ. |⌒|⌒|⊂ )
\__/ (_(_⊃
オジサン アタラシイ
ペン アゲル…
コレデ コノセカイヲ
___モット ヨクシテネ…
/ノへゝ .∧_∧
| \´-`);つφ Σ(@∀@)
\__ ̄ ̄ヾ. |⌒|⌒|⊂ )
\__/ (_(_⊃
.∧_∧ ウヨがつき
Σ(@∀@) サヨがこねし
|⌒|⌒|⊂ ) 日本餅
(_(_⊃ 座りしままに食うは・・・・・・
うひ
「やっぱお弁当は屋上で青空を見ながらだよなぁ!」
「……邪魔」
「二人っきりなんだから一緒に食おうぜー!」
「……うるさい」
「よし、いいこと思いついた!
二人でお互いに食べさせあおう! なんなら口移しでも可!!」
「死ねばいいと思う……」
「手厳しいなぁ」
「……これが、普通」
「まぁいいや、弁当食べようぜ。昼休みが終わっちまう」
「……好きにすれば」
「好きにする! いただきまぁす!」
「……ふん」
「いやぁ、美味しい! お弁当美味しいよ!
たとえ購買で買った200円税込みの弁当だってこうやって
自己暗示をかけながら貪れば美味しく感じるよなっ!」
「……ん」
「え?」
「……んー」
「エビフライを口にくわえて、何してんだ」
「………んー!」
「尻尾からくわえても食べにくいと思うんだが」
「……んんっ!」
「…………口移し?」
「……」
「……俺の冗談、真に受けた?」
「……ぷは」
「あ、吐き出した」
「……自分の言ったことくらい、実行しろ、ばか」
test
キーンコーンカーンコーン
「zzz...」
「・・・いいかげん起きなさいよ」
「zzz...」
「ねえ、ちょっと」
「zzz...」
「・・・起きろっ!」
「──ぐはっ!」
「・・・ったく、いつまで寝てんのよ。あんた。
だいたい、指されても起きないなんて・・・、先生呆れてたわよ。」
「せ、背骨、背骨・・・」
「ちょっと!人の話し聞いてる!?」
「いや、だっておま・・・」
(省略されました・・・全て読むには痛みが引くまでお待ちください)
53 :
【ツンデレ、その傾向と対策@】アッパー系 2/2:2005/07/26(火) 19:25:55
「──ったく、あんたって奴はホントにもう・・・」
「ん、ハイハイ。うー、もう昼か・・・。メシ、メシ、あー、購買行かな」
「あ、ちょっと」
「ん?お前も行く?」
「いや、そうじゃなくて・・・」
「なくて?」
「・・・」
「?」
「・・・ん。」
「・・・何?これ。」
「お弁当よ!見りゃ分かんでしょ。ったく・・・」
「・・・え?何?俺に?」
「だからそー言ってんじゃない!」
「・・・へぇー」
「な、なな何よ!何ニヤニヤしてんのよ気持ち悪い!
・・・たまたま材料が余ったのよ。そんでたまたま早起きしちゃって、そんで」
「愛妻弁当?」
「ば、馬鹿!!言うと思ったわよ!そんなわけ無いでしょ!」
54 :
【ツンデレ、その傾向と対策A】ダウナー系 1/2:2005/07/26(火) 19:27:02
「○○ー、入るぞー」
ガラガラッ
「・・・また今日も来たんですか。暇な人ですね。」
「はは、そんなに喜ぶなよ。照れるじゃんか。」
「・・・死ねばいいのに」
「そうかー。こんな喜んでくれるなんて、俺も来た甲斐があったよなあ。ははは」
「・・・」
「飯はもう食ったの?」
「・・・まだですけど、何か?」
「じゃあさ、一緒に食いに行こうぜ。学食にさ。
保健室なんかで飯食っても旨くないだろ。やっぱり。」
「・・・一人で行ったらどうですか?」
「おいおい、つれない事言うなよ。俺とお前の仲じゃんか。な?」
「・・・別に仲良くなんて、ない。」
「でさー、樫谷の投げたチョークが外れてさ、クラス中が驚いて、初めてだよ、アイツが外したの。」
「・・・」
「『狙った獲物は逃さない』なんて言ってたもんだから。そんでアイツ」
「・・・なんで」
「ん?」
「・・・なんで、いつも来るんですか?毎日毎日。」
「・・・なんでって、そりゃ、」
「・・・」
「・・・○○の事が、気に」
「し!」
「・・・?」
「・・・下の、名前で呼ぶの、止めてもらえますか?」
「・・・いーじゃん。別に。」
「・・・」
「・・・」
キーンコーンカーンコーン
「やばっ、予鈴!・・・じゃーな、○○」
「・・・」
ガラガラッ、ピシャッ
「ほんと、死ねばいい、のに・・・」
ガラガラッ
「あー、明日も来るかんなー」
「こ、来なくていいっ、です・・・」
毒板は長編主体っぽいし、vipの流れには付いて行けなかったのでここに書いた。
反省はしていない。
57 :
名無し物書き@推敲中?:2005/07/26(火) 19:35:55
「お前の事など心配してない」
「たまたまだ――」
「たまたま材料が多く余ったのだ」
「勿体無いので弁当を作っただけだ」
「お前のためじゃない―――」
家が隣同士だとか―
ふん。
幼馴染だとか―――
ふん。
「全く関係ない」
ふん。
「いらないのなら別にいい」
「本当にお前のことなんか何とも思ってないからな」
ふふん。
本当は食べて欲しいくせに―――
「あと昨日欠席しただろう」
「ノートのコピーもとって置いた」
「ついでだ、気にするな―――」
「もうゆく、変な噂でも立てられたら困るからな」
たまらぬツンデレであった。
59 :
【ツンデレ、その傾向と対策B】お嬢様属性 1/2:2005/07/26(火) 21:39:45
「よっ、お嬢」
「お嬢って呼ぶな!」
「ははは、お嬢は今日もお元気でございますねえ。」
「だからお嬢って呼ぶなって言ってるでしょ!いいかげんにしなさいよ!」
「えー、でもさあ・・・」
「・・・何よ?」
「髪の毛、くるくるカールしてるし。いかにもお嬢様っぽい髪型じゃん」
「な、別に髪型は・・・」
「平民はそんな髪型しないだろー?フツー」
「・・・」
「そりゃーそんな貴族ヘアーしてたら、誰でもお嬢って呼ぶって。」
「・・・うー、髪型、かあ・・・」
「・・・へ?」
「やっぱり、髪型がいけないのね。どうしよう。切った方がいいかな・・・」
「え、ちょ、ちょっと?」
「むー、薄々感づいてはいたんだけどね・・・。そうか・・・、よしっ」
「お、おい、ちょっと待てって!」
「・・・?な、何よ?」
「いや、その、別にさ、無理に、切らなくても、その、何て言うか・・・」
「・・・は?何?」
「だからっ!その・・・、髪、切らない方が、似合ってて、か、可愛いと、思うから・・・」
「・・・な、なな、なっ」
「え!いや!その、これは言葉の綾っつーか、あの」
「ななな、なっ、何言ってんのよこの変態!」
「・・・え」
「H!けだもの!何よ!何よいきなり!痴漢!けだもの!最低!」
「・・・」
「わたしの事そんな目で見てたの!?信じられない!最悪!最低!けだもの!変態!」
「やっぱお嬢だろ、お前」
「だからお嬢って呼ぶなぁぁ!」
#俺も書きはじめたんだけど、デレ化どころか
#ツン化もしないうちに行きづまちゃった
#
#予定ではひざまくらとかチューとかが出るはずだったのにな
#
八月二十五日というのは、今日のことだ。
三日前にはまだ十ページ以上も原稿が足りなく、編集にだって
全然手がついていなかったことを思うと、今年も文芸部誌「桎梏」が
予定通りに入稿できたのは、奇跡と言ってもいいんじゃないか。
「あたしもうだめ……いいよ、もう今年は休刊で……」
そんな部長の泣き言を、今週になってから何回聞いたことか。
奇跡というのは、作業が終わったことが、というよりは、
僕とこの部長と二人で冷房も無い部室にこもって、
ほとんど寝もせずにひたすら作業を続けることができた、
その根性が続いたことが、奇跡だと思う。
印刷所へは学校からバスで三十分ほどかかった。
部長がハンコを押して、前金を払い、原稿を預けて、
これでどうにか僕たちの夏休みは終わったことになる。
部長と二人、へろへろの足取りでバス停へ戻る。あとは、九月の
文化祭に合わせて「桎梏」が刷り上がってくるのを待つだけだ。
続きは無いのか
63 :
61:2005/08/05(金) 06:39:54
俺のこと?
続きはなくもないんだけど、じゃあ何か書こうかな
64 :
名無し物書き@推敲中?:2005/08/14(日) 00:05:21
中高生系のスレ見て来い
お題:ツンデレで書いてるから
見たから立てたんだろ
誰も書いてないから
とりあえず中高生スレの弱みをふやすな
66 :
山ア渡:2005/08/16(火) 21:48:17
67 :
名無し物書き@推敲中?:2005/08/16(火) 21:53:51
最初よくわかんなかったけど要するに
「罵倒されながらもかまってもらいたい」
というオトコの願望なのね。
女は本当に嫌いな男は無視するよ。
あーそれだそれ。
おまいさん簡潔にまとめるのうまいね。
それと、ツン的にかまわれてる時は
相手の心理状態への気使いとかしなくて
されるがままにしてればいいわけだから
たぶん男の子としては楽なんだよね
>>67 言われるとその通りだが
その客観的表現だと誤解を招くなあ。
70 :
名無し物書き@推敲中?:2005/08/18(木) 08:26:40
>「罵倒されながらもかまってもらいたい」 というオトコの願望
なんか変じゃね?
「普段は罵倒しているが、それはかまって欲しいという気持ちの裏返し」という女性像。
もしくは
「嫌いは好きの裏返し」という男の願望。
じゃね?
ツンデレは受けて側より、発する側のが重要なんだよ。
>>68 >それと、ツン的にかまわれてる時は
>相手の心理状態への気使いとかしなくて
>されるがままにしてればいいわけだから
>たぶん男の子としては楽なんだよね
どっちの立場なのかわかりずれー
ツンデレは女性像とか願望とか、単体の話じゃなくて、
シチュエーションの話なのでは……。
72 :
名無し物書き@推敲中?:2005/08/18(木) 22:14:20
好きの反対は無関心だよ。
ってどこかで聞いたなw
キャラリストのキャラ一人も知らんかったから撤退
校庭の木の葉もひらひらと舞い落ち、風もすっかり寒くなった。
季節ごとにぐらいしか変わらない、いつもの窓越しの風景を、
ボーっと、気の抜けた顔で俺はは眺めていた。
教室の前の方では中年のおっさんの先生がなにやら難しいことを話している。
ふと、誰かの視線を感じた。焦って先生の方を見るが、
相変わらず教科書を読み続けているだけだ。
しかし、次の瞬間、すぐに視線の主が誰なのか解った。
「・・・・・・」
隣の席のゆりが何やら不満に満ちた表情でこちらを無言で見ている。
上目遣いにも似たそれは、軽く胸がドキッとした。
数秒見詰め合って、その空気に絶えられなくなった俺は
「・・・・・何?」
と質問した。するとゆりは
「・・・・別に」
と言って教科書に目を向けた。俺はそれ以上追求せずに、再び外に視線を戻した。
ゆりがまたちらっとこっちを見たのが解ったが、気づかないフリをして、
授業が終わるのをぼんやりと待ち続けた。
――――やっと、今日最後の授業になった。科目は英語。
これも全然駄目なので、また外の風景を眺めることにした。
いい加減見飽きてくるのだが、授業をまともに受けるよりマシだと思っている。
そしてまた、例の視線を感じた。今日で何回目だろうか。
振り向くと、またゆりが俺を見ていた。もちろん表情は良いものではない。
「・・・だから何?」
「・・・・ちる」
「え?」
「・・・・気がちる」
「は?」
「・・・・だから、気が散るって言ってるでしょ!」
それなりの声量だったが、席が後ろで、CDでリスニング中だったので先生には聞こえなかったが、
周りの席の奴らはこちらを見てきた。とくに、ゆりの方を。
しかし、ゆりは何事も無かったかのようにこっちを少し睨み付け、授業体勢に戻った。
俺は何がなんだかよく解らず、授業を終えて、放課後帰ろうとしているゆりをつかまえ話しかけた。
「なぁ、何で気が散るんだ?」
「・・・・・あたし帰りたいんだけど」
「教えてくれたっていいじゃんか」
「・・・別に」
「別にってことないだろ。あんなに睨み付けてたくせに」
「睨み付けてなんか無いじゃない」
「大差ないよ。あれは」
俺がしつこく問いただすと、ゆりは観念し、睨みながら言った。
「うるさいわね!ただあんたが授業を真面目に受けてないから気が散って集中できないだけよッ!」
「へ?」
思わず絶句してしまった。なんだ、そんな事だったのか。
「別に、俺が外を見ていてもお前が気が散ること無いだろ」
「・・・気が散るって言ったら気が散るの!だから今度からは真面目に受けてよ!」
「なんでお前にそんなこと言われないといけないんだよ。関係ないだろ」
「いーからッ!真面目に受けて・・・うわッ」
前に一歩出たゆりの右足がバランス崩した。そしてそのまま俺のほうへと倒れると言うベタな展開へ。
ドサァ
倒れてきたゆりをまともに受けて俺まで床に倒れたと言うのは言うまでも無い。
俺の上にゆりが乗るという形になった。
「痛ッ・・・気をつけろよ・・・」
「・・・もう・・」
「ん?」
「もう知らないッ!」
顔を真っ赤にし、ゆりはそう言うと思いっきり俺に体重をかけて立ち上がり、走って行ってしまった。
一部始終を見ていた周りの連中の視線にも構わず、俺は
「あいつって結構胸あるんだな」
※まぁ気が向けば続くかも
つづきマダー?
80 :
名無し物書き@推敲中?:2005/12/15(木) 01:52:16
おもしろい世界だなぁ
と嘆息
続きも希望
新作も希望
81 :
名無し物書き@推敲中?:2005/12/15(木) 01:52:39
女にはよくわからない世界だわ
つれないおとこにひかれるようなものですよ。たぶん。
83 :
名無し物書き@推敲中?:2005/12/15(木) 15:59:09
>>82 なる臍
「ツン」の部分はまだわかるとして「デレ」の部分が難しいですね
ここに両者の了解<たとい他人にはわからなくとも、俺たちは理解し合っている>があるんでしょうね
しかしあまりに露骨だと読者に嫌がられてしまう
その匙加減ということでしょうか
面白い世界です
どなたか早く新作をGIVE US
84 :
名無し物書き@推敲中?:2005/12/16(金) 02:26:16
あ、あんたなんか私の自作小説でも読んでればいいのよ。
言っとくけどたまたま創作意欲が沸いただけだからね。
あなたに読んでもらうために構想2ヶ月執筆5ヶ月掛けたんじゃないから変な勘違いしないでよね。
出版社に応募してもいいんだけど私も忙しいし、幼なじみのあなたに読ませて終わりにする。
感謝してよね。原稿用紙換算で2,500枚の長編ラブロマンス書き下ろしなんだから。
主人公の名前があなたの名前なのはたまたまの偶然。
ヒロインの名前がわたしの名前なのもたまたまの偶然。
いい名前が思い浮かばなかったからとりあえずの仮名よ
作中で二人が熱い恋愛するけど別にあなたと熱い恋愛したいわけじゃないの
あんたなんか大嫌い!
「……はい」
昴が唐突に、祐一の家に来た。その手には毛糸のかたまりがある。
「なんだ、これ?」
「拾った」
「……もしかして、マフラー?」
そうは見えない。あれが拾ったものだとしたらおかしな点がある。
所々ほつれているところを見ると、手編みなのは間違いないだろう。汚れてないし。
「て、手編みなんかじゃないんだからね。そこにおちてたから……」
「落ちてた、ねえ……」
「な、なによ。いやらしい目で見ないでよね」
「なっ――い、いやらしくなんか、ねえよ!」
慌てて祐一は弁解する。まあ、どう見てもいやらしい目じゃないだろうな。
「……うるさい」
「う、うるさいってなんだよ!」
「……ありがとうは?」
「あ、ありが――な、なんで俺が言わなきゃならねえんだよ!
だ、誰も手編みのマフラーもらったからって喜んじゃいねえよ!」
「なっ――だ、だから。拾ったって言ってるでしょ!」
掴みかからんばかりの勢いで昴は言った。
それにひるむことなく、祐一も声を張り上げる。
「う……うるせえっ!」
「とにかく、はい」
「あ、ありがとう」
「――何よ、恥ずかしいじゃない」
「お、お前が言えって言ったんだろ!」
「ほんとに言う馬鹿がどこにいるのよ!」
「ここにいるだろ、ここにっ!」
「だーかーらー、うるさいって言ってるでしょ!」
見ていてそろそろ疲れてきた。そろそろ俺が止めなきゃならないだろう。
こいつらをずっとそばから見守ってきた者として。
「……迷惑だから痴話げんかはよそでやってくれないかな?」
「……痴話げんかって何? 一回死ぬ?」
「俺も昴と同意見だ。おい、何のつもりだ、隆二」
「何のつもりもないだろう。俺は知ってるぞ、相思相愛のお二人さん?」
俺は微笑を浮かべてそう言った。
「……祐一、今回だけは協力してあげる」
「あげる、じゃねえだろ――と言いたいところだが、今回は許す」
「……ふ」
一瞬意識がとんだ。二人が俺を殴り飛ばしたからだ。
いつものことだから、もう慣れている。痛いけど。
「……ばか。えっちなんだから」
「気持ちわりいっての! 黙ってろ、隆二!」
「……今度言ったら殴るわよ?」
殴ってから言うなよ、とは言わない。俺はもっと効果的な言葉を知っているから。
「……わかった。俺は帰るよ」
「お、おい……帰るって、どこに?」
「ああ、散歩だよ。祐一兄さん」
「ちょっと……何のつもり?」
俺は玄関の扉を開ける直前、踵を返して言い放った。
「二人で良いひとときをどうぞ。昴姉さんと祐一兄さん?」
そして、脱兎の如く俺は逃げ出した。後ろから聞こえる罵声は、多分気のせいだ。
全く、昴姉さんも変わらないな。あれで十八だなんて信じられない。
祐一も祐一だ。先月十七になったくせに、全く変わりはしない。
俺はまだ十五だって言うのに……もっと弟の苦労を考えて欲しいものだ。
……さて、帰ったらどうしようか。
とりあえず、一発――いや、ふたりだから二発か――殴られることは覚悟しとかなくちゃいけないな。
87 :
◆CHANCE1/yQ :2006/01/05(木) 18:25:56
>54
ダウナー系よりアッパー系が萌え萌え☆
案の定、家に帰ると昴がいた。それに祐一も。あと、父さん。
「……ちっ、まだいやがった」
「……何か言った?」
「なんでもないよ、昴姉さん」
祐一と俺の兄弟が昴に会ったのは、俺がまだ五歳だったころだ。
俺の母さんが死んで、再婚相手の娘が昴だったってことだ。
いや、厳密には違う。再婚はしないんだ。
家は隣同士だが、結婚するつもりはないのだとか。まあ、父さんも敏感なんだよな。
昴と祐一が相思相愛だってことは、父さんも知っている。だから、父さんが再婚すると二人の恋は成就しないことになってしまう。
色々抜け道はあるんだろうけど、そんなことは知らない。再婚しないのが手っ取り早くていいんだから、それでいい。
「……なあ、父さんはまだ再婚しないのか?」
「そうよ、早く再婚してよ。お母さんと一緒になってもいいのに」
どちらも、再婚相手のことは大好きだ。だから、こんなことを言うんだろうな。
自分たちが原因だってことを知らないから、言えるんだろうけど。
「再婚かあ……いいんじゃないか? そんな手続きは」
「手続きが重要なんでしょ?」
「書類にはんこ押して記名をすればいいだけだろ?」
「はっはっは、そうなのか?」
父さんは朗らかな笑みを浮かべて聞いた。
「……父さん、ぼけたか?」
「ま、急がなくてもいいだろ」
「……んだよ、もう十年だろ?」
「そうよ、簡単なことでしょ?」
「だとさ。どうする、隆二」
「……年寄りよりも若い人を優先すべきだと思うね」
「だよな」
昴と祐一は顔を見合わせた。そのままキスしちゃえばいいのに。
「で、そんなところでなにやってるの?」
「……お風呂」
「どういうこと?」
「隆二、昴は泊まっていくんだとさ。母さんが出張だから」
「祐一のために……か」
「そんなわけないでしょ。じゃ、覗かないでよね祐一」
「なっ――俺は、その……」
祐一兄さん、覗くとか覗かないとかじゃなくて……。
「おい、隆二? お前、変なこと考えてないか?」
「いや、別に」
……ふう、こんなときだけ鋭いんだから。まあ、俺が今日やることはただひとつだ。
二人の仲を進展させる……どんな方法を使っても。
3点リーダの多用って、ラノベの影響? それとも漫画? エロゲ?
ラノベの影響。
読みづら。。
ん、気を付ける。
とは言ったものの、見切り発車したせいで続きが思いつかなかったりする。
うわ、自分で言うのもなんだけど。ほんと読みづらい。
オカルト板の「メリーさん」からやってきました。
キネンカキコ
VIPのツンデレスレから来ました。記念カキコ
「よ、美咲」
背後から名前を呼ばれて、美咲は何気なく振り返った。
視線の先には、見覚えのある顔立ち。
「……り、隆二……っ!?」
驚きのあまり、うっかり大きな声が出てしまい、美咲は赤面した。
まさか再び会うことがあるとは。
自然に表情がこわばる。
「なんだよ、久しぶりの再会なのに、そんな顔しなくたっていいじゃん」
隆二は笑いながら、美咲の隣に並んだ。
「……あんた、何でここに……」
忘れもしない中学一年生の文化祭、それが終わったと同時に、隆二は親の仕事の都合で、県外に転校していってしまったのだった。
「ちょっとあってさ、また来る事になったんだ。二高ってIT科があるじゃん。そっちに入りたいってのもあったし」
言って、隆二は遠くを見つめた。
下校時刻の海岸沿いを、二人並んで歩く。
私服の隆二と制服姿の美咲が連れ添ってる姿は、学生だらけの周りから、少しだけ浮いて見えた。
「IT科なら、双葉高にもあるでしょ。そっちに行けばいいのに」
言いながら隆二を見て、ふと美咲は気づいた。
──そうか、もう4年も経ってるんだもんな。
自分よりも小さかった隆二が、今は見上げるほど大きくなっている。
そのことに美咲は、悲しいような、嬉しいような、変な気持ちになった。
「なに、そんなに見つめられたら穴があいちゃうんだけど」
ふと美咲の視線に気づいて、隆二が笑う。
美咲はハッとして顔を背けた。
「ばっ……、バッカじゃないの! 自惚れんじゃないわよ、誰があんたの顔なんか……」
「俺の顔なんか?」
ニヤニヤして顔を覗き込んでくる隆二の顔を、美咲はまともに見られなかった。
「俺は美咲に会えて嬉しいけどな」
隆二は両手を頭の後ろで組み、空を仰ぎながら言った。
そのまま流れてしまいそうなほど、サラッと言ってのけた言葉に、美咲は思わず隆二を見上げる。
「美咲は嬉しくない?」
少し困ったような、悲しそうな笑みを浮かべて、隆二がこちらを向いた。
美咲は、その視線を外せなかった。
「あ……、いや、別にあんたの事なんかこれっぽっちも考えてないっていうか、もう、会えないと思ってたから、だからまさか、こんな会うなんて思ってなくて、その──」
隆二に見つめられれば見つめられるほど、言葉が思うように出ない。
しどろもどろになりながら、美咲は必死で何かを言わなきゃ、と思っていた。
「その、またアンタと一緒だなんて……か、考えてもみなかったわよ!」
最後はギュと目をつぶって言葉を放った美咲に、答えになってない──と隆二が苦笑した。
「──だって、あの事件以来、てっきり私は…」
小声で美咲が紡ぐ。
中一の文化祭。
美咲と隆二のクラスは出し物で、劇を披露していた。
お姫様には美咲が、王子に隆二が抜擢され、担任の趣味でラブロマンスものをやらされていた。
問題は、そのクライマックスのシーンに起こった。
本当は抱き合うはずだったものが、美咲は勢い余って躓き、待ち構えていた隆二の唇に、キスしてしまったのだった。
混乱とプライドの高さが災いして、美咲は自分の非を認めず、大声で、避けなかった隆二を詰った。
隆二が転校したのは、その直後の事だった。
「あのとき私、謝んなかったから、その、あんたに会えて、良かったとは思ってるわよ……。でも! 嬉しいとか
そういうのとは別物なんだからね!!」
キッと隆二を睨んでみるものの、返って来たのは優しそうな笑みだった。
「俺、美咲がいるから二高にしたんだぜ?」
「……え、」
ぽかんと美咲は隆二を見返した。
「だから、良かったと思うなら、もう少し喜んで欲しいな」
意外な隆二の言葉に、美咲は戸惑いを隠せなかった。
ずっと自分はあの時の事を後悔していた。
機会があれば謝りたいと、ひたすら思っていた。
「……じゃぁ、あんたに会えた事で、私はあの時の事を謝れるから、良かった、だから、嬉しい──ってことにしといてあげるわよ」
「……嬉しいのね?」
微笑む隆二に聞かれて、美咲は紅潮しながら、顔を背けて言った。
「う、嬉しいわよ……っ!」
終了。
隆二の名が被ってしまってスマソ_| ̄|○ 意図的じゃないデス…
↑3だった…
101 :
名無し物書き@推敲中?:2006/01/25(水) 01:10:11
彼女はツンとしたが、次の瞬間にはデレっとしていた。
彼女のツンデレは、まだ始まったばかりだ!
完
長い間ご愛読ありがとうございました。
つんでれ先生の次回作にご期待下さい。
102 :
名無し物書き@推敲中?:2006/01/25(水) 21:00:20
引き続き雨雪がメイド姿で陵辱されるエロ小説を募集します!
それでいっぱいオナニーしたいのでヨロシク!
とても良いをつけます^^
103 :
名無し物書き@推敲中?:2006/01/25(水) 21:39:15
誤爆?
>>103 無差別にいろんなスレに書いるだけだと思いますが。
105 :
名無し物書き@推敲中?:2006/02/15(水) 13:59:16
ツンデレの代表的なセリフといえばなんがあるっけ?
「(**本音**)じゃないんだからね」
「わ、わたしはツンデレじゃないんだからね」
……すみません。
♂:佐藤太郎
♀:鈴木花子
『ぃよっ、鈴木。やっぱまた屋上に居たのか』
『…何しに来たのよ』
佐藤は校舎の屋上で一人弁当を食べている鈴木の隣にドカっと腰をかけた。
『一人で食っても美味くねーだろーが』
そう言って佐藤は紙袋から、ガサガサと購買で買ってきたパンと牛乳を取り出した。
『…アンタだって一人じゃない』
鈴木はそう言うと、佐藤に背中を向ける形で横を向いた。
佐藤はヤレヤレと言った表情で肩をすくめ、一つ目の焼きそばパンにかじりついた。
(何で黙ってるのよぉ…)
鈴木は黙って弁当の中の卵焼きを箸で突ついている。時折肩越しに佐藤の方を見たが、
それに気づかない様子で二つ目の焼きそばパンにかじりついていた。鼻歌まで歌いながら。
(渡すきっかけが無いじゃない…)
鈴木は落ち着かない様子を悟られないように耐えていたが、ついに我慢の限界が来た。
『何しに来たのよ!誰も来てくれだなんて頼んで無いわ!私は一人が落ち着くの!
だからどっか行きなさいよッ!』
突然振り向いて怒鳴る鈴木をポカンとした顔で見ていた佐藤だったが、かじり
つこうとしていた三つ目の焼きそばパンを紙袋に戻してその場に立ちあがった。
『頼まれてねーケドさ。俺、鈴木と昼飯食うの好きでさ。ま、お前に迷惑
かけてたんならもうやめるわ。悪かったな』
佐藤は寂しそうに小さく笑い、屋上のドアに向かって歩き出した。
『あ……』
鈴木は小さく声を漏らし、届く筈もないのに佐藤の背中に座ったまま手を伸ばす。
眉をへの字に曲げ、一瞬泣きそうな表情を浮かべた。
(本当は迷惑じゃないよ!待ってよ!行かないでよ!)
そして何かを思いついたように弁当箱のポーチから小さなタッパーを取り出した。
ガチャ
佐藤の手がドアノブに掛かる。
(はァ…何やってんだろ俺)
『ま…待ちなさいよぉっ!』
『ん?』
小さくため息をついて佐藤がドアを開けようとした時、後ろから鈴木の怒鳴り
声が屋上に響いた。
驚いて佐藤が振り帰ると、そこには怒った顔でタッパーを前に突き
出している鈴木の姿があった。……気のせいか、瞳には涙が溜まっているように
見える。
『い……いつも焼きそばパンばっかじゃ身体に悪いわっ!コレ!』
そう大声で言って、鈴木はタッパーを突き出したままプイッと横を向いた。
紅くなった顔を隠すかのように。
『野菜を適当に切ってドレッシングをかけただけのシロモノよ!アンタには
このぐらいの物がお似合いね。だから……だから、ここに座って食べなさいよ』
そう言って鈴木は地面を指差した。自分が座る場所の隣を。
『……うん。ありがたくいただくよ』
『フンッ!好きにしなさいよ!』
佐藤はタッパーを受け取り、鈴木の横に再度腰をかける。そしてニッコリと微笑んだ。
『うん。好きにするさ』
〜END〜
駄文スマヌ
110 :
名無し物書き@推敲中?:2006/02/17(金) 15:16:21
……名前が適当すぎやしませんか?
>>111 即興なので名前が思いつかず…
脳内変換して好きな名前で読んでください。
AGE
115 :
名無し物書き@推敲中?:2006/03/04(土) 01:18:45
レンゲの花が咲いてました。
摘んでレンゲ。
>>112 では、脳内変換しときます。
……今日までレスに気付かなかった自分って。
117 :
112:2006/03/04(土) 15:04:56
118 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/13(木) 20:28:23
べ、別にこんな駄スレ、保守なんかしたくないんだからね!
録画した「七人の女弁護士」見て思った。
釈がやってたキャラなら、良いツンデレになるんじゃないか。
↓
「あ、あんたなんかに、逃げ場はないんだからね!!」
120 :
名無し物書き@推敲中?:2006/04/19(水) 21:36:04
いいわ、ちょっとだけ保守してあげる。
だけど、それだけなんだからね。勘違いしないで!
121 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/01(月) 01:41:31
ツンデレのベトナム娘が出てくる予定の小説書き始めたけど、
デレの部分はいいけどツンの部分が難しい。
どうしても最初の出会いだけがツンで後はデレになってしまいそうだ。
122 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/01(月) 19:13:50
ツンデレねぇ…。俺はデレデレがいいや。
いつもツンツンされてるから? w
124 :
名無し物書き@推敲中?:2006/05/01(月) 21:46:06
デレデレならツンツンのほうが萌えるわ
デレツン
126 :
名無し物書き@推敲中?:2006/06/04(日) 21:12:51
保守してあげるね。
>>126 保守なんてしなくていいのに!
こんなスレはやく沈んじゃえばいいのに。
な、なによ。別にあんたのためにやったんじゃないんだからね!
そ、それじゃ。その……何でもないっ!
130 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/15(火) 23:12:42
阿蘇は実は女
ツンデレは低能開発者の最後の砦なんだよ
出会ったときはツン
フラグがたつとデレ
これならアホでも作成できるってことだ。
ツンデレに限らす、記号化されたキャラはみんな簡単だ。
最後の砦はツンデレだけじゃないぞ。
「あんた、何でここにいるのよ?」
「アレだ、宇宙の意思だ」
「……病院行ったら?」
「冷たいな」
何の変哲もない日の、何の変哲もない学校。
息も白くなるような真冬の日に、屋上に居るような物好きは少ない。
そんな物好きが若干2名。
真冬の屋上で、昼食を取っていた。
「……」
「……もぐもぐ」
「……」
「……むぐむぐ」
「……」
「……むしゃむしゃ」
長い黒髪を2つに結った、俗に言うツインテールの髪型。
日焼けとは無縁だったのか、その肌は雪のように白い。
幼い顔立ちながらも、大きな瞳が印象的な美少女であった。
少女はひざの上にある小さな弁当箱に箸を伸ばし、止める。
先ほどから、幾度となく続けている事だ。
「 、――……ねぇ」
「ん? どうかしたか?」
ずっと持ち続けている、1つの疑問。
「……なんで、私に構うの?」
ほんの少しの躊躇いを飲み込み、変わりにその疑問を吐き出した。
「なんで構ってほしくないんだ?」
けれど、望んだ答えは返ってこず。
変わりに疑問が投げ掛けられる。
「……べつに。理由なんかない」
「へぇ」
「あんたが質問しときながら、何でそんなに興味無さ気なのよ」
「えぇ! マジで!? そんな理由だったのかー!!」
「わざとらしいのよっ! しかも棒読みじゃない!」
「まぁまぁ、落ち着けって」
「あんたのせいでしょうがっ!!」
息を荒くした少女と対照的に、パンをかじる青年は余裕そのもの。
冷たい冬風に髪を揺らし、どこか楽しそうにパックのバナナ牛乳を吸う。
「……もういいわよ」
聞くんじゃなかった、そう小さく呟き、少女は箸を持ち直した。
最近になって、少女はこの青年と昼食を共にする事が多くなった。
当初は、「近寄らないで」「邪魔」「消えて」などなど。
厳しい発言を繰り返したものだが、いつまで経っても、何を言っても、青年はここに来るのだ。
既に諦めた。
少女が場所を変えれば済むことだが、少女には他に場所がない。1人になれる場所が。
この場所も正しくは2人になっているのだが、気にしなければどうってことはない。
蚊や、蝿と同じだ。いや、それはうざったい。二酸化炭素が丁度いい。
そんなことを考えながら、黙々と食事を取る少女。
「さて、と。俺、そろそろ帰るわ」
「あっそ。さっさと行けば」
掛けられた声に、投げやりに返す。
青年の相手はしないと、もう決めたのだ。
自分は1人で良い。他に誰もいらない。
青年は扉に手を掛け、錆びついたそれを開いた。
ギィ――、と扉が開き、バタン、と閉じる。
残されたのは、静かな空間と1人の少女。
人が1人いなくなっただけだと言うのに、そこは酷く ――寂しかった。
(……私は、1人でいい……)
そう、決めたのだ。
……けれど、なぜだろうか?
なぜ、寂しいと感じてしまうのか。
青年が去ってしまった後、いつも感じてしまうのは、なぜなのか。
少女は小さな弁当箱を静かに見下ろし、自嘲する。
(なんで私に構うの、か……)
自分は、なんて言って欲しかったのだろう?
何を期待していたのだろう?
期待するだけ、無駄だと分かっているのに……
「……はぁ……」
ため息が、漏れた。
「1人、ぼっち……」
そう、呟いた時。
――ギィ
「……?」
再び、扉が開いた。
少女が、疑問を持ちながら視線を向ける。
そこには――
「あぁ、そうそう。さっきの質問だけどな」
青年が、顔だけを出していた。
「お前の事が好きなだけだよ。そんだけ」
「 、 ―――― っ!?」
「んじゃ、明日も来るからな。できれば俺の弁当も作っといてくれ。もちお前の手作りで」
それだけ言うと、青年は顔を引っ込めた。
扉が閉じる。
「……………………え? あ、え、えぇっと……え??」
少女は、ゆっくりと、何を言われたのか理解しようとした。
ゆっくりと、ゆっくりと。
一言ずつ、一文字ずつ。
そして、それをようやく理解したとき、
「……………………ぁぅ…………」
顔を真っ赤に染め上げた。
雪肌に映える赤は、顔のみでなく、その細く繊細な指先まで染み渡った。
「……ぁ………ぅ………もぅ………………」
「…………ばかやろう」
そんな呟きは、冬の空に消えて行った。
容赦なく吹き付ける冷たい冬風が、少女には心地良かった。
「…………作って……やるわよ……」
そして、明日はほんの少し、素直になってみよう。
そう、柄にもなく思った。
Fin
夜の俺は俺じゃない。
だから、書いたのも多分俺じゃない。
ツンデレ、のツンは
「ツ」イ「ン」テールだと当初は思ってた。
あと、年下だとも思ってた。
……多分、俺じゃない。
意味も無いかなり長文スマソ。
無駄にageスマソ。
つうか、連続投稿を忘れてた……。
これ書き込むのに、時間置かなきゃならんのは、苦痛だった。
>133-138
いいね。面白かった。最後の捨てゼリフが格好いいけどリアルではなかなか……w
二時限の授業中、単調なリズムでレジュメを読み上げる教授の声に負けて俺は舟を漕いでいた。
「ちょっとアキラ。起きなさいよ」
横合いからキリカが身体を揺さぶってくる。俺は夢の世界からゆっくりと身を起こした。
「ふぁ……キリ、カ?」
「ふぁ、じゃないわよ。試験が間近なんだから緊張感もちなさい」
相変わらず真面目なキリカは俺が起きたのを確認すると教壇に視線を戻した。
「ああ、まだ授業おわってないのか」
「もうちょっとシャキッとしないと単位おとすわよ。まったく」
「何とかなるって」
御座なりな言葉で濁しておく。事実、一夜漬けすれば何とかなるだろう。大学の定期試験なんてそんなものだ。
俺は冗長な教授の解説に耳を傾けた。眠りに落ちる前と変わらず、プリントの内容を読み上げるだけのつまらない授業だった。
「はい」
唐突にキリカがプリントを突き出してきた。紙面の上には幾本の赤線が引かれている。つまり要点を写せということらしい。
「あ、サンキュ」
「……まったく」
俺はキリカに感謝しながらさっさと授業が終わることを祈った。
「あんたね、いくら中だるみの年とはいえ不真面目がすぎると思わないの? いいかげん身を引き締めないと私の後輩になるわよ」
「キリカ先輩、ってか」
「笑えないわ、まったく」
俺はフライドポテトをつまみながら苦笑した。
授業が終わり、学食にやってきた俺とキリカ。かろうじて混雑する前に席を確保し、美味くもまずくもない食事をついばんでいるところだ。
ちなみに俺は和風ハンバーグとフライドポテト、ポテトサラダにキンピラゴボウという取り合わせ。キリカは新メニューという触込みのプルコギと野菜セットを選んでいた。
「なあキリカ」
キリカが顔を上げる。
俺は正直に思ったことを訊いてみた。
「なんでそんなに真面目なんだ?」
すかさず顔を歪めるキリカ。明らかに怒らせてしまったようだ
「バカなこと言ってないで早く食べなさい」
「へいへい」
キリカは箸を握りなおすと食事を再開させた。その所作は粛々という形容が似合うほど沈着で、慎ましく、ひっそりとしていた。
俺はハンバーグを不器用に刻み、大口を開けて呑み込んだ。
142 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/25(金) 02:19:55
コピペ
ある有名な心霊スポットへ、深夜に車で行ってみたんです。
トンネルを抜けると、そこが有名な心霊スポット。と、そこに目の前にふっと女の人の白い影が。
あ! と思って、慌ててブレーキを踏んで降りてみたところ、そこに人影はなく、目の前は崖。
ガードレールが壊れていて、ブレーキを踏んでなかったら落ちてしまっていたかもしれない。
「あの幽霊は助けてくれたんだ」
そう思って、そこで手を合わせ、お祈りして帰路についた。
トンネルを引き返す途中、ふとミラーを見ると、後部座席に先ほど目の前を横切った女の人の姿が……。
その女の人は、こう呟いた。
「…死ねばよかったのに」
「いや、でもホント助かったよ。ありがと」
「ば…ばかっ、あんたなんか死んじゃえばよかったのよ!」
「お礼しないとな。また来週きてもいいかな」
「ダ、ダメっ! また落ちそうになったら危ないわっ!!!」
翌週、なんか弁当用意して待っててくれました。
作りすぎただけで、決して僕のために用意したんじゃないそうです。
143 :
名無し物書き@推敲中?:2006/08/28(月) 13:02:00
キリカはもっと明るくて笑みの絶えない女の子だった。勉強も今ほど熱心ではなかったし、何より快活で元気だった。
家が隣ということで物心ついたときからいつでもどこでも、何の疑問も抱くことなく俺とキリカは二人でいるのが当たり前だった。
俺が砂遊びをすればキリカも団子を作ったし、キリカが花摘みを始めれば俺は虫を追っかけ回した。どこに行くにも俺のうしろをちょこまかとついてきて、転んで膝小僧を擦りむけば泣きじゃくり、飴玉ひとつで満面に笑みを浮かべたものだった。
そんな俺たちでも互いに同性の友だちがいたわけで、いつしか一緒にいる時間が減っていた。いや、減っていた事実に気づいたのは大学生になってからだ。それまではキリカとの距離や一緒にいる時間なんて少しも気に留めたことがなかった。
中学校も後半になると、俺は級友とサッカーやドッジボールをして汗を流して泥まみれになっていた。一方でキリカはあやとりや裁縫に精を出していた。
そのころには登校時はまだしも、昼食時、放課後に行動を共にすることも少なくなっていた。休日はキリカのおばさんがお茶を飲みに来るので顔くらいは合わせたものの、もはや会話の話題すら噛み合わず、沈黙のなかで別々に遊んでいたのを覚えている。
それから後は簡単で、何の因果か同じ高校に入学、無事に卒業したと思ったら今度は大学まで一緒という状態で現在に至る。ここまでくれば運命の女神のいたずらを疑いたくなるほどの腐れ縁だ。
そして今もなお、目の前にはキリカが座っている。会話量なんて二言、三言かわす程度。逆にそれだけで相手に意図が伝わるとも言える。ツーカーの仲ということだ。
相も変わらず、俺とキリカは幼馴染みをやっている。
「今日も仲がいいな〜、おしどり夫婦よ」
俺が物思いに耽っているとやや軽薄な声が飛んできた。声の主はずかずかと近づき、無遠慮にイスを引いて断りもなしに腰を下ろした。
「よお、シュウジ」
「誰が夫婦よ、まったく」
大学に入学したてのころ、語学の授業で知り合った友人だった。授業で俺と知り合い、所属するサークルでキリカと知り合うという不思議な縁を持つ。それ以来、代返やレポートなどで連絡を取り合うことも多かった。
「おっすアキラ。怒んないでよ〜、キリカちゃん。女の子は笑ったほうが可愛いよ」
その口調と等しく中身も軽くて調子のいい反面、意外なことに義理堅く、人情に篤い憎めない男だったりする。
「てか二人って小さい頃からの幼馴染みだったよね。それなのに付き合ってもいないとか、逆に変じゃないかな。お兄さん心配だな〜」
「お前が心配することじゃない。というより何を心配するっていうんだ?」
「シュウジくんには関係ないわ」
すげなく切り捨てる俺とキリカに、シュウジは臆面もなく食い下がる。
「じゃあさ、お互いにどう思ってんのよ。普通そんなに長く一緒にいたら好きになるもんでしょ、それなりにさ。嫌いなら一緒にいるわけないし」
「向かう方向が同じだから一緒にいるだけよ」
「そうだな。それに赤ん坊のころから一緒にいるんだ。家族みたいなものだし、今さら恋愛感情とか持てないだろ」
ふと、キリカがうつむいた。
瞬間、俺を見るシュウジの目が細まった。それはまるで俺を糾弾するかのような、非難を湛えた目に見えた。
なぜだろう。俺にはそんな目を向けられる理由が判然としなかった。
「……なるほど。お子様のアキラくんにはキリカちゃんの魅力が判らないのか〜。同じ男として嘆かわしい! 大丈夫だよ、キリカちゃん。君の魅力はこの僕が保証する」
「…………」
キリカはゆっくりと面を上げた。その顔にどこか歪な、ぎこちなさを感じた。なんだろう。あまりに綺麗すぎる――貼り付けただけの無表情な笑顔。
俺は違和感を紛らわそうと半分義務的に無理やり言葉を吐き出した。
「お、おい。それ以上、刺激すると命がなくなるぞ、シュウジ」
「おっと命だけは取らないで欲しいな、キリカちゃん。まだ現世に未練たらたらなんだよね」
「……アキラも一緒に三途の川を拝みたいのかしら。今なら片道キップをプレゼントするけど」
「御免こうむる。そんなことより何しに来たんだ、シュウジ? 飯は彼女と食うとか言ってなかったか?」
俺は話の舵を取ってシュウジに水を向けた。与太話を続けても切りがないし、空気も変えたかった。
「飯はドタキャンされて一人で食ってきた。で、通りかかったついでにキリカちゃんに伝言を伝えようと思ってね。
サークルの幹事長から、年度末に会誌を作るけどキリカちゃんも作品を提出するかどうか聞いてこいって。参加は任意だけど可能な限り参加して欲しいとも言ってたね」
「会誌、ね……」
不自然なほど早口にシュウジは言葉を紡いだ。
キリカが所属するのは児童文学研究会というサークルだ。「研究」というほど堅苦しいものではなく、児童向けの本を読んだり書いたりするのがメインらしい。
キリカは絵本のようなものを描いているらしいのだが一度も見せてもらったことはない。下手だから、と言い訳をしているがたぶん恥ずかしいのだろう。大人びた外面とは裏腹にファンシーな一面も持つ幼馴染みだったりする。
「そうね、やってみようかしら」
「オーケー。それじゃ参加ってことで伝えておくね」
「いえ、今から部室に行くから私が直接つたえるわ」
言うが早いか、そそくさと立ち上がったキリカは「それじゃ」と一言だけ呟いて去っていった。
呆気に取られたように残された男二人。何とも言えない一拍の静寂。
俺が口を開きかけると、
「お前、ほんとバカだろ!」
あの軽薄なシュウジに似合わない真剣な声で怒鳴られた。正直に言えば面食らった。それから延々とシュウジに説教されたことは言うまでもない。
サークル棟に向かう足が速い。なぜか心が乱れている自分に余計、腹が立つ。
なんなのだろう、この気持ち。アキラが私を好きだと言ってくれなかったからか。それとも恋愛感情など持てないと言われたからか。同じことのようで意味合いはずいぶん異なる。
好きだと言わないだけなら、まだ好きである可能性もある。でも恋愛感情を持てないというのは私を女性として見ていない、とはっきり言われたようなものだ。アキラが女たらしだとは思わないが、自分を恋愛対象外としているならいずれ他の女性と付き合うことになるのだろう。
アキラが私以外の女性と一緒に――。
そんな光景は想像すらできない。昔からアキラの隣には私がいて、私の隣にはアキラがいたのだから。あいつは私がいないと何もできないのだから。私以外の女性と親しげに話すアキラなんて、まるでアキラではないように思える。
「はぁ……」
私は胸の内のわだかまりを吐き出すようにため息を吐いた。もやもやとした呼気が白く空気に溶けていく。消え入り方が儚くて、私は思わず足を止めた。
悶々とした気持ち、すっきりしない頭、これではまるで――。
「馬鹿馬鹿しい……」
頭を振るとサークル棟へ急いだ。
部室には幹事長が一人でお茶を楽しんでいた。電気を点けていないせいで室内は薄暗かったが、濡れ羽色の長髪を纏う幹事長の場合、憂いを帯びて怖いくらい絵になる。
「やあ」
「こんにちは」
軽く挨拶を交わし空いている椅子に腰掛ける。宝塚もかくや、という凛々しき女性は窓の外を見て呟いた。
「外は寒そうだね」
「ええ、寒風が肌に染みます」
狭苦しい部室の窓から外を見やると枯れ葉が舞っていた。空気が澄んで遠くまで見通せるのは気温の低さの裏返しだ。見ているだけで寒くなりそうなので視線を外す。
部室内は空調で適度な室温を保っている。壁にはサークル員が製作したポストカードやカレンダーが所狭しと飾られている。本棚には世界の童話、童謡集がずらり。いつもと変わらない部室。なのになぜか、落ち着かない。ちょっと、空気が乾燥しているかもしれない。
唐突に、幹事長が切り出した。
「ねえ、キリカくん」
「はい?」
「悩み事でもあるのかい?」
「あ、えっと、別に何も」
「顔に書いてあるよ。君は嘘が下手だからね」
幹事長が苦笑した。そんなに心中を読み取られやすい顔をしているのだろうか。少し情けない。
「本当に何もないですよ」
「君がそんな顔をするのは珍しい。話すだけでも楽になるものだよ。もちろん、どうしてもいやなら無理にとは言わないけど」
いつもなら幹事長といえど突っぱねてしまう私だが、何となく話してみたくなった。こんな気持ちになること自体、弱っている証拠なのが忌々しい。
私は仕方なく話し出した。先ほどの学食でのことを踏まえ、小さい頃からの私の気持ち、アキラとの関係――。
誰もやってこない二人きりの部室。響くのは私の声。黙して聞き入る幹事長。お茶二杯分の時間を費やして大まかな昔話を話し終えた。
話を聞き終えると幹事長は思案顔で足を組み、考え始めた。だが黙考もすぐ終わり、ぽつりと一言、こう言った。
「なぜ好きだと告白しないの?」
「え……?」
私はおそらく豆鉄砲を食らった鳩のような顔をしていたに違いない。何気ないただの一言に私は意表を突かれていた。
なぜ告白しない……?
「だって私は、アキラの幼馴染みですし――」
「幼馴染みは関係ないよ。好きなんでしょ?」
「き、嫌いではないですけど、好きかどうかは……」
「それはたぶん好きなんだよ」
「そんなことないです」
「じゃあ仮に彼がいない生活を想像してごらん。寂しく感じたりしないかい?」
「あ……」
流れるような問答の中で出た言葉。
アキラのいない生活。
アキラのいない私は今まで通りに生活できるだろうか。答えは簡単すぎる。考えるまでもない。
NO。
私の毎日には常にアキラがいたのだから、アキラがいなくなって同じ生活を続けられるわけがない。アキラは私の生活の一部なのだ。それは物心ついたときから形作られたサイクルの一環。どんなに我慢したところで物足りなさは感じないはずがない。
私は何かに抗うように言い募った。
「でも、赤ちゃんの頃からずっと一緒ですし……」
「そんなことに一体どうして引け目を感じるのかな。相手の良いところも悪いところも心得ているなら、なおのこと仲を深めやすいと思うけど」
「引け目とかではないです。でも何ていうか、近すぎて相手が見えないと言うか。適度な距離が必要だと思うんです」
「それがない、と?」
「今さら恋愛感情など持てない、と言っていました」
「ふむ……」
幹事長は口を閉ざして腕を組んだ。また何か考えているようだが打開策など浮かぶはずがない。これは幼馴染みだからこそ至った当然の結果だ。
ふと、私は気づいたのだが、いつの間にかアキラを好きだという前提で話が進んでいた。昔話はしたが別に特別アキラを好きだなんて言っていない。それをさも当然のように幹事長は話を進め、私は無意識のうちに従った。
これは私がアキラを好き、ということなのか。潜在的に好きであるから敢えて訂正しなかったのだろうか。少し恥ずかしい気もするが、ここまで話が進みながら「別に好きではありません」と言うのは大人気ないにも程がある。
どうやら私は、本当にアキラのことが好きなようだ。
そう頭の中で意識すると自然、頬が熱くなるのを感じた。
「それならさ、作ればいいんじゃない?」
「え?」
出し抜けに幹事長が言い出した。
「距離がないなら作ればいいんじゃないかな。そして相手もそれを意識できたら告白する」
「え、告白って……」
たしかに幹事長の言葉は的を射ていた。告白をする、ということそのものが頭になかった私だが、距離が開けばお互いに寂しさと相手の存在感の大きさを感じられるかもしれない。
「それで駄目なら諦めるしかない」
「諦めるって……元の幼馴染みでもいられなくなるじゃないですか」
「そんなことはないでしょう。今までずっと一緒にいたわけだし。それくらい何とかならない相手なら初めから脈がなかったということだよ」
幹事長の言葉は深く私の胸を抉った。それはいちいち悔しいくらいに正論だったし、誰もが通る道なのだ。
当たり前すぎる営みに単に私が気づいていなかっただけ。いや、もしかしたら気づいていながら故意に避けていたのかもしれない。
今の関係が心地よくて仕様がないから、わざわざリスクを伴う行為に身を投じる必要はない、とそう考えていたのかもしれない。
私は柄にもなく、弱々しい声を出してしまった。
「今のままいることは……」
幹事長はありのままの事実を口にした。
「キリカくんが構わないならいいんだろうけど、その様子だといつか、その彼は離れていくだろうね」
アキラが、私の元から離れていく――。
考えたことなどない、考えたくもない事態だった。
目頭が熱くなっていくのが判る。手持ちぶさたの落ち着かなさを満たすために手は髪の毛を梳いていた。焦りが全身を強張らせていく。
「すべては君次第だよ。偉そうなこと言ってごめんね。でもなんだか見てられなくて」
黙っていればアキラはいなくなる。今日明日に起こるとは限らないが免れ得ないことに変わりはないだろう。
そう考えれば是非もない。
私は艶然と、しかし温もりのこもった笑みを浮かべる幹事長に決意を表明した。
突然だが、昨日僕には彼女ができた。
その彼女は、いわゆるキツネ目のロングヘアーのストレート。そして、僕のストライクゾーンへも、ストレートにど真ん中に来ていた。
思いを告げたのは、僕からだ。君を、人気の無い所で呼び出して大声で……という古典的なことはせず(否できず)僕の情報ネットワークを使い、さながらダイヤルアップで動画を観ようとするほど、時間を掛けて手に入れたメールアドレス。
全ての思い(計1500文字程度)を、書き込み送った昨日。その後、君からすぐに返事が返ってきて驚いた。辺りに、家族がいないのを確認しつつ恐る恐る震える指先で、キーを押しメールを開くと、
《本文 かまわん》(計4文字)
顔文字も絵文字も無い文字がそこにはあった。
とてつもなく嬉しいんだけど、どこか悲しい。例えるなら、好きなTV番組の最終回後の気持ちだろうか、何故悲しいが分からないが、産まれて初めての興奮で頭がおかしくなってるのだろう。そうだ、そうにちがいない。
そして今日、初めて彼女になった君と初めて会う。期待と、不安で、顔はでれでれしたり、暗くなったりと忙しく百面相しており、自分でも緊張してるのが分かる……
できるだけ、いつも通りに校門をくぐり、靴を脱ぎ、上履きを履き、教室へ入ると、そこにはやっぱりいつもの君が居た。
一瞬だが、目が合うと君はいつもの君らしくなく僕にぎこちなく微笑んだ。
前言撤回、いつもの君じゃない、だって今日から君は僕のもの。
これツンデレか? という詳しい追撃は禁止!
とりあえずすいません。
あげ
キリカがよそよそしくなってから数週間。定期試験もぎりぎりで切り抜け、あとは春休みを待つのみとなった。
学食でシュウジにしこたま怒られたあの日を境に、キリカとの会話が今まで以上に少なくなった。俺は普段と変わらず接しているがキリカの口数が圧倒的に減っている。
俺が何かを問えば小言と一緒に返事が返ってきたものだが、今では小言すら言わなくなってしまった。基本的に「うん」「ううん」「そう」の三言で返されるから俺も話の膨らましようがないというものだ。
それに加えて食事は部室で取ると言い始めるし、授業がないときや終わった後は部室に入り浸りだ。本人曰く、会誌に載せる絵本を描いているらしいのだが作業の欠片も見せてくれないので何とも言えない。
俺がとやかく言うことでないのは承知しているつもりだが、張り合いのなさというか、物足りなさがある。
授業中だというのに横でノートに落書きしているシュウジに話しかけた。
「なあ、シュウジ」
「ん?」
ノートから顔も上げずに答える。
「なんかさ、最近キリカ変わった気がしないか?」
「んー、そうかねぇ。僕にはそうは見えないけどなぁ」
「部室ではどうよ」
「今まで通りに活動してるけど。心配なのかい?」
「心配というか……、少し気になるわな」
気にならないわけがない。一緒に食事していた相手がいなくなり、共に寄り道していた相手が自分のいない場所で何かしている。
それは普通に考えれば大したことではなくて、むしろ当たり前のことなのだが、俺とキリカの間においては特別だ。
昼も夜も一緒に動いて、相手の性格も行動も熟知してきたからこそ、今のこの状態に違和感を覚える。
こういう言い方は良くないと思うが、自分のペットを放し飼いで飼っているような落ち着かなさを感じるのだ。
何をするにも目の届くところにいたころと違う。目の届かないところへ行ってしまったキリカが遠く感じる。
シュウジがにやっと嫌な笑みを浮かべた。
「奥さんにだってプライベートはありますぜ、旦那さま?」
「……馬鹿」
俺は呆れる振りをする。
シュウジの言葉を認めるのは悔しいが、そういう考えがすっぽりと抜けていたことに気づかされた。
幼馴染みでいつも一緒で、二人で一つのセットのような生活をしてきたからお互いのプライベートとか秘匿するほどの秘密とか、そんなものは存在しないかのように過ごしてきてしまった。
俺は別段、息苦しさは感じなかったし、キリカにしても一度も文句を聞いたことはない。
そんな「新鮮さ」に触れた俺は、気の迷いからか、ふとシュウジの前だというのにぽろっと漏らしていた。
「俺とキリカは幼馴染みだけど、どんな関係なんだろうな」
若干の矛盾を孕んだ言葉だったがシュウジはまるで待っていたかのように食いついた。
「そりゃあ幼馴染みであることに変わりはないでしょ。血縁関係を除けばこれ以上ないくらい親密な間柄だね。
でもどんなに近くて自分の分身みたいに理解し合えても、やっぱり他人なんだよね。同じ道を同じ速度で歩いていても、歩幅はみんな違うものさ」
そんなことは自明の理。言われなくても判ることだった。ただ、近くて近くて近づきすぎて、キリカの「個」というものが見えなくなっていた俺以外にとっては。
あいつの考えることは手に取るように判ったし、やることなすことに関わっていたのに、当たり前すぎる前提を見失っていたとなっては世話がない。こういうのを間抜けというのかもしれない。
「もしかして、今までキリカ、我慢してくれてたのか?」
「さあ、僕のあずかり知らないことだね。でも一つ言えるのはキリカちゃんもそれなりに満足していたということ」
「満足していた?」
「嫌ならくっついていないでしょう? とっくの昔にさよならバイバイ。自分の行きたいところへランナウェイ。それくらい「幼馴染み」のアキラくんには手に取るように判るんじゃないのかい?」
語末に皮肉を込められたが言われた通りである。嫌になるくらい人のことを見透かしてくる。本当に食えない、憎めない男だ。
キリカにだってプライベートな生活がある。いま感じている座りの悪さは甘んじて受け入れ、消化するしかない。それがキリカのためになる。
俺は自分に言い聞かせるように考えを改めた。俺とキリカの距離がいかに近くても二人は同一人物ではない。どうしようもなく他人だ。
二人の間には隔たりがあって、片方がいないところではそこでの付き合いがある。いくら幼馴染みといえど、そこまで首を突っ込むのはいささかデリカシーに欠けるというものか。
キリカにもプライバシーがあって、彼女には彼女の生活があり、一人の他人であるのだ。
そう考えると不思議なもので、頭の中にぼんやりとキリカの顔が浮かんだ。
嫌というほど見慣れた幼馴染みの顔。よくよく見れば整った顔立ちだった。
鼻梁の通った細面に大きな瞳。小さな眼鏡が中央に配置され、理知的な雰囲気を醸している。セミロングの髪の毛も艶と清潔感が共存しているし、胸は……まあ愛嬌と思えなくもない。
こう考えてみるとキリカは頭に「美」のつく少女といっても過言ではない。さして気にしたこともなかったがキリカも立派に女の子だったのだ。
「なあシュウジ。空調くるってないよな?」
「狂ってないねぇ。どしたの?」
「ぽっかぽかなんだが」
頬が熱い。額が熱い。なんだろうな、これは。新手のインフルエンザだろうか。
「なあシュウジ」
「なんだい、さっきから」
「キリカってさ……実は美少女?」
シュウジの顔がもの凄いニヤけ顔に変形した。まるで罠にかかった獲物を捌こうとする猟師のようだ。
「やっとアキラくんも気づいたかぁ。いやぁ遅い遅い。めでたいめでたい」
「おい、何がめでたいんだ。俺は別に――」
そのときシュウジの携帯が震えた。メールのようだ。片手で確認すると、シュウジはこの上なく嫌なニヤけ顔を作った。
俺は児童文学研究会の部室前にいる。シュウジに問答無用の勢いで部室に行け、と言われた結果だ。理由までは話してくれなかったがシュウジのことだから意味はあるのだろう。
何が待っているか判らないが、一枚の薄い戸が二つの異なる世界を隔てているように感じられた。
俺はゆっくりと手を伸ばす。引き戸の向こう側に足を踏み入れた。
やや暗めの蛍光灯が照らす室内にたった一人。そこにいたのはキリカだった。
「いらっしゃい」
「キリカ……」
長机の端に座って俺を見つめるキリカ。別段、変わりがあるようには見えない。少し、やつれたかもしれないが身体に差し支えはないだろう。
室内は何の変哲もないようで一種、異様な雰囲気が漂っていた。それはキリカが醸しだしているのか。それとも単なる俺の思い込みか。今さっきキリカについて考えを改めたばかりの俺にとっては後者の可能性が高かった。
「座って」
キリカに勧められるまま、俺は適当な椅子に腰掛けた。たまにキリカに付き添って顔を出したことはあるが堂々と中に入って座り込むのは初めてだ。
「何か、俺に用があるのか?」
気の利いた台詞など一文字も浮かばないのだから仕方ない。今までもざっくばらんに話してきた仲だ。そう簡単に変えられるものではない。
「私ね、会誌に載せる絵本を描いたの」
「ああ、知ってる。最近ずっと頑張っていたみたいだな」
「それがやっと完成してね」
「すごいじゃないか」
「うん。それで、アキラに読んで欲しくて、ここに呼んだの」
「ふむ……」
キリカの前には絵本になる前の原稿、クリップでまとめられた紙の束が置かれていた。それを手に取り、俺に差し出してきた。
「読んでみて。話はそれから」
「あ、ああ……」
活力の稀薄なキリカに尻込みしつつも、俺はキリカ謹製の絵本をめくり始めた。
あるところに女の子がいました。女の子は小さくて体もよわく、いつも困っていました。
そんな女の子には男の子の友だちがいました。おとなりに住んでいる元気でやさしい男の子です。
二人はいっしょになって朝から晩まで、毎日毎日いっしょに遊びました。男の子が笑えば女の子も笑い、女の子が悲しむと男の子も悲しみました。二人はいつも、二人で一人だったのです。
そんな女の子と男の子が少し大きくなったとき、男の子がある学校に行きたいと言いました。でもその学校はとてもむずかしく、女の子はいっしょに行けません。
男の子は要領がよく、すこし勉強するだけでいろんなことがわかる子でした。女の子はなやみました。
このままでは離ればなれになってしまう。できればいっしょにいたい。でも男の子が行きたい学校なのだから、わがままを言ったらきっと迷惑をかけてしまう。
女の子はなやんだすえに一生懸命べんきょうしました。毎日毎日、まじめに勉強してとうとう男の子とおなじ学校に行けました。
女の子は大喜びしました。大好きな男の子とおなじ学校に行けるのです。大好きで仕方のない男の子とこれからもいっしょにいられるのです。
男の子ももちろん喜びましたが、女の子ほどではありませんでした。男の子は女の子を「おとなりの子」としてしか見えていなかったのです。
女の子にとって男の子は「おとなりの男の子」で、たよれるかっこういい「男の子」でした。でも男の子はちがったのです。
女の子もたくさん勉強してかしこくなったので男の子のきもちがわかりました。
そして、それからは「女の子」として見られようとするのではなく、「たよれる友だち」になろうともっともっと勉強するようになりました。
そうして女の子はいっぱい勉強して、またおなじ学校に行きました。
そのころにはもう女の子は大人になり、りっぱな女性になっていました。男の子も大人になっていたのですが、女の子にたいしては小さいころとおなじ「おとなりの子」のままでした。
いつまでたってもかわらない男の子のきもちに、女の子はこう思うのでした。
「わたしを好きになってくれなくても、いつまでもいっしょにいられればいいの。でも男の子はいつかべつの女の子を好きになってしまうかもしれない。そうしたらわたしといっしょにいられなくなってしまうわ。どうしましょう」
女の子は考えました。でもいくら考えても、いい思いつきがうかびません。
そんなとき、女の子のところに魔女がやってきました。
「おやおや、なにかこまっているようだね」
「はい。いい考えがうかばなくて」
女の子はそれまでの話をきかせました。
すると魔女はこう言いました。
「それはしかたがないよ。そばにいたくてもいられなくなる。どうしてもいっしょにいたいなら、男の子があんたを好きになればいいのさ」
「でもどうすれば好きになってくれるのかしら」
魔女は手にもったステッキをかかげて言いました。
「あたしなら魔法でなんとかしてやれるよ」
「ほんとうですか?」
「もちろん。ただし魔法には「しっぺがえし」がつきものでね。ちょっと不幸なことがあるかもしれないけど、がまんできるかい?」
「はい。わたし、がまんします」
女の子は魔女にたのんで魔法をかけてもらいました。すると女の子の体がきらきらと光りだしました。
そして、いくらかして光がきえると、そこに女の子のすがたはありませんでした。
そのころ、男の子はごはんを食べていました。牛乳をごくごくと飲んでいると、ふと、頭のすみっこがひらめきました。
「ん、いまのは……」
男の子はふしぎに思いましたが、気のせいだと思うことにしてごはんを食べました。
そこへ魔女がやってきました。
「あんたがあの子の言っていた男の子かい」
「あなたはだれですか?」
「そんなことはいいのさ。それより女の子のことを知らないかい?」
「女の子?」
「小さいころから女の子といっしょにあそんでいなかったかい?」
「いえ、ぼくはずっと一人ぼっちで遊んできました。そんな子は知りません。でも、昔からぼんやりと、だれかのきおくがあるんです。それがだれだかわからないけど、たぶんとってもかわいい女の子なんです」
「そうかいそうかい。それじゃあ、その女の子ことは好きかね?」
「はい、大好きです」
「なるほど。これで魔法はせいこうだね。それじゃあ、その女の子のきおくを大切にするんだよ」
「はい」
魔女はそういうと去っていきました。
男の子は女の子のきおくを思いだしてほほえむと、一人でごはんをたべました。
めでたしめでたし
「これは……」
俺は絶句した。これは作り話じゃない。女の子はキリカ、男の子はこの俺だ。ただ「男の子が行きたがった学校についていくために勉強する」とか「頼れる友だちでいるために真面目になる」なんて話は初耳だ。だが心当たりはある。
大学まで一緒なのは偶然というには無理があるし、高校以降のキリカの真面目さは不自然だった。まるで別人になったような熱心さで勉強し、宿題や予習でいつも俺の面倒を見ようとしていた。
あれはもしかしたら、いや、もしかしなくても俺との接点を作るためだったのか。少しでも俺の役に立って必要とされようと、一緒にいる時間を増やそうと、そういうことだったのか。
「どうだった?」
キリカの顔を見れない。俺は何て答えればいい? 面白かったと言えばいいのか。謝ればいいのか、今まで気づいてやれなくてごめん、と。
そんな無神経なことも傲慢なこともできない。キリカだってそんなことを望んではいないだろう。
それにあのエンディング。
決して「めでた」くはなかった。誰も傷つかない、痛みのない解決法ではあったけど、あれでいいはずがない。
救いがなさすぎる。
キリカは俺の胸中が読めるのか、ぽつりと言葉をこぼした。
「最後ね、どうやって終わらせようか迷ったの。でもやっぱりどれだけ考えても思いつかないのよ。男の子が女の子に好意を持たない限り、男の子はいつしか離れていってしまう。一番妥当で仕方のない結末だったの」
無表情に、淡々と起こった事実を述べるように言う。その絵本が他人の手によって作られてどうしようもなかった、とでも言うように。自分の非力さを自覚した上で、達観した態度だった。
俺は何て声をかけたらいい?
早鐘のように脈打つ心臓がうるさかった。握り締めた拳が震える。額に汗が滲んできた。
「俺はっ、絵本とかあんま詳しくないけど、でもそんな終わり方ってないんじゃないかっ」
気づけば怒鳴るように言葉を叩きつけていた。頭で判っていても口は止まらなかった。
「たとえ、女の子と男の子が俺たちをモチーフにしていたとしても、いや、だからこそ、こんな終わり方はあんまりだ。俺ならもっと、みんなが笑顔になるような終わり方にするぞ」
勢い任せでそう口走っていた。何の考えもなく口を衝いて出てしまった。
するとキリカの顔が歪んだ。無表情な氷の仮面から、一転して怒りの色が溢れていた。
「それなら教えてっ。どんな終わり方にするの? 女の子はどうやって幸せになるの? どうすればいいのよ! 女の子は男の子のことが好きなの! でも男の子は、この女の子のことが好きじゃないの! 女の子がいくら一生懸命になっても振り向いてくれないの!」
烈火のごとく叫ぶキリカ。それからゆっくりと、両手で覆いながら顔を伏せ、さめざめと泣き出した。
部室に一時の静寂が満ちた。キリカの泣き声をBGMに、立ち尽くす俺はまるで大根役者だ。何も声をかけてやれない。
嗚咽を漏らして肩を震わすキリカから、小さな声が聞こえた。
「ごめん、ね。本当は絵本を読んで、それから……告白したかったの。こんなこと言うつもり、なかった。ごめんね」
さっきの勢いがしぼんだように鳴りを潜め、キリカは謝りだした。嗚咽の間に「私、最低ね。ごめん」と自分を責めていた。
まるでキリカらしくない。
目の前のキリカはキリカであってキリカではない。キリカはもっと冷静で大人びていて気丈で簡単に弱音を吐いたりしない。
いや違う。それはいつの間にか「キリカ」になっていた表面上の顔でしかない。
絵本に出てきた女の子はどうだった。男の子を追いかけるように隠れたところで努力していた健気な少女。どれだけ努力をしても報われないと知りながら、それでもそばにいたいと願う儚い少女。
そして肩を震わせながら顔を覆って泣き続ける、眼前の少女。
何も変わってなどいない。俺のあとを追いかけてきて一緒に遊んだか弱い少女は、いま大人となってもなお、健気でか弱くて、何でもないことで涙している。
好きな人がいて、告白したくて、でも上手くいかなくて泣いてしまって。そんな普通の女の子であるキリカが昔とどう違うというのか。何が変わったというのか。
今まで俺は何を見ていた。目に映るキリカという女の子の虚像のみに終始し、彼女の本質が見えていなかったのではないか。
だとしたら責任はむしろ俺にあるのではないか。他人の好意と苦悩に気が付くこともなく、安穏と日々を送り、あまつさえ泣かしてしまった。俺はどれだけ重罪人なんだ。泣いて許しを請うのは俺のほうじゃないか。
俺は訥々と、しかし言わなければいけない言葉を紡ぐことにした。
「別にキリカは悪くないだろう。絵本の男の子と女の子が俺たちなのは判ったけど、これはフィクションで、ちゃんと描きあげたんだから会誌にも載せられる。立派だし褒められるべきことだし、えっと、あーもうそんなことが言いたいんじゃなくてっ」
空回りする頭を抑えて一呼吸。たぶん一世一代になるであろう言葉だけを吐き出した。
「キリカ、俺、お前のことが好きだ」
「…………え?」
時が止まった。ぐすぐすと鼻をすすっていたキリカは目と口を丸く開いて呆然となった。
「シュウジのやつにめちゃくちゃ叱られた。女心が判らないのは罪悪だ、から始まって女性の偉大さまで延々と説教くらった。それと……俺とお前の関係についても啓蒙させられた。
キリカは「幼馴染み」ではあるけどそれだけに尽きる人間じゃなくて、「幼馴染み」でありながら「可愛い女の子」でもあって、「児文研サークル員」として絵本も描いてて、隣に住まうほど近しい「家族」みたいなものだけど、プライベートな部分も持った「他人」でもある。
どれが正しくてどれが間違っているとか、そういう次元の話じゃなくて、全部ひっくるめてキリカだということで。
そうして振り返ってみるとキリカがやけに可愛く見えてきて、いつの間にか綺麗になっていて驚いたし、俺はなんで今まで気づかなかったんだろうと猛烈に後悔しているし。
何が言いたいかというと、話をまとめて一言で言えば――」
パンクしそうな思考回路の中を一つの言葉が滑り落ちていく。俺がようやく気づくことのできた真実。いま言わなければいけない、慰めではない、俺の本当の気持ち。
「今までごめん。大好きだ」
キリカは俺の言葉を理解するのに時間をかけたものの、返事として返ってきたのは紛れもなく俺の記憶の片隅に残る、満面の笑顔だった。
ようやく終了。長文失礼しました。
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
では。
168 :
名無し物書き@推敲中?:2006/09/20(水) 23:08:46
無職残飯、諦めて働け。おまえに小説は無理だって。いや、すべてが無理。ネットで私以外の被害者を探すことだ。ばかやろうwww
保守しておくか。
何だよ、別にお前のためにやったわけじゃないからな。
俺が保守したいから保守したんだ。断じて他意はないぞ。
なにこのツンデレ
>>-167
超亀だけどGJ
171 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/14(水) 12:16:56
バカを演じているのかあの作家志望は
172 :
名無し物書き@推敲中?:2007/03/14(水) 12:47:16
>>1 涼宮ハルヒの憂鬱でも読んでろこのすっとこどっこい。
今のトレンドは、主人公とヒロインの両方がツンデレ…
―――所謂ダブルツンデレ
174 :
名無し物書き@推敲中?:2007/05/13(日) 05:38:40
あげてみようか?
ヒロイン全員ツンデレに勝つには、登場人物全員ツンデレしかないかな。
178 :
名無し物書き@推敲中?:2008/02/01(金) 19:47:27
age
179 :
名無し物書き@推敲中?:2008/02/03(日) 20:47:34
「うー、さむっ」
吐き出す言葉が白い息に変わる。冬の朝だ。なんだって日本の大学入試は冬に行われるのか。ただでさえ、身も心も凍りそうなこの季節に。
(解せん・・・)
背後から吹き付ける風にマフラーを取られそうになりながら、声には出さずに一人ごちる。
(せめて今が、春や夏なら。)
太陽も簡単には顔を出さないような季節でなければ、こんな寂しい気持ちで一人、受験会場に向かわずに済んだかもしれないのに。
俺が受験する大学は、街の中心部から少し離れた山の麓に存在する。
これまた片田舎の自宅からは、電車とバスを乗り継いで小一時間はかかってしまう。
そんな面倒な場所に、何故通いたがっているかというと。
「なに、その信じられないものを見るような目つきは。」
肩の辺りで不規則にねじれる黒髪を風に散らしながら、彼女は不機嫌そうに唇を尖らせる。
実際信じられないからです、とでも言おうものなら殴られる事は明白なので、黙っておく。
「おまえこそ、推薦突破組が何してんだよ。」
T大一般入試の二次試験会場。既に推薦入試でT大文学部への進学が決まっている人間が、何を好き好んでこんな場所にいるのか。
思わず質問で返すと、くるんと丸い彼女の目が吊り上った。キツさを増した視線に居心地の悪さを覚えながら、横目で久しぶりに見る彼女の姿を確認する。
上目づかい。ダッフルコート。制服とは違う柄のスカート。
可愛い、などと素直に感想を述べたりしたら、今度こそ真っ赤になって怒鳴られるので、あえて黙ってみる。
「あんたが悪いんでしょ!!」
言われて言葉に詰まる。否定できない。
「あんたが推薦落ちたりするから、こんな時期まで不安なんでしょ?!」
言葉の端に感じるプレッシャー。見上げてくる彼女の視線が痛い。
『T大学に行きたい』と初めに言い出したのは、誰あろう俺なので、何も言い返せない。
「R大の推薦なら確実って言われてたのに、蹴ったりするからよ。」
「いや、R大じゃ意味なかったんだって。」
「何で。」
「・・・・おまえ居ねーじゃん。」
180 :
名無し物書き@推敲中?:2008/02/03(日) 20:51:14
>>179続き
「馬鹿じゃないの。」
口に出したそばから大後悔している俺の耳に、彼女のため息が聞こえて、心底情けない気分で向き直ると、赤い顔でこちらを睨み付けている彼女の視線に出会う。
その瞳が潤んでいるように見えるのは、俺の気のせいなんだろうか。いや多分思いっきり気のせいなんだけれど。
「これ・・・ついでだから持って来てやったわよ。」
ふいに彼女の指が手に触れて、心臓が跳ねる。 ポケットから取り出した何かを、ぎゅっと俺の手に握らせると、彼女は掬い上げるような瞳をこちらに向けた。
視線が、先程よりも優しくなっているように感じるのは、俺の思い違いなんだろうか。
いやきっと激しく思い違いなのだろうけれども。
「言っとくけど・・・」
その一言を発した瞬間、彼女の瞳の色が変わる。一瞬、見たような気がした優しい光はもう姿を潜めていた。
「言っとくけど・・・」
躊躇うように彼女が視線を逸らし、会話が途切れた。
耐え難い沈黙に、「何を」と口を開こうとした瞬間、勢い良く彼女が振り返った。
中途半端な長さから緩い巻きになるその髪が、ぱっと宙に散る。
「絶対、受からなきゃ駄目なんだかんね!」
なびいた髪が、もとの位置におちつく。
「約束は、守らなきゃ駄目なの。期待だけさせといて出来ませんでした、なんて最低なんだからねっ!」
赤い顔した彼女の瞳が、潤んでいるのは、案外、錯覚ではないのかもしれない。
「うん、頑張る。」
結果がどうなるかは判らないけど、という台詞は、寸でのところで飲み込んだ。
「頑張る。」
改めて繰り返す。
「これ、アリガトな。」
握り締めたままの手を掲げてみせる。彼女の顔がますます赤くなった。
「いいから、早く会場入んなさいよっ!」
怒鳴る声を背中で聞きながら、左手を振って、受験会場になる校舎に足を向ける。
右手を開くと、小さなお守りが『必勝祈願』の文字をその胸に掲げていた。
俺は、驚くほど穏やかな気持ちで、春の訪れが近い事を密かに感じていた。
長くてごめん。
>>179-180 久しぶりのツンデレ小説だ。
読んだけど、GJだなんて思ってないからな。
……久しぶりだからちゃんとしたツンデレレスになってるか不安だ。
182 :
名無し物書き@推敲中?:2008/03/08(土) 16:20:02
age
183 :
名無し物書き@推敲中?:2008/03/08(土) 16:29:01
なんでここで披露すんの?
勿体ない…
著作権はニワンゴに帰属します
主人公がツンデレな小説を読んでみたい
はっ、俺は別にヒロインのことなんかなんとも思ってないんだぜだぜ!
幼なじみヒロインが親友とくっついてもノシ付けてくれてやる、祝ってやる!
……普通にあるだろ、エロゲノベライズとか
>>184 むぅ〜。
あいつ、また私のことを無視して。
今朝学校で目があったら、挨拶くらいしなさいよね。
そっぽ向いちゃって、すぐどっかに行くんだから。
いつもいつもいつも。
お昼こそは、ちゃんとしなさいよ。
「園田」
「なに?」
「えっと、あの、その…、け、消しゴム貸して」
「はァ? 今昼休みでしょっ」
「そうなんだけど、あの、その、次の現国の宿題忘れてきちゃって」
「ふ〜ん。はい」
「あ、ありがとう」
何よ、ノートくらい貸してあげるのに。
一言足りなさすぎ。
信じらんない。
―トクン
やだ、あいつの指があたっちゃったじゃない。
もう…。
「未留美? どうしたのボ〜として? 手になんかついた?」
「う、ううん。な、何でもないのよ何でもない。いやだから、何でもないってば」
「なんで顔真っ赤になるの?」
「エッ・・・」
>>184 むぅ〜。
あいつ、また私のことを無視して。
今朝学校で目があったら、挨拶くらいしなさいよね。
そっぽ向いちゃって、すぐどっかに行くんだから。
いつもいつもいつも。
お昼こそは、ちゃんとしなさいよ。
「園田」
「なに?」
「えっと、あの、その…、け、消しゴム貸して」
「はァ? 今昼休みでしょっ」
「そうなんだけど、あの、その、次の現国の宿題忘れてきちゃって」
「ふ〜ん。はい」
「あ、ありがとう」
何よ、ノートくらい貸してあげるのに。
一言足りなさすぎ。
信じらんない。
―トクン
やだ、あいつの指があたっちゃったじゃない。
もう…。
「未留美? どうしたのボ〜として? 手になんかついた?」
「う、ううん。な、何でもないのよ何でもない。いやだから、何でもないってば」
「なんで顔真っ赤になるの?」
「エッ・・・」
なんで連投になるの?
DNSエラーなんてもう最悪じゃない!
ここまでしてあげたんだから、
ちゃんと読みなさいよね。
・・・・本気でツンデレ小説書いてみようかしら
>>188 そこまで宣言したんだから、ちゃんと書きなさいよね!
べ、別に期待してるわけじゃないんだからっ・・・
190 :
らるぐ:2008/05/08(木) 00:45:03
ああん
よく考えたら男のほうがツンデレでも良いんですよね。
男「もう、お前っていう奴は 」
考えるのをやめた。
>>191 ちょ、言葉づかい。
いいか、男のツンデレってのはこうやるんだ。
ゆうちゃんが本屋で背伸びしていた。
よく見てみると、上の方にある本を取ろうとしているようだ。
……とってあげたいけど、恥ずかしいな。
そうだ。こうすれば恥ずかしくない。
僕は無言でゆうちゃんがとろうとしている本を手にとった。
ついでに、そこから二、三冊隣にある本もとる。
「はい、これ」
本を手渡されたゆうちゃんはちょっと驚きながらも、僕を見上げる。
僕はもう一冊の本を見せて、ゆうちゃんに言う。
「ちょうど近くに僕が読みたい本があったから、ついでにね。
別に、ゆうちゃんのためにとってあげたわけじゃないから」
「……その本、読むの?」
「うん。前から読みたいと思ってたんだ」
嘘だ。声が上擦らないように気をつけて僕は答えた。
「ふーん。ようくん、そういうのに興味あるんだ……」
まじまじと僕の本を見つめるゆうちゃん。
やけに食いつくなと思って本を見てみる。
タイトルより先に、布の少ない服を着た美少女のイラストが目に入った。
「……ふーん」
慌てて僕はゆうちゃんの持っている本を見る。
そっちにも同じく美少女のイラストがあった。
「ゆうちゃんだって、同じじゃないか」
「違うよ。私が読みたいのはその隣の本。ようくんが間違えた」
ゆうちゃんは僕に本を返すと、その本を指差した。
手にとってみると、それは推理小説だった。
絶対にこの配置は間違ってる。そう心で呟いた。
>>192続き。
「ありがとう」
推理小説を渡すと、ゆうちゃんは黒く長い髪を耳にかけ、
水晶のように美しく微笑んだ。
学校では一度も見た事のないその笑顔に鼓動が早まる。
「どうしたの? 顔赤いよ?」
表情を不思議一色に変えるゆうちゃん。僕はどう応えて良いかわからない。
「あ、そっか。恥ずかしい本を買うのがばれたから赤くなったんだ。
大丈夫だよ、誰にも言わないから。私、口堅いんだよ」
また微笑むゆうちゃん。僕の顔はどんどん赤みを増していることだろう。
「……けど、ようくんもそういう女の子が好きなんだ。
やっぱり、大人の魅力ってすごいんだねー」
タイトルから察するに、本のイラストの美少女は高校生らしい。
高校生は大人じゃないと思うけど、中学生の僕たちからしたら大人になる。
「ち、違うよ。僕が好きなのは、そのもっと小さい……」
慌ててごまかそうとする。だけど、どうしても次の言葉が出ない。
「その、小さくて、可愛くて……」
心臓の音がゆうちゃんにも聞こえるんじゃないかと思うほど、大きくなる。
「僕が好きなのは……えっと、その、ゆ……」
「ゆ?」
「ゆ、ゆ、雪の精! 妖精が好きなんだ!」
……言えなかった。けれど、どうやら誤解は解けたようで、
「妖精? まだまだ子供だねー、ようくんは」
ゆうちゃんはくすくすと笑みを浮かべていた。
>>193続き。
なんだかんだで、僕とゆうちゃんは一緒に帰ることになった。
理由は簡単。二人の家は隣にあるからだ。
太陽が沈みかけ、赤く染まる道を歩きながら思う。
ゆうちゃんと一緒に歩くのは久しぶりだな、と。
小学生、中学年の頃までは、こうして一緒に歩くのは日常だった。
そうしなくなったのは小学五年生の夏。ゆうちゃんとプールに遊びに行った日だった。
男も女もなく、仲良く遊んでいた僕たち。
その日、プールの周りを駆け回っていた僕は転び、プールに突っ込んで、
他の女の子と遊んでいたゆうちゃんにぶつかってしまった。
そのときに触れた優ちゃんの体は、やわからくて、繊細で、
そして小さなふくらみの感触があったのを今でも覚えている。
「ねえ、ようくん」
その頃だ。僕がゆうちゃんを女の子として意識し始めたのは――。
「一緒に帰ってくれてありがとう」
「家が近いから、断る理由がなかっただけだよ」
「それでもいいよ。私、嬉しいから」
>>194続き。
僕のちょっと先を行くゆうちゃんの顔は見えない。
「ようくん。私ね……」
だから、どんな表情をしていたのか、それもわからなかった。
「ようくんのことが……」
どんな心境をしているのかも。これはいつもわからないか。
「す、す……」
「す?」
「――素敵だと思う」
言いよどんでから言った台詞はそれだった。
「ほら、女の子を助けるそんな優しいところがさ。
うんうん、さすがようくん。私の自慢のお隣さんだよ」
「……誰にでも、こうするわけじゃないよ」
「……え?」
足を止めるゆうちゃん。小さく呟いたつもりだったけど、
風にのってゆうちゃんの耳に届いてしまったらしい。
「ゆうちゃんだけだよ。べ、別にさ、好きだからとか気になるからとか、
そういうことじゃなくて、えっと……小さい子を助けたいって思っただけ!」
「むー、昔は私の方が上だったのになあ」
ふてくされるゆうちゃん。僕の顔はきっと朱色に染まっている。
「ねえ、ようくん」
しばらく無言で歩いていると、またゆうちゃんが声をかけてきた。
「なに? ゆうちゃん」
「ようくんってさ――ううん、私たちってさ」
そして多分、僕だけじゃなくてゆうちゃんの顔も。
「どうしようもないくらい、不器用だよね」
微笑んだゆうちゃんの顔は、夕陽とは違う赤に染まっていた。
なんか勢いでここまで書いてみた。
二レスくらいで終わらせるつもりだったんだけどな……。
「これが本日のタコちゃんウィンナー、ゆうくんとようちゃんに関する物語だ」
弁当箱を前に小林は真顔で語り終えた。率直に言って、俺はこの男を
高校最初の友人に選んだことを後悔し始めている。教室の喧噪のためか、
今の話をほかの生徒に聞かれた様子はなかったが、それでも堂々とこんな
話をする小林の常識を俺は疑った。
「お前……よくそんな話思いつくな」躊躇いがちにいう俺に、小林は仏頂面で
「俺はどんなものにでも物語を発見することができる」と答える。
「じゃあ、ものとか大事にするほうなんだ」
「別に」にこりとするでもない。
「お前、バスケ部とかサッカー部とかはいんの」
俺は話題を変えた。するとこの身長190センチ、体重90キロはあろうかという
大男はさも心外なことを聞いたというふうに目をぎょろりと回転させて、ただ
「文芸部」とだけ呟いた。
小林は苦い顔をしながら弁当を掻き込み始めた。なんとも豪快な食べっぷり
である。紺色の塗り箸を取り出してから食事を終えるまで約二分。しかし
俺は見たのである。端から米をほじくって食べる奴の弁当箱に、二つのタコちゃん
ウィンナーが最後まで残っていたのを。この無愛想な巨人は一番最後に
二個のウィンナーをぴたりと並べ、一瞬だけ箸をその上で泳がせると、意を
決したように二個纏めて摘みあげ――同時に口に放り込んだ。
「ごちそうさん」
手を合わせて礼をする小林に、俺は野人の優しさを見た思いがした。
とりあえずあげ。
199 :
191:2008/05/10(土) 21:22:49
さぁて暇だし書くか。
俺は今日、人生最大級のイベント、いや、試練を迎えている。
階段を昇り、屋上を目指す。
いつもなら駆け足で2段飛ばす階段も、今日は1段1段確実に踏みしめている。
一歩一歩が相当重い。
後悔の表れだろうか…。正直行きたくない。
主催したのは俺だが。
こうすることであいつとどうなるか。
もう二度と顔も見れない状態に陥るのか、それともこれから明るい未来が開けるのか…。
後者を期待したいが、俺は学校中で周知のオタだ。
学校外でも誰がどう見てもオタだろう。
そんな俺だ。
変な期待は持てないが、あいつとの長い歴史で、あいつは俺に変な期待を抱かせ続けやがった。
あいつにも責任があるだろう?
俺がこうしたのもあいつとの歴史に終止符を打つためだ。
いや、なんてネガティブなことを考えてるんだ!
まだ始まっちゃいない新しい歴史の幕開けのためだぜ!
なんて考えてたらあっというまに昇る階段はなくなった。
降りるか、目の前の扉を開くか。
俺にはその2択が出題された。
人生最大の2択だ…。
俺は決意した。
扉を開くと、あいつがいた。
「話って何?」
いつも通りあいつは腕を組んで俺を見下すような視線で睨む。
「おまえ、まさかこんなとこに呼び出して告白でもしようとか思ってるんじゃないでしょうね!?」
はい、的中。
俺の顔がそう反応したんだろうな。あいつは俺の顔を更に侮蔑を含め睨みつけ、
「おまえーーー!!!なんであたいがあんたみたいなオタと付き合わなくちゃいけないのよ!」
終わった。小学生の時からのあいつとの歴史はここでピリオドが打たれた。
あいつだけが何の偏見もなく接してくれていたが、やはり俺なんかは恋愛対象ではなかった。
そして、学校内で唯一普通に接してくれた女子を俺は今日失った。
あいつは目を細めて俺をまだ睨んでやがる。
当たり前か。だって俺はオタだもんな…。誰でも俺みたいなのに告られていい気分はしないよな…。
「で、話ってそれだけ?」
落胆した俺を見てあいつがふっと笑った。
「別に良いけど。何?フラれたとでも思ったの?」
あいつは俺の伏せた顔を覗き込み、唇を押し当ててきた。
この日からあいつと俺の新しい歴史が始まった。
ラノベ的に上ので普通に書き出していけそうだね。挿絵入れてさ。
203 :
名無し物書き@推敲中?:2008/05/20(火) 15:01:57
これで終わらしたつもりなんだけど…。
ラノベはここから書き出すのか。
「馬鹿者……仕事を放って来る奴があるか……本当に馬鹿な……息子だ……ぐふっ」
一行ツンデレ
205 :
地獄の創世神ヘル・ジェネラル:2008/05/25(日) 19:18:38
御機嫌いかがかな、ツンデレ大好きな真性M共ぉぉぉぉ
サロメってツンデレだよな
なんかさ毒男のやつもそうなんだが
ツンデレ小説って案外書いてもらえないよな。
自分で書こうにも書けない
そこで思いついたんだが
オンライン小説でツンデレ小説を探してみないか?
賛成いたらスレ立てるけど・・・
208 :
名無し物書き@推敲中?:2008/08/01(金) 19:07:51
age
オンライン小説でツンデレ
というか、このスレいつ死ぬんでしょうか
もう立ってる意味なくね?www
210 :
名無し物書き@推敲中?:2008/10/20(月) 21:37:14
ageてやろう
このスレ、まだ残っていたんだね。あまりの懐かしさに吹いた。
てっきり落ちたものと思ってたから驚いたけど、
過去に投稿した身としては、何か嬉しい。
>>207 遅レスだが、探すならこのスレで探せばいいんじゃないかな。
ちなみにもう知っているかもしれんが、
電で始まる某ラノベの読者参加企画でツンデレを募集していたことがあってだな。
一応オンラインで読めるってことで紹介してみる。
213 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/10(水) 14:53:04
ツンデレ小説って、何が有るの?
214 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/10(水) 18:47:04
以前書いたツンデ霊でも投下しようか
ホラー雑誌編集者の僕は、取材の為、夜のとある寺院に来ていた。噂では、この寺院には耳の無い女の幽霊が出るそうだ。
僕は半信半疑だったが、編集長の言うことは絶対。しぶしぶ自動車で3時間かけてここに到着した。
車を止め、寺院の本堂へと向かった。
そこは、いたるところが廃れていて、天井には蜘蛛の巣が張り巡らされていた。人なんているはずなく、土足で上がりこんだ。
カバンから小型録音機器を取り出して、それを起動させる。6時間の録音が可能で、どんな小さい音でもばっちり録音する高性能のものだ。
デジタル式の発光腕時計を覗く。液晶画面は夜の11時を示していた。小さく畳んだ寝袋をカバンから取り出し、それを広げた。夏といっても夜は冷える。方々からの隙間風は、寝冷えさせるのに十分な冷気をはらんでいる。
寝袋にもぐりこむと、重い瞼を閉じた。
夜中、何かの物音に目が覚めた。途端、全身から冷や汗が噴き出た。半端ではない量。この汗はどこから出てくるのか、なんて考えてる間に、寝ている僕の枕元に白い着物を着た青白い女が立っていた。
辺りは暗闇。にもかかわらず、その女性は僕の目にはっきりと映った。目鼻立ち整っていて、艶やかな黒髪は後頭部で花かんざしに止められている。なかなかの美女だった。
よくみると、こめかみのすぐ傍に付いているはずの器官が無かった。間違いない、彼女が耳の無い女の霊だ。
だが、僕は驚きの光景を目にする。彼女は泣いていた。両目から流れる彼女の涙は、木製の床に染みをつくった。
215 :
名無し物書き@推敲中?:2008/12/10(水) 18:48:51
「どうして、泣いてるの」
気づけば、彼女に対する恐怖心は無くなっていた。故にそんなことを聞く余裕が出来たのかもしれない。
「あなたも、逃げるんでしょ」
「どうしたの?」
涙を止めずに、彼女は続けた。
「あなたのように噂を聞いてここに来る人は今までも何人かいた。けど、耳の無い私の姿を見たらみんなが逃げ出すの……」
彼女のすすり泣く声が、静かな本堂にこだまする。僕は寝袋から体を出し、立ち上がった。
「こうすれば、わからないよ」
僕は彼女の髪を後ろで束ねている花かんざしを外した。たちまち彼女の黒髪は溶け、顔の線を隠した。それは普通に耳がある女性と変わらない映えとなった。
彼女は一瞬だけ頬を緩め、直後に怒りに任せたような口調で言った。
「よ、余計なお世話よ! だいたいね、私は怖がって逃げる人を見て楽しんでたんだから。さっきのもただの嘘泣きよ」
「違う」
僕ははっきりとそう言った。そして続ける。
「さっきの君は、本当に泣いていた。孤独の涙だった」
「違うっていってるでしょ」
「違わないよ。君が望むなら、僕はずっと君のそばにいてあげたって構わないから、もう泣かないで」
僕は彼女の目元に残っていた涙を指で拭いた。すると、彼女はまた泣き出した。泣きながら、僕の胸元に飛び込んだ。
僕は優しく彼女を抱き返した。幽霊なのに、体温が伝わってくる。彼女は僕の胸の中で言葉を紡いだ。
「バカ……バカバカバカ……本当は、ずっと寂しかったんだから」
そんなことがあって、彼女は今俺のベッドで寝息を立てている。
投下していいの?
内容についてのことだと推測するが、これくらいなら大丈夫じゃね?
218 :
名無し物書き@推敲中?:2009/06/20(土) 21:03:38
どんどん投下してくれ。エロパロ板のツンデレスレが落ちた.........
219 :
名無し物書き@推敲中?:2009/06/20(土) 21:16:35
ツンデレ小説ですって!?
そっ、そんな恥ずかしいの書ける訳ないじゃないっ!
デリカシーってものを考えなさいよね! バカぁ……っ!
220 :
名無し物書き@推敲中?:2009/06/23(火) 22:29:30
ぐあ
221 :
名無し物書き@推敲中?:2009/08/25(火) 20:42:56
あげ
222 :
ウー ◆l56/Brk0mA :
春琴抄読め